第154回国会 文部科学委員会 第15号
平成十四年七月三日(水曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 河村 建夫君
   理事 鈴木 恒夫君 理事 田野瀬良太郎君
   理事 増田 敏男君 理事 平野 博文君
   理事 山谷えり子君 理事 斉藤 鉄夫君
   理事 武山百合子君
      伊藤信太郎君    岩崎 忠夫君
      小渕 優子君    金子 恭之君
      倉田 雅年君    近藤 基彦君
      杉山 憲夫君    高市 早苗君
      谷垣 禎一君    谷田 武彦君
      中野  清君    馳   浩君
      林田  彪君    松野 博一君
      松宮  勲君    森岡 正宏君
      森田 健作君    大石 尚子君
      鎌田さゆり君    木下  厚君
      中津川博郷君    中野 寛成君
      藤村  修君    牧  義夫君
      牧野 聖修君    三井 辨雄君
      山口  壯君    山元  勉君
      池坊 保子君    西  博義君
      佐藤 公治君    達増 拓也君
      石井 郁子君    児玉 健次君
      中西 績介君    山内 惠子君
    …………………………………
   文部科学大臣       遠山 敦子君
   文部科学副大臣      岸田 文雄君
   文部科学大臣政務官    池坊 保子君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房文教
   施設部長)        小田島 章君
   政府参考人
   (文部科学省生涯学習政策
   局長)          近藤 信司君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育
   局長)          矢野 重典君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長
   )            工藤 智規君
   政府参考人
   (文部科学省科学技術・学
   術政策局長)       山元 孝二君
   政府参考人
   (文部科学省スポーツ・青
   少年局長)        遠藤純一郎君
   政府参考人
   (文化庁次長)      銭谷 眞美君
   文部科学委員会専門員   高橋 徳光君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月三日
 辞任         補欠選任
  岡下 信子君     倉田 雅年君
  近藤 基彦君     金子 恭之君
  大石 尚子君     三井 辨雄君
  藤村  修君     木下  厚君
  佐藤 公治君     達増 拓也君
同日
 辞任         補欠選任
  金子 恭之君     近藤 基彦君
  倉田 雅年君     岩崎 忠夫君
  木下  厚君     藤村  修君
  三井 辨雄君     大石 尚子君
  達増 拓也君     佐藤 公治君
同日
 辞任         補欠選任
  岩崎 忠夫君     岡下 信子君
    ―――――――――――――
六月十一日
 育英会奨学金制度の充実に関する請願(木島日出夫君紹介)(第四六九九号)
同月十二日
 私学助成大幅増額と三十人以下学級の実現に関する請願(高木義明君紹介)(第五五〇七号)
同月十三日
 国庫補助の堅持・拡大、父母負担の軽減、教育条件の改善、私学助成制度の大幅な拡充に関する請願(大畠章宏君紹介)(第五九五九号)
 三十人学級の実現、教育予算の大幅増、父母負担軽減に関する請願(大畠章宏君紹介)(第五九六〇号)
 育英会奨学金制度の充実に関する請願(石井郁子君紹介)(第六一二三号)
同月二十八日
 三十人学級、私学助成拡充に関する請願(小沢和秋君紹介)(第六五〇五号)
 育英会奨学金制度の充実に関する請願(児玉健次君紹介)(第六五〇六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 文部科学行政の基本施策に関する件

     ――――◇―――――
○河村委員長 これより会議を開きます。
 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として文部科学省大臣官房文教施設部長小田島章君、生涯学習政策局長近藤信司君、初等中等教育局長矢野重典君、高等教育局長工藤智規君、科学技術・学術政策局長山元孝二君、スポーツ・青少年局長遠藤純一郎君、文化庁次長銭谷眞美君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○河村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高市早苗君。
○高市委員 おはようございます。自由民主党の高市早苗でございます。
 本年一月まで本委員会の委員長を務めさせていただき、委員の皆様の御質疑や大臣、副大臣の御答弁、ずっと拝聴をいたしておりました。委員の皆様方から非常に的確な御指摘が数々あったわけでございますが、それがその後の文部科学行政にどのように反映されているのか、フォローしていただきたい点を中心に本日は質問をさせていただきます。
 まず最初に、昨年の教科書検定及び採択にかかわって起きた多くの異常だとも思える事態、これを文部科学省がどう総括をされ、どう改善をされているか、こういった点からお伺いしたいんです。
 昨年の教科書の検定及び採択は、まさに異常な状態の中で行われたと言わざるを得ません。検定の段階から白表紙本が外部に流出いたしまして、そして外国からも、一部のマスコミからも特定教科書批判が起こりました。中韓両国からは修正要求、不採択要求がなされまして、友好都市や姉妹都市に対する文化交流の中止といった事態も発生しております。国内におきましても、採択に際しまして多くの教育委員が恐怖を覚えたと語るほどに激しい過激派の抗議行動や放火事件、そして共産党及び共産党系団体の特定教科書採択阻止運動が展開されました模様は、公安調査庁の「内外情勢の回顧と展望」に記されております。
 昨年の検定や採択に絡んで起きた問題が普通ではないということに関しましては、昨年の本委員会の各委員の御質疑に対して遠山大臣及び岸田副大臣がお認めになり、今後検定や採択の公正さに影響を与えないよう努力をする旨答弁をされております。
 ところが、ことしも、愛媛県で来春開校される中高一貫校三校で使用する教科書の決定を八月に控えまして、特定団体からの猛烈な抗議活動が始まっております。この際、昨年の委員会で大臣や副大臣が約束された公正な検定、採択を確保するための改革がどの程度進んでいるのかを知りたいと思っております。
 まず、昨年五月三十日の本委員会で西川京子委員が指摘されました白表紙本の流出が外交問題に発展したという件についてでございますが、遠山大臣が、あのような形で事前に漏れることは憂慮すべき事柄である、公正を欠くことのないよう、できるだけ注意を払っていきたいと答弁されているんですけれども、文部科学省は、その後、流出ルートを調査されたかどうか。
 もしも検定委員からの流出でありましたらこれは国家公務員法違反に当たりますし、制作者側からの流出でしたら再発防止の法整備が必要だと考えるんですが、次回の検定に向けた対応策はできておりますでしょうか。
○遠山国務大臣 検定審査中に申請図書の内容が外部に漏出いたしますことは、教科用図書検定調査審議会におきます公正中立で円滑な審査に支障を来すおそれがありますので、適当でないという考え方を持っております。
 文部科学省といたしましては、従来から、検定審査中の申請図書の取り扱いに関しまして、職員、審議会委員に国家公務員法の守秘義務の遵守を徹底いたしますとともに、各申請者に対し厳正な管理を指導してきております。
 平成十二年度検定にかかわります申請図書の内容がどのようなルートで流出したかということについては、私どもで調べることは行ってみたのでございますが、これは残念ながら明らかとなっておりません。異例ながら、検定審査途中に申請者等に繰り返し管理の徹底を指導したところでございます。十三年度につきましては、前年度の経緯を踏まえた指導を行ったところでありまして、その結果、審査途中に申請図書の内容が公となるような事態は生じなかったところでございます。
 なお、今後の検定に向けた対応につきましては、現在、教科用図書検定調査審議会におきまして、検定、採択双方にわたります教科書制度の改善について審議する中で、静ひつな審査環境の確保という観点から検討いただいておりまして、その結果を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えます。
○高市委員 そういったところで対応を御審議いただいているということですが、結論はいつごろ出ますか。
○遠山国務大臣 できるだけ早くと考えておりまして、この夏中には必ず出したいと思っております。
○高市委員 次回の検定で同じような事態が発生しないように、ぜひともよろしくお願いいたします。
 次に、昨年六月二十七日の本委員会で、牧義夫委員が六月二十一日付の朝日新聞記事に基づいて質疑をされた点を伺います。
 二十一の学会が、新しい歴史教科書をつくる会の中学歴史教科書について、五十六カ所の誤りを指摘する文書を全国の市町村教育委員会に送ったが、このような特定の教科書に対するこの行為は妨害行為に当たらないのか、また、教科書公正取引実施細則には報道機関に教科書を誹謗中傷させることを禁じている条項がある、明らかな妨害行為であるし、文部科学省が看過することは許されない、公正な採択を確保したいというなら、こういう記事が出たときにすぐに対応をして調査をすべきである、このように牧委員が指摘されました。岸田副大臣は、基本的に公正取引委員会の判断であるとされながらも、御指摘ごもっとも、事態を把握することに努めたいと答弁されております。
 委員の皆様のお手元にも、大臣のお手元にもお配りいただいていると思いますが、ことしの三月十七日付の愛媛新聞にもこのような意見広告が出ております。広告内に、牧委員が指摘された二十一学会の特定教科書批判を掲載しました愛媛新聞の記事も入っておりますし、この広告は、間違った記述の多い欠陥教科書、戦争賛美教科書と、特定教科書を誹謗中傷しています。既に検定を通っている教科書でございますから、間違った記述の多い教科書という文言、これは検定ミスを示唆する表現となっております。
 この広告について、まず岸田副大臣は御存じだったかどうか、そして御存じならば、すぐに事態の把握に努められたかどうか、お伺いいたします。
○岸田副大臣 まず、教科書の採択が過当な宣伝行為に左右されることなく公正に行われること、これは極めて重要なことであります。ですから、今先生も御指摘になられましたように、独占禁止法に基づく特殊指定により教科書に関し不公正な取引が禁止されているところでありまして、具体的には、教科書の発行をなりわいとする者が、直接であると間接であるとを問わず、他者教科書の内容を中傷誹謗すること、これは禁止されているわけであります。
 ですから、御指摘のこの愛媛新聞の意見広告につきましては、まず私自身は御指摘をいただきまして初めて承知いたしました。この意見広告につきましては、独占禁止法に基づく特殊指定により禁止されている行為に該当するかどうかについては、公正取引委員会が判断するものというふうに考えております。法律上はこういった取り扱いになるものと考えております。
 さらに、今の御質問の中で、文部科学省として対応する考えがあるかどうかということでありますが、基本的に、過当な宣伝行為に教科書採択が左右されてはならないということ、この重要性は認識いたしますが、これまでさまざまな意見広告が新聞、雑誌等でさまざまな立場から行われております。数多くの意見広告等に対しまして、個々個別に対応するということにつきましては、いろいろと考えなければいけない面もあると考えております。ですから、その点につきましては、個別に対応することにつきましては、いかがかなというふうに思っております。
○高市委員 個別に対応することがいかがかなという御答弁でございました。確かに言論、表現の自由もございますけれども、しかしながら、先ほど私が申し上げましたとおり、この広告は検定そのものがおかしいんじゃないかということを示唆しております。検定ミスを指摘されたと同じような表現でございますので、こういった場合は、文部科学省はきちっと広告主に対して抗議を申し込むなり、説明の文書を送付するなり、その程度のことはしていただかないと、次の採択に向けても昨年と同じようなことが起こるんではないか。どんなちっちゃなことにも全部反応しろと言っているんじゃございませんが、この愛媛新聞の記事というのは、ことし八月に愛媛県で特別に中高一貫校ができることに備えて教科書が決定される時期に愛媛県で大きな問題になっている件でございますので、ぜひとも抗議の一文ぐらいは入れていただきたいと思います。このような対応からが私は大切だと思っております。
 次に、十月三十一日、森岡正宏委員の御質疑に関しまして、採択に関して混乱があった地域、問題があった点について、今、分析、整理を行っているところ、このように文部科学省側は答弁をされております。これは、採択に関していろいろな混乱があった、教育委員の方の御自宅にまで嫌がらせがあった、そういった事態を受けての話でございますけれども、混乱があった地域、問題があった点についての分析、整理、この結果はどうだったのか、それを受けて公正な採択確保のための改善措置はもう準備されているのかどうか、以上、お伺いいたします。
○岸田副大臣 まず、昨年の教科書採択についてですが、一部の地域では、外部からの組織的な働きかけなど、想定されていない事態が生じたと考えております。しかし、そういった事態が生じたものの、各教育委員会からは、教育上支障が生じたり、違法性があると思われるようなものはなかったという報告も受けているところであります。
 こうした状況を総合的に判断しまして、文部科学省としては、最終的にこの教科書採択、教育委員会の権限と責任により教科書の採択が行われたものというふうに総合的に考えているところであります。
 文部科学省としては、各採択権者の権限と責任に基づいて適切に採択を行うことは重要であると考えており、昨年も、採択期間中の七月に、都道府県教育委員会に対し教科書採択の公正確保を徹底するよう特に指導したところでありまして、これは、今後とも必要な指導はしていきたいというふうに考えております。
 そして、なお、昨年の採択に関しましては、各方面からいろいろな指摘がされたわけですが、そういった指摘、例えば採択地区協議会と教育委員会の意見が食い違った場合等々、さまざまな制度上改善すべき点、検討すべき点がございます。この点につきましては、教科用図書検定調査審議会において今検討しておるということ、先ほど大臣から申し上げましたが、その検討をお願いしているということでございます。
○高市委員 教科用図書検定調査審議会でございますか、そこで検討をということですけれども、あれだけの問題が起きているのでございます。次の検定、採択に向けて、政治主導で、リーダーシップを持って、アイデアをどんどん出して、できることから改善していっていただきたい。そんなに余裕はないと私は考えます。
 私自身は、公党や国会議員が特定の教科書を採択しろとか採択するなとか、そういった形で政治介入をすべきではないと考える立場ですので、特定の教科書ということから離れて、それでも静かな環境の中で学習指導要領の目的にのっとって教科書が決まっていく、こういった環境づくりをぜひ行いたいと思っております。幾つか改善のアイデアを私の方から出させていただきますので、コメントをいただきたいと思います。
 まず、外部から不当な圧力を排除するために、全国すべての採択区の採択決定期日を同じ日にしてしまう、要は妨害活動勢力を分散する、表現は変かもしれませんが、株主総会対策みたいなことなんですけれども、決定期日を同一日にしてはどうか。
 それから、明らかに不当な妨害や干渉が行われてしまった場合に、文部科学省がその決定を無効として、採択やり直しを命ずる明確な権限を持つ、これは法改正が必要かもしれませんが、それができないだろうかと考えております。
 また、適正な採択基準というものを確立するために、この点については昨年六月十三日、都築譲委員の御質疑に関して、岸田副大臣から、教育委員会の活性化を図っていくといった約束をされておりますので、既に幾らかプランは立てられているかと思いますけれども、文部科学省は学習指導要領に基づく教科書研究がきちっと行われるように都道府県教育委員会を強く指導する。その場合に、文部科学省の方で学習指導要領に沿った観点表、これを作成していただきたい。つまり、学習指導要領に基づいて教科書を研究していくというための一つのガイドラインですね、教科書研究のあるべき方向性を示していただく程度の準備は国でやっていただいてもいいんじゃないかと思っております。
 それから、各市町村の教育委員会は、各採択区で行われておりました教科書選定資料の作成を取りやめて、都道府県の教育委員会が、文部科学省作成の観点表を参考にして、学習指導要領に基づいた教科書選定資料の作成に責任を持っていただく。市町村の教育委員会は都道府県の教育委員会が作成した教科書選定資料に基づいて、それぞれの見本本を精査して、具体的な採択作業を行う。これは同じような教科書選定資料を都道府県と市町村と二段構えでつくっちゃっている、二度手間、予算のむだもあるようでございますので、これを改善できないかということでございます。
 そして最後に、教育委員会の採択権限をきちっと確保するためにしていただきたいことなんですが、私は、採択に関する権限や責任があいまいな共同採択区なるものを廃止していただきたいと思っております。
 それから、これまでの採択がどうも不明朗な感じがいたしておりましたが、その原因の一つだと私が思っております教育委員会の下部機関としての選定委員会、これを廃止していただく。教育委員会は法律上の採択権者としての責任をきちっと自覚して、教科書を自分の目で見届けて、自分で考えて採択していただく。時間がないだとか専門知識がないから判断できないというような教育委員には、不適格者でありますからやめていただく。もともとレーマンコントロールという教育委員制度の精神というのは、専門知識があるないではなくて、普遍的な常識や社会人としての常識から、学習指導要領の目標、つまり理念的な部分をどう体現しているか、教科書の質はどうか、こういったものを判断すればよいだけであると思うので、私はこのように変えていただきたいと思っております。
 調査員制度というのは残してもいいんですが、残すとしても、あくまでも調査資料作成を任務のすべてとしていただきまして、絞り込みや順位づけというのは明確に禁止をしていただく。それから、学習指導要領に反対している団体の推薦で調査員のメンバーを選ばないでいただきたい。
 教育委員会は、教科書の見本本を速やかに一般住民にも公開し、展示場所を徹底的に周知する。そして、採択後は、採択の結果、採択の理由、調査研究資料、議事録、教育委員、調査員の氏名を公表する。
 以上のような私なりのアイデアを持っておりますが、総括してコメントをお願いいたします。
○遠山国務大臣 今、幾つか高市委員が日ごろお考えの御提案がございました。私は、今の御提言の背後には、やはり教科書という大変大事な教材の選定に当たっては、公正で的確で、かつ静ひつな環境のもとに選択されるべしという強い信念がおありになると思っておりまして、その点については私も同感するところでございます。
 それぞれ、幾つかございましたので、全部ちょっとお答えできるかどうかでございますけれども、採択決定期日を同一日としてはどうか等のお話がございましたけれども、教科書採択自体は各教育委員会の固有の事務でありまして、採択決定日を統一的に設定すること、あるいは国が各採択権者の採択決定を無効にするというようなことは、これはなかなか困難であると考えております。
 教科書採択の公正確保のためには、教育委員会が外部からの不当な影響に左右されることなく毅然として対応してほしい、その権限と責任に基づいて採択することが基本と考えておりまして、文部科学省としては、そういう教育委員会の適切な対応を十分にバックアップしていかなくてはならないと考えております。
 それから、観点表について、文部科学省が、学習指導要領に基づいて教科書研究が行われるように、そういうものを作成してはどうかというようなお話もございました。あるいは、市町村教育委員会が各採択区で行われた教科書選定資料の作成を取りやめて、都道府県教育委員会が文部科学省作成の観点表を参考にして教科書選定資料作成に責任を持ってはどうかというようなお話もございました。
 適切な教科書採択のためには、教育委員会等の各採択権者において教科書内容についての十分かつ綿密な調査研究を行うことが大切であることは言うまでもございません。このために、我が省におきましては、従来から、各都道府県が作成します選定資料のより一層の工夫、充実、あるいは各採択権者におきます調査研究体制の充実など、それぞれの教育委員会における採択の改善に向けた取り組みを指導しているところでございます。
 学習指導要領に基づく先ほどの御提案、教科書研究等の調査研究の内容や方法に関するお話につきましては、これはそれぞれの教育委員会が調査研究を行う上での一つの御提言であると考えますけれども、調査研究の具体的な内容、方法につきましては各教育委員会の責任と権限において検討すべきものであると考えておりまして、私どもの今後の指導への取り組みをしっかりしていかなくてはならないと思っているところでございます。
 それから、共同採択区の話、調査員制度の話、あるいは調査員メンバーの選出の仕方等の御提案もございました。いずれも委員の深い御見識に基づく御提案とは存じますけれども、我が省といたしましては、各教育委員会に対して、採択における公正の確保の徹底、あるいは多くの保護者や住民が教科書の見本を見ることができるための工夫、あるいは採択結果や理由などの周知、公表などについて指導してまいったところでございまして、順次改善は図られてまいっておりますが、さらにそういうことについても指導をしていく必要があると考えます。
 また、選定委員会や調査員の設置など、具体の調査研究の方法につきましては各教育委員会が判断すべき事柄ではございますが、一般に、教科書内容について教科の専門的な観点からの調査研究を充実することは必要なことでございまして、そうした調査研究の過程で採択権者の責任が不明確になること、あるいは人選に疑義を持たれるようなことがないよう採択手続を適正化することが重要であると考えております。
 いずれにいたしましても、先ほど来申しておりますような、今、この問題について有識者の御意見も踏まえながら私どもとしても真剣に取り組んでいるところでございまして、その結論を待って的確に対処していきたいと考えます。
○高市委員 都道府県教育委員会、また市町村の教育委員会に基本的にお任せになる、本省はバックアップをするという姿勢のようでございますけれども、都道府県教育委員会の選定資料の中には、図表やページ数を数えただけのようなものとか、特定の団体の裏検定資料と言われるものを写したような資料まであると聞いておりますので、できるだけ学習指導要領に沿って正しい教科書採択が、これから望ましい教科書採択ができるように一つの方針を示していただきたいと私は切に希望いたしております。
 さて、がらっと話はかわりますが、昨年この委員会でもワールドカップ開催に向けまして税制に関する立法を提出いたしました。今回の日韓共催のワールドカップ、日本代表の活躍もございましたし、一方で空席問題等、いろいろ御心労もあったかと思いますが、ひとつ総括をしていただきたいと思います。大臣、お願いいたします。
○遠山国務大臣 五月三十一日から一カ月にわたって日本と韓国が共催した歴史的な大きなワールドカップサッカー大会が成功裏に終了することができました。これは、国民を感動の渦に巻き込み、そして選手たちも大いに活躍をし、また韓国との間でも非常にいい関係が醸成されたという点で、私は大成功であったのではないかと思います。
 心配されたフーリガンの問題でありますとか、あるいは会場内外での混乱もなく、輸送対策も十分であったということでございまして、私は、この点で国際的にも高い評価を得たのではないか、特に各地における地元の皆様の、日本人のよい面をあらわした友好関係の成果が大変出ておりまして、すばらしいことではなかったかなと思います。
 チケットの件だけは御心配をかけましたが、最終的には解消した面もございます。しかし、私どもといたしましては、やはり私どもが味わったこうした問題点を明確にした上で、JAWOCを通じてFIFAに対しては言うべきことはしっかり言っていくということで、今後の対処を見守っていきたいと考えております。
○高市委員 日韓共催のサッカーは大成功だったということなんでございますが、日韓で共同でやるものの中で、日韓の歴史共同研究については、これはどうも私は理解しがたいんです。大臣はこの共同研究事業の実施を意義深いものとして評価されておりますか。
○遠山国務大臣 私は、近隣の国々が相互に理解し合って協力し合っていくということは、これからの世界ではますます大事になってくるのではないかと考えておりまして、日本と韓国との間で歴史教科書をめぐってさまざまな問題があるということについては、これはできるだけこれを乗り越えていかなくてはならないと思っております。
 その意味で、日韓歴史共同研究推進計画に基づきまして、日韓歴史共同研究委員会の設置あるいは歴史学者の交流の場の設置、それから学術研究、各種交流の支援などの事業を進めていくことは、私は大いに意義があると考えております。
 先般、金大中大統領と小泉総理との首脳会談に私も陪席することがございましたけれども、あのワールドサッカーの経緯におきまして、日本国民それからメディアが韓国を応援した、非常に純粋なそういう友情を韓国の人たちも大いに評価したいということを何度も言っておられましたが、私は、そういうことのよき環境を背景にしながら、日韓の歴史共同研究事業というものが今後順調に進むことを期待しているものでございます。
○高市委員 鳩山邦夫元文部大臣は、大臣時代に、歴史共同研究を明確に否定する答弁をされております。文部科学省の方針が変わった理由がどうにも理解できません。それから、外務省の資料を見ますと、この共同研究について、最終的に教科書の編集に参考になるようにといった旨、書かれておるんですけれども、共同研究を続けていっても、歴史的事象というのは国が違うと一致点を見出すのはなかなか難しいと思います。
 例えば、北方四島、ロシアから言わせたら自分たちの領土でしょうし、日本から言わせたら日本の領土だと主張せざるを得ません。原爆の投下にいたしましても、これはもう戦時国際法上、民間人の大量殺りくは明らかに私は国際法違反だと考えますけれども、アメリカから見たら、トルーマン大統領も、そして今のブッシュ大統領のお父様、前のブッシュ大統領も、これは正義の判断であるというようなことを言っておられます。台湾は台湾にとって独立国家ですけれども、中国から見たら中国の一部ですし、共同研究を続けていっても、一致点の見出せない点というのは非常に多くあると思うんですね。
 果たして文部科学大臣は、日韓歴史共同研究の成果を将来教科書の編集に何らかの形で反映させることが望ましいと思っておられるのかどうか、そして、文部科学省の方針が変わった理由をお聞かせください。
○遠山国務大臣 今、元文部大臣の鳩山大臣のときの話がございました。突然でございましたけれども、私は、たしかあのときは、鳩山文部大臣は、日本政府が国として主体的に共同研究を行うということについての反対の御発言であったのではないかと思います。
 今回は、民間の有識者、研究者相互による非常に客観的かつ学問的な共同研究をやっていこうということでございます。その結果を教科書に直接反映するようなことを考えてはおりません。結果的にそういう共同研究の成果が出た場合に、それを教科書に取り入れるかどうかは、これは編集者自体の、あるいは著作者自体の考えであろうかと考えております。
○高市委員 どうもありがとうございました。最後のお答え、安心をいたしました。
 以上で終わります。
○河村委員長 中野寛成君。
○中野(寛)委員 久しぶりに質問いたしますが、まず、委員会の運営にもかかわることについて、希望を含めてまず申し上げたいと思います。
 きょうは、実は、文化庁長官に御足労いただいて日本の文化政策についてお話を申し上げたい、こう思って申し入れをいたしました。残念ながら文化庁長官、日程上の御都合もあるように聞きましたが、理由はそれではなくて、むしろ最近の国会の慣例のようであります。
 三浦朱門文化庁長官のときに、三浦さんの著作物で物議を醸して、一種の参考人風に来ていただいて質問したことはありますが、それ以外にも、政策論で私は当委員会で質問した記憶があります。
 久しぶりにこの文部科学委員会に戻ってまいりましたら、随分習慣が変わったのかな、こんな印象を持ちましたが、私は、文化庁長官の存在をもっといろいろな意味でアピールしたいと思うんです。例えば、公務員制度の中での位置づけなどというかた苦しい手続論もあるのかもしれませんが、大臣が新しく就任されますと就任のごあいさつを委員会でなさいます、同じように文化庁長官も、就任をされますと、みずからの文化政策についての抱負を、抱負経綸を大いに語っていただく、そのことによって日本の文化政策がこれからどう発展していくのかということを内外に発信するということは、むしろ大変重要なことなのではないかというふうにも思うんです。
 去年は議員立法で文化芸術振興基本法ができました。超党派で本当にいいものができたなと、私もその一翼を担わせていただいた者として大いに自画自賛しているわけでありますが、しかし、名実ともに日本の文化政策を充実させるためにも、文化庁長官が国会に来ることぐらいのことは、むしろ率先して実現しなければいけないことなのではないかというふうに思います。
 まずそのことについて、文部科学省及び、与野党協議もなされているやに聞いておりますので、委員長の御見解もあわせてお聞かせいただければと思います。
○銭谷政府参考人 文化庁長官の国会への出席の件についてのお話でございました。
 これまでこの委員会におきましても何回か御説明をさせていただいたことがございますけれども、これまでの慣例といたしましては、文化行政につきましては、大臣、副大臣、政務官の方から大局的な御答弁を申し上げて、事務的な答弁は、私、文化庁次長の方でさせていただくということでやってまいったわけでございます。
 河合文化庁長官が就任されましてから、大変、私どもとしては、意欲的に活動をされ、またよく御指導いただいていると思っておりますので、今後、文化庁長官の国会の出席の問題についてはよく省内においても検討をしてまいりたい、かように考えております。
○河村委員長 では、委員長の方から。
 中野寛成委員の方から御指摘がございました。与野党協議をいたしておるところでございまして、さきに長官のスケジュール、就任後のスケジュールもお聞きしたりいたしておりまして、さらに、今の御指摘を踏まえて、与野党間で協議を、理事会を通じて協議させていただきたい、このように思います。
○中野(寛)委員 ぜひ実現できるように、御検討というよりも御決定をいただきたいというふうに思います。
 それから、今銭谷次長が御答弁に立たれました。私は、次長に聞いていない、文科大臣に聞いているんだというふうに即座に言ってもよかったんですが、実はわざと彼の答弁を黙って聞いていたわけです。結局、文部科学省とはこんなものなんだということを、そのまま示したかったわけです。文化庁長官が出てくるかどうか、大臣の決断または決裁で済む話ではないんでしょうか。自分の上司が国会に出てくるか出てこないかを部下が答弁するんですか。それが官僚主導の典型の例だ、それをここで示したかったので、わざと僕は次長の答弁を黙って聞いていたんです。大臣、どうですか。
○遠山国務大臣 文化庁長官、特に今回は、民間のすばらしい学者を文化庁長官にいただくことができまして、私としても、大変客土で御活躍していただいていると思いますし、これまでになかったような活性化されたいろいろなイベントでありますとか、あるいはみずから授業もなさったり、大変すばらしい活動をしていただいていると思います。国家公務員でございますので、私は、文化庁長官がここの席に来て答弁されるかどうかについて、国会の決定も重要視したいと思います。
 ただ、これまで、文化庁にかかわりますいろいろな予算ないし政策、その他さまざまな面につきましては、文部科学大臣が責任を持って対応してきたという経緯がございます。そのようなことも勘案された上で、このことについて必要であれば御議論を深めていただきたいと私は思っております。
 ただ、文化の重要性それから文部科学省の守備範囲の中でも文化の大事さということから、特別に附属機関として独立した組織をつくっているところでございまして、しかしながら、それらはすべて文部科学大臣のもとにおいて、所掌事務の一つとして私どもとして責任を持ってやっている、そういう運営になっているということも申し添えたいと思います。
○中野(寛)委員 旧態依然としたというか、あしき慣例、制度はやめた方がいい。今の大臣の御答弁でいきますと、文化政策は、事国会に関しては、大臣がいて、そして文化庁の次長がいれば事済むということなら、文化庁長官制度をやめたらいいと私は思います。
 別に能力の問題等を云々しているのではないんです。大臣は、もともと文化庁長官も御経験なさっているわけでありまして、御見識を問う分については何の不足もないわけであります。しかし、時の文化庁長官が、その責任においていかなる日本の文化政策を推進しようとしているかについて、国会で発信できないというのは何ともおかしな話だとあえてつけ加えさせていただきたいと思いますし、今後の検討協議にゆだねたいと思います。
 さて、先般、地方分権改革推進会議が六月十七日に、事務・事業の在り方に関する中間報告というのをお出しになりました。ちょっと財政問題について一言だけお聞きをしておきたいと思います。
 予算については概算要求の時期を迎えているわけです。我々は、財政構造の改革も大いに進めていかなければならないと思っておりますが、例えば人的にいいますと、いわゆる裁判官の数が足りない、外交官の数が足りない、また国税職員の数が足りない、これは、実は国会の委員会決議等で指摘をされて、そして充実をするように、こう言われている分野でもあります。言うならば、行政改革もそうですが、減らすべきところ、歴史的使命を果たし終えたところはそれをカットして、そして、今後の歴史的使命を担うところにシフトさせていくということが大事だと思いますが、財政もそういう意味で考えていかなければならない。
 そういたしますと、例えば日本の場合、いよいよ文化立国としての日本を目指す中において、文化予算というのは当然これから拡大をしていかなければならない分野であろうと思います。最近、文科省も大変テクニカルというか、技術的に工夫をされるようになったと思うんですね。議員立法ではありますけれども、先般基本法ができた。あれは多分、科学技術基本法の手法を取り入れられたのかとも思うんですが、そうすると、基本計画ないし基本方針をそれによってつくる、これによって予算の裏づけをとっていく。これは実に、日本のシステムの中ではなかなか効果的なやり方でございまして、大いに文部科学省も頑張っていただきたいと思います。いずれにせよ、文化予算をふやさなければいけない時期。
 それから、耐用年数を超えた、もしくは耐震設計基準ができる以前の公立の小中学校というのはたくさんあるわけですね。今やもう耐用年数を超えたものが三十数%ある。これから十年もたたないうちに、五〇%を超えるだろうと言われている。とするならば、子供たちが学ぶ学びやのあり方については、これは大変重要な時期に来ていると思うんです。このことを考えますと、やはり文教予算というのは大変重要な意味を持ちます。
 また、学力問題が今大きく騒がれておりますが、いろいろな教育のシステムについて多様化させていくことなどを考え合わせますと、人材の確保というのは、これまたおろそかにできません。
 こう考えますときに、この地方分権改革推進会議の中間報告によりますと、何か、地方に権限をゆだねるんだ、教育も分権の時代を迎えたんだろう、よって、財政の方も地方で負担しろと言わんばかりの内容になっている。ただ、向こうの説明を聞くと、そうではありません、総枠を変えるのではなくて権限をゆだねるだけだ、予算構造については触れていませんなどと説明をするんだけれども、しかし、地方の皆さんや該当する関係者の皆さんは、大変心配をしているわけであります。
 言うならば、地方分権とは、財源と権限を同時に、もしくは、財源を先にゆだねて初めて地方分権というのは成り立っていくものだというふうに思うのですが、文部科学省としての決意をお聞きしておきたいと思います。
○遠山国務大臣 幾つか御指摘ございましたけれども、まず、文化についての予算がいまだ十分でないというのは確かだと思います。文化のみならず教育についても、先進国の間でGNPに対する比率等を比べますと、小中教育も高等教育も十分でない、研究費もそうであるということで、私といたしましては、文部科学省の守備範囲というものは、国民に希望を与える未来への先行投資にかかわる仕事が多いわけでございまして、私どもは、その予算の獲得にさらに力を入れなくてはならないと思っております。
 その関連で申しますと、先般閣議決定されました経済財政運営と構造に関する基本方針二〇〇二、いわゆる骨太の方針第二弾におきまして、経済活性化のための戦略として、人間力戦略、技術力戦略など人材育成、あるいは科学技術の重要性が盛り込まれておりまして、平成十五年度財政運営に当たって重点的に推進すべき分野の一つとして、教育・文化、科学技術、ITが位置づけられたことは大変意義深いと思っております。
 他方で、今お話ございましたように、六月十七日に取りまとめられました地方分権改革推進会議の中間報告におきまして、国と地方の経費負担のあり方の見直し等の提言がなされておりますけれども、私といたしましては、義務教育は憲法上の要請として、国民として必要な基礎的資質を培うものとして、すべての子供が全国どこでも無償で一定の水準の教育を受けられるようにするということが国の重要な責務であると考えるところでございます。
 単なる財政論だけで教育の本質を誤ることがないように、私どもといたしましては、義務教育費国庫負担制度の根幹を中心とする教育についてのこれまでの制度については、堅持すべきものについてはしっかりと堅持していきたいというふうに考えております。
○中野(寛)委員 財政また行政改革、改革というのは何もカットするだけが問題ではありません。後ほど言葉の問題にも触れたいとも思いますが、リストラクチャリングも、日本では、リストラと略しますと首切りという意味に使われてしまう。そうではなくて、言うならばそれは転業である、またはシフトし直すということなどの本来の意味がいつの間にか失われてしまっている。同じようなことが地方分権という美名のもとに変えられていくとするならば、これは大変ゆゆしい問題だというふうに思います。
 重要な分野を担われる文部科学大臣として、また文部科学省として、今後とも、むしろ積極的に、攻撃的に、我々はこうしたいのだ、こうあるべきだという提言をする、古くて弱い文部省ではなくて、新しくて強い文部科学省になってもらいたいものだと御期待申し上げておきたいと思います。
 さて、そこで、一つだけ元文化庁長官としてお尋ねをいたしますが、日本の文化政策はどこが足りていてどこが足りないんでしょうか。御認識をお伺いしたいと思います。
 例えば、日本の文化予算は国の予算全体に占める割合として〇・一、二%だ、やれ、これに比べてフランスはどうだ、イギリスはどうだ、ドイツはどうだとよくやるんですね。私の秘書もここにその数字をペーパーに書いてきたんだけれども、恐らく皆さんが言い古していることだから言わない。むしろそれ以上に、日本の文化政策はこれから何をなすべきか、どこに重点を置くべきか。
 ささいなことで言うと、例えば、音楽家だとかいろいろな研究者を日本に招いて勉強することは、結構予算がついているんですね。日本から外国へ留学したり勉強しに行ったりする部分は少ないんですね。これはある意味の一つの小さな事例なんですが。
 それから、例えばオペラハウスを建てる。ヨーロッパのある国では、例えば五十億円ハードにかかるとすれば、百億円の予算を組んで、そして残り五十億円はその後の運営、ソフトの費用に充てると言われるぐらいですね。
 そういう文化に対する視野、哲学みたいなものもやはり日本としては考えていかないといけないことなんだろうという気もするんですが、この日本の文化の政策の基本について大臣はどうお考えですか。
○遠山国務大臣 日本の文化政策の基本という大変大きなお話でございますので、一気に御説明できるかどうかでございますけれども、私は、まずは、国内の文化芸術、これを豊かにしていくというのが一点であろうかと思います。そして、二点目には、先生御指摘のように、国際交流といいますか、外国の芸術文化というのをより日本の国民にとって親しみやすいものにしていくのと同時に、日本の豊かな文化、それを海外に発信していく、この二つが大変重要だと思います。
 国内の芸術文化を豊かにしていくという観点からは、一つは、トップクラスのすばらしい芸術家たちのいろいろな活動、あるいは日本が長年蓄えてきた、蓄積してきたすばらしい文化財というものをきちんと維持していく、あるいはその伝統的なわざも伝えていくというような、そういうトップクラスのものを豊かにしていくというのが一つと、それからもう一つは、国民のすべてといいますか、あらゆる地方の、あらゆる階層、あらゆる年齢層の人たちが十分に楽しめるような、国民にとって親しみやすい、そういう身近な芸術文化といったようなものを充実していくということが大変大事だと思っております。
 もちろん、アーティストとか芸術のみならず、それは、日本語のあり方あるいは生活習慣、生活様式なども含めて、人々が豊かな気持ちで暮らし得る、そういう文化的なライフスタイルというのも含めた広い意味の文化でございますけれども、そういう内国的な文化の充実というのが一つ。
 そして、その成果を、トップクラスの人を海外に送るというのももちろん大事でございますけれども、日本人のいろいろなライフスタイルの特色でありますとか、建築の伝統の中に込められた日本人の美意識あるいはいきの構造、そういったものを含めた日本文化のよさというものを海外に発信していく、あるいは海外の人々が日本に来たときにそういうものを十分な形で紹介していくのと同時に、海外でのすばらしい芸術文化も日本の中で見ることができるようにしていく等の国際交流が非常に大事だと思います。
 私は、文化庁長官もやらせていただきましたし、それから大使として外交官生活も送ることができましたけれども、特に外交官、大使としての外国での生活の中で、国と国との相互理解、相互協力、そして本当の意味の深いつながりというのは文化でしかないと確信をいたしました。それは、多元的ないろいろな外交上の課題でありますとか、さまざまな障害は乗り越えていかなくてはならないと思いますが、本当の意味で二国ないし多国的な協力というものをしっかりしたものにしていくには、文化による相互理解というものが非常に大事だ、私はそういう確信を持ちまして、その意味で、先ほど申し上げましたような二つの点のこれからの施策の重要性というものを最近つくづく考えているところでございます。
○中野(寛)委員 短時間ですから、各論に突っ込んだ話はできませんので、それ以上申し上げませんが、文化でもそうですし、学力なんかもそうなんでしょうが、いわゆるピラミッド型を想定して、底辺を豊かにすれば頂点も高くなるというやり方と、それから頂点をより豊かにすることによって底辺が広がるというやり方とあるんだろうと思います。どちらが正しいかという結論を出す必要はないので、事文化に関する部分というのは、やはり頂点に立つものをより伸ばしていくというのは、これは一つの方法だと思います。
 日本でも、やはりサッカーがこれだけ普及をしたのは、ある意味では、Jリーグができた、それによって模範的なプレーが見れるということが一つは日本の今のサッカーブームをつくったとも言えなくはないというふうに思います。
 また、日本では、たくさん劇場はできる。しかしながら、そこに例えば専属の歌劇団は存在をしない。また、そこへ専属の歌劇団を置こうと思うと、またいろいろな意見が、賛否両論、わいわいがやがやと出てきて、なかなかそれが実現しないということがありますが、しかし、本当に芸術文化について、そのトップを伸ばしていく、そして全体としてのレベルアップをしていくためには、本当は、劇場専属の交響楽団であるとか歌劇団というのは幾つかあった方がいいということはあるんだろうと思います。その辺のことは、むしろ大いに首を突っ込んでいってリードしていただいて、日本の文化政策の基本、指針、そういうものをしっかり示していただきたいなという気がいたしております。
 さて、余計なことを言っている間に時間がたってしまいました。あと、文化の一つなのですが、言葉の問題についてちょっと述べたいと思います。
 おもしろいですね、日本人というのは実に器用だと思うんですね。日本サッカー協会があるんですな。今回活躍をされたわけですが、これは英語でイニシアル、JFA、サッカーのイニシアルのSはどこにもないんですね。サッカーという言葉は世界のどのくらいのところで通用するのかな、サッカーの語源はと、ふと思ってみたんですね。結局、FIFAと言うけれども、そこにもサッカーのSはないんですね。結局、Fとはフットボールの略なんですな。
 そうすると、実に日本人というのは、まあ、サッカーというのは、アメリカではサッカーですよね、アメリカでフットボールと言うとアメリカンフットボールのことを指すものだから。ただ、日本人というのは、そういうのを実に器用に使い分けている国民だなと思うんです。漢字、それから和製英語についてきょうは述べたかったのですが、まあ、器用過ぎて日本人というのは本当にいろいろな間違いも犯すなと思っています。
 先般、九州の方で、和製英語をちょっと乱れ過ぎているから整理をしようと。例えば、レベルアップという言葉、スキンシップという言葉、英語圏に行って通じない英語というのがいっぱいある。レベルアップというのは、この新聞によるとインプルーブ、プレイガイドはチケットオフィスの方が正しい。間違った和製英語をたくさん世界に通じる英語だと思って日本人は勉強している。しかし、それは最初から正しい、外国でも通じる英語をちゃんと覚えてそれを使っておけば、英語の勉強は随分楽になるんだろうと思うんですね。そして、いつの間にか英語をしゃべれるようになるということなんではないかと思うんです。
 この前、通じない片仮名英語というのをちょっと秘書に言って調べさせたら、たくさんあるんですね。セロテープ、ガムテープ、シャープペン、ボールペン、ホッチキス、マジックインキ、トランシーバー、ポケベル、ファミコン、フライパンからミキサー、ストーブ、コンロ、ジャンパーからメロドラマ、ゴールデンタイム、マザコン、ワンマン、ガードマン、カメラマン、サラリーマン。これによるとスナックのママというふうに書いてありますが、それは余計なことですけれども。
 この辺、やはりこれは、文科省もそれからマスコミの皆さんにも御協力いただいて、ちょっと整理する努力は要るんじゃないでしょうか。和製英語ですから、それはそれで一つの日本の文化ではあるんですけれども、実に日本人の巧妙なといいますか、上手なやり方だと思いますが。
 漢字も近ごろ随分と、いろいろな間違いがふえてきたような気がしますよね。日本語をもうちょっと、国語審議会もあるようですから、ぜひ正しい日本語。漢字が正しいだけではなくて、国字というのもあるんですね。裃だとか峠だとか畑だとか、いわゆる中国ではない日本で生まれた漢字、これは国字というんでしょうが、というのがある。これは日本独特の文化で、日本というのは積み重ねの文化の得意なところですから、それはそれでいいのです。しかし、共通の意思を通じ合うための言葉を余り乱雑にしてはいけないのではないかという気がしているんです。
 最近、つなぐという言葉が、昔の国語辞典にはつなぐだけがあってつなげるというのはなかったんですが、最近の国語辞典を引くとつなげるというのがあるんですね。新聞を読んでも、それからテレビで放送を聞いていても、つなげるという言葉が意外に使われるようになっているんですね。私は、何だこれはと最初思ったんです、つなぐでしょうと。つなげるというのは、つなぐことができるということの略語でつなげるならわかるんだけれども、しかし、国語辞典にまで載ってきました、近ごろ。そうして発展していく言葉の文化もあるのだろうと思ったりします。
 それから、時々、例えば大臣のかわりにどなたか役所の方がいらっしゃる。いや、大臣が日程上の都合で、私ごときで役不足ですがと言うけれども、役不足というのは何と。本当は役者不足ですな、正しくは。役不足というのは、私に合ういい役がないので、しようがない、こんなつまらぬ役を今引き受けて私は来ました、そういう意味ですよね、役不足と言えば。でも、そういうのはみんなよく使うんですな、意外に。やはり言葉というのは意思表示の基本だと思うんです。
 私は、学生時代にピカソの絵を見て、まあ変な絵ですな、この人ちょっと変わっていますねとだけしか思わなかったんです。そうしたら、美術の先生がピカソのデッサンの絵を見せてくださって、実に見事なデッサン。やはり基礎がきちっとしていて、その応用動作としてあのピカソの芸術というものが生まれているということを教えられたことがあります。
 そういう人間の基本になる部分をやはり文部科学省としてはしっかりとまとめ、また教えてほしいものだなと思うのですが、時間が来ましたから、それを最後の質問にして、御答弁をお願いしたいと思います。
○遠山国務大臣 今の御意見、もうすべて大賛成でございます。私は、やはり日本語をきちんと使える、これは教養の基礎ではないかと思います。今お話の中に幾つかございましたけれども、日本語自体は、もちろん時代とともに、あるいは特に若い層でいろいろな変化を生じるということはございますけれども、美しい日本語を志向する、そういう精神、そしてそういう努力というものは大変大事だと思います。学校教育におきましても、基礎、基本の中の一番大事な部分の一つとして、日本語教育、国語教育というものを徹底していかなくてはならないと思います。
 それから、横文字を使っていくことにつきまして、特に片仮名語でさまざまな用法がございますけれども、このことについては、余りにも最近多くなってまいっておりまして、私はこれもふと考えまして、この問題について、もちろん表現の自由であり、いろいろな用法というのは社会で認めることが大事だとは思いますけれども、しかし、余りにも多様化されてくると日本語の美しさというのが失われていく、そのようなことで、国が何か決めるということではなくて、有識者に集まってもらいまして美しい日本語を提言してもらおう、そういう組織をつくりました。
 これは、独立行政法人の国立国語研究所にお願いをいたしまして、文化庁長官にも納得をいただきまして、そういう施策を最近講じました。そこが、委員会でいろいろな、辞書編集者でありますとか、ジャーナリストでありますとか、国語の研究者でありますとか、そういう方々が、日本で使われ始めている片仮名語の外来語を、日本語でどのような用法もあり得るのかということを研究していただいて、それを半年に一回ずつ公表していただいて提案をしていただく。できればそういうふうなものが広く使われるようになるといいなというようなことも少しずつ努力を始めておりまして、グローバライゼーションとかインターナショナリズムとか言われますけれども、やはり日本の言葉の美しさというのが文化の核といいますか、背骨の部分であるという点で、委員の考えと私は同じような考えを持っているところでございます。
○中野(寛)委員 ありがとうございました。
○河村委員長 木下厚君。
○木下委員 民主党の木下厚でございます。
 きょうは、帝京大学医学部の入学寄附金疑惑について質問をさせていただきます。
 この問題につきましては、私自身、去る二月十五日の予算委員会、それから四月八日の決算行政監視委員会分科会、ここで遠山文部科学大臣に質問をさせていただきました。そのとき、遠山大臣は、この問題は大変問題である、深刻であるということで、私は、大学側に対して調査をするように強く要請をいたしました。これに対して、大臣は調査を約束されました。
 しかし、そうした中で、今回新たに、帝京大学の冲永荘一総長の奥さんが理事長をやっておられる財団法人帝京育英財団が国税当局の税務調査を受け、二〇〇一年度までの七年間に約六十五億円の所得隠しをしていたことを指摘され、重加算税を含め約二十五億円を追徴課税されていたことが明らかになりました。
 この約六十五億円に上る所得隠しの原資は、私が予算委員会で指摘したように、いわゆる帝京大学の受験生が合格発表前に多額の寄附金を大学側に提供し、その寄附金が総額で二〇〇一年末までの七年間で約百四十億円に達しているという報道があります。さらに、この関連財団の経理は大学が管理していて、いわば帝京大学が組織的にこの事前寄附金問題に関与している、その疑いが非常に強い。
 さらに、冲永総長の実弟である冲永嘉計元帝京学園理事長が入学のあっせん料として約三億円を隠していたとして、所得税法違反、脱税容疑で東京国税局が東京地検に告発をしております。この冲永嘉計元帝京学園理事長は、医学部や他学部の受験生の父母から、合格発表前にあっせん料として一人一千万円から約一億円、これを集めていたと言われています。
 さて、そこで、この今回の問題に対して、遠山文部大臣はまずどんな印象、御見解をお持ちなのか、そこからお聞きしたいと思います。
○遠山国務大臣 帝京大学の関連財団が国税当局から所得隠しを指摘されたという、そういう報道に関しまして、六月二十七日の夕刻に帝京大学総長等から事情聴取を行いましたところ、医学部の入試の合格発表以前に受け入れた寄附金が一部あることが判明したわけでございます。
 我が省といたしましては、こうした合格発表前の寄附金の受け入れは、これは大学の入学者選抜の公正さを疑わしめますし、大学に対する社会的な信頼を損なう行為でありまして、まことに残念、遺憾というふうに考えているところでございます。
○木下委員 一部があったという話ですが、その約百四十億円と言われるお金がプールされている、これは決して一部じゃないじゃないですか。一部ということはどういうことですか。それを具体的に説明してください。どういう説明があったのですか。
○工藤政府参考人 今委員御指摘のように、多額のお金が財団に預けられ、そこからまた大学に資金が流れているという、その全体の額の一部に、金の出入りでいいますと合格発表前のものがあったということでございまして、その一部というのはどれぐらいなのか、先般の事情聴取でははっきりしませんでしたので、それも含めて書面での報告書を求めているところでございます。
○木下委員 その一部というのは、実弟が関与したということでございますか。そこは詰めてありますか。
○工藤政府参考人 実弟の嘉計氏との関係は、まだ大学でも接触できない状況のようでございますが、その嘉計氏があっせんしたものかどうかということはわからないということでございまして、多分それだけにとどまらない、あるいはそれとかかわらない話になる可能性もありますので、私どもは重大視しているところでございます。
○木下委員 私が調査を大臣にお願いしたのは二月ですよ。今まで何やっていたんですか。調査結果、出ていますか、大学側から。大臣、いかがですか。
○遠山国務大臣 この問題につきましては、私どもも再三、大学側に、みずから調査をして報告をするようにということを強く求めてまいったところでございまして、私どものその権限は、補助金にかかわることでございましたら、現に立ち入って検査することも可能でございますけれども、話題についてのことでございましたので、まずは大学がみずからきちんと調査をして、その調査報告を出すようにということで強く求めてまいったところでございます。その意味で、まだ大学側から最終的な調査報告が出ない前に、今回の国税当局からの所得隠し及び寄附金の話が伝えられたところでございます。
○木下委員 私は、この前の決算行政監視委員会でも質問しました。調査委員会のメンバーを見せてもらいました。しかし、ほとんど学内の人間で、第三者機関が入っていない。これじゃ調査ができないということを指摘しました。しかし、それでもなおかつ、現在までも調査結果が出ていない。大臣、所管大臣として余りにも無責任じゃないですか。何回も指導したとおっしゃっていますけれども、既に五カ月あるいは六カ月が過ぎています。もし大臣の指導に従わなければ、ほかに対処法があるんじゃありませんか、ありませんか。
○遠山国務大臣 私立大学にかかわる問題でございます。これは、私立大学の社会的存在としての重要性、そしてみずからまず学内での疑惑に答えていく、そういう責務があるわけでございます。私どもといたしましては、昨年十一月二十六日に、冲永荘一学長から、当時理事長でございますか、事情聴取したことを初めといたしまして、今までに計十八回、同大学から事情を聴取いたしますとともに、再三再四にわたって早急な調査報告書の取りまとめと報告を求めているところでございます。
 この際、文部科学省からは、疑惑の解明に向けまして、特に入学者選抜における合否判定に不正がなかったかどうか、入学者選抜に関する情報の漏えいがないかどうか、不適切な寄附金の収受がなかったかどうか、関連の財団、学校法人の寄附金収入と帝京大学入学との関連がないかどうかなどにつきまして、在学生の保護者から事情を聴取、関係教職員からの聴取、理事長親族自身からの事情確認などを含めて、社会が納得できる徹底した調査を実施するよう求めてまいったところでございます。
 私どもといたしましては、私どもができる最大限の大学に対する要請、そしてそれを促すという方途によりまして、この問題に対処してまいったところでございます。
○木下委員 大臣、十八回、大学関係者を呼んで事情聴取したという話ですが、しかし、先ほど言いました、昨年十二月です、発覚したのが。それから既に七カ月たっているのです。要するに、これだけ悪質なことを、しかも人命を預かる医師養成の学校ですよ。こういうところでこういうことが行われている。こうした学校に対して、いわゆる私立学校法があるんじゃありませんか。これの第六十二条にはこうあるのです。「所轄庁は、学校法人が法令の規定に違反し、又は法令の規定に基く所轄庁の処分に違反した場合においては、他の方法により監督の目的を達することができない場合に限り、当該学校法人に対して、解散を命ずることができる。」私立学校法にはこうあるのです。あるいは、例えば経営陣の刷新、そういったことも要求できるはずです。なぜそれをやらないのですか。
○遠山国務大臣 文部科学省といたしましては、まずその事実関係を明らかにするということが一番大事だと考えます。そのようなことから、これは、私どもといたしましては、まず大学側に報告書を出させ、そしてそれをきちんと検証していくことによって事実を確認していこうという、そういう考え方のもとに事態を見守ってきたわけでございます。
 文部科学省は、私立学校に対しまして一般的な指導監督権限を有しますほか、私立学校が法令の規定に違反した場合などには、学校教育法それから私立学校法等にのっとって、学校の閉鎖命令や学校法人の解散命令を行うことができるわけでございますが、指導監督権限から一気に閉鎖命令あるいは解散命令に飛ぶわけでございます。
 こうした規定につきましては、学校あるいは学校法人そのものの廃止を求めるということに至る場合には、それは重大な法令違反であって、またその他の手段による適切な管理運営の回復が不可能と判断される場合などに限られておりまして、その適用については、十分な調査の上で対処する必要があるわけでございます。その意味で、私どもといたしましては、この問題についてきちんとフォローしてまいったと考えております。
○木下委員 ですから、重大な違反でしょう。人命を預かる医師養成の大学で、事前に多額の寄附金を集めている。
 先般、予算委員会で、私、今皆さんにお配りした資料の中に、これは昭和五十八年です、帝京大学医学部へ入学した生徒が示した領収書です。これは、二月に入試が行われ、そして、一千五百万、一千万、合わせて二千五百万円大学側に払った。ところが、領収書が送られてきたのは、日付を消してありますが、六月なんです。要するに、事前寄附を紛らわすために六月に領収書を送ってきた。しかも、領収書の受取人が帝京第一学園あるいは学校法人愛媛冲永学園、こういった領収書を送ってきた。私は、予算委員会でこれを提示しました。
 もし、大臣、調べる気なら、なぜ彼を呼んで調査しないんですか。する気ないですか。
○遠山国務大臣 そういう事実も含めて、大学自身がみずからの責任においてまずは調査報告を出すべしという方針でやってまいりました。
○木下委員 いや、大学に任せているといって、大学がやらないから言っているんです。だから、これだけの疑惑がまた新たに出てきたんじゃないですか。これと同じ図式ですよ。事前に寄附金を受け取って、それを大学じゃなくて財団法人に分配する。
 資料、二番目に、帝京大学グループが持っている財団法人を挙げてみました。これだけの財団法人がある、十三。そして、このうち内部留保が、帝京育英財団は八十二億六千万もあるんです。そして、実際に事業をしているのは約千二百万円。ほとんどが株式であったり、あるいは市債を買ったり、そうしたことで資産運用をしているんじゃないですか。そして、結局、今回の所得税違反で、所得隠しで追徴課税を受けた、これがもとになっているんです。
 これだけの財団、これだけの内部留保、ましてや、この財団というのは税制的に優遇を受けているんです。さらに言えば、この帝京大学は、朝日放送第四位の株主です、十三万株。さらに、日本テレビ第五位の大株主で、八十九万株を持っているんです。何でこういうところへせっせと投資をして、資金運用しなきゃならないんですか。
 私、調べましたら、帝京大学に国から幾ら出ているか、毎年約十六億円、平成十三年度はやや少なくなっています。しかし、帝京グループ全体で見ますと、これ、大学も幾つもあります。あるいは、高校、中学、幼稚園、こういったものを含めた帝京大学グループの毎年の国あるいは都道府県からの交付金を見ますと、平成九年度が三十七億七千万、平成十年五十二億六千万、平成十一年六十三億八千万、平成十二年五十三億三千六百万、平成十三年三十六億二千万、この五年間で約二百四十四億円、帝京グループに入っているんです。
 それだけの金を国民の皆さんの税金からいただきながら、せっせと蓄財に励んでいる、株式運用している、こんなことがあっていいんですか。大臣、明確に答えてください。
○遠山国務大臣 私も、大学の社会的存在としての重要性、そして社会から信頼されるべき存在である大学にかかわる今回のような不祥事、これは冲永総長みずからが一部でもあれ認めたわけでございますので、私どもは今初めてそれが事実の一部として確認することができたわけでございますが、これは極めて遺憾であり、私も委員の御指摘の趣旨というものは大いに納得するところでございます。
 私どもといたしましては、今回、国税当局が明らかにされたような、そういう事実を、私どもの調査においてつかむことはできないわけでございます、権限の中において。今回明らかになったことをベースにしながら、大学側に七月十五日という日限を限りまして調査報告というものをきっちり出させて、その上で、今の補助金の返還の問題を含めて、どういう形で今後対処すべきか、厳正な対処を考えていきたいと思っております。
○木下委員 それから、もう一つ言わせていただければ、帝京大学は二つの宗教法人を持っているんです。これも私、前回指摘をいたしました。一つは、群馬県佐波郡東村にある御嶽山白龍神社、これは、前回私、長野県と言いましたが、正式には群馬県でした。これは、一九九二年八月に、帝京大学が宗教法人格を持つこの御嶽山白龍神社を約一億円で買い取っている。この神社の代表役員は、帝京大学の冲永総長です。それともう一つは、熊本県明徳町にある神道、これは玉蟲教会と読むんでしょうか、一九七四年三月に宗教法人を設立している。この宗教法人の代表役員も冲永総長です。
 しかし、国からこれだけ多額の補助金を得ている大学が宗教法人を持つということは、しかも、その代表者が総長である、これは、憲法第八十九条、公の財産の支出または利用の制限、または憲法二十条の信教の自由、これに明らかに違反するんではないですか。
 これは質問通告してありませんでしたので、答弁はいずれ後で私に聞かせていただきたいと思うんですが、これは明らかに憲法違反でございますので、きちっと調べて後で御答弁ください。もしわかったらお答えいただけますか。
○工藤政府参考人 私ども、先般、先生の方から宗教法人のお話があって、群馬県、熊本県に御照会したのでございますが、群馬県は県の方で把握してございました。熊本県の方は、ちょっと名前が違っていたのか、どうも県の方からの回答が得られませんでした。
 いずれにしましても、私ども、私学助成で助成しておりますのは大学等の学校法人でございまして、学校法人から宗教法人にお金が流れていたといえばゆゆしい話でございますけれども、たまたま学校法人に関係しておられる方が、宗教的あるいは政治的に個人の立場でどのような御活動あるいは関与をされるかというのはまた別の問題ではないかと考えております。
○木下委員 そんなことが通るわけないんです。もう一度憲法の八十九条と二十条、じっくり読んでください。帝京大学が買っているんですよ、最初の御嶽山の白龍神社は。しかも、総長がその代表役員になっている。これは時間がありませんので、ちゃんと調べて、後で御回答ください。
 それから、時間がありませんので、帝京大学と政治家との関係についてお聞きします。
 資料三にお配りしました、まず衆議院の松島みどりさん、平成八年から十二年までの四年間ですか、三千万円の架空給与をもらっていた。これはもう既に新聞報道されています。しかも、当選してからもこれだけの献金を受けている。私は、政治家として、こういった問題のある大学、しかも国庫からの補助金を受けている大学から、あるいは帝京から直接でなくても、少なくとも受験生の皆さん、親御さんから多額の寄附金なり授業料をいただいている、そこの総長の給料から出されているとしても、そういうところから、三千万円だとかあるいは毎年百五十万とか、そういった寄附を受けている、これは大変問題だと思います。
 そして、しかも、この三千万円について私も前回質問しましたが、勤務実態がない。テープ起こしをしていたとか、テープ起こしなんか私もやりましたよ、一時間やったって二万円ですよ、三千万円やるには何時間やるんですか。こんなばかな話ないんですよ。
 だから、これをきちんと明確な答弁をしていただきたい。そのために、松島みどりさんにこの委員会での参考人として招致をぜひお願いしたいと思いますので、委員長、よろしく取り計らいをお願いしたいと思います。
 これはやはり大変な問題だと思うんですよ。これだけの問題のある大学から、三千万円だとか百五十万円だとか、しかもパーティー券までいただいている。何ゆえにこれだけの献金をいただくのか。ぜひ、委員長、お願いします。
○河村委員長 木下委員申し出の参考人質疑につきましては、理事会にて取り計らいをいたしたいと思います。
○木下委員 それからもう一つは、亀井静香前政調会長でございます。ここにも記載してございます。とにかく、この大学からすさまじい献金をいただいている。これについても私は返還をすべきである、そう思います。
 この亀井さんについては、こうした寄附金のほかに、現在、今事務所として使っている永田町のパレロワイヤルビル、そこの九階を帝京大学の関連企業である帝京サービスから借りていると。かつては無料提供を受けていました。それが国会で問題になり、前回質問したとき、いや、お金を払っているということでした。しかし、私も調べました。政治資金、全部調べました。しかし、そのお金を払っているという報告書がない。したがって、もし実際に亀井さんが賃料として帝京サービスに毎月お金を払っているということであれば、それを示す証拠、資料、必ず亀井さんの事務所から銀行経由なりで支払っているはずですから、その支払い口座なりメモ、あるいは帝京サービス側には受け取った書類があるはずですから、帳簿も含めてきちんと出すように、委員長、お願いしたいと思います。
 これは、これだけの疑惑を持っているわけですから、大学もやはり疑惑に包まれている。もしそうだとすれば、きちんと出せばいい。正々堂々と出せばいいじゃないですか。正々堂々と出せばいい。私は何回も言っていますよ。委員長、よろしくお願いしたいと思います。
○河村委員長 委員からの申し出でございますので、委員会理事会において協議をさせていただきたいと存じます。
○木下委員 それからもう一つ、やはり帝京大学の経営の実態を見れば、まさに冲永総長のワンマンである。私も質問して以来、帝京大学の教授の皆さんあるいは学生の皆さんから、恥ずかしくて帝京大学学生だとかOBだとか言えない、木下さん、何とか委員会できちんとただしてほしい、メールを随分いただきました。そういう意味では、やはり冲永さんにはぜひこの委員会に出てきてもらって、きちんと事情説明をしていただきたい。そのために、冲永総長に対して参考人としてぜひとも招致をお願いしたいと思いますので、委員長、ひとつよろしく取り計らいをお願いしたいと思います。
○河村委員長 同じく、理事会において検討させていただきます。
○木下委員 時間が来ましたので、これで終わりにさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○河村委員長 三井辨雄君。
○三井委員 民主党・無所属クラブの三井辨雄でございます。きょうは文部科学委員会のお時間をいただきまして、ありがとうございます。
 きょうは、我が国の各地域においてそれぞれの模範となるべき国立大学附属病院、とりわけ国立大学附属病院における薬剤部に対する文部科学省の考え方についてお聞きしたいと思います。
 本年の四月八日、国立学校設置法施行規則が改正されました。以下、私は省令改正と言わせていただきます。これにより、これまで薬剤部及び薬剤部長について規定されておりました第十八条の条文が削除されました。薬剤等に関する部及びその部長として第十七条に組み込まれたわけでございます。
 本来、薬剤部というのは独立して設置されるべき部門である。また、輸血部や臨床検査、あるいは放射線治療など、あたかも統合することを目的とするような解釈がされるわけでございます。薬剤師を初めとする現場の医療従事者の皆さんにとっては、今回のこの省令改正によって、大変な混乱を招いているわけでございます。
 そこで、最近、医療機関における医療事故がたくさん発生しているわけでございます。先日の新聞報道によりますと、特に特定機能病院における医療事故がこの二年間で合計一万五千件あったと報告がございます。また、この医療事故の中には薬が原因となるものが多くて、これらの多くは薬剤師の適切な関与がなされていなかったということも聞いております。これらの医薬品に起因する医療事故が実際にどれだけあるかということは、大臣、御存じでしょうか。
○遠山国務大臣 国立大学附属病院で平成十二年四月からことし二月までの間に発生しました誤処方、それから調剤ミス、過量投与など、薬に関連いたしました、薬に起因して患者さんに何らかの障害を与えたと我が省に報告があったものは八件でございます。
 一方で、事故に至らなかった事例といいますものは、各病院においてインシデントレポートとして収集、分析されまして、医療事故防止方策の立案に生かされておりますけれども、これにつきましても、一般的に薬剤関連が最も多いと聞いております。
 以上でございます。
○三井委員 いや、大臣、最も多いというふうに、私がお聞きしたいのは、どれぐらいありますかということをお聞きしたかったわけですよ。薬においての事故というのは、私の調べでは四六・七%もあるんですよ。約五割近いのは薬に関係したことなんです。こういうことをぜひ大臣、詳しくやはり知っていただきたいんですね。
 これは、やはり今、冷やり、はっととかいろいろ言われておりますけれども、まさに現場における薬の事故。私は、薬学部の六年制も、今まで、前回、厚生労働委員会でも質問させていただきました。今、薬剤師の質を上げるという意味でも、私も薬剤師でありますけれども、今必要なのは、医療現場に本当に薬剤師がしっかりと頑張っている、服薬指導している、あるいは処方監査をしなきゃならない、あるいは情報提供もしなきゃならないというのが薬剤師の任務なんです。
 そこで、ここで、昨年六月に国立大学医学部附属病院長会議が取りまとめられました医療事故防止のための安全管理体制の確立に向けてという提言を見ましても、医療事故を防止するためには薬剤師による処方レビュー、つまり監査が重要であることが再三指摘されているわけです。こういう立派な冊子が出ているんですよ、こういうのが。
 そこで、私は、去る五月十七日、厚生労働委員会で質問させていただきました。そのときは、大臣いらっしゃいません、政務官でございました。池坊政務官と政府参考人においでいただきました。そこで、省令改正に対する文部科学省の考え方について、私はもっときょうは詳しく質問させていただきたいと思います、残念ながら三十分しかございませんが。
 そこで、前回の質問に、文部科学省より、本改正は薬剤部を廃止、統合するものではない、そしてまた、上記趣旨について関係者に周知徹底すると御答弁をいただきました。その後、この答弁の後、どのような対応をなされたのか、これに対して何点か質問させていただきたいと思います。
 まず、五月十七日の厚生労働委員会の明確な回答を得られなかった部分でございますが、薬剤部の他部門との独立について文部科学省はどのように考えるのか、また、省令改正において、薬剤部と他部門との独立がどのように担保されているのか、再度御説明いただきたいと思います。
○工藤政府参考人 今し方先生から引用ございましたように、病院長会議のレポートでもまさにもうゴチックで書かれているごとく、薬剤師の役割が今後とも重要であるということが言われているわけでございまして、私どももその認識にもとるものでは決してございません。
 それで、この春の省令改正は、先般も御説明申しましたように、大学における、病院だけではございませんで、研究所あるいは学部の講座等も含めて、基本的な教育研究の組織は大学の設置に任せよう、省令あるいは訓令で事細かに規定するのはやめようという一環の流れなんでございまして、薬剤部を廃止するとか他の部門に統合するという意図では全くございません。
 それを担保するために、現に、予算上でございますけれども、今、国立大学でございますから、薬剤部長の定員を各大学にそれぞれ配置してございますので、もし統合するつもりであれば、くくってこれで何人とかということになるわけでございますが、薬剤部長の定員はそれぞれの大学病院に確保しているところでございます。
 それと、どういう形で置くかというのも、実は大学でいろいろ患者の目線で工夫してございまして、学内措置で、従来から、例えばおくすり治療部という名称で患者さんに接しているような大学病院もあるようでございます。
 ですから、薬剤部ではございますけれども、名称として、別の名前を冠するとかということも大学にお任せするということが、今回の改正の趣旨なんでございます。
○三井委員 局長、あなたもう少し、医師法とか勉強されましたか。おくすり治療部というのは、これは治療ですよ、お医者さんがやらなきゃならないんですよ。何でおくすり治療部になるんですか。そんなこともわからないで、あなた、そういうこと言っていること自体がおかしいと思いませんか。何がおくすり治療部ですか。医師法を読んでくださいよ。もう一回答弁。
○工藤政府参考人 ただいま申しましたのは、それぞれの大学の御判断で、患者さんにその方がわかりやすいということで、学内措置として通称で使っていると聞いてございますが、例えば、全く平場で考えますと、風邪の場合に、お薬をもらう、投与され、それを飲むことによって風邪が治るという意味では、全体として治療されるということが巷間としてあるんじゃないかと思います。
○三井委員 だから、医師法との関係を勉強されましたかということですよ。簡単に、そういう患者さんの目線と言いますけれども、患者さんの目線であればいいと。それじゃ、ほかの部も同じじゃないですか。そういう答弁でいいんですか。前回も、あなた、そうおっしゃっているじゃないですか。全くいいかげんだよ。もういい。もう答弁は要らないです。
 それで、時間がありませんから、次へ行きますよ。
 前回も厚生労働委員会で質問させていただきました。薬剤部を廃止する、統合するものではないという答弁をいただきましたけれども、現在、国立大学附属病院の中には、平成十五年度予算の概算要求の申請に当たり、薬剤部を診療支援部などの組織に組み込む動きがあるということを実は耳にしているわけですよ。これらの事実関係をまず御説明ください。
○工藤政府参考人 今のように、薬剤部を廃止、統合して別の部とか組織にというお話については、私ども、今のところどこの大学からもお聞きしてございません。
○三井委員 後で資料をお示ししますけれども、言っていることが、本当にわけのわからないことを言っているんですよ。実際に私のところにいろいろな附属病院からいろいろ来ていますよ。でも、あなた方は恐ろしくて、予算がつかないから、怖いから、物を言わないでくれ、そういう声が聞こえてきているんですよ。あなた方、予算を握っているから、専門部の、ドクターだとか薬剤師だとか、専門家に全く、後ほど提出しますけれども、恫喝ですよ、すべて。これから高度医療という中で、医療全体にかかわる中で、あなた方の裁量だけでこういう再編を行っていいんですか。よく考えてくださいよ。
 それと、僕がもっとあなた方の態度に頭にきたのは、先日、担当課長、説明いただきたいとお電話しました。ところが、忙しくて行けない、一週間後だったら行ける、こう言われたんですよ、このときに。それから間もなく、私の政策秘書に、先生の心配は杞憂ですとの回答が来たんです。杞憂って何ですか、これ。この杞憂とは一体何を指すのか、説明してください。
○工藤政府参考人 担当課長に聞きましたところ、先般、三井先生の方から、某国立大学で中央検査部と薬剤部を統合するような検討をなされているという話があるけれどもどうかというお問い合わせがございまして、そのときは、課長はそういう状況を承知していませんでしたので、じゃ、大学側に照会してまた御回答するという旨の返答をさせていただいたと承知してございます。
 その後、大学に確かめまして、その結果を先生の秘書さんにお話し申し上げて、その杞憂といいますのは、そういう統合という事実といいますか、検討の事実はございませんという意味での御心配要りませんという趣旨でのお話を申し上げたと聞いているところでございます。
○三井委員 私も、杞憂という言葉を聞きましたので、広辞苑を引っ張りましたよ。中国の杞の国の人が天地が崩れて落ちるのを憂えたという故事に基づく、将来のことについてあれこれと無用の心配をするなと。杞人の憂い、取り越し苦労である。
 私が言ったことに対して、こういう杞憂という言葉を使うんですか。少なくとも私は国会議員ですよ。それも電話ですよ、言ってくるのが。なぜ秘書に言ってくるんですか、私に直接言ってこないんですか、それは私が直接お聞きしているんですから。そういう失礼なのがこの文部科学省の実態だということもよくわかりましたよ。ひどいところだなということを、私も国会議員になって二年たちましたけれども、全くひどい。もっともっとこれからひどいことを出しますよ、今。
 今申し上げましたけれども、薬剤師に関してもっと質問させていただきます。
 先ほども申し上げましたように、医療事故を防ぐという意味では、あなた方が出しているこの安全管理体制の中にもありますように、病院の中においても薬剤部というのは独立したものなんです。そして、薬剤師は医療現場におけるリスクマネジャーなんですよ。これをきちっと位置づけることが僕は重要であると思うんですね、大臣。さらに、病院がこのような体制を徹底することによって、患者さんへの安心だとか安全だとかということが担保されてくるわけですよ。まさに、いい医療を提供することにつながってくるんです。このことをよく理解していただきたいと思います。
 今回の改正において、輸血学会の皆さんの、日経新聞ですか、私は読ませていただきました。この中に、まさに今、医師らが合理化案の提言に反発と。既に輸血部の教官が四人もやめられているんですね、今回の省令改正によって。ここに、まさに高度専門化した現代医療に不可欠の検査部、輸血部、薬剤部が空洞化し、医療の質の低下や医療過誤を招き、国民の健康権を侵害するおそれがあると人権救済の申し立てを決めたということも紹介されているわけですよ。私もそのとおりだと思います。
 そこで、大臣、国立大学の附属病院が日本の最先端医療を担っているということは御存じですよね。いかに重大な任務を負っているか。日本全体の医療にかかわる問題なんです。それを簡単に省令改正だなんという、事務的サイドだけで采配を振るうというのは、僕はもうどういっても納得いかないんです。これを読むたびに怒りが実は込み上げてくるんですね。私が薬剤師だから言うわけではございません。病院経営しているから言うわけでもございません。まさにこれからの、患者ありき、医療を提供する側、医療を受ける側の立場になって考えたときに、まさにいい医療をしなければならない、こういうことを実は思いながらやっているわけでございます。
 まさに、今の混乱を招いている、あるいは恫喝をしている、そしてまた各大学病院では末端でおびえ切っているということがよくわかりました。これはまさに文部科学省の縄張り争いだけでなくて、日本の医療全体に影響するものだ、こういうぐあいに思っているわけでございます。
 そこで、担当課長が私の心配は杞憂だと言ったのであれば、先ほど申し上げました、これを挙げますよ。国立大学附属病院に関するさぞかしすばらしい医療事故対策がとられているものと私は考えるわけでございます。特に、薬に起因する医療事故対策として具体的にどのような方策をとられるのか、御説明願いたいと思います。
○工藤政府参考人 薬に起因する医療事故が起こっておりますこと、大変残念に思っておるわけでございますが、昨年六月に病院長会議の常置委員会で、先ほど先生が引用されました医療事故防止のための安全管理体制の確立に向けてという御提言をいただいてございます。その中では、例えば、各病院とも医薬品の使用数が大変多いものでございますから、採用医薬品数を適正化しながら、余り間違いがないようにしようじゃないかということでございますとか、手書きのオーダリングで間々見間違って、薬の誤投与ということもありますので、処方のオーダリングシステムを整備しようじゃないかとか、あるいは医者だけでそのままということではございませんで、先ほど先生もおっしゃいましたように、薬剤師さんによる処方監査がもっと徹底されるべきであるなどなど、大変幅広く有益な御提言をいただいてございます。
 この履行状況については、この指針に基づきまして、昨年秋に、それぞれの自前でやりますと若干身内に甘いという部分もありますので、各病院が相互に病院を訪問してチェックを行ってございまして、近々その結果が取りまとめられると聞いてございます。それを踏まえまして、私どもさらに事故防止のために徹底を期してまいりたいと思っております。
○三井委員 失礼ですけれども、余り現場のことを知らないで医療事故対策に取り組むなんて格好いいことばかり言っていますけれども、もっと現場を見てきてくださいよ。大学附属病院の現場へ行ったことはありますか、局長。どれだけ、現場の薬剤師、あるいは輸血部の皆さん、検査部の皆さん、医師はもちろんのこと、一生懸命やっているんですよ。今まさに日本はやっと先進国に近づいた。輸血部にしても検査部に対しても、非常にレベルの高いことをやっているんです。それをよく御認識ください。
 そこで、薬剤部の支援部への組織の組み込みにつきまして、私は、これから来年以降、非常に加速すると実は心配しているんです。先般の厚生労働委員会で質問させていただきましたように、これから、答弁をいただいた中で、これが加速するということに対して、これに対する大臣のお考えをお聞かせください。
○遠山国務大臣 平成十二年十一月の大学審議会答申におきまして、学術研究の進展あるいは社会の変化に機動的に対応するために、国立大学の教員組織については各大学の判断で編制できる措置を拡大すべしとの提言があったわけでございます。これを受けまして、昨年六月に国立学校設置法の一部改正が行われまして、本年四月から学部などの講座や学科目について省令での規定をやめて、各大学で定めることにした。これは大変大幅な規制緩和でございます。
 今回の附属病院に関します省令改正は、この弾力化にあわせて、これまで病院ごとに訓令で規定しておりました診療科あるいは診療施設に関しても、同様に各大学で定められるようにしたものでございます。
 今、御心配の点がるる述べられましたけれども、私どもといたしまして、薬剤の仕事の重要性というのは非常に大事だという認識は強く持っているわけでございます。予算上、薬剤部長の定員は各大学に配置されておりますし、また薬剤師といいますものは、医薬品に関する専門家として、患者の視点に立った服薬指導あるいは医師の処方に関する監査、リスクマネジメントへの関与、治験への参画など、これまで以上にその役割の重要性が増しているというふうに認識しているところでございます。
 さきのマネジメント改革提言におきましても、医師との連携による処方監査やリスクマネジメントの観点から薬剤師の積極的な関与が求められるということで、薬剤師の果たすべき役割が大きく変化しているというふうに述べられておりまして、薬剤師に対する期待は大変大きいというふうに考えるところでございます。
 このために、各大学の判断ではございますが、薬剤に関する組織を廃止したりする病院は、これはないというふうに確信をいたします。
○三井委員 大臣、薬剤部というのは、国立大学附属病院が薬剤部をなくすことによって、全国の医療機関のみんな模範となっているわけですから、皆さん大きな影響が出るんですね。今大臣の御答弁にありましたように、私はぜひこの省令は白紙に戻していただきたい、この願いが一つなんです。
 ということは、先ほど局長がおっしゃったように、おくすり治療部だとか、そんな低次元のことを言っている問題じゃないでしょう。薬の事故は、さっきも申し上げたように、四六・七%もあるんですよ。
 そこで、時間もございませんから、中央公論の七月号に掲載されている、これはお渡ししてございます、大学病院を食い物にする文部科学省の恫喝行政について御紹介したいと思います。
 これは櫻井よしこさんが書いてございます。私は、まさしくこのとおりだと思うんですね。これはお読みになったでしょうか。
 本年三月に国立大学附属病院長会議常置委員会において取りまとめられた、いわゆる国立大学附属病院のマネジメント改革、提言、この提言を各国立大学附属病院長に周知するため、四月十八日付で文部科学省担当課長名による通達が出ていることを取り上げております。
 私もこれを見ました。村田課長から出ている通達です。全国国立大学附属病院長殿、文部科学省高等教育局医学教育課長村田貴司さんというんですか、この下の方に、「標記提言の趣旨を具体化する構想、標記提言に積極的に取り組んでいる大学の意欲的構想、を中心に取り組んでまいりたいと考えておりますので、念のため申し添えます。」と。念のためというのは何ですか、これは。まさしくこれは、中央公論に書いているように恫喝じゃありませんか。
 そして、私は、省庁のシステムはよくわかりません。私は、少なくとも国立大学病院長というのは大変偉い人だと思っていますよ。申しわけないけれども、一課長がこういう案を提出するんですか、依頼を。局長名ならわかりますよ、大臣ならわかりますよ。こういう大事な問題について、念のため申し添えますなんて、何ですか、これは。恫喝以外ないでしょう。これはもう一回精査してくださいよ。
 それと、本提言は、国立大学附属病院長からの提言ではなく、実は文部科学省の官僚たちが作成したものであり、国立大学の独立行政法人化を見据えた、権限強化のためであるということも指摘しているんです、この中で。
 さらに、通達は、平成十五年度概算要求に対し、本提言どおりに改革を進めていく大学病院には予算をつけ、そうでない場合については恫喝している、こういう内容ですよ。
 これを読んだら、私は本当に、一〇〇%当たっているとも言いませんけれども、九〇%はそのとおりだと思いましたね。
 そこで、まず、この記事について事実関係はどうなっているのかが第一点。
 それから、この中で指摘されております医療事務の、文部科学省からローテーションで来ている人がいますよね、人事異動で、この方が二千名いると指摘しているんですよ、二千名。天下りではない、本庁から行っている。この人たちが予算を握っちゃっている。
 それから、今まで国立附属病院は、赤字は累積で一兆円以上もある。その中で、未請求のレセプトが山のようにたまっていると書いているんですよ。約十億円単位で残っていると。
 では、ここでお聞きしたいんです。四十二の国立附属病院では、レセプトの未請求はどれだけありますか、教えてください。
○工藤政府参考人 最初の、中央公論の記事についての事実関係ということでございますけれども、一言で申しますと、大変残念、不本意な記事であったと存じてございます。
 といいますのは、記事の中で引用されております東大の医学部長、病院長あるいは当省の課長も含めて、事前の取材もございませんでしたし、全体として誤解に基づく記事があるかなということでございます。
 今御指摘ありましたあのレポートが、文部科学省の官僚がつくったのではないかという御指摘でございますけれども、これについては大変、この委員会のまとめ役に当たっておられた先生方も含めて不本意に感じておりまして、昨年の三月以来、国立大学の医学部附属病院長会議の中に常置委員会が置かれておりますが、そこで小委員会を設置されまして、小委員会で四回、作業部会で九回など、大変精力的検討を行った結果、かつ、それを各大学病院にフィードバックして、意見を照会しながら、最終的に承認されたものでございまして、私ども役人が作成したものではないということが一つございます。
 それから、通知でございますけれども、この通知につきましても、趣旨は、このレポートの中で御提言されておりますのは、今回のマネジメント改革、これは三井先生も病院経営していらっしゃいますのでおわかりだと思いますが、やはり病院経営として、ある程度トップマネジメント的な要素も含めながら、機動的、機能的に行う必要があるわけでございますが、このマネジメント改革の方向について国は重点的に財政支援を行うべきであるという御提言などもありまして、この提言の趣旨を各病院に周知をお願いし、各病院の取り組みについては支援していきたいという趣旨を表明したものでございまして、決して、これをやれば予算をつける、やらなければつけないという恫喝ということとは全く趣旨が違う、不本意な記述であったと理解しているところでございます。
 それから、人事の件についてのお尋ねがございました。
 国立大学の職員は文部科学大臣任命職員でございますので、その中で課長職以上につきましては、他の大学等の経験も踏まえて、大学を越えるような人事異動をさせていただいております。それは別に本省から天下りということではございませんで……(三井委員「もっと簡単に、今未請求がどれぐらいあるのかだけ答えてください、時間ないんですから」と呼ぶ)はい。それぞれの組織の活性化のために行っているわけでございますが、その中で、今御指摘のレセプトの請求でございますけれども、これは、以前は翌々月の請求というのが多かったのでございますけれども、昨今は一般的に翌月に請求するのが通常になってきてございます。
 そういう中で、先ほど先生も御指摘ありましたように、大学の附属病院、高度機能病院として大変重篤な患者さんの治療などをしてございますので、そういう高度医療を要する患者さんについてのレセプト請求については、医師の詳細な説明書など大変手間がかかるものですから、翌々月請求になっている例があるようでございます。東大病院についていいますと、それが約十億円ぐらいになっている。だから、何カ月もほったらかしておるということではございません。
 その中で、東大病院については約十億円ぐらいということでございますけれども、四十二大学病院全体についての数字については残念ながら把握してございません。
○三井委員 そういういいかげんなことをやっていて、では、これはいつ出してくれますか、把握していないということは。あなた方の所管じゃないですか、なぜ把握できないんですか。未請求のレセプトを出してくださいよ。単純に、あなたが今お答えになっただけでも、東大病院だけでも一億だったら、四十二だったら四十二億もあることでしょう、未請求が、単純にですよ。そんないいかげんなことをやって、何が独立行政法人ですか、これは。
 そして、事務職だけはどれだけ減りましたか、それでは。どれだけ減ったんですか。これも次答えてください、時間ないんですからね。
 私、最後に大臣に申し上げたいことは、この省令は白紙撤回していただきたいんですよ。今、大混乱ですよ。
 それで、私は、もっと大変なことは、今、現場の、薬剤部分だけ申し上げますよ、この十五年度の概算要求に対して、今後各大学の薬剤部の要望は一切受け付けない、私が質問したことによって、もうこれは受けられないと言われたと。えらい迷惑したと言っているんですよ、文部科学省は。恫喝しているんですよ。これがもし私のこの質問に対して、矛先を向けられるのであれば、現場で働く薬剤師の皆さんに申しわけないともう本当に心が痛んでいるんです。
 そこで、私は、先ほど申し上げました。国会議員が質問したことによって現場がいじめられる、こういうことがあっていいんですか。これは民主主義ですか。それでは、名前を言いましょうか、だれが言ったか。そういういいかげんな省庁で、これは櫻井よしこさんが書いている。四人組が決めて、たった一週間で病院長会議で決めて、全く寝耳に水の省令改正ですよ。こんなことがあっていいんですか、大臣。時間がありませんから、ちょっと最後にお答えください。
○遠山国務大臣 私どもの薬剤部及び薬剤師の役割の重要性については、先ほど申し上げたとおりでございます。大変重要だと考えておりまして、一方で、大学に関するいろいろな諸規制を規制緩和しようということで、省令の改正を行ったわけでございます。ただ、その趣旨が十分に行き渡っていなくて、もしそれがいろいろな形で危惧を招いているとすれば、私どもとしては、もっとこれは努力をして、その趣旨を十分徹底していく必要があります。
 それから、国会の御質問があったからといって、そのことに関する事柄について何らかの、今先生、恫喝とおっしゃいましたが、そのようなことはあり得ないわけでございますし、あってはならないと思います。
 それから、中央公論の論文につきましては、直ちに精査を求めましたところ、先ほど局長が答弁いたしましたように、私は、櫻井さんというのは、正論を書かれる非常に立派な方だと思っておりますが、あの件に関しては非常に誤解の部分が多いということでございまして、この点も、やはり行政の一つのあり方として、制度を改革するときには往々にして誤解を招くことがありますので、善意と信念を持ってやっている改革でございますので、これはしっかりと御説明をし、そして誤解を解いていく、そういう必要があろうかと思いますし、私どもは、そういうことでこれからも努力してまいりたいと思います。
○三井委員 時間がオーバーして本当に申しわけないんですが、大臣にくれぐれもお願いしたいんですが、今そういうことは言っておりませんではなくて、これはぜひ調べてくださいよ。それと同時に、今申し上げましたように……(発言する者あり)もうすぐ終わります。今後、さらに私は質問していきます。まだまだたくさんございます。ぜひ、ゆとりある教育をする文科省であれば、しっかりとこれから姿勢を正していただいて、それともう一つ、私が質問したことによって、これ以上、私に情報を提供してくれた人を文科省はいじめない、恫喝をしないということは誓ってください。それで質問を終わります。
○遠山国務大臣 先ほど申し上げたとおりです。
○三井委員 では、終わります。
○河村委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二分開議
○河村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。西博義君。
○西委員 公明党の西博義でございます。
 久しぶりの一般質疑で、日ごろからお聞きしたいことがたくさんございますので、単発的になるかもしれませんが、順次、大臣を中心にお聞きをしていきたいと思います。
 第一点目は、いわゆる学力の低下問題についてお伺いをしたいと思います。
 ゆとり教育、総合学習と新しい教育課程のもとで今進んでおりますが、私も、この方向性には期待をしている一人でございます。その上で、現在の重要な教育課題は、ある意味では授業についていけない児童生徒にいかに確かな学力を身につけさせるか、このことが大事な課題だと思います。
 先日、東京大学の苅谷教授のグループが行った学力低下問題に関する調査研究、これはある雑誌に載っていた内容ですが、これは非常に私は参考になるなと思って拝見いたしました。
 この教授によると、塾に通えず、公立学校にだけ頼らざるを得ない児童生徒に今学力低下が進行している、こういう一つ結論を明らかにしております。基礎、基本を身につけないで新学力観に基づく授業をふやすと、新旧両方の学力、新といいますと、今考えられるのは、みずから学び考える、また、みずから課題を見つける、またそれを解決する、いわゆる生きる力ということでございます。旧といいますのは、旧というのは古くさいような感じがするんですが、知識、技能を中心とした旧来型の、悪い言葉で言いますと詰め込み教育、こういう新旧という立て分けを苅谷教授はしているようですが、この学力において両方とも格差が広がっているという実態を調査の上で発表しておられます。
 そうした実態に基づいて、公立学校が今後どのような方向性を目指すべきであるかということを示唆しているわけですが、文部科学省はこれらの調査研究をどう受けとめているのか、もし認識が共通しているならば、どのような対策が有効だというふうにお考えなのかをお答えいただきたいと思います。
○遠山国務大臣 この四月から、新学習指導要領のもとに、完全週五日制も実施されまして、新しい教育課程が現実に動き始めているところでございます。基礎、基本をしっかり身につけた上で、みずから考え、みずから行動し、課題発見、解決という新たな目標を立てまして、そして今、各学校、各地域において力強くこの新たな学習指導要領に基づく指導が行われ始めていると考えます。
 ただ、基礎、基本をしっかり、それからみずから考える力、言うだけは簡単でございますけれども、実は、それを本当に身につけさせるには大変な努力が要ると思います。その意味で、私どもは、こういう大改革を契機に、学力が落ちることのないよう、あるいは学力低下を絶対に招かないという姿勢でこの問題に取り組んでいきたいと思っております。
 苅谷教授のなされました調査について、私はそれほど詳細にこれをフォローしているわけでございませんけれども、やはり学力問題について非常に真剣に考えていただいている、そういう調査であろうと思いますが、ただこれは、サンプルが、限られた地域を対象としておりますので、全国的な問題として展開していくにはやや、教授御自身もそういうふうに言っておられると聞いております。
 ところで、では、学力低下を招かないという角度から見たときに、どうしたらいいかということでございますが、これは私は、これからは一人一人の達成度、それから習熟度というものに応じてきめ細かな教育をしていく、そういう段階に入ってきたのではないかと思います。
 学習のおくれがちな子供には、それは、時間をかけてしっかりと基礎、基本を繰り返し身につけさせるのと同時に、また別の角度から、体験学習でありますとか総合学習、そういうものを加味して勉強への意欲を持たせるなどのいろいろな方策を用いることによって確かな学力を身につけていけるのだと思います。それからまた、伸びる子はもっと伸ばしていく。そういうことを達成するには、幾つか方策をとっております。
 一つは、習熟度別に指導ができるように教員定数の加配でありますとか、体験学習の実施、あるいは、先般学びのすすめを出しまして、各学校において、必要とあれば補充学習をする、あるいは宿題を出すというようなこともやってみてはどうかという提案もしているところでございます。
 そして、新たな教育の方途につきまして、各地域において学力の向上を図るための学力向上フロンティア事業というものを実施いたしております。これは、拠点校を中心にして、いろいろな研究を、指導上の工夫についてやっていただいて、その成果を周辺のところにも及ぼしていただく、そのようなさまざまな方途を考えているところでございます。
 それらによって、家庭の経済状況のいかんにかかわらず、私は、学校でしっかり学んでもらえばそれで十分だというのをつくっていくというのがこれからの公立学校のあり方だと考えております。
○西委員 大臣のおっしゃられることは全く同感でございます。ただ、この苅谷教授のアンケートも、一部の地域で少人数ということでございますが、私、常々お願いしていることは、やはり客観的な調査を文部省はその時々にしていくということが基本的にこれからの時代は大事ではないかというふうに思っておりますので、その点も含めて努力をお願いしたいと思います。
 次に、部活動の問題について、これが地域スポーツとどう絡んでいるかということが焦点でございますが、お伺いしたいと思います。
 先日終わりましたワールドカップ、大変な熱戦が繰り広げられて、多くの人を魅了いたしました。今、スポーツ人口が少なくなっている、特に青少年のスポーツ人口が少なくなっているという傾向があるようですが、これを機にスポーツ人口がふえていくことを願っております。
 ところで、地域型スポーツを目指すということは、これは一つの方向性ですが、受け皿の整わない段階で運動部を廃止していくというような学校がこの都心部近辺にもあるように聞いております。少子化によって生徒数が少なくなってクラブ活動が成り立たないという現実的な問題以上に、やはり地域スポーツへの移行ということを前提としてスポーツクラブ活動を衰弱させているという実態が見受けられるように思います。
 そういう意味で、もともと、部活動の、クラブをつくったりやめたりというのは、これは当然校長先生の裁量で行っていることだと思いますが、文部科学省から学校に、きちっとした受け皿がない段階でクラブをやめないというようなことを、ぜひとも協力を要請していただきたい、これがスポーツを維持していく大事な観点ではないかな、こう思いますので、御答弁をお願いいたします。
○岸田副大臣 子供たちが身近にスポーツに親しめる環境を整えること、大変重要だと認識しておりますし、その中で、子供たちにとって最も身近な学校の運動部活動の果たす役割、大変大きいものがあると考えております。
 しかしながら、今先生御指摘のように、この少子化等の理由によりまして、特にボールゲームなどの種目において部員の数が不足するとか、あるいは指導者がいないとか、そういった理由によって運動部活動の運営が困難になり、廃部や休部をするという例が見られるわけであります。
 こうした状況に対して文部科学省としてどう対応するかということですが、複数の学校による合同運動部活動というものをまず推進したいというふうに考えておりまして、平成十四年度から、全国四十七地域において、運動部活動、複数の中学校あるいは高等学校で合同で行うというようなモデル的な事業を推進しているところであります。
 また、指導者の面に関しましては、運動部活動への積極的な地域スポーツ指導者の活用を推進するために、都道府県や市町村が行う外部指導者の派遣事業に対して補助を行うとしまして、平成十四年度において、前年度から倍増、一万人分を措置したというところであります。
 こういった形によって、学校の運動部活動の一層の充実を我々文部科学省も推進していきたいと思っていますし、また一方で、最初に御指摘がありました総合型地域スポーツクラブ、こうした取り組みに対しましても前向きに取り組んで、いろいろな方面、幅広い視野から子供たちのスポーツに親しむことができる環境を整備していく、こういったことに努めていきたいと思っております。
○西委員 次に、義務教育負担制度の見直しについて、先ほどちょっとこの委員会でも議論がありましたが、私の方からも、別の角度からちょっとお伺いしてみたいと思います。
 最近の政府部内では、教育の中身には余り議論が入り込まずに、どちらかというと経済それから財政とかいう視点から、ここの部分を重視して教育制度の見直しという議論が見受けられるケースがあります。私たちは、そういうことについてはできるだけ是正を要求してきたつもりでございますが、そんな一つ一つの見直しが教育にとってどのような影響をもたらすのか、こういうことを冷静に考えてみる必要があるというふうに思っております。効率化、重点化というだけで教育はうまく進んでいくのかということが問題だと私は思っております。
 そんな意味で、今回、先日ですが、地方分権推進会議がまとめた中間報告を私どもも拝見しました。そこでは、義務教育国庫負担制度を見直して交付金制度へ移行するという案が出てきております。この中で、中間報告では「確保すべきは教育水準であって教員の数ではない。」もちろんそれも、一方ではそういう言い方もあるかもしれませんが、この問題について、文部科学省、中間報告をまとめた事務当局から、この提案を実行した場合にどのように教育水準が確保できるのかということを具体的に聞いているのかどうか、これが一点です。
 そして、この見直し問題が、結局は国が義務教育にどのようにかかわっていくのか、もっと言うと、責任を持っていくのかということを提起しているというふうに思います。文部科学省はどのような責任を今後義務教育に対して担っていこうとしているのか、このことについて大臣にお伺いしたいと思います。
○遠山国務大臣 地方分権改革推進会議の中間報告におきましては、義務教育費国庫負担制度の見直しについて、交付金制度への移行等について検討を進めますとともに、将来的には一般財源化をも念頭に置きつつ検討を行っていくことなどの提言がなされております。これにつきましては、どのように教育水準を確保できるかについて、同会議の事務局から説明を受けておりません。また、私どももこの一連の議論について参画をいたしておりません。
 我が省といたしましては、問題点が主に二つあると思います。一つは、一般的にその交付金は教職員数や給与水準に関係なく決定されますために、すぐれた教員を全国的に一定数確保することによって教育水準を下支えする機能が制度的に担保できなくなります。
 もう一つは、一般財源化いたしますと、地方財政において義務教育のための財源を制度的に保障できなくなりまして、すぐれた教員を全国的に一定数確保して義務教育水準を下支えするための手段が失われますということで、国の教育政策の実現が極めて困難になります。
 我が省といたしましては、義務教育につきましては憲法上の要請といたしまして、すべての子供が全国どこでも無償で一定の水準の教育を受けられるようにすることが国の責務であると考えているところでございます。こうした責務を果たしますためには、国は、義務教育費国庫負担制度のもと、義務教育職員の給与費の二分の一を負担することによって、すぐれた教職員を必要数配置できるようにして、義務教育水準の維持確保を図っているところでございます。こういう義務教育に対する国の責任にもかんがみまして、この制度の根幹については今後とも堅持すべきものと考えているところでございます。
○西委員 御趣旨はよくわかりました。
 ただ、私は、さらに一言申し上げたいのは、この義務教育国庫負担に対する、まあ四十人学級は実質上いろいろな形で今解消されておりますけれども、さらにもう一歩、やはり文部科学省としての方向性といいますか、それが積極的な面が必要ではないかなと私自身は思っております。それと相まってこの負担制度というのががっちりと守られていくのではないか、こう思っております。
 次に、学校図書館の図書購入費について若干御質問申し上げます。
 学校図書館の図書購入費として、これは交付税措置で配分されているわけですが、先日、六割の自治体が、流用という言い方は交付税措置の性質上ちょっとよくないかもしれませんが、流用している、こういうふうに報道されております。
 そこで、文部科学省にお尋ねしたいのですが、この実態を文部科学省としてもきっちり把握すべきではないか。また、学校図書館の図書の整備については、文部科学省の通知で図書購入を促しているということですが、公立の図書館についても、各市町村にとっては大変重要な存在ですので、整備目標となる図書購入の目安が社会教育という側面からも必要ではないかと私は思っておりますが、省としてのお考えをお伺いしたいと思います。
○池坊大臣政務官 児童生徒が自主的、積極的に学校において読書活動を行いますことは、人間形成上また学習活動においても極めて重要なことだというふうに考えております。その点から見ましても、学校図書館の蔵書の充実が図られることは大変喜ばしいことと思っておりますので、平成十四年度から、公立義務教育諸学校において、新たに学校図書館図書整備五カ年計画に基づいて、毎年約百三十億、計六百五十億の地方交付税が図られたということを大変喜ばしく思っておりましたけれども、実際には、全国学校図書館協議会の調査によりますと、全国の市町村教育委員会、これは三分の一の千でございます、この中で、六五%の自治体で、予算上独立した項目として学校図書館図書費を予算上措置してないということでございました。
 ですが、これは任意に調査いたしましたもので、あと三分の二がどうなっているかということがわかっておりませんことと、また、各市町村の予算上、独立した項目として学校図書館図書整備費が計上されたかどうかについて尋ねたものでございまして、各自治体や学校が一般的な備品購入費の中で図書を買っております場合、予算措置を行った市町村として整理されていないということもあるのではないかと思っております。ですから、文部科学省といたしましては、全市町村でこれがどのように使われているのかということは、早急に調査を行うつもりでございます。
 それからまた、公立図書館の整備目標について、きちんと文部科学省としてやるべきではないかという委員の御質問でございます。
 これは、平成十三年七月に告示いたしました公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準、これを出しております。この基準の中に、「資料及び情報の収集に当たっては、住民の学習活動等を適切に援助するため、住民の高度化・多様化する要求に十分配慮する」ことなどというのが規定されておりまして、今お尋ねの図書購入に係る整備目標ということは入っておりません。これを入れませんでしたことは、国が一律に規制することではなくて、これからは、やはりそれぞれの地方の特色を生かしながら、それぞれの地域の実情に応じたサービスを行った、種類及び量の整備ということが極めて大切なのではないかというふうに私は考えておりまして、そのような観点から、このような措置をとったところでございます。
 今後とも、文部科学省といたしましては、各公立図書館が資料等の整備を行いますときに参考となりますように、日本図書館協会が示しております公立図書館整備状況などのいろいろな情報を提供することが必要だというふうに思っておりますので、これからもさらにそのような提供もいたしてまいりたいと思っております。図書購入費にかかわらず、地方財政措置の充実に向けて、各省庁とも連携をとりながら、これがきちんと整備されますことの努力をしてまいりたいと思っております。
○西委員 ぜひとも、我々も子供の読書に関する議員立法をしたところでございますし、各所で読書運動が活発になるように、文部省として積極的に対応をお願いしたい、こう思います。
 次に、デジタル教科書についてでございます。
 先日の当委員会でも、拡大教科書という話が議論になりました。私も、以前デジタル教科書を作成するようにというふうに提言したことがあるんですけれども、弱視の児童生徒にとって強い要望のある拡大教科書問題を解消するという側面だけではなくて、目の不自由な児童生徒も、音訳ソフトを使えば音声の教科書として利用することも可能になるわけでございます。障害を持つ児童生徒が自分の障害に合わせた教科書利用ができるということだけではなくて、また、読むことに困難のある学習障害児も恩恵をこうむることになるんではないか、こう思っております。
 教科書自体がもう既に、多分作成の段階でデジタルデータを使っていると思いますので、このデジタルデータをデジタル教科書としてホームページ上に掲載して利用するというようなことも十分考えられる、そんな特別のことをしなくても使える状況にあるんではないかと私は思っておりますが、このことについての御見解をお伺いしたいと思います。
○矢野政府参考人 学校教育におきましては、これまでも、児童生徒が学習内容について十分理解ができるように、教科書以外に音声教材あるいはビデオ教材などの教材が用いられてきたところでございますが、今後は、発達段階や教科等によりましては、コンピューターの活用が一層促進されるものと考えているところでございます。例えば、特殊教育におきましては、音声入力装置や電子図書などデジタル技術を活用したさまざまな教材がありまして、効果的な学習を進めるための教材として利用されているところでございます。
 御提案の、教科書のデジタルデータをデジタル教科書としてホームページ上に掲載して利用できるようにすることにつきましては、一つは、マルチメディアに対応した指導方法の開発の問題あるいは児童生徒各人へのコンピューターの普及といったようなこと、さらには、より使いやすいコンピューターの普及、また児童生徒の心身に及ぼす影響など、検討すべき点もございますけれども、文部科学省といたしましては、今後とも、情報技術の進展に伴う教育環境の整備を促進しつつ、御指摘の点も含めて、児童生徒にとって望ましい教材のあり方について検討してまいりたいと考えているところでございます。
○西委員 次に、現在の学校のバリアフリー、いろいろなところで議論がされておりますが、障害者にとってよりよい教育環境の整備が進められるようにということから御質問を申し上げたいと思います。
 こうなってまいりますと、バリアフリーというよりも、一歩先に進んで、ユニバーサルデザインの理念に基づいて学校づくりを行うということが要請されているんではないかと思います。
 先ほどデジタル教科書も申し上げましたが、視覚障害者の利用だけでなくて、さまざまな障害を持つ人にも汎用的に利用できるという利点がございます。災害のときに避難をするというようなことについても、また日常的に地域の人が学校を利用するというようなことについても、十分考えられる時代になっているわけですので、ぜひともユニバーサルデザイン化した学校という発想をこれからの学校づくりに応用していただきたい。また、そのための研究会等も設けて検討していくべきではないかと私は考えているんですが、この点についてお伺いをしたいと思います。
○岸田副大臣 学校施設につきまして、まず、バリアフリー化を進めることは重要だと認識しております。これまでもその認識のもとに国庫補助を行ってまいりましたし、また、今国会、審議されているハートビル法の改正案では学校施設がバリアフリー化の努力義務の対象ということになっておりますので、文部科学省としましても、引き続き地方公共団体等の設置者におけるバリアフリー化の取り組みを積極的に支援するというふうに考えております。
 そして、今御指摘のユニバーサルデザインのことでありますが、このユニバーサルデザインというもの、できるだけ多くの人が利用可能であるように、建物、空間等をデザインすることというふうに承知しておりますが、文部科学省としましては、学校建築や学校教育の専門家等で構成される検討会議等において、さまざまな障害を持つ人はもちろんのこと、健常者にとっても利用しやすい学校施設のあり方について検討していかなければいけないと思っております。こうした検討会議等を通じて、ぜひ検討してまいりたいと考えております。
○西委員 最後になりました。最後に、学校の地震対策について一言お伺いをしたいと思います。
 震災の際に避難所となるケースがあると先ほどもちょっと申し上げましたが、阪神・淡路大震災でも大変多かったわけでございます。一番安全で、一番大勢の人が収容された場ではないか、こう思っております。そういう意味で、学校施設の震災対策を速やかに実行するためには何らかの法整備があってもいいんじゃないか、こういう趣旨で御質問をしたいと思います。
 例えば、集中的に何年間、例えば十年の間に耐震構造を見直すとかいうようなことが時限立法的に、公立学校施設の地震対策特別措置法のような、こんな法律があって、そうして、その期間内に集中的にきちっと地震対策をするというようなこと、また周期的に大きな地震が想定される地域をさらにその中でも重点的に直していくというようなこと。
 実は、私の地元の和歌山県の沖でも南海地震、東南海地震とかいうようなことが確率的にあと数十年、三十年で四、五〇%の確率で起こるというようなことが言われているわけですけれども、これも文部科学省の研究の結果、そういうことがはっきりしてきたわけです。そんなことを想定しながら地震対策を進めていくべきではないか、こう思っております。
 そんなやさき、政府が地震対策として戦略的プログラムを作成する予定とつい先日報道されました。このことについて、このプログラムでは対策に必要な予算を確保するための法整備というような観点も含まれるのかどうかということも若干お伺いをしたいというふうに思います。
○遠山国務大臣 御指摘のとおり、公立学校施設は地域住民の緊急避難場所としての役割も果たす大変重要な施設でございます。耐震能力の向上はぜひとも図っていかなくてはならないと思います。
 政府におきましては、平成七年の阪神・淡路大震災等を契機といたしまして、建築物の耐震改修の促進に関する法律、地震防災対策特別措置法などを制定いたしました。これに基づいて必要な対策を講じておりまして、我が省といたしましても、自治体が行います改築や補強について国庫補助対象としておりますし、それから自治体に対し、早急に改築や補強を行うよう通知等で指導しております。また、こうした事業につきましては、優先的な採択に配慮いたしますとともに、先ほどの地震防災対策特別措置法に基づいて、補強にかかわります国庫補助率を通常の三分の一から二分の一にかさ上げしているところでございます。
 今後とも、特に委員も御指摘のように、地震が起きる可能性が指摘されているようなところについては、私は本当にできるだけ早急に対応する必要があると考えております。
 戦略的プログラムにつきましては、あした開催されます中央防災会議に報告される今後の地震対策のあり方についてに盛り込まれる予定でございます。このプログラムに住宅や防災上重要な公共建築の耐震化が盛り込まれる予定と聞いておりますので、特に公共建築物の中でも公立学校等は大変重要でございますので、その具体的な施策については、今後同会議において取りまとめていくと聞いておりますが、我が方も積極的に対応していきたいと考えます。
○西委員 以上で終わります。
 ありがとうございました。
○河村委員長 石井郁子君。
○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
 今ちょうど御質疑があったところでございますけれども、また大臣の御答弁もございましたが、私もこの問題、一点お伺いをしておきたいと思っています。学校施設の耐震診断、改修という問題でございますね。
 これは、七月一日に内閣府から地震防災施設の整備状況に関する調査という中間報告が発表されまして、全国の国公私立の小中高校、大学などの校舎、十四万九千六百四十八棟のうち、五四%に、耐震診断自体受けていないということだと思うんですね。ことし三月にも、消防庁が学校施設の六割が耐震性に疑問があるという結果を出しているわけでございます。
 やはり最も安全であるべき、子供たちにとって大切な学校、そしてまた地域では防災の施設あるいは避難場所ともなるべき学校でありますから、こういう状況というのは本当にゆゆしい事態だというふうに思うわけです。
 学校施設の耐震化のために、文部科学省として、やはり具体的にどのように進めるのかという点で、予算措置も含めて、ちょっと簡単にお答えいただければというふうに思います。
○遠山国務大臣 内閣府の今回の調査では、学校校舎の五四%が耐震性に疑問とされたところでございますが、この五四%のうちの四五%分は、現在のところ、耐震診断が未実施であると承知いたしておりまして、したがって、これらは未実施であるから耐震性に疑問という中に入っているわけでございます。
 それにしましても、公立学校における耐震の建築の状況というのは決して十分でないわけでございまして、先ほどもお答えいたしましたように、私どもといたしましては、公立学校や私立学校の耐震補強事業等に対して国庫補助をきちんとやっていきたいということで、これまでも対処しておりますけれども、公立学校の緊急性の高い校舎の耐震補強事業につきましては、国庫補助率のかさ上げ措置を講じているところでございます。国立学校につきましては、国立大学等施設緊急整備五カ年計画などに基づいて、計画的に耐震補強事業等を実施しているところでございます。
 あす出されます戦略的なプログラムもしっかりとフォローしながらこの問題に積極的に対処してまいりたいと考えます。
○石井(郁)委員 次に、帝京大学問題についてお聞きをいたします。
 先日、これは六月二十七日、文部科学省は冲永荘一総長を呼んで事情聴取をした、これは新聞報道されてございますが、その際、その報道によればですけれども、冲永総長は帝京大学に不正入試や寄附の事実は一切ないとこれまで主張されていたわけですけれども、それを転換して、この日は、教授会での合否判定から合格発表までの数日間に寄附金が入金された事実があると、不正寄附の存在は認めたようであります。
 しかし、私、この新聞報道ですけれども、不正入試はなかった、また、これは総長が関与したんじゃなくて、ことしの三月に死亡した前事務局長の責任と判断でやっていたのではないかと述べたというふうに報じられている。みずからの関与は否定しておる。私はこれを読んで、まさに死人に口なしとばかりに、死去した前事務局長に責任を押しつけていると唖然とするわけですが、文部科学省はこの主張をどう受けとめているのですか、信用しているんでしょうか。
○工藤政府参考人 御指摘のように、これまで再三にわたる事情聴取で、大学側としては、まだ最終報告には至っていないわけでございますが、途中段階でたびたびお聞きいたしましても、大学として不正なことはないということでございました。
 ただ、先般、国税当局の調査もありまして、それを受けた精査で、どうも一部合格発表前に寄附金の収受があったようである、ただ、それは亡くなった事務局長が処理していたので、詳細はさらにわからない、冲永総長自身は関与していないということでございました。
 それをうのみにするのかということでございますが、そういうことではございませんで、一部でもそういう疑惑が明らかになった以上、そのお金の出入りなども含めて、より具体的、明快な調査をお願いして、この中旬までにレポートを求めるというところでございます。
○石井(郁)委員 寄附金絡みの入試の不正というのは周知の事実だと思うんですよね。いろいろな実態が言われてきたわけでありまして、それに冲永総長自身が関与している、このことも明らかじゃないでしょうか。
 これは、ことしの二月の予算委員会で、ある資料が提示されましたけれども、私も持っておりますけれども、推薦入学のときに、成績、いろいろ段階等々がありますけれども、実は数字が書き込まれていまして、そしてその数字というのは寄附金の額だ、連絡を受けた受験生はその額を総長室に持っていくようにという連絡で、そしてオーケーした人には丸印がついている。だから、ここには、これは総長ルートですと、ちゃんと総長ルートという言葉も載っているというのがあるんです。ここまで資料が出ているのに文部科学省はこういう実態についてまだ確認していないんですか、いかがですか。
○工藤政府参考人 これまでも、先ほど木下委員のように、たびたび国会のいろいろな委員会で御質問ございまして、その新聞報道等だけではないいろいろな御意見を踏まえながら、私ども、大学当局に事実をただしてきたところでございます。
 延べで言いますと十八回ほどになるわけでございますが、これまで一貫して不正なことはなかったということでございましたので、そういう中で、ほんの一端かもしれませんけれども、一部不正な寄附金の収受があったということをもとにしながら、全貌をさらに明らかにするよう厳しく求めているところでございます。
○石井(郁)委員 本人は否定するでしょう、それは認めたら大変なことですから。それをうのみにするというのは、文部行政、何のためにあるのかと言わなければなりません。もう事実がかなり明らかになっている。それは調べたらわかることですよ。十八回も調査、聴取をしてまだわからない。国税庁が先にそれで調査の実態を明らかにした、事実を明らかにした。情けないですよね、文部科学省として。まず私はそう思います。
 それで、少し伺いますが、やはり入試判定が公正に行われているかどうかというのは、大学の社会的な信頼に関する本当に極めて重大な問題でありますから伺うわけですけれども、学校教育法の施行規則第六十七条、「学生の入学、退学、転学、留学、休学及び卒業は、教授会の議を経て、学長が、これを定める。」というふうにありますよね。一体、帝京大学では、大学入試の合否というのは教授会できちんと行われていたのかどうか。この事実はいかがですか。どのように把握していますか。
○工藤政府参考人 これまで私どもも、昨年来、疑惑が報じられている中で、入学者選抜における合否判定に不正がなかったかどうか、また、合否の結果について、合格発表までに、情報の機密漏えいなども含めて、適切な取り扱いがなされているかどうかなどをただしてきたところでございます。
 そういう中で、医学部の試験の合否判定でございますが、試験当日は、午前中に筆記試験、それから午後に面接を行いまして、同日の夜までかかりまして教授会で合否を決定しておる。教授会には、学長、冲永学長は学長であるとともに教授も兼ねていらっしゃいまして、学部長、病院長を初めとする教授全員による教授会で合否を決定して、一週間後に合格発表を行っているということでございます。
 しかしながら、私ども承って、大学側から、合否判定の体制でございますとか判定基準、あるいは入試情報の管理等について、詳細かつ明確な御説明は得られておりませんので、これも含めて、改めての報告の提出を求めているところでございます。
○石井(郁)委員 合否判定というのは、大学は学部ごとの教授会で行いますよね。今、教授会で行われているかのような報告でしたけれども、実態は全然そんなことではありません。帝京大学の関係者はどう言っているでしょうか。
 まず、合否判定の学部レベルの教授会というのは開かれていないんですよ。じゃ、どこでそういう合否に当たることをするかというと、学科の教授を集めた会議に総長が出てこられて、そして、合格者の人数を言うだけですと。この学部は何人です、何人不合格ですということ、人数を報告するだけだと。だから、合否判定に教授会というのは全く関与していない。これはそういう事実です。
 じゃ、どこで合否判定をするんでしょうか。そこが問題ですよね。結局、これはわからないところでやっているんですよ。密室ですよ。それは冲永総長サイドで、どういう形でか行われている。だから、そういうところで寄附金と引きかえの裏口入学というのがやはり可能になってくる。まさに裏口入学、寄附金のためのこういう判定のシステムをつくっているということであるわけで、だから、冒頭申し上げましたように、冲永総長自身が、私は知らないなんということはあり得ないんですよ、そこは総長のところでやっているんですから。それを知らないということで済ますという、それをそのとおりに受けとめるというのは、これはもうよほどどうかしていると言わなければならないというふうに思うんですね。
 それから、教授会は全く機能していません。冲永氏自身がこの不正入試にかかわっているまさに張本人だということです。この点では、医学部が今問題になっていますけれども、もう全学部だ、各学部がそういう事態が起こっているということも報道されているわけですから、まさに大学挙げての、大学の問題が問われているわけでしょう。そういうことです。
 私は、この点で、本当に文部科学省の姿勢というのは全く甘い、消極的だと言わざるを得ないわけです。今も調査を待っているという話ですけれども、きちんと調査の報告書がなければ判断できない局面というのはこれまでもあったんじゃないでしょうか。
 例えば、今年度の学部・学科新設の審議に当たって、帝京大学関係の学部・学科の新設が保留された。これは昨年十二月ですよ。そのときには、年内に調査をまとめるとあなた方も言っていたんじゃないでしょうか。そこでやはり調査がなければ、これは決断下せないわけでしょう。その後に、帝京大学に対する経常費の補助金の交付、これは、学内調査の結果を踏まえて今年度の交付の可否を決めるというのはことし三月の末でしたよ。
 だから、その時点時点で結論を出さなきゃいけない。それを何で引き延ばされるんですか。報告書の提出が必要な機会なのに、わざわざそれを見逃している、引き延ばしている。今度は七月十五日のようですけれども、調査報告が出てからまた考える。何かもう後手後手ですよね。どうですか。御答弁ください。これは大臣、お願いします。こういう事態、どうですか。
○工藤政府参考人 今お話がありましたように、昨年末の大学の設置認可申請に対する判断につきましては、年末までの審議会の御予定でございましたが、その段階ではその疑惑が解明されておりませんでしたので、保留の扱いになっていたわけでございます。
 その後、私ども、再三報告を求めている中で、私学助成の交付の日程などを考えますと、三月までには私どもとしても判断しなきゃいけないということで督促しましたところ、設置認可申請の取り下げと、私学助成の申請の取り下げがございましたものですから、そこでなかなか判断できなかった。しかも、大学で置かれている調査委員会も頻繁に御検討いただいているようでございますが、三月末現在で、いろいろ広範多岐にわたる調査をやっているので、もう少し時間が欲しいということでございました。
 いずれにしましても、私ども、手ぬるくお感じかもしれませんけれども、国税当局等と違いまして、調査権、査察権という権限が私学との関係ではない中で、しかも、公の存在でございます学校法人である以上、みずからその疑惑を解明する努力を続ける必要があるわけで、現に調査委員会を設けてそういう取り組みをしていると理解してございますので、まず第一に、大学側の調査の努力を見守り、かつ、それを督促しながら、私どもとしても厳格な対応を図っているところでございます。
○石井(郁)委員 きょう私はもう一点伺いたいのは、やはり今お聞きしても、非常に文部科学省の姿勢というのは積極性がないんですよね。その背景の一つに、やはり文部科学省からの帝京グループへの天下りの問題があるんじゃないですか。
 私は、きのう、この質問のために、この十年間に何人ほど、この大学及びグループ関連財団に天下りしたのかという資料をいただきましたけれども、十年間に限って一応六名という名前は出ているんですね、六名。でも、これですべてかどうかというのは私は疑わしいと思っています。
 実は、ここにはいろいろ、ちょっともう時間がありませんので省略しますけれども、抜けている一人がありまして、これは帝京科学大学の現学長なんですね。これは瀧澤博三さんとおっしゃるんでしょうか。七七年、大学局の大学課長ですよ。八〇年に管理局の審議官、そして八九年、国立教育研究所の所長、そして九四年から帝京科学大学の学長でいらっしゃる。その名前はここに出ていないんです。
 これは私はなぜなのかというのは後で聞きますけれども、いずれにしても、きちんと、どのくらい天下りをしているのか、文部省のいわば役人だった方が天下りしているのか。これはこれだけで信じるわけにいきませんので、きちんと再度調査をして出していただきたいということで、この天下り問題について、私は、この間のもう十年以上にもわたる冲永総長という、長期総長さんをしていらしたようですけれども、先ほど来の大変な蓄財の大学になっているわけですから、こういう天下りのもとで異常な大学運営が行われているということですから、これは間接的に文部科学省もこれにやはり一定の責任を負わざるを得ないでしょう、負わなきゃいけないというふうに思うんですが、この問題について、この不祥事に対して追及が大変甘過ぎるという問題で、ちょっと大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
○遠山国務大臣 私どもの帝京大学に対する対応は、私どものできる範囲で、しかも順序を追って、厳しくやっていくという姿勢であることは御承知いただきたいと思います。
 そして、文部省のOBが就職している、これは大学側からの依頼によって、当該職員のこれまでのいろいろな経験を買われて、そして就職したわけでございます。そのことと私どもの大学に対する姿勢とは、何ら関係はございません。
 私どもとしましては、そのこととは別に、今回のケースは、いわば表に出ないお金の流れに関することでありまして、私どもは、これについては国税当局のような調査権はないわけでございます。一方で、もしそれが教学にかかわること、あるいは留学生にかかわることであれば、私どもは、もう早速、酒田短大の場合のように、現地にきちんと派遣をしてというようなこともできるわけでございますが、今回のケースにつきましては、まず内部におけるしっかりした金の流れについての報告を待ってという姿勢でございます。
 OBのことにつきましては、今学長のことが話題に出たようでございますが、これは、私どもが大学側からあっせんを依頼されて、そして就任されたものではありません。これは大学側が独自にその人の見識を買って、就職したものだと思います。
 したがいまして、そういうことと、それから大学に対する私どもの姿勢とは、これについては私どもはきっちりした区分をして対応いたしております。
○石井(郁)委員 この帝京大学グループに六名というのは本当に多過ぎますよね。大体、天下りそのものがやはりいけないことだ、規制しなきゃいけない話でしょう。文部科学省がそれをどんどん進めているみたいなことになっていたら、大変問題ですよね。
 そして、私は最後に、やはり子供たち、学生は真剣に勉強して入試に臨むわけです。人生の入り口を決めるかもしれない重大な入学試験ですよ。それがお金で汚れているという問題でしょう。これは重大な問題なんですね。大学の信頼が損なわれるだけじゃなくて、本当に子供たちにとっても重大な問題です。しかも、大学の教育者にとっては断じて許されない、そういう問題です。ですから、やはりこれはきちんと早急に対応し、結論を出してもらいたい。そのためにも、これは委員長にお願いしますけれども、冲永総長をやはり当委員会として参考人に呼ぶべきだ、呼んでほしいというふうに思いますが、ぜひよろしくお願いいたします。
○河村委員長 今の御指摘の件は、委員会理事会において協議させていただきます。
○石井(郁)委員 同じく大学問題ですが、国立大学の法人化問題でお聞きしなければなりません。
 これは、前回、五月二十九日の本委員会で、私、国立大学の法人化の準備問題で取り上げまして、そのときにこういうことが問題になりました。月一回のペースで旧七帝大、事務局長の方が集まって、法人化のもとでの管理運営のモデルづくりをしている、これは文部科学省主導でやっているのではないかということで指摘をいたしまして、これは文部省の指示でこういうことをさせているのかどうかとお答えを求めたわけですけれども、そうしますと、工藤高等教育局長は、各大学はそれぞれの判断でいろいろな諸準備に取りかかっているということで、だけれども、私どもがとりたてて指示をしたり、いろいろ申し上げているわけでは全くございませんとお答えになりました。
 七人の学長さん方が集まっていらっしゃる、事務局長もそうやっていらっしゃる、そういうときに意見交換しているんだろうということで、要するに、私が質問したような、指示をしているなんということは決してございませんということで否定をされたわけですが、この答弁、今日もお変わりございませんか。最初に確認いたします。
○工藤政府参考人 全く変わりません。その点もあちこちでいろいろ聞いてございますが、例えば、名古屋大学が中心になって中京地区の大学が合同でいろいろな検討、準備に当たるようなことも進めているということも含めて、あちこちでそれぞれの大学の自主的判断で御検討いただいているものと承知してございます。
○石井(郁)委員 全くやっていない、文部科学省はその指示をしていないということですが、ところが、全然違うんですよ。
 私の議事録を読んだ人から、ある書類が送られてまいりました。それは、四月九日、五月十五日の事務連絡という文書で、本省が出しているんですよね。平成十四年四月九日、各大学の事務局長あてです、「国立大学法人化に関する打合せの開催について」と。短いのでちょっと内容を読みます。
 皆様方におかれましては、ますます御清栄のこととお喜び申し上げます。国立大学の法人化につきましては、先月、国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議において最終報告が取りまとめられたところですが、各事務局長におかれましては、法人化へ向け、種々の検討を進められているものと推察いたします。つきましては、法人化後の国立大学の事務局組織のあり方の検討に資するため、各事務局長の忌憚のない御意見をいただきたく、下記のとおり打ち合わせを行うことといたしましたので、御多用中まことに恐縮でございますが、御出席方よろしくお願いします。場所は、本省のA棟二階A二十二会議室。担当、文部科学省大臣官房人事課云々等々と、名前も書いてございます。
 どうなんですか、これは。文部科学省が指示しているということじゃないんですか。これは文部科学省が招集しているということでしょう、どう考えても。ちょっと御答弁ください。
    〔委員長退席、鈴木(恒)委員長代理着席〕
○工藤政府参考人 今の文書を私はちょっと存じなかったんですけれども、担当の方に聞いてみましたら、各大学でいろいろな御検討をいただいている、その検討状況を本省でも把握したいのでということで、特に事務局組織のあり方というのは、今年度の多分最後に近い概算要求なども控えながら、どういう組織構成を考えていったらいいのかということも含めて、こちらの参考にするために、各大学の検討状況を聞くための事務連絡であると承知してございます。
○石井(郁)委員 今、最初に何とおっしゃったんでしょうか。あなたはこの文書は知らないということでしたか。この文書が出ていることを知らなかったということですか。そういうふうにおっしゃった、そう確認していいんですね。局長は知らないでこういう文書が出ていると。そうしたら、担当のところで、局長が知らないところで出ているということですか。ちょっとそれが一つ。
 では、私、重ねて申し上げますよ。そんな、あなた、まさに、何というか、うそをつくという態度なんですけれども。五月十五日の文書も私は持っています。それは、もう省略しますけれども、つきましては、皆さんのいろいろ意見を参考としつつ、法人化後の国立大学の人事制度のあり方についての検討の進め方等々について御相談させていただきたく、下記のとおり打ち合わせを行う。
 だから、今あなたは、大学が自主的に勝手に集まっている、それを聞いているんだというスタンスでのお話でしょう。だけれども、これは文部科学省が招集しているでしょう。御出席方よろしくお願いしますですよ、出席してくださいと。それで、場所はこれも本省です。文部省の担当の名前が入ってございます。どうですか。これは招集というんじゃないんですか。文部省の指示で行っているんじゃないんですか。はっきりしてください。
○工藤政府参考人 新しい法人化への移行につきましては、いろいろな検討の側面がございます。それで、会計制度もございますし、人事制度もございますし、そういう中で、多分、今先生おっしゃいましたように、私ども高等教育局のほかに官房の会計課あるいは人事課などもございますので、それぞれの部署の仕事を遂行する必要上、各大学の検討状況をお聞きするために招集といいますか、集まっていただいて、別にそこで検討を指示したとかということでは決してない。むしろ、各大学の検討状況を本省として聴取するための会合であると承知してございます。
○石井(郁)委員 ちょっとごまかさないでください。いろいろ準備はする。その準備だって実は大変問題なんですけれどもね。本省の指示でそういう準備をさせているじゃないですか。そこを問題にしているんですよ。前回は、そういう指示は一切していません、大学がどういう準備をするかは指示していないというのがあなたの答弁だったでしょう。しかし、今回、私がきょう出しましたのは、そうじゃない、本省の指示で招集されて、要請を受けてこういう会議が持たれているということでしょう。では、各課がこうやっているわけですか、あなたのもとで。
 私は、きょうはちょっと皆さんにまだお配りする用意がなかったんですけれども、ぜひちょっと、委員長、文書を大臣に見ていただきたい、委員長と大臣に。
○鈴木(恒)委員長代理 はい、どうぞ。
○石井(郁)委員 では、続いてちょっと大臣に伺いたいと思います。それを見ていただけますでしょうか。
 こういう文書が出ているということは、大臣は御存じでしょうか。
○遠山国務大臣 これは、私、今初めて見ます。ただ、今御議論を聞いておりますと、私は法人化の問題について、これは大変大事な問題でございまして……(石井(郁)委員「いや、そんなもう一般的にしなくていいんです、事実だけ言ってください」と呼ぶ)
 では、私は、この段階のものについては通常見ないことになっております。
○石井(郁)委員 しかし、それは国会で何が審議されているかについて大臣は全く知らないということでもあるんですよ、今の御答弁は。法人化について、重要なことだ、準備はいろいろ進める、それは一般論ですよ。私が質問しているのは、文部科学省が主導で指示を出して、そして全国、しかも七大学ですよ、七大学を集めているというのはなぜなのかということを含めて聞いているわけですよ。はっきりしてください。大臣も知らないところで文部各課が勝手にやっているということなんですか、これは。大変重大じゃないですか。だから、そのことと、私は、それでも局長は、前回の指示を出していないという答弁、この資料を見てもそのとおりだということですね、指示は出していないんだと。これだけの文書が出ていて、これは文部省の指示じゃないんだということがどうして言えるんでしょうか。これは絶対通りませんよ。どうですか。
    〔鈴木(恒)委員長代理退席、委員長着席〕
○工藤政府参考人 大学の関係者は、学長同士あるいは事務局長同士、いろいろな会合を持っております。これは、私どもで招集する場合もありますし、それぞれが自発的にやっている場合もありますが、特に七大学というのは、昔、戦前の経緯もあって、学長同士も頻繁に七大学で会議を行っておりますし、事務局長の方々も集まっておられるのは事実でございます。
 先ほどのものは、人事関係についての検討状況をお聞きするために招集したといいましょうか、お集まりいただくための事務連絡であると理解してございまして、この事務連絡をもって検討を指示したということでは決してございませんで、あくまで大学でそれぞれ準備をする中で、私どもと歩調を一緒にしながら、むだなことをやめ、能率的にやることも含めて考えられた会合ではないかと思っております。
○石井(郁)委員 この文書は、国立大学法人化に関する打ち合わせの開催ですから、法人化の打ち合わせなんですよ、でしょう。私、前回聞いたのは、管理運営のモデルづくりを七大学でしている、そのことに文部科学省が関与しているんですかと聞いたら、全くしていない、全くございません、そう答弁したでしょう。しかし、これで全くしていないと言えますか。そうしたら今は、そういうことはあり得ると、では逆に開き直っているわけでしょう。全然答弁、違うじゃないですか。違うでしょう。全くしていないと言えないでしょう、この事実は。そんなことが通るんですか、この国会の中に。世間に通りますか。
 文部科学省が本当にこの国会、委員会の審議というのに対して、私は、やはり本当にうそをつき通して通るというふうにたかをくくっているとしか言いようがありません。本当に不誠実ですね、これは。あるいは、それは大学人をも裏切ることにもなります。大きな問題ですよ。防衛庁が調査リストの情報開示の問題でうその答弁をしたと同じようなことじゃないんですか、これは。国会にうそをついていますよ、文部省。
○河村委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○河村委員長 速記を起こしてください。
 議事を続行いたします。石井郁子君。
○石井(郁)委員 今理事の皆さんで御協議いただいたようですので、私は、この問題は、ぜひ理事会で協議をいただきたい。やはり国会審議に当たって、ちゃんと答弁は一貫性を持たせていただかなくちゃいけませんし、また真実を言っていただかなくちゃいけませんので、その点では、こういう食い違いというのか、うその答弁をされたら審議が成り立ちませんので、ぜひこの問題で理事会協議をしていただきますように委員長にお取り計らい、お願いします。
○河村委員長 理事会で協議させていただきます。
○石井(郁)委員 もう一点なんですが、文部科学省、文部大臣も、法人化に向けては準備が必要だということを再三お述べになりますが、しかし法律はまだできていません。どんな法令になるのか、どんな省令になるのか。これは、国会という場でいろいろな修正だってあり得るじゃないですか。それなのに、これこれの準備をせよというのは、大体無理な話なんですよ。そのことを私は言っているんですね。
 実際、五月末に国立大学協会が法人化準備に関する各国立大学へのアンケートというのをされていらっしゃいます。それに当たりますと、準備に当たって大学として困っていること、要望事項というのを出されていますでしょう。それを見ますと、法律も政令、省令もいまだ見えないので、大学が決めてよい裁量の範囲がどこまでなのか明確でないと九六%の方が答えていらっしゃいますよ。それはそうでしょう、大学は。何が法律なんだと。どこまで大学が決めて、裁量は何なんだと。国はどこまで何をするんだと。わからない状態で準備をせよというのは無理ですよ。こういうことを今文部科学省がさせている、これが問題なんですよ。これも国会無視でしょう。国会軽視じゃありませんか。私は、本当にひどい話だと思いますよ、今のやり方は。
 もっと言うと、先ほども文部科学省の姿勢が民主党の議員からも出されましたけれども、もうこれは官僚の暴走じゃないか、あなた方が勝手にやっているだけだと。しかも、先ほども、恫喝、予算のおどしと、いろいろなことを使ってやっているじゃないですか。もうとんでもない話だということがありますので、私は、この日本の知的基盤をどうするか、本当に高等教育をどうするかという、もう一大重大問題ですから、慎重に、あるいは拙速にすべきでないという立場で申し上げておりまして、ぜひこの点では、大臣、いかがでございますか、簡単に、もう一点私としても聞きたいことがございますので。この国立大学協会の学長のアンケートの、九六%の皆さんが持っていらっしゃるいろいろ、その要望ですね、危惧というか、これについての大臣の御見解を伺います。
○岸田副大臣 ちょっとその基本的な考え方だけ、済みません。
 国立大学の法人化につきましては、六月二十五日に閣議決定されました経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二において、平成十六年度をめどに開始するとされ、そして、有識者等における調査検討会議において制度のあり方について最終報告がまとめられ、そして法案の準備が今進められるということであります。
 そこで、その中で、国立大学側においては、四月十九日の国立大学協会の臨時総会において会長談話がまとめられて、国立大学協会として最終報告の制度設計に沿って法人化の準備に入ること等が明らかにされており、そして技術的な取り組みを進めているというふうに承知しております。
 こういった事柄が並行して進むことによって、法律が制定された際に、円滑かつ速やかに新しい国立大学法人に移行できるよう各関係者、努力しているという中での話だと御理解いただきたいと存じます。
○石井(郁)委員 それはもう重々私はわかっていますよ。そんな一般的なことを聞いているんじゃありません。
 今国立大学の学長が、法律も政省令もないんだ、何も見えない、こんな中で何を急がせるのか、何をやれというのかという疑問に対して、大臣、ちょっと一言お答えください。
○遠山国務大臣 確かに国立大学にとって有史以来の大改革でありまして、私どもももちろん非常に努力をしなきゃいけませんけれども、各大学においても努力をして、高い理想といいますか、本来の教育研究がさらに活性化されること、社会貢献をしていくことなどの目的を達成するための法人化というものはしっかりなされなければならないと私は考えております。
 そういう諸準備の段階でありますので、各大学におきましてもいろいろな疑問を持たれることはあろうかと思いますが、私どもは、誠心誠意、こういうふうであるというようなことの説明もする必要がありますし、また、御疑問があれば常にドアをあけてそれに答える姿勢でいるわけでございます。
 この重大な時期に、私どもとしては、設置者としての責任もありますし、各大学ときちんと連携をとってそういう不安の解消に努めていかなくてはならないと考えます。
○石井(郁)委員 もう一点、ちょっと具体の問題なんですが、教員養成系大学・学部の存廃といいますか、統合再編ということが今大変重大な局面に来ているというふうに思っておりまして、これも文部科学省、私ども伺って、決して時間を区切らない、それから枠をはめないということは私は御答弁いただいたと思うんですが、しかし、現場を回ってみますと、例えば、もうブロックごとにここでは教員養成の担当校は一つですとか、あるいはスケールメリットとして定員は三百名が適当だとかというようなことをいろいろ言われているという話があるんです。
 ここもぜひ伺いたいんですが、文部科学省として、こういう教員養成の担当校は、例えば具体的に言いますと、北東北では一校、南東北ブロックでは一つという形で、担当校を一つだというふうにあるいは文部省がお考えになっていらっしゃって、それをそれなりの指示をしていらっしゃるのかどうか。それから、定員の三百名ということもそんな形で、規模としてはこれがふさわしいだとか言っているのかどうか、このことだけお答えください。
○工藤政府参考人 教員養成の再編統合は、先生今存廃とおっしゃいましたけれども、私ども、廃止するとかということではございませんで、今の少子化の影響での就職率の低下でございますとか、各大学の教員養成大学における規模の弱小化でございますとか、しっかりした教員養成をしていただくために、大変環境が厳しい中で再編統合しながら、もっとパワーアップしようじゃないか、勢い県域を超えた再編をお考えいただくということで、各大学に御苦労いただいているわけでございますが、私どもとして、何かマップをつくって、それを大学に指示したり、そういう誘導したりということではございません。
 ただ、現に北東北は、たまたま三大学の学長さん方が、最近リタイアされた先生方もいらっしゃいますけれども、大学全体でのお話し合いの会合でございますとか、南東北の方でも、そういう動きがあるとかということは承知してございますけれども、私どもとして、それを指示しているわけでもマスタープランがあるわけでもございません。各大学の御検討の状況に応じて、しかも地元の関係者の方々の御理解も得なきゃいけない話でございますから、適切な案がまとまるように、私どもも大学の努力を見守りたいと思ってございます。
○石井(郁)委員 以上で、終わります。
○河村委員長 達増拓也君。
○達増委員 私は、国立大学教育学部の統合、廃止問題について、まず伺いたいと思います。
 これは行革の一環として、大学の法人化、また大学の統合再編等が議論されているわけでありますが、自由党は改革の政党でありますから、行革というのは非常に大事だと思っておりますけれども、行革というものが単なる機構いじりのパフォーマンスに終わってしまって、中身の本当に変えるべきところが変わらないでしまうというのはよくないと思っております。また、そもそも、行革の主要な対象は、政府機関本体、省庁そのものでありまして、特殊法人でありますとか、関係の機関をちょこちょこっといじって、それで行革というパフォーマンスにしてしまうことには強く反対をするものであります。
 そこで、この国立大学教育学部の統合、廃止問題でありますが、象徴的な出来事が六月二十日に起きました。これは、山形県知事が、岸田副大臣を訪問して、山形大学の教員養成課程存続に配慮をと要望したことであります。大学自体が存続断念を打ち出す中で、地元が国に泣きついた異例の陳情だとそれを報じる新聞に書かれておりますが、ことし春から夏にかけて、最近になって、日本の各地で、教育学部の統合、廃止について、待てよという草の根の議論、県民の議論が起きてきている、そういう状況になっていると思います。
 政府の方では、昨年十一月二十二日付、今後の国立の教員養成系大学・学部の在り方についてという懇談会報告書、これが出ておりまして、これをベースに文部科学省、そして国立の大学当局の中で議論が進んでいる。
 その報告書の問題の箇所でありますが、今後の国立の教員養成大学・学部の組織、体制のあり方として、再編統合の必要性ということを訴えています。
 かいつまんで紹介しますと、まず、教員養成課程の入学定員の減少ということがある。入学定員の減少によって、本来であれば必要な充実した授業、高度化したカリキュラムなどなどができないような体制になっている。その文章を引用しますと、「新たな教育課題に対応するための教育研究体制を組むことが困難な状況にある。」ということであります。そして、結論として、県域を超えた再編統合、一都道府県一教員養成学部の体制を見直し、再編統合を行うべきであるという内容になっております。
 そこで、まず検証していきたいのでありますけれども、入学定員の減少ということであります。
 この報告書には、興味深いデータが挙げてあるんですが、教員養成学部卒業者の公立学校における教員採用者に占める割合、これが小学校の場合六〇・一%が教員養成学部卒業生、中学校になると先生のうち三七・六%、高等学校になると一四・七%が教員養成学部卒であると。
 これは、単純に考えて、この教員養成学部卒業者のシェアを伸ばす努力をしていくことで、入学定員の減少というのは抑えられるんではないかと思うわけであります。学校の先生になるために、より充実した教育、的確な教育、これを提供することによって、学校の先生によりなりやすい、学校の先生になる可能性がより高くなるような課程を用意することで、入学定員の減少ということに対抗できると思うんですが、この点、いかがでしょうか。
○岸田副大臣 我が国におきましては、教員養成学部以外の一般学部でも、一定の要件を満たし、課程の認定を受けることにより教員免許状を付与することができる開放制の教員養成の仕組みをとっております。多様な人材を教育の場に採用するということに役立っていると思っております。また一方で、この教員養成学部、専門性のある魅力ある教員を養成するという意味で大きな役割を果たしております。この二つの制度の組み合わせによりまして、一般学部それから短期大学と、そして教員養成学部、この両方において教員が養成されるという仕組みをとっております。
 これは、教員養成学部卒業者の割合の話でありますが、要は、今現状、そういう仕組みをとっている中で、まず、さまざまな学部の卒業生が学校現場に入ることが望ましいと考えております。その一方で、専門性のある魅力ある教員も育てていかなければいけないということ、この重要性も考えております。
 ですから、教員養成学部において、教員養成のカリキュラム等をより魅力的なもの、専門的なものに構築し、そして内容を充実することによって、教員養成学部においてより優秀な教員が多く輩出され、そして結果として教員養成学部出身の教員の割合がふえていくということに進んでいくというのが望ましい形だと考えております。
○達増委員 入学定員の減少というものを所与のものとして、それに合わせて教育学部を変えていく、そういう弱気の発想だけではなく、逆に、入学定員をふやしていくためにはどう変えていけばいいかという発想がやはり重要なんだと思います。
 それに関連しまして、先ほども紹介した去年十一月の懇談会報告書の再編・統合の必要性という中には、いわゆる新課程ですね、教育学部の中で、教員養成課程としては直接関係ないけれども、教育関連のそういう課程を教育学部の中にふやしていっているけれども、それは、原則として教員養成学部から分離していくことが適当と考えられるということが書いてあります。つまり、教育学部というのは教員養成学部として専門化していけばいいんじゃないかという発想だと思いますが、実は逆ではないか。そういう学校があってもいいでしょう。教員養成学部として特化していくような教育学部があっていいと思いますが、逆に、直接教員養成に関係ないけれども、広く教育という関係のものをどんどん取り入れていく教育学部があってもいいと思うんですね。
 そもそも教育というものは、これはさかのぼりますと、西洋であればソクラテス、プラトン、アリストテレス、東洋であれば孔子、孟子、そうした二千五百年くらい前までさかのぼることができる。洋の東西を問わず、哲学の中核部分が教育にあったわけですね。ソクラテス、プラトン、アリストテレス、孔子、孟子がやってきたことは哲学であると同時に教育であります。哲学というものが人と人との関係や人と世界との関係に関する英知であるとすれば、そうした英知を伝える、あるいは発見するための技法が教育。
 こうした広い教育観というものは、二十一世紀の高度情報化社会においては決定的に重要になってくるんだと思っております。高度情報化社会においてますます、ハードだけではない、ソフトの面でのコミュニケーションのあり方というものが重要になってきて、人と人とのコミュニケーション、自分しか知らないことを相手に伝える、そういう教える、教わる、ともに学んで発見するといったことが、単に学校の中だけにとどまらず、職場でありますとか、地域でありますとか、あるいは家庭内においても、二十一世紀、ますます重要になってくる。
 例えば九〇年代、いわゆる知価社会、そういう知価社会化が進みまして、経済的な国際競争力を高めるためにも教育が重要ということで、アメリカ、クリントン大統領の教育改革、イギリス、ブレア首相の教育改革、こういったものは国際競争力を高めるための教育改革と言っていいと思います。そういう経済競争に勝ち残るためにも教育が重要ということになってきておりまして、産業政策とか労働政策の観点からも、二十一世紀、ますます教育が重要になってきている。
 そういう観点から、この去年十一月に出た今後の国立の教員養成系大学・学部の在り方についてという報告書を少し厳しく見ますと、結局、これは国から教員養成というのを見たときに、国から教育学部というのを見たときに、明治、富国強兵の要請にこたえる教育公務員を国が養成するという、そういう古い考え方が基本になっているんではないか。少なくとも、いかにして教育公務員を国が養成するかという古い考えにとらわれていて、二十一世紀のコミュニケーション社会に対応できるような広い教育観で新しい教育学部の改革を進めていく、そういう観点が欠けているんではないかと思うんですけれども、質問したいのは、そういう拡大された、広い教育観に基づいた教育学部改革というものが必要なんじゃないかという質問ですが、いかがでしょうか。
○岸田副大臣 最初に御指摘の新課程については、要は、新課程の増加によりまして教員養成学部の性格があいまい化しているというのがこの報告書の中で問題化されたということだというふうに認識しております。
 その上で、今、現代社会において必要とされるコミュニケーション能力、広い意味での教育というものを重要視しなければいけないという御指摘、これはそのとおりだというふうに思っております。学生にできるだけ多くの付加価値を与えることができるよう、教員養成学部において、カリキュラム等の充実においてしっかりと取り組んでいくこと、これは大変重要だと思っております。御指摘のような、広い意味での教育、二十一世紀において、国際的に通用できるようなコミュニケーション能力、こういったものもその重要なポイントとして考えていかなければいけないと認識しております。
○達増委員 次に質問したいのは、附属学校についてであります。
 国立大学教育学部附属学校については、結局、教育学部の再編統合が必要という文脈の中で、当然附属学校も当該教育学部附属であれば、その教育学部と運命をともにするという前提でこの報告書には書かれているわけであります。
 確かに、国の側あるいは大学の側から見ますと、附属学校というのはその教育学部の実習校であって、あくまで大学における教育研究のための附属学校ということでありましょうけれども、附属学校に入学し、またそこで学び、卒業していく生徒やあるいはその親、そしてそれを抱える地域からしますと、国から見たのとはまた違う、かけがえのなさといいますか、重要性が附属学校にはあると思います。
 まずは、実習校としての一つの重要性について指摘し、また伺いたいと思うのですが、これは一つの例でありますけれども、ある教育学部の附属小学校の例なんですが、六年生に、正負の数の足し算、引き算を教えるという実験のような授業をやったわけです。
 それは、その校長先生が、やってみようということで、六年生のあるクラスに、正負の数というのは中学校で習うわけでありまして、小学校でそういう正負の数をどうやって教えるか。特に難しいのが、足し算もさることながら、引き算であります。マイナスの数を引くというものですね。マイナス二を引くと二足すことになるわけでありますが、そういう概念をどう小学生に教えるかということで、その校長先生は、実験的にオセロゲームのこまを使いまして、プラスは白、マイナスは黒、引くというのはこまをひっくり返すことでマイナス、引くという作業をこまをひっくり返すことでやってみせる。そういうことを授業でやって、生徒はすごい大喜びであります。
 その結果を教育心理という雑誌に載せて、また、その授業を受けた生徒たちはそれを読む。そういう経過を通じて、学校で教えることを教わるというだけではなく、その教え方でありますとか、また、その教え方を先生たちも日ごろから研究しているという、そういうことを子供が知って、知の世界に非常に強い興味を持っていく、そういうことがあるんだと思います。
 これはこの報告書にも書いてあるんですが、「大学・学部の教員が研究の実践の場として附属学校を活用することにより、」さっきの例で言えば、校長先生というのは大学教育学部の教授でありますから、そういう教員が附属学校を研究の実践の場として活用することにより、「子どもたちが大学・学部の研究の一端に直接触れることは、子どもたちの知的好奇心に大きな刺激を与える効果もあると考えられる。このようなことは、一般的に公立学校においては困難な面があり、」云々とあります。
 これは、一つ、附属学校というものが他では得られないような教育、他では得られない知の可能性を生徒に提供し得るものだという例だと思うんですが、そういう観点からしても、都道府県に一つぐらいはそういう一般的に公立学校においては困難な授業をし得る学校があってもいいんじゃないかと思うんですが、この点いかがでありましょうか。
○岸田副大臣 附属学校につきましては、今先生が御指摘になられましたような例も含めまして、その教育内容、指導方法等の改善とか、教員養成のカリキュラムの改善に資する実践的な研究の推進ですとか、あるいは学部の計画に従って教育実習を実施する場とか、いろいろな重要な役割を果たしていると認識しております。
 今後のあり方については、有識者による懇談会から、教員養成学部の再編統合を契機に見直しすべきは見直しすべしというふうにされているわけですが、附属学校につきましては、要は、大学全体の教育研究機能ということを考えた際に必要であるということであるならば、これは存続するということは考えられるというふうに考えております。
 例えば、科学教育というような見地から附属学校が必要だというようなことであるならば、教員養成学部がない場合でも附属学校があるというケースは考えられると思いますし、実際、現実にそういったケースもあるというふうに認識しております。
 ですから、教員養成学部がなくなるからといって必ずその附属学校がなくなるというものではないと認識しております。
○達増委員 附属学校というのは、今の法律上の建前からすれば、あくまで大学教育学部のまさに附属機関であって、実習のための学校。そこで、今の答弁の中では、実習のみならず、ほかにもいろいろな研究でありますとかそういう必要性があれば存続し得るという御答弁だったと思いますが、さらに、そういうつながりを超えて、実態としては、ある程度大学と離れた存在として地域の中に根づいているという側面も、これは現実としてあると思うんですね。
 それは、そもそも附属学校というものが、明治六年一月の東京師範学校に小学校創設というところから附属学校の歴史が始まるわけでありますが、そのとき、附属学校は師範学校の授業の練習学校及び地域の小学校の模範学校として設置というふうにされているんですね。地域の小学校の模範学校、これは全国の師範学校の附属学校が地域における模範学校として設立されているわけでありまして、そうした伝統のもとで、およそ百三十年、それぞれの地域の中でやってきているわけであります。
 したがいまして、当然、各地域の中で模範学校たらんとして努力した先人、先輩の努力の積み重ね、そうしたものに基づいて、有形無形のインフラとして附属学校というのは地域の中に存在していると思うんですね。もちろん、公立学校、それはそれで伝統とまた先人の努力に基づいてあるわけでありますけれども、地域の模範学校としてスタートした伝統を受け継いでいるがゆえの圧倒的な向上心でありますとか、そういう学問、学習、知というものへのこだわり、そうした独自の存在というものをやはり無視できないんだと思います。
 そういう附属学校の地域社会への貢献というのは、過去百三十年近く大なるものがあり、かつ未来もかなり大きいものであることが予測されるわけでありまして、もはや単なる実習校であることを超えたそういう存在として、既に実態として地域の中にある附属学校の意義というのをきちんと評価していかないと、今の教育学部統合、廃止の問題というのはうまく解決できないと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○岸田副大臣 御指摘のように、附属学校については、さまざまな教育課題に対して研究開発を行い、またその成果を公表し、そして地域においては指導的あるいはモデル的学校としての役割を果たしているというふうに認識しています。また、地域の公立学校との人事交流を通じて、公立学校教員の研修等にも貢献しているというふうにも認識しております。等々、さまざまな役割を果たしているわけであります。
 ですから、そういったことから、当該大学において広い意味での教育研究上真に必要だということであるならば、これは存続していくということは考えられるわけでありまして、だから、教員養成学部がなくなるからといって必ずその附属学校がなくなるというものではないと考えております。
○達増委員 大学教育学部そのものの問題にちょっと戻りますと、教育学部、先ほど紹介したように、明治時代、師範学校としてスタートしているわけでありますが、この師範学校時代を経験している、あるいは師範学校を経験している人から教わった教育学部出身の先生に話を聞きますと、その師範学校というのは、さらに江戸時代の藩校でありますとか、江戸時代の藩政時代の地域の藩士教育でありますとか子弟教育でありますとか、そういう江戸時代にもさかのぼるような伝統を踏まえて師範学校というものが運営されていた。今の教育学部にもそういう伝統が引き継がれているということも、教育学部の統合、廃止問題を考えるに当たって無視することはできないんだと思いますということを付言させていただきたいと思います。
 さて、今のような、特に地域から見た教育学部の意義でありますとか、地域から見た附属学校の意義ということが、ともすれば、今までの大学当局の中での議論でありますとかあるいは文部科学省の中の議論には足りなかったのではないかということを懸念いたします。
 したがって、先ほど冒頭に紹介した、山形県知事がせっぱ詰まって国に要望するといった事態も出てくるんだと思いますけれども、去年の十一月二十二日付の懇談会報告書が出て、その後、文部科学省あるいは大学当局の中、あるいは大学間でのみ話が進んでしまって、それぞれの県における、都道府県における、県民、都道府県民との対話というものがいま一つ十分に行われてこなかったのではないかと懸念しますが、この点いかがでしょうか。
○工藤政府参考人 これは私ども、再編統合検討に当たりまして、とりあえず各関係の大学間でよく御相談いただき、かつ、地元の方々も含めたいろいろな関係者の御理解もいただくようにということで御検討をお願いしているところでございます。
 とりあえずは大学間でということで、先ほど例に出ましたような山形の場合は、残念ながらまだ地域の方に御意見を伺う前に何となく新聞で出ちゃって議会がちょっと懸念されたということもあるようでございますが、ほかの地域にありましては、検討の途中途中で、例えば大学に運営諮問会議という形で、知事さんとか市長さんがお入りになって、日ごろから大学の関係者と御協議いただく場を設けているわけでございますが、そういう場などを通じ、あるいは土日のお休みにティーチインといいましょうか、住民の方々との御会合に学長などが出かけていって御説明し、いろいろな御意見を承るということなども含めて、いろいろな取り組みがなされているところでございます。
 ただ、今まだ途上でございますので、成案を得るに当たりましては、先ほど申しましたように多くの関係者の御理解を賜りながらこれからの教員養成をもっとしっかりしたものにしていきたいというのが私どもの願いでございます。
○達増委員 国立大学教育学部やその附属学校というのは特に地方においてその重要性が高いので、主として、都道府県といいましても県の問題になってくるんだと思うんですけれども、県民の自主的な、シンポジウムを開いたりでありますとか、そういう、これでいいのか、ちょっと待てよというような運動が最近になって、特にこの六月、全国あちこちに出てきていますので、そういったことを踏まえた上で決定していかないと、物事を決めていかないと、まさに国家百年の計を過つということになりかねないので、この点はぜひぜひ禍根を残さないようにということを指摘したいと思います。
 さて、大学改革ということで独立行政法人化という基本方針ができているわけでありますけれども、独立行政法人というのは、もともとイギリスで国の省庁の組織を外に出していくものとして大々的に採用されて成功したわけであります。例えば、有名な話は刑務所でありますとか、あるいは外務省関係でいえばパスポートの発給、旅券の発給といった国民を直接相手にしてサービスを提供する役所の仕事、それが今まではお役所仕事で、何か威張っていてサービスが悪いとか、あるいはむだが多い、コストがかかる、もっと節約できるはずだ、そういうものをエージェンシーとして外に出して、政府とエージェンシーとの契約で物を進めることによってサービスの向上とコストの低減を図っていくというのが、イギリスで独立行政法人、エージェンシーというものが成功した経緯だと思っております。
 ところが、日本の今の独立行政法人化というのは、そういう政府、省庁が直接やっていることを独立行政法人にするというのは余りございませんで、博物館の例なんかはすごくいいと思うんですね。博物館や美術館はまさにいい意味での客商売という感じで、民間感覚を取り入れて成功する例だと思うんですが、どうも、研究所ですとか、余り国民を直接相手にしないサービスに取り入れられたりとか、あるいは特殊法人を独立行政法人にしていくとか、どうも変な使われ方をしているんじゃないかという懸念を持っております。
 さてそこで、大学を独立行政法人にするということについては、先ごろ報じられました国立大学協会、国大協の実施したアンケートでは、九割が法人化に不安である、国立大学の九〇%以上が法人化に不安であるというようなアンケート結果も出ております。
 もともと狭い意味での行革の発想、つまりコスト削減、サービス向上という、先立つものに不自由しているきょうこのごろ、国の財政もちょっと大変だから節約してやっていこうということが独立行政法人というシステムの基本でありまして、それはそれで大事なんですが、そういうちょっとお金に今困っているという短期的な事情で、国家百年の計、教育を実施していく大学というものを独立行政法人化していってうまくいくのかという疑問を持っております。独立行政法人にしてしまうと、例えば評価委員会というのを各省庁につくって、金の面でちゃんとやっているかチェックしていくわけですが、国立大学というのはただ安上がりにサービスをばあっと提供していけばいいというものではないんだと思うんですね。
 その点、大学改革ということを、要は、行革論理を先行させて独立行政法人化ということでいいのかという質問、お答えいただきたいと思います。
○遠山国務大臣 達増委員御指摘のとおり、私も、大学というのは学術の中心として専門分野の教育研究を行う大変重要な国家の知の拠点であると思っておりまして、そこにおける活動というものがその国の将来を左右するぐらいの存在であると思っております。
 国立大学の法人化に関しましては、したがいまして、これまで先行している独立行政法人の形態そのものをフォローするのではなくて、そうではなくて、むしろ諸先進国に見られますような、法人格を持たせながら、しかし大学という、先ほど申しましたような機能が十分発揮できるように、しかもその機能がより活性化して発揮されるように法人化をしていく必要があるということで、いろいろな英知を集めて議論をしてまいったところでございます。その結果が、先般出ました有識者等を交えた調査検討会議の報告書でございまして、それをベースに国大協でも検討してもらいまして、国立大学法人として新たな設置形態に向けてこれから準備をするということで意見の一致を見たところでございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、国による事前関与というのは最小限として、諸規制を大幅に緩和していくという独立行政法人制度のメリットは確保しながら、大学の特性を踏まえた独自の制度というものをつくっていこうと思っているところでございます。具体的に申しますと長くなりますのであれでございますが、法人の長の任免の仕方、あるいは中期目標の立て方、あるいは評価のあり方等につきましては、これは大学という特性を踏まえた上でその自律性、独立性というものを十分に配慮して今後やっていこうという設計になっているわけでございます。
 今そうした方針に向けて諸準備を続けているところでございますが、まさに達増委員のおっしゃいましたように、単に効率化を図るための法人化ではないということにおいて、その点は十分認識しながら進めていきたいと思っております。
○達増委員 単にパフォーマンスとしての機構いじりで、かえっておかしくなっているような行政機関ですとか、そういうものが出てきたりあるいは出そうになったりしていますので、大学が決してそういうふうにならないことを期待いたします。
 さて、私からも帝京大学問題について幾つか質問させていただきます。
 関連財団を利用した巨額の所得隠しが発覚いたしまして、その不明朗な使途について問題であると同時に、裏口入学等無法な金集めということも指摘されておりますが、こうした帝京大学問題について、文部科学省の監督責任というものをどのように考えているのか、伺いたいと思います。
○岸田副大臣 帝京大学問題につきましては、六月二十七日夕刻、事情聴取を行い、医学部の入試の合格発表以前に受け入れた寄附金が一部あることが判明したわけであります。まず、このこと、大学入学者選抜の公正さを疑わしめ、あるいは社会的な大学の信頼を損なう、そういった意味でまことに遺憾であるというふうに考えております。
 その疑惑につきましては、七月十五日までに調査報告書、口頭ではなくして書面で提出することを求めているところでありますが、この報告書を踏まえて、私立大学等経常費補助金の不交付あるいはさかのぼっての返還も含めまして、厳正に適切に対応する、これが文部科学省としての責任だと考えています。
○達増委員 今国会は政治と金の問題というのが大きく取り上げられ、それに振り回されてしまったようなところもあるんですが、今回のこの帝京大学問題についても、政治家の関与あるいは政治家秘書の関与が取りざたされております。
 具体的には、帝京大学あるいはその関連財団からの政治家への多額の寄附でありますとか、松島みどり衆議院議員に対する高額の給与、これは勤務実態が伴わないので寄附に当たるのではないかと指摘され、税務当局もそのように主張しているわけであります。また、報道によりますと、寄附の仲介役として政治家や政治家秘書があったということでありますが、政治と金の問題は、これは小泉内閣、政府としてもきちっと取り組むというような趣旨のことを総理大臣も述べているんだと思いますが、国会としても追及していかなければなりません。
 帝京大学問題に関して、この政治と金の問題について、今どのような政府としての取り組み状況にあるか、伺いたいと思います。
○工藤政府参考人 今御指摘ありましたように、帝京大学の総長であります冲永荘一氏から、パーティー券の購入でございますとか、あるいは帝京大学の関連会社とされる会社からの便宜供与といいますか、政治資金供与でございますとかという事実については、私どもも新聞報道あるいは官報等で承知しているところでございます。
 ただ、御承知のように、政治資金規正法の上では、国から補助金を受けた団体、つまり学校法人も入るわけでございますが、その学校法人自身がそういう政治献金ということは禁止されているところでございまして、その意味では、学校法人からのお金の流れではないというのが一つでございます。
 それと、パーティー券の購入については、個人のお立場での御判断でございますので、その是非は、個人的にはともかくとして、法令上、制限がされていないものと考えているところでございます。
○達増委員 ちょっと人ごとのような答弁だったと思うんですけれども、文部科学省としても、こうしたことが再発しないようにいろいろな工夫はできるんだと思いますよ。
 例えば、帝京大学関連財団も含めたグループとして巨額の裏金を集めるに当たっては、大学合格発表前の寄附金という仕組みがその多額のお金を集めるのに使われていた、そこに政治家が仲介、政治家秘書が仲介とかいうことが取りざたされているわけでありますけれども、そういう合格発表前の寄附金、入学金という名目であったりとかいろいろなやり方、そしてまたそれが常識を超えて高額で、返ってこないお金である、そういったいろいろな問題があると思うんですが、そのことについて文部科学省としてどう考えていますか。
○工藤政府参考人 入試に絡む寄附金の収受につきましてでございますが、これは先生御存じのように、いわば、合格発表後、任意で、かつ教育の上で必要な妥当な額で、しかも寄附の収受が公開されて透明性のもとで行われるというのは、これは医学部であろうがどこであろうがあり得ることでございます。
 特に、私学というのは、それぞれの創設者を中心にした建学の精神に燃えて、学生も応募しながら勉強しているわけでございますから、その意気に感じての自主的な寄附というのはあり得るわけでございますが、合格発表前に入試に絡んで寄附金を収受するというのは、断じておかしいといいますか、私どもは許せない案件だと思ってございまして、かねてから強い指導通知を発しているところでございます。
 今回、たまたま一部そういう事例が見られるようでございますから、これは私ども徹底的に究明いたしまして、厳しい措置をとらせていただきたいと思ってございます。
○達増委員 時間ですので、終わります。
○河村委員長 中西績介君。
○中西委員 私は、極めて短時間でございますので、基本的な問題について、私学問題、二、三聞きたいと思っています。
 私立大学で、一九八〇年代、多くの問題が発生しました。顕在化してきたために、それから以来、過去二十年間、経常費補助金の不交付あるいは減額措置された大学が現在まで二十校と言われます。最も特徴的な内容、どういう内容であったのか、そしてその中で、文科省が今反省をしてみて、最も注意し、最もこれだけはというような問題があれば挙げていただきたいと思います。
○工藤政府参考人 現在、私学助成は私学振興助成法に基づいて行われておりますが、同法が施行されました昭和五十一年から今日までの間で、経常費補助金の不交付あるいは減額の措置を受けた大学がどれぐらいあるかといいますと、学校法人の数で三十二、大学数で四十七に上ってございます。
 いろいろな事情があってそうなってございますが、幾つか性格別に分析してみますと、例えば、補助金の申請をされるに当たって、学生数とか教職員数に虚偽の記載、あえて虚偽があったという件でございますとか、経理が不適切であった件でございますとか、あるいは内紛等により理事会等が機能しないなど、管理運営が不適切であるということがございます。
 最も懸念されるのはどれかということでございますが、いずれも懸念される案件でございます。私ども、私学はそれぞれ自主的な建学の精神に基づいて活発な教育研究活動を行っていただくことを期待するわけでございますが、その中でも、特に私学にありがちな件でいいますと、実は、理事会側と教学側といいますか、それが、例えばしにせの大学でいえば理事長イコール学長のケースが多いんでございますけれども、それが分かれていて、結局は経営サイドの御判断と教学サイドの教育研究の必要性との間のフリクションが起きる、それが内紛に発展するということなどが潜在的な懸念材料としてあるわけでございます。
 それと、今回の入試疑惑のように、どうしても私学、お金がかかる中で、私どもは不適切な寄附金の収受を禁止申し上げているわけでございますけれども、それが隠れて行われているとすれば大変ゆゆしい話であると思っているところでございます。
○中西委員 私、この二十校分を詳細に調べてみましても、それで、その当時私が手がけた大学だけで三つあるわけですね。我々は立ち入ってはならない私立大学に対して、国が法律までつくってこれを規制しなくちゃならぬというところまで森文部大臣のときに論議をしまして、二校をそういう状況に追い込みました。その結果、全面的に、理事すべてが、学内が更新されまして、今は大変みんなから信頼される学校になっています。
 ですから、そのときの印象として、民主的な運営が本当になされておったかどうかということが一番の問題だろうと思います。先ほど局長が言われた事柄についても、経理の問題にしましても、あるいは教学と経営部門との関係にしましても、一言で言うと、すべてそこに集中されておったんじゃないか、私はこのことがやはり大変重要だと思っています。
 そこで、一九八一年、私立大学医学部における入学者選抜の公正確保等について、大学局長、管理局長の通知が出されました。以降、資料によると、医学部、歯学部で不正がなく、他学部で二法人となっていると言われますけれども、これは間違いないと私は思いますが、一言だけお答えください。
○工藤政府参考人 昭和五十六年の通知以降、今日まで入試にかかわる問題で補助金が不交付になった大学は一法人二大学、それから減額になった大学、一法人一大学ございますが、それ以外、入試の案件以外で同様の措置になったものは、不交付となったのが、大学では五法人十一大学、減額となった大学は十一法人十七大学でございます。
 その理由は、先ほど申したことのような類型、いろいろでございます。
○中西委員 それで、四年制大学で、四百八十五校中、交付されておる学校が四百三十一校、したがって五十四校が交付されていない。それから、短期大学で、四百八十九校中、四百三十校が交付され、五十九校が交付されていないということになっていますけれども、この理由は何ですか。
○工藤政府参考人 私学助成金が交付される条件として、一定の教育研究条件への努力というのがございます。
 ですから、例えば、一つには、極端に申しますと、入学定員が若干オーバーしてというのは間々あるわけでございますが、それが過大にオーバーして学生を集めているのはいかがなものであるかということなども含めまして、大変、教育環境あるいは管理運営が適切でないところについては御申請いただいても交付しないというルールにしてございます。それと、もう一つの類型といたしましては、大学自身が国のお金は要らないということで御申請なさらないケースもございます。それを合わせて、今のような差になるんだと思います。
○中西委員 ですから、私の知っているところでは、定数以上に過大に入学させたり、いろいろなことをやっている。そのために不必要だと言って、どうせ申請しましても、この交付金を拒否されるわけですから。こういうところが、やはり、先ほどから言う、民主的な運営が本当になされておるかどうかという、一番大事なところがそういうところに集約されていくんじゃないかという気がしてならないわけですね。
 ですから、この点は、もう一度中身を精査した上で、これから後、私立大学問題を論議するときに参考にすべきではないか、こういう意見を私は持っています。これは、これで終わります。
 そこで、財務の公開はどのように進んでおるのか。昨年、資料をいただいたところを見ますと、八五・二%まで進んだと言われていますね。公開、なぜ残りのところがしないのか。
 そこで、公開したとしても、私立学校振興助成法の第十四条、書類作成、提出を要求されておるわけでありますが、これによってチェックされておるようでありますけれども、万全と言えるものであるかどうかということが一つ、私は問題だと思います。
 というのは、聞きますと、帝京大学の場合には公開されておるということを言われていますね。ですから、そういう中で、見抜けない問題、今まで七年間なり経過してきておるわけでありますから、特に寄附金等についてどのようになっておるのか。
 聞けば、事業団の場合は、出されたものについて、提出されたものについて直接検査をするとか、あるいは学校法人、三十名、運営調査委員を出して、これで調査をするとか、そして実施校五十校ずつというような、あるいは会計検査院だとか、いろいろなことがあるようでありますけれども、それなりにやっていますけれども、何か法規制なりあるいは調査方法ということをもう少し考える余地があるのではないかと思うんですけれども、この点についてどうでしょう。
○工藤政府参考人 私学の財務状況公開というのは、私ども大変重要な課題だと思ってございまして、ただ、法的な義務ではない中ではございますが、私どもかねてから、学校法人側の御理解をちょうだいしながら、積極的な取り組みを促してきているところでございます。
 最新のデータは、先ほど先生御指摘のように、平成十三年度でございますが、全学校法人の八五・二%が公開してございまして、年々高まっているのは事実でございます。その中で、帝京大学につきましては、残念ながら公開という扱いにはなってございません。
 私学に対する調査等の体制の整備でございますけれども、これは私どもは大変問題意識を持ってございます。
 先ほど来、文部科学省は手ぬるいんじゃないかとか、何をやっているんだというおしかりを承っているのでございますけれども、今の私立学校の法律の基本の理念といたしまして、私学の自主性、自由というのがございまして、大学として発足した後は国の調査監督権限が及ばない格好になってございます。もちろん一般的な指導監督はあるのでございますけれども、まあ国税当局等の調査権があるわけでもございませんで、その中で、最悪の場合に廃校命令という最後の手段しか残されていないというのは、私学行政上いかがなものかという問題意識が大変ございまして、できれば適切に改善を御指導したりあるいは勧告したりという手順を踏みながら、それぞれの大学の努力を促していく、そういう手段なども今後検討していく必要があるのではないかという問題意識を持ってございます。
○中西委員 言ってしまうと、やはり運営が本当に皆さんから信頼される体制の中でやられておる。私が知っておるある学校は、破産した学校、大学であったんですけれども、大変心配したんですが、ある人が、名前は言いませんけれども、そこの理事長、買い取って理事長になってから、一切この方は、私が心配したような状況でなしに、口出しをしなかった。そして、本当にそこのまじめな教学部門と経営者、理事者の皆さんを信頼してやり始めて、今では九州でも最も信頼される私立大学になっておる。こういう、やはり具体的な事例をすべて拾い上げていきますと、そうした面がやはり大きな原因になっているし、また改善点はそういうところに本来はあるんです。
 しかし、それでも網の目を盗むようにするところはあるわけですから、ここをどう抑えるかということになりますと、基本をどのようにある程度指導、文部科学省が指導するというのは非常に困難ですけれども、そうした点あたりをどのようにすればいいかという点で、実務的な面だとかいろいろなことのあり方あたりを追求したらと思っております。
 時間がなくなりまして大変恐縮ですが、帝京大学問題、一つだけ聞きたいと思うんですけれども、帝京大学問題が、今まで多発して以来の私立大学の法人のあり方が問われる問題に私はなると思います。
 なぜかといいますと、資料によりますと、昨年十一月二十六日以来、事情聴取十八回に及ぶというけれども、現在までの中で最大の問題点、何であるかということが把握されておるだろうか。今後何をすればよろしいかということが、十八回に及んでいるわけですから。そして、特に、他学校法人はこのようなことがないかどうか。
 私が問題にしたいと思いますのは、この帝京グループ、六法人二十九団体、これだけあるわけですね。ですから、大学なりあるいは学校法人のあり方というものが、基本的にこれからどうあるべきかということが追求されていかなくてはならぬのじゃないかということを、このことは示唆しているのではないだろうか。
 細かい内容については時間がありませんから触れませんけれども、そうした点が今一番問題じゃないかなと私は思うんですけれども、この点、どのようにお考えか。そして、他の学校法人ではこういうようなところはないのかどうか、この点だけお伺いしたい。
○工藤政府参考人 確かに今事件の解明の途上でございますけれども、先生の御指摘の点も踏まえまして、私ども真剣に取り組んでまいりたいと思っています。
 その中で、先ほど大臣の方からもありましたが、七月一日に学校運営調査委員会、他の私学や学識経験者からの会でございますけれども、大変有益な御示唆も賜ってございます。それも含めまして、学校法人の適切な運営のあり方について、今後とも見直しながら適切を期してまいります。
 それと、他に同じような例がないかどうかということを、私ども大変懸念してございます。昭和五十六年通知以来、割と穏やかといいましょうか、適切にやられているものだと思っていたところにこういう事件が起こったわけでございますので、帝京大学問題の実態の解明を進め、あわせて、他の学校法人のあるいは大学の適切な運営について、私ども、今後とも目配りして指導してまいりたいと思っているところでございます。
○中西委員 終わりますが、ぜひ、少子化社会に向けてこれから大学が大変な競争社会になっていきますだけに、私は、やはり今こそこうした問題について、もう一度十分な精査と、そして、直接的に権力的にこれに介入だとかあるいは指導だとか、こういうことはいけませんので、自主的にどうさせるかということが一番問題ですから、ここいらを十分お考えいただいて、また後々追跡をしてみたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げて、終わります。
○河村委員長 山内惠子君。
○山内(惠)委員 山内惠子です。
 先日、私の北海道の北の外れにある稚内市で大きな火災がありまして、そのときの市民の皆さんが避難したのもやはり学校でしたので、内閣府の調査の、校舎の五四%が耐震性に疑問という記事を見まして、このことについて私も質問したいと思っておりましたが、時間の関係上、先ほど西議員それから石井議員にも御回答がありましたので、その意味で、私の今回の質問は取り下げたいと思いまして、次の質問に入ります。
 六月七日の文部科学委員会で著作権法の改正をしたときに、私は、子どもの権利条約の意見表明権と学習指導要領の関係について質問をしたのです。このとき、大臣のお答えをお聞きしたいと思って質問したのですけれども、あのときのお答えがまだ残っておりました。きょうは、あのときの私の趣旨がなかなか伝わらなかったようでしたので、きょう改めて、少し視点を変えて、大臣に質問したいと思います。
 五月の十日に国連子ども総会に大臣は出席されて、この中で発言された内容、私も取り寄せてまいりまして、大臣の発言、先進国であれ途上国であれ、大人たちは子供たちのため最善を尽くす道義的義務と政治的責任を持っていますという発言をなさっていることに、私は賛成です。このことは、この子ども特別総会のときに宣言にもうたわれておりまして、私は、今後、このことが具体化していくのを本当に期待しているところです。
 この演説の中で、大臣は、経済力を有する先進国が果たす役割を力説されています。それにしても、もう一つ私はきょうお聞きしたいのは、国内の子供たちに対してのこの視点、子供たちにとっての最善の利益の関係から、意見表明権についてもう一度聞きたいというのが私のきょうの質問です。
 実は、国連子どもの権利委員会の第一回の審査の勧告を受けて、昨年十一月、日本政府が報告をまとめられたというのも私は見せていただきました。この中に、児童が意思決定過程に参加する権利を有する機関及び機会についての情報と題して学習指導要領について記述があります。ここの部分で、「学習指導要領では、小・中・高等学校段階において、」長い文ですので省略して申し上げますと、「児童会活動・生徒会活動を実施することを定めており、各学校において児童生徒が意思決定に参加している。」というふうに政府が報告をしていることを私は大変意味があると考えておりまして、これも評価をしているところです。
 その意味で、前回の私の質問と絡めて、大臣にお聞きしたいのです。
 それぞれの学校での入学式、卒業式についても、意思決定の場に子供たちが参加する権利ということを重要だと解釈することが可能だというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○遠山国務大臣 子どもの権利条約の中で、子供のいろいろな意見も大事にしていこうという精神であることは確かでございます。
 ただ、学校において卒業式をどうやっていくかということは、学校自身の運営のあり方についての意思決定によるものでございまして、今先生がおっしゃった参加の意味によりますけれども、私といたしましては、学校が、学習指導上の一つのあり方として、卒業式においてどういう式次第で何をやっていくかということについては、まさに校長が決めることであると考えます。
○山内(惠)委員 校長が決めると今おっしゃったのですけれども、政府が今回出されている政府報告の二回目の報告の中に、このような文章があります。同じく先ほどの項目の、学習指導要領の一つ前の段落のところにある文章なんですけれども、「児童も国民の一部として、こうした意見表明の機会に積極的に参加することが期待されている。」これは我が国の政府報告の文章です。
 その意味で、入学式も卒業式も校長が決めると大臣はおっしゃったのですけれども、子供たちにとっての、人生に本当に一回しかない入学式と卒業式という大変重要な場に、児童も国民の一部として自分の意見を表明する場として保障されてしかるべきと思いますが、そのことに関していかがでしょうか。
○遠山国務大臣 児童の権利条約の十二条におきまして、児童一般ではなくて、例えば懲戒処分といった児童個人に関する事柄について意見を表明する権利を規定したものであります。したがいまして、国旗・国歌の指導を含みます教育課程の編成といいますものは児童一般にかかわる事柄でありまして、その児童個人に関する事項とは言えません。
 したがいまして、児童の権利条約の規定に定める意見表明権の対象とはならないというふうに考えられているところでございまして、このことは、政府の解釈でございます。
○山内(惠)委員 実は、今回のこの政府報告を書かれるに当たって、きっと一九九八年五月の第一回目の報告に関して、国連子どもの権利委員会の指摘というのが背景にあってこのような報告がなされたんじゃないかと思って私は読みました。
 その中での懸念という項目で、我が国の子供たちの状況についてこのように書かれています。子供の最善の利益及び子供の意見の尊重の一般原則ということについて、子供にかかわる立法政策、プログラムに全面的に統合されていないことを懸念する、特に、委員会は、社会のあらゆる分野、特に学校制度において、子供たち一般が参加する権利、参加権を行使する上で困難に直面している、このことを懸念して、そして勧告としてここのところを改善するようにということを言われての今回の報告だったのではないかと私は押さえています。
 その意味で、やはり大臣にもう一度ここのところは考え直していただきたいなというふうに思います。子供の人生の本当に記念すべき一ページ、入学式、卒業式に子供たちがどういう場を希望しているのかという声を受けとめてもらいたいものというふうに思っています。
 その意味で、実はけさの毎日新聞に、少し話題が違いますけれども、こんな投書がありました。
 六月二十日の毎日新聞で「丸刈り拒否の卓球部主将 試合に出場できず 熊本の中学 辞退を強要」というのがあります。これに対して校長は、「丸刈りにしなければならない合理的理由はないかもしれないが、ルールなら守るのは当然」というふうにおっしゃっているんです。実は、このことを取り上げられた読者の声のところなんですけれども、八〇年代というふうに思うけれども、この毎日新聞の「論説ノート」に林勝一記者が書いた言葉を取り上げています。当時の公立中学校の丸刈り強要についてなんですが、「人間には誰にも「他人とは異なる」権利がある。丸刈りでない「異なる者」を排斥することに慣れた子供は、大勢に順応し少数意見を抑圧する人間になる恐れはないだろうか」ということをこの方は書いています。
 私は、このことを本当に、八〇年代に書かれているんですが、つい最近、ワールドカップの日本選手を育てたと言えるトルシエ監督の言葉が心に残っています。日本の若者を見て、トルシエ監督はこう言っているんですね。社会に順応するよう育てられ、自分の責任で判断できない子供たちというふうにトルシエ監督は見た。それで、トルシエ監督は、海外で異なる文化に触れさせ、人間的に成長することを求め、自分の意見を言える強さを育てたと言っています。
 私は、子供たちには本当にさまざまな可能性がありますので、どういう教育をするかによって子供たちの可能性は開花するものと思います。その意味で、子供たちの意見表明権をしっかりと保障していくことによって、子供が自分の責任で自分の意見を言えるようになると私は思います。その意味で、政府報告にある、児童も国民の一部であるとして、意見を表明する機会を積極的に与えるという意味で、入学式や卒業式への意見表明も認めていく方向で検討していただきたいというふうに思います。
 次の質問に移ります。
 フリースクールへの公的支援の問題についてお聞きしたいと思います。
 小中学生だけで毎年十三万人の子供たちが不登校になっています。このことを考えると、この子供たちはいずれ高校生の年齢、大学生の年齢、そして社会の一員としての年齢になっていくし、また、現状ではこの不登校の子供たちが低年齢化もしているという状況を踏まえて、文部科学省としてはこのフリースクールをどう評価され、どのような支援をしているのか、短くお聞かせいただきたいと思います。
○近藤政府参考人 お答えをいたします。
 フリースクールにつきましては、必ずしもその定義が明確ではないのでありますが、一般的には、不登校児童生徒に対しまして教育相談、体験活動等の活動を多様に行っている民間の施設、こういうふうに承知をいたしておりますが、そういった機関は実にさまざまなものがございまして、それぞれ学校とは異なる役割を担っているものと受けとめているわけでございます。
 したがいまして、このような民間の自由な教育活動でありますフリースクールに対しまして、文部科学省がこれを直接支援するということは難しい、こういうふうに考えているわけでありますが、ただ一方、今委員御指摘のように、不登校ということがどの児童生徒にも起こり得るものである、こういう視点に立ちまして、我が国の義務教育制度を前提とし、不登校児童生徒の学校復帰を支援するために、公立の適応指導教室とともに、一部のフリースクールでありますけれども、民間教育施設を対象にいたしまして、効果的な指導方法についての調査研究を都道府県に今委託し実施している、こういった状況でございます。
○山内(惠)委員 ありがとうございました。
 本当に、不登校というのが何がきっかけで、どのような状況で起こるかということでいえば、どの子にも起こるという状況を文科省が認めているということについて、ぜひ今後も支援をしていただきたいと思います。
 フリースクールに通う小中学生が、実は一九九三年、これは当時の文部省と運輸省の話し合いの結果、通学定期券が欲しいという声にこたえて、実習用通学定期券制度の適用範囲の拡大ということをなさったと聞いています。これは本当に子供たちにとっても家庭にとってもよかったと思います。
 ところが、この子供たちが高校に通う年齢、十五歳を超えたときにこの支援がないということで、現在どのようになっているか、どう把握されているか本当はお聞かせいただきたかったんですが、時間の関係上、私の知っている状況を申し上げますと、Aさんは通学定期券、中学部のときには六カ月で五万円の定期券だったものが、高校年齢になって通勤定期券しか対応してもらえないということで、六カ月で十八万四千円もかかっているそうです。Bさんは一カ月一万六千三百二十円。Cさんは一カ月だと一万八千円、まとめて買えば四万八百六十円。これは親にしてみたら、一月分、少しでも安くとは思うでしょうけれども、三カ月まとめて買うというのも大変な負担だと思います。
 その意味で、きょう即答というのは難しいと思いますが、この高等部の子供たちがフリースクールに通学するに当たって、通学定期券を発行できないものか検討していただきたいという声が一つあります。
 あわせて、この子供たちが、はっきり言って遊ぶ場も保障されていなかったり、校舎もいろいろ狭かったりというので、少子化によって廃校になっている校舎や、使われていない建物や公共施設やグラウンドなどを使わせてほしいという声もあります。この通学定期券にかかわることと、公的施設を使うということについて検討していただけないかということについて、短くお答えいただきたいと思います。
○近藤政府参考人 通学定期の事柄について、私の方からお答えをさせていただきます。
 御案内のとおり、中学校卒業後の子供たちにつきまして、現在、例えばJR東日本で申し上げますならば、通学定期の対象となっておりますのは、高等学校、大学等の学校教育法第一条に定める学校と専修学校、各種学校であり、これら以外につきましては対象外であると承知をいたしております。
 先ほど、小中学生相当の児童生徒についてのお話がございました。これは、義務教育段階にある児童生徒につきまして、義務教育制度を前提としながら、一定の要件のもとにそういったフリースクール等学校外の施設において指導を受けている場合についての対応でございますが、いわゆる高校生相当の年齢の子供についての問題でございますが、やはり義務教育段階と高等学校段階では生徒として違いがあるのではなかろうか。
 また、そもそもフリースクールを学校教育の一環として位置づけるということにつきましては、やはりまだいろいろな課題、問題があるわけでありますし、さらに申し上げますならば、通学定期の発行につきましてはそれぞれの鉄道会社の自主的な判断にゆだねられている、こういったことからして現在適用がなされていないわけでございまして、なかなかハードルが高い課題があるのかな、こういった認識を持っております。
 いずれにいたしましても、また省内で少し研究はしてみたいと思います。
○矢野政府参考人 施設の利用についてのお尋ねでございますが、廃校となりました校舎や使用していない学校施設をどのような用途に使用するかは、財産権を有します市町村等各自治体の主体的な判断にゆだねられているところでございます。
 文部科学省といたしましては、各自治体におきまして、地域の実情やニーズに応じて適切に使用されることが重要であると考えておりまして、お尋ねの件につきましても、これは市町村教育委員会の判断で対応されるべきものというふうに考えているところでございます。
○山内(惠)委員 不登校の子供たちが本当に気持ちよく学校に帰ってこれるような教育内容ということでは、私たちのこれからの努力も必要と思いますけれども、当面、本当に引きこもりになってしまいそうな子供たちがフリースクールへ行っているという状況を考えたときに、公的な支援が本当に必要だと思いますので、対策の見直しということも含めて先ほど法律関係をおっしゃられましたけれども、より子供たちの家庭に負担のないように、本当に不登校というだけで、家庭の親たち、保護者にとっては精神的にも厳しい日々を送っているだけに、支援の方の御検討をお願いしたいと思います。
 時間が本当に少なくなりましたので、もう一つの問題を質問したいと思いましたが、たくさん質問したいことがありますけれども、短く質問いたします。
 岩手県の黒沢尻北高等学校で物理の2の授業時間で実験の最中に起こった事故、皆さん御存じかと思いますが、昨年十一月、一メガ電子ボルト未満の放射線発生装置によって二十六人が被曝するという事故が起こった。
 このことにつきまして、十一月の事故に対して新聞に出たのが四月でした。その新聞の記事の後、社民党の北川れん子議員が内閣委員会で質問していますが、その間、基本的に文部科学省としての対策はなかったように伺っています。しかし、その日の回答では、このことが二度と起こらないように、実験における安全確保、適切な学習指導、そして実験機器の保管管理が大変重要だと認識しているので、あらゆる機会を通じて、その徹底をこれから図ってまいりたいと玉井政府参考人がお答えになっていらっしゃるんですが、それが四月で今が七月に入りました。この間、どのような対応をなさったのか、ぜひお聞かせください。
○矢野政府参考人 御指摘のような、今回の事故のように生徒の指にエックス線を照射するような実験は、通常の実験方法から全く想定されていないものであって、あってはならないことでございまして、極めて遺憾なことであると考えております。
 文部科学省といたしましては、今後、このようなことが起こらないように、各学校におきまして、実験等における安全確保と、また適切な学習指導の実施、さらには実験機器等の適切な保管管理などにつきまして、改めて周知徹底を図りますために、先般の五月の十三日付で各都道府県教育委員会等に対しまして通知文書を発出し、その指導の徹底を図ったところでございます。
 文部科学省といたしましては、今後とも、各都道府県教育委員会等の担当者が出席する会議などを通じまして、実験等における安全確保等の徹底を図ることといたしているところでございます。
○山内(惠)委員 五月十三日付で通知を出されたということですので、後ほどその通知を見せていただきたいと思います。
 それにしても、この二十六人のうちの一人だけは、三十秒も被曝をしてしまった結果、これは私は単位が難しくてよく理解ができませんけれども、六グレイという被曝だそうですが、ほかの子供は一から三グレイだったそうです。六グレイというのはどれぐらいのことかというと、がんの治療や整形外科の診療に使う線量で、被曝により骨密度が下がることがあるとこの診療した先生がおっしゃっているそうです。その意味で、継続して診療が必要だと言っています。
 これは指三本であったということで、局所被曝だから、小中政府参考人は余り影響がないなどとおっしゃったそうですけれども、これはちょっと私は問題発言だと思っています。もしこれが全身に被曝されたときは、死亡もあり得るという量だそうです。〇・二から二・三グレイであれば、エックス線透視の診断のとき、エックス線技師が素手で操作して被曝してしまうことがあるというわけですから、この二十五人の一から三グレイだったという子にとっても、大変心配な計数だったというふうに思います。
 その意味で、この被曝した子は、病院に通い診断もしてもらっている、医療費はどうなったのか、補償はどうだったのか。それから、今回の機種は、大変古いもので安全装置もなかった、そのことに対して対応はどうだったのか。私は、今出された通知を見た上で、改めてまた質問したいと思っています。本当に、これがこの学校だけではなく、全国でもこの機種は使っていると想定されますので、ぜひその点もそちらで全力を挙げて対応なさっていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
○河村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時三十七分散会