第145回国会 本会議 第36号
平成十一年六月十日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十七号
  平成十一年六月十日
    午後一時開議
 第 一 自衛隊法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第 二 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律案(建設委員長提出)
 第 三 核兵器の不拡散に関する条約第三条1及び4の規定の実施に関する日本国政府と国際原子力機関との間の協定の追加議定書の締結について承認を求めるの件
 第 四 民間職業仲介事業所に関する条約(第百八十一号)の締結について承認を求めるの件
 第 五 航空業務に関する日本国政府とイスラエル国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
 第 六 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第 七 内閣法の一部を改正する法律案(鹿野道彦君外六名提出)
 第 八 首相府設置法案(鹿野道彦君外六名提出)
 第 九 内閣府設置法案(鹿野道彦君外六名提出)
 第 十 内閣法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十一 内閣府設置法案(内閣提出)
 第十二 国家行政組織法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十三 総務省設置法案(内閣提出)
 第十四 郵政事業庁設置法案(内閣提出)
 第十五 法務省設置法案(内閣提出)
 第十六 外務省設置法案(内閣提出)
 第十七 財務省設置法案(内閣提出)
 第十八 文部科学省設置法案(内閣提出)
 第十九 厚生労働省設置法案(内閣提出)
 第二十 農林水産省設置法案(内閣提出)
 第二十一 経済産業省設置法案(内閣提出)
 第二十二 国土交通省設置法案(内閣提出)
 第二十三 環境省設置法案(内閣提出)
 第二十四 中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)
 第二十五 独立行政法人通則法案(内閣提出)
 第二十六 独立行政法人通則法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
 日程第一 自衛隊法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律案(建設委員長提出)
 日程第三 核兵器の不拡散に関する条約第三条1及び4の規定の実施に関する日本国政府と国際原子力機関との間の協定の追加議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第四 民間職業仲介事業所に関する条約(第百八十一号)の締結について承認を求めるの件
 日程第五 航空業務に関する日本国政府とイスラエル国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第六 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第七 内閣法の一部を改正する法律案(鹿野道彦君外六名提出)
 日程第八 首相府設置法案(鹿野道彦君外六名提出)
 日程第九 内閣府設置法案(鹿野道彦君外六名提出)
 日程第十 内閣法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十一 内閣府設置法案(内閣提出)
 日程第十二 国家行政組織法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十三 総務省設置法案(内閣提出)
 日程第十四 郵政事業庁設置法案(内閣提出)
 日程第十五 法務省設置法案(内閣提出)
 日程第十六 外務省設置法案(内閣提出)
 日程第十七 財務省設置法案(内閣提出)
 日程第十八 文部科学省設置法案(内閣提出)
 日程第十九 厚生労働省設置法案(内閣提出)
 日程第二十 農林水産省設置法案(内閣提出)
 日程第二十一 経済産業省設置法案(内閣提出)
 日程第二十二 国土交通省設置法案(内閣提出)
 日程第二十三 環境省設置法案(内閣提出)
 日程第二十四 中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)
 日程第二十五 独立行政法人通則法案(内閣提出)
 日程第二十六 独立行政法人通則法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)

    午後一時三分開議
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 自衛隊法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一、自衛隊法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。安全保障委員長二見伸明君。
    ―――――――――――――
 自衛隊法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔二見伸明君登壇〕
○二見伸明君 ただいま議題となりました自衛隊法等の一部を改正する法律案につきまして、安全保障委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。
 本案は、一般職の国家公務員の例に準じて、高齢社会に対応するため、新たな再任用制度を導入し、及び懲戒制度の一層の適正化を図るため、懲戒制度を整備するほか、公務の公正性の一層の確保等を図るため、再就職手続を整備しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、新たな再任用制度の導入であります。
 これは、一般職の国家公務員の例に準じて、定年退職者等を自衛隊員に再任用し得る新たな制度を設け、あわせて、再任用された自衛隊員の給与等に関する規定を整備することであります。
 第二に、懲戒制度の整備であります。
 これは、一般職国家公務員等となるため退職出向し、復帰した自衛隊員が、退職出向する前に懲戒事由に該当する行為を行っていた場合には、当該行為を理由として懲戒処分をすることができることとすることであります。
 なお、新たな再任用制度により再任用された自衛隊員についても同様であります。
 第三に、再就職手続の整備であります。
 これは、離職後二年間につくことについて防衛庁長官の承認を受けることが必要とされる営利を目的とする会社等の地位を、離職前五年間に在職していた防衛庁本庁または防衛施設庁と密接な関係にあるものとし、及び防衛庁長官が行った承認の処分に関し、国会に対し報告しなければならないこと等とすることであります。
 本案は、去る六月二日本委員会に付託され、翌三日野呂田防衛庁長官から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第二は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 日程第二 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律案(建設委員長提出)
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第二、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。建設委員長平田米男君。
    ―――――――――――――
 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律案
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔平田米男君登壇〕
○平田米男君 ただいま議題となりました民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
 本案は、効率的かつ効果的に社会資本を整備し、もって国民経済の健全な発展に寄与するため、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用した公共施設等の建設、維持管理及び運営の促進を図るための措置を講じようとするものであります。
 その主な内容は、
 第一に、内閣総理大臣は、特定事業の実施に関する基本方針を定めなければならないこと、
 第二に、公共施設等の管理者である大臣、地方公共団体の長等は、特定事業の実施方針を定め、特定事業を選定し、選定事業を実施する民間事業者を選定すること、
 第三に、特定事業の実施を促進するために財政上、金融上の支援策を講ずるとともに、規制緩和の推進等を図ること、
 第四に、特定事業の促進及び総合調整を図るため、学識経験者から成る民間資金等活用事業推進委員会を総理府に設置すること
等を定めております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、本案の提案の趣旨及びその内容であります。
 本案は、去る四日の建設委員会において、起草案について実質的質疑としての発言があり、内閣の意見を聴取した後、賛成多数をもって成案と決定し、これを委員会提出法律案とすることに決したものであります。
 なお、本委員会におきまして、効率的かつ効果的な社会資本整備を進める上で留意する点を内容とする民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する件を本委員会の決議として議決したことを申し添えます。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 核兵器の不拡散に関する条約第三条1及び4の規定の実施に関する日本国政府と国際原子力機関との間の協定の追加議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第四 民間職業仲介事業所に関する条約(第百八十一号)の締結について承認を求めるの件
 日程第五 航空業務に関する日本国政府とイスラエル国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第三、核兵器の不拡散に関する条約第三条1及び4の規定の実施に関する日本国政府と国際原子力機関との間の協定の追加議定書の締結について承認を求めるの件、日程第四、民間職業仲介事業所に関する条約(第百八十一号)の締結について承認を求めるの件、日程第五、航空業務に関する日本国政府とイスラエル国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、右三件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長中馬弘毅君。
    ―――――――――――――
 核兵器の不拡散に関する条約第三条1及び4の規定の実施に関する日本国政府と国際原子力機関との間の協定の追加議定書の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 民間職業仲介事業所に関する条約(第百八十一号)の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 航空業務に関する日本国政府とイスラエル国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔中馬弘毅君登壇〕
○中馬弘毅君 ただいま議題となりました三件につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、国際原子力機関との保障措置協定追加議定書について申し上げます。
 我が国は、昭和五十一年、核兵器の不拡散に関する条約を批准し、翌年、国際原子力機関との間で保障措置協定を締結いたしました。その後、イラク及び北朝鮮の核兵器開発疑惑を契機として、国際原子力機関は、保障措置制度の強化のための方策について検討を始め、平成九年五月に理事会でモデル追加議定書が採択されました。これを受け、我が国は、追加議定書に関し、平成十年三月より同機関との間で協議を行い、同年十二月四日ウィーンにおいて本議定書の署名が行われました。
 本議定書は、国際原子力機関の保障措置制度の実効性を強化し、及びその効率を改善するものであり、その主な内容は、
 保障措置協定の規定はこの議定書の規定と両立する限度において、この議定書について準用すること、
 日本国政府は、核物質を伴わない核燃料サイクル関連の研究開発活動に関する情報等を含む報告を機関に行うこと、
 日本国政府は、機関に対し、原子力サイト内の場所、廃止措置のとられた施設等への補完的なアクセスを認めること
等であります。
 次に、民間職業仲介事業所条約について申し上げます。
 国際労働機関は、有料職業紹介事業から生ずる弊害を除去するため、営利目的の有料職業紹介所の漸進的廃止または規制について定めた第九十六号条約を昭和二十四年に採択いたしましたが、その後、労働市場を取り巻く環境の変化により、民間職業仲介事業所の労働市場における役割は、大幅に増大いたしました。このような状況の変化を受けて、第九十六号条約の改正の必要性が検討された結果、平成九年六月に開催された国際労働機関の第八十五回総会において、本条約が採択されました。
 本条約は、民間職業仲介事業所の運営を認め、及びそのサービスを利用する労働者を保護するために必要な枠組みについて定めたものであり、その主な内容は、
 加盟国は、許可または認可の制度により、民間職業仲介事業所の運営を規律する条件を決定すること、
 民間職業仲介事業所による労働者の個人情報の処理は、当該情報を保護する方法で、労働者の資格等、直接に関連する情報に限って行われるものとすること
等であります。
 最後に、イスラエルとの航空協定について申し上げます。
 従来より、イスラエル側から我が国に対し定期航空路開設の希望が表明されておりましたが、本年二月に行われた交渉で合意に達しましたので、四月二十三日東京において本協定の署名が行われました。
 本協定の内容は、我が国がこれまで締結した航空協定とほぼ同様のものであり、我が国とイスラエルとの間の定期航空業務を開設するため、業務の開始及び運営についての手続及び条件、相手国の空港及び施設の使用料についての最恵国待遇及び内国民待遇の許与等について規定するとともに、付表において指定航空企業が運営する路線を定めております。
 以上三件は、去る六月三日外務委員会に付託され、四日高村外務大臣から提案理由の説明を聴取し、同日質疑を行い、これを終了し、まず、国際原子力機関との保障措置協定追加議定書について討論を行った後、採決を行いました結果、多数をもって承認すべきものと議決いたしました。次に、民間職業仲介事業所条約及びイスラエルとの航空協定について採決を行いました結果、それぞれ全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。
 まず、日程第三につき採決いたします。
 本件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。
 次に、日程第四及び第五の両件を一括して採決いたします。
 両件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、両件とも委員長報告のとおり承認することに決まりました。
     ――――◇―――――
 日程第六 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第六、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。環境委員長北橋健治君。
    ―――――――――――――
 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔北橋健治君登壇〕
○北橋健治君 ただいま議題となりました鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案につきまして、環境委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近における鳥獣の生息状況及び狩猟の実態にかんがみ、著しく増加し、または減少した鳥獣について、長期的な観点から当該鳥獣の保護繁殖を図るとともに、狩猟者の減少防止に資するため、特定の鳥獣の保護管理に関する計画制度の創設及び狩猟免許制度の改善等の措置を講じようとするものであります。
 本案は、参議院先議に係るもので、去る五月二十一日同院において修正議決され、本院に送付されたものでありますが、その修正内容は、この法律の施行後三年を目途とする本法制度についての検討条項が加えられたことであります。
 本案は、六月三日本委員会に付託され、同月四日に真鍋環境庁長官から提案理由及び参議院における修正部分について説明を聴取した後、去る八日に質疑を行い、野生鳥獣の生息状況の実態把握及び生息地の復元、育成、整備と国有林等の有効利用の必要性、狩猟による個体数調整の是非、地方公共団体における特定鳥獣保護管理計画の実施体制の整備と策定指針の必要性、鳥獣保護行政の専門家等の人材の確保及び育成の必要性、農林業被害の実態把握とその防止及び救済策、銃による狩猟における鉛弾規制や死骸処理対策の必要性、狩猟と切り離した野生生物保護法制の必要性等の問題点に関し論議が交わされましたが、その詳細につきましては、会議録を御参照いただきたいと思います。
 かくて、同日質疑を終了し、討論を行い、採決の結果、賛成多数をもって参議院送付案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、委員会審査での論議を踏まえ、野生鳥獣生息地の育成、整備や農林業被害の防除対策の充実を初め、特定鳥獣保護管理計画の策定、実施のための指針の内容、野生鳥獣保護の法制度等についての早急な検討等に関して、政府に対して適切な措置を講ずることを求める内容の附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第七 内閣法の一部を改正する法律案(鹿野道彦君外六名提出)
 日程第八 首相府設置法案(鹿野道彦君外六名提出)
 日程第九 内閣府設置法案(鹿野道彦君外六名提出)
 日程第十 内閣法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十一 内閣府設置法案(内閣提出)
 日程第十二 国家行政組織法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十三 総務省設置法案(内閣提出)
 日程第十四 郵政事業庁設置法案(内閣提出)
 日程第十五 法務省設置法案(内閣提出)
 日程第十六 外務省設置法案(内閣提出)
 日程第十七 財務省設置法案(内閣提出)
 日程第十八 文部科学省設置法案(内閣提出)
 日程第十九 厚生労働省設置法案(内閣提出)
 日程第二十 農林水産省設置法案(内閣提出)
 日程第二十一 経済産業省設置法案(内閣提出)
 日程第二十二 国土交通省設置法案(内閣提出)
 日程第二十三 環境省設置法案(内閣提出)
 日程第二十四 中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)
 日程第二十五 独立行政法人通則法案(内閣提出)
 日程第二十六 独立行政法人通則法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第七、鹿野道彦君外六名提出、内閣法の一部を改正する法律案、日程第八、首相府設置法案、日程第九、内閣府設置法案、日程第十、内閣提出、内閣法の一部を改正する法律案、日程第十一、内閣府設置法案、日程第十二、国家行政組織法の一部を改正する法律案、日程第十三、総務省設置法案、日程第十四、郵政事業庁設置法案、日程第十五、法務省設置法案、日程第十六、外務省設置法案、日程第十七、財務省設置法案、日程第十八、文部科学省設置法案、日程第十九、厚生労働省設置法案、日程第二十、農林水産省設置法案、日程第二十一、経済産業省設置法案、日程第二十二、国土交通省設置法案、日程第二十三、環境省設置法案、日程第二十四、中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律の整備等に関する法律案、日程第二十五、独立行政法人通則法案、日程第二十六、独立行政法人通則法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、右二十案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。行政改革に関する特別委員長高鳥修君。
    ―――――――――――――
 内閣法の一部を改正する法律案(鹿野道彦君外六名提出)及び同報告書
 首相府設置法案及び同報告書
 内閣府設置法案(鹿野道彦君外六名提出)及び同報告書
 内閣法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び同報告書
 内閣府設置法案(内閣提出)及び同報告書
 国家行政組織法の一部を改正する法律案及び同報告書
 総務省設置法案及び同報告書
 郵政事業庁設置法案及び同報告書
 法務省設置法案及び同報告書
 外務省設置法案及び同報告書
 財務省設置法案及び同報告書
 文部科学省設置法案及び同報告書
 厚生労働省設置法案及び同報告書
 農林水産省設置法案及び同報告書
 経済産業省設置法案及び同報告書
 国土交通省設置法案及び同報告書
 環境省設置法案及び同報告書
 中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律の整備等に関する法律案及び同報告書
 独立行政法人通則法案及び同報告書
 独立行政法人通則法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔高鳥修君登壇〕
○高鳥修君 ただいま議題となりました各法律案につきまして、行政改革に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、内閣提出の中央省庁等改革関連十七法律案について申し上げます。
 各案は、さきに成立した中央省庁等改革基本法にのっとり、内閣機能の強化、新たな府省の編成、独立行政法人制度の創設等を行い、中央省庁等改革を推進しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 初めに、内閣法の一部を改正する法律案については、
 第一に、内閣が国民主権の理念にのっとりその職権を行うべき旨を明らかにするとともに、内閣機能の強化を図るため、内閣総理大臣の内閣の重要政策に関する基本的な方針の発議権を明確化すること、
 第二に、国務大臣の数は十四人以内とし、特別に必要がある場合においては、三人を限度にその数を増加し、十七人以内とすることができること、
 第三に、内閣官房の所掌事務に内閣の重要政策に関する基本的な方針の企画及び立案が含まれることを明らかにする等所要の規定を置くこと
としております。
 次に、内閣府設置法案については、
 第一に、内閣府は、内閣の重要政策に関する内閣の事務を助けることとし、その任務を達成するため、行政各部の施策の統一を図るために必要となる事項の企画及び立案並びに総合調整に関する事務をつかさどること、
 第二に、内閣府に特命担当大臣を置くことができることとし、特命担当大臣の関係行政機関の長に対する資料提出請求権、勧告権、内閣総理大臣に対する意見具申権等について所要の規定を整備すること、
 第三に、内閣の重要政策に関して行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に資するため、経済財政諮問会議等の重要政策に関する会議を置くこと
としております。
 次に、国家行政組織法の一部を改正する法律案については、法の適用対象を内閣の統括のもとに行政事務をつかさどる行政機関として、内閣府は適用対象外とし、国家行政組織を任務を基軸に構成し、行政機関の政策について評価及び調整を図ることとするとともに、副大臣及び政務官の設置、官房及び局の所掌に属しない事務をつかさどる職で局長に準ずるものの創設等の所要の措置を講ずるものとしております。
 次に、総務省設置法案、郵政事業庁設置法案、法務省設置法案、外務省設置法案、財務省設置法案、文部科学省設置法案、厚生労働省設置法案、農林水産省設置法案、経済産業省設置法案、国土交通省設置法案、環境省設置法案の各法律案については、各省庁の任務及びそれを達成するために必要な所掌事務並びに各省庁に置かれる職、機関及び外局について所要の規定を置くこととしております。
 次に、中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律の整備等に関する法律案については、現行府省庁の設置法を廃止するとともに、副大臣及び政務官の設置及び審議会等の整理に伴い関係法律について必要となる改正を加え、また、国家公安委員会、防衛庁、金融庁等の各府省の外局に関する法律について、設置される府省名、任務、所掌事務等に関し必要となる改正を行うなど、所要の規定の整備を行うこととしております。
 次に、独立行政法人通則法案については、独立行政法人の運営の基本その他の制度の基本となる共通の事項を定めようとするもので、
 第一に、独立行政法人の業務の運営について、主務大臣は中期目標を定め、独立行政法人は、これを達成するための中期計画を作成し、主務大臣の認可を受け、遅滞なくそれを公表しなければならないものとすること、
 第二に、独立行政法人は、各事業年度における業務の実績及び中期目標の期間における業務の実績について、主務省に置かれる独立行政法人評価委員会の評価を受けなければならないものとすること、
 第三に、独立行政法人の会計は、原則として企業会計原則によるものとし、財務諸表等の作成、会計監査人の監査、利益及び損失の処理、借入金、財源措置、財産の処分の制限等財務及び会計に関して所要の規定を置くこと
としております。
 最後に、独立行政法人通則法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案については、独立行政法人通則法の施行に伴い、国家公務員法その他の関係法律の規定の整備をするとともに、所要の経過措置を定めることとしております。
 これらの中央省庁等改革関連法律案の施行期日は、内閣法の一部を改正する法律案にあっては別に法律で定める日とし、その他にあっては、一部の事項を除き、内閣法の一部を改正する法律案の施行の日としております。
 次に、鹿野道彦君外六名提出の三法律案について申し上げます。
 内閣法の一部を改正する法律案は、内閣が国民主権の理念にのっとり、首長たる内閣総理大臣の統括のもとにその職権を行うべき旨を明らかにするとともに、内閣総理大臣がその指導性を十分発揮し得るよう、内閣総理大臣の閣議の運営に関する基本的な方針の決定権の明確化、閣議における案件の発議権の内閣総理大臣への一元化、内閣官房の廃止等所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、首相府設置法案は、内閣の首長としての内閣総理大臣の職務を直接に補佐するため、内閣の重要政策に関する基本的な方針に関する企画及び立案、情報の収集及び分析並びに内閣総理大臣の広報に関する事務をつかさどる首相府を新たに設置することとし、その任務及び所掌事務並びに組織に関する事項を定めようとするものであります。
 最後に、内閣府設置法案は、内閣の事務を助けるとともに、内閣総理大臣が政府全体の見地から管理することがふさわしい行政事務、並びに他の行政機関の所掌に属しない行政事務及び法律で、内閣府に属させられた行政事務を遂行するため、内閣府を新たに設置することとし、その任務及び所掌事務並びに組織に関する事項を定めようとするものであります。
 三法律案は、去る六月七日本院に提出され、翌八日本委員会に付託されました。
 本委員会におきましては、昨九日提出者より提案理由の説明を聴取し、質疑を行い、討論、採決の結果、賛成少数をもって否決すべきものと決した次第であります。
 中央省庁等改革関連十七法律案は、四月二十八日本院に提出され、五月十八日の本会議において趣旨説明を聴取した後、質疑を行い、同日本委員会に付託されました。
 本委員会におきましては、翌十九日太田総務庁長官から提案理由の説明を聴取した後、二十五日から六月九日まで政府等に対する質疑を行ってまいりました。この間、五月二十八日には参考人からの意見聴取、六月七日には公聴会の開催、翌八日にはいわゆる地方公聴会を開催するなど、慎重に審議を重ね、昨九日質疑を終了し、討論、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、各案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊藤宗一郎君) 二十案につき討論の通告があります。順次これを許します。平野博文君。
    〔平野博文君登壇〕
○平野博文君 民主党の平野博文でございます。
 私は、民主党を代表して、ただいま議題となりました政府提案の中央省庁等改革関連法案に対し反対、民主党提案の首相府設置法、内閣法改正案、内閣府設置法に対し賛成の立場から討論をいたします。(拍手)
 まず、政府案について。私たち民主党が政府案に反対する理由は単純明快であります。政府は、今回の行政改革を通して、簡素、効率、透明な行政を実現すると国民に約束してきたにもかかわらず、実際に政府が提出した法案は、この公約から余りにもかけ離れている内容であります。およそ行政改革と称することはできないことが、国会審議を通じて明らかになったからであります。
 今回政府が進める省庁再編等の問題について、民主党は昨年の基本法の段階から指摘をしてまいりました。しかし政府は、我々のみならず、他の野党や国民の批判の声を謙虚に受けとめることなく、問題点をそのままにした法案を今国会に提出してきました。
 その上政府は、みずからがこの国の形を定める重要法案と言いながら、我々の指摘する問題点に明確な答弁をしない上に、この膨大な法案を十分に審議する時間もとらないままに、ただひたすら成立のみを急ぐという姿勢に出てきたのであります。この国の形を審議し、方向性を見出していくことはまさに国権の最高機関たる国会の仕事であり、この国会の本来の機能を否定しようとする現在の政府の姿勢は、国会軽視、ひいては国民軽視以外の何物でもないと考えております。
 行政府の責任者であると同時に、国会に議席を有する総理並びに国務大臣が、みずから国会の存在を否定するような愚かな行動に出ることこそが、まさに各所管省庁の既得権益の代弁者となっているあかしと判断せざるを得ません。
 政府案の問題点は、本会議及び委員会審議を通じて再三指摘をしてまいりました。しかし、その根本原因は以下述べる点にあると我々は考えています。
 すなわち、本来改革の対象である行政に改革自体を依存するという、まないたの上のコイに包丁を持たせた結果が、設置目的が全くあいまいな総務省であり、民主的なコントロールが不可能な国土交通省であります。このような官僚依存型の行政改革にあって、内閣機能の強化などは何をか言わんやであります。
 さらに、行政改革の核心とも言える大蔵省改革の、そのまた核心である財政と金融の分離について、小渕総理は我々民主党との合意を破り、結果提出された政府案は、改革という名に全く値しないものになっています。政党間の合意を平気で踏みにじるという小渕総理の政治姿勢は、それだけでも内閣不信任に相当いたします。(拍手)
 また、財政と金融の完全分離及び金融行政の一元化という命題を不完全な決着に終わらせることは、我が国の金融システムにとって大きな禍根を残すことは火を見るより明らかであります。財政と金融の規律があいまいなまま、またぞろ公的資金の投入を繰り返すということになれば、ただでさえ危機的な状況にある我が国財政は完全に破綻への道を歩むことになるでしょう。
 このように、まないたの上のコイに包丁を持たせた行政改革は、単に真の行政改革の進展を阻むだけでなく、きっと将来の世代に大きな負担を強いることになると私は危惧をいたしておるところであります。
 小渕総理が昨年政権を引き継いで以来、この行革について唯一リーダーシップを発揮したのが、公務員の二五%削減と行政コストの三〇%削減であります。しかし、この公約もまた、見せかけの公約と言われても仕方のないものであります。
 公務員の削減については、昨年の基本法にある一〇%削減と実質的には何ら変わることなく、独立行政法人化される機関の職員を削減の内数とすることによって、見かけ上の削減割合をふやしただけのものであります。また、行政コストの削減については、その内容が抽象的で、これでは検証のしようがありません。このように公約を掲げること自体、国民を欺くに等しい行為であると言わざるを得ません。
 次に、内閣機能強化について、民主党案及び政府案を比較することによって、彼我の優劣を明らかにしたいと思います。
 私は、議院内閣制とは、内閣を通じて政治がリーダーシップを発揮する制度であり、政治がリーダーシップを十分に発揮して行政コントロールができる内閣制度を構築することが、長期的な不況や環境問題、少子高齢化社会などの国内外の重要な政策課題に機動的に対応できる唯一の手段であると考えています。
 今求められていることは、政治のリーダーシップと責任によって国のあり方を決め、実行するシステムなのであります。このシステムによって、初めて国民は、政治が責任を負うことの大切さを認識することができ、二十一世紀に向けた構造改革を大胆に推し進めることが可能となるのであります。
 そのような政治的リーダーシップを確立するために、内閣機能を強化することが必要であります。そのためには、まず、唯一国会から指名され、内閣の権限の源である内閣総理大臣の権限を強化し、政治的リーダーシップを発揮させるための補佐機構を整備するとともに、内閣総理大臣が採用した政策に対して責任をとれる状態にしなければなりません。
 ところが、政府の中央省庁等改革関連法案では、内閣総理大臣の指導性の明確化は、従来から当然の権利とされている、閣議における内閣総理大臣の発議権を明確にしたにすぎず、官僚支配の温床となっている諸制度はそのままとなっております。政治のリーダーシップを発揮しようがありません。さらに、内閣の補佐機構である内閣府についても、予算、人事や組織体制を統括していないなど、政治的リーダーシップにより各省庁をコントロールする仕組みとしては極めて不十分と言わざるを得ません。
 一方、民主党案では、内閣法改正案において、内閣総理大臣の権限を、明治憲法から続く官僚の呪縛から解き放ち、内閣総理大臣に対して、強い権限と責任ある政治を実行させるために、統括権を付与し、閣議の運営に対する基本的な方針の決定権を与えるなど、総理大臣が政治的リーダーシップを発揮できるようにしております。
 また、首相府設置法案では、内閣総理大臣を強力にサポートするための機構の整備を行い、国政についての重要事項の決定、内閣総理大臣の提案する基本方針の補佐、報道、情報収集等を行うために、百名から二百名程度のスタッフを有する首相府を設置することにより、総理のリーダーシップに対する強力な補佐体制を構築しております。
 さらに、内閣府設置法案では、行政全体の総合調整を行うための機構の整備を行っています。内閣総理大臣と首相府を強力に補佐し、政治主導の予算編成と行政改革等を実行するための組織としております。
 このように、民主党案こそが、行政改革にふさわしい政治のリーダーシップを確立した法律案であり、民主主義社会における議院内閣制の正しい姿を示していると断言できるのであります。(拍手)
 行政改革はまさに政治の仕事であるにもかかわらず、現在の政府・与党では真の行政改革を実現することが不可能であることが、国会審議を通じて明らかになったと考えています。
 我々民主党は、今回提出した内閣機能強化関連三法案を初め、現在用意しております幾多の行政改革関連法案を今後成立させることによって、二十一世紀にふさわしい行政制度をつくり上げることを国民の皆さんに約束いたしますとともに、議題となっております政府提出、中央省庁等改革関連十七法案すべてに反対、民主党提出の首相府設置法その他二法案に対して賛成の意を表明して、私の討論を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(伊藤宗一郎君) 杉山憲夫君。
    〔杉山憲夫君登壇〕
○杉山憲夫君 私は、自由民主党、自由党を代表して、内閣提出の内閣法の一部を改正する法律案外十六件の中央省庁等改革関連法律案に賛成、民主党提出の内閣法の一部を改正する法律案外二件の法律案に反対の討論を行います。(拍手)
 二十一世紀が目前に迫っている今日、社会経済の全般的な活力の低下や、急速な国際化、少子高齢化の進展といったさまざまな課題が山積する中、これらを克服し、二十一世紀にふさわしい、魅力ある国づくりを進めることは喫緊の課題であり、戦後我が国を支えてきた経済社会システム全体の再構築こそが求められているわけであります。
 とりわけ中央省庁については、明治以来、抜本的な変革なしにそのシステムが維持されてきたことから、制度疲労が目立ってきており、重要な国家機能を有効かつ適切に遂行するにふさわしい、簡素にして効率的かつ透明な政府の実現に向けて、真摯に取り組むことが必要となっております。中央省庁のあり方は、我が国の社会経済システム全体に与える影響も極めて多いことから、今回、政治主導による本改革をなし遂げることが、ぜひとも必要であります。
 それでは、具体的に中央省庁等改革関連法律案に賛成する理由を、法案審議の経過で明らかとされた点を含めて申し上げます。
 第一に、総理や内閣のリーダーシップの強化が図られている点であります。
 具体的には、閣議における内閣総理大臣の発議権を明記するとともに、新たに内閣府、特命担当大臣を設置し、内閣総理大臣を直接補佐する体制を整備することなどにより、内閣総理大臣のリーダーシップのもと、機動的かつ迅速な意思決定が行われる仕組みとなっております。さらに、各府省においても、副大臣、政務官を設置して、各大臣のリーダーシップを補佐する体制の整備も図られており、これらによる政治の主導性が一層強化されていることは、高く評価されるものと考えております。
 第二に、各省が総合性及び包括性を持った行政機能を担うよう、任務を基軸とした一府十二省体制への再編成を行うことにより、高い視点と広い視野からの政策立案機能を発揮できるようにしております。
 また、このこととあわせ、新たな府省の間で互いに政策を協議する政策調整の制度を設けることにより、いわゆる縦割り行政の弊害を排し、国民のニーズに的確に対応できる体制となっていることが明らかとされております。また、これにあわせて、従来、各省の広範な裁量権限の根拠となっているのではないかとの疑念のあった各省設置法の権限規定を廃止することとしている点は、評価できるものと考えております。
 第三に、行政のスリム化に関しては、各府省の内部部局の官房、局の数を九十六以内とすることを定めるとともに、八十九事務事業について独立行政法人化とするなど、各般にわたってきめ細やかな方針が明らかにされたことであります。
 特に、定員削減については、与党の合意を受けて、政府は、二五%の純減を目指した定員削減を実現するため、最大限努力することとしているところであります。さらに、審議会の整理合理化に関しても、現在二百十一ある審議会を九十に整理し、政策の決定が内閣総理大臣と国務大臣の責任であるものであることが、より明確となっていることも評価できる点であります。
 第四に、公正で透明な政府の実現が図られている点であります。
 独立行政法人制度の創設は、業務運営の自主性、自律性を高めることとなるとともに、外部機関が定期的に事後評価することにより、業務の一層の透明化が図られることとなります。また、各府省に政策評価システムを確立するとともに、その結果について公表を行うことにより、政策が国民のニーズに合っているかどうかが常に問われることになり、その結果、各府省の政策の企画立案能力の向上にもつながるものと期待されます。
 これに対し、民主党の内閣法の一部を改正する法律案外二件の法律案については、内閣機能強化という基本的なねらいこそ政府案と同じでありますが、憲法が行政の最高機関として位置づけた内閣を、内閣総理大臣の統括のもとに置き、内閣総理大臣が、内閣としての意思にかかわりなく、単独で行政各部の指揮監督を行うことができることとしている点など、憲法の趣旨に照らし問題であります。
 また、具体的な組織について見ると、内閣官房を廃止し、新たに設置される内閣総理大臣を直接補佐する首相府と、合議体たる内閣の補佐と現行の総理府の事務をあわせて行う内閣府との役割分担が不明確であるなど、問題が多く、反対せざるを得ません。
 中央省庁等改革は、昨年六月に基本法が成立し、その後、小渕内閣のもとで具体化の作業が進められてきたわけでありますが、今回の関連法律案の成立により、新体制への移行が予定どおり二〇〇一年一月に開始され、二十一世紀に対応した政策課題に専念できることが、より確実なものとなるわけであります。
 現在の我が国経済社会の先行き不透明感を払拭するためにも、政府が本改革の実現に向けて着実に取り組んでいかれることを期待いたしまして、政府提出の中央省庁等改革関連法律案に対する私の討論を終わります。(拍手)
○議長(伊藤宗一郎君) 松本善明君。
    〔松本善明君登壇〕
○松本善明君 私は、日本共産党を代表して、中央省庁再編関連十七法案に対する反対討論を行います。(拍手)
 まず、この法案の審議の問題であります。
 国の全行政機関の再編にかかわる重要かつ広範なこの法案を、日本のすべての法律の約三分の一、四百七十五本の法律改定を一つにした地方分権一括法案とあわせて審議し、しかも、わずか十二日間の審議で採決するということは、国会審議の形骸化以外の何物でもありません。戦争法、盗聴法案の強行に続くこの事態は、国権の最高機関である国会の権威をみずから失墜させるだけではなく、国民主権に対する重大な背反であります。私は、最初にこのことを厳しく糾弾するものであります。(拍手)
 法案に対する反対理由の第一は、これらの法案が、国民の福祉や医療、教育など、国民生活部門を徹底的に切り捨てるものだからであります。
 言うまでもなく、憲法第二十五条は、国民の生存権をうたい、社会福祉、社会保障などを国の義務として規定しております。二十六条は国民の教育を受ける権利を、二十七条は勤労の権利を明記し、それぞれ国の責任も明示しているのであります。この法案は、国が国民に対して負っている国民生活擁護の責任を放棄しようとしているものであります。
 その役割の中心をなすものが、新しく導入する独立行政法人であります。これは、国の事務事業を行政から切り離して法人に行わせようとするものでありますが、制度のねらいは、審議の中で総理大臣や総務庁長官が答弁をしましたように、一定期間後に法人組織の改編や廃止をすることにあります。つまり独立行政法人は、民営化か廃止かの第一歩であります。これが国の責務の放棄であることは明白であります。
 しかも、その対象は、国立病院・療養所、国立研究機関、国立美術館、博物館など、国民と密接に関係する分野ばかりであります。その数も八十九施設機関、対象となる職員は七万三千人であります。
 独立行政法人の運営は、目標と管理、企業会計原則の導入など、徹底した企業的効率が追求される仕組みになっております。ところが、その対象となる国立病院・療養所では、重度心身障害者、高齢者、結核、難病など、民間施設では困難な医療を受け持っているのであります。独立行政法人化によって採算優先の運営がされ、本来国が果たすべきこれらの不採算医療が切り捨てられていく危険が、ますます高まってまいります。
 国立試験研究機関は、国の機関として高い公共性、中立性、長期的かつ広域的な視点から、科学技術の向上に大きな貢献をしております。独立行政法人による、三年から五年という短期的評価、また効率化と採算優先のもとでは、こうした研究は成り立ちません。
 このことは、有馬文部大臣が、行革会議の委員当時、国立大学の独立行政法人化への反論書の中でも、自発性、長期性、多様性を本質とする大学の研究にはなじまない、安定的研究費、人件費の確保の保障がない、国立以上に独立行政法人に対し国の財政支援がなされるとは到底考えられないと言って反対をしましたが、これは国立研究機関でも全く同じであります。
 国家公務員の十年間、二五%削減は、公的部門が負うべき行政需要を無視し、国民生活に不可欠の行政サービスを大幅に切り捨てることにつながる無謀なものであります。
 総務庁長官も認めておりますが、我が国の公務員は先進国の中で人口比で最も少ないのであります。しかも、削減目標は、橋本内閣当時が一〇%、小渕首相の総裁選出馬で二〇%、自自合意で二五%へと、わずか一年足らずで次々と引き上げられ、総務庁長官も、当惑していると答弁をしたくらいであります。二五%削減には、何の根拠もないのであります。また、削減対象から二十六万の自衛隊を外すなど、軍事優先の人減らし計画でもあります。
 反対理由の第二は、国民生活部門を切り捨てる一方で、ゼネコン、大企業などに専ら奉仕する部門を肥大化させていることであります。
 公共事業の約八割を集中させる巨大公共事業官庁の国土交通省を出現させました。この国土交通省が、対米公約の六百三十兆円を公共事業に使う基本計画のもとに、完全に破綻をした苫小牧東部開発や、むつ小川原開発を進めるとともに、さらに伊勢湾口、東京湾口など巨大な海峡大橋を全国に六つもかけるなど、超大型プロジェクト中心の五全総を推進する中枢となります。
 日本の公共事業費は、アメリカの四倍、イギリスの八倍、ドイツの三倍、フランスの二倍であります。その上、小渕内閣は、財界向けのばらまき財政で、先進国最悪の財政危機、国と地方自治体の借金が六百兆円という未曾有の事態をつくり出しました。小渕内閣には、行革を語る資格は全くありません。この分野にこそ徹底的なメスを入れることこそが、国民の求めている行財政改革であります。(拍手)
 反対理由の第三は、内閣機能の強化についてであります。
 問題は、なぜ内閣機能の強化かであります。この間の論戦でもその意図が明らかになっておりますが、本法案の首相権限、内閣機能強化が、アメリカの戦争に協力する体制づくりを進め、財界中心の経済政策を一層進めるためのものであるということであります。
 いわゆる戦争法、ガイドライン関係法は、周辺の範囲も、事態についての判断も、自治体、民間の協力内容も、一切政府に白紙委任するものであり、戦争参加の国家体制づくりであることは、その審議の中で明白になりました。自民党政府が進める首相権限、内閣機能強化は、こうした戦争参加の国家体制づくりと一体であります。
 また、経団連など財界は、この省庁再編を積極的に推進しておりますけれども、内閣機能の強化の一つの中心である経済財政諮問会議は、財界向けの経済政策を、首相の権限強化とあわせて強権的に進めるてことなるものであります。
 最後に、国民が求めている行政改革は、浪費とむだをなくし、腐敗構造にメスを入れて、行政を国民本位に切りかえることであります。
 そのためには、何よりも、国と地方で公共事業に五十兆円に対し、社会保障にはわずか二十兆円という、世界に類例のない逆立ちした税金の使い方を転換させる行財政改革が、まず必要であります。また、財界中心に動く行政から、国民中心に動く行政に転換するために、政官財の癒着構造にメスを入れることが必要であります。自民党政府の行政改革は、この緊急課題にまともに取り組んでおりません。私は、行政改革の方向を、国民本位に根本的に転換することを強く要求するものであります。
 なお、民主党案については、見解を異にするので賛成できないことを述べて、反対討論を終わるものであります。(拍手)
○議長(伊藤宗一郎君) 石垣一夫君。
    〔石垣一夫君登壇〕
○石垣一夫君 私は、公明党・改革クラブを代表して、まず初めに、ただいま議題となりました内閣提出の中央省庁等改革関連法律案について、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 我が国は、長年にわたってこの国のあり方が求められてまいりました。今、この中央省庁等改革関連法律案は、地方分権一括法案とともに、この国の国家像を根本から変えようとする内容であります。
 それは、単に国家行政機能をスリム化するという構造改革ばかりでなく、二十一世紀に向けて国民の意識構造をも変え得る、新しい価値観に基づく民主主義の実現にふさわしい国家社会規範の大改革を目指すものであります。その意味で、行政改革に後ろ向きの姿勢では、私たち国民の積年にわたる宿願を達成することはできません。
 さて、今回の法案審議は、昨年の中央省庁等改革基本法案審議の中で、当時の平和・改革が主張し、附帯決議として採択された、裁量行政の排除、行革顧問会議の設置、そして行政評価手法の導入が、本法案に盛り込まれた上での審議のスタートとなりました。
 本院の行政改革特別委員会においては、中央省庁等改革関連法律案の審議を、参考人質疑及び公聴会を含めて、本日まで十三日間にわたって論議を深めてまいりました。それら審議の中で、私たち公明党・改革クラブの中央省庁再編に対する基本的考えを示しつつ、我が会派の委員がそれぞれ政府側にただし、その論議の結果として、多くの重要な改善点が見られました。
 以下、それらの諸点について、具体的に申し述べたいと思います。
 まず第一に、内閣官房と内閣府の関係について、内閣府の総合調整は各省の上に立った総合調整とし、内閣官房の総合調整は内閣としての最高かつ最終の調整として位置づけた運用を図るべき点、及び内閣府に置かれる重要政策に関する会議の審議結果等は最大限に尊重すべきものとするとともに、会議内容は可能な限り公表することについて明確になりました。
 第二に、経済財政諮問会議の位置づけについて、内閣の合議機関として置かれる経済財政諮問会議において調査審議された経済全般の運営の基本方針、財政運営の基本、予算編成の基本方針その他の経済財政政策に関する重要事項の内容を予算編成に反映させるために、財務省は、予算の査定や原案決定等予算編成の各過程において、経済財政諮問会議に報告し、意見を求めるとともに、当会議の意見を尊重する点が明確になりました。
 第三に、各省設置法案の所掌事務規定について、所掌事務規定は、各府省の任務を達成するため必要となる事務の明確な範囲を定めたものであり、権限規定とは異なるものであることが、総理大臣の答弁で明確になりました。
 第四に、環境政策について、内外の環境を守り、二十一世紀に引き継ぐことは重要な政策課題であるとの認識のもとに、国有林について、森林保全の観点から、公益的機能を重視した管理経営の実施に当たって、環境省との一層の連携を図ることが明言された点であります。
 第五に、今回、中央省庁等の改革に伴い、行政評価という新しい視点が導入され、全政府的に厳正で客観的な政策評価を行うためのシステムの構築を進めていく中で、中央省庁再編後、速やかな法制定の実現に向けて検討をすることが明確になったことであります。
 第六に、国家公務員の定員削減については、各府省の定員の少なくとも十年、一〇%の計画的削減を進めるとともに、独立行政法人化による一層の定員削減を強力に進め、増員の徹底した抑制を図ること等により、定員二五%純減を目指した最大限の努力が明確になりました。
 また、省庁再編に伴う人事については、分掌官の任命は必要最小限度とし、分掌官のもとに入る職員については固定的に配置しないこと、さらには、省庁再編に伴う人事については適材適所を旨とし、将来の人事に影響を与えるような既存省庁間の合意等は一切行わないことが明確になったことであります。
 第七に、独立行政法人について、その中期目標の期間の終了時において主務大臣が行うとされている、当該独立行政法人の業務を継続させる必要性、組織のあり方その他、その組織及び業務の全般にわたる検討については、そのための客観的な基準を遅くとも平成十五年度までに検討し、独立行政法人の存廃、民営化は、この基準を踏まえて決定することが明確になった点であります。
 また、独立行政法人の職員については、行政改革会議最終報告の趣旨にかんがみ、今後の見直しにおいて、社会経済情勢の変化等に応じて身分変更について適切に対処することが明確になった点であります。
 第八に、特殊法人の業績評価について、特殊法人を専門に評価するための体制を総務省行政評価局に置き、業績評価を実施するに際して、統一的視点のもとに、中期計画に基づき重点的に取り上げ、さらに独立行政法人化の可否を含めての検討を並行して進めることとした点であります。
 第九に、行政の関与が事前監視型から事後監視型へ移行している現状から、公正取引委員会の体制強化を図るため、審査体制等の充実強化を図るとともに、内閣府の外局への移管等の検討を含め、公正取引委員会の公正中立な機能強化を図ることとした点であります。
 第十に、内閣府に移管される経済研究所を、内閣府のシンクタンクとして、内閣府の所掌する経済財政政策その他の各省の事務に広範に関係する総合的研究の充実による、政策研究機関としての機能強化を図ることとした点であります。
 第十一に、人権の二十一世紀へ向けて、人権教育、啓発等に関する施策の推進を、政府、内閣全体として取り組むべき課題と明記した点であります。
 次に、民主党提出の内閣機能強化関連三法案について申し述べます。
 民主党案については、傾聴に値する意見は多いものの、我が会派の要求事項について、当委員会での総理大臣及び所管大臣の答弁、並びに附帯決議等で十分受け入れられたものと認識しておりますので、あえてこの法律案の必要性はないと判断し、反対いたします。
 最後に、附帯決議につきましては、社民党から提案された項目をも含め十五項目が、自民党、公明党・改革クラブ、自由党、社民党・市民連合で採択されたことを御報告申し上げます。
 以上、内閣提出の中央省庁等改革関連法律案について賛成、及び民主党提出の内閣機能強化関連三法案について反対の理由を述べ、公明党・改革クラブを代表しての討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(伊藤宗一郎君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○議長(伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。
 まず、日程第七ないし第九の鹿野道彦君外六名提出の三案を一括して採決いたします。
 三案の委員長の報告はいずれも否決であります。この際、三案の原案について採決いたします。
 三案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(伊藤宗一郎君) 起立少数。よって、三案とも否決されました。
 次に、日程第十ないし第二十六の内閣提出の十七案を一括して採決いたします。
 十七案の委員長の報告はいずれも可決であります。十七案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、十七案とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時十六分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        外務大臣臨時代理
        国務大臣    野中 広務君
        国務大臣    太田 誠一君
        国務大臣    関谷 勝嗣君
        国務大臣    野呂田芳成君
        国務大臣    真鍋 賢二君