第145回国会 外務委員会 第8号
平成十一年六月二日(水曜日)
    午後一時二分開議
  出席委員
   委員長 中馬 弘毅君
   理事 福田 康夫君 理事 牧野 隆守君
   理事 茂木 敏充君 理事 森山 眞弓君
   理事 上原 康助君 理事 玄葉光一郎君
   理事 赤松 正雄君 理事 東  祥三君
      鴨下 一郎君    瓦   力君
      木村  勉君    河野 太郎君
      阪上 善秀君    櫻内 義雄君
      中谷  元君    西川 公也君
      深谷 隆司君    細田 博之君
      八代 英太君    吉川 貴盛君
      近藤 昭一君    中野 寛成君
      藤田 幸久君    坂口  力君
      山中あき子君    井上 一成君
      藤井 裕久君    古堅 実吉君
      松本 善明君    伊藤  茂君
 出席国務大臣
        外務大臣    高村 正彦君
 出席政府委員
        防衛施設庁施設
        部長      宝槻 吉昭君
        外務政務次官  町村 信孝君
        外務大臣官房審
        議官      小松 一郎君
        外務省総合外交
        政策局長    加藤 良三君
        外務省アジア局
        長       阿南 惟茂君
        外務省北米局長 竹内 行夫君
        外務省欧亜局長 西村 六善君
        外務省条約局長 東郷 和彦君
 委員外の出席者
        外務省総合外交
        政策局軍備管理
        ・科学審議官  阿部 信泰君
        外務委員会専門
        員       宮本 吉範君
委員の異動
六月二日
 辞任         補欠選任
  額賀福志郎君     鴨下 一郎君
  吉川 貴盛君     西川 公也君
  川内 博史君     近藤 昭一君
同日
 辞任         補欠選任
  鴨下 一郎君     額賀福志郎君
  西川 公也君     吉川 貴盛君
  近藤 昭一君     川内 博史君
六月一日
 非核三原則の堅持に関する陳情書(広島市南区比治山本町一六の三五冨田巖)(第二〇五号)
 核兵器廃絶国際条約締結促進に関する陳情書(鹿児島市山下町一一の一鹿児島市議会内入船攻一)(第二二七号)
は本委員会に参考送付された。
本日の会議に付した案件
 軽水炉プロジェクトの実施のための資金供与に関する日本国政府と朝鮮半島エネルギー開発機構との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一四号)
    午後一時二分開議
     ――――◇―――――
○中馬委員長 これより会議を開きます。
 軽水炉プロジェクトの実施のための資金供与に関する日本国政府と朝鮮半島エネルギー開発機構との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 政府から提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣高村正彦君。
    ―――――――――――――
 軽水炉プロジェクトの実施のための資金供与に関する日本国政府と朝鮮半島エネルギー開発機構との間の協定の締結について承認を求めるの件
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○高村国務大臣 ただいま議題となりました軽水炉プロジェクトの実施のための資金供与に関する日本国政府と朝鮮半島エネルギー開発機構との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 政府は、我が国が直面する安全保障上の重大な懸念である北朝鮮の核兵器開発問題に対応するため、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)の軽水炉プロジェクトを推進するとの観点から、我が国からKEDOへの同プロジェクトの実施のために必要な資金供与の枠組みを確立するための協定の締結につき、平成十年十二月以降、協議、交渉を行いました結果、平成十一年五月三日にニューヨークにおいて、我が方大塚在ニューヨーク総領事と先方アンダーソン事務局長との間でこの協定に署名を行った次第であります。
 この協定は、KEDOの軽水炉プロジェクトの実施のため、千百六十五億円までの円貨による貸し付けが日本輸出入銀行または同銀行を承継する国際協力銀行からKEDOに対して行われることとなること、我が国政府がKEDOに対しKEDOが支払う利子の総額に相当する額の贈与を行うこと等を定めております。
 この協定の締結により、早期に軽水炉プロジェクトの本格工事が開始され、KEDOの枠組みへの信頼性を高めるとともに、我が国の安全保障及び北東アジア地域の平和と安定に資することが期待されます。
 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
 何とぞ御審議の上、本件につき速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
○中馬委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○中馬委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中野寛成君。
○中野(寛)委員 久しぶりの委員会質問でございますので少々緊張しておりますが、北東アジアの平和と安定を中心にして若干の質問をさせていただきたいと思います。
 さて、対話と抑止という言葉がこの北東アジア政策についてはよく使われるわけであります。一方で、韓国、金大中大統領になりましてからは、包容政策、通称太陽政策という言葉が使われております。両方に相通ずるものがあるものだというふうに考えておりますが、いわゆる北朝鮮、あるいは中国の一部にも、この金大中政権の包容政策なるものが、いわゆる我々がよく政治用語として使います変化球という受けとめ方で、今日までの政権とは違ったニュアンスの変化球を投げてきたということで、この方が警戒を要するという発言が北朝鮮や中国の一部の人から言われているというふうにも言われております。
 このことについては、韓国政府は、ぜひとも他意のないことを北朝鮮に伝えたいということで、いろいろなルートを通じてそれなりの努力をしているようでございますが、一方で抑止力をしっかりと確立しながら、一方では対話を進めていくということは大変重要でありまして、韓国の場合には、単に包容政策ではなくて、それ以前に毅然とした抑止力というものの準備が一方であるということが大変重要であると思います。
 日本の場合には、その抑止力というのは果たして日本には存在するのか、日朝対話というのは本格的なものとして存在するのかと考えますと、どちらも大変おぼつかないものだというふうに私は考えざるを得ません。
 対話を進めることが抑止につながり、また、抑止力を厳然として保持していることが相手に対話を促すことにもつながる。これは表裏一体のものだ、こう思います。そして、それが相乗効果を上げることになると思います。しかし、そのときに、対話にしろ抑止力にしろ、日本は日本としての主体性がなければ無意味だと思います。
 先般成立をいたしましたガイドライン関連法は、ある意味では日米韓の中における抑止力の空洞地帯、日本の果たす役割をある意味では前向きに明確にしたという意味では評価できると思います。他の要素をもって我々は採決に反対をいたしましたが、常々申しておりますように、日米安保条約を実効あらしめるものとしてのガイドラインそのものについて反対をしたわけではない。
 しかし、日本は果たしてどれだけの主体性を果たし得るのか。今日までのテポドンや不審船やいろいろな問題が起こってきたときに、本当に日本は主体性を発揮しているのかという疑問をどうしても持たざるを得ない。いかなる対話をこれから進めようとするのか、日本はいかなる抑止力を保持しようとするのか、まず基本姿勢からお尋ねをしたいと思います。
○高村国務大臣 いかなる対話をしようとしているのかということにつきましては、小渕総理も私も、本会議あるいは衆参の委員会等あるいはその他記者会見等を通じて、官房長官もでありますが、北朝鮮側が国際社会の懸念に対して建設的な対応をとるのであれば、あるいは日朝間に横たわる重大な問題に対して建設的な対応をとるのであれば、私たちもそれにこたえていきますよというメッセージを出し続けているわけであります。それと同時に、今、外交関係はないわけでありますが、いわゆる水面下の話し合い等で、まさに今申し上げたようなことを幾たびも伝えてきている、こういうことであります。私たちは、北朝鮮の動きが全くないままに余り無原則に動くわけにもいかないが、そういうことをしたいのだ、話し合いをしたいのだということは十分向こうに意思が伝わるようにいろいろな角度からしているわけでございます。
 それから、抑止の点について、はっきり私の所管だかどうかよくわかりませんけれども、節度を持ちながらも防衛力を整備するとか、あるいは委員もお触れになった日米安全保障条約、この信頼性を高めるとか、そういったことをきっちりやっていこう、こういうふうに思っているわけでございます。
○中野(寛)委員 若干具体的なことを指摘しながら、今の質問の中身を進めていきたいと思います。
 昨年八月三十一日、テポドン発射に抗議して日本はKEDO交渉を凍結いたしました。しかし、凍結をいたしましたが、その結果、何の効果、変化も得られないまま二カ月も経ないうちにこのKEDOに関する協定にサインをいたしました。何のための凍結だったのか。また、三月の不審船事件のときは、既にこの協定にサインしてしまっておったこともありまして、抗議はしたようでありますけれども、相手の方は受け付けないという状況がありました。
 言うならば、対話にしろ抑止にしろ、日本の一種のひとり相撲みたいなもので、相手に対して何の影響、何の効果も与えていないのではないのか、このように思わざるを得ないわけでありまして、そこに、国交のない国であってやりにくさはあるとしても、例えば、国連の場であるとか周辺諸国との協力であるとか、いろいろな形で国際社会とともに日本はみずからの意思をより一層明確かつ強力に表現するべきではないのか、このように思います。そういう意味では、日本の外交に一貫性とか主体性がないという批判を残念ながら否定し得ないのではないか、このように思うのであります。
 そういう意味で、先ほど、対話と抑止にはいろいろな形があるけれども、日本の対話と抑止には主体性がない、主体性がなければ無意味でありますから、そういう意味で、現在、少なくとも北朝鮮に対しては日本は何の影響力も行使し得ていないという実態なのではないかというふうに思うのですが、そのことについて、そういう批判に対してどうお考えですか。
○高村国務大臣 我が国は、昨年八月の北朝鮮によるミサイルの発射を踏まえ、KEDOの進行を当面見合わせることといたしました。これは北朝鮮に対する抗議のメッセージとして一定の効果があったと考えております。
 他方、我が国は、KEDOが北朝鮮の核問題を阻止するための最も現実的かつ効果的な枠組みとして極めて重要であり、北朝鮮に核兵器開発再開に向かう口実を与えることは不適切との判断から、日米韓連携の観点も考慮し、タイミングを見て、昨年十月、協力を再開することとした次第であり、首尾一貫した北朝鮮政策が欠如しているとの御指摘は当たらないと考えております。
 八月三十一日にミサイルが日本列島の上を飛び越えていったわけでありますが、この八月三十一日という日は、まさにKEDOに署名することが予定されていた日であったわけであります。そういう中で、このKEDOというのは、日本の安全保障の問題でもあると同時に、北朝鮮に対する支援、その両方の要素があるわけであります。そういう中で、何事もなかったようにこのKEDOの署名をするということは、北朝鮮に誤ったメッセージを与えかねないということで、日本政府はそこで署名をすることを見合わせたわけであります。
 そのときに、当然のことながら、アメリカ、韓国にも、日本はこういうときにできないよということを説明いたしました。アメリカ、韓国もよく理解をいたしました。当然だろう、こんな日に署名しろと言ったってそれは無理だと。それと同時に、日本政府は、米韓に対しても、あるいは国内に対しても、日本政府はKEDOの枠組みを壊すつもりはないということをその時点で言っているわけであります。私としても、マスコミ等あるいは国会でも、KEDOの枠組みを壊すつもりはないとその時点から言い続けてきているわけであります。
 米韓に、あるいはEUも含めてでありますが、KEDOに加盟している国の間では、日本がいつそれでは署名するように、協力するようにするのかということは、それは日本政府が決めることですから、ある意味では、日本政府がそのKEDOの枠組みが壊れるところまで持っていかれてしまうのではないかということは、それは心配したのは私は当然だと思いますし、私の方からは、いや、KEDOの枠組みを壊すまでこの見合わせるということを引っ張るつもりはないから安心してほしい、こういうことをずっと言ってきたわけであります。そういう中で、やはりこれは日本の安全保障の問題、北東アジアの核拡散を阻止する問題、こういう問題でありますから、やはりこのKEDOの枠組みがおかしくならないうちに署名する必要がある。そのタイミングを見て、十月二十一日という日にしたわけであります。
 私は、はっきりした日は記憶ありませんが、九月の終わりごろの時点で、記者会見において、KEDOの枠組みは壊すつもりはないから、そろそろこのことについて検討を開始しなければいけない、こういうことを言って、NHKのニュースでも、KEDOの凍結解除へなどと報道されたこともありました。私なりに、やはりこれは日本の安全保障の問題だから、国民に対してきっちり納得を得て解除する必要がある、こう思って、私なりに努力いたしましたが、完全にみんなが、これはもっともだというところまでは納得が得られていなかったことは自覚をしております。自覚をしておりますが、あの時点では、やはり解除をするタイミングであった、こういうふうに思っているわけであります。
 先ほど、抗議のメッセージとして一定の効果があった、何が効果があったのか、相手は謝りもしていないし、再発防止も約束していないじゃないかと。確かにそうであります。確かにそうでありますが、最初からそんなに簡単にそういうことをするというのは、軍事力を持ったアメリカとの折衝でもなかなかそういうことは約束しない国でありますから、なかなかそれは難しいことでありますが、現実に、少なくとも今までは次の実験が行われていないとか、そして米韓との間でも、いろいろな話し合いの中で、日本国民がこの問題をいかに真剣に考えているかということは、その時点でとめて、十月二十一日まで協力を停止していたということ、その中で、米韓との話し合いで十分にわかってもらったという効果もあった。最初から何事もなく、その八月三十一日に署名するよりはるかによかった、こう思っていますし、それから十月二十一日以降もずっと引っ張って協力しなかったよりもはるかによかったと思っているわけでございます。
 ただ、先ほども申し上げたように、それでは、謝りもしない、再発防止も約束しない時点で協力を再開したことを国民みんな理解したかといえば、それは十分理解はしていただけなかったかなという、それは自覚をしております。
○中野(寛)委員 北朝鮮というのは、これは韓国の皆さんにあっても大変扱いにくいと言うし、わかりにくいとおっしゃる、中国の人たちにあっても大変わかりにくい、交渉しにくい国、これはもう定評があります。私自身、どちらかというと、南北を問わず、韓国、朝鮮の皆さんの民族性といいますか、思ったことを相手の顔色を見るのではなくて率直に表現をする、そういう意味では、日本的文化になれている我々からすると、随分と激しい言動に見えるわけであります。しかし、言いかえれば、大変率直に自分の考えを、しかも自己主張を明確にするという民族性があると思います。
 加えて、果たして本当の共産主義かどうかは別にして、共産主義を国是とし、かつまた、その中で、北朝鮮独特のチュチェ思想を持ってこれに対応しているのですから、なかなか相手は難しいけれども、しかし我々はやはり韓国や米国とも協力協調をしながら、我が国の主張というものをより明確にし、かつ同時に、国際社会に我が国の立場をそういう折々に理解してもらうという努力、すなわち世界じゅうに我が国の立場を発信しておくということは大変重要だろうと思うのであります。
 さて、ある意味ではその一環でもありますが、アメリカのやり方。アメリカの場合には、この軽水炉原発についてではなくて、それまでのつなぎとしての重油の提供が行われるわけでありますが、これに関連をして、アメリカの国会において、やはり北朝鮮の実態というものをしっかり精査しろ、そうしなければ、その重油の提供の予算を国会として認めるかどうか判断できないではないかということなどから、ペリー調整官の行動となっていくわけであります。まさにアメリカの場合には、強大な軍事力も背景にありますけれども、やるからにはその背景となるものもしっかり確かめろというめり張りが極めて明確についているという印象を持つわけであります。
 さて、一方では、そのペリー調整官の訪朝などのきっかけとなったアメリカ、とりわけ共和党内の動きというのは私どももやはり注目をしなければいけないと思います。
 アメリカと韓国は、偶然かどうかわかりませんが、歴史的経緯からすると、北朝鮮政策というのは案外歩調が合っている。韓国が、例えば金泳三大統領のときのように強硬姿勢を持っているときにはアメリカも結構強硬姿勢で臨む。日本は、一方で訪朝計画を立てたり食糧支援をしたり、時に韓国から抗議めいたことを、皮肉を言われることがあったりする。今度は、金大中大統領になっていわゆる太陽政策、アメリカはアメリカでクリントン大統領のもとで比較的柔軟な姿勢をとるということになったときに、日本は、たまたま偶然かもしれませんが、テポドン発射や拉致事件、いろいろなものが表に立ってきて、日本は北朝鮮対策についてはむしろ消極的に見える。
 決して米韓両国とすべて歩調を合わせればいいということではありませんけれども、逆に言えば、彼らは強腰であったり、または平和的であったりという変化を持たせながらやっている。日本の場合は、逆に相手の動きによって、相対的に強くなったり弱くなったりしているように見えるけれども、日本自身は元来何もやっていないということなのではないかというふうに私には思えてならないわけであります。
 そこで、先ほど大臣がお答えになりましたが、北朝鮮に対して、そちらの方が受けて立つ気があれば、こっちはいつでも話し合いに応じるよという呼びかけなんですが、しかし日本として、もっと包括的なアプローチというものを積極的にする方法というものは考えないのか。日本が行うキャロットにはどういうものが考えられるのか。それともないのか。KEDOの場合には確かにお金を出すわけでありますが、しかし、これとても北朝鮮側は日本から支援してもらっていると果たしてどのくらい思っているのかということが疑問であります。
 韓国の立場からすれば、やがてそれは平和的にでも統一をされたときには、統一された新しい国の財産ですから、韓国はそのKEDOの費用七〇%を負担したとしても、それは言うならば国内の施策に金を使っているのと同じという発想があります。国民感情があります。
 日本の場合には、まさに核開発を防ぐための一助という意味はありますけれども、やはりこれらについては、日本が果たす役割が、北朝鮮に対しても、国際社会に対しても、とりわけ日本の国民に対して、しっかりとした説明と裏づけがなければならないと思うのですが、このアメリカのやり方等に比較いたしましても日本の姿勢というものは極めてあいまいに見えてしようがないのであります。
 日本の北朝鮮政策、その戦略、戦術というものがやはり見えてこないのですが、外務省としてはどうお考えですか。
○高村国務大臣 日本政府としては、第二次大戦後の北朝鮮との間の不正常な関係は正したい、こう思い、そしてそのことが朝鮮半島の平和に資することであればいい、そしてそれは日米韓、お互い緊密な連絡をとり合いつつやりたい、こういうことはずっと長いこと一貫した方針でやってきているわけであります。
 アメリカのペリー調整官のもとでいろいろ行われているというのは、アメリカの強大な軍事力をバックにして、まさに委員もおっしゃったようにそういうバックがあって、その上で、核協議だとかミサイル協議だとかテロ協議だとか、それぞれ個別に行ってきた、そういったものをある程度包括的にやろうではないか、そしてそれはアメリカだけということではなくて日米韓、統合されたアプローチでやろうではないか、こういうことを今アメリカも目指しているんだろうと思います。
 日本政府として、きっちりした原則を持って、その中で対話と抑止、相手が建設的な対応を示すのであれば建設的にこちらも受けて立って積極的に関係を正常化していこう、こういうことでやっているわけで、アメリカの置かれた立場と必ずしも同じではないと私は思っています。
 まさに委員も指摘された強大な軍事力、北朝鮮はまさに軍事に国の資源の相当部分をつぎ込んでいるような国でありますから、やはり軍事力の強い国を尊敬するということも北朝鮮にはあるのかもしれません。だからといって、北朝鮮に尊敬されたいからそういうふうになるというのは、それは本末転倒であろう、こういうふうに思いますが。
 日本政府とすれば、今まで、韓国やアメリカがきっちりとした抑止体制を持っていたのに比べて、必ずしもそうでもない部分もある、これは委員もそれと同じような意味のことを先ほどおっしゃったと思いますが、そういうこともある中で、やはりそういうことをきっちり整備しながら、対話の方も積極的にいつでもやる用意があるよ、我々の方から決してけんか腰でやるというつもりは毛頭ないということを、あらゆる機会を使ってこちらから伝えているところでございます。
○中野(寛)委員 例えば、KEDOの問題でもそうですが、先般日本政府としても、例えば四者会合、韓国、北朝鮮、アメリカ、中国、この四者会合も、必ずしもスムーズにいっているとは思いませんけれども、日本の場合は六者会合、いわゆる日本とロシアを加えろということで主張しておられる。
 しかし、同時に、KEDOはKEDOとして、言うならば、EUを加えますかどうか、KEDO理事国と北朝鮮との直接の交渉などを含めて、いわゆる米朝協議にゆだねるということではなくて、もっと、そういうあらゆる場、日本がお金を出すのであれば、そのお金を出すプロジェクトに関しては直接日本も交渉の場に立つという姿勢、そういう要求は当然していいと思いますし、また、そういう主張をアメリカからさせるということも、これは必要なことなのではないか。アメリカ自身がその気になって交渉をしてもらわなければいけませんけれども。
 例えば、この前、六者会合についても、小渕総理がクリントン大統領に申し入れられたようですが、何となく、これから相談しましょうというような感じで受け流されたように私は思うのですけれども、やはり日本が、それが融資であれ、また利息は税金で賄うのですから、また将来本当に返ってくるかどうかもわからない綱渡りをやるわけでありまして、そういう意味では、そういう交渉事の場に、ありとあらゆる交渉事の場に日本が出席することを要求するということは、もっと積極的に進めていいのではないか。単に六者会合を提言したというのではなくて、そういうことなどは一つの条件として、むしろ積極的に主張するということがあってもいいのではないか、こう思うのであります。
 日米韓の連携という言葉の響きはいいのですが、日米韓、相手がこちらを相手にしてくれないからということで、結局米朝協議にゆだねる、何かそれだけに終わってしまっていいのかという疑問を持つのですが、どうお考えですか。
○高村国務大臣 私たちは、日米韓連携して当たる必要がある、そう思っておりますし、できることであれば日本も直接的にできるだけ多くの交渉等に参加できればいい、そういう希望は持っておりますし、それは表明もしているところでございます。
 ただ、現実問題として、北朝鮮の側はそうではなくて、例えば四者会合でいえば、これは朝鮮戦争の当事者、日本は朝鮮戦争の当事者ではありませんが、その当事者の間の会合でありますし、その中でも北朝鮮の方は、アメリカとだけやりたい、こういうような感じを持っておりますし、日米韓は、まさに統合されたアプローチということで当たりたい、こう思っていますが、北朝鮮の側は、逆にそれをできるだけ統合されないように、こういう意思を持っているようにも思えるわけです。
 そういう中で、なかなか、絶対的条件としてこれをしなきゃやらないよと言って本当にいいのかどうかということも、現実問題として考えなければいけない、こういうこともあるわけで、私たちとすれば、当面、米韓との間でいろいろそういったことについても話し合っているということでございます。
○中野(寛)委員 さっき私は、北朝鮮の民族性といいますか、お国柄について若干触れました。
 ある意味では、日本は島国ですから、逆に言えば、何となく、私なんかその典型かもしれませんが、相手の顔色を見ながら、相手の御機嫌を損ねないように注意しながらしゃべるというところがあるかもしれません。しかし、やはり相手の性格をのみ込んで交渉事をやっていくということが第一であって、日本はもっと率直に、北朝鮮に対しても直接、間接、物を主張する、言っていくべきではないか。そして、そういうことは相手もむしろ理解する。例えばアメリカでも、その率直さこそむしろ信頼の要素になるということがあると思うのです。この辺は、水かけ論になりかねませんから、余りくどくど申しませんけれども。
 例えば、北朝鮮政策での日米韓の連携といいますが、国益はそれぞれ微妙に違う。先ほどこれは、背景も違いますし、大臣もそのことはお認めになられた。ミサイル問題一つとっても、日本はミサイルの実験や配備そのものが最大の懸念材料、直接飛んでくるということ。アメリカにとっては、直接飛んでくるというよりも、むしろミサイル技術の輸出など核拡散防止の方に関心があるわけであります。
 そういう意味では、アメリカはどちらかというと間接的、日本は直接的脅威というものを感じながらやっているわけでありまして、より一層日本が強いアプローチがあるというのは当然のことなのではないのかというふうに思うわけであります。足並みをそろえるというよりも、日本はむしろ積極的にアプローチする。相手が相手にしてくれないということは問題でありますけれども、しかし、だからこそもっと率直に、もっと大胆に踏み込んだ強い主張というものを繰り返し、しつこくやっていく。そういう努力が目に見えなければ、なかなか国民も理解しがたいということがあるのではないか、こう思うのであります。
 ソウルにおいてペリー氏から訪朝の経過を外務省の加藤さんがお聞きになって、総理に報告されたという報道がある。北朝鮮は包括協議に難色を示している。何となく北朝鮮は聞き流していたよという感じで、果たしてどのくらいペリーさんが相手を説得してくださったのかよくわからない。その内容等を含めて、日本の主張がどのくらい生かされているのか、どのくらい伝えられているのか、外務大臣が認識されていることについてお聞きをいたしたいと思います。
○高村国務大臣 ペリー北朝鮮政策調整官は、今般の訪朝において、合意された枠組みを含む既存の米朝間の関係を維持することを確認するとともに、同調整官が検討中の包括的統合されたアプローチの基本的な方向性を説明したものと承知をしております。
 この中には、日本が特に関心のあるミサイルとか拉致の問題、そういったことも含まれていたと承知をしております。
 この考え方に対して、現時点までに、北朝鮮側より確定的な回答は得られていないということであります。
 先ほど委員がおっしゃった、日米韓緊密な連絡と言ったって国益も違うじゃないか、それはそのとおりなわけでございます。私が金大中大統領にお会いしたときも、あるいはペリー調整官にお会いしたときも申し上げたのは、緊密に連絡をとり合って整合性のある政策をとらなければいけない、ただ、それは国益というよりも国民感情が特に違う点が多いので、全く同じ政策をとる必要はない、こう申し上げました。金大中大統領もペリー調整官も、それはまことにもっともである、全く同じ政策をとる必要はないんだ、これは当たり前のことでありますが、そういうような了解になっているわけでございます。
 私がペリー調整官と一番最初にお目にかかったときは、ペリー調整官は日本だとか韓国の意見を聞きにいらっしゃったということで専ら向こうが聞き役に回ったわけでありますが、そのとき私が申し上げたことは、核開発を阻止するということは非常に大切なことである、ミサイルを発射するという北朝鮮がけしからぬことをやったからといってミサイル開発を野放しにしていいというはずはないので、KEDOとミサイルはこれは別の話であるというアメリカ、韓国の御意見はよくわかる、それはそのとおりである。ただ、現実の問題としてもう一度ミサイルが発射されるようなことになったら、これは日本国民を説得するというのは大変困難なことであって、KEDOに協力もできなくなるかもしれないということで、核とミサイルの話はやはり別々の協議というよりもパッケージにした方がいいのではないかということを私から申し上げました。
 そういったことが今度の、私が言わなくてもそうなったかもしれませんけれども、包括的統合されたアプローチの中に取り入れられている、それから拉致の問題等も取り上げてくれている、こういうことでありますから、非常にありがたいな、私はこう思っているわけであります。いずれにしても、どの程度強くペリー調整官がおっしゃってくださったかというのはそれは定かではありませんが、間違いなく伝えてもらっている。
 今度はペリー調整官自身が交渉するために行くのではなくて、包括的統合されたアプローチを説明するために行くのだ。ですから、まず説明したので、それで、はいわかりましたという国であればこんなにやりやすいことはないわけでありますが、これから時間をかけていろいろ、日米韓一緒になってでも、あるいはそれぞれが北朝鮮と話していかなければいけない。日本政府としても独自の話し合いをいろいろ探っているところでございます。
○中野(寛)委員 ちょっと視点を変えますが、先般私も訪韓をいたしましたときに、金鍾泌国務総理にお会いをいたしましたが、これは彼の持論でもありますが、日本やアメリカがピョンヤンに大使館を開設するというぐらいになれば、いろいろな情報も発信できるしまた情報を収集することもできる、そのくらいの気持ちで取り組んでもらいたい、こういう言い方をしておられました。金泳三大統領のころあたりだったらそんなことは言わなかったと思いますが、これはこれでまた韓国の一つの考え方の変化と言ってもいいのだろうと思います。
 また一方、ワールドカップにつきましても、北朝鮮領内における開催、一、二カ所ならば韓国開催を割愛して譲ってもいいという考え方もある。先般、これまたソウルで韓国側のワールドカップの組織委員長朴世直さんとお会いをした。そのときに、北朝鮮領域での開催を決めるタイムリミットはことしじゅうだ、もしやると決めても、それこそインフラ整備その他などを考えればことしじゅうに決めないと間に合わなくなるだろう、できるだけ早い時期に訪朝してでもというようなことを披瀝されておられました。
 言うならば、北朝鮮に多くの外国人が訪れて、そして北朝鮮の国民の皆さんと接すること、また北朝鮮の国民の皆さんができるだけ多く外国を訪問して外の世界を見ていただくことは大変重要な意味があるというふうに思うのでありますが、これらのことについて、ワールドカップだけではなくて、もちろん先ほど来のことが解決、進んでいかなければ大使館の設置、国交樹立というのはならない話でありますが、こういう基本的なスタンスについてはどうお考えですか。
○高村国務大臣 北朝鮮が国際社会に出るということは非常に大切なことだと思いますし、北朝鮮が国際社会に出るということの中の一つには、北朝鮮に外国の人がたくさん行って、そして北朝鮮の方たちが交わる、一緒に交流するということも非常に大切なことだと思っております。
 KEDOの話に戻りますけれども、例えばKEDOの今のいわゆる基礎的なことをやっている段階においても百人を超える韓国の人たちが行って、北朝鮮の労働者と一緒に働いているということがある。これが現実に軽水炉の建設にかかると今度は千人以上の人たちが行く。主体は韓国の人たちですが、場合によっては日本の人もあるいはアメリカの人もまじるかもしれない。こういう人たちが仕事を通じて交流するということは非常にいいことだ、こういうふうに思っております。
 ただ、ワールドカップということに限って言われますと、私まだ十分検討していないので、いきなり言っていろいろな人に御迷惑をかけるといけませんので、ちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
○中野(寛)委員 これはある意味では韓国と北朝鮮との関係、言うならば、日本開催の場所を減らして譲るということにはなりませんから、これは大臣の御答弁はあえて再度求めようとは思いません。ただ、日本としてもやはりできるだけ協力して、その成功に向かって努力していくことが必要だと思いますから、そのことだけ申し上げておきたいと思います。
 さて、総理が近々訪中をされるということであります。果たして、今訪中をしてどういうことを話をするのか、どういうメリットがあるのか、まだはっきりと見えてきません。行くことに意味があると言われればそれまででありますけれども。例えば、この北朝鮮の問題というのは大変重要な協議の対象になるべきものと私は思います。もちろん、経済問題その他いろいろなあらゆる分野での交流を促進させることが当然目的にはなっていこうかと思いますが、この北朝鮮対策について、そしてまた四者会合の活性化や六者会合の実現に向かっての努力などをやはり中国に対して強く要請をしていくということが重要な意味であろうと思うのであります。
 今主要国の中で、アメリカ、中国、ロシアの関係というのは大変微妙であります。ある意味では、誤爆のことなどを考えると米中間は大変険悪でありますし、またロシアとアメリカの関係もコソボの問題など大変険悪な状況があります。しかし一方、切っても切れない関係もそれぞれの国々が持っているという中で、言うなら一つの緊張感の中で推移している。そういう中で日本が果たす役割というのは、逆に相対的にふえているのではないのか。それを日本が自覚してそう行動するかどうかということに後はかかっているように思います。
 時間の関係でその内容を詳しく申し上げませんけれども、総理の訪中、そして現在の主要三カ国の関係について外務大臣のお考えをお聞きして、終わりたいと思います。
○高村国務大臣 小渕総理の中国さらにはモンゴルへの訪問について、現時点で確定的なことを申し上げられる段階にはありませんが、本年夏を一つの候補として検討を進めているということでございます。
 中国との関係について言えば、昨年の江沢民主席の訪日により、平和と発展のための友好協力パートナーシップをうたった日中共同宣言と共同プレス発表を発出いたしました。これらの中では日中間で毎年交互に首脳往来を行うこととしており、本年の総理訪中を通じ、日中の二国間関係を来世紀に橋渡しするとともに、アジア太平洋地域、ひいては世界の平和と発展に向けてともに行動していきたい、こう考えているわけでございます。
 日米中ロの話でありますが、このそれぞれの関係というのはいわゆるゼロサムではなくてプラスサムの関係にあるというのが我が国の一貫した立場でありますし、日本としても、我が国の国益のみならず、アジア太平洋地域、ひいては世界の平和と繁栄にとって、米中関係がいいということは大変いいことでありますし、米ロ関係がいいということも大変いいことでありますので、日本としても、その点で果たせる役割は果たしていきたい、こういうふうに考えております。
○中野(寛)委員 終わります。
○中馬委員長 続いて、上原康助君。
○上原委員 KEDO問題に入る前に一、二点だけ。先月末、高村外相、訪ロなさいました。この件についてちょっとだけお伺いをさせていただきたいと存じます。
 二〇〇〇年までのロシアとの平和条約締結は国民の長年の期待であり、また強い希望でございます。いろいろいきさつは申し上げませんが、今回の高村外相の訪ロに関するマスコミ等の報道を見る限り、平和条約交渉について、大変御苦労いただいたんですが、成果があったとは言えない気がしてなりません。また、これもロシアの国内情勢もいろいろ絡んでいると思うんですが、エリツィン大統領の訪日についても、十分なお約束、お約束というか日程設定は難しかったというようになっているようであります。さらには、今も申し上げましたが、ロシアの年末の下院選挙、来年の大統領選挙等々国内情勢を考えますと、日ロ間の期待である交渉をこれまで進めてきた領土問題、北方四島の返還問題を含めた平和条約交渉の締結ということは大変難しいのかなという感をぬぐえません。
 そういう意味で、今後の我が国の対ロ外交、あるいは対ロ戦略というか、そういう面は再検討を余儀なくされるのか、あるいはどういう立場で進めていかれようとするのか、今回の訪ロの成果というか結果を踏まえて、外相の率直な御見解と今後の対ロ外交について御見解を賜りたいと存じます。
○高村国務大臣 日本とロシアは地理的にも大変近いところにあるわけで、やはり、ロシアという大国が貧乏で非民主的な国であるよりも民主的で豊かな国であった方が日本の利益にもなる、そのためには、民主化それから改革努力、そういったことは日本は今後とも支援をしていく、これは結局日本の利益にもなることだ、こういうふうに思っております。
 それから、平和条約締結の問題でありますが、平和条約そのものと、それからそのための環境整備、そういった両方を、二つの輪を同時に回していくことが必要だ、こういうふうに思っておりまして、環境整備の問題については、例えば今度の訪ロをしたときに、旧島民による四島自由訪問については大きく前進した、こういうふうに考えております。
 それで、肝心の平和条約、東京宣言に基づいて、東京宣言に基づいてということは、四つの島の帰属をきっちり決めて平和条約を締結するということについては、これはいろいろ難しい条件があるわけでありますが、これは両首脳でそういう方向で解決するということを打ち出しているわけでありますから、何とかそういう方向に向けて、今後の首脳レベルでの交渉に向けて、引き続き粘り強く交渉を進めていく考えでございます。
 それで、首脳同士の会談というのは、今度、ケルン・サミットのときに首脳同士で会っていただく、そして秋を念頭に日本に来ていただく、そういうことでイワノフ外相との間で合意ができましたので、そういったことを進めながら、二〇〇〇年までに北方四島の帰属問題を解決して、平和条約を締結し、両国間の関係を完全に正常化するように、難しければ難しいほど全力を尽くしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○上原委員 日本側というか、日本政府の対ロ外交姿勢としては今大臣お述べのとおりかと思います。ぜひその基本姿勢をしっかり踏まえて、これまでの積み上げてこられた成果を生かしつつ、今世紀中にという、二〇〇〇年という目標が一応あるわけですから、まだまだ、短くなりつつありますが、期間はありますので、やっていただきたいということを申し上げておきます。
 それともう一つ、今も既にお述べになったわけですが、今回の外相の訪ロで四島への旧島民の自由訪問というものがようやく合意に達したということは、私は、今御回答ありましたように、大きな成果だと評価をいたします。
 そこで、関係者の気持ちはもちろんですが、これは一日も早い実施を望んでおられると思うんですね。報道によりますと、日本政府は今年の夏にも訪問を開始したい意向のようでありますが、その見通しと、合意はしたけれども、相手はいろいろ、環境整備の受け入れ問題があるかもしれませんので、自由訪問となりますと。ロシア側の意向はどうだったのか、今夏からの実現は可能なのかどうか。この点について、もう少しはっきりしたお答えがあればお聞かせください。
○高村国務大臣 夏にも第一陣に訪問していただく方向で努力をするということになったわけでございます。ロシア側が一〇〇%ということで確約したわけではありません。しかし、そういう努力をするということを私たちがマスコミに発表する、それで結構でございます、こういうことになったわけでございます。
○上原委員 夏といっても、もう既に六月に入っておりますし、来月いっぱい、七月あるいは八月のごく上旬ということになると思いますので、ぜひ今度の夏から実現するように、一層の御努力を強く要望しておきたいと存じます。
 そこで、KEDOに対する資金供出協定と言わせていただきますが、これについてお尋ねをしたいと思います。今中野先生からもいろいろお尋ねがありましたが、もう少し確認をする意味で、政府のお考えを聞かせていただきたいと存じます。
 議論すれば、いろいろたくさんお尋ねしたいこともあるんですが、限られておりますので、まず本協定にかかわる条約上の問題点として、北朝鮮に対する軽水炉供与を行う意義。核開発をやめさせる、あるいは核疑惑査察、国際舞台への朝鮮民主主義人民共和国、北朝鮮の参加、北東アジアにおける平和、安定等々いろいろあると思うんですが、これだけ多額の資金を投入して日本側が協力をしなければいかない軽水炉供与を行う意義について、どうお考えになっているかということが一つです。
 二点目は、我が国が十億ドル相当、円換算で一千百六十五億円ですか、このことについても利子補給を行うという理由。後でお尋ねしますが、ある面では譲与、譲渡的なものになりかねないような感じもするわけですが、まずこの二点。
 ついでにもう一つ、三つお尋ねしましょう。この軽水炉プロジェクトの果たして完成する見通しは立つのかどうか。こういうことについてはどういう御認識を持っておられるのか、それぞれお答えをいただきたいと存じます。
○高村国務大臣 KEDOに資金を拠出する意義ということでございますが、これは、北朝鮮の核開発を阻止する、副次的にいろいろなことはあるかもしれませんが、第一の目的は北朝鮮の核開発を阻止するということであります。
 北朝鮮は、米朝枠組み合意に基づいて、KEDOプロセスが進展していく過程でIAEA査察協定を完全履行する義務を負っております。また、KEDOが北朝鮮に軽水炉を供与するのに対し、北朝鮮は黒鉛減速炉を凍結、解体することとなっております。このことからも、KEDOは北朝鮮の核開発を阻止するための最も現実的かつ効果的な枠組みであり、本協定の締結によって我が国からKEDOへの軽水炉プロジェクト実施のための資金供与の枠組みが確立されることは、我が国の安全保障及び北東アジア地域の平和と安定に資することが期待されるわけであります。
 あとの二点について、ちょっと政府委員から答えさせます。
○阿南政府委員 利子補給についてのお尋ねが一つございましたが、これは、北朝鮮とKEDOとの間の取り決めでは、北朝鮮は軽水炉二基の建設に要する費用を長期、無利子で返済するということになっております。
 したがいまして、輸銀からのKEDOへの資金供与というのは輸銀の通常の貸し付けでございますので、これは利子を伴うものである。北朝鮮が利子を払わない部分を日本政府が一般会計からKEDOに贈与するという形で補てんをし、KEDOが利子を輸銀に払う、こういう仕組みでございます。
 それから、この軽水炉二基が完成するめどが立っているのかという御質問でございましたが、北朝鮮の中のことは不確定な要素が多いということは前提としてございますけれども、KEDOのこれまでの事業、そして、北朝鮮側もこの事業に大変期待をし、実務的に対応してきております。北朝鮮は、原子力総局という役所の中に軽水炉対象事業局というこの事業のための局をつくって対応しているわけでございますが、北朝鮮側も実務的かついろいろな取り決めに当たっては柔軟な対応をしてきております。
 今までのところ一番の隘路になっておりましたのは、この建設用の資金が韓国、日本等から供給されるかどうかということでございましたので、これが、今回国会の御承認を得て輸銀とKEDOとの間で貸付契約ができて日本から資金が出始める、韓国からも資金が出始めますと、本体の工事が始まります。
 そういうことで、双方がこれについて前向きに対応する、特に北朝鮮はこの軽水炉二基の建設完成に大きな期待を持っておりますので、不測の事態が起きない限りは完成ができる、そういうふうに私どもは考えているわけでございます。
○上原委員 そこで、外務大臣のお答えですが、私もそのことを大変重要視しますし、また期待をしております。北朝鮮の核開発を阻止するために米朝枠組みの合意ができて、それを踏まえて、日米韓、さらにはKEDOプロジェクトの開発機構をつくって、この協定もこのように審議に至っているわけです。
 もう一度お尋ねさせていただきますが、このKEDOプロジェクトを着実に推進することによって、北朝鮮の核開発は完全に阻止できる、阻むことができるという確信のもとに日本政府は立っている、また、それを実効あらしめることを対北朝鮮政策の基本として推進していく立場にある、こういうふうに理解してよろしいかどうか、もう一度外相の見解をお伺いします。
○高村国務大臣 これさえやれば絶対に大丈夫だとか一〇〇%安全だとかいうことは、なかなか言いにくいわけでありますが、その絶対安全に少しでも近づけるように、日米韓で協力しながらそういう方向にしていきたい。いわゆる核疑惑というのは完全に払拭されたわけではない。そういう疑惑を払拭するためにも、アメリカの努力を支持して、日本政府としてもやることがあればやっていく。これはかなり長い期間のプロジェクトでありますが、そういう中でも、日本政府としては少しでも一〇〇%安全という形に近づくための努力は今後とも続けていきたい、こう思っております。
○上原委員 もちろん、それはそうでしょう。いろいろ複合的なことがありますし、軽水炉プロジェクトが完結というか成功すれば核開発は絶対やらぬということに、確証を取りつけるというのは容易でないと思うのですが、しかしそれはぜひ実現させるという前提でないとなかなかいかないと思いますね。
 そこで、今のことと関連しますので、もう少しこの資金供与の内容についてもお尋ねしたいわけです。先ほどもお尋ねがありましたが、昨年八月のテポドンの我が国上空を飛び越えて発射したということが大きな要因になって、日本政府は対北朝鮮の外交交渉その他、外交交渉というか国交回復のための話し合い、あるいはKEDOへの支援、協力等々を停止するということがあったわけで、十月二十一日に方針を改めたのはタイミングとしてよかったという先ほどの御答弁でした。
 その是非はともかくとして、今のこととも関連するのですが、では、もし再び北朝鮮がテポドンの二号を打ち上げるとか、日本に対して事前予告もない、何にもない、ただ国内問題だということでそのような行為があったとか、またせんだっての不審船の問題等々、要するに日本側の対話と抑止のメッセージに対して前向きの回答があったという理解で、今度はこういうことに方針変換というか、再び対北朝鮮政策を柔軟対応していこうということだと思うのですが、もし再びそういう事態が起きたとする場合に、あると仮定した場合には日本政府はどうなさるのですか。仮定のことだから言えないということかもしれませんが、やはりこの点は聞きたい点ですね。
○高村国務大臣 委員としては当然お聞きになりたいところだと思いますが、こうしたらこうするという形で外交の手を縛るということはなかなか難しいことだ、こういうふうに思っております。
 基本的に、核開発を阻止するための最も現実的で有効的な手段である。だから、純論理的に言うと、北朝鮮がミサイル発射というけしからぬことをやったから核開発を野放しにしてしまっていいのかという話にもなる。だけれども、日本国民の感情というのはそう簡単なものではない。そういう中で、こうこうこういうふうにいたしますと今申し上げることは非常に困難だということはおわかりいただきたい、こう思います。
 ただ、日米間で、具体的に北朝鮮が今にも第二発目を撃つようなときになったら、それを阻止するに足るような具体的な警告をすることを一緒に考えようではないか、そしてそれにもかかわらず発射された場合には、一緒に何かをその警告に従ってやろうではないか、まだ確定的にでき上がっているわけではありませんが、そういう話はあるわけでございます。
○上原委員 そこの点は、一貫性がないんじゃないかという強い御指摘も与党内にさえあるという報道もありますので、やはりもっと確たる姿勢をお持ちになるべきだと思うのですね。
 私は、あくまで対話と協調というか、抑止も含めて、対北朝鮮政策、北東アジアの平和と安定を図る努力をなさることは結構だと思うのですが、やはり国民の立場から見て、我が方の誠意を持った対話とメッセージに対しては、それなりにこたえてもらう、こういうこともぜひ強くメッセージとして北朝鮮に投げていただきたい、やっていただきたい、このことを強く求めておきたいと存じます。
 そこで、もう一つ、この軽水炉建設に関する経費分担なんですが、韓国が七割、四十六億ドルの七割を負担するというのは、先ほども御指摘がありましたが、それはそれなりに理解ができます。日本側の十億ドル相当の円貨というのがどういうことでこうなったかは、いろいろあるようですが、細かいことは聞きません。
 問題は、その残りの分は一体どうするのかということなんですね。その手当てにつき主導的な立場を米国は発揮する、こうなっているわけですが、軽水炉完成までの代替エネルギーとして毎年五十万トンの重油を供給するということで米国はKEDOへの資金拠出というのは渋っている、渋っているというか、やらない方針じゃないかという見方もあるようでございます。
 そこで、こういうことについては政府はどうお考えなのか。約四十三億ドルは日韓で負担する、大まかに言いますとね。残った三億はどういうふうにするのか。EUあたりがもちろん幾らか拠出するということになっているようですが、この点はどうなのかということ。
 もう一点大事なことは、果たして日本側が資金供与をする十億ドルは返還の可能性があるかどうかということ。これについても、ぜひ方針というか考えを聞かせていただきたい、これが二点目ですね。
 もう一点、四十六億ドルのプロジェクト計画で達成できない場合に新たな追加要求というものも出てくる可能性があるのかどうか。こういうことについても、ひとつどのような御認識を持っておられるのか、またこういうことについて日米韓でお話をなさったことがあるのかどうか、またKEDO機構の中では議論されたことがあるのかどうか、お聞かせを願いたいと存じます。
○高村国務大臣 日韓の資金供与を合計しても経費見積もりに対する不足額があるわけでありますが、昨年十月のKEDO理事会決議におきまして、我が国が行う千百六十五億円の資金供与は現行の経費見積もりのもとにおける最大限の貢献であるとされておりまして、不足額については、本件プロジェクトは長期にわたるものであり、引き続き米国を中心とした理事会メンバーが資金調達に努力することとなっているわけであります。本協定上、日本輸出入銀行が千百六十五億円を超えた額の貸し付けを行うことは想定されていないわけであります。
 それから、日本輸出入銀行がKEDOに対して行う貸し付けは、原則として、北朝鮮からKEDOへの軽水炉建設費用の返済を原資として償還されることになるわけでございます。九五年に締結された軽水炉に関する供給取り決めにおいて、北朝鮮はKEDOに対して費用の返済を法的に約束しているわけでございます。本協定の第五条において、KEDOは輸銀への返済を確実にする旨、我が国政府に対して約束をしております。これらの点等にかんがみ、輸銀のKEDOに対する債権は償還されるものと期待をしているわけでございます。
○上原委員 期待をされているものと思われますというのは何かちょっと心細いですね。それでは国民は、これだけのお金を今どき拠出、支出することにどういう考えを持つのでしょうかね。
 それと、これ以上の追加支出は想定されていない。それはもちろんいろいろ御議論の上でこうなったわけでしょうから、今言えないかもしれませんが、どうも十年計画あるいは二基となると、それ以上かかる可能性は十分あると思うのですね。二つの軽水炉をこれだけの金と期間をかけてやる。また、国際社会の変化あるいは経済上の変化等々を考えると、必ずしも計画どおり運ばないというのが常であります。
 もし、そういうショートが生ずるとか、あるいはこのKEDOプロジェクト計画を大きくというか相当程度変更せねばならない、修正しなければならないというような事態が生じたという場合は、当然私は、改めて国会に諮るとか、国会の承認を得るとか、協定の修正というか、新たな協定改定を提出するとか、そういう手順はとってしかるべきだと思うのですが、そういう場合はどういうお考えで対処していかれようとするのか。これも重要な点だと私たちは認識をしておりますので、ひとつ御見解を聞かせてください。
○小松政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま大臣から御答弁申し上げましたとおり、今現在御承認をお願いしております協定においては、拠出が想定されております金額は十億ドル相当の円貨であるわけでございまして、これを仮に超えて資金の拠出をするというような場合には、当然、現在の協定の枠組みの中ではできないわけでございますので、この場合にこの協定の改正というものが必要になるという事態は考えられるわけでございまして、その場合には、国会の御承認をいただいて締結した条約をまた改正をするということでございますので、当然ながら、国会の御承認が必要になると考えております。
○上原委員 その点はそうならないことを期待いたしますが、万一というかもしの場合には、当然今御答弁のことを私たちも留意をしておきたいと思います。
 それで、いろいろあるのですが、あと、包括的、統一的対応ということがよく言われております。せんだって、アメリカのペリー政策調整官が訪朝なさったときに、外務大臣が事前にペリー調整官にお会いをして、日本側の意向というものを北朝鮮側に伝えるメッセージを託した、こういう報道もなされております。託したならば、どういう内容をメッセージとしてペリー前国防長官にお頼みしたのか。また、それに対する相手側の反応とかあるいは何らかのメッセージがあったのかどうか。こういう点についてお答えいただければありがたいと存じます。
○高村国務大臣 私が直に託したということではありませんが、基本的にペリー調整官の包括的かつ統合されたアプローチを日本も支持しております、それから韓国は韓国で、韓国も支持しております、こういうメッセージだと思っていただければ結構です。私が何か書面を書いて渡したとか、私が何か何項目か言ったという話ではないわけでございます。
○上原委員 それは、大臣のお立場は、それならそれでそうかと。マスコミ報道と若干違うような感じがします。
 それでは、私の方からもう少し具体的にお尋ねします。この包括的かつ統合されたアプローチということについては、確かにアメリカはアメリカなりに軽水炉プロジェクト、いわゆる九四年の米朝枠組みが土台ですよね、基礎ですよね、それからいろいろ進める。韓国は韓国の包容政策、太陽政策というのがある。日本は日本の立場がある。これは当然それぞれの主権国家ですから。
 そうしますと、この中に、日本人拉致疑惑問題とか、先ほど来議論をしてまいりましたミサイル開発問題、あるいは最近の不審船領海侵入問題等々は、日本側としては、こういうことも包括的な課題として日朝間の解決を図りたい。アメリカも韓国も、そういうことは了解の上で、包括的、統一的アプローチをやっていこうという立場に立っているのか。これは日本側の要望であって、韓国、アメリカは、そういうことは理解はするけれども、それは包括的なパッケージとしての解決すべき課題という認識ではないのかどうか。そこいらはどうなのですか。
○高村国務大臣 核とかミサイルとか、あるいは人道問題ということで拉致の問題はくくれると思いますが、そういったことは国際社会全体の懸念でありますから、そういったものを包括的に一遍にテーブルの上にのせて、個別ではなくて協議をする、こういうふうに理解をしております。
○上原委員 ですから、ペリー政策調整官には、今私が具体的に指摘をしたようなことも、日本側としての包括的アプローチの中に含めてもらいたいというようなことは入っているのかいないかということを率直にお尋ねさせていただいているのです。
○高村国務大臣 ですから、核の問題、ミサイルの問題、そして拉致の問題は入っているということを申し上げたわけです。
○上原委員 これはお尋ねするまでもないかもしれませんが、そういうものが全部日本側が納得する線で合意しなければ、日朝の国交正常化交渉であるとか、外交、政府レベルの対話というものを進めないということでもない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○高村国務大臣 先日も参議院の外交・防衛委員会で、入り口論か出口論か、こう聞かれたわけですが、やはり私たちは話し合いの中で解決すべきものを解決していきたい。もちろん、入り口で解決してくれればそれにこしたことはないわけですが、全部解決しなければ話し合いもしないなどというかたくなな態度をとるつもりはない、こういうことでございます。
○上原委員 ぜひ、もちろん基本的な課題というものはそれぞれ重要ですから、一日も早く解決するように、また、国民側も期待する方向で了解、相互に理解するような外交姿勢が必要ですが、さりとて、みんな横一線にあるわけじゃありませんので、解決しやすいもの、相手がまた受け入れやすい点、やすいというか、受け入れるというか、対話の条件としてテーブルにのりやすいもの等あると思いますので、積極的な対朝外交というものを進めて、この諸課題が前進することを期待いたしております。
 もう一点、これは日朝間も非常に重要ですし、同時にまた日中間の問題も非常に大切であることは言うまでもございません。私は、日米主軸の外交ということもわからぬわけではありませんが、やはり日本がアジア、北東アジアの平和と安定ということを考えた場合に、日中、日朝間の友好関係というのはより重要な分野も多いと思うのですね。
 そこで、日中の関係をより友好、そしていろいろなことを解決していく上で大事なことは、相互の理解と協力というものが必要だと思うのですが、私は沖縄県でもありますので、最近の尖閣諸島周辺海域のいわゆる中国海洋調査船の活動等について、大変関心が持たれる話題になっております。
 いろいろお尋ねしたいわけですが、一連の海洋法の問題に関する日中協議であるとか、あるいは、日本の排他的経済水域内において中国海洋調査船の調査活動がなされておるという報道等について、日本政府はどういうふうにこれを受けとめて、また、今後これが日中間の政治問題あるいは外交問題に発展しないような協議というか話し合いというものをおやりになろうとしているのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
○高村国務大臣 尖閣諸島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも、国際法上も疑いないところでありまして、現に我が国は、これを有効に支配をしているわけであります。
 このような事実を踏まえて、中国漁船が我が国領域内で違法な操業を行うことがないよう対処してまいる所存でありまして、必要に応じて外交ルートを通じた働きかけも行ってまいりたいと考えております。
○上原委員 ぜひ、そういうお立場で、ひとつ御努力を願いたい。
 そうしますと、海洋法の問題に関する日中協議が、何か日本側の提案に対して相手の御日程の都合ということで、まだ開催のめどがついていないということですが、今度のこと等も御念頭に置いてこういう協議をするという御予定もあるのかどうか、そこも、もしありましたらお聞かせください。
○阿南政府委員 先生がおっしゃいましたように、この協議を日中間でやるということで日程を調整しておりまして、既にこういう協議は日中間で行われております。排他的経済水域のいわゆる線引きというものが日中間でまだできておりませんので、そのことが先ほどお尋ねの海洋調査船等の問題でも根っこにあるわけでございますけれども、この協議、日程を今調整しているところでございます。日本側はなるべく早くやろうと、向こう、中国側も基本的に早期開催に異存はないと。調整をしているところでございます。
○上原委員 余り波が荒くならないような方向で、ひとつ御努力を要望しておきます。
 最後に、あと一、二分ぐらいありますので、泡瀬通信所の返還問題、これは時間がありませんから、なかなかうまく沖縄市や沖縄側の要望のとおり返還に応じないようでありますが、最近、米側は共同使用、いわゆる米軍側が最終案として、同水域、泡瀬通信施設の保安水域の共同使用を提案してきたという報道もなされておるわけですが、具体的にどうなっているのか、めどはいつごろ立つのか、ひとつお答えを願いたいと存じます。
○宝槻政府委員 施設庁の方からお答えさせていただきます。
 泡瀬通信施設の保安水域の一部返還問題でございますが、これにつきましては、沖縄市の開発計画を推進する上でも大変重要であると考えております。他方でこの泡瀬の通信施設の円滑な運用も確保しつつ、この地元沖縄市の要望が満たされるよう鋭意、調整、返還交渉につきまして努力を行ってきているところでございます。
 先生御指摘の一部の報道も承知をしておりますが、この返還交渉につきましては、私ども、最大限の努力を今払っているところでございます。具体的な見通しについて、現時点で確定的なことについてお答えできない状況にあるわけでございますが、私どもとしては、これは今後、さらにぎりぎりの折衝努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○上原委員 もう時間ですから終わりますが、外務大臣、これは三月いっぱいにめどをつけるということを、つけたいということを、私が予算委員会でも取り上げ、たしか外務大臣も防衛庁長官もそういうお答えがあったと思うのです。今、事務当局は、政府委員はそういう御答弁ですが、これは急を要する課題でありますので、ひとつ、外務大臣としてもぜひ、返還問題は重要な外交案件でもありますので、防衛庁長官とも御相談をして、早目に解決するように御努力願いたいのですが、いかがでしょうか。
○高村国務大臣 委員の御指摘も踏まえまして、精いっぱい努力をいたします。
○上原委員 ありがとうございました。終わります。
○中馬委員長 次に、河野太郎君。
○河野(太)委員 自由民主党の河野太郎でございます。
 このKEDOのもとになりましたアグリードフレームワーク、合意された枠組みというのがございますけれども、この合意された枠組みに合意をされたガルーチ大使が、実は私の母校の、私の出身学部の学部長に就任をされまして、たびたび、日本にいらっしゃるときに、KEDOの話、その他いろいろと話を伺ったりしております。
 いろいろな方のお話を伺うと、このKEDOというのは、先ほど大臣の答弁にもありましたように、核の問題であるというところでは大勢の方の認識がほぼ一致するわけでございますけれども、これまでに北朝鮮が、今までの黒鉛減衰炉を初めとして、どれだけの量の核兵器に必要な、核兵器をつくるための核物質を抽出して今持っていると外務省は考えているのか。それによってどの程度の質、あるいはどの程度の量の核兵器を北朝鮮は今持っている、あるいは製造することが可能だというふうに外務省、外務大臣はお考えなのか。あるとすれば、核弾頭は幾つぐらいあるという想定で外務省は動かれているのか。まず、そこの基本的なところをお伺いしたいと思います。
○高村国務大臣 北朝鮮が核物質をこれまでどれだけ抽出したかということは、よくわからないというのが事実であります。過去のIAEAとの保障措置協定に基づく特定査察の結果、北朝鮮が抽出したと申告した以上の分量のプルトニウムが存在する可能性が指摘されたわけであります。これを受けて、北朝鮮がIAEAに対して行った報告の正確性と完全性を検認するためのさらなる特別査察の実施をIAEAが要求したのに対し、北朝鮮が拒否したため検認ができなかったからであります。
 その後、米朝間の合意された枠組みが作成され、それがKEDOによる軽水炉プロジェクトにより実施されているわけでございます。今後、北朝鮮は合意された枠組みに従ってIAEAとの保障措置協定を完全に履行することになっているわけでありますが、その過程において、北朝鮮の核疑惑が、今委員が質問されたようなことを含めて解明されることを強く期待しているわけでございます。
○河野(太)委員 ちまたのいろいろな報告書によりますと、北朝鮮が既に数個の核兵器あるいは核兵器をつくるために必要な材料を持っているというようなレポート等が存在しますが、今の大臣の御答弁を伺いますと、それは当たらずとも遠からず、そう考えてよろしいのでしょうか。
○高村国務大臣 最初お答えしたように、よくわからない。よくわからない上で、核兵器を数個つくるだけのプルトニウムが抽出された可能性がある、そしてそれに基づいてつくった可能性があるというようなことだろうと思いますが、正確にはよくわからない、こういうことでございます。
○河野(太)委員 恐らく、正確なことは今後の検証その他でわかるか、あるいはわからないかということなんだろうと思いますが、大臣のおっしゃるように、そういう可能性があるのであれば、既に北朝鮮はテポドンというミサイルを発射していることでもございますし、北朝鮮が核弾頭をミサイルに積んで発射をする、あるいは威嚇をする、そういう可能性があるのではないかと思います。
 今後、北朝鮮の核ミサイルあるいは北朝鮮が核弾頭を積んだテポドン、これに対する抑止としては、日本はどのような戦略でこれに対処していくお考えでしょうか。
○高村国務大臣 北朝鮮の核兵器開発疑惑やミサイル開発問題は、国際的な懸念であるとともに、我が国自身が直面する安全保障上の重大な懸念であるわけでございます。
 核兵器開発問題につきましては、米朝間の合意された枠組みを踏まえ、KEDOの活動を進めることにより対処するのが最も現実的かつ効果的であると認識をしております。そのような観点から、我が国政府は今般、KEDOへの資金拠出に関する協定を国会に提出しているわけでございます。
 また、地下核施設疑惑問題については、今般の米国による金倉里の施設への訪問に見られるような、この疑惑を解消するための努力を支持しているわけであります。
 ミサイル問題については、我が国政府としては、米韓等と緊密に連携しつつ、北朝鮮に対し、開発、発射、配備、輸出を含むミサイル活動全般を中止するよう、さまざまな機会をとらえて粘り強く働きかけているわけであります。北朝鮮によるミサイル技術の取得を阻止するための輸出管理の厳格な運用を行うとともに、北朝鮮のミサイルの輸出先と考えられる国に対して、外交的な働きかけを強化する等の努力を行っております。
 我が国としては、このような対応をとるとともに、不測の事態に備え、安全保障の備えを確固たるものとする努力を傾注していく考えでございます。節度ある防衛力の整備あるいは日米安全保障条約の信頼性を高める、そういったことでありますが、抑止力の方は基本的には防衛庁の所管かなと思いますが、全体的な形で、いやしくも日本が核ミサイル攻撃をされないように外交努力もしてまいりたい、こう考えております。
○河野(太)委員 そうしますと、北朝鮮が核ミサイルを配備することがないような外交努力を続けていく、これはもちろんのことでございますが、そうはいっても、正確性は恐らくかなり低いとは思われますが、ミサイルを既に持っている、そして核弾頭を持っている可能性がある。
 となりますと、冷戦時代の常識かもわかりませんが、核ミサイルに対しては核ミサイルを、そういう抑止の理論によって核の引き金を防ぐというのが一般的な考えであったのではないかと思いますが、北朝鮮の核に対して、米国の核兵器によってこれを防ぐ、そういう抑止の理論に日本は入っているんだ、そう考えてもよろしいのでしょうか。それとも、北朝鮮の核については、別な理屈で日本政府は動いているのでしょうか。
○高村国務大臣 我が国の安全保障一般について述べますと、冷戦後も国際社会に種々の不安定要因が存在しておりまして、大量破壊兵器の拡散の危険も増大する中、我が国としては、米国との安保条約を堅持し、米国が有する核戦力と通常戦力の総和としての抑止力のもとで、自国の安全を確保する必要があると考えております。
 他方、北朝鮮の核兵器開発問題については、米朝間の合意された枠組みを踏まえ、KEDOの活動を進めることにより対処するのが最も現実的かつ効果的であると認識をしております。そのような観点から、我が国政府は今般、KEDOへの資金拠出に関する協定を国会に提出した次第でございます。
 また、地下核施設疑惑問題については、今般の米国による金倉里の施設への訪問に見られるような、疑惑を解消するための努力を支持してきているわけでございます。
 どれか一つというのじゃなくて、いろいろな角度から日本の平和と安全を確保していかなければいけない、こういうふうに考えております。
○河野(太)委員 その前に、政務次官お見えでございますので、大臣、必要なときにはどうぞ、お立ちいただいて結構でございます。そこのところの割り振りはよろしくお願い申し上げます。
 防衛大綱その他含めましても、我が国は米国の核の傘の中にあるというようなことがございますが、そうしますと、北朝鮮の核ミサイルに対して、核を使わずに通常兵器をもって抑止する、もちろん自衛隊に米軍を加えた通常兵器でもってこの北朝鮮の核を抑止することは可能なのでしょうか。
○阿南政府委員 先生の御質問の前提として、既に核兵器を持っている、そして、これが相当の技術水準にあるミサイルと一体となって、核ミサイル戦力として我が方の脅威になるという御議論でございますが、現在の段階で、我が方の軍事力という観点からの抑止の考え方は、先ほど外務大臣が御答弁になりましたように、安保条約の中で、米国が有する核戦力と通常戦力の総和としての抑止力でこれを守っていく。
 ただ、先ほど大臣も核兵器の開発という事実までははっきりは確認していないという趣旨の御答弁をされましたが、私どもの知っている限りでは、先生御案内のように、北朝鮮は五メガワットの黒鉛減速炉の実験炉を持っていたわけでございますね。そういうものから恐らくプルトニウムを抽出していたのではないか、その可能性は排除できない。もしそうだとすると、五年間ぐらいを考えるとこのくらいの量のプルトニウムになっていたのではないか。そうするとこのくらいの核爆弾が理論的にはできるというようなことから、一説によれば、二つ、三つあるのではないかというようなことでございますが、いずれにいたしましても、北朝鮮が実際に核爆弾を有しているということについての確たる情報、そういう認識はないわけでございます。
○河野(太)委員 済みません。質問に答えていただきたいのですが、これは政府提案の条約でございますから、お答えがなければ私は反対をいたします。
 二つ、三つの核弾頭がある可能性がある。そして、ミサイルが現に発射されて、ミサイルを持っている。その確度は極めて低いかもしれません。そういう状況で、北朝鮮が持っている可能性がある核に対して通常兵器だけで抑止理論が成り立つのかどうか、外務省はどうお考えになっているのかという質問でございますので、正確にお答えいただきたいと思います。
○阿部説明員 お答え申し上げます。
 きのう、ちょうど夜やっていましたNHKの核問題に関する番組で、アメリカの識者だったと思いますが、抑止力の専門家ですが、抑止力というのは結局相手側の心の中にあるということをおっしゃっていました。つまり、核兵器なりを持っている人が、自分はこれを使うことによって勝てる、あるいは有利に立てるというふうに考えれば使うかもしれませんが、使うことによってかえって不利になる、あるいは自分が滅ぼされると思えば使わないということでございまして、その意味におきまして、ただいまの先生の御質問につきましては、核兵器によらず、極めて限られた例でございますけれども、通常兵器によっても抑止力はあり得る。
 例えば、現在の北の場合において仮に理論的に二、三発の核があったとしましても、それを例えば米国に使いましても米国に与えられる被害は限られております。それに対して米国が通常兵器によって決定的な反撃をするということになれば北朝鮮は使わないことはあり得るわけでございます。
 同じような議論は実は湾岸戦争のときにありまして、イラクが化学兵器、生物兵器を持っているということが非常に強く疑われていたわけでございますが、これに対してアメリカは何を使うかということははっきり言わずに決定的な反撃をするであろうという警告をしまして、一般に言われていますのは、その結果もあってイラクは生物化学兵器を使わなかったということがございます。
 したがって、この場合においても、アメリカは核を使うという明示的なことは言わずに抑止を働かせたという分析ができるかと思いますが、そのような非常に限られた場合におきましては、核を使わず抑止力を働かせるということは理論的には考えられるということであろうと思います。
○河野(太)委員 済みません。今の答弁は、米国には決定的なダメージは与えられないかもしれませんが、テポドンをもって、核兵器があれば、東京には決定的なダメージが来るわけでございます。その場合の抑止力をお尋ねしているわけでございまして、その場合には今おっしゃったのと同じことが成り立つのでしょうか。
○阿部説明員 日本に対しましては、この点は、日米安保条約の信頼性を維持するということによって、米国の日本に対する防衛約束、それが、米国はあらゆる手段を使って日本を防衛するということを言っております。何を使うということは特定はしておりませんけれども、それによって日本に対する攻撃に対しても抑止力が維持される、このように解釈しております。
○河野(太)委員 日米安保条約の信頼性の問題になるのかもわかりませんが、アグリードフレームワーク、合意された枠組みの中に、米国は、北朝鮮に対して、米国が核兵器で威嚇したり核兵器の使用をしないことを公式に保証するという一節がございます。そうしますと、このアグリードフレームワークに基づいたKEDOでございますから、米国は北朝鮮に対して核兵器を使用しないことを公式に保証するわけでございますね。そうすると、日米安保条約で、あらゆる核兵器とあらゆる通常兵器と言っていても、米国は北朝鮮に対して核兵器を使用しないということを公式に保証すれば、使用できないのではないでしょうか。
○阿南政府委員 今の御指摘の点でございますが、これは合意された枠組み、アグリードフレームワークをごらんになりますと、いろいろこれから米朝間で関係を進めていく段取りが書いてございます。外交関係、事務所をつくるというようなことまでですね。これは、一つ一つのKEDOのプロジェクトが行われ、そして核疑惑が解消し、そういう前提の中で今後こういう道筋でやっていこうということを言っているわけで、私どもは現段階で、今先生がおっしゃったような保証を与えたというふうには考えておりません。
○河野(太)委員 それでは、北朝鮮は核を持っている疑惑があるということでございますが、生物兵器、化学兵器についてはいかがでございますか。
○阿南政府委員 北朝鮮が生物兵器、化学兵器を保有しているという情報には接しております。詳しい実態については必ずしも明らかにはしておりません。我が国は北朝鮮によるこうした大量破壊兵器の開発活動を懸念しております。北朝鮮がこうした懸念を解消する行動をとるよう、米韓両国とも緊密に連携して、これからのいろいろな包括的な交渉の中でそういう北朝鮮側の自制を求めていくという方針でございます。
○河野(太)委員 それでは、アグリードフレームワークの中に生物兵器、化学兵器について何か書かれておりますでしょうか。
○阿南政府委員 アグリードフレームワークの中には生物化学兵器についての言及はございません。
 御答弁がおくれて申しわけございませんでした。
○河野(太)委員 米国の核戦略の中に、米国が核の先制不使用を行わない理由の一つとして、核兵器のみならず生物兵器、化学兵器の問題が含まれていたと思います。生物兵器あるいは化学兵器で攻撃をされることを抑止するために米国は核の先制不使用を行わないのだという理屈があったと思うのです。そうしますと、北朝鮮の場合には、北朝鮮が生物兵器、化学兵器を持っている可能性がある、恐らく持っているであろうという状況において、米国は北朝鮮に対し核先制不使用を宣言するのと同じ効果をもたらすのがこのアグリードフレームワークということになります。そうしますと、このアグリードフレームワーク自体は米国の核戦略と矛盾しているのではありませんか。
○阿南政府委員 このアグリードフレームワークはまさに北朝鮮の核開発に向けて、その対応としてできたものでございますので、そういうコンテクストの中で、先ほど御説明いたしましたようなこういう手順で事が進んでいけばアメリカとしてはこういう方針で臨むということを書いてございます。先生が指摘されました生物化学兵器の問題ということは確かにあると思いますが、このアグリードフレームワークの中ではその問題について手当てがされていないというふうに考えます。
○河野(太)委員 そうしますと、外務省のお考えをお伺いしたいのですが、アメリカが核先制不使用を行わない理由として、生物兵器、化学兵器に対する抑止と言っているけれども、これは必ずしも一〇〇%そういう必要性はないということですね。北朝鮮は、アグリードフレームワークが実現して進行していっても、BC兵器は手元に持っている可能性がある。その場合においても、アメリカは核の先制不使用ということを宣言するわけでございますから、アメリカの言っている戦略がやや矛盾しているということは、外務省もそう考えている、そういうことでよろしゅうございますか。
○阿南政府委員 私どもが一概にアメリカの戦略が矛盾しているという判断をすることはできませんが、先ほど申し上げましたのは、あの北朝鮮の核疑惑というものに対応したときの、その中から出てきたアグリードフレームワークの中には、そのスコープの中には先生が御指摘の生物化学兵器という問題は取り上げられていなかったということを申し上げたわけでございます。
 アメリカは、核兵器等の大量破壊兵器を含む多大な軍事力が存在している現実の国際社会ではという、そういう認識だと思いますので、アメリカとして、生物化学兵器というものが核兵器等の大量破壊兵器の中に含まれているかどうかという有権的解釈は私どもはできませんが、アメリカが核先制不使用宣言をしないでいるということの中にはそういうことも含まれていると思うのでございます。
 先生の今御質問の、外務省として、アメリカの戦略はその点では矛盾していると考えているのかということについては、今にわかに断定的に申し上げることはできませんので、御理解いただきたいと思います。
○河野(太)委員 片やBC兵器に対する抑止力で核が必要なんだと言っておいて、片やBC兵器を持っている国に対して核兵器は使わないよと言っていることは、これは矛盾以外の何物でもないではないかと思います。それを矛盾かどうか考えるのに時間が必要だとはとても思えないわけでございますが、そこはいかがかということ。
 それと、結局のところ、日米安保条約であらゆる手段をもって日本を防衛するということになっていても、日本に非常に近い国で、今恐らく最も日本に対して脅威であろうという国に対して、ある一定の条件のもとであっても、アメリカは核兵器を使用しないことを公式に保証する、そういうことを二国間協定で、日本の含まれていない、北朝鮮とアメリカの両国間のアグリードフレームワークでアメリカが一方的に宣言をしている、そういう事実があるということは外務省もお認めになるのでしょうか。
○阿南政府委員 第一点の、矛盾しているか矛盾していないか即座に判断できるはずだということでございますが、何遍も申し上げておりますように、北朝鮮の核開発阻止という角度から出てまいりましたアグリードフレームワークというものと、それではアメリカが生物化学兵器というものをどういうふうに考えているか、そういうこととはおのずから違う側面があると思いますので、私どもは、にわかに矛盾しているとかしていないとか申し上げるのは困難だということを申し上げました。
 申しわけありません、次の御質問、何でございましたでしょうか。
○河野(太)委員 繰り返しますと、要するに、日米安保の中では、日本を守るためにあらゆる手段をとってということを言っているにもかかわらず、日本が入っていない、アメリカと北朝鮮の二国間の合意の中で、米国は、日本が最も今脅威に感じている北朝鮮に対して、ある条件が整えば核兵器の使用をしないことを公式に保証している、そういう事態があった。
 要するに、日米安保があらゆる手段をと言って、日本の外務省がそうおっしゃっていても、実はある分野ではそういうことではないということでございますか。
○阿南政府委員 記載の文章はおっしゃるとおりでございますが、先ほど申し上げましたように、私どもの理解では、何もあの時点でアメリカがそういうことを向こうに約束したというわけではなくて、あくまで、今後事態がこういうふうに進展していく場合にはそういうこともあるんだということを書いた。すなわち、大使級レベルに関係を昇格していこうとか、お互いに事務所をつくろうとか、その時点で将来に向かって進むべき方向を述べたわけでございますので、先ほども申し上げましたが、アメリカがその時点で不使用を約束した、したがって日米安保の義務と極めて矛盾することを北朝鮮には約束したのではないか、そういうことではないというふうに理解をしております。
○河野(太)委員 いずれにしても、アメリカは、日本の含まれていない二国間条約でそういう手を縛ることを言っていることには変わりございませんね。
○阿南政府委員 何度も申し上げますが、アメリカといたしましては、この文書の中で、将来の問題としての意図表明をしたということでございまして、日本と関係ないところで二国間の約束、協定とか条約を結んだということとは違うことだと考えております。
○河野(太)委員 私は、米国が核兵器の使用をしないことを公式に保証するというのは大変いいことだと思います。私は、アメリカが核の先制不使用を宣言すべきだと思いますが、日本と大変密接な安全保障上の問題のある北朝鮮に対して、一方的に、日本が加わっていない条約の中でアメリカがこういうことを言うのは、著しく安全保障条約の信頼性を損なっていると思います。今後、もしアメリカがこういう核兵器の使用に関する、あるいは何らかの安全保障上の約束を北朝鮮に対してするときには、日本もその条約の中に加わって、日本政府もきちんと署名の中に入るべきではないのでしょうか。
○阿南政府委員 米朝間についていえば、米朝間でどういう形で今先生がおっしゃったような取り決めなり協定が結ばれるかということにもよりますが、当然、アメリカが、先生先ほど来御指摘のように、そういう重要事項について日本に協議をすべきであるし、我が方もその十分な協議を行うことを要求する立場にあると思います。
 技術的には、米朝間の条約に日本も参加するということが妥当かどうか、あくまでその協定の性格、内容にもよると思いますけれども、米朝間は米朝間の合意があり得るし、ただ、日本の安全に重大な影響を持つような約束をするとすれば、当然日米同盟国間で十分な協議が事前にあるべきである、そういうふうに考えるところでございます。
○河野(太)委員 それでは、外務省あるいは日本政府は、アグリードフレームワークのこの一節について、事前に米国と協議をし、事前にアメリカに合意を与えた、そう考えてよろしゅうございますか。
○阿南政府委員 この米朝間の交渉、アグリードフレームワークをつくる段階で、先生も御案内かと思いますが、日本政府もアメリカと密接に連絡をしておりました。実際上、ニューヨークでガルーチさんが交渉されたときに、我が方のアジア局の当時審議官がずっとニューヨークのホテルに詰めていて、ワンセッションごとにアメリカと協議をしてやったということでございますので、緊密な連絡のもとにこれができたということが過去の経緯でございます。
○河野(太)委員 質問にお答えください。
○阿南政府委員 日本政府が明確に同意したかという御質問であれば、そういう経緯の中で、私は、先ほど申し上げましたような将来の意図表明ということで理解をしたということでございます。
○河野(太)委員 将来の意図表明であっても、米国からこの一節を提示され、日本政府はこれに合意したのでしょうか。
○阿南政府委員 まさに米朝間の合意された枠組みでございますので、文言等は米朝間のものでございますが、先ほど申し上げましたように、日本政府としては十分に協議を受け、また日本政府の立場も表明したというのがこの米朝間の交渉に日本政府がかかわった経緯でございます。
○河野(太)委員 では、現在、日本政府はこのアグリードフレームワークの一節を認めるんでしょうか。これに対してアメリカに抗議をする、あるいは異を唱えることはないんでしょうか。
○阿南政府委員 これは先生、先ほど来申し上げておりますが、将来に向かってのアメリカの意図表明ということでございます。また、あの時点では、アメリカは何とかして北朝鮮の核開発を抑え込もうという努力をしている交渉で、日本政府として、先ほど来申し上げておりますように、あくまでアメリカ側の意図表明ということで理解をしたということでございますので、今異議を申し立てるとか反対するとか、そういう性質のものではないというのが私どもの認識でございます。
○河野(太)委員 それでは、日本政府は、ある条件が整えば米国が核の先制不使用を宣言することを認めているということになると思いますが、どのような条件が整えば、核の先制不使用を米国が公式に発言をしても日本政府は日米安保にかかわり合いがあると異を唱えずに済むんでしょうか、その諸条件を教えてください。
○阿南政府委員 米国の核先制不使用宣言ということに関することでございますが、ある国、地域に対して核先制不使用を宣言することの可否の判断、これは、当然のことながら、一義的に核兵器国が行うものでございます。非核兵器国である日本として、かかる判断を行う立場にはないわけでございますが、一般論で申し上げますと、核先制不使用の問題については、現時点では核兵器国間での見解の一致が見られていないと承知をしております。
 いまだに核兵器等の大量破壊兵器を含む多大な軍事力が存在している現実の国際社会では、我が国としては、米国との安全保障条約を堅持し、その抑止力のもとで自国の安全を確保するとともに、核兵器を含む軍備削減の努力を重ねて、核兵器の使用を必要としないような平和な国際社会をつくっていくことが重要であると考えております。
 我が国の立場を申し上げれば、以上のようなことでございます。
○河野(太)委員 それでは、核保有国であるアメリカが一方的に核の先制不使用をしても、日本はそれでしようがないんだ、そういうことなんですか。それでは日米安全保障条約の信頼性というのはどうなるんでしょうか。アメリカがある地域、ある国に対して核先制不使用を宣言するのであれば、当然日本に対して同意を求めてくるべきであろうと思いますが、今の答弁ですと、それは一義的にはアメリカのことで、日本が口を挟むべき筋合いのものではないと聞こえましたが、外務省はそういう認識でいらっしゃるんでしょうか。
○阿南政府委員 一般的に、米国等核を持っている国が核先制不使用宣言をするかどうかという点では先ほど申し上げたようなとおりでございますが、他方、アメリカがどういう国際情勢のもとでどういう国に対してそういう保証を与えるか、これは、先ほど来先生もおっしゃっておられますように、当然、日本の安全、平和に深くかかわる問題でございますので、同盟国として協議があるのは当然でございますし、日本としても、そういう事態になる、いい意味でなるということもあるかと思いますが、当然米国と協議をして、米国のそういう決定に日本側の考えを反映させるということは当然のことであると考えます。
○河野(太)委員 では、米国から核先制不使用の問題で協議があった場合に、どういう条件が整っていれば日本はそれに合意をするんですか。
○阿南政府委員 これは、今の一般的なお尋ねでございますと、本当に日本側から、こうこうこういう条件ならばアメリカが核不使用宣言をしても日本の平和と安全に差しさわりがない、どうぞと言うかというその判断は、まさに状況を見ないと、今の段階でこういう条件であればオーケーであるということを申し上げるのは困難でございます。
○河野(太)委員 どういうものを判断されるんでしょうか。こういうクライテリアのものがこういう状況だったときにはゴーだ、あるいはノーだということになると思うんですが、一般的に何を調べ、その状況いかんということになるんだと思いますが、一体何を調べて協議に臨むんでしょうか。
○阿部説明員 米国の核不使用のいわゆる消極的安全保障というものにつきます条件としましては、現在アメリカがとっております政策は、まず、その相手国が核兵器を持っていない、かつ核不拡散条約を誠実に遵守していること、これが一つの前提でございますし、もう一つは、その相手国が核兵器を持った国と同盟のもとに攻撃をしかけてきていないという条件を今アメリカは持っております。
 加えて、当然、日本との関係におきましては、米国が先制不使用という場合には、日本に対する攻撃も先制使用というふうに観念する。つまり、そこのところを切り離しますと、日本が攻撃を受けた場合にアメリカが反撃しますと、そこをそういうとらえ方をしますとアメリカの先制使用になりますので、そういうことでありますと同盟関係は成り立たないので、そこは一体として考えているということ。
 それから最後の点は、先生が先ほどおっしゃいました生物化学兵器との関連でございますけれども、これは米国の政府内でも外でも非常に今議論のあるところでございまして、かなり強い意見は、相当程度のところまでは核兵器に訴えなくてもアメリカは生物化学兵器の使用を抑止できるという非常に強い議論がございます。ただ、同時に、米国は非常にそれをまた懸念していることも事実でございまして、特に湾岸戦争後は実戦部隊に対して生物化学兵器に対する防護策を講じておるということもありますので、これから国際情勢あるいは北朝鮮の特定の情勢がどうなるかというところを見きわめた上で、そこはアメリカは慎重に判断するというふうに考えます。また、その過程におきまして、日本政府とも極めて緊密に協議がなされるというふうに考えております。
○河野(太)委員 それでは、最後に、今のお話ですと、生物化学両禁止条約に入っている国が、核兵器を持たず、また核の保有国とも同盟をしていない、そういう状況にある場合に消極的安全保障ということで核の先制不使用を宣言することができる、そう日本政府は考えていると考えてよろしいんでしょうか。
○阿部説明員 そのような方針が現在の米国の政策であると理解しておりますし、私どもも政策としてはそれに理解を示しているということでございます。
○河野(太)委員 時間が参りましたので、きょうの質問はここで打ち切らせていただきますが、核が問題になっている割には、どうも日本の国会でこうした核兵器、核戦略に関する議論が非常に乏しいように思います。ぜひ、外務委員会でそのような場を設け、調査研究をする必要があるのではないかと御提案させていただいて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○中馬委員長 続いて、東祥三君。
○東(祥)委員 町村政務次官にこの外務委員会で種々の議論をさせていただくことは本当にうれしいことでございます。三十分間という極めて短い時間でございますが、何とぞよろしく胸をかしていただきたい、このように思います。
 KEDOとの資金拠出協定について質問させていただくわけですが、その前に、私たちが相手にしているところが全くわからない国であります。北朝鮮は、それぞれの国の動向、とりわけ日本で北朝鮮に対してどういう思いを持っているのか。あるいはまた、不審船に見られるとおり、日本に対していろいろなことをやったとしてもほとんど何もすることができないのではないのかとたかをくくっているかもしれませんし、そうでないのかもわかりません。ただ、結論として言えることは、少なくとも、北朝鮮の外交というものは、彼らの尺度に当てはめるならばすこぶる成功しているのじゃないのか、ほとんど彼らの思惑どおりに事が進んでいってしまっているのではないのか、私は率直にそういうふうに思うのですが、町村政務次官、北朝鮮の外交をどのように評価されているのか。まずこの点についてお伺いしたいと思います。
○町村政府委員 大変に難しい御質問でございまして、いろいろな角度からの検討が必要であろうか、こう思っております。
 確かに、私どもが北朝鮮に関し知り得ることが余りにも少な過ぎるということは御指摘のとおりでありますし、逆に、日本のようにオープンで自由な国でありますと、日本のことはあらかた、新聞を見ていれば九五%以上は大体わかる。そういう彼我の情報ギャップの大きさというのは大変大きいものがあるな、こう思っております。したがいまして、まず相手との意思疎通をできるだけ図る努力をしていくというのが多分外交の第一歩、イロハなんだろう、こう思っております。
 そのためにいろいろな努力はしているつもりでありますが、多分、それは北朝鮮の戦略といいましょうか考え方で、とにかくアメリカと交渉する、アメリカだけを相手にするということによって、彼らの国家としてのプレスティージといいましょうか体面といいましょうか、それを保っているという形で、韓国も中国も極端に言えば相手にしない、自分が相手にするのはアメリカだけであるというような基本的なところに立ってアメリカといろいろな交渉をし、それがさらに日本に広がっていく、こういう形を今とっているのだろうかな、こう思います。しかも、前国家主席が亡くなられた後の北朝鮮というのは、より一層そこの点が不明確になっているという状況であります。
 私どもといたしましては、日本政府としては、したがってできるだけ早く諸般の状況を整理した上で、日朝間の国交回復交渉というのができる限り速やかに始まっていく、その中で、今言われた工作船の問題、テポドンの問題あるいは拉致事件等々の、私ども日本の立場からすると大変不可思議に、また多くの国民がおかしいと思っている問題についても解決していくという努力をしていくことが大切なんだろうと思いますが、現状、今、米朝間の話し合いのみが突出し先行しているという状態は、私どもは決していい姿だと考えているわけではございません。
○東(祥)委員 政務次官が言われるとおり、日本と北朝鮮とのかかわり、また関係というのは極めて不満足な状況にあるのだろうと思うのです。拉致事件の問題しかり、あるいはまたテポドン・ミサイルの問題しかり、あるいはまたことしの三月末のあの不審船の問題しかり、そういう懸案事項がたくさんあるにもかかわらず、今御指摘になられましたとおり、一九九四年に米朝間における枠組み合意ができ、それに基づいて日本は十億ドルという巨額なお金を拠出する、もちろんダイレクトではなくて輸出入銀行を通じてということでございますが。
 そういうことを見ていると、先ほど申し上げましたとおり、北朝鮮は、自分たちのことが余り外に知られない、我々にとってみればいかにして彼らを、彼をと言っていいのかわかりませんけれども、表に出してきて、そしてそこで行われていること、情報をつぶさに把握したいところなんですが、そういうこちらの思惑には一切乗ってこないで、彼らの目指すべきものが何なのかもわかりませんが、いずれにしても彼らが目途としている目標に向かって着実にやっているのではないのか、私はこのように思うのですけれども、私の認識の仕方というのは間違っていますでしょうか。
○町村政府委員 経験豊かな東先生のお考えが間違っているとか間違っていないとか、私は申し上げる立場にございませんが、今お話しのような認識は私どもも東先生と広く共有できる、かように考えております。
○東(祥)委員 中曽根元総理がすごくおもしろいことを新聞紙上で言っているのです。「北朝鮮中枢の思想変換をどう促進するか。世界に引きずり出して、世界がどう動いているかを見せつける必要がある。金正日総書記に世界を漫遊させるのが一番いいんだ。国連に呼んでもいい。アジアの国々が一緒になって呼ぶのも一つの手かもしれない。APECに呼ぶとかね」ということを言われているのですね。引きずり出すというのは、中曽根元総理の、ある意味で面目躍如たらんとする、そういう表現なのかもしれません。
 政務次官、先ほどいろいろな手を尽くしてということをおっしゃっていたのですけれども、こういうことも一つの案として考えられますか。もちろん、金正日総書記が、あの人、あの人なんと言ったらいけないのですが、あの方は人に会うこともはばかる人だというふうにも聞いておりますし、こちらが誘ったとしても出てこないかもしれませんけれども、これをやってみる考えを持つというのはなかなかおもしろいのじゃないのかと私は思うのですが、いかがですか。
○町村政府委員 これだけ情報化社会でございますし、かの国にも多分CNN等はその気になれば見られるだけの電波は飛んでいるわけでありますし、あとは施設があれば見られるのだろう、こう思いますから、彼らが世界の動きを全く何にも知らないでいる、大部分の国民は多分何も知らされていないのだろうと思いますが、一部のトップの人たちは多分世界の動きはそれなりに理解をしているのではなかろうかなと私は思いますが、しかし、やはりテレビで見るのといざ現場に行って見るのとの違いというのは大変大きいのもまた事実だろうと思います。
 そういう意味で、金正日氏に世界をできるだけ見てもらうチャンスがあればそれは大変にいいことだろうし、日本を訪問されたいという御希望があるならば、私どもはいつでも歓迎をするし、世界じゅうどこでもそれはそうなんだろうと思いますが、問題はどうやってそれを実現するのかということであろうと思いますので、今直ちにそれが実現できるうまい方法が私の粗雑な頭ではなかなかすぐ浮かばないのでありますけれども、中曽根元総理の一つのお考えは理解ができるところでございます。問題は、どう実現するかというのはちょっとよく考えてみないと、すぐにはわかりかねます。
○東(祥)委員 政府として、やるべきリストの中の一つとして、ぜひひとつ入れておいていただきたいなというふうに思うのです。
 その前提として、私は古今東西の歴史の中で、宥和政策というのは成功したことがないのじゃないのかと。九四年の米朝枠組み合意、日本はしょせん何もできないということはよくわかっています。アメリカの方においても、なぜ米朝合意に至ったのか。あのときの特殊事情といいますか、それを考えればなるほどなと思うのですけれども。あれから約五年近くたった今日、何にも北朝鮮に対して国際社会が期待しているような方向に動いていないのじゃないのか。そういう意味においては、チェンバレンのナチス・ヒトラーに対しての宥和政策ともちろん次元は全然違うのですけれども、基本的に北朝鮮に対して日本というのは大きな誤りを犯しているのじゃないのか。日本のみならず、アメリカも韓国も。そういう意味では私は物すごいクエスチョンマークをつけているのです。
 今度逆に、その宥和政策のどこがいけないのか、その代替案をどうするのかというふうに言われたときに、また自分自身も答えを持っていないところにじくじたるものがあるのですけれども、もし宥和政策をやるとするなら徹底的にやればいい。不徹底でなくて、小ぶりでやるのではなくて、徹底的にやるべきではないのか。その一つの考え方として、中曽根元総理のこの新聞紙上における発言というのはそれなりに私は大きな意味があるのじゃないのかと。
 日本は、おっしゃられるとおり、北朝鮮が相手にしてくれない、アメリカしか相手にしてくれない。アメリカに逆に、ぜひこういうことをやったらどうなのかという形での打診というのはできるのだろう。直接、そのときに町村政務次官が特使になるかどうかは別として、そういう一つの考え方というのはアメリカにも言うことができるのじゃないのか。この点について、いかがですか。
○町村政府委員 今、日本国政府がとっております政策が宥和政策であるかないか。私どもは、今、抑止と対話のバランスということを基本的な方針としているわけでございまして、一方的に何でも結構ですよと申し上げているつもりはございません。私どもがまず北朝鮮に対しまして、ミサイル問題などの国際的な懸念あるいは核疑惑の問題、あるいは拉致問題を初めとする、これは日朝間の問題、こうした問題に建設的な対応を示すのであれば、日本としては対話と交流を通じて北朝鮮との関係改善をする用意がありますよという呼びかけをしているのは御承知のとおりでございまして、今後こういう努力を続けながら国交正常化努力、交渉再開への道筋をつけていきたいと思っております。
 アメリカの政策がどうなんだろうか。アメリカは、御承知のとおり、イラクの場合でも、あるいは今回のユーゴスラビアの場合でも、決して宥和的でない、かなり激しい政策をとっているのだろうと思います。北朝鮮についてのみ決して宥和的であるとは考えておりませんが、いずれにしても、御承知のように、先般ペリー政策調整官が訪朝いたしまして政策見直しを今進めている最中であろう、かように考えておりますし、先方の考えもそれなりに聞いてきたのだろうと思っております。核とかミサイル、あるいは日朝間の懸案である拉致問題を含む包括的な、かつ日米韓の協調によりますところの統合されたアプローチが今検討されている、かように私どもは政府間ベースの話で聞いておりますから、特にアメリカの政策が非常に宥和的であるということを断ずるのはいささかどうかな、やはり彼らも厳しい手と優しい手と両方の手を持って今北朝鮮に臨んでいるのだろう、かように考えております。
○東(祥)委員 日本政府のキャッチフレーズで抑止と対話と言っているのですけれども、僕は個人的に、全くそれは信頼していません。逆に教えていただきたいのですが、その抑止という、あめとむち、抑止とは何があるのですか、日本は。北朝鮮に対しての抑止とは一体何なんですか。それを教えていただかない限り、今の言葉、言葉としてはわかりますよ、抑止と対話を前提にしてと。わかるのですけれども、抑止とは何ですか。
○町村政府委員 大臣がお見えになりましたから、失礼かとは存じますが、私から答弁させていただきます。
 抑止というのは、当然のことながら、まず大前提としてあります日米安保条約の存在そのもの、そしてその効果的な運用というのが、まず日本の彼らに対する抑止力の大前提であるというふうに思います。それに加えて、日本独自の自衛隊というのも、これも一つの抑止力になるというふうに思います。それに加えまして、つい最近のことを言うなら、先般のテポドンの発射に対して、これはささやかではあるかもしれませんけれども、日本なりの措置を昨年の九月にとったことも御承知のとおりでございます。
 さらに、もし日本が一方的に、何も言わずに北朝鮮の言うとおりでやるというのであれば、例えば拉致問題も何も、一切日本からは問題提起もしなければ、一切何も言わない、もうそういうのはなかったことにしましょうということだって、これは、もし相手にすべてへりくだって言うのならば、それは、そういうのも選択肢かもしれませんが、さすがにそこまで今私どもはやっているわけではございません。
 したがって、大きな全体状況の中から個々の小さなことまで含めて、私どもは、そういう意味の抑止といいましょうか、軍事的な抑止力という意味合いに加えまして、やはり政策的な抑止力、両方私はあるのじゃないのかな、かように思っております。
○東(祥)委員 そういう広い意味で、政務次官言われるとおり、それを抑止と言うならば、それは抑止なのかもしれませんけれども、しかし、三月末にスパイシップが、スパイ船ですよ、要するに。それが日本近海まで来て、領域内にも来て、そこで追撃したとしても相手は、絶対日本は撃ってこないだろう。もうやりたい放題やられているのじゃないですか。
 その現実を見たときに、それは抑止があるかといったら、それは抑止がないことを認めているのであって、あの事件を通して世界に報道されたことは二つありまして、一つは、北朝鮮というのは何をやる国かよくわからない、ありとあらゆることをやるのだな、そういう印象論と、そして、日本というのは何をやられたとしても何もできないのだな、これをメッセージとして世界に見事に発信したのですね。
 そういう意味においては、外務政務次官として、本当に抑止が、抑止を充実させていかなければならないということであるなら僕は納得しますけれども、今のこの現状の段階で抑止がある、このように言い切れますか。いかがですか。大臣、済みません。町村政務次官との質疑を楽しんでおりますので、どうぞよろしく。
○町村政府委員 それでは、御指名でございますから、もう一つだけお答えをさせていただきます。
 先般の不審船、工作船への対応が十分であったかどうか、それはさまざまな議論もあろうかと思います。ただ、与えられた法令の枠の中では最大限の対応をしたのだろうと思いますが、本当にそれで十分であったかどうかは、今まさに内閣を挙げて、法令の整備の問題も含めて目下検討をしている。あるいは、自衛隊の装備がこれで十分であったかどうか。さまざまな点で改善すべき点があるということで、今検討を大至急進めているところで、近々政府としてもその結論を出し、さらに必要あらば予算面等々で今後しっかりと対応していくことになるのだろう、かように思っております。
○東(祥)委員 いや、だから、政務次官、そういうことを言われている限りにおいては、いつまでたったとしても答えは出てきませんということを僕は申し上げたいのです。
 あのときに、不審船なんですから、追っかけていて艦砲射撃、五インチ砲を撃っているのですよ、威嚇射撃であろうが。五インチ砲というのは、まさにこれは大砲ですよ。それを撃っていながらとめることができないのですから。たとえ撃ち込んだとしても、それは別に国際法上何ら問題はなくてということでしょう。でも、撃ち込むという、そういう日本の意図が相手に伝わっていないから、それは抑止にならないということなのじゃないのかというふうに私は申し上げておきたい。
 もちろん、いろいろな装備だとか、そういうのはありますけれども、そういうのは日本人は好きなんですけれども、どばっと本当に抑止を働かせるとするならば、何かやってくる、日本のげきりんに触れるようなことをやったときに、必ず日本というのはやる、そういうことを示さない限り、抑止なんか全く僕はきかないと思いますということだけ申し上げておきますが、外務大臣が来られました。
 本協定は、一九九四年に米朝間で合意された北朝鮮に対する軽水炉供給プロジェクト実施のための資金拠出の枠組みについて定めているものであると理解しています。我が国が本協定を締結した場合、KEDOに対し十億ドル相当円の拠出をすることが国際約束となるわけです。他方、我が国は、昨年八月末の弾道ミサイル発射を機に、KEDOへの資金拠出を凍結していた。しかし、事柄の性質はまた別でございましたので、この凍結を解除して、そして署名に至った。ことし一月には、野呂田防衛庁長官が韓国を訪問した際に、北朝鮮がもう一度同じようにミサイルを発射したらKEDOへの資金提供ができなくなる懸念を持っている、このように述べられております。
 そこで、まず、日本政府は北朝鮮が再び弾道ミサイルを発射した場合KEDOへの資金拠出を中止するのかどうなのか。この点についてお伺いしたいと思います。
○高村国務大臣 先ほども同様の御質問がありまして、それに対してお答えしたとおりでございますが、現時点でそういうことがあったときにどうするかと断定的に申し上げることはできないということでございます。
 私自身も、ペリー調整官にも、あるいは金大中大統領あるいは洪淳瑛外交通商部長に対しても、もし次のミサイルの発射があって、それが日本列島を飛び越える、そういうような状況であれば、KEDOへの協力は大変難しくなるという言い方をしているところでございます。
○東(祥)委員 ただ、外務大臣、難しくなると言ったとしても、本協定上、日本政府が資金拠出を中止しますよと、つまり、再び弾道ミサイルを撃って、それに対して日本として我慢できない、その結果として資金拠出を中止できるかどうかというのは、本協定の第八条に「日本国政府と機構との間の書面による合意によって停止し又は終了させることができる。」と定めているわけですから、どちらかの国が一方的に終了通告を行えば自動的に破棄されるという多くの二国間協定の例とは全く異なっているわけですよね。
 そうすると、本協定が発効した後、北朝鮮がミサイルを再び我が国上空に向けて発射するなど、我が国にとって到底許しがたい行為を再度行ったとしても、我が国がこれを理由として一方的に資金拠出を停止することはこの協定上できないのではないのか。この点についていかがですか。
○高村国務大臣 まず、そういう場合に我が方がKEDOへの提供を停止しようとするかどうかという問題を別に置いて、そういうことをしようとした場合に、委員が御指摘のように、KEDOとの協議をする、こういうことでございます。
○東(祥)委員 はい、わかりました。
 大臣、KEDOに対する拠出によって、北朝鮮の核開発を阻止するという目的が十分に果たされ、そしてまた我が国の安全が確保されるのであれば、この拠出というのは我が国にとって非常に有意義なものになると私は思います。
 しかし、昨年夏以来、北朝鮮には核開発再開の疑惑が浮上している。米国と北朝鮮は、ことし三月、この検証のため、金倉里の疑惑施設に複数回の立ち入り視察を行うことで合意して、第一回目の立ち入り視察は五月下旬に実施された。その内容は私は全然知りません。また、その報告も伺っておりませんけれども、米国務省は、この視察の結果について、施設は未完成という分析結果を発表して、核疑惑を裏づける証拠は見つからなかった、このように言われていると報道されております。この報道によれば、この視察は極めて短期間なもので、大がかりな調査機器も搬入せず、形式的な調査にすぎないとの見方が強い、調査結果が正式発表される前から疑惑はシロと判断されるのは確実だろう、そういう報道もありました。
 そこで、この立ち入り視察において、核開発疑惑を検証するために行われた調査の内容、そして、政府は、このような視察がKEDOへの資金拠出の前提となる北朝鮮の核開発凍結を証明するものとして十分であると考えているのかどうなのか。まず、この調査の結果を政府はお聞きになっているのですか。ガイガーが動いただとかそういう報告は入っていないのか、もし放射線反応があったという報告を受けていたらこれはどうなってしまうのか、そういう一連の問題について、大臣、お答え願いたいと思うのです。
○高村国務大臣 詳細な報告は受けておりません。
 米国の技術専門家チームは、五月二十日より二十四日まで、北朝鮮の金倉里の施設を訪問し、その結果、この施設は、建設が未完成であり、その地下の部分は大規模な空のトンネル施設であることが判明したと承知をしております。米国政府が今次訪問の結果をさらに分析した上で報告をまとめる予定であるということでありますが、米側は、現時点までに、北朝鮮が合意された枠組みに違反しているとの結論に至る材料を有しているわけではない、こういうふうに承知しております。
 いずれにいたしましても、我が国としては、この施設への一連の訪問を通じて秘密核施設疑惑の解消を確実なものとしていくことが重要であると考えております。
○東(祥)委員 放射能反応があったのかなかったのかということについては、質問されていますか。
○阿南政府委員 調査の詳細については、今大臣おっしゃいましたように、結果も含めてまだ向こうが取りまとめ中でございますので、そういう個別の質問をこちらからはまだしておりません。
○東(祥)委員 放射能反応があったかどうかということを聞いていただけますか。そして、その結果として、なかったということなら別ですけれども、あったと、そういうことが出てきた場合どうするかということも含めた上で、報告を子細に受けるときにその質問をぜひ発していただきたいと思うのですが、いかがですか。
○阿南政府委員 私どもも、この調査結果に多大の関心を持っておるわけでございますから、放射能が検出されたかどうかということは、もちろん米側の分析の結果というものを通報してもらうということは当然のことと考えております。
○東(祥)委員 時間があと三分ぐらいで来ますので、最後に、外務大臣、政務次官、どちらでも。二人に聞いちゃおうかしら。
 当然、北朝鮮対策を考える場合、日米韓の連携というのは極めて重要だ、私もそういうふうに思います。とりわけ日韓関係、金大中大統領が昨年大統領に就任されて以来、日本に対しての瞠目すべきいろいろな行動を大統領のイニシアチブで行われているというふうに、私自身は極めて高く評価しているわけです。歴代の大統領ができなかったことを、やはり金大中大統領が就任して以来、本当に必死になって、政治生命をかけながらやられているというふうに思うのです。
 そうしますと、今度は日本の番なのだろうというふうに思うのです。とりわけ二〇〇二年のワールドカップの大成功を期していくために諸準備をするということも重要ですが、もう一つ、やはり金大中大統領が、先日、四月中旬、小沢党首とともに訪韓させていただいた際、金大中大統領の方からも、できるだけ早いうちに天皇陛下の訪韓を待ち望みしている、そのために種々の準備を開始している、そういうお話がありました。やはりこれに対して日本として速やかなる準備を進めていくことが極めて大事なのではないのか、このように思っているわけでございますが、外務大臣、最後にこの点について御質問させていただいて、質問を終了させていただきたいと思います。
○高村国務大臣 天皇陛下の御訪韓につきましては、日韓両国の国内においてさまざまな考え方や意見がある中、日韓両国内における雰囲気の醸成が重要であると考えております。
 昨年十月の金大中大統領の訪日により、日韓の過去の問題に一つの区切りがつけられ、未来志向の日韓関係が着実に上昇軌道に乗っているとの認識が日韓両国民の間に広まりつつあるものと認識していますが、今後とも、日韓双方で協力して、天皇陛下の御訪韓を実施できる環境づくりに努めたいと考えます。
 委員の御指摘は、頭の中にきっちり入れておきます。
○東(祥)委員 どうもありがとうございました。
    〔委員長退席、森山委員長代理着席〕
○森山委員長代理 赤松正雄君。
○赤松(正)委員 公明党の赤松正雄でございます。
 今、一時からずっと先輩、同僚の議員から質問がありまして、とりわけ今の東祥三議員のお話は、私がこれからするところも幾分いろいろな意味で重なり合っているところが多いので、それはさっきも言いましたけれどもという、大臣は東質問のときいらっしゃらなかったから、かえっていいのかもしれませんが、あらかじめ、重なるところがあった場合は御勘弁願いたいと思います。
 まず、きょう私は、KEDOの問題と、それから対北朝鮮政策の政府の基本姿勢といったふうなことにつきまして質問をさせていただこう、こう思っております。
 さっき、ほとんど最後に東議員が質問をしましたけれども、アメリカの金倉里に対する調査の結果、このことに関連することをまず冒頭に聞きたいんです。
 外務省からいただいた、資料三「日朝関係の現状と我が国の対応」という資料が手元にあるんですね。「日朝関係の現状」という中の三番目、(3)に「三月十六日に秘密核施設疑惑に関する米朝協議が妥結したことは、日朝関係にとっても一つの好ましい材料であり歓迎すべきもの。なお、この合意に基づき、十八日より米国技術専門家チームが北朝鮮を訪問しているところ。」こう書いてあります。
 この秘密核施設疑惑に関する米朝協議妥結の中身、どういったことについて妥結をしたのか。これについて、まず冒頭、お聞かせ願いたいと思います。
○阿南政府委員 これは、御案内のように、長いこと秘密核施設疑惑、当面は金倉里の査察、北朝鮮側は訪問とか参観とか呼んでおりますが、それを実現するための交渉をずっとやっておりまして、私ども仄聞しているところでは、北朝鮮側は、これは核施設というようなものではないので、それを怪しいといって見るということは、例えば、共和国の名誉を傷つけるというような話がずっとございました。
 その中で、ようやく、KEDOをやる前提となっていることでもございますので、アメリカの方で、ともかくそのサイトを見る必要があるということを北朝鮮側に納得をさせて、そして、先ほど大臣がおっしゃいましたような査察が二十日から二十四日まで実現したわけでございまして、それに至る、最終的に訪問を認めるという内容の合意であったわけでございます。
 一連の長い交渉の最後の結論をそのとき発表したということでございます。
○赤松(正)委員 ということは、外務省が出している部分の米朝協議妥結の中身というのは、至って個別の、金倉里に関するだけの結論だったんですねということが一つと、それから、アメリカが金倉里を怪しいと思った、そこに至る判断材料というものはどういうものかというのは、日本外務省としては聞いておられるのかということが一つ。この二つについて。
○阿南政府委員 第一の質問については、まさにそういうことでございます。
 また、金倉里については、細かい専門的なことは私どももつまびらかにはしておりませんが、やはりいろいろな観測、観察で、その周辺の地勢とか地形とか、いろいろな工事をやっている、そういうことから、これだけの大規模な、いろいろなインフラ工事をやっているのは核施設ではないかという疑惑を持ったということで、そういう説明は、私どもが、アメリカ、そして韓国も加えた協議の中で、折に触れ聞いているところでございます。
○赤松(正)委員 我々、きのうも党内でこの問題についてさまざま議論をしたんですが、アメリカのこういったものに対する情報収集能力というのも、もし仮に先ほどの東委員に対する報告のとおりであるならば、至っておぼつかないものだなという印象を受けているわけです。
 そのことはそのこととしまして、もう一つもとへ戻るといいますか、順次、KEDOそのものについてお伺いをしていくわけです。
 先ほどアジア局長もおっしゃいましたが、このKEDOに関する言ってみれば前提になっていることに、金倉里の疑惑ということも関連してくるわけでしょうけれども、例えば、アグリードフレームワークというのですか、合意された枠組みの署名によって、平成六年十月の米朝間の署名によって、北朝鮮側と米側それぞれ、双方が負う義務といいますか、署名によっての役割という中の、まず北朝鮮側における役割、合意された枠組みによってやらなきゃいけないことは、NPT締約国にとどまるほか、IAEA保障措置協定上の義務履行を通じた核開発の検証、既存及び開発中の核施設の凍結、解体等を行う、こういうくだりがあるわけです。
 この、凍結あるいは解体の対象となるべき既存及び開発中の核施設の中身については、どういうふうに理解をすればよろしいんでしょうか。
○阿南政府委員 これは、九四年当時、北朝鮮は既に、実験炉と言われておりますが、五メガワットの黒鉛減速炉を持っておりました。それから、当時、既に五十メガワットと二百メガワットの同様の大型の黒鉛減速炉を建設中でございましたので、まず当面の対象はその五メガワットの実験炉であり、建設中であったものもそこで凍結する、中身はそういうことでございます。
○赤松(正)委員 いや、そうじゃなくて、今おっしゃったことなんだと仮にしまして、その過程の中で具体的地名として金倉里が出てきたということで、この署名をした、そして、今日まで金倉里に対する調査。この五年の間に、具体的に疑惑が持たれた対象、テーブルの上に上がってきた地域、対象というのは、具体的にはないということでよろしいんですか。
○阿南政府委員 金倉里の秘密核施設疑惑というのは、御案内のように比較的最近のことでございまして、九四年当時は、黒鉛減速炉の存在しておりました寧辺に、今申し上げたようなものが一つは実験炉としてできていて、あとの五十メガワット、二百メガワットのものは建設中であったということでございます。九四年当時はそれが対象であった。
 それに対して、KEDOという軽水炉を供与するという仕組みでそこを押さえ、凍結する、完成したときには解体する、そういう了解だったわけでございまして、そういうことをやっている中で、後の段階になって、ほかでもやっているんではないかという疑惑が出てきた。その一番の疑惑の対象が金倉里で、今回そこを見た、こういうことでございます。
○赤松(正)委員 ですから、私が思いますのに、この五年間、一方でKEDOの署名が行われて、そして、拠出するお金等についての相談、協議がずっと続けられてきた。その一方で、金倉里のような一つシンボライズされた形で出てきた疑惑がある。同時に、これはまだ複数そういったことがあるのではないかという指摘もアメリカの国内にはあるようであります。私たちも、普通の感覚、先ほど来いろいろな議員からも指摘がありましたけれども、そういうことはやりかねない国だな、そういう流れの中で、疑念をまず持つわけであります。
 そういったことをまず踏まえまして、順次聞いてまいりたいと思います。
 さっきの北朝鮮側の義務に対して米側ということで、軽水炉二基を北朝鮮へ供与し、また、第一基目の軽水炉完成までの間、年間五十万トンの重油を供与するとの決着を見た。これは先ほど来の質問の中で、米朝間の交渉であるけれども、逐次日本は、それこそ隣の部屋にいてというふうな、それは的確なあれかどうかは別にして、そういうふうな表現で言えるような形で、すぐそばにいて交渉を逐次聞いていたということでありますけれども、この軽水炉二基を北朝鮮に供与する根拠というのは一体どういうところから出てきたというふうに日本は聞いておられるというか、理解しておられるのでしょう。
○阿南政府委員 これは交渉の経緯で北朝鮮側が、先ほどちょっと申し上げました、実験炉は別にして五十メガワット、二百メガワットの黒鉛減速炉を建設していたわけでございますが、それに加えて、六百メガワット強の原子炉三基を建設する計画がある。これは九二年時点でIAEAに北朝鮮が報告をしている。そういうエネルギー政策と申しますか、そういう計画があったわけでございまして、北朝鮮側は、そういうものを中止するかわりに、それに見合った二千メガワット、すなわち千メガワット級の軽水炉を二基つくってまいりたい。北朝鮮側の計画を中止させたかわりのものとして、大体それに見合った発電量のものをつくるように要求してきたという経緯であったと承知しております。
○赤松(正)委員 外務大臣にお聞きしたいのですけれども、先ほど来の、北朝鮮それから米側両方にこういった署名を通じて義務づけがなされるわけですけれども、北朝鮮に利子補給をしてまで軽水炉二基を供与する。なぜせねばならないのか。こういったところの基本的な疑問というものがあるわけで、この五年間の流れを経て、枠組みが決まってから、それが最終的にこの日本国の国会において協定を批准するという格好の今日の段階までの五年間、さっき声がありましたけれども、いわば北朝鮮ペースではないのかというふうな指摘、私もそのとおりの見方をするわけです。
 北朝鮮との、朝鮮半島エネルギー開発機構をつくる、そして今日までさまざまなことがあった、この五年間を総括して外務大臣はどういうふうにとらえておられるかということをお聞きしたいと思います。
○高村国務大臣 我が国としては、一九九四年の米朝間で合意された枠組み以降、北朝鮮の核開発を阻止する上で最も現実的かつ効果的な枠組みであるKEDOに対して積極的な協力を行ってまいりました。
 昨年九月初めには、北朝鮮のミサイル発射を踏まえて、一時KEDOの進行を見合わせましたが、十月には、このようなKEDOの意義にかんがみ、KEDOへの協力再開を決定したところでございます。
 北朝鮮政策一般につきましては、我が国はこれまで一貫して、第二次世界大戦後の日朝間の不正常な関係を正すとともに、朝鮮半島の平和と安定に資するようにするという観点を踏まえ、韓米両国と緊密に連携しながら対処してきたわけでございます。
 過去五年の間は国交正常化交渉も行われておらず、また昨年来、ミサイル発射や工作船事案等もあってさらに困難な状況となっておりますが、政府としては、こうした状況を打開することは重要と考えており、本年に入り北朝鮮に対し、対話と抑止の双方により対応していくとの方針のもと、北朝鮮が国際的な懸念や日朝間の懸案に建設的な対応を示すのであれば、対話の再開を通じ関係改善を図る用意がある旨、繰り返し呼びかけてきているわけでございます。こうした政府の北朝鮮政策は一貫しており、今後ともそのような方針を維持していく考えでございます。
○赤松(正)委員 今、私の聞き方がそういう聞き方をしたからあれなんですが、では、今言われたことを一つずつ、一つずつというかポイントになるところをお聞きしていきたいと思うのです。
 まず、さっき一番早い段階で、中野委員が大臣に質問をしていました。つまり、日本政府はKEDOに対して一時、八月三十一日のテポドン発射によって、十月二十一日までの約二カ月間停止する、凍結するという決定をした。それは、本会議でも民主党の委員が言っておりましたけれども、振り上げたこぶしのおろしようがなくて、何も変化がないにもかかわらず、態度をまたもとへ戻したじゃないかという話もありましたし、きょうのさっきの中野委員の質問も同じであります。
 それに対して大臣の答弁というのは、KEDOの合意された枠組みの重要性ということを考えたときに、私の理解ですと、何も八月三十一日のあのテポドン発射ということで大きな変更をしようという意図ではなくて、KEDOの枠組みは重要だから、これは実現していく、実行していくという意思は変わりないのだけれども、国内のさまざまな反応もあり、それは一つのメッセージを北朝鮮に与える意味でも八月三十一日のあれを受けて凍結を言ったのだけれども、それは基本的に、大きい方針を変更する意思はもともとなかったのだ、こんなふうな言い回しをされたというふうに理解していますが、それでよろしいですか。
    〔森山委員長代理退席、委員長着席〕
○高村国務大臣 基本的にそういうことでございます。
 それは何も後になって言い出したことではなくて、八月三十一日のミサイル発射を受けてKEDOの進行を当面見合わせる、そのときから、KEDOの枠組みは壊すつもりはないと日本政府は言い続けてきているわけであります。それは対外的にも対内的にも言い続けてきているわけでありまして、北朝鮮との間のKEDOの枠組みを壊してやろうと思ったことは一度もありません。
○赤松(正)委員 そういうふうに、今大臣は明確に言い切られたのですが、今度は、さっき東委員が、これからKEDOが、この枠組みの実質的な部分がこれからスタートしていく、そういう流れの中で、もう一度同じようなことがあった場合どうするかという質問に対して、さっきも答えたのだけれども、二回目の答えであるがということを言いながら大臣は、今度あった場合には非常に難しくなるという表現をされましたけれども、それはどうして難しくなるのですか。
○高村国務大臣 外交というのは国民感情を全く離れて行うことはできない。私は、国民感情のとおり、そのままやらなきゃいけないとは思いません。やはり政治家のリーダーシップでもってやる部分と、しかし、大きな意味で国民感情の範囲内とはどういうことか、その中でどれだけリーダーシップを発揮できるか。いろいろあるわけであります。
 どうして難しくなるのですかという質問は、大抵の日本人なら、先生もおわかりの上で言っておられるのだろうと思いますが、やはり日本国民のミサイルに対する感情は非常に厳しいものがある。こういうことは北朝鮮にも知っておいてもらわなきゃいかぬし、アメリカにも知っておいてもらわなきゃいけないし、韓国にも知っておいてもらわなければいけない。そういうことで、私は、北朝鮮の方とは会うチャンスがないわけでありますが、米韓の要人と会うたびにそのことは伝えている、そういう言い方で伝えているわけでございます。
○赤松(正)委員 私がなぜ今のような言い方をしたかというと、一回目の、去年の八月三十一日とそれから未来において起こるであろうことの間の大臣の姿勢、言いぶりに、非常に大きな落差を感じたからであります。
 つまり、北朝鮮は、あれは日本に向けてミサイルという言い方はたしか私の記憶ではしていなくて、人工衛星と言っているわけですね。大臣は、一回もKEDOをやめるという気持ちなど持ったことはない、こう明確に断言しておられて、された。人工衛星と言うかもしれませんよ。要するに、国民感情云々ではなくて、将来においてどういう事態が起こるかもしれないということを、具体的に未来を想定して言えないのですが、何か事が起こった場合、あのようなことという言い方をしたわけですけれども、去年の八月三十一日のようなことが起こったときに、直ちに、難しくなるという言い方ですから、また違う言い方をされるかもしれませんけれども、私は、そういうふうに去年の八月三十一日のときの反応と未来における反応に大きな差があるというのは、外務省の方針としてはちょっとおかしいような気がするのです。言っていること、わかりますか、わかっていただけるでしょう。
○高村国務大臣 KEDOの枠組みを壊さないということは一貫をしていたわけであります。しかし、事実を申し上げれば、KEDOの再開を決定することはそんなに易しいことではありませんでした。それは、与野党の政治家にいろいろ理解を賜る、それからマスコミ関係その他、いろいろな理解をいただく。そして私たちは、国民が、そのとおりだ、もう再開しようとみんなが声を合わせて言ってくれて、再開したとは思っておりません。当時の新聞の社説を見ますと、やむを得ないけれども釈然としないとか、釈然としないけれどもやむを得ないとか、そういう書き方を、ほとんどの社説がそういうことをしておりました。
 そういう中で、二発目ということであれば、ますます国民感情はきつくなることは目に見えていることで、私がというか政府がというか、どう考えようと、そう簡単か、難しいか、いろいろある。私は、そういうことはきっちりアメリカにも韓国にも直接伝える、北朝鮮にも伝わるようにする、そういうことは必要だと思って、何度も繰り返して申し上げているわけでございます。
○赤松(正)委員 今の大臣の言い方でとりあえず納得します。
 それで、もう一つ突っ込んで聞きたいのは、総理大臣も、あるいは先ほど大臣も言われましたけれども、KEDO、朝鮮半島エネルギー開発機構の締結というものが最も現実的で効果的だということを繰り返しおっしゃっています。先般の総理大臣の本会議の答弁でも、最も現実的で効果的、大臣も先ほど繰り返しおっしゃった。現実的というのはそうかなという気がするのですが、効果的ということについて、まだ費用対効果というような部分で検証を十分できないようなことに対して、何で今効果的と言い切れるのですか。
○高村国務大臣 最も効果的というのは、絶対的な効果という話では必ずしもなくて、選択肢が幾つかあるとして、少なくともこのKEDOの枠組みよりもこれが効果的だ、費用対効果という言葉は委員がいみじくも使われましたが、まさに費用対効果の関係でこの枠組みよりさらに効果的だと思うことを私は発見できないということで、もし委員に教えていただければ、私はそれを検討いたします。
○赤松(正)委員 さっき大臣は、要するにテポドンに対する国民的感情ということを言われました。私は、それについて、そうだろうと思います。ただ、同時に、そのことでもってこちらの、KEDOに対しても、例えば韓国が七〇%。韓国は、同胞、同じ民族、そのイデオロギーは違っても、第二次大戦以降の不幸なことがあったにせよ、同じ朝鮮民族ということでは、これは日本と全然違う要素があろうと思います。その七割は仮にいいとしても、日本がなぜ十億ドルというお金を出すのか。そして、こういった枠組みを全部アメリカがして、そしてアメリカは、年間五十万トンの重油供与、KEDOに対しては別にお金は出さないというふうなこと、こういったことに対しても日本の国民の感情というものがあるということを指摘したいがゆえに――最も現実的で効果的、ほかに何かないか、これは非常に大事な御指摘だろうと思うのですが、これに変わり得るものと言われてないのが残念ですけれども、どうも、KEDOについて、日本の国民的な、一般的な感情からいえば、やはりこれは最も不可解で浪費的な枠組みではないのか、こういうふうな印象を持つのですね。
 では、対案をと言われると即座には出てまいりませんけれども、その金額の問題とか将来における対応の問題、さまざま疑念がないわけではないというふうなことを強く感じるわけであります。
 では、そんな中で一つ聞いておきたいと思うのですが、例えば北朝鮮から元本返済が滞る、こういったことが起きたら、どういうふうな対応をするのでしょうか。
○阿南政府委員 北朝鮮からの返済という問題は常にある問題でございますが、協定上、北朝鮮はKEDOに対して、長期、無利子で返済をする。また、KEDOと、今お諮りしている日本政府のこの協定の中でも、KEDOが返済を確実なものにするということがございます。
 ただ、今先生がおっしゃいましたように、協定の案文を離れて、実際に返済が滞ってきたときはどうするか。
 こういうときは協議条項で、KEDOと日本とでもちろん協議をいたしまして、常識的に北朝鮮に督促をする、なぜ払わないのだということを言うということで、ともかく返済を確かなものにするということになっておりまして、一応協議条項ということでそういう場合には対応するということでございます。
○赤松(正)委員 北朝鮮に厳しく取り立てするのは当然だろうと思うのですが、ただ、従来からのこの国の対応ということを考えると、これはもう戦争時に受けた被害への補償の一部だなんてことを言い出しかねないということを感じます。
 そういうことをひっくるめて、ぜひ外務大臣にちょっとお願いしたいというか、要求をしたいと思うことは、例えば協定の第六条、本協定の実施に関する情報等を要請により我が国政府に提出すること。これはKEDOに対する義務づけですよね。本協定の実施に関するさまざまな情報を要請により我が国政府に提出すること。KEDOと政府の関係でこういう情報提出義務づけということをこの六条に書いてありますが、ぜひ今度は、政府が国会に報告することというのを重要なこととして私は指摘をしたい。
 それは、こういう外務委員会の場でというようなことになるのかもしれませんが、その都度、政府として、国民に、国会の場で報告をする、このKEDOに関するお金の問題、さまざまな問題についてきちっと報告するということを、ぜひとも政府に義務づけを要求したい、こんなふうに思いますけれども、大臣のお考え方を教えていただきたいと思います。
○高村国務大臣 我が国はKEDOとの資金拠出協定を通じ、長期にわたり、KEDOの軽水炉プロジェクトに財政貢献を行うことになりますが、今委員が御指摘になったことも踏まえて、今後とも必要に応じ、軽水炉プロジェクトの進捗状況等につき、国会における質疑等を通じて十分御説明させていただきたいと考えております。
 これはまさに国際的プロジェクトでありますから、何か秘密にどうというそんな話じゃないので、十分御説明いたしますから、御心配要りません。
○赤松(正)委員 質疑を通じてと、聞かれなきゃ言わない。それは今言われたことでわかるんですが、そういうときは、事前に報告という格好でやった後、質疑という格好にしていただきたい、そんなふうに思います。
 次に、対北朝鮮政策の基本姿勢ということについてお伺いしたいんです。
 まず、何度も出ていることなので、整理をしていくという意味で教えていただきたいんですが、アメリカのペリー調整官の言っている包括的統合アプローチ、これは、先ほど来のお話、あるいは事前に聞いたことでは、日本、アメリカ、韓国がそれぞれ個々ばらばらに対応していくというのではなくて、それこそ文字どおり包括的に、北朝鮮の周辺の三カ国がどういうふうにこの問題を解決するのに取り組むかということについて統合的に対応しようということなんだろうと思うんですが、そういう今の認識よりもう少しきちっと言っていただきたいのがまず一つ。
 それから、今盛んにアメリカの北朝鮮政策の見直し、こう言われていますが、どういう政策があって、それをどういう見直しをしようとしているのか。アメリカのもともとの基本的な政策というものと包括的統合アプローチというものの相関関係、位置づけというものについて、的確に言っていただきたいと思います。
○高村国務大臣 余り的確でないかもしれませんが、包括的というのは、要するに、今までアメリカは、核協議とかミサイル協議とかテロ協議とか、そういうふうにそれぞれの問題に分けてやっていたのを、一つのテーブルにのせて一緒に協議をしましょう、これが包括的です。統合されたというのは、日米韓、この三国が緊密な連絡をとって、整合性がある効果的なもの、こういうふうなことだ、こういうふうに思っております。
 見直しというのは、まさにそれぞればらばらにやっていて、アメリカの議会等からすれば必ずしも効果的でなかったという批判にもこたえて、全体的に見直しをしましょうということでやった、その結果、ばらばらであったものを包括的、一つのテーブルの上にのせてやりましょう。
 それから、統合されたというのは、今までも日米韓は緊密にということを言ってきましたが、さらにそれは再確認したものだ、より緊密にということだ、こういうふうに考えております。
○赤松(正)委員 そうしますと、日本の場合はわかるんですよ。日本の場合は、先ほど来出ておるような、人権という言い方をされていましたけれども拉致事件、あるいはミサイル問題、あるいはまたさきの不審船問題、あるいは日本と北朝鮮との国交回復交渉というふうなテーマ。国交回復交渉、その前提になっている拉致事件あるいはミサイル問題、こういうのが日本の、今おっしゃったテーブルに出すべきばらばらの対象であったテーマなんでしょうが、ではアメリカが抱えている個別のそういう交渉のテーマというのは何なんでしょう、それから韓国は何なんでしょうか。要するに、今までそれぞればらばらだと言われて、これから同じテーブルにのせるという材料、ちょっと国別に言ってみてください。
○高村国務大臣 アメリカは、私は全部知っているわけじゃないから後でアジア局長に答弁させますけれども、例えば核協議、ミサイル協議、テロ協議、こういうのをばらばらにやっていた。それから、いわゆる朝鮮戦争の後始末というようなもので四者会合というのをやっていた、韓国にしても同じでありますが。
 それで、韓国の方が先に、包括的アプローチということを金大中大統領が言い始めたわけでありますが、そういったことも含めて、韓国にはさらに、まさに朝鮮戦争の当事者でありますから、私は具体的に余りたくさん知っていませんけれども、いろいろな問題がそこにはある、こういうふうに考えております。
 具体的には、政府委員から答弁させます。
○阿南政府委員 もう大臣から御答弁ございましたが、アメリカの場合は当然、核、これはまさにKEDOということで対応しているわけでございまして、それからミサイルの問題、朝鮮戦争中に行方不明になった軍人の話等々ございます。
 韓国の場合はやはり核、ミサイル、これは日米韓三国共通の関心事でございますが。そのほかに離散家族の問題とか、これは人道問題というカテゴリーの中に入ると思います。それから、頻繁に行われる北からの韓国に対する浸透工作等、これはテロという範疇でくくるのか、テロ、挑発行為、我が国に対する工作船が来たというふうなことはテロとか挑発行為という範疇でとらえておりますが、そういうような項目が各国あるわけでございます。
○赤松(正)委員 私思いますのは、やはりアメリカが抱えているテーマも、日本が抱えているテーマも、韓国が抱えているテーマも、それぞれ違う。歴史的な経緯も違うし、意味合いが違う。いみじくも大臣が、申しわけない言い方ですが、ぱっと答えられなかったということに事の本質が隠れていて、要するに大臣は、韓国はどういう問題を抱えておるかなんて第一義的に余り関心がおありにならないですね。そういうふうに断定しちゃいけない、失礼かもしれませんが。
 要するに、私が言いたいのは、そういうそれぞればらばらなやつを一括して包括的統合アプローチなんというふうなことを言っても、それは北朝鮮の側から見れば、ばらばらに個別でやっているから交渉が自分の方に有利に展開できるのであって、そういうのを一緒にしようというのはそっちの御都合じゃないのというふうな、そんなことを言っているかどうかわかりませんが、そういう印象を持つという気がするわけであります。
 そこで、大臣言いたいことはいっぱいあろうと思います、後で言っていただいていいんですが、私はぜひ整理をする意味で教えていただきたいというか、お話しいただきたいんです。
 要するに、北朝鮮という国を扱いかねてアメリカも韓国も日本も悪戦苦闘しているという絵柄だろうと思うんですが、そんな中で、包括的統合アプローチという、何となくそういうやり方をすればうまくいくのかななんという印象が一般的に素人目には映るような言い方が出てきている。
 私たちは、旧来、このアプローチがいつの時点で出てきたかということを残念ながら明確に知らないんですが、例えば一般的に我々が知り得る各国の政策という部分では、韓国の金大中大統領が言い出された、恐らく去年の暮れぐらいからなんでしょうけれども、太陽政策あるいは包容政策とも言い方があります。これについて、さっき東祥三委員が、チェンバレンの例を出して宥和政策だと。彼は勢い余って、日米韓全体のいわゆる政策の方向性というものを宥和政策、こういうふうに勝手に言っちゃったから、町村次官から、日本は宥和政策ではないという反論を受けておりましたけれども、韓国の太陽政策、包容政策というのは、やはりこれは一般的に言って宥和政策だろう。つまり、基本的には、どう譲っていくかという譲歩が骨格になっているというふうに思うんですね。
 これは私は、結果的に北朝鮮という崩壊寸前の政権を、韓国のいわば包容政策、太陽政策は延命させている一つの原因、その延命がいいか悪かという判断はまた難しい部分があると思うんです。だから、それがいけないという意味じゃありませんけれども、そういう側面を持っている。
 先般、あるアメリカの元政治家ですか、学者と言えばいいんでしょうか、スティーブン・ソラーズという方、読売新聞に座談会が出ていて、そこで、大臣もごらんになったかもしれませんけれども、要するに、日本がとるべき選択肢として、強行策と宥和策と、それからいわば先制攻撃というんでしょうか、疑惑のあるところを先にたたいてしまうという、言ってみれば三つに分けられる。結局は宥和しかないんだ、そういうふうな位置づけ。
 つまり、例えばKEDOをやめちゃう等々、そういったことは、結局強行策ということは余りいいものをもたらさない。だから、結果的にはそういういわば譲歩というものを根幹にした宥和策をとらざるを得ないというふうな話が出ていたわけです。そういった行き方をとるということについては、韓国の中にもそういう宥和策というのは時期尚早だという意見もあるようで、諸説紛々というか、意見はいっぱいあるだろうと思います。
 私は、ここで何を言いたいかというと、先ほども言いましたように、北朝鮮と韓国というのは、イデオロギーが違っても、第二次大戦というものがあって、不幸なことがあって今分断された国家であるけれども、やはり基本的には同胞だという部分がある。日本と韓国というのは基本的には、なかなか肝心の部分で一致しないというのは自然だというふうに見た方がいいというふうに僕は思うわけであります。
 その辺については余り演説してもあれですから、大臣の御感想を聞かせていただきたいと思います。
○高村国務大臣 韓国と北朝鮮は、確かに同じ民族だという問題はあります。ただ同時に、まさに朝鮮戦争で物すごい血を流し合ったということもあるわけであります。そういう中で、相当長い対峙の歴史を経て、そして今、金大中大統領が包容政策をとっておられると承知しておりますし、日本政府としてもこれを支持しているわけであります。
 包容政策を一言で宥和政策と言ってしまうのも、私は必ずしも適当ではないと思っています。一方で安全保障の備えをきちっとした上で、そしてできるところから対話と協力をしていこうということでございますから、ある意味では、日本の言っている対話と抑止ということ、全く同じだとは言いませんが、と相通ずるところもある、こういうふうに思っておりますし、ペリー調整官が言っている包括的かつ統合されたアプローチというのとも相通ずるところがあると思っております。
 日米韓の基本的利益というのは、大体共通しているんだと思うんです。北朝鮮が核開発をして得な国は日米韓一つもありません。ミサイル発射、ミサイルの開発をして得な国は一つもありません。ただ、それぞれのいろいろなことに対する重きの置き方が少しずつ違うというようなことはあります。そうであるからこそ、私たちは緊密に連絡をとりながら、そしてその中で整合性のある効果的な政策をとっていこうと。ただそれは、日米韓が、それぞれの国民感情等もあるわけで、全く同じ政策をとるということではない、それは三国とも共通の認識を持っているわけでございます。
○赤松(正)委員 そこで大臣、私、前から聞いてみたいと思っていたことは、今いみじくも大臣が日本の一つの外交姿勢として抑止と対話ということを言われましたね。これは、総理大臣も先般の本会議で抑止と対話という方針という言い方をされているんですね。これは、日本政府のいわば基本的な政策方針ということとしてとらえてよろしいんですか。
○高村国務大臣 実は、対話と抑止というのは、何も北朝鮮に対するだけの話ではないわけでありまして、広く安全保障の問題というのは対話と抑止ということでとらえられる、こういうふうに思っております。日本国民の対北朝鮮の安全保障上の関心が非常に強い、そういう中で北朝鮮とこれからどういうかかわり合いを持っていくかということについて、特に一般以上に抑止と対話ということを言っているわけで、まさにこういう原則に基づいてやってまいりたい、こういうふうに思っております。
○赤松(正)委員 今も大臣が言われたんですけれども、対話と抑止というのは外交の姿勢という意味において当たり前のことを言っているんで、僕は何も特別な方針ではないと。
 実は、大臣も覚えておられると思うんですが、ことしの二月十日に外務委員会で私は、言ってみればさっきの太陽政策ということに事寄せて、日本も対北朝鮮政策というものを、明確な方向性というものを国民に日本の政府としてどういう姿勢で北朝鮮に向かっているのかというものをきちっと規定づけるような言い方をされた方がいいですよということを言いましたら、大臣は「残念ながら、余りネーミングにふさわしいような基本政策があるということではないわけであります」、こうおっしゃったのですね。終わりの方で、「北朝鮮が諸問題に建設的に対応を示すのであれば、対話と交流を通じ、関係改善を図る用意がある、これが日本国の姿勢でございます。」と。これは非常に正直に大臣はあのときおっしゃっていただいたと思うんです。
 ところが、日米ガイドラインにまつわる周辺事態安全確保法案の審議の間ぐらいから、あえて名前は言いませんが私の同僚委員が、自分が言ってから政府が言い出した、こういうふうに言っているんですが、それは別にいいんですけれども、急に抑止と対話ということを盛んに大臣や総理大臣が言い出されているというのは何か奇妙な感じがいたします。大臣がおっしゃったように、ある意味で、北朝鮮だけではなくて、通常の外交というものを考えた場合に、抑止のない対話、対話のない抑止、両方とも欠落した部分を持っていることを外交という部分でいえば意味しているんだろうと思うのですね。
 そういった意味で、私が今ここで強く強調したいのは、北朝鮮という国との間で恐らく対話がない。さっきいみじくも大臣が、私はアメリカ、韓国の指導者とは会っているけれども、北朝鮮のリーダーとは会っていないという趣旨の話をされました。というふうに、対話がほとんどできない相手であるがゆえにこの抑止と対話ということを言った場合、いかにも対北朝鮮向けには新鮮味を持って聞こえるのかなという気がするんですけれども、このテーマに関して、学者、いろいろな専門家に言わせると、抑止、対話というのはアメリカが従来言ってきたことだと。このアメリカが言ってきたということも、当たり前のことだから別に事荒立ててこのことについて言うべきじゃないんでしょうけれども。
 言ってみれば、要するに北朝鮮について日本の政府の基本的な姿勢というものは、なかなか的確に国民にメッセージ、国民にどういう姿勢でもって北朝鮮に対応しているんですよということをぱっとわかるような、そういう基本的な戦略というものがなくて困っておられるというふうに私には見えるんですが、いかがでしょうか。
○高村国務大臣 対話と抑止ということは、何もつい最近言い出したことではない、こう思っております。別に、だれかが自分が先に言い出したんだと著作権を主張されるのかどうか知りませんが、そういうことではない、こういうふうに思っております。
 私が申し上げたのは、基本政策がないというのじゃなくて、そういうネーミングにふさわしいものがない、こう言ったわけで、金大中大統領が太陽政策と言った、だけれども、そのネーミングは必ずしもふさわしかったのかどうかわかりませんが、太陽政策と言われることを宥和政策だと批判されることによって、逆に最近は包容政策と言葉をかえているということでありますから、何もネーミングにふさわしいものを必ずしもつくることが大切ではない。私は、対話と抑止は当たり前じゃないか、これは当たり前のことでありますが、そのバランスが必要だということをいつも申し上げているわけでございます。
 ですから、論者によって、対話だけを主張される方と抑止だけを主張される方に分かれるというのは非常にいいことではないわけで、対話と抑止のバランスをとるということが政府の立場でございます、そして両方大事にしていきます。抑止の面でも十分でないところがある、対話の面でも十分でないところがある。抑止の面でも十分でないところは、それはきっちりしてまいりたいし、対話の部分でも十分でないところは、それは対話がよりできるように日本政府としては努力をしていきたい。ただし、ミサイル発射によって、日本はそれに対応した措置をとったわけですから、無原則にそこをぐらぐらさせるわけにはいきませんよ、こういうことを申し上げているわけでございます。
○赤松(正)委員 大臣、そういう方針でずっと今までやってこられてらちが明かない、別にしゃれで言っているわけじゃありませんけれども、らちが明かない、うまくいかないということがある。対話と抑止のバランス、ある意味でこれまた当たり前の話。ですから、やはりこれは、それこそめり張りをつけるという部分が必要になってくるのだろうと私は思うのですね。
 ですから、さっき同僚委員が、大臣はおられなかったのですが、中曽根元総理の言葉を引いて、金正日氏を世界のそれこそサミットのような場に出せばいいじゃないか、こういうある意味の極論を言っていたわけですけれども、普通の世界の中に出させるということが一つの行き方だ。これは別に私はそのことがいいとか悪いとか言うのじゃないのです。
 ある意味で、日本の政策の出し方として、非常に極論的な言い方になりますけれども、別に私はネームにこだわっているわけではなくて、何か名前ができたからといって実質が進むという意味じゃなくて、例えば人類愛政策とかいうふうな角度でもって、要するに、言ってみれば、日朝間の国交回復あるいはまたミサイルの問題、例えば、拉致事件というものが解決しないから日朝国交回復をやらないんだ、そういうかたくなな態度ではないということを、参議院のきのうの委員会でも入り口ではないんだというふうなことをおっしゃったようでありますけれども、私は、そういう問題にしても、こういうKEDOの締結とあわせた形で、仮に、政策の選択として、そういう前提条件を取っ払って一挙に進むというようなことも考えるという段階も、今がそうだというふうには言いませんけれども、これからの流れの中で考えていかないと、抑止と対話のバランスというようなことを言っていると、いつまでたってもきちっとした対応はできないのじゃないか。
 どこか、やるときにはどんとそういうものを全部前提を取っ払って日朝国交回復に取り組むとか、拉致事件について今のような膠着状況が続いていたとしても一挙に進めるとかというふうな形の対応というものが望まれるのではないのかなという気がいたしますが、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、福田委員長代理着席〕
○高村国務大臣 私が参議院で申し上げたのは、入り口とか出口とかどっちか一方に、こういうのは私はとらない、やはり、すべてが解決しなければ一切話もしない、そういう立場はとらない、こういうことを申し上げたわけであります。
 そうでありますが、私は、その基本的立場、抑止と対話、そのバランスということはあくまで維持をしていきたい、こういうふうに思っておりますし、北朝鮮が建設的な対応をとるのであれば私たちは幾らでも対話を通じて関係改善を図っていくということを、粘り強くメッセージを発していきたい、こう思っております。
 自分たちが建設的対応をとらなくても日本が今に譲ってくるさ、こう思われることは長い外交の上で私はいいことではない、こういうふうに思っております。
○赤松(正)委員 引き続きその点について大臣に確認したいのですが、大臣はこんなふうなことを先般本会議でおっしゃっているのですね。対話の実態はどこにあるかという意味の中身の答弁ですが、水面下のものであって、先方との関係もあって、個別具体的に説明することは適切ではない。つまり、日朝間の対話というのはどんな程度にいっているのかという趣旨の質問に対する答えの中で、個別具体的に説明することは適切ではないと言われた後、こう言っていますね。北朝鮮より前向き対応を得て、日朝関係を改善すべく、種々の機会をとらえて、北朝鮮との間で非公式な接触を行っております、こうおっしゃっていますが、ここで言われる公式、非公式、それから水面上、水面下、これはどのようなことを思って言っておられるのでしょうか。公式、非公式の定義というか、とらえ方。
○高村国務大臣 水面下、水面上というのは、これは非常に易しいことで、ここで言えるようなことが水面上で、具体的にここで言えないようなことが水面下ということであります。
 公式、非公式というのは、必ずしもはっきりした区別があるのかどうかわかりませんが、水面下で行われるようなものは大体非公式だ、こう思っていただければいいのではないか、こう思います。
○赤松(正)委員 そこで、一つちょっとお聞きしたいのですが、例えば、朝鮮総連という集団があります。韓国民団と同じように朝鮮総連というのがある。私は、先般、実は朝鮮総連の幹部の方と党のメンバーと会う機会がそれこそ非公式であったのですけれども、朝鮮総連という集団、例えばこの人たちと会うというのは、何かをされたということは、大臣あるいは大臣周辺、日本国外務省としてはそういう対応をしたりされたりしたことはあるのでしょうか。
○高村国務大臣 朝鮮総連は北朝鮮を支持する在日朝鮮人によって構成され、北朝鮮と極めて密接な関係にある団体である、こう承知をしております。ただ、我が方としては、朝鮮総連が我が国において北朝鮮を代表する機関であるとは認識していないわけであります。
 対北朝鮮政策を遂行するに当たって、協議の相手方と位置づけるといったことはしておりません。それから、外務大臣として朝鮮総連の関係者と会ったことはありません。私の近辺の者が会ったかどうかというのは私はよく知りませんので、政府委員に答えさせます。
○阿南政府委員 大臣の近辺の者ということで、私自身のことを申し上げれば、例えば、日本から政党の代表団が訪朝される、飛行場に私どもがお見送り、お迎えに参りますときにこういう方々が来ておられる、そういうところで顔を合わせる、そういうことはございますし、儀礼的なあいさつをすることもございます。
○赤松(正)委員 ということは、先ほど来の非公式には入っていないというふうに理解をしていいんですね。公式、非公式にいろいろなことをやっているということにその朝鮮総連の人たちは入っていないわけですね。うなずいてくださればいいですけれども。
○高村国務大臣 北朝鮮との非公式な接触ということについては入れておりません。
 ただ、場合によっては、北朝鮮との非公式な接触じゃありませんが、いろいろなルートで、いろいろな形で接触というのはあり得ることかな、こう思っています。
○赤松(正)委員 もうこれで終わりますが、私は非常にかぎを握っているという印象を受けました。先ほど来のお話の中で、北朝鮮という国が、いかに現代国際政治、この現代世界の中で、通常考えられる範囲の中で非常にわからない国であるということは一方であるんですけれども、同時に、その国と非常に密接な関係を持っていると見られるその朝鮮総連の皆さんが、際立って、際立ってと言ってはおかしいんですが、そう異常な物の考え方をしていないということを発見しましたので、これは私は一つの大きな発見だと。いわば日本の国の中における北朝鮮ですから、しかも少ない数じゃないんですから、やはりこれはきちっと対応を考えていくべきだ。
 それこそ、メッセージが北朝鮮に通じるか通じていないかわからないというような発言がかつて大臣にありましたけれども、私は、日本国内における北朝鮮という存在である朝鮮総連というものをもう少し事態解決のかぎを握る存在として重視していった方がいい、こういうふうに申し上げて、きょうの質問を終わります。
○福田委員長代理 次に、松本善明君。
○松本(善)委員 議題になっておりますKEDOとの資金拠出協定について質問をいたします。
 まず最初に、我が党のこの問題についての立場を申し上げようかと思います。
 我が党は、一刻も早く核兵器の全面禁止を実現するという立場から、核兵器保有国の核兵器廃絶を主張し、また、どのような国であれ核兵器を新たに保有することにも強く反対をしております。こういう立場から北朝鮮の核兵器開発にも断固として反対であります。
 我が党は、九四年の北朝鮮の核開発疑惑に対しまして、問題の平和的解決を国会でも強く要求してまいりました。当時、アメリカは軍事的制裁を優先的に選択しようとしたのでありますが、日本にその協力体制がないこともあり、平和的解決の道を選ばざるを得なかったという経過がございます。北朝鮮の核開発疑惑問題は引き続き外交的、平和的手段によって解決されるべきであるという我が党の基本的立場から、KEDOのプロジェクトの推進を目的としたこの協定には賛成をする、こういう考え方であります。
 この立場から質問をするわけでありますが、まず、北朝鮮との外交問題であります。
 北朝鮮との間にはさまざまな問題がありますが、問題は、日本と北朝鮮との間に交渉ルートがないということ。ミサイル発射問題にいたしましても、核兵器の開発問題にしましても、日本の平和と安全に関係をする以上、日本が国際的道理を踏まえて平和的に打開をする態度を尽くす必要があると考えます。そのためには、どうしても外交関係を開く、懸案の問題を真っ正面から話し合う関係をつくることが急務だと思います。国交正常化の問題も北朝鮮との間では課題でありますけれども、それを軌道に乗せる前にやはり外交ルートを樹立するというために積極的な姿勢を示すべきだと考えますが、外務大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○高村国務大臣 我が国は北朝鮮との外交関係を有しておらず、通常の国との間にあるような外交ルートを有していないことは委員御指摘のとおりでございます。平成三年に始まった日朝国交正常化交渉は、平成四年の第八回本会談以来中断した状態にあります。さらに、昨年八月の北朝鮮によるミサイル発射を踏まえ、我が国は、国交正常化交渉の開催を当面見合わせるとの措置をとっているわけでございます。
 このように、日朝間では十分な形で対話がなされているとは言えないわけでありますが、我が国はこれまでも、北朝鮮が国際的な懸念や日朝間の懸案に建設的な対応を示すのであれば、対話を通じ関係改善を図る用意があることを明らかにしてきております。
 個別具体的なことは申し上げられませんが、政府としては、種々の機会をとらえて北朝鮮との間で非公式な接触を行ってきており、北朝鮮側の前向きな対応を得て日朝国交正常化交渉の再開への道筋をつけたいと考えております。
○松本(善)委員 私は、相手の建設的な対応があればということでございますけれども、やはり、外交関係を樹立する上で北朝鮮にさまざまな問題があることは私たちも承知をしておりますし、考えておりますけれども、これは、やはり樹立をするということが大事であって、そこから初めていろいろな交渉が正式に始まるものだと思います。そういうルートをつくるということは何の譲歩でもない。だから、堂々とやはり、問題はいろいろありますけれども、一つの国でありますから、その関係樹立というために努力をするというのは日本としても当然のことではないかと思いますが、外務大臣、いかがお考えですか。
○高村国務大臣 建設的な対応を得てということは、必ずしも、全く問題ない国になってもらってから、そういうことではないわけでありまして、今の状況を改善するような方向に進んでいただければ幾らでも私たちは話し合いをしますよ、話し合いの中で関係を正常化していく用意があります、こういうことを申し上げているわけです。ただ、国交正常化交渉なくして外交関係といいますかそういうことを持つというのはどういうことだか、両国で外交関係を完全な形で持つということは、それは、北朝鮮もきっちりとした国交正常化交渉を得てしたいと考えているんだろう、こういうふうに思います。
○松本(善)委員 私どもは、やはりきちっといわゆる戦前問題その他も解決をしてというような問題がいろいろ課題にありますけれども、そういうような問題に入る前でも、当面している例えばミサイルの問題とか核開発問題とか問題があるわけですから、それがきちっとしたルートで交渉できるようにする、最低限そのための努力が払われるべきだというふうに思うわけです。向こうにいろいろの問題がありましてもそれをやるのは当然のことではないかというふうに考えております。そういう点を外務大臣に要望しておきたいと思います。
 KEDOの協定についてでありますが、我が党は、一刻も早く地球上から核兵器を全面的に廃絶させたいというふうに願っております。この立場から、どの国であれ新たに核兵器を保有することに反対であります。この北朝鮮の核開発疑惑問題の根本的解決、これは日本の安全保障にも大変大事でありますけれども、そのためには、やはりどうしても根本的には核兵器の全面禁止協定の締結が必要だと考えますけれども、外務大臣はその点ではいかがお考えですか。
○阿部説明員 政府の基本方針としまして、核兵器のない世界を目指すということで外交努力を続けておりますが、そのためには、現実的な措置を一歩一歩積み上げていくということが必要と考えております。
 核兵器が廃絶される段階に至れば、当然その段階で核兵器を禁止する条約というものをつくるという段階に至ると思いますが、現在はまだそこの段階に至っておりませんので、これは、やがてその段階に至ったときに検討すべきものと考えております。
○松本(善)委員 外務大臣に政治家としての判断を伺いたいのですが、私どもは、やはりその時期をただ待つというのではなくて、日本は積極的なそのための努力をすべきであるというふうに考えているわけです。
 といいますのは、今核兵器の保有状況を見ますと、アメリカなど核兵器の核保有国のすべての保有状況といいますのは、九八年現在で核弾頭数約三万八千であります。そのうち、アメリカが約一万二千個であります。こうした核兵器を存続したままで新たな核保有を許さないと言っても、なかなかこれは国際的な道理を持たないと思います。ここにメスを入れなければ、新たな核兵器国の出現にいつも疑心暗鬼にならざるを得ない。私ども、新しい核保有国ができることは反対ですけれども、あのインドの問題、パキスタンの問題が起こったときにこの委員会でも皆議論をいたしました。この問題にやはりメスが入らないといけない。
 問題は核兵器国がこの地球上に存在することであって、これをなくすることなしに問題の根本的な解決はない。私は、ただ時期を待つというんではなくて、アメリカなどの核兵器存続を容認する姿勢を日本はとらない、やはりそれはなくすべきだということを公然と内外に明らかにするということが必要なのではないかと思いますが、外務大臣の見解を聞きたいと思います。
○高村国務大臣 私も委員と同じように核兵器のない世界が来ることを望んでおります。ただ、そう簡単には来ないという現実がある。それで、核兵器がない世界をつくるために、現実の問題としてどういうふうに努力をしていったら一番早く達成できるかということの現実的な手段について委員と私は考え方が違うんだろう、こういうふうに思います。
 私たちは、核兵器国も交えて話し合いを進めて、そういう中で究極的核廃絶ができるように一歩一歩進んでいくということが現実の問題としてかえって早いのではないか。急がば回れという言葉もありますように、ただ期限を設けてすぐやれということで、はい、やめますと核兵器国が言ってくれるんであればそれは非常にいいことでありますが、そうでない状況の中で、いたずらに核保有国とあるいは持っていない国との間の対立を深めてかえって話し合いさえできない状況になる、そういうことが結果としてかえって核のない世界をつくることをおくらせるということを恐れているわけでございます。
○松本(善)委員 私はそこのところがやはり一つの問題だろうと思うんです。態度が違っても話し合うということは幾らでもできるわけです。それはもう国内の政治の世界でも国際政治でも同じだと思います。やはり、日本というような一つの影響力のある国が、核兵器の廃絶を、全面禁止協定を結べという立場を明らかにする、そして一歩一歩努力をしていくということが大事なんではないかというふうに思います。
 私は、本委員会でも、インド、パキスタンの問題が起こりましたときに、カーター元大統領でありますとかバトラー将軍でありますとかそういう皆さん方が核兵器の廃絶のための協定を結ぶべきだという運動をされていることを紹介しながら質問をいたしましたけれども、やはりその時点からまたもう一歩世界の世論が進んできていると思います。
 一つは、欧州議会の早急な核兵器の廃絶を求める国連決議に対する決議の問題であります。九八年十一月九日欧州議会は、自国の核兵器を早急かつ完全に廃絶することを求める国連決議への支持を呼びかける決議を、賛成百六十三、反対四、棄権七という圧倒的多数で採択をいたしました。極右と無党派を除くすべての党派の共同提案でありました。
 第二は、アメリカの民主党の十五名の議員によってアメリカ下院に提出をされた核兵器廃絶条約の早期締結を求める決議案であります。これは結果的には廃案になっておりますけれども、提出されたこと自体に大きな意義が私はあると思います。
 これは、一九九八年二月二日の、私も先ほど申しましたカーター元大統領を初め四十六カ国からの百名以上の元、現国家元首や文民指導者の核兵器廃絶の声明、また、九六年七月八日のバトラー将軍初め十七カ国の六十名以上の退役将軍たちの、これに日本の自衛隊の元幹部の方も入っています、核兵器のない世界の創出は必要であり、可能であるという声明に言及しながら、かつ、国際司法裁判所の勧告的意見をフォローアップした九七年十二月九日の国連決議が、核兵器の開発、生産、実験、配備、貯蔵、移転、威嚇、使用を禁止し、その廃絶を準備する核兵器条約の早期締結に導く多国間交渉を一九九八年に開始することを求めていることに言及して、早急にこのような協議を開始する、そういう決議でありました。
 欧州議会にせよ、それから、アメリカの下院で国会議員がそのような行動をとり始めているということは、これは、先ほど申し上げましたカーター元大統領などの行動あるいはバトラー元将軍たちの行動を一歩進めた公式の行動が始まっているということなんです。私は、こういう世界の情勢に対応した日本の態度というものがやはり必要なんじゃないかというふうに考えるわけでありますけれども、外務大臣、いかがお考えでしょう。
○高村国務大臣 我が国は、広島、長崎の悲劇を経験した国として、核の惨禍が二度と繰り返されないよう核兵器のない世界を目指して現実的な措置を着実に積み重ねていくことが重要であると考えているわけでございます。
 具体的には、特に米ロ両国に対してSTARTプロセスの促進を強く求める等、核兵器国に対し核軍縮努力を一層強化するよう求めております。また、CTBTの早期発効に向けてインド、パキスタン等の未締約国に対する働きかけや、ジュネーブ軍縮会議におけるカットオフ条約交渉の早期開始のため積極的にイニシアチブを発揮しているわけでございます。また、昨年の国連総会において究極的核廃絶に関する決議案を提出しましたが、この決議案は圧倒的多数の支持を得て採択されました。賛成が百六十で反対がゼロ、棄権が十一でありました。
 我が国は、今後ともこのような努力を一歩一歩積み重ねていくことが肝要と考えているわけでございます。
 核兵器をなくすような世論が世界じゅうで高まっているということは、私も非常にうれしいことでございます。
○松本(善)委員 今の課題は、私は究極的ということではなくて、やはり期限を決めて核兵器廃絶の交渉を開始するということについての世論が高まっているわけであります。
 先ほど紹介をいたしましたアメリカ下院の決議案は、核兵器の脅威からの唯一の安全保障は厳重で効果的な国際管理下における核兵器の廃絶だと。現実的な提案をもうし始めているんですね。私は、こういう提案について、外務大臣、賛成ですか、どうお考えですか、伺いたいと思います。
○阿部説明員 委員御指摘のとおり、最近において、冷戦の終結後におきまして、各方面で核軍縮をさらに促進して核兵器のない世界を早く実現すべきであるということで、かつての軍の指導者あるいは政治、政界の指導者あるいはスウェーデン、アイルランドといった中立的な国が集まりまして、新しいアジェンダコーリッションというグループをつくっておりますが、そういった国々がいろいろ新しい発想を出しまして、核のない世界をどうやって目指すかという提案をしております。こういったことは政府としましても十分受けとめまして、検討をしているところでございます。
 去年のインド、パキスタンの核実験の後、政府のイニシアチブによりまして、緊急行動会議、後に東京フォーラムと名前を変えましたけれども、世界の有識者を集めまして会議を開いておりまして、この七月には結論としての提言をいただくことになっておりますが、その中に、最近のそのような新しいいろいろな考えを検討した上での具体的、現実的方法を提言してもらえるものと期待しております。
○松本(善)委員 外務大臣にちょっと御紹介をしておきますが、カナダで最近世論調査をしたその結果を私見たのですけれども、いわゆる五大核保有国を含めて一切核兵器を持たない、そういうふうにすべきだという世論調査の結果が何と七七%であります。圧倒的に、核兵器のない世界を望むということが急速に世界の世論になってきている。これをいつまでもいつまでも究極的な核廃絶ということでとどまっていたのでは、やはり日本は、憲法の平和条項を持っている国、しかも唯一の被爆国であります。これは、日本外交としては非常な立ちおくれと言わざるを得ないのではないかというふうに思うのですけれども、外務大臣の見解をもう一度伺いたいと思います。
○高村国務大臣 核のない世界というのを心から私は望んでいるわけでございます。核のない世界にどうやったら早くたどり着けるかということ。現実的にはそう簡単にたどり着けないということがある、これは私の判断でありますが。そういう中で、どうやったら早くたどり着けるかということについて考えているわけでございますが、それは、先ほど申し上げたように、日本政府がいろいろ努力しているそのことを申し上げた。
 現実に、核保有国と核を保有しない国の感情的対立が起こって、そして現実に、カットオフ条約の交渉にすら入れないというような状態が続いたという過去の歴史もある。そういうことを考えると、どうやって核保有国も引っ張り込んで話し合いができるような雰囲気をつくるか、そういう現実的な一番いい取り組みはどうしたらいいのか、そういうことを考えていきたい、こう思って、政府としてはそういう姿勢で臨んでいるわけでございます。
○松本(善)委員 核保有国と非核保有国との対立という問題にちょっと触れられましたけれども、私は、やはりその根本は、自分たちは核兵器を持つ、おまえたちは持ってはいけない、これではどうしても道理がないですよ。どうして核兵器を持つ権利のある国と権利のない国があるのか。これは、どのように説明しても説明のつかない点であります。私は、ここにやはり問題の焦点があるんだと。
 協定に少し戻ってもう一度質問をしようと思いますけれども、KEDOを決めました米朝合意は、個々の内容は別といたしましても、第四項のNPT体制の強化、つまりアメリカなどの核兵器独占体制を維持することが最大のねらいになっているというところが重大だと言わなければならないと思います。核独占体制の維持に協力をするならばあめでも何でも欲しいものをやろうというようなやり方は、果たして道理のあるものだろうか。それは核独占体制の押しつけ以外の何物でもないと思いますけれども、外務大臣、どのようにお考えになりますか。
○阿部説明員 確かに、委員御指摘のとおり、合意された枠組みの第四項一号におきましては、北朝鮮が核不拡散条約にとどまるということが書いておりますが、実は、この核不拡散条約には、核を拡散しないという義務と同時に、核兵器を持っている国は核軍縮を進めるという義務が書いておりまして、例の核不拡散条約の無期限延長を決めた会議におきましては、それがさらに非常に強い核兵器国の約束として、究極的核廃絶を目指して交渉するという約束になっておりますので、この条約を維持するということは、必ずしも独占を正当化し続けるということではなくて、同時に軍縮の義務もあるということで、日本はむしろその点を強調して、先生御指摘の点から、核兵器国にも核軍縮を求めるということで努力をしているところでございます。
○松本(善)委員 ところが、それが本当に遅々として進まない。現状、先ほど御紹介いたしましたように、九八年現在で核弾頭数約三万八千。これはけた違いなんですよ。新しく核を持つのと、現在の核保有国との差というのはけた違いで、条約にそのように書いてあるから、協定にそのように書いてあるからといって、それは世界を納得させるものでは決してないと思います。
 重ねて外務大臣に見解を伺いたいと思います。
○高村国務大臣 だからこそ、STARTプロセスを進めるように核保有大国を促したり、日本政府はいろいろな努力をしているわけであります。
 現実的に一番早いのがどれかというのはなかなか難しい問題ですが、私たちいろいろ考えて、これがやはり一番早いのではないかということで選択をしているわけで、NPTがなくて、そして核独占がないときに、さらに幾つかの国が、核保有国だけが核を持っているのが、独占するのがけしからぬと言ったからといって、すぐなくなるわけではない。そういう中で、NPTはおかしいと言っている間にどんどんふえていくというのはもう耐えられないことでありますし、私たちはNPTというものをきっちりさせて、そして拡散をなくすと同時に核保有国には軍縮を求めていく、このプロセスは委員がおっしゃるように不公平といえば不公平に感じるかもしれませんけれども、現実的に言えばこれが一番いいと私たちは思っているわけでございます。
○松本(善)委員 やはりそこが問題だと思うのですね。私ども、三万八千もの核兵器があるという現実は厳しく直視をしております。それをどうしてなくすかという課題なのですけれども。御紹介をいたしましたように、欧州議会でそういう決議が出たとか、アメリカの下院議員がそういう決議案を出したとか、これはやはり世界に影響を与えるわけですよ。日本という国が、直ちに核兵器廃絶協定を結ぶテーブルを設定すべきだという立場を表明した場合に、それはすぐ実現しないかもしれません。だけれども、それは世界に大きな影響を与えるだろう。そういうものが積み重なっていってこれはできていくんではないかというふうに私は思います。
 ちょっと別の問題をお聞きしたいと思いますが、この米朝合意につきましては、今申し上げたことだけではなくて、逆の方向もあります。
 北朝鮮がこの合意から外れた場合には、核兵器の使用を含む軍事制裁を行うという構えをアメリカはしっかりとっています。核拡散対抗措置構想という核脅迫態勢、言うならば、先ほど言いましたことがあめでありますならば、いわゆるむちもちらつかせる、核独占体制の維持に協力せよと。
 みずから核兵器を廃絶するから新たな核兵器保有国は許さない、これなら道理がありますけれども、言うことを聞かなければ核攻撃もするぞ、だから核独占体制の維持に協力せよと。これは私は、相手がどこであれ、国際的に道理のあるものでは決してないと思うんです。私は、アメリカの核拡散対抗措置構想は批判されるべきだと思いますけれども、外務大臣、いかがお考えですか。
○高村国務大臣 日本の平和と安全に責任を持つ者の一人として、北朝鮮が核を持ったときの恐ろしさというのは、これは大変なものだ、こう私は思っておりますが、できるだけKEDOの枠組みを通じて北朝鮮の核開発が阻止されることを望んでいるわけでございます。
    〔福田委員長代理退席、委員長着席〕
○松本(善)委員 私どもも、だからこそ北朝鮮の核開発に反対をし、それからこの協定にも賛成をする、考え方は違うかもしれませんけれども賛成をしているわけです。しかし、それで杞憂がなくなるかというと、そうではないでしょう。やはり根本的な解決はどこにあるかということを論じているわけであります。
 最近、ペリー元国防長官が「プリベンティブ・ディフェンス」という本を出されました。それによりますと、北朝鮮の原子炉を攻撃する計画があったけれども、南朝鮮にも被害が及ぶというのでこの考えに反対したんだということが述べられております。
 米朝合意に反したら核兵器使用を含む軍事制裁をやるというのですけれども、一体そういうことをする権利がアメリカにあるだろうか。私は、こういうことは国連憲章は認めていないと思いますが、外務大臣、いかがお考えですか。
○高村国務大臣 国連憲章上、基本的に武力攻撃を行うことができるのは、安保理決議があって集団的安全保障でやる場合と、自衛権の行使として行われるものである、こういうふうに承知をしておりますが、私はその具体的な事実関係はよくわかりませんので、何とも論評のしようがございません。
○松本(善)委員 私は、やはり、そういういわば脅迫的な武力による威嚇というようなやり方でこの問題を解決しようとするのは間違いなんじゃないか、このことを言っておるわけでございます。
 私は、その観点からして、この国会で我が党も提起をしているんですけれども、北朝鮮との関係を改善し、私たちの国の安全を守るためにも、日本から先制攻撃はしない、この立場を表明する、アメリカにもそれを働きかける、そして北朝鮮との関係で問題を平和的、外交的に解決していくという方向を大きく切り開くということが私どもは大事なのではないかと思っておりますが、この点について外務大臣はいかがお考えでしょうか。
○高村国務大臣 日本は専守防衛でありますから、先制攻撃しないなどと改めて言うまでもなく、憲法上、そんなことをするわけがないわけでありますから、改めて宣言をするということではないと思います。
 日本とアメリカは信頼し合った同盟国でありまして、アメリカが、いわゆる国連憲章に違反して、この地域で何かをするなどということは毛頭考えていないわけで、そういうことをわざわざ働きかけるというような気持ちはありません。
○松本(善)委員 私、外務大臣がそういう答弁をされるたびごとに、戦前の日本軍が悪をなさずということを言っていたのを思い出すわけでございます。アメリカは悪をなさずということは通用しない。今までの歴史の中でも決してそうではなかった。国連での決議で非難をされていることも幾つもあります。
 私は最後に伺いたいのは、核兵器全面禁止ということが私どもは一番大事だと思いますが、その前にもなすべきことがあります。それは北東アジアの非核地帯化の問題であります。
 方々で非核地帯ができてきておりますけれども、北東アジアの非核地帯化が実現をすれば、この一帯は核戦争から免れますし、アメリカはもちろん、北朝鮮などいかなる国も核兵器保有化をこの部分では正当化できないわけです。この北東アジア非核地帯化は日本の安全のためにも非常に重要だと思いますけれども、外務大臣、いかがお考えでしょう。
○高村国務大臣 核兵器国を含むすべての関係国の同意と適切な条件がそろっている地域において非核地帯が設置されることは、一般的に言って、核拡散の防止等の目的に資すると考えているわけでございます。
 しかしながら、北東アジアにおいては、域内の対立、緊張関係が継続していること、北朝鮮の核兵器開発疑惑がいまだ完全に解消されたとは言えないこと、複数の核兵器国が存在すること等により、非核地帯構想の実現のための現実的環境はいまだ整っていないと考えております。
 我が国としては、まずは、北東アジアの安全保障環境の改善のため、ASEAN地域フォーラム、ARFの場等を通じ、域内の安全保障対話の促進の努力を継続してまいる考えでございます。
○松本(善)委員 もう時間が来ましたのでやめますが、やはり現実をそのまま肯定するのではなくて、現実を変えるために、核兵器の廃絶とかあるいは非核地帯構想を実現するために、そういう方向で日本外交が積極的な活動をすべきであるということを求めまして、質問を終わります。
○中馬委員長 次に、伊藤茂君。
○伊藤(茂)委員 長い質疑の時間でございまして、大臣を初めお疲れのこととは思いますが、若干の質問をさせていただきます。
 短い時間ですから絞らせていただきますが、まず一つ伺いたいのは、日朝国交正常化交渉の今後についてであります。
 KEDOの問題が順調に進展をいたしまして、当初の外交的目標が達成をされていく、いろいろな意味で、朝鮮半島を含むこの地域にいい条件がつくられるということを私も願っております。
 そういう中で、長年の難しい課題でございますけれども、また大変な曲折を繰り返しているわけでございますけれども、日朝国交正常化、これからのロードマップと申しましょうか、こういうことが必要ではないだろうかというふうに思います。
 この年頭以来、外務大臣も総理大臣も、北朝鮮側の方が建設的な対応をすれば前向きな対応を考えると申しましょうか、そういう姿勢をずっと指摘されております。私も前向きにその発言をとらえていきたいというふうに思います。
 問題は、そういう考え方と姿勢をどう具体的に応用できるか、そのチャンスがあるのかないのかということの問題ではないだろうかというふうに思います。確かに、不審船の問題もございましたし、昨年来、日本列島を通り越したミサイルの問題もございます。非常にこれはもう理解しがたい行為だという声が国民的にあるのも事実であります。そのような中で、つい最近の状況を見ますと、幾つかやはり全体として緊張緩和の方向に流れている兆候が生まれている、いいことではないだろうかというふうに思います。
 米朝合意によるところのいわゆる核地下施設視察がございました。また、ペリー調整官の訪朝、対話がございました。金永南さんとの対話とか、あるいは大統領のメッセージとか、それから外務次官などとも、何かまだ内容は詳細にはもちろんわかりませんが、非常に率直かつ現実的な会話をなさったような印象で実はとらえているわけであります。
 また、金永南さんが中国を訪問される、これもかつての、昔の時代の中朝団結みたいなものとは違った今日の状況からどうするのかということの会話がなされるだろうと私は思いますし、期待もいたしております。
 金永南さんというのは、前に労働党の国際部長をしております当時に、私ども社会党時代に代表団で参りまして、二人だけで共同声明の案文を練ったり、二人でいろいろな議論をしたり、あるいはあの方も、東京へIPUに来られたり、それから、社会主義インターとかそういう国々の集まりがありますとぜひオブザーバーで出たいということがあったり、世界を御存じの、認識を持っておられる方でございますから、それなりの現実に合った会話がなされるということを私も期待いたしております。
 また、総理の訪中の計画もございます。
 いろいろなことを考えますと、年頭来、総理、外務大臣が言われていることを、どう次をつかむのか、建設的な、具体的な対応を考えるという時期ではないだろうか。
 今日、日朝間に国民的な不信が生まれているさまざまの問題がございます。すべて一挙に解決というわけにはなかなかいかないと思います。対話の中で打開をするということも現実には大事なことだと思います。
 しかし、総理、外務大臣が年頭からおっしゃっている建設的な何らかのシグナルがあれば、それにどう対応するのかということがまさに今必要なときではないだろうか。そうでありませんと、南北の対話もあります、米朝のさまざまの交渉もございます、日本だけが外れているみたいな形でとらえられるということではやはりよろしくないと思います。
 私どもの内輪と申しましょうか、仲間内でありますけれども、党の代表という意味ではなくて、村山前総理も間もなく、今月中には、ほかの党の友人の皆さんと一緒に訪朝される。いい会話ができることを私も望んでおります。
 何かやはりそういうことを考えるときではないだろうか。そういうチャンスがつかめれば、例えば両国とも日朝交渉のための大使も任命をされております。大使級レベルということもあるでしょう。その前のレベルもあるかもしれません。やがてはその上の局長レベルもあるかもしれません。やはり、そういう判断あるいは構えを持って局面をどう前向きに打開するのか、ある意味では機敏に、ある意味ではしたたかに、そういう時期ではないだろうかというふうに思うわけでございますけれども、大臣、御所見いかがでございましょうか。
○高村国務大臣 委員も今指摘されたように、我が国はこれまでも、北朝鮮が国際的な懸念や日朝間の懸案に建設的な対応を示すのであれば、対話を通じ関係改善を図る用意があることを明らかにしてきており、個別具体的なことは申し上げられませんが、種々の機会をとらえて、北朝鮮との間で非公式な接触を行ってきているわけであります。今後、このような努力を一層強化して、北朝鮮側の前向きな対応を得て、日朝国交正常化交渉の再開への道筋をつけたい、こう考えているわけでございます。
 今委員が幾つか挙げられたこと、これだけで建設的な対応と言えるかどうかというのは私は問題だと思いますが、経済企画庁長官の言葉をかりれば、兆しの兆しぐらいにはなるのかな、こういう感じは持っております。
 現在検討が進められていると承知している村山元総理の訪朝が実現すれば、政府としても、日朝間の重要な対話の契機となり得るものと期待をしております。ぜひ、こういう機会にでも、建設的な対応を、私たちがすっきり評価できるようなことをしていただきたい、こう思っておりますが、そういうことを私たちも期待しております。
○伊藤(茂)委員 具体的にどう打開をするのかということで、私は、こういう気持ちがいたします。
 五年前に非常に緊張した北朝鮮核疑惑の事態がございました。国連で制裁決議をするかどうか、制裁決議をすれば宣戦布告とみなすなんという北の反応もありましたし、また、米軍も緊張した配置についたということも御案内のとおりでありますし、また、そのときが一つのたたき台になって、今日の、論争いたしましたガイドラインの問題に至っているというふうな評論もさまざまなされております。
 私も自分の経験で非常に記憶に残っているんですが、当時連立与党でございまして、運輸省を担当しておりました。もちろん海上保安庁を担当しているわけであります。万々一どういう事態が起こるだろうかどうだろうか、当然でございますけれども、さまざまの議論をいたしました。私は、当時は社会民主党ではない、社会党出身の閣僚でございますから、自分なりの立場と考えもございます。しかし、現実どういう事態が万々一起こり得るかどうかという懸念もございました。どうしたらいいんだろうか。非常にこれは、真剣なというよりも深刻な思いで、しばらくの間、日夜考えたり、保安庁長官とかいう方々と議論したことを覚えております。
 結局、結論として、カーター・金日成会談、そのセッティングはハリソンという方が随分やられたそうでありまして、後で聞いて、ああなるほど、そういう方がいるんだなというふうに思いましたし、やはりさすが超大国で、いろいろなパイプと努力をしているんだなということも思いましたが、実は、打開をして、そしてKEDOのことにつながる米朝合意に至ったということになるわけであります。
 私は、やはりこういう非常にデリケートな、しかも北東アジア全体の焦点になる問題ですから、しかも長い歴史を担っている非常に難しい問題ですから、何か起こっていることに、単に目には目を歯には歯を的な対応ではない、やはり政治的な判断や戦略や展望を持った決断と申しましょうか、対応が非常に大事なのではないだろうかというふうに思います。
 そういうことを考えますと、総理、外務大臣がおっしゃっておりますように、やはり向こう側からまじめないいシグナルが出てくるということを私も強く期待いたしております。将来を考えたら、日朝間の経済、文化、さまざまな交流がなければ、国家建設だって非常に難しいことは当然のことでございまして、そういう意味では、本当は日本という国は非常に大事な相手であるというふうに認識をされるべきであると思います。
 そういうシグナルへの対応なんですが、例えば食糧援助の問題がございます。私から申し上げるまでもなく、世界食糧計画、WFPの方で、この七月から一年間に二億六千万ドルの資金拠出を世界各国に要請している。アメリカは四十万トン、韓国は五万トンの肥料援助とか、さまざまな動きをやっている。KEDOの理事国、中でも日本は、今立ちどまっている、踏み切れませんという状態に政府としてはあるということでございます。チャーター便の問題もございますし、これもICAOのルールを尊重するということをきちんと言ってもらえばいいわけですが、それらの努力もしなければなりません。
 そういうことを考えますと、今、いいシグナルが出れば、また、それを率直な対話で期待をしながら、それに対して対応し、次のいい展望をつくっていくということが非常に大事なのではないだろうかというふうに思います。
 ちょっと大臣、具体的にはなかなか言いにくいことだと思いますが、やはりさっき申し上げたような、目には目、歯には歯ではない、カーターさんの努力のような、そういう構えというものが、日本のアジアにおけるポジションの大きさからいっても、外交的判断を持ちながら、慎重に、またあるときには果断に判断をしていくという、非常にデリケートな大事な時期ではないだろうかというふうに思いますが、いかがでございましょう。
○高村国務大臣 何度も繰り返しておりますように、国際社会の懸念あるいは日朝間に横たわる諸問題に北朝鮮が建設的な対応を示すのであれば、我々はそれを前向きにとらえて、そして対話を通じて関係正常化をしていく用意がある、そうしたい、こう思っているわけでございます。
○伊藤(茂)委員 大臣、次に伺いたいんですが、いわゆる六者という話であります。
 現在四者会談が行われておりまして、そしてまた日本とロシアが加わって六者でやることが望ましいということは、総理も外務大臣もおっしゃっておられます。また、アメリカ側にも言われているようでございます。ロシア側との会話の中でも指摘をされているということになっているわけであります。私は非常に望ましいことだというふうに思います。
 かねてから私は思いますが、この朝鮮半島問題の解決につきましては、幾つかの要件が並行的に進むことが望ましい。例えば、四者会談、やがては六者へということがございます。それから、当然ですが、当事者ですから、南北のさまざまな交流と対話。そして、金日成主席が亡くなる前の遺言ともいうべきものであったトップ会談とかいうふうな形になることも望ましい。それと、米朝もそうです、もちろん望ましいことです。それから日朝関係。これらが並行して進むことが、やはり国民的にも一番理解のしやすい、また国際的にも順調に進むシナリオではないだろうか。そういう努力を多面的にやっていくことが必要ではないだろうかというふうに思っているわけであります。
 与党時代に前の幹事長や政調会長といつもそんな議論をいたしておりまして、ある方が雁行と言っておりました。カリが秋の空を渡るとき、きれいな一列のときもあるし、リーダーがちょっとこうなって三角形で、いずれにしても並行に進む、たまに風が来ると乱れたりするけれども、しかしすぐカリの列が一列に戻っていくというような形が望ましいんじゃないかということを、実はお互いに言い合っていたわけであります。今でも私はそう思っているわけであります。
 そういう中で考えますと、やはり前向きにいく中で四者会談、これは形態がなかなか難しいのは現実ですが、それがやがて六者へと。単に一つのアイデアとして四と六という言葉があるというだけではなくて、じゃ一体、これは政府がアメリカの方にもロシアの方にも言っていることですから、どういう条件とどういう現実のもとに、今の四者を構成している四者の合意が必要なわけですから、そういう方々も含めて、ああそれはいいことだとなるような条件をどうつくっていくのかということが必要ではないだろうか。また、どういう条件のもとにそれができるのかというふうな構想も必要ではないだろうか。
 せっかく四から六へという好ましい、北東アジアあるいはアジアの安全保障の将来像にとっても非常に望ましい、ヨーロッパにおける2プラス4というものにも匹敵をする大事なあれですから、そういうことをやはりどう考えていくのかという外交戦略が必要ではないかというふうに思います。私ども、その回答を全部持っているわけではありませんし、また提案するシナリオを持っているわけではございませんけれども、やはり四から六へということは、それだけにまた日本のポジションにふさわしい努力と構想力を持って現実、具体的な展望を考えるということではないだろうかと思いますが、感想、いかがでしょう。
○高村国務大臣 北東アジアの平和と安全の確保という観点から、政府としても従来から域内諸国間の信頼醸成を促進するとの観点で、二国間及び多国間のさまざまなレベルで安保対話、協力を促進すべく努力しているところでございます。今後ともこのような努力を継続していきたい、こう思います。
 北東アジアにおける安全保障の枠組みにつきましても、今申し上げたような観点から、小渕総理より、日本、米国、中国、ロシア、韓国、北朝鮮が参画した形での話し合いの場を将来的に設定していくことがこの地域全体の平和と安定のため有益である旨主張し、関係国首脳等に対して働きかけを行ってきているところでございます。
 ただ、私たちが六者会合と考えているのは、現在行われている四者会合の枠組みに取ってかわるものではないと認識をしているわけでございます。我が国としては、朝鮮半島における永続的な平和の枠組みを構築するための四者会合の進展は、それで引き続いて進展していくことを期待しているわけでございます。
 我が国が提案しているような話し合いの場の実現は、他の関係国等の意向もあり、必ずしも容易ではありませんが、政府としても今後ともその実現に向けて不断の努力を傾注し、地域の安定に寄与していきたいと考えております。
 先日、金大中大統領がロシアに行ったときは、韓ロの間でこの六者会合ということが合意されておりますし、ただ、相変わらず北朝鮮には拒否反応が強いという現実があります。それから、中国も余り乗り気ではないのかな、こういうふうな感じを持っているわけでございます。
 ただ、いずれにしても、この地域の平和と安定のためには、本当にこういった会合は必要だと思っておりますので、私たちは粘り強くやってまいりたいと思います。
○伊藤(茂)委員 ことしは一九九九年、来年は二〇〇〇年でございまして、私は、外交に責任を持つ、その責任の重さというものはございますけれども、やや大胆に、どこかで、総理でも外務大臣でもビジョンを語るぐらいのときがあってもいい、またはそういうことが必要な一つの時代ではないだろうかという感じで申し上げさせていただきました。
 次に、先ほど同僚議員の中で活発な質疑がございましたが、米朝合意の中のIIIとIVのところ、いわゆる核問題の議論がございます。
 先ほどの米朝間での、例えばIIIで言う「双方は核のない朝鮮半島における平和と安全保障の実現に向けてともに努力する。」という立場からの三項目とか、IVで言われている問題とかいうふうな御議論がございました。傾聴をしていたわけであります。
 同時に、御存じのように、北朝鮮で金日成さんが健在のときに、南北の共同宣言、合意がございまして、非核の朝鮮半島ということについての合意があることも御案内のとおりであります。
 また、大臣が先ほど答弁なさいましたが、北東アジアでどのように非核武装あるいは非核武装地帯などをつくれるのかということは、ほかの地域とは違った、例えば南太平洋とかASEANとかとは違った非常に難しい現実があるということも、私もそう思います。
 ただ、将来へのビジョンを論ずると、さっき申し上げましたが、また日本は世界唯一の被爆国でございますから、やはりこういう目標とそういう時代ということは、常に我が国は主張し、また、目標か理想か知りませんが、そういうことを追求していくということが国際的にもとるべき態度であろうというふうに思うわけでございます。
 先ほど同僚議員の真剣な議論を聞きながら思ったんですが、米朝協定のこの部分、それから南北の非核の共同宣言とかいうものを踏まえた日本らしい発言というものは常にあるべきではないだろうか、難しさと現実をどう乗り越えるか、大変な問題だということは重々承知をしておりますが、姿勢は常にそうあるべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○高村国務大臣 現実を踏まえて将来どうあるべきか等についても、委員の御指摘も踏まえていろいろ考えていきたい、こういうふうに思っております。
○伊藤(茂)委員 一事だけ、やや実務的なことをお伺いいたします。
 さっきも申し上げましたように、雁行か並行してさまざまな努力が進むことが望ましいということを申し上げましたが、今度のKEDOにつきましても、韓国、米国、日本、いろいろな意味で、荷物の重さはやや違いはございますけれども、共同して、そしてまた共同テンポで努力をするということが非常に大事だと思います。
 我が国の拠出についての中身は私ども賛成であります。一番大きな金額を出される韓国の場合に、その出資の方法、内容、ほぼ同一だと伺っておりますが、どういうことなのでしょうか。
 それから、米国の場合に、年間五十万トンの重油供与があるわけでございますけれども、二基のうち一基ができるまでとなっておりますが、一基ができてもう一基ができるまでというのは時間差がそうないのかあるのか、どういうことなのか。その辺、どういうことなのでしょうか。
○高村国務大臣 韓国は、総経費の七〇%に当たる三十二億二千万ドルを、我が国同様に貸し付ける形で提供するものと承知をしております。
 韓国は、KEDOとの間で、我が国の資金拠出協定と類似の国際約束について交渉してきており、現在、署名に向けて最終調整中であると承知をしております。
 一基と二基の間、どのくらいあるかというのは、政府委員に答えさせます。
○阿南政府委員 建設の計画予定では、一年の差でございます。
○伊藤(茂)委員 もう一つだけ伺います。
 当初の目標では二〇〇三年ということになっていたわけでありますが、その後の状況など含めて、三、四年程度おくれるのかというふうな報道などを聞くわけでございますけれども、北朝鮮の側も早期に実現することを強く望んでいる、当然のことでありまして、ということでありますが、どのような見通しが持たれるのか。
 それから、この経過の中で、発電所の本体は韓国の電力公社、韓国型というふうに聞いておりますが、日本のさまざまな技術的協力とかアドバイスとかいうようなことはあるのだろうか、ないのだろうか。いかがでしょうか。
○高村国務大臣 一九九五年にKEDOと北朝鮮との間で締結された供給取り決めにおいては、軽水炉完成の目標として二〇〇三年が挙げられておりますが、本件プロジェクトの完成には本件工事の開始から約九年が必要とされており、二〇〇三年までに完成させることは現実的には不可能な状況になっているわけでございます。
 九七年八月から開始された初期建設工事は、土地の造成を主な目的として現在行われており、この工事が本年六月半ばまで続くことになっておりますが、この協定の締結等を終えて本格的な資金供与が開始され、KEDOと事業者との軽水炉建設契約が結ばれれば、軽水炉の供与に向けた本格工事が開始されることとなるわけでございます。
 日本が技術的にどのような協力ができるか等々、それから今後の見通し等についても、ちょっと政府委員からも補足させます。
○阿南政府委員 日本の参加の問題というのは、この本体工事の資機材の調達ということと関係する問題でございますが、一応、我が国の財政貢献に見合った規模の資機材が我が国企業から調達される機会がある、当然入札をしてということ、国際手続を経ての上でございますが、一応そういう機会が与えられているということでございまして、日本から資機材が参りますと、それに伴って必要な人員、技術者も現地に行くということが予想されております。
○伊藤(茂)委員 時間ですから質問を終わらせていただきますが、一言だけ、最後に要望させていただきたいことがございます。
 KEDOの事務局次長をなさっている小野さん、外務省の方ですか、雑誌「世界」の先月号に、KEDOについての「安全保障機関としてのKEDOの重要性」という論文を書いておりまして、村山さんとか土井さんとかと一緒に読んだのですが、非常にまじめないい論文だなと思って読ませていただきました。
 その論文の中に、これからやるについて、特に北朝鮮側を含めまして、このプロジェクトの進行が順調にいくために、北朝鮮の義務履行に関し大きく二つの側面があるということで、IAEAとの協定の問題とか、さまざまのことがございまして、若干の懸念も含めて、今後の課題だというふうに書いてございます。
 私ども読んで、大変勉強になりました。また、そういう知識を持ちながら私どもなりの勉強をしていきたいというふうに思いますが、これらのことが、このまじめな小野さんの懸念ではなくて、うまくいくように努力をしていただきたいという要望を申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○中馬委員長 これにて質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○中馬委員長 これより本件に対する討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決いたします。
 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○中馬委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中馬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○中馬委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十六分散会