第150回国会 本会議 第6号
平成十二年十月二十四日(火曜日)
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  平成十二年十月二十四日
    午後一時 本会議
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○本日の会議に付した案件
 人事官任命につき同意を求めるの件
 公安審査委員会委員長及び同委員任命につき同意を求めるの件
 電波監理審議会委員任命につき同意を求めるの件
 中央労働委員会委員任命につき同意を求めるの件
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(大蔵委員長提出)
 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑

    午後一時三分開議
○議長(綿貫民輔君) これより会議を開きます。
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 人事官任命につき同意を求めるの件
 公安審査委員会委員長及び同委員任命につき同意を求めるの件
 電波監理審議会委員任命につき同意を求めるの件
 中央労働委員会委員任命につき同意を求めるの件
○議長(綿貫民輔君) お諮りいたします。
 内閣から、
 人事官
 公安審査委員会委員長及び同委員
 電波監理審議会委員
及び
 中央労働委員会委員に
次の諸君を任命することについて、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。
 内閣からの申し出中、
 まず、
 人事官に佐藤壮郎君を、
 電波監理審議会委員に濱田純一君を、
 中央労働委員会委員に磯部力君、今野浩一郎君、岡部晃三君、落合誠一君、小野旭君、菊池信男君、菅野和夫君、曽田多賀君、西田典之君及び横溝正子君を
任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
 次に、
 公安審査委員会委員長に藤田耕三君を、
 同委員に西室泰三君及び波多野敬雄君を、
 中央労働委員会委員に諏訪康雄君及び山口浩一郎君を
任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
 次に、
 公安審査委員会委員に木村治美君を、
 中央労働委員会委員に若林之矩君を
任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
     ――――◇―――――
○小此木八郎君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 大蔵委員長提出、租税特別措置法の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
○議長(綿貫民輔君) 小此木八郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(大蔵委員長提出)
○議長(綿貫民輔君) 租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。大蔵委員長萩山教嚴君。
    ―――――――――――――
 租税特別措置法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔萩山教嚴君登壇〕
○萩山教嚴君 ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。
 本案は、本日、大蔵委員会において全会一致をもって起草、提出したものでありまして、個人のする政治活動に関する寄附を引き続き促進するため、個人が政治活動に関する寄附を行った場合の寄附金控除の特例または所得税額の特別控除の期限を平成十六年十二月三十一日まで延長するものであります。
 なお、本案による国税の減収額は、平年度において約五十六億円と見込まれますので、本案の提出を決定するに際しましては、内閣の意見を聴取いたしました。
 以上が、本案の提案の趣旨とその概要であります。
 何とぞ、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
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○議長(綿貫民輔君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(綿貫民輔君) この際、内閣提出、高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣中川秀直君。
    〔国務大臣中川秀直君登壇〕
○国務大臣(中川秀直君) 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案の趣旨を御説明申し上げます。
 現在、情報通信技術の活用により、個人の活動、生活様式、社会経済活動、行政のあり方等広範な分野において、急激かつ大幅な変化が世界的規模で進展しております。
 我が国においてもこのような変化に的確に対応し、インターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて自由かつ安全に多様な情報や知識を受発信することにより、創造的かつ活力ある発展が可能となる社会、すなわち、高度情報通信ネットワーク社会を形成することが喫緊の課題であります。
 このような状況にかんがみ、本法案におきましては、所要の施策を迅速かつ重点的に推進するため、基本理念とこれに基づく基本的な施策の枠組みを定めるものでございます。
 次に、本法案の内容の概要を御説明申し上げます。
 第一に、六つの基本理念を掲げております。すなわち、すべての国民が情報通信技術の恵沢を享受できる社会の実現、経済構造改革の推進及び産業の国際競争力の強化、ゆとりと豊かさを実感できる国民生活の実現、活力ある地域社会の実現、民間主導の原則と適切な官民の役割分担、情報通信技術の利用機会の格差の是正であります。
 第二に、施策の策定に係る基本方針として、世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成、教育及び学習の振興並びに人材の育成、電子商取引の促進、行政の情報化、ネットワークの安全性の確保、研究開発の推進、国際的な協調等を規定いたしております。
 第三に、推進体制として、内閣に高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部を設置することとし、内閣総理大臣を本部長とするなど、組織、所掌事務等を規定いたしております。
 第四に、本戦略本部が策定する重点計画について、原則として施策の具体的な目標や達成の期間を付すべきこと等、所要の事項を規定しております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
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 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(綿貫民輔君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。伊藤忠治君。
    〔伊藤忠治君登壇〕
○伊藤忠治君 私は、民主党の伊藤忠治でございます。
 ただいま議題となりました高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案について、民主党・無所属クラブを代表して質問いたします。
 沖縄サミットでIT憲章が採択され、政府はIT革命の推進を重要課題としていますが、我が国の置かれている状況は、インターネットの人口普及率一つを見ても、米国、英国、シンガポールなどの後塵を拝しています。このように、IT革命で守勢に立たされている事実を厳しく認識するとともに、なぜそのようにおくれをとったのか、その問題点はどこにあるのか、政府の責任を明らかにすべきであります。官房長官の見解を伺いたいと思います。
 ITは、あくまでも手段であり目的ではありません。我々は二十一世紀に向けてどのような国家、社会をつくっていくのか、どのように国際社会に貢献するのか。この点について基本法案は、IT革命を推進する哲学、理念、国家戦略が不明確であります。
 我が民主党は、ことし三月の段階でIT革命の四つの基本理念を明確にしております。
 第一は、経済構造を改革し、チャンスのある社会、チャレンジできる日本をつくること。第二は、高齢者や身障者を疎外せず、多様な生き方や価値観を許容し合う社会をつくること。第三は、だれもが政治や行政へのアクセスと監視のできる情報民主主義を実現すること。第四は、国境や民族の垣根を越えた協調と信頼を築き、紛争予防と平和の創造に役立てることであります。
 さらに我が民主党は、インターネットを初めとするITが、官主導から民主導へ、中央政府中心からコミュニティー中心へ、男性主導から男女共同参画型へと社会を転換し、経済のボーダーレス化を促進し、国際社会や国の仕組み、人間の生き方を根本から変えることに寄与すると位置づけています。
 政府の基本法案には、こうした地方分権や社会改革に通ずる国家観や世界観が欠如していると思います。私たちの主張も取り入れて、法案を見直す余地はありませんか。官房長官の答弁を求めます。
 また、政府の姿勢には、産業優先、強者の論理が前面に出ていると思います。IT戦略会議のメンバーに、財界や学者ばかりが入っていることも不満であります。一般のサラリーマン、主婦、障害者や高齢者の立場を代表する人たちも加えるべきだと思います。
 政府は、IT革命の光の面だけでなく、影の部分にも対策をもっと講ずるべきだと考えます。基本法案でも、デジタルデバイド対策には一応触れられていますが、対応策の基本について踏み込みが不十分と言わざるを得ません。
 また、IT革命は、国民生活に大きな危害を与える可能性もはらんでいます。個人のプライバシーの侵害、青少年に悪影響を及ぼす低俗な文化の横行、経済格差の一層の拡大、雇用形態や流通慣行の変化による雇用不安の加速化、さまざまな犯罪の温床の拡大、ネット取引の障害による金融、経済システムの混乱など、多くの事柄が懸念されています。基本法案には、こうした問題を正面から取り上げ、問題意識をしっかり織り込むべきではないでしょうか。官房長官の見解を求めます。
 教育問題一つをとってみても、ITは使い方によっては社会に大きな禍根を残す可能性があります。知識の詰め込みばかりを強要する傾向の強い我が国の教育環境の中では、パソコンで情報ばかりを集め、自分の頭で考えることがおろそかになれば、ますます学力低下に拍車をかけることにもなりかねません。こうした懸念にどう答えるのでしょうか。官房長官の答弁を求めたいと思います。
 基本法案では、民間主導の原則がうたわれていますが、十月二十日に決定をされた政府の経済対策を見ると、ITという看板をつけて、各省庁が予算の分捕り合戦を行っているのが実態であります。内閣官房が所管しているにもかかわらず、省益優先施策の寄せ集めに終わっており、整合性のとれた一元的な施策になっていません。
 情報通信の国家的な基盤整備についても、市場万能主義を前提にするのか、それとも、利用者に対してあまねく公平に安い料金でサービスを提供するのか、我が国のユニバーサルサービスは二十一世紀においても国の指導責任において確保すること、また、通信主権を含めて、守るべきものは何かを明確にし、市場原理にゆだねるべきものは積極的に規制緩和を促進すべきであると考えます。
 以上の見解に対し、官房長官の答弁を求めるものであります。
 続いて、二、三の問題について質問いたします。
 まず、KSDの問題についてであります。
 名簿順位第二位の村上正邦参議院議員の場合は、財団法人KSD、すなわち中小企業経営者福祉事業団から、九万人の党員名簿と党費の肩がわりを受けていたと指摘されています。このKSDなる公益法人は、災害補償の名目で、百七万人の会員から毎月二千円、総額実に二百四十五億円の会費を集めながら、本業の災害補償にはわずか三割しか使わず、残りの七割は理事長ファミリーの私的流用や天下り官僚の給与、政治家や官僚などへのお中元、お歳暮代、さらにはKSD豊明会という任意団体をトンネルにして、村上氏など自民党政治家への献金に充てていたと言われます。
 また、つい最近まで、毎週火曜日発行の自民党機関紙「自由民主」にKSDの一面広告が毎週のように掲載されていたことから、自民党自体もKSDと深い利害関係にあったことがうかがえるのであります。
 このように、政官業の腐敗した癒着体質に自民党みずからがメスを入れなければ、自民党の体質はよくならないし、政治の信頼を回復することはできないのであります。
 にもかかわらず、党内改革を怠り、あろうことか、与党三党が一体となって選挙制度に問題をすりかえてきたのであります。来年の参議院選挙では、このままいけば敗北するかもしれないという非常な危機感、だから、政権の座にとどまれることなら、どのような批判を浴びようが多数支配のもとに徹底的に押し切るという議会運営に出たのであります。参議院における二・二五合意事項、六・二再確認をほごにする、その後の与野党協議も拒否する、議長あっせんも拒否したのであります。
 つまり、危機感に取りつかれたような与党三党は、公職選挙法改正案を今国会で一日も早く成立させることだけが自己目的化しているのであります。まさにファッショ化したというべきであり、議会制民主主義は死滅しつつあります。(拍手)
 ところで、良識ある党の総裁でもある森総理にお聞きしたい。
 村上正邦参議院議員が集めたと言われる党員のKSDによる党費肩がわりの事実関係、KSDから自民党または自民党議員に流れた資金が他にもあるのではないか、このことについて、迅速に調査し、事実を公表すべきだと考えます。総理の明快な見解を示していただきたい。
 次いで、いわゆる中川問題について質問いたします。(拍手)
 大変残念なことでありますが、今、中川秀直官房長官に対して、重大な疑惑が連日のように報道されています。このようにレベルの低い話題を本会議で取り上げたくはないのですが、森内閣の中枢にある中川官房長官の名誉にかかわることでありますから、私は黙過できず、あえて質問をいたします。
 最初に、まず、あなたの愛人が妊娠した際、人工妊娠中絶に対する同意書に、中川一郎の署名をし、押印した事実はおありになるのか否か。あるいは、それに対し、告訴等の事実はあるのかないのか。報道が事実であれば、長官の行為には、明らかに私文書偽造、同行使罪が成立いたします。もし虚偽の事実が報道されているとすれば、しかるべき法的手段をとっていただきたいと思うのであります。
 次に、中川長官の議会答弁及びこれに関連する参議院議員小川敏夫君の質問主意書に対する内閣総理大臣の答弁書について質問いたします。
 日本青年社の副会長滑川裕二氏との交友、認知の有無についてであります。
 九月二十八日の予算委員会における我が党の石井一君の質問に対して、官房長官は、滑川裕二という人物を直接には存じませんと答え、「私は、今の委員お取り上げの問題について、天地神明に誓ってそんなことはありませんから、その旨申し上げておきます」と力強く答弁されました。また、森総理は、我が党の小川敏夫参議院議員が提出した中川官房長官と右翼団体との関係をただす質問主意書に対し、官房長官と右翼団体には何らかかわりがないなどと答弁をされております。
 ところが、驚くことに、先週発売の写真週刊誌には、官房長官がくだんの右翼団体役員とされる人物と会食している写真が掲載されております。これは、予算委員会における官房長官の答弁や質問主意書に対する答弁が虚偽であったことを証明するものではありませんか。だとすれば、官房長官はもちろん、虚偽の答弁書を出した総理の責任も極めて重大であります。
 中川長官、あなたは滑川氏との会食もしくは面談をした事実は一度もないのか、それともあるのか、この機会に再度明確な答弁を求めます。
 総理に対しては、官房長官の答弁の信憑性と質問主意書への回答の信憑性をどう考えておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
 政治家は、信なくば立たずとの言葉があります。中川秀直氏の内閣官房長官としての適格性について総理はどのように判断をしておられるかについて、総理の見解を求め、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣森喜朗君登壇〕
○内閣総理大臣(森喜朗君) ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団に関連し、政治資金の流れについての事実関係を調査し、公表すべきとの御指摘がございました。
 ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団に関しては、現在、同財団前理事長の背任容疑で捜査中であり、また、政治資金に関しましては、既に政治資金規正法で収支報告を行うことが義務づけられ、収支報告書は一般に公表されているところであり、私の立場として改めて調査をする必要はないと考えております。
 なお、自由民主党の党費につきましては、党において適切な手続を経て処理されているとの報告を受けております。
 また、参議院選挙制度改革についての御指摘がありました。
 国会運営に関することにつきましては、国会において各党各会派により御議論をいただくべきことでありますが、ルールに従って議事運営が進められる中で、野党が、みずからの主張が通らないことを理由に、何ら関連のない議案を含めて審議を拒否したことは、多くの重要法案を提出している政府の立場から、極めて残念なことでありました。
 審議を拒否していては議会政治は成り立ちませんし、民主主義も崩壊いたします。私としては、議会政治の原点に立ち返り、議論を闘わせることで答えを出し、国会が期待される役割を果たすことが大切であると考えております。(拍手)
 中川官房長官と御指摘の人物との面識に関連しての御質問がありました。
 本件については後ほど官房長官から答弁があると思いますが、中川官房長官は国会において御指摘の人物との交友を否定しており、また内閣としては、中川官房長官の説明を踏まえて、御指摘の団体とは何らかかわりがないとの答弁書を作成したものであり、その点については何らの問題はないと考えております。
 中川官房長官の適格性について御質問がありました。
 私は、中川氏を信頼し官房長官に任命しており、中川官房長官はその職責を全力で果たされていると考えております。
 残余の質問については関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
    〔国務大臣中川秀直君登壇〕
○国務大臣(中川秀直君) IT革命へのおくれの理由、問題点及び政府の責任に対するお尋ねでありますが、IT社会への対応につきましては、これまでも政府において、IT戦略本部の前身たる高度情報通信社会推進本部における高度情報通信社会推進に向けた基本方針の策定、電子政府の実現、教育の情報化等に向けたミレニアムプロジェクトの策定、電子署名法等の整備等、政府全体として着実に取り組んできたところであります。
 しかしながら、我が国においては、インターネットの利用、電子商取引等において、IT先進諸外国と比べ十分に進んでいるとは申せません。この背景として、この一、二年、欧米等においてIT化に向けて集中的な取り組みを強化していることが挙げられます。
 こういった状況にかんがみ、我が国としても、ITに関する戦略的取り組みを推進する必要があるとの認識のもと、まず第一に、本年七月に、総理を本部長とし全閣僚から成るIT戦略本部、及びIT革命の最前線で活躍されている有識者の方々から成るIT戦略会議を設置し、官民の総力を結集した取り組みを進めているわけであります。
 第二に、IT戦略会議におけるITの戦略的取り組みの御議論を踏まえ、今般、高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案を今国会に提出したところであります。
 さらに、今般、日本新生のための新発展政策を取りまとめたところでありますが、この新発展政策におきましては、IT社会の基盤となる制度改革を進めるとともに、施設の充実、利用技術の普及、情報の中身の増強の三本柱を同時並行的かつ飛躍的に拡大発展させることとしており、いわゆる従来型の施策ではない、国民に構造改革や意識改革を求める包括的な政策パッケージを構築した次第であります。
 本法案の成立及び新発展政策を初めとする諸施策を強力に推進することにより、政府一体となったIT革命の戦略的推進を図り、すべての国民がデジタル情報を基盤とした情報、知識を共有し、自由に情報を交換することが可能なIT社会を実現してまいりたいと考えております。
 地方分権や社会改革の観点を踏まえて、この法案を見直すべきという御指摘でございますけれども、本法案は、インターネット等を通じて自由かつ安全に多様な情報や知識をグローバルに入手し、共有し、発信することにより、あらゆる分野における創造的かつ活力ある発展が可能となる社会の形成を目指すものであります。このような社会の形成により、個人の活動、生活様式、社会経済活動、行政のあり方等、広範な分野において構造的な改革がもたらされ、国と地方の関係、官と民との関係等も大きく変わるものと認識しております。
 本法案は、このような観点から、基本理念として、すべての国民が情報通信技術の恵沢を享受できる社会の実現、経済構造改革の推進、ゆとりと豊かさを実感できる国民生活の実現、個性豊かで活力ある地域社会の実現、民間主導の原則と適切な官民の役割分担等を盛り込み、さらには、国と地方公共団体の適切な役割分担や相互の連携をも規定し、目指すべき社会のあり方を明らかにしたものであります。こうした意味で、政府として御提案している基本法案を見直す考えはございません。
 デジタルデバイド対策等ITの影の部分についてお尋ねがありました。
 ITの利用に関しては、御指摘のように、デジタルデバイド、情報格差や、さまざまな国民生活の分野への影響に懸念があることは十分に承知をいたしております。
 このような認識のもと、本法案では、高度情報通信ネットワーク社会を定義づけるに当たって、安全をその前提とするとともに、基本理念や施策の基本方針において、利用の機会等の格差の是正、ネットワークの安全性や信頼性の確保、新たな事業の創出や就業機会の増大等について規定しております。これらに基づいて、具体的な施策を講じていくことにより、御懸念の点についても積極的に対応してまいる考えであります。
 パソコン等による学力の低下の懸念についてのお尋ねがありました。
 今回の基本法でねらいとする高度情報通信ネットワーク社会の形成を図るため、学校教育の果たす役割は極めて大きいものがございます。このため、新しい学習指導要領においては、情報に関する教科等を新設し、コンピューターを使う技能の習得とあわせて、誤った情報や不要な情報に惑わされることなく、必要な情報を主体的に収集し、判断し、創造し、みずからの情報として発信できる能力を育成することを目的としているところであります。
 また、各教科等を通じて、読み、書き、計算などの基礎、基本を確実に習得させ、それにとどまることなく、みずから学び、みずから考え、よりよく問題を解決する資質や能力などの生きる力の育成を図ることとしており、各学校においてこのような教育を充実するよう努めてまいりたいと考えます。
 情報通信の基盤整備と規制のあり方についてのお尋ねでありますが、情報通信の基盤整備は、通信回線の相互接続ルールの策定等、公正な競争環境の整備を行うとともに、各種の財政金融支援措置を講じ、民間主導原則のもとに進めてきているところであります。
 なお、市場原理が必ずしも十分に機能しない分野については、情報通信社会における格差の是正のあり方に関し、適切な枠組みや支援策についても検討することが必要と考えております。
 最後に、私に関する報道についての御質問がありました。
 議員御指摘のとおり、私自身の名誉にもかかわることでありますので、この場ではっきり申し上げさせていただきたいと存じます。
 議員御存じのとおり、国会法百十九条で、私生活にわたる言論を行ってはならないと規定されております。したがって、報道されている過去の女性との交際についてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。しかしながら、虚偽の署名をし押印したとの御指摘は事実無根のものであります。私自身の名誉にかかわることでありますので、いずれ何らかの措置を考えたいと思っています。
 また、写真週刊誌との関連で、御指摘の人物との会食もしくは面談に関してのお尋ねがありました。
 議員御指摘の写真誌は私も拝見しましたが、そもそも写真の人物が御指摘の人物なのかどうか、繰り返し申し上げているとおり、面識はなく、判断ができません。また、仮に御指摘の人物であるということであれば、私自身記者会見でも申し上げましたが、幾ら記憶をたどっても記憶がございません。
 あえて申し上げれば、写真を拝見する限り、随分前のもののようであり、また大勢の会食の場のようでございますけれども、もとより長い間の政治活動の中で、さまざまな場所でさまざまなお人とお会いしたり会食をしておりますので、何らかの会合でたまたま知らずに同席したことがあったのかもしれませんが、いずれにしても、十分に記憶はないわけでございます。
 さきに国会で御答弁申し上げたとおり、私としては御指摘の人物を直接的には存じませんし、会食もしくは面談の事実については、私自身記憶が十分ございません。したがって、私が虚偽の答弁をしたとの御指摘は、全く当たらないものと考えております。(拍手)
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○議長(綿貫民輔君) 久保哲司君。
    〔久保哲司君登壇〕
○久保哲司君 公明党の久保哲司でございます。
 ただいま議題となりました高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案に対しまして、公明党、自由民主党、保守党の与党三党を代表して質問させていただきます。
 本法案は、IT基本法と通称されておりますように、我が国が今後、IT革命を推進し、質的にも量的にも世界最高水準の高度情報通信ネットワーク社会を構築するために、関連する諸施策を実行するに当たっての基本となるべきベース、すなわち基本理念、目標等を確定して、その上に立って各種政策の具体的な方向性を示すという、今後の我が国社会のあり方について非常に重要な意義と影響力を有するものであると考えます。
 その意味から、いわゆる基本法というものが一般的に批判されがちな、行うべき施策の項目を単に羅列するだけに終わったり、あるいは精神規定としての存在だけにとどまったり、もしくは時間稼ぎ的な便法に使われたりというようなことであっては断じてならないことは言うまでもございません。
 その点、本法案は、法律の目的や定義、基本理念、施策の基本方針等々とあわせて、施策を実施する上での期日を明確にする趣旨での重点計画を盛り込むことにしているほか、この推進のために、現在内閣に設置されておりますIT戦略本部に法的な根拠を与え、政治的リーダーシップの必要性を明確にするなど、IT革命の推進に具体性を持たせる内容となっていることを高く評価するものであります。
 しかし、とはいいながら、幾つかの明確にしていただきたい点をなおなしとはいたしません。以下、順次、具体的に、特に重要と思われる項目に絞って総理にお伺いをいたします。
 まず、IT革命の推進に当たって各種施策の具体的な方向性を示すものが、本法案の中に位置づけられている重点計画であると考えます。その意味では、この重点計画の内容、策定時期、施行期日が非常に重要な意味を持ってまいります。
 現在の戦略本部が本法案によって根拠を与えられ、そして、その最初の大仕事がこの重点計画の策定だというふうに考えます。本年中に示されるとも聞いておりますいわゆる国家戦略とこの重点計画との関係、特に、この重点計画を策定される時期、内容の方向性について、まず明らかにお示しをいただきたい。
 次に、現在、IT戦略本部、同戦略会議においても鋭意IT関連の施策が検討されておりますが、その中でも指摘されており私どもも最も大事と考えている通信料金の引き下げ、これについての処方せんが、本法案においては明確に示されておりません。
 私どもは、通信料金の問題をいわゆるデジタルデバイド解消のための最重要課題、すなわち全国民的な重要課題と位置づけ、全力を挙げて取り組んでまいりました。
 例えば、昨年には、通信料金の引き下げの署名運動に一千万人を超える国民の皆さんの御賛同をいただき、当時の小渕総理にお届けしたところであります。また、さきの衆議院選挙においても、通信料金の引き下げを国民の皆様に対する選挙公約といたしました。その後においても、国会における代表質問等の機会を通じて、すべての国民がその果実を享受できるIT社会の実現に向けて通信料金の引き下げこそが最大の決め手であり、これを国家意思として国策に盛り込むべしと、総力を挙げ運動を展開してきたところであります。
 あらゆる通信料金の引き下げは、IT社会実現への基本戦略にとって基本中の基本であらねばならないと確信します。
 例えば、先般来、株価が日経平均で一万五千円台を割り込むなど、景気の回復的基調に対して水を差しかねない状況が見えましたが、これについても、米国の市場動向の影響ももちろんあるんでしょうが、我が国サイドの株価下げの要因としては、IT産業の先行きに対する市場筋の懸念も見過ごすわけにはいかないと思うのであります。
 もちろん、我が国IT産業に対する過剰期待が失われ、安定的なレベルに戻りつつあるという見方もないではありません。しかし、そうした一方で、これまでの株価水準を支え、牽引してきたIT銘柄について魅惑的な買い材料がなくなってきている、そういう見方が次第に浸透しつつあります。
 特に、内外の市場筋が一番注目しているのは、我が国の通信コストの高さが資本市場から見て非常なマイナス要因となっているということであります。我が国が、今後、通信コストの軽減策を具体的に講じるか否か、通信市場に競争政策を本気で導入しようとしているのかどうか、それをこそ市場筋は注目しているのであります。今ここで、高い通信コストを是正するための政策を具体的にかつ着実に打っていかないと、我が国経済産業の景気動向、パフォーマンスが伸びず、さらに悪化していく可能性すらあると言わざるを得ません。
 その意味からも、また、教育の情報化や産業の育成、デジタルデバイド予防の面等からも、通信料金の引き下げについて、目標値を現行水準の半分ぐらいのレベルとして、それを遅くとも二〇〇二年中に実現するなどの努力目標を国家戦略として設定すべきと考えます。
 通信料金の引き下げは、その背景として、当然市場の公正有効な競争の促進を前提としております。それは単にコストの軽減のみにとどまらず、経済産業システムのグローバル化をも意味します。この通信料金引き下げへの国家目標化について、総理の明確な御見解をお伺いいたします。
 関連して、通信・放送に関する諸規制について伺います。
 通信・放送の融合は必然の流れであり、こうした業態の枠を超えた経済社会の変化こそが大きなビジネスチャンスにつながることは言うまでもないことであります。産業構造の枠組みの変化こそは、新ベンチャービジネスが立ち上がる苗床であると考えます。その意味から、自由なビジネスの発動の芽を摘みかねない諸規制については徹底して簡素化し、関連する制度を全面的に見直すべきだと考えます。
 これらに関連する諸制度の見直しは、まず法律を改正し、その後付随する政省令等の細部のルールを手直しするわけですが、すべてを手直しするには一年程度の少なからぬ時間を見込まざるを得ません。そのことを考えたとき、他の先進諸国の動向を踏まえましても、次期通常国会において関連する法律の改正がどうしても不可欠であると考えます。
 また、国民に対しても、さらには若きベンチャー起業家や内外市場筋等に対するわかりやすいメッセージとしても、通信・放送関連の現在ある七つの法律で三百余りある許認可を、精査の上百以下にするなど、簡素化の指標を明確に提示すべきだと思います。これら次期通常国会における法改正への取り組み並びに許認可の大幅簡素化についていかがお考えか、御見解を伺います。
 また、通信料金の引き下げへの施策等と関連して、高速大容量の通信環境の整備の促進についても重要であります。これも、情報通信市場の公正有効競争の確保を通じてこそ実現するものと考えます。この高速大容量の通信インフラについても、いつ、どの程度のものを整備するのか、米国等のIT先進各国におけると同様な意味における国家目標が必要と考えます。総理の御見解をお伺いいたします。
 次に、電子政府について伺います。
 本法案の施策の基本方針に、電子政府、電子自治体の推進が挙げられております。公明党は、電子政府早期実現推進法案を議員立法として昨年から準備するなど、その早期実現のために全力を挙げてまいりました。その観点からお伺いいたします。
 まず、膨大な政府の申請手続の電子化をどのようなスケジュールで行うお考えか、いつまでにこれに関する法的手続を完了されるのか、この点については重点計画に盛り込むことを想定しておられるのか、さらには、膨大な作業を効率化させるという観点から、全省庁横断的な対応、例えば行政手続法のような手続の電子化のための一般的な法律を、現行の縦割り行政の非効率を乗り越え、まさに総理のリーダーシップで策定されてはどうかと考えるところであります。総理、これらの諸点についてお考えをお伺いいたします。
 加えて、各省庁がばらばらのシステムでは、利用する側の利便性にもとることになるのではないかと恐れます。本来、行政は国民に奉仕する機関として存在するわけでありまして、電子政府という以上、行政の電子化が行政の内部的な効率化ということに閉ざされるようなことは決して許されません。電子政府の早期実現は、すなわち利用する国民の使い勝手のよい政府の早期実現であらねばなりません。電子政府の実現に当たって利用者本位をどう担保するのか、御見解を伺います。
 いま一つは、地方自治体の電子化、すなわち電子自治体の実現をどのように促進していくのかという点であります。
 中央政府のみが電子化されたとしても、それだけでは不十分であることは言うまでもありません。国民一人一人に利便をもたらすという行政の本来のあり方、すなわち国民生活に直結するという観点からは、むしろ中央政府よりも地方自治体における電子化の方がより重要であると言うべきであります。
 過日、先進的自治体と言われております横須賀市を訪問し、さまざま現地視察を行いました。その後、沢田市長と面談した際、市長に、ITをどのような角度で市民に訴えておられるんですか、このようにお伺いしたときに、市長は、ITを使えば得をする社会づくり、これをやりたいんだ、このように言っているというふうにおっしゃっておられました。手続の点で、また買い物等において、時間を節約できる、価格の面で得をする、まさにそのとおりと感服して帰ってまいりました。
 IT、考えてみれば、Iはいいことありまっせ、Tは得しまっせ、このような言い方もできるのかなと思いますけれども、ITを活用していかに住民サービスを向上させるか、重要な課題であります。地方行政の電子化の早期実現、特に利用者本位の住民サービスの向上を担保した電子自治体の早期実現への基本方向、スケジュールをお示しいただきたいと存じます。
 次に、IT基本法の成立は、我が国がIT先進国の仲間入りをし、さらには世界最高、最速のIT社会を実現するとの内外に向けた決意の表明であると考えます。
 競争政策の促進と料金低廉化と高速大容量基盤の整備は、ともに相互に密接に関連する課題であります。また、IT革命の光とともに影の部分をも直視して、個人情報保護等の新しい法体系の整備を急ぐことも必要であります。与党三党は、世界最高水準の、速く、安く、安心なIT社会の一日も早い実現を目指しております。今後、それを実現するに当たっては、縦割り行政の弊害の克服と各種利害の克服が何よりも重要だと考えます。まさしく総理のリーダーシップをもってする以外にそれを進める方法はありません。
 現在の我が国の経済の状況、また世界各国のIT化のスピードを考えると、この一年間に、大きな制度改革はすべて集中的に解決することが不可欠です。そういう意味で、本臨時国会、また次の通常国会がまさしく天王山になると考えます。この二つの国会を通じて、総理御自身がIT関連の諸施策の推進を火だるまになってもみずからがやり抜くという、そのお覚悟のほどがぜひとも不可欠だと考えます。
 総理のIT革命、すなわち情報通信制度の革命にかける御決意のほどをお伺いし、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣森喜朗君登壇〕
○内閣総理大臣(森喜朗君) 本法案におきます重点計画についてのお尋ねでありますが、この重点計画は、本法案に定める基本理念、基本方針にのっとり、高度情報通信ネットワークの形成、人材育成、電子商取引の促進、行政の情報化等につき、政府が迅速かつ重点的に実施すべき具体的な施策を定めるものであります。
 御指摘のIT国家戦略は、IT戦略会議において今年中にお示しをいただくことになっておりますので、これを十分に踏まえつつ、本法案施行日である来年一月六日以降できる限り速やかにこの重点計画を策定し、二十一世紀における我が国のIT戦略の具体的方向、内容を明らかにしたいと考えております。
 通信料金引き下げの国家目標化についてのお尋ねでありますが、議員御指摘のように、通信料金の引き下げにより、経済、産業システムのグローバル化を進めていくことは重要なことと考えております。
 このため、本法案において「広く国民が低廉な料金で利用することができる世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成を促進する」との目的を明示し、これに沿って、事業者間の公正な競争の促進などを通じ、通信料金の引き下げに努めていく考えであります。
 通信・放送に関する諸規制見直しについてのお尋ねですが、政府は、規制の見直しについて不断の取り組みを行ってきており、電気通信事業における参入規制、外資規制及び料金規制の緩和や放送における料金規制の緩和など、積極的な規制改革を行ってきたところであります。
 今後とも、情報通信分野における競争が促進されるよう、許認可の見直しなど規制改革を大胆かつ迅速に推進していくことが必要だと考えており、規制改革委員会、IT戦略会議、電気通信審議会等の議論を踏まえ、必要な法改正を早急に行うなどの措置を講じてまいりたいと考えております。
 高速大容量の通信インフラについての国家目標に対するお尋ねがございました。
 超高速大容量の光ファイバー網の整備については、民間主導原則のもと、二〇〇五年までに全国整備を実現するように努めるとの政府目標を持って進めることといたしております。五年後には我が国を世界の情報通信の最先端国家とすべく、超高速インターネットの整備を図ってまいる考えであります。
 政府の申請手続の電子化についてのお尋ねがありました。
 申請手続につきましては、平成十五年度までに、約一万件の手続のほとんど、約九四%を電子化する予定であります。法令の改正が必要なものにつきましては、電子化にあわせて逐次改正を行います。その際、縦割り行政の弊害が生じないよう、できる限り一体的に対応してまいります。
 なお、申請手続の電子化については、重点計画に盛り込まれるものと考えております。
 電子政府の実現に当たって、利用者本位をどう担保するかについてのお尋ねがありました。
 電子政府の実現に当たっては、国民の利便性の向上を図る観点から、現在のIT戦略会議の民間有識者の方々などの御意見を十分伺うなど、広く国民の声を聞きながら、国民への行政情報の電子的な提供や申請手続の電子化等において、国民に使いやすいものとなるように進めてまいりたいと考えております。
 また、本基本法案におきましても、基本方針として、国民の利便性の向上を図る旨を規定いたしており、この方針に沿って、官民一体となった推進戦略本部において重点計画を作成して推進してまいりたいと考えております。
 地方行政の電子化の早期実現についてのお尋ねでありますが、議員御指摘のとおり、すべての国民がITの恩恵を受けるためには、住民に身近な地方公共団体における取り組みが大変重要と認識いたしております。
 IT戦略会議におきましても、電子自治体の推進が最重要課題の一つに位置づけられており、行政サービスの向上等を図る観点から、地方公共団体が自治事務等として行う申請、届け出などのオンライン化に関する政府の取り組み方針を年内に策定するとともに、すべての地方公共団体を結び国とも接続する総合行政ネットワークの平成十五年度までの構築を要請する等、電子自治体の早期実現への取り組みを進めてまいります。
 IT革命にかける決意に関するお尋ねでありますが、IT革命は産業革命に比すべきものであり、新生経済の起爆剤であるとともに、社会生活そのものを大きく、しかも短期的に変えるものと認識をいたしております。
 こうしたIT革命への対応についてスピードが不可欠との御指摘は同感でありまして、今国会に、法制面の対応として、本法案と、民間同士の書面の交付等を義務づけた法律を一括して改正するための法律案を提出したのも、その思いからであります。
 また、来年の通常国会に向けて、電子商取引の特質に応じた新たなルールや、個人情報保護など情報化社会の基本ルールの整備を行うなど、高度情報通信ネットワーク社会の形成を本格的に推進するために必要な法律案の策定作業を急ぎたいと考えております。
 さらに、年内に策定されますIT国家戦略に基づき、民間主導原則のもと、超高速インターネットの整備を図るとともに、インターネットサービスの低廉化や利便性向上の促進、電子政府の実現、規制改革等諸制度の見直し、公正かつ有効な競争条件整備などの諸課題について、私がみずからリーダーシップを発揮して、本法案に基づく重点計画を早急に策定し、政府一体となった取り組みを迅速かつ集中的に進めてまいる所存であります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(綿貫民輔君) 樋高剛君。
    〔樋高剛君登壇〕
○樋高剛君 私は、自由党を代表して、ただいま議題となりました高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案に関して質問いたします。
 まず、法案の質疑に先立ち、ただしておかなければならない問題について伺います。
 その第一は、森総理が、イギリスのブレア首相と二十日にソウルで会談した際に、北朝鮮による日本人拉致問題に関連して、行方不明者として第三国で発見する打開案を北朝鮮に打診していたと発言したことについてであります。
 発言が、人命、人権のみならず主権、国益にかかわる重大発言であることに加えて、問題がまだ解決もしていないのに内密に交渉した事柄を明らかにするというのであれば、外交交渉など成り立ちません。これで、拉致問題の解決を初め日朝交渉はますます困難になることは明らかであります。
 失礼ながら、森総理は総理大臣としての資質に欠けると指摘せざるを得ません。森総理は責任をとって総理大臣を辞任すべきであります。総理はいかにお考えか、お答え願いたい。
 第二に、KSDで不透明な経理操作が行われている問題について伺います。
 KSDの資金から億単位の金額が財団幹部に流れていたとされ、KSDが任意団体として設立したKSD豊明会は自民党に対して年間数千万円の政治献金を行っており、補助金流用の疑いもあります。また、関連の政治団体、豊明会中小企業政治連盟を通じ、国政選挙前に閣僚経験者ら自民党の立候補予定者を中心に陣中見舞いとして多額の資金を提供したり、昨年秋の自民党総裁選では九万九千人もの党員、党友を集め、党費を立てかえていたと言われております。
 この問題は、単にKSDだけの問題ではありません。また、党費立てかえ問題の本質は選挙制度にあるものでもありません。党費立てかえとはまさに買収であり、公益法人と自民党との癒着、政治家と業界の癒着体質そのものを改革しなければなりません。この問題の徹底解明とあわせて、森総理の自民党総裁としての御所見をお聞かせください。
 第三に、中川秀直官房長官の右翼団体幹部との交友疑惑について伺います。
 中川官房長官は、先月二十八日の衆議院予算委員会で、質問者から指摘された右翼団体幹部との関係について、直接的には存じません、事実無根と答弁しておられました。また、政府は、中川官房長官は日本青年社とは何らかかわりがないなどとする答弁書をこの十七日に閣議決定したばかりであります。しかるに、十八日発売の週刊誌には右翼団体幹部と会食する写真が掲載されて、さらに、書かれている内容が事実とするならば、政治家の行為として到底あってはならない記事が記載されているのであります。少なくとも、問題の写真についてはもはや言い逃れはできません。
 中川官房長官がなお事実無根であるとおっしゃるのであれば、みずからそれを立証する責任があると考えますが、週刊誌発売後の記者会見で、幾ら記憶をたどっても十分記憶がない、面識があるという認識はないと発言している以上、みずからの立証は困難であり、そうであるならば、おやめいただくしかありません。(拍手)
 また、答弁書を作成した森内閣自身の責任も問われなければなりませんが、中川官房長官と森総理からそれぞれ御答弁ください。
 では、次に、IT基本法案に関連してお尋ねしてまいります。
 森総理大臣は、さきの所信表明演説で、ITという言葉を二十数回も連発され、IT施策の重要性を強調されました。しかし、今月十二日に開催されたある団体の大会でのごあいさつで、子供がテレビゲームに興じ、お父さんやお母さんがパソコンに打ち込んでいる家庭の姿を見ていると、これでいいのかと疑問がわく、正直言って、社会全体がすべてIT化していくことには個人としてはためらいもあるとお述べになったと報じられております。総理大臣にためらいながらIT社会を建設されたのでは、国民はたまったものではありません。
 我々自由党は、戦後保守が置き去りにしてきた教育や地域共同体の崩壊は、少年犯罪の凶悪化に象徴されるように社会経済の根幹を揺るがすまでになっており、日本経済の再生は、グローバル化に対応し得る人材の育成と構造改革なしには不可能であると考えております。
 長い歴史と伝統を踏まえ、日本人の心と誇りを大切にする国家を築くことによって、初めて自由で創造性あふれる自立国家日本をつくることができるのであり、IT社会の建設は家庭や社会を大切にする心をはぐくむ教育と矛盾するものではないと考えますが、森総理の御所見をお聞かせください。
 この六月にiモードが一千万台を突破するなど、今やIT社会は国民生活に深く浸透しつつあります。自由党は、この際、IT革命により世界に誇り得る新しい日本型経済モデルを築くため、その突破口として、携帯型インターネット接続機器を全国民に無料で配布するよう提唱いたします。
 だれもがインターネットを利用できるように、操作の簡単なモバイル端末、すなわち携帯型インターネット接続機器を全国民に無償で配布して、それによりハード、ソフトの両面でサプライサイドの大規模な設備投資を促し、だれもがその機器により買い物、決済、行政サービスの利用、納税手続などをその場でできるシステムを築き、IT革命をてこに我が国経済社会のすべてにわたる構造改革を断行するという自由党の提案について、森総理はどうお考えになるか、補正予算に組み込まれるお考えはないか、お尋ねしたいのであります。
 次に、IT戦略を推進する上での体制整備について伺います。
 政府が先ごろ決定した経済対策である日本新生のための新発展政策には、IT関連の事業がメジロ押しであります。これまでも、看板となるようなキャッチフレーズをつくり、それに各省庁が競い合って関連事業をひねり出し、予算の獲得を目指すという手法が行われてまいりました。今回またそれが繰り返されようとしております。IT革命によってどのような社会をつくろうとするのか、その姿は一向に見えてまいりません。
 法案の基本方針に挙げられている「世界最高水準の高度情報通信ネットワーク」とはどのような社会なのでありましょうか。何から何まで公費で手当てするのはかえって民間の活力を損ない、逆効果であります。ITを看板に各省庁が事業費を奪い合うようなやり方はやめて、民間を中心にIT社会を構築していく必要があると考えますが、官と民との役割分担についてどのようにお考えか、森総理のお答えをいただきたいのであります。(拍手)
 あわせて、各省庁の縦割りではなく、政府が一体となって取り組む体制が不可欠と考えますが、法案にある戦略本部が十分な機能とリーダーシップを発揮するとは到底思えません。官房長官がIT担当大臣を兼任するという現状を含め、改める考えがおありかどうか、総理の御意見をお聞かせください。
 次に、IT社会を建設する上での条件整備についてお伺いいたします。
 総務庁が九月末に発表した昨年の全国消費実態調査では、三十歳未満の電話代が五年前の約二倍、四十歳代のパソコン購入費はやはり五年前の十倍にも上っており、国民が食べるものや着るものを節約してITの費用を捻出しているという実態が明らかになっております。インターネットをさらに普及させていくためには通信料金を大幅に引き下げていく必要があると思いますが、森総理に具体策があれば伺います。
 また、IT分野での大幅な規制緩和と競争促進策を講じていくことが、IT社会を建設していく上での最重要課題であると考えます。例えば、周辺業法規制の撤廃・緩和、光ファイバー網や電柱、共同溝などの通信施設の開放、公共放送の範囲や受信料制度のあり方の見直しなど、既存の法制度について大胆に改革していくお考えがおありかどうか。法案では「規制の見直し」という表現で触れているだけでありますが、撤廃、緩和まで踏み込んでいく決意はないのか、森総理大臣の御見解をお聞かせいただきたいのであります。
 最後に、IT革命が進行する中で、それに伴う負の部分についても克服していかなければなりません。最近の少年犯罪もインターネットの影響を受けたものが増加しておりますし、電車や町中での携帯電話の使用のあり方などについてのモラルや、ネットの匿名性を利用した不法行為など、いずれも冒頭申し上げた教育の問題が深くかかわってまいります。
 人間としてなさねばならないこと、してはならないことを、教育現場はもとより、家庭、地域社会、国民全体が強く自覚して新しい日本を築いていかなければならないと痛感するものでありますが、御所見があれば森総理大臣にお伺いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣森喜朗君登壇〕
○内閣総理大臣(森喜朗君) さきのソウルにおきます日英首脳会談での拉致問題に関する私の発言について御質問がございました。
 二十日にソウルで行われた日英首脳会談は、英国として北朝鮮と国交を樹立する方針を固めたことを踏まえ、この機会に私と直接北朝鮮問題について意見を交換しておきたいとの考えから実現したという経緯がございます。
 このような経緯もあって、会談では、ミサイル問題、核問題等の安全保障上の問題を初め、北朝鮮をめぐるさまざまな重要な問題について率直かつ突っ込んだ意見交換を行いました。その中でブレア首相から、北朝鮮との交渉において問題となっている点を教えてほしいとの話があり、私から、拉致問題の二十年来の経緯、御家族の状況や国民の関心の度合いについて説明の上、この問題が我が国と北朝鮮との国交正常化にとって避けて通れない問題であることを詳しく説明をいたしました。
 御指摘の部分は、私が参加した九七年当時の与党訪朝団の際の日朝間のやりとりをブレア首相に紹介した部分に関するものでありますが、これは、北朝鮮側との激しいやりとりの結果、行方不明者として調査を行うことになったことを説明した中で、訪朝団の副団長である中山議員が一つの解決策として述べられたことを紹介したものであります。
 なお、北朝鮮側とのやりとりの結果、行方不明者として調査を行うことになったことについては、右与党訪朝団の記者会見において既に一般に明らかにしており、周知のことであります。
 私がこのような話をブレア首相にしたのは、この問題がさまざまな経緯のある深刻で困難な問題であるということを、これから北朝鮮との国交樹立を行うという英国の首脳に日本の立場を十分理解してもらうことが、我が国の対北朝鮮政策上も重要と考えたからであります。
 当然なことながら、拉致問題は我が国国民の生命にかかわる重要な問題であり、国民の納得いく形で解決することが不可欠と考えており、引き続き、国交正常化交渉等を通じてこの問題の解決の糸口を見出すべく、粘り強く取り組んでいくことが私の責務であると考えております。
 ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団に関連してのお尋ねがありました。
 ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団に関しては、現在、同財団前理事長の背任容疑で捜査中であり、また、政治資金に関しては、既に政治資金規正法で収支報告を行うことが義務づけられ、収支報告書は一般に公表されているところであり、私の立場として改めて調査をする必要はないと考えております。
 なお、自由民主党の党費につきましては、党において適切な手続を経て処理されているとの報告を受けております。
 中川官房長官と右翼団体幹部との交友に関連しての御質問がありました。
 本件については後ほど官房長官より答弁があると思いますが、中川官房長官は、国会において、御指摘の人物との交友を否定しており、また、内閣としては、中川官房長官の説明を踏まえて、御指摘の団体とは何らかかわりがないとの答弁書を作成したものであり、その点については何らの問題はないと考えております。
 IT社会の建設と、家庭や社会を大切にする教育との関係についてのお尋ねがありました。
 IT社会の実現は、二十一世紀という時代に合った豊かな国民生活の実現と我が国の競争力の強化を実現するためのかぎであり、社会のあらゆる分野において創造的かつ活力ある発展を可能にするものであります。
 他方、情報化の進展は、個人の孤立化や人間関係の希薄化、自然体験、社会体験の不足などの問題をもたらすおそれもあります。したがって、IT時代にこそ、知識に偏重した教育ではなく全人教育を推進することが必要であり、家庭や社会を大切にする心をはぐくみ、豊かな人間性を育成する教育を十分に行っていくことが重要であると考えております。
 携帯インターネットの端末の無償配布についてのお尋ねでありますが、今般、IT革命の飛躍的推進等に重点を置いた日本新生のための新発展政策を取りまとめたところであります。そこでは、規制改革等法制度の整備、二十一世紀の新たな発展基盤の整備など、時代を先取りした経済構造改革を推進する包括的な政策を盛り込んでおります。
 このように、IT革命の飛躍的推進によって我が国の経済構造改革を行うという基本的な考え方は自由党の提案と同様のものでありますが、その方法については意見を異にするものであります。携帯端末の無償配布というのではなくて、この日本新生のための新発展政策においては、IT社会の基盤となる制度改革を進めるとともに、施設の充実、利用技能の普及、情報の中身の増強の三本柱によって、ITの自律的な発展を確実にするとの考えのもと、学校の情報関連施設や公衆インターネット拠点等の設置の推進、これら情報拠点を積極的に活用したIT利用技能の向上、さらには最高水準の電子政府の早期達成、電子商取引拡大に向けた環境整備等を行ってまいりたいと考えております。
 なお、補正予算は今回のこのような経済対策を踏まえて編成されることから、御提案の施策を補正予算に組み込むことは考えておりません。
 官民の役割分担についてのお尋ねでありますが、高度情報通信ネットワーク社会の形成に当たり、私は、民間による自由かつ創造的な取り組みが基本的に重要であると考えております。政府の役割は、IT分野における民間の知恵と活力を最大限に引き出すことにあり、そのための環境整備を行うことであると考えており、その旨を本基本法案にも規定しているところであります。
 具体的な施策としては、民間主導の原則のもと、超高速インターネットの整備を図るとともに、インターネットサービスの低廉化や利便性向上を促進することを初め、規制改革等諸制度の見直し、電子商取引の特質に応じた新たなルールや情報化社会の基本ルールの整備、公正かつ有効な競争条件の整備、基礎的、先端的な研究開発の推進などが政府が取り組むべき課題であると考えております。また、自治体を含めた電子政府の実現が、高度情報通信ネットワーク社会への対応を加速する意味で急務であることは言うまでもありません。
 政府の取り組み体制についてのお尋ねでありますが、本法案において、高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する施策を迅速かつ重点的に推進するため、内閣に高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部を置くことといたしました。この本部はすべての国務大臣と民間の有識者により構成され、私が本部長を務めることといたしております。
 内閣に置かれるこの官民合同の本部は、政府としての一元的な取り組みにとどまらず、官民の総力を結集するものであり、IT革命を推進する上で有効なものであると考えております。
 私は、このような体制のもと、内閣を挙げてIT革命を推進していく決意であり、IT担当大臣の任命についても適切に対応してまいりたいと考えております。
 インターネットの普及のための通信料金の引き下げについてのお尋ねでありますが、さらに普及させるためには、なお一層の料金の引き下げを早期に実現することが重要な課題であるということを認識いたしております。
 このため、具体的には、光ファイバー等の新たなインターネットアクセス手段の導入を図ることなどにより通信事業者の新規参入を促進して、事業者間の公正な競争の促進などを通じて料金の引き下げを図ってまいります。
 IT分野の規制緩和と競争促進策についてのお尋ねでありますが、私は、IT革命の推進に当たって、公正な競争の促進とともに、高度情報通信ネットワーク社会の形成を阻害する既存の規制の撤廃、緩和を含めた見直しが不可欠であると認識しており、本基本法案にこの考えを明示しているところであります。
 具体的な施策として、まず、ITの利用の妨げとなるような、民間同士の書面の交付等を義務づけた法律を一括して改正するための法律案を既に今国会に提出したところであります。これに加え、事業者間の競争を促進するための方策として、通信施設の開放のためのルールづくりに取り組むほか、通信と放送の融合に係る規制についても広く検討を進めており、検討の結果については早急に措置していくことといたしております。
 今後とも、IT分野における民間の知恵と活力を最大限に引き出すことができますように、規制改革と競争の促進を積極的に進めてまいる所存であります。
 情報化の負の部分への対応についてのお尋ねでありますが、いわゆる情報化の負の部分としては、ネットワーク上の不法行為やモラルの問題、有害情報のはんらんなどが指摘されております。
 こうした負の部分を克服し、新しい日本を築いていくためにも、学校教育のみならず、家庭や地域社会が連携しつつ、子供たちの社会性を育成するとともに、社会生活上のルールや基本的なモラルに関する倫理観をはぐくみ、社会全体として調和のとれる人間性の育成を図ることが重要であると考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣中川秀直君登壇〕
○国務大臣(中川秀直君) 右翼団体幹部に関連して御質問がございました。
 既に本日の本会議での御質問にお答えしたとおりでありますが、さきにも御答弁申し上げたとおり、私としては、御指摘の人物を直接的に存じ上げておりませんし、会食もしくは面識の事実については、私自身記憶が十分ございません。また、日本青年社と何らかかわりがないことについては、質問主意書に対する答弁で明らかにしたとおりであります。
 写真週刊誌との関連での御指摘かと思いますが、そもそも写真の人物が御指摘の人物なのかどうか、面識なく、判断ができません。また、仮に御指摘の人物であるということであれば、幾ら記憶をたどっても、記憶がございません。あえて申し上げれば、長い政治活動の中で、さまざまな場所でさまざまな人とお会いしたり会食していますので、何らかの会合でたまたま知らずに同席したことがあったかもしれませんが、十分記憶がないわけであります。
 立証責任があるという御指摘でございますけれども、当初より国会でもこのように申し上げているところであり、一部週刊誌の報道をもとに、立証責任云々という御指摘は心外でございます。私としては、現下の内閣の重要課題に全力を挙げて取り組むことこそ私の果たすべき責任であると考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
    〔議長退席、副議長着席〕
○副議長(渡部恒三君) 松本善明君。
    〔松本善明君登壇〕
○松本善明君 私は、日本共産党を代表して、高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案、いわゆるIT基本法案などについて質問をいたします。
 法案に入る前に、国政上の重大問題である総理のいわゆる拉致疑惑発言と、この法案の担当大臣である中川官房長官の暴力団癒着疑惑問題について質問をいたします。
 総理、あなたのいわゆる拉致疑惑に関するイギリス・ブレア首相に対する発言は、日本政府の外交能力が問われる重大問題になっております。これに驚いた総理は、行方不明者が第三国で発見という発言が与党訪朝団の副団長であった中山正暉氏の個人的発言だとして切り抜けようとしておりました。しかし、総理自身、ブレア首相との会談直後、記者団に、役割分担して訪朝団として発言したと述べていますように、これが団長であったあなた自身を含めた与党訪朝団の正式提案であったことは明白であります。しかも、当の中山氏が、正式の会談の場で提案した、冗談でないと正面から否定をしております。
 そこで、具体的にお尋ねしますが、三年前の与党訪朝団で具体的にこのような提案を行ったのかどうか、第三国で発見という提案がその後どのように交渉されてきたのか、現時点でこの提案が生きているのかどうか、明確にすることを求めるものであります。
 さらに、あなたがブレア首相に日朝交渉の現状を述べた中で、第三国で発見という打開策なるものまでなぜ発言する必要があったのか、わざわざ首脳会談に持ち出した真意は一体どこにあるのか、明確な答弁を求めるものであります。
 私は、このようなあやふやな態度で果たして日朝交渉が進展するのか、深い危惧の念を抱かざるを得ません。総理の責任について明確な答弁を求めます。(拍手)
 次に、中川官房長官の右翼幹部との癒着問題であります。
 官房長官、あなたは国会での質問に答えて、日本青年社幹部との間に面識はないと答弁をいたしました。しかし、酒食をともにしている写真が報道されると、記憶にないなどと言い逃れをしております。報道されたのは、面と向かって平身低頭している写真で、面識がないというのは成り立たないし、記憶にないなどという言い逃れも通用いたしません。事は、国会でのあなたの答弁がうそだったのではないかという重大な問題であります。真相をみずから明確にすることを求めます。
 さらに重大なことは、日本青年社の最高幹部には住吉会の最高幹部がついていることに示されますように、指定暴力団と一体ともいうべき深いつながりを持った団体だということであります。しかも、この団体が、尖閣諸島に上陸して灯台や神社を建てるなど、政府自身が遺憾なやり方と批判した挑発行動を行ってきたことは周知の事実であります。
 尖閣問題に関するビデオを日本青年社から送られ、これに対して礼状を出し、日本青年社の機関紙上でこの七月にでかでかと掲載される。このようなつき合いの事実こそが政治責任を厳しく問われる問題であります。官房長官の立場とは断じて両立をいたしません。任命権者である総理と中川官房長官に答弁を求めます。
 以下、IT基本法案について質問をいたします。
 二十一世紀を前にして、コンピューターを初めとした情報通信技術の発展は、人類の文化、技術の発展の中でも画期的な一段階を開きつつあります。特にインターネットの発展と普及は、世界じゅうのコンピューター同士の通信を可能にし、既に国民の二割以上がこれを利用し、多様な情報を入手し発信する新しいコミュニケーションの手段となっております。この問題は、日本国民の二十一世紀の生存と生活の基盤を守る重要課題の一つであるだけに、長期的視野に立った本格的な対策が必要であります。
 我が党は、特に新しい技術を社会全体が活用できるように国民の共有財産とし、その成果を国民すべてが受けられるようにする方策や、ITを利用した新たな犯罪を防止する対策、ITのもたらす否定的諸問題への対応などを当面特に重視する必要があると考えております。
 この法案についてまず言いたいことは、民主主義の立場を徹底するということであります。政府案の、目的、理念、基本方針、どこから見ても民主主義の立場がありません。これは、基本法として最も重要な情報技術の発展、高度なネットワークの構築を日本の民主主義の発展につなげるという観点がないということであります。言いかえれば、多くの国民が情報を入手するとともに発信できるという言論の自由を新しい段階につなげるという基本的観点がないということであります。
 情報通信技術の発展は、まさに民主主義の発展、国民生活、福祉の向上、文化の発展のために重要な貢献をいたします。現に、通信と密接にかかわる放送法でも、民主主義の発達をうたっております。
 総理、この基本法にそうした民主主義的立場を徹底すべきではありませんか。はっきりお答えいただきたいと思います。
 次に、すべての国民に情報へアクセスする権利を保障する問題であります。
 法案の第十六条には「世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成を促進する」とあり、政府はこの最高水準をアメリカと考えているようでありますが、アメリカのゴア副大統領は、新しい通信方法は私たちに情報をもたらし、教育を助け、民主主義を広めると述べています。
 アメリカ政府の高度情報通信ネットワーク建設の方針を定めた全米情報基盤行動アジェンダには、国民一人一人に対して情報源へのアクセスを保障することは行政の義務であると書き込まれております。そして、原則を掲げるだけでなく、九六年に改正した電気通信法で、インターネットへのアクセスが全国のすべての地域で提供されなければならない、全国すべてで都市部と同じ安い料金でできるべきである、小中学校とその教室、図書館、医療サービスの提供者にはインターネットへのアクセスが与えられなければならないと定めたのであります。
 インターネットの普及率は、アメリカは日本の約二倍です。学校への普及率では約一・五倍、図書館は約三倍であります。アメリカのインターネットが普及しているのは、単に事業者の競争が盛んだからだけではなく、政府がすべての国民に情報へのアクセスを保障しているからであります。基本法案には、この近代国家のイロハがないのであります。
 インターネットは、まさに画期的な情報へのアクセス手段であります。これをすべての国民に保障することこそ、高度情報通信ネットワーク社会の形成に当たって国の果たすべき第一の責務であります。法案第八条では、情報格差の是正が積極的に図られなければならないと言っておりますが、低廉な価格で高度情報通信ネットワークを利用することを国民の権利として保障することが重要であります。
 総理、政府の責務と国民の権利を法案に明記する必要があると考えませんか。明確な答弁を求めるものであります。(拍手)
 情報格差の是正を国民の権利の問題としてとらえることの重要性は、身体障害者の問題を考えれば一番よくわかります。
 難病で手足の機能が失われ、ベッド生活を強いられている身体障害者は、頭の中で文章を考えてもそれを表現するすべがなく、そういう人たちにとってパソコンは革命的だと言われております。こうした人で、家族の援助を得て農業をしている人がおりますが、ベッドの頭の位置につけたセンサーを唇で押す特別なスイッチを使って入力し、インターネットで作付や出荷状況をやりとりしているのであります。
 こうした障害者にとって、ITは生活必需品であるだけではなく、文字どおり光明であります。また、こういう人の人生を知ることは、健常者の人生にも勇気をもたらします。
 アメリカの九六年通信法は、障害者に使いやすい電気通信装置を開発することを事業者に義務づけております。EUでは、情報社会の恩恵を全欧州市民に漏れなく届ける十項目の計画の中に、身障者に対する一項目を起こし、年次計画を立てております。日本では、具体的条文どころか、重点計画をつくることにすらなっておりません。メーカーに対して電気装置開発を義務づけるとか、基本法に条項を設けて特別の措置を設けるなどすべきではありませんか。総理の明確な答弁を求めるものであります。
 一方、IT化が進むと、リストラや下請中小企業を淘汰することなどによって、不安定雇用が大幅に増大するおそれがあります。また、情報通信ネットワークを利用できる者とできない者との間で所得の格差が拡大し、悪循環することも考えられます。既に、個人情報の流出やネット犯罪が多発しております。IT普及に伴うこれらの弊害について万全の対応が必要であります。総理、これらにどのように対処しようとしているのか、答弁を求めます。
 次は、ITに名をかりて従来型の公共事業予算を推進するという状況が生まれているという問題であります。
 日本の光ファイバー網の整備は、国土が二十五倍もあるアメリカの二倍であります。世界有数の光ファイバー大国と言っても過言ではありません。NTTを中心に、既に、全人口の三六%をカバーするだけの光ファイバー網があります。政令市と県庁所在地に限ってみれば五六%、ビジネスエリアでいえば九三%がカバーされております。しかし、料金が月額十五万円もするために、ほとんど使われていないというのが実態であります。
 他方、建設省が国道のわきにつくる専用溝、いわばトンネルを掘る工事は、今年度末までに約一万六千キロが完成いたします。しかし、民間企業が借りて使用しているのは、わずか四百五十キロしかありません。一部人気地域を除けば、がらがらであります。マスコミから、全国各地に休眠状態の光ファイバー網がいたずらにふえることになりかねないと指摘をされているのであります。その上、下水道にまでも同様にしようとしています。こうしたやり方は改めるべきではありませんか。答弁を求めます。
 私は、IT革命の看板を従来型の公共事業予算の推進策に使ったり、景気対策の手段にする目先の無責任な対応ではなく、長期的視野に立った本格的な国民的対策を行うことこそが必要であるということを強調して、質問を終わるものであります。(拍手)
    〔内閣総理大臣森喜朗君登壇〕
○内閣総理大臣(森喜朗君) 与党訪朝団の提案についてお尋ねがありました。
 訪朝団が北朝鮮側と協議を行った際、問題により発言を分担していましたが、拉致問題については中山副団長から話をされました。その際、中山議員から、団を代表されて、国交正常化交渉の再開に向けた環境醸成を考える上で重要な問題として拉致問題を取り上げ、その早期解決に向けた建設的な対応を求められました。
 北朝鮮側の当初の反応は、拉致は存在しない問題であり、そのような問題を取り上げることは、国交正常化交渉の再開に向けた環境醸成という訪朝団の趣旨に沿わないというものでありました。
 我が方の主張に対し、北朝鮮側は、一度は席を立ったりもいたしましたが、最終的に、中山副団長が示された考え方などから、北朝鮮側は一般の行方不明者としてその調査を行うこととするということで、ようやくまとまったという経緯がございます。
 訪朝団として提案をし、合意したのは以上のような内容であり、そのことは、訪朝団としての記者会見でも明らかにいたしているとおりであります。
 しかし、御指摘の、拉致被害者が第三国で出現する云々というのは、こうした一連のやりとりの中で、副団長である中山議員から、息子や娘に一刻も早く帰ってきてほしいという家族の切実な心情を説明する意味で、一つの例として、拉致被害者が第三国で出現するという方法もあるということを北朝鮮側に説明されたものであります。また、このようなやりとりをされた中山議員は、訪朝団として帰国された後も、種々の機会に同様な発言をされていることも御承知のとおりであります。
 右のような方法については、その後、具体的に政府間の国交正常化交渉において取り上げられたことはございません。
 いずれにしましても、政府として特定の決着方針を固めているわけではありません。
 さきのソウルにおける日英首脳会談での、拉致問題に関する私の発言の理由及び意味について御質問がありましたが、二十日にソウルで行われた日英首脳会談は、先ほども申し上げましたように、英国として北朝鮮と国交を樹立する方針を固めたことを踏まえ、この機会に私と直接北朝鮮問題について意見交換をしておきたいとの考えから実現したという経緯があります。このような経緯もあって、会談では、ミサイル問題、核問題等の安全保障上の問題を初め、北朝鮮をめぐるさまざまな重要な問題について、率直かつ突っ込んだ意見交換を行いました。
 その中で、ブレア首相から、北朝鮮との交渉において問題となっている点を教えてほしいとの話があり、私から、拉致問題の二十年来の経緯、御家族の状況や国民の関心の度合いについても説明の上、この問題が国交正常化にとって避けて通れない問題であることを詳しく説明いたしました。
 御指摘の部分は、私が参加した九七年の与党訪朝団の際の日朝間のやりとりをブレア首相に紹介した部分に関するものでありますが、これは、北朝鮮側との激しいやりとりの結果、行方不明者として調査を行うことになったことを説明した中で、訪朝団の副団長である中山議員が述べられたことを紹介したものであります。
 なお、北朝鮮側とのやりとりの結果、行方不明者として調査を行うことになったことについては、右与党訪朝団の記者会見において既に一般に明らかにしているところであります。
 私がこのような話をブレア首相にしたのは、この問題がさまざまな経緯のある深刻で困難な問題であるということを、これから北朝鮮との国交樹立を行うという英国の首脳に十分理解しておいてもらうことが、我が国の対北朝鮮政策上も重要であると考えたからであります。
 当然のことながら、拉致問題は、我が国国民の生命にかかわる重要な問題であり、国民の納得のいく形で解決することが不可欠と考えており、引き続き国交正常化交渉等を通じてこの問題の解決の糸口を見出すべく、粘り強く取り組んでいくことが私の責務であると考えております。
 中川官房長官と右翼団体幹部との交友に関連して御質問がありました。
 本件につきましては、後ほど官房長官から答弁があると思いますが、中川官房長官は御指摘の団体とは何らかかわりはないと説明していると承知しており、官房長官からもこのように報告を受けております。
 本法案において民主主義的立場を徹底すべきではないかとのお尋ねでありますが、そもそも本法案に規定する高度情報通信ネットワーク社会は、インターネット等を通じて国民が自由かつ安全に多様な情報や知識をグローバルに入手、共有、発信することが可能となる社会であります。また、本法案の基本理念にも掲げておりますとおり、すべての国民が情報通信技術の恵沢を享受できる社会の実現を目指しております。
 このように、本法案は、国民一人一人の情報の受発信能力が大幅に拡大され、主体的に利用され、これを通じて個々の能力が創造的かつ最大限に発揮されることを目指しており、民主主義の基本に立つものであると考えております。
 インターネット等の高度情報通信ネットワークの利用を保障することについてのお尋ねでありますが、本法案では、その基本理念として、すべての国民が、インターネットその他の高度情報通信ネットワークを容易にかつ主体的に利用する機会を有し、その利用の機会を通じて個々の能力を創造的かつ最大限に発揮することを規定いたしております。
 さらに、こうした基本理念のもと、インターネット等の高度情報通信ネットワークの形成に当たっては民間が主導的役割を担うことを原則とし、政府としては、事業者間の公正な競争の促進や規制の見直し等、民間の活力が十分に発揮されるための環境整備等を中心とした施策に重点的に取り組む旨を、本法案に規定しているところでございます。
 身体障害者に係る特例の措置についてのお尋ねでありますが、御指摘のとおり、健常者のみならず身体障害者が、ITを活用して社会、経済に積極的に参加することは極めて重要であります。このため、既に、障害者基本法において、電気通信事業者等は障害者の利用の便宜を図らなければならないとする旨の努力規定が設けられております。また、通商産業省、郵政省等関係省庁において、障害者が情報通信機器を容易に利用できるようにするための指針づくり等に取り組んでいるところであります。
 本法案においては、こうした政府としての取り組み状況も踏まえながら、身体的な条件等に起因するIT利用機会の不平等、いわゆるデジタルデバイドの是正は、高度情報通信ネットワーク社会を形成していく上で重要な課題であるとして、その是正に積極的に取り組む旨を基本理念として掲げているところであります。今後、こうした基本理念にのっとって、具体的な取り組みを一層充実してまいりたいと考えております。
 IT普及に伴う弊害についてのお尋ねがありました。
 ITの普及に際しては、御指摘のように、利用の機会等の格差や個人情報の流出等の弊害が生じる懸念があることは十分に承知をいたしております。このような認識のもと、本法案では、高度情報通信ネットワーク社会を定義づけるに当たって、安全をその前提とするとともに、基本理念や施策の基本方針において、利用の機会等の格差の是正、ネットワークの安全性や信頼性の確保、個人情報の保護、新たな事業の創出や就業機会の増大等について規定いたしております。これらに基づいて具体的な施策を講じていくことにより、御懸念の点についても積極的に対応してまいる考えであります。
 ITに名をかりた従来型の公共事業予算は改めるべきとの御意見がありました。
 道路、河川、下水道等における光ファイバー網は、ITの活用により、公共施設を遠方から監視、操作し、人々に道路情報、洪水情報を迅速かつ的確に提供するため、計画的に整備を進めているものであります。
 同時に、民間の電気通信事業者へこれら光ファイバーの収容空間を低コストで提供し、施設の適切な管理とあわせ、高度情報通信ネットワークの早期構築に資するものであります。
 公共事業においても、IT革命の推進に寄与する事業を重点的に推進していくことといたしております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣中川秀直君登壇〕
○国務大臣(中川秀直君) 日本青年社幹部に関連しての御質問がございました。
 既に本日の本会議での御質問にお答えしたとおりでありますが、さきにも国会で御答弁申し上げたとおり、私自身、御指摘の人物を直接的には存じませんし、会食もしくは面談の事実については、記憶が十分ございません。
 写真週刊誌との関連での御指摘かと思いますけれども、そもそも写真の人物が御指摘の人物なのかどうか、面識もなく、判断ができないわけであります。また、仮に御指摘の人物であるということであれば、記憶をたどっても十分記憶がないわけでありまして、あえて申し上げれば、相当古いころの写真のようにも見受けられますけれども、長い間の政治活動の中で、さまざまな場所でさまざまな人とお会いしたり会食していますので、何らかの会合でたまたま知らずに同席したことがあったかもしれませんが、十分に記憶がないわけでございます。
 私が言い逃れをしているという御指摘でございますけれども、九月末の予算委員会以来ずっと国会でもこのように申し上げているところでありまして、言い方を変えているわけでもないわけでございます。
 また、日本青年社についての御指摘がございましたが、ビデオの礼状については、本年七月ごろ、議員会館事務所あてにビデオテープが送られてまいりまして、事務所より社会儀礼上の行為として礼状を発したということでありまして、繰り返し申し上げているとおり、私は日本青年社と何らかかわりはございません。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(渡部恒三君) 辻元清美君。
    〔辻元清美君登壇〕
○辻元清美君 私は、社会民主党・市民連合を代表して、IT基本法及び政府の国政に取り組む基本姿勢について、総理初め関係閣僚に質問いたします。
 総理は、所信表明演説の中で、日本型IT社会の実現のためには、ハードウエアである施設、ソフトウエアである技術、そして中身たるコンテンツの三本柱をしっかり打ち立てることが大切と発言されています。
 情報産業にとっては、ハードの機器以上に、その機器にどのような情報を盛ることができるかというコンテンツ、中身が大変重要になってまいります。国全体の高度情報網にとっても、コンテンツ次第で生きもするし宝の持ちぐされにもなります。
 ITを政治が推進するということは、何もIT産業の旗を振ることだけではありません。情報公開を基本にした情報の民主化によって、ネットワーク型の風通しのよい社会をつくることが真のIT社会の基準だと私は考えますが、総理はいかがお考えでしょうか。
 森総理は、ITのハード面では光ファイバー網の整備に力を入れていらっしゃいます。しかし、問題は、その光ファイバー網の中をどんな情報が走るかという点にあると思うのです。
 IT革命の成果の一つは、情報の地球化です。今や、総理を初め世界各国の首脳の発言や態度が瞬時に世界じゅうに伝わることも、その大きな特徴ではないでしょうか。
 さて、総理は、森内閣をどうやらIT内閣と位置づけていらっしゃるようですが、森内閣が発信する情報のコンテンツ、中身は、残念ながら、ITのIはいいかげん、Tはとんでもないという意味の、いいかげん・とんでもない内閣に値すると言わざるを得ません。
 総理は、十月二十日、ソウルでのブレア首相との会談で、北朝鮮との交渉課題のいわゆる拉致問題について、先ほどからみんな触れています、行方不明者として第三国で発見したことにする方法もあると北朝鮮側に話したことがあると言及したというこの一件は、光ファイバー網を駆けめぐり世界じゅうに伝わっています。その意味は、みずから総理大臣として不適格だと瞬時に世界に宣言したに等しいと私は思います。
 まず、ブレア首相との正式会談のどのような局面で発言したのか、具体的にお答えください。
 一九九七年の与党訪朝団には社民党の議員やスタッフが同行していますので、私も調査をしてみました。それによりますと、十一月十二日午前十時四十分から開始された第一回正式会談の中での中山副団長の発言であると証言しています。
 同席していた団長であった総理は、当時この案に賛成だったのか、それとも反対だったのか、まずお伺いをしたいと思います。
 政府は、中山議員の個人的な発言だと説明されているようですが、中山議員はこの政府の説明に反論をしています。また、きょうは、分担して中山議員が発言したとさっきから御答弁されているじゃないですか。なぜきのうときょうの見解が違うのか、なぜこう一日でころっと変わるのか、きのうまでの個人的な御発言だという見解を総理はきょうこの場でお変えになったのか、はっきりと答えていただきたいと思います。
 外交交渉中のデリケートな案件について他国の首相に無神経な発言をし、その後の説明も事実をごまかしていると言わざるを得ません。このような矛盾した経過説明をどのように説明されるんでしょうか。総理の答弁を求めたいと思います。
 さらにお聞きをいたしますが、この方針を政府は検討したこともないし、今も検討していないと昨日までは主張されていましたが、この方法を政府が検討しない理由は何なんでしょうか。検討に値しない解決策をわざわざブレア首相との公式会談で持ち出した理由は何でしょうか。私には理解ができません。総理の答弁を求めます。
 さて、外交交渉の最中にこのような発言をする総理大臣を、他国がさまざまな問題の交渉相手とみなすでしょうか。残念ながら国際的信頼は失墜したと考えられますが、総理、どのように責任をおとりになるのか、お答えください。
 この場での総理の御答弁も同時に世界を駆けめぐるでしょう。このような地球規模の情報のキャッチボールができる社会がIT社会です。しっかりと真実をお答えください。
 この発言の何が問題なんだと総理自身が憤慨していらっしゃるようでしたら、残念ながら、江戸時代ならいざ知らず、IT時代の総理大臣はおやめになった方がよいのではないかと私は思います。(拍手)
 宮澤大蔵大臣にもお尋ねいたします。
 総理経験者の宮澤大蔵大臣は、今回の一件について、先輩総理としてどのような御意見をお持ちでしょうか。ぜひ私は率直な御意見を伺いたいと思いますが、皆さんいかがですか。
 さて、IT業界では今iモードの成功が注目を集めていますが、森内閣はiモードならぬ疑惑モードに包まれていると言わざるを得ません。
 まず、KSD疑惑です。財団法人ケーエスデー中小企業福祉事業団が、自民党の村上正邦参議院会長を参議院比例区の高順位にするために、九万人分の党員名簿と党費の立てかえをしていた問題です。
 まず、総理は、この問題を自民党総裁として村上議員に問いただされたのでしょうか。どのように調査されているのか、お答えください。
 社民党では、十月十九日から三日間、KSD問題ホットラインを開設して市民の声を集めてみました。約二百件の情報提供を受けました。例えば群馬県の中小企業者Kさんからは、取引金融機関の多野信用金庫が半強制的に入会させたという情報が届きました。調査してみますと、金融機関が代行窓口になっている実態が浮き彫りになってきています。また、墨田区のIさんは、朝日信用金庫本所支店と東京東信用金庫本所支店の二カ所からKSDの障害保険加入を勧められ、断った。しかし、その後、昨年の自民党総裁選の投票用紙が二枚送られてきたので、自分の名前を架空党員として勝手に登録されていたことがわかったという情報も届いています。
 IT社会は便利だけれども、この事例のように、個人情報が今までよりも安易に流出してしまう危険性をはらんでいます。それを政党が利用するということは、断じて許されることではありません。
 さて、また江東区のUさんからは、会費を取られ、「さらそうじゅ」という月刊誌が送られてくる。村上正邦参議院議員の記事が載っていたこともあるが、この議員の議席を買うために自分たちの会費を勝手に使っていたことは許せない。自民党に流したお金を返してもらいたいと強い訴えをされています。
 さまざまな実態が明らかになり、社民党では今後も調査を続けていく予定です。総理も調査を続けていきたいならば、その声を直接総理にお答えしてもいいです。皆さん実名で答えていらっしゃいます。それほどこの問題は関心が高いんです。
 さて、総理、自民党の架空党員をつくらせ、まじめに働く人たちの会費を了解もなく自民党に流していたKSDの責任が問われることはもちろんですが、そのお金を受け取っていた自民党も私は共犯だと思いますが、いかがですか。自民党総裁としての責任ある答弁を求めたいと思います。
 村上正邦議員は九万人分の党費立てかえで比例名簿二位登載、久世前金融再生委員会委員長は二万人分で十四位。それでは、その間の候補者も同じようなことをやっていないとはっきり言い切れるのかどうか、総理、この場でお答えいただきたいと思います。
 さて、IT推進の旗振り役の総理とその本部長の官房長官のとりでである官邸は、今や疑惑のやかたと言われています。中川官房長官はIT推進本部長として、開かれた情報社会をつくるためには、まず御自身の疑惑についての情報公開が必要です。
 私は、九月二十八日の衆議院予算委員会で、官房長官と右翼大物との関係や女性スキャンダルについて質問をいたしました。そのときの御答弁はこうでした。「もしその怪文書のようなおどろおどろしいことがあったならばどうするんだということですが、さっきから申し上げているとおり、天地神明にかけてそういうことはありません」と答弁されています。官房長官が、この一連の疑惑はおどろおどろしいことだと御自身で受けとめていらっしゃるようですが、どういう点がおどろおどろしいとお考えなのか、まずお答えいただきたいと思います。
 次に、先週の週刊誌の記事について、事実関係をお尋ねいたします。
 この記事の中に、長官と愛人であったという女性との覚せい剤の警察捜査情報についての会話テープの中身が詳しく掲載されています。長官が警察情報を入手して、この女性に、警視庁の保安課が捜査するようだから気をつけろと注意しているような内容です。このような会話をしたことは事実でしょうか。ITに最も関心が高いのは若者です。官房長官は、青少年の薬物乱用や性非行、援助交際などについての対策担当大臣ですが、このような疑惑を抱えながらどのような姿勢で取り組んでいくのか、青少年にもわかるように、この場で説明をしていただきたいと思います。(拍手)
 また、IT時代には新しい形の情報漏えいへの防衛策がとても重要になってきます。
 そこで、法務大臣にお聞きをいたします。
 警察の捜査情報を入手し、捜査対象に公務員や国会議員が情報を漏えいした場合、一般的にはどのような処罰を受けることになりますか。
 さて、官房長官は政府の薬物対策の責任者でもいらっしゃるわけですが、万一、このテープの存在が証明されたならば、責任をとって官房長官をおやめになるのが筋だと思いますが、いかがでしょうか。もうすぐ内閣改造だから、それまで何とか切り抜けようという粘り勝ちは許されません。長官、はっきりとお答えいただきたいと思います。
 IT革命は、若者やお年寄りに夢を与える社会の実現であると総理や官房長官はおっしゃっています。私は、どのように高度に情報通信システムが構築されようとも、そのもとの情報が濁っていたりうそであったりすれば、社会は今まで以上に不信感が蔓延し、混乱するだけで、希望は生まれてこないと思います。
 開かれたIT社会の実現は、ITの発展、国民のニーズに合わせていかに政府が透明性と説明責任を高めていくかという民主主義の本質の問題だと思います。この観点がない限り、真のIT社会の実現はあり得ません。森内閣のコンテンツの基本は、何でもかんでもごまかして隠してしまうのかなという疑いが今持たれています。真のIT社会実現に逆行する体質だと言わざるを得ません。
 最後に、総理のこの点についての御所見を伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣森喜朗君登壇〕
○内閣総理大臣(森喜朗君) 情報の民主化により、ネットワーク型の風通しのよい社会をつくることがIT社会の基準であるとの御指摘でありますが、私は、目指すべきIT社会とは、すべての国民がデジタル情報を基盤とした多様な情報、知識を共有し、これらを自由に交換することが可能な開かれたネットワーク社会であると考えております。
 このような考え方にのっとり、今般御提案した高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案においては、インターネット等を通じて、国民が自由かつ安全に多様な情報や知識をグローバルに入手、共有、発信することが可能となる高度情報通信ネットワーク社会の形成を目指すこととしており、その基本理念として、すべての国民が情報通信技術の恵沢を享受できる社会の実現を掲げております。
 さきのソウルにおける日英首脳会談での、拉致問題に関する私の発言について御質問がありましたが、二十日にソウルで行われた日英首脳会談は、英国として北朝鮮と国交を樹立する方針を固めたことを踏まえ、この機会に私と直接北朝鮮問題について意見交換をしておきたいとの考え方から実現したという経緯がございます。
 このような経緯もあって、会談では、ミサイル問題、核問題等の安全保障上の問題を初め北朝鮮をめぐるさまざまな重要な問題について、率直かつ突っ込んだ意見交換を行いました。その中でブレア首相から、北朝鮮との交渉において問題となっている点を教えてほしいとの話があり、私から、拉致問題のこれまでの二十年来の経緯、御家族の状況や日本の国民の関心の度合いについて説明した上で、この問題が国交正常化にとって避けて通れない問題であることを詳しく説明いたしました。
 御指摘の部分は、私が参加しました九七年の与党訪朝団の際の日朝間のやりとりをブレア首相に紹介した部分に関するものでありますが、これは、北朝鮮側との激しいやりとりの結果、行方不明者として調査を行うことになったことを説明した中で、訪朝団の副団長である中山議員が述べられたことを紹介したものであります。
 なお、北朝鮮側とのやりとりの結果、行方不明者として調査を行うこととなったことについては、右与党訪朝団の記者会見において既に一般に明らかにしているところであります。
 次に、与党訪朝団の提案についてのお尋ねがありました。
 訪朝団が北朝鮮側と協議を行った際、問題により発言を分担しておりましたが、拉致問題については中山議員から話をされました。その際、中山議員から団を代表されて、国交正常化交渉の再開に向けた環境醸成を考える上で重要な問題として拉致問題を取り上げ、その早期解決に向けた建設的な対応を求められた次第であります。北朝鮮側の当初の反応は、拉致は存在しない問題であり、そのような問題を取り上げることは国交正常化交渉の再開に向けた環境醸成という訪朝団の趣旨に沿わないというものでありました。
 我が方の主張に対し、北朝鮮側は一度は席を立ったりもされましたが、最終的に、北朝鮮側が、一般の行方不明者としてその調査を行うこととするということでようやくまとまったという経緯がございます。
 訪朝団として提案し、合意をしたのは以上のような内容であり、このことは、先ほども申し上げましたように、記者会見でも、訪朝団として明らかにいたしたところであります。
 しかし、御指摘の拉致被害者が第三国で出現する云々というのは、こうした一連のやりとりの中で、副団長である中山議員から、息子や娘に一刻も早く帰ってきてほしいという家族の切実な心情を説明する意味で、一つの例として、拉致被害者が第三国で出現するという方法もあるということを必死の思いで北朝鮮側に説明されたものであります。
 そして、そのような中山副団長の御説明は、私を含む他の団員も同席の場でなされたものであります。
 次に、日英首脳会談で拉致問題を取り上げたことについての説明が事実を曲げているとのお尋ねがありました。
 まず、私がこのような話をブレア首相にしたのは、既に御説明しましたとおり、この問題がさまざまな経緯のある深刻で困難な問題であるということを、これから北朝鮮との国交樹立を行うという英国の首脳に十分理解してもらうことが我が国の対北朝鮮政策上も重要と考えたからであります。また、その後の説明については既に御説明したとおりであり、何ら事実をごまかしているようなことはございません。
 いわゆる第三国方式についての政府の立場についてのお尋ねでありますが、政府としては、拉致問題について将来の決着の姿につき予断することは適当でないと考えており、したがって、現時点において、行方不明者として第三国に出現させるなどの特定の決着法を固めているわけではなく、また、かかる方法を北朝鮮側に提案しているとの事実もありません。私が本件を含め拉致問題の経緯等について話をブレア首相にいたしましたのは、既に御説明いたしましたとおり、この問題がさまざまな経緯のある深刻で困難な問題であるということを、これから北朝鮮との国交樹立を行うという英国の首脳に我が国の立場を十分に理解しておいてもらうことが我が国の対北朝鮮政策上も重要と考えたからであります。
 私の責任についてのお尋ねもございましたが、拉致問題は我が国国民の生命にかかわる重要な問題であり、国民の納得いく形で解決することが不可欠と考えており、引き続き、国交正常化等を通じて、この問題の解決の糸口を見出すべく粘り強く取り組んでいくことが私の責務であると考えております。
 ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団に関連して、どのような調査をしたのか、また、自民党の責任についてお尋ねがありました。
 ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団に関しては、現在、同財団前理事長の背任容疑で捜査中であり、また、政治資金に関しましては、既に政治資金規正法で収支報告を行うことが義務づけられ、収支報告書は一般に公表されているところであり、私の立場として改めて調査をする必要はないと考えます。
 なお、民主党の党費につきましては、党において適切な手続を経て処理されているとの報告を受けております。
 自由民主党の比例名簿作成に関してのお尋ねがありましたが、自民党の比例名簿作成基準では、二万人を超えての党員獲得の多寡は順位決定の基準としないことが明記されており、順位の決定は、党活動への貢献などを含め、適正な総合判断に基づき行っております。したがって、比例名簿の順位を上げるためにいたずらに党員獲得をあおっているということはないと考えます。
 自民党では、党員の拡大に当たっては、一人一人の有権者に党の主張を理解していただき支持していただくことが何よりも重要であると考えており、そのために最大限の努力を積み重ねているものと承知をいたしております。
 開かれたIT社会の実現と政府の透明性、説明責任についてのお尋ねでありますが、冒頭で申し上げましたとおり、私は、目指すべきIT社会とは、すべての国民が情報を基盤とした多様な情報や知識を共有し、これらを自由に交換することが可能な開かれたネットワーク社会であると考えております。今般提案した高度情報通信ネットワーク社会形成基本法においても、基本理念に掲げておりますとおり、すべての国民が情報通信技術の恵沢を享受できる社会の実現を目指しており、そのための施策の基本方針として、行政運営の透明性に資するように行政の情報化を推進していくことを法案中に明記いたしております。
 もとより、政府が情報公開を通じ政策の重要性や必要性などを国民に説明していくべきことはもちろんであり、こうした政府の取り組みと相まって、開かれたネットワーク社会の実現を目指してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣中川秀直君登壇〕
○国務大臣(中川秀直君) 平成十二年九月二十八日の衆議院予算委員会での私の答弁についてお尋ねがございました。
 衆参両院の予算委員会でも御答弁申し上げましたとおり、平成八年に私に送付をされてまいりました内容証明郵便の内容のうち、薬物の話など、法律に抵触するような話についてのお尋ねがございましたので、天地神明にかけてそういうことはなく、全く事実無根である旨、申し上げたところでございます。
 次に、覚せい剤の警察捜査情報に関する報道についてのお尋ねがございました。
 報じられているような会話について、記憶はございません。捜査情報を入手し、漏えいしたようなことは一切なく、これまた事実無根であります。
 委員御指摘のように、官房長官の所掌する事務は広範囲に及びますけれども、私としては、その一つ一つに誠実に取り組む一方、現下の内閣の重要な課題に全力を挙げて取り組んでいくことがみずからの果たすべき責任であると考えております。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 事実関係は、先ほど総理が答弁をされたところでございます。
 日英首脳会談で森総理が拉致問題の経緯を説明されたことは、日英間の緊密な関係を踏まえて行われたものであると考えております。森総理としては、このことによって、英国首相に日朝関係についての正しい理解を求められたものであって、これは当然の判断であったと考えます。(拍手)
    〔国務大臣保岡興治君登壇〕
○国務大臣(保岡興治君) 辻元議員にお答え申し上げます。
 警察の捜査情報を入手し、公務員や国会議員が捜査対象に情報を漏えいした場合、一般的にはどのような処罰を受けることになるのかとのお尋ねでございました。
 一般論として申し上げれば、一般職の国家公務員または地方公務員については、職務上知ることのできた秘密または職務上知り得た秘密を漏らした場合、国家公務員法違反または地方公務員法違反に問われることがあるものと承知しておりますが、国会議員については、国家公務員法上、特別職の国家公務員とされており、国家公務員法の規定は適用されないため、このような処罰を定める法令はないものと承知しております。
○副議長(渡部恒三君) 内閣総理大臣から、答弁を補足したいとのことであります。これを許します。内閣総理大臣森喜朗君。
    〔内閣総理大臣森喜朗君登壇〕
○内閣総理大臣(森喜朗君) 先ほど、辻元議員からのケーエスデー中小企業経営者福祉事業団に関連しての御質問の中で、自由民主党の党費につきましてはと申し上げるべきところを民主党、こう申し上げたわけでありまして、自由民主党の党費ということで訂正をいたしまして、おわびを申し上げます。(拍手)
○副議長(渡部恒三君) これにて質疑は終了いたしました。
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○副議長(渡部恒三君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時二十四分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣  森  喜朗君
        法務大臣    保岡 興治君
        大蔵大臣    宮澤 喜一君
        郵政大臣    平林 鴻三君
        労働大臣    吉川 芳男君
        国務大臣    中川 秀直君
 出席内閣官房副長官
        内閣官房副長官 安倍 晋三君