第146回国会 商工委員会 第7号
平成十一年十二月三日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 中山 成彬君
   理事 伊藤 達也君 理事 小林 興起君
   理事 河本 三郎君 理事 山本 幸三君
   理事 吉田  治君 理事 大口 善徳君
   理事 塩田  晋君
      小野 晋也君    岡部 英男君
      奥田 幹生君    奥谷  通君
      粕谷  茂君    小島 敏男君
      古賀 正浩君    桜井 郁三君
      新藤 義孝君    田中 和徳君
      竹本 直一君    中山 太郎君
      細田 博之君    村田敬次郎君
      茂木 敏充君    森田  一君
      山口 泰明君    鍵田 節哉君
      渋谷  修君    島津 尚純君
      城島 正光君    中山 義活君
      山本 譲司君    遠藤 乙彦君
      中野  清君    福留 泰蔵君
      青山  丘君    小池百合子君
      藤井 裕久君    金子 満広君
      吉井 英勝君    北沢 清功君
    …………………………………
   経済企画政務次官     小池百合子君
   通商産業政務次官     細田 博之君
   通商産業政務次官     茂木 敏充君
   参考人
   (東京大学社会科学研究所
   教授)          橋本 寿朗君
   参考人
   (早稲田大学アジア太平洋
   研究センター教授)    松田 修一君
   参考人
   (株式会社タカコ代表取締
   役社長)         石崎 義公君
   参考人
   (フューチャーベンチャー
   キャピタル株式会社代表取
   締役社長)        川分 陽二君
   商工委員会専門員     酒井 喜隆君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月三日
 辞任         補欠選任
  川端 達夫君     鍵田 節哉君
同日
 辞任         補欠選任
  鍵田 節哉君     城島 正光君
同日
 辞任         補欠選任
  城島 正光君     川端 達夫君
    ―――――――――――――
十二月三日
 中小業者の仕事をふやすなどの対策に関する請願(佐々木秀典君紹介)(第三九三号)
 同(中村鋭一君紹介)(第四六九号)
 同(児玉健次君紹介)(第五五二号)
 同(土井たか子君紹介)(第五五三号)
 中小企業金融安定化特別保証制度等の緊急対策に関する請願(金子満広君紹介)(第四四八号)
 同(児玉健次君紹介)(第五五四号)
 ベンチャー企業等の起業環境の整備等に関する請願(小坂憲次君紹介)(第四九五号)
 同(宮下創平君紹介)(第五五七号)
 特定非営利活動法人等の育成強化に関する請願(小坂憲次君紹介)(第五五五号)
 同(宮下創平君紹介)(第五五六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 中小企業の事業活動の活性化等のための中小企業関係法律の一部を改正する法律案(内閣提出第七二号)
 新事業創出促進法の一部を改正する法律案(内閣提出第七三号)

    午前九時開議
     ――――◇―――――
○中山委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、中小企業の事業活動の活性化等のための中小企業関係法律の一部を改正する法律案及び新事業創出促進法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 なお、本日は、参考人として東京大学社会科学研究所教授橋本寿朗君、早稲田大学アジア太平洋研究センター教授松田修一君、株式会社タカコ代表取締役社長石崎義公君、フューチャーベンチャーキャピタル株式会社代表取締役社長川分陽二君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人各位からお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際は、その都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑することはできないことになっておりますので、御了承願います。
 それでは、まず橋本参考人にお願いいたします。
○橋本参考人 橋本でございます。きょうは、お招きいただきありがとうございます。
 最初にちょっとお断りさせていただきたいのでありますが、私、本件に関しましてお話を承ったのが出張先でありまして、昨日午後、東京に戻りまして、十分きょうここでお話しする意見を整理する時間がございませんでした。あるいはわかりにくい話になるかもしれませんが、その点御容赦いただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
 最初に自己紹介をさせていただきますが、今回提出されている法案のもとになる政策の方向を審議しておりました中小企業政策審議会の委員として、九月の答申の作成に参加させていただきました。この答申を受けて改正された中小企業基本法が、本院での精力的な御審議を経て十一月二十五日に成立したと承っております。答申の作成に参加させていただいた委員の一人としては、大変喜ばしく思う次第であります。
 さて、今回提出されました中小企業事業活性化に関連する法案について申し上げますと、これは、中小企業基本法で示されました政策の方向に基づきまして、中小企業の事業を活性化させるための具体的な法案というふうに理解いたしております。
 中小企業政策審議会におきましては、答申が九月に出されたわけでありますが、大きく三つの柱を立てておりまして、その一つ、最初が、経営革新や創業に向けての自助努力支援ということでございました。二つ目が、競争条件の整備ということでございまして、三つ目が、セーフティーネットの整備ということになりますが、最初の経営革新や創業に向けての自助努力支援、そして二つ目の競争条件の整備というところにかかわりまして、金融問題を中心に今回の法案は取りまとめられているというふうに理解しております。
 基本的な特徴は、これまで主として企業の資金が借り入れという形に依存していたのを、証券発行を併用するという新しい制度設計を行おうとするものだというふうに理解しておりまして、言いかえますと、間接金融中心から、間接金融と直接金融を併用する、そういう中小企業金融システムへの転換を図る法案であろうと思います。
 もう少し具体的に申し上げますと、中小企業に対する資金供給の一層の円滑化、中小企業組合から会社組織への組織変更の簡易化あるいは容易化、中小企業の行う技術開発に対する支援の強化。前向きな事業活動を行う中小企業を特に資金の面から支援していくものとしてこれらの法案を考えますと、中小企業基本法の新たな政策理念として提案されています多様で活力ある独立した中小企業の育成発展を支援するものというふうに評価できるのではないかと思います。
 もう一つ、新事業創出促進法に関しましては、これは中小企業に限られるわけではありませんが、急成長を目指して新しい事業分野を開拓するベンチャー企業を支援するものとして、新しい、すぐれたといいましょうか、よい雇用をつくり出す起動力になるような、あるいは原動力になるような企業を支援していこうというものと評価できるかと思います。
 こうした政策はこれまでアメリカにおいて活発に展開されてきておりまして、アメリカとの対比で若干意見を申し上げさせていただきますと、アメリカでは革新的な企業活動を促進するということを極めて重要だというふうに考えてきた。
 特に、一九七〇年代におきましてアメリカ経済はかなり厳しい状況に置かれておったと思いますが、つまり、インフレ、低成長、高失業率に悩んだわけでありますけれども、そのアメリカで一九七〇年代に、中小企業こそ経済革新と雇用創出の源泉であるという認識が広く受け入れられていった。七〇年代の半ば過ぎから八〇年代にかけまして、中小企業の活動なり、あるいは企業の創業活動というのを積極的に支援していくという税制、あるいは投資規制の緩和、中小企業のイノベーション促進政策等々の政策が実施されてきました。
 私は、企業の活動が活発に行われて、よい雇用が生み出されるというのは極めて大切なことだと思いますし、現在のように企業が国境を越えて自由にどこでも活動ができる、あるいは立地を選択できる、そういうふうな条件のもとにおいては、できるだけすぐれた制度の国に合わせた制度、あるいはすぐれた制度を持っている国の制度に近づける、平準化と通常申しますが、そういう制度の平準化を図る必要があるのではないかと考えております。
 特に、アメリカで注目されるのはストックオプション制度でありまして、このストックオプション制度はかなり前から発案されて使われておりまして、有能な従業員の転社を抑制する手段といいましょうか、できるだけ自社にとどめておくための、つまり長期雇用を維持するための手段としてもともとは開発されたと思いますが、それが、シリコンバレーを中心としまして、ベンチャー企業が人材を集めるための方法として広く活用されていきました。
 人的能力においてすぐれた貢献をした人材をどう評価するかというのは、非常に大切であるけれども難しい問題であったと思いますが、ストックオプションの新しい利用方法によりまして、ストックオプションを与えることによって、法律上企業というのはお金を出した人が強い発言権を持つわけでありますけれども、能力において貢献した人、努力において貢献した人というのを企業経営上評価できる、そういう点で画期的なものではないかと思います。
 このような観点から商法でストックオプションの導入が行われたと承っておりますが、今回の法律改正でも、中小創造法におきまして付与上限の拡大が行われているようでありますし、新事業創出促進法におきましても、付与上限の拡大と、付与対象者、ストックオプションを付与する対象者をコンサルタント等に拡大して、コンサルタント等が企業の活動にインボルブされるといいましょうか、内的に深くコミットする、そういうふうな仕組みをつくろうとしているという点で、有用な人材を企業が確保する手段としてストックオプションが使いやすくなる、そういう点で高く評価できるのではないかと思います。
 また、アメリカにおきましては、御承知のとおり個人の投資家の活発な活動が見られます。彼らがベンチャー投資を行っているということなのでありますが、今回取り入れられたといいましょうか、エンゼル税制は非常に重要な制度であるというふうに思っております。改正によって対象企業が拡大するということが極めて重要であろうかと思います。
 アメリカにおきましては、機関投資家を経てベンチャーキャピタルへの資金供給というのが行われていると思いますけれども、機関投資家に集まってくる資金というのを考えますと、日本の平均的な所得の家計の方々と同じ程度の所得の人たちが大量に資金を供給している。最終的に資金を供給している人たちはごく平均的な所得の方である、それを結びつけるシステムが実は整っているということがアメリカの非常にすぐれたところではないかと思います。
 ですから、先ほど申し上げました制度の平準化という点からいいましても、今回の改正によって対象企業を拡大するということが有効であるし、意義が大きいというふうに考えております。ただ、直接アメリカの制度と比較しますとまだまだ制限的な部分があるようでありまして、その点では今後さらに改善についてお考えいただければというふうに考えております。
 また、産業振興という観点から申しますと、私は技術あるいは科学の発展というのは一種の公共財だろうと思いますので、政府が積極的に関与されるということが重要ではないかと思います。
 そういう観点から申しますと、政府の研究開発投資を拡充して、それを中小企業の振興と結びつけるということが大切だと思いますし、その点に関しましては既にアメリカが長い歴史を持っておりまして、SBIR、中小企業イノベーションリサーチ制度というのが行われておるわけでありますが、それを参考にして昨年つくられました中小企業技術革新制度というのが今後大きな役割を果たしていくことを期待いたしております。
 ただ、今のところ、制度が発足したばかりということもあろうかと思いますが、やや予算額などを見ますと小規模に依然としてとどまっているかなという感じもいたしますので、今後それが拡充されていくことを期待したいと思っております。
 十五分でしたね、ちょっと時間がなくなりましたので、ごく簡単に最後にもう一つだけ申し上げます。
 シリコンバレーで創業活動が非常に活発だ、シリコンバレーのみならずアメリカでは概して活発だというふうに言われております。それはそのとおりでありますし、シリコンバレーにおきましては、創業を支援するさまざまなサービス業、これは会計士でありますとか、あるいはコンサルタント業務に従事している方とか、あるいは弁護士、ベンチャーキャピタリストなどがいるわけでありますが、どんどんまたそこに有能な人が集まってくる、そういう知的な高い能力を持った人材の集積が加速して成長していくというメカニズムを今発揮していると思います。
 これは、我々の世界でいいますと産業集積の効果といいましょうか、産業集積の経済発展に対して持っている貢献というふうに理解されているのでありますが、そうした仕組みは一朝一夕にできるものではないわけでして、ちょっと長い目で恐らく見る必要があるのだろうと思いますけれども、長い目で見るにしましても、集積をつくるきっかけ、あるいはその最初のジャンプといったらいいでしょうか、それがどういうふうに行われるかということが極めて重要であります。
 アメリカにおいてはスタンフォード大学が非常に大きな役割を果たしたというふうに言われておりますけれども、政府の果たした役割も大きいわけでありまして、そういう観点からいいますと、余り政府が積極的に市場にかかわるというのは市場をゆがめる可能性も高いわけでありますけれども、今申し上げましたような、集積を拡大していく、成長させていく、そのきっかけをつくる最初のキックオフ効果とでも申しましょうか、そういうふうな役割が果たされる必要があるのではないか。
 恐らく、産業集積が発展し始めますとその中でだんだん分業が深まっていきまして、先ほど申し上げましたコンサルタントが出てくる、コンサルタントもどんどん専門化していく。弁護士が出てくる、弁護士もまたそれぞれの得意の分野に特化していって、それぞれ非常に専門的に高い能力を磨いていくという相乗効果といいますか、そういうものが出てくると思われます。そういう面で、近時政府が施策を充実しているとも聞いておりますので、そうした施策が着実に成果を上げることを期待している次第であります。
 時間がなくなりまして具体的に法案にコメントすることができなくなりましたが、私の意見陳述はこれで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
○中山委員長 どうもありがとうございました。
 次に、松田参考人にお願いいたします。
○松田参考人 早稲田大学アジア太平洋研究センターの松田でございます。
 十五分間いただきまして、考え方を申し上げたいと思います。お手元に簡単なレジュメと、そして講演をしているときに使うレジュメが同時に入ってございますので、一枚目を中心にして御報告申し上げたいと思います。
 まず第一のところで、一九九五年以降ということが書いてございますが、九五年に中小企業創造法が公布されて、決議されて、それ以降現在まであらゆる制度に手をつけられて、ここに、今第三次ベンチャーブームと言われておりますけれども、その基盤を皆様方につくっていただいたということを、ベンチャーに携わっている者としてはまず非常に感謝申し上げておきたいと思います。
 まだまだ新しい芽というのは、底流は完全に動いたというふうには見ているわけでございますが、開業率は依然としてまだ低下傾向にあります。あと二、三年で逆転現象が起きてくるというふうに確信しております。これもいろいろなインフラ整備の結果であろうというふうに思っております。
 特に、官を中心にした制度インフラがまずできました。それから九五年に、経団連、経済同友会も含めて、中小企業を含めた新産業の創造という答申案を出されて、ずっとまだ研究が続けられておりますし、大学という面では、ベンチャーの講義というのは一、二校しかなかったものが、今は約七十校ぐらいまで来ているというふうに理解しております。そのように、インフラ整備の結果が大きな運動体として今底流で大きな動きを支援しているというふうに理解しております。
 それから第二番目でございますが、今回、中小企業基本法が改定されました。九五年の創造法が従来の基本法をブレークスルーする法律だというふうに理解しておりました。四十年近くぶりに今回の新しい改正ということになったわけでございますが、逆に言いますと、これから四十年間はこれを使わなければいけない。この四十年間というのが、高齢化社会が落ちついてくる過程の一番日本にとって大変なときになるわけでございます。そういう意味で、従来型の限界企業を救済していくということだけでは日本はもたないであろうというふうなことの根幹から、今回出るくいをもっと伸ばしていこう、そういうふうな法律改正があったというふうに理解しております。
 やはり現在、個々人の貯金という意味では日本は最高に高くなっておりますし、いろいろな考え方があるから、所得が高いか低いかという問題はあるわけですが、貯金という面では、ストックという面では最高になっておりますし、製造業は非常に苦戦はしていますけれども、上場会社の自己資本比率というのは四〇%を超えていまして、史上最高の自己資本比率になっているということで、いろいろな意味での充実が、ストック的な充実が今図られているわけですが、そのストックが相当今回のバブルでむしばまれているということを考えますと、新しいイノベーションを起こしていく、まさにそれは、成長意欲のある中小企業が多様な発展をしていくという中小企業基本法のベースになっていることが、非常にこれから日本にとって重要なのではないかというふうに思っております。
 私どもは法律の専門家じゃございませんですが、法律というものはもともと、枠を設定していただけるんだろう。その枠の中でどういうふうなことを具体的に運用していくかということがこれからの具体的な施策になるかと思いますが、ここでは、関連法案と関連政策の整備をしてこれからどんどん行かれる場合のポイントとして、今考えています五つのポイントを申し上げたいと思います。この法案と直結している場合もありますでしょうし、法案に盛り込まれていない外野からの要望ということもあるかと思いますけれども、その辺のことを御容赦いただきたいと思います。
 まず第一点でございますが、中小企業基本法がもまれ始めたといいますか、検討され始めて二年以上たつかと思いますが、ここ一年間、現実のインフラ整備というのが急激に進んできたというふうに思います。それが東証のマザーズというものの開設、既に十一月から始まっておりまして、ことしじゅうに二社公開するというふうに言われております。それから、それを促進したのがナスダック・ジャパンの進出という意味で、直接金融の世界、成長意欲のある会社にとっての直接金融の世界というのが、現実には、一年前とは考えられないように既に変わってきてしまっているということがございます。そういうふうなことを前提としまして、これから法案の中の詰めというのを考えていく必要があるのではないかなというふうに一つは思っております。
 それから、今のナスダック・ジャパン、そしてマザーズという制度が出てきたということで、起業家予備軍、特にIT、インターネットを中心にした、非常に速い成長を達成しようという若者中心の会社といいましょうか、そういうふうな会社の設立がすごい勢いで進んでおります。今、ビットバレーと言われる、これは渋谷の、渋いをビターということで、短くしてビットバレーということで、盛んに世界にも今発信されているというふうに聞いています。こういう若者集団といいますか、そういう方々がベンチャー予備軍として、起業家予備軍として、非常に今多くなっている。そしてその人たちが新しいマーケットに出ていこう、しかも三年とか、非常に短い、短期間の範囲内で出ていこうというふうに考えておられます。
 それからもう一つ、起業家予備軍という意味ではSOHO、これもインターネットを中心にしまして女性の方々が非常に多く出ておられますが、女性だということと、SOHOでまだ個人格というふうなことで、資金調達面では結構苦労されておられるというのも確かでございます。
 それからもう一つ、起業家のアンケートをとってみますと、日本は、決して若い起業家ではなくて、だんだん、年をとった起業家の平均像が多くなっているわけです。と申しますのは、大企業が大きくリストラあるいは早期定年退職制度ということを行っていますものですから、数としては、シニアベンチャーという言い方をしていますが、そういう方々の数が非常に多くなっております。若い方々の起こす企業というのは非常に速い時間軸で成長するということでありますし、ある程度シニアの方々は、過去の技術を生かして、少しゆったりした成長をしていく。こういうふうな成長の違いによるファイナンスの供与の違いがまたあるかなというふうに思っております。
 それから第二番目でございますが、政策の誘い水機能の認識と民間への間接支援ということでございます。
 先ほど参考人の方々からもお話ございましたように、官が民間をどこまで支援していくのか、これは非常に大きなポイントなんだろうと思いますが、可能な限り、民間の活力をフルに利用していくということを考えていく必要があるのではないか。特に、これから高齢化社会を迎えまして、将来の我々の子供たちの税金問題をどうするんだという大変大きなコスト問題を考えているときに、官の支援は、民間が動きやすいように、誘い水として支援していただくというふうな思想が非常に必要なのではないかなと思っております。
 特に、研究開発という非常に膨大な資金のかかるものについては、これは積極支援せざるを得ませんでしょうし、川下といいますか、現実には事業を起こしていくのはパテントがあるから事業を起こせるわけではございませんで、具体的な人が企業を起こしていく事業家なわけです。そこにはそう大きな支援ということは必要ないのでございますが、今通産省でコーディネート事業ということをやっておられますけれども、この辺のことも含めて、川上の支援が今ちょっと重視され過ぎているかな、もう少し川下支援もあっていいのではないかな。川下支援となりますと、決定的に、これは民間の活力を活用するというふうにならざるを得ないと思っております。
 このあたりが非常に大きな問題なので、ここで言ってもせん方ないことなのですが、国の動きが予算主義で動いているものですから、川上だろうが川下支援であろうが、三月で全部一たん切られてしまう。しかも、四月一日からは実際動けるわけではないという非常に大きな問題がございます。いろいろな支援という意味で考えますと、長期的な支援ということになるわけで、切れてはいけない長期的な支援という立場からしますと、予算主義の、しかも年の後半から始まって、年度末ばたばたとしてしまうということはいかがなものかということを常日ごろ思っております。
 それから三番目でございますが、先ほどお話にも出ましたように、今回、ストックオプションとともにエンゼル税制というのが大きく取り上げられました。これは、私どもも随分議論していた当初のエンゼル税制よりは相当後退しているというふうに思っております。確かに、前回のエンゼル税制よりは進歩しているわけでございまして、キャピタルロスとの相殺期間、所得との相殺が可能という面では非常に進歩しております。
 しかし、ここで申し上げたいのは、創業支援のためのコーディネーター、これはアメリカではエンゼルとかあるいはアドバイザー、メンターというふうに言っておりますが、約二十万人いると言われています。平均的な所得一千万から一千二、三百万の方がメンターやエンゼルになっておられる。こういうふうな方々を日本で、二十万人とは言わないけれども、せめて欲しい十万人ということを考えたときに、今のエンゼル税制は全く効果がないのではないかというふうに思っております。
 何で効果がないかといいますと、相当お金持ちしか動けないということが一つあるかと思います。すなわち、これは幾らになるかまだ最終的にわからないことですが、一千万の所得の控除、一千万投資できる方々、そう多くあるわけじゃありませんで、一億遊び金がないと難しいだろう。ですから、所得一千万から一千五百万の方々がそこに参画できるということを考えようと思いますと、どうも、出口の方で所得相殺というのは無理なのではないかというふうに若干思っております。
 と申しますのは、日本の場合には会社を起こした方が非常に頑張りまして、アメリカのように多産多死型ではないんですね。それだけ日本人はやはり、自分の事業に対する責任感が非常にあるように私は思います。ですから、十年以内で倒産をしたらという条件が、なかなか条件に満たない場合が非常に多いのではないかと思っています。
 そういう意味で、私は、投資をした段階の、入り口でエンゼル税制が使えないものか。そのかわり金額は非常に低くてもいいですから、所得相殺は百万円でもいい、源泉の還付がせいぜい十万から二十万、そういうのでも、多くの人が参画できて、そして、実際にエンゼルになられる方というのはプロビジネスマンだろうと思います。そういうふうな方々が参画できる方法がよろしいのではないかというふうに私は思っております。
 それから四番目でございまして、今回、私募債に信用保証をつけて直接金融というふうなことがうたわれているわけでございますが、一番心配なのは、モラルハザードを起こさないようにどうするかということでございます。
 保証をつけるということは、リスクが九〇%なくなるということになるわけでございます。その間に、保証をつけるか否かの審査というのを非常に厳しく運用していくということが当然出てまいるかと思います。しかし、保証をつけるかつけないかと、イエスとノーしかない世界になってきます。そうしますと、リスクが高いものはほとんどノーと言われてしまいますと、保証もつけていただけない。リスクが高ければ金利を高くしても直接金融がやれるという、リスクはプレミアムで調整していって、保証というものはできるだけ、これは破産した場合には当然国の税金ということになるわけでございますので、保証割合というのを低く下げていく、そしてそのかわり金利で調整していくということも一つは考えられるのではないかというふうに思っております。
 それから最後でございますが、シリコンバレー、そして東の、MITを中心にしたマサチューセッツ、それからテキサスを含めて、アメリカには非常に産業集積の拠点が、各州ごとにあるわけでございますけれども、日本はこれがなかなかない。これをうまく利用しようと思いますと、やはり各地域にある大学をうまく活用した産業集積をつくり上げていく必要があるのではないかというふうに思っております。
 アメリカの場合には、SBDCとそこに書いてございますが、これはスモール・ビジネス・ディベロプメント・センターということでございまして、いわゆる創業支援、成長支援のボランティア団体のネットワークが各大学に拠点としてつくられて、そこに若干の補助が出ている、こういうふうなシステムでございます。
 大学がインキュベーター、これは国立大学でもまだないわけでございますけれども、インキュベーターを持ち、そしてインキュベーター機能は既にあるわけでございますので、それとこういうボランティア活動、NPOもこれから日本でも盛んになってくると思いますし、それをセットにしたような拠点づくりをすることによって、やはり地方の活性化というのをあわせて行っていく必要があるのではないかなと思います。
 今回の法令に直接関係あることと間接関係あることと、あわせて御報告申し上げました。どうもありがとうございました。(拍手)
○中山委員長 どうもありがとうございました。
 次に、石崎参考人にお願いいたします。
○石崎参考人 ただいま紹介にあずかりました株式会社タカコの石崎と申します。
 今国会は、私ども中小企業やベンチャー企業にとって非常に資金の選択が広まってくるということで、まことにありがたく思っております。
 最初に私どもの会社の紹介を一分間ほどで少しお話ししたい、こう思います。
 私どもの会社は、私が二十九歳のときに、社員ゼロ人で、サラリーマンからスタートいたしました。昭和四十八年でございますので、御記憶にありますように、第一次オイルショックのときに、あのときはトイレットペーパーを並んで買ったり、石けんがなかったりというふうなことがあったかと思いますが、あのときに始めまして、現在で二十六歳の会社でございます。今現在、日本国内で約百七十人ぐらいの社員で経営させていただいております。
 会社の業種といたしましては、高圧の油圧ポンプの圧力の発生する部分をつくらせていただいておりましたり、精密機械部品とか自動車関連部品、エンジン部品といったふうな部品加工業というのが主体でございまして、本社は東大阪市にございます。工場は、滋賀県信楽という焼き物の町で滋賀工場、それからアメリカのカンザス州に工場があります。
 会社の特徴といたしましては、そういう厳しい年に始めたものでありますから、大体人の嫌がるものとか難しいものとかそういったものを専門にやる会社ということで、おのずと設備関係は自分たちで考えて、考案した設備で物づくりをする、そこら辺が当社の特色かと思います。
 以上のような経過をたどっておりますので、私が創業いたしましたときは、国民金融公庫の開業資金というのがたしか二十万円だったと思いますが、それをお借りし、市の保証協会、それから府の保証協会。それから、中小企業金融公庫の代理貸しというのがあります。担保はございませんでした。担保は全く、犬にぶつける石も自分のものじゃなかったわけでございますので、全く担保がないので、中小公庫の代理貸し。その後に直貸しということで、このときは会社の小さな不動産が少しあったものですから、それを担保にして直接お借りする中小公庫直借り。そういうことで、中小企業金融公庫におかれましては今もお世話になっております。そんな関係で、ありとあらゆる制度融資を利用させていただきながら現在まで参ったというふうな経過でございます。
 このたびの審議に対する参考人発言の機会を設けていただきまして、まことにありがたいと思います。
 先ほどの橋本先生じゃないですが、私も二日前に聞いたものですから、勉強する時間もございません。私なりにシナリオを考えたのですが、昨夜地元出身議員とお話をしていましたら私の頭の中は真っ白になってしまいまして、もうそのシナリオはやめて、私の言いたいことを先に申し上げて、そして、後でこの法案審議に対しまして質疑応答等もございましょうから、そのときにお話しさせていただきたい、こう思います。
 いずれにいたしましても、無学でございまして失礼なことを多分申し上げるかと思いますが、その辺はひとつ御容赦いただいて、日ごろ私が思っておりますことを率直に意見を申し上げたい、こういうふうに思っておりますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 まず、今回、貸し渋り対策のための特別信用保証制度の一年間の延長というのがどうも決められたようで、さらに十兆円の追加ということを決められたようでございますが、私たちの東大阪あるいは大田区とか燕・三条、墨田区、全国にわたる中小企業がこの制度でどれほど助かるか、この年末が本当に越えられるかどうかというふうな状況の中で、非常に大きな朗報であろう、こういうふうに思います。日本の民間金融機関はまだまだ、なかなか中小企業に対しての融資の制度であるとか体力とか体制が整っておりませんので、これについては緊急的な措置が常に必要だなというふうに思いますけれども、非常にありがたいな、こういうふうに思います。
 それから、私が常々思っていますことの一つに、中小企業同族会社の留保金課税というのがあります。先刻御承知のこととは思いますが、この税制はもうあすにでもすぐやめてもらいたいというぐらいのものだ、こう思うのです。
 未公開の中小企業で、同族であるのは当然のことだと思うのですね、公開会社は別にいたしまして。その同族会社に、通常の課税所得の三五%以上の留保金に対して、これは中小企業のみに、住民税も含めまして、三千万以下は一一・七%、それから一億以下は一七・六%、何と一億を超えると二三・四六%の税金がかかるわけなんです。これは、中小企業のみにというところが大変に問題だと思うのですね。しかも、大企業の子会社の中小企業がありますね、同じ規模のこの大企業の中小企業にはかからないのです。こういう状態がずっと続いておる。
 国際競争に生き残っていくために、いろいろな先生方の体力をつけろとか自己資本を充実せよとかいう話をいろいろなところで我々も聞きますが、税制で大きく足を引っ張っている。この中身をぜひ改善していただきたい、そういうふうに思います。
 それから、私どもアメリカで中小企業、本社とほぼ同じぐらいの規模の中小企業をやっておりますが、アメリカの中部工業地域と日本の中小企業、自分で申告しておりますので数字ははっきりわかります。現在におきまして、仮に四億から五億の企業所得があった、こういうふうに想定して計算いたしますと、総合税率でアメリカは四一%です。日本国内は、留保金課税も含めまして四六・二%になります。これは、実際に払っているのですから間違いありません。
 グローバリゼーションだとかボーダーレスだとかそういう国際競争の中で、私たちは同じテーブル上で戦えないのですね。重いハンディを背負って、そして国際競争をしなければいけない。重いハンディを背中に背負っているということを理解していただきたいと思うのです。
 それからもう一つ。私も仕事の関係で東南アジア等に行きます。アジアの中小企業の方と大変に会う機会があります。日本に進出したいのだとおっしゃっているのです。その理由は、日本には金属素材等非常に高品質な素材がございます。それから、インフラも整っておりますね。それから、やはりエンジニアリング、生産技術はまだ世界で一番だと思います。したがって、日本に行きたいのだけれども、これほどの重いハンディを背負わされている国に、行きたいのだけれども行けないとおっしゃっています。
 実態が今どうなっているかといいますと、日本を飛び越えまして、アメリカ、カナダに東南アジアの中小企業がどっと行っております。これは、私が思いますには、少なくともアメリカやカナダよりも四、五%でも安い低い税率を仮に設けて門を開いていたとしますと、ほっておいても大挙して日本に各国の中小企業が来るのではないか、こう思うのですね。重いハンディを背負ったところにだれも好んで来ないと思うんです。だから、そうすれば、産業の活性化なんというのは物すごいものになるのではないかなという気がいたします。
 その辺、我が国経済の源泉と言われておる中小企業、私は調べたことがないのですが、先生がおっしゃるにはGNPの四分の三が中小企業というふうに聞いておりますね。法人の九九%ですか、これは中小企業だと。そんなに経済の源泉となっているにもかかわらず、くどいようですが、重いハンディを背負って、重賞レースで我々汗水流して戦っているという状態が今の状態であります。
 したがいまして、その辺は、もう我々も一生懸命頑張ってまいりますので、どうか国際競争に勝ち残れる、生き残るだけでは経済は活性しないと思いますが、勝ち残れる環境整備というものをぜひお願いしたい、こういうふうに思います。
 もう一つは、やはりスピードを上げてやっていただかないとこれはどうにもならないわけでして、私たちのやっている仕事も、ことしの技術は、去年やっていたものを今もやっていたらもう負けてしまうのです。物すごいスピードで技術革新が行われておりまして、そういうスピードに、いろいろな政策の廃止であるとか新設等は物すごく早いタイミングでスピーディーにやっていただかないと、もう弱り果てて体力がなくなってからいい栄養剤をもらっても生き返れませんね。そういうところは本当にスピードを上げて、まことに失礼な話ですが日本の政治は世界で一番遅いのではないか、私はそんな気がいたします。まことに失礼でございますが。
 これは、仮に病気になりまして、どこの大学の名医が来ていただいても、死んでしまってから来てもらったのでは話になりません。やはり生きている間に、お隣の診療科目の違う先生でも来てもらったらこれはありがたいわけでありまして、やはりスピードを上げてお願いしたいと思います。
 それから、昨年あるいは一昨年、銀行さんの貸し渋りがあって、我々は大変な目をいたしました。このときに中小企業金融公庫さんがどれほど私たちの役に立ったかというのは、はかり知れないものがあると思います。その二年ほど前には、中小企業金融公庫なんてない方がいい、どこかと一緒になればいいなんという話があったぐらいの中、本当に我々中小企業にとってはありがたい、そういうことであります。
 また、長期資金の安定という意味におきましたら、この公庫だけではなくて、政府系金融機関は当然のことながら預金口座がございませんので、だから表面金利が実質金利と同じなわけです。我々にとっては非常にその辺が助かるのです。民間金融機関の方は当然いろいろな積み立てとか預金等々ありまして、表面金利の細かい計算をしますと実際の実質金利は倍ぐらいになってしまいます。そういう意味では、ぜひこういう政府系の制度融資というものをどんどん拡充していただきたい、こう思います。
 最後に、これは全く私の個人的な意見でございますが、中小企業金融公庫が、通常融資においてなぜ無担保融資ができないのかなというふうに思います。特別な中では無担保融資は若干ありますが、通常の融資の中で無担保融資。
 要するに、銀行さんが今大変に御苦労なさっているのは、あのバブル時期の担保主義だったかもしれません。当時でも、業績で貸している貸し出し先は全部焦げついていないと聞いております。そうしますと、非常に好業績で将来のある中小企業に、今ある不動産の保有の担保価値が下がっているために融資ができないという状況ですね。これは本当にいかがなものかなと思うのです。むしろ、政府系機関であるならば、大きな金額ではないにいたしましても無担保融資の枠をつくって、無担保で貸すにはこういう貸し方があるのだよというふうな、民間金融機関に見本を示してもらうような、そんな制度というかそういう動きをしてもらってこそ政府の機関ではないかな、こういうふうに思うのです。
 長々としゃべっていましたら一分間超過いたしましたので、これで終わりますが、ひとつ、私たち中小企業、精いっぱい頑張ってまいりますので、環境整備をよろしくお願いいたしまして、私のあいさつとかえさせていただきたいと思います。(拍手)
○中山委員長 どうもありがとうございました。
 次に、川分参考人にお願いいたします。
○川分参考人 フューチャーベンチャーキャピタルの川分でございます。よろしくお願いいたします。
 お手元の資料は、私どもの会社の概要と、その後ろに私どもの会社の監査役をやっています岡部のレポートがついておりますので、後刻読んでいただければと思います。
 私どもベンチャーキャピタルというのは、銀行と違いまして、担保、保証をとらずに直接ベンチャー企業に、資本金になるもの、いわゆるエクイティーになるものを直接出資します。そのお金を使っていただいて企業が成長し、行く行く株式の公開、上場していただいて、その値上がり益で私どもの利益を得るということをやっております。
 私自身も、去年の十月一日に京都にベンチャーキャピタル会社を設立いたしました。いわゆるベンチャーキャピタルのベンチャーでございます。自分の家を担保に入れて金を借りて、資本金に充てております。それから、諸先輩の応援を得まして、資本金七千万で、私自身は三千二百万というお金を出して設立してまいりました。今従業員は五名でございますが、この一年と二カ月、もう十年以上たったような気がいたします。思ったよりも非常に大変だなということを実感しております。
 それから、ベンチャーキャピタルというのは、名前は非常に格好いいといいますか横文字ですしいいのですが、日々日常の仕事といいますのは非常に泥臭いものでございます。こちらとその中小企業のベンチャーの社長との信頼関係、これに基づいて成り立っております。私どもからしますと、担保をとりませんので社長を信ずるしかない、社長の能力、これがある意味ですべてでございます。ですから、いかに社長が信頼できる人か、うそをつかず一生懸命やる人かというのを見きわめながらやる。もちろん、何をやっておられるかというのは非常に大事なことでございますので、それについては、私どもプロとしての調査、審査をいたします。
 一方、その投資を受けられるベンチャー企業の社長からしましても、これは融資と違いまして、いわゆる期限がない、追い出すことができない。株主というのはそういう議決権を持っておりまして、双方が納得しないとその関係を断ち切ることができない、ある意味で非常に怖いものでございます。ですから、投資を受ける企業、ベンチャー企業側としても、やはりベンチャーキャピタルがどういう会社なのか、またその経営者がどういう人間なのかということが非常にポイントになってまいります。そういう信頼関係に基づいて日々活動をしております。
 それからもう一つ、ベンチャーキャピタルというのはリスクをとりますので、リスクのないところにリターンはないということです。そのリスクの見きわめと、それからリターンがどういう形で返ってくるのか、それのバランスを見て投資を行っていくということでございます。
 一番何が大変かといいますと、やはり時間がかかるということですね。結果が出るのに、これまでの日本のベンチャーキャピタルの業界ですと、大体五年から十年、今結果が出ておりますのは、五年前、六年前に投資したところがやっと上場、公開してきている。
 それともう一つ、プレッシャーといいますか、それがありますのは、まず悪い結果が出てきます。投資した後一、二年のうちに、倒産する会社は倒産してしまいます。ですから、そういう悪い結果が先に出るということになりますから、何をやっているんだ、どういう審査をしたんだということで非難が集中します。それに耐えながら、将来公開する会社を育成してそれが花開くときをじっと待つという、非常に根気の要る、我慢強くなければできない仕事かな、プレッシャーに強くないとできないというふうに思っております。
 幸い、私自身はこの業界で十年間、一応ワンサイクルというんですか、企業が成長して投資をして倒産する会社、上場する会社を見てきておりますので、今やっていることが必ずや将来花開くであろうという確信を持ってやっておりますけれども、まだこの業界に入ってきて一年目、二年目の人にとっては、大変なプレッシャーの中で仕事をしているということでございます。
 ちょっと私どもフューチャーベンチャーキャピタルの宣伝ですが、ポイントは二つで、先ほどの信頼関係に基づいて投資をするということと、もう一つはやはりディスクロージャーですね。企業の内容を開示していただく、公認会計士の監査をできるだけ早く入れていただく。それから、私どもがお金を出すときに、公認会計士の、ショートレビューと言っていますが、そういうレビューを受けて、ベンチャー企業の財務諸表がきっちりとしたものであるかどうか、それを修正なりしていただく、それに基づいて審査をさせていただく。
 いずれにしても、その企業には上場、公開を目指していただきますので、将来きっちりした会社の開示をタイムリーにできる体制をつくっていただくということを投資の条件にしております。
 それと、私ども自身の方針としましては、育成、投資した後ほったらかしじゃなくて、お金を出すだけじゃなくて、場合によってはその会社の非常勤の役員になりまして、私ども微力ですけれども、いろいろなアドバイスをする。特に、私自身が銀行にも長くおりましたし、資金調達の面については経験がございますので、金融面でのアドバイス、お手伝い。場合によっては同僚のベンチャーキャピタルを紹介する、銀行を紹介する、場合によってはノンバンクを紹介するということをやっております。
 それ以外に、今、中小企業、ベンチャー企業で最大のポイントはやはり人です。人がすべてです。いい人が入れば、その人が金を呼び込み、得意先を呼び込み、また場合によってはいい人をも連れてくるということです。これも、幸か不幸か、ここ数年、企業倒産、大型倒産もありまして、人の流動化が進んでおります。極めて有能な人たちも企業を離れざるを得ない。そういう人たちが中堅、中小、ベンチャー企業にも注目して入ってきていただいているということで、人の流動化、これによってベンチャー企業も大分以前よりは成長がしやすくなっているということがあります。
 そういう人の紹介、それから得意先、販売先の紹介等、いずれにしても、その中に入り込んで、社長と一緒に悩み、勉強し、一緒に育っていく、我々と目指す方向が一緒ということがベンチャーキャピタルの最大の特色です。
 それで、あと日本のベンチャーキャピタル業界について一言申し上げますと、これまではサラリーマンなんですね。大手ベンチャーキャピタルあるいは大手金融機関の系列下のベンチャーキャピタル、すべてサラリーマンです。本社から派遣される、入った人たちも順々に昇進の階段を上っていく。ところが一方、ベンチャーキャピタルというのはリスクをとる仕事ですので、必ず失敗がつきものです。十社投資したら大体二、三社倒産します。先ほど申しましたように、まず倒産会社が出ます、悪い結果が先に出ます。そうすると、サラリーマンですと、上司も反対しておけばいいわけですね、ノーと言っておけば自分に累は及ばないということで、どうしてもリスクをとりづらいということがあります。
 日本でそういうサラリーマンのベンチャーキャピタルばかりになりますと、なかなかリスクがとりづらくて、本当に伸びたいと思っている企業に投資できない場合があります。私どもは、独立系ということで、私自身の判断である程度リスクをとっていける。私どもが出した後から大手のベンチャーキャピタルが投資をしてくるということも起こっております。
 いずれにしても、独立系のベンチャーキャピタル、サラリーマンでないベンチャーキャピタル会社というのが現に生まれてきておりますし、それがどんどん数がふえて、横の協力をしながら、大手とも力を合わせて日本のベンチャーを育てていくということが必要かと思います。このあたりが、アメリカでは現にもう大半が独立系ですから、大きな違いかと思います。
 それからもう一つは、育成ということについては、大手ベンチャーキャピタルでは縦割りが多かったんですね。今は大分改善されておりますが、投資先を見つける人、審査する人、育てる人、それから公開、上場をお手伝いする人等が、縦割りでどんどん人がかわっていくんですね。このあたりが問題でございました。これは今改善の方向だというふうに理解しています。
 それから、私ども特に独立系のベンチャーキャピタルの最大の問題点といいますか、悩んでおりますのは、投資をするための資金源です。
 私どもも、おかげさまで投資事業有限責任組合法というのを制定していただいたので、これに基づいて去年の十一月一日に、わずかですが、二億五千万で一つ投資上のファンドを組成しました。その出していただいているのは、やはり主として中小企業のオーナー社長さん、あるいはいわゆる個人の資産家です。二号目のファンドがこの六月に組成しまして、こちらは三億二千万です。こちらにはやっとある中堅の生命保険会社さんとか損害保険会社さんの子会社さんが出資していただきましたけれども、まだまだ金額的にはわずかでございます。
 ですから、そういう投資をするための資金源がもう最大のネックでしたが、この春から、中小企業総合事業団が投資事業組合のファンドに出資するというスキームが動き出しておりますし、今般の法律の改正によりまして、いわゆる新事業創出促進法の改正で、産業基盤整備基金さんが民間のベンチャーキャピタルのファンドに出資をしていただくということが考えられているということで、これは非常にありがたいと思います。
 こういう資金が民間の、特に独立系のベンチャーキャピタルに入りますと、我々の最大のネックが解消されます。そうしますと、私どもの仕事は審査をして投資をして育成をするということが本来業務なんですが、やはり一方お金集め、資金調達という方面でもかなりの時間を割いております。この割く時間が削減されますので、より一層ベンチャーの育成に力を注げるということになります。非常にありがたいと思いますので、どんどん広げていっていただきたいというふうに思います。
 それから、昨今のベンチャーキャピタル市場といいますか、日本の市場はさま変わりになっております。これはちょっと私の予想を超えておりまして、いわゆる東京証券取引所のマザーズと言われる新市場、先ほど松田先生等お話ございましたけれども、これが巨大なインパクトを与えております。これによりまして、恐らく日本のベンチャーキャピタルの業界もさま変わりになるだろう。
 特に、先ほど申しましたが、今まで結果が出るまでに時間がかかるということがございました。これが大幅に短縮されます。場合によっては、ことしの七月に私どもが投資してつくった新会社があるんですが、これが来年じゅうには公開、東証マザーズに上場する、もう真剣に検討しておりますし、それなりの打ち合わせをしております。そういうことが日本でも起こり始めている。
 これによりまして、先ほども松田先生のお話ありましたように、若い人たちの創業、起業が大幅にふえているということでしたが、非常に盛り上がっております。このあたりによって日本のベンチャーキャピタル業界もさま変わりしていくだろうという気はいたします。そのあたりで、非常に我々としては仕事はやりやすくなっている。
 それから、上場前の規制期間、これが二年間だったのが事実上撤廃されているとか、ベンチャーキャピタル業界の規制緩和は収束といいますか、ほぼアメリカ並みに規制緩和がされているというふうに理解しております。あとは、いかに我々、それからベンチャー企業が活躍していくかということかと思っております。
 今後、課題といたしましては、資金源という点では、年金資金、それから日本の裕福な個人の資金がベンチャーキャピタルファンドに流入するようなことが起こればいいと。これは既に環境整備はしていただいておりますので、我々の努力によってやっていきたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、日本の業界、ベンチャーキャピタル、ベンチャーを取り巻く環境はさま変わりでございます。非常にスピードも速うございます。より一層皆様方の御支援をいただいて、この流れを加速していただければと思っております。
 以上でございます。(拍手)
○中山委員長 どうもありがとうございました。
 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
○中山委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新藤義孝君。
○新藤委員 先生方、きょうは朝から大変御苦労さまでございます。私は、自由民主党の新藤義孝でございます。
 先生方からただいまいただいたお話に、少し質疑をさせていただきたい。ただ、時間が二十分しかございませんので、大体お一人様一問になってしまうかな、このように思うのでございますが、短い時間の中で意は尽くせませんけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、本国会は、小渕総理が大々的にぶち上げておりますように中小企業国会ということでございまして、まさにさきに可決いたしました中小企業基本法と、それに引き続く今回の関連の、中小企業活性化のための関係法案、さらには新事業創出促進法、これは今国会の目玉だと思うんです。
 それは、イコール、先ほど先生方おっしゃっておりましたけれども、日本の中小企業、今回カテゴリーを広げましたから、これでたしか日本企業の九九・六%は中小企業になってしまう。日本の経済を再生もしくは新生させるためにはここの部分が頑張るしかないんだ。そういう意味で、いろいろと実利の上がるように法律をつくろう、こういう趣旨で私どももこれを見ているつもりなんです。
 まず、橋本先生、中小企業政策審議会の議論に参加されて、この法案の一連の流れ、組み立てに絶大なお力をいただいた方だ、このように思っております。
 今回、特に中小企業基本法の中で、要するに数を合わせて、数の論理から、今度はきめ細かくそれぞれの独立した中小企業をつくっていこう、こういう趣旨が今回のポイントかなというふうに私は思っておるんですが、こういう意味で、本関連法案がきめ細かな対策を行ったと言い得るかどうか。社債を発行する、それから中小・ベンチャーに対しては無担保の貸し出しを可能にした、さらには小企業、創業者には無利子貸し付け、一応カテゴリーごとにはそろえたつもりと私は理解しておるんですが、大もとの組み立て人として、まず橋本先生、御意見を賜ればありがたいのですけれども。
    〔委員長退席、小林(興)委員長代理着席〕
○橋本参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおり、従来、中小企業というのは業種を対象にして考えてきたと思いますが、今回の法案は企業を対象にしていく、したがってきめ細かい対応が必要だということになると思います。
 ただ、今回の提案されております法案は、先ほども申し上げました金融に限られておりまして、ほかの法案も今後準備されるのではないかと想像いたしますが、そのきめ細かさが十分かというふうなことに関しましては、実は大変基本的な重要な問題点があると思います。
 それはどういうことかと申しますと、どういう政策が最適かということが事前にはわかっていないんだと思うんですね。かつての近代化政策とか高度化政策というのは、ある程度事前にわかっていた。ところが、今回は事前にはわからないわけでして、ですから、信用保証の問題でありますとか、エクイティーファイナンスの問題でありますとか、あるいは税制の問題でありますとかというのを組み合わせていかざるを得ない。
 それで、私の期待しているところは、具体的に政策を、今先生御指摘のとおり、ワンパッケージで一応金融に関しては考えたわけでありますから、そのワンパッケージの政策がうまく機能するかどうかを適切に政策評価して、もしまずい点があったらこれを迅速に変える、あるいは修正していいものに変えていく、そういうふうにお考えいただけると大変いいのではないかと思っています。
○新藤委員 ありがとうございました。
 先ほど、日本の政治に関して、スピードが世界一遅い、こういう御指摘もいただいたり、また逆に、ベンチャーキャピタルの方は今すごいスピードだと。まさに今の先生のお話のように、即時即応していく、そして我々も柔軟に、小出しにしないで大枠でもって方向を定めて、それで必要があればどんどんつくっていく、これでいいんじゃないかと思うんですね。ぜひ今後参考にさせていただきたいというふうに思っております。そして、もっとお話を聞きたいんですが、申しわけございません。
 次に、タカコの石崎社長さん、何か二十九歳から独立されて、先ほど来ておりましたけれども、私どもの仲間の岩永代議士と大変お地元が近いということで、タカコとは実は何かなと私は思ったんですよ。人のお名前だとすると、私のおふくろがたか子というものですから、これはいい会社だなと思っておりましたら、山の名前だそうでございますけれども、しかし、大変に御苦労されて、本当にたたき上げで、そして今、オンリーワンというか、日本でトップシェアで、しかも世界の七五%をお持ちになっている、こういうお話でございます。
 大変御苦労されたと思うのですが、やはり語り尽くせないと思いますが、一点で言えば何が、ここまでうまくいった成功の秘訣というか、キーワードは何かというのがあれば教えていただきたいというふうに思います。
 それからもう一つは、今法案について、まさに今橋本先生からも御指摘いただきましたように、金融面のパッケージをつくったわけでございます。そういう中で、この法案で、この枠組みで中小企業の資金調達がどの程度円滑化されるか、この法案に対する評価をできれば一言お願い申し上げたいと思います。
 それから、蛇足ながら、先ほどの内部留保金課税については、きのう税制調査会で私どもの商工のヒアリングの場がありまして、とにかく連結納税と内部留保を必ずやろうじゃないか、こういうことで、大騒ぎで我々はやっております。
 スピードも遅くないと思いますが、ただ、留保金課税全面廃止かというと、それこそ日栄の留保金はいいのか、こんな話が出てくるくらいでございまして、ベンチャーだとか体質のまだ弱いところを支援するための、しかもアメリカと日本しかとっていない税率ですから、我々も考えているということは御報告申し上げたいと思います。
 では、済みません、何か余計な話になってしまいましたけれども、二点お伺いしたいと思います。
○石崎参考人 どうも失礼の数々を申し上げて申しわけございませんが、ふるさとの山の名前が高香山ということで、よく御婦人の名前かと言われます、奥さんの名前かとも言われるのですけれども、うちの家内は道子といいまして、全然違うのでございます。
 何がというふうにおっしゃられて、ただ一生懸命頑張ってきたわけでありますが、ただ、人の嫌がる仕事といいますか、産業界には人が避けて通るような、あるいは非常に精度がいいとか厳しいとか、安いとか数が少ないとか、そういったふうな、人の嫌がるような仕事というのは世の中にたくさんあるわけでございますが、立派な会社でも、どうしてもできないような問題点も抱えておられまして、そういうものに対してチャレンジしていこうと。
 たまたまオイルショックのときでありましたので、ほとんどの会社が、大手さんがグラウンドの草むしりをしていたのです。そのとき草むしりということが話題になったぐらいでございます。その中で仕事をとっていくには、ありきたりのものをやっていたのではいただけないわけでありまして、そういうことを主眼にして、国内、そして当時会社の売り上げの三カ月分ぐらいのお金を使ってハノーバーのドイツのメッセに出展いたしまして、世界にもそういう問題を抱えている会社もたくさんあるに違いないというふうなことでやりましたのが、大変皆さんのいろいろな協力を得て、一応、あすの日はわかりませんが、きょうまでお仕事をさせていただいたというふうに思っております。
 それから、このたびのいろいろな法案で、我々中小企業や小企業、零細企業にとりましては、資金調達のニーズということに対しましてはこれから本当に助かると思います。そういう面では、利用していけば、従来と違う形で、今まで苦しんでいたことが少しはいやせてくるだろう、こう思います。
 しかし、小規模零細企業にとりましては、例えば社債だとか転換社債だとかワラントだとか私募債だとかいいましても、ちょっとぴんとこないところが実はあると思います。そこそこの規模の会社になれば、それはそれで一つの形になるのかと思いますが、そういった底辺への、すそ野への手当てもこのたびいろいろとしていただいておりますが、それらをどういうふうにして浸透させていくのか。意外に、商工会議所とかいろいろなところからパンフレット等が来ても、会議所に入っていないところすら多いものでございますから、なかなか知る機会というのを知らないケースがありまして、この辺をどうPRしていただくかというのが一つのポイントでないかなというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○新藤委員 ありがとうございました。
 要するに、今お話を伺うと、人の嫌がること、それから志を大きく世界に、これがキーワードかなというふうに思ったわけでございます。それから、奥様の名前が道子さん、私もおばさんの名前が道子さんでございまして、とにかくみんなつながっているというか、何かそういうところから人柄が非常に今わかって、さすが大きな経営者は違うなという気がいたしました。
 そして最後の、この制度をどう浸透させていくか、これはまさに私もそのように思っています。今回、この関係で国がナショナル支援センターをつくるのです。それから、都道府県単位で広域の中小企業支援センターをつくる、それから全国広域市町村圏でつくろう。国、県、市でそれぞれの事業規模に応じて支援センターをつくろうと。だから、この支援センターが役所的なものだったり、ただPRしたりとかそんなものではだめなので、ここをこれからやろうというのを私どもも今研究しているところなので、ぜひまた御意見をいただければありがたいと思います。
 それから、松田先生、川分先生。それぞれエンゼルとベンチャーキャピタルのまさに専門の方々でございますし、松田先生は大学の方でビジネススクールまでおつくりになられている、このように聞いているのでございます。
 特に、先生が先ほど指摘された、個人の投資が少ない、これは日本の金融の大問題だなと私も思っておりまして、千三百兆個人金融資産があるといっても、半分は貯金ですね、まさに眠っているお金だと。対する個人の市場に対する投資というのは、日本人の場合、私の記憶ではたしか三・六%とかそんなようなものなんですね。要するに、いかに市場が信用できないかということと、それから個人がそちらに目を向けていないかということだと思っています。逆に言えば、これだけ眠っているのですから、私どもがこの市場を開くことができれば、これは日本経済の活性化に大いに役に立つ。そういう意味でのベンチャーキャピタル、私はまことに希望をここに持ちたいなというふうに思っているのでございます。
 ただ、そういう中で、今回はそのベンチャーを何とかしようということでもろもろの法律をつくりましたけれども、これについて、それぞれ御専門の立場から、今までベンチャーだベンチャーだと言っていても、正直申し上げて、いま一つ政府の政策は実効が上がっていないのかなという気も私しているのです。この意味で、今回この法律、我々としては鳴り物入りで、目玉でつくっているのですが、これによってどの程度よくなるのか、評価いただける点があれば教えていただきたいというふうに思うのです。
 それから、日本とアメリカ。アメリカの場合、逆に貯金が全然ないのですから、もしおかしくなったときに本当に大丈夫かしらと私ども思うわけで、別にアメリカのまねをする必要はない、日本には日本のやり方があると思うのですけれども、そういう意味で、今法案でやり残したことがあるとするならば、お二人にそれぞれのお立場でお聞かせを願えればなというふうに思っているのです。
 私は、個人的には、ベンチャーに対してはエンゼル税制がある、しかし、ベンチャーキャピタルに投資する人たちの税制というのはないわけですね。ですから、やはり投資を誘導するのは税制だと私も思っておりますので、その辺も含めて御意見をいただければありがたい、このように思います。
○松田参考人 いろいろ御指摘ありがとうございました。
 まず、制度の評価でございますが、とにかく九五年当時から比べるとさま変わりでございまして、今回私は非常に高い評価をしているわけですが、先ほど先生もおっしゃいました全国に支援センターをつくるということが、ちょっと間違えると、何も役に立たないものを多くつくってしまうということになると思います。
 と申しますのは、先ほど申し上げましたように、シニアベンチャーの方と若者ベンチャーの方とスピード軸が全く違います。三年とか五年、先はもう考えられないという今のインターネットのところと、十年、二十年技術を蓄えていくということは、ビジネスは違います。そうしますと、後半の方は大体対応できる人というのは結構おられると思うのですが、前半の方に対応できるとすると、相当頭のやわらかい若い人たちのサポーターをつけなければいけないかなというふうに思っていますので、そこの運用が非常に大事かなと思います。
 それから、今、ベンチャーキャピタルの税制問題として、業界で、私も日本で最大のところの監査をずっとしていたという関係がございますし、私ども自身が今、大学が何もしませんので、大学の教員がもう動き出していまして、ベンチャーキャピタル会社をつくって、トータルで四億のファンドで、今二十社ぐらい投資を行っております。
 そういうことからも考えますと、債権には貸倒引当金というのがあるのですが、投資に対しては貸し倒れというのが全くないということで、これは、無担保でやるわけですのでリスクがもっと高い、引当金も回収になればより多く後から税金を納めていくわけでありますので、債権と投資というのを同じようなリスクという土壌、リスクが高い方がなくて、リスクが少ない方があるというのも、これも変な税制だと思います。その辺の整合性をぜひとっていただけるとキャピタル業界は助かるのじゃないかなと思っています。
○川分参考人 まず、評価ということについてですけれども、大きな方向性は、現場から見ましても、非常に合っていると思いますので、どんどん進めていっていただきたいというふうに思います。
 ただ、これは時間がかかると思います。恐らくアメリカでも十年、十五年かかっておりますので、余り成果を焦って途中でやめてしまうとかいうことがないように、例えば、この第三次ベンチャーブームと言われる中でいろいろな制度をやっていただいていますが、これが本当に出てくるのはまだ数年かかるでしょうし、今この中小企業国会でやっていただいている施策が実際に効果をあらわすのは恐らく五年から十年かかると思いますので、粘り強くやり、どんどん改革を進めていっていただければ、我々も一生懸命やりますので、見守っていただくというか、世論もそうなんでしょうけれども、じっくり見ていただくということが必要じゃないかなというふうに考えています。
 それから、やり残したことというか、希望といいますか、それにつきましては、確かに私ども、資金調達、ベンチャーキャピタルがお金を集めてベンチャー企業にお金を出すわけですから、私どものベンチャーキャピタルファンドにお金が集まりやすい仕組み、例えば先ほどおっしゃったような、ベンチャーキャピタルファンドに個人が出したときにいろいろな税制の恩典があるというのがあれば非常にありがたいし、さま変わりになると思います。
 それと、今研究しておりますのは、会社型投資信託を使ってベンチャーファンドをつくりまして、そちらに個人の小口資金を入れようとしておりますが、これが若干、ちょっと税制面の不備があるような感じでございますので、会社型投資信託の方はもう少し税制面での工夫が要るのかなというふうに考えておりまして、今研究中でございます。
 あと一つ、ちょっと投資とは違うのですが、銀行の動きについてですけれども、私どもが投資したお金は、成長資金、企業が伸びるために使っていただくはずなんですが、銀行の方が、約弁というんですか、ほっておいても銀行の回収が進んでいきますので、結果的に、私どもが出したお金が一年たってみると銀行の返済に回ってしまっているということが起こっているんですね。
 ですから、銀行が残高を維持するというのでしょうか、ほっておいたら回収になっていくので、それをストップしていただくような何らかの工夫、あるいは、銀行に追加で資金注入されるのはいいのですけれども、そういうお金があったら新しい銀行をつくっていただいて、そのニューマネーでもって新しい融資をしていただくということであれば回収と逆の方向になりますので、古い銀行を救うよりも新しい銀行の創設ということをやっていただいた方が、効果はプラスマイナス逆転すると思いますので、いいと思います。
 以上でございます。
○新藤委員 済みません。ちょっと時間が来てしまったのですが、最後に一点だけ、申しわけございません。
 ただいまのお二人のお話を聞いていて、松田先生と川分先生、ベンチャーファンドというのはアメリカで一兆二千億の市場がある、対する日本が千二百億だということですから、とにかく我々もいろいろ工夫をしてやらなきゃいかぬ。今回、産業基盤整備基金とそれから中小企業事業団、これを合わせても二百五十億ですから、やはりこういうのは政府の金を当てにするのじゃなくて、いかに民間のお金を市場に巻き込んでくるか、これをやらなきゃいかぬ、今回はその支えるための施策だ、私はこのように理解をしております。
 最後に橋本先生、実は今回の側面として、新しい中小企業をつくるんだ、概念を変えるんだというところまではすごくいいのです。ただ問題は、そういいながら、ベンチャーだとかそれから新事業だとか、そういうものばかりではないですよね。むしろ、九九・六%ある中小企業は、これまでのような、やはり下請だとか地場産業、これが圧倒的に多いわけで、こういう人たちに対する施策、今までは組合をつくったり業界ごとにいろいろな指導をする、ここからどう転換していったらいいのかというのが私ら今非常に苦しんでいるところなんです。
 私の川口という地元が、中小企業集積率日本一の町なんです。そこはすべて下請と地場産業なんです。だから、こういう業界の人たちにどうしたらいいんだということを私どもはあわせて考えなきゃいかぬと思うのです。
 そこで、総括的に、橋本先生、時間がなくて恐縮なんですが、御意見をいただければありがたいことだと思います。
○橋本参考人 御指摘の点は極めて重要なポイントだと思います。私が書いた短い文章がお手元に渡っているかと思いますが、中小企業というのは極めて多様な存在である。多様な存在で、それぞれが少しずつレベルアップできるというのが好ましいのではないかというふうに考えておりまして、今回の法案は、その上の方に近いところをいかにつくり出すかということを考えておりますが、御指摘のとおり、下請制が今大きく再編の場にさらされておりますし、それから地場の産地が国際的なマーケットとの連携がうまくいかなくなっているという例がたくさんございます。
 それも、実はいろいろな情報通信の仕組みを支援するようなことをすればよみがえるという事例もございますし、あるいはコーディネーターがうまく入ればよみがえったという事例もございますから、そういう支援策が、今後金融のみならずきめ細かく行われていくことが好ましいのではないかと思っております。
○新藤委員 ありがとうございました。
○小林(興)委員長代理 渋谷修君。
○渋谷委員 民主党の渋谷修でございます。先ほど橋本先生からビットバレーという、渋谷はそんなふうに言われておるようでありますけれども、民主党のビットバレーでありまして、ぜひよろしくお願いをいたします。
 それぞれの参考人の皆さん、十二月に入って大変お忙しい中、また急なお願いにもかかわらず御出席をいただきまして、延べで三時間程度でありますから、大変貴重な経験あるいは研究の集約をお聞きする時間としては非常に不十分なわけでありますけれども、それぞれの委員が分担をいたしましてお話を伺わせていただきますので、エキスの部分ということになりますけれども、どうぞ御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。
 やはり現場の話が一番大事でありまして、実はそこに大変貴重なアイデアが含まれているわけであります。その意味では、御自身が新たに企業を起こし、そして頑張ってこられて大きな成果を上げておられる石崎参考人に、特に先ほどの委員のお話にもありましたけれども、石崎参考人の方は、高圧油圧のピストンポンプの心臓部の部品、例えば実用化は困難だと言われたようなものについて取り組んで、そしてそれを成功させてこられた。その間の、それができた背景、それからその条件等を教えていただけるとありがたいのですが。
○石崎参考人 先ほども少し申し上げさせていただきましたけれども、できた背景の中には、先ほどと違う点があるとすれば、物づくりというのは手順を持って物をつくってまいるわけですね。
 素材があって、最初に切削加工をするとか、あるいは穴をあけますとか熱処理をするとか、そういう製造工程がありまして、通常の方法で考えれば一つの部品が仮に十五回の工程を経て完成する。そういうふうな形の中で中小零細が生き残っていくというか商売をするためには、そういう部分というのは、大手さんとか原価計算の非常に厳しいところは、材料を何グラム使って、削るのは何秒で削れてというようなことは、私どもよりもはるかに詳しいわけですね。
 そういう中で私たちが前向きに生きていくためには、工法の開発というのが実はありまして、普通の人が考えている工程が十五工程あるとするならば、半分の七工程で物を仕上げていくような加工工法の開発ということを一生懸命、日夜考えながら行いまして、そして、競争他社に比べていいものを少しでも、仮に一〇%でも安く提供して、かつ高収益といいますか、高収益にならないまでも適正な利益を得られる、そういった工法開発の部分で私たち中小企業が、ある意味では大企業と対抗して生きていくのやというふうなところが非常にポイントであったかなと思います。
 研究所とか研究室とかそういうものは、私たち中小企業、零細企業、余り持っていないのですね。したがって、仕事の中において一生懸命、ある程度のお金をかけながら研究開発しておるのでございますけれども、今、税制的には研究開発に対してほとんど、一〇%ぐらいしか損金算入してもらえないのです、中小企業の場合。これは、少なくとも研究開発費用というのは、そういう地道な加工工法の開発、すさまじい立派な開発じゃないのですけれども、非常に底辺のそういう開発に対しまして、使ったお金の中でせめて五〇%ぐらいの損金算入をしていただければ、中小企業もさらなるいい会社がどんどんできてくるんじゃないか。
 こんなふうに申しまして御回答になっているかどうかわかりませんが、失礼しました。
○渋谷委員 ありがとうございます。
 その開発の際に、もちろん発想は石崎さん自身が、そういう工程をいかに短縮するかとかいうことはされるわけですけれども、それを具体的に支える専門的な、職業的なたくみとも言えるような、中小企業とは言えませんね、多分経営者とあとだれか一人二人いる、そういう家内的な小規模企業が実はいろいろな意味で石崎さんのそういう開発を支えたのではないかなというぐあいに思うんですが、一部そんな資料も読んだ記憶がありますので、いかがでしょうか。
○石崎参考人 まさしく先生のおっしゃるとおりでございまして、東大阪あるいは全国の中小企業、例えば加工する旋盤という仕事がありますが、旋盤加工ならおれは日本一だぞというふうな、これは大勢じゃないんです、一人か二人でやっておられる会社が東大阪でも何百社とあります。そういう方々のたくみのわざ、これは多くの工程はできないんですね、単独、単独の工程なんです。研磨であるとか、穴あけであるとか、仕上げであるとかいう、単工程においての名工と言われる人たちが昔はたくさんいたんです。今はだんだん、そういう人たちが実は猛烈に減っているんです。
 ということは、一つの商品を完成近くまでやらないと、その途中を管理する人が、大変に管理費用がかかって間接人員がかかるということで、ある程度完成して持ってこられるところからしか物を買わなくなってきているんです。また、東南アジアその他からもそういう形で入ってくる。そうすると、ある一部分の、先生のおっしゃるたくみのわざをやっていて、そういう人たちのために本当にいいものができてきた、その部分の人たちが、本当に今大変で食べていけなくなっています。
 私は、そういう人たちの力をおかりして難しいものを、最初はファブレスで、東大阪じゅう自分の工場だと思って、頑張って夜も昼もやっていただいたんです。そういうことができましたけれども、今はなかなかそういうことができなくなってきているという環境にあるように思います。
○渋谷委員 二十年前にそういう形で支えていただいた小規模な企業、今もおつき合いされて取引があるんでしょうか。あるいは、そういう企業が今のお話の中でほとんど消滅をしてなくなってしまったのか、あるいはその部分は今の会社の中でほとんど内製化して対応しているということなのか、いかがでしょうか。
○石崎参考人 創業当時大変にお世話になりました名工さんはほとんど亡くなられました。あと、その技術を継いで次の後継者がおやりになっていて、何とかそれを引き継いでおられるというお会社が約三割ぐらいあります。
 私たちは、創業当時に大変に助けていただいたわけでありますので、今現在も、逆にそこの会社でできないことはこちらからサポートをしてでも、つき合いをやめることのないように一生懸命に引っ張っておりますが、なかなかこれも、ずるずる引きずっておりますとこちらの体力が消耗いたしますので、今そういった人たちをうまく一つのグループにして、そして完成品をつくって、それぞれで渡り合いながら私どもに最終的に商品を持ってきてもらうという一つのグループ作業をしていった方がその人たちの生きる道があるということで、いわゆる仲間同士で完成して持ってきてもらおうというふうな形で取り組んでおりまして、何とかそういう形で生き残ってほしい、こういうように思っております。
○渋谷委員 私の方で申し上げておりますのは、この委員会でもたびたび指摘をしているんですが、小規模企業と言われる、例えば製造業では二十名以下、今のような話ですとほとんど一人二人あるいは三人というようなそれぞれの企業が、自分のわざにプライドを持って、だから大きな組織には属さない、会社には勤めない、そういうプライドで一生懸命頑張ってきた人たちが実は石崎さんの成功を支えたということでして、そういうところが消滅をしてしまいますと、その意味では第二第三の石崎さんは出てこられないということになるわけですね。
 したがって、そういう小規模企業群をいかに、これを限界企業だということで経済合理性、効率性だけでばっさりぶった切るんじゃなくて、やはりここを一生懸命振興育成するということも一方ではありませんと、先行する企業は非常に重要なんです、全体を引っ張っていきますし、気分を明るくしますし。
 今私の方で申し上げたいのは、石崎さんがおっしゃっていただいた、そういうところとは依然としておつき合いがあってそれなりの面倒も見ているということは、これはもう合理性だけでは判断できないところですから、そういったところを本当に私は大事にしなくちゃいけないなというぐあいに思うんです。石崎さんの周りにある、今まで支えてきたそういう小規模企業をこれからも積極的に育成振興しようとすると、今そこには何が一番必要だと思いますか。
○石崎参考人 先ほどから申し上げていたかもわかりませんが、問題は、いろいろな制度を出していただいても、それがいかに浸透するかということがポイントだと思うんですね。そういう人たちは、きょうの仕事があり、あすの仕事があるんで、例えばいろいろな会合、説明会をやっても大体行かないわけですね。パンフレットとかいろいろなものがあっても、見るには見るけれども、口下手でもあるし書類下手でもありますので、なかなかそういうところに顔を出さないというところがあります。
 したがって、こちらから行くということになりますけれども、そのときに、特にやはり、私たち見ていますと、大手銀行さんはそういうところへちょっと余り顔を出されないところもありまして、小まめに来ていただいている、例えば地元の信用金庫の貸付担当であるとかあるいは営業担当が、割合細かくどぶ板を踏んでおやじさんたちを回っております。
 そういう人たちを媒体にして、こんな制度があるよ、今度こういうリース制度ができたんだよ、今度ひとつ機械を買うときにはこういうことで近代化促進法のこういうものが使えるんですよというふうなことを、全国相当な信用金庫があろうかと思いますが、そういう窓口から、逆にこちらから近寄ってやると言うとおかしいですけれども、そういうふうにしてあげるともっともっと利用できるようになる。もう大分この機械も古いし買いかえたいんだけれどもお金もないしといって、もうやめちゃおうかというふうな人たちがたくさんいますので、そういうふうなことをしてはどうか。
 私たちの二十五年前は、機械一台を買って独立をするという人、たくさんいました。会社をやめるときに、どこへ行くんかという話じゃなくて、おまえ何をするんだと言ったぐらい独立がすごかったんです。もう脱サラ、脱サラ、猛烈だったんです。今ほとんどそういうことをしなくなっている。一台の機械といっても、スタンダードの二、三百万の機械じゃなくなりまして、このごろ、数値制御とかNCとかいいまして、一台が一千万、一千五百万になっているんです。とても始められないんです、今の開業資金ぐらいでは。
 そういう状況になっておることがありますので、その辺をカバーしてあげないと、本当の技術が消えていってしまうような気がいたします。
○渋谷委員 先ほどの、政府がこれから全国に支援センターをつくろうという話が、どういう人員を入れてやるのかということが一つあるんですけれども、なかなかやはり、その意味では、役所の方々や既存の商工会議所等で働いているコンサルタント的な人たちをそこに位置づけても、時代のスピードにはとてもついていけないんではないかなというぐあいに思いながら、どちらかといえば私は、石崎さんのような現場で実際にそういう取り組みをされている方々が、情報面でも一番きちんと最先端の部分を把握しているわけでありますから、自分たちを支えているすそ野の小規模企業に対して、まさに情報のコーディネーターとして役割を果たせるような、NGOとかNPO的なものを考えていくことができないのかなというのを率直に実は感じております。
 橋本参考人の方に。たまたま資料をいただきまして、中小企業政策の変遷と今後の方向というのを読ませていただきました。今議論されている独立中小企業の育成振興という話は、先生の御指摘でも、中小企業庁の設置時点での目的がもう既にそういう方向を示していたんだという指摘がありますが、そこの部分について、もう少しこの場でお話しいただけますでしょうか。
○橋本参考人 お答えいたします。
 終戦後間もなく中小企業庁が設置されましたが、これは世界の先進国を比べてみても画期的な措置でありまして、御承知のとおり、アメリカの中小企業庁に比べましても十五年早くできております。しかも、最初につくられたときの理念が、活力ある民主社会を支える。その活力のある民主社会を支えるためには、活発な中小企業の活動というのが大切なのだという非常にはっきりした理念を打ち出しておりまして、その理念に従うと、活発に企業が活動するために企業の健康状態を診断してあげなさいというようなことで、診断とか助言とかというふうな新しい政策手法も導入されておったと思います。
 そういう点で非常に画期的なものであったと思いますが、その後、二重構造論で提起されるような問題がありましてから、業種を一括してとらえて平均水準を上げるというふうな政策がずっととられてきまして、そういう点からいいますと、石崎さんのお仕事のようなものはなかなか対象になりにくいという時代がちょっと続いてきたのではないかと思っております。
○渋谷委員 実は、本委員会で私も中小企業庁設置法の目的を取り上げながら、そこに既に非常に先見的な、先進的な内容が盛り込まれておったということで、ところが、そのことについてもっと積極的に評価をして、具体的な施策を進める、取り組んでくるのが遅過ぎたということを役所の方々にも指摘をしてきたところなのです。
 これからの中小企業施策を考えたときに、もう余り時間がありませんので、松田参考人も含めまして、もう一度橋本参考人にもお願いしたいのですが、例えば大学などに蓄積されている多くの情報、あるいは工学部などで言えば技術的な情報というものを、民間の企業とコンタクトをつなぎ合わせて、それで新たな企業をどんどん創造できるような、今直接これがかかわりますといろいろな事件になったりややこしい問題になったりしますが、これを透明性を持って積極的にやるために、もう既にそういう取り組みを一部されているというぐあいには聞きますが、例えばどういう仕組みをつくればそういうことが非常に機動的に、あるいは若い人たちも含めて、そこから情報をつかまえて、新たに企業を創造していこうということにつながるのか。お二人からぜひお願いいたします。
○橋本参考人 残念ながら詳しいことはよく知らないのでありますが、東京大学では一応、特許をプールする組織をつくる。ただ、これは実は特許を維持することに経費がかなりかかりまして、今のところはたしか特許は売れていないのではないかと思うのですが、その売れたお金で維持しようというもくろみだと思います。
 仕組みがまだできたばかりで、いろいろわからないことがたくさんありまして、多分、制度というのをどんどん進化させていくという発想で、今後、特許の問題、大学が持っている知的な蓄積というのを還元していくといいますか、社会との連携の中で使っていくということを、特許だけではなくて人材も含めて恐らくやっていくのが好ましいのではないかと思っております。
○松田参考人 お手元の私の方の資料の十七ページをちょっとおあけいただけますでしょうか。大学活用型ベンチャー支援スキーム。これはベンチャーを問わず、中小企業を含めた、大企業も含まれているわけですが、十七ページに、地域を拠点にした大学の行う技術移転スキーム、こういうふうなことで提示しております。今は完成品ができ上がっているのは、近いのが早稲田大学だけだろうと思っています。
 と申しますのは、今、株式会社としてはつくっていないのですが、ある証券会社からの資金支援を含めてTLOができ上がっておりまして、今文部省の方で七校ぐらい認定のうちの一つに入っております。これは二十年たっても収益は生んでこないというふうに思っております。ノーベル賞学者が何人もいて、そしてなおかつすばらしい特許を大学が既に管理していて初めて五十億ぐらい入ってくる話でございますので、まず二十年間は無理だろう。
 そこで、私どもが考えましたのは、その下の、ベンチャーキャピタル業務の方が収益が早く上がってくるというふうなことで、技術を使うという意味で、ベンチャー企業あるいは中小企業に対して支援をしていくということを含めたベンチャーキャピタル、これをつくっていく必要があるだろうということで、私どもはウエルインベストメントというのをつくりました。
 それから、先ほどの川分社長のところと同じなのでありますが、有限責任投資事業組合法、これはまだ三億円なのですが、つくって動いておりまして、このようにしていろいろな方々が大学に相談に来られる窓口というのをどうしてもつくっていく必要がある。今まで大学は地域から孤立していたというふうに思っています。これからは大学が地域に貢献していかないと、多分大学自身がサバイバルされてしまうだろうというふうに思っております。
 以上で参考になりましたか。
○渋谷委員 最後に一点、ぜひお願いをいたします。今の件も本当に大事なことでありまして、やはりこれを積極的に推進するということが、こういう創造的な企業をどんどん創出をさせていく基盤づくりになっていくだろうというぐあいに思います。
 最後に、今回、政府の方でいろいろなメニューを用意いたしました。先ほど来御指摘のように、役所の仕事、あるいは政治の仕事というのはどうしても後追い的になりがちなのですね。これだけの時代のスピードにはついていけないということはどうしてもあるのですが、それでもなおかつ、今回示されたいろいろなメニューの中で、これは食えそうだ、これはまあまあ評価できるというのを皆さんそれぞれ一点ずつ挙げていただいて、それとさらにもう一点、今の状況の中で進歩的に考えれば、こういうことをやってくれればなというのを一点ずつぜひ御指摘をいただければありがたいのですが。
○橋本参考人 強いて一点というふうに御指定ですので申し上げますと、既存の仕組みとの連続性をうまく活用するという点でいいますと、中小企業団体の組織に関する法律の改正で組合から会社への転換がかなり容易になったというところが大きなインパクトを与え得るのではないか、特に既存の事業に対して大きなインパクトを与え得るのではないかと思っております。
○松田参考人 実は私も同じことを申し上げようと思っておりましたが、というのは、開業率というのが表へ出ていませんけれども、現実に底流は動き出しています。それから、SOHOを、各個々人が相当もうビジネスを、勤めながらでもやっている方が多くなっておられますし、そういう方々を糾合していくというのは、今度は新しい会社形態といいますか、雇用が提案されたことは非常によかったことだろうと思っています。
○石崎参考人 たった一つということになりますと、物づくりという部分から見まして、やはり資源のない日本が今後生きていくには物づくりだと思うのですが、その製造設備というものに対しまして、当初の二年間ぐらいは例えば固定資産税を免除するとか、そういう形でしていただきますと、今はもう買いますとすぐその年から税金がかかってまいります、しかし、製造というのは少したって習熟度が増しませんと効果があらわれてこないという部分がありますので、その辺がお願いできたらなというふうに思います。
○川分参考人 一つといいますと、ベンチャーを育成するためのベンチャーキャピタルを育成するという流れで、やはりベンチャーキャピタルファンドへの政府のそういう資金の流入というのは非常に効果があると思いますので、評価できると思います。
○渋谷委員 ありがとうございました。
○小林(興)委員長代理 大口善徳君。
○大口委員 公明党・改革クラブを代表しまして、質問させていただきます。
 本日は、大変お忙しいところ、また急なお願いにもかかわらず、こうやって来ていただきましてありがとうございます。現場からの声、あるいは中小企業基本法等を含めてずっと審議をされてこられた方々、あるいはベンチャー教育について非常に一生懸命先駆的にかかわっておられる方々、非常に貴重な御意見をありがとうございます。
 中小企業、ベンチャー企業にとって、一つは資金の調達、これが非常に大事だと思います。もう一つは、やはり税制、これが大事であります。この金融と税制、これを私ども政治家としまして責任を持ってやっていかなければいけない、こういうふうに思っておるわけでございます。
 そういう中で、一つは、ベンチャーが育っていくためには、何といいましても、アーリーステージにおいてどう資金が投入されていくか。どちらかというと、日本の銀行ですとかあるいは地方のベンチャー財団ですとか、そういうところはある程度おいしくなってからエクイティーを取得する、こういうことでありまして、やはりそこには、リスクをとらない日本の金融業界ですとか、あるいはベンチャーキャピタルにおいても系列系なんかはそういう感じでございます。そういう点で、アーリーステージにいかに資金が投入できるか、このことを私は非常に大事だと思っております。
 この点につきまして、橋本教授あるいは川分参考人からお伺いをしたいと思います。
○橋本参考人 お答えいたします。
 ただいまの御指摘は御指摘のとおりでありまして、アーリーステージのことを御指摘いただきましたが、それとともにスタートアップという問題がございまして、スタートアップとアーリーステージに関して言いますと、金融でいいますと、従来の間接金融の仕組みですとどうしてもうまく対応できない。
 ただ、今回は、そこに担保不足がどうしても初期には発生するわけでありますけれども、担保不足が発生しているケースでも融資への道が一方で開かれるように、先ほど私は間接金融と直接金融の併用と申し上げましたが、間接金融も利用できるような仕組みをつくったという点で、どれだけ成果が今後上がってくるのかというような不確定な部分はあるとは思いますけれども、一歩を踏み出したものとして評価してよいのではないかと思っております。
○川分参考人 アーリーステージへのベンチャーキャピタルからの投資につきましては、従来から大手でもやっております。世間で言われているほどレーターステージだけに投資しているわけではないというふうに私自身は思っております。
 ただ、先ほど言いましたように、サラリーマンがやっているという関係上、どうしても、果敢にリスクをとっていくということをちゅうちょしてしまうということがありますので、そこの、社内の人事の仕組みとか、もっと言えばプロを養成する、サラリーマンではなくてプロ、ベンチャーキャピタリストのプロを養成するという意味で、そのあたりの仕組みを変えていく必要があるだろう。そういう意味で、松田先生がやっておられるベンチャーキャピタリストの支援のための講座とか、あるいはほかの会社に勤めた後ベンチャーキャピタルをやる、創業してから自分でベンチャーキャピタルをやるというような人がふえてくればいいのではないかなというふうに考えております。
 資金的には、当初のアーリーステージはそれほどお金がかかりませんので、むしろ人の問題かなというふうに考えております。
 以上です。
○大口委員 まさしく人の問題だと思います。それで、やはり何といいましても、目ききをしっかりつくる。技術の目きき、それから、会社の将来性について、マーケットにどういうふうに商品なり新しいサービスというものが評価されるのか、そのあたりのことについてきちっとやはり評価できる人材をつくっていかなければいけない、こう思います。
 今回も、純資産が五億円以内において私募債について九〇%の信用保証協会の保証がつくとか、あるいは新事業育成貸し付けの枠を広げまして、一億二千万円を限度にしてワラント債、これを中小企業金融公庫が引き受けをしてやるわけでありますけれども、こういう場合も、どういうものを対象にするかというときにおきましても、目ききといいますか、これが非常に大事になってきます。
 目ききが余り財務の方の部分に神経質になってしまって、マーケットにおける将来性だとか、あるいは技術のすばらしさですとか、あるいは新サービスのよさとかそういうものを評価しないと、せっかくつくったこういう制度もつくっただけに終わってしまう。あるいは産業基盤基金が投資事業組合に対する資金を投入するという場合も、同じように目ききが非常に大事になってくる、こう思うわけでございます。
 そういう点で、松田参考人におかれましては、起業家教育をされているということでございますけれども、新しい今回のシステムの審査のあり方、それから起業家をどう育成していくか、ベンチャーキャピタリストの育成をどうしていくのか、そこら辺をお伺いしたいと思います。
    〔小林(興)委員長代理退席、委員長着席〕
○松田参考人 どうもありがとうございます。
 今大口先生がおっしゃいましたことに答える前に一つだけ、二日前の、ああ、銀行だめだなということをちょっとお話ししたいと思うのです。
 ちょうど支店長研修に私が呼ばれまして、ベンチャー関係の話をしてくれ、こういうふうに言われました。一時間半ほど話をしまして、後、支店長を本部でバックアップする推進役の部長という、支店長よりもまたはるかに上の方がおられるわけですけれども、その人が来られて、ベンチャーというのはやはり銀行が扱うべきではないよねということを十くらい並べて私におっしゃいました。
 そうなりますと、今の目ききの話と同じことなのですけれども、エクスキューズを並べるのはベンチャーではないのだと私は思っています。減点主義ではやはり無理なのでありまして、いいところを見つけていって、どう伸ばしてあげるかということになろう、というふうなことでございます。
 今おっしゃいました審査のあり方で、特に、ベンチャー財団というのが随分前にスタートしまして、なかなかうまくいっていないところの話を聞きますと、母集団がないのもさることながら、目ききとして集められた方が、その道の権威と言われる方で実は技術だけしか知らない権威であったり、お客様との接点がない方々が非常に多くて、実際には、審査のあり方についてのトータルでの能力がそのチームにないという場合が結構多いのだろうと思います。
 そういうことを考えますと、コーディネーターの方々を、目ききを一挙にふやしていくというのは大変なことなわけですけれども、ビジネスをやっている方々は本当に世の中にいっぱいいますので、その中からどういうふうなチームをつくればいいのかなということを考えていけばよろしいのではないかというふうに思っています。
 今私どもが大学の方で、特に大学院教育を中心にオープンにして、しかもそれを社会にオープンにしながらやっていることは、まず基本の教育をして、起業家がリスクだけではなくて楽しいのだということを教える。そして、ホワットを見つけた人に、アイデアコンテストをこの十二月にやりまして、その中からいいものをビジネスプランをつくらせまして、ベンチャーキャピタルが投資することができるように、大学版のベンチャープラザといいますか、そういうことをオープンにしながら、そこにベンチャーキャピタルを目指そうとする方々もずっと聞きに来れるという、そういう一連のコースをつくって、人材育成というふうなことを今努めております。
 以上でございます。
○大口委員 それでは石崎参考人にお伺いしたいと思います。
 参考人のお話を聞いておりまして、現場の声を非常に聞かせていただきました。そういう中で、やはり今までの日本の金融関係は担保主義ということにこだわっていて、そのために大変御苦労されている、こういうことです。ですから、政府系の金融機関あるいは信用保証協会等の保証、やはりここら辺が一つの、今の銀行業界の担保主義を打破する意味において、本当は民間で打破していかなければいけないのですけれども、なかなか日本というところは、民間でもって打破していくという動きも若干ありますけれども、しかしながらまだまだその動きは弱い。やはり担保主義からどう脱するかということがこの日本の閉塞状況から脱却する非常に大事なことだと思っています。
 そういう点で、今回、ワラント債の引き受けをして、それで一億二千万、それに従来の八千万ですね、担保免除のものがありますから、合わせて二億円くらいを無担保で借りる制度、調達制度というのが中小公庫で今回開かれた。私どもも、前回の通常国会で、これをやれということで相当議論をさせていただきましたし、またその後、現場において非常に需要があるのだということもお話をさせていただいて、今回こういう法律になったわけでございます。
 それと、私募債の九〇%を保証という形で、私募債についても信用保証協会という大きなげたを履かせて、これについてはいろいろと問題もあるわけですけれども、そこら辺もなかなかげたを履かせないとこれが動かないという面もあって、こういうことも盛り込んだわけでございます。こういう無担保主義に対して、政府系が今回こういう形で新しいものをつくったということについての評価と、それから御心配な点についてまず一点お伺いしたいと思います。
 二番目に、もう一つは、いずれにしてもソフト支援、これがやはり大事だと思います。
 御社の場合は、やはり大学との交流というのがあったと思うんです。技術のいろいろな限界をどう突破していくかということで、難しいことをやられる、嫌なことをやられるという中で、一つは東大阪という基盤というものがあって、たくみという方がいらっしゃる。
 もう一つは、大学のいろいろな知恵といいますか、あるいは知識の集積といいますか、そういうものをどう活用していくか。ただ、日本の大学も今まで敷居が高かったわけでありまして、敷居をできるだけ低くしていこう。それで、特に大学はTLOというような形で、あるいはいろいろな形でファンドにも参加されているようなことを早稲田大学はやっておられるようでありますけれども、その場合、大学と一般の中小企業をつなぐコーディネーターといいますか、こういう方が本当にどこまで現場を知っているかということが非常に大事になってくると思います。そういう点で、そういうことについて、ソフト支援についてどうお考えなのか。
 そして、全国で三百カ所、中小企業のためにソフト支援のための拠点をつくる。これは、今までの経営指導員に毛の生えたようなものでありますと困るんですね。先ほど参考人のお話からもあったように、いろいろな要請にこたえなきゃいけない、IT技術についてのいろいろな相談も受けなきゃいけないし、いろいろな形のソフト支援をしなきゃいけない。そういう点で、この三百カ所をつくる、そういう小規模企業に対するものあるいは都道府県でつくられるソフト支援センター、あるいはナショナルセンターとかあるわけでありますけれども、ソフト支援センターに対して、こうあるべきだ、特に今の経営指導員の皆さんもいらっしゃるわけでございますけれども、そういう方々のことも踏まえて、ちょっとお考えをいただきたいと思います。
○石崎参考人 先ほどおっしゃいました無担保融資の件に関しましては、アメリカがすべていいわけじゃございませんが、私どものカンザス州にある、アメリカで私がちょうど十年前に、現地で大きい投資をしなきゃいけない、そのとき約六億円ほどの設備をしなきゃいけなかったんですが、申し込みまして、当然担保を言われるな、こう思っておったんです。こちらの方から差し出す担保はありませんがという形で銀行に申し込みました。
 向こうはそのときに、ちょうどうちの会社がアメリカに約五万坪ぐらいの土地がありますが、アメリカで五万坪といっても二千万円もしないんですね。したがって、それは担保を出したって何ともならないわけです。銀行に申し上げますと、担保のないことはよくわかっておる、あんたの事業の計画と何をやってどうしていくんだという説明をしてくれ、それが担保だということで、約六億円、ですから、私がY・イシザキとサインをしましたとき、一文字五千万円とかになるわけです、それ以外に何も御要求なさらない。随分日本と違うんだなというふうに思いました。
 そんなことで、私たち中小企業も、数字は定かかどうかわかりませんが、三百兆ぐらいの中でほとんど、国の制度融資というと五十兆ぐらいと聞いておりますから、圧倒的に民間が多いわけでございまして、その辺が、そういうふうな形で、目ききのきくといいますか、においのわかるような、そんな審査をして、ぜひ無担保でのファイナンシャルということをやっていただきたいな、こういうふうに思います。
 社債の発行とか信用保証協会の保証をつけた私募債、非常に幅広く利用されていくだろうと思うし、大変にいいのではないかと思いますが、要望といたしまして、信用保証協会の審査がどんなものになるのかな、利用企業にとって非常に透明性のあるものとかになるのかな、あるいは、いろいろな協会がありますが、その協会によっての審査基準とか審査期間とかその辺、また、保証能力に異なるようなことにはなりはしないかなというふうな心配をしておりますので、その辺あたりをひとつよろしくお願いしたいな、こう思います。
 大学、その他三百カ所できますそういう支援センターというのは、大変助かると思います。
 私たちは、こういうことはしたいというニーズと、どうしたらいいかという問題点があります。もう一つはまた、何をしたらいいかというようなことも実はありまして、こういう支援センターを通じて、各研究機関や大学に、こういうことをしたいんだけれどもそれに対してサポートしてくれるところありますかというふうな、一つのこっちの投げかけのテーブルがあって、また、大学とかそういったところで、こういう成果があったんだけれども何か使うことができないかみたいなアプローチがある。そんな形で話し合いのできるような場所をつくっていただいたら、いっぱい問題抱えておりますので、その問題を大学と一緒に研究をしていただけたら大変に私ども中小企業助かるな、こういうふうに思いますので、そんなふうなことをお願いできたらなと思います。
○大口委員 最後になりますけれども、もう一度川分参考人にお伺いします。
 川分参考人は大手の銀行の御出身であられて、その後、こういうベンチャーキャピタルの道に入られたわけでございます。ですから、銀行のこともよくわかっておられるし、それから、今回も、みずからの私財を提供して、こういう形で大きくリスクをとる形で決断された。私は、そういう点では非常に先駆的な生き方をされておられると思うのです。
 川分参考人がそういう道を選ばれた動機と、そういう道を選ばれるに当たって、やはり見通しといいますか、これは、しっかり考えてこういう道を選ばれたと思うのですね。見通しがどうなのか、そしてそういう見通しの中で非常に重要視したことはどうなのか、ここら辺をお伺いしたいと思います。
○川分参考人 私、銀行は十二年、それから大手ベンチャーキャピタルに九年半おりました。
 見通しという点でいきますと、やはり事業を起こすときに、最悪のことを常に考えて、すべてうまくいかなかったらどうなんだということを当然考えまして、私が東京じゃなくて京都に本社を置いたのも、私の郷里が滋賀県、隣だということと、京都はベンチャーのそういう素地があって、最悪でも、地元の京都でのベンチャーキャピタルとして細々とでも最低食っていけるだろうという読みもありました。あと、人脈も大阪にありました。
 もう一つは、やはり支援してくれるスポンサー的な人が、いろいろな、これまでの人生の中で何人かおりましたので、そういった人たちの支援をある程度当てにして、そこに自分の私財を入れて始めたということでございます。
 もう一つは、やはり大きな流れとして、中小企業の有限責任組合法がつくられたのに象徴されますように、日本においてもベンチャーキャピタル、未公開段階での直接投資、直接金融が大きく広がっていくであろうという時代の流れ、これを読んでおりました。たまたま私が起業した去年の十月というのは、日本経済の最悪期でもありますし、証券市場の最悪期でもありましたが、そこでスタートしたことによって、より引き締めてやれたのかなというふうに思っています。
 予想以上に、日本のベンチャーキャピタル業界を取り巻く環境は、おかげさまで拡大、自由化、規制緩和の方向で、マザーズに象徴されますようにアメリカ的になっておりますので、これで一気にこの業界は広がっていくであろうということで、見通しとしては、苦労はしておりますけれども明るい見通しを持っております。
 あと、銀行との関係でいきますと、銀行というのはもともと利ざやが非常に薄いので、これは担保をとらざるを得ないという点で、もし銀行が担保をとらないのであれば、金利をある程度上げざるを得ないだろうということ。
 それから、目ききといいますか、技術だけではやはり担保になりませんので、基本的にはそれをやっておられる社長様の経営能力、借りたものは返す、そういう人間性といいますか、それに信をおくということが基本だ。やはり、人に金を貸すということを考えると、我々の投資も同じでございます。
 以上でございます。
○大口委員 どうもありがとうございました。
 以上で終わります。
○中山委員長 塩田晋君。
○塩田委員 私は、兵庫県第十区選出の自由党の塩田晋でございます。
 本日、各参考人におかれましては、お忙しい中をお出ましいただきまして貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございました。
 今回の法案は、先般改正されました中小企業基本法で示された政策、理念の具体化の第一弾でありまして、今後さらに多くの措置が具体化されていくものと思われますが、今回の法案を今後の政策につなげて、よりよいものにしていくことが重要であると考えております。
 さて、まずは中小企業を取り巻く状況についてお伺いしたいと思います。橋本参考人にお伺いいたします。
 政府は、景気は緩やかな改善が続いているという公表をいたしておりますけれども、実際には、中小企業、特に私の近畿地方におきましては、中小企業を中心として非常に厳しい経済状況が続いておりまして、政府の公式見解とはかなりかけ離れているんじゃないかと考えております。
 中小企業が置かれている状況はどのようなものであるとお考えか、長年中小企業問題を研究されてこられました橋本参考人にお伺いをいたします。
○橋本参考人 一九八〇年代の末から、日本の中小企業は戦後最も厳しい局面に入ったと思います。
 と申しますのは、それまでは、総資本収益率というのを大蔵省の統計で見ますと、中小規模の企業の方が大企業よりもやや高いという数値が出ているのでありますが、八〇年代後半にこれが逆転いたしまして、中小企業の収益率が非常に低くなっている、これはしかも法人の中小企業でありまして、そういうふうな現象がありました。
 その上に、金融危機が九〇年代の後半に発生いたしまして、その一番大きな打撃を受けた、クレジットクランチの対象になったのはまさに中小企業でありまして、中小企業でリストラの対象になって退職された方というのはここ五年で八十数万人でしょうか、ちょっと数字は不正確ですが、その半ばは実は三十人未満の企業から出ております。そういう意味からいいましても中小企業は非常に厳しい状況にありますし、先ほどから話題になっておりますように、開業率が他方でずっと落ちて廃業率が高くなっていく、こういうふうな現象もありますので、厳しい状況にあると考えております。
 ですから、新しい施策、特に、新しく企業をつくり出していくという環境を政策的にも整備する必要があるのではないかというふうに考えております。
○塩田委員 今回の中小企業基本法の改正、それを生み出した背景、また新しいビジョン、こういったものにつきましては先生の述べられましたことに全面的に賛成でございまして、中小企業というものは単なる二重構造で、脱中小企業、大企業化していくのは政策だ、あるいは格差の解消、あるいはみじめな状況を救済していく、こういう考え方から一転いたしまして、中小企業こそ日本の経済の活力の源泉であるし主力である、主役でなければならない、そして新規企業を創出し、またベンチャー企業を育成するということに重点的に政策が向かっていくということについて、これは大方の皆さん方の御意見が一致しているところだと思うのでございます。
 松田参考人にお伺いしたいと思いますのは、従来の中小企業政策、対策につきまして、どのように評価し、また、日本の企業の九九・七%を占める中小企業、大部分の中小企業が今後どういう対策でやられていくか。新規ベンチャー企業ばかりにというわけじゃないですけれども、従来の、大部分の現在の中小企業をどうしていくかということについてはどのようにお考えでございましょうか。
○松田参考人 どうもありがとうございます。
 今中小企業の置かれている立場というのは、先生が御認識のように極めて厳しいと思っています。というのは、大企業自身が極めて厳しい状況にありまして、大企業のリストラは、史上最高の利益を出しながらまだ継続している会社がいっぱいあります。これは、世界の中で生き延びていけるかどうかという戦いをやっている、その一環として系列という問題が今どんどん崩れていっているというふうなことですから、下請型の中小企業というのは本当に今厳しくなっている。
 特に、地方行政とのはざまに入ってしまった中小企業というのが結構多いと思いますのは、大企業誘致でもって雇用を確保しようとした今までの地方自治体の動きが、大企業自身の工場がそこからなくなるということになりますので、一挙にそこの地元の中小企業というのは職を失っていくということが起きていると思います。
 私自身も、中小企業の方々、在来型の中小企業の方々、特に私ども、ビジネススクール、MBAをやっておりますものですから、二、三十億の会社の御子弟が私どもの生徒として結構来ておりまして、そこでの多くは、いかに新しいイノベーションをしていくか、そのイノベーションをしていくかというところで今重要なのは、新しいテクノロジーがどんどん入ってきていますので、そのテクノロジーをベースにしてイノベーションを進めていこうとするときに、それに乗れない社内の多くの方々をどうするかというふうなことがございます。
 今、新しい会社、若い人たちの会社ということだけが話題としては非常に取り上げられているわけですが、これから団塊の世代が一斉にリタイアしていくわけでありまして、団塊の世代の七十五歳までの生活をどうしていくのかというふうなこともあわせて考えなければいけないということに来ていると思いますし、そういうふうな雇用の吸収というのが現状ではないんじゃないか。
 IT技術を共有化しながらそれに乗れない方々、しかし、ITを使わなくてもやれるビジネスは結構ございまして、私、今非常に参考にしながらいろいろな方々に申し上げていますのは、横河電機のエルダーという会社がございまして、これは六十歳入社、百歳定年の会社をもう十数年前につくっております。仕事自身は非常にローテクです。しかし、仕事としては幾らでもある。
 こういうふうなことでございますので、これから、中小企業自身の問題と、中小企業がまた多く高齢者の方を抱えている。技術の伝承というのも必要ですし、一つの組織を離れた技術というのは一挙にだめになります。そういうことを考えますと、七十五歳くらいまで働ける場づくり、これは中小企業一般もさることながら、もっと広いことを組織的に日本は考えていかないと、どうもおかしい方向に行ってしまうんではないかという危機感を持っております。
○塩田委員 従来の政策は、設備近代化の関係とか、あるいは公正競争の確保とか、あるいは経営基盤の強化と革新、こういった線でかなり力を入れてきたわけでございますが、これについて、今後どうあるべきかということについて、もう一回ちょっとお伺いします。
○松田参考人 近代化の促進というふうなことが、今までは物すごくお金がかかっていくということを前提に進められていたような気がします。ですから今回も金融支援が中心になっているというようなことがあるわけですが、どうも最近のイノベーションの若い人たちの動きを見ていますと、お金というものを余りかけない、しかもインターネットでいきますというふうなことになりますと、立ち上がり資金は余りかからないビジネスというのも相当出てきているような気がします。
 そういう意味で、これは国家の予算の配分ということになりますからお金をかけるということに前提がいくわけでしょうけれども、事業を起こしていくということだけを考えていきますと、必ずしもお金が優先的にあるから事業が起きていくということでもないのではないかなというような気がしております。
 と申しますのは、世界の企業を起こした人にリサーチをしまして、やはり自分の能力を生かしたいというのが一番で、お金があるからスタートしたというのは意外と少ないということを考えますと、お金だけに集中した運営というのはやはりおかしくなるわけです。やはり、いいコーディネーターをつけてイノベーションを進めていくということに非常に力点が置かれるべきではないかなというふうにも思います。
○塩田委員 続きまして、川分参考人にお伺いいたします。
 私、地元へ帰りまして、中小企業の業者の方々あるいは団体の幹部の方々と話をいたしますと、やはり関心は非常に金融問題、貸し渋りですね、各種の金融機関に対する苦情が多いわけです。
 川分参考人に、先ほどもいろいろとお述べになりました中で、貸し渋りが発生しているということについて、中小企業が安定的に事業資金を調達できるような環境をどうしたらつくっていけるか、どうあるべきかといいますか、安定的な資金調達のできる資金供給の機構というものをどう構築したらいいか、これについてお伺いいたします。
○川分参考人 一つは、日本の場合余りにも銀行に依存し過ぎていたということは言えると思いますので、まず、間接金融、銀行を通じた金融から直接金融へのシフト、これは大きな流れとして必要だと思います。今ほとんど、九九%間接金融ですが、直接金融への流れ、半分までいかないにしても恐らくやはり一〇%、二〇%という形にいくべきだろう。
 その中で、ベンチャーキャピタルの果たす役割、それからいわゆる社債、エクイティーじゃない普通の直接金融の中の社債による調達ということ。いわゆるジャンクボンドと言うと言葉は悪いですけれども、そういう低格付の社債の市場をつくっていくということによって、担保が要らない、担保を使わない直接の資金調達というのを広めていく。既にこの施策はとられておりますので、この流れをもっと進めていくということで、方向としてはいいと思っています。
 一方、いわゆる貸し渋りというか、私から言わせると、貸し渋りというよりも資金の回収が進んでいます。
 先ほど申し上げましたように、ほっておくと、銀行が今、バブル崩壊の後、彼らの担保価値よりも貸し出しの方が多くなっていますから、長期の貸し付けは返済が毎月あるいは三カ月に一回ありますので、自動的に残高が減っていくのですね。昔であれば、残高が減ったらまた担保に余力ができますのでもう一回貸し直してくれた、あるいは短期の借り入れにシフトしてくれたのですが、それが今行われていないということ。それから、企業の収益が上がっていないために、収益の中から返済をしていくわけですが、それができない。したがって、いずれ行き詰まるわけですね。
 そこのところをどういうふうに考えるかということで、一つは、成長したいといういわゆるベンチャー企業、テクノロジーなりイノベーションがある企業については、株式公開、上場を目指すということによって、資本金、エクイティーで調達していく。一方、いわゆるそこまでいかない中堅、中小企業さんの中では、やはり横の連携とか大企業と組んでいくとか、何らかの提携というのでしょうか、その中で生き残りを模索されていくということかなというふうに思っております。
○塩田委員 最後に、石崎参考人にお伺いいたします。
 信用保証制度につきまして非常に評価をいただきまして、ありがとうございました。これは自由党が強く主張し、実現をし、二十兆円についてはもう既に十八兆を超える消化をし、また続いて十兆円の枠の設定ということが考えられておるところでございます。
 社債の信用保証とかあるいは債権の流動化、こういう措置が今回の法律案の中にはあるわけでございますが、これについてどのように評価をしておられるかということについてお伺いいたします。
 また、政府関係金融機関、国民金融公庫とかあるいは中小企業金融公庫につきまして、石崎さんはゼロから出発する中であらゆるそういう機関を利用した、成果があったということをおっしゃいましたが、今回の法案の措置につきましてどのように評価しておられますか、お伺いいたします。
○石崎参考人 このたび、社債とか私募債とかいろいろな様々な制度で、大変にこれは有効なことだ、こう思っております。ただ、そういう形でいろいろ社債だ何だかんだとやっても、そもそも買い手がつくのかなというふうな不安が少しあります。
 したがいまして、買い手のつかない社債を出したってどうしようもないわけでありまして、そのために当然のことながらディスクロージャーを求められますよね。そうすると、今の形ですと、何期監査証明が要るよとか、現在はいろいろなそういうことがありますが、そういったところに期間と金をかけていたのではこれまた利用できないというふうなことになってしまうという心配もいたしております。しかし、今までつき合っていないような機関投資家さんとのつき合いも始まるというふうなことで、非常に活性化はしてくるのではないかな、こう思うのですけれども。
 よくアメリカでも行われていますが、こういう事業でこういうことでこういうことをするんだというプレゼンテーションの場所といいますか、そういうところが、その支援センターみたいなところでやるのかどこでやるのかということがありますが、一生懸命にプレゼンテーションをして、だからこの社債を買ってくださいよ、投資してくださいよとか、キャピタリストに投資してほしいよというふうなプレゼンテーションの場所をたくさんたくさんつくっていただいて、発表するといいますか、そういう機会を多くつくっていただけたらそれも生きてくるのかなという感じがいたします。
 制度融資につきましては、先ほど来いろいろ申し上げましたように、今まで担保のない姿の中において大変に私どもそういう投資は助かりましたし、こういう制度そのものはどんどん充実していただければ、こういうふうに思います。
○塩田委員 最後に、二問続けて石崎参考人にお伺いいたします。
 石崎さんの会社は、本当にゼロから発足をして世界に有数の立派な企業を、会社をつくられたわけでございますが、いわゆる小規模の零細企業という時代があったと思うのです。大変な御苦労を重ねられたと思います。その体験を通じまして、今なおたくさんの小規模事業所、零細企業があるわけでございますが、最も必要な当面の施策というものはどういうものであると考えておられますか、お伺いいたします。これが第一点。
 それから第二点は、物づくりの会社をつくっておられるわけですが、物づくりの中で、いわゆる単能工と多能工というのがありますね。単能工は、ヨーロッパのマイスターだとか技能士の制度、そういったもので、非常に一つに集中して技能を上げていくということですが、日本の場合は養成がなかなか単能工に徹しなかったという中で、かえってそれが、スピードの速い技術革新、技能開発、これが容易に転換できたという、いわゆる多能工的なところがむしろプラスしたんじゃないかというふうに考えるのですけれども、このあたりについて御経験からどのようにお考えか、お伺いいたします。
 以上、二点お伺いします。
○石崎参考人 第一番目の、現在中小零細にどのような姿で、私たちが利用しているような状態が今でもきちっとなっているのかというところでございますが、皆様方御承知のように、都市銀行は、今までは貸付担当係というのがそれぞれの支店にいました、大きくても小さくてもいましたが、今、効率化のために、大小差がありますが、約十店舗とか十五店舗の中で母体となる一つの支店に法人部というのをつくりまして、各支店から融資担当者を引き揚げております。これは、都市銀行大手さんはほとんどやっておられます。
 そうしますと、今おっしゃる中小零細のところに窓口の訪問をしたり、あるいは貸付担当が行ったりどうのこうの、要するに審査する。支店長決裁で判がついて、低額資金は比較的早く出るというふうな形がありましたが、今、ほとんどの銀行さんで、これはもう皆さん先刻御承知であり、またお調べになったらわかると思いますが、地域母店化としてそこに法人部という形で、そこで貸し付けの審査をし、そこで融資をします。
 ですから、私たちもある支店と取引しておりましたが、法人部がこちらに変わりますのでこちらの貸付担当と話をしてください、こういうことになります。そこそこの規模でお借りしておりますおつき合いがありますから、それはそれで行くんですが、そこへ行ってしまうと距離も離れてしまいまして、まあまあ言うと、向こうさんもそう来てくれないし、こちらも余り行かないというような形で、今、都市銀行さんの中小零細に対する貸し付けというのは物すごく脆弱化してきていると思います。
 その辺を、むしろそうなるのは仕方がないのであれば、先ほども申し上げましたように、例えば地元の地区の信用金庫さんとかそういったところが、ある意味では保護していくんだというふうなことをしてあげませんと、とてもこれは大変なことになるんではないかなというふうな気がいたしておりまして、私がやっております本社地域におきましても、五店舗ぐらいの貸付窓口がなくなりました。そういう実態でございますので、ちょっと心配だなというふうな気がいたします。
 それから、多能工と単能工という問題は、物づくりの日本をキープしていくためには、やはり単能工であれ多能工であれ技術者の教育養成ということが大変に大事かと思うんですが、ドイツに見られるマイスター制度というのは、御承知かと思いますが、各企業で雇用した後一年とか二年とか三年に、仕事が約半分ぐらいで技術養成をやっております。これは本当にすごいことをしていると僕は思います。そして、マイスター制度というのは一つの固有技術者でありますが、そういったものを育てて、そしてそういう人たちが、そこの会社のプロダクションに携わったり、よその会社に行ったりしております。非常に固有技術が確実にきちっとキープされております。
 現在におきましては、日本の若者の中で固有技術者を育てていくという環境に非常に乏しい状態でございまして、この辺に私たちも努力しなきゃいけないところがありますが、技術者養成ということに関して、いろいろな形での御支援をしていただけないかなといつも思っております。そうしませんと、物づくりということから見ると、最近、情報であるとか通信というところが非常に脚光を浴びておりますが、やはり物づくりということは固有技術がスタートだというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○塩田委員 ありがとうございました。
○中山委員長 吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。きょうは、四人の参考人の皆さんには、大変お忙しいところをありがとうございます。
 私は、最初にタカコの石崎参考人にお伺いしたいと思いますが、ことしの九月に、インテックス大阪でテクノフェアが開かれたときに、私も見に行きまして、東大阪を初め大阪の皆さんが新幹線の先頭車両のRをつくる部分から、あるいは磁気マグネットの非常にすぐれた製品をつくられたりとか、さまざまな分野でたくさんの皆さんが頑張っていらっしゃるのを見せていただきまして、心強く思いました。
 私自身も、かつて百名そこそこのベンチャービジネスへ入って、開発なんかやっていたんですが、その後、そこは上場企業となりました。それだけに、きょう石崎参考人のお話を伺いまして、その御苦労のほどに思いをいたしておったところでございます。
 そこで、あなたのところはかなり急成長されたところですが、やはり今、私たちはそこから中小企業対策として何を酌み取るかという点を求めているときですので伺っておきたいのは、スタートアップのとき、最初の起業された段階、特に大阪ということもあって、地域の基盤的技術の集積がありますから、必ずしも自分のところで全部つくらなくてもいろいろ回してできるということもあったと思うのですが、最初の起業段階、それから中小に発展していかれた段階、さらに中堅企業となり上場を考えていくというふうな段階、それぞれにおいて、確かに金融の面でいうと制度融資の話がありましたけれども、金融の面でもそうですし、それから、例えば公立の試験研究機関などがそういうベンチャービジネスの皆さんにどれだけサポートしていけるかという問題。それは、製品の試験分析などをやって分析表をお渡しするとか、さまざまなことがあろうかと私は思うのです。
 それからまた、国なり地方自治体なりの方で、それぞれの企業の情報を交流し合うことによって、例えば、ネットワークは実際みずからやっていらっしゃるわけですけれども、そういう仕事のネットワークを組んでいろいろなより新しい展開ができるような道を支援することとか、私自身がベンチャーにおりましたときに、企業の中でも、大学から先生に来てもらって流体力学とか材料力学とかそういう講義は小さい会社でもやっておりましたけれども、やはりそういうものをどう支援して、その企業の方の本当に技術を、たくみのわざもそうだし、同時に理論的な力も身についたものとしてどう支援していくかという点で、それぞれのステージごとに、こういうことをやればもっと発展するんだがというのを、長い御経験を通じておありかと思うのですが、きょうはその辺のことをお聞きしたいなと思いまして、よろしくお願いします。
○石崎参考人 急成長と申しましても、二十六年たっておりますので、最近の企業の趨勢から見ると決して急でもないのかもわかりませんが、物をつくるという部分においての設備というのは大変に要りますので、そういう部分ではそうかもわかりません。
 私がやってまいりまして、今おっしゃった、スタートアップのときにどんなことが一番支援としてきくのかなということを自分で考えてみますと、私が困ったことを思い出してみると、最初、会社をしようといったときに、場所ですね。家賃の十カ月分ぐらいの保証金が必要であったり、それからいろいろな電気関係を引っ張ったり、場所の確保ということに結構苦労いたします。
 特に、物づくりとなりますと、ちょっと小さな機械でも入れなきゃなりませんので、そこそこの場所が要りますが、そうでなくても、最初から設備をしてやろうなんということじゃなくても、長い、例えば一つの区画が二十坪か三十坪ぐらいの大きさで、ざっと四十も五十も六十もそういう何か区切った部屋があって、シリコンバレーにはちょっとありますね、ああいうところへ入っているという。そういうところを公的機関の方でつくってもらって、そして、長くいちゃだめだよ、せいぜい二年ぐらいだよ、そういう形で場所を提供してくれるようなところがあれば非常にスタートしやすいかな。
 幾らかお金を持って始めるわけですが、あるいは投資をいただいても、そういう場所を確保するために結構使ってしまうのですね、スタートのときに。これで本当に投資して使いたいという部分へお金が回せないというふうなことが、私自身は非常に経験をいたしましたので、特にこういう土地の高い日本ですとそういうことがありますので、そういう施設といいますか、そんなものを、ずっとそこで長く居座っていたら、もうそこそこになったら出ていってよという形でいいと思うのですが、そんなことをしていただいたら非常にいいのかな。
 そしてまた、いろいろなことの中で、試験研究したり、その成果を見るために、大変高額な測定機器であるとかテスト機器が必要になっておる。そういうものをそろえませんと、大手さん、なかなか買ってもらえません。そういう意味では、先ほどおっしゃいましたような研究の公的機関があります、いろいろ技術センターがありますが、そういうところで、今私どもでは商工会議所の方でそういう研究所と接点の場所をよくつくっていただけるので、そこで、まずどういう試験ができて、どういう人に頼めばいいのかなというふうなことを知らせていただけるので、非常にありがたいと思いますし、この辺を充実していただきましたら、なおスタートしやすいということになるのかなというふうな気がいたします。
○吉井委員 次に橋本参考人に伺いたいと思うのですが、きょう先ほど、七〇年代のアメリカのインフレ、低成長などの中で、中小企業こそというお話を聞かせていただきました。
 それで実は、OECDの勧告とか指針とか、それから累次のILOの決議などの中でも、今、世界的に中小企業重視の方向へ行っているのではないかと思うのです。つまりそれは、規模の経済を追求してきて、やはり行き詰まりが出てきている。その規模の経済を追求したところからどんどんリストラがやられますから、雇用と地域経済に深刻な問題が出ているということで、世界的な流れとしてもかなり中小企業重視ということに行っているのじゃないかと思うのですが、そこらあたりのところをお聞かせいただきたいと思うのです。
○橋本参考人 ただいま御指摘いただいたとおりだろうと思います。
 御承知のことと思いますが、むしろ、一九八〇年代の半ばぐらいまでは、日本こそが中小企業王国だ、戦後の高度成長というのもよく考えてみれば中小企業の活力に依存していたのではないかというふうに言われたわけでありますが、そのころから、アメリカやイギリスは非常に深刻な経済状態に置かれまして、その中で、さまざまな試みがなされました。もちろん、失敗したのもあるわけでありますが。しかし、その取り組みを通じて、八〇年代の後半、特に九〇年代に入ってから、イギリス、そしてアメリカでは、急速に新しい企業が成長してくる。あるいはその中で撤退していくのもたくさんあるわけですが、同時に新しいのがたくさん生まれてくる。
 ちょうどそれと逆になってしまいまして、八〇年代後半から、先ほどちょっと申し上げましたが、日本では、創業率は低下する、廃業率は高くなる、収益率は低下するというふうな状態に陥ってしまった。ワンサイクルずれが生じているというふうに認識しております。
○吉井委員 その点でさらに橋本参考人に伺っておきたいのですが、どうも、八〇年代以降の今おっしゃった世界の流れの中で、これは例えばILOの決議などの中でも、経営形態や所有の型にかかわりなく、あらゆる型の中小企業を発展させる。ですから、日本が今向かうときに、ベンチャーに発展していくそういう零細企業も含めて、あらゆる企業、既存企業の中から生まれてくるわけですから、そこをもう少し大事にするということを見ておかないと、どうもOECDのものを見ていても、中小企業の成長が全体的な経済成長の独立した源泉を提供するということで、やはり零細企業とか非常に小さい企業とか、十人未満、二十人未満の小零細企業の果たしている役割の重要性、それが雇用とか地域経済にどう及ぼすかとか、それがベンチャーにどう発展するかとか、そこを非常に重視していると思えるのです。
 ですから、その部分をおろそかにしてといいますか、そこを余り重視しないで、今ベンチャーの時代だということでベンチャー、優良企業にだけ特化してしまうと、長期的に見たときに、ベンチャービジネスの発展ということを考えてみても、やはりブランクの時期をつくるといいますか、マイナスになるといいますか、そういうことをやはり考えなきゃいけないんじゃないかと思うのですが、もう一度、橋本参考人、その辺のところを伺いたいと思うのです。
○橋本参考人 ベンチャー育成事業に焦点を絞るというのは、これまでの政策といいましょうか、一九八〇年代までの政策でいいますと、恐らく近代化政策を基本にして、その後の高度化政策とかそういう部分に該当するというふうに考えていいかと思うのです。ただ、従来は過小過多と言われて、中小企業は多過ぎるという発想があったと思いますから、創業というところにはなかなか関心がいかなかったし、実は活発な創業はもう現に行われていたということが背景にあろうかと思います。
 ですから、そういう点で、政策が全体として非常に大きくベンチャー支援にシフトしてしまうというよりも、やはり中小企業というのは多様である、多様であって、例えばお豆腐を製造小売している人が、お豆腐の味の競争で、例えば東京の一番になるとか、あるいは日本で一番いいものをつくるとか、あるいは世界で一番いいものをつくろうとか、そういうことをやられている方にちょっとした支援があると、どこでそのコンテストができるかとか、そんなことでもいいわけであります。
 いろいろな形での支援が考えられると思いますし、今後恐らく提案され、あるいは考案されていくものとしては、ソフトな経営資源といいましょうか、コンサルタント業務でありますとかというようなことを重視した政策があって、必ずしも急成長して大きくなることがいいことではない、同じ規模で安定した雇用をつくり出していって、例えば地域の介護サービスとか住宅改造サービスとかというのを行っていくということも大変大切なことなんだろうと思っております。
○吉井委員 もう一言橋本参考人に伺っておきたいのは、アメリカの中小企業政策のお話を伺ったのですけれども、アメリカの場合、私なかなかここは大事なことをやっているなと思ったのは、例えば中小企業開発センターは全国に一千カ所とか、それから退職管理者団三百八十カ所とか、五百の大学に中小企業研究所を設けたりとか、中小企業ということを考え出したらかなり徹底している。あわせて、中小企業政策としての地域再投資法などを設けて取り組んでいるということです。
 私は、この点では、日本ではこれまで都市銀行が地域再投資ということで法的、制度的にやったことはないわけですが、むしろ逆に、今金融ビッグバンの中で逆の方向へ行っていますけれども、しかし、信用金庫、信用組合などが、地域金融機関として、かなり営業マンの方が地域を回って町工場の社長さん方の腕を、あるいは経営の意欲をよくつかんでおられて、必ずしも物的担保がなくても融資をする、そういうところがあったと思うんです。その辺が今かなり弱くなってきておりますので、アメリカの地域再投資などの考え方を日本で進めるとしたら、金融の分野ではどういうことを考えていったらいいのかという、その辺についてもお考えを伺いたいと思うんです。
○橋本参考人 御指摘のとおり、日本の金融システムは大銀行中心型で、しかも都市に集中しているというのが特徴だと思います。それに対して、アメリカはかなり分散しておりまして、もちろんニューヨークは大きいわけでありますが、いろいろ地方分散しておりまして、一つ大きなポイントは、地域の自主性が高いんだろうと思うんです。州や都市が一生懸命それぞれの地域をよくしようとする、行政サービスの水準を維持しようとするというふうに頑張っていると思いますし、それから各地域に有力な大学が分散して存在しています。
 それに対して、日本ですと、こういう言い方はまずいかもしれませんが、どうも国立大学が大き過ぎるのかもしれないですね。東京大学も民営化したらいいのかもしれません。この場の議論ではないと思うんですが、そういう問題があるように思います。
 ただ、今後、金融機関は、今再編のことばかり問題になっていますけれども、新しい業務を開発しない金融機関は敗北していくのではないかと私は思うんですね。
 例えば、決済機能だけをやる銀行が今企画されているとかということがございます。中小企業なりベンチャービジネスをきちっと事業審査するとか企業審査できない銀行は、実は大切なクライアントを逃がしている銀行であって、競争に敗れていく可能性が高い。勝っていく銀行が出てくれば、その中で、プロジェクト審査の問題とかというのはノウハウが蓄積されてくる。
 先ほど石崎さんがおっしゃったように、信用金庫や何かが小まめに歩くことによってそういう情報を既に集め始めているのかもしれないわけでありまして、今後、やはり数年かけて新しい金融システムができていくというふうに考えた方がよろしいのかなと思っております。
○吉井委員 次に、松田参考人に伺いたいと思うんですが、きょういただきましたレジュメの一番最後に、地域産業集積のこと。
 大学を拠点としてということがありますが、これは例えば公立の試験研究機関を拠点という考え方もあろうかと思うんですが、どうも、最近各地を見ていると、例えば空港近くで、先端産業型だということでそこへ公設試をつくって、しかし、在来の中小企業というのは空港近くじゃなくて町の中にある。
 だから、逆に町の中に、本当に今まで地方都市へ行って技術が弱ければ、そこに産業集積あるいは技術集積をどうつくっていくかという発想をやはり持っていかないと、東京、大阪の二つの基盤的技術の集積地にはベンチャーが育っても、外ではよそから引っ張ってこないとなかなか行かないというのでは、それは本当に、地域経済とかこれからの世界の流れになっていく中小企業の発展ということを考えたときに、やはりどこか手を打たないとまずいんじゃないかなと思うんですが、この点を松田参考人に。
 時間の関係で、川分参考人にも最後に一言伺っておきたいのは、どれぐらいの規模からの企業が投資の対象になっていくのかということですね。そこのところがやはり、かなり大きくなってからだったら、先ほども少し議論がありましたけれども、未公開株から公開になるときの利益だけをということになりますとこれは支援にならないと思いますし、その辺のことを伺いたいと思います。
○松田参考人 どうもありがとうございました。
 今先生がおっしゃったようなことを非常に感じていまして、というのは、日本で有数な研究所がございます。そういう研究所の方々が、やはり研究するだけじゃなくて事業を起こさないと社会貢献しないということで、多くの研究所でそういう動きがあります。あるいは、会社を既につくって動いている方もおられますけれども。その周辺にサポートする方々がだれもおられないといいますか、研究所自身が社会から隔絶された、あるいは落下傘でおりてきた、これは大学も含めてなんですけれども、そういうふうなことが非常に往々にして多いような気がします。特に、県がつくられた、田んぼの真ん中にすばらしいものをつくっていくというふうなことが非常に多いわけであります。それはほとんど失敗しております。
 やはり成功するというのは、先ほどのビットバレーではございませんけれども、人も企業もそこに集積しているということが非常に大事だろうと私は思います。人と人との切磋琢磨でもってお互いがレベルアップしていくんだろうということを考えますと、おっしゃるように落下傘で、あるいは広いエリアのところへつくるんじゃなくて、小さくてもいいから非常に高度なものを、都心の中に、その集積がある中につくっていくという配慮がこれからは必要なんじゃないかと思っております。
○川分参考人 どれぐらいの規模の会社であれば投資するのかということですが、実例からいいますと、従業員でいえば四人ぐらいから二百人ぐらいまで、私ども九社に今投資しております。
 それから売り上げでいきますと、数千万円から数十億円までいろいろでございます。何をやっているか、あるいは何をやろうとしているか、幾ら資金が必要か等々によって違います。いわゆるスタートアップといいますか、実質的にこれから新しい事業を始めるという会社にも投資していますし、何十年やっていた会社にも投資しております。
 以上でございます。
○吉井委員 どうもありがとうございました。終わります。
○中山委員長 北沢清功君。
○北沢委員 社民党の北沢でございます。
 きょうは私ども、参考人の先生方から大変貴重な御意見をいただきまして、質問も要点についてはほぼし尽くした感もございますが、私は商工委員は今回初めてでございますから、若干場違いの質問もするかもしれませんが、その点は御容赦をいただきたいと思います。
 私は、実は長野県の安曇野というところに生まれまして、そこの出身です。
 今日の地方、特に長野県における、かつての蚕糸という貿易から始まって、精密工業から、富士通だとか時計のセイコーエプソンだとかいろいろ発展をしておりますし、もう一つは、非常に有名な中小企業のあり方として、上田の在に坂城というところがございまして、そこの中小企業の、お互いに団結をして競い合って発展をしていくという面では、つい先ごろまでは非常に大きな意義があったと私は思います。しかし、それもやはり、当時のMEといいますか、自動電子制御旋盤とかそういうものを入れることによっての、いわゆる技術革新の中の改革であって、本当の意味のベンチャー的な発展ではなかったんじゃないかというふうに実は思っております。
 それから、地方銀行もそうですが、私どもの地方銀行は非常に成績がいいんです。これもやはり、人間と銀行とのつながりがすべてもう腹の底までわかっている関係でありますから、そういう面でスムーズにいき、なおかつ銀行もそのことによって収益を上げているというふうに理解をしております。
 私は、今度の二つの法案の中で、やはりこの法案の持つ意義というのは、ますます、これから二十一世紀に向けての中小企業のまさに改革というか変革といいますか、そういうものの中で、ベンチャーの必要さ、これからの発展方向というものが非常に明らかになってきたわけでありますが、今一般的に、日本全体、大変な不況の中におります。中小企業の皆さんは、早く言えば迷っているんですね。混迷しているんです。そういう中で、はっきりつかめないところに混迷があり、またそういう面で、ベンチャー企業だけを今国会でやるということになると、何か自分たちが置き去りにされているんじゃないかという感じも持っていることは、実は末端で聞いている事実ですね。だから、このことの意義をもっと明確に出すという意味で、先ほど参考人の皆さんの御意見は貴重な意見である。
 もう一つは、議会における取り組みも、ベンチャー企業の金融措置ばかりではなくて、先ほどの表現によりますと、ワンパックということが言われまして、私はこれは貴重な御意見だろうと思いますね。それこそ当面の私どもの取り組むべき緊急課題である、そういうふうに考えております。
 現状の中小企業の大部分は下請企業でありますし、あと零細商店は品物を持ってきて並べて売るということであります、独自の製品を持っている会社もあるわけですけれども。そういう面で、今度日産の状況を見ても、二〇%のコスト削減ということになると、このことがどんどんとされてくると、どのような形で果たして企業が成り立っていくのかどうかということで、雇用もそうですが、非常に厳しい局面に私は追い込まれるというふうに思っております。
 そういうわけで、今後における中小企業のあり方について橋本先生から、位置づけも含めて、若干ダブる面もございますが、お教えをいただきたいと思っております。
○橋本参考人 お話を伺っておりまして、製造業における中小企業、特に下請中小企業が抱えている問題点というのをどういうふうに今後考えていったらいいかという御指摘かと思います。
 具体的に事例として御指摘いただいた坂城に関していいますと、私も調査させていただいたことがございまして、幾つかの核になる比較的大きな、しかし大企業というほど大きくはないのですけれども、中堅の企業がございまして、その中堅の企業の経営者が、どんどん新しい企業をつくりなさいと、そういう人の育て方をします。自立して出ていくことを促進するような人材育成を行っていまして、そのもとで続々と卒業生が出てくる。
 ところが、今お話しになったところでありますが、九五年以降、必ずしもそうではない。あるいはもっと前の九二、三年あたりから状況が悪くなっているのではないかと思うのです。その中で、石崎参考人の会社に近いようなオンリーワン企業といいましょうか、世界に通用するチタン加工能力を持っているとかというようなところはそれほど影響を受けないとしても、坂城の町全体はかなり影響を受け始めていると私も理解しております。
 その際に、大変難しい問題は何かといいますと、現在円高になっておりますが、ちょっと一年二、三カ月前をとりますと、百五十円という、それに近いラインであったわけです。それが一遍に五十円も変わってきている。九二、三年から九五年というところも、急速に九十円を割り込む、八十円台に突入するというふうな事態になったわけでありまして、実は現在、企業が、特に固定的な設備を持って事業を行っている製造業が高い技術水準を持っていい製品を出していくとしても、為替レートの変動によっては一瞬にして競争力を失ってしまう、そういう問題が起こっております。その点、今回の法案と申し上げますよりも、むしろことし成立しました中小企業経営革新支援法の方でその運用のよろしきを得るということが大切なのではないかと思います。
○北沢委員 もう一問を橋本先生に御質問いたしたいと思いますが、先ほどワンパックという問題を述べられまして、このことは、私どもが今後における中小企業政策というものを、特に今日の欠陥、欠陥というよりはむしろまだこれから取り組まなきゃいけない重要な施策であるということでありますから、その面について再度、申しわけございませんが簡潔に御説明を、問題点を明らかにしていただきたいと思います。
○橋本参考人 先ほど申し上げましたのは、従来、融資、貸出業務というものを中心に資金の調達が考えられておりまして、政策金融は、中小企業を対象にしたときに、長期の資金をいかに供給するか、できるだけ低利に供給するということをやってきたと思います。
 しかし、実は融資業務というのは、ここには銀行の偉い方はいらっしゃらないからはっきり申し上げますと、衰退産業でありまして、したがって、金融機関、銀行も、今や貸出業務は完全に衰退産業だというふうに考えてよろしいかと思います。それよりもはるかに適切に情報を評価してお金を貸し付けたり取引したりする仕組みが今発達してきているわけでありまして、日本でも今後発達していくだろうと思うのです、川分参考人は恐らくその草分けの一人ということになるのだろうと思いますが。
 そういう観点から申し上げますと、幾つかの金融手段をあわせて、中小企業の経営者なり創業を考える方が自分に適切なものをどういうものとして考えて組み合わせて利用するか。ですから、従来ですと、政府が供給する政策手段に従う、ちょっと言葉は悪いかもしれませんが、そうであったとしますと、今後は、政府が金融なら金融に関してワンパッケージの政策メニューを出して、その政策メニューを企業経営者が、あるいは創業者が自分で選択して使うというふうに変わっていく。
 そういう意味で、金融に関してはそういう仕組みが一応できた、あるいはつくられつつあるというふうに言えるのではないかということで、先ほどそのように申し上げたわけであります。
○北沢委員 それでは川分参考人に御質問をいたしたいと思いますが、金融の問題は、今の銀行の頭のかたさというか、そういうものでなかなか難しい問題であるし、また、日本の個人の資金をベンチャー企業に提供するということも、将来は株式における取り組みも必要であると思いますが、そこら辺が非常に実は問題になっておるのです。
 それで、ベンチャーとベンチャーキャピタルといいますか、二つの面から見て、アメリカの例としてどういうような、キャピタルの姿勢というものは、資金を提供するんだから、倒産しないように、伸びていくように、発展するようにということで金融ばかりではなくていろいろな支援をすると思いますけれども、私は、日本の産業はずっと変わってきた、一次産業、二次産業の中の製造業というのも今後ある面伸びないんじゃないかというふうに思います。ビッグバンを中心として、いわゆるアメリカの産業の位置づけの中で、投機とか投資、そういうものが一つのアメリカの繁栄の基礎になっているといいますか、融資、そういう、早く言えば個人の投資先といいますか、これは一つの産業と見てもいいと思います。そこら辺と日本のベンチャーのこれからのあり方。
 特に、ノンバンクを含めて、公的資金なりが出れば比較的金利も安いのですけれども、しかし本当にやる気のある者は若干ノンバンクを利用しても、今時、日栄みたいな形のものに発展しておる面もございます。私は、適正な金利でそういう皆さんにこたえ得べきあり方があっても、行き詰まった中でベンチャー企業ができないという個人にとっては必要になってくると思うのですが、そこら辺のアメリカと日本の今日の状況はいかがでしょうか。お尋ねをいたしたいと思います。
○川分参考人 私の知っているところでは、アメリカも数十年前は、日本と同じようにかなり個人の金融資産も銀行預金に偏っていたというふうに聞いております。恐らく日本は、これから急速に銀行預金等から株式等にシフトしていくであろうと読んでおります。今ちょうど変わり目であろうというふうに理解しています。
 それから、アメリカと日本のベンチャービジネスの違いといいますか、私が一番感じておりますのは、まずアメリカは、いろいろなアイデアを持ってきて、自分がこうやりたいので、このビジネスプランでやりたいから金を出してくれということがあります。ですから、千社申し込みがあれば、それの一社とか二社にベンチャーキャピタルは投資をしていく。日本の場合はもう少し慎重でして、なぜ慎重かというと、日本では事業を始める社長というのはすべてをかけるわけですね。自宅を担保にして金を借りて、それが失敗したらすべてなくなってしまうわけで、非常に慎重です。それから、日本の場合は、既にある程度個人で創業して、しばらくたってからベンチャーキャピタルなりそういうお世話になるということで、ある程度の選別が済んでから門をたたかれるということがありますので、そういう面での違いがあると思います。
 それで、今後どういうふうに日本がなっていくかということであれば、やはり今急速に環境が変わってきていますので、個人のお金が、恐らくベンチャーキャピタルファンドあるいは会社型投資信託を使ったベンチャーキャピタルファンドに流入していくであろう。そのお金がベンチャーキャピタルを通じてベンチャービジネスへ供給されて、その供給を受けたベンチャー企業が早い段階で株式を公開していく、上場していくといういいサイクルに入っていくとも思っております。これに要する期間は恐らく、非常に今スピードアップしていますので、三年とか五年とかのうちにはそういう流れが着実になるであろう。今般の法律の改正は、それのための呼び水に恐らくなっていくであろうというふうに期待しております。
 以上でございます。
○北沢委員 もう一問簡単に申し上げたいと思いますが、がっちりした会社で、技術革新や経営革新、またはつくるものを今日のこの行き詰まりの中で変えて、消費ニーズといいますか市場ニーズにこたえる、そういうのは、今まで積み上げてきている面でベンチャー企業であろうというふうに思います。これから新しく進めるのでなくて、過去の積み上げの中におけるベンチャー企業というものもあるのじゃないか。
 それから、私、末端で大勢の人に行き会って、特に意欲を持っている人たちは、今日のあらゆるニーズ、消費構造というものに対して、消費者のニーズに立って、全く思いつきとは申しませんが、そういう盲点をついて、これをやったら受けるよ、これをやったら買ってもらえるよという方が多いのです。これは、個人にしても、二、三人でみんなで相談をしてやろうという方が多いわけですが、そういうものを含めて大事なことは、今迷っているという表現を私はさっきしたのですが、新規産業というものが本当に、かつての電機産業だとか自動車産業と違って、この二十一世紀に向けて、今に向けて、情報、電機だとかインターネットとかいろいろ言われておりますが、それらの方向が、やはりこれからの産業としての位置づけがもっと理解されてこないと、迷っている状況であるというふうに思います。
 そこに日本の、やはり今の景気から脱しない、これからの産業として脱しない大きな問題点が私はあると思うわけですが、そこら辺の新規産業についてはどういうふうに発展方向を持っておるかということを含めて、松田先生に御答弁をいただきたいと思います。
○松田参考人 なかなか、みんなが迷っているということは私どもも迷っているわけでございますので、的確な御回答ができるかどうかわかりませんが、私自身は今、大学院の方で授業を教えていて、大学院の生徒からビジネスプランがどんどん出まして、スタートアップのときから投資をしていく。投資といったって、私どもお金がありませんから、せいぜい五十万円が関の山なんですが、教員も出していく。こういうようなサイクルに今現状入っています。
 そういうのを見ていますと、やれることは山ほどあるというのが実情であります。やることがわからないという方は、多分フットワークが悪いのだろうと思います。フットワークが悪いのは、どうしても年齢が高くなったら悪くなることはやむを得ないのですが、特に中小企業の一般論の場合には、私は、接触する方は大体六十前後の方が多いわけですけれども、息子さんはどうしていますかということを必ず聞きます。そうしますと、やはり息子はうちの跡を継いでくれないと。
 跡を継いでくれないということはどういう理由ですかといろいろお聞きするわけですが、やはり世の今の大変な変化があるということは、何が勝ち残るかわからないという戦後と同じような状況に今現実にはなっているのだということを考えますと、一生懸命探して、そしてニーズに合うものを探そうと思えば相当多くあるということなのだろうと思います。
 ですから、相当多くあるということを感じられる場所に自分を置き、そしてそういうことを一緒になって考える人たちと共同して動く、こういうことがやはり必要なのではないかなと思っていまして、私の周りにはアイデアだけは山ほどあるのがいっぱいいますので、もし余りアイデアがないということがありましたら、どうぞ大学の方へでもいらしていただきたいと思います。
○北沢委員 どうもありがとうございました。終わります。
○中山委員長 これにて参考人に対する質疑は終わりました。
 参考人の皆様には、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手)
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十九分散会