第147回国会 法務委員会 第16号
平成十二年四月二十六日(水曜日)
    午前九時五分開議
 出席委員
   委員長 武部  勤君
   理事 笹川  堯君 理事 杉浦 正健君
   理事 与謝野 馨君 理事 横内 正明君
   理事 北村 哲男君 理事 日野 市朗君
   理事 倉田 栄喜君 理事 木島日出夫君
      太田 誠一君    奥野 誠亮君
      金田 英行君    木村  勉君
      熊谷 市雄君    左藤  恵君
      菅  義偉君    園田 博之君
      藤井 孝男君    山本 公一君
      山本 有二君    渡辺 喜美君
      枝野 幸男君    坂上 富男君
      漆原 良夫君    安倍 基雄君
      青木 宏之君    西村 眞悟君
      保坂 展人君
    …………………………………
   法務大臣         臼井日出男君
   法務政務次官       山本 有二君
   会計検査院事務総局第一局
   長            増田 裕夫君
   会計検査院事務総局第三局
   長            白石 博之君
   最高裁判所事務総局刑事局
   長            白木  勇君
   政府参考人
   (国家公務員倫理審査会事
   務局長)         石橋 純二君
   政府参考人
   (警察庁長官官房長)   石川 重明君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    林  則清君
   政府参考人
   (警察庁交通局長)    坂東 自朗君
   政府参考人
   (法務大臣官房司法法制調
   査部長)         房村 精一君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    細川  清君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    古田 佑紀君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    鶴田 六郎君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  横山 匡輝君
   政府参考人
   (法務省入国管理局長)  町田 幸雄君
   政府参考人
   (文部省高等教育局長)  佐々木正峰君
   政府参考人
   (社会保険庁次長)    高尾 佳巳君
   政府参考人
   (建設省河川局次長)   高橋 健文君
   政府参考人
   (建設省道路局次長)   倉林 公夫君
   政府参考人
   (自治省行政局選挙部長) 片木  淳君
   法務委員会専門員     井上 隆久君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十六日
 辞任         補欠選任
  加藤 紘一君     山本 公一君
  保岡 興治君     木村  勉君
同日
 辞任         補欠選任
  木村  勉君     保岡 興治君
  山本 公一君     加藤 紘一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件

    午前九時五分開議
     ――――◇―――――
○武部委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として国家公務員倫理審査会事務局長石橋純二君、警察庁長官官房長石川重明君、警察庁刑事局長林則清君、警察庁交通局長坂東自朗君、法務大臣官房司法法制調査部長房村精一君、法務省民事局長細川清君、法務省刑事局長古田佑紀君、法務省矯正局長鶴田六郎君、法務省入国管理局長町田幸雄君、法務省人権擁護局長横山匡輝君、文部省高等教育局長佐々木正峰君、社会保険庁次長高尾佳巳君、建設省河川局次長高橋健文君、建設省道路局次長倉林公夫君、自治省行政局選挙部長片木淳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○武部委員長 次に、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、会計検査院事務総局第一局長増田裕夫君、会計検査院事務総局第三局長白石博之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○武部委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所白木刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○武部委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂上富男君。
○坂上委員 坂上でございます。
 まず、ロースクール、法科大学院構想について、文部省と法務省、それから法制審議会にも質問をさせていただきたいと思っております。
 報道によりますと、この二十四日に文部省はロースクールの基本的な考え方について構想を決めたというような報道がなされております。また、司法制度改革審議会は二十五日、文部省あるいは大学の関係者、法曹三者、同審議会の委員らでつくる会議に、入学者を選ぶ方法、教育内容、体制など具体的な検討を依頼することを決めて、九月までに結論を出してもらい、さらに審議会で論議した上で、秋の中間報告に見解を盛り込みたい考えだ、こういうような報道が出ております。
 にわかにこの問題がクローズアップされまして、関係者の間ではいろいろと議論がなされておるわけでございますが、まず、総論的に、全体的に今どんな状況になっているのか、御答弁いただきましょうか。
○房村政府参考人 ただいま先生から御指摘のありましたように、法曹養成の一環として、専門的な職業人を養成するための法科大学院、いわゆる日本版ロースクールでございますが、これが、司法制度改革審議会あるいは大学において現在検討されております。それで、昨日の司法制度改革審議会の審議におきまして、これからの二十一世紀を担うに足る法曹を養成するためのいろいろな検討の中で、この法科大学院構想が非常に有力な方策ではないかということでほぼ意見が一致をいたしました。
 ただ、その法科大学院の内容、あるいは入学選抜の方法といったものについては、専門的、技術的な面も含めて具体的内容をさらに十分検討する必要がある、その検討の結果を踏まえて、司法制度改革審議会でさらに最終的な結論を出す必要があるだろうということになりまして、文部省において大学関係者及び法曹三者の参画のもとに適切な場を設けてそのような専門的検討を行った上で、本年九月ごろまでに資料としてその結果を提出することを依頼するということになりました。
 したがいまして、今後、それを受けまして、文部省において、大学関係者あるいは法曹三者の参画のもとにその検討が進められるということになろうかと思っております。法務省といたしましても、その検討にできるだけの協力をしていくというような状況でございます。
 こんなところでよろしいでしょうか。
○坂上委員 文部省はどういう基本的な考え方をお持ちなんでございますか。何か二十四日にはその考え方を決めたというようなあれが出ていますが、できるだけ詳細にお話をいただきたいと思います。
○佐々木政府参考人 社会の法的ニーズの飛躍的増大に的確にこたえるためには、法曹の質と量の強化が求められておるわけでございます。
 このような中において、大学における法曹養成ということを考えた場合、我が国の大学における法学教育が、一般的には法的素養を持ったゼネラリストの養成を主眼として行われているということもございまして、必ずしもこれに的確にこたえるような状況にはなってございません。
 そういったことも踏まえまして、平成十年十月の大学審議会答申においては、高度専門職業人の養成に特化した実践的な教育を行う大学院の設置を図る観点から、例えば、経営管理、法律実務、ファイナンス、公共政策などの分野においてそういった大学院を設置する必要があるということが提言をされたわけでございます。その一環といたしまして、例えばロースクール構想などについて広く関係者の間で検討していく必要があるというふうなことが大学審議会で言われたわけでございます。
 これを受けまして、文部省におきましては、法学教育の在り方等に関する調査研究協力者会議を発足させ、関係者からのヒアリングなども行いながら、現在、法曹養成を含めた法学教育の改善について幅広く検討を進めておるわけでございます。
 ここにおきましては、法学専門教育と法曹養成とのかかわり、学部と大学院との関係、カリキュラム、教員組織、その他教育体制やその充実のための条件整備、法学専門教育の改善との関連での法曹養成のあり方等について検討を行っておるわけでございますが、現時点で、文部省としてロースクール構想についての成案を得ているわけではございません。現在も検討が行われているわけでございますが、一方におきまして、司法制度改革審議会において、いわゆるロースクール構想について、昨四月二十五日における審議の結果、文部省に対し、大学関係者及び法曹三者の参画のもとに、専門的、技術的な検討を行うことを依頼することが決定されたと聞いておるところでございます。
 文部省といたしましては、今後、審議会からの依頼の内容をも踏まえながら、関係機関とも十分連絡をとりつつ、具体的な検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○坂上委員 文部省に、ちょっと詰めながら聞かせてください。
 まず、二年ないし三年制の大学院、それから専任教員の一定数は法律実務家とする、創造的な思考力や討論する力を養うカリキュラムを主眼として、二〇〇三年の開校を目標としている。こういうような考え方が基本的にほぼ固まったというような報道でございますが、この点どうですか。
○佐々木政府参考人 先ほど申し上げました法学教育の在り方等に関する調査研究協力者会議におきましては、現在具体的な検討を進めておるわけでございます。
 例えば、教育内容、教育方法について、これは、この協力者会議を構成する委員の方々の意見といたしましてこういった内容の意見があるということでございまして、協力者会議としてそのように決定をしたというわけではございませんが、意見といたしましては、例えば、実践的なカリキュラムの編成が必要であるとか、具体的な教育内容としては、基本科目の体系的理解と応用能力、先端的法科目のほか法曹倫理の教育が必要であるとか、教育方法としては、ケースメソッド、演習など少人数教育を重視した多様な授業形式の工夫が必要であるとか、教員組織については、一定数の実務経験者を含む十分な数の専任教員の配置が必要であるとか、あるいは学生の受け入れについて、学部での履修状況や学業成績を重視するなど、極力受験技術の巧拙に左右されないものとする工夫が必要であるとか、法学部以外の他学部出身者も積極的に受け入れるべきであり、また社会人等の受け入れについても配慮が必要である、さらには、修業年限については、二年とするべきである、あるいは三年とするべきであるというような意見があるわけでございます。
 これらはいずれも委員の意見として開陳をされたものでございまして、繰り返しになりますが、協力者会議として具体の決定あるいは成案を得ているわけではございません。
○坂上委員 確かにまだ成案として固まっているわけではないだろうと思うのでございますが、いろいろの意見が出ておりまして、その意見を集約されつつあるのだろうと思っておるわけでございます。
 今、文部省の大体のお考え方はわかりました。これについて、法務省としてはどんな考えをお持ちなんでございましょうか。
○房村政府参考人 ただいま文部省の方から説明がありました法学教育の在り方等に関する調査研究協力者会議には、法務省もオブザーバーとして参加をしておりまして、そこでの議論を承っております。
 ただいま高等局長の方から御説明ありましたような意見、いろいろ出ております。私どもとしても、まさにそういった点についてこれから議論をし、検討をし、法曹養成のために真に役に立つような法科大学院というのはどういうものなのかということを、検討を進めていきたいと考えているところでございます。
○坂上委員 そこで、私は、この問題は問題点は二点になるんじゃなかろうかと思っております。
 まずその一つは、法科を持っておるところの大学というのが九十三あるそうでございますね。その中から十ないし二十ぐらいのところに設置をするというようなことが語られているわけでございます。都道府県四十七でございますから、三つの県で一件ぐらいかな、こうも思われるわけでございます。
 それから今度は、いま一つの問題は、司法試験、いわゆる司法修習生、あるいは法曹への道を開く方法といたしまして、大学院を修了した諸君については、いわゆる面接を中心に思考力や倫理性を見る試験をひとつ設けたらどうだろう、司法試験とは別に決めよう、こういう構想のようでございます。
 この二つは、大変これから議論を呼ぶ問題だろうと思っておるわけでございまして、私は、二つなり三つなりの県に一つこういうところをつくる、このことも、大学の評価にもかかわったり、これからの法曹の養成にもかかわる大変重要な問題になってくると思っておりますものですから、やはりこの辺は問題点として少し指摘をしておかなければならないのじゃなかろうか。どの学校に置いてどの学校に置かないということになりますと、いささか私は問題が出てくると思っております。
 と申し上げますのは、いわゆる審議会が検討を依頼したということの中に、四項目めにこう書いてあるのですね。「経済的に苦しい人や社会人、ロースクールが設置されなかった地域の人にも法律実務家になる機会を保障する」というのですね。これはどういう保障の仕方をするのか。夜間の制度も設けるとかいろいろ言われておりますが、こういう点が、これから読むと、いわゆる選ばれた学校、選ばれた地域しかロースクールができない。それから、今度「入学者を選抜するときは、他学部・他大学の出身者や社会人らを受け入れるよう配慮する」、こういうことでもあるのですね。もちろん、その前提として、「全国に適正に配置する」ということはあるのでございますが、果たして、適正配置なんというのは、言葉としては出ましても、いわゆる各論になりますとどうなるかというと、これはまた相当問題だろうと思っておるわけであります。
 そこで、まず文部省にお聞きをいたしますが、都道府県の中にこの大学院を十ないし二十にするというような構想になっているのか、それから、経済的に苦しい人や社会人、ロースクールが設置されない地域の人というのはどういうのを指すのか、この辺も、わかる範囲で御答弁いただきたいと思います。
○佐々木政府参考人 現在、検討を進めておるわけでございまして、具体にロースクールとして形が決まっているわけではないわけでございます。ロースクールとしてどのような教育内容、教育方法をとるのか、また、そのための教員組織をどのように整えていくのか、さらには、施設設備としてどのようなものを求めるのか、そういう具体的なロースクールのあり方というものが決まって初めて、具体の大学としてどの大学がロースクールを設置することができるのかということも決まってくるわけでございます。したがいまして、現時点において、ロースクールの数が全国で数十であるというようなことを申し上げる段階にないことを御理解いただきたいと存じます。
 したがいまして、ロースクールのある地域、ない地域というようなことも現在申し上げるような状況にないわけでございますが、今現在検討しておりますロースクール構想におきましては、法曹養成に特化した大学院教育としてこの問題を考えるというのが委員の一般的な理解でございます。
 ということであれば、法学部出身者というものがロースクールに入ってくるということは当然あるわけでございますが、と同時に、例えば文学部であるとかあるいは理学系の学生といったような方々もロースクールに入りたいというふうな希望もあるかもしれません。さらには、一遍社会に出た方がロースクールに入ってくるということも当然考えられるわけでございます。そういった方々の門戸を閉ざさないで幅広く受け入れていくこともまた必要であるということで議論がなされているということもございます。
 そういったさまざまな要請というものも視野に入れながら、この問題については検討してまいりたいと思ってございますが、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、司法制度改革審議会から、この問題につきましての専門的、技術的な検討が依頼をされたということを踏まえて、今後どのように検討をしていくのかについては、関係省庁とも相談をしながら考えてまいりたいと思っておるところでございます。
○坂上委員 さらにちょっと、わかったらお答えください。この大学院を十や二十というふうに限定したわけじゃないというお話です。では、人数についてどういう構想を持っておられるのか。それから、私立と公立との関係なんかはどう思っておられるのか。特に、今ある修士課程の大学院、博士課程の大学院、この中の法学のことと今の構想との関係はどういうふうになるのか。重なるのか、あるいは別々の構想なのか、その辺はどんな構想なのですか。
○佐々木政府参考人 まず、ロースクールの収容定員の関係でございますが、これにつきましては、法曹としてどの程度の需要というものがあり、どの程度の養成をするのかということにかかわってくる問題であり、また、その修了者が法曹につく、そのため現在司法試験があるわけでございますが、そういった司法試験との関連をどのように考えるか等によって決まってくる問題でございまして、現時点において、ロースクールをどの程度の規模とするかについて具体的な考えがあるわけではございません。
 それから二点目の、公私立の関係でございますが、御案内のように、大学院修士課程の設置につきましては文部大臣の認可が必要なわけでございます。したがいまして、その具体の構想が明らかになった場合に、その時点で公私立大学から申請を待って設置認可を行っていくということになろうかと思います。
 現在置かれている修士課程等との関係でございますが、これにつきましても、ロースクール構想をどう考えるかによって違いがあるわけでございますが、このロースクール構想とは別に、先ほど申し上げました高度専門職業人の養成に特化した大学院修士課程、いわゆる専門大学院につきましては、これは教員組織やカリキュラム等について、既存の修士課程とは異なる設置基準を設けてございます。したがいまして、既存の修士課程が専門大学院としての教育、研究を行うという場合には、改めて設置認可が必要であるというふうな考え方をとっているところでございます。
 したがいまして、ロースクールについても、一般論で申しますれば、既存の修士課程とは異なる教員構成等が求められることから新たな設置基準を構想するということになりますので、既存の修士課程においてロースクールにおけるような教育を行う場合には、改めて設置認可等を求めることになろうと考えているところでございます。これは、あくまで現時点の考え方であることを御理解賜りたいと思います。
○坂上委員 そこで、法務省でございますが、司法試験との関係、それから面接を中心とした試験になるだろう、こういう報道がなされているわけでございますが、法務省はどういう構想なんでございましょうか。
○房村政府参考人 現在、法律家になるためには、まず司法試験に合格していただいた上で修習をするということになっております。今構想されております法科大学院というのは、そういう司法試験の前の段階の教育内容をいかにするかということが検討されているわけでございます。
 試験といいますのは、常に教育の成果を判定するためにされるという性格もございますので、新たな教育の方法あるいは内容が考えられれば、それに応じた試験の内容というものも検討をする必要が生じてくるだろうとは思っておりますが、まだ現在、法科大学院が具体的にどうなるかということが検討をされているさなかでございますので、私どもとして、司法試験を今後こういうことにするんだというようなことをいまだ具体的に検討する段階には至っておりません。
 法科大学院構想の検討に参加をさせていただき、次代の司法界を担う法曹をどうやって養成するかということを検討する中で、そういう教育にふさわしい試験のあり方というものも今後検討をしてまいりたいと考えている段階でございます。
○坂上委員 私は、全く漠然とした考え方でございますが、これはまかり間違いますと、いわゆる司法試験準備のための予備校と司法研修所のやり方、これを折半したような程度になっちゃって終わるんじゃなかろうか、実はそんなような気がするわけでございます。
 でありますから、もちろん慎重な検討がこれから行われると思うのでございますが、ぜひそういう点も踏まえながら、果たしてどちらがいいのか、ちょっと私も全く意見を申し上げるだけの知識も見識もありませんけれども、そんなようなことが問題になるんじゃなかろうかと思いながら、さらに今後、ぜひ成果のある構想がひとつ練られますことを期待いたしたいと思います。
 そこで法務大臣、今の問題点について何か御感想か何かありますか。
○臼井国務大臣 ただいまいろいろ、委員の御質問に対しまして文部省そして私ども法務省の方からお答えをいたしましたが、これはまさに問題提起がされた現段階でございまして、細かい点につきましては、今後審議会と緊密な連携をとりながら検討していく必要があろうと考えております。委員御指摘をいただきましたような点も含めて、今後しっかりと考えていきたいと考えております。
○坂上委員 これはこれでひとつ御検討を賜りますようお願いをいたしまして、沖縄県警の飲酒検問数値変造事件についてお聞きをいたします。
 前回も御質問をいたしました。それで官房長から御答弁がございました。そこで、数日前に大変ショッキングな話も報道されておるわけであります。
 というのは、マニュアルに決められた書類の確認をどうも十分していなかったんじゃなかろうか。〇・二五ミリのものが〇・九に上がっておった。そこで、これが交通課に回されまして、決裁の判を押した人が三人あって、このうちの一人は、もう部下の判こが押してあるから、ほとんど見もしないでオーケーと判を押した。それからいま一つは、検知器の数値と書類を見て、ああそうかといって、そのまま通してしまったというようなことが報道をされておるわけでございます。
 こういう場合、交番を通じて、あるいは交通の検知カード、検知器が回るんだそうでございますが、一体、だれとだれがどういう決裁をして、これを処罰するという方向に行くのか。そして、この場合はどんなようなことがあったのか。どうもこの間の答弁と少し違うような気がいたしますが、どんなでございますか。
○坂東政府参考人 まず、一般的な飲酒運転違反を交通切符処理する場合の流れについて御説明したいと思いますけれども、違反を取り締まった警察官は、警察署の方に引き継ぎます。それを引き継ぎを受けました警察署におきましては、交通課の担当係長あるいは交通課長等によりまして、交通切符等の書類の点検、さらには、交通切符ごとに記載されました飲酒の測定濃度と検知管の測定濃度との照合、こういったものの審査を行います。その後、警察署長等の決裁を受けるということになっておりまして、その後は、関係書類等が区検察庁、あるいは最寄りに駐在いたします司法警察職員、私どもはこれを常駐警察官と申しておりますけれども、この常駐警察官に引き継がれる。その常駐警察官におきましては、引き継ぎを受けた書類等の点検を行いまして、送致をするということになっております。
 そこで、今回の沖縄県警の場合でございますけれども、警察署段階においては、残念ながら発見できなかったというものでございますが、引き継ぎを受けましたいわゆる常駐警察官において、そういったそごというものを発見したというものでございます。
○坂上委員 何で発見できなかったんですか。
○坂東政府参考人 沖縄県からは、現在、なぜそういった形で発見できなかったかということを調査中ということの報告を受けております。
○坂上委員 変造事件、しかも私たちが想像できないようなことをしておったというような事態。そして、それだけでなくて、この間の答弁では、こういうようなことをしたって直ちに発見できるというような御答弁だったように私は記憶にあるのでございますが、何か三人の人が決裁のための検査をして、そのうちの二人の人がいずれもこれを見逃しておった、一人の人はどうしたのかちょっとわかりませんが、報道では二人のことが報道をされておりました。
 そういう観点から見たら、こういう問題というのは直ちに判明をして御答弁いただくようにしなければ、これからも起きないとも限らぬ問題でございますから、ひとつきちっと対応していただきたい、こう思っております。
 それはそれで結構です、もうお出かけいただいて。
 それから、あわせまして、警察への苦言になりますが、三重県警の鳥羽警察署の、窃盗容疑者について、五人の人が容疑者となったんですが、多分逮捕されたんだろうと思うんですが、その後、どうも証拠不十分ということで不起訴処分になった、こう問題化しております。
 それから、宇和島で、裁判にかかっておりまして、しかし検事が無罪の論告をした、しかも、これは誤認逮捕から発展をしてきた、こういうふうに言われておるわけであります。
 私は、三重県警の問題と宇和島の問題は、まさに共通しておる問題じゃなかろうか。これはいずれも関係者が、最初の自白があったんだろうと思うんです。自白があったから逮捕された。しかし、物証の裏づけがないということで不起訴にされたり、無罪論告をせざるを得なかった。どうも捜査の中に無理があるんじゃなかろうか。特に自白をとる上において問題があるんじゃなかろうか。非常にこの二つの、一つだけならまだまだあれでございますが、二つ、どうも共通な部分があるんじゃなかろうかということを私はちょっと気にしておるわけでございます。この点について、警察庁としてはどのようなお考えでこの問題を見ておられるか、御答弁をいただきたいと思います。
○林政府参考人 ただいま御指摘の事案につきまして現在まで把握されておる状況は、まず三重県鳥羽警察署の事案でありますけれども、これは本年一月、別件で逮捕、勾留中でありました兄弟二名の被疑者が、余罪として、仲間たちとドライブインで窃盗を敢行したという旨の自供をしたものであります。両名の自供が具体的で符合しておりましたことから、被疑者二名の供述した共犯者をこの供述に基づいて五名を逮捕したということであります。その後、その兄弟二名の方は一貫してその供述を維持しておりましたが、新たに逮捕した五名は否認を続けておりました。こうした状況が続く中、御指摘のように、検察庁において不起訴処分がなされたということでございます。
 それから、愛媛県宇和島署の事案でありますけれども、これは平成十年十月末に、ある住宅から通帳と印鑑が盗まれ、農協からそれによって預金が引き出されたという窃盗事件でありますが、宇和島警察署では、農協の防犯ビデオの画像がよく似ているという被害者の女性の証言に基づいて、昨年二月、被害者の交際相手であった男性を調べたところ、本件を自供したというものであります。自供のとおりに所有車両から現金入りの封筒が隠されておったのを発見したことなどから、この男性を逮捕した。その後、検察庁において公判請求をされておる。御指摘のように、本年一月に至り、高知県警が逮捕しておった別の被疑者が本件犯行を供述したために改めて捜査を行ったところ、真犯人と認められたことから、その旨を検察庁に連絡した。本件につきましては、四月二十一日の公判で検察側から無罪の論告が行われたと承知しておりまして、同日、愛媛県警察においても、警察本部長が記者会見をしておわびを申し上げたというのが経過でございます。
 そこで、議員のお尋ねでございますけれども、御指摘のように、被疑者の供述につきましては、任意性を確保するというのは当然のことでありますけれども、やはり十分に供述内容を検討して、裏づけ捜査をしっかり行って、客観的証拠を収集して信用性を維持するということが、これは言われるまでもなく重要なことでございます。御指摘の事案については、裏づけ捜査がもう少し徹底しておれば違った結論になったかもしれないと思われ、そういう意味では、捜査としてまことに残念に思っておるところでございます。
 警察庁としましては、供述の任意性、信用性の確保と客観的証拠による裏づけ捜査の徹底、その他現場鑑識活動の徹底とか緻密な捜査の推進に向けて、各都道府県警察において、今後、捜査管理、捜査指揮の基本的な事項が実践されておるかどうかということを、指示、通達を流すだけじゃなくて、実地に点検をして指導してまいる制度を新たに確立するなど、こういうことのないように指導の強化に努めてまいりたい、そういうふうに考えております。
○坂上委員 必ずしも事実を的確に私が把握しての質問ではございませんが、二つの事件ともに別の犯人が出た、したがってこういう結果が出たというような感じがいたします。でありますから、私たちも実務をやっておりまして、自白を強要されたんだ、したがって供述調書は任意性がない、よって本人が自白したことは信用してはならないんだということを幾ら裁判所に訴え、立証しようとしても、他に客観的な主張をする裏づけの証拠がないとなかなかこれは通らぬのが実務です。
 したがいまして、結果的に私たちは、あるいは被告人が言うていることは事実かもしらない、しかしながらなかなか立証することができない、そうだとするならば、被告人が望んでいるならば、このまま認めて、執行猶予にして早く出してもらう方があるいは被告人のためになるんだろうか、あるいは、もっともっと勾留を我慢しながら闘っていった方がいいのかということは、常に実務をやる上において悩みのあるところでございます。
 私は、本当に、こうやって最近、警察問題がいろいろと議論をされ出してきており、捜査上の問題点があらゆる点から指摘をされておりますことは、それはそれなりにいい傾向だと思っておるわけでございます。でありますから、今、刑事局長がおっしゃいましたとおり、本当に私たちは、単に犯罪者をつくり出すんじゃなくて、適正なる法の執行を期待しておるわけでございますから、まさに百人の有罪を逃すとも一人の無辜の人を罰してはならないというような言葉がありますが、こういう点から見ても、この際、今回のこういう警察の不祥事関係等を省みてみまして、自白強要にわたらないということは厳にひとつ心して捜査をしていただかなければならない問題だと思っておるわけでございます。
 したがいまして、警察から仮に任意性のない自白が検察庁に送られましても、検察庁はそのまま受け取られまして、そのまま起訴されるというようなこと、法廷で我々がいかにその主張をしてもなかなか裁判所に受け入れられない。そして、結果的に有罪になる。しかし、弁護人の気持ちとしては、もっと何かないだろうか、私らの力が足りないんじゃなかろうかという反省にもかかわるわけでございます。
 でありますから、私は、今回、こういうような問題点をいろいろと報道され指摘をされております観点から見て、検察の方も、それから警察の方も、それから、裁判所はおられませんが、裁判の方においても、本当に自白が強要にならないように、任意の自白に基づいた裁判が行われ、捜査が行われているかというようなことを十分ひとつ御認識と御検討をいただきたい。そのことが警察への信頼、裁判への信頼、検察への信頼になろうかと思っておりますが、こういう点について、法務大臣とされまして、今指摘したような点を踏まえまして、ひとつ所信などを述べていただければと思います。
○臼井国務大臣 今、委員御指摘をいただきましたこの件につきましては、こうした事態が起こったということは大変残念なことでございまして、こうした事由をしっかりと反省をしながら、二度とこうした事態が起こらない努力というものをさらにしていかなければならない、このように考えている次第でございます。
○坂上委員 話はちょっと趣が変わりますが、この間、私は、私の選挙区をちょっと回りましたら、長い間警察にお勤めになった御婦人の退職警察官の方にお会いをいたしました。お話ししながら、私の直観でございますが、現場において婦人の警察署長というのはおるのだろうかなとふと思いました。
 私は、今回のいろいろの不祥事問題を考えてみまして、警察においてはなかなか婦人が幹部に登用されることが少ないんじゃなかろうか。学校は、女性の教頭先生あるいは校長先生なんかは相当出ているのですね。警察は一体、婦人の署長というのはおられるのでございますか。そして、やはり、こういうふうに婦人の方から出てもらうと、また警察行政というものが、国民の見る目が変わってくるんじゃなかろうかなということをこの間歩きながら私は感じたのでございますが、これはどんなふうに婦人登用問題をお考えになっておるのか、何か問題点があるのか、ひとつ率直な御意見を御答弁としてお願いしたいと思います。
○石川政府参考人 警察におきましては、従来から、男性、女性の別を問いませんで、昇任試験で公平に幹部への登用を行っているということでございます。
 全国の都道府県警察の女性警察官の状況でございますけれども、ここ十年で約二倍になっております。人員で申しますと、ことしの四月一日現在の数字でございますが、全国で都道府県警察に勤務する女性警察官は八千五百人ということになっているわけで、職域も、かつては交通の関係とか少年の関係あるいはデスクワークといったようなことが主体だった時期もあったわけでございますが、今は刑事とか鑑識とか、いろいろ現場でも活躍をしている、そういう職域も大幅に拡大してきているところでございます。
 既に、警視庁におきましては、平成六年に女性の警察署長が誕生しております。今申し上げましたように、女性警察官も増加をしておりますし、その中で幹部に登用される女性警察官の数も今後ますます多くなっていくだろう、こういうふうに見込まれるわけでございまして、今後とも、男女の別を問わず、能力に応じまして、警察署長あるいは本部の所属長を含めまして、適材適所の配置あるいは登用になるように、都道府県警察も考えておると思いますし、私どももそのように指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○坂上委員 これは要請でございます。いろいろ試験もあるんだそうでございますが、この際、都道府県四十七の中に、各所一人ばかりずつ本当に抜てきをして署長にしたって決して悪いこともないだろうと僕は思っておりますが、その辺も御検討いただきたいと思います。警視庁で一人ですか、お二人ですか、あられると。一人程度じゃ本当に象徴的な存在でしかありませんで、ある程度一般化するように、せめて都道府県一人ばかりずつ署長さんに婦人の方を登用する、それぐらいの勇断があっていいのじゃなかろうかと思いますが、どうですか、難しいですか。
○石川政府参考人 現在、全国で警視の階級にある、大体署長は警視の階級にある者が多いわけでございますが、婦人警察官は二名でございます。警部の階級にある女性警察官は三十数名いると思いましたが、こうした方々の中から、それぞれ実務なり経験を積んで、そして適材適所という観点から署長にも登用されていく方が今後出ていくだろう、このように思っております。
○坂上委員 この点の質問はいたしませんが、やはり署長というのはその地方の顔なんですね、住民が信頼をする。そして、私は、署長さんの顔というのは非常に重要な意味を持ってくるんだろうと思いますので、ぜひひとつ、私からも要請をいたしますので、御考慮していただきたいということを申し上げておきたいと思っております。
 さて、これはちょっと嫌な話でございますが、会計検査院からお出かけをいただいております。新潟県警のキャリア組の問題でございますが、女性長期監禁事件におきまして、新潟の監査委員会が監査をされました。しかしながら、国家公務員にかかわる警察官の問題については監査の対象になりませんでした。
 それで、前に私が会計検査院に御質問をいたしましたところ、現在調査をいたしておりますというようなお話でございました。どんな程度の調査が進んでおるのか、そして、その調査の結論はいつごろ出てくるのか。この辺、簡単で結構ですが、お答えいただきたいと思います。
○増田会計検査院当局者 先日も先生からその点について御指摘がございましたわけでございますが、私どもといたしまして、新潟県の前県警本部長等に係るいわゆる国費支出分、これにつきまして、現在、新潟県警や警察庁から資料の提出あるいは説明を求めるなどして検査をしているところでございまして、できるだけ早い時期に結論を得るように努めていきたいと考えております。
○坂上委員 会計検査院、できるだけ早い時期というのはいつごろを指しておるのですか。連休明けぐらいでいいですか。
○増田会計検査院当局者 現在検査中でございますので、はっきりしたことは申し上げられませんけれども、五月中旬以降のできるだけ早い時期ということを一つの目途に考えていきたいと思っております。
○坂上委員 決して急がせるわけではありません。五月中旬なら五月中旬で、ひとつ的確な会計検査報告をいただきたいと思っておるわけであります。これは本当に、まだ新潟県の中では不満が渦巻いております。また別の形で監査委員会に監査要請が出たりいたしておりますものですから、県のものと国の会計検査院が本当に整合性を持ちながら、一体の監査報告をしていただきますよう、ひとつお願いをいたしたいと思います。五月中旬、できるだけ正確な報告をお待ちいたしております。
 あと、関係者の方お帰りになっていいですが、私は、最後に荒川のゴルフ場問題について再度質問をさせていただきたいと思っております。
 これは会計検査院にお願いをいたしますが、この間から私が問題にしております協定書に関することでございます。「NTT―A型事業に伴う河川工事の施行」、こういうことでございますが、「NTT―A型事業に伴う河川工事」、まず、これはどういう意味と理解をしているんですか。
○高橋政府参考人 荒川のゴルフ場の問題について御説明させていただきます。
 NTT―A型事業でございますが、これは、民間事業者が参加して行います公共事業に対しまして、無利子貸し付けを行うことによりまして、民間事業者を資金面で支援しよう、そういう趣旨でございます。
 それで、荒川リゾートが荒川でゴルフ場を整備したわけでございますが、これら全体がそれになるわけではございません。例えばゴルフ場ですと、高水敷を整正したり、芝を張ったり、給排水施設を整備する、あるいは防球ネットを整備する、そういったもろもろのゴルフ場整備事業の中で、いわゆる低水護岸の整備ですとか、あるいは高水敷の整正など、河川工事に当たる部分のみがその対象となるわけでございます。
 それで、今回のNTT―A型事業につきましては、NTT―A型事業という面での協定、それと河川法二十条による承認工事、この二つの問題がございます。その河川法二十条の承認工事に係る部分につきましては、先ほど申し上げましたゴルフ場の中でも河川工事に該当する部分だけでございます。これについては、河川工事を河川管理者以外の者、この場合は荒川リゾート開発でございますが、これが施行することを河川管理者としてしようがないということで承認するわけでございまして、工事の結果設置された施設は、河川管理施設として河川管理者に引き継がれます。
 ただ、工事に要する費用は、これは施行者、この場合荒川リゾート開発が負担いたします。建設省が荒川リゾート開発から委託を受けて施工した工事、治水上大変重要であるということで、低水護岸工事については荒川リゾートから受託したわけでございますが、この受託工事は、あくまで費用負担は荒川リゾート、施行者が負担して、建設省は、治水上大事なところだからということで施行者の負担において建設省が工事を行う、そういう関係でございます。
 そういったことから、河川法二十条の承認工事の関係では一律にその用地取得まで求める必然性はないわけでございます。河川区域になりますと、河川法の二十六条で工作物の新築の許可であるとか、あるいは二十七条で土地の掘削等の許可とか、河川管理上非常に厳しい権利規制がかかります。そういったことで、河川管理上の特別の支障がないということで、特段一律に用地まで求めることはしておらないわけでございます。また、現実に河川区域の中で民有地が結構ございます。そういう事実もございます。
 ただ、今回の協定は、NTT―A型事業、先ほど申し上げました、民間事業者を資金面で無利子貸し付けをして支援する事業でございますが、当初の計画では、いわゆる低水護岸でありますとか高水敷整正とか、ゴルフ場整備のうち河川工事に該当する部分につきまして無利子貸し付けによって支援しよう、そういうことをやっておったわけです。
 ただ、その後、計画そのものが、用地取得にNTT―A型資金が入らないことになりました。そういったことから、もともとNTT―A型資金という無利子貸し付け、そういう公的支援を行うから用地についても引き渡せというような話で双方納得して協定をしておったわけでございますが、結果的にNTT―A型資金は用地取得には入っておりません。
 そういうことで、本事業においては、施行者が、つまり荒川リゾート開発がみずからの資金で用地を取得してまで河川管理者に引き渡すべき必要はないということで、当初のNTT―A型事業に関する協定につきましては用地の引き渡しも含むというような形になってございましたが、その後の河川法二十条の承認工事の変更の申請あるいは承認手続の中で、NTT―A型資金が用地までは入らないということになりましたので、河川管理者としては、河川管理施設としては河川管理上必要なものとして引き継ぎますが、用地の引き渡しまでは求めないということで了解してあったものでございます。
○坂上委員 その文書はありますか。文書を出しなさい。
○高橋政府参考人 これは河川法二十条の変更申請が出まして、それに基づいて承認がおりてございます。その中で、NTT―A型資金がどういう形に入っているかという附属書類がございます。これにつきましては、申請者の個別情報等も入ってございますので、建設省としましては、やはりその申請者の同意なくして出すことについては差し控えたいと思っております。
○坂上委員 聞けば聞くほど、こんなのは単なる前書きなんです。契約行為は、きちっと契約としてできているわけでございます。今あなたが答弁したようなことであったら、この契約は公開をしなきゃならないんじゃないですか。公開もしないで、この契約どおりの仕事をしたんでしょう。契約どおりの仕事をしたのにかかわらず、いわゆる無利子貸し付けがなかったから用地を国のものにすることはやめたんだ、こう言う。やめたんだったらやめたように、きちっと契約書をつくればいいじゃないですか。つくりもしないで、こうやってこういう契約書が関係のところへみんな配付をされたりしているわけでございます。
 河川法二十条の変更申請が出たのはわかりますよ、そんなことは。工事上の許可についてのあれでしょう。契約の内容が変更になったかどうかということを聞いているんですよ。何が同意が必要なんですか。こんなのは提出するのが当然なんですよ。あなたの答弁は信用できない、本当にあるかどうか。しかも、民間人の同意がなければ出せないなんという、こういうばかな答弁があっていいのかね。もう一遍答弁してください。こんなばかな話はないじゃないか。
○高橋政府参考人 先ほど申し上げましたように、今回の話は、NTT―A型事業として行う河川工事についての協定と、河川法二十条の承認工事の協定、これが両者非常に絡み合ってございます。
 委員御指摘のとおり、NTT―A型事業についての協定をちゃんと改定すべきであるとおっしゃる点については、ちゃんとした手続を踏めばそういうことになるのかもしれませんが、河川管理者としては、NTT―A型事業についての協定と二十条の承認工事の一連の手続、これを一体的にやってございます。
 そういう中で、河川法二十条の承認工事においてNTT―A型資金が入らなかった。そういう中で河川管理上の問題としては、施設の引き渡しを受ければ用地までは引き渡しを受ける必要がないということで両当事者が合意したわけでございまして、河川法二十条の変更申請及びその承認の中でそういう協定の中身が事実上両当事者の合意によって変わった、そう理解してございます。
○坂上委員 建設省、そうだとしたら公開の契約書があるかと、こう聞いているのですよ。あなたたちは、行政行為として工事変更を許可したというだけのことじゃないですか。この契約内容が変わったかどうかということを聞いているのです。それがあるかどうかと聞いているのですよ。
 しかも、行政行為としての変更申請について、いわゆる河川の許可の変更について、民間人の同意がなければ出せないなんていう、そんなことはありますか。とんでもないことです。
 ひとつ委員長、そんなような態度ですから、これは非常に問題があるのです。私が指摘したのをひとつ理事会に諮って、提出させるように。民間人の同意がなければできないなんていう、こんなとんでもない答弁が、民間人の言うことを聞いているから、こうなるのですよ。ぜひひとつ出すように。
 さて、そこで会計検査院、今お聞きのような状況でございます。これは、単に公開の契約書があるかどうか、こう聞いているのです。それを答弁もしないで、単に変更許可をしたから、その変更許可は民間人の同意がなければ出せませんなどというとんでもない答弁が出ているわけです。会計検査院から的確な会計検査をしてもらわぬといかぬと思っておりますが、いかがですか。
○白石会計検査院当局者 お答え申し上げます。
 NTTのA型事業につきましては、無利子貸付金制度の事業のうち、公共的建設事業により生ずる収益をもって当該公共的建設事業に要する費用を支弁することができると認められるものについてでございまして、河川工事も対象となるというふうに承知をいたしております。
 なお、今先生御指摘の協定書等の件につきましては、私ども会計検査院の立場から見て問題とすべき事項があるのかないのか、実はまだ私どもとして事実関係を十分承知をしていないというところもございますので、まず事実関係について状況を確認いたしたい、また、ただいまの御議論も踏まえながら対応してまいりたいというふうに考えております。
○坂上委員 もう時間が終了していますから、どうですか、提出しますか、しませんか。どうぞ。
○高橋政府参考人 先ほど申し上げましたのは、変更の許可申請書の添付書類でございますが、その中にはいろいろ金融機関の借り入れの問題とか個別事情等も含まれておりますので差し控えたいと申し上げましたが、委員会の御指示があれば、提出することにはやぶさかではございません。
○坂上委員 どうもありがとうございました。
○武部委員長 木島日出夫君。
○木島委員 日本共産党の木島日出夫です。
 私は、昨年の通常国会で成立し、既に公布されております犯罪捜査のための通信傍受法、私どもは盗聴法と通称しておりますが、この問題についてお尋ねをいたします。
 まず法務省にお尋ねいたしますが、施行がまだのようでありますが、いつごろと予定しておるのでしょうか。
○古田政府参考人 同法の施行日をいつにするかは、現在まだ検討中でございますが、いずれにいたしましても、同法の公布の日でございます平成十一年八月十八日から起算して一年を超えない範囲内で政令で定める日から施行されるということとなっておりますので、本年八月十七日までには施行すべく準備を進めているところでございます。
    〔委員長退席、横内委員長代理着席〕
○木島委員 施行のためにどんなことが手順としてやらなければならないものとして残っているんでしょうか。
○古田政府参考人 いろいろな角度からの問題があるわけですが、まず一つは、傍受が的確にかつ適切に実施できるようにするためのいろいろな機器その他の準備、それから、最高裁で傍受に関する規則をおつくりになる必要があるわけでございますが、そういう規則の制定の準備、あるいは捜査機関における傍受の実施のための事務処理を適正に行うための各種規定類の整備、こういうふうなものが準備作業として必要であり、現在それを鋭意行っているところでございます。
○木島委員 既に最高裁判所は本年三月十五日に犯罪捜査のための通信傍受に関する規則を制定し、同日官報に載っております。
 法務省と警察庁にお尋ねしますが、それぞれ法務省、警察庁は、この法律の施行のためにどんな省令その他を準備しているのでしょうか。準備状況はどうでしょうか。そして、それらはすべて公表されるのでしょうか。順次お聞きします。
○古田政府参考人 捜査機関の行います事務処理につきまして、これについて政省令を作成することは予定してございませんが、法務省の関係で申し上げますと、検察庁におきます通信傍受の適正な実施や傍受記録の適正な取り扱いを確保するために必要な事務処理に関する規定等を作成することを検討しているわけでございます。これらについては、できるだけ早期に作成して、検察官及び検察事務官に周知させ、厳正かつ適正な法の執行を確保するようにしてまいりたいと思っております。
 また、これらのものについては公開するのかどうかというお尋ねがございましたけれども、法務省において定めます通信傍受の適正を確保するための事務処理に関する諸規定については、これは公開または開示という方向で考えているところでございます。
○林政府参考人 お尋ねの通信傍受法に関します国家公安委員会規則につきましては、現在検討中であり、立案作業を進めておるところでございます。
 警察庁といたしましては、これまでの国会での御論議を十分踏まえまして、法の適正な運用を担保すべく、傍受の具体的な手順でありますとか、それから責任の所在を明確にする仕組み、こういったもろもろのことを十分検討して、国家公安委員会規則に盛り込んでいくということを考えておるところでございます。
 時期の点もお尋ねでございましたが、先ほどありましたように、施行が八月でございますので、それに当然間に合うように、周知期間等も考えまして、遅くとも六月から七月までには成案を得たいというふうに思っておるところでございます。
 それから、公表という点でございますけれども、国家公安委員会規則のほか、細かいところは通達等も若干出てくると思いますが、国家公安委員会規則につきましては、これは当然のこととして公表をされますが、通達につきましては、捜査上の支障を生じさせるおそれの有無について個別に検討いたしまして、一概に、全部公表できるかできないかということは、ちょっと今のところまだ申し上げられる状況ではございません。
○木島委員 法務省の方は公表する予定だ、警察の方は、国家公安委規則は当然公表対象だが、通達については一概に言えないと。しかし、事は、憲法で保障された国民の通信の秘密にかかわる問題。しかも一方、警察の立場から見ると、やはり適正な捜査、きちっとやらなくちゃいかぬ、そういう問題。そうすると、捜査のあり方が定められる通達ですね。個々の事件がどうこうの話じゃないわけですから、それはもうきちっと公開しても何ら差し支えない。そのことによって犯罪捜査が個別的にやりにくくなるというものではないんでしょうから、確定的な答弁ではありませんが、そういう重大な問題ですから、違法な盗聴などが国民の見えないところでやられるようなことがあっては断じてならぬわけですから、ぜひ通達等も公表、公開すべきであることをきょうは申し上げておきたいと思います。
 次に、もう一つの準備として手配がされている通信傍受用記録等装置についてお伺いをいたします。
 この装置の購入のための二〇〇〇年度予算は、既に成立し、執行に移されております。警察からは、その仕様書が既に本年二月十日に制定されております。警察庁情報通信局、警情通仕施第百八十三号、百八十四号であります。
 そこでお聞きしたいと思うのですが、装備しようとしている装置はどのようなものか、概略御説明願いたい。そして、どのようなところに、何カ所ぐらい配置する予定なのか。そして、総予算は幾らなのか。これも法務省、警察庁、順次お答え願います。
○古田政府参考人 検察庁に配備をする機器の仕様につきましては、基本的には警察当局で御使用になる機器と同一の仕様のものが適当でありますので、そういうことになるわけですが、記録媒体としては、例えば音声情報をデジタル化して記録する磁気テープであるDATと申しますか、デジタルオーディオテープを予定しており、先ほど申し上げましたとおり、警察当局が配備を予定している機器と同様のものとするという予定でございます。
 どの程度配置するかということになりますと、これは検察庁におきましてどういう傍受あるいはその傍受した記録の再生の必要があるかというふうなことを勘案いたしまして、まず、傍受した電話等の電気信号を記録するなどの機能を有する記録装置、これについては一部の大規模地方検察庁に配備し、傍受に係る記録を再生するとともに、犯罪に関係のない部分を消去するなどの機能を有する、要するに再生に用いる装置でございますが、これは各地方検察庁に配備するということで現在考えております。
○木島委員 予算は。総予算でいいです。
○古田政府参考人 総予算は、機器に関しては、現在のところ約一億七千万程度を考えております。
○林政府参考人 通信傍受のための機器のお尋ねでございます。
 この機器につきましては、一般競争入札の結果、製造業者と契約を行ったところでありますけれども、この配置ですが、全都道府県警察に各一式から多いところで三式で、合計六十二式を整備する予定でございます。
 それで、一式の内訳は、ただいまお話ありましたように、一つは、通信事業者等の施設外で通信の傍受それから記録をするための装置が一つあり、それとは別に、法令に基づいて、傍受すべき通信等以外の通信の記録を消去するというための装置が一つあります。それから、通信事業者等のところへ行ってその設備と接続をさせる接続装置が一つということになります。
 それから、予算でございますが、平成十二年度予算上は、単価七百万円、六十二式で総額四億三千六百万円を計上いたしました。
 ちなみにでございますけれども、実際の契約額は、単価三百九十万円、六十二式で総額二億三千九百万円ということで、見込んでおったよりも相当安くなったわけでございます。
○木島委員 それでは具体的に、今警察、検察が配備しようとしております装置について、立ち入ってお聞きしたいと思うのです。
 まず、接続装置、ITCAと言っているようですが、その機能、性能についてお聞きします。
 先ほど触れました警察庁から発表されております仕様書によりますと、「ITCAの機能及び性能」「本体 入力回線の種類」という欄に、入力回線の種類として二種類が挙げられております。一つは、通信事業者の通信設備のMDF、これは主配線盤だと思うのですが、ここから分岐した回線、それから二つは、通信事業者の通信設備に附属する試験モニター装置から分岐するスピーカー回線、こういう二種が挙げられているのですが、二種にしたのはなぜでしょうか。これはどのようなものか、技術の素人にもわかりやすく説明していただきたい。
○林政府参考人 この試験モニター装置の方につきましては、通信事業を行う上で、通信が的確に行われるかどうかということを検証するために通信事業者の方で設けられた仕組みであるということで理解をしております。
○木島委員 回線を二つやった理由ですね、MDFから分岐した回線と、今言った試験モニター装置から分岐する回線と、二つ挙げているのはなぜかという質問です。
○林政府参考人 失礼しました。
 通信事業者の通信設備のMDFから分岐した回線の場合にはアナログのものを対象にする、それから、通信事業者の通信設備に附属する試験モニター装置から分岐するスピーカー回線はデジタル方式のものを対象にするということのようでございます。
○木島委員 一昨年五月二十九日でしたか、衆議院の当法務委員会がNTTに視察に行ったときにNTT側から資料配付していただいたのですが、それによりますと、確かに今答弁されたように、主配線盤、MDFに接続して傍受するというのはアナログ回線の方だ、それから、ISDN、デジタルですが、この方式で行われている通信について傍受するには試験制御装置から接続するというような図面を私ももらっておりましたので、一応今のような答弁になるのかなと思います。
 しかし問題は、私、この試験モニター装置に接続するということがどういう意味を持つかということなんだと思うのですね。それについてちょっと立ち入ってお聞きしたいのです。先ほど、最初の答弁で刑事局長から、試験モニター装置は通信が的確かどうか通信業者が試験している装置なんだとおっしゃられました。まさにそのとおりだと思うのです。逆に言うと、だからこそ、今回警察、検察が装備しようとしている装置がそこに接続されるということが一体どういう意味を持つかについて、私お聞きしたいと思うのです。
 これは昨年の国会でも一部論議されましたし、マスコミでも特に指摘されていたのですが、その試験モニター装置に接続すると、細かい技術的な話はきょうは私はここではしません、結果として、これに連結するパスワードさえわかれば、いわゆるPTT、ポータブル試験端末によって全国の電話回線に全部接続可能になるんだということ。そしてもう一つ重要な問題として、その接続傍受作業は、必ずしも通信事業者の施設内、NTTの施設内でなくても、施設外でも技術的に可能になるんだと。もっと突き詰めていきますと、警察庁なりの施設の中でも技術的には傍受ができるようになるんだということが指摘されておるのです。
 技術的にはそうなんでしょうか。教えてください。
○林政府参考人 端的に、PTTの問題であろうかと思います。
 NTTのアナログ回線の場合、昨年の国会でも御議論がありました、PTT、ポータブル試験端末を使用して試験制御装置にアクセスする、今そういうお話でございますが、これをしたとしても、あらかじめ特定の回線に接続して通話が開始されるのを待ち受けるということをやりますと、当該回線からの発着信が不能になって技術的には不能になるというふうな政府答弁もあったと承知しておるところでございます。
 それで、今回の我々が用意をする予定の記録装置でありますけれども、これをPTTに接続をいたしましても不可能である、我々の今整備予定のものにはこれを可能にするような機能を備えていないということであります。これは記録装置の仕様書からも明らかになっておるところでございますので、今先生御指摘の、警察の施設なりなんなりからどこでも聞くことができるのじゃないかということは、技術的に不可能であるということであろうかと思います。
○木島委員 この間の国会衆参両院でのいろいろな質疑を私読んでみましたら、いろいろな答弁が交錯しているんですよ。法務省の刑事局長なんかの答弁だと、技術的に不可能だという答弁をしないで、そんなことは法律上やるはずがないという趣旨の答弁を結構やっているのですよ。それで、今おっしゃるように、技術的にできないんだというようなのも一部ある。だから、本当のところはわからないのです。
 これはかなりの専門的な、技術的な知識がないと解明できない分野になるのかと思いますので、今刑事局長が答弁した、技術的には不可能だということをきちっと証明していただかないと安心できないわけですね。御存じのように、今のような警察の状況ですから。全国各地で証拠隠滅をやったり、沖縄なんかでは有罪のための証拠まででっち上げるなんということが行われているんですから。
 ですから、ゆめゆめそんなことがこの通信傍受に関して行われてはなりませんので、きょうここで技術論争を細かくやるつもりはありませんけれども、技術的に不可能だということが証明できるように、別途私どもに説明していただきたい、ここじゃなくて。それはお願いだけしておきますが、よろしいですか。
○林政府参考人 先ほど先生の方から、技術的な問題と、それからそれはもう法的にないじゃないかという答弁がいろいろ交錯しておるという点がございました。
 これは、その両方ともあり得ることだろうと思っています。傍受の方法、場所は裁判官の令状記載事項でありますから、裁判官がそんな、警察で聞きなさいよというような令状記載をするということはあり得ないということでありますし、それから技術的には、今の問題は、全く別の機材を使ってということではなくて、前提として今回の仕様書に示されておる機器を使ってやるということであればそれが不可能であるということは、私も技術は詳細はわかりませんけれども、技術屋が見れば、その仕様書から明らかであるということなようでございます。
○木島委員 技術屋さんからそういう私が今指摘したような指摘がされているので、これはしっかり、技術的に可能なのかどうか、別途私は確認させていただきたいと要望だけしておきます。
 今、二つの入力回線の種類を私は挙げましたが、これによって、架設電話だけではなくて携帯電話、ファクスが傍受可能になる。そして、アナログ回線、デジタル回線、いずれも傍受可能になると思うのです。
 そこで次に、残ったものとして、電子メールはこの機器でどうなるのか、それについて御答弁願いたいと思います。
○林政府参考人 電子メールの傍受につきましては、プロバイダーが管理する特定のメールボックスで受信したメールをフロッピーディスク等にコピーすることによって行うということになろうかと思います。この機器では、こうして作成されたフロッピーディスクの複製を作成するなどの機能がついておりますが、これは、インターネット等の回線に直接接続して傍受する機能では全くございません。
 ファクスの傍受につきましては、この機器は、電話の音声と同様に、ファクス通信の全部を記録した上、事後、これを画面上に復元する機能を有しておるということでございます。
○木島委員 では、法務省にお聞きしますが、そうすると、この機器では電子メールからは傍受できないし、今、電子メールからは傍受する意思もないというふうに聞いていいのですか。それはどうですか。
○古田政府参考人 いわゆる電子メールにつきましては、先ほど警察庁の刑事局長からお答え申し上げましたとおり、プロバイダーのサーバーのメールボックスというのに一たん保管されるわけでございますが、そこに保管されたものを、言ってみますとコピーというか転送して、それで取得するという形になるわけで、この機器を使ってそういうことをするというものではない。つまり、この機器は電子メールの傍受に使うことは全く構造上予定していないということでございます。
 ただ、Eメールを傍受することをしないのかというお尋ねであれば、それは先ほど申し上げましたように、メールボックスに入っているメールをいわばコピーすると申しますか、そういう方法でこれの傍受をするということはあるということでございます。
 なお、この機会に一、二点、補足で申し上げますと、一点は、先ほど私の方で、法務省の方で検討しております適正確保のための関係諸規定については公開の方向で考えていると申し上げたわけですが、実際の捜査の実施そのものみたいなものに仮にわたるようなものが何らかの形で含まれ、それが公開されると捜査が現実的に不可能になる、あるいは非常に支障が生じるというような点につきまして、もしそういうものがあれば、これはなかなか公開は難しいかと思っておりますが、そういう点があるのかどうかも含めて検討しているということでございます。
○木島委員 時間がないから急ぎますが、それでは次に記録装置、ITCRについてお聞きしたいと思います。
 記録媒体としていろいろな記載があります。DAT、MO、DVD―RW、DVD―RAM、フラッシュメモリー。昨年、たしか参議院で警察庁刑事局長はDVD―RAMを採用するというような答弁もしていたようなんですが、結果的にはDATになったんですね。なぜ変えたのか、これはどう違うのか。DATの性能はどのようなものか、容量なんかですね。簡潔に御答弁願えますか。
○林政府参考人 今御指摘のように、DATに決まったわけでございますけれども、いろいろな候補が挙がりましたが、警察庁といたしましては、記録媒体の選定に当たっては、高音質で記録ができるということ、それから、法に基づき一定の記録を的確に消去できるということ等の観点から、総合的に検討し、デジタル方式の記録をすることのできる記録媒体を考えて幾つかの候補を挙げておったわけでありますが、入札に際していろいろな諸条件の中から、このDATというのが一番いいだろうということになったということでございます。
 そして、その性能はどうだというお尋ねでございますけれども、これは、この記録装置におきまして、二ギガバイト、三ギガバイト及び四ギガバイトの三種類の容量のDATを使用するということができるようになっております。通信の両当事者の音声を分離して記録する場合の記録可能時間は、記録する音質や記録媒体の容量によって左右はされますものの、現在想定しております音質では、二ギガバイトでは約七時間、三ギガバイトでは約十一時間、四ギガバイトでは約十四時間の記録が可能であります。なお、両当事者の音声を混合して記録するという場合には、当然その倍の記録が可能になるということでございます。
○木島委員 時間が来たから、もうきょうは私はここで打ち切りますが、一点だけ。
 音質によって収録できる時間が違ってくると。今想定している音質ですと、二ギガバイトは七時間、四ギガバイトは十四時間とありますが、音質を落とせば幾らでも長く収録できるということだと思うのです。どのぐらいまで音質を落としても、日本語として聞き取れればいいわけですから、技術的に何倍ぐらいにまで可能なんですか、それだけ教えておいてください。
○林政府参考人 今の設定された機械によると、途中で勝手に音質を落とすということはできないそうでございます。(木島委員「いや、最初から落としてもいいです」と呼ぶ)機械に予定されておる音質で、そのままいくそうでございます。
○木島委員 もう時間が来たから終わりますが、この機械の能力についても、これがどう運用されるかについてもまだまだ大変大きな問題があるかと思いますので、引き続き私はこの問題について質問をしたいということだけ申し添えて、終わります。
○横内委員長代理 保坂展人君。
○保坂委員 社民党の保坂展人です。
 本日は、死刑の問題について法務大臣と議論をしたいと思っていましたが、ちょっと参議院の方があるそうで、それに先立つ質問、答弁者の方はなるべく簡潔にお願いしたいと思います。まず、大臣がいらっしゃる時間のうちに大事なことを幾つかやっておきたいと思います。
 先週の当委員会で、例の無実の方を誤認逮捕、そして起訴をして一年間以上拘置をしてしまった、ちょうどこの法務委員会のやりとりと同じころ、松山地裁宇和島支部で無罪という異例の論告求刑があって、そして地検では異例の謝罪があったようでございます。
 この点、同じ趣旨で古田刑事局長にただしたところ、お気の毒と思うという表現がございました。私はその場でも指摘させていただきましたけれども、お気の毒という表現は、ちょっと身を引いた、いわば第三者的な表現に聞こえるので適切ではないんではないかと。その後臼井法務大臣から、反省ということもお使いになった、この男性の方に対して申しわけないという趣旨の御発言があったと思うのですね。
 再度刑事局長に、もう一度同じ質問で、その男性について今どういうお気持ちをお持ちかということについて御答弁いただきたいと思います。
    〔横内委員長代理退席、委員長着席〕
○古田政府参考人 私の日本語の語感が若干問題があったのかという気もいたしまして、そういう点で仮に不適切であったとすれば、その点についてはおわびを申し上げたいと思います。
 しかしながら、前回も申し上げましたとおり、決して他人事として受け取っているわけではございませんで、私としても、大変重いものだ、そういう気持ちで受けとめていることはそのとおり間違いないわけでございます。
 ただ、そういうことで、結果論とは申せ、長期にわたる拘置のためにこういう御負担をおかけする結果になったという点については、これは申しわけないこととなったというふうに考えていることはそのとおりでございます。
○保坂委員 法務大臣に伺いますが、私は、今の時代というのは、全くミスをしない組織というのはあり得ないと思うのですね。これは政党もそうですし、人間集団である以上どこかにミスや間違いは起きてくる。そのときに、その組織が信頼できるかどうかは、その間違いを率直に認めるかどうかということだと思うのですね。
 今刑事局長から、はっきり申しわけないという言葉を聞いて少し安心をしました。御感想をお願いしたいと思います。
○臼井国務大臣 今委員御指摘をいただきましたように、無実の者がこうした罪を追及されるということはあってはならないことでございまして、私どもとしては、今回のことを十分反省いたしまして、今後このようなことが起こらないようにするためにはどういうことをしっかりと考えていく必要があるのかということを今後追求してまいりたいと思います。
○保坂委員 これもつい最近ですが、有名な事件で、東京電力の女性社員が殺されていたという事件、この容疑者として逮捕されて裁判が行われたネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリさんという方が、御存じのとおり、四月十四日に無罪判決があったわけでございます。
 この無罪判決、いろいろと疑わしき点もあれど、しかし全体としてこの被告人を本件犯人と認めるにはなお合理的な疑問を差し挟む余地が残されていると言わざるを得ないという東京地裁判決に対して、検察庁は十八日に控訴の申し立てをされました。そして、地裁では、これをいろいろ検討した結果、職権発動をしないんだと。そしてその後、東京高裁に対して高検から同様の申し立てがあって、高裁からは十二ページに及ぶいわば検察側に対する無罪判決を受けとめるようにという内容の決定書というのが発表されるという事態になっているようです。
 それから、この方は、オーバーステイで退去強制手続の対象ということで、本来であれば本国ネパールに送還をされるという流れになっていると思うのですが、現在、この方はどうなっているのか。入管の中できょうにもその手続が行われるや否やという段階だと実は聞いているのですが、どうでしょう。まず刑事局、そして入管局から、それぞれ簡潔にお答えいただきたいと思います。
○古田政府参考人 お尋ねの事件については、御指摘のとおり、無罪判決によって勾留を失効いたしましたので、刑事手続では現在身柄の拘束は行われていない状態です。出入国管理関係における身柄の問題につきましては、入管当局の方から御説明申し上げます。
○町田政府参考人 十四日に私どもの方で入管法違反の容疑ということで収容令書により収容いたしまして、今退去強制手続のさなかであります。
○保坂委員 そのさなかということを、入管局、もうちょっと答えていただきたいのですが、きのうその審査手続が終わらなかったそうなんですよ。それできょうにまで続いているということなので、普通ならそんなに時間はかからないと思うのですが、この退去強制手続の審査は本日終わるのかどうか。これは逆に言うと、検察の方から何らかのストップがかかったのではないかという疑問ですね。そういうことがあったのかないのか、簡単に答えてください。
○町田政府参考人 検察の方からそういう何かストップがかかったのかというようなお尋ねですが、そういったことは一切ございません。
 では、何日にどういうことをやるかというような細かい点についてはお答えしかねるわけですが、入管法に定められた退去強制手続に基づきまして今違反審査をしている。違反審査がいつ終わるかにつきましては、相手の協力の状況、そういったこともいろいろ関係しますので、継続中です。
○保坂委員 では、刑事局長にお聞きしますが、この段階になって、なお高裁に再び申し立てをするということを考えておられるかどうか、これは国際的にも大分関心を呼んできていると思うので、その点だけ、明確にお答えいただきたいと思います。
○古田政府参考人 ただいまお尋ねの件につきましては、検察官におきまして個別の事件の状況に応じて判断するべき性質のことでございますので、私ども法務当局の方からの答弁というのは差し控えたいと存じます。
○保坂委員 大臣、裁判において無罪が出るということはやはり重いわけでありまして、こういった事件の一%ぐらいしか実は無罪判決というのは出ないわけです。それだけに、本当に無罪かどうかというのは検察側が疑うのは当然ですけれども、しかし、判決はそれだけ重いわけでありまして、重ければ無罪判決とともに自由の身になる、そしてその方がオーバーステイだから入管が身柄をとって本国に送還する。これはやはり所定の手続で行っていくのが世界に開かれた刑事司法の常識だと思いますが、大臣の見解を伺いたいと思います。
○臼井国務大臣 一般的に申し上げて、司法手続である刑事手続と行政手続である退去強制手続というのは、別個独立の手続でございます。したがいまして、入管当局は、現在、出入国管理及び難民認定法の規定に基づいて所定の退去強制手続を進めているわけでございまして、恣意的な法の運用が行われるなどということはあり得ないと確信をいたしております。
○保坂委員 恣意的な運用はあり得ないというふうに聞いて安心をしました。やはり、ルールはルールとして確立していくということが大事かと思います。
 そこで、大臣に、以前に御紹介したと思いますが、確定死刑囚で再審請求が繰り返された後に無罪になりました免田栄さんという方から、私は二月にお手紙をいただきました。ちょっと紹介させていただきます。
  私は熊本県人吉市で起きた殺人事件で一審熊本地方裁判所八代支部で死刑判決を受け、この判決に不服で上訴しました。けど昭和二六年十二月二五日に最高裁の上告棄却で死刑に確定しました。
  この確定判決には承服出来ませず、再審請求を申し立てること六回目にして再審が認められ昭和五八年七月十五日に無罪判決で社会に帰りました。
  長い獄中生活に身も心もぼろぼろになり、この上に社会に更生する道は全く閉ざされて今日にいたっています。この状態でいる間に迫りくるものは年齢で、老いて必要なことは生活の保証で、昭和三六年四月に国民皆年金制度が施行されて居ることに従い年金の請求をしたところ、別紙の通り却下されてきました。
といって、これは大牟田社会保険事務所長からの、国民年金、老齢年金は却下します、その理由については、つまり加入をしていなかった、それから免除手続をしていなかったということなんですが、こういう訴えが来ているのですね。
 これは、先輩の議員にいろいろお話ししましたら、これは保坂さん、随分哲学的な問題だねと。確かに、死刑確定された後に年金制度ができたんですね。そして、死刑囚というのは、あした呼び出しがあってまさに死刑執行されるかもわからないという、その緊張の中で生きているわけですから、まして矯正当局も、確定死刑囚に対して、年金に入りますか、これはなかなか言わないだろう。
 私、調べたところ、このことを死刑囚に告知したかどうかは記録がないそうですね。そして、告知されたとしても、御本人は死刑を前におびえているわけで、何とか無実になりたい、そのときに年金に入るという余裕はないだろうと思うのですが、こういうものに対して、やはりこの声を受けとめていただきたいと思うのです。
 まず、印象から、細かい結論は今すぐ出せないにしても、どのようにお考えか、大臣に伺いたいと思います。
○臼井国務大臣 現行の刑事補償制度におきましては、誤った身柄の拘束がなかったならば得られたはずの利益についても、得るはずであった利益の喪失として補償金の額を定めるに当たっては考慮すべきことというふうに明記をされているところでございまして、免田氏に対しましても、当時の一日当たりの補償の最高額でございます七千二百円をもとに補償額が算出されるなど、最大限の刑事補償が行われたものと承知をいたしております。
 このような刑事補償制度に加えまして、年金を受給できないことに対する救済措置を講ずることにつきましては、単に刑事司法の枠組みの中だけではなくて、年金制度のあり方やその運用にも影響する問題でございますので、今後とも、こうした点を含めて考えていくべきものと考えております。
○保坂委員 大臣、時間が迫っていると思うのですが、一問だけ。
 今、刑事補償のことを出されました。刑事補償は、長期間死刑の恐怖におびえながら拘置をされていた、国家の過誤によって長時間が奪われたということに対する補償なんです。したがって、過去に対する補償であって、今後発生する、つまり、老いて暮らしていくという、年金相当分に対する補償ということでは実はないわけなんですね。ですから、その点について、刑事補償ですべてが足りているというのは、そういうふうには答弁していただきたくないので、ここはまだ、これは年金の方は厚生省ですから、そことも十分話し合わなければならない問題ですよ。ですから、そこのところだけちょっとお考えいただきたいと思います。
○臼井国務大臣 裁判所が抑留または拘禁による補償金の額を定めるに当たりましては、拘束の種類及びその期間の長短、本人が受けた財産上の損失、得るはずであった利益の喪失、精神上の苦痛及び身体上の損傷並びに警察、検察及び裁判の各機関の故意過失の有無その他一切の事情を考慮するものとされておりまして、一切の事情の中には将来の年金受給が含まれるかとのお尋ねにつきましては、個別具体的な事情というものを考慮いたしまして裁判所において判断すべき事柄でございますので、これ以上答弁を差し控えさせていただきたいと存じますが、一般論として申し上げれば、拘束と相当因果関係のある事情は一切の事情に含まれているものと考えるのでございます。
○保坂委員 では、もう答弁は要らないですが、実際には、誤判による長期拘置、死刑確定して再審請求で無罪になった方で、やはりこの年金の問題をどうにかしてほしいという要求をされて、それなりの解決の道を見つけつつあるという例もあるということを申し上げておきたいと思います。つまり、刑事補償ですべてが包括されているわけではないということを、ぜひ大臣、わかっていただきたいと思います。
 では、参議院の方にどうぞ。
 矯正局の方にお聞きしたいのですが、これは資料がないとは伺っていますけれども、免田栄さんが死刑確定囚として拘置されていた、そのときに国民皆年金制度が発足したわけですね。これは、免田栄さんは一切説明は受けていませんと私に証言をしているわけなんですが、どうでしょう、説明した経過とか記録とかございましたでしょうか。
○鶴田政府参考人 昭和三十六年に国民年金制度が発足しましたので、それに先立ちまして、当時、矯正局通達というのを出しまして、加入対象者とかあるいは制度の趣旨、手続等を周知徹底するように局長指示を出したわけです。そういうことですので、全国の矯正施設におきましては、この指示に従いまして、被収容者に対して周知を図ったところと考えております。
 ただ、当時、御指摘のありました免田氏につきましては、福岡刑務所に在監しておりました。そこでどのような周知の方法をとったのだろうかということで調査いたしましたけれども、何分にも四十年前のことでございまして、確定的な記録等もございませんので、その辺は明らかにすることはできませんでした。
 推測になりますけれども、当時としましては、個々的に説明するということはなかったかもしれませんが、例えば放送とかあるいは所内誌といったようなことで全収容者に対して告知するというような方法がとられたのではないかというふうに考えております。
○保坂委員 ここは大臣にもぜひ考えていただきたかったところなのですが、政務次官、死刑確定というのは大変重いわけですよね、いつ自分の命が奪われるか。だから、どうしても罪を晴らしたいということで再審請求を何回もかけるわけですけれども、そういう状態のときに、確定してしまったときに、恐らく矯正局も年金に入りませんかということは言うわけもないし、また言ったとしても、これは免除の手続がありますよとかと言っても、死が目の前に迫ってきているわけですから。こういう状態にあったということは、ぜひ、推測であれ、御本人がその説明を受けていないということは信じてあげていいのではないかと思うのですが、どうでしょう。
○山本(有)政務次官 委員のおっしゃるように、無辜の罪で身柄拘束から解放された方にとりましては大変な事情だと思います。そういう意味では、委員のおっしゃることに肯定的に考えていきたいというように思っています。
○保坂委員 それで、ちょっと厚生省に伺いますが、厚生省の年金の原則からいえば、社会保険という保険原理は保険料を納めた方に保険がいくのですよ、例外としては免除の申請をした方、こうなっているわけですよね。
 しかし、例えば中国残留の帰国者の皆さんとか、さまざまな事情で、要するに一般国民とは違う扱いを受けた。この場合、やはり免田栄さんも拘置所の中で、いわば過誤による長期留置、しかも死刑を目前にしてというところでそういう手続をとれなかったというところを柔軟に解釈をして、年金への道を、これは今の制度では無理ですと厚生省はおっしゃるのですね、今は無理ですと言うのだけれども、これは少し努力して何か探してあげられないでしょうか。大変老齢で生活の糧もなくてお困りになっているというようなことも聞いておりますので、厚生省、いかがですか。
○高尾政府参考人 免田栄さんのケースにつきましては、確かに先生おっしゃるように非常にお気の毒なケースだと私ども思うわけでございますが、繰り返しになって恐縮でございますけれども、昭和三十六年、この国民年金が制定された際に、私ども、刑務所等の矯正施設収容者にも強制適用という形で被保険者になっていただく形にしているわけでございます。
 これにつきましては、制度施行時に、先ほど法務省の方から回答がございましたが、制度の趣旨、資格取得の手続、保険料の取り扱い等について周知する取り扱いをしていただくということになっているわけでございまして、それで免田さんの場合に、現在法律上の要件といたしまして、基本的には保険料を納付していただくか、また納付できない場合には申請による免除という手続があるわけでございます。
 そういうことで、今回老齢年金を適用するに当たりまして、この免除申請ということがなかったわけでございますので、先般、先ほどお話ございましたが、一応却下という手続になったわけでございます。
 なお、先生の方からお話がありましたのは中国残留邦人の関係でございますが、この方々につきましては、御案内のように、戦後中国に残留せざるを得ないということで、物理的に年金制度に加入できないということの事情がございまして、これは平成六年の年金法の改正の際に、国会の修正によりまして特別措置を講ずることとされたものでございます。そういう法的な対応で、現在残留邦人につきましては、保険料の免除期間とか保険料の追納という形の制度はあるわけでございます。
○保坂委員 社会保険庁にもう一言お聞きしますが、中国残留の方も、もちろん中国にいるわけですから年金等には入れないわけですね。そこで、こういう方たちは大勢いるわけで、ですから特別の立法措置で救済をしているということだと思います。
 ただ、例えばこの免田さんのような、再審請求をして無罪になった方で年金の説明を受けていなくて入らなかったなんという方は、そんなにいないわけですよね。ですから、こういう方たちが年金を受給する道を開く可能性があるのかどうか。要するに、全くないのか、少しは可能性があるのか、つまり立法しなければだめなのか、行政の範囲の中で個別に救済することができるのか、そのあたり、どうお考えですか。
○高尾政府参考人 繰り返しになって恐縮でございますが、現行法制度のもとでは、やはり先般社会保険事務所が行ったような結果にならざるを得ないのではないかというように思うわけでございます。
 ただ、立法的にどうしていくのかということは、これはちょっと私どもの方からお答えする話ではございませんが、基本的な、死刑の判決を受けた方が再審査で無罪になるケースという非常に限られたケースにどういうふうな形で対応していくのかというのは、これは国民年金法体系の中で行う議論なのか、先ほど来議論がございました刑事補償法の体系の中でやる話なのかも含めた形のいろいろな御議論はあるのではないかなというように思うところでございますが、現行法上は非常に難しいということで、先生の御理解を賜りたいと存じます。
○保坂委員 現行法で難しくても、恐らく道は開けるのだと私は思うのですけれども、先ほど政務次官からも前向きの答弁をいただいたので、これは本人にとってどうしようもない状況ですから、中国に残留していたということと同じ事情だと思うので、公平な措置を政府にお願いしたいということを申し上げておきます。
 古田刑事局長にちょっと、本来はこれは大臣にお答えいただく部分なんですが、国会が閉会されると、いつも死刑執行があるのですね。そこは関係がないというふうにおっしゃるのですが、僕は関係があるのだろうと思っているのです。しかし、この前は再審請求中の方が執行されてしまったわけなんです。それについて、何か同じような理由であれば再審請求中であっても執行ということもあり得るということを、この間、法務大臣は答弁されたり会見で言われたりしているのですね。これはちょっととんでもないことではないかと私ども思うわけです。
 今、免田さんの例を挙げました。ほかにも、赤堀さんとか再審請求で何度もやって、同じような理由でやって、そしてついにそれが弁護士の目にとまって無罪に結びつくというケースがやはり戦後あったではないですか。そういう意味で、再審請求中であるということをやはり刑事局は重く見て、これは原則としてそれをやっていただくということはもう原則中の原則だと思いますが、このあたり、解除してしまうのかどうかというのはとても承服できないのですが、その点についていかがですか。
○古田政府参考人 個別の死刑の執行ということを前提にしてのお尋ねには答弁を差し控えさせていただきたいと存じますが、一般論として申し上げますと、まず、再審請求は、法文上、刑の執行停止事由には当たらないとされているわけでございます。
 しかしながら、死刑の執行の命令につきましては、これを発するに当たりましては、その結果が回復不可能な大変重大な問題でございますので、そういう請求があるということにつきまして、これは十分参酌しているところでございます。
 しかしながら、一方でまた、国の司法機関であります裁判所が言い渡して最終的に確定した裁判を速やかに実現するということも、刑の執行の任に当たられる法務大臣としての重要な職責であるということは、これまた言うまでもないことでございます。
 そこで、もし再審請求の手続中はすべて執行命令を発しないというふうな取り扱いとするとするならば、これは再審請求を繰り返す限り永久に刑の執行をすることができないという結果となりまして、刑事裁判の実現を期することは、これまた一方で不可能となる、これもまた非常に問題のあるところであろうと考えているわけでございます。
○保坂委員 刑事局長、では、その答弁だと、免田栄さんも執行されたかもしれなかったですね、どうでしょう。
○古田政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、特定のケースを前提にしてのお尋ねについては答弁を差し控えたいと存じます。
○保坂委員 これはちょっと論理的に、また機会を持ってやりたいと思います。
 最後に、袴田巌さんというこれまた死刑確定囚の方が東京拘置所の中で、自分が自分であるということもなかなか認識できないくらい、つまりお姉さんが会いに行っても面会をずっと拒否している。姉が来たと言っても、自分は袴田巌じゃない、こういう状態が続いているそうですが、状態は変わっていないですか。それだけ。
○鶴田政府参考人 特定の収容者の収容状況について詳しくはちょっと申しかねるところがあると思いますが、今委員おっしゃったとおり、親族の方と面会を拒否するというような状態が続いておるというふうに報告を受けております。
 在監しているのは東京拘置所ですけれども、本人の心情を安定させるために、医師のカウンセリングとか、そういうことで適切に対応しているところでございますけれども、今後とも、処遇に気をつけてやっていきたいというふうに考えております。
○保坂委員 もう終わりますが、政務次官にぜひお願いをしたいのは、死刑確定囚の中には、我々から見てもずさんな捜査で、やはりこれは誤判ではないか、無実ではないかという方がなおいるんです。そういうことを考え、ぜひ、再審請求の問題もしかり、先ほどの年金問題もしかり、やはり国家の過誤によって生み出した犠牲に対しては国家の責任で補償するということをぜひやっていただきたいということを申し上げて、終わります。
○武部委員長 笹川堯君。
○笹川委員 それでは、自治省にお尋ねをいたします。先般、細かくは部屋の方でお尋ねをいたしました。きょうは、公式の場で自治省としての考え方をお伺いしたいと思います。
 さて、公職選挙法についてでありますが、昭和二十年代に、ある熱海のお土産屋さんの社長さんが参議院選挙に立候補しまして、NHKのテレビを使って政見放送の中で、私は、党は党でも甘党です、熱海名物天の川、実はこう言ったわけであります。その人は、全国配布のはがき、そして無料パスを全部売ってしまった。もちろん、選挙運動は一切やらなかった。このことが大変大きな社会問題になりまして、実は公職選挙法が改正されました。政見放送の中で特定の物品の名前とか宣伝とか、これはやってはいけないという法律をつくられたわけであります。常識的に考えればそんなことは当然やってはいけないことなんですが、そういう事件がありました。
 さて、実は、鳥取県に日本海新聞というのがございまして、御案内のように鳥取県で九〇%のシェアを持っている。朝日、毎日新聞といえどもどうにも太刀打ちができない新聞社を、株式会社だから個人でお持ちだ。そこの娘婿さん、すなわち新聞記者ですね、それから特報部員、現在は編集局長でありますが、自分の署名入りの記事をずうっと掲載をされまして、過般に行われた参議院選挙にも出馬をされました。それから、昨年の四月の知事選挙にも実は出馬をされた。今度また来るべき衆議院選挙にも出馬をするわけであります。
 公平無私でなければならない報道機関が自分の地位を利用して選挙運動をする、他人を誹謗する、こういうことは今の公職選挙法では想定をしていなかったと思っているのですが、どうでしょうか。
○片木政府参考人 ただいまお尋ねの点でございますが、若干関係のある条文といたしまして公職選挙法第百四十八条の二第三項の規定がございます。ここにおきましては、「何人も、当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて新聞紙又は雑誌に対する編集その他経営上の特殊の地位を利用して、これに選挙に関する報道及び評論を掲載し又は掲載させることができない。」と規定されておるところでございます。
○笹川委員 きょうは、条文の解釈を聞いているんじゃなくして、もう自治省にしてもそういうことは当然耳に入っていると思うので、鳥取県の特殊な、日本全国でただ一つの選挙に対するやり方、あるいは新聞社の編集長が立候補することが公職選挙法のどの条文に該当するかしないかということを聞いているんであって、それとも自治省は、これは司法の問題だから、司法の問題としての判断を求めると言われるのか。その点の御答弁をいただきたい。
○片木政府参考人 公職選挙法におきましては、ただいま申し上げました第百四十八条の二の規定、あるいは選挙運動全般に対してこれを規制する規定があるわけでございます。先ほどの百四十八条の二で申し上げますと、先ほど申し上げましたような条文になっております。御指摘の事案が本項に抵触するかどうか、これにつきましては、先ほど申し上げました構成要件に該当するかどうかということになるわけでございますが、行為の実態に即して判断されるべきものと考えております。
 そのほか、今申し上げました選挙運動に関してもさまざまな規定がございますが、いずれにいたしましても、自治省といたしましては、具体的な事実関係を完全に掌握しておらず、また具体の事実関係についての調査権限を有しておらないということで、お答えいたしかねることを御理解いただきたいと思います。
○笹川委員 私が冒頭に、こういうことをやったから公職選挙法が改正されたんだということを言ったのは、こういう新聞社の、公器を使って選挙運動をしたり批判をしたりすることを想定しない選挙法じゃないのかと聞いているわけです。
 実は、今あなたの読まれたことは、これは全部書いてあります。昭和三十六年の十一月七日に大阪の高裁で、その地位を不当に利用してという意味に解すべきであると、これは地位利用についてですね。地位利用というのは、しちゃいけないとは言わぬ。不当に利用してはと。その不当というのは、どこが不当かということはなかなか難しいわけでして、例えばお金をもらって編集長がある候補者を落とす目的で書けばこれは不当にということになるけれども、自分が出ちゃうんだから、それは不当になるかならないか裁判しなきゃわからぬというようなお答えに解してよろしゅうございますか。司法の判断ですか。
○片木政府参考人 罰則の適用関係に絡んでまいりますと、そういうことだと存じます。
○笹川委員 それでは、司法当局に聞きますが、どなたでも結構です。
 私は、一国民の良識的な判断としてお尋ねをしているわけであります。それは、だれが選挙に出てもいい。例えば、新聞社の息子さんでも、会社をやめて一私人になって出れば、これはもうだれも文句を言うことはありません。ところが、公器を利用して編集長という身分のまま選挙に出る。すなわち、署名入りでもって、あの政党のやり方はけしからぬ、こういう政策はけしからぬ、あの人はけしからぬというふうに書いて、これでも一切公職選挙法に抵触しないのかという常識論の話なんでありますが、法務省でもいいし、警察庁の刑事局、どちらでも結構です。
○山本(有)政務次官 先生御指摘の、極めて重要な点があろうかと思います。
 というのは、民主主義というのは国民主権主義が前提であり、かつ議会制民主主義という議会制度をとる以上、投票行動というのは大変大事な行動でございます。その投票行動における自由を確保するためには、投票行動における資料の豊富さを一定程度担保しなければならないという原則がございます。その原則ゆえに、我が国は、思想、信条の自由をうたい、かつ表現の自由を不可欠なものとして位置づけておるわけでございまして、その意味において、新聞がどのような報道をしようが、それはある程度許さなければなりません。
 他方、我々は、新聞、放送等の公器がまさに公平公正であるということの前提をもって初めて表現の自由が確保できるのでありまして、そのことにおきまして、我々議員あるいは候補者が、例えば身内のお葬式の会葬御礼すら新聞に掲載することが相ならぬという現実の中で、一般論でございますが、新聞を活用しての大々的な選挙活動というものが許されるべくもないというように考えるところでございます。
○笹川委員 今、政務次官の答弁がありましたが、公平公正、これがあれば別に私は質問をする必要はないんでして、また、選挙法の中に、社会通念によって判断しなければならないと。確かに我々は、社会通念というのは非常に大切であります、良識とか、常識とか。自治省の返事では、それを逸脱しているけれども、それが該当するとか、いかぬということにはならぬ、やはり司法の判断を結果的には仰がなければならないという答弁でありますので、これ以上聞いても時間のむだですから、自治省は帰って結構です。
 次に、人事院にお尋ねをいたします。
 国家公務員の採用基準というのはいろいろあるだろうと思うんです。そこで、現実に国家公務員が、いろいろ不祥事があるわけですが、今言った社会良識だとか社会通念だとか公序良俗に反しなければ私は問題ないと思うんだけれども、大勢の国家公務員の中だから、たまにはやはりチョンボする人も悪いことをする人もいると思うんですね。
 人事院で試験をして各省庁に行くわけですが、採用責任というものは人事院にあると思うんです。例えば、警察庁は警察庁だけで単独に採用するんなら、警察庁が悪い、大蔵省は大蔵省で悪いということは言えると思うんだけれども、人事院が統一して採用試験をしているわけですね。あるいはまた、各省庁は、その試験に合格した人の中からこういう人をうちの方に欲しいというふうにされていると思うんですが、間違いありませんか。
○石橋政府参考人 採用の関係は倫理審査会事務局の所管ではありませんので、一般論として、人事院事務官として承知している範囲でお答えしたいと思います。
 国家公務員の採用につきましては、人事院が行います競争試験で、人事院の責任において合格者を出しているところでございます。採用試験につきましては、厳格な能力の評価を行い合格者を決定しているというところでございます。
○笹川委員 私、きょう、人事院にこのことを聞くということは通告してあったんだけれども、直接の担当じゃないというお答えではありますが、今のお答えで、私の聞いたことと同じだろうと思うんです。
 そこで、国家公務員になるという者は、成績はいいんだけれども、やはり人格的に、良識的に、国家公務員として国家と国民のために奉仕できるかどうかということが私は大きな目的であろうと思いますので、その点について、今後人事院は十分にそのことを頭の中に入れて、ひとつ採用試験を考え直してほしい。立派な大学を出て、立派な頭の人がこう次々……。
 しかも、今度は国家公務員倫理法についてお尋ねしますが、こんな情けないものをつくらざるを得なかった。私は、これは日本国の恥だと思っている。何のために大学へ行って、何のために競争倍率の高い試験の難関に合格した人に、あれもだめだめこれもだめ、幼稚園だってこんな細かい規則は私はないと思う。常識問題ですよ。
 ただやはり、そういう間違った人の場合には、これは刑法に抵触すれば刑法で処分すればいい話であって、笑い話じゃありませんが、宮澤大蔵大臣が自分の秘書官をやっていた人を集めて飯を食おうと思った。そうしたら、大蔵省主計局にいた人はほかの省庁の人と利害関係があるから同席できない。腹を立てて大蔵大臣はその会合をやめたと書いてある。
 それからもう一つは、この四十三条に、「地方公共団体は、この法律の規定に基づく国の施策」だから、これもそうですね。今度は地方公務員もこの倫理規程を準用してつくるわけであります。そうなると、地方の公務員の方がよほど、実は業者とかいろいろな関係と民意の集約をしなきゃならぬから関係がありますね。そうすると、あれもだめだめこれもだめということになっちゃうと、私は、公務員の士気が低下してしまって、逆に国家と国民に対して奉仕がしにくくなるんじゃないだろうか。
 例えば、同じ公務員でも、裁判官だとか検察官の場合は特殊な仕事だから余りだれともつき合わない、この点については理解できます。だけれども、一般の行政職にある人が、あれもだめですよ、これもだめ。例外的にいいよということは実は書いてありますが、こういうことをつくって満足をされているのか、恥ずかしいと思っているのか、どっちですか。
○石橋政府参考人 私、倫理審査会をサポートしております事務局長でありますから行政官でありますけれども、倫理法あるいは倫理規程というものをつくらなきゃいかぬ、こういう事態については非常に残念に思っております。
 倫理審査会の会長が、二月の四日、これは倫理規程の意見の申し出を行ったときでございますけれども、談話を発表しております。その中でも、「国家公務員倫理規程を制定せざるを得ない事態に立ち至ったこと自体、国家公務員にとって不名誉なことであり、審査会としても立ち入った事柄にまで言及せざるを得なかったことは誠に遺憾なことである。」ということを花尻会長談話として発表しております。気持ちは、審査会の会長も私もそれは同じでございます。
 ただ、これは平成七年、八年、厚生省の事件でありますとか大蔵省の事件でありますとか、そういう不祥事が続発しまして、当時、各省に職員倫理規程というのはあったわけですけれども、それすら守られていないというところで、これはやはり各省に任せておいてはいけない、倫理法をつくらなきゃいかぬという流れになったわけであります。
 これは、議員立法でつくられたこと自体、我々としては非常に残念なことでありますけれども、なおかつ全会一致で制定された法律でございます。倫理審査会自体は、この法律に基づいて設けられたものでございますから、我々は、先ほど申し上げましたように、私たちの気持ちとして残念な部分は持ちながらも……(笹川委員「恥ずかしくないかと聞いている」と呼ぶ)一番初めに事務局長として恥ずかしいと申し上げたつもりでございますけれども、法律に従って倫理規程その他の制度をつくったところでございます。
○笹川委員 国家公務員倫理法の枠だとか総論については別に、それは今までの服務規程というのか規則というのか、そういうものも国家公務員としてあると思うんで、それは私は当然だと思うんですが、こんなふうに細かく書くと、一々どれに抵触するんじゃないかと全部上へ相談せにゃいかぬ。倫理監督官というのは事務次官になっている。そうすると、何でもかんでも事務次官まで相談するのか。今度は、事務次官は飯を食うのも、事務次官の親方は大臣ですから、大臣に許可をもらうのかというような事態、まさに屋上屋を重ねるような形にどうしてもなっていく。
 もう一つは、それでは、上に聞くのならもうやめておこうか、みんなやめておこう、何にもしない方がいいということになることが国民のためにならないし、役人としてすばらしい能力があるのにそのエネルギーを使ってくれないのじゃないだろうかということを実は私は心配しております。もちろん国会議員として、例の新潟県の運転免許の問題がありました。これは、確かに警察官も悪かったかもわからぬけれども、それを頼んだ国会議員の方がもっと倫理的には責任があると私は思っている。ですから、そのことを責めるのじゃなくして、せっかくの有能な人材が働いてくれないということは残念だなと。
 もともと、官民癒着で、事務次官室で金をもらったとか株をやったとか絵をもらったというのは、それはだれが考えたってだめなことであって、倫理規程にあったから云々の話ではない、私はこう思いますので、何年かしたら見直しをするそうだけれども、ぜひひとつ。
 各省庁も大変だと思うのです、仕事をやらなきゃならないのに倫理規程ばかり読んで。私はそういう意味で大変国民として寂しいし、こんな倫理規程を一々つくらなきゃならないような、これを外国人に見せたら、アメリカ人に見せたら笑うと思うよ、先進国でこんなことを今ごろつくっているのは。割り勘でもだめ、同級生はいいというのだけれども、同級生だってクラスが別だったら知らないこともありますね、気がついたら同級生だったと。
 ですから、倫理規程というものを今さらやめろと言うわけにはいきませんが、運用についてはやはりもう少し緩やかにして、することが何をやってもいいよという議論じゃなくして、その方が国家と国民のためになると私は思うのです。きょうは、あなたは役人でありますから、一生懸命これをつくられたので、つくったことがいかぬと言わない。また、つくらせるような役人が多かったということも反省をしなきゃなりませんが、これをつくったから全部それが減るのだというようなことは思わないでください。
 それでは、きょうは時間が短くて聞くことが多いので、ぜひひとつ。国家公務員倫理法というものは、国会議員が集まると、えらいものをつくったなと。しかし、国会議員がごちそうするのはいいと書いてある。また、知らない人は、国会議員は特権があっていいな、こういう話になってしまう。
 例えば、特定郵便局長なんか国家公務員ですから、お金を出して我々を招待する、来てあいさつをしてくれというときもこれはだめなんですよ。国会議員がお金を出して集めれば、政党助成金、政治献金を除いて、ポケットマネーであればこれはいいですよ。一種の抜け穴というのか、余り国会議員にしかられると困るから、国会議員だけは特別に考えたのじゃないですか。どうですか。
○石橋政府参考人 国会議員の関係につきましては、大変難しい問題だと思いますけれども、公務員の倫理規程の関係から政治家の活動を規制してしまうのは、多分本末転倒なのではないか。したがいまして、倫理審査会でもこの点は議論いたしましたけれども、政治の問題につきましては、まずは政治のサイドで御検討いただきたいということで、政治家は、個人として行動する場合については倫理規程の枠の外に置いたということでございます。
○笹川委員 政治家だけは何か聖域があるような妙な答弁でありますが、政治家だって役人だって守らなければならぬことは同じだろうと思うのです。そういう精神じゃないと、我々も国民から選ばれているし、皆さんも国民に奉仕しなければならぬ立場だから、角を矯めて牛を殺してしまうとか、そういう日本のことわざがありますが、そうならないように、やはり役人が堂々と元気よく、元気な日本をつくると総理大臣が言っているのに、役人があれもだめだめこれもだめでは、それこそ子供のしつけみたいな話だから、どうかそういうことを頭に十分に置いて、見直しとか、あるいは地方団体に今度お願いするときには、これをそっくりそのまままねろなんということを言わないようにぜひひとつお願いをして、これで結構です。
 それでは、これは最高裁にちょっとお尋ねしますが、実は憲法の第十四条の一項に、すべての国民は法のもとに平等である、こう書いてあります。すべての国民というのは、これは日本国籍を有する者というふうに私は理解をするのですが、それでよろしゅうございますか。
○白木最高裁判所長官代理者 大変申しわけございません。突然のお尋ねでございまして、憲法解釈の問題だろうと思います。
 その点につきましては両説あろうかと思います。今、ここでの確たる御答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○笹川委員 裁判所の頭のいい人が、国民が何ぞやということもわからないと、司法試験に合格しないですよ。国民がというのは、僕が日本国民と言えば、常識上、日本国籍を持っている者だ。日本国籍がなければこれは外国人でしょう。違うだろうか。いや、それは質問を言わなかったので悪かったのだけれども、これまで通告するようではちょっとお粗末ですよ。もう一遍、答弁してください。
○白木最高裁判所長官代理者 全く異論がないかというとそうではないだろうと申し上げたわけでございまして、委員御指摘のとおりだろうと存じます。
○笹川委員 それでは、石原都知事が第三国とか第三国人と言って大変物議を醸したのですが、例えば法律上で、強制送還でいろいろなときに、日本を経由して第三国へ出国するという言葉を使いますね。だから、第三国という、あるいはまた第三国人というのは日本人以外の者を称して第三国人というのであって、この言葉自体は決してそれをべっ視しているとか、ある特定の人を指すというふうに新聞に書いたものもありますが、私はそうは思わないのだけれども、第三国というのは日本以外の国、第三国人というのは日本人以外の者というふうに理解をするのだけれども、これはどうでしょうか。
○白木最高裁判所長官代理者 これもちょっと、行政サイドの立法の解釈の問題でございますので、私どもがお答えするのが適当かどうかと存じます。
○笹川委員 それでは、入管局長、来ているのかな。実は、なぜこれを言ったかというと、在日外国人で日本国籍を帰化をして取っている人がいるわけです。この人が外国へ行ったり帰ったりしたときに、パスポートはもちろん日本だから、入管の職員は見ればわかるのだ。わかるのだけれども、嫌みか何か知らないけれども、カウンターが違うのじゃないかと。あるいは、日本国籍を取得しても日本人の名前でなくていいわけですから、自分の母国の名前で書いてある人もいると思うのですね、日本語読みにすればいいわけだから。そういうことがたびたびあったと。
 せっかく努力をして日本人になったのに、どうも入管というものはそういう先入観があるのか、けしからぬという意見が、この間議員が大勢集まったときに出ました。そういうことが過去にあったかどうか。あるいは、あって、そういうことをしてはならないという通達を出したことがあるのかどうか、お答えいただきたい。
○町田政府参考人 今、委員御指摘の事実につきましては、具体的には私どもまだ把握していないわけですが、時々いろいろな苦情がある、そういうことは事実でございます。
 私どもとしても、もしそういうことがあればまことに遺憾なことでありますので、そういうことがないようにということで、いろいろな機会に、例えば研修、いろいろな形で、段階でやっておりますが、そういう研修の中で接遇のあり方について指導するとか、あるいはいろいろな会議の際に指導するとか、そういう形でかなりいろいろな段階で指導しているところでありますが、そういう話がまだあるとすれば、今後ともさらに一層そういう指導を徹底してまいりたいと存じます。(笹川委員「通達を出したことがあるか」と呼ぶ)明確な、そういう発言を慎むようにというような趣旨の通達は出してはいないのですが、人権に注意してというようなことは、通達という形でやっているかどうかわかりませんが、いろいろな形ではやっていると思います。
○笹川委員 実はこの間、国会議員の集まりの中で、どうも法務省は、入管は通達を出した、そういうことをやっちゃいかぬとかもっと親切にしろ、通達を出したということはあったのだろうと言った人もいたけれども、それは過去の話ですから。入国管理で、我々も外国に行ったときにウエルカムと言ってくれるとうれしいけれども、カウンターが違うんじゃないかなんと言われると非常に嫌な思いがしますから、入管というのは外国人にとっても我々にとっても玄関ですから、玄関でやはり嫌な思いをしないように、確かに入管の人も忙しいと思う、朝早いときも夜もあると思うので御苦労さまだと思いますけれども、これからもぜひひとつ、そういうことの批判をされないように親切にしてあげてください。
 入管局長、帰っていただいて結構です。
 それでは、ちょっと順番が違いますが、建設省にお尋ねをいたします。
 日本には高速道路がたくさんあります。首都高とかあるいはまた本当のフリーウエー、ハイウエーというものがあるわけですが、当然この高速道路をつくるときには設計基準がありまして、もちろん耐震構造とかそういうものがありますが、高速道路を高速で走る車の俗に言う最高速度をどれぐらいを念頭に置いて設計されているかをお尋ねします。
○倉林政府参考人 お答えいたします。
 高速自動車国道の設計速度でございますが、道路の設計の基本となる道路構造令におきまして、その道路の計画交通量や地形の状況によりまして、原則として毎時百二十キロメートルから毎時八十キロメートルの範囲で決定しているものであります。道路を設計する場合には、この道路構造令に基づきまして道路の曲線半径や勾配などの線形要素を検討し、当該設計速度で走行する車両の安全な走行を確保するものとしているところでございます。
○笹川委員 俗に言う、例えば関越道路とか東北道だとか東名だとかあるのですが、最高の百二十キロというのは実はわかっていて聞いたんだけれども、八十キロということは前に聞いたことがないのだけれども、変えたのですか。
○倉林政府参考人 ただいま申し上げましたように、交通量とか地形の状況によりまして、百二十というところもございますけれども、やはり交通量が多いところとか、そういうところにつきましては八十キロと設計してつくっているというところもございます。
○笹川委員 それでは交通局長にお尋ねしますが、今建設省で百二十キロから、八十キロというのは恐らく首都高なんかを言っているんじゃないかなと思うのだけれども、実際私が今言った関越とかその他の道は、建設当時は百キロ以上で高速走行しても安全だということで設計したのですが、だんだん公安委員会の指定が変わってきまして、関越でも八十キロになっちゃっている。もちろん、これは公安委員会の決めることで仕方がないと思うのだけれども、高速道路というのは速く走ることにあるのであって、普通、道路を走行している車の八〇%、九〇%が守っているというのが実は安全速度なんですね。
 私は、もう世界各国、約四十何年高速道路を走っているので、要は高速道路というのは流れなんですね。一台だけ飛び抜けて速いのも危険だし、遅いのも非常に危険なんですが、これだけ車の性能がよくなってきて、もちろんブレーキを含めてでありますが、あれだけ立派な高速道路が、例えば山中湖、あっちへ行くときに全部八十キロなんですね。これは少し厳し過ぎるんじゃないかと思うのだけれども、こういう設定をするときは、どういう技術屋さんが設定するわけですか。
○坂東政府参考人 お答えいたします。
 最高速度等の交通規制につきましては公安委員会が設定するということになっておりますので、先ほど建設省の方から御答弁いたしましたように、道路そのものに設計速度といったものが設定されているわけでございますので、そういったものとか、あるいはその場におきます交通の実態とか、いろいろな交通安全等に関連する要素というものを勘案しながら最高速度規制というものを決めているというところでございます。
○笹川委員 交通局長は自分で運転して走ったことがあるのかな。公安委員会が定める、実は公安委員会というのは何もないのだ。これから尋ねますけれども、公安委員会は名前だけなんだ。実態は全部警察官が出向してやっているわけだから。一遍私が今言ったような道を八十キロで走ってみたらいい、どれだけの車に追い越されていくか。これは実態を全然あなた方はわかっていない。いつも私は言うのだけれども、後ろに乗っている人はわからないのだね、運転していないと。車もうんとよくなっている。電気自動車だって今ごろ百キロは楽に出る。その点、きょうは時間がないのでこれ以上議論しませんが。
 それから、今までオートバイが八十キロ、時によると自動車が百キロですから、横をばあっとやられるとおっかないですな。私もオートバイに乗るものだから、風圧で倒れそうになる。これは、同じ道路を違う速度の車が走ることがいかに危険であるかということを交通部の人はわからない。車はゆっくり走れば安全なんだというふうな考え方がそもそも間違っているということを今回指摘しておきます。私はまだ今でも乗りますから、速度が違う車が走るんだから、追い越すに決まっている。そうすると、あのでかいトラックにうわっとやられると、オートバイはもうこんなになるのですよ。今度、そういうことでオートバイの速度も普通の自動車の速度と同じにするということに、新聞に書いてあったけれども、この点、一点。
 それからもう一つ。大型免許を易しくしろということをアメリカから言われましたな。それで、大分これは緩和になりました。昔は大型二種は十回以上落第しないと取れなかった。
 それから、オートバイの二人乗り。これは恐らく警察庁で、高速道路は二人乗りは勘弁してほしいという考え方だと思うのですが、この点については、私は二人乗りはやめてほしい。高速道路の二人乗りは危ない。というのは、オートバイというのは非常に危険度が高いですから、接触すれば必ず死亡事故になります。どうせ死ぬなら、私は一人の方がいい、二人乗って二人若い人から死なれたんじゃ困るから。そういう意味で、危険度ということを考えると、二人乗りは、アメリカに言われても、ひとつ当分の間一人乗りということでやってもらいたいと思うのですが、どうですか。
○坂東政府参考人 まず最初の、高速自動車国道におきます最高速度の関係でございますが、先ほども御答弁いたしましたように、公安委員会が設置いたします道路標識または道路標示により最高速度が指定されている道路以外の高速自動車国道におきましては、自動二輪車の最高速度は八十キロメートル毎時とされているところでございますけれども、政府の規制緩和推進三カ年計画等を受けまして、警察庁といたしましても必要な調査検討を行いました結果、自動二輪車と軽自動車の最高速度を百キロメートル毎時に引き上げることを内容といたします政令改正案を作成いたしまして、現在、パブリックコメントを行い、広く国民の意見を求めているところでございます。
 今後は、このパブリックコメントは五月の十三日まで行うということにしておりますので、このパブリックコメントにより国民から寄せられました意見も参考とし、また、委員から御指摘いただいた点も踏まえながら、ことし秋の施行を目途として改正作業に取り組んでまいりたいと思います。
 それから、二点目の高速自動車国道あるいは自動車専用道路におきましての自動二輪車の二人乗りの規制の関係でございますけれども、この高速自動車国道等における自動二輪車の二人乗りというものは、委員御指摘のように重大事故につながりやすい、また、我が国の道路環境は欧米と差異があるといったような理由によりまして禁止されているところでございます。
 この禁止の規制につきましては、本年三月の政府の規制緩和推進三カ年計画の改定により、「高速自動車国道等における自動二輪車の二人乗りを認めることの可否について調査・検討し、できるだけ早期に結論を得る。」とされたところでございまして、これを受けまして、今後、その可否について検討を行っていくということにしておりますけれども、その際には、本年三月にも、政府の市場開放問題苦情処理推進会議、いわゆるOTO推進会議と呼ばれるものでございますが、そこにおきましては、「我が国においては、自動二輪車の危険な運転を行う者が見られることなどから、自動二輪車の走行が安全でないとの認識が国民の間に根強くあり、現状のままでは、二人乗り禁止規制の解除は困難であると考えられる。」といった結論が出されておりますこととか、あるいは、今申しましたように、高速自動車国道における自動二輪車の最高速度を引き上げる場合におきましてはその影響等を十分に検証する必要がある、こういったことも踏まえまして検討を行っていく必要があるということでございますので、委員御指摘の点も参考とさせていただきながら、交通安全の確保を図る観点から、この高速自動車国道等における二人乗りにつきましては十分に検討を行っていきたい、このように考えております。
○笹川委員 だから日本はだめと言われるんだよ。これは、外国人に言われると変える、日本人が言ったんじゃ変えないという議論の立証なんだ。規制緩和というのは、命が危なくなっても規制緩和しろと言っているんじゃないんですよ。アメリカとは道路事情が全然違う、すいているし。アメリカのオートバイはヘルメットをかぶらなくていいんですよ、死ねば自己責任ですから。日本みたいに親切に、警察に行くと、交通事故死が何人なんて書いてありませんから。
 そういうことで、自動車の制限をアメリカの規制緩和で言われたから直すというのは、どうも私は合点がいかないんだな。外国人が規制緩和、これは規制緩和の話じゃない。道路は安全に走れる設計をされているんだから、そういう意味で最高速度を直しました、というのは同じ流れで走らないと危険ですよという、私が言っている理論であなたが答弁するなら承諾するけれども、規制緩和だから八十を百なんという答弁をしたんじゃ、それはちょっとおかしいんじゃないかな。
○坂東政府参考人 政府の規制緩和推進計画にもそういった見直し等について書かれているということでございますけれども、そういった問題も含めまして、委員御指摘のような形で、交通流というものを整序していき、かつ安全を確保するためにどうあるべきかといった面も勘案しながら検討したところでございます。
 特に、平成九年の道路交通法の改正等によりまして大型貨物自動車は第一走行車線を走ることとされましたけれども、これに伴い、軽自動車とかあるいは自動二輪車というものが第二走行車線あるいは追い越し車線へ移動する傾向が最近特に見られるということでございますので、やはり普通自動車と同じような速度にした方が安全であろうといったことを勘案いたしまして、今改正試案をまとめたというところでございます。
○笹川委員 今の答弁をすればいいんです。規制緩和だからやったと言うから、それは違うよと言われてしまう。
 さて、きょうの新聞に、運転免許証に臓器移植のシールが張ってあったと。私は大変いいことだと思っているんです。本当は、免許をもらったときに、免許証の中の欄に、臓器移植、万が一交通事故で死んだときにはイエス、そういうものをぜひ警察庁にお願いをしようと実はきょう思っていたんだけれども、もう既にシールを張っていて、この間臓器移植が成功したという話を聞きました。
 それは、官庁が発行したものに書いたり物を張ったりするということは、パスポートもそうですが、本来いけないことになっていますが、運転免許証についてはもういいのですな。
○坂東政府参考人 昨年、道路交通法に関する総理府令というものを改正いたしまして、委員御指摘のように、ドナーシールというものを免許証の裏に貼付してもいいということになったところでございます。
○笹川委員 それでは、交通局長、帰ってください。
 それでは、警察庁の刑事局長に聞きますが、実はきょう新聞を見て、大変うまく解決されて、御苦労でした。悪いことをするとぼろかすに文句ばかり言われて、うまくいってもだれも褒めないから、きょうは国民を代表して感謝を申し上げておきます。
 さて、そこで、プリペイド式の携帯電話だとか、ATMは日本全国で何か何千カ所とか何万カ所ある、こういう中で全部張り込んでやるなんということはとてもできないわけです。実は、我々苦労して通信傍受法をつくりましたが、プリペイド式の携帯電話という、名前も言わぬで買える、料金先払い。これはもう、悪いことをする人は、これを見たから、よし、おれも一丁やってやろうというのが、類似犯が必ず出てくる。
 そういうことで、警察庁としては、例えば郵政省その他あるいはまた電話メーカーに、犯罪防止という観点から、やはりこういうものの販売は身元確認をしてからでなければ売れないようなシステムにした方がお互い国民の共通の利益になると私は思うんですが、そういうような要請とかそういう考え方はありますか。
○林政府参考人 今御指摘ありましたように、このプリペイド式の携帯電話の利用というものは大変増加しておりまして、大変利便なものでありますけれども、反面、匿名性を利用して犯罪に使うということで、薬物取引や売春あるいはこういった誘拐にも使われたわけであります。
 したがいまして、警察庁といたしましては、既に平成十二年の一月十七日、郵政省と関係業界等に対しまして、契約時及びプリペイドカード販売時における契約者及び購買者の身分確認を運転免許証等の公的発行物等を使用して行うとともに、その記録を保管していただくこと、それから、その他のサービスのあり方を含め、犯罪防止のための有効な仕組みを採用することについて要請を行っているところであります。
 それが、今御指摘ありましたように、平成十一年の十二月の大阪府摂津市で発生した小学生誘拐事件に引き続いて、このたびまた神奈川県でこの小学生誘拐事件が発生したということで、警察庁といたしましては、本日、再度関係業界等に対しまして文書を発しまして、身分確認等の措置について要請を行うとともに、前回も要請しておりますので、現在までの対応状況等につきましてどういうふうになっているかお尋ねをしておるというところでございます。
○笹川委員 それでは、時間の関係で、聞きたいことはたくさんあるんですが、犯罪もだんだん悪質化するし、ぜひひとつ頑張っていただきたい、こう思います。
 そこで、少年法はまだ審議されておりませんが、実は私の手元に「少年法改正に関する要請書」というのが来ているものだから、恐らく審議のときにこういうことを参考にしてくれということで来たんだと思うんですが、この中に、少年側の条件を不利にした中での事件処理だとか、冤罪が増大することが危惧されるとか、これは実は群馬県の教職員組合の執行委員長の名前で私のところへ来ました。名古屋の五千万恐喝事件にかかわった判断でこういう少年法が一層進められるのではないかというような意味が書いてあるので、私は直接この人に、名古屋の五千万は刑法犯であるけれども、このことがあったから少年法を即やるんだということは間違いです、取り消してくださいということを申し上げたら、取り消しますと言っていた。だから、私は、こういう抗議、陳情書、要請書も間違っておれば政治家はもう堂々と電話して、その点は違いますよ、そういう意味じゃありませんと。
 少年の健全育成というものは外すことは考えていない、けれども、大人以上の悪質な事案が起きたときにはやはり厳しく信賞必罰をすることも必要だし、同時にまた、今のお子さんはパソコンなんかを使って非常に情報も多い、それから、お子さんの場合には、警察官に聞いてみると、やくざと同じように口がかたい、相談したら絶対に仲間割れを起こさないということも実は聞いております。
 私は、そういう意味を含めて、今後審議するときには十分時間を割いていただいて、少年法の趣旨を踏まえながらきちっといいものができるように努力をしてまいりたいと思いますので、警察庁も、たたかれるときばかりたたかれずに、違うなと思ったときには堂々と、そこは違う、間違っています、訂正をしてもらいたいということは言ってもらわないと、一線の警察官はみんな靴の底をゆがめて犯人を追っかけているわけだから、そういう人の士気が低下しないように幹部の人は十分にひとつ配慮をしていただきたい、私はこのことを特に刑事局長にお願いをしておきます。
 また、全司法労働組合群馬支部からももらいました。やはり少年法については、家庭裁判所の調査官及び保護観察官などがいるから、国民の英知によって考えてほしいと書いてあるのです。我々は国民の代表ですから、やはり英知を絞って努力をしていきたい。
 だから、健全育成ということを外すとか少年法の建前の保護主義を全部排除してしまうなんということは毛頭考えておりませんので、審議が始まったら堂々とひとつ御答弁をいただきたい、こういうふうに要請をしておきます。
 さて、官房長にお尋ねをします。
 連日新聞をあけると警察官の不祥事ということが書いてあるのですが、警察庁からもらった、平成十年度は免職十九、停職八、減給五十、戒告六十一、合計百三十八、平成十一年が免職三十九、停職十七、減給百十八、戒告百二、合計二百七十六、ウナギ登りに実は上がっているのです。
 私は、警察も大勢の国民の中から試験をして厳正に採用しているので、今が急にふえたのか昔からあったけれどもわからなかったのか、どっちかだと思うのですね。今が急激に上がったのか、昔からあったけれどもわからなかったからそれは同じ数字ですよと。あるいは、昔は本当になかった、今だけうんと伸びたのだということになれば何かそこには原因がなければならぬ、原因がない結果なんということはあり得ないのだから。
 その点、官房長はどうですか。昔はなくて今だけ出たのか、マスコミが余り書かなかったからないように思われたけれども、昔も実際はありましたか、どうですか。
○石川政府参考人 今委員の御指摘の数字に間違いはございません。
 そこで、処分別にどういう状況になっているかということでございますが、いずれも増加をしているわけでございますが、形態的に見ますと、勤務規律の違反というもの、飲酒による交通事故、それから異性関係によるもの、こういったもので信用失墜行為があったということでいわゆる懲戒処分が行われておる、そして、それについて監督者が十分な監督をしていなかったということで、監督責任も懲戒処分になる場合があるわけでございまして、そういうものがふえておる、こういうようなことでございます。
○笹川委員 実は、ここで私はいろいろ考えたのですが、監督責任の処分処分というのだけれども、処分をすると、上の人はもうそれで終わったと思うのだけれども、実は物すごく不満が出るのですね。なぜ出るかというと、個人的な私行あるいは五時以降、警察官であるということは変わりないわけですから、ただ何でも監督責任を問うということになると、私はだから隠すのだろうと思うのですよ。処分されてはかなわないから、やはり試験で栄転していかなければならぬから、無事大過なく過ごしたい。
 私は、やった人を勘弁してやれとかと言っているのじゃないのですよ。実行行為者は処分されてもしようがない。けれども、どんどんさかのぼって転勤した先まで追っかけて監督責任の処分というのは、よさそうだけれども、日本の社会の監督責任、処分ということを警察がやめない限り、逆に言って不祥事は出る。小さい不祥事のうちに注意してあげれば大きい不祥事にならないけれども、それが済んでしまったのなら、まあいいや、またこれぐらいいいだろうと。だから、監督責任という処分の方法を警察庁は逆に見直すべきだ。厳しくしたらなくなるなんという議論は全く論外だ。厳しくしたのなら減らなければならないけれども、どんどんふえている。
 逆に言って、悪いことをしたら処分するけれども、監督者というのは、例えば業務上監督を怠ったというのならいいけれども、警察の処分の仕方はそうじゃない。だから、退職のあいさつの中に大過なく退職できましたと書いてあるわけなんだ。大過なくというのは、最初は何にもしないかと思った。そうじゃない、運がよかったから大過なく退職できたというあいさつ状ですよ。だから、どうぞひとつ、監督責任というものはもう一遍考え直してほしい。ただ通達を出したとか、厳しく処分すればなくなるということじゃなくして、ストレスもたまっていると思うので、ぜひひとつその点を考え直してください。
 もう一つは、今度は国家公務員倫理法、さっきの話、恥ずかしいお笑いの法律ができてしまった。これは警察官も全部、将来これにはまるわけですから。そうすると、警察というのは、司法行政ですね。司法だけじゃないんだ、行政、隣組の人に協力しなければいかぬ。交通のときもそう、あるいは防犯もそう、あるいはパチンコの遊技業者もそう。そういうときに飲み食いのところにはもう警察官は一切出ませんよということになってしまうと、地域と密着した円満な警察行政はできないのじゃないかと思って私は心配しているわけです。今まで来た人が来ない。頼めもしない。しかし、日本人はともするとやはりひざを交えて畳のところで一杯飲みながら、ことしもお世話になりました、まあ来年も事故のないように頑張りましょうということは、もう全然これからはできなくなると思うのだけれども、どうですか。
○石川政府参考人 まず第一点目の監督責任の問題でございますが、私どもの方でもいろいろ今検討いたしておりまして、本当に個人の職務外の私行にわたるような非行というもので、監督者として平生そういうことが監督上何ともわかりようのない突発的なようなもの、それから職務上きちっと業務処理としてチェックすべきだったものが欠けていたといったようなものをしっかり仕分けをいたしまして、処分を受けた者が納得されるような、むしろ行為責任に近いような監督責任みたいなものをきちっと問うていくということは必要だろうと思います。そこで、委員の御指摘のような形で、私どもも監督責任のあり方というものについては今後検討を十分してまいりたい、こういうふうに思っております。
 それから、二点目の国家公務員倫理法あるいは倫理規程との関係で、それぞれ警察行政というのは地域の方々のいろいろな御意見、御要望というものを十分踏まえて執行していかなければならないということは委員御指摘のとおりでございます。
 今の法律、規程というのは一般職の国家公務員に適用になるものでございまして、現段階では、その法が直接地方の警視以下の地方公務員たる警察官には適用がないわけでございますが、それにいたしましても、署長等が地域の方々といろいろな形で、職務の公正という観点から国民の疑惑を招かないような形で注意しつつ、そういった会合等に参加をしていろいろな御意見を賜るということも大変重要なことだろうと思います。そういう法とか規程の趣旨にのっとって、そして正規の手続を踏んで、そういうところに積極的に参加をしていくというのも一つのあり方だと思いますので、そういった観点から指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
○笹川委員 今、官房長は、国家公務員だけが今度、倫理規程なんだけれども、ここに、地方もやりなさい、努めなければならぬと書いてあるから、遅かれ早かれこの規程は地方もつくらざるを得ませんから。そうすると、一線の警察官は、ちょっと夜あったときに一々その許可をもらわなきゃ出られない、翌日になっちゃったら会合が終わっていたということになるようなこともあると私は思うので、やはり緊急的なことはあると思うので、その辺は十分に、下の人が職務の遂行上支障のないようにひとつ考えてください。
 時間がほとんどありませんが、法務省の刑事局長にお尋ねします。
 先ほど同僚議員が聞いてしまったので二度ということになるが、私は、やはり冤罪というものはもう絶対避けなきゃならぬ。たくさんの犯人を捕まえることよりも一人の冤罪を出さないということが国民の願いだし、また法に携わる人間の使命だろう、私はこう思います。
 そこで、あの愛媛の場合には求刑二年六カ月とかと書いてありましたが、現実に、一年以上勾留していますと、それだけでもう刑期の半分ぐらい入っちゃっている形になるということになります。私は、裁判は法と証拠に基づいてとよく答弁されるので、法と証拠でもって起訴したのなら別に勾留しなくたって有罪は有罪でかち取れると思うのだけれども、どうも日本は安易に長期の勾留をする、裁判所自体もなかなか釈放しない。例えば、地検の段階で保釈申請を出しても抗告する、抗告すると大体もう高裁で認めちゃって、そのまま長期勾留になると思うのです。私は、長期勾留さえしていないで、保釈をしていて裁判を続けていけば、裁判が多少長くなっても、結局、万が一過ちがあったときに救済が十分できると思う。これは、お金を国家賠償で払うといったって、一年間入っていたものをかわってだれか役人が入るわけじゃないですから。
 そういうことを考えて、ぜひひとつ、刑事訴訟法の建前上、やはり長期勾留をしないで、法と証拠に基づいて裁判をだれでも受けられるように、しかも早く受けられるようにすることがこういう事態になったときに被害が少なくて済むと私は思っているのですが、どうですか。
○古田政府参考人 個別の事件についての勾留の問題についてはちょっと答弁を差し控えたいと存じますが、一般論として、委員御指摘のとおり、できるだけ被告人の方の手続的な負担というのは軽くすべきものであろう、これはもうそのとおりだろうと思っております。
 そこで、時としてかなり勾留が長期にわたるということもあるわけですが、起訴された段階から後はこれはいわゆる保釈の問題になるわけでございまして、この保釈の適否については、事件の内容やあるいは審理の状況等、諸般のことを裁判所におかれて慎重に判断した上で決せられていると思っております。
 それともう一点、勾留が長期化するのは、一つの問題としては、裁判自体が長期化しやすいというところに原因があるように思われるわけです。したがいまして、そういうような問題を避けるためにも、一つの対策としては、どうやって密度の高い審理を実現していくか、これも十分考えなきゃならない問題だと思っております。
 いずれにいたしましても、御指摘の問題につきましては、とにかく不当に長期化はしないように十分実務でも心がけてやってまいりたいと思っております。
○笹川委員 最後になりましたが、人権擁護局長にお尋ねします。
 こういういろいろな事案がありますね。当然、国民の人権を擁護しなきゃならない立場であります。同じ法務省の中にあるセクションでありますが、どうかひとつ、人権を十分に擁護でき得るように最大の配慮をしてほしい。そうじゃないと、人権擁護局が頑張らないと、こういう事件は多発するだろうし、また改良もされない、こういうふうに思いますので、ひとつ、一生懸命やるという決意表明で、もう質問を終わります。
○横山政府参考人 個別の事件については答弁を差し控えさせていただきますけれども、こういう刑事事件に関係しまして、場合によっては結果として無実であることが判明するような事案、こういうものは本来的にはあってはいけないことだ、そういうふうに考えています。
 私どもとしましては、広く刑事関係も含めてといいますか、刑事関係は刑事関係でまたそれなりに、不当な身柄拘束等が起きないように厳格な手続が設けられておりますけれども、私どもはまた私どもの立場として、精いっぱい人権擁護のために頑張ってまいりたい、このように考えております。
○笹川委員 終わります。
○武部委員長 次回は、来る二十八日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十六分散会