第150回国会 大蔵委員会 第2号
平成十二年十一月一日(水曜日)
    午前九時三十二分開議
 出席委員
   委員長 萩山 教嚴君
   理事 大野 功統君 理事 桜田 義孝君
   理事 根本  匠君 理事 渡辺 喜美君
   理事 五十嵐文彦君 理事 中川 正春君
   理事 石井 啓一君 理事 鈴木 淑夫君
      大木  浩君    鴨下 一郎君
      岸田 文雄君    倉田 雅年君
      七条  明君    砂田 圭佑君
      高市 早苗君    中山 成彬君
      林  幹雄君    松宮  勲君
      宮本 一三君    村井  仁君
      村田 吉隆君    山本 明彦君
      池田 元久君    石井 紘基君
      上田 清司君    江崎洋一郎君
      海江田万里君    小泉 俊明君
      小林 憲司君    長妻  昭君
      牧野 聖修君    江田 康幸君
      田端 正広君    谷口 隆義君
      若松 謙維君    中塚 一宏君
      佐々木憲昭君    山口 富男君
      阿部 知子君    植田 至紀君
      小池百合子君
    …………………………………
   大蔵大臣         宮澤 喜一君
   国務大臣
   (金融再生委員会委員長) 相沢 英之君
   金融再生政務次官     宮本 一三君
   大蔵政務次官       村田 吉隆君
   大蔵政務次官       七条  明君
   労働政務次官       釜本 邦茂君
   政府参考人
   (金融再生委員会事務局長
   )            森  昭治君
   政府参考人
   (金融庁総務企画部長)  乾  文男君
   政府参考人
   (金融庁検査部長)    西川 和人君
   政府参考人
   (金融庁監督部長)    高木 祥吉君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    古田 佑紀君
   政府参考人
   (大蔵省理財局長)    中川 雅治君
   政府参考人
   (国税庁次長)      大武健一郎君
   政府参考人
   (中小企業庁長官)    中村 利雄君
   参考人
   (日本銀行副総裁)    山口  泰君
   参考人
   (預金保険機構理事長)  松田  昇君
   大蔵委員会専門員     田頭 基典君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月一日
 辞任         補欠選任
  河村たかし君     石井 紘基君
  若松 謙維君     田端 正広君
同日
 辞任         補欠選任
  石井 紘基君     河村たかし君
  田端 正広君     江田 康幸君
同日
 辞任         補欠選任
  江田 康幸君     若松 謙維君
    ―――――――――――――
十月二十七日
 共済年金制度の堅持に関する請願(堀込征雄君紹介)(第四一七号)
 同(菅原喜重郎君紹介)(第四三九号)
 同(堀込征雄君紹介)(第四四〇号)
 計理士に公認会計士資格付与に関する請願(長妻昭君紹介)(第四一八号)
 同(羽田孜君紹介)(第四一九号)
同月三十一日
 消費税の大増税に反対、食料品の非課税に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第七〇一号)
 共済年金制度の堅持に関する請願(達増拓也君紹介)(第七〇二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 金融に関する件(破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告)
 国の会計、税制及び金融に関する件

    午前九時三十二分開議
     ――――◇―――――
○萩山委員長 これより会議を開きます。
 金融に関する件について調査を進めます。
 去る八月十五日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づき、国会に提出されました破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告につきまして、概要の説明を求めます。金融再生委員会委員長相沢英之君。
○相沢国務大臣 去る八月十五日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律、いわゆる金融再生法第五条に基づき、昨年十一月十六日以降本年七月二十六日までの間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが、本報告の概要について御説明申し上げます。
 まず初めに、特別公的管理が行われておりました長銀及び日債銀に係る措置につきまして、概要を申し上げます。
 日本長期信用銀行につきましては、平成十年十月二十三日に特別公的管理の開始決定が行われ、その後金融再生法に基づき所要の措置が講じられてきたところであります。
 長銀の譲渡に関しては、昨年九月二十八日に米国のリップルウッド社が中心となって組成した投資コンソーシアムであるニュー・LTCB・パートナーズ社を優先交渉先に選定し、関連の覚書が締結されておりましたが、その後、パートナーズ社と金融再生委員会及び預金保険機構との間で鋭意協議、交渉が進められ、昨年十二月二十四日の基本合意書の締結を経て、本年二月九日、最終契約書が締結されました。
 当該最終契約書に基づき、三月一日、預金保険機構が保有する長銀の既存普通株式約二十四億株をパートナーズ社に対して譲渡することにより、同行に係る特別公的管理が終了したところであります。
 また、譲渡に当たっては、金融再生法の規定に従い、二月二十八日、預金保険機構より長銀に対し三兆五千八百八十億円の金銭贈与及び損失の補てんが行われたところであります。
 次に、日本債券信用銀行につきましては、平成十年十二月十三日に特別公的管理の開始決定が行われ、長銀と同様、金融再生法に基づき所要の措置が講じられてきたところであります。
 日債銀の譲渡に関しては、本年二月二十四日、ソフトバンク、オリックス及び東京海上火災保険を中心に構成される出資グループ、いわゆるソフトバンクグループを優先交渉先に選定し、関連の覚書が締結されました。その後、ソフトバンクグループと金融再生委員会及び預金保険機構との間で鋭意協議、交渉が進められ、六月六日の基本合意書の締結を経て、六月三十日、最終契約書が締結されました。
 同行の譲渡については、当該最終契約書に基づき、八月一日に譲渡が実行される予定となっていましたが、いわゆるそごう問題に端を発した御批判、御指摘を踏まえ、臨時国会における御議論や国民の御意見に十分に耳を傾けるとともに、その理解を深めていただくため、また、譲渡予定先のソフトバンクグループからも延期を希望する旨の意向が伝えられたこともあり、七月二十六日、日債銀の譲渡を九月一日まで一カ月延期することを決定いたしました。
 なお、本報告書の対象期間以降の措置でありますが、九月一日には、預金保険機構が保有する日債銀の既存普通株式約二十五億株をソフトバンクグループに対して譲渡することにより、同行に係る特別公的管理が終了したところであります。譲渡に当たっては、金融再生法の規定に従い、八月三十一日、預金保険機構より日債銀に対し三兆二千四百二十八億円の金銭贈与及び損失の補てんが行われたところであります。
 また、本報告書には、いわゆるそごう問題について、そごうが自主的な経営判断として再建計画を断念し、七月十二日に民事再生法の適用を申請するに至った経緯が説明されております。
 次に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分が行われた金融機関に関する措置につきまして、御説明申し上げます。
 金融再生委員会は、昨年十一月十五日までに、国民銀行、幸福銀行、東京相和銀行、なみはや銀行及び新潟中央銀行の五行に対し管理を命ずる処分を行っておりましたが、各行の譲渡先選定については、各行の金融整理管財人により鋭意作業、検討が進められ、七月二十六日までに新潟中央銀行を除く四行について、基本合意ないし最終契約書が締結されております。
 なお、その後、国民銀行については、八月十四日に八千代銀行への営業譲渡が実施される一方、残っていた新潟中央銀行についても、昨日十月三十一日、営業譲渡に係る基本合意書の締結が完了しております。
 また、協同組織金融機関に対しましては、昨年十一月十六日以降七月二十六日までの間に、一信用金庫、七信用組合に対し金融整理管財人による管理を命ずる処分及び金融整理管財人の選任を行っております。
 なお、その後において、二信用組合に対し同様の措置をとっております。
 続きまして、預金保険法に基づく金融機関の破綻処理について御説明申し上げます。
 金融再生委員会による預金保険法第六十一条第一項に基づく適格性の認定及び金融再生委員会及び大蔵大臣による預金保険法附則第十六条第二項に基づく必要性の認定を行ったものは、昨年十一月十六日以降本年七月二十六日までの間、破綻金融機関数で見ると、三信用金庫、五信用組合の計八金融機関であります。
 最後に、これらの破綻金融機関の処理に係る資金の使用状況について御説明申し上げます。
 預金保険機構が行う預金保険法に基づく資金援助等の業務や、金融再生法に基づく特別公的管理銀行への資金の貸し付け等の業務は、それぞれ預金保険機構の一般勘定、特例業務勘定及び金融再生勘定により経理されておりますが、その七月二十六日現在の使用状況を申し上げますと、ペイオフコストの範囲内の資金援助の原資に充当される一般勘定の借入残高は一兆二千三百七十八億円であります。破綻金融機関の資産の買い取りに係る整理回収機構への貸付原資等に充当される特例業務勘定の借入残高は三兆千八十三億円であります。
 また、特例業務勘定において、ペイオフコストを超える特別資金援助の原資に充当するために設けられた特例業務基金に交付された国債は、さきの通常国会における預金保険法の改正により、六兆円増額されて十三兆円となりましたが、この交付国債の償還状況は、七月二十六日現在で四兆七千九百一億円となっております。
 さらに、特別公的管理銀行への損失の補てん、旧金融機能安定化法に基づく資本増強に係る整理回収機構への貸し付けの原資等に充当される金融再生勘定の借入残高は、七月二十六日現在で四兆三千百十七億円となっております。
 このほか、金融機能早期健全化法に基づく資本増強に係る整理回収機構への貸付原資に充当される金融機能早期健全化勘定の借入残高は、七月二十六日現在で八兆百六十二億円となっております。
 以上、七月二十六日現在で預金保険機構の各勘定の借入金残高の合計額は十六兆六千七百四十億円であり、特例業務基金に交付された交付国債の償還額の累計は四兆七千九百一億円となっております。
 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理に関しては、これまで関係法令に従い、所要の措置を迅速かつ的確に講じてまいったところでありますが、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定に向けて万全を期してまいる所存でございます。
 それでは、御審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。
○萩山委員長 これにて概要の説明は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○萩山委員長 国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、参考人として日本銀行副総裁山口泰君、預金保険機構理事長松田昇君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として大蔵省理財局長中川雅治君、国税庁次長大武健一郎君、金融再生委員会事務局長森昭治君、金融庁総務企画部長乾文男君、検査部長西川和人君、監督部長高木祥吉君、法務省刑事局長古田佑紀君、中小企業庁長官中村利雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○萩山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○萩山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。倉田雅年君。
○倉田委員 自由民主党の倉田雅年でございます。
 ただいま、相沢再生委員長から、破綻金融機関の処理のために講じた処置につきまして御説明を受けました。これに関連しまして、幾つかの点をお尋ねしたいと思うわけでございます。
 まず、そごうの問題についてでございますが、この十月の二十五日に、そごう関連三十八社のうちの十三社から、いわゆる再生計画案が東京地裁に出されたと思います。また、昨十月三十一日、一昨日三十日、債権者集会が東京、大阪で開かれまして、いろいろ説明がございました。
 私が関心を持ちますのは、国が引き取った債権が、たしか千九百八十七億円に及ぶわけでございますけれども、その中で、引当金の九百九十九億円を差し引きますと九百八十八億円が国が引き取ったあるいは引き取りつつある債権ということになると思います。そうした中で、まず再生計画案を出しました十三社については、計画案が出された段階ということでございますが、ほかの九社ないしは残りの十六社等については、そごうとしてはどんなぐあいな状況にあるのか、再生を断念したのか否かという点でございます。
 それから、そうした中で、まだ担保物件の評価等が十分に行われていない段階だとは思いますけれども、そごうの側からは、二十五日の記者会見では、被担保債権及び無担保債権等を合わせておよそ三百十億円を国に返すことができるであろうというような見込みも出ているわけでございますが、概略、政府としては、どの程度返済になるであろうという見込みをお持ちか、お尋ねをしたいと思うわけでございます。
○相沢国務大臣 御指摘のとおり、去る十月二十五日に、民事再生法の適用を申請したそごうグループ二十二社のうち十三社の再生計画案が東京地裁に対して提出されたところでございます。残る九社は、今お話ございましたが、まだ再生計画がまとまっておりませんので、来年の二月九日まで提出を延期されることになっております。
 そこで、問題は、このそごうグループの法的整理の中で、どの程度の債権のカット等が行われるかでありますが、瑕疵担保条項に基づき預金保険機構が新生銀行から取得する債権が、実際に最終的にどの程度カットされるかにつきましては、まず、今度再生計画案が提出されました十三社につきましても、現段階におきましては別除権の取り扱いが必ずしも明確ではございません。それから、九社につきましては、今申しましたとおり、再建案の提出期間の延長の申し立てを行っておりますが、今後、どのような形で再生が図られるか否かは、現時点では明らかではないのであります。
 当初、預金保険機構が行うと予定しておりました債権放棄額九百七十億円は、これはそごうグループ三十八社をベースに算定されておったのでありますが、民事再生法の適用対象外になった十六社に係る債権の取り扱いが現時点では不明である、こういうことからいたしまして、総体として、それでは国の最終的な負担が幾らになるかということにつきましては、まだ的確に申し上げる段階ではございません。御理解をいただきたいと思います。
○倉田委員 まだ全貌がわからないということ、この段階では無理のないところと思います。
 次の質問をさせていただきます。
 日債銀についてでございますけれけれども、八月一日に予定をされておりましたソフトバンクグループへの譲渡が九月一日に行われた、こういうことでございますが、日本長期信用銀行の段階でそごうとの関連で問題になりましたところのいわゆる瑕疵担保条項は、結局のところ、日債銀の場合にもそのままつけられたということでございましょうか。
○相沢国務大臣 日債銀につきましても、この瑕疵担保条項というものは適用されております。
○倉田委員 ということは、当委員会でも瑕疵担保条項につきましていろいろ問題が出されましたけれども、結局のところ、改正預金保険法というのが来年の四月一日にならないと施行されない。
 そこで、改正預金保険法に定められたロスシェアリングルールでございますか、これが法施行前のために日債銀には適用ができなかった、こういう理解でよろしいんではないかと思うわけでございますが、いかがでございますか。
○相沢国務大臣 御案内のとおり、住専法におきましてはロスシェアリングの規定が設けられておりました。そして、今お話ございましたように、来年の四月一日施行される改正預金保険法の中でも明文の規定がありますが、現在の金融再生法にはこの規定がございません。これは、一昨年金融に関するいわゆる二法が論議されました際も、このことは一応議論の対象になったわけでありますけれども、結局最終的に与野党の合意を得て成立をいたしました法律におきましては、この規定がなかったのであります。
 そういう意味におきまして、改正預保法の施行前においてはロスシェアリングの規定の適用はない、このように思っております。
○倉田委員 その経過は私もよく存じているわけでございます。
 そこで、そうしますと、日債銀の譲渡に絡みまして、長銀の際に生じたいわゆる瑕疵担保条項についてのいろいろな問題点、こういうものは残るということになるわけでございますけれども、その運用について、その後、当大蔵委員でもございます根本匠議員等からいろいろな提言がなされております。
 すなわち、任意の整理に当たって、長銀の場合、債権放棄を拒否して預金保険機構の方へと債権の買い取りを求めたという経過があるわけでございますけれども、できればそのような運用は避けるべきであるという運用についてのいろいろな御提言が根本さんあたりからあったわけでありますが、そういうことにつきましては、再生委員会としてもそのような提言にも配慮をして運用していく、このように理解をしてよろしゅうございましょうか。
○相沢国務大臣 ちょっと根本さんの提言というのをよく存じてなかったものですからあれだったのですが、結局、長銀、日債銀の処理に当たりましても、御承知のようにロスシェアリングの規定がない、しかしながら、要するに膨大な債権を全体として譲渡をするに際しまして、その中身を十分にいわゆるデューデリジェンスしていないという状態におきまして引き受けてもらうということになりますと、やはり瑕疵があった場合においてはその債権を引き取る、それも二割以上の瑕疵ということでありますが、そのような条件をつけませんとなかなか引き受け手があらわれないという状況のもとに、民法の規定に従いまして瑕疵担保条項を設定したのでございます。
 将来の問題としては、ただいま申し上げましたように、四月一日から預保法におきましてロスシェアリングの規定があるわけであります。その間にどのようにつなぐかという問題が前国会においても問題になっておりましたが、とにかくそういうロスシェアリングの規定を置かなければならないような、言うなれば大きな銀行の破綻というものは今のところ想定される状態ではないのでございますから、このロスシェアリングの規定をいわゆる金融二法の改正によりまして置くということについては、これはもともと議員立法でありますものですから、与党三党の金融プロジェクトチーム等において御検討願うということで今日まで推移をしてまいったのでございます。
 そういうようないきさつを申し上げまして、私どもとしては、このことに関しての取り組みの気持ちは持っておりますけれども、そういうような状態であるわけであります。
○倉田委員 根本議員の提言というのは、瑕疵があった債権の買い戻しを認める場合には、民事再生法等の処理にしていくというのを基本とすべきだというようなことでございました。
 日債銀につきまして、そごうのような問題が起こらないことを望むわけでございますが、そうしたことがもし万一起こった場合には、ひとつ金融再生委員会としましては、その瑕疵担保条項の運用については十分国民の意見等も配慮をして行っていただきたいと思うわけでございます。
 次の質問に移らせてもらいます。
 日債銀の他にも、第二地方銀行とか信金、信組、そういうものの破綻処理が行われつつある、こういうことの御報告でございました。金融庁といたしましても、その後も金融機関に対する検査には万全を期していらっしゃることと思うわけでございますけれども、そうした中で、今後さらに金融機関の破綻が続出して国全体の金融システムが揺らいでくる、このような事態は今のところ予想されるでしょうか、されませんでしょうか。いかがでございましょうか。お願いいたします。
○相沢国務大臣 御案内のとおり、金融当局といたしましては、これまで金融システムの安定化、早期健全化に向けまして、金融機能早期健全化法に基づく資本増強、そして厳正で専門性の高い検査、早期是正措置制度の的確な運用というものに努めてまいってきているのでございます。
 お話しのように、これからも金融機関、これは第二地銀また信金、そして四月から国の方に移管されました信組、特に信用組合につきましては七月一日から検査が始まっているわけでありますが、そのような検査等を通じまして、できるだけ早期に金融機関の経営状況を把握し、そして不良債権の処理も促進をしてまいりたい。
 一般の経済情勢の今後の推移にもかかわるわけでありますが、私としては、長銀、日債銀あるいは今までありましたような大きな金融機関の破綻というものはまず考えられないのではないかというふうに思っているのでございます。
 中小の協同組織金融機関等につきましては、まだまだ問題のあるものもありますが、できるだけ合併その他、いわゆる破綻というような形ではなくしてこれを処理することができれば、これらの中小金融機関から資金の融通を受けて業務を行っている多くの企業に対しても安心をしていただけるのではないか、このように考えて、せっかく努力をしている次第でございます。
○倉田委員 お答えは、金融機関の大きな破綻というものは今後ないであろうといいますか、破綻の問題は、大きな意味ではほぼ一段落したであろうというお答えかと思うわけでございます。
 ただ、おっしゃるように、信用金庫等、是正措置その他を鋭意おやりになっているようでございますけれども、交付国債が十三兆用意され、そのほか、特例業務勘定におきまして政府保証枠というものも用意されたわけでございますが、そうした現在用意された財源の中で、再来年でございますか、四月一日のペイオフ解禁時までにおよそこうした問題は解決がつく、こういう見込みと伺ってよろしゅうございましょうか。
○相沢国務大臣 先ほど御説明申し上げましたように、金融機関の破綻処理のために用いる公的資金としては、平成十二年度では、一般勘定で四兆円、特例業務勘定で十兆円、金融再生勘定で十八兆円の借入金の政府保証枠、それから特例業務勘定で十三兆円の交付公債が交付されているのでございます。
 こういうような政府の保証のもとにおけるところの、破綻の場合の言うなればセーフティーネットというものにつきましては、まだまだ今のところ十分余裕がございます。破綻の多く出ることを予想しているわけでは決してございませんが、何かありましてもそれに応ずる体制はできているということを申し上げることができると思っております。
○倉田委員 そのように伺っておきます。ありがとうございました。
 次に、ちょっと一般的な質問でございますが、宮澤大蔵大臣にお聞きをしようと思ったのですけれども、公務で御退席ということでございます、大蔵省関係の方、大蔵大臣の代理としてどなたかお答えいただきたいと思うわけでございます。
 質問の内容はこういうことでございます。平成十二年度末で国と地方を合わせて六百四十五兆円という長期債務残高がある、こういうことが国民の間に知れ渡っているわけでございます。そうしますと、一つには、将来に大きな増税がなされるのではないか、あるいはそれに加えてインフレが到来するのではないか、さらには、社会保障制度がいかに形が整えられても自分たちはもらえないのではないか、こういった国民の不安があるわけでございます。
 私としましては、景気回復を優先する、財政の構造改革はその次にきちんとやる、こういうことは重要なことだと思います。景気回復につきましても、今はまだ政府が手を引いてしまうというわけにはいかない段階だと思っておりますけれども、国民としましては、しかしながら、景気回復に一生懸命はいいけれども、その次に政府はどうするんだ、財政赤字についてどういうぐあいにしてくれるんだろうか、およその筋道を現段階で示すべき時期に来ているのではないか、こう思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
○村田政務次官 大蔵総括政務次官でございますが、宮澤大蔵大臣が参議院の本会議に出席ということで退席されましたので、私がかわって御答弁申し上げたいと思います。
 委員が御指摘なさいましたように、我が国の財政は大変厳しい状況にあります。したがいまして、財政構造改革は必ずなし遂げなければいけない課題でありますけれども、まずは経済を自律的な回復軌道に乗せるため柔軟な財政刺激政策を行いまして、限定的な範囲で財政投入を行っていきたい、こういうふうに考えております。
 同時に、財政が将来も持続可能な仕組みをつくり上げるための準備を今から始めるというような観点から、国民に財政の姿をわかりやすく説明するなど、財政の透明性の向上を図るとともに、省庁統合等による合理化、効率化と施策の融合化、公共事業の抜本的見直し等により財政の効率化と質的改善を進めてまいりたいというふうに考えております。
 そして、我が国の景気回復をより確かなものとした上で、税制のあり方とか社会保障のあり方、さらには中央と地方との関係まで幅広く視野に入れて財政構造改革に取り組んでいきたい、こういうふうに考えております。
○倉田委員 これで終わりますけれども、今のお答えは、公式的にはそういうお答えかと思いましたけれども、しかしながら、国民も、今直ちに財政改革を優先してくれ、こう言っているわけではないわけです。しかし、この先、財政赤字はこういうぐあいに解消していきますよ、少なくともここ何年の間には財政赤字はふえない状態にいたしますよ、こういうことをそろそろ示していただくべき時期ではないか。参議院選もございます。国民もそういうものをにらんでおります。(発言する者あり)
 そろそろでない、もうすべき時期だと私も思っておるわけでございますので、ひとつよろしく御検討をお願いしたいと思います。
 これで終わらせていただきます。
○萩山委員長 次に、山本明彦君。
○山本(明)委員 自由民主党の山本明彦であります。
 ただいま我が党の倉田委員から銀行を中心とした破綻の質問がありました。私からは、生命保険を中心として御質問をしてまいりたいと思います。
 平成九年の四月に日本として戦後初めて日産生命が生命保険として破綻をして以来、昨年は東邦生命、そしてことしに入りまして第百生命、大正生命、続きまして先月には千代田生命、協栄生命と相次いで破綻をしているところであります。私ども国民にとりまして一番関心のありますことは、やはり社会保障制度ではないかな、そんなふうに思うところでありますが、国の社会保障制度のセーフティーネットだけではちょっと不安だなと思う方は、やはり自分で一生懸命セーフティーネットを構築していく、これにそれぞれ国民の皆様方が今真剣に取り組んでおられるところであります。
 その個人のセーフティーネットの中心がやはり生命保険ではないか、こう思うところでありますけれども、その生命保険が相次いで破綻していくということは、国民にとりましては大変不安であります。政府におきましては、この国民の皆様方の不安を取り除くべく懸命に努力をしていただきたい、そんなふうに思うところから質問させていただきたいと思います。
 今申し上げました六社の中で、一番規模が大きくて、しかも一番最近の協栄生命を中心に質問してまいりたいと思います。
 この協栄生命の再建につきましては、プルデンシャル社を中心として四社が支援に名乗りを上げたというふうに聞いておりますが、このプルデンシャル社が、生命保険契約者保護機構も、そして政府の資金援助も要らない、こういった支援方法を表明されたので同社に決まった、こんなふうに聞いております。
 ところが、このプルデンシャル社というのは、協栄生命が再建を図ろうとしておる六月ごろに、支援をしたいと意思表示をしたということも聞いておりますが、その後、どういう理由か、その支援を断念いたしまして、今回更生特例法が適用されて決定した後、再度、よし、今度は支援してやろう、こういうふうに名乗りを上げたというふうにも聞いております。
 最初にちょっと質問でありますけれども、再建途中で支援しようと思っておったプルデンシャル社が一度断念して、それが、更生特例法が適用されてきて、よし、支援してやろう、そのように意思を変えたのはどのような理由によるか、当局の御所見をまずお聞かせいただきたいと思います。
○相沢国務大臣 今お話がございましたように、協栄生命とプルデンシャル社との関係につきましては、既に、過去におきましても両社間においては人材の交流その他いろいろと関係がございまして、ことしの六月一日に、他にも幾つか候補があったわけでありますけれども、協栄生命とプルデンシャル社との間におきまして提携に向けた基本合意が行われたわけでございます。
 提携の実現に向けて協議を続けてまいりましたが、その後、御案内のように、新規契約が減るあるいは解約がふえる、そして、いわゆる逆ざや現象が拡大をするといったような事態が明らかになってまいりまして、このままの状態で協栄生命をプルデンシャル社が引き受けるということが困難になってまいった。そこで、万やむを得なく、協栄生命としては更生手続開始の申し立てを行ったのでございます。
 一つの問題点は、従前は予定利率の変更ということが保険業法上可能であったわけでありますが、この規定は、広く申せば、憲法上財産権の侵害に当たるのではないかというような法制局の見解もございまして、平成八年の保険業法の改正の際に削除されたといういきさつがあるわけであります。しかし、更生手続によりまして再建を図る段階では予定利率の変更等が可能になる、つまり、逆ざや現象というものも解消ないしこれを縮めることができる、その他、更生計画の履行によって経営の可能性というものが強くなってきたということで、プルデンシャル社がスポンサーとして名乗りを上げたといういきさつでございます。
 ただ、プルデンシャル社が最終的に協栄生命を引き受けることになるかどうかということにつきましては、今後、裁判所が更生計画の決定の段階において、なお慎重に検討の上、決定されるということになるのでございます。
○山本(明)委員 今大臣からお答えをいただきまして、逆ざやのお話がありました。
 今の生命保険にとりまして、この逆ざやというのが経営を圧迫しておる大変大きな原因だ、このように言われておりまして、実際、協栄生命が平成十一年度で七百五十億円、その前の千代田生命も四百二十億円、一年間であった。今までも同じようにあったし、これからもしばらく続くだろう、こういったことで、大きな破綻の原因になったというふうに思います。
 今大臣からお話しいただきましたように、今回の更生特例法の改正の一番の特徴というのは、素早く再生決定をして、少しでも傷の浅いうちに再建をする、そういう目的で今回改正になったというふうに思っておりますけれども、その中で、今お話がありましたように、予定利率の引き下げができる、こういうことであります。ということは、保険の契約の条件を解消できるということ、すなわち逆ざやの解消が可能になるということでありまして、これは簡単に言いますと、保険契約者にとりましては勝手に変更されるわけでありますので、先ほどお話がありましたとおり、まさに保険契約者の犠牲の上に成り立つ再建だ、こんなふうに思われるところもあるわけであります。
 そして、今回更生手続に入りました協栄生命の姿勢を見ておりますと、私どもも詳しくはわかりません、想像するところでありますけれども、先ほど、プルデンシャル社が支援しようと思ったけれども、これはとても厳しい、早く更生決定をさせて、逆ざやを解消させて支援に乗り出そう、こういうことだというふうに思いますけれども、そんなことから、保険契約者にとりましては犠牲を伴い、再建を投げ出してしまう意思の決定がちょっと早かったのではないかな、そんな気がいたします。
 簡単に言いますと、経営陣の皆さん方が、傷の浅いうちに投げ出すのはいいのですけれども、責任逃れと言うと言い過ぎかもわかりませんが、早くほうり出してしまったということであります。
 やはりこの経営陣、そしてもちろん、もともとは高金利時代から始まった、バブルのときから始まった契約でありますので、旧経営陣の皆さんについても責任をしっかりとってもらわなければいかぬ、こんなふうに思うわけでありますが、その点につきまして政府の御見解をお伺いしたいと思います。
○相沢国務大臣 投げ出すのが早かったのじゃないかという御指摘でありますが、協栄生命に限って申しましても、逆ざや現象というものがなかなか解消しない、といって、予定利率を変更するということは現行法においてはできないというような状態のまま推移いたしますと、結局は、いよいよ傷を深くして、もう収拾のつかない状態において会社を破産させなければならない、こういうことになるおそれが大きかったわけであります。
 でありますので、そういうような状態になる前に、せっかく金融機関、特に保険に関しましても更生計画による再建ということが認められるようになりましたから、その手続によってその会社の更生を図ることが、これは単に会社だけではなくて、最終的には保険契約者にとってもその方がベターである、こういうふうに私どもとしては判断をしているのでございます。
 その時期が早過ぎたかどうかということについてはいろいろ見方は分かれるかと思いますが、私は現段階においてはそのように判断いたしております。
○山本(明)委員 この判断というのは、後にならなければどちらが正しかったかなかなかわからないわけでありますが、少なくとも、言いましたように、経営陣の責任というものはしっかりとっていただきたい。中小企業というのは、自分のすべての財産を担保に入れて経営をしております。まさに命がけで経営をしておりますので、大企業といえども、やはりそうした意味でしっかりと経営陣の責任追及をお願いしたい、こんなふうに思います。
 そして、今回の破綻のときに話題になった一つでありますけれども、ソルベンシーマージンについてお尋ねをしたいと思います。
 このソルベンシーマージン比率が二〇〇%あれば一応安全だ、このように言われておるところでありますけれども、今回は、千代田生命が二六三・一%、協栄生命が二一〇・六%、これが平成十一年度のソルベンシーマージン比率でありますけれども、両方とも二〇〇%を超しておった。その段階でこうして破綻をしたわけでありますけれども、この二〇〇%という数字について、いわゆる安全基準が一体どんなものなのかということをお尋ねしたいと思います。
 そして、実際二〇〇%を超しておっても破綻をしたということを踏まえまして、このソルベンシーマージン比率の計算基準の見直しについても一度考え直す時期ではないか、こんなふうに思いますけれども、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○相沢国務大臣 今のお話のとおり、生保の場合において、ソルベンシーマージン比率が二〇〇以上あれば一応経営としての安全性というものは確保されているということでありますが、おっしゃるとおり、千代田も十二年三月におきましては二六三・一%、協栄も二一〇・六%ということで、二〇〇%を超えておったのでございます。ですから、一応安全の基準となるバーは超えておるけれども、なぜ破綻に追い込まれなければならなかったかということを当然疑問としてお持ちだろうと思うのであります。
 私どもも、その点につきましては、ただソルベンシーマージン比率だけを中心として早期是正措置を考えるという対応については、おのずから制約があることは否定できないようにも思いますし、また、過去におけるソルベンシーマージン比率が二〇〇を超えても破綻に至ったというような結果というものも踏まえまして、やはりソルベンシーマージン比率の算定の方法についても検討する必要があるのではないかということが一つ。
 それから、ソルベンシーマージン比率だけではなくて、他に何らかのこれに合わせた基準を考える必要があるかどうか等々、この点に関してはこれからも十分事務的にも検討を進めてまいりたい、このように考えております。
○山本(明)委員 ただいまお答えいただきまして、計算基準も変えたい、ほかのものも検討していきたいということでありますが、このソルベンシーマージン比率というのは非常にわかりやすい数字というのですか、ここに私も今一覧表を持っておりますけれども、各社のソルベンシーマージン比率が、平成十年度、十一年度、全部書いてあります。これをすっと見ますと、千代田がこうだ、協栄がこうだというのがわかりまして、なるほどな、千代田生命が破綻するとすぐ次はどこだということで、契約解除も一遍に進んだのかなという感じがするわけであります。それだけこの数字というのは、数字がひとり歩きすることもあるわけでありますけれども、一般に非常にわかりやすいわけでありますので、そういった意味では大変重要であります。
 今言いましたように、いいかげんな数字ではなくて、はっきりした、正確な信頼のできる数字を出してほしいわけでありますけれども、それと同時に、このソルベンシーマージン比率は現時点の支払い能力の評価であります。現時点ではもう遅いと思います。やはり少しでも早く把握するために、二、三年先の金利の変動だとか土地価格だとか株価等を予想して、二、三年、数年先は一体この会社はどんな経営状況になっていくのかということを少しでも早く把握する必要があるのではないか。
 したがって、公表できるものではなくても、そうしたものをしっかりと把握することによって一刻も早く業務改善命令だとかそうしたものをできるように、ぜひ検討すべきではないか、こんなふうに私は考えますけれども、先々のこうした計算基準をお考えになる考えがあるかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○相沢国務大臣 さっき申し上げましたことに多少補足して申しますと、ソルベンシーマージン比率を算定する際にも、例えば劣後債務の算入限度額を厳格化するとか、あるいは生損保間のいわゆるダブルギアリングを否認するとか等々、ソルベンシーマージン比率の算定についても工夫がないかということを我々としては検討もしたいと思っているのであります。
 おっしゃるように、事前に今後のことも想定して云々というお話でありますが、と申しましても、これから株価がどうなるか等々という見込みになりますと、来年のこともなかなか予言しにくい現状でありますから、難しい問題はあろうかと思いますが、やはり、そういうように破綻に至る前に何らかの形で手を打てないかどうか、そのことについても検討してまいりたいというふうには考えております。
 ただ、問題はなかなか難しいところがありまして、ある会社についてそういうようなアクションを金融当局がとったということ自体が、それ、危ないぞというような心配を招くというおそれもありますから、その辺については大変慎重にやっていかなきゃならないというふうに思っております。
○山本(明)委員 時間がまいりましたので、終わりますけれども、この両社が更生手続に入ったときの金融再生委員長談話を読ませていただきました。普通、こうした談話を見ますと、ほとんど状況が一緒でありますから同じ文章が出てくるわけでありますけれども、最初の千代田生命のときには非常に第三者的な、金融再生委員会の、金融庁の意思というものが入っていない談話でありましたけれども、協栄生命のときの談話はそれプラス一項目入っておりまして、ちょっとその部分だけを読ませていただきますが、当局としては「引き続き保険会社の経営の健全性の確保、保険契約者等の保護に万全を期し、保険業界の信用の維持に努めてまいりたい」、初めてここで意思が入ってきた、こんなふうな感じがいたしました。
 それだけ金融庁、大臣の取り組み姿勢がはっきりしてきた、こんなふうに心強く思っておりますので、保険契約者の皆さん方が心配をされないように、安心してこれから自分のセーフティーネットが確立できる、そんなことをぜひお考えいただきまして国民のために頑張っていただきたいことをお願いいたしまして、答弁は結構でございますので、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○萩山委員長 次に、松宮勲君。
○松宮委員 私は、自由民主党の松宮勲でございます。
 本日は、日本銀行が昨日発表されました「経済・物価の将来展望とリスク評価」について、物価問題、あるいは物価問題と表裏一体の関係をなします現下の日本経済の実態について、幾つか御質問をさせていただきたいと思っております。
 今般の発表は、改正日本銀行法の趣旨に照らしまして、より国民に開かれた、透明性のある金融政策の運営あるいは展開の観点から、まさに積極的に、ポジティブに評価されるべき大きな一歩だと私は思っております。しかし、後ほど質問させていただきますような公表ぶり、あるいは発表の仕方については、いま少しなお改善の余地もあるのではないかと思っております。
 まずその前に、非常に初歩的な、プリミティブな質問で恐縮でございますが、今般の発表の前提となっております、あるいは、日本銀行の金融政策の運営の理念なり金融政策の一義的な目標になっております物価の安定の物価とは、一体何を指すのかということについて御教示いただきたいと思っております。
○山口参考人 お答え申し上げます。
 私どもが金融政策の目標として掲げております物価の安定という言葉がございますけれども、ここで言っております物価とは、財やサービスの価格を全体としてとらえました一般物価を指すものでございます。こういう考え方は、日本銀行だけではございませんで、海外の中央銀行あるいは学界などでも同様に広く理解されているというふうに承知しております。
○松宮委員 ただいま日本銀行側から、金融政策の運営の一義的な対象となります物価の安定の物価については、財やサービスのいわゆる一般物価である、こういうお答えがありましたし、かつ、これが日本銀行のみならず欧米の中央銀行でもしかりだ、こういうことでございました。
 基本的に私もそういうことかなと思っているわけでございますが、ただ、今我々が、バブル崩壊後十年を迎える今日、依然として呻吟しておりますこのバブルのよって立つゆえん、あるいはその大変な経済的なハードシップを克服するために、今朝野を挙げて取り組んでいるところでございますが、その根因をなす、あの八〇年代後半から九一年までのバブルの時期を振り返ってみますと、今副総裁がおっしゃった一般物価水準を一義的に金融政策の調整の対象とするならば、過去の我々の十年ほど前の経験というのは、一体何だったのだろうかということにならざるを得ないのではないかと危惧するわけでございます。
 もう少し言葉をかえて申し上げますと、今般日銀さんは、今度のこの見通しの発表に当たりまして、過ぐる十月十三日、金融政策決定会合におきまして「「物価の安定」についての考え方」というペーパーを公表されておられます。
 そのペーパーで幾つか、多少私にとっては気になる表現があるのでございますが、その一つが、今まさしく質問させていただき、かつ御回答いただいたことに関連するわけでございますが、過去のあの十年ほど前のバブルを振り返りながら、日銀のこのペーパーでは、いわゆるバブルが発生している場合、物価指数は安定していることが多い、こういうくだりもあります。他方、ストック、資産価格を金融政策の直接の目標とすることは適当でないと。そういうことかもわかりません。
 しかし、一般物価の安定を一義的に念頭に置きながら金融政策を展開した結果として、ストック価格、あの資産価値の暴騰、これがバブルの根因であるとするならば、ぜひ金融政策当局といたしましても、実体経済は、フローの価格だけじゃなしにストック、一般の消費者も、あるいは国民経済を構成する民間部門の企業も含めたあらゆる経済主体は、ストックの価値の動向、見通し等についても十分に念頭に置きながら、それぞれの合理的な経済行動をしているということだろうと私は思います。その意味で、もっとストレートに、直截的にお伺いいたしますと、ストック価格について金融政策上はどういう配慮をされながら、通貨なりあるいは信用の調整をしておられるのか、その点をお伺いさせていただきたいと思います。
○山口参考人 先生御指摘のとおり、一九八〇年代におきましても九〇年代におきましても、我が国で資産価格の大きな変動というのが、経済活動、物価のみならず、金融システムを含めまして非常に大きな影響を与えてきたということは、全くそのとおりであるというふうに存じております。
 金融政策の運営におきまして、そういう資産価格あるいはストックの価格というものをどういうふうに考慮するのがいいのかということは、ここしばらくの間、中央銀行同士の中でも大変激しい議論の対象になってきた一つのポイントでございます。なかなか結論というのは出しにくいわけでございます。
 もともと地価とか株価といった資産価格がなぜ変動が大きいのか、あるいはどういうふうにしてその価格が決まるのかということは、諸説あるわけでございますが、基本的には、そういう資産が将来にわたって生み出す収益が現在の価値に引き直されたものが資産価格になっているというふうに考えられます。あるいは、理論的にはそういうふうなことが言われていると思います。将来に対する予想、期待というものによって非常に大きく変動する性格のものでございますから、冒頭申し上げましたような一般の財やサービスの価格とは性格を異にしているということだと思います。
 そういう性格の資産価格でございますから、これを金融政策によって直接コントロールするということは、現在どこの中央銀行もとっておりませんで、それをあえてやりますと、恐らく今度は別の部分に大きなしわが寄る可能性があるというふうに考えられます。資産価格そのものを金融政策の目標にすることは適当でないと考えますが、しかし、先生御指摘のとおり、資産価格が非常に大きな変動を各方面に与えてきたことも事実でございますし、特に我が国におきましては、バブルの発生と崩壊という経験の中にそれが明確に出てきているわけでございます。
 それを踏まえますと、日本銀行といたしましては、資産価格の動向あるいはそれが企業・金融機関行動などを通じまして経済全体に与える影響についても幅広く綿密に点検いたしまして、それに基づきまして、必要とあらば金融政策を変更することも重要ではないかと考えております。それが、私どもがバブルの経験から酌み取るべき貴重な教訓の一つではないかというふうに存じております。
○松宮委員 ただいま御答弁いただいたことに尽きるかなという気もしないわけではございません。経済学的に見ましても、ストック経済の分析については、今潮流になりつつあるとはいえ、なおまだこれといった定見がないというのも私は承知しております。
 しかし、繰り返し、実体経済を構成するのはフローだけではなしにストックである。それは、ありとあらゆる経済主体が、それを意識しながら日々の経済的な営為をしている。こういうことにかんがみますと、優秀なスタッフを抱えていらっしゃいます日本銀行におかれましても、これからより一段の資産価値の動向、そしてその動向が、かつてのバブルのときにいたく経験したような、先ほど同僚議員も質問させていただいたような、金融システムが大変なダメージをこうむることのないよう、過去のレッスンというのを十分に踏まえて、日銀の総力を挙げて、資産価値の研究についてもぜひともさらに一段の御研さんをお願いいたしたいと思っております。
 二点目は、冒頭触れさせていただきました、昨日発表になった「経済・物価の将来展望とリスク評価」についてでございます。
 これは既に、恐らく過去に本委員会においてもいろいろな先生方から、なぜ正副総裁を含めた政策委員の見通しにとどまっているのかと。欧米のライバル中銀の場合には、バンク・オブ・イングランドとかスウェーデンとかカナダ、ニュージーランド等々、日銀の資料によりますと、ちゃんとインフレーション・ターゲティング・ポリシーを採用している国も機関もございます。それから、欧州中銀のように、具体的に物価の安定の定義を数値化しているところもございます。
 これに対して我が国の場合には、我が日本銀行は、どうもアメリカのフェデラルリザーブと準じたような動きを恐らくされたのだと思っておりますし、先ほど触れさせていただきました、過ぐる十月十三日の「「物価の安定」についての考え方」のポジションペーパーを拝見させていただいても、どうもそういうことらしいということがうかがわれます。しかし、突き詰めていきますと、金融政策の自由度を確保していくために、あるいはいろいろな政策のしがらみ、桎梏を排除するために、当座は今般のような見通しということにとどまっておるのではないかなというふうに思わざるを得ないわけでございます。
 そこで、我が日銀の場合、今般の第一回目のこの試み、私自身はもう一度あえて誤解のないように強調させていただきたいと思いますが、金融政策の透明性のより一層の向上確保の観点からは、国民に開かれた金融政策をやらなければいけないという現下の要請に、日本銀行が大変な御努力をされてポジティブにおこたえになられたということで高く評価するということを大前提の上で、なおかつ、なぜにバンク・オブ・イングランドのような、あるいは欧州中銀のようなインフレーション・ターゲティング・ポリシーの採用なりあるいは物価の安定の定義を数値化する段階まで移行しなかったのか、改めてお伺いさせていただきたいと思いますし、もしできないとするならば、次のステップとして、タイミングはともかくとして、目標としては、ベクトルとしては、ほかの欧州のライバル中銀のような方向に持っておいきになる意思があるのかどうかを確認させていただきたいと思っております。
○山口参考人 お答えいたします。
 ただいま御指摘の中にもございましたとおり、例えばイギリスの中央銀行とかあるいはオーストラリアその他、なぜか英連邦諸国の中央銀行に多いのでございますが、インフレーションターゲティングという目標を掲げて金融政策をやっているところもございます。一方、アメリカの中央銀行あるいはヨーロッパの中央銀行などは、目標値を明確に掲げるということはしておりませんで、それにかわるものとして政策の透明性を高めるための工夫をいろいろしておるというふうに理解をしております。
 したがいまして、我が国においてはどういうやり方で政策の透明性を高めるのがいいのだろうか、我が国の実情なり経済の実態に即してどういう工夫がいいのだろうかということを、私どもなりに考えたつもりでございます。物価の安定ということを数字でもってあらわすことが可能かどうかということを政策委員会の中で大分議論を重ねたわけでございますけれども、結果として、十月十三日に公表させていただいたようなレポートの線に落ちついたというのが実情でございます。
 私どもは、物価安定に関する数字の定義を示すのであれば、それはある程度長い期間にわたって妥当するというものでないとまずいのではないかと考えております。くるくる変わるというものではかえって混乱を招くおそれがあるというふうに思います。
 そういう点で考えますと、現在、我が国では、需要がなかなか加速しにくいということと並びまして、技術革新あるいは流通革命など、供給サイドにおけるさまざまな事情が物価の低下圧力としてかなり根強く作用しているという状況ではないかと思います。
 こういう場合に、現在望ましい物価の上昇率というのは、非常に長い目で見た長期的に望ましい物価上昇率よりも多少低目になっている可能性がございます。このため、現段階では物価の安定ということを数字でもって定義するということは難しいと考えまして、それを無理に行いますと、かえって金融政策運営の透明性向上には役立たない可能性が高いというふうにも考えました。また、先ほど来先生御指摘の資産価格をどういうふうに物価安定ということの中に取り込むかという非常に難しい問題もございます。そういうわけで、数値による定義を前提といたしました目標値の採用ということは適当でないという結論に落ちついたわけでございます。
 ただ、これは当然、経済の実情が変化するにつれまして、あるいは構造調整が進展するにつれまして、そういう実態に合わせて私どもの政策運営の透明性をさらに向上する手段は何かということを考えていかなければいけないと思っておりまして、そういう検討の中で、先生御指摘のようなポイントについても考慮してまいりたいと考えております。
○松宮委員 今般の試みは非常に大きな一歩であるということを改めて私自身の認識として強調させていただきながら、しかし、ただいま副総裁からお答えいただきましたように、かつまた速水総裁も、十月十三日に発表された物価の安定の考え方についての序文のところで、今回のものは一つのステップである、今後、さまざまな物価をめぐる諸問題について検討を加え、発表や公表の仕方についても検討してまいりたいということを述べられておられますので、ぜひ早い時期に、より一層の透明性の高度化を目指して数値化に向けての努力をしていただきたいと思っております。
 なかなか二十分というのは限られた時間でございまして、本来、この後大蔵省にも御質問させていただきたいと思っておったのですけれども、もう時間がございません。あと一つだけ日本銀行さんに、同じく今度の、昨日発表されましたペーパーについての、実体経済、経済の見通しについて、簡単に御質問させていただきます。
 結論的に申し上げますと、今年度のGDP成長見通しは、多くの委員の大勢として、リアルタイムで一・九%から二・三%、そういう数字でございました。他方、今般の本臨時国会で審議をこれからお願いしようとしております補正予算の編成の前提となるべき、いわゆる日本新生政策プランの発表の際に発表になった経済企画庁の見直し試算によれば、我が国の今年度の実体経済、GDPの実質経済成長見通しは一・五%と、かなりギャップがございます。
 経済企画庁の場合には、主たる需要構成項目ごとに発表になっておりますので、何が一・〇という当初見通しから一・五になったのか、あるいは、一・五についてのそれぞれの判断について主要項目の判断が開示されているので読むことができるわけでございますが、日銀の場合には、委員の大勢ということで、結果として一つしか出ておりません。したがって、比較対照ができないのでございますが、私は、これからの経済運営をめぐって一番大事なことは、やはり民需主導型の自律的な経済回復過程にどうやって財政当局も金融政策当局も一緒になって頑張っていくかということに尽きると思います。
 その意味では、GDPの構成項目の三分の二強を占める個人消費支出、国民経済計算の概念上は民間最終消費支出について、この日銀の一・九ないし二・三の今年度実質経済成長見通しではどういう読みをされているのかということを最後に御質問し、そして、これも直でなくて結構でございますが、今後、二回目、三回目とこの見通しを発表される際には、できることなら主たる需要項目についても数字、幅を持って発表していただくことが可能なのかどうか、ぜひとも、そういう可能性を追求していただきたいということをあわせてお願いさせていただきたいと思います。
○山口参考人 今回発表させていただきましたのは、政策委員の見通しを集計したものでございます。実質GDP、卸売物価、消費者物価三項目に限ったわけでございますが、これは、いわば国民の皆様方が恐らく最も御関心が高いであろうと思われる代表的な項目に限りまして見通しを出し合ったということでございます。
 個々のGDPの構成項目にまでは及んでおりませんので、政策委員個々人が、御質問にありました個人消費についてどういうようなことを考えておるかというのは、これだけでは必ずしも判然といたしません。数字もございません。したがって、定性的なことを申し上げてお答えにかえさせていただきますが、政策委員会におけるこれまでのディスカッションを通じまして、個人消費につきましては、前提となる雇用所得環境が一応これ以上悪くなることはないというところまでは参りましたけれども、なかなか明確にふえ始めるというところまではいっておらないものですから、ごくごく緩やかな回復を見込んでおる、あるいはごくごく緩やかな回復しか見込んでいないというのが実情でございます。
○松宮委員 時間が参ったようでございますので、これにて質疑を終えさせていただきます。ありがうございました。
○萩山委員長 次に、谷口隆義君。
○谷口委員 公明党の谷口でございます。
 本日は、まず初めに、協同組織金融機関、信用金庫、信用組合の件につきましてお伺いをいたしたいというように思う次第でございます。
 我が国は、この数年間、金融機関の問題、金融機関の持っておる不良債権の処理について大変苦しんでまいったわけでございます。一刻も早くこの不良債権の処理を進めていかなければならない、これが景気浮揚の足を引っ張っているというような状況の中で、不良債権の処理が早急に進むことが望まれておるわけでございます。
 そういう状況の中で、今巷間言われておるところによりますと、金融庁の発表におきましても、大体八十二兆円程度の問題債権がある、また百五十兆円程度の融資過剰になっているというようなことさえ言われておるわけでございます。我が国の構造改革のために、このような不良債権の処理を進めていかなければならない、このように思う次第でございます。
 一方で、金融機関の取引先、預金者の保護も考えていかなければならない。健全な借り手を守っていかなければなりませんし、また、預金者の保護も十分に考えていかなければならないわけでございます。
 そういう状況の中で、先ほども話が出ておりましたが、大手の金融機関は今着々と準備が整っておるわけでございますが、一方で、信用金庫、信用組合と言われる協同組織金融機関でございますが、このようなところが、今現在、金融庁の方も検査に入られて、今ちょうどいろいろ転換の時期と申しますか、この業態での構造改革の時期が来ておるわけでございます。
 それで、信用金庫、信用組合の最近の動向を見ますと、信用金庫が平成元年には四百五十四行あったようでございます。これが平成十二年の十月現在で三百八十一行、七十三行がなくなったわけでございます。十三年の五月までにはまたその中から十六行がなくなる予定になっておるようでございます。三百六十五行になる。また、信用組合の方は、平成元年に四百十七行あったわけでございますが、これが平成十二年の十月現在で二百八十三行、この十年強の間に百三十四行がなくなったわけでございます。
 今そのような状況があるわけでございますが、私、冒頭お話をさせていただきましたように、金融業界の構造改革を進めていかなければならない、一方で、健全な借り手また預金者を保護していかなければならない、こういう問題がございます。
 最近、金融庁の検査が信用組合を中心にやられておるようでございますけれども、どうも、地域の方でお聞きをいたしておりますと、信用組合が経営の破綻をした場合に、本来、そこの預金者なり、また健全な借り手なりを受ける、事業譲渡を受ける受け皿金融機関というのがあって、受けていただくような状況になるわけでございますが、今後の進捗状況によると、地域によってはそのような受け皿金融機関が見つからない場合もあり得るというようなこともお聞きいたしておるわけでございます。
 金融庁といたしまして、再生委員会の相沢委員長におかれましては、このような事態においてどのようなセーフティーネットを張りめぐらせていく必要があると考えていらっしゃるか、まず冒頭お聞きいたしたいと思います。
○相沢国務大臣 信金、信組の協同組織の金融機関に限って申しますと、おっしゃるとおりに、ここ十年間に相当な数の減少を見ているわけでございます。
 その多くは合併、吸収というような形で行われているわけでありますが、今お話がございましたように、信用金庫、信用組合につきましても、ここ三年の間に、例えば信用金庫について申しますと、平成十年には百三十八、平成十一年には二百四十四、平成十二年で三、三百八十五の金庫についての検査を実施し、また、信用組合につきましても、平成十一年七、平成十二年百五十六、合わせて百六十三の検査を実施しているのであります。
 特に、御案内のように、信用組合に関しましては、四月、都道府県から国の方に移管になりまして、七月以降集中的に検査を実施して、来年の三月までにはワンラウンドをするという計画になっているのであります。
 問題は、おっしゃるように、そういう金融機関の中で、不良債権を多く抱えて、経営が行き詰まっているものについては、極力私どもの方で積極的に、どれとこれとを一緒にくっつけてということは難しいのでありますけれども、やはりできるだけ破綻をしないような形で、合併等によってその経営が継続していきますように、それは協同組織の金融機関のためというよりも、預金に関しては御承知のように今保護されておりますが、特にそういう金融機関から融資を受けている中小企業としては、融資が円滑に行われるということが何よりも、この時期でございます、中小企業の維持のためにも必要でありますので、そういう点について極力金融当局としても配慮を行い、また御協力できるところは協力をしてまいる所存であります。
 なお、御承知のように、協同組織の金融機関につきましても資本注入が可能となったのでございます。まだ信用組合においてはその例を見ておりませんが、そういうお申し出があれば、当然十分に審査をすることが必要でありますけれども、資本注入も行って、資本比率も回復をし、そしていわゆる貸し渋りの現象等がないような努力をしていきたい、このように考えております。
○谷口委員 今、委員長には総括的な御質問をさせていただいたのですけれども、ケース・バイ・ケースで、いろいろ具体的な事例がこれから出るのだろうというふうに思うわけでございます。それで、それぞれの対応を考えていかなければならない。根底には、健全な借り手を守っていかなければならないということをやっていかないと、その地域における大きな影響があるわけでございますから、こういうことをきめ細かくやっていく必要があるというように思うわけでございます。
 次に、具体的な事例といたしまして、京都地域の信用金庫の状況についてお伺いをいたしたいわけでございます。
 御存じのとおり、本年の一月に、京都みやこ信用金庫、南京都信用金庫が経営破綻をいたしまして、京都中央信用金庫がこの事業譲渡を受けるというようなことになったようでございます。どうも聞いておりますと、来年の一月の初めに事業譲渡が行われるというような状況のようでございます。
 この京都という地域は、ほかの地域に比べまして、金融における大変な特殊性があるわけでございます。信金王国と言われるような土地柄のようでございまして、昨年の十一月現在の資料によりますと、預金のうち四二・一%が信用金庫、貸し金の四〇・〇%が信用金庫だ。また、不況の対策として行いました信用保証協会の保証つき融資、これも信用金庫が五〇%を超えておるようでございます。大手の金融機関に比べまして信金の占める割合が大変大きい地域のようでございます。
 そういう状況の中で、今回、先ほど申し上げましたような京都中央信用金庫に事業譲渡されるわけでございます。事業譲渡されました後の資金量は、今信用金庫業界の資金量のトップが城南信用金庫でございますけれども、それを超える全国一の信用金庫、三兆円を超える信用金庫になるものと予想されるわけでございます。
 そういう状況であるわけでございますが、一月に事業譲渡をされるまでの間に、いろいろ受け入れ企業の個別的な検討をなされておられるようでございまして、どうも情報によりますと、経営破綻をいたしました二つの信用金庫の破綻確定分を除いた貸出先が、現在、法人、個人合わせて八万五千件程度があるようでございますけれども、このうち九八%程度は、事業継続ができるようなところは全部引き受けたい、こういうようにおっしゃっておるようでございますが、一方で、これは簡単に計算しましても、二千件弱のところはRCCに行くのか、受け入れないのか、どういう状況になるかわかりませんが、そういう状況があるわけでございます。
 また、ちょうどこの時期が、年末の資金需要が大変高まっておる状況でこういうことが行われるわけでございまして、京都地域は、御存じのとおり、西陣地域の和装産業を中心とする我が国の伝統産業であるとか地場産業が非常に多い地域でございます。このような中小企業を救済していかなきゃいかぬということも考えなければいけないと思うわけでございます。
 そういう具体的な京都の問題におきまして、相沢委員長はどのようにお考えなのか、まずお伺いをいたしたいというように思います。
○相沢国務大臣 私ごとでございますけれども、私も若いころ京都で税務署長をやらせていただきましたものですから、京都における中小企業というものを多少は存じておるつもりでございます。
 今お話ございました、京都のみやこ信用金庫と南京都信用金庫が来年の一月に京都中央信用金庫に事業譲渡されるということになっております。こういう事業譲渡の場合に一番問題になりますのは、今お話ございましたように、譲渡される両金庫と取引があったところの中小企業だろうと思います。その中小企業に対する融資が円滑に行われるかどうか、これが非常に問題なのでありまして、とかく私どもの耳にも、そういった際に、言うなれば吸収される形の金庫の取引先が冷たく扱われる、十分な手当てが行われないということを耳にいたしているのであります。
 そこで、京都に関しましては、ことしの六月と八月の二度にわたりまして、京都みやこ信金及び南京都信金の破綻公表後の京都市及び京都府南部地域における中小企業金融の円滑化及び事業譲渡作業の円滑化に資する観点から、財務局の主催によりまして、地方公共団体、政府系金融機関、経済団体等が参加する中小企業金融に関する京都連絡会議というものが開催をされているのでございます。
 この会議の検討を踏まえまして、相談、照会窓口の一覧リストを作成し、広く一般への周知を図る等きめ細かな取り組みが進められておりますが、今後とも、財務局、財務事務所を通じまして、地方公共団体の関連機関との緊密な連携も図りつつ、今お話がございましたように、中小の企業が資金需要期の年末を控えまして、できるだけ円滑にその事業継続ができるような努力を私どもとしてもしてまいりたい、このように考えております。
○谷口委員 本日は、中小企業庁から中村長官にも来ていただいておりますし、また、預金保険機構、RCCの状況をお聞きしたいわけでございますので、松田理事長にも来ていただいております。
 まず初めに、宮澤大蔵大臣にお聞きいたしたいのですが、大蔵省所管の政府系金融機関を通じて、今申し上げました京都の状況において具体的にどのような対応を考えていらっしゃるのか、御自身の所見も含めてお話をいただければ大変ありがたいのですが、よろしくお願いを申し上げます。
○宮澤国務大臣 国民生活金融公庫は、歴史も古うございますし、全国にネットワークを持っております。いわば国民生活に一番身近い政府関係機関でございますから、殊に、こういう金融の変動のありますときに、地域においていろいろ状況をできるだけ親切に小まめに観察をし、またお世話をするようにということはかねて言ってございます。
 その点では、金融環境変化対応融資というようなものもつくりましたし、また、金融機関の破綻等の影響を受けます地域の支店等においては特別の相談窓口を設けたりしておりまして、谷口委員の言われますような、まさにそういう機能を国民生活金融公庫は果たさなければならない、また果たすように心がけておりますし、今後もそうしてもらわなければならないと思っております。
 たまたま京都の問題につきましてお話がございまして、御指摘のように、京都は信用金庫が非常に強いところでございますので、国民生活金融公庫の規模と少し融資の規模は違っておるかもしれませんけれども、それでも調査によりますと、ことしになりまして、九月の末までに、みやこ信用金庫及び南京都信用金庫の営業譲渡との関連で、特別にその関連で相談を受けました件数が、国民生活金融公庫で四百件余りあるそうでございます。融資の承諾をいたしましたのが三百八十六件、金額にして三十億円ぐらいだそうでございますので、かなり一生懸命そういう機能を果たそうとしておるように思われますが、今後ともそうしてもらうように、私からも直接申しておきたいと思います。
○谷口委員 ありがとうございました。
 それでは、中小企業庁の長官に、信用保証協会の特別融資等の対応を踏まえてどのような対応を講じられようとされているのか、お伺いいたしたいというふうに思います。
○中村政府参考人 先生御指摘の、信金、信組を含めます金融機関の破綻に際しまして、中小企業が事業継続に支障を来してはいけないという観点から、政府系中小企業金融機関、商工中金、中小公庫、国民公庫でございますが、ここにおきましては、金融環境変化対応特別貸し付けというのを設けて対応いたしております。また、保証協会におきましては、いわゆる特別保証制度というのを設けまして対応しているところでございます。
 年末に向けましても、これらの制度を活用しまして適切に対応したいというふうに考えておるわけでございます。
 さらに、私どもは、来年三月をもって特別保証制度が終了することになっておるわけでございますが、ただ、破綻金融機関の影響を受けた中小企業に対する別枠保証の特例措置というのが別項でございまして、これにつきましては存続をいたしたいと考えております。さらに、運用の改善も図りたいと考えております。加えまして、無担保保証の限度額の引き上げということのための法律案もぜひ今国会に提出させていただきたいと思っております。
 このようなことによりまして、金融機関の破綻に対して十分な施策を講じてまいりたいと考えております。
○谷口委員 RCCに行った企業はその他の金融機関と取引ができないというような状況も考えられるわけでございまして、この京都の問題においても、事業計画ができないような企業も出てまいるだろうというふうに思いますが、松田理事長、そのあたりの状況についてお話をいただきたいというふうに思います。
○松田参考人 お答えいたします。
 先生御指摘の、京都みやこ信金及び南京都信金から京都中央信金に向けた破綻処理、現在進行中でございまして、まだRCCに幾ら移管されるか決まったわけではございません。極めて一般論になってしまうわけでございますけれども、RCCにおいては、基本的には債権の回収をするというのが責務でございますので、債務の履行を求めていくということが基本的な姿勢でございます。
 ただ、それを基本としながらも、債務者の実態把握、収益力とか、担保はあるかとか、保証人はいるかとか、キャッシュフローをどれだけ取れるかとか、そういう実態についての把握は十分に努力をする、その上で、債務者の立場にも立脚しながら、誠意を持って話し合った上で回収を行っていく、こういう方針だというふうに私どもは承知をしているわけでございます。
 なお、きめ細かな、いろいろな相談事がございますので、RCC内部に相談室を設けてございます。それで個別債務者からの申し出に対してはきめ細かい対応を図っている、このように承知をいたしております。
○谷口委員 この京都の信用金庫の問題は、これから起こるであろう協同組織の金融機関の先鞭の問題ではないかというように思うわけでございまして、冒頭お話をさせていただきましたように、これはシステミックリスクまでは至らないわけでございますけれども、地域経済に大きな影響を与えるわけで、健全な借り手を守っていくという立場でぜひ細かい対応をお願い申し上げまして、質問の時間を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○萩山委員長 次に、石井啓一君。
○石井(啓)委員 公明党の石井啓一でございます。
 私は、きょうは、生命保険の破綻問題について質問をさせていただきます。
 先ほども自民党の山本委員からるる質問がございましたけれども、まず、破綻をいたしました千代田生命、協栄生命の保険契約者の立場に立ちますと、御自身が持っておられる保険契約がどういうふうに扱われるのか、契約の条件が今後どう変更されるかということがやはり最大の関心事であろうというふうに思います。
 破綻直後に、金融再生委員長あるいは金融庁長官が談話を発表されていらっしゃいまして、その中で、取り扱いというのはおおむね明らかにされているわけであります。
 すなわち、裁判所の監督のもとで更生計画が策定される。それまでの間は、新規の契約に関する業務、解約に関する業務は停止されるけれども、支払いや保険料の受領等の業務については、原則として引き続き行われる。現在契約されている保険契約の取り扱いは、更生計画において定められるが、予定利率の変更等の契約条件の変更はあり得るものの、少なくとも責任準備金の九〇%までは確保される。また、平成十三年三月末までの特例期間中に支払い事由の生じた死亡保険金等については、その全額が支払われるなどの保護がなされる。
 こういうふうなことが発表されておりますので、一応、当面の不安はなかろうかと思いますけれども、これだけにとどまらず、丁寧に情報の提供をしていただくということが私は大切だと思います。今後、更生管財人が更生計画を策定していくわけでありますけれども、その途中段階におきましても、適時適切な情報の提供をお願いいたしたいと思います。
 それと同時に、最終的には契約条件は更生計画において定められるわけでありますけれども、いつまでも待たされるということは不安が増大をするということになりますので、保険契約者の保護に配慮した更生計画がなるべく早期にまとまるよう、これは一義的には更生管財人がやることでありますけれども、当局においても最大限の協力をすべきであろう、こういうふうに考えますので、まずこの点について伺いたいと存じます。
○相沢国務大臣 今お話ございましたように、千代田、協栄と相次いで更生計画を策定することになったわけでありますが、おっしゃるように、更生手続におきましても、金融庁の関与ということができるわけであります。
 会社更生法によりまして、これは百九十四条でありますが、金融庁長官が更生計画案に対して意見を述べることができることとされておりますし、さらに、金融庁長官の認可等を要する事項を定めた更生計画案につきましては、裁判所は、当該行政庁の意見を聞かなければならないということにされております。さらに、このような場合においては、更生計画案が行政庁の意見と重要な点で反しないことが計画案の認可の要件とされております。そういうことがありますので、言うなれば、計画について行政庁の意向というものが反映されるように担保されているわけであります。
 いずれにいたしましても、おっしゃるように、これは当然のことでありますけれども、保険の契約者が、一体その保険契約がどうなるだろうかということについて重大な関心を持ち、また、利害関係があるわけでありますから、その計画の審理の過程におきましても、またその計画の決定を通じましても、情報が十分に開示されるような努力を我々としてもしていきたい、このように考えております。
○石井(啓)委員 委員長、済みません、もう一つ、後段の方の、更生計画がなるべく早くまとまるように御協力いただきたいという点。
○相沢国務大臣 答弁が漏れまして済みません。
 無論、更生計画が長引きますと、その間にいろいろ不測なことが起こる心配もありますし、また不安も招きますので、十分に早く決定できるように我々としても努力をしていきたいと思っております。
○石井(啓)委員 それに関連をいたしまして、これは管財人の方の仕事でありますけれども、この更生計画がいつごろまでにまとまるであろうかと想定をされていらっしゃいますでしょうか。そのあたりの心当たりといいますか見通しがあれば、ぜひ教えていただきたいと思います。
○高木政府参考人 お答え申し上げます。
 両社の更生計画につきましては、東京地裁、それと両社の更生管財人とも、極力早期に策定したいという御意向をお持ちのようでございます。
 具体的には、来年三月中に更生計画の認可を行うことを目指しているというふうにお聞きをしております。
○石井(啓)委員 これは、先ほど申し上げましたように、なるべく早期に更生計画がまとまるよう、当局としても最大限の協力をいただきたいと存じます。
 続きまして、今回の千代田生命、協栄生命の破綻の状況をより詳細に明らかにしていただくことが重要であるというふうに私は考えておりますので、若干数字のことをお聞きしたいと思います。
 まず、千代田生命については、実質債務超過額が三百四十三億円、協栄生命については四十五億円という数字が発表されておりますけれども、この実質債務超過額の算出内訳がどうなっておるのかという点、また劣後債、劣後ローンの額を教えていただきたいと思います。
 あわせて、今後更生計画において劣後債、劣後ローン、一般債権それから責任準備金の扱いがどうなっていくのか、この点について確認をいたしたいと存じます。
○相沢国務大臣 千代田生命と協栄生命の資産、負債の状況は、今後更生管財人によって精査されるものでございますので、現時点で正確な財務の状況をお示しすることは難しいと思っております。
 しかし、そのような前提で申し上げますと、更生手続開始の申し立て前に、両社から九月末時点におきましてあらあらの見込みとして報告された数字で申し上げますと、今お話しのとおり、千代田生命は三百四十三億円、協栄生命は四十五億円の債務超過になっております。
 この内訳について申し上げますと、千代田生命は、貸借対照表上は一千二百一億円の資産超過でありましたが、これから有価証券の含み損二千百九十九億円、不動産の含み損五百九億円を差し引いて、実質的に内部留保的な性格を有する価格変動準備金等千百六十四億円を加算いたしますと、この三百四十三億円という実質債務超過の数字になるのであります。
 それから、協栄生命について申しますと、貸借対照表上は七百八十三億円の資産超過でありますが、これから有価証券の含み損の千三百二十六億円を差し引き、土地の含み益百七十五億円と実質的には内部留保的な性格を有する価格変動準備金等三百二十三億円を加算いたしますと、四十五億円の実質債務超過となるのであります。
 また、両社からの報告によりますと、平成十二年九月末時点で借り入れている劣後債務残高は、千代田生命が八百七十九億円、協栄生命は四百五十五億円となっております。その内訳は、千代田生命、劣後ローンが七百七十億円、劣後債が百九億円であります。協栄生命、四百五十五億円はいずれも劣後ローンでございます。
 それから、更生計画における劣後債、劣後ローン、一般債権、責任準備金の取り扱いに関しましては、資産、負債の状況を踏まえまして更生計画の中において定められることになりますものですから、現時点において一概に申し上げることは難しいと思います。
 いずれにいたしましても、これらのすべてについて財務内容に応じて削減される可能性がございますが、責任準備金については保険業法上保険契約者が一般先取特権を有しておりますことから優先的に確保されることになります。さらに、責任準備金の削減が必要なときであっても、生命保険契約者保護機構によりまして、少なくともその九〇%は保証されることに相なるというふうに承知をいたしております。
○石井(啓)委員 今の大臣の御答弁で、大分明らかになってまいりました。
 今後の精査によって資産、負債の状況が明らかになりますので、それを待つしかないわけでございますけれども、例えば千代田生命では、実質債務超過額が今三百四十三億円。これがこの債務超過額でとどまれば、劣後債、劣後ローンの八百七十九億で負債が賄われるわけでありますけれども、この資産がどれだけ劣化をしているのか。その精査をぜひ待ちたいと思いますが、いずれにいたしましても、ここら辺の数字的なものはその都度やはり明らかにしていただきたいと存じます。
 それから、引き続きまして、先ほども指摘がございましたけれども、ソルベンシーマージン比率の件で私も指摘をしておきたいと思います。
 先ほどの大臣の答弁では、ソルベンシーマージンの算定方法については今後工夫をしていきたい、こういうお話がありました。確かに、分子の方の支払い余力の中で、劣後債はどれだけ取り組むのかという課題もございましょうし、また、今回千代田生命、協栄生命が保険解約が急増して、それで最終的に立ち行かなくなったということを考えると、分母の方のリスク、解約リスクというのをどう見込んでいくかというのも恐らく課題なのかなという感じが私はしております。
 それと同時に、大臣から、ソルベンシーマージン比率だけでなく他の指標も使ってこの際生保の健全性をチェックすることも検討云々という答弁もございましたけれども、今回の千代田生命、協栄生命、特に協栄生命は最終的にもうちょっと頑張るのじゃないかというところで早目に手を挙げた。両社の申し出によると、やはり債務超過になったことが決め手ではないのか。特に協栄生命は四十五億という債務超過になった、これがやはり決め手の一つじゃないかなというふうに私は判断をしておりまして、そういうことからすると、銀行と同様に自己資本比率というのがやはり重要な指標ではないのかなというふうに私は判断をしております。こういった点について、いかがでございましょうか。
○相沢国務大臣 確かに御説のとおり、ソルベンシーマージン比率の算定におきましても問題がございますので、この算定方式についても検討を行いたいと同時に、先ほども答弁申し上げましたが、やはりこのほかに、現在におきましても是正措置をとる場合、保険会社の実質的な資産、負債状況等も勘案することになっておりますけれども、さらに何らかの形でもう少し具体的な物差しが考えられるかどうかといった点についても検討を行いたいなというふうに考えているのであります。
 というのも、御案内のとおり、ソルベンシーマージン比率が二〇〇を超しているから大丈夫だという観念だけでは、どうも実際的な、具体的な対処が難しくなってきているという現実に即して、このような点についての検討を行いたいというふうに思っております。
○石井(啓)委員 それでは次に、生命保険契約者保護機構の財源問題について質問をいたしたいと思います。
 この保護機構の財源については、民間が五千六百億円拠出をする、そして財政資金として四千億円までは可能である、合わせて九千六百億の財源になっているわけでありますけれども、もう既に東邦生命の破綻で約三千八百億民間資金分を費やす。残り民間資金分は一千八百億しかないわけでありますけれども、巷間言われておりますのは、第百生命と大正生命の破綻処理で残りの一千八百億というのはほとんど費やされるのではないか、こういう指摘がございます。
 そういたしますと、千代田生命、協栄生命でどれだけの政府の支援、保護機構の支援が必要になるのかということでありますが、協栄生命の方は、どうやら支援先のプルデンシャル社が、政府の支援、公的な支援は必要ない、こういうことのようでありますから、千代田生命がどうか、こういうことであります。
 この財源に、今申し上げました四千億円の枠の公的資金が必要になるのではないか、こういうことが一つ注目されていますけれども、その点についてどうなのか。これは、先ほど数字のところで申し上げましたように、今後の資産、負債の正確な状況を把握しなければわからないことはわかっておりますけれども、その上で、今どんな見通しをされているのか、お聞きをしたいと思います。
 あわせて、これはなかなかお答えをしにくいのかもしれませんが、協栄生命で生保の破綻が終わりであればいいのでありますけれども、今後、万が一新たな破綻が起きた場合、現在の機構の財源で大丈夫なのか、そういう懸念もささやかれておりまして、この点についても見解を伺っておきたいと存じます。
○相沢国務大臣 生保の保護機構の財源といたしましては、今お話ございましたように九千六百億円でありますが、東邦生命の処理に要した額が三千八百億、したがいまして、今後、利用可能な財源は五千八百億円であります。そのうち、業界負担分は千八百億円であり、政府の負担分が四千億円ということになっているのであります。
 そこで、これで大丈夫だろうかという話でありますが、千代田生命に関しましては、これも更生計画等の進行によりましてまた明らかになってくるわけでありますが、早期に更生手続に入ったということがございますので、債務超過額と責任準備金の一割カット等とのバランスから見まして、予断を持って物を申し上げるのはいかがかと思いますが、それほど大きな預金保険機構からの財源措置ということは必要はないんじゃないかというふうに思っております。それから、協栄生命に関しましては、これは最終的にプルデンシャルに決定したわけじゃありませんが、もし仮にプルデンシャルに決定した場合も、機構からの資金援助は申し込まない、資金の不足分についてはプルデンシャルが処理をする、こういうお話があるわけであります。
 これでおしまいなのか、何かあったときに大丈夫かという御質問でありますが、私どもとしては、とにかく六社もこうなったので、もうこれ以上出てこないことを心から祈っているのでございます。
 結局、問題は、保険に対する信頼感の問題でありますから、速やかに更生手続に入る、あるいは国としての手当ても行われるということが一般に理解されて、そして保険に対する信頼感が回復されるようになれば、おっしゃるような、今後も続いて破綻をするというような事態は起こらないんじゃじゃないかというふうに思っているのでございます。
○石井(啓)委員 時間が参りましたので、以上で終わります。
○萩山委員長 次に、小池百合子さん。
○小池委員 保守党の小池百合子でございます。
 先ほど改めて見させていただきました破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告、一千ページをはるかに超えるこの分厚い厚さが、我が国が抱える金融問題の重さを語っているかと思います。
 そこで、私はきょうは幾つかお伺いしたいこともあったのですけれども、この中のわずか数行、もしくはわずか数ページにしか書かれておりませんけれども、そのうちの信用組合の問題、特にいわゆる民族系と言われます朝銀の問題について、改めて伺わせていただきたいと思います。
 御承知のように、九七年の五月、朝銀大阪が破綻いたしました。そして、一年後には、周りの五つの府県の同じ信組を統合いたしまして、朝銀近畿という受け皿ができた。そして、その際に、預金保険機構から三千億円を超えます公的資金が注入をされているわけでございます。正確には三千百一億円というお話を、前のときに御答弁でいただいております。
 この三千億円という数字でございますが、例のそごうの問題、瑕疵担保をどうするということで大変な国民的議論になりましたけれども、これは一千五百億とかという数字が挙がっているわけでございます。それの倍、そごうのように余り有名ではない、一部の方しか御存じないと言ってもいいかもしれないこの朝銀大阪に対して三千億円が注入をされているということ、この大蔵委員会で初めて取り上げさせていただいたときには、後から委員の方々から、そんなことがあったんですかというふうに聞きに来られた方がたくさんおられました。
 ということで、その後どうなったかということを伺いたいわけでございますけれども、まず、この破綻した朝銀大阪の調査結果、前に上田議員がこの件についてもただしておられるのですけれども、その後一体どうなっているのか、何がわかって、何が公表されて、何が公表できないのか、そこをお伺いしたいと思います。
○相沢国務大臣 これは理事長に対する質問というふうにお聞きをしておったのでありますが、私が承知している範囲で申し上げますと、朝銀大阪の債権回収でありますが、整理回収機構では、平成十年の五月の譲り受け以来、二年四カ月で百五十四億円、債権譲り受け価格に対して約四割を回収したところでございます。預金保険機構といたしましては、その回収は進捗をしているものと評価をいたしておるのでございます。
○小池委員 多分それは後で出てくる質問に対してのペーパーだと思います。
 それでは、ちゃんとお答えできる方。
○宮本政務次官 朝銀近畿に対する検査につきましては、近畿財務局におきまして、十二年の五月十八日に立入検査を開始いたしております。そして、十月の二十四日に立入検査を終了したところでありますが、検査結果の通知はまだ行われておりません。検査は終了していないと承知いたしております。
 いずれにいたしましても、個別の金融機関の検査結果でございます、取引先に不測の損害を与えたり、個別私企業の経営内容を当事者の意思に反して開示するというようなことなど、問題もあるものでございますから、この点については申し上げることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○小池委員 今出てきたのは、日にちだけの話じゃありませんか。それに、何よりも、最初の質問について、朝銀大阪についてということではもうお伝えもしてあったはずなわけでございます。
 私は、今のこの状況は今回の問題をすべて象徴していると思うのですね。やれ破綻した信組の検査はしないとか、それは自治体が担当しているからだとか、いや、それは問題は違う、預金保険機構だと、たらい回しにしていて、三千億円ですよ、三千億円が何で払われているのか、それがその後どうなって、そして、先ほど委員長が先にお答えになりそうになった回収はどうなっているのか、こういうことを明確に、国民に納得いくように説明ができないと、この問題はやはり看過できないというふうに私は思うのです。
 さて、今申し上げたことで、こういった刻々と入ってくる情報を、再生委員長の方はちゃんと聞かされているのでしょうか、報告があるのでしょうか。
○相沢国務大臣 無論です。おっしゃるところの北鮮系の信用組合につきましても検査を続行しておりますし、また、私の方に対しても、当然その検査結果の報告があるわけでありますけれども、まだ私のところでは正確なところの報告を受けておりません。
○小池委員 正確なところの報告、まあ今調べているからとか、いろいろなこともあるでしょうけれども、再生委員長、やはりこれは一つ一つきっちり押さえていかないと、委員長の責任が問われる問題じゃないでしょうか。そしてまた、検査検査と言って、いつまでも検査をやっている。そして、いつの間にか、先ほどの三千億の話ではございませんけれども、どかんと公的資金が注入されて、そしてその結果は、一年後、二年後に領収書みたいな、こんな分厚い領収書か何かわかりませんけれども、それで出てくる。
 私は、やはり国会の機能として、こういった問題はきっちりと把握して、そして国民に対して説明がつくようにしておかなければ、国会の機能としての役割放棄だというふうにも考えるわけでございます。
 さて、先ほど再生委員長が既にお答えになりそうになられた、では、破綻いたしました朝銀大阪の回収状況でございますが、松田理事長、現在どうなっていますでしょうか。
○松田参考人 お答えいたします。
 現在回収いたしておりますのは、御案内のとおりの整理回収機構でございますけれども、そこの報告によりますと、朝銀大阪信用組合から不良債権を買い取ったうちの貸出債権につきまして、譲り受け以来、現在までに二年と四カ月経過しておりますけれども、その回収率が約四割ということになっております。
○小池委員 四割というお話でございましたけれども、まずその前に、もともとの、破綻した朝銀大阪、なぜ検査をしないんですか。十月二十五日、金融庁から回ってきているペーパーには、既に破綻を公表している信用組合については検査をしないというふうに出ているのですけれども、なぜそうなのか。自治体がやったから、もうそれでそれはいいのでしょうか。であるならば、それぞれ破綻した信用組合のいわゆる自己査定、自己申告、これが過剰に水増し請求があったとしても、それはそれで、自治体のやることだ、地方分権だということで、そのまま右から左でお金がぼんと出てくるのでしょうか。
 一体、この辺の仕組みはどうなっているのか、お答えできる人にお願いいたします。
○西川政府参考人 お答えいたします。
 破綻した北朝鮮系の信用組合の検査等についてでございますけれども、破綻公表済みの北朝鮮系信用組合につきましては、既に資産内容の確定に重点を置いた検査が金融当局、都県でございますけれども、により実施をされております。したがいまして、改めて同じ内容の検査を行うこととはいたしておりません。
 なお、現在実施中でございます信用組合の集中検査につきましては、平成十四年四月にいわゆるペイオフの解禁を控えまして、今後の存続可能性を見るために実施しておるところでございまして、北朝鮮系に限らず、既に破綻いたしました信用組合に対しては検査を行うこととはしていないところでございます。
○小池委員 もう破綻したところには手も回らない、だから生きるか死ぬかのチェックさえすればいいということでは、余りにも大ざっぱなんじゃないでしょうか。
 ましてや、この朝銀ということについて言うならば、これまでのいろいろな告発によって、例えば重要な書類についてはハングルで書かれているからなかなか読めないとか、そもそも稟議書そのものがないとか、現金で手渡しているとか、よく御存じの方によれば、あれは金融機関ではなくて頼母子講みたいなものだというような話まで出てきているわけでございます。
 そういったところこそ、私は、これは別に民族系だから云々を言っているのではない、日本の金融機関であるのならば、日本の金融の法律に従った、また国民への説明責任に従った行動をおとりになるのがもっともな話ではないかということで申し上げているわけでございます。
 片や、朝銀については、これまでほとんど責任の追及がなされたとは聞いておりません。一方、南の、韓国系の方でございますけれども、これまでに貸し手責任の追及の例が幾つかあると思いますが、どういった例があるのか、お伝えください。
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 破綻した韓国系信用組合につきましては、平成四年以降、四つの信用組合の旧経営陣に対しまして背任罪等で告発が行われておりまして、またさらに、うち一つの信用組合につきましては、旧経営陣に対する民事訴訟の提起が行われております。
 ただ、現在、商銀系信用組合、六つ破綻しているわけでございますけれども、それの各六つに金融整理管財人を派遣しておりまして、それらにつきましては民事、刑事上の責任追及を、現在、鋭意取り組みを図っているところでございます。
○小池委員 それぞれ、例えば静岡商銀元副理事長背任逮捕などなど、ほかの南の、韓国系の商銀ではそういった経営者責任を明確化しているわけでございます。
 そしてまた、日本の信用組合のほかの刑事事件などを見ますと、東海信組では、回収の見込みのない五千万円の融資をした理事長ら三人逮捕、三福信用組合でしょうか、無担保で七千五百万円融資した元幹部の三人が逮捕ということで、五千万円、七千五百万円といったような数字なんですが、例えば、朝銀大阪が関与したと言われております土地の売買なども見ておりますと、既に担保割れしたところに百十二億円の融資をしているということで、これは先ほどの額の違いを見ていただければおわかりのように、この融資の仕方というのは、むしろけたが外れているんですね。そこへ行くまでにはいろいろな理由があったかと思いますけれども、これは責任追及をしない方がおかしいというふうに私は思うわけでございます。
 この点について、例えば司法当局はどういうふうにこういった問題について対応されるのか、そしてまた、必要があるときにはどうされるのか、お聞かせいただきたい。
○古田政府参考人 個別の案件につきましては御答弁を差し控えたいと存じますけれども、一般論として申し上げますれば、検察当局におきましても、種々の情報等には十分注意を払っておりまして、その中で、法律あるいは証拠関係を検討して、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、これは実態に即した適切、厳正な対処をしているところでございます。
○小池委員 問題は、例えば処理の仕方が違うということもございますが、やはりこの中でポイントとすれば、金融整理管財人、つまり管財人のシステムを今回も活用すべきではないかというふうに私は考えるわけでございます。
 金融再生法の中の管財人の活用について、相沢委員長はどのようにお考えになっているでしょうか。
○相沢国務大臣 個別の破綻処理の問題でありますので、具体的なケースについてのお答えは控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論として申し上げますと、金融再生法第八条によりますと、金融機関がその財産をもって債務を完済することができない等の場合に、「当該金融機関の業務の運営が著しく不適切であること。」それから、合併等が行われることなく、「業務の全部の廃止又は解散が行われる場合には、当該金融機関が業務を行っている地域又は分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障を生ずるおそれがあること。」のいずれかに該当すると認めるときは、金融再生委員会は「金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分をすることができる。」ということになっているのでございます。
 いずれにいたしましても、金融再生委員会として、その処理を決定する際には、法令に従い、厳正に対処する所存でございます。
○小池委員 もう全く、悪いけれども、役人答弁でがっかりいたしました。
 再生委員長、やはりここは政治として責任をしっかりと御確認いただきたいと思います。そして、なおかつ、前々任の柳澤委員長のときには、これは九九年の八月でございますけれども、信組にも管財人を活用するという方針について記者会見かどこかでお述べになっているのですね。今のはそれよりも後退した発言であり、なおかつ、著しく不適切な場合ということで、これまで管財人を活用しなかったというのならば、この処理の仕方は適切だというふうにお考えになっているのか。
 そしてまた、改めて伺いますけれども、管財人の活用ということについて御検討する余地は全くないのかどうか、それについて相沢委員長のお答えを聞かせてください。
○相沢国務大臣 北鮮系の金融機関に関しましては、御案内のように、受け皿となるべき機関についてのいろいろと検討もございますが、そのような過程のもとにおいて金融整理管財人を置く必要がある事態になるかどうか、その状況に応じまして判断をいたしていきたい、このように考えております。
○小池委員 私は、必要だと考えます。また、これが必要でないとお考えなのならば、ほかの金融の破綻についての再生委員長の姿勢を問わざるを得ないというふうに思うわけでございます。
 例えば、これは週刊エコノミスト、先週号でございますけれども、「保存版 六百五十信金・信組」というふうに、信用組合の自己資本比率から業務純益、全部リストアップされているのですが、例えば、ほかの受け皿のところの朝銀の中部とかは全部数字が埋まっているのに、朝銀近畿のところは全部ブランクになっているのですね。ほかのところは、いっぱい問題があるとしても、数字は出ていますよ。全部横線なんです。こんなところが本当に適切だとお考えなのかどうか。
 そしてまた、私はもう一点申し上げておきたいと思いますのは、この破綻の処理といたしまして、全国で五つの信組にまとめる、統合するというプランが宙に浮いた状態なんですね。十三の信組が破綻したそのままで放置されている。これは、基本的に、預金者の保護、そして健全な借り手を守るという意味では、今とっておられる方法というのはそういったことの責任を果たしていないのではないかということを強く訴えたいと思いますが、再生委員長、改めて私の質問にお答えいただきたいと思います。
○相沢国務大臣 北鮮系につきましても商銀系につきましても、信用組合に対する取り扱いとしましては、それが日本の法律に基づくところの機関である限りにおいて、一般の信用組合と差別をして取り扱うという考え方は持っておりません。
 ただ、北鮮系の信用組合に関しましては、御案内のように、受け皿となる機関が一応予定されておりまして、その予定されておる機関についていろいろと調査も行っているのであります。それらの進行状況を見てこれは判断をしていくべき問題だというふうに考えております。決してこれだけを特別な扱い方をするという考え方ではございません。
○小池委員 最後に私は、この朝銀の信組というのが日本の金融機関であり、日本に暮らす方々のために利便性があるということであるのならば、むしろ何の分け隔てもなく、そして責任追及という点もむしろやるべきではないかということを最後にお訴えして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○萩山委員長 次に、上田清司君。
○上田(清)委員 民主党の上田清司です。
 それでは、労働省おいででしょうか。この役員の年俸の一覧表をお配りください。
 労働省の方に申し上げますが、釜本政務次官、けさ九時に私、労働省所管の公益法人で代表的なところを五つ、理事長だけの年俸を出してくれと言ったら、たった今、手書きのメモで来た。この間に三回要求をしました、なかなか持ってこないから。しかも、連合関係のを二つ持ってきた。どこまで冷やかすのか、立法調査権に対する大変な妨害だから、後で官房長に謝罪に来るように伝えてください。
 それで、今、これは古関前理事長以下KSDの十一年度の役員年俸ですが、御承知のとおり、橋本内閣が六大改革を挙げた中の行革のところで、高過ぎる特殊法人や公益法人の給与の削減も既にやったのですね。三割ぐらい下がったのですよ。今、少なくとも大半の公益法人は、監督官庁の政務次官の年俸以下になっているはずなんですよ。なぜいつまでもこういう状態を放置していたのか、なぜこういう高額な給与が認められていたのか、その点について一言。
○釜本政務次官 お答えいたします。
 役員報酬については、古関理事長は約七千二百万円、その子である前専務理事は二千三百万円だったと聞いております。
 労働省におきましては、公益法人における役員報酬については、役員数に対する報酬の総額、すなわち平均の役員報酬額の観点から見てきたところであり、この平均の報酬額が著しく高い場合を除き、プライバシーの問題もあることから、役員個人の報酬については立ち入らなかったものであります。
○上田(清)委員 それはおかしいですね。既に橋本内閣のときに、公益法人あるいは特殊法人の給与体系についてさまざまなメスを入れております。それで各省庁、現実に変わっています。
 例えば、今の道路公団だとかそういったところは大臣よりも多かった、しかし、昨年の四月一日から少なくとも政務次官並みになった、そういう事実があるのですよ。にもかかわらず何もしなかったというのは、これは監督責任が問われますよ。いかがですか。
○釜本政務次官 平成八年九月二十日に閣議決定された公益法人の設立許可及び指導監督基準においては、「常勤の理事の報酬及び退職金等は、当該法人の資産及び収支の状況並びに民間の給与水準と比べて不当に高額に過ぎないものとする」とされておりますが、具体的な額については定められていない。
 また、特殊法人の役員の給与について、平成十年九月二十九日閣議決定において、特殊法人の役員の給与は、事務次官の給与相当額の範囲内とすることとされていることにかんがみれば、前理事長の報酬は、事務次官の給与の三倍近い水準であり、高額と言わざるを得ないものと考えております。
○上田(清)委員 そういうのをわかっていて何もしていないというのが問題だということですから、改めて申し上げておきますが、この間に、いろいろな私物化や高給与の問題だとか、口頭とかで何回か注意はされているのですよ。この事実関係を文書できちっと出してください。口頭で何年何月何日にどうした、文書でどういうものを入れた、そういうものをきちっと出してください。どういうことで処分ができるかということに関しても検討して、資料を私の方に出してください。
 以上です。
 それで、財投改革について大蔵大臣にお伺いいたします。
 こちらの席に十ぐらいの財投機関のそれぞれ総裁とか理事長とかにおいでいただいて、現実に財投機関債を発行する意欲やあるいはまたその可能性についてお一人お一人にお伺いし、また大蔵大臣等にも確認をし、また中川理財局長にもいろいろと議論をさせていただいた経緯がございます。
 大蔵大臣は、できるだけ財投機関債、このようなことを言っておられました。それがだめならばしようがないので政府保証債、それでもだめなら財投債を使った融資を、こういう段取りでお話をされましたし、私は文書でも基準を出せと申し上げましたが、基準は出ませんでしたけれども、文書で出していただきました。
 そこで、現実に来年度の全要求額が三十三兆三千億程度、そして財投機関債が八千六百億、約三%くらいでしょうか。これがぎりぎり求められたイメージだったのでしょうか、大蔵大臣。
○宮澤国務大臣 この問題につきましては、前国会におきまして上田委員からもいろいろ有益な御示唆もいただきました。また、私どもの方から、問題はなかなか確かに容易なことではないけれども、財投機関というものができるだけ世論の批判に耐え得るような効率的な運用をしてもらわなければ困るという趣旨から、こういう制度を実施することにいたしたわけでございます。
 ただいま、予算要求、財投要求の時点では、財投機関十五から八千六百億円余りの機関債を発行するという報告を受けております。一、二機関、金額が確定していないようでございますけれども、ただいまのところはそういう集計だそうでございます。
 各財投機関も初めてのことでございますからいろいろ苦労されたと思いますし、市場で、やはり市場としてその評価をする、レーティングという問題がございますから、だれでもが受け入れられるというわけではございませんでしょう。そうではあるけれども、したがって、非常に努力はしてもらっておりますが、なお努力をしてもらう余地があるのではないかというふうに、私としては、今の段階でどう思うかというお尋ねでございますから、そういうふうに考えております。
○上田(清)委員 本当になまくら答弁ですね。
 基本的に問題の立て方が違うのですよということを申し上げておりました。例えば、国民金融公庫なら国民金融公庫は、政策金融として利子補給をしなければ高い金利で庶民を相手に貸し付けしなければいけないようになってしまうでしょうから、およそ財投改革におけるところの財投機関債のイメージは私はなかなか難しいかなと。やはりきちっと民間市場でお金を調達できる機関とそうではない機関を分けていくべきだというふうな考え方を私は申し上げておりまして、基本的にこの財投改革は見せかけの改革に終わりますよというようなことも申し上げておりました。
 そのとおりになっているような気が私はいたします。努力だ努力だと言っても、余りにも金額に差があり過ぎるではないですか。例えば、旧開銀を引き継ぎ、財務内容等も最もすぐれている日本政策投資銀行においても、一兆五千九百億の中でたった一千億、この程度しか調達ができない。
 中川理財局長なんかは、全部市場で、とにかく市場がすべて決めるのだというようなことを言っておられますが、決めた結果がこういうことですけれども、これで財投改革になるのですか。結局、財投債を通じて融資を行ってもらえば同じではないですか。私はそう思いますけれども、中川理財局長はどう思われますか。
○中川政府参考人 今回の改革におきまして、特殊法人等はまず財投機関債の発行を検討すべきであるとしております趣旨は、財投機関債の公募発行によって市場の評価を受けることを通じて……(上田(清)委員「見ないで言ってくださいよ。ちゃんと話してください、プロなんだから。自分の考えを言ってくださいよ」と呼ぶ)
 今回の財投改革の趣旨でございますけれども、財投機関債をまず発行することを検討すべきだとしておりますのは、各財投機関が市場の評価を受けることを通じて経営の効率化へのインセンティブを働かせるということでございます。したがいまして、各機関とも、市場関係者あるいは格付会社などと連携をして、どういう発行ができるのか、発行形態とか発行金額を勉強して、現在の要求の数字が出てきたというふうに思っておりますが、なお、私どもとしては、今回の財投改革の趣旨、つまり市場の評価を受けることを通じて経営効率化へのインセンティブを働かせるのだ、そういうことをさらに徹底していきたいと思っております。
 ただ、財投機関債が発行できるかどうか、あるいはどの程度の金額が市場で受け入れられるかということによって各機関の仕事を、いわば市場によってそれが必要かどうかを決めていただくという意味で、各機関の仕事を市場によっていわば淘汰といいますか、そういうことを考えているわけではございません。やはり特殊法人というのはそれぞれ政策目的によって設立されているものでございますので、その特殊法人の事業が今後とも必要かどうかということは、あくまで政策によって判断するということが基本だと考えております。
 したがいまして、財投機関債が発行できない機関あるいは発行によって不利な条件になる、そういう機関につきましては、本当にその仕事が必要かどうかということをゼロベースで判断して、民業補完の観点から、あるいは政策コスト分析、償還確実性といったようなことを十分に審査しまして、本当に必要な仕事であれば、これは政策判断として今後ともその機関にこういった仕事をやっていただかなければならないわけでございますので、国の信用で最も低いコストの資金を財投債、国債という形で調達をして、そこに入る補給金とか補助金などを最小にする、つまり国民負担をできる限り低くする、そういうことをしていくのがこれまた責務だろう、こういうふうに思っているわけでございます。
 それで、この点についてでございますが、財投債というのもやはり国債でございますので、マーケットのキャパシティーの制約を当然受けるわけでございますので、預託という制度から財投債の制度に変わったことによって全体が抑制的になる、こういうことで特殊法人の改革が進むということがもう一つの趣旨というふうに考えております。
○上田(清)委員 趣旨はわかるのですが、いま一つであります。現実と中身が変わってくるのではないかというふうに思います。
 大蔵大臣、雑駁でいいのですが、例えば政府保証債の方はシェアはどのくらいか、数字で御存じですか。漠とした数字で結構ですけれども。
○宮澤国務大臣 要求、四兆だそうでございます。
○上田(清)委員 大臣、やはりだめですよ、基本的にそういう認識では。大臣がおっしゃったのですよ、財投機関債はそれぞれぎりぎり求めますと。それがだめなら政府保証債、それでもできないのだったら財投債で融資をする、こういうことで、ぎりぎり求めることでぎりぎりの改革が進むのだということですけれども、どのぐらい政府保証債があるかもぴんとこないようでは、大臣としての責任の問題ですよ。非常に問題だと私は思いますので、猛省を促したいと思います。
 それでは、財投改革を議論していてもちょっと終わらない部分がありますので、この委員会の席じゃなくて、また平場で少しさせてもらいたいと思っています。
 それでは、上げ底サンダルがはやった時代ですが、経営健全化計画における中小企業向けのかさ上げ問題について、明らかにさせていただきたいことがございます。
 既にこの大蔵委員会で、二兆九千九百億の健全化計画における中小企業向けの融資、それが半期分が極めて少なかった、六千八百億ぐらいだったでしょうか。それで本当に中小企業にお金が回るのかねという話をこの委員会でもさせていただいて、金融再生委員長等々の御努力もあり、急にふえた。急にふえたらふえたで、ふえ方がおかしいということで、なかなか私ども文句を言うのが好きでございまして、少なくて文句を言い、ふえ過ぎても文句を言って、それで、どうも臭いのではないかというようなことでいろいろ調べさせていただいたのが、資料を配っていただけますか、ございます。一部過去にも取り上げさせていただきましたが、この間に極めて重要な内部告発がございましたので、これは看過できないと思い、この委員会で取り上げさせていただきます。
 実は、三井信託銀行でありますが、平成十二年度の三月末における貸し出し計画は一千六百二十億で、九月末において、当時まだマイナスの八百十四億であったのですが、四月四日の全銀協の出した三月末見込みで一千八百二十億から二千二十億まで一気に上がった。つまり、予定よりもはるかに貸し出しができたということだったのですが、私どもがいろいろおかしいじゃないかと申し上げて、金融再生委員会の方で丁寧に確認をされたら、一気に一千百億少なくなって、実際に中小企業向けで出したのが七百八十四億だった。
 特に三井信託銀行だけを取り上げて今申し上げました。こういう俗に言うかさ上げは、インパクトローンを使う、短期の貸し出しをやる、例えば三月三十一日から四月五日までのわずか一週間だけとか、それから子会社にも出す。極めて悪質なかさ上げを、幾らサンダルが高い時代だからといっても金融までかさ上げすることはないというのに、約一兆円ぐらいのかさ上げをやった。しかも、この中央三井信託銀行、特に旧三井信託銀行の部分は悪質でありまして、約一千百億、歩積み両建てをさせている。
 こんなひどい数字のまやかしをなぜ金融再生委員会は許したのか、このことについて委員長からお伺いしたい。
○相沢国務大臣 中小企業向け貸し出しにつきましては、前国会でしたか、御質問がございまして、もう一度精査をするということで、特にそのときに御指摘がありました中央三井信託と興銀について、その数字もその後御報告を申し上げたかと思います。
 歩積み両建てに関しましては、これは私の方も調査をいたしましたが、結局、過当な歩積み両建てというものは除外するということでありますが、その過当とは何ぞやということが一つ問題があります。
 歩積み両建てになるには、預金について非常に拘束性があるということになりますれば、当然、委員が御指摘のような歩積み両建てということになる心配があるわけでありますが、調べましたところ、それに該当する部分というのはほとんどないというふうに聞いております。
○上田(清)委員 相沢委員長、そこに三井信託だけの部分をちょっと出しておりますけれども、一千百億です。この部分が悪質なんですよ。
 そもそも内部でこういうことが言われているのですよ。融資担当の田辺専務は、中小企業向け貸し出しはリスクが高く、やる必要はない、健全化計画については数字をつくればよいと公言して、まさしく古沢社長の指示によって具体的な数字づくりをしたのですよ。これは丁寧に調べてください。
 一千六百億を上回って、一千八百八十二億を一応数字で出して再生委員会に報告を出したのです。それで、我々が余りおかしいと言ったので、金融再生委員会の方で調査をしたら、結局、一千百億減額する形をとって、当初の予定だった一千六百億の目標を達成できなかったわけですが、この間にありとあらゆることをやっている。
 これは、わざわざ公的資金を導入して、それがゆえに存続できている銀行だったわけですよ、二社合併したわけですが。こういうのは大変国民を欺く行為です。ただ数字が間違っていましたという問題ではないですよ。意図的に数字をごまかし、そして犯罪的行為ですよ。国民に対する背信行為ですから、この古沢何がしだとか田辺なんというのは金融界から永久追放しなくちゃいけない。
 それだけじゃないです。「くみあいニュース」という資料が出ていますけれども、皆さんのお手元にもお配りしていただいていると思いますが、まだですか。この中央三井はもっとひどいことをやっております。御承知のとおり、今年度から中央三井信託という形で合併しておりますが、受け皿は中央ですね。ところが、社長は三井の方が社長をしている。三井グループの強さなんでしょうか、それは私にはわかりませんが。ここでどういうことをしているかといいますと、実は、中央信託よりも三井信託銀行の方が給与が高いのですね。年額で、平均すれば大体一人三百万ぐらい高い。この高い給与分を、合併するときの前提条件で、健全化計画の中で給与水準を下げるようにという指示をいただいていますから、下げなきゃならない。下げたらもったいないから、三年間分を先取りするような仕組みをつくっている。
 これも多分同じ人だと思いますが、内部告発で、その後私の方に届いておりました。委員会がないのでなかなか発表する機会がないうちに、私が取り上げないのかと思って誤解をされて、週刊宝石の方にでも売られたのか、どういう形で経由したのかわかりませんが、週刊宝石の方でこの辺の記事が若干ですが出ておりました。あと、それを受けた形なのかどうか、プレジデントでも少し、ほんのわずか出ておりました。まさしくやみ給与を三井信託銀行は払っておられる。これは、三年間保証するという手段で、三月末の決算で有価証券の含み益を使って五十億円、未払い費用を計上しているはずです、特別損失という形で。それからもう一つは、三十億を差額給の補てんに使う形で、合計八十億、先取りをするような仕組みをつくっているはずですから、このことについて、週刊宝石の記事もありましたし、森事務局長は大体さまざまなそういう記事には一通り目を通していると聞いていますから、どのような認識でどのような対処をされたか、お伺いしましょう。
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、私も、そういう週刊誌を見まして、事実関係の確認という意味におきまして、中央三井から聴取いたしました。その説明によりますと、経営健全化計画に従って、合併により一部の従業員の給与を大幅にカットすることになる。これは、合併を前提に経営健全化計画を出していただいたときに人件費の削減というものを約束しているわけでございまして、ほぼ九百億の人件費を百四十億ほど削減するということはもう約束済みのことでございます。それは、基本的には、三井の給与水準と中央の給与水準の平均値よりも下げた新しい給与体系というものをつくりまして、全行員にそれを適用するということによって実現するというのが経営健全化計画の約束の内容でございました。
 先生御指摘の点につきましては、確かに仮受金という形で、ことしの三月の決算書の中では五十億を積みまして、また本年度の中では約二十億、先生がおっしゃった八十億とそう違いないかもしれませんが、約七十億という財源をつくりまして、調整一時金として支払うことになります。
 どういう人間に支払うかと申しますと、説明によりますと、多くは三井になることはそのとおりでございますけれども、三井にしろ中央にしろ、新しい給与体系によって既存の年収が落ち込む人間、その人間を二年三カ月分、先の三カ月分を来年の一月にいわば調整一時金という形で払う、こういうことでございまして、これは労働組合との関係におきまして、そういう激変緩和措置なしで新しい給与体系で一挙に引き下げた場合には労働条件の不利益変更に当たる、法的に問題になるということで、法律家、弁護士と相談の上、そのような調整一時金を合併費用という特別損失の形で計上した。
 これは通常の合併に伴う合併関連費用としてはほかにも例があることでございまして、そういう形で調整一時金というものを支払う。しかし、それも二年三カ月分の支払いであって、それから以降には新体系に移るということ、かつ、それは、三井信託の社員に限らず、中央信託の社員についても、既存の年収から落ち込む分はいわば調整一時金を払うという形でそれぞれの組合との折り合いをつけたというふうに聞いております。
○上田(清)委員 聞いておるではだめなのですよ。
 では、今まで健全化計画で給与を引き下げたさまざまな銀行というのは、そういう特別損失みたいな形でやみ給与を払っているのですか。
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、やみ給与とおっしゃられますけれども、これはやみということではございませんで、貸借対照表にもあるいはPLにも載っておりますし、確かに最初のフォローアップのときには当方に報告はなかったわけですけれども、報道が出て、我々が聴取したときにはきちんとそういう説明がございました。
 これは、我々、毎年度について人件費というものの計画をつくらせているわけでございまして、これを調整一時金で、いわば特別損失の形で処理していますので、経営健全化計画上は何ら影響はないわけでございますけれども、先生御指摘のように、これを給与と考えまして、いわば人件費としての上乗せを考えますと、確かに来年度は人件費の上振れは起こります。しかし、さほどの大きなものではございませんし、このような合併に伴う費用として、資本注入している立場からこれは全く問題であるというほどの話ではないと判断しているわけでございます。
○上田(清)委員 それはおかしいですね。
 相沢委員長にも確認したいのですが、こういうことであれば、健全化計画の中で資本注入するときに、給与も下げましょう、世間的にも高過ぎる給与を下げて、そして資本注入をして存続させて、生き返るチャンスを与えて、しかし、わからぬところで、報道がなければ報告もしていない。特別損失でわからなかったのですよ、だれも。だれもわからなかったのです。これは内部の人しかわからないですよ、こういうことは。では、今までの十五行に対した部分でもこういうことが行われている可能性がありますよ。大変なことじゃないですか、これは。
 森さん、何でそんなに緩やかなのですか。何か処分する方法はないのですか、法的に、あるいは行政的に。きちっとした報告の義務か何かあるのじゃないですか。
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申しましたとおり、各年度の計画から著しい上振れあるいは利益の下振れという状況が発生した場合には、もちろん業務改善命令を出すという措置をとらねばなりません。
 ただ、今回の場合について申し上げれば、一つは、中央信託というある意味では大手行の一番給与水準の低いところと、大手行の三井信託、これは平均的なところだったと思いますけれども、かなり給与水準に開きのあるところの合併ということと、そして、その際の組合との問題等を考えた場合には、合併費用としてそういうものを出すことについてやむを得ない面があるということが一つ。
 もう一つは、いずれにいたしましても、十七年三月期までに約百四十億円、人件費の一五%の削減という計画からいきますと、今のものを人件費に考えたとしてもそれは達成できるという言質をとっておりますことから、今回そのような理解をして、特に業務改善命令なんかは出していない次第でございます。
○上田(清)委員 とんでもないですよ。
 森事務局長、もし資本注入がなければ三井信託銀行はつぶれているじゃないですか。給与は出ないのですよ。下がることが嫌だ、だから三年間分だけは今までのとおりにしろ、組合で話がついた、組合も組合だけれども、とんでもない話じゃないですか。存続しない銀行が国民のお金によって存続できるようになって、給料が下がっているのはしようがないじゃないですか。もらわないよりましじゃないですか。雇用が確保されただけでも感謝しなくちゃいけないところに、なぜそんなことが許されるのですか。場合によっては、十五行の健全化計画の中での給与削減計画、まさかこういうことをあっちこっちでやっていないでしょうね。
 改めて調査することを私はお願いいたしたいと思います。もう議論はいいです。政治家として委員長の御裁断を。
○相沢国務大臣 給与の問題は、もう私が申し上げるまでもなく、その行員、職員にとりましては大変重要な問題であります。
 合併に伴って、平均給与よりも下のレベルの給与水準を設定したわけでありますが、それによって、個々の行員について著しく給与が下がるという者について、これは恒常的にではありません、二年間というふうに私はお聞きしておりましたけれども、少なくともその間、言うなれば激変緩和措置として行われた、これは組合と会社との関係だろうと思いますけれども、ということであり、これは決してやみということではない、正式に支給をされているわけでありますし、監査法人としても、これを不適正だという意見を出しているとも聞いておりません。
 私は、これは決して推奨すべきことだと思いませんけれども、やはり合併等の過程において、言うなれば、そういうような労使間の話し合いが行われることは、全くこれはおかしいというふうにもいかないと思うのであります。ただ、一般的にそういうことが行われているんじゃないかという御質問に対しましては、私の方も調査をして御返答いたします。
○上田(清)委員 私は、今の相沢再生委員長の御答弁はおかしいと思いますよ。少なくとも半期に一度、破綻した金融機関を中心とした報告をこの委員会で時間を特別に設けてやっている。私たちはその資料を見て判断をしております。その資料の裏づけに、特別損失みたいな形で、隠した形で、健全化計画と違った形で給与が実際支払われているということがやられているということが隠されたままであったら、我々はこの資料を見てどういう判断をするんですか。院に対しても失礼な話じゃないですか。
 あなたたちは納得するかもしれませんよ。我々は納得できませんね。これは絶対納得できません。冗談じゃない。我々にうそをついているじゃないですか。監督者としてどうするんですか、この問題は。
○相沢国務大臣 重ねて答弁を申し上げますが、私は、今委員のおっしゃる意味はよくわかります。したがいまして、仮に、当初考えられた給与の体系というものがそういう形で一部暫定的にでもせよ変えられたということであれば、当然、そのことについては事前に金融当局に対して連絡もあるべきものだと思い、その責任については、確かにこれは当該銀行として負ってもらわなきゃならない、我々もその点は厳しく言おうというふうに思っております。
○上田(清)委員 これほど不愉快な話はありません。国民の税金を公的資金という形で注入する、そのかわりに銀行はそれ相応に合理化していただきたい、そういうことを条件にして健全化計画も練られ、そしてその達成についてわざわざ国会で報告もしている。そして私たちは、その報告に従って疑義ある点を確認している。しかし、裏の方でそういうことをされるんだったら、私たちには疑義も何も出てこないです。内部にいる人間しかわからない、あるいは監査法人しかわからない。では、何のための報告かということになります。そういうことであれば、もう報告の前提が崩れます。
 この点について、どうも私は納得できませんので、納得できないからきょう審議ストップと言っても喜ばれるだけですから、別にそういうことはいたしませんが、いずれこのことについて、丁寧にまたさせていただきたいと思います。
 少なくとも一千百億のかさ上げをやった三井信託、中信、今の古沢社長。そして、この給与の問題について裏からこっそり一時金という形で調整している。いずれにしても、大変卑劣。本当に許されない。永久に金融界から追放するような気持ちでこれから追いかけていきたいと私は思います。公開質問状も出して、即退陣しろと言いたいと思いますね。とんでもない話です。
 あなたたちが行政処分や何もしないというんだったら――確認します、行政処分はしないんですね。
○相沢国務大臣 銀行の支出として、言うなれば、やみとしてということではない、支出をされたことに対して直接行政処分というのは難しいと思いますが、そのような事態に立ち至ったことについて私どもとしても厳しく追及をしていきたい、このように考えております。
○上田(清)委員 健全化計画は金融再生法に基づいてやっておりまして、その精神と趣旨に反する行為が行われていれば、基本的にこれは脱法行為ですよ。そういう認識に立たないのが問題なんですよ。私はそう思っております。主の池田元久さんがおられますけれども、そういう精神で金融再生法をつくられたはずです、生き返ってほしいと。
 だから、公的資金も注入する、しかしリストラしてください。それが裏でこっそり違う形で給与が調整されているといったら、これは完全に脱法行為ですよ。違法行為ですよ。その点からももう一回検討し直してください、法律違反になるかどうかも含めて。もう結構です。
 それで、小池議員も少し議論をされました、いわゆるもう一つのチョウギン、朝銀の問題について幾つか質疑をさせていただきます。
 私も、三月に一度して、一週間後に少し追加的なことをやって以来、その後も状況についての報告を一カ月置きぐらいに電話して求めておったのですが、半年たっても何一つ回答ができてなくて、やっときのう一部回答していただいたという、この半年間の怠慢ぶりをまずきつく注意しておきたいと思います。
 個々の部分に関しては幾つかもう聞きましたからここでやりませんが、まず一番最初に確認したいのですが、七月十七日の衆議院大蔵委員会で小池代議士が質疑をしたときに、とにかく森事務局長は、信用組合につきましては、ことし七月から来年三月にかけて検査が一巡するので、自己の財務体質に不安があって、まず地域で優先出資証券の引き受けを頼み、さらに国にも資本注入を要請するといったところがおいおい出てくるのではないか、そういうスケジュール感を持っておりますというお答えをされて、小池さんが念のために、その信組の中には、いわゆる北の、朝銀系も含まれることになるわけですねと言ったら、森事務局長は、御指摘の朝銀系信組においても、我が国の法律に基づき設立された信組ですので、他の信組と特に違った扱いをする法的根拠はございませんと答えられ、私の質疑のときも、村井当時政務次官が、とにかく破綻した金融機関について調査をするんでしょうねと言ったら、直接的な回答でありませんが、ニュアンスとして、私どもといたしましては、金融機関が破綻した場合、破綻原因や責任解明を行うには、この朝銀信組に限らず、破綻金融機関に課せられた当然の義務でございますから、これらはきちんとやっていただく、こういう姿勢でございます、こういうニュアンスを語っておられます。
 私も再三再四、検査状況はどうだと聞いたら、ええ、今やっています、やっていますと。まさに、十三信組も含めて検査をするという、そういうニュアンスを係官はずっと言っておられましたが、先ほど小池さんも言われましたように、十月二十三日の「検査の実施状況」、十月二十三日現在で十月二十五日の数字が打ってありますが、「なお、破綻等を公表している信用組合については検査の対象とはしていない」、突如、検査していないという、こんなことを言っておりますが、検査しているのですか、していないのですか、十三信組も含めて。
○相沢国務大臣 既に破綻公表済みの北朝鮮系信用組合につきましては、既に資産内容の確定に重点を置いた検査が都県の金融当局により実施されております。したがって、改めて同じ内容の検査を行うということはいたしておりません。
 なお、現在実施中の信用組合の集中検査は、平成十四年四月にいわゆるペイオフの解禁を控えまして、今後、存続可能性を見るために実施しておりまして、北朝鮮に限らず既に破綻した信用組合に対して検査を行うことはいたしていないのでございます。
○上田(清)委員 森事務局長、あなたの答弁からすると、十三信組も含めてやっているようなイメージもあったのですけれども、違いますか。
○森政府参考人 先ほど上田先生のおっしゃったところは、そのとおり私は答えた次第でございますけれども、私の趣旨は、資本増強は信組一般について述べたことでございますし、朝銀とほかの信用組合については法的には差はつけられないということを申しただけでございまして、個々のことについての資本増強を頭に置いて物を答弁したことはございません。
○上田(清)委員 それではうそをついたことになりますよ。小池さんはわざわざ朝銀系と言ったのですよ。そのあたりの答弁をされたのですよ。
○森政府参考人 二つに質問が分かれていたと思うんですけれども、最初、信組への資本増強についてのスケジュール感をお聞きになられましたので、私はそれに対して、確かに先ほどおっしゃられたとおりのお答えをいたしました。
 次に、小池先生は、朝銀信組というのも、そういう信組から特別扱いといいますか、差をつけては考えられるのか考えられないのかという御質問でしたから、それは差はつけられませんと申し上げただけでございまして、信組一般についての資本増強を述べたということに尽きるわけでございまして、個々の信組を頭に置いた資本増強について答弁したつもりはございません。
○上田(清)委員 とにかくおかしいですね。私は、十三信組も含めて金融の調査をしているというふうに係官からずっと電話で聴取したり、あるいはまた事務所に来ていただいてそういう話をしていたつもりだったのですが、突如、受け皿の四つについて適格性の検査をしているという話に切りかわりました。
 ただ、おもしろいことに、ジャーナリストの須田慎一郎さんという方が、月刊現代の十一月号に、実はもう検査をやったのだ、余りひどい内容だから、十三信組も全部債務超過、受け皿の四つも債務超過、余りびっくり仰天して、表に出せなくなった、こんなことを書いています。
 これはうその記事ですか。森事務局長、読んでいるでしょう。読んでいませんか。
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 もちろん読んでおります。ただ、中にございます十三の破綻信組の方は別にいたしまして、受け皿の候補となっております四の信組について、破綻しているとか、そういうことが判明したという事実は全くございませんで、現在、その四組合については検査中と認識しております。
○上田(清)委員 とにかく不思議なことだらけであります。
 きょうも、私どもの大蔵部会の方でもいただきました資料にもありますが、集中検査の対象としていない信用組合、つまり破綻公表済み信用組合のリストがずっと出ておりまして、全部で二十二。そのうち、いわゆる朝銀系の信用組合十三に関しては、金融整理管財人が選任されていない。その他の信用組合には全部金融管財人がいる。
 いいですか、これは何らかの形で責任を追及したり、破綻先の金融機関が資財を隠していないかどうか、役員が資財を隠していないかどうか、そういうことを調べないことには、あるいは民事、刑事の責任を追及しないことには、何のおさまりもつかないじゃないですか。
 私はこの委員会でも大阪朝銀のでたらめ融資を多く指摘させてもらいました。また、この須田さんの論文というかレポートによれば、とにかく、現金で融資をしていたり、稟議書もない融資があったり、そういうことを預保は確認しているはずだということを言っているぐらいです。私は、どちらかといえばそちらの方を信じますね。私自身も幾つか登記簿を見ながら確認をしましたから、でたらめ融資を。福岡の朝銀がなぜ東京に貸すんだ、そういうことを平気でやっているグループです。にもかかわらず、このグループにはまだ民事、刑事上の責任追及は一つもなされていない。どう考えてもおかしい。
 それで、松田理事長にお伺いしますけれども、十三信組が破綻した後、四つの受け皿銀行に何らかの形でこれを吸収していくスキームが考えられているわけでありますが、このスキームについては、今まで、近畿に関しては預保の法律を使って金銭贈与と債権の買い取りをなさったわけですが、今後、四つの受け皿に関してのやり方は、同じようなやり方でやられるつもりですか。
○松田参考人 御指摘の点でございますけれども、十三の朝銀の信用組合につきましては既に破綻手続が始まっております。四つの引き受けの信用組合を受け皿にして、昨年の五月から破綻宣告が始まりまして、現在破綻の手続が進行しています。
 それで、私ども預金保険機構の立場としましては、いまだ資金援助の申し込みがない段階ですから、その内容に直接入っていくわけにいかないわけでございますけれども、もし申告があれば、それは慎重に審査をしてしかるべき適切な資金援助をしたいと思っています。
 それと同時に、責任解明につきましても、ただ単に預保法だから何もやらないというわけじゃなくて、現在、各十三の信用組合には、当局の御指示がありまして、それぞれ外部の弁護士さんとか公認会計士等が入りまして責任解明委員会というのをつくっているのですよ。現在それをやっております。その結果、もし、私どもの方で資金援助をして、RCCに一部不良資産が移管しましたときには、私どもはRCCと一緒になって、もちろん経営責任を含めて追及していく、そういうつもりでおります。
○上田(清)委員 ただ、松田理事長、破綻してもう一年半たっていますね。大阪朝銀に至ってはもう二年半たっていますね。何にもないですよ、金融整理管財人ほどの権限がありませんから。おかしいと思いませんか。
○松田参考人 お答えいたします。
 既に破綻処理が終わって、不良債権がRCCに移っている朝銀大阪の件につきましては、現在、RCCと私どもの方で非違がないか検討をしております。現在調査中です。もう少し時間がかかると思いますが、現在調査をいたしております。
 それ以外は全然来ていませんので、私どもの方では今のところどうしようもないということです。
○上田(清)委員 相沢委員長にお伺いしますが、実は、近畿朝銀を受け皿にして大阪朝銀をいわば受け取ったわけでありますが、預保法でやりましたけれども、どちらかといえば、これは金融再生法に基づいてやっていく仕組みが望ましいものではないかなというふうに思いますが、この点についてはどう思いますか。
○相沢国務大臣 これは個別の破綻処理に関することでありますので、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
 ただ、一般論として申し上げますと、金融再生法八条によって、金融機関が財産をもって債務を完済することのできない場合等々、金融整理管財人を置くべきところの事態を想定いたしておりますが、個々の問題についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○上田(清)委員 これは個々の話をしているわけじゃありません。金融検査の中身でも何でもありませんから。破綻した金融機関があったらどんな処理をするのが筋かという話をしているので、基本的には金融再生法でやるべきだという議論を私は持ちかけているわけで、では、金融再生法でやらない場合には、どういうスキームで他の方法をとるのか、そのことについての仕分けを再生委員長にお伺いしているのであって、別に、個々の検査だ、個々のどうのこうのの話を聞いているわけじゃありませんから、ちゃんとお答えをしてください。
 これは大事なことですよ、この四つの受け皿をどうするかということに関して。
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど大臣が申し上げましたとおり、金融再生法八条で、金融整理管財人を派遣する場合は、一つは、破綻した金融機関の業務の運営が著しく不適切であると認められる場合、それともう一つは、受け皿がなくてその金融機関を清算した場合には、その地域において著しい金融の不安といいましょうか、資金の円滑な供与が害される、この二つの場合に金融整理管財人を置くということになっております。逆を申しますれば、これまでの例で言えば、破綻と同時に受け皿が出てきたという場合は、朝銀に限らず、一般の信用組合、信金につきましても金融整理管財人を送っておりません。そういうような運営をしているわけでございます。
 御指摘の四つの朝銀につきましては、破綻と同時に、先生御指摘の四つのそれぞれの受け皿が出てきておるわけでございまして、これまでのところ金融整理管財人は送っておりません。ただ、今後、適格性の認定の中で、適格性を認定する際の審査事項の一つに、責任解明体制がとられてしっかりと責任解明をしているかどうかという条項もございますし、いろいろな点を判断いたしまして、先ほど大臣が申し上げましたとおり、今後どうするかということは今後慎重に検討していきたいと思っております。
○上田(清)委員 歯切れが悪くてしようがないですね。この問題は終わります。
 あともう一つ予定の、東洋経済の一番新しいものに大変おもしろい記事がございましたので申し上げます。
 千代田にしても協栄にしても、銀行とはちょっと違うのですが、銀行でいうところの自己資本比率が健全性の一つの目安だ、それと同じように、ソルベンシーマージン比率が一つの目安であるというようなことが、この大蔵委員会での保険業法の改正問題のときにも、丁寧に、いろいろな質疑の中で出てきた経緯がございました。
 私もその当時の議論を覚えておるのですが、とにかく、これから金融ビッグバンの中で、消費者にとって最小限度の選択肢になる、一つの目安としてこれがなるのですよというようなことを言っておられまして、しかも、このソルベンシーマージン比率でいけば、二〇〇以上は比較的健全だという認定になっていたのですが、千代田も協栄も吹っ飛んだ。では何なんだという議論があります。
 このことについて、週刊東洋経済の十一月四日号が、ソルベンシーマージン修正比率というのでしょうか、こういうものを出していまして、要するに、劣後ローンだとか劣後債は事実上のかさ上げだ、ここでもかさ上げが出てきていますけれども、このかさ上げを除いたときの比率はどうなるかという数字を試算的に出したら、非常にわかりやすい。余りほかのところを言うと営業妨害になりますから申し上げませんが、少なくとも、この修正ソルベンシーマージンでいきますと、協栄と千代田は一四一と一二四になるということで、これは不健全な生保だったということを明らかにすることができる。
 そういう意味で、私は何を申し上げたいかというと、本当に健全性をはかるような目安というものをやはり金融庁は責任を持って出さなくちゃいけないのじゃないですかということを申し上げておりますが、この週刊東洋経済の問題提起はなかなか意義のある話ではないかなと思っております。
 最後ですが、相沢委員長、いかがですか、この問題についての御見解というのでしょうか、御感想で結構ですが。
○相沢国務大臣 ソルベンシーマージン比率だけを目安に考えるべきかという議論とあわせまして、ソルベンシーマージン比率の算定方法そのものについても問題点があるのではないかということは先刻答弁でも申し上げました。したがいまして、今先生の言われるところの劣後ローン、劣後債をその分子から除外をして考えるべきじゃないか等々については、これは十分にまた検討させていただきたい、このように考えております。
○上田(清)委員 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。
○萩山委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時五十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十七分開議
○萩山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。五十嵐文彦君。
○五十嵐委員 民主党の五十嵐文彦でございます。
 休憩前の同僚議員の質疑を聞いておりまして、どうも基本的なところでいろいろな問題があるのではないか、特に、これまでさんざん言われてまいりました護送船団方式に対する批判、これに対する反省がまだ政府として不十分なのではないかという感を強くいたしました。
 特に、先ほどの特別損失が生じた場合に報道機関で指摘をしなければわからなかったというようなところを見ますと、あの大和銀行ニューヨーク支店事件でおわかりのように、こういったものについてはタイムリーにディスクロージャーしていく、それが公的性格を持っている金融機関の務めであるといったことについて十分な認識がまだないのではないかというふうに思っていますので、少しおさらいをさせていただきたいと思います。
 また、国費を投入するということは、これはセーフティーネットの維持に税金を使うということと同義語でございます。これも、いかに費用を小さくしていくかということが問われなければならないわけでありまして、セーフティーネットは本来、これまでのような護送船団方式下での包括的な強過ぎるセーフティーネットから、極めて限定的なものに変えるべきだというふうに私は思うわけであります。
 なぜかというと、それは市場の、マーケットの監視機能を弱めることになるからだ、包括的で強過ぎるセーフティーネットは、マーケットによる銀行、金融機関の投資に対する監視機能を弱めることになるからだというふうに思うわけでありますが、このセーフティーネットのあり方についてどのような基本的な方針をお持ちか、改めてお伺いをしたいと思います。相沢大臣にお願いします。
○相沢国務大臣 御案内のように、セーフティーネットは狭い意味の金融業、銀行等であります。それから保険、これは生損保、証券等についても、それぞれ態様は違いますけれども、制度として設けられているわけであります。
 今お説のとおり、セーフティーネットのあり方によりましては、護送船団方式と申しますか、とにかくそういうような、いざといえば寄っかかれるところがあるというようなことからして、業務の運営において厳しさが欠けるおそれがあるのではないかという御指摘は、十分によく考えていかなければならないと思うのであります。
 ただ、バブル崩壊後における、これはある意味においては一時的かもしれませんが、極めて異常な金融不安に対処するためには、どうしてもセーフティーネットの強化が必要ということになったのであります。少々のところが落ちこぼれてもそれはその金融機関の自己責任の問題だと言ってほうり出すわけにいかない、そういう状態にありましただけに、セーフティーネットをしっかりするということが、金融業界全体、そしてまたそれは金融が安定することによって産業の基盤も確立をする、そういうことでありますので、そのような考え方からして、セーフティーネットについての組織といいますか、あるいは財政的な援助といいますか、それを充実させてまいったのであります。
○五十嵐委員 そうなんですね。ですから、今の一時的なセーフティーネットの強化というのは、あくまでも緊急避難的な措置でなければならないはずであります。したがって、これは極めて期間も限られなければならないし、金融早期健全化法におきましては健全な銀行に公的資金を注入することができるというふうになったわけでありますけれども、これも緊急避難であるからこそ許されるという問題であって、恒常的な制度としてはやはり悪用の心配が多いということになるのだと思います。
 ですから私は、健全な銀行に対してはできるだけ公的資金は注入すべきではないし、またその注入の仕方は限定的にすべきだと思うわけであります。協同組合組織である信金、信組についても一部注入が行われた。しかし、こういうところにはだんだん目が届かないという面も出てくるわけですから、やはり見直すべきであって、公的資金の注入は本来は行うべきではないと私は思いますけれども、大臣はどうお考えでしょうか。
○相沢国務大臣 先ほどお答えいたしましたように、確かに公的資金は必ずしも全部が税金ではありませんけれども、公的資金を注入するというのは、いわば緊急避難的な措置だという本質は持っていると思います。したがいまして、これは乱用すべきものではないし、また、今のような金融不安の状態がなくなりますれば、当然そのような措置は継続すべきものではない、このように考えております。
○五十嵐委員 そうであれば、それをひっくり返して、先ほども出ましたけれども、公的資金を注入したところには厳しい責任追及が行われなければならないし、また厳しいリストラの要請が行われなければならないと思うわけであります。
 朝銀について先ほど小池議員そして我が方の上田議員の質問がありました。三千百億円を超える注入が行われたのであれば、それはかなり厳しい責任追及が伴わなければならないし、あるいは三井信託銀行については、これは破綻したわけではありませんけれども、破綻を防ぐために公的資金が使われたのであれば、先ほども言いましたように、一方ではディスクロージャーしなければいけないし、人件費の削減というのは当然の強い要請でなければならないと思います。
 今、私の手元にOECDとIMFの資料がございます。一九八六年を一〇〇として、各国の金融機関、銀行業の税引き後利益の推移というのと人件費の推移を見比べることができます。
 税引き後利益の推移を見ますと、これは一九八六年を一〇〇として、一九八九年に日本の場合は二〇〇を超える大変な史上空前の利益を上げておりますが、これが一方的に減少をしてきて、一九九五年までの数字しかございませんけれども、これはもう五〇を切る、一九八六年の半分以下という、銀行業全体の税引き後利益が急激に減少し続けているというのは、皆さんももう御存じのことだろうと思います。
 一方、それに対して人件費の方はどうかというと、これは一方的に上がり続けている。特に一九八七年から八八年にかけて急激に上がりましたけれども、その後も、税引き後利益は落ち続けているにもかかわらず、人件費は上がり続けているのですよ。
 これは私はやはり異なことだと思います。一方で公的資金の大きな注入を受け、さまざまな救済措置をとられながら、また自分たちの経営上の大変な失敗を繰り返しながら、人件費はふえ続けているという日本の銀行業界は一体何なんだというふうに思うわけであります。
 先ほどの三井信託銀行の例がありましたけれども、高過ぎる銀行業界の人件費、それは給与水準だけの話ではないと思うのです。すなわち、セーフティーネットが強過ぎるために、それに甘えて銀行の中の内部の利益を優先するという考え方が行き渡っているんだ、護送船団方式から抜け切れていない証拠だと思うわけであります。
 銀行が合併しても、支店の閉鎖はほとんどしていない。御党の、自民党の某ベテランの先生が言いましたけれども、大阪の先生でしたけれども、銀行合併があったわけだけれども、合併したにもかかわらず全然支店は減っていない。大阪の難波地区というのですか、ごく狭い範囲の中に実にたくさんの支店がひしめいているというような指摘もありました。全然減らしてないじゃないか。支店長ポストを減らしたくない、むしろどんどん拡張主義で、自分たちの仲間に支店長のポストを与えたいために支店をふやしてきた。そのツケが来ているにもかかわらず、それをちっとも直そうとしていない。
 こういったことについても、私どもは、市場が監視できないのであれば、監督当局が厳しくそこを指摘し、是正を迫っていかなければならないと思いますが、この点についてどう考えるでしょうか。
○相沢国務大臣 一般論として申し上げますと、確かに、公的資金を受けるにしても受けないにしても、現在の厳しい金融業界を取り巻く環境のもとにおいて、金融機関もリストラを進め、経費の節減を図っていかなければならないことは当然であると思いますし、ましてや公的資金による助成を受けた銀行におきましては、その点はより一層厳しく人件費を含む経費の節減に努力をしなければならないと思っております。
 支店のことを今お挙げになりましたが、私どもの承知している範囲におきましても、銀行の合併等が行われない場合でも、もうからない支店は閉めるとか、あるいは他に合併するとかということも行われておりますし、ましてや銀行の合併等が行われた場合には、かなりの思い切った支店の統廃合ということも行われているように承知をいたしております。
 今御指摘の銀行は具体的にどういうところか承知いたしませんが、もしそういう点がありましたならば、私どもとしてもよろしく指導を図りたいというふうに考えています。
○五十嵐委員 今申し上げましたのは一九九五年までの数字でございますが、ごく最近の銀行の人件費の動向、これを示す数字があったらお出しをいただきたいと思うわけでありますが、今出ますか。今出なければ、後ほどで結構です。
○相沢国務大臣 では、早速取り調べまして、後ほど御報告を申し上げます。
○五十嵐委員 それからもう一つは、先ほどもちらっと申し上げましたけれども、ディスクロージャーは大変大切になってまいります。特に、特別損失などを出した場合に、タイムリーにこれを公表するということが必要だと思います。
 特に、最近はデリバティブが盛んになってまいりました。大手銀行は、貸借対照表上に出てくるオンバランスのアセットの平均して大体二・五倍ぐらいオフバランスの活動をしている、こう言われているわけでありますけれども、こういうオフバランスの活動が裏に出てくる以上は、急激な特別損失の危険というのも出てくるわけであります。
 タイムリーなディスクロージャーが必要だということについて、法的に整備する必要があるのじゃないかと私は思いますが、どうお考えか、伺いたいと思います。
○乾政府参考人 お答えいたします。
 金融機関の経営に伴いまして生じますいろいろな財務諸表につきましては、現在、BSあるいはPLといったもの、それから、御案内のように、不良債権につきまして相当進んだディスクロージャーを義務づけているところでございます。
 今先生御指摘のものは、期中におきまして何か重要な事実が起きたときにはそれをディスクロしろということでございます。これにつきましては金融機関の経営の観点からではございますけれども、むしろ、金融機関が資本市場で活動しているわけでございます。投資家保護の観点から、例えば東京証券取引所におきまして、いわゆるタイムリーディスクロージャーが義務づけられておりまして、そうした観点から実際には実効性のあるディスクロが行われているところと承知しておりますけれども、そうしたものをも踏まえましていろいろ考えてまいりたいというふうに思います。
○五十嵐委員 民間でやっているからということなんですが、御検討されるということなので、早急に制度としてのタイムリーディスクロージャーを御検討いただきたいと思うわけであります。
 今、ちょっとオフバランスの話を申し上げましたけれども、関連して、オフバランスでは当然リスク相殺が、両方に立てるわけですからあるわけですけれども、リスクの評価というのは難しいと思うのですが、オフバランスのリスクの把握というのは公的には難しいのかどうか、これについてちょっと専門的に伺いたいと思います。
○高木政府参考人 お答え申し上げます。
 今、必ずしも正確に御説明できないのですが、先生が御指摘のようないろいろ問題があることは承知しておりまして、オフバランスのリスクについてもできるだけディスクローズしていくということで今やっているというふうに考えております。
○五十嵐委員 国際的にも検討が始まっているようでございますので、できるだけそれの流れにおくれないようにお願いをいたしたいと思います。
 それから、セーフティーネットの費用をできるだけ縮小するという意味では、預金保険機構を中心に制度を組み立てるというこのあり方は当然正しいやり方だと私は思うのですが、預金保険の料率というのは一年に一回見直すことになっているのですか。
○相沢国務大臣 ちょっと私も正確に覚えておりませんが、今の一般料率の〇・〇四八、それから上乗せ分の〇・〇三六につきましては、これは一年限りのものではないと承知しておりますけれども、間違っておりましたら訂正いたします。
○五十嵐委員 アメリカは、預金保険制度があるのですけれども、極めて可変的なわけでありますが、日本では料率が一定をしているというふうに承知をしておるわけです。見直し規定があるわけですが、日本も、今言ったようにかなりオフバランスの取引が多くなったりすると危険も多くなるわけですから、銀行、金融機関は急速に悪くなるということは皆さんもおわかりになっているはずなんで、預保の保険料率を可変的にしていく、機動的に対応できるようにするというのは極めて重要なことではないかと思うのですが、このことへの意識というのはおありになるかどうか、伺いたいと思います。
○相沢国務大臣 預保の保険料率は、御案内のように、当初は〇・〇一二だったと思いますが、それが、金融不安が大きくなる、そして預保としての活動がさらに必要になってくるということで、〇・〇一二を基本的に四倍にして〇・〇四八にして、しかもその上に〇・〇三六を上乗せするということになったわけであります。
 これは、各金融機関にとりましては相当な財政負担になっておりますから、これを余り大きくするということも特に基盤の弱い金融機関にとっては問題でありますし、といって余り小さくすると緊急の場合に対応できないということであります。したがいまして、現在の状態ではそういうことになっておりますが、今後、金融情勢の変化、また金融機関の経理状況の推移に応じて当然これを改定する折もあろうというふうに思っております。
    〔委員長退席、桜田委員長代理着席〕
○五十嵐委員 そのとおりでありまして、私も別に高くしろと言っているわけではございません。状況に応じて可変的にすべきだ、預保の料率が高過ぎると、逆にセーフティーネットに寄りかかるという現象が出てくるわけですから、これを機動的に動かせるようにした方がいいのではないかというお話をさせていただいているわけであります。
 次に移ります。
 協栄生命、千代田生命の破綻の問題ですけれども、協栄生命と既に五月に破綻をいたしました第一火災海上との間で、劣後ローンをお互いに使って、あるいは優先株を使って資金を融通し合っていたという事実がありますでしょうか。
○高木政府参考人 お答え申し上げます。
 現時点でそういう事実は把握しておりません。
○五十嵐委員 もう既に数字で出ていると伺っていますが。
 協栄から第一火災海上に三百二十五億円、それから、第一火災海上から協栄の方に二百二十億円の供与があったというふうに聞いていますけれども、これは事実と反するのですか。
○高木政府参考人 お答え申し上げます。ちょっと御質問を取り違えたものですから、大変失礼いたしました。
 第一火災と相互に持ち合ったという事実はございます。金額は、ちょっと後で確認させていただきます。
○五十嵐委員 そうすると、第一火災海上が破綻をした時点で、協栄生命が出している三百二十五億円というのはもう返ってこない可能性が非常に高くなるわけですよね。そうすると、三百二十五億円というのは大変大きい額でありますから、これは協栄生命の経営に甚大な影響を及ぼすということは、その時点で予想がついたのではないかなと私は思うわけであります。
 それに対して、これは気がつかなかったのか、あるいは気がついても何もしなかったのかということを伺いたいと思います。
○高木政府参考人 お答え申し上げます。
 私の記憶ですと、たしか三月に決算が締まった後、五月に第一火災が破綻したのだと思いますが、今御指摘の劣後ローンの取り扱いにつきましては、いろいろ議論があったやに聞いております。最終的には、五〇%に引き当てをして、それで監査法人が適法意見を出したというふうに理解をいたしております。
○五十嵐委員 それ以前に、金融庁の方でソルベンシーマージンの算定についての考え方を変更いたして、いわゆるこうしたダブルギアリングについてはソルベンシーマージンの計算から除外する、否認するということがあったはずなんであります。ですから、このことは十分に理解をしていたことだろうと思います。
 ですから、このことを理解していたのであれば、もっと厳しい指摘なり、何らかの手を打つ方法が政府側にあったのではないかと私は思うのです。政府側の責任がある程度あるのではないかと私は思っているわけですが、これについてどう思われますか。
○高木政府参考人 ソルベンシーマージンの比率においてそういうのをどういうふうに取り扱うかということにつきましては、それぞれの会社の抱えるリスク、例えば保険会社の業務、いろいろな意味での抱えているリスクがございます。あるいは、損保会社が抱えるリスク、銀行が抱えるリスク、いろいろ業態によって差異がございます。ですから、そういうことも考えながら、それをどう取り扱うかということを考える必要があるわけでございます。同時に、国際的にもそういうことがどういうふうな議論になっているかということも踏まえて考える必要があるわけでございます。
○五十嵐委員 それで、当局がソルベンシーマージンの計算から、劣後ローン、劣後債について、相互持ち合い、ダブルギアリングの場合はこれを除くとしたということは、その危険性を理解しているということでありますから、先ほど同僚議員が指摘をいたしました、もともとの計算から正式に修正ソルベンシーマージン比率という形でこれを除くように、これは会計法上ですか、指示を出すということは可能だと思うのです。
 先ほど、十分に検討したいという相沢大臣の前向きの答弁がありましたけれども、今までの私の指摘を踏まえて、この劣後ローンの取り扱いについて、もう一度、ソルベンシーマージンの計算との関係で御答弁をいただきたいと思うのです。
○相沢国務大臣 先ほど、私が午前中答弁申し上げた中で、生損保間のダブルギアリングについては、今後これを否認するように考えたいということを申し上げましたが、実は、ちょっと私も不注意だったのですが、ことしの二月に既にその否認は実施をされております。
 なお、劣後債務の算入限度額の厳格化についても、同じく二月にその方針を決めておりますが、今後とも、ソルベンシーマージン比率の算定方式につきましては、さらに厳格化するように検討を続けていきたい、このように考えております。
○五十嵐委員 私も、いろいろなほかの指標があるということを大臣もおっしゃられたけれども、やはり国民にとってわかりやすいのはソルベンシーマージンなんだろうと思います。ですから、これをいかに実態に合わせて、あるいは国際基準に合わせて正確なものにするかという観点から、まず第一に取り組むべきだということを申し上げておきたいと思います。
 それからもう一つ、生命保険会社については、これ以上大型な倒産が出ないことを祈るという、一方では大変楽観的というか何というか、そういうお話がありましたけれども、状況は、必ずしも一段落をしたとか、これはなさそうだとかいう話ではなくて、やはり大変難しい問題があると私は思っております。
 今株安が進んできておりますけれども、生保の含み益、含み損が出る、その分岐点というものは、平均株価で大体どの辺なんでしょうか。会社によって違うと思うのですが、今の状況は危機的でないのかどうかということをちょっと伺いたいと思います。
○高木政府参考人 平均株価といっても、それぞれの生保会社の株の構成とかいろいろ違っておりますし、あるいは一時点をとって、仮にすぱっと切れたとしても、その後いろいろ株の売買、有価証券の売買等を行っておりますので、そこはなかなか、先生御指摘の問題意識は十分持っているのですが、実態として把握できないというのが実情でございます。
○五十嵐委員 それは個々にはばらばらだと思いますが、もうそろそろ危険水域に来ているのかなと私は思うわけであります。損保の場合は、比較的バブル期の投資が少なかったものですから、これはかなり安全ラインが低いところだと思いますけれども、生保についてはそうではないと私は思うわけであります。
 それから、もう一つ大変心配をしている要因がユーロ安であります。ユーロが一方的に下がってきておりまして、独歩安になっております。まだまだ下がり続ける可能性があると私は思います。
 生保会社がユーロ建てによる債券をかなり持っていると言われていますが、これは把握をされているのかどうか。このユーロ安との関係で、来年の三月あたりにはもう一度生保の危機が来るのではないかという心配を私もしているわけですけれども、これについて御所見を伺いたいと思います。
○高木政府参考人 お答え申し上げます。
 最初に先生がおっしゃった、ユーロ建てでどういう債券をどのくらい持っているかというお話でございますが、私どもの把握している限りにおきましては、十一年度末、つまり十二年三月末でございますが、ユーロ建ての公社債を、生保全社ベースでございますが、残高で約三兆四千億保有しているということでございます。
○五十嵐委員 三兆四千億、大変大きな額であります。そしてまた、ユーロの下がり方も大変顕著な下がり方でありますから、極めてこれは憂慮すべき事態だと思いますので、引き続いてこの面での注意を政府としてしていただくよう、要請をしておきます。
 日銀においでをいただいておりますので、もう午前中も話が出ましたけれども、若干確認をしておきたいと思います。
 物価の安定についての考え方でありますけれども、私は、インフレ基調にあるときのインフレターゲティングと、日本のように安定し、あるいはむしろデフレぎみであるときのインフレターゲティングは、意味が全然違うと思うわけですね。日本みたいに安定をし、あるいはデフレ基調にあるときにインフレターゲティングを言い出すこと自体が、これは調整インフレという考え方に結びつきやすい、大変危険だと私は思っているわけであります。
 要するに、インフレが現存しているときに、せめてここまでで抑えよう、そういう数値目標ならいいわけでありますけれども、そうでないときに、わざわざ物価の安定というのはどういうパーセンテージかと言うことは、これは逆にそこまで容認するという意味になってしまうわけであります。
 物価の安定を現時点で数値であらわすかどうかという議論があるようですけれども、今後とも重要な課題として引き続き検討していく必要があるというふうに日銀の考え方ではなっておりますけれども、私はむしろ、これはひょっとしたら、政府・与党内の一部にあるインフレ待望論、あるいは調整インフレ論に対する配慮をしてしまったのかなというふうに危惧をしているところでありまして、インフレターゲティングはとらない、特に今のような情勢下では必要ない、そしてまた、状況が変われば別なんですよ、インフレが日本でも現存をしてきた場合はターゲティングというのはあり得る話だと思いますけれども、現時点では軽々にこのことを口に出すべきではない、あるいは約束すべきでないと私は思っていますが、日銀の考え方を伺いたいと思います。
○山口参考人 お答え申し上げます。
 政策委員会の内部で、インフレターゲティングの是非ということについてもかなり時間をかけて議論をいたしました。
 私どもの現時点での結論は、我が国の物価がさまざまな構造調整、特に技術革新でありますとか流通構造の変化等々を含みます供給サイドの事情によりまして大きな影響を受けているという状況のもとでは、何か特定の数字を掲げまして、それをあらゆる政策手段を動員して実現するように努めるというような意味でのインフレーションターゲティングは、適当ではないというふうに考えた次第でございます。
 こういう経済の状況なり構造なりは時代に応じて当然変わっていきますものですから、私どもも、引き続きこの問題については、金融政策運営上の非常に大事な問題というふうに受けとめて、検討を続けてまいる考えでございます。
○五十嵐委員 ですから、調整インフレ待望論にはぜひ乗らないようにということを改めて念を押しておきたいと思います。
 時間がありませんので、先へ急ぎます。もう日銀は結構でございますので。
 この金融問題につきましては、越智通雄金融再生委員長が途中で手心発言で辞任をされました。また、残念なことに、久世公堯前金融担当大臣も思わぬことで辞任をされたわけであります。金融行政の信頼性、公正性、中立性といったものに疑念が生じかねないゆゆしい事態だと私は思います。金融行政のかなめを預かる責任者の方々は、そのほかの大臣もそうですけれども、それ以上に身を正していく必要があるのだろうと思います。
 そういう意味で、私はお二方に質問をしなければならないのを大変残念に思うわけでありますけれども、一部の報道といいますか、かなり全報道機関的な報道で、一つは宮本総括政務次官の、これは以前の話でありますけれども、一九九六年秋、所得税法違反で逮捕をされ、また、その後有罪判決がおりておりますパチンコの裏ROMグループの元締めと言われる人物の税務査察について、まさしく手心を加えてほしいという要請を、名古屋国税局の方にその当時の宮本代議士が行ったという報道が、ことしの九月の初めに各紙で報道されました。これについて、真偽を伺いたいと思います。
○宮本政務次官 ただいまのことについては、確かに報道をされております。しかし、私は、国税局に圧力をかけるような電話をした覚えはございません。
○五十嵐委員 それは、電話はかけたけれども、圧力をかけた覚えはないという話でしょうか。それとも、全く電話をかけたこともないというお話なんでしょうか。
○宮本政務次官 後者でございます。電話をかけておりません。
○五十嵐委員 それでは、報道によりますと、その当時の査察部長が検察庁に向かってあるいは上部に向かって、電話を受けて圧力と感じた事実を報告書にして地検に提出したというのはうそだということになるわけですが、宮本さん御自身は、これはうそだというふうにお思いなんですか。それとも、勘違いだというふうにお思いなんでしょうか。
○宮本政務次官 そのような報告書があるとは思いません。
○五十嵐委員 それでは、国税庁からおいでいただいておりますので、国税庁の次長にお尋ねをするわけですが、そのような報告は、当時あるいは現時点で受けているでしょうか。
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。
 委員が御指摘のような報道がなされているということは我々も承知しておりますけれども、お尋ねの件はまさに個別にわたる事柄でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
○五十嵐委員 予想どおりのお答えなわけでありますけれども、ただ、これは名古屋であるだけに、私は実はある程度の信憑性を持っているわけなんです。
 というのは、実は、これは一九九五年に私のところへ来た投書なのでありますが、名古屋の大蔵省の出先機関、すなわち国税当局、国税局の職員有志一同からという手紙でありまして、名古屋というのは中央に対する――これはそのままですから、私の考えではありませんが、中央に対するコンプレックスが大変強いため、東京からお見えになった方々を接待漬けにする傾向があります。代々の国税局の局長さんたちは、地元のいわゆる高級クラブなどにかなり出入りをして、そこで接待漬けになっていた。そして、公私が随分混同していた例もあった。たまたまこの当時の国税局長さんはそういうことのない立派な方だと書いてあるんですが、名古屋国税局出身の宮本さんはそういう風土になれていたのかなということがあるものですから、遠いことで御記憶を思い出されるのは難しいかもしれませんが、名古屋国税局長当時、そういうようなことがおありになったのかどうか、ひとつお伺いをしてみたいと思います。
○宮本政務次官 私が国税局長に在職させていただいたのは昭和五十六年、七年ごろでございますので、二十年近く前の話でございます。当時、接待漬けにされたかという御質問でございますが、そのようなことはなかったと思います。現在のような厳しさはないと思いますが、必要な御招待あるいはおつき合い、これは常識の範囲内でお受けした記憶はございますが、その範囲内だと私は思っております。
○五十嵐委員 全否定をされているわけでありますけれども、それでしたら、この報道なりあるいはこの報道の中に出てくる当時の名古屋の査察部長に対して法的な措置をおとりになったのですか。対抗措置をおとりになったかどうか、伺います。
○宮本政務次官 私は、当時の査察部長にどうのということはございません。出た記事については、今、弁護士を通して措置をとっておるところでございます。
○五十嵐委員 この案件についてはもう判決が出ております。判決文を私の方ではまだ見ていないわけですけれども、詳細に検討する必要があると思いますし、大臣におかれては、直接の重要なポストの方がそういう疑いを受けているということでありますから、当然お調べになる必要があると思いますし、判決文を手元に取り寄せて詳細に検討したことがあるのかどうか、あるいは、判決文をお持ちでしたら、この委員会ないし私に提出する用意があるかどうか、伺いたいと思います。
○相沢国務大臣 判決文は、私まだ見ておりません。
○五十嵐委員 それでは国税庁の方ではどうですか。判決文の方はおありになるのでしょうか。もしあったら、私の方にこれをコピーでも提供していただける用意があるかどうか、伺いたいと思います。
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。
 判決文自体は国税庁の所管ではないものですから、御依頼の件につきましては、関係機関と協議の上で対応させていただきたいと存じます。
○五十嵐委員 ぜひ出していただきたいと思います。判決というのは公のものでありますから、隠す必要はないと思いますし。
 けしからぬのは大臣、これだけ各紙がそろって報道したことで、自分のところに火の粉が降りかかっている問題で、判決文を見ることもしない。私は宮本さんを信じるからそれでいいんだということでは終わりにはならないと思うのです。積極的にみずから疑惑を晴らすあるいは問いただす、こういう行為がなければならないと思うのですが、どうしてきちんとした調査をおやりにならなかったのか、伺いたいと思います。
○相沢国務大臣 私は、本件が週刊誌等に掲載されました際にも宮本総括政務次官からもお話を聞きましたし、御本人からもこのことについての説明がありまして、私は本人の言うことを信じておりましたから、格別その判決を取り寄せてどうこうということに思い至らなかったのでございます。
○五十嵐委員 それはおかしいんですよ。これだけ重大なことでありますから、内部のことでありますから、調べようと思えば幾らでも調べられたはずであります。こうしたことを払拭していかなければ、金融行政に対する信頼性というのは起こり得ないわけであります。本当に短い、一年足らずの間に二人も、一年足らずどころか半年の間に二人も大臣がおやめになったというところがあるわけですから、その分だけより一層こうした問題、倫理の問題には厳しく対処しなければならないと思うわけであります。
 これは実は宮本総括政務次官だけではなくて、御本人にも、大臣そのものにもいろいろな指摘がなされている。これが人にも甘いという原因になっているのではないかなと私は思うわけでありますが。
 大臣につきましては、一つは、写真週刊誌に掲載をされましたけれども、あの東海銀行の不正融資事件の主犯が書いた直筆のメモの中に大臣の名前がある、十億円謝礼をしなきゃいけないという内容だったということでありますけれども、これについてどのような御説明を伺えるのか、伺いたいと思います。
○相沢国務大臣 私は、朝、新聞を見まして、広告に何かそんなことが書いてありましたので、早速週刊誌を取り寄せて見てみました。何か東海銀行の秋葉原支店の支店長が云々とか、何か軽井沢の土地を買うのについて資金を何百億か調達しなきゃならない、それには私が金融機関に顔がきくだろうから頼んだらどうかというようなことを紙に書いてあったというのですね。
 でも、全く私は知らないことなんです。でありますので、余りばかばかしくてそのままにしておりますけれども、全くそのことについては関係ないということを言明いたします。
○五十嵐委員 何もないのに名前が出るはずはないので、名前を利用されたということなのかもしれない。そうおっしゃりたいのかもしれませんが、余りにも相沢大臣の場合は名前を利用されるということが多過ぎるというふうに思います。
 もう一つは、先日監査法人から決算を否認されたエムティーシーアイグループ、このグループの新年祝賀会に、ほかの政党、我が党も含めてほかの議員さんも出られておるわけですが、相沢大臣がその当時かなりメーンに近い立場でお出になってごあいさつをされたかのように伺っていますが、ごあいさつをされたのかどうか、また、どういうような状況でお出になられたのか、伺いたいと思います。
○相沢国務大臣 これは、私の友人が参りまして、インターネットのプロバイダーとして今売り出しておるし、そして日経新聞等にも大々的に紹介もされているところの会社の新年の祝賀会があるので、ちょっと済まぬけれども顔を出してくれぬか、こういうことだったので、私はその友人の言葉を信じて顔を出しただけであります。顔を出しましたら、鏡割りか何かになって、それにちょっと上げてくれるというので、その場に行っていましたからこうやってたたいたということだけなんであります。
 そのときに私ももう少しそのプロバイダーなるものの、エムティーシーアイですか、よく調べて行けばよかったのですが、とにかく日経新聞等々も持ってきて見せられましたし、当時、インターネットのプロバイダーということになればなかなか人気のある仕事であります。でありますので、それを信用したということについて、うかつであったといえばうかつであったと思います。それだけでありまして、そんなことを言ったらあれですけれども、前総理も来られるとか電報があるとか、いろいろな話も言われましたものですから、まあそれほど疑わしき人物ではないのではないかなと思ったのがちょっと私のうかつでございました。よく気をつけます。
○五十嵐委員 終わりますが、引き続いて私の方も、これらの問題については疑惑解明のために努力をさせていただきたいと思います。
 時間が来ましたので、終わります。
○桜田委員長代理 次に、中塚一宏君。
○中塚委員 自由党の中塚でございます。
 まず、生命保険の保険会社の破綻の話からお伺いをしたいと思うのですが、この夏以降、生命保険会社、幾つか破綻をしておりまして、破綻後の提携先というのが大体外資系の会社ということになっておるようでございます。
 ここで相沢委員長にちょっとお伺いをしたいのですけれども、どうして日の丸の会社が提携先として手を挙げないのでしょうか。委員長、どういうふうにお考えですか。
    〔桜田委員長代理退席、渡辺(喜)委員長代理着席〕
○相沢国務大臣 日の丸云々と言うとちょっと差し支えがあると思いますが。いずれにいたしましても、日本の法律に従って法人格を取得した会社でありますから、その間に差別をすることはいかがかと思いますが。ただ、私もあなたと同じように、でき得べくんば、やはり日本の企業でありますからお仲間がといいますか、日本の企業がそれを引き受けてやってくれればいいなと。会社の中で横文字を使わないと話ができないというような状態は、何だか情けないような、寂しいような気もいたしますし、そう思うのですけれども。
 私、聞いてみたのです。どうして御同業ないしほかの機関が、今は生保の問題ですけれども、引き受けないのかと言いましたら、やはり一つは、生保会社として同じような、重なる業務をしているということがありますね。地域的にも重なるし、また顧客先としても重なるという面もある。よく知っているということもあるのでしょう。
 それからもう一つは、やはり合併することによって、あるいは吸収することによってのメリットにそう多く期待できない。それは外資が入ってきて新しくエリアをそこへ設けるのとそこが違うのだという説明もあります。
 それからもう一つは、日本の企業はその辺があれかもしれませんけれども、やはり外資系ほど計算で割り切って合理的にやる、ずんばらりんと人も物も整理する、そういうようなことをやりにくいという面もあるということを説明してくれた人もございます。
 しかし、いずれにいたしましても、私の個人的な気持ちとしても、できればやはり日本の企業でありますから日本の企業が手を挙げて、そして仕事の継続を、合併をしてもらったらいいなというふうに希望はしています。
○中塚委員 もちろん法律にのっとってやっているわけですし、市場原理ということもありますから、提携先がどこの国であろうとそれはしようがないのかなと、しようがないというよりはそういうことなのだろうなというふうに思うのですけれども。
 実は、今回の協栄生命なのですけれども、破綻前に提携交渉をしていた会社が、破綻後、つぶれたら今度は提携してもいいですよというようなことを言い出しているわけですね。要は、破綻前にいろいろ提携するために調べてみたら、とてもじゃないけれどもこれは組めないねと。ところが、破綻後は予定利率が下げられるから、では今度は、契約者保護機構のお金なんか要りません、プルデンシャルだけで、一緒に組んでやっていきますというふうなお話になっておるわけです。
 大臣、いかがなのでしょう。例えば、破綻前に提携交渉があった会社というのは破綻後の提携先にはなれないとか、そういった仕組みというのはつくれないものなのでしょうか。
○相沢国務大臣 六月一日でございましたか、一応基本的な合意を協栄とプルデンシャルとの間に結んで、その間、プルデンシャルが合併に向けての調査研究を進めておったわけでありますが、その後の会社の状況の推移を見まして、とてもこの状態で吸収するということは困難だということで、その面においてはギブアップをした。ただ、更生計画を申請いたしました後の段階においては、これは何もプルデンシャルにかかわらずほかの会社も手を挙げれば当然、裁判所における再建計画の対象として検討されることになるわけであります。ですから、言うなれば、それを希望する者についてはオープンにされているわけであります。
 したがいまして、その際に、前におまえは一遍手をつけてほうり出したのだからだめだといって排除することは、なかなか難しいのではないかと思います。
○中塚委員 そういうことでありましたら、先ほど来民主党の委員の方からもいろいろお話があったと思うのですけれども、やはり検査ということをもっと厳格にやっていただく、資産の内容なんかを常にウオッチしていただいて、破綻したというときに、破綻前の検査結果を、例えば守秘義務を交わした上で相手に公開するとか、そういった仕組みというのが必要なのではないかなという気がいたします。
 例えば長銀の話の例の瑕疵担保ですけれども、瑕疵担保というのは、要は国有銀行であった長銀の資産内容について不良品があれば買い取りますということで、この不良品というのは要は国がつくってしまったというふうになるわけですので、やはりそこは厳しい検査というのがふだんから必要なのだろうなと思いますし、そこはもうぜひともそのようにしていただきたいと思うわけであります。
 それで協栄生命の話で、結局破綻前の支援先と破綻後の支援先というのが同じということであれば、これも例えばなのですけれども、破綻をしなくても予定利率を変更できる、そういうふうな仕組みというのは考えられないものでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
○相沢国務大臣 まさにそのことは私も考えたことでありますが、大変残念なことには、平成八年に保険業法の改正をいたしました際に、継続したまま予定利率を変更するということができなくなったわけなのですね。そういう規定を削除した。その理由は、やはりこれは憲法上の考え方でありましょう、私有財産に対する侵害に当たるのではないかとか、いろいろ理由がございまして、そのままの形での予定利率の変更というのは問題だということで削られたのであります。
 したがいまして、どうも再生手続に入らないとそういう利率の変更等もできないというのは、私も確かに制度として何かそこに問題があるのじゃないかという気がいたしますけれども、現行法の建前としてはそういうことになっているのであります。
○中塚委員 次に、ソルベンシーマージンのお話をちょっと伺いたいのですけれども、先ほどもお話が出ておりましたけれども、劣後債というのがソルベンシーマージンのかさ上げに使われておる。生損保間の劣後債のやりとりというのはもう禁止をされたということですけれども、今、例えば銀行も、自己資本比率のティア2の部分についてはもうほとんどが劣後債であるということでございますし、国際決済銀行がBIS規制を見直すに当たって、将来的にはもう自己資本項目は第一基準のみに絞るというふうなことも伺ったことがございます。そういった意味でも、やはり劣後債の問題というのは今後も注意深く検討していかなきゃいけないなというふうに思っております。
 それに加えて、来年三月から時価会計ということになるわけでございますけれども、生保については何か特例措置をお認めになるのですか。原価法の採用を認める、あわせてリスク管理方針の作成を義務づけるというふうに聞いておるのですけれども、これも粉飾とまで言うと言い過ぎだとは思いますけれども、見る人が見れば財務内容というのもわかるわけですので、やはりこういったことは、時価会計ということになったのならもうそれにそろえるべきではないかと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
○相沢国務大臣 今、金融審議会第二部会においてこのことが検討されておりますが、保険会社にも金融商品の時価評価を導入した上で資産のうちの一定の債権については償却原価法を適用するとの意見の取りまとめを行ったのでありますが、これは長期の債権保有や責任準備金といった保険会社の資産・負債構造の特性からいたしまして、金融商品の時価評価の基準をそのまま適用することとした場合に生ずる会計実務上の問題を解消するということを目的としたものである、このように説明をされているのでございます。
 なお、現在、日本公認会計士協会において、本件に係る具体的な実務ルールの策定が進められておるところでございますが、この中では、償却原価法が適用される債権についても、時価に係る情報については財務諸表に注記することにより明確な開示を行わせる方向で検討が進められているというふうに承知をいたしております。
○中塚委員 次に、早期健全化法のお話をちょっとさせていただきたいのですけれども、来年四月で廃止をされるということなんですが。
 これも、今まで資本注入をした銀行というのは、保有有価証券の評価というのは原価法で行われていたと思います。というわけで、株価もすごく最近下がっておりまして、きょうはちょっと上がっているのですかね、まだ一万五千円までは乗っかっていない、一万四千七百円ぐらいなんだろうというふうに思いますけれども。
 以前、予算委員会の資料要求をしましたときに、大蔵省さんの方から、日経平均株価が千円下がると大手、当時十九行だったのですが、十九行の自己資本比率が〇・三%下がるというふうな資料を提出いただいたことがございました。そういう意味では、本年四月から比べますと、入れかえの影響なんかもあるのですけれども、五千円近くは下がっているということになるわけで、そうしますと、自己資本比率も一・五%は毀損しているんじゃないかというふうに思うのです。やはり、ことしの三月期なんかから比べて、今、銀行の財務内容というのはかなり悪化しているのではないかと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
○宮本政務次官 お答え申し上げます。
 株価が大きく下がっているということでございますし、それに連動して自己資本比率も下がるのじゃないかという、それはもちろんそういった感じを持たれるのは当然でございます。
 しかし、今度の時価会計の問題でございますが、主要な銀行の大半は、この十二年の九月期の決算については、時価会計の先行導入というのが一応記事としては出ておりましたけれども、見送るような形になっておりまして、こういったこともありますので、現下の株価の下落が直ちに自己資本比率に影響が出ることはないというふうに思います。
 それと、今も申されましたように、株価の下落と銀行の自己資本比率の関係でございますけれども、これは各銀行の持ち分といいますか、株式の持ち方、額、内容等々、非常にばらばらでございますので、日経平均あるいはTOPIXが一定の額動いたからということで全体として影響が出るということではございません。株式の売却等も適宜行われておりますし、また各銀行の保有株式の内容なども刻々と変わっておるというふうに思われます。
 そういうことでございますので、一概に株の五千円の下落ということから各銀行の自己資本比率が大分下がっているのじゃないかなというようなことには、直ちには結びつかないように思うわけでございます。
 そんなことでございまして、なかなか、試算という形でも、大ざっぱにというふうな数字も試算してみるということは非常に困難であるというふうに思います。
○中塚委員 一概に言えないのはそうでしょうね。各銀行の資産構成というのは銀行によってさまざまですから、もちろんそれはそのとおりだと思います。
 それとあわせて、やはり本年に入ってから大型倒産なんかが多発しておりまして、これによってもやはり金融機関の財務内容は悪化しているのじゃないかなというふうに心配をしているわけでございます。早期健全化法が廃止される前にもう一度総点検をする必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○相沢国務大臣 おっしゃる意味は、調査をして、資本注入をしなければならないところは早期に是正措置を考えたらどうか、こういう御意見だと思うのです。しかし、早期健全化法に基づく資本増強の制度は、御案内のとおり申請主義でありますから、まずは各金融機関が自己査定をして、そして何ともやはり資本注入を仰がなければやれないといった場合において、申し出によって検討するということが建前でございます。
 ただ、言うまでもなく、そういう申請がありましたら、決算期末にとらわれずに迅速に対処していきたい、このように考えております。
○中塚委員 申請主義であるということがどうなのかなという話にもなると思うのです。
 例えば、今、日本の大手行の保全率ですか、大体八〇%ぐらいというお話をきのうちょっとお伺いさせていただきました。ただ、ではその八〇%が本当に信用できる数字なのかどうかということになりますと、例えば長銀なんかで、国有化されていた時期でもそごうとかライフとか第一ホテルとかそういった債権を保有し続けてきたわけですし、当局が監視している国有銀行であってもそういうことだったわけですね。ですから、そういう意味では、日本の大手行の不良債権の処理の状況、保全の状況というのは、本当にそれで大丈夫なのかなというふうに思うわけでございます。
 また、担保評価についても、各行ばらばらなんでしょうが、収益還元法なんかを使いますと恐らく担保価値はまた下がっていくのだろうということを非常に心配しているわけでございます。
 破綻処理というのも大変大事だとは思うのですけれども、例えば金融機関の競争力を増強する、収益性を上げるという意味で、今金融審議会の方で業務範囲に関する規制の緩和というのをお話しされているようでございますが、これについては大臣、いかがでしょうか。
○相沢国務大臣 大手十七行が公表しました十二年三月期決算における金融再生法開示債権に対する保全の状況でありますが、これは、全体で試算をいたしますと八〇%弱となっております。
 それからもう一つ、いわゆる異業種参入の問題だろうと思うのでありますが、これは、現行銀行法上、異業種が銀行業に参入するということは可能になっておりまして、いろいろと具体的にもその動きがあるわけでございます。
 しかし、まだ、銀行業が異業種に進出するについては、銀行法上あるいは独禁法上の制約がございます。ただ、銀行にほかの業種から入れて、銀行はほかの事業をやれないというのは、言うなればワンウエーの姿でありまして、これは公平を欠いているというふうに思っております。
 これは、金融審議会におきましても、どの程度の範囲において異業種の参入を銀行に認めることができるか、法制の問題も含めて今検討が行われているところでありまして、次の通常国会への法案の上程ができればよろしい、このように考えております。
○渡辺(喜)委員長代理 中塚君に申し上げます。質問時間が終了しておりますので、手短に。
○中塚委員 ありがとうございました。終わります。
○渡辺(喜)委員長代理 午後三時五十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後二時五十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時五十六分開議
○萩山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。鈴木淑夫君。
○鈴木(淑)委員 自由党の鈴木淑夫でございます。
 昨日、日本銀行は御承知のように「経済・物価の将来展望とリスク評価」というペーパーを発表されました。申すまでもなく、新日本銀行法のもとで担保されております日本銀行の独立性というのは、それと表裏の関係で、金融政策の透明性、国民に対する政策責任というものがあって初めて達成されるものでありますから、こういう紙を今後一年間に二回、四月と十月に発表されるということでございますが、大変結構なことだと思います。
 時間も限られておりますから、早速中身についてでありますが、マスコミは日本銀行は割と楽観的な見通しをしているというふうに報道をしております。私は、来年度においても「民間需要主導の緩やかな景気回復が持続する」というこの一番最初の文章、これは少し楽観的だなというふうに思います。もちろん、下振れするリスクもいろいろ書いておられますが、上振れのリスクもあると言っているわけで、真ん中の一番可能性の高い標準型としては、来年もこういう民間主導で景気回復が続くと言っているわけであります。
 マスコミは、政府見通しの一・五に対して、日本銀行の政策委員の大勢が一・九から二・三%の成長率を予測しているということから、数字の面から定量的に楽観的だと言っておりますが、私はそうは見ていないのですね。数字の面からは私は、むしろ日本銀行も政府見通しとともに少し弱いなと思います。私が問題にしたい楽観性というのはもっと定性的な話であります。
 まず、その定量的な数字の話をちょっと言っておきますと、皆さん御存じだと思いますが、一番最近のGDP統計というのは四―六月ですね。ことしの四―六月の実質GDPというのは前年度、九九年度の平均に対して既にプラス一・九%のところにいるのですよ。それで本年度が平均成長率が一・五だという政府の見通しは何を意味するかと言うと、一・九のところにいるのに平均が一・五だと言っているのだから、七―九、十―十二、来年一―三をならしてみればマイナス成長になると言っているのですね。計算してみると、年率一%で三四半期落ちていくと大体ああいう数字になります。そのことを大臣諸公あるいは政府の方々はみんな認識した上であんなことを言っているのだろうかと私はすこぶる疑問ですね。経済専門家が見れば、何だって、政府は今後三四半期平均してマイナス成長だって、こういうことなんですよ、あの数字は。とんでもない数字を出しているなというふうに思います。
 ですから、物のわかったアナリストは、これはえらい数字だと言えば、今の株価の弱さも非常にもっともな話なんですね、これからマイナス成長だと政府が言っているのですから。これに比べれば、日本銀行の一・九から二・三というのはまだましでありまして、一・九というのは、残る三四半期ゼロ成長でいくと一・九なんですよ。それから補足ですよ。二・三というのはどういうときに実現するかというと、これは年率約一%で三四半期いくと二・三に達します。
 ですから、政府の見通しというのはめちゃくちゃに低いから、それに比べると、一見、日銀の見通しが強気に見えているだけで、私は、この数字はむしろ弱過ぎるなと思います。年率一%でこれから成長していくのですからね、三四半期。
 そういう数字を出しておきながら、日本銀行は、この中でこういうことを言っています。「需給ギャップは緩やかに縮小傾向を辿ると考えられる。」一%成長で需給ギャップが緩やかに成長すると日本銀行は考えておるところを見ると、潜在成長率は一%以下だと考えておるのですか。どうしてこういう判断が出るのか、お答えいただきたい。
○山口参考人 まず初めに、昨日発表いたしました政策委員会のメンバーの経済見通しでございますけれども、これはあくまでも政策委員の一人一人が年度全体について持っている経済のイメージを数字であらわしたものでございまして、年度全体としての経済の姿というところに主たる意味があるというふうに受けとめていただければ幸いでございます。
 その上ででございますけれども、御質問のなぜ需給ギャップが縮小するのか、あるいは潜在的な供給の伸びがどれぐらいなのかという点でございますけれども、あの公表文書にも書かせていただきましたけれども、このところ、しばらくの間、民間設備投資の停滞傾向が続いておりました関係で、設備の増加、これはストックの増加率でございますけれども、これは非常に低くなっております。また、いわゆる労働力のミスマッチという言葉に代表されますように、現在、特にハイテク部門などで求められておる高い技能を持った労働者が不足しているというのも最近の特徴かと存じます。
 そういうことをあわせ考えますと、我が国経済の現時点における供給力の伸び、いわゆる潜在成長力でございますけれども、これは、明確な数字で申し上げるのは技術的な理由でなかなか難しゅうございますけれども、年率で恐らく二%まではいっていない可能性の方が高いというふうに思っております。
 一方で、総需要の伸び、つまり、GDPの成長率が、今度の政策委員の見通しにあらわれておりますように、一・九ないし二・三%というあたりに落ちつくといたしますならば、申し上げましたような供給力と需要の伸びの相対関係によりまして、需給ギャップは、ごく緩やかにではありますけれども、縮小する可能性が高いというふうに考えております。
○鈴木(淑)委員 しかし、山口さん、「縮小傾向を辿ると考えられる。」「辿る」というのはやはり推移の話だから、瞬間風速で考えていったとき、残る三四半期に年率一%以下の瞬間風速でいくのですから、あなたが言うとおり潜在成長率が二%弱だとしたって、需給ギャップは開いていくわけですよ、残る三四半期で。今ぐっと縮んだかもしれないけれども、また開いていくという話になりますね。そういう中で、本当に設備投資が来年度も出てくるのかしらというところに私は疑問を持っています。
 この報告で二つ欠けているものがあるなと私は思いますね。
 一つは、今の日本経済の特徴をマクロの需給ギャップなどで議論するのは、問題の所在を誤ると思いますよ。片っ方に物すごい供給超過があって、もう使われないかもしれないむだな設備がある。そうかと思うと、半導体関係や何かでは品不足が起きて、大変な勢いで設備投資が出てきておるわけですね。そういうセクトラルな分析というか、跛行性についての分析がここに余り出ていない。マクロの需給ギャップの議論などをするから、僕が今質問したようなことを言われちゃう。そうじゃなくて、もっとセクトラルな分析が必要な局面だと思いますよ。
 それからもう一つは、資産価格、さっきも出ていましたが、株価について正面から取り上げにくいかもしれない。資産価格という言葉が一つだけ出てくる。これは下振れリスクの一つとして出ておりますが、きょうは三百八十円ぐらい戻ったけれども、それでも一万四千円台。これは、指数の入れかえに伴って二千幾らか下がっているとしても、日経平均で一万七千円そこそこですよ。これは相当弱い。このゆえんについてよく、米国の株が下がったからだとか、持ち合い解消があるからだと言われるけれども、もし来年民間主導型で成長する、企業収益が改善し続けるという自信があれば、当然、その予想収益の割引現在価値が株価の均衡価格なんだから、こんなに下がれば買いが出てくるはずですよ。持ち合い解消売りにしろ、米国の影響にしろ、一時的に下がったって買いが出るはず。
 それなのにこんなに弱いということは、市場関係者が来年の経済を非常に不安視している証拠だというふうに思いますね。株価がこんなに弱いのを一切説明していない。株は取り上げにくいかもしれないが、その点が第二の欠けている点だと思います。
 もう時間がなくなりましたから、それは指摘にとどめておきますけれども、今国務大臣はお一人でございますが、あの一・五%成長という数字は、さっきも言いましたように、とんでもない数字なんですよ。マイナス一%成長が三四半期続かないと実現しない。
 もしあれが、近い将来GDP統計を改定しますね、改定した結果、何か数字ががっと変わって、今私が言った、もう既に一・九げたを履いているというのはがっと変わるからだとすれば、ああいう数字を発表して、そのことを言わない政府はますますもってけしからぬ、国民に対する情報の開示からいってけしからぬことですよ。そのことを言っておきます。何か機会があるときに私は指摘しますけれども、あれでもしGDP統計ががらがらっと改定になって、それ見ろ、こんなに下がっちゃたから一・五でいいんだといったら、それは褒められた話じゃない。国民をばかにした、国民を愚弄した話ですね。
 担当ではございませんが、今の政府の数字はそういうものを含んでいるということを指摘しておきます。それに比べれば日銀の数字の方がまだましだということを申し上げて、時間がないので終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
○萩山委員長 次に、山口富男君。
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。
 金融再生委員会の報告書が提出されて二カ月になりますけれども、この間、大正生命、千代田生命、協栄生命と、生命保険会社の破綻が相次いで、国民の不安を広げております。今、生保の破綻問題に対して金融行政がどう対応するか、鋭く問われておりますので、まず初めに私、この問題から質問させていただきたいと思います。
 きょうの質疑で相沢金融担当大臣は、千代田生命についてこういうふうにお述べになりました。その債務超過額と責任準備金の額を見ると、生命保険契約者保護機構の方からの財源はそれほど必要はない、こういう趣旨の答弁だったと思います。
 しかし、千代田生命より先に破綻をした第百生命それから大正生命ともに、最終的な債務超過額が決まっておらず、また処理策も決まっておりません。ですから、機構の財源も明確になっていない。
 そこでお尋ねしますが、現在、生命保険契約者保護機構の民間負担分が千八百億円ですけれども、第百生命と大正生命の破綻に係る機構負担はその範囲でおさまると考えていらっしゃるのかどうか。それとも国の負担が必要になると見ていらっしゃるのか。その点をお尋ねしたいと思います。
○相沢国務大臣 ちょっとそのことにお答えする前に、千代田生命に関して私が申し上げましたことを、思い起こして正確に申しますと、千代田生命に関しては、責任準備金の一割カット、それから債務超過額との関連等もありまして、生保の保護機構から出さなければならない金額はそれほど大きくはないのじゃないか、そういう推定を申し上げたので、それがなくて済むというようなことは言っていないつもりなんであります。
 それから、今の生保の保護機構の財源でありますが、九千六百億から東邦生命の処理に要した額三千八百を引くと、今後の利用可能額が五千八百億円であります。そのうち、業界負担分が千八百で、残りの四千が政府の負担分であります。これは、法律によりまして、その金額の範囲内において政府は補助することができるということになっております。
 千代田と、その前の第百あるいは大正生命でどの程度の金額になるか、これはまだわかりませんが、大体、その規模等から見まして、これらの問題になっている生保の処理も、今の残された利用可能な財源の範囲内においてまずは十分賄えるだろうというふうに考えているのでございます。
 なお、協栄生命に関しましては、プルデンシャル社に決まったわけじゃありませんが、プルデンシャル社は、スポンサーとしての申し込みに際して、資金援助は要らない、多分そうなるだろうというようなことを表明しているのでございます。
○山口(富)委員 私が問題にしましたのは、相沢金融大臣が、それほど必要はないのではないか、こういうことをそれこそそれほどの根拠をお示しにならずにおっしゃいましたので、安易ではないかということで第一に質問をしたわけです。
 それで、ここで去年の六月に破綻をした東邦生命の問題を例に挙げてみますけれども、ここでは、破綻時で債務超過額は約二千億円と言われました。ところが、その後、保険管理人の精査によって、債務超過額が三倍を超える約六千五百億円に膨らみました。その結果、機構からは三千八百億円の資金援助が必要になって、契約者も多大な犠牲をこうむることになったわけです。
 この点では、更生特例法の手続を選択しました千代田生命との違いはありますけれども、やはり債務超過額がどれだけになるかは極めて大事な問題で、これは慎重に見きわめていく必要があると思うのです。
 そこでお尋ねしたいのですが、千代田生命は、ことし九月末時点で実質三百四十三億円の債務超過ということです。この債務超過には有価証券や不動産の含み損も勘案してあるということですけれども、当然、こうした資産は時の経過とともに劣化いたします。そこで、債務の膨らむ可能性についてどのように判断していらっしゃるのか、お尋ねいたします。
○高木政府参考人 お答え申し上げます。
 債務の膨らむ可能性について現時点で断定的に申し上げることはなかなか難しいということでございますが、今先生がおっしゃいました、例えば東邦の例でございますが、東邦の例と今回の違いを申し上げますと、一つは、東邦につきましてはもう何年も検査もしていなかったということがあります。千代田、協栄につきましては、十一年の三月期について検査をやっております。その検査結果も踏まえて十二年三月期の決算を組んでいるということ、もちろんそれには監査法人の監査もついているということが一つ違います。
 それから、今東邦生命について二千億の債務超過だというお話がございましたが……(山口(富)委員「当初ですね」と呼ぶ)はい。これはまさにバランスシート上、既に二千億の債務超過になっていたということでございます。千代田とか協栄につきましては、バランスシート上は黒字になっているわけですね、資産超過になっております。あらあらではございますが、実質をはじいてみると三百四十三億の債務超過になっているということですから、そういう点でも事情は違っているというふうに考えております。
○山口(富)委員 事情の違いの説明としては今の高木監督部長のお話をお伺いしましたが、千代田生命について膨らむ可能性を否定なさらないわけですね。
○高木政府参考人 お答え申し上げます。
 私は、膨らむ仮定を否定しているわけではございません。冒頭申し上げましたように、それは保険管理人あるいは更生計画で決められる話でございますから、それは今の時点で断定は申し上げられないと思っております。
○山口(富)委員 それは当然のことだと思うのです。金融庁も債務が膨らむ可能性を否定できないわけですから、これはそう安易に、機構からの財源はそれほど必要ないという当初のお話が、やはり実際見ていくとなかなかあやふやな話ではないかということになると思うのです。
 それで、金融庁は、昨年の五月二十七日から六月二十二日まで千代田生命に立入検査をして、九月三日にその内容、検査結果を通知していることになっておりますが、どのような内容の通知だったのか、お話しいただきたいと思います。
○西川政府参考人 お答え申し上げます。
 千代田生命につきましては、今先生お話がございましたように、昨年五月十日に立入検査を開始いたしまして、六月三日まで立入検査を行いました。また、結果につきましては、十一年九月三日に通知をいたしております。
 千代田生命に対する検査につきましては、その業務の健全かつ適切な運営等を確保する観点から、平成十一年三月期のソルベンシーマージン比率の正確性の検証及び資産内容の実態把握並びにリスク管理体制等の状況について確認を行ったものでございます。
 千代田生命に対しましては、債務者の財務分析が不十分なこと等によりましていわゆる分類債権額が増加したこと等について指摘を行ったところでございます。
○山口(富)委員 この千代田生命の場合、金融庁からいただいた資料を見ても、年金型の保険、とりわけ団体年金の保険が大変多くて、最近破綻した生保の中ではずば抜けて多いと見ていいと思うのです。それだけに、企業年金を受け取っている方も含めて、多くの保険契約者が今後年金が削減される可能性が出てきていますので、私どものところにも今いろいろな質問が来ているのです。それだけに、金融行政が責任ある対応をすることが求められると思うのです。
 今お話のあった検査の内容、これは、五月十日というのは予告日ですね。実際に立ち入ったのは五月の二十七日というふうに資料をいただいていますけれども、その検査の時点では既に保険業に対する早期是正措置が導入されていましたが、当然、千代田生命への検査の場合も早期是正措置の考え方に沿ったものだったというふうに思うのです。
 きょうの質疑でもたびたび議論されてまいりましたけれども、なぜ千代田生命の場合は是正措置がとられなかったのか、この点を簡潔に御説明願いたいと思います。
○高木政府参考人 お答え申し上げます。
 端的に申し上げますと、ソルベンシーマージン比率が二〇〇%を超えていたということであります。
 ただ、早期是正措置制度の基準は、主としてソルベンシーマージン比率を基準に考えておりますが、さらに実質債務超過かどうかということも考慮して発動が可能となっております。あらあらの数字ではございましたが、現実には実質債務超過になっていたわけですから、ただ、そこで業務停止をかけるということは、その当時、いろいろ改善策について努力されておったわけですから、むしろ我々は保険業法に基づく報告徴求制度を活用いたしまして、どういう改善方策を講じているのか、早急にその報告を求めた、その直後に経営を断念したということでございます。
○山口(富)委員 もう少しその経過を詳しくお尋ねしたいのですが、九月三日に検査結果の通知がなされて、今お話がありましたように、ソルベンシーマージン比率の問題と債務超過の問題を特に注目してごらんになった。その後、幾つか報告も求められたようなんですけれども、九月の検査結果から破綻まで数えても約一年ありますね。その間にどのような指導といいますか、援助といいますか、そういうものを具体的になさったのですか。
○高木政府参考人 お答え申し上げます。
 検査結果を踏まえましても、実質資産超過でございましたので、ほかの金融機関等の場合もそうですが、特段の措置は講じていないということでございます。
○山口(富)委員 あなたが最初におっしゃったことと今二回目の答弁を聞きますと、実際には、検査をやった後はそんなに手が打たれなかった、そういうことでよろしいのですね。そういうことなんですね。答弁は結構ですが、そういうことでいいのですね。
○高木政府参考人 私がさっき申し上げましたのは、直近の九月末の状況について、実質債務超過になっているという状況を把握したものですから、それについてさっき申し上げましたような対応をしたということでございます。
○山口(富)委員 私が聞きましたのは、昨年の九月以降の一年間なんです。その間は具体的な手は打たなかったということなんですね。
○高木政府参考人 お答え申し上げます。
 うまく説明できなくて恐縮なんですが、それまでの、昨年の九月から一年間につきましては、資産超過であったということもあって、特段のことはしていないのですが、いろいろ客観的に見て、ソルベンシーマージン比率も二〇〇を超えているとはいえ、非常に低い水準にあったわけですから、絶えずその状況についてはヒアリング等、注視していたということでございます。
○山口(富)委員 注視していただけで、具体的な手が打たれなかったということが今の答弁でもはっきりしたと思うのです。
 それで、千代田生命について言いますと、答弁にありましたように、ソルベンシーマージンについてはその比率が是正措置の発動の要件に至らなかった。ところが、基準を満たしていたけれども現実には破綻したというわけですから、その発動の要件に制度上の矛盾があったということになると思うのです。
 それで、相沢大臣もきょうの質疑の中で、おのずから制約があることは否定できない、こういうふうに述べられました。それから、ソルベンシーマージンについては、その厳格化について今検討しているということをお話しになりましたけれども、もう一歩突っ込んで、どのような厳格化の方向を考えていらっしゃるのか、説明いただきたいと思います。
○相沢国務大臣 ソルベンシーマージン比率につきましては、その算定の方式につきまして先般来答弁をいたしておりましたが、ことしの二月には、劣後債務の算入限度額の厳格化、あるいは生損保間のダブルギアリングの否認等を実施いたしております。
 なお、このソルベンシーマージン比率の算定方式については、さらに実態に即して算出方式について検討する余地がないか、これは今後の課題にしたいということを申し上げておったのでございます。
○山口(富)委員 劣後債務の問題も含めまして、ソルベンシーマージンの再検討、厳格化を図りたいということなんですが、千代田生命に即して見ますと、ここの場合は、例の旧ホテルニュージャパン、このオーナーの故横井英樹氏の企業向け融資の乱脈融資などによって膨大な不良債権があって、その不良債権の比率は他の生命保険会社と比べても異常に高かったはずです。また、新規契約が進まずに、解約の増加で契約保有高も急減していたと考えられますけれども、ソルベンシーマージン比率の是正、厳格化の問題だけにとどまらずに、千代田生命の教訓からいって、資産状態をよく調べるのが実態を見る上でも当然必要になると思いますけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○相沢国務大臣 それはおっしゃるとおり、千代田生命に関しましては、今おっしゃるような事情もこれあるわけでありまして、そのほか、やはり千代田生命の債権に関しての問題点は幾つかございました。そういった点についても、当然これから再建計画をつくる過程において慎重に検討しなきゃならない、このように思っております。
○山口(富)委員 本来、金融行政の場合、やはり傷の少ない段階で是正に力を尽くすべきだったというふうに思うのです。今お話がありましたけれども、引き続き保険契約者の保護と生命保険会社へのきちんとした行政上の管理、指導を尽くしていただくように求めまして、次の問題に進みたいというふうに思います。
 金融再生委員会の報告書なんですが、この報告書は、昨年十一月からことし七月の金融機関の破綻処理を対象としていますけれども、中でも旧長銀と日債銀の破綻処理が中心になっております。この点では、海外からの論評がたくさん出まして、いわば日本の金融行政の真価が問われたというふうに思うのです。
 それで、私、もう間近ですけれども、二十一世紀の日本の金融問題を考えたときに、この間の金融再生委員会の仕事や行政の結果から必要な教訓をくみ出すことが非常に大事になっているというふうに思うのです。
 その立場から幾つか質問したいのですけれども、まず、報告書は、旧長銀、日債銀の破綻処理と譲渡をめぐって、世論の厳しい批判を受けた、国民の意見に十分耳を傾ける、こういう表現を盛り込んでおります。きょうの相沢金融大臣の概要説明でも同様のお話がありました。
 そこでお尋ねしますけれども、国民の厳しい批判と意見の中心的な内容は一体どこにあったのかとお考えでしょうか。
○相沢国務大臣 それは瑕疵担保条項に基づきまして、そごうに対する債権が預保に舞い戻ってまいったのでありますが、その債権を放棄するということが伝えられまして、それは巨額な公的資金を投入していることとの関連におきまして、債権放棄というのはまことにもってけしからぬじゃないか、こういう一般の世論が沸き起こってまいったのでございます。
 当時、私が就任する前でございますが、再生委員会といたしましては、瑕疵担保条項に基づくところの債権放棄と、それから破産をする場合、あるいは更生計画に入る場合、いろいろな点を比較検討すると、やはり債権放棄した方が国としての負担額はあるいは少ないのじゃないかというような考え方を持っておったのであります。しかし、おっしゃるように、このことに対しましての世論の動向もございましたし、またそごう自身からも、そのような瑕疵担保条項に基づくところの債権放棄ではなくして、民事再生法に基づくところの申請をいたしたいということを申し出てまいったので、それに従ったということであります。
○山口(富)委員 結局、国民の皆さんの批判の中心点というのは、特約に基づく買い戻しと債権放棄、いわば一民間企業の経営の失敗に対して国民のお金が使われてしまう、このことへの批判だったと思うのです。
 それで、この十月の二十五日にそごうの再生計画が発表されましたけれども、この結果、国民の負担は一体どういう規模に上るというふうに今判断していらっしゃいますか。
○相沢国務大臣 御承知のように、十月の二十五日に、民事再生法の適用を申請しましたそごうグループの二十二社のうちの十三社の再生計画案が東京地裁に対して提出されたのでございます。二十二社のうち十三社を引いた残る九社は、再生計画の提出を来年の二月の九日までに延期をしたわけでございます。
 そこで、一体どの程度の負担になるのかということが問題でありますが、その点に関しましては、一つは、今般、再生計画案が作成された十三社について、現段階で別除権の取り扱いが必ずしも明確でないこと。それから、再生計画の策定に至らなかった残りの九社については、再生計画案提出期限延長の申し立てを行っており、今後、再生が図られるか否かが現時点では明らかでないこと。それから、預金保険機構が行うことを予定していた債権放棄額九百七十億円は、そごうグループ三十八社をベースに、つまり全体をベースに算定されているのでありますが、今回民事再生法の適用対象外となっている十六社に係る債権の取り扱いが現時点は不明である。そういうようなことがございますので、現時点ではまだどれだけの金額になるかということを明らかに申し上げる段階にないということを御理解いただきたいと思うのであります。
○山口(富)委員 国民の怒りがこの点に集中したわけですから、大きく見積もって今はこのぐらいは考えなきゃいけない、そういう判断は国民への説明責任としても問われると思うのですけれども、どうでしょうか。お答え願いたいと思います。
 つまり、今答えられる状況じゃないというお話でしたが、今出されている中で、大枠でどの程度かという判断はお持ちだと思うのです。また、持たなければとても金融行政を担当できないと思うのですが、いかがですか。
○相沢国務大臣 それが申し上げられれば答弁もしやすいのでありますけれども、仮定の多い段階でありますので、余り数字を申し上げて後でまた狂うと、おしかりをこうむるといけませんので、ひとつ御賢察を願いたいと思います。
○山口(富)委員 それは、その場に応じての判断は当然ありますから、違ったじゃないかというう場合は、お互いに違ったということを確認して議論すればいいと思うのです。
 私は時間が限られておりますので、もう一つお聞きしたいのです。
 税金投入の直接の引き金になって国民の批判を浴びたのが瑕疵担保特約なんですけれども、今度新生銀行による解除権の行使を認めたわけですけれども、その瑕疵の責任、それから、一体なぜこういう瑕疵が生まれたのか、この点については今どのように判断されていらっしゃいますか。
○相沢国務大臣 それは、一つには、やはり処理を急がなければならないという事情にありましたこと、それからもう一つ、当時、代替的な措置として言われました十分な引当金を積むという方式、あるいは破産による方式、それらに比べて、やはり瑕疵担保条項の発動をして引き取るということが一番国としての負担が少ないのじゃないか、こういう判断によったものだというふうに思っております。
○山口(富)委員 今度の報告書の特徴の一つは、瑕疵の問題について一体なぜこういう問題が生まれたのかという、瑕疵担保特約が生まれたことではなくて、こういう間違いが、瑕疵の問題がなぜ生まれたのかということの評価と分析が全くないことなんです。
 以前のこの委員会では、たしか森さんの方から、再生委員会の資産判定に見立て違いがあったのだというお話もあったと思います。この問題でいいますと、国民負担を拡大する特約とセットになっている問題に、買い戻した債権の放棄の問題がありますので、私は最後にこの点をお尋ねしたいと思うのです。
 金融再生委員会は、買い戻したそごう向け債権の放棄を一たん決めましたけれども、この方針は、金融再生委員会の場合、以前は、一時国有化中の長銀や日債銀については、国民負担との関係で債権放棄に応じない方針をとっていたわけですけれども、その方針をとっていたことに間違いはありませんね。簡単で結構です。
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 特別公的管理の期間中につきましてのお尋ねかと思いますけれども、その際につきまして、特別公的管理銀行として債権放棄するかどうかということにつきましては、法的整理の段階に入った場合に債権放棄を認めておりました。
○山口(富)委員 そうしますと、預金保険機構が債権放棄をするという場合に、それ自体もやはり国民負担になっていくわけですから、一時国有化中の債権放棄と同様に直結していくわけですね、国民負担に。となりますと、一たんは、今おっしゃったように特別公的管理の銀行はだめだ、しかし預金保険機構の場合はいいんだ、そういう議論は矛盾するのじゃないですか。
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 再生委員会におきましてもいろいろ議論はいたしましたけれども、特別公的管理期間中の場合の債権放棄と申しますのは、最終的には特別公的管理のロスというのは、特別資金援助という形で国民の税金が直入される世界でございますから、債権放棄が国民の税金に直結するわけでございます。
 それで、今回の場合、民営化されまして、民営化された後、預保と新生銀行との契約の中に瑕疵担保条項がございまして、瑕疵担保条項に従って預保に戻ってきた。その戻ってきた債権については、預保からすれば、RCCも同様でございますけれども、いかに回収額を大きくするか、こういう観点での議論になるわけでございまして、その場合には金融再生法三条の第六号にございます国民負担最小化の原則に従って回収の極大化を図るという観点から、あの当時は、そごう債権につきましては、再建計画がしっかりしていることを前提といたしまして、債権放棄に応じるという預保の考え方を再生委員会として了承したわけでございます。
○山口(富)委員 費用の大小の問題ではなくて、公的資金により民間企業の債権を賄うということは許されないということなんです。費用最小化を見きわめる問題についても、皆さん方にその力がなかったことは、そごうの問題ではっきりしたと思うのです。
 私は、国民の厳しい批判にこたえて、公的資金の枠組みの問題についてもそれを凍結して再検討を行うこと、それから結果として新たな税金の投入となるようなことは一切行わないことを改めて求めまして、質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○萩山委員長 次に、植田至紀君。
○植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀です。長時間お疲れさまでございます。
 まず、日債銀関係で、日債銀の資産判定結果にかかわって何点かにわたってお伺いしたいと思います。
 再生委員会の報告によりますと、この日債銀の資産判定結果は、ソフトバンク等の企業連合に譲渡されるいわゆるマル適の貸付金関連資産が約四兆四百八十一億円ということになっております。ただ、その中には、適資産とするにはふさわしくないと思われるものもかなりの割合に上るのじゃないかと危惧せざるを得ないわけでございます。
 一説によるとといいますか、例えば八月二十五日の読売を見てみますと、いわゆる問題債権が一兆二千億にも上っている。そして、そのうちいわゆる破綻懸念先が約二千六百億円、破綻・実質破綻先が約八百億円とか八百六十億とか言われているという状況でございまして、そうしたものを合わせますと、一兆二千億の問題債権の中のいわゆる破綻懸念先及び破綻・実質破綻先が、大体トータルで三千四百から三千五百億円弱ぐらいあるのじゃないかとも言われるわけです。
 なぜ、こんな不良債権を適資産の対象と判定したのかということをまずお伺いした上で、続きまして、特に不良債権の融資先、読売でも幾つかの例を挙げておられるのですけれども、どうも見ていますとゼネコン、不動産会社、ノンバンクなど特定の業種に集中しているのじゃないかと推察せざるを得ないわけですけれども、実際そういうふうに現実問題、集中しているのかいないのか、いるとすればその理由は何かもあわせてお答えいただけませんでしょうか。
○相沢国務大臣 日債銀の資産判定につきましては、前国会でもしばしば問題として取り上げられておりました。ちょっと長くなりますけれども申し上げますと、金融再生委員会の告示として定められておる資産判定基準があります。その基準に従って個別の債務者の経営状況、財務内容等をもとに適切に行ったと我々は考えております。
 その際に、判定に際しましては、国有化された銀行が、債務者の特殊事情、これには特許取得とか保証などというものがありますが、そういう特殊事情に基づき将来の収益や債務履行の確保を見込んできておりまして、これらが合理的なものと見込まれる場合には、その事情も考慮して判定するものとしております。したがいまして、破綻懸念先以下の債務者であっても、この規定に従って適と判定した債務者もあったわけでございます。
 個別の貸出先の具体的な判定内容に関しましてはコメントを差し控えさせていただきますが、一般論で申し上げれば、多少繰り返しになりますが、親会社の保証とか優良担保により与信全額がカバーされているといったような条件を備えているところの債務者に対する債権については、これを適資産と判定しているわけでございます。
○植田委員 確かに、読売を見ましても、適資産と判定した理由で、例えば二年から五年程度で繰越損失が解消できる、優良保証、一般保証がある、親会社の支援が強固である等々、実際これはそれぞれ合理的な理由であるということは当然私も認めるわけですし、また、いわゆる不良・問題債権についても、善意かつ善良な借り手の保護の要請等々あるわけですから、適資産とする規定があるというのは再生委員会の告示の二号でもあるわけです。ただ、これら規定を無制限に援用するということは、正真正銘の不良債権等々を適資産化してしまう、そういう危険性がやはり大きいじゃないかと私は思うのです。
 いずれにしても、確かにそういう規定があることは私は承知しつつも、やはり一定のところで限度設定、歯どめをかけるべきなんじゃないかというふうに考えるのですけれども、再生委員長のお考えをお伺いしたいと思います。
○相沢国務大臣 資産判定の作業につきましては、これは私が就任する前のことでありますけれども、再生委員会において問題となる債権を一本一本について子細に検討した結果、その判定を行ったというふうに承知をいたしております。
○植田委員 ちょっとそれでは十分には我々は理解ができないのですけれども。少なくともこの点については、やはりどこかでそうした一定の基準がないことには、何ぼでも天井知らずになっちゃうのじゃないかなというふうに思います。
 それで、引き続きまして、特に今回の日債銀の譲渡資産にかかわっては、新生銀行がそごう向け債権で行った瑕疵担保特約と同様の問題がやはり起こる可能性が高いということを危惧せざるを得ないわけです。実際に瑕疵担保特約の履行に応じた事例等に関しては、これは国民の追加負担に直結する問題でもありますから、この種問題については可能な限りの情報開示を進めるべきではないかと思うのですけれども、その点についての御見解をお伺いできますでしょうか。
○相沢国務大臣 瑕疵担保特約は、日債銀の譲渡契約書で定める瑕疵担保条項に基づきまして、まず瑕疵があること、それから二割以上の減価がある、その要件が満たされたものにつきまして行われているわけであります。したがいまして、例えば二割に達しない減価のものはこの条項の適用は当然ないということでもございますし、果たしてそれだけの減価が瑕疵によって生じたかどうかということの判定につきましては、先ほど申し上げましたように、問題債権については一件一件再生委員会において検討した結果、結論を出しているということでございます。
○植田委員 では、ちょっとまた話は変わりますけれども、いわゆる早期是正措置の発動につきましては、金融庁は、市場への影響等々あるので、金融システム安定の観点から原則としては公表しないということは承知しておるわけですが、これは実際、ペイオフの解禁、我々としては与党のごり押しだと考えていますけれども、延長されたとはいえ二〇〇二年四月からペイオフが解禁されるわけですが、これは今回は待ったなしだろうと思うわけです。
 このペイオフ解禁に当たって、やはり預金者等が自己責任の原則を貫くというためにも、こういう早期是正措置に関する情報の開示については必須の条件ではないかというふうに考えるのですけれども、その点についての御見解はいかがでしょうか。
○宮本政務次官 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、確かに情報開示の必要性はますます高まってまいるというふうに存ずる次第でございます。
 ただ、早期是正措置等の行政処分の発動について、金融監督当局がそうした情報開示をするということになりますと、まだ生きている金融機関でございますし、また生かそうという金融機関でございますだけに、預金者等に不測の動揺を生じさせかねない、そんな心配があります。行政処分の目的である金融機関の自主的な経営改善努力というものをかえって減殺しはしないか、そういう可能性も非常に高いと思われるわけでございます。そういうことから、現在まで、銀行法第五十六条等によりまして官報告示が義務づけられているところの業務の全部または一部の停止命令、この場合を除きまして、早期是正措置等は原則として非公表というようなことになっておる次第でございます。
 ただ、こうした行政処分の公表の扱いにつきましては、今先生御指摘のように、行政の透明性の確保また預金者等への情報提供の観点から、確かにさまざまな御意見があることは十分承知しているところでございますけれども、金融機関の経営に与える影響等々を踏まえまして、公表についてはやはり慎重な扱いが必要ではないかというふうに考えている次第でございます。
○植田委員 今の御説明にもありましたけれども、早期是正措置等は証券取引法上の情報開示事項、ディスクロージャー事項なわけですよね。となりますと、上場している金融機関は結果的に行政処分の発動が明らかになるわけですが、一方では非上場の金融機関はそれは公表されない、そういうことも出てくるのじゃないかと思うのですよね。
 また、今、要するにそうしたものが全部明るみに出たらそれこそ大変だという話もありましたけれども、実際、この間、海外資本が積極的にそうした課題に対応しているのを見据えた場合、早期是正措置の発動が明らかになるということが即当該金融機関の経営に悪影響を与える、そういう図式はむしろ崩れつつあるのではないかと私は考えるわけです。逆に、発動されたという事実が外資等との提携や再編などによる自己資本回復のチャンスにもなるのじゃないかな、そういうふうに逆説的に考えてもいいのじゃないかと思うのですけれども、その点についての御見解をお伺いできますか。
○宮本政務次官 御指摘のように、これから国際化も進んでまいります。そういう意味では情報の開示ということをますます進めていくことが必要だというふうに考えてはおりますけれども、やはり早期是正措置の場合には、どうしてもそれが持つ影響、そして預金者等はやはり不安の方が先に立ってくるんじゃないかな、そういう段階にまだあるというふうに存じますので、十分先生の御意見は承知しますけれども、なお慎重に処していきたいというふうに思います。
○植田委員 慎重に検討していただくということなんですけれども、現在、そういうふうな矛盾を解消すると同時に、少なくとも早期是正措置に期待されている機能をよりフォローしていくという意味からも、やはり金融機関等に対する早期是正措置発動にかかわる情報開示は、ちょっとしつこく聞きますけれども、慎重に検討するのは結構ですけれども、やはり積極的に情報開示を行うという方向で慎重に検討していくべきだと思うのですけれども、その辺の御決意も含めてお伺いできますでしょうか。
○宮本政務次官 確かに、そうした御意見、十分拝聴いたしました。できるだけそうしたことも踏まえて検討させていただきたいと思います。
○植田委員 要は、もうそういう早期是正措置の発動が明るみになったからといって、そのことがすぐにマイナスの結果ばかりを生むとは限らないのじゃないかということでございます。やはりプラスのファクターも見てもいいのじゃないかというふうに思います。そういう意味では、これからの企業経営は国境を越えていくわけですから、午前中でしたかありましたが、別に日の丸が引き取らなくても、星条旗でも私は構わないと思います。そういう意味での国境を越える経済活動というものがなされるわけですから、そういう意味では情報の透明化というのは必要だと思います。
 さて、いわゆる千代田生命、協栄生命の破綻にかかわる問題の幾つかの点について続いて質問したいと思うのです。
 協栄生命また千代田生命、これらがいわゆる更生特例法を適用して受理されたわけです。申請についてはこれは二例目なわけですけれども、生命保険の連続大型破綻で、いわゆる生保の持っているセーフティーネットである契約者保護機構の破綻処理財源が再び枯渇する可能性が出てきたというふうなことはやはり深刻に受けとめなければならないと思うのです。
 これは午前中の再生委員長の御答弁でもありましたけれども、保護機構の破綻処理財源が、従来の四千六百億円から四千億円の公的資金枠の新設を含めて九千六百億になった。しかし、業界負担枠の五千六百億を使い切ってしまうということもやはり心配なんじゃないかな。そうなったらいよいよ公的資金、国民負担枠まで食い込んでしまうという危惧を私自身持っているわけです。
 相沢再生委員長の方では、二十日の記者会見では新たな生保破綻の可能性についてはこれ以外にないと述べておられますし、また午前中もこれ以外にないように祈るようなお気持ちということも吐露されておられますので、そういう祈りが通じましたら私自身御同慶の至りなんですけれども。ただ、そういう意味でこの総枠を使い尽くすというような非常事態は起こり得ようがないと私自身判断したいのですけれども、もう一度この私自身の認識に間違いがないという引導を渡していただければありがたいのですが、再生委員長お願いします。
○相沢国務大臣 生保の保護機構の財源は、再三申しましたけれども、九千六百億から東邦の三千八百を引いた五千八百億、その内訳は千八百億が業界負担、それから四千億が御案内のように国の負担ということになっているわけであります。これは五千億追加の話がありました際に、国が丸々交付国債で出してもらいたいという話がありましたけれども、それでは一般の国民の方の納得を得にくいから、業界もとにかくもう一応にも二応にもひとつ相談をして財源を出してもらいたいといって捻出をしてもらったのが一千億であります。四千億に関しましては、交付国債ではなくて補助金ということで、必要に応じてそれを支出するということで法律改正も行いました。
 したがいまして、今の業界の残った枠千八百で足らない場合には直ちに予算措置を行うことにいたしております。その形は、とりあえず資金繰りをつけておいて、そのしりぬぐいを補正でやるか予備費でやるか、その辺は技術的な問題でありますが、いずれにいたしましてもその点については運営に差し支えないようにいたしたい、このように考えております。
○植田委員 いわゆる公的資金枠といいますのは二〇〇三年三月までの時限措置ですよね。となると、それ以降のセーフティーネットがどのような仕組みになるのか、枠組みになるのかというのが見えてこない、そういう現状に保険契約者は置かれているのじゃないかと思うのです。
 そういう意味での不透明さの中に契約者が置かれている限り、やはり生保離れというのはどんどん進んでいく、そういう懸念を持たざるを得ないわけですけれども、こうした保険契約者の不安というものを取り除くために、当然業界のより一層の自助努力が求められていると思うのです。例えば、具体的に言うと、預金保険制度みたいに毎年保険料を徴収していくような恒久的なセーフティーネットの構築、やはりこうしたことが不可欠ではないのかなと私は思うのですが、御見解はいかがでしょうか。
○相沢国務大臣 おっしゃるように、保険会社のセーフティーネット、これは平成十五年三月末までの生命保険会社の破綻について、契約者保護のために設けられているところでございます。しかし、業界としての生保の保護組織につきましては、これでなくなったということではないのでありまして、やはり今後ともその情勢に対応できるようなことを当然考えていかなければならぬというふうに思っております。
○植田委員 具体的にどういうことを今お考えでしょうか。
○相沢国務大臣 私が申し上げましたのは、政府の補助の規定は平成十五年三月末までの生命保険会社の破綻について特例として設けられたものでありますが、それ以降におきましては、政府の補助はないけれども生保の保護機構というものは存続をするということであります。
○植田委員 それ以降も臨機応変に対応していただきたいと思います。
 この千代田生命、協栄生命の両保険会社にも見られるように、更生特例法の適用というのは、従来の保険業法に基づく破綻処理に比べて、損失が膨らむ前に早期処理が可能となるわけですから、支援企業が見つけやすいとかいう点、そういう意味では利点があることは私は認めるのですが、一方、マイナスの側面もあるのではないか。
 というのは、経営不振の生命保険会社が安易に自力での再建というものを放棄する、そして、更生特例法の申請を行うことで、約束したいわゆる予定利率の引き下げ、保険契約者の負担で保険会社の経営再建を図ることにつながりかねないのではないかという批判もあると承っておりますけれども、こうした指摘についての御見解はいかがでしょうか。
○相沢国務大臣 私は、その点については、やはり保険という企業を担当している経営者としましては、更生手続に入るというようなことは、大変にこれは残念至極なことでありますし、だから、予定利率の変更ができるから安易にそういうような道を選ぶという考え方を持つ人は、私はいないのではないかというふうに思っております。
○植田委員 再生委員長の認識のようにそれぞれの生命保険会社がやってくれれば、そういう心配はないわけでございますけれども。
 次に、金融問題にかかわって、私自身の問題関心を踏まえながら、幾つかお伺いしたいのです。
 バブルの崩壊以降、いわゆる土地というのが資産としての有利性を失われている、少なくとも金融機関が担保として徴取する比率は低下しているということは日銀レポートでも書かれてありましたけれども、特に金融機関において、そういう担保重視からキャッシュフロー重視へという審査体制の整備が本当に進められているのでしょうかという疑問が一つございます。
 同時に、これは大手の銀行だけでなく、いわゆる信金、信用組合に至るまでそうした取り組みが実際問題可能なのかどうなのかということも含めて、この二点、御説明、御答弁いただけますでしょうか。
○宮本政務次官 お尋ねの点でございますが、金融機関の役割は、適切なリスク管理を前提に必要なリスクテーク、これも行ってもらわなくてはいかぬ、そして、資金の仲介者として経済活動に必要な資金を安定的に供給していってもらう、こういう役割が期待されておるわけでございます。
 各金融機関がこうした役割を果たすためには、不動産等の特定の担保のみに依存するということがあってはならないので、与信先について、今言われたようなキャッシュフローの問題であるとか、あるいは財務状況または資金の使途、返済財源等、そういった意味で、的確に正確に信用の格付というものを総合的にやっていってもらわなければいけないというふうに思うわけでございます。
 このためには、やはり適切な審査管理体制というものの確立が必要であり、また、審査制度の向上というものが必要でございまして、そういう意味で、金融当局といたしましても、検査それから監督権限の適切な行使を通じまして、こうした審査体制の強化、各金融機関の努力というものを推進し、経営の健全化に努めるように努力してまいっておる次第でございます。
○植田委員 当然ながら、土地を担保に頼ってバブルを再現するようなことは避けるべきだと考えるのですけれども、土地担保に頼らず企業を審査する、そういう審査能力を強化しない限り、やはりなかなか大変なのではないか。
 例えば、特に優良な中小企業に対する資金供給に懸念が出てくるというふうな不安は当然あると思うのです。ですから、例えば特許など、知的所有権などの無体財産権担保の活用等々、金融機関の健全性を一方で保ちながら積極的な与信を行える仕組みというものがこれから考えられるのではないかと思うのですけれども、その点についてはいかがですか。
○宮本政務次官 確かに先生御指摘のように、そうした角度での審査能力というものが、これからの二十一世紀の日本の経済を支えていく金融の役割として非常に大事だと思いますし、今御指摘のような点については、さらに努力をしていただきたいというふうに思っております。
○植田委員 BIS規制の見直しが行われるというふうに仄聞しておるのですけれども、もし見直された場合、今後の金融機関の経営に与える影響がどういうふうに考えられるのかということをまずお伺いしたい。
 規制の変更の方向性いかんでは、もちろんこれは非常に大きな影響を与える。特に、地銀、第二地銀、信金、信用組合等々に与える影響等についてはどのようにお考えか、お伺いできますでしょうか。
○宮本政務次官 BIS規制の見直しに関しましては、昨年六月のバーゼルの銀行監督委員会におきまして、市中協議といいますか、パブリックコメント、これが公表されております。
 当該文書に示されている見直し案、これを見ますと、自己資本比率の計算に当たりまして、銀行の保有する資産のリスクの違いというものをもう少し細かく見ていこうという内容になっております。このBISの見直しでございますが、貸し出しの中でも非常に内容のいい貸し出しとよくない貸し出しというふうなもの、これはやはりある程度ウエートをつけて計算の中にカウントしていこうというふうな中身でございます。
 そういった文書に基づきまして、バーゼルの銀行監督委員会では、現在具体案の検討を進めておりまして、また、個別の銀行に対する影響の度合い、各行の資産概況等々異なってくるわけでございますので、影響は一概に言えないわけでございます。
 ただ、一般論として申し上げますと、今回の見直しは、銀行実務の進展に合わせてリスクを計測する計算手法というものを精緻にするわけでございますだけに、影響はあるとしても、邦銀の業務全体から見ますと、それほど大きな影響はないと見ております。ただ、地銀、それから第二地銀等々、そういった銀行の態様によりましては若干の影響が出るかもしれませんけれども、概して大きな影響にはならぬ、こういうふうに見ております。
○植田委員 ちょっと今のお話はよくわからないのですけれども、若干の影響が出るかもわからないし、影響がないかもわからない……(発言する者あり)今どっちなんだよという声も聞こえておりますが、どっちなんでしょうか。
 一言だけで結構です。時間がないので、もう一問だけ質問を用意しているので、一言だけで結構です。
○宮本政務次官 地銀それから第二地銀につきましても、このたびのバーゼルの見直しの影響は大きくないと見ておりますので、私の発言、若干訂正させてもらいます。
○植田委員 もしあったときはまた伺うことがあるかと思いますが、時間がありませんので、最後に一点だけお伺いして終わりにしたいのですけれども、金融機関が経営の健全化を志向して再建をしていかなければならない、それはそれで大切なんですけれども、経営の健全化を志向する余り新しい貸し渋りを招くような事態になってはならないと思うのです。そういう意味で、特に健全優良な中小企業に対する資金需要にこたえられないような事態が、経営の健全化を志向する余り大きな問題になるというのはちょっと困るのじゃないかなと私は思うのです。
 私ども社民党では、従来から金融機関というのが地域経済の活性化に貢献すべきだという観点で、特に地域全体の需要にこたえていくために、アメリカの連邦法では中低所得者層や中小ビジネスベンチャー企業などへの公平な融資を金融機関に義務づけるような仕組みもあると伺っておりまして、日本版のそういう地域再投資法の制定というものを常々提唱しているのです。地域への貢献という観点と機関の健全を両立させるという配慮がそういう意味で必要ではないかと私は思うのですけれども、最後、その一点だけお伺いして終わりたいと思います。
○相沢国務大臣 今お話しのCRAですか、コミュニティー・リインベストメント・アクト、このことにつきましては、私もまだ不勉強で十分に承知をいたしておりませんが、非常に貴重な示唆のように存じますので、また検討をさせていただきます。
○植田委員 終わります。
○萩山委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十三分散会