第143回国会 安全保障委員会 第3号
平成十年九月十日(木曜日)
    午後一時二十八分開議
出席委員
  委員長 塩田  晋君
   理事 安倍 晋三君 理事 浅野 勝人君
   理事 江口 一雄君 理事 仲村 正治君
   理事 石井 紘基君 理事 前原 誠司君
   理事 赤松 正雄君 理事 西村 眞悟君
      逢沢 一郎君    麻生 太郎君
      伊藤 達也君    臼井日出男君
      大野 功統君    嘉数 知賢君
      河井 克行君    岸本 光造君
      栗原 裕康君    小泉純一郎君
      佐藤  勉君    阪上 善秀君
      田村 憲久君    中谷  元君
      中山 利生君    船田  元君
      宮島 大典君    山崎  拓君
      吉川 貴盛君    岡田 克也君
      玉置 一弥君    中野 寛成君
      横路 孝弘君    冨沢 篤紘君
      東  祥三君    二見 伸明君
      中路 雅弘君    東中 光雄君
      辻元 清美君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 高村 正彦君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 額賀福志郎君
 出席政府委員
        防衛庁長官官房
        長       藤島 正之君
        防衛庁防衛局長 佐藤  謙君
        防衛庁運用局長 大越 康弘君
        防衛庁人事教育
        局長      坂野  興君
        防衛庁経理局長 大森 敬治君
        防衛庁装備局長 及川 耕造君
        法務省入国管理
        局長      竹中 繁雄君
        外務省総合外交
        政策局長    加藤 良三君
        外務省アジア局
        長       阿南 惟茂君
        外務省北米局長 竹内 行夫君
        外務省条約局長 東郷 和彦君
        大蔵省国際局長 黒田 東彦君
        通商産業省貿易
        局長      佐野 忠克君
 委員外の出席者
        会計検査員事務
        総局第二局長  諸田 敏朗君
        安全保障委員会
        専門員     田中 達郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
九月一日
 辞任         補欠選任
  杉山 憲夫君     小野寺五典君
  佐藤 茂樹君     西  博義君
同日
 辞任         補欠選任
  小野寺五典君     杉山 憲夫君
  西  博義君     佐藤 茂樹君
同月十日
 辞任         補欠選任
  池田 行彦君     中谷  元君
  河井 克行君     宮島 大典君
  杉山 憲夫君     逢沢 一郎君
  佐藤 茂樹君     東  祥三君
同日
 辞任         補欠選任
  逢沢 一郎君     杉山 憲夫君
  中谷  元君     池田 行彦君
  宮島 大典君     河井 克行君
  東  祥三君     佐藤 茂樹君
    ―――――――――――――
九月四日
 有事法制化反対等に関する請願(児玉健次君紹
 介)(第七号)
 周辺事態法案等の制定反対に関する請願(中路
 雅弘君紹介)(第五三号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第五四号)
 同(山原健二郎君紹介)(第五五号)
 同(金子満広君紹介)(第八三号)
 同(中島武敏君紹介)(第八四号)
 同(大森猛君紹介)(第九九号)
 同(中路雅弘君紹介)(第一〇〇号)
 同(中路雅弘君紹介)(第一二二号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第一六一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国の安全保障に関する件
     ――――◇―――――
○塩田委員長 これより会議を開きます。
 この際、防衛庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。額賀防衛庁長官。
○額賀国務大臣 去る九月三日、上野憲一元調達実施本部副本部長ほか企業関係者三名が背任の容疑で逮捕され、防衛庁内部部局及び調達実施本部が東京地方検察庁により家宅捜索を受けました。これに続きまして、翌四日には、諸冨増夫前防衛施設庁長官も背任の容疑で逮捕されました。
 装備品調達の業務に従事した調達実施本部の元本部長及び元副本部長が背任容疑で逮捕されるという事態が生じたことは、まことに遺憾であり、残念であります。
 事実関係につきまして、今後、検察当局の捜査等により事態が究明されるものと考えており、その推移を慎重に見守ってまいりたいと存じます。
 本件についての経緯につきまして、簡単に述べさせていただきたいと思います。
 調達実施本部は、平成六年二月、東洋通信機株式会社から提出された契約に関する原価計算の見積資料等に問題があったことから、同年三月から四月にかけて特別調査を実施いたしましたところ、加工費の工数計算に問題があることが判明しました。調達実施本部では、当該契約が信義則に反して行われ、かつ同社もその事実を認めたことから、過去五年間の契約について、過払い分の返還額に関するさまざまな試算を行うとともに、東洋通信機株式会社との折衝を進めたところ、最終的には、返還額は約八億七千四百万円で、かつ返還方法は履行中の契約から減額補正を行うことで合意したものであります。
 なお、東洋通信機株式会社との契約のほかに、日本工機株式会社、藤倉航装株式会社及びニコー電子株式会社との契約においても平成五年から平成七年にかけて工数計算に問題があったことが判明したため、これらの三社から、それぞれ約五億八千五百万円、約三億五千五百万円、約二億九千七百万円の返還を受けているところであります。
 本件事案につきましては、平成九年九月、これら四社との契約において過払い問題があったことかクローズアップされ、それ以来、国会においても御審議いただいておりますが、防衛庁といたしましても、同月、調達実施本部に原価差異事案対策特別委員会を設置し、このような事案が発生した原因などについて分析を行い、これを踏まえて、平成十年二月、原価差異発見能力を高めるための制度調査の拡充、事案処理の客観性、適正性及び透明性の確保を目的とした調達実施本部内における事案処理のための委員会の設置等を内容とする原価差異事案再発防止策を発表いたしました。
 それ以降、これらの再発防止策の着実な実施に努めてまいりましたが、再発防止策の一つの柱である制度調査により、日本航空電子工業株式会社との契約において工数計算に問題があることを発見いたしました。現在、平成四年度分から調査を進めているところでありますが、関係省庁とも連絡をとりながら事案の適正処理に努めてまいりたいと考えております。
 今回の調達実施本部元幹部等の逮捕を踏まえ、今後、防衛庁といたしましてどう取り組むのかについて、その概要を説明させていただきたいと思います。
 今回生起している問題は、防衛庁・自衛隊の行政のあり方について問われているものと認識しております。二十一世紀に向けて、国民に信頼をされ、魅力ある防衛庁・自衛隊を確立するため、問題となった防衛装備品の調達制度や自衛隊員の再就職を初めとする防衛行政について、どうあるべきかを検討してまいりたいと考えております。
 まず、防衛装備品の調達行政については、透明性、公正性等が求められていることから、この際、防衛装備品の調達制度をめぐる基本的課題について徹底的な検討を行うべく、私に今後の防衛調達行政の基本的方向を提言していただくため、部外の有識者から成る防衛調達制度調査委員会を近々設置することにいたしております。この委員会において、原価差異事案対処に関する統一的、明確な基準の策定、部外の有識者による装備品調達契約及び履行に関する監視制度の導入、供給ソースの多様化の追求等の課題について検討していただき、できるだけ早く結論を得たいと考えております。
 自衛隊員の再就職に関しましては、その透明性の確保、規制のあり方等の問題について検討を行い、私に基本的方向を提言していただくため、部外の有識者から成る自衛隊員の再就職の在り方に関する検討委員会を設置し、政府全体で行われている公務員制度調査会の退職の在り方に関する検討グループの検討の状況を見ながら、できるだけ早く結論を得たいと考えております。
 最後に、今回の事案を深刻かつ重大な事態と受けとめ、防衛庁・自衛隊に対する国民の信頼を回復するため、一層の綱紀粛正を徹底するとともに、以上述べました諸施策の推進に全力を挙げて取り組んでいく決意を表明いたしまして、私の報告を終わります。
     ――――◇―――――
○塩田委員長 お諮りいたします。
 去る一日の安全保障委員協議会の記録につきましては、本日の会議録に参照として掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔協議会の記録は本号末尾に掲載〕
     ――――◇―――――
○塩田委員長 国の安全保障に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田村憲久君。
○田村委員 自民党の田村でございます。
 それでは、東洋通信機に絡む背任事件に関しまして御質問をさせていただきたいと思います。
 今、防衛庁長官の方から御説明といいますか御報告があったわけでありますけれども、今回の事件に関する防衛庁の認識し得る概要というのはその中で御説明をいただきました。この事件、昨年の九月に新聞で報道されましてから、その後決算委員会で集中審議等々ありまして、そしてこの逮捕に至ったわけであります。はっきり言いまして、防衛庁におけるナンバーツー、施設庁長官が、前でありますけれども、逮捕された、これは国民にとりましては大変ショッキングな事件であるわけでありまして、しかも、片やといいますか、同時期といいますか、現状におきまして北朝鮮のミサイル問題というものが大変深刻になってきておるわけであります。こういう時期においてこのような不祥事が発覚といいますか、逮捕に至ったというのは、これは防衛庁、大変反省をしていただかなくてはならぬな、そのように思っておるわけであります。
 今の不況の問題というのは実はいろいろなところで言われておるのですが、私は、根本にあるのは、やはり行政に対する不信というのが国の将来に対する不安感に重なっていっておるのではないのかな。大蔵省のいろいろな不祥事もございました。いろいろな発表を行政がするわけでありますけれども、なかなか当たらない、そういうこともあるのであろうと思います。
 そんな中で、きわめつけと言ってはなんなのですけれども、本来最も規律が厳しくなければいけない、国を守る防衛庁がこのようなことをした。これは本当に国民に対する影響というのははかり知れないから、これをしっかりと我々は議論をして、二度とこういうことが起こらないというふうな方向性を示さないと、やはりこれは、景気の面だけではありませんけれども、国民の将来に対する不安感というものはなかなか払拭できない。これは自民党という与党も反省が必要なのだとは思いますけれども、そのような行政や政治のリーダーシップというものもなかなか取り戻せないのではないかな、そんなふうに考えておるわけであります。
 そこで、いろいろな概要をお話しいただいたわけでありますけれども、防衛庁の認識、どのようにこの事件に対して認識をされておられるか、この点をまずお答えをいただきたいと思います。
○額賀国務大臣 先ほど申し上げましたように、防衛庁というのは日本の国民の安全と平和を守るのが職務であります。絶対にうそをついてはいけない、清廉潔白でなければならない、そういうことが国民の皆さん方の期待であります。それにもかかわらずこのような事件を起こしたことにつきまして、私は深刻に受けとめ、国民の皆さん方に対する信頼をどういうふうに回復していくか、それが問われている課題である、それはすなわち、防衛庁と自衛隊に対する行政のあり方が問われている問題であるというふうに考えております。
 今後、こういうことが二度と起こらないようにするためにはどうすべきなのか。まず、調達本部の仕組みについて、何が原因でこういうことが起こったのか、その原因を究明し、再び起こらないようにチェック体制を万全にしていく、そして透明性のある、公開性を持った調達システムを構築していかなければならないというふうに考えております。
 また、防衛庁、自衛隊に対して国民の信頼がないまま、防衛庁や自衛隊に対して不信の目で見られておったのでは、国の存立基盤にかかわってくることでありますから、自衛隊の中、防衛庁の中の我々のあり方をよく考えながら、そして信頼関係を取り戻すために、自衛隊、防衛庁の再就職の問題についても、きっちりとルール化をし、透明性を持った形をつくることによって、国民の皆さん方の不信の念を払拭していくことが大事である。そうでなければ、二十一世紀に向かう防衛庁、自衛隊のあり方がきちっと構築されていかないのではないかという心配をしておりますので、国民の皆さん方の期待にこたえるために、先ほど言ったような改革を進めてまいりたいというふうに思っております。
○田村委員 さて、いろいろと事件が発覚したといいますか、それから防衛庁の対応がどうであったのかな、そういうところに一つの疑問を感じるわけなんです。
 これは石井委員からも以前お話があったと思うのですけれども、一九九三年六月から調達実施本部が調査を開始して、そこで、不正請求といいますか、過大請求が発覚をしてきた。その中で、今回は東洋通信機の件が事件の引き金といいますか、中心になっておるわけでありますけれども、要するに、どうも過大請求がそこであった。あったということがわかってから、返還に対してのいろいろな対応措置というものをとってきたわけであります。
 ところが、同時にやはりOBの方々の、今長官からお話もあったんですけれども、再就職という件が絡んできておったわけでありまして、これは多分捜査当局もここら辺のところを今捜査されておるのだと思うのですが、例えばその年の十月に、十月にというのは、一九九四年六月に和解覚書という形でありますけれども和解が成立した、その年の十月に参事官が顧問として再就職をされておられる。さらには、元横浜支部の幹部というのもその十二月にはその中で再就職をされておられる。技術研究部のOBの方も次の年の七月に再就職されておられる。こういうような部分が、内部調査といいますか、多分調査の中でもある程度わかってきておったのであろうと思うのです、防衛庁の中で。
 そういう中で、なぜ、なかなかその内部調査というものが遅々として進まなかったといいますか、こういう形になってきたのか。防衛庁は、報道以降、一体どういう対応をとられてきておったのか、その点をお聞きをいたしたいわけなんですが。
○額賀国務大臣 この問題が平成六年六月に判明をいたしましてから、防衛庁といたしましては、一定のルールのない過鶏請求、過大払いについて、どういう問題解決を図っていくか、国の損失を最小限にしていくかということについていろいろと検討したわけでありますけれども、その当時は、そのときは既に債権債務関係が消滅をしている中での交渉事でございましたので、企業側も反省をし、非を認めておったので、そこをお互いに話し合いで返還をしてもらう手続を考えたというふうに思っております。それが八億七千万円の返還額になっていると思っております。その当時の時点におきましては、今回の事件になるような要素については、強制捜査権もない防衛庁といたしましては把握をしておらなかったというふうに私は認識をしているわけであります。
 しかしながら、再びこういうことが起こることがないように、昨年の九月の時点で原価差異事案対策特別委員会を設置をいたしまして、そういう原価見積書等の各調査を行ってきているわけでございます。しかも、なおかつ、防衛の装備品の調達システムをさらにルール化し、透明化していくために今回防衛調達制度調査委員会なるものを設けて、学識経験者等の意見も聞きながら、この不信を払拭してまいりたいというふうに努力をしてきたところでございます。
 また、自衛隊員の再就職の問題については、これはもう田村先生御存じのとおり、自衛隊員の場合は、それぞれその性格からして若年定年制があるわけでございまして、その彼らのライフサイクルをどうしていくかということは、やはり将来にわたって国を守る先頭に立つ自衛隊員の確保の意味からいっても、きちっと制度化、ルール化していくことは当然のことでございまして、これにつきましても、知識人、学識経験者の考え方を踏まえながら、制度化して、また透明性を保っていく改革をしていきたいというふうに思っているところであります。
○田村委員 お話をお伺いしたわけなんですけれども、ただその内部調査をする中で、やはり問題になっておる契約企業といいますか、その企業に、和解が成立をしてから、今までの枠よりも多く再就職ということが動いていっておるわけですね。それは、初めから疑うというのは調査の中で禁物なのかもわかりませんけれども、しかし、どうもおかしいぞというのは、調査すれば必然的にわかると思うのですよ。
 その中で、なぜこういう状況が起こってきたのかというのは、ふだんの調査よりも厳しく聞き取り調査もしなきゃいけなかったでありましょうし、どう見ても明白に、和解が成立した後、今まで天下った、天下りという言い方は好きじゃないですけれども、再就職をされておられた東洋通信機という会社に枠が一遍にふえておるわけでありますから、これからこういうことがまた起こるか、起こってもらっちゃ困るわけですけれども、厳しくそういうところの部分もこれからはしっかりと監視をしていただきたいな、同じようなことは二度と起こしていただきたくないな、そのようにもお願いをいたしたいわけであります。
 同時に、これもなぜ途中の内部調査のときにおかしくなかったのかというふうに、気づかれなかったのかと思うのですけれども、これも、るる今までお話があったのですが、先ほど長官が言われましたとおり、東洋通信機以外にも、ニコー電子でありますとか日本工機、藤倉航装ですか、四社が過大請求を行っていたという話であるわけなんですが、東洋通信機とニコー電子、この二社に関しましては、返納金といいますのは、その後の支払い額から差し引いていきますよというやり方を選んだ。ところが、日本工機と藤倉航装はそうじゃなくて、一括請求ですよ、一括して払ってくださいよと。
 それだけじゃなくて、それに対する遅延利息といいますか、これは違うわけですよね。要するに、日本工機と藤倉航装の場合は、これは債権管理法上の八・数%というのを選んでいる。ところが、東洋通信機、ニコー電子というのは、どうも今までの一般的に使われている利息、五年間の平均という話でありますけれども、五%弱ということで、同じような過大請求をしておるのに対応が違う。
 これはどうもおかしいなというようなことを、調査でも気づくべきであったのじゃないかなと私は思うわけなんですが、これは多分その算定の根拠の理由はいろいろとあると思うのです。九だ、それを防衛庁だけでやっておったのではいけないわけでありまして、会計検査院等々に御報告をされたりとか、そういうことはしておられたのですかね。
○額賀国務大臣 今田村委員の御指摘のとおりなのでありますけれども、そこの焦点となっているところが、今度の捜査の焦点でもあろうと思います。したがって、検察当局がこれについては明らかにしていくものと思っております。
 また、会計検査院がどうこうについては、ちょっと事務局から。
○及川政府委員 お答え申し上げます。
 先ほどのような、平成六年六月に東洋通信と私ども調達実施本部とで一種の和解契約ができました時点、そのまとまる直前ぐらいに検査院の方には御報告を申し上げたところでございます。
○田村委員 御報告があったということでありますが、検査院の方には、それが報告があって、それを正当というふうに判断したのかということをお聞きしたいのですが、きょうの新聞を読んでいましてびっくりしましたのが、会計検査院の御子弟が東洋通信機に入られているという話がありまして、そこにもどうもいろんなアプローチがあったのじゃないかというような報道がなされております。事実かどうかは、これは報道でありますから私は確認をしていないわけでありますが、多分、そういうようなことが書かれるぐらい今回の事件というのは私は大変重いものであるのであろうな、国民に不信感を持たしてしまったのであろうな、そのように思うわけでありまして、ぜひともそういうところをさらに身を正していただきたいわけでありますが、会計検査院の方は、どうですか、防衛庁の方から話をいただいて、それは正当ということで判断をされたのですか。
○諸田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 特に報告が義務づけられているわけではございませんが、調達実施本部から、日本工機につきましては平成五年の七月、東洋通信機につきましては六年六月、藤倉航装につきましては七年六月、ニコー電子につきましては九年七月ごろに、返還額あるいはその方法等について報告がございました。
 ただいまお答えしましたように、報告を受けた後に、金額算定の妥当性について確認すべく会計検査院として対応しましたが、原資料等を入手できず、工数等を正確に把握できなかったことから、その妥当性を判断できなかったということであり、その点について御理解いただきたいと思います。
○田村委員 工数等々は理解できないと言うのですが、遅延利息の方は一体何でこれは認めたのかなという気がするのですけれども、まあそれはいいといたしまして、時間が余りないものですから話を進めますけれども、内部調査をやられたという話なんですが、それを公表していただくおつもりは、事件が事件だけになかなか、公表するといいましても捜査にかかわってくる可能性もあるでしょうけれども、仮に裁判等々が終わり、結審した後、そういうものを公表していただけるのですか、内部調査の結果というのは。
○額賀国務大臣 今既に検察当局が捜査中でございます。内部調査につきましては、捜査に影響を与えることも考えられますので、田村先生御理解をいただけるものと思っておりますが、控えさせていただきたいというふうに思っているところであります。
 また、内部調査に基づく防衛庁としての考え方とか評価については、検察庁に報告してあることも事実であります。
○田村委員 また必要になりましたら、裁判がすべて終われば、結審すれば問題ないと思いますので、その折には御公表をよろしくお願いをいたしたいと思います。
 さて、実はいろんな各種の報道の中で、捜査を東京地検特捜部がしておるさなか、上申書といいますか、意見書といいますか、そういうものを防衛庁が東京地検の方に提出をされたというようなことが伝えられておりますけれども、内容は、これもやはり捜査と絡むのですかね。絡まないのなら出していただきたいなと思うのですけれども、いかがでございますか。
○額賀国務大臣 今御報告申し上げましたように、内部調査に基づくこの案件についての防衛庁としての考え方、評価については、正式に何というのかよくわからないけれども、上申書というならば上申書という形で検察庁に出しておりますけれども、そこはやはり捜査に影響を与えることになるので控えさせていただきたいということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○田村委員 いろいろと、報道ですからどこまで本当かどうかという、そういう疑念はあるのですけれども、返納額の査定が正当であるというような、そういう言いわけがましいことが書かれておったというようなことも言われておるわけでありまして、そういうような上申書でなかったことを私も祈っておるわけでありますが、いずれにいたしましても、これも裁判が終われば多分問題がないのでありましょうから、そのときにはお出しをいただきたいなというふうにお願いをいたしたいと思います。
 さて、これは非常にテクニック的な話になると思うのですが、東洋通信機等々がそういう形で過大請求がわかって、その後、現在の返納金額が、正しいか正しくないかというのはこれから捜査、裁判によって明らかになっていくわけでありますけれども、この現在の返納額、これは今それぞれ毎年の契約から差し引かれておるという話ですが、これは我々にわかりやすくそれを確認できるような形で御説明はいただけるのですかね。
 といいますのは、こういうのは非常に疑いを持った話でありますから、それさえも何かうまくやりながら実は返してないんじゃないかというような、そういうことも、これはうがった考えからすれば憶測ができなくもないということで、それは違いますよ、防衛庁としてしっかりと毎年の契約の中から、本来払うべき中からその分だけは差し引いていますよということを、やはり明確にこれは国民の皆さんに提示する必要があると思うのですよ。そこら辺のところは明確に御説明いただけるのでしょうか。
○及川政府委員 御指摘の利益でございますけれども、同社の、当時、平成六年からでございますけれども、履行中の契約から補正するという合意でございました。したがいまして、平成六年から平成七年の五月ぐらいまでにかけまして、同社との契約から減額の変更契約を行って、既に終わっているところでございます。
○田村委員 また私のところに、この後でもいいですから、その流れというものをわかりやすくいただきたいと思います。
 本当にいろいろな問題があるわけですが、私は、実は今回の事件の大きな要因というのが、この契約権限を持っておる部署に、上野さんという、今容疑者でありますけれども、当時副本部長、調達実施本部の方で、長年同じところで一筋に仕事をやってこられたということが大きな要因になってきておるのじゃないのかなと思うわけなんです。
 普通の一般の企業でも、やはりそういうような権限を与えられておるような、例えば各種の資材でありますとかそういうところに多年ずうっと一筋でおりますとやはりこういうような問題が起こる、起こり得る可能性があるということで、ローテーションをしたりしまして、そういうように一部の人に権限がずっと固まらないようにという努力をしておるのです。
 話を聞きますと、一九六二年から九五年まで三十三年間、ずうっとこうやって調達本部一筋で上身さんはきておられる。これは異常といえば異常なんですよね。ここら辺は、なぜこういう形になられたのか、そしてまた、これからこういうところを改善して、同じような事件が起こらないように対処するおつもりはあるのか、お答え願いたいのですが。
○額賀国務大臣 これは、一般公務員でもそうだと思いますが、防衛庁内におきましても、一つの部署には長年は置かない、とにかく予算関係にタッチしている方は多くても二、三年だという形でこの人事交流というのがなされているのが一般的だというふうに思っております。
 調達本部の中で、この原価計算というのはなかなか専門的な分野でありますので、今田村委員が御指摘のように、若干長くおられた方々もいるのではないかということでございますが、やはりここはきっちりと人事の交流をし、組織の点検をし、組織のあり方も含めて、先ほど私はみずからに提言する組織としてこの制度調査委員会をつくると申し上げましたけれども、そこで皆さん方の意見を聞きながら抜本的な改革を図って、再びこういうことが起こることがないようにさせていただきたいというふうに思っております。
○田村委員 よろしくお願いをいたしたいと思います。
 さて、同様に、他の防衛庁との契約企業においても、やはり同じような水増し請求といいますか、その可能性があるかもわからないということで、これをずっと調査をしてきておられるという話でありますが、どこまでさかのぼるかという話はあるのですけれども、ただ、ちょっとお聞きすれば、今まで大体同じようなものをずっと購入をしてきておるから、現在の契約を見れば、その工数等々は以前が大体妥当であったかどうかというのはわかるという話のようでありました。
 今、現状、この調査の中でどういうような結果が出てきて、まだ中間であろうと思いますからすべては、数百社あると思うので検査し切れていないと思いますけれども、中間としてどういうような結果が出てきておるのかお聞かせ願いたいと思います。
○額賀国務大臣 結果についてというよりも、ちょっと、考え方といたしまして、やはり水増し請求事件が起こって不信感を抱いておりますから、防衛庁に関係する企業約二百八十社について、向こう五年間でそういう会計、原価計算の今までのやり方等についてきちっと調査をしていきたいというふうに思っております。
 それから、もう一つは、装備品の調達に当たって、市場原理が働く分野と、あるいはまた、ある意味では独占的な分野とあると思いますが、そういう独占的な分野についての会計とか原価計算は特に注視をしていく必要があるのではないかというふうに思っております。
 これまでの制度調査の結果については、装備局長から話をいたします。
○及川政府委員 お答え申し上げます。
 平成八年度、九年度に既に制度調査をスタートさせておりまして、平成八年度に五社、平成九年度に十四社を対象に実施したところでございます。
 なお、このうち、日本航空電子工業株式会社に対する調査によりまして、同社との契約においても工数計算に問題のあることが判明いたしております。
○田村委員 十九個で一個出てこられたということですから、そんなうまい割合で、比例してあるとは思いませんけれども、可能性的にはそのような割合である可能性もあるわけでありまして、これからしっかりと調査を続けていただいて、やはりこういう問題というものにしっかりここでけじめをつけていただくということをお願いいたしたいと思います。
 続きまして、この事件というのは、もう今捜査に入っているものでありますから、いろいろなことをお聞きしたくても、やはり捜査の絡みでなかなかお話しできないということもあるのですが、我々、新聞等々の報道でいろいろなことを見るわけでありますけれども、その中で、上野憲一容疑者が専務理事を務めておられた財団法人防衛生産管理協会というところがあるわけであります。これが、設立当初から上野容疑者がしっかりとその中に入られ、そして、防衛装備協会自体も、これは例の諸冨前施設庁長官でありますけれども、この方が再就職された防衛装備協会からも二百万円の出資を募って、また、防衛関連産業からやはりそれぞれ出資をたくさん募ってこういう協会をつくられたという報道がなされております。
 さらに、その中で、協会の職員、これは、出向者、各企業の出向者というふうな形、また退職者、そういう方を雇っておられる。さらに、場所が、その支所が、防衛関連産業のそれぞれの事業所の中にほとんどが置かれておるというような、そういう報道になっておるのです。
 その中で、では、職員の給料はどうやって払っているかといいますと、これは協会が払っておるわけなんです。ただ、そのそれぞれの職員、先ほど言いましたそれぞれの防衛関連産業の出向者もしくはOBの方々、それぞれの企業からの委託料といいますか、そういうものでここは運営をされておられる。その委託料がまた職員の給料を若干上回るぐらいの委託料だなんというような報道になっておる。これは事実かわかりません。なっておるのですが、ただ、私は、だからこれがどこが悪いのかということを申し上げているわけじゃないのです。ただ、そういう報道が今本当にちまたに大変多く流れております。これというのも、やはり一番の問題は、今回の施設庁長官までもが逮捕されるというような不信感を生んだ事件が、やはりこのような報道、憶測をいろいろなところで呼んでいる。
 この団体というものが、種々の事実があるのでありましょうけれども、報道の中でいかにもどうもおかしな団体ですよというような報道がなされておるのですが、本当にそのような団体であるのか。それとも、今言われたようないろいろな状況、防衛関連産業の企業の事業所内に支所があったりとか、そこからの出向者とかOBを職員として受け入れているという事実、こういう事実は、何らかの理由があってそのような形態をとっておるのか。本当に報道の中で、もう次から次へと不信感が生まれてくるものでありますから、明確にこういう理由があってこういうような状況なんですよということがあるのであるならば、ここで防衛庁からそのお話をお聞きをいたしたいと思うのです。
○及川政府委員 御指摘の防衛生産管理協会というのは、昭和六十二年のココム規制違反事件、あるいは平成三年のミサイル部品の不正輸出事件等の反省のもとに、防衛産業界が中心になって設立されたものでございます。先生御指摘のようなさまざまな報道を私どもも聞いておりますけれども、それが事実かどうか必ずしも把握いたしているわけではございません。
 ただ、いずれにいたしましても、御指摘の、例えば会社の方にそういうところがある、それも一部あろうかと思いますが、かなり防衛の秘密事項に関するものの管理を行うことを一つの大きな任務にいたしておりますので、それにかかわる企業のOBの方たちにお願いをして、そしてその実務に携わっていただくというようなことをやっていることは事実でございます。
○田村委員 種々の報道が本当にありまして、何か疑惑といいますか、そういう目でやはり防衛庁のいろいろな関連の業務というものが見られている。ここなんかもやはり防衛庁が認可したそういうような財団法人であるという話でありますけれども、どういうところからつつかれても、もしやましいところがないのであるならば、それはそうじゃないですよ、こういうような趣旨でこういうような業務を今やっておって、職員の構成はこういうものですよということをやはりはっきりと言っていっていただきたいな、そういういろいろな今疑念に対してそれを晴らしていっていただきたいな、そのように思うわけであります。
 とにかく、毅然とした姿勢で、防衛庁が、悪いことは悪いで、これは認めなきゃいけません。ただし、やらなきゃいけないことはやらなきゃいけないので、これはいろいろなことを恐れてたじろいでいてはいけないわけでありまして、そういうスタンスでやっていっていただきたいと思います。
 いずれにしましても、天下りの話、先ほど長官からもありましたけれども、この点は、防衛庁だけじゃないのですけれども、国の行政というものが天下りという形でいろいろな企業に行って、そこでいろいろな不祥事を起こしているというような状況があるわけでありますから、これは、毅然とした対応をとっていただいて、対応策というものをしっかりとおとりをいただきまして、先ほど防衛庁長官からるるお話をいただきましたから改めては聞きませんけれども、もう二度とないような、答えがある対応というものをしっかりとやっていっていただきたいと思います。
 それでは、東洋通信機にかかわる事件に関してはこれぐらいで質問を終えさせていただきたいと思うのですが、もう一点、北朝鮮の問題、こちらの方を御質問させていただきたいと思います。
 本当に驚いたわけでありますけれども、まさか日本の上空をミサイルが飛び越えていくとは思わなかったというのが本当のところでありまして、北朝鮮という国は一体何を考えておるのかなというのが率直な感想なんですけれども、いろいろな事実、報道はあります。事実も、一応通告はしておったのですが、時間の関係もありまして飛ばしますけれども。
 きのうミサイルが飛んでくるのじゃないかというような、そういう話がありました。結局はなかったようでありますが、しかし、私が怖いと思いますのは、はっきり言って北朝鮮という国は中がどういう形になっているのかというのはほとんど外部には漏れていない。しかも、金正日という今度国防委員長になられた方、国家元首だというふうな話でありますけれども、この方が外に向かって何もしゃべらない、この方自身も何を考えているかわからない、権力の構造がどこにあるかわからないというような状況で、全く予想ができないという状況であります。
 だから、そういう中におきまして、再度ミサイルの発射の可能性というのは一体どうなんだというのは本当に国民は不安に思っておると思うのです。ここら辺はどのように、これは外務大臣にお聞きした方がいいのですか、どのように今、認識といいますか、情報収集されておられるのか。
○高村国務大臣 本当は防衛庁長官にお聞きした方がいいのだろうと思いますけれども、これまでのところ、再度ミサイル発射を実施するといった確度の高い情報は持っておりません。引き続いて関連情報の収集に努めていきたいと思います。
○田村委員 外務大臣にはずっとそこでお待ちをいただいておったわけでありまして、本当に申しわけないと思っておるわけでありますが、実はこれ、一番我々が恐れるのは、そういうような状況で、要するに何を考えておるかわからぬという国でありますから、一発日本におどしのために撃ってやれという可能性もなきにしもあらずだと思うのです。それが、その後の戦争を目的とした攻撃ではなくて、日本がいろいろとこれから対応措置をとっていくと思います。その中で、一発日本をおどせば日本というのは折れてくるよという中で、それは弾頭に爆薬を積むか積まぬかわかりませんけれども、国内をねらって落としてくるという可能性もある。これが落ちた場合、それは山中ならいいのですけれども、原発に落ちたりとか米軍基地に落ちるということもあるわけでありますが、これが仮に落ちた場合、どういう対応を防衛庁としてはとるのか、戦争と限らない場合ですね。
 要するに、ミサイル攻撃があってすぐにその後いろいろな種々の攻撃が行われてくれば、これはもう完全に敵対行為をもって攻め込んでくるというような意思が表明されるわけでありますけれども、撃ち込んだところで、今回もミサイル撃っていませんよ、人工衛星ですよと言っている国でありますから、ですから、ミサイルを誤射したとも言わない、実験したとも言わない。ただ単に、どうやらレーダーで調べたら北朝鮮がミサイルを撃ってきた、それが日本の本土内に落ちた、その後の北朝鮮からの声明も全然ない、こういう場合はどう対応するのか。これは多分日米ガイドラインの中の有事ですね、日本の国を攻撃された場合と絡んでくるのだと思うのですが、ここはどういう対応になられるのでありましょうか。
○額賀国務大臣 今の田村委員が御指摘の件につきましては、いわゆる自衛隊法七十六条における武力攻撃という場合は、外国あるいは外国に準ずるそういう組織とかそういうものが、組織的、計画的に日本に攻撃をしかけてくるということであろうと思っております。
 今回の北朝鮮の場合、確かにミサイルは発射をした。しかし、北朝鮮の意図、あるいはそれ以降の対応、それから北朝鮮内部の軍事情勢、軍部の動き等々から考えて、そういう事態に対して警戒態勢はしいたけれども、それには至っていないという認識でございます。
 いずれにいたしましても、情報をどうやって収集するかということについては、我々も独自の情報をとり、また日米安保条約に基づいて米軍からも得て、適切に対応したというふうに思っております。
 それから、総合的にどういうふうに考えていくかということが一番大事だと思っております。それで、ではこれはガイドラインの周辺事態に対応するのかどうかということでございますけれども、今の時点ではそういう状況ではないのではないかという意識を持っております。
○田村委員 ちょっとお聞きしたがったのは本国に落ちた場合でありまして、日本の国に。今回は公海でありますからガイドラインの周辺事態なんでしょうけれども、これは日本の国の中に落ちれば、もうこれは周辺事態じゃないのであろうと思いますので、本当はそこら辺のところをお聞きしたがったのですが、またそれは今度の機会にということで。
 時間がないものでありますから、最後にまとめて御質問をしたいのですが、実は、今回のこういうような状況の中で、やはり最大であり最高といいますか、最後という言い方もできるかもわかりませんが、日本の対抗措置というのは経済制裁の中においては送金停止であろうというふうに思っております。ただ、これは、いろいろ聞くところによりますと、外為法等々の要件ですぐにできぬという話もありまして、法改正等々が必要じゃないかという議論もあるわけですけれども、その点を大蔵の方から、どういうような要件でこの外為法によって海外送金というものが現状においてはなかなか対抗措置として厳しいというふうになっておるのかという点と、それから、これを制限的に――一遍に海外送金停止するというのでは、それではもうそれで終わりですから、もう切れるカードがなくなりますから、そうじゃなくて、段階的に海外送金を縮めていくというか、そういうような方法はあるのかということと、それがあるのであるならば、外務大臣といたしまして、外務大臣は、すぐにはやりませんけれども、次、ミサイルがもし来るようなことがあれば、そういうような海外送金を、停止じゃなくて制限していくということを北朝鮮にこちらから情報発信していただいて、北朝鮮のミサイルの抑止力に何とかならないか、そういうことを私は思うわけでありまして、そういう次の攻撃に対しての、実験に対しての抑止のためにそのようなことを日本から言っていくつもりはないかという点、これをまとめて、もう時間がないものですから、申しわけないですけれども、お答えいただきたいと思います。
○黒田政府委員 お答えいたします。
 まず第一点の外為法での送金停止の要件でございますが、これは二つございます。
 一つは、条約その他の国際約束の誠実な履行のため必要と認めるときでございまして、典型的には、安保理決議等によりまして経済制裁が法的な拘束力を持ってなされる場合でございます。
 もう一つは、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため特に必要があると認めるときでございまして、これはことしの四月一日から施行されました新外為法で追加された要件でございます。これは、安保理決議といったものがなくても認められる場合でございます。
 ただし、今申し上げたとおりでございまして、いずれにいたしましても、送金停止のような経済制裁を行うためには、その前提として、国際的な協調ということが必要な形になっているわけでございます。
 それから第二点は、そういう制裁をする場合に部分的なことができるかということでございますが、これは結論から申し上げますと、そういうことは可能でございます。
 と申しますのは、外為法に基づきます送金停止のような経済制裁につきましては、具体的なやり方としては、一たん特定国に対する送金をすべて許可制といたしまして、許可申請があったものについてその内容を審査して、特に例外とすべきものがあればそういった送金を許可することもできるわけでございまして、したがいまして、送金停止の範囲をすべてでなくて一定の範囲のものとすることは技術的に可能でございます。ただ、もとより、そういう範囲の決定については合理性があって執行可能でなければならないということはあろうかと思います。
○高村国務大臣 具体的に送金停止ということをやるかやらないかと今から明言することはできないのだろうと思います。できないのですが、このような無法な行為を二度やった場合に、断じて得をさせない、損をしていただく、そういうことを一般的な話として申し上げておきたいと思います。
○田村委員 どうもありがとうございました。
○塩田委員長 次に、石井紘基君。
○石井(紘)委員 防衛庁の調達実施本部を中心とするこの装備品の過払いの問題につきましては、もう昨年の十一月からこの国会でもって何回ぐらいやりましたでしょうか。五、六回、六、七回、数時間にわたって追及をしてまいりましたが、とうとう東京地検特捜部によって捜査の手が入るということになったわけであります。
 防衛庁長官に伺いたいと思いますが、長官は就任をされて一カ月余りになります。就任時に前長官から、この調達事件について、過払い事件について、どのような申し送りといいますか、引き継ぎを受けておられたか。受けておられませんでしたか、おられましたか。おられたとすれば、概略どんなことですか。お答えいただきたいと思います。
○額賀国務大臣 私が防衛庁長官を拝命いたしましてから一カ月とちょっとになるわけでありますが、この案件につきましても久間防衛庁長官から引き継ぎを受けました。久間防衛庁長官は、こういう案件が二度と防衛庁内で起こらないように、防衛庁内部で内部調査をし、制度調査を展開をし、いろいろとチェック体制をつくっているところである、私に対しても、引き続いて万全の体制をとっていくことが国民の信頼を回復することにつながるから頑張ってほしいという引き継ぎを受けました。
○石井(紘)委員 この問題は、大変重大な問題点が幾つも前国会から積み残されて続いていることであります。ですから、そういう渦中で長官が交代されたわけでありますから、当然、従来の長官の答弁その他の対応、あるいは事件そのものに対する態度、行動、こうしたものを現長官は引き継がざるを得ないわけでありますが、そういう点も十分お心得になって、そしてみずから身をもってこの問題に対処していくというお考えで御就任されましたか。
○額賀国務大臣 政府として継続性があるわけでありますから、その流れの中で私なりに、この案件について、国民の信頼を取り戻すためにどうすべきかということを考えていきたいというように思っております。
○石井(紘)委員 総理からは何かありましたか。
○額賀国務大臣 総理からも、この問題が起こった背景について問題点をきちっと把握をし、対応策をきっちりと打ち出してほしいということを言われております。
○石井(紘)委員 継続性ということを言われましたので、幾つかの点、確認をしておきたいと思います。
 まず、装備品の調達について、少なくとも従来は四社、現在では五社ということになっておりますが、過払いがあった、そしてその処理の仕方というものは適正であった、この二つの点をお認めになりますか。
○額賀国務大臣 防衛庁内部の調査によって、過剰請求、過払いがあった、そのために国に損失を与えてはいけないので、どうしたらこれを返還できるかということについていろいろと相談をした結果、言ってみれば私的な契約を再び結ぶような形で返還をさせたというふうに報告を受け取っているところであります。
○石井(紘)委員 今のお話は、適正に処理をしたということですか。そうではないのですか。
○額賀国務大臣 こういうケースは前代未聞のことで、防衛庁内部でも、どういうふうにすべきかという処理基準というか、ルールがない中で、いろいろと相談をした結果、その時点では合理的な返還方法であったというふうに考えて処置をしたというふうに聞いております。
○石井(紘)委員 どうも、前の長官もそうでしたが、ちょっと、多少の自信のなさを持ちながら答弁をされているわけですが、そのように聞いておるということでありましたが、適正に処理をされた、その時点ではなんていうまた限定をされましたけれども、されたということは、従来の答弁と一貫しているというふうに理解してよろしいですか。
○額賀国務大臣 ルールのない中でどういうふうに、企業側も非を認めている中で、国の損失を最小限にし、きちっと整理をしていくかということの合意点を企業との間に見出したという点では、その時点では適切な、合理的な判断であったというふうに報告を受けておるし、今日のように司法当局が強制捜査に入るような状況を把握はしていなかった、また、強制捜査権もない中で、そこまでの情報を得ることができていなかっただろうというふうに思っております。
○石井(紘)委員 当時の状況では適切に処理をされた、ただ、強制捜査が入るような事態は想定されていなかったので、強制捜査が入ったという現在の段階では、これは若干違うのですか、違わないのですか。そこで長官が就任をされて以来とられた行動というものが、この問題について何かありますか。二つの点をちょっと。
○額賀国務大臣 事実関係については、東京地検できっちりと明らかにしてくれることを期待をいたしております。
 私は、就任直後この報告を受けたときに、表に発覚したのは昨年の九月である、一年もたって防衛庁の対応がまだ明快でないということは問題だ、したがって、この問題について、抜本的な対策を立てると同時に一つの区切りをつけるべきだということで、事務局に叱咤をしたことがあります。
○石井(紘)委員 区切りをつける叱咤というのはどういう内容であったか御説明がなかったのですが、それはそれとして、もう一つ、東京地検に対してアクションを起こしたんじゃありませんか。それは長官の名前で出されたんですか。それとも長官は、いずれにしてもこれは判こを押す必要があるんだろうと思いますが、どのようなやり方をとられたんですか。
○額賀国務大臣 防衛庁内部でさまざまな内部調査をしたりしてきておりますので、その結果に基づいて防衛庁としての考え方、あるいはそれまでとってきたことについての評価というか、一定の防衛庁としての考え方を、それが適切な言葉かどうか、僕は司法関係のことは余り詳しくないのでわかりませんが、皆さん方がよく言うように、上申書という形で報告を出したということは知っております。
○石井(紘)委員 知っておりますということは、長官の名前で出されたのではなくて、長官はそれについて裁断を下したというか、了解をしたということですか。どちらですか。
○額賀国務大臣 私が記憶しているのは、次官の名前で出されたのではないかというふうに思っております。――失礼しました。次官まで見せて出されたというふうに聞いております。
○藤島政府委員 実は、現大臣の就任前のことでございます。
○石井(紘)委員 いつですか。
○藤島政府委員 七月半ばでございます。
○石井(紘)委員 そうすると、現大臣額賀長官はそれを見ておられない、次官も当時の次官が見た、そのことをお答えいただきたいのです。それとさらに、そうしますと前久間長官のお名前で出されたものですか、それは。
○藤島政府委員 前長官には御報告はいたしましたけれども、こちらの提出の方の名前は、そういう官名等ではございません。
○石井(紘)委員 だれの名前ですか。防衛庁の責任で出したのじゃないのですか。
○藤島政府委員 防衛庁の責任で出したことは事実でございます。(石井(紘)委員「だれの名前ですか」と呼ぶ)官名ではございませんで、実は、庁というような形で出してございます。
○石井(紘)委員 そういう怪文書みたいなものを、だれの名前もつけないで出したということですか、そうすると。それはだれの判断ですか。具体的に言ってください。それはだれの判断で、だれの決裁ですか。
○藤島政府委員 次官まで御了解を得て出したものでございます。
○石井(紘)委員 そうすると、防衛庁長官というのはもうつんぼ桟敷に置かれたわけですか、それは。
○藤島政府委員 当然事前に御報告はして、御了解いただいておるわけでございます。
○石井(紘)委員 次官までとかなんとかと、聞けばそういうことを言うのだけれども、あなた、一遍に言いなさいよ。
 それで、では、その内容はどういうことなのか伺いたいのですが、従来まで主張してきた、基本的にはその処理の仕方というものは問題がないのだ、そういう立場に立って、しかもこれは防衛上の問題もあるのでひとつ穏便にしてくれという内容であったのか。それとも、自分たちは間違っていないのだ、だから捜査などをすべきではない、こういうようなことであったのか。あるいはさらに、防衛庁がもし当時訴訟手続等をとっていたならば、それはさまざまな防衛庁内部の機密等々があるいは秘密事項が漏れるのでそういうことができなかったのだというようなことを書いてあったのではないか、こういうふうに推測されるわけですが、間違っている点と正しい点を言ってくださ
 い。
○藤島政府委員 当時我々いろいろな調査をした中で知り得た事実、そういうものの前提に立ちまして、我々がどう考えているかということを提出したわけでございまして、その内容は、まさに現在検察当局が捜査をしておる、そういったものに影響を与える内容も含まれておるものでございますので、どういう部分があったとかどういう部分がないというのは、この場で差し控えさせていただきたいと思います。
○石井(紘)委員 影響を全く与えないことを私は聞いていると思いますが。
 同じく、それでは、原価計算の手法などの秘密が漏れるおそれがあるので訴訟には持っていくことができなかったのだ、あるいは、訴訟に持っていくことができなかったというふうに書いてなかったかもしれないけれども、原価計算等の方法が漏れるおそれがあるというようなことを懸念した部分はありましたか。
○及川政府委員 内容については官房長が申し上げたとおりでございまして、差し控えさせていただければと思います。
○石井(紘)委員 これで何で捜査に影響を与えるのか。要するに、これは答弁をしたくないということですね。
 それでは、ちょっとそれは置いておいて、この上申書そのものについて申し上げたいことがあるのですが、防衛庁としてそういうものを出すということは、この今回の捜査というものは、背任容疑でもって諸富、上野、その他の人を特定して逮捕をしたということなのですが、防衛庁が役所としてそういう対応をいたしますと、これは防衛庁に対する背任容疑というふうに受け取っているということに結果的に後でもってなるわけですが、そういう理解は違いますか。どういうふうにお考えですか。
○及川政府委員 申し上げましたように、当時の調査を前提にいたしまして、その調査の結果をもとに私どもの評価、考え方を申し上げたものでございまして、当然のことながら、私どもとしては地検の捜査を妨害するとかそんなことを全く考えているわけではございません。
○石井(紘)委員 妨害とかなんとか言っているのじゃないのですね。そのことによって防衛庁として組織的にこの問題に対応するということになるわけですけれども、それについてはそういう理解でよろしいか。よろしいかもよろしくないかもないわけで、そういうふうになるのですね。そこのところはやはり一つちゃんと押さえておかなければいかぬ。
 それから、その上申書なるものをぜひ、私、そういうことで何を聞いても中身がはっきり当局の方から出てきませんので、そのものをお示しいただきたいと思うのですが、いかがですか。
○及川政府委員 経緯、内容につきましては、これを公にすることによりまして、まさに現在進めておられます検察御当局の捜査に影響を与えるのではないかという懸念がございますので、ぜひ提出は差し控えさせていただきたいと存じます。
○石井(紘)委員 では、委員長にお願いをしておきたいと思います。
 これは委員会として、防衛庁としてそういう行動をとったということであれば、これは大変大きな問題といいますか重大な問題でありますので、それは提出をしていただきたいということを委員長にお願いをしたいと思います。要求していただきたい。
○塩田委員長 ただいまの石井紘基君の資料要求につきましては、後刻理事会で協議いたしたいと考えます。
○石井(紘)委員 そこで、背任の容疑であります。
 私は、かつてからこれは背任罪であるということを主張してきたわけであります。いろいろその根拠はあるんですが、例えば、過払い分の圧縮の方法、その根拠、これが全くあいまいであるということは、従来からの久間長官の答弁でもお認めになっているところであるわけですね。
 それから、しかもその当時、まさに平成六年二月に東通の場合は発覚をして、六月二十七日に覚書を結んで決着をするまで、それまでの間に、いわゆるOBの受け入れというものの交渉があった。このことは、私は東洋通信機の常務に直接はっきりと聞いてきているわけであります。そのことは以前にも申し上げました。要するに、そのときまでの天下り受け入れの枠は七名であった。陸海空、二、二、二、それに調本一人ということで、必ずしも二、二、二にはなっておりませんでしたけれども、七名であった。それに対して、さらに二名を追加して九名の枠を要求されました。それは必ずしも嫌々やったことだとは言いませんでしたが、自分たちも希望したなんということは言っておりました。言っておりましたけれども、そういうことである。現に、事実この十月に一人、十二月に一人、そして年を越えて七月に一人、そのうちの一人は増加分というよりも、以前の人が退職しているからそうなったんだろうと思いますが、そういう経過はこれは事実でありますので、長官、これはそういう天下りの話がその中であったんだということをどういうふうに感じていらっしゃいますか。事実だということをお認めになりませんか。
○額賀国務大臣 言ってみれば再就職の問題でありますけれども、役所にお勤めになっているときに関係する企業の分野にストレートに仕事をしにいくという形は、これは断じて避けていかなければならないし、今後の調達本部のシステム改革に当たっては、ここはきちっと整理をさせていただきたいというふうに思っております。
 それから、当時そういう形が行われたかどうかについて、新聞報道等のことも知っておるし、何人かの人が再就職をしたということは聞いておりますけれども、今度の事件にかかわり合いを持ってそういう形が生まれたというふうには承知をしておりません。
○石井(紘)委員 まだそんなことを言っていると、これはますます身動きがとれなくなっていきますよ、長官。片方は払い過ぎたから返せと、片方はまけてくれというやりとりをやっていたわけですよ。
 そういう中で本来であれば、これは後で申し上げますけれども、詐欺事件とか不法行為、そういうものに当たる、背任でもってこれは防衛庁が訴えなきゃならない問題ですよ。そういうところをなあなあでいろいろやっていたわけですけれども、実際には。しかし、そういうやりとりをしているときにこの枠をふやしたということは、一方でけんかをしながら一方はお願いをしているような話じゃないですか。そういう事実を知りながら、この過払いの返納とは別次元の問題だというようなことが言えるんでしょうかね。
○額賀国務大臣 だから、私が事務を引き継いだときはそういうことについて報告を受けたことはないわけでございます。ただ、今回強制捜査が入って事件の渦中になっておりますから、これは東京地検が事実関係を明らかにしていくものと思っております。
○石井(紘)委員 今のその問題、背任の問題なんですが、ちょっとそれますが、これから申し上げることは、この圧縮をする際に、そしてそれを和解という形に持っていったというところが私は非常におかしいと言っているわけですが、幾つかの根拠をもってそういうことを申し上げてまいりましたが、もう一点申し上げたいんです。
 久間長官は、一般確定契約というものは、一たん見積もりその他をとって契約するとそこで契約が成立してしまう、そしてそれに基づいて払うと債権債務関係が終わってしまうんだということですね。あるいは装備局長鴇田さんは、一般確定契約については、契約締結時に見積もり資料をもらって契約額を確定いたしますと、その後いろいろな意味で原価の差異があってもそれについては差額を返還する義務を生じない、そういった性格のものだと思います、一方、監査つき契約というのは、中途確定契約のことですが、この契約につきましても、これは実際に契約が履行されてしまってその後に監査価格、監査後の価格が決定され契約が履行された場合には債権債務関係は消滅してしまう、こういうふうに言っているわけですね。
 これはつまり、簡単に言いますと、一般確定契約というのは、先にもうすべて決めてしまうんだ、契約の時点で。もう後は監査もなければ何もないんだ、それでもってすべて債権債務関係は終わり、品物を受け取って終わりということですね。中途確定契約というのは、途中でもって一定の監査というものが防衛庁の調本から入りますから、そこで見ながら、そして原価計算の修正をしていって、そして納品の前に価格を最終的に決定する、そうすると、それ以降は債権債務関係は全部消えてしまうんだ、こういうことです。
 そうなりますと、例のこの過払い分について言いましたけれども、内部告発があったとかいろいろ指摘があったと言っても、どうして過払いだということを決めたのか。現にそれは過払いであったわけですよ。それは工数――工数といってもいろいろありますけれども、労務者といいますか、何人の人が何時間働いて、そして一時間幾らだから幾ら、この計算だけが、これだけが偽りであった、こういうことです。
 その他、原価計算の仕方というのは、これは非常に複雑に、精緻にできておりまして、例えば機械が更新されて性能のいい機械になった、そうしたら、それを使う人は性能の悪い、古い、そして労力もたくさん必要なそういう機械でその仕事をするよりは、その一時間当たりの工数というのはこれはまた違う評価をしなければならぬというふうなことがありまして、こういうことについてはもう防衛庁はちゃんとなっておるのだ、ちゃんとなっておって、ただ人数を、人の工数をうその工数を出してきたということだけを言っているわけです。
 しかも中途確定契約より一般確定契約が大宗を占めるということも防衛庁が明らかにしているところでして、この一般確定契約というのは、なぜ最初に全部値段を決めてしまうか、債権債務関係をそこで事実上終わらせてしまうかといいますと、そういうチェックはもうその時点でしてあるのだという前提なんです。
 ですから、もう機械が新しいとか古いとか、あるいは回転がどうだとか設備がどうだとかいうようなことは、その時点で全部してある、そして人数については、この工数についてもそこでもってもう決めてしまうものだということは、これをうその資料を提出して、うそのことを出してきたら、これはもう詐欺しかないのです。不法行為しかないのです。そうでしょう、そこで決めてしまうものなのですから。それを防衛庁は従来の答弁では、いろいろ資料がなかった、原価資料がなかった云々かんぬんと、こういうふうに言い逃れてきたわけですよ。
 そういう資料というものはその時点で全部決めてしまうものですから、後でもって違っていたのはうその申告だった部分だけなのですね。うその申告だということがわかったから過払いを返納させたわけでしょう。だから、何も細かく原価計算をもう一回やり直すとかなんとかという必要はなかったわけですよ。そうじゃないですか。ですから、この点についての従来の答弁は、防衛庁は全く虚偽の答弁をしておったということにならざるを得ません。
 私もこれは専門家じゃないですからあれですけれども、そこで一言だけちょっと聞いておきたいと思うのですが、過払いであったということは、防衛庁がそれを認めたということは、工数が違っておったということですよね。その工数が違っておったわけですから、そうすると、その工数というものはどの企業が違っているかということはわからない。大体一般的にそういう契約の仕方がされていたわけですから、四社に限らず、現に後でもう一社出てきてしまったわけですが、さらにずっと古い話でいえばもう一社あったわけですよね。だから、そういうことは、ほかにはそういうものがないのだということが断言できない話じゃないのですかということはいかがですか。
○及川政府委員 先生おっしゃるとおり、各社の工数が正確かどうかというのを見出すのは大変困難なことでございまして、私どもとしては、基本的には信義則に基づいて、企業の資料等についてはもちろんその制度調査をいたしますけれども、基本的には信義則の上に成り立って商議は進めるべきものだと思っております。
○石井(紘)委員 ですから、防衛庁も認めているように、話を戻しますと、ただ単に企業側が出してきたその工数というものがうそであった、これはうそであったとはっきり言っているわけですから。そうしたら、それはもう不法行為ないし詐欺でもって訴えるしか解決の方法はないのですよ。そうじやありませんか。その工数が違っているのを、うそと本当の間をどうやって結びつけるのですか。
○及川政府委員 工数を操作して正確なものではないものを出してきた。確かに欺罔的な要素があるわけでございまして、何らかの法的措置あるいは司法での解決というのも考えられないわけではもちろんございません。当時のこの事案にぶつかった者は、日本工機の事案以来そういう点も検討した痕跡は残っております。
 ただ、防衛庁の場合、普通の商議と違いまして、御案内のとおり極めて重要な装備品を供給できる会社というのが一社しかない、そこが非常に問題でございまして、もし詐欺で訴えた場合に、当該会社と価格交渉等が一体できるのかどうか。いずれにいたしましても、それを証明する等のことになりますと大変長い時間をかけなければならないわけでございまして、その間もし当該装備品等が充当できないということになりますと、部隊運用ができなくなるという問題がございます。
 他方、今回の四社等にかかわります会社は、いずれもその非を認めまして、支払いに応じるという姿勢を示しておりましたので、であれば、これの中の解決、必ずしも裁判だけではなくて、和解類似の交渉、話し合いの中で解決できるという道もあるのではないかということで、私どもその手法を採用したものだというふうに聞いております。
○石井(紘)委員 そんな答弁は通らないですよ。
 では伺いますけれども、鴇田前装備局長はこういう答弁をしているわけです一私がこの不法行為ということを指摘しましたのに対して、「今御指摘のございました不法行為に基づいて請求をすることも可能ではなかろうか、これは法論理的には可能ではないかと我々も考えておりますし、場合によりましては、例えば詐欺行為があった場合には契約そのものを取り消しにするというベースで議論があり得ると思います。」と。そこで、しかしこう言っているわけですよ。「当時の担当者の判断といいますか処理方針といたしましては、不法行為性あるいは詐欺という刑法的な構成要件を満たすかどうかについていろいろな議論はしておるのですが、実際に、それにつきまして確たる状況といいますか、そういった訴訟を起こして勝てるかどうかということについて、事実関係等でいろいろ難しい点もあるのではないかという議論もございました。」
 これはどういうことかといいますと、いいですか、不法行為なんだけれども、しかしこれを訴訟を起こした場合に勝てるかどうかというと、事実関係でいろいろ難しい問題があるという議論がありました、こう言っているわけですね。ということは、本来はこれは不法行為であり詐欺なんだけれども、防衛庁側にいろいろと腹を探られなければならない問題があるということを言っているのですよ、これは。だから、裁判を起こしても勝てるかどうかわからない、詐欺や不法行為で明らかにこれは企業側がうその工数を出したと言っているわけでしょう。それで、勝てるかどうかわからないということはどういうことですか。それはいろいろな、周辺にうやむやした問題があるからでしょう。だから勝てるかどうかわからない、こう言っているわけです。
 それで、おっしゃるように、「相手企業側が不適切な資料を出したという事実を認めておりまして、改悛の情も示しておりましたので、」相手は認めているわけだと言っているわけですよ。改悛の情なんというのは裁判官が決めることですよ。改悛の情を示しているか示していないかなんということはあなた方が決めることじゃないじゃないですか。これは裁判所が判決を出すときにそれは決める話ですよ、判断する材料ですよ。相手方は認めているというわけでしょう。それができない事情というのがあなたたちにあったのです。そこで訴えることができない事情があったのです。それは、あなた方が、あなた方と言っては申しわけないけれども、防衛庁の調本を中心とした背任ということがあったからですよ。
 ところで、この処理の仕方について、何度も言われておりますように、この四社についてそれぞれ別々の方法でもって処理をした。もう御案内のように、東洋通信機とニコー電子については、金額は東洋通信機の場合は八億七千四百万。そして、その返済方法はこの行われている契約の中から差し引くという。それで、利率は四・八六%。それで、一方の日本工機と藤倉航装については、ペナルティーの利率でもって八・六%ですか、それに即金払い、そういう大きな差をつけたわけでありますが、その過払いということとその返済の方法について大変重大な問題があるわけで、これも今特捜の方で大きな関心を払っているところだと思いますが、過払いということで返納させることにした。それで、それは何でやったかというと、覚書でやった。それで、その返納額を、これは会計法上でいきますと、本来は雑収入として国庫に入れなければならないという法律の規定ですよ。それをどこに入ったか全然わからない、こういう形になっているわけです。
 ここでちょっと会計検査院に伺いたいのですが、こういう場合に、過払いあるいは国庫に対する戻し金というものがあった場合は、これは雑収入として予算上計上しなければならないというのが規定だと思いますが、この会計検査院の見解を伺いたいと思うのです。返納方法について、会計検査院の見解はいかがですか。
○諸田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 本来、過年度に締結した契約におきまして過払いが生じた場合には、会計法令上その返納額は現年度の歳入に計上すべきであると考えております。
○石井(紘)委員 それは当たり前のことですね。会計法上はその返納額はきちっと歳入に計上しなければならない。ということは、防衛庁がとったこの処置の方法というものは会計法に違反しておる、こういうことになるわけです。
 それでは、防衛庁に伺いますが、東洋通信機だけが問題になっておりますが、実はそれだけじゃないわけですが、例えば、東洋通信機について八億七千四百万をどのように返還させたのかということの資料を、もう既に提出していただいておりますので、これを委員の皆さんにお配りしていただきたいのですが。――この返納の方法について、契約の中から差し引くという形で行われたと防衛庁の方は主張しているわけです。それで、過去の答弁を見ますと、契約の中から差し引くあるいは分割の返納、こういう言われ方が久間前長官あるいは鴇田装備局長からなされておったわけであります。
 それで、私は、そもそもこういうやり方というのは、今の会計検査院のおっしゃるように、これは法律違反のやり方であるわけですが、それにしても、こういうように、どこに入ってきたのだかわからない。過払いがあって、返してもらわなければならないというところまでは、いい加減だけれどもやった。それで、ところが、返してもらったというのは、この表にありますように、「ニコー電子及び東洋通信機の返納額の減額処理状況」ということで、例えば東洋通信機を見ますと、平成六年の六月二十七日から、六年の六月二十七日というのはどういう日かといいますと、覚書が締結をされた日ですよ。その当日から既にこういうふうな、実行されたかどうかわかりませんが、こういうふうな挙げられ方がしているわけです。それで、翌年の平成七年の五月十日までですね。この契約金額の、防衛庁が言うところの本来、当時の契約金額から変更をして、そして隣の欄に書いてあるこの契約金額にした、その差額は、減額分は、一番最後の行に書いてあるものであって、八億七千四百万だ、こういうことになっておるわけですね。
 ところが、こういう表を出されても、これはどこにも、予算上も決算上もあらわれてきていないわけですよ。これはどうなのですか。これは一件一件、契約というものは、まずどういうふうにやったのでしょうか。かつての局長の答弁によりますと、新たに契約関係、債権債務関係をつくって、それに基づいて国庫返納とか契約額の変更をしました、こういうふうに言っているわけですが、これは、この契約、東洋通信機の場合は百八十五件挙げられておりますが、これについて、要するに、契約関係を新たにした、そして新たな債権債務関係を生じさせた、こういうことが言えるのですか。
○及川政府委員 お答え申し上げます。
 まず、平成六年度進行しております契約があるわけでございまして、その金額から、これは比率は大体同じだろうと存じますけれども、変更後の契約金額に減額する、いわゆる契約の変更を行うわけでございます。それによって減額が生じますので、その減額は払わないで済む金額ということになるわけでございます。
○石井(紘)委員 以前の答弁では、契約の変更というようなことは言っていないわけですよ。新たな契約関係を結ぶと言うのですよ。少なくても、新たに契約しなければ、返してもらうというのはわからないし、それからまた、こういうやりとりをするにしても、この一々の支払いのときに、返納額というものはこれこれですといってそれを別々に扱ってやっていかなければ返納額というものはわからないじゃないですか。これはもうやみからやみへこれを消し去ってしまったということじゃないですか。どうなのですか。
○及川政府委員 やみからやみというよりは、それぞれの契約を新しいというか、額を変更した、減額した、言ってみれば新しい契約かもしれませんけれども、そういうものにして、減額された分につきましては払わないで、もちろんその低くなった数字で最終的には払う、こういう形にしたということでございます。
○石井(紘)委員 何か友達同士の金のやりとりじゃないのですから、おまえ、こっちでこの間貸したから、きょうはこっちでおごれよ、こういうような話じゃないのですから。これは全くでたらめ。
 ここでどうして債権債務関係がこの中で明らかになっていますか。どこに明らかになっていますか。
○及川政府委員 全体はトータルとして、いわゆる合意に達しましたときに覚書を結ぶわけでございまして、その中で債権債務が新たにまさにできた、こういうことだろうと存じます。それに基づいて、今先生御指摘になりましたような形での個々の契約によって減額修正が進んだ、こういうことでございます。
○石井(紘)委員 だから、国と企業との間の新たな債権債務関係というものは覚書によって決められたはずなのですよ。これは全体はでたらめなのだけれども、私はそういう前提で言っておりますが、決められた。そうすると、その債権債務関係の実行というものがなきゃいかぬわけですよ。それがどこにこの中に、この中にというか会計上、経理処理上、あるいは予算、決算上出てくるのかということになりますと、どこにも出てこないでしょう。これはやみからやみに消し去ったということにほかならないわけですよ。
 ところで、覚書というものがないと、どういう債権債務関係を締結したのか――これは予算上の問題であり、国の決算上の問題ですよ。覚書というものは、これは出してもらわなくちゃこういう議論は進められないのじゃないですか。
○及川政府委員 先生おっしゃいましたように、このような経理の処理自体が恐らく今回の捜査の極めて重要な核心的なポイントとして捜査の対象になっているのだろうと思います。したがいまして、大変恐縮でございますが、覚書につきましては、現段階では提出は差し控えさせていただきたいと存じます。
○石井(紘)委員 私がきのうの朝からその覚書というものといわゆる返納額の処理状況というようなものを出すようにと言って要求をしてきたわけであります。そうしましたら、防衛庁の方から文書でもって来た回答があるのです。
 そういうふうに、出さないと言うのだったらこれは審議ができないわけですから、私もこれは言わなきゃいけません。六月十二日の予算委員会で協議し、その取り扱いが保留になっているから、結論が出るまで保留させていただきたい。この六月十二日の予算委員会というのは私がやった質問ですが、この中で覚書を出すように要求しました。ところが、どうしても出さないので、予算委員長に一応その場は出すように、請求するようにということを私は申し上げましたけれども、その後予算委員会では、理事会でも何でも、どこでもこの問題は扱われていないのです。
 きのうは予算委員会で保留になっているといううその文書を出してきて覚書が出せない、こう言ってきたのですが、きょうは捜査の云々ということでこれが出せない、こう言っているわけですが、捜査じゃないのです、国の予算、決算の問題なのです。ここでもって新たな債権債務関係を生じさせているのでしょう。新たな契約を結ぶとか、あるいは変更するということか知りませんけれども、そういうふうなことをここでもって、この覚書でもって決めてあるのでしょう。それだったら、それがなければどういうふうに国の予算というものが処理されてきたのかということはわからないじゃないですか。
○及川政府委員 私どもとしても御説明し得る限りのことは御説明させていただいているつもりでございますけれども、まさに御指摘の覚書につきましては、今回の事案のまさに契約の中心になっているものでございますので、捜査真っ最中の現段階におきましては、公表はぜひお許しをいただきたいと思います。
○石井(紘)委員 これは委員長にお願いですが、そういうことでありますので、どうしてもこの覚書というものは本委員会に出してもらわなくちゃ審議がこれ以上できないものでありますから、これはひとつ委員長の方で早急にお取り計らいをいただきたいと思います。よろしいでしょうか。
○塩田委員長 ただいまの石井紘基君の資料要求につきまして、後刻理事会で協議をいたします。
○石井(紘)委員 ちょっと先ほどの話に戻りますが、この四社、五社以外にもたくさんあるのだということは状況的にはっきりしているわけですよ。例えば、東京航空計器というような会社がやはり防衛庁の取引先であります。この顧問は五人おりますが、全部防衛庁のOBだけです。あるいは常務取締役も防衛庁のOBが入っておる。あるいは三波工業、ここには三人の顧問がおりますが、これも防衛庁のOB。大川工業、ここにも取締役、監査役それから顧問。横河電子機器に至っては顧問が六人、相談役が一人、取締役が一人。三菱プレシジョン、顧問五名。こういうように、例の防衛生産管理協会の専務理事をやっておって今逮捕されておる上野さんが顧問料をつい最近までもらっておったシー・キューブド・アイ・システムズ、ここにも、そのほかにも顧問が何人かいらっしゃる。
 こういうようなことは、防衛庁は調べているのか、調べていないのか。このぐらいのことはやらなければ、国民がこの問題についての、これは大きな疑惑と防衛庁に対する不信を深めるばかりですよ。
 そこで、防衛装備協会というものは何をやっているのですか、これは。防衛装備協会の決算書というものを見てみましたよ。これは、公益法人としてやっている事業は二千万円しかない。ところが、どういうことを仕事としてやっているかというと、防衛装備の保守とか、何かそんなことをやっているというのですが、機械一台なければ、設備一つない。こういうのが防衛装備協会。
 あるいは、防衛生産管理協会というのはどうかといいますと、この生産管理協会というのも、これもまた、会計の書類によって数字が違うので非常に困るのですけれども、大体四千万円ぐらいの仕事しか公益事業としてはやっていないんだ。それも、公益事業といったって、企業へ行って、そして機械の前に行って、そして――生産管理協会ですから、これは、生産管理協会がやっているのは、講演会を開いたり研究会をやったり、あるいは資料を委託したり、調査委託というようなことばかりですよ。それで、それぞれ二千万円とか四千万円とかという規模の事業しかやっていない。
 しかし、収益事業となると全然けた外れなんですね。収益事業は、これは膨大にやっている。ここがいろいろな防衛産業と防衛庁との癒着の温床になっているわけです。これは公益法人の体をなしていない、まさに。
 公益法人というのは、不特定多数の利益に資するものだということになっているわけですね。ところが、これは不特定多数どころか、防衛関係の企業をいろいろと、そういう中で研究会をやってみたり講演会をやってみたり、場合によったら、いろいろな話によりますと、これがいろいろ天下りだとか、いろいろ上野氏や何かの、顧問になったりコンサルタントになったりというようなことのその舞台にもなっているという話もあるぐらいですね。
 この少なくとも二つの財団法人というものは、トップが諸富さんであった、もう一つは専務理事はこの上野氏であった。非常に疑惑に満ちた、不透明な、筋の通らない団体でありますので、この財団法人の二つを、長官、これは認可を取り消すべきだと思いますが、どうですか。
○額賀国務大臣 今、石井委員からの御指摘でありますが、確かに、防衛生産管理協会及び防衛装備協会の両協会の幹部が逮捕され、そして東京地検から強制捜査を受けているということは、まことに衝撃的であります。
 この両協会、必要があってつくられたと思いますが、この事件のかかわり合いによってどういうふうになっているのか。実態が明らかになっていくに伴い、私どもも、本当に必要なのかそうでないのか、捜査の明らかになることによって考えていきたいというふうに思います。
○石井(紘)委員 そうすると、捜査の状況によっては、この二つの財団法人の認可を取り消すということもあり得るというふうに理解してよろしいですか。
○額賀国務大臣 この両協会の仕事がこの東通事件に直接かかわり合いを持っているとは思っておりませんけれども、この両協会の幹部が逮捕されて、その協会内部が強制捜査を受けたものですから、その捜査の結果を待って考えても遅くはない、そういう意味であります。
○石井(紘)委員 それは遅いかもしれませんから、早くやってもらいたいと思います。
 そこで、先ほどの原価計算の過払い分の処理の仕方をめぐっては、これはいろいろとわからないことばかりですね。先ほどからいろいろ聞いても、捜査中だとかどうだとかということで、わからないことばかりです。
 東洋通信機のある役員はこう言っておりました。その東洋通信機と調本とのやりとりの中で、いろいろな金額が出てまいりました、二十四億五千万という金額も出てまいりましたと。それから、前の鴇田装備局長もそれに似たような言われ方で答弁しているわけです。いろいろな試算というものがあったことは事実ですということでした。あるとき、二十四億五千万という数字が出た。それに対して調本の幹部が、これではちょっと高過ぎると。企業の側としてはやはり十億以内に抑えてもらわないとこれは処理が困るので、何とかそういうふうにしてくれと。東洋通信機の方も、なるべく安くしてくれ、金額を少なくしてくれというお願いは確かにしましたと、こういうことは私にも直接言っているわけです。
 そこで、一体この経過の中で幾ら幾ら幾らというような数字が出てきたのか、そのことをお答えいただきたいと思います。
○及川政府委員 試算でございますので、たくさんあっただろうと思います。十指に近いものがあったのではないかと思いますけれども、正確な数字は現在手持ちを持っておりません。
○石井(紘)委員 十指に余る数字が出てきた、そうすると、それはそれぞれについて、なぜこうなんだ、こういう試算をすればこうなんだというようなものは出せますか。
○及川政府委員 まさにそういうところが問題だろうと思いますので、御容赦いただきたいと思います。
○石井(紘)委員 そうすると、それはわからないということですね。
 このやりとりの経過の中で、人を引き受けてくれというような話があったということを東洋通信機は言っておりますが、調本の方は言ったのですか、言わないのですか。
○藤島政府委員 捜査権のない我々が、当時調査しました、その中では、そういうふうにバーターといったような関係があったというような確認は得られていないということでございます。
○石井(紘)委員 そういうことを聞いているんじゃなくて、そういうことを求めたのか求めないのかということを聞いているのですよ。
○藤島政府委員 推測するところ、今捜査もその辺が核心の部分じゃないかと思われるものでございますので、答弁は差し控えたいと思います。
○石井(紘)委員 それも答弁はできない。
 この解決に当たって、これまでの重大な虚偽答弁の一つは、この東洋通信機の八億七千四百万円というのを算出するに当たって、交際費だとかあるいは広告費だとかというものは、入れちゃいけないんだけれども入れましたということは言ったのですが、社内融資金利というものは、これが一番大きいはずなんですね、これを入れた経過というのはどういうことなんですか。
○及川政府委員 いろいろな計算の中の原価の一要素ということであったろうかと思いますが、まさにこれも捜査の一つのポイントであろうと存じますので、お許しいただきたい。
 それから、さっき私、十指に余ると、少し口が滑りました、さまざまなというふうに言いかえさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○石井(紘)委員 東通と具体的にこうしたやりとりをした六年の二月から六月までの間、そのやりとりの指揮をとっていた、前線でとっていたといいますか、その責任者はだれだったですか。これは上野さんですか。
○及川政府委員 担当の部長は、東通に関しては上野容疑者であったと思います。
○石井(紘)委員 そして、その上野さん一人がやりとりをしていたわけじゃないのでしょう。いろいろ事務的な連絡だとか、そのそばにだれかいて、そして記録をとるなりあるいは試算をするなり、そういうことをやっていた人はいるんでしょう。
○及川政府委員 それぞれの担当部門の者が命じられて作業をしたと存じます。
○石井(紘)委員 私の理解している範囲では、その当時この任に当たっていた課長は井内さんという方で、そしてその補佐をしていたのが安藤さんという方で、東洋通信機の幹部に私がお会いしたときは、その方々なんかがかなり頻繁にいろいろやりとりを、事務連絡か何か知りませんが、しておりました。ですから、そういう何といいますか、日常的ないろいろな連絡係はそういうところがやっておった、そして記録をつけておった。いろいろな報道によりますと、例えばこの東洋通信機の幹部の方だとか、あるいはNECの方だとかが、調本にこの間に何度かお見えになったとか、あるいは、話本の幹部とこの減額の方法について、過払いの処理の仕方についていろいろと打ち合わせをしたということは、どの程度どんな状況であったわけですか。
○及川政府委員 先生御案内のとおり、今回の逮捕された方たちの中には、元NECの職員の方もおられるわけでございます。したがいまして、今御指摘の点につきましては、恐らく捜査の中身に触れることになりますので、御容赦をいただきたいと思います。
○石井(紘)委員 とにかくいまだに、なぜ八億七千四百万円になったのかというようなことは全然解明されないわけですね。そして、幾つもの案があった、試算があった、これがどういう根拠であるかということもわからない。だれとだれがどう打ち合わせをしたかということも、これもわからない。
 そうなりますと、この担当の任にあった人が、上野さんはもう逮捕されてしまいましたから、この井内さんとか安藤さんという人がここへ出てきてそれを話をしてくれなければ、この問題の解明というものはできない。できないわけですよ一国が莫大な金を払い過ぎたのに、何で八億七千万円しか返してもらえなかったのか。四社合わせても数百億の、六百億、七百億だったと思いますが、金を払っているのにですよ。それで、返してもらったのは二十億ちょっとである。なぜそうなのかということはわからないじゃないですか。
 これは、調本の井内さんと安藤さんというものを、当時の担当者をここに呼んでいただかなければ、もうこの問題の解明ができないということでありますので、ここに出席を求めたいと思います。ほかの委員会では、役所の内部の人ですから、気軽に出てきてやっているんですから、何で防衛庁は自分のところの職員が出せないのか、そんな出せないなんということはないわけです。どうぞ答弁を。
○塩田委員長 速記をとめて。
    〔速記中止〕
○塩田委員長 速記を起こしてください。
 石井紘基君。
○石井(紘)委員 これはやはり、ことしの通常国会における決算行政監視委員会なんかでは、ちゃんと総務庁の普通の職員の方が、必要だからと言えばすぐ来て、そして答弁をされているわけですよ。それを防衛庁はかたくなに、こうやって資料を出してくれと言ってもうその言いわけをして、予算委員会でどうのこうのなんて、ペンディングになったなんてうそのことを言って、そして出してこないとか、そして、必要な、一番わかっている皆さんの答弁は、そう聞いておりますという答弁ばかりでしょう。あるいは、捜査が入っておりますので微妙でございますとか、そういうものばかりでしょう。実際にそれに携わった人で、私は、その方々は命令を受けて精いっぱいやった方々ですから、その方々が何か犯罪的なことを行ったとは思っていないのです。そういう方々さえも出してこない。それに聞けば明らかになるのですよ。
 この審議は何のためにやっているのですか。これは、この防衛庁の過払い、税金の不当なむだ遣い、これを究明し、今後こういうことが起こらないようにするためにわざわざ国会でもってこういう委員会をやっているわけじゃないですか。私だって、あるいは防衛庁の皆さんだって、深夜まで、夜も寝ないで答弁に対する対応をいろいろと苦心しておられるというようなことだって、何のためにやっているのですか、これは。そのことを申し上げて、私は、まだ時間がありますけれども、その方が出てこなければ質問ができませんので、続けられませんので、ここでもって質問を中断をさせていただきます。そして、皆さんの御都合もおありでしょうから、次の赤松委員にお譲りをしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
○塩田委員長 次に、赤松正雄君。
○赤松(正)委員 北朝鮮の弾道ミサイル発射事件やら、あるいは、今回の防衛庁の装備品調達をめぐる不祥事件などで世間の注目がまさに防衛庁、自衛隊に集まっている間につい忘れられがちになっている問題が一つあります。それは、八月二十五日に起こったF1支援戦闘機二機の墜落事故であります。この事故では、総飛行時間二千時間を超え、あるいはそれに近い経験を持つ有為な青年飛行士二人が亡くなられております。これについては、事故概要が私たちのもとに八月二十八日に知らされただけで、推定原因等につきましては調査中としか聞いておりません。その後わかったこと等について、簡単で結構ですから報告を願いたいと思います。
○坂野政府委員 お答えいたします。
 去る八月二十五日、三沢基地から発進いたしまして夜間低高度洋上訓練を実施しておりました航空自衛隊のF1型機二機の墜落事故が発生いたしました。防衛庁といたしましては、安全確保につきましては日ごろから十分注意を払っていたところでございますが、このような事故が発生いたしまして二名の優秀なパイロットの殉職者を出したということについては、大変遺憾に思っております。
 本件事故の原因についてでございますが、事故発生直後、直ちに航空自衛隊に航空事故調査委員会の方が調査を開始いたしておりまして、現在、空中衝突の可能性も含めまして鋭意調査を行っているところでございます。調査の結果がまとまり次第、事故の原因等についても公表したいというふうに思っております。現在はそういう状況でございます。
○赤松(正)委員 調査中ということですけれども、こういった事故は従来からいって極めて珍しい事故なのか、それとも残念ながらしばしば起こっているのか。また、今後、再発防止に向けてのどういう措置がとられようとしているのか。この辺について簡単にお聞かせ願いたいと思います。
○坂野政府委員 今回の訓練は、F1のパイロットの戦技課程に入っているパイロットでございまして、訓練の内容そのものも非常に高度な内容でございました。そしてまた、F1の事故そのものにつきましては、この十年以上なかったわけでございまして、そういう意味では、非常に珍しいというわけでもないですが、事実としてはF1の事故といたしましては十年来なかった事故でございます。
○赤松(正)委員 早急にきちっとした調査報告を提出していただきたいと思います。
 一方で、国の防衛のために命をかけて取り組み、不断の訓練に余念がない、こういった自衛隊員がいる一方で、防衛庁中央では、先ほど来の議論の展開にありましたように、防衛産業による過大請求の精算を再就職、天下り先の確保と見返りに減額をしていたのではないかという、そういった背任の容疑で防衛庁高官が逮捕されるという事件が起こっているということは、極めて残念なことである、悲しいことであります。真相の解明は今後の捜査にまたねばならないということだろうと思いますけれども、一体なぜこういうことが起こったのか、防衛庁、行政のどこに問題があるのか、先ほど冒頭に防衛庁長官の報告なるものをお出しになられましたけれども、この国会の場でもきちっとこういったことが問われねばならない、そんなふうに思います。
 この長官の報告を、この場で出されたものを読ませていただいたわけですけれども、要するに、後半部分、さまざまな、調査会とかあるいは委員会等がつくられるということで、いわばそこに全部問題を任せてしまう格好で、ブラックボックスかホワイトボックスかは知りませんけれども、そういう形で全部そこでやりますからというふうな、言葉は適切じゃないかもしれませんけれども、安易な姿勢が見られるのじゃないのかなという感じが直観的にいたしました。そういったものを前提に、若干質問をさせていただきたい、こんなふうに思います。
 まず、今回の事件の発端が、いわゆる内部告発から始まったやに理解をしておりますけれども、国の予算がどのように執行されているのかチェックをする役割を持つ会計検査院としては、こういう事態、ケースについては見抜けないということなのかということがまず第一点。
 そして、昨年の十一月の決算委員会あるいはこの六月の安保委員会などでは、企業による返還額を翌年度以降の請負額から、先ほどもありましたけれども一減額をするというやり方というのは、会計法令上疑問がある措置だ、こう言いながらも、国に損害を与えるものではない、こんなふうな答弁、発言があったやに理解をしております。そういったことについて、今、今日ただいまの時点では、誤りであったと認められるのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
○諸田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 東洋通信機につきましては、返納方法に関しましては、先ほど石井先生にもお答えしたとおりでございますけれども、当時としては、防衛庁がとった処置が、速やかに国損の発生を防止するための次善の策としてとったものと考えておりましたわけでございます。その際、返還金額につきまして、その妥当性について、調達実施本部において調査したわけでございますが、原資料等が入手できないため、正確な金額を把握できなかったということでございます。現在、司法当局が事実の究明に当たっているところでありますので、その結果により、適切に対応していきたいと考えております。
 また、本件につきましては、大変遺憾といいますか、このような事態が発生したことにつきましては、会計検査院といたしましても、重く受けとめているところでございます。
 事案に対する検査が十分であったかどうかということにつきましては再検証し、今後は現行の検査権限の中で、例えば会計検査院法二十三条一項七号を適用して、会社に対し直接検査をするというような方法も含めまして、防衛調達についてどこまで実効ある検査ができるか、多角的な面から検討してまいりたいと思っております。
○赤松(正)委員 企業がある意味で確信を持ってごまかそうとするようなことだったら、見抜けないということであってはやはりまずいというふうに思うのですね。今おっしゃったような、会計検査院として今後こういった形をきちっとチェックできるように、国民の信頼にこたえ得るような、そういう会計検査院としてのチェックのあり方というものを大いに研究をしていただきたい、こんなふうに申し上げて、時間がありませんので、終わります。
 長官にお聞きしたいのですけれども、防衛庁当局はこの問題につきまして、当初は、防衛庁長官、前長官の久間長官が、企業側の単純ミスとしてとらえて返還させたから問題はないんだ、こういうふうな基本姿勢のもとに、例えば昨年十一月の決算委員会ではこんなふうにおっしゃっていました。相手企業の社内管理体制に起因して発生した問題を見破るのは、限られた人員、期間のもとでは困難だ、こうおっしゃったり、あるいは六月の当安保委員会におきましては、過払いした分を取り返すために、その金額について折衝して、一種の和解契約でそれを取り返したということだなどと、今回の問題についての防衛庁の対応をいわば正当化する、そういった発言を繰り返してこられているわけですね。既に交代をされているわけですけれども、私は、このあたり、防衛庁そのものの責任が問われる。
 先ほど石井委員の質疑の中でもいろいろやりとりがあったわけですけれども、検察に対する防衛庁としてのいわば上申書というのですか、注文というのでしょうか、言葉は適切じゃないかもしれませんけれども、いろいろな行為があった。そのときのいわばそれを差し出した人間の責任というか、防衛庁という名前であって、だれがその責任をとるのかというのは明確でないといったこととか、あるいは先ほども申し上げましたこの報告書を拝見させていただきますと、要するにこの過払いという問題があったことが平成九年九月にクローズアップされた。これは、先ほど言ったようないわゆる内部告発によってクローズアップされた。防衛庁としては、事前にそういうことは知っていて、内部としてさまざまな対応をしていたのだけれども、世の中に大きく問題になったのは平成九年九月からだということで、幾つかの再発防止策というものを挙げられているわけですが、さっきの石井委員の質問に、例えば東洋通信機に対するいわゆる天下り、再就職ということで、具体的な数字を挙げて石井委員は述べたわけですが、そういったことに事が及ぶと、さっき長官は、今度の事件にかかわってはそういうふうなことはないと承知をしておりますと。つまり、この過払い請求減額、それはその見返りとしていわゆる再就職を具体的に東洋通信機にした事実はあるというふうに承知はしていない、再度の質問に対して、東京地検が事実を明らかにしていくものであろうと思いますから、それを待ちたい、こういうお話なんですね。
 これは、現在の長官としてそういうふうにしか言えないということはわかりますけれども、じゃこの報告書は、そう言って、はっきりしないという状況でありながら、さまざまな委員会を設けたり調査会を設けたりして、天下り、いわゆる再就職の問題についてもしっかりと検討します。その辺、非常にはっきりしていない、だから、承知していないのだから、ある意味で検察と対決をする、今かけられている容疑は否定したいという角度でおられるのかなと思ったら、何か漠然と認めておられるような、そういうふうな報告であるとしか、これを拝見させていただいて、思えないのですけれども、その辺、防衛庁長官、今申し上げたことを含めて、あるいは前久間防衛庁長官と同じスタンスをとられるのか、現在の防衛庁の最高責任者である額賀長官のこの問題に対する御見解をお聞かせ願いたい。
○額賀国務大臣 上申書の話もありましたけれども、私が最初に上申書を受け取った、受け取ったというか報告を受けたときは、むしろ各先生方がおっしゃっているニュアンスよりも、防衛庁としていろいろ内部調査したことを率直に申し上げて、私の直観的な感じでは、捜査協力的にやっているのかなというふうに最初は受け取っておりますし、またそういう方向で、防衛庁も真実を明らかにするために全面支援をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
 それから、こういう案件が再発防止のために、それは事件が起こって間もなく内部調査をしたり、あるいはまた監査をどういうふうにしていくかというようなことで制度調査をしたりとか、いろいろとできるものから精力的にやってきたと思っておりますけれども、就任したときに、もう表に出てから約一年もたつのに、なかなかぐずぐずしているねという印象を持ったものですから、もう一年もたつのだから、ある程度目安として防衛庁内部としての今後の対応策をきっちりとつけるべきではないのかという思いがありまして、私は事務当局に対しまして、これまでのこういうことが起こった原因追求、そして再び起こさないための対策等々を考えてみたらどうだということで指示をしておったところ、今度の強制捜査、逮捕者が出たということでございます。
 したがいまして、私はこれは深刻に受けとめて、国民の皆さん方に対して信頼失墜をした、大変申しわけないことをしたというふうに思っているわけであります。そして、この事件を契機といたしまして、防衛庁、自衛隊の信頼を取り戻していく、そして、国を守るという仕事は永遠に続いていく、そういう中で今我々がすぐやるべきことと中長期的にも考えていかなければならないことは何だということを考えたときに、まずは調達本部のシステムをきちっと透明性を持った形にしていかなければならないということで、これには防衛庁内部だけで始末をするのではなくて、きちっとした学識経験者の意見も聞いた上で、そして議論もオープンにしながら対応策をまとめていきたいというふうに思っております。
 それから、中長期的には、これは一般公務員の問題も行革の中で考えられておりますけれども、公務員のあり方、退職された公務員の方々のあり方について検討をしておりますし、自衛隊の場合はそのニュアンスも違いますから、そこのところを含めて、我々も将来、自衛隊、防衛庁に夢を持つあるいは誇りを持つ方々のために、それはきちっと展望を開いておく必要がある。そういう認識のもとに、そういう再就職の問題も考えて、我々のルールというか制度を国民の前に示していくことが必要であるというふうに考えた次第であります。
○赤松(正)委員 長官、私かねがね疑問に思っておりますのは、かつて決算委員会で、いわゆる今回いろいろ取りざたされている防衛産業の方に自衛隊員としてどれだけ天下り、いわゆる再就職をされたのか、そういった実態というものを公表してほしい、そういう要求を決算委員会で同僚委員がしました。それを受けて防衛庁は、当時の大臣は努力をします、こうおっしゃったのですが、その後努力をされない。
 この委員会で再度私がそのことはどうなんですかと聞きましたら、長官はそれを出せない理由として、前久間防衛庁長官は、先ほど来大臣もこの報告書の中でおっしゃったり、あるいはさまざまな機会に、せんだって民放の番組に出られたときもおっしゃっておりましたけれども、要するに自衛隊の場合は、再就職に関しては、各部隊に至るまで、早く、若くしてやめるものだから、なかなか大変なんだ、全国にお願いしているものですから、各企業などの名前を出すことによって、今後そういうような就職活動に支障を来すんだ、実は大変困るんだということを前長官は言われました。同じようなことを額賀長官も考えておられるということは、今日までのさまざまな場面での発言でわかるのですけれども。
 そこで、一つ私はここで気になることというのは、自衛隊員の再就職といっても、内局と制服組とでは違うのではないのか。若くしてやめるというケース、これはいわゆる制服組の方であって、内局の方の方はそうじゃない。普通の官僚の皆さんと同じ、あるいは一般の民間企業と同じようなケースで、特殊なケースというのは制服の皆さんだろうと思うのですね。
 例えば、冒頭に取り上げた、若くして二十九歳で亡くなられた二人のパイロットの皆さん、あの人なんかの場合を仮に例を取り上げますと、恐らく、民間航空にパイロットとして再就職されるということが先輩たちのケースでは多かったのだろうと思うのですね。
 そういうふうに考えますと、前大臣あるいは今の大臣がおっしゃっている、自衛隊は特殊事情があるんだから困るんです、だから、言うと、公表すると困ってしまうのですとおっしゃる理由が、聞いている国民もわからないし、私も実はわからない。むしろ、これは、隠されると、今回のような事件もあり、やはり何か癒着関係が構造的にあるんだろうな、特にそれは内局にあるんだろうな、制服はないんだろうと。その辺がごちゃまぜに、全体、自衛隊としてそういう問題があるので難しいのです、わかってください、こういうふうに言われても、ちょっと違うんじゃないのかな、何か特殊事情をわかっていただきたいという哀れみを請うような言い方をされても、よくわからない、これが正直な感想ですけれども、その辺、きちっと立て分けて考えるべきじゃないのか、そういうふうに思いますけれども。
○額賀国務大臣 赤松委員の御指摘等も参考にさせていただきながら、これから精力的に考えてまいりたいというふうに思っております。
 私は、やはり国民とともに、防衛庁、自衛隊員のあり方を考えていくことが適切である、だから、そういう防衛庁内部のことについていろいろ国民の皆さん方にわかっていただいて、全国の企業の皆さん方に、国家のために尽くしている隊員の皆さん方は我が社で働いてくださいというような環境づくりをすることがいいことであろうというふうに思っております。
○赤松(正)委員 まさに私もそう思います。むしろ企業のイメージアップにつながる問題である。その辺を防衛庁がはっきりさせられないから、かえっておかしなことになっている、こういうふうに指摘をしておきたいと思います。
 あと残された時間で一つお伺いしたいことは、防衛庁の関連予算の問題に入りますと、事あるごとに防衛庁当局の方から、人件費がかさばる、装備、とりわけ正面装備の充実になかなか予算が割けない、こういうことの苦悩の現状というものを聞かされるわけでありますけれども、自衛隊の装備品調達については経費が高くつく。その理由の一つには、日本が武器輸出三原則でもって武器の輸出を禁じているために、自衛隊だけが対象ということから、どうしても生産、調達コストが高くなる。また、技術の向上、継承という面でいうと、自前でやらないと未来に向けてつながっていかないというふうな点があります。
 そういったことを背景に、今武器輸出三原則を緩めてほしい、緩和をしてほしい、あるいは緩和をすべきじゃないのか、こういう意見が、たしか去年の三月の当委員会でそういうことを主張される委員もありましたけれども、一方で、武器技術供与というのは日米関係で行われている。だから、もう少し日米間でも、この武器輸出三原則という縛りを緩めた方がいいんじゃないのか、こういうふうな意見が出てきています。あるいは、汎用品から武器への転用などといった問題が、やはり時代の変化とともに、かなりそういったことが頻繁に行われているという指摘が一部報道機関でもあります。
 私は、今、実は通産省に来ていただいて、局長に来ていただいて待っていただいているのですが、申しわけないのですが時間がないので、長官にお聞きしたいのです。
 通産省としては、この武器輸出三原則をきちっと遵守してチェックしております、こういうお答えが返ってくるんだろうと思いますけれども、私は、この武器輸出三原則というのは、日本が、自民党歴代政府が、佐藤内閣から始まり三木内閣のときというふうに、節目節目できちっと自制心をつくられた、日本の平和理念を具体的な政策の形で訴える非常にいい政策である、こういうふうに評価をしているのですけれども、今申し上げたような時代の変化の流れの中で、いろいろな動きがある。
 通産省は、きちっとしている、こうおっしゃるのですけれども、それであるならば、私はこの際、見直すというのは、いわゆるそれを、さっき言ったように緩めてしまうという方向のベクトルの見直しと、むしろ逆に強めるという反対のベクトルの見直しと、二つあると思うのですけれども、私は、より一層たがをはめるべきだという観点からの見直しを主張したいのです。
 それは一つは、言わずもがなのことですけれども、この武器輸出三原則というのの第一原則は、共産圏への輸出というものについては慎むということなんですね。あと二つ目が、国連決議に基づくもの、あるいはまた、いわゆる武力紛争の危険性のある国には出さないということから始まって、今や、通産省見解によると、すべての国に対する武器輸出は慎むんだ、こういうことであります。であるならば、より一層、この武器輸出三原則などという、知らない人が聞いたら輸出するための原則だというふうに勘違いをするような名称じゃなくて、むしろ武器禁止原則というふうに名前を変えて、もっときちっとしたたがをはめるという格好が、時代の状況にむしろ合っているんじゃないか、こんなふうに考えるのですけれども、最後に長官の御意見を聞かせていただきたいと思います。
○額賀国務大臣 この問題は、戦後政府がとってきた国是であります。冷戦後、やはり世界の潮流は軍備管理、軍縮の方向に向かっている。中長期的にはそういう流れがあるというふうに思っております。
 一方で、日本の武器は高い、兵器は高い。それは、言ってみれば、コストダウンと大量生産の関係でありますけれども、私は、赤松委員の御指摘のように、もうちょっと強めたらという意見もあろうかと思いますが、これも貴重な御見識として受けとめますけれども、現実的には、今の武器輸出三原則という平和理念に基づいて考えてまいりたいというふうに思っております。赤松委員の御意見についてはしかと承っておきたいと思います。
○赤松(正)委員 先ほど申し上げましたように、時代状況は大きく変わっているということを踏まえて、ぜひ長官、念頭に置くというふうには言っていただけたわけですけれども、閣議等で総理等に提案をしていただきたい、そんなふうに思いまして、私の質問を終わります。
○塩田委員長 次に、冨沢篤紘君。
○冨沢委員 平和・改革の冨沢篤紘でございます。
 限られた時間でございますので、簡潔な御答弁をお願いします。
 防衛庁の、業者側では水増し請求、調本の方は返還金額の不正圧縮問題、調達の責任者が背任容疑で逮捕をされた。防衛庁の信用を大きく失墜しました。
 こんな事件が起こっているのに、防衛の最高責任者の防衛庁長官がなぜ責任をとらないのか、国民にはとても不思議なことでございます。世間では通用しない話で、世の中では部下の責任は当然親分の責任。御答弁いただきます。
○額賀国務大臣 今御指摘のように、防衛庁におきましては、調達の水増し事件で逮捕者を出し、強制捜査を受けたことは、まことに残念であり、申しわけないという気持ちであります。
 今、国民の信頼失墜に対して、どうやって国民の信頼を回復していくかということは最も大事なことだと思っておりますし、そのために私は何をすればいいのかということが自分に課せられた仕事であると思っております。そのために、調達本部のシステムを透明性を持った形にしていくということ、そういうことを積み上げることによって、一つ一つ、やはり防衛庁が国を守っていく土台であるという信頼関係を国民の前に提示をしてまいりたい、それが私の責任であるというふうに思っております。
○冨沢委員 今のお仕事は後任者でもできるわけでございますので、責任をきちっと明確にすることが今求められている、私はこう感じます。
 逮捕者が起訴をされたらば、額賀防衛庁長官は責任をとられますか。
○額賀国務大臣 今、事件は捜査中であります。私は、東京地検が真実を明らかにしていくことを慎重に見守ってまいりたいというふうに思っております。
○冨沢委員 私は、起訴をされたら責任をおとりになるかと伺っておるのですが、御答弁がありません。お願いします。
○額賀国務大臣 まだそこまで事案は進んでおらないと思っております。
○冨沢委員 話を進めます。
 ことしの通常国会、五月八日、安保委員会ですが、私は北朝鮮のミサイルの問題について、射程千キロのミサイルを仮に大阪にぶち込まれたら自衛隊はどう防衛するのか、こう質問をいたしました。久間前長官は、弾道ミサイルについては、残念ながら、現在世界各国を見てもそれを迎撃するというすべは持っていない、弾道ミサイルについては丸裸である、こういう答弁をいただいたところでございます。
 この質問から四カ月たたないうちに、八月三十一日、御承知のとおり、テポドンが三陸沖着弾。このことは、日本の外交政策も防衛体制も改めて考え直す必要があると私は痛感をしておりますが、外務大臣、防衛庁長官、お考えをお聞かせください。
○高村国務大臣 具体的にどういうことをおっしゃっているのかわかりませんが、当然こういうことがあればこういうことを一つの大きな要素としてこれから外交政策も立てていくということであります。
○額賀国務大臣 冷戦後、世界は大きな戦争の可能性は少なくなってきた。しかし、残念ながら地域紛争の可能性は勢いを増している。そういう中で、大量破壊兵器と弾道ミサイルというのは拡散をし、脅威を振りまいている。そういう中で我が国の安全をどうやって守っていくかということは、私どもの大きな課題でありました。
 そういう意味では、大きな転換期を迎えている中で、どういうふうに今後考えていくかということに直面をしているということであろうと思っております。
○冨沢委員 外務大臣は質問は以上でございますので、お引き取りいただいて結構でございます。
 あとは防衛庁長官にお伺いをいたします。
 日本全体が北朝鮮のミサイルの射程内に入っている。日米新ガイドラインでは、日本本土への攻撃、これを拡大して周辺事態という新しい概念を導入しようとしております。周辺事態、何度説明をいただいても国民にはなかなかわかりにくい説明にとどまっておりますが、今回、相手は北朝鮮、コースは日本の本土を越えた、場所は三陸沖。日本の平和と安全に対する重大な脅威である。射程は日本全土。電力会社の原子力発電所に一発命中をすれば大変な被害が想定をされる。私は、これは周辺事態そのものというふうに解釈をしておりますが、防衛庁長官、いかがですか。
○額賀国務大臣 ガイドラインについて余りまだ議論がなされていないという御指摘でありますが、今、国会に提案中でございますので、ぜひ審議方をお願いさせていただきたいというふうに思っております。
 今回の北朝鮮の弾道ミサイルの発射についてでありますが、私どもは、北朝鮮の意図がどこにあるのか、あるいはまたこれが継続性を持った形で軍事的な緊張を及ぼしていくのか、北朝鮮内部の動きがどうなのか、そういうことが一つの焦点であったと思いますが、それは今のところ、弾道ミサイルが発射されて、一過性のごとく、これが実射なのか実験なのかはわかりませんけれども、確かに我々にとっては、我が国の上空を飛び越えて三陸沖に落下したという点においては衝撃を与えたし、ある種の脅威を与えたことであります。しかしながら、これが日本の国の安全に重大な影響を与えるものかどうかについては、そこまでは至っていないのではないかという判断をいたしております。
○冨沢委員 周辺事態という国民にまだ理解が届いていないこの概念、いろいろなケースでわかりやすく御説明をいただきますように要望をしておきます。
 議題を進めまして、私は神奈川十三区、神奈川県のちょうど真ん中から選出をされて国会に出てきておりますが、御承知のように、神奈川県は沖縄に次ぐ第二の基地県でありまして、横須賀、ここにはインディペンデンスに続いて、今度はキティホークが母港になっている。ここに載っかっている艦載機は約八十機、私の選挙区の大和市、綾瀬市にある厚木基地に飛来をしております。もう何十年となく艦載機のNLP騒音、政府の御努力で硫黄島にもう一本の滑走路ができて、大部分移っているところでございますが、すべてが硫黄島に移っていない。相変わらず厚木基地でNLP訓練が行われている。
 地方議員の時代からこの解消に努力をしてまいりました。全国で、三沢とか小松には、これは軍民共用空港でありますので、民間機の騒音に対しては、地方自治体がいろいろな名目をつけた交付金が出ていて、騒音への住民補償という金で、お金が町内会に出ているところであります。ところが、同じ騒音でも軍用機の騒音にはこういう手当てがされていない。防衛の犠牲者である進入表面下の住民は、民間飛行場にはこういう交付金の補償が出ているのに、なぜ軍用飛行場に出ていないのか、こういう疑問が出ているところでありまして、民間機は、これは極めて市民、県民が利用する音ですから、軍用機はもう国防の音でありますので、民間機の補償よりもっと補償をしなければいけないのではないか、その必要があるはずである、私はそういうふうに認識をして今日まで努力をしております。
 新しく防衛庁長官に御就任をされた額賀長官の御見解をお示しを願います。
○額賀国務大臣 国内の基地に対しましては、さまざまな環境対策の一環として交付金の交付がなされていると思っております。私は、米軍基地の関係でもさまざまな手当てがなされてきているというふうに承知をしております。
 冨沢委員の御指摘を踏まえまして、今後も地域周辺住民の皆さん方の御意向を酌み取りながら対応していくことが大事であろうと思っております。
○冨沢委員 いい御答弁をいただきました。
 ちなみに、御説明を申し上げますと、青森県の三沢市では、これは民間機騒音への補償です、航空機進入表面下町内会等交付金が平成十年度二千万円交付をされておりまして、石川県小松市では、航空機騒音被害特別調整交付金として、県、市で二千五百万円ずつ、年二回出ております。こういう、思いやり予算というのですか、これが軍用飛行場には全くされていません。この点ぜひお考えをいただいて、防衛の谷間で苦しんでいる住民への思いやりという考え方で新しい政策をつくっていただきますよう要望をして、質問を終わります。ありがとうございました。
○塩田委員長 次に、東中光雄君。
○東中委員 私は、防衛庁調達実施本部背任事件についてお聞きをしたいと思います。
 この事件は、防衛庁の行政行為そのものが刑法上の犯罪だということで強制捜査に入ったということで、これは恐らく前代未聞、異常な重大事件だと私は思っています。
 それで、最初にお聞きするのですが、防衛庁長官、先ほどの報告の中で、去る九月三日、上野副本部長が背任容疑で逮捕され、「防衛庁内部部局及び調達実施本部が東京地方検察庁により家宅捜索を受けました。」こう言われました。調達副本部長の犯罪だから調達本部の強制捜査というのは普通はあり得るわけです。しかし、今度の場合は、長官自身が言われましたように、防衛庁内部部局及び調達実施本部が強制捜査を受けた。内部部局というのは、どこへ、どの部局に対して強制捜査を受けたか、なぜそこまで強制捜査が来たのか、そしてどういうものが押収されたのか、明らかにしていただきたい。
○藤島政府委員 捜索を受けましたのは、委員今お話しのように、内部部局と調達実施本部でございます。さらに、その内訳、どこかということについては控えさせていただきたいと思います。
○東中委員 なぜ控えるのですか。内部部局というのはどこかということを聞いているのがなぜ言えないのか。そういうところに問題があるのだよ。なぜ言えないのですか、言ってください、控える理由。
○藤島政府委員 捜査に影響が出るおそれがあると考えられるからでございます。
○東中委員 何を言っておるのだ、あなた。自分たちが捜査されたのでしょう。それを、内部部局ということは言うけれども、それが官房長室であった、経理局もやられたということを言わない。この調達事件は、だから、調達本部だけじゃなくて、官房長室もあるいは経理局もこれに関連のある資料を持っておるということを前提にして捜索に来たのですよ。そういう性質のものなんですよ。そこで随分捜索されたでしょう。この事件に関連する資料があるということなんですよ。それを、あなた方は、まだこの段階においても捜査のためだと言って隠そうとする、そういう姿勢じゃだめです。まず一つ言っておきます。
 それから、次に、この事件の特徴は、先ほど防衛庁長官の報告の中で、「調達実施本部では、当該契約が信義則に反して行われ、かつ同社もその事実を認めたことから、過去五年間の契約について、過払い分の返還額に関する様々な試算を行うとともに、東洋通信機株式会社との折衝を進めたところ、最終的には、返還額は約八億七千四百万円で、かつ返還方法は履行中の契約から減額補正を行うことで合意したものであります。」という報告をされているのです。ところが、この事件は、このことが犯罪なのである、背任罪なのだといって強制捜査が入ったのですよ。これは、ここで報告されているこの報告の中身が、被疑事実の中で、これは背任罪なんだということを明らかにしているということであります。
 そういう点について、長官、どう思われますか。非常に異常な事件なんです。
○額賀国務大臣 私どもは、この案件が、企業側の水増し請求事件、そして国も過菊に支払いをしていたというかつて例のない、経験したことのない事態に直面をして、そして国の損失を最小限にするために、企業側も反省をし非を認めておるものですから、その中で、いろいろと話し合いの結果、八億七千万円余りの返還額ということでお互いに合意をしたということでございます。
 その時点におきましては、こういう犯罪性があるというようなことについては全然関知していなかった、察知していなかったであろうというふうに私は推測をいたしております。今度、東京地検で強制捜査に入ったわけでありますから、きっちりと事実関係を明らかにしてくれるものと思っております。
○東中委員 「被疑事実の要旨」というのは、長官、読まれましたか。
○額賀国務大臣 被疑事実について、要約というか、全部を最初から最後までは読んでおりません。
○東中委員 「被疑事実の要旨」というのは、参議院では、刑事局長ですか、何か述べたように聞きましたけれども、その内容は防衛庁は知っているんですね、どうですか。長官はそんな克明に読んでいないかもしれぬけれども。
○及川政府委員 私は読んでおります。
○東中委員 そうすると、この「被疑事実の要旨」で言っていることは、調達実施本部、諸富本部長と上野副本部長が、東通の工数過大申告等によって国から不正に過払いを受けたことについて、平成六年六月二十七日に、東通の国への返納金額を約八億七千万円と過少に確定をさせ、返還方法を全額現年度一括返還としないということの契約を締結した。結局、東通に十六億八千九百七十七万円余の国への返還を免除させ、国に同額の損害を与えた。これは随分要約して言っていますけれども、これが背任の中身なんだというふうに、これはもうもっとずっと詳しく書いていますわね、ということなんです。
 だから、ここで言っているのは、六月二十七日のあのいわゆる東通との和解契約、そこで返還金やらそれから契約額の変更やら、そういうことを書いた。そのことが事実に反しておって国に対して非常な損害を与えるものだったというのが犯罪容疑になっているわけです。
 それで、その平成六年六月二十七日付のあの覚書の中に書いてあるいわゆる和解契約ですね、そこに書いてある内容について、これを結んだことが正当な職務行為であり、そしてその内容も正当な内容であったということを今も防衛庁長官としては言えるのか、そういう被疑事実を見てですよ、言えないのか、その点どうでしょう。
○額賀国務大臣 それは東京地検で今捜査をしているわけでありますから、東京地検がきちっと真実を明らかにしていくことを見守っていきたいというふうに思います。
○東中委員 違うんですよ。防衛庁としてやってきたことですね、いろいろあるわけだ。それが、あなたのさっきの報告でもあるけれども、結論として、八億七千万の返還金を一括払いじゃなくて分割払いにするということになったと言っているんですよ。そういうふうになったことが、その経過をずっと、今までの審議の中でも出てきていますよ、あと私、追及していってもいいのですが、時間がないから言うんだが、それについてあなた方は、今までやってきたこと、防衛庁としてやってきたこと、本部長なり副本部長なりが中心になってやってきたこと、それは正しかった、適法であり正しかったというふうに今も言えるのか、あるいはこういうことを言ってきたらどうなんじゃろうというふうに思ってるのか、そのことについて点検したかどうかということを聞いているのですよ。
○額賀国務大臣 この案件が起こってから、新しいというか、一定のルールもないままに相手企業との相談の上で解決を図ろうとしたことが結果的にそういう犯罪性が出てきたということで東京地検の強制捜査が起こったと思っておりますけれども、その時点においては、我々の内部調査では強制権もないわけですから、できる限りの努力をしたというふうに思いますけれども、それが結果的に間違いであったのか間違いでなかったのかについて捜査が入ったわけですから、私としては、その真実が明らかになった上で考えていくことが適切であろうというふうに思います。
○東中委員 全然話にならないですね。長官、僕が言っているのは、この刑事事件に対してどう思うかということを聞いているのじゃないのですよ。行政庁が、調本の本部長、副本部長なんかがやってきたわけでしょう、三カ月かかって。そして、やった結論、そのやり方というものが今犯罪だと言われているわけや。犯罪でないまでも、防衛行政として、そういうやり方でよかったのかどうかということについて何も考えてないということですね。どうも今言われておることを言うと、何も考えてないということになってしまいますよ。
○額賀国務大臣 防衛行政としてできる限りの努力をし、ルールのない中で改善策を図ろうとしたということは認めます。でありますから、その時点においては、合理性を求めて、一つの新しい和解的な契約を結んで返還金を受け取ったということだと思います。
○東中委員 ルールがないんじゃないのですよ。ちゃんと防衛庁の、あれは訓令三十五号ですか、契約価格を決定するについての訓令がありますよ。そのとおり全然やってないんだから。そのとおりやってなくて、それでこういうとんでもない損益計算書やなんかでやった、一括でやった。もうむちゃくちゃやっているんだよ。そしてこういう結論を出したということが今問題になっているんですよ。その問題になっていることさえもわかってないというのは、私は、もう本当に異常なことだと思います。
 じゃ、もう一つ聞きましょう。被疑事実で東京地検が書いておるところによると、これは防衛行政の中身についてですが、平成元年四月一日以降の履行に係る味方識別装置等の製造請負契約の契約金額は、三百七十六億八千百九十二万四千円であった。それをあの和解書で、三百六十九億三千六百四十二万九千円に契約金額を修正するということをあの和解条項の中に書いたようにこの「被疑事実の要旨」から見ると見えるわけですが、装備局、どうですか、あなた方もこの「被疑事実の要旨」を見ておるのだから、そこに出ているあの数字、これが事実かどうか。
○及川政府委員 先生のおっしゃる事実という意味が確定という意味かどうかという点でございますけれども、こういう被疑事実があるということで地検の方から発表されたというのは承知いたしております。
○東中委員 そんなこと言っているのじゃないよ。契約額というのは、あなた方と調達本部が東通との間で、この五年間のやつについての契約総額というのは調べたわけでしょう。その額が当初はこういう額になっておる、それを今度は減らすのだということにした、そういう数字になっておるじゃないか。そういう事実は数字として、あなた方はわからぬじゃ済まないでしょう。だって、当事者じゃないか。
○及川政府委員 大変申しわけございません。私どものとっております数字は、これに幾つかの、東通事案でございますけれども、下請契約等々が含まれておりますので、ちょっと今手持ちにございませんので御容赦いただきたいと思います。
○東中委員 これにほかのものが加わっておるというのだったら、これ自体は認めるわけだね。あなた方、この「被疑事実の要旨」というのはもう何日前にもらっているのです。我々はつい最近もらったわけだけれども。
○及川政府委員 大変恐縮でございますけれども、地検がこういう数字を出しておられるということは承知いたしておりますけれども、この数字の根拠は当然私ども存じておりません。この数字がどういう積算等々なものかというのは、ちょっとコメントしかねるのでございますが。
○東中委員 では、あなた方は平成元年四月以降履行に係る、「当該」と書いてあるけれども、味方識別装置等の製造請負契約の契約総額が何ぼかということについて、これは後で出せますね。そして、六月の和解書でその部分について修正をやったことがあるかないか、それから、修正をやったとしたら何ぼに修正したかということを出せますね。
○及川政府委員 私どもがいわゆるこの事案の対象契約といたしました数字は、東洋通信機の場合、三百七十八億円、そして返納額は八・七億円、若干の端数はございますが、そういう数字でございます。(東中委員「何ぼですって」と呼ぶ)対象額三百七十八億円、返納額八・七億円でございますので、若干地検の数字と違うもので、その辺、何らかの調整が要るかと思いますけれども。(東中委員「返納額の話をしているのじゃないのです」と呼ぶ)
○塩田委員長 ちょっと待ってください。指名してから言ってください。
○東中委員 手を挙げているのですから、早う指名してください。何か質問する前に先を折るようなことはやめてくださいよ。すぐ指名してくれなければたまらぬですよ、時間が。
 その契約額についての修正は、あの和解書の中にはしていないというのだね。和解書の中に書いてあるのか書いてないのかということを聞いているのです。
○及川政府委員 いわゆる覚書によってその額を確定したわけでございます。おっしゃるとおりであります。
 ですから、そこで八・七億円という数字を減額するということにした。減額というか払ってもらうということにしたわけでございます。
○東中委員 私の言っているのは、では、覚書の中で契約額の修正はしたのかしなかったのかということを言っているのです。
○及川政府委員 恐縮でございますが、それ以上の中身はちょっと控えさせていただきたいと思います。
○東中委員 控えさせてもらいますなんて、何で控えるのですか。なぜ控えるのですか。
○及川政府委員 まさに今先生お持ちのあれのように、この覚書自体が恐らく捜査の核心的なものであろうと思いますので、中身等については御容赦をいただきたいと思います。
○東中委員 覚書は公的なものでしょう。秘密のものじゃないでしょう。捜査の対象になっているから、だから控えるというのは、何だよそれは。「被疑事実の要旨」には書いてあるのだよ。
 そのことについて、それがそうであるのかないのかということ、違うなら違うと言えばいいじゃないですか。書いてないのなら書いてないと言えばいいじゃないですか。書いてあるかないか、そのことについては控えます、これは何の理由もない拒否ですよ。そういうことで反省していると言えるかい。
 それじゃ、八億七千四百三十三万六千円に縮小したというふうに「被疑事実」には書いてある。これは返還金ですね。減少することを確定させたと書いてあるのです。ここに書いてあることですね。「被疑事実」で書いてあることは事実あったのかなかったのか、どっちですか。八億七千四百三十三万六千円、ここに書いてある。
○及川政府委員 数字については、返すということはあれしておりますけれども、ちょっとこれ以上申し上げるのは差し控えさせていただきますが、八億七千万という数字が書いてあるわけではございません。
○東中委員 何を言っているのだよ。あなた、さっきは八億七千万だと言った。僕は、八億七千万から後、はしたまで「被疑事実」では書いてあるけれども、それは事実なのかどうかと聞いたら、事実であるかないかのどっちかなんで差し控えますというようなばかなことがあるかいな。そういう答弁拒否は許されぬということを言って、時間がなくなるので次に進みます。
 それから問題は、返還額について、この契約額を決めるについては、防衛庁は資料をもらって、そして契約額を決めるわけですが、この契約額を決めるについては、本件の場合でいいますと、五月二十七日の当委員会での鴇田装備局長の答弁は、「我々がもらっておる見積資料あるいは原価検査のときの実際原価計算書については不適切なものがあるという前提の中で、」「企業において最も信頼性の高いとされております公認会計士の監査も受け、株主総会の決議も得ております決算資料、損益計算書をもとに、」この原価コストを、あるいは売り上げを調べて、包括的に計算してこの弁済額を決めたんだ、返納額を決めたんだ、こう言っているんですね。
 しかし、価格を決めるのは、防衛庁の通達の三十五号で全部一つ一つについて、十項目にわたって書いてますね。直接材料費その他書いているでしょう。しかも四十二条では、今度はその項目の中へ入れたらいかぬものがあるということが三項目にわたって書いてありますね。その中で、入れてはいけないことになっている支払い利子やあるいは一般管理会計の中へ入れてはいけない調達品に関係のない宣伝費用、そういうものは入れてはいかぬのだというふうに、額を決めるのについてはそれは入れてはいけないもの、非原価項目というのが決まっているでしょう。その非原価項目を、今度の場合は東通側が入れたわけですよ。その入れた分が過大要求ということになっておるわけでしょう。その資料は全部あなた方の方に持つているわけじゃないですか。予定価格を決定するのは、防衛庁何が決定するのでしょう、防衛庁の責任で、計算価格にしたって予定価格にしたって。その資料は持っているわけでしょう。その出した資料に偽りがあったということを言っているときに、その内容を調べないで、それを前提にして今度は損益計算とか決算書を調べたって、そんなもの出てくるわけがない。だから、そういうやり方じゃなくて、その中身を見てみたら、「被疑事実」の分では、利子それから今の広告宣伝費、非原価項目が入っておった、その分を削ってないから、削らないままで八億にした、こう言っているわけでしょう。
 そのことについてはどうなんですか。その中身を調べたのか、その点はどうですか。
○及川政府委員 東通事案の、カウントいたしました項目については、先生おっしゃるとおり、予定価格訓令とは違いまして、今御指摘のような項目についてもカウントしているというふうに聞いております。
○東中委員 時間ですのでやめますけれども、これは全く、自分たちの行政のやってきたこと、そのことの方法についても一切言わないで、そのことが犯罪だといって今指摘されているんだということを申し上げて、防衛行政の決定的な国民、国に対して背任になるような、そういう行為を公の行為としてやっている問題だ、それが検察によって犯罪として糾弾されるんだ、これがそういう内容なんだ、一切触れないというのは、自分たちのやってきたことについて、司直が入ったからといって、やったことの内容が言えない、そんなばかなことはないということを指摘して、終わります。
○塩田委員長 次に、辻元清美君。
○辻元委員 社会民主党の辻元清美です。今回の事件は、委員の皆様も非常に御立腹しているという事件ではないかというふうに私は思います。
 まず、ちょっと事件を確認したいのですけれども、先日、元防衛施設庁長官の諸冨増夫容疑者と調達実施本部の上野憲一容疑者が東京地検特捜部によって背任容疑の罪で逮捕された。さらに、これは、今までこの委員会でも、さまざまな委員の方々が質問の中でこの事実関係についても政府に対して何回も質疑が行われたことです。私も、そういうさまざまな委員の質疑を聞いておりまして、そういう委員の方が言っていたとおりになったやないかというふうに思いまして、やはり委員会での審議というものを政府はさらに重く受けとめて、内部にメスを入れていくということをしていただかないと、この委員会の意味というものが軽くなってしまうのではないかという心配もしながら本日の審議も聞いておりました。
 さて、そういう中で、幾つかこの事実関係、それから、どういうことでこういうことが起こっていったのかということについて質問したいと思います。
 まず最初に、納入品の原価計算の基礎ということになります、その業者の利益を左右する経費率というのでしょうか、この定め方についてお尋ねしたいと思います。
 これは、もとは担当課ごとに決めていたということなんですけれども、上野容疑者が原価管理課長時代に原価管理課のみでまとめて行うようになったということで、実際の防衛予算のうち装備品の費用は約一兆三千億円を超えると言われておりますけれども、この一つの課にまとめられた。そして、膨大な品数になると思うのですが、この課で果たしてどれぐらいの品数のものを扱っているのか、そしてこの管理課は人員何名で行っているのでしょうか、まずそこを伺いたいのです。
○及川政府委員 何件ぐらいかはちょっと今手元にございませんが、原価管理課は二十五名でございます。
○辻元委員 何件かは、では後でお知らせいただけますでしょうか。体制そのもの、二十五人というのは、非常に少ない中で行っているのではないかと思うのですが。
 次に、このような事件が起こった場合なんですけれども、この原価監査をするのもこの原価管理課である、監査も同じ課で行っているというふうに私は承ったのですけれども、そうなんでしょうか。もしそうであるならば、私は、今回の事件をきっかけに、監査は同じ課で行わない、切り離すようにしていくべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
○及川政府委員 直接の監査は、原価管理課ではなく、各地に支部がございまして、そちらの方でやっております。
○辻元委員 といいますのも、今後、事態を防ぐためにどのようにしていかなければならないかということをやはり議論するのもこの委員会で非常に大事なことだと思いますので。
 さて、そういう視点で、次に、会計検査院の方にお伺いしたいと思います。
 まず、実際にこの会計検査院というのは、本件、防衛関係だけではなくて、ほかの予算についても適切な処理がなされているのかという検査をする唯一の機関で、ここは非常に大事なところであると思われるわけですが、そういう観点に立ちまして、今回の東洋通信機、ここを調査、検査して、返納額が妥当かどうか調べられたと思うのですけれども、このときに、その結果を会計検査院の説明員の方が、調本が計算した過大額について、著しく実情に沿わないものとは認められなかったと報告されました。
 ただ、そういう報告をされているわけなんですけれども、先ほどからも議題に出ておりますように、今回、返納額を定め、それぞれの過大に請求していた会社に対しての、例えば利息の問題についても先ほどから数名の方が指摘されましたけれども、これは、日本工機と藤倉航装については八・二五であるにもかかわらず、東洋通信機には四・八六%、ニコー電子には四・八%、このようなばらつきをもってペナルティーを課していたとか、それから、取引停止期間についてもばらばらであった。
 このような点を見ますと、今回の対応について、何かおかしいのではないかとか全く感じなかったのでしょうか。そのときは本当に、これでよかったと思っていたのでしょうか。これはジャーナリストに聞いても、このような対応を見たときには何かあるのではないかと普通は思うと言うのですけれども、検査院の方、いかがでしょうか。
○諸田会計検査院説明員 お答えいたします。
 東洋通信機も含めまして、今回四社の過大請求といいますか、あったわけでございます。
 それにつきまして、私どもは、二社につきまして、日本工機と藤倉航装でございますけれども、これにつきましては、会社へ赴きまして、会社で肩越し検査を実施しました。また、東洋通信機につきましては、平成七年の一月に、調達実施本部の検査の除、この点について調査したわけでございます。また、ニコー電子につきましては、その時点では我々としては把握しておりませんで、昨年の九月ですか、会社の方の検査をしたということです。
 この検査は、私ども防衛を担当しております課が一課、二課、三課とございまして、それぞれ担当する会社が違うというようなこともございまして、その時点で横並びで見るということをしていなかったということから、金利が八%あるいは五%ということにつきましても、実は、昨年これが公になって、その後調査した結果、そういう状況になっていたということを我々も初めて知ったということでございます。
○辻元委員 課が分かれていたので、それぞれチェックしていたけれどもトータルに見ていなかったというように今御答弁されたかと思いますけれども、これから検査をしていくに当たりまして、それは大きな問題になるかと思いますね。
 さて、今御発言の中に、肩越し検査であったという御発言がありましたけれども、これについて説明していただけますか。
○諸田会計検査院説明員 肩越し検査といいますのは、防衛庁の、原則的には調達実施本部の職員でございますけれども、その立ち会いのもとで、会社の関係者から、会社の概要あるいは決算状況、会社の原価計算手続、当該契約の原価計算内容等の説明を受けまして、防衛庁の契約の妥当性を確認するものでございます。
 私ども、国等に対する検査は、会計検査院法二十二条で直接検査ができるということになっておりますけれども、民間の会社等に対しましては直接の検査権限がないということから、防衛庁を通して会社の協力を得て、防衛庁の契約の妥当性を確認するというやり方をやっております。これが肩越し検査という言い方をしているものでございます。
○辻元委員 それでは、そのときの検査には、防衛庁のどこの部署のだれが立ち会ったのでしょうか。
○諸田会計検査院説明員 ちょっと私、その辺について、どなたが立ち会ったかというのはちょっとここに資料がございませんけれども、一応、たしか調達実施本部は五つの支部があったのではないかなと思いますが、その支部の職員、もちろん本部の方もいらっしゃるだろうと思いますけれども、原則としては支部の職員が立ち会っていると思います。具体的にどなたが立ち会ったということは、ちょっと、今現在わかりません。
○辻元委員 それでは、どなたが立ち会ったかは後でお知らせいただきたいと思いますが、調本の人が立ち会った、調本で扱った懸案について、肩越し検査の折も同じ部署の人が立ち会った、そのもとで検査が行われたということですね。
○諸田会計検査院説明員 ただいま申し上げましたように、各会社が存在するところの担当しております支部の職員でございます。
○辻元委員 もう一つお尋ねしたいことがあります。
 それは、先ほどからも話に出てきました東洋通信機とニコー電子には差し引く特別の方法という処理で、次の支払いから差し引く処理でこの懸案を片づけたということが問題になるのかどうかということが議論されていましたけれども、先ほどは、防衛庁の方はそれについて御答弁なさっていましたけれども、このようなやり方、これが会計法令上問題がないのかどうか、会計検査院も認める方法であるのかどうかをお聞かせいただきたいのですけれども。
○諸田会計検査院説明員 お答えを申し上げます。
 当時としては、防衛庁のとった措置は、速やかに国損の発生を防止するため次善の策としてとったものと考えていたわけでございますけれども、本来、過年度に締結しました契約におきまして過払いが生じた場合には、会計法令上、その返納額は現年度の歳入に計上すべきであると考えております。
○辻元委員 先ほどそれを伺ったのですが、そういうことは法律違反になるということでしょうか。
○諸田会計検査院説明員 適切でないことは適切でないと思いますけれども、それが法律違反になるかどうかということにつきましてはなかなか難しいことでございますので、やはり適切でないという言い方といいますか、御答弁になると思います。
○辻元委員 さて、次に何点かお聞きしたいのですけれども、先ほどからOBの再就職の問題ということが出てきました。再就職の問題も今回の事件の大きな焦点になっているのですけれども、このことについてお伺いしたいと思います。
 まず最初に、調達実施本部総務課が次のようなタイトル、「防衛庁OB就職状況」このようなものを一九九四年から作成して、その後、毎年更新しているというふうに私は聞きましたが、大臣、こういうものがあるのを御存じでしたか。
○額賀国務大臣 新聞で見て初めて知りました。
○辻元委員 その後一御確認はされたのでしょうか、あるかないか。
○額賀国務大臣 確かめました。
○辻元委員 ありましたか。
○額賀国務大臣 ありました。
○辻元委員 さて、これを作成している目的なんですけれども、これは総務課がつくっているというものですので、何も目的なくこのようなものはわざわざつくらないと思いますが、及川さん、これを作成した目的はどういうことなのでしょうか。
○及川政府委員 大変申しわけございませんが、ちょっと私どもの局ではその速旨は存じておりません。官房長がちょっと席を外しておりまして、私がお答えするのは適任ではないのではないかと思います。
○辻元委員 そうですか。
 そうすると、実際に防衛産業の主要企業百三十五社に千四百二十人の方が再就職をされている、これは九四年の記録ですけれども、よく言われる天下りなんですよね。この中で、私はこの数字を見たときに、確かに先ほどからいろいろな特殊性という議論もありましたけれども、これはやはりだれが見ても、そういう会社に行ってよく言われる天下りの弊害が出ないということはないし、むしろ今回の事件のように発覚しているわけですから、ここに対してこれからどういうふうな方針をとっていくのかということも、再発を防ぐ上では非常に大事だと思うのですね。
 ちなみに、実際に自衛隊法では、退官後二年間は退官五年前までに従事した部署とかかわる企業の役員にはなれないという定めがあるというふうに聞いているのですが、今回問題になった上野さんもそうなのですけれども、やめられてすぐ、役員ではなくて、顧問や嘱託になられるケースがあるわけですね。
 ここのところを、例えば上野容疑者の例ですと、一九九五年六月に防衛庁を退官後、この問題になっていますシー・キューブド・アイ・システムズ社の非常勤顧問として月額二十万円、年間二百四十万円の質問料を得ていた。同じNEC系列の日本アビオニクスからは月額十万円、年間百二十万円を受け取っていた。同時に、水増し請求が明らかになったパラシュート製造の藤倉航装からは三百六十万円のコンサルタント契約を結んでいた。防衛関連のほかの二社からも年間二十四万円ずつの顧問料の収入があった。これも顧問です。また、財団法人、先ほども出ました防衛生産管理協会からの報酬は年間約千二百万円に上っていたということで、役員の規制はあるわけですけれども、これを見ただけで、ようこれだけあっちこっちからと私もびっくりしてしまったのですが、大半が顧問や嘱託のような形で、役員の規制があるにもかかわらず、このようなことをなさっていたわけです。これはこの人だけの特殊な例ではなくて、ほかにもこのような例はたくさんあるのではないかと私は思うのです。
 ということで、自衛隊法でこのような規定もありますけれども、この天下り問題にどのようにメスを入れていくか。今まで天下ったというか、再就職された方々の行き先と報酬を一々調べなくてはいけないというのは、個人のプライバシーの問題もありますのでなかなかできないかもしれないと思いますけれども、長官にお聞きしたいのですが、このような現状を見て、今の自衛隊法を嘱託や顧問等も含めて厳しい方向で見直していかないと信頼を回復できないのではないかと私は思うのです。抜け穴みたいな感じになっているのですね。いかがでしょうか。
○額賀国務大臣 いわゆる天下り問題については、防衛庁だけではなく、一般公務員の面でも問題になっております。我が防衛庁でも、今度の調達事件をきっかけといたしまして、防衛庁の信頼を取り戻していくためにすぐやるべきこと、それから中長期的に何を考えていくべきかということの一つとして、この自衛隊員の再就職問題について、きっちりと外部の見識のある方々の意見を聞きながら、正々堂々としたルールをつくっていく必要があるというふうに思っておりまして、早急に、今委員御指摘のように少なくとも世間から、国民の皆さん方から誤解の受けることがない形をつくっていきたいというふうに思います。
○辻元委員 本日の新聞によりますと、委員のほかの方もびっくりされたかと思うのですけれども、会計検査院の方の仲介もされていたというような証言も出てきたというふうになっておりますので、これは検査院の方も含めまして、引き続き私も追及していきたいと思いますが、今の御答弁の中に、天下り問題について、メスを入れるというか再就職問題に取り組んでいくということでしたので、そこはしっかりやってほしいと思います。
 残念ながら、時間が来ましたので、これで終わります。
○塩田委員長 次に、東祥三君。
○東(祥)委員 まず初めに、東中委員並びに辻元委員に対し、質問時間の変更を快く受けてくれたことに対し、心から御礼を申し上げます。
 外務委員会で、既に北朝鮮の弾道ミサイルの問題について、外交の側面から何度か議論させていただきました。安全保障委員会においては、まさに外交という、そういう視点ではなくて、民主主義の全く機能しない体制下の隣国が我が国のほとんどすべてを射程に入れた弾道ミサイルを完成させたことは全く新しい脅威の具現であるという共通認識に基づいて、その場合、我々として、日本政府としてどのように対処していくのか。また、そこに欠けているものは一体何なのかという具体的な形での質問をさせていただきたいと思います。
 昨日も額賀長官は外務委員会の方に来ていただいておりましたので、きょうは安全保障とりわけ軍事上の視点からいろいろと質問させていただきたい、このように思います。
 政府はまず偵察衛星による情報収集能力を獲得したいとしておりますけれども、ミサイル攻撃に対処するためには、偵察衛星による情報のみならず、赤外線センサーをつけた弾道ミサイル追跡のための人工衛星を独自に獲得する必要があるのではないのか、このように素人ながらに思うのですが、この点について、額賀防衛庁長官、いかがお考えでしょうか。
○額賀国務大臣 防衛庁では、民間のランドサットとかそういう画像をいただいて解析をしながら、情報収集あるいはいろいろ勉強してきたことは事実であります。
 今度の北朝鮮の弾道ミサイル事件をきっかけにいたしまして、偵察衛星とか静止衛星とかの話が議論になっておりますけれども、我が国として対外的なこと、あるいは費用対効果等々を総合的に考えたときに、これはどういう選択をするのが適切であるかどうかということはこれから考えていくことであろうというふうに思います。
○東(祥)委員 いつごろまでにその結論を出されようとしているのでしょうか。
○額賀国務大臣 防衛庁としては、そういう大きな関心を持っておるけれども、具体的な形で計画等を考えているところではありません。
○東(祥)委員 そうすると、情報収集能力の点に関して言えば、日本はこの弾道ミサイル、こういう攻撃が近々はないだろう、そういう判断のもとに防衛庁の最高責任者でいらっしゃる額賀防衛庁長官はいらっしゃるということでしょうか。
○額賀国務大臣 これは、弾道ミサイルの発射が我が国に対してあるかどうか、断言できるものではありません。しかし、アジアにおいても大量破壊兵器、弾道ミサイルの脅威というのは拡散をしているということは事実であります。そういう中で、どういうふうに我が国の安全を保っていくかということはまことに大きな課題であるというふうに認識をいたしております。
 現実的に、我が国一国だけでそういう態勢が今とれるのかというと、とれる可能性は、私はなかなか容易ではない。したがって、我が国は、日米安保条約に基づいて我が国の安全を保っているわけでございますから、日米同盟関係をさらに緊密化をし、情報を共有し、そして我が国の安全と北東アジアあるいは世界の安全と平和に対処していくということが、今我々の選択する最も現実的な道ではないかというふうに思っております。
○東(祥)委員 防衛庁長官、弾道ミサイルが撃ち込んでこられるのかどうか、私はそのことについて判断を問うているのではなくて、まさに我が国のほとんどすべてを射程に入れた弾道ミサイルを完成させたという事実、この点に関しては認識を共有するのではないでしょうか。
 そのときに外交と安全保障という問題を一緒くたに考えると、何が何だかわからなくなってしまうわけです。あくまでも、防衛庁の最高責任者である防衛庁長官というのは、ないかもしれないけれども、もしあった場合国民の生命と安全をどのように守るのかという、その点に関してすべての全知全能を傾けて考えていてくださらなければ防衛庁長官を務めている意味はない、僕はこのように思うわけです。
 今おっしゃったことは何を言わんとしているのか、よくわかりません。それは、日本は独自に情報収集能力を選択しようとしているのか。その選択の道を放棄して、あくまでも日米安保体制のもとでアメリカとの間に協定を結び、アメリカの持っている情報収集能力を日本は受け入れる、そういう選択の道を選ぼうとしているのか。その二つの間なのか。それに対して防衛庁長官は何もおっしゃってはいないではありませんか。私はそれを聞いているのです。
○額賀国務大臣 今言いましたように、弾道ミサイルの脅威は感じているわけでございます。ではそれにどういうふうに対応していくかということについて、いろいろと研究もしているわけでございます。
 それから、情報をどういうふうに得ていくかということについて、これは何もアメリカ任せだけではなくて、我が国でどういう手段があるのかということについても、これまでも努力をしてきたし、今後も、民間の衛星とか技術、能力が進歩していることを踏まえまして、我々もさらなる情報の収集ができるように考えていきたいということであります。
 そういうことを踏まえた上で、日米安保条約に基づいて、既に早期警戒情報を含めて密接な関係をつくっていることでありますし、そういう緊密な連絡体系のもとで、そういう弾道ミサイルに対応していく努力をしているということであります。
○東(祥)委員 防衛庁長官、たとえ衛星による早期警戒情報を独自に入手したとしても、あるいはまたアメリカの力をかりてアメリカの早期警戒情報を入手したとしても、我が国は、まず現実の問題として、弾道ミサイル攻撃に対して何ら実効的な迎撃手段を持っていないのではないのか。
 まずこの事実確認について、防衛庁長官はどのようにお考えなのか、教えていただきたいと思います。
○額賀国務大臣 現実的には、そういう情報が得られた場合でも、具体的に国民を守り切れるかどうかという体制ができているとは言い切れません。
○東(祥)委員 言い切れないだとかいうのじゃなくて、迎撃手段を持っていないんじゃないですか。一部でも何かあるならば、ちょっと教えていただきたいと思うのですが、後からずっと僕は質問していきますが。
 まず事実認識として、防衛庁長官という日本の安全保障の最高責任者である立場にいらっしゃる防衛庁長官がどのような認識をしているのか。
 たとえ情報が入ってきたとしても、実効的な迎撃手段を持っていない、そういう事実認識に基づいて日本の防衛をどういうふうにしていくのか。いや何かあるかもわからない、よくわからないけれども何かあるに違いない、全然違いますね。
 まず迎撃手段を持っていないんでしょう。いかがですか。
○額賀国務大臣 日本の国の防衛力というのは、日本の国を専守防衛という形で守っていこう、必要最小限の防衛体制をしいていこう、しかしそれにもかかわらずさまざまな兵器が周囲を取り巻いているから、どうやって考えていくかということについては、日米安保条約に基づいて日本の国を守ろうということであります。十分ではないけれども、日米安保条約に基づいてきっちりと日本の国民の皆さん方を守っていくということで全力を尽くしていきたいということであります。
○東(祥)委員 防衛庁長官、決意はわかるのですが、具体的に質問させていただきます。
 核兵器ないし化学兵器等の大量破壊兵器が開発される可能性というのは、まさに昨日の外務委員会で外務大臣に質問させていただきました。米朝協議のまさに重要な項目になっているわけですが、この米朝協議によって必ずしも排除されない。その場合、北朝鮮が核兵器ないし化学兵器等の実用を可能とした場合には、我が国は弾道ミサイルによる大量破壊兵器攻撃の脅威にどのように対処しようと、防衛庁長官、お考えになっているのですか。
○額賀国務大臣 今北朝鮮において核開発あるいは弾道ミサイルの開発の動きがある中で、これはアメリカ、韓国そして我が国も、これを何とかして抑止をしていこうという努力をしているわけであります。もちろん先生おっしゃるとおり、そういう核拡散、弾道ミサイルの拡散について我々が全力を尽くして、これは、外務大臣もおられますけれども、外交努力をし、あるいは国際的な機関の中でそういう環境づくりをしていくことがまず考えられると思います。
 と同時に、北朝鮮のミサイル開発というのは、日進月歩とまで言えるかどうかは別にして、急速な進歩をしているということについては、これは韓国もあるいはアメリカも、我々は北の弾道ミサイルについて共通の脅威の認識を持つことが大事ではないか。そういう中でお互いの平和と安全を保っていこうとする努力が結ばれていくものと思っております。
○東(祥)委員 僕は外務大臣に質問しているのではなくて、防衛庁長官に質問させていただいているのです。防衛庁長官の答弁としては極めて不十分である、このように言わざるを得ません。
 私は具体的に質問させていただいているわけです。北朝鮮が核兵器ないし化学兵器等の実用を可能とした場合には、あくまでも防衛あるいは安全保障というのは性悪説に立たなくてはいけないわけですから、やるかやらないかどうかわからない、しかし、何とか今の状況をこういう状態にならないようにする努力を、まさに外交でやっているわけです。しかしそれがもし破綻してしまったときに、いざそういう、私たちが想定していない、また期待していない最悪のシナリオが来たときにどうするのか、それをやられるのは防衛庁長官でしょう。外交問題は外務大臣に任せればいいわけです。外交問題で手詰まり状況になったときにどうするのか、それを僕は聞いているわけです。それに対して、残念ながら何ら直接的な形で答えてくださっていない。
 大量破壊兵器攻撃の脅威にどのように対処するのか。今の段階では対処できないんじゃないですか。そういうふうに言えばいいじゃないですか。その上で、どうするのかということを今考えている、それを言うべきでしょう。対処できるものが何かあるとすれば教えてくださいと言っているわけです。どうぞ。
○額賀国務大臣 我が国は、大量破壊兵器については非核三原則というものがあります。それからまた弾道ミサイルの脅威については、これにどう対応するかということについて大きな問題意識を持って対応しております。今即座に、そういう大量破壊兵器とか弾道ミサイルが飛んできたときに我々がどういう対応をするかというと、それは日米同盟関係のもとで共同対処する以外はないということであります。
○東(祥)委員 いや、信じられないですね。
 防衛庁長官の職務というのは何なのでしょうか。いざ防衛出動をしなくてはいけないときに、最高責任者というのは、総理、そして防衛庁長官ですよね。僕らの命というのは防衛庁長官に預けているのだというふうに思いますけれども。まさに、軍事組織である自衛隊をどのように動かすかという、その最高責任者でいらっしゃいますでしょう。
 大量破壊兵器攻撃の脅威にどのように対処するのか、日米安保体制の中で考えますというのは、どのように考えているのですか。
○額賀国務大臣 我が国を守るのは、武力攻撃を受けたときに日米安保条約に基づいて共同対処していこうということであります。その前に、周辺でいろいろな地域紛争が起こったときにはどう対処していくかということについては、今国会に法案を出している中でいろいろと我が方も周囲の安定を保っていくためにできることを考えていこうということになっております。
 しかし、周辺のそういう、我が国に対して絹織的に、計画的に武力攻撃が起こるかどうかということについては、その国の意図、あるいはその国の計画、あるいはその国の軍事力というか力、そういうことも相当に事前から情報収集をしておくことが必要であるわけですから、そういう中で事態に臨機応変に対応していくし、また日米同盟関係に基づいて、こうしたことが、具体的な、現実的な武力行動が起こることがないように、また努力をしていくことも大切なことであろうと思っております。
○東(祥)委員 弾道ミサイル攻撃に対しては何ら実効的な迎撃手段を持っていない、そういう認識に基づいて大量破壊兵器攻撃の脅威にどのように対処するか、まだその対処方針というのはできていないのでしょう。そう言えばいいではないですか。
 まさに日本が危機的な状況にあると国民の皆さんにもよく理解していただいて、どうずればいいのか、それを考えるために防衛庁長官はいらっしゃるのでしょう。防衛庁長官が今ずっと言われていることは外務大臣が十分言ってくださいますよ。それは防衛庁長官の仕事ではないですよ。違いますか。軍事的な御訓練をされて、また知識を得て、そして防衛庁長官になられたのか、防衛庁長官になって何をやられようとしているのか、僕はよくわかりませんけれども、少なくとも防衛庁長官に就任されることを防衛庁長官は決意されたのですから。
 そうすると、日本の防衛上、安全保障上問題があったときに、自分自身がすべての、全知全能を傾けてそれに対処していくのが防衛庁長官の役割でしょう。それがないならばやめるべきですね、大変失礼なことを申し上げているようですけれども。言われていることは、防衛庁長官の話ではなくて、外務大臣のお話ですよ。
 さらに言います。TMDの実用化にどのように取り組まれようとしているのか。
 TMDが、あるいはBMDでも結構ですが、一〇〇%の迎撃率がないから導入は無用との意見がありますが、例えば大都市の五〇%の人口が救える可能性があるのであれば、五〇%の人間を救うことがむだであると言えるのだろうか。そうではないと私自身は思うのですが、防衛庁長官、この考え方についていかがお考えですか。
○額賀国務大臣 先ほど来言っておりますように、弾道ミサイルの脅威について我々も勉強をし、そしてこれにどう対応するかということについてアメリカと総合的な調査研究をしてきている。そして、脅威がどういうものであるか、そして防空システムをどういうふうにしていくのか、そしてまた実現性があるのかどうか、あるいはまた費用対効果はどうなのか、総合的に考えて今、次のステップの技術的な協力に進むか進むべきでないかというところに来ている。
 私は、前向きに考えてこの防衛システムの研究に前進をしていくことが大切であるし、またそれが弾道ミサイルの脅威に対してのひとつの抑止力になっていくのではないかという思いがあります。
○東(祥)委員 抑止の問題についてはまた後で論じますけれども、なかなか議論がかみ合わなくて苦労してしまうのですけれども。余り僕のことを心配してくださらなくて結構ですから。ダイレクトに言ってくだされば。極めて真っ正直に僕は質問していると思うのですが。
 迎撃能力がありますか、ありません、また、大量破壊兵器に対してどのように対処しようとされていますか、まだそういうことを考えていません、今考えている最中です、それで結構ですよ。それによって初めて日本の現実というものを国民の皆さんが理解してくれて、これでいいのだろうかということになるわけです。それを、よくわからない言葉でまぶしていて、結局何もないではないかということがわかるよりずっとよろしいのではないですか。それは、全世界、全部知っているのですよ。知った上で、どういうふうにするのだろう、偵察衛星の問題、どうするのだろう、日本というのは。
 日米間において研究協力をやっているというのもみんな知っていますよ。しかし、研究協力をやるに当たって、最高指揮者がこの問題に対してちゃんと方針を明確にした上でしか担当の人間の方々はどこまで協力していいのかわからないわけではないですか。それを、防衛庁長官は何か他人事のようにおっしゃっていることについて僕は物すごく、何とも言えない寂しさを感じざるを得ないのですけれども、そういう防衛庁長官に日本の安全を任せている。
 さらに、きのうも若干質問させていただいておりますが、それを軍事的に安全保障上の視点から質問させていただきます。
 政府は、昭和三十一年の政府統一見解を引いて、座して死を待たずと言うが、つまり、先ほどから防衛庁長官が何度も言っていることですけれども、もし弾道ミサイルが日本に発射されたときにどうするのか。これを迎撃するシステムはできていないわけですから、当然、弾道ミサイルを発射する基地、敵基地を攻撃する必要があるわけですね。それに対して、日本として敵基地をいかにしてたたくことができるのか、そういう疑問が生じてくるわけです。
 これに対して、我が国の航空自衛隊のF2にそのような対地攻撃能力がまずあるりか、F2の足が短いというのであれば空中給油機の導入を見直さなくてよいのか、こういう疑問が一連の疑問として僕に生じてくるわけですが、この点について、防衛庁長官、お答えになれれば教えていただきたいのですけれども。
○額賀国務大臣 どこの国かが日本にミサイルを撃ち込んできた、そのときにどういうふうにこのミサイルに対応するかということについて、代替手段というか、いい方法がないというときは、そのミサイルが飛んできた基地を攻撃するということは自衛権の枠の中であるという三十年代初めの考え方はまだ生きていると思っておりますし、それを支持したいというふうに思っております。
 しかし、今委員御指摘のように、では、それに対抗して基地をたたく能力が日本にあるのかないのかということについては、そのときの、どこの国であるか、あるいはどこの組織であるのか、どういう状況であるのかということがよく見きわめられなければならないということが一つあろうと思います。
 もう一つは、可能性があるから、こちらから先制攻撃的にはできないわけだけれども、相手が撃ち込んできた以上は、今度は日米安保条約に基づいて共同対処ができるということになると思います。
○東(祥)委員 防衛庁長官は答えてくださっていないのですが、航空自衛隊のF2に敵地攻撃能力がありますかと私は聞いているのです。あるのか、ないのかです。
○額賀国務大臣 今のところ、自衛のためにそういう給油機は我々は持っていないわけでありますから、これが我が国の防衛力整備の中で必要最小限の防衛力にとどめているという限りにおいては、これが足を長くするということは攻撃的であるということで問題になっておりますけれども、私は、みずからの自衛のために給油機等を持つことは議論されてもいいのではないかというふうに思っております。
○東(祥)委員 よくわかりました。
 F15というのは二百機あるというふうに聞いておるのですが、F15は弾道ミサイル攻撃の撃墜には役に立たないというふうに私は理解しておりますが、対地攻撃能力は備えているのでしょうか。敵地攻撃をすることは、F15で可能ですか。
○佐藤(謙)政府委員 事実関係でございますので、私の方から補足をさせていただきます。
 先ほど、まず弾道弾ミサイルに対する対処能力ということで御議論がございましたが、弾道ミサイルと申しましても、射程によってこれはその対処の難易が大きく変わってくるわけでございます。少なくとも、射程が千キロを超えるような弾道ミサイルに対して、それに対する迎撃能力を持つ装備を有している、そういう国は、日本のみならず、これはほかの国でもございません。そういった意味では、要するに、弾道ミサイルに対する迎撃対処をどうするかというのは、これは国際的な、世界共通の課題、こういうふうにまず言えるのだろうと思います。
 それから、昭和三十一年の二月二十九日の政府統一見解の関係で防衛庁長官から御答弁申し上げましたように、まさにその見解自体は生きているわけでございますが、これはまさにその三十一年二月二十九日のときの答弁でも申し上げていますように、法理論としてこういう考え方であるということでございます。しかし、実際にそれに対する対応をするということにつきましては、まさに、日米安保条約を結び、そういうものを日本の自主防衛力と並んで日本の安全保障の基調にしている、こういうことで対応していくということになろうかと思います。
 それから、では、現有の自衛隊の装備によってここで言う敵基地攻撃と申しましょうか、そういうことが可能かということになりますと、これはいろいろな諸条件があろうかと思いますが、少なくとも現在そういった敵基地攻撃を目的とした装備体系になっていないわけですから、実際にそういうオペレーションをするとすれば、単品単品の装備品がどうかというよりも、全体としてこのオペレーションができるような装備体系になっているかどうかということが軍事的には意味があるわけでございまして、そういった意味では、現時点において自衛隊が敵基地に対して軍事的に有効な攻撃を行うということは難しいという状況にあろうかと思います。
○東(祥)委員 我が国の海上自衛隊、護衛艦からの艦砲射撃や対地ミサイル攻撃というのは、これは可能ですか。
○佐藤(謙)政府委員 現在海上自衛隊が装備しております護衛艦、いろいろな種類がございます。それにもちろんミサイル、それから砲も積んでおります。
 それで、そのミサイルから申しますと、一つ積んでおりますミサイルは艦対艦ミサイルというものと、それからあとは対空、防空のためのミサイル、こういうことになってございます。
 それから、砲でございますけれども、これもいろいろな種類がございますが、基本的に防空火器というようなものが主目的の装備になっているということだと思います。
○東(祥)委員 防衛局長の方から、弾道ミサイル、とりわけ千キロ以上の射程を持つ弾道ミサイル攻撃に対して、日本のみならず世界のどこもそれに対して効果的な迎撃をすることはできない、そういう御説明がありまして、日本もその限りにおいては全く同じような状況にあると。
 そういうことであるとすれば、防衛庁長官、国民の生命財産を守るには、先ほど防衛庁長官がおっしゃっていた、事前に敵を抑止するしかない。抑止を実現するには、論理的には米ソ冷戦時代の相互確証破壊の理論、僕も勉強させていただきましたけれども、あれにあるように我が国も弾道ミサイルを装備するしかないということになるのでしょうか。この点についていかがですか。
○額賀国務大臣 今、ここ数年間、弾道ミサイル防衛のために、アメリカといろいろな相互調整、調査をしてきているわけであります。それについて実現性が現実的なのかどうか、技術協力がどの分野でできるのか、最終的な判断をする場面に来ているということを申し上げたわけでございます。
 今後、私は、前向きにこれに取り組んで、まずは技術的な面でいろいろとアメリカと調整をしていくことが大事であり、その過程で、現実的にそういうミサイル防空システムというのができ上がるのかどうかということを見きわめていくことが大事であろうと思っております。
○東(祥)委員 弾道ミサイルを装備する、こういう考え方は全くないということですか。
○額賀国務大臣 全体的なことを考えながら、弾道ミサイル防空システムはどうあるべきかということを我が国として見定めて考えるということであります。
○東(祥)委員 また、我が国独自の敵基地攻撃が難しいということであれば、これは結局日米安保体制、日米安保条約に基づいて米軍に頼るしかないわけですね。
 それで、米軍は軍事的に北朝鮮のミサイル攻撃にいかに対処し得るのでしょうか。日米安保体制に基づいて、これまで日米両国で北朝鮮の対日ミサイル攻撃を想定した防衛構想を協議したことがありますか、いかがですか。外務大臣もいらっしゃるから、いかがでしょう。
○佐藤(謙)政府委員 弾道弾ミサイル攻撃を受けた場合に、それに対する対処でございますけれども、去年の九月に取りまとめました「日米防衛協力のための指針」、この中におきましても、弾道ミサイル攻撃に対する対処につきまして、日米間の役割を整理しているところでございます。
 その中で、「自衛隊及び米軍は、弾道ミサイル攻撃に対応するために密接に協力し調整する。米軍は、日本に対し必要な情報を提供するとともに、必要に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮する。」こういうふうな考え方で日米の役割を整理しているところでございます。
○東(祥)委員 ということは、僕は頭が余りよくないので、防衛局長、よくわからないのですが、日米両国で北朝鮮の対日ミサイル攻撃を想定した防衛構想を協議しているのですね。どうですか。
○佐藤(謙)政府委員 まさに日米の役割、その調整の方向を定めたものがこの日米の防衛協力のための指針でございます。したがいまして、こういう考え方が基本になって、日米の役割、調整のあり方、こういうものを具体的に定めていく、こういうことになろうかと思います。
○東(祥)委員 防衛庁長官、激しい言葉で言っていると、東というのは激しい男だなというふうにお思いになっているかわかりませんけれども、私たちが相手にしている北朝鮮というのは何を考えているかわからない国です。ところが、防衛庁長官、外務大臣、総理大臣、官房長官、何を言っているかというのは全部知っているわけです。したがって、ここでの、安全保障委員会での防衛庁長官の発言も当然後で知り得る立場にあり、どういう発言をしているのか、日本の安全保障の最高責任者である防衛庁長官が何を考えているのか、全く何も考えていない人なのか、全部わかっているわけです。
 だから、そういう形で北朝鮮のみならず全世界が、日本が国際政治において何をやろうとしているのか、とりわけ日本の安全保障上まさに類例を見ない脅威を与えているこの問題に対してまさにこの安全保障委員会というものが、トッププライオリティーです、この問題は。それに対してどのような議論をされているかということを逐一わかっているはずですよ。
 だから、私は、防衛庁長官という立場というのは本当に大変だな、夜も眠れないだろうなというふうに推察して、そして今の現状について事細かくお話を聞きたいという意味でさせていただいているので、外務委員会におりますけれども、また何度となくこちらに来させていただいて質問させていただきますが、どうぞよろしく御指導賜りますようお願いいたします。以上です。
○塩田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十二分散会

  〔参照〕 安全保障委員協議会
平成十年九月一日(火曜日)
    午後六時三分開議
 出席委員
   委員長 塩田  晋君
    理事 安倍 晋三君  理事 浅野 勝人君
    理事 江口 一雄君  理事 石井 紘基君
    理事 前原 誠司君  理事 赤松 正雄君
    理事 西村 眞悟君
       麻生 太郎君     池田 行彦君
       臼井日出男君     小野寺五典君
       大野 功統君     嘉数 知賢君
       河井 克行君     岸本 光造君
       栗原 裕康君     小泉純一郎君
       阪上 善秀君     田村 憲久君
       中山 利生君     船田  元君
       山崎  拓君     吉川 貴盛君
       岡田 克也君     中野 寛成君
       横路 孝弘君     西  博義君
       二見 伸明君     中路 雅弘君
       辻元 清美君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 高村 正彦君
        国 務 大 臣 
        (防衛庁長官) 額賀福志郎君
 出席政府委員
        防衛庁長官官房
        長       藤島 正之君
        防衛庁防衛局長 佐藤  謙君
        防衛庁運用局長 大越 康弘君
        防衛庁装備局長 及川 耕造君
        外務省アジア局
        長       阿南 惟茂君
        外務省北米局長 竹内 行夫君
        外務省条約局長 東郷 和彦君
 委員外の出席者
        安全保障委員会
        専門員     田中 達郎君
    ―――――――――――――
協議事項
 国の安全保障に関する事項(北朝鮮による弾道
 ミサイル発射について)
     ――――◇―――――
○塩田委員長 これより安全保障委員協議会を開会いたします。
 国の安全保障に関し、北朝鮮による弾道ミサイル発射について議事を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浅野勝人君。
○浅野委員 まず、事実関係を確かめておきます。
 朝鮮民主主義人民共和国、北朝鮮は、旧ソ連製のスカッドミサイルを改良して開発したノドン一号の試射以来五年ぶりに、きのうの昼、新しい弾道ミサイルを実験発射いたしました。
 このミサイルは、北朝鮮の東部沿岸の大浦洞、朝鮮語でテポドンと呼ばれる地点の近郊から発射されて、千数百キロ先の三陸沖の公海上に着弾したというのは間違いありませんか。
○額賀国務大臣 各先生方には、突然の委員会で大変御苦労さまであります。
 浅野委員の御質問にお答えをさせていただきたいと思います。
 今浅野委員が御指摘のように、現在のところ、諸情報を総合的に分析いたしました結果、当該弾道ミサイルは、北朝鮮東部沿岸の大浦洞、テポドン付近から発射されたものと考えております。
○浅野委員 三陸沖の公海上に着弾したという総合的な判断もおありと理解をしますけれども、事前通告なしに、他国の領域を通過するのを承知で弾道ミサイルの実験発射をした例はありますか。
○額賀国務大臣 今、浅野委員御指摘のとおり、大浦洞から発射された弾道ミサイルは三陸沖に弾着をいたしたというふうに認識をいたしております。
 それを時を追って御説明をさせていただきますと、私どもは、八月三十一日十二時過ぎに北朝鮮から発射された弾道ミサイルについて、情報収集を展開してきたところであります。その上で、大浦洞から発射された弾道ミサイルの弾着は、日本海に一つ、これは推測するに、二段式ミサイルの第一段目の落下であろうというふうに推測をいたしております。それから三陸沖に一つ、これは第二段目の落下というふうに推測をいたすわけであります。同じく三陸沖のより遠方のところに一つ、弾頭と思われるものが弾着をいたしたものと推定をしているということであります。
 日本海への落下については、ウラジオストク南方海域であると考えております。また、三陸沖への弾着については、弾着地点は、発射地域大浦洞から我が国三陸地方の延長線上、北緯三十九度から四十一度前後の幅で三陸沖東方五百キロメートルまでの公海上に弾着したものと受け取っております。今その地域において、防衛庁といたしましては哨戒機及び護衛艦によって探索活動を続けているというのが実情でございます。
 それから、ただいまの御質問でありますが、事前の警告なしに弾道ミサイルを発射して、領土の上を通った例はあるかという御質問でございますけれども、防衛庁といたしましては、必ずしもすべての事実関係を把握しているわけではありませんけれども、平時において、何の警告もなく他国の領空に向けて弾道ミサイルが発射されるという例は聞いたことがないというふうに思っております。
○浅野委員 一つ間違えば日本列島にミサイルが落ちたかもしれない、それを承知で発射したことは、明らかな敵対行為であります。事態をあおるつもりはありませんけれども、防衛出動の要件となっている攻撃のおそれがある場合に当たります。そういう意味では、日本にとっても大変な事態ですけれども、同時に、射程が二千キロ内外ということになりますと、モンゴルのウランバートルから香港、台湾、フィリピンの北部までその中に入るということでありまして、北東アジアに対する脅威ははかり知れないものがあります。
 私は、政府はきのう直ちに安保会議議員懇談会を招集していただきたかった。政府の危機意識が遺憾の表明だけでは困ります。マルチの場できちんと取り上げて対応していく必要はございませんか。
○額賀国務大臣 浅野委員の御指摘でありますけれども、防衛庁といたしましては、この情報を得た上で、実態はどういうふうになっているのか、事実関係の追及に全力を挙げたわけであります。しかしながら、米軍情報だけではなかなか事実関係がつかみ切れない。我が方もあらゆる手段を講じて情報を収集しているわけでありますけれども、まず事実関係を掌握することが大事であるということから、本日の安全保障会議懇談会という形になったというふうに理解していただければありがたいと思います。
○浅野委員 今の私の質問に対して外務大臣の所感を伺います。
○高村国務大臣 委員御指摘のように、これはゆゆしきことでありますから、北朝鮮に対してもしかるべき対応をとっていきたいと思いますし、そして、韓国、アメリカと情報をしっかり交換するとともに、例えば国連における対応、安保理で実効的な取り上げ方というのはなかなか難しい面もあるのですが、あるいは安保理とか総会においてしかるべき形で問題を提起するように努力していきたい、こういうふうに思っています。
○浅野委員 こんな無謀なことを何の目的で朝鮮民主主義人民共和国がやったのか、これは想像するしかありませんが、きょう防衛庁に韓国の千国防部長官を迎えて日韓防衛首脳会談を行いましたね。これをねらって撃ってきたとも受け取れないわけでもない、私はそんなふうにも感じておりまして、首脳会談では今後の対応についてどんな話し合いになりましたか。
○額賀国務大臣 確かにきょう千国防部長官がおいでになりまして、午後、一時間半にわたりまして防衛首脳会談を行いました。北朝鮮の弾道ミサイル発射の問題がありましたから、テーマはまず弾道ミサイルの問題について率直に意見交換をいたしました。
 それで、私といたしましては、かねてから北朝鮮のミサイル開発あるいは大量破壊兵器の拡散等々の中で、弾道ミサイル防衛というのは極めて大事であるという認識を持っている、そういう中で、突然というか北朝鮮の弾道ミサイルの発射が行われて、我が国の領土及び上空を越えて太平洋に着弾するということはゆゆしき事態である、したがって、この弾道ミサイルの脅威について、これは日本の脅威であると同時に韓国の脅威でもある、お互いに意見交換をし、情報交換をし、対応していく必要があるということで意見の一致を見ました。
 その上で、今後は、この弾道ミサイル脅威について、双方の実務者レベルにおきまして協議する場をつくりまして、お互いに意思疎通を図り、緊密な連絡をとって対応をしていこうというふうに相なりました。
○浅野委員 外務大臣、米朝協議へのアピールだという見方もあるようですし、朝鮮半島エネルギー開発機構、KEDOにどのように対応していかれるおつもりですか。
○高村国務大臣 KEDOは本来、実質合意が軽水炉の費用分担についてできていたわけで、それをきっちり取り決める、こういう方向で進んでいたわけでありますが、こういう状況のもとであっては延期する、延期するというのが適当か一時中止するというのが適当かよくわかりませんが、いずれにしてもこれを現時点で進めない、こういう状況だと思います。
○浅野委員 BMD、弾道ミサイル防衛の予算化の問題ですけれども、概算要求は、大臣、見送っておるわけですよね。それで、アメリカとの調整がつけば追加要求をしたいというのが防衛庁の考え方だというふうに理解をしていますが、アメリカとの調とは、五十キロ以上の上層でミサイルを迎撃するネービー・シアター・ワイド・ディフェンスと言っている海軍戦域防衛ですね、NTWDに研究参加する場合に、具体的にどの分野を日本側が担当するかという詰めが残っているだけだというふうに理解してよろしいですか。
○額賀国務大臣 平成七年から弾道ミサイル防衛につきましてアメリカと技術研究をしてまいったわけでありますけれども、防衛庁といたしましては、弾道ミサイルの脅威というものはどういうふうに認識すべきか、あるいはまた、これに対応して防空システムというのはどういうふうにあるべきなのか、そして現実に技術的な対応力、技術的な可能性があるのかどうか、そういうことについて慎重に研究をしてきた。
 そして、今後、アメリカの言ってみれば技術的な進捗状況等々、あるいは日本の対応、そういうことも考えながら今研究をしているわけでありますけれども、技術協力がどの分野でできるかということを今慎重に研究をしている、協議をしているというふうに受け取っていただきたいと思います。
○浅野委員 日本側がNTWDのどの分野を研究をするのか、担当をするのかという詰めがはっきりすれば、日米の調整がついたということであるとしたら、精力的にアメリカとの間で話し合いを進めていただきたい、そのように希望をしておきます。
 日米防衛協力の新しいガイドラインの中には、BMDは日米が協力して対処していくということが明記されているわけですね。したがって、新しいガイドラインの審議促進が急務になってきたということを指摘して、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○塩田委員長 次に、前原誠司君。
○前原委員 昨日、北朝鮮によりまして弾道ミサイルの発射実験が行われましたことは、しかもそのミサイルが我が国の上空を通過して三陸沖に着弾をしたということは、まことにゆゆしき事態であり、我が党としても抗議をし、そして二度とこういうことが起こらないように責任を持った対処を政府に求めていきたいと思っております。そのことをまず初めにお話をさせていただきます。
 それでは、内容についてちょっと御質問をしていきたいと思いますが、きのうのテレビ報道の中にはロシアの報道がなされておりました。ロシアについてはこのミサイル発射実験についての事前通告があった、こういうことでございますけれども、その確認を外務省としてはされているのかどうか、あるいは同盟国であるアメリカに対してはどうだったのか。そしてまた、ロシアのその報道の中では、実験は失敗であった、こういう言い方をロシアの高官がされているわけでございますけれども、どういう意味と防衛庁としては分析をされているのか。それぞれ、外務大臣、防衛庁長官に御質問をしたいと思います。
○阿南政府委員 ただいま御指摘のロシアの反応でございますが、今先生もおっしゃいましたように、若干錯綜した内容もございます。ロシアの方に事前通報が行ったということは確認しておりません。また、アメリカの方にもそういうことがあったとは確認しておりません。
○額賀国務大臣 ロシアの高官で失敗したというコメントがあったという御指摘でございますけれども、私はそれを直接確認をしておらないわけでございます。
 しかしながら、私どもといたしましては、北朝鮮から発射されたミサイルが、確実にというか、千数百キロメートルを越えて三陸沖に着弾をしたという可能性は高いということの事実関係を掌握しているということであります。
○前原委員 他国に対しては、ロシア、アメリカとも事前通告がなかったということですか、それともその事実については確認をしていないということですか。イエス、ノーで結構ですので、簡単にお答えください。
○高村国務大臣 ロシアについては確認をしていないということです。それから、アメリカについてはないと思っています。
○前原委員 先ほどの質問に対する答弁の中で、国連への提訴というものも視野に入れて考えたいということを外務大臣がおっしゃいました。こういう実験というものについて、国際法上問題があるのかないのか、その点について御見解を外務大臣からお伺いしたいと思います。
○高村国務大臣 ミサイルがどの程度の高さでどの地点を通ったかということがきっちりわからないと、国際法上問題があるかないか、きっちりした形で言えない、こういうふうに思っております。
○東郷政府委員 国際法上の観点から、ただいまの大臣の御説明を若干補足させていただきたいと思います。
 国際法的視点から本件を考える場合に、二つの視点があるかと思います。ただいま大臣から御説明がありましたように、日本の上をミサイルが飛んでいったという点に関しては今のようなことでございますが、もう一つ、このミサイルが着地した公海との関係での問題がございます。
 この点に関して申し上げますと、一般論として申し上げれば、国際法上、公海もしくは排他的経済水域においてミサイル発射実験を行うこと自体が禁止されているわけではございませんが、しかしながら、そういう実験等を行う場合には、当然、公海の自由を行使する他国の利益、それから排他的経済水域における沿岸国の権利及び義務に妥当な考慮を払ってそういう実験を行わなければいけないということでございまして、これは国連海洋法条約にそういう規定がございます。
 今回の実験というものがそういう妥当な考慮を払って行われたかどうかという件に関しましては、何らの事前の通報もなく行われたわけでありまして、妥当な考慮を払ったとは言いがたいという側面があるかと思います。
○前原委員 外務大臣、大気圏外だっなかなかったかがまだ確認できていないからというふうな言い方をされましたけれども、確かに大気圏内だったら領空侵犯で、それは問題だということはありますよ。ただ、技術的な問題からすればこれは大気圏外であったということは確認されているわけでしょう。そういう前提のもとで僕は質問しているわけですよ。
 ですから、今の条約局長の答弁で結構ですけれども、ある程度の事実確認というのは、それは精緻に詰めていかれるというのは必要かもしれないけれども、客観的情勢の中でもうわかっていることについてはそれを前提としてしゃべってもらわないと質問がなかなかしにくいということはちょっと申し上げておきます。
○高村国務大臣 必ずしも全行程を大気圏外で通ったかどうかまだ確認されていないと思っておりますので、ああいう答弁をいたしました。わざわざしち面倒くさくするためにああいう答弁をしたわけではないということを御了解いただきたいと思います。
○前原委員 ちょっと技術的な話をさせていただきたいと思いますが、これは防衛庁、防衛庁長官おわかりになれば御答弁いただきたいのですけれども、この射程が大体どれぐらいであったのか、それからテポドンというスカッドミサイルの改良型についての命中精度をどのように考えておられるか、その点について、今わかっておられる程度で結構ですから、御答弁いただきたいと思います。
○額賀国務大臣 これは、テポドンから発射されて、最終的に弾頭が着地した点は発射地点から大体千数百キロと言われているというふうに聞いておりますけれども、これは今、米軍の情報とか我が国で得た情報をもって精査をしておりまして、確実なデータというものはまだ把握しておりません。
 それから、命中度というか、それについては我々は把握しておりません。
○前原委員 命中精度について、スカッドミサイルの改良型ということであれば、ある程度の、例えばアメリカ側が持っているようなミサイルの誘導装置なんかをつけているかどうかということはわかるわけですよね。
 ちょっと、大臣でなくて、専門的に御答弁いただきたいと思います。
○佐藤(謙)政府委員 ミサイルの精度といいますと、CEPということになろうかと思います。この点については、今大臣から御答弁しましたように、今回のテポドンの可能性のあるこのミサイルがどうだということは、これは私ども把握しておりません。把握しておりませんが、これまでのスカッドの例等々から考えましても、要するに何かピンポイントでねらえる、そういう精度のものではないだろう、かように思っております。
○前原委員 専門家の方々のお話によりますと、一回の発射実験、実験かどうかというのはもちろん確認できておりませんけれども、発射で実戦配備ができるかどうかというのは極めて疑わしい、こういう話があるわけですね。となると、実戦配備を一回だけの発射で行ってしまうのか、あるいはさらなる訓練があると考えた方がいいのか、その点について、防衛庁長官、今どういうふうにお考えかお聞かせをいただきたい。
○額賀国務大臣 私どもが聞いている限りにおいては、かつて実験発射をしたと言われるノドン一号の場合も、一回きりの実験ではなかったかなという思いがしております。これは我々が考えることではありませんので、掌握しておりません。
○佐藤(謙)政府委員 今防衛庁長官から御答弁しましたノドンと言われる例を考えてみますと、これにつきましては、九三年の五月に日本海方面に向けて実験が行われたということで、その後その開発状況等を我々も注視しているわけでございます。
 ところが、そういう状況の中で、各国のいろいろな見方の中で、これでもう現時点において開発が完了した、こういうふうな見方をする、そういうところもございますし、あるいは、これは政府の文書ではございませんけれども、その文書の中には、配備をした、こういうふうな見方をしているところもございます。
 いずれにいたしましても、我々の開発の考え方からしますと、やはり一回で配備ということは考えられませんけれども、独特の開発思想と申しましょうか、そういうことを持っている立場からすれば、そういうこともあり得るのかもしれない、そういった可能性は排除できないのかもしれない、こういうふうに思っております。
○前原委員 今回、昨日の十二時過ぎに、在日米軍司令部より防衛庁に対して、早期警戒情報として連絡があったということでございますけれども、この早期警戒情報というのは衛星に基づいて行われて、二年前ぐらいからこういう体制ができ上がって知らされたということでありますが、また報道等によりますと、八月の半ばからそういう不穏な動きというものはいろいろな形で察知をされていたということでありますけれども、そういう事前にわかっていた。もちろん十二時過ぎで、どう対処するのかということはなかなか難しいわけでありますけれども、この察知をする中で、政府としてはどういう対処をされてきたのか、北朝鮮に対して具体的にどのような形で働きかけをされてきたのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
○高村国務大臣 北朝鮮に対しては、直接日本から、これは北東アジアの平和と安定にゆゆしき事態であるのでやめてほしいということは、一度でなく複数回言っているところでございます。
○前原委員 この早期警戒情報、日米安全保障条約に基づいてアメリカからその情報を得ているということでございますけれども、今後のTMDの開発とあわせて、この偵察衛星というものの有用性というものが一つの大きなポイントになってくると思うのですが、TMDをどのようにこれから考えていくかということで、例えば、具体的に今ある程度実験に参加をされている中で、今回のような北朝鮮のミサイルについてTMDは対応できるのかどうか。つまり、テポドンのような、あるいはノドンのようなミサイルにTMDというのが対応できるのかどうなのか、その点が極めてポイントになってくると思うのですが、今の段階でどう分析されているのか、防衛庁長官、お答えをいただきたいと思います。
○額賀国務大臣 私どもは、世界の中で弾道ミサイルが拡散をしている、大量破壊兵器も拡散をしている、そういう中で我が国の平和と安全をどういうふうに守っていくのか、しかも、なおかつ憲法の枠内で専守防衛的に防衛をしていくということを考えたときに、このミサイル防衛をどう考えるかということは大変大きな課題であるという認識をしているわけであります。
 したがって、弾道ミサイル脅威とか、あるいは防空システムというのはどういうふうにつくっていったらいいのか、技術的にはそれは可能なのかどうかということの研究をしてきた。その結果、いよいよ技術的な可能性も含めて最終的な判断をする場面に来ているというふうに認識をしておりまして、これはいろんな材料や知識を持っているアメリカと共同してやってきたことでありますから、その中で日本とアメリカの役割分担をどういうふうにしていくか、技術協力をどういうふうにしていくかということが調整中でありますので、その上で具体的な形にしていきたいと思っているわけであります。
 弾道ミサイルが撃たれたら、全部百発百中これを撃ち落とすことができるのかどうか、これはなかなか計算ができないというふうに率直に思っております。ただ、どういうふうに防衛力を強めていくかということの研究をまさにしているということであります。
○前原委員 ちょっと、御答弁をもう一度お願いしたいのですけれども、要は研究中で、今ノドンやテポドンには対応できるかどうかはまだわからないというふうなお答えなんですか、今のお答えは。
○額賀国務大臣 専守防衛上、弾道ミサイルが飛んできたときに、ではどういう手段をもってこれに対応していくかということも含めて考えた場合に、この弾道ミサイル防衛というものが一つ有力な考え方であろうというふうに位置づけているわけであります。
○前原委員 技術的に可能かどうかということをもう一度御答弁いただきたいのが一つと、あと、偵察衛星の必要住について、今防衛庁長官はどう思っておられるのかということが二つ。そしてもう一つは、今の御答弁を総合的に勘案しても、今回のこのミサイルの発射を受けて、TMDについては、やはり日本としては積極的にこれは配備をする方向で考えていくべきと思っておられるのかどうか、この三点を簡潔にお答えいただきたいと思います。
○額賀国務大臣 技術的に防衛能力が高まるように、全力投球で今研究を進めているということであります。
 もう一つ、TMD、BMDの、言ってみれば来年度予算に向けての話でありますけれども、私といたしましては、ここ平成七年から精力的に研究を積み重ねてきましたので、米側との調整がつけば来年度予算にこれを反映をさせていきたいという気持ちがあります。今その調整を精力的に行っているということで御理解をいただきたいというふうに思います。
 偵察衛星につきましては、例えば今回の北朝鮮の弾道ミサイルの情報につきましても、我々の得る情報というのは、極めて狭い範囲の情報の中からどういうふうに事実関係を分析していくかということで、大変苦労をいたしております。私どもといたしましては、将来、偵察衛星があってさまざまな情報を得ることによって、これが平和創造のために役立つような形で御理解を得ることができれば、そういうことも考えることが正しいのではないかというふうに思っております。
○前原委員 外務大臣にお尋ねをしたいと思いますが、国連に提訴する可能性も含めてということでございましたけれども、では具体的に、国連に提訴した場合に、今回の事態を受けてどのような対応を国連に求めるというおつもりなのか。提訴はするということでありますけれども、具体的にどういう取り組みを国連に対して求めていくのかということをまずお答えをしていただきたいのが第一点。
 それから、KEDOについてでございますが、先ほどの御答弁の中で、こういう事態を受けて、ある程度の協力については、白紙とまではおっしゃっておりませんけれども、考え直すというようなことでございますけれども、KEDOのあり方について、その意向というものをアメリカなりあるいは韓国なりと既にもう非公式でも話をされているのかどうか。その二点について御答弁をいただきたいと思います。
○高村国務大臣 私は、国連に提訴という言葉を使ったことはないんだろうと思います。安保理もしくは総会においてしかるべき形で問題を提起するように努める、こう申し上げたつもりです。直ちに提訴というのは、国際法違反だというようなことがはっきりしていない形の中で非常に難しい面もありますし、とりあえずアメリカとか、あるいは中国だとかロシアだとか、二国間でいろいろな協議をしながら、どういう形で国連の場で提起するのがいいのか、そういったことを検討してまいりたい、こういうふうに思っております。
 それから、KEDOについては、当面その進行を見合わせるということでありまして、これを完全に白紙に戻すとか、そういうことを申し上げているわけではないわけであります。きっちりした形でアメリカ、韓国と協議をしたかどうかと言われるとなかなか難しい話でありますが、全然話をしていないわけではない、こういうことであります。
○前原委員 先ほどの東郷条約局長の御答弁ですと、かなり国際法違反の疑いが強いという御答弁だったと思うのですけれども、その上で、提訴と私が申し上げましたのを提起とおっしゃいましたけれども、ではどういう事柄を提起するのか。ですから、北朝鮮がそういう発射を行ったということを提起して、具体的にどういうアクションをとろうということで提起をされるのかということをお伺いしたいわけです。御答弁をお願いします。
○高村国務大臣 ちょっと私、質問の意味がよくわからないので見当違いの答弁になるかもしれませんが、日本とすれば、これは我が国の安全保障上大変な問題であるとともに、北東アジアの平和と安全に大変害のある問題である。それから、大量破壊兵器の非拡散という問題にも関連がある。こういう問題について、先ほど条約局長が言った国際法上も問題があるといった面も含めて何らかの形で提起をし、そして、例えばの話ですが、それに対して議長の声明、議長の見解みたいなものでも引き出せればそれは一番いい形だな。ただ、そこまでいくかどうか。いろいろな形で対応を今検討しているところであります。
○前原委員 私が伺いたかったのは提起の具体的な内容でございまして、今、議長声明ということをおっしゃいましたけれども、北朝鮮に対して国連としてどのような対応をとってもらいたいかというようなことを具体的に日本政府として持って提起されるのか、あるいは、それはこういう違法行為というものがありましたよということで、対処をお願いしますという白紙委任ととっていいのか、その点を伺いたかったわけです。その点についてはもう一度御答弁をいただきたいのです。
 それとあわせて、今外務大臣がおっしゃったような大量破壊兵器、特にミサイルの拡散についても、やはりこれはゆゆしき問題で、イラクなんかにもこの技術が輸出をされているということが言われておりますけれども、今後、今回の事件を踏まえて、日本政府としては、国際社会の場になるのかもしれませんけれども、このミサイルの拡散問題についてどのように取り組んでいかれようとしているのか、その点について御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○高村国務大臣 日本政府とすれば、最低限、国連の総会もしくは安保理、それが公式会合の場か非公式会合の場かは別として、我が国の代表がしかるべき意見を述べて、皆さんにそういう考えを共有していただくというのが、それが最低限のことなのだろうと思います。そういう中で、さっき申し上げた例えば議長見解みたいなものが出してもらえればそれにこしたことはない、こういうことはあるだろうと思います。
 それから、大量破壊兵器の拡散の問題については、きょうも、例えばの話でありますが、インド大使とパキスタン大使が来られたわけでありますが、そういう二国間の場でも常に、大量破壊兵器を拡散することがないようにきっちりコミットしてくださいよということはお願い申し上げましたし、そういうバイの場でもあるいはマルチの場でも、あらゆる機会を通して効果的と思われることはやっていきたい、こういうふうに思っております。
○前原委員 時間が参りましたので、質問を終わります。
○塩田委員長 次に、赤松正雄君。
○赤松(正)委員 日本じゅうが金融の問題で国会の審議に注目をしているときに、先ほど来お話にあったような、昨日の、北朝鮮の弾道ミサイルが日本列島上空を越えて三陸沖に着弾したという話が巻き起こってまいりました。
 多くの国民がこの事態に対して非常に心配をしているというか、日本の危機管理って一体どうなっているんだということを強く注目をしているときだろうと思いますけれども、実は、さっき前原委員の質問に対して高村大臣がお答えになったことは、私はかえって非常に心配になるくだりがありました。冒頭にそのことを聞きたいと思います。
 まず、新聞報道等で、既に昨日以前の段階、八月の時点でこういった動きがあるということを政府はキャッチをしておられるという話がございました。改めて、いつの時点でこうした情報をキャッチされて、そしてそれにどういう対応をとられたのかということを、もう少し詳しくお話をしていただきたい。
 さっき高村大臣は、今私が言ったような角度ではなくて、やめてほしいということを数回にわたって言ったという話をされたのみでございましたけれども、それだけ聞いていると、私はかえって非常に心配になる、そんな感じがいたします。
○阿南政府委員 お答えを申し上げます。
 こういう情報の入手は主として米国筋でございますが、これは常時、外務省のみならず、日本政府とアメリカの間にはこういう情報の交換がございます。八月中旬以降という特定した情報交換ではございませんが、常時北朝鮮のこういうミサイルの動向等については情報を受けております。
 現在、米朝間では米朝の協議をやっております。ミサイル協議というのは別途ございますが、今後ミサイル協議第三回を開催するということも含めて協議をしておりまして、そういう状況も我々としては米国側から聞いているわけでございまして、いつの段階でどういう情報という一発決定的な情報が来たというわけではございませんが、八月中旬以来、日々北朝鮮の動向についての情報は、文字どおり日々日本の方にも提供してくれておりまして、そういうものをもとに判断をしてきたわけでございます。
○額賀国務大臣 防衛庁におきましても、八月中旬ごろから北朝鮮についてのさまざまな情報が入ってきまして、艦船、飛行機等を動員して警戒態勢をしいておったということでございます。
 細かいことについては局長から答弁させます。
○佐藤(謙)政府委員 八月の中旬より、北朝鮮側においていろいろな動きが見られる、こういうふうな情報に接しまして、我が方といたしましても、艦艇あるいは航空機を必要に応じてその地域に配備する等によりまして情報収集に努めるということで、警戒態勢を高めていたわけでございます。
○赤松(正)委員 高村大臣に先ほどの質問をもう一遍お聞きしたいのですが、やめてほしいということを数回にわたって言った、これだけじゃ聞いていて非常に寂しい思いがします。どういうルートを使ってどういうふうな角度で言われたのかということについて、大臣の方から。
○高村国務大臣 最終的なときのことだけ申し上げますが、八月二十九日だか三十日だか、ちょっと、私、明確ではありませんが、課長級の非公式会合の中で、これは北東アジアの平和と安定を害するものであるからやめてほしいということを言っている、こういうことでございます。
○赤松(正)委員 課長が言ったということですね、課長級が言った。
 先ほど防衛庁長官、また防衛局長が、八月中旬から今日に至るまで、昨日までの経緯で、かなりの情報を聞いていたというお話をされましたけれども、そういうことを踏まえた上で、昨日のいわゆる第一報と深夜十一時過ぎですか、お昼過ぎと夜中直前、十一特段階の大きな情報のギャップというのは、何ゆえにこのようにおくれたのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○額賀国務大臣 最初の情報は、アメリカの早期警戒情報に基づきまして、十二時過ぎに北朝鮮からミサイルが発射されたという情報を防衛庁の秋山次官が記者会見で御報告、御説明をさせていただいたということであります。そのときに、日本海側に弾着物があったという報告がなされたわけでございます。
 その後、米軍情報とあわせて、我が方で入手した情報を綿密に分析していく過程で、太平洋上に落下した可能性もあるという考え方が夕刻ごろまでに出てきたということでございます。そして、さらに分析をした結果、総理に報告する八時前には、太平洋上、三陸沖数百キロの地点で弾着した可能性が高いという情報を得まして、それを発表させていただいたということであります。
 そして、本日は、先ほども申し上げましたように、この弾着、落下は日本海に一つ、三陸沖に二つという形で弾着した可能性が強いというふうに相なっているわけでございます。
○赤松(正)委員 正確な情報自体をつかむのに時間がかかったというふうにお聞きしましたけれども。
 私は、昨夜の二回目の、いわゆる審議官の会見を見ておりまして、非常にわかりづらい、事が事だけにそう明快にすぱっといくわけにはいかないのだろうということはよくわかりますけれども、多くの国民、あのテレビの会見を見た日本国民というのはより一層不安な気分になったのではないかという気がいたします。審議官を責めるわけではありませんけれども、何がわかっていて何がわからないのか。何か、あれを聞いていますと、わかっているんだけれども隠しているのか、あるいは全くわからないのか、その辺のところが非常にはっきりしない。新聞記者の皆さんがいろいろ聞いてくる、それに対して、答え方としては余りうまくない雰囲気というものがテレビを通じてよく伝わってきました。この人、怒り出すんじゃないかなという感じさえしました。
 記者会見というのは、前には新聞記者がいるだけかもしれないですけれども、それを通じて国民全体にアピールしている、正しい情報をそこで公開するということに大きな力点があると思うのです。
 私はあえて言いたいのですけれども、これほどの重大な事態の場面では、防衛庁長官がみずから会見をするべきではなかったのか。長官、その点についてはどう思われますか。あの時間、長官は何をなさっていたのか、お聞きしたいと思います。
○額賀国務大臣 ミサイル弾が太平洋上、三陸沖数百キロメートルに着弾した可能性が強いということについて、私は、七時半前後に報告を受け、それを総理に八時前後に報告させていただいたところまではこの霞が関周辺にいて、事態の成り行きを見守っていたわけでございます。その後は、会見のころは高輪の議員宿舎に帰っておりまして、事態の推移の報告を逐一受けておったというのが本当の経緯でございます。
 今赤松委員から御指摘を受けまして、問題が問題だっただけに、私から国民の皆さん方に経緯そしてまた経過についてわかりやすく説明すればなおよかったかなというふうに思っております。
○赤松(正)委員 絶対今の部分は大事なところだと思いますよ。要するに、政治家が官僚任せにしているということがありありとわかってしまう、こういう典型的な事態だったと私は思います。
 さっき防衛庁長官は、同僚委員とのやりとりの中で、今回のこの事態が突然でゆゆしき事態だ、こういうお話をされましたけれども、私は、そうなのかなと。現実に日本列島を飛び越えて三陸沖に着弾するというこの事態は確かに突然という感じがするわけですが、先ほど来お話が出ているようにというか、実は五年前、既に北朝鮮は、今回のように三陸沖ではない、日本海でありますけれども、ノドン一号の発射をしている、こういう事態があった。そういう事態があったにもかかわらず、今日までの約五年間というのは、防衛庁の対応というのは、こういう言い方が適切かどうかわかりませんが、たかをくくっていた部分があるのではないか、私はそんな気がいたします。
 その証拠として、防衛白書のことしの記述というものをぜひ私は挙げたいというふうに思うのです。防衛白書の五十一ページに北朝鮮のくだりが出てまいりますけれども、「ミサイル開発」というくだりについて、「射程が約一千キロメートルともいわれるノドン一号を開発してきているとみられるが、北朝鮮が極めて閉鎖的な体制をとっていることもあり、その開発の詳細は明らかでない。」というぐだりから始まって、至ってはっきりしない、よくわからない表現で終始しています。終わりの方で確かに、「北朝鮮は、ノドン一号よりも射程の長いミサイルの開発も目指しているとみられている。」とありますけれども、五年間の時間があった、毎年の防衛白書の中の北朝鮮のミサイル開発の部分についての表現というのは非常に弱い、たかをくくっているというふうに思われてもしようがない記述だと思いますけれども、大臣、どう思いますか。
○額賀国務大臣 私が突然という表現をいたしましたのは、平時においてこれだけの弾道ミサイル実験をする場合は、やはり公海上に弾着をしたりするおそれもありますし、事前通告をするなり危険水域を設けて警告を発するのが国際的な常識であろう、そういうこともなされずにいきなり日本列島の上空を飛び越えていくということについては、私どもも、危機管理上若干意表をつかれたという思いかないわけではありません。
 しかし、今赤松委員がおっしゃるように、ミサイル開発については、北朝鮮が九三年以来ノドン一号の開発あるいは射程距離を延ばす等々について相当な研究をしているということについては情報を得ておりましたし、大きな注目を持ってこれを警戒をして見守ってきたということも事実であります。
 したがって、今後弾道ミサイルの脅威に対してどういう対応をしていくかということが我々の大きな課題であるというふうに指摘しているのは、そのゆえんであります。
○赤松(正)委員 今防衛白書のくだり、非常に認識が甘いということについてお話がなかったのですが、私は防衛白書だけを指摘するのではなくて、例えば防衛研究所から出ている東アジア戦略概観の中には、防衛白書よりもはるかに突っ込んだ見方がなされています。今回の、テポドン一号と言われる、ノドン一号の改良された形、より進歩した形のものの存在というものを明確に書いているわけです。そういった点、防衛庁の認識の甘さ、弱さというものを強く指摘しておきたいと思います。
 最後に、今もお話ありましたし、さっきもお話ありましたけれども、TMDについてのことで最後を締めくくりたいと思います。
 TMDについては、やはり費用対効果比といいますか、コストの面あるいはまた、それと関連しますけれども、果たしてそれがうまくいくのかどうかという部分、また対中国との関係、さまざまな部分で疑問視する向きが多いわけであります。
 実は、九三年のとき、後で質問されます西村眞悟委員も一緒でしたけれども、TMDの研究をしているアメリカにこの安全保障委員会で行った経緯があるわけです。さまざまな問題をはらんでいると思いますが、最後に、防衛庁の姿勢、この事態をとらえて、TMD、BMD一辺倒というのはいかがかと思いますけれども、それに対する姿勢を改めてお伺いして、終わりたいと思います。
○額賀国務大臣 赤松委員御指摘のとおり、我々はこの数年間、弾道ミサイルの脅威に対してどういうふうに対応していくかということについてアメリカと共同研究をしてきたということは御承知のとおりであります。例えば、今回の北朝鮮のように、弾道ミサイルが発せられたときに、では、我が国あるいは我が国民をどうやって守るのかということを考えたときに、これに対応措置を考えることは、専守防衛の立場からも許されるのではないか。そのために我々は、弾道ミサイルの脅威、あるいは防空システムはどうあるべきか、技術的に可能であるかどうかということを精力的に研究をしてきた。そして、それが大詰めの段階に来て、我が国とアメリカでどの部分で協調していくのがよりベターであるかということの詰めの段階に来ているということであります。
 もちろん、費用対効果、それから技術的な可能性、そういうことも見きわめながら、最終的な開発までには行っていないわけでございますから、技術協力関係についての見きわめをしなければならない時期に来ているというふうに認識をしているわけであります。
○赤松(正)委員 終わります。
○塩田委員長 次に、西村眞悟君。
○西村(眞)委員 西村です。
 先ほどの、このミサイル発射が国際法に違反するか否かの議論については、かみ合っておりませんでしたので、角度を変えて御質問します。
 まず、我が国上空に侵入して我が領土に落下するかもしれないミサイルを我が国が撃ち落とすことは、国際法上いかなる評価を得るのか、御答弁いただきたい。
○東郷政府委員 お答え申し上げます。
 今回のミサイルの我が国上空の飛行に関しましては、先ほど大臣から申し上げましたように、事実関係を完全に把握しておらない点がございますので、国際法上の評価という点は申し上げにくい点がございますが、本件の置かれております位置づけという観点から、一般論としてどのように考えられるかということを申し上げたいと思います。
 このミサイルが我が国上空のどの辺の高さを飛んだのかということがポイントかと思います。もしこれが我が国領空の中を飛んだということでございますれば、国際法上、国家は自国の領空について完全かつ排他的な主権を有しており、他国のミサイル等がその国の許可を受けないでその領空に侵入するということが起これば、これは認められないということでございます。そういう事態というのはいわゆる領空侵犯に該当するわけで、この場合には国際法上、被侵犯国は一定の措置をとることを認められている。
 しからば、どういう措置をとることが認められているかということに関しましては、これは国際法それから慣行上、必ずしも詳細が確立しているわけではございませんが、適切な排除措置をとることが認められているというふうに申し上げてよろしいかと思います。
 他方、領空よりもっと高いいわゆる宇宙空間を通過した場合には、これは領空とは異なる国際法上の制度がございまして、いわゆる地上国の領域主権が及んでおらない、こういう状況になります。
○西村(眞)委員 私が、かみ合わないので質問した趣旨は、宇宙であれ我が国の低いところであれ、そこを飛んで我が国に落下する可能性のあるミサイルを、宇宙であれどこであれ、撃ち落とすことが国際法上どういうふうな評価を与えられるのかということでございまして、これはTMDの前提としての評価ですから。いかがですか、この点についてはもう一度。今、領空のことは御答弁いただきましたけれども、今回のようにわけがわからぬ、どこを飛んでいるかわからぬ、しかし我が国領海を含む我が国領土に落下する可能性のあるミサイルを撃ち落とすことはどういう評価なのかということをお聞きしたい。
○東郷政府委員 お答え申し上げます。
 領空を超えましたいわゆる宇宙につきましては、現在の国際法上、一般論として申し上げまして、実力をもって領空の上を通過するミサイルを排除することを正当化する、そういうルールは確立しておらないという状況でございます。
○西村(眞)委員 次に質問するのは、敵基地攻撃と自衛権の範囲に関する一般統一見解が維持されているか否かだけを防衛庁長官に確認したいと思います。
 これは、昭和三十一年二月二十九日、内閣委員会において、鳩山総理答弁、船田防衛庁長官代読という見解でございます。「誘導弾等による攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能であるというべきものと思います。」
 同趣旨が、衆議院内閣委員会、昭和三十四年三月十九日、伊能防衛庁長官の答弁、
 敵基地をたたくことも自衛権の範囲に入るということは、独立国として自衛権を持つ以上、座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨ではあるまい。そういうような場合にはそのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限度の措置をとること、たとえば誘導弾等による攻撃を防御するのに他に全然方法がないと認められる限り、誘導弾などの基地をたたくということは、法理的には自衛の範囲に含まれており、また可能であると私どもは考えております。
この見解は、現在維持されておりますか否かについて、御答弁いただきたい。
○佐藤(謙)政府委員 ただいま先生から御紹介のございました、自衛権と敵基地攻撃に関します昭和三十一年二月二十九日の見解でございますけれども、これは現在でも生きている見解だろうと思います。
○西村(眞)委員 重複を避けて、TMDについてのいろいろな質問も出ておるのですが、私が思いますのは、このテポドン一号については、一九九七年、昨年十一月、米国防総省は、発射できる水準に達しつつあると発表しております。それで、このたび発射されました。また、射程四千五百キロから六千キロと言われるテポドン二号は、同じく米国防総省が昨年の九月十九日、開発中であると発表されております。したがって、ノドンがそうであったように、また、テポドン一号がそうであったように、テポドン二号もこのままでは発射されるであろう、このように思うわけです。先ほどの質問でも、やめてほしいと数度言ったというふうに言っておりますが、発射されておる。
 ここで、北朝鮮というものの国家の体質が常識が通ずる国家であるか、常識が通じない国家であるかという点の議論はおいて、頼んで聞き入れる国家ではないということは確かですね。抗議して聞き入れる国家ではないということは確かです。それで、いかなる対抗措置をとるか、この点について御見解をお伺いしたいのです。
 まず、私が昨年横田めぐみさんの拉致の問題を取り上げて以来一貫して申し上げておりますことは、この国は頼んで聞き入れる国ではない。そのときの小渕外務大臣は、北風と太陽のイソップの寓話を持ち出されたのですが、私はそれに対しては、そのようなイソップの寓話で、太陽を当てれば服を脱ぐという生易しい相手ではございません、事実、北朝鮮の日本人拉致問題は何ら進展を見せていないではないですかとおこたえしたことを思うのですが、こうまでされて何ら対抗措置をとらないのか。
 つまり、我が国から毎年一万人、在日朝鮮人の方が北に行き、また帰ってくる。言い方は悪いですけれども、金銭の運び屋となっておる。また、万景峰号を例に挙げますと、新潟に毎年五十回入ってくる、そして物資を運んでいく。しかし、我が国の国民が北朝鮮に滞在しておりますけれども、四十年間帰ることができない。ここにおいて対抗措置というのは、経済分野において、これは大蔵省と法務省に関係するのですが、この問題を、対外関係を抱えている外務大臣として、在日朝鮮人の再入国は許可しない、お国へ帰っていただくのは自由だ、しかし、再入国は許可しない、また、送金は禁止する。こういうふうな対抗措置をとられる覚悟はおありですかということをお聞きしたい。
○高村国務大臣 今後の動向次第では政府全体でいろいろな措置を考えていかなければならない、こう考えておりますが、現時点でそこまでやるということを、政府全体はもちろん、私自身としても考えておりません。
○西村(眞)委員 今回の事態でなぜ我々が騒いでおるのか。騒いでおるというか、問題を取り上げておるのか。我が国に落下したらどうなるんだ。我が国国民の命が失われるではないか。弾頭が着地した点はともかく、第二、第一のロケットが外されてそれが落下するときには制御不能である。こういうものが落下する危険性は我が国の国民の生命にかかわるわけです。
 そして、我が国がなおかつ一貫して、ペルーの人質事件のときと同様に我が国民が自由を奪われて北朝鮮におるとすれば、政治の任務が国民の命と自由を守るということに尽きるならば、御決断いただく時期が迫っておると私はここで申し上げておきたいのです。
 侮られてはなりません。侮られれば、何回でも同じことを繰り返してきます。テポドン二号は開発段階に入っておるのだ。我々が侮られることが東アジアの安定を破壊することにもなるのです。
 我々は、送金を禁止して、そして在日朝鮮人の往来を禁止して、対抗措置をとってかの国に自制を求めるカードを持っておるのです。これを使わずに、どんどん同じことを――何を頼まれてもその都度取引材料にして、みずからのことだけをなしてくる国家をこれ以上のさばらせることは、我が国が東アジアの動乱の温床を育てているということになるのです、評価としては。どうかこの部分について決断をしていただきたいと私はここでお願い申し上げます。
 それから、普通の民主主義国家は自国の上空通過のミサイル実験に関していかなる措置をとるのだろうか、このことを考えました場合に、やはり対抗措置をとるだろう。今私が申し上げたのは経済分野であります。軍事分野での対抗措置というのはどういうことかといえば、例えば朝鮮半島、北朝鮮の日本海側から黄海側へ我が国が同じような実験をする、これが軍事的な――友達同士でもそうです。殴る威嚇をすれば、こっちも殴る威嚇をする。国家でもそうです。日米韓また日本独自で北朝鮮の沖で軍事演習をする、威嚇をする、これ以上したら許さぬぞと。こういう御予定はありますか。
○額賀国務大臣 今、私どもが考えておりますのは、事実関係の把握と同時に、北朝鮮の本当の目的あるいは意図はどこにあったのかということもよく分析をしていかなければなりません。
 それからもう一つは、こういう暴挙に対しまして、国際世論でもって、北朝鮮のなした行動が国際的な非常識であるということをやはりきっちりと見せつけていかなければならないということだろうというふうに思っております。そういう環境をつくる中で、我々は自分たちの国の安全をどういうふうに守っていくか、そういうミサイルの脅威についてどういうふうにとらえていくかということに帰着するものであろうと思っております。
 そこは専守防衛の立場からいっても、我が国の本土あるいは国民がねらわれた場合は、これに対抗する手段がなければ何らかの代替手段を考えていかなければならないということは当然であろうというふうに思っております。それが我々のBMDの防衛について大きな課題であると言っているゆえんであります。御理解をいただきたいと思います。
○西村(眞)委員 私がお聞きしているのは、意図がどうであるこうであるというよりも、ミサイルの実験をして我が国上空を通過して我が国に落下する可能性があったということは事実なんですから。意図は金正日さんの頭の中にあるわけですから。あの重要な、昨日防衛庁に情報が集まっている時期に、霞が関周辺におられて防衛庁にはおられなかったようですけれども、意図がわかるんですかと申し上げているわけです。しかし、こっちが断固として意図を示さねばならない番ですよ、こっちとしてはですよ。この覚悟を申し上げておるのです。
 鉄砲の弾で射殺されそうになっても、相手の意図がわからなければどう手段をとるかわかりません、これでは我々個人の身柄も守れない。まして国家をやですよ。対抗措置というのは、私が先ほど申し上げたことを防衛庁長官が確信を持ってやることだと私は思っております。
 時間が参りましたので、ありがとうございます。
○塩田委員長 次に、中路雅弘君。
○中路委員 大変限られた時間ですので、私は、最初にこの問題についての日本共産党の立場を明らかにしておきたいと思います。
 今回のミサイルの発射の目的はまだ不明ですが、民間の船舶や航空機が多数往来している公海に対して何の事前通告もなしにミサイル発射を行うということは、極めて危険で乱暴きわまりないことであります。弾道ミサイルが着弾したと見られる三陸沖の太平洋上の上空付近は、これは一日、きょうですね、運輸省の調べで報道されていますけれども、日本航空や全日空の民間機七機が三十一日正午から午後一時ごろにかけて飛行したということが判明していますが、まかり間違えば非常な衝突の可能性もあった。しかも、この弾道ミサイルが太平洋上に着弾したということが事実であるとすれば、それは日本領土の領空を通過したものであり、我が国の領土を横切ってのミサイル発射であり、我が国の主権と安全を脅かすものであります。私たちは、こういう立場から、今度の北朝鮮のミサイル発射に厳重に抗議をしたいと思います。
 そこでお聞きをいたしますけれども、先ほどからも御答弁がありましたが、政府は八月中旬ごろから北朝鮮がミサイル発射の準備をしているとの情報を入手し、自衛隊も警戒態勢をとっていたということです。再三にわたり発射の中止を求めたと言いますが、政府は北朝鮮に対して何を求めたのか、これに対して北朝鮮の対応はどうだったのか、最初に明らかにしていただきたい。
○阿南政府委員 北朝鮮へ対する我が方の申し入れ、先ほど大臣からも御答弁ございました。
 これは協議自体余り表に出しておりませんが、つい先週末でございますが、米国からの情報等でこういう情勢が着々と進展しているという中で、課長レベルの先方との協議で、こういう東アジア全体の平和と安定を脅かすようなことはぜひやめるように、こういう申し入れをしたという経緯がございます。
 また、米朝の協議が今行われておりますが、米国側に対しては、もちろん、日本が言わないでも米国も言う立場でございますが、日本からも、この点は強く北朝鮮側に申し入れるようにということを米側にも伝えてございます。
○中路委員 相手側が申し入れにどういう反応だったのかということもお答え順いたいと思います。
 今、課長級というお話ですが、新聞の報道で、二十九日に北京での日朝の課長級協議でこういう意向を伝えたということが報道されていますが、こうした中止の要求に対して、北朝鮮側はどういう反応だったでしょうか。
○高村国務大臣 それに対応した意味のある回答はなかったというふうに承知しております。
○中路委員 今まで準備の状況も入手をしていて、たびたび中止の要求もしてきた。しかし、一切その事実は今まで明らかにされていません。
 私は、なぜ公表しなかったのか。こうした問題を国会や、また国民に公表していくということが、国民世論や国際世論にも訴えて、こうした北朝鮮のミサイル発射を阻止することができるのにもつながると思うのですが、なぜ、今までこれだけ情報を入手し、また、たびたび中止を申し入れながら、一切明らかにしなかったのですか。
○高村国務大臣 我々が入手していた情報というのは、こういうことをするかもしれないという情報でありまして、確定的にするとかなんだとか、そういうことではないわけであります。しかも、どの方面にどういうふうに撃つかわからない。そういうときに公表することがいたずらに国民の不安をあおる可能性もある。また、どういう意図かわからないわけでありますが、そのことが逆に北朝鮮側の意図を満足するような可能性もなきにしもあらず。いろいろな可能性があるので、私たちは、政府内部では情報を共有しながらきっちりした対応をとってきたと思いますけれども、そういう判断から国民には公表しなかった、こういうことでございます。
○中路委員 自衛隊も航空機、艦船で警戒態勢もとっていたわけでしょう。そういう意味では、例えばこの所管の安全保障委員会理事会でもこうした問題は当然報告していい問題だったと私は思います。それを指摘しておきたいと思います。
 政府は北朝鮮に対して事実関係、これは大事なのは全容をまず明らかにさせることだと思うのですね。九三年のノドン一号の場合も、事実をはっきりさせたのは、認めたのは四カ月、五カ月後です。そういう意味で、今度の問題の事実について、全容について北朝鮮側に明確に明らかにさせる、このことについてどのようにこれから進められるのか、お尋ねしたいと思います。
○高村国務大臣 この発射を行った後、日本はニューヨークにおいて抗議を申し込んでおりますけれども、少なくとも現時点において、北朝鮮側は、そういうことがあったともなかったとも言わない。そして、一方的に日本の安全保障政策について非難を述べる、こういう状況であるわけであります。
 我が国とすれば、北朝鮮と国交もない中で、非常に細いチャンネルしかないわけでありますが、いろいろなチャンネルを使って、事実関係は今後とも北朝鮮側も明らかにするようには求めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○中路委員 まず、この事実を明らかにさせることだと思います。全容を明らかにすることを求めるとともに、こうした乱暴な行為を繰り返さないということを強く要求していくように政府に求めたいと思います。
 きょう、先ほど、小渕総理は本日の安全保障会議議員懇談会で北朝鮮へのどんな政策をとるのか検討を指示したと報道されていますけれども、これは、従来の北朝鮮政策を見直すということなんですか。どのような政策をこれからとっていこうとされていますか。
○高村国務大臣 ある面においては見直すということであります。
 例えば、国交正常化交渉はこれまで無条件で応ずる、応じる用意があるとしてきたわけでありますが、当面は交渉の開催に応ずることは見合わせる方針に変更したい、こういうふうに思っております。また、北朝鮮に対する食糧等の支援は当面見合わせます。
 そういったことは北朝鮮に対する政策の変更だと思いますが、同時に、あらゆるレベルで北朝鮮側に遺憾の意を伝えて、厳重抗議し、説明を求めるとともに、ミサイルの開発、輸出の中止を求めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○中路委員 時間ですので終わりますが、私は、この問題をめぐってマスコミ等でも、国家の存亡の危機だとかあるいは北朝鮮の脅威、危機ということをあおる論調もありますけれども、今必要なのは、この事実を究明して、そして冷静な外交によって、このような行為を繰り返さないという方途を求めるべきだと思います。このことを強く指摘をして、質問を終わりたいと思います。
○塩田委員長 次に、辻元清美君。
○辻元委員 社会民主党の辻元清美です。
 さて、私はまず一番最初に、政府の対応について一、二質問したいと思います。
 まず、昨日の経過なんですけれども、防衛庁に東京横田の在日米軍司令部から弾道ミサイル発射の一報が入ったのは正午過ぎ、それから、ロケットの熱を探知する米軍の赤外線衛星が発射を確認した後だった。予想落下地点は能登半島の北北西約四百キロの日本海。しかし、夕方、韓国のテレビや新聞が相次いで、落下したのは太平洋上と報道すると、防衛庁の見解がこの後変わってくるわけなんですけれども、夜になって、在日米軍情報などから、落下したのは岩手沖約五百キロメートルの太平洋上と判明ということで、この韓国側の報道を追認したような形になってしまいましたが、この経過でよろしいのでしょうか。
○額賀国務大臣 お答えをいたします。
 私どもは、十二時過ぎに米軍情報を得まして、北朝鮮がミサイルを発射した、そして、日本海に第一段ロケットと思われるものが落下をしたと。その後、米軍情報だけではなくて、我々が入手した情報を兼ね合わせて、抱き合わせて分析をしてきたわけでありますが、この場合に、太平洋上に落下している可能性もあるということが出てきまして、そして夕刻に、太平洋上に落下する可能性があるということを、六時過ぎに我々はその可能性もあり得べしということでさらに精力的に分析を進めた結果、私には七時半ごろそういう可能性が強いという報告をいただきました。その結果を八時前後に総理のところへ御報告をしたわけであります。しかし、我々は、さらに引き続いてさまざまの情報を総合的に分析をいたしました結果、日本海に一つの落下物、それから三陸沖の太平洋上に二つの落下物があるというような可能性が強いというふうに分析をいたしまして、本日明らかにしたところであります。
 だから、我々は独自の分析も兼ねて総合的に判断をして、発表をしておるということを御理解いただきたいと思います。
○辻元委員 といいますのも、きのう二段階の発表といいますか、それが非常に不安を増幅した面がありましたので、これで最終的な、何というんでしょうか、きのう私もずっとテレビを見ておりましたけれども、発表でいいのかどうかというような一般の市民の皆さんの不安があったことは否めないと思います。
 その点で、今いろいろ船を出しまして探索などを進めておりますので、これがもしかしたら、このことを発表することが後に覆ることになるかもしれないという不安はお持ちかもしれませんけれども、私は、情報を逐次出していただく方が今は市民の皆さんに対していいのではないかと考えておりますので、本日、あしたと、わかってきた情報は逐次出していただきたいと思います。
 さて、そういう中で、今後の外交対応が非常に重要になってくるかと思います。先ほどから御答弁を伺っておりますと、まとめて言いますと、幾つかの国と二国間協議を重ねながら、多国間協議、国連等にも提起していきたいというような方針であるというふうに私は受け取っているんですが、その中で、実際に、先ほど話が出ておりました国連安全保障理事会への働きかけということで、これはいつごろから始めたいと考えているんでしょうか、もしくは、もうその働きかけを始めたのでしょうか。
○高村国務大臣 今、小和田大使が南アに行っておりまして、帰り次第、特にこの問題で重要な国、中国だとかロシアだとか、あるいはもっと大切な国は米国、韓国でありますが、そういった国と情報交換をしながらどういうことが一番効果的なことかということを求めていきたい、こういうふうに思っています。
○辻元委員 というのは、早急にいろいろ協議をしていくべきだと思うんですが、いつお帰りなんですか。
○高村国務大臣 もうすぐ帰るということであります。
○辻元委員 すぐというのはいつかという質問だったんですが、早急に対応していただきたいと思います。
 さて、もう一点。報道によりますと、発射現場にイラン、シリアの軍事関係者が立ち会っていたというような報道がたくさん出ているんですけれども、この事実は確認しているんでしょうか。
○阿南政府委員 これは、以前から北朝鮮には今おっしゃったような国の人たちが代表団として視察に行くというようなことがございまして、今回もそういう北朝鮮人ではない人間がいたという情報はございます。我が方としてその情報を確認はしておりませんが、そういう情報はございます。
○辻元委員 といいますのは、これからこういう弾道ミサイル等の売買といいますか、そういうことに対してやはり日本は毅然とした態度をとっていくべきだと思うんです。
 そういう中で、今政府が、今度総理が国連総会出席時に中距離ミサイル管理のための国際会議の開催等を呼びかけていこうというような方針があるという報道も一部出ておりますけれども、それはそのように理解してよろしいんでしょうか。
○高村国務大臣 現時点で確実に固めたとは私は承知しておりませんが、一つの選択肢として検討をしているというふうに理解しております。
○辻元委員 私は、これは日本がイニシアチブをとって進めていった方がいいと思うんです。今回のようなことに対してどういうふうにこれから対処していくかということとともに、二度とないように国際社会をリードしていくことが、やはり非常に今の外交にとって重要だと思います。
 最後にもう一点だけ。先ほど外務大臣が、今回の事態が北東アジアの平和と安定にゆゆしき事態であるというふうに御発言なさったんですが、これは我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態と解釈してよろしいんでしょうか。
○高村国務大臣 今回の実験という事態が必ずしも直ちにガイドラインに言うところの周辺事態に当たるということではない、こういうふうに思っています。
○辻元委員 時間が参りましたのでこれで終了したいと思いますけれども、先ほどもいろいろな御見解の違いによって発言が出ているわけなんですが、私は、市民の不安をできるだけ導かないような方向での国内での情報開示を求めたいと思うんです。
 それと、もう一つ。先ほどから在日朝鮮人に対しての御発言もありましたが、私はやはり、在日朝鮮人の方も税金を納められて日本に住んでいらっしゃって、まじめに働いていらっしゃる方もたくさんいらっしゃるわけです。日本になぜ彼らがいることになったかということも、今までの歴史的な経過も踏まえまして、この事態によってまじめに暮らしている日本にいる在日朝鮮人の方々に不必要な危害が及ばないように、それがやはり民主主義の国家ではないかというふうに私は考えております。そのことを一言つけ足させていただきました。
 終わります。
○塩田委員長 これにて安全保障委員協議会を終了いたします。
    午後七時三十六分散会