第145回国会 本会議 第26号
平成十一年四月二十七日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十八号
  平成十一年四月二十七日
    午後一時開議
 第一 学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 日本政策投資銀行法案(内閣提出)
 第三 日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件(第百四十二回国会、内閣提出)
 第四 周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案(第百四十二回国会、内閣提出)
 第五 自衛隊法の一部を改正する法律案(第百四十二回国会、内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 日本政策投資銀行法案(内閣提出)
 日程第三 日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件(第百四十二回国会、内閣提出)
 日程第四 周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案(第百四十二回国会、内閣提出)
 日程第五 自衛隊法の一部を改正する法律案(第百四十二回国会、内閣提出)
 会計検査院法の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)
 都市基盤整備公団法案(内閣提出)及び住宅・都市整備公団法の一部を改正する法律案(鉢呂吉雄君外一名提出)の趣旨説明及び質疑

    午後一時三分開議
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一、学校教育法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。文教委員長小川元君。
    ―――――――――――――
 学校教育法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔小川元君登壇〕
○小川元君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、大学制度の弾力化と大学の組織運営体制の整備を行うため、学校教育法、国立学校設置法及び教育公務員特例法の改正を行おうとするものであり、その主な内容は、次のとおりであります。
 大学制度の弾力化に関しましては、
 第一に、所要の単位を優秀な成績で修めた者について、三年以上の在学で卒業を認めることができるものとすること、
 第二に、大学院の研究科の位置づけを明確化するとともに、研究科以外の基本組織を置くことができるものとすること
としております。
 大学の組織運営体制の整備に関しましては、
 第一に、大学に学部長を置くことができるものとし、その所掌を定めること、
 第二に、国立大学に、新たに運営諮問会議を置くこととし、その組織、審議事項等を定めること、
 第三に、国立大学に評議会を置くこととし、その組織、審議事項等を定め、また、国立大学の教授会について、その審議事項等を明確化すること、
 第四に、国公立大学の教員の選考における学部長の役割等を定めること
といたしております。
 本案は、三月九日本院に提出され、四月一日本会議において趣旨説明及び質疑を行い、同日本委員会に付託されたものであります。
 本委員会におきましては、四月十四日有馬文部大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、参考人の意見聴取を含めた審査を行い、去る二十二日質疑を終了し、討論、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 日本政策投資銀行法案(内閣提出)
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第二、日本政策投資銀行法案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長村井仁君。
    ―――――――――――――
 日本政策投資銀行法案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔村井仁君登壇〕
○村井仁君 ただいま議題となりました法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、平成九年九月二十四日の閣議決定に基づき、特殊法人の整理合理化を推進し、経済社会情勢の変化に応じた業務の効率化を図る観点から、日本開発銀行及び北海道東北開発公庫を廃止して日本政策投資銀行を設立しようとするものであり、以下、その概要を申し述べます。
 第一に、日本政策投資銀行は、経済社会の活力の向上及び持続的発展、豊かな国民生活の実現並びに地域経済の自立的発展に資するため、一般の金融機関が行う金融等を補完し、または奨励することを旨とし、長期資金の供給等を行うことにしております。
 第二に、日本開発銀行及び北海道東北開発公庫は、日本政策投資銀行の成立のときにおいて解散するものとし、その一切の権利及び義務は、そのときにおいて日本政策投資銀行が承継することにしております。
 第三に、日本政策投資銀行の役員につきましては、特殊法人の統合の趣旨に即して、役員数の縮減を行うことにしております。
 第四に、日本政策投資銀行の財務及び会計等につきましては、所要の規定の整備を行うことにしております。
 第五に、この法律は、公布の日から施行することにしております。ただし、日本開発銀行法及び北海道東北開発公庫法の廃止に伴う経過措置等の規定は、平成十一年十月一日から施行することにしております。
 本案は、去る四月十六日宮澤大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、同月二十三日質疑を終局いたしましたところ、上田清司君から、民主党の提案に係る修正案が提出されました。次いで、本修正案について内閣の意見を聴取した後、採決いたしましたところ、修正案は否決され、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊藤宗一郎君) 討論の通告があります。これを許します。上田清司君。
    〔上田清司君登壇〕
○上田清司君 民主党の上田清司でございます。
 民主党を代表して、日本政策投資銀行法案に反対の討論をいたします。
 この法案は、二つの視点から見ていかなければなりません。
 第一は、行革の観点であります。
 開銀と北東公庫は、産業の開発、経済社会の発展を促進するため、民間金融を補完し、長期資金の供給を行うための特殊法人であります。その目的と業務の内容から、開銀と北東公庫が統合することは合理的な意味があります。かつ、新銀行が業務を継承することは、社会的ニーズにも合っているものと考えています。
 しかし、統合する新銀行は、役員こそ減少しておりますが、職員のリストラはゼロであります。大蔵省、国土庁、北海道開発庁と相変わらず共管で、責任の所在があいまいであることは、民主党の行革の視点からして、十分な合格点を上げるわけにはまいりません。
 第二点は、北東公庫の損失処理と、苫小牧東部開発及びむつ小川原開発プロジェクトについてであります。
 北東公庫の解散に当たり、苫東開発及びむつ小川原開発における不良債権が約千八百億。この問題は極めて重要であります。政府案では、統合の際、開銀の損失準備金九千七百億を北東公庫の損失の処理に充てることになっておりますが、しかし、このような形で損失処理に当たることに疑問を感じるものであります。
 御承知のとおり、苫東開発の新計画は、宮澤大蔵大臣がいみじくも、これは目論見書と言ってもいい、このような御答弁がありましたように、新しい会社の事業計画は、極めてずさんにしてあいまいであります。例えば、直近の五年間で五億九千万円の売り上げしかないこの会社が、なぜ新しい会社になって人員が縮小しているにもかかわらず、百三十億の売り上げが上げられるのか、到底達成できないような目標が事業計画の中に挙げられております。
 むつ小川原開発においては、東北出身の議員諸兄の皆様はわかっておられると思いますように、損失処理の枠組みすらもできておりません。民間の債権放棄や出資を協力要請する以上、準備不足、合意を欠く法案の枠組みとしか言いようがありません。つまり、北東公庫の最終損失も明らかにしないまま見切り発車をしている、北東公庫の損失を開銀にかぶせていくという方式にしかすぎません。
 去る四月二十一日の大蔵委員会で、宮澤大蔵大臣は次のように答弁をされました。いかにも半分しかできていない。今審議いただいておる北東公庫の現在の姿というものは、実は甚だ不安定なものだ、こう御指摘になっているのは、私はそのとおりと思います。以上申し上げましたように、大蔵大臣ですら、半分しかできていないという法案をお認めになっておられます。
 問題点を整理すれば、一、両プロジェクトは国家プロジェクトでありましたが、国や関係機関の責任の所在が明らかになっておりません。また、北東公庫の不良債権も確定されておりません。破綻した両プロジェクトの新しい計画ができていませんし、民間の合意もできておりません。
 そこで、我々は、北海道、東北の夢を実現するために、両プロジェクトは時間をかけて見直しし、責任の所在と不良債権を確定することが重要だと考えます。
 開銀法はもともと、他の損失にその準備金を使うことができません。また公庫法においても、損失ができた場合には一般会計から補てんすることになっております。むしろ一般会計の補てんであれば、国会の予算審議の過程の中で、責任の所在や損失の確定もできるものと私は思います。そこで、民主党は、開銀の準備金で北東公庫の損失を補てんするという附則を削除するという、極めて簡単な修正案を提出し、原案に反対をした次第であります。
 苫東、むつ小川原、二つの国家プロジェクトは、産業基盤もしっかりしており、国民にとって貴重な財産であります。それがゆえに、北海道、東北の夢を実現するために、責任ある対応が望まれるわけであります。宮澤大蔵大臣の言う、半分しかできていない政府案の見直しを強く訴え、反対討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(伊藤宗一郎君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件(第百四十二回国会、内閣提出)
 日程第四 周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案(第百四十二回国会、内閣提出)
 日程第五 自衛隊法の一部を改正する法律案(第百四十二回国会、内閣提出)
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第三、日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件、日程第四、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案、日程第五、自衛隊法の一部を改正する法律案、右三件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。日米防衛協力のための指針に関する特別委員長山崎拓君。
    ―――――――――――――
 日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案及び同報告書
 自衛隊法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔山崎拓君登壇〕
○山崎拓君 ただいま議題となりました各案件につきまして、日米防衛協力のための指針に関する特別委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。
 まず、各案件の概要を申し上げます。
 ACSA改正協定でありますが、本協定の主な内容は、
 協定の目的に、周辺事態に対応する活動に必要な後方支援、物品または役務の提供に関する基本的な条件を定めることを加えること、
 いずれか一方の政府が、周辺事態に対応する自衛隊または米軍の活動に必要な後方支援、物品または役務の提供を他方の政府に対して要請する場合には、当該他方の政府は、その権限の範囲内で提供することができること、
 協定に基づいて提供される物品に、武器等の提供が含まれるものと解してはならないこと
であります。
 次に、周辺事態安全確保法案でありますが、本案は、周辺事態に対応して我が国が実施する措置及びその実施の手続等を定めようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、周辺事態への対応の基本原則を定めること、
 第二に、周辺事態に際して、一定の後方地域支援等を実施することが必要な場合には、閣議決定により基本計画を定めること、
 第三に、自衛隊による後方地域支援等の実施及び手続等を定めること、
 第四に、関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い、対応措置を実施すること並びに国以外の者に対し必要な協力を求めまたは依頼することができること、
 第五に、内閣総理大臣は、基本計画の決定または変更があったときは、その内容を遅滞なく国会に報告しなければならないこと、
 第六に、後方地域捜索救助活動または船舶検査活動を行っている者の生命等を防護するために必要最小限の武器の使用ができることとすること
であります。
 次に、自衛隊法の一部を改正する法律案でありますが、本案の主な内容は、
 外国における緊急事態に際して防衛庁長官が行う在外邦人等の輸送の手段として、船舶等を用いることができることとすること、
 輸送の職務に従事する自衛官が、在外邦人等の生命等を防護するために必要最小限の武器の使用ができることとすること
であります。
 以上各案件は、去る二月十六日本委員会に付託されました。委員会におきましては、各案件を一括して議題とし、三月十八日政府から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、四月七日に参考人からの意見聴取、十四日にはいわゆる地方公聴会、さらに二十一日には公聴会を開催するなど、慎重かつ熱心に審査が行われてまいりましたが、昨二十六日、周辺事態安全確保法案に対し、自由民主党、公明党・改革クラブ及び自由党の三会派共同提案に係る修正案が、また民主党提案に係る修正案がそれぞれ提出されました。
 両修正案について趣旨説明を聴取した後、各案件及び両修正案について質疑を行い、質疑終了後、討論を行い、採決の結果、ACSA改正協定は賛成多数をもって承認すべきものと決し、周辺事態安全確保法案は、民主党提出の修正案を否決した後、賛成多数をもって、三会派共同提出の修正案のとおり、船舶検査活動の規定を削除するなど、修正議決すべきものと決し、自衛隊法の一部を改正する法律案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊藤宗一郎君) 三件につき討論の通告があります。順次これを許します。畑英次郎君。
    〔畑英次郎君登壇〕
○畑英次郎君 私は、民主党を代表して、ただいま議題となりました、ACSA改正案に賛成、自民、自由、公明党・改革クラブ三会派提出の修正案に反対、それを除く内閣提出の周辺事態安全確保法案に反対、自衛隊法改正案に賛成の立場で討論を行います。
 民主党は、日米安全保障条約を支持し、日米防衛協力を進めることが日本の安全保障のために不可欠であり、ガイドライン関連法案の整備は基本的に必要であるとの認識に立っており、この立場からACSA協定改正に賛成をいたします。自衛隊法改正案につきましても、邦人救出の実効性を高めるために艦船を派遣する選択肢を加えることの必要性にかんがみ、これに賛成をいたします。
 次に、周辺事態安全確保法案についてであります。
 日米防衛協力に当たっては、我が国の主体性確保と国民生活に対する配慮を法律で規定することが必要であります。内閣提出の周辺事態安全確保法案はこうした点が不十分であり、また三会派提出の修正案には、看過できない重要な問題点があり、賛成できません。
 第一に、基本計画全体ではなく自衛隊の一部活動のみを国会承認事項と規定しており、地方自治体や民間協力に対する行き過ぎた協力要請等があった場合、国会が歯どめをかけられないことであります。
 第二に、周辺事態の定義や政府統一見解は、拡大解釈の余地があり、専守防衛を大きく超えて、自衛隊の活動領域に歯どめがかけられないことであります。
 第三に、新ガイドラインにおいて日米間で合意した根幹部分の一つである、国連決議に基づく船舶検査活動が削除されており、法案として未完成な欠陥法の姿となってしまったことであります。
 なお、日米物品役務相互提供協定、ACSAにつきましては、日米の協力内容についてはそれぞれの国がその国内取り決めに基づいて行う旨を協定しており、ACSAには同意しても、それに関係する周辺事態法に欠陥があって、それを修正できないときに、これに反対することは理屈の通る話であることを申し添えておきます。
 次に、三会派が修正合意に至る過程は、山崎拓委員長のもと、委員会の中で協議を進めるという当初からの各党間合意を踏みにじり、国会で積み重ねられてきた政策論議を、最後の瞬間に不透明で旧態依然たる国対政治をもって覆したものであります。これを政府としてやすやす受け入れるとすれば、小渕内閣は、理念と見識を放棄し、政策の軸など何もないことを内外に明らかにするようなものであります。
 政権維持のために総理の訪米前に何が何でも成立させようとしたことに始まり、三会派がそれぞれの党利党略を最優先させ、ガイドライン審議を、政策論争ではなく、政局論争におとしめたことの責任、とりわけ政府・自民党を代表する総理の責任は極めて重大であることを申し上げなければなりません。これは、議会制民主主義の否定であり、決して国民に理解されるものではなく、結果的には日米関係を傷つける可能性さえあり、まことにもって遺憾千万と言わなければなりません。(拍手)
 去る三月十二日の本会議代表質問で、私は、我々は、日本自身の安全を守るために、我が国の主体性に基づいて日米防衛協力の実効性を高めることの意義をだれよりも認めることを述べさせていただきました。この言葉は、今もいささかも変わるものではありません。だからこそ、我が国の外交と安全保障についての主体性の確立と、国民生活に対する十二分の配慮の担保が必要だと考え、民主党は法案修正を申し入れてきたのであります。
 我々の要求は、自衛隊の一部活動のみではなく、基本計画全体を国会による原則事前、緊急事態に対しては事後承認事項とすること、六十日を超えて基本計画の措置を継続する場合に基本計画を国会にかけること、周辺事態を日本有事に発展する可能性があると判断される事態に限定すること等が我々の主な要求でありました。しかしながら、委員会の信義を守らない手法がまかり通り、結果として我々が賛成できるだけの内容を伴う修正が実現されなかったことは、大変残念と申し上げざるを得ません。
 我々民主党は、今後とも周辺事態安全確保法をよりよくするための修正を求め、その実現に努力してまいります。また、日米安保のためならば国民生活と日本の外交的主体性を犠牲にする政党とも、そしてまた日米安保そのものに反対する政党とも一線を画した真の責任政党として、日本の防衛政策と平和創出外交のあり方を国民に提示してまいりたいと考えております。
 最後に、国の根幹の安全保障政策を政争の具に使ったことは、国民の不信を招き、同盟国である米国や国際社会からも冷ややかなまなざしで見られるであろうことを強く総理に警告申し上げ、かつ猛省を促して、私の討論を終わります。(拍手)
○議長(伊藤宗一郎君) 中山利生君。
    〔中山利生君登壇〕
○中山利生君 私は、自由民主党、自由党を代表いたしまして、ただいま議題となりました周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法案及びその修正案、日米物品役務相互提供協定改正協定、自衛隊法の一部を改正する法律案に賛成の立場から討論を行います。
 本法案等は、我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に際し、これに対応するため、我が国が必要な措置をとることができるようにすることを内容としております。
 冷戦終結後、圧倒的な軍事力を背景とする東西間の軍事的対峙の構造は消滅し、世界規模の武力紛争が生起する可能性は遠のいたものの、東西冷戦のもとで抑え込まれてきた宗教上や民族上の問題などに起因する種々の対立が表面化あるいは先鋭化し、複雑で多様な地域紛争が発生しております。さらに、核、生物、化学兵器など大量破壊兵器や、弾道ミサイルなどの兵器の移転拡散が進むなど、依然としてアジア太平洋地域には不安定、不透明な要素が多く存在しております。
 昨年八月に我が国に向け発射され、我が国上空を飛び越えて太平洋に落ちた北朝鮮のミサイルや、いまだ記憶に新しい先月の不審船事案は、まさに我々日本人を太平の眠りから目覚めさせ、危機管理の重要性を改めて認識させる契機となりました。
 こうした国際環境にあって、我が国の平和と安全を確保し、アジア太平洋地域の安定を維持するためには、米国のこの地域へのコミットメントと米軍のプレゼンスが極めて重要であることは言をまちません。我が国としても、安全保障面での日米協力をさらに実のあるものにするよう法整備をする必要に迫られております。
 一昨年九月に日米間で作成された新たな日米防衛協力のための指針、いわゆる新ガイドラインは、まさにこうした時代の要請から生まれたものであり、このガイドラインの実効性を確保し、日米安全保障条約の効果的な運用に寄与するために、昨年四月に本法案等が国会に提出されました。
 我々自由民主党、自由党は、本法案等の必要性を深く認識し、国会における論議その他の数々の機会をとらえ、国民の皆様にその重要性を訴えるなど、本法案の早期成立、承認に向け日々努力してまいりました。ちょうど国会提出から一年を経て、本日この場で討論を行えることは、まさに感無量であります。
 本法案等によって新たに自衛隊が実施できるようになる二つの活動、すなわち、後方地域支援及び後方地域捜索救助活動は、いずれも周辺事態に対して我が国の平和と安全の確保に大きく貢献するものであります。
 近所が火事になったとき、自分の家が燃えていないからといって知らぬ顔をしていたら、共同体の一員として生きていくことはできません。万一自分のうちが火事になっても、だれも助けてくれないでしょう。火事の際に付近の住民が一致協力して事に当たるように、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態が生起した場合に、我が国が必要な対応措置を米国と協力しつつとることは、主権国家として当然のことであると同時に、国際社会における責務とも言えましょう。
 本法案は、日米防衛協力のための指針の実効性を確保し、我が国周辺の地域における我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態に際して、我が国が適切かつ迅速に必要な措置を講じる上で、ぜひとも必要なものであります。
 このことを最後に申し上げて、周辺事態安全確保法案及びその修正案並びに日米物品役務相互提供協定改正協定、自衛隊法の一部を改正する法律案に対する私の賛成討論といたします。(拍手)
○議長(伊藤宗一郎君) 金子満広君。
    〔金子満広君登壇〕
○金子満広君 私は、日本共産党を代表して、ガイドライン関連法案に怒りを込めて反対の討論を行います。
 言うまでもなく、この法案の本質は、海外でアメリカが引き起こす戦争に日本が自動的に参加するという、まさに戦争法案そのものであります。
 私がまず初めに指摘しなければならないのは、この重大な憲法違反の法案を、しかも周辺地域など法案の骨格をなす概念について政府はまともな答弁もしないまま、一部修正ということで、特別委員会でのわずかな審議で採決を強行するという暴挙が行われたことであります。
 この暴挙は、国会の審議を封殺し、議会制民主主義を根本から覆すものであります。これが首相訪米を前に衆議院通過をねらったものであることは、もはや明白であります。このことを厳しく糾弾し、以下、具体的に反対の理由を述べます。
 反対の第一は、この法案が日本国憲法第九条、平和条項を真っ向からじゅうりんするものであるということであります。
 政府は、これまで、日本が行うのは後方地域支援であり戦争行為ではないという、ごまかしの答弁を繰り返し続けてまいりました。しかし、政府が言う後方地域支援とは、戦闘中の米軍に対する武器、弾薬、兵員の輸送、燃料の補給などの明白な兵たん作戦行動であり、あれこれ説明、弁解を試みても、それを覆い隠すことはもはやできません。
 この後方地域支援なるものは、我が党の追及を政府も認めたように、ジュネーブ条約の追加議定書で、また国際社会のルールでも相手側から軍事目標となるものであり、したがって、戦闘行為と不可分の戦争行為そのものであります。政府は、この憲法上の重大問題に何らまともな回答を示しておりません。
 反対の第二は、この法案の発動対象が地理的に全く無限定であり、アジア太平洋地域全域に軍事緊張と武力紛争の危険をもたらすということであります。
 政府が示している周辺事態の典型例は、他国の内戦、内乱まで周辺事態として介入することを示したものであり、今、これに対しアジア諸国が、新たな軍事的脅威になるとして相次いで批判、懸念を表明しているのは当然であります。
 とりわけ政府が、一つの中国、台湾は中国の不可分の領土であることを公式に認めながら、周辺事態の対象から台湾を除外することを言明しないことは、明らかに中国に対する重大な内政干渉、主権侵犯に道を開くものであり、断じて許せないことであります。このことが日中両国の真の友好平和関係を大きく傷つけることは、国際的な世論、報道でも既にされているところであります。
 反対理由の第三は、国際法を全く無視したアメリカの先制攻撃など無法な武力行使をやった場合でも、日本がそれに参加する道を開いたということであります。
 アメリカは、これまで、パナマ、グレナダ侵略や昨年のイラクへの一方的な攻撃、そして今、ユーゴへの残虐な空爆を行っています。国連憲章や国際法を無視したアメリカのこのような先制攻撃をも、周辺事態だとしてガイドラインを発動し、日本がこの無法な戦争への加担者となるという、極めて危険な道を進むものであります。政府が、こうした無法な戦争への参加を否定しないことは重大であります。
 反対理由の第四は、自衛隊のみならず、自治体や民間を含め、アメリカの軍事行動に国土と国民を総動員するものであります。
 政府は、自治体や民間には協力を求めるものであって、強制するものではないなどと言いわけを繰り返してまいりました。だが、これまで審議を通じても、自治体や民間の動員は事実上の強制であり、国民の権利が脅かされることが明らかにされてきたのであります。
 現に、我が党が明らかにしたように、一九九四年、北朝鮮問題以降、アメリカは日本に対して膨大な軍事支援を要求し、その中で秘密裏に戦争のシナリオが検討されておりました。
 その中には、成田や関西空港など十一の民間空港、さらには福岡などこれまた十一の港を米軍が優先的に使用することを初め、陸海空の輸送業者や労働者、民間病院の医師、看護婦までも動員されることになっております。これは、憲法に保障された地方自治をじゅうりんし、国民の基本的人権を侵害するものであり、日本全土の動員体制をつくるものであります。
 このような事態に対し、既に、全国百八十を超える地方自治体が超党派で、ガイドライン法案への反対または慎重な取り扱いを求める決議を次々と行っています。同時に、陸海空、港湾の交通関係労働者を初め医療関係など、広範な国民の中に反対の声が次々と広がっています。
 憲法違反のこの悪法は、部分的な修正などで本質を変えることはできません。しかも、法案の骨格をなす問題のすべてに明確な規定がないことは、政府への白紙委任ということであり、法律の名に値しないものであります。(拍手)
 憲法前文は、アジア諸国二千万人、我が国三百十万人というおびただしい犠牲者を生んだあの十五年に及ぶ侵略戦争の上に立って、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、この憲法を確定する。」と明記し、これを内外に宣言したのであります。ところが、今、このガイドライン法案によって平和条項はじゅうりんされ、まさに政府の行為によって再び戦争の惨禍をもたらす道に踏み込もうとしているのであります。もはや、事態の重大性、問題の本質は明らかであります。
 私は、最後に、この希代の悪法を廃案にするため全力を尽くすことを表明し、反対の討論を終わります。(拍手)
○議長(伊藤宗一郎君) 遠藤乙彦君。
    〔遠藤乙彦君登壇〕
○遠藤乙彦君 私は、公明党・改革クラブを代表して、ただいま議題となりましたACSA改正協定、自衛隊法の一部改正案、周辺事態安全確保法案に関する自由民主党、自由党、公明党・改革クラブ三会派共同提出の修正案及び修正部分を除く原案に賛成の立場から討論を行うものであります。
 戦後、我が国は、平和憲法と日米安保条約のもとで平和と安全を享受し、目覚ましい経済の繁栄を遂げてきました。そして、この間には、国連加盟を果たし、国際社会の一員として幅広く外交活動を繰り広げ、今や国連安保理常任理事国の有力な候補国ともなっております。このことは、我が国の外交方針が国連中心主義を貫き、国際協調と国際貢献を尊重する姿勢をとり続けてきたことに対する評価のあらわれであると考えます。
 二十一世紀を見据えた我が国の平和戦略としては、国連が標榜する平和への努力と、日米安保条約の効果的な運用という車の両輪によって支えられる、対話と抑止政策を堅持すべきであると考えます。
 私たちは、ガイドライン関連法案が、一つ、憲法の精神と原則を十分に踏まえたものであるべきこと、二つ、国民の幅広い理解と支持を求めること、三つ、近隣諸国に無用な誤解や懸念を与えないことの三点に留意し、慎重に修正論議を行ってまいりましたが、三会派共同提出の修正案によって、これらの諸点は十分に反映されることになったと考えます。
 こうした意味合いにおいて、価値ある、賛成すべき法案であることを順次申し述べたいと思います。
 賛成する第一の理由は、ガイドライン関連法案等が、冷戦後の日米同盟の信頼性を強化するための一つの具体的取り組みであるという点であります。
 九六年四月に発表された日米安全保障共同宣言は、日米同盟がアジア太平洋地域の平和と安全の確保に役立ってきたことを指摘するとともに、日米安保条約を基盤とする両国間の安全保障面の関係が、二十一世紀に向けて、アジア太平洋地域においても安定的で繁栄した情勢を維持するための基盤であることを再確認したものであります。
 この宣言を踏まえ、我が国は、アジア太平洋地域における日米同盟の重要性や、依然として我が国周辺地域には不安定要因が存在しているという現実への備えとしての日米同盟のさらなる関係強化のため、我が国憲法上いかなる役割を果たし得るのかが検討され、その結果がただいま議題とされている法案等であり、このような措置を講じることは、国家としてまさにとるべき道であり、同盟国との信頼関係構築に寄与するものと考えております。
 第二点目は、周辺事態安全確保法第一条にとられる措置が、日米安保条約の枠内である旨を示すために、日米安保条約の効果的な運用に寄与し、との文言が明記されたことであります。
 これまで、周辺事態につきましては、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態と法案上定義され、地理的概念ではなく、事態の性質に着目した概念との政府説明が繰り返されてまいりましたが、周辺事態の定義やその範囲も明確なものではなく、国民の間には、自衛隊の活動が無制限に拡大しかねないとの懸念がありました。しかし、上記の修正が加えられることで、平時でもなく、我が国有事でもないいわゆる周辺事態に際し、自衛隊の活動範囲が無制限に拡大することをチェックできることになると考えます。
 第三点目は、基本計画に定められた自衛隊の部隊等の後方地域支援等への出動の可否が、緊急の場合を除き、原則として国会の事前承認とされたことであります。
 修正案が、国会承認の対象を自衛隊等の後方地域支援等に限定したものであるとはいえ、国会への事後報告にとどめた原案に比べ、より民主的コントロールが確保できるものであるとともに、活動に参加する自衛隊に対する国民のよりよい理解が得られるものであると考えます。また、自衛隊の防衛出動が原則として国会の事前承認とされている現行法との関係においても、その整合性が図られたものと認識しております。
 第四点目は、基本計画に定める対応措置の終了後に、その結果を国会に報告する義務という新たな規定が盛り込まれることになった点であります。
 これにより、我が国が周辺事態に際しとった措置が、我が国憲法に照らし、果たして適切であったかどうか、事後的に検証できることになります。
 第五点目に、周辺事態の概念を明確化するために、認定基準につき、類型化したものを認定手続とともに政府統一見解として明らかにされたことであります。
 第六点目に、地方公共団体や民間に求める協力の内容や補償のあり方等につき、さらに明確化し、マニュアル等の作成、提供が政府答弁として確認されたことであります。
 以上の見地から、私は、三会派共同提出の修正案及び修正部分を除く原案等は、速やかに可決成立させるべきものと考える次第であります。(拍手)
 今回、これらガイドライン関連法案等審議の過程で行われました修正協議におきまして、周辺事態における自衛隊の活動から船舶検査活動が削除されました。私どもは、これまでの審議、修正協議を通じ、周辺事態の船舶検査活動は国連決議に基づくものとすべきであるとの主張をしてまいりました。この自衛隊による船舶検査活動は、周辺事態に際して、経済制裁の実効性を確保するための措置であり、ほかの後方地域支援や後方地域捜索救助活動とあわせ、新ガイドラインの重要な柱の一つであります。
 今後、船舶検査活動に関する新法案の提出が検討されますが、日米同盟の信頼性確保の観点からも、早期に国連決議に基づく船舶検査活動に関する新法案が提出され、審議入りできますことを希望いたします。
 ガイドライン関連法案等の審議は、今後の我が国の安全保障政策について国民の強い関心を呼び起こし、安全保障政策を現実の問題として考える機会となったものと考えます。しかし、その一方で、この審議がいわゆる対話と抑止の抑止の側面に該当するものでもあることから、ガイドライン関連法案に対しては一部の近隣諸国から懸念が示されたり、また、政府の説明不足もあり、特に米軍基地を抱える沖縄を初めとする地域においては不安の声が上がっております。
 このような状況を踏まえ、政府においては、この機会に、我が国として国際社会の平和構築のためいかなる外交を展開していくのか、改めて我が国の平和外交に関するビジョンを明確に示すべきであります。
 以上申し上げまして、私の三会派共同提出の修正案及び修正部分を除く原案等に対する賛成討論といたします。(拍手)
○議長(伊藤宗一郎君) 伊藤茂君。
    〔伊藤茂君登壇〕
○伊藤茂君 私は、社会民主党・市民連合を代表して、政府提案のガイドライン関連三法案の撤回、廃案を求め、自民党、公明党・改革クラブ、自由党三派共同提案の修正案と、民主党提案の修正案との二つに反対する討論を行います。
 私は、今、日本の将来への深刻な憂慮の念を込めてここに立っております。この法案内容は、日本の将来と日本国憲法の基本にかかわる重大な問題であります。しかるに、特別委員会では、修正案に対する回答もないのに採決の日程を決めました。現在、さまざまの世論調査でも、国民の多数は慎重、徹底審議を求めております。我々国会が責任を持つのは、その国民の皆さんに対してであります。アメリカではありません。訪米の手土産などということは許せないことであります。
 しかも、審議打ち切り、採決の日程を決めた後になってから修正協議が行われました。まさに異常であります。これに加えて、修正協議は混乱に混乱を重ね、政府が重要項目として説明してきたテーマも削除をしました。これは、修正協議がまさに矛盾の塊であることを証明したと言わなければなりません。この法案内容が、ポスト冷戦時代の歴史の方向に背を向けたものであり、部分的な修正をしても危険な本質は変わることはないのであります。
 社会民主党が反対する理由は、ここで何時間かかっても語り尽くせないたくさんのことがあります。あえてその基本的な問題点を指摘します。
 その第一は、日米安保条約がこれで完全に変質して、グローバル安保となり、米軍が世界の広い範囲にわたって出撃する前線基地となるという重要な問題であります。
 一九六〇年の安保改定の議論のときに、二つの歯どめ、極東の範囲の確認、在日米軍出動にかかわる事前協議制がありました。今やそれは、空洞化どころか空文となっております。それは、沖縄や横須賀などから、米軍が湾岸を含む広い範囲に自由出撃している事実に明白であります。
 その現実は、米国自身が、沖縄を含む日本の基地がなければ湾岸戦争はできなかったとか、思いやり予算では、日本は世界一気前のいい国であると公式に表明をしております。これでは、国際社会に名誉ある地位を占めたいと書かれている平和憲法が、今、怒りに燃えていると思うのであります。ポスト冷戦の時代に、冷戦時代もやらなかった軍事行動重視の道を歩むことは、よく言われる右向け右どころか、歴史の流れに回れ右に進路をとろうとするものと言わなければなりません。
 第二は、後方地域支援という名による戦争参加と、憲法の禁じている集団自衛権への道を開いたという重大な変化であります。
 これは、事実上の憲法改悪ともいうべき内容であります。現代の戦争に後方などあり得ないことは明白であります。ポスト冷戦の今日、さまざまの新たな地域紛争が発生しており、その打開が求められている現実を私も直視しています。抑止と対話と言われますが、問題はその打開の方向であります。
 考えてください。五年前の朝鮮半島をめぐるあの緊張した事態のときに、カーター元大統領と金日成主席の会談で打開され、米朝協定の実現に至りました。今、韓国の金大中大統領は、潜水艇事件などについても適切な対応をしながら、いわゆる太陽政策を展開して、戦略的に南北統一への新しい時代を切り開こうとしているのであります。
 今、平和憲法を持つ日本に求められているのは、そういう先見性ある、新しい、大きな構想と行動ではないでしょうか。日本政府にカーターさんも金大中さんもいないことを、私はまことに悲しく思います。
 中国について、日中共同宣言からいっても、台湾を安保条約の対象枠外にすることも、当然のことであります。
 反対する第三の理由は、自衛隊への民主的コントロール、特に国会とのかかわりの問題であります。
 国会の事前承認は当然の原則であり、行おうとするすべてが国会の承認を得なければなりません。湾岸戦争のときに、アメリカの議会が三日間徹夜の議論をしたあの経過は、議員の皆さん御承知だと思います。国会は国権の最高機関であります。国会は政府の下ではありません。
 大体、本会議場に先進国に例のないひな壇があって、議員よりも高い席にいること自体がおかしいのであります。全国民に最高の責任を負い、決定するのは国会であります。それを毅然として実行する責任を、皆さん、立派に果たそうではありませんか。
 第四に私が強調する点は、自治権と国民の権利を抑圧し、国民ぐるみで戦争協力をさせようとしていることであります。
 法案では「協力を求めることができる。」とありますが、答弁では、協力するのが当然、正当な理由なくして拒否すれば、法律で是正の命令をすると言っております。事実上の強制と言わなければなりません。今、二百ぐらいの自治体が、この法律に反対や疑問や徹底審議を求める決議をしています。ほとんどが超党派で議決をしております。分権社会が日本の今後の基本として強調されるときに、軍事目的のために権力的に対応することは許されないことであります。
 私は、特に、米軍基地が極度に集中している沖縄県民の声を真剣に受けとめなければならないと考えます。地方の公聴会でも、沖縄の代表を招いたのは我が党だけでありました。沖縄の県民の願いに背を向けて、日本の将来は語れないのであります。
 また、参考人として審議に出席をいただいた陸海空の職場に働く皆さんから、この法案の危険性と懸念が切実に訴えられました。政府は、安全に人や物を運ぶ仕事を担っているこれらの人々の願いを無視して、米国の要求にだけこたえようとするのでしょうか。
 私は申し上げたいのであります。今必要なのは、戦争のためのガイドラインではなくて、平和のガイドラインなのであります。平和の戦略と新しいリアリズム、その方向を真剣に追求する見識と新たな構想力と外交戦略こそが、今政治に求められているのであります。今や政府には、残念ながらそれはありません。私は、日本の英知を結集して、真の平和のガイドラインをつくり上げることを同僚の皆さんに心から訴えたいのであります。(拍手)
 本法案は、まさに危険な新安保条約であります。これを撤回し、条約交渉をやり直し、国民にその信を問うべきであります。それが国民の皆さんに誠実にこたえる唯一の道であることを私は強く主張します。
 日本国憲法が宣言している、平和国家として国際社会に名誉ある国をつくる大きな使命に燃えて、私たち社会民主党・市民連合は全力を尽くす決意を表明し、政府原案と二つの修正案に反対する討論といたします。(拍手)
○議長(伊藤宗一郎君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○議長(伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。
 まず、日程第三につき採決いたします。
 本件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。(拍手)
 次に、日程第四につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。(拍手)
 次に、日程第五につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○岸田文雄君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 議院運営委員長提出、会計検査院法の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
○議長(伊藤宗一郎君) 岸田文雄君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 会計検査院法の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)
○議長(伊藤宗一郎君) 会計検査院法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。議院運営委員長中川秀直君。
    ―――――――――――――
 会計検査院法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔中川秀直君登壇〕
○中川秀直君 ただいま議題となりました会計検査院法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 本改正案は、検査官の任命等について、衆議院が同意して参議院が同意しない場合においては衆議院の同意をもって両議院の同意とすることとする規定を削除しようとするものであります。
 なお、この法律は、公布の日から施行することといたしております。
 会計検査院法は旧帝国議会時代に審議、制定されたものであり、検査官の任命等について衆議院の優越規定を置いております。当時、同様の規定を設けていた人事官、公正取引委員会委員長及び同委員、国家公安委員会委員については、昭和二十年代にすべて優越規定が削除されましたが、会計検査院法については改正の機会がなく、今日に至ったものであります。
 本規定を削除することについては、参議院側から再三の要請もあり、今回、参議院及び内閣官房長官とも協議の上、先般の議会制度に関する協議会において、必要な法改正措置を講ずることに各党の合意を見た次第であります。
 本改正案は、本日の議院運営委員会において起草、提出したものであります。
 何とぞ議員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 都市基盤整備公団法案(内閣提出)及び住宅・都市整備公団法の一部を改正する法律案(鉢呂吉雄君外一名提出)の趣旨説明
○議長(伊藤宗一郎君) この際、内閣提出、都市基盤整備公団法案及び鉢呂吉雄君外一名提出、住宅・都市整備公団法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を順次求めます。建設大臣関谷勝嗣君。
    〔国務大臣関谷勝嗣君登壇〕
○国務大臣(関谷勝嗣君) 都市基盤整備公団法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国の大都市地域等の状況を見ると、十分な都市の基盤が整備されることなく人口や諸機能が集中した結果、都心居住、職住近接の促進、防災性の向上、拠点市街地の形成、土地利用の整序等が大きな課題となっているところであります。
 この法律案は、特殊法人の整理合理化の一環として、住宅・都市整備公団を解散して新たに都市基盤整備公団を設立し、地方公共団体、民間事業者等との協力及び役割分担のもと、大都市地域等における居住環境の向上及び都市機能の増進を図るための市街地の整備改善、賃貸住宅の供給等を効率的、合理的な執行体制により行うこととするものであります。
 次に、その要旨を御説明いたします。
 第一に、新公団は、大都市地域等における市街地の整備改善に関し、公共施設の整備や土地の整序を伴う敷地の整備や宅地の造成を行い、建築物の整備は再開発のため必要なもの等を除き、基本的には民間にゆだねることとしております。
 第二に、住宅については、分譲業務からは原則撤退し、国の施策上特に必要な賃貸住宅の供給に限定いたします。また、現公団が管理している賃貸住宅については、引き続き新公団がその管理を行うとともに、居住者の居住の安定に配慮しつつ建てかえ等を行うこととしております。賃貸住宅の家賃については、低所得高齢者等のための措置を講じつつ、市場家賃を基準とする方式をとることといたしております。
 第三に、業務の実施に当たっては、地方公共団体との連携を強化するため、賃貸住宅の建てかえに際しての公営住宅の併設、入居のあっせん等を行うとともに、地方公共団体等を支援しつつ市街地の整備改善を円滑に推進するため、調査、調整、技術提供等の受託業務の促進策等を講ずることといたしております。
 第四に、理事定数の削減、運営委員会の設置等の組織、業務運営を合理化するための所要の措置を講ずることといたしております。
 以上が、都市基盤整備公団法案の趣旨でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊藤宗一郎君) 提出者石井紘基君。
    〔石井紘基君登壇〕
○石井紘基君 民主党のきょうは結党一周年に当たりまして、この国の姿について、極めて重要な問題の提起をさせていただきたいと思います。(拍手)
 ただいま議題となりました住宅・都市整備公団法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 住宅・都市整備公団は、昭和三十年、日本住宅公団として発足して以来、大都市地域における大規模な住宅宅地供給、市街地の整備、都市公園の整備等を通して、国民生活の向上に貢献してきたところであります。
 しかしながら、現在、我が国の経済社会は大きな転換期を迎えており、官と民の関係や、国と地方の関係のあり方が見直され、行政改革及び財政構造改革の一層の推進が求められている大きな流れの中で、住宅・都市整備公団のあり方についても、抜本的な見直しが求められるわけであります。
 また、最近における住宅事情の一層の改善、民間の住宅供給部門の成長、人口構成の少子高齢化の進展等、公団業務を取り巻く状況は大きく変化しており、公団分譲住宅の大量の売れ残りや、賃貸住宅の空き家の発生などが問題となっているわけであります。
 この法律案は、このような住宅・都市整備公団をめぐる状況の変化を踏まえ、特殊法人の整理合理化の一環として、住宅・都市整備公団を都市住宅公団に改称し、公団業務を賃貸住宅の管理等の業務に縮小しようとするものであります。
 次に、この法律案の主な内容について申し上げます。
 第一に、新公団の業務は、現公団の行っている住宅及び宅地の供給、市街地の整備改善並びに都市公園の整備等の業務から撤退し、賃貸住宅の管理等の業務に限定いたします。
 第二に、現公団が管理している賃貸住宅については、その管理を新公団が引き続き行うこととし、老朽化した賃貸住宅について、居住者の居住の安定に配慮しつつ建てかえを行うとともに、建てかえに伴う家賃の急激な変動を抑制するための措置を講じることとしております。
 第三に、総裁の理事長への改称、副総裁の廃止、理事及び監事の定数の大幅な削減、必要な調査審議及び建議を行う運営委員会の設置など、組織及び業務の運営を合理化するための所要の措置を講ずることといたしております。
 第四に、住宅・都市整備債券、特別住宅債券及び宅地債券は発行しないことといたします。
 第五に、新公団は、当分の間、この法律の施行前に開始された業務で、特に継続する必要があるとして建設大臣が指定した業務等については、引き続き行うことができるものとしております。
 また、新公団は、子会社等に対する投資の見直しを行い、その削減に努めなければならないものとしております。
 その他、これらに関連いたしまして、関係規定の整備を行うこととしております。
 なお、本法案は、公布の日から起算して六月を超えない範囲において政令で定める日から施行することといたしております。
 以上で、本法案の趣旨の御説明とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
     ――――◇―――――
 都市基盤整備公団法案(内閣提出)及び住宅・都市整備公団法の一部を改正する法律案(鉢呂吉雄君外一名提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。松崎公昭君。
    〔松崎公昭君登壇〕
○松崎公昭君 私は、民主党を代表し、ただいま趣旨説明されました、政府提出の都市基盤整備公団法案並びに鉢呂吉雄君外一名提出の住宅・都市整備公団法の一部を改正する法律案の両案に対し質問いたします。
 政府は、この都市基盤整備公団法案を初めとして、各特殊法人の整理合理化に関する法案を今国会に多数提出しております。しかし、その内容を精査すると、法人の規模や事業内容は余り変わらずに、ただ複数の法人を一つに束ねたものや、ただ名称を変更して看板をつけかえたものなど、整理合理化とはとても言えないような内容のものが多数見受けられます。果たして、このような改革が特殊法人改革の名に値するものなのでしょうか。
 官から民へ、中央から地方へという大きな流れの中で、時代おくれの特殊法人をそのままの規模で温存し、今までどおり補助金や財投資金をつぎ込むことに国民は大きな疑問を感じております。みずからの権限が及ぶ特殊法人をそのままにしておき、天下り先の機関を一つでも多く確保し続けたい、政府のねらいはここにあるのではないかと、国民はさめた目で見ているのであります。
 そのような意味で、一連の特殊法人改革にかける政府の姿勢は、国民の意識から大きくかけ離れたものだと言わざるを得ません。このことをまず私は強く訴えたいと思います。
 さて、そこで、住宅・都市整備公団を解散して都市基盤整備公団を設立するという政府案は、整理合理化という観点から見ますと、果たしてどれほど効果の上がるものなのでしょうか。確かに、分譲住宅分野からの撤退など、業務内容の見直しなども含まれておりますが、しかし、肝心の組織の整理合理化については、政府案でどれほど成果が上がるのか、全く不明確なのであります。
 そこで、建設大臣にお尋ねいたします。
 新公団になることによって、業務内容の見直しに伴う整理合理化はどの程度達成できるのか、明確にお答えください。
 一方、民主党案によれば、住宅・都市整備公団の業務内容を賃貸住宅の分野に絞り込み、分譲住宅及び都市基盤整備事業からは撤退するとあります。今なぜ、住宅・都市整備公団の業務分野を賃貸住宅業務に絞り込むことが必要なのか、そして、政府案で予定している都市基盤整備事業についてはどこが担うべきとお考えか、あわせてお聞かせください。
 また、かねてより問題となっております官僚の天下り問題や組織の整理合理化について、民主党案では具体的にどのように変化するのか、お聞かせください。
 さて、政府案において解散される住宅・都市整備公団は、長い間激しい批判の対象となってきました。バブル期に高値で大量の土地を仕入れ、そこに建設した分譲住宅が、民間の物件よりも魅力のない、しかも高価なものであったために、大量の売れ残り物件を出してしまったことがありました。また、随意契約による業務発注により、関連子会社に不当な利益を上げさせていたことが判明したこともありました。
 これもひとえに、膨大な財投資金と政府補助金に支えられた住宅・都市整備公団の、親方日の丸的な体質に原因があると言えましょう。普通の民間会社では考えられないような、コスト感覚を無視した放漫経営ぶりがこれまで長い間にわたってなされ続け、関係者はその果実にすがり続けてきたのです。
 その結果として、現在、約十四兆円もの借入金を抱えることとなり、その利払いに要する金額は、年間で約七千六百億円にも達しております。平成九年度の住宅・都市整備公団の会計報告では、賃貸住宅家賃による収入が約四千六百億円、また、分譲住宅や分譲宅地の売却による収入が約三千九百億円ですから、七千六百億円の利払い負担というのは、住宅・都市整備公団の経営にとって深刻な重荷になっていることは明らかであります。
 政府案によれば、新設される都市基盤整備公団には住宅・都市整備公団の権利及び義務の一切を継承することとなっておりますが、約十四兆円もの借入金とその利払いは、新公団の経営に深刻な影響を及ぼすのは明らかであります。その点について、どのように対処されるおつもりなのか、建設大臣の答弁を求めます。
 現在、国民の住宅事情の改善や民間の住宅供給部門の発展など、住宅・都市整備公団をめぐる状況は大きな変化を遂げました。一九九五年六月の住宅宅地審議会の答申においても、住宅政策の基本を市場機能強化型に変化させ、住宅についても、自力確保に重点を移すことがうたわれております。これらの観点から、分譲住宅分野からの原則撤退や、賃貸住宅分野は政策的なものに限定するという点については、時代の流れと市場経済の原理に沿ったものであると理解はできます。
 しかし、住宅・都市整備公団がこれまで建設、管理してきた賃貸住宅には、七十三万戸、二百万人もの生活者がいることを決して忘れてはいけません。政府提出法案においては、賃貸住宅家賃を、原価基準方式から市場価格を基準とする方式に変更することが盛り込まれております。
 しかし、居住者は、政府の一機関である公団と居住契約を持って生活しているのであり、また高齢化が進む中で、大幅な家賃水準の変更にはたえがたい状況にあります。したがって、このような方針の変更により、それら多くの人々の生活が脅かされるのではないかと私は非常に危惧を覚えます。
 そこで、総理にお伺いいたします。
 大都市圏における低中所得者層の住宅事情について、一体どのような認識をお持ちなのでしょうか。また、公団賃貸住宅における従前居住者の住環境保全について、どのような方針で臨むのでしょうか。明確にお答えをください。
 さて、政府案では、分譲住宅分野の撤退及び賃貸住宅分野の限定とともに、事業の重点を都市基盤整備へ移すことが盛り込まれております。しかし、特殊法人である都市基盤整備公団が必ずしも都市基盤整備事業を行う必要性があるのかということについて、私は疑問を感じざるを得ません。むしろ、政府案によるところの、都市基盤整備への事業シフトは、大量の不良債権を抱えて身動きがとれない一部業界に資することを意図したのではないでしょうか。
 基盤整備事業では、再開発事業における権利調整や合意形成など、手間がかかる割には利益に直結しにくい部分が多く含まれております。これらの部分を公的セクターに担わせ、かつ、塩漬け状態に陥っている土地の流動化、活性化につながれば景気刺激になるというのが本当のねらいなのではないでしょうか。
 政府提出の法案は、関連子会社を含む組織の整理合理化、効率化の状況がおざなりのいいかげんな状態のままで、かつ、住宅分野の市場性重視という大義名分のもとで、従前居住者の住環境を脅かす一方、みずからの権益の及ぶ特殊法人を温存し続けようとするもので、到底筋の通らない話です。国民の目から合理的に見れば、とても納得できるものではありません。建設省は、あくまでも、民間経済の活力を重視し、側面から政策的な支援を行うべきであります。
 長引く不況と累積する財政赤字のもとで、今、日本社会は未曾有の危機的状態にあり、行財政の改革がまさに急務とされております。このような厳しい状況のもとで、国民の負担を伴う改革を行うためには、まずは政府みずからが襟を正し、削るところは削った上で、率先して痛みを背負うべきではないでしょうか。そのような姿勢が、政府の特殊法人改革には決定的に欠けております。
 その点、総理の見解をお聞きいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 松崎公昭議員にお答え申し上げます。
 大都市圏における低中所得者層の住宅事情についてのお尋ねでありましたが、借家世帯を中心に、居住水準の改善が重要な課題と認識をいたしております。
 次に、公団賃貸住宅の従前居住者の住環境保全についてのお尋ねでありますが、既存賃貸住宅を適切に維持管理いたしますとともに、家賃につきましては、高齢低所得者はもとより、入居者の方々の居住の安定に配慮しつつ、適切に設定することといたしております。
 特殊法人改革への姿勢についてお尋ねでありますが、新公団におきましては、民間でできるものは民間にゆだねるとの考え方のもとに、分譲住宅業務につきまして、再開発等に伴い必要なものを除き撤退した上、民間のみでは十分行うことのできない市街地の整備改善や、賃貸住宅の供給管理等に業務を重点化するとともに、役職員数の縮減、関係会社の再編等を進め、合理的な体制により効率的に業務を執行させることといたしております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣関谷勝嗣君登壇〕
○国務大臣(関谷勝嗣君) 私に対します質問は二問でございまして、まず一つが、公団の業務の見直しに伴う組織等の整理合理化についてのお尋ねでございますが、業務の一層の効率的な執行を図るために、以下の大きな三つの問題に対処するようにいたしております。
 まず一つが、理事定数を十四名以内から十名以内に削減を図ります。二番目に、組織については、業務内容に即して再編し、事業執行の機動力等を強化しつつ、スリム化を図っております。三番目に、定員については、業務の見直しや合理化努力等により削減を図ることを行いますが、全体として、総定員の計画的な縮減に努めることといたしております。
 二番目の御質問でございますが、住宅・都市整備公団から承継する借入金とその利払いが新公団の経営に及ぼす影響でございます。
 住宅・都市整備公団は、借入金等により長期にわたる事業を行う仕組みとなっており、この事業資金としての借入金に見合う住宅等の資産を保有いたしております。また、当該借入金の返済及び利払いについては、家賃及び事業資産の譲渡代金等の事業収入等により行うことにより、全体として収支相償う事業運営をしてきておるところでございます。新公団におきましても、住宅・都市整備公団の資産を引き継ぎ、同様に収支相償う経営を行うこととしており、基本的に、健全な経営が確保されるように努力をいたしたいと考えております。(拍手)
    〔鉢呂吉雄君登壇〕
○鉢呂吉雄君 松崎議員にお答えを申し上げます。
 現在、住都公団の借入金残高は十四兆五千億を超え、この利子負担あるいは元本返済金は年間の事業収益金額をはるかに超える、極めて異常な状態にあります。したがって、分譲住宅、都市再開発など、賃貸住宅以外の採算の合わない分野から撤退し、なおかつ、時価数兆円に上る未使用の保有土地資産の整理、売却を行うなどして、借入金負担の軽減を図ることが急務と考えております。
 また、公団職員については、差し当たっては特に人員整理等の必要はありませんが、中長期的には、職員の雇用不安を絶対に来さない形で、出向職員の整理や自然退職が進む中で、一定の定員を定めるべきと考えます。
 以上でございます。(拍手)
    〔石井紘基君登壇〕
○石井紘基君 住都公団の業務を何ゆえに賃貸住宅事業のみに縮小するのかとの御質問、及び天下り問題についての御質問にお答えを申し上げます。
 この法案の意図するところは、第一に、借金地獄からの脱却、第二に、一般会計への重圧の回避、第三に、税金の天下り団体への還流、政治献金への還流を食いとめるということ、第四に、官営経済に対する市場経済、自由経済の復権ということであります。
 そもそも住都公団は、昭和三十年、戦後の都市労働力の需要が高まる中で、勤労者の低廉な住宅を供給するという目的で設置された日本住宅公団から出発したものでありまして、日本住宅公団法にはその目的を、住宅の不足の著しい地域において、住宅に困窮する勤労者のために、集団住宅及び宅地の大規模な供給を云々というふうに書かれているわけであります。
 しかるに、我が国経済が高度成長を迎える中で、財政投融資制度による長期大量資金の有利な調達が可能となった建設省、住都公団は、既得権となった住宅宅地開発事業の規模をさらに大きく広げるとともに、総合都市開発、都市再開発、大規模区画整理事業、公共施設整備事業、公園事業、鉄道事業など、限りなく拡大をしてきたのであります。
 当初、公団法に定められた資本金は六十億円と規定されておりますが、今日では二千四百三十九億円、総資金二十六兆五千八百億円という世界一の超ディベロッパーに膨れ上がったのであります。平成九年度末で、公団が供給した賃貸住宅は七十七万戸、分譲住宅は二十八万戸で、設立以来の四十年間に我が国で建てられた全住宅の三分の一を占めている。また、バブル期には、大手民間ディベロッパーの向こうを張って、高層ビル建設などを次々に手がけまして、財政破綻へと突き進んでいったのであります。
 住都公団の総資産は十六兆三千五百億円、年間の予算規模は二兆七千億円であります。売上高は、家賃四千六百億円、分譲住宅二千二百億円、分譲宅地千七百億円、その他で合計約一兆円であります。これは、民間大手ディベロッパー約十社分に相当する規模であります。日本経済の屋台骨ともいうべき不動産、建設事業のシェアを、行政によるビジネスが圧倒的に奪ってしまっていることは明白であります。
 一方、平成九年度において、住都公団は、事業収入約一兆円に対し、支出が二兆七千億円で、何と年間一兆七千億円も支出超過となっております。
 支出の内訳は、土地取得費六千億円、建設費五千六百億円、人件費等七百億円、特定再開発事業五百億円、さらに驚くべきことは、借入金返済の元本が五千九百億円、利払いだけで七千六百億円などであります。年間約一兆七千億円の赤字は、まさに新たな借入金と政府の補給金によって埋められているわけであります。
 新たな借入金は、大部分が財投でありますが、一兆七百億円、政府の補給金、出資金などの補助金が二千四百億円、地方公共団体からの補助金が五百億円、その他住宅債券の発行による調達などとなっているわけであります。それでもなお、約五十億円の欠損金が計上されております。つまり、年間の借金負担は一兆三千五百億円、この数字はほぼ新たな借入金と補助金の合計金額に符合しているのであります。何と、大変な借金のための借金ではありませんか。
 しかも、これほど税金で補っても、年々歳々、借金残高はウナギ登りであります。すなわち、平成七年度で十三兆余円であったものが、八年度で十三兆六千九百億、九年度で十四兆二千億、十年度で十四兆五千億円と、まさに泥沼、借金地獄そのものであります。ちなみに、これまで一般会計から住都公団につぎ込まれた補助金はどれほどかといいますと、四兆六百億円に達しているのであります。
 住都公団は、建設、設計、プランニング、補修、管理、土地取得、販売など、相当の事業を外部企業に委託しており、中でも、みずから公金をもって出資、出捐、設立した三十社以上の子会社、孫会社、九つの公益法人に多額の事業を契約、発注しております。平成九年度の公団によるファミリー企業への発注高は千三百億円に上っております。
 これらの関連団体は、おおむね多数の天下り受け入れ団体でもありまして、公団そのものとあわせて、契約、財務状況が不透明で、税金のむだ遣いの温床となっているのであります。発注先団体による政治献金との関係も含め、問題の根は実に深いのであります。建設省、公団は、少なくとも、過去の契約等に関する財務資料や事業の具体的内容をオープンにすべきであります。
 このように、住都公団は、その存在そのものが問題であると言わざるを得ません。したがって、本来完全に整理、廃止されるべきではありますが、他方、現に七十三万戸、二百万人の賃貸住宅居住者が存在するわけであります。これは、国の政策としてお住まいいただいているものであり、その居住の安定には国があくまで責任を持たなければなりません。
 政府提出の都市基盤整備公団法は、公団の方向を住宅中心から再開発中心にシフトし、賃貸住宅をなおざりにすることが懸念されます。また、建てかえ時における極端な家賃の変更は居住権を脅かすものでありますから、家賃の極端な値上げを抑制する必要があると考えます。この際、公的住宅全般について、別途、時代に合った方針を確立すべきであります。
 また、政府案が主張しているような再開発事業や、いわゆる虫食い土地の整備等に財政支援が必要であったとしても、これは資金の行き先の問題でありまして、天下り団体、行政によるビジネスの団体に出すのではなくて、国の政策的誘導と地方自治体などの権限のもとに、あくまで民間事業として取り組まれるべきであります。区画整理事業も同様であります。
 分譲住宅、分譲宅地事業についても、莫大な赤字と借金の実情を見ても、行政による直接の経営が成り立たないことは既に結論の出ている事柄でありますし、民間の経済活動を著しく痛めつけるものであります。
 以上、各会派の御賛同をよろしくお願いする次第でございます。ありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
    〔議長退席、副議長着席〕
○副議長(渡部恒三君) 井上義久君。
    〔井上義久君登壇〕
○井上義久君 公明党の井上義久でございます。
 私は、ただいま議題となりました都市基盤整備公団法案に対し、公明党・改革クラブを代表して、総理並びに関係大臣に質問を行います。
 今回の法案は、平成九年六月に閣議決定された特殊法人等の整理合理化を踏まえ、住宅・都市整備公団を廃止し、新たに都市基盤整備公団を設立して、これまでの住宅供給中心の事業から、都市の基盤整備に関する事業に、公団業務の重点をシフトするという内容であります。
 一方、我が国の住宅事情は、昭和四十八年には全都道府県で、住宅総数が世帯総数を上回るなど、量的な充足が進んでいるものの、借家の住宅規模は約四十五平方メートルと、欧米の主要先進国と比較して、大きく立ちおくれております。
 このような状況のもとでは、住宅・都市整備公団がこれまで果たしてきた、ファミリー向けに優良な賃貸住宅を供給するという役割は、今日なお必要であると考えられます。民間だけでは、大都市圏に良質な賃貸住宅を供給することは、コスト面でも、技術的にもまだまだ困難な状況にあります。
 しかし、本法案では、都市基盤整備公団は、分譲住宅業務からは撤退し、賃貸住宅業務についても、新規供給は都心居住に資するものなどに限定することとしております。それでは、新公団は、今後、賃貸住宅の分野でどのような役割を果たしていこうとしているのか。また、公団住宅、公営住宅、公社住宅等の公的賃貸住宅について、今後どのような役割分担、相互の連携のもとにその供給の推進を図っていく考えなのか、政府の基本方針について、総理の考えを承りたいと思います。
 次に、組織、定員の合理化について質問いたします。
 都市基盤整備公団は、住宅・都市整備公団の一切の権利及び義務を継承することとされております。したがって、新公団は、住宅・都市整備公団の機構を再編整備して発足するものと思われますが、分譲住宅業務からの撤退などに伴う組織、定員の合理化は、どのように進めるのか。
 役員については、理事の定数を十四から十に削減するとのことでありますが、設立時の組織、定員のあり方と、その後の合理化計画についてどのように考えておられるのか。この際、閣議決定の趣旨を踏まえて、大胆な整理合理化を断行すべきだと思いますが、総理の決意並びに関係当局の方針をお伺いいたします。
 また、この場合、住宅・都市整備公団から継承する賃貸住宅の維持管理等の住民サービス業務の水準が低下しないように配慮することが重要であります。さらに、職員の労働条件等に大きな変動を与えないよう配慮する必要があると思いますが、これらの点についても方針をお伺いいたします。
 次に、法案の最大の関心事の一つであります、公団賃貸住宅の家賃問題について質問いたします。
 今回の法案では、家賃について、これまでのコスト主義から市場家賃化が打ち出されております。建築年度の古い公団住宅の中には、駅などに近く、利便性の高い、比較的恵まれた立地のものが多くあります。このような住宅の家賃を市場家賃に基づいて変更した場合、従前の家賃と比較して相当な値上げとなり、入居者の居住の安定を損なうおそれがあります。このような事態が決してあってはならないと思いますが、総理の明確な答弁を求めたいと思います。
 また、変更前の家賃の額等との総合的な勘案とは、具体的にどのようなことを考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。
 一方、高齢者や現居住者の家賃の変更については緩和措置をとれることとなっておりますが、新規入居者の場合は、市場家賃に完全移行すると相当高額な家賃になる可能性があります。
 公団住宅のこれまでの一番の役割は、通勤に便利な地域に、民間では供給されにくい良質な賃貸住宅を供給してきたことにあります。また、新規供給の都心居住住宅についても同じ役割が期待されております。しかし、このような地域では、当然、家賃水準は高くなり、公団賃貸住宅の主たる施策対象である中堅所得者層にとり、過大な負担につながるおそれがあります。
 一方、同じ賃貸住宅に居住しているにもかかわらず、従前居住者と新規入居者との間で家賃の格差が拡大することになれば、公平性の観点からも問題であります。新規入居者への家賃対策について、基本方針を明確に示していただきたいと思います。
 以上、法案の全般的な問題点について質問してまいりましたが、次に、法案の個別の問題点について伺いたいと思います。
 第一は、法案の目的についてであります。
 都市基盤整備公団の目的として、大都市地域等における居住環境の向上と国民経済の健全な発展に寄与することとしておりますが、住宅・都市整備公団の目的である、国民生活の安定と福祉の増進に寄与することから変更した理由は何なのか。特に、福祉の増進が削除された理由について、明確な答弁を求めます。
 第二は、土地取得業務についてであります。
 都市基盤整備公団は、市街地の整備改善業務において、土地の整序を伴う敷地の整備を推進することとしております。この作業に欠かせないのが、都市内遊休地の購入であります。
 しかし、都市部の土地取得業務については既に民間都市開発機構が行っており、その業務についてもさまざまな問題点が指摘されております。この点について、どのように認識をしているのか。また、公団が行うとしても、民都機構と合同で実施をするのか、あるいは、十分な連携と役割の分担のもと事業を行うべきであると思いますが、政府の方針について伺います。
 第三は、市街地の再開発についてであります。
 都市基盤整備公団は、市街地の再開発等において、民間事業者や地方公共団体と連携協力して事業を行うこととされております。これらの事業については、民間事業者や地方公共団体と適切な役割分担を行い、コスト負担等について明確な契約を定めることにより、公団の事業の採算性を高めるよう努力すべきであります。採算が悪化したときにだけ、公団だけがリスクを負うことのないようにすべきであります。この点について、政府の見解を求めます。
 第四は、古い公団住宅の建てかえに伴う家賃の値上げの問題であります。
 新公団が既存住宅の建てかえやリニューアルを行うことは、土地の有効利用や現居住者の居住水準の向上のためにも必要と考えますが、それによって家賃負担が大幅にふえ、高齢者等の実質的な追い出しにつながるおそれはないのか。
 建てかえに際しては、圧倒的多数が戻り入居を希望しております。その地域での居住権及び戻り入居を可能にする家賃制度を保障することは、建てかえに際し、居住者の協力を求める不可欠の条件となります。建てかえに関する家賃設定については、戻り入居を希望するすべての人が負担可能な水準にするべきであると思いますが、政府の見解を求めます。
 第五は、賃貸住宅の家賃決定における透明性の確保についてであります。
 本法案では、都市基盤整備公団は、賃貸住宅の家賃決定等において、経済事情の変動等を総合的に勘案したり、低所得高齢者等に家賃の減免を行うなど、一律の基準ではなく、特別な裁量による措置を行うことができるとされております。住民との信頼関係を確保するには、少なくとも、家賃決定に際しては、明確な基準に基づく運用を行うとともに、情報公開を進めることにより、公平、透明な業務運営を行うことが必要であると考えます。政府の見解を求めます。
 第六は、業務運営の改革についてであります。
 住宅・都市整備公団については、その子会社、関連会社等に公団住宅の修繕工事や建設コンサルタント業務等を随意契約により発注し、高額の利益を上げさせていたことがたびたび問題になりました。これらの業務契約は徐々に改革されてきているとは思いますけれども、私は、この際、新公団の設立を契機として、これらの関連子会社、関連会社等との契約関係を思い切って整理し、民間事業者の参入を促進することにより、業務運営の改革を一層進めるべきだと考えます。今後の方針について伺いたいと思います。
 最後になりますが、一つ提案をさせていただきたいと思います。
 政府はこれまでに、住宅建設五カ年計画を国の住宅政策の柱とし、二〇〇〇年に過半数の世帯が誘導居住水準に達するとの目標を掲げて取り組んでおりますが、その達成は、特に賃貸住宅については極めて困難な状況にあると思います。
 そして、本年一月、小渕総理は、生活空間の倍増戦略プランを打ち出し、ヨーロッパ並みの居住水準を目指すとしておりますが、これもまた、スローガンで終わるのは目に見えています。その理由は、達成できなくても国の責任が問われないからであります。
 九六年六月に開催された第二回国連人間居住会議において、居住の権利を基本的人権として位置づけることが、世界各国に承認をされました。そして、すべての人々に適切な住宅を保障すること、その実現のために各国政府が努力することを、我が国も含めて、宣言いたしました。
 適切な住宅とは、居住環境はもとより、家賃等についても、適正な負担で安心して住めるという内容が含まれていることは当然であります。総理、人間生活の一番基本である、安心して住める住まいの確保を、国の責任として明確にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 私は、そのためにも、住宅基本法を制定し、その中で、居住水準の設定と、その達成に対する国の責任を明確にするべきだと思います。そして、国、自治体、民間の役割分担を明確にし、総合的な住宅関連政策を推進する意味でも、住宅基本法を早急に制定することを提案するものであります。そうすれば、今回の新公団の位置づけも明確になるはずであります。
 総理の前向きな答弁を求めて、私の質問を終わりたいと思います。
 以上でございます。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 井上義久議員にお答え申し上げます。
 住宅政策の重要性にかんがみまして、私も、本年二月、多摩ニュータウンを視察いたしました。同団地をモデルといたしました住みよいニュータウンの活性化策につきまして、建設省、住都公団に勉強するよう指示いたしたところであります。
 ところで、賃貸住宅の供給における都市基盤整備公団の役割についてのお尋ねでありましたが、大都市地域等における賃貸住宅の居住水準の向上は重要な課題であり、このため、新公団におきまして、低所得者向けの公営住宅等、他の公的賃貸住宅との適切な役割分担及び連携のもとに、良質で利便性が高い賃貸住宅等、国の施策上必要な賃貸住宅の供給を積極的に行うことといたしております。
 新公団の組織、定員の大胆な整理合理化を断行すべきとの御意見を含めたお尋ねでありましたが、新公団につきましては、地方公共団体及び民間との役割分担を踏まえ、業務について所要の見直しを行った上で、役職員定数の削減など合理的な組織体制により、市街地の整備改善や賃貸住宅の供給管理など効率的に執行させたいと考えております。
 既存の公団住宅の家賃についてのお尋ねでありましたが、現に居住している方の家賃を変更する場合には、その居住の安定に配慮するため、近傍同種の住宅の家賃に加え、変更前の家賃等も総合的に勘案して適切に定め、特にお年寄りで所得の低い方などについては、一般の方よりもさらに居住の安定に特別の配慮をすることといたしております。
 住宅政策につきましては、現在、住宅建設計画法に基づく住宅建設五カ年計画におきまして、居住水準目標を設定するとともに、公共住宅の供給、住宅市場の整備、誘導などに積極的に取り組み、居住水準の着実な改善に努めておるところであります。
 住宅基本法の制定についてでありましたが、居住の権利のあり方、あるいは住居費負担等の公共の役割等について、国民の間でのコンセンサスがいまだ十分でないと考えているところであり、さらに幅広い検討が必要であると考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣関谷勝嗣君登壇〕
○国務大臣(関谷勝嗣君) 私への質問は十問ございます。
 まず一つが、新公団の組織、定員の合理化についてのお尋ねでございますが、このことは、業務の一層の効率的な執行を図るため、先生御指摘のように、役員については、理事定数を十四名から十名以内に削減を行います。組織につきましては、業務内容に即して再編し、事業執行の機動力を強化しつつスリム化を図っていきたいと考えております。定員につきましても、業務の見直しや合理化努力等による削減を図ることにより、全体として、総定員の計画的な縮減に努めてまいります。
 次に、組織、定員の合理化によって、逆に、住民サービス業務の水準が低下したり、職員の労働条件が低下することはないかとのお尋ねでございます。
 賃貸住宅の管理については新公団が引き継ぎ、効率的な管理体制により、きめ細かな維持管理を行い、居住者サービスの向上に努めてまいります。組織、定員の合理化につきましては、業務の内容やその執行方法の見直しによる効率化等の観点から実施するものであり、職員の労働条件等に大きな影響をもたらすものではないものと考えております。また、その労働条件に大きな影響を及ぼすようなことはしないように努力をいたします。
 三問目でございますが、家賃の変更に際して、どのような事項を勘案して定めるのかというお尋ねでございました。
 家賃の変更につきましては、変更前の家賃を踏まえ、近傍同種の住宅の家賃や経済事情の変動等を勘案して、近傍同種の住宅の家賃を上回らないよう設定することから、一般的には、変更後の家賃が、直ちに近傍、いわゆる近くの同種の住宅の家賃へ移行するものではないと考えております。また、低所得の六十五歳以上の高齢者世帯、母子世帯、身体障害者世帯、生活保護世帯については、一般の方よりも居住の安定に特別の配慮をして、家賃を抑制することといたしております。
 次に、新規入居者への家賃対策についてでございますが、新規入居者の家賃は、賃貸住宅の存する地区の立地や住宅の質等にふさわしい、現実に市場で受け入れられている家賃を設定するということであり、新公団が今後賃貸住宅を供給しようとする地区が、都心の商業系の一等地よりは、工場跡地等の都心部周辺の、通勤に便利な地区が一般的となるものと想定をされていることも勘案するならば、全体として、需要に対応した適切な水準となるものと考えております。
 次に、新公団の目的を変更し、福祉の増進を削除したことはどういうことかということでございますが、新公団は、市街地の整備改善や賃貸住宅の供給管理により、豊かな都市生活や機能的な都市活動の実現を目指すことにより、広く国民生活の安定向上等を目的とするものであり、その国民生活の安定向上という言葉の中には、福祉の増進も、当然のこと、含めておるものでございます。
 次に、民都機構の土地取得業務の問題点及び民都機構と公団との連携、役割分担についてでありますが、公団の土地有効利用事業と民都機構の土地取得業務につき、適切な役割分担と連帯のもと、それぞれの特徴を生かしながら、市街地における低未利用地の有効利用を進めていくこととしておりますが、事業の実施に当たっては、取得物件の選定や価格の決定を適正に行うとともに、リスク管理にも留意しながら、適切に進めてまいります。
 次に、再開発における民間等との役割分担と採算性向上についてでございますが、新公団は基盤整備を担い、建築物整備は可能な限り民間にゆだねるほか、地方公共団体や民間が主体となる事業について、ノウハウあるいはまた資金面でも支援するなど、多様な役割分担のもとに再開発事業を推進いたします。事業の実施に当たっては、費用負担を明確化するほか、地域ニーズへの的確な対応、事業の迅速化、コスト縮減等によって事業採算性の向上を推進いたします。
 次に、既存住宅の建てかえ等に伴う家賃対策等についての御質問でございますが、建てかえ後の住宅に戻り入居される方については、その居住の安定に配慮するため、一般の新規入居者に比べ家賃を減額することとしており、低所得高齢者世帯等については、一般の方よりもさらに居住の安定に特別の配慮をすることといたしております。また、隣接地への公営住宅の併設を促進して、入居要件に該当する希望者の入居について、できる限り配慮することといたしております。
 次に、家賃決定基準とその情報公開についてでございますが、入居者の家賃を決定または変更する際の基準となる近傍同種の住宅の家賃については、その算定方法を建設省令において明確に定めることといたしております。また、具体の家賃の決定方法については、現在、公団で、居住者の代表、有識者等の意見を伺いながら、検討を進めているところであり、実際の家賃の決定に当たっては、そのルールを明らかにしつつ、公平、透明な運用を確保いたします。
 最後に、関連子会社等との契約関係の整理、民間事業者の参入についてでございますが、公団と関係法人との契約関係については、既に、賃貸住宅の大規模修繕工事からの関係法人の段階的な撤退を進めておりますが、今後さらに、中規模修繕工事からも段階的に撤退させるなど、民間事業者の参入の機会の拡大に努力をしてまいります。さらに、既に指名競争入札制度を原則としている建設コンサルタント業務に加え、一部の役務等業務についても、今年度から指名競争入札を導入することといたしております。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(渡部恒三君) 中島武敏君。
    〔中島武敏君登壇〕
○中島武敏君 私は、ただいま議題となりました都市基盤整備公団法案について、日本共産党を代表して、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 第一に、政府が公団賃貸住宅の建設、供給から撤退しようとしている問題についてお尋ねいたします。
 消費の低迷を要因とする経済成長率の落ち込みで、勤労者の実質賃金も下降傾向にあります。一方、完全失業率は四・六%を記録して、統計をとり始めてから最悪の事態となっています。終身雇用制も減少ぎみで、勤労者の雇用に対する信頼感は揺らいでいます。こうした中で、国民の中に、土地の資産価値は必ず上がるという土地神話が崩れつつあり、その結果、住宅の自己所有にこだわらない借家へのニーズが高まっています。
 不況が深刻化する中、借金を返済できなかった人たちが、債務を清算するために自己破産を申し立てた件数が、九八年一年間で十万件を突破したことが最高裁のまとめでわかりました。この中には、住宅を購入したものの、価格が下がって売ることができない上に、リストラ、解雇などでローン返済が不可能になっている人も多数含まれております。先行きのめどが立たないという将来不安は、国民の持ち家志向を打ち砕いていると言っても決して過言ではありません。
 ところが、政府は、この法案によって、戦後、日本の住宅政策の重要な一つの柱として、住宅に困窮する勤労者に良質な住宅の供給を目的として住宅公団を設立し、それを進めてきた住宅・都市整備公団を廃止し、賃貸住宅の建設を都心部の再開発と一体となったごく一部の地域に限定し、その中心的業務を、ゼネコンと不動産会社、金融機関など大企業に奉仕するための都市基盤整備に重点を移そうとしています。このことは、住まいを人権として保障しなければならない政府の重大な責任を放棄するものであることを厳しく指摘しなければなりません。
 国民の住生活を保障するために政府、公共が果たす役割は終わったという認識なのか、明確な答弁を求めるものであります。
 特に、ファミリー向けの賃貸住宅の供給は、民間ではほとんど行われていません。それは、ワンルームマンションなどと比べても、採算が成り立ちにくいからであります。このような状況があるにもかかわらず、賃貸住宅、特に家族向け賃貸住宅は民間任せにしようというのですか。また、住宅に困窮している、公共賃貸住宅を求める国民に対して、政府はどのような対策をお持ちになっているのか、はっきりお答えください。
 第二に、本法案による新公団が、大手ゼネコンなど大企業のための仕事づくりである、都市基盤整備を中心的業務にしようとしていることについて質問いたします。
 特に重大なのは、新公団が、ゼネコンや金融機関がバブル崩壊で塩漬けになった不良債権、つまり売れ残った虫食い状態の土地や工場跡地などの、いわゆる低未利用地を大量に購入、取得しようとしていることであります。これは明らかに、税金投入による大企業のためのバブルの後始末ではありませんか。
 既に公団は、先取り的に、土地有効利用事業と称する不良債権の取得事業を進めており、九八年度の補正予算で、三千億円の購入枠も認められているのであります。この事業の実態について、私が独自に入手した公団内部資料土地情報仮受付物件によれば、銀行やゼネコン、共同債権買取機構、住宅金融債権管理機構などから持ち込まれた土地を公団が取得対象にしているのであります。
 しかも、この事業を推進している土地有効利用事業本部には、銀行、ゼネコン、不動産、コンサル会社などの合計百九十一人の社員が出向しているのであります。そして、まさにその土地の所有者や、持ち込んでいる銀行、ゼネコンなどが、公団に社員を出向させている当の企業であることは、余りにも露骨な癒着ではありませんか。従来から、公団の癒着体質が指摘され、それが放漫経営の要因と指摘されてきました。事ここに及んでも、このような癒着を続けるのですか。明確にお答えください。
 これらの持ち込み土地には、土地に設定されている抵当権の債権額を合計すると、公団の見積もった土地評価額の十一・六倍に達するものもある、中には、十社以上が抵当権を設定している土地や、バブルのどさくさで隣地との境界線がどこにあるのかはっきりしない土地さえあると報道されています。いわば、問題のある土地を取得対象にしているのではありませんか。このような土地取得は、不良債権の民間から公団への移しかえだけに終わり、結局、国民へのツケ回しになるのは明らかではありませんか。
 一体、この土地有効利用事業本部は何をしようとしているのか、この際、その全貌を明らかにすることを要求いたします。大企業の不良債権処理を国民の血税を使って行うことを直ちにやめるべきではありませんか。答弁を求めるものであります。
 第三に、新公団設立による家賃、建てかえなど、住宅の管理について質問いたします。
 とりわけ、本法案によって、七十二万戸、二百万人を超える現在の居住者に影響が与えられることであります。重大なのは、家賃は市場家賃を基準にして決定することを明確にしたことであります。
 この措置によって、家賃は三つの体系ができることとなります。すなわち、新規、空き家の入居家賃は民間並みの市場家賃に、現在住んでいる居住者の家賃、継続家賃は市場家賃を上回らない程度まで一斉に値上げされる、さらに六十五歳以上の高齢者や低所得者に対しては減免家賃が適用されるとされています。しかし、この減免家賃の実態は、建設省の説明でも、現行家賃を上回るものがほとんどであります。市場家賃に近づくのを一定程度緩和するだけであり、減免措置とはほど遠いものであります。
 結局のところ、これらの措置によって、多くの居住者が高家賃にたえられなくなって、住みなれた住居と地域から出ていかざるを得なくなるのではありませんか。また、新規家賃は高家賃となり、入居する人が少なく、再び空き家がふえるのではないですか。そうならない保証はあるのですか。
 既にさまざまな調査で明らかなように、公団居住者は高齢化、低所得化しています。全国公団住宅自治会協議会がことし三月発表した実態調査によっても、世帯主の年齢が六十歳以上が三九・一%に上り、中でも女性の世帯主が増加しています。年間の世帯収入も六百四十万円未満は五三・四%を占め、年金収入が大部分を占める世帯が二〇・一%になっているのであります。その結果、公団住宅に長く住み続けたいとする世帯が七四%、そのうち九割が家賃の値上げや高家賃に不安を抱いているのであります。
 これらの声にどのようにお答えになるのか、明確な答弁を求めるものであります。
 建設省、公団は、昭和三十年代に管理開始した住宅約十七万戸を対象に、建てかえ事業を行ってきました。しかし、それは居住者の要望に反し、建てかえ後家賃が三倍、四倍になるなど、従前居住者が住みなれた住宅を出ていかざるを得ないような、まことに情け容赦ない事業であると言わなければなりません。
 本法案で、建てかえ事業は新公団に引き継がれ、今まで公団の任意事業であったものが法律に明記されることになったのであります。法制化されることで、強権的な追い出しが一層推し進められることにならないか、答弁を求めるものであります。
 最後に、住都公団が、この間、国民の住生活を向上させるのではなく、もうけ主義に走り、その利権、癒着構造によって国民の要望に背を向けてきたことに触れざるを得ません。
 新規賃貸、分譲住宅の高家賃化と高額化、建てかえ後家賃の途方もない高家賃、継続居住者家賃の三年ごとの値上げ、開発しても需要のない土地取得によるむだの発生、本来の役割を投げ捨て、大企業のオフィス向け都市再開発に重点を移し、バブル崩壊で空きビルをつくるなど、数々の愚挙を繰り返してきました。
 それは、経営者が建設省などの天下り官僚によって占められ、建設省の厳しい管理体制の中でつくられた、居住者や国民に顔を向けない、官僚的体質によって生み出されたものであります。関連会社を多数つくり、そこに幹部が天下りし、公団の関連事業を独占して、巨大な利益を上げ、甘い汁を吸うなどという経営姿勢は、到底世論の支持を受けるものではありません。そこに財界が目をつけ、猛烈な公団バッシングを行い、国民の中に、民間の方がまだしもましだという世論形成を行ってきたのであります。
 これまで、日本共産党は、勤労者が入居可能な適切な家賃と良好な居住水準、機能、環境を持った賃貸住宅の供給、住宅に困窮する人々が支払い可能な、現居住者が住み続けることができる家賃にする、住民追い出しの強権的建てかえではなく、徹底した情報公開の中で、住民合意、住民参加で、建てかえ後も住み続けることができる家賃にする、不明朗な公団運営、公団経営にメスを入れ、民主的な運営という建設的提案を行い、国会論戦や居住者の運動を通じて、その実現に努力してきました。
 本法案の審議に当たり、我が党の提案による新公団の実現こそが国民、居住者の声であることを強調して、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 中島武敏議員にお答え申し上げます。
 まず、国民住生活の充実における政府、公団の役割についてのお尋ねがありました。
 新公団におきましては、大都市地域等における健康で文化的な都市生活等の基盤整備として、住宅市街地等の整備改善とともに、政策的に必要な賃貸住宅の供給を積極的に行うことといたしており、国民の住生活の充実のため、引き続き重要な役割を果たしていくものと考えております。
 家族向け賃貸住宅の供給についてのお尋ねでありますが、新公団におきまして、良質で利便性が高い賃貸住宅など、政策的に必要な賃貸住宅の供給を積極的に行うことといたしておりまして、その実施に当たりましては、家族向け賃貸住宅の需要等にも適切に対応してまいることといたしております。
 最後に、公団の土地有効利用事業についてのお尋ねでありましたが、我が国経済の活性化を図るとともに、豊かで安心のできる町づくりを推進するためには、土地の流動化と有効利用の促進が極めて重要であると認識をいたしておりまして、この一環として、新公団におきましても、引き続き土地有効利用事業について適切な推進を図るべきものと考えております。
 以上、お答えをいたしましたが、残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣関谷勝嗣君登壇〕
○国務大臣(関谷勝嗣君) 私に対します質問は七問でございます。
 まず、公的賃貸住宅を求める住宅困窮者に対する対策についてでございますが、大都市圏の借家世帯を中心に居住水準が依然として大きく立ちおくれておりますので、公営住宅の供給、特定優良賃貸住宅の供給の促進、高齢者向け優良賃貸住宅の本格的整備、新公団による都心居住に資する良質な賃貸住宅の供給等の各般の施策により、良質な公的賃貸住宅の供給を推進してまいりたいと考えております。
 次に、公団の土地有効利用事業への民間社員の出向についてのお尋ねでありますが、土地有効利用事業については、各方面のノウハウを導入しつつ、官民共同で再開発を推進するため、地方公共団体、金融機関、建設業界等から広く人材を受け入れて業務を実施しております。これらの派遣職員については、出身企業に関連する業務を行わないよう措置するとともに、就業規則において業務上の守秘義務を課すなど、適正な業務遂行に万全を期しているところでございます。
 次に、土地有効利用事業の情報公開についてでありますが、同事業では、取得した土地全体の面積、用地費の総額のほか、個別の所在地、面積、物件の概要、整備の方向等について公表するとともに、相手方の同意が得られた場合には、町名、地番、契約相手先についても公表するなど、プライバシーの保護や事業の円滑な実施の妨げにならない範囲内で、極力情報公開を行っております。
 新公団の新規、継続、減免家賃の水準についてでございますが、公団賃貸住宅の新規入居家賃は、近傍同種の住宅の家賃と均衡を失わないよう定めることとしており、これは、現実の需要に適切に対応しようとするものであります。また、継続家賃を変更する場合は、その居住の安定に配慮するため、近傍同種の住宅の家賃に加え、変更前の家賃等も総合的に勘案して適切に定め、特に、低所得の六十五歳以上の高齢者世帯、母子世帯、心身障害者世帯、生活保護世帯については、一般の方よりもさらに居住の安定に特別の配慮をすることといたしております。
 次に、新規家賃が高家賃となり、空き家の増加をもたらすのではないかということでございますが、新規に募集する賃貸住宅の家賃は、近傍同種の住宅の家賃と均衡を失しないよう定めることとしておりますが、これは、現実の需要に対応し、市場で受け入れられている家賃であり、これにより入居者が減少し、空き家の増加をもたらすということはないと考えております。
 次に、公団賃貸住宅の居住者団体の調査結果についてでございますが、居住者の方々の多くが公団賃貸住宅に住み続けたいという希望を有しておられることは認識しており、現に居住している方の継続家賃を変更する場合には、その居住の安定に配慮した措置を講ずることといたしております。
 最後に、建てかえ規定の制度の趣旨についてでございますが、建てかえの規定を法定化した目的は、その要件や手続を明確にし、家賃の減額や公営住宅の併設、入居のあっせんなどの措置を定めることにより、居住者の居住の安定を図ることにあります。具体の建てかえの実施に当たっては、入居者の方々の理解を求めつつ、事業の円滑な実施を図ってまいる所存でございます。
 以上でございます。(拍手)
○副議長(渡部恒三君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(渡部恒三君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時三十分散会
    ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  小渕 恵三君
        外務大臣    高村 正彦君
        大蔵大臣臨時代理
        国務大臣    柳沢 伯夫君
        文部大臣    有馬 朗人君
        建設大臣    関谷 勝嗣君
        国務大臣    野中 広務君
        国務大臣    野呂田芳成君
 出席政府委員
        建設大臣官房総務審議官  小川 忠男君
        建設省都市局長  山本 正堯君