第147回国会 本会議 第25号
平成十二年四月十四日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十一号
  平成十二年四月十四日
    午後一時開議
 第一 特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第二 特定公共電気通信システム開発関連技術に関する研究開発の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第三 郵政官署における原動機付自転車等責任保険募集の取扱いに関する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第二 特定公共電気通信システム開発関連技術に関する研究開発の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第三 郵政官署における原動機付自転車等責任保険募集の取扱いに関する法律案(内閣提出)
 消費者契約法案(内閣提出)
 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時三分開議
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第二 特定公共電気通信システム開発関連技術に関する研究開発の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第三 郵政官署における原動機付自転車等責任保険募集の取扱いに関する法律案(内閣提出)
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一、特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する法律案、日程第二、特定公共電気通信システム開発関連技術に関する研究開発の推進に関する法律の一部を改正する法律案、日程第三、郵政官署における原動機付自転車等責任保険募集の取扱いに関する法律案、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。逓信委員長前田武志君。
    ―――――――――――――
 特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する法律案及び同報告書
 特定公共電気通信システム開発関連技術に関する研究開発の推進に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
 郵政官署における原動機付自転車等責任保険募集の取扱いに関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔前田武志君登壇〕
○前田武志君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する法律案及び特定公共電気通信システム開発関連技術に関する研究開発の推進に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する法律案は、通信・放送事業分野の新規事業の創出を一層促進するため、通信・放送機構が行う業務に通信・放送新規事業に対する助成金を交付する業務を追加しようとするものであります。
 特定公共電気通信システム開発関連技術に関する研究開発の推進に関する法律の一部を改正する法律案は、高度情報通信社会の構築に資するため、通信・放送機構が行う研究開発の対象となる特定公共電気通信システムに、漁業情報の高度利用に資する電気通信システム及び地方公共団体における申請手続の電子化に資する電気通信システムを追加しようとするものであります。
 両法律案は、いずれも参議院より送付されたものでありまして、去る三月二十四日本委員会に付託され、同月三十日八代郵政大臣から提案理由の説明を聴取し、昨十三日質疑を行い、それぞれ採決の結果、両法律案とも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 次に、郵政官署における原動機付自転車等責任保険募集の取扱いに関する法律案について申し上げます。
 本案は、原動機付自転車等については、自動車損害賠償責任保険の加入の義務が課せられているものの、車検制度の対象となっていないことなどから加入の機会を逸して無保険車両が生じやすくなっている状況にかんがみ、郵政官署における原動機付自転車等に係る自動車損害賠償責任保険契約の締結の代理を行うことの取り扱いに関し必要な事項を定め、原動機付自転車等に係る自動車損害賠償責任保険の普及の促進に寄与しようとするものであります。
 本案は、去る三月二十四日本委員会に付託され、同月三十日八代郵政大臣から提案理由の説明を聴取し、昨十三日質疑を行い、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊藤宗一郎君) 三案を一括して採決いたします。
 三案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
○野田聖子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、消費者契約法案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
○議長(伊藤宗一郎君) 野田聖子君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 消費者契約法案(内閣提出)
○議長(伊藤宗一郎君) 消費者契約法案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。商工委員長中山成彬君。
    ―――――――――――――
 消費者契約法案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔中山成彬君登壇〕
○中山成彬君 ただいま議題となりました法律案につきまして、商工委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、国民の自由な選択を基礎とした公正で自由な競争が行われる社会の実現を目指し、民事ルールの整備を行おうとするものであります。
 そのため、消費者と事業者との間に情報の質及び量並びに交渉力に格差があることにかんがみ、消費者契約に係る紛争を公正かつ円滑に解決することにより消費者の利益を擁護するため、
 第一に、消費者契約の締結について勧誘するに際し、重要事項について事実と異なることを告げたり、消費者がその住居等から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず退去しないなどの事業者の一定の行為により、消費者が誤認しまたは困惑した場合には、契約の申し込みまたはその承諾の意思表示を取り消すことができること、
 第二に、消費者契約において、事業者の損害賠償の責任を免除する条項など消費者の利益を一方的に害する条項について、その全部または一部を無効とすることができること
等の措置を講じようとするものであります。
 本案は、去る三月十四日本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、本委員会に付託され、同月二十九日堺屋経済企画庁長官から提案理由の説明を聴取いたしました。四月四日より質疑を行い、同月五日には参考人から意見を聴取するなど慎重な審議を行い、本日質疑を終局いたしました。
 質疑終局後、民主党、日本共産党及び社会民主党・市民連合の三派共同提案による、事業者の情報提供義務を明確にし、消費者の努力規定を削除する措置を講ずること等を主な内容とする修正案が提出されました。修正案の趣旨の説明を聴取した後、討論を行い、採決を行った結果、三派共同提案の修正案は否決され、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
○野田聖子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、雇用保険法等の一部を改正する法律案、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
○議長(伊藤宗一郎君) 野田聖子君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(伊藤宗一郎君) 雇用保険法等の一部を改正する法律案、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。労働委員長赤松広隆君。
    ―――――――――――――
 雇用保険法等の一部を改正する法律案及び同報告書
 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔赤松広隆君登壇〕
○赤松広隆君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、両法律案の主な内容について申し上げます。
 雇用保険法等の一部を改正する法律案は、現下の厳しい雇用失業情勢に加え、経済社会の変化に的確に対応するため、雇用保険制度等において、倒産、解雇等による離職者に対する求職者給付の重点化、育児休業給付及び介護休業給付の改善等を行うほか、給付に要する費用に係る国庫負担の割合に関する暫定措置を廃止するとともに、雇用保険率の引き上げ等を行おうとするものであります。
 また、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案は、急速な高齢化の進展等に対応し、高年齢者の雇用の安定の確保等を図るため、事業主は定年の引き上げ、継続雇用制度の導入等の措置を講ずるよう努めなければならないものとするとともに、高年齢者等の再就職の促進に関する措置の充実等を図ろうとするものであります。
 両法律案は、去る三月十六日の本会議において趣旨説明が行われ、二十二日に牧野労働大臣より提案理由の説明を聴取し、二十四日に質疑に入り、二十九日には参考人の意見を聴取するなど慎重かつ熱心な審査が行われ、本日質疑を終了したところであります。
 この間の主な質疑事項は、雇用保険法等の一部を改正する法律案関係では、セーフティーネットとしての雇用保険の健全運営の確保の必要性、倒産、解雇等による離職者であることの認定基準の明確化の必要性など、また、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案関係では、定年、解雇等により離職する中高年齢者の円滑な再就職の実現、継続雇用制度の導入促進のための施策の必要性などでありました。
 雇用保険法等の一部を改正する法律案は、討論の後、採決の結果、賛成多数をもって、また、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案は、採決の結果、全会一致をもって、いずれも原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、両法律案に対し、それぞれ附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。
 まず、雇用保険法等の一部を改正する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案につき採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(伊藤宗一郎君) この際、内閣提出、社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案について、趣旨の説明を求めます。厚生大臣丹羽雄哉君。
    〔国務大臣丹羽雄哉君登壇〕
○国務大臣(丹羽雄哉君) 社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 社会福祉制度につきましては、少子高齢化、核家族化の進展など社会構造の変化に対応して、だれもが家庭や地域の中で自立し、尊厳を持った生活を送ることができる制度の構築が求められております。こうした状況を踏まえ、措置制度など、社会福祉制度の仕組み全般にわたって見直しを行うこととした次第であります。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、利用者の立場に立った社会福祉制度の構築であります。身体障害者などの福祉サービスについて、行政が内容を決定する制度から利用者が選択して利用する制度へ改めるとともに、直接、利用者に対し支援費を支給する方式を導入することとしております。また、利用者が適切に福祉サービスを選択できるよう、利用者からの苦情を解決するための仕組みを導入するなど、利用者保護のための規定を設けることにいたしております。
 第二に、社会福祉事業の充実及び活性化であります。
 福祉需要の多様化に対応し、福祉サービス利用援助事業、手話通訳事業、盲導犬訓練施設を経営する事業などの九事業を社会福祉事業として追加することにいたしております。また、地域におけるきめ細かな福祉活動を推進するため、政令で定める社会福祉事業について人数規模要件を緩和し、社会福祉法人の設立を容易にすることにいたしております。
 第三に、福祉サービスの質の向上と事業経営の透明性の確保であります。
 社会福祉事業の経営者は、福祉サービスの質の向上に努めなければならないこととするとともに、社会福祉法人の財務諸表などの開示義務、国、地方公共団体などによる福祉サービスに関する情報提供の責務などを定めることにいたしております。
 第四に、地域福祉の推進であります。
 市町村地域福祉計画の策定手続を整備するとともに、社会福祉協議会、共同募金会、民生委員及び児童委員について、機能の強化を図るなどの改正を行うことにいたしております。
 このほか、社会福祉施設職員等退職手当共済制度を見直すとともに、関係法律についても所要の規定の整備を行うことにいたしております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。土肥隆一君。
    〔土肥隆一君登壇〕
○土肥隆一君 私は、民主党を代表しまして、ただいま議題となりました社会福祉増進のための社会福祉事業法等の改正案について質問をいたします。
 政府案は、戦後五十年にわたって実施されてきた我が国の福祉行政の手法を全面的に変更しようとするものと理解します。つまり、これまでの福祉の特徴である措置制度から契約による利用制度に変更しようとするものです。同時に、本案は、既にこの四月から実施されている介護保険制度と強く整合性を持つものと理解をしております。
 まず、本案の名称について、社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の改正案とされていますが、法改正によりまして、その名称を社会福祉法と改めるとされています。伝統的に言われてまいりました事業法ではなく福祉法とするのは、いかなる考えによるものでしょうか、まずお伺いいたします。
 次に、措置制度から契約による利用制度へと変更するに当たって、それまでの措置制度にどのような欠陥があったと総括されておられるのか、さらに、契約制度に変えることでどのような利点が障害者などの利用者にあるのか、厚生大臣の見解を求めます。
 さて、契約による利用制度では、日常的な契約関係、つまり、対等な立場、関係が保障されなければなりません。本改正案によって、果たして障害者の皆さんがそのような対等な関係に十分立ち得るのかどうか、また、その条件を満たすような法案の中身になっているかどうかということであります。
 法案の目的には、福祉サービスの利用者の利益の保護及び地域福祉の推進を図るとありますが、利用者の利益保護もさることながら、対等な関係を築くということをうたうことによって法改正の趣旨がより一層明らかになると考えますが、この私の提案を含めて、改正案の全体について厚生大臣の見解を求めます。
 次に、利用者の対等な立場を保障するための権利擁護について伺います。
 障害者が福祉サービスを利用するに当たっては、さまざまな困難が想定されます。したがって、本改正によってどれだけの安全ネットが施されているかの確認が必要です。政府案によれば、サービスの利用に当たって、まず利用者が申し込みをし、事業者を選択し、利用契約を結ぶ、これらの一連の作業をすべて利用者本人が行うのが原則となります。
 そこでお尋ねしますが、今回の法改正において、行政は措置費ではなく支援費を支給するわけですが、支援費というのは、障害者の障害の程度と生活の実態、その判定によって、提供すべきサービスの内容と量、施設か在宅か、在宅の場合ならどのようなサービスを提供し、利用者の要求にどうこたえるかなど、さまざまな前提が必要です。私は、こうした予備調査によって初めてケア内容と支援費が決まってくると考えます。
 厚生大臣、行政は、こうした初動的作業が措置から契約に変わった場合、どのように変わるのでしょうか。個人の希望やサービスの選択において、従来のものと何か変化があるのでしょうか。答弁を求めます。
 さて、サービス利用に当たっての支援策として、地域福祉権利擁護制度が導入されます。政府案によれば、これは社会福祉協議会にゆだねられ、全国一律に支援体制をつくろうというもので、利用者と事業者をつなぐさまざまな場面で援助するものと考えられます。つまり、社協の活動に大きな役割を付与しており、今回の法改正が社会福祉協議会を強化しようとするものと言えます。
 中身を詳細に見ますと、社会福祉協議会は、障害者のために専門員を置いて、支援計画の策定、契約の締結、生活支援員の決定、契約締結の援助を行います。さらに、契約締結審査会を設置して、調査、確認通知、支援計画の策定まで行うのです。また、日常的な金銭管理も行い、苦情処理に当たっては、運営適正化委員会を設置して、民間福祉法人への指導、ついには知事への通知をして、行政監督へと橋渡しをいたします。さらに、弱小な社会福祉事業者の事務代行までも行うというのでございます。
 厚生大臣にお聞きしますが、今回、なぜ社協の事業をこのように拡大し、多様な業務を付与したのでしょうか。従来、私どもが描いていた社協像を大きく超えると考えるのですが、社会福祉協議会にこうした権限を与える法的根拠をお示しいただきたい。民間福祉法人の上位に位置するような印象を与え、それに権限や業務を与えて、果たして、地方にあって他の福祉事業者と対等な関係を保つことができるのでしょうか。説明を求めます。
 また、従来、行政のケースワーカーが担当してきた業務と、この社協が実施する社会福祉権利擁護事業は、在宅介護支援センターや介護保険のケアマネジメントと重複する部分があると思いますが、どのように理解すればいいのでしょうか。政府の見解をお聞きします。
 また、社会福祉協議会が実施する地域福祉権利擁護制度は、成年後見制度と表裏一体をなすものと考えます。社協が金銭管理までするとなると、成年後見制度なしに実施するのは極めて難しいと思いますが、政府はどのような認識をお持ちでしょうか。所見を伺います。
 このように、社協の機能を大幅に拡大し、他のサービス提供者への依存を深めて、第二の行政といった印象を持つのです。果たして、社協がこんなに期待されているが、所期の目的を果たすことができるのでしょうか。私は、むしろ、第二種社会福祉事業の行う福祉サービスの利用援助事業や、社協以外の団体を積極的に活用してはどうかと考えますが、厚生大臣の所見を伺います。
 ところで、社協が、地域福祉権利擁護制度により生活支援員派遣など多様な事業を展開するとして、その経費、その費用はどうするのでしょうか。その全部を実施するとした場合、政府はどの程度の予算、補助金を考えておられるのでしょうか。厚生大臣の御所見を伺います。
 さて、契約による選択の時代が到来したとはいえ、支援費の支給についてはサービス提供者の代理受領となっております。これでは、措置費の世界と何ら変わらないことにならないでしょうか。
 本来利用者本人に支給されるべき支援費を事業者に払うことは、障害者と事業者に対等な関係を保持し得ないことになりませんか。利用者が希望すれば、理論的には本人に支給することはあり得ると考えますが、いかがでしょうか。現金給付、代理受領あるいはバウチャー方式の利用など、さまざまな選択肢があっていいとも考えますが、これらの点について、厚生大臣の見解を伺います。
 施設に対する支援費の支給は、施設運営にとって生命線とも言えます。そもそも支給額は今後どのように定めるお考えか。従来の額と変わらないのでしょうか。施設は、重度障害者が積極的に受け入れられるためには、単価も高く設定されなければならないと考えます。まさに最も施設ケアを求めている重度障害者が優先的に入所できるような方法、インセンティブが働くような方策は考慮されているのでしょうか、厚生大臣にお尋ねいたします。
 利用者の負担について、介護保険が保険料と一〇%の利用時負担という応益負担制度を採用したのに対し、障害者は応能負担で、費用徴収を扶養義務者にまで求めています。これは、介護保険などと比べて、利用者の権利性や対等、平等の関係を弱めるものと考えますが、政府の見解を求めます。
 措置から契約へという流れは、福祉の主要な担い手である社会福祉法人にこれまでとは違った質や経営の透明性が求められます。
 今回、従来からあった施設の最低基準についても、幾つかその内容が追加されております。施設サービスの提供方法や施設の運営に関する必要な最低条件、また、利用者の苦情処理などが挙げられておりますが、極めて抽象的と言わざるを得ません。政府は、どのようなことを想定し、どのような基準を決めようとしているのでしょうか、見解を伺います。
 次に、サービスの質の問題について伺います。
 福祉サービスの質の評価は、最も難しい課題であります。事業者自身によるサービスの自己評価が努力義務とされていますが、客観的な評価基準が果たしてつくれるのでしょうか。サービスの質の向上について、事業者は当然収益を上げなければならないわけで、限られた財政の中から、果たして提供するサービスの内容の質を高め、同時に経営の合理化を図ることなど両立するものでしょうか。単価の設定によっては、逆にサービスの質が低下することも十分想定されます。市場原理であれば、質は利用者の選択に任せればよいのですが、障害者の世界で果たして可能でしょうか。
 他方、サービス提供業者や施設側は、利用者との契約においてその申し込みを拒絶することができるのですか。それに対する制限や指導はどうするのでしょうか。こうした懸念について政府はどうお考えになりますか、見解を求めます。(拍手)
 いずれにしても、利用者と供給側の対等性の確保が最大のかぎとなります。社会福祉法人が今後のサービス提供主体になるわけですが、あくまでも利用者が中心であるという意識改革は進めなければなりません。単なるかけ声や精神主義であってはならないのであります。
 今回の法改正の趣旨を十分に生かすためにも、関係行政庁、提供者、利用者、福祉関係者などが幅広く意識改革を進めるために、単に精神論で終わらないように実質的、具体的な方策が必要であると思いますが、最後にこの点を厚生大臣にお伺いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣丹羽雄哉君登壇〕
○国務大臣(丹羽雄哉君) 土肥委員にお答えいたします。
 盛りだくさんな御質問でございますが、まず第一に、法律の名称などについてのお尋ねでございますが、今回の法案では、従来の社会福祉事業の発展に加え、福祉サービス利用者の保護に関する規定などを新たに設けており、利用者本位の社会福祉制度の確立を目的とすることを端的に示す名称として、社会福祉法にしたものでございます。
 次に、措置制度から利用制度への変更についてでございますが、現行の措置制度は、行政が利用者の選択とは別に福祉サービスを決めるものでありましたが、今回の改正は、障害者の福祉について、まず利用者と事業者との対等な関係を確立することによって、障害者のノーマライゼーションと自己決定の実現を目指すものでございます。
 それから、利用者と事業者の対等な関係を法案に明記すべきとのお尋ねでございますが、法案の目的規定に利用者の利益の保護を位置づけており、これに基づき、利用者と事業者との間の対等な関係が図られるものと考えておるような次第でございます。
 次に、障害者サービスに関する行政調査についてのお尋ねでございますが、市町村は、これまでと同様、障害者の障害の程度や障害者の置かれている環境などを総合的に調査し、サービスの内容や量、支援費の額を決定することにいたしておるわけでございます。また、利用制度のもとでは、利用者は事業者と直接契約を結んでサービスを行うことにいたしており、措置制度に比べて障害者の自己決定を尊重するものと考えているような次第でございます。
 それから、社会福祉協議会の業務についてのお尋ねでございますが、社会福祉協議会につきましては、地域の各種の福祉関係者の参加する組織でございます。民間における地域福祉の推進のために、中心的な役割を担うことが期待されておるわけでございます。このため、今回の法改正におきましては、権利擁護事業や苦情解決制度についての役割をお願いしたところでございます。
 次に、権利擁護事業と在宅介護支援センターなどとの関係についてのお尋ねでございますが、権利擁護事業は、痴呆性高齢者など日常生活を営むのに支障のある者の代行として、生活支援員が福祉サービスの申し込み手続や契約の締結などを行うものでございます。一方、在宅介護支援センターやケアマネジャーなどは、福祉サービスについて相談、助言や本人と事業者の連絡調整などを行うことを役割といたしており、権利擁護事業とは異なるものでございます。
 次に、権利擁護事業と成年後見制度との関係についてのお尋ねでございますが、権利擁護事業は、痴呆性高齢者など日常生活を営むのに支障のある者の代行として、福祉サービスの申し込み手続や契約の締結を行うものでございます。一方、昨年の民法改正で制度化されました成年後見制度は、家庭裁判所の関与のもと、財産管理に関する契約などの法律行為について代理するものと承知いたしており、両制度はお互いに連携を図ることが何よりも重要である、このように考えているような次第でございます。
 また、権利擁護の実施主体につきましては、社会福祉協議会のほか、障害者の団体や親の会などが幅広く実施することを私どもは期待をいたしておるような次第でございます。
 次に、権利擁護事業の費用などについてのお尋ねでございますが、都道府県社会福祉協議会に設置する運営適正化委員会の運営などについて国庫補助を行うことにしており、平成十二年度において、人件費などのために、国、地方を合わせて三十七億四千二百万円を補助することにいたしております。また、権利擁護事業のうち、利用者の福祉サービスの申し込み手続を代行することなどにかかる費用の一部につきましては、実施主体が利用料金を設定することにいたしております。
 次に、支援費の代理受領方式についてのお尋ねでございますが、支援費は実際にサービスを利用したときに支給されるものでございます。代理受領方式は、利用者が利用料を一時的に立てかえることなく、円滑にサービスを利用できる方式と考えているような次第でございます。
 それから、重度の障害者のサービス利用に関するお尋ねでございますが、重度の障害者が適切な施設を利用できるようにすることは重要な課題でございます。
 このため、市町村が障害者の求めに応じてサービス利用のあっせん、調整などを行うとともに、施設サービスに係る支援費の額の設定に当たっても障害の程度を反映させるなど、重度の障害者が施設に積極的に受け入れられるように配慮したいと思っております。
 次に、利用者の自己負担についてのお尋ねでございますが、現在の負担水準に変更を加えないという観点から、サービス利用に係る自己負担については、従来と同様、所得水準の負担を求める、いわゆる応能負担の考え方によるものといたしております。そして、応能負担による場合の負担能力につきましても、従来と同様、本人と同一生計にある一定の扶養義務者を含めて判断することが適当である、このように考えているような次第でございます。
 それから、苦情に関する社会福祉施設の最低基準についてのお尋ねでございますが、既に定められている特別養護老人ホームの基準を参考に、入所者からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置することなどを指導していきたい、このように考えているような次第でございます。
 次に、障害サービスの質についてのお尋ねでございますが、新しい利用制度のもとでも福祉サービスの質が確保されるよう、現行の施設最低基準に加えて、情報提供の充実を図るとともに、第三者評価のシステムや苦情解決体制の整備を図ることといたしております。
 次に、サービス利用の拒絶に関するお尋ねでございますが、障害者福祉サービスの利用制度化に伴い、指定事業者制度を導入し、事業者は、利用の申し込みがあった場合には、正当な理由がない限り拒んではならないことを指定基準に盛り込むことにいたしております。障害者が必要なサービスを受けられないことがないようにしたい、このように考えているような次第でございます。
 最後に、社会福祉法人を初めとする関係者の意識改革についてのお尋ねでございますが、議員御指摘のとおり、今回の法改正の趣旨を生かすためにも、福祉サービスに関係するすべての者が利用者本位のサービスを実施しなければならないという意識改革を積極的に進めていく決意でございます。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(伊藤宗一郎君) 中林よし子君。
    〔中林よし子君登壇〕
○中林よし子君 私は、日本共産党を代表して、社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案について質問いたします。
 本法案の最も大きな問題は、社会福祉事業法の基本理念から事業の実施主体である国及び地方公共団体を削除し、公的責務を著しく後退させている問題です。
 憲法二十五条は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と規定しています。すなわち、すべての国民に差別なく、平等に社会福祉、社会保障の権利を保障することは、国に課せられた普遍的な責務です。この憲法の規定を受けて、すべての社会福祉事業の実施主体として、国及び地方公共団体が基本理念に明確に位置づけられているのです。この基本理念から国及び地方公共団体を削除し、理念そのものを地域福祉の推進に置きかえ、事業実施の責任を地域住民や福祉事業経営者に転嫁するなどは、許されることではありません。
 厚生大臣、本法案は、憲法に規定する国民の福祉を受ける権利を損ね、国及び地方公共団体の責務を大きく後退させるものではありませんか。明確な答弁を求めます。(拍手)
 私は、本法案によって一番大きく影響を受ける障害者問題について、以下具体的にお聞きします。
 人間らしく生きたい、障害者のだれもが願っている切実な思いです。国連の障害者の権利宣言以来、この願いを現実のものとするために世界各国の人々が力を合わせてきました。すべての人々の尊厳が守られる豊かな社会、障害者の完全参加と平等という目標の一日も早い達成のために、国が特別に大きな責任を負っていることは言うまでもありません。
 ところが、本法案では、障害者に対し、措置制度を原則的に廃止して支援費に置きかえることとしています。
 措置制度とは、あらゆる福祉の分野で、国民が必要とする福祉を国の責任において実現するための権利保障のシステムです。措置費は社会福祉における国の義務履行の財政的保障であり、この制度の果たしている役割が今日の福祉の土台になっているのです。
 大臣、児童、母子、障害者など、福祉を受ける国民の権利を保障する諸制度は、この措置制度があればこそ築かれたものではありませんか。この役割を否定されるのですか。どのように評価されているのか、見解を求めます。
 障害者に必要な経済的保障を行うことは国の責任です。しかし、支援費は、利用すべき施設や居宅介護の人材が著しく不足した状態では、制度の活用自体ができないのです。活用がなければ支援費は支給されない仕組みです。大臣、制度あって障害者に福祉なしになりませんか。五百五十万人を超える障害者のうち、一体どのぐらいの人が支給対象となり、どの程度の利用が保障されるのか、具体的にお示しください。
 第二に、障害者福祉の分野に営利企業の参入を認め、私的契約により福祉を行う仕組みを導入している問題です。
 仮に措置費同額程度の支援費であったとしても、そこから利益を捻出すれば、これまでの水準の福祉を受けられないことは明らかです。サービスの質の低下やパート労働化の促進、長時間残業など、労働条件の後退も大いに懸念されます。営利企業にかかる消費税も、最終的には利用者負担に転嫁されることも明白です。大規模に全国展開する大企業との市場競争にさらされるなら、営利目的でなく、今日の福祉制度を築いてきた福祉法人などが吸収、合併され、また経済的に破綻する事態も十分予測されることです。余りにむごい仕打ちではありませんか。
 厚生大臣、なぜ利益の追求を目的とする営利企業を障害者福祉の分野にまで参入させるのですか。どのような理念があってのことか、はっきりお答えください。
 施設の絶対的不足の上に、事業経営者との私的契約になれば、支援費を超える分が全額自己負担となり、支援費が少なく、手間のかかる障害者は逆に選別され、福祉から排除される危険性も高くなります。大臣、すべての障害者が必要な福祉を受ける権利は保障されるのでしょうか。
 さらに厚生省は、応益負担への転換も視野に入れているようです。障害者福祉において、支払い能力に応じて負担を求める応能負担は鉄則です。仮に応益負担になれば、障害が重い人ほど負担が多くなるではありませんか。万に一つも応益負担を課すようなことがあってはならないと思いますが、大臣のお考えをお示しください。(拍手)
 また、応能負担の場合も、なぜ親族の扶養能力まで含めるのでしょうか。成人しても大人と認められず、一生涯親に迷惑をかけると多くの障害者が肩身の狭い思いをし、一人前の人間として扱われない無念を訴えています。
 大臣、人間の尊厳とは何ですか。障害者本人の所得に沿った応能負担の原則を貫くべきではありませんか。御答弁ください。
 第三に、差別的な処遇を受ける小規模作業所等の問題です。
 小規模作業所は、これまで行政が放置してきたとも言える、知的、精神、重度の障害者の生活の場、就労の場、人間の尊厳を取り戻す場として、社会的に大きな役割を果たしてきました。大臣、この小規模作業所の果たしている役割をどのように評価しているのですか。最初にお聞きします。
 厚生省は、二十人未満十人以上の通所型授産施設を社会福祉事業として認めながら、支援費支給対象からは外し、運営費補助を若干引き上げると説明しています。
 必要な施設が余りに不十分な中で、障害者の家族や善意の職員、地域住民らが必死の努力で作業所を運営し、障害者の生活を守ってきたのです。居宅介護に新規に参入する営利企業には支援費という形で費用を保障しながら、小規模授産施設への経済的支援のわずかな引き上げでは、障害者の期待を大きく裏切るもので、差別的な処遇と言うほかありません。多少の支援の引き上げと引きかえに自治体の単独加算が削られるなら、小規模作業所にとってはむしろ大きな打撃となるおそれさえあります。法定施設としてそれにふさわしい処遇の改善が必要です。
 大臣、少なくとも現行の法定授産施設並みの運営費を認めるべきだと思いますが、いかがお考えですか。
 最後に、著しく不足している障害者施設の問題です。
 政府は、契約方式によって障害者に選択の自由が保障されるかのように宣伝しています。しかし、これは国民を欺くものと言わなければなりません。法定施設を見ても、最も援助を必要とする重度重複障害者の施設は数えるほどしかありません。
 私の住んでいる島根県の場合、三万三千人を超える身体障害者に対し、法定の更生施設は一カ所しかなく五十人の定員。療護施設は三カ所で二百十人。授産施設は一カ所で四十人。重度授産施設が二カ所で百三十五人の定員です。合計しても四百三十五人が利用できる程度では、焼け石に水という状況です。選択の自由どころか、支援費の活用そのものができない、これが実態です。
 大臣、七十代、八十代の年老いた親が四十代、五十代の子の面倒を見ている悲惨な実態に目を向けてください。子の将来を思うと死ぬに死ねない、多くの親が涙を流しているではありませんか。施設そのものがなくて、どのような選択の条件があるのですか。どのように福祉が増進するのですか。障害者分野の施設整備のおくれは深刻です。この深刻な施設整備のおくれにどう対処されるおつもりですか。具体的な答弁を求めます。
 本法案は、障害者のための福祉の増進というより、社会保障分野への営利企業参入のための市場の条件整備と呼ぶに等しいものです。支援費の創設、私的契約への移行、居宅事業の導入や措置施設から契約施設への転換、あわせて福祉法人の会計基準の見直し、まさに障害者福祉を市場原理の競争にさらすための条件整備そのものです。
 国際障害者年から既に二十年、町村レベルではいまだに障害者プランの策定は四割にとどまり、数値目標のあるものは三割弱にすぎません。障害者からは、少しも生活がよくなったという実感がないとまで言われています。
 政府は、この遅々として進まない現実を直視し、憲法十三条の「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」この原点に立ち返り、真摯に受けとめるべきです。
 日本共産党は、障害者の完全参加と平等を達成するために、国民と力を合わせて全力を挙げて取り組む決意を表明し、本法案の撤回を求めて質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣丹羽雄哉君登壇〕
○国務大臣(丹羽雄哉君) 国及び地方公共団体の責務に対するお尋ねでございますが、今回の改正の趣旨は、利用者がサービスを選択できる制度にするなど利用者本位の社会福祉制度を確立することにあり、国及び地方公共団体は、このための施策を推進する役割を担っておるわけでございます。
 そのため、今回の社会福祉事業法の改正では、国及び地方公共団体は、福祉サービスの提供体制の確保や福祉サービスの適切な利用の推進に関する施策を行わなければならない責務がある旨明らかにいたしており、国及び地方公共団体の責務を放棄するものとの指摘は当たらない、こう考えております。
 それから次に、措置制度の評価についてのお尋ねでございますが、現行の措置制度は生活困窮者対策を中心として出発したものであり、福祉サービスを提供するための仕組みとして一定の役割を果たしてまいりました。しかしながら、措置制度は、行政が利用者の選択とは別に福祉サービスを決めるものでございましたけれども、今回の改正は、障害者福祉について、まず利用者と事業者との対等の関係を確立することによって、障害者のノーマライゼーションの、自己決定の実現を目指すものでございます。
 それから次に、障害者福祉サービスの利用に関するお尋ねでございますが、現在、平成十四年度を目標とする障害者プランに基づいて、着実にサービス量の整備を進めております。利用制度が導入される平成十五年度には、現在サービスを受けておられる方々はもとより、障害者の方がさらにサービスを利用しやすい体制ができるものと考えているような次第でございます。
 それから、営利企業の参入についてのお尋ねでございますが、障害者の在宅福祉サービスについては、利用者の幅広いニーズにこたえて多様なサービスを提供するとともに、十分なサービス量を確保することができるよう、従来と同様、サービスの質の確保を図りながら、公益法人それからNPO、民間企業など多様な主体の参入を認めることにいたしております。
 なお、施設サービスにつきましては、従来と同様、実施主体は地方公共団体または社会福祉法人に限定することにいたしておるような次第でございます。
 次に、障害者の福祉サービスを受ける権利についてのお尋ねでございますが、福祉サービスは必要とする人に確実に提供される、このことが何よりも重要でございます。このため、現在、平成十四年度を目標とする障害者プランに基づいて着実に施設整備を進めているところでございます。
 また、今回の改正では、事業者は利用の申し込みがあった場合には正当な事由がない限り拒んではならないこととするとともに、市町村は障害者の求めに応じ、必要なサービスの利用についてのあっせん、調整、事業者への利用の要請を行うこととし、障害者が必要なサービスを受けられるよう配慮いたしておるところでございます。
 次に、利用者負担についてのお尋ねでございますが、これは、従来と同様に、所得水準に応じて負担を求めるいわゆる応能負担の考え方によることといたしております。応能負担による場合の負担能力についても、従来と同様に、負担の公平の観点から、本人と同一生計にある一定の扶養義務者を含めて判断することが適当である、このように考えているような次第でございます。
 それから、いわゆる小規模作業所についてのお尋ねでございますが、障害者の自立や社会参加の促進を図る上で重要な役割を果たしている、このようにまず認識をいたしておるような次第でございます。
 今回の法改正におきましては、通所授産施設の規模要件を引き下げることにいたしておりますが、従来の小規模作業所のよさを失うことがないように十分に配慮をしながら、施設などの基準や助成について検討してまいりたいと考えておるような次第でございます。
 それから、最後になりますが、障害者福祉施設の整備に関するお尋ねでございますが、障害者の施設サービスについては、平成十四年度を目標とする障害者プランに基づいて整備を進めており、おおむね順調に進んでおる、このように考えておるような次第でございます。
 今後とも、障害者の方々が必要なサービスを受けられるよう、障害者プランに基づき、施設サービス、在宅サービスともに着実に整備してまいりたい、このように考えているような次第でございます。
 以上でございます。(拍手)
○議長(伊藤宗一郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        厚生大臣    丹羽 雄哉君
        郵政大臣    八代 英太君
        労働大臣    牧野 隆守君
        国務大臣    堺屋 太一君
 出席政務次官
        厚生政務次官  大野由利子君