第147回国会 地方行政委員会 第2号
平成十二年二月二十二日(火曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 斉藤斗志二君
  理事 田野瀬良太郎君 理事 滝   実君
   理事 中野 正志君 理事 山本 公一君
   理事 中川 正春君 理事 中沢 健次君
   理事 桝屋 敬悟君 理事 鰐淵 俊之君
      今井  宏君    大野 松茂君
      北村 直人君    栗原 裕康君
      杉山 憲夫君    竹本 直一君
      橘 康太郎君    谷  洋一君
      西田  司君    平沢 勝栄君
      平林 鴻三君    藤本 孝雄君
      水野 賢一君    河村たかし君
      桑原  豊君    松崎 公昭君
      松本  龍君    石垣 一夫君
      北側 一雄君    野田  毅君
      穀田 恵二君    春名 直章君
     知久馬二三子君
    …………………………………
   自治大臣
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長) 保利 耕輔君
   法務政務次官       山本 有二君
   厚生政務次官       大野由利子君
   労働政務次官       長勢 甚遠君
   自治政務次官       平林 鴻三君
   自治政務次官       橘 康太郎君
   政府参考人
   (警察庁長官)      田中 節夫君
   政府参考人
   (警察庁長官官房長)   石川 重明君
   政府参考人
   (警察庁生活安全局長)  黒澤 正和君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    林  則清君
   政府参考人
   (消防庁長官)      鈴木 正明君
   地方行政委員会専門員   蓼沼 朗寿君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十二日
 辞任         補欠選任
  杉山 憲夫君     北村 直人君
  平沢 勝栄君     竹本 直一君
同日
 辞任         補欠選任
  北村 直人君     杉山 憲夫君
  竹本 直一君     平沢 勝栄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一六号)
 地方財政に関する件(平成十二年度地方財政計画)
 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件


    午前十時開議
     ――――◇―――――
○斉藤委員長 これより会議を開きます。
 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として警察庁生活安全局長黒澤正和君、消防庁長官鈴木正明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
○斉藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大野松茂君。
○大野(松)委員 おはようございます。自由民主党の大野松茂でございます。
 自治大臣・国家公安委員長の所信表明に関連をいたしまして、何点かお尋ねをさせていただきます。
 まず、東京都の外形標準課税の導入問題についてお伺いをいたします。
 保利大臣も、法人事業税への外形標準課税の導入につきましては、できるだけ早期に導入したい旨、所信の中で明らかにされておられます。道路や上下水道、福祉、教育など、さまざまなサービスを提供する地方自治体にとりまして、地方税は、安定的な税収が確保できる応益的な税であることが望ましいとされております。
 法人事業税への外形標準課税の導入につきましては、地方の安定的な財源を保障するとともに、法人の事業活動の規模に応じて薄く広く、そして公平に地方公共団体の行政サービスの対価を負担していただく地方税として、非常に望ましいものと実は私は認識しております。そういう観点から今までも随分議論されてまいりました。
 今回、率直に言って、突然提案された東京都の外形標準課税案は、中身を見ますと確かにいろいろ問題点はありますものの、極めて厳しい東京都の財政状況を背景とした地方分権の観点からいいますれば、その試みとして評価すべき点もある、こう思っております。
 今まで外形標準課税という言葉、いろいろな機会に私どもも口にしてきたところでございますが、国民の間ではなじみのなかった言葉でございます。これを導入するとすれば、わかりやすい言葉での言いかえも必要ではないか、このようにもこの外形標準課税の導入の問題では考えもいたしたところでございますが、今や多くの国民が知るところとなったという状況をもっていたしましても、その影響の大きさを知ることもできますし、そしてまた議論を進める上で、この面ではやりやすい環境をつくった、このように言えるようにも実は感じております。
 事業税は都道府県の基幹税目ですから、各都道府県がそれぞればらばらに外形標準課税を導入する事態は、決して好ましいものではないはずでございます。すべての都道府県において、幅広い業種を対象に薄く広く負担を求める外形標準課税を早期に導入することが、地方自治にとりましては最も大事なことと考えております。もちろん、中小企業対策にも十分の配慮が必要でありますし、現下の最優先課題として取り組んでおります景気の回復の状況などを十分踏まえる必要もある、このようにも思っております。
 これらのことを踏まえまして、外形標準課税の早期実現に向けて精力的に取り組んでいただくようにお願いをしたいと実は私は思っておりますが、自治大臣のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
○保利国務大臣 外形標準課税についてはいろいろ問題もあるところでございまして、ただ、自治省の立場といたしましては、地方分権、それから地方における安定的な財源の確保という意味から、できるだけ早くこれを入れたいということで、暮れの税制調査会にも私はたしか二度出向きまして、お願いを申し上げてきたところであります。ようやく前向きの答申もいただきまして、これから先希望を持ってまだお願いができるのかな、こう思っていたやさきに、東京都におきまして外形標準課税を導入するということを発表されました。
 私は、外形標準課税を導入するという方向性は自治省と一致しておる、しかしながら、今この時点で、あの形で入れるということには若干の懸念がありますということで、昨日、石原知事にお目にかかりましてお話を申し上げました。石原知事は、御自身で御決断なさったことはやはりかたい意思でおやりになるように私には見受けられたわけでありますが、しかし、この問題を契機としまして、土屋埼玉県知事、知事会の会長さんでありますが、お見えになりまして、全国一律で導入するように、早期に導入するようにという御要望もありました。
 そういったものを踏まえまして、また暮れの税制調査会でのそういった結論も持ちまして、私どもとしては、できるだけ早期に、ただし景気の動向等にも配慮しながら、あるいは中小企業に対して過重な負担がかからないような配慮もしながら方策を進めていかなければならない、そういう気持ちでおります。
○大野(松)委員 今回、石原知事が打ち出した大手銀行の法人事業税に外形標準課税を導入する条例案は、外形課税の仕組みや地方自治体が独自に課税できることが全国民に広く知れ渡ったことでもあります。しかし、全国一律の外形標準課税導入の論議に一方でまた弾みがつき始めたことになった、こうも思っております。全国の知事の間でも、東京都が単独で打ち出したことにつきましては、課税対象を銀行業界に絞ったことについて戸惑いや批判の声が多いことを新聞各紙が報じておりますし、また知事さん方のアンケートの中にもその結果が示されております。
 外形標準課税は、全国知事会が国に導入を今日まで働きかけてきたことでもありますが、景気への影響から、言うなれば先送りされてきたと思っておりますし、税の公平性からいっても、地方税財源の充実また確保の上でも、全国一律での導入を求めるべきものと思っております。
 こうして、早急な対応が望まれるわけでございますけれども、今大臣のお答えにもございましたとおり、昨日は石原都知事にお会いになられたり、また土屋全国知事会長からも要望をお聞きなされた、こう報道されておるわけでありますが、こうした数日来の動きなどを踏まえまして、ぜひ一歩踏み込んだ進め方、スケジュール的といいますか、日程的にもそういう詰めをぜひ進めていただきたいと思っておるわけなんですが、改めて、いかがでしょうか。
○保利国務大臣 この問題につきましては、政府の税制調査会も、これを受けて今週中に会議をしていただくというふうに漏れ承っております。また、党税調でもこの問題についての議論をしていただくということで、方向性は次第に定まってくるんではないかと私は見ておりますが、いろいろ検討すべき事項もありますから、十分慎重かつ迅速に導入していくように、私どもの方からもお願いをしなければいけないことだと思っております。
○大野(松)委員 引き続きよろしくお願い申し上げます。
 次に、いよいよこの四月からスタートいたします介護保険についてお伺いをさせていただきます。
 平成九年の十二月に介護保険法が成立して、二年が経過いたしました。市町村は、準備期間が短い中で、全く新しい制度をスタートさせるために大変な御苦労を重ねられまして、さまざまなケースを想定しながら、四月の施行まであと一踏ん張りというところまで至ったところでございます。市町村長の皆さんも、住民の皆さんに負担と給付について積極的に説明をされて、そして理解を求められてまいりました。
 高齢者の介護の問題は、年々深刻化をいたしております。若い世代の将来への不安を取り除き、そしてこの制度を円滑にスタートさせるためにも、保険者である市町村に対し、万全の支援体制を講ずる必要がございます。
 そこで、お伺いするわけでございますが、まず保険者となる市町村や都道府県につきまして、介護保険制度を円滑に実施していくためには、職員の配置など事務処理体制の整備が必要でございます。平成十二年度の地方財政計画では介護保険関係の職員を増員されているようでありますけれども、地方団体の事務処理体制の整備についての地方財政措置は全体としてどのようになっているのか、その点をまずお示しいただきたいと思います。
○保利国務大臣 御案内のように、四月からこの制度が発足いたしますが、御指摘の必要な職員につきましては、平成十年度から計画的に増員をしてまいりました。十二年度におきましても、地方財政計画上、五千七十名を増員するという計画をしております。
 また、要介護認定事務費交付金の市町村負担分その他、あるいは介護保険事業計画のフォローアップ経費その他につきましては、所要の地方財政措置を講ずることによりまして、地方団体の事務処理体制に支障がないように、私どもとしては適切に対処をすることにいたしております。
○大野(松)委員 次に、この介護保険制度を円滑に実施していくためには、市町村はそれぞれの地域の特性に応じてさまざまな独自の取り組みを行っていると認識をしております。自治省も、地方団体の総合的な取り組みを支援するということで、介護保険制度支援対策として五百億円の新たな地方財政措置をいたしております。この内容については市町村の関心も非常に高いわけでありますけれども、この内容についてお聞きしたいと思います。
○保利国務大臣 五百億円の内容につきましては、介護保険制度の広報啓発に百億円程度、それから介護サービスの基盤整備、これはソフトの関係でありますが、これが百億円程度、それから介護保険事務体制整備につきましては二百億円程度、それから高齢者生きがい交流支援事業に対しましては百億円程度、あらましそういうような形で今お尋ねの介護保険制度支援対策を組んでおるところでございます。
○大野(松)委員 実際の執行につきましては、市町村の期待も非常にあることですから、その点をよろしくお願いしたいと思うわけでございますが、介護保険制度は、地域に蓄積された総合力、地方自治の実力が問われていることでもございます。引き続き市町村への対応に万全を期していただきますことが、この事業を円滑に進めていく上では極めて大事なことだと思っておりますので、引き続きこれらにかかわっていただきますように要望をさせていただきたいと思います。
 次に、ハイテク犯罪につきまして、警察庁にお伺いをさせていただきます。
 この一月に、中央省庁等のホームページが何者かによって書きかえられたり、あるいは消去されたりする事件が相次いで発生をいたしまして、大変な不安を生じたところであります。今後、こうしたハッカーによる事件の増加や、またネットワーク社会そのものに甚大な被害を及ぼすサイバーテロの発生も懸念されております。警察のネットワーク犯罪への取り組みにつきまして、まずお示しをいただきたいと思います。
○黒澤政府参考人 これまで、ネットワーク犯罪に的確に対処するために、昨年の四月でございますけれども、警察庁の情報通信局に技術対策課を設置いたしまして、この課に警察庁技術センターを開設いたしております。
 また、各都道府県警察でございますけれども、ハイテク犯罪対策プロジェクトの設置、それからシステムエンジニア経験者等の中途採用、ハイテク犯罪捜査官として中途採用を進める、あるいはまた相談窓口の設置でありますとか資機材の整備など、体制の整備に積極的に取り組んでおるところでございます。
 次に、法制面でございますけれども、郵政省、通産省と共同で案を策定いたしました不正アクセス行為の禁止等に関する法律でございますが、昨年の八月に成立をいたしたところでございますが、今月の十三日から施行されておりまして、その的確な運用によりまして、不正アクセス行為の発生防止に努めてまいりたいと存じます。
 また、予算の関係でございますが、平成十二年度におきましては、ハイテク犯罪対策経費につきまして、二十三億円余りでございますが、前年度対比で申しますと約二〇%の増額を計上させていただいておるところでございます。
 政府全体といたしましても、情報セキュリティ関係省庁局長等会議におきましてハッカー対策等の基盤整備に係る行動計画が先月決定されたところでございますが、警察庁におきましても、この行動計画を踏まえまして、今後推進すべき施策を警察庁情報セキュリティー政策体系として取りまとめたところでございます。
 今後は、この体系に沿いまして、捜査体制、技術支援体制等の強化、国際的な連携強化等のハイテク犯罪対策の推進、あるいはまた監視・緊急対処体制の整備強化等のサイバーテロ対策の推進、そしてハイテク犯罪の発生を防止するための産業界との連携強化等に努めてまいりたいと存じます。
○大野(松)委員 今まで経験しなかったような新しい犯罪というのがますます増加の一途にあるわけでございますが、クレジットカードの偽造による犯罪被害もまた、最近非常に増加していると聞いております。カード犯罪の実態、また法整備を含めたカード犯罪への取り組みの状況、これはいかがですか。
○黒澤政府参考人 クレジットカード犯罪でございますが、平成十年でございますが、警察庁で把握しておりますクレジットカード犯罪、詐欺でありますとか窃盗などでありますが、検挙件数は四千二百八件、検挙人員は六百五十三人となっております。
 最近の特徴でございますが、こうしたクレジットカード犯罪におきまして、カードの偽造による事犯が目立っております。それから組織的な事犯の検挙を見ておること、こういったことが特徴でございます。
 ちなみに、関係団体の調べでございますが、カードの不正使用による被害額、平成十年二百八億円、うち偽造が二十六億円の被害になっておりまして、近時これが増加傾向にございます。
 警察といたしましては、クレジットカード犯罪の摘発強化に努めますとともに、カード発行会社との協力を強化しているところでございます。さらに、クレジットカードの偽造等による被害の発生を防止するために、関係省庁との間で連絡協議会を開催しておりまして、この問題に関する取り組み等の把握に努めますとともに、法整備を含めた所要の対策を講ずるための協議、検討を進めておるところでございます。
○大野(松)委員 お答えにありましたように、ネットワークの犯罪、あるいはまたカードの偽造、麻薬だとか覚せい剤の密輸事犯等の国際的な組織犯罪に効果的に対応するためには、外国の警察機関との緊密な連携が重要と考えております。
 国際協力体制の前進に向けて、国家公安委員長のお立場での御決意をお伺いいたします。
○保利国務大臣 国際組織犯罪の件につきましては、世界各国、とりわけG8の各国も高い関心を持っておりまして、G8の国際犯罪対策上級専門家会合、いわゆるリヨン・グループというのを持っております。そのリヨン・グループの議長国は、本年は日本が務めておるということで、世界各国と連携をとりながら国際犯罪対策に対処をしていかなければならぬ、こういうことでございまして、昨年の十月には、この上部でございます閣僚級の会合もモスクワで開かれました。私も出席をしていろいろ議論させていただきましたが、今御指摘のクレジットカード、それからハッカー対策等々についてもかなり細かい議論がございました。
 また、国際組織犯罪というものをどう見ていくかというような問題がありまして、これは世界各国いろいろな違った形で出てきておりますが、共通するものはありますので、そういったもので、法制度上、各国にそれぞれそごがないかどうかというような点も検証しながら、この国際会議等を進める中で国際犯罪対策に私どもは対処してまいりたいと思います。
 ポイントを申し上げれば、このG8ならG8でいわゆる抜け穴というのがあってはいけない、ある国では犯罪になるけれども、ある国では犯罪にならないというような事態があってはならないというような、非常に大事なポイントなどを協議いたしておるところでございます。五月にはパリで専門家会合がございます。
○大野(松)委員 よろしくお願いいたします。
 この際、警察行政に関連いたしまして、警察官の増員について、言うなれば御要望を申し上げたいところでございます。
 このことにつきましては、既に交番相談員制度の導入などによりまして積極的な対応を実は進めておられます。それでもなおかつ、全国的に不足されておりまして、増員への要望が引き続き強いと聞いております。
 実は、私の埼玉県でございますが、警察官の一人当たりの負担人口が全国一でございます。殊に、私の地元は、住民千四百七十人に対しまして警察官一人という状況にさえ実はございます。
 安全で快適な地域社会の実現を図るためには、地方警察官の増員が必要と思っておりますが、この増員への見通しはいかがでしょうか、お示しいただきたいと思います。
○保利国務大臣 予算委員会でも何度か御答弁を申し上げておるのでありますが、御指摘の埼玉県につきましては、いろいろお話を聞く中で、一人当たり七百八十九人の市民を守らなければならないという、日本一の警察官の割合で少ない方だということになっております。
 実は、警察といえども人員の抑制というのは、財政状況からいって、三年ほど続けてきておるわけでありますが、なかなかふやしていただけないという状況がございます。
 しかし、犯罪が、外国人犯罪でありますとかあるいは麻薬でありますとか、新しい分野にどんどん広がってきておりますし、さらに、今お話のありましたハイテク犯罪等についてもやはりきちんとした対応をしていかなければならない。警察官の質をきちんと守っていくのと同時に、私は、量についてもふやすという方向で努力をしていかなきゃならぬということで、閣議等でも発言をさせていただいているという実情でございます。
 今後とも、御指摘の点を踏まえながら、日本の治安が維持されるように、そして、経済等に対する影響も非常に大きゅうございますから、そういう意味で、日本の治安を守るということは日本のいわば国としての基礎にあるんだということを訴えてまいりたいと思っております。
○大野(松)委員 昨年の神奈川県警を初めとする一連の不祥事、あるいはまた新潟県警の女性監禁事件の虚偽発表などが相次いでおりまして、非常に残念なことでございますが、国民の警察に対する信頼を著しく損ねております。国民の信頼を一日も早く回復するために、よって来るところを徹底究明するなど、全力を尽くされたく要望するわけでございますが、改めて、国家公安委員長のお立場での御決意をお示しいただきたいと思います。
○保利国務大臣 週に一回、国家公安委員会が木曜日の十時から開かれておりまして、その場で警察庁からいろいろ報告もあり、私どもが指摘をいたしておるところでありますが、昨今の警察における不祥事につきましては、私ども、本当に遺憾に思っております。特に、今回の新潟県におきます事件等につきましては、国家公安委員会の中でも私が厳しく発言をいたしまして、保健所からの連絡があったにもかかわらず出動していない、そういう事実に即してきちんと物事を調査しなさいということで、先週日曜日に調査団が新潟県警に派遣されましたけれども、その調査報告書等をよく見て、後またいろいろ御質問もしながら、これは厳正に対処していただくように警察庁を督励してまいりたいと思っております。
 そのようにして、日本の警察の信頼維持のために、私は全力でこの国家公安委員長の職責を果たしてまいりたい、そのように思っております。
○大野(松)委員 ありがとうございます。ひとつよろしくお願いいたします。
 時間がなくなりましたが、消防について一つお尋ねをさせていただきたいと思います。
 昭和二十三年に消防組織法が施行されまして、市町村消防の原則に基づくところの自治体消防が発足をいたしまして五十年という時間の経過がございます。そうした中で、昭和三十六年に消防力の基準が定められているところでございますが、これに基づいて今日までさまざまな対応がされてまいりました。実は私も、三十年前、消防団員としての経験があるわけでございますが、今日はまた、その当時と違って、いろいろな形での変化がございます。
 ここで、この消防力の基準について改定がされたところでございますが、その改正の基本的な考え方や、あるいはまたこの新基準に基づいてどのような取り組みをされるおつもりなのか、消防庁のお考えをお示しいただきたい。
○鈴木政府参考人 御指摘のように、消防力の基準、これは市町村の消防に必要な施設あるいは人員の基準を定めているものでございますが、これまで我が国の消防施設あるいは人員の充実強化ということに大きな役割を果たしてきているというふうに見ております。
 しかし、制定後四十年近くが経過いたしまして、消防を取り巻くさまざまな環境の変化を踏まえまして、今般、消防審議会の答申に基づきまして全面的な改正を行いました。
 その基本的な考え方は、次の四点に集約できると思います。
 一つは、地方分権の推進に対応しまして、消防力の整備に当たっては、市町村の判断要素を大幅に導入した。二つ目は、消防活動の実態というものを踏まえまして、消防署や出張所の設置基準、あるいは消防自動車の配置基準などを見直した。それから三点目は、救急需要の増加に対応するため、救急自動車の配置基準を見直した。四点目は、今委員からもお話出ました消防団につきまして、多様な活動実態、あるいは消防団の持つ大災害時での組織力というものを踏まえまして、消防団を充実する方向で見直しを行ったということでございます。
 この新しい基準によりまして、市町村におきましては、地域の実情を踏まえて消防力の整備を計画的に推進していただきまして、消防防災体制の充実強化を図っていただきたい、こう期待をいたしております。
 消防庁といたしましても、このような市町村の消防力の整備につきまして、消防補助金の確保に努めるなどしまして積極的に支援して、消防防災全般にわたる充実強化に取り組んでまいりたい、このように考えております。
○大野(松)委員 それぞれ、緊急を要する課題についてお尋ねをしたところでございますが、どうぞ、極めて厳しい状況の中でございますが、万全を期しましての対応をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○斉藤委員長 次に、鰐淵俊之君。
○鰐淵委員 自由党の鰐淵俊之でございます。
 ただいま大野委員からも御質疑ございましたが、私の方からも、外形標準導入につきまして大臣の所感をいただきたい、このように思います。
 まず、この外形標準のことにつきましては、もう既にマスコミ等各般に報道されておりまして、国民の方も非常に大きな関心を持っているわけでございます。私自身も、この地方行政委員会に入りまして、初めて国会議員になりましてからずっとこの委員会に所属いたしておりまして、その間、各大臣には、やはり外形標準を早く導入すべきではないかということについて、いろいろ私どもも発言をしてきたいきさつがございます。
 その根底をなすものは、まず一つは、特に法人に係る事業税、これは都道府県の主な税目でありますし、あるいは市町村ですと固定資産税等が主な基幹税目。そういうことになりますと、市町村は割合と、バブルの崩壊で路線価の変動もありまして若干の上下はありましたけれども、まだ法人税ほど変動はございません。法人事業税に至りましては、景気のいいときと今日とは余りにも税収の差というものがあり過ぎるわけでありまして、東京都の石原知事の今回のような措置も、そういったところに大きな起因があるのではないか。
 したがって、今東京都が外形標準を入れるということに対しては、いろいろな懸念等あるいは問題につきましては、今大野委員の質疑で十分私どもは理解をするわけでございますが、一般国民の皆様方にこの問題についてどう思うか、こう尋ねますと、ほとんどの方が石原知事の決断について敬意を表する、こういう方が非常に多いわけでございます。私ども政治にかかわる立場の者は、やはり世論の動向とそれから世の皆様方が考えていることを敏感に受けとめて、それを政策としてスピーディーに断行していくということが政治、行政にも求められている、私はこう思うわけであります。
 したがって、政府におかれましても、この外形標準導入につきましては、政府税調、それぞれの党の税調等におきましても真剣に議論されてきたと思うわけでございますが、残念ながら、結論が延び延びになってきた。これが虚をつかれて、地方税法等におきましても明らかに違反と言えないということで石原知事が導入に踏み切られる、こういうことでございます。
 そこで、私はやはり、地方財政も国もそうですが、非常に今財政が困窮してきておるといいましょうか、あるいはまた債務残高がどんどん膨れ上がっておりまして、どこの自治体も大変四苦八苦している、こういう状態でございますから、何としても地方といたしましても税収をできれば安定的に確保したい、こういうのはだれしも思う首長の心理だ、こう思うわけでございます。
 一方、東京都がこれに思い切って踏み切れたのは、まず一つは、不交付団体であるということであろうと思います。あとの自治体はほとんど交付税に該当しておりますので、これを思い切っていろいろな賛否両論の中で導入いたしましても、仮に入った収入の二五%程度しか入らない。あとは全部交付税で収入額に見られますので、交付税が来ないことになりまして、相殺されますから、二〇ないし二五くらいのところで落ちつくのだろうと思います。そうしますと、東京都のような決断というものは、なかなか首長としてはしづらい面がございます。
 そこで、結論的に申し上げますと、やはり私どもも年来主張しております、景気、不景気に大きく変動されるような税の構造というのは余りよろしくないのじゃないかと思うのであります。したがって、先ほど大臣もおっしゃいましたが、経済の動向あるいは中小企業におきましても余り激変するような状況ではなくて、なるべく十分納得して負担をしていただけるような、広く浅く、そして安定した税として納めていただくような方法論がどうしても私は必要だ、こういうぐあいに思うのです。
 とりわけ、今度の東京都の措置は、非常に大きな銀行を直撃したようなものでございますから、これには私はいろいろ問題があるのであろうと。なぜ銀行のみか、もっともっと大きな商社も企業もあるはずだ、こういうことでありますが、先ほど来言いましたように、一般の国民は、石原慎太郎の思い切った外形標準導入に対してはほとんど賛意をしている。そういうことを考えますと、私どももやはり真剣に考えていかざるを得ないのではないか、こう私は思うわけでございます。
 そこで、大臣におかれましては、今までもいろいろな形で、今の大野委員の答弁でわかるわけでございますが、自治省といたしましても、歴代の大臣がこの問題については積極的な発言をされているにかかわらず、結論が延び延びになってきた。こういうことについて、この石原都知事によって波紋が広がってきている外形標準課税につきまして、基本的に自治省として今後どのようにお考えになり、大臣としてはどんな形で地方の財政といいましょうか、その中における税の確保というものを考えておられるか。とりわけ外形標準にピントを合わせて御答弁いただければ、このように思います。
○保利国務大臣 一般論として申し上げますれば、地方自治体の財源を安定的に確保するということは非常に大事なことだと思います。
 地方自治体の安定税源としては固定資産税がございますが、それと並ぶ法人事業税、これは景気の変動を受けまして、今は利益に対して課税をするという形になっております。九・六%ということで、全国大体一律プラス一〇%まで許されるということでありますが、私が承知しておりますのでは、最高時は六兆以上、六兆五千億程度のものが税収として入っておりましたが、昨今は三兆台に落ち込んでいるという状態。これはまさに景気の変動をもろに受けるわけであります。
 そういうことから考えまして、安定的な財源を得て、そして市民に直結する、あるいは国民に直結するいろいろな施策を市町村がやっていくということは極めて大事だ。それが、お金があったから、なかったからということで福祉政策等が変動するということは好ましくないという観点から申せば、外形標準課税の導入をできるだけ早くして、安定財源にするのがいいのだろうと思っております。
 ただ、地方税法の規定で、著しく所得の場合と均衡を欠いてはいけないということからいいますと、できるだけ早く景気を回復させるということが今必要なのではないかというような観点もあるわけでございます。
 石原知事の表明されました東京都の課税案その他をつぶさに検討いたしてみますというと、ひところ銀行で、今二十行と言われておりますが、十九行ないし二十行で、ピークでは約二千億ぐらいの税収があった、しかし平成十一年度の税収見込みでは三十四億に、ほとんどもうなくなってきているというような状態の中で、東京都としての財源が減っているということにかんがみまして、ああいう決断をなさったのだろうと思います。
 しかし、いろいろ問題点がないことではありません。例えば、粗利益に対して課税をするという問題がありますが、東京都の試算では、今度の御提案では約一千百億の税収を見込んでおられるようでございます。これから逆算をいたしますと、東京都の御提案が三%の税率でありますから、三兆六千億という粗利益がある。そのうちから、いろいろな行政サービスを受けている銀行等がやはり応分の負担をすべきであろうといって、一千百億程度のところで線を引いて、三%という線をお出しになったのだろう、こんなふうに思っております。
 しかし、これが激変であるのかないのかというような細かい議論もあろうかと思いますし、また、さまざまな懸念というのも表明されております。
 いずれにいたしましても、方向性としては、先ほど申しましたように、導入の方向を考えなければいけない。しかし、そのバランスの問題でありますとか、またさまざまの問題を考え合わせて時期を探らなければいけない。しかし、そう遅くしてはいけないというようないろいろなことを総合的に考えながらも、自治省としては、この問題について前向きに取り組んで、各方面に働きかけてまいりたい、そういうふうに感じております。
○鰐淵委員 今の大臣のお答えにつきましては十分理解いたすわけでありますが、私、たまたま選挙区に帰りまして、いろいろな経済人やあるいはまたいろいろな方々、一般の方々とお会いして、今回の問題についてどう思うかと聞くわけであります。
 北海道は、御案内のとおり、都市銀行でありました拓殖銀行があのとおり破綻をいたしました。全く消えてしまいまして、今は北洋銀行という地方銀行がメーンバンクになって、北海道の経済は拓銀の破綻によりまして大変な影響を受けて、今でもその傷はいえていない状況でございます。
 そういう中で、一般庶民の皆様方あるいは中小企業、零細企業の皆様方は、やはり銀行というものが破綻するような状況というのは我々は初め予期していなかったわけでありますが、それだけ銀行といえども大変厳しい状況にある。今のいろいろなお話の中でも考えられるわけですが、余りそういったことに思いをいたさない一般の方々は、やはり銀行というのは、非常に巨大な金融資本を持って、困ると政府から健全化法とか安定化法とかいうことで、金融不安解消のために政府からの大変手厚い保護を受ける。あるいはまた、一方、年金者にしてみると、一生懸命預金をしても金利が余り上がっておらない、金利をいただけないということで非常に不満がうっせきしている。中小零細企業の方々は、事業資金、運転資金等困っているので銀行に行ってもなかなか借りられない、貸し渋りに遭う。
 こうなりますと、一般庶民の皆様方あるいは中小零細の皆様方は、銀行に対しての理解というよりは、都知事が外形標準で銀行から取る、こういったものを痛快に考えておられるわけですね。
 ですから、私は、これはある意味では、私どもの説明もまだよく行き届かない点があろうかと思いますが、やはり政府もきちっと国民にメッセージを送らなければ、都知事のやった政策というものは、本当にこれは、地方財政の財源を確保し都民を守る、住民を守る、こういう立場に立つということで、そういう考え方に対する国民の反応は大変支持の方に傾いていくわけでございます。
 ですから、それ以上に、今いろいろおっしゃったように、景気の動向はどうなるんだ、それによって、実際、金融不安を解消しようと政府で一生懸命努力していることが水を差されているといったような問題ももろもろ挙げて、まだまだこの問題については大きな問題があるんだけれども、政府としては、思い切って国民の理解を得られる外形標準に踏み切っていくんだということを国民に強いメッセージを送らなければ、やはりちょっと間違えた形で国民にどんどん伝播していくということに、私は危惧の念を実は抱いておるわけでございます。その点につきまして、再度大臣の所信をお伺いしたいと思います。
○保利国務大臣 私は昨日、都知事にお目にかかりまして、都知事の方向性については一定の理解をいたしておりますということを申し上げました。それで、その上で、六つの懸念を表明させていただいたわけであります。その後、官房長官にも御報告をいたしまして、知事の御決意は非常にかたいというお話を申し上げました。
 実は、つい先ほどでありますが、政府見解を作成いたしまして、先ほどの閣議で、口頭了解の形で政府としての態度を決定いたしております。当然、政府全体の見解でありますから、大蔵省の考え方、あるいは再生委員会の考え方、あるいは通産省の考え方、そういったものも含まれて、そして自治省の、私どもの主張しております早期導入ということも全部含まれた政府としての考え方を一応取りまとめたところであります。
 こうした問題については、全国の知事会にもお知らせをしなければいけない、こう考えておりますが、つい先ほど取りまとめたばかりでございますので、これからできるだけ速やかに周知徹底してまいりたいと思っておりますが、一方、土屋知事から、先ほど御答弁申し上げましたとおり、全国的な導入を図ってくれという御要望もございまして、そういうものもあわせ考えながら、自治省といたしましては、本当に前向きにこれを進めて、地方財源の安定化のために働いてまいりたい、こういうふうに思っております。
○鰐淵委員 この問題はこのくらいにいたしたいと思いますが、要すれば、これは地方税法の問題であるといっても、特に法人税は地方交付税とも密接な関係がございます。したがいまして、これは国税と地方税のリンクした問題ですから、全く私どもも関心を持たざるを得ないわけでございまして、ひとつ政府の国民に対する強いメッセージを送っていただきまして、やはり納税する側、それからいただく側、しっかりとした考え方を持って対処していかなければならないと私は思っております。
 とりわけ、どこの自治体も、前年対比を見まして税収は皆伸びておりません。黒の三角になっておりまして、前年度より税収が少ない。したがって、あとは結局は交付税で補っていただく。その交付税は、いわゆる特会から、相当な赤字でもって交付税の財源を確保する、そういう大変な綱渡り的な方法で財源対策をやっているわけでございますので、これは、十分今後私どもも研究していきたいと思っております。
 続きまして、最後にもう一点でございますが、これは、地方、国問わず、巨額な債務残高でもって頭を痛めている状況であります。地方なども、二百五、六十兆の地方債の残高になっておる、こういうぐあいに思いますから、大変大きな残高でございます。
 そういった中で、昨年も、地方が借金している中では、非常に高利を負担して借金しているのがございます。例えば、上下水道あるいは交通事業、病院。公営企業公庫あたりから借りられる大きな利子は、七・五%あるいは八%を超えるというものもございます。私も実際そういったお金も借りておりましたから、現実にあるわけでございます。今どき八%の金利を返すというのは、この今の地方財政の中ではとても大きな負担に実はなっています。
 一方、基金を何か積みますと、基金の収入というのは、御案内のとおり、わずか一・何%か二%か。とても、基金など積んでもその基金で仕事のできる状況ではありません。そういうことを考えてみますと、このギャップは余りにも大き過ぎるわけでございます。
 それで、自治省としましては、非常に財政の悪いところにつきまして、一定の繰り上げ償還等もしながら、そういった自治体に対しての対策もされてきておるわけでございますが、しかし、なおそういった問題について大きく悩んでいる自治体がたくさんございます。
 そういう中で、平成十二年度、そういった地方債、特に公債費の負担にあえいでいる自治体に対して、自治省といたしましてどのような対策を講じられようとしておるのか、その点について御答弁をいただきたいと思います。
○保利国務大臣 高金利の借入金を繰り上げ返済するという問題につきましては、これはもう自治体も大変大きな問題として抱えているわけでありますが、実際、中小企業でありますとかあるいは農業者でありますとか、そこら辺も非常に大きなものを抱えているという問題がございまして、それに対処すべく、いろいろな措置をとったことを私は知っております。
 平成十一年度におきまして、臨時特例措置ということで、大蔵省と非常に激しい折衝をしてこの繰り上げ償還を一部認めてもらうような形にしたのでありますが、平成十二年度におきましてもそういう措置をぜひやってもらいたいということで、私は、事務当局をかなりしりをたたきまして督励したことをよく覚えております。
 しかしながら、大蔵省の方は、片方、いわゆる財源等の問題から、なかなかこの問題に対しては姿勢がかとうございまして、なかなか崩し得なかったのでありますが、平成十二年度におきましては、臨時特例措置として、財政の対応力が低下している地方団体については公営企業金融公庫資金の普通会計債の借りかえ措置、それから資本費負担が著しく高い一定の公営企業については公営企業金融公庫資金の公営企業債の借りかえ措置、それから公債費負担が厳しい状況にある地方団体については高金利の地方債に対する特別交付税措置を講ずることということで、年末は妥結をしておるわけでございます。
 なお、今後とも、やはり今のような、七%、八%とおっしゃるようなものが残っていることに対しては、その実情を十分に私ども理解しながら、そういう高いものを今このときに残しておくということ自体がやはり、どうもすっとのみ込み得る事態ではないというふうに認識をして、今後とも、そういった問題については高い関心を持って引き続いて努力をしてまいりたい、こう思っております。
○鰐淵委員 大変ありがとうございます。平成十二年度もそういった自治体に対する対策というものを自治省でお考えになっておるということにつきましては、そういった該当する自治体については大変朗報だろう、このように思うわけでございます。
 とりわけ、自治体も、今言いましたように、かつて、バブル時代にはいろいろな仕事を、例えば自治省でも地方単独事業をどんどん進めてきましたから、それについて自治体も大いに共鳴して仕事をしてきた。したがって借金もふえてきた。そのうちに、やはり制限比率をはるかに上回ってしまうような事態に立ち至る自治体もたくさん出てくるわけでございます。そうしますと、起債をしようにもすることができない、しかし、残った起債は今言ったように七%、八%というようなものがあるとすれば、大変財政そのものを直撃されまして、住民のためのサービスがなかなか滞ってしまうということ。
 それからまた、今回、介護制度の充実ということで四月から出発するわけであります。そういったための地方自治体の負担もさらに増してくるとすれば、地方自治体も大変な状況になっていくのではないか、こう思いますので、ぜひひとつ、こういった公債費の負担対策等につきましても、より充実されますように、心からひとつお願いを申し上げまして、もう時間になりましたので、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○斉藤委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午前十時五十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後六時十一分開議
○斉藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 政府参考人として警察庁長官田中節夫君、警察庁長官官房長石川重明君及び警察庁刑事局長林則清君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○斉藤委員長 質疑を続行いたします。松本龍君。
○松本(龍)委員 保利大臣におかれましては、午前中の委員会、そして予算と、大変御多忙の中、出席をしていただきました。また、尊敬する大臣ですから、冬場、気をつけられるようにお願いを申し上げたいと思います。
 最近の話題から二点質問をしたいと思いますけれども、一月の二十三日に徳島市におきまして、条例に基づく住民投票がございました。御承知のとおり、吉野川第十堰の問題であります。結果は、五四%の投票率で九〇%以上のいわゆる反対ということで、実は私はこのことにずっと注目をしておりましたけれども、ここまで住民の意思があるのかなということで、逆にショックを受けたというか、驚いております。
 というのは、かつての住民投票は、原発とか産廃とかいわゆる基地とか、そういったものでありましたけれども、公共事業そのものを見詰めるということの重みをそのときに感じたわけであります。
 民主党としては事業の白紙撤回を求めておりますけれども、大臣におかれては担当大臣ではございませんので、そのことには言及をいたしません。
 ただ、大臣の所信の中には、「地方自治を確立し、個性豊かな地域づくりを進めるため、地方の自主性・自立性を高め、地域住民に身近な行政は、地方公共団体に委ねるというのが地方分権の精神であります。」と、まさに高らかにうたっておられます。
 さらに、一月二十八日の徳島新聞を見て私は驚いたんですけれども、この「視点」というところで、社説みたいなものでしょうか、「中山建設大臣殿」という見出しで、民主主義の誤作動だと発言した後に、住民投票の結果を重く見て改築反対の意思を示した徳島市長に対してあなたが送ったという書簡の中で、住民投票は民主主義の履き違えであると言及しておられます、あなたの考えでは、正当なる選挙で選ばれた建設大臣は間接民主主義の為政者であり、その考えに刃向かうことは民主主義の冒涜である、つまり、はなから住民投票の結果には価値を認めないという態度でした、いっそのこと、わしの言うことが聞けぬのかと一喝なさったらいかがでしょうかという記事がございました。こういう発言について、保利自治大臣、どう思われますか。
○保利国務大臣 建設大臣の御発言について私からコメントすることにつきましては、差し控えさせていただきたいと思うのでありますが、私自身は、やはり、徳島市において条例を制定し、そしてその条例に基づいて正当に行われた選挙で、その結果というのは御承知のような結果が出ているということで、その結果そのものはきちんと受けとめなければいけないことだ、そういうふうに思っております。
 いろいろと感ずるところはございますけれども、住民投票のあり方等については、今後また検討を重ねていくべき事項だと考えております。
○松本(龍)委員 私たち民主党も今、住民投票のあり方、あるいは法制化も視野に入れながら議論に入ったところであります。
 地域のことは地域で決めるという大前提のもとで、住民投票は代議制度と対立するものではない、直接民主主義と間接民主主義は相互に補完し合って、自治をそれこそ生き生きさせるものであるというふうに思っております。もとより、国の事業にかかわる課題についても、影響を受ける地域住民が意見を表明する権利は保障されなければならないと考えております。
 二月に入りまして、自治大臣は住民投票の法整備を検討すると報道されておりましたけれども、どういうものかお尋ねをしたいと思います。
○保利国務大臣 報道を引いてのお尋ねでございますが、あれはたしか、予算委員会で私が発言をした中に、いろいろ御質問がございまして、住民投票というのが全く自由にやられるということがいいのかどうかという論調の中で、法の制定についてどう考えるかという御質問でありました。
 そこで私は、必要なら法整備も考えなければならないであろうという発言をいたしたのがあの記事になりまして、必要ならの部分が欠落をいたしておりまして、大変誤解を招く言葉であったのかなと、私自身反省をいたしております。
 この問題については後ほど答弁をさせていただきたいと思いますが、今申し上げれば、直接民主主義と間接民主主義というのがありまして、あのときも御答弁申し上げたんでありますが、憲法前文の一番最初のところにこの間接民主主義のことが書いてございまして、日本の国というのは、憲法の前文でありますから、それを大切にしながらこの国の運営というのをやっているというふうに私は理解をいたしております。
 そういった直接民主主義、間接民主主義の問題がありますし、さらに、住民投票にかけるべき問題というのはどういう問題なんだろうかということで、適する事項と適さない事項があるのではないかということ。あるいは、この間の徳島における住民投票などは、例えば関与する人、つまり住民とは一体どこまでを指すのかというような問題、つまり、一つの問題が提起されたときに、それに関連する人々全体というのはどこまでであるかという範囲の問題。それから、住民投票をなさる場合に、非常に技術的な問題を含んでおります場合は、その内容がきちんと理解されて投票されているかどうかという問題。そういった問題等を十分考慮に入れながら検討を進めていくべき問題だと感じております。
 こうした問題について、学術的にも非常に難しい問題なものですから、第二十六次の地方制度調査会の中で、学者の皆様方お集まりをいただいて御論議をいただいております地方制度に関するいろいろな問題の中にこの住民投票の条項もございまして、そうした議論を私どもはよく伺いながら、今後のことを考えてまいりたいと思っております。
○松本(龍)委員 私どもも、すべて住民投票にゆだねて、それに拘束力を持たせようということで考えているわけではありませんし、また先ほど大臣触れられましたように、憲法の問題、ずっと大きく考えれば国民投票ということにも広がっていく大きな課題で、識者の間でもさまざま意見があることは私どもも承知をいたしております。
 ただ、やはり住民投票というのは、先ほど適する問題、適さない問題と言われましたけれども、いわゆるポジティブリストということでいえば、適する問題というのはどういうことが考えられますか。
○保利国務大臣 私もにわかには思いつかないのでありますが、例えば、一つの町の名前を変更するというようなものは、最も住民投票にふさわしいことではないだろうか。仮に執行部が幾つかの案を提示して、それからどれを選びますかという方式でもよろしいと思います。そういうことが一番なじみやすいものかなと思っております。
○松本(龍)委員 今、町の名前をどうするかということで、昔読んだ本をちょっと思い出したのですけれども、アメリカで百年ほど前に、町の名前をどうしようかということで住民投票をやった町がありました。その町には二つの有力なファミリーがあって、仮に、例えばケネディ家とニクソン家というふうに仕分けをしますと、住民投票の中でどちらの名前にしようかということを諮問したら、そのときにどういう結果が出たか。一番多かったのはネームレス、名なしという住民投票が多くて、この町は名なし、ネームレスという名前に決まったそうです。つまり、そのくらい彼らは、象徴的な話ですけれども、そういうどちらの側にも屈さない、名なしという町というものを誇りに思って、いまだにそういう町があるという話を二十年前ある本で読んだことを、今思い出しました。
 私は、広く大きく構えて議論していただきたいと思いますし、ポジティブリストを一つ二つ取り上げて、この事柄だけは住民投票に拘束力を持たせて事足れりといった狭義の考え方はとらないでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 また、このことは、もう一つ我々に投げかけたのは、やはり公共事業そのもののあり方というものを見詰めさせたということで、一つ大きな意義があるのだろうというふうに思います。
 公共事業というのは、財政に余裕がある時期ならともかく、今、国、地方とも借金漬けの状態であります。所信にも、「地方財政は、引き続き大幅な財源不足の状況にあり、借入金残高は、平成十二年度末には百八十七兆円に達する見込みとなっており、」と書いてあります。そういう意味で、従来どおりの公共事業に傾斜した財政運営も、私は転換が迫られていると思っております。
 私は、七、八年前に保利先生と九州の、国土利用計画審議会か何かちょっと忘れましたけれども、その中で、日本がアジアで一番になればいいんだ、アジアで一番すごいハブ空港をつくればいい、一番すごい港が日本は必要なんだということに関して、もっとすみ分けが必要ではないかということを保利先生が発言なさったのを今思い出しておりますけれども、自民党の中にあって、本当にそういう良識というものを持たれている先生であります。
 そういう意味で、転換が迫られていると思っておりますけれども、そういう点におきましていかがお考えでしょうか。
○保利国務大臣 私は、公共事業というのはいろいろな面があると思います。
 現在、政府が予算を組みまして公共事業を補正予算あるいは本予算等でやっているということにつきましては、一つは景気対策ということで、公共事業に力を入れ、それによって民間の投資を促進していく、そういう役割を持っているということは否定できないだろうと思います。
 もう一つは、やはり地域住民にとって社会資本の整備というのは、今でも要望されているところはかなりあります。先生のところもそうだろうと思いますし、私のところも地域住民からの投資要望というのはかなりある。しかし、予算がないからなかなかつけられないというふうに、若干抑えぎみになっているということもあったりいたします。
 しかし、地域の住民の要望というのはできるだけかなえてさしあげるというのは、国としても、あるいは地方自治体としても努めていかなければならないことであると思いますし、社会資本の整備が十分かというと、もう結構ですというところまでは行っていない。いろいろな問題がある。その非常に大事なポイントのところに力点を置いて公共投資を進めていくということは、私は、国民的要望からいって悪いことではないと思います。
 ただ、御指摘のいろいろな問題について、公共事業の執行の場合にいろいろな問題があるのではないかということを御党からも御指摘をいただいておるわけでありますが、そうした問題については深く反省をしながら、最も効率的にお金を使って地域住民の御要望であります社会資本の整備に努めていくということは、大切なことだと思います。
 もう一つの観点を申し上げれば、国土の均衡ある発展という観点があろうかと思います。先生も私も九州でありますが、九州に対しての傾斜配分をというのは、九州の知事会が一生懸命叫んでいることでありまして、社会資本の整備が遅れているという観点からそういうことがあっているのだろうと思います。
 そうしたもろもろの観点をあわせて公共事業というものは考えていくべきものだというふうに私は認識をいたしております。
○松本(龍)委員 これは私、私見なんですけれどもあえて言わせてもらいますが、日本の場合、いわゆる公共投資という名目の中で、新規事業というのは八五%というふうに言われています。あとの一五%が維持修繕、あるいはつくりかえる、更新というふうに言われております。ところが、アメリカでは、もう二十年ほど前からそれが逆転をしまして、新規事業は四五%で、維持修繕、更新が五五%というふうに逆転しています。右肩上がりの日本経済ならともかくとして、やはりそういうシフトをしていくべきではないか。
 大型の公共事業というのは、時のアセスといいますか、発意から計画、そして実行まで時間がかかる、なかなか見直せない、そういうものもあります。そういうときに、やはり時のアセスというものも必要でしょうし、我々かねてから申し上げているように、公共事業コントロール法というのも必要であろうかと思います。
 そういう時世にあって、私は、四五%のアメリカ式にしろとは言いませんけれども、少なくとも、維持修繕、更新とかといったものにも着目をしていく。そして、それは何にシフトをするかというと、国民の安全、例えば道路を通りやすくするとか落下物を防ぐとか、そういったものにシフトしていく。あるいは、これから高齢化社会を迎えますから、バリアフリーといったものにシフトしていく。そういうことが必要ではないだろうかというふうに思いますけれども、大臣の御所見はいかがでしょうか。
○保利国務大臣 かつて行った公共事業の更新期に入ってきているというのは、私もいろいろな例を承知いたしております。
 それから、住民の安全等については、例えば、道路に歩道を設けてくれという学校周辺の皆様方の強い要望もある。そういったものに適切に投資をしていくということは、私は必要だと思います。
 それから、更新の例として私が思いつきますのは、例えば、今まで農業の場合はライスセンターと言われる乾燥施設を持ってやっておりますが、最近の農業情勢からいきますと、ストックのききますカントリーエレベーターの方にシフトしてきているということでありまして、ライスセンターが古くなってそれを更新するときには、新しいタイプのカントリーエレベーターの大きいものに直していくというようなことが行われております。
 さらにもう一つ、環境的な観点から申し上げれば、農村、農業の集落排水事業というのが行われておりますが、こうしたものも、やはり環境的な観点、それから水を大切にしようという観点、それは、川の上流で汚してしまえば水は汚れてしまいますから、上流の方ほど大切に、浄水施設をつけていくという農業集落排水事業なんかにだんだん公共事業が転化してきている。
 そのスピードは満足すべきものかどうか、ちょっと私もわかりませんけれども、少なくとも、傾向としては新しいタイプのものに変わりつつある、そういう例を見出すことができる、これが公共事業の新しい姿かな、私はそんなふうに思っております。
○松本(龍)委員 今るるお話しになりましたけれども、例えば集落排水は農水省、合併処理浄化槽は厚生省、上下水道は建設省と、そういう今までのシェア争いが公共事業をある意味ではゆがめてきた。そういうものをやはり取っ払って、広域的にこの地域をどうするかという前提が今までなかったのが、今の財政破綻、そういうものにつながってきた。しかも、長期的なスパンがかかるさまざまな計画は、やはり途中で環境アセス、それと、環境アセスばかりみんな言いますけれども、私は、財政アセスみたいなものもこれからは必要ではないかというふうに思っております。
 住民投票に関する話は、後ほど中川委員の方からお話があると思いますので、このくらいでやめたいと思います。
 もう一つ、今ちょっと話題の、午前中も出ておりましたけれども、東京都のいわゆる法人事業税の外形標準課税の問題であります。
 私どもは、ペーパーを読ませてもらいますけれども、「地方税法の上記の規定」つまり七十二条ですけれども、「規定によって許された都道府県の政策的裁量の範囲内にあり、都の課税自主権の正当な行使であると考える。法律に根拠なく国が東京都に対して執拗に再考を求めることは妥当ではなく、都及び都議会の判断に委ねるべきである。」という見解を申し上げております。地方分権という課題、あるいは地方の課税自主権ということの課題に大きく一石を投じたというふうに思っております。
 午前中、大臣が言われましたように、そして一方で、公平とか中立とかさまざまな問題点、五兆円の問題、あるいは三%の問題、東京だけという問題等々、問題を抱えていることも我々は指摘をしておりますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○保利国務大臣 外形標準課税の問題は、当委員会におきましても、また予算委員会におきましても、随分前からいろいろ議論をされておりました。
 私は就任早々から、外形標準課税については自治省としては前向きに取り組みたい、こう申し上げておりまして、暮れの政府税制調査会等に対して、私から心を込めて検討方をお願い申し上げておったところであります。
 税制調査会におきましては、結論は得なかったものの、前向きの方向が一歩前進した姿で出てきておりますので、これをよすがにして、今後、外形標準課税を全国的に一律に入れていくというような形で努力をしたい、こう申しておりましたところへ、石原都知事の御意向が表明されました。
 これは、御指摘のように、石原知事の御決断でこういうことをやろうということは法制上できる形になっておりますので、これを我々が、それはおやめくださいと言うわけにはなかなかまいりません。しかし、つぶさに東京都の案を検討してみた場合に、いろいろな懸念が感じられる。
 そこで、私は自治大臣といたしまして、地方自治法の規定するところによりまして、石原知事に、こういう心配があるんですがということだけを申し上げたところであります。しかし、石原知事のお気持ちは非常にお強いようでございまして、もう一回考えてみようというところにはなかなかいかないというのが現状でございます。
 政府としては、けさほどではありますが、閣議口頭了解で懸念の表明をいたしたところでございます。
○松本(龍)委員 午前中も指摘がありましたけれども、ある地方だけで法人事業税外形課税をした場合には、それこそ、それが損益計算されますから、法人税の減収を招く、あるいは法人住民税の減収、ひいては地方交付税の原資の減収にもつながると考えられます。
 このことは、将来的に、全国一律で仮にこれをやった場合どういう状況になるかというのは、私の頭ではなかなか考えにくいことですけれども、いずれにしても、納税者の分割基準あるいは実際の所得の状況が把握できなければ困難でしょうけれども、東京問題と別として、これから外形標準課税の導入に大臣がどのように取り組んでいかれるのか、改めて御所見を伺いたいと思います。
○保利国務大臣 先ほども申しましたとおり、前向きな形で、慎重かつ速やかにと申しておるんですが、これが実現するように努力をしたい、こういうのが私の気持ちであります。
 と申しますのは、地方財政が非常に苦しくなってきている。その一因は、やはり法人事業税が非常に減収の傾向にある。ひところは六兆数千億の収入があったものが、現在三兆円台に落ちてきておるわけでありますから。そういう意味で、非常にふらつく税収というのは、地方の自治体の運営にとって非常に不安定要素になるわけであります。
 地方の自治体には、御承知のように、福祉に対するいろいろな対策をどんどんやっていかなきゃならぬとか、いろいろな施設をつくらなきゃならぬとかという、住民の直接のニーズがありますから、そこの財源措置、あるいは財源の状況というのはできるだけ安定をしたものであることが望ましいということを考えますと、私は、この問題については、長年の懸案でありますけれども、外形標準課税を入れていくということに対して、前向きにやっていきたいと思っております。
○松本(龍)委員 それでは、余り言いたくないんですけれども、また県警の不祥事というのがございました。
 神奈川県警の不祥事に相次ぎ、今度は京都府警の失態、新潟県警の虚偽発表の問題です。
 新潟の事件の概要を言いますと、十歳の女の子が九年二カ月にわたり監禁をされていましたが、たまたま保健所の職員の方々がその監禁場所で発見をした。そのときには、警察に来てくれと言っても来なかった。それで、病院に行く途中、身元不明の女性と判明をして、容疑者も女性も、容疑者は入院ですか、そこで保護されたわけですけれども、県警の発表では、病院から男が暴れているという通報が柏崎署にあったとし、病院に行った警察官が男に付き添っている女性を発見、保護した、その際、女性の名前を聞いたというふうな報道がなされております。後でこれが虚偽であったというふうに言われておりますけれども、またかと、あのときに、もう前代未聞という言葉が死語になると言いながら、今度またかということで、もう目を覆いたくなるような話であります。
 そういう意味で、国家公安委員長として、新聞によりますと、事実関係をよく調査し、違法性があれば当然処分すると言われているが、今どうなっているのか、お尋ねをしたいと思います。
○保利国務大臣 先週の木曜日に国家公安委員会というのがございまして、現在、予算委員会開催中でなかなか出席が難しいのでありますけれども、たまたま先週の木曜日は私に御指名がございませんで、国家公安委員会そのものに出席をいたしました。
 その席上で、この新潟の問題についての御報告もございまして、これは前々から第一報的には入っておったのでありますが、病院でというようなお話がございました。それに対して、私は大変怒ったのであります。
 そのときに、どういう怒り方をしたかというと、つまり、保健所から通報があったということは事実である、それからもう一つは、警察が行かなかったということも事実である、この二つの事実に立脚して物をよく考えて、よく調査をしてくださいということで、先週の日曜日に新潟県警に警察庁から出向きまして、いろいろ実情を調査いたしております。目下その調査を取りまとめ中でありまして、今度の木曜日の国家公安委員会に報告をされるということになっております。
 私は、できるだけこの木曜日の十時の国家公安委員会には私自身が伺って、時には大声で警察庁に注意をしたりしたいのでありますけれども、国会の方が優先をいたしますので、なかなかそれがかなわないことが残念であります。ちょっと言いわけがましくなりましたけれども、そういうような経過がございまして、現在事実関係の取りまとめをしております。
 必ず木曜日の国家公安委員会には報告せよという形になっておりますので、恐らくその場には報告が出てくるものと私は期待をいたしております。
○松本(龍)委員 今のお話を聞いて、去年の秋の神奈川県警の不祥事の私の質問のあれを思い出しました。日ごろ冷静でクールな大臣ですから、時には怒ってください、怒ってどなり上げてくださいということを私、申し上げましたけれども、去年と違ってことしは少し迫力が増したように思います。適切な指示だったというふうに思います。
 本当にこの問題は、坂上富男議員が指摘をしています。この監禁罪というのは継続犯であります。だから、犯罪の終了時をどこにしたのか、一時三十分なのか、つまり、自宅で発見したとき、あるいは病院で発見されたという三時過ぎなのか、犯罪はどこまで継続したかという法律上の問題もあります。本件も、二十八日の一時半に発見されたのに、三時に病院で発見されたとするならば、これはまさに証拠隠滅です、こういう発表をして。もし、これがわからないままでそのままいったら、検察庁はどう判断されるのかわかりませんでした云々と説明をされています。
 私は、これは初歩の初歩だと思いますけれども、警察庁、どういう御見解ですか。
○林政府参考人 お尋ねの点、一時三十分ということになっております。
 ちなみに申し上げますと、被害者を発見、保護した当日には、被疑者の自宅を捜索それから検証をするために令状を請求しておるわけでありますけれども、添付いたしました犯罪事実の記載時間は、監禁終了時間を、保健所員の方が被害者を発見した午後一時三十分ごろとしております。
 また、二月十一日に今度は被疑者を逮捕したわけでありますが、その逮捕した被疑者の逮捕状請求事実及び当日発表いたしまして配付しました広報文等の被疑事実につきましても、いずれも午後一時三十分ごろと明記しているところでございます。
○松本(龍)委員 私が言っているのは、アメリカの映画なんかを見ますと、ミランダ・ルールというのがありますよね。例えば逮捕するときに、手錠をかける前に、いわゆる黙秘権がある、あるいは弁護士の立ち会いがいるというふうなことをずっと四項目ぐらい言うわけです。初動の、犯人あるいは容疑者と接触するときの大切さというのは、もうアメリカの場合それがなければ容疑者が無罪になるくらい厳しい状況がある、映画で何回もそういう場面を見ました。
 そういう初動のことで虚偽の発表があったというのは、私は本当に怒り心頭に達しているわけですけれども、どうですか。
○林政府参考人 このたび、広報につきましては、第一発見者の方に迷惑がかかるというようなことをおもんぱかったほか、第一発見者に取材されることによって被害者の悲惨な状況というものを報道されるのを防ごう、その判断が今日問題になっておるわけでありますけれども、そういう配慮があって事実の一部を伏せたというのが実情であると承知しております。
 いずれにいたしましても、そういった動機でありましても、一部を伏せて、そのために誤解を与えるような発表ぶりになったというのは、まことに遺憾なことだと思っております。
○松本(龍)委員 そういう話じゃないでしょう。警察庁がそんなことを言うのですか。私はそこまで言うとは思いませんでしたよ。
 だって、初動というのが一番大事だ、だれが保護をしたのか、だれが発見をしたのかというのは一番大事なことであって、それはまさに、私は警察のことはよくわかりませんけれども、捜査というか犯人逮捕の初動の初動の初動だと思うのですよ。基本的な問題をそうやって警察庁が県警をかばう、それは私は何とも今の御発言を聞いて納得いきません。もう一度答えてください。
○林政府参考人 初動という意味でございますけれども、先生御指摘の初動というのは、お聞きいたしますと、初動というのか、例えば被疑者を逮捕して取り調べをする際の問題とか、そちらの方だと思います。今回の場合、いわゆる発見をされたということで、先生のおっしゃるような初動の問題ではないというふうに考えております。
○松本(龍)委員 虚偽の発表と事実とが食い違うというのが、私は、物すごく根本的な誤りを犯しているということを言っているわけであります。
 警察庁は、不祥事防止のために去年の秋から指示を出して、第一線まで浸透させるんだということをずっと言われましたよね。第一線どころか、今度はいわゆる上層部じゃないですか、県警本部長もそれに関与していたというのは。上層部さえ浸透させるものが素通りしてしまった、このことは非常に大きいと思います。
 国家公安委員長にお尋ねをしますけれども、今度の警察法改正で、国家公安委員会から警察庁長官へ監察の指示、あるいは道府県公安委員会から道府県警察本部長に監察の指示、あるいは懲戒事由に係る報告等々、また任期制限などが盛られておりますけれども、そのことは言ってみれば当たり前の話で、そういうことは当然やるべき話であって、もっと奥深いものが私はあるというふうに思っております。
 例えば、人の問題とする意見がいろいろあります。ちゃんとした本部長がいれば起きなかったというふうにどこかの社説で書いてありますけれども、私たちは、警察組織の制度疲労や欠陥に負うところが大きいと思っています。今回のうその発表の経過を見れば、さらにそれが裏づけられたのではないだろうかとここに書いてあります。
 あるいは、キャリアの人たちが県警に行ってそこで大過なく仕事をして帰ってくるシステム、あるいはノンキャリアでも、昇進試験を一生懸命やる人、現場で一生懸命汗を流している人との乖離がやはりあるわけで、そういったシステムそのものを見直す必要があるのだろうというふうに私は思っておりますけれども、公安委員長、どうですか。
○保利国務大臣 まず、今回の件については私も非常に遺憾に思っていることは申し上げたとおりであります。特に、先週の木曜日に私自身が出席した国家公安委員会におきまして、そういう事実があるんだからもっと厳正に調べなさいという大きな声を張り上げたことは事実でありまして、その後、実は県警の訂正発言があっております。したがいまして、私が大きな声を出していなければ訂正しなかったのかなということも考えられますけれども、一番の問題は、一月二十八日にこの事案が起こって、どうも長い間監禁されていた少女らしい女性が出てきたという時点で、これは大変なことだということをまず県警本部長は認識すべきだと私は思うのであります。そして、これだけ大きな問題なんだということをしっかり認識すれば、これは間違った会見その他をしてはならぬという常識が働くはずであります。そうしたことについて私は、県警本部長会議というのがありましたときに、随分いろいろ御注意を申し上げたつもりであります。
 実は、私は余りやかましく言うタイプではないのですけれども、割と厳しく県警本部長のときには申し上げました。というのは、神奈川の問題がありまして、本部長たる者は最高、最終の責任者である、この最高、最終の責任者が判断を間違えたら、警察全体の威信は崩壊してしまうんだというようなことを申し上げまして、それで反省を促しておったところへこの問題が出ております。
 訂正がございましたのが二月の十七日でありますから、事件が起こりましてからかなりたっているわけです。大事な問題だといったら、訂正すべきだったら、もうその日あるいはその翌日には、これは間違っておりましたと、仮に第一発見者をかばうにしても、そのくらいの処置はできたのだろう、そのくらいの感覚を県警本部長たる者は持っていていいんだろうというような趣旨で、私は、自分には珍しく、かなり激高して御意見を申し上げた、そういった事実があります。
 それだけに、この問題については、こういう県警本部長のやり方あるいは認識の甘さというものに対して、私がきちんと襟を正させることができなかったということについては、遺憾千万でありますし、私自身責任を感じております。
○松本(龍)委員 本当に前向きのお話をしていただいて、今改めて思っておりますけれども、先ほどの警察庁のお話、この問題をずっとやるわけにはいきませんから、機会をとらえて、またほかの委員にでも追及をしていただきたいというふうに思っております。
 今回の事件はもう一点ありまして、四年前に、この容疑者の母親が、息子の暴力がひどいということで柏崎署を訪れています。このことについては、県警の生活安全部長が、当時相談をしっかり受けとめて、十分に状況を聞き出していれば早期に救出できた、残念であり、申しわけないと思っていると謝罪をされています。私は、こういう素直さが大事だというふうに思っております。
 これは、やはり家庭内暴力というのが今さまざま取りざたされております。ドメスティックバイオレンスと言いますけれども、去年夏ごろ私が読んだ本で、「永遠の仔」という本を読んだのですが、これはいわゆる家庭内暴力を受けた三人の男女が、トラウマを持ちながら、屈折をしながら、またたくましく生きていく姿を描いているわけです。それを読んだときに、大変重い課題だ、私は、感動しましたけれども、こんなものがこの日本ではやるわけないと思っていましたら、去年ベストセラーになりまして、ある雑誌では、この本が一番すごいということが書いてありました。
 ドメスティックバイオレンス、家庭内暴力というのは、なかなか警察が入りにくいという状況もありますけれども、今そういう状況が非常に多発をしているのではないか。所信の中でも「女性・子どもが被害者となる凶悪事件等の増加」と書いてありますけれども、まさにそういう状況の中で、家庭内暴力に対する国家公安委員長の考え方をお聞きしたい。
○保利国務大臣 家庭内暴力の問題に触れます前に、先ほど委員から質問がありました部分で、キャリア、ノンキャリアの問題について簡単に触れさせていただきます。
 私は、やはり県警本部長あるいは県警の幹部というのはすぐれた人材でなければならぬ、最終、最高の責任者、判断者だと申し上げた。それに適する人材であるならば、経歴のいかんを問わず、やはり採用していくべきであろうと思います。それに適する人材であれば、経歴を問わずに活躍をしていただきたい、このように思っております。現在も、ノンキャリアと言われている方の本部長、お二人いらっしゃいますが、立派な方々だと思っております。
 それから、今のドメスティックバイオレンスの問題につきましては、これは非常に微妙な問題があります。日本の国全体が悩んでいる、あるいはかかっている病気のようなものじゃないだろうかという感じがしておるわけであります。これは、根源をただしまするならば、やはり教育の問題に行き着いていくのかなという感じもいたしております。
 警察とこのドメスティックバイオレンスとの関係というのは、警察としては、民事不介入と言っておりますけれども、行き過ぎた介入をしてはならない、さればとて、問題が起こっているものに対してはやはり手をつけていかなければならない、そこのところの兼ね合いをどう調整していくかという非常に難しい問題だと私は思っております。
 したがいまして、警察の中にも、準警察員のような方、相談員のような方、こういう方々に御活躍をいただく場面の問題かなと思っておりまして、今後よく検討をさせていただきたいと思っております。
○松本(龍)委員 民事不介入ということも私は承知をしておりますけれども、やはり社会事象としてふえてきていることに着目をしながら、ソーシャルワーカー、さまざまな地域で相談を受けておられる方がありますから、そういう方々と連携をとって、一刻も早い対応をお願いしたいと思います。
 それでは、永住外国人に対する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権等の付与に関する法律案でありますけれども、民主党は、既に九八年の十月に、当時は公明党と平和・改革と共同で提出をしております。いまだに継続審議となっておりますけれども、私は、どこの国籍であれ、納税義務を果たして日本人と同じように暮らしている人々にその地域の抱えているさまざまな問題に発言権を与えるのは当然であると考えておりますけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。あわせて、政務次官にもお答えを願いたいと思います。
○保利国務大臣 この永住外国人に対する参政権問題は、御党からの法案、さらにまた自由党さんと公明党さんでお出しをいただいているものがあると承知しております。
 それに対する対応を今自民党の方でもいろいろ検討をしておりまして、私は、議員提案にかかわることでありますから、政府として意見を申し上げることは差し控えたいと思いますが、自民党の内部での審議の状況というのを見守ってまいりたいと思っております。
○橘政務次官 先生の御質問、私も長年議員といたしましてこの問題にいろいろ関心を持っておるところでございます。
 今大臣がお答えになったことは全くそのとおりでございまして、そのとおりであると答えてしまえばそれでいいわけでありますけれども、それでは余りにも寂しい話でございます。
 やはり両国間のいろいろな関係、それからまた、長年我が国において懸命に努力してこられた方々のお気持ちを思うとき、我が自由民主党におきましても真摯に現在検討しておるところでございまして、あとは大臣がおっしゃいましたとおりでございます。大臣と私が意見の不一致があってはいけない、全く同じであるということをつけ加えさせていただきまして、御答弁とさせていただきたいと思います。
○松本(龍)委員 ぜひ前向きに取り組んでいただきたいし、公明党の皆さんにも本当にハッパをかけて、成立をさせていただきたいなというふうに思っております。
 つけ加えて申し上げますならば、朝鮮日報記事というのがあります。韓国の新聞でありますけれども、「華僑等外国人に地方選挙権与える 五年以上居住者 二〇〇二年施行」、つまり韓国では、二〇〇二年の第三期の地方選挙から、五年以上の居住者には地方選挙権を与えるというふうなことが言われておりまして、二〇〇二年ですから、ほぼこれは実現するでありましょう。
 そういう意味では、我が国、日本という国は、まさに朝鮮半島との関係で言えば、過去の歴史もあります。向こうが先にやるという意思表示をしながら、こっちが後手後手に回るようじゃだめだ。やはり我々は確固たる決意を持って、国際社会の一員として人権を守る、そして国際社会の一員としての当然の責任を果たすという意味から、私は、これは前向きに取り組んでいただきたいなと思いますし、民主党もこれから一生懸命このことに全力を尽くしていくということをお誓い申し上げて、いろいろ質問がちょっと残りましたけれども、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○斉藤委員長 次に、中川正春君。
○中川(正)委員 民主党の中川正春でございます。先ほどの松本委員に引き続きまして質問をさせていただきたい、こんなふうに思います。
 最初に、この夜の委員会にそれぞれ関係の厚生省、労働省あるいは法務省の政務次官が出席をしていただきました。まずお礼を申し上げたいのですが、礼を尽くしてこの関連の質問から先にさせていただきたい、こんなふうに思います。
 外国人労働者の問題についてでありますが、バブルの最盛期に、相当の外国人労働者が、いわゆる不法滞在あるいは合法的な滞在、両方含めて入ってまいりました。それが、本来は、日本の経済が縮んでいく中で、緩衝帯になるというか、労働力を調整する一つのメカニズムの中で相当縮んできているはずであります。
 私の地元の、特に自動車産業あるいは電機産業なんかは、こういう労働者を使う比率が高かったわけですが、恐らくそういう状況が変わっているのだろうというふうなことで、直接現場に入っても、やはりそういう実情がありますね。以前に五百人、六百人という形で雇用していた企業が、今はもう二十人、三十人ぐらいですよとか、もう今はありませんよとかというようなことが如実に見られます。
 そんな中で、では実際の全体の数が減少してきているか、こういうことになりますと、この間ちょっと事前に法務省の関係でデータをチェックさせていただいたら、トータルな数はそう大きく減少していない。中の国籍については、中近東から、例えば中国だとかあるいは韓国だとかいうふうなところの推移はあるけれども、実際の数自体はそのままなんだ。あるいはブラジルもそうですけれども、南米もそうですけれども、そういうふえ方はしておって、逆にトータルではない、こういうことなんですね。
 ということは、相当、社会的な環境というのがこの人たちにとっては非常に厳しいものになっているのだろう。ますます非合法化しながら、アングラの労働力として雇用されていく確率が高いのだろう、こういうことが予想されるわけです。
 それを反映して、もう一つ社会問題化してきているのが、そういう人たちが地域のコミュニティーに入ったときに、地域社会と非常にいろいろな摩擦がふえてきています。この間の豊田市の暴走族との抗争なんかもその一つでありますし、身近なところでは、ごみの出し方から、地域社会でのいろいろな偏見の中で耐えながらやっていくというようなことであります。
 そういう問題意識を前提にしながら、まず警察の方に聞いていきたいのですが、こういう社会背景の中で外国人の犯罪もふえてきている、こう言われているのですけれども、どのように分析して今の現状をとらえられているかということ、まずこれからお聞きをしたいというふうに思います。
○田中政府参考人 委員御指摘の外国人に係る犯罪でございますけれども、我が国の国際化の進展に伴いまして、多数の不法滞在者の存在が顕在化しております。その多くは不法就労しているというふうに考えられます。
 不法就労者を含めます来日外国人による犯罪でございますが、近年深刻化しておりまして、平成十一年中の検挙、これは刑法犯、特別法犯両方含みますが、全体で三万四千三百九十八件、一万三千四百三十六人でございまして、過去十年間で、検挙件数では六・〇倍、検挙人員では二・九倍に急増しておりまして、特に検挙件数は過去最高を記録している、こういう実情でございます。
○中川(正)委員 こういう実態が一方であるわけですが、それに対してもう一つ、社会福祉といいますか、福祉の関連で、私もこの間から、ボランティア団体でこうした人たちの面倒を見ているそれぞれの皆さんに陳情されました。
 というのは、例えば医療ですね。病気にかかったときに、このごろ、医者の方が、病院の方が診療を拒否するという例が出てきている。それはなぜかというと、保険に入っていないからだ、こういうことなんですね。
 本来は、厚生省のサイドでいけば、これは就労者ですから、それを雇用しているところが被用者保険でカバーをしていくべきだという法律の建前があるわけですね。ところが、不法であった場合にはそういうこともない。あるいは、合法であっても、外国人の場合は、短期という前提からいけば、これは保険料を払っているよりも現金でもらう方がいいんだという力が働いて、なかなか説得しても入らない場合が多い。そういう分野が、逆に今度は国民健康保険の方に回っていくわけですね。
 自治体によっては、これを受け入れている自治体もあるのですが、厚生省の指導を直接経ている自治体は、厚生省がそれはだめだ、こういう人たちは被用者保険で雇用されていくべきなんだ、こういう見解があるから、私のところはそれを受け入れられませんよ、そういう自治体があるわけですね。そういうところに集中的に診療拒否が起きている、こういう実態があります。
 これは、法的にかたく言えばそれなりの話なんですけれども、実態としてこういうような悲惨な状況というのが広がってきているというこの矛盾に対しては、厚生省はどのように考えておられるかということですね。
○大野(由)政務次官 委員の御指摘の問題、大変悩ましい問題ではあるわけでございますが、不法滞在の外国人について新たな法制度で対応をするということは、かえって不法滞在を助長するのではないか、こういう御懸念もございます。
 不法滞在の外国人について、平成七年にまとめられた外国人に係る医療に関する懇談会の報告書の中にこうしたことがいろいろあるわけでございますが、現実問題としては、我が国では多くの外国人が就労をしていらっしゃるという事実もございます。不法滞在の外国人の方が治療を受けながら医療費も払わないということで、医療機関にしわ寄せがいっている、こういう事態もございまして、その報告書の中では、国と地方自治体、医療機関などの関係者がそれぞれかかわりを広げることによって問題点をできるだけ縮小していくことが現実的な対応である、このように提言がなされております。
 この提言を受けまして、厚生省では、平成八年度から、医療機関が公的医療保険制度に加入していない外国人から回収できない医療費用を対象に、医療施設に対する補助制度を設けまして、これに対して平成十一年度からその要件を緩和した、こういう実情でございます。
○中川(正)委員 かえって不法滞在を助長するからそういう法的整備は整えることができないんだ、しないんだということがもし政務次官の意思であるのであれば、あるいは考え方であるなら、さっきは調査会あるいは審議会の議論にそれがあるという例証をされましたけれども、そこのところを政務次官はどう考えられますか。
○大野(由)政務次官 確かに、この不法就労の外国人の皆さんの問題、大変膨大な問題、たくさんの方がいらっしゃる、こういう現状は事実でございますし、どういうふうにしていけばいいかということは今後の大きな検討課題ではなかろうか、このように思っております。
○中川(正)委員 さらに、今度は労働省の方の問題があるんですが、これは将来の労働力を確保していくという日本経済の宿命みたいな中で、いろいろな審議会が、やはり外国人労働者は必要ですよと。特に、例を挙げれば、例えば今回入ってくる介護保険等々の福祉の分野でも、諸外国の例を見ているとこういう形の労働力の受け入れというのがありますねというような方向性を出しているんだろうと思うのですが、そうしたことも含めて、現在の状況を労働省としてはどう受け取っておられるか、見解を聞かせておいていただきたいと思うのです。
○長勢政務次官 外国人労働者の受け入れについて、政府の方針は、国際化が進んでいく、また日本の産業社会を維持していくという観点から、専門技術的な分野の方々については積極的に受け入れを推進していくという立場でございます。これは今、いろいろな面でそれを推進しておるわけであります。一方、単純労働者につきましては、日本の労働力市場の問題、あるいはまた社会的なコストの問題等々から、これは当面受け入れはしないという方針を堅持しております。
 今後、労働力不足が進むということも人口上は明らかなわけでございますが、そのことと、単純に労働力を安易に受け入れていけばいいかどうかということは、我々としては慎重に考えていかなきゃならない問題である、このように考えております。
○中川(正)委員 そこに、現実と、いわゆる労働省が建前で考えている労働力の受け入れとの乖離があるんだと思うのですね。
 みんな単純労働者ですよ、ほとんどが。不法就労だけで二十五万人を超えてきているということを、この後、出入国管理の法務省のデータで示していただくだろうというふうに思うのですが、全体でいったらもう単純労働が五十万人、六十万人を超えてきているんじゃないかという現実なんですね。
 それに対して、まだ胸を張って、いや、日本は単純労働は受け入れないんだということを建前で言っていると、受け入れ態勢そのものもその建前にそろえなきゃいけないという形になってくるわけですよね。そこに現実との矛盾が生まれてきて、一番悲惨な形で日本で働き続けるのはこの外国人労働者の人たちなんだというふうに、この現実を直視しなきゃいけないんだろうというふうに思うのです。それがさらに高じてくると、地域社会とのかかわり、そして、また一番そこで苦労するのが地方自治体ということになるわけですね。
 そういう意味合いから考えて、どうですか、問題意識は持っていませんか。
○長勢政務次官 現実に、資格外で働いている方々とか、またオーバーステイをして働いている方々とかという意味での不法就労者が単純労働に従事しておるという実態が少なくないということは、おっしゃるとおりでありますが、これは、入国管理の問題としてきちんとしなきゃならぬということと、あとは、そういうことが起こるのはなぜかと。安いコストの労働力を必要とする企業なり産業なりがある、またそういう職種につく日本人労働者が少なくなっているという実情をどのように評価をするかということだろうと私は思います。
 しかし、このことは逆に、先ほど申しましたような労働力市場の問題あるいは社会的なコストの問題もあるわけでありますから、正道は、これは現実にそのまま対応していくということではなくて、本来、日本の企業、産業のあり方、あるいは働く方々の職業意識の問題等々から、本当に日本にとって、外国の方々に来てもらわなきゃならないのかどうかということを真剣に考えた上での結論を出すべきことであって、現在、その取り組みを我々はもっとやらなきゃいけない、このように思っております。
○中川(正)委員 問題意識としては私も同感なんです。
 これは、改めて法務省の方に聞いていきたいのですが、今法務省の中で、どれくらいの人たちを合法的に受け入れるかどうかというのはオープンにされていないのですよ、その議論が。その中で制御をしていく。日本の場合は、よく言われるように、フロントドアじゃなくてバックドアで制御しようという意図がその中に働いているんだろうと思うのですね。だけれども、バックドアから、玄関じゃなくて後ろから入ってくるものだから、どうしてもその議論がオープンにならないんだろう。日本の政策の欠陥というのは、ここにあるんだろうというふうに思うのですね。
 さっき労働省からも、いや、日本としての戦略が必要ですよ、こういう議論が出ました。みんな同じ立場なんだろうと思うのですよ。厚生省も、やはりその問題を自分のところだけではどうすることもできないという意識がある。
 そういうことを踏まえて、どうですか、今のままでいって本当にいいのかどうか。いわゆる国家戦略としてですよ。法務省だけがその中で恣意的に、私たちからいえば、恣意的に密室の中で、こういうことになるんだと思うのですが、それはさっき言ったように、構造的なものがあるから密室にならざるを得ない。こういうようなことを続けていっていいのかどうかということと、それから、今の現実を踏まえた上で、政務次官なりの政策といいますか、これからの方向性というのを述べていただきたいと思います。
○山本(有)政務次官 平成十一年七月一日現在の当局推計によりますと、不法残留者数は約二十六万八千人で、そのほとんどが不法就労に従事しているものと思われます。また、当局が平成十年中に不法残留や不法入国等により退去強制手続をとった外国人は四万八千四百九十三人であり、そのうち、不法就労活動に従事していたと認められた者が四万五百三十五人で、全体の約八四%を占めています。
 最近の不法就労事件の特徴としては、就労期間の長期化及び地方拡散化傾向がうかがわれるほか、悪質なブローカー等が介在し、摘発を免れるため日本人との結婚や日系人を偽装するなど、その手口が悪質、巧妙化しております。そしてまた、不法入国者や不法残留者など、不法就労している入国管理違反外国人は、我が国の出入国管理の根幹をなす在留資格制度を揺るがし、公正な出入国管理の秩序を乱すことになります。また、これらの者の増加により、一つは地域住民とのあつれき、さらには人権侵害や賃金搾取の発生など、種々の問題を招来させていると考えられております。
 そして、中川委員の御指摘のように、それぞれの、各省庁ごとの政策というのもあろうと思います。例えば失業率、我が国でもう五%になんなんとしておるというような観点からすれば、この失業者数を解消するには外国人労働者をできるだけ避けたいとかいうような話も当然あろうと思います。また、厚生行政では、ヘルパーの数が少ない、マンパワーを充実したいというような政策もあろうと思います。
 しかし、それらをまとめて現場で、最前線で入国管理にタッチする我が入国管理当局としましては、それらは、それぞれの分野の政策がきちっと確立してから、そして入国管理で規制するなりあるいは助長するなり、そういう観点を持って対処していきたいというように考えております。
○中川(正)委員 そういうことを議論しているうちに、もう十年以上がたってきているんですよね、バブルで大量に入ってきてから。現状は、滞在期間というのが平均して五年以上、もう十年、十五年という年月になり、そういう人たちが家庭を持ち子供を育て、その子供たちが日本の学校で教育を受けて、母国のことがさっぱりわからない。だから、この間から、特別に在留許可を、いわゆる合法化してほしい、裏にあったものを表に出して、そのまま滞在をさせてほしいということがあって、十二人ほどがそれが認められたという現状まで来ているわけですよね。
 これをまだ、いまだにそれぞれの省庁でばらばらにやって、最終的なしわ寄せがこうした外国人の労働者に行くと同時に、やはり悩んでいるのは、地方自治体の現場、それからコミュニティー。そういう中での段々としたあつれきの中で、これを整理されないままにいっているものですから、その受け皿が途方に暮れ始めた、こういう現状を理解していただきたいというふうに思うんです。
 こうした現状をとらまえて、えらく前段が長くなりましたけれども、やはり私は、この問題を総合的に整理をしていくかじ取りというか、コーディネートをするのは自治省だというふうに思うんですよね。
 保利大臣、どうですか。この真ん中に入って、この際、コミュニティーの立場から、実際に生活している人たちの立場からこの問題を見ていった場合に、国家戦略と含めて全部を統合して、これについてのオープンな議論ができるような機関というのをつくりながら、リードをしていく。これはもうそろそろ、そろそろというよりも遅きに失したぐらいなんですが、大切な議論になっていくんだろうというふうに思うんですが、やっていただけませんでしょうか。
○保利国務大臣 この問題については、各省の政務次官が今御答弁なさいましたように、いろいろな問題点を抱えておるということを私も承知をいたしております。
 ただ、中川委員の御指摘の点というのもよくわかるわけでありまして、今後どういうふうな形でこの問題について一定の結論を得ていくかということについては、やはり、私どもがやるかどうかわかりませんけれども、内閣の内政審議室というようなところもございますから、そういったところと相談をしてみたいと思っております。
 それから、立ったついでと言っては済みませんが、この問題については、私も一つの考え方というか、経験をいたしております。
 それは、中川委員はアメリカで長いことお過ごしになられた。私はヨーロッパで長く仕事をしておりまして、この外国人労働者というのをヨーロッパの国々がどういうふうな形で使っているか、またどういう問題を持っているかということは見聞をしてまいりました。実は、日本とそういった各国との間の根本的な違いというのが、私は何か感じられるのであります。
 それは、私自身が経験したことでありますけれども、私自身、滞在者でありますから、ビザの期間が切れますれば、警察へ出頭しましてビザの延長をするということを自分自身でやりました。
 しかし、私自身は、当時、社長という肩書をいただいておりましたから、ある意味では特別扱いをしていただいておったように思います。それは、フランスの方々をたくさん雇いまして仕事を与えている人間であったから、特別な意味で待遇をしていただいたのでありますが、一般の労働者の方々は、今人が余っているんだ、もう延長することはできない、帰れといって、物すごい冷たい仕打ちを受けておるのを私は目の当たりにして、こういうことは日本では恐らくできないのではないかなという感じを持ちました。
 それで、あけるということについては慎重な手続を経てあけたとしても、今度は閉めるということは日本の場合はできないんだろうという感じを持っておりまして、お答えになりませんけれども、非常に難しい問題を内包しているなということを私は感じておりますことをつけ加えさせていただきます。
○中川(正)委員 これから解決をしていかなきゃいけない問題は二つあると思うんですね。
 一つは、現在の状況をどうするかということだと思うんですよ。もう既に、いろいろな意味でさっきから検証されたように、犯罪がふえてきている、それから地域とのあつれきが出てきている。それと同時に、不法滞在をしている人たちの状況も非常に苦しい。悲惨なことも含めて、中途半端になっている。特に福祉分野の恩恵がその中に届いていない。
 こういうことをとらえて、これはもう二十六万人いるということでありますね、この人たちをどうしていくのか。この人たちを、この間特別に認めたように、長く滞在して、ここにしっかり生活基盤がある人たちはもう日本にいていいじゃないかというような判断をしていくのか、そうじゃなくて、とにかく一たん帰ってくださいよという話にするのか、この辺の難しい議論というのを早くしないとだめなんですね。そこのところをひとつ認識をしていただきたいということ。
 それからもう一つは、これから先の国家戦略だと思うんです。それぞれの分野でそれぞれの議論があって、この外国人労働者をどんな形で受け入れていくのか。一たんは過去のことは清算するが、これから先はどうするのか。私は、裏じゃなくてやはり表で、ある一定の数字は単純労働者もこれからは受け入れていかなきゃならないという現実に立った法律の枠組みというのをつくっていく、それが大切なんだろうというふうに思うんですね。そういう思いを込めて、これはやはりまとめていかなきゃいけないということなんですよね。
 保利大臣、もう一回答弁してください、まとめますと。
○保利国務大臣 今申し上げましたように、非常に微妙な問題でもありますし、しかし、国家戦略としては非常に大事な問題だという観点から、やはり私は、内閣官房が全体の省を掌握しながら最終的な結論を得ていくべき問題だ、そのように思っております。
○中川(正)委員 ありがとうございました。
 次の質問に移らせていただきます。
 先ほどの松本議員のもう少し突っ込んだ詰めをしていきたいというふうに思うんですが、最初は易しいのからというか、一つ気になったことからいきます。さっきの警察の不祥事なんですが、それぞれの観点から、もっともっと厳しくやっていかなきゃいけないんだろうと思うんですが、ちょっと一つ二つ気になったものですから、指摘をしておきたいと思うんですね。
 今度法案が用意をされて、それで、いわゆる公安委員会の役割というものをもう少ししっかり見直していこう、監察についても指示を与えられるようにしよう、こういうことでしたね。それと、情報開示も大切だと。
 その意向が働いたんだろうと思うんですね。これは、公安委員会もホームページをつくりましたということで、早速に私ちょっと見てみたのですよ。そうしたら、木曜日に公安委員会への報告事項というのが、内容が載っているのですね。残念なことに、先ほど、頑張っていただいた保利大臣の怒った様子がここに出ていないのですよ。何というか、通り一遍の、本当に報告事項なんです。国民が知りたいのは、そこでどういう意思決定がされてきているのか、何が議論されているのかということなんですよね。それが情報開示だと思うのです。保利大臣が、公安委員長が怒ったことを外に知らせたら悪い要因でもあったのかと聞きたいぐらいに、通り一遍なのです。ここをちょっと指摘しておきたいと思うのです。
 そんなことも含めて、どうですか、もっと情報開示を進めませんか。
○保利国務大臣 ホームページをつくったのはつい最近でございまして、恐らく第一回目のことであったと思いますので、いろいろそうしたことに対して、一般の方々の目に触れるというのに、保利が怒ったというような形でセンセーショナルに報道をするというのが、必ずしもこれは当たっているとは思えないのであります。
 しかし、強い意思を表明したとか、そういうことはあると思いますし、私はほかの場で、例えば記者会見のときにはテレビが入っておりますが、その場でもかなりきついことを申し上げておりますから、そういったいろいろなものを総合して見れば、かなり怒っておるぞというのがおわかりをいただけるのじゃないか、こういうふうに思います。
○中川(正)委員 いや、そういうことじゃないのですよ。これは、うまくできているなと思うのは、報告事項だけが書いてあるのですよ。だから、警察のサイドから上がってくる話だけがここに載ってきて、公安委員の中でどんな議論が出て、それがどこへ向いてその方向性として行くのかというのが肝心なところ。これが一番国民が知りたいところ。何をどう変えていくのか、それは報告事項じゃないのですよね。「最近の国家公安委員会への報告事項」となっている。そうじゃないのですよね。
 これは、速記録というか議事録というか、そういうたぐいのものを、例えば日銀の政策委員会が議事録を公開していますよ。昔は、こんなことをしたら大変なことだという議論だったのですが、やはり時代が変わった中で、要点だけは、どの委員がどんなことをしゃべっているかというのが大体わかるような形になっているのです。そこが大事だと思うのですね、情報公開。そこまでやりましょうよ。
○保利国務大臣 できるだけそういう姿勢はとってまいりたいと思いますが、御承知のように、国家公安委員会というのは、極めて重要な、あるいは捜査過程その他の問題もありますし、外部に出さない場合があります。その点の制約があることを御承知おきいただきまして、できるだけ広報には努めてまいるというふうに申し上げたいと思います。
○中川(正)委員 これは法案にすべきだと思いますよ。本当に、日銀のその議論をしたときと同じような過程で、そのときに日銀総裁も同じような答弁をしているのですよ。これを下手に出したらマーケットがえらい騒ぎになるというふうな話があったんです。ところが、出してみたら、それなりにみんな冷静な形で判断して、今何が基本的に問題なのかというのは、国民がもっともっと、あるいはマーケットがもっともっと深い判断をしていくようになったということであります。恐らく私たちもまた、これは法案が上がってきますけれども、その法案に対してのいろいろな条件づけ、あるいはこちらの対案の中にそういう条項がぜひ入るべきだ、こんなふうに私自身は考えております。それが一つ。
    〔委員長退席、滝委員長代理着席〕
 それからもう一つは、公安委員会で保利委員長、頑張っていただいたというふうに言っていただいたのですが、ほかの委員さんはどうだったのでしょうね。皆さん、年齢だけ見ていると、七十五歳、六十五歳、七十四歳、六十七歳、六十六歳、定年退職後でないとこれにつけないのかなというぐらい高齢者がそろっているのですね。
 それだけじゃなくて、この難しい時代に、例えば我々が期待するとすれば、組織犯罪に対してそれなりの専門家的な分野の中で物が見られて、実態を把握しながら議論ができる人、あるいはITなんか新しい分野ですが、ハッカー対策なんかについてもそれなりの見識を持ちながらやれる人とか。これだけ、警察の組織が今問われている、それから全体の犯罪形態が変わってきている、国際的に日本の警察力が問われている。そのときに、こんなことを言っては語弊があるかもしれぬけれども、一見名誉職的なものも兼ねた形の人事が行われていいのかどうか、だれがどうと言いませんけれども。そういうにおいのするような公安委員会でいいのかどうか、そこが私は問われなきゃいけないのだろうと思うのです。
 国家公安委員会の構成がこうですから、それが地方自治体に行って県レベルで、私も県レベルの仕事をかつてしていましたけれども、県レベルで見てもやはり同じようなにおいがしているのですよ、公安委員会は。
 その中で、それは、保利大臣のように頑張っていただく人が一人いればそれで足るというようなことではないのだというふうに思いまして、その辺の見解もひとつ聞かせておいていただかなければならないと思うのです。
○保利国務大臣 そもそも、国家公安委員長に任命をされましたときから、私もいろいろ国家公安委員会のあり方というのは考えてみました。
 国家公安委員会ができたときのいきさつというのがいろいろございまして、前にもこの委員会でお話を申し上げましたとおり、警察という組織が外に向かって、昔のような、警察でいろいろなことをするということについて監視の目を持っていなければならない。つまり、戦前のような警察を復活させてはならないというような意味で、国家公安委員会というのは誕生しております。
 したがって、警察という組織体が外に向かって行う行為に対して、政治的な中立性と民主的な管理というような観点から警察の行動を抑えていくというのが私たちの第一義的な役目である、それがスタートの地点であったということであります。
 今度の神奈川県警の事件というのは、まさに中の問題が起こってしまったわけですから、実は中で事件が起こるということを想定した組織じゃなかったというところに、非常に難しさがあると私は思っておるわけでございます。
 それで、今、各公安委員の方々のお話もちょっとありましたけれども、大変御熱心に論議をしていただいております。思いついたことをどんどん言っていただいておりまして、あるいはそれはホームページに出ていないじゃないかということがあるのですが、ここは非常に難しいところでして、これが公開されますよということになると口に出さないという場合がありますから、部分部分によっては公開できない場合もありますし、そこの部分は修正しながら公開していくという場合もあるでしょう。発言の自由というのを保障するためには、ある見方をすれば密室性かもしれませんけれども、その中で自由な、濶達な論議をするという場合もある、こういうふうに考えております。
 それで、現在の国家公安委員会は、五人の委員がいらっしゃって、私が委員長で合計六人であります。この制度発足のときは政治家は入っていなかったのでありますが、途中から政治家が入るようになったのであります。それで、現在の委員の構成を見てみますというと、経済界、学界、それからマスコミ、それから法曹界、さらにまた官界というようなところから五人の方がおいでになっていらっしゃいまして、この方々は、国会の審議を経て任命をされている方々であります。
 そういうことが規定されておりますので、私どもとしては、思いつきであの人というわけにはなかなかいかないわけでありますが、国家公安委員会は、警察のそうした動きに対して、民主的な、あるいは中立的な目を持って警察の動きをウオッチしていくという意味からいうと、逆に、かえって警察のことを余り知らない人が、いわば一般国民の目で警察を注視する、監視するというのが現在の公安委員会のやり方だ、そういうふうに私は理解をいたしております。
○中川(正)委員 反論をすればたくさん出てくるんですが、二つだけするとすれば、では、それぞれの分野からということであれば、現役を持ってきたらどうなんですか。それぞれ、なぜこれだけ高齢の皆さんを並べなきゃいけないのだというふうなことであるとか、あるいは実際の議論、これは何に基づいた議論かというと、やはり警察の内部から上がってきた報告事項ですね。この報告事項自体がこれまでは非常に限定されていた。
 あるいは、組織ですから、さっきから警察庁の答弁を聞いていると、これだけやはり組織を大切にする体質がしみ込んでいるんだなというのが、これは保利大臣そのものも感じられて怒ったのだろうというふうに思うんですが、そういう体質を持っている組織というか、これは警察という役所柄なのだろうと思うんですね。
 そういうことだけに、やはり私たちは、客観的に見て、情報自体も、素直なものがこれまでも上がってきていないのじゃないか、報告がしっかりできていないのじゃないか、そんな中での議論といったって、これは限定されるものですねというような見方をせざるを得ないのじゃないか。また、恐らく国民もそういうバイアスをかけて見ているのじゃないか。
 それに対して、国民に納得できるような、信頼性を取り戻すというのはそういうことだと思うんですが、国民に納得できるような組織改編と意識の改革と、情報開示とはこういうことなんですよということを今出さないと、今国民に対してそれを示さないと、中途半端なことをやったら、また、警察というのは御身かわいくて形だけのことをやるのかということになってしまわないかという、そこのことを私は心配をするわけなんです。
 そういう意味で、今回の法改正というのは私は中途半端だと思っております。見る人が見ればというか、大方の国民は、どうもごまかしているのじゃないか、実質は違うよというふうな見方をしてしまう、そんな誤解を与えるような中途半端さがこの中にあるのじゃないかということを懸念するわけなんです。そういう意味から、もう少し突っ込んだ改革をしていく必要があるのじゃないかということを指摘させていただきたいというふうに思います。
 もしコメントがあれば。
○保利国務大臣 せっかくの御意見でありますから、しっかり頭に入れておきたいと思います。
 ただ、その上で、私としては、木曜日に出てまいります、恐らく出てくるでしょう新潟における事案の報告書等について目を通して、私の気づくことは厳しく指摘をしてまいりたいと思っております。
○中川(正)委員 ぜひ、その公安委員会での議論を公開してください。楽しみにしております。
 それから次に、先ほどの吉野川の可動堰の問題に関連しまして、住民投票についてもう少し突っ込んで話をしていきたいというふうに思うんです。
 今回の住民投票というのは、これは、住民投票のパターンというのもいろいろあると思うんですね。大ざっぱに過去四回ぐらいですか、やってきたものというのは。巻の原発の問題、あるいは御嵩町の産廃、あるいは沖縄の住民投票、これはみんな、ある意味では迷惑施設に対して地域住民が意思表示をしていくという形でありました。今回は、公共事業、これはむだ遣いじゃないかということに対して住民が意思表示をした、こういうことで、ちょっとニュアンスが違う一つの類例というか、これは画期的なことだと思うんですが、そういうものがあったということなんです。
 それを踏まえて、これはそれぞれに共通しているのは、国の許認可、あるいは国が事業主体になる公共事業、こういうものに対して、関係の自治体なり関係住民がこういう形で住民投票をして意思表示をする、こういうことですね。これを大臣としては、いわゆる許認可権を持っている国として、あるいは事業主体としてどのように受け取っていくべきなのか。この地域の関係の人たちの意思表示をどういうふうに受け取っていくべきなのか。自治大臣としては、これはどうお考えですか。
○保利国務大臣 徳島の住民投票につきましては、徳島市議会において条例が可決されて、その条例に基づいて投票されたということでありますから、それは厳粛な事実として受けとめていかなきゃならぬだろう、私はそのことは思っております。
 ただ、この問題というのは、恐らく私は、相当根が深いものであろうと思います。なぜ、あそこに第十堰をつくり直すという問題が提起されたかというと、恐らく相当前の話だろうと思いますけれども、地域住民の皆様あるいは県下全体であそこはつくり直すべきだという議論があった上で、そして県会等でも議論があった上であの決定がなされ、そして国に陳情がなされ、事業採択をされ、国が主体となってあの工事を始めようという意思決定をされた過去の経緯があるだろうと思うんです。その経緯はやはり、国としては大事にしていかなきゃならないだろう、私はそう思います。
 そういう意味からいって、あの徳島の投票の結果というのがああいうことだから、これはもうやめた方がいいのだということにすぐなるのかどうか。徳島の知事さんは、事業を継続したいということをあの投票の後にもおっしゃっているということは、間接民主主義の建前からいっても大切にしていかなければならないことではないか、私はそう感じております。
○中川(正)委員 もっと端的にお尋ねをしたいと思うんですが、さっきの、事業を進めていく経過の中で、例えば議会が意見書なり陳情という形で可決をしてこっちへ陳情書を持ってくる。あるいは、市町村長がぜひ進めてほしいという形で持ってくる。この意思表示と、それから今回のように地域住民全体が、全体がというのは五五%、半分以上の人たちが九〇%以上の意思をもって、いわゆる投票をもってあらわした反対の意思表示と、どちらが重いと、どちらをより大きく尊重しなければならないとお考えですか。
○保利国務大臣 先ほど私が推定的に申し上げた過去の経緯がもし正しいとすれば、私は、間接民主主義の建前というのは、住民投票も一つの御意見として頭に入れながらも、機関で決定したものが重さがあるというふうに見ませんと、間接民主主義の姿が崩れてしまう、私はそんなふうに感じております。
○中川(正)委員 私は逆だと思いますね。それじゃ、なぜリコールというのが成り立つのかということですよ。市長が一つの政策に対して住民と違った判断をした場合、これはリコールという形でその市長を直接住民投票で罷免することができるのですね。ということは、市長が一つの政策を打ち出す、その市長の意思よりも、やはりこれまでの日本の政治の進め方のあり方としても、最終的には直接に住民が意思をあらわす、ここに主権在民があるのだと思うのです。その方が強いよというのがリコールのシステムなんだろうというふうに思うのです。
 そんなことから考えていくと、さっきの答弁でいくと、こういう投票結果よりも市町村長だとか議会の意思を尊重すべきだというお考えのようですが、これは私は、自治大臣としてはおかしいのじゃないかな。実際の地方自治の主役というのは、やはり住民なんですよ。住民の意思としてはっきりしたことに対して、いや市長の方が大事なんですよ、議会の方が大事なんですよという見解は、私は当たらないというふうに思うのです。
○保利国務大臣 どちらにウエートがあるかというお問い合わせでございましたから、私は私の考えを申し上げたわけでございますが、吉野川の問題と町のリコール、これを重ね合わせての議論は少々無理じゃないかと私は思います。
○中川(正)委員 重ね合わせているのじゃなくて、論理の帰結を言っているのですよ。
 しかし、もう一方で言ったら、たとえ地域の住民がそういう意思を表示しているとしても、これはやはり国全体の政策に対して法的拘束力を持つか、あるいは持たせるべきかということになると、私は実はそれには反対なんです。持たせるべきではないというふうに思うのです。そこから、国の政策、国の権力とそれから地域住民の意思表示としての問題提起、それとの話し合いが始まって妥協点を見出していくというような形で、市長なり議会というのが機能をしていくということが本来の民主主義のあり方なのじゃないかな、そういう考え方をとっているものですから、ここでやはり必要なのは、そういう道筋をつくり上げていくということ。
 今、そのルールが全然ないのですね。ないから、建設大臣もこういう結論に対してびっくり返ってしまって、あられもないと言ったら失礼ですが、聞くにたえないようなコメントをどんどん出してしまう。これが、何ができて何ができないのだというそのルールさえしっかり決まっていれば、そこから本当の話し合い、その中で公共事業が本来住民に対して生かされてくるような、そういう新しいアイデアというか道筋も生まれてくるのじゃないか、こんなふうに思うのです。
 これは、住民投票に対して、さっき保利大臣の話を聞いていると、何か建設大臣に染まってしまって、何となく敵対意識を持って、くっと胸を張って気張っているような感じがしたのですが、地方自治、住民自治あるいは政治参加、そういう観点からいったら、大臣、もう少しやわらかい物の考え方をしていただきたい、こういう気持ちなんですよ。
○保利国務大臣 私は、住民投票の結果を無視するというようなことを言ったつもりはありません。これはこれで、重く受けとめなければいけないのだろうと思います。
 しかし、その地域の意思決定はどういうふうな経過で行われ、それは生きているのか死んでいるのかという問題もあります。そして、こういう結果が出て、これから事業者と関係の皆様方のお話し合いも、これは建設省の所管でありますから、私から申し上げるのはいかがかと思いますが、そういうお話し合いもされていくということでありますので、まさに委員が御指摘のようないろいろな動きが現在あの問題については起こっている、私はそう認識しております。
○滝委員長代理 中川君、時間でございますので、簡単にお願いいたします。
○中川(正)委員 この問題については、またさらに議論を深めていきたいと思います。
 一つ言ったら、私がこだわったのは、ウエートが市長さんや議会の方が高いというようなニュアンスだったものですから、これにこだわったのですよ。これはやはり直接の意思は住民ですよ。そういうことであります。
 以上、終わります。
○滝委員長代理 次に、春名直章君。
○春名委員 私は、新潟県警の虚偽発表事件を中心にきょうは質問をさせていただきます。先ほどの議論でもありましたけれども、まず国家公安委員長にお聞きをしたいと思います。
 一月二十八日に、この女性監禁事件で、新潟県警が女性の発見時の状況について最初に記者発表をいたしました。そして、二月の十七日の木曜日、その中身が虚偽であったということが発覚をし、陳謝するということになったわけですね。もうそれは御存じのとおりです。国家公安委員長は、やはりこの問題、私も非常に重大な問題だと思っていまして、先ほども御議論がありましたけれども、私の方からも改めて、事の重大性の認識をどういうふうにおつかみになっておられるのか、このことをまず聞いておきたいと思います。
○保利国務大臣 私は、この事件を初めて耳にいたしましたときに、非常に残酷な事件だな、場合によっては殺人よりもひどいことをしているのではないか、そういう印象を受けておりまして、この事件そのものが大変大きな事件だというふうに認識をいたしておりました。
    〔滝委員長代理退席、委員長着席〕
○春名委員 そのことではなしに、虚偽のマスコミ発表がされて、それを陳謝するということについての認識、それをお聞かせいただきたい。
○保利国務大臣 遅くはなったのですが、申しわけありませんということで陳謝をされたということ自体は、私はいたし方ないと思うのでありますけれども、ちょっとタイミングが、もうちょっと早くやってくれればいいのになというのが率直な私の感想であります。
○春名委員 これは今から議論しますけれども、非常に根本的問題を提起していると思っております。
 それで、大臣にこの虚偽報告があったというのが知らされたのはいつか。要するに、マスコミの発表の前に国家公安委員会あるいは国家公安委員長に、虚偽だった、だからこれを訂正する記者会見を行いますということが国家公安委員長には届いていたのかどうか、いつこういう発表をするということが知らされていたのか、それをお聞かせください。
○保利国務大臣 事実関係につきましては、警察庁長官もおいででございますから、そちらの方から詳しく内容はお聞きいただきたいと思うのですが、私も、それは大変だという事実は知っておりましたけれども、虚偽の事実であるとかそういうことは後から出てまいりまして、ちょっとその当時、私自身が虚偽とか虚偽でないとかという認識は余りなかったのであります。
 ただ、先ほども申し上げましたとおり、先週の木曜日に、第一発見者を保護しなければいけないというような状況についてお話がありましたものですから、そんな甘い事態ではないだろう、とにかく保健所から連絡があったのに警察官が行かなかったということは事実なんだから、その事実に立脚してよく調べてくれということを申し上げたのであります。
 細かい前後関係というのは、私は余りよく覚えておりません。
○春名委員 私が聞いているのは、思い出していただきたいのですけれども、今、国家公安委員会の機能の強化ということが今度法案で出てくるわけですね。だから、こういう大問題、虚偽の報告があった、これを訂正するということを報道される前に、国家公安委員長はそういうことをお知りになる立場かなと私は思いますし、そういう権限がないとだめだと思うのですけれども、知らされてはいなかったのですか、こういう発表をする、虚偽だったということの発表をすることについて。つまり、新聞報道で初めて知ったのですか、虚偽だったということは。
○保利国務大臣 私は、事件の重大性ということに頭が非常にいっておりましたから、この報道そのものが虚偽であるとか虚偽でないとかということよりも、むしろ、この事件をどういうふうに始末するのかというところに頭がありましたから、虚偽の報道がいつで、それに対してどうしてということよりも、むしろ事件そのものに関心が深かった、こう申し上げておきたいと思います。
○春名委員 私の言っている質問にちょっと的が、私自身が外れているのかあれですけれども、要するに、こういう大問題が、一月二十八日に記者会見をやって、その後、その記者会見が間違っていたという記者会見、二回目の記者会見を二月十七日、ちょうど国家公安委員会が開かれているときなんですけれども、やられているわけですね。だから、そういう記者会見をやるということについて、国家公安委員会には今の話ではきちっとした話があったというふうにはなっていないようですので、そのことで私は確認しておきたいと思います。話がいろいろ、次に行かなければいけませんので。
 では、事実の問題だけどうぞ。
○田中政府参考人 委員御指摘の新潟県警の事案でございますが、地元の新潟日報という新聞に虚偽会見の疑いがありと出ましたのが二月十六日の朝刊でございます。翌二月十七日の公安委員会におきまして、先ほど大臣からも御答弁がございましたように、事実はどうなっているのかというような御指摘がございました。
 それで、私どもの方からも新潟県警に対しまして、事実はどうなんだということを照会しているそのさなかに、地元の方で、二月十七日の午後二時からでございますが、記者会見がまず先行した。その中で、同時並行的に新潟県警が判断をして会見をしたというのが事実でございます。
○春名委員 今の話で前後がわかりました。要するに、こちらが照会している最中に虚偽だったという記者会見をやったというのが事実だということで、今確認しました。
 重大な問題はやはり、この虚偽発表を事前に承認した県警本部長の小林氏が警察庁採用のキャリアであるということなんですね。また神奈川県警の二の舞かという思いを私はいたしました。その上、この神奈川の教訓を学んでそれなりの対策を、去年の九月以降、相当いろいろ議論しました。そして、いろいろな対策を警察庁自身もとる努力も一定されてきた。そして前警察庁長官の関口さんは、警察再生の道筋をつけたとおっしゃって辞任をされる。こういう事態があった後にまた同様の事態が起こったという点で、非常に重大なわけです。ですから私は、この点をきょうは明らかにしていきたいと思っているわけです。
 具体的に聞いていきたいと思います。
 新潟県警は、第一発見者の保健所などに取材が殺到すると大変だからという口実で、そういう理由で事実を曲げた発表を行ったというふうに言われております。警察庁は、長官にお聞きしておきたいと思いますけれども、このような場合、第一発見者に取材が殺到する、こういう理由で虚偽の発表をしてもよい、やむなしということもあり得る、そういう方針をとっていらっしゃるのか。そのような内容の教育を警察庁として行っていらっしゃるのか。それはないと私は信じておりますけれども、警察庁自身の方針を聞かせていただきたいと思います。
○田中政府参考人 委員御指摘のように、昨年、一連の不祥事案がございまして、その対応策としていろいろなものが検討されたわけでございますけれども、特に広報といいますか、国民に対してどのような形で我々のとっている行動の内容につきまして話をしていくか、話しかけるかということにつきましては大変努力をしてまいりました。
 先ほど、二月七日の本部長会議におきましても、情報公開が時代の流れとなっている中で、諸君みずからが個々の警察活動について真に国民の理解が得られるものであるかどうか、国民にわかりやすいものとなっているかどうか、常に国民の立場に立って業務を運営しということを申してまいりました。しかしながら、今御指摘のように、このような我々の施策とかあるいは私の申していることが一線に徹底していない、まだ徹底していないというのが実情でございますので、これにつきましては、さらにその徹底方について真剣に取り組んでまいりたい、かように考えておるところでございます。
○春名委員 問題は、県警の刑事部長さんから事実と異なる発表を行いますということを持ちかけられたときに、なぜ本部長、トップの小林さんがオーケーを出したのかということなんですね。
 小林本部長は、刑事部長から第一発見者の名前を伏せたい、多大な迷惑をかけるのでという申し出があった、そういった配慮も必要だと了解をした、事実を曲げてとか、虚偽の発表をしなさいとか、情報を操作しろとか、そういうつもりはなかった、このようにお述べになっておられると報道がされております。
 仮に百歩譲って、そういう配慮でやったことだと認めたとしても、虚偽の発表をすることがそれで許されるのかということですし、勝手に警察が情報をある意味で操作するということが許されるのかということですし、そして、本部長がそういう対応をしても許されるのかということがやはり問われるわけですね。この点、先ほどの話で、真に国民に理解を得るものにしよう、信用を得るものにしよう、情報公開を徹底しようということを言っているけれども、そこがなかなか下までおりていないというふうに言われるのだが、下までといっても、県警本部長ですからね。下も何もないですよ、これは。中枢の中枢じゃないですか。だから、改めて、警察庁はそういう点をどう御認識されているのか、私は問いたいのです。
○田中政府参考人 今委員御指摘の具体的な事案によりまして、広報の問題によりまして、新潟県警は、今回は第一発見者に迷惑がかかることをおもんぱかった、第一発見者に知らせることによって被害者の悲惨な状況が報道されることを防ごうとして事実の一部を伏せたということについては、そういうふうな考えのもとに広報をしたということは私ども承知をしております。
 ただ一般的に、事実を曲げてどうだとか、あるいはケースによりましては、このことにつきましては伏せた方がいいという判断があるかもしれませんけれども、しかし、それにいたしましても、そのことによってどのような結果が生ずるか、あるいは、その結果によって事態がどのように変わっていくかということにつきましては十分見通した上でやり、また、そのことが大きな批判を呼ぶようなことがあれば、すぐに適切な広報をもう一回そこでやるということが当然必要だというふうに思っております。
○春名委員 小林本部長は、柏崎署の出動要請をめぐる警察の対応の問題がありましたね。
 新潟日報には、一時四十分ごろ、携帯電話で柏崎署に、男が暴れているので三人ほど来てほしいと伝えた。同署は、わかった、協議すると答えて、七、八分後に柏崎署は電話で、行けないと返答した。保健所の職員の方は、身元不明の女性もいる、一人でもいいから来てくれと要請をしたが、人手不足を理由に、保健所で対応してくれ、何でも警察に押しつけるなと強い口調で言われた、こういう報道がされているわけですね。
 それで、虚偽発表を行った一月二十八日の記者会見のときには、そういう柏崎署の警察の対応を御本人が、小林本部長は知らなかったと言っていらっしゃいます。そして、そのことを知ったのは二月十二日の夜のことだったというふうにマスコミに答えていらっしゃいます。決して警察の不適切な対応、捜査の不徹底を隠すために虚偽の発表をしたわけではないのだ、いわば、自分たちの保身のためじゃなくて善意でやったことなんだ、こういうふうに、私に言わせれば開き直った発言をされているわけです。
 きょう、刑事局長も警察庁長官も同様のことを私たちに言っております。本部長の言うことが仮に事実だとしても、それでもなお、マスコミ発表で事実をゆがめることに本部長がゴーサインを出した、その重大性は消せないわけでありますし、この認識は改めてしなければなりません。
 しかも、経過で見れば、柏崎保健所が県に報告書を提出して、事実が食い違っていることがわかって、ようやく渋々と食い違いを認めるというのが事の経過なんですね。わからなかったらそのままにしておこうと。
 ところが、本部長が言うように、二月の十二日の夜に柏崎署の不適切な対応、今新潟日報読みましたけれども、そういう不適切な対応などが初めてわかったというのであれば、二月の十二日と言っているのですね。二月の十二日でわかったのであれば、その時点で、虚偽の記者発表を行ったその背景にこういう問題があるのだということがわかるわけでしょう。ぴんとこなきゃだめでしょう、本部長は。ところが、襟を正してすぐに誤りを調べて発表すべき本部長は、そのことをしなかったわけです。虚偽だったということを渋々認めるのは二月の十七日のことなんです。後五日たっているのですよ。
 こういうことが行われた、柏崎署のその対応がまずかったということについて、たとえ御本人の認識であっても、二月の十二日には知らされているわけです。しかし、そういう問題としてきちっと調べて、やはり虚偽だからこれはまずい、これは明らかにしようといってすぐ対応すべきなのに、二月の十七日まで、恐らくこれは県に保健所の報告が行って、そういうこと等のやりとりの中で、十六日にマスコミがすっぱ抜いたのかどうかわかりませんけれども、そういう経過になっているわけですね。
 ですから、私がその経過を見れば、本部長自身が、警察内部の失態を知られたくない、わからなければ、できればそのまま隠しておいた方がよい、そういう保身が働いたというふうに言われたって、事実マスコミは全部書いているわけですから、そういうふうに。だから、そういう問題として、私は今このことを問われているのじゃないかと思うのですよ。それが、今までの刑事局長、それから警察庁長官の御認識はそうではないというふうにおっしゃっているので、そこのギャップはしっかりと埋めないと、私は問題が起こるのじゃないかと思います。どうでしょうか。
○田中政府参考人 今委員いろいろ御指摘ございましたけれども、当初本部長が判断して広報いたしました際には、柏崎署の具体的な事案については全く上がっておりませんでした。したがいまして、柏崎署の事案につきまして、これを隠すために事実をたがえて発表したということはないというふうに考えております。
 しかしながら、お話しのように、後日そういうような事案が発生したときに、それも踏まえて、そういうふうに誤解をされるおそれがあるということも踏まえて、その段階で速やかに訂正発表をするという配慮はもう少しあってもよかったのではないかというふうに思っております。
○春名委員 ですから、私が言っているように、速やかにということをやらなかったわけですね。渋々なんですよ、この経過を見ると。そこに神奈川県警の教訓はどう生かされているのかなというのを問いよるわけですよ、長官。
 重大なことは、今回の事態というのは、警察庁の方々が神奈川県警問題から打ち出した反省、改善方針からも逸脱しているということなんですよ。まず、その点、具体的に聞いていきます。
 昨年十一月三十日に、神奈川県警不祥事問題で緊急全国本部長会議を開いていらっしゃいます。小林本部長はこれに出席していると思いますけれども、確認願います。
○石川政府参考人 委員御指摘の会議は、神奈川県警における不祥事案を初めといたしまして、全国的に不祥事案が相次いだということで、不祥事案対策につきまして協議、検討をするために、急遽開催をした会議でございます。
 この会議には、お尋ねの小林新潟県警察本部長も出席をしております。
○春名委員 そうでしょう、全部の本部長を呼んでいるのですからね。そういう議論をしているのですよ。徹底しているのですよ。
 では、この本部長の会議の中で、新潟県警のような場合、つまり部下の者がこれはマスコミに発表するのはやめよう、あるいはこうしておこう、結果としてうその発表をするようなことを言ってきた場合に、どのように対応したらよいか、こういう議論、こういう報告はされていると思いますけれども、今回のような事案について、この十一月三十日の本部長会議ではどうでしたか。
○田中政府参考人 委員御指摘のような具体的なケースについて議論したことはございません。しかしながら、本部長としてのリーダーシップと申しますか、部下からいろいろな事案が上がったときに、それが適正であるのか適正でないのかということを十分に判断して対応するようにということは、それらの本部長会議の中で指示したはずでございます。
○春名委員 また、十一月十三日には、警察庁次長名の依命通達というのが出ております。これは、現物がここにありますけれども、この二項目には、「幹部教養の徹底」というのがございます。「組織の根幹を担う幹部としての行動規範について再認識させるため、各級幹部に対して、管理者として必要な基本的心構え、各業務運営に当たって管理者として把握すべき基本的事項等の教養を徹底する。」ということがここに示されております。そして、新任の本部長の研修をおやりになるということとともに、現在警察本部長の職にある者に対してもグループ別に特別研修を実施するという方針が確立をされております。
 このグループ研修はもうおやりになりましたか。それに小林本部長は出席して研修されていますか。御答弁お願いします。
○石川政府参考人 既に本部長の任にある者に対して、まだグループ別研修を特別に実施するということはしていないわけでございますが、昨年十一月一日に全国本部長会議が開催されました。ここにおきまして、不祥事案の未然防止対策の推進についていろいろ指示をしております。
 それから、今お尋ねの十一月三十日の緊急本部長会議、また二月七日の全国警察本部長会議に不祥事案防止対策というものを協議、検討している、こういうことでございます。
○春名委員 グループ研修はまだやっていないということなんですが、さらに聞きます。
 九九年九月の九日、「不祥事案の未然防止と適正な処理について」、官房長通達が出ております。これを発表して全国に徹底いたしました。その第五項目めに「適正な報道対応」という項目があります。これは、不祥事案に対する報道陣への対応、深山本部長のあの二転三転があって、そういうことを教訓にしたものだろうと思いますが、適切な報道対応というのはどの場合でも求められているものでありまして、当然、上記、今私が申しましたような、そういう十一月三十日の場であるとかさまざまな機会に徹底もされているものだと思います。そこで、こういうものが出ているわけです、教訓を生かして。ところが、こういう虚偽発表がされる。出た後に発表されているのです、虚偽発表が。だから私は、問題は深刻だな、根が深いなと思わざるを得ないわけです。
 一体、警察庁がおっしゃる適切な報道対応というのは、どういう対応をせよということを教育しているのですか。まさか、都合が悪いことは隠してもよいということじゃないと思いますけれども、そういうことが出された後にこういう事件が起こっていることの深刻さをかみしめる必要があると私は思うのですね。
 適切な報道対応というのは、どういう内容のことを言っているのですか。具体的に言ってください。
○石川政府参考人 警察として報道対応を行う場合には、事実関係を正確に把握した上で、組織的にそれを実施する。広報係というものがセットをしたり、いろいろな過程を経てきちっと行う。特に、取材等に対して真摯な対応を行うこと。それから、国民がその実態を把握できる適切な報道発表を行うように努める。こういうようなことについて指示、教養を徹底しておる、こういうことでございます。
○春名委員 まさに、全く逆のことをやっているわけですね。実態を国民に正確に知らせる、真摯な対応をする、全然逆のことをやっているのですよ。
 だから、国家公安委員長に、そういう議論を三カ月間積み上げて努力をされてきているさなかに逆のことが起こっているということの深刻さを、どう受けとめるのかということを最初に私はお聞きをしたかったわけですが、また議論をしたいと思いますけれども、こういう事態でしょう。
 私は、前回、十一月二十五日の当委員会で、神奈川県警の不祥事もみ消しマニュアルの話をしました。その不祥事もみ消しマニュアルは、結局現物は出てきませんけれども、その中にも「適切な報道対策」という項目があるのですね。その中身は、組織防衛を最優先するようにと書いてあるのです。だから問題になったでしょう、これは。同じ内容のことを新潟県警の本部長が今も行われている。適切な報道対応というのはそういう趣旨なのかと言わざるを得ないじゃないですか。こういう問題として、どう深刻な受けとめをされているのかということ。
 神奈川県警の不祥事の教訓から、警察庁は新しく、国家公安委員会規則第一号、警察職員の職務倫理及び服務に関する規則、これをつくって発表されました。その五条には何と書いてあるでしょうか。「警察職員は、国民の信頼及び協力が警察の任務を遂行する上で不可欠であることを自覚し、その職の信用を傷つけ、又は警察の不名誉となるような行為をしてはならない。」こういうことが規則までつくって議論されているわけです。発表されているわけです。これを発表したのが一月二十五日、そして虚偽発表一月二十八日、三日後ですよ。信用を傷つけることがまさに数日後にやられている。会議もやった、研修もおやりになっている、通達も規則も出した、それでもまた同じような幹部の不祥事が、こういう事態が起こったということについて、私は深刻さを感じているわけです。
 国家公安委員長、私はこういう点で、こういう努力のさなかにこういうことを実際キャリアの県警本部長が起こしているということについて、反省が必要だということはお二人おっしゃっているわけですけれども、ただ、やはりこういう点を国家公安委員長はどういう御認識を持っていらっしゃるか。内部の自浄能力そのものが問われているということを率直に言わざるを得ないと私は思っております。自助努力だけではもう解決できないという、そういう問題にまで来ているのかなという認識を持つわけですが、国家公安委員長はどのような御認識を持たれますか。
○保利国務大臣 先ほど御答弁申し上げましたとおり、まれに見る残酷な事件だ。したがって、あの報道があった直後から、全国民は恐らくこの事件の様子というのを、真相を知りたいと思っておっただろうし、それから、いろいろな感想を持たれたと思うのです。
 本部長の姿勢を見てみますというと、それだけ大きな事件なんだという感じを持っておられたのかどうか、そういうことを私としては若干疑念に思わざるを得ない。非常に残念なことであります。そして、今まで研修を重ね、また私自身、本部長会議に出席をいたしましていろいろお話を申し上げたことからいいましても、このようないわゆるトップの判断ミスというのを、そういう話題を盛んに論議をしていながら、その直後にそういう判断をした。この判断ミスは、もしそれが真相であれば非常に残念なことだし、厳しく対処していかなければならない事項だ、私はそう思っておるわけであります。
 私自身が警察本部長にいろいろ申し上げておった立場からいって、まことに私自身残念に思いますし、ある意味でいえば、自分がふがいないからかなという感じがしないでもありません。しかし、今度の新潟県警本部長の判断、そしてその事件の概要をきちんと陣頭指揮をとってでもやるべき方がやられた態度かなと思いますと、私としては、警察庁においていろいろ調査団を派遣しまして調べていただいた結果を厳正によく調べて、厳正な処置をしていかなければならないのだろう、事実をよく究明をした後でありますけれども、そういうふうに考えております。
○春名委員 長官にお願いですが、調査チームの調査報告書は木曜日に出られるのかもしれませんが、その調査報告、全容を当委員会に必ず報告していただきたい、これを今約束をしていただきたいと思いますが、それはいいですか。
○田中政府参考人 委員御指摘の調査チームでございますが、二月二十日に官房審議官を長とするチームを新潟に派遣いたしまして、一連の対応につきまして事実関係の調査確認を行わせました。現在、今回の調査結果を取りまとめますとともに、引き続き詳細な調査を進めております。
 御指摘の件につきましては、国家公安委員会の御指導を得ながら対応してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○春名委員 では、国家公安委員長、指導をしてください。それで、国家公安委員長に要請して、一言答弁してもらって終わりたいと思います。
 国家公安委員長は、監察官制度の機能強化にかかわって、前回の議論で、警務部長の下でではなくて本部長直轄にせねばいかぬ、それから、その本部長は倫理観、正義感をしっかり備えている人材を充てなければいけないという二点を言われました。ところが、今回、こういう本部長の倫理観の欠如というような問題が問われるような事件となってしまいました。
 ですから、私どもが最初から言っているように、外部の方を監察制度に入れるというようなことがいよいよ問われておると思いますし、それから警察行政全般の情報公開ですね、先ほどもお話が出ましたけれども。これは原則公開にする、捜査にかかわるどうしてもいかぬ問題は例外にして、原則公開にするという方向に、この事件を教訓にしてやはり真剣に議論する、そういうイニシアチブを国家公安委員長にとっていただきたい。その点を最後に聞いて、私の質問を終わりたいと思いますが、どうでしょう。
○保利国務大臣 公開の問題については、委員からも御指摘のように、いろいろな問題は含んでおりますが、できるだけ前向きに、広報をするように努めるように指導をしたいと思います。
 それから、監察官の問題は、現在私の立場で申し上げれば、国家公安委員会あるいは県の公安委員会と県警本部長との間のいわゆる密接な連絡関係、緊密な連絡関係を保つことにより、監察官を通じて、県警内部の規律保持のために公安委員会が所要の役割を果たすということで考えております。
○春名委員 以上で終わります。
○斉藤委員長 次に、知久馬二三子君。
○知久馬委員 大変御苦労さまです。最後になりました。よろしくお願いいたします。
 まず、私は最初に、地方分権推進法の一括法が昨年成立しまして、いよいよ四月から実施されるわけなんですけれども、それにつきまして、地方分権推進委員会の延長についてのお考えをお伺いしたいと思います。
 まず、この一括法につきましては、機関委任事務の廃止を主な内容とする一括法は本当に画期的なものだと思います。しかしながら、地方分権推進委員会そのものは、根拠となる推進法が時限立法であるということで、本年七月で活動が終わります。地方分権を本当の意味で担保するために、事務区分のあり方にまさるとも劣らず重要なものというのが税財源の移譲であります。私は、地方分権推進委員会がこの税財源の移譲についてさらに検討、調整を行われるように、活動を続けていただく必要があると思います。
 そこで、自治大臣にお伺いいたしますけれども、地方分権推進法を延長して、第二次地方分権推進委員会として活動を続けるようにすべきだと思うのでございますけれども、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○保利国務大臣 地方分権は今後やはり本格的な段階に入っていくわけでありますから、委員御指摘のような、組織を延長する、あるいは新しい組織をつくり直すというような措置は必要だろうと思います。
 ただ、延長の場合ですと、延長法案をつくらなければなりませんし、また、新しい組織をつくる場合でもやはり法案の提出が必要だろうと思います。
 こうした問題につきましては、自治省だけではなくて、総務庁、あるいは内閣の中の内政審議室等で額を寄せ合っていろいろ論議を重ねておりまして、どういう体制がよろしいのかということについて鋭意検討をいたしております。一括法が成立をいたしますときにも、そうした体制を整備するということについての附帯決議をいただいておりますから、その精神を体して、こうした中で議論を重ねて、できるだけこういった本格的な地方分権に対応していく、そういう組織づくりを考えてまいりたいと思っております。
○知久馬委員 こんなことは言うまでもないことなんですけれども、国民一人一人が真に豊かさを実感できる社会を築くためには、何といっても、住民に最も身近な行政主体である市町村が、地域の実情に沿った個性あふれる行政を自主的に、自立的に推進することが何よりも重要であるということは言うまでもございません。先がたおっしゃいましたように、ぜひとも、これからの活動を続けていくためにも、この地方分権推進委員会なるものを善処していっていただきたいと思います。
 それと、二番目ですけれども、バリアフリー法に当事者の意見を反映させるべきではないかということを質問したいと思います。
 長い法案なんですけれども、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案が今国会で提出されました。障害を持つ方々の全国大行動から十年にして、ようやく政府もこのバリアフリーに積極的になり、いろいろな制約がありながらも、法案をまとめるに至ったと思います。だれもが、いつでもどこでも自由に移動できる社会を目指す第一歩として、本当に評価したいと思います。
 そして、法案の一番の問題点は、法案の題名が「高齢者、身体障害者等の」となっていながら、肝心の当事者である高齢者や障害者の方の参画が盛り込まれていないところにあると思うのであります。今でも、せっかく置かれた点字案内板の上下が逆になっていたり、そして駅のエレベーターが不便なところに設置してあるために、駅員さんを呼ばないと使えないというような状況も聞きますし、せっかく取り組まれたバリアフリー化に、一番その状況がよくわかった当事者の方の声が本当に反映できるように、生かせるようにしていただきたいと思うのであります。駅等で、目の見えない方なんかの三分の二ぐらいが本当に駅の下に落ちたとか、それから事故で毎年のように亡くなられておるというような方がございますので、このことにつきましては、やはりぜひともその人たち、当事者の方を入れてほしいと思います。
 また、条例等で市町村が移動円滑化基本構想をつくる際、交通事業者、それから道路管理者、公安委員会とは協議するとなっていますけれども、さっき言いましたように、経験豊富な知恵のある方等が入っていないということですので、ぜひともこれらの方の反映をしていただきたいと思いますので、その点についてお伺いします。
○平林政務次官 交通バリアフリー法と通称しておりますけれども、この法案は、障害者や高齢者等が自立した日常生活や社会生活を営むことができる環境整備を促進するという趣旨から提出されたものでございます。
 実を申しますと、こういう分野の仕事はかねてから地方公共団体が非常に積極的に取り組んでおりまして、例えば福祉の町づくりをやる、そのためには条例も既に制定をしておるというようなことがあちこちで行われております。したがいまして、地方公共団体側としては、具体的な取り組みに当たっては、これまでどおりといいますか、従来から障害者や高齢者などの関係者の御意見を伺いながらやっておるはずでございますから、それをさらに強化するといいますか、推し進めるというようなやり方で今後も対処するもの、そう思っております。
 したがいまして、この法案に基づいていろいろな計画を立てたり実行したりするときにも、今申し上げましたような手順を踏んで行われるものと期待をいたしておるところでございます。
○知久馬委員 私たちの周りを見ましても、いろいろ障害を持っておられる方等の参画というのが本当にないと思うんです。だから、何か弱い方は切り捨てられるというか、考え方の中にもそうしたものがあるんじゃないかなと思いますので、ぜひとも、これにはそうした当事者の方を入れて、意見を聞いていただきたいと思うのであります。
○平林政務次官 御趣旨まことにごもっともでございますから、法案が成立をいたしましたら、そういう方向で我々も地方公共団体に対して連絡をしてまいりたいと思います。
○知久馬委員 次にはまた、三つ目ですけれども、これも、特に自治省の関係というわけでもないけれども、関係がありますので、乗り合いバスの補助制度はどう変わっていくのでしょうかということにつきまして、ちょっとお伺いしたいと思います。
 今国会で、乗り合いバスの需給調整規制の廃止に伴う道路運送法の一部を改正する法律案が提出される予定になっています。既に昨年十二月に改正案の骨子が示されているところでありますが、まだまだ問題点が多く含まれている中身ではないかと思います。特に、地域住民の生活に必要不可欠な重要な役割を果たしている乗り合いバスについて、過疎化の進行、マイカーの大幅な普及によって廃止または縮小の現状にある中で、需給調整規制が撤廃され退出の自由化が図られることになれば、高齢者や児童、そして障害者や通学生、車を持たない人々の交通の確保が大変危機的な状況になると思うのであります。それは火を見るより明らかなことではないかと思いますけれども、地域住民の生活にとって必要不可欠な公共交通機関である地方バス路線の確保は、国及び自治体の重要な責務であると考えます。
 まず、地域住民の交通サービスの維持に関する自治体の責務について、自治大臣の御所見をお聞かせ願いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○平林政務次官 知久馬委員も私どもも同じ地域に住んでおりますので、特にいわゆる過疎バス問題というのは昔から頭痛の種でございました。
 私もいろいろなことで経験をしてまいりましたけれども、従来は、一定の基準に該当するものに対して運輸省から若干の補助金を事業者に対して出しまして、過疎地域のいわば乗車人員の少ないバス路線を維持する、それに伴って地方公共団体も応分の負担をする、こういうやり方でしてまいりました。
 ところが、例の規制緩和の問題が最近出てまいったものでありますから、規制緩和の推進計画というものにおきまして、乗り合いバス事業の需給調整規制、これはやはり生活路線の維持方策の確立ということを前提にしております。ですから、私どもが従来やってきました考え方は前提になっておりますけれども、遅くとも平成十三年度までにこの規制を廃止するということに決まりましたことを受けまして、運輸省の運輸政策審議会の答申を踏まえて、今度の国会に道路運送法の一部改正法案が提出されることになっております。
 これに伴いまして、不採算路線などから路線バスが撤退するなどの事態が考えられるわけでございます。ただし、今申しましたように、必要な生活交通の確保のための対策につきましては、行政と民間、国と地方が適切な役割分担のもとに取り組んでいくべき問題だ、そのように認識をしておるわけであります。
 そのような中で、地方公共団体は、地域の住民生活の足の確保あるいは地域の町づくりというような観点から重要な役割を担っておると考えておりますので、路線バスの維持という手法だけでなくて、もう少し広い範囲で生活の足を確保するということを考える。いわば、行政バスを走らせるとか、あるいはスクールバスを走らせるとか、いろいろな多様な手法を考えに入れながら、実情に応じて、特に高齢者とか、あるいは通学の生徒さんの足の確保を中心に、地方団体として、あるいは地域として主体的に対処していく必要がある、そのように考えております。
○知久馬委員 大変に詳しく、特に私なんかいつも鳥取県同士で話をしているようなことになりますけれども、過疎地を抱えている町村というのが本当に大変なことは、政務次官おっしゃったとおりでございます。
 いずれにしましても、財政措置等については、自治省と運輸省とが今話をされておるということもありますので、公共の福祉とは何かを十分に考えて、地域住民の交通サービスの維持のために支障のないように制度を確立していただきたいと思いますので、ここでお願いしておきます。
○平林政務次官 重ねてのお話でございますが、今申しました需給調整規制の廃止に伴う生活交通の確保につきまして、対策を講ずることが必要な場合は、今後、地方公共団体が中心になりまして、必要に応じて地域協議会というような名前のものをつくりまして、乗り合いタクシーとか、あるいは先ほど申した行政バス、スクールバスなどの活用を含めて、効率的な輸送形態の選択や事業者に対する公的補助のあり方というようなことなどを協議してやっていくということにしたいと思っております。
 そこで、自治省としましては、もちろん、行政と民間とか、あるいは国と地方の役割分担というものを明確にする必要がありまして、明確にいたしました上で、関係省庁とも十分協議をしながら、地方団体の財政運営に支障がないような措置をしていきたい、そう考えております。
○知久馬委員 ありがとうございました。
 時間がなくなりますので、本日もたくさんの委員さんから質問がありましたけれども、まず、東京の外形標準課税についてお伺いしたいと思います。既に本日、政府の見解も出ておりますけれども、どうしても私ども社民党の考え方について発言させていただきたいと思います。
 まず、私ども社会民主党は、物税としての事業税の性格の明確化、都道府県税収の安定的確保、地方税の独立性確保などの観点から、法人事業税の課税標準としての事業の規模ないし活動量をあらわす外形標準を早期に導入すべきことをこれまで主張してまいりました。今回、東京都が地方税法七十二条の十九にある事業税の課税標準の特例規定を活用して大銀行に対する法人事業税について外形標準課税を導入することについては、私どもは、自治体の課税自主権の保障という観点から歓迎するものであります。
 バブルをあおり、不良債権の山を築いたあげく、公的資金で助けてもらいながらろくに経営責任もとらない、そんな大銀行に対する東京都の石原知事さんの課税案に、多くの都民の方が喝采しているのではないかと思うのであります。
 しかし、今回の東京都の案では、皆さんがおっしゃっていますように、まず、納税義務者を資金量五兆円以上の銀行に限ってするということ、それから、五年間の時限措置であることから短期的な税収補てんであるように思われるのです。事業税の体系に対する基本的構想や銀行以外の事業体への導入の展望などについて不明な問題点が余りに多いという感想も持っております。政府税制調査会でも外形標準課税の導入について合意しているものの、景気回復後の課題として、実施時期などについて明示されていません。
 私どもは、大都市自治体の財政危機解消と地方分権を保障する地方税源の抜本的な拡充に向けて、今回の東京都の外形標準課税案が本格的な外形標準課税の早期実現の契機になるよう望んでいます。
 簡単でいいですので、時間もありませんので、そのこと一つだけ、大臣のお考えをお願いします。
○保利国務大臣 地方の財源を強化して地方の経営を滑らかにするということは大変大事なことでありまして、その一つの方策として、法人事業税に対する外形標準課税の導入ということについては、自治省は今までも前向きに取り組んでまいりました。政府税制調査会等に対しましてもそういう働きかけをしてまいりまして、ようやく前向きのムードが出かけたところであります。
 今度、東京都がこういう独自の案を発表されましたが、今委員御指摘のとおり、いろいろな御懸念がありますし、政府もきょう、閣議了解をもちまして政府の見解を発表いたしております。
 そうした問題を踏まえながら東京都はどう対処されるか、これは東京都の自主性にかかっているというふうに思いますけれども、しかし、私どもとしては、全国知事会からの御要請もあり、全国一律の導入を目指すように今後とも精力的に取り組んでまいりたい、こう思っております。
○知久馬委員 ぜひとも善処していただきたいと思います。
 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。
     ――――◇―――――
○斉藤委員長 地方財政に関する件について調査を進めます。
 この際、平成十二年度地方財政計画について説明を聴取いたします。保利自治大臣。
○保利国務大臣 本日は、地方行政委員会の委員長並びに委員の皆様方には、夜遅くまで御審議を賜りまして、まことにありがとうございました。政府の一員として、厚く御礼を申し上げたいと思います。
 それでは、ただいま議題になりました平成十二年度の地方財政計画の概要について御説明を申し上げます。
 平成十二年度におきましては、依然として極めて厳しい地方財政の現状等を踏まえて、歳出面においては、経費全般について徹底した節減合理化を推進する一方、経済新生への対応、地域福祉施策の充実等当面の重要政策課題に対処し、歳入面においては、地方税負担の公平適正化の推進と地方交付税の所要額の確保を図ることを基本としております。
 以下、平成十二年度の地方財政計画の策定方針について御説明申し上げます。
 具体的には、地方税については、個人住民税の最高税率の引き下げ及び定率減税並びに法人事業税の税率の引き下げ等の恒久的な減税を引き続き実施するとともに、平成十二年度の固定資産税の評価がえに伴う土地に係る固定資産税の税負担の調整措置等の所要の措置を講ずることとしております。
 また、地方財政の運営に支障が生じることのないようにするため、通常収支における地方財源不足見込み額については、地方交付税の増額及び建設地方債の発行等により補てんするとともに、恒久的な減税に伴う影響額については、国と地方のたばこ税の税率変更、法人税の地方交付税率の引き上げ、地方特例交付金及び減税補てん債の発行等により補てんすることとしております。
 さらに、地域経済の振興や雇用の安定を図りつつ、自主的、主体的な活力ある地域づくり、住民に身近な社会資本の整備、災害に強い安全な町づくり、総合的な地域福祉施策の充実、農山漁村地域の活性化等を図るため、地方単独事業費の確保等所要の措置を講ずることとしております。
 以上の方針のもとに、平成十二年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は八十八兆九千三百億円、前年度に比べ三千九百八十四億円、〇・五%の増となっております。
 以上が、平成十二年度の地方財政計画の概要であります。
○斉藤委員長 以上で説明は終わりました。
     ――――◇―――――
○斉藤委員長 次に、内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を議題とし、順次趣旨の説明を聴取いたします。保利自治大臣。
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 地方税法等の一部を改正する法律案
 地方交付税法等の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○保利国務大臣 ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその趣旨について御説明申し上げます。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。
 最近における社会経済情勢等にかんがみ、地方税負担の軽減及び合理化等を図るため、平成十二年度の固定資産税の評価がえに伴う土地に係る固定資産税及び都市計画税の税負担の調整措置、宅地等に係る不動産取得税の課税標準の特例措置等を講じるほか、非課税等特別措置の整理合理化等を行う必要があります。
 以上が、この法律案を提案いたします理由であります。
 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 その一は、道府県民税及び市町村民税についての改正であります。
 個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、低所得者層の税負担に配慮するため、所得割の非課税限度額の引き上げを行うことといたしております。また、特定中小会社の株式の譲渡益に対して課税の特例措置を講じることとしております。
 その二は、不動産取得税についての改正であります。
 不動産取得税につきましては、宅地評価土地を平成十二年一月一日から平成十四年十二月三十一日までの間に取得した場合に限り、課税標準を価格の二分の一の額とする特例措置を講じることとしております。また、不動産特定共同事業による一定の不動産の取得に対する課税標準の特例措置の創設等の措置を講じることとしております。
 その三は、固定資産税及び都市計画税についての改正であります。
 固定資産税につきましては、平成十二年度の評価がえに伴い、宅地等に係る固定資産税の抜本的な見直しをさらに推進し、課税の公平の観点から負担水準のばらつきを解消するため、宅地等のうち、負担水準の高い土地については税負担を抑制しつつ、負担水準の均衡化を図るとともに、あわせて、著しい地価の下落に対応した措置を平成九年度評価がえに引き続き講じることとしております。
 また、都市計画税につきましては、従来と同様に激変緩和措置としての税負担の調整措置を講じるとともに、固定資産税において講じられる税負担の抑制措置を市町村の自主的な判断により行うことができる措置を引き続き講じることとしております。
 さらに、新築住宅及び特定優良賃貸住宅に係る固定資産税の減額措置の適用期限を延長するとともに、鉄道事業者の送電施設の用に供する償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置の見直しを行う等の措置を講じることとしております。
 その四は、自動車取得税についての改正であります。
 自動車取得税につきましては、平成十三年自動車排出ガス規制に適合する自動車の取得に係る税率の軽減措置を講じることとしております。
 その五は、国民健康保険税についての改正であります。
 国民健康保険税につきましては、基礎課税額に係る課税限度額を五十三万円とするとともに、介護納付金課税額に係る課税限度額を七万円とすることとしております。
 その他、平成十二年度の固定資産税の土地の評価がえに伴い、平成十三年度から平成十五年度までの各年度分の国有資産等所在市町村交付金について所要の措置を講じることとしております。
 以上が、地方税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。
 地方財政の収支が引き続き著しく不均衡な状況にあること等にかんがみ、地方交付税の総額の確保に資するため、平成十二年度分の地方交付税の総額について特例措置を講ずるとともに、平成十三年度から平成二十四年度までの間における国の一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計への繰り入れに関する特例等を改正するほか、各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費及び地方団体の行政水準の向上のため必要となる経費の財源を措置するため地方交付税の単位費用を改正する等の必要があります。
 以上が、この法律案を提案いたします理由であります。
 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 まず、平成十二年度分の地方交付税の総額につきましては、地方交付税法第六条第二項の額に、平成十二年度における加算額七千五百億円、交付税特別会計借入金八兆八百八十一億円及び同特別会計における剰余金千三百億円を加算した額から、同特別会計借入金利子支払い額八千二百七十九億円を控除した額とすることとしております。
 また、平成十三年度から平成二十四年度までの間における国の一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計への繰り入れに関する特例等を改正することとしております。
 次に、平成十二年度分の普通交付税の算定につきましては、新たな発展基盤の整備等に要する経費、少子高齢社会に向けた地域福祉施策の充実に要する経費、教職員定数の改善、私学助成の充実等教育施策に要する経費、道路、下水道等住民の生活に直結する公共施設の整備及び維持管理に要する経費、国土保全対策、農山漁村地域の活性化等に要する経費、中心市街地再活性化対策に要する経費、消防救急業務の充実、震災対策の推進等に要する経費、自然環境の保全、廃棄物の減量化等快適な環境づくりに要する経費、地域社会における国際化、情報化への対応、文化、スポーツの振興に要する経費及び地方団体の行政改革、人材育成の推進に要する経費の財源等を措置することとしております。
 また、算定方法の簡明化を図るため、基準財政需要額の算定に係る経費の種類として、補正予算債償還費及び公共事業等臨時特例債償還費を設けるとともに、公園費において新たに測定単位を設けることとしております。
 さらに、合併市町村の建設のための事業費の財源に充てた地方債に係る元利償還金を基準財政需要額に算入するため、合併特例債償還費を設けることとしております。
 以上が、地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
 以上でございます。
○斉藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る二十四日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後九時散会