第145回国会 農林水産委員会 第23号
平成十一年七月十三日(火曜日)
    午前九時三十分開議
  出席委員
   委員長 穂積 良行君
   理事 赤城 徳彦君 理事 増田 敏男君
   理事 松岡 利勝君 理事 横内 正明君
   理事 小平 忠正君 理事 木幡 弘道君
   理事 宮地 正介君 理事 一川 保夫君
      今村 雅弘君    小野寺五典君
      奥山 茂彦君    金子 一義君
      金田 英行君    木部 佳昭君
      岸本 光造君    熊谷 市雄君
      熊代 昭彦君    小島 敏男君
      坂本 剛二君    鈴木 俊一君
      園田 修光君    中山 成彬君
      丹羽 雄哉君    萩山 教嚴君
      御法川英文君    宮腰 光寛君
      宮本 一三君    矢上 雅義君
      安住  淳君    奥田  建君
      今田 保典君    鉢呂 吉雄君
      堀込 征雄君    上田  勇君
      漆原 良夫君    木村 太郎君
      井上 喜一君    佐々木洋平君
      菅原喜重郎君    中林よし子君
      藤田 スミ君    前島 秀行君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  中川 昭一君
 出席政府委員
        厚生省生活衛生
        局長      小野 昭雄君
        農林水産大臣官
        房長      高木  賢君
        農林水産省経済
        局長      竹中 美晴君
        農林水産省構造
        改善局長    渡辺 好明君
        農林水産省農産
        園芸局長    樋口 久俊君
        農林水産省畜産
        局長      本田 浩次君
        農林水産省食品
        流通局長    福島啓史郎君
        農林水産技術会
        議事務局長   三輪睿太郎君
        食糧庁長官   堤  英隆君
        林野庁長官   山本  徹君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        事務総局経済取
        引局取引部長  上杉 秋則君
        農林水産委員会
        専門員     外山 文雄君
委員の異動
七月十三日       
 辞任         補欠選任
  今村 雅弘君     奥山 茂彦君
  木部 佳昭君     小島 敏男君
  塩谷  立君     坂本 剛二君
  神田  厚君     今田 保典君
  堀込 征雄君     奥田  建君
同日       
 辞任         補欠選任
  奥山 茂彦君     今村 雅弘君
  小島 敏男君     木部 佳昭君
  坂本 剛二君     塩谷  立君
  奥田  建君     堀込 征雄君
  今田 保典君     神田  厚君
七月十二日
 持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律案(内閣提出第五四号)(参議院送付)
 肥料取締法の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)(参議院送付)
 家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律案(内閣提出第六六号)(参議院送付)
は本委員会に付託された。
本日の会議に付した案件
 卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案(内閣提出第七三号)(参議院送付)
 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第七四号)(参議院送付)
 持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律案(内閣提出第五四号)(参議院送付)
 肥料取締法の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)(参議院送付)
 家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律案(内閣提出第六六号)(参議院送付)
    午前九時三十分開議
     ――――◇―――――
○穂積委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案及び農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鉢呂吉雄君。
○鉢呂委員 おはようございます。
 昨日は、大臣におかれましては、新しい食料・農業・農村基本法が参議院で可決され成立をしたということで、この間の御労苦に敬意を表したいと思っております。また、まさに基本法が成立をして、その具体化に取り組むという政府の責務は大変大きいものがあると思いますので、その取り組みについてよろしくお願いいたしたいと思っております。
 今回の基本法は、自給率の向上あるいは国内生産を基本とするというような食料の安全保障、あるいはまた農業の持続的な発展、さらには価格政策、所得確保政策、経営安定対策という形、そして同時に農村振興という多面的な農業、農村あるいは食料の基本法であるというふうに考えております。
 そこで、大臣にお伺いいたしたいんですけれども、きょうあたりの報道を見てみますと、これの基本となる予算について、農水省としても大胆に見直しをしていく、あるいは拡充をしていくということが報道されておりますし、私どももそうであろうというふうに考えておりまして、予算編成といいますか概算要求も行われるわけでありまして、来年度の予算に向けて大臣としてこの基本法にのっとってどのようにこの予算というものを大胆に見直していくのか、その基本的な考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○中川国務大臣 おはようございます。
 まず冒頭、今鉢呂先生からお話がありましたように、食料・農業・農村基本法を昨日国会で成立をさせていただきまして、当委員会の先生方を初め、まことにありがとうございました。
 今先生からお話、御質問のあった件につきましては、まさに新しい食料・農業・農村政策というものをさらに推し進め、また、ある意味では新しい部分が出てくるわけでございますので、この基本法、あるいはまたこの基本法に基づく基本計画あるいは関連法案等々一体となって推し進めていかなければなりません。
 そのためには、法制度の整備だけではなく、政策の執行に必要不可欠な予算というものも、この法律の趣旨に合った形でこれから来年度予算あるいは今後の予算にしていかなければならないというふうに思っておりますので、農林関係予算につきまして、柔軟にといいましょうか、思い切ったといいましょうか、大胆にといいましょうか、この法律の趣旨に合致するような形の予算編成にしていきたいというふうに考えております。
○鉢呂委員 そこで、この基本法の精神を生かすためにも、いわゆる農産物の国際貿易交渉、これは極めて重要なかなめになるというふうに思っておりまして、きょうの農水省からの説明によりますと、五カ国農相会議も、カナダ政府の都合といいますか、その日程を延期する旨の案内があったということでございまして、農相会議が延期をされることは確定したようでありますけれども、いずれにしても、農産物の貿易交渉というのは極めて大きな、重要な課題になるというふうに思っております。
 そこで私は、前回、六月二十四日の当農水委員会でも、国民的な合意を得て交渉をしていくためにも、国民の民主主義としての最大の機関であります国会の論議を踏まえてということを強く要請したところであります。今回は延期になりましたからよかったんでありますけれども、このままいけばその審議も経ずして大臣が行くことになって、私はきょうこのことに苦言を呈しようと思っておったわけでありますけれども、幸い延期となった。しかし、WTOのジュネーブの委員会等には日本政府の態度というものをもう既に表明しておるようでありますから、私は、いろいろな交渉は長い時間がかかると思いますけれども、やはりこの国会で皆さんの政府の提案というものをきちっと正式にして、そして論議をきちんとしておくべきであるというふうに強く思っておるわけでありまして、農水委員長にも前回もお話ししたと思っておりますけれども、そのことについてどのように考えておるか、まず農水委員長にお伺いをいたしたいと思います。
○穂積委員長 WTO関連の問題につきまして当委員会でぜひ審議をしようではないかという民主党の理事さんのかねてからのお話もございますし、各党の理事からもそのような御意見を承っているところでございます。したがいまして、この扱いにつきましては、今国会の残余の期間内で、残された法案の審議との兼ね合いを考えながら、そのような委員会審議の日程をどうするかについては理事会で相談をさせていただきます。
○鉢呂委員 大臣も連日の質疑でお疲れと思いますから、法案について今個別の質疑をさせていただきますので、担当局長、長官等で御答弁をいただく分についてはそのようにお願いいたしたいと思っております。
 そこでまず最初に、遺伝子組み換え農産物というか食品の問題についてお伺いをいたします。この問題は最近国の内外で大きな問題になっておりまして、とりわけ食品としての不安感、消費者から訴えられておる分も大変大きいわけであります。
 そこで、国内にこの遺伝子組み換え食品の流通、どのぐらいされておるのか、まずこの辺からお聞きいたしたいと思います。
○福島政府委員 外国から我が国が大量に輸入しております農産物のうち、遺伝子組み換えのものが存在する農産物といたしましては、アメリカからの大豆、トウモロコシ、それからカナダからの菜種があるわけでございまして、こうした遺伝子組み換え農産物と従来のものとは一般的に区分して流通していないことから、これらの輸出国におきましてもどの程度遺伝子組み換え農産物の栽培面積があるかというような統計はないわけでございます。
 しかし、アメリカなりカナダなりの遺伝子組み換えの種子の販売状況等から平成十年の遺伝子組み換え作物の栽培面積を見ますと、アメリカの大豆で作付面積の約三割弱、トウモロコシで約二割から三割強、それから、カナダの菜種で約四割弱が遺伝子組み換え作物に置きかわっているというふうに推定されているわけでございます。
 したがいまして、食品用大豆の一部でIPハンドリングという形で分別流通されているものを除きまして、我が国がこれらの国から輸入しております大豆、トウモロコシ、菜種も、同様な割合で遺伝子組み換え作物が含まれているというふうに考えておるところでございます。
○鉢呂委員 アメリカでの遺伝子組み換えの作付割合、今平成十年の数値を言われたんでありますけれども、平成九年に比べますと倍増の勢いでふえておることも事実であります。同時にまた、今お話はありませんでしたけれども、日本がアメリカから輸入しておる大豆の割合が七九%、トウモロコシが八五%、カナダから菜種というような形で、大変多くを遺伝子組み換え作物をつくっておる国から輸入しておる。しかも、今局長が言われましたように、区分流通をしておらない、その確認はしておらないということでございます。
 そこで、コーン等を含めてどの程度、遺伝子組み換え作物、品種といいますか、品目といいますか、アメリカにあり、そして日本はどの程度認めておるのか、この点についてお伺いいたします。
○福島政府委員 輸入物につきましては、先ほどお答えしたとおりでございます。国内におきましては、今のところ、そうした種子を国内で、例えば大豆あるいはトウモロコシにおきましても、遺伝子組み換えの種子を一種農業的に栽培しているという実態はございません。
○鉢呂委員 ちょっと私、質問通告したつもりでありますけれども、承知をしておらないようでありますから。
 食品としては二十二品種ですね、日本が認めておるもの。それから、今局長が言われました、種子として、栽培として四十一品種というふうに私はデータから把握をしておりまして、例えばアメリカは、コーン、トウモロコシとして七品種、安全確認をされておりますけれども、日本には四品種認められておるという形をとっておるということであります。
 このように、大変日進月歩の形で遺伝子組み換え品種というものが出てきておりますし、また日本は、その一部を安全基準のもとで認めておるというのが実態であります。しかも、大臣、このような形で表示もされておりません、大臣御案内のとおりです。どのぐらい入っておるかも確認されないという状況であります。
 そこで、地方自治体、団体あるいは個人で、農水省、厚生省等にどのような要請といいますか、遺伝子組み換え作物の安全性に関してのさまざまな御意見が来ておると思いますけれども、これはどのぐらいになるのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○中川国務大臣 この遺伝子組み換え食品の表示につきましては、検討会で昨年たたき台をお示しして、いわゆるパブリックコメントという形でいろいろな全国の個人あるいは団体から一万件を超える御意見をいただきました。また、地方議会等から一千百二十件の要望書もいただいております。
 一万件以上のうち、やはり安全だということは当然大前提なわけでございまして、我々はもちろん安全というものを大前提にするわけでありますが、その表示について、とにかく不安だという御意見もありましたし、また表示さえしっかりすればいいという御意見もありましたし、そういう御意見が比較的多かったというふうに認識をしております。もちろん、それ以外にも、極端に言えばアメリカ方式でもいいじゃないかというような御意見もあった、いろいろな御意見があったわけであります。
 いずれにいたしましても、こういうものを参考にしながら、たまたま本日、この遺伝子組み換えに関する小委員会の取りまとめが午後出されるわけでございまして、これは小委員会でございますので、この後、上部組織になります懇談会で八月末に最終的なお考えというものをいただきまして、そして、できるだけ早く適正にこの表示の問題をきちっと決めていかなければならないというふうに考えております。
○鉢呂委員 私も遺伝子組み換え品種というものの中身をきちんと、最近、文献等で掌握しているだけなんでありますけれども、要するに、遺伝子の一部を組み換えて、微生物をそこに組み入れて、例えばトウモロコシであれば、ある種の害虫を殺す遺伝子を組み込む、したがって、ある種の害虫は、トウモロコシの葉っぱを食べれば、まさにその中に農薬のものが含まれている、それを食って死ぬ。
 あるいは、除草剤を軽減するために、ある種の除草剤についてはこの作物はその除草剤で枯れることがない、効かないというものを組み入れておいて、したがってそのほかのものは全部、雑草等は死んでしまう。ラウンドアップという除草剤が昔からあるんですけれども、これは全面的に効いてしまうんです。そのラウンドアップの効かない遺伝子を組み入れておる作物をつくった場合に、デントコーン、トウモロコシ等が枯れずにほかの雑草が枯れてしまうというような、生命の基本でありますDNAの組織をかえることによってそういうものをつくり出す、まさにバイオテクノロジーの技術だというふうに思います。
 消費者が一番不安に思っておるのは、確かに、これまで日本もさまざまな品種について開発業者からデータを出させたり、また試験をしたり、安全性の基準に基づいて問題なしということで先ほど言ったような品目についてゴーサインを出してきたわけでありますけれども、非常にこの技術は高度な技術でありますし、遺伝子に対して手を加えるということについて、果たして短期的な実験あるいは開発業者だけの試験で後世にとっても大丈夫なのかという不安感が非常に強いんですね。
 例えば、遺伝子を組み入れると、今は短期的な試験では出てこないんですけれども、全く予期しないようなことが起きる危険性はないのかどうか。私どもも素人でありますから、あるいはまた、遺伝子を組み込むことによって、クローンなんかがそういうことが言えるんでありますけれども、作物中に眠っている、今までは発現しておらない遺伝子が突如発現をして、全く別の作物になってしまうとか、あるいは、人間にとって普通は何ともないんですけれども、アレルギーのような、アレルゲンというものや毒素や、あるいはがんを発生させる発がん物質をつくってしまうのではないか。今は人間は予見できておりませんけれども、そういう可能性がないのかどうか。
 あるいはまた、先ほど言いましたように、ある種の害虫には効くんですけれども、しかし何らかの形で、種子として人間が食べるとして輸送した中でこぼれてどこかに落ちて、それが雑草化したときにほかの害虫にも効いてしまうというようなことがないのかどうか。あるいは、他の動植物や人間にもそれらの遺伝子が移ることはないのかどうか。
 人間は、私も素人で余りわかりませんけれども、先ほど言った、昆虫は胃の中で、アルカリの中で作用するから、その農薬的なものは効くんだ、人間の胃は酸性ですから、酸性の胃の中では効かないんだ、あるいはそれを受け入れる受容体というものが、それと結びつかなければ効力を発生しないんですけれども、その受容体は人間の中にないから昆虫と違って毒性を発揮しないというようなことが言われておるんです。
 笑い話ですけれども、体の調子が悪くて何かの薬を飲んで人間の胃がアルカリ性になった場合に、果たしてその毒素は効かないのかどうか、効いてしまうのではないかと。受容体がないから大丈夫だというようなことが言えるわけでありますけれども。
 しかし、いずれにしても、DNAについて何らかの組織がえをするわけでありますから、予期せぬ危険性というものが生ずる可能性がないのかどうかということを極めて心配するわけでありますし、また、日本のように、非常に輸入食品に依存をしておりますから、果たして、行政等のきちんとした検査なくして入ってきたものについて、後からその危険性があったというようなことになっても、大変問題ではないかというようなことが言われておるわけであります。
 そこで話を進めますけれども、最近ヨーロッパ、EUが新たな組み換え食品の認可はしないんだというその発端になったのが、イギリスの科学雑誌のネーチャー五月号にBtコーンという、先ほど言いました害虫に強いトウモロコシのBtという品種、日本もこれは認可をしておるのですけれども、そのBtコーンの花粉の降りかかった葉っぱを食べたチョウが、オオカバマダラというチョウなんですけれども、その幼虫が四日間で四四%死亡してしまった、生き残った幼虫も体重が半分以下だということで、このコーンの花粉は六十メーターぐらい飛ぶ。これは実験室のデータなんですけれども、野外で花粉が六十メートルぐらいも飛ぶので、広い範囲で、ある種の昆虫だけ、このコーンだけ食害をするチョウの幼虫に効くBtコーンだったんですけれども、他のチョウの幼虫にも効くのではないか、その懸念がネーチャー誌に掲載をされたということでありまして、このネーチャー誌の論文について、まず農水省はどのような見解をとっていらっしゃるか、お答え願いたいと思います。
○三輪政府委員 ネーチャー誌の論文の趣旨は先生のお話のとおりでございまして、トウモロコシの栽培圃場の真ん中にオオカバマダラの好む植物があるような状況に近い、非常に高密度な花粉を葉につけて幼虫に摂食させたところたくさん死んだというデータでございます。
 私ども、この報告に対しまして、農林水産技術会議に設立されております組換え体利用専門委員会で検討をしたところでございますが、現実的に考えた場合に、チョウの生息地が圃場の中にあるということは非常に考えにくいことであります。したがって、圃場の外にいる場合、花粉の密度は必然的に低下をするということがあること、これが第一点でございます。
 それからもう一つは、トウモロコシの花粉が発生して飛散する期間は一年間で一週間から十日のごく短期間に限られております。したがって、この短期間にチョウの好む植物に高密度で花粉がつくという想定のこの報告、このとおりに現実で自然の昆虫相に大きな影響を与えると結論づけるのはやや適切ではないのではないかというのが専門委員会の見解でございます。
 また、そうでありますが、同専門委員会では、先生、我が国でこのトウモロコシについて安全性を確認しておるということを言われましたけれども、これは加工目的、加工原料として輸入される件について安全性を確認しているわけで、栽培目的に関しては確認をしておりません。仮に栽培された場合、極めて異常な、異常なといいますか、例えばトウモロコシを大面積で栽培している圃場のごくごく近傍にチョウの生息地があるというような場合にはこの論文が言っている懸念も考えられるということはありますので、改めて、この件に関しましては周辺生物への影響を十分検討してみる必要があるというふうに思っております。
 このために、今年中に、このトウモロコシが栽培されるといった場合を仮定いたしまして、新しい評価項目、評価基準を設定することを検討しております。その検討が終了するまでの間、花粉中にBtたんぱく質を産出する作物の国内での栽培については安全性の確認を行わないということにしております。
○鉢呂委員 農水省のこの関係の対応についても今後段お話があったのですけれども、それに関してお聞きいたします。
 一つは、今のBtコーンの品種にかかわって、新たないわゆる種子としての品種についての承認、認可というものをしないということなのか。あるいは、EUの場合は食品に供する品種についても全面的に新たな認可をしないというふうに聞いておるのですけれども、EUとの関係も含めてお答えを願いたいと思います。
○三輪政府委員 ただいま申し上げた措置は、花粉にBtたんぱくを産出する作物について、栽培目的、栽培用途でそれを使おうという場合については、評価項目等検討して、その検討の結論が出るまでは安全性の確認を行わないということでございます。また、加工用途でこのものについて安全性の確認をしておりますが、それは、先生が先ほどたくさんおっしゃいました心配事の中で、この種子が輸送中等にこぼれ落ちて、それが雑草化をしていろいろな影響を与えるということについて十分検討いたしましたが、このトウモロコシの種子に関しては、たとえこぼれ落ちても冬を越せない。したがって、開花をする可能性がないということを明らかに検証いたしまして、その上で加工用途のものについては従来どおり安全性を確認しております。
○鉢呂委員 もう一度お聞きしますけれども、今回のBtコーンの、いわゆる種子としての使用について新たな認可をしないという意味なのか、ほかのいわゆる遺伝子組み換え作物の環境に与える影響を勘案して、すべて種子としての新たな認可を凍結するのか、その辺もう一度お答え願いたいと思います。
○三輪政府委員 花粉中にBtを産生するトウモロコシに限ってのことでございます。
○鉢呂委員 そこで大臣、お聞きを願いたいのですけれども、六月二十四日の欧州の環境大臣理事会においては、現行の遺伝子組み換え作物に対する法規制下では、EUは新たな認可をしないという決定をしたわけであります。
 その理由として、今後新たな法規制を確立していきたいということで、例えば、一つは、認可の期限を、一回認可したらそれを無制限ということでなくて、期限をつくるべきでないだろうか。それから二番目に、販売、輸送中の表示の義務づけ、これは日本も今検討しておるということでありますけれども。それから三番目として、食物連鎖を通じてどういう影響があるのか、その調査を新たにするべきでないか。それから四番目として、審査過程における、消費者に対する、国民に対する情報公開。これらを総合的に見直しをしようということで、ヨーロッパは一九九一年に法を制定して、日本の安全基準のようなものだと思いますけれども、それはやはり相当古いものになっておるのではないかということで、食品としてあるいは栽培の種子として、両面あわせて総合的に安全基準の見直しをしていこうということにあるわけであります。
 私はどうも、ほかのイギリスの学者が、いわゆる先ほどの、本当は害虫しか起こさないものが、食べ物を食べた場合にもネズミが異常を起こした、ネズミの体重が変化したとか、脳が変化したとかいうようなデータも出てきておりますから、そういうものを含めて全面的に見直す段階にあるのではないか。あるいは、見直しの段階では新たな認可をしないというヨーロッパ的な、EU並みの遺伝子組み換え作物に対する対応をすべきでないかというふうに思うわけでありますけれども、大臣の御答弁を願いたいと思います。
○中川国務大臣 まさに、我が国として、このGMO食品の表示の問題、大詰めを迎えておるわけでありますが、お手本といいましょうか、アメリカ型とEU型、現にそういうルールができている国があるわけでありますので、当然そういう国々の状況というものも参考にしながら、しかもEUとアメリカとは考え方が大きく違っておりますから、両地域・国間の一つの政治問題、貿易問題にまでなっておるわけであります。
 そういう中で、何回も申し上げておりますけれども、この問題に関しては、まず安全性というものの確認、それから輸入国としての立場というものが二つの原則としてあるのではないかということを私自身申し上げておるところでございます。
 そして、仮に安全だと専門家、我が省でいえば専門家のトップであります三輪技術会議事務局長からも今答弁がありましたけれども、食品として入ってくる場合、あるいは種子として入ってきて、それが栽培というよりも勝手に生えちゃうという場合等、幾つかの問題が考えられるんだろうと思います。
 それから、実際にヨーロッパの例なんかを聞きますと、ヨーロッパで豆腐は食べませんけれども、例えば豆腐のような食品について、これは後で検査をしなきゃいけないというのがヨーロッパのシステムだというふうに聞いておりまして、さあ豆腐の中で、この部分はGMO大豆、この部分はそうじゃない大豆と仕分けるのは、かなり技術的に苦労をしているんだという話を以前伺ったことがございます。
 そんなような実務例といいましょうか、現実にアメリカ、EU等で行われているということを参考にしながら、さらには先ほど申し上げましたパブリックコメントの結果、あるいは地方議会の御意見等も参考にさせていただきながら、間もなく小委員会、そして懇談会での結論を出していただくわけでございまして、今の段階で、極端に言えばアメリカ型がいいとかヨーロッパ型がいいとかいうことを、私の立場としては、国会での御審議あるいはまた懇談会で御議論をいただいている最中でございますので、両方、一長一短といいましょうか、一長一短というよりも、とにかく大原則としての安全性、そして輸入国の立場というものだけはまず現時点で申し上げられると思いますが、結果として表示を義務づけるかどうかにつきましては、パブリックコメントの御意見をちょっと先ほど申し上げましたけれども、そういうものも踏まえた検討会での結論を待ちたいというふうに現時点では考えております。
○鉢呂委員 農水省で出されております「組換え農作物早わかりQ&A」農林水産技術会議事務局、これも、「遺伝子組換え技術を使うと安全上予想もしないような事態が発生しませんか。」という問いに対して、「予想もしないような特性を持った個体が出現する可能性はほとんどありません。」と。「ほとんどありません。」という表現で、大丈夫だという形にはなっておりません。それからもう一つの方も、いまだそういうものが出ておりませんというような表現になっておるのであります。
 先ほど言いましたように、さまざまな国際的な学術論文が出ておる中で、やはり違ったものが出てきつつあるわけでありますから、大臣も言われました安全性というものを第一に考えれば、もう一度日本の安全基準、これは環境と食品という形で、環境の方は特に農水省が責任を負う立場にありますけれども、もう一度安全基準を今の立場に立って厳密に検討をする必要があるのではないか。
 私の聞いている範囲では、今の、きょう発表される検討委員会は表示問題懇談会でありまして、表示についてどうするかということに限定をしておるようでありますから、やはりその前提になるGM食品というもの、遺伝子組み換え食品というものの安全性について、ここまでやれば大丈夫だというものを日本として出す必要があるのではないか。
 どちらかというと、今まで開発業者の資料を受けて、これなら大丈夫だろうというような、あるいは若干圃場検査のようなものをやってきたようでありますけれども、データによると、日本はまだ圃場の調査も四十数件ぐらい。アメリカは、圃場調査がもう数百件ですね。種子によって環境にどういう影響があるかというような調査も非常に少ないんですね。普通はペーパー検査のような形になっておりますから、私は、この安全性についてもう一回、EUで検討するような項目についてでもよろしいですから、やる必要があるのではないかというふうに指摘をさせていただきたいと思います。
 同時に今、表示の問題で、きょうその報告が出るということでありまして、表示をするための、組み換え食品として流通上区分ができるのかどうか、あるいは、これらについての科学的な分析ができるのかどうかという点が大きな課題になっておると思います。きょう出るものを今どうこうというのは難しいと思いますけれども、局長の諮問機関でありますから局長でよろしいんですけれども、どういう結論になるような状況にあるのか、お聞きいたしたいと思います。
○福島政府委員 この技術小委員会につきましては、ちょうど今開会されまして議論しているところでございますので、その内容につきましてお答えすることは差し控えたいと思いますけれども、この小委員会でもって議論といいますか取りまとめいただく内容といたしまして、加工工程で組み換えられたDNAなり、これによって生じたたんぱく質、それが残っているのか、あるいは除去、分解されているのかどうかというものを、各食品、おおむね二百ぐらいの食品を検査したわけでございますが、その結果が報告されるというふうに考えております。
 また、加工食品の原材料として、遺伝子組み換え農産物がどの程度利用されているのかといったような観点の整理も行われているというふうに考えております。
 また、そのほか、非遺伝子組み換え農産物を区分流通される、いわゆるIPハンドリングという分別流通がアメリカ等で行われておるわけでございますが、その具体的な方法と課題、制約等につきましても、この小委員会の取りまとめの中で触れられるのではないかというふうに考えております。
○鉢呂委員 今現在、遺伝子組み換え作物の輸入の確認はきちんとできておるのかどうか、それをまずお聞かせ願いたいと思います。
 日本が認めておる組み換え食品をきちっと確認されておるのか、あるいはアメリカ以外の国もあるでしょうし、アメリカで認められて日本では認めておらない品種について、これをきちんと確認して輸入をされておるのかどうか、厚生省に確認をさせていただきます。
○小野(昭)政府委員 組み換えDNA技術を応用いたしましてつくられます食品につきましては、その安全性の評価に関しましては、厚生省の審議会でございます食品衛生調査会におきまして、事業者が行いました安全性評価がいわゆる安全性評価指針に適合しているかどうかということを個別に判断をいたしているわけでございます。
 この安全性の評価の基準でございますけれども、WHOあるいはOECD等の国際的な機関におきましての評価の考え方が取りまとめられているわけでございますが、これらとほぼ同様の内容でございまして、こういったものを踏まえまして、平成三年に評価指針を策定しております。
 したがいまして、御指摘の個々の食品につきましてそれを国内に流通させるかどうかという点につきましては、個別食品ごとに業者から申請が出されまして、この安全性の評価指針に適合しているかどうかということを私どもとしては確認をしているということでございます。
○鉢呂委員 それは輸入業者の申請書をうのみにしているということでいいんですか。そういうのを確認とは言わないんですけれども。
○小野(昭)政府委員 輸入をいたしまして販売したいというふうに望んでいる業者につきましては、当然この個別品目につきまして安全性の指針に適合しているかどうかを申請していただいて、私どもで確認をしているということでございます。
○鉢呂委員 そのGM食品そのもの、現物を厚生省としては検査しておるんですか。
○小野(昭)政府委員 現物ということではなくて、いわゆる安全性評価指針、安全性の評価ができるようなデータを業者から提出を求めまして、それについて個々に評価をしているということでございます。
○鉢呂委員 いずれにしても、現物の検査をしておらないということで、GM食品というふうに表示をしておらない大豆が実際はGM食品であったりということがまさに全く確認をされておらないということを局長は言われたと思います。
 輸入検査について、これではどうにもならない、表示をしようとしてもそれはもうどうにもならないわけでありまして、厚生省として、今後どういう形でこのGM、遺伝子組み換え食品について検査体制――私は、輸入の際にきちんと、日本で認められた品種かどうか、それ以外のものが入っていないかどうか検査をすべきである、あるいはその機器もきちんと配備すべきであると思います。
 先般のNHKの「クローズアップ現代」においても、民間の検査機関といいますか、民間の研究所がこの検査の要望が強い、これは消費者から強いんでありますけれども、そういう状態でありまして、決して水際できちんとした厚生省の対応になっておらないのではないかというふうに思います。
 これらについてどのように考えるか、御答弁願います。
○小野(昭)政府委員 食品衛生法第四条の二におきまして、一般に飲食に供されることがなかったものであって人の健康を損なうおそれがない旨の確証がないものまたはこれを含むものにつきましては、必要がありますときには、食品衛生調査会の意見を聞きまして、食品としての販売を禁止することができるというふうになっているわけでございます。遺伝子組み換え食品につきましては、これまでの食品と同等でないものがもしあるとした場合には、販売が禁止できるものというふうに考えております。
 安全性の評価につきましては先ほど来るる申し上げているところでございますが、今後の方向の御質問でございます。
 厚生省といたしましては、各国政府に対しまして、厚生省が行います安全性評価の確認を必ず受けるように関係者に対して周知徹底を図るよう強く求めているところでございまして、私ども得ております情報では、これまでのところ、安全性の評価の確認を受けていないものは輸入されていないというふうに考えております。
 ただ、遺伝子組み換え食品は、いわゆる新しい食品でもございます。そういったことから、人に対する影響等もいろいろ御不安があるわけでございまして、当然のことといたしまして、調査研究を強力に推進していく必要がありますとともに、本年度から、厚生科学研究費補助事業によりまして輸入時のモニタリング検査を開始することといたしております。具体的には、挿入した遺伝子を検知するPCR法を用いまして、我が国に輸入されます大豆、トウモロコシ等の農産物が遺伝子組み換え作物であるかどうかを推定する検査といったものを実施したいというふうに考えております。
○鉢呂委員 大臣にもう一言お伺いしたいのでありますけれども、先般のNHKの「クローズアップ現代」でも、農水省の幹部の皆さん、これは一部が取り上げられたということでありますけれども、この遺伝子組み換え食品というものが貿易障壁といいますか、農産物貿易における貿易障壁となってはならないということを一つの要件に発言をしておったんですけれども、私は、そういう問題ではないと。大量に輸入をしておる日本という国が、食料の安全という立場でこれは十分検討して、決してバイオテクノロジーの開発業者が優先された輸入であってはならない、慎重の上にも慎重を期して対応すべき問題であるというふうに思っていますし、今後WTOの農業交渉でも、この遺伝子組み換え食品については大きな交渉事になるというふうに思っているわけでありまして、農水省としても、このGM食品の輸出入に対する基本的な考えをきちんとまとめて交渉事に当たってもらいたい。
 例えば、日本の次期交渉に向けての提案で、「遺伝子組換え食品の取扱い等新たな課題については、現状分析、問題点の洗出し、現行各協定との関係整理等を多角的に検討するための適切な場が設けられるべきである。」というふうに日本政府の立場を述べておるわけでありますけれども、単に検討という形でなくて、安全な食品を輸入するという基本姿勢に立って交渉に臨んでいただきたいものだというふうに思います。
○中川国務大臣 この間のケルン・サミットで、我が国、総理からこの遺伝子組み換えについても次期農業交渉の中で議論をするというような提案といいましょうか発言がございました。
 いわゆる遺伝子組み換えという技術は、やはり先端技術の一つだと思いますので、研究をしちゃいかぬとかそういう次元の話ではないのではないかと、まず前提として私は考えます。特に、我が国のイネゲノムを初めとする遺伝子の解明というものは、やはり人類あるいは地球環境にとってプラスになる大きな研究であり、世界じゅうが本当に血眼になって競争しておるという先端技術であろうと思います。一つはそういう位置づけを私はしております。
 ただ、食品ということになりますと、やはり大前提として安全であるということが当然要求されるわけでございますし、現に我が国でも、いろいろなメーカーが遺伝子組み換えの研究をやり、また国も、農林省や厚生省、科学技術庁等々でやっておるわけでございますけれども、その技術とそれを利用した食品の安全性というものとは、これはもう大前提として安全性というものが求められる。
 そしてまた、現にGMOの輸出農産物としてはアメリカ、カナダが中心になっておりますし、輸入国に対してこれをどんどん買え買え、あるいはまた、必要だから買う買うということだけで安全性の問題がおろそかになっては絶対にならないという前提がございます。その上で、表示の問題というものも出てくるんだろうと思います。
 いずれにいたしましても、きょう先生がこの問題を大変深められ、そしてまた、たまたま本日小委員会で一つの方向性も出る、次期交渉に向かってもこの問題を我が国が中心になって提案をし、議論をしていこうということでございますので、安全性あるいは輸入国の立場というものを前提として、この遺伝子組み換え食品の表示のあり方につきまして八月中には結論を出したいというふうに考え、またその場で当委員会を初めいろいろと御議論をお願いいたしたいと考えております。
○鉢呂委員 表示については八月にきちんと行えるように結論を出していただきたいと要望をさせていただきます。
 そこで、次に有機農産物の関係について移らせていただきます。
 まさに今の消費者の不安とは全く反対の、安全な食品をつくっていこうという形の有機農産物でございます。先般の七月三日までのFAOとWHOの合同の食品規格委員会、通称コーデックス委員会と言われるところで、この有機農産物の国際基準を採択したわけでございます。
 そこで、日本もガイドラインという形で、平成四年からでしたか、この有機農産物の推進を図っていっておるわけでありますけれども、現状、有機農産物の日本における需要あるいは将来の需要動向、あるいはまた、現在の国内の生産量、また将来の国内供給量、供給率といいますか、それらについて農水省はどのように計画を立てておるのか、あるいは考えを持っておるのか、現状はどうなっておるのか、お答え願いたいと思います。
○福島政府委員 現在の有機農産物の流通状況でございます。
 有機農産物の民間認証機関六団体、それから認証を実施しております六県への聞き取り調査によれば、認証を受けました有機農産物、これはいわゆるガイドラインに基づくものを合計したものでございますが、三十七億七千万というふうになっております。
 それで、平成十年に農林水産省で調査したところ、消費者は有機農産物についてどういう考え方を持っているかということでございますが、八割以上の消費者が、通常の野菜と比較して価格が割高であっても有機農産物を購入したいというふうに考えているということでございます。また、有機食品の検査、認証制度が導入された場合には、六割以上の消費者が認証されたものを積極的に購入したいというふうに考えているということが出ているわけでございまして、そうしたものから、JAS法改正法によりまして有機表示の適正化が行われれば、今後、有機農産物の国内需要は増大するものというふうに考えております。
○鉢呂委員 非常に抽象的でありますけれども、毎日の新聞を見ていますと、例えばキリンビールが有機の農産物を原料として使うとか、さまざまな大型チェーン的なレストラン等でも有機の農産物を原料として使うとか、あるいはレストランに行っても有機というものを標榜してメニューがなされておるというようなところが見られるわけでありまして、そういう意味では、今局長も言われていましたように、日本の国民の皆さんの有機食品に対する関心というのは非常に高いというふうに思っております。
 その割には、農水省のこれに対する基本的な考えあるいは計画というものが必ずしも積極的に打ち出されておらないのではないかというふうに思わざるを得ません。
 例えば、平成五年、このJAS法の改正で、このときガイドラインの関係で出てきたのでしょうけれども、百二十六国会の附帯決議で、有機農業の農政上の位置づけ、今後の展開方向を明確にして、各地域における有機農業の振興を図るための方策を検討すること、その取り組みを助長するため、必要に応じた所要の措置を講ずることという附帯決議が当委員会でなされておるわけであります。それを踏まえて、もう少し局長に、この有機農業に対してどのように考えておるのか。
 今回の新しい食料・農業・農村基本法を見ても必ずしも明らかでありません。安全な食料を供給するということは抽象的にはわかります。あるいは、それに付随して具体化をした農政改革大綱においても、表示としての有機農業、まさに今この審議をしておるわけでありますけれども、表示の問題に偏っておるのではないかというふうに思われる感があるわけであります。
 先ほど言いましたように、国内生産額というのは本当に微々たるものであります。先般、築地、大田市場を我が委員会で調査させていただきましたけれども、まだ青果市場の中では有機野菜とかということを銘打って、かなり多くの方が有機野菜と段ボールに表示しております。しかし、これはガイドラインにものっとらない、単なるスローガンとしての有機野菜だというふうに見ざるを得ないわけであります。
 そういう状況でありまして、有機農業について農水省としてどのように基本的に考えるのか、もう少し詳しくお答え願いたいと思います。
○福島政府委員 今先生御指摘ありましたように、今後我が国の有機農業の発展を図っていくためには、二つの方策が必要だと思います。
 一つは、消費者の有機表示に対します信頼性を確保する仕組みを確立するということでございます。もう一つは、消費者の健康なり安全志向、あるいは環境との調和等に対応しました持続的な農業生産のあり方の一つとして有機農業生産に対しまして的確な支援を行っていくということ、この二つが重要であるというふうに考えております。
 このために、前者につきましては、今回のJAS法改正によりまして、有機農産物につきまして規格を定めまして、第三者による検査、認証によりまして表示の適正化を図るということでございます。また二番目の面につきましては、有機農業につきまして農業改良資金等によります支援を行っておりますが、さらに、今国会に提出して御審議を願っております持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律、この中で、土づくりと化学肥料あるいは農薬の低減を一体的に行う農業生産方式を推進していく、それに対しまして支援をしていくというものでございますが、これを提出しているところでございます。
 要するに、有機農業の生産振興と有機農産物の的確な表示といいますのは車の両輪でございますので、これら二法やあるいは関連する予算措置を十分に活用することによって、我が国有機農業の発展を図ってまいりたいというふうに考えております。
○鉢呂委員 まだ審議はしておりませんけれども、持続性の高い農業振興法というものが新法として提出をされておりますけれども、この中身は、有機農業に至る本当に初歩的な段階にすぎない法案ではないか。海外の有機農産物の輸入というものを考えたときに、こういった一般的な農法に着目をした法律ではなくて、私は、有機農業の生産から流通、消費、その段階に至る総合的な施策というものを考える必要があるのではないか。そのための新しい法律もやはり準備しなければ、なかなか日本の中で有機農業というものは定着をしないのではないか。
 先ほど大臣からもバイオテクノロジーへの前向きな姿勢というものが出されました。いわゆる有機農業、農産物というのは、私も数は少ないのですけれどもヨーロッパ等に行けば、ほとんど有機という形で、それは日本のようにただ広告的に使っておるのではなくて、内実を持った有機農産物なり食品に今変化をしつつあるわけであります。やはりそれにおくれをとってはならないし、その基本は国民に安全な食料を供給するという、国民の皆さんのそういう願いも、求めもあるわけでありますから、そういう方向での総合的な施策、とりわけ有機農業総合生産流通対策の法律、法案というものを用意しなければならない時点にあるのではないか。
 そういう点で大臣の御所見をお聞かせ願いたいと思います。
○中川国務大臣 先生御指摘のように、JAS法あるいはまたいろいろな、持続性の高い農業等々、今国会でいろいろ御審議をいただいておるわけでありまして、まさにこれから有機とかあるいは自然に優しい農法とかいうものを推進していかなければならないというふうに考えております。
 そういう意味で、アンケートなんかでも、有機と名がつけば、八割近くの人は多少高くても買いますよと。それだけ、世の中に有機というものがまだ目新しいといいましょうか、健康にいいとか本物だとかいうことが前提ではありますけれども、まだまだ有機というものが非常に目新しいものである。本来農業というのはもともと有機が最初の農法ではなかったか、こう思うわけでありますけれども。
 そういう意味で、これから国会あるいはまたいろいろな内外の議論を通じまして、生産者あるいは消費者あるいは食品業界にとって、ある意味では日本の食生活の一部をなすこの有機農産物、有機食品というものの位置づけをどういうふうにしていったらいいかということを、まだ生ぬるいという御指摘がございました。第一歩だ、まだ一歩にすぎないという御指摘がありましたが、その先生のお考えを受けとめさせていただいて、省内でもさらに検討をしていきたいと考えております。
○鉢呂委員 大臣の前向きな御答弁、ありがとうございます。
 ぜひ、有機農業を本当に発展させるにはさまざまな問題が、こういう高温多湿の日本の気候あるいは土地条件、さまざまに入り組んだ作物が入っておるという条件で極めて厳しいものがあると思います。ですから、例えば、従来の農法から転換をして有機農業のための栽培体系というものをつくるとか、バイオテクノロジーが利用できるかわかりませんけれども、病害虫に強い品種を開発するとか、あるいは流通、加工部門においてもさまざまな問題がやはりあるというふうに思いますし、とりわけ、今大臣も言われましたけれども、有機といえば何でもいいというふうに消費者は言うんですけれども、やはり高ければなかなかこれには飛びついてこないという面では、消費の問題でもいろいろ問題があるのではないか。
 同時にまた、リスクもあるわけでありますから、経営自体について、所得補償的なものを考えるとかあるいは農業共済的なものをどのようにこのものに加味していくのか、さまざまな問題があると思いますから、大臣、農水省内で有機農業に対する本格的な取り組みを始めるようにぜひ指導性を発揮していただきたいものだなと強くお願いをしておくところでございます。
 若干、個別の問題でありますけれども、例えば、今回のJAS法の関係で、生産者と消費者が直接的な販売を、直接的な取引をする、これについて、有機と表示をする場合にJAS法に基づく第三者の認証が必要かどうか。これは、先ほど言ったコーデックス委員会でも、直接取引についてはこれらの関係から除外をする旨の条項も前文の方にございます。また、昨年十一月の有機食品の検査・認証制度検討委員会におきましても、「生産者と消費者が直接に結ばれた特別な関係には特に配慮が必要であるという意見があった。」意見があったという表現でありますけれども、そのように明記をされておるわけでありまして、この生産者、消費者の直接取引について、表示と第三者認証の関係についてお答え願いたいと思います。
○福島政府委員 先生言われましたコーデックスの前文でございます。どういうふうに書いてあるかといいますと、要するに、消費者と生産者の密接な提携という概念は長きにわたって確立された慣例であるというふうに書いてあるわけでございます。そうした有機農産物の歴史的経緯を述べているわけでございますが、それに続きまして、市場の需要の拡大、あるいは生産における経済的関心の増大及び生産と消費との距離の拡大によりまして、外部からの規制と認証の導入の必要性が高まっているというふうにこのコーデックスの基準の前文でも言っているわけでございます。そうした歴史的沿革は確かにそうでございますけれども、市場が広がってくれば認証が必要だということを言っているわけでございます。
 今回のJAS法改正におきましては、この有機の表示規制といいますのは、一般消費者の選択に支障を生ずるおそれのあるいわゆるにせ有機等の不適切な表示のある農林物資を市場から排除することを目的としているわけでございます。そういう趣旨で運用してまいりたいというふうに考えておりますが、この生消の直販の場合に、例えば、具体的に言えば、現地での看板等による案内やあるいは定期的なニュースレターの発行あるいはパンフレットの配布等を通じまして、生産に関しまして幅広い情報を開示するということにつきましては、認証を受けることなく、従来と同様にできる方向で、産消提携に十分配慮してまいりたいというふうに思っております。
○鉢呂委員 参議院の附帯決議にもそのような要請がございましたので、ぜひその辺の柔軟な対応をお願いいたしたいと思います。
 さらに、JAS法の改正案は、成立後一年以内に施行するということになっておりまして、基準の設定と認証活動というものが同時に行われることになっております。
 御案内のとおり、日本ではまだ実際有機農業農産物というのはかなり微々たるものでありまして、今回この法に基づいて基準が設定をされても、三年等の転換期間を経なければ事実上の有機農産物が出てこないということでありまして、その間海外の有機食品が日本の市場を席巻する事態も想定されるということで、ぜひその辺については、十分期間を設定した施行といいますか、認証の制度を実施すべきであるという意見があるのでありますけれども、これについてどのようにお考えになるか、お答え願いたいと思います。
○福島政府委員 御指摘の点につきましては、今までのガイドライン等に基づきまして有機農業等を営んでいたその実績を、このJAS改正法の施行の中で取り入れていくという方向で対応してまいりたいというふうに思っているわけでございます。
 具体的に言えば、消費者もこの混乱を回避するべく、生産者、消費者が適正化を望んでいるわけでございますから、有機の表示規制につきましては施行をするわけでございますけれども、この運用に当たりまして、従来から有機農業に取り組んでいる生産者の努力を適正に評価する、例えば、その期間が二年既にやっておればあと一年でもって有機という表示ができるようになる、また、転換期間中であれば、新しく有機農法に転換しようとする場合には、転換期間中有機農産物という基準を設けてその表示ができるようにするなど、運用面で十分配慮してまいりたいというふうに思っております。
○鉢呂委員 時間がなくなりますので、次の方に移りたいと思います。
 米の不正表示問題についてであります。
 これは、事件の概要等については、時間がありませんから私の方で概略説明いたしますけれども、石川県立の中央病院が、入院患者給食用米として、金沢市の中堅小売に、九八年産、去年の地元の能登ひかり、これは銘柄米でありますけれども、一〇〇%銘柄米という形で契約をしておったんでありますけれども、納入されたものを見ますと、非常に小さな米粒が混入しておるということで、地元食糧事務所に検査を依頼したところが、最大限というんですからばらつきはあると思いますけれども、七〇%能登ひかり以外の未検査米あるいはくず米というようなことでありまして、その卸をされました富山食糧販売協同組合、これは富山県で四分の一の販売シェアを持っておる卸の業者さんでありますけれども、ここがこの事実を認めたということで、これは日本穀物検定協会の、穀検の認証マークも付されておるということで、消費者の信頼を失墜したわけであります。
 そこで、お聞きいたしますけれども、このような不当表示において行政処分を受けた業者さん、平成九年一月からどのぐらいあるか、お聞かせ願いたいと思います。少し急いでください。
○堤政府委員 これまでに、不正表示を初めとしまして、帳簿の不備でありますとか認証マークの不正使用等によりまして食糧法十八条に基づきます改善命令の処分を受けた件数は、全国で十三事例でございます。
○鉢呂委員 大臣、平成九年から十三件の不正の表示等における改善命令というものがなされておるわけでありまして、大臣も御案内のとおり、新潟の魚沼産コシヒカリが実際の生産量の数十倍、三十倍とかいろいろ言われておるわけでありまして、こういう形では、いろいろ表示の問題を中心に私はきょう論議をしてきたんですけれども、消費者の信頼回復にはいかない。
 これは大臣も御案内のとおり、新しい食糧法ができまして、三つの表示、産年、それから品種、それから何でしたか、三つの表示をするというようなことも行われておるわけでありますけれども、非常に不正が絶えない。氷山の一角ではないかというぐらいでございまして、先ほども言いましたように、富山県の一流の卸業者がこういう形をとっておる。同時に、食糧法に基づきますと、業務改善命令というものが出されるということで、私は極めて手ぬるいような罰則ではないだろうかと思わざるを得ません。その後の段階では業務を停止するということがありますけれども、こういう問題がやはり氷山の一角のような形で出てきております。ですから、きちんとした対応を行うべきである。
 あるいは同時に、大臣も御案内のとおり、日本穀物検定協会の認証マークがつくということは、それなりの権威といいますか、大変な権威であります。今回も、そういうことで今、すべて認証マークとかという話をやっておるわけでありますけれども、認証マークが付されておるにもかかわらず全く中身と表示が違うということは、あってはならないわけであります。五、六百万トンの出回り量のうち、百三十万トンぐらいはこの認証マークがつけられておるわけでありまして、やはり認証マークの信頼性を回復するための穀検あるいは食糧事務所等の体制の強化をきちんとすべきである、一つは。
 それから、罰則の強化についても、業務改善命令というような形でなくて、今回新しいJAS法ができますとそこに移行するというふうに聞いておりますけれども、その罰則の強化を図って、その執行をきちんとすべきである。
 大臣、私は、こういうことであっては消費者の不信感は増す、あるいは生産者もやっていられないということでありますから、精米業者なり卸の業者を初めとして、全国の表示と中身についての緊急調査をぜひ大臣の指導性で行っていただきたい。こういうものがなければ、いかに消費者がいいものを買おうとしても、国が認めておるこの認証マークと中身が違うということ、そういうことがある点では日常茶飯事に行われておるのではないか。米というものはなかなかわかりにくいということでブレンドが日常茶飯事に行われておるのではないか。そういう意味で、きちんとやはり全国の調査をやる必要があるのではないかというふうに思います。
 こういう三点の改善策について、大臣としての御見解をお伺いいたしたいと思います。
○中川国務大臣 新しい食糧法のもとできちっと表示をしなければいけないということで、精米年月日あるいは年産、いわゆる三点セットをきちっと表示しろということで、それにもかかわらず今先生御指摘のような事例が平成九年から十三件、これは日常茶飯事と呼べるかどうかは別といたしまして、やはり先生御指摘のように、国民の米に対する信頼、一生懸命つくってくれた生産者の皆さん、あるいはまじめにやっております業者の皆さんに対する信頼を損なうということは、これはあってはならないことだろうと思います。
 今後、今改善命令の話が出ましたし、また従わない場合には業務の停止、取り消しといった措置もございますし、また、これと並んで今度JAS法の適用も米についても受けるわけでございますので、とにかく、こういうことが二度と起こらないように全国の食糧事務所を通じて周知徹底を、業者の皆さんあるいはまた食糧事務所そのものにもきちっとこの趣旨というもの、あるいは信頼性というものの確保のためにきちっとやるように指導、徹底をしていきたいと考えております。
○鉢呂委員 次に、ベルギー産の鶏卵等のダイオキシン問題について御質問いたします。
 この経過あるいは対応についても、もう時間がございませんから、周知のとおりだというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、一つは、ベルギー産の食品が国内流通分、例えば乳製品で二千三百三十四トン、これが平成十一年、ことしの一月十五日から六月一日に輸入届け出されたものの数量であります。輸入者等において販売等の自粛中のものがその半分、千百八十一トンということで、そのほかは、消費者の食卓に上ったか、ほかのところで消費をされたかという形で、この問題が起きたときには汚染の可能性のあるそういうものが既にもう消費者の間に入っておる、そしていまだ回収等の結論がついておらない状況というふうにお聞きをいたしておるわけであります。
 このように、ダイオキシン汚染にかかわらず、輸入食品に対する水際の検査というものが大変事後的になっておるのではないか。例えば、一九八五年には三十八万件の輸入食品の届け出件数がありました。九七年はその約四倍の百十八万件。重量はそんなに伸びておりませんから、件数が小口化されておるわけでありまして、それに対して、検査総数が九万八千件の八・四%、八%ほどしか検査をしておらないし、行政検査は四万一千件、三・五%という大変低い行政検査数であります。
 いずれにしても、日本は膨大な食料輸入国であります。海外の食品の安全性というものについては、一たび起きれば、大臣、今回、ベルギーのものは日本には極めて少なかったかもわかりませんけれども、大量に輸入しておるわけでありますから、日本の今の検査体制で果たして安全性が守られるかどうか。これまでの輸入実績の安全性に基づいてフリーパスのような形になっておることは、これは経験的にはそれでいいかもわかりません。しかし、故意でなくて、ベルギーのように、回収された油が、食用的な油でない形が不可抗力で飼料にまざってしまったというような問題に対しては日本の検査体制では対応できないような状態にあると言わざるを得ません。
 例えば、O157であれば、学校給食のところでは、全部食材を一週間程度今サンプリングして保持するということをやっております。もちろん、PL法で輸入業者もそういう形をとっておるのかもわかりませんけれども、いずれにしても、必ずしも行政検査としても完全なものではないと言わざるを得ないと思うのであります。
 特に、これは厚生省の分野でありますけれども、現在、食品衛生監視員というのは二百六十四名であります。これは、この間、十年間で輸入急増に伴って監視員はふえておりますけれども、しかし慢性的に検査人員が不足をして、そのチェックが必ずしもできないという状態にあるのは確かだというふうに思っておりまして、ぜひ農水大臣としても、食料ということに着目して今回法律をつくったわけでありますから、厚生省と連携して水際作戦というものを抜本的に改革する道をつくっていただきたい。
 先ほどもありました、遺伝子組み換え作物についてもほとんど検査をしておらない。日本が認めておらないものについて入ってきているのかどうかの確認を全くしておりません。ダイオキシンについても全くこれはフリーパスで、今は基準がないということで検査の項目に入っておりません。
 そういう状態でありまして、日本は輸入大国でありますから、そのことを見通して、もちろん効率的な検査体制というものを考えていかなければならない、民間を活用するという道もあると思いますから、今の検査体制で果たしていいかどうか、これを検討していただきたいものだというふうに思います。
○中川国務大臣 日本は、食料品あるいは水産物、木材といった農林水産省関連の輸入が圧倒的に世界でも高い国でございますから、それに対して安全性、病害虫等々、きちっと検査をする。しかし、今先生御指摘のように、水際で全部をやるということは大変に不可能でございます。
 そういう意味で、CIQの制度を各省連携してやっていくことによりまして、できるだけ、食品の安全、植物防疫、動物検疫、あるいは密輸も含めまして、水際で防ぐということを政府全体を挙げて、職員の皆さん大変頑張っていると思いますけれども、これからもさらに努力をしていただかなければならないというふうに考えております。
○鉢呂委員 最後に、加工食品の原料の原産地あるいは原産国の表示の義務づけであります。
 この問題は、六月二十四日の農水委員会で福島局長から、少なくとも梅干し、ラッキョウ漬け等について年内を目途に結論を出すという御答弁をいただきました。したがって、少なくともある種の食品についての原料の原産国表示はなされる方向だというふうに受けとめましたけれども、例えば米、輸入米、SBS米についても十三万トン、玄米で輸入されておりますけれども、業務系でほとんど一〇〇%であります。
 この前もコンビニのおにぎり、弁当にほとんどが行っているというお話を聞きましたけれども、その原産国、輸入米だという表現は一切ないわけでありまして、ぜひすべての食料品について、その主要な原料について原産地表示をしていただけるように、大臣の最後の御答弁をいただきたいと思います。
○福島政府委員 先生御指摘の、いわゆる原料原産地の問題につきましては、先生の御発言がありましたように、梅干し、ラッキョウにつきましては年内を目途に行ってまいりたいというふうに考えております。また、その他のものにつきましても、生産者あるいは消費者からの要請に応じまして逐次検討を進めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
 それで、今回のJAS法改正によりまして、一般消費者向けのすべての加工食品に原材料の表示が義務づけられるわけでございます。したがいまして、原材料そのものの表示の内容を定めるのがまず先決ではないかというふうに考えております。その上で、流通実態なり消費者の意見等を踏まえながら、必要に応じまして原料原産地問題も検討してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○鉢呂委員 以上です。終わります。ありがとうございました。
○穂積委員長 次に、上田勇君。
○上田(勇)委員 公明・改革の上田でございます。きょうは二法案につきまして質問させていただきます。まず最初に、JAS法についての質問から入らせていただきます。
 最初に、品質表示のことについて何点か御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 今回の改正で、食料品の表示について充実を図っていくということは、これは消費者により多くの情報を提供し、消費者の選択の自由度の拡大につながるというものでありまして、基本的に賛同するものでございます。しかし、こうした品質表示のあり方は、食料品の流通の実態を正しく踏まえて、本当に正しい選択に資するものでなければなりませんし、同時に、生産者や流通業者にとっても相応のメリットのあるものであることが望ましいというふうに考えているところでございます。
 今回、この品質表示の対象を、これまでは特に指定する品目、六十四品目でありましたけれども、これからすべての飲食料品にというふうに広げました。これは、政策の基本的な考え方という意味では大きな転換であるというふうに考えております。このように、従来は限定した品目、指定した品目としていたのを、一般のすべての品目、すべての飲食料品に拡大した、その変更の趣旨をまず大臣にお伺いしたいというふうに思います。
○中川国務大臣 時代の変化とともに、食品の多様化、多品種といいましょうか、いろいろな食品、食材が出てくる。あるいはまた産地も多角化してまいりましたし、また国際化という大きな変化もあるわけでございます。
 そういう中で、基本法で御議論いただきましたように、国民の暮らしの安全と安心を守るためにきちっとした安全な食品を供給するということは、これは国家の一つの責務だろうと考えておりますし、また、ただ安全だからさあ買いなさいと言うだけではなくて、消費者の方も、いろいろなニーズあるいはまたインセンティブでもって食料品に接し、そして購買をしていくわけでございますから、それに必要な情報というものもできるだけ提供することが必要なのではないかということで、生鮮品につきましては原産地、加工食品については原材料等をすべて表示するということによって、品質はもとよりでございますけれども、内容の情報提供というものにお役に立ちたいということでございます。
 なお、これはコーデックス規格でも決められておる基準でございまして、欧米諸国でも同じように実行されておるところでございまして、まさに時代のニーズ、生産者側からも消費者側からも要求されるものだというふうに確信をしております。
○上田(勇)委員 今大臣のお話もありましたように、今回の表示の変更の中で一つの重要なポイントは、すべての生鮮食料品の原産国、原産地を表示することであるというふうに思います。私もこのことについて、平成八年の決算委員会で御質問させていただきました。そのときに農水省の方は、まずは少量の品目から始めて順次拡大していくということで、その当時の方針でございました。それが今回、すべての生鮮食品が対象になったということは、これは評価すべきものだというふうに考えております。
 現在のこの改正前の制度におきましては、義務づけられているのは九品目の青果物のみでございますが、この九品目を選択された、選ばれたときの理由、背景、それと、いろいろなその後の事情の変化、多少今大臣からも御説明がございましたけれども、今回対象を全品目に拡大することに至った経緯について、御説明をお願いいたします。
○福島政府委員 青果物の品質表示につきましては、平成三年にガイドラインを定めまして、販売業者の自主的な取り組みを促してきたわけでございます。しかし、その後、輸入野菜の急激な増加等野菜の産地が多様化する中で、生産者あるいは消費者等から、商品選択の目安として野菜の原産地表示を求める要請が高まってきたわけでございます。これを受けまして、平成八年にJAS法に基づきましてブロッコリー等の五品目、また平成十年にはゴボウ等四品目につきましてJAS法に基づく品質表示基準を定めまして、原産地表示を実施しているところでございます。
 この野菜九品目の選定でございますが、これにつきましては、現行のJAS法の規定に基づきまして、消費生活上重要な地位を占めるということ、また、国産品とあわせ相当量の輸入品が出回っているということ、また、原産地による品質格差が大きい青果物であるということを勘案して選定したわけでございます。
 今回の改正でございますけれども、国際化の進展によりまして、先ほど大臣から御答弁ありましたように、食品の多様化なり産地の多角化が急速に進んでいるわけでございます。そうしたときに、今言いましたような個別品目ごとに要件をチェックすることはなかなか大変でございます。また消費者も、個別品目というよりも、生鮮食料品全般につきまして原産地の表示を望んでいるという調査もあるわけでございまして、こうした要請を、あるいは実態の変化を踏まえまして、今回のJAS法改正では、生鮮食料品につきまして原産地表示を行うこととしているわけでございます。
○上田(勇)委員 原産国、原産地といっても、飲食料品全般にわたりますと、青果であったり食肉、水産物、それぞれ消費者のニーズも異なっているというふうに思いますし、また生産や流通の実態もそれぞれ異なっておりますので、その表示の内容や方法というのも当然異なってくるのではないかというふうに考えるわけでございます。
 そこで、生鮮食料品と一言で申し上げても、穀物、青果、食肉、水産物、いろいろあるわけでございますけれども、それぞれについて具体的にどのような方法というか、どのような範囲まで表示をしていくのか、そのようなお考えを伺いたいというふうに思います。
○福島政府委員 現在の青果物九品目につきましては都道府県名、輸入品の場合には輸入国名でもって表示をしているところでございます。
 今回の改正によりまして、先生御指摘のように、畜産物、水産物等含めましたすべての生鮮食料品につきまして原産地表示の対象となるわけでございます。その表示方法につきまして、野菜と同様に、一律に都道府県名で表示するのがいいのかどうか、これにつきましては検討が必要だろうというふうに思っているわけでございます。
 いわゆるガイドライン等で行われておりますものについて見れば、食肉について、食肉小売品質基準では、国産品につきましては県別の表示は求めていないということでございます。また、水産物につきましては、水産物表示ガイドラインでは、国産品につきましては県名、地名または海域名の表示としているわけでございます。
 したがいまして、畜産物、水産物等の表示方法につきましては、品質表示基準を具体的に定める段階におきまして、今申し上げましたようなガイドライン等に基づきます実施状況、あるいは流通の実態を勘案しまして、生産者、流通関係者あるいは消費者も入れまして、そうした方々の御意見を十分踏まえながら定めてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
○上田(勇)委員 確かに、例えば青果物であれば、生産されているところ、都道府県を特定するのはある意味では非常に簡単だと思うのですが、今ちょっとお話にも出ましたように、例えば、畜産物なんかでは生育の過程で移動をしたりすることもありますし、水産物であれば、養殖物は特定は簡単なんでしょうが、むしろ消費者が知りたいのは、どの海域とか、近海物であるのか遠洋物であるのか、そういったことであって、例えば、水揚げ地を表示すると、必ずしも消費者の知りたい情報にはなっていないという場合もあるのではないかというふうに思うので、その辺は、むしろ消費者が選択するに当たってどういう情報が必要なのかということを的確に反映したような表示のやり方にしていただきたい、このことをお願いするわけでございます。
 そこで、少々具体的な話になるのですが、例えば、肉であれば松阪牛というブランドがございます。水産物では関アジだとか関サバ、原産地の名前がつくことによってプレミアムになる食品がございます。もちろん、これからこの法律が施行されて、その表示の方法が決まった場合には、当然原産地の表示は正しく行わなければならないというのが規定されるんだと思うのです。例えば、原産地が三重県でないものについても、原産地の方の表示は正しい別の県のものが書いてあったとしても、その商品名に松阪牛と書くとか、原産地が大分県でないものについても、あたかも佐賀関でとれたかのように表示をするというようなことも非常に紛らわしい表記になるかと思うのですが、こうしたことも認められないというふうに理解してよろしいのでしょうか。
○福島政府委員 先生から御指摘ありました松阪牛なり、あるいは、魚でございますが、関サバ、関アジといいますのは、商品の名称が一種のブランド名として確立しているわけでございまして、それぞれの地域におきまして厳しい品質管理努力、それが消費者に理解されて高い評価を得ている、その結果であるわけでございます。
 今回のJAS法に基づく原産地表示でございますが、先ほどお答えいたしましたように、青果、食肉、鮮魚など、どういう原産地表示をするか、都道府県名なのかあるいは国なのか、国産あるいは輸入国という区分なのか、あるいは海域なのかということにつきましては、具体的に検討したいということを申し上げたわけでございます。
 そうした場合に、例えば松阪牛という品名表示があれば、今の松阪牛の三重県が定めております基準によれば、三重県内の限定された地域内の生産農家で五百日以上飼育された牛というのが要件の一つになっているわけでございますので、食肉を仮に県ごとの表示をするとすれば、当然三重県という表示になるんだろうというふうに思っております。
 しかし、食肉につきましては、先ほど申し上げましたように、現在の小売の表示基準でも輸入と国産という表示になっておりますので、また技術的にも難しい問題がございますので、そうした方向で検討してまいりたいというふうに思っております。具体的には、関係者の意見を聞いて決めていきたいというふうに思っているわけでございます。
 そうしたことから、どのような商品の名称、ブランド名を用いるといたしましても、このJAS法の原産地表示のルールに従いまして、事実として表示をしていただくことになるというふうに考えております。
    〔委員長退席、赤城委員長代理着席〕
○上田(勇)委員 説明は理解できるものでありますけれども、今の御説明だと、例えば、地域の名前のついたブランド名と、いわゆる法律に基づいて表示される原産地とが異なっているというようなこともあり得ると思うのですけれども、そういうことになりますとやはり紛らわしいことだというふうに思いますし、同時に、このJAS法に基づく表示というのは多分それほど大きな表示にはならないで、むしろブランド名の表示の方が大きくなるということになりますと、その辺も整合性がとれないとやはり消費者は正しい選択が必ずしもできないのではないかというふうに思うのです。
 御答弁で、その辺は具体的にこれから決めていくということでありましたので、消費者にそういう誤解が生じないような方法で、原産地とそれから地域を示唆するようなブランド名、これがなるべく整合性がとれるような方法をぜひ考えていただきたいというふうに思いますが、その辺はいかがでしょうか。
○福島政府委員 例えば食肉であれば、先ほど言いましたように、小売表示基準でもって国産と輸入品というような区分が今行われているわけでございます。仮にそれに倣うとすれば、そこに松阪牛という品名がありまして国産ということになるわけでございまして、矛盾はしないのですが、JAS法の原産地表示の方が広いということが予想されるわけでございます。
 したがいまして、矛盾はしないのですが、そのあたり、具体的にこれから関係者の意見も聞きながら検討してまいりたいというふうに思っております。
○上田(勇)委員 表示の充実というのは、これは消費者のメリットになる一方で、やはり流通や小売の業者にとりましては相当な負担にもつながるものであるというふうに考えます。
 平成八年に青果物についての原産地表示が初めて義務づけられた際にも、農水省では青果物原産地表示適正化推進事業として予算措置を講じているわけでございます。今回は、大変大がかりなというのでしょうか、大幅な拡充であります。こうした流通や小売の関係者に対しまして、国、地方公共団体等で、わずか五品目、あるいはその後拡充された九品目についても数億円程度の予算措置がされているわけでございますので、特に来年以降全品目に表示ということでございますと、そういうような支援策について考える必要があるというふうに考えますけれども、農水省としてはどのようにお考えでしょうか。
○福島政府委員 今、先生の御指摘がございましたように、平成八年から十年度まで、青果物原産地表示適正化推進事業という補助事業によりまして、原産地表示の普及啓発なり、表示の機器の補助等を実施してきたわけでございます。
 今回のJAS法改正によりまして、生鮮食料品すべてにつきまして原産地表示の対象になるわけでございますが、その場合に、その表示義務が課せられる小売業者等の関係者の過大な負担とならないように、原産地の表記、表示の仕方を弾力的なものとする。例えば先ほど食肉について申し上げたとおりでございます。また、シールなりカードなりあるいは立て札といったような簡易な表示方法を工夫する等十分配慮していきたいというふうに思っておるわけでございます。
 また、小売店がこれらの表示を行うための条件整備といたしまして、産地あるいは流通あるいは小売のいずれの段階におきましても、表示機器でありますラベルプリンターの設置等の予算措置も講じているわけでございます。今後、こうした補助事業等の活用を通じまして、表示のシールなりカードを産地サイドでもって出荷物の中に同封する、川上の側からの協力体制の整備もお願いをいたしまして、小売店の負担を軽減するように配慮していきたいというふうに思っているわけでございます。
 また、予算措置の拡充につきましても検討してまいりたいというふうに思っているわけでございます。
○上田(勇)委員 初めてこういうような表示が義務づけられたときも、量販店では相当既に自主的に、いわゆるガイドラインがございましたので取り組まれていたわけでございますが、当時、個別の商店、青果の専門店では、原産国、原産地を表示するということに対して、実際に相当手間もかかることですし、いろいろ流通経路を経てくるものの原産国を正しく把握するということについても結構困難な面があった、現実にもまだあるというふうに考えております。したがいまして、こうした表示が義務づけられることによって、そういう専門店、八百屋さんがかえって逆に消費者から避けられるというような事態にならないように十分な対策をぜひ講じていただきたいというふうに考えます。
 もう一つ、消費者が食品を消費するルートとしていわゆる外食がございます。製造業者、販売業者につきましては、今回の法律の改正によって表示も義務づけられますし、また同時に、偽った表示を行った場合についても、農林水産大臣が指示を出す、あるいは社名を公表する、さらに従わない場合は命令を発するという形、しかも、それでも守らない場合には罰則まで科せられるというような非常に強力な推進の枠組みができておるんですが、外食産業は、どうも法案を読みますと表示の義務は課せられていないというふうに考えます。
 もちろん、表示の義務は課せられていないので、表示をするかしないかというのはそういうレストランなり食堂なりの自主的な判断なんでしょうが、それでは、例えば偽った表示を行った場合、どういうような対応でそれを規制していこうと考えられているのかなんです。
 最近はよくレストランなんかでも、いわゆるお米についてもブランド名、こういう米を使っています、あるいは野菜なんかでも何々県産有機野菜を使っているとかというような表示をしておるんですが、表示するかしないか、これは自主的な判断なんでしょうが、偽った表示というのは、やはりこれは何らかの形で規制されなければならないだろうと思うんです。その辺について、お考えを伺いたいというふうに思います。
○福島政府委員 先生の御質問、品質表示の義務者をどういうふうに考えるかということでございます。
 今後具体的な品質表示基準を定める段階で表示義務者を明らかにしてまいりたいというふうに思っておりますが、一般的には、加工食品のように、製造段階で一般消費者に届く形態で容器に入れられ、または包装されるものにつきましては製造業者を表示義務者とする、また生鮮食品のように流通段階でその荷姿が変化するものにつきましては、卸、小売などの販売者を表示義務者とするということを考えておるわけでございます。
 先生御指摘の外食でございます。飲食料品を調理しまして、設備を設けてその場で客に飲食をさせるような形態のものでございますが、消費者が求めるのは一般にそこでの味なりサービスなり店の雰囲気等といったものでございまして、商品の原材料につきましての品質情報を表示という手段でもって消費者に伝達することになじまないわけでございます。そういうことで、品質表示の義務者としない方向で現在考えているわけでございます。
 そうした場合に、原材料の表示として、今言われたような、特定の表示をした場合にそれが食い違っていた場合どうするかということでございます。
 これにつきましては、JAS法上の品質表示義務者としないわけでございますので、指示、公表なりあるいは命令、罰則というものも適用されないわけでございますけれども、外食店におきます偽りの表示が消費者の誤解を招いて消費者の利益を損なうということがないように、農林水産省なりあるいは農政局あるいは農林水産消費技術センターあるいは県等と十分連携をとりまして情報収集に努める、またJF等の外食関係の団体とも十分協議いたしまして、表示が行われる場合の表示の適正化につきまして指導してまいりたいというふうに思っております。
○上田(勇)委員 今の御答弁で、いわゆる原材料の原産国表示になじまないという話もありました。
 私も、とにかく、外食産業で実際料理という形で出てくれば、いろいろな材料が入っていますので、それを一々表示するというようなこと、そこまで関心を持っているお客さんはいないんだと思うんです。ただ、現実には、例えば弁当屋さんに行けば、新潟コシヒカリ使用と書いてあるところもあります。ファミリーレストランみたいなところに行きますと、何々県産の野菜を使っていますというような表示をしているところがある。これはやはり、消費者というかお客さんが関心があるからそういう表示をするんだというふうに思いますので、その辺は今後の課題なのかもしれません。
 もちろんこれはいろいろな営業形態がありますので、表示をするかしないか、これは自由だというふうに思います。では、どこまで表示をするのかというと、材料がたくさんある中で全部を書けと義務づけすることは、これは不自然だというふうに思いますけれども、やはり誤った情報、誤った表示の仕方というものについては何らかの対策が必要なのではないのかなというふうに考えます。今鋭意取り組んでいただくということでございましたので、どうかひとつよろしくお願いしたいというふうに思います。
 次に、表示の関係で、いわゆる有機農産物等の表示も一つ大きな問題でございます。今回実際には、法案の中では有機についてどういうような形で表示をするのかというようなことについて定められているわけではございませんけれども、第十九条の十の中に、指定農林物資の名称の表示というところがございまして、この中で、有機農産物及び無農薬栽培の農産物等の特別栽培農産物の表示についてもJAS規格を定めるという手続だというふうに思います。
 従来も、いわゆる有機農産物のガイドラインがございまして、それに沿った生産やまた製品の表示が行われてきたということであると思いますが、今回JASで規格を定めますところにつきましても、その区分とかそれぞれの基準、こうしたものは従来のガイドラインとほぼ同様の内容であるというふうに考えてよろしいんでしょうか。
○福島政府委員 今先生御指摘のように、改正法案の十九条の十でもってこの要件が書かれているわけでございます。要するに生産方法の特定がある、そういったJAS規格が定められているということでございまして、かつそれの表示の適正化を図ることが特に必要だということで政令で指定するということになっているわけでございます。
 それで、有機農産物につきましては、政令で指定します農林物資に指定することを予定しているわけでございます。その基準につきましては、昨年十一月の有機食品の検査・認証制度検討委員会報告書にありますように、これはコーデックスの基準にもほぼ合致しているわけでございますが、化学肥料あるいは化学合成農薬を使用しない栽培方法で、慣行栽培圃場から有機栽培圃場への転換後、原則として三年という転換期間を設けるというようなこと、あるいは、慣行栽培圃場から農薬の飛散等が生じないような適切な対策を講じていること、あるいは、病害虫、雑草の防除に当たりまして、化学合成資材を用いず、耕種的あるいは生物的防除、物理的防除を適切に組み合わせて実施することなどをJASの規格として定めることになるというふうに考えております。
 その他の、いわゆるガイドラインで言います特別栽培農産物につきましては、現在のところ、指定農林物資に指定することは考えておりません。
 といいますのは、その内容、定義につきまして十分なコンセンサスが得られている状況にないわけでございますので、まずはこの基準なり、あるいは認証なり表示のあり方につきまして関係者でもってさらに検討していくこととし、しばらくは現行のガイドラインにより表示の適正化を図ってまいりたいというふうに考えております。
○上田(勇)委員 これは先ほどの質問にも言及がありましたけれども、現行のガイドラインでは不特定多数の消費者に販売されるものに適用するという条件がついております。
 いわゆる産地と消費者の産消提携等については、これは不特定多数に販売されるものでないということから、これまでこのガイドラインが適用されなかったというふうに解釈できるんじゃないかと思うんです。今回はそうしたところまですべて適用対象になっているというふうに考えますが、まずはそういうふうにした理由。
 それと、従来産消提携によって信頼が消費者と生産者の間で築かれてきた、そういった有機農産物についてまでも、第三者による認証がなければ有機と表示できなくなるのかということでございます。先ほどの答弁は若干わかりにくかったんですけれども、つまり、産消提携による取引の範囲内で特定の消費者に限って表示する、あるいは知らせるというような場合には、第三者による認証がなくてもこれは有機と表示できるというような解釈でよろしいんでしょうか。
 適用対象を広げた理由と、今の産消提携の表示の解釈につきまして、あわせて御質問をしたいというように思います。
○福島政府委員 先生御指摘のように、今の有機農産物の表示のガイドラインでは、不特定多数の消費者に販売されるものに適用するというふうになっているわけでございます。これは、ガイドラインという性格上、そうしたもののいわば自主的な努力によって、慣行といいますかプラクティスを確立していくということをねらいとするものでございます。
 しかし、そういうガイドラインのままでは有機の表示につきまして引き続き混乱が見られるわけでございまして、これを是正すべく法律上の手当てをするということが今回のJAS法になるわけでございます。そうしますと、最終的には罰則までいくものでございますので、そこは対象を明確にしなければならないということで、今申し上げましたような、ガイドラインの不特定多数の消費者に販売するものというような表現はできないわけでございます。
 しかしながら、従来から行われておりました産消提携につきまして配慮する必要があるわけでございます。
 それにつきましては、先ほど申し上げましたように、農産物に表示をするという形ではなくて、ニュースレターなりあるいはパンフレット等、これは産消が結びついておりますので、密接なコミュニケーションがあるわけでございますから、有機ということをそうしたニュースレターなりパンフレット等の中に書くことは、これは第三者の認証を得なくても可能だ、できるということを申し上げたわけでございまして、そういう方向で産消提携に配慮してまいりたいということをお答えしたわけでございます。
 では、なぜ農産物の有機表示が産消であっても第三者認証が要るかということでございますが、一般に、産消連携であればそういうことは普通は要しないわけでございます、お互いの信頼関係に基づいてあるわけでございます。ところが、農産物表示をするというのは、そういった信頼関係の外の方に対する情報提供として行われるのが一般的でございますので、商品に表示を付するということは一般流通を前提にしているものでございますので、産消連携だからといって特例を設けることは適当でないというふうに考えて、特例措置を設けていないわけでございます。
○上田(勇)委員 もう一つ、先ほどこれも質問で言及されましたけれども、今回JAS規格と認証制度が同時にスタートいたします。それで、先ほど答弁の中で、これまでそういうような有機営農を行ってきた農家についても、そうした取り組みが評価されるような方法をとるというふうなお答えをいただいているんです。
 ただ、第三者による認証の正式な手続というのはこの法律が施行されなければ始まらないんですが、それ以前の有機営農等への取り組みについてはどういうような根拠をもって評価をされるんでしょうか。その辺、もうちょっと具体的に御説明いただきたいと思います。
○福島政府委員 先生御指摘のように、有機農産物につきましてJAS規格が制定され、改正JAS法に基づきます認証の制度が開始される、それより以前から有機農業に取り組んでおられる生産者も多数存在するわけでございます。
 これらの生産者の努力を評価せずに、制度開始後、例えば三年たたなければ有機表示を付することはできないとすると非常な不利益なりをこうむるわけでございます、かつまた合理的でないわけでございますので、今回、運用といたしまして、現行のガイドラインに基づきます検査記録なり、あるいは、現在行っております民間の認証機関等におきます検査記録というものも活用しまして、そこで確認された期間は既に有機として取り組んでおるという期間として算入するといいますか、それをカウントするということで、柔軟な対応をしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
    〔赤城委員長代理退席、委員長着席〕
○上田(勇)委員 ちょっと先ほどの質問と関係するんですが、例えば、今まで産消提携みたいな形での販売というのはガイドラインの外でありましたので、ガイドラインに基づくいろいろな検査だとか調査というのは実施してこなかったということも考えるべきなのではないかと思います。
 ところが、今まではガイドラインの適用外であったんだけれども、今回の法律、政令で定めるところによりますとその適用対象になってくるということになりまして、当然のことながら、そういう検査記録であるとか調査記録が必ずしも十分そろわなかったりする場合というのも想定しなければならないんじゃないかと思うんです。
 そうした場合に、これまで大変な努力をして有機営農を行ってきて、しかも、この法律の改正部分が施行されるまでは有機を表示してきて、それで消費者とも信頼関係が築かれてきた農家が、いきなり表示ができなくなるというような事態というのも生じてくるのではないかと思いますが、これでは余りにも不合理なような感じがいたします。
 今、柔軟に対応していただくということでありましたけれども、多分これは今回第三者機関、公的な機関によっての認証になりますので、いろいろと必要な記録がかなり事細かく定められていくんだと思うのです。ただ、そういったことによって、これまで努力してきた農家が評価されないというような事態になっては不合理だというふうに思いますので、特にそうした農家についても十分配慮した運用になるようにしていっていただきたいと思いますけれども、その辺について再度お伺いしたいと思います。
○福島政府委員 今先生の言われました、既に有機農業に取り組んでいる生産者の努力が改正後のJAS法のもとにおきましても正当に評価されるように対応してまいりたい、それを基本的な考え方としております。
 具体的に、例えば、どの程度の記帳であれば従来から有機農業に取り組んでいたものとして認定できるかという話になるわけでございまして、そのあたりにつきましては、実態に即しまして、関係者の意見も聞きながら施行の段階までに内容を詰めてまいりたい。従来の生産者の努力ができるだけ尊重されるようにしてまいりたいというのが基本的な考え方でございます。
○上田(勇)委員 先ほどの質問とまた関連するのですが、いわゆる外食産業、とりわけファミリーレストランとかで有機野菜使用というのが大きな宣伝の文句の一つにもなっているケースが結構ございます。先日もちょっと見たところ、有機野菜使用ということが書かれておりましたし、メニューの中にも、例えばオーガニックケーキとか、いわゆる有機栽培をした食材を使っているということを売り物にしているメニューもたくさんあります。
 今回の改正の後は、いわゆる小売業者等においては、ちゃんとJAS規格に定められたもの以外については有機という表示はできなくなるということであるというふうに思いますが、こうした今国民の食料消費の非常に大きな部分を占めています外食産業について、認証された原料以外を使用している場合において、たとえそれがJAS規格で決めたJASのマーク以外のものであっても、それと間違われる、紛らわしいような有機とかオーガニックとかというような表現というのは、これは表示ができるのでしょうか、できなくなるのでしょうか。
○福島政府委員 外食産業におきまして今有機表示が行われるといいますのは、調理された食品につきまして、その原材料につきまして有機農産物あるいは有機食品であるという表示がメニュー等に行われるというのが一般的だろうというふうに考えるわけでございます。そうした場合に、先ほど申し上げましたように、品質表示基準の対象と考えていない外食で提供されます食事の原材料の表示であるわけでございまして、このJAS法案により規制する表示には該当しないわけでございます。
 したがいまして、外食事業者が、有機の認証を受けることなくメニュー等に原材料が有機農産物であるという旨の記載をすることはJAS法には違反しないわけでございますけれども、この場合におきまして、もちろん、事実に基づく正確な表示が消費者に求められることは言うまでもないわけでございます。
 そういうことから、基本的には、認証を受けて有機農産物として表示された、そういう原材料を購入して使用する、その場合に、有機原材料使用という表示が行えるように、JF等の外食関係団体と十分相談し、周知し、指導してまいりたいというふうに思っております。
○上田(勇)委員 今、国民の食生活、非常に外食の機会もふえまして、食料消費のかなり大きな部分が外食で消費されるわけでございます。そういう意味で、今回の改正におきましては、製造業者、販売業者に義務づけられておりますけれども、もう一方の国民の食料消費の現場であります外食産業につきましても、ぜひ、信頼されるような表示のあり方、これを指導していただけるようにお願い申し上げる次第でございます。
 次に、今度のJAS法改正の中で、制度的な改正が何点が行われております。一つの大きな改正が、いわゆる外国のいろいろな機関にもこのJASの認証手続の中で相当大きな役割が認められることになるということであります。
 これまで、このJAS法のもとでは、外国の機関は、アメリカを初め海外から相当強い要請があったにもかかわらず、工場の承認認定とか製品の格付に当たっての調査やサンプリングを行うという指定外国検査機関としては認められていたものの、要請の強かった登録格付機関としては認められなかったわけでありますけれども、そうした限定を設けていた理由というのはどの辺にあるのか、まずお伺いしたいというふうに思います。
○福島政府委員 先生今御指摘がありましたように、現行のJAS法では、外国の機関を登録格付機関として認めていないわけでございます。これは、工業品と違いまして、国民が直接消費をする、健康にかかわるということで、食品等の品質の確保を国の厳格な規制のもとで行うという基本的な考え方に基づくものでございます。
 しかしながら、今先生御指摘がありましたように、経済の国際化が進展する中で、TBT協定、つまりWTOの貿易の技術的障害に関する協定では、加盟国は、規格への適合性の評価、つまり格付の手続につきましては国際標準化機構、ISOの定める指針なり勧告を基礎として用いるということ、二番目には、そうしたISOの定める指針や勧告が遵守されている外国の認証結果につきましても、十分な技術的能力を有するものとして受け入れるということ、こういうことが求められているわけでございます。
 また、現実に、食品産業サイドにおきましても、ISO9000シリーズの認証取得工場あるいはHACCP手法の導入工場、そういったものが顕著に増加しております。そういうことに見られるように、食品工業の工場段階におきます品質管理の向上が著しいわけでございます。
 そういうことから、今回、JAS法改正によりまして、我が国の制度と同等の水準の格付制度を持つ外国、これは省令でもって規定するわけでございますが、その外国におきまして一定の要件を満たす営利法人あるいは非営利法人の認証機関に対しまして、工場の認定権限あるいは格付の権限を付与することとしたわけでございます。
○上田(勇)委員 そういう意味では、今回初めて登録格付機関、あるいは今回設けられました認定機関としても外国の機関を設けるわけでありますけれども、この法律上は、国内の登録格付機関、認定機関、それから登録外国格付機関、外国認定機関というのは別々に定められておりますが、具体的に、業務、権限あるいは義務等に国内のものと外国のものにどのような違いがあるのか。違いがあるのかないのか、また、あればどのような違いがあるのか、お伺いします。
○福島政府委員 今回の改正法によりますJAS制度におきます認証機関としましては、物の検査を行いJAS規格への適合性を判定する権限、つまり格付権限を有する登録格付機関、これと、今回の改正法によりまして制度化をいたしております工場等の品質の管理体制あるいは検査体制等の基準の適合性を判定する権限、つまり認定権限を有する登録認定機関、二種類があるわけでございます。登録格付機関と登録認定機関でございます。これらの機関につきまして、業務あるいは権限につきまして国内と外国で異なるところはございません。
 また、これらの機関は、格付や認定を行うことを求められたときは、正当な理由がない限りそれを拒むことはできないということ、また、格付業務や認定業務を行う義務があること、この点につきましても国内と外国で差はありません。同じでございます。
 ただ、違いますのは、御案内のように、罰則につきましては海外において適用することができないわけでございます。そうしたこととの関係上、国内の登録認定機関につきまして適用されますみなし公務員規定また秘密保持義務につきましては、外国の登録認定機関には適用されないこととなっております。これは、建築基準法なりJIS法と同じ整理でございます。
○上田(勇)委員 今ちょっと答弁にもございましたけれども、かつてアメリカ等から自国の機関を登録格付機関として認めてほしいという要請が強くあったときに、それができない理由の一つとして、罰則の適用ができないということを挙げていたというふうに記憶をしております。しかも、罰則が制度の適正な運用にとってはどうしても必要な担保なのだという御説明であったというふうに思うのです。
 なおかつ、今度の改正法も、第二十四条以降に罰則についての規定が相当細かく設けられております。それが国内の登録格付機関、登録認定機関というのは適用になるのですが、今御説明にもあったように、登録外国格付機関、登録外国認定機関、また外国の企業、業者には基本的に適用されない。これはもう当然のことなのでありますが、そこで疑問に思いますのは、国内の同様の機関や企業にのみ罰則が適用されて、多分、罰則まで設けているのですから、制度の適正な運用のためにはどうしても必要だということなのだというふうに思うのですが、であるにもかかわらず、同様の業務や権限を持っている外国の機関はそれがなくても適正な業務が確保できるのか、また、国内と海外でそういうふうな差があるというのは均衡を欠くのではないかというふうに思われますけれども、その辺について御見解を伺いたいというふうに思います。
○福島政府委員 JAS法によります、国内機関の行為に関しまして、先生御指摘のように、罰則とそれから登録の取り消しという双方が規定されているわけでございます。これは一定の法秩序を守る上で、我が国の法制上、罰則でもって一般に抑止効果を持ちより強い法秩序を維持するという機能があるわけでございます。また、それにあわせまして、個別の機関の登録の取り消しという二重でもって担保しているわけでございまして、これは一般の法制で見られるところでございます。
 しかしながら、先生御指摘ありましたように、外国の機関の行為に関しましては、我が国の主権が及ばないわけでございますので、罰則の適用はできないわけでございます。そうした制約の中で、この法律の適正な運営を確保するための最善の方法としまして、認定外国製造業者なりあるいは登録外国認定機関が違法行為やあるいは検査を忌避する等の国内において罰則をかけられるような行為を行った場合には、その代替措置として認定や登録の取り消しということを行うことによりまして、これら外国の機関の業務の適正化を図っていくわけでございます。
 それと同時に、いわゆる水際でもって輸入業者に確認義務を課しているわけでございます。適正な、例えばJASマークがなければ、国内でのJASマークを貼付できないというようなことで確認義務を課しているわけでございまして、違反の場合には輸入業者に罰則が適用になるということでもって水際でのチェックも行っているわけでございます。
 その両方で実効性を確保しているというのが、罰則の適用がないことを前提とした上での対処措置になるわけでございます。
○上田(勇)委員 今の答弁にもありましたけれども、社名の公表であるとか登録の取り消しとか、そういう規定もあるわけですけれども、そうした処分が行われた場合に、国内の機関や企業であれば非常に経済的にも社会的にも大きな影響があるというふうに思います。外国の機関、業者もそれ相応の影響が当然あると思いますけれども、ただ、これはやはり国内の機関であって、農水大臣から登録の取り消しを受けたというようなことであるとか社名を公表されたなんということは、これはもう致命的なことなのだというふうに思うのです。ところが、外国の機関や企業の場合は、日本だけでビジネスをしているわけではありませんから、その影響は比較的軽いのではないかというふうに思うのです。
 にもかかわらず、国内のものはそういうような行政処分だけでも十分な経済的、社会的な影響があるにもかかわらず、なおかつ罰則を適用しなければいけないというのは何かどうもよく理解できないのです。国内の機関や業者についてももう既に罰則の必要性はなくなっているのではないかというふうに解せるのではないかと思うのですけれども、これは制度の適正を担保するためにどうしても必要なものなのでしょうか。
○福島政府委員 制度上、いわば国の持っております格付権限あるいは工場を指定する権限、それをいわば民間の機関に委任するといいますか、いわゆる広い意味でゆだねる行為になるわけでございまして、それが適正に行われること、また先ほど言いましたように、検査忌避等がないようにすること、そのためには一般に行われておりますように、罰則という規定と取り消しという規定と両方が必要だ、そのことによって適正な業務が確保されるというふうに考えております。
 また、外国の機関につきましては、御指摘のように罰則はかけられないわけでございますけれども、例えば林産物関係の検査機関が多分申請してくるのではないかと思われるわけでございますが、そういうところは日本でのビジネスチャンスということがあるためにそういう登録機関になろうとするわけでございますので、そこでの取り消しというのは非常に打撃になるわけでございますから、十分抑止効果があるというふうに考えております。
○上田(勇)委員 実は、先ほど答弁にもありましたけれども、こうした内外の不均衡というのは、これはJISの制度も全く同じなのですね。あえてこれを御質問させていただいたのは、やはり何か行政機関が、制度の適正な担保のために本当はそこまで必要がないにもかかわらず罰則を設けていたり、または、これまであったからそのまま存続させているというような形で、必ずしも十分な検討が行われないまま存置させているのではないかというような懸念がありますので、そういう質問をさせていただいたのです。
 これはもちろん農水省だけの問題ではなくて、各制度とも同じような構造になっているというのはそのとおりでございまして、またこの問題については、これはやはり政府全体でぜひ考えていただきたいことだというふうに考えている次第でございます。
 それでちょっと、もう時間が余りなくなってきましたので、卸売市場法の方について質問させていただきたいというふうに思います。
 卸売市場は、生産者から販売業者、消費者へ食料品等を遅滞なく効率的に流通させる、そういう流通経路のかなめでございますし、この市場を通じまして、公平な配分と適正な価格を実現するという非常に重要な役割を果たしているというふうに考えております。そうした公共性があるためにやはり法律では、さまざまな規制が設けられる一方で、農水大臣が卸売市場整備基本方針を定めて市場の整備も進めていくという法律になっているというふうに考えております。
 当然卸売市場は生産者、流通業者、消費者、これらすべてが関係者でありまして、このすべての利益が守られる、その利害のバランスがとれるということが重要なことなのだというふうに思います。これまで卸売市場における売買取引というのは公正さを保つという意味で運営されてきたのですが、今回、改正案三十四条でその趣旨がより明確になったということは、これは大変評価できることだというふうに思います。
 ただ、従来から、公正さを確保するための方法として、いわゆる取引をこれまで競り売り、入札販売を原則としてまいりました。そして相対取引はあくまで例外という扱いであったわけであります。近年の大型小売店のシェアの増大などによりまして例外がむしろ主流になっているという現実があります。ある意味でそれを追認せざるを得ないという事情はよくわかるんですが、今回の改正でこの原則を外すと、当然のことながらこれまで以上に相対取引のウエートが増大していくんではないかというふうに考えます。当然流通の形態もそういう傾向にあるということは間違いのないことだというふうに思いますので、ますます相対取引のウエートというのがふえていくんではないかというふうに予想できるんです。
 従来、競り売り、入札販売を原則とすることが公正な取引を確保する一つの方法であるというふうに言われていたんですが、今回の改正によって公正な取引が今後とも確保できるのかどうか。また、改正を踏まえた上でも、公正さを確保していくというためには何らかの対策や方策を考えられているのか。その辺の御見解を伺いたいというふうに思います。
○福島政府委員 今先生御指摘のように、卸売市場といいますのは、国民生活に不可欠な生鮮食料品等の適正な流通と取引を確保するためのものでございます。重要な機能、役割を果たしているわけでございます。
 そこでの取引方法でございますが、競りと相対と二種類あるわけでございます。
 競りにつきましては、個々の品目ごとに商品評価やあるいは検品を厳密に行うという点、あるいは、すべての取引参加者に公平な取引機会を保障して、公正な価格形成を行うという点で長所を有している反面、多数の小売買参人の要請で競り単位を小口化する、そういう必要がある場合には大量の入荷物をさばき切れない、あるいは短期の価格変動が激しい、そういう点は短所として指摘されているわけでございます。
 他方の相対取引につきましては、大口のユーザーなりあるいは産地の一部が求めます安定的な取引関係の構築に資するという面や、あるいは多数の小売買参人が参加可能で、時間的制約を受けずに大量の入荷物を随時取引できるという長所がある反面、透明な取引が行われていないという批判があるという短所も指摘されるわけでございます。
 そうした長所短所、それぞれ踏まえまして、それぞれの市場あるいは品目ごとの実情を踏まえまして、市場利用者の多様なニーズに機動的に対応するように今回市場法を改正いたしまして、売買取引方法につきましては、開設者が関係者の意見を聞いて、業務規程、具体的には条例で売買取引の方法を設定することができるようにしたわけでございます。
 その際に、基本的な考え方としまして、公正、効率的という原則を明記すると同時に、卸売業者に対しまして、取引結果につきまして、競り、相対の取引方法ごとの価格、数量の公表措置を新設するなど、公開の規定も設けているわけでございます。
 そうしたことから、中央卸売市場におきます売買取引につきまして、市場及び品目の特性に応じまして、その実情に応じまして、公正、公開、効率の原則のもとで具体的な売買取引方法を定めることができるように今回したわけでございます。また、その際には、市場取引委員会を設置して関係者の意見を聞くということと同時に、市場利用者を不当に差別することを禁止するなどの規定は従来から適用があるわけでございます。
 こうしたことを適正に運用することによりまして、卸売市場におきます公正な取引の確保を図ってまいりたいというふうに考えております。
○上田(勇)委員 御丁寧な御説明でございましたけれども、ちょっと時間の関係もあるので、その中でもう一つ、卸売業者の手数料率について若干お伺いしたいというふうに思います。
 卸売業者の手数料率は業務規程でそれぞれ定められているわけでありますけれども、それはあくまで委託集荷の場合でありまして、買い付け集荷の手数料については基本的に自由になっております。
 資料によりますと、一般的に、買い付け品の手数料率の方が委託品のものよりも低くなっているというふうにあるんですけれども、その辺はなぜそういうようになっているのか、理由をお伺いしたいと思います。
○福島政府委員 御指摘のように、買い付け集荷のマージン率が委託手数料より低くなっている調査結果が出ております。
 これは、一つは、買い付け集荷の場合には、出荷奨励金という出荷者への支払いがないということがございます。出荷奨励金は、青果で手数料の一四%、水産で手数料の八%となっております。もう一つは、買い付けにつきましては、委託集荷が困難な場合に、あるいは品ぞろえ上必要な場合に、あるいは特別の需要があってその需要に対応するということで、買い付け価格につきまして出荷者の意向が強く反映されやすいという面があるわけでございます。あるいは、委託集荷であれば卸売業者だけになりますけれども、買い付け集荷の場合ですと商社等他の流通業者との競争があるということがあるわけでございます。そういう点が主な理由であるというふうに考えております。
○上田(勇)委員 そうすると、これから例えば量販店とかで大きくふえる。あらかじめ決められたものの取引をするという場合に、委託集荷の方は手数料率が決められている、買い付け集荷の場合にはそれが基本的に自由であって、なおかつ一般的に今よりも低いという事態があると、これからどんどんユーザーから買い付けで集荷してほしいというような要請が出てくるんではないかというふうに思うんです。
 そうすると、取引の効率化とかコスト低減というような観点からしますと、委託集荷についても、手数料率を原則としてそういうふうにあらかじめ定めるんではなくて自由化すべきであるというような意見もあるというふうに聞きますけれども、その辺について御見解を伺いたいというふうに思います。
○福島政府委員 確かに、先生御指摘のように、最近買い付け集荷が多くなっているわけでございます。青果は二三%で比較的少ないわけでございますが、水産は冷凍魚等もありまして六三%というふうに高くなっております。しかし、そういう状態にありますけれども、卸売業者の収益構造を見ますと、委託手数料の割合が非常に高いわけでございます。青果では八六%、水産では四二%を占めているわけでございまして、この問題は卸売業者の財務に直結する問題であるわけでございます。
 手数料率につきまして、生産者なりあるいは市場関係者の一部から、そのあり方につきまして検討する必要があるという意見も出ているわけでございます。
 この手数料率の水準等その取り扱いにつきましては、今申し上げましたように、卸売業者の財務の健全性の維持という観点、あるいは逆に言えば、出荷者から見れば手取りの確保という面、それから先ほど申しましたように、出荷奨励金なり、これは生産者に返すものでございます、完納奨励金、これは仲卸、買参等へ返すものでございますが、そういった各種奨励金との関係、そういうものを考慮しながら中長期的課題として検討していく必要があるというふうに考えております。
 生鮮食品等流通問題研究会でも、この問題につきましては、今後卸売市場関係者の経営体質強化の進展状況を見つつ、中長期的課題として検討していくことが適切であるというふうにも報告されているわけでございまして、今後、第七次基本方針等の場で以上のような観点に留意しながら論議、検討してまいりたいというふうに考えております。
○上田(勇)委員 今ちょっと答弁にもありましたけれども、卸売業者の経営が大変厳しい、それはそのとおりなんだと思います。その上で今手数料率を自由化してしまうと、さらに経営の悪化につながりかねないというようなことも事実だというふうに思います。
 ただ、今おっしゃったように、いわゆる買い付け集荷の割合が高まっている。一方で規制して率を定めていて、もう一方は自由になっている。とりわけ量販店との取引というと、買い方の方が非常に強い力を持っているところで安い手数料を要求される。一方、そうでない専門店または規模の小さい小売業者は高い手数料でというようなことになりますと、卸売業者の経営もさらに圧迫されるし、片方だけが規制されているがゆえに、公正な取引に必ずしもなりにくいというような面もあるのではないかというふうに思いますので、そういった点をちょっと聞かせていただいたのです。
 最後に、時間がありませんので、質問させていただきますが、今回、農林水産大臣が卸売業者に対して経営の改善を命ずることができるということになっておりまして、その発動要件として、流動比率、自己資本比率、これらを省令で定めるということになっております。
 省令で定めますので、具体的にまだどのような数字になるかわかりませんが、卸売業者の経営の悪化の主な原因というのは、これはやはり市場における取扱高が減少している、シェアが減っているということが最大の原因であるというふうに思いますけれども、本当に卸売業者の自助努力だけでどこまで改善できるのだろうか。例えば、改善命令を出しても、果たして、それに沿った改善を行うということが、卸売業者の自助努力だけで本当に現実的に可能なのか。また、とりあえずバランスシート上はこうした数字をクリアできたとしても、それをもって中長期的にそういう卸売業者の経営を立て直す、また、それによって卸売市場の機能を向上させていくということが本当にできるのだろうか。
 どうも、これは何か数字だけを決めて、農水省としては、そうしたもっと大きな目的が達成されないのに、何か改善の命令を出すことだけで責任を回避するというようなことにはならないのか。その辺の御見解をお伺いしたいというふうに思います。
○福島政府委員 先生御指摘のように、卸売業者の経営は非常に厳しいものがございます。青果の約二割、水産の約三割が赤字という厳しい状況にあるわけでございます。
 こうした卸売業者の経営体質の強化は、基本的には、売り上げの増加あるいは利益率の向上あるいは販売管理費の削減といったような自主的な企業努力を行うことが必要なわけでございまして、例えば、コールドチェーン化に対応することで付加価値をつけたり、あるいは地域特産物や有機農産物などの差別化食品を扱ったり、あるいは物流費なり管理費などの経費の削減を図っていくといったような自助努力が必要なわけでございます。
 ただ、これにあわせまして、売上高の拡大なり共通コストの削減を図るために、合併あるいは事業の譲り受けによります経営規模の拡大を図ることも重要なわけでございます。今回、そのために必要な資金につきまして、農林漁業金融公庫から長期、低利の融資措置を講ずることとしたわけでございます。
 こうしたことによりまして、財務面での指導基準の明確化にあわせまして、そうした経営規模の拡大等への支援措置、両方相まって、卸売業者の経営健全化に取り組んでまいりたいし、また、開設者とも協議しながら、そのための支援措置を講じてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○上田(勇)委員 時間が参りましたので、これで終わります。ありがとうございました。
○穂積委員長 次に、藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 卸売市場関連法からお伺いをしていきたいと思います。
 世の中にはたくさんの商取引があるわけでありますが、わざわざ法律で公設卸売市場の開設や取引に関し規制をしているのは、国民生活に一日として欠かせない生鮮食料品などが、一部の商人による買い占めや不当な価格のつり上げが行われることのないよう、かつ安定的に供給することを目的としているからであり、そのために、透明性の高い価格形成を行う機能を確保し、その売買取引については、公正、公平、公開を原則としている、こういうふうに考えるわけであります。
 したがって、公設卸売市場である以上、この原則というものは変えるべきものではないというふうに考えますが、簡潔にお答えください。
○福島政府委員 先ほども上田先生に御答弁いたしましたように、卸売市場の重要な機能にかんがみまして、そこにおきます売買取引につきましては、公正、公開、効率性のもとに、市場関係者の意見を聞いて、開設者が、市場、品目ごとの実情を踏まえて、市場の利便性の向上と活性化を図る上で多様なニーズに対応できる取引方法を選択できるように今回改正をしているところでございます。
○藤田(ス)委員 私は、今回のこの法案を前にして、昨年の暮れから、大田市場、それから大阪府の中央卸売市場、東部卸売市場、それからこの間築地にも参りました。そのほか、地元堺の地方卸売市場と、八百屋さんや魚屋さんの話も随分聞いて歩きました。
 卸売市場の競り、相対の割合は、一様ではありません。しかし、大型スーパーの進出で相対がふえ続けているわけでありますが、それでも卸売市場は競りの原則が大事だということで、非常に大切にされています。大阪の中央卸売市場の場長さん杉山さんは、市場の生命線は競りだと端的におっしゃったわけであります。
 そこで、どこへ行っても共通して言われたのは、今回の卸売市場法の改正で、原則の競り、そして相対例外、これがなくされていけば、相対が一層広がっていく、そういう声でありました。しかも、現行法でも相対は例外規定として認められているわけであります。
 今あえて相対を合法化する必要性はどこにあるのか。また、法案には、先ほど御答弁ありましたけれども、公正かつ効率、こういうふうにおっしゃいますが、おっしゃった公開というこの担保はどこにあるのですか。
○福島政府委員 公開につきましては、今回、卸売業者が、売買の取引方法ごと、つまり競り、相対ごとの数量、価格を公表するということでもって、公開の原則、公開の規定を定めているわけでございます。
○藤田(ス)委員 相対の例外規定があるのにあえてそれを合法化していく、その必要性はどこにあるのかと聞いているのです。それも。
○福島政府委員 その点につきましては、先ほどお答えしましたように、競りには競りの特色、長所と短所があるわけでございます。また、相対には相対の長所と短所があるわけでございまして、卸売市場も最近取扱金額なり市場経由率が低下しておるといいますのは、卸売市場も市場外流通と競争している、そういう状況になっているわけでございます。
 そうした中で、卸売市場の活性化を図るためには、市場あるいは品目の特性に合った取引方法を選択できるようにする必要があるということから、今回、具体的に言えば、市場、品目ごとの特性に応じまして、競り売りまたは入札の方法でやる場合、それから二番目には、一定の割合を競り、入札の方法としまして、その他の部分につきましてはいわゆる相対にするということ、さらには、競り、入札または相対というどちらでもいいようにするという三つの類型を定めまして、それを品目ごとに卸売市場の開設者が関係者の意見を聞いて定めていくというふうにしているわけでございます。
○藤田(ス)委員 相対が量販店の進出とともにふえてきたことは、もう言うまでもありません。そして、競り取引では、量販店は大量に仕入れをするからうちは安くせよと言っても通用しないわけであります。だから、量販店の進出とともに、そのニーズにこたえて相対がふえてきたのじゃありませんか。今回競りの原則を外し相対取引を合法化した理由は、まさにこうしたところにある、そして、量販店の要求にこたえたものになっている、こういうふうに言わざるを得ません。
 また、結果の公表と、公開とは違いますよ。公表というのは、これは結果の発表である。公開というのは、値決めの経過、取引そのものをだれの目にも明らかになるように公開のもとで行う、それを言うのが公開であります。
 だから、相対取引は、なるほど効率を高めていくでしょう。しかし、肝心の取引は極めてクローズド、閉鎖的であって、価格の恣意的な操作、こういうことも可能にするものであります。
 生産者の方から見ても、相対がふえればどういうことになるか。受託拒否の禁止の原則があるわけでありますから、したがって、現行の市場法ではどんなに少量の品物でも市場に生産者が持ち込めばそれを売ってもらうことができるわけですが、相対取引ではその予約に必要な量をまとめなければなりません。それから、決めた価格に合った品質のものをそろえていかなければ取引されません。したがって、そこから外れたものはいわゆるすそ物扱いということで値をたたかれることになります。しかも、生産地から出荷された同じような品物が一方では相対、一方は競りということになると、これは価格が結果として違うことになって、結局この中でも不公平を生じさせるわけであります。
 私は、中山間地、都市近郊などの小さな産地あるいは中小農業者の生産を非常に困難にしていくというふうに考えますが、どういうふうにお考えですか。
○福島政府委員 相対取引が近年ふえておるといいますのは、事情は二つあると思います。一つは、先生おっしゃったように大型量販店等のウエートが高くなっているということ。と同時に、産地の方も大型化が進んでおりまして、安定的、継続的な取引関係を望む観点から、いわば希望価格といいますか指し値といいますか、そういうものを卸売業者に実現を求めるという面もあるわけでございまして、その両方から相対の取引の割合が高くなっているということは言えると思います。
 それで、そうした場合、今の規定ですと原則は競り、入札、それで例外的に相対取引ができるとなりますと、その例外部分がいわばやみに隠れるということになるわけでございます。それを今回取引方法別の、つまり競り、相対ごとの取引結果を公表させることによって競りの価格と相対取引の価格の平準化を図っていこう。そうした情報公開のもとでの取引の平準化、価格の平準化を図っていこうというねらいもあるわけでございまして、効率的といいますのは卸売市場にとっても避けて通れない課題になってきているわけでございますので、効率性の原則の中で、価格を公表することによって平準化を図っていこうというのが今回のねらいの重要な点であるわけでございます。
○藤田(ス)委員 やはりなかなかまともに答えていただけない。
 しかし、公表で競り、相対の価格の平準化が図られるという御意見には私は賛成できません。そして、結局はやはり中山間地だとか都市近郊だとかそういうところの中小農業者が、産地の大型化という名のもとでこれまた切り捨てられていくものであるというふうに考えざるを得ないわけであります。
 小売店の方はどうか。これは相対がふえれば、商売がさらにやっていけなくなります。競りにかけた品物を同じように仲卸から仕入れてこそ、弱い立場の魚屋さんも八百屋さんも一応公平の立場に立てるわけであります。しかし、相対では仕入れの段階で不利になり、そして先に品物を量販店にとられて、店頭に品ぞろえをすることさえ難しくなってくるということを私はたくさん訴えられました。小売店の方は、客はスーパーにとられ、仕入れの方で差別される、これではとても商売はやっていけない、こういうふうにおっしゃるわけであります。
 あなた方は、商店街を残す必要性を認められてそれなりの予算をつけて推進していることを私は知っています。また大臣は、日本型食生活の大切さを繰り返し繰り返しおっしゃっていらっしゃる。対面販売を通じて、小売店、八百屋、魚屋は、しゅんや食べ方を消費者にアドバイスしてくれる、そういう小売店の営業が成り立つようにすることが大切じゃありませんか。政府が推進したいというみずからの政策にも、相対が広がるほど矛盾を広げることになりはしませんか。
○福島政府委員 先ほど申し上げましたように、今回の改正案におきましては、卸売市場の実情に応じまして、開設者が品目ごとの特性に応じまして関係者、これは具体的には、卸、仲卸それから買参等の関係者の意見を聞きまして、競り、入札の方法、これは、こういう品目は競りでやる、それから二番目には、こういう品目につきましては一定量あるいは一定割合は競りでいく……(藤田(ス)委員「質問にまともに答えてくださいな」と呼ぶ)いや答えております。それ以外の分は相対でいく、それから三番目には、こういうものにつきましては競りでも相対でもいいという三つの取引方法ごとの品目を決めていくわけでございまして、そのことは競りがなくなることを意味しているわけではないわけでございます。
 したがって、そこは利害関係者が協議して、意見を十分聞きまして品目ごとに取引方法を決めるわけでございますから、いわば関係者も納得ずくでの取引方法であるというふうに考えるわけでございます。
○藤田(ス)委員 やはりまともに答えていらっしゃらないんです。
 私は、競りがなくなることを意味しない、そんなことは考えることさえ――公設市場の意味がなくなるという点で許せないことだと思っています。
 それから、業務規程にゆだねるということもよく知っているんです。
 その上で、大臣がいつもおっしゃる日本型食生活の大切さ、それから商店街を振興させていくために予算もつけて、皆さんが一面では八百屋、魚屋の大切さをよく知っての上で措置を講じていらっしゃることが、相対が広がるほど現実に商売をやっていけなくなるという小売店の声があるということについて、結局みずからの政策に矛盾を持ち込むことになりはしないかということを言っているわけであります。どういうふうに答えられますか。
○中川国務大臣 先ほどから局長が一生懸命答えているわけでありますけれども、まず、競りがよくて相対がだめだというような大前提での御議論というのはやはりいかがなものか。どういう形態のものがあってもいいのが我が国の社会であります。しかし、公設市場という市場の位置づけというものもあるわけでございますから、ある意味では小枠、小さな量のものを出したい、あるいは売りたい、買いたいという場が公設として必要なことは十分我々もわかっております。
 それから、相対だと、何か量販店が大量にがばっと力に任せて買っていくだけというふうに思いがちでありますけれども、生産者側も一生懸命努力をして、規模あるいはまた流通、販売方法、情報通信を駆使した形あるいはいろいろなネットワークを通じて大量にいいものを売るという生産者側のニーズにもやはりこれは役立っていくものだと思いますので、片っ方が善であれば片っ方が悪みたいな二者選択のものではなくて、公設ですから競りをなくすということは全くないということを何回も答弁しておるわけでありまして、そういう中で、生産者ニーズあるいは消費者ニーズによりよく合う形の一つの改正というのがこの法案の趣旨であるということをぜひとも御理解をいただきたいと思います。
○藤田(ス)委員 一々ひっかかっていたら前へ進みませんからあれですが、私はそんな単純なことを言っていない。現に魚屋さん、八百屋さん、いろいろな方の話を聞き、実は生産地にも足を運び、そして聞いてきた声を今ここで披露して皆さんにお伺いをしているわけであります。
 結局は、私は、これは小売店も本当に商売がやりづらくなっていく。随分つぶれましたね、十年間で十分の一になったというようなところもあるんです。そういうふうに随分つぶれてきましたが、小売店はますますしんどい商売をせざるを得ないだろうというふうに考えます。
 さらに、商物一致の原則を緩和し、市場に品物を持ち込まなくてもよいなどということになれば、大量に仕入れをする量販店、スーパーにしか品物が行かないということになる危険性もあります。また、買い付け禁止の緩和も、卸売業者が量販店のために買い付けに走って、物を右から左に動かすということが許されることになり、ここでも、価格も供給量も恣意的な操作が可能になって、卸売業者本来の役割が失われることになりかねないということを申し上げておきたいと思います。
 次に、市場関係者の経営の問題であります。
 一九九七年には、全国の卸売業者の二五・四%、仲卸業者の約五割が赤字経営になっていると言われています。仲卸業者の皆さんに経営困難の最大の理由について尋ねますと、それはもちろん不況が第一に挙がりますが、それと並んで言われることは、量販店、スーパーの決済が非常に遅いと。どこの市場でも、仲卸は卸に対し、また小売は仲卸に対し、基本的には即日決済ということになっています。ところがスーパーの方は、三十日、ひどいところは四十五日もしないと支払いをしてこない。仲卸はやむなく銀行からお金を借りて卸に支払いをしていくわけでありますが、最近はそれも簡単ではありません。これが仲卸の経営を本当に苦しませているんです。
 大臣、仲卸業者の営業を真剣に考えるならば、何はさておきこの決済のおくれを大至急解決していただきたい、そのためにひとつ働いていただきたいと思います。また、今回の法改正には、四十四条の二で決済の確保を明記しておりますが、ここには市場の買い出し側も入るのか入らないのか、明らかにしてください。
○中川国務大臣 先生おっしゃるとおり、大型店の方の決済サイトが長いということは我々も認識をしております。これははっきり言って、お互いの商形式をどういうふうにするかという当事者間の私的契約の範囲だろうと思いますけれども、しかし、それによって仲卸業者の皆さん方が非常に影響を受けるということを我々は看過することはできません。
 したがいまして、決済方法といいましょうか、決済期間をできるだけ短くするということにつきましては、強制することはなかなか難しいわけでありますけれども、できるだけやはり市場の機能というものを維持発展させていくためにも、仲卸業者がいい経営になっていくためにも、早期に支払いができるように努めなければならないという訓示規定を定めることができるように措置をいたしました。また、仲卸業者と買い出し人の決済につきまして、農林省といたしまして、こういう量販店の団体に対しましても要請をすることもしていきたいというふうに考えております。
 なお、量販店あるいは小売店、それぞれにそれぞれのよさがあって、先生からも先ほどお話がありましたように、小売店の店先での、文字どおりお客さんとお店屋さんとの長いつき合いといいましょうか、豊富な専門的な知識でもってお客さんと触れ合うということによる商売といいましょうかお仕事というものがやはりこれからも必要でありますし、また、量販店あるいはまた大量出荷というシステムも、一方ではこれからの一つの消費者のニーズでもありますので、やはり公設市場という位置づけの中で小売そして量販店ともに適正に位置づけられるように、今、問題点を御指摘いただきましたことに関して検討をいたしますと申し上げたように、我々としても、公設市場の維持発展のためにこれからもきちっと行政を進めていくつもりでございます。
○藤田(ス)委員 最近は、競り問題もそうですが、量販店、スーパーというのは、とにかく自分たちの都合のよいやり方を始終求めてくるわけです。それにもし市場側が応じないとなると、あそこの市場は使いにくい、使い勝手が悪いということで取引をやめてくる。そういうことがあるから、取引をやめられたらそれは大変だということで、なるべく量販店の言うとおりにしていこうということになっていくわけであります。
 だから、業務規程で決済について定める場合でも、買い出し側についてもそれをきちんと規定するよう、これは大臣の御答弁、私は重く受けとめるとともに、重ねてそのことを申し上げておきたいと思います。ぜひ、大臣おっしゃったように、ひとつ働きかけもよろしくお願いいたします。
 また、スーパーは仲卸業者に対して、私ちりめんじゃこで見ましたが、ちっちゃいパックにそれを詰めて持ってこいというので、一生懸命、アルバイトの方を集めてパック詰めをしているんです。そして、配送センターに持っていけ。そこには量販店の何店、何店、何店と支店がたくさん仕分けされていまして、そこに何パックずつ納めていけというような注文もしてきます。また、あげくの果てには、配送センターの維持費も仲卸は負担せよというような要求をして、それに対してむっとしたような顔をしようものなら、そうか、そうしたらもうあしたから会社をかえるというふうに言われてしまって、仲卸業者は、余計な人件費や経費を使い、泣く泣く従っているわけであります。だから、小売店の、八百屋、魚屋の方からもうけた分は全部スーパーの方で使っているなんというようなことも言っていらっしゃいました。
 また、こんな例もあります。
 スーパーがクリスマスを前にチラシを印刷して、そのスーパーは一パック三百九十八円と書きました。ところが、当日千四百円という値になっているわけです。そうすると、このスーパーは予約相対した仲卸業者に対して、もう印刷もして三百九十余円で売るって言うたんやから、あなたのところ、その差額を全部自己負担せよ、こういうことで、結局、泣く泣くそれも受け入れてきました。キュウリを一本一円で卸せと言ったスーパーもあるというふうに訴えられました。こういうのをスーパーの横暴と呼ばずして何と言うか。
 大臣、これまた私が敵視して言っている、そういうふうにとらないでください、事実で聞いているんですから。スーパーからの注文がなくなれば取引先そのものがなくなってしまうくらい大量の品物がスーパーに流れている中で、注文を断るわけにはいかない、だから、仲卸が大変なジレンマの中で身銭を切ってその横暴に耐えているんです。何とかしてくれ、だれに頼んだら救ってくれるのか、切実に言われてきました。
 農水省はかつて、食品産業センターを通して、加工業者に対して、この手の、独禁法の不当な優越的地位の乱用に関係するそういう調査もやったことがあります。私は、量販店、スーパーと仲卸業者との実態の調査をぜひ求めたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○中川国務大臣 敵視と事実と結果的に同じように聞こえましたけれども、量販店がどうやって物を消費者にきちっと売っていくかということは、やはりマーケットリサーチをきちっとやって、そして売っていく。ですから、今ちりめんのちっちゃなパック、確かに詰めるのに大変な作業がかかると思いますけれども、スーパーの店先にそういうものが並んだときに初めて、スモールファミリーである現在の家庭がそれを買っていく。あるいは、スイカ丸ごと売っているスーパーというのは最近ほとんどないんだそうでありますけれども、みんな四つ切りだ、六つに分割したと、これはまさに消費者ニーズなわけであります。また、でかいものを無理して買って食べ残しがまたふえると自給率の関係にも影響するというのは、前回の議論のことをちょっと思い出しましたけれども。
 しかし、生産から仲卸あるいは卸、そして流通、流通の場合には、小売から量販店、そして消費者、こういう流れがスムーズにいくということが私どもも最大の目的であり、そのために公設市場があって、市場の中にいろいろな立場の仕事をされている方がいらっしゃるわけでございますから、そして、最終的にはいいものを安定的に国民に供給できるような流通システムを構築していこうということが目的でありますので、仮にも、特権的立場ですか、地位を利用し、また相手に対して問題となるようなことがあるならば、我々としても厳しくその実態を調査しなければならないと思っております。
 いずれにしても、この法律を機会にいたしまして、あるいはJAS法を機会にいたしまして、文字どおり生産から消費に至る各段階の実態というものの把握に今まで以上に努めていかなければならないということは私自身も考えておるところでございます。
○藤田(ス)委員 調査をしなければならないというお言葉、仮にも問題があれば調査をしなければならないというお言葉の方を私は一々反論しないで聞いておきましょう。
 消費者のニーズにこたえるということは、それは商売をしていたら当然のことなんです。だけれども、小売屋さんはそんなことを仲卸に求めたこともない。量販店が仲卸にそれを求めているというところに過剰な負担をかけているということを申し上げているわけであります。
 公正取引委員会にお越しをいただいていると思いますが、この仲卸とスーパーの関係は決して対等とは言えない、優越的地位の乱用に当たるというふうに私は思います。今、農水省の方も調査しなければならないというお言葉がございましたけれども、いろいろ難しい問題があると思いますが、まずこの問題に関心を持って当たっていただきたい。そして、問題が具体的にあれば厳正に対処をしていただきたい。
 公正取引委員会の方は、大規模小売業者と納入業者との取引に関する実態調査の実施ということで三年前に行われ、今回また、大店法が大店立地法に移行し、規制が緩和する中で、そういう競争の激化のもとではこうした大規模小売業者の優越的地位の乱用というものに対する関心が一層高まってきているということで調査をされるということになっております。ひとつそういう立場からも卸売市場におけるこうした問題について調査をしていただけないかというふうに考えるわけでございますが、いかがでございましょうか。
○上杉説明員 お答えいたします。
 独禁法で禁止されている行為に不公正取引というのがございまして、優越的地位の乱用というのはその一つということで独禁法上禁止される行為となっているわけでございます。大規模小売業者とそれからその納入業者との間でこういった優越的地位の乱用の問題が起こりやすいということで、当方でも従来から関心を有していたところでございますけれども、平成三年七月に作成いたしました流通・取引慣行ガイドラインにおきまして、例えば押しつけ販売であるとか返品、従業員の派遣の要請、協賛金の負担、こういったような類型につきまして具体的な考え方を示しまして、未然防止に努めてきたところでございます。
 ただ、そのようなガイドラインをつくりましても、行為の性格上、取引先の納入業者の方から具体的な事実を摘示して私どもの方に情報提供をしてくるというのはなかなか期待しにくい、そういう状況にございまして、先ほど先生が御指摘になられましたように平成七年の調査後三年以上経過したということもございまして、現在、私どもの方から積極的に情報を得るという目的で調査を進めているところでございます。
 私どもも、今後とも、このような問題に対して市場における公正な競争ルールを確保するという観点から興味を持って臨んでおりまして、具体的な事実が独禁法に違反するというようなことがありますれば、厳正に対応したいと考えております。
○藤田(ス)委員 今の公正取引委員会からの御答弁を聞いていただきましても、やはり今、そういうふうなことで積極的に情報を集めていこうという姿勢を示されました。農水省の方も、どうぞひとつ実態を調査し、そして仲卸が不当に苦しめられないように対応をしていただきたい、特段にお願いを申し上げておきます。首を振られましたので、私はそのように受けとめて、次の質問に移ります。
 市場関係者の経営体質強化の問題であります。
 今回、市場活性化のためだということで、他の業種にはない異例の財務状況の公開、改善命令、事業譲り受けの促進などの規定が盛り込まれたわけであります。果たして財務状況の公開や改善命令によって好転するのか、うまくいかなければ業務停止、許可の取り消しということにつながっていくんじゃないかという点を非常に心配しておりますが、簡潔に一言だけで答えてください。
○福島政府委員 一言で答えるのはなかなか難しいのですが、要は自助努力と相まって我々としても支援措置を講じているわけでございます。具体的には、合併なり事業譲り受けの場合に農林漁業金融公庫から長期、低利の金融措置を講じております。
○藤田(ス)委員 私は、こういう業者に対するやり方が、業者の淘汰、リストラを促進し、そして専ら卸売市場の大型化を進めるというような方向をたどってはならないという点で質問をいたしました。今度の改正は、国民の生活を支える生鮮食料品の流通という原点に照らして、いろいろな多くの問題を含んでいるというふうに私は言わざるを得ません。
 しかし、法律の上では、実際の取引のあれこれを決めるのは先ほどから言っておりますように開設者たる自治体の業務規程であります。したがって、その業務規程というのは、農水省はあくまでも自主性を尊重するべきであり、その地方に合ったやり方で取引できるようにするべきだというふうに考えます。この点、一点です。
 もう一つの問題は、市場取引委員会の設置ということが盛り込まれているわけでありますが、業務規程の変更やあるいは取引について意見を述べることができる、こういう規定になっております。私は、この市場取引委員会が文字どおり、市場関係者はもちろんですが、消費者やあるいはその他の皆さんも加えた権威のある民主的な委員会として、卸売市場の中に起こるいろいろな問題についてもそれを酌み尽くして解決できるような委員会にしていただきたいなというふうに考えますが、この二点、これもできるだけ簡単にお願いをいたします。
○福島政府委員 卸売市場の業務規程の制定に当たりましては、これが適切に定められている限り、最大限開設者の自主性を尊重してまいりたいというふうに考えております。
 また、市場取引委員会に消費者の代表を加えることにつきましては、学識経験者として開設者の判断によりまして委員に加えることもできるわけでございまして、この市場取引委員会が市場の活性化のために十分機能するよう指導してまいりたいというふうに思っております。
○藤田(ス)委員 よくわかりました。
 最後に、JAS法の改正問題で若干質問をいたします。
 今回の法案は、有機農業に対しても表示制度をつくっていくということで、JAS法の中へ取り込んでいくということでありますけれども、私は、有機農業への助成制度がないと、せっかく表示の制度をつくってもJAS法の趣旨とは逆に、生産地を参らせてしまうのじゃないかというふうに心配をしています。
 まだ本当に有機農業が日本で行われているのは非常に少ない、言ってみればまだ始まったばかりだというような状況であります。日本は、改めて言うまでもなく、高温多雨な気象条件を持つ上に、地形も土壌も極めて複雑で多様な条件を持っている国で、有機農業というのはもともと大変難しいものだというふうに思いますが、それを表示制度だけで有機農業生産を振興させていくということではとてもできない。これを機会に、しかし有機農業が根づいてほしいという思いを持って私は今言っているわけですが、だからヨーロッパのように、有機農業をしている生産者の所得の三〇%が政府の助成による、ヨーロッパはそういう支援をしておりますが、そういう政府の支援というものを伴うべきだというふうに考えます。これが一点です。
 もう一つは、法案の第七条二項を見ましたら、「農林物資の品質、生産、取引、使用又は消費の現況及び将来の見通し並びに国際的な規格の動向を考慮する」、国際基準を考慮することになっておりますけれども、考慮とは何を意味するのか。
 また、国際基準とされている有機農業の条件を一律に当てはめるのは私はなじまないというふうに思いますが、国際基準を当てはめるのではなく、日本の農業に応じた基準設定をするべきだと思いますが、この点についてお答えください。
○福島政府委員 まず第一点でございますが、有機農業の振興を図る、つまり生産対策としての有機農業の振興、それに対する支援と表示の適正化、これは、先ほど鉢呂先生にお答えしましたように、車の両輪として進めてまいりたいというふうに思っております。
 それから、二番目の国際規格への考慮でございますけれども、これは先ほど申し上げましたTBT協定の中で、国際的な整合性を図るということがいわば加盟国の義務といいますか約束事としてあるわけでございまして、それへの対応をする規定であるというふうに考えております。
 三番目に、有機の国際基準は我が国では難しいのではないかということにつきましては、これは現在ガイドラインの実施状況、それからコーデックスでの有機基準、これはいずれも原則三年間、化学肥料なり化学合成肥料を使用しないということで、基本的には同様でございます。それに基づきまして既に十四県で実施しているということから見ますと、必ずしも高温多雨な日本で実施できないわけではないというふうに考えておりまして、むしろそうした国際的な基準に合致した方が消費者もまた生産者も理解を示してくれるというふうに考えているわけでございます。
○藤田(ス)委員 生産者に対する支援が融資や減税の措置では不十分だから言っているのです。
 この間、ここに参考人にいらした方が、御自身、ヨーロッパにいらっしゃってうらやましいと思った、何をうらやましいと思ったか、それは政府が直接所得の助成をしている、だから安心して有機栽培に取り組めるということについて非常にうらやましいと思ったという発言でありましたが、私どもは、この点については、本当に政府が有機農業を育てようというならその立場に立つべきだ。
 国際基準で十四県実施しているとおっしゃいますが、これも厳密にそこの国際基準をきちっとやれているのは、東京都の調査でまだ全農家の一%ということが言われております。その有機農業を行っているという一%の中でももっと率の少ない農家が対象で、実に十何年、二十何年という長い経緯の中でようやくそこに到達してきた、そういうことでありますので、このことは特に申し上げておきたいと思います。
 最後に、消費者として私は、恐らく自然条件など欧米とまるで違う我が国のこの気象条件を全く考慮することなくそういう国際基準というものを当てはめてしまうと、有機農産物はもう生産現場とかけ離れて、せっかくつくった表示も、表示だけがひとり歩きして、単なる商品でしかなくなってしまう、こういうことを大変心配しています。
 そして、今でも私はスーパーに行って思うのですが、有機と書いてあるから、うわっと思って飛びついて手にしてみれば、アメリカ産の有機ということで私ははあっと思ってしまうわけであります。そういう中で、次々にどうもにせの有機じゃないかということがいろいろ出てきています。
 私はもう時間がありませんので一々言いませんが、いずれにしても、水際の検査体制というのは、単に認定機関に任せる、あるいは輸入業者にそれを任せるということじゃなしに、政府が責任を持って、やはりにせの有機作物、食品の流入を防止するための体制というのが必要じゃないかというふうに考えるわけであります。
 時間がありませんので、もう一点質問をしておきたいと思います。
 私は、今回農産物の原産国表示が行われるということについては大変喜んでいます。私も長い間そのことを要求し、さまざまに取り組んでまいりましたし、消費者団体も一生懸命そのことを求めてこられて、それにこたえる措置というものを歓迎しているのですが、残念ながら加工品の原産国表示の義務づけはありません。コーデックスでは、原産国とはその本質を変えるような加工を受けた場合に加工が行われた国ということになっておりまして、こういうことから、ハーモナイゼーションでそうなっているのかなというふうにも思いますけれども、やはり消費者は加工食品にもその材料の原産国表示を行ってほしいというのが切実な声であります。
 和歌山県の名産品になっている紀州産の梅干しも、中国から梅漬けの状態で輸入され、日本で梅干しに加工したものが出回っているというようなことで、現地では生産者も非常にそのことを求めているわけでありますが、明快にお答えをいただきたいと思います。
○福島政府委員 加工食品の原料原産地の表示でございます。
 これにつきましては、現在検討会を設けまして検討を進めているわけでございます。品目ごとの製造、流通の実態を踏まえた原産地表示のあり方あるいは表示可能な品目等につきまして検討を行っているわけでございまして、梅干しにつきましては、年内を目途に取りまとめを行ってまいりたいというふうに考えております。
 水際対策の問題でございますが、日本と同等の有機につきましての認証制度を有する国からの輸入に限定されるわけでございます。したがいまして、そういうものを輸入業者がチェックする、また消費技術センター等あるいは都道府県等と協力しまして、逐次、抜き取り調査、買い取り調査等も行ってまいりたいというふうに考えております。
○藤田(ス)委員 これはいい御答弁が出ないということを私もあらかじめ予想して聞いているわけでありますが、そういうやり方では不十分だということから、輸入時の検査体制というものを、先ほどから遺伝子の問題でも随分出ていますが、やはり輸入時の検査体制というのは国民の命と健康を守るための大事なところですから、そういう点ではやはり積極的に取り組んでいくべきだということを申し上げておきたいと思います。
 きょうは、終わりの時間が本会議で非常に限定されておりますので、私は遺伝子組み換えの問題についても触れたかったわけですが、これは略させていただきます。
 ただ、この問題については本委員会でも附帯決議で、あらゆる食品の遺伝子組み換えの表示ということが決議されることになっております。参議院でも決議されました。また、消費者問題特別委員会の小委員会でも早くからそのことを促しております。ぜひ一日も早く国民の声にこたえ、そして選ぶ自由、そういうものを知る権利、そういうものをきちっと保障すべきだということだけ申し上げて、終わりたいと思います。ありがとうございました。
○穂積委員長 この際、休憩いたします。
    午後零時五十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後六時三十二分開議
○穂積委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 皆様、御苦労さまでございますが、夕刻からの会議、御協力を願います。
 質疑を続行いたします。木幡弘道君。
○木幡委員 実は、昨日、景気対策のための補正予算が政府の方から発表され、きょうから実質審議に入ったわけでありますが、ここ二、三日前に、テレビ局の職業別の景況感についてのアンケートが、そろったものが手元にあるのですが、その中で、景気の実態について、上向きになっているかどうかということについての質問に、そう感じないというパーセンテージが極めて高いのが農林関係なんですよ。これは群を抜いているのです。今後の見通しについてという項目でも農林関係が群を抜いて高いのであります。
 これを見ますと、例えば自営、勤労者、経営管理、専門、自由、そういうそれぞれの職種によっての調査なんでありますが、何と、これから先の見通しについては、八一%の人が先行きについて農林関係はなかなか厳しい、あるいは、現状認識でも八五%の人が極めて厳しい、こういう数字が出ているのであります。昨日提出をされた景気回復あるいは経済再生のための補正予算、これらの一連の政府としての考え方の中に大臣がどのようにかかわっておいでになったのか、あるいは、これから先の景気対策について、特に農林関係に思いをいたすとき、どのようなことで臨まれるか、まず冒頭、大臣からお聞かせをいただきたい。
○中川国務大臣 まず、衆参の本会議で大変お待たせいたしましたことをおわび申し上げます。
 今回の補正予算、あるいはその補正予算の原因ともいうべき景気回復、特に農林水産関係についてということでございますが、全国は非常に景気が厳しい状況が続いておりますが、農林水産地帯も大変厳しい状況にあるわけであります。
 GDP五百兆と言われておる我が国の経済で、一番川上ベースで約十一兆円、農業関係で、売り上げというか、あるというふうに言われておりますが、全体としては五十兆、約一割が農林水産関係というふうに言われておりますから、その影響が大きいし、国土に占める面積というのも圧倒的に多いわけであります。
 そういう中で、今回は、緊急雇用対策というもの、あるいは産業構造転換というものをポイントに置いた補正予算でございますが、雇用対策におきましては、農林水産関係の就職情報提供、あるいは就業機会の創出といったことに我が省としてはポイントを置いております。
 また、情報通信関係に絡めまして、農村に滞在をする、あるいは場合によっては農村に滞在をしながら仕事ができるようなシステム、いわゆるホームオフィスみたいなものも、これは、今回、直接的というよりも中長期的にこれから大事になっていくであろうということで、農村の特性を生かした、そしてまた雇用の創出もできるような体制づくりをしていきたいと考えております。
 先生御指摘ありましたように、将来に対する不安ということについて、我々も厳しい認識を持っておるところでございまして、まさに過疎化、高齢化というものを何としても食いとめていかなければいけないということで、農山漁村における就業機会、あるいは住みたい、住んでみたいというような地域づくりというものも念頭に置きながら、冒頭申し上げたような、今回の補正予算におきましては、産業構造転換あるいは雇用対策というものを念頭に置いた予算の中で農林水産省関係につきましても最大限の努力をし、特に労働省等関係省庁ともよく連絡をとり合いながら雇用機会の創出に努めてまいりたいというふうに考えております。
○木幡委員 農林関係、とりわけ生産者の方々が日々の生活で常に考えておるのは、昔から言われたことでありますが、製造業ならばつくったものは自分で値段が決められる、よく言いますね。しかしながら第一次産業従事者の農林水産業の方々は、自分たちでもってなかなか値段を決めることができない、これはもうずっと、戦後、農業者の方々から言われてきた意見ですね。
 さはさりながら、今回市場法で論議をされておりますのは、当然、参考人の意見あるいは皆さん方の意見の中にも、市場といいますのはより透明性、公平性を高めて、逆に言いますならば、卸や仲買、流通にかかわる経営体質を強め、よって消費者にも安いものを、そして生産者にはより所得が上がる、高い金額が得られるようにして、いわゆる流通にかかわる妥当な経費というものが図られるということが、消費者にとっても生産者にとってもそれは望むことでありますから。
 とすると、この市場法の論議の中で、築地の現場も見させていただきました。あるいは、日々の私どもの生活の中で地方の市場というのも見てまいりました。その中で、やはり生産者にとっては、この前の皆さん方の答弁の中にありますのは、最近は生産者が強くなった、どちらかというと卸の方々が弱くなったというような感じの発言があるわけでありますが、現場サイドで、農家の方々やあるいは水産関係の方々の話を聞けば、やはり残念ながらまだまだ生産者は弱い立場だ、それは午前中の論議にもありましたとおり、すべてが品物などそろっていないということもあって、相対取引はいまだに、特に地方市場の場合には相当な比率を占めるし、中央市場でも相対取引の比率は高い、こんな問題もあろうと思うんであります。
 冒頭お聞かせいただきたいのは、我が国の流通にかかわる経費と先進諸国と比較をした場合にどのような形に感じ取られておるか、その点だけ、まず第一点お聞かせいただきたい。
○福島政府委員 今先生御質問の、我が国の小売価格に対しまして、生産者価格、中間経費、小売マージン、それがどういうふうになっているかということでございます。
 これは、食品流通段階別価格形成追跡調査という統計情報部で調査をやっておるわけでございますが、これはそのときそのときの小売価格から追跡していって今の割合を調べたものでございます。
 青果物につきましては、おおむね生産者の受取価格が、これは物によって違いまして、二〇から六〇、中間経費は二〇から三〇、小売マージンは二〇から三〇%の比率になっております。他方、諸外国、アメリカと比較しますと、生産者の価格はおおむね三〇%、中間経費がおおむね三〇%、小売マージンがおおむね四〇%ということになっておりまして、一概に我が国の流通マージンがアメリカと比較して高いということはない結果になっております。
○木幡委員 例えば水産を見ますと、かつて漁業組合が独自に、生産者価格と末端の消費者価格はどのぐらいの倍率になるのかという、魚種ごとに調査をしたことがあるのです。一番高いものが四十倍というのがあったんです。生産者価格の四十倍。もちろんこれは、消費地といってもいろいろなところがありますから、そればかりを突出してこうだと言うような気はないんでありますが、ただやはりすべてのものについて、まだまだこれから先、我が国の流通の合理化といいますか、流通経費がなるべく少なくなるように指導して、生産者がより安定した価格、所得を得ることができる、消費者もより安いものを手に入れることができるということにならないと、とりわけ魚の消費が低迷しているというのは、あながち子供たちが小骨があるから嫌だとか、あるいは生臭いから嫌だということばかりではなくして、家庭の主婦が家計を考えた場合には、どうしても高い、割高になるような魚の食べ物を少なくして肉食が多くなったということも考えられる。ということからすれば、ぜひこれから、我が国の消費者のためにも生産者のためにも、別に魚ばかりではなくして、第一次産業従事者のそれぞれの生産者を考えたときに、これから先精いっぱいの努力をしていかなければならない、こう思います。
 特に、今回の市場法で参考人の話を聞きますると、もちろん決済の信用性を高めるとか、あるいは市場法にもうたわれておりますとおり、一市場一卸に統合していくという強化策が論じられているわけでありますが、参考人の意見の中に、最も大事なことの一つに資質の向上というのがございました。いわゆる卸売業、あるいは仲買等々の中間のこれら業についている方々の資質の向上ということがございましたが、この資質の向上というのは、農水省としては、卸の方々にただ資質の向上を図れよと言うことだけなのか、あるいは農水省としては、資質の向上のためにどのような手だて、あるいはどのような形でもってこれに取り組むおつもりなのか、考えがあればお聞かせいただきたい。
○福島政府委員 今先生御指摘がありましたように、先日の清水参考人から、人材養成といいますか、職員の資質の向上につきまして御発言があったわけでございます。我々も、卸売業者の職員の資質の向上を図ることは、卸売市場の健全な運営を図る観点から重要なことというふうに考えております。
 このために、現在の第六次の卸売市場整備基本方針におきましても、卸売業者の従業員の資質の向上に向けまして、経営能力を有する人材の育成、新規労働力の確保とその教育、熟練労働力の定着と活性化、責任体制の確立、そういったことを卸売業者の近代化の目標として掲げているわけでございます。
 これらに対しまして、従来より、卸売業者の職員の資質の向上を図るために、農林水産省としまして、セミナーの開催等卸売市場関係従事者の人材確保に対しまして助成をしておるところでございます。今後とも、これらの方策を通じまして卸売業者の職員の資質の向上を進めてまいりたいというふうに思っております。
○木幡委員 中央の市場は恐らく今局長の答弁のように、人材もそろっている、あるいは皆さん方の目も届きやすいということでありましょうが、地方市場というのは、皆さん方の指導によって、あるいは責任者の都道府県によって、なるべく統廃合をしてより質の高い地方市場にしようという努力は長いこと続けられてきているというのはよく承知しております。しかしながら、地方市場はやはりなかなか今局長の言ったような形にはならない。
 そういうことについては、一番生産者が身近なところでの市場といいますのは地方市場ですから、地方市場の統廃合やあるいは今後の合理化等々についてはどのようにお考えですか。
○福島政府委員 特に今先生御指摘の産地の地方卸売市場、これは全国各地で生産、出荷されます農水産物を集荷しまして消費地市場に効率的に搬送するという重要な役割を担っているわけでございます。
 それで、そうした産地の地方卸売市場を含めまして地方卸売市場の活性化を図るために、先生御指摘がありましたように、国の段階では、都道府県の卸売市場整備計画に即しました市場の統合大型化あるいは効率的な市場施設の整備に向けまして、公設の場合等には地方卸売市場施設整備費補助金、また民営の場合には、農林漁業金融公庫から長期低利の制度資金の融通を行っているわけでございます。また、税制につきましても、登録免許税なり固定資産税等の課税の特例措置を設けているわけでございます。
 重要なことは、それぞれの市場が地域の特色を生かした創意工夫と自助努力によって個性ある市場として活性化を図ることが重要なわけでございます。
 例えば、愛知の豊明花卉市場では、コンピューターあるいはインターネットを活用しまして活性化を図っておる。また気仙沼の魚市場につきましては、市場を核とした水産業なり町の活性化を図っているというようなことで、それぞれ地域の特色を生かした活性化を図っているわけでございます。それに対しましては、先ほどの、公設につきましては補助金等、また民営の場合には農林漁業金融公庫等の融資によりましてそれを支援してまいりたいというふうに思っているわけでございます。
○木幡委員 ぜひ、中央もさることながら、今後、都道府県を通じてでも、あるいは都道府県の方々と話をする上でも、地方市場の統廃合あるいは近代化等々についても格別なる御努力をいただかなければ画竜点睛を欠くということになりはしないか、こう思いますので、よろしくお願い申し上げたい。
 もう一つの法律でJAS法が来ています。このJAS法の論議も、有機農業中央会とかというところの代表の方が参考人でお出かけになりました。率直に、簡単にお答えいただきたいんですが、小規模農家にとって直接的には負担増になるのでありますが、しかしながら、認証機関でもって認証されれば、販売価格その他でもってそれを上回るような利益を得ることができるので、結果からいえば小規模農家もこの制度によって負担増になるということはないという答えになるのか、あるいはそうではないのか、その点について考えをお聞かせいただきたい。
○福島政府委員 小規模農家が有機農産物を販売する場合に、有機農産物に有機表示を付する、その場合には、負担がそれによりましてかかるわけでございます。その軽減を図るための方策としまして、関係農家で生産組合をつくったり、あるいは農協が生産管理者として承認を受けるための申請あるいは資料づくり等を行うことによって個々の農家の負担を軽減するということが考えられるわけでございまして、そうした取り組み、集団化の取り組みを推進してまいりたいというふうに思っております。
 また、本当に出荷額が小さくて、地場での信頼関係に基づく取引を行っている、そういう場合には、あえて有機表示をすることなく、したがってその検査、認証のコストもかからないという選択もあり得るというふうに考えております。
○木幡委員 この前の参考人の話ですと、全体の出荷量の一〇%が有機であって、今回のJAS法によって厳密に認証機関によって認証されるということになれば、約一〇%ということは、参考人の言葉をかりれば全体の〇・一%ぐらいだ、こういうことであります。
 ともあれ、最近、アトピーやあるいはアレルギー体質の子供が大変多くなって、お母さん方がより安全な食料を求めるというのが少子化時代で特に強まっているということからすると、この有機農業を振興していくというのは農水省の中でも大きな柱としてのっているということであります。
 そこで、いつも出てくるのが、来週、堆厩肥の問題も法律として出てくることでありますから、そのときにまたいろいろな論議がなされると思いますが、私ども農業に、あるいは農政にかかわって長いんでありますが、土づくり運動というのが随分古い昔に大運動として、農水省の肝いりでもって系統農協が全国津々浦々、土づくり運動という大運動を展開したという記憶があるのであります。その後余り聞いていないんですが、土づくり運動のこれまでの取り組みや反省について、お話があればお聞かせいただきたい。
○樋口政府委員 御指摘ございましたように、土づくりといいますのは農業生産の基本でございまして、古くて新しいといいますか、ずっといろいろな形で取り組まれてきたわけでございます。
 今お話のございましたのは、昭和五十年以来いろいろな形で取り組まれてきておりますが、特に、このところ別の意味でといいますか、新しい形でまた注目されておりますのは、農業労働力が不足しておりますとか、兼業化が進展しておりますとか、そういうこともございまして土づくりがおろそかになる傾向が見られる。
 特に、化学肥料への過度の依存や、堆肥等の有機物の施用が減少してきておりまして、土壌中の有機物の含有量がかなり下がってきているということがございまして、これでは安定的かつ持続的な農業生産、なかなか影響が大きいだろう、そういう心配があるわけでございます。
 先生もう既に御承知のように、食料・農業・農村基本法第三十二条にそういう規定がございまして、これに基づきましてもう一足踏み込んだといいますか、新しい土づくりの推進を図ろうということで、制度的あるいは予算的にお願いをしておるわけでございます。現在新しい法律を出しておりまして、また御審議をちょうだいしたいと思っております。
○木幡委員 前回の論議の中で、もみ貯蔵の話をして、いいことはわかっているがなかなかできない。こういう地味なことについてはなかなか重い腰が上がらないんでありまして、土づくり運動といいますのも大変地味でありますが、極めて重要であります。ここ二、三十年の運動を見ますると、さほど効果も上がらないし、それに伴うもろもろの施策というものも余り期待できるようなものがなかったという反省に基づいて、今次の有機農業の隆盛を図らなければならないという考え方から、さらに一層の取り組みをお願いしたい、こう思っております。
 市場法とJAS法はさておき、実は前回積み残しました団体論についてお話をちょっとお聞きしたいと思うんであります。
 皆さん方の先輩であります農業会議所の会長が、この前も公述人のときの発言を皆さんに御披露申し上げましたが、皆さん方をやんわりとえんきょくにしかっているんでありますね。組織の再編整備というのは、うたっているが、なかなか具体的なものは見えませんよということなんであります。皆さん方の事務次官経験者の農業会議所の会長が公述人として話をされたことであります。まず先輩のこの発言について、この前の公述人として出席いただいたときの発言を受けてどのように考えられるか、大臣、お聞かせをいただきたい。
○中川国務大臣 直接会議所の会長のお話は聞いておりませんけれども、後で聞いた話をもとにお答えさせていただきます。まず二点ポイントがあったというふうに理解をしております。時代の進展に対応できるような組織であること、効率的であると同時にできるだけ簡素にすべきであるということでございまして、農林水産省の、戦後といいましょうか、三十年代からずっと我々の大先輩として御指導をいただいておる方でございますので、まさに農政そのものも、また団体の諸事情もいろいろ変化をしておりますので、機能、役割を効率的に発揮できるように見直しが必要だというふうに理解をしております。
○木幡委員 そこで、基本問題調査会、新農基法のときに各界の有識者の方々から意見をいただくためにでき上がった基本問題調査会でも、その後の論議の経過等々を仄聞いたしますと、かなりの時間を系統団体、組織の再編整備について議論があったというふうに伺っているんであります。残念ながら新農基法の論議の中には、この前も大臣がこの委員会で答弁があったとおり、一行だけ入っているということで、これは果たして基本問題調査会の中の意見を酌んだような形で時代に合った農業団体の再編整備ができるのかなというふうに疑問に思わざるを得ないんでありますが、この基本問題調査会の意見、大臣はどのように組織の再編整備について受けとめられましたか。
○中川国務大臣 基本問題調査会でいただいた答申の中には農業団体のあり方というものがはっきりと書かれておりますし、またそれを受けた農政改革大綱等にもそれについての文章があるわけでございます。基本法自体には、今先生からも御指摘ありましたように、農業団体についての条文が一つございますけれども、我々も今申し上げたような農業の効率化、これはまさに生産者、消費者ともにプラスになる話でございますので、これをぜひ進めていかなければならない。
 現時点で農業団体自身がみずからの努力として今やっておるわけでございますが、監督する立場といたしまして、しっかりとそれを注意深く見守りながら、この大きな流れの変化の中で、団体そのものも時代の変化に対応できるふさわしいものになっていくようにしていかなければならないというふうに考えております。
○木幡委員 先日の委員会での局長の答弁では、確かに、系統農協の二段階制についてはおおむね当初予定の六〇%の進捗で、さらに進めている、こういう話がありました。
 しかしながら、今大臣のお話にありましたとおり、それぞれの組織が自分たちのことを考えて、この時代に合った形の再編強化をするのを見守っていくという発言がありましたが、残念ながら、戦後の五十年間の我が国の農政並びに系統農協団体を初めとする第一次産業の関連団体については、もってみずからが痛みを分かち合うということには相当の勇気がなければできなかった。
 すなわち、何らかの形でもって指導をきちっとしていくということがなければ、再編整備というものは後手に回り、経済的破綻をして初めて再編整備が行われるということになってきたということを考えますと、やはりこの機会に、新農基法のもとで、くどいようでありますが、基本問題調査会の中では、戦後五十年の我が国の農政を考えたときに、果たすべき役割と、あるいは果たさなければならない義務、責務というものを考えたときに、系統農協団体あるいは農業関連団体がきちっと組織整備をしなければならないということをうたっているのであろうと私は考えておるのですね。
 そこで、重要なのは、例えば農業会議所でありますが、農業会議所も、人によっては、本来の機能というのは、なくなったなどということは毛頭申しませんが、やはりかなり頭でっかちになってきつつあるのではなかろうか、小回りがきかなくなってきたのではなかろうかという論議が出ているのであります。しかしながら、公的場ではそういうことを言うことがはばかられる、そういう感じなんでありますが、全国農業会議所を初めとする農業会議のあり方について、今回の再編整備について、大臣はどのようにお考えですか。
○竹中(美)政府委員 農業会議でございますが、都道府県の農業会議につきましては、昨年の農政改革大綱におきましても、「関係機関・団体との効率的連携の促進等に必要な制度的措置等を講ずる。」ということにされております。農地関連の法制度の見直しともあわせまして、農業委員会法の見直しを実施することにされているところでございます。
 この大綱を踏まえまして、今後早急に都道府県農業会議を含む農業委員会系統組織の見直しを進めてまいりたいというふうに考えております。
○中川国務大臣 先ほど私が見守っていきたいというふうに申し上げたことが、非常に甘いといいましょうか、そういうふうな印象を先生にとっていただくとするならば、訂正をさせていただきます。
 監督官庁としてしっかりと文字どおり監督をしていかなければなりませんし、この基本法の三十八条でも、国としても必要な施策を団体に対してやっていかなければいけない、この理念に基づいた方向でやっていかなければいけないということでありますから、例えば農協の場合ですと二〇〇〇年までに五百幾つにするとか、そういう目標に対して一生懸命努力されて、人的なつながりの集合体を合併するというのは現実なかなか大変だという話も聞きますけれども、これが農業、農村全体にとっていいことでありますので、そういう意味で見守るという、生ぬるいつもりで申し上げたのではなくて、かなりきちっとした形で監督をしていかなければならないという意味で申し上げました。
○木幡委員 農業会議というのは経済行為を行っておりませんね。経済行為を行っていない団体といいますのは決して大きくなってだめだ、そんな粗っぽい論議はいたしません。しかしながら、ここに来て農業委員、全国農業会議所の一番の下部組織であります農業委員そのものが、公選法に基づいてこたびも改選期に当たっている市町村が多く、もう先週あたり終わったところが多いようであります。農業委員の数も果たしてこのぐらいの数でいいのかどうかという論議をなさっているのかどうか、あるいは農業委員そのものを教育委員と同じように市町村長の任命にするということが議題とか話題とかになることがあるのかどうか、これらについてはどういうふうに農水省は考えておられますか。
○竹中(美)政府委員 まず、農業委員の数の関係でございますが、農業委員の選挙委員の定数につきましては、一昨年の七月に地方分権推進委員会の勧告もございました。
 これを受けまして、昨年の五月に、一つには農業委員会を設置しなくてもよい市町村をふやす方向で基準の見直しを行いましたし、また委員数の削減を可能にしますような選挙委員の定数設定の弾力化を図ったところでございます。これに基づきまして、現在、農家戸数の減少等に応じた組織体制の適正化を指導しているところでございます。
 それから、農業委員の選出方法についてでございますが、これは従来、各方面からいろいろな御議論がございます。一方で、現在のような公選制を見直すべきであるというような御意見もございますし、また一方で、農業委員会が行います業務を考えますと、農地関係業務というのは個人の財産権を制約するものでもある、そういったことから地域の農業のあり方にも影響を及ぼす、そういったことから、農業者の中から適正な手続をもって選ぶ必要がある、そのためには公選制は必要ではないか、そういう両面の議論があるわけでございます。
 こういった農業委員の選出方法につきましては、農業委員会が担うべき役割とも関連するものでございまして、関係方面の御意見も踏まえながら慎重に検討する必要があろうと考えております。
○木幡委員 今の農業委員制度がこのままでいいと本音で思っている農家の方は本当に少数なんですよ。農業委員そのものも、このままでいいと思っている方が少数であっても、公的場では慎重に検討する、これが我が国の農政の機動力の弱さといいますか、一例だと思うのですね。
 例えば、農業委員そのものが二つの仕事をしているというのは、これは一つは土地の権利移動についての許可をするということが一つありますが、もう一つ極めて重要な仕事といいますのは、地域の農業振興計画について深くかかわりを持って指導をしたり、あるいは行政当局に物を申したり参画をしていくという、その後段の部分は、残念ながら、多くの地方の農業委員の中ではこれは機能していないのでありますよ。
 前段の権利移動にかかわる問題、とりわけその中で農家の方々がうっかりミスでもって権利移動を忘れたものについて、それを鬼の首をとったような形でもってと言うのは語弊がありますが、それを論議をすることが多くなってきたため、農家の方々は、農業委員というのは農家の味方なのか法律事務所の人間なのかということを極論する人間が出てくる。それからもう一つは、権利移動にかかわるときに、今農地が極めて安い状態の中で、例えばその権利移動する農地の実勢価格が十万円のものが、手続をすると二十万円も取られるという不合理な点も出てきている。
 こういうことを考えれば、農業委員そのものは検討する検討するではなくして、新農基法ができた、その新農基法ができる前の基本問題調査会の中には、農業会議そのものの見直しというものが、激論があったはずだということからすれば、それを受けて、慎重に慎重にというよりは、機動性のあるような形の農業委員制度というものはどうあるべきかということを論議していかなければならない、こう思いますので、ぜひ頭にたたき込んでいただければありがたい、こう思うんであります。
 それからもう一つでありますが、それと同時に、農業会議もさることながら、農業共済というのもございます。農業共済も、聞くところによると、農業共済関係者の方々が圧倒的多数で二段階制を実施すべきだというふうになっているにもかかわらず、ごく少数の反対でこれも実施できなかった。
 こういうことも考えますると、農水省は、新農基法を契機にきちっと組織の再編整備はこうあるべきだというものを持って臨んでいかなければ、新農基法を通すときだけ時間がありませんからということで通すんではなくして、それに伴う御自分の日本の農政かくあるべしという信念に基づいてその他の問題についても積極果敢に進めていただくということがなければ、新農基法のもとでも末端の農家を取り巻く環境はなかなか変わらないのではなかろうか、こう思うんであります。
 そこで、農業委員会そのもので、土地改良区の問題と一緒に論議をしなければなりませんが、権利移動にかかわる問題のときに、農水省としては、今私が申し上げたとおり、地域の農業振興計画にかかわることをどの点で指導なさっているか、もしお聞かせをいただければお願いしたい。
○渡辺(好)政府委員 今先生から御指摘がありましたように、農業委員会の大きな活動の一つとして、農地の権利移動にかかわる問題、それからもう一つは農地の流動化を積極的に推進するということで、農地流動化の推進員、これは全国に八万人おりますが、その大宗は農業委員会の委員でございます。また、今おっしゃられましたように、農業委員会独自でいろいろな活動ができるという時代じゃございませんので、各市町村、都道府県には構造政策推進会議を設けまして、市町村や農協、そういったところと一緒になって、その地域の農地をどう守るか、また農業を振興させるかということを検討し合っているわけでございます。
 御指摘がありましたように、農政改革大綱の中でもそういった活動をさらに盛んにするという方向で、例えば、現在農業生産法人制度の改革を予定しておりますけれども、地域に関係者が一体となった協議会のようなものを設けまして、その中で農業委員会の活動をバックアップもするし、また全体として指導や調査、調整をしていくというふうなことを考えたいと思っております。
○木幡委員 農業団体の再編整備でもう一つお聞きしたいんですが、実は、農協や農業会議あるいは土地連や共済といったところが論議されていますが、森連、この森林組合については、末端の林家あるいは末端の林業の森林組合の方々に聞けば、これから先、営林署の大幅な人員削減、その受け皿として、今まで営林署の担当区もしくは営林署が行ってきた事業というのを、広域合併による森林組合でそれを請け負うということが非常に多くなってくる。ということになると、森林組合そのものも末端がどんどん合併で大きくなってくる。一方で、都道府県に森連がある、全国にあるということになれば、森連の二段階制についてはどのようにお考えになっているか、林野庁長官。
○山本(徹)政府委員 先生御指摘のように、現在の森林・林業をめぐる大変厳しい情勢に対応して、日本の森林・林業に役に立つ森林組合の体制整備、強化が重要な課題であると考えておりまして、森林組合の二段階制もその一つの方法であると考えております。このために、平成九年に森林組合法を改正させていただきまして、森林組合の二段階制が円滑に進むための制度を創設させていただきました。
 しかしながら、現段階ではまだ二段階制を実施しようと決められた県はございませんが、県の実情に応じて、これからそういった方向を検討される県におきましては私どもも積極的に御相談に乗り、かつこれを支援してまいりたいと考えております。
○木幡委員 ぜひ、森連も時代に合った形の再編整備に御努力をいただくということをお願いしたい。
 林野庁長官、せっかくおいでですから。
 地味な仕事でありますために、どうしても長い間同じことを守っているというのがあるのでありまして、私が実は今から二十年ほど前に地元の県会議員をやっていたときに、ヒノキの配布の区域、林業種苗法の中の配布区域の中に、同じ県内で配布ができないところがあるんです。それを調べましたら、私が生まれる前のころの大変高名な林学者の方がヒノキの北限はここですよということを話したら、そのままにずっと残っているというんですね。五十年も残っている。
 五十年もたてば、林種の改良も進み、あるいは気象の変化によって北限も、今ではもう宮城県までヒノキが植生するようになったということを考えますると、そんなこともぜひ時代に合った形でひとつ適宜適切に対応していただかなければならない。そういうことを言い始めれば切りがありませんが、それもぜひ頭に入れていただきたい。答弁は要りません、時間があれですから。
 大臣もしくは構造改善局長にお聞きしたいんですが、冒頭大臣からの方がいいかもしれません。土地改良資金協会というのはいかなる組織で、いつできて、どの程度の国費を投入しているか、お聞かせいただきたい、こう思います。
○渡辺(好)政府委員 御指摘がございました全国土地改良資金協会、財団法人でございますけれども、農家の土地改良負担金の軽減と計画的償還の推進を図るために、土地改良負担金対策資金を管理して、その資金を活用し土地改良区等に対し利息の軽減や償還の繰り延べを行う事業を実施いたしております。
 平成二年度から始まりまして、十二年度までに総額二千億円の取り崩しの基金を国の予算措置で造成することといたしておりまして、平成十一年度までに千九百五十二億円の積み立てを措置しているところでございます。
○木幡委員 前回の論議の中で、一つは、市町村財政が極めて厳しくなってきたために、これから先、農業土木関連の公共事業がなかなか地方でも受け入れることが難しくなってくるということについての意見を伺いました。それと同時に、農家の経営難によって、今までに既に基盤整備事業等々を行ったところの負担金の償還についてなかなか困難になってきている。
 それについてはおおむね三つの方法がありまして、それに伴うお金を単年度ごとに地方議会並びに国において決済をし論議をし支出をするやり方。あるいはもう一つは、今次のこのような状況を考えれば、二千億も使わなければならないほどの状態になってきたとするならば、特別会計というものが考えられるのかどうかということ。三つ目の手法としては、今局長が話されたとおり、第三セクターあるいは財団法人なり、社団法人、財団法人になるんでありますが、その種のものをつくるというやり方がある。これは、特別会計をつくるというような考え方は当面ありやなしやについて、簡単にまずお聞かせをいただきたい。
○中川国務大臣 特別会計方式というのは、非常に今財政当局との間で新しいものがつくりにくいという理由が一つございます。
 それから、事業から歳入というか利益が上がってきませんので、一般会計と経理を区分する必要がない、特別会計のように独立採算的に利払いがあるということではない。あるいはまた、長期にわたっての施策が必要でございますので、単年度で予算措置を行うよりも安定的な営農計画に対する影響を少なくするというメリットがございますので、特別会計というものではなくて、現行のような制度でやっていこうということで当面考えております。
○木幡委員 そこで、大臣に引き続きお尋ねをするのでありますが、実はWTOの中に、個別品目の価格補償といいますのは、これは赤の政策になります。しかしながら、これから先一番大事なことは、新農基法のもとといいますのは、市場経済の原理原則を取り入れるということになれば、これから先、農家の方々にとっては大変厳しい営農努力をしていかなければならない。その中で、再生産可能な所得をどう補償するかということは、農家みずから、あるいは系統農協組織みずからがこれまでも行ってきましたし、これから先も極めて重要な政策の一つなのであります。
 これまでは、例えば地方では、青果物価格補償制度、あるいは畜産物価格補償制度、あるいは単品ごとの価格補償制度というものを独自につくって、県並びに市町村の負担とそれから系統農協の負担、そして生産者のそれぞれの出資に基づく基金を造成し、法定果実によって基準価格を、指定価格を決めて、それを下回ったときには農家の方々に再生産の費用としてお渡しをするということを長いことそれぞれの県で独自に行ってきた。
 もちろん、これはWTO交渉でいいますならば、間違いなく黄色ぐらいの政策になってくる、あるいは物によっては赤の政策になるということでありましょう。しかしながら、これを考えたときには、これから先、各都道府県でどのような形であれ、粗っぽい言い方をしますれば、各都道府県に百億ぐらい、全国でもって四千七百億から五千億円ぐらいの、価格補償制度の形を変えた形の資金を拠出するということも考えていいのではなかろうか。
 なぜそう言うかといいますると、今渡辺局長からお話しのとおり、土地改良に伴う負担金の返済の延納もしくは返済のための利子補給のために、財団法人を使って国費を二千億円投じているということからすれば、これは価格補償のために五千億円程度のお金を拠出するということはごく当然のような感じがするのでありますが、大臣は私の提案について、率直なところ、言葉を選ばなくて結構ですから、これからのWTOを目前にして、あるいは新農基法のもとでこれから先農家の再生産可能な所得を維持するための方策として、頭の中に今あるものについてお聞かせをいただきたい。
○中川国務大臣 基本法の中で、それぞれの地域あるいは形態によっていろいろな施策を講じていかなければならないわけでございますけれども、県単位で、農家全体の経営に対しての所得補償といいましょうか、ひょっとしたら収入保険的なものを先生お考えになっているのかどうかわかりませんけれども、とにかくいろいろな手法を考えていかなければならないということは、これはもう我々もこれから必要なことだろうと思っております。
 ただ、当面最もやるべきこととしては、例の需給変動あるいは品質によって価格が変動した場合の、あの二項での経営安定対策、品目ごとの経営安定対策、あるいはまた中山間地域に対するいろいろな施策、直接支払いを含めた施策というもの、特に経営安定対策につきましてはもうスタートしているものもございますし、これからまた考えてやることになっておるものもございますので、そういう意味で、いろいろな手法がこれからも考えられると思いますし、また、WTOの、赤だ、黄色だ、青だ、緑だ、こういうことも頭に入れながら、必要だろうと思います。
 たまたまきょうニュースを見ていましたら、何かカナダ政府が各州といろいろな農業対策について会議を行っているというような話もありましたので、今は絶対これはだめだ、赤とか、そういうのはなかなか難しいかもしれませんけれども、今のお話も含めて、今後いろいろな施策を考えていく上で、我々としては柔軟にひとついろいろなことを検討する必要があるというふうに考えております。
○木幡委員 今の発言を繰り返しますが、決して悪いという意味で言っているわけじゃありませんから。
 農家の基盤整備事業等々の、土地改良に伴う負担金の返済不能についてのリカバリーとして土地改良資金協会というものをつくって、今局長の答弁のとおり、一千九百億円、約二千億円の国費を投じて、それを基金として農家の方々の利子補給その他に使っているということからすれば、これから先やはり価格補償、再生産可能な形を、あのWTO交渉の中で、こういう形ならばそれはできるんだということを知恵を出して考えて、それで基金を造成する。土地改良で二千億円なら、全産品についての各都道府県の価格補償のあり方について五千億円ぐらいのお金を出すことは当然あってしかるべきであろう、そういう考え方で臨んでいるわけでありますので、どうぞこれから先、頭の片隅に入れていただきたいということでございます。
 それから、きょうは夜も更けてまいりましたので、明るい時間に、大臣以下、幹部の皆さん方と、また農政についてお話をするということを、余韻を残しまして、以上でもって質問を終わります。ありがとうございました。
○穂積委員長 次に、前島秀行君。
○前島委員 時間も経過してきましたので、端的に質問しますので、率直な答弁をお願いします。
 最初に市場法の方であります。まず今回、さまざまな改正、ルールの改定といいましょうか、ある意味だったら大転換をしたと思うのでありますが、この転換を前提にして、なおかつこの卸売市場、特に公的な卸売市場の生命線とも言われるべき価格形成機能の維持、それから公開の原則、この点は今後も基本的に守っていく、維持していく、また今回の改正があってもそれは可能である、こういう認識でよろしゅうございますか。局長でいいです。
○福島政府委員 御指摘のように、卸売市場は国民に対する生鮮食料品等の円滑、安定的な供給を図る上で重要な公的な施設でございます。そこでの取引がまさに公正、それから公開、効率的に行われるように、それを今回の法改正のねらいともしているわけでございます。
○前島委員 そこのところを余り言われると、やはりちょっと質問せないかぬなと実に思っているわけですね。
 今回、この市場のあり方というのは基本的に大転換したというふうに言わざるを得ないのではないかな。やはり市場の生命というのは公開性であるし、公正な価格形成機能を維持するというところですね。だから公的な施設であるし、また市場というのが国民生活に直結する、安全性というのが問われる問題でもあるし、市場の動向というのが逆に国民経済そのものにも影響するし、ましてや生産の側である農業のあり方にも大きく影響してくる。非常に大事な接点だろうと思いますね。本来的な公開性と価格形成機能の維持をしていくということは非常に大事なんだけれども、今回は、市場の一番生命線ともいうべきところの基本原則が全部変わっているんですね。
 例えば公開の原則。今局長は公開という言葉を使いましたけれども、七年前、八年前の議論のときにも、市場というものには三つの原則がある、公正、公平、公開と言われていましたね。これが、三十四条の一項に改めて条文で入れるときに公開という言葉は消えているんですね。研究会の中間報告の中には公開という言葉が何回となく入っている。今までなかったんですよ、こういう言葉は。しかし、三十四条の一項のところに改めて入れるときに、公開という言葉が消えて、公正、公平、公開にかわって公正、効率という言葉が入ったでしょう。これは私は市場のあり方、大原則としては大転換だなと。
 それから、市場が機能を果たすために基本的なルール、原則が幾つかあった。唯一残っている原則というのは、いわゆる農家の方からの、生産者の方から無条件で受託するよというこの原則は引き続きありますけれども、いわゆる商物一致の原則あるいは買い付け集荷の禁止というこの原則は大幅に後退になりましたね。
 この公開という言葉が効率に変わったということと、商物一致の原則それから買い付け集荷の禁止の原則が大幅に緩和されたということは、市場の基本的なルールを変えたということなのであります。特に、競り中心、競り原則から相対取引を正式に法文で承認したということは、基本的なルールの改定、原則の改定なんですよ。
 では、何で三十四条のところに、改めて条文の言葉に原則を入れるときに、この公開という原則が消えたんですか。なぜ入れなかったんですか。そこを言ってください。
○福島政府委員 卸売市場法、これの改正の背景といいますのは、先生御案内のように、産地の大型化が進み、また大型小売店等の発言力が高まっている、そういう流通の多元化の中で、卸売市場が他の市場外流通と競争していかなければならない、また卸売市場同士も競争していかなければならない、そういう時代に入ったという認識のもとに、今回効率性の確保というものを原則として明示したものでございます。
 また、公正あるいは今申し上げました効率につきましては、卸売市場法の個別の規定にすべて具現化されるものではなくて、卸売市場の全体の管理運営なりあるいは日々の関係業者間の取引の場面におきましても留意する必要がある、そういうことでございますので、こうした分野を律するルールといたしまして、卸売市場における売買取引は公正かつ効率的でなければならないという三十四条の規定を設けたわけでございます。
 他方、先生御指摘のありました公開につきましては、これは卸売業者と仲卸あるいは売買参加者との間、あるいは仲卸と買い出し人の間という個々の取引関係の結果の公表まで意味するものではなくて、個別の規定により対処することとしたわけでございまして、開設者による公表規定、それから卸売業者による売買取引の方法ごとの数量、価格の公表規定というのを設けたわけでございまして、これはまさに取引結果の公開という規定を具現化したものでございます。
○前島委員 いろいろ説明しますけれども、やはりこの三十四条に公開という言葉を入れなかった、かわって効率という言葉が入ってきたということ、それから相対取引を例外的措置から正式な措置に認知したといいましょうか、認めたということとの兼ね合いだろうと私は思うのです。
 しかし、私も、相対取引を一切やってはいかぬ、そういう議論をするつもりはさらさらありません。市場を取り巻くさまざまな状況変化に合わせざるを得ない側面も認めますし、相対取引の導入ということの一定の必然性みたいな客観性というものを私はそれなりに認めます。しかし、公開の原則という言葉が入れられなかったということと、競り中心原則と相対取引の原則を並立にしたということは、やはり従来あった市場のあるべき姿としての公開性と透明性というものを後退させているということは否めない事実だろうと私は思います。
 そこで、本来市場が持っている、特に公設の中央卸売市場が持っている価格形成機能、この機能を侵害する、それを防ぐ措置というのをやはりきちっと担保するといいましょうか、きちっとやらなきゃいかぬという問題が最低出てくるだろうな、私はこういうふうに思います。だから、公開の原則も守れるんだなんて余り胸を張るのじゃなくして、後退することは私間違いないと思う。ある一面、それもやむを得ない客観性もあるけれども、しかし、それを防ぐための担保措置というのはちゃんとやるということがまた片っ方で求められていると私は思いますね。それは何かというと、市場取引委員会をつくりました云々ということを局長が説明することは大体私は想像がつきますから、そんな説明を求めるつもりはありません。
 そこで、この条文の中で一定の割合という言葉がありますね。相対取引の決め方として、業務規程で決める決め方として、この一定の割合というのは、業務規程を決める過程の中で相対取引の歯どめとして、具体的に方向性といいましょうか数字といいましょうか、目安というのをつけることが、市場の原則、価格形成機能を維持する原則の最低やるべき担保措置ではないだろうかな、私はこういうふうに思います。
 この条文を読みますと、論理的には相対取引一本になるということもあり得るんだから、任せるんだからあり得るんだから、そこのところは最低、相対取引に一定の歯どめをかけるということを業務規程の中で明確に指導してもしかるべきではないだろうかな。それが、市場の原則である公平な価格形成機能の維持を守る最低の担保措置だろうな、私はこういうふうに思いますね。法律的には一定の割合となっていますけれども、そこを省令なりあるいは通達なりの過程の中で、業務規程の中に相対取引の一定の歯どめになるようなことを具体的に政策的に指導すべきものではないだろうか、私はこういうふうに思います。
 したがって、この条文上で一定の割合というのは、具体的に数字をもってリードするのかといいますか、目安をつけるのか、めどを指示するのか、その辺のところをちょっと聞かせてください。
○福島政府委員 今先生御指摘の一定の割合、つまりこの法律で言う最低競り数量の設定につきましては、卸、仲卸それから買参、そういったその他の利害関係者の意見を聞いて、品目につきましては業務規程で定めるわけでございますが、その際、その割合をどうするかということにつきましては、これは先生御案内のように、季節によって、あるいは市場におきます取引状況によって変化するわけでございますので、今言いました市場関係者の協議によりまして弾力的に定められるように、開設者が関係者の意見を聞いて定めまして速やかに公表するという仕組みにしているところでございます。
○前島委員 要するに、そういう説明をするのじゃなくして、歯どめの措置、最低数量というものを具体的に設定するのか、こう言っている。全く任せちゃうのか。私は、そこのところが、市場のあり方とある意味だったならば今回の改正、ルールの緩和とかをせざるを得ないところの接点だろうと思っているんですよ。市場という機能をちゃんと発揮するためには、やはり競りというのを可能な限り原則とする、逆に言うと、相対取引にいかに歯どめをかけていくかということをちゃんとやっておくということ、そこが接点だろうな、こういうふうに私は思いますね。
 だから、法律的にどうのこうのじゃなくして、具体的に業務規程の中でこの割合を規定していくときに、相対取引の歯どめになるような指示をするのか、そういう通達なり省令というものをぜひやっていくことが、今日市場にまだ求められているこの原則、価格形成機能を維持していくという上で最低必要な担保ではないだろうかなということを私は言っているのであって、これはこれから具体的に省令なり通達を出していく過程の中で十分可能だろうと私は思うんですよ。そういう措置をやることが今絶対に必要ではないだろうかなという点をぜひ私は指摘しておきたい、こういうふうに思います。
 それからもう一つ、この担保措置として、市場取引委員会ですか、これを設定したという。これは任意規定ですよね。と同時に、構成というのは利害関係者だけで構成するわけですね。いわば仲間内の会議のようなものです。中央卸売市場には、言葉は別な言葉だったんですけれども、任意のそういう団体は既にあったんですよね。それを条文の中に持ってきただけのことで、新しいことでも何でもないんですよ。問題は、その市場取引委員会が公平な取引あるいは市場の機能を発揮するためにちゃんと作用するかどうかというところが大事だろうな、こういうふうに私は思います。また、それをちゃんと作用させないといけないと思うんです。
 そういう面で、この市場取引委員会の構成というのが、単に利害関係者だけではなくして、そういうところを指摘できるような第三者を入れるべきではないだろうか。そこをちゃんと規定の中に入れるべきではないか。この文章を読みますと、場長が、開設者がその中から選べばいいんだよというだけのことであって、利害を超えた公平な市場運営を維持したり市場の機能を維持するための第三者を入れなくてはいかぬ、入れるべきであるという規定にはなっていない。私は、ここも今後の運営の中で、指導の中で十分対応が可能だろうと思います。
 局長が言うであろうこの二つの点は、そういう意味で、公平の原則が入らなかったということと相対取引を導入したということの担保措置として、ちゃんとやるべきではないだろうかな、こういうふうに思います。
 市場取引委員会のあり方、本来ならこれは義務規定にすべきであるし、その構成の中に第三者をぴしっと入れるというふうにすべきだろう、条文上もそうすべきだろうと思いますけれども、今後の運営の中で、指導の中でできないことではないと私は思いますので、この取引委員会の構成の問題と位置づけの問題、効力の問題について、今後の方針について、局長、ひとつ考え方を示してください。
○福島政府委員 市場取引委員会は、中央卸売市場におきます取引につきまして、先ほど先生が言われましたように、卸、仲卸それから売買参加者その他の利害関係を有する者及び学識経験のある者のうちから開設者が委嘱するということになっておりまして、利害関係人だけに限られているわけではございません。これは、まさに開設者がどういう人に委嘱するかということにかかっているわけでございます。
 主な業務といたしましては、業務規程の変更、つまり売買取引の方法などが中心的な課題でございますけれども、業務規程の変更に関しまして、利害関係を有する者それから学識経験を有する者の意見を聞いていくということでございます。
 また、御質問のございましたなぜ義務規定にできなかったかということでございますが、これは地方分権との関係で任意設置にとどまらざるを得なかったわけでございます。実際は今も、同じような任意の設置規定でございますけれども、運営協議会はすべての卸売市場におきまして設置されておりますので、今回もすべての中央卸売市場で設置するように指導はしてまいりたいというように思っております。
○前島委員 地方分権とか規制緩和という問題でこのことを論じるべきではないと私は思いますね。市場の持っている社会的な、経済的な重要性、あるいは安全性、命にかかわるような問題というときに、やはりこれは政府が、行政がちゃんと介入すべき問題だろう、私はこういうふうに思いますよ。それが、地方分権との兼ね合いがあるから必置規定にならなかったとかどうのこうのという形でもって取り扱うべき問題ではないという点を言っておきたいと思います。
 大臣、私、市場のあり方も含めまして、これからの農産物の流通のあり方、流通の改善ということは非常に重要だろうな、こういうふうに思いますね。市場を取り巻く状況というのも、これからもまだまだ変化していくだろうと思いますので。
 ただし、その変化は一方的な方向に向かって変化するとは限らないと私は思いますね。今度の改正というのは、ある意味だったら大型化あるいは量販店の進出というところにウエートを置いて改正されているけれども、その変化も事実だろうと思いますけれども、逆に、国民的立場から見ると、安全性という点を見ると、また逆な方向に国民の関心もある。そういう変化も考えられるわけであります。そういう面で私は、これからも市場を取り巻く、あるいは農産物流通を取り巻く状況は相当変化するであろうけれども、そこのところに対応することは大切だけれども、一方の方向だけとは限らないな、こういうふうに思います。
 そういう面で、これからの市場のあり方と、それからそれを超えた農産物の流通の改善について、大臣、今後どんなふうにお考えになるのか、考え方を聞かせてください。
○中川国務大臣 先ほど、先生冒頭に効率という言葉についていろいろなお考えをお聞かせいただきました。こういう時代でございますから、まず地場消費とか、あるいはまたいかに産直で大都市の消費者に行くのがいいのかとか、あるいはまた、出し手と買い手との会う場所である市場というものの役割というものもこれから一層重要になってくる、つまり、多様化していくのだろうと思うんです。
 フードマイルという言葉を最近よく使われますけれども、農産物、食品がつくられてから食べられるまでの距離、私は、フードマイルよりもフードアワー、時間の問題だろうと思うんであります。いずれにいたしましても、最近特に産地が大型化しておるとか、あるいは大型小売店の存在が大きくなっているとか、また一方、いわゆる公設市場を初めとする昔からある市場が非常に経営が苦しくなっているとか、しかし、この市場の役割というものの重要性というのは変わらないと私自身思います。
 そういう意味で、卸売市場の機能というものを維持しながら、新しい基本法のもとで、消費者そして流通、そして生産者と、順番が逆になりましたけれども、そういう形で、多様なものをつくり、多様な手段でリーズナブルな値段で消費者がそれを買うことによって、ということは私は高くても買うということになっていくのではないかというふうに思っておりますけれども、とにかく多様なやり方で流通というものが起こっていく。
 そうはいっても、ここ短期、中期的には、やはり市場というものがオール・ジャパンの中での役割としては中心的な役割を果たしていかなければいけないと思っております。本法律の御審議をお願いしているのも、まさにそういう観点から先生の御理解をいただきたいというふうに思っております。
○前島委員 ともかく、公設ということと、市場というものの役割、機能ということは非常に大事ですから、変化に対応するだけではなくして、もっと本来持っている市場の役割、機能ということも今後ちゃんと確保できるような手だて、今回で言うならば、相対取引を導入したなら、それに伴う本来の機能の後退部分はちゃんと別な手だてでもって担保するんだというところをちゃんとやってもらいたいということだけはぜひお願いをしておきたい、こういうふうに思います。
 それから、JAS法で一、二伺いたいと思いますが、今度のJAS法の改正に伴って、さまざまな関係者からの意見として、有機農産物の認証制度を導入することは賛成だが、いわゆるそのことが今後の日本における有機農業の発展の足かせになったりマイナスになると問題だなということと、それから、有機農業の発展のためには、単に認証制度、規制を導入するだけではなくして、本来、日本で有機農業を今後育てていくためのさまざまな手だてというものも同時にないと問題になるなという議論だろうと私はトータルとして感じているわけです。
 その中で、一つまず具体的には、今度の認証制度、検証制度を導入する中で、結果として生産者の負担にならないような工夫、例えば認証コストを最大限節約できるような方法だとか、認証に当たっての弾力的な対応だとか、日本の条件に合ったような対応をする、そういう対応によって、今度の認証制度の導入が有機農業の今後にマイナスにならないように工夫すべきではないかという点で、認証経費といいましょうか、その辺を最大限配慮すべきである、こういうふうな意見をよく聞くわけであります。そういう面の対応、工夫をどういうふうに考えているのかお聞かせください。
○福島政府委員 先生御指摘の、有機農産物生産者の認証に伴うコスト、それをだれが負担するのかという御質問でございます。
 これは、基本的には今消費者は有機農産物の購入を望んでいるわけでございます。アンケート調査によれば、八割以上の消費者が、通常の野菜と比較して価格が割高であっても有機農産物を購入したいと考えておりますし、また、六割以上の消費者が、検査、認証制度が導入された場合には、認証されたものを積極的に購入したいと言っているわけでございます。そういうことから見まして、生産者が負担します認証手数料の価格への転嫁は、基本的には可能だというふうに考えております。
 また、他方、この認証機関につきましては、一定の要件を満たせば民間機関も含めまして登録を認めるようにしておりますので、競争によりまして合理的な水準に収れんしていくものというふうに考えております。
 また、できるだけコストを安くするということから、生産組合なりあるいは農協等が生産行程管理者となって一括して認証を受ける、そういうことも可能なわけでございまして、そうした対応も指導してまいりたいというふうに思っております。
○前島委員 認証制度の導入に反対する人はだれもいないと思いますけれども、そのことが、今後の日本の有機農業の発展といいましょうか、振興の足を引っ張らないように十分配慮をしてさまざまな基準づくりをやってほしいなという点をお願いしておきます。
 最後に大臣、日本におけるこれからの有機農業の発展、振興ということは私は重要だろうと思います、基本法の中にもそのことは位置づけてあるわけでありますから。そういう面で、独立した有機農業、有機農法の振興をするための、育成するための独自の法案みたいなものをつくったらどうだ、そういうものも必要ではないかという議論が片方にあります。
 今度の新基本法をつくる中で、さまざまな研究機関といいましょうか、研究会等々がありますけれども、有機農業の育成にかかわるような検討委員会というのは正直言って全然ないというのが現状だろう、こういうふうに思う。次に環境三法が出てくるからということを言うと思いますけれども、有機農業といいましょうか、環境保全型農業を育成するための総合的な対応というのはまだ私は不十分だろう、こういうふうに思っております。
 そういう面で、これを機会に、この環境保全型農業、有機農業を育成するための独立法的なものをつくったらどうだ、つくってほしいという意見がありますけれども、その辺に向けての方向性について大臣にお聞かせいただいて、終わりたいと思います。
○中川国務大臣 これからの日本の農業あるいは土を守っていくために、有機農法あるいは有機というものの存在というのがますます大きくなっていくわけであります。
 先生の熱意がよく私にも感じられるわけでありますが、まさにこの前御審議いただきました基本法の理念の中に、農業の果たす多面的役割あるいは持続可能な農業というものが、二条から五条の中に入っておるわけでございます。それの一番の典型といいましょうか、象徴的な農法が有機農業というふうに考えておりますので、先生の御指摘を受けて、例えば、消費者、生産者に対して正しい情報を伝えるとか、あるいは子供たちにきちっと教育的にやっていくとか、いろいろなやり方をしていかなければならないと思っておりますが、有機農業に関する法律を新たにということでありますならば、せっかく御審議いただき、成立いただいた基本法の中に、まさにその趣旨がエッセンスとして入っておるということで御理解をいただきたいと思います。
○前島委員 理念論だけで終わらないように、今後ともひとつよろしくお願いをいたします。
 終わります。
○穂積委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○穂積委員長 ただいま議題となっております両案中、まず、卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。中林よし子君。
○中林委員 私は、日本共産党を代表して、卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、競りの原則を廃止することによって、相対取引の増大を招き、ひいては、公正、公平、公開の原則からの後退につながるからです。
 競り原則は最も透明性のある取引です。今でさえ、相対取引によって競りの前に品物を持っていってしまい、本来の市場流通が阻害されている状態です。この改正は、現状を追認し、大手量販店による大量の相対取引を合法化するものであり、公設の市場として行うべきではありません。
 第二の理由は、商物一致の原則及び買い付け禁止の原則を緩和する問題です。
 実際に品物を見て値段を決めることが少なくなることは、生産者と消費者にとって納得のいく取引を後退させることになります。また、卸売業者が大量の品物の買い付けに走り、品物を右から左へ流すようになることは、小規模な生産者や仲卸、小売業者にとって不利になることは明らかです。
 第三の理由は、市場関係者の経営体質の強化とは、業者の淘汰、リストラを促進する危険性があり、また、中央卸売市場の再編も、市場の大型化による中小市場の切り捨てにつながるからです。
 以上三点を申し述べ、私の反対討論といたします。(拍手)
○穂積委員長 次に、前島秀行君。
○前島委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
 第一の問題は、卸売市場の生命線ともいうべき公開の原則と、公正な価格形成機能を大幅に後退させたことであります。
 今回の改正案は、競り原則を放棄して、今まで例外的措置であった相対取引を法律で正式に容認した。このことは、競りによる取引が大幅に減少し、相対取引の一層の増大を招くことになり、相対取引一本ということも可能になるからであります。市場の透明性は後退し、公正な価格決定と公平な荷分けを専門店等に保障してきたこれまでの市場とは大きく変わることになり、中小の八百屋さん、魚屋さん等の専門店にとって大きな打撃になることは間違いありません。
 第二の問題は、これまで以上に大手量販店、大型スーパー中心の市場となることであります。
 商物一致の原則、買い付け集荷禁止の原則を緩和したことによって、公設の卸売市場が民間資本による物流センターなどと変わらないものに変質していく可能性があることを指摘せざるを得ないのであります。
 第三の問題は、量販店の進出と市場関係者のリストラ、淘汰の進行が、商店街の不振と地域社会の崩壊の危機を増大させることの心配であります。
 八百屋さん、魚屋さんなどの専門店の強化発展が商店街の維持や再建に不可欠であり、今回の法改正が、専門店のみずからの体質の強化発展はもとより、商店街の維持や再建に寄与することを私たちは期待していたのでありますが、今回の改正案はその期待にこたえることができませんでした。
 以上の理由から、本法案に反対であることを申し述べて、私の反対討論といたします。(拍手)
○穂積委員長 これにて本案に対する討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○穂積委員長 これより採決に入ります。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○穂積委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○穂積委員長 次に、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 この際、本案に対し、藤田スミ君外一名から修正案が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。中林よし子君。
    ―――――――――――――
 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○中林委員 私は、日本共産党を代表して、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律案に対する修正案の提案理由を説明いたします。
 まず初めに、今回の改正で、品質表示基準の対象をすべての飲食料品に拡大し、生鮮食料品には原産地の表示を行うこととされます。これらは消費者からの強い要望であり、我が党も要求してきたものであり、賛成できるものです。また、有機食品の表示の適正化を図ることと、そのための検査、認証の枠組みを創設することも必要です。
 しかし、日本の農業は、高温多雨の気象条件の中、地形も土壌も複雑な条件を持っており、日本の農業に国際的な有機基準を一律に当てはめることはなじむものではありません。
 日本の有機農業は、政府のまともな支援策がないため、農家の犠牲で行われてきた現状のもとで、有機農業の表示だけを先行させれば、輸入される有機農産物に押されて、日本の有機農業は縮小する懸念さえあります。また、輸入されている有機農産物から農薬が検出される等の問題も生まれています。
 こうした中で、日本共産党は、有機農業の表示制度とあわせ、有機農業を守り育てる施策を強力に推進するため、以下の修正が必要であると考えます。
 第一に、日本の農業に有機農産物の国際基準を一律に当てはめないため、「国際的な規格の動向を考慮する」との規定を削除します。
 第二に、政府は、有機農業の表示制度とともに、有機農業の定着、普及、拡大のための振興策を強力に推進することを明記します。
 第三に、輸入される有機農産物の水際チェック体制を確立することを明記します。
 以上で修正案の提案理由の説明を終わりますが、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○穂積委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○穂積委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に付するのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 まず、藤田スミ君外一名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○穂積委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○穂積委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○穂積委員長 この際、本案に対し、増田敏男君外五名から、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。増田敏男君。
○増田委員 私は、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合を代表して、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に努め、消費者の合理的な商品選択等に万全を期すべきである。
      記
 一 有機農業の今後の展開方向を明確にするとともに、有機農業への取組みを助長するための振興方策を講じること。
 二 有機食品の検査認証・表示制度については、農業従事者等の意向を十分尊重し、これまで「有機農産物及び特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」等を踏まえ有機農業に取り組んできた生産者の努力が評価され、本制度に円滑に移行できるよう配慮するとともに、関係者に対する啓発を図るなどその趣旨を周知徹底させること。
   また、本制度の運用に際しては、有機農産物生産農家の実態を考慮したきめ細かな配慮を行うこと。
 三 有機食品の第三者認証機関については、格付認定の公平性を確保するため、認定基準を明確に定めるとともに、消費者の信頼を得るため生産行程のチェック体制を整備すること。
 四 減農薬栽培、減化学肥料栽培等の特別栽培農産物については、生産・流通実態及び「有機農産物及び特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」の普及状況等を踏まえ、基準の内容、検査・認証の必要性及び仕組みを検討すること。
 五 国民の要請に応え、遺伝子組換え食品の表示制度を早急に整備すること。
 六 加工食品の原料原産地の表示について、品目の特性に応じた検討を進め、表示の実現可能性及び信頼性に留意しつつ、消費者の視点に立った表示ルールの確立を図ること。
   また、加工食品の表示の充実に当たっては、消費者及び業界関係者の意見を十分聴くなど、品目毎の製造・流通の実態等に十分配慮すること。
  右決議する。
 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○穂積委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○穂積委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣中川昭一君。
○中川国務大臣 ただいまは法案を可決いただきまして、ありがとうございました。附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、今後最善の努力をしてまいります。
    ―――――――――――――
○穂積委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○穂積委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○穂積委員長 次に、内閣提出、参議院送付、持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律案、肥料取締法の一部を改正する法律案及び家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律案の各案を議題といたします。
 順次趣旨の説明を聴取いたします。農林水産大臣中川昭一君。
    ―――――――――――――
 持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律案
 肥料取締法の一部を改正する法律案
 家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○中川国務大臣 持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律案、肥料取締法の一部を改正する法律案並びに家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律案につきまして、これらの提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 我が国農業が、食料の供給や国土・自然環境の保全といった多様な役割を果たしていくためには、環境と調和しつつ持続的に発展できるという農業本来の特質を生かす観点に立ち、土づくりと化学肥料や化学農薬の使用の低減をあわせて行う持続性の高い農業生産方式の普及浸透を図る必要がありますが、このような農業生産方式の農業者段階における取り組みは不十分な状況にあります。
 また、土づくりに不可欠な資材である堆肥等特殊肥料についても、その品質表示には統一的な基準がなく、適切な施用を行うことが困難であるという問題が生じております。
 さらに、家畜排せつ物は、堆肥の主要な原料として、農産物や飼料作物の生産に有効に利用されてきたところでありますが、近年、畜産経営の急激な大規模化の進行、高齢化に伴う農作業の省力化等を背景として、資源としての利用が困難になりつつある一方、地域の生活環境に関する問題も生じているところであります。
 このような状況を踏まえ、持続性の高い農業生産方式の導入の促進、堆肥等特殊肥料の適切な施用の促進及び品質の保全、並びに畜産業における家畜排せつ物の適正な管理の確保及び有効利用の促進に関する措置を総合的に講ずることとし、これらの法律案を提出した次第であります。
 次に、これらの法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律案についてであります。
 第一に、都道府県は、持続性の高い農業生産方式の導入に関する指針を策定し、導入すべき持続性の高い農業生産方式を、地域の実情を踏まえて具体的に定めることとしております。
 第二に、持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画を作成し、都道府県知事の認定を受けた農業者に対し、農業機械の購入等に必要な農業改良資金の償還期間の特例等の措置を講ずることとしております。
 続きまして、肥料取締法の一部を改正する法律案についてであります。
 第一に、有害成分を含有するおそれが高い汚泥等を原料として生産される特殊肥料を普通肥料に移行させ、含有を許される有害成分の最大量その他必要な事項についての規格を定めることとしております。
 第二に、農林水産大臣は、特殊肥料について、品質に関する表示の基準を定めるとともに、その生産業者等に対し指示及び公表の措置をとることができることとしております。
 最後に、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律案についてであります。
 第一に、農林水産大臣が家畜排せつ物の処理または保管の用に供する施設の構造設備等に関する基準を定め、これに基づき都道府県知事が畜産業を営む者に対して必要な指導助言、勧告、命令を実施することとしております。
 第二に、家畜排せつ物の利用の促進のため、農林水産大臣が策定する基本方針に即して都道府県が計画を作成し、畜産業を営む者が都道府県の計画に沿って施設を整備しようとするときは、都道府県知事の認定を受け、農林漁業金融公庫の融資を受けることができることとしております。
 以上が、これら三法案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○穂積委員長 これにて各案の趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る二十一日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後八時十三分散会