第154回国会 財務金融委員会 第17号
平成十四年五月二十一日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 坂本 剛二君
   理事 中野  清君 理事 根本  匠君
   理事 山口 俊一君 理事 山本 幸三君
   理事 海江田万里君 理事 古川 元久君
   理事 石井 啓一君 理事 中塚 一宏君
      岩倉 博文君    金子 一義君
      金子 恭之君    倉田 雅年君
      小泉 龍司君    七条  明君
      砂田 圭佑君    竹下  亘君
      竹本 直一君    中村正三郎君
      林田  彪君    増原 義剛君
      山本 明彦君    吉田 幸弘君
      渡辺 喜美君    生方 幸夫君
      江崎洋一郎君    小泉 俊明君
      小林 憲司君    佐藤 観樹君
      中川 正春君    永田 寿康君
      長妻  昭君    牧野 聖修君
      上田  勇君    遠藤 和良君
      藤島 正之君    佐々木憲昭君
      吉井 英勝君    阿部 知子君
      植田 至紀君
    …………………………………
   財務大臣         塩川正十郎君
   国務大臣
   (金融担当大臣)     柳澤 伯夫君
   内閣府副大臣       村田 吉隆君
   財務副大臣        尾辻 秀久君
   財務大臣政務官      砂田 圭佑君
   財務大臣政務官      吉田 幸弘君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   岩田 一政君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    高木 祥吉君
   政府参考人
   (総務省大臣官房総括審議
   官)           板倉 敏和君
   政府参考人
   (財務省主税局長)    大武健一郎君
   政府参考人
   (国税庁次長)      福田  進君
   参考人
   (日本銀行調査統計局参事
   役)           寺尾 好正君
   財務金融委員会専門員   白須 光美君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十一日
 辞任         補欠選任
  五十嵐文彦君     牧野 聖修君
同日
 辞任         補欠選任
  牧野 聖修君     五十嵐文彦君
    ―――――――――――――
五月二十一日
 消費税の大増税に反対、税率を三%に引き下げることに関する請願(大森猛君紹介)(第三〇三七号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第三〇三八号)
 消費税増税反対等に関する請願(不破哲三君紹介)(第三〇三九号)
 同(藤木洋子君紹介)(第三〇四〇号)
 同(松本善明君紹介)(第三〇四一号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第三〇四二号)
 同(山口富男君紹介)(第三〇四三号)
 同(吉井英勝君紹介)(第三〇四四号)
 大増税路線反対、国民本位の税制確立に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第三〇四五号)
 同(松本善明君紹介)(第三〇四六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 法人税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第九八号)

     ――――◇―――――
○坂本委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、法人税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。財務大臣塩川正十郎君。
    ―――――――――――――
 法人税法等の一部を改正する法律案
    〔本号(その二)に掲載〕
    ―――――――――――――
○塩川国務大臣 ただいま議題となりました法人税法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 政府は、近年の社会経済情勢の変化や企業活動の国際化の進展等を踏まえ、我が国企業の円滑な組織再編成に対応するとともに、企業経営の実態に即した適正な課税を行い、もって我が国の経済構造改革に資する観点から、連結グループを一体として課税する連結納税制度を創設するための所要の措置等を講ずることとして、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、内国法人及び完全支配関係にある他の内国法人について、国税庁長官の承認を受けた場合には、その内国法人を納税義務者として連結所得に対する法人税を納めることとしております。
 第二に、連結所得の金額及び連結法人税額について、連結グループ内の各法人の所得金額を基礎とし、所要の調整を加えた上で、連結グループを一体として計算することとしております。なお、これらの計算に係る諸制度について、個々の制度の趣旨等を踏まえ、所要の措置を講ずるほか、国税通則法等の整備その他所要の規定の整備を図ることとしております。
 第三に、連結納税制度の創設に伴う税収減に対応するため、連結付加税等の連結納税制度の仕組みの中での措置及び退職給与引当金の廃止等の課税ベースの適正化のための措置を講ずることとしております。
 以上が、法人税法等の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。ありがとうございました。
○坂本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○坂本委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として日本銀行調査統計局参事役寺尾好正君の出席を求め、意見を聴取することとし、政府参考人として財務省主税局長大武健一郎君、国税庁次長福田進君、金融庁監督局長高木祥吉君、内閣府政策統括官岩田一政君及び総務省大臣官房総括審議官板倉敏和君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○坂本委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。倉田雅年君。
○倉田委員 おはようございます。自由民主党の倉田雅年でございます。
 きょうは連結納税制度ということについてお尋ねをすることになると思いますが、その前に、五月の十七日に政府の月例経済報告が出されまして、いわば景気の底打ち宣言というものがなされたやに思います。
 そこで、質問に入る前にちょっとお伺いをしたいと思うんですが、大臣、この底入れ宣言と言われますけれども、一時的なものなのか、それとも大きな回復が見込めるものなのか、その辺についての感触といいますか、お伺いをしたいと思うんです。よろしくお願いします。
○塩川国務大臣 実は、月例報告会をいたしましたその席で、委員の中から、宣言ということはまだ早いのではないかという趣旨の発言がございました。それに対しまして竹中経済担当大臣も、宣言ということはマスコミが言っておるんで、我々は状況の冷静な判断を申し上げた次第であって、まだ宣言ということについては、若干の成り行きを見る、慎重に構える必要がある、こういう表現でございました。けれども、底を固めたなという感じは強く持っております。そのようなニュアンスで言っておりましたので、そのように解釈していただいたらと思っております。
 それでは、その根拠とは何かといったら、諸元の数字につきまして竹中大臣から説明がございまして、大体ほぼ横ばいでずっと来ておるというところが底を固めたという表現になったのだと思っております。
○倉田委員 ありがとうございます。
 底入れ宣言をしたわけでもない、ただ状況は底固めをしておる、こういうことだと思いますけれども、けさの新聞なんかを見ましても、まだ設備投資が二年連続して減じるであろうとか、余りよくないこともあるわけでございまして、こうしたときに当たりまして、財政だけに頼って景気を押し上げていくというのはもうかなり無理だ、どうしてもやはり民間の活力を活用した、そうした意味での本格的な経済回復を考えなければならない、こういう時期だと思うのでございます。
 そうした観点から、先ほど法案の趣旨で御説明がありましたように、今回の連結納税制度、企業の国際競争力を引き上げる、こういうことを目的としたものであると思いますけれども、非常にその意味で時宜を得ているというか評価に値するものではないか、こう思うわけでございます。
 そこで、この連結納税制度、これは経済界の待望のものでもございました。この制度についての質問に入らせていただきますけれども、こうした連結納税制度というものを創設するに至った、先ほどは経済状況の変化、変動ということをおっしゃられましたけれども、その背景、理由というものを御説明願いたいと思います。
○尾辻副大臣 今先生お話しのとおりに、我が国企業の経営環境は大きく変化をいたしております。そうした中で、連結を主体とする企業会計への移行、独禁法における持ち株会社の解禁、会社分割や株式交換についての商法改正等によりまして、企業の柔軟な組織再編を可能とするための法制等の整備が進められてまいりました。
 その一つとして連結納税制度の創設は、このような企業を取り巻く経営環境の変化を踏まえまして大きく二点ございますが、一点は、実質的に一つの法人と見ることができる企業グループを一つの納税単位として課税することにより、実態に即した適正な課税を行うこと、もう一点は、企業の組織再編をより柔軟に行うことを可能とし、我が国企業の国際競争力の強化と経済の構造改革に資すること、この二点を目的として導入することといたしたものでございます。
○倉田委員 ありがとうございました。
 企業の実態に即した課税ということ、それにより企業の再編の努力を後押しするということ、大変意義があるんじゃないかと私は思っておるわけでございますけれども、聞きますと、今内容を見ますと、一〇〇%子会社、孫会社、そういうものについてこれを適用できる、こういうことになっているようでございます。企業会計原則の方からいくと、原則として五〇%以上の企業には連結決算が義務づけられておる。ところが、こちらはあくまで一〇〇%である。これはまたどういうわけで企業会計原則に則するまで広げないのか、こういう問題がございますが、御説明を願います。
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。
 今先生の方からございましたように、連結納税制度をとります対象を一〇〇%子会社とさせていただいたわけでございますが、これはやはり、大臣の御説明にもございましたとおり、連結納税制度の意義が、一体性を持って経営され、実質的に一つの法人と見ることができる企業グループについては、グループ全体を一つの納税単位として課税する方が実態に即した適正な課税が実現できるということでございまして、その意味では、経営が一つの法人に支配されるとともに、その利益が一つの法人に帰属するなど、やはり完全に一体と認められる親会社及び保有割合が一〇〇%の子会社、孫会社から成る企業グループとすることが適当だということでございます。
 また、連結納税制度は、連結グループ内での所得と欠損の通算を行う仕組みでございまして、一〇〇%未満の子会社を制度の対象とする場合には、子会社の少数株主が子会社の欠損金の繰越控除のメリットが享受できないといったような問題を解決する必要があり、さらに、仮にこうした少数株主の利益を考慮して制度を設計するということになりますと、さらに制度を複雑化せざるを得ないということになりますために、現時点では一〇〇%子会社を対象とさせていただいたということでございます。
○倉田委員 その理由は、理屈はよくわかるんですけれども、ただ諸外国では、例えばアメリカなどは八〇%子会社まで認めているということを聞いております。日本の場合にも、さらにこれを一〇〇%のみならず拡充していく方向が考えられるのかどうか、この点についてもう一度お答え願います。
○大武政府参考人 ただいま御説明させていただきましたように、やはり拡充する場合には少数株主の利益を考慮して制度設計をすることになりますから、さらに制度を複雑化せざるを得ないということは事実でございまして、この辺を考慮しながら将来的な課題として議論されるということかと存じております。
○倉田委員 わかりました。
 次の質問に入ります。
 連結納税制度は、単体課税の場合の利益が出た会社と赤字の会社と、これはもう通算するわけですから、税収としては必然的に減収になる、こういう理屈になると思うんですが、現実問題として、平成十二年度などを基準にしますと十二兆七千億くらいの法人税収入がある。これがどの程度減収が見込まれるのか。平年度ベースと、それから、ことしといいますか初年度ベース、この両方について簡単に御説明願えないでしょうか。
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。
 連結納税制度は、もう御存じのとおり、連結グループ内の黒字会社と赤字会社の所得を通算して課税する仕組みでございますから、当然、必然的に減収は生じるわけでございます。このあたり、企業に対する三千百社に当たるところへの実態調査というのをいただきまして、結論的に、もうちょっと広い範囲でアンケートをとったわけですが三千百社からの御回答をいただきまして、その中で見てまいりますと、減収額、平年度ベースで約七千九百八十億円、初年度ベースで五千六百八十億円と見積もったところでございます。
○倉田委員 そういう減収が見込まれるということでございますけれども、それに対して、先ほども趣旨説明の中で若干ございましたけれども、どのような財政措置を講じておるのか。一つは連結納税制度の中での付加税ということが出てくるんじゃないかと思われます。それからさらに法人税全体の中での財政措置というものをとられておりますが、いま少し詳しく御説明を願いたいと思います。
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。
 ただいま先生からもございましたように、連結納税制度の仕組みの中での増収措置と、法人税の一般的な課税ベースの見直しというようなことで対応をとらせていただいてございます。
 連結納税制度の仕組みの中での措置としては、連結付加税の導入、それから子会社の連結前繰越欠損金の持ち込みの制限、それからこれは創設初年度だけの話なんですが、新規子会社の加入制限というような措置でございます。
 それから、あと法人税の一般的な課税ベースの見直しとしまして、退職給与引当金の廃止、これは四年間で取り崩しですが、ただ中小法人等につきましては、中小企業の負担を考えまして十年間で段階的に取り崩す。それからあと受取配当の益金不算入措置の縮減、それから特別修繕引当金の取り崩し期間の短縮、これも四年間で取り崩しというような措置でございます。
 それ以外に、あと企業関係租税特別措置の縮減というようなことも盛り込まさせていただいているということでございます。
○倉田委員 一番問題とされているのは付加税の制度でございます。二%ということで、今御説明がありましたように、平年度ベースでは、七千九百八十億の中で余り多くない、たしか一千三十億だ。それから初年度ベースでも五千六百八十億円の減収予想の中で七百三十億円だ、こういうことでございますけれども、せっかくこういう制度を導入しようというときに、そうした付加税というようなものをくっつけることによって、せっかく企業の再編努力を後押しして国際競争力をつけようというのに、採用する企業が実際少なくなってしまっては何にもならない。それを多くの企業に採用してもらうという前向きの姿勢からしても、これはちょっと何とかならぬかということを考えるわけでございます。
 付加税というもの、大変評判が悪いですね。日本経済新聞なんかでも、社説で、まず連結付加税の廃止からやるのが税制改革だなんということを言われておりますけれども、自民党の方では昨年末に我々も含めて賛成をしているというところもございますので、言いにくいところもございますんですけれども、何とかこの辺をもう一度考え直すことはできないか。少なくとも早期にこの付加税というのはやめていくことはできないか。大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○塩川国務大臣 当初この税制を創設するときに、減税に対応する増税の策ということも考えたこともあるんですけれども、その増税は、十四年度は増減税パラレルにしよう、そういう思想が強く支配いたしましたので、とりあえず、連結納税からくるところの減税分はその制度の中で対応するというようなことをやらざるを得なくなってきたのであります。
 私たちはこれを創設するときから、連結納税制度をやる以上は、やはり企業にそれだけのメリットをつくって、それが活力になって経済活動がさらに拡大することを願っておったんですが、そうすると増減税同じだということは魅力がないじゃないかということ、これは私たちも考えておるところなんです。
 とはいっても、やはり現在の企業活動の中で、特にベンチャー活動等が非常に進んでまいりましたので、一応この制度を適用してやってみようという企業も、相当検討を真剣に考えてくれておると思っておりますので、そうである以上は、一応このままスタートさせてもらって、付加税をつけたままでやってみて、やはりどうしてもということになれば、そのときの状況で考えざるを得ないんだろうと。一応はこういう法律を出させていただいて、これで御審議いただいておるので、このことについては十分と心得ておりますけれども、現状認識の上に立ってひとつ御判断していただきたい、こう思っておるんです。
 決して私たちは、これでもう完全な連結納税制度が今後とも企業の発展に役立つということは、まだまだ自信を持って言えるところじゃありませんけれども、しかし制度としては、私はこれは有効に働いてくると。その効果をどの程度経済界が評価し、期待してくれるかということについて、これはそのときになってからまた考えてみたらどうだろう、こういう態度で今おるというところです。
○倉田委員 ありがとうございました。
 しかしながら、現状、私の聞いているところでは、日立製作所ですか、それからNTTがこれを導入すると。あと二、三は聞いておりますけれども、実質、余り多くない。そういうことになりますと、当局の方で減収を見込んでいる数字も実は相当少なくなるんじゃないか、こういうことも考えられるわけでございますけれども、実際上企業がどのように歓迎するのか。私は、この付加税がなければ、うんと歓迎するところ多いじゃないか、導入するところ多いじゃないかと思うんですが、その辺のことを、大臣今おっしゃいましたように、現実の企業の動きを見ながら、それこそ、二年とおっしゃっているようでございますが、より早期に私はこの付加税というものを考え直してみていただきたい、この点をお願いしたいわけでございます。
 それにしましても、大臣がおっしゃいましたように、とにかくこれは国際的な観点から見ても必要なことだし、諸外国でも既にやっております。そうしたことから、早期に実施に移すということは、これは非常に重要なことだと思います。特に、来年三月末決算を見込んでこの九月ごろまでに企業に態度を決めさせなきゃならない、こういうことでございますので、この国会で早期にこれを成立させるべきものと私は思いますけれども、大臣、そういう考えでよろしゅうございましょうか。
○塩川国務大臣 私も、法案の提出がおくれましたので、非常に国会に対して責任も感じておるんでございますけれども、ぜひこの国会中に成立させてもらいたい。そのためには予算関連法案と一緒に提出すべきであったんでございますが、ごらんのようにもう物すごい法案でして、これに政省令をつけるとこの倍からになるんだそうでございまして、その作業に思わぬ停滞が来ました。これは職員が必死になって徹夜でやったんですけれども、追いつけなくて、御迷惑をかけたんですけれども、とはいっても、どうしてもこの国会中に成立させていただいて、四月一日からの適用をさせてもらいたいと思っておるところです。
 なお、先ほど御心配いただいたので、ちょっとアンケートをとってみたことがございまして、その数字を申しますと、調査機関が二つございますが、二つとも同じような数字を出しておるんですね。まず、検討するというのと、導入するという意思表示をはっきりしておるのが、これが大体五四%ですね。導入はずっと控えたいということと、導入しないというのと合わせまして四六%、そういう比率になっておりまして、少しですけれども、導入をするという気配の方がちょっと強いように思いますが、しかし、なお半分は導入はちょっと控えたいという消極的なところがある。ちょうど半々だと思っております。
○倉田委員 わかりました。とにかくこの国会で成立をさせて、多くの企業が参加するかどうか、参加してくれると思いますが、そういう方向へと持っていってもらいたいものだと思います。
 そこで、まだまだ連結納税制度についてはお尋ねしたいこともあるんですけれども、ほかの党からもいろいろな御質問がございますでしょうから、それはそれとしまして、先行減税、減税先行といいますか、このことについて少しくお伺いをしたいと思います。
 大臣がG7から先月の、四月の下旬にお帰りになりまして、その際に、諸外国から相当、余り温かい目で見られなかったというようなことで、何とか例えば減税を先行しなきゃならぬのではないかというお考えを表明されたと思います。ところが、小泉総理の方は、国債の三十兆円発行枠、これを堅持したいというお考えでしょうか、やや消極的。それに呼応したわけでもないんでしょうけれども、大臣の方は、年度内減税というニュアンスから、二〇一〇年のプライマリーバランスの均衡、これを目指した、やや長期の中での減税の先行的な実施、こういうお考えに変わっておられるのかなとも思ったんです。
 しかし、この五月の連休明けの、十七日でございましたか、そのときに大臣は、もし政府・与党の方から、追加デフレ対策、そういうことで年度内減税ということが言われた場合には、財源はやや柔軟に考えてもいいのではないか、こういう発言をされたと思います。それが十七日のはずでございます。そうしましたところ、その夜、小泉総理が政府税調の幹部と夕食をなさって、その席で、デフレ対策のための減税だとか、あるいは活性化を目的とした減税などはとんでもないという発言をなさったと実は新聞に載っているんです。
 そこで、現在の塩川大臣の、先行減税ないしは年度内減税、中身としても活性化減税、こういうものに対してどのようなお考えを持っておられるか。積極的なお考えではないかと思いますけれども、改めてお伺いをしたいと思います。よろしくお願いします。
○塩川国務大臣 その問題が、きょうの実は経済財政諮問会議の、五時からあるんでございますが、主要議題になってまいります。
 そこで、昨日、私は総理と十分に、この減税の問題についてどう考えるかという基本的な考え方につきまして話をいたしました。個々のことは、話は出ておりません。
 先ほどお話にあった、政府税制調査会の方々ともお話されたこともございまして、総理の考え方ははっきりしておりまして、景気対策をやらなきゃならぬ、それはもう私も一生懸命なんだけれども、減税を先行させて、減税だけで経済の成長や活性化ということは望めないんではないか、いずれそれは効いてくるけれども、時間の差があると。だから、そうではなくして、やはり経済の刺激には総合的な、金融対策であるとかあるいは規制緩和であるとか、そういうようなものと、そこへ相まってどうしても必要な部分に対する減税措置を講ずるということでインパクトを与える、そのことについては私も賛成だけれども、まず減税を先行して、減税のために、それを力にして景気を回復、刺激するという考え方は私はとっていないんだ、こういうことをはっきり言いまして、ですから、何も減税を否定しているんでは絶対ないわけでして、総合的に見た上での話なんだ、こういうことを言っていました。
 私は、この考え方は総理の考え方として、それはよく承知したと言っております。
 私自身の考え方としては、そうはいうけれども、やはりこの際に、財政上のいわゆる減税財源をどうするんだという悩みはある、悩みはあるけれども、それを克服してでも、やはり減税で明るい空気をつくっていきたい、積極的な刺激を誘導していきたい、この気持ちは私は今でも持っておるんだ、それは何も年度内減税とか言うているんじゃなしに、そういう方向に持っていきたいと思っておるんだと。そうすると、それじゃ、減税をしてしまったら後は必ず財政に欠陥ができてくるから、この欠陥を責任を持って補っていかないかぬ。しかし、過去の例からいうて、減税は、皆食ってしまった後では、増税で穴を埋めるということを絶対許してくれない。要するに、いつでもタコ配をやってきたんだ、タコ配の集積が今日の財政窮迫に来たんだから、そこを一定期間で縛りをつけてしまって、増税も義務づけてしまうということを私はやりたいんだ、こういうことを言ったのです。
 総理も、私の考え方にも、よし、それはよくわかっている、わかっているから、だから、それならば諮問会議で十分そのことを議論して、その議論で一つの方向をつけようじゃないか、こういうことできのう話した、そういうことなのです。
○倉田委員 減税は歓迎するけれども、それを補う措置というのはなかなか歓迎されないという要素もございます。そういうこともよくわかるのですけれども、この際、いろいろな金融政策それから財政政策もやってきた、その中で、まだまだ思うようにいかない。そうしたところで、減税ということに非常に大きな期待がかかっている、景気を押し上げるという意味で。そのことをひとつ、これは世論でもございますので、頭に置いて考えていただきたいと思うわけでございます。
 そうした中で、抜本改革ということが議論をされ始めておるわけでございます。企業の研究開発投資についての減税とか、あるいは住宅の資金のための贈与、これを制度を拡充しようとか、こういうものはどうやら固まりつつあるように思うのでございますけれども、私、一点だけ、御提言といいますか申し上げておきたいのは、所得移転税制の中で、今言われておりますところの贈与税と相続税の一体化、簡単に言いますと、相続税の非課税枠を生前贈与にも使えるように、これは、貯蓄が高齢者に偏在しておりますので、これを現役世代に移すという意味で、消費の促進とかあるいは住宅取得の促進とか、こういうのに非常に役立つと思うのですけれども、それを早期にやろうということになりますと、御存じのとおり、背番号制、こういうものの問題になってくるのじゃないか、こう思うわけでございます。
 私は、この際、背番号制というものについて、全部に義務づけるのじゃなくて、生前贈与をして相続税の非課税枠を早く使いたい、そう考える人に対して選択的に背番号制を採用する、こういう考え方はないか。それでありませんと、プライバシー云々と言っておりますと、またまた大きな議論、長い議論がかかってしまう。その間に、選択的な背番号制ということで、この贈与税と相続税の一体化というのを部分的にも早く進めるということはどうでしょうか、こう考えるわけでございますが、大臣、いかがでございましょうか。
○塩川国務大臣 選択制は、私も一つの考え方かなと思って今聞いておったのでございますけれども、これは相当国民が理解してくれないと、非常に問題を起こしてくる。特定のものが背番号で、特定のものは任意申告だということになりましても、これも、法のもとで平等という、税は特にうるさいものですから、その点からいうて、どういうことの反応があるかなと思ったりいたしますが、いずれにしても、そのお考えは、要するに、公平を期するため、そして租税回避を防止するために背番号制を導入しようというお考えはよく理解いたしますので、今後とも検討させてもらいたいと思います。
○倉田委員 ありがとうございました。私は、とにかく、この相続税の非課税枠というものを減らさないままで、それこそ、増収減収中立という立場から減らさなくてもいいんじゃないか、これを早くにやる方法をお考えいただきたいと思うわけでございます。
 それでは、時間になりましたので、きょうはこれで終わります。ありがとうございました。
○坂本委員長 次に、石井啓一君。
○石井(啓)委員 おはようございます。公明党の石井啓一でございます。
 まず、この改正案の中身で、基本的なことを確認いたしたいと思いますけれども、改正案の第四条の五で、連結法人は、やむを得ない事情がある場合に限って、連結納税制度の適用を取りやめることができるというふうにされておりますけれども、これは、連結納税制度の適用を、税負担を軽減させるからということで恣意的に適用したり適用しなかったりということを避ける、こういう趣旨だと思いますが、このやむを得ない場合というのはどういうケースを想定しているのか、まず確認をいたしたいと思います。
○尾辻副大臣 今先生もお述べになったところでございますけれども、この連結納税制度は、その取りやめを自由に行える、そういう仕組みにいたしますと、恣意的な租税回避行為につながるおそれがございます。したがいまして、連結納税制度を選択した場合には継続して適用することを原則といたしておりまして、その取りやめは、やむを得ない事情があるときとして、国税庁長官の承認を得た場合に限ることといたしております。お話のとおりであります。
 そこで、そのやむを得ない事情があるときとはどういうことかというお尋ねでございますけれども、連結納税制度を継続することによる事務負担が著しく過重となると認められる場合など、こういうふうに申し上げますが、ごく限られた場合を想定しておるところでございます。もっと申し上げますと、税額が少なくなるから、それで連結納税制度をやめる、こういうことは認めない、このことを言っておるところでございます。
○石井(啓)委員 もう一つ、基本的なところの確認でありますが、改正案の第百三十二条の三で、連結法人の包括的な租税回避を防止するために、連結法人の行為または計算で法人税の負担を不当に減少させる結果となると認めるものがあるとき云々というふうな条文がございますけれども、この連結法人の租税回避行為にはいろいろなケースが考えられると思いますが、典型的な事例ではどういったものを想定しているのか、確認をいたしたいと存じます。
○尾辻副大臣 今も申し上げておりますように、この制度は、対象子会社の選択や適用、取りやめ、赤字会社や含み損を抱える会社の買収といったようなさまざまな租税回避行為がまず想定されます。したがいまして、こうした点につきましては、対象子会社はすべて一〇〇%子会社とする、先ほどもお答え申し上げましたけれども、そうしたこと、あるいは、選択した場合には継続して適用する、今申し上げたとおりでございます。あるいは、子会社の加入に当たって、一定の保有資産の時価評価を行うといった仕組みを設けまして、対応いたしております。
 しかし、そういたしましても、この連結納税制度のもとでは、今申し上げたようなこと以外にも、あらかじめ想定することが困難な租税回避が行われる懸念がございます。そこで、今先生御指摘の包括的な租税回避防止を規定いたしておるところでございます。
 申し上げたいことは、どういう租税回避行為が行われるか、なかなかあらかじめ想定することが困難でありますので、一切そういうことはだめですよというまさに包括的な規定にしてございます。何回も申し上げますが、想定することが困難なためにこういう規定になっております、こういうことでございますので、今具体的に何か言えとおっしゃることは、お答えすることが大変、まさに困難であることを御理解いただきたい、こういうふうに思います。
○石井(啓)委員 それでは、話題になっております連結付加税についてでございますけれども、連結付加税については、親会社も子会社も黒字の企業グループにとっては、連結の所得にいたしましても所得が減少しないということでありますから、付加税が課されるということになりますと減税どころか増税になるということでございますので、ある意味で、親会社も子会社も黒字だという優良な企業グループにとっては、連結納税制度を採用する妨げになるわけでございます。
 そういった意味では、企業再編の妨げになるということから、私どもは望ましくないと。ただし、減収の補てん策として、この連結納税制度を採用しない企業まで適用する租税特別措置の見直しだけではなくて、やはり連結制度を導入する企業の直接の負担もやむを得ないという観点から、この連結付加税は昨年の税制改正でやむを得ないというふうに私どもも判断をしたわけでございます。ただ、現実にこの制度導入という時期になりまして、やはりこの連結付加税がネックになって制度の導入を表明する企業が少ない、こういう現実もあるわけでございます。
 したがいまして、今、二年後に財源措置の見直しを行うということになっておりますけれども、私どもは、連結納税制度の実施状況や実施に伴う増減収の実態がどうなのかということを踏まえて、二年後といわず早期にその見直しを行ってはどうか、こういうふうに考えるわけでございますが、この点についていかがでございましょうか。
○塩川国務大臣 私自身も、その点については配慮しておく必要があるなと思ったりしておりますが、とりあえず発足させてもらって、その上で様子を見ないと今のところ何とも申し上げられないということが状況でございまして、先ほども言いましたように、これの導入を積極的に考えておる方が五四%で、消極的なのが四六%と全く半々になっておるような状況でございますので、発足して十分にその点はしんしゃくしてまいりたいと思っております。
○石井(啓)委員 まず導入してみて実態を見てみるということについては私どもも否定をしないわけでございますけれども、導入して二年といわず、例えば導入して一年たてば大体どんな状況かというのがわかるわけでございますから、特にことしの九月三十日までに、来年の三月の決算期の企業については導入するかどうかの選択をするわけでございますので、もう少し早目に実態というのは把握できるんじゃないかということで、二年後といわず早期の実態を踏まえた検討をしてみてはどうかというのが私どもの提案でございますけれども、その点についてはいかがでございましょうか。
○塩川国務大臣 実態の把握はできるだけ早くやるようにいたします。
○石井(啓)委員 では、またその付加税についても、なるべく早く検討をお願いいたしたいと思います。
 それでは、話題を変えまして、政府・与党のデフレ対策についてお伺いしたいと思います。
 五月十五日に行いました与党三党の党首会談におきまして、一カ月後をめどに政府・与党一体で第二次のデフレ対策を策定するということが確認をされたわけであります。二月の二十七日に政府の方で発表されたデフレ対策は、その中身は、不良債権処理を促進することや、あるいは市場における空売り規制を強化するといった点が中心でございまして、いわば金融対策が中心であったわけでありますけれども、この第二次のデフレ対策においては、財政出動というのはなかなか難しいとは思いますけれども、それ以外の対策で民間の需要、個人消費や設備投資を創出する、喚起する、そういう需要対策が中心になってくるというふうに考えております。
 その中で、当然、税制改正も取り上げられるもの、こういうふうに思っておりますが、その点についてはいかがでございましょうか。
○塩川国務大臣 減税問題を含む税制の改正、これも議題になってくると思っております。
 要するに、先ほどもちょっと私から申しましたように、小泉総理の考え方で、これのみでデフレ対策をというお考えではなくて、税制制度を絡めた総合的なデフレ政策を実施したい、こういうことを言っておりまして、きのうも話しておりました中で、非常に重点を置いておりますのは、規制緩和がまだ十分ではないという、そこと、それからもう一つは、既定の予算の執行状態が実際はまだ徹底してないんではないか、これをより実施を早めていくことによって相当経済情勢にも刺激を与えるんじゃないか、こういうことを言っておりました。
 いずれにしても、第一回の与党会議をやったんですけれども、そこで問題点は整理されてきたので、早急に第二回の与党会議をやって具体策を練っていきたい、こう言っておりました。
○石井(啓)委員 確かに、デフレ対策というのは総合的な対策でございますから、私どもも税制改正だけやればいいというふうに思っているわけではありませんけれども、逆に申し上げれば、税制改正が入ってなければ画竜点睛を欠くというところはありますので、その点については申し上げておきたいと思います。
 ちなみに、財務大臣は、増減税を一体で決めておく、なおかつ一定期間での税収中立を確保した上で減税先行も容認されるというお考えを表明されております。ですから、一定期間では税収中立するけれども、将来の増税というのもちゃんと担保した上で減税先行もあり得る、こういうことかと思いますが、与党三党では、さきにデフレ対策として既に幾つかの政策減税を提言しております。
 例えば、住宅取得のための贈与税の非課税枠の拡充ですとか、あるいは登録免許税等の不動産流通課税の軽減ですとか、あるいは投資促進税制の拡充ですとか、そういういわば活性化のための政策減税を幾つか具体的に提言をしているわけでございますが、これをなるべく早期に、年度途中にでも実施をするということが私は必要ではないかというふうに考えておりますが、この点についていかがでございましょうか。
○塩川国務大臣 これは与党三党の党首会談の結果が非常に大きい影響を与えると思っています。そういう主張が与党内で根強くございますので、その点につきましての配慮をどうするかということについて、これは経済諮問会議等で議論されることでございますけれども、総理もある程度この与党の意向というものを重視していっているということは事実でございます。
○石井(啓)委員 今、与党の意向も重視していくということで、非常に期待を持てる答弁だったと思いますので、ぜひこの点についてはよろしくお願いをいたしたいと存じます。
 それでは、あるべき税制の議論について確認をいたしたいと存じます。
 今、経済財政諮問会議あるいは政府税調で今後のあるべき税制の姿について議論をされているわけでありますが、その中で、税の空洞化ということが非常に大きなテーマの一つとして挙げられているわけでございますけれども、税の空洞化というのは、具体的に何を指して空洞化というのか、この点について確認をいたしたいわけでございます。
 税の空洞化というのは、幾つか観点があるわけでございますけれども、特に所得課税について申し上げたいと思いますけれども、実効税率の国際比較をいたしますと、我が国の所得課税の実効税率というのは相当低いレベルにございます。
 これは政府税調に提出されている資料でありますが、所得税、個人住民税の実効税率の国際比較では、給与収入一千万円で見ますと、日本の場合は実効税率が八・六%でございます。それに対してフランスが九・九%、アメリカが一六・七%、ドイツが二一・五%ですか、イギリスが二七・二%というレベルでございますから、これは、実効税率でいきますと、我が国は相当低い水準にございます。
 また、あるいは国民所得に占めます租税の割合、いわゆる租税負担率を見てみますと、これも我が国は相当低いレベルにございます。平成十四年度を見ますと、我が国の租税負担率は二二・九%でございますが、それに対してアメリカは二六・五%、ドイツで三一%、ほかのG7のイギリス、フランス、イタリア、カナダで見ますと軒並み四〇%以上でございますから、これも相当我が国は租税負担率は低いというレベルでございます。
 したがって、実効税率あるいは租税負担率ということでいいますと、確かにこれは相当厳しいといいますか、低いレベルにある。いわば税のボリュームといった面でいいますと、これはやはり相当空洞化といいますか、低い水準にあるということが言えると思います。
 一方で、よく言われる課税最低限あるいは就業者に占める納税者数の割合、これでいくとどういうことかといいますと、よく課税最低限が我が国は国際比較して非常に高いと言われていますが、実はそうでもないわけです。
 特に、課税最低限の国際比較をしますと、為替レートをどうとるかによって相当変わってきますので、購買力平価で見ますと、そんなに日本が特段高いというわけではありません。
 これも政府税調への提出資料でありますが、例えば内閣府の生計費調査による購買力平価、一ドル百三十一円のレベルで見てみますと、夫婦子供二人の場合は、日本は三百八十四・二万円でありますが、アメリカで三百三十八・六万円、ドイツでは五百九十九・八万円、フランスでは四百三十八・九万円でございますから、こういった為替レートで見ると、日本だけが特段課税最低限が高いというわけではないようであります。
 また、就業者数に占める納税者の割合で見てみましても、よく四分の一の人が納めていないんだという例で挙げられますが、確かに、就業者に占める納税者数の割合は我が国は二〇〇〇年の時点で七四%でありますから、二六%の人は納めていない。ただし、イギリスやカナダで見ましても、納税者数の割合は八〇%程度でありますから、二〇%程度の方は納めていないということでありますので、我が国だけが納税者数の割合が低いというわけではどうもなさそうだということから見ますと、結論から言いますと、私は、この空洞化というのは、課税最低限とか納税者数の割合というより、むしろ税のボリュームの方でこれは言うべきであろうというふうに考えているわけでありますが、財務省としてはどういう御見解か、確認をいたしたいと思います。
○尾辻副大臣 税の空洞化、とりわけ所得税の空洞化についてのお尋ねでございます。
 るるお話しのとおりでございまして、所得税につきましては、累次の税制改正によりましてその負担水準は主要先進国中最も低いものになっておりますなど、基幹税として本来果たすべき財源調達や所得再分配などの機能を消失しかねない状況にございます。
 こういう全体の状況をとらえて、すなわち、先生、税のボリュームという表現をなさいましたけれども、まさしく私どもも、そういう意味での所得税の空洞化、こういうふうに認識しておるところでございまして、今御指摘ございましたような、例えば課税最低限の水準そのものや非納税者割合の水準のみをもって空洞化、こういうふうに言っておるわけではございません。そういう意味では、先生の最後におっしゃったことと同じ認識を持っております、こういうふうにお答え申し上げたいと存じます。
○石井(啓)委員 その上で、今、政府税調の方でもさまざまな控除制度についての見直しを行っているわけでありますが、課税最低限を引き下げるということを目的としていろいろな控除を見直すというのは、私はロジックとしては納得いかないわけであります。そうではなくて、さまざまな今後の社会経済構造の変化というのがございますので、そういった趨勢を見て諸控除は見直すべきであり、その結果として課税最低限が現状より変わるということはあるだろう、こういうふうに思っているわけでございますが、この点についてはいかがでございましょうか。
○塩川国務大臣 私は石井先生と見方をちょっと変えていまして、租税の空洞化ということは、そういう私の感じ取っておりますのは、今、国民の公的負担は四五%ぐらい、こう言われていますね。ところで、さっきお話ございましたように、税の負担というのは二二、三%でございます。ちょうど半分ですね。あと半分、それじゃどうなのかといいましたら、料金とか保険料とかそういうものと、それから国債とでこれをカバーしておるんですね。この状態は非常に異常ではないかと。諸外国に比べまして、これは私はちょっとやはりいびつじゃないかと思っておるんです。
 では、それをどうして修正するかということになりますと、やはり税を根幹にした公的負担というものを考えるべきではないか。そうすると、一つは、やはり税の方の空洞が起こっておる、これが一つの考え方でございました。そして、それじゃどこで空洞化が出ておるかといいましたら、料金はみんなすべて平等に、保険でございましても平等に負担をしておる、そうすると、税の方は高額所得者の方に偏り過ぎておるということは、いわゆる消費税が低いものですから、どうしても高額所得者の方に偏ってくるということは否めない事実だと思うんです。
 そこを広く薄くしてもらうことによって、税の負担全体が料金とのバランスを取り返せる一つの方法なんだ、料金も下げるということになりましたら、結局のところは、一般のいわゆる弱者対策にとりましても私は有効なことに傾いていくんではないかと。そういう考えを持って、税の空洞化というものに私ども取り組んでおるというところであります。
○石井(啓)委員 今、広く薄くというお話が出てきましたので、その点について申し上げたいと思うんですけれども、特に経済財政諮問会議で広く薄くという理念を使っているわけでありますが、私は、薄くということについては疑問を持っております。
 といいますのは、先ほど申し上げましたように、所得税の実効税率については、もう今、相当低い水準です。かつては確かに、ある意味では懲罰的な累進課税でございましたから、最高税率も非常に高くて、これは改める必要があるということで、今、累次の税制改正によりまして所得税は三七%、住民税は一三%、合計五〇%ということで、これはもう相当改めてきておるという実態がございます。その上で、実効税率は、かなり他の先進国から比べても低い水準にあります。だから、今、高額所得者のみが何か非常に過重な負担を負っているというような税の実態にはなっておりません。
 それから、法人税を見ても、やはり国際的な税率に合わせるということで、今、地方税も合わせた実効税率が四〇%ちょっとでありますから、これも大体、他の先進国並みになってきておる。東南アジアなんかはもう少し低いようですから、それをどうするかという議論はございますけれども、それに対抗するにはどうしたらいいかという議論はありますけれども。
 したがいまして、私は、薄くといいますか、税率をさらに下げることについては、正直言いまして大変疑問がございます。特に、税率を下げたから経済活性化につながるかというと、どうもそうじゃないんじゃないか。特に、最高税率が適用される方が、例えば野球選手の清原が、ちょっと税率が下がるから、では所得を取るためにもっと頑張るかというと、そうじゃないんだろうなというふうに思うんですね。
 平成十二年の政府税調の答申にも、これは個人の所得課税でありますけれども、今以上の累進緩和は適当ではなく、現行の税率構造は基本的に維持すべきという見解が出されております。それは現行の所得の再分配機能を維持するという点が表に出ているわけでありますが、さらに加えて、今後、景気回復した後の税収をやはりきちんと確保していくという意味でも私は必要だというふうに思っておりまして、この点について、広く薄くということについてどういうふうに考えていらっしゃるのか、確認をいたしたいと思います。
○塩川国務大臣 薄くないとおっしゃるけれども、私は、相当空洞化は、すいてきておるように思っておりますし、言葉の表現でいろいろなとりようがあると思っておりますけれども。
 要するに、課税最低限が余りにも高レベルになってきた、ハイレベルになってきたということは、これは石井さんもお認めになっているところだと思っております。だから、そこをやはり直していくということが一つの方法ではないか、これが広く薄くの一応シンボル的なことじゃないかと思っておるんですけれども、そのやり方はいろいろなところがある、項目のとり方というのはあると思うんです。そこは十分に検討しなきゃならぬと思っております。
○石井(啓)委員 大臣、私は、課税最低限を下げることが、高過ぎるということを認めているわけではありません。逆に私は、課税最低限はそんなに国際比較から見ても高くないよというふうに、逆のことを申し上げたんです。
 最後の質問にさせていただきますが、今後のあるべき税制の姿というのは、当然のことながら、二十年先あるいは三十年先の姿を考えているというふうに思いますけれども、これは財務大臣も指摘をされておりますが、特に、今後の負担が非常に重たくなるのは社会保障の負担でございます。
 この社会保障のサービス水準、給付の水準と負担をどういうふうに考えていくのか。負担の中でも社会保険料の負担と税の負担がございますから、これをどういうふうにしていくのか。これをきちんと押さえないで、あるべき税制改正の姿というのは見えてこないというふうに思います。また、政府税調でおやりになった税の対話集会の中でも、この税の議論をする前にまず歳出の方をきちんとやってくれ、歳出の見直しを徹底するのが大前提だ、そういう意見も多く出ているようであります。また、国と地方との税源の配分というのも、これも当然のことながら考えなければいけません。
 そういった今後の国のあるべき姿、ビジョンというのをきちんと踏まえた上でないと、税だけの議論でどうこうすべきという話では当然なっていかないと思うんですが、この点についてどういうふうにお取り組みになるのか、最後に質問いたしたいと思います。
○塩川国務大臣 それは、昨年の六月、骨太の方針というのを出しましたので、その中に概略、考え方は出ておるんでございますけれども、しかし、それを具体的な政策にどう結びつけていくかということがちょっとまだ骨太の方針では徹底しておらなかったように思いまして、それをことしはさらに徹底した方向で、諮問会議で徹底をしていきたい、こう思っております。
 そのためには、その一つのステップとして、まず六月におきますところの基本的な考え方を示し、それをさらに秋に向けまして肉づけをしていく、そういう手段でもって完成していきたい、こう思っております。
○石井(啓)委員 時間が参りましたので、以上で終わります。
○坂本委員長 次に、長妻昭君。
○長妻委員 民主党の長妻でございます。よろしくお願いします。
 先ほども話が出ましたけれども、塩川大臣の御答弁で、昨日小泉総理とお話をされた、減税のお話ということを先ほど御答弁されましたけれども、やはり減税に向けた方向性というのは、塩川大臣の御主張というのは一理あるというふうに思っているんですが、であれば、今回、せっかく連結納税制度というのを導入して、ある程度減税効果のようなものがあるにもかかわらず、付加税を二%加えちゃった。非常に残念なことだと思うんですが、この塩川大臣の減税のお考えと、二%を加えたという整合性といいますか、それを教えていただければと思います。
○塩川国務大臣 この問題につきましては、先ほども申しましたように、本当は付加税なしでやりたいと思っておったんでございますけれども、余りにも、連結納税制度を適用することによって初年度で約八千億円からの歳入欠陥が出てくるということであるとするならば、これはやはり財政上の措置としては非常に緊急的な措置を講じておかなければならないのではないかということでございます。
 そして、それに見返るものを、補完する歳入をどこか税制上に見出したいと思って努力したんでございますけれども、増減税なしという方針で十四年度の税制改正をするという基本方針からいきましたら、やはり連結納税制度を実施したことに伴うその制度の中において増減税を図っていかざるを得なくなったということでございまして、このことにつきましては、二年で見直すという条件をつけておるということが、そこにおいて連結納税制度に対する将来に向かっての一つの考え方も出ておるということに含んでいただきたいと思います。
○長妻委員 本当に今景気が悪いということで、まず企業向けの政策減税であればすぐやる必要があるということ、にもかかわらず、ちょうどそのやるべき二年間に付加税ということである意味では付加を課していくというのは、ちょっと発想が逆なんではないか。
 今お配りした資料の一ですけれども、平年度で約八千億円弱の減収が見込まれておりますけれども、これは、連結付加税を入れることによってそれを全部穴埋めするというんじゃなくて、連結付加税で一千億円なんですね。あとは恒久的な措置でやるというふうに聞いておりますので、その意味では、たった一千億円、付加価値税二%でその程度でありますから、これは非常に象徴的に語られていますから、いっそのこと、この際、もう今ここで塩川大臣、なしにしようと言っていただきたいと思うんですね。
 今井経団連会長と塩川大臣が話されたときにも、法案を成立した後に、これは二年だけれどもちょっと期間は考えようねというような話を塩川大臣がされたということも漏れ伝わってきておりますけれども、そうであれば、そんな成立した後に話すんじゃなくて、ここ国会の場で、今の時点で、これはもうやめようという御決断はできないんですか。一千億円です。
○塩川国務大臣 経済界との話では、私は、検討して、導入をとりあえずやらせてもらいたいと。やって、検討した結果、不適切であるとするならば改正もしましょうということは申し上げた次第です。
 ですから、あくまでも一応導入をすることにひとつ御同意願って、速やかに検討、実態を把握するということにひとついたしたいと思っております。
○長妻委員 ちょっとこれは、野党というかこの委員会に、国会に対して余り適切な今御答弁ではないと思うんですね。法案を出しておいて、とりあえずとか一応とか、不適切なら改正しようとか。今審議をしている真っただ中でありますので、そういう自信のない法案であれば、もう一回出直してきていただきたいと思うんですが。
○塩川国務大臣 これは何遍も申しておりますように、実行してみなければわからぬ話でございますから、実行した結果によって判断するということにいたしたいと思っています。
○長妻委員 次の質問に移りますけれども、いずれにしてもこの連結納税制度、せっかく、本当に官僚の方も寝ないで取り組まれて分厚い法案を出されて、経済界もある意味では期待をしていたものなんですけれども、いざふたをあけてみると、こういういろいろなおまけというか、悪い意味でのおまけがついてきて、非常に当初の予想と狂ってしまう。
 今景気が大変悪いときですから、こういう税収の数合わせ、これ、ぴったりなんですね、本当に。数合わせをして、景気、企業の成長等々をきちんと考えているのかという疑問がありますので、ぜひこの場で本当は見直していただきたい、二%というのをなくしていただきたいということを強く申し上げます。
 そして、昨日またみずほコーポレート銀行で、振り込みの受理が障害を受けた、こういうことがあったようでありますけれども、これは柳澤大臣、みずほ銀行の一連の例のトラブルとの関連性というのは、あれが尾を引いているのか、全く別物なのかというのはどうでございますか。
○柳澤国務大臣 昨日、みずほコーポレート銀行で御指摘のような事故が生じまして、このこと自体、大変私も遺憾だと思っております。
 前のトラブルとの関連ということにつきましては、もちろんなおその背景にある事情等については、現在、私ども金融庁とそれから日本銀行とが手分けをして検査をいたしておりますので、あるいは考査をいたしておりますので、それのたまたま検査中に起こったことでありますので、当然これは検査、考査の視野の中に入ってくるわけでございまして、その結論も待ちたいとは思いますが、とりあえず今報告をされている限りでは、余り関係がないことだというように認識をいたしております。
○長妻委員 そして、本財務金融委員会で先月の二十四日、四月の二十四日に柳澤大臣は、みずほから虚偽の報告があったということを断言されたわけですけれども、具体的にはどういう報告が虚偽だったんですか。
○柳澤国務大臣 そのときのやりとり、私もつまびらかにすべて覚えているわけじゃないんですけれども、少なくとも私どもとして、四月の一日からの新システムへの移行については、支障となるような状況はないんですね、万全なんですねということをその都度確認をしているわけでございますけれども、それに対して、トラブルが現に発生していた状況のもとでも、大丈夫です、こういう報告が来ておった。こういう単純な事実を考えてみますと、それは報告はうそであった、虚偽であったということ、そういうことを私として指摘をしたつもりでございます。つまり、そういうことであれば、それはうそだととらざるを得ないじゃないかという意味でございます。
 これについても、いずれにしても、私ずっと言っていることでございますが、報告ということで私どもいろいろ今回、この事態について対処をしていくということはやはり不十分だということで、検査を入れ、それから、日本銀行とのデマーケーションというかそういうようなことも考えて連携をして、何が起こったんだ、その原因は何なんだ、それから、今後そういうことを起こさないためにはどういうことが必要なんだということについて、きちっとした確認をしたい、こういうように思ってやっておりますので、いずれにせよ、すべてのことについては、その検査、考査結果を見ましていろいろ考えてまいりたい、このように考えております。
○長妻委員 虚偽の報告というのは、私は、世間話で言う分には、まあそうかなとも思うんですが、これは監督当局のトップが、その監督の対象者の報告に対して、それもこの国会という場で虚偽の報告だと言うからには、ちょっと、もし今のようなニュアンスで言われたんだとしたら、大変軽はずみな発言だと私は思うんです。
 何月何日の書類で実際に事実と違う内容が報告されて、それが後日事実と違うということがはっきり認定されたということで虚偽と国会で責任者が答弁するというのはあるでしょうけれども、今のようなことで答弁するというのは、何か私は、金融庁はだまされていた、全然知らなかった、みずほが虚偽のことを言ったからこうなっちゃったんだというようなニュアンスを感じられて仕方がないんですが、この虚偽というのが、もし大臣が今答弁された、何かおぼろげな、大丈夫と言われた、そのことを虚偽と断ずるのであれば不適当だと思うんですが、そういう意味であれば、発言を撤回する、取り消すというお考えはありますか。
○柳澤国務大臣 虚偽というこの二文字がどういうふうに使われていたか、私、今まだちょっと詳細記憶もしておりませんし、ちょっと当時の速記録も手元にありませんので申し上げることはできないんですが、私としては、単純に事実としてこの二つの事実を並べれば、それは虚偽のことではないか、こういうことを申し上げたわけでございまして、それじゃどういうふうな表現がよろしいか、それはもっと適切な表現があろうかとも思いますけれども、要するに、こういう一問一答ですから、私、何も物を見て申し上げているわけじゃありませんので、そういう、何というか、時には若干不適切なこともあろうかと思うんですが、一問一答の話というのは、趣旨が通ずるということが最も大事なんじゃないでしょうか。
○長妻委員 先ほど申し上げたように、世間話であればそういうことは言えると思うんですが、監督当局のトップの発言としては、今も御自身も言われていましたけれども、ちょっと問題があるのではないか。
 それで、基本的に、昨年十月に検査結果をみずほに出されたときに、これは柳澤大臣が言われているんですけれども、テストの時間などが確保できるか懸念があると指摘したというようなことも、非常に不安感を持っているということをその時点でつかんだということを言われているんですけれども、そうすると、初めから御存じであったということは、虚偽の報告というか、もうわかっていたという意味で、別に虚偽じゃないんじゃないですか、初めから御存じだったんじゃないですか。
○柳澤国務大臣 ちょっと委員の提起されている問題の所在が、私、必ずしも明確でないんですけれども、私が申し上げたのは、そういう十分なテストの時間があるんだろうかということについて問題を指摘したというのが検査結果ですね。したがって何回も、節々ですけれども、大丈夫なのかということを聞いた、こういうことですね。それに対して、トラブルが起こっているという事実があるにかかわらず、そこのところの価値判断はあるんだろうと思うんですが、大丈夫ですと言っていた。だから、大丈夫だろうか、大丈夫ですと、それでトラブルが起こっていることも言わないという関係について、私が今言ったようなことを申し上げたというに尽きるわけでございます。
○長妻委員 これは、ペイオフが四月から開始をされて、その後は金融機関はきちんとなるというような当局の強い意思があったにもかかわらず起こった事件で、そして、単なるコンピューターのトラブルの域を離れて決済機能が麻痺した。これは大変恥ずべき事態だという、一歩間違ったら金融危機につながる可能性もあるわけでありますので、そういう重大な事態だということであります。
 その意味で、今大臣が言われた、何回も大丈夫かと聞いたということでありますので、これは具体的に何月何日にどういうような形で問い合わせをして、そしてみずほからこういうような回答があったというのを時系列的に出していただきたいと思うんですが、いかがですか。
○柳澤国務大臣 いずれにしても、今後、一連の問題については、私ども、これは重大な、国民の皆さんに御迷惑をかけた事案というふうにとらえておりまして、先ほど来申し上げておりますように、本当に緊急に必要と考えて検査を入れてございます。それらを総括して、我々としては、次にこういったことが起こらないようにというようなことで、いろいろ考えていきたいということでございまして、それらを含めて、しかるべき形で御報告を考えていきたい、このように思っております。
○長妻委員 それらを含めてというのは、今、何回も大丈夫かと聞いて、それが大丈夫ですよと言った、その何回もというのを時系列的に、だれがだれにこういうことを聞いて、こういう返事があった、こういうことも含めてという意味でございますか。再度。
○柳澤国務大臣 再発防止ということのために必要なことについて私どもは取りまとめて、しかるべき形で御報告をしたいと考えておるということでございます。
○長妻委員 ちょっと今質問に全然答えられていないんですけれども、何回もみずほに大丈夫かと聞いた、そして大丈夫だという返事が返ってきたと。この何回もというのは、何月何日だれがだれに聞いたというのを時系列的に出していただきたいということを、それは出しますかということを聞いていますので、御答弁いただきます。
○柳澤国務大臣 そういうことが再発防止のために必要であるということになれば、そういうことになろうかとも思うわけでございます。
○長妻委員 ちょっとちゃんと答弁していただきたいんですが、どういう意味ですか。出されるのか、出されないのか。
○柳澤国務大臣 つまり、そのこと、つまりその、何というか、それぞれの時期に報告を徴求し、どういう報告があったということが、再発防止、あるいはこの原因の究明等を踏まえた、結局再発防止になると思うんですが、そういうことのために必要であるということであれば、そういうものも含まれるでしょうということを申し上げたわけでございます。
 要するに、問題は再発防止、こういったことを二度と起こしてはいけないんでございますので、そのための検査をしている、そのための行政のいろいろな手続もしているということですから、そういうことを総括して御報告をするということになろうかと思うわけでございます。
○長妻委員 これは、再発防止というのは、みずほだけの再発防止じゃないわけで、それは金融庁もきちんと機能をしているという意味での再発防止ですから、何か、何回も大丈夫と聞いて、大丈夫だという答えが返ってきた、それを公表するのは、再発防止に役立てば公表するけれども――それは役立ちますよ、金融庁が本当にどういうような形で取り組んだのかというのが明確にわかるわけですから。これはもう一生懸命取り組んでいるのか、あるいはいろいろ不備があったのかというのがはっきり明々白々わかるわけですので、ぜひそういう条件をつけないで、必ず、何回も大丈夫かというふうに聞いたと、それで、それが虚偽だったわけですから、大臣の御答弁では。それはきちんと国会の場でもう今も言われたわけですから、その条件をつけないで、ぜひ公表していただきたいと思います。
 御答弁をお願いします。
○柳澤国務大臣 先ほど来申し上げていることに尽きるわけでございます。
 ただ、虚偽だったわけですからと、今委員の方ももう虚偽だというふうにおっしゃられたわけですけれども、これは限定なしに言った言葉ではございませんので、その点は私、ちょっとここで申させていただきますが。
 いずれにせよ、結論的に言いますと、もちろん私どもの行政の手続も含めて、こういうことの再発防止のために必要なことはやはり明らかにしないといけない、このように考えているわけでございます。
○長妻委員 そうしましたら、委員長、ぜひ御検討を、今の申し上げた資料の提出を、御検討を理事会等でお諮りいただきたいと思うんですが。
○坂本委員長 後で理事会で協議いたします。
○長妻委員 じゃ、ぜひよろしくお願いをいたします。
 そして、柳澤大臣は、前回の財務金融委員会でも、政治の責任というのは結果責任であるというふうに言われた。それで、今回の件は、きちっとした検証をして、しかる後に責任の問題というのは考えていくということも言われたわけでありますので、ぜひ、その報告書が出るということは、それはしっかりした検証ということでしょうから、区切りでしょうから、その時点で厳しく考えていただきたい。答弁どおりというのをお願い申し上げます。
 そしてもう一点なんですが、これは一般論としてお聞きするんですが、ある銀行があって、そこが何らかのトラブルが起こって賠償金等の要求をされるというような事態になった。そのときに、ある方から、振り込み等が障害があったんで、どうしてくれるんだという話があって、賠償金というよりは融資をしてくれ、融資を受けたいんだと。ただ、その融資は、ちょっと審査すると本来はできない融資のような状況にもかかわらず、そういう融資を例えばしてしまうということは、金融庁としては、そういう問題はどういう判断をされますか。
○柳澤国務大臣 融資の問題というのは、個々の融資の問題の経営判断というか、それぞれの判断の問題だと基本的に思っております。しかし、金融機関であるからには、これも一般論ですけれども、やはり融資の対象というのは、その資金の使途がしっかりしておって、その事業なりなんなりがうまくいって、返済が確実と見込まれるものということの上に立ってなされるべきものだ、このように考えております。
○長妻委員 今、一般論で申し上げたんですけれども、当然みずほ銀行に対しても、いろいろな賠償の要求がかなりあるやに聞いておりまして、当然、銀行対その被害を受けられた方の話だと思いますけれども、何か不明朗なことがあってはならないということがありますので、ぜひ注視をしていただきたいということもお願いを申し上げます。
 そして、塩川大臣にお尋ねするんですけれども、今お配りをした資料の資料二というところに、公共事業の長期計画の表がございます。これは進捗率というのを、上に星がついたところにあるんですけれども、これは前回の計画と金額等がどれだけ伸びたか、そういうものでありますけれども、十四ぐらい、ほとんどが前回の計画よりも金額がオーバーして、ほとんどが計画よりも一〇〇パーを超えちゃっている、計画よりも金額を使っているということがあるんですけれども、この理由としてはどういうことが考えられますか。
○塩川国務大臣 この進捗率と実績との関係につきましては、私も今資料をいただきましたので精査しておりませんが、その上で御答弁させていただきたいと存じます。
○長妻委員 やはり、ひとり歩きといいますか、閣議決定で公共事業の長期計画の五年後とか七年後のまでも、事業の個別が決まっていないのに金額を入れて閣議決定で決めるというのは、私は、これは絶対よくないことだと今の時代的背景を見ても思っております。
 そして、私は塩川大臣のリーダーシップだと思うんですが、ある意味では画期的なことがなされた。この資料の二―三の一番下の方に公共事業長期計画で漁港漁場整備長期計画というのが、ここだけ線が横線でぱあっと入っていて金額が入っていないわけでありますけれども、これは、ことしの三月の閣議決定で、長期計画だけれども金額はもう入れるのはやめようということで、金額を入れないという決定がなされた。そして、大まかな目標が文言で書かれるということになった。大変いいことだと思うんですが、ことしの夏、概算要求が始まってくる長期計画が、この中の、平成十四年度で終わる長期計画はことしの夏ぐらいから攻防が始まるといいますか、ある意味では族議員と闘うというような状況が出てくると思うんですが、これが九本あります、ことしの夏に勝負が決まるのが。
 そこで、ぜひ大臣、ここで、この九本も金額はもう入れないんだと。それは役所が独自に金額を持つ分はいいけれども、閣議決定で金額まで決めるというのはもうやめます、これはやめようということをぜひ宣言していただきたいと思います。
○塩川国務大臣 これは、もう先国会のときからも私は申しておる、臨時国会のときから申しておりますが、今回もそのとおりいたしたいと思っております。
○長妻委員 そのとおりというのは、金額をなしでこの九本も閣議決定をする、金額抜きだということですか。金額抜きというのをちょっと。
○塩川国務大臣 そのとおりであります。
○長妻委員 ぜひ取り組んでいただいて、逆に今回金額をのまされてしまうと、せっかく金額をなくした、ことしの三月に閣議決定した漁港漁場の整備計画も、さかのぼって何か金額を入れるというようなことを言われている一部の方もおられますから、より戻しもあるわけで、大変な闘いというか攻防になると思うんですが、ぜひ頑張っていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 そして、きょうは税金の絡みの法人税等のお話でありまして、税金の問題を二点、御質問させていただきたいと思うんですが、一つは金融庁の、銀行の問題でありますけれども、繰り延べ税金資産ということが最近よく言われておりまして、これは前回もお配りをした資料なんですが、資料の四というところをごらんいただきますと、ここには日銀総裁の発言があります。
 これは、日銀のホームページから抜粋をした発言の議事録でありますけれども、この資料四の線を引いた部分を御注目いただきたいんですが、日銀総裁のお話として、「繰延べ税金資産といったようなことで五年間も延ばしていくことは、他の国ではやっていない――アメリカは多少やっているが」「日本が自己資本にそれをカウントしているのは、最も「甘い」と言ってもいい」ということで、日本の銀行の自己資本の問題点を鋭く指摘しているわけです。
 これは、「アメリカは多少やっているが」の後に、何か「し、」があるんですが、これはそのホームページにも実際あるわけで、これは多分何か間違いだと思いますけれども、こういう発言をされている。一国の中央銀行の総裁の発言でありますが、これに関して柳澤大臣はどういう御感想をお持ちになりますか。
○柳澤国務大臣 私、日本銀行総裁の発言をここでコメントするというのは差し控えたい、こういうように存じますが、そもそもこれは、国際会計基準というものの中で、従来の損益法から、損益を中心とした見方から、資産、負債を中心とした見方で収益というものをとらえていこうということに起因して、そこにいろいろな会計上の調整を行うということがどうも出てきたということのようです。
 そういう中で、やはり税の繰り延べの資産というものを資産として見ておかないと正確な収益の把握ができないというようなことから、こうしたことが行われるということでございまして、これはすぐれて、いわば制度会計と申しますか、商法からのずっと企業会計原則、こういうようなものの規律というか、そういうものから出ていることだというふうに私は考えておりまして、そういう会計基準にのっとるということが大事であるということで、そうであれば、またそれは尊重されるべきであるというふうに考えているということでございます。
    〔委員長退席、中野(清)委員長代理着席〕
○長妻委員 何かもう建前の、これを決めた時点のお話みたいな話ですけれども、もうちょっと広くとらえていただきたいと思うのでございます。
 この資料五には、これは金融庁が集計された資料でございますけれども、主要銀行の自己資本というのが三十五・七兆円あるわけでございますが、そのうちの七・四兆円が繰り延べ税金資産ということである。これは、私もこの日銀総裁と同意見でございまして、大変過大過ぎるのではないか。
 柳澤大臣が今御答弁されたのは、理屈といいますか、そういうことでこういう繰り延べ税効果がカウントされているというお話ですけれども、では、その今のお話というのは、世界標準というか、世界から見て、一般的に広く行われていることで問題ないという御認識なのかどうか。いかがですか。
○柳澤国務大臣 今私が申し上げたのは、国際会計基準というものをより的確に自分たちの制度の中に取り込んでいこうということの中で、公認会計士の皆さんが、日本の企業に対する会計基準としてはどうあるべきなんだろうかということをいろいろ御論議されて、それでこの繰り延べ税金資産の計上のあり方というものについてもしっかりした基準を示されているわけでございまして、それは、要すれば、それぞれの国で税法がどうであるかということと密接に関連があるわけでございます。
 我が国の税法ではこうなので、繰り延べ税金資産としては、さっき言った資産負債法によるとこういうものを計上しておかないと収益のとらえ方が誤ってしまうというようなことを考えて、それで今言ったような基準をきちっと決められているというふうに考えておるわけでございまして、税法との調整なのでございますので、税法は各国で違うので、今の委員の御質問に対しては、ちょっとそういうものだという事実を指摘させていただくほかない、このように思います。
○長妻委員 ですから、日本の国内だけの問題でこれをやる理屈は、理由は今のお話だと思うんですが、これだけ特に金融機関が世界で、BIS基準等々もあり国際的な状況になっている中で、お国の税法の事情だけでそういうような特例が設けられているということは、BIS基準という世界共通のものがありながら、問題だというふうに思っております。
 ありていに言えば、日銀総裁は金融行政を、一つの責任者である日銀総裁は、今の自己資本が甘い、そして日本はほかの国ではやっていないことをやっているんだ、最も甘いと言ってもいい、こう一方の責任者が言い切っておられるわけでありまして、そして一方の責任者である柳澤大臣は、いや、これはもう国内の税法との整合でいいんだと。これは、やはり市場の関係者とか一般の方々というのは、じゃ、どっちが本当なんだ、どうなっているんだと。
 やはり日銀総裁の発言でありますので、ぜひこれは一度きちんと話し合っていただいて、かたくなに、何かこれはもう絶対一歩も譲れないんだ、全然間違いないんだというふうに大臣、頑張られないで、ぜひ日銀とも話し合っていただいて、一度ちょっと研究をするということはいかがですか。
○柳澤国務大臣 何であれ、研究は怠ってはならない、こういうように思いますけれども、どうも、日本銀行の総裁の発言についてはコメントを差し控える、こういって申し上げたんですけれども、これは企業会計原則の問題なんですね。
 ですから、日本銀行総裁とそこがどういうふうにお仕事の関係で絡むのかというのは、私、必ずしもつまびらかでないんですけれども、私どもとしては、やはりこの企業会計原則、殊に、これからは企業会計原則というのは、イニシアチブは民間がとっていくんだというシステムの変更もあったことでございますので、そうしたことを尊重していかなければならないのではないか、このように考えておるところです。
○長妻委員 日銀総裁とは話し合いはしますか、このテーマで。
○柳澤国務大臣 話し合い、何か、話し合いと申しますのがどういう趣旨かということですが、日本銀行総裁とはいろいろな問題について、我々、隔意なくいろいろお話をしているというのが日常でございます。
○長妻委員 ですから、そういう何か奥歯に挟まった話というか、日銀総裁は一つの問題提起をされていると思うんですけれども、そうすると、日銀の独立性とかいろいろな問題がありましょうけれども、意見を闘わせるのは私は問題ないと思うんです。では、日銀総裁のこの発言というのは、最も甘い、五年間も延ばしていくということはほかの国ではやっていない、これは間違いだということですか。
○柳澤国務大臣 手元の資料でございますけれども、考慮される課税所得の年数というのを見ますと、日本の場合には、先ほど申し上げましたように、これは公認会計士の皆さんがお決めいただいているわけですが、実態により異なるが、大手銀行の場合は五年程度、こうなっております。アメリカの場合は明示的な年数の制約はないが実務上は十五年程度、それからイギリスの場合は年限の規定はない、ドイツの場合も年限の規定はない、フランスの場合も年限の規定はない、こういう扱いになっておりまして、何と申しますか、企業会計と税務会計との乖離をどうやって処理するかという問題だということを、やはり私としては、そういう考え方でこの問題を処理していくべきものだ、こういうように思っているところでございます。
○長妻委員 先ほど申し上げましたように、この資料五で、金融庁が出してきた資料でございますけれども、七・四兆円ということで、今は主要行の自己資本に占める割合はこの資料では二〇・七%なんですが、これは三月期決算が、銀行のものが今週ぐらいに出てくると思うんですが、そのときに、この自己資本に占める比率が仮に大幅に上がっていた場合、そして内外からいろいろな問題提起が出された場合、やはり研究をして、見直す検討も始めるというようなことはあり得ますか。
○柳澤国務大臣 私は、基本は、やはり税との、税会計と企業の財務会計の調整ですから、ですから、税の関係もひっくるめていろいろ検討する余地はあるのだろう、このように考えます。
○長妻委員 BIS基準を含めて、日本国内の何か形だけで考えるのではなくて、日銀総裁は世界との関連を言われていると思いますので、ぜひ研究を、先ほど研究というお話もありましたけれども、していただきたいと思います。
 そしてもう一点、税金の問題であります。これは以前から民主党の河村議員も申し上げている問題でありますけれども、税務署のOBの方のあっせん問題でございます。
 これは、浜田元札幌国税局長の初公判が先月開かれて、でかでかといろいろな新聞に、改まらないOB紹介システムということで、これはもう恥ずかしい話だと思うんですね。
 それがまだ、これだけずっと問題提起をしても何も改まっていないということで、一点お伺いしたいんですが、新規の法人、今まであっせんをしていない法人には、今後はもう新規はあっせんしないということになったんですか。
○福田政府参考人 お答え申し上げます。
 現在の顧問先のあっせんにつきましては、職員の在職中の職務の適正な執行を確保するといった観点から必要でございまして、国家公務員法等の現行法上は問題ないと考えております。ただ、問題ないにしても、これまでいろいろ御議論ございましたように、押しつけではないかといった誤解を招きかねないとの外部からの御指摘もあることは、これは重く受けとめているところでございます。
 このような誤解を避けるために、どのようなあっせんの方法が適当かといったことについて、現在検討しているところでございまして、今後、実施される公務員制度改革との調和等を踏まえつつ、できるだけ早く結論を出したいと考えております。
 したがいまして、新規云々のことはございません。そういったことを決めたとか決めていないということはございません。
○長妻委員 まあ一歩進歩だと私は思ったんですけれども、新規のあっせんはやめているということを、あるところ、そちらの関係者から聞いたんですが、そういう事実はないということですね。では、それはもうもっと悪いわけでありまして、全然進歩されていない。
 それで今、ちょっと一つ気になることを言われたんですが、今のあっせんというのは公務員法では問題がないというふうに断言されたんですが、これは塩川大臣、私がことしの一月二十八日の当委員会でこの問題を質問したときに、塩川大臣の御答弁では、閣議の席で、法制局に対しまして、この行為はどのように公務員法との関係でなるのかということを研究してくれと言ったという御発言があるんですが、ということは、もう全く問題ないという結論が出たということで、大臣の指示は公務員法との関連を研究するということですが、今の御答弁で、もう全く問題なかったという結論が出たということが大臣にも報告が上がっているということで、よろしいんですか。
○塩川国務大臣 今の御質問の趣旨、ちょっと私ははっきり読みにくいんですけれども、要するに、税務署のOBのあっせんは、これは好ましくないことであると。しかし、就職についてのあっせんについて、これを公権力を使ってやっていることはけしからぬけれども、要するに、一般の就職のあっせんについては、それは社会常識に基づいてやるべきであるという意見も出ておったことは事実でございまして、職権でやるということについては、これからやっていかないということはもう申しておるとおりであります。
○長妻委員 そしてもう一つ不思議な話は、優良申告法人というのがあって、優秀な、税金をきちんと払っているところにはお墨つきを上げる、税務署が表彰するというような制度があるのですが、この優良申告法人に、私が知る限りでは必ず勧誘が来ているのですね。税理士さん使ってくださいというような売り込みが来ているわけです。それで、やはりいろいろ断るとまずいということもあり、表彰されたという、ある意味ではありがたいと思われている部分もあり、断り切れないということで、受け入れる。
 これは、趣旨から考えても、優良申告法人にそういう国税OBを入れるというのはむしろ逆で、優良じゃないところに入ってきちんと指導するというのが普通だと思うのですが、優良のところに入って、何も問題ないところに入れて、仕事は何もしない。これははっきり言います、何もしないのですよ、仕事を。そういうようなことがあっていいのかということであります。
 先日も、ある税理士の方と話していましたら、その税理士の方も言われたということですね。その税理士の方がある企業の顧問税理士をやっていて、一生懸命顧問税理士でやっている。その企業の担当の会計の方がその税理士の人に、いや、先生は本当に顧問税理士で一生懸命やっていて、月十万払っている、ところが、何か押しつけられた国税のOBの方は、全然来ないで月五万払っていると。一生懸命やっている先生に申しわけないね、月十万で、こういう話をその税理士さんが言われたということもあるわけでございます。
 せめて、新規、今まであっせんしていないところはもうセールスしないということと、継続、二年間で終わるわけですけれども、二年間終わってほっとしたと思ったらその直前にまた売り込みが来てがくっとした、こういう話も聞きましたけれども、もう二年間の契約が終わったら、その後は、企業が自主的にちょっと延長してくださいと言ったことだけは延長するけれども、二年間終わったら売り込まない。この二点、すぐできるんじゃないですか。どうですか。
○福田政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほども御答弁申し上げましたように、どういった方法が適当かといったことについて、現在検討しているところでございまして、いろいろな御意見がございます。そういった御意見、今、長妻先生の御意見も念頭に置きながら、できるだけ早く結論を出したい、こういうふうに考えております。
○長妻委員 私の言った意見というのも、理想論というか最終結論じゃなくて、ハードルが非常に低い。それは常識、第一歩としてはということで言っているわけです。ここはぜひ明言していただきたいと思うのですね。
 そして、ことしの二月二十二日に、私がその前に出した質問主意書の答弁書をいただいておりまして、その中で二点、国税の方から質問主意書答弁書の中で、小泉純一郎総理の名前で来ているわけでありますけれども、二点お約束をこの中でしていただいております。
 一点は、「あっせんが押し付けとして行われているのではないかとの質問がなされたことを踏まえて、そのような事実がないことを確認するために」調査を行うということで、その調査は、「できるだけ早く結果を取りまとめたいと考えている」「その結果は、基本的に開示することができる」ということで、質問主意書できちんと言われて、できるだけ早く押しつけあっせんの実態を調査するということです。これが質問主意書、答弁いただいたのが二月でございまして、大体三カ月たっているわけですけれども、できるだけ早くということで、もうすぐにでも出していただきたいと思うのですが。
○福田政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、二月の質問主意書に対する答弁で、できるだけ早くとしていることはそのとおりでございます。
 できるだけ早く結論を出したいと考えております。
○長妻委員 これは委員長、ぜひ、ちょっと永遠にこれは出てこないと私は危惧するのですけれども、できるだけ早くということで、もう三カ月たっているわけですから、ぜひ委員長からも、ちょっとすぐ出すように御指示いただけませんか。
○中野(清)委員長代理 これは理事会で協議しまして、結論を出しますから。
○長妻委員 それともう一つ、この質問主意書の中で国税の方からお約束をいただいているものが、こういうことがもう一点ありました。
 「納税者等から批判や疑惑を招かないためにどのような対策をとるのが適当か等について検討しているところであり、今後実施される公務員制度改革との調和等を踏まえつつ、できるだけ早く結論を出したい」何かできるだけ早くというのがもうオンパレードで、三カ月たっているわけでございますが、こちらの方は、今研究はどの程度進んで、いつ結論が出るのでございますか。
○福田政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどお答え申し上げましたように、公務員制度等の改革との関連もございます。その部分と、私どもは、それとはちょっと離れたというのですか、それを念頭に置きつつ、当面そこまでの間にできるものが何かないかということで、いわば二つの視点から検討を進めているところでございまして、当面どういうことができるかにつきましては、先ほど申し上げましたように、できるだけ早くこちらの方は結論を出したいというふうに考えております。
○長妻委員 今多少言えるような概要は、研究している何か概要というのは、どんなポイントですか。
○福田政府参考人 繰り返して恐縮でございますが、どのようなあっせんの方法が適当か、いろいろな御意見が出ております。それを踏まえましてどのようなあっせんの方法が適当かということで検討しているところでございまして、もう少しお時間をいただきたいと存じます。
○長妻委員 塩川大臣、大臣は本当に中小企業の味方だというふうに私も思いたいんですけれども、今の御答弁をいろいろ聞かれていて、ちょっと一言、活を入れていただきたいと思うんですが。
○塩川国務大臣 十分に心得てやっております。しかし、従来に見ましたら大分この点は改められてきておりますし、先ほど福田次長が言っておりますように、できるだけ早く基準をつくって、きちっとして納得いただけるような方法をとりたいと思っております。
○長妻委員 この景気が悪い中、本当に大変な話でありますので、ぜひよろしくお願いをいたします。
 そしてもう一点。前回この委員会で監査法人についてのお尋ねを申し上げて、やはり監査法人というのをきちんと機能するような形にすることが、逆に不良債権問題を、金融庁のそれは負担も軽くなるし、きちんと自律的にするという趣旨からも重要だということで、特に象徴的だということで日本長銀に対する会計監査への処分を聞いたんですが、そして文書が出てきたのは、これは怪文書なんですかね、日付も名前も何にもない。これは何ですか。何で日付とか名前が何にも入っていないんですか。
○柳澤国務大臣 これは、何か文書そのものに重きがあるのではなくて、理事会での報告、これは口頭で行われるのが普通かと思うんですけれども、そのときに、わかりやすくするために補助的にこの紙をお配りしたということのようでございます。
○長妻委員 これは普通は、日付とどこが出したというのを、これは理事会で配っているわけですから。
○柳澤国務大臣 当初は何か口頭で御説明する予定だったんですが、時間がないので何か紙があるんだったら配ってくれと言われてお配りしたというふうに聞いているんです。私、現場に全然おりませんので承知をいたして、正確かどうかちょっとおぼつかない点もありますが、そのように今聞いているところでございます。
○長妻委員 ぜひ徹底していただきたいのは、金融庁に資料を請求して、私のところにいただく資料もあるんですが、ほとんどと言っていいほどオーダーメードの資料ですね。既にある資料は別として、いただく資料は、何にも、日付も金融庁の名前も書いていないというぺらが出てくる。きょうお配りした資料も、金融庁作成というのは私の方で書いたのもあるぐらいで、そんないいかげんなことはぜひやめていただきたいというのと、この報告も、何にもこの前の国会での柳澤大臣の答弁の域を全く超えていない話でありまして、いつ聞いたのか、そして何人ぐらい聞いたのか。できる範囲で内容も、当然全部はつまびらかにできないでしょうけれども、何でその過失責任が問えないのか。
 そして、行政処分は時効がないということを聞いておりますけれども、時効がないといえども、こんな三、四年前の事件というか、それをずうっと引っ張って、いつまでに、もう断念するのか断念しないのか、まだ断念していないわけでしょうけれども、そういう何かずるずる引っ張っていつまでもやっていくというのは、ちょっと怠慢ではないかと思うんですが、ぜひ徹底をしていただきたい、それで改めてきちんとした報告書を出していただきたいということを思います。
 いずれにしても、監査法人に対する監督をもうちょっと、厳しくというのではなくて、その基準を厳しく、マニュアル等を設定してこういう場合はこうなんだというような、恣意的ではないと思うんですけれども、きちんとした監査法人を指導するマニュアルをぜひ整備していただきたいということをお願いいたします。
 最後に、簡単に一点だけ御質問をいたします。
 柳澤大臣にお伺いしますが、企業再建の一つの手法で、最近、不良債権の証券化というのが言われて、デット・エクイティー・スワップという言葉でありますけれども、例えば、これは公表されているものでありますのであえて申し上げますと、平成十四年三月二十七日に公表した文書で、長谷工コーポレーションという会社がございまして、ここが、主力金融機関による金融支援ということで、デット・エクイティー・スワップを総額千五百億円した。これは債権放棄は含まれていないで、これは非常にほかの例と違いまして、ここだけがデット・エクイティー・スワップのみの金融支援ということなんです。
 これは理屈で考えると、例えば百億円ぐらいの不良債権を銀行が持っていた、そうしたら、その不良債権が、デット・エクイティー・スワップをすることによって、百億円の有価証券の資産に銀行にとっては変わってしまう。バランスシート上は不良債権だった資産が、一見何も毀損のない百億の、同じ金額の株、有価証券の資産に計上されてしまって、何か、あれ、不良債権がぱっと消える非常にいい方法だなというふうにも見えるわけでありまして、不良債権処理の先送り策の一つであるという側面も私はあると思うんですが、これはちょっとそのまま野方図に放置していてよろしいんでしょうか。
○柳澤国務大臣 これは不良債権の処理の一つの手法として、そうした財務処理の専門家たちが考えた中にこのデット・エクイティー・スワップという手法があるわけでございます。私もそれは、何でも道具はそうですけれども、やはり使いようで、本当にメリットを発揮して弊害がない場合、あるいは弊害だけが懸念されるような場合といろいろあるんだろうと思うんですけれども、できるだけそういう弊害なぞは避けて、メリットが発揮されるようにそうした道具を使われていくべきだ、このように基本的に考えております。
    〔中野(清)委員長代理退席、委員長着席〕
○長妻委員 これで質問を終わります。ありがとうございました。
○坂本委員長 次に、小泉俊明君。
○小泉(俊)委員 民主党の小泉俊明です。
 それでは、通告に従い質問をさせていただきますが、まず、きょう税制のお話でございますけれども、税制でも経済の政策でも、何しろ現状を正確に把握する、毎回私この委員会で言わせていただいておりますけれども、正確に把握することがやはり一番大切である。橋本内閣のときにも、景気が落ち込みつつあったのに消費税を上げて、また、財政構造改革法をあえて成立させ、一年で凍結した。この点につきまして、前、宮澤大臣にお尋ねしましたところ、現状の認識が非常に甘かった、そして今も十分ではないという御答弁をこの委員会でいただいたのでありますが、そういう意味もありまして、もう一度、経済の現状に関する基本認識と見通しについてお尋ねさせていただきます。
 まず、五月の経済月例報告で政府は景気の底入れを宣言されたわけでありますが、実は、これは連休の谷間の五月一日、私は、国民生活金融公庫と茨城県の土浦のハローワーク、これを見てまいりました。実際の調査をしてまいりましたところ、これは大変な状況で、今、実はハローワークは一日約千二百人来ています。駐車場が全く足りません。かなり広い三百坪ぐらいの駐車場が足りなくて、隣の役所のところまで借りている状況ですね。外まで人があふれていまして、特に、中へ入りましたら若い人が七割ぐらいいます、二十代、三十代。そして、とても国会議員がバッジなんかをつけて入れるような雰囲気では、そういう状況では全くないんですね。
 また、地元企業の人たちからこの連休中にいろいろお話を聞きましたが、どうも政府は現状認識が大変甘いんじゃないかと。例えば、きょうの新聞にも載っていますが、民間の設備投資も二年連続マイナスだろう、また、銀行の企業向け貸出残高も、これは今年度七・二%、一九七八年以来最大の減少率である、こういった状況の中で景気の底入れ宣言がなされているわけでありますが、この景気底入れ宣言の意味とその判断根拠を、財務大臣、お願いできますでしょうか。
○塩川国務大臣 先ほどもお答えいたしましたのでありますけれども、政府はあえてこれを宣言したということは全然ございませんで、マスコミさんの方で宣言だ宣言だと言って取り上げておられて、私たちもそうかなと思うて宣言と受け取っておるのでございますけれども、政府は宣言とは言っていないです。
 竹中大臣の方から月例報告のときにございましたが、現状はこうなっておりますということを説明いたしたのであります。
 そこで、それでは、その底固めしたということはどういうところでそう判断するのかということですが、まず輸出のベースでございますけれども、前期に比べまして、二月、三月とずっと安定してきておるということが一つでございまして、特に三月期につきましては、数量ベースで若干ふえておるということが言えます。
 それから、鉱工業の在庫指数でございますけれども、これも在庫調整が進みまして、二月、三月といずれも減ってきておるということは事実でございます。それから、鉱工業生産指数でございますが、これは二月、三月、それぞれ若干ではございますけれども、逆に上向いてきております。
 それから、国内の卸売物価指数でございますが、これは二月、三月、四月と大体前月比横ばいであるということでございまして、実質消費支出でございますけれども、これは二月、若干前期比は悪かったんですけれども、三月になりまして一・一%、若干前期比上向いてきておる。
 それから、消費者物価指数でございますけれども、これも三月には若干上向いてきておる。
 それから、失業率でございますけれども、二月は五・三でございましたけれども、三月は五・二となってきておる。
 こういう状況を見ましたら、底固めをしているんではないかと思われる節がある。けれども、直ちにこれが景気回復に向かったということを意味するものではないということを言っておりまして、政府といたしましては、これは慎重にこの数字を取り上げて、今後の動静を見定めるということを月例報告会の結論として言っておるところでございます。
○小泉(俊)委員 今ので政府の判断根拠等についてはわかったわけでありますが、幾つかお尋ねさせていただきます。
 四月の経済月例報告基調判断は、アメリカの景気回復の動きが製造業の生産回復へと。また、今月の五月は、輸出がアジア向けを中心に増加していると。これは、いずれにしましても、結局、日本もアジアもアメリカの景気回復に負っているところが大きいということですね。
 それでは、今後のアメリカ経済に対する見通しにつきまして、財務大臣はどのような見通しをお持ちでございましょうか。
○尾辻副大臣 米国経済でございますが、本年に入りましてから、一言で言いますと、着実に回復している、このように認識いたしております。
 このことは、例えばこの一―三月期、第一クオーターでございますけれども、実質GDPで前期比年率計算の五・八%上昇、こういったようなことから言えるだろうと考えます。
 今後についてでございます。
 堅調な個人消費の持続性や企業設備投資の本格回復の時期について、依然として不透明感が残っておりますけれども、標準的な見方としては、標準的と申し上げましたが、例えば先週も、私もアジア開発銀行の総会に出席をいたしました。そうした場での各国の見方、こういったようなことも含めてこういうことでございますけれども、ことし前半では個人消費が引き続き堅調に推移し、年半ば以降は設備投資が緩やかに回復することで持続的な成長軌道に戻ることが期待されておる、これが多くの見方だ、このように認識いたしております。
○小泉(俊)委員 私がいただいた資料によりますと、アメリカは実は失業率は着実に伸びていまして、四月が六%、ついに乗ったと。また、個人消費も今着実というお話なんですが、これは着実に実は伸び率が減ってきていますよね。二〇〇二年一月〇・四%、二月〇・五%、三月〇・二%。また、民間設備投資はほとんどマイナスだと。
 データがちょっと違っているような気もするんですが、特にアメリカの場合、一年間に利下げを十何回もして、非常に個人消費を刺激してきた。ところが、今のデータから見ますと、必ずしもそれほど楽観していいような状況ではないと思うんですが、いかがですか。
○尾辻副大臣 今申し上げましたように、個々に見ますといろいろな数字もございますし、不透明感が残っておるということは申し上げたとおりでございます。ただ、全体として、そしてまた先ほども申し上げたように、各国のアメリカ経済に対する見方も、全体として見ればアメリカ経済は着実に回復しておると。
 したがって、先生のきょうのお尋ねの御趣旨でございます、日本経済に対して少なくともアメリカ経済がマイナスに働くような事態ということは考えられない、そういう趣旨でお答え申し上げたところでございます。
○小泉(俊)委員 次に、原油の価格についてお尋ねいたしますけれども、原油価格はことし一月から上昇を続けまして、WTI、ウエスト・テキサス・インターミディエートの原油先物価格が十七日、バレル二十八・一八ドルと年初来高値をつけたわけですね。ここ半年で何と一バレル十ドルも上がってきているわけでありますが、これは、アメリカ経済も、日本経済も、大変この原油の影響が大きいわけであります。
 あのG7から塩川大臣がお帰りになられた後、スポット原油の価格についてちょっと言及されたと思うんですが、今後のこの原油価格の見通しについて、財務大臣の御所見をお伺いできますでしょうか。
○塩川国務大臣 G7の中でいろいろと発言がございましたことは事実でございますが、一応世界的に見まして、グリーンスパンFRB議長の発言は割と重く取り上げられておったように思っております。
 グリーンスパンのおっしゃるのには、短期的に見る場合は、OPECの動向も大事であるけれどもロシアの動きというものが非常に注目すべきであろうと。現在テロ対策作戦が展開されておるときであるから若干は高いようには思われるけれども、しかしこれだけが原油の価格決定ではない、ロシア並びにベネズエラあたりの供給能力というものを見定めていかなければならぬということをおっしゃっていました。
 それからもう一つ、グリーンスパンの言っているのは、中長期的に見た場合、カスピ海あたりの原油の開発がどの程度進んでいくのかということ、それからまた、中東地域におきましても、それぞれの国が石油開発に積極的に取り組んでおることと採掘技術が非常に高度に進歩したこと等があって将来的に開発する余地というものが相当可能性が大きい、これを踏まえるならば長期の石油価格の相場というものはむしろ安定してきておるのではないかということでございました。
 したがって、短期的な判断のみで石油の価格を判断すべきではない、こういう意見がございました。そのほか、IMFの関係者の方から見ましても、石油価格の高騰それから暴落という大きい波はないのではないかという見方でした。
 そういうことを見まして、我々としては慎重に対応することも必要でございますけれども、幸いにして、日本のエネルギーの中に、石油に依存する分野が五〇%ぐらいに、非常にエネルギーの依存度が下がってきております。なお一層省エネが進んでまいりますので、この点を見まして、我々は石油価格の動向を注目すると同時に、より一層省エネの対策を進めることによって石油価格の安定化を図っていきたい、このように考えております。
○小泉(俊)委員 私も、日経の商品相場の原油価格、毎日必ず見ておるんですが、大臣おっしゃったように、今のお話ですと、短期的にはある程度の不安定要素もあるけれども長期的には安定的要素が高いのではないかと。
 ただ、大臣おっしゃるように、アメリカの場合、ベネズエラに、第二位の輸入国でありますので、あそこの政情不安とかかなり影響しますし、イラク、中東問題等もありますので、ぜひともかなり注意深く原油価格を見ていただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
 また次に、為替の問題でありますが、ことし五月の経済月例報告によれば、輸出の先行きについては、既往の円安傾向が輸出の下支えの要因になる、こういう分析なんですね。ただ、先日二十日、百二十五円半ばと急伸していますね。これは、為替の動向について、見通しは、財務大臣、どのような御所見でございましょうか。
○塩川国務大臣 私の考えといたしましては、為替相場だとか株価相場の動向というものは市場に任すべきであって、絶対、これは人為的に介入しますと、かえって複雑になって利益、不利というものは錯綜してしまう。したがって、為替につきましても、介入しないし市場に任すということが方針でございますが、最近の状況を見ますと、この十日ばかりの間に五、六円、がさっと円高に振れていくということは、これは何かどこかで日本の為替に対応する動きがあるのではなかろうかなと思ったりして、十分な監視をするように当局に言っておるところでございますが、まだその実態はつかめないようであります。
 しかし、余り急激に進むというようなことになりましたら、我々としても、それを是正するために市場原理に戻すためのことも考えなければいけないんじゃないかと思っております。
○小泉(俊)委員 前の委員会、一年ほど前から、為替の問題、当時はまだ円高で百二十円以下だったと思うんですが、やはり輸出企業の、日本は何しろ加工貿易立国でありますので、製造業の輸出を、やはり資本財が今大体七割を占めて、耐久消費財より資本財の方が多いわけでありますが、部品ですね、そういった輸出を堅調に持っていくためには、やはり百三十円ぐらいが妥当ではないかということを、毎回委員会のときに私は申し上げてきたわけであります。
 やはり、ぜひとも安定的な為替に、何らかの形、余りにも市場に任せると、こういった一週間ぐらいで本当に五円も乱高下するような状態というのは非常に危険な状態だと思います。実務家に聞きますと、外債の投資を十兆円することによって実は二十円安くなると。ということは、一兆円で二円動くわけでありますので、極力、円の介入だけではなくて、いろいろなやり方があると思います。今の輸出企業の業績が伸びているのもかなり為替によるところが大きいと思いますので、ぜひとも安定的な為替を保っていただけますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 次に、ことし四月に定期性の預金のペイオフが実施されまして、来年四月に普通預金のペイオフが実施されるわけですね。まず、きょう日銀もおいでになられていると思うのですが、ことし四月の定期性預金のペイオフに伴い、民間企業の預金について、平成十四年三月末で定期性預金と要求払いの預金のそれぞれの金額と、あと、半年前の、六カ月前の前期比、これを御答弁いただけますでしょうか。日銀の方、よろしくお願いいたします。
○寺尾参考人 お答え申し上げます。
 私ども日本銀行が作成しております預金者別預金統計、これは国内銀行を対象にするものでございますが、これによりますと、二〇〇二年三月末における一般法人預金残高は、要求払い預金が百一兆円でございます。それから、定期性預金が四十六・八兆円でございます。それから、それぞれの九月末残高でございますが、九月末は、一般法人預金、要求払い預金が七十九兆二千億円程度でございます。それから、定期性預金が六十一兆二千億円程度でございます。
○小泉(俊)委員 今お答えいただいたわけでありますが、大体、昨年の九月からことしの三月までで、ほとんどの企業が要求払い、要するに定期性から普通預金とか当座に約三二%、七十九兆から百一兆ですか、そこまで預金をシフトさせている。また、逆に定期性の預金が昨年の九月からことしの三月まででマイナス二六%になっているということですね。
 これは、結局、もう少し長期的に見てみますと、二〇〇〇年の三月期から半期ずつ見ますと、ペイオフに備えて見事に定期性の預金から要求払いの預金にシフトしているということが、これは明らかに数字で出ています。
 結局、ことしの四月のペイオフは、法人も個人も、定期性預金から要は普通とか当座預金にシフトしただけなんですね。本格的な大きな資金移動というのは、やはり来年四月、普通預金のペイオフに備えて起こることが十分予想されます。
 民間企業は、先ほども申しましたように約百兆円、これは普通預金とか当座預金を持っているわけでありますが、この中で、ちょっと調べましたところ、このうち無借金企業は大体一部上場企業で千三百社、持っている預金が約二十五兆円あるというんですね。
 それをまず踏まえて、あと、地方自治体も当然これはペイオフ対象になるわけでありますが、この全国の預金残高につきまして、総務省、おいでいただいていると思うんですが、幾らになりますでしょうか。
○板倉政府参考人 地方公共団体の預金の状況でございますけれども、時点によって変動するということはまずございます。また、平成十三年度の三月末で私どもが調査しております地方財政状況調査から数字を拾ってまいりまして、各種基金のうち、預金に回っているものと歳計現金、この二つを合わせたものが十七兆七千億円というふうになっておるということは捕捉をしております。これですべてということは言えないのではないかというふうには思っておりますけれども。
 以上でございます。
○小泉(俊)委員 実は、このデータをとるときに、財務省、金融庁、内閣府、日銀、総務省、全部に聞いたわけですが、最初、データがないというんですよね。
 しかし、これはペイオフが来年四月に来るわけですよね。自治体の預金も、もちろんこれはペイオフの対象になるわけで、先ほど申し上げましたように、民間企業は無借金企業が約千三百社、二十五兆円。自治体が約十七兆七千億で、約二十兆円あるんですね。ところが、このデータ自体をまず持っていなかったということですよね。
 この点については、財務大臣、いかがですか。やはりこういったデータがきちっとないと、私は、ペイオフに対する本当の影響、経済的影響とか見通しというのがつかないと思うんですが、まずそのデータが、財務省もない、金融庁もない。総務省も、実はあれは一年半前のデータなんですね。ですから、そういった実態についてはどのようにお考えでございましょうか。
○塩川国務大臣 総務省とよく相談して、地方行政の一環として整理して、把握してもらうようにいたしたいと思います。
○小泉(俊)委員 突然のあれでしたので。
 今、数字が明らかになりましたように、大体民間企業が要求払いで百兆円、あと自治体が十七兆円あるわけでございますが、来年度、四月の普通預金のペイオフに向けて、民間企業と地方自治体の資金移動の見通しと、これが日本経済ないしは金融に与える影響について、この点については、財務大臣、どのようにお考えでございましょうか。また、柳澤大臣か、どちらでも結構でございます。
○塩川国務大臣 十分検討してまいりたいと思います。
○小泉(俊)委員 柳澤大臣は、よろしいですか。
○柳澤国務大臣 これの見通しを立てるということは、いずれにしても困難でございます。我々としては、まずこの点を注視していくということが大事であると同時に、やはり金融機関が、どの金融機関もそうですが、信頼をされるように、信頼度が向上するように努めていかなければならない、このように考えております。
○小泉(俊)委員 これはデータを見ますと、定期性の預金のペイオフだけでも実はかなり資金移動が、小さい地方銀行、第二地銀とか信金、信組から都市銀に移っていたりしているわけですね。それでもまだ普通預金への移動だからこれはいいわけでありますが。
 これは、実際、地元の信金とかからお話を聞きますと、かなり悲鳴に近い状態、来年の四月に向けて、特に、データを見るとわかるんですが、半年前に大体移動するんですね。ということは、ことしの九月が実は民間企業とかが大きく移動を始める期限なんですね。
 だから、それに向けて、これは与党内からもお話があるというお話を聞いておるんですが、これはやはり私は、日本発の金融危機を回避するために、また、特にペイオフというのは、諸外国を見ましても、景気が悪いときにやった国というのは一つもないというふうに私は聞いておるんですが、場合によっては、事態の進展を見て、ペイオフをやはり普通預金については延期するぐらいの可能性も十分にあり得るという判断を、柳澤大臣、そういった認識というのはありませんですか。
○柳澤国務大臣 私としては、そういうことではなくて、預金の動向を注意するということは当然なんですけれども、やはり金融機関がそれぞれに信頼されるようになっていくことが大事だ、このように考えています。
 来年の四月までに、例えば、何と申しますか、破綻をしてしまうというようなことが頻発するということがあれば、それはまた随分違った行動がとられるし、それが少ないあるいはなければ、それはまた違った行動になるでしょうし、要するに、我々は、先にペイオフをどうのこうのという前にやらなきゃならぬことは、金融機関が健全になっていく、健全性を向上させるということだと私は考えているわけでございます。
○小泉(俊)委員 先ほども申し上げましたように、来年の四月なんですが、実際の資金移動はことしの九月期から始まります。三月から九月ですね。徐々に、秋口にかけて、年度末にかけて大きく動くわけですね。その事態で、もし、今不測の事態があるような場合は、ペイオフに関しては延期するという可能性もあると考えてよろしいんですか。
○柳澤国務大臣 要するに、例えば流動性に問題があるというような場合には、どういうことでそういうことが起こるかわかりませんけれども、そこは日本銀行の流動性の供給の最後のよりどころとしての施策というものもありますし、いろいろなそういう、何というか、危険というものに対してはいろいろな施策というものが準備されておりますので、そういうものを総合的に考えて適切に対処していくべきものであろう、こういうように思っております。
○小泉(俊)委員 いろいろ、セーフティーネット等を張られているわけでありますが、全部使っても、やはり危機的状況を迎えたときは、ぜひともペイオフの延期も視野に入れて、それを封印しないで、すべてのオプションを広げて対処していただけますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 今、経済月例報告の景気底入れのお話から、アメリカ経済、原油価格、為替等、また預金のペイオフ等、普通預金のペイオフに向けて大分、かなり不安定要素が多いわけですね。こういった中で、現状の経済というのを、底入れという表現を使いますと、かえって国民は、やはりこれはかなりずれているんじゃないかなという意識が多分に私はあると思うんですね。
 やはり今、自殺者が四年連続三万人超えたり、倒産が去年で二万社ですよね。また失業も全然減らない。個人の消費も設備投資も全然伸びてこない状況ですので、やはりそういったのを踏まえて、もう一度日本経済の現状について、簡単で結構でございますが、財務大臣、認識をお示しいただけますか。
○塩川国務大臣 私は、先ほど申しましたように、要するに、諸元を検討してまいりますと、二月、三月、四月と安定した状況で移っておる。ですから、ここから下は下げどまっているんじゃないかな、そういう認識でおりますけれども、だからといって、これで景気が回復に向かってきておる、そういう安易な認識はまだとっておらない。けれども、といって、これは悲観的に見る必要は何にもないわけでございまして、できれば一陽来復ということをここらで願いたいなというのが我々の希望であります。
○小泉(俊)委員 次に移りますが、税制に関する議論で今非常に新聞紙上をにぎわしているのが、経済財政諮問会議と政府税制調査会の権限関係なんですね。
 確かに今大臣は、今までずっと委員会で何回も答弁しておりますので、質問しておりますと、非常に現状に対しても厳しい認識を実際お持ちです。ただ、思いはやはり一陽来復、それは私たちも同じわけでございますが、そういった日本経済の現状が大変厳しいという認識から、やはり、塩川大臣、G7でも、六月に減税も含めて明確な戦略を示すとお話しになられていますし、また、先週の委員会でも、江崎議員の質問に対しまして、個人向けの国債の購入に税制優遇について勉強しようというような旨も発言もなされました。また、昨年の私の質問に対しましても、有価証券をある程度財産として持っていた人が亡くなった場合、相続税に関してある程度の優遇を大胆に進めたいということをお答えいただいていますね。
 これは、経済の活性化とか市場の活性化という観点から、大臣は非常に減税に、きょうも御答弁されていましたが、前向きな御姿勢であると思います。ただ、これはなぜかというと、景気が非常に悪いということを、大臣はやはり実体経済を御認識されているからだと思うんですね。
 また、竹中大臣も、やはりこの日本経済の大変厳しい状況の中で、経済活性化という観点から、税制改革につき繰り返しいろいろなところで発言されています。
 経済財政諮問会議も、やはり、税制の改革等につきましても、経済の活性化という点を非常に重点に置いた議論がなされ、それがまた報道されておりますので、私たちはその報道によりまして、普通の国民も皆さんそう思っているわけでありますが。
 しかし、政府税制調査会なんですね、問題が。実は、四月二十六日発表した論点整理は、これ、まるっきり増税のリストですよね。実体経済を全く考慮せずに、もう税金取ることしか考えていない。ちまたで何て呼ばれているかといいますと、税制調査会というのは増税調査会じゃないかということを言われているわけですよね。特に、税制調査会の石会長は、税制改革による経済活性化に具体的手段がない、繰り返しマスコミに向かってこういう発言をされている。
 どうも経済財政諮問会議と政府税制調査会の方向が明らかに食い違うんじゃないか。これが非常に今、国民、混乱していまして、消費者や企業家の心理にも大変悪影響があります。特に、政府税調が新聞発表するたびに、有権者から大きな怒りの声が、特に企業経営者からかなり来ます。私のところも財金なものですから、何やっているんだと。ああいうことをやるたびに日本経済はますます暗くなるんじゃないかということを、そういう声が非常に強いんですね。この五月連休中も、私いろいろな会議に出ましたが、非常にそういった現場を知らな過ぎると。
 今まで、これだけの不景気に増税で立ち向かって成功した国というのは、過去ないわけですよね。それにもかかわらず、非常にこの経済財政諮問会議と政府税制調査会の権限が食い違って、この権限関係がきちっとしない限り、やはり非常に、どっちを信頼していいのかというのが、私たちもわかりませんし、国民は余計わからないんですね。
 大臣、この権限関係につきまして、本会議でもお答えになられていましたが、明確な御答弁をいただけますか。
○塩川国務大臣 どうも、その二つの機関が権限争いをやっているとか、あるいは勢力争いだとかいうことを取り上げられますけれども、決してそうじゃない。私、その認識ははっきりしておりまして、現在、政府税制調査会では、基礎小委員会というものがございまして、そこで現状を正確に分析しておられる。現状分析を文章で表現するとああいうことになるわけでございまして、決して、政策をどうしよう、あるいは改正の方向を指示するというようなことは、まだ政府税制調査会でやっておられません。これは正確に認識してもらいたいと思っております。
 それから、経済財政諮問会議でございますけれども、税制の問題は経済の活性化のためにどう役立てるかということを主体に考えておられるので、税制全体についての支配的な意見を提示して、これで政府の税制改正をリードしよう、そんな考え方はさらさらございません。
 それが、どうもマスコミは何かこう、かっちゃんかっちゃんやっていぬとおもしろないのか知りませんが、どうか、報道は、私、ちょっと、どうも対立関係に持っていこうとしておるように、そんなようなとり方、小泉先生もそうだろうと思うんですが、そうではないということを認識していただきたい。
 そこで、それじゃ、どこで統一するのかということでございますが、六月の、総理が言っております取りまとめをするということは、何も税制改正だけを言っておるんじゃございませんで、規制緩和をどのように進めるか、あるいは金融状況、不良債権の処理をどこまで進めていくかとかいうような、いろいろなものを総合した方針として六月に取りまとめていくという考えでございますので、税制だけが突出したものじゃないということをよく承知していただきたいと思います。
○小泉(俊)委員 本会議でも似たような御答弁をされていたわけでありますが、やはりこれは国民から見ると、政府税制調査会と経済財政諮問会議、一体どっちが、そうはいいましても新聞に出てくる報道を見ますと、やはり片方は何しろ税金を取ることしか考えていないという発想でありますし、もう片方は、今大臣おっしゃったように、活性化という観点から考えていきまして、日本の経済全体の中から税制をどう考えていくかという、どっちを国民が信頼していいか、わからないんですね。というか、具体的にどちらの言っていることを税制の政策として与党・政府は実現されるのかというのが見えないんですよね。
 その辺に関しまして、やはり意見は食い違わないといいましても、かなり、税制調査会が今やっているようなこと、増税ばかりやったら、日本経済は間違いなく失速していきますので、それに対して、ただ、非常に、必ず新聞には小泉総理諮問機関と出るんですよ。総理の税制諮問機関と出るわけですね。これは、小泉総理も、同じ名前ですけれども、小泉総理もこれを取り入れるんじゃないかと国民は思うわけですね。ところが、どうも竹中大臣とか塩川大臣の話を聞いていますと、いや、減税を先行させるというような、どちらかというと、今、国民はやはり、ぶつかっているのがおもしろいんじゃないんですよ。そのぐらい経済が逼迫しているんです。真剣なんです、みんな。実は、そのくらい企業経営者とかサラリーマンの方たち、パートをしている奥さんたちまで、もう必死なんですね。
 ですからこそ、今税制に対しての議論というのは物すごく熱心で、例えば、政府税調が配偶者控除を減らすとか圧縮しようとか、こんな不景気で、教育費を払うために一生懸命みんなパートに行っているわけですよ。お金がそんなにあるわけじゃなくて、一生懸命、だんなさんだけじゃ足りないから、パートをして教育費を払っているわけですね。家計の三分の一が今教育費に回っているわけでありますから。また、そういったところに今度は給与所得の控除を圧縮していこうとか、極めて冷や水をかけるようなことを大々的に毎回新聞でやられますと、ただでさえ個人消費が落ちているのに、ますますこれは心理効果が悪くなってまいります。
 ですから、大臣は矛盾していないとおっしゃるんですが、一体、政府税調と経済財政諮問会議、どちらの政策が具体化していくんですか、これから。
○塩川国務大臣 それは、最終的に政府原案をまとめるのは政府税制調査会、これは総理大臣の諮問機関でございますから、そこが最終的な決定をして、政府原案としてつくることは間違いございませんが、しかし、これは経験則からいいましても、そこへ至るまでにはいろいろな機関からの意見、例えば党の意見を聞かないけませんし、野党の意見も聞かないけませんししますからして、一概にここで決めるというわけにいきませんけれども、責任ある意見の取りまとめをするのは政府税制調査会であります。
 そこで、先ほど来二つの意見とおっしゃいますけれども、一つは、経済財政諮問会議は明確に、税に対する考え方、例えば税制改正をするにしても、何のためにどこを改正するのかということの基本問題についての考え方を示してもらう、それを受けて総理の方から政府税制調査会の方に諮問があって、それにこたえて税制改正をまとめる、こういう手順でございますので、先ほど申しましたが、今、政府税制調査会では現状認識のための勉強を一生懸命やってもらっている、そのことが、こういう議論がありましたよということが出ましたら、そっちの方へ行くんだというふうにマスコミが乗っていきますので。
 ですから、最近のマスコミをちょっとごらんになってください。各新聞社、各テレビごとに、言うていること、みんなばらんばらん、全然違うようなことを言っていますから。ですから、ある新聞なんて極端に書いているところがありますし、またある新聞は非常にネガティブに書いているところがあるし、非常にあるんです。ということは、それだけまだ議論の最中であって、まとまっていないんだということであります。
 しかし、私たちはこのことは一つ言えると思う。税制は今国民が大変な関心と期待を持っておる、これは事実でございまして、そのためにも、私たちはしっかりとした答案を出さないかぬと思っております。
○小泉(俊)委員 私は、やはりこれは、全部政府の構造を大きく変えたときに経済財政諮問会議をつくられたわけでありますが、やはり上下関係からいえば、本来、経済財政諮問会議が私は司令塔になるべきだと。税制の方たちというのは、税の現場しか見ないわけですね。ところが、経済全体を見て、木を見て森を見ずではなくて全体の中からやはりあるべき、日本の例えば二十一世紀、これからどういう産業をしていくのか、どういうふうに日本というのは生きていくのかという基本から、基本をまずきちっと経済財政諮問会議でも税制の面でも全体の中から示して、その具体的なものをやっていくのがやはり政府税調であるべきだという上下関係を私はしっかりつけないといけないんじゃないかと思うわけであります。
 時間がありませんので、次に行きます。
 これはまた似たようなあれになります、政府税調と大臣また国会との関係についてちょっとお尋ねいたしますが、政府税制調査会の石会長が、二月十九日、税制改革は経済の刺激になる税制を考えてもらいたいという塩川大臣の発言に対し、塩川大臣の発言には制約は受けないという発言を明確に新聞でしたり、塩川大臣が、四月、政府税調から税制改革の意見が出てこないと言われたのに対し石会長は、こちらはしにせの大企業だと反論される。
 どうも、私どもからすると、当然これは、国民が直接選んで、議院内閣制で大臣は、要するに国民から選ばれた大臣でもありますよね、間接的ではありますけれども。財政とか税務に関する最高責任者なわけですよね。国会議員から、また委員会の質問を踏まえた、こういうふうに私たちの、与野党の質問を受けているわけですね。その中で、そういった大臣の意見を全く受け付けない政府税調の委員の態度というのは、明確にこれを新聞とかマスコミで否定するというのは、私はやはり問題があるのではないかと。
 特に、余りにこれは大臣、ひいては国会、委員会を軽視していると私には映るんですね。特に、国民から選ばれてもいない単なる審議会の委員が、ここまで大臣発言とかこういうのを軽視するというのは私はいかがなものかと思うんです。
 これは、議院内閣制とか議会制民主主義からも私はちょっと行き過ぎなんじゃないかと思うわけでありますが、大臣、いかがでしょうか。
○塩川国務大臣 具体的にどんな発言があったか、私も今お聞きしておりませんけれども、これは一体となって議論をすべきであって、対抗意識を持って、あるいはあえて相手を意識して議論するという必要はないと私は思っております。
○小泉(俊)委員 私もそのとおりだと思います。
 ただ、この新聞を見ますとどうも政府税調は意識し過ぎているんですね、大臣の発言とか。その辺は、やはり何か会う機会があれば、ぜひとも税調の会長にもそれを言っていただきたいと思います。
 また、これの関連なんですが、私は、やはり日本の国力というのは経済力しかないわけですね。戦後、敗戦によって軍事力を放棄したわけですから。ですからこそ、経済の活性化というものは日本にとって極めて大切で、例えばお金があるからこそ、七兆円近くのエネルギーとか六兆近い農産物を買えるわけですよね。資源がない国でありますので、だからこそ、経済の活性化というのは極めて重視していかなければならないと私は強く思っているわけであります。
 ただ、大臣、いろいろな議論がありますが、どうも、政府税調から出てきたあれを見ますと、日本の国力をどうやったら落とせるのかというのを考えているとしか思えないんですよね。ですから、私は、ここまで食い違う、国民の感覚とか、やはり余りにも国民の実態とか経済とかから乖離した、私は委員の選任自体にもちょっと問題があるんじゃないかと思うんですが、やはりもっと実体経済、少なくとも、前も柳澤大臣にもお尋ねいたしましたが、財務省の役人の方々はお金を借りた経験がない、株を買った経験がない。ところが、大臣の方たちも、町を歩いたことがない、買い物をしたことがない、ハローワークに行っていないとか、実態から非常に乖離しているんですよね。
 ですから、政府税調の委員の選任につきましても、特に会長の選任等につきましても、何も学者から選ぶのが私はすべてではないと思いますので、やはり、今非常に心理が冷え込んじゃっているときに、冷や水をぶっかけるようなことをやられると、皆さん物すごい怒りが実はありまして、そのたびに本当に猛烈な電話をいただくような現状でありますので、これはぜひとも私は、やはりもう少し、自分でお金を借りて、金利負担のついたお金で利益を上げて従業員にお金を払って、そういう企業経営の感覚のある方をやはりもう少し審議委員に入れないと、私は本当に経済の活力がよみがえるのかと非常に心配しているわけでありますが、財務大臣、この点につきましてはいかがでございますか。私見で結構でございます。
○塩川国務大臣 政府税制調査会の委員の構成についてのお話でございますが、今、四十五名おられますけれども、割と実務経験者がたくさんおられますよ。今ちょっと……(小泉(俊)委員「いいです。わかっていますから」と呼ぶ)わかっている。というようなことでございますので、どうぞ御了承いただきたい。
○小泉(俊)委員 委員は確かに入っているんですよ。ただ、出てくるものがちょっと余りにも、本当に実体経済を把握されている方たちの意見が入っているのかなと。審議会ではかなりよくある話ですが、最初に結論があって、その方向にどうも意図的に行っているような気もしますので、ぜひともそういった点の、そういう危惧がある、国民からかなり猛烈な批判が寄せられていますので、ひとつ、そういった意見があるということをぜひともどこかで生かしていただきますように、よろしくお願い申し上げます。
 また、連結納税制度でございますが、時間がちょっとなくなってまいりましたですけれども、連結納税制度の一番最初の根本でありますが、繰り返しになりますけれども、この導入の目的と趣旨についてもう一度御答弁いただけますでしょうか。
○尾辻副大臣 先ほどお答えいたしました繰り返しになりますけれども、改めてお答え申し上げます。
 我が国企業の経営環境が大きく変化する中で、連結を主体とする企業会計への移行、あるいはまた独禁法における持ち株会社の解禁、会社分割や株式交換についての商法改正等により、企業の柔軟な組織再編を可能とするための法制等の整備が進められております。これが大きな流れでございます。
 その流れの一つとして連結納税制度の創設ということがございますけれども、これは、このような企業を取り巻く経営環境の変化を踏まえまして、先ほども申し上げました、一点は、実質的に一つの法人と見ることができる企業グループを一つの納税単位として課税することにより、実態に即した適正な課税を行う。もう一点といたしましては、企業の組織再編をより柔軟に行うことを可能とし、我が国企業の国際競争力の強化と経済の構造改革に資すること、これらを目的として導入いたすものでございます。
○小泉(俊)委員 今お話しいただきまして、非常に企業の国際競争が激化している、その中で、企業再編を容認していく極めてこれは重要な、特に税制面のインフラですね。今まで、会社法とかいろいろな法制の中でなかなか進まなかった理由が一つ、税制にあるということで、物すごくこれは重要なんですね。
 それにもかかわらず、これは本会議でも生方先生が質問されておりましたが、何でこれは、一年前から導入予定だったのに二転三転すったもんだしまして、これほど導入がおくれてしまったんでしょうか。これは財務大臣、いかがでございますか。
○塩川国務大臣 これは、先ほども申しましたように、この通常国会の予算関連法案として提出したいと思っておったんです。ところが、いろいろ検討いたしまして、非常に深みのある幅広い、現にこれは、こんな法律ですね、どうですか。このほかに政令とそれから省令、こんななんです。
 この法律案をまとめるというのは、こんなになるんかなと私は思うんですけれども、これには十二人の者が徹夜作業でやったんですけれども、なかなか、関連事項が多過ぎて間に合わなくて、提出がおくれて、これは私は国会に対して申しわけないと思っておるんですが、急いで提出いたしましたので、その点を御了承いただいて、できるだけ速やかにひとつ御可決いただくようにお願いいたしたいと思っております。
○小泉(俊)委員 非常にこれは、大臣今おっしゃいましたけれども、極めて重要なものですね。ただ、重要なもので大変関連法案が多いからおくれた、万々申しわけない、非常におくれて申しわけないと。しかし、それほど重要なものであるのに、これはみんなに使ってもらわないとやはり意味がありませんね。
 しかし、長妻議員もさっき質問しましたが、しつこくやらせていただきますけれども、これは、付加税というのがいわばペナルティーですね。これは、何でこういう、これほど重要だと言っておきながらそれを修正する、使えなくするものを、これほどおくらせておきながら、なおかつまたダブルパンチでこういった余計なものをつけられるんですかね。もともと趣旨が、それほど大切ならば、やはりそういったものというのはつけるべきじゃないですね。逆に、こんな修正を入れてしまったら、相殺されて実質効果がない。
 実は、財務省から上がってくる方は、いつもこうなんですね。証券市場の活性化につきましても、証券の優遇税制にしておきながら、実際、個人投資家が逃避する可能性が極めて高い源泉分離を一緒にやっちゃったり、どうも、ブレーキとアクセルを一緒に踏むという、いつものやり方がまた出ているわけですね。
 これはやはり、導入されて付加税というのは、私はどう考えても納得できないんですけれども、大臣、いかがでございますか。何度も答弁になりますが、考え直していただけませんか。
○塩川国務大臣 この付加税につきましては、私は何遍も説明させていただいておりますように、決してこれは故意につけたものでも何でもなかったんです。
 けれども、御承知のように、現在の財政状況から見まして、減税だけの優先をするということはなかなか難しい状況、特に、平成十四年度は増減税パラレルでいこうという内閣の方針が決まりました。そういたしますと、この連結納税制度によって八千億円近くの減税になるということであるとするならば、他の税でこれを埋め合わせをするとか、あるいはこれを将来に持ち越すということは、ちょっと額が大きい。そこで、一応制度内において、連結納税制度の中において、何とかこれを生み出したいという苦肉の策がこういうことになったのです。
 けれども、付加税といたしましても、連結納税制度全体から見ましたらちょびっとの金額でございますので、そんなに大きい影響はないのではないかなという感じも実は持っておるんです。けれども、これはやってみなければわかりません。
 ですから、連結納税制度を採用される企業としては、これが一つの大きい障害になるということが世間一般に、いわゆる経済界全般にそういう空気があるとするならば、これは考えなければいけませんけれども、現在、法案を提出した段階において、そういうことを予見を持って最初から提出しておるということは、これはかえって国会を冒涜するようなことでございますので、どうぞ、このまま是認していただいて、その結果によってこれをまた考えさせていただきたい、こう思っております。
○小泉(俊)委員 わざわざ一番最初に、導入の趣旨、目的を長々御説明いただいたのは、いかに大切かということを言いたいためなんですよ。大切なものであるからこそ、特に、先ほど申し上げました、日本は、経済力しか国力の源泉はありません。その国力の源泉を担うのがやはり企業なんですね。企業の国際競争力を高めるという至上命題からいって、苦肉の策みたいなもので修正されるというのは、私はどうも、その基本的な制度の必要性というのをわかっていないんじゃないかという気がするんです。逆に、本来、今これほどの経済状況でありながら、やはり企業をどうやって活性化させるかという観点からすれば、そういった修正、税制上の、税収確保のそんなことをやっているときではないと私は思うわけでありますね。
 それでは、この制度の導入に当たって、いろいろなアンケートをされていると思うんですが、財務省は、この今の、付加税がついたままの法律で、一体どのくらいの企業がこれを採用されるかというデータを当然とっていると思うんですが、それを答弁いただけますか。
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。
 先ほども大臣が申しましたように、現時点で実際に連結納税制度を採用するかどうかということについては、まだ結論を出していない企業が多い。例えば読売新聞の調査では、先ほども大臣が申しましたとおり、導入を検討するというのが五〇%ぐらいというふうにも聞いていますし、他方で大和総研のアンケートは、二〇%ぐらいが検討というのもございます。
 ただ、この調査といいますか、我々としての見積もりは、いわゆる上場ないしは店頭公開企業というような大きな企業にアンケートをさせていただいて、大体、三千社余から回答をいただいております。ただこの場合、この三千社余というのは親会社ですから、子会社も入れますと、約一万七千社を超えるアンケートに実はなっているわけでございます。
 そこで見る限りは、連結納税が入っても、もともと採用しないというところが実は二割ぐらいまずございます。これは、実は子会社がないというのがある。それから、この制度は決して税金をまけるための制度でないのはもう先生御存じのとおりで、将来に向かっての制度なものですから、どういう方が選ぶか選ばないかは必ずしも損得だけでは選べないんですけれども、自分が赤字でもともと子会社も赤字でというようなところは全く選ぶものがないとか、そういうのを除いていきますと、全体としては、この今アンケートでいいますと、実は四割ぐらいしかもともとは選択しないということも、お金目だけでいえばあるわけでございます。このあたり、実際にそれで計算をして減収額もはじいていますから、全部がこれを入れるという前提ではじいたものではありません。
 そういうアンケートをもとにやっていますから、実際上、最終的に、これが損得だけでなくてどうやって選ばれるかというのは、先ほども大臣が申しましたとおり、九月という時点で、末の承認期限までにどういう方々が選び、選ばないかというようなところを見てから判断をしなければならない、大臣が申したのはそういうことかと存じます。
○小泉(俊)委員 今、読売新聞の私が読んだものによりますと、主要五十社中二社しか、五割と今おっしゃいましたけれども、二社と私はきのう新聞見まして書いてありましたし、大和総研等によりますと、二割が検討されているということですね。ですから、導入前から採用する企業が極めて少ないという法律はいかがなものかと。
 またもう一度聞きますが、では、何で付加税は二年なんですか。もしその修正理由が正しいんであれば恒常的に、別にこんな二年なんて期限をつける必要ないと私は思うんですが、わざわざ二年なんという例外を設けたこの理由はどこにあるんでしょうか、大臣。
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。
 実は、先ほど大臣も申されましたとおり、平年度ベースでいうと、我々の推計では約八千億円の減税になってしまいます。それを、いわば法人税全体としてニュートラルということから、退職給与引当金ですとか、いわゆるこの連結制度とは関係のない課税ベースの拡大というので、一方で税源を出していただきました。これが大体四年間ぐらいしか実は継続いたさない財源でございまして、中小企業はこれは十年続きますから、そういう意味では十年間の経過措置ではあるわけですが、実はほとんどの増収措置は時限ででき上がっています。そういう意味では、恒常的に見ると、八千億近い減税が行われる法案であるわけです。
 したがいまして、この連結付加税というのも一定期間で二年間、これは租税特別措置法で手当てさせていただいているわけでして、全体の財政状況というのを見た上で、再度、いわば法人税のあり方、あるいはさらには今行われていますあるべき税制といいますか、これは中長期の税制の議論をしておるわけですけれども、そういう中で再検討していこうというのが、もともとこの法案の全体にかかっているということかと存じます。
○小泉(俊)委員 これは大臣、先ほど、やってみなければわからないというお話なんですよね。やってみて、これほどの分厚い関連の法案をつくりながらほとんど利用がない場合、これは二年の期限以内でも十分見直すということは、可能性ございますか。大臣、いかがですか。
○塩川国務大臣 やってみなければということの中に、やはりそれを修正するとかなんとかいうことを前提にしたものではなくして、実施して、どのような反応があるかということをまずつかんでみたいと思っておりまして、役に立たぬような制度をしたってしようがないんで、そうならばそれに合うようにいたしたいと。
 要するに連結納税制度というものは、先ほど尾辻副大臣が言いましたように、国際的な情勢に対応し、あるいは新しい企業活動の範囲を広げよう、そういう趣旨でございますから、それに合うようにするのにはどうしたらいいかという観点から考えていきたいと思っておりまして、とりあえず二年の間に、実態調査をきちっと把握して対応を考えたいと思っております。
○小泉(俊)委員 時間が参りましたけれども、これは企業経営者を初め、付加税に対しては、新聞紙上も含めて大変な批判が出ているわけでありますので、やはり謙虚にぜひとも耳を傾けていただいて、もしも導入して使えないような制度であれば、大臣の言うとおりでございますので、やはり速やかな改正を、それが日本の経済再生への一つの道であると私は思いますので、ぜひともよろしくお願い申し上げまして、質問を終わります。
○坂本委員長 次回は、明二十二日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時四分散会