第150回国会 農林水産委員会 第5号
平成十二年十一月九日(木曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 宮路 和明君
   理事 岸本 光造君 理事 西川 公也君
   理事 二田 孝治君 理事 松下 忠洋君
   理事 筒井 信隆君 理事 鉢呂 吉雄君
   理事 丸谷 佳織君 理事 一川 保夫君
      逢沢 一郎君    石破  茂君
      今村 雅弘君    岩倉 博文君
      金田 英行君    木村 太郎君
      北村 直人君    熊谷 市雄君
      小島 敏男君    後藤田正純君
     田野瀬良太郎君    中本 太衛君
      浜田 靖一君    福井  照君
      松岡 利勝君    森山 眞弓君
      安住  淳君    岩國 哲人君
      後藤 茂之君    佐藤謙一郎君
      津川 祥吾君    永田 寿康君
      長浜 博行君    楢崎 欣弥君
      山口  壯君    東  順治君
      山名 靖英君    高橋 嘉信君
      中林よし子君    矢島 恒夫君
      菅野 哲雄君    山口わか子君
      金子 恭之君
    …………………………………
   農林水産大臣       谷  洋一君
   農林水産政務次官     石破  茂君
   政府参考人
   (厚生省生活衛生局長)  西本  至君
   政府参考人
   (農林水産大臣官房審議官
   )            永村 武美君
   農林水産委員会専門員   和田 一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月九日
 辞任         補欠選任
  熊谷 市雄君     木村 太郎君
  後藤田正純君     中本 太衛君
  三村 申吾君     山口  壯君
  漆原 良夫君     東  順治君
  松本 善明君     矢島 恒夫君
同日
 辞任         補欠選任
  木村 太郎君     熊谷 市雄君
  中本 太衛君     後藤田正純君
  山口  壯君     三村 申吾君
  東  順治君     山名 靖英君
  矢島 恒夫君     松本 善明君
同日
 辞任         補欠選任
  山名 靖英君     漆原 良夫君
    ―――――――――――――
十一月九日
 遺伝子組換え食品のすべての原料表示の義務化等に関する請願(生方幸夫君紹介)(第一一二七号)
 同(水島広子君紹介)(第一一二八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 農林水産業の振興に関する件(畜産問題等)
 平成十三年度畜産物価格等に関する件

    午前九時一分開議
     ――――◇―――――
○宮路委員長 これより会議を開きます。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産大臣官房審議官永村武美君及び厚生省生活衛生局長西本至君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○宮路委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○宮路委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。丸谷佳織君。
○丸谷委員 おはようございます。公明党の丸谷佳織でございます。どうぞよろしくお願いします。
 時間が短いので、早速質問に入らせていただきたいというふうに思うんですけれども、酪農王国北海道にとりまして、ことしという年は、口蹄疫の発生あるいは雪印の事故で、非常に酪農家にとって大きな打撃を受けた一年だったというふうに思います。
 そこで、十三年度の加工原料乳生産者補給金単価等についても、非常に酪農家の皆さんは注目して見守っているわけなんです。まず、口蹄疫に関しましては、今後、本委員会でも審議される予定になっておりますけれども、家畜伝染病予防法の審議を早速に進めていただいて、ぜひ酪農家の皆さんに安心をしていただきたいというふうに思っております。
 また、雪印の事故については、消費者の皆さんには非常に大きな不安また不信を植えつけたこと、この原因はずさんな加工乳の製造にあったわけなんですけれども、現在、九月にまとめられています対応策ですとか、あるいは今後は牛乳表示の明確化等、いろいろな努力を払っていただいております。企業の方も信頼回復に努めている途中なんですけれども、実際に北海道の現状を見てみますと、配乳調整は非常にうまくいきましたので、余剰乳といった心配もなかったというふうな声も聞いておりますし、また、本来、生乳のものを加工乳に回されたことによる手取りでの不安もないというような説明を受けているわけなんですけれども、生産者側にとって、今回の雪印の事故によっての悪影響がないのかどうか、この点をまず最初に確認させていただきます。
○永村政府参考人 お答えをいたします。
 雪印乳業の食中毒事故に伴いまして、牛乳は毎日生産をされるわけでございますから、本来雪印の工場に仕向けられておりました生乳を他のメーカーの工場に配乳変更しなければいけない、これは当然、事故発生直後から緊急な対策が必要とされたところでございまして、先生御指摘のとおりでございます。
 私ども、事故発生に伴いまして、生乳生産者団体、さらにメーカー、これらが一体となりまして、円滑な配乳調整、配乳変更、あるいはその配乳変更によって、輸送距離が長くなることに伴って経費がかかり増しになります。あるいは場合によっては、本来、飲用乳に回るべきものが加工乳に回って単価が落ちてしまう、こういうようなことにつきましては、事故を起こした責任者として、雪印乳業がきちっと誠意を持って対応するようにまず指導してきたところでございます。特にこの配乳の変更につきましては、先生からも御指摘されたとおりでございまして、非常に順調に推移をいたしました。
 さらに、今回の事故の一つの結果といたしまして、飲用の需要が反転上昇して、非常に好調になっておる、こういうこともございまして、私どもが懸念をしておりました加工仕向けが大変ふえるとか、そういったことは現実に今起こっておりません。したがいまして、酪農家に対する悪い影響というようなものは、現在のところほとんど認められていないという現状でございます。
 しかしながら、この事故によりまして、消費者の中には牛乳・乳製品に対する信頼をいささか落とされたというような向きもある可能性が強うございますので、私どもは、まず乳業メーカーに対しまして、製造工場の衛生管理、あるいは一たん事故が起きたときの危機管理について指導徹底をしておりますし、さらにまた、一般論として、牛乳・乳製品というものは非常に安全で、衛生的に消費者に供給されているんだ、こういうことを消費者なり販売店に対して周知の徹底もいたしております。
 さらに、もちろん、従来から申し上げておりますように、カルシウムを大変豊富に含んでおる等々、牛乳・乳製品が食品の中でも栄養面で非常にすぐれている、こういったことも消費者に従来にも増してしっかりした形でPR活動を展開したい、かように考えておるところでございます。
○丸谷委員 酪農家には悪影響は出なかったという御答弁なんですけれども、実際には小売店等、少なからず影響が出ておりますので、業界全体の信頼回復に努めていただくような御指導、監視体制をしっかりとしていただきたいというふうに思います。
 では、次の質問に移らせていただきます。
 現在、余剰バター、これは業務用を中心に消費の方が低迷し、在庫が過剰であるというような状況なんです。当然、これを克服するために、消費を拡大するための対策を強化していく必要があるんですが、同時に、価格的にバターと競合するような形になっておりますハイファットチーズ、これはバターの在庫過剰の一因ともなっているということから、このハイファットチーズの関税分類の見直しにつきまして、国際協議の場で、日本の立場を明確に、また強く主張していくべきだというふうに思うんです。この点についてはいかがでしょうか。
○永村政府参考人 お答えをいたします。
 御指摘のとおり、このハイファットクリームチーズなるものは、チーズという名称がついておりますけれども、製品の性状、成分等々から、これはチーズではなくバター類似乳製品であるという私どもの主張が、去る三月、HS委員会で認められたところでございます。
 しかしながら、ルール上、異議申し立てが可能になっておりまして、主要な輸出国でございますオーストラリアの方から異議申し立てがなされた結果、再度このHS委員会で協議をすることになっております。
 今のところ、今月下旬に開催をされる予定でございますが、私ども、三月以降、HS委員会のメンバー国に対しまして、さらに私どもの主張を強く支持していただけるように働きかけを行っておりますので、三月と同様の結論が得られますように最大限の努力をしたい、かように考えております。
○丸谷委員 これからWTO交渉も始まりますし、日本の農業としまして、しっかりとした体制で、また力強い主張を繰り返ししていただけるようお願いいたします。
 次ですけれども、平成十三年度より、加工原料乳生産者補給金単価のあり方が変わりまして、初年度となりますこのたびの単価決定というのは、将来の畜産経営、ひいては我が国の農業にとって非常に重要だというふうに認識をしております。
 そこで、実際に酪農経営の所得というものがどうなっているのかというところを、いま一度きちんと認識しておくところから始めなければいけないと思うんです。数字で見てみますと、北海道一戸当たりの所得は、酪農家、年間で九百五十五万八千円、勤労世帯では年間六百四十六万一千円、酪農家世帯が高額所得のように見えるわけなんですけれども、実際に、酪農というのは家族で労働していらっしゃいますので、所得を専従者有業人員で割りますと、酪農では一人当たり年間三百九十八万円、勤労世帯では四百十七万円、酪農家の年間所得というのは一人当たり低くなっているという現状です。
 そこで、こういった数字を含めながら、労働時間、そして一人当たり所得を勤労世帯と比べ、単純に比べるのは難しいかと思うのですけれども、政府としまして、酪農家における労働対価として、現在の酪農所得というのをどう認識していらっしゃるのか、この点をお伺いします。
○永村政府参考人 酪農家の所得につきましては、今先生おっしゃったとおりでございます。全国一戸当たりの平均で見ますと、七百五十万から八百万程度、中でも、北海道につきましては九百五十万から一千万程度で、ここ数年、安定的に推移をしております。ただ、おっしゃるとおり、従事する人員が酪農と勤労世帯では違いますので、一人当たりにすると、先生御指摘のとおり、大体年間で二、三十万の差が出るわけでございます。
 ただ、私ども、この勤労者と酪農の業務の実態をダイレクトに比較するというのはなかなか難しゅうございます。しかしながら、いずれにしても、酪農家におきまして、生産なり経営管理技術なりを少しでも高度化して、生産コストを下げたり乳量を上げたりすることはもちろんでございますけれども、ゆとりのある生産、経営、特に最近の労働時間の問題、これは酪農は大変多うございますので、ゆとりある生産性の高い経営を目標に、私どもはいろいろな施策を展開してまいりたい、このように考えているところでございます。
○丸谷委員 今労働時間の短縮というお話が出ましたけれども、酪農ヘルパー制度の利用の拡大が現在図られていますね。本年度よりは酪農ヘルパー利用拡大推進事業というのも行われていますが、中には、非常にデリケートな仕事であるがゆえに、人に任せるのは不安だと、制度の利用に二の足を踏んでいる方もいらっしゃるわけなんです。
 このヘルパー制度の活性化のために、ハード面や制度の充実はできたのですが、ソフト面での充実をもっと図っていくべきではないかというふうに思います。例えばヘルパー研修の充実、いわゆるマンパワーの充実というものにもっと力を入れていかなければいけないかと思います。
 と同時に、病気あるいは事故など、傷病時に酪農ヘルパーを利用しやすくする酪農ヘルパー傷病時利用円滑化特別対策事業というのを今後も継続、そして拡大していただきたいという声が非常に多いのですが、この点についてはいかがですか。
○永村政府参考人 お答えいたします。
 先生おっしゃいましたとおり、傷病時利用円滑化特別対策事業、これは十二年度で一応終期を迎えることになっております。ただ、これまでもこの事業を利用された酪農家はかなりの数に上っておりまして、平成十三年度からどういった形にするか、その継続の仕方も含めて、現在検討を行っておるところでございます。
○丸谷委員 これについては非常に要望する声が多いので、ぜひ前向きな検討をお願いしたいと思います。
 時間もなくなってまいりましたので、次の質問に移らせていただきます。平成五年度より措置をされていますいわゆる畜特資金についてなのですが、これも本年度で終了する予定となっております。規模拡大など投資型負債の償還が現在困難だというふうになっている中、酪農、畜産経営の経営改善を図っていくために、ポスト畜特資金ともいうべき制度、例えば、残高一括償還資金の創設など、これも前向きに検討していただけないかどうか、この点についてお伺いします。
○永村政府参考人 お答えを申し上げます。
 畜特資金、先生御指摘のとおり、これも今年度で一応の事業の終期を迎えることになっておりますが、これまでも、養豚と大家畜経営に対しまして二本立ての、通常、負債整理資金と呼んでおりますが、今まで借りたかなり金利の高い資金を、長期で低利の資金に借りかえる制度でございますけれども、これも大変数多くの畜産農家に利用されてきております。
 ただ、その利用額あるいは利用戸数につきましては、少しずつ減少してきておる。要すれば、負債が大変多い農家が少しずつ減っておるということで、この事業は大いに効果を上げてきたところでございまして、平成十三年度以降、この養豚と大家畜の負債整理資金、畜特資金をどうするか、これも現在、中身について、継続も含めまして、どういった形にするのか、検討しておるところでございます。
○丸谷委員 実際に、非常に利用度が高い、また利用範囲が広いということは、酪農家の皆さんにとって非常に喜ばしい制度だからより多く使われているという結果なのだと思うんですね。
 今御答弁をいただきましたけれども、負債が減っているというような認識で、額面を見るとそうなのかもしれないのですが、実際に酪農家の皆さんにお話を聞いてみますと、北海道は特に大規模化を図ってまいりました。その中で機械を導入して、飼育頭数もふやす。そうなれば、機械化によってだけ単純に労働時間が減るというものでもありませんし、大規模化になって経営が安定すれば、また労働時間が減れば、それだけ負債が減っていく、そういう単純なものでもない。
 実際の声としましては、ある方から聞いたのは、働けど働けど、年間ずっと毎日働けど、なかなか所得がふえたという実感がない、また、非常に負債が多くて、それが困っているという声もありますので、本当に酪農家の立場に立って、喜んで使っていただけるような制度はやはり充実、また継続していただかないと困るというふうに思っております。
 以上のことを述べて、質問時間が終わってしまいましたので、要望も含めて短い質問でしたが、終わらせていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○宮路委員長 次に、鉢呂吉雄君。
○鉢呂委員 民主党の鉢呂吉雄でございます。
 きょうは、谷洋一農水大臣に、日本の畜産も含めて農業関係について御意見を賜りたい、このように考えておるところでございます。
 ゆうべは、アメリカ大統領選挙、決着がつくかとずっと見ておったのですけれども、最終的に、フロリダ州の投票を再点検するということで、決定されなかったわけであります。今の投票行動でいけば、ブッシュ大統領が誕生するという形になるのだろうと思っておりますけれども、どちらがなっても、対日外交なり貿易交渉はそれほど違いがないのかなというふうな感じも承ります。
 まず最初に、谷大臣に、アメリカ大統領選挙、ブッシュ大統領が誕生という形になりますと、WTOの農業交渉なり、あるいはまた日本に対する農業分野での関係にどのような影響があるか、この点についてのお考えをお聞きいたしたい、このように思います。
○谷国務大臣 大変難しい質問だと思うのですが、評論家的な表現もできかねますし、また、私の立場で、そういう評論家的な視野から説明申し上げるのはいかぬと思っております。
 そこで、両陣営のどちらがお勝ちになりましても、個人的な見解ですが、対日政策には大きな変化はなかろうと私は思っております。しかし、そういいながらも、政策の変化は、両陣営における変化は多少はあるのではなかろうか、こう考えております。けれども、我々農林水産省におきましては、WTOの関係についての考え方がどうだろうと思うのですが、報道機関が選挙期間中に報じておるところを考えますと、さほどの大きな変化はないような気もいたします。
 しかし、それでは政権がかわったことにはならぬので、もし政権がかわるとすれば、やはり多少の変化があるのは当然だと思いますし、政権は、同じ党が大統領に就任なさったと仮定いたしましても、多少の変化があることはあるのではなかろうかと思っております。
 そういうことでございますので、今ここで、アメリカの大統領がかわったから、あるいは同じ政党の方がなられたからといって、我々が論評するというところまではちょっと早いのではないかと思っております。
○鉢呂委員 ブッシュ大統領が誕生すれば、政治的には、日本を重視する、いわゆる同盟関係を重視した政治、民主党よりはそういう関係になるだろう。また一方、貿易関係で見れば、ゴア大統領は労働組合にも支えられておるということで、ゴアさんが誕生した場合、環境だとか労働の問題が今WTOで大きな問題になっていますから、そういうものの基準を設定する。発展途上国に対しても、労働、環境といったものの基準を持ちながら、いわゆる多角的貿易交渉というものについても立ち上げはなかなか難しいのではないかというふうなことが言われております。
 その辺を日本として、二人の大統領といったものがどういう取り組みの違いになるのか、相当慎重に見きわめて、今のところブッシュ大統領の線が私は強いと思います、外国からの投票行動とか、いろいろなことが言われていますけれども。いずれにしても、日本として、この大統領によってどういう動き方になるのか、農林水産大臣としても、相当その方の分析をしながら対応することが必要でないかなというふうに思っておるところでございます。
 さて、それでは、今国会冒頭、九月二十一日に、森総理大臣の所信表明が実はあったところであります。IT、ITという言葉が並んで、多彩な言葉はあったのですけれども、残念ながら、私もずっと聞いておりまして、農業、林業、水産に関する文言があるのかなというふうに本会議を聞いておったのですけれども、後の議事録を見て、ようやく、本当に一言、農林水産業と農山漁村の新たな発展に引き続き力を注いでまいります、この一言でございました。
 私は、総花的な演説をするということをよしとはしないと思います。しかし、これだけの文言で森内閣として農林水産関係を片づけられたことに極めて残念な思いでありますけれども、農水大臣としてどのように今考えるのか、どういう観点でこの一言だけであったのかを含めて、これは重要なことでありますから、お聞きをしておきたいと思います。
○谷国務大臣 先ほど私の方からお話ししましたことに対しまして、非常に弱い立場というか、声が小さいような感じの発言も番外からございましたが、私は、きょう評論家的な立場で申し上げることは差し控えるという意味のことを言っておるのです。
 そういうことでございますから、私は、評論家的な立場では言えない。また、今の場合、そういうことを論ずることがいいだろうか。政権になられた方の発言を見て、我々がそれに対する考え方を言うことはあり得ることでございますが、今から予測することは難しいだろう。そして、大統領選挙に、私も現場に行ったわけではございませんので、報道機関の報道だけを見て言うわけでございますから、そこまでは控えておきたいというのが私の率直な気持ちでございました。
 今御質問の問題につきましては、総理の臨時国会における発言を見ましたら、IT問題に関する趣旨と比べますと、字句は短い趣旨でございますけれども、端的に我々農林水産省が考えておることをおっしゃったというふうに私は思っております。
 ですから、その方向は、我々が新しい農業基本法で自給率を高めたいという気持ち、その気持ちがにじみ出ておるのじゃなかろうか、私はそう判断したわけでございます。
○鉢呂委員 森内閣、二十一世紀のかけ橋になるんだ、二十世紀最後の臨時国会として、こう冒頭切り出して、日本の二十一世紀への新生、新しく生まれる、その政策はいわゆるIT戦略である、こう述べたわけであります。教育改革、さまざまなこともおっしゃいました。しかし、二十一世紀、本当に何が問題であるのかといったことを考えた場合に、単にITだけで日本の情報革命を通じれば何か花を開くというものではない、もっとさまざまな、大きな、地球規模的な、あるいはこれまでの私たちの生活の根本に迫るものが降りかかってきておるのではないかという思いさえするわけであります。
 そういう中で、いわゆる農山漁村ですとか農林水産業というものをどのように考えるのか、これはやはり政府全体あるいは国民全体を挙げて考えるべき重要な課題である、私はそういう思いさえするわけであります。
 さらに具体的に、これはもう言い古されておりますけれども、その新生策の具体策、四つ挙げていますね。IT革命による飛躍的な情報革命、もう一つは環境問題への対応、三つ目は少子高齢化対策、そして四つ目が便利で住みやすい町づくりなどの都市基盤整備、この四つを大きな戦略として挙げ、補正予算もあるいは来年度の通常予算もそういう形で進められようとしておるわけでありますけれども、私は、必ずしも、この四つの中に農山漁村というのをどういうふうに入れ込んでいくのか姿が見えない、このように考えますけれども、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○谷国務大臣 私は、政府の姿勢といたしましても、新しい農業基本法を昨年つくりまして、その基本方針を決めておるわけでございますから、自給率を高めるということが我が国の農業の足腰を強くするということであり、それが独立国としての本当の日本の姿だ、こう考えております。
 そして、次の国会では水産業の新しい基本法をつくるという建前で頑張っておりますし、引き続き、一番混迷をきわめております林業問題にも一つの活力を与えなきゃならない、そのための基本法をつくろうとしておるわけでございますから、今の政府の考え方としての基本方針として、食料問題あるいは農村問題、山村問題、漁村問題という言葉で表現されなくても、私どもは、はっきりとこの問題についての大きな視野がある、こう考えております。
○鉢呂委員 先般といいますか、七月四日の第二次森内閣で御就任されました谷洋一大臣の就任あいさつ、私、お聞きをいたしました。原稿を見ないで、非常に迫力のある演説であったというふうに高く評価をさせていただくところであります。
 議事録から見させていただきまして、今日の日本の農業、水産、林業の情勢を考えますと、危機的状況にあると思えるほど厳しい段階ではないかと思っております、こういう表現があるわけであります。非常に短いわけでありますけれども、危機的な状況というところに、私は大臣の思いが入っておるなというふうに思います。
 自給率についても、至難な問題かもしれません、国民の理解と農家の意欲を燃やしていただくこと、これが必要だというような表現で、今大臣がお話をされた自給率についても敷衍をされ、そして来年の通常国会に、水産そして林業の抜本的な基本法の改正案あるいは制定するものを、水産については新しいものをつくっていきたいという表明をされておるわけであります。
 実際のところ、危機的な状況は共有はできると思います。しかし、それを具体的にどのように乗り越えていくのか。今回の農地法改正案でも、大臣のさまざまな御発言がございました。むしろ積極的に大臣が発言を、答弁をする姿をかいま見させていただきましたけれども、その危機を乗り越える具体策というものをどのように出していくのか、ここが今一番問われておるわけだと思います。
 その点について、大臣、考えがありましたら、まずお聞かせ願いたいと思います。
○谷国務大臣 私は、先ほども、農政におきましては、いわゆる食料の自給率を高めるということを強調いたしましたけれども、それは反面から見ますと、それぞれの問題、例えて言えば、本日の畜産の問題にいたしましても、酪農問題、肉用牛の問題あるいは養鶏、鶏卵の問題等々、そういう問題を討議すること自身、そして、それを振興させること自身が自給率に影響するわけですし、自給率を向上させるためには国民全体の意識改革が必要じゃなかろうか。
 ただ輸入して、目に映るおいしいものを食べたらいいんだということでなしに、栄養源であり、しかも新鮮で本当に栄養になるという考え方で食べる問題と、目に触れて美しい、きれいだというふうな意味で食べるのと、大分消費者の嗜好も変わってきた。
 しかしながら、消費者の嗜好を変えて、本当に今国民の皆さん方の、体位の向上という言葉が古い言葉であっても、新しい言葉なんです。その新しい言葉に対しまして、食料というものが要求どおりになっておるかというと、私は、思うようになっていないという面もありますから、きょうの畜産問題で論議されること自身が自給率の向上に役立つということでなければならないし、そういうことを考えると、やはり農政全般が一致して食料自給率の向上ということに努力することが一番大事だ、こう思っております。
○鉢呂委員 もちろん、国民の意識の涵養といいますか、大事だと思います。この大臣の発言は、そのように受けとめておりました。しかし、それだけではなかなかうまくいかない。私は、三つぐらいあるのではないかと。
 一つは、新しい基本法ができる前後にしても、いわゆるウルグアイ・ラウンド合意後、輸入がさらに急増しておる、野菜なんかはもうその象徴でありますし、米なんかもミニマムアクセスをどのように考えたらいいのか、国会でも政党でも論議せざるを得ないような状況になっておる。ですから、このWTOにおける農業交渉というものについては、やはり政府がやるわけでありますから、それをどのように考えていくのか、極めて大事だ。
 きょう、この場で全部を話すわけにはまいりませんけれども、しかし、日本政府がずっと一連で出しておる日本の考え方というのは、非常に様子見といいますか、文言でいけば、配慮してとか柔軟な対応を求めるとか、必ずしも日本政府のしっかりした考え方が打ち出されておらない。もちろん、多数派工作も必要です。あるいはアメリカに、攻撃の矢面になっても困るというようなことも、それこそ配慮されているのでしょう。
 しかし、やはりもっと骨太の日本政府のWTO農業交渉における対応というものが本当に求められておるし、きちっとした具体的な方向を国民全体の合意のもとにそれを行える、そういう国民合意をきちんとつくる必要がある、それがまだまだ私どもは足りない。いろいろインターネット、ホームページを開いて意見をとっているとか、あるいは農業界の意見をとっているとかありますけれども、全体を客観的に見ますと、まだまだそこは足りないのではないか。そこをどういうふうに大臣としてつくり上げていくのか、ここが一番大事だというふうに思います。
 それから二つ目は、今のさまざまな市場価格に移行して、価格政策、所得政策、経営安定対策というものがつくられてきておりますけれども、米を初めとして必ずしも農家経営に万全なものとなっておりません。これをどういうふうにするのか。畜産もそういう形でまだ実施はされておりませんけれども、それをどのようにしていくのか、そこも極めて大事だ。
 相当多額の予算をつぎ込んでおります。この二、三年を見てみますと、与党の政治行動というのは、私は、農林水産大臣の顔が見えない、指導性が見えない。これは、谷大臣という形ではなくて、政党と団体が合意をしてつくり上げる。予算は一千億とか何千億という金を、今の財政が、財政出動ができないにもかかわらず、言ってみれば、湯水のように使うという手法が、まかり通っていると言ったら言葉は悪いのですけれども、それは長くは続かないのではないか。そういうものを考えたときに、どこに一番効果的なものがとれるのか、そこのところが、必ずしも今の政府・与党の段階でも真剣に考えた姿になっておらないのではないか、こう私は思わざるを得ません。
 具体的には後でお話をしますけれども、もう一つは、やはり環境という視点に立ってどのように具体的なものを政府が打ち出していくのか。環境という視点、多面的な機能ということを盛んに言葉としては対外的にも言っておりますけれども、具体策として、この農業政策なり、林業なり水産の施策に、多面的な機能、環境も含めたいわゆる経済行為以外の機能を入れたものを入れていくのか。
 ちまたでは、私どもの議員も、四五%の自給率なんというのは、厳しいどころか達成できないと。この一、二年の状況を見ても、さらに自給率は下がっておると言わざるを得ないような状況ではないでしょうか。ですから、四五、その中身の子細を、畜産だけとってみても、乳製品なんかでも七〇のものを七五に上げるということです。牛乳の生産量というものも極めて積極的に見ておるわけでありますけれども、必ずしもそういう状況になっておりません。
 まだ、きょうの諮問案というのを私どもは手に入れておりませんけれども、加工原料乳の限度数量も十三万トン減という形で諮問するかのように聞いております。積極的に牛乳生産を伸ばそうとしておるその初年度目に、限度数量を減らさざるを得ないということ自体、大臣として、真剣に考えたもので、自給率向上という視点から、十年のうちに一千二、三百万トンの消費、そして、七五%になる生乳生産をしていけるという説得性のあるものを打ち出す必要があるのではないか。
 そういう観点からいきますと、大臣が言うところの危機的な状況であることは、だれでも一致するのですけれども、もっとそこを乗り越える具体的な政策をやはり提示していただきたい。下手をすれば、都市生活基盤の充実を一番の柱、四つのうちの一つに入れただけに、都会と農山漁村の対立の構造に、政治的にも社会的にも国民的にもしてしまう可能性が強い。
 今回の衆議院選挙でも、私ども民主党は、都市部では大躍進したと言われておりますけれども、農山漁村では必ずしもそういった状況ではありません。しかし、そうだからといって、与党の皆さんが勝った原因も、農山漁村についての骨太の政策が理解をされたというふうには思いません。そうであるからこそ、都市と農村の対立でない、国民全体に理解をしていただける政策を、今こそ用意しなければならないだろう。私ども民主党もそういう考えに今立っておるわけでありまして、そこを大臣として真剣に考えていただきたい。
 先般の新聞によっても、農業、農村を考える視点はさまざまあるんだけれども、与党はそれに金をばらまいて、その見返りに票をいただくというような政治構造では、なかなか日本の農山漁村は結果的によくなっていかないのではないかという視点を打ち出しておりました。そこをやはり真剣に考えなければならない。財政状況もこういう状況でありますし、本当に何が効果的であるのか。それは農業団体、農協全体、票欲しさからいけば、全部にばらまきをするような形であれば大変結構かもわかりません。しかし、そうはなかなかならない。
 同時に、この前も出ておりましたけれども、米でも、四人に一人はスーパーマーケット、同時に四人に一人は縁故米というか親類、兄弟から、親からお米をただでもらっておるというこの消費構造。しかし、そこでやはり一番困るのは、大規模の専業稲作農家が経営安定対策でもどうにもならない状況。普通の一般紙でも、こういう形はやはりもう乗り越えなければならないと。専業経営も育成できないような今の施策では、もう限界に当たっておるのではないか、ここを切り抜ける大臣としての指導性が問われておるのではないかな、私はそう思うわけでありまして、御所見をお伺いいたしたいと思います。
○谷国務大臣 非常に多岐にわたるお話がございましたが、私が先ほど自給率の向上ということを申し上げましたのは、消費者の皆さんというのが、四十年、五十年前でございましたら、都市は消費者、農村は生産者、こう言っておりました。しかし、今は農村といえども、まあわかりやすく言えば、みそやしょうゆをおつくりになる農家の人はまれでございまして、ないと言ってもいいほどまれでございます。そういうことから考えると、農村も生産者であり、また消費者であるという意味で、私は、自給率の向上というのは国民全体が考えていただかなきゃならない。
 新鮮なものを食べたい、栄養のあるものを食べたいというふうな気持ち、そして、栄養のバランスをとることによって体を丈夫につくること、子供のときからそういうことを考えてやることが一番大事だということはだれしもが思っておりますけれども、しかし、小学校の運動会に行っても倒れるのがいる。そうすれば、朝食べずに来たのじゃないか、こういうことを先生方がおっしゃるということを聞いても、必ずしも、どうも家庭の生活そのものも、もう一つきめ細やかなところがないじゃないかという気もするわけであります。
 そういう意味合いにおいて、自給率の向上は国民全体の強い意思がなければならない。しかし、それを裏づけるのは、やはり農家の方々にしっかりつくっていただいて、自立をしていただく要素をつくっていくというところに大きな課題があると思うんです。
 そういうことですから、農村が、農家がしっかり頑張ることによって自給率の向上が図られる、それによってまた日本の食生活も変わっていって、健全な健康づくりと体力づくりができる。そこで、就職をしたときにはしっかりと仕事ができるというふうなことに連結していくと思うんです。そういう意味におきまして、私は、食料の持つ意義は極めて大きいと思います。
 これは、農業という立場だけじゃなしに、漁業を含めまして、本当に食生活の改善ということはしっかりと国民全体が受けとめ、また、指導的立場にある普及所あたりもそういうことを自覚しながらやっていただく。さらに、今の日本の食生活がこれでいいのかということを考えていただきながら、それを国民全体が十分理解の上に立って改善していく必要があると思っております。
 そういうことで、先ほど来お話のありました点については私も同感なところがたくさんございますけれども、一致結束してそういう方向で政府が取り組むこと自身が大事じゃなかろうかと思っておりますので、一言申し上げたわけでございます。
○鉢呂委員 いわゆる国民の意識、よくわかります。
 私が申し上げたいのは、政府の政策対応として、財政も非常に困難な中で、財政の硬直化、分野ごとの硬直化も言われています、なかなかこれは一大臣だけでもできかねることかもわかりませんけれども、例えば我が民主党も、建設中のダムを含めてもう一回再検討しようと。全部がだめということではなくて、本当に必要のあるものは何なのか。大臣がおっしゃられる林業の保水性からいけば、緑のダムという形で森林・林業にかける金もそこから生み出してこれるのではないか。
 きのうかきょうの新聞でも、読売新聞だったと思いますけれども、やはり間伐に対して重点的配分をせよという解説記事を載せておりました。言葉で森林・林業は地球にも大事なんだということではなくて、いかに予算をつけてそのことの実践的行動、効果の上がる政策を投入できるか、そこに政府の役割がある。ですから、仮にダム建設の一割、二割を林業関係に回すことについて、一内閣、一大臣、一仕事ということであれば、谷大臣の決断がやはり求められてくるのだろう、私はそのように思います。
 それと同じように、今、経営安定対策をいわゆる価格の急速な下落に対応するということでつくりました。しかし、米の経営安定対策を見ても、全く制度としてはめちゃくちゃで、専門家の農水省の担当者も、一口で私どもに説明をし切れないようなさまざまな変更を加えざるを得ないような状況で、なおかつ多額のお金を使わざるを得ない。やはり施策の集中化を図って、何をきちっと育てていくのか、答えは出ていますね。経営安定対策でも、今回の春の基本計画でも、育成すべき経営者にその焦点を当てて施策を講じていくべき、その育成すべき経営体ということについて、やはり農水省として目を当てていくべきではないかな、私はそう思います。
 ですから、経営安定対策についても、与党でも見直しを開始したかのような報道はあるんですけれども、いつまでにその見直しをするのか。この生乳についても、補給金にプラス経営安定対策を来年四月から発足することになって、その予算も今回の対策の大きな柱だと思いますけれども、なかなか生乳についても問題があります。今バターが六・五カ月も余っていて、これを処理することなしに補給金制度、いわゆる生産者と乳業者の相対価格交渉に移行した場合、一年目はどうか知りませんけれども、長い目で見れば、こういう需給緩和の乳製品がある中で、価格は米と同じように相当急速に下落する可能性が出てくるわけであります。
 今の経営安定対策、いわゆる生産者一、政府は三、財源をもって補てん基準価格の八割を補てんするというこの制度で果たしていいのかどうか。もっと私は、農業というのは、市場に連動しない所得確保ということを考えるならば、一定の固定的な、EUのような固定的な所得支払いのようなものをつくって、あとは生産者の努力でそれ以上の利潤を生み出す方がいてもいいし、また、そうでない方については、競争の中ですから、損失を受けるというようなシステムをつくり上げることが必要じゃないか。今のように、市場連動といいながら、あるいは生産費に連動するといいながら、生産者の生産意欲というものが価格の下落につながるという姿であってはならないのではないか。
 そういうことも含めて、大臣として、経営安定対策見直しについて、どういう方向性を持って、いつまでに検討するのか。私も、畑作については、個別の産品ごとでなくて畑作全体の横断的な、経営体に着目した経営安定対策の見直しに着手するということは農水省の合意になっておるようでありますけれども、やはりそれは全部の作物も含めて一つの統一した所得支払いのような姿を早く出すべきである、こう思いますけれども、大臣の御所見をお願いいたします。
○谷国務大臣 農林水産省の仕事といたしましては、林業は、なるほど百年の計といいますか、そういうふうな長い目で見るということはだれしもが思うんですが、農林水産省全体の仕事からいいましても、きょうは畜産の討議でございますから、畜産局の段階から見ましても、即時即断的なことですぐ成果が上がることとは思っておりません。やはり五年、十年の先を見通しながらやるということを考えておるわけです。
 そういう点で、先般、名古屋にあれだけの大災害がございました、大変な水害がございました。しかし、考えてみますと、緑資源公団が造林をしております最高の造林地域は、三万ヘクタール以上の島根県、二万ヘクタールは北海道、長野、岐阜、兵庫と続いております。これだけが二万ヘクタール以上と言われております。その名古屋水害の源の岐阜県なり長野県が造林を二万ヘクタール以上していらっしゃるということでございますが、私の体験から申し上げますと、造林をして五年、十年、二十年、三十年は保水力が、雑木の五十年、百年生を切ったとした場合、そういう保水力がない、保水力ができるまでにはやはり四十年、五十年以上かかる、こう思います。
 そういうことで、やはり源から考えなければ、ただ堤防をよくする、堤防の改良をするというだけではいけない。山奥の造林から始めて、杉、ヒノキでなくて、広葉樹も植えてというふうなことを考えて、全体を計画しながらやることによって、名古屋のあの水害が再び来ないようにしなきゃならぬというふうなことを考えるのが林野庁の仕事であり、その全体的な計画を立てるのが一番大事なことじゃなかろうかと思うんです。ただ切ったところを植えるというだけじゃなしに、全体の計画のもとにやる。そのためには、国有林の関係を十二分に考えるとか、公有林の問題を考える、そして、個人の所有者の方々にも考えていただかなきゃいかぬとか、そういうことになろうと思うんですね。
 そういうことでございますから、農も水も林も一体のものだ、それがゆえに、やはり農林水産省という名前が、行政改革においても外務省や法務省とともに残ったのも、そこを十分理解していただいて、農林水産省という名前がそのまま残ってきたんだと私は思っておるんです。そういう意味合いにおきまして、ただいまいろいろとお話のございました点を十分把握しながらこれからもやっていくということが大事じゃなかろうかと考えております。
○鉢呂委員 あと三分ぐらいしかありませんので、最後に畜産関係を一つだけと思っております。
 ハイファットチーズの輸入問題については、先ほど公明党さんから御質問がありましたけれども、世界税関機構に三月、日本の立場が認められて、ハイファットチーズは指定乳製品のいわゆるバターに相当するという裁定が下った。それに対して、HS委員会でオーストラリアから異議申し立てがあったということでありまして、十一月中旬にも最終的な裁定が下る。その見通しについてお伺いをいたしたいと思っています。
○石破政務次官 先ほど審議官の方からもお答えをしたことでございますが、これは三月にやりました。その後、オーストラリアから異議申し立てがあって、今月下旬にやるようになっております。これは、政治的な判断とか価値判断を交えずにやるものございまして、純粋に関心のある国が多数決で決める。三月のときも、二十五対一とか、二十五対二とか、二十六対一とか、それで我が方の主張に反対をしたのはオーストラリアとニュージーランドだけであったというふうに、たしか記憶をいたしております。
 そういたしますと、今回、私どもの主張、すなわち、ハイファットクリームチーズがバター類似のものであるということにつきまして、多くの国の理解を得ておるところでございまして、私どもも、今月末に行われます評決というのでしょうか、そこにおきまして勝てる、勝たねばならないというふうに思っております。
 なお、二回続けまして、例えば今回はオーストラリアですが、出して負けました場合に、三回目ということはなかなかない、今までそのような例は一回しかないというふうに聞いておる次第でございます。
○鉢呂委員 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。
○宮路委員長 次に、山口壯君。
○山口(壯)委員 無所属クラブの山口壯です。
 おとといに引き続き、遺伝子の組み換えトウモロコシ、スターリンクについて質問させていただきます。
 私がおととい質問したところ、早速地元のJAの組合長さん等からいろいろ電話をいただいて、これは大事な問題なんだから徹底的にやってくれというような激励もいただきましたので、代表してやらせていただきます。
 そもそもトウモロコシについては自給率がほとんどゼロというふうに聞いているわけですけれども、米国からの輸入に頼っているのが実情であると承知しております。米国からの輸入が大体どれくらいのパーセンテージなのか、教えていただけますか。
○永村政府参考人 お答えをいたします。
 平成十一年度の数字でございますけれども、我が国全体といたしまして、約一千百六十四万トンを輸入しております。そのうち、アメリカからの輸入は約一千百万トンでございまして、割合にいたしますと九四・五%。ちなみに、それ以外は、アルゼンチン、中国、こういったところから輸入されております。
○山口(壯)委員 七日、おとといの厚生省の発表によって、食品用のトウモロコシにスターリンクが混入していたことが確認されたわけなんですけれども、輸入飼料についての検査体制、先般、石破次官からもお答えいただきましたが、本当に抜かりがないのか。六カ所の肥飼料検査所だけで本当にすべてがカバーできるわけがないという気がしています。特にことしは六十検体をサンプルとしてとってやっておられるということですけれども、これを百検体にふやしてもすべてをカバーできるわけではないと思います。
 そういう意味で、水際のチェック体制として、検査機器あるいは検査の人員等を今後増強する考えがおありかどうか、お伺いいたします。
○石破政務次官 先般のお答えと重複をできるだけ避けてお答えを申し上げます。
 委員御指摘のように、今、六カ所ございます検査所職員は六十二名ということであります。また、今回百カ所にふやす。ただ、これを全部調べるということは本当にできるかねといえば、物理的に不可能であるということは、委員も御案内のとおりでございます。
 そうしますと、全部調べることができないとすれば、もう一つ申し上げれば、それだけ検査をちゃんとやっていますよということ、それは一種の抑止的効果というものもあるんだろうというふうに思っておるんですね。全部を調べることが無理であれば、抑止的効果を発揮するのに今の体制、人員で十分であるかということでございます。
 そしてまた、検査機器の充実も今図っておるところでございますけれども、御案内のように、この検査方法というのが、何せこの一年内に開発をされたものがあります。一番直近のものであれば、この三カ月ぐらいで開発をされたというような検査方法もあるわけでございます。これを百カ所体制でやってみまして、実際にどれぐらいに効果があるか、抑止体制があるか、まずそれを見させていただきたい。
 繰り返して申し上げますけれども、私どもといたしましても、安全性確認を受けていない組み換え飼料が輸入されないことを担保する、これは極めて重要な課題であり、国民の皆様方に対する責務である、そのような認識で取り組んでおるところでございます。
○山口(壯)委員 今六十二名の検査体制というお答えがあったわけですけれども、六十二名を増強するお考えがあるのかどうか、これについていかがでしょうか。
○石破政務次官 ただいまお答えをしたとおりでございまして、現在の体制でできる限りやってみまして、その結果次第では当然増加することもあり得べしというふうに思っております。
○山口(壯)委員 その結果次第というのは、スターリンクが入ってきたことがわかればということでしょうか。
○石破政務次官 それによって効果がどれぐらい出るかということです。入ったからふやすとか、そのような問題ではございません。
○山口(壯)委員 国民の食生活を考えているという立場であれば、今の答弁というのは非常に不十分だと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○石破政務次官 私どもとしては万全を期すべくやっておるところでございます。
 今、実際にどのようなことになるかわからない時点で、増員するとかそのようなことは予断を持って申し上げることだとは思っておりません。私どもとしては、国民の食生活に万全の責任を持つ、そのことについてはいささかも変わりがございません。
○山口(壯)委員 今百カ所というお答えもありましたけれども、これは何かの間違いじゃないんでしょうか。六カ所で今まで六十サンプルをとっていたものが百サンプルとる、そういう何か数字の間違いじゃないんでしょうか。
○石破政務次官 失礼、六十検体が百検体の間違いでございます。訂正をさせていただきます。
○山口(壯)委員 このスターリンクをアメリカで栽培している場合には、周りに二百メートルほどバッファーとして普通のトウモロコシを栽培して、花粉が飛んでいっても大丈夫なように工夫をしているというふうに聞いていますけれども、この花粉がさらに二百メートルから向こうに飛んでいった場合には、それが輸入されるトウモロコシについてどうなっているかという心配がまたあると思うのです。
 そういう意味では、普通のトウモロコシとして入っているはずのものでも、ひょっとしたら花粉が飛んでいってスターリンク化しているかもしれない。そういうことを考えれば、すべてについて見ていくということでなければ、私は、食生活について安全を、責任を全うできないんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○石破政務次官 それは、すべてについて見られればそれが一番よろしいのだろうというふうに思っております。
 ただ、こういうことを申し上げては、あるいはおしかりをいただくのかもしれませんが、危険なものはすべてやめろということを申し上げたときに、本当に今の生活というものは成り立つかといえば、私どもは、成り立たないだろうというふうに思っております。費用対効果というものを、人の命、生命、健康、そのようなときに持ち出すべきでないことは重々存じておりますけれども、先ほど私が抑止的効果というふうに申し上げましたのは、やはり、そういうような面から考えても、どのようにしていけばそのような危険なものを入れようというような欲求を抑えることができるかということも、あわせて考えることが必要だというふうに思っておるわけでございます。
○山口(壯)委員 今、危険なものをすべてやめろということであれば成り立たないという次官のお答えですけれども、これは多分、アメリカから九四・五%入ってきている、残りがアルゼンチンと中国だ、では、アメリカがだめなんであれば中国とかアルゼンチンに振りかえできないのか、いや、それはできない。多分こういう議論を言っておられるんだと思うのです。
 そうしたら、例えば、米がとれ過ぎれば減反している、減反したら田んぼがほったらかされている、では、ほったらかされた田んぼに例えばトウモロコシを植えていく、自給率の低いものを日本で自給率を高める、そういう努力を農水省はするつもりがおありでしょうか、ないでしょうか。大臣、お答えいただけますか、これは大事な問題だと思います。申しわけない、大臣、お答えできますか。
○石破政務次官 委員長から御指名をいただきましたので、議事整理権は委員長にございますので、私からお答えを申し上げます。
 これは当然のことでございますが、委員御案内のとおり、自給率の低い麦でありますとか、大豆でありますとか、トウモロコシでありますとか、そういうようなものの生産振興に力を入れておる、これは私どもの農業政策がとっておるところでございます。
○山口(壯)委員 今の石破次官の説明だと、例えばトウモロコシみたいに、自給率が低い、なおかつアメリカからの代替がきかないというものについて、例えば減反政策と絡めてどうするのかという大きな政策、これについての言及が欠けていると思うのですけれども、谷大臣、よろしくお願いします。
○谷国務大臣 今のお話は、大豆とか小麦とか飼料作物を米並みにという政策はとっておりますけれども、トウモロコシということになりますと、いわゆる単価の関係がありまして、また、大量のものをつくるということが実際に農家としてやっていただけるだろうかという不安もあるのですよ。そしてまた、そのことをやることが本当にいいだろうかということ。
 今の問題は、確かにアメリカにおきましても、家畜の飼料としては使ってもいいということになっておるわけですから、その問題が直ちに人に及ぼす影響があるかどうかということが問題だと思うのです。
 その問題があるから、今、我々としては研究に余念がないということでございまして、その研究資料をアメリカからも取り寄せておるということでございますから、今のように短兵急に、さあやれ、やれとおっしゃっても、これはアメリカの今取り寄せようとしておるものについても、実際のところ、アメリカもなかなかまだ送ってきていないのですね。
 そういうことでございますから、これは論議としてはわかりますよ。しかし、毒物を食べさせるんだというのと違うのですから、それは結果においてはどうなるかわかりませんが、今、アメリカではそういう方法をとっておりますから、だから日本でも同じことだと思うのです。
○山口(壯)委員 毒物を食べさせるのではないということをおっしゃるのですけれども、このCry9Cというものが毒性のたんぱく質だ。要するに、虫が食べたら死んでしまうようにつくっているわけです。しかも、消化器官では分解されにくい、熱にも酵素にも強いから。ということは、牛が食べて分解できない。では、牛が食べて分解できないものが、我々がその牛肉を食べたら体の中へ入ってしまう。虫が食べて死んでしまうものが体の中へ入ってしまったら、これは毒以外の何物でもないと思うのですけれども、これは、ちょっと済みません、時間もないから次へ移らせてもらいます。
 せっかくきょうは厚生省に来ていただいていますので、厚生省の方にお伺いします。
 食品については厚生省ということで、厚生省は、おとといに至って、食品用トウモロコシにスターリンクが混入していたことが確認された旨、ついに公表したわけですけれども、私は、情報を隠していたということに非常に問題があると思うのです。というのは、このような情報隠しというのはまさしくエイズ問題と全く一緒だ。国会議員はこういうことについてもっともっと厳しく対応すべきではないかと思うのです。
 一体いつからこの情報を隠していたのか、このスターリンクが入っていないかどうかの作業を始めたのはいつごろからですか。お願いします。
○西本政府参考人 御説明をいたします。
 遺伝子組み換え食品の安全性につきましては、来年の四月から審査を法的に義務づけるということになっております。これが始まりますと、違反しているかどうかということを確かめますために、信頼できる検査法というものが非常に重要なものになるわけでございまして、私どもといたしましては、ことしの六月から、研究費をとりまして、この信頼できる検査法の研究を進めてまいったわけでございます。
 当然、その中でいろいろなサンプルを取り出しましてこの実験をやっておったということでございますが、今回の消費者団体の発表に係るものとは別の検体、これは原料はトウモロコシでございますが、こういうものについていろいろ確認検査をやっておりましたところ、今御指摘のスターリンクというものが十八検体中七検体において十月二十日に確認されたというのがこの経緯でございます。
 そこで、なぜそれをすぐに発表しなかったかという御質問でございますけれども、まず、このスターリンクの食品としての安全性審査につきましては、既に平成九年に、我が国に対して安全性審査の申請がなされております。いろいろ審査をしていく過程で、御指摘のアレルギー誘発性というものについてのみ資料が必ずしも十分でない、ですから、追加資料を求めようということになっております。つまり、現在も審査継続中の案件でございます。
 したがいまして、公表する資料いかんによりましては、いかにももう結論が出たのではないかという印象を与えることもあり得るわけでございますので、慎重に対応したというのが第一点でございます。
 それから第二点は、現行の食品衛生法の考え方におきましては、健康被害が認められるという場合には、その拡大防止のために、法的な措置を講じて衛生上の危害の除去を図るということになっておりまして、本件につきましては、アメリカにおきましても、また日本におきましても、人間に対する明らかな健康被害というものの情報が全く得られていないということがございました。
 それから第三に、検知いたしました七検体の輸入元、輸入者でございますが、これの確認作業を実施する必要がありました。
 第四に、この間に、米国政府に対しまして、スターリンクが日本に輸入されることのないよう、あるいはまた、今後どうするかという必要な措置を講ずる打ち合わせをする必要があったということでございます。現に、十月二十五日に在京アメリカ大使館において要請を行っているわけでございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、事務的に見て最短かつ妥当な時期に公表したというふうに考えているわけでございます。
○谷国務大臣 先ほど私が毒物という言葉を使いましたが、私の気持ちでは、青酸カリのような毒物という意味で申し上げましたので、広い意味の毒物という意味じゃないので、その点、誤解なさらないようにお願いしたいと思います。
○山口(壯)委員 承知しました。
 十月二十日にこれが確認されたということは、厚生省自身が公表されているわけです。それで、十一月七日に公表された。その間、二週間以上あるわけです。これは少なくとも情報隠ししていた。むしろ、十月二十五日に市民団体が公表したときに、既に厚生省はその時点でわかっていたわけです、わかっていたのに、なぜ公表しなかったのか。
 これは本当に大事な問題ですよ。我々国会議員みんなが共有すべき問題なのです。アメリカとの打ち合わせがあったから公表しなかった、理由にならないですよ。食品の安全性というのは国民の生活に直結している、それをどうして公表しないのか。アメリカとの打ち合わせでは理由にならない。
 それから、どうすれば対策ができるか、それもわからなかったというのも理由にならない。対策がわからなければわからないで、対策はわからないけれども、こういうものが確認された、こういうことを公表してこそ、安全性について責任を持っている官庁の責任が全うされると思うのです。そういう意味では、これは情報隠しがあったとしか思えないのですけれども、いかがですか。
○西本政府参考人 先ほどの御質問に対して同じ回答になってはいけませんので、重複は避けたいと存じますが、まず、先ほど申し上げましたように、検査法の研究班において使用されておりました検体については、食品監視を目的としてサンプリングされたものではなかったということでございました。
 それから、十月二十日に検査結果が確定すると同時に、陽性の結果が出ました七検体につきまして、その輸入者の特定作業を開始して必要な調査を行っていたということでございまして、研究過程で発見したものだから公表しなかったとか、あるいは、いわゆる事実を隠していたというようなことではございません。
 また、現在、この七検体の輸入者に対しましても、国内市場における流通状況の把握を行うように指示をいたしておるところでございます。
○山口(壯)委員 実際に作業をいつから開始されたのかというのは、今言われたのは六月からと言われていましたけれども、これは事実と本当は違うと思うのです。二、三月から既に開始をされていた、しかも、九月上旬にはスターリンクを検出していたということがあったと思うのです。
 そういう意味では、六月から開始というふうに私の問いに対しては今お答えになられたような格好ですけれども、これは本当は二、三月だったのじゃないでしょうか。
○西本政府参考人 確かに、サンプリングを開始いたしましたのは二月の終わりから三月にかけてでございます。私が六月と申し上げましたのは、最も信頼するに足りる検査法を、研究班を組織いたしまして、開始をしたのが六月ということでございます。
○山口(壯)委員 今ぼろぼろぼろぼろ新しい事実が出ているわけですよ、本当は二、三月だったと。これは私はおかしいと思うのです。やはり我々はあのエイズのときの教訓を持っているのですから、そういう意味では、今後はこういうふうにならないようにしたいと思いますという答弁が本当はあるべき姿だと思うのです。一生懸命自分のことを守っておられるのはわかりますけれども、それでは国民の食生活の安全は守られない、私はこういうふうに思います。そういう意味では、十一月七日にNHKの報道があったからこれが公表されたというのが、普通ごく一般的に見ればつじつまが合うのです。
 そういうことでは、我々は、本当に食生活が安全になっているかどうかというのは確信が持てない。そういう意味では、ぜひともこういうことは、これからきちっとわかった時点で公表していただきたいと思います。それは大丈夫でしょうか。よろしくお願いします。
○西本政府参考人 現行法の制約等々いろいろございますが、先ほど申し上げましたように、私どもがこれは必要と判断をいたしました段階ではできるだけ速やかに公表いたしたい、このように考えております。
○山口(壯)委員 できるだけ速やかじゃなくて、本当に直ちに公表していただきたいのです。
 ほんのあと限られた時間でもう少し聞かせてください。
 遺伝子組み換え食品として我が国で認められているものは、現在、何品ありますでしょうか。
○西本政府参考人 二十九品目でございます。
○山口(壯)委員 アメリカでは何品目認められていますでしょうか。
○西本政府参考人 ちょっと現在把握しておりません。もし必要であれば、後ほどお出しいたします。
○山口(壯)委員 アメリカで認められているものが、例えば今五十あったとします。そうしたら、今、日本で認められているものは二十九品目だというお答えがあった、ということは、あとの二十一品目余りはひょっとしたら危ないかもしれない。日本では確認されていない、アメリカでだけ流通している。例えばこれはスターリンクと一緒です。スターリンクというのは、アメリカで飼料としてだけ認められている、食品としては認められていない。そういう意味で、いろいろな危ないことがあると思うのです。アメリカでは既に認められているけれども、我が国ではまだ認められていない、いわゆる未承認作物についてきちっとチェックされているかどうかという問題があると思います。
 本当に残念です。私、時間が今来てしまったみたいなのですけれども、最後に、厚生省として、これから検査体制あるいは審査体制の人員がひょっとしたら足りないのかもしれない、足りないのであれば、予算の確保等をしてこれをきちっと増強していくことが、むしろ国民の生活を確保することになると思うのですけれども、そういう意味ではいかがでしょうか。
○西本政府参考人 現在、輸入食品等の監視業務につきましては、食品衛生法に基づきまして、全国三十一海空港の検疫所の食品衛生監視員二百六十四名でございます、この人員によりまして、輸入届け出の審査、輸入食品検疫検査センター等における試験検査、あるいはまた、輸入食品の衛生確保に関する指導等々の業務を行っているわけでございます。
 来年四月から遺伝子組み換え食品の安全性の審査が始まるということは先ほど申し上げましたが、この輸入時の検査を実施するために、平成十三年度概算要求といたしまして、所要の経費を要求しているところでございます。また、人員につきましても、現在の定員の中でできることならば必要な検査体制の確保に努めたい、このように考えております。
○山口(壯)委員 時間も来ましたのでここで終わりますけれども、この遺伝子組み換えの問題というのは非常に大事な問題ですし、これから我々が食料戦略を考えていく場合にも基本になる問題だと思いますので、これからも引き続き私は質問させていただきます。ありがとうございます。
○宮路委員長 次に、北村直人君。
○北村(直)委員 酪農、畜産に関連する対策、きょうは酪農の審議会が行われております。そこへ諮問をされ、答申をされてくる内容等々について、それなりの私の意見も交え、また、私は、自由民主党を代表してきょうは質疑をさせていただきますので、自民党の中で議論をしてきたことも踏まえて、幾つかの点を確かめつつも、将来にわたって、特に二十一世紀、酪農、畜産、第一義的に生産者の皆さん方がしっかりと経営ができていけるような方向を見出していきたい、このように思っておりますので、石破総括政務次官におかれては、政務次官ということを抜いて、ある面では政治家石破茂衆議院議員としてのそういう御意見も披瀝をしていただければ、また大変有意義な質問になるかな、このように思うところでございます。
 さて、生産者にとって、ここ数年、特に今年も大変不安だらけの状況でありました。特に、ことしの二月、三月には、口蹄疫等々で生産者の方々は大変な心配をされてきたわけであります。それがある程度落ちついたかな、こう思っておりましたら、雪印の食中毒の問題等々。
 これは、生産者にとっては、自分たちはしっかりと経営をしてきた、あるいは営農を続けてきた、そして何よりも、この中毒の問題では、我々は本当に涙を流しながら、汗を流しながら安全な牛乳を提供してきた。それがああいう形で消費者の方々から、ある面では、牛乳や乳製品がすべて悪いような状況に陥るということは、生産者にとっては本当に情けない、つらい思いをしたわけであります。
 そういう平成十二年度でありますから、ことしの三月に乳価等々を決定し、場合によっては、確かに七カ月たったということはありますけれども、まだ六カ月ちょっとしかたっていない。このような状況の中で、今置かれている牛乳や乳製品の需要の動向というのは、政務次官あるいは審議官も御承知のとおり、我が国では約千二百万トン程度、生乳換算でこれが消費されている。
 しかし、北海道を含めて、日本の酪農の生産者の方々は、約八百五十万トンの生乳の供給である。つまり、需要は千二百万トンある、その中で八百五十万トンしか日本の国の中では供給をしていない。ということは、残りは輸入をされている。これは生乳換算でありますから、すべて生乳ではありません、チーズが主体でしょう。
 そうなると、言い方を変えれば、一千二百万トンも需要があるということは、日本の酪農生産者の方々が、将来、二十一世紀、間違いなく生きていける、あるいは生産していけるということになる。私はこのように思いますけれども、その私の考え方というのは、政務次官、いかがでしょうか。
○石破政務次官 北村先生には、本当に現場に一番近くて、生産者の方々と苦楽をともにされたお立場から、いつも御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。
 今、委員から御指摘がございましたように、まだまだ需要はあるんだろう、それを国内の中で供給し切れておらない、その問題点は、いろいろと委員が一番御案内のとおりであります。
 日本でいろいろな農業の形態がございますが、特に北海道を中心とした酪農というのは、負債の問題を横に置きますと、規模もEU並みになった、生産性も上がってきた、ある意味で日本のいろいろな農業のモデルだろうというふうに思っております。
 こういう方々が、日本の需要に合ったような生産をしていただけるように、そして、価格がどんどん下がっていくことに対しても打ちかっていくような力を持っていただけるように、私どもとしては施策を集中してまいる必要があろう、このように思っておる次第でございます。
○北村(直)委員 全体で一千二百万トンの需要があって、我が国では八百五十万トン。これも、ある面では、生産者の方々はつらい生産調整もしながら、八百五十万トンにのし上げてきたというのがあります。これは生き物相手ですから、そう簡単に、工業製品のようにある日突然に増量するなんということはできないわけであります。最低でもやはり三年はかかる、こういうことでありますので、そういう面では、つらい、苦しい経営を乗り越えながらよくぞ八百五十万トンの生産をしてくれている、私はそう思っております。
 ですから、この八百五十万トンを、それこそ、将来、平成二十二年に農水省の数値では九百数十万トンまで持っていきたい、こういう思いもある。さらに、全体の需要量というのは一千三百万トンを超える、そういう数値を挙げているわけでありますけれども、今のこの市乳の乳価あるいは加工原料乳の乳価等々で生産にいそしんでおられる生産者の方々の全国の農家戸数、北海道はもう一万戸を切ってしまった、全国でも三万強の戸数でこれらを本当にやっていけるかというと、大変な苦労が今度は伴うな、このように私は思います。
 というのは、やはり規模を拡大しなきゃならないというのもあるでしょう。あるいは家畜の改良をしながら、今実数で七千キロちょっと、七千数百キロの乳を一年間に一トン当たり出しております。三・五%に換算すれば八千三百キロになる、こういうふうなことでありますけれども、しかし、家畜改良等々で一年、二年でこれができるわけではない。そうなると、そんなに急激な一頭当たりの乳量の増産ができない、あるいは規模拡大にも夫婦二人で限度もある。
 きのうの農地法の改正等々で、株式会社方式もいいよ、こういうふうになって確かに雇用されてくるという場面もあるでしょうけれども、しかし、今のこの酪農対策関連だけでは、生産者の方々が将来にわたって国民が求めている需要にこたえるということには、なかなか難しいところがあるなというふうに実は思っております。
 そうなると、今、二〇〇〇年のこの最後の年に、今回の乳価や関連対策というものをしっかりやっておかなければ、生産者の方々が、将来にわたっての不安感、営農に意欲が持てなくなってしまうというふうに私は心配をしているわけであります。
 そうしますと、先ほど申した日本の国の中で八百五十万トン、この中で飲用向けというのはほぼ五百万トンを切る、こういうことであります。こういった飲用向け、雪印の問題がありましたから、消費者の方々は生乳志向にある程度がなってくれる、また、そうしていかなければならないと私は思います。
 現実的には、まず一義的に、生乳で消費されるということが、私はとても大切なことだと思いますが、しかし、我々の歴史の中で、こんなにおいしい牛乳、生乳を、数日間で消費していかなければならない、あるいは何とか長期保存ができないかという思いで、これをバターにしたり、脱粉にしたり、チーズにしたり、生クリームにしたり、あるいは脱脂濃縮乳にしたり等々を考えてきたわけであります。
 しかし、今回の雪印の問題等々で、乳製品の中の脱脂粉乳だとか、バターだとか、そういうものが何となくうさん臭そうに見られてしまうということは、生産者の方々からすれば、自分たちの搾った牛乳一滴もむだにしないできちっと使ってもらえるということが大変な喜びでありますから、今までの歴史の中でつくり上げてきた乳製品のそれぞれの役目というものを大切にしながら、そして、消費者の方々と同時に、乳業メーカーと非乳業メーカー、非乳業メーカーが求めているものにきちっと供給をしていかなければならない、このように私自身は考えているわけであります。
 そうなりますと、今までわずか二百四十万トンの限度数量がございました。そして今回、多分、諮問案そして答申の中で、これが本当に加工原料乳に回っている実数になるということは私も承知をしております。その数値が幾らになるかということは、答申を見てみなければならないわけであります。
 しかし、そういってもやはり全体的に、ほかの生乳、脱脂濃縮乳あるいはナチュラルチーズ、こういうものをきちっと供給をしていかなければ、非乳業メーカー、つまり、パン屋さんですとかケーキ屋さんだとか、あるいは大手の大きなホテルのシェフが隠し味として生クリームを使っているわけであります。それぞれのシェフは自分の生クリームの味というのを持っているのですね、おれはこういう生クリーム、私はこういう生クリーム。それぞれのホテルの味が違うということは、この生クリームの効用によるものであります。
 ですから、そういうものにもしっかりとした対策をとっていかなければ、単に補給金、ことしの三月には十円三十銭、これが補給金でありましたが、それだけでは足りない。そういったものをしっかりと供給していかなければならない、私はそう思いますけれども、石破政務次官はどのようなお考えでしょうか。
○石破政務次官 委員御指摘のように、雪印の問題がありまして以降、加工乳だから問題があったんだ、生乳であれば問題がなかったんだというがごとき議論がございますが、それは余り正確ではないのだろうと思っております。
 加工乳だろうが生乳だろうが、管理が不徹底であれば事故が起きるのは当たり前のお話であって、すなわち、今委員御指摘のように、一滴たりともむだにしないということのためにバターがあり、チーズがあり、生クリームというものがあるわけで、これの需要というものもきちんと振興していきませんと、これの生産というものをちゃんと守っていきませんと、酪農全体を発展させることはできない、仰せのとおりだろうと思っております。
 現在、そういうような需要が業務用を中心として相当落ちておりまして、家庭用はそんなに落ちておらないのですが、パンでありますとか、またホテルでありますとか、業務用が随分と落ちておる。そしてまた、健康志向という言葉が本当に正しいのかどうかは知りませんが、そういうものを食べるとどうも体重がふえるらしいみたいな話がございまして、日本型食生活も我が省は推進をしておるものでございますが、どうも消費者の皆様方にネガティブに受け取られるところも否めないところだろうと思っております。
 したがって、そういうような需要対策、需要振興というものをどのように図っていくか。あるいはまた、委員からもよく御教導いただくことでございますが、ハイファットクリームチーズ問題をどのようにしていくか、あわせまして全体的な課題であるというふうに思いまして、今後とも御教導をお願い申し上げる次第であります。
○北村(直)委員 認識は同じだということでありますので、ぜひこれからの対策に万全を期していただきたい、このように思います。
 先ほど委員の中からもハイファットクリームチーズのことについて御質問があったようでございますが、これはぜひ我が国の主張というものを明確にしながらこれに取り組んでいただきたい。
 私も、オーストラリアの政府の方々とも何度も、ここ数年間議論をしてまいった一人でもあります。私が行くと、またハイファットチーズのことか、あるいはミナミマグロの話か、石炭かというふうなことで、三点セットで、北村は、オーストラリアに入るときに、今回はその話はしないでくれ、このくらいオーストラリアの人方と議論をしてきたところでございます。
 ぜひハイファットクリームチーズのことについては、全力を挙げて、十一月、HS委員会等々で我が国の主張を述べていただきたい、このように思います。
 そして、ハイファットクリームチーズをブロックする、つまり、バターをなるべくつくらないようにするには、やはり生クリームは大変重要なんです。乳脂肪分をバターにしないで生クリームで消費するということ。これはぜひ、そういう面では、バターの在庫をこれ以上ふやさないためには、生クリームをつくっていく。乳脂肪分は生クリームにする。そうすると、無脂固形分はどうするんだ、こういう話になります。無脂固形分は脱粉にしてしまうと、これはやはり輸入してきている脱粉もあるわけですから、脱粉にしないで、できれば脱脂濃縮乳というものになるべくしていく。
 くどいようですけれども、牛乳というのは、まず一義的には生乳を使う、その次に脱脂濃縮乳を使う、それでどうしても足りないときは国産の脱脂粉乳で賄う、それでどうしてもというときには、それはやむを得ないことが起きてくる、輸入ということになる。ですから、輸入は最後だよと。そういう意味では、この脱脂濃縮乳というのは大変重要な意味合いを持つわけでありますので、そのこともひとつ御理解を、御理解というよりも、対策をしっかりやっていただきたいと思います。
 このことばかりやりますと時間がなくなりますので、あと二つほど、意見とお答えをいただきたいと思います。
 もう一つ、現場を歩いておりますと、特に御婦人の皆さんからは、ヘルパーというのは本当に助かりましたという感謝の言葉があります。一方では、ヘルパーをもっと充実していただきたい、こういう御意見があります。私の手元にも、ヘルパー利用組合に、それを使った御婦人から、あるいは使われた方から、ファクシミリや手紙で、感謝や注文みたいなものがあるんですね。
 御承知のとおり、生き物相手ですから、三百六十五日、二十四時間の営農をしていかなきゃならない、なかなか休めない。休めないことで非常に過重になって病気になってしまうということが過去あったわけであります。ですから、我が党は、このヘルパー利用組合を充実させて、ヘルパーを何とか使ってもらおう、こういうことにしたわけであります。これはこれで本当にいいことだ。
 ただ、利用者の方々の意見を読ませていただきますけれども、定休型を年十二回欲しい。つまり、定休型の休みを十二回欲しい。ということは、この御婦人は月に一回も休んでいなかったんですね。年に十二回、月に一回でもいいから休みたい。それで、ヘルパーをお願いすると、やはりヘルパー組合のヘルパーというのは限度がありますから、一人しか派遣してもらえない。こういうふうになるんですね。そうすると、せめて定休型で月一回、夫婦で休みたい。夫婦で休むためには、二人のヘルパーをお願いしなきゃならぬ。しかし、これを十二回お願いするということになると、一人しか派遣されないような、充実はしてもらっているけれども、現実問題としては、今のヘルパー利用組合というのは人数が足りない。やはり夫婦で休みたい、これが現場の奥さん方の声であります。ですから、これにはやはり本当に充実をさせてもらいたい。
 それから、私のところの北海道の東部にある釧路や根室の生産者の若い人方に、府県の方からお嫁さんが随分と来ていただいております。そして、本当に、若い夫婦が二十一世紀の酪農を目指してやっておりますが、中の奥さん方には、代議士、実は私はもう三年も実家に帰っていないのです、実家に帰っていない。それは一日二日のヘルパーならとれるけれども、実家に帰るとなれば、やはり一週間だとか十日欲しい。それがとれない。だんなさんの方は、うちのかみさん、実家に帰したら、ひょっとしたら帰ってこなくなってしまうんじゃないだろうか、こんなような心配があるぐらい、このヘルパーには利用度が非常に強い。
 ですから、これを充実させることによって、安心して営農にいそしんでもらえるということにつながっていく、私はこう思いますが、政務次官、どのようなお考えをお持ちか。
○石破政務次官 本当に御夫婦でお休みをとりたいというのは、実感なんだろうなというふうに思っております。いや、私もとってみたいという声もその辺にあるのかもしれませんが。ですから、本当に一人だけ休めても仕方がないんだと。今の酪農の経営実態、そしてまた、何よりも生き物相手であるということにかんがみて物を考えてみますと、今委員が御指摘のような制度の拡充というものはあるいは必要なのかもしれない。
 ただ、こういうことも前に北村委員と議論したことはあるんですが、これは酪農だけではなくてほかにもいろいろな農業はあるでしょうねと、専業的なという意味でございますが。それとの整合性をとっていかねばならないということは当然あるのだろう。そしてまた、では、商工業者の皆様方でも本当に一日も休みなく働いていらっしゃるという方々も大勢いらっしゃるわけです。生き物相手ということを申し上げたのはそういう意味でございますが、ほかのものとの整合性もあわせまして、どうやってヘルパー制度を拡充していくか。
 今お話しのように、随分とこの制度ができてから利用がふえてまいりました。今、全国の利用農家一戸当たり年間十三日は御利用いただけるようになっておりますし、いろいろな施策をいたしまして関係者の御理解、御努力をいただきまして、十二年度の計画では、北海道においては年間一万日ぐらい利用は増加しておるわけでございます。
 では、これから先本当に夫婦でとれるか、どうすればもっと休暇を充実していただけるか、そういうような観点で今後検討してまいりたいと思っております。
○北村(直)委員 他産業との比較というのはあろうと思いますけれども、ここは農林水産省でありますから、そして農水の委員会でありますから、ぜひこのことの充実に向けて、役所を挙げて大臣や政務次官を先頭に頑張っていただきたい、私はこのように思います。
 最後に一つ、畜産環境整備リース事業というのがございます。これは非常に利用度が高いです。そして、これを使いたいと希望する人というのは必ず後継者がおります。そして、将来ともにやる気満々の人方がこれを希望しております。
 ところが、希望しても、これを使うために計画を立てます、五年後にはどうなる、十年後にはどうなる。五年後、十年後には規模拡大やいろいろなことを考えるわけですから、決して今の規模よりも少なくなるということは考えません。ところが、このリース事業のいろいろな施設等々は、つくるときの基準が現状の頭数なんですね。これでは、やり始めると一年二年でもう使えなくなってしまうという問題点が実は出てまいるわけであります。
 ぜひ、この畜産環境、これはふん尿処理も含めて、このリースが、現状の頭数ではなくてやはり将来の目標に合わせた施設整備ができるように変えていくべきではないか、このように私は思います。最後にこのことについて、政務次官あるいは事務方でも結構でございます、御答弁をいただいて、これで終了させていただきます。
○永村政府参考人 お答えを申し上げます。
 先生御指摘のとおり、二分の一の補助つきのリース事業については全国的に大変需要が多く、私ども、そういう意味では評価をいただいておると思っております。
 ただいま先生がおっしゃいましたように、数年先の規模を見通した形での事業を仕組め、こういう御指摘でございました。私ども、今全国都道府県から五年間のふん尿処理施設の整備計画をいただいております。その中で個別具体的にどうしても困った問題が生じておるというようなことであれば、各県からまた事情を聴取いたしまして、何らかの方向で改善できるような形で検討してまいりたいと思います。
○北村(直)委員 以上で終わらせていただきます。ありがとうございます。
○宮路委員長 次に、高橋嘉信君。
○高橋(嘉)委員 自由党の高橋嘉信でございます。よろしくお願いを申し上げます。
 我が国の畜産、酪農をめぐる情勢は非常に厳しいものがあることは委員各位同様の認識と思います。牛肉の価格低迷、これに伴うところの肉用牛飼養頭数並びに飼養戸数の減少など、またWTO農業協定による海外乳製品の輸入増大による価格低迷など、酪農家を取り巻く環境もまた深刻な状況にございます。さらに、家畜排せつ物処理施設に対する新たな投資負担が求められております。このような畜産環境の中で、現場の声を踏まえながら御質問を申し上げます。
 まず初めに、肉用肥育経営についてお伺いをいたします。
 肉用牛の飼養頭数と飼養戸数において減少の傾向が見られますが、その実態と、またこれをどのようにとらえているのか、お伺いを申し上げます。
○永村政府参考人 お答えをいたします。
 肉用牛の繁殖経営、また肥育経営、いずれにいたしましても、ここ一貫いたしまして小規模な農家が少しずつ減ってきておりまして、その反面、大規模な農家がふえてきておるということで、先生御指摘のとおり、戸数全体は、大体一けた台でございますが、毎年減ってきております。ただ、そのかわりに、それなりの規模の拡大が進展をしておる、こういう全体的な認識でございます。
○高橋(嘉)委員 一戸当たりの飼養頭数はふえて小規模飼養農家を中心に減少してきている、こういうお話であります。
 この現実が問題でありまして、きのうの質問でも、僕が御質問申し上げた際に、農林省の考え方として、担い手の概念は意欲であるとお答えいただきました。ではその担い手はといいますと三〇%、五十歳未満に至っては二一%という現状にあります。
 さて、ここで御質問申し上げますが、昨日一歩前進と深呼吸する思いで賛成いたしました農地法改正案でありますけれども、農業生産法人の株式化が進み、平場ではやりにくい畜産経営、畜産法人がどんどん山間部に移行していく、言うなれば家畜が山に登ると思われますが、畜産局としての御見解はいかがでしょうか。
○永村政府参考人 お答え申し上げます。
 先生がおっしゃいました畜産が山に登る、先生は山とおっしゃいましたけれども、いわゆる中山間地域でございます。これは、大家畜、特に牛のことでございますけれども、牧草を優良なたんぱく質に変えることができるというのは反すう動物の牛でございまして、こういった牛が、耕作放棄地が大変多い中山間地でございますとか、あるいは昔はかなり広範に利用されておりました林間の放牧地でございますとか、そういったところで、牛を通してしか利用できないような資源を利用して、良質なたんぱくを少しでも国内で自給するという観点からは、先生がおっしゃったような山に行くということ自体、一般論としては、私は正しい方向ではないかという気がいたしております。
○高橋(嘉)委員 繁殖経営法人、そういった農家であれば草の利用も十分考えられますけれども、肉用牛あるいは養豚、鶏、そういった法人が中山間地域に大規模化していった場合、耕作地の放棄がないと言い切れるんでしょうか。もう一度お伺いします。
○永村政府参考人 お答えいたします。
 耕作放棄地との関連でございますけれども、今先生おっしゃいました繁殖経営とそれ以外の対比というような観点があろうかと思いますが、従来から中山間地域にたくさん分布をしておりましたのは、どちらかというと、この中山間地域、規模が小さいわけでございまして、そういうところで全国的に、普遍的に分布をしておりましたのは和牛の繁殖でございます。
 ただ、これにつきましては、先生も御案内のとおり、高齢化が進んだためにいろいろな飼養中止が進んでおりますけれども、一つ私ども、先生法人化とおっしゃいますので、それに対応する形でお答えをいたしますと、個々の農家が高齢化をいたしますと、とても頭数をふやしたり維持をしたりすることができません。
 そこで、私ども、先ほど北村先生の御質問で酪農ヘルパー事業のお話が盛んに出ておりましたけれども、この和牛の繁殖経営につきましても肉用牛のヘルパーというものを、要すれば、高齢者がいる中山間地域でもぽつんぽつんと若手もやはり存在するわけでありまして、そういった若手を中心に、高齢者ではなかなか作業ができない牛の出荷でありますとか、粗飼料の採取でありますとか、こういったことを支援する取り組み。あるいはまた、高齢者が自分では増産できない、御承知のとおり、子牛は生まれてから十カ月間ぐらい飼わなきゃいかぬわけですから、それを何とか高齢者の方々には三カ月だけ飼っていただいて、四カ月齢から十カ月齢までは共同保育施設で、例えばこれは農協が管理をいたします、これはキャトルステーションというようなことで呼んでおりますが、そういったものを整備することによって、少しでも中山間地域における和牛の資源を確保したい、こういう事業も実施しておるわけでございます。
 ただ、先ほどもおっしゃいました養豚でありますとか、大型の肉用牛の肥育経営でありますとか、これが中山間地に仮に登るといいますか、移転をするような例があるとすれば、それはほとんどの場合が平場における環境問題、ふん尿処理の問題に起因をしておるのではないかと思っております。
○高橋(嘉)委員 現実問題としてその傾向にある。これは今回に至らなくてもあったわけでありますけれども、これが増大していくという場合のことを申し上げているのであります。
 では、飼養戸数の減少は、平場と中山間地でその比率はいかがでしょうか。おおよその傾向でも結構でございます。零細規模の飼養農家が中山間地では減少していると私は考えておりますが、そういった現実に加えて先ほどのお答え、どのようにお考えなのか、お伺いいたします。
○永村政府参考人 お答えをいたします。
 平場と中山間地域で戸数の減少率がどのように違うかという御質問でございます。
 私ども、一九九〇年から九五年までの五カ年の推移ということでお答えをさせていただきたいと思います。いわゆる肉用種の繁殖経営、子取り経営では、平場の五年間の減少率が九%でございますが、中山間地域では二八%と三倍程度。それから、肥育経営について申し上げますと、平場ではむしろ一%増加をしておりますけれども、中山間地域では二二%の減少。こういったことで、中山間地域における減少の幅が大きいということでございまして、先ほど申し上げたようなさまざまな施策によって、少しでも中山間地域で牛が残るような対応を考えていきたいということでございます。
○高橋(嘉)委員 私は、今後、農業環境についてでありますが、予想される変化に対して対応がし切れない、また対応に時間がかかるであろう中山間地の実情にかんがみまして、対策の強化をお願い申し上げてお話をしているのでございます。この点だけは御理解を願いたいと思うのであります。
 時間もございませんので、次に、去勢和牛の肥育経営についてお伺いします。
 ここ一、二年の収益性が減少傾向にございますが、いかがお考えでしょうか。また、今後の見通しをお示しください。
○永村政府参考人 お答えをいたします。
 和牛の肥育経営の収益性につきまして、最近、ここ数年の動向について御説明をさせていただきたいと思います。
 平成三年の牛肉の自由化以降、やはり枝肉価格は若干低下をいたしました。それから、肥育には一年半とか二年かかるわけでございますけれども、導入したときの素牛価格が高水準だったということで、自由化以降、肥育経営の収益性というのは、先生御指摘のとおり、ちょっと低下傾向で推移をしてまいりました。
 しかしながら、平成六年度になりまして、素牛が少し下がってきたという傾向が一つ、それから枝肉価格が回復基調に転じた、こういうことから、六年度以降は経営収支は改善の傾向にございました。ただ、平成十年に入りましてから、ちょっと枝肉価格が弱含みに転じまして、また素牛の価格が横ばいということで収益性は低下をしておる、こういう認識をいたしております。
 さらに、今後の収益性はどうかとおっしゃっているわけでございますが、私ども、枝肉の価格あるいは現在の子牛価格あるいはえさ費、主にこの三つの要因で肥育農家の収益性は決まるわけですけれども、いずれも的確に見通すというのはなかなか難しゅうございまして、明確なお答えはちょっとできないということでございます。
○高橋(嘉)委員 では次に、現場の声から二、三御質問を申し上げます。
 和牛の種雄牛の平準化事業についてでありますが、その実態についてお伺いをいたします。どのようになっていますか。
○永村政府参考人 お答えをいたします。
 和牛の改良事業についてのお尋ねでございます。実は、我が国における和牛の改良の歴史は、先生も御案内のとおりでございますけれども、基本的に、各県でそれぞれ、自分たちの県の和牛をどうやって改良するかという視点でやってきた経緯がございます。
 ただ、和牛の改良と申しますのは、できるだけ広い母集団、できるだけたくさんの繁殖雌牛の中から優良なものを選んで、その優良な雌牛に優良な雄牛の種をつけて、次の世代のいい種雄牛を選抜していくというのは改良の原点でございますが、残念ですけれども、特定の県では、繁殖牛の数が年々縮小してまいりまして、母集団が非常に小さくなってきたという状況が一つございます。
 したがって、その小さな母集団からよりよいものを選抜するということではなかなか期待できるような立派な種牛ができにくいということで、私ども、平成十一年度から、ある程度規模の小さい県がまとまって、できるだけ広域な、エリアを広くくくった中から選抜をしていく、これが広域平準化事業の考え方でございます。母集団の大きい一部の県ではまだ県独自の改良事業をやっていただいておりますけれども、そういった規模の小さい県については、広域の平準化事業でよりよい選抜を行って立派な種雄牛をつくっていきたい、こういう基本的な考え方でおるところでございます。
○高橋(嘉)委員 つまり、種牛のいいものを全国の繁殖農家に移していこう、そして平準化をしようということでございますね。今その指導がなされていることは承知しておりますが、宮崎とか鹿児島とか兵庫はその対象外ではないのか、そういう認識が経営農家にありますけれども、これは実態的にはどのようになっているのでしょうか。
○永村政府参考人 お答えを申し上げます。
 先生御指摘のとおり、私、広域で改良を進める事業を十一年度から実施しておると申し上げておりますけれども、おっしゃるとおり、鹿児島県、宮崎県及び兵庫県はこの広域事業には参加をしておりません。
 一つの大きな理由は、例えば宮崎県の場合、子取り用の繁殖雌牛が九万頭を超えております。また、鹿児島につきましては十二万頭の規模がある。先ほど私が申し上げた母集団が非常に大きいというのが特徴でございまして、その中からよりよいものを選ぶということでありますから、鹿児島、宮崎、それぞれの県で独自の改良を進めるに足りるという認識を持っているために、これらの県においては県独自で改良しておる、こういうことでございます。
○高橋(嘉)委員 いや、質問の趣旨がよく伝わっていないのかもしれません。
 鹿児島、宮崎、兵庫では、優秀な種雄牛の精子を平準化するために全国に移せ、指導していけという指導が強力になされている結果なのかどうか。その辺がなされていないために、特定地域意識、鹿児島、宮崎、兵庫については主産地化が保障されたようなものではないかという認識があるから、お聞きしているのであります。時間がございませんので、いずれ。
 私は、改良努力の評価の仕方に若干問題があるのではないかなと。私のすぐ近場で前沢牛、地元でありますが、確かにいつまでもどんどんいい牛が続いていくというわけではないわけであります。ただし、特定期間とか、あるいは質、量の面においてとか、改良した県においては平準化をどんどん進めるというだけじゃなくて、本当にやるんだったら、鹿児島や宮崎とか兵庫についても厳しい指導をするか、でなければ特定的な期間なりそういったものを置きながらやっていかないと、本当に改良努力がうせていくのではないかという懸念をしております。この点をお聞きしたかったのですが、時間がございませんので、次に参ります。
 先ほど山口委員からお話がありましたスターリンクについてでありますが、スターリンクなど遺伝子組み換えの飼料、これは現在二十九品目が輸入されている、また、スターリンクが十月二十日に確認された、こういう現状にあるわけであります。
 この飼料によって生産された畜産物の安全性は本当に確かなものであるかどうか。また、このような飼料の輸入実態はどうなっているか。そして、お聞きしたいのは、このような飼料を、現状、牛あるいは家畜に与えているという現実は否定できないと思うのですが、その辺の認識と今後の取り組み方についてのお考えをお伺いいたします。
○永村政府参考人 お答えを申し上げます。
 まず、遺伝子組み換えトウモロコシ、食用につきましては厚生省の所管でございますので、家畜のえさということで限定をさせてお答えをさせていただきたいと思います。
 少なくとも、私ども、輸入トウモロコシの中で、我が国の安全基準に合格をしていないものを流通させることは原則としてできないというスタンスに立っております。
 ただ、先ほど出てまいりましたスターリンクの問題につきましては、肥飼料検査所等々でサンプルを採取いたしまして、その中に本当にまじっているかどうか、これは鋭意私ども今検査をしておる最中でございます。仮にその結果が判明したときは、アメリカに対しても毅然とした態度をとるのは当然でありますけれども、今の段階でも、食品の原料の中に入っておるというような報道があったわけで、私どもも、アメリカ政府に対しまして、少なくとも、間違ってもスターリンクが一般のえさ用のトウモロコシの中に混入をして日本に持ってこれないように何らかの担保措置を講ずるべきだということで、球を今あちらに投げかけております。現状はそういうことでございます。
 しかしながら、遺伝子組み換えトウモロコシの中で安全性を確認できたもの、これについては現在、国内で流通をしておる、十数品種あるというふうに考えております。
○高橋(嘉)委員 例えばスターリンクに見られるような、そういった飼料を牛に与えてきた可能性はあるわけですね。
○永村政府参考人 お答えをいたします。
 今申し上げたとおり、私ども、国内に輸入をしてきたえさ用のトウモロコシの中にスターリンクがまじっておったかどうか、今抜き取ったサンプルの検査をしておる最中でございまして、その結果が判明すれば、どの程度の割合で入っておったかということはわかるわけでございます。今の段階では、入っているという事実は確認しておりません。
○高橋(嘉)委員 農家にとって食品の安全という問題は命取りの問題であります。くれぐれも万全な対策を望む次第でございます。
 最後に、時間もございませんので、要望を申し上げます。
 適正在庫を上回っておりますバターの問題、この過剰対策についてでございますが、この考え方もお聞きしたかったのでございますけれども、新たな制度や対策への移行を控えて不安を抱えている酪農家の手取りを確保するために、現行水準の補給金単価を維持すべきだと思います。その点御理解を賜りますよう切に御要望申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○宮路委員長 次に、中林よし子君。
○中林委員 おととい、きのう、農地法の審議の中でも、今農家の抱えている大変な経営の現状を訴え続けてまいりました。WTO体制のもとで価格支持制度が次々と取っ払われてまいりました。米の自由化、麦の市場価格化、ことしに入っては大豆、砂糖、加工原料乳等、連続的に市場原理の導入が進められてまいりました。
 その中で、加工原料乳もずっと乳価が下がり続けてまいりました。酪農家の生命線とも言われた不足払い制度、これがあったことしの乳価でさえも大変低い水準になりました。ただ、この不足払い制度を命綱だと言っていた酪農家の皆さんは、この命綱がなくなったらもう将来の見通しが全く立たない、低い乳価の中で増頭を重ね、億単位の負債がある、これ以上乳価が下がったらもうおしまいだという悲鳴が渦巻いております。
 北海道でも有数の優良酪農地帯と知られている浜中町、これもことしの乳価の市場原理導入の不足払い制度撤廃の法案のときにも申し上げましたけれども、ここのアンケートの結果でも、将来に対する不安を抱えている農家が約半数近くありました。こういう酪農危機の中で、無慈悲にも、不足払い制度が廃止されました。
 今の乳価の水準というのは、まさに二十五年前の水準になっております。これは、牛肉自由化以後、酪農家一戸あたりの負債額そのものをふやし続けており、九〇年のときには一戸あたり一千八十四万円だったのが、九九年には一千四百二十三万円へと激増した。このことが、この十年間で酪農家の戸数を半減させております。
 酪農経営はまさに崩壊の危機にある、このように思うのですけれども、大臣、今の酪農家の現状認識、どのように受けとめていらっしゃるでしょうか。
    〔委員長退席、松下委員長代理着席〕
○谷国務大臣 今の御指摘の酪農家が減ったということ、それが乳価との関係が非常に深いということもございますが、先ほど来質問に答えて審議官が言っておりましたように、酪農家の小規模なものが減って、大規模化されたということも事実でございます。
 そういうことでございますので、一番顕著な例が、私自身が、昭和三十年に三人共同養鶏をやって、千羽ということで、三千羽飼ったのです。ところが、十年したら一万羽になって、三万羽飼った。鶏と牛は違いがあるのですが、そういうふうに、大規模化するということが必須の条件のようになっておりますので、そういう点では、中山間地域でやっておられた酪農家の方も、やはり場所的に難しいとかという方もありまして、おやめになった方も我々たくさん知っております。
 そういうことで、一概に乳価の問題だけでないと私は思っております。
○中林委員 いろいろな例をお挙げになりますけれども、一概に乳価だけではないということは、乳価も原因の一つだというふうに大臣も受けとめていらっしゃるというふうに思うのですね。
 その規模拡大の話ですけれども、実際、乳価が下がれば頭数をふやし続けていかなければならない、ふやせばコストが下がり、そのことがまた乳価を下げていくということで、まさに悪循環のような形で、もうこれ以上ふやせないよというところまで規模拡大をしてきている。こうなれば、乳価を上げていただかなければ所得が上がらない。本来、規模拡大をしていくならば所得が上がってもいいはずなんです。そうすれば、酪農をやめないで頑張っていこう、こういう方々がふえてくることになるというふうに思うのですね。
 こういう努力をしている酪農家の人たちに、ことしの六月の雪印食中毒事件というのは、さらに追い打ちをかけるような事態になりました。安全な生乳を生産するために身を粉にして働いてきた酪農家に大きな怒りを与える結果になりました。
 大樹町、大樹工場があるところですね、そこの酪農家はどう言っているかというと、雪印は来年は価格を下げないと言っているけれども、あれだけ消費者の乳製品不信を引き起こした企業が二年後三年後にも安定的な価格で買い入れができるという保証があるのか不安でたまらない、こういうときだからこそ、不足払い制度を維持し、政府は酪農家の不安にこたえてほしい、こういう訴えをしているわけですけれども、こうした酪農家の気持ちにどのようにおこたえになるつもりでしょうか。
○永村政府参考人 お答えをいたします。
 生産者の補給金制度を継続してほしい、いわゆる不足払い制度を継続すべきである、こういう委員の御指摘でございますが、私ども、市場評価が生産者手取りに反映されるようにというのが一つの大きな私どもの目的でございまして、従来のいわゆる引き算の方式、保証価格から基準取引価格を差し引いて補給金を求めるという方式を廃止いたしまして、新たな補給金制度に移行する、これは委員御存じのとおりでございます。したがいまして、新たな制度になりますると、乳業メーカーと生産者団体との相対取引の結果決定される乳代、それに補給金単価を合わせたものが農家の手取りになる、こういう構造になります。
 その際、私ども、この取引価格、取引がどういうふうな形で生産者にとって有利に展開するような構造をつくっていくか、ここに意を用いてきたわけでございまして、全国レベルで生乳の生産を計画的にきっちりやる、需給調整を強化する、これがまず基本的な最も重要な事項であろうかと思います。
 それから、いわゆるメーカーに対する生産者団体の交渉力の強化という意味で、この間、今までは各県ごとに指定団体がつくられておりましたけれども、それをブロック化していく。九州とか関東では既にこのブロック団体ができ上がっております。生産者がより大きくまとまればまとまるほど、メーカーに対して強い交渉力を持つだろう、こういうことであります。
 しかしながら、こういった条件整備を進めてまいりましたけれども、来年から個々のメーカーとこういった団体との相対取引が進む中で、これが外から見えないような形で行われるというのは、これも非常にまずいであろう。やはり消費者、生産者ともどもに、メーカーと団体がどういった条件で、どういった内容の価格交渉をやっておるのか、外から見えるような仕組みもぜひとも早急に整備をしたいということでございまして、いずれにしても、一部の生産者の方が不足払い制度の廃止に対して大変不安をお持ちだということは、私ども聞かないわけではございませんけれども、それにこたえるべきいろいろな措置を講じておる。
 さらに、最後、あえてつけ加えますると、十三年度からは、いわゆる経営安定対策として、これも生産者と国とで基金を積み立てて、一定水準以下に原料乳価格が下がったときには補てんをする仕組みをつくりたい、こういうふうに考えておるところであります。
    〔松下委員長代理退席、委員長着席〕
○中林委員 いろいろな施策はやるけれども、結果的に不足払い制度というものを廃止して、国がこれまで酪農家にしていた価格支持に対する予算は削ってきているというのが現状なんですね。
 では、よその国などは一体どうしているのか。WTO体制のもとでこういう価格の支持制度というものをみんなやめているのかというと、決してそうではない。
 特にアメリカ、これは十月二十八日に、アメリカ農務省が提出している農業歳出法案にクリントン大統領がサインしました。この中で、アメリカ政府は、当初一年限りだった乳価の支持制度を期間延長したことを盛り込んでおります。このことを御存じだと思うんですね。
 さらに、十月二十六日付のアメリカ農務省のニュースリリース、これは英文なのでちょっとなかなか難しかったんですけれども、これを見ると以下のように報じております。
 グリックマン農務長官は、三年間連続して下落し続け、一九九一年の最低価格時まで落ち込んだ乳価の低迷を酪農家が切り抜けるのを助けるために六億六千七百万ドルの直接補助金を交付することについて、大統領のサインの段階に入ったと発表した、これによって、全米八万人の酪農家が平均八千三百ドルの支給を受ける、同長官は、アメリカの多くの中小酪農家は生き残るためにはこの補助を必要としている、こう述べています。
 アメリカはことしの三月にも、酪農家に対する一億二千五百万ドル、これは約百三十三億円ですけれども、直接補助金の交付を発表しております。だから、これに引き続く措置で、大変手厚い酪農家に対する価格支持制度をアメリカはやっているのですよ。こういうことに対してどのように受けとめていらっしゃるでしょうか。
○永村政府参考人 お答えをいたします。
 先生御指摘のアメリカの生乳の価格支持制度の廃止の件でございますが、私どももそういった情報は承知をしております。
 ただ、従来、アメリカにおける加工原料乳の価格支持制度の基本的な内容といいますのは、いわば市場隔離することによって、政府が乳製品を買い上げることによって原料乳価格を維持する、こういう仕組みであったわけでございます。
 ただ、今回、生産者の不安によってとりあえず延長したということでありますけれども、私ども、アメリカの構造と日本の構造は基本的にかなり違うのではないかと考えております。
 一つは、先ほども申し上げましたように、私ども、今後、酪農家にとってメーカーの加工原料乳の買い入れ乳代が極端に下がらないだろうということを機会あるごとに申し上げておりますけれども、一つには、国を挙げて私ども、計画生産を実施しております。昭和五十四年以降きちっとした形の全国レベルの需給調整が行われておる。アメリカでは全くそういったことはございません。それから、アメリカでは加工原料乳と飲用乳価がかなり連動性が高いというような状況にあるようでございます。
 そういった点が日本とアメリカとでは大変大きな違いがあるのではないかということでありまして、アメリカで起こっておることが直ちに私どもの酪農にそのまま言えることかどうか、その辺については、ちょっと先生との認識が違うということでございます。
○中林委員 認識が違うということでこういうところから学ぼうとしない姿勢というのは、私は農水省としては酪農家の気持ちに沿わないやり方だというふうに思うのですね。
 それはベースは違うのでしょう、制度的には違うけれども、しかし、ここで農務長官が言っていることは、九年前の最低価格時まで落ち込んだのだから、これだけの手だてをやりますよという手だてをやっているんですよ。日本の乳価は、先ほども言いましたように、二十五年前の水準に返っている、こういう事態ですよ。一番ピーク時からいえば、一キロ当たり二十円近く下がっている。こういう事態で、今大変な借金を抱えて苦労されている。しかも、雪印の事件があった。
 こういうことを考えれば、私は、やはり何らかの対策というのを農水省として考えるべきであって、同じようにWTO枠の中にあってもアメリカは価格支持制度をやっているわけですから、日本でもできないわけはない。つまり、酪農家を守る気持ちがあるのかどうか。これだと本当に酪農家の皆さんが再生産が保証できるような、そういうことができるようにするかどうか、ここにあると思うのですけれども、いかがでしょうか。
○永村政府参考人 お答えを申し上げます。
 先ほど認識が違うと申し上げましたが、今先生がおっしゃった点、日本の酪農家を守っていくべきであるという認識は同じでございます。
 ただ、私ども、今どういった形で酪農家の経営を、守るという表現は適当かどうかはあれですけれども、加工原料乳の補給金だけで守っておるわけではないわけでございます。例えば酪農家の経営から生産をされますいわゆるぬれ子、これに対しても子牛の補給金制度の対象としておりますし、あるいは乳だけの部門ではなくて乳肉複合という形で子牛を育成したり、あるいは老廃牛をさらに肥育して出荷したり、こういったところにも支援をしておるわけであります。
 また、先ほど来出ておりますように、ヘルパー制度でありますとか、そういった直接間接のさまざまな施策をあわせて、少しでも日本の酪農が減ることがないように、経営を継続できるようにということで努力をしておるということは御理解を賜りたいと思います。
○中林委員 それは十分知っておりますけれども、問題は、やはり乳価が直接所得に反映するし、それを酪農家の皆さんは今一番求めているということなんです。だから、本気で酪農経営を守り、乳製品の自給率の向上を目指そう、こういうことであるならば、もう法律が決まったんだからということで既定の方針を進むのではなくして、市場原理の導入を撤回して、特に雪印問題などが起きた今日は、不足払い制度を延期させるなど、そういう措置をすべきだということを重ねて申し上げておきたいと思います。
 今回、政府が決めた新たな補給金、昨年までの不足払い分の補給金があったときと同額の諮問をされたというのを先ほど資料としていただきました。「十三年度の補給金単価については、制度の円滑かつ適正な移行に十分配慮する観点から、平成十二年度の補給金単価と同額の十円三十銭を諮問した。」ということになっているわけですけれども、私は、これは不十分だ、やはり農家の手取りがふえない限り経営の改善は図られないというふうに思うんです。
 それで、特に、来年三月の相対取引でメーカー側が引き上げの価格を出してこない限り、農家の手取りは十二年と同水準ですから、十三年、上がらないということになるわけです。ですから、農家の将来不安はますますわいてくるだろうというふうに思うんです。
 だから、ことしについては、不足払い制度の廃止の延期という農家の声にこたえてやるべきだし、もしそれができないというならば、少なくともこの補給金について現行の水準よりも引き上げるべきだ、先ほど自民党の議員からもその要求が出ておりましたけれども、当然引き上げるべきだというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。これは大臣、政治的な判断ですので、よろしくお願いします。
○谷国務大臣 先ほど来お話を聞きながら、時代も変わったな、こう思っておるんです。アメリカの例を引きながら、また、アメリカの農務長官の発言を引用しながらお話しになるということは、大変変わったと私は思っております。
 しかしながら、私どもは、一点に集中してこれだけをやったら意を尽くしておるということではないわけです。ヘルパー制度をつくっていく、それをますます今後もでき得る限り酪農家の皆さん方の意向を体してやらなきゃならないということも思っておりますし、また、ふん尿の処理の問題にいたしましても、特に北海道のような野積みのところで、多頭飼育をやっていらっしゃるところで、そういうところは十分配慮しなきゃいかぬなということも思っておるわけです。
 全体という立場を考えてやっておるので、アメリカの例も結構でございますけれども、集中的にそこに絞ってこれだけは上げろというふうなことを、また、今、昨年と同額でなっておるということを御指摘になりました、これじゃ不十分だと。不十分ではございましょうけれども、全体の立場を考えると、この程度でひとつ御辛抱いただきたいというふうに思っておるわけです。
 これは、我々があちこちに参りますと、絶えず農林水産省というところの陳情というか要請を受けるわけですが、なかなか多事多難で、特に、先般、北海道に参りましたときには、林業の要望、まさに死に絶えておるという言葉をお使いになりまして説明されました。そういうことから考えると、やはり農林水産省全体で考えなきゃならぬわけですから、そういう点で御理解をいただきたいと思います。
○中林委員 農政全般を語られるときはまたあると思いますので、きょうは酪農の、乳価の問題に絞ってお尋ねしているわけですので、お願いしたいと思います。
 ただ、時代も変わって、私がアメリカの例を引き出すのがいかにも時代の変わったような話をされますけれども、とんでもないです。やはり日本の農業政策というのがいかに異常であるか、アメリカであれヨーロッパであれ、当たり前のことをやっていることを当然日本でもやっていただきたいという例として、一番最近の、こういう支持制度をアメリカがやっているものですから、同じように乳価が下落して大変な事態になっているということを引き合いに出しているわけですので、その点は、私は、農水省としても、大臣としても、世界のすぐれた農業政策というのは取り入れてやっていただきたい。
 同時に、この不足払い制度を廃止する法案の審議のときに、前大臣はこのように言っておられるんですよ。今後とも補給金等を通じましてメーカーにも生産者にもプラスになるように基本的にはやっていきたいと言っておられるし、現在の不足払い制度よりもさらに進展が見込まれるというふうに考えているんだ、こういうふうに御答弁されて、私たちは反対しましたけれども、しかし、そう大臣がお約束されたわけですから、今回も、本当に酪農家の人たちにとって経営がよりよくなるように、所得が上がるような水準にぜひ引き上げてほしいということを重ねて申し上げておきます。
 そして、全体で進むんだと言われるそのヘルパー制度の問題について質問したいというふうに思うんですけれども、前回の価格決定で、今まで実質乳価の一部になっていた環境・ヘルパー加算が価格から外されました。その総額は七億六千八百万円で、酪農ヘルパー利用拡大推進事業に使われます。ヘルパー利用がふえてこのお金が還元されないと、農家は実質損をすることになるんですね。全額使われてこそ、これが農家に還元されたということになるんですが、北海道の場合、この事業は、従前利用日数分には一日六千円、それ以上利用日数がふえた分については一日一万円の助成をすることになっております。
 少し中身を見てみますと、北海道の場合は、六億一千四百万円割り当てがあります。これをヘルパー組合加入戸数六千九百八十二件で割ると、一戸当たりの平均で約八万八千円分利用できる、こういうことになるわけですね。十一年度の平均利用日数は約十日というふうに伺っております。そうすると、あと三日間利用が本当はふやせる、こういう状況なんですけれども、北海道の計画を見ますと、あと一・五日分にとどまっているということで、三日ふやす計画になっていないんです。
 なぜこういうことになっているのかといって農家の人たちに聞くと、ヘルパーの利用単価がやはり高い、大体一日二万五千円なんですね。経営が大変苦しいというのを先ほど言いましたけれども、なかなかヘルパー代が出せないんだ、こういう状況なんですね。
 それからもう一つは、ヘルパーの数が絶対的に不足しているということです。北海道では、専任が三百四十八人、臨時従事者を合わせても九百五十二人しかヘルパーがいない状況なんですね。だから、利用をふやそうと思っても、来てくださるヘルパーがいない、こういうことです。
 ヘルパー利用をふやすためには、一つはやはり助成の単価を引き上げていただきたい。先ほど自民党の議員からも、内地の方に帰りたい、こういうことがあります。お葬式にも一週間ぐらいかかるというようなことになれば、当然その分ヘルパーを頼めばお金がたくさんかかるようになる、こういう実態ですから、大幅に助成単価をふやしていただきたい。それから、ヘルパーも増員の手だてをとっていただきたい。
 この二点についてお答えいただきたいと思います。
○永村政府参考人 お答えを申し上げます。
 先生御指摘のように、昨年まで保証乳価の中にヘルパー加算として組み込まれておりましたものを分離いたしまして、酪農ヘルパー利用拡大推進事業というものを創設いたしました。おっしゃるとおり、増加については一万円、実績については六千円、こういう助成措置を講じたところでございます。
 私ども、どうしてこういった事業にしたかということでございますけれども、全国を平均で見ますと、ヘルパーの利用日数は大体十三日でございますが、都府県と北海道でかなり差がございます。北海道では大体九・数日、都府県で十四・数日、こういうことで、少しでも県のヘルパー利用日数に北海道が近づいていただきたいということで積算をしてこの事業を配分した、こういうことでございます。
 ただ、先生がおっしゃるには、四日を想定しておるけれども云々とございました。確かに、平成十二年の計画を見ますと、私どもは一日ふえるだけでもそれなりの効果があったと思いますけれども、北海道九千戸弱の農家で延べで一万日ふえるということでありますから、平均をすれば現在の九・数日から十・数日にふえるということであります。ただ、当初配分した資金がどうなるか、むだになっていくのではないかという御懸念かと存じますが、これは翌年に繰り越すことができますので、今後さらに、どういった形でこれを利用していくか、それぞれの組合で大いに検討していただきたい、そういうふうに考えております。
 それから、ヘルパーの人員でございますけれども、先生、例えば五人雇っているヘルパー組合があるとします。それに一名増員をするということになると、その一名分が可能な限りフル稼働できるような利用を農家の方々にも急にふやしていただかなければいかぬ。そうすると、ある程度、その急激にふやす間の過程が、赤字になるといいましょうか、むだになるというようなことがございまして、私ども、それに対しては、今、ヘルパーだけでなくコントラクターですとか、いろいろな外部支援組織がありますので、そういった広域でヘルパー人員のやりくりをしたらどうか、こういった事業も仕組んでおります。あるいはまた、新たに雇うヘルパーに対する組合の負担が少しでも減るような形で、オン・ザ・ジョブ・トレーニングといった形で研修手当を出したり、さまざまな工夫をしておるところであります。
○中林委員 なかなか現状から出るような答弁はいただけなかったんですけれども、この委員会で、全体としてやはりこの充実は求めているわけですので、ぜひその方向で検討いただきたいというふうに思います。
 雪印の事件以後、牛乳や加工乳に対する表示の問題、これは今検討中でございますけれども、この表示は今どういうところまで進んでいるのか、早くこの表示の問題を明らかにして、徹底方をお願いしたいと思うんですけれども、簡単に御答弁いただきたいと思います。
○永村政府参考人 お答えをいたします。
 飲用牛乳等の表示内容につきましては、この間、関係者、有識者で検討会をつくってまいりまして、大体の結論が得られつつあるところでございます。
 基本的に、現状との大きな改正点を申し上げると、生乳の使用割合をきっちり表示してはどうかという点、それから、牛乳という文言の使用は種類別の牛乳についてだけ認める、加工乳とか乳飲料については認めない、こういった二つの柱、これの改善方向についてほぼ議論が収れんする状況となっております。
 可能な限り、例えば今月中にでも報告書を取りまとめて、この表示問題のプロセスを進展させたいと考えておるところであります。
○中林委員 最後の質問です。
 牛乳の消費拡大については、学校給食の使用目標というのが平成三年に大臣公表で出ております。その結果、九年にどのぐらいその目標が達成できたかどうかという表も出ているんですけれども、まだ一〇〇%にはなっておりません。特に中学校が八割台、その他の学校も八割台ということで、かなり進展はあるんですけれども、これを早急に一〇〇%進むようにしていただきたい。
 同時に、今、各自治体で学校給食以外に、実は消費拡大のためにさまざまな努力をされております。北海道別海町では、福祉牛乳というので、お年寄りだとか小さい子供さんだとか、そういうものに町独自でやっているし、私の地元の島根県の大田市でも、これはもう二十三年前からひとり暮らしのお年寄りのところに牛乳を、これは牛乳の生産調整が起きたそのときからですけれども、消費拡大ということで配付を現在も単独で続けております。だから、こういうことも国としても十分調査をされて、国としての支援策あるいは国としての独自の施策を考えていただけないでしょうか。
○永村政府参考人 お答えをいたします。
 先生御指摘の、独居老人でありますとか赤ちゃんに牛乳を配付しておる市町村があるということを伺っておりますが、私ども、牛乳消費の経費を直接的に国民に補助するという支援手法、これは学校給食を除いてはなかなか難しいのではないかという観点から、牛乳全体の消費拡大に資する啓蒙普及事業の方にむしろ力を注ぎたい、かように考えております。
○中林委員 以上で終わります。
○宮路委員長 次に、菅野哲雄君。
○菅野委員 最後の質問を行います。
 我が国の畜産農家は減少の一途をたどっており、後継者も育たない状況にあると思っています。そして、畜産物の輸入の増大、あるいは、先ほども議論がございましたが、月に一度、休日がとれるかとれないか、長時間かつ過重な労働、そういう畜産環境問題の深刻化、実質所得の減少など、さまざまな要素が原因でありますが、このままでは日本の畜産業に将来があるのかと言わざるを得ません。
 農林省は、食料・農業・農村基本法に基づいて酪肉近代化方針を示しておりますが、輸入を減らして国内生産を向上させなければ自給率の向上は図れない。どのように自給率を向上させていくのか、あるいは担い手をどのようにして確保していくのか、まずお聞きしておきたいと思います。
 そして、畜産農家の抱える巨額の負債、累積赤字、そういうことが後継者の育成を困難にしていると思っています。ベンチャー企業への融資制度あるいは新しい事業を志す起業家への融資制度が設けられておりますが、これを畜産農家へ適用するようなことは考えられないのか。例えば、意欲ある後継者がいる畜産農家へは新しく低利の融資を実施できるようにするなど、温情ある対策は考えられないのか、これらについてお聞きしたいと思います。
○谷国務大臣 畜産の振興全般に関しましての御質問だと受けとめたわけでございますが、我々は、畜産振興のために、酪農であるとか肉用牛であるとか、そういういろいろな問題につきまして逐一努力したいと思っております。例を申し上げますと、口蹄疫が発生したその原因は中国からの麦わらじゃないかというふうなことがある。そうすると、日本の畜産農家の皆さん方に御協力を願って、できるだけ日本のものを使うことにすればありがたい、こう思っておりますけれども、農家の機械化の問題で麦わらがとりにくいという問題もありますし、なかなかそれはすぐに実行に移すことは難しい面も多々ございます。
 そういうことがございますし、また、先ほど来お話がございますように、酪農に例をとりますと、多頭飼育に踏み切っていただくのはありがたいけれども、それでは、数少ない肉用牛の経営あるいは酪農の経営をやっていらっしゃる、特に肉用牛の場合、島根県におきましても、お年寄りに牛を飼っていただこうという県民運動も起こされたときもございます。しかし、それは、高齢化比率が高くなりますと、思うようにいかなくなってきたということもありまして、なかなか思うようにいかない。また、ふん尿の処理でも、どんどん予算化されたらすぐできるかというと、そうでもないというふうな点もございます。
 等々でございますので、我々、畜産局といたしましては、きょうの時点も大事でございますが、きょうの時点をよくするためには、やはり五年、十年の計画を立てながらやらなきゃならぬ。
 そういうことで、漸次、先細りのようなところもあるということも事実でございますけれども、何とか活性化して、畜産農家の方々が真に意欲を燃やしていただけるような畜産行政を今後展開していきたい、こう思っております。
○菅野委員 谷農林水産大臣の意欲はわかるんですね。そういう取り組みをしていかなければならないという現状は共通認識に立てると思うんですが、私は今、個々の部分を問題提起しています。総括的な答弁はいただいたんですが、個々の部分では答弁がなされていないと思うんですね。
 一つは、自給率の向上をどう図っていくのか。これは畜産業の振興という部分だけでは言えないと思うんですね。二つ目は、担い手の確保をどうしていくのか。それと三つ目は、やはりそういうふうな状況を考えたときに、意欲ある者をどう酪農や畜産業に入れていくのか。そういうことを具体的な形として示していかない限り、危機的な状況というのは克服できないのじゃないのかなという形で私は質問しているんですね。
 これらについて具体的に答弁をお願いしたいというふうに思います。
○永村政府参考人 お答えをいたします。
 先生御指摘の畜産物の自給率をどうやって向上させていくかということでございますが、基本的に、私ども三つのポイントがあろうかと思っております。
 一つは、今、日本の国民に消費をされておる輸入畜産物をどうやって国内生産物に置きかえていくかという観点が一つでございます。その場合、安全性というものが大事でございましょうし、もちろん、価格面で全く無視していいということでありませんから、低コスト化が重要だ。これがまず一点でございます。
 それから次に、家畜を飼う担い手がいなければいけない、こういうことであります。これは畜産の経営が非常にきついとか汚いとか、俗にいっとき言われたことがございますけれども、そういったイメージではなくて、やはりゆとりのある経営なんだということを、後継者あるいは外部から参入してくる方々に、よりアピールをしたいということで、私どもは、過重労働からの解放といいましょうか、労働の軽減といいましょうか、そういうところに意を用いてきたわけで、その結果が、ヘルパー制度でありますとか、牧草づくりのコントラクター制度の確立ということにあらわれておるわけでございます。
 三点目は、家畜が消費するえさを海外からの輸入から国内の自給にどれだけ転換をするか。これは先ほど来も何回かお答えをいたしましたけれども、転作田でありますとか耕作放棄地でありますとか、こういったところで可能な限り粗飼料を増産していく。もちろん稲わらの利用率を高めるというのも、この観点に含まれるわけであります。
 こういった三つのポイントに力を注ぐ必要があろうかということであります。
 さらに、特に担い手の問題につきまして、私どもはさまざまな助成対策を講じておりまして、飼養管理の改善ですとか、新しい生産方式ですとか、技術の導入、こういった施策も展開しておりますので、もろもろあわせて、今の三点を確保していきたい、こういうことで自給率を上げたい、こういうことでございます。
○菅野委員 二点目なんですが、私は、第一次産業を発展させていく、そして維持していくために今どういうことをしていかなきゃならないのかと考えたときに、消費者も含めて、生産の実態あるいは個々の農家の置かれている実態というものを情報公開していく、こういうことが必要なんじゃないのかなというふうに思うのですね。
 そして、農家の経営が苦しい、あるいは過重な労働だというふうに言っているんですが、政府の統計を見ますと、そのことが一般国民あるいは都市住民の方々に伝わっていっていないという側面もあるのじゃないのかなというふうに思うんです。農水省の家畜農家の所得統計の出し方、ここに誤解が生じる部分があるんではないのかなと思っています。
 統計資料を見ますと、畜産農家が勤労世帯収入と遜色ないような表現になっている、あるいはそれ以上の収入を得ているような表現になっているんですね。実際に個々の農家が抱えている負債等も加味していくと、大変な状況になっているというのは側面であるんですが、そのことが統計資料を一目見てわかるような形にはなっていないというところに私は問題があるというふうに思っています。
 それで、そういう誤解を生じないような、本当に一目見れば農家の実態が、ああ、こういう状況になっているのかということがわかるような統計資料を作成すべきだというふうに思っているんですけれども、これらについての考え方をお聞きしておきたいというふうに思っています。
○永村政府参考人 お答えをいたします。
 先生御指摘のとおり、所得を一戸当たりで見ますと、確かに酪農家の方が一般の勤労世帯よりもかなり高い水準にあることは御指摘のとおりであります。北海道で比べますと、一戸当たりの所得が九百五十五万、他方、勤労者一戸当たり、全国では六百四十六万ということで、三百万円以上酪農家の方が高いわけでありますけれども、一人当たりに直しますと、確かに逆に酪農家の方が勤労者よりも三十万ちょっと低い水準になっている。
 これは統計で計算すれば出てくることでございますけれども、どういうふうな形で酪農の実態を一般国民、消費者に理解をしていただくかという観点、ちょっと先生おっしゃいましたけれども、ここ数年、酪農家の中から、自分たちも都会の消費者と接点を持ちたいという酪農家の方々が大変ふえてきております。
 そこで、私ども、数戸の酪農家がちょっとまとまって小規模な、例えばアイスクリームをつくる施設設備ですとか、そこはちょっとした広場を整備する経費ですとか、そういったものに助成をして、定期的に近場の都市住民が酪農家のところを訪れるような形の事業も仕組んでおりまして、今までよりも都市の住民と酪農家との情報、意見の交換、接点というのはふえてくるような努力はしておるというところでございます。
○菅野委員 私が言いたいのは、酪農だけじゃなくて畜産全体、あるいは農家も含めて、第一次産業全体の実態を多くの方々に、国民に理解してもらうような統計書、あるいはそういう活動をつくっていって、第一次産業の置かれている実態をお互いが共有するということが必要なんだという立場で申し上げております。
 一つの例として酪農という部分を今表現されましたけれども、やはり第一次産業全体がそういう形での交流を図っていって、お互い実態をわかり合うというところから再出発していくことに大きな意義があるんだろうというふうに私は思っていますので、この取り組み方を十分要望しておきたいというふうに思っています。
 それから三点目ですが、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律が成立しました。政府は、五カ年で畜産農家が施設完備できるよう期限を区切ったが、この五年という期限をどう考えているのかというのが第一点であります。
 そして、畜産農家には、先ほど言ったように、巨額の負債があるために、排せつ物処理施設を設置しようにも、農協や金融機関が新たな融資には応じてくれないという悩み、不満も披瀝されておりますから、これらを解決する有効な手だてをどう考えられているのか。
 そして、二〇〇四年十月三十一日までに排せつ物処理や管理のための施設を設置できない農家へ立入検査を実施した場合、本当に直ちに罰則を適用しようと考えているのか。
 これらについて、考え方をお聞きしておきたいというふうに思っております。
○永村政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、この家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律、これは昨年十一月から施行されております。その中で、私ども五カ年という猶予期間を設定したところでございますが、これにつきましては、他の法令との比較を見ましても、大体これは最大限の期間ではないか。例えば、水質汚濁防止法、要すれば、汚水を排出する事業所を設置する場合課せられる排水の基準がございますけれども、これを守る義務の猶予期間は三年というようなことになっておりまして、他の法令と比較して、この五年というのは大体最大限の猶予期間だということが一点でございます。
 それから、私ども、この間、この五年という期間を設定したことにも伴いまして、各都道府県で、いわゆる野積みとか素掘りという非常に不適切な処理をしている実態がどのようなことになっているか、各県から報告を求めております。要すれば、五年間で解消していくべき野積み、素掘りといった箇所をどういった形で解消していくか。
 基本的には二つの方法があるわけでございますけれども、共同利用施設をつくってそこで処理をする、あるいは、どうしても共同で処理できるだけの条件が整わないところでは、個人の農家で、これは二分の一の補助をするリース事業をつくっておりますけれども、このリース事業を利用したり共同で施設をつくったり、五カ年でどういう優先順位をつけて、どうこなしていくかという計画が全部上がってきております。
 したがって、私ども各都道府県の計画を踏まえまして、可能な限りの補助事業の予算の確保なり二分の一リース事業の適切な運用あるいは資金面での対応といったことを考えていきたいと思っております。
 罰則の問題についてお答えいたします。
 基本的に私どもは、この法律で一生懸命悪い例を摘発して罰する、そういった精神とは全く逆でございまして、できるだけ適正な管理を行っていただけるように勧告をしたり、罰則に至るまでは幾つかのハードルを設けておりまして、罰則を適用すること自体、私どもの趣旨ではございません。
○菅野委員 畜産環境の問題、これは今言っていますけれども、各自治体としても本当に頭を悩ませている問題なんですね。
 それで、一方では早急にという部分があるんですが、一方では、今の畜産業を取り巻く状況の中で、これ以上本当に借金をふやしていったらどうなるんだろうかという不安の中で板挟みになっているのが実態なんです。そういう意味で遅々として進まないという部分もあるわけですから、これを単に都道府県や各市町村に任せる、あるいは酪農家の責任にすることなく、私は、適切な措置を講じながら、本当に個々の農家の悩みをいろいろな形で吸い上げながら、一日でも早くやれる体制をとっていただきたいというふうに思っています。このことだけは要望として申し上げておきたいというふうに思います。
 最後になりますが、先ほども議論になりましたけれども、雪印乳業のあの問題以降、表示のあり方というものが、私どもも説明を受けておりますけれども、ほぼ生乳一〇〇%でなければ牛乳と表示してはならない方向で、今検討が加えられて実施されようとしているのですね。そして、このことは、雪印乳業のあの問題以降、表示について多くの方々が関心を示している中で、今行われようとする方向で進んできたのだと思うのです。
 私は、そういう大きな出来事があったから進むのじゃなくて、やはり基本的に、表示のあり方というのは、本当の姿を消費者にわかってもらうような表示のあり方というのを、すべての食品について追求すべきだというふうに思うのですね。
 例えば、ハムやソーセージなんかも、そういう意味では、原料表示という部分はできるはずだと思うのですけれども、食品全体は大変だから取り組めないじゃなくて、取り組めるものから徐々に、表示のあり方についても、農林省として指導していくことが必要なのではないのかなと思うのですが、これらについての見解をお聞きしておきたいと思います。
○永村政府参考人 お答えを申し上げます。
 食品または畜産物の表示につきまして、これは先生御指摘のとおり、可能な限り消費者に対してわかりやすい表示をしていくという方向は、正しいという認識を私どもも持っております。
 ただ、先生が例示されましたハムとかソーセージ、実は、この加工食品につきまして、ハム、ソーセージになる原材料、豚肉が多いわけですけれども、これはデンマークから、アメリカから、カナダから、いろいろな国から入れておりまして、例えば一つのハム、ソーセージにずっとデンマーク産の原料豚肉だということは一定しているわけではないわけでございます。要すれば、原料の供給先が特定されていないという一つの問題がございます。
 それと同時に、季節的に豚肉の価格というのは変化をするものですから、あるときは輸入豚肉を使い、あるときは国産豚肉を使うということで、これはメーカーにとってみますと、原材料の原産地の表示というのは、技術的にもコスト面でもかなり難しい問題ではないかと考えております。
 ただ、表示を適正にしていくという方向自体、畜産物の消費拡大につながるわけでありますから、ハム、ソーセージの原料表示の必要性とか、どうやったら信頼性が持てる表示ができるかとか、この辺については勉強させていただきたいと思います。
○菅野委員 今、例としてハム、ソーセージを挙げましたけれども、そうじゃなくて、食品全体をどう表示していったらいいのかという部分です。例えば、今、畜産業の振興に寄与するような方向ということを述べられましたけれども、そういう方向で、やはり消費拡大の部分も含めて検討する課題だというふうに思っています。
 そして、何といっても国内自給率を高めて、生産農家に意欲を持たせていくというところが今求められているわけですから、そういうところに十分意を用いつつ、消費者と生産者を結びつけるような体制も本気になって考えていく必要があるというふうに思いますけれども、再度の答弁をお願いしたいと思います。
○石破政務次官 加工食品全体を含めての御質問かと存じます。
 これは、梅干しですとかラッキョウ漬けですとか、そういうものなんかも議論になるわけでございますが、これも専門的な検討を加えて、原料、原産地表示を含む品質表示基準の策定に着手するということになっているわけであります。
 つまり、原料はどこなのか、加工したのはどこなのか、その現在地というのを書くわけですね。原料、中国とか韓国とか書くわけですが、では、その加工したのが国内であった場合に、ではどういうふうに表示をするのか。北海名産とか山陰名産とか紀州の味とか書いた場合に、消費者がそれを見てどういう判断をするかということ。正確に表示をするということとともに、消費者に誤解を与えないということもまた重要な視点ではなかろうかというふうに思っておる次第でございます。
 今後、なお検討してまいります。
○菅野委員 私の言っている視点は、第一次産業全体を取り巻く厳しい状況をどう全体が共有していって、産業としてどう維持発展させていくのかというのが、今日の日本の農政に、農林水産省も含めて私どもに課せられた任務であるという立場から今質問をいたしました、畜産部門について。
 これからもそういう立場に立って一緒になって努力していただきたいことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
     ――――◇―――――
○宮路委員長 この際、西川公也君外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び21世紀クラブの七派共同提案による平成十三年度畜産物価格等に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。西川公也君。
○西川(公)委員 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び21世紀クラブを代表して、平成十三年度畜産物価格等に関する件の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    平成十三年度畜産物価格等に関する件(案)
  我が国の畜産を取り巻く最近の情勢は、本格的WTO農業交渉を目前に控え、畜産物の輸入の増大、担い手の減少・高齢化・労働過重、畜産環境問題の深刻化、輸入飼料への過度の依存等内外ともに極めて厳しいものがある。
  よって政府は、平成十三年度畜産物価格の決定に当たっては、左記事項の実現に万全を期すべきである。
      記
 一 加工原料乳生産者補給金の単価は、生産者の努力が報われ、意欲とゆとりを持って営農に取り組み、生乳の再生産、経営の安定・所得の確保が図られるよう適正に決定すること。また、加工原料乳限度数量については、生乳の生産事情、牛乳・乳製品の需給動向を踏まえて適正に決定すること。
   さらに、乳製品需給を改善するため、バターの過剰在庫の解消に向け、消費拡大策等を講ずることとし、その一環として、ハイファット・クリームチーズの関税分類の見直しについて国際的な同意が得られるよう引き続き努めること。
   また、国際市場の影響を受けにくい生クリームや今後さらに需要が見込まれるチーズの生産振興を図ること。
 二 加工原料乳生産者経営安定対策における補てん基準価格、補てん率及び拠出金水準については、生産者の所得の変動緩和に資し、かつ生産者の過重な負担にならぬよう適切に決定するとともに、適宜必要な見直し・改善を図ること。
 三 牛肉・豚肉の安定価格及び肉用子牛の保証基準価格等については、再生産の確保を図ることを旨として、生産の実態に十分配慮し、畜産農家の経営の安定に資するよう適正に決定すること。
   また、肉用牛肥育農家及び養豚農家が意欲と展望を持って営農に取り組めるよう経営安定対策を確立すること。
 四 飼料自給率の向上等を計画的に図るため、自給飼料基盤の強化、生産性・品質の向上、飼料生産の組織化・外部化の推進、草地畜産の振興、飼料用稲の開発・利用等の体制整備等飼料増産のための施策の推進を図るとともに、配合飼料価格安定制度についてその適切な運用を図ること。
   また、国産稲わらの自給体制の構築、その円滑な流通及び利用促進のための対策を充実・強化すること。
   さらに、畜産業の労働時間を短縮し、その安定的発展に資するため、ヘルパー及びコントラクターの積極的活用等を推進すること。
 五 家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律に即し、地域の実態等に応じた処理施設の計画的整備、たい肥センターの機能強化等の支援策を充実・強化するとともに、耕種農業との連携強化によるたい肥利用の促進や家畜排せつ物と生ごみ等地域資源の一体的な処理を図るなど有機性資源の循環的利用を推進すること。
 六 安全・良質で特色ある畜産物の供給を図るため、生産・加工・流通過程における衛生・品質管理対策の徹底・充実を図ること。また、消費者の適切な商品選択に資するよう飲用牛乳等の表示の適正化を推進するとともに、学校給食への活用等国産畜産物の消費拡大対策を強化すること。併せて、地域の実態に配慮しつつ食肉処理施設及び乳業施設の再編・合理化を推進すること。
   さらに、輸入検疫・国内防疫対策の充実・強化が図られるよう家畜伝染病予防法の改正をはじめ総合的な家畜衛生対策を講じること。
 七 我が国農業の基幹部門である畜産業が、ゆとりある生産性の高い経営の実現を図り得るよう経営継承対策、負債対策を含めた財政、金融、税制に係る支援の適切な運用等の諸施策を講ずるとともに、畜産物の自給率の向上に資する各般の施策を鋭意推進すること。
 八 WTO農業交渉に当たっては、食料安全保障、農業の多面的機能等についての我が国の主張を堅持し、適切な国境措置と国内支持政策の確保に努めること。
  右決議する。
 以上の決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○宮路委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○宮路委員長 起立総員。よって、そのように決しました。
 この際、ただいまの決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣谷洋一君。
○谷国務大臣 本日は、畜産価格等の決定の時期に当たりまして、委員の皆さん方から各種の御意見をいただき、まことにありがとうございました。また、ただいまは決議をいただきましたが、決議を尊重して、今後検討していきたいと思っております。
 ありがとうございました。
○宮路委員長 お諮りいたします。
 ただいまの決議の議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○宮路委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時六分散会