第154回国会 厚生労働委員会 第6号
平成十四年四月五日(金曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 森  英介君
   理事 鴨下 一郎君 理事 鈴木 俊一君
   理事 長勢 甚遠君 理事 野田 聖子君
   理事 釘宮  磐君 理事 山井 和則君
   理事 福島  豊君 理事 佐藤 公治君
      岡下 信子君    上川 陽子君
      北村 誠吾君    後藤田正純君
      佐藤  勉君    自見庄三郎君
      田村 憲久君    竹下  亘君
      竹本 直一君    棚橋 泰文君
      西川 京子君    林 省之介君
      福井  照君    松島みどり君
      三ッ林隆志君    宮澤 洋一君
      谷津 義男君    吉野 正芳君
      五十嵐文彦君    石毛えい子君
      大島  敦君    鍵田 節哉君
      金田 誠一君    五島 正規君
      今野  東君    土肥 隆一君
      三井 辨雄君    水島 広子君
      江田 康幸君    桝屋 敬悟君
      樋高  剛君    小沢 和秋君
      木島日出夫君    阿部 知子君
      金子 哲夫君    中川 智子君
      野田  毅君    川田 悦子君
    …………………………………
   議員           山本 幸三君
   議員           金田 誠一君
   議員           青山 二三君
   議員           武山百合子君
   議員           児玉 健次君
   議員           中川 智子君
   厚生労働大臣       坂口  力君
   厚生労働副大臣      宮路 和明君
   厚生労働副大臣      狩野  安君
   厚生労働大臣政務官    田村 憲久君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   江崎 芳雄君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議
   官)           清水  潔君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長
   )            日比  徹君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局長
   )            澤田陽太郎君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局
   障害保健福祉部長)    高原 亮治君
   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月五日
 辞任         補欠選任
  宮澤 洋一君     福井  照君
  家西  悟君     五十嵐文彦君
  加藤 公一君     今野  東君
  中川 智子君     金子 哲夫君
同日
 辞任         補欠選任
  福井  照君     宮澤 洋一君
  五十嵐文彦君     石毛えい子君
  今野  東君     加藤 公一君
  金子 哲夫君     中川 智子君
同日
 辞任         補欠選任
  石毛えい子君     家西  悟君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇号)
 身体障害者補助犬法案(山本幸三君外六名提出、第百五十三回国会衆法第二八号)
 身体障害者補助犬の育成及びこれを使用する身体障害者の施設等の利用の円滑化のための障害者基本法等の一部を改正する法律案(山本幸三君外六名提出、第百五十三回国会衆法第二九号)

     ――――◇―――――
○森委員長 これより会議を開きます。
 第百五十三回国会、山本幸三君外六名提出、身体障害者補助犬法案及び身体障害者補助犬の育成及びこれを使用する身体障害者の施設等の利用の円滑化のための障害者基本法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長高原亮治君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○森委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤勉君。
○佐藤(勉)委員 おはようございます。自由民主党の佐藤勉でございます。
 副大臣、また先生方、御苦労さまでございます。よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 私は、昨年の秋だったと思いますが、介助犬のデモンストレーションというのを、当時私は厚生労働省で政務官をさせていただいておりましたので、立場上出席をさせていただいて、デモンストレーションを見させていただきました。非常に感激しましたし、身体に障害のある方、介助犬のあり方というのを本当に目の当たりにしまして、必要性を非常に感じたことを記憶しておりまして、今回の提案に当たっては、先生方に心から敬意を表したいと思っております。
 そこで、御質問させていただきたいと思います。
 盲導犬を使用する視覚障害者でありますが、全国で約九百人おるというふうな結果が出ておりますし、五十年近い歴史に支えられて現在に至っているというのは御承知のとおりだと思います。そして、平成十三年度から盲導犬の訓練事業について社会福祉事業として位置づけされているところであります。一方、十年ほど前から介助犬や聴導犬の育成も始められているのも現状であります。それらの育成については、社会福祉事業として位置づけがなされていないというのが現状だというふうに認識をさせていただいております。
 そんなことから、そのような犬を同伴した公共施設等の利用を保障する法令は全くない。これを促進するための通達が出されている盲導犬でさえ、日本の社会の現状としては、ホテルや飲食店においてしばしば同伴を断られたり、そのような裏づけのない介助犬や聴導犬に至っては、もちろん、ホテル、飲食店への同伴を受け入れ側の好意に頼らざるを得ないという現状があるんだと思います。まして、交通機関においても、会社ごとに乗車試験を受けなければならないなど、障害者の方々が、こうして犬を同伴して交通機関や施設を利用するために、大変な苦労をしているというのが現況ではないかと思います。
 そこで御質問でございますが、本法案の趣旨はいかがなものか、お答えをいただきたいというふうに思います。
○青山(二)議員 おはようございます。ただいまの佐藤勉委員の御質問に、私の方から御答弁をさせていただきたいと思います。
 本法案の趣旨はいかがかということでございますが、身体障害者補助犬は、身体障害者の自立と社会参加に多大な貢献をいたしておりまして、その普及や利用の後押しを図ることが本法案の趣旨であるわけでございますが、本法案では、柱として位置づけました政策は、まず一点目は、良質な身体障害者補助犬の育成とその普及を図ること、二点目といたしましては、身体障害者補助犬を同伴した身体障害者の公共施設の利用の円滑化を図ること、この二点でございます。
○佐藤(勉)委員 よくわかりましたので、この法案についてよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 盲導犬、聴導犬、介助犬という別々の障害を持つ方が使う犬の訓練や認定については、それぞれの障害の特徴に合わせた基準や要件が必要になると思われます。それぞれに必要な基準の設置や要件を整備するという理解でよろしいのか。
 特に介助犬について、肢体不自由者という障害の特徴として、介助犬の必要性などの判定や、障害の専門家との連携による適合判断などが必要になろうかと思います。そのあたりのことも視野に入れての制度がとられているというふうにお考えなのでしょうかどうか、お伺いをしたいと思います。
○山本(幸)議員 佐藤委員の深い御理解に、大変ありがたく存ずる次第でございます。
 御説のとおりでございまして、本法案は三種類の犬を補助犬と総称しておりますけれども、本当に身体障害者の役に立つ補助犬の普及ということを目的としておりますので、そのためには、育成及び認定につきましては、各補助犬の種類に応じましてそれぞれの制度づくりが必要だと考えております。
 介助犬につきましては、障害の個別性あるいは肢体不自由者の身体的状況等の配慮の点から、特に障害の専門家と連携を深めることが大変重要だと考えております。その中で、御指摘の介助犬の必要性の判定やら適合判定についての制度づくりが非常に重要だと考えております。
○佐藤(勉)委員 よろしくお願いいたします。
 この法案を成立するに当たりましては、当然、予算非関連法案ということになります。今後、補助犬の普及のために公的な助成制度が必要と考えますが、この辺のところはどうお考えをいただいているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○宮路副大臣 ただいまの御質問についてでありますが、盲導犬につきましては、委員も御案内だと思いますが、これまでも、都道府県やあるいは政令指定都市が育成団体に対して補助を行う場合に、それに対する補助を国の方で実施してまいっておるところであります。その結果、盲導犬の数も増加を見ております。
 そこで、介助犬、聴導犬につきましては、今回の法案が成立すれば、きちっとした法律的な位置づけもなされるわけでありますので、盲導犬と同様に、厚生労働省としても、その育成のための支援を積極的にやってまいりたいというふうに思っております。
 なお、税制面におきましても、盲導犬につきましては、現在、育成団体に対する寄附を指定寄附として取り扱っていただいて、そして、寄附ができるだけ促進されるようにというようなことを措置しているわけでありますが、介助犬それから聴導犬についても同様にこれを指定寄附の対象とするように、税制当局に、これも来年度税制改正という中で働きかけてまいりたい、かように思っているところであります。
○佐藤(勉)委員 デモンストレーションのときに、かかるお金の話も伺いまして、こんなにかかるのかと。寝食を忘れていろいろな形で犬とともに生活をし、そして育て上げるという現況を見たときに、どうしても補助というのは必要なんだということをつくづく感じさせていただきましたので、ぜひともその予算についても、十分とは言えないかもしれませんけれども、十分な援助をいただけるように、私からもよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 もう一問で江田議員にバトンタッチをさせていただきますが、零細な事業者が育成している介助犬や聴導犬については、その事業者は社会福祉法人や民間法人となるための財産要件を満たすことが非常に困難であるという懸念がございます。零細な団体が既存の法人と合併することや、既存の法人が団体からの協力を得て新しく事業を展開するといった方向もあろうかと考えますが、いかがなものか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○山本(幸)議員 御指摘の点はそのとおりでございまして、財産要件については非常に頭の痛い問題もございます。しかし、この点については、今厚生労働省においてできるだけ多くの法人が可能になるように検討していると聞いております。
 そういうことでカバーすることもございますし、しかも、各障害にかかわる専門的機能を既に持っております既存の法人もございますので、こうした既存の法人等がかかわることで地域格差のない福祉政策としての普及制度が確立できると思っておりますので、新たに設立される法人だけじゃなくて、既存の法人による申請も当然あり得ると認識しているところでございます。
 特に、障害の程度や種類が多様で、障害についての専門職がしっかり連携をしなければ危険性のある肢体不自由者につきましては、リハビリテーションセンターなど、適合訓練や判定及び認定にかかわっていくことも大変重要だと考えておるところでございます。
○佐藤(勉)委員 私の質問はこれで終わらせていただきたいと思いますが、なるべく早い成立を私からも心からお願いを申し上げたいと思います。
○森委員長 次に、江田康幸君。
○江田委員 おはようございます。公明党の江田康幸でございます。佐藤先生に続きまして、質問をさせていただきます。
 介助犬は、障害者の皆さんの求めに応じて落とし物を拾ったり、遠くにあるものを持ってきたり、ドアを開閉したり、荷物を運んだり、また靴下などの衣類の着脱を手伝ったりなどなど、障害者の皆さんの自立には欠かせない重要な存在となっております。しかし、今の日本では、介助犬は社会における市民権を得ておりません。盲導犬のように法的な位置づけがないからでございます。このため、ペットと同一視されて飲食店や乗り物で同伴を拒否されたり、さらには育成の公的な補助もございません。
 このような問題を解決して障害者の自立と社会参加を可能にするために、本法案が議員立法として審議されるに至りました。介助犬を推進する議員の会や提案者の皆様に心から敬意を表する次第でございます。
 公明党は、本法案の実現に早くから取り組んでまいりました。大野由利子前衆議院議員が、野党時代から厚生省に質問主意書を出して推進を促し、総括政務次官の在任時には、それまで法的認知に前向きでなかった厚生省の方針を大きく転換させて、介助犬の役割や有効性、社会的受け入れの方策などについて検討する、介助犬に関する検討会を発足させてこられました。したがって、介助犬を推進する議員の会の皆さんとともに、この法案が審議されるに至ったことは感慨もひとしおでございます。
 その後を受けて法案成立に頑張ってこられました提案者のお一人である青山議員に、私の方からは一つだけ質問をさせていただきます。
 本法案では、補助犬を同伴する障害者が利用する施設等に対しまして、受け入れ義務と努力義務が課せられておりますが、これはどのような考え方で振り分けられているのか、お聞きさせていただきます。
○青山(二)議員 御答弁申し上げます。
 本法案は、先ほども御答弁申し上げましたとおり、身体障害者補助犬を使用する身体障害者の施設等の利用を円滑にすることによりまして、身体障害者の自立及び社会参加の促進に寄与することを目的といたしております。このような目的を達成いたすためには、身体障害者が日常生活におきまして頻繁に利用する施設等につきましては、特にその利用が円滑化される必要があるわけでございます。また一方では、施設等の管理者にとりまして、身体障害者補助犬の受け入れ義務を課されることは一種の負担でもございます。
 そうした観点から、本法案では、国、地方公共団体、独立行政法人、特殊法人その他の政令で定める公共法人を「国等」ということにいたしまして、その身体障害者に係る公共的な責任の重さから、国等は、その管理する施設等を身体障害者が利用する場合、またその管理する事業所等に身体障害者が勤務する場合、またその管理する住宅に身体障害者が居住する場合について、身体障害者補助犬の受け入れ義務を課したものでございます。
 これに対しまして、国等以外につきましては、必ずしも身体障害者に係る公共的な責任が重いとは言えないというところから、原則として努力義務を課すことにいたしました。しかし、公共交通機関及び不特定多数の者が利用する施設につきましては、身体障害者がその日常生活において利用する必要性が高いことから、その管理者は身体障害者補助犬の受け入れ義務を負うこととしたものでございます。
 以上でございます。
○江田委員 どうもありがとうございました。
 どうぞ速やかな法案成立をよろしくお願い申し上げます。
○森委員長 次に、五十嵐文彦君。
○五十嵐委員 民主党の五十嵐文彦でございます。
 私は、二十五年前にアメリカの西海岸に行きまして、そのときに大変驚き、感心をしたことがございます。夕方になってどんなにレストランが込んでいても、障害のある方や、あるいは小さいお子さんを連れていらっしゃる方は、並ばずに、アメリカ人は並ぶのは平気なんですけれども、並ばずにどんどんレストランが入れてくれる。そしてまた、今から考えるとサポート犬なわけですけれども、犬が一緒に同伴して入っていっても、だれも驚かないということでございました。
 私は、やはりアメリカという国は人が人間らしく生きるということにとても配慮をする国だなということに驚き、感心をしたわけでありますけれども、その中には、やはり犬と暮らす、あるいは動物と暮らすということが、人間にとっても人間らしく生きる一つの要素でもあるんだなと、人によって違いますけれども、そのことをしっかりと認識している国だということを感じさせられたわけであります。
 また、最近になっても、実はテレビで、重い病気や障害を持たれているお子さんとその親をフロリダのディズニーワールドに何泊も迎え入れる、そういうNPOがあって、そして、お子さんたちを楽しませるだけではなくて、その親御さんたちも介護から解放して、そういうひとときを差し上げるという会があるというのを見させていただきまして、非常に重要なことだなと思いました。
 また、病院等でも、私、地元で進めているんですが、特に老人介護施設等で、アニマルセラピーというものにもこれから先、目を向けていくべきだろうと思いまして、そして、この介助犬法案をつくろうという動きがあったときに積極的に参加をさせていただきました。特に、中川智子議員に事務局として一生懸命御活躍をいただきまして大変感謝をしておりますし、その他役員の皆さんにも心から敬意を表する次第でございます。
 そこで、中身に入りますが、幾つか確かめておきたい点を御質問させていただきたいと思います。
 金田議員に、提案者に御質問を申し上げますけれども、身体障害者補助犬の指定法人に、訓練を目的とする法人と研究を目的とする法人を指定法人とするという定めになっておりますが、そのようにした理由をお伺いいたしたいと思います。
○金田(誠)議員 金田誠一でございます。
 五十嵐議員には、介助犬議連の中でも大変御熱心に法案策定に御参加をいただきまして、かねて敬意を表していたところでございますが、その背景にはただいま御発言のような体験があったということで、感慨深く承った次第でございます。御指摘のとおりだと思いまして、これからは障害者の社会参画、あわせて犬とともに生きることのできる社会、こういうことが我が国としても目指すべき方向である、このように考えるところでございます。
 そこで、御指摘の点でございますが、身体障害者補助犬の訓練を目的とする法人と研究を目的とする法人、この双方を指定法人となり得るということで規定をした理由についてでございます。
 まず、訓練を目的とする法人を挙げましたのは、現行の盲導犬の制度に倣ったものでございます。また、研究を目的とする法人を挙げましたのは、そのような法人でございましても、身体障害者補助犬に必要な能力の認定を行うことは十分に可能である、こういう考え方でございます。
 アメリカなどにおきましても、研究法人デルタ協会などというところがございまして、大変な活躍をしている、こう伺っているところでございます。指定法人となり得る法人を幅広く規定することが適当である、こういう考えに基づくものでございます。
○五十嵐委員 よくわかりました。
 日本でも、介助犬アカデミーの皆さんにこの法案づくりの上でも大変お世話になったと思いますが、ぜひこれからもさまざまな法人が切磋琢磨して、よい、質のいい介助犬を世に送り出していただきますようにお願いを申し上げたいところでございます。
 ただ、指定法人というと、私ども野党の側から見ると、少しイメージの悪い部分があるんですね。それはどういうことかというと、最近、小泉内閣の中で、いろいろな資格を与える、そうした法人を指定法人に民間化しようという話があるんですが、とかくこれが天下り先の拡散というふうに受け取られがちなんであります。
 そこで、この介助犬にかかわる指定法人がいわゆる天下り先にならないようにという思いがあるわけですが、厚生労働省の方針といいますか、心構えを伺いたいと思います。
○高原政府参考人 法人、これは、極めて、公に認定する業務を行うこととされておりまして、国民の信頼を確保する上で非常に重要なものであると考えております。法人の役員につきましては、御指摘のとおり、国民の信頼を損なわないように適切な対応をしてまいる所存でございます。
○五十嵐委員 ぜひ、零細なところが多いですから、ほかと違って天下りするメリットもないのかと思いますが、ぜひそういう心構えでやっていただきたいと思います。
 そこで、その零細だというところなんですが、介助犬や聴導犬の訓練事業者は本当に零細な事業者がほとんどであります。そこで、社会福祉法あるいは民法上の財産要件、法人となるための財産要件を満たすことが困難であるということが予想されます。
 そこで、こうした法律の壁が立ちはだかって容易に指定法人となれないのではないかという心配があるので、弾力的に考えていただきたいという面があるんですが、この点について厚労省はどのようにお考えでしょうか。
○高原政府参考人 今回の法案では、介助犬及び聴導犬を育成する訓練事業者については、社会福祉法人や公益法人に限られておらず、個人が行うことも可能となっております。一方、御指摘の、訓練された介助犬及び聴導犬が他人に迷惑を及ぼさないことなど適切に行動をとる能力を有することを公に認定する業務については、適正な認定を確保するため、公益法人または社会福祉法人でなければできないこととされております。
 このうち、社会福祉法人についての御質問でございますが、社会福祉事業という公益性の高い事業を安定的、継続的に経営していくことが求められておりまして、このために一定の資産を備えなければならないこととされております。身体障害者補助犬の能力の認定業務の社会的必要性にかんがみ、訓練事業者の実態をも踏まえ、社会福祉法人としての事業の安定性、継続性を確保しつつ、どのような資産要件の緩和を行うことができるのか、引き続き検討させていただきたいと考えております。
○五十嵐委員 ちょっと今のあれではよくわからないんですが、私どもも頭の痛いところですよね。要するに、認定を甘くすると、ひょっとしたら金もうけが本来の目的であるような人たちが入ってきてしまうかもしれない、しかし、かといって厳しくすると、本当に指定法人が少なくなっちゃって、十分な訓練を受けた犬の世の中への送り出しができなくなってしまう、そういうせめぎ合いの中にあるわけなんです。
 社会福祉法人はたしか一億円が必要だと思いますが、一億円集めるというのは、努力をされていると思います、一生懸命世の中に貢献したいと思っている事業者は社会福祉法人の資格を取って一生懸命いい犬を出したいと思っているでしょう、今努力されていると聞いていますが、それでも一億円のハードルは大変高いわけで、ある程度緩和ということが必要だと思うんですが、その緩和ということについて、もう少し踏み込んだ答弁がいただけないかということで、もう一度お願いします。
○高原政府参考人 私どもも先生の御指摘と同様でございまして、さまざまな社会福祉事業によりまして、必要とされる安定性の度合いというふうなものは異なってくるのではないかと思っております。
 それで、既存の事業につきましては一億円ということになっておりますが、この新しい事業でございますので、できるだけフィージビリティーの高いように、緩和の方向で引き続き検討させていただきたい、こういうことでございます。
○五十嵐委員 ぜひ早急にこの要件の緩和について御検討いただいて、多くの善良な事業者がきちんと資格が得られるように御配慮をいただきたいと思います。
 ところで、今現在、補助犬を訓練している団体で、社会福祉法人あるいはまた民法法人、財団法人等ですね、であるところはどのくらいあるんでしょうか。また、将来は社会福祉法人または民法法人になれそうなところは一体どれぐらいあるんでしょうか。数字的な話で恐縮なんですが、もしわかれば、金田提案者の方からお伺いをしたいと思います。
○金田(誠)議員 お答えを申し上げます。
 現在、盲導犬訓練団体については九法人、中身は、社会福祉法人が一法人、民法法人が八法人でございますが、合計九法人、存在をいたします。
 介助犬の訓練団体及び聴導犬の訓練団体につきましては、現在のところ、法人格を有する団体は存在はしておりません。なお、介助犬、聴導犬、それぞれにつきまして、社会福祉法人または民法法人となるべく努力している団体が現在幾つかあるということで伺っているところでございます。
○五十嵐委員 ありがとうございます。ぜひ、先ほども申しましたけれども、法人格をきちんと取ってお仕事をするところがふえるように望む次第でございます。
 次に、第十六条の関係で質問をしたいと思います。
 そもそも論に入ってまいりますけれども、補助犬に必要な能力の認定というのは、一体どのようなことをすれば認定をされるのでしょうか。
○金田(誠)議員 介助犬あるいは補助犬に必要な能力の認定とはどのようなことをするのかという御質問でございますが、この法律第十六条によりますと、身体障害者補助犬が、施設利用に際して、ほえない、かみつかない、排せつをしないなど、他人に迷惑を及ぼさないように適切な行動をとるための能力を実際に市中において実践形式で試験をし、その結果に基づいて認定をするということが想定されているわけでございます。
 この法案のスキームの中で、とりわけ、不特定多数の方の利用される施設等におきまして適切にその補助犬が行動できるかどうか、そこに着目をした認定ということでございます。
○五十嵐委員 今御答弁をされましたその後半の部分がちょっと問題なんですけれども、いわゆる身体障害者補助犬として必要な能力の認定という表現にせずに、今金田さんがおっしゃられたように、「不特定かつ多数の者が利用する施設等を利用する場合において他人に迷惑を及ぼさないことその他適切な行動をとる能力」という、これを認定することにしたというわけなんですが、その理由をもう少し詳しくお伺いをしたいと思います。
○金田(誠)議員 その点でございますけれども、身体障害者補助犬を使用する身体障害者に対し公共的施設等の利用を保障するためには、その前提として、身体障害者補助犬が当該施設などやこれを利用する不特定多数の者に迷惑をかけないように行動する、このことが必須の要件でございまして、本条はそのような能力について認定をしようとするものでございます。
 具体的には、施設利用に際して、先ほども申し上げましたが、ほえない、かみつかない、排せつをしないなど、他人に迷惑を及ぼさないよう適切な行動をとるための最低限の能力を認定の対象とするということでございます。
○五十嵐委員 先ほどもアメリカの例を引きましたけれども、アメリカのように、サポート犬と暮らす、もう町全体の人がそういう環境の中になれている場合は何も問題がないのですが、とかく日本のようなまだそういった環境がないところでは、犬というと、珍しい、あるいはハーネスをつけたりするとおとなしい犬だから絶対大丈夫だということで、子供がいたずらをしてしまったり、むしろ思わぬことが起きがちであります。そのときに、犬の方も、予想もしないことが起きるとどんな反応が起きてしまうかわからない。そういうことで、お互いにまだ心配というか、疑心暗鬼というのが起き得る状況なんだと思いますね。
 そこで、いろいろなまれなケースとか、考え得る、驚いてほえてしまうとか、ほえてまた子供がびっくりして走り出してしまうというようなこともあり得るかと思うのですが、指定法人は、補助犬の補助を行う能力の不足を理由に認定しないということはできないのでしょうか。この表現が少しわかりづらくなっているようなんですが、そこのところをお教えいただきたいと思います。
○金田(誠)議員 先ほど来、他人に迷惑を及ぼさない適切な行動をとる能力、ここに着目をして認定をするということで申し上げているわけでございますけれども、それでは、補助犬の補助を行う能力の不足を理由に認定しないことはできるのかできないのか、こういう御質問でございます。
 第十六条第一項は、補助犬の補助を行う能力の有無を認定の対象とはしておらないということは、まず第一点、はっきりしているところでございます。したがって、補助を行う能力の不足を理由とした認定の拒否は、この条項によってはできないと考えております。
 しかしながら、しかしながらでございますけれども、運用上、補助を行う能力に欠ける犬であることが明白である場合には、もちろん認定を求めて認定機関に持ち込まれる補助犬は補助犬とするために適正に育成された犬であるという前提でございますから、それが能力に欠ける犬であるという場合は想定はされてはおらないわけでございますけれども、万が一そういうことが明白になった場合には、「身体障害者補助犬とするために育成された犬」に当たらない場合ということに該当するわけでございまして、申請者にその旨を指摘して認定を保留する場合もあり得る、このように考えているところでございます。
○五十嵐委員 こうしたことは、社会が成熟してこうしたことになれてくれば、当然解決され得る問題なんだろうと思いますね。すなわち、周りの人たちもちゃんとそうした事態になれる、そういうふうに自治体や国が努力して一般の方々を啓蒙するということが必要だろうと思いますし、また一番肝心なことは、やはりしっかりした法人を認定して、しっかりした介助犬をつくり上げる、補助犬をつくり上げるということは必要なんだろうと思います。
 そこで、肝心の役所側の認定の基準についての考え方を伺わなければならないと思います。厚労省、よろしくお願いします。
○高原政府参考人 認定の基準につきましてはただいま御答弁があったとおりだと思いますが、これらのものにつきまして、基本動作と申しますか、一定の水準を確保するためには、統一的な訓練基準といったようなもので訓練される必要があろうかと考えております。
 現在、盲導犬につきましては、統一的な訓練基準により認定が行われておることは御案内のとおりでございます。介助犬、聴導犬については、統一的な訓練基準がまだないところでございます。
 現在、厚生労働省におきましては、介助犬の訓練基準に関する検討会というふうなものを設けまして、鋭意検討しているところでございます。また、聴導犬につきましても今後同様の検討をしてまいることとしておりまして、それらの検討結果を踏まえまして補助犬の認定基準を作成してまいりたい、そういうふうに考えております。
○五十嵐委員 早く結論を出して、早くかつ慎重に適正な基準を出していただきたいのですが、それは結果としては告示になるのですか、それとも省令で定められるということになりますでしょうか。
○高原政府参考人 厚生労働省令として定める予定でございます。
○五十嵐委員 しっかりとしたものをおつくりいただきたいと思います。
 さて次に、一部改正法の関係でお伺いをしたいと思うのですが、現行法の盲導犬訓練は施設において行うことが要求されていますが、介助犬訓練事業及び聴導犬訓練事業については施設要件がございません。
 施設を要件としなかった理由はどういうことでございましょうか。
○金田(誠)議員 盲導犬の訓練につきましては、事業者が施設を設けて行っているのが実態であり、現在盲導犬訓練事業を行っている者も施設が必要と考えているようでございます。
 一方、介助犬の方でございますが、介助犬及び聴導犬については、施設において訓練を行う形態のみではなく、家庭や地域のリハビリの場などにおいて訓練士が訓練を行うような形態も発展させていきたいと考えております。
 また、零細な事業として介助犬や聴導犬の育成が行われている実態にかんがみますと、施設を要件とした場合、その施設基準を満たせない者に訓練事業を断念させる結果になりかねない、このように危惧をいたしてございます。
 そこで、盲導犬の訓練は現行どおり施設において行うこととする一方で、介助犬及び聴導犬の訓練は施設において行うことを要件としない、このようにしたところでございます。
○五十嵐委員 私もそれでいいのではないかなと思うのですね。
 というのは、盲導犬と違って身体介助犬の場合は、その障害のあり方によって動きが、介助の行動が変わってくるわけですし、それぞれの家庭で、それぞれの家庭の間取りとかいろいろな事情によって介助のあり方も変わってくるわけですから、家庭でやらなければ、一般論だけで通用する介助犬ができ上がるということにはならないんだろうと思います。ぜひ、そうした緻密な介助犬づくり、それぞれの需要者の需要に合った犬をつくっていただきたいというふうに思う次第でございます。
 もう一つ、現行法の盲導犬訓練施設は、無料または低額な料金で訓練することが要求されております。介助犬訓練事業及び聴導犬訓練事業については、この要件が課されていないようでございますが、これはどういうわけでございましょうか。
○金田(誠)議員 御指摘のとおりでございまして、現行法の盲導犬訓練施設は、身体障害者福祉法によりまして、「無料又は低額な料金」、このように定められているところでございますが、介助犬訓練事業及び聴導犬訓練事業につきましては、この要件を課さなかったところでございます。
 と申しますのは、盲導犬と異なり、介助犬及び聴導犬については、適正または適正以上の対価を取って訓練を行うものも予想されるわけでございます。しかし、これについても規制を及ぼす必要がある。そこで、対価による限定をせずに、介助犬または聴導犬の訓練を行う事業をすべて第二種社会福祉事業に位置づけをして、事業開始の届け出、報告の徴収、立入検査、事業停止命令などの監督手段を及ぼすこととしたところでございます。
 なお、現行身体障害者福祉法上、施設を設けない事業、これにつきましては、無料または低額な料金という要件を課した例がないということも配慮をしたところでございます。
○五十嵐委員 しかしながら、私は、やはり理想は無料貸し出しだと思うんですね。無料貸し出しで、ある程度の働く期間を終えたら、もとの法人が引き取って安らかに老後を暮らしていただくという、犬にとっても幸せな一生を保障してあげる、そういう制度にすべきだと思っていまして、理想は無料貸し出しだというようなお考えでよろしゅうございましょうか。
○金田(誠)議員 御指摘のとおりだと思います。
 本来あるべき姿はそのとおりだと思いますが、現実、スタートさせるに当たりまして、そこまでの要件を整えることは現実的に非常に難しいという中で、まずはスタートをした上で、御指摘の理想的な形に向かって努力をしてまいりたい、このように考えております。
○五十嵐委員 最後に、身体障害者福祉法第二十一条の四で新設される「身体障害者の盲導犬、介助犬又は聴導犬の使用を支援する事業」とありますけれども、これは具体的にはどんな事業を想定しているんでしょうか。
○金田(誠)議員 支援する事業ということでございますが、当面考えられますことは、身体障害者の社会参加を促進する観点から行われるもので、身体障害者補助犬に関する理解を深めるための広報その他啓発活動等が考えられると思うわけでございます。現実、この法律を動かすに当たっては、極めてこの分野が重要な分野になろうかと思っているところでございます。
○五十嵐委員 私も、先ほど申し上げましたように、アメリカと違って日本ではそういう文化はまだないということで、一番大事なことだろうと思います。お店の方にはそういうのを受け入れる店だというワッペンを張っていただくとか、あるいは市町村、都道府県、積極的に広報活動をしていただく、それに必要なお金を出すということでなければならないんだろうと思います。
 日本人は、とかく、事業費というものにはお金を出すけれども、広告宣伝費というのには何か軽視して、官の世界ではですよ、民間ではたくさんのコマーシャル料をテレビ等に払うわけですけれども、官の事業が絡むとそうした広告にはお金を使わないという傾向があります。しかし、知らなければ効果は発揮をしないというのが本来の姿でありますので、ぜひ、多くの方にこの事業の趣旨を知っていただくという意味で、お金を出し惜しみなく、厚生労働省は財務省からもぎ取っていただきたい。
 その応援はこの議連がいたしますので、ぜひ頑張っていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○森委員長 次に、佐藤公治君。
○佐藤(公)委員 自由党、佐藤公治でございます。
 本日は、この介助犬法案に関しまして、提出されました皆様方に心から敬意を表し、また、本当に御苦労さまでした。でも、まだ、これからがスタートなので、ぜひとも今後とも皆様方の御協力をいただいて、やっていかせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず最初に、身体障害者補助犬は、これを使用する身体障害者との関係においてどのような法的位置づけがなされているのか、身体障害者補助犬に単なる道具として以上の位置づけを与えることはできないのか、いかがでしょうか。武山先生にお願いしたいと思います。
○武山議員 二点の御質問かと思います。
 まず最初の一点は、身体障害者の障害を補い、体の機能の一部を補助するものとして位置づけております。
 それから、道具として以上の位置づけを与えることができないかということですけれども、この点については、今後、よりふさわしい法的位置づけについて、諸外国の例を参考にして、よい法律の内容にしたいと思います。
○佐藤(公)委員 実は、ここの部分というのは非常に大事なところでありまして、私がこの法案をずっと見させていただく中、介助犬というのが一体、物なのか、人の一部として、体の一部としてやはり考えていくのか、そういうところというのは非常に大事なところだと思います。
 具体的に言いますと、例えば、介助犬を連れられている方が事故に遭う、車にひかれてしまった、介助犬が死んでしまったという場合に、じゃ、保険会社はどういうふうに対応していくのか。現状は、物として、対物なんです。対物。そして、介助犬を買った金額から算定してお金を一応出すことにはなっているということですが、やはり、その期間、そしてその介助犬がいなくなったことによっての損害的な部分、いろいろな部分を考えていかなきゃ本来いけないのに、今、保険会社の方でもそういうケースというのは全くと言っていいほどない。対物ということでの処理ということまでしか今出ていないという状況だというふうに私も聞いております。
 これに関しては、実際問題、これから、武山先生がおっしゃられたように、介助犬を持たれている方々がより安心して暮らされるためにも、この介助犬の法的位置づけというもの、そこをやはり考え、安心して暮らせる法律であり社会にしていかなきゃいけないのかなと。御存じのように、海外や何かに関しては、そういうことがやはり海外でもなかなかはっきりしない部分がありますので、どうかその辺は引き続き御検討をお願いいたしたいかと思います。
 続きまして、本法案、成立されるわけでございますけれども、今後いかなる予算措置が講じられていくべきとお考えか。この法案の成立、それだけではなく、当然、それに伴う経済的な問題が出てくる。
 私の前の各委員の先生方からの質問にも幾つかありましたけれども、やはりここの経済的部分というのが、いかにこの介助犬における法案に関して実効性を高め、完成度を高めていくかということにつながると思いますが、特に、身体障害者補助犬の育成や管理費用とか、身体障害者補助犬に関する広報とか、教育を初めとした啓発活動にどのように反映をさせていくべきか。提出者と厚生労働大臣の御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○武山議員 二点あったかと思います。
 盲導犬を育成する場合には、一頭当たり百五十万円の助成制度を設けておりますので、聴導犬、介助犬についても、同様の公的助成制度をつくることによって育成及び管理費用が補助されるべきと思っております。
 また、広報及び教育を初めとした啓発活動については、国民の理解を深めるための措置を国の努力義務と課していることから、十分な予算措置がとれると思います。
○坂口国務大臣 ただいまお答えになりましたそれでもう尽きるわけでございますが、盲導犬の場合には、現在、都道府県の方で助成をいたしておりまして、その半額を国の方が出している、こういうことでございます。いわゆる家庭での管理費用というのは、これはそれぞれ御負担をいただいている。そこまではできていないということでございます。
 それから、もう一つの方の広報啓発につきましてのことでございますが、これはやはり国の方も、あるいは都道府県もそうでございますが、責任を持ってやっていかなければならない、なおざりにしてはならない。しっかりここはやらないと、駅でありますとかあるいはホテルでありますとか、そうしたどちらかといえば公的なところ、そうしたところにおいて受け入れができないということでは困りますので、ここはもうしっかりやらなければいけないというふうに思っております。
○佐藤(公)委員 経済的、予算措置をできるだけとっていただければと思いますけれども、それと一緒に、予算だけではなくて、やはり広報とか教育、それこそ学校教育の中でデモンストレーション的な部分を入れたりすることによって多くの啓発活動をしていくということが、この法律がよりよい方向にいくためにも大事なことだと思いますので、ぜひ大臣の各省庁におけますお声がけ、力強い後押しをいただいて、予算とともに各関係省庁とのつながりを強くしていただいて、実行していただけたらありがたいかと思います。
 続きまして、これはまた政府の方にお尋ねをいたしますけれども、身体障害者補助犬の使用が適する視覚障害、聴覚障害及び肢体不自由障害を有する者の数。俗に言われる人口推計みたいなもの、年金や医療にも計算上使われておりますけれども、近年どのように推移しているのか。また、五年後、十年後、またその先、障害者の方々における予想、推計。これは、予想することがいい悪い、いろいろなことをお思いになられる部分もあるかもしれませんが、将来の社会設計においてどういうふうにお考えなのか、お聞かせ願えればありがたいと思います。
○宮路副大臣 私ども厚生労働省の障害者に関する実態調査によりますと、これは平成八年時点でありますが、今委員お尋ねの、視覚障害者につきましては三十万五千人、聴覚障害者で三十万四千人、そして肢体不自由者で百六十五万七千人と推定をいたしておるところであります。
 このうち補助犬の使用が適する方がどの程度いらっしゃるかどうかということでありますが、この点につきましてはなかなか判断が難しいわけでありますけれども、仮に、二級以上の方が補助犬の使用に適するというふうに仮定いたしました場合は、視覚障害者で約十七万人、聴覚障害者で約九万人、そして肢体不自由者で約六十四万人というふうになるわけでございます。
 また、将来の障害者の見通しでありますが、これまでの過去の障害者数の推移をもとにして推計をいたしますと、例えば十年後で、視覚障害者、聴覚障害者はいずれも横ばい、それから肢体不自由者の場合は約六%の増というようなことが見込まれるところであります。ただ、再生医療等の、そういった医学的な進歩もあるわけでございますので、この辺いかんによってはその数字も変動があり得るんではないか、かように見込んでおるところであります。
○佐藤(公)委員 ありがとうございます。将来の予測というのは、できるだけ障害者の方々が少なくなるような治療であり環境であり、やはりそういうふうにしていかなきゃいけないと思いますので、なかなか難しいと思います。
 続きまして、第七条一項のただし書きや第八条ただし書き、第九条ただし書きによれば、施設、施設利用者に著しい損害が生じる場合その他やむを得ない理由がある場合には身体障害者補助犬の同伴を拒むことができることとなりますが、「著しい」とか、また「やむを得ない」という抽象的な文言で規定されていることから、かえって施設等の管理者による恣意的な拒絶が生じるおそれがないか、その実効性を担保するのは困難ではないか。提出者と厚生労働大臣の御意見をお聞かせ願いたい。
 私が言いたいことは、努力義務ということもそうですし、こういった抽象的な言葉同士があると、前に進むこともできます、よく考えれば。でも、悪く考えれば、後ろにも下がってしまう、そして後ろでコンクリートされてしまう、こういう危険性も非常にあり、実際この法律が本当に障害者の皆さん方のためになるのかという部分では、多少心配する部分もございます。その辺、提出者と厚生労働大臣の御意見をお聞かせ願えたらありがたいと思います。
○武山議員 まず、きちっと訓練をされた補助犬であるという善意の発想をいたしますれば、まずこのようなことはあり得ないのではないかと思います。
 あり得ないということが前提になっておるわけですけれども、身体障害者補助犬を同伴することで施設の運営に重大な支障を来す事態、それから施設の重大な破損、他の施設利用者への重大な危害が加えられる場合をこれらのただし書きは想定しておりますということです。
○坂口国務大臣 今御指摘のとおりでございますが、逆の方から見れば、施設でありますとか施設利用者に著しい損害が生じる場合その他やむを得ない理由がある場合は補助犬の同伴を拒否できることというふうにされておりますけれども、これは、こういうことがないのに補助犬の同伴を拒否することはできないと逆に考えることもできると思います。
 やむを得ない場合というのはどんな場合があるのかということでございますが、これは訓練にも関係してくることでございますが、犬の方が著しく不衛生でありますとか、あるいはまた攻撃的な態度を見せるといったようなことがもしもあったとすれば、それはこれに当たるのではないかというふうに思っております。また、例えばアレルギーの子を持つ親の会ですとか、そうした皆さん方が集会をしておみえになる、そうしたときに犬が参りますときに、いわゆる犬によってアレルギーが起こるといったようなことがあります場合に、そのときには一体どうなのか。そんなことが条件としてはあり得るのではないかというふうに思っている次第でございます。
○佐藤(公)委員 その辺というのは本当に難しくて、人それぞれ好き嫌いもあったり、また、それをコンクリートして、もううちは施設に入れないということのバリアを張られちゃうということもあると思いますが、実際問題、抽象的なことが非常に、各省庁における、特に国土交通省や何か、抽象的だからこれぐらいなら逆に言えばいいんじゃないのというふうに、いいかげんという言い方は失礼ですけれども、そういうことで法案が成立するのであれば、これは大変失礼なことになりますので、どうか大臣、先ほどもお話しいたしましたように、そういうところを、各省庁間におけます徹底した協力体制というものを御指示願えればありがたいと思いますので、よろしくお願いをいたしたいかと思います。
 続きまして、アメリカ、米国においては、いわゆるバリアフリー化が進んでおり、例えば、新築の建造物はすべて身体障害者が円滑に利用できるような構造にすることが義務づけられておりますが、提案者はアメリカ、米国の福祉事情に非常に詳しいのですけれども、その辺のことに関して、米国のバリアフリーの現状をどのようにお考えか、お聞かせ願えればありがたいと思います。
○武山議員 まず、先ほど五十嵐委員の質問の中にもありましたように、前提として、心のバリアフリー、すなわち、今日本では段差のない建物、段差のない乗り物ということでまだ物理的なものが多いのですけれども、前提として、心のバリアフリーということが非常に行き届いておりますので、この視点に立って、あらゆる公共の、公衆の集まる、もう本当に、私立の保育園から、公園から、それからクリーニング屋さんから、銀行から、あらゆる、人の行くところ、すなわち個人の住宅以外はあらゆるところが段差のないバリアフリーになっているということが、一番日本と大きな違いかと思います。
 そして、一九九〇年に障害者の権利という法律が、ADA法というものができて、日本からしますと十二、三年早くできているんですね。しかし、その前に、一九七〇年代にはもう盲導犬の州法ができておりますので、そこに日本と差があると思います。
 そして、非常に、バリアフリー化の行われているのが目に見えて、この十年間、私、家族がアメリカにまだいるものですから行ったり来たりする中で、徐々に徐々に徐々に、レストランとか公共の施設はスロープで上がれるところと階段で上がれるところと二つの入り口ができているということが、非常に目に見えてふえてきているんだなということを実感しております。
 それから、きちっと、それを受け入れない場合の、きちっとした罰則が連邦法で決められているというところが非常に大きな部分で、非常にその罰則が厳しいものですから、連邦法ですと初犯は五万ドル、約五百万ちょっとですね、そして何回も重ねて再犯になりますと十万ドルの罰則がかけられるということもありまして、だれもそのお金を払うという気なんてないわけですよね。ですから、あらゆるところで心のバリアフリー、そして、あらゆるところで本当に浸透しているということが言えると思います。
○佐藤(公)委員 米国においては障害者の権利を一般的に定めるいわゆるADA法が制定されておりますが、本法案と比較してADA法の方が進んでいる点としてどのような点が挙げられるのか。また、ADA法、こういったことでの日本の障害者の皆さん方に対する考え方、方向性、その辺も含めてお聞かせ願えたらありがたいと思います。
○武山議員 まず、大きな違いは、日本は盲導犬、聴導犬、介助犬という三つの部分にこの法律が適用されておりますけれども、アメリカでは、盲導犬のみならず、もちろん聴導犬、介助犬、このほかに救助犬、シグナルドッグ、その他、障害を補うために特別に訓練されたいかなる動物もサービス動物として認められておりまして、公共の施設、公共の輸送、あらゆるところへのアクセス権として保障されている。これが非常に大きな違いだと思います。
 それから、先ほどもお話ししましたように、人の集まるところ、あらゆるところでバリアフリーになっている。劇場から、パン屋さんから、食料品店から、コインランドリーから、それから公共のパーキング場、博物館、公園、動物園、レクリエーション、それから教育の機関、あらゆるところがバリアフリーになっているという大きな違いがあります。
 それから、先ほどもお話ししましたように、罰則が非常に厳しいということですね。国の法律でも厳しく、そして州法といいまして、日本でいいますと県単位ですね、その州法での罰則もきちっと決まっております。
 それから、一つここでつけ加えておきたいと思いますのは、まず、権利を侵害された場合、申し出制といいますか、相談の窓口が非常にきちっとしておりまして、権利の回復、損害賠償などの手続をきちっとしてくれる、これが大きな差だと思います。
 日本もこれらを参考にして、将来、きちっと法整備をする必要があるかと思います。
○佐藤(公)委員 今、武山先生がおっしゃった、その窓口というのがやはり非常に大事になるのかなという気がいたします。
 実際問題、介助犬を持たれて、何かいろいろな問題があった場合に、一体全体どこに行ったらいいのか、何を言ったらいいのか、言ったことがわかってくれるのか。わかってくれるそういった窓口を、各施設、公共の場、企業等にでもやはりきちんとつくって、ここに行けばいろいろなことが相談できるし、いろいろなことを教えてくれる、そういった窓口、こういったものが大事じゃないかと思います。そういう部分に関しては、今後、この法律の完成度をより高めるために、その辺の議論もしながらやっていっていただけたらありがたいと思います。
 最後になりますけれども、長い歴史を持つ盲導犬と、まだ余り普及していない介助犬と聴導犬を同列に扱っていいのか。実際問題、扱っていかなくちゃいけないとはいうものの、今の日本の状況からすると、ふと疑問に思う部分がありますけれども、提出者の武山先生、いかがでしょうか。
○武山議員 確かに、盲導犬は日本において五十年の歴史を持って、実際に、この頭数としては九百頭いるわけですね。ところが、介助犬、聴導犬は、日本で育成されるようになったのはここ数年であるということで、実際は二十頭にも満たない。こういう現状がある中で、いずれも身体障害者の自立と社会参加に重要な役割を果たしていることには変わりがなく、良質な犬を育成するための措置や公共的施設などの利用について違いを設けることは適当でないと思います。
 また、法的に位置づける必要があるほどにはまだまだ普及していないので、立法化はまだちょっと早いかという議論もありますけれども、私、提案者としては、逆に法的に位置づけすることによってこの普及を後押ししようという考えに立っておりますので、まず、早い段階で法制度に組み入れる必要があると思います。
 それから、アメリカ、オーストラリアなどでは、社会参加を保障する法律があるわけですね。ですから、介助犬、聴導犬、盲導犬、すべて同列に扱われてよいと思います。
 これらの法律をつくる上に立って、皆さんから意見、特に盲導犬の育成団体及び使用者からの意見をお聞きしましたところ、同列に扱うことについて異論は出ておりませんでした。
○佐藤(公)委員 今のお話、ADA法の関係、いろいろなお話がありますが、これは本当、社会保障制度全体的な問題と、やはり社会のあるべき姿の議論になってくると思います。そこの大きい話、大事な話は、午後において大臣と副大臣とさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
 どうもありがとうございました。
○森委員長 次に、小沢和秋君。
○小沢(和)委員 日本共産党の小沢和秋でございます。
 まず、何年も超党派で話し合って、こういう法案をまとめていただいたことについて、提案者の皆さんに心から敬意を表したいと思います。
 では、質問に入ります。
 今、我が国でも、障害者の完全参加と平等を前進させる努力が、多くの障害者や家族、関係団体によって展開されております。この努力の中で、身体障害者補助犬の育成、普及はどのような役割を果たすのか、提案者のお考えを承りたいと思います。
○児玉議員 お答えします。
 障害者の完全参加と平等を目標にして、一九八一年から十年間、世界で展開された国際障害者年、その続きが今アジアで展開されていて、ことしがその最終年になりますが、この国際障害者年が障害者に対する諸施策を前進させる上で画期的であった、これは周知のことです。
 国際障害者年の開始に向けて、一九七九年、第三十四回国連総会で採択された国際障害者行動計画に次のような一節があります。障害者は、その社会の他の者と異なったニーズを持つ特別な集団と考えられるべきではなく、その通常の人間的なニーズを満たすのに特別な困難を持つ普通の市民と考えるべきなのである。その部分の前にこうも言われています。ある社会がその構成員の幾らかの人々を締め出すような場合、それは弱くもろい社会である。非常に重要な指摘だと思います。
 さて、この行動計画の、通常の人間的なニーズを満たすのに特別な困難を持つ、この特別な困難を除去し、あるいは軽減する上で、補助犬は生きた自助具として非常に大きな役割を果たす、提案者としてそのように考えております。
 昨年七月に提出された介助犬に関する検討報告書があります。その中で、介助犬の役割について、介助犬使用者にとって介助犬が「手の代わりとなり、不可能だった動作が可能になる」、「書類など落としたものを拾ってくれるので、仕事の能率があがる」、「頼むことに気兼ねがいらない」、さらにこうも言っています。「介助されるのではなく、自分でしている感覚をもつことができる」、まさにそのとおりだと思います。
 ここに、補助犬の重要性が表現されており、補助犬の育成、普及が障害者の完全参加と平等のために極めて大きな役割を果たす、端的に示されていると思います。
    〔委員長退席、鴨下委員長代理着席〕
○小沢(和)委員 本日の委員会で、この法案とともに障害者雇用促進法改正案が審議されます。
 提案者にお尋ねしたいと思いますが、この身体障害者補助犬関連法案を成立させることは、障害者の社会活動や雇用促進にどのような意義を持っているでしょうか。
○児玉議員 先ほどお答えしましたように、補助犬の育成と普及はまさに急務だと考えます。超党派の議連によって提出されたこの身体障害者補助犬関連法案の成立は、急務達成への着実な一歩になる、こう考えます。
 そして、この一歩が、さきに紹介しました国連の国際障害者行動計画で言われている、日本が弱くもろい社会から速やかに脱却する道を開く、そこに大きな意義があると私は考えます。
○小沢(和)委員 ここで大臣にお伺いをしたいのです。
 アメリカでは介助犬の実働頭数が数千頭、イギリスでも千頭以上いると伺っております。介助犬に関する法的整備としては、アメリカで、一九九〇年七月に成立した連邦法であるADA法、障害を持つアメリカ人法、ADA法執行のための司法省規則、イギリスでは、一九九五年成立のDDA法、障害者差別禁止法があります。
 一方、日本ではどうか。一九九六年十一月の厚生省通達では、視覚障害者は三十万五千人、肢体不自由者は百六十五万七千人、聴覚障害者は三十万四千人となっております。盲導犬については、使用を希望する方は、一九九九年三月の日本財団、盲導犬に関する調査で七千八百人とされております。これに対して、盲導犬は約九百頭、介助犬、聴導犬は、二〇〇一年四月現在でそれぞれ十九頭、十四、五頭だと見られております。法的整備では、道路交通法で盲導犬に関する規定があるだけです。
 日本はこの分野でアメリカ、ヨーロッパなどに比べると大きく立ちおくれていると思いますが、大臣、この立ちおくれの原因がどこにあるとお考えでしょうか。
○宮路副大臣 私の方から答えさせていただきたいと思います。
 今委員御指摘のように、海外と我が国とのこうした補助犬についての普及の状況を比較してみますと、確かに御指摘のように、アメリカ、イギリスと比べまして我が国は普及がおくれているといいましょうか、補助犬の数も非常に少ない、特に介助犬それから聴導犬の数が少ないという状況にございます。
 これがどうしてこういうことになっているかということでありますが、一般的に言われておりますことは、御案内のように、我が国では犬を室内で飼うということについて、靴でそのまま畳の部屋へ上がるということはないわけでありますので、欧米と比べて、そういった、犬を室内で飼うということについての差があるといったこと。あるいは、こうした補助犬は一般的に大型の犬が適する、こういうことが言われておるわけでありますが、我が国の場合は、家屋が比較的狭くて、そうした大型犬を飼うのに適した環境にないということ。そしてまた、補助犬の育成活動への民間の資金協力も余り見られていないといったようなことが言われております。
 そしてまた、補助犬に適する犬は、優しくて賢くて、そしてまた従順といいましょうか人になつきやすい、一般的にそういう犬でないと適さないということでありますが、これはラブラトール・レトリバーといったような外来種が適しているそうでありまして、日本の在来種は、そういうような性格、能力といいましょうか、そういう面でも必ずしも富んでいないといったようなこともあるいは関係しているんじゃないかなというふうに思っております。
 しかしながら、これを機会に、これを機会にと申しますのは今度の法案の成立を機会に、こうした立ちおくれをリカバリーできますように私どもも一生懸命努力をしてまいりたい、かように思っている次第であります。
○小沢(和)委員 今の御答弁では、生活習慣の違いとか、あるいはこれに適した犬の種類が日本にはなかなかなかったとか、こういうお話が多くて、私は、行政としての反省の言葉がなかったというのを残念に思います。
 補助犬が広く障害者に利用されるようにしたいと政府が考えているのであれば、政府がみずから進んでこのような法案を提出すべきだったのではないでしょうか。すべての政党が参加している議連も政府と密接に意見交換などを行いながら法案作成に当たったと聞いておりますので、心配ないとは思いますが、念のためにお尋ねをしたい。政府として、この法案が成立したときこれに対応できる万全の準備を整えているか。大臣、いかがですか。
○坂口国務大臣 万全の体制を整えているかというふうに詰め寄られますとなかなか厳しいわけでございますが、これから万全の体制を整えなければならないというふうに思っております。
 今までは、これは盲導犬はあったわけでございますし、ここは今までの経験もあるわけでございます。また、補助犬につきましては、現在、学術的にもこの分野で非常に造詣の深い皆さん方にお集まりをいただいて、検討を進めていただいて、これは軌道に乗りつつある。それから、聴導犬がいよいよこれからだということになりますので、これからこれも早く体制を整えたいというふうに思っております。
 それも大事でございますし、それからもう一つは、先ほどからも出ておりますように、公的な機関に対してこの補助犬が入ることができるようにしなければならないわけで、そこが認識がないと、いや、だめですよというふうに言われるようなことではいけませんので、その広報活動というものを徹底してやっていかなければならないというふうに思います。
 そうしたことを中心にしまして、そしてまたこの訓練の方も大事でございますので、的確にこの訓練がされて、そして少しでも多くの犬が育っていきますように努力をしなければならないというふうに思っております。
○小沢(和)委員 以下、法案に即して、提案者に三点ほどお尋ねをいたします。
 まず、第三条二項では、「訓練事業者は、障害の程度の増進により必要とされる補助が変化することが予想される身体障害者のために」医療を提供する者と連携して「将来必要となる補助を適確に把握しなければならない。」となっております。この条文では、将来必要となる補助の内容まで考えて犬への訓練をしておくよう求めております。なかなか厳しい要求だと思いますが、ぜひそうあってほしい。
 ここで、確認のためお尋ねしたいんですが、「障害の程度の増進により必要とされる補助が変化することが予想される身体障害者」とはどういう障害、疾病を考えておられるのでしょうか。
○児玉議員 例えば筋ジストロフィーです。この患者の場合、必要とされる補助、介助が変化することが予想されます。そのような方のために身体障害者補助犬を訓練する場合、将来必要となる補助、介助を具体的につかんだ上で訓練を行わないと、せっかく育成した補助犬が役に立たなくなってしまう。現にそういう例があると私たちは聞いております。
 そこで、第三条第二項は、医療を提供する者との連携をとり、将来必要となる補助を把握した上で訓練することを求めております。
 ここで予想される身体障害者としては、筋ジストロフィー、多発性硬化症、パーキンソン病などの神経疾患、そして、リューマチなどの骨・関節疾患の患者などが挙げられます。これらの疾患は、慢性経過をとり、数年から十年以上の経過で障害の程度が進行し、変化します。また、病気自体の進行はなくても、脳卒中後遺症や脊髄損傷、脳性麻痺など、加齢や合併症によって障害の程度が変わる、この場合も同様だと考えられます。
    〔鴨下委員長代理退席、委員長着席〕
○小沢(和)委員 次に、第八条でありますが、ここには、公共交通機関に対し、身体障害者が補助犬を同伴してきた場合、原則としてその受け入れを拒んではならないことが規定されております。これにより同伴を認められることが義務化される公共交通機関とはどの範囲のものをいうんでしょうか。
○児玉議員 第八条における「公共交通事業者等」とは、バリアフリー法における規定と同様だと考えております。バリアフリー法の「公共交通事業者等」は、鉄道事業者、軌道経営者、乗り合いバス事業者、バスターミナル事業者、海上旅客運送事業者、本邦航空運送事業者及びそれ以外の者で鉄道施設、旅客船ターミナルまたは航空旅客ターミナルを設置し管理するものをいいます。
 したがって、第八条により補助犬の同伴を認めることが義務となる交通機関は、鉄道、路面電車、路線バス、船舶、航空機及びタクシーです。
○小沢(和)委員 次に、第十条、十一条でありますが、ここには、民間の事業所や民営の住宅では身体障害者補助犬の使用を拒まないことを努力義務として定めております。しかし、第七条二項、三項では、国などの事務所や、国などが管理する住宅では補助犬の使用を完全に保障する規定になっております。国などと民間という設置者の違いだけで場所の性格はほとんど変わらないのに、このように差をつける合理性はないと思いますが、いかがでしょうか。
 問題は、補助犬がペットなどとしてではなく、障害者の日常生活、社会活動にとって欠かせない身体の機能の一部を代行していることをいかに急速に国民全体に啓発し、受け入れ条件を整備するかにあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○児玉議員 一時的な施設利用の場合と違いまして、身体障害者が事業所において勤務する、そして住宅に居住する、この場合は、恒常的に補助犬が存在することになります。事業所の管理者、住宅管理者の負担も重くなることは事実です。
 そうであれば、一般の身体障害者補助犬に対する理解が十分には進んでいない現時点において、管理者が国等以外の者である場合についてまで受け入れ義務を課すのはいかがだろうか、このように私たちは判断しました。そこで、国等以外については努力義務を課すにとどめました。
 小沢委員御指摘のとおり、補助犬が果たす役割の重要性をどのようにして国民全体の理解にするか、それが急務だと考えております。
○小沢(和)委員 再び大臣にお尋ねをしたいと思います。
 私は、よい補助犬ができるだけ大量に早く養成、訓練され、身体障害者の手足、目や耳となってどんどん働いてくれる時期が来ることを願っております。
 一つの問題は、補助犬の養成、訓練には大変な費用と時間がかかることであります。身体障害者には生活の苦しい人が多いと思われますが、補助犬の入手に高額の費用を自己負担することになれば、経済的理由で断念する人が出てくることにならないか。提案者もそれを考えて、障害者基本法の一部改正案の中で、国及び地方公共団体が障害者の補助を行う犬の給付または貸与をすることができるようにしたのだと思いますが、これによって、希望する障害者はだれでも、事実上、費用の負担なしに補助犬を入手できるようになるというふうに私は理解したんですが、いかがでしょう。
○宮路副大臣 私の方から答弁させていただきます。
 現在も、盲導犬につきましては、先ほどから議論が行われておりますように、育成につきまして、国が補助をし、それを受けてまた県や政令指定都市が育成団体に補助をするというような中で育成が行われ、そして都道府県や政令都市が無償で障害者には盲導犬を貸与をしている、こういうふうになっておるところでありますので、今後、介助犬や聴導犬につきましても、こうした盲導犬の場合と同様に、無償で障害者が利用できるようにしてまいりたい、かように思っておる次第であります。
○小沢(和)委員 最後に、大臣にお尋ねをいたします。
 この法案は、非予算関連法案になっており、国の役割も、厚生労働大臣が法人の指定、公示をしたり、補助犬の認定や取り消しを行ったり、改善命令を出したりすることなどに限られております。しかし、今も述べましたとおり、補助犬の養成、訓練などを行うには多くの費用がかかり、国、都道府県、市町村の財政的支援なしにこういう事業が急速に発展するとは考えにくいわけであります。前問で伺いました補助犬の給付または貸与も、市町村が補助犬を時価で買い上げることが当然の前提になっております。
 このことについて、大臣の、今後一層施策を充実させる決意や抱負を伺いたいと思います。
○坂口国務大臣 この法案を議員立法の形でお出しをいただくということは、大変私は意義のあることだというふうに思っております。何でも政府の方が出すというのではなくて、そして議員立法という形ですばらしい法律が次々と出てくるということは非常に大事なことだと思いますし、私は、そういう意味で、大変よかったというふうに思っております。
 議員立法で出していただいたから国の方は関係ないというわけでは決してないわけで、議員立法であればあるほど、それは国としても責任を持って対応しなければならないわけでありますから、今御主張いただきました御趣旨、十分に尊重いたしまして、対応できるように努力したいと考えております。
○小沢(和)委員 最後に、重ねて提案者各位に敬意を表して、質問を終わります。ありがとうございました。
○森委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 冒頭、提案者のお一人の中川智子さんにまず伺いたいと思います。
 実は、ことしに入りましてからの国会情勢は、日めくりカレンダーのように、毎日、疑惑追及とか偽証とか、国民の政治不信を買うことばかりで、国会議員としてこの中におりましても、何か人間が寂しくなるような思いをいたす昨今の政治かなと私は思います。
 その中にあって、こうした議員立法という形で出されたこの法案、私は、逆に心が和むし、一人でも多くの方が、また犬と人間の出会いが、人間らしい社会をさらに広めてくれると信じておりますが、そもそも中川さんにあっては、この法律、どうしたきっかけで、どうした出会いでつくりたいなと思ったか、そのあたりを、まず冒頭、お願いします。
○中川(智)議員 私も阿部議員と同じ思いで、きょう、このような形で、議員立法提出者の一人として参加できたことをとてもうれしく思っております。
 実は、一九九八年のちょうど十二月ですが、たまたまある会合で、介助犬使用者の木村佳友さんと、そして介助犬のシンシアと出会いました。そのシンシアの存在、私の横に、たまたま足元にシンシアが一時間ほどもう既にいたらしいのですが、上でみんながしゃべっていても、食事をしていても、微動だにしないでいて、私も、一時間後ぐらいにシンシアの存在に気がついて、えっ、何でこんなところに犬がいるのと言ったところが、横に木村さんがいらっしゃいました。
 木村さんの人生にシンシアがはかり知れない希望を与えて、そして日常生活に非常に有効な形でパートナーとして生きているということを伺いまして、また、その仕事を目の当たりに見ました。そのときに、たまたまシンシアに、国会見学においでよ、国会に遊びにおいでと言ったら、シンシアがにっこりしたような気がいたしまして、ではというので、早速、国会見学の実現に向けて、皆様に本当にお力をかりて、その翌年の二月一日に、それが実現いたしました。たまたまアメリカからも介助犬のリンカーンがスーザンさんと一緒にお見えになっていましたので、アメリカと日本の介助犬が、一九九九年の二月一日に初めて国会を訪れた。
 そのときに、シンシアやリンカーンと接してくださった議員の皆様が、やはり本当の意味のバリアフリーの日本をつくるために自分たちも何かしていこうということで、議員の会、それをつくっていこうという御提案がたくさんの議員の方々から提案されまして、そしてその年の七月に、早速議員連盟ができました。超党派で皆さん集まってくださいまして、そして、現在では百二名の議員の会のメンバーの方々がいらっしゃいまして、会長は橋本龍太郎先生でございます。
 この議員立法をつくろうというのは、おのずと関心を持たれた議員さんから出されたことで、ワーキングチームができまして、この議員立法にこぎつけたわけでございます。多くの困難がありましたけれども、ワーキングチームの先生方を中心に、常に使用者、障害を持った方々の立場に立って、私自身は、とても楽しく作業ができました。
 きょうのこの審議の日を一日千秋の思いで待ちました。関係してくださった先生方、またNGOの皆様にも、そして使用者の、当事者の方々の頑張りにもとても感謝しております。きょうはとてもうれしい日です。ありがとうございました。
○阿部委員 もう終わってしまいそうな御答弁でしたけれども、これから本論に入らせていただきます。
 実は私も、この議員連盟の中で、橋本龍太郎先生が会長で、御自身のお父様が障害がおありで、そこにいつも犬が同席しておられたと、もちろんこんな制度のない時代ですけれども、人と犬の社会での一つのありようをずっとお小さいころから体にしみ込ませておられたというお話を龍太郎先生がしておられたのが、すごく印象に残っています。この法案の核心となる部分が、本当に一つ一つの、きょう論議したことから、さらに具体的に実現されるとよいなと思っています。
 さはさりながら、また現実の社会というのは、いろいろな問題を持っていると思います。実は、私が、今度盲導犬が、介助犬も含めて、法案化されて、さらにこの社会に広がっていくという話を、私の地元で盲導犬をお使いの方にお話しいたしましたら、いや、実は今、日本盲導犬協会でもいろいろなごたごたがあって、うちの犬を再訓練できない状態なんだ、この子には帰る場所がないんだということを話されました。
 私はそこで、本当に思い自体はよいものであっても、どういう場所で、どういう訓練をしていくか。特に、盲導犬も、先ほど来お話ございますが、五十年近い年月を経ても、盲導犬の訓練にかかわる方の資格認定一つないような現状、ある意味では身分保障もない。訓練する方の身分のありようが、逆に犬の不幸、利用者の不幸を生んでいるというのも現状であります。
 一つは、提案者に、その資格という問題について。そして、坂口厚生労働大臣にもう一点お願いしたいのが、坂口厚生労働大臣は人間の方のリハビリにもかかわってこられた御経歴がございますので、やはり身体介助ということにかかわって、例えば人間のリハビリのための訓練士、作業療法、言語療法、さまざまな訓練を施す訓練士を訓練する教育のあり方も、資格認定のあり方も非常に重要なものであるという御認識があると思います。私は、この介助犬についても、同じように、それを訓練する人の教育、資格認定、この法案ではあえて踏み込んで触れられておりませんので、ぜひとも、そのあたりをお二方にお願いいたします。
○中川(智)議員 お答えいたします。
 良質な介助犬、身体障害者補助犬は、やはり今おっしゃいましたように、良質な訓練者から生み出されるものということは本当に確かでございます。
 本法案では、訓練事業者の責務を定めておりますが、盲導犬育成の実態や訓練者の方々の実態、そしてまた、本法案施行後の聴導犬、介助犬の今後の育成状況の実態を踏まえまして、明確な資格要件を提示して教育についてもしっかりと取り組んでいくべきだと考えております。
○坂口国務大臣 まことに的確な御質問だというふうに思いますが、私も、この法案を前にいたしまして、やはり一番大事なのは、犬を訓練する訓練士をだれが訓練するのかということではないか。ここがやはりしっかりしていないと、どれほど立派な犬でありましても十分に役立つ補助犬になることができない、そこを一体だれが責任を持ってどうするのかということが非常に私もポイントになるというふうに思っております。しかし、そこが今、正直申しまして明確でございません。その道のそれぞれの技術を持った皆さん方にお任せをしているというのが現状でございます。
 ここのところを、例えば資格をつけるとか何かするというようなことが大事なのか、それとも、そういうことではなくて、もう少し、皆さん方に訓練をしていただくことについてはどういうことが大事なのかというふうなお互いに研究をしていただく、そうしたことをつくり上げているのが大事なのか、早急にちょっと検討しなければならないというふうに思っております。
 お聞きをするところによりますと、いろいろなやはり流派があって、それぞれおやりだそうでございます。何流、何流というのはあるんだろうと思うんですが、それはそれで、今までの長い歴史の中でいろいろな流儀に従っておやりになっているんだろうというふうに思います。
 しかし、共通してこれだけは守ってもらいたい、あるいはこういうことをお願いしたいというようなこともあるんだろうというふうに思いますから、ここは官の方がその中に入り込んでいくというのではなくて、今までそれぞれの中で育ってまいりましたものをどのようにまとめていくか、どのようにそれをまた補助していくかといったことに主眼を置いてこれはやっていかなければならないというふうに思っている次第でございます。
○阿部委員 いつもながらの前向きな御答弁で、大変ありがとうございます。
 頸椎損傷の方をとりましても、この介助犬を使い得る可能性のある方、一万七千とも九千とも言われている方がおられますので、やはり良質な介助犬を訓練していくための良質な訓練士の方のあり方ということをぜひとも引き続きよろしく御検討をお願い申し上げます。
 もう一つ、今度はこの介助犬を使う側の方の、いわゆる障害のある方のことについて伺います。
 この法案上ですと、第三章の第六条で、「使用する身体障害者は、自ら身体障害者補助犬の行動を適切に管理することができる者でなければならない。」となっております。例えば、私ども、日常生活で犬を散歩に連れてまいりますときに、シャベルとビニール袋を持って、犬が排せつしたらそれをちゃんと取ってくるというのも犬を飼う者の一つの要件になっていると思いますが、では、この介助犬を考えた場合、例えば肢体不自由、上肢の機能がきちんとできない方がワンちゃんのおしっこ、うんちの世話ができるかしらんとか、そういう素朴な質問、疑問も生まれてくるかと思います。このみずから介助犬の行動を適切に管理することができる者でなければならないというところの真意を中川議員にお願いします。
○中川(智)議員 ただいまの御質問の部分で、みずから適切に管理できるという意味は、障害者みずからが適切な管理について十分理解をし、自分自身で手を動かして管理のための行為ができなくても、何か道具を使うなりして管理をすればいいというふうに考えておりまして、そこで重要なことは、補助犬の行動管理について責任を持ち、理解したことをみずからの意思で行うことができるということであります。
 ただし、逆に、身体的には管理に問題がなくとも、適切な管理について理解ができなければ、第六条により、補助犬を持つべきではないという要件に当たるかと思います。
○阿部委員 では次に、犬の側の御質問に移ります。
 よく盲導犬等々に使用された犬は寿命が短いとか、大変に気を使うわけですよね。ここでほえてはいけないし、いるのにいないような存在にならなきゃいけない立場ですから、非常に動物にとって、本来持っている犬権といいますか、犬にも権利があると思いますが、そういうものからすると、むしろ動物がかわいそうではないか。あるいは、盲導犬の場合もいわゆる動物愛護法から外されたところにおりますので、この介助犬についても逆に、こういう制度をつくるときに動物の側に立った観点というものがいま一つ必要と思いますし、そのために獣医師さんとの連携等々もうたわれていることと思いますが、ここで言う適正に取り扱うという適正という意味についてはいかがでしょうか。
○中川(智)議員 とても大切な御指摘だと思います。
 補助犬を含めた使役犬の有効性と犬に対する福祉を考える上で最も重要な点は、犬に適性がある、すなわち使役内容や訓練について過度なストレスがかからずに、楽しみながら仕事ができるということだと考えております。したがって、訓練事業者が補助犬を適正に取り扱うというのは、適性のある犬をまず選択して、体罰、びしばしという強制的な方法ではなくて、愛情を持って褒めてあげることで犬の動作を強化する方法で訓練を行って、また、継続的に過度なストレスがかかっていないかを行動学的、獣医学的に評価することだと考えています。
 また、使用者が適正に扱うというのは、同じく犬に体罰を与えるなどの方法をとらずに、愛情を持って接し、長く寿命を全うする、そのような健康管理や衛生管理を行うことだというふうに認識しております。
○阿部委員 そのあたりのことを犬の訓練事業者の方にも、また世上一般にも、また議員連盟の方でも広めていただきたいと思います。愛なくばでございますので、よろしくお願いします。
 あと、今度はそういう介助犬として認定する場合、今までの盲導犬とこれからの聴導犬、介助犬では異なることもあるのではないかと思いますが、この認定ということについてお聞かせください。
○中川(智)議員 認定の問題は、本法案は補助犬使用者の社会参加を保障することを目的にしておりますので、認定の最大の目的といいますのは、受け入れ社会が安全に、支障なく補助犬を受け入れられるように、補助犬の質をきっちりと確保することであります。その意味では、認定要件としては、各補助犬とも公衆衛生上の問題がないことがすべての補助犬の共通項目にまずなります。
 しかしながら、一方では、受け入れ社会では、我が国においては安全なペットは社会参加ができるという文化的背景はございませんので、やはり障害者が生活上必要としている存在であるからということが受け入れを保障する基本、根拠になります。その意味では、公衆衛生上問題がないということだけではなく、使用障害者のニーズに合わせて補助犬として訓練された犬であるということが最も重要になってくると認識しています。
 したがいまして、補助犬としての能力についても、補助犬として訓練された犬ということで、質の担保をしっかり図るということが大事だと考えております。
○阿部委員 では、そういう認定を行うための指定法人の要件ということはこれから厚生労働省令で定めるというふうに先ほどの御答弁にもございましたが、この認定のための法人というところにも、身体障害者の方の障害の特性への理解ですね、例えば片麻痺の方の補助動作と頸椎損傷の方の補助動作とか、いろいろ違いもありますし、障害に応じた理解と、そのことを踏まえて育成した介助犬を認定するということですが、はたまたそうなってきますと、認定をするための法人というもののあり方が非常に困難性が高いというか難しいということにもなってきて、現実には一県に一個もないとかいう形になってくることもあるやに思うのですが、そのあたりについての工夫、要するに、この制度を広めたい、だけれども専門性も要求される、この二つのバランスをどのように具体的にとっていかれようとするのか、そのあたりもお願いします。
○中川(智)議員 やはり日本全国広いわけでございますので、使用者の方々がとりやすい、きっちりとした認定制度が全国でしっかりと行われるということが使用者側にとってとても大事だと考えております。
 各補助犬の認定におきましては、各補助犬を使用する障害者の方の障害について正確に把握して、障害者にきちんと対応できること、これが不可欠だと考えておりまして、犬の訓練だけできればよいということは言えないと考えております。
 そしてまた、適切な行動をとる能力を認定する際には、障害者と犬との適合性、それを考慮することも重要ではないかと考えております。特に介助犬の場合は、障害の程度や種類、使用する方の身体状況というのがさまざま異なりますので、リハビリテーションセンターのような機関がその機能を担うことも考えられると思っております。リハビリテーションセンター、全国各地にございますので、本当に、利便性からいいましても、そのことを前向きに考えていきたいと思っております。
 新しく補助犬のための事業者について指定することに、そのことに固執せずに、リハビリテーションセンターや厚生施設というのもございますので、既存の法人を含めて良質な指定法人を広く全国に配置できるようにすべきと考えております。
○阿部委員 今の中川さんの御答弁にありました点、ぜひともこれは坂口厚生労働大臣にも御尽力いただいて、厚生省管轄下で多くの厚生施設やリハビリテーション施設があり、そこで、御自身の、人間の方の、障害の訓練を受けている方が今度は介助犬とペアの人生を歩みたいときに、その介助犬が認定されていくというような、いいマッチングができるような取り組みを、ぜひとも、これはお願いでございますが、申し添えます。
 最後に、表示の問題。
 表示と申しますと、今不当表示だらけで、何というか、BSE問題以降、政治も表示も当てにならぬと言われておりますが、そうあっては困りますので、第十六条一項のところで認定を受けていないものでも、平成十六年九月三十日までに限って、厚生労働省令に定めるところにより、その犬に介助犬、聴導犬と表示をすることができるという、ここの一項につきまして、先ほどの不当表示の問題もこれあり、そこでもし問題が起きたらどうなるかという問題も、この制度がスタートしたときに最初が大事だと思うのですね。
 よりよい形で、不当な表示が起こらないように、あるいは信頼できる仕組みにしていくために、そのあたりについて、最後のまとめを中川さんにお願いします。
○中川(智)議員 おっしゃるとおりでございます。
 そこで、介助犬、聴導犬の訓練事業者や研究団体は残念ながらすべて零細団体であるために、法案成立後に指定法人が一つもできないとか、また全国に若干数しかできないということでは、使用者の方々にとって大変利便性が低く、法案の趣旨にも反することになってしまいます。そこで、零細な事業者でも指定法人になるための資産要件ほかの要件を備えることができる準備期間を設けておこうというのが趣旨でございます。
 しかしながら、御指摘のとおりに、経過措置中に、本来であれば補助犬としての認定を受けられないような補助犬について表示に規制がかけられず、社会で問題を起こすということになりかねませんので、その点に関しましては、表示による区別を厚生労働省令で定めることとしておりますし、その情報を社会に周知徹底させるということが重要であると考えております。
 これに対しては非常に責任が伴うものと思っておりますので、しっかり取り組んでいきたいと考えております。
○阿部委員 私どもが生きる二十一世紀というか、これからの子供たちに贈る二十一世紀は、生きとし生けるものへの愛情、命への慈しみということが社会の根幹になってほしい、そうしたことを現実に見せていくための私は大変大事ないい法律だと思いますので、今回、議員の提案者の皆さんの御苦労に敬意を表しながら、また御一緒に何らかの取り組みをしたいと思います。
 それから、重ねて、坂口厚生労働大臣には、御苦労でもございますが、よろしく陣頭指揮のほどお願い申し上げて、終わりにさせていただきます。
○森委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時五十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四十三分開議
○森委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 内閣提出、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官江崎芳雄君、文部科学省大臣官房審議官清水潔君、厚生労働省労働基準局長日比徹君及び職業安定局長澤田陽太郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○森委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福島豊君。
○福島委員 大臣並びに副大臣、大変御苦労さまでございます。与党を代表いたしまして、御質問させていただきたいと思います。
 我が国の障害者の雇用につきましては、厳しさを増している雇用情勢のもと、求職者の数は過去最高、障害者の解雇届け出数も高水準であると同様に、厳しい状況に置かれているわけでございます。一方でまた、経済のグローバリゼーションが進む中で、企業組織の再編は活発化いたしておりまして、職場環境の改善など障害者雇用を取り巻く状況も大きく変化しております。
 こうした状況のもとで、障害者の職場を拡大し、雇用の分野のノーマライゼーションの実現を図るとともに、厚生労働省の発足を踏まえ、雇用施策と保健福祉施策の連携を強化した施策を進めようとする今回の改正案は、二十一世紀における障害者雇用施策の充実のための第一歩として大きな意義があるものと考えております。
 従来は、障害者施策といいますと、福祉施策を中心に障害者を保護の対象としてだけとらえるような傾向があったように思われますけれども、近年は、むしろ障害者を社会経済の担い手として積極的にとらえ、このための自立を支援すべきとの見方も強調されるようになってきているというふうに思います。こうした中で働くことは、障害者にとって、賃金の獲得により自立した生活への道を開くとともに、社会への貢献を強く意識できるようにするものでありまして、障害者雇用は今後の施策の重要な柱となるものと考えております。
 我が党も、庶民の目線からの政策実現ということで、障害者施策につきましても、一生懸命に生きる障害者の方々の思いを実現するために全力で今までも取り組んでまいりました。昨年の六月には、公明党から「「共生社会」の実現をめざして」と題しました政策提言を行いましたが、今回の改正案は、私どものこの政策提言の掲げた方向と基本的に一致するものというふうに思っております。法案の取りまとめに当たりました坂口大臣を、今後バックアップをしっかりとしてまいりたいと思います。
 今回の改正案につきまして、具体的な論点についてお尋ねをしたいと思っております。
 まず初めは、企業グループによる雇用率の算定についてでございます。
 我が国の障害者施策の柱の一つとして雇用率制度があります。この制度は、企業に一定割合の障害者の雇用義務をかけ、企業が社会的責任を果たすために自主的な取り組みを促すとともに、社会全体で障害者雇用を進める目標となるものであり、大きな効果を今まで果たしてきた、そのように思っております。こうした中で、雇用率制度を経済情勢の変化に対応して見直していくということは必要なことでございますし、そしてまた、障害者の雇用の場を拡大するためにも重要であると思っております。
 今回の改正案では、特例子会社について、障害者雇用を進める方法として積極的な位置づけを行い、そして、これを保有する企業についてはグループ企業で雇用率を算定することといたしておりますが、私どももこれは適切なものであるというふうに思っております。
 先般、私どもも、浜四津代表代行とともに、都内にあります特例子会社を見学いたしました。障害者が、健常者の方と席を並べて、データ入力や、そしてまた経理等のさまざまな業務を行っておる姿を拝見いたしました。大変参考になったような次第でございます。
 今回の改正法案でこの特例子会社についてどのように評価しているのか、そしてまた、グループ企業全体として雇用率を適用することについての理由、この二点について御説明をいただきたいと思います。
○澤田政府参考人 特例子会社制度は、障害者に配慮した職場環境の設定、あるいは障害者特性に対応した業務の再編等が行いやすいということで、特に知的障害者、重度障害者の職域が拡大するというメリットが相当ございまして、障害者にとってもといいますか、障害者自身からも評価がかなり高いという状況にございます。
 最近のマクロ状況を申し上げますと、近年、企業の分社化とか統合等の企業再編が相当進んでおります状況に対応するには、親会社の責任のもとで、企業グループ全体で特例子会社におきます障害者雇用に貢献する仕組みを整理する、そして特例子会社の経営の安定と発展、設立促進を図るということが適当ではないかというふうに私ども考えました。
 また、そうしたことによりまして、親会社は関係する企業グループ全体で障害者雇用の促進を図ることとなるということで、結果的に、障害者にとりましては、個々の適性、能力等により一層適した職場への就職可能性が広がるということで、障害者の雇用促進にも現実的にも相当効果があろうということで、今回の一定のグループで雇用率を通算して計算するという法改正をお願いしているところでございます。
○福島委員 どうもありがとうございました。
 次に、除外率制度の見直しについてお尋ねをしたいと思っております。
 この除外率制度は、昭和五十一年に現行の雇用率制度が設けられて以来、見直しは懸案となっておりましたけれども、今回のこの改正におきまして、除外率制度を本則から附則に移し、廃止の方向を明確に示し、縮小を進めることとしたことは大きな前進であるというふうに思っております。
 雇用率制度を円滑に導入する上で、障害者の就業が困難と考えられた業種について軽減措置を設けたことには理由があったとは思いますけれども、技術革新など職場環境の整備の状況、またノーマライゼーションの理念、昨今の障害者の資格欠格条項の見直し、こういった流れから見て、この制度はもはや見直しをすべき時期に至っている、そのように私は思います。また、見直しに当たりましては、特段理由がある場合は別といたしまして、官民ともできる限り足並みをそろえてこれを実施すべきである。
 この見直し、必至であるというふうに申しましたけれども、それをどう具体的に進めていくかということが大切でございます。除外率を単に縮小しても、それが実際の障害者の皆様の雇用に結びつかなければ意味がないわけでございまして、そこのところをどのようにカバーしていくのか。例えば助成金を充実させる、こういったことによって実際の雇用に結びつけていく、そういう支援策を検討すべきではないかというふうに思っております。
 以上の点を踏まえまして、除外率制度の今回の見直しというものを具体的に実際の雇用にどのようにつなげていくのか、その点についてお考えをお聞きしたいと思います。
○澤田政府参考人 除外率制度の縮小につきましては、委員御指摘のように、法律上、基本的な考え方として廃止するということを明確にした上で、具体的に施行する時期は、二年間の準備期間が要るだろうということで、平成十六年四月に除外率の具体的な引き下げを行うということにいたしております。
 その場合、官民同じようなテンポでという御指摘でございましたが、そういうことが非常に大事であろうと思っておりまして、具体的には、労働政策審議会の意見を踏まえまして、各業種とも一律に一定割合で下げていくというようなことを予定いたしております。具体的には、労働政策審議会でこれから御審議いただくということになります。
 十六年四月に一定割合を下げた後の先行きでございますが、それは実際の除外率設定業種ごとの障害者雇用の進捗状況、技術革新の進展状況等を考慮いたしまして、事業主の対応可能性を踏まえた上で段階的に縮小していきたい、こう思っております。
 その間、御指摘のように、事業主がこの除外率縮小の精神、意義を踏まえて行動していただくための十分な準備をしていただかなければなりませんので、二年間の準備期間では、事業主団体と連携いたしまして各種助成金の活用を当然やりますが、その大前提として、制度の周知啓発を強力に進めて、そして、事業主が、実際、企業の行動として障害者雇用促進に真剣に取り組むということを啓発し応援していきたい、こう思っております。
○福島委員 ありがとうございました。ぜひ充実した取り組みというものをお進めいただきたい、そのように要請をいたします。
 次に、障害者就業・生活支援センターについてお尋ねをいたしたいと思います。
 今回の改正案で設けられることになりました障害者就業・生活支援センター、これは、これまでのモデル事業というものを踏まえて、厚生労働省の発足に際して、雇用施策と保健福祉施策を連携して進めるということの先駆けと言えるものだろうというふうに思っておりますし、そしてまた、関係者の方々も大変に期待をしておられると思います。
 就業面だけではありませんで、生活面での支援も必要な障害者の方に対して、身近な地域で、雇用、保健福祉、教育など関係機関が連携協力しながら支援を行う拠点として、このセンターは今後一層力を入れていかなければならないものであろうと思っております。身近にあるというところが非常に大切でございまして、身近にあるということは、たくさんなきゃいけないということでもございます。平成十四年度には四十七カ所ということになっておりますが、今後、職業安定所の圏域や障害保健福祉圏域に一カ所程度という形で配置をされていくということが必要ではないかと思っております。このためにも、都道府県また市町村の積極的な取り組みを促していかなければなりません。
 こういった点を踏まえまして、副大臣にお尋ねをしたいわけでございますが、今後、この障害者就業・生活支援センターに期待される役割、そしてまた実施箇所数、この拡大に向けての御決意等々をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○狩野副大臣 委員御指摘の、障害者就業・生活支援センターの期待される役割ということでございますけれども、障害者の職業生活における自立を図り、その雇用就業の促進を図るためには、仕事の面だけではなくて、日常生活、社会生活面に係る支援を一体的に行うことが大変大事であるというふうに考えております。
 障害者就業・生活支援センターは、先ほど委員も御指摘のように、そうした支援を身近な地域の中で一緒に行うことができるようにするということでありまして、相談窓口として、また地域での雇用、保健福祉、教育等の関係機関の連携の拠点としての役割を十分に果たすことができるというふうに考えております。
 また、平成十四年度予算では、全国で四十七カ所分の事業費を計上しておりますけれども、今後さらに、ニーズや実施状況を見ながら、将来的には障害者就業・生活支援センターによるきめ細かい支援を全国的に展開できるよう体制の整備に努めてまいりたいと思っております。
○福島委員 力強い御答弁をいただきましてありがとうございました。
 続きまして、同様に障害者の雇用に対して大変大切な取り組みでありますところのジョブコーチ事業についてお尋ねをしたいと思います。
 このジョブコーチ事業については、アメリカなど諸外国で導入が行われ、我が国でも注目されておりました支援方法でございますけれども、今回の改正によりまして法律上位置づけられたということは大変画期的なことだというふうに思っております。
 この事業、これがうまく進むようにするためには、適切な支援方法の確立ですとか、そしてまた人材の確保、育成といったことが重要でございます。先ほどの障害者就業センターの果たすべき役割は、この点においても大変大きいと言えると思っております。そしてまた、こうしたジョブコーチ事業を円滑に進めていくためには、地域の福祉施設などにも積極的に協力を求めてその実施を進めていくということも必要な点であろうかというふうに思っております。
 こうしたことがうまく連携し、かみ合っていけば、このジョブコーチ事業のニーズが高まり、そしてまた全国的に均てんすることによって、障害者の職業リハビリテーションの大きな柱となっていく、そのように私は確信をいたしております。
 副大臣に重ねてお尋ねをしたいわけでございますが、このジョブコーチ事業の実施に当たりまして、人材の養成、そしてまた関係機関との協力、今後の拡充の見通しについてお聞きをしたいと思います。
○狩野副大臣 ジョブコーチというのは大変聞きなれない言葉でございますけれども、漠然とわかるわけで、私も、どういう意味かなと思って確認いたしましたら、職場適応援助者という言葉だそうでございまして、ジョブコーチの養成としては、社会福祉施設等での障害者支援に携わった経験のある方や、企業での障害者雇用管理の経験を有する方など、障害者支援の経験を有する方を中心にお願いをしております。
 また、ジョブコーチとなる方々に対しては、日本障害者雇用促進協会の障害者職業センターにおいて、障害者及び事業所に対する支援の方法について専門的な理論や実践に関する研修を行うことにより、障害者の職業生活上の課題の解決に向けて適切な支援を行うこととしております。
 また、ジョブコーチ事業は、地域障害者職業センターのほか、障害者に対する支援に実績のある社会福祉法人などの協力機関を通じて実施いたしますけれども、障害者就業・生活支援センターなど、他の関係機関とも連携しながら、効果的なものになるように努めてまいりたいと思っております。
 また、平成十四年度においては、約七百六十名のジョブコーチを配置いたします。それによって二千四百名程度への支援を実施できるわけですけれども、今後とも、事業の実施状況、そしてまた必要性を見きわめながら対応していきたいと思っております。
○福島委員 ありがとうございました。
 次に、精神障害者の雇用促進についてお尋ねをいたしたいと思います。これも大変大切な課題でございます。
 今回の法改正に当たりまして、精神障害者への雇用率の適用が議論になったというふうに伺っておりますが、最終的に法案に入るに至らなかったことは大変残念であるというふうに思っております。
 しかしながら、労働政策審議会の障害者雇用分科会の意見書では、今後雇用率制度に入れる方向で取り組む、そしてまた、そのための課題の解決に取り組むことが事業主団体も含めて合意をされておりまして、このことは将来に向かっての大変大切な一歩であったというふうに思っております。
 そしてまた、坂口大臣の御指示によりまして、障害者雇用促進法上、精神障害者の定義規定が置かれたことは、精神障害者の雇用促進を図る上で重要な足場になる、そのように思っております。
 今後、精神障害者の雇用率制度の適用に向けた取り組み、これは着実に行っていかなければいけません。そしてまた、それのみならず、具体的な施策におきまして雇用促進というものを進めなければならないわけでございますが、この点につきましての大臣の御決意をお聞きしたいと思います。
○坂口国務大臣 障害者といいます場合に、今まで身体障害者そして知的障害者等々の問題が中心でございまして、精神障害者の問題がどうしても手をつけられずに今日まで迎えたわけでありまして、今回の改正におきましても、何とか精神障害者の問題にもう少し取り組みたいというふうに思ってきたところでございますが、思ったようにはいかなかったわけでございますけれども、しかし、第一歩を踏み出すことはできたと思っております。
 精神障害者の皆さん方の雇用もやはり雇用政策の中の一つに入れるんだという、総論としてそこには一歩を踏み入れたというふうに思っておりますので、これからそれをより具体的にどうしていくかということを考えていきたいと思います。
 やはり、雇っていただいております企業の皆さん方のお話を聞きますと、それはそれなりにまた精神障害者の皆さん方に対する問題はいろいろあるようでございまして、例えば、採用後、採用になっている皆さん方の中で精神的な疾患にかかられる方がある、そうした方をかなり今抱えておみえになります職場もあるわけでございます。そして、そういう皆さん方を、それでは障害者としてカウントしていいのかどうか。カウントしますと、それはそれなりに、今度はまた、その障害者の皆さん方の側からすれば、そういうところに自分はカウントされているのかという思いになられる。その辺のところもどうするかということをひとつまず決めてほしいという御要望がありまして、それも当然のことではないかというふうに思っている次第でございます。
 あるいはまた、精神障害者の皆さん方の中にも病状が不安定な方がおみえになりますので、その不安定な皆さん方を一体どうするか、安定された方のみを対象としていくのか、その辺のところの割り切りというものも一つ大事になってくるのではないかというふうに思っておりまして、それらのことを早急に議論を詰めさせていただきまして、そして、次の段階のときには、精神障害者の皆さん方の雇用の問題も大きな柱の一つになるようにしていきたいと思っている次第でございます。
○福島委員 最後に、障害者プランの改定に向けての取り組みについてお尋ねをしたいと思っております。
 障害者基本計画そしてまた障害者プランは、平成十四年度で最終年を迎えようとしております。これらの計画は、我が国の障害者施策を進める上で大きな成果を上げてきた、これは事実であろうと思います。
 しかしながら、障害者プランにおきましては保健福祉施策の数値目標だけが並んでいるという印象は否定できないわけでございまして、障害者雇用を進める上では、雇用施策の分野でも可能な限り数値目標というものを掲げ、計画的な整備を図っていくということがこれから求められるのではないかと思っております。障害者雇用施策を障害者基本計画そしてまたプランの中にこれまで以上に大切な柱として位置づけていく、このことが望まれているというふうに思っております。
 今回の障害者雇用促進法の改正の審議は、こうした新しいプランをどうつくっていくのかということに向けて議論を深める大変大切なステップではないかというふうに思っております。政府におきましても、平成十五年度以降の新たな障害者基本計画そしてまた障害者プランの策定作業の準備に入ったと伺っておりますけれども、こうした障害者の雇用というものを一つの重要な柱とするという観点から、どのような取り組みをなされるのか、大臣の御決意をお聞きしたいと思います。
○坂口国務大臣 今までのプランが一応終了することになりまして、平成十五年度から新しいプランで再出発をさせていただくということで、今、議論をスタートさせていただいたところでございます。この厚生労働省だけではなくて、各省庁にもわたりますので、これは政府全体として取り組んでいくということで始めているところでございます。
 その中で、いろいろ重要な点はあるというふうに思いますが、先ほども申しましたとおり、障害者の位置づけ、それは、その中には精神障害者の皆さん方も含めました障害者の位置づけということにしていかなければならないと思いますし、それから、精神障害者に対するただ福祉的な支援というのではなくて、先ほど福島委員も触れられましたとおり、やはり一人の人間として、同じように生活、そして就労していただけるようにしていかなければならない。とりわけその中で、やはり雇用ということが、就業ということが一番大事になってくるだろうというふうに思いますので、その就業ができ得る体制をどうつくり上げていくかということが新しいプランの中でも最も重要な柱になると思っております。
 それを実現しますためには、先ほどもジョブコーチのお話が出ましたが、ジョブコーチをどうするかとか、あるいはまた、きょう午前中に議論をいただきましたように、介助犬等をどのようにつくり上げていくか。そのためには、それに必要な施策というものを整理しなければなりませんし、そうしたことを総合的に、やはりもう少しきめ細かくやっていかないといけない。その、きめ細かくそれらを積み上げた上での対策というものにしていく。
 そして、現在までの法律で、もし今までの法律ではぐあいが悪いということであれば、新しい法律に改正をしなければならないわけでありまして、これは厚生労働省の中の法改正だけではなくて、全体の法改正というものもにらみながら新しい体制をつくり上げていくことになるのではないかというふうに思っておりますし、我々も最大限努力をしたいと思っております。
○福島委員 大変大きな視点からの御答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。
 我が党におきましても、昨年の政策提言の中で、日本版ADA、障害を持つ人の権利保障法を制定すべきであるということを申し上げさせていただきました。現在の障害者基本法を見直していくという考え方もございますし、そしてまた、共生社会を目指した新しい立法をするという考え方もあるようでございます。新しい障害者プラン、この検討の中で、こうした基本法をどうしていくのかということについて、与野党を問わず、この立法府の中において議論というものを深めていく必要がある、そのように思っております。
 そしてまた、若干時間がございますので、大臣に一点だけ御要望をさせていただきたいと思っております。それは、発達障害の問題でございます。これは御要望でございます。
 例えば自閉症ですとか注意欠陥多動性障害とか、そういうものなどがございます。私自身が身近でいろいろな方のお話を聞いておりまして思いますことは、早期の段階でどういう療育をするのかということが非常に大事である、そしてまた、早期の段階の介入ということが発達というものをかなり促進するんだろうというふうに思っております。
 しかしながら、日本の社会において、現実問題としてどれだけこの専門的な療育というものが早期の段階で行われているのか、これは甚だ心もとないところがあると思います。そういった専門の施設がないというわけではありません。身近で十分活用できるほどあるか、そしてまた、個々のケースに応じて活用できる人材がいるのかということが問われているんだと思います。
 先日、そうした子供さんを持つお母さん方と話をする機会がありました。お年寄りには福祉にたくさんお金を使うんだけれども、なぜ日本の社会はもっと子供にお金を使わないのだろうかというお話をしておりました。このことは、今回、障害者雇用促進法の話でございますけれども、実はそうした早い段階からの療育の体制が整うということは教育にも結びつきます。教育に結びつくということは、就労にも結びつくわけでございます。ですから、この障害者の雇用の促進ということも、ある意味で、ライフサイクルといいますか、縦断的にとらえる必要もあるのではないか、そのような思いがいたしております。
 最後に、この点について厚生労働省の中でもいろいろと御検討していただきたい、そのことを要望いたしまして、私の質問を終わりにさせていただきます。大変ありがとうございました。
○森委員長 次に、水島広子君。
○水島委員 民主党の水島広子でございます。
 まず、本日、事前に通告をしておりました質問に入ります前に、けさの新聞報道に基づいて一つ質問をさせていただきたいと思います。
 けさの新聞によりますと、非加熱濃縮血液製剤によるC型肝炎感染問題で、旧ミドリ十字が、一九七七年にアメリカで同じ成分の製剤がFDAによって製造禁止になった直後に、その事実を把握していたこと、そして八四年には、旧厚生省に対して、製造を禁止したアメリカの関連資料などを再評価のための準備資料として提出していたということが書かれております。
 しかし、旧厚生省は即座に対応をとらず、再評価を検討した調査会では承認取り消しや使用限定ということにもならず、結果的に三年後、フィブリノゲンが投与された産婦八人が肝炎を発症したことが発覚して、旧ミドリ十字が製剤を自主回収するまで販売が継続されていたということが報道されているわけです。
 なぜ厚生省では繰り返しこういうことが起こるのでしょうか。もう問題は出尽くしたと言っていても、またこうやって新たに同じような構造の問題が出てくるわけでございます。今回の記事の文章を読んだ限りでは、担当の厚生官僚の行政不作為を私は感じます。
 厚生労働省では経緯の調査をするということですけれども、いつまでに調査をされるのか、そしてその結果、当時の担当者の責任を追及していくつもりかどうか。なぜ繰り返しこういう構造の問題が起こるのか、どのようにすれば今後二度と起こらないようにできるのか。冒頭に大臣のお考えをお聞かせください。
○坂口国務大臣 けさの新聞につきましては私も拝見をしたところでございますが、一九七七年に旧ミドリ十字がアメリカにおきましてフィブリノゲン製剤の使用禁止ということを受けた、そのことについて、先般の新聞におきましても、厚生労働省が知らなかった。そして、きょうの新聞におきましては、一九八四年に旧ミドリ十字から厚生省に報告をしていたけれども、それに対する対応がすぐに打たれなかった、そこに三年間ぐらいの誤差が生じている、こういう話でございまして、きょうも厚生労働省に参りましてから事の次第を聞いたわけでございますが。
 きょう夕方、正式に旧ミドリ十字から、旧ミドリ十字でお許しください、報告が出るようでございます。間もなく出ますので、出ましたら私も早速内容を精査したいというふうに思っておりますが、それだけではありませんで、それが出ました当時、どういうふうに厚生労働省がそれの受け付けを行い、そしてどういう議論をその後その中でしていたのかということにつきましても、至急に調査をしたいというふうに思っております。そして、一九八七年まで対応の変化がなかったのは一体なぜなのかということにつきましても、はっきりとそこで調べたいというふうに思っている次第でございます。
 いずれにいたしましても、今日までいろいろな病気のことにつきまして繰り返してきているように見えるわけでございますが、今までの、HIVでありますとか、あるいはヤコブの問題でございますとか、そうしたいわゆる新しい病気、今まで全く予期せざるものが出てきた場合の対応と、そしてC型肝炎の問題とは、若干違うと私は思っています。
 と申しますのは、C型肝炎というはっきりとしたウイルスが発見をされまして、そしてそれがわかるようになりましたのは一九八八年でございますけれども、その前から、もう戦後間もなくから、いわゆる輸血後肝炎、あるいはまた非A非B肝炎というふうに言われた時期もございましたけれども、輸血や血液製剤によってそういう病気が起こるということは、もう医療従事者の間で周知の事実でございました。しかし、血液を使わないわけにはいかない、そういう副作用があるけれども使わざるを得ないというので、使ってまいりました。そうした経緯がございますので、若干私は違うというふうに思っております。
 ただ、普通の輸血用の血液と、そして血液製剤というものとは、また取り扱いも違うというふうに思っています。一般の輸血用の血液の場合には、一人の人の血液で成り立つわけでございますが、血漿製剤の場合には、多くの人の血液の中からこの製品をつくるということでございますから、多くの人のを使えば危険性というものは非常に高まるわけでございますから、それに対する配慮というものがやはりなされてしかるべきというふうに思っております。そうしたことがどのように今まで扱われてきたかということにつきまして、至急に調査をしたいと思っています。そんなに長い時間がかかるわけではないと思っております。
○水島委員 一般的なこととして考えまして、再評価制度に基づいて再評価のために提出をした資料の中に、FDAでは既に製造を禁止にしているというような情報が含まれていたにもかかわらず、使用限定ですとか承認取り消しということにならない、全くそれについて問題がなかったというようなことは、一般的に考えられることなんでしょうか。この新聞を読んだ複数の方たちからは、どういうことなのか全くそれが理解できないという声が上がっておりますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
○坂口国務大臣 ですから、そこをよく、報告書を、あるいはまたその当時の対応の仕方を見て私も意見を言いたいというふうに思っておりますが、現在のところ、報告書の内容や、その当時の、一九八四年に出ました報告のその内容に対してどう対応したかということが、今のところ私もちょっとわかりませんので、それを見まして、なぜそうであったかということを知りたいというふうに今思っているところでございます。
○水島委員 本当に断固とした態度で、一つも、何も情報を隠すことなく、すべて御検討いただいて、御発表いただけるということをお約束いただけますでしょうか。
○坂口国務大臣 そうしたいというふうに思っております。
○水島委員 ぜひよろしくお願いいたします。そして、もう本当にこんな同じ構造を二度と繰り返さないように、何も知らない方たちが行政の問題によってこれ以上健康被害に遭わないように、ぜひ本当にこの報道を最後にしていただけるように、全面的な調査をお願いしたいと思います。
 そして、本日の法案の質問に入ります前にもう一点お伺いしたいことがございますが、この四月から全面施行されておりますDV法に関連して、一つお伺いいたします。
 二〇〇〇年に抜本的に改正された社会福祉法は、従来の給付型の福祉から、個人の自立を基本とし、その選択を尊重した制度を確立するとともに、地域での生活を総合的に支援するための地域福祉の充実を理念としております。そして、その理念に沿って、地域福祉計画を今年度中に策定し、来年度から実施することとなっております。
 社会的な援護が必要な人として、私は、DV被害者の女性も含まれると思いますけれども、そうお考えになっておられるでしょうか。そして、市町村の地域福祉計画策定に際しては、DV被害者も含むよう自治体に指導しておられるでしょうか。お伺いいたします。
○狩野副大臣 市町村地域福祉計画は、地域の実情を踏まえて、住民の方々の参加をいただいて策定することになっております。ですから、厚生労働省といたしましては、今回、市町村が計画を策定する際の参考となるよう、地域福祉計画策定指針を通知いたしました。その中で、これからの地域福祉推進の背景と必要性として、家庭内暴力についても位置づけをしております。
 したがいまして、各市町村における計画の策定に当たっては、委員御指摘のように、配偶者による暴力に関する相談支援体制等を含め、地域福祉のあり方について幅広く検討されることになると思います。
○水島委員 それでは次に、本日の法案の質疑に入らせていただきたいと思います。
 私は、二〇〇〇年十月の厚生委員会でも、雇用率制度の中に精神障害者を含めていくことができそうであるかという質問をさせていただきました。それに対して当時の労働省から、二〇〇二年度までにできるだけ結論を得たいという趣旨の御答弁をいただきました。ところが、今回の改正でも、結果として雇用率制度の中に精神障害者を含めることはできませんでした。
 先ほど公明党の福島議員の御質問に対しまして、大臣は、次の見直しのときに精神障害者の問題を大きな柱の一つとしていきたいと答弁されておりましたけれども、これはつまり、五年後の次回見直しのときには雇用率制度の中に含まれるということを意味しているのでしょうか。
○坂口国務大臣 そうではなくて、次の新しい障害者プランができますときに、その中に、障害者の位置づけとして、ただ単に身体障害者や知的障害者の問題だけではなくて、精神障害者を含めた一つの大きな柱にしていかなければならないという決意表明をしたわけでございます。
○水島委員 それでは改めてお伺いいたしますけれども、では、何年後にこの精神障害者が雇用率制度の中に組み込まれるということが実現するのでしょうか。まずお答えいただきたいと思います。
○坂口国務大臣 何年後と詰められても、今すぐに答えられないわけでございますが、しかし、この精神障害者の問題は既に検討を開始いたしておりますから、そんなに長い時間がかかるわけではないというふうに思います。今まではなかなか着手できなかったわけですけれども、既にこの問題につきましては着手をいたしております。
 先ほど一例を挙げましたように、精神障害者の皆さん方を雇用しましたときに、それではプライバシー等の問題を一体どうするのかといったようなこと、そして、既にお勤めになっている皆さん方で精神障害者になられた場合に、その人たちをカウントするのかしないのかといったような問題もございますし、その人のプライバシーにこれもかかわってくる問題でございます。あるいは、繰り返しでございますけれども、非常に精神状態が、精神というか病状が不安定な皆さん方を一体どうするのか、安定した人たちを対象にするのかといったようなことについて、もう少し議論を重ねて、そして決定をしたい、そんなふうに今思っているところでございます。
○水島委員 行政の世界では五年、十年と一言で言いますけれども、十年というと、三十歳の方が四十歳になる、四十歳の方は五十歳になる、それほど本人にとっては非常に長い年月ということになるわけです。ですから、なるべく早くとおっしゃった、そのなるべく早くが五年なのか十年なのかというのは非常に大きな違いであると思いますけれども、大臣は十年もかかるとお考えでしょうか。
○坂口国務大臣 十年しましたら私もいないんでしょうし、そんなに長い歳月を考えているわけでは決してございません。早いうちに決定したいと思っております。
○水島委員 今、十年はかからないと言ってくださいましたので、つまり五年後の見直しのときには必ず入れていただけるものと解釈をさせていただきます。
 ぜひ至急御検討を進めていただけますように、そして本当にもう五年も十年も前からずっと、仕事をしたいと思ってこの法改正を待っている障害者の方たちがたくさんいらっしゃいますので、ぜひその方たちのためにも全力で取り組んでいただきたいと思っております。ぜひ進行ぐあいについてまたお聞かせいただければと思っております。
 さて、今回それでもこの雇用義務制度の対象に精神障害を含めるということが決まったわけですけれども、振り返ってみますと、この合意が得られるまでに五年かかったということになるわけです。既に雇用率制度に精神障害者が含まれているドイツやフランスに比べて、日本はなぜこんなにおくれているのでしょうか。
○澤田政府参考人 精神障害者に対します雇用率制度の適用のおくれにつきましては、いささか古いわけでありますが、平成八年の障害者雇用問題研究会報告におきましていろいろ指摘されております。
 その主な点を申し上げますと、精神障害者の施策が身体障害者や知的障害者の施策と比べると、八年当時の報告でありますが、事実おくれていた。それの背景としては幾つかございまして、一つは、対象とすべき精神障害者の範囲とか実態が明らかでない。二つ目に、適切な雇用管理のあり方、例えば精神障害者の方の職業適性・能力を企業の場でどう把握して引き出していくかとか、医学的管理をどうするかとか、こういうことが必ずしも明らかになっていない。三点目に、障害が安定していないことが多く、雇い入れ後の障害の状況を継続的に把握する体制が企業においてもなかなか不十分である。あるいは、職業リハビリテーション等々の職場定着を図るための社会としての体制が不十分であるというような問題が当時指摘されておりました。
 この点について、この間、私ども問題点を少しでも克服すべくいろいろ政策を打ってまいりましたが、残念ながら、今回の見直しで精神障害者の方を雇用率の対象にする段階まで、社会的、企業の状況等々が至っていないということでございます。
○水島委員 つまり今のお話というのは、事業主側の精神障害というものに対する理解がおくれているというふうに受け取りましたけれども、これはいろいろなところで指摘されていることでもございますが、大臣は、なぜ事業主側の理解がおくれているとお考えになりますでしょうか。
○坂口国務大臣 事業者側の考えがおくれているというふうに言いますよりも、私は、一般社会における精神障害者に対する考え方というのが非常におくれていたというふうに思っております。
 現在でも、この精神障害者の仕事場を、仕事を何とかふやさなければいけない、つくらなければいけないというので、新しいそうした仕事のできるところをつくりたいというふうに思いましても、なかなか近所の皆さん方から反対があってできないといったようなことがあるわけでございまして、差別意識というのが非常に強かった。したがいまして、企業の中にもそれが反映をされていたというふうに私は思います。
 ですから、精神障害者に対する温かい思いやりというものが社会全体にできるようにしていくということが一番大事でございまして、そうしたことも念頭に置きながら、この雇用の問題につきましても前に進めていきたいと思っているところでございます。
○水島委員 おっしゃるとおり、一般社会の差別意識というものはございまして、それについてはまたこの後お伺いしていきたいと思うんですけれども、ただ、雇う側の意識というものは、実際に雇ってみないと理解は進まないという現実がございます。先日、私もアメリカのジョブコーチのビデオを見ましたけれども、その中でやはり事業者の方が、雇ってみて初めてこちらの方がいいんだということに気がついたというようなことをコメントされていました。だからこそ、雇用義務をかけて、とにかく共生をしていくということ、雇用していくということが必要であると私は思っております。
 先ほど、そんなに長くはかけないということで御答弁をいただきましたので、次回の見直しには必ず雇用率制度に入れていただきたいと重ねてお願いを申し上げます。
 さて、その差別の問題でございますけれども、私の知人の視覚障害者の方は職場で、あなたは法律で決められているから雇われているけれども本当に邪魔な存在だと、いつも直属の上司にいじめられているそうです。職場における差別やいじめを防ぐためにはどうするおつもりでしょうか。差別はあっても、もちろん職を失いたくないという意識がございますので、障害者御本人がみずから申し立てるということは現実的には難しいと思います。このような特性を理解した上でどう対応されますでしょうか。
○澤田政府参考人 障害者の方の職場への適応に向けた適切な支援を行うということで、現在、公共職業安定所の担当官が障害者の就業する場所を訪問して職場適応状況の把握に努めておりますが、今後、今回御提案申し上げております障害者就業・生活支援センターによる相談援助体制を整備するとともに、ジョブコーチによる障害者の職場適応への継続的な支援も進めていきたい、こう思っています。
 実際に職場におきまして差別とかいじめが把握された際には、公共職業安定所が主宰しております障害者雇用連絡会議、ここには地域の障害者にかかわるいろいろな機関、施設が結集しておりまして、そうした会議におきまして、公共職業安定所が中心に、関係機関の協力連携のもとに迅速適切な対応を図るということにいたしております。この障害者雇用連絡会議は定期的に開催しておりますが、急を要する場合には迅速に対応するということで、少しでもいじめ等々の問題に対応できるように努力をいたしているところでございます。
○水島委員 今、ジョブコーチのお話が出ましたけれども、このジョブコーチが、職場の対人関係のトラブルですとか職場内のいじめですとか、そういったことの解決のためにどのような機能を果たすのか、どのようなことがその職務内容であるのかということは、どちらかに明記されるのでしょうか。
○澤田政府参考人 ジョブコーチは、障害者の職場適応を図るための支援を継続的に実施するという基本的な使命がありますので、職場適応を図るという中に、いじめとかそういう問題も当然含まれてまいります。
 ジョブコーチの支援は、障害者の方が就業している間すべてではなくて、一定期間でございますので、ジョブコーチによる支援が終了した後も職場において障害者に対する適切な支援が実施されるように、支援の方法等についてジョブコーチが事業所に伝えていくという役割も重要なものとして位置づけられております。
 ジョブコーチが、個々の企業におきますみずからの支援の状況を、ジョブコーチが所属いたします地域障害者職業センターに業務報告をするということになっております。そういう中で、いじめ等が具体的に把握された場合には、障害者職業センターにおいて、公共職業安定所など協力機関、関係機関と連携して、事業所に対する助言などをやるということでございまして、こうしたジョブコーチの仕事は、当然ながら、職務規程という形で明確化することを予定しております。
○水島委員 それでは、先ほど大臣からもお話がございました精神障害者に対する一般の差別意識について、お伺いしたいと思います。
 この精神障害者に対する差別意識というものは、多分に未知の者に対する偏見という色彩が強いと私は思います。私自身のことを振り返りましても、精神科医になるまでは精神障害者のことをほとんど知りませんでした。このような現状を踏まえまして、精神障害者に対する差別意識を解消していくためには何が必要だと考えられるでしょうか。
○狩野副大臣 精神障害者に対する誤解とか偏見が、精神障害者の地域での自立や就労、社会復帰施設の整備などに当たって大きな阻害要因となっております。これは、委員は専門家でいらっしゃいますから、よく御存じだと思います。このために、地域住民に対する正しい知識の啓発普及、そしてまた精神障害者と地域住民との交流などを通じて、その解消を図る必要があると思います。
 厚生労働省といたしましては、地方公共団体とともにシンポジウムなどを継続的に開催し、精神障害者に対する誤解、偏見が是正されるよう呼びかけております。また、厚生科学研究において、精神障害者の偏見除去等に関する研究を実施するなど、科学的な観点からも偏見の解消に向けた取り組みを進めております。また、精神障害者社会復帰施設の設置に当たっては、精神障害者への理解と支援を求めるための地域交流スペースを整備するなど、進めております。
 今後とも、あらゆる手段を尽くして、精神障害者に対する誤解や偏見の是正に努めてまいりたいと思っております。
○水島委員 特性を理解しろしろと講義をしていくよりも、やはりいつも身近に当たり前のように共生しているということ、また、もちろん症状に波がありますので、症状が多少悪くなったときでもきちんと地域でサポートされる体制があるというような安心感が必要なのではないかと思いますけれども、これについては賛成していただけますでしょうか。
○狩野副大臣 これはもう絶対、賛成というか、ぜひそのように進めていきたいと思っております。障害者と地域の人たちが本当に一緒になってやっていくという環境づくりが大事だと思いますので、それは心がけてやっていきたいと思っております。
○水島委員 障害者全般に関する意識を根本から変えるためにも、アメリカのADAのような障害者差別禁止法を制定する必要があるのではないかと思いますけれども、大臣は、これについてはどうお考えになりますでしょうか。
○坂口国務大臣 以前にも同じような御質問をいただいたことがございましたし、その趣旨というものにつきましては私も賛同をしている一人でございます。ただ、進め方というものをどういう形で進めていったらいいのか、日本の国の中の環境によくマッチした形で進めていくにはどういうふうにすべきなのか、その辺のところを十分に議論をして進めなければならないというふうに私は思っております。
 ただ、雇わなければ、あるいは障害者を雇い入れなければすぐ裁判ざたにするといったようなことが果たしていいのかどうか。そういうやり方ではなくて、本当に自然に障害者の皆さん方を社会が受け入れていくような形にどう軟着陸させるかということが大事だというふうに私は思っています。
 先ほどから出ておりますように、障害者に対する差別、偏見というのも、なかなか正直言って根強いものがございまして、これはなかなかそう簡単にはとれないものなんですが、どうすればこれをとっていくことができるのか。
 やはり、精神障害者のその病状、一番厳しいときの病状等をごらんになって、そして、そのことが余りにも現実と違い過ぎるので、そのことに対して非常に恐怖感を持たれるというようなこともあるというふうに私は思うんですが、お互い生きております以上、ある一つの病気になれば、あるいはまた環境によればお互いそういうふうな状況になり得るんだという、お互いの理解みたいなものをもとにして、そして、やはりこの精神障害者の問題につきましては、温かくひとつ見守っていかなければならないし、その皆さん方に対する受け入れの体制をつくり上げていかなければならないというふうに思っております。
○水島委員 最後にお伺いしたいんですけれども、大臣は、精神障害者の自立・就労支援をしていくことのメリットをどのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。これは、障害者御本人にとって及びその社会にとって、それぞれの観点からお答えをいただきたいと思います。
 また、昨年の大阪池田小学校事件の直後に、小泉首相が偏見に満ちた軽率な発言をしたり、また各地で差別的な事件が相次いだりしたことからも、精神障害者を差別する社会の風潮は決して改善しているとは言えないと思います。
 先ほど副大臣からも御答弁をいただきましたが、差別をなくすための環境づくりに、この雇用の問題を初めとして、行政の果たす役割は非常に大きいと思っております。日本は、精神科の平均在院日数がずば抜けて長いなど、精神障害を取り巻く環境が国際的に見てもかなりゆがんでいると思います。もうこの状況を打開するためには、今のように温かく見守っていただくとともに、やはり大臣のリーダーシップが必要ではないかと思いますけれども、最後に、どのように取り組んでいかれるかという決意表明をお伺いしたいと思います。
○狩野副大臣 もう委員御指摘で、よく御存じだと思いますけれども、精神障害者の自立・就労支援を図ることによって、障害者の本人にとりましては、社会経済活動への参加意識を持つこととか、それからまた、この機会を持つことによって収入が得られ、自立した生活の可能性も開けること、そして、それによって自信を持つことができるというふうに思っております。そして、それと同時に、生活のリズムが形成され、みずからの生活を律することによって病状への好影響が得られるということで、メリットが期待されるというふうに思っております。
 また、精神障害者が働きながら自立した、生き生きと暮らせる社会ということは、すべての人が生き生きと働ける社会でありますし、我が国社会のすべての人が持てる能力を発揮し、有意義な人生を送っていくことが可能になるというメリットがあるというふうに思っております。
○坂口国務大臣 この触法精神障害者という言葉が適当なのかどうかも私わかりません、あるいは余り適当な言葉でないのかもしれないというふうに思っているわけですが、精神障害者の中では本当の一握りの人なんですけれども、繰り返し法を犯すという人があることも、これは事実でございまして、その人たちに対して一体どうしていくかということが、今一つは問われているわけでございます。
 その人たちに対しましては、やはり、普通の精神障害者に対する治療だけではなくて、生活指導でありますとか、さまざまな面から手を差し伸べる必要があるのではないかというふうに思います。この人たちのことをそのままにしておく、普通の、一般の精神障害者の皆さん方と同じようにしていくということによって、一般の皆さん方の精神障害者に対して見る目がかなり悪くなるといったことも私はあり得るというふうに思っております。
 したがって、一般の精神障害者に対しまして温かい施策を実行していきますと同時に、一握りの人ではありますけれども、法を犯す、それも一回のみならず何回も犯すというような人に対しましては、特別にやはり指導を行っていくべきだというふうに思います。それを行いながら、そして問題は、地域にあるいは家庭に帰られた後、その人たちに対してだれが温かく手を差し伸べていくのかということが一番大事になるというふうに思いますので、その地域にあるいは家庭に帰られた人に対する対策というものが、これは特に私は大事だというふうに思っております。
 これは、一般の精神障害者の皆さん方に対しましても、ある程度やはりお話し合いの相手になれる人というのが必要な場合があると思います。御家族の中で生活をしておみえになる方はよろしいですけれども、お一人で生活をしておみえになる方もかなりあるわけでございますから、その人たちに対しましては常に手を差し伸べていく。もう少し具体的に言えば、相談相手になっていく、あるいはまた、就職等のことにつきましても相談に乗っていく、そしてまた、治療につきましてもアドバイスをしていくといったようなことがやはり大事になってくるというふうに思っております。
○水島委員 ありがとうございました。ぜひ、最後の方に大臣がおっしゃっていたことの方が新聞で大きく取り上げられるような、政府としての取り組みをお願いしたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○森委員長 次に、石毛えい子君。
○石毛委員 民主党の石毛えい子でございます。障害者雇用促進法改正案に関しまして、除外率制度の見直しに関して、主として、少し具体的にお伺いしたいと思います。
 まず最初に、除外率制度の見直しの中に、除外率設定業種という枠組みがございますけれども、この設定業種の除外率を見直していくことによりまして障害者雇用がどのように前進すると見込まれておられるのか、総括的なそのあたりの御所見を伺いたいと思います。
○坂口国務大臣 先ほどもこの除外率の御議論が出ていたわけでございますが、この厳しい雇用情勢のもとで、障害者雇用というものも非常にその影響を受けまして厳しくなっております。こうした状況の中で障害者雇用の促進を図っていかなければならないわけでございますので、この除外率の問題を今回一つの柱に取り上げさせていただきました。
 例えば医療の世界でございますと、まあ五〇%でございますか、普通の障害者雇用の半分でいい、こういうことになっているわけでございますが、こうした除外率をどんどんとやはり少なくしていくと申しますか低下させていきまして、そして、できる限りどの職種におきましても障害者を雇い入れていただく体制をつくっていかないといけないというふうに思っています。
 除外率が現在よりも一律で一〇ポイント引き下げられた場合、現在一・四九という障害者の雇用率でございますが、この一・四九が、これはこのままでこれから継続するという仮定をして、そして、この除外率が現行よりも一律一〇ポイント下げられた場合には、約九千人程度、一万人弱ぐらいな人の雇用増が見込めるというふうに思っております。しかし、それは一・四九ではいけませんので、この率そのものを上げていくということもあわせてやらないといけないというふうに思っております。
○石毛委員 ぜひ実雇用率が上がるように積極的な施策の展開を要請したいと思いますけれども、この除外率の設定に大変大きな幅がございます。
 説明資料をいただきまして、タイヤ・チューブ製造業の除外率は一〇%ですけれども、今大臣が御指摘なされました医療業は五〇%、それから福祉に関連して児童福祉事業六〇%、盲学校を除く特殊教育諸学校六五%、小学校七五%、幼稚園八〇%、こういうほとんど除外していると言っても過言ではないような除外率で、二年、検討期間あるいは周知期間を置いて一〇ポイントずつ下げていったといたしましても、幼稚園の八〇ポイントがなくなるというのには、単純に言えば八年間かかるというようなこともございます。
 雇用率は、一般企業それから特殊法人、国、地方公共団体によって一・八とか二・一とかというふうに違うわけですから、この業種につきましても、民間であるか、あるいは特殊法人であるか、あるいは小学校というようなことになれば主として市町村立ということになろうかと思いますから、若干の義務雇用率の差はありますけれども、私は、これではなかなか雇用推進には実態的になりにくいのではないかというような心配もございます。
 そのあたり、これから具体的に労政審で検討されるのか、あるいは所管で具体的にプランをつくっていかれるんだというふうに思いますけれども、どんなふうにお考えになっていらっしゃるのかということを少し披瀝していただきたいと思います。
○澤田政府参考人 除外率制度につきましては、廃止の方向ということを明確にした上で、段階的に縮小していくということを法律上明らかにいたしております。
 平成十六年四月から、今のところは全業種一律一〇%引き下げる。公務員の方は除外職員という制度になっておりますが、これを除外率というふうに、いわば換算、制度的に一本化いたしまして、転換した率が出ますので、それをやはり民間と同じように下げていくということを考えております。
 既に除外率について相当格差がある中で、一律に一〇%下げることについてはいかがかという意見がありますが、ここは審議会でも相当議論になりまして、まずは困難な状況の中でみんなそろって第一歩を踏み出すことが大事だという意味で、業種特性は現在の除外率の違いに反映されている、したがって、みんな一斉に踏み出すという意味では一〇%一律ということが現実的であり適当であろうということになりまして、私どももそうした考えに従って提案をさせていただいているところであります。
 今後につきましては、踏み出した後、いろいろな意識啓発あるいは支援政策等々が相まって現実に実雇用率が上がっていくということを目指して、それの状況、それには企業の努力もありましょうし、政策努力もありましょうし、世の中の技術進歩等々もありましょうから、そこをよく踏まえて、では、次の段階はどうするかということをまた真剣に議論していくということで、そこは実態がどこまで進むかということに相当左右されると思っております。
○石毛委員 少し具体的にお尋ねしたいと思いますけれども、例えば小学校の場合、除外職員が職種で小学校、聾学校、養護学校及び幼稚園の教育職員というふうに置かれておりまして、この方が除外率に置きかえられていきますと、単純に、私の理解でいいのかどうかというところもあるかもしれませんけれども、現在七五%の除外率ですから、一〇ポイント下げれば六五ポイントになるわけです。そうすると、要するに、義務雇用率を設定する該当職員といいましょうか対象人数というのは、三五%の人になるわけですね、六五%が除外。
 そうすると、三五%の職員で、例えば地方公共団体の場合、二・一%が義務雇用率になりますから、二%としましても、五十人の職員がいないと一人の採用にはならないと計算できると思います。五十人の職員が三五%に当たるとしますと、ほぼその二倍の職員といいますと、除外率をプラスした職員といいますと百人ぐらい足さなきゃならないわけですから、一つの小学校に百五十人の教員がいるのかどうかというのはかなりリアリティーのない問題だというふうに私は思うわけです。
 これは幼稚園なんてもっとそうだろうと思いますし、それから児童福祉施設だって、そんなに高除外率で勘案していくと該当人数が物すごく減ってしまいますから、実際には義務雇用率の該当職場、該当業種にならないのではないかと私は思ったわけなんですけれども、そのあたりはどうなんでしょうか。あるいは、もし私が今申し上げましたことがおおよそ正しいというふうにすれば、例えば小学校などは、一つの自治体に何校かある場合には連結でカウントするとか、そういうふうにしていくのか。
 とにかく、このままでいくと、除外率の高い業種は実際に該当業種に当たらない、そういう問題が出てくるのではないかという不安といいましょうか疑念があるのですけれども、いかがでございましょうか。
○澤田政府参考人 まず、障害者雇用率自身が、例えば民間ですと一・八%となっていますので、適用単位の母数、労働者としては、五十六人以上の常用労働者がいるところが具体的には適用のぎりぎり最低ラインになるということでございます。したがいまして、委員御指摘のように、民間の幼稚園等で、幼稚園は学校法人という形式が多いと思いますけれども、学校法人として一幼稚園しかないということになりますと、幼稚園の教諭が五十六人未満ですともともと外れているということになります。
 ただし、公立の小学校、中学校等は都道府県なり市町村の教育委員会単位で計算いたしますので、多くの場合には、個々の小学校、中学校も雇用率の適用対象になるということに現実的にはなっていると思います。
 それ以下の、今回一〇%下げた場合の数字の話は、委員御指摘のとおりであります。
○石毛委員 その辺の検討を、何といいますか、精査していただきたいと申し上げたいと思います。そして、実効性が進むように、そのことをまず第一命題として施策の具体的な検討をぜひお進めいただきたい。
 このままでいきますと、例えば児童福祉事業で、児童自立支援施設ですとか保育所などの場合の公益法人としてなされている場合に、非該当になる部分がすごく多いのではないか。職業の遂行上と障害との関係が全く無関係でないと申し上げるつもりはありませんけれども、工夫の仕方によりまして障害のある方が働ける場面というのはたくさんある。現に保育園で障害をお持ちの方が働いていらっしゃる場合もありますので、ぜひとも実態が進むような検討をお願いしたい。
 できれば、アメリカのリハビリテーション法のように、きちっと障害者雇用を達成している民間企業と公的な機関は契約を結んでいくというような、それぐらいの前進性といいましょうか先駆性をぜひ実現していっていただきたいということを要請させていただきたいと思います。
 次の質問でございます。
 除外職員に関連しましてぜひとも確認をさせていただきたいのですが、この間、障害をお持ちの方の欠格条項の見直しということが、さきの国会でも、それから今国会でも、大変多くの法案に関連して出されております。先国会では、御承知のとおり、欠格条項の見直しに関しまして、医師法等の一部を改正する法律案が成立し、附帯決議が付されました。
 その附帯決議の三項で各種資格試験、四項で大学、専門学校等の教育養成機関に関する附帯決議がなされておりまして、要するに、就学ができるように、資格が取得できるように、その努力をするというような内容の附帯決議が付されたわけでございますが、この法律が成立しましたのは昨年、衆議院で六月二十二日可決、それから参議院先議で六月十三日ということでございます。まだ一年はたっておりませんけれども、ほぼ一年近くたっておりますし、そろそろ次の準備ということもあろうかと思いますけれども、文部科学省、きょうは清水審議官においでいただいております。どのような取り組みをなさってこられましたでしょうか、あるいは、なさりますのでしょうかということと、それから、実際に大学に対して、施設の改善、人的な助成というような意味で、どのような中身がとられているかということを、ごく簡潔にお教えいただきたいと思います。
○清水政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘の障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律の附帯決議を受けまして、文部科学省といたしましては、法律施行後、高等教育局長名で、各国公私の大学長あてに通知を発しまして、附帯決議の趣旨の周知徹底を図るように要請を行ったところでございます。
 入学者選抜に当たっては、局長名でまた別途、全国公私大学長あてに通知を行っているわけでございますけれども、障害者の各大学の受け入れについて、能力、適性等に応じた学部への進学の機会の提供を広げるという観点から、例えばということで、視覚障害者等については、試験時間の延長、拡大鏡の使用等々、具体的な例を示して特別な配慮を行うよう要請しているところでありますし、また現実に、入学者選抜におきましても、それぞれの障害に応じた配慮が行われているというふうに承知しているところでございます。
 また、入学後につきましては、障害を有する学生が、教育課程の履修、あるいは学生生活全般にわたって特別な配慮の必要があると考えておりますし、またこれまでも、円滑な学生生活を送れるような学習支援体制の整備を図ることを図ってきたわけでございます。
 具体的に申し上げますならば、例えば国立大学については、学内移動の補助でありますとか、教材等の点字翻訳でありますとか録音、ノートテーカーあるいは手話等々の、教育上の特別な配慮を行うための所要の予算措置を講じておりますし、また、私立大学においても、経常費補助金特別補助において、同様の観点から障害者の受け入れの数等に応じて補助金を増額するという措置をとっております。
 施設設備につきましては、エレベーター、スロープ、身障者用トイレ、階段手すり等の整備を行っております。以上は国立大学でございますが、私立大学においてもバリアフリー化を、あるいは専門学校におきましても施設設備の改修工事を行うための費用の融資事業等の対象として予算措置、あるいは公立大学に対する補助を行っているところでございます。
 以上申し上げましたように、今後とも、附帯決議の趣旨を十分に踏まえながら、大学で学ぶ障害のある学生たちに対する支援に努めてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○石毛委員 審議官、大変恐縮でございますけれども、全国障害学生支援センターという、活動といいますか、御存じでいらっしゃいますでしょうか。二〇〇二年の「大学案内 障害者版」というのがありますけれども、二〇〇二年ですから最新版ですね、ことしの受験に間に合うようにと整理されたものだと思いますけれども、障害のある方がなさっている活動ですけれども、全国の大学六百八十二校にアンケートをされていて、回答率四八・九%、五〇%いっていないんです。
 それで、障害のある学生さんの受験に関しまして配慮している大学というのは、完全に言えば二校しかないというような、受験に特段の配慮という意味ですから細かい点を入れればそんなことはないですけれども、でも、私はまず最初に、回答率が四八%、五〇%を割っているということに大変な杞憂を覚えるわけです。
 きょうは時間もございませんので、ぜひこうした資料など、それで年間百人を超える相談も受けるようになっていると言われておりまして、私は、多分、制度と実態との間に非常にギャップがあるのではないか、アンビバレントな状況があるのではないか、そこをきちっとつないでいっていただく努力が一層要請されているのだというふうに思っておりますので、ぜひともこのあたりを丁寧にお受けとめいただけますよう要請いたしまして、済みません、時間の関係でお答えいただきませんけれども、今後ともどうぞ頑張っていただきたいと思います。
 それから、質問の仕方を少し変えさせていただきますけれども、欠格条項等を見直しまして、その欠格条項見直しの案のときに、例えば、参考人で御出席された障害をお持ちの方から、ずっと継続して障害を持って仕事をしていく場合に、設備の改善ですとか、それから介助者の準備をするとか、そうした職業を継続していくための支援体制が整備されないと、せっかく資格を取ったとしてもなかなか就労に結びつかない、あるいは就労の継続が難しいというような御意見を伺ったように記憶をしております。
 それで、私も、一生懸命障害者雇促法を読み返しますと、十八条関係に調整金関係の助成というのがありまして、その助成金額が二〇〇〇年度で六十億というふうに報告をされております。納付金の総額は二〇〇〇年度で二百五十六億で、その中で設備の改善ですとか介助者等に対する助成金というのが六十億ですから、納付金総額二百五十億、助成金六十億といいますと、四分の一ぐらいでしょうか、助成金の使われ方が少ないのではないかという感想を私は持っております。
 例えば、聴覚障害等の雇用管理のための手話通訳担当者の委嘱というのは年二十四回までしかできない、一回六千円。そうしますと月二回。一回六千円という、これでは聴覚障害の方はなかなか安定した、継続的な職場を見出すということは難しいだろうなというふうに思わざるを得ない。
 一つ具体的にお伺いしたいんですけれども、この助成金別表、これはいただいた、とても丁寧につくられた資料ですけれども、助成金別表に設備の改善の費用から介助者助成とかいろいろ出ていますけれども、これはどなたが、どこで、どういうふうに決めておられるのでしょうか。そこのところをまず教えてください。
○澤田政府参考人 各種助成金を、どういう制度設計をして、どういう総金額で予算措置を組むかという点につきましては、基本的には、助成金関係業務を国が行わせている日本障害者雇用促進協会、法律に基づいて行わせておりますので、そちらの方でいわば一次的に起案をして、その協会の方で一次的に考える場合には協会の職員が考えますが、関係団体、障害者の方々等々の助成金に対する日ごろの御意見等も踏まえてやるわけですが、つくって、そして形式的には認可予算という形で具体化していくということになります。
 その間、協会のいろいろな事業、制度等につきましては、協会の内部だけで決めるわけではなくて、外部の有識者に参加していただいております評議員会というものに協会の重要事項としてお諮りをして意見を聞いてと、こういう手続を踏んで、最終的には認可予算という形でできてくる、こういうふうになっております。
○石毛委員 実際に、一部上場企業に就職された聴覚障害の方が何度要請しても手話通訳の方をつけていただけないというような問題があったり、それから、肢体不自由者の方で改造自動車を必要として、それで通勤される方が駐車場を確保したいと言っても、これも一部上場企業の場合ですけれども、なかなかそれが実現しないというようなことがあったりして、私は実際に書類をいただいたので、今ここでお見せしてもいいんですけれども、こんなすごい書類を書かなきゃいけない。
 確かに、パブリックなお金ですから、不正に使われないようにしなければいけないという問題はあるんだと思いますけれども、ぜひこの助成金制度の中身というのは検討し直していただきたい、必要な時期に来ているんじゃないか。欠格条項も見直したわけですし、より永続的に、継続的に、安定的に就業が可能なような、そうしたことが必要ではないかということ。
 それから、これは雇用促進協会に業務委託されておられまして、今局長が御答弁いただきましたように、評議員会を通すとかいろいろあるわけですけれども、先ほどの除外率の設定でも労政審を通したわけですから、もう少し公性(おおやけせい)を高くしていただく必要があるのではないかと今思いましたということを申し上げさせてください。
 あと、時間がもう五分前ですと来てしまいましたので、ぜひもう一点、お尋ねしたいと思います。
 これは実は宮崎県の私立の学校で生じていることですけれども、網膜剥離か何かでしょうか、視力がどんどん落ちていって、現在二級になっていらっしゃるという方が、この、このというのは少し限定の仕方が過ぎるかもしれませんけれども、旧労働省ですけれども、労働省委託事業としてつくられていますモデル就業規則の解雇の条項の中の第四十二条の一項三号ですか、「精神又は身体の障害により、業務に耐えられないと認められたとき」というこの条項に該当するとして解雇通告を受けて、不服申し立てをして、現在、休職扱いになっているということで、裁判係争中の方がいらっしゃいます。裁判に携わっていらっしゃいます方からいただきましたけれども、教え子の皆さんが本当に心打たれるような内容の陳情書を書かれて、とても学生さんに親しまれて、そして指導力もある先生だったというようなことを拝見しております。
 私は、なかなかこれは難しい問題なのかと思いますけれども、今、欠格条項の絶対的欠格事由から相対的欠格事由に見直しが生じているというようなこういう状況のときに、就業規則が、「精神又は身体の障害により、業務に耐えられないと認められたとき」というこの記述の仕方というのはダイレクトに過ぎるのではないかと。障害が生じ、例えば補助手段や補助者を講じるなど、就業の継続の手だてをしても業務に耐えられないときというのが実態的な話ではないかというふうに私は考えるわけです。
 質問の内容をとりにお見えくださいました方とも随分お話をさせていただいたんですけれども、何とかここはもう少し工夫のしどころがないんだろうかと。私は、実は、「精神又は身体の障害により、」というのを削除したらいかがですかというふうに申し上げたんですけれども、ここを削除すると、「業務に耐えられないと認められたとき」という、そこの読み込みの幅が余りにも広過ぎるというおそれが出てきて、かえって微妙ではないかというような、そういう応答をさせていただいたんですけれども。何とかもう少し、障害を持つということが事業主側の方のダイレクトな解雇条項として使われないような、そういう方策を見出したいというふうに考えるわけなんですけれども、いかがでございましょうか。
○日比政府参考人 ただいまのモデル就業規則の問題でございますが、このモデル就業規則をそもそも何のためにつくっておるかということでございますが、御案内のように、小規模事業場では就業規則の作成が実は義務づけられておりません。ただ、就業規則というのはあらかじめいろいろな事柄を明確にするという機能もございますので、私どもはかねてより、十人未満の小規模事業場でも就業規則をできるだけつくることがいいのではないかということで、そういう観点でいろいろ普及運動をやらせていただいておりますが、その際、モデルとなるものが何もないというわけにはいかないだろうということで、世の中の一般的な規則の形というもの、こういうものを、いわばこれは推奨品ということでは必ずしもございませんけれども、一つのひな形として実は用意をさせていただいているということでございます。
 したがいまして、これは例文以外にも解説部分その他の問題もございますが、ただ、御指摘の点につきましては、モデル就業規則というものの持つ意味なり、あるいは書く際の注意事項等その他ございますので、御指摘の御意見を踏まえまして、今後どういうことができるのか十分検討させていただきたいと思います。
○石毛委員 ぜひ積極的に、今どんどんセクシャルハラスメントの問題ですとか制度が変わってきている時代ですので、障害をお持ちの方の就労が安定的、継続的に推進するように工夫をお願いしたいと思います。
 時間が過ぎてしまいましたけれども、一問だけお認めください。
 私どもの岡崎議員が参議院で障害者差別禁止法の制定についてお尋ねし、また、本委員会の山井委員が衆議院の本会議で障害者の権利法の制定についてお尋ねをしております。いずれも検討すべき課題が多いという御回答をいただいているわけですけれども、検討すべき課題が多いという、この検討すべき課題とは例えばどういうことを政府としてお考えになっていらっしゃるのか。その点だけお示しいただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
○江崎政府参考人 障害者の差別を禁止した法律には、例えばアメリカのADA法、障害を持つアメリカ人法と訳せばよろしいかと思いますが、がございます。こういったものを我が国に制定するということにつきましては、以下に申し述べますような点につきまして慎重な検討が必要であろうかと考えてございます。
 雇用の分野を例に挙げますと、例えば差別禁止を義務づける範囲の線引きをどうするのか、それから、ADAでございますと、障害者の救済措置を求めるためには、障害者が告発をするということになってございます。このような仕組みが果たして日本になじむのか。さらには、こういったことでございますと、救済手続に通常かなりの時間と労力がかかるわけでございます。こういったものをどうするのかというような点があろうかと思います。
 また、交通の分野におきまして、施設とかサービス、企業や事業者に対して各種のサービス提供に当たりましてのスロープの設置でございますとかその他のバリアフリー化、さらには補助手段の提供といった特別の配慮を義務づけておりますけれども、こういったことにつきましては、一般の小売商店等も含めまして幅広い事業者の理解を得るということが不可欠であろうと。
 以上のような、例示でございますが、諸点が挙げられようかと考えてございます。
○石毛委員 具体的に御指摘いただきまして、ありがとうございました。この件に関しましては、引き続きまた議論をさせていただきたいと思います。
 時間をオーバーしましたことをおわびして、終わります。ありがとうございました。
○森委員長 次に、今野東君。
○今野委員 民主党の今野東でございます。
 私は、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案の質問に先立ちまして、一冊の本を紹介したいと思うんですが、これは、実は本がたくさんあって皆さんのところにお配りできれば一番よかったんですけれども、「ぼくたちのコンニャク先生」という本であります。表紙に出ているこの男性は、私の友人でもあるんですけれども、近藤雅則といいます。一九五七年生まれ、四十五歳。大阪の堺市で生まれまして、脳性麻痺に三歳のときにかかって、体に障害が残りました。
 小学校に入学するに当たって、入学する年になって堺市の養護学校から三年間待てと言われて、御両親は、普通の一般の子供たちと同じように、入学できる年齢になったら入学させたいと方々の養護学校を探しまして、東京江戸川の養護学校に、わざわざ東京に引っ越してきて、そして養護学校に入学をしました。中等部は大田区にある養護学校に通いまして、実に明るく、活発な子供だったそうです。しかし、高等部になって、入学した神奈川県平塚市の養護学校で、彼は登校拒否をします。一言もしゃべらない高校生になってしまいました。それは養護学校に問題がありました。
 彼は手が不自由なために、足を使います。絵も足でかけますし、はさみも使えます。足で針を持って、糸を通すこともできます。しかし、その養護学校は手を使うようにという指導を強制しまして、手を使って水やジュースが飲めるように、高校生である彼に哺乳瓶を持たせたんです。彼はその屈辱に耐えられず、言葉をしゃべらない青年になってしまいました。
 そうしたさまざまな差別を受けて社会に出た彼は、今、保育園に勤めています。車を運転して通勤し、パソコンを使って自分のホームページも開きまして、持っています。そして、彼が勤めている神奈川県座間市にある子どもの家保育園は彼を非常勤の職員として採用しているんですが、保育士ではありませんが、保育士さんの手伝いをして、時々子供たちと一緒に遊んだりします。星川ひろ子さんという写真家が写真を撮りまして、写真集にしました。このように、子供たちと本当に心から無邪気な笑顔で遊んでいます。車いすで子供たちを抱き、そしてこのように、給食も一緒に食べます。
 彼は保育園でコンニャク先生と言われていますが、これはなぜかというと、お昼のときにおでんが出て、おでんのコンニャクを食べるときに、この近藤さんに障害が残っているものですから、コンニャクのようなぷるんぷるんとした動きをする。子供たちに、あ、コンニャクだ、コンニャクだ、コンニャク先生だと言われ、彼と子供たちとの間には信頼関係がしっかりと結ばれていますから、近藤さんはそれを悪口だとはとりません。その姿をそのまま受け入れてくれた子供たちの本当に素直な表現だと、むしろ彼はコンニャク先生と言われることに喜んでいます。
 この笑顔を見てください。子供たちはゼロ歳からここにいますから、生まれたときから、障害のある人、しかも自分を指導する立場に近いところにいる人と接しているわけです。障害を持っている人を何の差別もなく受け入れます。おやつのときにジュースを飲もうとしている。近藤さんが不自由な手でジュースを飲もうとしているとなかなか飲めません。隣に座っている二歳の子がぽんとストローを入れてやります。そういうことがごくごく当たり前に行われているのであります。
 この近藤さんは、社会人になって仕事を探すために、何度もハローワークに通いました。近藤さんが窓口に行くと、それまで対応していた人と違う人が出てくるそうです。そして障害者を担当する職員が出てきて、実に丁寧に話を聞いてくれるそうです。しかし、丁寧に話を聞いてくれた後で、あなたはワープロもできるし車の免許もあるし、地域の作業所に行ったらどうですかと言われます。近藤さんは一般の事業所を紹介してもらったことがありません。
 障害のある人の一定の雇用率を満たせばよいという法制だけでは障害者の雇用は進みません。採用時の個々の障害のある人に対する差別的取り扱いをなくす方法について大臣はどう考えていらっしゃるか、お考えをお聞かせください。
○坂口国務大臣 大変心温まる、いいお話を聞かせていただいたというふうに思いますが、やはり、コンニャク先生と言われてそれを受け入れる心、そうした心が障害者の皆さん方にも大変必要なんだなということを、今お話を聞きながら感じたわけでございます。
 やはり、社会の中には障害者に対する固定観念みたいなものがあるというふうに思いますね。目の御不自由な方でございますと、今まででございますと、はり、きゅう、あんまという一つの職業がございましたが、そういたしますと、そういうことを志す、そういうことをやりたいというふうに思っておみえになる方も、あるいは思っておみえにならない方に対しても、その中から選択をしろ、それをやれというふうに押しつけてきた嫌いがあるというふうに思っています。
 私もかつて、はり、きゅう、あんまを習われる、習われると申しますか、そういう資格を取る前の、いわゆる目の不自由な方の高等部というのがございますが、そこへ私、講義に行ったことがございまして、その中でつくづく感じましたのは、なるほど、この人ははり、きゅう、あんまに向いているだろうなと思う人もございますし、どう考えてもこの人はこの職業には向いていないという人もあるわけでございますけれども、一律にそういうことを押しつけてきた。
 やはり現在のこの社会の中で、社会の方が、あるいはまた今御指摘のように、公の方と申しますか、公の方が一番考えなきゃならないことは、そうした固定観念にとらわれずに職業の御紹介を申し上げられるようにならなければならない。そのためには、もっともっと、どこでも働けるようにしていく、本当にその人の能力を見て、この人ならここがいいということで紹介をできるような体制をやはりつくらなければならない。障害者の皆さんならばもうここしかないというようなことではいけない。やはりそれは反省をしなければならない一例だというふうに思いまして、お聞かせをいただいた次第でございます。
○今野委員 さて、法定雇用率未達成の企業からの納付金を財源としまして、障害のある人を雇用している企業への調整金、報奨金等、支払う仕組みがありますね。この制度は、未達成企業が存在しないと制度自身が成り立たないという矛盾した制度であります。こうした制度的欠陥をどのようにお考えか、そしてそれを是正していく考えはおありかどうか、お伺いします。
○澤田政府参考人 お尋ねの納付金制度でございますが、もう委員おわかりかと思いますが、この制度をつくった目的、これは身体障害者、知的障害者の方々を雇用するには、作業施設とか設備の改善あるいは職場環境の整備等が必要であるということで、健常者の雇用に比べると、雇う方としての経済的負担が幾らか多くなるということは否めないというところからスタートいたしまして、雇用義務を誠実に果たしている使用者と義務を履行していない使用者との間の経済的負担のアンバランスを調整しようということでこの納付金制度ができたわけであります。
 ですから、御指摘のように雇用義務のかかるすべての企業が、民間であれば一・八%、みんなが達成すればこの納付金制度は存在しないということで、それを制度的欠陥とおっしゃるんであれば、そういうことになろうかと思いますけれども、そういうことは現実にはあり得ないわけでありまして、負担を免れている方と負担を適正に負っている方の調整を事業主全体の共同連帯の中で調整していく、そういう中で、みんなが公平に障害者を雇ってということを目指す仕組みでございます。
 したがいまして、障害者の雇用義務の履行をいわば経済的側面から促すという制度でございまして、私どもは、これは必要であり、合理的な制度だというふうに考えております。
    〔委員長退席、鴨下委員長代理着席〕
○今野委員 未達成企業がなくなることはあり得ないというのは問題発言だろうと思います。そういうことがなくなるために国は努力をしていかなければいけないのであって、あり得ないと断定するのはいかがなものでしょうか。それは聞くだけ、いいです、答えは要りません。
 この未達成の企業からの納付金を財源としてさまざまな事業への助成や助言、研究などを行っているのは、先ほども名前が出ました日本障害者雇用促進協会ですね。この日障協の役員名簿がここにありまして、二十人載っかっております。一応、バランスよく民間の企業の方なども入っていったりするんですが、実は、この一方の常勤役員九人の名簿を見ますと、この九人のうちの常務理事という方は、一人民間から来ていらっしゃいますが、八人は官庁からの天下りであります、役所からの。旧労働省から四人、厚生労働省から二人、旧大蔵省から一人、旧総務庁から一人。
 確認します。これからも厚生労働省のOBが役員としてここに天下っていくことはありますか。大臣にお尋ねしたい。
○坂口国務大臣 今のお尋ねは、人数がふえたときにはさらに厚生労働省から天下るかという意味なんでしょうか。それとも、現在のその人数を、入っている人たちがこれから先やめていきますときに、また同じようにその後に入りますか、そういう御質問なんでしょうか。両方あるのかもしれないというふうに思いながら聞いたわけでございますが。
 いずれにいたしましても、厚生労働省に新しくなりまして、厚生労働省の関係のところだから厚生労働省のOBばかりが行っているというのは決して好ましいことではありません。それは全体として改めていかなければならないと思っております。
 しかし、厚生労働省の人間だからそのことを詳しく知っているということも中にはあるわけでございますから、私は、バランス、その中に何人、許容範囲はどれだけかということにもなるだろうというふうに思いますけれども、これから、民間の方も含めまして、多く、バランスよくそこはやっていかなければならないと思っています。
○今野委員 厚生労働省の人間だからこういう行政については詳しくわかっている、それはそうかもしれません。それでは、障害を持った人たちは自分たちの雇用について詳しくはないのでしょうか。この人たちは一人もこの中に入っておりません、後でまた質問をさせていただきますが。
 組織的には、この日障協のもとに、日障協のメンバーとして各都道府県に障害者雇用促進協会があります。この障害者雇用促進協会の会員は、すべてが事業主であります。障害者雇用促進といいながら事業主だけで成り立っている。これは雇う側の意見しか反映されないということになっているんではないでしょうか。大臣、お願いします。
○澤田政府参考人 地方の障害者雇用促進協会は、それぞれの地域の都道府県知事なりが認可した公益法人でございまして、その性格は、地域の事業主が集まって、自分たちの企業としての、あるいは業界としての障害者雇用を促進するためにお互いに研究したり活動したりするということで、目的が事業主のいわば雇用管理改善ということでございますので、構成メンバーに使用者以外が入っていないからおかしいということにはならないと思っております。
○今野委員 私は、おかしいと言っているんじゃないんです。障害者の方の意見はこれでは全然反映されていないんじゃないですかと聞いているんです。ちゃんと質問を聞いてください。
 けさ、各都道府県の障害者雇用促進協会、このうちの十カ所に私はランダムに電話をいたしまして、協会の常勤の職員の数を聞きました、どれぐらい働いていらっしゃるのかなと思いまして。そうしますと、それは私のところでは答えられません、県の労働局に聞いてくださいなんという、常勤の職員の数すら言えない、官の影におびえ切っているところもありましたが、十カ所に尋ねました。
 十カ所聞いたところ、常勤の職員は、この十カ所だけですが、合計百十三人でした。障害者雇用に最も理解を持ち、その促進を図らなければならない障害者雇用促進協会、当の協会の職員百十三人のうち、障害がある人はそれではここで何人働いているかというと、百十三人のうち二人だけでした。雇用率は限りなくゼロに近い、〇・〇一七六九九幾つです。〇・〇一、障害者雇用率を満たしていないのも甚だしい。障害のある人を雇用促進しなければならないという当のこの足元のところで、雇用率が〇・〇一というのはどういうわけなんでしょうか。この実態をどうお考えですか。
○澤田政府参考人 都道府県の障害者雇用促進協会等は障害者雇用率一・八%の対象になりますが、一人を雇うというには母数として常用労働者が五十六名いるということが計算上必要でございますので、個々の協会の職員規模を見ますと、五十六人を超えるような協会は一つもございません。
 そうした意味で、法定雇用率の義務はかかりませんが、委員御指摘のように、協会の事業等々にかんがみれば、法的義務はなくても、障害者雇用ということについては、それなりの努力をしているところもありますし、努力をすることが適切であるという御意見があることも私は十分理解をいたします。
○今野委員 つまり、障害のある人を積極的に雇用しよう、促進に働こうという意識がないんですよ、ここは。
 この際、この障害者雇用促進協会の職員数を全部調べ、その中の、障害のある人がどれぐらいここで仕事をしているのか調べていただきたい。委員長、どうでしょうか。
○鴨下委員長代理 後日、理事会で検討をさせていただきます。
○今野委員 そういう事業主団体の組織の資本金は、全額政府が出資していますね、二百三十二億円。促進協会は、未達成企業からの納付収入のほか、助成金、交付金、補助金、これまでほとんどが国からのお金が出されております。そこに障害のある人の声が極めて反映されにくい構成になっている。これは日障協の役員の構成も含めて考え直さなければいけないのではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○坂口国務大臣 先ほどの雇用率でございますが、百何人とおっしゃったので、今、百人で二人おりましたら二%になるわけでございますから……(今野委員「百十三人」と呼ぶ)百十三人で二人ですと大体平均値にいっているとは思いますが、しかし、そこは障害者のことを行いますところでございますから、御指摘のところは十分尊重しなきゃならないと私も思います。
 さて、いわゆる職員の問題でございますが、先ほど申しましたように、障害者の雇用を行いますのにはそれだけのキャリアと申しますか、そうしたものもやはりなければならないんだろうというふうに思いますから、そうしたキャリアのある人をどういうふうに確保していくかということ、これはもう当然のことながら考えなければならないというふうに思います。そのキャリアのある人は、それは役所の中にいた人間だけではなくて、やはり民間企業の中でもそういうことに一生懸命おやりになる方もおみえでもございましょうし、これからはNPOなどの中にもそうしたことをおやりいただける方も出てくるのではないかというふうに思っておりますが、そうした、やはり本当に熱心に障害者の雇用のことをやっていただける人になっていただくというのが最も望ましいことだというふうに思っています。
 地域におきますそうした機関のあり方につきましても見直しをしていかなければならないというふうに思っている次第でございます。
○今野委員 さて次ですが、事業主が障害者の雇用に特例の配慮をした特例子会社を持つ場合、親会社の実際の障害者の雇用率の算定にその分も入れることを可能にする制度なんですけれども、これは確かに障害のある人の雇用の促進にはつながるかもしれませんが、私は、共生する社会というイメージからは遠い制度ではないかと思うんです。障害のある人を特殊な職場に追いやることになってしまうのではないでしょうか。
○澤田政府参考人 特例子会社につきましては、各方面で委員御指摘のような危惧を申される意見もありますし、逆の意見もございます。
 そこで、現実の点をお答え申し上げますと、現在、特例子会社を持っている親会社、そこで働いている障害者の人数と特例子会社で働いている障害者の人数、これを日本国全体でアグリゲートいたしますと、親会社で働いている障害者が特例子会社で働いている障害者の数の約三倍ございます。これは、追いやるということではない一つの数字ということになっております。
 それから、特例子会社におきましても、そこに働く方の半分が健常者、半分が障害のある方ということになっておりまして、同じ職場でお互い交流しながら、協力しながら就業しているという実態にございます。
 それから、特例子会社を持っております企業の障害者雇用率、これは日本国平均で一・九一%、特例子会社と親会社を合算した雇用率でございますが、一・九であります。それに比しまして、特例子会社制度を持っていないといいますか、活用していない企業の障害者雇用率、これは日本国平均が一・四九と先ほど申し上げましたから、若干それより低いということで、こうした特例子会社制度を活用している企業につきましては、やはり本体での障害者雇用についても熱心であるということがいろいろなデータから言えると思いますし、私どももそういうふうに理解しております。
 ただ、先生おっしゃるように、障害者を、特例子会社の方に集中的に働いていただくというようなことがゆめゆめあってはならないと思っておりまして、そういう点につきましては、私ども、十分注意をしていきたいと思っております。
    〔鴨下委員長代理退席、委員長着席〕
○今野委員 先ほどこの本を紹介しました近藤さんという人は、大変高度な知識を持っている人でありまして、今、保育園で仕事をしているわけなんですけれども、この近藤さんのように、障害のある人で高度な知識や技術を持っている人がそれを社会に役立てるべく、今ここで話題になっているような、親会社で仕事をしたいという場合、平等な採用の機会というのはどのように担保されるんでしょうか。
○澤田政府参考人 特例子会社で現に働いている障害者の方ということを考えますと、雇用契約としては、特例子会社の事業主と障害者の方が契約を結んでいるということになります。したがいまして、そうした方が親会社で自分の知識、技能等を生かして働きたいということになりますと、親会社の事業主が、親会社の判断として、子会社の労働者と労働契約を結ぶかどうかということを判断するということでございますので、希望すれば自動的に親会社に行けるということには法制上はなりません。
 ただ、親会社に対しまして、私ども、特例子会社に対しまして一定の経営的な支配力、影響力を持つということでございますので、特例子会社で働いている障害者の方々がどういう希望を持っているか、どういう状況で働いているかについては特例子会社を通じて日常的に状況を把握していくことが望ましいと思いますし、そうした中で、今御提案の問題も円満に解決されれば非常にベストである、こう思っております。
○今野委員 私がお尋ねしたのは、この特例子会社で働いている人が親会社で働けるようになるかどうかということではなくて、採用の機会の平等があるかどうかということです。しかし、今お聞きした答えによりますと、そんなことは会社がやることだから知ったこっちゃない、つまりそういうことですね。どこにどういうふうに担保されているのか。
○澤田政府参考人 就業といいますか、働くことを希望する方がいろいろな希望がある、それをどういう形で労働契約、雇用契約という形で実現するかは、まさに契約当事者の合意の話でございまして、機会は平等に開かれることが必要でありますし、現に日本でも人権擁護法案等々でそうした動きが出ております。そこは必要であり、望ましいことでありますが、結果としてどうなるかにつきましては、それはまさに当事者の契約、意思の問題だということで、そこを行政的に措置をするということは、まさに新たな立法措置の問題として考えなければならないというふうに思っております。
○今野委員 つまり、障害のある人で高度な技術や知識を持った人が親会社のような中枢のところで働くという採用の平等というのはないのだという悲しい現実を、今改めて知らされたわけであります。
 さて、この近藤さんの例でもわかるように、私たちの社会には、残念ながら、あらゆる場面で差別が行われております。資料をお配りしていると思いますが、そういう差別を感じた場合、障害のある人はなかなか相談ができない。表のBというところをずっと見ていただくとわかるんですが、これは、DPI(障害者インターナショナル)日本会議障害者権利擁護センターから出ている資料なんですが、「仕事」のところ、仕事をしている人が相談をどのようにしたかしないかというのは、なぜしないかという質問に対して、「言ってはいけないと思った」一二・一%、「気まずくなるのがいやだった」一一・二%、「言っても改善されるとは思えなかった」三六・四%、「どこに言えばよいのかわからなかった」一一・二%。つまり、全く救済の措置がないし、探し出せないのであります。
 障害のある人自身が問題を感じたときに訴えることができ、差別のない社会をつくっていかなければならないのですから、私は、障害を持つ人にとっての武器を持ってもらわなければならないと思います。
 一九七五年に国連で採択された障害者の権利宣言は、障害のある人がほかの人々とひとしくすべての基本的権利を有することを明確に宣言しています。我が国の憲法も、すべての人がいかなる差別もなく労働の権利や教育を受ける権利を享有していることを宣言しています。
 しかし、我が国の実態はどうでしょうか。我が国には少なくとも五百七十万人以上の障害のある人がいますが、このうち一般の民間企業に雇用されている障害のある人は、およそ五十七万人にすぎません。障害のある人が職を得たとしても不安定雇用であることが多く、正規の従業員となっても働きやすい職場環境の創出は約束されておりません。賃金、昇進等における差別も存在をしております。閉鎖的な労働環境のもとで、知的障害などのある人に対する虐待事件の発生もよく報道されています。しかし、我が国には、障害のある人の具体的な権利を保障し差別を禁止するとともに、差別や人権侵害からの実効力のある救済手続を定めた法律がありません。
 障害のある人に対して差別を禁止する法律の制定が必要ではないかと思いますが、大臣の所感を伺います。
○坂口国務大臣 障害者に対します問題はさまざまな角度から検討していかなければなりませんし、この法律もその一つでございます。きょう午前中に御議論をいただきました介助犬の問題等もその中の一つだというふうに思っています。
 今まで障害者に対する差別、偏見ということがあったことは、私ももうこれは率直に認めなければならないというふうに思います。だから、それをどうするか。この差別、偏見は法律をつくったからとれるというわけのものではありません。しかし、そこは国の方が毅然とした姿勢をやはり示すということが大事だというふうに思っています。
 そのためには、やはり皆さん方にある程度合意をしていただくということも大事でございますから、毅然とした姿勢を示すためにこれからどう構築をしていくか。今大きな一歩を私は踏み出しているというふうに思っておりまして、そのためにさらに努力をしたいというふうに思っておりますし、皆さんのひとつまた御協力もいただきたいと思っております。
○今野委員 ありがとうございました。質問を終わります。
○森委員長 次に、佐藤公治君。
○佐藤(公)委員 午前中に引き続き、自由党、佐藤公治でございます。よろしくお願いをいたします。
 まず冒頭に、大臣にお尋ねをしたいわけでございますけれども、今、狂牛病という言葉は使ってはいけないということでBSE、BSEに関します調査報告が出て、農水省、厚生労働省に関する責任もかなり大きく取り上げられているわけでございますけれども、そういう中で、本日参議院で、武部農水大臣に対しましての問責決議案を否決されたわけでございます。実際、厚生労働大臣は、農水省及び厚生労働省においても処分をされたり、その責任を感じられている上でされたことだと思いますが、まず、武部農林水産大臣に関しましては、内閣の一員でもありますが、大臣はやめるべきだとお思いになられているのか、もしくはそういうことをおっしゃったのか、いかがでしょうか。
○坂口国務大臣 BSEに関しましては、調査検討委員会からの報告が出まして、そして我が厚生労働省に対しましても、とりわけ一九九六年のWHO勧告に対しましてもっと積極的に農林水産省に意見を言うべきであった、もう少し強く言うべきであったという御指摘をいただいているところでございまして、謙虚に反省をいたしているところでございます。
 そうしたこともございますが、武部大臣のことにつきましては、これは私、同じにこの内閣の中で仕事をさせていただいておりますだけに、私はかなり同情的でございます。非常に精力的に取り組んでおみえになりますし、また、最も問題とされましたのは、今申しましたように、一九九六年におけるWHO勧告に対する取り扱いでございましたから、その当時は大臣ではなかったわけで、そうした意味におきまして、それをすべて責任をとれというのは、いささか私は酷ではないかというふうに思っております一人でございます。そこは、いろいろ、それぞれ立場がありまして、いろいろの御発言があるようでございますけれども、決して情緒的なことではなくて冷静に見ましたときに、私はそう思っている次第でございます。
○佐藤(公)委員 今の御答弁の中で、簡単に言っちゃうと、やめる必要はないということでとらえていいのかということが一つと、当然農水省及び厚生労働省にも責任があると思いますが、これからは当然また一段とこのBSEに対して対応していく、これは当たり前なことです。ですが、今までのことを考えた場合に、農水省及び厚生労働省、この処分でいいのかどうか。大臣、いかがでしょうか。
○坂口国務大臣 農水省の方の処分は、これは農水省の方でおやりになったんですから、私がとやかく言う立場にございません。
 厚生労働省といたしましては、一九九六年におけるWHO勧告、そしてもう一つは、昨年の、二〇〇一年におきますいわゆるEUステータス、いわゆるEUの評価に対して、ここに対しましてはやむを得なかったという注釈つきでございますけれども、しかし積極的に発言をできればその方がよかった、こういうことでございます。この二つのことが最も大きく指摘をされたことでございまして、そのほかの、薬剤でありますとか食品、あるいはまた化粧品等に厚生労働省がとりました姿勢は評価ができるという御評価をいただいたわけでございます。
 したがいまして、過去のことも含めてではございますけれども、やはり現在その席にあります者が責任をとるのが妥当であるというので、現在の事務次官、事務次官はその当時そういう職にはなかったわけでございますけれども、事務次官と、そして現在の食品衛生部長、この二人に対しまして書面におきます厳重注意を行い、そして一部収入のカットといったことをやったところでございます。職員にやります以上、大臣もまたやらなければいけませんから、私自身にもみずから課したところでございます。
 何が一番問題であったかということを私も率直に振り返っておりますが、一つは、人の命にかかわりますところの職員の配置というもの、やはりもう少し厳しくここを見詰め直して、そしてここは人員をふやしていかなければならない。
 特に、食料品につきましても、最近は諸外国からたくさんのものが入ってくる、今までになかった量が入ってくる、それに対して、これを責任を持って点検ができるのかどうかということが一つございます。それからもう一つ、これは、諸外国から入ってくるものも国内のものも含めて、農薬でありますとか化学肥料でありますとか、そうした化学的なものを生産のために使っておりますが、そのことが本当に国民のために大丈夫なのか。この二つのことを点検しなければならないという、我々にはそういう任務があるというふうに思っていますが、果たしてこれは現在の体制でできるのかといえば、私は、率直に申し上げて、非常に厳しいと言わざると得ません。ここはもう少し人数をふやしてほしいというふうに、今率直に私は思っているところでございます。そのことが、今後気をつけていかなければならないことの大きな問題。
 それからもう一つは、情報収集でございます。これは、現在の研究成果も含めまして世界の情報収集をより積極的に集めて、そして国民の皆さん方の健康を守る、そのことに役立てていかなければならない、そういうふうに思っている次第でございます。
○佐藤(公)委員 私は、今大臣がおっしゃられましたが、責任はちゃんととれているとは全く思いません。軽いものであり、国民の生命財産を守る上で、この状態になったものであれぐらいというのは、私はちょっと許されないと思います。
 ただ、今回、これは大臣の肩を持つわけじゃございませんが、本来ならば農水大臣と厚生労働大臣セットで問責決議、これが私は本来の筋だと思いますが、農林水産大臣だけしか出ていないというのは、これは、厚生労働省の対応が農林水産省に比べたらばよかった、あと大臣のお人柄なのかもしれません、そういうことでそういうものが出なかったのかもしれませんが、私は、今のお話の中では、同情的という部分がありましたけれども、国民のことを考えて、どうあるべきかという、情は抜きにして考えて、やはり助言、指示していただけたらありがたいとこれは思います。
 私は、武部大臣がやめることになったら、先ほど食の安全の関係の検査体制の話をされましたが、坂口厚生労働大臣が農林水産大臣と兼務して、一遍に食の安全に関しての検査体制を整える。御存じのように、海外から入ってくるもの、農水省と厚生労働省の縦割りの中での検査体制、これを一元化にし、やはり国民にとっての安全という検査体制をとる。農林水産大臣兼厚生労働大臣ということで、坂口大臣がやられるといいなと、私は本当に真剣に思いました。ですが、今回は否決されてしまいましたので、その夢はかないませんでしたが、どうかそちらの方にも力を入れて、お願いをいたしたいかと思います。
 このBSEに関しては、やはりこういった安全性が保たれること、事故が少ない、なくなるということが、先々、大変失礼な言い方かもしれませんが、障害者をまた少なくしていく、出さないということにもなると思いますので、そういう部分は十分考えていただけたらありがたいと思います。
 さて、本題の時間はもうあと六分しかなくなってしまったのですけれども、基本的議論、価値観のすり合わせということで、大臣にお尋ねしたいと思います。
 大臣は、きょう、私の前にも何人かの委員の方々がお話があり、ダブる部分もございますが、厚生労働大臣は、一体全体、どういう障害者雇用、社会保障、こういったものを考えながら、どういう価値基準において、我が国の障害者雇用に関して見てみた場合、おくれているのか、進んでいるのか、こんなものなのか、いかがお考えか。大臣、いかがでしょうか。
○坂口国務大臣 諸外国の比較をいたしました場合に、日本がおくれていることは、私は間違いないと思っています。したがいまして、先進諸国の中で日本が引けをとらないようにしていかなければならない、そのために、あるいはまた、その中で指導的役割を果たしていけるようになるためにはまず何をなすべきか。これはお互いの意識改革をしていくことが最も大事、その意識改革をしていくために一体国として何をなすべきか、そのことを一番中心にして、私は考えていくべきだというふうに思っております。
○佐藤(公)委員 私も、今、過去の議事録、いろいろなものを全部ひっくり返して読んでまいりました。議論が毎回同じ、同じことが山のように出ている。これはもう大臣もおわかりになっていることだと思います。大臣の先ほどからの御答弁を聞いていても、大変いいことをおっしゃり、そうなってくれればなという思いがある。でも、なかなか前に進まない。まさに、どなたかがおっしゃった、前に出ようと思っても、だれかが踏んでいて、結局何か自分で踏んでいたりなんかしている、スカートを踏んでいる、こんな状態にも思える部分があります。
 大臣は大変にいいことをおっしゃって、理想的なことをおっしゃる。水島委員からの質問に対して、この次、時間、いつまでといったらば、あいまいであり、十年ぐらいかかる、いや、それよりも短くなる、こういう御答弁をされたわけですけれども、本当に、こういったことを進めるに際しては、もう議論は尽くされている、あとはやるかやらないか、決断だ、こんな思いが、いろいろなものを見させていただく中、つくづく思います。
 例えば、この障害者雇用に関しての調査というものは、一体全体、一番新しいのでいつ出ておりますでしょうか。局長、答弁をお願いします。
○澤田政府参考人 お答えします。
 私どもは、障害者雇用の実態につきまして、定期的にといいますか、やっておりますが、直近は平成十年度の調査ということになります。(佐藤(公)委員「失礼、十二年度ですか」と呼ぶ)十年度でございます。(佐藤(公)委員「それで報告はいつ出ておりますか」と呼ぶ)済みませんが、報告時点は、平成十年十一月の調査でございまして、報告が平成十二年三月ということでございます。
○佐藤(公)委員 皆さんが一生懸命ノーマライゼーションだとか障害者雇用の関係をいろいろと議論している中、一つの役所のルールで、もしくは流れの中で、平成十年度の調査ということで今、話が出たと思いますけれども、果たして、本気でやろうとして、実態調査しなきゃいけない、現場をわからなきゃいけない、その調査が、平成十年で、ことし十四年、まあこの次やられるのかもしれませんが、こんな期間があいている間、全然何もされてない。これ自体が、私としては、本気でやる気があるのかな、本気で変えていくのかな、そんな思いを持つところがございます。
 私、現場をどういうふうに、知りたい、知らなきゃいけないかということで、いろいろなところを当たると、地方自治体において、この障害者雇用に関しての調査が一番新しいので出ているのは、これはほかもあるかもしれません、全部当たったわけじゃございません、神奈川県のが、手に入ること、見ることができました。
 こういう中で見ていくと、政府の調査データよりもより詳しく調べております。この幾つかを御紹介して、大臣にまたそのお話を聞かせていただけたらありがたいかと思うのです。
 障害者雇用のきっかけは、どういうふうなことでなったかということで、一番多いのが、従業員が途中で障害者になったというのが四五%なんです。そして、二番目に多いのが、障害者の雇用は企業の社会的責任であると考えたというのが三〇・二%。そして、厚生労働省さんが一生懸命やってくださっている、この障害者雇用を支援する制度の認知とか周知状況を多い別に見てみますと、障害者雇用率制度、これでも四六・六%しか知らないというんです。特定求職者雇用開発助成金三七・七%。つまり、いかに皆さんが一生懸命やられていても、みんながよくわかっていない、知らない。それにおけるまさに啓蒙啓発、意識改革、こういったところが余りにも足りないというように私は感じる部分が多くあります。
 私の前の委員の方々もおっしゃられておりました、そして坂口大臣もまさにおっしゃられた、環境整備もさることながら、意識改革ということが非常に重要な中、もう私はそんな時間、待っている時間はないと思います。それにおける予算組み、そして大胆な政策、リーダーシップを発揮し、あとはやることだと思います。
 ここにおいての大臣のお考えと御決意はいかがでしょうか。
○坂口国務大臣 障害者の雇用につきましては、今までからかなり積み上げをしてきているわけでございますが、その中で、知的障害者の問題は最近始めたばかりでございますし、それから、精神障害者の問題は、とにかくその問題意識を持つ、やはり精神障害者の雇用をそこに取り上げなければならないという決意表明みたいなところをこの中に入れたわけでありまして、これからひとつこの分野につきましても同様にやっていく。
 やっていくにつきましては、今までの御議論でも触れさせていただきましたように、さまざまな検討課題もある。しかし、検討課題はありますが、いつまでか検討ばかりしていてはいけませんので、ここはできるところから一歩を踏み出すことが大事だというふうに私は思っています。
 全部一遍に進めることができればいいですけれども、そういかなくても、精神障害者の皆さん方の中で、こういった方々については、まず、ここはもう障害者雇用の問題として取り上げさせていただきますということをやっていくことが大事で、そうした、段階的に私は取り上げていくべきだというふうに今思っておるところでございます。
○佐藤(公)委員 どなたが言ったか知りませんけれども、スカートを人に踏まれるだけじゃなくて、坂口大臣、どうか自分で踏まないようにひとつお願いをしたいと思います。自分で踏んで前に出られなくなっちゃうというのは、これは困ることですので、そのままいくとこけちゃうことになっちゃいますので、そうならないように気をつけて、リーダーシップ持ってやっていただけたらありがたいと思います。
 そして、最後に、また話は戻りますけれども、BSEに対します責任、そして、やはり今後の対応に関しては、私はまだまだだと思いますので、よろしくお願いをいたしたいかと思います。
 今、大臣だけにはこれを、紙をお渡ししましたけれども、武部農水大臣は、安全宣言、安全宣言、別に危険部位以外は大丈夫だ、僕も食べている、こういうことをお話しされておりました。いろいろなところの、厚生労働大臣のこの委員会での発言を見ると、厚生労働大臣は非常に慎重に発言しています。と思うとか、全部言い切れない部分もあるかもしれないと、こういうふうにやって、安全宣言とはいいながら、少しずつ、何か可能性というもの、危険度というものがあるような言い方をされておりました。
 これは、これですべてが判断できるわけじゃございませんが、筋肉注射でプリオンの蓄積という、アメリカのグループが、つまり危険部位以外でも蓄積するという一つの論文を発表しております。こういうことを考えたらば、今まで危険部位以外は安全だと言っていたものが安全じゃなくなっちゃいます。
 それで、ここにも書いてございますけれども、骨のついていない牛肉は食べて安全と評価。骨のついていない牛肉。つまり、骨がついている牛肉だって、今市場にはたくさん出回っているわけですね。こういうものも、日本を含む各国は安全対策をとっている、こういう話が出ているんですが、果たして本当かどうか。
 これは、時間が私もありませんが、こういう部分も十分確認をしていただいて、行政的な指導、リーダーシップをお願いしたいかと思います。そして、国民の生命財産を守っていただく責務、努力をしていただきますことをお願い申し上げたいと思います。よろしくお願いします。
 以上です。終わります。
○森委員長 次に、小沢和秋君。
○小沢(和)委員 国際障害者年から二十一年たった今、我が国では、働いて自立しようという障害者の意欲が年ごとに高まっております。そのことは求職者数の増加にはっきりとあらわれております。一九九一年五万四千三百五十六人が、二〇〇〇年十三万千九百五十七人と、十年間に有効求職者数は二・四倍になっております。
 しかし、実際に就職できている人数は、不況の影響もありますが、同じ期間に二万九千六百五十人から二万八千三百六十一人へと逆に四%も減っております。就職難はますます深刻になっております。
 大臣は、今回の法改正で、間違いなく、障害者の働いて自立しようという意欲が本当に実現できるようになるとお考えでしょうか。
○坂口国務大臣 一つは、現在の経済状況というものが非常に大きく影響していることは間違いございません。年々歳々、この障害者の雇用というものは、今までずっとふえてきておりました。しかし、この三年ぐらいの間を見ますと、このふえ方がとまってしまいまして、若干、何となく少し減りぎみのような感じになっております。
 この内容を見てみますと、大きい企業のところは減っていないんですけれども、百人以下の中小企業のところが、この三年ばかり急激に雇用が減ってきております。そうしたことが影響いたしまして全体の雇用率が上がらず、若干低迷ぎみといったことに今なっているというふうに思っておりまして、現在の経済状況からいたしますと、やむを得ざる側面もある、百名以下の皆さん方のところではやむを得ないところもあるというふうに思わざるを得ません。
 しかし、障害者のことを考えておりますと、そうは言っておれませんので、これからここを今まで以上に上げていかなければならない。そのための一つの、今回のこの法律でございまして、我々は、この法律を通すことによってさらに障害者の雇用というものを伸ばすという決意を持ってやっている。法律だけができたから、それですべてができるというわけではありません。やはり、その法律の趣旨をよく理解して、そして総力でこれに取り組むという姿勢がなければできないことだというふうに思っております。
○小沢(和)委員 障害者の実雇用率が二〇〇一年で一・四九%であるということは、さっきからたびたび出ております。私も、ここ数年ほとんど伸びていないが、長期的にはある程度伸びてきているんだと思っておりました。大臣も今そういう認識を披露されたと思うんです。
 ところが、ある人から、重度障害者を二人分とするダブルカウントや、週二十時間という短時間労働者まで常用労働者として数える対象の拡大、知的障害者の参入などの措置が講じられて、ようやくこういう数字になっていると教えられました。二〇〇一年度の一・四九%は、ダブルカウントを除くと、何と一・一〇%にしかならないというんです。これは、一九七七年にこういう計算方法になった最初の年の一・〇九%とほとんど同じと聞いたんですが、そのとおりでしょうか。もしそれが事実なら、この二十数年、障害者の雇用は何も改善されていないということになるんじゃないでしょうか。
○澤田政府参考人 重度障害者が雇用された場合には、一人を二人にカウントするということで、ダブルカウントということですが、それをシングルカウントだということにいたしますと、平成十三年は一・一〇%、事実であります。昭和五十二年度〇・九六%でございましたので、この間〇・一四%上昇ということになります。
 なお、この間、雇用される障害者の中で重度障害者のふえ方が高いということを反映いたしまして、私ども、いわゆるダブルカウントをいたしたところであります。したがいまして、この同じ昭和五十二年、平成十三年をダブルカウントで比較いたしますと、五十二年は一・〇九、平成十三年度は一・四九ということで、総体的には障害者雇用は進んでいるというふうに考えております。
○小沢(和)委員 今のは余り説明になっていないと思うんですよ。
 次に聞きますが、五十六人以上を雇用している全国のすべての企業が一・八%の障害者雇用率を義務づけられております。その総数は二〇〇〇年度で六万六百五十一社になります。そのうち、未達成企業の率が五六・三%、数でいえば三万三千七百八十七社ということになります。私がいただいた資料では、二十年ほど前から未達成企業はほぼ一貫してふえ続けております。法定雇用率が途中で二度引き上げられたということはあるにしても、二十年前が一万七千百七十一、十年前が二万三千三十一、そして現在が三万三千七百八十七、約二倍にふえております。
 先ほどの雇用率といい、この未達成企業数といい、どこから見ても障害者雇用は改善されていると言えないじゃないですか。
○澤田政府参考人 委員御指摘のように、雇用率未達成企業の割合は、平成十三年、五六・三%であります。この未達成企業の割合は、比較可能であります二十五年前、昭和五十二年から増加傾向にあるところも御指摘のとおりであります。
 しかし、先ほどの繰り返しになりますが、実雇用率、これは長期的に見て上昇しているところでありまして、特に千人規模以上の大企業では、昭和五十二年の実雇用率〇・八〇から平成十三年の一・五七へといわば倍増しておりまして、障害者雇用は着実に改善しているというふうに考えております。
○小沢(和)委員 いや、だからさっきから言っているように、ちっとも改善されていないんですよ。
 問題は、未達成企業に対する政府の指導だと思うんです。未達成企業がこれだけあるのに、雇い入れ計画の作成を命令された会社がここ数年、毎年わずか二百社前後、計画の適正実施を勧告された会社に至っては数十社にとどまっている。どういう基準でこういう指導を行う対象企業を選んでいるんでしょうか。未達成企業数と比べて余りにも少ない。この程度で実効ある指導が期待できるんですか。
○澤田政府参考人 雇い入れ計画作成命令は幾つかの基準を要件にして発出しておりますが、一つは、雇用率を達成するために今後新たに雇い入れなければならない数が相当あること、それから二点目は、新規の労働者数、これは障害者だけではなくて、企業としての新規の労働者数の受け入れが相当数見込まれるというふうなことを要件に発出しております。
 それから、適正実施勧告につきましては、雇い入れ計画作成命令に従って雇い入れ計画をつくり、それを実施した状況をよく見まして、雇い入れ計画の実施状況が正当な理由がないにもかかわらず計画どおりに進んでいないという事業所に対して勧告するものでございます。
 なお、雇い入れ計画作成命令の対象にならない雇用率未達成企業、いわば法定義務のかからないところに対しても、雇用率が未達成であれば、管轄公共職業安定所等が指導を行い、早期に雇用率を達成するように努めているところであります。
○小沢(和)委員 三年前から法定雇用率が一・八%に引き上げられました。この年に計画作成を命令された会社が二百十七社、適正実施を勧告された会社が十社あります。これらはすべて、一、二年で命令や勧告どおりに改善され、一・八%をクリアしたのか。
 法律では悪質な未達成企業は公表できることになっていますが、実際に公表したのは二十六年間でただ一度、九二年の四企業だけであります。私がいただいた資料では、公表を前提とした特別指導が行われた企業がこの三年間でも四件、七件、二件あります。これらが公表に至らなかったというのは、これらの企業は最終的には一・八%をクリアしたからですか。
○澤田政府参考人 雇用率未達成企業の公表という仕組みが法律上ございますが、雇用率達成について、先ほど申し上げました勧告をし、それを誠実に実施していただいて、その結果、どうしても雇用率が達成できないという状況がある場合には、先ほど申しました合理的な理由がないということではなくて、努力したかいなく、どうしても諸般の事情でできないという場合には必ずしも公表していないということであります。
○小沢(和)委員 努力したけれども達成していないと見られる場合にも公表していないというんだったら、結局、少しでも何か格好をつけたら公表しないということになるんじゃないですか。これは余りにも私は企業に甘い態度ではないかというふうに思うんです。
 こういうような甘い指導だから、先ほどから言っているように、雇用率はさっぱり上がらないし、未達成企業はふえ続けるばかり、こういうことになるんじゃないかと思うんですが、大臣、いかがですか。
○坂口国務大臣 まあ小沢委員とは意見が違うことが多いんですけれども、このことについてはおっしゃるとおりだと思っております。
○小沢(和)委員 しかも、今の一・四九%という雇用率も、ダブルカウントなどのほか、さらに除外率というげたまで履かされているわけであります。一番低いところで一〇%、高いところでは何と一〇〇%、こうなると全く障害者を雇用する必要がないということになります。この除外されている職種も含めて雇用率を計算すると、我が国の実際の障害者雇用率は、さっきの一・一〇よりさらに下がって〇・九八となるというふうに伺いました。
 この除外率は七六年から設けられたものでありますが、当時は厳しい肉体労働や高度の知識、技能などが必要とされる職種を除外したというんですが、この間の労働環境の整備やIT技術の進展によってその職種の労働実態がさま変わりしても、そのまま放置されてまいりました。今回、その見直しをするのはいいんですが、一律に一〇%引き下げとはどういうことでしょうか。それぞれ、職種、職場ごとに検討すれば、もっと大幅に引き下げ、除外率をゼロにできるところもかなりあるのではないかと思いますが、今後どう改善されるでしょうか。
○澤田政府参考人 現在、業種ごとにかなりの差がついております除外率につきましては、御指摘のような事情を考慮して設定されたものであります。この間、技術進歩、あるいは企業の努力、あるいは意識変化等々で環境も大分変わっておりますので、これまでの除外率を固定的に考える必要はないということは審議会でも十分議論なされました。
 現実的にどうやって下げていくかというところになりましたときに、それぞれの業種の今日の状況についてきっちり調べて、それを踏まえた新しい、格差のある除外率をつけてもいいじゃないかという議論はございましたが、実態調査をするには相当の労力と時間を要しますので、一刻も早く引き下げに踏み切るという意味では、いろいろ意見はありましたけれども、一律下げるということで、とにかく一歩を踏み出そうという関係者の合意になった次第であります。
 ということで、一歩を踏み出した後につきましては、どういう形でさらなる除外率の縮小をしていくか、これはいろいろな議論を今後実態を踏まえてやっていきたい、こう思います。
○小沢(和)委員 私は、これまで政府の指導姿勢が余りに弱いということを指摘してまいりました。ところが、驚いたことに、政府機関の雇用率が、この一年で二・一五から二・一四に下がっておるんです。同じこの一年間に、都道府県機関は二・四三から二・四五へ、市町村機関は二・四四から二・四六に上がっております。
 さっきも、障害者雇用促進協会という名前だったと思いますが、そこ自身が障害者を雇用することに熱意がないというお話がありましたが、国が雇用率を下げておきながら、民間にはもっと上げろという指導などできるわけがないんじゃないでしょうか。みずから襟を正し、障害者の雇用率向上に政府機関を挙げて取り組むべきではないか。
 しかも、政府が除外職員にしているリストを見ますと、これがなぜと思う、特別職公務員、裁判官、教育職員などの職種がずらりと並んでおります。大部分は外せるものではないでしょうか。民間に先んじて除外職員の制度を廃止したらどうですか。大臣、いかがですか。意見が一致したんだから、ここも意見が一致しますね。
○坂口国務大臣 全部が一致するというわけにはいきませんので。
 学校の先生などにつきましては、これは資格も要ることでございますから、障害者の中にたくさん資格を持った方がおみえだというんだったら、これは話は別でございますけれども、そうしたことも考慮していかなければならないというふうに思います。
 しかし、トータルで見まして、国家公務員のところが雇用率が低いというのは、これはもう小沢議員御指摘のとおり、それは私も謙虚に反省をして、人に言う前に自分たちが上げなきゃならない、ここは御指摘のとおりだと思います。
○小沢(和)委員 今回の法改正では、今まで企業ごとに算定していた障害者雇用率を、子会社を含めた企業グループごとに算定できるようにいたしました。これは本当に雇用率引き上げに役に立つのか私は疑問に思います。今後、親企業は障害者を雇用せず、子会社に雇わせて雇用率を稼ぐというようなことはないんでしょうか。この改正のねらいを改めてお伺いしておきます。
○澤田政府参考人 特例子会社制度は、障害者に配慮した職場環境の設定とか障害特性に対応した業務の再編成等が行いやすいということで、特に知的障害者、重度の障害者の職域が拡大するという大きな利点がございます。
 そうした中で、今回、企業が分社化するとか統合するとか、いわゆる企業組織の再編成が活発化しているという中で、この特例子会社制度をどういうふうにしていったらいいかということを考えたときに、親会社が責任を持つという大きな枠の中で、企業グループ全体で子会社におきます障害者雇用に貢献する仕組みをつくる。そして、特例子会社というものを、大変な企業再編、経営環境の中でも経営の安定と発展、あるいは新たに特例子会社をつくっていくということを促進するというねらいがあります。
 そうしたことによりまして、特例子会社を、あるいは連結子会社等々、グループ全体で障害者の雇用を促進するという、いわば弾力的なスキームができたということで、障害者の方々にとりましても、特例子会社だけではなくて、他の連結子会社等々でも、自分の適性、能力に合った職域が拡大する可能性が十分あるということを考えているわけであります。
 そして、現実にも、これまでの特例子会社の実績から申しまして、親会社の障害者に対する雇用実績、あるいはグループ全体としての障害者に対する雇用実績が、他の特例子会社のないケースに比べれば結果として大きい効果があるという実証がありますので、私どもが想定したスキームが円滑に動くということを期待し、また、していきたい、こう思っております。
○小沢(和)委員 切りをつける意味でもう一問だけさせてください。
 私は、そういう危惧の念を事実で確認しようと、ある特例子会社を見学させてもらいました。特例子会社は、もともと障害者を集中的に雇用することを目的としております。私が見せてもらったところは、障害者が七〇%を超えておりましたが、親会社も障害者雇用率は二%以上でした。その企業については、私の危惧は外れていたわけです。
 その特例子会社は、銀座の超一等地にあり、パンをつくり売る店でしたが、重度知的障害者を中心に雇用しており、そういう人々が生産から販売まで行っておりました。訓練すれば製品のロスもほとんどなく、レジも打てるようになるということで、賃金月額十三、四万円。親会社が応援するのはクリスマスケーキの社員による大量購入ぐらいで、あとは独立して十分に経営できるということでした。今このノウハウを各地の共同作業所に広げ、チェーン店のパン屋がふえております。これも立派なことだと思うんです。
 私は、真剣に障害者を雇用し、その能力をフルに発揮させればこれだけのことができると大変感銘を受けました。こういう特例子会社がもっとふえてほしい。
 しかし、この制度ができて何年もたつのに、まだ設立されたのは百十四社、雇用されている障害者は二千八百三十九名にすぎません。諸外国の障害者実雇用率は、フランス四・〇%、ドイツ二・五%などという状況ですが、日本ももっと高い目標を掲げ国を挙げて取り組めば、それが可能であることをこの店の先進的経験が教えているのではないかと思いますが、最後に大臣の所見を承りたいと思います。
○坂口国務大臣 私も特例子会社と言われているところを拝見したことがございまして、立派に多くの皆さん方がお仕事をこなしておみえになりまりて、非常に感動しまして帰った一人でございます。
 したがいまして、これからもそうしたところをふやしていく、そうしてそれを行うことが、その親会社の方はそれで手を抜くというのではなくて、そういう特例子会社を持つということによって親会社そのものも私は刺激をされる。やはり障害者の皆さん方を雇うということが、企業のその名前というものについても、企業がそれを行うことによって、企業がそのことによって社会からも評価をされるということがやはり私はわかるのではないかと期待しているところでございます。
○小沢(和)委員 終わります。
○森委員長 次に、金子哲夫君。
○金子(哲)委員 社会民主党・市民連合の金子です。障害者雇用促進法の改正に当たって幾つかの御質問をさせていただきたいと思います。
 後の方で質問しようと思いましたけれども、今、小沢委員からの質問の中で教職員の採用の問題について大臣ちょっとお答えになりましたので、言葉じりをとらえるわけではありませんけれども、資格がある人が今何人いるだろうかというお話でございました。
 そもそも門戸を閉ざしておれば大学で教育資格をとろうということ自身がないわけでありまして、教育現場に対して門戸をまず開くことをはっきりすれば、それであっても四年たたなければ初めて資格をとることができないという状況で、一日も早くこの除外指定を解除するということが、むしろ逆に言えば早くやることの方が意味があるのではないかというふうに思うんです。
 といいますのは、障害者の自立とか社会参加のためには、そういった、お互いが、学校現場でも今既に子供たちをできるだけ同じ場所で教育をしていくということが進んでいるわけで、インクルージョン教育とかいうことで、その推進をするということになっております。もちろんこれは子供たちの問題ではありますけれども、同時に、教える側も障害を持つ人たちがふえていくことによって、それはより推進をされるということになると思います。
 先ほども言いましたけれども、公立小学校が、教職員が除外職員となっているということは、教育現場の中にそういうことを推進していこうということと、ある意味では逆行している面もあるわけです。そういう意味では、平成十六年の四月から除外率の見直しとかが行われる対象になると思うんですけれども、今大臣のお話しになったことを逆に言えば、そういう趣旨を進めていくためにも、早く除外職種としての指定を解除して、障害を持っていらっしゃる皆さんに対しても、資格を取っていただければ職場として確保できますよということを示すことの方が今重要ではないか。
 これは文部科学省との関係もありますけれども、そういうことを早急に進めていくということが大事だというふうに、今資格のある人がいないからということではなくて、逆に、そういう職場をつくっていくことによって、障害を持っている人たちに教育現場への希望を、また、資格を取得しようという状況をつくるということの方が大事ではないかと思いますけれども、どうでしょうか。
○坂口国務大臣 今聞きますと、学校の先生の場合には五〇%になっている、小学校は七五%だそうでございまして、ちょっとこれは高いですから、早くこの辺のところは低下をさせて、そして、多くの皆さんが、小学校や中学校におきましても教壇に立っていただきましたり、あるいはまたその他の分野で働いていただけるようにやはりしなければならないというふうに思っております。
○金子(哲)委員 これは職業安定局長にお伺いしますけれども、今の数字は公立学校の数字ですか、私立学校ではないんですか。公立学校にも既にそういうことが採用できる枠があるんですか。
○澤田政府参考人 今、大臣が申し上げましたのは民間の学校の場合の数字でございまして、公立学校の場合には、除外職員という形で、高等教育機関の教員、小学校、幼稚園の教員という形でリストアップされているということであります。
○金子(哲)委員 ということは、私立の小中学校では数値は高いとはいえ採用はできるようになっている、しかし、公立学校は除外されているから対象になっていないということになるわけですか。
○澤田政府参考人 公立の場合には職員という形で出ておりますので、その職員に属する方はみんな除外ということになります。この制度を、今回、国も地方公共団体も民間と同じように除外率に転換する、除外職員制度をやめるということで、民間により近づくということを法案の中でお願いしているところであります。
○金子(哲)委員 つまり、おっしゃったとおりだと思いますので、ぜひ、そのことを早くやらなければ、そういう門戸が開かれたという状態が、早くやって、しかも先ほど言いましたように、四年先に、例えば大学は、初めて教育課程を受けようとすることがスタートするのは四年、そして、資格を受けるのは最低でも四年かかるわけですよね。そうすると、こういう問題は十六年とかいうことにとらわれずに早く指定を除外して、除外率の問題もありますけれども、そういうことをすべきだと思いますが、その点、重ねてお伺いします。
○澤田政府参考人 今回の法案の中で、その部分の施行期日は平成十六年四月からという御提案をしております。
 私どもは、その前の二年間の準備期間の間に、公務員関係の除外職員については関係各省となるべく早く折衝をして、どういう形で除外率という形に転換していくかということをはっきりさせて、その準備期間の間に、皆さんになるべく早目に周知して体制をとっていただくというふうなことをぜひやっていきたい、こう思っております。
○金子(哲)委員 ぜひそうしていただきたいと思います。特に教職員の場合には、資格という問題もありますので、早目に周知をしていただくということを強く要望しておきたいと思います。
 さて、この障害者雇用を拡大するということには、やはり企業の理解ということが非常に大きいと思うわけです。
 私も、二百三十八人の従業員のうち二十四名の障害者を雇用している企業の方にいろいろお話を伺いましたけれども、そういう企業の方が他の企業の方とお話をしても、やはり障害者を雇用したときに、例えばトイレの問題であるとかいろいろなことも含めて、不安が実はある。
 そういう意味では、その不安を解消していく、また理解をしていただくための努力ということは非常に重要だと思います。もちろん数字で強制的に押しつけることも重要ですけれども、やはり理解をどれだけ広げていくかということが重要だと思います。そういう努力は、今どれぐらい、どんなことでやられていますか。
○澤田政府参考人 一つのタイプとしては、障害者を雇っていただく際のいろいろな助成という仕組みがございますが、もう一つは、雇うということ自身にちゅうちょされるケースに対して、いわゆるトライアル雇用事業というものを、平成十三年度、今年度とやっております。
 委員御指摘のように、障害者をまだ雇ったことがないという企業につきましては、このトライアル雇用制度を利用して、三月間、試しといいますか、トライアルで雇っていただく。その間に、障害者に対する意識、場合によっては従来の誤った見方等々が直されて、かつ、障害者の能力が企業の方とマッチすれば正式雇用に移行していただくという事業をやっております。
 これは、既に障害者を雇った経験のある企業でさらに雇っていただくために使うケースもありますが、でき得れば、まだ雇ったことのない企業により多く使っていただこうというようなことも現在考えているところであります。
○金子(哲)委員 私も、今お話があったトライアル雇用の問題についてちょっと聞いてみました。また、厚生労働省の現場の皆さんからも、この制度は割合といい成果を上げたということを直接お伺いしております。
 ただ、私、ちょっと、この中で、あの文章を読んで気になる点は、一つは、日本障害者雇用促進協会が認定した事業主というような条件が書かれているんですね、案内文の中に。だけれども、その、認定した事業主というのはどうかということ。
 それから、先ほどもお話がありましたように、新しい、初めて雇用するところにこういうトライアル雇用を活用してほしいというお話を伺いましたけれども、私は、実はちょっとおたくの省にも問い合わせをしましたし、県の窓口にも問い合わせをしたんですけれども、新しい企業が、どういう企業が、実は私もそこに関心があって、この中でどれだけの新しい企業がこのトライアル事業で受け入れていただいたかということがわかりますかと言ったら、残念ながら今数字が出ませんという話だったんですよね。
 私にはちょっと、この趣旨を本当にどのように体して、むしろ、そんなことが基本的にあるとしたらもっとそんな数字はすぐに出てくるべきだと思うんです。どうもその辺が、本当に新しい企業がこのトライアル雇用というものに挑戦していただいただろうか、結局は経験のあるところがということになったんではないかということを危惧するのですけれども、その辺はどうでしょうか。
○澤田政府参考人 まず、前段の、日本障害者雇用促進協会が認定した企業というお話がございましたが、これは、トライアル雇用制度を使ってみたいという企業がまず申請するということで、その申請について、よほど障害者雇用の受け入れ環境として悪いとかいう問題がなければ認定するということでございますので、厳格な認定行為というものはございません。
 それから、初めて障害者を雇う企業にどれだけトライアル雇用事業を適用したかという点でありますが、十三年度からスタートした事業で、全国全体をシステマチックに調査するということに残念ながらまだなっておりませんので、八県についてヒアリング調査を行った結果がございます。
 十三年度、八県において、トライアル事業を活用した事業所は百八十八社ございますが、そのうち六十社が初めて障害者雇用に取り組んだということになっておりますので、約三割強が初めての企業に適用ということでございます。
○金子(哲)委員 本来の趣旨からいうと、ちょっと低いと思うのですね。
 やはり先ほど言われましたように、例えば、認定した事業主とかいう表現そのものが、何かあらかじめ限定されているような、今局長はそうさらりとおっしゃいましたけれども、文章上は認定した事業主とかいうことの規制みたいなものがあるようになったこういう資料が出ていると、本来の趣旨が、しかも今おっしゃった分は、全体の文章の中で、どっちかといえば、この案内の中でも後半の部分に書かれているのですね、新しい企業にとかいうのは。むしろそれはもっと前に出ていくべきだというふうに考えます。
 やはり、三分の一ということであれば、新規の開拓ということでは不十分だったというふうに率直に思いますので、今年度もやられるということですから、ぜひその点はもっと改善をしていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
 そこで、この雇用創出トライアル雇用ですけれども、お聞きをしたら、昨年は二千人の規模でスタートされて、実際には二千人ちょっとオーバーをする形で行われた。それで、大体、二千百八十一人トライをして、本雇用が千五百三十一人あったという報告をいただいておりますけれども、広島の場合、私が問い合わせたところ、七十五名のトライで六十名が本雇用になったという報告をいただいております。
 そうして見ますと、これはかなり高い数字だと思うのですね。やはりそういうことを経験することによって、受け入れ側も、事業主の側もそうですけれども、働く側の不安も解消していったということでは、いい試みだ。
 私は、本当は、最初二千という数字を聞いたとき、二千事業所というふうに思ったのですけれども、人数の二千人だったので、もうちょっと積極的にやっていただきたいと思ったのですけれども、例えば今、広島県内で、昨年の三月ですのでもっと変動していると思いますが、障害者の有効求職者数は三千六百十二人という数字が、出された数字の中にあります。その中で、七十五名対象ですね、この事業そのものが。そして、実際の状況を聞きますと、大体三カ月ぐらいで、四、五、六という三カ月ぐらいで、この七十五名の要望といいますか、割り当てられたものが、枠がいっぱいになってしまったということで、それを一生懸命使われたところは残念がっていらっしゃる。
 今回の、今年度の状況を見ますと、二百名ふえて二千二百人ということなんですよ。二百人。私は計算をちょっとしましたら、これは、丸々十六日以上働いた場合には月五万九千円の補助といいますか、金額が支給されるということで、三カ月に直しても約十八万を切るわけですね。それで、二百名といえば三千六百万円の予算枠になると思うのですけれども、これはもっと拡大をして、今こういう雇用状況の中でいろいろな制度がありますけれども、これだけ効率のいいものに対してはもっと拡大をしていくということを、わずか二百ということについて、予算の問題がありますけれども、その辺について大臣のお考えをお伺いします。
○坂口国務大臣 これは一般会計なものですから、なかなか厳しいんですね。我々としましては、もう少しここをふやしたかったわけでございますが、思うようにまいりませんでした。
 しかし、ここの利用者が非常に多いということになれば、これはさらに今後またここをふやしていくことについても、精力的にひとつふやしていくようにやりたいというふうに思っています。
 いろいろの考え方、財源についての考え方もあるというふうに思いますから、一生懸命、ふえるということであれば、さらに頑張りたいと思っております。
○金子(哲)委員 ぜひお願いをしたいと思います。
 先ほども申し上げましたように、昨年度二千人の予算規模で出発したのが、厚生労働省からいただいた資料でも、既に二千百八十一人使われておりますから、もう既に今年度の予算と同じぐらいの人数があったということでありますので、ぜひとも積極的に、もし希望があればこたえていくということでお願いをしたいと思います。
 その際、私は、先ほど言いました企業の方とお話をしたとき、今何かほかに要望はないだろうか、障害者雇用の問題でと。一番言われましたのは、実は、さまざまな手続が余りにも煩雑過ぎる。書類にしても、提出書類の中身も、そして記載事項も含めて非常に煩雑過ぎる。そうしてまいりますと、事務職員が一人しかいないような事業所ですと、それだけで申請をする気が起こらない。あなたが言うことはよくわかるのだけれども、申請するのにもう大変だという声が非常に強いわけです。
 ぜひ、この事務手続の簡素化ということについて検討をしていただきたいと思いますけれども、その辺、どうでしょうか。
○澤田政府参考人 いろいろ助成金が絡む事業につきましては、乱用防止あるいは悪用防止という観点から、申請、支給手続がかなり厳密になっている嫌いはあります。
 そこは兼ね合いの問題でして、それによって余り助成金が活用されないとか利用者に過大な負担がかかるということは本意ではございませんので、私ども、この間、常に助成金の事務手続については簡素化するという方向で検討を重ねておりますので、本件につきましてもそうした中で努力していきたい、こう思っております。
○金子(哲)委員 ぜひそのことを、現場からの声ですので、強く申し上げておきたいと思います。
 最後の質問をさせていただきたいと思います。
 先ほど、公共企業、自治体、国とかの雇用の問題がありました。そこの雇用率を上げていくということも非常に重要ですけれども、もう一つ、例えば最近千葉県などが行われた、ほかの県でも、聞いてみますと例えば広島などでもそういうことを十分配慮しているということでありますけれども、いわゆる物品購入とか業務委託などに際して、障害者の雇用を積極的に行っている事業者を対象にしていくというようなこと。千葉県では、この三月の議会でも、来年度からそうしたい、業務委託などについて配慮をしたいということで決定をされたようであります。それは、いわば、懸命に障害者雇用を推進していく企業の社会的貢献に対しても積極的に受けとめていくという意味で、非常に重要なことだというふうに思うんです。
 今後、これは各企業になかなか言うことはできませんけれども、自治体とか公的機関に対してはそういうことは指示はできるというふうに思いますので、ぜひ、総務省などとも連携を強めていただいて、現在の状況も含めて調査をしていただくことも重要だと思いますけれども、ぜひとも、総務省などとの積極的な連携で、障害者雇用を推進している事業者が本当にそういうところできっちりと受けとめられていく、そういう行政というものに進んでいくようにしていただきたいと思います。その点についての御見解をお伺いしたいと思います。
○狩野副大臣 既に、平成十一年に、前の労働省職業安定局長から、各都道府県知事に対して、物品購入等官公需の発注においては障害者多数雇用事業所に発注していただくように、文書により配慮をお願いしております。
 これからも障害者多数雇用事業所の経営の安定を図り、障害者雇用の安定と促進が図られるよう、自治体におけるその発注にかかわる配慮について理解が得られるようにこれからも努めてまいります。
○金子(哲)委員 質問を終わります、もう質問しませんので回答は結構ですけれども、障害者就業・生活支援センターを新たに設置されるということで、各県に一カ所ということですけれども、私が広島で新たに指定されるであろうという事業所を見てみますと、残念ながら本当に人口の密集度と必ずしもマッチングしていないという問題がありますし、三名という問題がありますので、これはもう少し、本当に職場に近いところ、また、そういうことの要望の近いところとの関係を十分配慮してこの事業を推進していただきたいということを最後に要望して、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○森委員長 次回は、来る十日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時一分散会