第149回国会 予算委員会 第1号
本国会召集日(平成十二年七月二十八日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。
   委員長 原田昇左右君
   理事 甘利  明君 理事 金子 一義君
   理事 斉藤斗志二君 理事 中村正三郎君
   理事 池田 元久君 理事 海江田万里君
   理事 原口 一博君 理事 遠藤 和良君
   理事 中井  洽君
      伊藤 公介君    伊吹 文明君
      石川 要三君    大原 一三君
      奥野 誠亮君    亀井 善之君
      久間 章生君    栗原 博久君
      小坂 憲次君    塩川正十郎君
      砂田 圭佑君    高鳥  修君
      高橋 一郎君    中山 正暉君
      丹羽 雄哉君    葉梨 信行君
      萩野 浩基君    福田 康夫君
      牧野 隆守君    八代 英太君
      生方 幸夫君    金子善次郎君
      木下  厚君    五島 正規君
      城島 正光君    仙谷 由人君
      中田  宏君    野田 佳彦君
      日野 市朗君    平岡 秀夫君
      横路 孝弘君    赤松 正雄君
      桝屋 敬悟君    鈴木 淑夫君
      達増 拓也君    木島日出夫君
      志位 和夫君    辻元 清美君
      横光 克彦君    井上 喜一君
平成十二年八月二日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 原田昇左右君
   理事 甘利  明君 理事 金子 一義君
   理事 斉藤斗志二君 理事 中村正三郎君
   理事 池田 元久君 理事 海江田万里君
   理事 原口 一博君 理事 遠藤 和良君
   理事 中井  洽君
      伊藤 公介君    伊吹 文明君
      石川 要三君    大原 一三君
      奥野 誠亮君    亀井 善之君
      久間 章生君    栗原 博久君
      小坂 憲次君    阪上 善秀君
      塩川正十郎君    砂田 圭佑君
      田中 和徳君    高鳥  修君
      中山 正暉君    丹羽 雄哉君
      葉梨 信行君    萩野 浩基君
      福田 康夫君    牧野 隆守君
      森岡 正宏君    八代 英太君
      山口 泰明君    生方 幸夫君
      奥田  建君    金子善次郎君
      菅  直人君    木下  厚君
      五島 正規君    城島 正光君
      仙谷 由人君    中田  宏君
      野田 佳彦君    日野 市朗君
      平岡 秀夫君    横路 孝弘君
      赤松 正雄君    北側 一雄君
      桝屋 敬悟君    鈴木 淑夫君
      達増 拓也君    木島日出夫君
      志位 和夫君    春名 直章君
      矢島 恒夫君    辻元 清美君
      横光 克彦君    山本 幸三君
      井上 喜一君
    …………………………………
   内閣総理大臣       森  喜朗君
   法務大臣         保岡 興治君
   外務大臣         河野 洋平君
   大蔵大臣         宮澤 喜一君
   文部大臣
   国務大臣
   (科学技術庁長官)    大島 理森君
   厚生大臣         津島 雄二君
   農林水産大臣       谷  洋一君
   通商産業大臣       平沼 赳夫君
   運輸大臣
   国務大臣
   (北海道開発庁長官)   森田  一君
   郵政大臣         平林 鴻三君
   労働大臣         吉川 芳男君
   建設大臣
   国務大臣
   (国土庁長官)      扇  千景君
   自治大臣
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長) 西田  司君
   国務大臣
   (内閣官房長官)
   (沖縄開発庁長官)    中川 秀直君
   国務大臣
   (金融再生委員会委員長) 相沢 英之君
   国務大臣
   (総務庁長官)      続  訓弘君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      虎島 和夫君
   国務大臣
   (経済企画庁長官)    堺屋 太一君
   国務大臣
   (環境庁長官)      川口 順子君
   内閣官房副長官      安倍 晋三君
   総理府政務次官      中原  爽君
   金融再生政務次官     宮本 一三君
   総務政務次官       海老原義彦君
   北海道開発政務次官    橋本 聖子君
   防衛政務次官       仲村 正治君
   防衛政務次官       鈴木 正孝君
   経済企画政務次官     小野 晋也君
   科学技術政務次官     渡海紀三朗君
   環境政務次官       河合 正智君
   沖縄開発政務次官     白保 台一君
   法務政務次官       上田  勇君
   外務政務次官       浅野 勝人君
   大蔵政務次官       村田 吉隆君
   文部政務次官       鈴木 恒夫君
   厚生政務次官       福島  豊君
   農林水産政務次官     石破  茂君
   通商産業政務次官     坂本 剛二君
   運輸政務次官       泉  信也君
   運輸政務次官       実川 幸夫君
   郵政政務次官       佐田玄一郎君
   労働政務次官       釜本 邦茂君
   建設政務次官       植竹 繁雄君
   自治政務次官       中谷  元君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    津野  修君
   政府参考人
   (金融再生委員会事務局長
   )            森  昭治君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    古田 佑紀君
   政府参考人
   (建設事務次官)     小野 邦久君
   参考人
   (預金保険機構理事長)  松田  昇君
   参考人
   (日本銀行総裁)     速水  優君
   予算委員会専門員     大西  勉君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月二十八日
 辞任
  高橋 一郎君
同日
            補欠選任
             山本 幸三君
八月二日
 辞任         補欠選任
  奥野 誠亮君     森岡 正宏君
  亀井 善之君     田中 和徳君
  久間 章生君     阪上 善秀君
  高鳥  修君     山口 泰明君
  五島 正規君     菅  直人君
  日野 市朗君     奥田  建君
  桝屋 敬悟君     北側 一雄君
  志位 和夫君     春名 直章君
同日
 辞任         補欠選任
  阪上 善秀君     久間 章生君
  田中 和徳君     亀井 善之君
  森岡 正宏君     奥野 誠亮君
  山口 泰明君     高鳥  修君
  奥田  建君     日野 市朗君
  菅  直人君     五島 正規君
  北側 一雄君     桝屋 敬悟君
  春名 直章君     矢島 恒夫君
同日
 辞任         補欠選任
  矢島 恒夫君     志位 和夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 予算の実施状況に関する件


    午前九時開議
     ――――◇―――――
○原田委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の実施状況に関する事項について、議長に対し、国政調査の承認を求めることとし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
○原田委員長 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁速水優君及び預金保険機構理事長松田昇君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として金融再生委員会事務局長森昭治君、法務省刑事局長古田佑紀君及び建設事務次官小野邦久君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○原田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。甘利明君。
○甘利委員 おはようございます。自由民主党の甘利明でございます。御存じとは思いますが。私は、自由民主党を代表し、森総理並びに関係閣僚に経済問題を中心に質問をさせていただきます。
 さて、本予算委員会は、さきの総選挙後初めて開かれました予算委員会でありますので、まず総選挙の総括から入らせていただきます。
 六月の二十五日に行われました衆議院総選挙は、自民党、公明党、保守党連立政権にとりまして、初めて国民に信を問う選挙でありました。その結果、自公保で国会運営に必要な絶対多数を確保はいたしましたので、連立は一応国民の信任を受けたという見方もできると思います。しかし、一方で各党の選挙結果を検証いたしますと、これは相当厳しい評価を有権者からいただいたというのが素直な受けとめ方だと思っております。
 他党のことはこの際おいておくといたしまして、我が党の選挙結果を振り返りますと、改選前は二百七十一議席でございました。改選後は二百三十三でありますから、大幅に議席を減らしました。もちろん、この間に衆議院の定数是正がありました。五百から四百八十に定数を削減したわけでありますから、この数字を横並びで比べることはできませんけれども、それを勘案いたしましても、我が党がこの選挙に敗北をしたということは事実だと思います。
 特に、大都市部では相当な打撃をこうむりました。現職大臣が落選をする、有力な閣僚経験者がまくらを並べて落ちるという結果がありました。こうした国民からの批判を真摯に受けとめて、しっかりと出直しを図っていかないと、来年の参議院選挙は取り返しのつかないことになるということを心配いたしている一人であります。
 自民党総裁たる森総理は、この選挙結果をどう受けとめて、どう出直しを図られるおつもりか、まず伺います。
○森内閣総理大臣 今のこの小選挙区制、比例並立制というのは、将来においてやはり二大政党制というものを求める、そういう理想に燃えて長い間議論がありましたけれども、そういう理想に燃えてこの制度というものを取り入れた。これは我々与党だけではなくて、野党の皆さんも、これまで連立で与野党いろいろと入れかわりもいたしましたけれども、そういう経過をたどってきたものだと思います。
 そういう意味で、今回の選挙は、初めて自公保三党ということで政権の枠組みを明示したということでは、これまでになかったことだと思います。
 そういう意味では、二大政党にすぐできるということ、あるいは二大勢力にすぐ実現できるということは、なかなかこれは難しいことだろうと思いますし、これからのまたいろいろなプロセスを経なきゃならぬことだと思います。しかし、それでもまずは、選挙の前にきちっと三党の連立でいきますよ、こういうことを国民に明示し、また政策の合意を得て、そして選挙に臨んだというのは初めてのことでございました。
 そういう意味では、安定した国会運営あるいは政治基盤というものを強力にするということでは、現状の中では連立しかなかったわけでありますから、そういう中で選挙に臨んで、そして景気の回復を何としてもなし遂げるということ、あるいはサミットの成功をぜひ実現させるということ、あるいはまた日本新生に向けた構造改革の必要性を国民の皆さんに訴えた、こういう選挙であったと思います。
 その結果、今甘利委員から御指摘がございましたように、我が党としては確かに大きく数を減らしたという、このことは率直に私も反省しなきゃならぬと思っておりますが、しかし、与党三党で絶対安定過半数の議席を得ることができた、そういう意味では、厳しい中にも国民の皆さんからやはり安定した三党連立政権というものの枠組みは信任をいただいたものだ、こういうふうに私も受けとめております。
 しかし、御指摘ございましたとおり、我が党に対するいろいろ厳しい御批判、そしてまた評価があったということも、これは謙虚に耳を傾けなければならぬことでありますし、また、これからその要請にこたえて、政府もあるいはまた党自体も大きく改革のために努力していただくということは、総裁としてもそのことを念じているわけでございます。
 私は日本新生というものを訴えておりますけれども、これは我が国経済社会全体の構造改革である、このように申し上げているわけでありまして、新生日本の建設にはさまざまな困難あるいは痛みも伴うわけでありますけれども、私は、国民とともに歩み、国民に信頼される政府を信条といたしまして、解決を先送りしないように結論をできるだけ早く出していく、そういう答えを出していくということを信条にしながら、国民の皆さんの負託にしっかりとこたえていきたい。そして、党の体質改善のためにも大いにまた努力もしていきたい、このように考えているところでございます。
○甘利委員 郡部、農村部では勝利をいたしました。しかし、大都市圏では我が党は敗北をしたわけであります。
 都市政策の欠落が今指摘をされているところでありますし、投票率を上げる要因になる階層に対するアピールが不十分ではなかったか。すなわち、都市部のサラリーマン層に対する政策が適切に打てていなかったのではないか、あるいは、彼らの自民党に対する信頼感が失われてしまってはいないかということを反省することだというふうに思っております。
 今回の選挙で、私を含めてでありますけれども、多くの自民党の候補者は、投票率が余り上がらない方がいいなということを願いました。上がり過ぎますと……(発言する者あり)これは正直な心情を言っているのでありますが、上がり過ぎると無党派層が行動を起こす、そうすると自民党に不利に働くということを実は思ったわけであります。
 しかし、振り返ってみれば、昔は我々は、投票率が上がることを期待したはずであります。理想のお天気というのは、朝方小雨がぱらついて、それからすぐやんで、行楽に行かないで投票に行ってほしい、そういうことを願ったはずでありまして、投票率が上がれば自民党に有利になる、昔はそう願ったはずであります。
 何だかんだ言いましても最後に頼れるのは自民党だ、そういった信頼感が今でいう無党派層の人たちの中にもあったはずなんであります。いろいろ欠点はあるけれども、でも最後に頼れるのは自民党、おやじのような存在の自民党だ、それが自民党であったはずなんでありまして、正すべきは正して、変えるべき点はちゅうちょなく変える、同時に、守るべき点はしっかりと守っていく、それが自民党のよさなんであります。さきの総選挙で、自民党の候補者のスローガンの中にこういうのがありました。「変える勇気、守る誇り」。自民党は勇気と同時に誇りを忘れてはいけないと思うのであります。
 三、四年前でありましたでしょうか、当時の新進党から自民党にくらがえをする方が何人かありました。そのうちの一人に、入党して一月後くらいだったと思いますけれども、どうですか、もう自民党になれましたかということを私が声をかけましたら、その方は、甘利先生、自民党というのは外からのイメージと全然違って、すごく開かれていて物すごく民主的な党なのですねと、感激の面持ちで返答をされました。これは事実であります。
 何を指しているのかと思いましたら、政策決定手順の話でありました。御案内のとおり、自民党は政府の政策を決定する際に、手順を踏んで議論を積み上げていくという政党であります。
 まず、政務調査会傘下の各部会で議論を行います。産業政策に関する案件ならば商工部会、外交政策に関する件なら外交部会、それぞれの部会で議員間の、そして議員と役人の間の議論を行いまして問題点を詰めていくわけであります。部会で可決をされますと、政調審議会に進みまして、それをクリアすると総務会にかかる。そこで可決をすると、党としての意思決定となるわけであります。そして、そのすべての段階で、一年生議員であろうと大臣経験者であろうと、対等の論議が保障されているわけであります。
 国会開会中には、毎週月曜から金曜まで、毎朝八時からそれぞれの部会が一斉に店開きをするわけであります。多い日には十件以上の会議が自民党本部で朝八時から開催をされておりまして、毎朝けんけんがくがくの政策論議が展開をされる。どこへ出席するのも自由であるし、どんな論陣を展開するのも自由でありまして、そこで政策を勉強し、演説力を鍛えるというわけでありまして、一年生といえども、政府の政策をリードする場が保障されているわけであります。
 そうした自民党の伝統的なよさも、国民の皆さんにアピールをする必要があると思うのであります。同時に、そうした伝統的なよさが目詰まり状態を起こしてはいないだろうか、閉塞感を伴ってはいないか、点検をすることも怠ってはならないというふうに思うのであります。
 最近、我が党の若い人たちに話を聞きますと、党に閉塞感があるということをよく言われます。平場からの議論の積み上げをなおざりにしてはいけないのでありまして、上が結論を出してしまって会議がガス抜きの場に成り下がってはいけない。伝統的自民党のよさをしっかりと守っていくために、変えるべき点は大胆に変えていく。保守なる改革とは、よき伝統を守るための改革でもあります。もう一度、総裁たる総理の決意を伺います。
○森内閣総理大臣 私ももう三十一年になりますが、初めて昭和四十四年に当選をしてきましたときに、今甘利さんがおっしゃいましたように、毎朝党本部で勉強会が、いわゆる政調の部会、あるいはいろいろな委員会が開かれているのを見て、私のようなまだ一年生議員でも発言することをしっかりと受けとめてくださって、ああ、すばらしいな政党というのは、そういう思いをいたしました。
 ところが、だんだん年々経験を経てきますと、どうもこれは自己満足だったのではないかな、そんな感じが実はするのです。
 それはなぜかというと、やはり議院内閣制にあるわけで、与党という立場で政権を持っておる、政府は政策、法令をつくる、法律をつくる、それを党がこなす。そのために確かに、今甘利さんがおっしゃるように、いろいろな機関で実に丹念に丁寧に議論を経て、最終的に党が総務会で決定をし、国会対策で認めて、初めて政府が閣議に法律を付する、こういう仕組みですから。しかし、その表面に出てくるのは、法律になって閣議に付されてから初めて外に出ることであって、その前の議論というのは案外内なる議論であって、外にはどうも出ていない。
 そんなに自民党というのは朝から晩まで、それはもう最近では八時じゃないのではないでしょうか、七時半、七時なんということもしょっちゅうある。それぐらいの議論をしていることがなかなか外には見えてこないということが、国民の皆さんから見ると、だんだん価値観も多様になってきているし、従来と違って年齢層の幅も広がっていますし、ですから、我々、私は石川県ですが、石川県や、あるいは福井県や新潟県というようなところで農業の問題を一生懸命に議論しても、甘利さんは神奈川県ですから都会の方に入るのかな、伊藤さんなんかになると余りそういうものには興味はないということになる。
 ですから、そういう意味では党の中の議論というのは、確かに何か自己満足をしてしまっていたような、そんな感じがいたします。そういう点は、野党の皆さんというのは自由奔放に批判をできるわけでありますから、その批判をしたことが外に向けて出ていくわけですから、何か野党の皆さんの方が頼りがいがあって、自由民主党はただひたすら守るだけなのかな、そういう印象を国民が受けているということだけはやはり否定でき得ない一面でもあるのかな、こう私は思っています。
 そういう意味で、確かに、こうした謙虚にまじめに議論していることを国民の皆さんにどうやって見ていただけるかということは、私はとても大事なことだ、こう思っておりますので、こういう点については党でも十分議論しなきゃならぬと思っています。
 前回、参議院選挙の後を受けましてから、私幹事長をいたしたわけですが、そのときも、実は都市部で大変厳しい批判を受けた。そして、どうも都市問題には、都市政策はしっかりやっていないんじゃないかというような御批判もあって、確かに都市問題協議会を都市議員の皆さんを中心につくった。今、たしか党の会長は伊藤さんがやっていらっしゃるはずだと思います。
 しかし、では本当にそのときに政策をやらなかったのかというと、都市問題の皆さんがいろいろ議論されたことはかなり具体的にやったでしょう。しかし、都市問題に対していろいろな政策をやったけれども、なかなか都市の皆さんは理解してくれなかったということも事実だと思うのです。では都市の皆さんは何を求めていたのだろうかということを考えると、そこの問題のとらまえ方がやはり少し違っていたのかな、そこは政策的にはもう少し反省しなきゃならぬことだと思っています。
 いずれにしましても、我が党は、おっしゃるとおり若い皆さんから年配の皆さん、経験深い皆さん、いろいろいらっしゃるわけですから、自由奔放にいろいろな議論を積み重ねている、まさに自由と民主主義というものを非常に大事にしている政党だということだけは、国民の皆さんにもう少し理解を得るように努力しなきゃならぬ、こういうふうに思っております。
 いずれにしても、議論を重ねた上で、国家国民のために一致団結してどう進めていくかということをもう少し大事に考えていかなきゃならぬことだというふうに思っております。
○甘利委員 時間に制約がありますので、次に移ります。
 平成十一年度の日本経済は三年ぶりにプラス成長に転じたわけであります。何が何でも景気回復を図るんだという小渕前総理の執念がようやく実ってきた、そんな気持ちがいたします。
 経済が巡航速度に入った時点で、我々は新たな政治課題に本格的に取り組んでいかなければならないわけであります。国、地方合わせて六百数十兆になんなんとする長期債務の処理に本格的に取り組んでいかなければならない。景気刺激型の積極財政から財政再建路線へとかじを切るわけでありますけれども、実は、そのタイミングはぜひ慎重に見きわめていただきたいというふうに思います。
 と申しますのも、前にもちょっと申し上げましたけれども、私は三年前に財政再建路線に転ずるための特別委員会の理事を務めまして、法案を成立させました。その途端に景気が失速状態に入りまして、十カ月後には、再び積極財政に転ずる特別委員会の今度は筆頭理事をやらされたわけでありまして、そういう苦い経験があります。
 当時、アジアの通貨危機という不運はあったにせよ、しかし、あのときに政府が判断をもう少ししっかりと正確にしていけば、余計な金は使わずに済んだのじゃないかなというじくじたる思いがあるわけでありまして、ですから、今度はその轍だけは踏んではならないというふうに思っているわけであります。
 そこで、どの時点で我が国経済が民需主導型自律経済の軌道に乗ったと判断をするのか、そこが大事でありまして、現在は民需主導型自律回復基調にあることは確かだと思います。しかし、このまま、これ以上の政府の一切の後押し策なしに自律軌道、つまり巡航速度に乗れるかということ、これは非常に慎重にしてもらいたいわけでありまして、そのために秋の補正が必要になるんではないか。
 その点を大蔵大臣に伺いますけれども、単刀直入に今伺いますと、現時点ではまだ考えていませんと言われるに決まっていますので、質問の仕方をちょっと変えます。
 堺屋経企庁長官、長官は、景気はこのままほうっておいても民需主導型自律軌道に完全に入っていくというふうに思われますか。
○堺屋国務大臣 お答えいたします。
 日本経済は、現在、政策的な効果あるいはアジア諸国の景気回復などがございまして、生産あるいは設備投資を中心に回復軌道に乗ってきているということは事実でございます。しかし、その反面で、雇用情勢はまだ大変厳しい状況でございますし、消費は一進一退、余り目覚ましい回復がございません。それに、ここ三、四カ月、倒産件数がかなり高水準になり、また債務残高が非常にふえているというような構造改革的な問題があらわれてきております。
 そういうことを総合いたしますと、政策的な後押しなしに、十分これでいけると言える段階には達していないと思っております。
 したがって、景気を本格的な回復軌道に乗せるためには、引き続き全力を挙げて、我が国経済の動向を注目しながら、必要に応じた機動的、弾力的な対応をしていくことが必要だと考えています。
 また、景気動向ということ以上に、日本経済を新しい発展軌道、新しい時代にふさわしいものにしていくためには、世界的に急速に進んでおりますIT革命におくれないようにすること、あるいは深刻さを増しております環境問題や高齢化対応、さらには国際競争の様相も呈してまいりました都市の基盤整備、そういったことも進めまして、構造的な改革に政策的な努力を集中いたしまして、多様な知恵の時代に一日も早く入るようにしていかなければならない、そんな段階だと考えております。
○甘利委員 それでは宮澤大蔵大臣、ただいまの経企庁長官の御答弁を聞かれて、補正の必要性をお感じになりませんか。
○宮澤国務大臣 昨年、平成十二年度の予算のつくり方についてこの委員会で御議論があり、また提出いたしました予算について御議論がございました中で、私どもは平成十二年の秋ごろに官需から民需へのバトンタッチが行われるということを期待しておるということを何度か申し上げました。だんだんその時期が参っているわけですが、ことしの一―三月のQEによりますと、民需のうちでいわゆる企業関係、設備投資関係は思ったよりも順調に回復しつつあるし、その後の短観を見ましても、これは大丈夫そうでございます。
 しかし他方で、今も堺屋長官が言われましたが、雇用それから消費ということになりますと、普通でございますと企業活動が家計に移転をするはずでございますけれども、今回はなかなかそこはそう簡単でないように思われる。そのことは、大きなリストラが行われているからでもありますけれども、恐らく我が国の経済社会あるいは産業構造が新しい世紀に向かって大きく変わるのではないか。そのときには、当然ですが雇用構造も変わるということを考えなければならないことは、アメリカを見ておりますと予想ができますので、したがって、もう一つの民需である消費あるいは雇用というものの回復は普通の場合と違うかもしれない。
 このことは、甘利委員が、お互いに閣内におりまして、大変に御苦労なさいましたことを私はよく存じておりますので、申し上げるまでもないことでございますけれども、そういう問題があるかもしれないということは常に心がけておく必要がありまして、数値としては、完全失業率も思ったほど、五%を超えるということではありませんし、有効求人倍率も少しずつはよくなっておりますけれども、労働市場離れみたいな動きも、どうも国民の中には一部あるようである。
 そういうことを考えますと、私自身、あるいは政府としてはもとより、この四―六のQEが九月の上旬ぐらいにはわかる。その中で設備投資はもとより消費、雇用の動きも大変に堅調であるということを期待いたしますけれども、しかし、それは必ずしも楽観していいことでないかもしれない。それは、全体の動きが新しい世紀に向かっての動きになりますので、それを考えておく必要があるという意味でありますが。
 したがって、そういうものを見ながら考えなければならないと思っていますが、何かの方策を講じるとしても、それは今申し上げましたような理由から、同時に、いわゆる新生プランと言われるような情報通信であるとか環境であるとか高齢化であるとか都市政策であるとか、そういったようなものを含めた、前向きと言うと言葉が簡単過ぎますが、そういったようなものを踏まえた上でこの時期を乗り切っていく。乗り切っていくというよりは、そういう政策が、単なる失業対策ではなく、雇用としても、例えばミスマッチであるとか職業訓練であるとか、そういったようなものが求められる。
 そういう状況であるであろうということを考えておりまして、四―六がどう出るかということで大きな判断が分かれるとは存じますけれども、その場合にも、考えておくべきことは、ただの公共事業であるとかいうようなことではなくて、前に向けて何を考えていくかということをいろいろ御相談してまいりたい、こう考えております。
○甘利委員 四―六の結果によって前向きに考えるということだと思います。
 補正というと、すぐまた赤字がふえるということが頭が痛い問題でありますけれども、前回の轍を踏まないというのは、不景気という山を押し上げて乗り越えていくのに、八合目、九合目まで行ったときに、もう乗り越えたと勘違いして手を離しちゃったから下までおっこっちゃったのであります。持ち上げるのにまた金がかかっちゃったわけでありまして、要するに、最後の一合目の部分をけちったために、ここまで押し上げてきた努力を無にしてしまった、これを警戒しなきゃならないですよということを私は言っているのであります。
 その際に、よくむだな公共事業が云々とか、やれ何やということが指摘されますけれども、今大蔵大臣がおっしゃったのは、先行投資、ITであるとか、雇用の問題とか、あるいはバリアフリーとか、そういう将来の先行投資になる部分で最後の一押しを押し上げますよということをおっしゃったんだと思って、私は期待をさせていただいております。
 次に、沖縄サミット、正確には九州・沖縄サミットでありますけれども、この成果について伺います。
 沖縄サミットは二十世紀最後のサミットで、二十一世紀の展望を開くという意義深いサミットでありました。何よりも、沖縄で開催されたことに私は意義があると思います。世界の首脳が沖縄に集う、世界じゅうの目が沖縄に向けられて、そして沖縄から二十一世紀の展望を世界に向けて発信することができたんじゃないかというふうに私は思っております。
 この沖縄サミットの成果につきまして、総理の見解を伺います。
○森内閣総理大臣 きのう参議院の本会議場でも、浜四津議員の御質問に答えて私は申し上げたんですけれども、やはり沖縄で開いたということはとてもよかった。それは、クリントン大統領がキャンプ・デービッドの厳しい日程を何とか中断して駆けつけてくれた、そして平和の礎ですばらしいスピーチをされた。私はテレビで見ておりましたけれども、本当に涙が出るような思いでした。これが小渕さんの気持ちだったんですね。
 小渕さんから初めて、当時、総理・総裁の立場で、私が幹事長でございましたので、沖縄でやろうと思うがどうだ、こう相談を受けたときに、この沖縄にアメリカの大統領が足を踏み入れてくれる、このことを私は非常に大事にしたい、そういう思いだとおっしゃっていました。
 それで、クリントン大統領があそこでスピーチをされて、それから高校生のスピーチがあったり、あるいは知事さんや、それから遺族会の皆さんや、そして、あそこの礎には、かつてお互いに銃を交え、砲弾を交えたアメリカ兵も含め多くの皆さんのお名前が刻まれている、そういう石碑といいましょうか、日本でわかりやすく言えばお墓ですね、そうしたものをごらんになったということは、大統領は大変やはり感動されたようでした。
 そして、セッションが始まる前でございましたが、立ち話のときでしたけれども、シラクさんやプーチンさんに、また皆さんに、私もおりましたが、そのことを非常に感動的に、遺族会の皆さんから、こういう戦いがあってこういうことがあったのだというようなことを、聞いてきた話を一生懸命クリントンが皆さんにしておられました。
 私は、それだけでも、首脳の皆さんが、戦い、戦争というものの無意味さ、そして本当に人間として愚かなことを繰り返してきた、この反省を恐らく、G8首脳の皆さんは改めてそこでクリントン大統領の話を聞きながら感じ入られたのではないかな、私はそう思っております。
 そういう意味で、私は、この沖縄でこのサミットをやった、今世紀最後、そして二十一世紀は本当に平和で希望の持てる、そういう時代にしていこうということの呼びかけをする場所としては最高の場所であったな、そんなふうに思って、それだけでも大成功だったと思っています。
 同時にまた、ここで私ども、三つのキーワード、より一層世界人類が繁栄するように、そしてすべての皆さんの心の安寧が得られるように、さらに世界が安定をするようにという、この三つのキーワードを中心に議論し合って、そして沖縄からそのメッセージが世界に向けて発信できたということも大変意義があったと思っておりますし、特に、地域情勢ではいろいろお話がございました。中東紛争、バルカン、いろいろございましたけれども、その中で、南北朝鮮のいわゆる会談が持たれたこと、つまり朝鮮半島の平和、緊張緩和に対してG8首脳国みんなで後押ししましょう、そういう特別なメッセージも発出できたことも極めて意義のあったことだ、そんなふうに私どもは大変喜んでいるところでございます。
○甘利委員 沖縄サミットは、別名ITサミットと呼ばれました。IT、すなわちインフォメーションテクノロジー、つまり情報技術あるいは情報通信技術でありますが、例えば携帯電話の目をみはるような進化、そうですね、進化という言葉が一番適切だと思いますけれども、その進化に象徴されるIT技術の発展というものは、我々に無限の可能性を示してくれるわけであります。
 IT革命は、経済構造に大きな変革をもたらすわけであります。かつての農業革命、そして産業革命に続く第三の革命というふうに言われています。ここで、ではIT革命が起きると市民生活はどんなふうに変わるのかというのを具体的にちょっと経企庁長官に質問しようと思ったのですが、時間がなくなっちゃったのですね。とにかくいろいろなことができますよということは、別の機会にお話をさせていただきたいと思います。
 沖縄サミットでは、我が国の提唱で、IT憲章、これが沖縄憲章として宣言をされたわけでありまして、IT革命が始まろうとするときに原則的な取り決めというものが先進国間で合意されたということは、非常に重要な意味を持つわけであります。
 それは、いわば世界じゅうに経済社会革命が起きようとしているそのときに、その革命ができ上がった後の世界に、それぞれの国にいわゆる互換性がないと大変な混乱を招くということになるからであります。例えて言えば、右側通行と左側通行の道路をそのままつなげちゃったら大事故が起きるというようなものでありますし、大学生と小学生を一緒の教室に入れちゃったらこれは授業にならないよということになるわけでありまして、IT革命に関する沖縄憲章というのは、世界同時経済社会革命が始まろうとするときに、その原則、ルールを合意しようとするものだと私は思っております。
 通産大臣に伺いますけれども、IT憲章の骨子を御説明いただけますか。
○平沼国務大臣 委員御指摘のとおり、IT革命というのは二十一世紀の経済のまさに起爆剤になるわけでありまして、今回の沖縄サミットにおきましても、森総理大臣の強いリーダーシップのもとにIT憲章というものができたわけであります。
 今、そのIT憲章にうたわれた骨子というのは、大きく分けて四つございまして、一つは、情報通信や電気通信分野の自由化を促進していかなきゃいけない、さらには課税ルールというものも確立をしていこう、また、当然のことですけれども、市場主導型の標準の推進など、情報社会の機会、恩恵を最大限にすべての国々が享受できる、そういう環境整備を積極的に行おう、それをG8の国々がリーダーシップを持ってやっていこう、これが骨子の一つであります。
 二つ目としては、人材育成や、あるいはあらゆる市民が公平にこれから構築される情報社会へ参画できる機会を設けるために、安価なユニバーサルアクセス、そういった確保のためにやはり力を合わせて戦略的に対応していこう、これが二つ目であります。
 また、三つ目の骨子としては、今委員が御指摘のとおり、先進国と開発途上国、ここには非常に大きな格差があります。そういう意味でも、世界的にこのIT革命に全員が参画をしなければなりませんので、特に途上国の国際的な参画を促すためにこれまた先進八カ国がいろいろと手助けをし、そして力を合わせてやっていこう、これが三つ目であります。
 また、四つ目としましては、G8デジタル・オポチュニティー・タスクフォース、これが創設されましたけれども、先進国と、今申し上げた途上国とのデジタルデバイド、情報の格差、これの格差を縮める。
 こういう四点が骨子になっておりまして、G8が力を合わせて二十一世紀の世界のために頑張っていこう。通産省といたしましても、この憲章の精神を受けて、担当官庁として一生懸命に頑張っていこう、こういうふうに思っております。
○甘利委員 この点はたくさん聞きたいんですけれども、時間がありませんので、最後に一つ、地元の問題でありなおかつオール・ジャパンの問題であります厚木基地の問題について、外務大臣にお伺いというか要請をさせていただきます。
 厚木基地、NLPの騒音問題で大変に苦しんでいるわけでありますし、これは九割方が硫黄島に移転をいただきましたが、最後の五パー、一〇パーが大変に悩ましい問題であります。それと同時に、解決できそうで残っている問題が、米軍の年に一回行いますエアショー、航空ショーというのがございます。
 沖縄の普天間がヘリの移設あるいは大型機の移設を図ったのは、住宅密集地の中の基地であるから騒音とか安全の問題に配慮した。厚木基地も住宅密集地の真ん中にあるのでありまして、せめて、展示飛行、エアショー、アクロバット飛行というのは、これはもう住宅密集地の上空でやることではないと思いますので、外務大臣から強く中止の要請をアメリカ側に申し入れていただきたいと思います。
○河野国務大臣 地元の地方公共団体を初めとして、大変強い、今甘利さんから御指摘になりました御趣旨の要望が私のところへ来ております。私どももその御要望はまことにそのとおりだと思いますので、四月の二十日の日米合同委員会におきまして、アメリカ側に強く申し入れたところでございます。
 今お話しの厚木では、アクロバット飛行はもうやっていないわけで、いわゆる展示飛行という性能を見せる飛行が行われているわけですが、これについても我々としてはやめてもらいたいということを申し入れているわけでございます。
 アメリカ側としては、速度を遅くするとか高度を高くするとか十分安全に配慮してやるからということを言っておりまして、さらには、近隣、近在の人たちも楽しみにしておるというようなことを言いまして、とうとう中止は本年できませんでした。引き続き、私どもとしては、御趣旨を体して米側と話し合っていきたいと思っております。
○甘利委員 終わります。
○原田委員長 これにて甘利君の質疑は終了いたしました。
 次に、北側一雄君。
○北側委員 公明党の北側一雄でございます。
 まず最初に、総理の政治姿勢につきましてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 総理、モラルハザード、最近、最近でもないですかね、この数年間、このモラルハザードという言葉がよく使われております。倫理観の欠如と訳されておりますけれども、これはもともと保険用語だそうでございまして、例えば、火災保険に加入することによって被保険者の火災に対する注意が散漫になって火災事故が発生する確率が高くなったような場合をこのような言葉で言うそうでございます。
 最近は、こういうもともとの言葉から少し離れまして、広く経済、社会、また企業の中で構造的に生じている倫理、モラルの著しい低下を指してモラルハザードという言葉が使われております。
 総理、私、庶民から見ますと、多分これはこういうことじゃないのかなというふうに思っておるんです。少し具体例で申します。こつこつと働いてようやっとマイホームを購入した。ところが、バブルが崩壊して地価は半分以下、住宅ローンだけが家計に重くのしかかっている。景気低迷がずっと続く中で、当然所得もふえない。それでも、歯を食いしばって消費を削り、まじめにローンを支払っている。一方で、あのバブルの当時、バブルで踊った人や企業の中に、責任を回避していまだにぬくぬくと生きている人たちがいる。庶民からいいますと、これは、平たい、俗な言葉で言いますと、正直者がばかを見る、そういうふうに見える社会だと思うんですね。私は、この正直者がばかを見る社会であっては絶対ならないわけでございまして、やはり、まじめに頑張った人が十分に報われる社会というものをつくっていかないといけないというふうに思うわけでございます。
 その意味において、私は、今政治に強く求められておりますのは、経済や社会や、また、何よりもこの政治の場面において、モラルハザードというものをいかに阻止するか、モラルというのをどう確立するのか、それが求められているというふうに思います。具体的には、公正公平な、明確な社会のルールをつくっていく、そういうことが極めて重要じゃないのかなというふうに思っております。総理、いかがでしょうか。
○森内閣総理大臣 我々が、長い歴史を振り返ってみましても、自由であること、民主主義を守るということ、これはいかなる政党であれ、いかなる政治体制であれ、過去の世界の歴史から見ましても、このことだけは大事に守っていく、そしてそのことをしっかりかち取ってきた、そういうこれは哲理、哲学だろうと思います。したがって、その自由の中でおのれにまず厳しく倫理を求めていくというのは、当然なことだろうと思うのです。
 確かに、日本の経済を取り上げてみましても、バブルという時期があった。しかし、そういうバブルというものが、いつまでもバブルで上向きにいくということでないことは、バブルがはじけたことによって、まだ今でもこうして多くの不良資産等の処理をしていかなきゃならぬということになるわけで、決してぬれ手にアワという、そういう事態はあり得ないということを、まずみんながそのことをしっかり戒め合わなきゃならぬことだろう、そういうふうに思っております。
 そういう中で、先ほど申し上げたように、自由で、中には当然公正公平というものが伴ってくるわけでありますし、その中にも当然自立心というものも必要になってくるわけであります。そういう中にいろいろな助成制度もあれば、また戒める法律も求められているわけでありますから、それがまさに法の社会だろう、そういうふうに思っております。
 いずれにいたしましても、やはりみんなで、そういう自由の中にはみんなで厳しく求め合う、そういう自立心というものを求める、そういう意味では、北側さんが今おっしゃりたかったことは、まず政治家にそのことが一番求められているだろう、それをしっかりと模範にしなければならぬということもおっしゃりたかった一つの面だろうと思っております。
 後ほど恐らく御質問に入ってくるんだろうと思いますけれども、いわゆる金融システム等につきましても、やはり、できる限り国民の皆さんに御負担を求めないこと、そして、そのモラルハザードというものに、どうしっかりとそのことを守っていけるかという、ここのあんばいというのでしょうか、そこの判断が非常に難しいことだ。しかし、多くの国民の皆さんにそのことをしっかり理解を得るということ、そして、国民の皆さんに十分そのことの説明が整うということ、そのことをまず第一義に考えていかなければならぬことだ、このように考えております。
○北側委員 それでは、日債銀の譲渡契約問題についてお聞きをいたしたいと思います。
 この日債銀の譲渡契約につきましては、六月三十日にソフトバンクグループと契約が締結されまして、本来八月一日に譲渡する予定でございましたけれども、九月一日に延期がなされているという状況でございます。
 一部に瑕疵担保条項、この瑕疵担保条項という言葉がなかなか難しい言葉で、一般には非常にわかりにくいわけでございますけれども、この瑕疵担保条項を白紙撤回させて契約をもう一遍やり直すべきである、こういう御主張をされる方もいらっしゃいますが、私は、まず結論といいますか、申し上げますと、この六月三十日に締結されました日債銀の譲渡契約は、予定どおり瑕疵担保条項も含めまして実施をするということを、私は、政府が明確にこの際はっきりと宣言をしていただきたいというふうに思っております。
 ちょっとわかりやすく説明したいと思うのですけれども、例えば長銀、日債銀でもよろしいわけでございますが、破綻した銀行を一時国有化された、そして、第三者に譲渡をしないといけない、その場合に、買い手の側は、長銀であれ、日債銀であれ、破綻金融機関の資産内容に対して不安がございます。
 資産というものはいっぱい、膨大にあります。これを一々買い手の側はすべて正確にチェックはできません。当然これは不安があるわけです。ですから、契約時において、契約後に判明した資産劣化による損害を、どうこの損失を負担し合うのかということを決めないといけません。これが決まらないと買い手なんか見つかるわけがないわけでございまして、その意味で、これを二次損失と言うわけでございますけれども、この二次損失をどう分担し合うのかということについて契約の際に合意をするというのは、これは当然の話と思います。買い手の側の立場に立ったら当然の話だと思います。
 ところが、金融再生法には、この将来生じるかもしれない資産劣化による損害をどう分担し合うのかという、二次損失のロスシェアリングの規定がなかった。ですから、契約上は何らかの合意をしなければいけないわけですが、そこで、この瑕疵担保条項。瑕疵担保条項というのは、資産に瑕疵、瑕疵というのは契約後に判明する資産劣化による損害を瑕疵というわけでございますけれども、瑕疵があって、それが二割以上、二〇%以上の減価をした場合には資産を買い戻してもらいますよ、こういうのが瑕疵担保条項でございます。これは逆に言いますと、二〇%以内であれば買い手の側が負担してもらいますよ、この損失については負担してもらいますよということでございますから、そういう意味では一つの、損失の負担について分担した契約内容であるというふうに私は思います。金融再生法に規定がなかった以上は、こういう瑕疵担保条項を契約時に設けることはやむを得なかったというふうに思います。
 さらに、これは一たん六月の三十日に契約をしております、預金保険機構とソフトバンクグループとの間。預金保険機構というのは国というふうに言っていいと思うのですけれども、国とソフトバンクグループの間でこの日債銀の譲渡契約を契約しているわけです。これを今になって、瑕疵担保条項がどうだこうだと言って、ここは白紙撤回すべきだというふうに言ってしまったら、現に孫さんがおっしゃっておるとおり、これは契約自体がもう白紙だという話を既にされておられます。
 こういうことが許されてしまうならば、国が一たんやった契約についていとも簡単に契約を破棄してしまうのかと、これは国際的な信義の問題になってしまうというふうに思うわけでございまして、市場から大変な反発といいますか、起こることがもう目に見えているというふうに私は思います。
 さらに申し上げますと、仮に、だれかがおっしゃっているとおり、瑕疵担保条項を認めないとすれば、今申し上げましたように、日債銀との契約は破棄となって新たな譲渡先を見つけないといけない、こういう問題になってまいります。そうすればこれはもう極めて困難な話でして、場合によっては日債銀の清算というふうな最悪の事態を招いて、日本の経済や金融に大変な影響を与えてしまうことになりかねない、そのように思うわけでございまして、私は、この六月三十日の売買契約は予定どおり実施するんだということをぜひ内外に政府がはっきり宣言をしてもらいたい、そのように思います。総理、いかがでしょうか。
○相沢国務大臣 日債銀の譲渡契約の問題につきまして、ただいま北側委員の御意見を伺いましたが、まさに私が御答弁申し上げようと思う趣旨のことをおっしゃっていただいたのでありまして……(発言する者あり)違いませんよ。
 それの、日債銀は、今お話がございましたように、六月の三十日に既に契約をしておりまして、その実行が八月の一日になっておったのを一月延期したわけであります。
 その延期しました理由につきましては、おっしゃるように、瑕疵担保条項をめぐりましていろいろ国民の間にも十分理解できないというような点もございましたし、とにかく慎重に検討しなければならないという状態のもとに、ソフトバンクグループからも、国民の反発がいろいろとある状態のもとに船出するというのはいかがかということでありますから、一カ月延ばしてほしい、こういう申し出があったわけであります。
 そこで、政府といたしましても、国会における御論議、国民の意見に十分に耳を傾けるという、その時間的なことも考えまして、そして特に理解を深めていただくという気持ちのもとに、その一カ月の延長ということに決定をしたのでございます。
 おっしゃるように、この日債銀の譲渡に関しましては、もしこれを破棄するというようなことになりますと、大変な国内外の経済に対する影響がございます。特に日本の金融界、金融行政に対する信用にもかかわる問題でありますので、私どもといたしましては、これは予定どおり実行するという考え方でおります。
○森内閣総理大臣 今相沢委員長からもお話しのとおりでございまして、先ほども北側委員の御質問の中でもお答えをいたしましたように、この瑕疵担保条項ということについて、やはり国民の皆さんにできるだけ理解をいただくということが大事。その一つの期間を設けて、この国会の中でも大いに議論をしていただくということが趣旨でございまして、相沢委員長の考えておられるのは政府の考え方だというふうに受けとめていただいて結構だと思います。
○北側委員 この問題と、もう一つ別の問題がありまして、これは契約は予定どおり実行すべきであると。ただ、将来そごう類似の問題が生じた場合。要するに、瑕疵担保条項が実施をされて預金保険機構が買い戻さないといけないという場面が生じた場合に、そごうと同じような事例が仮に生じた場合、例えば、そごうの方から債権放棄要請がこの場合はありました。これについては、債権放棄要請自体が撤回されましたから、よかったわけでございますけれども、別の事例で、別の借り手の問題で、同じように債権放棄要請があった場合にどうするんだという問題があります。私は、債権放棄要請には応じないということを原則としないといけないというふうに思っているわけでございます。
 預金保険機構からしますと、金融再生法の三条で、金融の破綻処理の原則として費用最小化原則というのがあります。この費用最小化原則ということにのっとりますと、これだけですと、確かに、そごうの再建計画というのがあって、そして国が債権放棄をした方が結果として国民負担が少なくなるかもしれないと判断されて、預金保険機構はあのような判断をされたのでしょうけれども、私は、そうじゃないんじゃないかというふうに言いたいわけでございます。費用最小化の原則だけではなくて、やはり先ほどの、冒頭の話でございます。
 それだけ取り上げたら、もしかしたら再建計画にのっとって国が一部債権放棄した方が結果として国民負担が少なくなったかもしれませんけれども、後々のことを考えますと、やはりモラルハザードを助長してはならない、蔓延させてはならない、公平公正の原則を重視しないといけないと思うわけでございまして、そこをほっておくとより大きな損失が将来生じてしまうのではないかというふうに私は思うわけでございまして、今後類似の問題があっても、国が、預金保険機構が債権放棄をするということは原則としてはあってはならないというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○相沢国務大臣 おっしゃるように、金融再生法につきまして、住専法のごとくロスシェアリングの規定もございませんでした。これは、一昨年のいわゆる金融再生国会におきましてこの法案をつくりました際に、皆さん御案内のように、与野党でいろいろと折衝の結果ああいうことになったわけでありますが、その法案の中にロスシェアリングに関する規定がなかった。住専にはございました。そういうことからいたしまして、このような場合にどのような処理をするかということになりますと、結局、民法の瑕疵担保責任の問題、商法の規定等を援用いたしまして……(北側委員「今、瑕疵担保の話じゃないですよ」と呼ぶ)わかりました。
 そういうことで、再生法につきまして、おっしゃるように、今後の問題としまして規定を考え直したらどうだろうかという御意見が、公明党の議員の方から与党三党の金融プロジェクトチームにおいても御提案がございました。
 どのように規定するかということ、また、どのような効果を持つかということについては慎重に検討いたさなければならぬと思いますが、モラルハザードを防ぐということを再生法の中に盛り込むということも、一つ大きな検討課題になるのではないかというふうに存じております。
○北側委員 端的に答えていただければ結構なんですけれども。
 預金保険機構、国が、今後そごう類似の問題が生じた場合に、要するに買い戻しをせざるを得なくなって、借り手の方から債権放棄要請があった場合に、その債権放棄は原則として認めないんだということをはっきりさせた方がいいというふうに申し上げているんです。
 総理、いかがですか。
○相沢国務大臣 それは、瑕疵担保条項というものを契約に認められておりますから、ですから、その契約を更改しない限りこれは生きているということであります。
 したがいまして、おっしゃるように、いかなる場合にあってもそれを認めないということについては問題があろうかと思いますが、その実行に関しましては、おっしゃるように、慎重審議に検討しなければならない、そのように考えております。
○北側委員 松田理事長がいらっしゃっているので。
 そごうの問題の際も私は直接理事長ともお話しさせてもらいましたが、理事長の口からも、いや、我々預金保険機構というのは執行機関で、金融再生法三条には費用最小化原則というのしか書いてないんです、こういうお話をちょうだいいたしました。
 費用最小化原則というのは、非常に個別の、矮小化された中で費用負担がどうなのかというふうな問題で論じるだけではなくて、ここは、公平とか公正とかモラルハザードの防止とかという広い観点からも預金保険機構が判断できるように、また金融再生委員会が指導できるようにしないといけないということを申し上げているわけです。
 だから、そういう意味じゃ、場合によっては金融再生法の改正が必要かもしれません、その部分では。理事長、いかがですか。
○松田参考人 お答えいたします。
 先生御案内のとおりでございまして、私どもは執行機関でございまして、現場の債権を回収する機関という立場からいろいろあの問題に取り組んだわけでございます。
 御指摘のとおり、国民負担を最小にするという見地からの費用最小化原則にのっとりまして、債権の一部放棄ということを苦渋の中で選択をいたしましたが、その後のいろいろな御批判、御議論、その他も十分踏まえまして、今後どういう形でそれを持っていくか、今、慎重に私ども検討をいたしております。
 ただ、私どもは現場の機関でございますので、金融再生委員会ともよくよく相談をして、債権放棄の問題については慎重にこれから対応していきたい、このように思っております。
○北側委員 総理、いかがですか、この債権放棄問題。やはり、原則としてはこれはしないということをはっきりおっしゃった方がいいと思います。
○森内閣総理大臣 やはりこれは、個々のケースによってかなり慎重に検討していかなきゃならぬ、それからまた、いろいろな意味で具体的なものを予測してどういう判断をするかというのはとても難しい問題だというふうに私は率直に申し上げておきますが、いずれにしても、企業の再建というのは、あくまでこれはやはり自己責任というのが原則であるということだと思います。
 そして、公的資金を用いた破綻処理の過程で債権放棄は安易に認めるべきではない、そういう認識のもとに、関係各方面やあるいは国民に十分な説明をしながら適切な対応を図っていくということでなかろうかというふうに考えます。
○北側委員 では、もう一問。
 このそごう問題に端を発しまして、旧長銀、日債銀の譲渡問題への対応をめぐって市場は非常にデリケートに反応しております。今後のこの問題、旧長銀、日債銀の譲渡問題への対応が今後の景気、特に金融システムに与える影響をどう認識し、どう対応しようとしているのか。経企庁長官並びに大蔵大臣から、簡単で結構でございますけれども、御答弁をお願いしたいと思います。
○堺屋国務大臣 このそごう問題が起こった時期のシチュエーションというのが一つあると思います。
 我が国経済は緩やかな回復をしておりますけれども、先ほども申しましたように、消費あるいは雇用の面では厳しいところがございますし、ここ数カ月、倒産件数が高水準になり、負債もふえている。そういう時期に起こったということが一つございまして、これが市場が非常にデリケートに反応したバックグラウンドにあったと考えられます。
 また、そごう問題の私の認識では、債権放棄が発表されました六月三十日以降、そごうの売り上げが非常に落ちてまいりました。金融再生委員会がお考えになったときの再建計画というのが後ろにあるわけでございまして、これがうまくいくと、安くつくと言うと語弊がありますが、国民負担が少なかったのですが、それから相当ずれた状態になってまいりました。これはそごうに限らず、債権放棄をした企業について見ますと、売り上げが予定どおり伸びていない、むしろ縮小しているという例が非常に多くございます。
 そういったことから、一般的に、安易な債権放棄は難しくなった、どの金融機関も慎重にならざるを得なくなっただろうと思っております。
 また、そごうの関連企業の影響を最小にとどめる、こういう中小企業対策、信用保証等の対策も重要だろうと考えております。
 今後とも、こうした問題に最大限の注意を払いながら適切に対応していかないと、安易なことをやりますと、日本経済に、モラルハザードの面でも、市場あるいは国際信用、いろいろな面で影響があると考えています。
○宮澤国務大臣 一昨年以来、この金融問題については、国会におきましても非常に御熱心に御討議があり、法律ができまして、今日に及びました。その内容はかなり複雑なものでございましたから、国民の一人一人には必ずしもわかりにくいという面が私は確かにあるであろうと思います。
 そこで、どうぞ誤解なさらずにお聞きいただきたいのですが、そういうことについていろいろ御議論があったり、どうしようかという、これはもう当然国会のお仕事でございますから大事なことでございますが、経済界の人々からいいますと、行政も契約も法律に基づいてきちんとなされている、そういう経済の原則というものが揺らいでいない、こういうことだけをひとつ大切に考えていただきたいと思います。
○北側委員 それでは、別の問題に移りたいと思います。
 雪印の食中毒問題でございますけれども、これは六月二十七日に発生いたしました。発症者が約一万五千人、医師の診察を受けた者が五千人以上、大変大規模な中毒事件でございます。食中毒の被害を受けた人は、激しい下痢に見舞われまして、大変な苦しみと不安を味わいました。
 そもそも、食中毒の原因となりました黄色ブドウ球菌は、通常、温度管理された工場では発生しません。私が聞いたところによりますと、このような大規模食中毒につながる黄色ブドウ球菌の大量発生は、二十五度以上三十度、そのような高温状態が四、五時間続かなければ発生しない、そういうふうにお聞きをしております。
 食中毒発生からもう一カ月以上たっておるわけでございますけれども、一体、製造過程のどこでこの黄色ブドウ球菌が大量に発生したのか、汚染原因は特定をされているのか、厚生大臣、いかがですか。
○津島国務大臣 お答え申し上げます。
 大変大規模な事故でございまして、私どもも重く受けとめておるわけでありますが、現在、大阪市が中心となって調査及び原因究明を行っているところでございます。
 発生原因につきましては、まだ現時点では確実に特定はされていないのでございますが、大阪市からの報告によりますと、主な汚染要因としては、第一に、逆流防止弁、仮設ホース等の製造ラインの洗浄不十分が第一。それから第二に、今委員御指摘の、温度管理が行われていない、製造場ならいいのでありますが、屋外での脱脂粉乳溶解機からストレージタンクへの手作業による調合などをやったのではないだろうか。それからもう一つは、屋外で外部業者による期限切れ製品の再利用等があったのではないか、こういうことが指摘されておるところでございます。
 非常に大規模な事故でございましたし、私ども重く受けとめておりますが、このようなことで、今熱心に原因究明が行われておるところでございます。
    〔委員長退席、中村(正)委員長代理着席〕
○北側委員 一カ月以上たっておるわけでございますが、まだ汚染原因について特定されておらない。今幾つか可能性の話としてお話がございましたけれども、ただ、今の話を聞いても、相当これはひどい衛生管理だなというふうに言わざるを得ません。食品の安全性に対する信頼を大きく損ねた事件であるというふうに私は思っておりまして、再発防止のためにも、この汚染原因の特定、一体、そうしたずさんな衛生管理が何で行われていたのか、その背景は何なのか、そういうところをしっかりと私は調査をしてもらいたい。
 調査をしないと再発防止につながってこないというふうに思っておるわけでございまして、しっかりとその辺の調査をしてもらうとともに、その調査結果をぜひとも厚生大臣、すべてもう公表し、報告するとともに、その結果を踏まえた再発防止のための徹底した食品製造の安全対策をぜひ講じていただきたい、そのようにお願いを申し上げる次第でございます。
 特に、HACCPが全く機能しなかったのですね。HACCPという食品の製造加工工程での安全性を保証するための特別な仕組みをとっていたにもかかわらず、このHACCPが全然機能しなかった。結局、厚生省は取り消しをしているわけでございまして、私は、これは大変な問題だというふうに思っております。
 厚生大臣、食品製造の安全対策ということで、徹底した安全対策をとるという意味で、ぜひ厚生大臣の御決意をお述べいただきたいと思います。
○津島国務大臣 御指摘のとおり、大変に大規模な事故でございますし、またHACCPを承認しているという背景の中で行われて、私どももある意味では非常に重く受けとめておるところでございます。
 幾つかの背景がございまして、もし委員、背景の御答弁を必要とされるのであれば、総括政務次官が現地へ入ってわざわざ調査をして、そしてこれが対策本部立ち上げのきっかけになっておりますので、もしお許しを得られれば総括政務次官からも補足答弁をしていただきたいと思っておりますが、私といたしましては、まず大阪市の有症者の発生状況や回収状況が毎日報告、公表されておりますし、検査状況についての報告等を聴取いたしまして、今後またほかの工場でもそういう問題が起こってはいかぬということで乳処理施設の全国一斉点検も行いましたし、それから当の雪印乳業二十工場についての現地調査を進め、ようやくこれが終わったところでございまして、今後、HACCPの承認審査の方法、それから承認後どのようにして監視をしていくかということを含めて、早急に対策の充実を図ってまいりたいと思っております。
○北側委員 福島総括政務次官からは、ちょっと時間がないのでまた改めてお聞きをいたしますが、総理、この問題は、私は、今いろいろおっしゃいましたけれども、企業のモラルがやはり低下している、特に食品を扱っているという企業のモラルが低下していることが大きくあらわれている事件だ、事故だと思うのですね。総理の御感想はいかがですか。
○森内閣総理大臣 確かにこれは、この雪印の問題だけではなくて、例えば臨界事故の場合もそうでしたけれども、日々なれていることを安易に見逃していくという傾向はやはり厳に慎んでいかなきゃならぬ。特に食品にかかわるそういう製造のお仕事をされていれば当然のこと、日々毎日、これは、それぞれの企業にはいろいろな、倫理観あるいは会社の社是、いろいろあるのだろうと思いますが、毎日そのことをしっかりお互いに確認し合って、そして仕事に励むという極めて当然なことがやや忘れられてしまっているという面では、これは単に雪印だけではなくて、すべての企業はそのことについて改めて厳しい認識を持たなきゃならぬ、そういうふうに私は考えます。
○北側委員 時間がもうありませんので、最後にもう一問。
 きょうはずっとモラルの話をさせていただいておるわけでございますが、経済、そしてさまざまな企業のモラルを今指摘させていただいたわけでございますけれども、やはり政治のモラルが今一番問われているんだ、そこをやはり正していかないといけないというふうに思うわけでございます。
 中尾元建設大臣、これは六千万円のわいろ、総額でございますけれども、請託があって、受託収賄罪で逮捕され、また今起訴されているわけでございますが、この事件について、総理としてどのようにごらんになられていらっしゃるのか。
 また、私は、政治家のあるべき姿といいますか、政治家のモラルが本当に今問われているというふうに思うわけでございまして、国会議員の職務の廉潔性とこれに対する国民の信頼を確保するために、ここはやはりあっせん利得罪を何としても制定する必要がある。今与党三党で議論をしておりますが、この秋に予想されます臨時国会には、ぜひこれは成案を得て制定させないといけないというふうに思っているわけでございます。
 総理のこの中尾元建設大臣の事件についての御感想と、そしてこのあっせん利得罪の制定に向けての決意をお聞きいたしたいと思います。
    〔中村(正)委員長代理退席、委員長着席〕
○森内閣総理大臣 中尾元建設大臣の逮捕は、私自身、大変遺憾に思っております。政治家の倫理が強く求められている中で、まず一人一人の政治家がみずからの襟を正していくということが大前提であると考えております。
 本件につきましては今司直の手にゆだねられておりますから、私としても、徹底的な捜査によって真相究明が行われるべきものと考えておりまして、重大な関心を持って見守っていきたいと考えております。
 それから、今御指摘ございましたいわゆる腐敗防止法、いわゆるあっせん利得罪でありますが、今与党三党のプロジェクトで協議を始めているということでございます。また、多くの政党からもその法律のお話も出ておりますことはよく承知をいたしております。
 私としては、北側議員と同様に、できるだけ議論をされた上に、ぜひとも早急にまとめていただきたい、このように考えております。
○北側委員 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。
○原田委員長 これにて北側君の質疑は終了いたしました。
 次に、井上喜一君。
○井上(喜)委員 保守党の井上喜一でございます。私は、教育問題につきまして御質問をいたします。
 総理は、所信表明演説で、日本新生プランを改革の中心に据えられまして、これを実現していくということに大変強い意欲を示されたものと理解をいたしておりまして、その中で、一つの重要な柱として、教育の新生でありますとか教育の改革というものを取り上げられておりました。我々保守党も、さきの総選挙で教育改革を公約とし、日本人としての自覚と責任を持つ、国際的に尊敬される青少年教育の推進というのを取り上げました。
 今日、青少年の凶悪犯罪が多発をいたしておりまして、また、いじめとか学級崩壊というようなこと、あるいは不登校児童の増加が見られるわけでありまして、これも総理が指摘をしておられました。学力のことも云々をされるような状況に参ってきております。
 今日まで、累次の学習指導要領というものの改訂が行われてまいりました。改訂の都度、いろいろなことが言われてきたのでありまして、ねらいとかお題目というのは大変立派なものがございまして、例えば人間性豊かな児童生徒を育てるとか、あるいは、ゆとりのある、充実した学校生活が送れるようにするなどなどでございますし、また、授業時間の短縮もあわせて行われてきている、こんな状況であります。学習指導要領が本当にその時期時期の教育問題に的確に対応できてきたのかな、そんなことを改めて今考えさせられるのでございます。
 学校教育はいわゆる人間教育が基本的に重要であると私は考えております。もとより、この人間教育といいますのは学校教育だけが受け持つものではありませんで、第一義的な責任というのは家庭にあると思います。家庭の責任は大変重要であると考えておりますし、地域社会にも大きくかかわる問題だ、こんなふうに考えます。しかし、学校が人間教育と無縁であるはずもありませんし、家庭などとの連携につきましても大きなかかわりがある、こんなふうに考えるのであります。
 今日起こっております問題は、いわゆる人間教育の立ちおくれ、あるいは人間教育が現実に追いついていかないような状況が出てきているんじゃないか、こんなふうに考えるわけであります。学力につきましても、その低下がかなりはっきりと見られる、こんなことも指摘をされているわけでございます。このままでは二十一世紀の日本は大丈夫かな、こんなことを心配する声も聞かれるようになっております。
 子供たちが人間として、道徳的にも、知的にも、あるいは肉体的にも、一人前に教育されているのか、残念ながら、学習指導要領の累次の改訂のねらいとはかけ離れた結果になってきているんじゃないか、私はそんなふうに思いますし、また、いわゆる人間教育の観点からも、学力の観点からも、問題がだんだん深刻化してきているんじゃないか、こんなふうに思います。
 このような状況をこのまま放置するということはもはや許されない状況まで来ているんじゃないか、こんな認識でございます。法律を改正するというような点もあろうかと思うのでありますが、私は、この際、学習指導要領のあり方をまず取り上げるべきじゃないか、こんなふうに思います。
 平成十四年度実施予定の新しい学習指導要領がつくられておりますが、なかなか表現は美しい見事なものでありますけれども、中身は、教育内容を三〇%も削減していくとか、あるいは従来の発想の延長でしか考えられていないような部分も多いのではないかということで、私は現下の教育の課題に十分にこたえられない、そんな内容ではないのかな、こんなふうに思います。新学習指導要領では、基礎的な学力がつき、みずから学び、考える力がついていくなんというようなことが書かれておりますが、私はこれは全く理解できないのであります。
 教育国民会議の報告も近くまとめて発表されるというふうにお聞きするのでありまして、この際、平成十四年度からの新学習要領につきましても、早急に見直して、新しい工夫を凝らすなどいたしまして、抜本的に改革、改正をしていくべきではないか、こんなふうに思います。これが大変大きな、緊急の課題だと思うのでありますが、総理の御見解をお伺いいたします。
○森内閣総理大臣 今議員から御指摘がございましたように、学校教育の現場を見ましても社会を見ましても、例えばいじめにしても不登校にしても、あるいはなかなか団体生活になじめないというようなことなども、やはりこうした現象は、私は子供たちに責任はないと思うのです。
 結局、子供たちがそういうことになれてしまう、ごく当たり前だと思うようなことになる、そういう社会をつくり上げた、これは我々政治家も含めて、やはりすべての大人がこのことについてまず反省しなければならぬことだ、私はそういうふうに理解をしております。
 教育全般についてさまざまな問題が生じております今日、子供たちが本当に創造性豊かな、いわゆる立派な人間、立派な人間というのは、いろいろ語弊があるかもしれませんが、わかりやすく言えば、立派な人間性を持っている、そういうことのために、体育、徳育、そして知育というものの三面から教育をしていく、子供たちをはぐくませていくということだろうと思いますから、そういう意味でのバランスのとれた全人教育ということを充実することがまず第一だ、そのように考えております。
 それから、御指摘ございました新しい学習指導要領というのは、十四年度から、これは完全学校週五日制ということのもとにスタートするということから、削減だとかいろいろなことが含まれているわけでありますが、基本的には、読み書き計算などの基礎、基本の確実な習得を目指すということと、みずから学んでみずから考えるということ、主体的に判断をする、よりよく問題を解決する資質や能力を育成するということと同時に、みずからを律し、そして他人を思いやる心など、豊かな人間性をはぐくむということを目指しているというふうに我々は理解をしているわけであります。
 新しい学習指導要領というものを今改めて見直さないかという御指摘でございますが、そのことよりも、これをどう生かしていくかということだろうと思います。
 今、小渕前総理の当時からスタートしました教育国民会議でさまざまな分野において御議論をいただいているわけでありますが、その答申も九月には中間が出るというふうに承知をしておりますので、そうしたことも含めて、将来における教育がどうあるべきかもまた別途に考えていくということでなければならぬのかなというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、極めて大事な点の御指摘であるというふうに我々は受けとめさせていただきたいと思います。
○井上(喜)委員 現下の教育の課題にこたえていく、そのために学習指導要領をもう一回見直してはという質問をいたしたのであります。なかなか教育の問題というのは幅が広い、深い、難しい問題でありますが、私は同時に、今の先生方の資質を向上していく、あるいはいい先生を確保していくというようなことも大事でありますけれども、学級編制の基準ですね、これもやはり今の教育問題なんかに照らし合わせて、少し見直していったらどうかと思うのですね。
 今は四十人が基準になっていると私お聞きをしておりますが、現場の先生方のお話を聞きますと、やはり三十人ぐらいがいいという先生方が多いのですね。これから生徒数も減ってまいりますし、したがって、必要な先生方も四十人学級を基準とする限り減っていくということでありますので、最低限今の先生方を確保しながら、将来的には三十人学級を実現していくべきじゃないかと思うのでありますが、文部大臣の御見解をお聞きいたします。
○大島国務大臣 ただいま総理がお答えしたことに若干補足して、なおかつ、学級問題について触れたいと思います。
 新指導要領、いろいろな御指摘がございます。先般も榊原さんからいろいろな御指摘をいただきました。
 したがって、一番の心配点は、知的レベルが低くなるんじゃないかという御指摘でございますけれども、来年度、いわば一斉テストみたいなものをやってみまして、そういう中から、私どもは今の小中の知的レベルを再確認しながら、井上委員が御心配にならないように、新しい要領の中でしっかりやっていく。
 それで、一番大事なことは生きる力ということを私どもも申し上げておりますので、井上委員おっしゃるような、いわば知識、体育、それから徳育、そういうものを総合的にやるために総合学習というものを設けておりますので、御指摘の部分については踏まえながら、考えて、またやってまいりたいと思います。
 学級編制のあり方をもう少し柔軟に考えるべきではないかと。私どもも、固定化した学級制というものをもう少し柔軟に考えるべきだと思っております。そういう中にありまして、三十人というものをすぐにはできませんけれども、いずれにしろ、ある一部分は二十人学級をつくりまして集中的なそういうふうな対応をしていくとか、そういうふうな意味で柔軟に考えてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○井上(喜)委員 終わります。
○原田委員長 これにて井上君の質疑は終了いたしました。
 次に、菅直人君。
○菅(直)委員 衆議院選挙が終わって特別国会があったわけですけれども、本格的な国会の議論はこの臨時国会からであります。そこでまず、先ほども話題に上っておりましたが、このさきの総選挙の結果をどのように見るべきか、そのことについて少し意見を交わしてみたいと思います。
 私は、今回の選挙の結果は、先ほどまさに森総理は、自公保というものをはっきりして戦ったんだと言われました。まさにそのとおりでした。
 選挙の終盤、シンカンセンという言葉をどなたか言われて、森さんと神崎さんと扇さんが各地を回られた。最終日、その前、回られたところを私も調べてみましたが、回られたところは全部、自公保候補が落選をして、民主党や他の候補者が当選をいたしておりました。また、支持率などは言うまでもありません。自公保政権、森政権に対しては二〇%以下の支持率というのが大部分の調査の結果でありました。
 そういった点で、私は、国民の自公保政権、森政権に対する不信任というか、それは非常にはっきりした形で出たと思っております。
 ただ、残念ながら、野党、特に私たち民主党に対して、自公保はだめだからまあ民主党頑張ってくれ、そういう支持はかなりいただいたんですけれども、まだ、民主党に政権そのものを積極的に任せてやろうという、そこまでの信頼をいただくことができなかった。そのために、解散前に比べて三十二議席ふやさせていただきましたけれども、政権交代というところまではなかなか至らなかったというのが、私自身、今回の選挙を振り返って考えているところであります。
 森総理は、その自公保に対する国民の不信任の結果が明らかになったという私の見方に対してどのようにお考えでしょうか。
○森内閣総理大臣 今、菅議員からもお話がございましたように、連立の時代にもう入っていて、そして、連立で、こういう政党とこういう政党で組んでやりますよということの問いかけをした選挙は今回が初めてでございました。
 ですから、私どもも、選挙でございますから、菅代表にも申し上げたと思います、もちろん間接的でありますけれども、民主党が仮に政権をとるとどういう枠組みでなさるんですかと。あるいは、これは党首討論でも私申し上げたと思いますが、それに対しては鳩山党首からは明確なお答えはなかったと思います。
 しかし、現実はもう多党化の時代に入っているわけですし、細川連立内閣以来、ずっと連立が続いてきているわけですから、国民の皆さんから見れば、単独で力強い政治を進めていくことの方がなれていらっしゃると思うし、その方が期待されると思いますが、現実はなかなかそうはいかない。
 そういう意味で、この自公保の枠組みというものを問いかけた選挙として、確かに我が党も大きく議席を減らしましたけれども、今、菅議員みずから御指摘がありましたように、自公保の三党としての連立での絶対安定多数を得た、そういう意味では国民が、しっかりとやりなさいという支持をしていただいたものだというふうに我々は受けとめさせていただきたい、そう思っています。
 しかしながら、今御指摘どおり、特に私どもの党に対して厳しい国民の御批判があった、審判があったということについては謙虚に私ども耳を傾けなければならぬし、それにこたえて党の改革もしていかなければならぬ、このように考えております。
○菅(直)委員 自公保で信任を受けた、国民に信任をしていただけたんだという、それは森さん以外の方は余りそういう認識を持っておられないと思うんですが。
 自由民主党が大きく議席を減らしたことはそうですが、続大臣、公明党も非常に大きく議席を減らされました。特に続大臣が副知事をされたこの東京では、比例で、民主党、自民党、共産党、自由党に次いで第五党の順位に甘んじられました。小選挙区でも一人の当選者も出ない、そういう結果が出ておりますが、公明党としても、この自公保政権が信頼された、こういうふうにお考えですか、またそういう前提で次の参議院選挙もお考えですか、続さんにお聞きします。
○続国務大臣 お答えいたします。
 公明党として全国の得票合計が過去最高の得票を獲得することができました。さらに、与党三党で絶対安定多数を上回る議席を得たことにより、国民から信任されたものと私は確信しております。連立与党の勝利は、政治の安定を確保し、二十一世紀の改革を進める体制が整ったものであると認識しております。
 一方で、政治に対し国民の皆様の厳しい評価があるのも事実でございます。これに謙虚に耳を傾け、その要請にこたえていかなければならないと存じます。参議院選挙も、これらを踏まえながら懸命に戦わせていただきたい、このように存じます。
○菅(直)委員 これはもう国民の皆さんから見て、結果はもちろん明らかになっているわけですから、当事者がそういうふうに思っておられるというのであれば、思っていることまでどうこう言うわけにはいきませんが、客観的に考えれば、私は、かなり厳しかったのではないかな、このように思っておりまして、自公保というものが国民に認知されたというのは、かなり強弁ではないか。
 また、森総理は逆に、民主党が政権構想を出さなかった、いろいろ他の与党の方も言われましたが、私たちは衆議院で過半数を超える候補者を擁立しておりましたので、民主党中心の政権、そういうことを申し上げたわけであって、きちんと政権構想は、政策内容も含めて出してきたところであります。まだまだ十分な議席をいただくところまでいきませんでしたけれども、次回の参議院、そして衆議院選挙では、神奈川を含めて東京や愛知や、そういう選挙区でいただいた支持がもっともっと全国で広がるように私たちも頑張っていきたい、このように思っているところであります。
 そこで、当初は久世大臣のことから入ろうと思ったんですが、先ほど公明党の北側さんの方から日債銀の問題について大変重大な発言があり、また重大な答弁が出されたので、この問題から入っていきたいと思います。
 御承知のように、二年前の参議院選挙で自民党が参議院の過半数を割ったときに、民主党、公明党、当時の自由党が共同で金融再生法を提案し、そして最終的には自由民主党がそれに乗って、どういうわけか自由党はそのとき離れられましたけれども、金融再生法が成立したことはもちろん御承知のとおりであります。
 この金融再生法の基本的な考え方は、当時、長銀が非常に危うい状態にある、これがばったりといけば、預金者が長銀に駆けつけるだけではなくて、あらゆる銀行にいわば取りつけという形で駆けつけるのではないかという心配がされました。また、そのことが世界に波及して日本発金融恐慌が起きるのではないかという心配がありました。
 そこで、私どもは、スウェーデンの一つの例を参考にして、一時国有化というまさに異例な措置によってそうした預金者に対する保護とそういう金融恐慌の防止を果たす、そういう法案を出したわけであります。
 そのときの考え方では、その二つの目的を果たすことがこの金融再生法のまさに主要なる目的でありまして、そうして一時国有化されたときには、それが抱えている債権は厳しく査定する。当時から査定が非常に甘いのではないかといろいろな段階で言われておりましたが、まさに自分でやれるわけですから、厳しく査定をして、不良な債権についてはそれはRCCに入れて債権回収を図る。そして、優良な債権については新たな国有長銀に残して、そしてそれを、例えばかつてのJRやNTTのように、株は政府が持つけれども、運営はきちんとした専門家に任せて、そしてその優良債権で運営される国有長銀がだんだんと安定してくれば、その段階で順次株を民間に放出をして、最終的には国有銀行から民間銀行に戻していく。このような絵を基本として考えていたわけであります。
 しかし、現実には、この金融再生法が通過した直後の早期健全化法では、我が党が厳しい検査やある意味でのモラルハザードを防止する内容を盛り込んだ法案を出しましたけれども、その段階では、残念ながら自由党や公明党が、そういうある意味ではしり抜けの、モラルハザードを招きやすい金融早期健全化法に賛成されて、そしてそれが通過をし、その後今日まで預金保険機構や再生委員会を中心にこうした金融行政がなされてきた結果が、今回のそごうに対する債権放棄という形で、国民の目から見て、一体何をやっていたんだ、一体どうなっているんだ、その反発を受けたわけであります。
 つまり、どこで間違ったか。それは、国有長銀になった段階で、グッドバンクとバッドバンク、つまりは優良債権は優良債権として残すけれども、不良な債権はきちんとそれを査定した上でRCCなどそういうものにきちんと移すという、その仕切りをきちんとできなくて、そして不適な債権までいろいろな理屈をつけて国有長銀に残して、それを売却したい。そんな不良な債権があるものは買えません。それでは、二〇%下がったときは買い戻しますから、ぜひ買ってください。一種の飛ばしをやっているわけですね。
 ここにこの瑕疵担保の問題があるわけでありまして、私は、瑕疵担保を認めてこれからもやろうという先ほどの北側さんの発言は、重大な責任を公明党も負われたと思いますね。
 そこで、具体的なことから申し上げてまいりたいと思います。
 そごうに対する債権放棄の決定が六月三十日になされておりますが、預金保険機構の決定は当然再生委員会は知っていたでしょう。しかし同時に、預金保険機構の監督責任は、再生委員会だけではなくて大蔵省も監督責任を持っているはずですが、大蔵大臣はこの決定の前にその内容について御存じでしたか。そして、どう判断されましたか。
○宮澤国務大臣 国会の御意思によりまして財政と金融の分離ということがずっと進められまして、したがいまして、いっときは企画立案というものが大蔵省に残りましたが、それもなくなりました。したがいまして、こういう金融の事象についての大蔵大臣の監督権限はございません。
 預金保険機構につきましては、相当大きな債務の保証をしなければならない立場でございますから、一般の監督権は法律上に残っておりますけれども、行政上のいわゆるインプリメンテーションというものは、一切大蔵大臣が相談を受けておりません。したがいまして、ただいまのことにつきまして、話は聞いておりましたけれども、相談を受けたということはございません。
○菅(直)委員 そこは、必要であればまた後ほどお聞きします。
 そこで、そごうについて、国有化された長銀が債務者区分としてどういう区分に当てはめたのか。九九年の一月から二月に判定が行われたと聞いておりますが、その判定でどういう区分でしたか。端的に答えてください。
○相沢国務大臣 その段階で適と判定いたしました。
○菅(直)委員 ですから、適というのは、正常なのか、要注意AなのかBなのかCなのか、破綻懸念か。そのことを聞いているんです。
○相沢国務大臣 要注意先債権であります。
○菅(直)委員 いいの、松田さん。要注意先債権と言っているよ、大臣が。
 要注意先債権の何ですか。
○松田参考人 お答えいたします。
 そごうグループ、四十社以上ありますけれども、親会社が株式会社そごうでございまして、株式会社そごうの債務者区分は、要注意先Aということになっております。
○菅(直)委員 そういうふうにはっきり答えてもらえばいいんですよ。
 そこで、九九年の九月に長銀が自己査定をして、新たな判断がなされたと聞いておりますが、これはどういう判断をしたんですか。
○相沢国務大臣 今申し上げましたように、当初、破綻懸念先Aということで適と判定をいたしたわけでありますけれども、その後……(菅(直)委員「破綻先じゃない、要注意でしょう」と呼ぶ)失礼、要注意先Aということであります。
 長銀が引き続き保有することが適当と判定されたいわゆる適資産につきましては、譲渡時に国の監査法人が会計ルールに従って……(菅(直)委員「九月のことを聞いているんですよ」と呼ぶ)ですから、その結果、私的判定時には要注意先Aでありましたけれども、譲渡時の資産査定では破綻懸念先に落とし、それに見合う引当金一千億を積んだわけでございます。
○菅(直)委員 つまり、九九年の二月の段階では要注意先Aだから適だと言いながら、その半年余り先の段階では破綻懸念先だから、だから引当金を積むんだと。当初から破綻懸念先ということになっていれば、国有長銀に残らないはずの債権です。当然、RCCに移る債権です。
 それでは、もう一つ聞きます。
 それをリップルウッドに売るときの契約では、要注意先Aとして扱っているんですか、それとも破綻懸念先として扱っているんですか。
○相沢国務大臣 要注意先Aでございます。
○菅(直)委員 ことしの二月の段階で要注意先A。
 いいですか、去年の二月の段階で要注意先Aだったけれども、その後自己査定をやってみたら、劣化していて、それじゃとても要注意先Aにならない、一千億余りの引当金を積むような破綻懸念先になったとさっき言われたじゃないですか、九月の段階で。それを言いながら、なぜ譲渡時に要注意先Aになるんですか。実は、要注意先Aでなければ瑕疵担保の対象にはならないわけですよ。正常債権と要注意先Aでなければ瑕疵担保の対象にはならない、最初から破綻懸念先であれば瑕疵担保の対象に入らないという契約になっているじゃないですか。
 そうすると、瑕疵担保の対象にする、そのことについては九九年二月の要注意先Aをそのまま残して、その後で決めた懸念先という判断では一千億以上の引当金を積んだ上で、そして二月には、一千億積んだのにまだ要注意先Aとして、大ざっぱに言えばですが、残った一千億が二割以上劣化したら全部買い戻してもらえる、こういう契約になっていると私は理解していますが、それでいいんですか、理解は。イエス、ノーで答えてください。
○相沢国務大臣 その点につきまして、参考人にちょっと答弁させていただきます。
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 資産判定は、九九年二月の時点の要注意先Aを基準にして資産判定しておりますので、譲渡後につきましても、瑕疵担保ありやなしやの基準は要注意先Aを基準にいたした次第でございます。
○菅(直)委員 だから、そちらをAにして、九月の段階で破綻懸念先として一千億引当金を積んだと。ダブルスタンダードじゃないですか。一方的に相手は有利だけれども、国民は、いざとなれば買い戻す条項に加えて、あらかじめ一千億もう破綻懸念先としてお金を積まれて、契約をしたのはことしの二月ですよ。こんなインチキな契約を何で結んだんですか。こうなった理由を、相沢大臣、ちゃんと説明してください。
○相沢国務大臣 何分私はまだ登板して間もなくでございますので、当時の経過を十分に承知いたしておりませんが、長銀の昨年二月の資産判定の基礎となるそごうに係る自己査定は、同社の平成十年二月の決算をベースとしておりますけれども、リストラ三カ年計画の効果によりまして、約五百億円の経常赤字の黒字化が実現しているものと承知しております。また、同決算時にスタートした新四カ年計画の初年度の返済計画も達成したなども踏まえまして、債務者区分としては要注意先Aとしたものと承知いたしております。
 しかし、資産判定後の昨年の七月には、消費低迷が恒常化した等から、新四カ年計画の大幅な未達が明らかとなり、修正が迫られるとともに、昨年二月決算期におきまして再度経常赤字へ転落するということになったわけであります。また、昨年七月には金融検査マニュアルが策定、公表されたことを受け、長銀は行内の自己査定基準の見直しを行い、より適切な自己査定と償却引き当てを行うこととしたものと承知しております。そこで、昨年九月期のそごうに係る債務者区分は破綻懸念先となるに至ったものと承知をいたしております。
 そのようなことで、破綻懸念先につきましては、無担保部分については七〇%の引当金を計上するということになりましたので、引当金を増加するというような経緯になっているのでございます。
○菅(直)委員 これは、総理、聞いておられてどう思います。もし破綻懸念先であればRCCに入れることになっているんですよ、もともとは。一千億も積んだんですよ。契約はその後ですよ。もう契約をしちゃった後に検査したというんじゃないですよ。去年の九月ですよ、破綻懸念先にしたのは。この二月に契約したんですよ。
 この契約当事者はある意味での背任じゃないですか。こんなダブルスタンダードで、なぜ国民が理解できるんですか。総理、この責任についてどう思われますか。
○森内閣総理大臣 この問題は、今、極めて細かな当時の経緯の状況もございますから、事務局長から答えさせることが正しいと思います。
○菅(直)委員 何が細かいんですか。先ほど北側さんの質問に対して、瑕疵担保特約は認めるべきだなんという答弁をされたじゃないですか。瑕疵担保特約の扱いがそごうの件についてどうなっているかという話、今それが問題の焦点じゃないですか。
 少し前に進めながら話を深めていきたいと思います。
 日債銀について、債務者区分、全体としてどうなっているんでしょう。つまりは、正常とか要注意先Aの対象になっているのは、数でいえばどのぐらいの債務者で、総額でいえばどのぐらいになっているのか。あるいは、破綻懸念先などが含まれているのか。
 一つだけ、そのことについてまず、日債銀の例について、このそごうと同じような扱いがされているかどうかというのは一番大きな問題ですから、その点に焦点を当ててきちんと答えてください。
○相沢国務大臣 数字に関する問題でございまして、ちょっと参考人から答弁させていただきます。(発言する者あり)
○原田委員長 ちょっと時間をとめます。――金融再生委員会森事務局長。
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 日債銀の破綻した際の貸出金総額は約八兆数千億であったと思います。そのうち約半分が不適資産になったわけでございまして、適資産として残ったのが四兆でございまして、現在はそれも残高が減ってきまして、三兆二千数百億という水準になっておるわけでございます。
 なお、債務者区分ごとの件数等につきましては、公表を差し控えさせていただいております。
○菅(直)委員 まず確認をしておきたいと思います。
 今の答弁だと、破綻懸念先と言われましたか、八兆円ある、そのうちの半分を適にした。(森政府参考人「全体でございます」と呼ぶ)ちょっと、ちゃんと答えて、もう一回。じゃ、何が半分なんですか。何が八兆で、何がその半分なんですか、その適にしたのは。
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど八兆と申しましたのは、全債権、破綻時の全債権でございまして、正常債権、要注意先債権、破綻懸念先債権、実質破綻先債権、破綻先債権、すべて含んだものでございまして、そのうち適として残したもの、これが約半分と申し上げたわけでございます。
 なお、破綻懸念先が適として残っている場合はもちろんございます。例えばメーン銀行の強固な支援というものがあるならば、破綻懸念先も適として残っているわけでございまして、破綻懸念先イコールRCC行きというわけではございません。
○菅(直)委員 この問題自体もおかしいんですが、破綻懸念先も入っているということを今、森さん認めましたが、その破綻懸念先は今度のソフトバンクグループとの契約では瑕疵担保の対象になるんですか、ならないんですか。
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 破綻懸念先が適としてなった場合には、全承継貸出債権につきまして瑕疵担保がついてございますので、瑕疵担保の対象にはなります。
○菅(直)委員 ということは、旧長銀の場合よりもさらに範囲が広いということですか。旧長銀の契約は、少なくとも正常債権と要注意先Aまでが瑕疵担保の対象になっている。今の説明だと、それよりさらに広いということですか、ソフトバンクグループに対しては。
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 基本的に長銀の契約と日債銀の契約は同じでございまして、正常先、要注意先Aの場合は、基本的にその適とした理由を債務者ごとに書いてございません。そして、要注意先B以下について適とした理由を書いているわけでございます。
 それはすなわち、資産判定基準というものを告示で出しておりますが、資産判定基準では正常と要注意先Aは原則適と書いてあるわけでございますので、理由を書かなかったわけでございます。
 したがって、瑕疵担保を実行する際には、推定規定で、瑕疵と推定されるという場合のみ正常先と要注意先Aについては瑕疵担保条項が発動されるということでございまして、要注意先B以下のものについての瑕疵担保条項の発動というのは、その個々に書いた理由、例えば自力再建の可能性ありとか、いろいろな理由が書いてございますが、その理由が真実でなくなった、あるいは変更したという場合に瑕疵、こういうふうに技術的に契約で決めてある次第でございまして、これにつきましては日長銀も日債銀も変わりございません。
○菅(直)委員 これも大変な問題ですが、さらに進めます。
 時期の問題。つまり、先ほどのそごうの場合は、要注意先Aと一たん区分しながら、後に懸念先にして引当金を積んでいるんですよね、そごうの場合に。この日債銀の場合に、そういう先ほど言われた判断の時点がどの時点なんですか。そして、引き当てとの関係でそごうと同じようなケースがあるんですか、ないんですか。
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 長銀の例で申し上げれば、九九年二月が資産判定時点でございまして、その時点における長銀の新経営陣のもとでの自己査定をもとにして、再生委員会で審議して適、不適の判定をいたしました。日債銀については、去年の五月で同じようにいたしました。
 その結果として、長銀にも日債銀にも、破綻懸念先について適となったものは確かにございます。先ほど申しましたとおり、メーンバンクの強固な支援ということがあれば適になったわけでございますので、そういうことになるわけでございます。
 一方、銀行会計のルールに従いまして、特公管銀行といえども、あるいは国有化銀行といえども、銀行でございますので、各決算期におきまして、新金融検査マニュアルに従って適正な資産査定と引き当てをしなければいけなくなっております。その結果、国有化に入った長銀も日債銀も、三月期と九月期にはそれぞれ、自己査定、そして国の公認会計士のチェックそれぞれをいたしまして、資産査定と債務者区分と引当金の引き当てをしております。
 その結果、九九年二月あるいは九九年五月の判定時の債務者区分と譲渡時までにそれが変わってくるということは当然あり得ることでございまして、そごうが一つの典型的な例として、要注意先Aから譲渡時には破綻懸念先になったというのは、そういう銀行会計上のルールに従った結果でございます。
○菅(直)委員 聞かれている人が聞かれたら、結局、そごうと同じダブルスタンダードをやっているということじゃないですか。これからもやるということじゃないですか。メーンバンクの強固な支援、そごうのメーンバンクはどこでしたっけ。興銀が強固な支援をすることになっているんじゃないですか。興銀が強固な支援をする、しかし、先ほどの北側さんじゃないですけれども、あるいは今回のやり方じゃないですが、事実上、買い戻した上での国が債権放棄をすることには、国民がそれを許さなかった。つまりは、全部いいかげんじゃないですか。
 相沢さん、答えられますか、こんないいかげんなことをやって。これで日債銀を、瑕疵担保条項を認めたままで契約を結ぶ、公明党はそう言われましたけれども、共同責任がとれるんですか。相沢さん、自分で責任がとれるんですか。全部、片っ端から買い戻し、いわゆる解除請求が出ますよ。
 ついでに言っておきますけれども、なぜ瑕疵担保が特に悪いか。皆さんも御存じでしょう。例えば一〇%価値が下がったとしたら、普通だったら、その一〇%は新生銀行、いわゆる旧長銀が新生銀行になっていますから、新生銀行がなるべくそれがふえないように努力して、なるべく損失を小さくしようと努力するわけですよ。しかし、一〇%まで来たら、努力したってなかなかゼロにはならない。では、いっそのことほっておけば、そのうち一五、二〇になって、二〇を超えたら、買い戻してくれと言われれば、一円も損は出ない。つまり、新生銀行の経営者としては、一生懸命努力をして損を少なくするよりも、それぞれの債権について、二〇%を超えるところまで持っていけば全部いわば現金で買い戻してくれるわけですから。
 後ほどロスシェアリングの話が出るかもしれませんが、まだロスシェアの場合は、例えば八対二で国が八、銀行が二であっても、出たものは全部、二割のロスは自分でかぶるから、少なくとも、多少なりとも少なくしようということになるわけですよ。しかし、瑕疵担保の場合は、二割を超えれば一円も損をしない。一割九分だったらまさにその一割九分全部損をするけれども、二割を超えたら全部損をしない。
 こんな条項を残したままで、まだ契約をした方がいいと言うんですか。そして相沢さんは、それなら自分でも保証ができるぐらいに責任がとれると言うんですか、それを。
○相沢国務大臣 数字的にいろいろ、ちょっと承知しているわけではございませんけれども、しかし、おっしゃることの中で納得しかねる点は、要するに、二〇%の瑕疵になるまでほっておいたら保証されるからその努力をしないじゃないか、こういうことですけれども、私は、先ほどの御質問のメーンバンクはというと、興銀になっております。興銀だけじゃないことは無論でありますけれども、興銀自体も当然これを、そごうが経営が悪化する、つぶれることになれば、したがいまして、当然に大きな被害を食うわけでありますから、ほっておいて二割になるまで待つというようなことは、これはメーン銀行として……(菅(直)委員「メーンじゃなくて新生銀行です」と呼ぶ)いや、新生銀行としても、当然そういうことを考えることはないというふうに承知しております。
○菅(直)委員 そんなに甘く考えているんですか。このコリンズさんとかフラワーズさんというのは、なかなかの人たちですよ。その方が自分の会社にとって得になるといったら、当然やるのが資本主義の原則じゃないですか。他の銀行のことを言っているんじゃないんですよ。瑕疵担保条項を持っている銀行なんですよ。
 少し話を進めておきたいと思います。
 今新たな経営者になっている、八城さん以外にアメリカ人のコリンズさんとかフラワーズさんという人がいますが、そのお二人が持っているコンサルティング会社に、いろいろありますけれども、五十七億円の報酬を新生銀行自体が支払った。先日、新生銀行の報告書にもそれが、数字はいろいろですが、巨額のものが支払われたのが出ております。
 よくわからないのですよね。一般的に言えば、日本政府をうまく手玉にとって、安く買いたたいて、瑕疵担保までつけてやってくれたから、それの成功報酬だ、こう言われているのです。しかし、買ったのはいわゆるリップルウッドのグループなんですね。買われた方が長銀、今の新生銀行なんです。その新生銀行自体が、十億円で買われて、助言料が五十七億円、一体どういうことなんでしょうね、これ。少なくとも、政府対リップルウッドグループが売買をやって、アドバイザーとしてゴールドマン・サックスがあって、そして、他の人が手助けしたからといってリップルウッドがその人たちに報酬を払うのは勝手でしょう。買われた新生銀行が払うというのはどういうことなんですか。答えてください。
○相沢国務大臣 この問題は、基本的には新生銀行の経営判断の問題でありまして、当局がこれに直接介入することにつきましては問題があろうかと思っております。
 ただし、この報酬の金額が非常に大きい、それからまた、経営健全化計画の履行状況に関する報告におきまして、経費の一部にこれが入っていたようでありますが、当方に十分説明していなかった点もありますので、新聞等に記事が出ましたので、早速事務当局から、新生銀行を呼びまして事情を聞かせたわけでございます。
 先方では、アメリカのMアンドAではこのような報酬を売買の対象となった銀行から受けるというのは通常の慣行であるという説明でございましたが、しかし、総体の報酬の中で、今菅委員から御指摘がございましたように、譲渡に関して受けたアドバイスへの対価というもの、言うなれば成功報酬というふうに考えられる部分でありますが、その二十一億は、国が公的資金でロス埋めを行い、さらに資本注入まで行った銀行の行為としてはいかがなものであろうかということを意見を述べたわけであります。
 その結果、新生銀行は、この意見を参考にしたと思うのでありますけれども、自主的な判断といたしまして、この二十一億の成功報酬と受け取られる部分につきましては新生銀行の経費とはしない、他の投資家、幾つも投資家がございますが、その投資家の負担に切りかえるということを当方に伝えてまいったのでございます。
○菅(直)委員 では、あわせて聞いておきましょう。
 政府が事実上雇ったフィナンシャルアドバイザーはゴールドマン・サックスでした。今回はソフトバンクグループのアドバイザーにゴールドマン・サックスはなっております。また、今問題になったフラワーズさんという人は、このゴールドマン・サックスとのアドバイザー契約ができる少し前までゴールドマン・サックスに長年在籍をした人であります。
 いろいろなうわさ話はありますよね。結局、ゴールドマン・サックスにしてやられたんじゃないのと。つまりは、日本政府としては、ゴールドマン・サックスになるべく高く買ってくれるところを一生懸命探してもらおうということで頼んでみたけれども、実はゴールドマン・サックスはリップルウッドにもう目をつけていて、そこに何とか買わせようということを仕組んで、そして、そのリップルウッドが十分に、損をしないような条項をたくさんつくってやられたんじゃないの、国際的なマーケットの中ではそういううわさがたくさんあるわけであります。
 まず、このゴールドマン・サックスとの契約で、幾ら契約料を払われているんですか。
○相沢国務大臣 その契約で幾ら払ったかということにつきましては、これは守秘義務との関係で従来も申し上げないことにいたしておりますので、お許しをいただきたいと思います。
○菅(直)委員 こんなことで国民が納得しますかね。
 私に対する説明では、ゴールドマン・サックスがオーケーしないからと言っておりますが、ゴールドマン・サックスがノーと言うかどうか、私もコンタクトしておりますけれども、アメリカの事例でいうと、こういう場合余り隠さないんですよね。
 何で守秘義務ですか。何が守秘義務なんですか。契約をしたのは預金保険機構じゃないんですか。再生委員会ですか。新生銀行ですか。税金で払うんでしょう、それを。私は高い安いを言っているんじゃなくて、その責任のあり方を言っているんですよ。なぜ言えないんですか。
○相沢国務大臣 これは、FAは今後もお願いをすることもございますし、そしてまた、そのような場合に幾ら払ったかということにつきましては、これは守秘義務の関係がございまして、従来も申し上げないことにいたしております。
○菅(直)委員 何でも守秘義務と言えば通るんだったら、官僚の皆さんがやることは全部守秘義務じゃないですか。国会で予算審議をするときに、そんな、守秘義務だから言えないなんていう話があるんですか。
 たくさん出ているじゃないですか。今の新生銀行がコンサルタント料として払ったのは幾らというのは、自分たちで自主的に出しているじゃないですか。
○相沢国務大臣 このパートナーズ社とのパートナーシップの契約とか、それから長銀、日債銀のFA契約につきましては、これは相手方も公表することを反対しているのでございまして、そこで守秘義務の問題を生じているということがありますし、先ほど来申し上げましたように、このような点につきましては、従来も守秘義務の関係で御説明をお許しいただいているんであります。
○菅(直)委員 先ほどゴールドマン・サックスのことを申し上げましたが、もう一人、ユージン・アトキンソンさんという人がやはりいて、かつては在日代表も務められたと聞いておりますが、当時はリミテッドパートナーですから、どういう仕事でしょうか。その人も現在は退社をして、九九年四月といいますからつい最近ですね、リップルウッド・ホールディング・ジャパンに加わった。それはアメリカですから、日本のような社会と違いますから、ゴールドマン・サックスにおられる人がいろいろなところに行かれるのは、それは構わないでしょう。
 しかし、日本政府がきちんとした契約をして、本当に利益を相反するような行為がなかったのか、きちんとしておかないと、今申し上げたように、結局、ゴールドマン・サックスは最初から、つまりはフラワーズ氏がリップルウッドに行っていますから、目をつけているリップルウッドに買わせるというシナリオに沿ってやったのではないか。そして、それがうまくいったから、今度はソフトバンクの側のアドバイザーになって、いや、こんなふうにうまくいくんだから、大丈夫ですから買ってくださいとやっているんじゃないですか。
 そこで、ちょっと話をがらっと変えますが、この背景にはペイオフの問題とのかかわりがあります。ペイオフは、確かにそれを行えば厳しい一つの状況があります。
 しかし、私たちが国会で議論したときには来年、つまりは来年までを二〇〇二年三月に延期したわけですが、つまりは、延期をするのではなくて、九八年当時の議論は、それまでの間に、すべての銀行について、まさに国有化したものもそうでないものもきちんときちんと査定をして、そして必要なものには例外措置として公的資金を注入して、責任はとらせて、それまでには健全化させておこう、そして健全化させた上でペイオフを行おう、そのことに合わせてやるというのが前提にあったわけですよ。
 相沢さんはペイオフ解禁延期論者だそうですけれども、今後どうされるのですか、一年延ばしたペイオフを。まだまだ延期して、結局は、いつまでたっても、今のような先送り先送りで、三年後の瑕疵担保、三年二カ月後の瑕疵担保、何が起きるかわからない、そういう状態で銀行を、つまりは本来なら破綻している銀行を生き延ばしながら、あるいは破綻している借り手を借り手保護という形で、債権放棄などを銀行にさせて生き延ばしながら、そしてペイオフも引き延ばそうとしているのですか。これは金融行政の一番根本の問題ですよ、判断として。見解を聞きます。
○相沢国務大臣 今委員もお話ございましたように、当初は来年の三月三十一日までということになっておりまして、四月一日いわゆる解禁ということになっておったわけです。
 しかし、金融情勢等を勘案いたしておりますと、これは昨年のことになりますけれども、特に中小の金融機関、信用組合等におきましては、預金の引き出し等々いろいろな情勢があらわれておりまして、特に金融機関に関しましては、ささいなルーマーでも取りつけ騒ぎに遭うようなことになって、それがつぶれるというような心配もございました。そこで、金融再生委員会の中でも、特に信用組合等の協同組織の金融機関に関しまして、そういうような懸念がある。
 そして、私どもが、これは与党三党の金融問題に関するワーキンググループと申しますか、それにおきまして各金融界の代表の話を聞きましたところ、信用組合も、信用金庫も、第二地銀も、地銀も、一年ないし数年延期してもらいたい、そのときに、全銀協と労働金庫は予定どおりやってもらいたい、結構だということでありましたが、総合的に判断をいたしまして、一部についてペイオフを延期することは適当ではない、全体についてどのように扱うか、三党の意見としましては、いずれにいたしましても、全金融機関を同じような取り扱いにすべきだ、こういうことになったのであります。
 そこで、三党の政策責任者の会合におきまして、昨年の十二月二十九日……(発言する者あり)では、簡単に申しますけれども、二十九日に一年間延期すべしという結論をいただきましたので、役所側としても、それに応じまして、その御意見を尊重いたしまして一年延期したわけであります。
 再延長に関しましては考えておりません。
○菅(直)委員 今の相沢大臣の話の中に、実はいろいろな問題が含まれているのですね。
 では、なぜ二〇〇一年三月三十一日までに、そうした中小を含めて、きちんとすると言いながら、できなかったのでしょうか。私は、早期健全化法の扱い方、運用の仕方に大きな間違いがあった。我が党が出したやり方でやれば、強制的にそれぞれの銀行を査定して、おかしいところは経営者を入れかえて、そして不良債権をRCCに入れて、強制的に公的資金を注入するというのが私たちの案でした。
 皆さんがやられたのはどういう案ですか。手を挙げさせるものじゃないですか。だれか悪いところは手を挙げたら公的資金を注入してあげますよ。手を挙げろと言ったら、手を挙げる人が初めだれもいなかったですね。自分の方から悪いです、悪いですなんて言う人はいっこない。そこで、何とか挙げてください、そんなに厳しいリストラは言いません、そんなに厳しい経営責任は言いません。借り手についても、場合によったら債権放棄でもして借り手を生かすこともどうぞどうぞ認めましょう。何をやったんですか、一体。七十兆円の公的資金を積んで、結局は全部先送りにしてきたんじゃないですか。
 今まさに相沢さんが言われた、来年の三月三十一日までやるというのは、そういう例外的な国有化に加えて、まさに銀行の厳しい査定をやる中で、不良なものは全部RCCなりに移してつぶすものはつぶす、しかし、生かすものについては資本が過少になるから公的資金を入れようということではないですか。その原則を間違ったものだから、間違ったというか怖いんですね、それをやれば確かに借り手は厳しいです。
 今回のそごうだって、何がメーンバンクですか。この間の大蔵委員会で、たしか西村興銀頭取が、九四年のころから債務超過だったと言っているじゃないですか。そごうについて、メーンバンクが。そこらじゅうにゼネコンや何とかでおかしいところがある。今私が申し上げたようなやり方でやれば、もっと前の段階でそういうものの相当部分はばたばたと倒れたでしょう。その中には、自民党にたくさん献金をしていた業界も多く入っているんですけれどもね。
 ですから、結局は先送り。先送りのために、その早期健全化法を使って、先送りですから経営体質は全然よくならない。だから、ペイオフまで先送りしている。
 いいですか、失われた十年といいますけれども、そういう状態が、このままいけばあと十年たっても続きますよ。最後は国際的な信用を失って、日本の国債の格付が下がっていくでしょう。(発言する者あり)民主党としての考え方を申し上げようと思っていたところに、今やじでわざわざどうすればいいかと言われましたから、どうすればいいかを今から申し上げますから、よく聞いてください。
 いいですか、民主党が考えている考え方は原則に戻ることですよ、厳しいけれども。もともとは、まさにあの八〇年代後半のバブルによって引き起こされた問題です。バブルの原因までは言いませんが、一つだけ言えば、一九八五年の日本の地価総額は約一千兆、一九九〇年の我が国の地価総額は二千四百兆、千四百兆の値上がりと値下がりがあって、少なくとも数百兆の不良債権がそこに発生した。その原因も、ここにおられる宮澤大臣を含めて当時の首脳がおられますけれども、そこは今言っても話が長くなりますから、その程度にします。
 その中でどうするか。今やじで、じゃ中小企業が全部つぶれるのか。確かに、ある時期痛みがあるでしょう。しかし、それを越えていかなければ、ずるずると出血多量のまま、片方に輸血をしながら片方で出血がとまっていない状況を十年間続けてきたんですよ。あと十年続けたって同じことですよ。
 ですから、私は、二年前の我が党が、金融再生法と、今回実行されているのではない厳しい早期健全化法の原則に戻るべきだ。もともとそうなっているんですから。つまりは、簡単なんですよ、すべての銀行に対してきちんとした検査をもう一度全部やらせる。そして、債務超過になったものについてはそれを適正な手法で、国有化なのかあるいは破産処理なのか、いろいろありますけれども、それでやる。
 そして、債権放棄については、先ほど北側さんも言っていましたが、基本的には公的資金を導入しながら債権放棄をして、そしてその企業が本当に立ち直るならいいですけれども、ゼネコンも過剰と言われている、流通も場合によっては形態が変わると言われている、それは自由競争に任せるしかないじゃないですか。それがまさに日本の経済構造の改革じゃないですか。私たちのまさに考えている考え方は、その基本に戻ることです。総理大臣、いかがお考えですか。
○森内閣総理大臣 今こうして議論がありますように、金融システム全体を安定させていかなければならぬ、そのためには、中小企業もございますし、金融にかかわる多くの人たちもおられるわけでありますから、私どもとしては私どもの考え方が最善であるというふうな判断をしたわけであります。
 菅議員のおっしゃる民主党の考え方も一つの考え方でしょうが、やはり、今あえておっしゃったように犠牲も伴うがということでありますが、私どもとしてはやはりラジカルな方法はとり得ない。でき得る限り多くの皆さんに信頼をつなぎとめて、何としても金融システムを安定させるためには、やはり時間的な経過も必要だ、このように考えております。
○菅(直)委員 これは国民の皆さんにとってもなかなか厳しい話ですから、最終的には国民の皆さんが判断される問題だと思います。ただ、日本新生なんというスローガンを掲げるぐらいだったら、せめて私が言うぐらいのことを言われるのかと思ったら、新生どころか日本を停滞のままに押しとどめるというその発想そのものじゃないですか。
 あと二、三点だけ、誤解を招くような発言が与党の中にありますので、二、三だけ申し上げて、この問題から移りたいと思います。
 金融再生法の考え方は先ほど申し上げました。よく皆さんは、金融再生法に二次ロスのことが入っていないから瑕疵担保をやらざるを得なかったんだと言われますが、先ほど申し上げたように、金融再生法の考え方の原則に基づいてきちんとした資産査定をやれば、先ほどのように、破綻懸念先であってもメーン銀行が助けてくれそうなところは適に回すなんという、そして個別に瑕疵担保対象になるかどうかは個別事由によるなんという、そういうインチキなことをやらないできちっとした国際基準でやっていれば、まずそういう条項の必要性がなくなりました。
 さらに言えば、二次ロスについて、ロスシェアの問題もありますけれども、いや、ロスシェアが規定されていなかったから入れられないので瑕疵担保を入れたんだと言われておりますけれども、どちらも規定されていないんですよ、もともとが。だから、瑕疵担保もおかしいけれども、どうしてもロスシェアを入れたいんだったら、それは法律改正か、あるいは瑕疵担保が入るという判断を、私たちはしていませんが、その判断と同じ意味で言えば、ロスシェアだって可能ですよ、そういう判断で言えばですよ。もし必要なら、与党はたっぷりいるんですから、再生法を変えればいいじゃないですか、瑕疵担保よりはロスシェアがいいと言われるんなら。我々はそれを、提案を受けたこともないし、反対したこともありませんよ。
 つまりは、我が党がもともとの案を出した再生法にすべての責任をなすりつけて、そして自分たちのやった間違いを野党第一党の民主党に押しつける。あるいは、早期健全化法がうまくいったなんという言い方でやっておりますけれども、早期健全化法も、先ほど来申し上げているように、手を挙げさせる早期健全化法なんてないんですよ。不健全化法じゃないですか、こういう扱いは。強制的にやるから、経営陣を追われるから手術は嫌だと言っている人でも、あなたは手術をしなければいけない状態にあるんだからと言って手術台に直接持ってくるのが、まさにそれによって早期健全化をやるという法律を、そうでない形でやっているためにこんなことが起きている。
 つまりは、民主党が二年前に提案したものをきちんとやっていれば、私は、厳しかったかもしれないけれども、今はまさに夜明け前のその暗さのところまで達していたのではないか。今は残念ながら夜の一時か二時で、まだ真っ暗ですよ。全然夜明けが見えてない。このことについて、もし森総理が反論がおありなら、お聞かせいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 当時のことを私はどうも実は申し上げたくないし、失礼なことになってはいけないと思いますが、先ほどおっしゃいました、自民党は金融機関に金を渡したと。資本注入いたしました。これはしかし、やったのではなくて取り戻す金でございますので、これはどうぞ、その点は御留意願いたい。
 それに対して、菅委員のお話は、悪いところはよくも悪くも金を入れちゃえばいいじゃないか、それできれいにしろとおっしゃるのですが、金を入れるということは国有にするということでございます。これは大事な点であって、国有ということがどういう結果になるかということを私どもは二年間見てきたのじゃなかったのでしょうか。
 このことだけ申し上げておきます。
○菅(直)委員 大蔵大臣ときちんと議論するのなら、最初からきちんと議論しますよ。今、部分的なことだけ言われましたけれども、最初に預金保険機構の問題の監督責任についても言われたら、そのときは責任はないんだと言って逃げておかれて、重箱の隅みたいなことのときだけ手を挙げてくるというのは、私は、元総理としては見識を疑いますね。
 そこで、次の問題に移らせていただきます。
 これを配ってもらえますか。
 今の問題は、この結果を我が党あるいは他党もいろいろな場面で議論されるでしょうから、私は重ねて申し上げておきますが、瑕疵担保条項を残したまま契約を日債銀について結ぶことは、先ほど申し上げたように、経営者のインセンティブとして、経営努力をいわばわざとそういう債権についてはしない方が有利だということになりますし、そういうことで生じた責任は、それに賛成される与党三党すべてに責任がかかっているということだけは、この問題における最後に申し上げておきたいと思います。
 そこで、関連も若干いたしておりますが、久世大臣の辞任についてであります。
 久世金融再生前委員長は、かなり長期にわたって三菱信託銀行からいろいろな形の利益供与を受けていた、あるいは大京からも資金提供を受けていた。しかも、それらのことを総理が閣僚に任命されるより前に、官房長官さらには総理も知っていた。
 本会議の答弁では、やめることになるような人を任命したのはまずかったと言われましたよね。どういう意味ですか、一体。結果としてやめることになるような人を任命したのはまずかった。最初に任命したのはよかったけれども、後でやめることになったからまずかったというのですか。その間に何かあったんですか。違うじゃないですか。
 もともとそういう、金融再生委員長という金融の責任を負う人、しかも、今非常に、そごうの問題など国民から見て金融行政の信頼性が疑われているときに、まさに金融機関の大手であるところから巨額の資金提供、利益提供を受けていた人が、それをわかっていて、わかっていて問題がない、森総理はこの問題が報道された後も問題がないということを繰り返されていた。
 私は、この問題が報道される前に、つまりは閣僚に任命される前に、知ったときに、少なくとも再生委員長には不適任だと判断されるのが当然だ、そう思いますが、そうじゃありませんか。
○森内閣総理大臣 久世大臣は、御自分のそうしたことについて、これからの金融担当大臣としていろいろと御迷惑をおかけすることになる、こういう思いで御自分から辞職をなされたわけであります。私は、それは極めて残念であり、遺憾なことだと思っております。
 しかし、久世議員は、今菅議員のそのお話を承ると、不適切な人だという断定ですけれども、やはり、参議院で地道に幅広く政策の勉強をしておられましたし、特に、参議院の立場の中で、我が党の政策審議会といいましょうか、政策機関の代表的な立場で大変な努力をしておられた。その久世議員のこれまでの政治的な活動は、私は大変評価をいたしております。
 したがって、確かに、今お話がございましたように、そうした三菱信託銀行云々というようなお話を漏れ伺いましたので、そのことにつきまして事前によく、御本人のこのことに関してどういう対応をしておられるのか、それを官房長官を通じてお調べを申し上げたということであります。
○菅(直)委員 ちょっと扇建設大臣に関連してお聞きしたいのですが、扇大臣は、例えば若築から献金を受けるとか、あるいはゼネコンから献金を受けるということは、建設大臣になられてからやられておりますか。
○扇国務大臣 お答えいたします。
 私自身が今菅委員がおっしゃったようなところからの政治献金を受けてはおりません。
○菅(直)委員 いろいろな人が受けているという報道があるのですが、扇さんじゃないですよ、例えば中尾さんなんか典型的ですね。建設大臣がその在職中にそういうところから献金を受けることについては好ましくないとお思いですか、いや、それは別に構わないとお思いですか、扇大臣。
○扇国務大臣 その件に関しましては、当然政治家として政治活動を行うために正常な献金を受けるということは多々あろうと思いますけれども、自分の利益が及ぶようなところから、また今世上で言われておりますように、国民の目から見て、これは法的におかしいと言われるようなところから献金を受けることは、厳に慎むべきであろうと思っております。
○菅(直)委員 今の発言は、法律とも言われましたけれども、そういうことは余り好ましくないというふうに言われた趣旨だと思います。
 ここに平成七年八月八日から平成八年一月十一日、村山改造内閣建設大臣、森建設大臣が当時二百七十一社から合計四千十五万七千円の献金を受けていたという公表文が、公表がなされております。結局、森さんはそういう、建設大臣当時でも、建設省関係の人から献金をもらうのは当然だ、だから久世さんも、ましてかつてのことで、銀行関係者からたくさんもらっていても、それが何が悪いか、結局そういうことを言われたいのですね、森さん。
○森内閣総理大臣 私は、政治資金規正法に基づいて、幅広く多くの方々から御支援をいただいております。そこの部分だけ取り上げて、そこでおっしゃるというのは、私は適当ではないと思っています。
 そのことによって何か利益を与えるとか特別のことをした、そういう御指摘ならば私はお話をお伺いいたしますけれども、幅広い方々からきちんとした政治資金団体の法律の枠の中で会費として広く薄くちょうだいをしておるということであります。
○菅(直)委員 ですから、そういう感覚だから、久世さんがかつて巨額の資金提供を金融機関から受けていても、あれは適正だったということになっているのか、単に時効だったという話もありますし、当時の政治資金規正法上適正な処理がされていないという話もありますが、どちらにしても、もう終わった話だから構わないという判断で、私が言っているのは、その判断で先ほど来、だから適任なんだ、不適任とは言えないんだと、つまり私たちの判断と違うわけですよ。
 つまりは、大臣として適任か不適任かということは、直接決められるのは総理だけですから、任命権者ですから。国民の多くは、そういう人は不適任だ、私たちも不適任だと思っているけれども、先ほど来の答弁を聞いていると、相変わらず、よく勉強した人だから適任だ、お金をもらっていたってそれは適法にされていれば適任だ、今でもそう思われるのですね。
 ということは、久世さんはやめてしまったからいろいろ申しわけないけれども、自分が任命したことそのものは間違っていなかったと今でもおっしゃるわけですね。
○森内閣総理大臣 衆議院、参議院の本会議を通じて申し上げてまいりましたけれども、みずからおやめになったということについて、そういう閣僚をお選びしたということについては、大変私は残念なことであるし遺憾である、こう申し上げているわけです。そしてまた、そのことについては、国民の皆さんに率直におわびを申し上げる、こう申し上げているのです。
 ただ、今委員から御指摘があったように、久世さんが多くの銀行からたくさんの資金を得ている云々ということを知っていて選んだではないかということですが、私どもはそういう見方をしているわけではありません。
 私は、そういう懸念されるようなお話を若干漏れ聞いておりましたから、当時まだ官房長官ではございませんでしたけれども、官房長官としてお願いをすることに党として御了解をいただいていました当時中川幹事長代理に、その辺についてつまびらかに本人からお聞きをしてほしいと。政治資金の問題ではなくて、いわゆる三菱信託銀行がつくった研究会の、そのところの座長をしていらっしゃった、そのためにその事務所を使っていた、こういうことであったけれども、しかし、それは議員になる前の昭和六十年というときに就任しておったと。当選をしてからは毎年、参議院議長にきちっと報告をしておるということでございますから、そういう御自分のきちんとした明確なお話をされたので、それはそういう政治資金を受けて行動しているということではない、こういうふうに私は判断をしたわけです。
○菅(直)委員 ちょっと、これ以上総理とこの問題で議論をすると、こちらの常識が何か狂ってしまいそうですね。
 みずからやめることになった閣僚を任命したのは国民に申しわけないと。何でみずからやめることになった閣僚を任命したら申しわけないのですか。それは病気の場合もあるでしょう。いろいろなことがあるでしょう。気の毒だということはあるかもしれない。みずからが任命したことが間違ったから申しわけないというのならわかるけれども、みずからというのは森さんがですよ、久世さん自身がやめることになったから申しわけないと言っているのじゃ、やめなかったらよかったという話になるじゃないですか。
 もう一回聞きますけれども、そういう認識ですか、今でも。
○森内閣総理大臣 おやめになったのはみずからおやめになったわけだけれども、そういう大臣を選んだ私は、大変残念に思い、反省をしている、だからそのことについてはおわびを申し上げていると、こう言っているんじゃありませんか。
○菅(直)委員 そこで、もう一つ、大京観光からの資金が自民党の党費の立てかえに振り向けられていたという報道がたくさん出ております。
 参議院の比例代表、自民党で戦われている人は閣僚の中で、今は自民党ではありませんが、扇さんですが、扇さんは自民党で比例代表を戦われたときに、やはり党費を二万人分か何か、数千万円分払われたのですか。
○扇国務大臣 お答えいたします。
 私は最初は全国区でございました。全国区で個人名を書いていただいて当選してまいりました。二度目の選挙のときに、初めて比例代表制というものが導入されました。そのときに自由民主党は、比例代表の名簿に載せる基準というものがまだ確定できていない自由民主党の状況でございました、何しろ初めてのことでございますから。けれども、基本的には、名簿に登載するためには最低限二万人の後援会をつくるのが大体基準としていいのではないかと。
 ただ、一言申し上げますけれども、党員を集めることだけが名簿登載の基準ではありません。党への貢献度、国会の活動等々を加味して名簿を、順位を決めるのであって、基本的に、名簿に登載するためには自由民主党の後援会を、まあ二万人ぐらいが常識ではないかというのが一番最初に比例代表を導入したときの条件でございましたので、私はそれは今でも正しいと思っていますし、なるべくやはり、皆さん衆議院にお通りになっている方は二万人以上の投票をいただいて当選なすっていらっしゃるのですから、比例といえども二万人の後援会ぐらいを集めるのが大体常識ではないかなというのが、自由民主党の当時の空気でございました。
○菅(直)委員 では、せっかくですから、その党費の立てかえという問題についてはどうでしたか、扇さん。
○扇国務大臣 私の場合は、一番最初比例代表が導入された、私にとっては二度目の選挙でございましたけれども、多くの皆さん方に、当時は千円だったのです、今は三千円になっていますけれども、最初は千円党費でございましたので、その当時は三分の一でございますから、私どもの後援会の皆さん方に、お金を、党費をつけて入っていただきました。
○菅(直)委員 森総理に、これは自民党総裁としてお聞きをいたしますが、自民党の党員の扱いとしてこういう立てかえ払いというものを認めているんですか。
○森内閣総理大臣 立てかえ払いというようなことはやっておりません。今、林さんのお話になりましたのは大分昔の話で、昔といいますか、前の、党にいらっしゃったころの話であります。
 この比例代表制といいますか、比例区をつくったのは、菅議員も御承知のとおり、全国区というのはそれぞれ個人のお名前をちょうだいしていたわけですけれども、限られた期間の中で全国を回るというのは、大変、ある意味では残酷区と当時書かれたこともございましたね。ですから、そういうことから、いろいろと試行錯誤を繰り返しながらこの制度になったんだと思います。
 大体おおむね今比例制度でいけば、どうでしょう、大体五、六十万ないと当選しないだろうと思います、自由民主党に対する得票。これは民主党でも同じだと思いますね。ですから、そういう面から見ると、やはりそれぐらいの党員を拡大し、あるいは後援会の拡大をしなきゃいかぬ、それがやはり選挙運動だと思いますね、この法の中で求められている。ですから、その中で党員の獲得もし、後援会の獲得もするということです。
 ただし、我が党のために申し上げておきます、私も党務をやっておりましたから。そのことだけで順序を決めているわけじゃありませんよ。これは、議員活動、いわゆる国会の委員会、本会議にどれだけ出ているか、どれだけ質問をしているか、あるいは党勢拡大のために、選挙の応援演説等どういうことをやっているか、日常の活動、どういうふうに全国で遊説をこなしているか、そういうことまで全部厳密にやっております。そういう中から順序をきちんと決めているわけでありまして、まして、そういう競争をするために立てかえて党員をふやすというようなことは我が党としてはやっていないということだけ申し上げておきます。
○菅(直)委員 聞きたかったのは、立てかえをやっているんですかと聞いたら、やっていないと。これは今後、いろいろな報道では立てかえがそこらじゅうでやられていると出ていますから、また明確になっていくでしょう。
 そこで、皆さんのお手元に、「自民党の参院比例区中央省庁出身議員の推移」というリストをお示しいたしております。つまり……(発言する者あり)ああ、そうですか。じゃ、まあちょっと一部は細かい点のあれがあるかもしれませんが。
 問題は、参議院の比例選挙というものは、いろいろな立場の人が出られることは当然だと思います。我が党でも、例えば労働組合の関係者が出られることもあります。労働組合の関係者の皆さんはサラリーマンの代表で、税金を払う、いわば納税者の代表という側面もあります。しかし、官庁の場合は、例えば農林省の場合は、税金を払う団体ではなくて、税金を使う団体なわけですよね。建設省も、公共事業を中心に税金を使う団体です。
 そして、農水省を見ますと、どういうわけか、構造改善局次長という肩書を直前まで持った人がずっと一人ずつ並んでおります。構造改善局は、大体一兆四千億円ぐらいの農業土木を毎年やって、諫早湾の埋め立てをやったり中海の干拓をやったり、その中から使われて、まあ中海についてはそろそろ見直そうかなんという話もあります。
 谷農林大臣、こういう、つまり税金を使う側、タックスイーターの象徴である農林省構造改善局から次々に自民党の候補者が出ていくという構造は、私は、国民的に見ておかしいんじゃないか。個人として衆議院に出られたり、あるいは参議院の選挙に出られるのは、それは御自由です。我が党にもたくさんそういう方はおられます、人材として。しかし、組織的に、ある部署にいた人が次々に、例えば岡部三郎さんが引退されたら次は何とかなんということで、こういう本にも書いてあるんですね、だれだれの後任だと。そういう、つまりは役所の枠というものが実質的にあるのは、私はおかしいんじゃないかと。谷大臣、どう思われますか。農林大臣。
○谷国務大臣 ただいま御指摘の問題につきましては、確かに構造改善局の次長等が立候補しておりますことも事実でございます。しかしながら、農民の立場から考えますと、土地改良事業の推進、あるいは現在でいえば中山間地域の推進等々、集落排水の問題等、そういうことを漁村、農村にきめ細やかに徹底しようと思いましたら、業界の代表というのを出したいという農民の強い意思もございまして、そういうところの盛り上がりが今御指摘のようなことになっておるかと思います。
 私は、単なる農林水産省の官僚の代表が出るということでなくて、農民の代表という意味も非常に強く団体の方から指摘されておるわけでございます。そういう点も御勘案いただきたいと存じます。
○菅(直)委員 今の答弁を国民の皆さんが聞いて、本当にそういうふうに、うんうんとうなずかれるんでしょうか、農民の人を含めて。
 農民の団体あるいは農業をやっておられる皆さんが、自分たちの仲間を出したい――我が党にも、北海道の農民連盟でしたか、名簿順位で出られて、残念ながら前回は当選されませんでしたけれども、専業農家の方が候補者としておられます。私は、そういう人が出られるのは大いに結構だと思う。
 しかし、役所ですよ、建設省あるいは郵政省。つまりは、国民の皆さんからいただいた税金を、この国会で配分を決めて、そしてそれをどこに使うのか。まさに、諫早湾の埋め立てに使うのか、中海の干拓に使うのか、あるいは川辺川ダムに使うのか、あるいは吉野川の河口堰に使うのか、そういうことを直接、つまりは官僚として携わっている。ですから、全国にそういう関係者、ああ、あの課長に、あの局長に、あの次長に世話になったという人はたくさんいるかもしれません。そして、直接税金を各役所を通していわば公共事業の補助金とかいろいろな形で全国にまく。その金の流れの中に組織を上乗せして、そこで選挙をやっているじゃないですか。何が農民の代表ですか。農林省の代表ではあっても、農民の代表とだれが認めるんですか。
 農林大臣、もう一回聞きますが、変わりませんか、考え方は。
○谷国務大臣 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおりなんですが、農林水産省は官僚機構の上にあるというふうな考え方が今の御質問の菅議員の方にあるんじゃなかろうかと私は思うんです。やはり我々は、農林水産省自身が農民の代表であるということを十分伝統的に思っております。
 いわゆる農民の代表は、JAも一つの団体かもしれません。しかしながら、JA自身が政治活動をすることが好ましくないという風潮はJA自身にあるわけでございますから、農林水産省の出身の方を多年にわたって、三十年間、三十五年間農林水産省に勤めて、そして農林業のことに詳しい人を代表として送るのも、私は一つの方法ではなかろうかと考えております。その点、御勘案いただきたいと思います。
○菅(直)委員 いいですか、農水省が農民の代表だから農水省の代表として参議院に出すのは構わない、そうすると、農水省が選挙をしても構わないという論理になりますよね、今のだと。私は、人材としていろいろな、参政権を行使して選挙に出られるのは全然構いませんよ、農水省の人だって。問題は、農水省の組織でそれをカバーしているんじゃないんですかと。でなきゃ、何で構造改善局の次長が歴代なるような、偶然にしちゃでき過ぎじゃないですか。構造改善局が一兆四千億というお金を毎年使っているから、その使う権力をうまく使って選挙に出ているということはもう常識じゃないですか。
 扇建設大臣、同じように建設省も、いろいろな立場の人ですが、たくさん出られて、また今回も出られるのかもしれません、これは自民党のことですが。扇さんの立場として、扇大臣として、建設省が、そういう建設省の代表というような形で参議院の比例区に出られることについて、私は好ましくないと思いますが、扇さんはどう思われますか。
○扇国務大臣 私は、国会議員に立候補するのは、すべて皆さんのそれぞれの権利としてお持ちだろうと思います。
 けれども、少なくとも参議院の特殊性から考えますと、衆議院のチェック機能ということから考えますと、それぞれの専門技術、専門経験、そういうものを持った人が、あらゆる人がお集まりになるということは参議院にとっても大変有効なことである、私はそう信じていますし、現在の参議院の状況を見ていただきましても、民主党の皆さん方も幅広い方が出てきていらっしゃいます。
 私は、国会議員になるまでの職業の特殊性、そういう技術、そういう経験を持った人と一緒になって日本の幅広い国の政策というものが立案される根本になろうと思いますので、それぞれがお持ちの能力を最大に発揮して日本の将来を決めるということには、私は、あらゆる人が出てくださることが大変いいと思っております。
○菅(直)委員 もう時間ですので午前中の質疑は最後にしますが、今の建設大臣の答弁は、私の質問を全くねじ曲げているわけですね。
 私は何度も、我が党にもたくさんの役所出身の議員がおられますし、そのことをまずいとは全く思っておりません。参議院の比例区に関して、役所枠という形で出てくるのは、税金を使う側の代表として役所枠として出てくるのはおかしいのじゃないか。労働組合の場合は税金を払う側でありまして、税金を直接予算でもらっているという立場ではありませんので、タックスペイヤーの代表が出てくるのは当然ですが、タックスをイートする、つまりは、税金を特にむだに食べている建設省や農林省のその当事者が自民党の比例区から出てくるのは、私は、国民は納得しないと。
 その答えは来年の参議院選挙で出るでしょうから、そのことは、その参議院の選挙で国民の皆さんが判断していただければいいと思います。
 午前中の質疑はこれで終わります。
○原田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○原田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。菅直人君。
○菅(直)委員 午前中に引き続き、森総理を初め皆さんに御質問をさせていただきます。
 さきの本会議で、我が党の水島広子議員が子供の今のいろいろな問題について質疑をいたしました。総理も大変熱心に聞いていただいたと思っております。その中で、子供たちを有害情報から守るための立法の必要性というものをいわば提案いたしました。これはテレビなどでも、大変暴力的な場面とか、子供たちが見るのには好ましくないと思われるような番組をどうやって遮断するか、あるいは書籍などでも、子供たちが見るのにふさわしくないものを例えば書店の中でどうしても売る場合には、あるコーナーをつくって、そこは十八歳未満の子供たちは基本的に入れない、そういうルールをつくるとか、こういうことが想定されていて、水島さんを中心に今立法準備を、法案の準備をいたしているところです。
 総理も本会議で前向きの答弁をされておりましたが、与野党が合意できればこの問題は迅速に、具体的に進めることができる課題でありますので、この場でも、我が党がそういった法案を出すとき、あるいは場合によれば与野党一緒でも構いませんけれども、そういう立法について総理の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○森内閣総理大臣 一昨日の水島議員の本会議におきます御質問を受けとめております。テレビ、雑誌あるいはゲームなどで青少年を取り巻く環境、暴力とか性暴力がはんらんをしておりまして、青少年にとって大変大きな問題だと思います。これらの問題は、菅議員御指摘のとおり、まさにこれは大人の社会責任というふうに考えておりまして、ぜひ、この青少年を取り巻く環境改善のために、社会が一体となってこれに取り組めるということは極めて大事だと考えております。
 私はかねてから、少年非行対策は、これは与野党の対立案件だと考えておりません。そういう意味では、青少年を有害情報から守るための法律の必要性については、まさに菅議員あるいは水島議員と考え方を同じようにいたしております。この種の法律の制定に当たっては、青少年をめぐる環境の浄化の基本的なあり方、表現の自由とのかかわりなど、国民的な合意形成が必要だろう、こう思っております。
 現に、御承知かもしれませんが、我が党の参議院の自民党の中で青少年有害環境対策基本法案というのを実はつくっておられまして、有害環境を生じさせる事業者に対して国や都道府県が是正勧告を行うことができるということの規定を柱としたものを既につくっておりまして、これは報道もされているわけでございます。ぜひ、この予算委員会の議論を得て、また専門的なお話し合いをでき得れば大変私は結構なことだと思います。
○菅(直)委員 これは、いわゆる国家管理というか検閲という形ではない、まさに親が選択をする、あるいは地域で、大人たちの社会でその基準を決めていく、そういった形が望ましいかと思っておりますが、今総理から前向きの答弁をいただきましたので、我が党としても準備を進めますので、またその段階でぜひいいものを協力してつくれれば、このように思っております。
 情報ということに関連いたしまして、警察情報が漏えいをしているのではないか、そういう報道が特にきょう、昨日来あちらこちらでなされております。つまりは、興信所のような業務をやっている会社がつくったと言われるいろいろな個人情報のリストに、いろいろな有名人、例えばキムタクさんとか浜崎あゆみさんとか、そういう芸能界の方などのいろいろな情報、それはもちろん住所とか、場合によってはパスポートナンバーとか犯罪歴などを含めた情報がそういうところから漏れている、そういう指摘があります。
 八月の十五日、今月の十五日には、私どもが反対をいたしましたいわゆる盗聴法、通信傍受法もいよいよ施行といいますかスタートするという、大変私たちはそういうものの扱いについては問題があると思っております。
 犯罪歴といえば、当然逮捕歴といったようなことも入るわけでありまして、そういったことが、みずからきちんと発表するのであればいいけれども、知らないところで売買をされる。その会社は警察のOBが中心になってつくられた会社だ、こういう指摘も出ております。
 こういう問題について、まず警察としてといいましょうか国家公安委員会として、どういう認識を持って、この事態をどのように受けとめているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○西田国務大臣 お答えをいたします。
 御指摘の芸能人については承知していないが、興信所が犯罪経歴等を入手し、データの一部を漏えいしたとする報道は、警察庁から報告を受けて承知をしております。
 現在、警視庁において事実関係について調査中でございまして、早期にその全容が解明されると承知をいたしております。
○菅(直)委員 情報の問題、警察情報の問題、あるいは警察のあり方の問題、我が党は、少し関連が広がりますが、警察法の改正案も既に前の国会でも提出をいたしましたが、どうも与党あるいは政府の方は、こういった問題を先送りにする。そして、盗聴法のような、個人の情報を警察が一方的に調べることができる権利ばかりを通していく。(発言する者あり)こういう形がとられていて、そして、その警察しか入手できない情報が一方で、今これは報道の段階ですが、ある意味では売買をされる。こういうことがもし許されるとすれば、私は、やはり盗聴法、後ろの方から何か、盗聴法という言葉が嫌なのかもしれませんが、まさに盗聴が可能な形をとるような法律を一方的につくっていく。
 こういった意味で、もう一度お聞かせいただきたいと思いますが、もう少しそういった警察のあり方について、きちっと監査すべきところは外部から監査をし、そして守られるべき個人情報は守る、こういう姿勢について、今の西田大臣のお話は何かもう一つ姿勢がはっきりしませんが、もう一度答弁を願います。
○西田国務大臣 通信傍受制度は通信の秘密等にかかわるものであるため、通信傍受法で定められる厳格な要件、手続を警察としては厳格に運用しなければならないと認識をいたしております。
 このため、既に先般、七月十三日でございますが、国家公安委員会規則、通信傍受規則を制定したところであります。そして、規則において、指定した捜査幹部のもとで記録の厳重な管理、犯罪に関係しない通信の記録の消去の手続等を規定し、厳格な漏えい防止対策を講じておるところでございます。
 また、そもそも通信傍受法は、第二十八条において通信の秘密の尊重を、第三十条において通信の秘密を侵す行為の処罰等を規定し、傍受記録等の漏えい防止を図っているところであります。
 国家公安委員長といたしましては、これらの法、規則が教養等により組織の末端に至るまで徹底されるよう、警察を督励していく考えでございます。
○菅(直)委員 次に移りますが、中尾元建設大臣が逮捕されました。私たちは、さきの総選挙において、決して民主党は公共事業に反対しているんではない、公共事業を食い物にしている自民党のやり方に反対しているんだ、こういうことをずっと言ってまいりました。まさにこの中尾元建設大臣の逮捕というのは、その氷山の一角が検察によっていわば摘発をされた、このように私どもは見ております。
 それに関連して、私たちは総選挙のときに、具体的な事業名を四種類挙げまして、それらの事業については中止を含めて見直すべきだということを申し上げてきました。一つは中海の干拓、さらには諫早湾の埋め立て、これらは農林省に関する事業であります。そしてもう一つといいましょうか、三つ目は吉野川のいわゆる可動堰の建設、さらには川辺川ダム、これらの四事業については中止を含めて抜本見直しをすべきだということを、選挙中、十五の公約の中に含ませて、国民の皆さんに訴えてまいりました。最近、自由民主党の中でも公共事業ばらまき派ではないかと私は思っていた亀井政調会長が、何かあれこれやめたいなんということを言われて、我が党の政策の正しさを認めてもらったのかな、こう思っております。
 建設大臣にお聞きしますが、自民党の議論は議論として、建設大臣として、吉野川の可動堰について、住民投票でも中止が多かったわけですが、それは中止をするということを考えておられるのか。まず、その点からお聞きしたいと思います。
○扇国務大臣 今の件に関しましては、私、大臣就任時に記者会見をいたしましたときに、既に記者団からその質問をいただきましたときに申し上げたとおり、今も変わっておりません。
 それは、吉野川堰は、菅委員が御存じのとおり、今から二百五十年前に固定堰として設置されたものであり、川というのは両岸あるわけでございますから、しかも吉野川は二市六町にわたっておりますので、その両岸の住民の安全と安心とそして国として財産を守る、その観点から、二市六町の皆さん方の御意見を全部聞かないで、一つだけの住民投票をなすった結果によってそれをどうこうすることではなくて、私は、川は両岸ございますので、両岸の住民の御意見を全部聞いた上で対処したいというのが、就任以来、就任早々で申し上げたとおりで、今も気持ちは変わっておりません。
 けれども、私は、国民の税金を使ってその地域の皆さんの生命財産を守ろうという建設省としての、学識経験者も含めた御判断でもともと始まったことでございますけれども、地元の皆さんが、いや、それは全部要らないんだよとおっしゃれば、私はもっと大事な公共事業もあろうと思いますから、そのときは判断せざるを得ないと思っております。
○菅(直)委員 これらの一級河川そのものが建設省の直轄の扱いになっていること自体が、私たちは、分権連邦国家という考え方からいえば、望ましくない形だと思っております。
 大臣が地元の意見を大事にされるのはもちろん大いに結構ですが、私も現場に何度も行きましたけれども、百五十年に一回の増水があったときにこうなるああなる、百五十年で足らなかったら三百年に一回という数字を出してくるんでしょうから、そういうことを考えれば、政治家の見識として、こういうものは少なくとも後回しにすべきものかどうかというのは地元と同時に判断ができるものだと思っておりまして、自由民主党の見直しは始まったようですが、まだ残念ながら建設大臣の頭の中の見直しは始まっていないようですので、ぜひ見直していただきたい、このように思っております。
 そこで、建設大臣にさらにお聞きをいたします。
 建設大臣は、中尾問題に関連をして省内を調査されたと言われております。その中で、道路公団総裁の藤井さんが、次官をやめた後、顧問として建設省に在任中に四回にわたって百五十万円の資金を林という人から口座に入金を受けた、これは本人も認められているわけであります。そして、その後に返却をしたと言われております。
 私は、これはいわゆる国際平和機構というものにこの藤井氏を、何といいましょうか、その責任者に据えようとしたためのいわば一つの誘いであったというふうにも言われておりますけれども、今の道路公団の総裁というのは、大臣が任命をして、処分をしようとすればできる対象ですが、宴会に出たことについての厳重注意というのはされているようですが、この百五十万を四回にわたって受け取ったということについてはどういう処分をされたのですか。あるいは、どういう調査をされた上でどういう処分をされたのですか。そのことをお尋ねします。
○扇国務大臣 今の問題にお答えいたします前に、先ほどの公共事業の見直しに関して、菅委員のお話のとおり、私は、公共事業に関しては基本的に見直すということを就任の当時言ってあります。それは、いいものはいい、悪いものは悪いというのは、私はきちんと皆さん方の御意見も聞いて判断していこうと思いますので、これからの仕事を見ていただきたいということを申し上げたい。
 それから、頭の切りかえはもうしてありますから。
 それから、私は、今お話ございましたように、当時、平成八年五月と七月でございますけれども、当時の建設大臣現職者が、マスコミで言われておりますように、大臣室でどうのこうのということに関しては、私もまだその当時は一国民としてテレビを見ておりましたので、大臣ではございませんでしたから、建設大臣にあった方がそういうことを大臣室でやったということに関しては、本当に私は残念のきわみだと思ってテレビの報道を拝見しておりましたら、たまたまこういう職についたものでございますから、ついてすぐ、私はみんなに申し上げました。
 それは、私は役所に大臣として入って、建設省の職員を全部疑うわけではありません。ですから、少なくとも皆さんが今、自分の良心にかんがみて、思っていらっしゃることはすべて私に知る限り言っていただきたい、そしてマスコミの皆さんにも、私が大臣として知り得た情報はすべて情報公開いたしますとお約束をいたしました。
 当時、そのときに、平成八年の五月、中尾大臣が云々というときには、九人の建設省の職員が料亭に招かれておりました。けれども、一人お亡くなりになりまして、現在は八人でございます。そのうち、現職で一人建設省に残っているのが今の事務次官のみでございます。あとは全部、まだ顧問もしていらっしゃる方もございますし、今菅委員がおっしゃいましたように、道路公団総裁になられた方もいらっしゃいます。
 そして、今申し上げました八人全員が私に対して上申書をお出しくださいました。私は全部拝見しましたけれども、その八人が八人とも上申書では全部ばらばらなんです。
 そこで、私はその上申書を拝見して、皆さんの記憶がばらばらなので、私は、ある日あるとき、その八人全員にお集まりをいただいて、皆さん方の認識の違っている部分、例えばどういうところが違っているかといいますと、一人は、大臣から、竹下先生が自分の就任祝いをしてくださるから参加してくれと言われた、あとの方は、大臣から、自分の後援者が大臣祝いをしてくれるからと言われた、またある人は、官房から出ろと言われたというふうに、みんな違うものですから、八人が全部お集まりいただいて、私は、その当時のみんなの認識を全部伺いました。
 けれども、そのときには、皆さん方は、一般の業者が入っている、あるいは建設関係の業者が入っていることも知らないで出た人がほとんどでございました。私は、名刺の交換をしたんですかと伺いましたけれども、それは、何の紹介もなかったから、その場では顔見知りの人は一人か二人いたかもしれないけれども、最後までどこのだれべえがいたというのは知らない人もいらっしゃいました。けれども、私は、そういう意味においては、皆さん方の上申書がばらばらなのはさもやむを得ないというふうに感じました。
 そして、今のお話のありました道路公団総裁に関しましては、御本人から、百五十万円ずつの授受、そして何月何日に銀行に振り込まれたというのも全部記憶に残っております。私も、菅委員が御質問できっと思っていらっしゃる、なぜすぐ返さなかったのだ、絵をもらったけれどもなぜすぐ返さなかったのかということも伺いました。
 お金に関しましては、すぐ選挙になって、自分の口座を、なぜ林という名前を知らない人が番号を知っているのかも自分はわからなかったから、だれなんだろうだれなんだろうということで、ひょっとしたら大臣の秘書官に聞けばわかるかと思って大臣の秘書官に聞いたら、かつて講演に行ったときにその講演料を自分の口座に振り込むから口座番号を教えたということを、私は本人から聞きました。
 そして、銀行に入ったものは銀行から振り込まないと、一たん引き出したら自分が授受したことになるからというので、すぐ御存じのとおり選挙に入って、選挙が終わるまで四カ月間、これを十二月の暮れまで返す機会がなかった、そして選挙が済んで、きちんと口座番号を教わって振り込んだということが、私がそれが今、それもうそだとおっしゃったらこれはまた別な話でございますけれども、私は御本人を、やはり道路公団総裁としての人格を私は今はまだ信用しておりますから。
 今道路公団の総裁でいらっしゃいますから、私は、その仕事ぶりに対して、総裁としてのお役目ができてないんじゃないんですかと言ったら、それは、きちんと仕事をしております、まして、絵も、大臣からもらうときには、その場で小さな声で、これはいただけません、けれども皆さんの前ですからいただきますけれども、すぐお返ししますよと言って、それは絵が大きかったので大臣の秘書官に車でとりに来ていただいたということでございます。
 ですから、私としましては、担当大臣として、少なくとも道路公団に藤井総裁が行かれた後、道路公団から工事の受注件数がふえてないかということもすべて把握しております。時間が余り長くなると悪いですから、その事実に関しては、後ほど御質問が再度あればお答えいたします。
○菅(直)委員 先ほど、公共事業の見直しに関して、扇大臣も大いに見直そうと思っていると言われましたので、失礼な言があったらそれは取り消したいと思います。
 それはそれとして、今のお話は、当時の、次官かあるいはその後の顧問の当時ですが、藤井さんは本当にこの林という人を知らなかったんでしょうか。その宴会の場以外で会ったことがなかったんでしょうか。
 事務所を紹介して林という人に藤井さんが会った、それは百五十万を振り込まれていた間の時期に、そういう話も伝わってきております。
 大臣は大変自信を持って藤井さんの言われたことをよく説明していただきましたが、つまりは、本人がその林という人物を知らないことが前提になっていますよね。知っていれば当然そこへ電話を入れて、何で来たんですかと言えばいい。大勢の席だったから、その席には林という人がおられたかどうか知りませんが、若築関係はわからなかったと言われましたが、個別に少人数で会ったことがないかどうかということは調べられましたか。
○扇国務大臣 私は藤井総裁に三度既にお会いしております。藤井総裁からは、林何がしという方から銀行にわけのわからないお金が振り込まれて、林何とかというので自分は全く覚えがないから途方に暮れた、だから手をつけなかったと私には報告がございました。
○菅(直)委員 これは事実の問題ですから、これ以上私も申し上げられるところは、きょうはこの程度にしておきます。
 ただ、できればもう一度、最初の段階で知っていたかどうかは別として、何度か百五十万円が振り込まれて、四カ月たっているわけですね、返金をされるまでに。その間に林と言われる人に会われたことがないのかどうか確かめられたらどうですか。でないと、話がつじつまが合わなくなる。十二月になって、どうもこれは危ないと言う人があって急遽返却したという話も伝わっております。
 ですから、これは私も調査権がありませんので、大臣は少なくとも総裁に対しての人事権を持っておられますので、そのことをよく調べていただきたい。その約束はいただけますか。
○扇国務大臣 今のことでお答えいたします。
 私は、疑義があれば何度でも藤井総裁とお会いすることはやぶさかではございませんし、今、菅委員がおっしゃったことに関しては、私もだまされているのかどうかということになりますから、これは確認いたしたいと思います。
 そして、私は、厳重注意ということに関しては、御存じのとおりの処罰をいたしましたけれども、処罰というか、注意ですね。ですから、注意をいたしておりますけれども、私は現段階ではということを前提にしております。今、司直の手でるる公開されてきますから、もし私が知り得た以上のことが司直の手で世間に出たり、私に言っていることが違うというようなことがあったときには、再度私としてはするべきことはいたしたいということを申し上げておきます。
○菅(直)委員 実は、中尾建設大臣が大臣になられたとき、私は同時に厚生大臣を拝命して、同じ時期に橋本内閣の第一次内閣に所属しておりました。そういう意味では、同じ閣議にもずっと出ておりましたし、その同じ時期に閣僚としていた建設大臣が逮捕されるというのは、もちろんそのことを知らなかったとはいえ、非常にある意味でショックでした。
 そこで、天下りの問題がありますね。これは、私が厚生大臣のときに薬の問題がいろいろありまして、製薬メーカーに対する天下りはしない、こういう自粛規定、自粛ではありますが、事実上の決定をいたしました。
 津島厚生大臣、それは今守られているんでしょうか。
○津島国務大臣 お答えいたします。
 そのような業界と行政の関係については、世間の戒めを受けないように自粛をするということは当然で、今も変わっていないと思っております。
○菅(直)委員 建設省は、この若築建設の場合も何か一生懸命天下りを要請したと言われていますが、建設省はまさに直接の関係にある建設会社に天下りを認めているのですか。また、もし認めているとしたら、それは適切だと思いますか、大臣。
○扇国務大臣 今の御質問ですけれども、私は、天下りという言葉を、どこを限度でもって天下りと言うのか、国会議員になることを天上がりと言うのか、その辺の規定がよくわかりませんけれども、法的に、きちんと人事院に、二年間は行かないということを守っているということだけは全部調査をいたしました。
 ただ、それが第二の人生とすれば、第三の人生があるわけでございます。二年を経過し、なおかつ第三の人生でまだ年齢が若い。少なくとも五十一、二歳で役所をやめるわけでございますから、ですから、二年間たってから天下ったとしても、少なくとも五十三、四歳。それから何年いるかわかりませんけれども、第三の人生を選ぶのは、これは何ら法に違反することなく、人間として自分の職業の選択の自由というものはあろうと思いますから、今の決められた規定を破った者はもちろん私は違反になろうと思いますけれども、第三の人生に関しては本人の選択があろうと思います。
○菅(直)委員 全く大臣は私の聞いたことをよくおわかりになっていないんじゃないでしょうか。
 私は、法律違反をしている人がいるかと聞いているわけじゃありません。厚生省が製薬メーカーに天下りを自粛しているというのも、別に法律が禁止しているわけじゃありません。天下り禁止法をつくろうということを我々も考えておりますが、現時点で法律が禁止しているわけじゃありません。だから、自粛という言葉を使って、自主的にということを申し上げたのです。
 ですから、今の話は、結局は公務員法上の二年間とかあるいはその間でも特例的に認められればいいとかという扱いをしているので、つまりは天下りを認めているということですよね、法律が許している天下りは認めていると。
○扇国務大臣 私は、今の菅委員のお話の中で、少なくとも役所に一たん勤めた人たちは第三の人生の選択権を奪われるのかということになろうかと思います。私は、少なくとも自分の能力に合った職業を第三の人生として選ぶのであれば、それは天下りと言わないのではないかということを申し上げたのです。
○菅(直)委員 これは、私はまず事実を聞いただけであって、見解はいいですよ。
 ですから、扇さんは、そういうふうに今の法律が許している範囲であれば、たとえ若築建設であろうが何であろうが、そういうところに天下りをするのは何ら悪くない、そういう認識を持たれているなら、それは持たれればいいんです。
 私は、これは従来からいろいろな議論がありますけれども、もっと国家公務員の定年制を長くして、六十五歳まで勤められるようにして、その一方では、そうした職務権限にかかわるようなところに再就職するのはできないようにする、あるいは、そこは日本のように天下りを受けたら便宜を図ってもらえるというふうに考えるから、この若築建設も一生懸命天下りをとろうとしたわけで、つまり、そういう実態があることを無視して、職業選択の自由というような建前だけで物事が動いていないから申し上げているということは、これは常識なわけであります。
 そこで、少し話を進めますけれども、つまり、先ほどあるいは午前中も含めて申し上げますと、つまりは、現職建設大臣、あるいは必ずしも現職建設大臣でなくても、非常にそういう行政に対して影響力を持っている人がいろいろな陳情なりあっせんを受けて、そしてその見返りに、いろいろな形で金銭の提供を受ける。あるいは金銭ではなくても、選挙事務所の提供を受けたり、車の提供を受けたり、事務所の提供を受けたり、つまりは何らかのあっせんを受けたことに対する対価としてそういうものを受けるというのは、私は好ましくないと思う。
 そういう意味で、野党四党であっせん利得罪を法案として提出いたしております。内容は、かつて公明党の皆さんと社民党で出したものと全く同じ内容になっております。
 続さん、この法律に賛成ですか、どうですか。
○続国務大臣 ただいま御質問がございましたあっせん利得罪の法案につきましては、政治が襟を正す意味で、きちんと対応し、実効性ある内容にすべきであると私も考えております。
 公明党がかつて皆様方と御一緒に提出した法案につきましても、さらに検討する必要があるとの考えでおります。
 早急に結論を出し、立法化できるよう、与党三党の政治浄化プロジェクトチームでも協議中と伺っておりますので、検討結果を踏まえて適切に対処したい、このように考えております。
○菅(直)委員 私どもは既に法案を出しておりますから、現在、いわゆる本会議の趣旨説明を求めて各委員会での審議に待ったをかけているのは、与党の中でも自民党だけだと聞いております。
 総理にお尋ねしますが、まず野党四党で出した法案の審議を進めるべきだと思います。そして、少なくともこの国会を延長してでも、必要であれば与党の側からも法案を出されて、そしてこの国会であっせん利得罪の何らかの合意を得たものを成立させるべきだと思いますが、総理はどうお考えですか。
○森内閣総理大臣 野党から出ておりますのは十分承知をいたしております。今、与党の方も、プロジェクトチームもスタートしまして議論をいたしております。極めて重要な問題でございますので、できるだけ早く速やかに成案を得るように、私としてもそのことを期待いたしておるところです。
○菅(直)委員 この国会中に委員会で質疑をして、必要なら与党も出されたらどうですかという、この国会中にというのはどうですか、総理。
○森内閣総理大臣 極めて大事な点がたくさんございますから、今与党三党できちんと前向きに議論をいたしております。野党が今の国会に出しておることは十分承知をいたしております。
 ただ、この国会がそんなに長い期間があるわけでもございませんし、でき得れば成案を得て、少なくとも次の臨時国会等にはこのことに対しての議論ができるようにするということを私は期待したいと思っています。
○菅(直)委員 次の臨時国会という言葉が出ましたが、なお我々としては延長してでもという立場で臨んでいきますけれども、少なくとも次の国会には出すということを言われたのですから、その約束は少なくとも守っていただきたいということを申し上げておきます。
 そこで、時間も進んでまいりましたので、予算編成のあり方について少しお尋ねをしたいと思います。
 私どもも、内閣のあり方などを政党としていろいろ議論しております中で、予算編成の今のあり方は非常に問題だと、何度かこの席でも私申し上げたことがあります。
 それは、現在のやり方は、各役所でボトムアップ的に案をつくって、各役所の中でシーリングがあって、そしてそれを持ち寄って全体でシーリングをかけて調整して、それに政治枠というのでしょうか、四千億とか、今回は一兆円だそうですが、それだけはどうぞ政治家の皆さん決めて下さい、あとは役所で積み上がったものでもうぎちぎちですと。私も閣僚をやっていたときにそういう扱い方を見てまいりました。
 思い切ってふやさなきゃいけないところもあるけれども、思い切って減らさなきゃいけないところもあるのにもかかわらず、役所の中で、ある局のものだけ減らすわけにはいかない。農業構造改善局の一兆四千億は半分でいいじゃないか、それはせめてほかの局にかえて、新規に農業に加わる人に例えば研修費の名目で何年間か補てんするというようなやり方もあるじゃないかと提案しても、構造改善局は一兆四千億は絶対に減らさない。減らそうものなら、それを守ろうとするいわゆる族議員の皆さんが絶対反対だと。そういう仕組みの中で今の予算が組まれていますから、減らすことができなくてふやす方ばかり。ふやす方は、喜んで、五千億の予備費もこうばらまきましょう、一兆円の別枠もばらまきましょうと、そちらばかりになっている。
 ですから、私は、シーリングの考え方を外すというそのこと自体は、つまりはボトムアップで各役所の既得権益を認めないということにつながるのであれば、それは一つの見識だと思います。しかし、単に今までのシーリング的な考え方を横に置いておいて、一兆円の別枠だけを自分たちがどうばらまくか役所とは関係なく決めるんだというのであれば、これは単なるプラスアルファのばらまきの部分だけを任されたということになって、本質的な予算の編成替えにはなっておりません。
 そこで、総理に伺いますが、来年度の予算の総枠を幾ら程度にするのが適切か、これをまず第一に決められて、第二段階として、その中でそれぞれの事業を考えた中で、どの役所にどれだけを配分するのが適当かを第二段階で決められて、そして第三段階で、各役所のそれぞれの部局なり事業にどう充てていくかということを考える。
 私がイギリスでいろいろな方に数年前お会いしたときに、イギリスでは基本的にはそういう予算編成がされている。いろいろな指標から大枠をまずトップダウン的に決めて、そしてそれぞれの役所のことを決め、最後に個別のことを決めていく、こういうあり方に変えるべきだと思いますが、総理はどうお考えですか。
○森内閣総理大臣 イギリスの予算の組み方がいいかどうかは別問題といたしまして、十三年度予算編成につきましては、新たに一月六日から新しい中央省庁がスタートするわけでありますから、それにふさわしい予算のあり方というものはぜひこの機会に組み直しをしたい、こういうふうにまず考えております。
 そこで、その一番大事なことは、今の予算編成については、景気をまず本格的な回復軌道に乗せるという、この考え方は維持しなければならぬ、そう思っています。したがって、省庁ごとの縦割りが優先する予算配分がもたらす財政の硬直化を打破したい、財政の効率化と質的な改善を図るために、私は財政首脳会議というものをスタートさせました。そして、私みずからリーダーシップを発揮する新しい方法で行うということを明確にいたしております。
 具体的には、新たに総額七千億円の日本新生特別枠を創設して、これの優先度の仕分けを私みずから行いたい、こんなふうにも考えております。
 そして、この特別枠の枠の中だけのことではなくて、今菅議員からも御指摘ございましたけれども、公共事業全体を今抜本的にすべて見直す必要がある。
 それは、先ほどおっしゃったような箇所づけの問題をどうこうするという、これももちろんあるんでしょうけれども、そういうことではなくて、今まであったいわゆる公共事業の仕分け方というものを一遍全部御破算にして、そして、改めてどういう組み直しができ得るかということ。したがって、先ほどおっしゃった農業構造改善事業も入っているでしょう、あるいは下水もあるでしょう、河川もあるでしょう、港湾もあるでしょう。
 そういうことをすべて一遍平らにして、改めてその枠組みを決めるということを、今与党の皆様に、そのことの検討を、まず自由民主党に入っていただくように政調会長にお願いをいたしているわけです。そういう中で、抜本的な見直す工夫というものをぜひ行ってまいりたい。
 それから、省庁の統合をいたしますそのときの施策の融合化と、それから効率化の効果というものも予算面できちんと実行したい、このようにも考えておるところでございます。
○菅(直)委員 今私が申し上げた、心配されているとおりのことを逆に言われたわけですね。特別枠ということを言われました。特別枠七千億と今言われましたね、総理。
 その前に、来年度の予算規模全体はどうされるつもりなんですか。まず全体があって部分があるんです。何か特別枠というと、全体のあるものがもう決まっていて、それに特別なんですよ。まず総理が考えなきゃいけないのは、内閣が考えなければいけないのは、まさに今の経済情勢とかいろいろなものを考えて、税収の予測も考えて、まず来年度の予算総額をこの程度でいこう、それをまず議論して決めるべきじゃないですかということをイギリスを例にとって申し上げたんです。
 来年度の総額はどの程度にされるおつもりですか。もし数字があれば御報告をいただきたい、国民の前で。
○森内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、景気回復を維持したい、この姿勢は私はそのまま維持をさせていきたい。これは大方針だと思います。したがって、当然、当然増というのは必要になってきます。例えば人件費もありますし、あるいは社会保障費もございます。全体的には、今年度並みの形をぜひとりたい、このように考えております。
○菅(直)委員 これ以上お話をしても繰り返しになりそうですね。当然増はありますと。当然増の中にも、当然増となるべき当然増と、場合によっては、構造改革をやればそうではないものも含まれているかもしれないではないですか。
 ですから、そういう意味で、そういうものを見通した中でまず全体枠を考えて、その中からやるのが一つの政治手法ではないかと言っていますが、今のように当然増もありますからという話は、従来と全く変わっていなくて、ボトムアップのときに当然増が出てくるのですよ。私もよく知っています。そういうボトムアップから来るときに、人件費がこれだけ伸びますから、何とかがこれだけ伸びますから、あるいは年金受給者がこれだけふえますから、これだけはどうしてもふやさざるを得ませんからと、まさにボトムアップ的に来るわけです。
 極端に言えば、ある役所でこれ以上はないのだということがもし決まったら、今度はそれに合わせて制度そのものを変えなければいけないかもしれない、それはふやす場合も減す場合も。当然増とされているところでも、場合によったらその制度を変えて、支給対象をふやしたり減したりして、当然増とされているものでも場合によったら削ったり、あるいはもっとふやしたりすることが必要であればやらなければいけないかもしれない。
 ですから、当然増なんという発想を最初から持っているところに、結局は今までの予算編成とは変わらない、去年実績に対してせいぜい百何%にするか、九九%にするかとしか変わらない。そういう意味では、予算編成を根本から変えるなんて言われていますが、今お聞きしている限りは、ほとんどそのことが見えてこないということを申し上げておきたいと思います。
 そこで、もう一つだけ。景気を維持するためという言い方は、前小渕内閣以来の自民党あるいは自公保政権の言い方ですが、財政再建ということは予算編成のときに考えられないのですか。現在、国、地方で六百四十五兆ですか、国だけでも大変大きな国債になっていますし、毎年毎年、国債費をはるかに超える、多額の国債を発行している。亀井さんなどによれば、まだ個人貯蓄があるから、外国にお世話になっているわけではないから大丈夫だ、大丈夫だと言われていますけれども、私は、今の勢いでいけば、そういうバランスも変わってくるところだろう。
 先日、EUの委員長、元イタリアの総理であったプロディさんにお会いしました。プロディさんが総理になったころ、国の借金がGDPの一二〇%程度あったそうでありますが、現在少しずつ減って百十数%、約一〇%ぐらい減ったと言われておりました。当時イタリアが一番借金が多いのだと言っておりましたが、今我が国はGDP比でたしか一三〇%ぐらいになって、もっともっとふえていっているのではないでしょうか。
 そういうことを考えたときに、総理の頭の中では、来年度予算を考えるときに、そうした財政の状況、それをいつの日にか再建をするためどうすべきかという、そういう問題が来年度の予算を考える上で考えられているのか。もし考えられているとすれば、どう反映されているのか。そのことをお聞かせいただきたいと思います。
○森内閣総理大臣 財政構造改革というものを私の頭の中で考えない日はありません。これは政治家として当然です。また、内閣をお預かりしている立場からいえば当然だと思います。
 しかし、先ほど申し上げましたように、景気の回復はいまだしと私は思っております。先ほど、午前中にも経企庁長官からもいろいろ御報告がありましたように、まだまだ予断を許さない面がたくさんございます。それは雇用の面もございますし、消費ももう一つ力強さがありません。それだけではなくて、まだまだいわゆる世界全体の経済の動向もあるでしょうし、また不良資産の解消などを含めて企業活動が停滞するということもあり得るでありましょうし、やはりいろいろな面で十分にその辺についても考慮しておかなければならぬことだと考えております。
 したがいまして、先ほど申し上げましたように、予算全体につきましては、やはり従来どおり、景気回復という本格的な回復基調に乗せるまでは、少なくとも公需から民需に移るようにするまでは、私は今の経済財政運営を続けていきたい、こう申し上げております。
○菅(直)委員 これ以上この問題をお聞きしても何も出ないようですので、問題をかえます。
 八月十五日が間近に迫っておりますけれども、靖国公式参拝問題というのが常にこの時期になると大きな課題になってまいります。自由民主党の中でこの問題について検討する場もつくられたとお聞きをいたしております。
 私も、本来、太平洋戦争を含めて徴兵やいろいろな形で戦地に赴いて亡くなられた方を、総理を含めてその慰霊を行うというのは当然のことでありますし、そういうことが自然のこととして行われるようになるべきだと思っております。ただ、いろいろな経緯があって、いわゆる極東裁判の結果A級戦犯とされて処刑された方々の合祀をされた靖国神社の参拝については、アジアの諸国から非常に強い反発がある。
 私は、これは長い時間の議論は差し控えますが、やはり日本自身が、あの戦争を間違いであったということを戦後の政府が何らかの形でけじめをつけていれば、もう少し状況は変わったのでしょうけれども、結局は極東裁判の結果を受け入れるというその一点だけで対応して、それ以外のことは何も行わなかった。つまりは戦後の政府が、戦前の政府がやった間違いをこれは間違いであったとして否定してこなかったことに大きな原因があると思っております。
 しかし、その時点に戻るわけにいきませんので、森総理にお尋ねします。
 この靖国問題について、あるいは八月十五日の公式参拝について、総理としてはどういう態度で臨まれるおつもりか、お答えをお願いします。
○森内閣総理大臣 私自身、戦没者に対する追悼の気持ちはだれにも増して強いと思っておりますし、また、今日の我が国の平和と繁栄が戦没者の方々のとうとい犠牲の上にあると考えていることは、私は変わっておりません。
 ただ、本年におきます私自身の公式参拝についてはというお尋ねでありますが、多くの我が国国民や遺族の皆さんの思い、それから、今御指摘がございましたように近隣諸国の国民感情、そうした諸般の事情を総合的に考慮して、慎重かつ自主的に判断をしたいと考えております。
○菅(直)委員 ということは、どうされるかは現時点ではまだ決めてないということですか、参拝されるかどうかを。
○森内閣総理大臣 そのとおりです。自主的に判断をしたいと思っています。
○菅(直)委員 いや、自主的に判断されるのは当たり前なんですが、決めてないということなんですね。私は、何か今回は公式参拝は控えるというふうにお聞きしていたように思ったのですが、そうではなくて、まだ決めてないということですね。判断は自主的にされるのは当然ですが、そういう理解でいいのですか。
○森内閣総理大臣 今申し上げましたように、公式にいたしましても自主的なものにいたしましても、自分で判断をしたいと思っています。
○菅(直)委員 この問題は、ある意味での戦後処理にもかかわる非常に深い問題でありまして、私は、何らかの形で、国民的にもあるいは国際的にも納得される形を求めていく努力をそれぞれの立場でなさるべきだ、私たちも努力しなければいけませんが、そのように思っているところです。
 あとわずかになりましたが、雪印のあの事件を見ていろいろ説明を聞いておりますと、せんだってのジェー・シー・オーですか、バケツでウラン燃料を移していたのと何かよく似た構造が浮かび上がってくるように思います。
 当初は、バルブのところが汚れていたとかいろいろ言われていますが、私が聞いている限りは、その程度の汚れから菌が繁殖したにしては非常に多くの人が食中毒にかかっている。回収したものを野外で入れかえたりいろいろしたということも指摘をされておりまして、何かそういう根本的なところに大きな間違いがあったのではないか。HACCPという一つの手法を取り入れても、その手法に乗るよりももっと根本的なところで、予想もしなかったといいましょうか、考えもしなかったようなところで全くいいかげんな対応がなされていたのが原因ではないか、このように説明を受けながら感じたところであります。
 どうも、警察が捜査をしているからその結論が出るまでと。しかし、幾ら何でも、私も厚生大臣をさせていただきましたが、警察の捜査は警察の捜査で当然あるわけです。O157でもそうでした。しかし、食品に関して直接監督責任を持つ厚生省が立入検査もいろいろしているわけですから、厚生省として、どうもここに原因があったようだ、あるいはここに原因があったという見解を出すのは当然であって、それはあの中尾問題のように逮捕された問題と違うんですから、まだわかりませんというのはちょっと、時間の経過からしてもどうも納得できないんですが。
 津島大臣、どうですか。ここに原因があった、あるいはあったと厚生省としては考えている、そういうことは言えないんでしょうか。
○津島国務大臣 お答え申し上げます。
 極めて大規模な、深刻な食中毒事故でございました。大阪市が大阪府警と連携をとりつつ調査、原因究明を行っておりますが、黄色ブドウ球菌のエンテロトキシンに汚染されたことが原因であると大体推察されておるところでございますが、その発生要因としては、委員御指摘のとおり、手洗浄で行っている逆流防止弁の分解洗浄について頻度が不足をしていたということのほかに、仮設のホースの洗浄不足であるとか、あるいは温度管理が行われていない脱脂粉乳溶解機による屋外での調合作業であるとか、あるいは期限切れのおそれがある製品の再利用というようないろいろな要素があると推察をされておりますが、まだ最終的な確定には至っておりません。
 要は、早く乳製品、牛乳に対する消費者が安心をして消費できる状態をつくらなきゃならないということで、現地に入りまして、関係の工場を全部見て、きょう全体としての点検の結果が出されると考えておりますが、原因究明の方は、委員御案内のとおり、やはり気をつけて、間違いのない判定をいたしませんとこれは弊害もあり得るわけでありますから、私どもももう少し見守ってまいりたいと思っております。
○菅(直)委員 弊害といいましょうか、そういういろいろな危険性があることはよく承知しています。しかし一方では、こうではないかという蓋然性が相当高くなっているにもかかわらず、いや、まだはっきりしないんだからそれは表に出さないんだという判断も多くの問題を生むことがあるということは薬害の例からも明らかであります。そこはもろ刃のやいばだと思っております。
 ですから、食べ物の場合も、もうここまで来れば、今さら何を言ったからといって新たな患者が発生するということは、そういう危険はないとは思いますけれども、原因がこうかもしれないということがかなりはっきりしながら、それを言わないことによって、場合によったら新たな患者が発生することだって、そういう場合もあるわけですから、私は、疑わしきは罰せずという刑法の考え方とは扱い方が違うと。逆に言えば、場合によっては、危ないものであれば、まずきちんと対応するという意味で公開する。
 ついでに、これは質問項目には入っておりませんが、ヤコブ病の問題も私が在任するより前にあって、またいろいろ最近そのことが言われていますが、それも当時のことが公開されないまま推移してきた中で、多くの人が移植によっていわばヤコブ病にかかったと言われております。
 そういう点で、もう時間がぎりぎりですので、最後にもう一度、そういった危険性については、やはり、間違うことの可能性もわずかあったとしても、ある場面では公開する必要があるのではないかということについて、ヤコブ病の問題を含めて、津島大臣にお聞きをしたいと思います。
○津島国務大臣 雪印の今回の食中毒事件につきましては、これまで大阪市としても毎日回収状況を公表する等、極力公表をいたしてきております。今後、再発防止の観点から申しましても、原因についてはやはり関係資料をあわせてできるだけ公開するということで、御指摘のとおりやらせていただきたいと思います。
 それから、クロイツフェルト・ヤコブ病につきましても、私もそうでございますし担当者の方も、極力すべての資料を公開するということで対応させていただきたいと思います。
○菅(直)委員 では、私はこれで終わります。
○原田委員長 この際、生方幸夫君から関連質疑の申し出があります。菅君の持ち時間の範囲内でこれを許します。生方幸夫君。
○生方委員 民主党の生方幸夫でございます。質問をさせていただきます。
 今臨時国会は、選挙後初めての国会でございます。予算委員会が開かれるのも今回が初めてでございます。私も理事会にオブザーバーとして参加をしておりまして、今国会、総理が一日御出席になるのか、二日出席になるのかで随分もめた経過がございました。
 私も森総理に質問するのは今回が初めてでございまして、できれば、いつでも多くの機会をとらえて総理にいろいろな質問を私たちはしたいというふうに考えておりますので、公務多忙であることはよく我々も承知をしておりますが、できる限り総理は予算委員会あるいはほかの委員会の場にお出になって、お考えをお示ししていただきたい、そのことをまず最初に御要望申し上げます。
 それで、質問に入らせていただきます。
 先ほど来問題になっておりますが、中尾元建設大臣が総選挙が終わった後に、落選をしたときに逮捕されたというショッキングな事件が起きました。九〇年代に入ってからこれだけ多くの疑惑事件があって、それに対しての修正措置というのがとられてきて、私も含めて政治家みんな、そうしたお金にまつわることについてはきれいにしようではないかという申し合わせもなされており、私たちも日々自戒しておる中で、現職の大臣が大臣室でお金を受け取るなんということが、本当に九〇年代に入ってあったということが非常に私は驚きなんです。
 これは、中尾元建設大臣の個人の問題に帰するわけではなくて、やはり公共事業というものにまつわってお金がいろいろ動く、その一端として元建設大臣に大臣室でお金が渡ってしまうようなことが起こってしまうのではないか。
 したがって、これは個人の問題に帰するわけではなく、やはり公共事業のあり方そのものから抜本的に見直していかないと、またこういう問題が起こってしまうのではないか、このように考えるんですけれども、総理、いかがでございましょうか。
○森内閣総理大臣 大臣室であろうとなかろうと、こうしたことが行われるということは断じてあってはならない、これはやはり、私はあなたと同じ考えであります。特に、中尾元大臣の逮捕というのは、私自身大変遺憾に思っております。
 政治家の倫理が、今生方議員お話しのとおり、みんなで、党派を問わず一人一人が政治家としてみずからの襟を正していくということが大前提であるというふうに、私もそのように考えております。
 特に、国民の税金によって賄われます公共事業の執行については、厳正に行わなければならぬのは当然なことでございますし、かりそめにも国民の疑惑があってはならない、このように考えております。
○生方委員 このお金が渡された時期が前回の総選挙の前、前回の総選挙というのは九六年の十月でございますが、その前で、これは新聞報道によりますれば、中尾元建設大臣の方から、選挙、前回ですが、今度は初めての小選挙区だから非常にお金がかかる、そのためにお金が欲しいんだということで、五千万円を要求したところ、三千万円だけ来たという話がございます。それともう一つ、この選挙のときには、中尾元建設大臣の御子息さんがもう一つの選挙に出ておられました。その方でもお金がかかるから、その方でも一千万円くれというような請託をして、一千万円来たということが新聞報道等で明らかになっております。
 私も二回選挙を経験をいたしました。私は、素人でいたとき、選挙に何でそんなにお金がかかるのだろうなというふうに思って、実際に私自分で選挙をやってみても、そんなにお金はかからないのですね。実際、もちろんかかるのは、自分の主張を皆さんに知ってもらわなければいけませんから、自分の主張を書いたビラとかなんとかはたくさんつくらなければいけませんけれども、それとても一千万とか二千万とか三千万とかという単位のお金ではないのですね。一けたあるいは二けた違うようなお金で済んでしまうのですけれども、どうして自民党の議員の方たちは選挙にそんなにお金がかかるのでしょうか。
○森内閣総理大臣 今の中尾元議員のこと、あるいは水野議員のこと、これは今捜査中の問題でありますから、事実関係については私は承知しておりませんので、このことについてのコメントは控えたいと思います。
 自由民主党はなぜそんなにお金がかかるのですかというのは、私は極めて遺憾な発言だろうと思います。みんなそれなりにきちっとした政治活動をし、選挙運動を法律の枠の中でやっていることは間違いないことだと思います。
○生方委員 それならば、お金にまつわったこういう事件が、もちろん中尾元建設大臣だけの問題ではなく、これから質問してまいりますが、いろいろお金にまつわった事件が起こるのは、やはり保守党、それも政権党であるからいろいろお金にまつわった事件が起こるのであって、保守党である議員の方たちには政治活動にもそれなりのお金がかかるのかなと私は推察をいたしまして、どうしてそんなにお金がかかるのだろうという質問を今させていただいたのです。
 そうでなければ、お金を広く薄く集めるのは当然だというふうなお話が何回も出ますが、そんなにお金を集めるためには、お金を集めてそれを何に使うのかという目的がはっきりなければいけないわけで、私個人はまだ二年生でございますからそれほどお金が政治活動にかからないかもしれませんけれども、これから将来いっても、そんなに何千万という単位のお金が政治活動をする上でかかるとは私は到底思えないのですが、いかがでございましょうか。
○森内閣総理大臣 今の生方さんの発言の中で、聞き違いならいいのですが、保守党だから金がかかるとちょっとおっしゃいましたけれども、保守党という政党があるのですから、そこはちょっと取り下げておかれたらと思う。(生方委員「政権党に」と呼ぶ)
 それから、政権党だからといってお金がかかるとかかからない、そういう問題ではありません。私どもも、政治資金についての改革は絶えずやっております。ですから、ことしからもう政治資金を個人や企業からもらうということは禁止するということも、自由民主党が主体性を持ってこれを改正したわけであります。ですから、そのときに政治改革本部で、約三年ぐらいだったかと思いますが、随分政治に対してどれだけのお金が必要になるのかということも議論いたしました。ここでつまびらかに皆申し上げることはできませんが、我が党の中にその資料はございます。そういうものもよろしければぜひ御検討をいただければというふうにも思います。
○生方委員 私がこういうことを申し上げているのは、中尾元建設大臣の疑惑事件に絡んで、自民党の政調会長のお名前も新聞で拝見をしておるわけです。このお金が渡ったという時期は、中尾元建設大臣にお金が渡ったと言われる時期のちょっと前に政調会長にお金が渡ったというようなことが報道をされております。
 中尾元建設大臣の疑惑の件は、許永中という、例のイトマン事件に出てきて、やみのフィクサーというふうに言われている方が、イトマン事件で保釈中に新たな詐欺というのですか、石橋産業というところを乗っ取ろうとした中で起こってきた事件なわけですね。
 少なくとも、政治家がそういういかがわしい人物とつき合うこと自体がそもそもおかしいと思うのですが、亀井政調会長に対しての疑惑というのは、その許永中という人と会って、そのときに何がしかのお金をもらったのではないかというようなことが報道されているわけでございますが、総理は自民党の総裁でもあるわけでございますから、政調会長に対するこうした疑惑について調査をするおつもりがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○森内閣総理大臣 事実関係について私は何ら承知しておりません。また、総理大臣としてそれを確認するというそういう立場ではございません。亀井議員は事実そんな違法なことがあったということではないというふうに説明しておられることも、私よく承知をいたしております。
 そういう一部の報道などを中心にしてこうしたところでお取り上げになることは、私は必ずしも適切ではないというふうに思います。
○生方委員 私は実は報道をもとに質問をしているわけではなくて、実際に私も石橋産業の周辺のグループの方に何人かお会いをして、お話を伺ってまいりました。もちろん、私はその話が全部真実だというふうに考えているわけではございませんが、そのお話をもとに今質問しているのであって、週刊誌や新聞の報道に基づいて質問しているわけではないということは、一点まずお話をしておきます。
 そのときの話によりますと、中尾元建設大臣にお金が渡ったのは九六年の五月二十二日、中尾建設大臣の就任祝いという形で、先ほども扇建設大臣もお答えになりましたように、建設省の局長クラスそれから事務次官を含めて二十数人で大規模な宴会が行われた、そのときに紙袋に入れた現金が中尾元建設大臣に渡された。それが何で渡されたのかというと、これは許永中という人が石橋グループに取り入ったときに、政治家と会うときにはあいさつ料がわりに二千万か三千万持っていくべきだということを指南して、まさにその指南に従った形で石橋浩さんという方が中尾元建設大臣に二千万円を渡したわけです。これは現実に事件として今立証されようとしているわけです。
 それと同じように、亀井政調会長に会ったのは四月の時点なわけですね。四月の時点で、同じように許永中が仲介をしてその石橋グループの方が直接亀井さんにお会いをしているわけです。そうしたことから考えると、会ったらすぐお金を渡すんだというふうに彼らは思っているわけですから、彼らはそのときにお金を渡したというふうに言っているわけです。
 その関連で、そのときに石橋グループというのはその傘下に若築建設という建設会社を持っています。そもそも中尾元建設大臣にわいろを送ったのは、その若築建設というのはもともと海の仕事が得意で、陸の仕事は余り得意ではなかった、今度は陸の仕事もやりたい、そのために建設大臣にわいろを送って少しでも仕事を多くしようということを請託したわけですね。それに絡んでお金が送られたということがあるわけです。
 これの伝で見ますと、全く同じ方法で、亀井政調会長にお会いした後、若築建設はこのときに、全日空を紹介してほしい、全日空の仕事があれば全日空の仕事をぜひやらせていただきたい。これは許永中の方が、大阪の土地を見せて、ここに全日空がホテルを建てたいとか、ここに国技館を建てたいんだ、だからあんたらはこれに食い込んだらいい。これは詐欺師が自分で言っていることですから、その詐欺に乗って彼らはそれで全日空をぜひ紹介してほしいということを頼んだんですね。
 この後は、これは新聞に出ておりますので申し上げますが、読売新聞によると、全日空の当時の社長が四月に亀井さんとお会いしたというふうにこの方たちは言っているわけです。そこで、全日空の仕事を欲しいということを頼んで、その後、これは読売新聞の記事ですから、読売新聞の記事によれば、「全日空関係者の説明によると、」というのは、この読売新聞ですが、「全日空関係者の説明によると、会合は同年五月ごろのことで、同社首脳は元建設相」、これは亀井さんのことでございますが、「から電話で出席を求められた。その席で元建設相は石橋元会長らを指して、「いい人たちだから、何かあったらよろしく頼む」と話したという。」こういう記述があるわけです。実際にはこれは四月だったそうですが、こうした事実を全日空側も認めているわけです。
 そして、五月上旬に、今度、石橋グループの方は、もう一度亀井さんの事務所に行き、何がしかのお金を渡して、若築建設に、全日空の仕事にさらに参入をさせてもらうようにお願いをしたと。そうしたところ、今度はその数日後に全日空側から再び電話があり、石橋グループは全日空本社を訪ねて、全日空の幹部と会っているわけです。
 これも読売新聞によれば、許被告が持ち出した大阪の土地の話をその場で切り出した、これに対して、全日空首脳は、条件が整えば検討の余地はあるなどと答えたという、同首脳は特捜部の聴取に対してこうした経緯を説明したというふうになっているわけです。
 これは、中尾元建設大臣の場合は、実際にお金を渡して、立件をされて、中尾さんが逮捕されているわけです。したがって、それと同じ時期にほぼ同じ手口で請託をして、実際に全日空の会長さんが会っているということを考えれば、お金が渡されたのではないかという疑惑は、私はかなり強いのではないかと。したがって、それは、自民党の政調会長ともあろう重職についている方の疑惑でございますから、ぜひとも、総裁としてもきっちりとこの事実をお調べになる必要があるのではないかというふうに考えますが、いかがでございましょうか。
○森内閣総理大臣 事実関係については私は承知しておりませんし、総理大臣の立場でそのことについてお答えをするということは、私はできないと思います。
 ただ、先ほどからお話を承っていると、何か随分断定的なことを、見てこられたようなことをおっしゃいますが、それだけあなたは責任を持って言えるのですか。ところどころ大事なところは何か新聞を持ってきて引用されていますが、その前のことをいろいろおっしゃっていますが、やはりこういう場所でそれだけのことを断定されて私はよろしいのかなという、そんな感想を持ちます。
○生方委員 私、断定はしておりません。私が聞いた話によるとというふうに言っておる。これは私が聞いた話ですから、聞いた話によるとこうである、だから、こういう疑惑があるんだから晴らしたらどうですかと。疑惑だというふうに言っているのではなくて、疑惑があるんです。
 これは新聞でも報道されているわけで、事は、与党の政調会長という重職にあって、そごうの件でもまさに亀井さんの一言によって政策が変わるとか、介護保険の件でも亀井さんの一言によってお金を徴収するのが半年延びるとか、いろいろな政策の決定に重要な影響力を及ぼす政調会長でございますから、その方がかりそめにも疑惑をかけられているのであれば、きっちりと晴らす必要があるのではないかということから、私は御質問させていただいておるのです。
○森内閣総理大臣 伝聞とか憶測とか、それから新聞による情報ということは、極めて私は大事な問題だと思いますよ。
 まして、亀井議員がいろいろ政策的な判断をなさるということは、何も亀井議員が一人でなさっていることではありません。自由民主党あるいはまた与党三党で十分協議をして政策的なことを決定しているわけですから、それは大変亀井議員に対しても失礼なことになると思います。
 私は、亀井政調会長を、政治家としてまた人間として信頼をいたしております。
○生方委員 私は、亀井政調会長が一人で決めているなんということを申しているわけではありません。自民党の政調会長というのは非常に大事な仕事であって、そうした方がかりそめにも疑惑をかけられていたのであれば、これは新聞でも報道されているわけですから、きっちりと調査をなさって、白黒をはっきりするべきじゃないですかということを申しているんです。いかがですか。
○森内閣総理大臣 もう一度、もう一度申し上げておきます。
 亀井議員は、そのような違法なお金を受けた事実はないと、きちっと説明をしておられます。
○生方委員 それは私もテレビを見て承知をしております。もらっていないということを証明するのは悪魔の証明だというようなことを、多分テレビで言ったんじゃないかというふうに思っております。それは私もよく承知をしております。
 ただ、この事件においては、中尾建設大臣に対して、この同じグループが同じ仕掛けで同時期にお金を渡しているという、それは検察によって今まさに立件をされて、真相が明らかになろうとしている。その一方で亀井氏に対してこういう疑惑がかけられているんですから、きっちりとこの疑惑は晴らすべきではないか、これは自民党総裁としてもきっちりと晴らす必要があるんじゃないか、そのことを私は言っているわけです。
○森内閣総理大臣 中尾議員の問題は今司直の手にゆだねられているわけですね。中尾議員のケースがこうだからといって、他の皆さんも同じようだというそういう断定を、しかも、新聞だあるいは伝聞だけで、そういうことでお話しなさるということは、私は極めて残念なことだと思います。
○生方委員 私は断定をしているわけではございません。私がさっき申し上げましたように、当事者に会って話をしてきて、だからこっちが正しいと言っているわけじゃないんですよ。どっちが正しいかはわからないから、こうした疑惑をかけられたことについてはきちっと話をするべきではないかということを申し上げているわけです。
○森内閣総理大臣 たびたび申し上げておりますが、私は亀井静香議員を信頼しております。
○原田委員長 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
○原田委員長 再開します。
 委員長として申し上げますが、いやしくも公の席で個人の名誉を傷つけるおそれのあるような発言はぜひ慎んでいただいて、御質問を続行していただきます。(発言する者あり)
 今の委員長発言について誤解があってはいけませんが、発言を封じているわけじゃ決してありません。要するに、伝聞のみによって名誉を傷つけるおそれのあるような発言は慎んでほしい、こういうことを申し上げておるわけであります。
 質問を続行してください、生方君。
○生方委員 私は、亀井政調会長を別におとしめようとか、そういうことを言っているわけじゃなくて、私が今申し上げていることは、法務省にも後で聞きますけれども、これは実際検察庁が今まだお調べになっている事件なので、私は非常に慎重に今ここで発言をしているわけです。
 ところが、実際に言えば、私は、政調会長にお金を実際に渡したという方から直接聞いているのですね。何だったら、ここでそのときの会話を読んでもいいですよ。こういう形で全日空の社長に会わせてほしいということを言って、その後に、吉兆で亀井さんと石橋さんとその方と全日空の社長とが会っているのですよ、四月十二日に。
 これは、吉兆のおかみさんも多分事情聴取されていますから、これは事実として確認されるはずです。その後、五月七日にもう一度行っているのです。(発言する者あり)断定できるのじゃない。私は、聞いたから、聞いた話を言っている。だから、聞いた話を私は断定しているわけじゃありません。こういう疑惑があることを晴らす必要があるのではないかという立場から私は質問しているわけで、断定をしているわけではありません。私は聞いてきた話を言っているだけの話です。
 それでは、ここで押し問答していてもしようがないですから、私が聞いた方は、自分でお金を渡したというふうに言っております。これは検察でも同じことを多分言っているはずでございます。だから、この先は検察がやることなのかどうなのか私もよくわかりませんが、少なくとも今の場におきましては、私が言ったことが名誉を傷つけたとかなんとかということであるのならば、亀井政調会長自身がこの場にお出になってきて、その林さんという方もお出になって、二人がどっちが本当のことを言っているのかを明らかにしていただきたい。だから、参考人として招致することをぜひお願いいたします。
○原田委員長 理事会で協議させていただきます。
○生方委員 では、これは、実はもう一点あるのです。
 亀井さんの関連会社と言われているところ、元、奥さんが取締役をやっていたというJSSという警備会社があるのですが、亀井さんがその方たちとお会いしたとき、このJSSにもぜひとも入ってほしいという形で、一社一千万円で四社が、若築とか石橋産業とか、この林さんという方が持っている会社とか、もう一つ、オーベックスという会社があるのですけれども、その四社で、一社一千万、四千万円契約をしているわけです。そのお金を次に会ったときにお渡しをしているわけですね。これも、その方によれば、警備のことは一切やっていないで、形を変えた献金だったのではないか。
 そうなりますと、先ほど数千万円ずつというふうに言いましたが、数千万円、数千万円と数千万円を合わせると、トータルとすると一億円近くになってしまうわけですね。こうした額のお金が流れている。このことは、流れていた可能性があるということについて、やはりきちっと、私もこの場で申し上げたわけですから、この場できちっと白黒をつけていただきますよう、ぜひとも参考人の招致をお願い申し上げます。
 それから、五月二十二日の宴会、それから七月に行われました建設省の新旧事務次官の交代励まし会というのですか、これが両方とも同じ料亭で行われているわけですね。これは、私どもの質問主意書に対して、どういう方が出たのかということの回答をいただいております。
 この中で、これは閣議で了承されました回答でございます。回答によると、建設省において、平成八年五月当時の藤井建設事務次官、豊田技監、伴官房長、小野総務審議官、小鷲経済局長、近藤都市局長、松田河川局長並びに橋本道路局長各人に確認したところ、同年五月の宴会にはいずれの者も当時の梅野住宅局長とともに参加し、同年七月の宴会には藤井建設省顧問、伴事務次官、橋本技監及び小野官房長が参加をしというふうに書いてございます。
 この会合が、これはたびたび建設省でも官官接待というか、接待については十分自粛するようにという通達が出ております。
 一番最後、その当時生きていた通達というのは、建設省の五十四年十一月三十日に出した通達だそうでございます。それによれば、官公庁間の接待等の自粛についてということで、「関係業界等との接触にあたつては、国民の疑惑を招くような行為は厳に慎み、特に接待、遊技等には出席しないこと。」それから、「関係業界等からの餞別、贈答品等は受けないこと、また送付されたものは返送すること。」というふうになっております。
 これは、私はもちろん向島の料亭に行ったことがあるわけではございませんが、最低でも一人十万円以上はかかるということでございます。
 それで、その場に、私は出席した人から聞いたんですけれども、女性の方も接待としてついていたと。そういう会合に、大臣の就任祝いは、大臣から言われた、あるいは先ほども建設大臣おっしゃったように、竹下元総理から呼ばれたからとかという形で仮に出てしまって、出たらそこにいろいろな人がいたので困惑したという言いわけは百歩譲ってわかるとしても、その次の七月の会合というのは、まさに自分たちの次官の退任と就任祝いでございますから、それを人のお金で、同じ場所で同じような形でやったというのは、やはり公務員としての、この通達にも違反しておりますし、ましてや、そこに事務次官あるいは局長クラスが全部出ているというのは、いまだにまだこんなことをやっているのかという信じられない気持ちがいたすのですが、いかがでございますか。
○扇国務大臣 私も、その料亭には行ったことがございません。どういう料亭か、何十万かかるのか何万円かかるのか、私にも想像がつきませんけれども、少なくとも、今生方委員がお読みになりましたように、五十四年の自粛しようという通達の範囲を逸脱しているということは私は言えると思います。
 ですから、処分いたしました者は、今生方委員がお読みになりました九名の建設省関係の出席者、その中で二度とも出席した者、そしてなおかつ職にあって、事務次官等々でやめる人と昇格した人、その接待した主目的、主役的といいますか主賓といいますか、その四人に対して私は厳重注意をしたというのが現状でございます。
 今申し上げましたのは、私が知り得たものの中で、料亭に接待されたという事実が御本人たちの上申書によって判明いたしましたので、現段階では、五月、七月の料亭に出席したということに関しての厳重注意でございまして、その後に何かがあるというのは現段階では処分の対象として値しないという事実がございます。
○生方委員 小野事務次官がおいでになっていると思いますが、小野さんはこの二回ともに出ているわけです。小野さん、一回目に出たときにウイスキーをお土産にもらったはずですが、御記憶なさっていますか。
○小野政府参考人 お答えを申し上げます。
 私も、大臣からお話がございましたとおり、また先生御指摘のとおり、二度にわたって出席をしたわけでございます。
 これは、大臣のぜひ出るようにというお話、それから、現実にはその場で特定の企業と申しますか、私どもの建設行政にとって密接な関連のある利害関係者と申しますか、そういう方が出席をしておられるということの意識が全くなかったものでございますから、今考えますともうちょっと慎重に行動すべきではなかったかと思うわけでございます。
 当日の二回とも、どういうような状況であったのかということもいろいろ思い出してみるわけでございますけれども、お土産等どういうものを渡されたのかというか、いただいたのかということは残念ながら記憶はございませんで、相当高級なウイスキーだという新聞報道もございましたけれども、私ども出た者の中で、そういう意識を持って会合を終わった、あるいは、現在考えて、そういう状況であったというような意識を持っている者はいないのでございます。
 いずれにいたしましても、これは記憶の範囲でございますので正確を欠く部分があるかと思いますけれども、現状であれば、もうちょっと慎重に、あるいはより以上に厳正な対応、例えばどういうメンバーがお出になっているのかとか、あるいは私どもの行政と密接な関連のある方がいるかどうかといったようなことも調査の上、対処するはずであったというふうに思います。
○生方委員 これは九六年ですから、その二年前に、九三年から九四年にかけてゼネコン疑惑というのがあったのですね。ゼネコン疑惑があって、前建設大臣や大手建設会社の会長とか三十数人も逮捕されているわけですよ。そうしたわずか一年か二年後に、官僚の方が、自分のお金でなくて、そういういわゆる高級料亭と言われたところに何のちゅうちょもなく二度も出かけていった。
 今、何をもらったか記憶がないというふうに言っていましたが、私が聞くところによれば、そのウイスキーというのは、何かワインなんかを贈って、ロマネコンティとかなんとかというと値段がわかっていけないから、ウイスキーという形にしたんだけれども、そのウイスキーは実は一本五十万円するんだという話も聞いておるのですよ。そういうものは、許永中さんというのは赤坂東急で料理屋をやっているわけですよ。そこにある特殊なウイスキーを贈ったというふうに言っているんですよ。
 それはもらったってわからないかもしれないですけれども、実際問題として、そんな多額のものが贈られるような席に官僚たるものが出ていること自体が、さっき扇建設大臣がおっしゃいましたように、私が知る範囲においては処分を、二回にわたって出た方についてはしたと。
 だから、今私が申し上げたのは新たな事実でございますから、これが事実であるのかどうかを再度建設省の方でもお調べをいただいて、私もそれが五十万円するかどうか知りません。知りませんけれども、仮に五十万円のものであったとすれば、五十万円もの高額のものをもらっていたとすれば、通達に明らかに反するわけですから、新たなる処分をする必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでございますか。
○扇国務大臣 今私もウイスキーで一本五十万というウイスキーがあるというのを生まれて初めて聞きまして、どういうものなのか私には想像がつきませんけれども、どこでどう、今もらったと言われている本人が来ていますから、でも、本人に覚えがないということなので。私も、五十万のウイスキーが日本の中にあるのでしょうか、それも伺いたいと思いますし、私は今初めて伺ったことですから、五十万のウイスキーというのを……(生方委員「だから、それを聞いているわけじゃなくて、要するにそれがあるのかないのか、事実を確認してくれと」と呼ぶ)改めて御本人に聞いて、そのために本人が来ていますので、本人に聞いた上で、私はお返答したいと思います。
○小野政府参考人 新聞報道によると、大変高価なウイスキーだという報道を私も読んだわけでございますけれども、残念ながら、ウイスキーをもらったという記憶は全くございません。いただいたという記憶は全くないわけでございます。
 また、それがどういうメンバーにどういう範囲で配られたのかとかいうことも、全く私ども記憶がございませんで、これについて何かコメントをということを言われましても、ちょっとなかなかそういう記憶のないことを申し上げるというわけにもいかないわけでございます。
 ただ、断定的なお話ということになりますと、ちょっとこれ、私ども、確かに幹部が故人を含めまして九名出席をしたことは間違いないわけでございます。そういう点もございますので、より以上に慎重にすべきだということは私も再三申し上げているわけでございますけれども、これを断定的に、もらったはずだということになりますと、ちょっとこれは私どもの記憶と全く違うということでございます。
○生方委員 私は断定的に言っているわけじゃなくて、もらったでしょうと。もらっていないというのならもらっていないでいいんですよ。だから、それを建設省がきちんと、建設大臣、もう一度お調べいただいて、私だって、五十万円のウイスキーなんて、見たこともないし聞いたこともないですよ。ただ、そういうものが出たとすれば、単なるお土産とは違うでしょうということを言っているわけで、そういうものがもし配られたとすれば、それは金銭を渡すのとほとんど等しいことじゃないかということで御指摘申し上げているわけで、だから、そのことについて調査をしていただきたいと。私は、それが事実だなんて言っているわけじゃない。事実かどうかを調査をしていただき、もし五十万円というような高価なウイスキーがあったとして、それが贈られていたとすれば、処分をもう一度見直す気があるのかどうかということをお伺いしているわけです。
○扇国務大臣 今おっしゃいましたように、今、五十万円のウイスキーというのは新たに出てきたことでございまして、その事実を今本人がここで覚えがないと言っているのは、私、もう一度役所で念のために聞いてはみます。そして、もしそういう事実が出てきたのであれば、私は、厳重注意したときには現段階ではという条件をつけておりますので、新たに司直の手も今進んでおりますので、そういう新しい事実が出てきたときには改めて考えようと思っております。
○生方委員 話を少し変えます。
 金融再生委員長久世さんの辞任のことについてお伺いをいたします。
 久世さんは三菱信託銀行から顧問料並びに事務所費を受けていたということが明らかになっております。それと同時に、大京側から九一年の七月と八月に二回に分けて五千万円ずつ、一億円を自民党を通して久世氏に渡したというふうに説明をしております。三万三千人分の党費としてそれを自民党に納入したというふうに述べております。
 一方、大京側は、これは大京がきちんと記者会見をして明らかにしたところによれば、関連会社と大京の二社が自由民主会館に管理運営費として一億円を寄附したというふうに言っておるわけです。自由民主会館というのは自民党本部を管理している財団法人で、これは自治省の管轄でございます。
 私、これ、自由民主会館のずっと年度通しての収支報告をくれというふうに言ったんですけれども、ないということだったので、平成十一年の一月から平成十一年の十二月三十一日までの、平成十一年の一年間の収支報告書がここにございます。仮に大京側が管理運営費として一億円寄附したということであれば、当然、ここには事業費、管理費、運営費というのが入っておりますから、そこに管理運営費として計上されるわけですね。
 そうしますと、久世さん側が説明をしていた、一億円自民党から返してもらって、それを党費として納めたという話と明らかにこれは矛盾するわけですね。こちらは自治省に届けた財団法人でございますから、きちんとした会計処理がなされてしかるべきでございます。それに対して、一方、久世前金融再生委員長は、自分にもらって、自分は党費として払ったんだというふうに言っている。この矛盾について、これはだれに聞いたらいいのかわかりませんけれども、自治大臣、いかがでございますか。
○西田国務大臣 当該年度における報告書類は、文書の保存年限を経過しておりますので、廃棄されており、現在保有していないと聞いております。したがって、内容を確認することは、まことに申しわけございませんが、できません。
 以上でございます。
○生方委員 もうおやめになったとはいえ、久世さんは国務大臣という要職にあったわけでございます。その方が、自分は自民党からそれは受け取って党費として納めたというふうに片方で言っているわけですね。もう片方で、一億円を出した大京側は、そうではなくて、自由民主会館にこれは出したんだというふうに言っている。これは絶対的に違っているわけですね。どちらかが間違っているわけで、これはやはりきっちりと、自民党として、総裁として調査をなさる必要があるんじゃないかと思うのですが、いかがでございますか。
○中川国務大臣 当時、幹事長代理として、久世前委員長の御就任前、当然、任命権者である総理が本件について、任命をする前にいろいろ調査をするということがございまして、私は代理でございました、まだ官房長官ではございませんでしたが、命ぜられて調査をいたしました。政府がやることでございますので、過去の報道、こういったものを主に調査をいたしたわけでございます。
 過去の報道は、細かくは時間がないでしょうから申しませんが、大京の問題は報ぜられておりませんでした。
 また、いろいろな文書があったということでございますけれども、匿名の……(生方委員「今、判断のことを言っておるんだよ。この事実を確認した方がいいんじゃないかということです」と呼ぶ)それは、大京のことは、過去の経緯のことでちょっと申し上げようと思いましたが、久世さんからは、いろいろな、三菱信託のことあるいはまた霊友会の借金のことについては私も調査をいたしましたが、大京のことは、我々は新聞報道のみを調査しましたから、詳しくは御説明いただきませんでした。しかし、それについても、大体、党費の関係ですというぐらいの御説明はございました。
 それから、いま一点、辞表を出されたときに、私改めて、その後の七月の末の新聞報道をもとに、大京のことはどうだったのでしょうか、こう伺いました。久世さんは、三万三千人分の党費をこの大京の元首脳に、この方も霊友会の御関係の方であったから出していただいたと理解している、こうおっしゃっていました。しかし、こうもおっしゃっておられたのは、しかし実務は私は一切やっておりません、したがってそこの内容を自分はそう理解しているけれども、そこから先はわかりません、こうおっしゃっておられました。
 他方、これは私は政府の立場で、党のことは申し上げる立場にございませんけれども、党は、今生方議員もお調べいただいているように、自由民主会館として大京から今御指摘のあったような寄附を受けている、こういうふうになっているというふうに私は聞いております。
○生方委員 これは公党の問題ですから、こちらも自治省に届け出ている財団法人ですから、きちんと会計処理はなされなければいけないわけですね。久世さんの方は三万三千人分の党費として自民党に納めた、その結果として恐らく参議院議員の比例名簿の順位が決まったのでしょうから、恐らく一億円は間違いなく自民党に入ったはずですよね。そうなりますと、自治省に届け出た財団法人、もちろん自民党だって政治資金法に基づいて会計処理を公に発表しているはずですから、どこかがおかしい操作が行われていなければ、両方でこういうことが起こるはずはないわけですよね。
 このことをやはりきちっと、どういうお金の流れで、どういうふうに処理されたのかということは明らかにしなければいけないんじゃないですかか。総裁、いかがでございますか、自民党総裁として。
○森内閣総理大臣 久世さん個人の問題でございますから、私は直接お話を聞いているわけではございません。
 今、総裁としてどうなのかというお尋ねでありますから、自民党からの報告によれば、大京から財団法人自由民主会館に寄附があったということであります。なお、当該財団への寄附は党本部の建物等の財産の管理、維持、運営の費用として使用されるものでございまして、個々の議員に対してそれをまた支出するということはあり得ません。
 当然、平成三年当時でありますから、財団法人自由民主会館では、建物の管理、維持、運営費や人件費など、必要な寄附は募っておりまして、その一環として、御指摘の株式会社大京から、関連会社等を含めて平成三年に合計一億円の寄附を受けているということは、確認をいたしております。
 当然ながら、今生方議員からもありましたように、当財団の収支は適正に処理されておりまして、自由民主会館の人件費を含む管理、維持、運営の費用として使用されているものでございます。
 なお、当時財団法人自由民主会館が寄附を受けたのは、当時、政党自体には法人格が付与されておりません、かわりに、財団法人自由民主会館が党本部建物や宣伝車等の管理、維持、運営等を行っているためでございまして、これは他の政党もこのような財団を持っているというふうに承知をいたしております。
○生方委員 そうなりますと、久世さんは、もう今おやめになったとはいえ、前国務大臣ですよね。国務大臣の説明が、平たい言葉で言えばうそだったということになってよろしいんですか。党費として納めたというふうに久世さんは説明しているわけですから、自民党から戻ってきて、三万三千人分の党費として党に納めたという説明をしているわけですから、それは平たい言葉で言えばうそだったということになるというふうに解釈をしてよろしいんですか。
○森内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、直接、私は久世議員からそのことを聞いているわけではございません。ただ、党の総裁として、自由民主会館に寄附をされたということについて、私は調査をし、今御報告を申し上げたところであります。
○生方委員 久世さんは大臣をおやめになってももちろんまだ自民党の国会議員でございますので、その方が発言された、しかも大臣のときに発言されていることでございますので、今説明されたことと明らかに違うことを述べているわけでございますから、私は、きちんと調査をされた方がいいのではないかということを申し上げておきます。
 それともう一点、この問題に絡みまして、久世前大臣は三菱信託銀行から顧問料という形で七千万円近くのお金をもらっていたということが報道されております。
 森総理大臣におかれましては、顧問料というようなものを受け取っているということはございますでしょうか。また、過去に受け取ったことがございましたでしょうか。
○森内閣総理大臣 顧問として受け取っていた事実はございます。
○生方委員 差し支えなければ、どちらからおもらいになっていたかというのはよろしいですか。
○森内閣総理大臣 顧問をいたしておりましたのは、金沢工業大学というところと金沢医科大学の顧問をいたしておりました。
 ただし、顧問料としての報酬を受け取っておりましたのは、金沢医科大学からちょうだいいたしておりました。
○生方委員 これは医科大学でございますから、私学助成を当然受けているわけでございますよね。政治資金規正法では、毎年継続して国から私学助成金のように補助金を受けている企業・団体からの政治献金を禁じているわけです。
 これは、顧問料はもちろん政治献金とは違うんですけれども、それにしても、入ってしまえば同じようなものでございますから、私学助成金を受けているところから顧問料を受け取るというのは適当かどうか。私は余り適当ではないと思うんですが、いかがでございましょうか。
○森内閣総理大臣 顧問料というのは顧問に対する対価でありまして、また、顧問をしたことと私学助成を受けているということは、私は全く関係ないと思っております。ただし、もちろん、今はお断りをいたしていることは言うまでもございません。
 細かなことをそれは申し上げてもいいんですけれども、大学に対して、御相談を受けて、顧問としてお仕事のお手伝いをしなければならぬ、そういう事情があったからでございまして、そのことはこういう場所で申し上げる必要はないんじゃないでしょうか。
○生方委員 それからもう一点、久世さんに関連した質問なんですけれども、これは、九〇年十二月から九一年十一月まで久世さんは農水政務次官を務めていたわけでございますね。次官通達で兼職の禁止というのがあるわけで、この間も三菱信託から顧問料を受け取っていたわけでございますから、閣僚の兼職禁止の申し合わせというものにも明確に違反をしたんじゃないかというふうに思うのですけれども、この点については注意とか処分とかいうことは何かなさるおつもりはあるのでございましょうか。
○森内閣総理大臣 この兼職の問題については、大臣をお願いしますという任命時には、実は承知しておりませんでした。ただ、久世氏は、当時の上司であります農林大臣にみずから相談をして、お許しを得た上のものであったというふうに述べられているというふうに私は報告を受けております。
 しかし、いずれにしましても、厳格な運用を求めた兼職禁止の申し合わせの趣旨にかんがみれば、やはり兼職したことは適切ではなかったというふうに思っております。
○生方委員 久世さんの後を継いで大臣になられました相沢委員長にお伺いしたいのですが、久世さんは三菱信託銀行から顧問料あるいは事務所の提供というものを受けていたということが明らかになったわけですが、相沢委員長は銀行等からの献金というのはございますでしょうか。
○相沢国務大臣 お答えします。
 私も議員になりましてから、大体、大口ではなくて、できるだけ広く薄く御協力を願う、こういう建前でやっておりまして、当初は一月二万円、年額二十四万ということで、会員を募ってやっておりました。政治資金規正法の改正によりまして、公表額が五万円になりましたですね、そのとき大体二十四万円の口というのはほとんどなくなりまして、銀行関係では、これはもう公表されておりますからあれですけれども、たしか二行ございます。
○生方委員 公正を期するために、それは委員長就任を機におやめになるんですか、それともそのままずっと継続をしてお受けになるというおつもりでございますか。
○相沢国務大臣 ずっとこれは友達の関係で、全く友情で御支援を願っておったという関係がありますから、にわかにやめるのもいかがかと思うのですけれども、しかし、やはり職責柄、その点については検討させていただきます。
○生方委員 公正を期するべき金融再生委員長ですから、幾ら友達だということであるといえ、金融機関からの献金を受けるというのは適切だとは私は思いませんので、ぜひともそれをやめていただきますようにお願いをいたします。
 それでは、私の質問をこれで終わります。
○原田委員長 この際、横路孝弘君から関連質疑の申し出があります。菅君の持ち時間の範囲内でこれを許します。横路孝弘君。
○横路委員 私は、沖縄サミット並びに日本の外交についてこれから御質問をしたいというように思います。
 私は、サミットが沖縄で開催されるという決定を聞きましたときに、これはいい場所の選択をされたなというように思いました。それは、何といっても二十世紀最後のサミットなわけですね。ですから、世界の首脳が集まって、二十世紀というのは戦争の世紀でありましたから、戦争の反省をしっかり行って、そして二十一世紀に平和のメッセージをしっかり伝える。
 沖縄は、御承知のように太平洋戦争の中で大変な激戦が行われたところでございまして、沖縄県民を含めて二十四万人の方があそこで亡くなられているわけですね。しかも、世界で、二十世紀はこの二つの大戦の後にも、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争と大きな戦争があり、そのほか局地的な紛争がたくさんあったわけでございますが、沖縄は、いわばその三つの、朝鮮、ベトナム、湾岸という戦争の一つの大きな拠点にもなったわけであります。
 沖縄は、長い間米軍の統治下に置かれていた、そして今現在、在日米軍基地の七五%があそこに集中をしているという場所でございますので、まさに二十世紀をしっかり総括をして、二十一世紀の展望を明らかにしていくという場所としてはふさわしい場所だったというように思いますし、決められた小渕さんも、アジアの視点で沖縄から平和のメッセージをと、こう言われていたわけであります。
 しかし、いろいろ会議を重ねてやられた、例えばG8の宣言文などを見ましても、そういった具体的な、二十世紀を総括をして、戦争への反省、そして二十一世紀を平和の世紀にしていくというメッセージというのはほとんどありませんでしたね。いわばその一番基本的なアジアの視点から、しかも沖縄の場所で、二十世紀を反省をして二十一世紀を展望する。
 総理、本当はどういうことを議論しなければいけなかったと思いますか。私は、そんな意味では、まさに平和のメッセージがあそこから力強く発せられたというようには思いません。みんな国民、そう思ってがっかりしていると思うんですね。
○森内閣総理大臣 二十世紀最後の節目の年のサミットとして、世界の直面するさまざまな課題に対しましてG8がいかに取り組み、また二十一世紀を平和と希望の世紀にするために何をなすべきか、首脳間で活発で実り多い意見交換を行いました。その結果、沖縄IT憲章、それから朝鮮半島情勢についての説明、あるいはG8コミュニケ等を発表いたしました。私は、沖縄から明るい力強い二十一世紀への展望を示すことができたと思っております。
 何か横路議員は、そこで戦争に対する反省云々だとか、そういうお話が入っていないということをおっしゃりたいのかもしれませんけれども、G8のいわゆる政治セッションの中ではそうした話の会話は随分ございましたし、それから、午前中にもここで私申し上げましたけれども、クリントン大統領が平和の礎で演説をされて、そしてその後の、沖縄の知事さんを初めとして多くの皆さんからお話を聞かれたことについて、各国首脳に非常に強い彼の感情を入れてお話をされておりまして、私は本当によかったな、沖縄でそうした、お互いに、今あなたがおっしゃったように、この百年というのは、まさに前半は戦争に明け暮れた、そういう二十世紀であったと思います。しかしまた、後の半分は、恐らく、科学技術が発展して、また経済も発展して、栄光の時代を迎えつつある、そういう世紀だったと思いますから、そういうことに思いをはせてさまざまなお話をできたということは、私は極めてとうとい経験だったと思うし、すばらしいサミットだったと思っています。
 今、皆は何もそんなこと思っていませんよ、がっかりでしたよと、どういうことからそうおっしゃるのかわかりませんが、最近の沖縄の新聞を拝見いたしましたら、沖縄の県民の皆さんも約三分の二の方々が大変よかったという、そういうアンケートがたしか二、三日前の新聞に出ておったことも私は拝見をして、大変私もそれについて感激をいたしているところでございます。
○横路委員 私が申し上げているのは、世界の平和と安定のための具体的な取り組みということが方向性として示されなかったということを申し上げているわけであります。
 私は、二十世紀の誤りの一つといいますか、今、前半は戦争で後半はそうでないようなお話がありましたが、前半は二つの戦争がありましたが、後半だって朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争とあって、それはまさに沖縄が大きな拠点になったわけですね。私は、やはり一つは、科学技術がまさに発展していく中で核兵器が開発をされて、そしてその核兵器というものが使用された。日本の広島と長崎がその大きな被害を受けたわけであります。
 私は、二十一世紀を展望する場合に、やはり一つは、東西冷戦が終わりまして、核の恐怖から解放されたというように私ども思ったわけであります。現に、一九九一年、九三年とかけまして、第一次の戦略兵器の削減条約などが米ソ間で結ばれて、核弾頭の削減というような話し合いがずっと進んでいったわけであります。
 しかしながら、核軍縮がさらに進み、核拡散が防がれるという状況があったかといいますと、インド、パキスタンが核実験をやったり、あるいはアメリカの上院で包括的な核実験条約、CTBTの批准について、これを反対するというようなことが行われたわけですね。
 本年は、御承知のようにNPT、核拡散防止条約の再検討会議が開かれたわけであります。したがって、私ども日本がまさにリーダーシップをとって、核軍縮と核拡散をどのように防いでいくのかということは、これはまさに今の、二十一世紀に向けての、一番大きな課題じゃありませんか。そして、まさに日本がそれはリーダーシップをとらなければいけない点でしょう。ですから、私は、首脳会談の中でそのことが十分話し合われて、その枠組み、取り組みの方向性というのが示されるということを期待したわけでありまして、それがG8の宣言の中には触れられていないということを大変残念に思うということを申し上げたわけであります。
 やはり二十一世紀に向かって核軍縮と核拡散の防止ということを確実にしていくために、いろいろな課題があるわけでありますが、私は、日本としてこれは一番大きな外交の課題だと思いますよ。総理、そう思いませんか。――いや、これは総理大臣。それは、外務大臣、いいです。総理大臣に。
○森内閣総理大臣 サミットに関してだけ私申し上げておきますが、今何か私は百年の前半で戦争が終わったようなことを申し上げたと。別に五十年で区切っているということではございません。
 それから、今お話ございましたように、科学技術が発達をしたということは、確かに大量殺りく兵器ができたということになる、また日本は、そのことによって大変な大きな、とうとい命を失い、犠牲になった国であるということです。しかし、逆に言えば、そのことが契機として、やはりそういう大量殺りく兵器はつくってはいけない、使ってはいけないということになったんだろうと思いますね、世界の情勢というのは。そういう意味では、本当にとうとい犠牲を私たちは払ったことになるわけですけれども、科学技術が大量殺りく兵器をつくり、そしてその大量殺りく兵器は使ってはならないということもまた、これはお互いに人間として戒め合ったということを私は先ほど申し上げたかったわけです。
 それから、沖縄サミットでは何もそういう話がなかったじゃないかということですが、より安定した世界に向けた取り組みとして、紛争予防の分野で、地球社会全体で予防の文化を推進していくべきだということをきちっと明記いたしております。そして、軍縮や不拡散、軍備管理の分野では、包括的核実験禁止条約の早期発効などに向けた決意もこの中に述べられております。
○横路委員 いや、宮崎の外相会議の中でいろいろな議論があったというのは承知していますけれども、私は、今、核軍縮と核拡散防止というのはやはり最大の課題だと思いますよ。その一つだと思います。やはり何といってもNPTを着実に推進していかなければいけないし、カットオフ条約、プルトニウムなどの生産を禁止していくということ、あるいは核の先制使用の禁止でありますとか、非核地帯の拡大とか、いろいろな課題があるわけですね。そのことをいろいろ議論していかなければいけない。
 その中で、今直面している問題の一つは何か、国際社会の中で何かというと、これは外相会談では議論され、しかし首脳会談では余り議論されなかったようでございますが、NMDの問題があるわけであります。アメリカの本土ミサイル防衛というこの構想について、やはり一番問題があるんじゃないかというように私は思っています。
 ミサイルをいわば迎撃ミサイルで撃ち落とすというシステムそのものは、いわゆるABM制限条約、弾道弾迎撃ミサイルの制限条約に反することになるわけですね。なぜみんなが心配しているかといいますと、核というのは、米ソ間でいいますと、お互いの核の先制攻撃があったときの報復力からいわば成り立っているわけですね。これは際限がなくなるわけです。防衛網を張っていくことになると、さらにそれを突破しようという限りない核軍拡になっていくから、これをやめようということでABMの制限条約ができているわけであります。
 そんな意味で、このNMD構想について外相会議ではいろいろと議論されたようで、それは後で外務大臣にお伺いしますが、まず総理大臣、一体このNMD構想というものについてどう考えておられるのか、我が国は一体どうしていくのか、この点、まずお答えをいただきたいと存じます。
○河野国務大臣 事実関係でございますから、私から御答弁をさせていただきたいと思います。
 アメリカがNMDについての構想を持っているということは、御指摘のとおりでございます。しかし、この構想については、まだそれがどういうふうになっていくかということは確定をされたというふうに承知をいたしておりません。むしろ我々が考えておりますことは、国際社会の中に、あちこちに弾道ミサイルというものが拡散されてきた、それによってアメリカが、本土が攻撃をされるという不安、心配を持っている。そういう場合に、アメリカとしても、自国をどうやって守るかということについて考えるということは、これはあり得ることだろうと思うのでございます。
 ただ、それについてどういう守り方をするか、あるいは外交的な努力によってそれを守るという方法もきっとあるだろうと思いますし、あるいは技術によって守るという方法もあるだろうと思います。いろいろな方法を考えることになるだろうと思いますが、本土を守ろうとするアメリカの気持ちの一つとしてこの構想があるということは理解できるのではないかというふうに我々は思っているわけでございます。
○横路委員 今度の宮崎の会議の中でもいろいろ議論がありましたのは、結局は、これはドイツやフランス、カナダも含めて、反対というか問題があると言っているわけです。
 それは、今日までやはりいろいろと軍縮に向かって努力をしてきたわけですね。そういういわば軍備管理とか軍縮の体制そのものについて、この問題ははかり知れない影響を与えるんじゃないかということを心配しているわけです。アメリカがそういう体制をとれば、今度はそれを突破しようという軍備拡大競争が働くということを、みんな世界各国が心配しているわけですね。ロシアや中国ももちろんこれについて反対しています。
 この点について日本政府は、これはどうなんですか、賛成なんですか、反対なんですか。大いにやれという話なんですか。そうじゃなくて、私が冒頭申し上げましたように、やはり核の軍縮ということ、これはもう非常に大きな課題なんだから、いわばこれからも軍備は管理していく、軍縮を進めていくという観点に立って、これは世界の軍拡を引き起こすからやめようじゃないかというのか。
 河野さんは黙っておられたというように新聞で報道されていますけれども、これは総理、どうなんですか。きのう参議院の本会議で御答弁されたようですが、基本的に、このNMD構想というものについてどういうお考えなんですか。
○森内閣総理大臣 今外務大臣からお話がございましたように、近年の弾道ミサイルの拡散が自国の安全保障に対する深刻な脅威というふうにアメリカはとらえておって、これに対処するための外交努力を行うと同時に、NMDの計画を検討しているということだと思います。そういうアメリカの立場に対して、我が国としては、それは理解ができるということを申し上げているわけです。
○横路委員 これは各国、大体G8に参加した国みんな、ほとんど反対だったと思うのですね、アメリカ以外は。それについてはどうなんですか。こういうヨーロッパの心配についてどう考えますか、総理。
○森内閣総理大臣 確かに、具体的にこの問題はサミットでは取り上げられませんでしたが、沖縄での首脳会議では、二十一日のワーキングディナーにおきまして、世界の安定、そういうテーマで議論を行いました。
 しかし、恐らく、このワーキングの中で共通したテーマとしてお話し合いをするということは適当でないという判断を、アメリカも、そしてまたプーチン大統領もそういうお考えをとられたんだろうということで、最初に私はどのような議題を取り上げましょうかということを皆さんから意見を求めて、そして議論を始めた中には、この問題は取り上げられないということになった次第です。
○横路委員 きょうは余り時間がありませんから詰めて議論はしませんが、日本も実はTMD構想、戦域ミサイル防衛ということで、今年度予算二十一億円も計上してやっているわけですね。発端は北朝鮮のテポドンだったわけであります。アメリカも初めは北朝鮮と言っていた。しかし、朝鮮半島は、後で議論しますが、非常に大きく動いて変わってきているわけですね。
 私は、このNMD構想というのは、ロシアがこれに対抗措置をとるとしたら、MIRVという多頭核弾頭をICBMに載っけて飛ばすとか、あるいは潜水艦などを中心とした海上の戦力拡大になっていくのですね。あるいは中国も、核兵器をある意味で言うとさらに近代化して促進していこうという軍拡に対して、軍拡競争をまさに引き起こす引き金になる問題だということを、総理、これはひとつ十分認識をしておいていただきたいと思います。
 私は、ともかく今度のサミットの中で、まさにこういう大事な問題をもっと議論してほしかった。ただ、残念なことに、見ていると、例えば遺伝子操作食品の問題などを含めて、どうもアメリカとほかの国が対立しているような問題があると、日本は傍観をして、その間で議論しないで避けたということは本当に残念に思っております。むしろ、積極的にこれらの問題に対して議論をしていくという姿勢が大変大事ではないかというように思っております。
 次にもう一つ、このサミットに関連して、プーチン大統領との間で首脳会談が行われました。私はその首脳会談の記録を見てびっくりしたのですけれども、九月に会うわけですね、「九月の会談では難しい問題についても率直に話し合いを進めていきたい。」というような表現をされておられます。
 今度の日ロ首脳会談というのは、まさに二〇〇〇年までに平和条約を締結しよう、その前提としては領土問題があるわけですから、何でこんな「難しい問題についても率直に」というような持って回った言い回しをされるのですか。もっとこの問題について大いに議論しようじゃないかと、率直な話がどうしてできないんですか、総理。
○森内閣総理大臣 難しい問題を避けて通ろう、私はそういうことを申し上げておりません。
 会談は、やはり日本の立場もあればロシアの立場もあります。プーチン大統領の御発言の中をよくこれは吟味して精査しなければなりませんが、微妙な問題、敏感な問題というような、そういう発言をされたような記憶がございますが、微妙な問題や敏感な問題というのは我が国にとってはまた重要な問題である、したがって、そこのところだけを話し合うということになるとなかなか話し合いがしにくいというような、そういうニュアンスのお話がございましたから、私は、そうではないでしょうと。むしろ、あなたが敏感、微妙とおっしゃることをきちっと話すことが大事であって、全体としてまず、日本とロシアとのお互いの大事な問題をお互いに議論をし尽くしていくことが大事なのではないかということを申し上げておりますから、そこのところは、何も私は、避けて通ったという、そんな思いはございません。
    〔委員長退席、甘利委員長代理着席〕
○横路委員 御承知のように、対ロシアとの外交というのも、今まで苦労しながら、しかし国会もバックアップしてやってきたわけです。経過はいろいろありますが、東京宣言、それからクラスノヤルスクの合意、川奈の提案、モスクワ宣言というように流れてきまして、その中では、何といっても、東京宣言に基づいて二〇〇〇年までに平和条約を締結するということで合意をしてきたわけですね。
 それで、具体的な川奈の提案があり、それに対してモスクワの会議で向こうの返事があり、今度はそれに対してこちらの方がまた考えを述べるということだと思うんですが、このとき一貫してきたのは何かといいますと、領土問題の解決なくして平和条約の締結はないということですね。これはもう国会も含めて、我が国は、そういう姿勢でソ連当時からロシアに至って外交交渉をしてきたわけですよ。この姿勢は、総理、変わらないんでしょうね、これは。
 いや、総理、これは大事なところ、大事な、こんな基本的な姿勢……
○甘利委員長代理 河野外務大臣。
○横路委員 外務大臣、ちょっと悪いですけれども、総理、答えられないんですか、それは。総理、答えられないんですか、こんな大事な問題で。
○河野国務大臣 委員長の指名ですから。
 日ロの首脳会談が九月の三日から行われるわけでございます。議員が御指摘のとおり、この首脳会談で、いわゆる議員がおっしゃる難しい問題について率直な話し合いが行われるということを我々は期待しているわけでございますが、議員がお話しのとおり、領土問題を解決し平和条約を締結する、こうした考え方は一貫して我々は持ち続けております。
 そのために、領土問題を解決し平和条約を締結するという我々の考え方をどうして貫いていくか、どうやって実現をするかということについて、さまざまな苦心、苦労、アイデアというものを我々はこれまでも出してまいりましたし、また、首脳会談でもさまざまな議論があってほしいというふうに私は念願をいたしております。
○横路委員 それは、いろいろな議論をしてきましたから、川奈提案というのはその工夫の一つでもありましょう。国会でもそれはいろいろ議論はありましたよ。五六年の共同宣言にまず基づいて、二島をともかく返還してもらって、二島を継続ぐらいでもいいじゃないかという議論もあったけれども、しかし、いずれにしても、領土問題の解決なくして、それと別に平和条約を結ぶという考え方は今までなかったわけですよ。
 今、九月三日にいよいよ交渉が始まるという一番大事なときに、しかも、外務大臣がタイのバンコクでロシアのイワノフ外務大臣と話しているときに、野中幹事長が、こういう一つの前提を解決しなければ友好条約はあり得ないという考えではなしに、並行して領土問題を考えていくことが大事だと言って、いわば切り離し論を打ったわけですね。
 これは、総理、こんなことで外交交渉になりますか。一番今大事な詰めの作業に入っているときに、領土問題はいいんだ、切り離すんだと。これは、総理、まず北方領土問題の解決なくして平和条約なしという基本スタンスは変わらないんでしょうね。
○森内閣総理大臣 先ほど触れましたように、日本側だけの主張で通って二国の会談とか協議というのはあり得ないわけでありまして、私は、就任をいたしました四月の末に、サンクトペテルブルクで初めてプーチン大統領とお目にかかったときも、やはりプーチン大統領も、まだそれは就任前のことでございましたから、日ロの問題についてはかなり慎重なお立場でございました。ですから、日本に公式的においでをいただくということをまず決めることに正直申し上げて少しエネルギーを費やしました。しかし、まずは、次はプーチン大統領が訪日されるということですよということで、最終日には、最後の時間にはそのことが決定をしたわけです。
 今回沖縄でお話を申し上げましたときにも、先ほど申し上げたようなことで、微妙、敏感というような問題がございますから、これはやはりロシアの国の中の考え方、政府部内の考え方がいろいろ出てきているんだなというふうに思って私はそういうお話を聞きましたけれども、先ほどから申し上げておりますように、その微妙や敏感とおっしゃるようなことも、そのことも、全体の平和条約ということをきちっと話をしなきゃそのことだって解決しないわけだから、きちんとそういう話し合いをいたしましょうということで、それでは三日から五日まで参りましょうということが最終的に決定したわけです。
 そこで、大事なことは、今外務大臣もお話しされたように、問題は大変容易ではないということは承知もしています。それから、これまでの長い積み重ねがございます、これも承知をいたしております。政府としては、北方領土問題を解決して平和条約を締結するという一貫した方針のもとで、これから引き続き全力を傾けていくということは当然のことであります。
○横路委員 了解できる答弁ではないんですね。
 この時期にプーチン大統領サイドからは、平和条約の締結あるいは領土問題の解決は難しい、そういう報道に対する話などがずっと流れてきているんですね。あたかもそれに呼応したかのような今度の幹事長の発言なんですよ。この幹事長の発言をどう考えているんですか、総理。いやいや、これは総理ですよ、外務大臣。総理にちゃんと発言してもらわないと。どうしてこんな大事な問題に答弁できないんですか。
○河野国務大臣 外務大臣として、外務省の人間をして幹事長の真意を当たらせておりますので、私から御答弁をさせていただきたいと思います。
 幹事長の御発言は、東京宣言を前提として、あるいは踏まえてと申し上げてもいいかもわかりませんが、東京宣言を前提として日ロ問題を当然考えておるということをまずおっしゃっておられます。そして、とにかく二〇〇〇年をめどに何とか結論を出そう、こういう努力を今しているわけでございますから、先ほど私申し上げましたのは、さまざまなアイデアが日本の国内にもあるということで、これはこれで私は結構かと思っております。
 ただ、交渉をいたします人間にとりましては、もう基本的には、先ほどから申し上げておりますように、領土問題を解決して平和条約を締結する、こうした大方針を背中に負うてこれから交渉に臨むということは当然のことということを幹事長も了としておられるわけでございます。
 今総理からもお答えがございましたように、この話は、クラスノヤルスク合意、東京宣言と、エリツィン大統領を相手に積み上げてきた事柄でございます。突如エリツィン大統領の辞任ということがございまして、私は、ことし前半は、エリツィン大統領のこうした言い方はロシアを代表して日本の国に言っていることだから、後継者も当然この問題については、この話は継続なさることでしょうねということの確認を何回もいたしまして、当然そうですという御返事をいただいてまいりました。
 私から申し上げると、少し残念なことは、エリツィン大統領の後任のプーチン氏が大統領として本当に動き出すまでに、半年とは言いませんけれども、四カ月ほどの時間をそこで経過してしまったということは非常に私としては残念でございまして、何としてもそうした時間的経過をカバーしてこれから最後まで努力をしたい、こう考えております。
○横路委員 ロシアとの領土問題に対する交渉は大変だから、我々もいろいろな言いたいことがあってもみんなで応援していこうということで、国会でも今まで何度も決議をしてやってきたわけですよ。それが交渉直前になって、今与党の幹事長が、切り離し論なんですよ、話は。
 それは、いろいろな、東京宣言を踏まえてとかなんとかあったって、総理、ちゃんと意見を統一してくださいよ。こんなんじゃだめです。こんなんじゃ外交も何もなりませんよ。ロシア側は、もう領土問題は日本はいいんだなと思いますよ、こんな発言を許しておったら。
○森内閣総理大臣 先ほどからたびたび申し上げているように、プーチン大統領は、微妙、敏感という表現を、通訳がそうしていましたけれども、当然そのことを指しているんだろうと思います。もう少し詳しく述べれば、この問題は日本にとって重要な問題であることは十分承知をしておられ、しかし、自国にとって、つまりロシアにとっても、このことは大変微妙な、国内の中にいろいろな問題を波及するんだというところを、表現もきちっとしておられました。
 しかし、先ほど申し上げたように、まずお会いをするということが大事でしょうと。それから、四月末にお話をしたとき、これまで積み重ねてきたエリツィン、橋本、小渕、これを積み上げた前提でお会いするんですよ、おいでいただけますね、そのことで交渉しましょうと言ったら、それはわかった、結構だということから、この来日の日程が固まってきたわけです。
 今、その幹事長の御発言というのは、これは、日ロ両国の中にはそれぞれいろいろな考え方があるのはやはり当然だろうと思います。種々の考え方が表明されるということは、日ロ関係を発展させていこうとするまた熱意のあらわれでもあろう、こう思っております。ですから、全体としては、野中幹事長がぜひ日ロのこの問題を解決したいという、その熱意のあらわれの中からの発言だろう、私はそういう文脈の中で受けとめております。
 ですが、先ほどからたびたび申し上げておりますように、私は、この北方四島の帰属の問題を解決して、そして平和条約を締結するという、この東京宣言を前提にして議論していくということは当然なことだ、こう申し上げております。
○横路委員 ともかく、自民党の幹事長が、領土問題と平和条約問題を切り離してともかくいこうやと言うこと、確かにそれは交渉ですから、しかも相手がかわって、やっている人たちは苦しいと思いますけれども、しかし、この大事なときに、これは物すごい大きな政策転換ですよ。方向転換ですよ。自民党、いいんですか。自民党全体で、これはもう幹事長が言ったんだからこれでいくんだ、領土問題はもういいんだということになるんですか。
 総理、九月の交渉の前なんですから、こういう発言がどんどん出てきて交渉できますか、一体。まことに失礼ですけれども、森野中政権なんて言われていて、野中幹事長というのは物すごい大きな力と影響力を持っているわけでしょう。先ほどから総理だって遠慮されて物を言われないわけだ、外務大臣が出てきて答弁されて。ちゃんと野中幹事長と話をして、政府が交渉するのに大事なときなんだから、ちゃんと統一した見解を出してくださいよ。どうするんですか。領土問題、ちゃんと統一した見解を出してください。
○森内閣総理大臣 たびたび申し上げておりますように、政府は考え方を変えておりません。幹事長はいろいろなお立場で物を言っておられますが、先ほど申し上げたように、我々政府の考えと同じ文脈の中での考え方だということで一致をいたしております。森野中なんて失礼なことを言わないでください。
○横路委員 だから、言われないようにするためには、幹事長と会ったんですか。総理大臣、会ったんですか。会って直接ちゃんと統一をしてやるということでなければ、これは、ロシア側は何と思いますか。与党の幹事長が、これからやろうという話、分離でいいですよ、領土問題、いいですよ、領土問題はまた別にしよう、こんな発言をして交渉になりますか、第一。
○森内閣総理大臣 大変失礼なことをおっしゃっていますけれども、私は党の総裁でもあるわけで、役員会ではちゃんと幹事長と会っていますし、役員会の執行部の中でこの問題についての議論もきちっとして、統一をいたしております。新聞をよくごらんになってください。
○横路委員 それでは、総理大臣も野中幹事長の発言を了承、了解されているというように承ってよろしいんですね。
○河野国務大臣 先ほど来から総裁・総理が申し上げておりますように、森内閣の基本方針、そして自由民主党の方針というものは一貫しております。領土問題を解決して平和条約を締結する、そのための努力をするということで、もう一致しております。私はけさほど、この予算委員会が始まります前に、自民党の外交合同部会にも出てそうした説明をしておりまして、皆さんの了解は得られております。
○横路委員 自民党には、もう本当に、外交を責任を持って行うということもどうもできそうにない状況だということを申し上げたいというように思います。
 次に朝鮮問題でございますけれども、朝鮮半島の状況というものは非常に急激に動いています。何といっても、やはり金大中大統領のピョンヤンの訪問、南北会談の実現というのは大変大きなインパクトを与えたと思っております。その後矢継ぎ早に、ASEAN地域フォーラムへの朝鮮民主主義人民共和国の参加とかプーチン・ロシア大統領のピョンヤン訪問とか、そういう脈絡の中で日朝の外相会談が行われたということでございますが、こうした南北の歴史的な会談の意味というもの、それがこれから日本を含めた周辺へどういう影響を与えていくのか、まず、総理大臣から基本的な認識についてお伺いをしたいと思います。
○森内閣総理大臣 歴史的な南北首脳会談の開催を初めとしまして、朝鮮半島をめぐって前向きな動きが見られる中で、先般、初めて日朝外相会談が行われて、八月下旬に日朝の国交正常化交渉を開催することになったわけでありまして、私は極めて意義深い、こう思っております。
 今御指摘がございましたように、アジアにとりましても太平洋にとりましても、朝鮮半島の緊張緩和ということは極めて大事なテーマでございます。そういう意味で、一番基本的には、南北がどういう形でこれからお話し合いを進めて、どういうプロセスを経て統一の方向へ持っていかれるかということは、これは南北自体の問題だと思います。
 昨日、金大中大統領とも電話でサミットの報告の傍ら、それらの問題についても金大統領のお考えも改めて伺ったわけです。私としても、我が国としても、この日朝関係の進展によって北東アジアの地域の平和と安定の一翼をぜひ担っていきたい、こういう考え方でございまして、日朝外相会談、この成果を踏まえて、国交のいわゆる話し合いが進むということを期待したい、そう思っております。
○横路委員 ちょっと外務大臣にお尋ねしますけれども、日朝外相会議で、日朝間の過去を清算して新たな善隣関係というものをつくり上げていくんだということをお互いに約束したわけですね。やはり、過去の清算というのは、植民地支配という歴史があるわけでありますから、その反省に立った誠実な姿勢というものを保持して対応していただきたいと思いますが、六五年に日韓基本条約が締結されているわけですね。今回の場合、国交回復ということになりますと、やはり朝鮮民主主義人民共和国との間にも新たに平和条約を結ぶということで交渉を進めていくということでよろしゅうございますか。
○河野国務大臣 これは、これから国交正常化交渉を行うわけでございまして、議員がおっしゃるように、国交を正常化しよう、こういう目的で行う交渉でございますから、国交の正常化のために考えられるさまざまな問題について議論をし、最終的には日朝関係を最もいい状況にしたいというのが我々の念願でございます。
○横路委員 総理、金大中大統領と会われたときに、直接金正日総書記とは会って、直接意見交換を行うのがいいですよ、事務レベルで話をしてもなかなか話が進みませんよというアドバイスがあったというように聞いておりまして、総理もどこかで記者会見でそのことをお話しされていたと思うんですが、私はやはりそうだと思うんですね。
 確かに、問題はまずテーブルに着いて、ちょうど米朝の関係もそうですけれども、九四年にジュネーブで米朝合意ができて、そこからいろいろな分科会といいますか、ミサイルの協議だとか、それから朝鮮戦争のときのアメリカ兵の遺骨の収集の問題とか、いろいろなテーマごとの話し合いというのを行ってきているんですね。
 ですから、お互いにいろいろな言い分があるわけですし、話をしなければいけない点があるわけですから、まずその枠組みをしっかりつくるということはとても大事だと思うんですね。その枠組みは事務レベルで積み重ねていってもなかなか難しいというのが金大中大統領の率直な感想だと思うんですね。
 したがって、私は、そんな意味でいうと、外相会談を精力的にやられて、それも大事だと思いますが、やはりトップ同士の話をするということも非常に大事だと思うんですね。そういうことでなければ、これは事務レベルで積み重ねていっても、またもう何年も何十年もかかるような話になりかねないと私は思っています。この点はどうですか。私は、金大中大統領のアドバイスを聞かれた方がいいと思いますが。
○森内閣総理大臣 金大中大統領のアドバイスを私は受けて、そして河野外相に、機会があれば外相同士でまずお会いになることがいいですよということをお話ししたわけです。まだ南北の首脳会談が始まる前に金大統領とお目にかかったときには、会うということが大変意味があるので、まず会うということから始めたい、何にも合意を得られなかったことが合意だったということもあるね、そういうお話をされていました。
 ところが、その後に、大変成果がある、そういう南北首脳会談でありましたから、これはお電話で、私はそれに対して大変そのことを率直に申し上げて祝意を表しておったわけです。
 そのときに、これは北朝鮮という政府のことですから、余りそういうことに触れることはよくないことだ、正しいと私は思いませんけれども、しかし、随分お話し合いが進みましたね、当初思っておられたより進みましたね、こう申し上げたら、やはり、恐らく事務的に積み上げていたらここまで来るのに十年かかったかもしれないね、直接話したので非常によくわかったし、お互いに理解を深めることができたよ、こういうことをおっしゃっておられて、そして、私に対して、日本もできれば直接お耳に達するように話す機会をできるだけ考えた方がいいですよということをアドバイスしますよ、こういうことでした。
 ですから、今すぐ私が金総書記と直接お会いするというようなことを今考えているわけではございませんけれども、やはり同じように、そういう意味で、外務大臣が外務大臣にお会いになるという機会がたまたまこれはあったわけですから、これはいいな、こう思ったものですから、河野大臣にぜひお会いになるように私はお勧めを申し上げたということでございます。
 直接そういう首脳同士で会うということも大事かもしれませんが、政府の責任ある立場の者がまず今回話し合うことができたからこそ、この八月の二十一日からの正常化交渉が再開をした、私はこのように歓迎をしているわけであります。
    〔甘利委員長代理退席、委員長着席〕
○横路委員 サミットの中でも朝鮮半島に関するG8の声明というのがあるんですけれども、ここで、例えば日本政府が従来から主張してきたのは、北東アジアフォーラム、つまり、朝鮮半島、今四者会談をやっていますけれども、それに日本とロシアが加わって、六者でもってこの地域の平和の話し合いをしていこうじゃないか、こういうような提案を前から日本政府もしているわけですね。
 ところが、この方針になりますと、何となく何かほかの国に支援をしてもらうというようなことが中心になっていて、日本のリーダーシップがこの中に見えないんですね。私はやはり、これからの外交で、この朝鮮問題も含めて、今までどっちかというと金大中大統領が大変対決より対話を選び、北風より太陽政策というか包括的な政策を選択され、それからアメリカは、ペリーさんが中心になって、大変中国だとか韓国とか日本とかいろいろな周辺の国の意見も十分聞き、そして北の意見も聞いて方向性を出すという努力をされてきたと思うんですね。私どもは、KEDOでお金を出す、いろいろな協力はしているけれども、日本自身が主体的に何か行動するというイニシアチブが全然見えないわけですね。
 今回こういう形で急激に動いているわけですから、何もバスに乗りおくれるとか乗りおくれないという話じゃなくて、基本的にこの地域の平和と安定ということのために、従来から日本は、ともかく朝鮮半島を見てきたわけでしょう。日本の安全保障政策の枠組みなんというのは、常に朝鮮半島を見てやってきているわけですね。こういう状況を踏まえて、やはり積極的にやるべきだと思います。
 私は、米朝の交渉などをアメリカの当事者から聞いたことがありますが、三十日も四十日も毎日交渉をやった、クリスマスを挟んで毎日やったというような経験を聞いたことがありますけれども、何か二カ月か三カ月に一回ぽっぽっぽっと会って、それで話なんか進みませんよ、このスピードの速い時代に。もっと精力的に詰めて議論をする、そのための基本的な方向性をしっかりやはり持つ、それはやはり北東アジアの平和と安定ということだと思うんですね。
 総理、そういう意気込みでやってくださいよ、これ。一回会って、また次何カ月か先に会うというのは、こんなことばかりやっているからだめなんです、これは。
○河野国務大臣 朝鮮民主主義人民共和国との間の交渉につきましては、基本的には、韓国、アメリカ、日本、この三カ国が政策調整をしながら交渉に臨んでいるわけです。これは、今横路議員もおっしゃったペリーさんの御努力というものがあって、その枠組みというものを見ながら、三カ国は、それぞれの立場、それぞれの役割というものもございますから、常に三カ国で政策調整をしながら北朝鮮政策を練り上げているということでございまして、日本がひとり何か蚊帳の外にいるということではございません。三カ国がそろって交渉についての相談をしながらやっているということでございます。
 我が方は、G8の中でも、確かにこの朝鮮半島について、森総理からも、アジア情勢というものについては、朝鮮半島問題が今極めて重要な、大きな動きが出ている云々ということを言われて、アジアの問題でございますから、私どもがリードをする形でG8の取りまとめをいたしております。
 ただ、残念ながら、例えばイタリーにせよカナダにせよ、次々と北朝鮮とは外交関係をきちっと樹立をしている中で、我が方はまだそこまでいかないという状況にございます。したがって、どうしても、若干外から見ると日本の動きが鈍く見えるかもしれませんけれども、私どもとしては積極的に対応したいと考えているわけでございます。
 繰り返して申し上げますが、何としても日朝関係というものを改善する、正常化する。もちろん、その正常化の一環として、懸案の人道問題あるいは安全保障の問題、こうした問題を我々は持っているわけでございます。先方もそれはよくわかっていると思いますけれども、そういう問題を解決しながら全体的な問題解決に当たらなければいけない、そういうふうに思っております。
○横路委員 時間ですので、終わります。
○原田委員長 これにて菅君、生方君、横路君の質疑は終了いたしました。
 次に、鈴木淑夫君。
○鈴木(淑)委員 自由党の鈴木淑夫でございます。自由党を代表いたしまして、そごう問題を中心に、経済政策のあり方について質疑をさせていただきたいと思います。
 初めに、森総理にお伺いをいたします。
 市場経済においては、借金を返せなくなった者は市場から退出していく、これが鉄則だと思うんですね。経営が悪化して借金が返せない。もちろん、そのときに債権者と、何かちょっと返済期限を延ばしてよとか、場合によってはちょっと債権の放棄をしてくれないかとかいう経営再建の努力はするけれども、それでも経営再建成らずということであれば、市場から退出していくというのが市場経済の鉄則だと思うんですね。恐らく総理もそういうお考えだからこそ、本会議において、所信表明演説あるいは各党の代表質問に対するお答えの中で、国は債権放棄を安易にやってはならぬ、こうおっしゃっていたのだと思うんですが、この市場経済の鉄則、これについてまず最初に確認させていただきますが、総理はどうお考えでございますか。
○森内閣総理大臣 いわゆるそごう問題に発しての基本的なお話を今鈴木議員からいただいたと思います。
 経営責任の明確化や意思決定過程の透明性に十分配慮して国民の理解を求めることの重要性を示したものである、このそごう問題はまさにそういう問題であったというふうに私は受けとめております。
 今回の問題、これを教訓にいたしまして、企業の再建はあくまでも自己責任が原則ということであろうと思いますし、公的資金を用いた破綻処理の過程では債権放棄は安易に認めるべきではない、そういう認識のもとで、関係各方面、そして国民に十分な説明をしながら適切な対応を図っていくということが基本的な政府の姿勢でもあります。
○鈴木(淑)委員 市場経済の鉄則について、総理もそうお思いだということを今確認をいたしました。
 そうであればこそ、総理は自民党の政調会長亀井さんと打ち合わせの上、亀井さんがそごうの社長にアドバイスをして、そして国に対する債権放棄の申請を取り下げたのだと思いますが、その後、そごうは民事再生法の適用を申請いたしましたね。
 総理、この結果、国民の皆さんの中には、ああ、これで我々の血税をそごうという一私企業の再建のために投入しないで済んだのかなと思っている方がいらっしゃる。しかし、総理、これは民事再生法を適用した後、どうなるのでしょう。やはり国民の血税を使って国の債権の放棄をせざるを得ないということになるのじゃないですか。どうですか、総理。
○相沢国務大臣 そごうに対する債権放棄につきましては、預保としては一応意見を決定しまして、金融再生委員会にそのことを申し入れてまいりまして、再生委員会としてもそれを了承することにいたしたわけでありますが、その後、世論の強い批判もございますし、委員御案内のように、そごうといたしましても、自主的な判断のもとにこれを取り下げることにしたわけでございます。そして、民事再生法の手続を申請いたしまして、七月の十二日、東京地方裁判所でその申請をいたしたものと承知をいたしております。
 おっしゃるように、民事再生法の手続によりましてこれを進めた場合におきまして、果たして国側の負担というものが結果的にどうなるか、これは今後の進行を見なければわからないと思いますが、しかし、そごうが自主的な判断で民事再生手続に入ったことの事情も了承できますし、また、その方が国民全般としての納得を得られるということではないかと我々も判断をしているのであります。
○鈴木(淑)委員 私は、相沢大臣とは違う見解を持っております。これは、少し法律のことをわかっている人なら明らかなんですね。
 民事再生法を適用するということは、債権者間で再生計画を立てる、これは非常にスピーディーに行きます。恐らくことしの十一月ごろに再生計画が出てくるでしょう。そして、来年一月ぐらいには裁判所の決定がおりるでしょう。その中身というのは、裁判所は債権者平等の原則でいきますから、ですから、債権者の案分比例で、いわゆるプロラタ方式で、シェアを使って債権放棄を決めてきますよ。
 そうしましたら、国の債権放棄の額は、当初金融再生委員会に申請していたときは九百七十億円です。これは、メーンバンクの興銀が目いっぱいかぶったからです。裁判所へ持っていった以上、プロラタ方式ですから、これは少なくともあと二百三十億余計にかかって、千二百億に国の債権放棄の額は決まりますよ。それを含んだプロラタ方式の再建計画が出てくることは目に見えています。
 ですから、総理はさっき、自己責任でやれ、安易に国は助けない、血税は入れないとおっしゃったが、実は、民事再生法でやったら、そごうを立て直すための国の血税投入額、これは九百七十じゃなくて少なくとも千二百に膨らむのですよ。ですから、総理はこの鉄則をお守りになると言ったが、それで国民の一部の方は気がつかないで、ああこれで血税を入れなくて済むようになったのか、立派な御決定だと思っているかもしらぬけれども、実はそうじゃない。むしろ国の負担はふえるのですよ。このことを総理は御存じないのですか。
○森内閣総理大臣 そごうの問題が起きましたそのときに、やはり今の鈴木議員のような意見がいろいろな方面から出ておりました。また、新聞にもそのような解説をしているところもございました。ですから、そういうことについてはそういう考え方もとれるのだと思いますが、今相沢委員長からお話がございましたように、現時点でこのことを具体的にどうなるかということを申し上げることは、私はやはり適当ではない。鈴木議員がいろいろお話をいただくこと、それは当然あってしかるべきことだと思います。
 仮に国民負担の額が当初予定をした私的整理に比べて増加するということになったといたしましても、そういう選択をしたということでありますから、それは私はやむを得ないものだというふうに思っています。しかし、いずれにしても国民負担については、今後民事再生法の下で、極力少ない形で処理されていくことを私は期待をいたしているところであります。
○鈴木(淑)委員 民事再生法の整理というのは法的な整理ですから、プロラタでいきますので、国の負担が少なくなるということはない。
 もう一つ申し上げますと、民事再生法を適用したということについても私は問題があると思います。
 民事再生法は去年つくったばかりですね。ここにそのときの提案の理由があります。何て書いてあるか。会社更生手続は大規模な株式会社を想定した複雑な手続であるため、中小規模の株式会社が利用することができるような、そういう民事再生法をつくりましたと書いてある。あるいは、個人、零細企業であると会社更生法もあるいは商法上の整理も適用できないで和議になっちゃうんだけれども、和議というのは大正のころつくった制度で使い勝手が悪い、だから、もっと現代に合った和議みたいな形で民事再生法をつくろうということになった。
 ですから、民事再生法というのは、そごうのように何百人も債権者がいる会社を頭に置いてつくったのではないんですよ。十人、二十人、少ない債権者を相手に、しかも、中小企業向けですから便法を置いている。例えば、経営者は会社更生法だったらどいて管財人が入ってくるんですが、経営者はそのまま居残ってもいいんですよ。そして、債権者の五分の三が賛成すれば、手続を省略して非常にスピーディーに再生計画をつくることもできる。中小企業のためのいろいろな便法を置いている。これをそごうのような大企業に使わせているということにも大きな問題があるんですね。
 だから、私は、この民事再生法でいったら、国の負担、債権放棄、御自分で債権放棄を決めるのは嫌だと、裁判所に決めさせましょう、裁判所が言ってきたらしようがない、そういう形で血税を投入することに結果的になると思いますが、総理は、最初におっしゃった市場経済の鉄則からいって、そんなことをやってもよろしいんですか。
○相沢国務大臣 鈴木先生がおっしゃるように、民事再生法の制定の趣旨は、中小企業等に再建しやすい法的枠組みを提供し云々、まさにおっしゃられたことだと思うのであります。
 ただ、法律自体が中小企業に対象を限定しているわけじゃございませんから、そごうの場合にも当然対象になる。しかも、そごうが民事再生法の手続を申請して、これは裁判所が認めているわけでありますから、これからそれに従って粛々として手続が進められているということを私どもは見守ってまいりたい。
 ただ、おっしゃるように、確かに、いわゆる債権放棄の場合よりもプロラタ方式によりましてあるいは国の負担額がふえるということがあり得るかもしれませんが、しかし、その方がまだ、仮にそうなっても国民としての理解を得やすいということであり、何よりもまず、そごうはその手続を自分で自主的な判断でもって申請して、それが認められたわけでありますから、私どもとしてそれに対してどうということを申し上げる段階じゃないと思います。
○鈴木(淑)委員 相沢大臣、大変正直におっしゃいました。常識的に考えれば国の負担はふえます、法的整理ですから。
 それで、総理、お答えになってくださらなかったので、失礼ながら私の方から申し上げますが、森内閣は、俗に言う引くも地獄進むも地獄、進退きわまっているんですよ、この問題では。
 なぜかといいますと、債権放棄を国がみずからすれば負担は少なくて済みますが、そのとき、総理御存じのように、国民の間には大変な不公平感が出ますね。大企業だから救うのか、おれたち中小企業は泣く泣く倒産しているのに何だと言ってきます。大企業の経営者の方ではモラルハザードが発生しますね。ああ、そうか、おれたちは瑕疵担保特約を使ってこうやればいいのかというモラルハザードが発生する。外国から見れば、何だ、日本というのはちゃんとした市場経済かと思っていたら、こんな形で国が介入してきて血税を投入して救っちゃうのかなんて思われる。ですから、国が債権放棄するのはまずいという御判断が一つある。だから、それじゃ今度は法的処理をさせた。そうしたらこれは、国の血税投入額、私企業を救うための血税投入額がふえてくるわけですよね。
 これは、実はそごうの問題だけじゃありません。既に会社更生法の手続に入っているライフとか第一ホテルがありますね、新生銀行の関係で。これも会社更生法だから、プロラタで来ますから、国の負担はプロラタで相当出てきますよ。さらに申しますと、新生銀行が千五百億円も債権を持っている某ゼネコンがありますよ。これだって、そごうと同じ形で処理されてくれば、同じように国がかぶっちゃうのですよ。ですから、そういう意味で、私は、引くも地獄進むも地獄、進退きわまっています、これが今の森内閣の姿だと思います。
 そこで、私、宮澤大蔵大臣にお伺いしたい。何でこんなことになっちゃったとお思いですか。何が悪くてこんなことになっちゃったとお思いですか。
 宮澤大臣は、閉会中審査の大蔵委員会でおもしろいことをおっしゃった。みんな一生懸命システムどおりやったんだけれども、その結果進退きわまっちゃった、こんなことに追い込まれちゃった、こういうことをおっしゃったのですね。私も宮澤大臣のあの言い方は非常におもしろくて、システムに欠陥があるんですよ。みんながやったことというより、この処理の仕方のシステム、はっきり言います、金融再生法に問題がある。
 宮澤大臣、さっきから御答弁のチャンスがございません。どうですか、ここで金融再生法に問題ありや否やという私の質問に対してお答えいただけますでしょうか。
○宮澤国務大臣 なるべくそのお答えは申し上げたくないわけでございまして、実は、御記憶のとおり、一昨年の夏に鈴木委員は野党でいらっしゃいまして、野党案をおつくりになりました。私は大変悲しい思いで御審議を伺っておったんですが、ところが最後の段階で鈴木委員は、野党案から党首会談を開いて離脱なさいました。そのことも私には忘れられない記憶で、なぜかもほぼわかっておりました。ところが、昨年になりまして今度は御一緒に与党になりまして、いろいろまた進めていただきまして、今回はまたちょっと違う。しかし、それはおのおの理屈のあることであって、私は大体わかっているつもりでございます。
 それで、ですからもう過去のことは申し上げませんで、私が思いますのは、日本はやはり法治国家であるから、行政も契約も法律に基づいてなされる。たとえそれがいろいろな感情とかあれこれとかあっても、それは感情に基づいてでなくて、その上でやはり法律をつくってということでないと、やはり市場経済というものは非常にそのことを疑います。恐ろしくてこれは市場経済がやれないように内外ともになりますから、今となりましてはそのことだけを心がけていきたいと思っています。
○鈴木(淑)委員 宮澤大臣おっしゃるとおり、この二年間いろいろありましたが、余り思い出したくないとおっしゃいました、語りたくないとおっしゃいましたが、やはりこれは二年前の金融国会にさかのぼらなければ、なぜ今森内閣が引くも地獄進むも地獄みたいな状態に追い込まれたかというのはわからないと思います。今お配りをいたしました。国民の皆さんには、このパネルで見ていただきたい。
 最初に総理に御確認しましたように、市場経済の鉄則は、借金を返せぬ者は市場から退出するということです。これは金融機関についてもそうです。大企業はもちろんのこと、大銀行だってそうです。ですから、二年前の金融国会で民主党と公明党と私ども自由党が最初に出した野党案というのは、破綻金融機関を市場から退出させるということを原則にした法律を出した。退出させるのを原則にしています。受け皿銀行でも出てくれば別ですよ、そうはうまくいかない、なかなか。だから退出が基本です。
 そのとき、二つの方法を言ったのですね。一つは、小さな銀行の場合は整理管財人による法的な整理を普通にやりましょう。もう一つは、非常に信用秩序なんかへの影響が大きい場合は国が管理しようという方式を出したんですね。このときの国の管理というのは、株だけ買って公的管理下に置くということです。それで、信用秩序に影響が出ないように、整々とその銀行を整理していくという考え方ですね。悪い部分は整理回収銀行へ持っていくということです。いい部分は買い手があれば出すということです。
 それから、海外との取引が一番問題になったのですが、海外との取引については、打ち切りますと特約がいろいろついていて大変です。デリバティブズだけじゃなくて、海外との貸借関係も打ち切るわけにいかない。こういうのは、例えば一括して当時の輸出入銀行、今の国際協力銀行に移すとか、いずれにしても、私ども自由党は整理を原則とした野党案を出していた。私は公明党さんも同じだったと思う。
 それに対して政府の方は、いわゆるブリッジバンク法案を出してこられた。これは破綻金融機関を生かしたまま、きれいにして市場に戻すのを原則とした法案。
 それで、三カ月わいわいやったわけですよ、七月、八月、九月。もうくたびれ果てました。そして、私も自由党の代表としてやりましたから、くたびれ果てて、九月の終わりごろに政府・自民党さんが、野党案を丸のみするとおっしゃったのですね。丸のみするとおっしゃったが、実際は何が起きたかというと、ここに書いてありますように、私どもの、国が管理する整理というのと、政府・自民党のブリッジバンクというのをがちゃんとくっつけまして、国営のブリッジバンクで、長銀のような生きた銀行を生きたまま入れてきて、こうやってきれいにして生きたまま出す、それを可能にする法案に変えちゃったんですね。これは、そのときの自民党さんの担当者、表面にお立ちになった方が今厚生大臣の津島さんでいらっしゃる。
 ここに私は新聞の切り抜きを持ってきました。二年前の十月二日の新聞です。これはもう、各紙一斉に報道しましたよ。日経、読売、毎日、みんな報道した。何て報道したか。津島さんが自民党の中の会合でおっしゃった。私どもは、野党案丸のみといいながら、野党案を換骨奪胎いたしまして、野党の諸君を洗脳いたしまして、長期信用銀行を生きたまま入れて、生きたまま出す法案に変えました、どうぞ御心配なくと言ったと新聞各紙、全部出ている。
 その中で特に誇らしげに言っておられるのは、私どもは破綻金融機関の株を取得して管理することしか考えていなかった、そうしたら、二つ入れたんですね。一つは資産取得を入れましたよ、ブリッジバンクですから資産を取得する。もう一つお入れになったのが、津島さんが誇らしげに言って新聞にでかでかと出ていることで、生きたまま出すときの受け皿銀行に資本注入する、資金援助するというのです。こういうのをまた入れてきた。
 私どもはそれを見るに及んで、これは法律の変質だ、破綻金融機関は原則として整理、それが私どもの考えなのに、それが、原則として生きたまま出す法律に化けてしまった。これが、宮澤大臣がさっきおっしゃった党首会談で、化けたということを私どもの小沢一郎党首が確認した上で、これは私どもの経済政策の原理原則からいって違うと言って、それで私どもはここから、提案者から外れたのです。私も提案者だったけれども外れました。その結果、最後の、現行の金融再生法というのは、自民党、民主党、公明党の三党でできたんですね。私どもはこれに反対票を投じたわけであります。
 総理、これは経済政策の基本にかかわる問題なんですね。自民党さんあるいは自民党の政府が九〇年代を通じてずっとやってきたことは、失礼ながら、問題先送り。住専処理のときからこの不良債権問題、できることなら先へ送る、そして、なし崩し的に解決しましょう、どんとやると経済への影響が大き過ぎるから先送りしましょう。これはしかし、言葉をかえて言えば、日本経済が慢性病になっていくということです。いつまでも不良債権問題を引きずるということです。
 今度のこのそごう問題も、総理、今会社更生法を適用している、さっき言ったライフとか第一ホテルとかあります、あれは二年ぐらいかかりますね。そごうだって、来年の初めに再生計画ができたって、それで再建できるかどうかというのは、あと何年かです。二十一世紀に入って数年間、今の政府・自民党さんのやり方だったら、不良債権問題、引きずっていきますよ。これは一種の慢性病ですから、日本経済、なかなか元気が出ないという状態が続いていっちゃいます。
 私どもは、自由党は、それはだめだ、そういう経済政策の戦略はだめだと言っているのです。いわば手術しちゃえと言っているのです。不良債権問題は一挙に手術をしよう。つまり、破綻した金融機関は、中小企業と同じように原則は整理していこう。これは苦しいですよ。そのときに、経済に対するマイナスのインパクトが来ますよ。だけれども、それをあえてやって、手術しちゃわなきゃ、二十一世紀に入って元気よく日本経済は立ち直れませんよ。
 幸いにして、今設備投資が立ち上がってきたでしょう。財政刺激しなくたって、何とかプラス成長でいけるんですよ。ある意味では、我々が言っている、少しきつい手術をして、根本的にメスを入れて解決して、それですっきりして二十一世紀の日本経済を立て直そう。
 我々は選挙で日本一新と叫びましたけれども、日本一新に持っていくためには思い切った切開手術が必要なのであって、薬飲ませて、何となく散らして、先送りしてなし崩しじゃだめです。いつまでたっても日本経済、元気が出ない。
 実は、このそごう問題の本質には、今申し上げたような経済政策の戦略に関する基本の問題があるのですね。今こそ、私ども自由党が主張している、切開手術をしてでも不良債権問題を解決していこう、筋を通そう、市場経済の鉄則の筋を通して解決していこう。ある意味ではラストチャンスだと思いますよ、設備投資が出てきているのだ。今これをやらないでいて、また来年以降設備投資が引っ込んだら大変です。財政で支えなきゃいけない。
 ぜひ、自民党さん、今この辺でいい意見だと言ってくださっていますが、真剣にお考えいただきたい。日本を立て直すのだったら、真剣に我々自由党のこの戦略をお考えいただきたい。
 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。
○原田委員長 この際、達増拓也君から関連質疑の申し出があります。鈴木君の持ち時間の範囲内でこれを許します。達増拓也君。
○達増委員 私も、慢性化しつつあるモラルハザードの問題、そして、そういうシステムを一新しようというテーマで引き続き質問させていただきます。
 中尾元建設大臣の受託収賄事件についてであります。
 この事件、関連いたしまして、画商福本邦雄の逮捕に発展しております。他にも現職の議員や議員秘書が事情聴取を受けているという報道もありますけれども、法務大臣、これは事実でしょうか。
○保岡国務大臣 先生も御案内のとおり、法務大臣としては、捜査中あるいはそれに関連する事実については答弁を控えさせていただきたいと存じます。
○達増委員 では、伺います。
 福本邦雄を逮捕した理由は何でしょうか。法務省。
○古田政府参考人 お尋ねの事件に関します被疑事実の要旨を申し上げますと、建設大臣の職務に従事していた中尾栄一と共謀の上、若築建設株式会社代表取締役会長の石橋浩らから、同社を建設省職員の再就職先としてあっせんされたい旨、同社の競争参加資格の等級区分をより上位にする取り計らいを受けたい旨、同社を指名競争参加者に選定されたい旨、及び同社を下請業者に選定するよう同省の発注工事の元請業者にあっせんをされたいというそれぞれの請託を受けて、平成八年八月下旬ごろ現金一千万円の供与を受け、もって前記中尾の職務に関してわいろを収受したというものでございまして、罪名は受託収賄罪でございます。
○達増委員 中尾元大臣と当該企業との間の仲を取り持ったということでありますけれども、この画商福本邦雄はほかにもいろいろな企業と政治家の間を取り持っているということで有名でありまして、また特に有名なのが、竹下元総理大臣を最高顧問とする三宝会なるものをつくり、その事務局を務めていたということであります。
 この三宝会については、我々は、その三宝会ができてすぐ、平成九年、新進党時代に、これは民主主義を侵すものであるとして衆参両院で厳しく糾弾したところでありますが、三宝会、竹下元総理を最高顧問とし、大企業の社長や会長数名が代表となって、政界、官界、財界等の名士が参加する会でありました。そして、小渕派の主要幹部や他の主要派閥のリーダー、さらに次世代リーダーと呼ばれるような議員の参加もあったわけであります。
 この福本邦雄、また、さきに逮捕されている許永中、こうした人物が果たした役割は、自民党が竹下元首相を頂点に、時の大臣であるとか、また党の幹部、さらに次世代リーダーと呼ばれる人たち、組織ぐるみでそういう企業との間を、わいろややみ献金等を企業から獲得し、そしてその企業に対して見返りを与える、その仲介、あっせんをこの福本邦雄、許永中らとともに果たしていたのではないか、中尾事件はその一環にすぎないかということで、今回、福本邦雄を逮捕し捜査しているのではないかと思うのですけれども、法務省、そうじゃないのでしょうか。
○古田政府参考人 個別の事件に関しましてのお尋ねは、検察当局の捜査の内容にかかわることでございますので、恐縮でございますが、答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
○達増委員 この問題、検察当局が追及しなければならないのは当然でありますけれども、国会もまたこれは追及しなければならない問題だと考えております。
 およそ、例えば企業が不祥事を、これはだれかその担当部署の個人のミスかもしれません、あるいはだれか一人の判断ミスかもしれません、しかし、とんでもないことをしでかした場合、やはり企業全体として、会社のあり方をもう一度考え直して立ち直っていこうという努力をするのが当然、それは日本という国についてもそうであります。
 政府・与党からそういう不祥事が出て、しかもそれが財界、官界、さらには裏社会といったところとも深く絡み合っている。こういう問題について、先ほども生方委員が取り上げた際に、非常にそれに反対する動きがありましたし、また参考人をこの国会に呼ぶことについても、自民党、与党から非常に反対が出ていると聞いております。検察は特捜部の体制も強化して非常に丹念に捜査されているそうなので、これは頑張ってほしいですけれども、国会としてもこれにきちんと取り組んでいくことを、委員長にもお願いしたいと思います。
 こうした政官財、裏社会のもたれ合いを一気に解消して、この日本のシステムを一新していこうということで野党はあっせん利得罪法案を出しているわけであります。これについて、公明党さんのトーンが日に日に前向きに変わってきているような感じを受けるのでありますが、私からも伺いたいと思います。
 この野党案は、かつて公明党さんが参加したものと同じ内容なんでありますけれども、公明党さんから内閣に入っている続大臣に伺いますけれども、公明党はなぜこれに賛成しないのでしょうか。
○続国務大臣 お答えいたします。
 政治腐敗の根絶は私ども公明党の原点であり、これに対し断固厳しく対処、対応することは今さら申し上げるまでもございません。政治が襟を正す意味でも、きちんと対応し、実効性ある内容にすべきであり、公明党がかつて提出いたしました法案につきましても、さらに検討を要する点があると考えております。
 したがいまして、早急に結論を出し立法化できるよう、ただいま与党三党の政治浄化に関するプロジェクトチームでも協議中でございます。それらを受けまして、次の国会に法案を提出すべく今準備中と伺っておりますので、成案ができましたら適切に対応してまいりたい、このように考えております。
○達増委員 聞くところによると、我々野党案以上に強力な内容を準備しているということもありますので、もしそういうことに今非常に後ろ向きな自民党さんが乗ってこないのであるならば、野党の方にもぜひ相談をしていただきたいと思います。
 次に、久世金融再生委員長の辞任に関連して、これは自治大臣に伺いたいのであります、選挙所管の自治大臣。
 なぜかといいますと、久世前委員長の今回の辞任については、党員集めという名目で数億円の党費を集めなければならない、その集めた金額の多い少ないによって比例の名簿の順位が決まる。それは、お金をこのくらい積めばいわば議席を買うことができる、国会議員の議席を買うことができるということであって、非常にそれは選挙違反、公職選挙法に反するんではないかと思われるわけであります。
 さらに、党費の肩がわりという問題については、いわば一般有権者が本来三千円とか四千円とか払わなければならない党費を、それを払わないでいい、つまりその三千円、四千円の現金を渡して自分の党や自分自身の支持を訴えている。これは結局買収になるんじゃないでしょうか。
 選挙所管の自治大臣に伺います。
○西田国務大臣 お答えをいたします。
 比例名簿の作成は、先ほど来いろいろとお話がございましたように、基本的に政党の裁量にゆだねられたものでございます。名簿登載者の選定につき権限を有する者に利益供与がされる場合を除き、公職選挙法に特段の規制は置かれていない、こう理解をいたしておるわけであります。
 さらにお答えをいたしますと、資金集めによる名簿順位のことについて、公選法に対するお問いがございましたが、自治省としては、個別の事案につきましては、その実態を調査する権限を与えられておりませんので、お答えを差し控えたいと思います。
 ただし、一般論としては、公選法第二百二十四条の三は、名簿登載者の選定につき権限を有する者に対する利益供与を規制するものであり、政党への党費納入はこれに該当しないものと考えております。
 以上でございます。
○森内閣総理大臣 達増議員に。先ほど、自由民主党が多寡によって比例名簿の順位を決めるんだというようなことをおっしゃいましたけれども、我が党にとりまして大変不名誉なことの御指摘がございました。
 参議院選挙の比例の名簿の作成はそれぞれの党で考えるということになっておりますが、政府としては、そういうことに対する立場は、コメントする立場ではございません。
 しかし、先ほど午前中にもこの件について御質問がございましたから申し上げましたが、自由民主党の候補者の名簿の作成は二万名ということになっております。その判断は、前は一万名という時代もございましたけれども、比例の場合の当選は、各党大体五十から六十万ぐらいで一人当選するというふうな計算ができると思いますから、二万の党員とか後援会をつくるということは、これは党勢拡大をしていくということでは当然なことだろうと思います。党員が二万で、それから後援会は百万です。それぐらいの努力をしなければやはり党勢の拡大にならないし、選挙の運動にもならないわけであります。
 そして、名簿の最低の基準を出していただいて、それだけで順番を決めているんじゃないんです。私も幹事長をしていましたからよくわかっております。その中に、委員会にどれだけ出たのか、質問をどれだけやったのか、あるいは各種の選挙にどれだけ応援に出かけたのか、あるいは党の演説会等のそういう活動にどれだけ出たのかということのすべての資料を党本部ではしっかりと把握をいたしております。そういうものを基準にやっています。
 なお、後援会や党員についても、無作為で抽出をいたしまして、全部本物であるかどうか、本人にそういう意思があるのかどうかということまで精度を確かめて、その精度を確かめたものの、また点数がいろいろありまして、それできちっと順位を決めておるんだということだけは、ぜひ御承知おきをいただきたいと思います。
○達増委員 では、総理に伺いますが、そのような調査の結果、自分は名簿に、党員になった覚えがないという人については、それはまさにさっき自治大臣がおっしゃった、自治省としては捜査権限はないけれども、事実関係として明らかになる。その人は自分がお金を払っていない、つまり、議員かその企業に三千円なり四千円なりをもらって、それで党の支持者になった。つまり、それはもう犯罪になるんでしょうから、それについては公表していただけるわけですね。
○森内閣総理大臣 無作為で抽出をして調査をするというのは、後援会のメンバーをそういう形で精度を確かめているということでございます。
○達増委員 法律違反の疑いが非常に強いので、その点はそれぞれの場で調べていただきたいですし、また、法律に違反しなければいいという問題でもないと思うんですね。日本という企業の経営を改善して、世界に伍するそういう日本の経済社会をつくっていくために、より前向きな取り組みが必要だと思うんです。
 そういえば、西田自治大臣は、小渕総理のときに自治大臣になられたとき、西田興産という会社から十九億円借りてまだ返していなかったという問題が明らかになりましたけれども、それはもう返されたんですか。
○西田国務大臣 まだ返しておりません。
 私は、前回自治大臣に就任したときに厳しく批判を受けました。その後、いろいろ改良、改善をしてやっておりますが、額が大きいものでございますから、このことはまだ返済をいたしておりません。
○達増委員 では、総理に伺いますけれども、総理は、御自分の政治団体の機関誌「春風」の広告料、企業から五千万円を超える広告料を得ているということで有名であります。これは、一般の政治献金であればとても、もう上限を超える額ですが、広告料名目で五千万円以上集めている。これは今でも続けていらっしゃるんでしょうか。
○森内閣総理大臣 その発行を今の時点ではいたしておりませんし、こういう立場でございますから、当然活動を停止して中止をするということだろうと思いますが、年に一回ないし二回、そういう後援会の会誌を出します。そのときには、そういう営業として、団体として広告を徴集、集めているということは事実でございます。
○達増委員 久世問題にせよ、中尾事件にせよ、そして今の御答弁にせよ、そういう不透明なもたれ合いの構造というものが今の日本の経済構造改革を阻んでいるし、またIT革命が日本になかなか根づかないということにもつながっていると思いますので、国会でも、そうじゃない日本をつくるため、日本を一新するため、頑張っていかなければならないと思いますので、またよろしくお願いします。
 ありがとうございました。
○原田委員長 これにて鈴木君、達増君の質疑は終了いたしました。
 次に、志位和夫君。
○志位委員 日本共産党を代表して、森総理に質問いたします。
 まず、久世前金融再生委員長の解任問題についてであります。
 総理は、本会議の答弁でも、きょうの答弁でも、任命責任を問われて、結果として辞任せざるを得ない大臣を任命したということはまことに残念であり遺憾であると考えており、深く反省するとともに国民におわびしたい、このフレーズを何回となく繰り返されました。
 しかし、一体総理は何を反省し、何をおわびしているのか、さっぱりわかりません。問われているのは、三菱信託銀行という特定の金融機関から十三年にもわたって総額二億三千万円という巨額の利益提供を受けていた、そういう人物を、そういう事実を知りながら金融再生委員長という金融行政のトップに据えた、この判断の是非であります。
 総理は、この判断は誤りだったとはっきりお認めになりますか。端的に、イエスかノーかでお答えください。
○森内閣総理大臣 直接私は久世議員に確かめたわけではございませんが、大事な問題ですから、イエスかノーで答えるという筋ではないと思います。
 いわゆる金融再生委員長に任命するに当たりまして、過去このことについて報道されましたので、その真偽はどうなっているかということを今の中川官房長官に、これは当時党の幹事長代理でございましたから、聴取をしてもらった。それで、このことの調査の結果、既にこれはきちんとしております過去の問題でありますということで説明がございましたから、私は大臣という立場に任命をいたしました。
 金融再生委員長という大事な立場に、こういう御指摘でありますが、まさにそのとおりでありまして、久世議員は参議院の政審会長をずっとされておられて、極めてこの問題についても精通をされておられる、まじめな方だというふうに私は長い間の彼の政治行動を見ておりましたので、そういう意味で私は御就任をお願いしたわけです。
 ただ、残念ながら御自分で辞意を表明された。そういう大臣を私が任命したということについて深い反省をしております、おわびを申し上げたい、こう申し上げております。
○志位委員 私の質問に答えておりません。
 過去の問題と言われましたけれども、九五年までのことですよ。そんな大昔の話じゃありません。つい最近まで巨額の金銭関係を特定の金融機関と結んでいた、そういう人物を金融行政のトップに据えていいのか。この判断が正しかったか、間違っていたか、これを聞いているんですよ。お答えください。
○森内閣総理大臣 ですから、その問題について調査をしていただいた結果、これは過去の問題できちんといたしておりますということでございましたから、選任をいたしたわけでございます。
○志位委員 要するに、正しかったという判断を今でもしているわけですよ。そうでしょう。結局、調査してみたら問題なかったと。しかし、これはもう三菱側の証言を見ても、事務所の提供をやっていた、自由に使ってもらっていたと。巨額の利益提供が行われていたのも事実ですよ。こんな人物を、金融再生委員長がどうして務まるか。最も厳正、公正であるべきポストですよ。しかも、私たち反対していますけれども、国民の税金を七十兆と使える、それだけの財布を預かるポストですよ。こういう重要なポストにこういう人物がふさわしくないのは火を見るより明らかだ。
 私がこれだけ聞いても、総理はいまだに任命したその判断の誤りを認めないわけですから、あなたが幾ら反省、おわびと言ったって、これは全くむなしく聞こえるほかない。このことをはっきり申し上げておきたいと思います。
 もう一点……
○森内閣総理大臣 今のところだけ申し上げます。(志位委員「では反省しますか。間違いを認めますか」と呼ぶ)ですから、そういう大臣を選んだということについては私は反省していると申し上げているのですが、大事なことですから……(志位委員「判断はどうなんですか、判断は」と呼ぶ)いや、この場でおっしゃっていることですからきちんとしたことを申し上げておかなければいかぬのは、三菱信託銀行から久世議員が事務所の提供を受けていたというのは、これは三菱信託がつくった研究会のためのものなんですよ。その研究会で久世議員が座長を引き受けていたということでありますから、これは自分の事務所ではないという判断を彼はしていたということです。
 ただし、三菱信託の顧問就任の件につきましては、議員になる前の昭和六十年から就任していたけれども、議員当選後は毎年参議院議長にそのことの報告書をきちっと出しておりました、所得の報告書にも記載をするなど正規な手続をとっておりました、こういう報告を受けたからであります。
○志位委員 これだけ事態が明らかになってもまだ久世さんのことをかばい続けるんですから、あきれました。座長を務めただけと言いますけれども、三菱側の証言で、自由にお使いくださいと事務所を提供していた、形を変えた政治献金だったとはっきり言っていますよ。ですから、そういう事態がはっきりしているにもかかわらず、いまだにこの誤りを認めないというんですから、反省を幾ら、百回言ったって、これはもう全然反省したことにならない。
 もう一つ伺いましょう。
 久世氏をめぐっては、マンション業界最大手の大京からの一億円の資金提供の問題も極めて重大であります。久世氏は、辞任の際の会見で、参議院比例区で名簿の順位が上位となるために、霊友会などを通じて集めた三万三千三百三十三人分の党費として、一億円を大京の社長から自民党に支払ってもらったと明言しました。これは大変深刻な問題です。
 比例名簿の上位に登載されるために、そして議員バッジを手に入れるために、支持団体に党員の名簿を提出してもらって、企業から党費を立てかえて払ってもらう。党員というのは、党費を払って初めてまともな党員です。自分で党費を払わない党員というのは、幽霊党員ということです。この幽霊党員の名簿を支持団体に提出させて、幽霊党費を企業から肩がわりさせる、そして議員バッジを手に入れる。久世さんの言うとおりだったら、それが起こっていたわけですよ。
 私は、これはずばり言えば、党費を名目にしたやみ献金で議員のいすを買うものだ、自民党の側からいえば、まさにそういう金で議席を売ってやっている、そういう政党だということになるじゃありませんか。
 私は、自民党党首としての森総裁に伺いたい。この久世さんのやったそういう行為、これは自民党では当たり前の、許される行為なんですか。
    〔委員長退席、斉藤(斗)委員長代理着席〕
○森内閣総理大臣 久世氏にかかわる党員確保の問題につきましては、これは久世氏個人の問題でございまして、私はそのことについては承知をしておりません。ただ、自由民主党に調査をいたしますと、大京から財団法人自由民主会館に寄附があったということは報告を受けております。
○志位委員 久世氏個人の問題で承知していないと。ああいう問題を、公の場で、辞任会見で言ったわけですから、すぐ調べるのが当たり前じゃないですか。いまだにその事実関係もつかんでいないということ自体、こういう問題についてのあなた方の感覚を物語っていますよ。
 それで、自由民主会館に、要するに大京の寄附が行っていたという話ですけれども、仮にあなた方の言ったとおりだとしても、大京が一億円の党費の立てかえをやっていないという証明になりませんよ。こっちに出していなかったという証明にならない。久世議員は、明瞭に、三万三千三百三十三人分の党費、これを肩がわりしてもらったと言っているんですから。これは数字自体が肩がわりを物語っているじゃありませんか。どうしてこんな三がそろうのか。一億円を三千円で割ったからこの数字が出てくるわけでしょう。まさに幽霊党員だった、肩がわりだったということの証明がこの数字じゃありませんか。
 ですから、これは私は、政権党として責任を持って全容を調査すべきだ。そしてきちっと久世さんからも調査して、国民の前に責任を明らかにする、真実を明らかにする。そして問題があればみずから正す。そしてこういう立てかえはもう絶対やらないのが当たり前、そういうルールをきちんと自分の力で確立する、これが当たり前だと考えますが、いかがですか。
○森内閣総理大臣 党の党員の支部というのは、御承知のように、地方の選挙区というのもございますし、それから、今の久世さんの場合の対象になります職域支部というのもございまして、いずれにしても、党員はその職域支部を通じて党本部に持ってこられるものでありますから、それはそれぞれ党の支部が管理をしているということでございますから、そういう意味で、久世氏が党員のつくり方をどういうふうにされたかということは承知しておりません、こう申し上げているのです。
 ただし、一億円というのがあったではないか、また大京の方もそれを渡した、党に納めたというお話がありましたから、これは私は自由民主党に調査をさせました。その結果、自民党の報告によれば、大京から財団法人自由民主会館に寄附がありました。この当該財団への寄附は、党本部の建物及び財産の管理、維持運営の費用として使用されるものであって、個々の議員に対してそれをペイバックといいますか返すというようなことはないという報告を受けております。
○志位委員 私が聞いたのは、久世氏がそう言っているわけですから、立てかえてもらったと。ちゃんとその調査をして真相を報告しなさいということです。この意思はありますか。
○森内閣総理大臣 直接私はまだ聞いておりませんが、党本部として、これは大事なことでございますから、その金額があったのかどうか、そのことの調査をさせた報告が今申し上げたようなことでございます。
○志位委員 今のは大京側の話でしょう……(森内閣総理大臣「いや、自由民主党側の話です」と呼ぶ)久世さんが言っていることと矛盾しているわけですよ。久世さんは一億円肩がわりしてもらったと言っているわけだから、その調査をしなさいと。しないのですか、そんな調査もしないの。
○森内閣総理大臣 久世議員から直接私は伺っておりませんので、久世議員のその御発言に対して、どういう事実であったのかということは党を通じて調べてみたいというふうに思っております。
○志位委員 これはきちんと党として自浄能力を発揮して、しっかりとした事実を明らかにすべきですし、これは、こういうことがまかり通るならば本当に日本の議会制民主主義にとって自殺行為のような、まさに議席の切り売りですから、やみ献金で切り売りをやっているという問題ですから、しっかりとした説明を求めたいと思います。
 そして私たち、この問題を通じてもあっせん利得罪の早期成立、私たちは企業献金の禁止まで踏み込むべきだという提案をしておりますが、それはまさに急務だということをここでも強く述べておきたいと思います。
 次に、そごう問題と金融行政について伺います。
 この問題での国民の怒りは、百貨店という一民間企業の乱脈経営の穴埋めになぜ国民の血税が使われなければならないのか、ここにあると思います。債権放棄による自主再建から民事再生法による法的処理に形式は変わりましたが、国民の多額の血税がつぎ込まれるということは変わりません。先ほども議論がありましたが、むしろ政府が最初にやった試算でも九百七十億円から千二百億円以上に税金投入の額が膨らむ、これは明瞭です。
 読売の投書欄にこういう声がありました。
 なぜ、一百貨店の赤字を国民の税金で補てんしなければならないのか。身勝手なやり方に憤りを感じる。
  銀行に公的資金を注入するにあたっては、金融システム全体を救済することが目的であることが強調されたが、その後、一百貨店の経営失敗のしりぬぐいまですることになるとは、だれが想像しただろうか。
こういう声であります。
 この銀行支援の公的資金の枠組みをつくるとき、預金者保護、金融システムを守る、これは大義名分として言われました。しかし結局、これは進んでみましたら、そごうのような百貨店の借金のしりぬぐいにも税金が使われる、こういうことがわかってきました。これは説明がつかないじゃないか、どう見ても納得がいかない、これは国民の声ですよ。
 まず、総理に基本的な考え方を伺いたいのですが、これはどういうふうに説明されますか。
○森内閣総理大臣 いわゆるそごう問題は、そごうの自主的経営判断によって民事再生法の適用申請がなされたところでありまして、今後、こうした法的処理の枠組みの中で経営者や株主の責任も当然明らかにしていかなければなりませんし、この問題は経営責任の明確化や意思決定過程の透明性というものを十分配慮して、そして、国民の理解を求めることの重要性を示したものとして、私どもとしては重くこれを受けとめております。
 今回の問題を教訓にして、企業の再建はあくまでも自己責任が原則であり、公的資金を用いた破綻処理の過程で債権放棄は安易に認められるべきものではないとの認識のもとで、これから関係方面やあるいは国民に十分な説明をしながら適切な対応をしていきたい、このように考えております。
○志位委員 今の総理の答弁は、結局経過説明をしただけで、なぜ民事再生法に適用になったかという経過説明をしただけで、今の疑問に答えるものになっていません。
 私が提起した疑問というのは、なぜ税金を使うのか、税金を使うことに変わりないじゃないか。国民はそれに納得できないわけですね。そのことに端的に私は説明を求めたのだけれども、説明ができない。これが今の政府の立場だと思うのですよ。
 この問題というのは、私は、銀行の不始末の穴埋めに公的資金を入れる、税金を入れる、六十兆円、七十兆円の枠組みをつくったこと自体が、まさにつくったその必然的な帰結として今のことが起こっていると思うのです。銀行の不始末に税金を入れるということは、銀行が貸し出している債権で回収不能なものがあれば、その不始末も税金で穴埋めするということになるわけですから、まさにそういうことだったと。
 六十兆、七十兆の公的資金というのは、金融システムとか預金者保護とかいろいろと美名が言われたけれども、結局ゼネコンだとかそごうだとか、そういうところまで税金を入れてやる、そういう仕組みだったということが明らかになったのが私は今度のそごう問題の本質だと思うのですよ。
 私は、その角度から、そういうふうにこの問題でその本質が明らかになって国民が納得できない、この声を上げているわけですから、これを機会に、七十兆という公的資金、税金の枠組みを再検討する必要があると思う。
 幾つかの角度からその問題をただしていきたいのですが、まず、瑕疵担保特約の問題についてであります。特にこれは国民の怒りを広げています。
 国が一時国有化した旧長銀を外国投資グループに売却する際に、瑕疵担保特約なるものを結びました。この特約の性格ですけれども、私は異常な不平等契約だと思います。新生銀行に売却した債権の中から、そごうへの債権のように、回収の見通しが立たなくなって損失が出そうになったら、その債権を国が買い戻して損失の穴埋めを税金で行うというのがこの特約でありますけれども、仮に利益が出た場合は、丸々新生銀行のものになります。
 損をしたら国が丸々負担する、利益が出たら全部銀行のものになる、これはだれがどう考えても、この点だけを見てもとんでもない不平等な契約だと考えますが、総理、この不平等性を認めますか。
○森内閣総理大臣 瑕疵担保条項は、いわゆる現行の金融再生法の枠の中で、長銀を速やかに譲渡させる、それから、国民負担というものもできるだけ抑制していくということで、いわゆるこの譲渡先との交渉の中から、民商法の法理を用いて交渉の過程でこれを盛り込まれたものであります。
 ですから、仮にこの瑕疵担保条項がないということになれば、譲渡先が見出せない、そして、逆にまた国民負担がそのことによって相当程度増加するということが見込まれたから、いわゆるやむを得ないものであるというのが金融再生委員会の判断である、このように考えております。
○志位委員 また総理は私の質問に答えないで紙を読みましたね。私が聞いたのは、この仕組み、特約という仕組みが不平等じゃないか、損が出たら全部国がかぶる、利益が出たら銀行のものになる、こんな不平等はないじゃないですかということを聞いたのです。
 今、やむを得ないとおっしゃいましたね。やむを得ないということは、まあ、不平等だけれども、ほかに道はなかったからやむを得ないと。これ、不平等だということはお認めになりますね。
○森内閣総理大臣 できるだけ速やかにやはり譲渡先を見出すということが一番大事じゃないでしょうか。そのためにこうした方法をとってこういう判断を金融再生委員会としてはとらざるを得なかったということだと思います。
○志位委員 速やかに譲渡先を見出さなきゃならないというのは、一時国有化という道に進んじゃったからですよ。進んだら、これはやはり一刻も早くやらないと資産が劣化する、だからそういうことになっちゃった。そこに私たちは問題があると思いますけれども、私がこれだけ聞いても、結局、不平等だということを否定できませんでした、今のお話の中で。
 もう一つ、別の角度から聞いてみたい。私は、この特約というのは、不平等だと同時に不合理きわまるものだと思います。
 アメリカでは一九九一年まで、今度のそごうへの債権の買い戻しと同じように、不良債権を連邦預金保険公社が受け皿銀行から買い戻す、そして損失を丸々負担する、そういう方式がとられていました。プットバック方式と呼んだそうでありますけれども、九一年まではアメリカも今度のそごうの特約と同じような方式をとっていました。
 しかし、この方式は中止された。中止された理由を私調べてみましたら、これは「危機管理」というアメリカの連邦預金保険公社が発行している報告書でありますけれども、一九九八年の報告書です。そこに、この方式を中止した理由として二つ挙げております。ちょっと読み上げたいと思います。
 第一に、受け皿銀行は、簿価を上回る市場価値を持つ債権あるいはリスクの小さい債権だけを専ら選び、その他の債権はすべて返還するという、受け皿銀行による債権のつまみ食いを可能にした。
 第二に、債権を戻すまでの期間の間、受け皿銀行が回収等の努力を怠り、それによって債権価値がさらに劣化するという傾向をもたらした。FDICは、これは連邦預金保険公社でありますが、一九九一年の終わりにはプットオプション、買い戻し方式を処理方法として採用することを中止した。
 これがアメリカの教訓なんですよ。つまり、この方式というのは、受け皿銀行はもうかる債権だけ手元に残して、悪い債権はみんな預金保険公社に返してしまう。そして、不良債権になった方が引き取ってもらえるわけですから、債権管理をやらない、まともな回収努力もしない、債権はどんどん劣化する。二重の弊害が明らかになった。そのことが連邦預金保険公社の出費をかえってふやしてしまって、健全な金融システムの上でもまさにいろいろな問題を引き起こしてしまって、そういう教訓から、アメリカではもう九一年に中止しているのです。もうアメリカでは廃れた方式なんですよ。ですから、外資はみんな知っていますよ、この方式がいかに買い手にとって有利な方式か。それを日本ではいまだにやっている。九年前アメリカで廃れた方式をやっている。
 総理に伺いますけれども、今度の瑕疵担保特約という方式が、アメリカでは、そういう弊害が明確になって、もう既に九年前に放棄された方式だということを知った上で、長銀の処理にしても日債銀の処理にしても、これを進めようとしているのですか、どうですか。総理に伺いたい、総理に。総理ですよ。
○相沢国務大臣 アメリカの例について今お話がございましたが、先ほど委員の御趣旨は、こういうような瑕疵担保特約がついていると、要するに、買い主について一方的にもうけさせるのじゃないか、こういう御趣旨の御質問だと思うのであります。
 ただ、今回の長銀あるいは日債銀にいたしましても、売る場合は、御案内のように、貸出関連的債権の全部を承継するとなっているのですね。それから引当金は、売り主の方で算定したものをそのまま出している。それからまた、これはやはり預金者だけじゃありませんで、当該銀行から金を借りている人たち、それに対する配慮があるわけでして、三年間は債権の急激な回収をしないというような条件もついております。
 そしてまた、瑕疵担保につきましても、少しのそういう瑕疵があればすぐそれの償還をということじゃありませんので、御案内のように、二割の欠損がある場合に初めて請求ができるわけでありますから、二割に満たない部分については当然買い主についてはそれは損になるわけであります。言うなれば、卸でやったということでありまして、要するに、厳密な意味においての資産、さらに査定をした上でやったことではない、そういう売り方ではなかったということから瑕疵担保条項がついているということであります。
    〔斉藤(斗)委員長代理退席、委員長着席〕
○志位委員 今の説明でわかった国民の皆さんはいないと思いますよ。
 私なりにちょっと翻訳しますと、要するにあなたが言いたかったことは、資産を一括して引き取ってもらう、それから資産査定は国がやっている、だから向こうにもリスクを負ってもらっているんだということでしょう。しかしそれは、悪いものや見込み違いがあったら国が全部引き取って負担しましょうということを言いかえただけじゃありませんか。私が言ったのは、利益が上がったら全部銀行のものになっちゃう、損失が出たら全部国民負担になっちゃう、こんな不平等な契約はないじゃないかというふうに言ったわけですよ。
 それから、二割の減価ということを言いました。私、これも全然説明になっていないと思います。私はむしろ、それはますます回収努力を怠るということになると思いますよ。つまり、一〇〇%回収できないとなれば、例えば債権が一割減価した、一割減価しただけじゃ買い戻してもらえないから、そういう中途半端なところでとどめないで、二割減価までほったらかしておく、そして買い戻してもらう、全部回収する、そういうまさにモラルハザードを生んでいくわけですよ。現に新生銀行は、信販会社のライフだって、第一ホテルだって、そごうだって、そういうやり方で全部国に見させようとしている。金融業界の中からも、これは虫がよ過ぎる、そういう声が上がっているじゃありませんか。
 私、ですからこの問題、瑕疵担保特約、本当に不平等という点、それからアメリカでは不合理だということは証明され済みのそういう方式を日本で今度、何兆円というお金を扱う、税金にかかわる問題で勝手に導入した、この責任は極めて重大だ、このように思います。
 そこで続けて、私、なぜこういう不平等かつ不合理な特約を結んだのか、この問題が重大だと思うのですね。総理に伺いますよ。これも私、根本は一時国有化の帰結だと思います。つまり、一時国有化という方法によって長銀の不始末を税金で丸抱えで処理をする。国が一たん買って、税金できれいにして、そしてどこかに売り渡してやる、この方式をとったことがまさに特約につながっていると思います。
 一時国有化というのがどういうものだったのかは、長銀を見れば明瞭です。長銀でいえば、まず不良債権は三・六兆円もの税金によって穴埋めされました。さらに、外国投資グループに売却する際に、含み益だとか資本注入だとかの形で五千億円近い金が持参金としてつけられました。そして、その上、譲渡先に売却した後で出た損失については、また国が丸抱えで負担してやろうという特約まで結んだ。私は、はっきり言って、これは税金投入のモラル破綻が起こっている、こうしか言いようがないと思います。
 売り手の預金保険機構からすれば、これは穴があいたら全部税金で見てもらえるというものがあるから、銀行にとってどんな甘い条件もみんなのんで、とうとう特約まで結んでしまった。歯どめがきかないわけですよ。買い手の銀行業界の側もどうかといえば、歯どめがきかない。銀行業界の共同負担じゃなくて、税金で穴があいたら見てもらえる、こうなりますから、どの銀行もとんでもない虫のいい条件しか出さない。旧長銀の売買に当たっても、三井・中央信託が買い取る条件なんか出たそうですけれども、今度は一・五兆円の引当金を税金で積めとか、とんでもない虫のいい条件を出したそうです。
 結局、買い手も売り手も、全部税金で見てもらえるということでもうモラルハザードに陥って、そしてこの特約まで行き着いてしまった。私は、一時国有化というボタンのかけ違いをやったことが必然的にこの不平等かつ不合理な特約に結びついた、こう考えますが、総理、そうでしょう。
○相沢国務大臣 一時国有化の方式について御意見がございましたが、これは先ほど来お話が出ておりますように、一昨年のいわゆる金融国会におきまして、与野党折衝の結果成立したものでございます。
 特に、金融再生法につきましては、野党の案をほぼ取り入れてやっているわけでありまして、この点に……(発言する者あり)わかっております。この点につきましては、私どもはちょっと意見を差し控えておきますが、ただ、全く買い主の方の丸もうけになるようなものじゃないかということをおっしゃいましたけれども、そうじゃないでしょう、先ほど申し上げましたように。
 つまり、買い手の方としてはデューデリジェンスもやってないわけなんです。ですから、言うなれば、言い値と言ってはおかしいんですが、それでもって引き取っている。
 しかも、おっしゃるように、例えば住専の場合のようにロスシェアリングの規定があれば、また委員も納得されるんでしょうけれども、しかし、この法律にはそれがないんです。後の法律につきましては、預保の、四月からの適用になります法律についてはその規定もありますが、これにはありません。
 ですから、瑕疵担保の条項を民法、商法の規定の精神を体して設けたわけなんです。そうでなければ、この話はまとまらないということを御理解いただきたいと思います。
○志位委員 そうでなければまとまらないということは、結局、一時国有化という道へ行ったら、特約じゃないとまとまらない、これは必然的帰結だった、やむを得なかったということですね。つまり、一時国有化の帰結が特約だったという、この因果関係は認めますね。
○相沢国務大臣 それは、大変表現が不適切かもしれませんけれども、これはのんべんだらりんとほっておくわけにいかないんですね。そこで、早急に国有化の銀行を、これを譲渡するということが政府として与えられた責務でございます。
 そこで、では、だれに売るかということについては、それはいろいろと、もちろん十分慎重にその対象を選んだ結果、交渉をしたわけでありますけれども、その交渉過程において、やはりそのような瑕疵担保条項はつけなければなかなか話が成立しなかったということはあるわけでございます。
○志位委員 結局、一時国有化という道に踏み出したということが瑕疵担保に行かざるを得なかったという答弁ですよ。
 日債銀でも同じことが起こっているじゃないですか。結局、一時国有化というやり方をとったら、この瑕疵担保特約しか出口がない。特約をやらなければ、今度は引当金をもっと積めということになる。引当金も積まなければ清算ということになる。結局、どこへ行っても袋小路になる。それが、一時国有化というところが間違っていたんですよ。そこまで立ち戻って、今の七十兆円の枠組みをしっかり再吟味する必要があると私は思います。
 私は、この点でもアメリカの経験が非常に重要だと思います。アメリカでは、八〇年代のSアンドL、貯蓄貸付組合の破綻処理に莫大な税金を入れた反省に立って、九一年の法改正で破綻銀行処理への税金投入を禁止し、処理の費用は銀行業界の共同負担で賄う、自己責任のルール、これを確立しました。
 同じ改革で、先ほど言われたロスシェアリング、これもつくりました。つまり、連邦預金保険公社は、受け皿銀行との関係で、損失を通常八割程度しか持たない、残りの二割程度は受け皿銀行の負担になる、回収益が仮に出た場合には受け皿銀行がその一定割合を預金保険公社に払い戻す、これが今のアメリカの仕組みです。なかなか合理的な仕組みじゃありませんか。こういう合理的なルールを確立したんです。
 アメリカではなぜこの合理的ルールが確立できたかといえば、破綻銀行への税金投入を中止したからですよ。中止したから、そして銀行業界の自己責任原則を確立したからできたんですよ。だから、これを確立すれば、預金保険公社には費用支出を最小限に抑えるという力が働きます。自然の力が働きます。それから受け皿銀行にも、ある程度の負担を引き受けざるを得ないという、これも自然の力が加わるんです。だから、こういう合理的なルールをつくれるんですよ。
 日本は逆なんです。日本は、税金を入れた結果、両方の力が働かないわけです。費用を最小にするのじゃなくて最大にする法則が働いちゃっている。売り手の方はどんな厳しい条件でも全部のんで売っちゃう、買い手の方はどんな虫のいい条件でも全部つけて要するに買いたたく、これになっているわけですよ。まさに税金投入という道筋をつけたことが、もう税金を入れ始めちゃったことが、とめどもない税金投入のモラルハザードを起こしている。これが今の日本の現状じゃありませんか。総理、どうでしょう。
○森内閣総理大臣 志位議員から随分アメリカのシステムの評価があるというのは、大変私も参考になりました。
 金融システムというのは、やはりこれは経済の動脈でありますね。だから、経済を安定させるということは、何といっても金融システムを安定させよう、今もいろいろ御議論ございましたし、先ほどの宮澤大蔵大臣もお話がございましたように、何とかして金融システムを安定させようということで、あの二年前の国会は、各党それぞれ、皆まじめにいろいろな議論をしたと思います。そういう議論の中からこの金融再生法を選択した。これは国会の意思であったわけでありますから、その意思の中で、この再生法の中でこの解決を見出していこうということであります。
 共産党さんといいますか志位さんは、今のようなお考えはその当時もおっしゃっておられたことはよく私どもも承知をいたしております。しかし、現実問題として、やはり金融システムは今安定する方向に行っているんじゃないでしょうか。そして、経済のいわゆる不況も、経済もだんだん回復していい方向に行きつつあるわけでありますから、そういう選択を、みんなで各党で協議をしながらそういう方向を求めたということだというふうにやはり理解をしていただきたいと思うんです。
○志位委員 金融システムの安定のためだとおっしゃいましたけれども、私たちも二年前の金融危機の際に、この危機からどう脱出するかという提案をいたしました。金融パニックを起こさないためには、預金者の保護をやる、健全な借り手の保護をやる、これは当たり前です。問題は、そのコスト負担をどこでやるか。私たちは、銀行業界の共同の負担でやるべきだ、税金を使うべきでない、このことを主張しました。そして、仮に当座の資金が不足するならば、日銀の借り入れをやったっていい、日銀が貸してやったっていい、銀行業界が十年、二十年かかってでも返すべきだと。戦前も、昭和恐慌の際に昭和銀行をつくりましたけれども、あのときも税金を入れていないのです。日銀の借り入れで賄って、銀行業界はちゃんと返したのですよ。戦前のバンカーの方がはるかにモラルがあった。
 私、最後にもう一つ伺いたいのですけれども、そごう問題というのは、結局、銀行を使った、七十兆円の銀行支援の枠組みがどんなに私は不合理だったかということを明るみに出したと思うんですよ。私、国民に何をもたらしたかの総決算が今必要だと思います。
 まず第一に、既に七十兆円のうち二十一兆円を超える公的資金が投入され、九兆円を超える公的資金はこのままでは返ってこない、国民負担になります。これが財政破綻になって今広がっているわけですよ。そして、国民の暮らしを圧迫し、増税の不安を広げている、これが一つです。
 それから第二に、預金者保護というけれども、預金者は結局、大銀行に巨額のもうけを保障するための超低金利で利子がほとんどついてないじゃないですか。利子あってこその預金者ですよ。利子をつけないで預金者保護とは、もう聞いてあきれる。
 そして第三に、貸し渋り解消というのが大義名分でしたけれども、私、調べましたら、この二年間で、資本注入を入れる前と後と、全国銀行ベースで何と中小企業向けの貸し出しは二十三兆円減っている。これも全然効果を上げていません。国民には、税の負担増、それから超低金利、そして貸し渋りが悪化する、三重苦をもたらしている。
 私、最後に一点聞きたい。それじゃ、この税金投入の枠組みをどんどん広げていった期間に、銀行が払っている預金保険料を一円でも上げましたか。総理、どうでしょう。どういう御認識でしょう。銀行の負担、ふえましたか。事実だけ。総理、どういう認識ですか。負担しているという認識なの。
○相沢国務大臣 銀行の預金保険料は、こういうようなことが起きる前は、私の記憶ではたしか〇・〇一二%だと思います。そこで、それを、三年前でしたか、ちょっと記憶があれですけれども、根っこを四倍に見ましたから、〇・〇四八、その上に特別に〇・〇三、三六を積み増して、その結果が〇・〇一二の七倍、つまり〇・〇八四になったわけですね。ですから、その保険料はそういうことでもって引き上げたわけであります。
○志位委員 引き上げたといっても、アメリカのピークの三分の一ですよ。業務純益をバブルのときの一・五倍も上げている銀行に対して全然負担増を求めないで国民に莫大なツケを残すというやり方はもう直ちに中止して、私は、税金投入は中止して、銀行の不始末は銀行の責任で解決する、このルールに立ち戻るべきだということを強く主張して、質問を終わります。
○原田委員長 これにて志位君の質疑は終了いたしました。
 次に、横光克彦君。
○横光委員 社民党の横光克彦でございます。よろしくお願いいたします。
 六月二十五日に国民の審判を受けてから最初の予算委員会でございますが、この間に多くの課題が山積しているわけでございます。
 総選挙直後の六月三十日、中尾元建設大臣が、国民が最も嫌う、いわゆるわいろをもらって、そして受託収賄罪という形で逮捕されるという事件が起きました。私は、政治というのは、よく言われますけれども、まさに一寸先はやみだなという言葉がございますが、今回の中尾元建設大臣の逮捕は選挙の五日後でございましたが、もし選挙の前あるいは選挙中であったならば、国民の選択、審判というのはかなり違った結果になったのではなかろうか、そのことによって現在の政治体制さえも変わっていたのではないか、そんな気さえするわけです。まさに政治というのは一寸先はやみだなという気がいたしておりますが、そういった現実であるということを、閣僚の皆様方、どうか認識をしていただきたいということでございます。
 中尾建設大臣の逮捕は、やはりこれはどう見ても、大臣が公共事業を媒介に金と票を集めるといういわゆる政官業の癒着構造がいまだ不変のものであるということを国民の前にまたもや明らかにしてしまった、私はそういう気がいたしております。
 その後、建設省のトップが絵画やあるいは金銭の提供も受けていた事実も出てきた。国民が一番びっくりするのは、大臣が大臣室で現金を受け取っていた、あるいは公用車の中で受け取っていた。こんなことが本当にまだ日本のトップの中で、国政の中で行われているのかと、改めて国民は、私は、もう驚きを通り越して、まさにさらに激しい政治離れが進むのではないかと大変危惧をしているわけでございます。その上に、今回の久世前金融再生委員長の辞任ですよね。
 この臨時国会、そういった意味からも、最大の課題は、多くの課題がある中で、とにかくこの臨時国会で国民の皆様方の前にもっともっと明らかにしていかなければならないことは、いわゆる中尾問題の徹底究明はもとより、公共事業をめぐる政治家と官僚とゼネコンとやみ金融、こういった勢力のつながりの解明、そしてまた、それらを何とかしてとめていこうというあっせん利得罪の成立、これが今国会の最大の課題だという気が私はいたしております。
 本当に、私は国政の場に来て七年になるのですが、何でこんなに日本の政治というのはいつも国民を愚弄するような政治家の腐敗事件が絶えないのだろうかと、いつも責任とともに胸が痛い思いがするのですね。ロッキード以来、リクルートやあるいは佐川や共和や、いろいろな事件が起きました。それに懲りずに次から次から、政治家の腐敗事件のない年があったでしょうか、今回の中尾元建設大臣の逮捕に至るまで。本当に国民に私たちは申しわけないことをしているんだ、そういった自覚を本当に私も含めて全員が改めて持たなきゃいけない、襟を正さなきゃいけない、そういったことを強くまず要望いたします。
 そういった中で、久世前金融再生委員長の辞任の件でちょっとお聞きしたいのですが、金融再生委員会がなぜ発足したのか、そのことをまず思い起こしていただきたいわけでございます。大蔵汚職問題も絡んで金融行政に対する信頼が根底から崩れ去っていたときに、財政と金融、この分離を図り、金融改革が求められる中、いわゆる護送船団行政から金融行政を公正、透明に転換しよう、そういうねらいで発足したのですよ。
 ですから、金融再生委員長というものは、日本の経済の再生にとって不可欠の金融システムの危機管理やあるいは金融改革をつかさどる、本当に重職である。とりわけ、そごう問題が今国民の不満を高めている中で、非常に重要なポストであったわけです。
 ですから、金融再生委員長に一番求められるのは何でしょうか。私は公平だと思うのですね。ところが、元の越智金融再生委員長、二代目、これが、いわゆるその公平さを欠くとも言われる手心発言で辞任に追い込まれた。まあ、更迭ですよ。そういったことがあるにもかかわらず、今回も同じ金融再生委員長が、いわゆる金融業界からの多額の利益供与を受けたという、まさに公平さを欠くような形で、これまた事実上更迭された。
 なぜこのような閣僚人事に踏み切ったのか。単に閣僚を更迭すればそれで事が済むという問題ではないと思うのです。なぜこのような閣僚人事に踏み切ったのか。やはりこれは総理として大変大きな任命責任があるわけで、また、国民にちゃんと説明をする義務があると思います。お答えいただきたいと思います。
○森内閣総理大臣 久世金融再生委員長は更迭ではなくて、いわゆるみずから辞表をお出しになられたということでありまして、そのことについては、私は、みずから辞表を出される久世氏を金融再生委員長にしたことについては極めて遺憾なことで、また残念なことであり、このことについてはたびたび、本会議も通じ、きょうも何度か皆様におわびを申し上げているところでございます。
 ただ、久世議員は、参議院の時代から私もよく知っておりますし、本当にまじめな、政策のことに一生懸命取りかかっておられる、そういう方でもあります。また、自治省での長い御経験もあります。そういうまじめな、政策通である、また我が党の参議院を代表する政策の責任者でもあったという、そういうお立場から、この金融再生委員会の委員長に最も適しているということで私はお選びを申し上げたわけであります。
○横光委員 今、更迭ではないという話ですが、私は事実上と言ったのですが、要するに、更迭に追い込まれるような形を結局周りがつくり上げてしまったわけじゃないですか。(発言する者あり)それはもう明らかに更迭でございますよ。
 今総理は、大変な政策通であり、そういった意味で、参議院でも非常に努力家であったということで、任命したというお話でございます。組閣前に、いわゆる告発文とも言える投書が官邸やあるいは自民党の幹部の皆様方のところに届いたと聞いておりますが、総理はこの投書を直接読まれましたか。
○森内閣総理大臣 最近は特にそういう時代なんでしょうか、また総理になってからもそうでありますが、とにかく投書だとかファクスだとか、いろいろなものが来ます。私は、もうそれを一々見ているというのは自分でも不愉快になりますし、まじめなお手紙もございますけれども。また、いわゆるメールも届きます。もう大変な数です。ですから、一々見ておると本当に気がめいってしまうことも多うございますから、投書は、いや、もちろん励ましもありますよ。しかし、投書は原則として私は見ないようにいたしております。
 今回の場合も、この投書は、残念ながらというんでしょうか、見ておりません。見ておりませんが、そういうお話が過去に新聞に出ておったということもございましたから、数年前ですね、今の問題が。ですから、これは、中川当時自民党の幹事長代理でございましたから、幹事長代理に、少しつまびらかに調査をするようにということはお願いをいたしました。
○横光委員 中川官房長官にお尋ねいたします。
 総理からそういった依頼を受けたということは、その文書をじかに読まれたんですね。
○中川国務大臣 お答えいたします。
 これは総理から、任命権者として誤りなきを期すために調査をする、私はまだ官房長官を拝命はいたしておりませんでしたが、幹事長代理ということで、ひとつ頼む、こういうことでございました。
 しかし、党の方にはそういう文書が来ていたようでございますけれども、官邸の方へそういう文書が来ていたかどうか、総理もごらんになっていないし、あるいは秘書官からもそういうものが上がっていたわけではございません。
 したがって、私がいたしましたことは、ここにもございますが、過去の新聞報道、五十……(横光委員「見たかどうかだけでいいです」と呼ぶ)見ておりません。
○横光委員 投書を見ていなくてその中身が――その後で、じゃ、いや、総理から依頼を受けた後のことを言っているんですが、投書はちゃんと見たんですね。
○中川国務大臣 どの時点でありましょうか、いずれにしても、調査をしろと言われたときの時点では投書は見ておりません。
○横光委員 調査するときに、その投書を見ていなきゃ調査できないわけですから、ごらんになった。
 私も実はその投書を見たんですが、私のような政治家からすると、こんなことは本当かなということがまず第一印象でした。すさまじいことが書かれているんです。
 ですから、それは匿名の投書ですから、今総理が言われたように、一々読むわけにもいかない、一々気にするわけにもいかない。匿名の投書で、真偽はわからないわけですから。でも、久世さんのことを書かれていて、組閣の前に候補者になっている人の投書が来た、しかもそれに書かれている内容はすさまじいことが書かれている。となると、これはまず真実かどうかということが一番問題なわけですね。真実であるかどうか、それを恐らく査定をしろと言われて、査定をされたのが中川さんだと思う。この投書の内容が正しいのか正しくないのか。正しければ大変なことであるし、正しくなければそれはそれでもう見過ごせるわけです。ですから査定をしたわけですね。
 最初の、例えば、これに書かれておりますね、一番最初に。初当選以来十五年にわたり三菱信託銀行からTBR四〇一号室の無償提供を受けている、見返りとして、本店課長クラスを私設秘書として常駐させ、党本部政調の財政金融に関する部会に代理出席させ、資料入手して、本店への報告義務の任に当たらせている。これを確かめたんですか。
○中川国務大臣 何度も申し上げますが、匿名の投書で政府の調査をするなどということは、私はいかがなものかとも思います。
 総理の御指示は、久世さんのことについていろいろ流れているようだから調べろということで、まず過去の報道を全部調べました。その報道では大京のことは一切出ておりませんでした。
 以上でございます。
○横光委員 投書があった、それを一々確認するわけにいかない、わかるんです。ただ、今言ったように、組閣前に候補者の名前が来て、こういうのが書かれていたら、もしこれが真実だったら大変なことになると思わなかったんですか。そうしたら、調べるでしょう。どうぞ。
○中川国務大臣 ですから、何度も申し上げますように、総理からそういう御指示でございましたから、過去報道されているようだということでもございましたから、そういうものも全部調べました。
 ここに、当時の、九五年あるいはまた九四年、あるいは平成十一年ですか、そういう新聞がございます。その中には、三菱信託銀行からの顧問料、あるいはまた霊友会等からの党費分ということでの貸し付けといったような御本人の弁も載っておりまして、そういう記事がございました。それについて調べさせていただきました。
○横光委員 それで結局、調べた結果問題ないという結論に陥って、任命されたわけですね。
○中川国務大臣 まず、顧問料のことは、議員になる前の昭和六十年から就任をしておりまして、そして、議員当選後は参議院議長に毎年報告書を提出しているという、所得報告書にも記載をするなど正規の手続をとっていた、こういうことでございました。
 それから、霊友会から資金提供を受けたという報道については、これは借入金であるということで、そういう手続をし、担保提供もし、現在利息も含めて返済中である、こういう御説明でございました。
 また、関係者のことも伺いましたが、そういう御説明でございました。
○横光委員 ということで、問題なしという観点から任命された。
 確かに、法的には問題なかったんでしょう、時効とかいろいろなことでですね。ただ、もしこれが事実であるとしたならば、道義的、倫理的に大変な問題であるという意識は持っていた。これは、いずれ表面に出たときには大変なことになるぞという気持ちがありながら、あえて私は任命を強行したんじゃないか、これは憶測でございますが、問題なしとした。
 この問題なしとしたということが実は大変な問題なんですよ。私はこの投書を見たときに、これを問題なしとする感覚というのはちょっとわからないなという気がしたんですが、問題なしとするならば、総理はいわゆる適材適所ということで任命されたとおっしゃっています。久世氏は、確かに政策通でありましょう。しかし、金融関係に対しては、本人がみずから、金融においては素人であるというような発言もされているんですね。これが適材でしょうか。
 そしてまた、私は、いわゆる適材適所というよりも、どうしても、言われております滞貨一掃とか派閥順送りの弊害が出てきた最たるものじゃないかという気さえするわけでございます。
 いわゆる適材適所であるならば、問題なしとするならば、なぜ受理を受けたんですか。貫き通せばよかったじゃないですか、適材適所であり問題ないんだから。
○森内閣総理大臣 滞貨一掃だとか派閥順繰りなんというようなことは、それはマスコミで報道しておるのかもしれませんが、余りあなたのような立派な政治家がこういう場所でお話しされるには不適切な表現だと思って、私は大変残念です。長い間あなたのことを随分よく承知しておりますから、ちょっと残念でした。
 しかし、個人が、そういうことで、この金融再生委員長としての仕事をすることについて大変御迷惑をおかけすることになるので辞退をしたい、こういうお申し出でございましたから、私は受理をいたしました。
 ただ、先ほども申し上げたように、本当にまじめな方でありますし、それから、直接、金融の問題云々というお話がございましたけれども、先ほどから志位さん初めいろいろ議論に出ておりましたように、金融国会等でこの金融システムをどう安定させるか、そういう時期に、やはり、参議院を代表する政策を審議していく、そういう責任の立場におられましたから、一番こうしたことについては詳しい知識をお持ちだ、そういうふうに私は感じたからお選びをさせていただいた、そういう意味で適材適所というような判断をしたわけです。
○横光委員 今もそうですが、辞任の理由について、内政、外政の諸課題に内閣が全力で取り組むべきときに妨げになることを避けたいという、そういった辞表のあれだったので、判断を重く受けとめたというお話でございました。
 では、あくまでも、任命して、そしてまた不適切な部分があったということで受理を受けたわけじゃないんですね。あくまでもそういった国会対策上の問題で、そういった判断をされたので受理を受けたわけですね。そういった疑惑、金銭提供、事務所提供、いろいろな問題があったということは、あくまでも今でも間違いではなかったということなんですか。
○森内閣総理大臣 私は、御選任を申し上げたのは、先ほどから繰り返して申し上げている久世議員のまじめな、政策の担当の責任者をしておられたということから選任をさせていただいたということです。久世委員長は、内政、外政の諸課題に内閣が全力で取り組むべきこの時期に、久世委員長個人に関することが、いささかでも金融行政に誤解を与え、その妨げになることは絶対に避けたいという、そういうお考えのもとからみずから辞表を出された、こういうことであります。
○横光委員 久世氏は、辞任の会見で、個人的な問題だとか法律に触れないとか過去の問題であるという言葉を繰り返して、いわゆる国民に対しての謝罪の言葉は聞かれなかったのですね。また、久世氏は、この辞任のときに、自民党の比例代表選挙は膨大な党員数を集めなければならず、党員集めの資金はその支援団体が党費を見る形になっている。いわゆる参議院の比例代表制の中で生き残るために、要するに、久世氏はある意味では私は被害者ではないかという気がするのですね。結局、そういった制度の中で生き残っていかざるを得ない、そのためにはいろいろな形で支援を得なきゃいけない。それは、金銭的でもあり、あるいは党員という形でもあり、いろいろな形でそういった立場にあった。いわゆる最低ランクを、名簿のランクを得るために、あるいは、私はある意味では被害者ではないかという気さえ今回の状況を見たときにしたわけですよ。
 ですから、今回中央省庁のOB、つまり今回は久世氏のことですが、自治省から国会議員になられているのですが、そのOBが出馬して、名簿は友好団体である霊友会から提供して、党費は企業である大京あるいは三菱信託が負担するという構図が成り立つわけですよ。
 そうしますと、やはり当選した議員は何を考えるか。やはり、党費を肩がわりしてくれた、あるいは党友の名簿をくれた人たちのことを考えざるを得ない。また、それだけの膨大な金を提供した、肩がわりした企業は何も求めないわけがない。実際はないとおっしゃっています。国民はそんなことを信じられないのですよ。というか、そういった構図をつくってはいかぬということを国民は今求めているんじゃないでしょうか。
 ですから、先ほどからお話ございますように、幽霊党員とか、あるいは肩がわり――肩がわりというのは、ある意味では金で票を買うのと同じという意識を国民は持ちますよね、肩がわりするわけですから。こういった現在の自民党の中での参議院選の比例登載名簿のあり方について、総理はどのようにお考えですか、総裁ですから。
○森内閣総理大臣 これは先ほどの他の議員の御質問の際も申し上げましたけれども、比例代表の候補者の順位を決めるのは、党員をどれだけ獲得したかというその多寡によって決めているわけではございません。少なくとも最低二万名の党員、ある時期は一万名という時期がございましたけれども、今は二万名というふうに規定をいたしております。それは、その程度の党員を集めるということの運動をしなければ、やはり衆議院でも、恐らく横光議員もかなりの五万以上の得票をとっていらっしゃっているわけでしょう、ですから、やはり皆それぞれ、衆議院でも五万や十万ぐらいの得票をとらなければ勝てないわけですね。それから、参議院の比例の場合は大体五、六十万で一人とれるということになるかなというふうに、若干おぼつかないのですけれども、私はそう記憶をいたしております。
 ですから、その党、自由民主党にそれだけの投票をとるためにはいろいろな運動をしなきゃならない。その運動をするために党員を獲得することも大事だし、それから後援会の会員を集めることも大事なわけですね。しかし、そのことによって順位を決めているわけじゃないのです。何度も申し上げますが、それは、ある意味では候補者としての最低のノミネートといいましょうか、その資格条件というふうになっているわけです。
 ですから、現実に順序を決めるのは、国会活動というのはどれだけやっていらっしゃるか、委員会へどれだけ出てきたか、欠席はなかったか、本会議はどうだったのか、それから各遊説にどれだけ参加をしているかとか、応援にどれだけ出かけたとか、部会でどういう発言、どういう政策を出したとか、実に細かなことをやっているのです。
 ですから、そういうことを全部組み合わせて総合的に順序というのを決めているわけですから、これはくどいようですけれども、テレビを通じて国民の皆さんが、自民党はそんなふうに順序を決めているのかと思われたのでは極めて私どもとしては残念なことでありますので、このことだけは総裁として明確に申し上げておきたいと思います。
○横光委員 いろいろな政治活動を考慮するというのはもちろんわかりますけれども、やはり党員の数といわゆる党費が根本にあるわけですね。政治というのは金がかかるとよく言われますが、今回国民の皆様方がこういった実態を見たときに、これは相当すさまじく金がかかるんだなと改めて思ったと思うのですね。やはり、金がかかるならば、何とかして金をかけないような方法、制度改正、こういったものにこれから私たちは知恵を絞って取り組んでいかなければならないという気がするわけでございます。
 今、これまで私、総理やらのお話をきょう一日委員会で聞いておるのですが、何か総理や自民党さんの皆様方の常識、感覚といいますか、これは私なんかとかなりずれがあるなという気が物すごくするのですね。
 去る四月に、ある企業が高校生の職種アンケートというものをやっているのですね。職種イメージ調査というものをやっているのですが、これを見ますと、皆さん方も御承知の方がいらっしゃるかと思いますけれども、これからの高校生が一番なりたくない職業は何ですかと。男女とも政治家がトップなんです。私はこの報道を見たときに、同じ政治家ですから大変責任を感じると同時に、これはつらいことだなという気がしたのですね。
 これは高校生のせいじゃないのですよ。高校生がそういうふうに答えざるを得ない、そういう状況をつくっている私たちの責任なんですよ。二十一世紀、もう十年か十五年すると私たちの国の中枢を担う人たちが、一番なりたくない職業は政治家だと男も女も答えてしまった。これは日本の悲劇と言ってもいいんじゃないですか。
 本当に、今こそ私たちは襟を正すときじゃないか。何十年かかっても国民が政治を信頼しない、政治から離れていく。さきの衆議院選挙も、一億人を超えた有権者の中で、投票率六二%ですか、約四千万近い人たちが投票に行っていないのですよ。この現実を考えてくださいよ。四千万人の人が、いろいろな理由がある人もいます、しかし、それだけの人たちが政治に、国政の一番中心である衆議院総選挙に参加していないのですよ。これはなぜか。やはり一票を行って投じよう、だれに思いを託そうという気持ちが起きないんじゃないですかね。そういった意味からも、これは高校生だけの問題じゃなく、国民全体がそういった問題意識を持っているんじゃないかという気がするのです。
 これは私ごとですが、私、実は前に俳優という仕事をしていました。そのときに、テレビでもいろいろなドラマの中で、今でもそうですよ、国会議員の役が出てくるドラマがあるでしょう、残念ながら、いい役はほとんどないんですよ。どうしても悪いイメージの役。私がやっていたときも、最後の最後はやはり国会議員が黒幕であったというストーリーが多かった。そして最後は、それを逮捕に向かってずっとズームアップするのが国会議事堂なんです。そうすると、見ている人はそういうようなイメージを植えつけられていく。それに当時は私さえも反発を持たなかった、それが当たり前だと思って。
 ところが、今、その中で働いている私にとったら、そういったことは物すごい反発を感じるわけですね。たった一握りの人たちのためにすべてがそういうふうに思われている、これは非常に残念だなという気がする。ですから、こういったアンケート結果に総理はどのような感想をお持ちですか。
○森内閣総理大臣 私はそのアンケートを見ておりませんけれども、やはり、選挙の厳しさでありますとかそういうものがいろいろな形で伝えられる、あるいは、今横光議員が言われるような政治家に対するいろいろな批判等もあるのだろう、これは当然謙虚に受けとめなきゃなりません。
 しかし、基本的に大事なことは、端的に申し上げて、それぞれに皆さんが十万近い得票を、一定の期間、一定の日に、一定の時間の中で投票を得るということは、やはり多くの皆さんがそれぞれの政治家に対する期待感を持っておられるのだと思います。
 もちろん、心して政治家は一人一人の国民の皆さんに信頼を得るようなことにならなければならぬということは言うまでもありません。昔からよく言われるように、政治を軽べつすると軽べつに値する政治しか出てこないよということを私は大変重い言葉だと思っています。心して政治家が多くの国民、特に若い皆さんから理解を得るように、私はそういうふうな姿勢はやはりしっかりととらなければならぬというふうに思います。
○横光委員 今、政治を軽べつすると政治から軽べつされるというお話ですかね、それは高校生に向けて政治を決して軽べつしてはならぬぞという意味でしょうが、私は、その前に、軽べつする前に政治がやはり高校生から信頼されるように私たちが努力しなければ、高校生に信頼されるように私たちがみずから身を切るべき努力をしなければならないということなんです。
 それが、今問われておりますあっせん利得罪じゃないんですか。国会議員はこんな法律、本当はつくりたくないですよ、みずからの首を絞めるような法律なんですから。でも、それをつくらざるを得ない状況まで今来たわけでしょう。しかも、自民党の元建設大臣が逮捕されているという事態ですから、どこの党よりも率先して、私はこういったことが二度と行われないように利得罪は必要だと。
 これはどうも、自民党の方に話を聞くと、それをつくられてしまうと真っ当な政治活動ができないという声を聞くんですね。私は、これは大変な間違いだと思うんですよ。いろいろな陳情を受けて役所にそれを取り次ぐ、これは否定されるわけじゃないんです。その見返りとしてわいろを受け取る、金品を受け取る、これを禁止しようというだけなんです。それを政治活動ができなくなるというのはおかしいのであって、そこのところをまず意識を変えていただかなければならないということですね。
 幸いにも、自民党以外の政党はほとんどこの問題については積極的でございますし、本当に、逮捕者を出した自民党ですので、まず率先して取り組む。今国会中に、大変、そんなややこしい、時間のかかる法案じゃないので、何とか会期を延長してでもできて、国民にそれを示してくださいよ。高校生も、一番なりたくない職業から減るかもしれませんよ。そういった意識を示していただきたい。
 総理のあっせん利得罪についての御決意、今国会中に何とか努力してみるというような気持ち、言葉はないですか。
○森内閣総理大臣 これも先ほどから申し上げておりますように、今与党の方もプロジェクトチームをつくって論議を始めています。何か自民党が及び腰だというようなお話でございますが、平成十年のときに自由民主党も案をしっかりとまとめた経緯もございますから、決してそんな及び腰であるわけじゃありません。
 ただ、解釈次第で適用範囲がいろいろな形で変わるということがないように、そういう意味での構成要件なども明確によく議論しておかなきゃいけませんよということを私どもは申し上げているわけで、できるだけ速やかな結論が得られるように努力してほしいものだ、政府の立場としてはそう思っています。
 ただ、陳情は結構だけれども、わいろを取るのはいけませんよと、何かあたかもわいろを取っているみたいな、そんな表現はやはり私は適切でないと思いますよ。
○横光委員 いわゆるそういうことを取ったらいけないという法律をつくろうと言っているわけですよ。取っていると言っているわけじゃない。
 それで、今は全国会議員じゃないでしょう。だから、そういったすべての国会議員、さらに公明党の皆さん方は、これを地方議員にまで広げようという考えさえあるのですから、そういったところでしっかりと考えていただきたい。
 もう一つ私は、国会議員の皆様方や閣僚の皆様方が取り組んでいくべきだと思っているのが、イギリスには大臣行為規範というのがあるのです。非常に大臣というものが、行政政府に入った場合、その政治活動を厳しく規制しているわけです。これがあれば、中尾元建設大臣のような問題は起きなかったわけですね。いわゆるクエスチョンタイムみたいなもの、議会制民主主義の、もう非常に参考に――わかりました。
 それでは、きょうはこれで終わります。どうもありがとうございました。
○原田委員長 これにて横光君の質疑は終了いたしました。
 次に、山本幸三君。
○山本(幸)委員 21世紀クラブの山本幸三です。
 こういう形で質問に立つのは大変複雑な心境でもありますが、議論を聞いておって、もう一つ複雑になったことがありまして、それはそごう問題に関連する瑕疵担保の問題であります。
 かつて私も自民党内の議論に参加しておったわけでありますが、そのときに個人的に一貫して、瑕疵担保は、通常のリスクを買い取る銀行は負うべきである、したがって反対であるという主張をしておりました。同じように反対を主張しておられた方は伊吹文明先生だけだったと思いますけれども、残念ながら、二人の反対意見は通らなかったわけでありますけれども、これは今でも、私は同じように、やはり銀行経営者というのは、リスクをとるというのが経営者であると思うので、過剰なリスクをとらせる必要はありませんけれども、通常リスクは当然とるというのが原則である。これは、スウェーデンのときにはっきりとそれは原則で打ち立てられているので、そう思っております。それが嫌だというなら銀行経営をする資格はないと思っております。
 これについてはあした少し詳しくやりたいと思いますが、これに関連して、先ほど金融再生法の問題が挙げられました。私は、金融再生法でも最終的には整理できるというように思っておりまして、買い手が見つからなければRTCに移して清算、整理すればいい話でありますから、これはできると思っておりますが、そのときに、一方的に現在の津島大臣が批判されましたので、私は一方的に批判だけされるのはフェアではないと思うので、御意見があれば、まずお伺いしたい。
○津島国務大臣 所管でないのでございますが、けさほどから何回も金融再生法の成立をめぐって、私どもの過去のことについて御議論がございました。
 今申し上げられることは、今から二年前、小渕内閣が成立をいたしました後の平成十年の秋の日本の経済状態というのは、まさに危機的な状態でございました。そして、長銀を初めとして幾つかの銀行が破綻に瀕しておったわけであります。これをどのように処理をするかということで、私どもは、まさに政党の枠を超えて議論をいたしました。そして、国会の御意思で成立をさせていただいたのが金融再生法でございます。
 この再生法の基本的な考え方は、問題のある銀行の不良債権は徹底的に処理しよう、この点では私は、けさからいろいろ御議論がございましたが、民主党の皆さん方と基本的には大きな違いはなかったと思います。徹底的に処理をした上で、国民経済的になお仕事をしていただける銀行には、その銀行の経営責任を徹底的に問うた上で引き続いて仕事をしていただこう、ここまでは私どもは合意をいたしました。
 この場合に、先ほど自由党の代表からおっしゃった、何でも整理をしてしまえというのは、あの状態で問題銀行を全部整理したら、恐らく国民経済に対する影響ははかり知れない、破滅的なものであったろう。恐らく、政策の選択としてはとるべきでなかったし、とれなかった。このことだけ申し上げたいと思います。
 あと、瑕疵担保責任等にかかわる問題は、この不良債権の整理のペースをどういうふうにやったかということで、この点では御議論の余地はあるであろう。これだけ申し上げさせていただきます。
 終わります。
○山本(幸)委員 この点については、詳しいことはまたあすやらせていただきたいと思いますが、次に、ゼロ金利政策についてお伺いしたいと思います。
 まず最初に、総理からお伺いしたいと思います。
 ゼロ金利政策について、日銀総裁は早く解除したいとしきりに発言しておられるようでありますけれども、発言するたびに株が落ちる。それに対して、先月の政策委員会の決定の前に森総理は、日本経済の現状を評価されて、まだ厳しいと。したがって、ある意味でゼロ金利解除は好ましくないという趣旨の発言をされました。
 私はこれは高く評価しておりまして、これこそまさに政治のリーダーシップと思っているのですが、総理の発言は大変重い。このことが日銀政策委員会に大きな影響を与えたことは間違いないと思いますし、それを受けて、まあそごう問題もあったわけでありますが、政策委員会はゼロ金利解除をやらないということにいたしました。しかし、その直後、総裁は、いや、八月にやるかもしれないような感じの発言をしておりまして、またまた株は下がって、経済の状況に不確実性を生んでいると私は思っております。
 この点について、総理は現在も同じようなお考えでいらっしゃるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○森内閣総理大臣 私は、そのたびごとに申し上げていることでございますが、金融政策につきまして、これは日本銀行の所管事項でございますから、日銀政策委員会あるいは金融政策決定会合において、十分に現在の景気の動向等を踏まえて御議論をされて御決定をなさることだ、適切な対応をなさることだ、そういう理解を大前提といたしております。
 先ほどからも議論が出ておりますように、今の日本の経済は必ずしも完全に景気回復の軌道に乗ったという見方を私はいたしておりません。非常にまだ微妙な段階、特に、消費については力強さもございませんし、雇用の問題もまだ一進一退をいたしております。ただ、有効求人倍率等、これから先々に対して先行指標としてはいい方向に行っているかなという感じでございますので、こういう大事なときこそ、まだ、やはり景気を本格的に回復するという基本的なスタンスを私はとっていきたい、このように考えております。
○山本(幸)委員 私は、総理のお考え、全くそのとおりではないかなというふうに思います。
 けさの議論でも、経企庁長官も、確かに景気の回復の兆しは一部にあると。設備投資。しかし、設備投資といってもひとり勝ちは製造業の大手だけですからね。しかし、雇用や消費あるいは倒産等を考えると、必ずしも順調とだけ言える状況ではないというお話がありました。
 私も、確かに一部は回復の兆しというのは出ているけれども、その力はまだまだ弱い。株価も下がってきている。雇用も消費もまだまだ心配。輸出も落ち込んでいる。現に、円の実効レートというのは九五年の八十円台と同水準なんですね。明らかに円高でありますし、輸出が落ちている。銀行の貸し出しも減少している。これから国会でいろいろ厳しい議論が行われるわけですから、第二、第三のそごうのような処理が出てくることは大いに想像できる。マネーの量も大変縮小している。こういう状況で、ゼロ金利解除なんというのは全くあり得ないと私は思うんですが、日銀総裁、いかがですか。
○速水参考人 お答えいたします。
 金融政策は、毎回の金融政策決定会合におきまして、経済金融情勢を総括的に検討した上で決定するものでございます。あらかじめ特定の方針を前提として議論をするわけではございません。したがいまして、あくまでも一般論としてお答え申し上げたいと思います。
 初めに申し上げておきたいのは、先ほど金融の引き締めというお言葉をちょっと使っておられたように思いますが、私どもがゼロ金利の解除を議論するときには、これが金融の引き締めであるというふうには思っておりません。金融緩和をどうやって続けていくかということで議論をしておるわけでございます。
 ゼロ金利政策につきましては、昨年の二月に、日本経済が金融システム不安とともにデフレスパイラルの瀬戸際という危機的な情勢に陥りまして、この非常事態に対応するために講じました前例のない金融緩和政策であったわけでございます。その後、経済情勢は大きく改善してきております。現在では、緩やかながら回復傾向が明らかになってきていると思います。このために、我々がゼロ金利政策解除の条件としてまいりましたデフレ懸念の払拭が展望できるような情勢に至りつつあるという判断をいたしております。
 先日の私どもの支店長会議におきましても、大阪、名古屋、金沢、福岡といったような大都市の大部分が、輸出の増加もございますけれども、大勢として、民間企業の活発化、リストラの効果がはっきりと出てきているということを報告しておりました。
 このような情勢のもとで極端な金融緩和政策を続けておりますと、いずれ、経済物価情勢の大きな変動をもたらしたり、あるいはより急激な金利調整が必要となるようなリスクが増大したりいたします。これは私どもの経験からわかるところでございますが、経済の先行きが不確実であることを踏まえますと、経済の改善状況を確認しつつ金融緩和の程度を微調整するということが、長い目で見て、健全な経済発展に資するものと考えております。
 以上のような考え方のもとで、次回以降の金融政策決定会合におきましても、情勢判断に誤りなきを期して、適切な政策判断を下してまいりたいと考えております。
○山本(幸)委員 大変おもしろいことをおっしゃいました。ゼロ金利解除をしても引き締めにならない。ゼロ金利解除というのは金利を上げるということでしょう。金利を上げることが引き締めにならないという理論があるんですか。そんなことを書いている経済学の教科書があったら教えてください。これが一つ。
 それから、デフレ懸念の払拭が展望できるということが条件ということで、今展望できるという判断をしているということですが、そもそもデフレ懸念の払拭が展望できるというのはどういうことですか。これはしっかりと定義してください。経済理論の議論で、言葉の定義をしないで議論なんかできない。どんな解釈でもできるような理論だったら、論議の進めようがないんですね。
 それから三番目に、緩和がずっと続くと、要するに物価について将来的に、インフレリスクと言い直しますが、そういう可能性が出てくるということをおっしゃいました、それが心配だと。現状の日本でインフレリスクの心配がどこにあるんですか。
○速水参考人 三つの御質問にお答えしたいと思います。
 最初にお聞きになりました、引き締めではないということはどういうことかという御質問でございますが、昨年のデフレスパイラルの懸念があり、システミックなリスクが起こったときにできるだけの緩和政策をとるということで、ゼロ金利というのを初めてとったわけでございます。
 日本銀行は、御承知のように、一九九〇年からずっと金利を下げ通しに下げてきております。一九九五年から公定歩合は〇・五でございますけれども、ここ二年、運用金利を、コール金利をゼロ近くまで下げてきたわけでございます。これは非常事態に対する危機的な対策でございまして、これを前に戻すことが必要であるというふうに私どもは思っております。それは金融を引き締めるのではなくて、潤沢な資金の供給をやりながら、金利をゼロにする前の段階にまで戻していくということでございます。
 それから第二の、デフレ懸念の払拭が展望できるような情勢とは何かという御質問でございますが、金融政策運営上問題とすべきデフレ懸念と申しますと、景気と物価の悪循環をもたらすような物価低下圧力があるということを考えるわけでございます。
 例えば技術革新などの動きが特定の物価指数を押し下げる方向に働いたとしても、それは、経済活動の活発化とか企業収益の増加につながっているような場合には、デフレ的ととらえる必要はないと思います。
 また、従来ございました諸規制の緩和とか撤廃といったようなことが流通の合理化をもたらして、輸入品も含めて競争が激化していって価格が下がっていく、またサービス部門での値下げが進んでいく、今起こりつつあるような状態につきましても、これは、経済活動の活発化とか企業収益の増加につながりこそすれ、需給のギャップを拡大していくというものではないというふうに思っております。
 こういうふうに考えますと、デフレ懸念の払拭が展望できるということの意味は、需要の弱さに由来する潜在的な物価低下圧力が十分に小さくなること、さらに言いかえますと、民間需要の自律的回復の展望が得られるということになると思います。
 こうした観点から、日本銀行では民間需要の動きに注目しておりますが、このうち設備投資は明確な増加傾向をたどっております。一方、個人消費は依然回復感に乏しい展開となっておりますが、消費者マインドは改善傾向にあるほか、賃金が前年をわずかながら上回って、また雇用者数の減少傾向に歯どめがかかりつつあるなど、前向きの動きも出始めております。
 このような状況を踏まえますと、需要の弱さに由来する潜在的な物価低下圧力というのは大きく後退してきていると思います。デフレ懸念の払拭が展望できるような情勢に至りつつあるというものと考えております。
 第三の御質問、物価の安定とはどういう意味なのかという御質問かと思います。(山本(幸)委員「それはしていない」と呼ぶ)そうですか。それでよろしいですか。
○山本(幸)委員 二年前の、コールを下げる前に戻すことが必要だと。何で必要なんですかね。今、日本経済はまさにデフレ的状況にあって、需給ギャップがあって、回復の兆しがやっと出てきているときですよ。それを金融の面でつぶしちゃったら、また元も子もなくなりますよ。
 もし、ゼロ金利を解除して実体経済にいい影響を与えるというのなら、どこにどういういい影響を与えるのか証明しなきゃ。そして、それがデフレ懸念の払拭だと。これは、今おっしゃったことは全く定義になっていないと思いますので、決して説得的じゃない。あしたゆっくりやりたいと思います。
 終わります。
○原田委員長 これにて山本君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○原田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、明三日、参考人として株式会社新生銀行代表取締役会長兼社長八城政基君、元日本長期信用銀行頭取安齋隆君及び株式会社日本興業銀行取締役頭取西村正雄君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、明三日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時一分散会