第147回国会 地方行政委員会 第3号
平成十二年二月二十四日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 斉藤斗志二君
  理事 田野瀬良太郎君 理事 滝   実君
   理事 中野 正志君 理事 山本 公一君
   理事 中川 正春君 理事 中沢 健次君
   理事 桝屋 敬悟君 理事 鰐淵 俊之君
      今井  宏君    大野 松茂君
      栗原 裕康君    杉山 憲夫君
      橘 康太郎君    谷  洋一君
      西田  司君    平沢 勝栄君
      平林 鴻三君    水野 賢一君
      目片  信君    河村たかし君
      桑原  豊君    松崎 公昭君
      松本  龍君    石垣 一夫君
      北側 一雄君    野田  毅君
      穀田 恵二君    春名 直章君
     知久馬二三子君
    …………………………………
   自治大臣
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長) 保利 耕輔君
   自治政務次官       平林 鴻三君
   自治政務次官       橘 康太郎君
   政府参考人
   (内閣法制局第一部長)  阪田 雅裕君
   政府参考人
   (警察庁長官)      田中 節夫君
   政府参考人
   (警察庁長官官房長)   石川 重明君
   政府参考人
   (警察庁生活安全局長)  黒澤 正和君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    林  則清君
   政府参考人
   (国土庁土地局長)    小林 新一君
   政府参考人
   (建設省都市局長)    山本 正堯君
   政府参考人
   (自治省行政局長)    中川 浩明君
   政府参考人
   (自治省財政局長)    嶋津  昭君
   政府参考人
   (自治省税務局長)    石井 隆一君
   政府参考人
   (消防庁長官)      鈴木 正明君
   地方行政委員会専門員   蓼沼 朗寿君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十四日
 辞任         補欠選任
  大野 松茂君     目片  信君
同日
 辞任         補欠選任
  目片  信君     大野 松茂君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一六号)

    午前九時開議
     ――――◇―――――
○斉藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣法制局第一部長阪田雅裕君、警察庁長官官房長石川重明君、国土庁土地局長小林新一君、建設省都市局長山本正堯君、自治省財政局長嶋津昭君及び自治省税務局長石井隆一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
○斉藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。滝実君。
○滝委員 自由民主党の滝実でございます。
 地方税法の改正法案、そして地方交付税法の改正法案、そういう順番で御質問を申し上げたいと思います。ただし、通告させていただいております順番を多少変更いたしまして、国土庁及び建設省から局長においでをいただいておりますので、ほかの委員会がございますので、ちょっと順番を変更させていただいて、国土庁の土地局長、そして建設省の都市局長さんの順番で、該当するような質問を先に申し上げたいと思いますので、御了解をいただきたいと思うんです。
 まず、地方税法の関係でございますけれども、平成十二年度は固定資産税の評価がえということで、三年に一遍の時期になってまいりますので、今回の地方税法の改正の中でも、固定資産の評価がえに伴う議論がほとんどであるわけでございます。そこで、この時期になりますと、どうしてもその前提として、土地の評価がどういうような格好で行われているのか、特に固定資産税の評価の基準になります土地公示価格、この問題をめぐっていろいろな議論が出ております。まず、その実情につきまして、国土庁の土地局長さんにおいでをいただいておりますので、そういう点から三点ばかり御質問をさせていただきたいと思うんです。
 まず、公示価格の問題なんでございます。土地公示価格というのは、御案内のとおり、現在全国で三万ポイントと申しますか、三万地点でこの土地公示価格が評価されて公表されているわけですね。この土地公示価格をもとにして固定資産税の評価が行われる、こういうような段取りになっているんでございますけれども、そもそもの疑問点として、三万点ばかりの公示価格の評価地点で、昨今のように土地の取引が低調な時代には、本当に土地の価格の動向が把握し切れるのかどうか。全般的に土地の取引が盛んなときには、三万点でもそれぞれのポイントについて取引価格がつかめると思うんでございますけれども、この低調な時代に本当に大丈夫なのかという疑問がまずあるわけでございます。
 もちろん、地方税法の評価がえに当たりましては、別途市町村が全国四十万地域について補充して評価をしているんでございますけれども、しかし、何といってもこの三万点の公示価格が基本でございます。したがって、そもそも、そういうようなことで動向がつかめるのかどうか、そういう疑問がありますので、その辺のところをまず土地局長さんにお尋ねをさせていただきたいと思います。
○小林政府参考人 地価公示につきましては、一般の土地取引の指標などとしての役割を果たせますように、また公的土地評価の均衡化、適正化の推進などのさまざまな観点から充実に努めてきております。
 その地点数でございますが、平成四年の地価公示の時点では一万七千百十五地点でございました。平成十二年の地価公示では三万一千地点が設定されておりまして、地価動向を把握する上で必要な地点数の確保を図ってきたところでございます。
 地価公示に求められておりますさまざまな役割を果たしていくためには、的確な地価動向を把握し得るだけの地点数が確保されることが必要であるというふうに認識しております。
 今後とも、地域におきまして適切に地点が設定されているかなどにつきまして調査を行いまして、それを踏まえて地価公示の充実に努めてまいりたいと考えております。
○滝委員 今のお話の中には、三万点について、正確には今回三万一千地域、こういうふうにおっしゃっていますけれども、その三万一千地域で公示価格を公表する程度の取引がそれぞれつかまえていられる、こういうようなことになるんでしょうか。
○小林政府参考人 私どもといたしましては、現在の三万一千地点で必要な地点数は確保できているものと考えております。
 地域において適切に地点が設定されているかなどについて調査を行いと申しましたのは、平成十二年度の予算要求で要求させていただいておりますけれども、商業地の地価の二極化というような現象もございますので、そういう点も十分調べまして、地点の設定につきまして必要なものにつきましては見直しを加えたいということで調査をすることといたしておるということでございます。
○滝委員 順次、調査地点が増加していることは今のお話でも明らかなわけでございますけれども、これが何といっても固定資産税の一番の基本でございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 あわせて、つけ加えさせていただきますならば、全国市長会からも評価がえのたびに地価公示地点数を拡充されたいという要望が出されていると思いますので、その辺のところもひとつしんしゃくをしていただきたいと思うのでございます。
 次に、二番目の問題として、必ず出てまいりますのが、現在の土地評価は基本的には土地の取引価格、売買価格、これが基本であるわけでございますけれども、評価がえの時期になりますと常に、それはおかしいんであって収益還元価格をもとにして固定資産の評価があるべきだ、こういうことが経済界からも言われますし、学者からも言われますし、そしてマスコミからもそういうような記事が取り上げられることが往々にしてあるわけでございます。
 これが、恐らく自治省の見解であれば、収益還元価格は一番望ましいことは望ましいんでしょうけれども、それが本当に固定資産の評価ができるのかどうか、収益還元方式による評価ができるのかどうかということが常に現実論の問題として出てくるわけでございます。
 具体的に、土地局の方は、公示価格の評価をする際に、実際に収益還元方式というのはどの程度まで取り上げられているのか、そして、地域的には差がないほど一般的に収益還元価格方式を取り入れることができるのかどうか、その辺のところをちょっとお尋ね申し上げたいと思うんです。
○小林政府参考人 地価公示などの不動産鑑定評価に当たりましては、原価法、取引事例比較法、それから、ただいま先生御指摘の収益還元法、この三つの手法を原則として併用いたしまして、これらによりまして求めました三つの試算価格を調整して評価額を決定すべきというふうにされております。
 このうち、収益還元法でございますが、不動産から生み出される収益に着目して評価する方法でございます。賃料などの確実な収益を生み出す商業地の不動産の価格を求める場合には有効性を発揮いたします。しかしながら、一般住宅地のように、通常、収益性を前提としない取引がなされているような場合には限界がありまして、近傍類地の取引事例に着目した取引事例比較法が重視されているということでございます。
○滝委員 今おっしゃるように、業務地域と申しますか貸しビルの地域、あるいはマンションが集中している地域では収益還元方式というのは文字どおり可能だと思うのですよ。取引がなくても収益を把握する資料というのはあるわけでございますから。
 そうしますと、逆に出てまいりますのは、地域的にいろいろな方式を加味するというと不公平になるんじゃなかろうかなということも、アメリカでは現実に問題になっているわけですね。アメリカでは、一部の地域は収益還元方式で堂々とやっている地域があると思えば、取引価格によってやっている地域がある。そうすると、両地域ではっきりと差をつけますとどうも不公平じゃないかという議論もあるやに聞いているのでございますけれども、現実に日本の場合には、公示価格の際にその辺のところはどうやって調整しているんでしょうか。
○小林政府参考人 先ほど申しましたように、三つの手法を原則として併用いたしまして、それらを調整して評価額を決定するわけでございます。
 具体的には、個々の不動産鑑定士が評価していくわけでございますが、その中で、出てきました試算価格をもとに、それぞれの地域において、価格形成に占める収益性というのがどの程度のウエートを占めるかというようなこと、あるいは周辺の地価決定において占めますウエートというのはどの程度かというようなことを総合的に勘案しながら、調整を行って決定しているということでございます。
○滝委員 今のお話によりますと、その辺のところは、日本の場合には公示価格を決定する際には三方式をそれなりに加味して決定されるように理解をさせていただきました。
 そうしますと、固定資産の評価の前提となる問題について三番目にお聞きしたいのでございますけれども、今回の評価がえに当たりまして盛んに議論されましたのは、大都市はもとより、地方都市におきましても商店街の収益が非常に極端に低下しておる、そういう極端に低下しているところで固定資産税が高い、高いからもう店じまいをしなければならない商店が続出する、こういうようなことが話題になったわけでございます。
 今の土地局長さんの評価方法によりますと、商店街で収益が低下しておる、あるいはほとんど赤字だというような地域においては、当然そういうような、特に商店街であれば余計、収益というものは公示価格に反映されているというふうに理解できるわけでございますけれども、実際問題としてどういうことになっているのか、お示しいただきたいと思うのです。
○小林政府参考人 地方の中心市街地といいますか商業地での状況でございますが、直近の地価調査でございます昨年七月一日現在の都道府県地価調査によりますと、商業地につきまして、地方圏の人口十万人以上の都市の相当数のところで年間一割以上の下落というふうなことになっております。
 この要因といたしましては、地方都市の中心商業地におきまして、景気の低迷によりまして地域経済が厳しくなっている、あるいはリストラによります本支店の統廃合、そういうふうなことで収益力が低下していることが地価に反映されているというふうに認識いたしております。
○滝委員 商業地域で特に地価の下落が甚だしい、それは土地の収益力が低下していることの反映ではないか、こういうようなことでございますので、国土庁の公示価格はそういう意味では的確に収益をも反映されている、こういうような御答弁だろうと思うのでございます。
 そこで、前段階はそういうようなことを前提にして、以下、自治省にお伺いをいたしますので、土地局長さんはもう退席されていただいて結構でございますので、ありがとうございました。
 そこで本論の、固定資産税の評価そのものについて自治省にお尋ねを申し上げたいと思います。
 最後に土地局長からもお話ございましたように、都市部、特に商業地域の税負担が高い、こういうことで、昨年来税法改正をめぐっていろいろなやりとりがありましたし、その議論はマスコミにも報道されてきたわけでございます。ところが、今のお話のように、収益の問題というのは当然、評価がえのときに反映された公示価格をもとにして評価をするわけですから、収益力が低下すればおのずからそれに対応する評価が出てくる、こういうふうに考えていいのだろうと思うのでございます。
 問題は、そういうような、レベルとしての地価の上がり下がりが的確に反映されているかどうかということと、もう一つは、議論の中でありましたのは、全国的に見て公平かどうかということがその背景にあるのだろうと思うんですね。要するに、地価の動向を、公示価格の一応七割を基準にして固定資産税の評価をする、こういうことになっているわけでございます。これは、平成六年度の固定資産の評価がえの際から、地価公示価格の七割をもって固定資産税の評価をする、こういうことになっているわけですから、そのときからそうなっているのですけれども、それが全国一律には必ずしもうまくいっていない。しかも、同じ県であっても地域によって、公示価格の本当に七割になっているかどうかというのはばらつきがかなりある。
 そういうようなことが背景にあって、なおかつ、そういう商業地の値下がり問題が的確にされているかどうかという不安感があって、いろいろな議論があったと思うのでございますけれども、こういった点について、今度の改正法案では具体的にどういうような配慮がされているのか、その辺のところからまずお尋ねをしたいと思うのです。
○平林政務次官 このたびの固定資産税の評価額の改定の問題でございますけれども、地方税法の改正の中で一番大きな課題になっておるわけであります。
 滝委員も従来の経過はよく御承知であります。今回の改正も、過去の経過等にかんがみまして、おっしゃるような点を配慮しながら立案をしたということでございますが、平成十二年度以降の税負担については、地価の下落傾向は依然として続いておるという状況のもとに、特に税の負担感が高い都市部の商業地、おっしゃるような公平の観点から見て、特に都市部の商業地が負担感が強いという批判がございますので、そういうところに配慮いたしますとともに、平成九年度の、前回の評価がえから着手いたしました負担水準の均衡化を一層促進するという観点から、商業地等に係る負担水準の上限を引き下げるということにいたしました。
 具体的には、商業地等の課税標準の上限を、現行の評価額の八〇%から平成十二、十三年度は七五%に、平成十四年度は七〇%に引き下げます一方で、六〇%未満のものにつきましては、負担水準に応じてなだらかに税負担が上昇するような負担調整措置、調整措置を基本に均衡化を進めるということにしたところでございます。
 また、実は地方財政の状況というものも、税でございますから勘案をしなければならぬということでありまして、特に固定資産税は市町村財政を支える基本税目であります。極めて厳しい現在の地方財政事情にかんがみまして、負担の水準の上限を一気に七〇%まで引き下げるということではなくて、平成十四年度までかけて段階的に引き下げるということによって市町村の財政運営に支障を来さないように配慮をした、そういう面がございます。
 したがいまして、今回の制度改正によりまして、固定資産税の土地分で約三百二十億円程度、都市計画税の土地分と合わせて約三百七十億円程度の減収になるということでございます。
○滝委員 もともと、平成六年度の評価がえの際に、公示価格の七割を目標にして土地の固定資産税の課税標準をつくる、こういうことで出発したわけでございますけれども、やはり全国的なばらつきを是正する方がむしろ公平性の原則から優先させるべきだ、こういうことで、従前は一〇〇%公示価格の七割評価というのをやめて上の方をちょん切る、要するに上の方は七割の八割を上限として、できるだけ全国的な、あるいは地域的なばらつきをなくすような配慮を特例として導入してきたわけでございますけれども、今回の制度はそれをさらに、とりあえずは平成十二年、十三年度は従来の八割を七五%まで、もうちょっと真ん中の方に寄らせる、こういうことですね。それを平成十四年度は、さらにもう一遍それを七割まで、要するに七割の七割ですから、平成十四年度では公示価格のいわば四九%、約半分まで、平均するようなところに持ってくる、こういうようなことで商業地域における負担感を軽くした、こういうようなことになろうかと思います。
 ただ、今の、土地だけの評価でいけば増収になるところと減収になるところとあるわけですけれども、今回あわせて、家屋の評価基準も、これは評価のたびに変えているわけですね。当然、家屋、建物の再取得価格が固定資産税の課税標準の基準でございますから、取得価格が物価の低下でもって下がれば当然下がるということで、家屋の方も下がるわけでございますので、そういうことになりますと、土地だけでなくて、家屋は軒並み下がることになるだろうと思うのですけれども、そういった点では、税収の確保の点でどういうことになるのだろうかと思うのですけれども、その辺のところを。
○石井政府参考人 委員御指摘のとおり、家屋についての固定資産税、これは三年ごとに見直しをしておりますので、十二年度は家屋だけとりますと、固定資産税で約千七百億円ほどの減収になる見込みでございます。
○滝委員 商業地はそういうようなことで、できるだけ真ん中部分に集めてくる、こういうことになるのでございますけれども、次に、住宅用地の税負担についてどうなのかということに相なるわけでございます。
 具体的に言えば、住宅の場合はかなり特例措置を設けまして、現在は実際の評価額の六分の一ですか、そういうところまで下げてきているわけでございますから、毎年毎年の評価がえのたびの上げ下げは、商業地に比べればさほど問題にならないという点もあるのでございますけれども、個人にとってみれば、やはり上がるものは上がる、下がるものは下がるということになるものですから、商業地との比較では必ずしも納得できないところが個別的には出てくるだろうと思うのでございますけれども、例えば住宅地の場合はどういうような感覚になるのか。
 例えば、上がった上がったと言う人は上がった上がったと言うでしょうし、その辺のところは、その上がり方がどの程度のものなのか、ひとつイメージとして、感覚としてわかるような説明、どうするのかを教えていただきたいと思うのです。
○平林政務次官 住宅用地でございますが、これもおっしゃるとおりのシステムでやっておりますが、要するに、課税標準額を価格の六分の一にしておる、もちろん二百平米を超える部分については三分の一ということでありますが、さような特例によりまして既に大幅な軽減措置を講じております。
 そこで、平成十二年度の評価がえに伴いまして、小規模住宅用地につきましては、評価額ベースで約四割の土地は税額が引き下げまたは据え置きになる、負担水準が低い六割程度の土地は税額がなだらかに引き上げられる、こういうことになると判断をしております。
 例えば、税額が引き上げになる場合の平均的な税負担の程度につきまして、東京都町田市を例にして試算してみますと、百五十平方メートルの住宅用地と仮定した場合には、負担水準六〇%の土地では年額三万四千七百円の税額が年額八百円程度の増加になるというような、仮定を置いての話でございますけれども、試算ができております。
○滝委員 三万四千七百円払っておった住宅地でこれから八百円ばかり上がるというような、一つの典型的な例として御紹介をいただきましたけれども、私は、そういう具体的なイメージで解説というかPRをしていただきませんと、上がる上がるといってもどの程度上がるのかという不安感というのはみんな持たれるというふうに思いますので、上がる幅が大体そんなものだ、こういうようなことも含めて、具体的にイメージとして持てるようなPRをこの評価がえの際にひとつお願いを申し上げたいと思うのです。
○平林政務次官 御指摘の点は十分に考えまして、PRに遺漏のないようにしてまいりたいと存じます。
○滝委員 いずれにいたしましても、ことしは評価がえが、しかも固定資産税という、市町村税にとっては一番の基幹、根幹の税の大事な時期でございます。三年に一遍のことではあるのでございますけれども、やはり納税者に理解と納得が得られるようなPRの方も、怠りはないだろうと思いますけれども、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 固定資産税はこの程度にいたしまして、税関係で一つだけ、具体的な問題として御質問を申し上げたいと思うのです。
 実は、国民健康保険税でございますけれども、国民健康保険税の中で課税限度額が従来から設定をされております。今まで国民健康保険税の課税限度額は五十三万円というふうに設定をされているわけでございますけれども、今回の改正で、この五十三万円そのものは据え置き、それに加えて、四月から導入される介護保険に伴いまして、介護分として一体的に国民健康保険税として徴収する、こういうことになっておりますので、介護分として七万円が上乗せになっているわけでございます。
 そうすると、五十三万円の限度額と七万円の限度額と別々に、要するに、医療分、医療の関係の本来の限度額と介護保険導入等に伴う介護分と別々の設定になっているようでございますけれども、その辺の考え方を教えていただきたいと思うのです。
○石井政府参考人 国民健康保険税の課税額は、ただいま委員がおっしゃいましたように、本来保険料の性格を有するということもございまして、過度に高いものとならないように、課税額の上限でございます限度額を従来は五十三万円としたわけでございます。
 今回は、今お話に出ましたように、医療分についての課税限度額を五十三万円、それから介護に係る課税限度額を七万円というふうに設定しまして、医療分と介護分を分けることにしたわけです。
 これは、仮に医療分と介護分を合算して課税限度額を定めました場合には、例えば、介護分に係る課税額の設定によりまして課税限度額を超過した場合でも、介護保険の第二号被保険者の属さない世帯にその超過した部分は転嫁されることになるという問題が生じますとか、あるいは、介護分に係る課税額の設定に対応しまして課税限度額を引き上げました場合、医療分で既に限度額を超過している世帯は第二号被保険者がその世帯にいなくても税負担が増加することになる、こういったような問題が生じますものですから、それぞれ別々に課税限度額を設定させていただいているということでございます。
○滝委員 今の御説明でわかるのでございますけれども、本来、五十三万円と七万円と面倒くさいから六十万円で設定したらいいじゃないか、こういうふうにも思うのでございますけれども、さすがそこのところは数学に強い税務局長さんでいらっしゃいまして、合算して六十万円で示すと人によっては不公平が出てくる、こういうケースがあるから分けた、そこまではわかりました。大変芸の細かい話なんです。
 実は、そこはそこでわかったのですけれども、これは去年の医療分五十三万円据え置きというものですから、これは課税限度額ですから、従来こんなものは、もともと青天井の課税額を、かわいそうだからというので青天井をやめて低い天井をつくってやろうというのが課税限度額ですから、余り国民的な同情がないのですね、この課税限度額は。そういう意味では、去年までが五十三万、これからも五十三万というのは、なるほどそんなものかというふうに見ていられないこともないのですけれども、よく考えてみると、これが実に、考え出すと納得のいかない問題が潜んでいるわけでございます。
 これは要するに、自治省の税務局の話じゃなくて、厚生省の介護保険と医療保険の仕組みの話になるわけですね。何となれば、国民が厚生省から聞かされているところでは、要するに、二号保険者、一般のサラリーマンですね、端的に言えば。サラリーマンの毎月々の保険料はこの介護保険の導入によって下がりますよ、そのかわり月々二千五百円程度の介護保険料を払ってもらうのだと。裏を返せば、介護保険料は二千五百円ずつプラスになるけれども、その分だけ、少しばかりですけれども、医療保険の方は月額の納入額が減ります、こういうふうに説明を受けてきたところから考えると、この医療分の限度額五十三万円の据え置きというのは、そういう説明とあわせ考えると合わないじゃないかと。七万円のプラスはわかったけれども、七万円プラスになるなら、一万円下がるのか二万円下がるのか知りませんけれども、そこそこの額は、この五十三万円は据え置きじゃなくて下がらないといけないんじゃないだろうかな、こういうことになるわけですね。
 ところが、聞いてみますと、いや、医療費の実態が、建前はそうだけれども、下げられるような実態になっていない、既にこの一年間で医療費が増嵩してしまっているから、むしろ五十三万円の据え置きでもってありがたく思わなければいかぬと。医療費の実態を反映すると、医療保険の保険料はもうちょっと本当は上がるところが、介護保険の導入によってむしろ据え置くことができるようになっただけでも大変なことだぐらいの理解をしないといけないのかなというふうになってくるわけでございます。
 私は、税務局長さんにこれを文句を言ってもしようがないので、実態が、医療費が上がってきているのですから医療保険料も上がらざるを得ないというのはわかるのですけれども、これはこのまま、限度額だからといって、従来どおり余りはいはいと言って聞いていてはいけないんじゃないかな。その裏に潜む介護保険のシステムの基本的な問題点というものを、ひとつよく税務局長から厚生省の方へ申し入れをしておいてもらいたい。
 場合によっては、各市町村の条例がこれでもって設定されると思うのですね、五十三万円プラス七万円で。条例はこれで設定されると思うのですけれども、ひとつそこのところの努力を、厚生省で汗をかいていただかないとぐあいが悪いんじゃないだろうか。
 何となれば、今度の介護保険の導入に伴って、いわば保険者、例えば各健康保険組合だとかそういうような保険者には、介護保険によって経費の増嵩する分を交付金を出すことになっているわけですね。保険者には出しておいて第二号保険者はいいのかというような問題もこれあり、これは厚生省でもう少し、医療費が上がってしまったからしようがないというような筋合いのものではないんじゃなかろうかなというのが率直な気持ちでございますので、ひとつ申し入れの方をよろしくお願い申し上げたいと思います。これは要望にしておきます。
 次に、地方交付税法関係について質問を移させていただきますけれども、全体の話の前に、きょうは建設委員会も開かれている中で、せっかく都市局長さんに来ていただいておりますので、個別の問題を先に取り上げさせていただきたいと思うのでございます。
 と申しますのは、地方分権計画の、あれは第二次計画の中に入っていたと思うのでございますけれども、統合補助金というのを設定していくということで、もう既にこれは一部施行されているわけです。平成十二年度分として、この第二次分権計画の中に入っている部分が今回出てくるわけでございますけれども、その大半が実は都市局の関係あるいは住宅局の関係、建設省で申せば。それからあとは農林関係。こういうことが十二年度で出てくる統合補助金の新しいメニューなわけでございます。
 そこで、都市局関係の統合補助金の考え方、どんなものについてどういうふうにするのか、その辺のまず考え方をお示しいただきたいと思うのです。
○山本政府参考人 お答えさせていただきます。
 先生今御指摘のとおり、今回、中央省庁等改革基本法並びに第二次の地方分権推進計画等を踏まえまして、地方公共団体がより裁量的に事業を執行できるというような制度として統合補助金が創設されたわけでございます。縦型の補助金、それから横型の補助金、両方の型があるわけでございますが、統合補助金の具体的な執行手続等につきましては、現在、鋭意最終的な詰めをやらせていただいている段階でございます。
 なお、今現在考えられております概要でございますけれども、私ども、公共下水道、都市公園あるいは街路、再開発事業といったような点についての縦型、横型、両方の補助金が考えられておるわけでございます。
 まず縦型の統合補助金につきましては、例えば公共下水道あるいは都市公園等の補助事業についてでございますが、市町村が当該事業につきまして、大規模なものでありますとか、そういうような個別の補助金とする以外の小さい、統合補助金の対象となるような事業につきまして、中期目標、あるいは計画期間中の事業箇所、事業内容等を定めた中期の事業計画書を市町村が策定をいたします。国は、その事業計画書を参考にして、市町村ごとの配分枠を決定するということでございます。
 その配分枠の範囲内で、市町村は、当該年度に事業を行う具体的箇所、その市町村ごとに何カ所かございますが、そういうような事業箇所、内容等を定めて補助金を交付申請し、国は補助金を交付する。こういう格好でございまして、交付決定後の事業箇所の変更等については、事業計画書に適合している限り申請どおり認める、あるいは変更手続が極力不要になるように措置するといったようなことで、弾力的、裁量的に事業を執行していきたい、こういうスキームになっているわけでございます。
 また、もう一方の横型の統合補助金でございますが、これにつきましては、私ども「まちづくり総合支援事業」ということで制度を構築したいというふうに考えておりまして、地域が創意工夫を生かした、地域が主体の町づくりを強力に推進するということで、こういう一定の区域の必要な事業をパッケージで一括助成するといったような制度を考えておるところでございます。
 具体的には、市町村が、例えば中心市街地の活性化等の課題に対応いたしまして、一定の地域におきまして連携して行われる複数の事業、公園でありますとか下水道、再開発といったような複数の事業を、おおむね五カ年の事業計画を定めまして、これを地区単位で一括採択する、補助金の交付につきましては各年度ごとに地区単位で一括して行う、地区内における個々の事業への配分は市町村が行うということでございます。
 この「まちづくり総合支援事業」につきましては、地区単位で採択や交付を行う事業でございますので、補助金の交付に関しましては、各事業について各年度ごとに必要となる金額を積み上げた要望をいただきまして、国は、地区全体の緊急性とか進捗状況等を勘案しまして査定、配分を行うというふうに考えておるところでございます。
 あるいはまた、横型の統合的な補助金でございます都市再開発関連公共施設整備促進事業も同じような考え方でございます。当該事業地区内での公共施設の流用といったようなことも地方にゆだねたいということでございます。
 こうした制度によりまして、地域が、中心市街地活性化等、例えばそういうような共通の課題に対しまして、公園とか下水道といったような複数の事業が同じ進捗度合いで、同時に採択され同時に行われるということで、今後、各事業間でいびつになるような事業進捗がないようにということで考えておるところでございます。
 さらに今後、詳細について詰めて、実効を期していきたいというふうに考えておるところでございます。
○滝委員 ありがとうございました。
 今都市局長さんのおっしゃった縦型、横型というのは一般にはなじみがないわけでございますけれども、要するに、縦型というのは、公共下水道でいえば管渠ですね。下水道管のものを統合補助金にする、あるいは公園については統合補助金にする、こういう意味で縦型、こうおっしゃっているわけですね。それから横型というのは、町づくり統合補助金、要するに、いろいろな事業をその中に組み込んだ事業という意味で横型だと思うんです。
 そこで、まだ詰めるところがあるとおっしゃるのは、結局は、これは会計検査の問題が必ず絡んでくるわけですよね。特に、横型というか、いろいろな事業を一つの町づくり統合補助金という格好にいたしますと、個々の事業に配分されるべき金額を動かしたらどうかとか、あるいは箇所づけを途中で変えちゃったらどうかというたびに会計検査の手続がやかましい、こういうことでございますので、この辺のところは、実が上がりますように、十分地方の自主性が上げられますように、なお実際に実施するまでに都市局長さんのところでひとつ御努力をいただきたい、こういうふうに思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 都市局長さん、これで結構でございます。ありがとうございました。
 回り道しているものですから肝心の時間がなくなってまいりまして、それでは、交付税の基本的な問題についてお尋ねをしたいと思うんです。
 今回の地方財政対策は、平成十年度から三カ年ということで、平成十年、十一年、十二年と同じような枠組みの中で、設定されたルールに基づいて今回の地方財政対策の基本ができ上がっているわけですね。要するに、地方財政として予想される財源不足額について、交付税の拡大を図る、交付税拡大を図った場合には、その拡大した交付税のうち、二分の一は国が責任を持つ、二分の一は地方団体が持ちますよ、いわば、概略そういうようなことで設定されていると思うのでございます。
 そこで、まずお尋ねしたいのは、平成十年、十一年、十二年というふうに設定された一つのルールですから、当然といえば当然なんですけれども、考えてみますと、平成十年度というのは財政構造改革特別措置法ができた年度でございまして、財政改革特別措置法の趣旨にのっとって、極力歳出は抑制する、そういう中で財政再建を国も地方も果たしていくんだ、大枠そういう中で設定されたルールなんですよね。
 したがって、平成十年度、あるいはその前も、要するに財源不足額は四兆ないし五兆ですから決して少なくない額でございますけれども、しかし現在は、平成十一年も十二年も、予想される財源不足額は十兆円に上るような額、しかも、それも歳出を切り詰めるということについての軌道修正を行っていますから、多少歳出拡大型の地方財政対策であるわけですね。同じルールの中での財政状況ではないわけでございます。
 そういうことを考えると、平成十二年度はどうもそこのところが腑に落ちないところがございまして、やはり財政拡大分ぐらいは、それはことしは国も地方も金がないんですから、お互いにないそでは振れぬで、非現実的なことを言ってもしようがないんですけれども、出世したときには出世払いでもって、財政拡大分ぐらいは国が全面的に面倒を見るぐらいの話がないと、これは何となく腑に落ちないんですけれども、その辺のところはどうでしょうか。
○平林政務次官 地方財政の運営につきましては、これは確かに、おっしゃるように、平成十年度に一応十二年度までのルールを決めたといういきさつがございますので、平成十二年度も従来の考え方で国と地方の折半負担というルールを適用したわけでございます。
 これは、約束は約束ということで御理解をいただきたいと思いますが、十三年度以降どうするかという問題につきまして、これからいわば新ルールをつくるわけでございますから、おっしゃるような、いわば国、地方を通ずる財政運営の、どういう運営方針でいくかということも、改めて、十三年度以降のルールをつくるときに大いに考慮しながらやってまいらなければいかぬと思っております。
○滝委員 それに加えまして、基本となりますのは、財源不足対策としまして、毎年恒例でございますけれども、片や交付税の総額の拡大を図る、片や、それだけで足りないものですから、財源対策債を発行してカバーする、こういう二本立てで来ていると思うんですね。二本立てで来ているんですけれども、どうも自治省の説明書を見ても、交付税での拡大分と財源対策債で面倒を見る分の割り振りが、必ずしもきちんとしたルールがあるようでないような話でございまして、財政当局同士では、いろいろ数字の詰めをやっているのでしょうから、それは確たるルールがあると思うのですけれども、一般にはその辺のところが明らかにされておりませんので、その辺のところをひとつ教えていただきたいと思うのです。
○嶋津政府参考人 お答えいたします。
 財源不足額をどういうふうに埋めるかにつきましては、まず、現在大変多額な財源不足の状況にございますので、それを特別会計借り入れという異例の手法でやらざるを得ないということで、その額を極力縮小しなくてはいけないという意味で、建設地方債の増発と交付税特別会計の借り入れを組み合わせるという手法をとっております。
 交付税特別会計の借り入れの額は、建設地方債の増発を目いっぱいやった上で特別会計の借り入れをやろうという考え方に現在立っております。建設地方債を増発できる余地は、従来、通常時でございますと、公共事業等で地方債の発行と一般財源とを組み合わせて、その一般財源分を交付税の基準財政需要額で算定していたわけでございますので、その額を建設地方債に置きかえるという手法で、その部分に財源対策債を充当しているわけでございます。
 したがって、目いっぱいといいますと一〇〇%でございますが、これは技術的な問題もございますので、九五%まで建設地方債を発行しよう。したがって、その余地は、補助事業とかあるいは一部の単独事業、それから学校の建設事業とか一部の単独事業でございまして、その総量に左右されるわけでございまして、目いっぱいに充てられる額が、平成十二年度でいいますと二兆四千三百億でございます。
 したがいまして、財源対策債の額は事業量によって左右されるという意味で、大体毎年度同じぐらい、二兆から二兆四千億ぐらいの額を推移しておりまして、財源不足額がふえるに従いまして交付税特別会計の借入分がふえてしまう、そういうような構成に現在なっているわけでございます。
○滝委員 そういうようなことで、基本的には、順序としては財源対策債が先行して、できるだけ地方債で措置できるものは措置し、措置できないものは交付税の拡大だ、こうなるわけでございますけれども、平成十一年、十二年度は財政拡大の基調の中での財源不足ということでもありますので、私は、平成十三年度以降、国において、出世した場合には従来のルールに上積みして、そういった拡大分はせめて、十年度に設定したルールを超えた国の負担を求めた方が理にかなっているのではなかろうかなという感じがありますので、これは要望として今後の検討課題にしていただきたいと思います。
 次に、平成十二年度の地方財政計画で、地方単独事業を額として減らしてありますね。従来は二十兆円という時代もあったわけでございますけれども、今回は十八兆円台に落としている。落としていますと、地方団体が予算を組む際に単独事業を少しでもふやしますと、地財計画を超えてふやすのはおかしいのじゃないかとか、そういうような議論というものも当然出てくるわけでございます。地方団体としては、やはり地財計画で四%ぐらい減ったのだから個々の団体も単独事業を減らした方がいいのじゃないかとか、そういう議論が出てくると思うのですけれども、実際のところはどういう考え方で減らしているのか、その辺のところを明らかにしていただきたいと思うのです。
○保利国務大臣 御指摘のように、平成十一年度では十九兆三千億、そして平成十二年度では十八兆五千億に数字の上ではなっております。しかし、最近の状況から見ますと、地方税源の減収等によりまして、どうしても事業量そのものが落ちてきておりまして、この計画数字と実績との乖離がどうも目立つということが一つございます。したがいまして、十八兆五千億を計上いたしましても、そこへ近づく努力をすることによって、実績としては上げていってもらいたいという気持ちがございます。
 ただ、御懸念のように、数字を減らしたのだから地方単独事業を減らしてもやむを得ぬかというような意識を現場で持たれますと、現場と言っては失礼でございますが、市町村で持たれるということになりますと、ちょっとそれは問題でございますので、私どもといたしましても、各種の会議でありますとかその他の場所で趣旨をよく説明をしながら、実績として上げていただきますようにお願いをし、PRをしているところであります。
○滝委員 その辺のところは、個々の市町村は、地財計画が減ったから意図的に減らそうとか、そういうことは必ずしもないと思いますけれども、その辺の背景事情をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
 次に、交付税の単位費用あるいは各種補正係数、こういった点をめぐって、かつての分権委員会の報告にもありますように、できるだけわかりやすくしてもらいたい。ついては、補正係数を整理する、あるいはわかりやすくする。それから、できるだけ補正係数から単位費用に振りかえるというか、振りかえられるものは単位費用に振りかえていく、こういうような指摘もされているわけでございますけれども、この辺の状況を、今回はどうなっているのかをお示しいただきたいと思うのです。
○嶋津政府参考人 交付税の算定につきまして、分権委員会等でも、その簡素化といいますか透明化、そういうことについての御指摘をいただいております。
 簡素化と申しますのは、今委員御指摘のような補正係数を使って算定している部分について、なるべくそれを単位費用化した方がいいのではないか、それから透明化の点につきましても、単位費用は交付税法で定めていただくわけでございますので、そういう形で定めていただくのがいいのではないかというような趣旨でございますので、できるだけ私どもは経費の算定につきまして、補正のあり方について随時見直しをしていきたいというふうに考えているわけでございます。
 今御指摘の中にございました段階補正の簡素化についてでございますけれども、ずっと昔をさかのぼりますと、交付税の算定については、補正係数でも二倍までしか補正はしないというようなルールをつくっていた時代もございましたけれども、もう少しきめ細かく見ようということで、少し段階補正を強化していった経緯もございます。
 その結果、どういうことが起こりましたかといいますと、いわゆる費目によりまして、人口等で補正をしてみますときに、小規模団体の経費を係数的に見ますと、だんだん小さい団体が割り増しになるということでいきますと、例えば商工費とかそういうところで見ますと、人口五百人ぐらいの団体ですと、通常の標準団体の十万人規模から比べると十三倍の経費がかかるというような算定をせざるを得なくなるわけでございます。
 それは、小規模団体によりましてはいろいろ知恵を出しまして、例えば職員を兼務されますとか、そういう形でやっておりますので、なるべく決算等を使いまして、実際にどういう経費がかかっているのかということを評価した上で段階補正についての是正をしていこう、こういうことを考えまして、ただそれは、費目別にそういうことがとれるものととれないものとございますので、例えば現在、介護保険とかあるいは高齢者の福祉問題とか、そういう経費につきましては、実態を調べてみますと、やはり小規模団体も相当かかっているというような実態もございますので、できるものから順次やっていこうという形で進めております。
○滝委員 その辺のところは、ひとつわかりやすいということを前提にしてお願いしたいと思うのです。
 時間が参りましたから、最後に御要望だけ二点ほど申し上げたいと思うのです。
 一つは、先ほど税務局長さんにも申し上げましたけれども、介護保険に関連して、大変悩ましい話が具体的にはいろいろ出てくるだろうと思うのです。一番悩ましいのは、根幹の問題として、今回の介護保険の導入によって、少なくともモデルとしての数字からいえば、市町村は財政的には多少楽になる、県はその分だけ負担がふえる。国はもっと楽になる、まあ国にとっては大した額じゃありませんけれども。計算上、国は二千三百円財源が減ります、県は一千三百円ふえます、市町村は千三百円マイナスになります、こういう程度の話なのでございます。
 しかし、具体的にこの数字を見ると、何か国が得するようなそろばん勘定になっておりますので、この辺のところは、ひとつ自治省としても、これから市町村あるいは県の動向を考えながら、国にもう少し物を申すところは申していただきたい、こういうふうに思います。
 それからもう一点、東京都の外形標準課税についてはもう議論が尽きているわけでございますけれども、基本的には、自治大臣がお示しになりました六項目の懸念というのは大変いいことであったと思うのです。やはり税の議論は、もう少し問題点を明らかにして議論をしてもらうということが先行しないといけないという意味で、自治大臣のお示しになった六項目の懸念は大変結構なことになったと思うのでございますけれども、私から要望させていただけますならば、この税は、早目に案をつくって早目に法律を決めていただいて、そして実施は少し猶予期間を置いてから実施するというのがいいと思うのです。
 というのは、要するに、収益が低下した段階で実施するためには、いいときに準備金か何かでいわば税の準備をしておいてもらわなければいかぬわけですね。収益のないところでもって税金を払うというのはなかなか大変なんです。各民間企業が、収益がなくても株式配当をやっているのは、配当準備金を持っているからなんですよね。いいときに準備金を持っていて、悪いときにそれを小出しにして配当をするというのが一般の財務会計のようでございますから、当然こういう平準化すべき税というのはそういうことがないといけないという意味において、そういうことも考慮した上でお考えをいただければありがたい、こういうふうに思います。
 終わります。
○斉藤委員長 次に、中沢健次君。
○中沢委員 民主党の中沢健次でございます。
 きょうは、自治大臣と質問する私と、できるだけさしで、二人で、お互いに政治家同士でございますから、制限時間いっぱい、一本勝負か三本勝負かは別にいたしまして、やらせていただきたいと思います。
 その前に委員長にお願いをしたいと思いますが、ちょうど同時刻に国家公安委員会が開かれている、新潟の事件の報告がある、このように聞いておりますから、ぜひひとつ、この資料につきましては、理事会で協議をしていただきまして、早急に関係委員に配付をしていただく、これをお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○斉藤委員長 理事会で諮ります。
○中沢委員 それではまず、税の関係から入っていきたいと思います。
 今ほど滝委員の方から、さすがにプロの質問は違うなと感心をして聞いておりました。私なりに幾つか準備をしたのでありますけれども、余り重複をするのもどうかと思いますから、少しくここのところは時間短縮をして、焦点を絞って質問をしたいと思います。
 一つは固定資産税、三年に一回の評価がえ。特に、昨年の秋から暮れにかけましては、私は北海道の夕張という、どういう計算をしても財政的にはワーストワンないしワーストテンに必ず入る、こういう夕張の出身でありますから、管内は押しなべてそういうところが多い。やはり、市町村の基幹税目の固定資産税が結果的にどうなるか、大変な話題でございました。行く先々で、中沢さん、一体どうなるかと。何とかひとつ、大規模な減税になって、喜ぶのは納税者かもしらぬけれども、市町村財政が大変だと。あの当時はたしか一千億ぐらいになるのではないかという話でありました。
 結果的に数字その他、先ほどの議論もありましたけれども、三百二十億程度におさまって、しかもそのほとんどが大都市中心、こういうことになったようでありますけれども、細かい数字は別にいたしまして、改めて大臣から、具体的な今度の固定資産税の内容について、どういうことになったのか、まず明らかにしていただきたいと思います。
○保利国務大臣 答弁に先立ちまして、先ほど国家公安委員会の件について御懸念をいただきまして、またそのレポートが出てくるというお話もございました。国家公安委員長としてはまだこのレポートを見ておりませんものですから、私が見て、そして警察庁にオーケーを出して国会に提出したい、こう思っております。いろいろ御心配をいただいておりますことを、ありがたく御礼を申し上げます。
 ただいまのお話でございますけれども、私も自治相に着任をいたしましてから、地方財政の勉強をできるだけ速やかにやらなきゃいけないと思って、いろいろ大急ぎで勉強いたしてまいりましたが、市町村の財政を支える一番大事なものはこの固定資産税であり法人事業税である、二つの税目というのは大宗をなすもの、そういう認識をいたしておりました。
 年末の税制調査会その他で議論をなさいましたときに、一番大きな問題は、やはり地価が下がっているのだから固定資産税を下げろ、こういう全国的な声が非常に強くございまして、各党そうかもしれませんけれども、いろいろな部会等でさまざまな声が出ていたことは事実でございます。
 その中で、やはり税の問題を考えるときは、公平性の問題と、そしてまた、それからきますところの税の均衡化という問題を両方考えていかなければならないなという感じを持って、いろいろ調整に当たっておったわけでございます。
 そして、もう一つの大きな流れといたしまして、やはり都市部におきます商業地域の固定資産税については、今の経済状態からいってどうしても負担が大きいから、これを下げろということで大変大きな運動がございまして、そことの間で、地方財政とそうした商業地域における商業の活性化という問題と、どう調整するかという非常に難しい問題がございまして、自治省の税務当局も随分苦慮をしながらいろいろ交渉を重ねた結果、今回の軽減措置を考えたものであります。
 したがいまして、今委員御指摘のとおり、結果としては三百二十億程度になりましたが、その大宗はやはり商業地に当てはめられたということでございまして、我々も随分頑張ったということは正直に言って申し上げられるのではないか、こう思っております。
○中沢委員 今大臣から、大臣としての努力を含めてのお話がございました。私は率直に言って、大臣を含めて自治省関係者の努力を評価したいと思います。
 ただ、いずれにしても三年ごとの評価がえ、また三年後同じような係数になるかどうかは別にいたしまして、恐らく自治省の関係者あるいは我々を含めていろいろなところと、いい意味で言えばせめぎ合い、調整、こういうことになると思うのです。問題は、三百二十億のうち、聞きますと大都市中心に二百十億、つまり大きな都市の中でかなり集中してその影響を受ける、こういうことだと思うのですね。
 そうしますと、これはいつもそうでありますが、さてそれに対して地方交付税の措置でどうやってやろうとしているか。これはやはり関係の大都市にとっては非常に関心の深い、しかも今、各都道府県では第一回定例議会が始まっているわけでありまして、その内容については恐らく連絡は行っていると思うのでありますが、改めて、財源についてあるいは財政措置について、どのように具体的にやろうとしているのか、大臣の方からお答えをいただきたいと思います。
○保利国務大臣 平成十二年度で、今申し上げましたような固定資産税の税制改正をいたしましたが、その税制改正の減収を見込んだ上で地方財政計画を策定いたしておりますから、減収分は地方財政計画に織り込み済みとお考えをいただきたいのであります。
 その上で、交付税額、これはどうしても必要だという量でありますが、二十一兆四千億という数字がつくられまして、それの財源措置を考えていったということでありますから、固定資産税の減収分については織り込み済みというのが私のお答えであります。
○中沢委員 専門家でありますから、もう恐らくそういう具体的な措置は十分されていると思います。つまりは、基準財政収入額がその分減る、交付税で十分そのことを織り込み済みで措置をした、こういうことだと思うんです。
 さて、話題を変えまして、例の法人事業税の外形標準課税の問題につきまして、これから少しく時間をいただいて議論をしてみたいと思うんです。
 一つは、新聞、テレビで連日報道がありますように、昨日の都議会で、石原知事が具体的な内容も含めていろいろ演説をされている。私は、あるいは私の出身の民主党は、東京の外形標準課税は政治的には評価をする、しかし、具体的な内容でいうと幾つかの問題がある。しかし、やはり政治的に、いろいろな周囲のことなどを考えながらも、よく決断をして、しかも地方の分権の時代、あるいは自主財源をどうやって地方が知恵を絞るか、こういう観点で、私は、我が党も含めて非常にその決断については評価をしているんです。
 さて、問題は、国政レベルで、恐らくこの委員会でもこれからしばらくこういう議論をしなきゃいけないと思いますが、石原知事の国政に対するメッセージというのは、私は重たく受けとめる必要がある。
 あの方は、「太陽の季節」という本を書いて大変有名になって、当時は太陽族なんという社会現象もあったりして、若い皆さんはわからぬかもしらぬですが、我々の年代は青春の思い出として、大臣も私と同じ年ですから、それは鮮烈に思い出しているんじゃないでしょうか。やはりさすがに違うな、率直に言ってそんな感じがします。
 石原知事のメッセージは、簡単に言えば、国会に対して、国会は一体何をやっておると。乱暴かもしれませんね。私は、そういうことはしっかり重たく受けとめて、これからいろいろな議論を、少なくとも、それぞれ国会議員として、政治家として大いにあのメッセージをしっかり受けとめてやるべきだと。具体的な指摘は後でまたしたいと思いますが、大臣としては、まず、そのことについてどういう感想といいましょうか、見解をお持ちですか。
○保利国務大臣 私も石原知事とは昔から面識がございますし、いろいろお話もしたことがございまして、大変尊敬できる方だなと思っておりました。
 今回の御決断というのに対しては、地方自治の観点でありますとか、あるいは課税自主権でありますとか、そういう点について、私はこの点を強調したいと思うんですけれども、報道等によりますと、去年の夏ぐらいから本当に極秘裏に一部の方だけで勉強をされた。そして、今の法制も勉強をされた。地方税法を随分詳しく読まれて、これはできるということを判断されて、決断をされた。そこは大変立派な御決断だったな、こう思っております。
 ただ、石原知事は東京都の知事でいらっしゃる、私は日本の自治大臣である。それから内閣は、日本全体に対して、場合によっては外国まで含む場合がありますけれども、それに対して責任を持たなきゃならぬという立場である。そうすると、おのずと考える立場、視点が少し違うんじゃないかなと思います。そういう意味で、石原知事の御決断は大変高く評価をしながらも、同時に、私どもの立場としていろいろなことを申し上げておくのが必要ではないかなと思いました。
 しかし私は、大事なのは、今地方分権の時代に、この地方分権の精神を大事にしていかなきゃならぬ、今後それに向かってまた努力をしていかなきゃならぬということを考えておりますから、これは国としてはおやめくださいと言う権限もございませんものですから、御意見だけを申し上げておいたという段階でございます。
○中沢委員 今大臣の方から率直な見解の表明がありました。かなり私とも共通する部分がある。与党、野党の違いがありましても、地方行政委員会に所属をする政治家としては、ああいう決断をされた、これはやはり率直に評価をして、しかし問題は、国政として、それじゃ国会の責任で、国の税制で、地方分権の時代とはいいながら、この外形標準課税をどうやって扱っていくか、こういうことだと思うんですよ。
 そこで、話題をそっちの方に移したいと思うんですけれども、もう既に与党の内部で、税調だとかいろいろな部会でいろいろな議論が始まっている。新聞、テレビで報道があります。しかも、一部の報道では、官房長官と与党のこの種の問題の責任者西田先生、今ちょっと御不在ですが、この委員会の私どもの先輩。お二人の話では、この際、国としても決意をして、早急に外形標準の導入について具体的に作業をやって、マスコミ報道ですから真偽のほどはよくわかりませんが、とにかく広く薄く国としてはやった方がいいのではないか、こういう話もあるようです。
 それについて自治大臣の答弁を私は求めませんが、先般の大臣質疑の中で、大臣としては、前向きに国の税制としても外形標準の導入を考えたいと。私は、この前向きという言葉は余り好きでないんですよ。まあ僕らもたまに使いますよ。この問題というのは、もう一九六〇年代ぐらいから、つまり国の段階でああでもない、こうでもないという議論をやって、依然としてまだ実施に移されていない、それだけ非常に難しい問題だ、私もそれは承知しています。
 しかし一方では、東京がもう既に、内容的にはいろいろ問題があっても、来月三十日の都議会の最終日に条例はもう間違いなく決まる。こういう段階において、国の、少なくとも我が地方行政委員会が、この問題について大臣の答弁が前向きということでは、私はちょっと、国民に向かってあるいは都民に向かって、都民といったって、言うまでもなく国民の一割以上いるわけですから、やはり国会の権威として、地方行政委員会の責任の権威の問題として、その程度のお互いの質疑では責任を果たせない、私はそういう思いなんですよ。
 ですから、今まで大臣は、かなり誠意を持って、とにかく外形標準課税の導入については前向きにやると言いますけれども、やはり一番大事なのは、この問題についての所管は自治省ですから、本来は、地方分権だからそれぞれ地方がそういう権限は持っておりますけれども、国の議論をするときには、一番大事なのは自治省で自治大臣なんですから、自治大臣がしっかり決意をして、例えば二〇〇一年の制度の導入に向かってやると。そして自治省内部の、税務局長もきょう来ていますけれども、税務局長以下優秀なスタッフがたくさんいらっしゃるのだから、そこで具体的な中身を含めて、幾つかの問題は私もわかっているし、皆さんの場合はプロだからもっとわかっていると思う。そういう問題を整理して、ことしの年末の政府税調に向かって、もっと言えば、関係省庁、特に大蔵省だとか、あるいは通産省は既にかなり抵抗していますよ。そういうところとのいろいろな話し合いをしなければ、いつまでたっても前向きで、結果的にそれがだんだん先送りになって、国民の期待にこたえるわけにいかない、こういう繰り返しはもうお互いに卒業した方がいいのではないか。
 ですから、大臣答弁は、前向きというよりも、今私が具体的に提案しました、大臣中心に自治省挙げてこの問題について、もう本当に最終局面を迎えている、瀬戸際だ、そういう決意で具体的な作業をやって、そして関係省庁と話をして、できれば政府税調に持ち込んで、そして二十一世紀、つまり来年の四月から実施という道筋をつける、そういう明快な答弁をぜひお願いしたいと思うのですが、いかがでしょう。これは何回か繰り返ししなきゃそういう答弁が出ないかもしれませんが、ぜひひとつ、前向きじゃなくて、もっと踏み込んで答弁をお願いします。
○保利国務大臣 私、就任以来、この外形標準課税の問題は記者団からも随分質問をされた項目の一つでございまして、その都度、先生余りお好きではないかもしれませんが、前向きという答弁をそれこそしてきたわけであります。
 私も余り前向きという抽象的な言葉は好きではありません。特に、サラリーマンとして仕事をしておりましたら、前向きとは一体内容は何だ、こういうふうに必ずなるわけでありますから、今御指摘の点、十分私は踏まえておきたいと思っております。ただ、言葉の上で前向きという言葉は今後も使わせていただきますが、恐れ入りますがお許しをいただきたいと思っております。
 なお、税制調査会につきましては、明日二十五日、税制調査会の地方法人課税小委員会というのがございまして、それが開かれて専門的に討議をするということであります。同時に、二十九日に、火曜日になりますか、総会を行う、これは外形標準課税の問題についてということでありますから、私どももずっと要望をしてまいりましたが、やっとそこら辺、石原さんの御発言もありましてそういう効果があらわれ、具体的な検討に向かって一歩進み始めてきたかなと思っております。
 暮れの税制調査会では、私も二度出向きまして、それこそ、これは前向きより少し強いトーンで二度繰り返したかと思いますが、きちんと申し上げております。今後も、いろいろ問題は確かにございまして、閣議の中でもいろいろ御意見がございますけれども、私の立場から言えば、地方財源の充実と安定性に向けて努力をしていくというのは私の責任である、このように感じております。
○中沢委員 時間があればもう少しいろいろやりたいのですけれども、今税調日程、初めて聞きました。やはり税調としても非常に事の重要性を認識して素早く立ち上がっている、こういう印象です。ただ、後ほどもちょっと触れますが、やはりこれから地方分権法がああいう形で施行になってくると、ますますいわゆる自治体の課税自主権という問題点で、つまり法定外の普通税、目的税、どんどん出てくると思うのですね。
 ですから、今の外形標準課税も含めて、僕はもっと税調の中で、小委員会なんて言わないで、例えば地方税の税制調査会でもつくる、そういうことを大臣として決意をして仕組みとして、改めていろいろなところと折衝をするだとか、そして今の問題でいうと、前向きという中身は少しく、一歩前進かどうかは別にして、私は、楽観的に受けとめたら相当大臣やる気があるな、自治省もきりきり舞いをするぐらいやる気があるなという率直な思いですから、ぜひひとつ――僕は、やはり絶好のチャンスだと思いますよ。これを失したらまたまた前向き前向きで、結果的に問題を先送り。
 僕は、もうそろそろそういう時代をお互いに卒業して、やはりこれからの国民の期待に沿うということも含めて、国会議員あるいは政治の信頼というのは残念ながら随分失墜しているのですから、こういうテーマも含めて、東京でやれることがどうして国会でできないんだと、単純に言えば。そういうことにならないように、お互いにそこのところを踏まえて、いずれまた機会があったら議論したいと思いますけれども、きょうのところはそのぐらいにしたいと思うのです。ぜひひとつ頑張っていただきたいと思うのです。
 さて、もう一つ私としては関心があるのは、今ちょっと触れましたが、今度の地方分権法で、今までは自治省が許可をしなければ法定外のそれぞれ普通税にしても目的税にしてもできない、今度は協議制になりました。許可制から協議制になった。これはやはり一歩二歩、非常に前進だと思うのですね。大臣、どういう評価をされていますか。
○保利国務大臣 御指摘のように、課税自主権を尊重するという立場から、許可制であった法定外普通税については、これは協議をするという文言に変わりました。ただ一方、これは同意を必要とするということになっておりますので、その面はあろうかと思いますが、やはり国民がどこにいても払う税金という観点から考えるならば、やはりある程度整合性というのも必要でありますから、そういう意味で、自治省はいろいろ勉強して同意を与えなければいけないということになりますけれども、これは法定外の普通税という立場から考えますと、課税自主権が尊重されたという一つの方向は出たということで、私は評価をいたしております。
 また、今度の地方分権法の中では、法定外目的税についてもつくるという形になっておりまして、これに対してはいろいろな形で、これから創意工夫に基づいて地方が、納税者の反応も見ながらといいますか、同意を得ながら設定をしていく動きが大いに出てくるのではないか、こう思っております。
○中沢委員 大臣のおっしゃるとおりだと思うのですよ。私の北海道で今議会をやっていますが、関係者からの話によりますと、やはり環境目的税、環境目的税というのは非常にあいまいな名称ですけれども、恐らくこれは廃棄物に関係する、あるいは北海道の自然をしっかり守ろう、こういう観点で議論が始まりつつある。もっと言うと、私どもの中川理事の出身の三重県では、廃棄物埋立税、こういういわゆる法定外の目的税で具体的な検討が開始をされている。
 私は、これは全国的にも燎原の火のように広がると思うのですよ。僕は結構なことだと思う。それは普通税じゃなくて目的税だから、そこに住んでいる住民に特別税金がかかっても、あるいは納めなければいけないということも含めて、そこの住民の合意があれば、都道府県税であれば議会で、市町村であれば議会で条例でやればいい、こういう時代だと思うのですよ。ですから、これは大いに結構だ。
 ですから、そういうことも含めて、先ほど言いましたけれども、政府税調の中でもっとこういうことをしっかり受けとめて、地方税制調査会ぐらい、あるいは本税調のもう一つの、横に広げた、そういうやはり税制調査会みたいなものも、私はもう避けて通れないのではないか、あえてそのことを申し上げて、特別答弁は要りませんが、大いにお互いに注意を喚起しておいた方がいいかな、こういう思いでございます。
 さて次は、財政問題についてこれから幾つかお尋ねをいたします。
 一つは、大臣質疑でもちょっと触れられましたが、地方債の借りかえ問題。冒頭申し上げましたように、私の出身の夕張も含めて、かつての中選挙区の北海道四区は、ほかの全国の三千三百弱の市町村から見ると、非常に財政的に厳しい状況に置かれている。私が十四年前に国会に送り込んでいただいた折にも、早急にこの委員会に入って、委員会でも随分いろいろ議論をしました。あるいは個別に、当時の歴代の自治省の担当の方にも直接関係者をお連れして、いろいろな話をしてきたのです。しかし、これはやはりなかなか難しい問題で、もう随分やったけれども、結果としては、十一年度にようやくこの問題が政治的に決着をした。
 私は、別に手柄話を言うつもりはありませんが、たまたま平成十一年度の中身は、大臣の方から御答弁をいただきたいと思いますが、私の印象で言うと、とにかく、初めて自治省と大蔵省、もっと言うと、私が逓信委員長をやっておりましたから、やはり郵政省も一役買え、財源全体の三分の一ぐらいは郵政省責任を持ってくれないか、こういうことを自治省から頼まれて、逓信委員長の職権乱用をしたとは思っていませんが、これはやはり国のために、そういうところの住民のために、地方財政のためになる、こういうことでやった結果として、それだけで約二千二百億。私の出身の夕張を含めて大変厳しい財政状態は、全国的にも非常に今喜んでいますよ。
 構造的に完全に是正したとは思っていませんけれども、やはり七%で借りて、鰐淵先生おやりになっておりましたけれども、やはりこれは大変ですよ。ですから、せめてそういうことはこれからもやはり、いろいろな難しい環境があっても引き続きやるべきだ、私はそういう立場です。
 そこで、改めて十一年度の借りかえの中身について大臣から、おおよその話で結構ですから、どういう内容で実施をされたか、あわせて、十二年度どういう内容で実施をしようとしているか、まずそのことをお答えをいただきたいと思います。
○保利国務大臣 まず、事実関係からちょっと御報告を申し上げれば、平成十一年度におきましては、起債制限比率が一五%以上の団体、公債費負担が特に重い地方団体に限って実施することとした政府資金及び公営企業金融公庫資金の繰り上げ償還の額は、政府資金分が百三十一団体で千七百四十七億円、それから公庫資金分が八十四団体で三百七億円ということになっておるわけであります。
 私は実は、自分自身の経験もあるんですが、政務調査会長代理を自民党の中でやっておりましたときに、農林問題あるいは商工関係の問題が非常に大きくクローズアップされまして、高い金利のものをずっと公庫関係で借りているんだが、何とか借りかえができないかという御依頼がございまして、随分思い切ったことをやりまして、それはもう投げ込みで返してしまえということを言ったことがあるのでありますが、また事実そういう通達も出したのですが、実際は、業者の方々もやはりその辺は慎重でございまして、先々のおつき合いその他もありますから、五%程度のところで借りかえるという措置になったんであります。
 この問題、ことしも、今申し上げました政府資金分についてのことをお願いする。少なくとも、私が気がついたのがちょっと遅かったのかもしれません、就任から間もないところでございましたから申し上げるのが遅かったかもしれませんが、報告を受けましたときに、私の過去のそういう経験にかんがみまして、政府資金分についてももう一遍交渉をやり直せと。去年は、委員の御努力もございまして、そのことができたのでありますが、一年限りというのをきつくきつく枠はめをされておったという事情がありまして、なかなかこの壁は突き崩せなかった。ただし、資金運用部の資金から借りてくるというものに対して一つの穴をあけたということは事実でございまして、大変委員にもお世話になったということを心から感謝を申し上げたいと思います。
 ことしの分については、そういう一年限りの枠はめが非常に強かったのと、それから資金運用部資金のもともとの性格からいって非常に難しくて、何度かもう一回やり直せ、やり直せと言って督励をいたしましたけれども、とうとうできなくて、申しわけなかったと思っております。
 それにかわる、かわるということはありませんが、そこで、係の方も随分苦労をいたしまして、十二年度分につきましても、所要の公営企業金融公庫資金の借りかえでありますとか公営企業借換債とか、そういった措置を行いましたし、また特別の交付税措置等で高い金利の分についてはお手助けをするというような措置を講じました。
 私は、もうちょっと頑張ってほしいというふうにそれでも申しましたけれども、せっかく役所の方で努力してそこまでとってきましたので、手を打ったという表現はよくありませんが、やむを得ないかということで、もう時間の問題もありましたから、そこでとめたのであります。
 そういういきさつがございました。
○中沢委員 大臣の方から率直な、自分の思いを含めてのお答えがありました。この問題というのは、やはりそれぞれのポジションの人方が総がかりでこれからも努力をしなければいけない重要な課題であると思うのですよ。
 そこで大臣、既に承知のように、今度は総務省に来年の一月から郵政も含めて統合するわけですよね。十一年度も、自治省も随分苦労をして、もう積年の課題だ、何とかやろうということでやってもらって、大蔵とドンパチやって、やはりこれは何とか郵政の方も少し助太刀を頼む、こういう話になって、これは単年度限りで。しかし、やはり約二千億、大変ですよ。皆さん喜んでいます。そして、十二年度もいろいろ、今度は自治省の範疇でやれることはやると。私は、十三年度以降ということを展望しますと、やはりその種のそれぞれの自治体の強い意思というのは残っていると思います。
 ですから、せっかく総務省に一緒になるんだし、この際、郵貯、簡保も含めて自主運用、二〇〇一年からですから。ですから、背景でいえば、大蔵省と自治省がドンパチやるということよりも、場合によっては、一緒になった総務省のその範囲内でもう少しいろいろな知恵が出されていいんではないか、そういう一つの余地が私はできたんではないか、できるのではないか、このように考えております。そこに向かって早目に、それぞれ担当の事務次官から局長から審議官から叱咤激励をして、十一年度もやったじゃないか、ぜひひとつ十三年度も含めて頑張れ、こういうことを、ひとつ叱咤激励をぜひ大臣としてお願いをしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○保利国務大臣 今の御指摘は、確かにごもっともだと思います。
 いろいろこれから先、来年からの状況を踏まえますと、私の立場で申せば郵政大臣も兼ねる、そういう格好になってくるわけでありますね。右手で資金を持って左手で使うという形になってきますから、これは一体どういうふうにやったらいいのか。過去のいきさつ等もありますし、資金運用部という厳然とした大きなものがまだ残りますから、ある意味では。そういったところとの交渉とか、これはなかなか難しい問題だなと思いつつも、それじゃ一人の大臣がどうさばくかという問題に必ず直面をしてくる。そういうことですから、私は、このさばき方というのはどういうふうに持っていったらいいかというのは、やはり今から頭で考えておく必要があるのだろうと思います。
 私は、この問題を考えるときの一番の大事な点は、今この御時世に七%、八%という金利をとっているということ、このことが、感情的な問題もさることながら、果たして正しい姿なのかな、何かこれを救済する措置はないのかなというのを頭に描きながら、いろいろなことを考えてまいりたい、こう思っております。
○中沢委員 今、自治大臣の方から話がありましたことは、私も全く同感です。今直ちにそうするなんということは、なかなかできないんでしょうけれども。ただ、どうあっても、これだけ超低金利の時代で、確かにその当時、借金しなきゃ事業ができなかった自治体、しかし、結果的にいつまでも七%の金利でまじめに返すということは、しようがないんでしょうけれども、そんな御時世でない、おっしゃるとおりだと思うんです。ぜひ、これから期待をしておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 さて、具体的な中身で幾つかお尋ねをしたいと思いますが、この四月から、いよいよ公的介護保険制度が導入になります。さきの臨時国会の当委員会で、角度を変えた議論を私はやりましたが、きょうは、交付税ということに限定をして、この公的介護保険導入に伴う地方交付税措置がどうなっているか、具体的にお尋ねをしたいと思います。
 これはやはり、それぞれの人件費あるいは物件費、もっと言うと、結局仕組みが少し変わって、半年は保険料ただ、それから一年間は保険料二分の一。市町村にとっては、率直に言って大変迷惑な話で、住民に対して改めて説明会をやる、そして、コンピューターにいろいろなデータを入れたけれども、全部再入力をしなきゃならぬ。余計な事務費は相当かかるんじゃないですかね、あるいはかかったんじゃないですか。もちろん、自治省としては、厚生省ではないけれども、やはり自治体のことを考えて、自治体の立場に立って、恐らく今度の交付税のいろいろな措置を出していると思うんです。
 資料はいただいていますけれども、大臣、おおよそそういう現状に合わせて、今度の交付税法案の中で、交付税の制度の中で間違いなくこういう問題はカバーしています、こういうことでひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○保利国務大臣 今御指摘のように、私の選挙区の中の市町村からもよくいろいろなパンフレットをちょうだいするのでありますが、それを見ますと、随分長いこと、介護保険のやり方、それから保険料の徴収の仕方等についてPRをしておった、それをがらっと変えなきゃならぬということですから、それは大変な御迷惑をおかけすることになるのではないかなと思いました。
 しかし、再三御答弁申し上げておりますように、この介護保険制度をスムーズに導入するために、そういう哲学のもとにこういうことをあえて政府としても決めておりますので、今は、現実問題としてそれで走り出しておるということを承知しております。
 それで、今の交付税措置でありますけれども、今度の地方財政計画の中に、介護保険制度支援対策ということで五百億円を計上いたしまして、地方交付税に所要額を算入するという措置をとっておりまして、今委員御指摘のようなもろもろな手続がございますでしょうし、また事務等にいろいろ経費もかかると思いますので、そういう意味で五百億円を計上しておるところであります。
○中沢委員 今お答えがあったことは、非常に適切な措置だと思うんですね。ですから、これから介護保険制度がどういうふうに運用されていくか、あるいはそれによって市町村の財政にもいろいろな影響が出ると思いますから、これは、平成十二年度はそういう特別な内容も含めて財政措置をする。問題は、それから先、十三年度以降どうなっていくか。事前に厚生省とも、あるいは関係の自治体ともよく情報を交換し合って、間違いなく、市町村財政に重大な影響を与えないような交付税措置をしっかりやっていただきたい、そのことを特に要請をしたいと思うんです。
 だんだん時間がなくなってまいりましたから先を急ぎますが、次は、教育の情報化の問題についてです。
 情報通信というのは今日の日本のリーディング産業である、これはほとんどの皆さんは同感だ、あえて言うまでもないと思うんですよ。しかも、教育の現場も含めて、子供たちのこれからの問題も含めて、やはり教育現場における情報化の問題は非常に大事だ。
 これは郵政省、文部省、自治省がそれぞれ知恵を絞って、例えば学校のコンピューターの配置の台数を思い切ってふやす、生徒一人に一台というわけには、もちろんなかなかいかぬでしょうけれども、コンピューターの教室には生徒一人当たり一台は確保するだとか、あるいは話を聞きますと、新年度の予算の中では、あるいは何年か計画の中では、普通教室にもコンピューターを先生用一台とそれから生徒用一台の二台を配置する、こういうことが交付税の措置としてもある、このように聞いておりますけれども、その辺の実態について、大臣の方からまずお答えをいただきたいと思うんです。
○保利国務大臣 教育用のコンピューターの問題につきましては、私が文部大臣をいたしておりました平成二年ぐらいから緒につき始めたと言ってよろしいのではないかと思いますが、急速な展開を示しておりますし、また子供たちも、それによってこの近代的な社会に対応していくように教育を受けているという実情は、私は一面結構なことだと思っております。
 その上で、自治省といたしましては、平成十二年度以降の教育用のコンピューターの整備につきまして、平成十七年度を目標にいたしまして、従来から進めてきたコンピューター教室への整備に加えて、今委員御指摘のとおり、新たに普通教室等へのコンピューター整備が可能となるように財政措置を講ずることと決めておるわけでございます。
 具体的には、平成十二年度の地方財政計画の中に千七百五十五億円を計上いたしまして、普通交付税の基準財政需要額に所要額を算入することといたしております。
 こういうことで、コンピューター教育が図られるように自治省としても努力をしていくわけでありますが、私はこの際、国家公安委員長としては、子供たちがコンピューターになじむということは、世界的にも大変大事なことだと思う。反面、今いろいろ話題になっておりますコンピューター犯罪、こういう道に入っていかないようにするためにはどうしたらいいかという、そっちの面も、やはりある程度強調して教育の中に織り込んでいかなきゃいけないんじゃないかということを私は個人的に考えておりますが、文部大臣ともよくお話をしたいと思っております。
○中沢委員 今、平成十七年度までのやや中期的な計画で、具体的なコンピューターの台数を含めてふやすと、大変結構な話。しかも、コンピューター犯罪、学校教育現場でも大事だ、私も同感です。
 ですから、計画は計画で結構ですけれども、この種の計画というのは、やはり時代のニーズに即応して、もうできるだけ積極的に上積みをしていく、こういうことで、これからぜひ、それこそ前向きに、具体的な内容を含めて前向きに自治大臣として、自治省全体として取り組んでいくべきだと思うんです。
 さて、もう一つは、各論の問題で、人口四千人以下の小規模自治体の交付税問題を取り上げる予定でしたが、もう時間が余り残っておりません。これはまた別の機会に譲ることにいたしまして、交付税特会問題を中心に、幾つか大臣とちょっと議論をしたいと思うのです。
 私が国会に出て地方行政委員会をやった折にも、別な意味で交付税特会が随分話題になっていました。ですから、あの当時は大蔵大臣にもわざわざこの委員会に出てきていただいて、国の財政、地方の財政、例の交付税の、当時は国税三税の三二%問題、交付税特会の問題を随分議論をした記憶があるのです。
 改めて、久しぶりにこの委員会に戻って、いろいろ新しいデータなんかをいただきました。率直に言って、物すごいスピードで地方財政は悪化をしている、それと同じようなテンポで交付税特会の借金がふえている、これは大変だなと。しかし、残念ながら、当時は三税の三二%が今五税で、それぞれ若干の上積みがありますけれども、基本的にそのことも一向に改善をされていない。
 私は、危機感以上に恐怖感を率直に覚えますね。このままだったら、国の財政ももちろん大変だ。予算委員会、大蔵委員会で随分議論をしていると思うのです。しかし、我が地方行政委員会としては、この問題をどうしたらいいかと、根幹に触れて、緊急性のある問題であれば、当面こういう改善をしようと、こういう論議を本当に真剣にやっていかなければ、当委員会として、ある意味で後々大変な批判を浴びかねない。これは政治家として、やはり相当心してこの議論をしなければいけない、こんな思いです。
 まず、そういう思いについて、表現は別にして、私の今言ったそういう認識について、大臣としてはどういう御見解をお持ちか。
○保利国務大臣 どなたといえども、借金をするということを喜んでする人はいないと思うのであります。そういう意味におきまして、できるだけ借金というのは少なくしていく努力というのを続けていかなければならない。
 そういう意味におきまして、御指摘の、交付税特会の借入金が急速に膨らんできている。地方において財政需要がそれだけございますから、地方の面倒を見るという意味で、自治省としても、国としても、交付税特会の借り入れをしてでもやはり地方の財政需要は賄っていかなければならないという片方の立場がございまして、非常に苦しいところでありますけれども、こんなことを長々と続けているわけにはいかないということを考えますと、我々、何か瀬戸際に立っているような気がいたしますけれども、景気の回復というのを図って税収の増をもたらすように努力をして、そして根本的な解決を図っていかなければ、やはり今の体質のままでいきますと借金というのはふえていってしまうだろうということを思いますので、政府としても、景気回復対策には一生懸命取り組んでいるというのが実情であります。
 したがいまして、先生の御質問に対しては、やはり借金ということは我々も本当につらい思いでやっている、しかし、いつまでもそんなことを続けていてはいけないというのが私の率直な気持ちであります。
○中沢委員 それで、具体的に僕の方で提案といいましょうか、考え方を申し上げたいと思うのです。
 平成三年度以降のいろいろな数字を今見ていますが、交付税特会の借入金の推移は、平成三年度で六千七百三十三億、これが急速にふえて、十二年度末では三十八兆一千三百十八億。地方と国との分担でいうと、地方の負担が実に二十六兆二千億、三年度に比べて四十倍になる、これが一つ。
 それから、地方交付税の総額に占めるいわゆる今日の法定五税分の割合がどういう推移をしているか。平成三年度は、これは逆に一〇七・一%、配分額よりも法定五税がそのときは多かった、若干ですが。それがだんだん減ってきて、八〇%台になり七〇%台になり、実に、平成十二年度の予定では、五税が占める割合というのは六二%にまで落ち込んでいるのですよ。
 景気が回復をする、それはもちろん大前提。私は、二つ提案をしたいと思うのですよ。これから大いにこの委員会で、与野党を含めて、あるいは大臣を含めて議論をしなければいけない、場合によると、大蔵大臣もこの委員会に来ていただいて、大蔵大臣としての見解も聞かなきゃいけないと思うのですね。
 時間がありませんから、具体的に申し上げたい。一つは、例の三二%という地方交付税の法律を直して、三五にするだとか四〇にするだとか、そういうことを思い切ってやらなければ、景気回復、景気回復と、残念ながら、これは我が委員会としたら、やや他力本願ですよ。国の基本的な政治によって景気がどう動くか、これは自治体としては手が届かない、率直に言って。そうすると、我が委員会としては、具体的にどうするかという議論をすると、ここに手をつけて、税調も大蔵も含めて、これはもう大変な大戦争をしなきゃいけないと思いますね。そういうことをまずやっていくべきではないか、これからどういうふうになるかは別にして。少なくとも、そういう決意を大臣として持ってもらわなければ、全体は動いていきませんよね。これが一つ。
 それからもう一つ、交付税特会のいわゆる折半ルール、これが平成十三年度は全く白紙です。私からいえば、国の景気の政策にしてもあるいは減税政策にしても、これはもう地方自治体は国におつき合いをせざるを得ない。そうすると、結果的に借金が交付税特会にこれだけ多額に残ってくると、いつまでも折半でということで本当にいいんでしょうか。僕は、やはり国が、折半じゃなくて六割や七割の責任を持つ、こういうことで議論をしないと、少なくとも当地方行政委員会としての職責は、与野党を問わず、そちらにお座りの大臣、政務次官あるいは自治省の高級官僚を含めて、そういう職責は全うできない、こういう思いです。
 非常に乱暴な言い方かもしれませんが、時間がないから、あえてこの二つ、非常に大事で重たくて、この委員会だけではなかなか結論が出ない、百も承知です。しかし、大事な、重要な重たい問題だということを私は心を込めて申し上げますから、ぜひひとつ大臣、今直ちにああするこうする、それはなかなか難しいでしょう。場合によっては、前向きにという答弁でもいいですよ。ぜひそのことをお願いしたいと思います。
○保利国務大臣 私は、いろいろな席で大蔵大臣にお目にかかりますし、また、一言二言いろいろお話を申し上げます。
 必ず大蔵大臣から出てきますのは、地方財政も大変だねというのを言っていただくのであります。私も、いや大蔵大臣、ありがとうございますということを言いながら、すがりつく思いで大蔵大臣に、地方財政の基盤の整備についてはひとつよろしくお願いいたします、こういうことを常日ごろ申し上げておるわけでございます。
 そこで、二分の一の問題につきましても今大蔵大臣との話の中にありますが、ことしは一般会計からの繰り入れを二千億ふやしていただいたということもありまして、これは大蔵大臣の御配慮かなと思っております。それをもうちょっと下さいという格好でいけば、結果的には国の負担分がふえていくという格好になりますから、そういう、いわばちょっとおねだりみたいな格好になって申しわけないんだけれども、おねだりであろうと何であろうと、とにかく地方財政の好転のために寄与するんであれば、あるいは特会のためになるんであれば、私はどんなことでもやっていきたい、こう思っておるわけであります。
 それから、根本的な税率の見直しにつきましては、減税に伴いましていろいろなことをやったわけでありますけれども、さらにこれから本当の意味で、地方分権で、地方で仕事をしていくということを考えれば、やはりその理屈を持ち出して、五税のみならずほかの税金についても地方分いただきたいということを、やはり我々が声高らかに言っていかなければいけない。役所はやはり、いろいろな役所同士のつながりもありますし仁義もありますから、そうむちゃくちゃなことは言えないだろうと思うんです。しかし私どもは、やはりこの自治省にいる限りにおいてはそういう立場を声高に叫び続けるということが私、トップにいる者の責任かなと感じております。
 いろいろ御激励を賜りまして本当にありがとうございましたが、委員の御意思を体して頑張りたいと思います。
○中沢委員 もう時間が過ぎましたが、一言だけ。
 今大臣の方から、大臣のお人柄も含めて、とにかくおねだりあるいはその他も含めて一生懸命政治家として頑張ると。この際、石原知事のああいう政治的な決断を見習って、全くケースは違いますよ、僕らも政治家としてはかなり乱暴者かもしれませんが、しかしこの世の中、今までの延長線で政治家をやっていちゃだめだ、僕はそう思いますよ。
 僕も比較的おとなしい方かもしれませんが、今の問題を含めて、この委員会だけではなくて、いろいろな場で声を大きく、声だけでなくてやはりいろいろな意味での政治力ですね。僕は、特に与党の皆さんも大いにそこのところは志を一つにして、自治大臣を先頭にして頑張っていく、そういう我が地方行政委員会の新しい美風というのをつくり上げるべきだ、あえてそのことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○斉藤委員長 次に、松崎公昭君。
○松崎委員 おはようございます。民主党の松崎公昭でございます。
 ベテランの滝先生やら中沢先生の後でございますので、大変未熟者でありますけれども、よろしくお願いをしたいと思います。
 地方の財政問題が国の財政と同じように大変な問題でありまして、きのうの予算委員会でも小渕さんが、二兎を追う者は一兎も得ずということでございました。恐らく、両輪論でいきますと、自治省も同じような考えではないかと思いますが、この小渕総理のおっしゃっております二兎を追う者は一兎も得ず、つまり財政再建よりも景気回復をまず優先するんだと。そういうことでまいりますと、地方の方も同じような考えでいくのか。まず第一番目に、大臣のその辺の基本的な考え方、地方において財政再建と景気回復、どのような基本姿勢かをお尋ねさせていただきます。
    〔委員長退席、滝委員長代理着席〕
○保利国務大臣 二兎を追う者は一兎も得ずという、象徴的にそういうお話をされたんだろうと思いますが、小渕総理の頭の中にも、財政再建という問題、今の財政状況がこれでいいんだという認識は私はないと思うのであります。財政状況が厳しいということを認識しつつも、それを改善する一つのよすがとしては、これは日本国民全体の気持ちでありましょうけれども、景気の回復をまずもたらしてほしいということもありますし、そのためには積極財政を組んでいかなければならないということで、一つの勝負に出られたんではないか、それでああいう言葉になっているんだろうと思いました。
 当然それは、財政再建ということも頭にありながら、やはり景気の回復ということに主眼を置いて当面やりましょうというかたい決意のあらわれだ、私はそう理解しております。
○松崎委員 なかなかこの財政論は難しいわけでありますけれども、私は、地方の今の状態を見ておりまして、これ以上この状態で借金を重ねさせるということが実に嘆かわしいといいましょうか、本当にどうにもならないところに来ている。これは、あくまで中央政府に全部依存されている、すべてがゆだねられているというか、そういう今の地方制度に問題があるということを再三、当委員会でもずっと言ってまいりました。
 そういう意味で、地方は中央にほとんどゆだねざるを得ないような状態の中で二兎を追うわけにいかぬだろうと思いますけれども、私は、地方に関してはもうそろそろその辺のことを変えていかなければいけないんじゃないか、そんなふうに思っている次第であります。
 先ほど滝委員からも御質問がありましたけれども、地方単独事業というのがマイナスになっております。この辺も、実は地方ではもう消化し切れないよというような雰囲気が相当出ているわけでありますけれども、今のように財政再建よりも景気回復ということで、地方単独事業をどうしてもやってもらうんだということになっていくとしましたら、今回のマイナスの四・一ということと、それから、今後どのように中央政府が地方に財政的に手を加えるのか。特にこの地方単独事業に関して、財政的な対応をお聞かせいただきたいと思います。
○保利国務大臣 地方財政計画の中では、昨年度十九兆三千億だったと思いますが、それから多少減らしておりまして、十八兆台に落としていることは事実であります。しかし、実績との比較をやってみますというと、地方財政計画上の単独事業と実績との間にはかなり乖離がございまして、いろいろ御努力をいただいていると思うんですが、その一つの大きな原因は、やはり地方税収の落ち込みによってなかなか余力がないということだと思うのであります。
 そこで、今度の地方財政計画をつくるに当たりまして、仮に昨年と同じ数字といたしますと、税収見込み等が変わらないですから、結局借入金を全体ではふやしていかなければならないというような形になりますもので、そこら辺のところも考えながら、一応十八兆の数字をつくらせていただいたというのが現実であります。
 私は、地方公共団体は、一番住民に密着した地方単独事業というのを進めていく、そういう気持ちが非常に強いだろうと思いますので、いろいろ支援措置を講ずる中で地方単独事業を着々と進めていただきたい、こういう気持ちを持っております。
○松崎委員 こういう体制の中ではいつまでたっても借金がふえ、国からこうせい、ああせいということになってまいりますので、前々から言っておりますように、こういう個別の問題を幾ら言ってもだめなんだということで、私ども民主党は、再三この委員会でも出しましたが、税財源の移譲、徹底的な移譲、先ほど中沢委員からも、思い切って大臣が自治大臣という立場で、石原さんのように改革的な、思い切った提案をして引っ張っていくべきだ、そういう御質問だったと思いますけれども、民主党の移転案というのは、財源の移転を思い切って出しました。
 これは、今の制度の中でいろいろやっても限界があるというのは、もう皆さんわかっていらっしゃる。しかし、それを思い切って変えることがいろいろな意味でできないんだ。だから、今回の石原さんのああいう発想というのも、そこに風穴をあけたということで私たちは評価をしているんだということを先ほど中沢さんもおっしゃっておりました。私もそうだと思います。
 ですから、その辺の抜本的な改革というものをもうやらなければならない。小手先のことでやっていたのではもうだめなんだということを私は言いたい。これに入ってきますと平行線になりますので、議論になりません。ですから、基本的に、そういう税体系のあり方、最初から地方の税財源に所得税を一〇%分、最初から地方税に回してしまえというのが私たちの案なんでありますけれども、そのくらいの思い切った改革をしていかないともうだめだ。
 先ほども特会の話が出ました。私もこの問題は前々から、隠れ借金といいましょうか、予算案を見ましても、地方債の依存度は確かに去年よりは下がっておりますけれども、相も変わらず特会の方で、ある意味ではごまかして、どんどんふやしていく、そういう構造になっているわけであります。ですから、この辺の問題は、やはり基本から直さなければならない。
 さて、理想論を現実とかみ合わないところでやってもいけませんので、具体的な問題といたしまして、先ほども特会の問題に触れました。さらに少し深めて御質問をさせていただきたいと思っております。
 御存じのとおり、相当郵便貯金が流出をしている。郵政省の見方では二十七兆円ということで、資金運用部への導入が難しくなった、資金が難しくなったということで、今回、この八兆八百八十一億円の交付税特会を、国、地方合わせたものを民間から借りるということを言っております。これは今までなかったことだというふうに思いますが、これは、どういうスキームで民間から調達をしようとされておりますのでしょうか。
○保利国務大臣 答弁に先立ちまして、先ほど地方単独事業の数字を十九兆五千億と申し上げたかもしれませんが、十九兆三千億であります。十二年度は十八兆五千億でありますので、つけ加えさせていただきます。
 それから、ただいまの御質問でありますが、交付税特会への民間からの借り入れというのを今回初めて行う予定でありますが、これは大蔵大臣がいろいろお考えになって、理財局が中心になって行うことではありますけれども、やはり資金運用部の台所が苦しい、郵貯の払い戻しの相当大きなものがありますし、手持ち資金の問題がございまして、民間から調達をする。これは、法律上は借入金をもって充てるというようなことだけが書いてありますから、民間、国という差はないものと考えて、今回初めて民間からの借入というのを計画したわけであります。一口で申しまして、運用部の厳しい原資事情ということが反映されております。
○松崎委員 これは国ですから、我々がお金を借りる場合は大変なことで、保証人だ、担保だということになるんですけれども、何兆円借りても国家の保証で、最後は貨幣を発行するところなんかもありますから、幾らでも信用があるということになっているようですけれども、これは市場にどういう影響を与えるか、あるいは与えないのか。今後も恐らくこういうことが、今の財政状況、景気の状況ではまだまだ続くと思いますけれども、こんなことをずっと続けてやっていくおつもりか、ちょっとお尋ねいたします。
○保利国務大臣 市中金利に対する影響等につきましては、大蔵大臣が、たしか予算委員会であったかと思いますが、答弁をしておられます。この市中金利の問題については、景気の動向等さまざまな要因によって変動するものであって、交付税特別会計の民間借り入れが与える影響についても、一概に申し上げることはできないが、現在のところ、設備投資等に向けた資金需要が低迷していることでもあり、今回の民間借入によって直ちに市中金利の上昇を招くことにはならないものと認識をしているという大蔵大臣からの御答弁があっております。
 私どもとしても、いろいろ部内で検討をいたしましたが、こういうことかなというふうに考えております。
 なお、来年度以降どうするかということについては、私どもは、借金するのは好きではありませんから本当はゼロにしたいですけれども、それでは地方財政はもちませんから、やはり借金はある程度続けていかなければならないだろうと思いますが、民間でやるか、それとも運用部の資金でやるのかということは、今後の運用部の資金状況とかいろいろなことを勘案しながら決めていかなければなりませんので、今この時点で民間からの借り入れをもう一回続けますということを申し上げるというポジションにはないというふうに感じております。
○松崎委員 今までは資金運用部あるいは郵貯関係から来ていた、それがそっくり市場に出ていくわけですから、八兆円だから大したことないということになるかもしれませんけれども、そのほか、今回の残高合計が六百四十五兆円になるという、毎年毎年の、特に来年度も大変な、当初予算で三十二兆ですか、国債が出ていく。そういう借金体質になって、私は素人でありますけれども、学者でも、相当国債市場への影響、長期金利を押し上げる、そういう懸念をされております。
 本来、これは大蔵大臣に聞かなければいけない話でありますけれども、その辺のことは、閣内にいらっしゃる自治大臣として、金利関係に対する国債市場に関しての考え方は何かお持ちでしょうか。
○保利国務大臣 先ほど御答弁申し上げましたとおり、大蔵大臣の御答弁がございますが、私といたしましては、直ちに市中金利に大きな影響をもたらすということはないと考えております。
○松崎委員 交付税の特会が、実は返済をあるとき多くやっていますね、六十二年から平成五年。法定償還を上回る償還をした、十三兆六千五百三十三億。しかし、今の経済状態でいきますと、特会の返済はまず難しいのではないか。これだけの借金を、将来景気がよくなればいいんだというだけで考えてよろしいんでしょうか。交付税特会の膨大な借り入れを返済する場合に、将来の財政計画、自治省としてはそういうことを踏まえてここまでどんどん借金をふやしているのか、お尋ねいたします。
○保利国務大臣 交付税特会の借入金につきましては、大蔵省とも御相談をし、国の負担分、地方の負担分を合わせた借入金の返済計画というのをしっかり立てております。
 例えば、平成十三年度におきましては、地方負担分としては一兆を回収しなければならぬとか、あるいは国は八千三百億お返しをしなければならぬとかというような形で、国については平成二十四年度まで、それから地方については平成三十八年度までの償還計画をきちんと踏まえた上で今後の地方財政計画をつくっていく、そういう形で私どもは対処してまいっております。
○松崎委員 今のシステムの国、地方を含めた財政、あるいは中央、地方のシステムの中で議論をしても、多分いつまでたっても、右から左へ移ったり、多少それがでこぼこするだけで同じだと思いますので、この議論はやめさせていただきます。
 先ほど、私も気になっておりました折半ルール、これの持ち方の来年度からのあれは、先ほども御答弁があったわけでありますけれども、これは地方交付税法第六条の三の二の変更ではないのだということです。これは税収不足に対する特別な、緊急避難的な方法だと言いますけれども、既に三五%まで上げているわけでありますから、この制度の中でいろいろやりくりする、あるいは地方のために税制をいじくるという点でいけば、もうそろそろ――それは確かに理屈の上では、税収不足、交付税の原資がないからやるのだ、いわゆる交付税法の六条の三の二では折半ルールということで対応している、改正したと言っているのですけれども、私はこれはどう見てもそうとは思えない。そろそろ、先ほども中沢委員のお話しになったように、この六条の三の二に合致した税率の変更とか、それをやるべきだと私も思いますけれども、いかがでしょうか。
○保利国務大臣 そろそろ抜本的にこの財源配分について考えたらどうかというお話でありました。先ほども中沢委員に決意を申し上げたところでありますけれども、重ねて、この財源配分の問題その他きちんと論議をしながら、自治省の立場あるいは地方自治体の立場に立って、私どもとしては主張すべきことは主張していかなければならない、こんなふうに思っております。
 何せ、事業そのものは地方自治体が三分の二をやっておる。しかし、税財源は三分の二が国であるということでありますから、そこにやはり不均衡がございますので、そうしたものをきちんと是正をしていくという方向性はきちんと私の胸に置いて、今後努力を続けなければならない事項だと思っております。
 ただ、非常に難しい問題でありますから、いろいろなところからいろいろな御意見が出てきまして、私がそういう強い意思を持っておりましても、なかなか、民主主義の世の中でございますから、あっちの意見こっちの意見、いろいろ突き合わせて、結論はどうなるのかわかりませんけれども、私としては、財源配分については、先ほどちょっといろいろ御議論ありましたが、前向きに頑張ってまいりたいと思っております。
○松崎委員 お人柄の出ている答弁で、なかなか攻めにくいのですけれども、だからこそ、石原さんが今この時代に評価をされているわけですね。それは、石原さんのこの外形標準課税も、いろいろな角度で見たらできるわけないのですよね。ところが、やはりここで、今までの財源に対して中央政府は何もしてないじゃないか、しからば制度の中で、これは制度の中でですよね。制度を壊してまでやるというのじゃない。制度の中でやっただけでもこれだけ大きな反響が出てくる、これはやはり改革をしなければならない、中央政府では、政治に任せていたのではだめだ、そういう思いもあったと思います。そんなことも含めて、きっと石原さんがやられたのだと思うのですね。
 だから、そういう意味で評価をしているので、再三言いますように、たしか十二月の国会でもここでお話しいたしましたけれども、私は去年、大蔵大臣にも野田さんにもお聞きして、厳しいときこそ思い切った改革はやるべきだろうということをお話ししました。答弁はやはり、税収が上がって景気がよくなってから地方の財政のことも仕組みも変えるんだ、そういうお話でした。もうそろそろここに来ている。西尾さんなんかも最近特に言っておられますね。
 ですから、もうそろそろ、革命的と言うとちょっと言葉が大きいのですけれども、閣内の中にいても、例えば時々、自民党の先生に多いのですけれども、内閣の中でも突出した発言とかよくやりますね。それが一つの時代をつくっていくなんということもあるので、温厚な大臣ではありますけれども、そろそろ地方のここまで来たどうにもならない体制を、地方から風穴をあけるという意味で、私は期待をしたいなと。
 ところで、もう一つ、これは芦浜原発というのでしょうか、三重県の北川知事がつい最近、原子力行政に対して赤信号をともす、これも新聞等では地方の反乱なんという言い方をしておりますけれども、私は反乱でも何でもないのだと。やはり住民自治というものを中心にしながら、主権者たる住民に依拠をして、そして、その住民、市民に直接責任を持った首長が国の政策をリードしていくという、まさに地方分権の両輪ですね。いわゆる主従の関係ではない、対等だよ、そういう意味では、政策提言とか意思表示、こういったことは地方からどんどん出ていいんだ。だから、これは一つの始まりだろうと思います。つまり、地方主権の発露と私はとらえております、この石原さんの問題も、それから三重県の北川知事の原発断念の問題も。
 私はそういう意味で、国と地方、今は確かに中央政府の中の一部門になっていますけれども、気持ちの上では、これからの流れでは、対等の関係で地方は動いていくのだ、そのくらいのこれからの時代だろう。そういうときに、地方主権の発露というとらえ方を私はこの二つの点でしておりますけれども、自治大臣としてはどのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。
○保利国務大臣 石原知事の御決断というのは、私は先ほどもちょっと感想を申し述べさせていただいたのですが、実は、この決断の裏に緻密な作戦計画があったということでありまして、これなら絶対いけるという判断のもとにおやりになった、半年以上かけておやりになった、そういうところに私は心を打たれるものがあるのであります。
 それから、北川知事の御決断というのは私はよく存じませんが、北川さんは、私も一緒に仕事をしておりましたからよく存じ上げておるのですが、かなり思い切ったことを今までもずっとやっておられました。地方分権の時代に知事のあり方というのを随分考えて、ああいう決断をなさったのだろうと思います。地方自治の建前からいって、あるいは地方分権の建前からいって、知事がそういう断固とした意思を示されるということは、私は大変結構なことだと思います。
 ただ、石原知事のことでもう一つ申し上げさせていただければ、全国知事会というのがございまして、全国知事会が連名で、暮れに税制改正要望というのを持ってきておられる。その中には東京都も入って持ってきておられる。それで、全国一律導入で協議をしてもらいたいということであります。そこをどう考えておられるかということですね。つまり、全国知事会の意思決定と横並びということでどういうふうにお考えになっているかということについては、機会があれば一遍尋ねてみたいことだな、私はこう思っております。
○松崎委員 石原新税に関しては、確かに、いろいろ検討すべき問題はあると思います。しかし、私は新しい地方からの発露というふうに、どんなに緻密にやったから云々じゃなくて、緻密だからこそよかったと思うんですけれども、やはりこれを大事に、改革の一つの突破口、日本の政治、日本の仕組みを変える――まだ小さい話ですね。この外形標準課税というもの自体は小さいですよ。しかし、反響の大きさ、そして同時に、これからそういうものを突破口に日本の政治の仕組みをもう変えようじゃないかという雰囲気をつくっていくべきだと私たちは思っておりますので、ぜひこれをいい例にして、なお、標準課税そのものはじっくりやらなければならないだろうと私たちは思っております。同時に、先ほどから言っておりますように、地方と中央の形の変え方、それは税の取り方を一つの突破口にしていきたい、そんなふうにすべきだろうと思っております。
 さて、今までは具体的というか、全体的な考え方でお話を申し上げましたけれども、国サイドから、地方そのものの財源ということから幾つか問題点がある問題をちょっと取り上げてみたいと思います。
 それは、地方公営ギャンブルというのがありまして、私は余りギャンブルをやらないものですから、よくわからないところがあるんでありますけれども、このギャンブルの方が今相当赤字になってきた。全体の三六%の五十八団体が赤字になってきている。今までは、ピークのときは売り上げが五兆五千億もあったわけですね。ところが、九八年の売り上げは三兆九千億ということになりました。非常に今、時代が悪いということもあるんです。景気が悪いこともあるでしょう。
 それで、ピークのときは三千四百二十一億円も自治体に入っていた。ところが、九七年度は千三百億円ということになり、そして今かなりの団体が、五十八団体が赤字になっているというのが現状であります。ここには多分従業員の皆さんもたくさんいると思います。ただ、この公営ギャンブルというのは、省庁が、いろいろ管理しているところが違うそうでありますけれども、財政の面でいけば自治省が見ていらっしゃるんではないか、そんなふうに思っております。
 今のこの公営ギャンブルの赤字、そして自治体にお金が入る量が少なくなった、収入が減ってきちゃった、この辺を今どのように認識されていらっしゃいますでしょうか。
○平林政務次官 便宜、私からお答えを申し上げますが、松崎委員がおっしゃるように、地方公営競技、これはなかなか難しい状況になってきております。
 御指摘にもありましたけれども、平成十年度の売上額は約三兆九千六百億円、ピーク時の平成三年度の七割程度に減ってまいっております。地方公営競技全体の収益額も約三百億円、これもピーク時の一割を下回る額ということになっております。
 もちろん、この地方公営競技は、その収益によりまして地方財政に寄与するということを主たる目的として実施されておるものでありますから、本来の目的のためには健全経営でいかなきゃいかぬ、当たり前のことでございますが、さようなことには今の状況は、悩みの種といいますか、そういう状況でございます。
 したがいまして、公営競技を行う団体には、経営改善計画をつくってくださいということを申し上げて、施設の改善やあるいはファンサービスの向上というようなことによって売り上げを増加させるという計画をやっていただきたい、また他方で、開催経費の節減を行ってほしいというようなことで経営合理化を徹底していただきたい、さようなことを今申しておる最中でございます。
○松崎委員 原因というのはなかなか難しいと思います。景気の問題があったりレジャーの多様化があったり、やはり今までのような形でいくかどうか、高齢化も問題があるかもしれません。あるいは、子供さんが少ないということももちろん関係あると思います。ですから、やはり今までのようにはいかないだろうと。
 そうしますと、ちょっと心配しておるのは、地方財政の負担増にならなきゃいいなということなんですね。ですから、それは競技場は相当償却されているから大丈夫だということもあると思いますけれども、その辺で負担増の要因にならないかをちょっと懸念をしております。
 これは、やめるにしてもお金がかかるそうなんですね。解散するにも、何か解決金とか払うということになっておりまして、意外と隠れた形で問題点が多い。働いている方もたくさんいらっしゃるわけですね。その辺で、やめるとか撤退するならば、商売でもそうでありますけれども、早いにこしたことないんだと。そういうことで、財政上から見て懸念を感じるので、そういう指導をするというようなことなのかどうか、お聞きをしたいと思います。
○平林政務次官 今申し上げましたようなところでございますけれども、現在のところは、一般会計から公営企業の会計に対して赤字を補てんしたという、持ち出したという実例はないようでございますが、おっしゃるように、やめるときにお金がかかる。そのやめるときにお金はかかるが、もう実際には公営企業の会計にはお金がないから、仕方がないのでやめるときに出したということは間々あるようでございます。
 やはり、経営が成り立たないところは判断をきちんとして、そうして、引き続き改善を図るのか思い切って整理をしてしまうのかというようなことは、もちろんその主催団体の決意のいかんによるところでございますけれども、そこら辺もしっかり見極めた経営を願いたいものだ、そう思っております。
○松崎委員 すそ野も広いようでありますので、やはり、大変な大きな問題を起こしてから対応するのではまずいわけでありますので、自治省は財政という面からしっかり指導をしていただきたいな、そんなふうに思う次第であります。
 次に、やはり最近特に話題になっております地方自治体関連の第三セクターですね。これがやはり随分撤退をしたり赤字になっているということで、昨年も、九八年度で清算とか解散をした第三セクターというのが随分ありますね。大きなところでは、泉佐野コスモポリス六百七億円、これは多分負債額ですね。それから、大きなところでは、呉ポートピアランド百十四億円、それから、これは北海道ですね、ウラウス・リゾート開発百三十五億円、日光リゾート開発五十六億円、ネイブルランド、これは九州大牟田、六十三億円、こういうことで、幾つもの三セクがやめてしまったり倒産をしたり、そういうことになってきております。
 この三セクの問題は、自治省としてはどのくらい把握されているんでしょうか。
    〔滝委員長代理退席、委員長着席〕
○平林政務次官 今お話しのございました第三セクターのことについても、なかなか困難な問題を多く抱えておるように私も認識をいたしております。
 昨年十二月に自治省がまとめた調査では、商法法人であります第三セクター三千四百七十五法人のうち一千四百三十六法人、四一・三%が直近の決算において経常赤字でございます。その経常損失額の総額は二千二百六億円、さような結果が出ております。
 したがいまして、地方公共団体ごとに事情が異なっておりまして、一概には言えませんけれども、地方公共団体が出資のほかに損失補償や補助金の支出等の公的な支援を行っている第三セクターにつきましては、経営が悪化したときに地方団体の財政に悪影響を及ぼすというようなことが心配なわけであります。
 実は、第三セクターの数は今非常にたくさん、どしどしできてまいったものでございまして、それぞれ地方公共団体の責任において設立をされ、そして指導監督が行われるものであるということから、個別の第三セクターの経営問題につきましては、自治省が第三セクターに関する指針というものを出しておりまして、それを参考にしてもらって適切に対応することを期待いたしておるわけでございます。
 簡単に言いますれば、今いろいろな問題が生じておりますが、問題を先送りすることなく、経営悪化の原因を検証して経営努力の方策を講じ、あるいは抜本的な経営の改善策を検討すべきである、さらに深刻な経営難の状況にある場合にあっては、経営改善の可能性を検討した上で第三セクター方式での事業の存廃そのものについても判断すべきである、さような指針を示しておるところでございます。
 問題の生ずるものがあれば、自治省としても事情を聴取するというようなこともいたしまして、必要な助言などを行っていきたい、さように考えております。
○松崎委員 今お話しになったように、昭和六十年ですか、民活法が制定以来、そういう民間の活力を使いということで、特に地方自治体、県なんかも多いですね。二つありますよね。大きく問題が起こっているのは、リゾート開発関係と土地問題関係の開発公社関係ですね。両方、バブルや景気のいいときに民活を使おうということであちこちに、先ほど言いました破綻したいろいろなのがありますね。こういうテーマパークなんかが特に多いんですね、臨海副都心も入るんでしょうか。そういう、かつての時代の形で来ちゃって、経営の能力というか、いわゆる民間の経営者ではないわけでありますので、どうしてもルーズになってきた。それが、気がついてみたらこういう数字になってしまった。
 これは恐らく、ちょっとお聞きしますと、単年度の赤字額だけですから、累積の赤字になると多分もっと違うと思うんです。ちょっと私、まだ調べていないんですけれども、大変な数字になるはずですね。先ほど言ったものだけでも、泉佐野コスモポリスだけで六百七億の負債総額だというんですね。ですから、これは今動いている法人の赤字の単年度の決算だと思います、二千二百六億というのは。そういうことになりますと、各自治体がしょっていたりするものも相当あるだろう。ですから、これはもう少ししっかりと私も調べてみないといけないと思います。
 できてしまったものを今さらどうこう言ってもいたし方ありません。ですから、その処理を早くしなければならない。特に、それが自治体財政に影響を与えるんではないか、私はそのように思っておりますので、その辺の、各地方自治体に、三セク絡みの負担増あるいは倒産によってこうむった自治体のそういう負債額だとか、そういう調査はされていないんでしょうか。
○平林政務次官 各地方公共団体がいろいろな第三セクターをつくっておりまして、その地方公共団体と第三セクターとの間のかかわり方と申しますか、そういうものも実は非常にさまざまであります。そこで非常に調査をしにくいわけでありますが、さらにまた、問題を未然に防ぐといいますか、地方団体の財政に悪影響を及ぼさないように、調査もいたしますし助言もいたしてまいりたい、さように思っております。
○松崎委員 この指針の意図は、先ほどもお話がありました、要するに、これは大変だから慌てて第三セクターに対してしっかりとチェックしよう、情報公開もしなさいよ、ちょっとおくれていますよね。これだけ破綻が進んで、十一年の五月に指針を出されたということでありますから、まだ昨年ですよね。もっともっと前から、この三セクは問題が相当出ていました。そういう意味では、極めておくれたな、そんな残念な気持ちがいたしますけれども、そのおくれた分、私は、地方財政に大変な影響を与えるという観点から、自治省としてしっかりとチェックをし、指導すべきものは指導していく、それが大事だと思います。
 特に公社ですね。土地開発公社の、特にバブル期あたりに相当買っていましたね。その塩漬けの用地というのが、五年以上抱える長期保有地で平成十年度で一万二千七百五十ヘクタールということでございます。簿価で三兆八千四百九十九億円ということなんですね。ですから、全国の公社の保有地が総面積で三万四千四百七十六ヘクタールです。五年以上抱えるのが、先ほど言いました一万二千ですね。全体の簿価の値段が八兆七千億で、長期のものが三兆だということです。つまり、塩漬けが長いのが三六・九%もある、簿価で四三%もあるということですね。
 この辺の、本来は自治体が買い取るという仕組みで公社はどんどん買い入れておりますので、これまた自治体の今の財政状況では買い取って何かやろうというのもない。そうすると、持ちっ放しでどんどん簿価は下がり、価値が下がっていく、不良債権化している。この辺のことは、土地開発公社のみに関しても調べていないんでしょうか。
○平林政務次官 土地開発公社の問題は、私も昔タッチしたことがございますが、おっしゃいますように、公共事業の用地等、必ず後年度に財政が、一般会計が買い取るというものはまだようございますけれども、単独事業でやりますような仕事を、とりあえず公社に買ってもらっておいて、いずれ時期が来たら一般会計で買いますというような、ちょっと放漫なことをやっておるところもあるわけでございます。さようなことが累積をいたしまして、今おっしゃいましたような、土地開発公社が大変な土地を抱え込んで始末に負えなくなるというようなところがところどころ出てまいっております。
 ですから、新たに公社が取得する土地というのは、もちろん必要性やら買い取りの見通し等について十分検討をするということ、最終的な利用に供するまでの間もその取得いたしました土地を積極的に活用ができればやるようにというようなこと、あるいは取得後の事情変更等によって当初計画での再取得が困難となっている場合には、その利用目的を見直して、処分の促進をしなさいというようなことを今指導をいたしておるところでございます。
 今回調査をいたしました結果を踏まえて、今御指摘になりましたようなことを、自治省としても必要に応じてさらに指導強化をしてまいりたいと思っております。
○松崎委員 公社の出だしのことは私もつぶさには承知しておりませんけれども、右肩上がりの経済体制の中で、やはり行政がやりやすいようにということでやってきたようなものが出だしだろうと思います。
 そうしますと、今はそういう時代ではない。今後の地価の問題はわかりませんけれども、恐らく、そんな上がるような経済構造にはならないだろう。そうなりますと、ある意味では民営圧迫にもなるわけでありますから、その辺のことはさらに、特に土地開発公社等に関しましては入念なチェックと、なるべく必要のないものは解散させていく、そんなことが必要だろうと思います。
 なお、最近、人事の問題でも三セクはいろいろ問題があったようでありまして、三セクへの派遣の法案を何かつくるようにも聞いておりますけれども、その辺のことがありましたらお知らせいただきたい。
○保利国務大臣 御指摘の法案につきましては、地方公共団体が職員を公益団体、公益法人等に派遣する統一的なルールを設定しなければならない、公益法人等に対する職員派遣の適正化、それから派遣手続等の透明化を図って、地域における人材の有効活用を通しまして、公と民の適切な連携協力による地域の諸施策推進を図ることを目的として、法律を今準備いたしているところでございます。現在、法制局との間で検討を進めておりまして、成案を得られれば今国会に提出をいたしたいと思っております。
 内容につきましては、現在検討中でありますが、一定の要件のもとで、公務員としての身分を有したまま公益法人等の業務に従事する派遣制度と、それから地方公共団体を一たん退職して、地方公共団体が出資している営利法人の業務に従事する退職派遣制度、この二つの制度を設けて、これに伴う職員の身分、取り扱いを明確化する方向で検討をいたしているところであります。
○松崎委員 この辺も、私も地方議会出身なものですからよく見ておりまして、よくわからなかったなというのがいっぱいありましたね。
 それから、派遣の場合は現職でしょうけれども、OBが国の中央省庁の天下りと同じように大変な天下りをしております。この辺の問題も、大分問題にも少しずつなっておりますけれども、国だけが、中央のお役人の皆さんだけが責められるというのもおかしな話でありまして、これは日本の行政体に共通した問題であるとすると、やはりこの辺の天下り問題も、三セク等にはもう定位置で各県決まっておりますから、その辺のことも、この派遣のチェックと同時にそろそろ――これはどこがやるのでしょうか、天下り問題というのは。
○平林政務次官 地方公共団体におきましても、定年退職になりました人とか、ちょっと定年よりも若いけれどもそういう第三セクターその他のところに就職するというようなことは、私も間々承知をしております。
 要するに、常識の範囲を超えないように、みだりなことにならないようにということによく注意しながらやってもらいたいものだと思っておりますが、これはやはり、基本的には各地方公共団体の責任においてなされるものでございますから、さような注意を申し上げるということで臨みたいと思っております。
○松崎委員 本来的には、地方議会もチェック機能をしっかり働かさなければいけない、その辺が大変形骸化しているなというふうに、私もおりましたときから感じておりました。
 さて、プライベート・ファイナンス・イニシアチブがありますね、PFI。これが、三セクにかわるわけじゃないのですけれども、質が変わるわけであります。昨年通ったわけでありますけれども、これに関して、ある意味ではこれからの、民間をうまく活用して、しかも財政需要を少しでも減らしていく、そういうことでは、イギリスの本家を見習いながら導入したということであります。
 特に、三セク等の関係とも絡みまして、これはもちろん国の行政でも活用できるわけでありますけれども、自治省として、このPFI、つまり三セクの転換を含めた、財政の圧迫のないような形でいかに効率よく民間の活力を使って行政をしていくかという点では、大変おもしろい制度だろうと私は思っておりますけれども、自治体にとって、導入のメリットとデメリットというのは、何か自治省の方では考えていらっしゃいますでしょうか。
○平林政務次官 おっしゃいましたPFIの方式は、国や地方公共団体が事業主体となって行います公共施設等の建設や運営に、民間の資金、技術力、経営力を活用して、民間事業者に企画から建設、維持管理、運営まで契約でゆだねるという手法でございますから、例の第三セクター問題とはいささか趣を異にするわけでございます。
 したがって、官民共同で事業主体を設立して事業を実施する、そういうような第三セクターとは異なりますから、官民の役割を契約ではっきりする、そういうことであるかと思います。
 第三セクター方式が、官民の役割分担や責任分担があいまいで両者の特色が生かされないケースが見られた、そういうこともありまして、PFI方式は、あらかじめ両者の責任範囲を明確にした上で実施されるということでございます。適正な契約で事業が実施されれば、第三セクターの弊害というのは防止されるかもしれない、そう思っております。民間事業者の選定とか、あるいは事業の効果、効率性に関して客観的な評価を行って公表するとか、そういうようなことも制度化されております。
 今後、内閣総理大臣が定める基本方針を受けまして、地方公共団体がこれを実施するに当たっては、自治省として、関係省庁と連携をいたしまして、官民の責任分担を明らかにするなど、繰り返して申しますが、従来の第三セクターのようなことにならないように対応してまいりたいと思っております。
○松崎委員 私もまだこれは、そう詳しくはないのでありますけれども、ちょっと見ると、やはり今官民の役割をはっきりさせるんだということで、三セクの二の舞にはしないようにするというお話でありましたけれども、もちろんそこには、しっかりとチェックをしなければいけないと思いますけれども、同時に、これは今までの入札制度とちょっと違うとは思いますけれども、民間との癒着という問題も逆に、非常に紙一重のところでありますから、これは特に自治省が所管してやるということではないと思いますが、手法でありますから。それぞれの省庁も関係してやると思いますけれども、その辺の、今までの地方の公共事業にも問題があった、それらを踏襲しないような形を、ぜひチェックをしていただきたい、そんなふうに思う次第であります。
 さて、幾つかの問題では具体的な、特に今地方財政に影響を与えるんではないかという問題を取り上げさせていただきました。最後に、冒頭に戻るわけでありますけれども、そろそろ、分権推進法がことしの七月二日で終わるわけであります。
 前にもお聞きしたことがあると思いますけれども、今後の分権、私は今の分権は本当に入り口だけだろうと思います。今、各自治体で一括法案の関連の条例をやっておりますけれども、いわゆる財源の問題が、これは冒頭の質問にも戻るわけでありますけれども、財源の問題がしっかり入っていないのではないか。ですから、今の制度の中でごちょごちょやって、特会にああだこうだとやっても、トータルでは全然変わらないで六百四十五兆円になってしまう、国も地方も。
 そういう形を本格的に直すには、分権を本気でやっていく、しかもそこには財源をしっかりと、民主党案がいいとは言いませんけれども、これはだれでも考えるわけですね。基本的な所得税から、最初からもう一〇%を入れかえてしまう、そういう形で思い切った改革をするというものを入れて分権を進める、そういうことがこれからの流れになると思うのです。
 そうなりますと、分権推進法が切れて、その後、この分権問題は、もちろんやるのでしょうけれども、法令化の問題も含めて、どういう形で自治省としてはやっていくのか。
 これは、経済戦略会議でもはっきり言っているわけですね。本当に、私どもの言っていることとほぼ近いということで、経済戦略会議は小渕さんの諮問機関でありますから、あそこは本当に言っているのですよ、財源は地方税で全部賄えとか、都市、地方の格差ももちろん見直しをせい、交付税は縮小してしまえと。私どもは、今の制度の交付税はなくせと言っているわけでありますけれども、経済戦略会議がもうあれだけ提言している。その上で、分権はまだ未熟である、これを続けなければ日本の構造改革、再生はあり得ない、そういう中でこの分権推進法が切れる、これを受けて、今後の分権推進の方策は自治省としてどういうことを考えていらっしゃるか。
○保利国務大臣 地方分権の精神というのは、私どもも大事にしていかなければならないと思っております。
 今後、七月で分権法が切れまして、推進委員会の役割は一たんそこでピリオドが打たれる形になるわけでありますが、地方分権推進のこの法律を延長するか、あるいは別の形でまた新しい推進組織をつくるか、今官房長官ともお話をいたしております。私は、地方分権の立場から、こうしたものについて、どういう形であるかは別といたしまして、積極的な姿勢で取り組んでいきたいと思っております。
○松崎委員 期待しております。
 ありがとうございました。
○斉藤委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
○斉藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 政府参考人として、警察庁長官田中節夫君、警察庁生活安全局長黒澤正和君及び警察庁刑事局長林則清君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○斉藤委員長 質疑を続行いたします。河村たかし君。
○河村(た)委員 河村たかしでございます。
 本日は、前国会で積み残した、いわゆる天下の悪法でございますけれども、国民総背番号、こういう問題につきまして、後で質問中にも出てまいりますけれども、お金の見積もりも大分高くなってきたようでございますし、それも地方の負担になり、またそれが交付税で措置されるであろうということでございますので、それらについてお伺いをしたいと思います。
 今ちょっと自治省の方から資料をあれしておるのですが、まず、前国会で大臣に聞いたのですが、どういう情報が流れるのだろうかという話がございますよね。それで、きょうお手元に、今お配りしました住民基本台帳ネットワークシステムの概念図というのが委員の皆さんのところにあると思います。これは今まで何遍も何遍も、今桝屋氏が懐かしいなと言っておりましたけれども、懐かしい資料でございます。
 これを見ていただいて、専用回線という、左側にコミュニケーションサーバーがあって、それから都道府県に来て、黒い矢印が来る。そこに本人確認情報、住民基本台帳情報から限定、こうありますよね。四情報、氏名、住所、性別、生年月日、住民票コード、付随情報、こうあったわけですね。
 前回、前々回ですか、大臣は答弁の中でこのとおりお答えになった。四情報しかありませんということでございますが、皆さん御承知のように、法律が通った不幸な八月が過ぎまして、あれは自治省の都道府県会議だったですかね、そこで、前回資料を出しましたけれども、流通するのはこういう情報ではないと。広域交付で九情報ですか、それから転出入の特例で十三でしたかが流れるという資料を堂々と出されました。
 マスコミも、新聞なんかはありますから残っていますが、テレビ局は放映してわかりませんので聞いておりますけれども、みんな四情報だというふうに、あたかも流通するのが四情報だというふうにだれもが思ってしまった。そういう状況下で法律を本当につくっていいのか。
 私は、やはり国会というのは大変なところだと思うのですね、当たり前のことですけれども。法律をつくるのが一番の仕事でございます。国会で決めた法律でしか国民は拘束されない、私たちはその仕事をしている。大変な仕事なんだけれども、それが誤解をされてつくってしまった。
 だから、僕はこの間言いましたけれども、自民党さんにも言いたいのだけれども、与野党の対立ということではなくて、要するに、これは国会が役所にだまされたということなんですよ。これに対して本当に怒らなくていいのかと、委員長。これは委員会の権威にかかわる大変なことなんですよ。
 マスコミのことばかり言ってはなんですけれども、マスコミがほとんど、私が確認しているのは全部間違えていた。こんなことで本当にいいのかどうなのか。
 やはり僕は大臣にお伺いしたいのは、前も言いましたけれども、民間にもお勤めになられておって非常にまじめな方でございます。何もおだてるつもりはありません、役所出身の人が全部悪いとは言いませんけれども。しかし、そういう方が、間違っておったことは間違っておった、これはやはり国民に対して出直さなければいかぬのではないかということをきちっと言われるのが、国会の最低のモラルだと僕は思いますね。
 審議会の委員でも、ある答弁があって、プライバシーのことを強調する人があるのだけれども、四情報しか流れないじゃないか、四情報は公開されているんだ、だからいいんだということを答えているのですよ、実際に。
 だから大臣、私は冒頭にぜひそこの気持ちをお伺いしたいのだけれども、国会議員というか、国民に対する議員として、自治省を守ってはいかぬのですよ、ここは本当に。やはり国民を守らなければ。そういう本当のところをひとつお伺いしたいと思います。
○保利国務大臣 いろいろ御指摘も受けましたし、また、おしかりもいただいたわけでありまして、この住民基本台帳ネットワークシステムについては、私もその後、余り時間がないのですけれども、少し勉強させていただきました。そしてまた、担当の方に対しましても大変督励をするようなやかましいことを随分申しまして、勉強を今続けているところでございます。
 私は、一番最初に委員から指摘をされまして、そもそも住民基本台帳というのは何だというところから勉強し直してみたわけでありますが、これは当然法律に書いてあるわけであります。その法律の中に書いてありますのは、住民基本台帳に全部集積されますのは、法律どおり言えば十四情報が住民基本台帳には入っているわけですね。それで、例えば引っ越しをいたしますときには、そういった十四の情報が、隣の町とかあるいは遠く離れた町とかに移っていく。ですから、その限りにおいては、まあ十四とは申しませんが、十三とか十二とかということになるんだろうと思いますが、それが飛んでいくということをしっかり認識をいたしました。その上で、全国センターに集積されますのは、言われております四情報であります。
 電気通信というのは、非常に摩訶不思議といいますか、私どもでは理解し得ないところがございまして、一つの情報が線の中に入れば、いろいろな形でどこへどう流れていくかということについては、操作の誤りがあればこれはもう大変なことで、あちこちに回ってしまうという可能性はある、私はそういうふうに自分では思ったわけであります。
 そこで、いろいろ聞いてみましたらば、専用回線を使うのでありますとか、いろいろな手だてを講じてそういうことがないようにシステム設計をいたします、そういうことでこのネットワークシステムを進めたいということで聞いております。勉強中でありますが。
 なお、私は、着任をいたしましたときにこの法律はもう既にでき上がっておりまして、政府としてはでき上がった法律は執行する義務がございますので、それにのっとって義務を今果たしているというふうに認識をしております。
○河村(た)委員 私は、これは本当にお立場はわかります。今までの慣例でいえば、これでうやむやになるんですよ。しかし、今大臣が責任者ですから大臣ばかりに行きますが、今も言われましたように、住民基本台帳とは何かというのを勉強したと。また、これはあの当時から答弁を苦労して変えられていますけれども、全国センターに集積されるのは四情報だと。だけれども、あのときは流れるのが四情報だとはっきり答えられていて、それは答弁にも残っております。私も正直言って、かつての新進党時代から、その前の日本新党のころからずっと反対していたのです。人間に番号をつけるなんてとんでもないことだということをずっと思っていたのです。その私もだまされたというか、恥ずかしいですよ、こんなところで言うのは、会議録に出るのは。私は正直に言いましたよ。
 私は、四情報が流れると思っていたのですよ。住民票はあとファクスでやるのか、おかしなことだな、そう思っていたのですよ。間違えていたことは私は正直に言いますよ。これは私だけじゃないのですよ、本当に。放送もみんなそうなっているんですよ。大臣もそうやって答えられたのじゃないですか。
 だから、なぜここでそういうことを言われるのか。やはり正直に、間違っていましたと。今非常に苦渋な御表情で、私の来る前に成立した法律であって、大臣としてはその通ったのを誠実に執行する務めがあるんだと言われました。しかし、その前につくった法律が間違っていたらどうするんですか。
 今、もうすぐ自治省から資料が来ると思います。大臣が調査を命ずると言われまして、新たにつくりました資料が出てきますけれども、明らかに違いますよ、前のと今皆さんが見たのと。これは本当に国会として、こんなことをやっていていいのですか。どうですか、委員長。
 なぜかというと、委員会というか、国会の一つの非常に大きな仕事は、やはり役所のやったことをチェックしていくというのが非常に大きい仕事じゃないですか。それが、役所が違う情報を出して、国会がすべて、すべてと言うと語弊があるかわかりませんが、ほとんど間違えて法律を成立させた。それに対して、こんなことで本当にいいのですか、委員会の権威として。権威というか、国民に対する責任として。どうですか、委員長。委員長、ちょっと答えてください。
○保利国務大臣 今四情報の話がちょっとありまして、確かにそういう答弁をしたことは私覚えておりますし、大変おしかりを受けたのでありますが、今でもそこのところは、全国センターに集積されるのは四情報であるということについては間違いないと私は思っております。
 しかし、もし間違って十三の情報があちこちに飛び交うということがあってはならないということで、そういうことがないようなシステムをつくっておるというのが私の答弁でございます。
 今委員長に御質問になった点については、私は、御党におかれて廃止法案をお出しになっていると承知しておりますが、その法案の取り扱いというのは政府では決められないことでありまして、この委員会の中でお取り扱いをいただくということになるんだろうと思います。
○河村(た)委員 さて、委員長、どうですか。私は委員として、この委員会を取り仕切る委員長として、たまたま与党で、自民党で、今の大臣と同じところに所属されておりますけれども、今これは行司役なんでしょう。やはり国会としてお仕事をされておるわけですよ、国会議員のリーダーとして。だから、まことに申しわけないけれども、今も何遍も言っている、こんなことが本当にいいのかと思うのですよ。大臣、今集積されるのは四情報だと言われたけれども、違っていたのだから。流通するのは四情報だと。
 今からこれを言いますけれども、あたかも、だれが見たって流通するのが四情報に見えるような資料だったのです。誤解した法律をつくってしまったのですよ、委員長。前の委員長だけれども。そういうのは撤回するとか何かしないでいいのですか。僕ら国会議員は税金で給料をもらっていいのですか。国民に対してざんげせぬでもいいのですか。そういうことです。委員長、どうですか。
○斉藤委員長 河村委員の御意見、よく承りました。
 私は行司役という立場でございまして、与野党での議論、また議会と政府との議論等々の交通整理ということが第一義にあるというふうに考えておりますので、委員の先生方のいろいろお考えを、また必要であれば理事会で諮っていきたいというふうに思っています。
○河村(た)委員 そうしたら、間違えた資料によってつくられた法律についてどういう態度をすべきか、理事会で協議していただけますか。どうですか、委員長。
○斉藤委員長 お申し出でございますので、間違っていたかどうかも含めまして、理事会でお諮りしたいと思います。
○河村(た)委員 それでは、今自治省が持ってきた資料をごらんになっていただけますでしょうか。一枚のぺらでございます。
 それで、一番わかりやすいのは、「住民基本台帳ネットワークシステムとは?」でない方、図面がいろいろ書いてあるものです。ここの左側の下の方です。青くなって、白く字が浮かぶようになっております。
 大臣、これは、事前に調査を命ずるということとか、そのほか、わかりやすい資料をつくるとかいうことの指令によってできた資料でございますね。一応確認でございますが。
○保利国務大臣 御指摘を受けまして、私自身もそう感じたものですから、改めてわかりやすいものをつくれということは申しました。
○河村(た)委員 では、これを見ていただけますか、二つ。さっきの概念図、前のものですね。それからこれです。
 新しい方を見ますと、「都道府県・指定情報処理機関に蓄積され、国の行政機関等に提供される情報を本人確認情報に限定します。」それで、本人確認情報とは、住民票コードとこうと付随情報。そして米印で「住民票の写しの広域交付や転入転出の特例手続の場合には、それぞれに必要な情報が専用回線で流れます。」こういうふうにしてありますね、こちらの方は。前の方にこんなことは一言も書いていないじゃないですか、法律をつくる前は。
 大臣、これはどこから読み取るのですか。蓄積されるのは、要するに「流れます。」ですよね、一番わかりやすいのは。「流れます。」といって、これは前のものからすると、どこからどうなるのですか。法律成立前の資料となぜ違うのですか。
○保利国務大臣 前の資料の上の方の、今お配りになられたものの一番上のところの真ん中のところ、本人確認情報、四情報、氏名、住所、性別、生年月日等、付随情報、これが載っております。
○河村(た)委員 「本人確認情報とは」はいいですよ。本人確認情報は、新しいのにも、1住民票コード、2氏名、住所、性別、生年月日、3付随情報、これは同じですね。これは同じですよ。蓄積されるとか流通だとか、何も書いていないじゃないですか、前の資料には、法律制定前には。新しい資料には、流通する情報は「それぞれに必要な情報が専用回線で流れます。」と書いてあるじゃないですか。なぜ書かなかったのですか、前のものに。
○保利国務大臣 前のはちょっと丁寧ではないところがありますが、ごらんになっておわかりのとおり、そうしたところへ矢印がついておりまして、それで全国センターへ流れていくという印がついております。
○河村(た)委員 後ろの自治省の人、うなずいておって、あなた間違っておるよ。
 前の古い方の資料、専用回線の黒い矢印には本人確認情報が矢印であるだけですよ、ここに。ここにほかの住民票の記載事項が流れると、どうしてわかるのですか。同じだったらちょっと質疑できませんよ、悪いけれども。同じなんですか、前と新しいのは。間違えましたとはっきり言ったらどうだ、自治省、後ろでそんなことやっておらずに。
○保利国務大臣 これは、センターへ流れていく情報という形で矢印をつけておりますので、こういう形になっていると私は読み取っております。
○河村(た)委員 ちょっと質疑とめてもらえませんか。
 流れる情報は四情報じゃないんですよ。大臣、あなたは、あなたと言って申しわけありません。こういう不遜な言い方をして申しわけないけれども、これは間違っていたと言えばいいのですよ。僕は、正直に言った方がいいと思いますよ。
 与党、野党じゃないのですよ。自治省のやってきたこと、それに対して国会議員としてどう判断するかという問題なんだから。悪いけれども、保利大臣、黒い矢印のところに流れるのが、ここに四情報以外の情報も流れるのです。今も間違えましたよ。だから、保利大臣の理解の方が正しいんです、私もそう思っていたから。ありとあらゆる人がそう思っていたのですよ。だから、自治省の資料は間違っていたんだと、きちっとまず事実を確定しましょうよ、ここで。
○保利国務大臣 この資料が十分だとは思いませんが、間違っていると私は思えないのであります。
○河村(た)委員 いや、これはちょっと、やはり無理ですよ、保利さん。これはやはりみんな誤解しているのです、悪いけれども。(発言する者あり)いやいや、もう二回も三回も議論していますから。大臣は、ここのところに流れるのは四情報だと言っているのですよ、今も。そうでしょう。もう一回確認します、それを。
○保利国務大臣 センターに参りますのは四情報。委員が御心配になっているのは、もし間違えたらばほかの情報も行く可能性があるということはあるのでしょうけれども、そこは技術的にきちんと押さえていくという手だてを講ずるところでございます。
○河村(た)委員 やはり違うのです。これはどうしますか。私、まことに申しわけないけれども、国会議員として、ちょっと国会の中で続けるわけにいきませんよ。与野党関係ないですよ、悪いけれども。
 自治省のつくっていた資料が違っていたのですよ。違うのですよ、大臣。ここに流れるのは、住民票の記載事項全部流れるのです、この二つの場合。転出入の特例、それから広域交付。そこには、なぜ四情報と違うかといったら、四情報は、一応これにもプライバシーの問題があるとは言われておるけれども、一応住所、氏名、生年月日、性別は公開情報とされていて、例えば僕は保利大臣のも見ることができるのです。だけれども、あとの情報は、例えばいつ、どこからどこへ移ったとか、本籍だとか、それから続柄、こういうものも入っているのです。それも流れるのです、これに。そうでしょう、答弁。
 ちょっと理事、やはりやめましょう、これは。いや、こんなことをやっておったら、本当に国会なんてどうなるのですか、一体。明らかに違っているのですよ。自治省、今からごまかしたってだめだよ、あなた。ええかげんにしておいてくれよ、本当に。与党も、党だということをやめて、ちょっと誠実にやってくださいよ、誠実に。
○斉藤委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○斉藤委員長 速記を起こしてください。
 保利自治大臣。
○保利国務大臣 前の資料に基づきまして法律ができ上がっております。でき上がるときにはいろいろ御審議をいただいたわけですから、私は、この資料が間違っているとは申し上げかねるわけでありますが、不十分さといいますか説明不足といいますか、そういうものはあったと、私は前から申し上げているとおり、あります。
 もう少し、よりわかりやすくするために、この場ではぜひ、御党のお立場もありましょうが、私の能力を超えていると言ったらおかしいけれども、勉強してお答えをしなきゃいけませんけれども、お許しを願って、行政局長あるいは担当から、正確な自治省としての立場を御説明させたいと思いますが、ぜひお許しを願いたいと思います。
○河村(た)委員 普通なら、いいと言うのですが、悪いですけれども、本当に与党の皆さん、ちょっと真剣に考えられませんか、こういうことは。真剣に考えておらないと言ったら申しわけないけれども。しかし、ここで役所に聞けば、役所が言うことは決まっているのですよ。自分のところの今までつくってきた話を言うだけですよ。問題は、国会が誤解しているという問題なんですよ、国会が、国会議員が。
○保利国務大臣 重ねてお願いをいたしますが、私自身、委員と役所とのやりとりをしっかり聞いて今後の参考にいたしたいと思いますから、ぜひお許しをいただきたいと思います。
○河村(た)委員 いや、これはかなり僕は、もしこのままこれを続けるのだったら、国会は役所とどういう関係にあるんですかね、本当に。実際、大臣もきょうの答弁で、まだ再度やはり誤解されておった。誤解されているということですね、現に。私もそうだったんですよ。ここで一人しかしゃべれませんでいかぬですけれども、それぞれ本当の本心を言ったら、本当に正直に言ったら、皆さん違っていたと思いますよ。冗談じゃないんだよ、本当に。冗談じゃないんです。
 だから、大臣にもう一回聞きますけれども、要するに、前の概念図は間違っていましたね。
○保利国務大臣 私は、この資料に基づいて法律ができ上がっておりますし、御審議をいただいて成立した法律でありますから、この資料が間違っているとは申し上げられない。しかし、非常にわかりにくい、誤解を生ずるものであるということについては、先ほどからお認めを申し上げておるところであります。
○河村(た)委員 誤解を生じるんだけれども間違っていないということですが、どこが間違っていないんですか。もう一回。さらに、流通情報については書いていないですけれども、それは間違っていませんか。
○保利国務大臣 お願いを申し上げますが、私、当時審議のときにはここにはおりませんでしたし、よくその詳しい審議のときの状況は存じ上げません。そこで、ぜひ担当から説明をさせることをお許しをいただきたいと思います。
○河村(た)委員 それより、私が言いたいのは今の状況ですよ。大臣がこれを見られて、何も過去のときはいいんですよ。今、過去の資料を見られて、これについて、ここの中からいわゆる住民票にかかわる事項が四情報以外にも流れるというふうには思えないでしょう。どうですか。
○保利国務大臣 冒頭お話し申し上げましたとおり、住民票には十三ないし十四の項目があるということは申し上げました。それが一たんは回線に入る可能性があるから、システムが間違ったりあるいは犯罪行為があったりしたときには流れていく可能性はあるかもしれませんが、今のこの状況から見れば、少なくともセンターに集積されるのは四情報だということで私は間違いないと思います。
○河村(た)委員 もう一回ちょっと聞きますけれども、もう一回古い資料を出していただけますか。
 この黒い線のところに、本人確認情報、住民基本台帳情報から限定、四情報、住民票コード、付随情報と書いてありますね。ここの黒い線が専用回線を流れる情報のことでしょう。それは間違いないですか。これは常識でいいですよ。
○保利国務大臣 この辺は、担当からぜひお話をお聞き取りを願いたいのであります。
 しかし、あえて私にと言われるわけでありますので、私から御答弁を申し上げれば、先ほどの十三情報は、一たん専用回線の中には入ると思います。それは、引っ越しでありますとかそういうときには、前も申し上げましたとおり、すべての情報が入っていかなければ新しい住民票ができないということでありますが、そこはこの古い資料の点線の部分で示したところでありまして、センターには入っていっていないというふうに読み取れるわけであります。
○河村(た)委員 これはどう見たって、だからみんな間違えたんじゃないですか。悪いですけれども、ここになぜ新しく書かなかったんですか、これに書いたように、本人確認情報の下に。
 では、蓄積される情報だけをここに書いたということですか。そういうことですか、黒い線の上のところは。そういうことですか。
○保利国務大臣 重ねてお願いでありますが、極めて技術的な問題ですので、行政局長ないし担当から説明をさせたいと思います。
 しかし、お尋ねでございますから、私なりに申し上げれば、この四つの情報は、この黒い点線にのっとって四つの情報がセンターに行くということを示しておるということでありまして、特段間違えていることはないと思います。
○河村(た)委員 行くということになると間違いになりますよ、行くのはたくさんあるのですから。今言いましたように、十三流れるわけでしょう。もし言われるなら、蓄積されることを書いたということですか。
○保利国務大臣 ぜひこの辺は、技術的な問題として、自治省当局からお聞き取りをいただきたいのであります。
○河村(た)委員 それでは、一応自治省からも聞きましょうか、うそのてんまつを。
    ―――――――――――――
○斉藤委員長 この際、お諮りいたします。
 政府参考人として自治省行政局長中川浩明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○斉藤委員長 行政局長中川浩明君。
○中川政府参考人 お答えを申し上げます。
 この住民基本台帳ネットワークシステムによりまして、センターもしくは都道府県に蓄積をされます情報につきましては、いわゆる四情報等の本人確認情報であること。それから、住民票の写しの広域交付、そして転入転出の特例手続によりましての通知されます事項につきましてはそれ以外のものが含まれていることにつきましては、もう既に先生御指摘のとおりでございます。それが今回の住民基本台帳ネットワークシステムの実態でございます。
 その点につきましては、平成十一年の四月二十七日の当委員会におきまして、春名委員の御質問に対しまして、前行政局長からお答えを明確にいたしているところでございます。
 なお、ただいま御指摘にございましたこの概念図でございますが、当時、この住民基本台帳ネットワークの重要な点が、いわゆる四情報をセンターに集積して国の行政機関等に提供をするという点がそのシステムの重要な点であったために、それを特に強調することでこの概念図ができているわけでございます。ただ、やや不確実といいますか、あいまいな面もございますが、「住民基本台帳事務への活用」という部分がこの右上のあたり、中段ぐらいにございます。これがこのシステムを点線で結んでおりますが、この趣旨は、このシステムを使ってこういう住民基本台帳事務への活用を行うということも明確にしているわけでございます。
 ただ、この際、住民基本台帳事務へ活用する際にどのような情報がこのシステムを活用して流れていくのかについて記述がないという点については、御指摘のとおりでございます。その点を、大臣からも御指示がございまして、改めるということから、明確にするということから、最近作成いたしましたパンフレット等ではそこを明確にしたものでございます。
○河村(た)委員 まず蓄積をされるということが大事と見て、こういうことで四情報だというふうに書いたということですね。だから、蓄積されるのはここのセンターのところにある四情報だけである、こういうことですか。
○中川政府参考人 お答えをいたします。
 全国センターに保有されまして国の行政機関等への情報提供に用いられますのは、本人確認情報のみでございます。
○河村(た)委員 どうも、またうそを言っておるね。これほどうそばかり重ねて、入れたい気持ちはわかりますよ。人間に番号をつけたい、これはいわゆる管理側の本能ですから。蓄積されるのは、もっと正確に書くなら、蓄積情報がセンターだけですか。
○中川政府参考人 この図にもございますように、各都道府県にそれぞれ本人確認情報が当該都道府県の分につきましては保有、蓄積されることになります。(河村(た)委員「センターだけね」と呼ぶ)各都道府県のものについてそれぞれの都道府県に蓄積されることになります。
 したがって、全国では全国センター、それから、例えば東京都、神奈川県では、東京都分は東京都に、神奈川県分は神奈川県にそれぞれ蓄積されることになります。
○河村(た)委員 ということは、なぜ蓄積情報について、わざわざほかを落としてこれだけ書いたということは、番号があって、あと、しかるべき情報があるから、非常にそれの漏せつの可能性も高いというか、もし漏せつしたときに困るから、それだけはきちっと管理しなければいかぬということで、それをセンターに限って四情報、これだけの情報に限って保有する、保有しているのが漏れると困るからと、そういう意味ですね。
○中川政府参考人 そもそも、このシステム自体が、本人確認情報を必要に応じて法律の定める国の行政機関等への情報提供に用いるということでシステムをつくっているものでございます。
○河村(た)委員 何かよくわかりませんけれども、蓄積するということの危険性を言うのだったら、悪いですけれども、その番号を使って、あと、これは十六省庁九十二事務使うわけでしょう。そこをなぜ書かないのですか。
 例えば、別表に恩給というのがありますよね。そこには当然、番号は行ってもいいですよね。そこには蓄積されませんか。
○中川政府参考人 当然のことですが、すべての国民のものではございませんが、恩給事務に必要な国民の本人確認情報は、当該事務を処理しているところで住民票コードも含めてそれは蓄積といいますか、そちらで用いることが当然できるわけでございます。
○河村(た)委員 実は、こういうことなのですよ。皆さん、これも完全にだまされていましたね。いいかげんにしといてくれないといかぬよ。なぜ問題点をきちっと出すなら出さないんだよ。ちょびちょびと、まずだれでもいいと言いそうなものを出して。もし蓄積とかそういうことが問題なら、各十六省庁九十二事務については番号が向こうの事務にファイルされて、そこにそのまま蓄積されるのですよ。この情報が残るのはセンターだけじゃないですよ。これは本当に、そんなことをやっておっていいのかね。
 大臣、本当にもうこういう話は、与党、野党というのはやめてくださいよ。やはり正直に、この国会は自治省にだまされたのだよ。まだだまされているのですよ。番号というのは、別表の部分、全部各省庁に残るのですよ。集中的にあるのは、センターは番号があって四情報だけです。ここをちょっと、今大臣お話し中ですけれども、現在の認識でいいです、認識だけお聞かせください。
○中川政府参考人 先ほどお答えいたしましたように、国の行政機関等、法律の規定に基づきます別表記載の事務について本人確認情報を提供されます。その情報につきましては、法律上、当該法律に規定いたしております目的にのみ利用されるものでございまして、それ以外のものにその情報が利用されることは法律上禁じられているところでございます。
○保利国務大臣 これからこのシステムを構築していこうというところでございますが、今委員御指摘のとおり、十六省庁九十二事務についてはこの資料が使われるということは、今局長から御答弁申し上げたとおりでございます。
○河村(た)委員 本当は大臣から先に聞くとよかったんですけれども、これは多分お知りになっておられなかったんではないかと思います。
 「提供」と書いてありますけれども、センターにこの番号の方どうですかと例えば恩給局が聞いて、それで終わるとは余り思えません。ちょっとやれば、恩給のファイルの中にほかのいろいろなものがあります、九十二事務ですか、宅建業法とかいろいろありますけれども、それぞれのファイルの中にやはり番号が入るんですね。それは各省庁のみんなファイルに残るわけです。それがそこのところで蓄積されるわけです。これは日本語で蓄積と言わないんですか。これは流通ですか。流通と蓄積と分けていますけれども、これはどっちですか。
○中川政府参考人 住民基本台帳法で規定されました国の機関の事務につきましては、国の機関は、住民票コードをもちろん含んでおります本人確認情報を利用できるわけでございます。法律に定めます目的の範囲内で、本人の住民票コード等についてデータベースといいますか蓄積をするということは、それは当然可能になるものでございます。
 なお、具体的にどうするか等につきましては、今後、各省庁とも調整をしていきたいと思っています。
○河村(た)委員 違う言葉をまた使われるかと思いましたけれども、今正直に蓄積すると言われましたね。それなら、何で今度もちゃんとはっきり入れておかないんですか。それは、蓄積とわざわざ分けて書いたんでしょう、蓄積されることが重要なんでしょう、今言ったように、蓄積されることが。恩給だったらどうですか、百万人以上ありますよ、百万人以上のデータが。背番号がついて、あとずらっとそこに蓄積されるわけでしょう。何で入れないんですか。これは、まただましているんじゃないですか。何かこれを読みますと、悪いけれども、またセンターだけにそういうのがあるというふうに見えますよ。
 これは、本当にこんなことをやっていていいんですか。国会はなぜ怒らないんですか、国会は。国民の立場に立って考えたらどうですか。このパンフレットを見て、なぜ怒らないんですか。
○中川政府参考人 ただいま御指摘は、新しいパンフレットについての御指摘ではないかと思います。
 私どもとしましては、できるだけわかりやすく、従来のものの点を改めるものは改めて作成をしたつもりでございますが、国の行政機関等への提供については「法律上の根拠が必要 目的外利用禁止」と書いているのみで、今先生御指摘のような点については、パンフレットとしては触れておりませんけれども、全体的な流れといいますか、全体の概念というものをわかっていただくということをその趣旨として作成したものでございますので、御理解をいただきたいと思います。
 なお、具体的にどう提供していくかにつきましては、先ほど申し上げましたように、関係各省庁と今後協議をして具体的に詰めてまいりたいと思っております。
○河村(た)委員 本当に国民をばかにしておるんじゃないですか。問題は、国民からすれば、自分の番号がいろいろなところにわかってしまったり、そういうことが大変なんでしょう。では、総務庁なり建設省なりにあるわけですよ、幾ら目的が限定されておるとはいえ、そこにあるわけですよ。恩給なら百何十万人分のが全部ついておるわけですよ。なぜそれを書かないんですか。あとのことを書いてどうのこうの、こんなものは全然大臣の指示と違う。また指示してくださいよ、大臣。大臣、今聞いてどうですか。
○保利国務大臣 国会というところは、いろいろお気づきをいただいたことに対し、行政府に対して御注文をいただく場所でもありますから、委員の御指摘を私はよくそしゃくをさせていただいて、十分に検討した上で、補足をするところがあればこれは補足をしなければならない、こういうふうに感じます。
○河村(た)委員 それでは、今度にいたします。これは、まただましたと私ははっきり言っておきます。国民の立場から言えば再度だましたということですね。
 それから、今局長が言われた中で、流通情報についての記述がないことは認めると言われましたね。再度、その答弁はいいですか。
○中川政府参考人 昨年作成しました資料についての御指摘と思いますが、住民基本台帳事務への活用という中身の具体的な情報の数とかいうことについてこのパンフレットには記述がないということは、事実、そのとおりでございます。
○河村(た)委員 何でないのですか。
○中川政府参考人 先ほどもちょっと御説明いたしましたように、この概念図というものの作成の目的といたしまして、本人確認情報を都道府県及び都市センターで蓄積をして、そして国の行政機関等へ提供するということを今回のネットワークシステムを作成する際の重要な点と考えておりましたことから、そこは明確にはいたしておりますけれども、活用する際の具体的な情報の数等については、そういう趣旨から記載をしなかったものではないかと思っております。
○河村(た)委員 何か最後、伝聞のような変な言葉遣いをされましたけれども、もしセンターで蓄積することが重要であるということで言われるなら、各省庁にこれほど大量に蓄積することがなぜ重要でないのかと当然なってきますよ。これは本当にごまかしじゃないのか。いいかげんにしといてくれぬと、与野党ちょっと別で、本当にこれはちょっとひどいですよ。国会議員は本当に何をやっておるんですかね、悪いけれども、私はそう思いますよ。これは自治省の資料を信じなければどうなるんですか、初めに出てくるところ。
 だから、今度これをやりますが、もし蓄積されるというんだったら、今のものを抜かしたということは、九十二事務についても蓄積されることを抜かしたというのは、論理一貫しない。したがって、あなたの今の流通情報について記述がない理由は、それはとても真実だとは思われません。蓄積だけを書いたのではない、流通情報をあえてわからないようにしたのですよ。四情報だけだというふうに見えるように、それは公開情報だから。まあ、それを言えば、そうではないと言うとわかっていますから、聞いてもしようがないけれども。こういうことはいいかげんにしてもらわなければいかぬです。
 では次に、ちょっと一つ違う質問をいたします。
 まず、四百億かかるというお話でございました。それが六百二十三億になったということでございますが、これは質問通告してありますのでいいと思いますが、大臣、どういうわけですか。
○保利国務大臣 法案を御審議いただきますときに四百億というような説明をいたしております。それで、その後、同じ項目について指定情報機関によって試算をしていただきましたところ、やはり合計約四百億ということでありました。
 しかし、その後、市町村で現在使っています住民基本台帳のコンピューターシステムの改修が必要であるということで、別途その経費として百三十八億が見積もられ、さらに、市町村から住民への住民票コードの通知費として八十六億円程度のものが必要であるということで、その分が加算をされなければならないということになってまいりました。
 以上です。
○河村(た)委員 特に、この通信費ですよ。こんなこと何で入れなかったのですか、前のときに。こんな当たり前のことをよう入れずにつくりましたね、資料を。わざと少なく見せるようにしたのじゃないのですか。通信費ですよ。だれにどうやって知らせる、電話で知らせるのですか、みんな。電話なら電話代がかかりますよ。当たり前じゃないですか。こうやって小さく小さく産んで、とんでもないことをやろう、人間に番号をつけて管理しようなんて、とんでもないことですよ。だましてやるなと言いたいんだ。なぜそれがわからなかったのですか、郵送費。
○中川政府参考人 ただいまの御指摘は、住民票コードの通知の経費についてのお話だと思いますが、この通知の方法については、地方公共団体の意見を踏まえながら、いろいろな方法があろうかということで、当初のその基本的な導入経費四百億円という中には入れていなかったということでございます。
○河村(た)委員 そんないいかげんなことばかり言って、通知にいろいろな方法があるといったって、そんなもの当然通知せないかぬし、いろいろな方法といって、どんな方法があるのですか、それじゃ。
○中川政府参考人 一般的には、はがきによる通知ということが考えられますが、ただ、秘匿すべきことでございますので、それで十分可能かどうか、いろいろ考えなければならない点があろうかと思っております。
○河村(た)委員 はがきなんてだめに決まっておるじゃないですか。何を考えておるのですか、一体。人の番号を、プライバシーが重要だと言っておって、何を考えておるのですか、はがきで出すなんて。とんでもないですよ。何を言っておるのですか、一体。謝罪させてくださいよ、その内容を。
○中川政府参考人 今、私がはがきと申し上げましたのは、ミシン目などをつけた、本人しか見られないようなやり方による方法ということもあり得るということで申し上げたわけでございます。
 ただ、それ以上の秘匿をする通知方法というものがあるかどうか、それは、各地方公共団体の御意見も伺いながら、今後検討してまいりたいと思います。
○河村(た)委員 では、封書はあれですか、八十六億ということは、どういうふうにお出しになる見積もりですか、相手方は。
○中川政府参考人 先ほど申し落としましたけれども、この通知の単位として、世帯単位にするのか個人単位にするのかというような点ももちろん加わってきますが、今御指摘の金額は、世帯単位で通知をしたという場合の金額であるということでございます。
○河村(た)委員 全く、ちょっと時代から逆行ですね、もうこれは。まず、これを導入するときに、プライバシーが重要だといって乱数で入れることにしたのでしょう、世帯当たりで出してどうするのですか。こんなところにこんなプライバシーの、一億二千五百万人の管理をやらせちゃだめですよ。あなたたちは、国民に番号をつけて、それでとらえることしか考えていないのだよ。だから、そんなばかな発想が出てくるのだよ。
 大臣、どうですか、当然一人ずつじゃないですか。番号が書いてあるのですよ、全部。どうですか、大臣。
○保利国務大臣 手紙で世帯単位で出すということで積算をしたのだろうと思いますけれども、なお出し方については、委員からの御指摘もございますから、十分に気をつけて対処していくように、私からも申しておきます。
○河村(た)委員 もうこれはめちゃくちゃで、私は自分で、総理大臣じゃないから何ともできぬでどうしようもならぬですけれども、野党の一員でどうしようもならぬですけれども、これはだめですよ、悪いけれども。
 特に、もう一回言いますけれども、自民党とか保守を名乗ってみえる皆さん、保守主義というのは、こういう管理から個人の自由とか家庭とか地域とか伝統を守るのを保守というのだよ。(発言する者あり)あなたたちがこういう問題を感じてくれと言っておるんじゃないか。
 とにかく、そういう意味で私は、この法律というのは、まことに二十一世紀の日本に対してとんでもない結果をもたらす、多分史上最悪の法律になると思いますね。残念だけれども、本当になると思います。今でさえこうなんだから。番号を封書で、家族で出すと言っているのだよ、今。どこにプライバシーがあるのです。こんなことを堂々と言っておるところに任せていいのかね、本当に。もっと個人とか一人一人の生活を大事にしようじゃないか。だと思いますよ。
 それから一つ、地方自治情報センターというところに委託をされるそうですけれども、ここは指定情報処理機関ですけれども、どのくらいの規模でやっておられるのですか。
○中川政府参考人 財団法人地方自治情報センターは、地方公共団体が中心の会員により構成されておりまして、評議員会、理事会によって運営をされております。
 同センターは、これまで、地方公共団体の行政情報システムの研究開発事業、地方公共団体の職員に対する情報化の教育研修事業、地方公共団体のコンピューター利用に関する相談助言事業などのほか、地方公共団体の委託を受けて情報処理事業などを行ってまいっております。この基本財産は五億円でございます。
○河村(た)委員 とにかく、ここが全部今広告を出されておるそうですけれども、全部丸投げをして、どこか受注するところを待っておるようですけれども、そんなようなところが、本当にこの一億二千五百万人のデータベースを守るのに、丸投げして大丈夫かということ。
 もう一問だけ、今度は平林次官、先ほどちょっと申し上げましたけれども、番号をつけることは小学校へ入るときの学籍番号だって同じだと答えられましたね。
 これはどうですか、背番号と小学校の学籍番号、小学校の学籍番号というのは、小学校だけで使う番号であって、限定番号なんです。今度の番号は国民番号で、全然違うのですよ。誤解されていませんか。
○平林政務次官 例えが悪うございまして、おわびをいたします。
 電算処理をしてそのネットワークをつくるというお話でございますから、私もその方面には暗うございますけれども、大体、番号なしに電算処理ができるものかどうか、恐らく番号つきでないと電算処理は難しいのじゃないか、そう思い込んでおりましたものですから、学籍番号のごときものだと申し上げましたけれども、これは例えが悪うございました。
 さようなことで、御勘弁をお願いいたします。
○斉藤委員長 河村君、時間が参っております。
○河村(た)委員 とにかく、今みたいに素直にと言うと先輩に非常に不遜な言い方で申しわけないのですけれども、謝っていただくというのは、自分のことだったから謝れたのですね。保利大臣も謝りたいのだろうと思いますけれども、守るものがあるから苦しんでおられるのだろう、こう思います。
 とにかく、小学校の番号と同じだというような、限定番号と誤解していること。それから、小学校の生徒は校長先生の指導下に入るのです。だから、ついてもいいのですよ。国民と国家の関係は違うのです。国民の方が主人公なんだ、本当は。
○斉藤委員長 手短にお願いします。
○河村(た)委員 そこを完全に誤解されておるということでございます。
 以上で終わります。
○斉藤委員長 次に、中川正春君。
○中川(正)委員 民主党の中川正春でございます。
 警察の皆さん、入っていただきましたね。前回の議論に引き続きまして、まず新潟県警の不祥事の問題から取り上げていきたいというふうに思います。
 きょうは、国家公安委員会の新潟の事件が報告をされる日でありました。にもかかわらず、保利大臣には国会の方を優先していただいたわけでありますが、そういう意味もありまして、改めてここで大臣の、大臣というよりも委員長の見解も最終的に聞かせていただきながら、議論を進めていきたいというふうに思っております。
 まず最初に、きょう報告された事項、警察庁長官の方からこの場で改めて、簡略に報告をいただきたいというふうに思います。
○田中政府参考人 本日の国家公安委員会、五名の委員の方全員御出席でございましたけれども、二月二十日に調査チームを派遣して実施いたしました新潟県警察に対する調査の結果について御報告いたしました。項目は五項目でございます。
 一つは「被害者発見時の捜査第一課長記者会見について」、二つ目が一月二十八日の「保健所職員からの出動要請への対応について」、三項目めが、平成八年でございますが、「被疑者の母親からの相談に対する柏崎警察署の対応について」、四は「前歴者である被疑者が、本件捜査対象者として浮上しなかったことについて」、五が「巡回連絡によって被害者が発見されなかったことについて」、以上の五項目でございます。
 特に、三項目めの平成八年の問題、あるいは捜査対象者として挙がらなかった問題、さらに巡回連絡によって被害者が発見されなかったことにつきましては、さらに調査の必要があるという御指摘を受けましたけれども、まず、最初の記者会見につきましては次のような報告をいたしました。
 第一発見者である病院、保健所関係者を伏せることについては、病院で男が暴れているとの通報があり、警察官が臨場したところ、一緒にいた女性が被害者であったという表現ぶりを含めて、事前に刑事部長及び本部長までの了解を得ていたこと。
 二つ目が、事実を一部伏せた真意は、第一発見者に迷惑がかかることをおもんぱかったほか、第一発見者に取材されることにより、被害者の悲惨な監禁状況が報道され、その報道が与える被害者及び被害者家族への精神的苦痛を防ごうとしたものであったこと。
 三つ目が、捜査第一課長、刑事部長及び本部長とも、実際に被害者は被疑者の自宅で保健所職員等により発見されたということは知っていたが、その際、保健所職員と柏崎署員との間に出動要請のやりとりがあったことまでは、当時は全く知らなかったことが第一であります。
 第二の、保健所職員からの出動要請への対応についてでございますが、一月二十八日午後二時ごろ、被疑者の自宅にいる保健所職員から電話で、被疑者が暴れていて手に負えないので、警察官三名の応援を下さいと柏崎警察署生活安全課に要請があり、電話に出た少年警察補導員は、今ここに警察官はいないので、警察官に連絡をとり、折り返し連絡すると言い、相手の電話番号を確認した上で電話を切った。少年警察補導員が直ちに別室にいた生活安全係長に電話の内容を伝え、同係長が生活安全課長の指揮を受け、同人以下三名で被疑者宅に向かうことになったこと。
 午後二時七分ごろ、生活安全係長は保健所職員に電話をかけ、その後どうなったかと尋ねたところ、保健所職員から、被疑者は車に乗って病院に行ったと言われたことから、もう行かなくてよいと判断したこと。
 その際、生活安全係長は、保健所職員から、身元のわからない女の人が部屋にいるので来てくれませんかと出動を要請されたが、現場の詳しい状況を聞くことなく、住所、氏名を聞いてくれ、そんなことまで押しつけないでくれ、もし家出人であれば警察で保護すると言ったこと。
 午後二時四十分ごろ、保健所職員から生活安全課に、先ほどの被疑者の部屋にいた女の人は、九年前に三条市で行方不明になったAさんだと名乗っている、今病院にいるので来てくださいと電話連絡があり、刑事課員三名が直ちに同病院へ急行するとともに、身元確認作業を開始したこと。
 以上でございます。
○中川(正)委員 この報告に対して、恐らく国家公安委員会の中でもいろいろな質疑、あるいはいろいろな所見が述べられたんだろうというふうに思いますし、それ以上に、田中長官自身が、この報告書を受け取って、どこに問題があって、どういう認識をされておるかということですね。ここが一番大事なところでありますから、これをやはり述べていただきたいというふうに思います。
 二つですね。一つは、長官のこの報告に対する評価、認識。それからもう一つは、国家公安委員会で指摘をされたこと、議論の中身。この二つを報告いただきたいと思います。
○田中政府参考人 御説明の順番といたしまして、国家公安委員会で御指摘を受けたこと、それを踏まえた私の判断ということを申し上げた方がよろしいかと思いますので、まず、国家公安委員会でどのような御指摘があったかということにつきまして御説明させていただきます。
 主な御指摘は次のとおりでありました。事実と異なる発表につきましては、この場合に被害者の状況に配慮することは当然である。特に本件の場合、被害者の今後のケアを考えることは当然であるけれども、事実と異なる発表はいかなる事情があってもすべきではない。直ちに発表することができないのであれば、よく事情を説明して、そのように報道の場に述べるなど工夫があってもよかったのではないか。極めて不適切であり、遺憾であるというお話でございました。
 それから、保健所からの出動要請につきましては、保健所職員は電話をかけてきた当時、悲惨な状況を確認しているのであり、警察としては、その事情をよく聞いて事の重大性を認識し、的確に対応すべきだった、すなわち出動すべきだったということでありますけれども、そういうことができたのではないか。それができなかったことは極めて不適切であり、極めて遺憾であるというようなお話がございました。
 その他のいろいろな問題につきましては、引き続き調査すべきであるけれども、捜査資料の作成、保管や巡回連絡のあり方、あるいは住民からの困り事相談の対応の仕方等につきまして、警察が全体としてプロとしての意識をさらに自覚するよう姿勢を正していくべきである。また、情報の管理、情報の共有とかデータベースの構築等についてもさらに改善していくべきとのお話がございました。
 このような国家公安委員会での御指摘も踏まえましての私の所感でございますけれども、特に発見に係りますところの記者会見でございますけれども、これは、いかなる場合にありましても事実と異なる発表はしてはいけないのは広報の大前提でございまして、ただ、ケースによりましては事実を伏せなければいけない場合がございますけれども、そういう場合にはきちんと報道側に説明をして、こういう事情でお話をすることができない旨をきちんとすべきだったというふうに思っております。
 そういう意味で、本部長自身の判断と申しますか、そこに配慮が足りなかった、極めて不適切、遺憾だというふうに思います。
 また、保健所からの出動要請につきましても、これは警察署の係の対応でございますけれども、やはり日ごろの仕事に対する取り組みの姿勢というものがそういうところに出てきたのではないかというふうに思っております。そういう意味で、住民からの要望とか意見、そういうものに的確に対応すべきだった、そういう面に欠けていたということが指摘されているわけでございますので、これもやはり不適切であり、極めて遺憾だというふうに思っております。
○中川(正)委員 もう一つ、さっきの認識の大前提を確認していきたいんですが、こうして内部調査で上がってきたこの報告書そのもの、これは、長官としては、確かに事の事実を報告しているという認識で受け取っておられますか。
○田中政府参考人 先ほど申し上げましたように、項目によりましては、まだ十分な調査ができていない項目もございます。しかし、先ほど申し上げましたことにつきましては、事実だというふうに認識をしております。
○中川(正)委員 お昼に私はこれを受け取らせていただきまして、ずっと読ませていただいたのですが、どうもよくでき過ぎているような気がするのですよ、素直に見て。
 というのは、教科書どおりなんですよ。ということは、一番最初の記者会見、一月二十八日午後九時三十分、これは捜査第一課長と三条警察署長、この二人が記者会見をしているのですね。この記者会見のときの発表が事実とは違っていました、これは認めているわけですね。
 ところが、その動機、なぜこういう発表をしたか、これを説明するのが一番最初の項目のところにあるわけですね。それは、事実を一部伏せた真意は、第一発見者に迷惑がかかる、これをまず思ったということと、それから、その第一発見者から被害者の悲惨な監禁状況が報道されるということ、だからこの被害者の状況というのをおもんぱかった、こういうことですよね。いわゆるプライバシーというか人権ということを名目に、こういうふうに話している。
 ところが、人間というのは二面性があって、普通これをこうやって読んで、何で隠したのだろうなというのは、どちらかというと自分たちの都合の悪い部分というのがここにあったのではないか。それは何かといったら、この経緯を見ていると、保健所の職員が現場に行って警察に電話しているのに、警察が出動しなかった。しかも、二回目に電話をかけたら何と言われたかといったら、住所、氏名を聞いてくれ、そんなことまで押しつけないでくれ、もし家出人であれば警察で保護すると。こういう状況の中で事が進んできて、それで記者会見があったときに、その報道機関が一番もとに戻って第一発見者のところに行ったら、まず第一発見者は何と言うか、当然、この話が出てくるだろうと思うのです。警察に連絡したけれども来なかった、こんなことを言われたんだと。これは改めて調べて、初めてこうして出てきたということなんですよね。
 こういうことについて、私は、普通の感覚であれば、そのことも含めて、どうも警察内部の物のとらえ方、考え方に落ち度があったんだという形で表現されているのだったら、私はそれで、なるほど、組織としてもこれは反省しているのだな、それなりの次の手だてが出てくるなと受け取れると思うのですが、私はこれを見たときに、そこの部分が別な形で欠落していて、それで、この記者会見をしたときの動機というのが改めてこんな形で、自分たちを弁護するというか、自分たちの組織を弁護するというか、そういう表現でしかなかったということ、問題はこの体質なんじゃないかなという素直な受け取り方、素直なというより、これは警察的な受け取り方なんですよ。
 警察が市民を捕まえて捜査をやるときには、こういうような前提に基づいて捜査していくのですよ。ところが、自分たちの捜査をするときには、教科書どおりに、自分たちの権利擁護をするような言いわけをきれいに考えている。ここに対して、国民が今危機感を持っている根っこがあるのではないかな、そういう感じを私は素直に持ちました。
 ここについてはどうなんですか、長官、感じられませんでしたか。それは、長官自身がこの報告書を受け取ったときに、どうなんだという指摘は長官自身みずから当然されるべきだったのだろうと私は思うのです、今度の一連の経過をずっと見たときに。それで、されて、確かめた上で、いや違うんだ、やはりこれは正直なんだ、こういうことだったらまだ辛抱できると思うのですけれども。ただ、一番最初の答弁のときに、これをそのまま私は認めたんだという答弁をされました。ここをどうぞ。
○田中政府参考人 御指摘のように、この事件というのは、極めて特異、重大な事件でございまして、最初の立ち上がりのときの捜査の問題、そしてこの記者会見につきましても、私どもも国家公安委員会での御指導もいただきながら、事実がどうかというようなお話がありましたので、それで調査チームを派遣いたしまして、今委員御指摘のような問題点、我々も頭に置いておりました。
 例えば、ここに書いてございますように、柏崎署員との出動要請があった、それを隠ぺいする意図があったのではないかというようなことも考えました。しかし、時系列的に資料をずっと繰ってみますと、やはりこの一月二十八日時点においては、記者会見の時点におきましては、これは本部長、刑事部長、捜査一課長、全く知るところではなかった。しかも、事実と異なる発表をしたということにつきましては、これは私どもも資料を見ておりますと言葉では言い尽くせないほどの悲惨な監禁状況でございますので、こういうことをおもんぱかったということも、これはあったのではないかというふうに私は事実を確認したわけでございます。
○中川(正)委員 もうちょっと突っ込ませてもらいますけれども、本部長、それからいわゆる県警サイドですね。県警サイドはこうした細かい情報は知らなかったということはここに書いてありますね。だけれども、記者会見したのは県警サイドではなくて、捜査第一課長と三条警察署長なんですよ。恐らく、署長は知っていたのだろう。当然、そういうことがあったというのは報告していたのだろうというのは想像がつきます。
 それからもう一つ、私は、二番目のさっきの理由ですね。第一発見者に対する配慮、それから被害者に対する配慮、これはこれで正しいとは思うのですよ。そういう配慮はしなければいけないし、ここに理由が載っていること、これ自体を打ち消すことじゃない。これはこれでいいと思うのです。
 ただ、私が言っているのは、これ以外にも本音のところで、そうしたいろいろな思惑等、部下に対する曲がった愛情といいますか、そうしたもの、それが絶えず同じパターンとしてこれまで出てくるわけですよね。それを認識しながら、我々はそこの部分についてしっかりと改革をしていこうという意識でやっている。長官もそういう形の中で交代して、しっかり来ていただいた。いただいた中でまた弁護するような話を出してこられる。
 私は、普通であれば、こうやって指摘したら、これで報告書が終わるわけではなくて、まだ捜査は続くわけですから、あと三番、四番、五番、これはまだ継続中なんですから。普通であれば、その問題も含めて、自分が確認してなかったのだったら、もう一回確認をします、その中で組織の意識改革というのを考えていきますとか、そういう答弁があってよさそうなものだけれども、まだこれをしっかり弁護するような話しか出てこない。そこなんですよ。
○田中政府参考人 委員の今のお話の中で、記者会見をいたしましたのは捜査第一課長と三条警察署長でございます。このやりとりがありましたのは柏崎警察署でございますので、当然に、三条警察署長は記者会見時は全くそれは知らなかったというのは事実だろうというふうに思っております。
 それから、今るるお話がございましたけれども、私どもは、昨年来の一連の不祥事案の中で、本当に反省の意をどういう形であらわすか、あるいは、日ごろの職務執行の中でも国民の信頼を獲得するのに大変努力をしてまいりました。今お話しのように、そういう職務執行の過程の中で、非違・非行事案があった場合に、それを身内がかばうというような御指摘を受けることのないように、今までも努力してまいりましたし、今後も努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○中川(正)委員 この報告をこれですべてとしない、まだ調査を続けていくんだということの確認が一つ。それから、それをまた改めて我々に報告をしていただくということの確認がもう一つ。あと、これを受けて、さっきは精神論で言われましたけれども、処分や何かを含めて、具体的にどういうふうにこれから警察の組織に対してこの教訓を反映させていこうとされているのか、そこをお尋ねしたいと思います。
○田中政府参考人 三点ございまして、一つは調査の問題でございますけれども、これはまだ、今後調査を引き続き行ってまいるつもりでございます。それからまた、その結果はどうかというお話でございますけれども、その結果につきましては、国家公安委員会に御報告申し上げまして、国家公安委員会の御指導を得ながら対応してまいりたい、かように考えております。
 それから、今回のこの問題につきまして、責任の所在でございますけれども、国家公安委員長からもいろいろ御指摘を受けておりまして、正すべきところは正す、責任のあるところに責任を求めていくということで具体的には対応してまいりたい、今回のケースについてはそう思っております。
 しかし、全体といたしまして、今後、私どもといたしましては、今までの厳しい御指摘も踏まえながら、そしてまた我々も、国民の皆さんにお示しいたしましたいろいろな施策を着実に推進することによりまして、国民の信頼を獲得するために歯を食いしばって努力をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○中川(正)委員 今すぐに具体的なことというのは無理なんだろうというふうに思うのですね。これからの我々の議論の積み重ねの中で、これはもっともっとしっかり掘り下げていかなきゃいけないところだというふうに思いますので、さっきの答弁だけで私は満足しているということではないということだけをお伝えさせていただきたいというふうに思います。
 そのことを踏まえて、委員長、改めてお尋ねをしたいのですが、本当に報告書は矛盾がありまして、こうして、プライバシーということを考えたからそのときは記者会見で詳しい話はしなかったという言いわけをここで言いながら、今は正々堂々と、その話を言いわけに使っているのですよ。この女性のプライバシー、どうなるんですか。こういう感覚なんですよ、警察というのは。そういうことを踏まえて、今までのやりとり、どう思われますか。
○保利国務大臣 この問題は、数日来かかわってまいりましたし、先週の国家公安委員会で、私、幸いにして二時間出席をすることができましたので、そのときに、いろいろな話を聞きながら、事実に即してよく調査をせよということを申し上げたことを思い出すのでありますが、その後、一連の行動を警察庁がとってくれて、このきょうの報告になっております。
 今御指摘の点等につきましては、非常にデリケートな問題が含まれておりまして、仮に私が全部知っていたとして、あからさまに言える部分があるのかどうかということについては、私も注意をしなければいけないことじゃないかなと思っておるわけであります。
 同時に、この事件の複雑性というのは、誘拐が起こった、少女がいなくなったというのは新潟県の三条市でありまして、そして、ほぼ十年近くたってから発見をされたというのが柏崎市、その間が、距離的にいって大体四十キロか五十キロか離れているという状態であります。それで、捜査本部は三条市に設けられております。現在もその捜査本部は三条市にある。それで、発見された現場が四、五十キロ離れた柏崎であるということで、柏崎警察署が三条署で持っている認識よりも、比べることはよくありませんけれども、県下一円の警察署が一様に認識を持っていなきゃいけないと思いますけれども、やはり捜査本部である三条警察署が一番関心があったんだろう。柏崎の方は、いわば、よもや自分のところではと思っておったので、初期の対応があるいは十分ではなかった点があるのではないかというような、いろいろ複雑な問題があります。
 それと、プライバシーというお話を委員からもいただいたのでありますが、もう一つ人権の問題もございまして、警察としては、この問題は非常にデリケートなので、口ごもらなければならないところが場合によってはあるのではないか、情状酌量的に言えばそういうふうに言えるわけでありまして、その辺のところを国家公安委員長としてはもう一回よく伺わなければいけない。
 きょう、実は国家公安委員会があったのですが、私はここにずっとおりましたものですから、公安委員会の席に出席をいたしておりません。しかし、今後、このレポートを中心にして、今御指摘のいろいろなお気づきの点、私が気づく点、そういったものをいろいろ細かく調査を進めていただくように私からもお願いをしたいと思いますし、これは国家公安委員長としての当然の要請であるというふうに考えております。
 いずれにしても、大変な事件なものですから、私も気を引き締めてこの問題には対処してまいりたい、こう思っております。
○中川(正)委員 さっき、三条警察署と柏崎署の関係の話をされましたけれども、そういう部分を出してこなくても、どっちにしたって、記者会見のもとの情報を提供しているのは、これは当面の柏崎から話が行っているわけですから、そこでやはり、この体質があるんだということだと単純に解釈できるのじゃないかと思うのです。この辺は、一度しっかり検証をしていただきたいというふうに思います。
 事は、虚偽といいますか、記者会見のことだけじゃなくて、その前の、一番最初の部分の、行方不明になったときの初動捜査から始まって、ひょっとしたらこれも、構造的な部分で日本の警察を問うていかなければならないことかもしれません。あちこちで同じような事犯があって、よく今社会問題化されつつあるというか、そういう大きなテーマにもなってきていますが、北朝鮮の拉致疑惑との関係も含めて、これは警察としてもはっきりとここを証明していかないと、これまでの日本の国家としての論理というのが崩れてくる、外交政策が崩れてくるというところまで問われてくる問題ですね。それについては、これは捜査したけれども結論は得られなかったとか、わからないという結果しか出ていないわけですね。
 そういう意味から、これは、ただ、事警察という話だけに終わらない問題だ、本当に大きな問題をはらんだテーマなんだということ、これを改めて指摘をさせていただきたいというふうに思っています。
○保利国務大臣 御指摘をいただきました国際問題への波及ということは、私も十分念頭にあります。その上で、十分な調査をさらにお願いしたいと思いますし、正すべきところは正してまいりたい、このように考えておる次第であります。
 なお、記者発表があって、それが間違いであったということに気がついたならば、直ちに訂正をするというのはどこの世界でもやっていることでありますが、少々時間がかかり過ぎてはいないかという観点からも、私は、いろいろお調べを願わなければならない点があるのではないか、このように感じております。
○中川(正)委員 この事件についてはここまでにさせていただきたいというふうに思います。警察の皆さん、御苦労さんでした。
 次に、再び外形標準課税、石原税をもうちょっと違った角度からお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。
 今回、先ほど大臣もお触れになりましたけれども、東京都がこれをやっていった過程は、私もテレビのルポルタージュをちょっと見たんですが、半年余りかかって、それなりの準備をしてやってきた、こういうことですね。その中に、私、二つちょっと大臣に聞いてみたいなということがあるんです。
 一つは、あの問題を事前に税務局長が自治省に相談をしたとすれば、自治省はこれに対してどんな指導をしたでしょうね。これはやめておけとやはり言ったんでしょうね。これが一つ。それからもう一つは、閣議口頭了解というのが二十二日の日に出ましたね。その中で、全体を読んでいると、この外形標準課税というのは、いわゆる地方自治体の課税権ということを念頭に置くよりも、何となく横並びでみんな一緒にやっていくべきものなんだ、そういう前提で考えているから、東京都がやったことはだめなんだというふうな大前提がまずあるように思うんですよね。この考え方について大臣はどう考えておられるのか。
 外形標準課税というのは、基本的に、それはケース・バイ・ケースはあると思うんですよ、だけれども、総体的に、総論で言って、本来はそれぞれの自治体の意思、これによってかけるべきものなんだという前提なのか、それとも、自治省あたりが、あるいは大蔵省あたりが税調で審議した上、全部一律にやっていきなさいよという形でやっていくべきものと考えるのか。これはどうお考えですか、この二つ。
○保利国務大臣 この問題につきましては、全国の知事会からたびたび要望書が出てきておって、その中で、私は、よく記憶はいたしませんが、この外形標準課税を入れる場合でも、広く薄くということを、しかもそれは全国一律にということで要望があっていたように思います。これが地方自治体、つまり都道府県からの御要望ではないかというふうに私どもは受けとめておりました。
 しかし、都知事のサイドは、法律で許されている七十二条の十九の中をいろいろお読みになられて、何か東京都としてできることがないかということを研究されて、これはできるということでおやりになったということでありまして、いわばここら辺の整合性を、全国知事会の御要望と東京都のアクションとの整合性というのは、東京都がどういうふうにお考えになっているのかというのは、私は実は石原さんにもまだ聞いておりませんけれども、今後、東京都の中での条例御審議の中でもその辺は御答弁になるのかな、こう思っておるわけであります。
 実は、これはせめぎ合いの問題でございまして、どっちに軍配ということはありませんが、私は、都道府県からの御要望というのは広く薄く、そして全国一律にというふうにとらえて、それで税制調査会も、都道府県の代表も入っていらっしゃるわけですけれども、その方々も入れて前向きの答申をお出しになった。しかも、そこでは四つのパターンに分けて外形のつけ方についても議論を重ねていらっしゃるというような状態で、そういうことで静かに進行していたところへ東京都のものが出ましたが、いわばちょっとすきができちゃったという感じが、ちょっと言葉が適切ではありませんが、そんなふうに思っておりまして、やや戸惑いを感じつつも、東京都がおやりになったことは直ちに違法とまでは言えないという状態でありますし、むしろ、地方分権の建前、課税自主権の問題からいえば、当然のことをおやりになったという解釈もできるわけでございまして、その辺は、答弁になりませんけれども、非常に悩ましい点であるというふうに感じております。
○中川(正)委員 本当に適切な答弁ではなかったというふうに思うんですね。聞いたことには答えてもらえませんでした。
 さっきの中沢議員からの法定外の課税を考える場合の議論でも私、感じたんですけれども、我々は勘違いしているんじゃないかと思うんです。これは、本来こういう課税をするときにはだれに伺いを立てなきゃいけないかといったら、地域住民であり国民であるんだろうというふうに思うんですよね。そこのところを、こっちの方が何やかんやということじゃなくて、基本的にはこれは都議会が議論して判断をするという認識でありますし、もっと言えば、今回は銀行であったからこういう結果になってきたわけですけれども、本来からいえば、これは住民投票などで、例えば住民税だとか固定資産税だとか、市町村がこれに対して法定外で考えていくというような場合には、アメリカでよくある話ですが、これはやはり国民にその信を問うというふうな仕組みを考えるのが自治省の役目なんだというふうに思うんですよ。
 だから、課税権から考えたら、もう一つ言えば、東京都は地方交付税の交付団体でないから今回外形標準課税を自分のところでやったメリットが出てくるのであって、ほかのところでやったら、これはまた自治省あたりから、地方交付税で調整しますよという話になって、プラマイゼロというふうなことになる。そういうことであるとか、もともとが横並びの議論が好きだから、国に言ったら、おまえのところだけ勝手にせずに横並びでやりなさいという話が出てくるから、もうしょっぱなからあきらめていたというふうな意識がずっと育ってしまったんだとか、そんなことをしてしまったのが自治省の行政でなかったのかというふうに私は思うんですね。
 そこのところをもっと深く我々も、我々もというよりも、行政サイドとして、自治省として反省をしていただきたいと思うし、そういうような観点からこの問題をとらえる必要があるんだろうというふうに思っております。
 実は、これももうちょっとやりたかったんですけれども、もう一つ、消防庁を呼んであるものですから、そこへ向いて話を移させてもらいますが、さっきの外形標準課税の問題については、まだこれから全体的な話の中で我々の委員会の特別なテーマになっていくだろうと思うので、そのときに展開をさせていただきたいと思います。私の思いは、どうも大臣自身も勘違いされているんじゃないかな、税というものに対してだれが主権なのかということを勘違いされているんじゃないかなというふうな思いがしております。
 それから、消防庁さんの方は、急遽だったんですが、パラメディックについて、今どんな仕組みの中でやっているか、現状どんな活用なのかということを報告していただいて、それについて一つだけ確かめさせていただきたいというふうに思います。あと五分しかないので。
    ―――――――――――――
○斉藤委員長 この際、お諮りいたします。
 政府参考人として消防庁長官鈴木正明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○斉藤委員長 消防庁長官鈴木正明君。
○鈴木政府参考人 お答えいたします。
 パラメディックという形では、日本においては救急救命士制度というものがございまして、現在、消防において救急救命士として運用している数は六千七百五十七人ということでございまして、普通の救急隊員の業務に加えまして三行為、三つの行為ができるということで、心臓の除細動とか……(中川(正)委員「概要はいいんです、今の利用状況と評価」と呼ぶ)今、六千七百五十七人運用されております。
 それで、利用状況は、今言いました除細動など約三千件、それから静脈路の確保といった業務もできますが、それについては六千件、それから気道の確保ということもできますが、約二万件。これは平成十年の実績でございますが、そういうことを救急活動の中で行っております。
○中川(正)委員 これは、ちょっとややこしいんですが、消防庁の方でそういう目を持って見ていただいているかどうかということも含めてお尋ねをしたいんですけれども、厚生省の方で資格それから仕組みをつくって、運用は消防業務の中で、いわゆる救急業務の中でやっていく、こういうことですよね。どうでしょうか、評価としてはどんなふうにしておられますか。
 これは、厚生省は厚生省なりに見ていると思うんですが、消防庁としてもそれなりの考え方を持っていると思うんですけれども、どうですか。
○鈴木政府参考人 お答えいたします。
 平成三年にこの制度ができまして、八年を経過している段階でございます。
 私どもの調査によりますと、平成十年中に救急救命士が搭乗をしていた救急隊によりまして措置されました心肺停止の傷病者、その方が約二万人ほどいらっしゃいますが、そのうちの一カ月後の生存者、これが千二百人で、五・八%の生存率ということでございます。これに対しまして、救急救命士が搭乗していない救急隊によって措置された心肺停止の傷病者は一万六千人余りでございますが、その一カ月生存者は七百人でございまして、四・四%の生存率。
 したがいまして、この比較では一・四ポイントの差があるということで、それなりの効果があると考えられますが、なお、科学的にどう立証するかということにつきましては、日本救急医学会などにおいても意見の分かれているところでございますが、私どもは、現在、そのような実績によって効果が出ている、このように考えているところでございます。
 なお、詳細につきましては、現在、委員会を設けまして、実際の三千例につきましてデータの解析を行っているところでございます。
○中川(正)委員 これが導入されたときも、この制度の大切さについて相当議論されました。その結果先ほどのようなことが出ているんですが、私、不思議で仕方がないのは、救急救命士法という法律はあるんですよね。これは救命士の資格試験について定義をしている法律なんですね。ところが、この救急救命士の仕事の中身、権限、それに伴って出てくるリスク、それからもちろん待遇ということもあるんですが、そういうことについてどこまで確実なものがあるかというと、どっちかというと現場では、たまたま、おまえそうやって資格を取ってきたから乗って仕事をしろよ、この程度で動いているんじゃないかなという気がするんですよね。そこのところの整理の必要性というのを改めて私は感じているんですけれども、どうでしょうか。
○鈴木政府参考人 御指摘のように、救急救命士制度は、主として心肺停止患者に対しまして今申し上げました三つのいわば救命措置というものを行うことができるということでございまして、そのためには、一般の救急隊員の経験のほかに、さらに六カ月にわたる特別の研修機関においての研修ということで、その上に国家試験によりまして救急救命士、こういう形になっておりますが、現実に救急隊員として活動する場合には、先生のお話のような問題もありますので、病院においての実習をさらにするとか、さらに実務上において教育訓練を重ねまして資質の向上に当たるとかいうことで私どもも指導をいたしております。
 それで、そういったことについてもマニュアルを示すなど、また各消防本部において訓練を重ねるなどで職責にこたえるべく努力をしている、こういう状況にございます。
○中川(正)委員 では、一言私の希望だけ申し上げたいんです。
 これはスタートして八年ですけれども、本来はもっと専門的に充実した形でこの制度を広げるということが当初の前提だったと思うんですね。本来であれば、ドクターが乗ってその措置をするというのが理想だというふうに思う。だから、ドクターにいかに近づけていくか、そういう努力を不断にしていかなきゃいけないというふうに思うんですね。
 そうなると、この辺で、新たな法整備というか、どこまでができて、どこまでができないのかということも含めて、それからリスクテークをどうするかということも含めて、やはりここで整理をしていく必要があるだろうというふうに思います。その問題意識を共通に持っていただいて、もう一回その委員会で見直していただきたい、こんなふうに希望をしておきます。
 以上です。
○斉藤委員長 次に、北側一雄君。
○北側委員 公明党の北側一雄でございます。
 三十分という限られた時間でございますので、先ほど来テーマに上がっております東京都の外形標準課税について、私からも御質問をさせていただきたいと思います。
    〔委員長退席、滝委員長代理着席〕
 今回、東京都が条例案で提出をされました法人事業税の外形標準課税の問題でございますが、確かに、感情論としてはよく理解できる側面もございます。バブルを起こしたとは言わなくても、バブルの発生に加担をした金融機関、銀行が、バブルが崩壊をしたからといって莫大な公的資金の導入を受け、一方で、この数年ゼロ金利が続いておって巨額の業務利益を上げている。それにもかかわらず、不良債権償却のために結果としては赤字となって、ほとんど法人事業税が課税されていない、こういう実情にある。
 しかしながら、日常的には、そうした金融機関も地方自治体の行政サービスの受益はしっかり受け取る。だから、受益の対価として、後で少し検討させていただきたいと思うのですが、地方税法の七十二条の十九の規定を活用されて、銀行業については、課税標準を所得に見るのではなくて、一定の外形標準、粗利益を使って法人事業税を課税しようとされる、こういう内容でございます。だから、都民というか国民の感情としては、私は理解できる面もあるかなと思います。
 また一方で、本来、地方税である法人事業税というのは、所得に課税をするものではなくて、やはり受益の対価なんだから、本来的には外形標準で課税をしていくべきではないかという趣旨を考えても、また、先ほど大臣もおっしゃっていましたが、地方分権の推進という観点からは、やはり課税自主権の強化を図らないといけない、また自主財源の確保をしないといけない、そういう要請もある。また、この景気の悪い中で、法人事業税が都市部において、東京も大阪もそうですが、もう大変な減収になっておる。そういう中で、地方財源の充実に向けての国の税制改革が地方から見ると進んでいない、そういう不満もある。
 そういう意味で、私は、東京都が今回されようとしている銀行業に対する外形標準課税の導入という動機とか意図というのはよく理解できるというふうに思うのですが、その内容を見ますと、これは私の意見です、私の感想ではございますが、そういう動機や意図は理解できるけれども、その内容を見ると、やはり税制の理念とか税の理屈等々から考えると検討すべき問題点も多いな、この東京都の案は問題点が多いなというのが私の率直な感想でございます。
 最初に私の立場をはっきりさせておきますけれども、法人事業税について、景気動向だとか中小企業への配慮をしながら、外形標準課税について導入すべきであるという考えです。また、地方分権推進のためには、地方財源の充実、特に独自財源というのをふやしていかないといけないというふうに思います。そういう立場ではあるのですが、ただ、今回の東京都の案については、やはり問題点が多いなという気がしております。
 そこで、幾つか御質問をさせていただきたいわけでございます。いろいろな問題点については、もう既にいろいろなところで指摘をされておりますので、余り詳しくはやらないでおきたいと思っておるのですが、先般、二月二十二日に閣議了解という形で、政府が今回のこの東京都の外形標準課税についてコメントをされました。懸念、疑念等を五項目にわたりまして表明をされました。この五項目の内容はもっともであるというふうに私も思います。政府としてこういう対応をされたのは正しい対応であった、内容的にもそのように私は思います。
 そういう立場に立った上で、幾つか御質問をさせていただきたいと思うわけでございますけれども、まず、これから極めて基本的な問題についての大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
 その前提として、今回東京都は、地方税法の七十二条の十九の規定によってこのような外形標準課税を導入されようとしておるわけでございますが、本当にこの七十二条の十九、また、この七十二条の二十二の第九項で「負担と著しく均衡を失することのないようにしなければならない。」こういう規定があるわけでございますけれども、この二つの規定からして、このような東京都の案というのは本当にできるのかというところを、ちょっと改めて私は大臣の御見解を賜りたいと思っているのです。
 その前提として、きょうは法制局に来ていただいていると思うのですが、法制局の方から、簡単で結構です、もう時間がありませんから。例外的に、法人事業税の課税標準について、事業の状況に応じて外形を使って課税標準にできますよという規定がこの七十二条の十九です。そして、この規定によって東京都が今回やったわけですけれども、さらに七十二条の二十二の第九項で、その場合でも、法定の、所得による税率との均衡、負担と著しく均衡を失することのないようにしなければいけない、こういう規定があるわけですね。この二つの規定に本当に合っているのかどうかということなのですけれども、そのことを法制局に聞くのではなくて、この二つの規定の意義について、解釈について、簡単で結構ですからお答えを願いたいと思います。
○阪田政府参考人 お尋ねの二点につきまして、簡単に私どもの考え方を申し上げたいと思います。
 今先生のお話の中に既に尽きているわけですけれども、事業税といいますのは、事業活動が地方公共団体のサービスを受けて行われるという点に着目した、事業に対する課税であるというふうに考えられております。
 お尋ねの七十二条の十九は、事業の状況に応じて外形標準課税をすることができるという旨を規定しておるわけでありますけれども、これは、こうした事業税の本来の性格、応益課税であるという本来の性格に照らしまして、特定の事業については、事業税の課税標準として所得以外のものを用いる方が受益との関係でより適切であるというふうに判断される場合ということになろうと思います。
 さらに具体的に申し上げますと、基本的には、所得を課税標準としてとっていたのでは事業税の負担がその受益の程度に比して相当に低いということが常態化しているような業種が、同条の規定による外形標準課税の対象になるというふうに考えられます。
 ほかにも、例えば、非常に景気感応性が高くて毎年の事業税の納付額が大きく極端に動くというふうなことで、地方公共団体の安定的なサービスの提供に障害があるというようなことがあれば、そういうものも対象として考えていいのではないかというふうに考えております。
 それから第二点目の、七十二条の二十二の第九項にあります「著しく均衡を失する」というのはどういう意味かということでありますけれども、これも今申し上げましたように、いわゆる外形標準課税は、主として特定の業種の税負担がその受益の程度に比してかなり低いという場合に、その負担の程度を引き上げて受益との均衡を図るということを目的に導入するというものでありますから、それを導入することによって、所得を課税標準とし続ける場合に比べてですが、ある程度事業税の負担が増加するということは法の予定するところだと言えるかと思います。
 したがって、問題は、何をもって、あるいはどの程度になると、外形標準課税による事業税負担が、所得を課税標準とする場合に比べて著しく均衡を失すると言えるほどに重いということになるのかということであろうかと思いますが、これは事柄の性格上、なかなか画一的に、あるいは定量的に基準を設定するということは困難であろうと思いますので、いろいろな要素を総合的に勘案して、究極のところは社会通念に照らして判断するしかないということだろうと思います。
 その際、考慮すべき主な要素としては、やはり外形標準課税をすることによって増加する税負担の額がどれぐらいであるか、あるいは負担の増加割合がどれぐらいであるかというようなことになろうかと思いますけれども、これも、導入する年とか、その後二、三年とかいう短い期間ではなくて、中長期的に見て負担の均衡が図られているかということだろうと思いますけれども、今回の東京都案のように、一定の期間を限って措置するという場合には、その限られた期間内全体を比較するということになろうと思います。
 ほかにも、外形標準課税を導入することとした目的であるとか、あるいは、外形標準課税をすることによって、所得その他法定されている他の課税標準を引き続き用いる類似の業種等と負担のバランスがどうであるかといったようなことも、いろいろなことを考えなければいけないということだろうと思います。
○北側委員 そもそも七十二条の十九の、事業の状況に応じて外形を課税標準にできるということになっているのですが、今の法制局の御答弁で明らかなように、特定の業種において受益の程度に比べて負担が著しく低いことが常態になっておるということなんですね。そういう御答弁だったのですよ。特定の業種において行政サービスを受ける受益の程度に比べて負担、課税ですね、負担が著しく低いことが常態になっておるような場合には、所得に着目するのではなくて外形に着目して課税してもいいのですよという趣旨がこの「事業の情況に応じ、」という意味なんだということを今法制局が答弁をしておるわけなんです。
 今回の特定業種である銀行業、実際はこの銀行業の一部でもあるわけですけれども、ここも私はちょっと問題だなと思うのですが、この銀行業の一部のところを対象にして、この七十二条の十九の外形の課税標準とすることができるのか。先ほどの解釈からすると、果たしてそれが常態になっておる、今は確かにそうだと思うのですが、それが常態になっているのかどうか、そこが私は問題だと思うのです。
 そういう意味では、銀行だけではなくて、今の不況の中ですから、それは十年前に比べましたら、どの業種、業態においても法人事業税の税収というのは大きく減っているわけで、そういう意味では、ちょっとこの条文の「事業の情況に応じ、」というふうに言えるのかどうかというのが一つ問題点だなと思っておるのです。そういう意味では、本当に適法なのかなというふうに思っております。
 大臣の御見解はいかがでしょうか。
○保利国務大臣 「事業の情況」というところの分析の問題でありますが、東京都の計算によりますと、この法人事業税、現行のままでまいりますと、銀行二十行で三十四億円という推定がなされております。税収見込み、平成十一年度分であります。それに対して、かつては二千億を超える税収があっておったということもございます。しかし、今の状況といえば三十四億円だ。しかも二十行ということになれば、二十で割りますから一億七千万ぐらいですか、そんな数字になろうかと思います。それが随分低い、サービスを受けているのに比べて一億七千万が低いという認定というのは、これはどこがなさるのかわかりませんけれども、東京都におきますれば課税当局がおやりになるのだろうと思います。そういった判断もおありだったと思うのであります。
 一方、今御質問の点かどうかということはわかりませんけれども、東京都案で見てみますというと、粗利益に三%掛けるということから逆算をいたしますと、粗利益そのものが三兆六千億ぐらいと推定されるわけであります。三兆六千億に対して三%掛けて約一千百億の税収を得よう、こういう考え方であります。
 その間に、現行のままだったら三十四億、新しい税制を入れたら千百億ということについて、著しく均衡を欠かないかどうかという点については、私自身も若干疑問に思いまして、東京都の考え方を自治省の税務当局が聞いておりますけれども、それは、バブル発生前からバブル期、崩壊後を含んで、過去十五年間を平均してみて、大体そのぐらいの、一千億程度のものなんだという算定をして、それとは均衡を欠かないという御主張をなさっているということでございまして、解釈の問題として非常に難しい問題だなと思って、東京都には、こういう点はいかがなものでしょうかと申し上げた経過があります。
 ちょっとお答えになっているかどうかわかりませんけれども、以上、お答えとさせていただきます。
○北側委員 今法制局にあえて答弁してもらったのは、こういう常態がずっと続いておるということが外形標準課税をこの規定を根拠にして導入する前提の話なんですね。果たしてこの銀行業界だけがそうなんだろうかという問題なんですね。
 そこで、事業の状況に応じてということが言えるのかどうか、ここが一つ私は疑念がある。それから、今大臣もおっしゃったように、この九項の「負担と著しく均衡を失すること」になっていないのかどうか、ここも一つ疑念があるという意味で、本当に今回の東京都の措置というのは適法なんだろうかということなんですが、適法なんでしょうか。適法かどうかという、そこの判断はどう考えていらっしゃるのですか。
○保利国務大臣 私は、実はこれは法律に合っているのか合っていないかの判断というのは、日本の三権分立の思想でいきますれば、司法の判断、裁判所の判断ということになるのだろうと思います。したがって、私がここで適法であるというふうに断言することもできませんが、さればとて、直ちにこれが違法であるというふうに断言することもできない、そこにこの問題の難しさがあると思います。
○北側委員 最終的には裁判所が判断する、それはそのとおりです。ただ、地方税を所管されておられる最高責任者の自治大臣が、地方自治体がしようとしている課税について、これは地方税ですから、適法とも言えない、違法とも言えないというふうにおっしゃっていること自体が、私は極めて大きな問題だというふうに言わざるを得ないと思うのです。それは、地方税の問題の最高責任者である自治大臣が地方自治体のやっていることについて適法だとここで断言できないということ自体が、大臣もおっしゃったように、大きな問題をはらんでいると言わざるを得ないと思うのです。
 二月の二十二日に閣議でいろいろな問題点を指摘されました。このように閣議了解で書かれております。国としては、東京都案は、「下記の問題」というのは、五項目の、税の公平の問題だとか、他の自治体への影響の問題だとか、負担と著しく均衡を失しないのかという合法性の問題だとか、政府税制調査会でこれまで検討している本来の外形標準課税の導入の問題との整合性の問題だとか、それから国の政策目的である金融システムの安定、景気対策との整合性の問題等々書かれているわけです。それから、いろいろ疑念があるよというふうにおっしゃっている。そういう「下記の問題を孕むものであると認識するものであり、東京都において慎重な対応を求めたい。」というふうに閣議了解されているわけです。
 私がお聞きしたいのは、きのう東京都で議会の方に条例案が提出されました。報道等によれば、三月の末にはこの条例案は可決必至だろうというふうに言われております。閣議で「東京都において慎重な対応を求めたい。」これ自体も極めて異例な話だと思うのですけれども、そのような閣議了解を言っているにもかかわらず、もし東京都においてこの条例案が成立をしたとすれば、政府としてはどのような対応を考えられるのでしょうか。
○保利国務大臣 答弁に先立ちまして、大変恐縮でございますが、訂正をさせていただきます。
 先ほどの私の言葉の中で、適法とは言えないという言葉があったかもしれません。その点は、直ちに違法とは言えないということのみにさせていただきたいと思うのであります。適法とは言えないと言ってしまえば、これは適法じゃないということになりますので、その点は私、誤りに気がつきましたので、謹んで訂正をさせていただきます。
 その上に立って、閣議は口頭了解という形でなされたものでありまして、政府見解と銘打っておりますが、これは自治省を通じまして、政府見解でありますから、各都道府県に、東京都を含みましてお送りをしてございます。
 その上で、そこには、この問題については慎重な対応を望みたいという、正確なのは「慎重な対応を求めたい。」という言葉が最後のところに、上書きに書いてございます。今後、東京都の中で条例審議という問題がございますが、ぜひこうした問題を政府が意識をしているんだということをお考えの上、議会においての条例の審議をしていただきたい、私はこう思っております。
○北側委員 それはそのとおりで、これから審議が始まるわけですから、さまざま指摘されている問題点についてよく議論、審議をしていただきたい、全くそのとおりだと思います。
 ただ、その上で、それでもやはり条例が成立をした場合には、このような閣議了解をされているにもかかわらず、結果として無修正で東京都の条例案が通った場合に、じゃ政府はどう対応されるのかということをお聞きしておるわけでございます。
○保利国務大臣 仮に東京都議会におきましてこの条例案が成立することとなりましたならば、そのことは東京都の自己責任に基づいて判断されたものと考えるわけであります。
 なお、全国知事会からの要望もいただいておるところでございまして、自治省といたしましては、あくまでも、政府税制調査会においてこれまで議論をされてきた方向に沿って、すべての都道府県において幅広い業種を対象に薄く広く負担を求めるという本来の外形標準課税が望ましいと考えておりまして、こうした仕組みができるだけ早期に導入できるように、具体的な検討、働きかけをしてまいりたいと思います。
○北側委員 東京都議会の自己責任だ、これはもうおっしゃるとおりなんですけれども、閣議でここまで問題点、その問題点の内容もかなり大きな問題点を指摘されていらっしゃるわけで、あとは自己責任ですよと。自己責任は自己責任なんだけれども、その他に与える影響というのは極めて大きいわけでございまして、私は、ここは国としてもやはり検討すべき課題というのが含まれているような気がするんです。
 どういうことかといいますと、これからも地方分権というのはもっと推進していかなきゃいけません。地方分権の推進のために地方財源の充実をしていかなきゃいけない、地方の独自課税というのもやはり柔軟に認めていく必要がある、その方向性自体は私もそうしないといけないと思っているわけです。
 その上に立って私は問題提起をしているわけなんですが、地方の独自課税だとか地方の独自財源というのがふえればふえるほど、一方で国の、国のというか租税の原則、公平中立というふうな租税の基本的な原則との整合性の問題や、また国の政策目的、日本政府の今最大の、たくさんある政策課題の一番大きな政策課題は何といったって景気、日本の経済の再生です。金融システムの安定です。こういうことが大きな政策目的になっている。それとの整合性。私は、地方が独自課税をしちゃいけないと言っているんじゃないんですよ。独自に課税する、また独自財源をふやしていく方向にこれから行かないといけない。だから、なおさらのこと、私はそういう整合性というのが問われてくるんじゃないかと思うんです。
 今回の東京都のような例がこれからも出てくる可能性がある。そういうときに、単に、地方は勝手に決めればいいんだ、自分たちの責任でやればいいんだというだけの話じゃ決してないと私は思いますよ。現に、この東京都の問題については、本当に国の政策目的との整合性云々ということも言われているわけじゃないですか。また、この閣議了解の中でも、公平中立等々の租税原則に本当にのっとっているのかということを問うているわけでして、そこはやはり、地方だから地方の責任で勝手にやればいいんだという話じゃ決してないと私は思うんです。
 地方がますますこれからは大事になってくる。地方の責任で自主的な課税をしていく、結構なことです。それだけに、国のさまざまな政策や税という大事な問題の基本原則との整合性というのは、ちゃんと国が見ていかないといけない側面というのはあるというふうに思うんですね。だから、私は、この七十二条の十九の規定も、こういうことをされるのであるならば、本当は、国との事前協議みたいなものが本来されていないといけない話だと思うんです。
 現に、この地方税法の世界の中にも、法定外普通税の問題については、これは自治大臣の許可が必要です。この法定外普通税を創設する場合には自治大臣の許可が要るんですが、その際に、二百六十一条の規定で、許可してはならないという理由を三つ挙げているんですよ。法定外普通税をやりたいというふうに地方自治体が言ってきたときに、自治大臣がそれを許可してはならない理由を三つ挙げている。
 その一つが、住民の負担が著しく過重とならないこと。負担のバランスの問題です。二番目に、地方団体間における物の流通に重大な障害を与えること。地方団体間の物の流通に重大な障害を与えるような法定外普通税の創設というのはだめですよと。三つ目に言っているのが、国の経済政策に照らして適当でないこと。この三つをやはりちゃんと法定外普通税の場合、挙げているわけです。
 ところが、たまたまこちらの方の、先ほど来問題になっておる七十二条の十九の方の外形標準の規定のところはそういう規定がなくて、単に九項のところでバランスの話が規定されているだけなんです。私はある意味では、これは立法の不備であるというふうに、問題点もあるんじゃないのかというふうに思っているぐらいです。
 私は、今後、地方分権をますます推進していかないといけないという立場から、地方の課税自主権の拡大という要請というのは非常に大事な要請であり、進めていかないといけないと思うんですが、一方、公平中立の租税原則の確保とか他の政策目的との整合性というのもやはり大事な問題でして、それとの整合性をどう考えていくのか、関係をどう考えていくのかという問題をはらんでいる今回の東京都の問題だと思っているんです。だから、これはそんな、地方の自己責任でやっているんだから、最終的にはそれは地方が勝手にやったんだから、我々は関係ないよという世界の話じゃ決してないと思っているわけなんですね。
 大臣、いかがでしょうか。
○保利国務大臣 関係はないということではございませんで、大変懸念を持ちましたものですから、私自身も懸念を表明し、さらに政府で見解をつくりまして、そういった問題についての心配な点について、東京都に対しても、また全国知事会に対しても政府としての考え方をお示ししておるということでございます。
 ただ、全般的に申すれば、委員が御指摘になりました公平中立の原則という、いろいろほかに原則もございますが、日本の税体系の中にありましては、それはほとんど網羅されて、その精神を生かしていろいろ税法ができていると思うのでありますが、この法人事業税に関しては、七十二条その他によりましてちょっと穴があいているという感じを私は率直に言って持ちまして、これに我々が気づかなかったんだけれども、東京都の方が財政事情が厳しい、何かないかということで、その穴が見つかったという感じを、ちょっと例えが適切でなくて答弁としては甚だ不謹慎でありますけれども、そういうことを率直に今思っているわけであります。
 したがいまして、ちょっと鼻から水が入っちゃったなというのを、これをどうしたらいいだろうと。じゃ、防がなければならぬという規定もないものですから、これは自治省として、東京都にできるだけ政府の懸念を考えて対処していただくように望みたいと思いますし、また各党各会派、これは東京都の議会ですけれども、そちらでもいろいろこういった問題について真剣にお考えの上、対処していただきたいと私は思っております。
 議員のおっしゃられたことが議事録あるいは会議録になって東京都議会にきちんと入っていくように、私は希望するところであります。
○北側委員 時間が参りましたので終わりますが、非常に大事な問題点を、地方分権の中での地方税制と国の税制との関係をどうしていくのかという問題点をはらんでおりますので、今後の問題もありますので、自治省としても、ぜひこの問題について御検討をお願いしたいというふうに思っております。
 以上でございます。
○滝委員長代理 次に、鰐淵俊之君。
○鰐淵委員 私も以前に、この外形標準につきましてはちょっと質問させていただきましたが、時間の配分も少なかったものですからまだ聞いておらない点がございますので、税務局長さんにお聞きしたいと思っております。
 ただいま北側委員さんがお話ししたことは、全く私も同感でございます。私は、長い間地方の首長をやっておりましたので、その立場から申しますと、やはり税金というのは強制して納めていただくようなものでありますけれども、私どもは、やはり住民の皆さんの理解をいただいて、特に法人税などは、何とか税金を納められるようにもうけて、そして税金を納められるのは優良企業なんだ、こう言っていつも、青色申告会や法人会へ行ってごあいさつするときに、私そのように、喜んで納税していただくというようなことをお願いしているわけであります。
 私は、税金というのは、今もお話ございましたが、やはり公平であり、しかも中立である、さらに、導入すべきときは、その対象者に対して十分な理解と納得をいただいて導入するのがやはり常識だと思うわけであります。
 しかし、残念ながら、東京都の場合は、きのうのテレビにも出ておりましたけれども、主税局の皆さんが何十人もある部屋に集められて、知事が発表するまではその部屋から出てはならぬ、こういう箝口令までしいて、決断をする発表をほとんど庁内にも十分知らされないという形の中で唐突に発表される、それが、大臣の今の話では違法ではないけれどもという中にはあると思いますが、私どもとしましては、やはり非常に理解しかねるわけであります。一つの税を導入するというプロセスにおいて非常に理解しかねる。
 ですから、私は、東京都として今度条例の審議がなされますが、都議会におきましては、政府の方から都の方にいろいろと疑問な点を投げかけて、十分慎重に検討されるようにということになっておりますが、これについては、やはりしっかりと納税者の皆さんにわかるように、はっきりとメッセージを出していただかなくてはならない、こう思います。
 そこで一点、東京都だけが外形標準をやっていくということに今現実にこれが通ればなるわけで、ほかの府県はないんですから、知事さんの世論調査等を伺いますと、ほとんどの方は、やはり外形標準化を導入すべきだ、知事は皆さんそう考えておられるようであります。それがまた要請でもあると伺っておりました。と同時に、加えて、今回の東京都の決定はやはり公平性に欠くんではないか。ということは、大きな銀行三十行に限ってスポットでもってどんと取るわけでありますから、果たしてこれが本当に納税者に理解をされ、十分納得をされて導入すべきである税金であるかどうか、これは甚だ私は疑問があります。
 ですから、やはり首長としては、争いをあえて起こすということは首長の責任ではないんですね。首長は、十分そういう納税者の皆さんが、喜ぶというわけにはいかないでしょうけれども、納得して、これは納めても我々は十分理解できるということで納めるべきものであると思います。しかし、残念ながら、今度の対象の税金はそういう状況でないわけであります。したがって、そういったことに対する見解が一つ。
 それから二つ目は、東京都が仮にこれを実施に移しますと、外形標準で税金を一千億取ります。そうしますと、地方はどうなるかといいますと、御案内のとおり、地方は地方の法人税をやはりいただきます。我々も法人市民税をいただくわけでありますが、その中で、これは所得にかかっておりますから、東京で取った税金はすべて費用になって所得から抜かれるわけであります。所得から抜かれますと、地方にばらまかれるいわゆる所得が減るわけですね。目減りするわけです。ですから、当然地方も減収になると私は思います。もう一つは、交付税の五項目に法人税が入っておりますから、これも減収になる。そうすると、地方の自主的な財源と目される交付税の収入も減収になる。
 そういったことに対して、私は非常に大きな懸念を抱くわけでありますが、この二つについてどのようにお考えになっておられましょうか、局長さんにひとつお願いします。
○保利国務大臣 全く委員御指摘のとおりの心配がございまして、さすればこそ、私からも石原都知事にも申し上げ、そしてまた政府からもいろいろな懸念を表明されました。そしてそれは、大蔵大臣あるいは金融再生委員長あるいは通産大臣、いろいろな立場でお話をされたものを統合した政府見解を出されたわけでございます。
 今、例えば銀行のみに対してかけるということについては不公平ではないか、公平性の原則に欠けないかという点などもありますが、東京都のお考えは、銀行業の税収動向というのは非常に不安定でありまして、これは不良債権の償却等があるということも入っておりますが、応益課税の原則に反しておるので、これは銀行からはちょうだいしなきゃならぬ、こういうことをおっしゃっているわけでございまして、これはいずれ都議会の中でいろいろ議論になる点だと思いますけれども、私どもとしては、今委員御指摘のとおりの懸念を持っておりますし、また、東京都からいろいろお話があれば、これは自治省としても、どうしたらいいかというのは御相談していかなきゃならないだろうと思っておるわけであります。
 もう一点、地方への影響でありますが、これも私どもも大変懸念をいたしたところでございます。取り急ぎ自治省で、どの程度の地方に対する影響があるのかということで計算させてみますというと、いろいろな局面が先生御指摘のとおりありますが、トータルで大体二百十億程度のはね返りのマイナスがあるという計算が出ておりまして、こういった点もあわせて、せっかく、知事会としては全国一律に入れてくれという御要望もされて、東京都も入って御要望されているわけですから、そういう点については都議会の中で十分御議論いただきたいと思います。
○鰐淵委員 私も全くそう考えるわけでありますが、ふだん、東京都知事さん並びに都議会は、東京都がよくならなければ日本がよくならない、こういうことで、東京都に金を使え、こう盛んにおっしゃるわけですね。それはそれで、主張ですからよろしいんですが、地方はどうかといったら、地方は地方で独自に考えてやれ、こういうような話になりますと、これは非常に困った現象が起きるわけでありまして、いわゆる自主課税権というのは当然あるわけで、しかも、地方分権を進めていく中で、今の三千数百の市町村の数の中で、それぞれの自治体がみんな何かの課税自主権を探してばらばらにやったら、一体どうなるでしょうか。私は、収拾がつかないし、一体日本に行政というものはあるのかどうかということが問われてしまうと思います。
 あるいはまた、今北海道でも、先ほど中沢先生がおっしゃいましたけれども、環境税というものを取ろうということになりますが、これとて、二百十二の北海道の市町村全部が取れるかどうか難しい。
 例えば、国立公園を持つ中で、国立公園を利用する国民の方がそこにガソリン車やディーゼル車を乗り入れて、そこに公害をある程度発生させるので、その方たちから例えば利用税をいただくとかということになればある程度普遍的なことも考えられますけれども、課税自主権をそれぞれみんな、地方分権という名の中でどんどんいろいろなところでやり出していったら、私は非常にこれは、地方税としての一貫とした考え方からいきますと困った現象が起きるのではないか。
 ですから、ある意味ではこれは地方分権の中で、後ほど質問したいと思うんですが、やはり自治体をもう少し広域的に持っていかなければ、課税自主権も非常に妥当性を欠くことになると私は思うんです。アメリカなどはユニオンですから、州が独立しておりますから、消費税だって州と州によってはパーセンテージも違いますし、独自の税金も持っております。それならば私たちも納得がいくわけですが、今の日本の行政体ではなかなか難しい、こう私は思うわけでございます。
 そういった意味で、これから各自治体で、東京都が条例で通れば、それぞれの自治体が今言った法定外目的税、法定外普通税、こういったものの協議というものが恐らく自治省に来ると思いますが、そういったことに関しての自治省の見解といいましょうか、それについてお伺いしたいと思います。
○保利国務大臣 各自治体が自分のところの税源を確保するという意味で、法定外普通税、これはもう既に制度化されておりまして、幾つかの町村でこれを取っておるところがございます。それから法定外目的税、これは恐らく工夫がいろいろ今後出てくると思います。こういった工夫のもとに各地区で税源を確保していくということについては、地方財政が厳しい折からでございますから、住民の御納得をいただきつつ、その地区その地区でやられることについては、私は結構なことだと思います。
 ただ、全国的に広がる大きな税目については、やはり全国的な均衡性といいますかバランスといいますか、そういう均衡性を保っておりませんと形としてゆがんでしまうということがございますので、その辺は十分注意をしながら、今度の外形標準の導入等についても、都としては慎重な対応をお願いしたいと思いますし、また、今後ほかの道府県でお考えになるという場合があるならば、それもあわせて慎重にお考えをつくっていただきたいと思うのでありますが、全国知事会からは全国一律に、こう言っておられますので、私はその動きを信じたいと思っております。
    〔滝委員長代理退席、委員長着席〕
○鰐淵委員 今の大臣のお答えによって、私ども、十分大臣の考え方というのはわかるわけでございます。したがいまして、冒頭申し上げましたとおり、税金をいただくということは、納税される皆さんがやはり納得し理解をし、そして余り疑念を持たないで納めていただける、こういうことが非常に大切ではないか、そのように思うわけでございます。
 そういう意味から、先ほど北側委員の中にも、果たしてこれは適法かどうかという疑念までさかのぼるのは、そういうゆえんもあると私は思いますので、この点につきましては、私ども、東京都議会の議論をいろいろ推移も見守りながら、今後また、こういった外形標準の議論を深めていきたい。
 いずれにいたしましても、全国知事会等を含めて、外形標準等につきましては十分長い間検討されておるわけでございますので、やはり時期を失しないということが大事だと思います。ぜひスピードを上げて、一定の結論というものが出ますように御努力を賜りたい、このように思います。
 外形標準につきましては、以上で終わります。
 二点目でございますが、二点目は、特に、地方の行革というものが一体いかほど進んでおるかということでございます。
 これにつきましては、近年、この委員会でも非常に議論されてきておりまして、地方の地方債残高というのが大変大きく膨らんでおる、あるいはまた交付税特会も非常に大きな赤字を、赤字といいましょうか債務を負っているという中で、待ったなしの地方の行政の合理化、近代化、これはもうやっていかなければならない問題だと思っております。そういう中で今どこの自治体も真剣に取り組んでおられる、こういうぐあいに思いますが、特に、今回の東京都の外形標準課税を導入するということは、まさにこういった行革とも裏腹の関係があるのではないか、このように思います。
 そういう意味で、特に地方公共団体におきまして、先ほど言ったように、実情に応じて地方行革を進めていると思われますけれども、全国的に、平均的で結構でございますが、地方の行革の取り組み状況ということにつきまして、平林次官の方から御答弁いただきたいと思います。
○平林政務次官 地方の行政改革が今どのような進行をしておるかというお尋ねでございます。
 自治省の方では、平成九年の十一月に地方行革の指針を策定いたしました。その中で、定員管理の数値目標の設定など、取り組み内容の充実を図るとともに、これらの内容を広く住民にわかりやすい形で公表をしながら、積極的に行政改革を進めるように要請をしてまいったところでございます。
 おのおのの地方公共団体では、この地方行革指針に沿って、定員管理の数値目標の設定やあるいは事務の民間委託の計画的な推進など、主体的かつ積極的に行政改革に取り組んでおります。
 結果を今眺めますと、地方公務員の総数は、平成七年から五年連続して減少をいたしました。平成十一年四月一日現在、約三百二十三万人、前年との比較では約一万七千三百人の削減になっております。また、地方公共団体の給与水準、人件費の問題でございますが、給与水準も、平成十年四月のいわゆるラスパイレス指数で全地方公共団体平均一〇一・三となっておりまして、これも二十四年連続して低下をしてきております。
 自治省としましては、今後とも、自己決定、自己責任という原則に基づいて、地方公共団体が住民の監視のもとで主体的にみずからの行政改革に取り組むように要請いたしますとともに、行革を促すための行財政支援、これは積極的にやっていきたいという所存であります。
○鰐淵委員 ただいま大体、地方行革の指針に基づく内容等につきまして御説明いただきまして、かなり進んでおるということは十分私も理解できます。
 私ども、最初地方自治体を預かったころのラスパイレス指数というのは一・六ぐらいですから、とても高いラスパイレスでございましたが、今はもう一・一くらいになっておると思います。恐らく、大阪衛都連とか東京とか、こういうところはまだラスパイレスが相当高いのではないか、こう思います。そういう意味では、東京都もいろいろな行革をやっておると思いますが、私どもの実際体験した行革からすれば、まだちょっと緩いような感じがするんですね。
 ですから、外形標準を入れるぐらいの心構えだったら、もっと血を出さなければ納税者が納得しないだろうと私は思うわけでありますが、こういった点も恐らく、都議会で大いに議論されることだと私は期待をしておるわけであります。
 そこで、この行革を進めるに当たって一つだけお話ししたいと思うんですが、従前は、政府においていろいろな目標を定めるわけなんです。例えば自治省でいえば消防力。消防力は自治体で大体、消防人員は何人、消防台数は幾ら、特殊車両は幾ら、全部基準があるんですね。この基準に私は悩まされてきたわけです。
 というのは、この基準に達しないじゃないか、まだこの基準の六〇%ぐらいしか達していないのに、なぜもっと我々は人員を削減しなければならないか、こういったことをよく言われます。
 これは、消防だけではなくて、教育関係の文部省ではことごとくあったわけです、学校に対する基準ですね。かつては給食なんというのは、これは教育の一環であるから民間委託はまかりならぬ、そういって、一生懸命給食をやるために単置校で独立してどんどんつくったところは、これが大変なお荷物に実はなって、途中で今度は文部省はそれを変えて、それは民間委託で結構だ、こういうように方針を変えてくる。
 こういうたぐいのものが各省庁にありまして、地方分権の中で必置規制などは大分勧告でなくなっておりますけれども、私はそういった、政府が余り地方自治体にたがをはめていく、これはあくまでも地方自治体に、一つのスタンダードな基準は必要ですけれども、その中で大いに地方自治体が努力していくことについては、やはりそういう規制を緩和していく、こういう方向が妥当ではないかと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○平林政務次官 仰せごもっともであります。
 それで、実は目標値を定めるということは、これはまた行政のレベルアップの上には大事なことかと思いますけれども、要するに、行政改革の観点から効率的な、またできるだけ人数の少ない小さな政府ということでもってやっていくということに、今おっしゃいましたいろいろな基準や標準が矛盾をしないような格好で運用されるように、そういう努力をしてまいるべきだと思っております。
○鰐淵委員 どうもありがとうございました。地方行革につきましては、以上の点で終わりたいと思います。
 次は、市町村合併につきまして質問を移したいと思っております。
 政府は、昨年七月に合併特例法の改正などによりまして、私も三年間この地方行政委員会にありまして、やはり、思い切って国はインセンティブを出して、そして住民がみずからそれらを自主的に活用する、大いに合併を促進する方がより有利である、そう認識しなければ、なかなか合併というのは進みません。
 とりわけ、本州の歴史とか伝統のあるようなところでは、沢が一つ違っても、あるいはちょっと部落が違っても、幾ら小さな単位でも、村があっても、なかなか一緒になるということはないわけであります。特に私、いろいろ自治省の方から資料なんかいただきますと、北海道などはそういう意味では非常におくれている状況でありますが、これはやはり、面積的な面もいろいろあると思いますけれども、非常にそういう点ではこれからの大きな課題だろうと思っております。
 しかし、市町村合併促進につきましては、新年度においても新しいインセンティブを今自治省で出されておりますが、そういったことがなかなか住民まで理解されておらないのが実態なわけでございます。とりわけ、まだ首長さんもそうしっかり覚えていないという方もおられます。
 そういう意味では、地方六団体によく浸透していただくと同時に、国民に対する啓蒙というものがなければ、そういうバックグラウンドがなければ、なかなかこの問題は進んでいかないというのが実態でございまして、ぜひそういった点について、自治省としてどのような取り組み等お考えでありますか、その点についてお願いいたします。
○平林政務次官 今、合併を促進するという趣旨におきまして、法律の整備もできましたし、各都道府県におきまして、市町村合併推進要綱というものを県ごとにつくってもらう段階に来ております。
 おっしゃいましたように、町村合併をする場合の経費につきましても地方財政措置をしておるようなことでございまして、これからさらにさようなことを国民の中にPRをして、全国民的な御努力をいただいて、市町村の規模の適正化というものを進めていただければと思っておるところでございます。
 そこで、実際に各都道府県で合併の推進計画がどのようになっておるかということでございますが、徳島県は既に合併推進要綱というものをつくっておられます。大体ほとんどの都道府県で作業に着手しておりまして、本年度末には数団体同じような計画ができるだろうと思っておりますが、全体としては、今年、平成十二年中にできるだけ早くさような作業をやっていただきたいということで我々はお願いもし、期待もしておるというところでございます。
 さらに努力をしてまいりたいと存じます。
○鰐淵委員 時間もだんだん迫ってまいりました。
 この合併等につきましては、今お話しのように、都道府県に一応要綱の指針をつくっていただく、それによって、たたき台といいましょうか、住民が、検討の素材ができて大いに議論が高まっていくということを私ども期待しますし、ぜひそういった都道府県の案も、できれば私どもも見せていただければ、このように思っております。
 最後になりましたが、先ほどPRの点もありました。新年度予算で約三億五千万程度計上されておりますが、これは具体的にどんな啓蒙活動を実際にやるのか、その点について説明していただければと思います。
○中川政府参考人 お答えを申し上げます。
 来年度予算案に約三億五千万円計上を予定いたしておりますが、市町村合併推進啓発事業でございます。
 この市町村合併推進啓発事業によりまして、各都道府県におきますシンポジウムの開催とかあるいはアンケート調査の実施、さらには啓発資料の作成、また新聞等を通じた国民に対します啓発などを予定いたしているところでございます。
 こういう事業によりまして、住民の側におきます機運醸成を図ってまいりたい、このように考えているところでございます。
○鰐淵委員 この問題は、言うはやすく行うはかたしでございまして、なかなか難しい問題でございます。
 どうか、そういう意味では、長い息が必要だと思いますけれども、住民にとりまして、よりこういったことが住民サイドにとってプラスになるということが理解されれば、どんどん進んでいくのであろうと思っておりますので、ぜひそういった実を上げていただきたいと思います。
 時間でございますので、これで質問を終わります。ありがとうございました。
○斉藤委員長 次に、春名直章君。
○春名委員 日本共産党の春名直章です。
 地方税、非常に大事な法案です。それから交付税も重要な法案です。根幹をなす法案ですので、私たちは二本をぐちゃにして議論するのはやめて、別々にしっかり議論しようということをずっと言ってまいりました。残念ながら、そうは今なっていないのですが、私は、筋を通す意味で、地方税に絞ってきょうは質問をさせていただきたいと思っております。具体的には三点伺いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 第一は、米軍関係者が所有する、私的に使う自動車に課税をされる自動車税の問題についてお聞きをしたいと思います。これは、特例税率というのが米軍関係者には設けられております。
 それで、まず第一の質問は、これまで、地方税法の自動車税が改正されるたびに、それを追って米軍関係者の自動車税の税率についても改正をするということになってまいりました。一九七九年の改正は、一九八四年、五年後にようやく米軍と話がついて改正をされたとお聞きをしております。一九八四年の改正は、十五年たった昨年の二月、ようやく米軍と話がついて改正をされているというふうにお聞きをしております。しかもそれは、八四年の改正と、その後に八九年に改正されているものがありまして、二つを一緒にしてようやく昨年の二月に改正をする。その間十五年かかっているわけです。これだけの間、米軍に対しては日本の地方税の改正の内容が反映をされないということになっているわけです。
 どうしてこんなに時間がかかるのでしょうかというのがまず第一の私の疑問でありまして、日本の国民には直ちにその年度からかかるわけでありますから、同じようにやったらいいかと私は思います。その点、お答えいただきたいと思います。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
 合衆国軍隊の構成員等の私有車両に対する特例税率につきましては、日米地位協定に基づくものでございますけれども、地方税法の改正によります自動車税の引き上げに伴いまして当然改正されるべきものではございませんで、必要に応じて日米合同委員会において協議を行い、日米両国の合意によって行うということで、日米両国の合意により定められているわけでございます。
 おっしゃいますように、現在の特例税率は、昭和五十九年それから平成元年の地方税法の自動車税の税率改正を踏まえて改定することにつきまして、協議を長く続けてまいりました結果、昨年二月の日米合同委員会で合意が得られましたので、同年四月より改定をいたしたわけでございます。
 今後、これまでもそうですけれども、やはり改定に当たりましては、米側との交渉という、交渉相手がある問題でございますので、御理解を賜りたいと思います。
○春名委員 当然においてやられるものではなくて、必要に応じてやるものだということで、交渉相手もあるということなんですが、それにしても、日本の国内に住んでいるわけですよ。道路を使っているわけですよ。道路損傷の補助というのが大きな理由であるわけでしょう。自動車税の改正というのはそういう趣旨でやるわけでしょう。しかも十五年。長いですよね。その点をもう少し、こちらはきちっと、自分たちがこちらで改正をして、日本国民には負担を願う改正をしているわけですから、そのことを趣旨を話して、もっと直ちに米軍の方々にも応分の負担をしていただく、そういう立場で臨むべきではないかと私は思うんですね。
 自動車税の改正があった場合には、少なくとも、例えばその改正の前の改正内容が自動的に適用になるようにするだとか、相手側と交渉もして、そういう工夫も導入するようにすべきではないかと私は思うんです。
 つまり、私が言いたいのは、おくれること十五年ぐらいかかってまあやむなしというふうにしていたら、課税の自主権というのは一体何かということにもなりますからね。私は、そういう問題としてもとらえる必要があるかなと、今回改めて調べてみて非常に感じたんですね。その点、大臣、あるいは政務次官でも結構ですけれども、どうお考えか。こういう私たちの提案、ぜひ検討をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○平林政務次官 恐縮ではありますが、自治省がみずから米軍と折衝するわけではございませんので、その点、私もここではっきりと今後の方針について申し上げるわけにいきませんが、やはり政府の中でよく相談をして今後の取り扱いを進めてまいりたいと思います。
○春名委員 よく相談をして取り扱いを進めるということを御答弁いただきましたので、問題を投げかけましたので、ぜひ御検討いただきたいということを重ねてお願いしておきたいと思います。
 それで、内容がまた問題なんですね。お聞きしたいと思います。
 小型乗用車の場合について、排気量一・五リットル超二・〇リットル以下の小型乗用車、それから排気量一リットル超一・五リットル以下の小型乗用車、この二つの区分で結構ですので、日本の国民の場合の税率と米軍関係者の方々の税率、それぞれお示しください。
○石井政府参考人 自動車税は、その性格上、財産税と道路損傷負担金の両面の性格を持つとされておりまして、このうち、道路損傷負担金相当部分を道路の使用について納付すべき租税だというふうに日米地位協定等の解釈から運用いたしておりまして、日米合同委員会において協議して特例の税率が定まっておるわけでございます。
 お尋ねの小型乗用車につきまして、総排気量一・五リットル超二リットル以下でございますと、地方税法の規定による標準税率は三万九千五百円となっておりますけれども、米軍の私有車両の特例税率は七千五百円ということでございます。それから、総排気量一リットルから一・五リットルのものにつきましては、地方税法の標準税率は三万四千五百円、米軍の特例税率は同じく七千五百円、こういうふうになっております。
○春名委員 今言いました小型乗用車の二つの区分で、米軍の方々が使用されている台数の九三%を占めている。約五万台。一・五から二の場合は、比率でいいますと米軍の方は一八・九九%、税金の額。それから、一から一・五リットルの場合は二一%ということでありまして、極めて少ないわけですね。こういう比率は、一体いつからこういうふうになったのか、その合理的な根拠は何か、このことを明確にしていただきたいと思います。
○石井政府参考人 先ほども少し触れましたけれども、この特例税率につきましては、自動車税が本来は財産税と道路損傷負担金の両面の性格を持つと解されておりまして、その道路損傷負担金相当分を納めてもらう、こういうふうにしておるんですけれども、当初は、昭和二十七年に日米合同委員会で決定されておりまして、当時は、日本の普通トラック、自家用の標準税率を基礎といたしまして、これに、日本の普通トラックの道路使用度に対する合衆国軍隊の普通トラックの道路使用度の割合、あるいは、同じく日本の普通トラックの道路使用度に対します合衆国の乗用車の道路使用度の割合といったような比率を計算いたしまして算出をされているわけでございます。
 この特例税率は、昭和二十七年に決定されましてから、その後、地方税法の自動車税の税率改正等を踏まえまして合計五回にわたって改正されて、現在に至っておるところでございます。
○春名委員 昭和二十七年からこれが始まっているということが今御答弁ございました。道路損傷負担金という性格づけで、その使用頻度に合わせてこういう割合を決めてやってきたというお話があって、その性格はずっと続いているという話がありました。
 それで、ちょっと確認をしておきたいんですが、自動車税の性格なんですけれども、先ほど財産課税という性格と道路損傷負担金としての性格という二つだけは言われたけれども、奢侈品、そういう課税ということも皆さんの文書には出てくるんですが、もうその性格はなくなったということで御判断していいんですか。奢侈品課税。三つの要素があるというふうに言っておられるんですが、それは比重が小さくなった、あるいはもうないと考えていいのか。ちょっと技術的なことであれですけれども、確認したいと思います。
○石井政府参考人 過去にはいろいろな論議があったかもしれませんけれども、現在、自動車税について、私どもは、財産税と道路損傷負担金の二つの性格を持つ、こういうふうに理解をいたしております。
○春名委員 わかりました。
 確かに、奢侈品というふうにはもうならないと思うんですね。昭和二十七年の当時は三つのそういう性格があったんです。そのときは、日本国内の車の総量が三万六千台だそうです。それで、現在は五千万台を超えて、自家用車だけでも四千二百万台、三人に一人の割合で自家用車を持っていますから、もう奢侈品、ぜいたく品というような位置づけはほぼないと思いますね。
 そして、財産課税という性格についても、これだけ自動車が普及をしてきているわけですから、多少は金額が高いというのはあるかもしれないけれども、その意味合いも薄くなってきて、結局、道路損傷負担金という性格が、やはり年を追うごとに、これだけ台数もふえてきて、だんだん比重が高まってきているというのが共通の認識だと思います。私もそういう認識でおります。
 そういう点でいうと、今日、昭和二十七年の当時にこういう形で出してきて、道路損傷負担金というものとして提案をして、米軍との関係でこういう割合が出てきている。それがもう何十年もたってきているわけですから、その情勢、歴史の変化を見たときに、その割合をそのまま未来永劫続けていくというような根拠は非常に薄くなっている。その道路損傷負担金という位置づけをもっと重視する。そして、それがもう割合としても高くなっているんだから、それでつくられている特例税率なんだから、その税率をそういう角度から分析をしてもっと引き上げるということは当然考えるときに来ている、私はそういう認識を持つわけです。
 政務次官がうなずいていらっしゃるので、私と同意見かと思いますけれども、どうでしょうか。
○平林政務次官 おっしゃることは私にもよくわかります。
 日本の歴史を顧みるわけじゃありませんが、いわゆる不平等条約というものを改正するには非常に長い時間と犠牲を伴っておるようなことでありまして、かような一見ささいな問題でも、二国間の関係になりますとなかなか処理が難しいということはあろうかと私は思っておりますが、御趣旨を体しまして、今後の対応を考えてみたいと思います。
○春名委員 国の財政も、この議論でも、地方財政も本当に大変なときになって、大変な逼迫状況だという状況があるわけですから、一方で非合理というふうに映る問題が残されているということにも私は目を向けていただきたい。そういう角度で検討されるというふうに御答弁いただいていますので、そのことを大いに信じて、今後進めていただきたいということを提案を申し上げておきたいと思います。
 二つ目に、介護保険の導入にかかわって、国民健康保険税の問題について聞きたいと思います。
 国民健康保険税は、第二号被保険者、四十歳から六十四歳までが属している世帯については、これまでの医療分に加えて介護分が上乗せをされて徴収されることになります。これが市町村の国保財政そして加入者にどういう事態を引き起こしていくのかということ、そういう角度から少し御質問をさせていただきたいと思っています。
 ちょうど大臣が帰ってこられたので、国保税の介護保険料の上乗せ問題についてお聞きしておりますので、私の質問を聞いていただきたいんです。
 市町村の国保の一人当たりの保険料の徴収額、調定額というふうにも言いますけれども、これは、厚生省にいただいた資料でも、年々増加の傾向にある。一人当たりの保険料徴収額、一九八七年が百四十一万。年々増加をして、九七年に百六十万というふうに上がっていく。その一方、一世帯当たりの平均所得が年々減少の傾向にありまして、一九九一年の二百七十六万五千円をピークにして、九七年には二百二十七万四千円ということで、所得が減少してきているわけですね。
 当然、その結果として、国保税の滞納という問題が今社会問題になっているというのは御存じかと思います。一人当たりの滞納額というのが出ていますけれども、八九年には三万四千円、これが九七年には五万九千円へと増大をするという状況になっています。
 まず、基本認識で失礼かと思いますけれども、大臣に御確認いただきたいんですが、こういう国保の制度を揺るがすような滞納世帯が激増している、そしてそれが非常に大きな、根幹を揺るがすような問題になってきているということへの御認識を大臣に聞いておきたいというふうに思うんですが、どうでしょう。
○保利国務大臣 以前にも、この問題については御質問をこの場でちょうだいをいたしたことがあるかと記憶をいたしております。
 市町村の国保に対しますこのような状況を踏まえての財政支援につきましては、市町村も要望していたものでございまして、いろいろ一定の効果を出すものと思いますけれども、もとより、市町村の国保というのは高齢者や低所得者の加入率が高いというようなことで、構造的な問題を抱えておるために滞納者が多いのだと思っております。
 これまでも厚生省に対して、安定した財政運営ができる制度になるように申し入れてきているところでございますが、自治省としては、今後も高齢者医療制度の見直し、医療保険制度の抜本改革について早急な検討が行われ、市町村国保の安定した財政運営が図られるように、今後、地方団体の意見も尊重しながら、厚生大臣とも協議をするなど、適切に対処をしてまいりたいと思います。
○春名委員 保険料が高いなどの構造的問題で滞納がふえているということは今お話がありましたので、それは確認させていただきたいと思います。
 厚生省の調査では、全国の国保料の滞納世帯の数が出ていまして、一九九七年、これが三百三万世帯、一九九八年が三百二十二万世帯、一九九九年、六月一日時点ですが三百四十八万五千世帯、ウナギ登りです。この二年間で四十五万世帯が新たに滞納になるということになっています。深刻な事態ですね。
 それで、先ほど私ちょっと数字を言い間違えまして、一人当たりの保険料徴収額を八七年が百四十一万、九七年が百六十万というふうに言ってしまいまして、こんな金額を保険料で取られていたら死んでしまいます。間違えていまして、ごめんなさい。十四万一千円と十六万円の間違いですので、一けた間違っていたので訂正します。年収全部取られてしまうことになりますので。
 それで、こういう事態になって、大臣もお認めになりましたように、保険料の高い問題などの構造的要因で滞納がふえているという事態は共通認識であります。問題は次です。こういう状況の中で、新たに介護分の負担を加入者にオンするということになります。滞納額がふえて国保財政がますます逼迫するということは、火を見るより明らかです。それが一層国保会計を圧迫することになることも、もう理の当然だと思います。
 そこで、今度の介護保険の導入を機にして、この国保会計という問題から見ての対策、幾つか打たれていると思いますけれども、その点、今どういうことを御努力されようとしているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○嶋津政府参考人 お答えいたします。
 市町村の国保財政の支援に対しましては、最近の国保の経営状況等を体しまして、国保財政安定化支援事業ということで、地方財政サイドといたしまして千二百五十億円の規模の財政支援措置を地方財政計画上措置しております。
 それ以外に、高額医療費共同事業として、都道府県と市町村と共同事業、政府も補助をするわけでございますが、そういう形で、市町村の国保経営を圧迫する高額医療費が出ることに対する財政支援をする、そういう形にしております。
 また、介護保険制度の導入に際しましても、国保経営に対する側面から、いわゆる健康保険組合との並びでもございますが、保険者に対する支援措置を講ずるということにしているわけでございます。
○春名委員 今、後段に言われた介護保険円滑導入対策、それは私も、これが直接かかわってくることですので調べてみたのですけれども、第二号被保険者が属する世帯の収納率が他の世帯の収納率よりも有意に低下したと認められる場合に、当該収納率低下による財政影響額の二分の一に相当する経費を見ましょう、こういう制度になっていますね。間違いないと思います。
 それから、保険者の広域化支援交付金事業等々で六百六十億円の財政措置をとられるということになっているというのをお聞きしております。二年間で六百六十億円。国から国保中央会に基金を積んで、そこから市町村に補助金が来るというシステムというふうにお聞きをしております。
 ただ、ここで問題になることがあります。今私が申しましたように、その補助金も、加入者の負担を直接全部補う、そういうものにはなっていないという問題があるわけです。保険料の収納対策の補助金とか広域化支援の補助金とかいうのは、これは加入者の負担を直接補うための目的ではありません。収納をよくするためにPRをするとか広域化でやるとかいうときの、そういう支援のためのお金だとか事務費だとか、そういうものの支援なわけであります。収納率の低下の影響分の二分の一を厚生大臣が必要と認めた額という枠の範囲で補てんをしようという仕組みになっている、そこの問題なのですね。
 四月からそういう介護保険が始まって、国保への影響がかなり出そうだということで、いろいろな提案をされて、今度そういう制度の改正ということをやられようとしているわけだが、その中身をよくよく見てみると、滞納がふえていって収納率が下がっていくという分の多くて二分の一で、それも厚生大臣が認めた額をそこで支援をするという枠に残念ながらとどまっているわけであります。
 だから私は、今のまま導入が進んでいくと、先ほど申しましたように、ただでさえ二年間で四十五万世帯も国保滞納世帯がふえてきているという実態の中で、それに介護保険をオンされた保険料がかぶさってきて、激増することが予想される。しかし、それを補てんする仕組みは、多くても二分の一、厚生大臣の認可がないとだめ、それよりも下がってしまう、こういう仕組みになっているわけだから、本当にこの影響を解決して国保会計を健全化していくということができるんだろうかという率直な不安、疑問、これを私は持たざるを得ないわけであります。
 そうならない、まあ大体いけるだろうということであれば、その根拠を示していただければ結構なんですが、私はそうはなかなかなりそうにないというように感じますので、あえてこの点、どういう御認識か、ぜひお答えいただきたいと思います。
○嶋津政府参考人 お答えいたします。
 介護保険の導入に伴って国保財政がどういう推移をたどるかということにつきましては、恐らく、実施することについてずっとこれを見守っていく必要があると思います。介護保険の導入に伴い、いわゆる介護に係る、医療費から介護保険に移る部分も出てくるわけでございますので、そういうことによる国保財政に対するプラスの影響もそれなりにあるのではないかというふうにも思いますし、また、今御指摘のように、国保財政と介護保険の両方の制度の調整によって国保財政にマイナスの影響が出てくるようなことも考えられるのかもしれません。
 そういうことも含めまして、今講じております国保の保険者に対する対策、これについてもその推移を見守りまして、その状況がもしさらなる支援が必要な場合には、厚生省と私ども協議してまいりたい、こういうふうに考えております。
○春名委員 それは、協議はぜひやられる必要があると思うのですけれども、私が先ほど言ったのは、激増しているわけです。リストラされた中高年の労働者の方々が国保に入らざるを得ないですね。そういう方々がどんどんふえて、そして滞納が激増する。この二年間、すさまじい勢いで進んでいるわけですね。これは警告です。その上に、四月からそういうオンされた新しい保険料が待っているわけです。大変なことに私は……(発言する者あり)半年は凍結という話が今ありましたけれども、同じことが起こるわけですね、半年以降。そういう事態が予想されるわけなんですね。
 ですから、私は今のうちに、日本共産党は、一昨日も介護保険の法案の改正提案を参議院に提出していますけれども、その中で、例えばこの国保という問題をとってみれば、少なくとも私は、この収納率の低下の影響分については無条件で、二分の一と言わないで、きちっとそれは補てんをする、こういうふうな仕組みを検討する必要はあるんじゃないかと。
 それを、例えば半年間の凍結の間に、そういう仕組みをちゃんと導入するというような議論をしていただくだとか、そういう手だてをとる必要が私はあると思うし、今の局長のお話では、やってみなければわからないということですので、一言で言えば。プラスの要因もあればマイナスの要因もある、やってみなければわからないということだけれども、少なくとも、今私が問題提起したような収納率の影響分の二分の一以内に抑えるというふうに枠組みがなっていますので、これはやはりそういう影響が出てくる。
 これ以上ますます悪化したら大変なことになりますよ。今でも多くの方々が短期保険証に切りかえられたり、あるいは、大問題になりましたけれども、取り上げということが起こって、何十万世帯という命の問題にかかわるような問題が起こって、それはやめようというような議論になったり、そういう事態が全国であるわけでしょう。その上にこういう問題が起こってくるのです。
 ですから、私は、少なくともそういう収納率の低下というような問題、これは国保会計とその個人個人というのがまたちょっと別の話になるわけですけれども、ここは地方行政委員会ですのでそういう議論をしているのですけれども、国保会計という問題を見たときにも、収納率の低下の影響分について、例えば全額きちっと支援するような対策を講じていくだとか、そういうことを御検討する用意はないでしょうか。ぜひ私はやっていただきたいというふうに思っておりますけれども、自治大臣、いかがでしょう。
○嶋津政府参考人 今回の介護保険導入に伴う特別対策につきましては、その保険者に対する財政支援をどういう指標を使ってしていこうかという側面から、今御指摘のように、収納率低下影響額の二分の一を支援するというのも一つの要素でございますし、保険料の収納対策で、収納のための事務費について給付をするというような指標をつくったわけでございます。健康保険組合はまた別の指標をつくったわけでございますが。
 したがって、国保の場合には、今御指摘のように、いろいろな状況から収納率の低下の現象が見られます。しかし、それも地域的とかあるいは団体によって随分差があるということも事実だと思います。そういうことも含めまして、地方団体の御意見も聞く必要もあるかもしれませんが、今、この基準について、低下分の全額を補てんすべきかどうかというのも、地方団体にも御意見がいろいろあるかもしれません。
 そういうことも含めまして、制度でございますので、地方団体の御意見は十分お聞きしまして、厚生省なりと対処してまいりたいと考えております。
○春名委員 では、この問題の最後に、大臣の御見解を聞いておきたいと思います。
 今、お話がありましたように、大変深刻な事態になっていまして、私は、負のサイクルに入っているなと思うのですね、国保会計、国保の問題は。加入者がふえる、ところが保険料が高くて払えない、滞納者がどんどんふえる、滞納者がふえれば会計がまた逼迫する、逼迫すればまた保険料を高くして上げていく、そしてまた払えなくなる。こういうことを続けていくと、制度そのものが崩壊しかねないという事態だと思うのですよ。だからきょう問題提起をしていまして、四月からの導入を契機に、今私が申しましたような、例えば収納率の問題もそうです。この介護保険の導入を契機にして、国保、国保税という問題、そしてその保険料の負担の問題、いろいろ議論をしているというふうにおっしゃっていただいたのですけれども、改めてそういう問題が出てまいります。
 局長は、マイナスの要因、プラスの要因、いろいろ出てくると言われていますから、大臣として、こういう問題をちゃんと御認識いただいて、必要な手だてはとる、私が提案した内容も検討をしていただくという方向で努力をしていただけないでしょうか。そういう点を御答弁いただきたいと思います。
○保利国務大臣 今御指摘の点は、私どもも同じように頭に入っておりますので、そのことを胸に置きながら、十分に厚生省その他と検討をしてまいりたいと思います。
○春名委員 私どもは、サービス不足のまま保険料だけ徴収することは許されないということを言ってきました。半年間凍結をするということになりましたけれども、その期間に低所得者の方への減額、免除の制度を国として制度化する問題、あるいは、保険あって介護なしにならないように特養ホームやホームヘルパーさんを増員する問題、こういうことを強く要求してきました。
 ぜひ、こういう方向の実現こそが、国保制度そのものも守っていくということに合致していくと思うのですね。そういうことを私自身指摘をさせていただいて、次の質問に移っていきたいと思います。
 次は、今度の地方税法の改正の最大の目玉になっている固定資産税の問題についてであります。
 まず、お聞きをします。今回の改正で税額が引き下げになる土地、据え置かれる土地、引き上げになる土地、三ランクに分けて、商業地等の宅地、小規模住宅用地、それぞれどういう割合になるのか、それをお答えいただきたいと思います。
○石井政府参考人 今回の改正によります税額の変動区分別の割合について申し上げますと、これは評価額ベースの割合でございますが、商業地等につきましては、引き下げが一七%、それから据え置きが三七%、それから引き上げが四六%でございます。それから小規模住宅用地につきましては、引き下げが五%、据え置きが三六%、引き上げが五九%でございます。なお、一般住宅用地につきましては、引き下げが三%、据え置きが二七%、それから引き上げが七〇%というふうになる見込みでございます。
○春名委員 小規模住宅用地については六割が税がふえる、一般住宅用地七割が税がふえるということになりました。
 調査室の資料を確認しておきたいと思いますけれども、先ほどの話とこれはダブるのかもしれないのだけれども、私が見たのでは、この調査室の資料で、「地方税法改正案に関する論点」という資料をいただきまして、この二ページ目に、全国ベースでは、平成十二年度推計において税額が減る地点が一七%、据え置きになる地点が三七%、増加する地点が四六%、こういう数字が出てまいります。これは要するに、全部の土地を平均してこういうふうになるという意味かなと私は今のお話も聞いて思ったのですが、この数字は間違いないかどうか、ちょっと確認をお願いします。
○石井政府参考人 今の数字は、商業地等につきましての評価額ベースの割合だと思います、地点数の割合ではなくて。
○春名委員 わかりました。
 いずれにしても、例えば小規模住宅用地については、先ほど平林さんも御説明されていましたけれども、額はわずかだからというふうに言っておられましたけれども、世帯で言えば、六割の土地ははっきり言って増税になるのですね。それから、一般住宅七割が増税になるのですね。それから、商業用地については四六%ですか、こういうふうになるということになっているわけであります。
 そこで、私は、本当にこれでいいのかなということを感じざるを得ないわけです。
 今回の評価がえの算定の基礎になっている指定市の基準宅地の価格の変動割合を見てみますと、三年前の数字で三九・八%下落をしている。今回は、それを基準にしてさらに三三・二%下落している。これが全国平均の数字なんです。こういう、かなりの部分で下落をしている中で、例えば小規模住宅用地で言えば、先ほど数字があったとおり、五九%が、約六割が上がってしまう、あるいは全体で四六%税金がふえてしまうという結果が出るわけです。
 前回の三年前と比べたら落ち方は三九%から三三%になっているが、それにしても、三三%の土地が下落をしているこの期間に六割、七割は増税になるというふうにこれはなる。増税という言い方は余り好ましくないのかもしれませんが、なるのですね。特に、小規模住宅用地というのは、住民が住むために必要な土地なんだという位置づけで特例ですね、六分の一。これがされている。その六割が、全国的に地価が下がっている状況の中で税はふえてしまう。
 だから、大臣どうでしょう、これは国民の納得が得られるのでしょうかということを率直に感じます。いかがでしょうか。
○保利国務大臣 これは、後から事務当局からもよく補足をさせたいと思いますけれども、私の認識では、固定資産税の掛けている率が非常に低いところがございまして、それは是正をしていかなければならないという考え方がございまして、それにのっとってやったものであります。
 一方、商業地等につきましては、大変厳しい経済状況の中で収益性が非常に落ちてきているということもありまして、固定資産税を下げろという動きがかなりありました。それから、高いところについては下げてほしいということがございました。その調整をやりましたので、今までうんと低いところは、少しずつですけれども上げさせていただいた。
 したがって、件数的に言えば、小さいところのたくさんの寄せ集めは件数は非常に多くなる。そんなふうに今考えておりまして、全体では、固定資産税そのものとしては減収、先ほど数字は三百二十億だったと思いますが、そのような減収になっているということでありまして、決して増税ということではなくて、固定資産税本来が持っております、均等に、どこも公平に負担をしていくということからいきますと、うんと低かったところをちょっとだけ上げさせていただいた、その数が多かったというふうにお考えをいただきたいのであります。
○石井政府参考人 ちょっと補足をいたしますと、今委員は、商業地等に比べて住宅地については引き上げになっているケースが多いじゃないかというふうに言われたわけです。
 御承知かと思いますけれども、住宅用地につきましては課税標準に六分の一を掛けているのですね。それから、二百平米を超えるものについては三分の一を掛けている。これは、私どもが言うのもなんですけれども、例えば政府税調等で議論をいたしますと、学識経験者の方からは、これほど小規模住宅用地等について税を軽減しているというのは世界に例がないのじゃないか、むしろもう少し適正化すべきではないかという議論もあるわけでございまして、私どもとしては、こういう大幅な軽減措置をしている、しかも、先ほど大臣も言われましたように、負担水準がやはり全国的に見ますとまだまだ、地価公示価格の七割を一〇〇として、今六分の一掛けていますから、上限が一六・七になっているわけですね。土地については、上限が一六・七。その一六・七に対して、さらにそのまた二、三割しか負担してないような住宅用地が結構全国にある。これを少しずつ上げさせていただいているということでございますので、御理解を賜りたいと思っております。
○春名委員 それは開き直りというものですよ。六分の一、三分の一もうやっているんだから少々高くなってもいいだろうと。しかし、さっき言ったように、三九%、三三%、ずんずん下がってきて、全体としては三百二十億円減収になっているわけでしょう。ところが、六割、七割の住宅地は増税になっているわけでしょう。どこが減っているんだ。大きな都心の中心部の商業地なんですよ、減収になっているのは全部。そうでしょう。もう構造はそうなっているのですよ、大体。それで納得できますかと言うておるのですよ。六分の一もうやって、最初から特例しているのだからいいじゃないかといって、そんな話になったらもうしまいですがな。それはおかしいです、そんな話したら。
 それだけの下落をしている中で、本当に負担がどんどんふえていく。このやり方でいくと、これからそういう負担水準が今低いと言われている部分は、五年も十年も十五年も必ず上がっていくというふうに自治省の方も言っていますけれども、これからも増税していくというふうになるのですよ。
 それで、ちょっとこれは本題が、時間がなくなってきて聞かなければいけないのですけれども、今度は、向こう二年度は例の七五%、三年目が七〇%。三年間で、八〇%から引き下げて、最初の二年間は七五%、三年目は七〇%、上限の部分は負担水準をそうやって引き下げていくわけです。これはどういう意味ですか。つまり、この七五%、七〇%にする根拠、数字の理由、これを教えてください。
○石井政府参考人 今回の改正では、御指摘のとおり、十二年度、十三年度が負担水準の据え置き措置の上限を、これは商業地等についてですけれども七五%、それから十四年度は七〇というふうにしたわけでございますけれども、これは十二年度以降の税負担について、おっしゃいますように地価の下落傾向も続いているということがございます。一方、住宅用地についてもいろいろ今御意見がございましたけれども、特に税負担感が高い都市部の商業地に配慮しようということで、平成九年度の評価がえから着手いたしました負担水準の均衡化を一層促進する観点から講じた措置でございます。
 その際、固定資産税は何といいましても市町村財政を支える基幹税目である、それから非常に市町村の財政が厳しいという状況にかんがみまして、負担水準の上限を一気に七〇%まで引き下げるのではなくて、十四年度まで段階的に引き下げることによりまして、市町村の財政運営に支障を生じないようにしようというふうな配慮をいたした次第でございます。
○春名委員 都市部の商業地に配慮したということと、基幹税目で余り下げ過ぎたらえらいことだということが二つの理由でした。
 では、下限を六〇%のまま据え置いているのはどうしてですか。六〇%というのはどういう意味があるのですか。そこを言ってください。短くお願いします。
○石井政府参考人 土地の評価がえを三年に一遍やっておりますけれども、前回の平成九年の評価がえの際に、商業地につきましては、負担水準の上限を八〇%にする、それから据え置きの下限を六〇%にするというふうに決まったわけでございまして、その後、地価がさらに下がってきている。しかし、その中で、上限の八〇%に張りついている都市部の商業地、これがいかにも、例えば負担水準が一〇〇%の都市部の土地も八〇までは下げたのですけれども、その後、地価が下がりましてもなかなかそれから下がらない、据え置きのままになっているということがございまして、そういうところに特に配慮した。
 なお、六〇については、一方で、なるべく負担水準の高いところは下げよう、それから負担水準の非常に低いところは徐々に上げさせていただこう、時間をかけて均衡化を図っていこうということですので、今回は、市町村の財政事情等も配慮しまして、六〇については据え置くというふうな総合的な判断をさせていただいた、こういうことでございます。
○春名委員 それでは全然説明になっていなくて、増税しながら取っていくわけですから、下限六〇%と、負担水準六〇%にするというのであれば、これからもずっとそういうふうにするのかどうか知りませんけれども、その合理的根拠を示してもらわぬといかぬのです。
 それから、八〇%に張りついている土地がたくさんあるから、もっと下げなければいかぬといって七五、七〇にする。そうしたら、これからは、下は六〇%にしておいて、上は七五から七〇へとだんだん下げていって、もっと下げるのかどうかその辺もよくわかりませんけれども、ではそれは、なぜ七〇%だったら七〇%にするのか。石原都知事の外形標準課税の問題は、ちゃんと理由を言えといって言っているわけですから。負担する者にとっては、なぜ下が六割、なぜ上が七割あるいは七五%、こういうふうになるのかという合理的説明を納税者にしてあげないと納得できないわけでしょう。
 さっき言ったけれども、六〇%のまま、下がそのままいくとしますね。そうすると、朝日新聞なんかにも出ていますけれども、そこから下の部分の固定資産税は、九年間は少なくとも必ず上がっていくだろうと言っていますよ。ほとんど小規模住宅地、庶民への増税がこれから九年間以上、六割に向けて上がっていくということになるのですよ。だったら、何でそこに向けてやるのかという理由を、本当に合理的にみんなが納得できるものにしないとだめでしょう。下落があるからどうのこうのと言うけれども、全然私は理解できません。
 もう一回ちゃんと、何で六割にするのか、何で七〇%までにするのか、その数字をあえて決めた理由を納得できるようにきちっと答えてください。
○石井政府参考人 固定資産税につきましては、委員も御承知のとおりですけれども、市町村財政を支えます基幹税目でございまして、市町村の基礎的な行政サービスを提供する上では、その安定的確保が必要不可欠だということでございまして、そういうことも配慮しつつ、平成九年以来、しかし、それにつけても固定資産税の負担水準が都市によって随分差がある、これを均衡化していこうということで均衡化を進めてきた経過がございます。
 そこで、なぜ六〇%かというお話がございましたけれども、いろいろな経過がございまして、非常に負担水準の高い土地、以前は八〇%を超すようなところもあったわけでございますし、また負担水準が一〇%、二〇%というところもあったわけでございます。しかも、例えば同じ東京都内をとりましても、地域によってそういうふうな差がある。やはりこれは同じく国民の方でございますから、商業地にしろ住宅地にしろ、できるだけ均衡化を図っていくのが正しい、必要だ、しかし急にはできないということで、上限を前回は負担水準を八〇にした、据え置きの下限は六〇にしたといったようなことでございます。
 今回もそれを受けまして、さらに均衡化を進める。上限は負担水準の八〇を七五、それから三年後には七〇にする、それから六〇以下の低いところは引き続き少しずつ上げさせていただく、六〇については据え置くというふうなことをしたわけでございます。この点は、やはり納税者の税負担感への配慮ですとか、あるいは現在の厳しい市町村財政の状況とか、さまざまな事情を総合的に勘案して定めたということでございまして、御理解を賜りたいと考えております。
○春名委員 そのさまざまな事情を勘案したということなのですが、本当に税を取って、これから九年は、今の仕組みでやれば、少なくとも六割以下のところはだんだん上がっていくのですよ。だから、なぜそこまでいくのか、なぜそこが合理的なのかというのを、一人一人の納税者の方に理解してもらわなければ納得できないですよ。
 今の議論で大体わかりましたけれども、将来の負担水準という考え方でこれから進むとしても、上は七割か七割五分ぐらいで下は六割というふうにするのであれば、それがなぜか。そこに納得がなければ、これから多くの部分はどんどん増税になるのですから、これはそういう仕組みになってしまうのですから。しかも、家計収入に占めている割合を見ると、全国的には、固定資産税、都市計画税の負担は、家計収入に占める割合はふえているのですね。
 確かに、地価下落が激しい大都市部は、経年度で見たら少し減っているのですよ。ところが、地方の都市部、〇・九三%だったのが〇・九七%に上昇、町村部、〇・五四%から〇・六〇%へ上昇、こういうふうになっているわけです。家計に占める固定資産税、都市計画税の負担比率も年々上がっておるのですよ。大都市部の商業地の高いそういう部分は、皆さんの政策判断で下がっていくかもしれないけれども、大部分はだんだん家計の中に占める税金の割合は上がっているのですよ。こういう状況ですから、改めて、まだこれからも上げていくという仕組みになってしまうわけだから、その合理的な説明を本当にしていただかなければ納得できないのではないかというふうに私は思っています。
 時間が来ましたので、最後に一つ提案をして、答弁をいただいて、終わります。
 固定資産税が物税という性格であるということを前提にしても、全国的な地価下落の中で、国民の生活用財産ともいうべき住宅用地の六割が増税になるということになると、やはり国民の理解を得られないと思います。しかも、その中には、現金収入のない人もいらっしゃいます。これらの人は、所得控除の恩恵もありません。ですから、前々から私たちは考えていたのですが、固定資産税の中に税額の控除という制度を導入することを検討していただきたい、このことを最後に提案をさせていただいて、御答弁をいただいて、終わりたいと思いますけれども、どうでしょうか。
○保利国務大臣 先ほどの中で、大都市の商業地の問題がございましたけれども、私たちがいろいろ要請を伺っておりますのは、大都市の商業地の主として中小企業の皆様方が、ぜひ下げてくれという切なる要望があったということをちょっとつけ加えさせていただきたいと思います。
 今の御質問でございますけれども、固定資産税は、資産の保有と市町村の行政サービスとの間に存在いたします受益の関係に着目をいたしまして、応益原則に基づいて、所有者にその資産価値に応じて課税をする市町村の基幹的な税として広く負担を願うものであるということであります。したがって、基本的には、所有者の所得の有無にかかわらず、資産価値に応じて課税することによって税負担の公平が確保されるものでございまして、担税力に着目した税額控除の制度はなじみにくいものと考えております。
 なお、貧困な状態によりまして生活のために扶助を受けている方々の特別の事情がある場合には、市町村の条例の定めるところにより、固定資産税を減免することが可能であることをつけ加えさせていただきます。
○春名委員 時間が参りましたので終わりますが、そういう御答弁をされると思っていたが、あえてこういう時代だということで提案をさせていただいた次第ですので、今の検討もお願いしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○斉藤委員長 次に、知久馬二三子君。
○知久馬委員 社会民主党・市民連合の知久馬でございます。
 私は、臨機応変なことができませんので、質問の中にたくさん重複する面があるかもわかりませんが、お許しを願って、通告どおりに質問をさせていただきたいと思います。
 私は、地方財政について、まず最初に抜本的制度改正についてお尋ねしたいと思いますが、九九年度末で百七十九兆円にも上る借入金残額が見込まれ、今地方財政は、五〇年代前半並びに七〇年代の後半に続く、戦後第三の財政危機に直面していると思うのであります。九一年末の借入金の残高が約七十兆円であったことを考えると、本当に短期間で百兆円を超すというような増加になっています。これは、政府の経済運営の誤り、数次にわたる景気対策に伴う公共投資における地方負担の増大、地方単独事業の拡大誘導、そして、大幅減税などによる政府の政策によってなされたものではないでしょうか。
 二〇〇〇年度の地方財政対策は、十三兆円を超える財源不足に対して、交付税特別会計借入金の増加、それから財源対策債や減税補てん債等の地方債の増発など、従来型の方式にとどまっているということです。私は、これは第三の財政危機にさらに拍車をかけるのではないかと思うのですが、地方財政危機の根本的な解決にはほど遠いものであると思うのであります。
 この際、国の責任として、地方交付税法の本来の制度にのっとり、抜本的な制度の改正を行う必要があるのではないかと思うのでございますが、その点につきまして、大臣の御見解を賜りたいと思います。
○保利国務大臣 地方交付税法に基づきます平成十年度から平成十二年度までの三カ年度の制度改正、国、地方のいわゆる折半ルールにつきましては、三年連続して地方交付税法六条の三第二項の規定に該当することとなった平成十年度の対策に際して、国も深刻な状況にございまして、交付税率の引き上げなどの恒久的な制度改正は難しいと考えられましたために、地方交付税の中期的な確保を図る観点に立ちまして、三カ年度の措置として、地方交付税対応分について国と地方が折半して補てんするという措置を講じたのでございます。
 平成十二年度の地方財政対策につきましては、引き続き大幅な財源不足が生ずることになりましたので、地方交付税法の今の六条の三第二項の趣旨を踏まえながら、一般会計からの加算措置、これは十一年度が五千五百億でありますが、十二年度は七千五百億と二千億ふやしていただきまして、そうした上で、地方交付税法に基づく平成十二年度までの間の制度改正によりまして、地方交付税対応分について国と地方が折半して補てんすることとしたものでございます。
 こういうふうに、国と地方で分け合うということは、やはり景気対策等は地方の景気を上昇させることにも資しますので、国、地方が折半して相協力してやっていくという姿がここに出ていると思います。
○知久馬委員 私は、この法制度を、抜本的に制度の改正を行うべきではないかなということをお聞きしたつもりなのですけれども、今私の聞いたのとちょっと何か答えが違うような気がしますけれども。
○保利国務大臣 失礼をいたしました。
 税制関係全体の大きな見直しということになりますれば、総支出のうち三分の二は地方が主管してやっておるという状況にかんがみまして、現在の税のあり方が国が三分の二、地方が三分の一というのは、大きく是正していかなければならない。地方分権の姿からいいましても、これは是正をしていかなければならないということは、大きな問題として、私どもも十分認識をいたしておりまして、今後いろいろな形でやっていかなきゃなりませんけれども、これは国の税体系を大きく変えていく仕事でございますので、各方面と相協力をしながら、こうした方向性を私どもは志向しながら努力をしていきたいと思っております。
○知久馬委員 わかりました。
 私は、このままの状態でいけば、借金王国というか、借金に借金が重なって本当に大変なことになるんじゃないかなと危惧しておりましたので、お聞きしたところです。
 最初に回答されたかもしれませんけれども、地方財政の中長期の見通しについてであります。
 二〇〇〇年度の地方交付税の総額二十一兆四千百七億円のうち法定五税分は十三兆二千六百六十三億円で、六二%にすぎません。毎年度、法定五税分では総額に足りない状況が続いており、その不足を補うため、交付税特別会計からの借り入れや法定加算でしのいでいるという状況でありますね。
 そこで、こうした応急的なやりくりではなく、安定した地方財源の充実確保へ踏み出しするためにも、制度改革への本格的な議論に踏み込んでいく必要があると考えるのですけれども、先がた答えがあったかもしれませんけれども、もう一度、どのような見通しを持っておられるのか、お聞きしたいと思います。
○保利国務大臣 これは先ほど御答弁申し上げましたとおりでありますが、非常に大きな税制上の改革になりますものですから、関係方面とよく協議をしなければいけませんし、大げさに言えば、国のあり方を決めていく議論になろうかと思います。
 同時に、これは地方分権という大きな考え方がありますから、それに沿った方向で検討していくということが私どもに課せられた任務であると考えております。
○知久馬委員 それから、先がたもあれだったんですけれども、国と地方の折半ルールについてなんです。
 二〇〇〇年度の地方財政は、通常収支分だけで九兆八千六百七十三億円の財源不足が生じており、九四年以降、七年連続して大幅な財源不足となり、今年度も地方交付税法第六条の三第二項の規定に該当する事態となっております。法人税の交付税率が三二から三五・八%へと引き上げられましたが、これはあくまで恒久的減税に係るものであって、通常収支の財源不足に係る交付税率の変更ではないと思うのです。
 九八年度に講じられた三年間の地方財政制度の改革、先がた話されたと思うんですけれども、財源不足額のうち地方交付税対応分を国と地方で折半して補てんするという、折半ルールによる本年度の補てん措置をとられていますけれども、私は、交付税率の変更、それから税源の移譲などの抜本的な改革が必要であろうと考えておりますが、この折半ルールについて来年度以降どのような方策をとろうとしておられるのか、そのお考えを聞きたいと思います。
 九八年から二〇〇〇年度までの三年間は交付税特別会計借入金の償還が繰り延べられて、折半方式で補てん措置がとられており、来年度からは特別会計借入金の償還も始まり、ますます財源不足に対する厳しい環境となってくると思うのです。午前中にも回答あったかもしれませんけれども、いま一度お願いしたいと思います。
○保利国務大臣 財源不足額がかなり大きくなってまいりまして、これに対しては大蔵省も随分心配をしていただいております。特に宮澤大蔵大臣が私に、地方の財政大変だねということをいつも声をかけていただいております。そのあらわれが、一般会計からの繰り入れということで、五千五百億を七千五百億にふやしていただいたというようなこともございまして、いろいろな措置を国としても考えてくださっていると思います。
 今度折半ルールというのが、今後どういうふうにやっていったらいいか、場合によっては六、四とか七、三とかということで国が負担をしていくように求めていくべきだというお考えもあろうかと思いますし、私どももそれは十分納得できることでございますが、とにかく国との話し合いでございますので、今後の大きな課題として私ども意識しておきたいと思います。
 特に、しかし折半ルールを立てること自体もなかなか難しい、大きな交渉をしなきゃならぬということを考えますと、困難性は大変ありますけれども、少なくとも折半ルールには持っていかないとまずいなと思っております。
○知久馬委員 大変難しいとは思うんですけれども、やはりある程度の見通しというものを立てていかないと、何か行き当たりばったりみたいな形の、そのときしのぎのあれじゃいけないんでないかなとも思いますので、お伺いしました。
 次に、交付税特別会計借入金の民間からの資金の調達についてお伺いします。
 今年度に予想される郵便貯金資金の大量の流出に伴う資金運用部の資金繰りの悪化対策として、地方交付税交付金の不足額八兆円を、交付税特別会計が資金運用部から新規に借り入れないで、民間金融機関から借り入れることとなっていますね。交付税特別会計による巨額の民間資金の吸収は、国債市場の需給悪化要因となって、長期金利を押し上げるなどの副作用が懸念される声も上がっております。
 資金の円滑な調達を確保することが重要だと思いますが、具体的にどのような枠組みで民間から調達することになるのか、明らかにしてほしいと思います。局長さんの方から、よろしく。
○嶋津政府参考人 お答えいたします。
 今御指摘のように、交付税特別会計の借入金が平成十二年度におきましては三十八兆円に到達するわけでございまして、御指摘のような資金運用部の資金事情から、平成十二年度における新たな借入分八兆円について民間から資金調達をしたいという申し出が財政当局の方からございまして、私どもの方も、異例な措置でございますので、いろいろとその点について内部でも大臣も含め検討させていただきました。
 財政当局の方は、予算委員会等でも大蔵大臣から御答弁いただいていますように、これを市中からの入札により資金調達をするということでございますので、市場に対してはいわゆる中立的に資金調達をするということでございまして、金融情勢からこの資金調達は可能であろうというふうに考えていただいておるわけでございまして、大蔵省の方においてその資金の手当てをしていただけるということでございます。
 私どもの方といたしますと、今までは、運用部から借り入れる場合には短期の借り入れでございますが、運用部は制度的に短期の借り入れはございませんので、長期の金利で借りているわけでございます。したがって、この入札によりまして、長期金利よりも利率が、これは仮定の話でございますのであれですが、一般常識からいいますと短期資金の方が低利なわけでございますので、そういうことによりまして交付税特会の利子負担も軽減されるならば、非常にこれは我々としても、いわばそういう効果があれば地方財政のためにもプラスになるんではないかというような形で、こういうやり方についてこれを受け入れる、受け入れるといいますか、財政当局と相談してこういうやり方を平成十二年度やっていこうということにしたわけでございます。
 今後、これは状況によりまして、そのやり方については財政当局ともよく相談をして、これは固定的ということではなくて、将来のことについては今後とも、将来の地方財政の状況をも考えた上で対処していきたいと考えております。
○知久馬委員 私、ちょっとわからないことがあるのですけれども、もちろん借り入れをすれば利息がかかるわけなんですけれども、その利息はどのような形で返済していき、どのような形になっていくのか、その辺のことがちょっと私自身がわかりませんので、教えていただきたいと思うのです。
○嶋津政府参考人 借入金につきましては、いわゆるどちらが負担するか、国が償還を負担するのか地方が負担するのかという、借り入れの際に分担を決めておりますので、それぞれの負担分についての金利は、国の負担分についての借り入れは国、地方の負担分における借り入れは地方が返すわけでございまして、したがって、三十八兆円にかかる利子につきましても、国負担分の利子とそれから地方負担分の利子という形で交付税特別会計の中に利子を計上いたしまして返していくということになります。
○知久馬委員 それで、私が本当に危惧するのは、ずっと借り入れ借り入れで借り入れていけば、いつまでたっても利子等もついていくわけなんです。本当にこのことがいつまで続くのかというようなことを考えたときには、何か本当に恐ろしくなりますし、地方の財政そのものが本当に大変だなということを思いますので、そこのあたりをしっかりと見詰めていかなければいけないというか、計画がなければいけないのじゃないかなと思うのですけれども、そこら辺は。
○嶋津政府参考人 三十八兆円の借入金というものの重さといいますか、そういうものは、御指摘のように、私どもも大変厳しく受けとめております。
 いわば実力ベースの交付税が、ことし十三兆強でございますので、地方負担分の二十六兆というのが、もう二カ年分のいわば実力ベースの交付税の額になっている、借入総額は三カ年分の交付税総額になっているということでございますから、こういうことについて、将来の財政運営について非常に大きな、いわば大変重大なことだと受けとめておりまして、大臣から御答弁しましたように、今後の地方財政の健全化に向けて真摯に取り組んでいかなければいけないものだと考えております。
○知久馬委員 わかりました。
 次の質問に行かせてもらいたいと思います。
 次は、小規模町村に対する交付税の算定方法の見直しということについてでございますけれども、これは合併問題に絡んだことだと思います。
 自治省が合併を促進する目的で小規模町村の交付税を削減していると、昨年の新聞だったと思うのですけれども報道されております。それについてお聞きしたいと思うのですけれども、「自治省が国から地方自治体に配分している地方交付税の算定方法を見直し、人口が四千人未満の町村への配分を一九九八年度から三年間かけて、段階的に削減している」「人口の少ない町村にとっては、教育や福祉など経常的に必要な財源である交付税が減る一方で、政府が市町村合併した場合の財政面での優遇措置を打ち出していることから、今回の措置は合併を推進する効果を持つ。」と述べております。
 同じ記事の中で、自治省側の見直しの理由が二点述べられていますが、要するに、算定方法の簡素化であると言われています。あめとむちで小さな町村の合併を誘導する、口では市町村合併はあくまで住民の主体性に基づいてと言いながら、どんどんこうした措置をとるというのはどうなんでしょうか。小さな町村にとって、交付税額が減ることは本当に大変大きな影響があります。
 私は、この小規模町村を対象にした算定方法の見直し以外に算定方法の見直しを考える余地があると思うのですけれども、自治省の見解をお伺いしたいと思います。
○橘政務次官 お答えいたします。
 規模の小さい団体ほど人口一人当たりの経費を割り増しする段階補正につきましては、実態に即した交付税算定の適正化を図るという観点から、地方分権推進計画に基づく算定方法の簡素化、簡明化の一環として平成十年以降順次見直しを行っておるところでありまして、これは市町村合併を推進することを意図したものではないわけでございます。
 ちなみに、平成十一年十月二十二日、全国市長会の緊急要望があるわけでございますけれども、市町村合併の強制を意図した地方交付税算定の見直しは絶対に行わないことという申し入れも受けておるところでございます。
 また、地方交付税法も、算定方法に関する意見の申し出という第十七条の四に、「地方団体は、交付税の額の算定方法に関し、自治大臣に対し意見を申し出ることができる。この場合において、市町村にあつては、当該意見の申出は、都道府県知事を経由してしなければならない。」「自治大臣は、前項の意見の申出を受けた場合においては、これを誠実に処理するとともに、その処理の結果を、地方財政審議会に、自治省設置法第十条の規定により地方交付税に関する事項を付議するに際し、報告しなければならない。」こうありますので、慎重な対応を我々は考えておるところでございます。
○知久馬委員 私は、町村合併というのは、確かにメリットもあるでしょうけれども、デメリットの方が多いのではないかなという気持ちでおります。
 それはなぜかといいますと、過去にも町村合併とか学校の合併とかというのはなされてきました。それによって、だんだん町が寂れてくるというか、そういうことになって切り捨てられていく村や町ができてきたのではないかなという思いがありますので、この合併というのは本当に慎重に考えなければいけませんし、地域の住民の声を十分聞いていかなければならないと思うのであります。
 それで、二〇〇〇年度以降の小規模町村に対する算定方法の見直し等については、どうなっておるのでしょうか。その辺のこともちょっとお伺いしておきたいと思います。
○嶋津政府参考人 午前中もお答えしたところでございますが、小規模町村に対する段階補正の見直し等につきましては、平成十年度から見直しをしておりますが、それぞれ費目に応じまして決算統計等を分析しまして、見直しをすべきだというふうな費目についてやっているわけでございます。
 したがいまして、今十年、十一年で一応の費目についてやりました。十二年度分についてもこれから検討いたしますが、例えば高齢者に係る社会福祉費みたいな費目について検討してみましたところ、そういう小規模団体になるほど経費のかかり増しの傾向があるというような分析結果が出ておりますので、そういう費目だとなかなか難しいなという感じでございまして、できれば、そういう決算統計等の分析を通じて、合理化になるような費目についてやるという基本方針で対応しているところでございます。
○知久馬委員 言われるとおりだろうとは思いますけれども、そこのあたりを十分に考慮していただいて、小さな市町村でも、そこの町に住んでいて本当によかったと言えるような町をつくっていくというのが私は大切だろうと思いますし、介護保険の問題等に、ちょっと話が違うかもしれませんけれども、自分の家で一生を全うしたいという介護を受ける人たちだってあるわけなんです。本当にそこに暮らした人たちが生き生きと暮らせるために、しっかりとした見通しを立ててほしいと思います。
 もう済んでしまったんでしょうか。
○斉藤委員長 はい、時間が参りました。
○知久馬委員 済みません。まだたくさん残っていましたけれども、仕方がないです。済んでしまいましたので、きょうはこれで終わらせていただきます。次に回します。
○斉藤委員長 次回は、来る二十八日月曜日午後五時五十分理事会、午後六時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二十分散会