第155回国会 環境委員会 第2号
平成十四年十一月八日(金曜日)
    午前九時三十二分開議
 出席委員
   委員長 松本  龍君
   理事 稲葉 大和君 理事 田村 憲久君
   理事 西野あきら君 理事 柳本 卓治君
   理事 奥田  建君 理事 牧  義夫君
   理事 田端 正広君 理事 高橋 嘉信君
      小渕 優子君    木村 太郎君
      阪上 善秀君    鈴木 恒夫君
      鳩山 邦夫君    菱田 嘉明君
      松浪 健太君    三ッ林隆志君
      水野 賢一君    望月 義夫君
      山本 公一君    大石 正光君
      小林  守君    近藤 昭一君
      鮫島 宗明君    西  博義君
      中井  洽君    藤木 洋子君
      金子 哲夫君    星野 行男君
    …………………………………
   議員           谷津 義男君
   環境大臣         鈴木 俊一君
   環境副大臣        弘友 和夫君
   環境大臣政務官      望月 義夫君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬局食品保
   健部長)         尾嵜 新平君
   政府参考人
   (農林水産省総合食料局長
   )            西藤 久三君
   政府参考人
   (農林水産省生産局畜産部
   長)           松原 謙一君
   政府参考人
   (林野庁森林整備部長)  辻  健治君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁長官) 岡本  巖君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁省エネ
   ルギー・新エネルギー部長
   )            伊藤 隆一君
   政府参考人
   (環境省大臣官房廃棄物・
   リサイクル対策部長)   飯島  孝君
   政府参考人
   (環境省総合環境政策局長
   )            炭谷  茂君
   政府参考人
   (環境省総合環境政策局環
   境保健部長)       南川 秀樹君
   政府参考人
   (環境省地球環境局長)  岡澤 和好君
   政府参考人
   (環境省自然環境局長)  岩尾總一郎君
   環境委員会専門員     藤井 忠義君
    ―――――――――――――
十一月五日
 化粧品開発における動物実験禁止を動物の愛護及び管理に関する法律の中に明記することに関する請願(岩國哲人君紹介)(第一五六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 自然再生推進法案(谷津義男君外六名提出、第百五十四回国会衆法第四六号)
 環境保全の基本施策に関する件

     ――――◇―――――
○松本委員長 これより会議を開きます。
 環境保全の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として厚生労働省医薬局食品保健部長尾嵜新平君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、農林水産省生産局畜産部長松原謙一君、林野庁森林整備部長辻健治君、資源エネルギー庁長官岡本巖君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長伊藤隆一君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長飯島孝君、環境省総合環境政策局長炭谷茂君、環境省総合環境政策局環境保健部長南川秀樹君、環境省地球環境局長岡澤和好君及び環境省自然環境局長岩尾總一郎君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。
    ―――――――――――――
○松本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小渕優子さん。
○小渕委員 おはようございます。自由民主党の小渕優子でございます。
 鈴木大臣、弘友副大臣、望月政務官におかれましては、ちょっと遅くなりましたが、御就任おめでとうございます。これからますます積極的にお取り組みいただきまして、政府の中でぜひとも大いに御活躍いただけますように御期待を申し上げます。また、私自身も環境委員の一人といたしまして、しっかりとサポートできるように今後とも勉強を積んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 まず、先日、大臣より所信を伺いまして、その中にもありましたように、現在、国内のみならず地球規模で環境問題は山積しています。地球温暖化問題を初めとする世界全体の問題については、世界の中で日本が何ができるか、日本の役割をしっかりと認識し、国際的連携に努めなければなりませんし、また、国内においても、大臣の所信にありましたように、環境保全と経済の活性化との一体化、経済と環境の両立という大変難しい課題を今後クリアしていかなければなりません。
 そんな中、大臣が強調されましたように、環境の構成要素が相互に連携し合っていることを念頭に置き、目の前の事象のみにとらわれることなく、全体を見通した幅広い視野に立って取り組んでいくこと、私もこれが何よりも大切であると感じております。大臣におかれましては、ぜひとも全力で環境問題に取り組んでいただけますようにお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、まず初めに、先日インドにて開催されました地球温暖化防止会議、COP8について質問させていただきます。
 鈴木大臣にとりまして、就任して初の国際会議であったのではないかと思いますが、まずは大変お疲れさまでございました。
 しかしながら、御報告を伺ったり、また報道を見る限りにおいては、京都議定書でなされた合意といいますか精神が具体的に実施に至るには、まだまだこれからイバラの道で、大変試練が続いてしまうのではないかと危惧をしています。先進国側も足並みのそろうことがなく、また、途上国側との歩み寄りも大変難しかったということで、今後こうした中で調整をしていかなければならないということでありますけれども、そうした会議はなかなか前には進まない中でも、やはり地球の中では温暖化というのはとまることなくどんどん進んでいってしまう問題であります。
 京都議定書の発効に関しては、日本の立場で、こうした難しい状況の中、これから日本がどのようなアプローチをしていかなければならないのか、今後の大変大きな課題であると思っております。また、国内においても、日本はこれからCO2の六%削減という大変厳しい目標をクリアしていかなければならないわけですけれども、国民一人一人がもう少し環境を意識し、意識の変化というものが必要であるとおっしゃっていらっしゃいますけれども、こうした問題意識を周知徹底というわけにはまだまだなかなかいっていないのが実情であると思います。しかし、このCO2の六%削減というのは国際的に取り決めました事柄で、約束事でありますから、この達成のために一体となって取り組んでいかなければならないと思っています。
 そこで、大臣に質問いたします。
 大臣、この会議に出席をされまして、まず、COP8を終えまして、率直な感想と評価、また、このような結果を踏まえた上で、今後日本はどのように役割を果たしていくのか、その方向性をお聞かせいただきたい。そして、もう一つあわせて、CO2六%削減目標でありますけれども、今後の取り組みと、また国民レベルでの行動をどのように促していくのか、二点お聞かせいただきたいと思います。
○鈴木国務大臣 おはようございます。
 COP8の問題につきまして御質問をいただきました。
 先月の三十日それから三十一日、国会のお許しをいただきましてCOP8に参画をしてまいりました。
 まず、その印象はどうだったかということでありますが、改めて、国際会議で一つの目標に向けて進めていくことの難しさ、また、その背景となっております先進国と途上国の間の信頼感の欠如、これは不信感と言ってもいいと思うのでありますが、そういうものを強く感じたところであります。途上国の方は、地球温暖化をもたらしているのは先進国の経済活動が主要な要因であって、途上国に今後の経済発展の制約になるような新たな義務というものは負うことはできないんだという立場がございまして、先進国は今までのいろいろな約束にもきちっとこたえていないではないか、そういったような不信感があったわけであります。
 そういう中で、日本といたしましては、やはり地球温暖化防止といいますものは世界的な規模で取り組んでいかなければならないものでありますから、これはあらゆる国がこれに参加することが必要である、そして、まずこの議定書の早期発効ということ、この二点を強く訴えてきたわけであります。
 そういう観点に立ちまして、我が国におきましては、まず発展途上国と先進国との間の不信感というのを払拭しなければいけない、そういうことで、まず日本のできるところからしっかりやっていかなければならないと思っております。約束は忠実に履行をして、そして環境防止のための技術移転等、そういうものも今後積極的に推進をしていく、そういうことで、この不信感の払拭の一助になるように努めてまいりたいと思っております。
 それから、COP8の評価ということがございましたが、技術面では、COP7の積み残しについて、いろいろと枠が定まったところも前進したものもございます。しかし、まだ完全に詰まっていないところもあるというのが率直なところであると思います。
 また、デリー宣言においても、当初案、議長国がインドということもあったかと思いますが、途上国の主張に近い線の草案でございましたけれども、その後いろいろ折衝する中で、一応、京都議定書の締結国は未締結国に参加するように呼びかけるといった点等々、我々の主張も盛り込まれた、そういうふうに思っております。
 それから、国内対策についての御質問もあったわけでありますが、御指摘のとおり、一九九〇年からCO2等の増加というものは八%逆にふえているわけでありますから、六%削減を行うためには一四%削減をしていかなくちゃいけない。これは本当に簡単なことではないと思っております。しかし、これはもう約束したことでありますから、官民を挙げての協力の中で、ぜひともこれを実現しなければならないと思っております。
 具体的な手当てでありますけれども、御承知のとおり、本年三月に地球温暖化対策推進大綱というものが策定をされまして、従来の対策に加え、さまざまな追加的なものが盛り込まれているところでありまして、具体的なこの対策というものも百種類を超えるパッケージが示されているところであります。これはステップごとに行うということでありますので、節目節目で評価をいたしまして、見直しを行い、その評価に基づいて、必要に応じて新たな追加的な対策を講ずる、そういうような手だてをとりながら、削減約束の達成に向けて努力を継続してまいりたいと思っております。
○小渕委員 大臣、ありがとうございました。
 COP8につきましての評価としては、まだまだ詰まってきていないというお話でありましたけれども、これからが大事だと思います。ぜひとも、途上国と先進国とがうまく歩み寄れるように、日本の役割をしっかり果たせるように御尽力いただきたいと思っております。
 それでは、次の質問に移らせていただきます。
 先般、東京電力による自主点検記録の改ざんや定期検査における気密データの不正問題が発覚いたしました。原子力発電につきましては、安全性の面を中心に、住民の方々を初めとして危惧や不安の声が上がることも少なくなく、また、そんな中での今回の問題は、まさに信用を失う大変大きな、重大な問題であったと受けとめなければならないと思います。一義的な責任はやはり東電の側にあるわけですけれども、こうした問題を機会に、私たちはいま一度こうしたエネルギー問題、とりわけ原子力について考えなければならないと思っています。
 先ほどCO2の削減についてお話をさせていただきましたけれども、政府は地球温暖化防止策で、CO2削減の方法として、二〇〇八年までに原子力発電炉を八基増設するという目標を立てています。それによってCO2削減が加速をされていくわけではありますけれども、その前に、今回このような不正が起こりまして、現在、原子炉の運転が九基ストップしていると聞いています。かわりに、火力発電またダム式発電が稼働しているわけですけれども、もちろん、その分CO2の排出量はふえているという状態であります。
 今後、このエネルギー対策と環境対策は表裏一体として考えていかなければならないと思いますし、また、原子力に関しましては、国民の理解と安心感、また信頼回復のために努めていかなければならないと思っています。そのためには、的確な情報と正しい知識を国民が一人一人きちんと持ち合わせ、原子力の必要性、重要性を踏まえた上で冷静な判断をしていくことが重要であると思っております。
 環境省としては今後、こうしたCO2対策も含めて、原子力を初めとするエネルギー対策にどのような意見をお持ちであるか、御意見を伺いたいと思っています。
○岡澤政府参考人 原子力発電に対するお尋ねでございますけれども、今先生おっしゃいましたように、原子力発電は、発電過程で二酸化炭素を排出しないという、地球温暖化対策としては現時点では不可欠な電源というふうに考えております。このために、ことし三月に取りまとめました温暖化対策推進大綱におきましても「安全性の確保を大前提として、原子力を引き続き着実に推進していく」というふうに書いてあるところでございます。
 今回の原子力をめぐる一連の不祥事につきましては、こうした原子力政策への信頼を揺るがすということで非常に憂慮しておるわけでございまして、関係者が現在信頼回復のための努力をしております。こうした努力によって、一日も早い信頼回復が必要と考えております。
 エネルギー政策には、基本的にエネルギーの安定供給というものが大きな柱になっております。そうした観点で、エネルギーの多様化というふうなことが進められているわけでございますけれども、それとあわせて、温暖化対策を有効に実施していくための電源構成ということも一方で考えていかなきゃならないわけでございますので、当然、原子力による電源供給というのはそうした中でしかるべき位置に位置づけられて推進させられなければならないというふうに考えています。環境省としても、大綱の方針に従いまして、原発に対する国民の理解を得つつ、温暖化対策の着実な実行のために、原子力発電の推進等の理解を得てまいりたいというふうに考えております。
○小渕委員 原子力に関しましては、何よりも国民の理解と、そして安全性、これからはさらに信頼回復に向けて働きかけていかなければならないと思います。環境省も、リーダーシップをこれからも期待していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、次の質問に移らせていただきます。
 話は随分がらっと変わるのですけれども、先般政府で全国の自治体よりアイデアを募って、実現へ向けて動き出した特区構想というのがあります。全国より、自治体の首長さんを初め、地方行政にかかわるたくさんの皆さんから、非常に知恵を絞った、大変おもしろい実験的な取り組みが出てきているのを大変興味深く拝見いたしました。
 教育分野や、またいろいろ今までの規制にとらわれない新しいアイデアが出てきて、大変楽しく見ていたのですけれども、さて、この中で環境に関する特区というのはどのくらいあるのかと思いまして、また、一体環境に関してはどんなアイデアが出ているのかとちょっと興味深く拝見させていただいたんですけれども、どうやら二、三環境に関してのこうした特区構想というのはアイデアとして出てきていると聞いてはいるんですけれども、なかなかまだこれといってそんなに新しいというか、画期的といった構想ではないのではないかとちょっと私自身感じました。
 そこで、ちょっとこれは私自身感じたことでありますけれども、今回政府が進めているこの特区構想とはまたちょっと違うというか、かなり異なる話なのですけれども、こうした地域の中での盛り上がりというのをぜひとも環境省に推進していただきたくて、一つちょっとアイデアを申し上げたいと思います。
 例えば、環境省の場合、それぞれの自治体の環境施策のアピールとして、こうした今政府がやろうとしている特区構想のアイデアだけを逆に利用できないかなと考えています。例えば、今回は規制緩和をすることによって新しいアイデアを生むということでありますけれども、環境特区として、これは規制緩和ではなくて多少の規制強化となってしまうかもしれませんけれども、何よりも町の景観などを環境として第一に考え、例えば町をみんなで美化していくですとか、あるいは町にふさわしくない看板を外していくですとか、そうした景観を大事にするような町づくりをしていくということも、環境に配慮したアイデアの一つなのではないかと思っています。
 あるいは、町によっては、ごみを出さないように完全循環型の町づくりをみんなで推進していくですとか、例えばガソリン車がこの町には入ることができない、そうした大気の汚染を一番に考えた町づくりをするですとか、環境に関してはそうしたいろいろ楽しいアイデアが浮かんでくるのではないかと思っています。
 ただ、これは大変現実味のない話に聞こえるかもしれませんけれども、決してそんなことではないと思います。実際、ヨーロッパのスイスのツェルマットという町は、ガソリン自動車は入れずに、電気自動車と馬車だけが町の中を走っていますし、また、ほかのヨーロッパの国々でも、町の雰囲気を大変よくする、優しく見せるために街灯はオレンジ色で統一するですとか、そうした地域の取り組み、景観を重視するような環境の取り組みというものが実際ほかの国々ではなされていると思います。
 こうした取り組みがなかなか日本では少ないのではないかと思います。京都などにおいては、少しずつ文化や伝統を大事にする町づくりということがなされていますけれども、こうした地域の環境を考える、そうしたアイデアをさらに環境省がこれからバックアップしてやっていっていただけるといいのではないかと思っています。
 政府の今回の特区構想の取り組みとはちょっとまた異なりますけれども、環境に関して最近明るく楽しいニュースがなかなかないわけでありますけれども、こうした環境特区ということを考えていくということは大変ユニークでありますし、また将来にとって夢を持てることではないかと思いますけれども、こうしたことについてどう思われますでしょうか。
○炭谷政府参考人 ただいま先生が御紹介いただきましたように、今回の構造改革特区においては、環境省関係について四件、いずれも規制緩和の方向でございます。
 それで、先生の御提案いただきましたいわばいろいろな環境をよくする、さらに向上させていくような特区につきましては、私ども、この構造改革特区を検討している際、そういういろいろなアイデアを私ども環境省内部でも勉強させていただきました。しかし、地方自治体からの要望という形では出されていないということで、今回の国会に提案されている法案の中では出ていないわけでございます。しかし、第二次募集として一月十五日の締め切りということで、地方自治体からの御要望が出てくれば、それについてはまた後ほど私どもの方で検討させていただきたいというふうに思っております。
 しかし、このような法案とは別に、先生の御提案いただきました環境をよくするようないろいろな町づくり、そういうものを私どももいろいろと考えております。例えば、今年度、そのようなことを行うための地方公共団体の御参考にしていただくための事例集というものも初めてつくりました。また、来年度は予算要求の中に、先生の御提案いただいたようなことができるような予算要求もさせていただいております。このようなところで、今先生の御提案いただいた内容を少しでも実現できるような方向で私どもも取り組みをさせていただきたいというふうに考えております。
○小渕委員 ありがとうございました。ぜひとも、夢の話だけではなく、現実的にそのようなことが成りますように、お力添えいただきたいと思います。
 今、先ほどの質問の中で、町並みの景観を考えるということが環境にとって大変重要であるということに触れましたけれども、私は、町並みの景観を考えるということとともに、日本の田園風景、農村、水田、畑が広がり、四季とともに山々が変化を見せる、そうしたすばらしいこの日本の原風景というものもきちんと今後守っていくということも、環境を考える上で大変重要であると考えています。
 節度のない開発はもちろん環境破壊につながりますけれども、環境にきちんと配慮した農業、環境と共生し、持続可能な農業を行っていくということは、今後すばらしい原風景をこの二十一世紀にしっかり残していくことにつながっていくと思います。
 農業活動は、今や食料や繊維の供給という基本的機能を超えて、景観を形成し、国土の保全や自然資源の管理、生物多様性の保全といった環境便益を提供します。洪水防止、大気浄化など森林の多面的機能についてはよく語られるんですけれども、農業や農村、水田の多面的機能を環境の側からしっかりと認識し、今後、継続させていくことが大切ではないかと考えています。産業としての農業の利益の追求ばかりではなくて、こうした環境面でのメリットも考えて実証していただきたいと思っています。
 今後、こうした農業、水田の多面的機能を環境省として、環境側としてどのように考えていくか。また、こうした日本の田園風景を守っていくということも環境施策に関しての大変大きなポイントであると思っておりますが、それについてどのような御意見をお持ちであるか。また、農業といいますとどうしても農林水産省がもちろん中心となってやっていくのですけれども、環境省もぜひともそうした農業の分野にしっかりと入ってリーダーシップをとっていっていただきたいと思いますけれども、いかがお考えでしょうか、御意見を伺いたいと思います。
○望月大臣政務官 農業は、今、小渕先生おっしゃられましたように、食料としては我が国にとって大変大切なものでございますけれども、農業の二千年の歴史を通して、我が国の国民のDNAの中には、目をつむれば私たちの心を和ませていただけるというか、そういった意味のさまざまな影響が人間にとってあると申しますか、利便があるのではないかなと、私たちも農業をそういった意味でも評価をしているところでございます。
 ただ、そういう中で、近年、今お話ございましたように、生産性とかそういったものを重視する余りに、農薬とか肥料、そういったものが適切でなかった、過度な投入によって、生産基盤整備とか、そういったことで失われつつあるというようなことも承っております。
 我が国の二千六百の絶滅危機にある種がございますけれども、そういった中で、先ほどちょっとお話ございましたけれども、メダカとかタガメとか、そういったものが失われつつある。もう失われてしまっているというようなものも実はございます。
 そういう中で、里地里山ですか、そういったものが荒れてしまう、そういうことによって絶滅してしまう、その生態系が狂うことによって、私たち人類にとっても大きな危機を持たなくてはいけない、そういうようなことで、大変大切なものであると私たちはそれを実は認識しております。
 それで、私たちとして、環境省といたしましては、農業の環境にかかわる多面的な機能が十分発揮されますように、環境基本計画や生物多様性国家戦略を踏まえつつ、農林水産省との連絡会議の場などを利用して、関連施策の一体的な推進に今後とも努めていきたい、このように思っております。
○小渕委員 ありがとうございました。ぜひとも、このすばらしい日本の原風景を守っていただくためにも、環境省としても御尽力をいただきたいと思っています。
 そして、私は、いつもこうした自然の大きさ、すばらしさを感じるために、ここに私たちが教わらなければいけないことがたくさんあると感じています。次の質問は環境教育についてです。
 これについては、日ごろから多くの先生より御指摘がありまして、現在、環境省の取り組みの中でも随分おやりになっていただいていますし、文部科学省の方でも随分推進していただいていると伺っておりますけれども、まだまだたくさんの取り組みができるのではないかと考えています。
 二十一世紀の大きなテーマの一つが環境といたしますと、もう一つはやはり教育であろうと思っています。私は、環境と教育が協力をし合うことによって、相互発展していけるのではないかと確信をしています。
 これはちょっと私ごとでありますけれども、私は、小さいころから母親、父親からしかられたりいろいろな教えをもらうときに、それが自然を対象にした、題材としたようなものが多かったように思います。例えば、小さな植物を見ることによって命のとうとさを教わったり、御飯をきちんと最後まで残さないように食べるように、お百姓さんたちが一生懸命つくったこの一粒一粒のお米には七人の神様がいるんだよというようなことですとか、例えば悪いことをしないように、お日さまが、おてんとうさまがいつも見ているからねというような教えがあったような気がいたします。こうした自然から学ぶ道徳心というのは、特に日本独自の大変すばらしい心ではないかと思っています。
 最近、グリーンツーリズムなどを通じて、都会の子供たちが農村とつながりを持ったり、そうしたたくさんの取り組みもなされていると聞いていますけれども、ぜひとももっと積極的に子供たちに環境のこと、自然のことを教えていただきたいと思っています。
 大臣の所信表明の中でも、やはり国民一人一人が環境を意識するということが何よりも大切だとおっしゃっていらっしゃいましたけれども、これから二十一世紀を担っていくのはやはり子供たちでありまして、子供たちのそうした小さいころからの気持ちの中に、環境を大切にするということ、また、自分自身がちょっと努力したことによってそれが守られていくということをしっかりと根づかせていただきたいと思います。これから環境行政を考える上で、そうしたことが何よりの近道であるのではないかと思います。
 環境省として、ぜひとも今後の環境教育についての取り組みと心意気を教えていただきたいと思います。
○炭谷政府参考人 ただいま先生がおっしゃられましたように、環境教育は、あらゆる年齢の方について、あらゆる場、あらゆる機会に推進していくということが大切だろうというふうに私ども思っております。特に、あすの日本を担う子供たちを対象にした教育というものは大変重要だということを考えております。特に、今年四月から全面実施されました総合的な学習の時間においても、環境というものが一つの大きなテーマになっているところでございまして、環境省としても、それに対する御協力というものをさせていただいております。
 また、環境と教育という関係の連携強化ということが大切だというふうに思っておりまして、今年六月から、文部科学省と一緒に環境教育・環境学習推進に関する協議会を設置いたしまして、いろいろと検討いたしております。来年度におきましても、予算要求として、両省で環境教育情報の提供というものを共同で予算要求するなど、両省の連携を強化して環境教育に取り組んでいきたいというふうに思っております。
○小渕委員 ありがとうございました。
 文科省と協力をさせていただいているということでありますけれども、もちろん協力をしていっていただかなければならないのですけれども、お互い、相乗効果ではありませんけれども、ぜひともこの分野には環境省もリーダーシップを持ってやっていただきたいと思っておりますので、さらなる発展を御期待申し上げます。よろしくお願いいたします。
 きょうは、最初の質問者ということもありますので、ちょっと全般的なお話をさせていただきましたけれども、環境は、私のきょうのどの質問をとってみても、例えば環境と農政、環境と教育、環境と経済といったように、大変多省庁にまたがる問題ばかりであると思います。そうした中、今後、他省庁と連携をとりながら、また協力し合いながらやっていただかなければならないんですけれども、私は、さらに環境省がしっかりリーダーシップをきちんととってやっていただきたいと期待をしています。
 最後の質問になりますけれども、これから多くの諸問題に当たる上で、環境大臣として、鈴木大臣の意気込みを最後にお聞かせいただきたいと思います。
○鈴木国務大臣 先生御指摘のとおりに、環境問題、これは、地球規模の問題から、身の回り、ごみのような問題まで、大変幅広いものがあると思います。それだけに、他の省庁とのかかわりというものも大変ございます。他の省庁が行うさまざまな事業あるいは施策であっても、環境配慮というものをしてもらわなければならないわけでありまして、環境保全に責任を持つ環境省として、これからも必要なことはきちんと言っていかなければならないと思っております。
 一例でございますが、先般、沖縄の泡瀬干潟の事業におきまして、これは内閣府の事業でございますが、海上にブイを設置するという一つの局面を迎えましたときに、環境省として、その事業認可に当たって環境アセスメントが行われて、守るべき事項というものが出ているわけでありますので、改めて、それをどうやって守るのか具体的な計画を示してほしい、それから、こういうことを注意して進めてほしいというような意見も申し上げたところであります。
 これからも、他の分野につきましても必要なことについてはきちんと申し上げていく、そういう姿勢で努力してまいりたいと思っております。
○小渕委員 ありがとうございました。
 ぜひとも、必要なことをしっかり言っていく環境省でありますように、また環境大臣でありますように心からお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○松本委員長 鮫島宗明君。
○鮫島委員 民主党の鮫島宗明でございます。
 大臣に対しては初めての質問になりますが、ひとつよろしくお願いします。
 最初から乱暴で恐縮なんですが、予定に入っていなかったんですが、けさ部屋にいましたら、環境省の方が「東京大気汚染公害訴訟について」という一枚紙を持ってきまして、十月二十九日に判決があった東京大気汚染公害訴訟について、「関係省庁で協議の上、国として控訴することとなりました。」というのが入っているんですが、これはなぜ控訴することになったんでしょうか。これは通告にないんですが、そちらから投げられたものですから。
○鈴木国務大臣 二十九日に東京大気汚染裁判の判決が出たわけでありまして、それについて政府として関係省庁の協議をしてまいりました。その中で、環境省も意見を求められたわけであります。
 環境省として申し上げましたことは、今回の判決におきまして、大気汚染とぜんそく等の疾病との因果関係であるわけでありますけれども、判決の方は蓋然性として認めたわけでありますが、環境省の立場といたしましては、いろいろ調査研究を進めておりますが、今のところ、そうした大気汚染とぜんそく等の疾病を、その因果関係を科学的に証明できない段階であるということで、そういう立場でございます。したがいまして、その点について問題があるということを法務省に申し上げたわけであります。
 国土交通省等からの申し出は承知しておりませんが、最終的に、法務省において各省庁の申し出を総合的に勘案して、今回の判断が出たと承知をしております。
○鮫島委員 三権分立の建前からいっても、ぜひ司法の判断も尊重していただきたいというふうに思います。決して、蓋然性なしという意見をお持ちの学者だけを集めるような検討会はおつくりにならないように。学者はいろいろな学者がいますから、ある結論で集めようと思えば、それは集められる、集めるのは簡単ですので、ひとつその辺は十分御配慮いただきたいと思います。
 時間も限られているので、早速、通告どおりの質問に入らせていただきます。
 環境省というのは大変な役所だと思います。環境分野全分野ですから、農林から経済産業から建設から、リサイクル法も全セットで出そろっていて、そういうのがちゃんと運用されているように見るのが環境省のお立場でしょうから、大変幅広い分野をお持ちで大変だと思いますが、まず肉骨粉の処理状況からお伺いしたい。
 BSE問題から始まって、肉骨粉の処理が、これは全量焼却という処理になっておりますが、こういうような厄介なことが決まってしまったのは農水省の自業自得的なものがありまして、屠畜場では全頭検査しているわけですから、そこから出てくる屠畜かすは本当はクリーンなんですが、残念ながら、今の肉骨粉には死亡牛由来の肉骨粉もまざっている。
 死亡牛の世界、年間七万頭ほど出ていますが、ここでの発生頻度は、ヨーロッパの例でいうと、屠畜場の三十倍の頻度で患畜が見つかりますよと。したがって、国際獣疫機関、OIEからは、何度も農水省に対して、死亡牛検査が非常に大事ですからそれをしなさいという勧告を受けていると思いますが、いまだに農水省は検査体制が整わないということで、二年後から行いますということがBSE新法の中で決まりました。
 二年後になりますと、大体、一番疑惑牛が多いのが一九九六年生まれ。あのころにどうもおかしなえさが大分供給されて、五頭ともそこから出ているわけですが、あと二年たつと大体それが死に絶えるわけですね。だから、疑惑牛が死に絶えるまで死亡牛検査はしないというのが農水省の裏から見た方針というふうに解釈されますが、そういうのがまざっているものですから、どうしても肉骨粉は焼却しなくちゃいけない。本当は、果樹の肥料なんかに使えば大変甘みが出るということで、果樹農家からの要望は強いんですが、この疑惑牛由来の死亡牛肉骨粉がまざっている以上は、今後八年間燃し続けなければいけないということになると思います。
 つまり、患畜が発生してから八年間一切発生しませんでしたという実績がない限り、清浄国という認定になりませんから、恐らく八年間は燃し続けるんでしょうが、なぜかこの肉骨粉を一般廃棄物というふうに位置づけたために、一般廃棄物の許可を持っている業者は大変少なくて、中心は市町村が持っている公営の焼却場ですから、燃せるところが大変少ない。そういう意味では、大臣のふるさとも、東北地方を初めとして、どうも地域によってはえらい在庫が滞留して困っているところがあるんじゃないかと思います。
 廃掃法の中での一般廃棄物の定義というのは不思議でして、「「一般廃棄物」とは、産業廃棄物以外の廃棄物をいう。」と、これだけしか決まっていないんです。それで、この産業廃棄物の中にいろいろ具体的に決まっている中で、動物のふん尿、動物の死体というのは産業廃棄物の項目指定にあるんです。ですから、処理のしやすさからいえば、本当は肉骨粉は、畜産分野からしか出ないものですから、産廃指定した方が処理しやすかったんじゃないかと思いますが、なぜか一般廃棄物指定をしてしまった。
 趣味で牛を飼っているという人は余りいないから、産業として見ていいんじゃないかと思いますが、なぜ一般廃棄物指定をしたのか、その理由についてお聞かせいただきたい。
○飯島政府参考人 肉骨粉につきましては、昨年のBSE問題から、農林水産省から要請を受けて環境省としても検討したところでございますが、それまで飼料や肥料の原料として製造された製品でございまして、BSE問題をきっかけにしてその使用が禁止され、販売が不能になり、廃棄物となったという経緯でございます。
 このため、扱いにつきましては、例えば賞味期限が切れて返品された食料品などと同様の扱いとすべきということで、先生が御指摘になりましたように、産業廃棄物としての指定はせずに、事業系一般廃棄物として取り扱うこととしたものでございます。
○鮫島委員 では、今、肉骨粉の処理状況が各都道府県でどうなっているか。一定量生産されてうまく処理できているところもあるでしょうし、ところが、生産量の方が多くて日々滞留量がふえているというところもあると思いますが、現在の処理状況の現状はどうなっておりますでしょうか。
○松原政府参考人 各都道府県の肉骨粉の滞留状況についての御質問がございました。
 私どもが利用可能な最新の情報によりますと、九月の二十七日現在でございますが、肉骨粉は約十一万八百トンの在庫がございまして、焼却が必要な一日当たりの肉骨粉の生産量約九百トンに対しまして、一日当たりの肉骨粉焼却量が約一千五十トンでございます。こうしたことから、全国的に見ますと、一日当たり約百五十トンの在庫が解消されている状況にございます。
 都道府県別に滞留状況を見ますと、焼却量が生産量を上回っている県が二十九県、そして、焼却量が生産量に追いついていない県が岩手県、千葉県、岐阜県の三県というふうになってございます。
 農林水産省といたしましては、今後とも焼却量の拡大に努めてまいる所存ということでございます。
○鮫島委員 今、岩手県を含めて三県が滞留量がふえているということでしたが、この滞留を解消するための対策、農水省、環境省、それぞれお持ちなのかもしれませんが、どういう対策を考えておられるでしょうか。
○飯島政府参考人 環境省におきましては、農林水産省から肉骨粉の円滑な焼却処理についての要請を受けているところでございまして、これまで再三にわたりまして、肉骨粉の焼却処理につきまして、地方公共団体に対して広域的な見地も含めて要請を行ってきたところでございます。
 また、廃棄物処理法に基づきまして、再生利用認定制度という制度がございますが、これにより、全国三十二のセメント工場を認定したところでございます。
 肉骨粉の焼却処理につきましては、引き続き地方公共団体に対し要請を行っていくこととしておりますし、再生利用認定制度の活用によりまして、セメント工場におきます処理能力は今向上しておりますので、その向上に今後とも努めて、肉骨粉の円滑な処理に努めてまいりたいと思っております。
○鮫島委員 ぜひ円滑な処理に努力していただきたいと思います。
 これは、どこかでたまっていると、どうしてもつい横流ししたくなったり、ほかに使いたくなったり、あるいは大雨で流されるとかいうようなこともありますし、それから、農水省はやはりできる限り死亡牛の検査を前倒しで早めて、とにかく日本で生産される肉骨粉にBSEは一ミリグラムたりとも入っておりませんという状況をつくることが、本当は予算の上でも一番安上がりだと思いますので、そういう方向での努力を引き続きお願いしたいと思います。
 次に、食品リサイクルの問題について一点だけお伺いしたいんです。
 食品事業者に対して、ごみの発生量を減らす、あるいは再生利用する、減量するということで、二〇%以上減らしてください、これは平成十八年度から義務づけられますよというのが食品リサイクル法ですが、この再生利用の道筋が非常に狭められていて、どういう再生利用の分野があるかというと、肥料や飼料、油類あるいはメタン、この四つしか再生利用の道筋が認可されていないんですが、このことがある意味では大変窮屈になっている。
 それで、私のところにも、ファストフードチェーンを初め食品産業関係の方々が時々相談に来ますが、私は、その食品関係のリサイクルに関与したいという業者さんに、つぶれたければこのとおりやったらいいですよというふうに言っているんです。
 多分、飼料の世界で深入りすると、クレームがだんだんふえてきて、素材が一定しないと品質もばらつくし、腐敗、変敗みたいなものが入っていて、うっかり豚が病気にでもなると大変な話になる。
 それから、肥料についても同じこと。成分が、組成が安定していない限り肥効がばらつくということがありますので、品質保証という面で業者が大変苦しくなるんじゃないかというふうに思います。
 油についてはよくわかりません。多分、油をつくるときにどれだけのエネルギーがかかるのかというのが問題じゃないかと思います。
 それから、メタンは、全部がメタンになるわけじゃなくて、かなりの量が発酵かすとして残る。これの処理が実は大変ですから、一部メタンにしたところで、これが静脈産業として成り立つとは余り思えない。
 そういう意味では、もっと多様な知恵がたくさんあるとは思いますが、なぜこの四分野だけに絞って、サーマル利用の道を閉じてしまっているのか。例えば、具体的な相談なんかであるのは、ファストフード業界としてごみ発電に類するような発電施設をつくって、廃食油と乾燥した食品残渣の粉末とを練り合わせて、それを発電の燃料とするようなことが可能性がありそうな気がするけれども、ここでは認められていない。どうしてサーマル利用の道を閉じたのか。その理由をお伺いしたいんです。
○飯島政府参考人 先生御指摘のサーマルリサイクル、熱回収でございますが、循環型社会形成推進基本法におきまして、循環資源の循環的な利用及び処分の基本原則が定められておりまして、その中で、熱回収は再生利用とは別の行為として位置づけられ、かつ、原則再生利用ができないものについて行われるべきものとなっております。このため、食品リサイクル法における再生利用の手法におきましても、この熱回収については位置づけていないということでございます。
○鮫島委員 熱回収は再生利用とは別の行為というのは、この食品リサイクル法でそうなっているという意味でしょうか。容器包装リサイクル法ではどうなっていますでしょうか。
○飯島政府参考人 別の位置づけと申し上げましたのは、循環社会形成推進基本法、この基本法におきまして別の行為として位置づけて、優先順位を再生利用の次の順位にしているということでございます。
○鮫島委員 ちょっとよくわからないな。そうすると、容器包装リサイクル法でかなりのビニール、プラスチック類が発電、サーマル利用されていると思いますが、あれはカウントされないという意味ですか、再生利用の量として、容器包装の方で。
○飯島政府参考人 容器包装リサイクル法における位置づけのお尋ねだと思いますが、容器包装リサイクル法でも熱回収というのは位置づけておりません。例えば、プラを使うにしても、還元剤として再生利用という形で位置づけているところでございます。
○鮫島委員 私の記憶に間違いがなければ、当時の橋本通産大臣は、当然サーマル利用もリサイクルのメニューの一つに入れますという答弁があったように思いますが、これは私、また確認して改めて質問したいと思います。
 食品リサイクル法の中でも、今の四つの分野の最後の一つは、メタンはいいですよということになっているんですが、つくったメタンはどうするんでしょうか。何に使うんですか。
○西藤政府参考人 食品リサイクル法の世界で、先生御指摘のとおり再生利用の方法として、肥料、飼料のほか、油、メタンについて指定している状況にございます。
 これは、背景として、食品廃棄物、現状においてほとんどすべてが焼却埋立処理されている、大部分、九九・七%、一般廃棄物。その状況の中でのあれでございますが、当然のことながら、その発生したメタンは熱源として利用される状況にあります。
 一方で、一言だけ済みません、バイオガスのメタン化については、研究者、事業者を含めて既にその推進協議会を設立されて、技術的な解決、地方自治体も含めて、そういう現実の取り組みが、需要を含めて、現場でも定着してきている状況を踏まえて我々対応しているところは御理解いただきたいというふうに思います。
○鮫島委員 ぜひ大臣にこの役人答弁のおかしさを御理解いただきたいと思うんですが、メタンは結構ですと。では、メタンは何に使うんだと言うと、それは熱利用ですと。さっき、直接熱利用はだめですと。こういう役人の論理はやはりおかしいんですよ、普通に考えると。
 ぜひ大臣としても、今の話をお聞きになっていて、やはり食品リサイクルがなるべく円滑に、しかも静脈産業が成り立つように考えるのが大臣のお立場だと思いますので、ここは政省令の世界ですから、大臣の権限で幾らでもできる話なんで、ひとつ今の話を聞いていての感想がありましたらお聞かせいただきたいなと思います。
○鈴木国務大臣 食品リサイクル法における再利用の手法としてサーマルリサイクルの位置づけが明確にないということでございますが、それにつきましての法律上の組み立ての考え方については今御説明があったところだと思います。
 しかし、一方において、食品関連事業者にとって再生利用手法というのが多様であるということが望ましいことでありまして、例えば燃料化などにつきましても、新しい再生利用手法について技術が確立をして、そして相当程度需要が見込まれるというようなことを考えますれば、これは環境保全の観点から非常に望ましいことである、こういうふうに思うわけでありまして、環境保全の観点が十分担保できるということでありましたら、新たに食品リサイクル法の上に位置づけることについてもやはり検討することは必要である、そういうふうに思います。
○鮫島委員 技術的に見通しが十分立てばということですが、それは私は、そういう技術協議会なりあるいは専門家の集団は割合簡単に立ち上がるというふうに思います。ぜひ、特に環境分野に一番危険なのは縦割り思想で、環境こそ水平に目配りしながら進めていただきたいというふうに思います。
 農林水産省は本当は大きな反省をしなくちゃいけないのは、田植え機を開発できなかった。田植え機をつくったのは東大の工学部の航空学科がつくったわけでして、ですから、いかに自分の範囲だけで閉じこもっていると技術の幅が狭くなるか。これは私は、農林水産省は田植え機を開発できなかったトラウマを抱えて生きていくしかないというふうに思います。
 本題の地球温暖化対策推進大綱に入りたいと思います。
 初めに、きょう大臣、初めてなんで、ちょっと復習的な意味で、まず森林吸収の話だけ確認しておきたいと思いますが、三・九%が森林に吸収してもらうというような話になっていて、大多数の国民が誤解をしています。一九九〇年に比べて、二〇一〇年に日本の森林のCO2の吸収量は比較したらふえるのか、そのふえた分が三・九%というふうに多くの方が誤解していますが、本当は、一九九〇年の分はカウントしない、二〇一〇年のグロスのカウント量をそのまま認めちゃう、これが三・九%だというのが実態なんで、そのことをもう一度大臣に確認したいと思いますが、林野庁の方にもう一度再確認します。
 一九九〇年と二〇一〇年における我が国の全森林のCO2吸収を比較したときに、一九九〇年と二〇一〇年、どちらが多いんでしょうか。
○辻政府参考人 一九九〇年時点におきます森林の炭素吸収量につきましては、約二千三百万炭素トンと推計されております。森林・林業基本計画では、その目標年でございます二〇一〇年の林齢構成は、現在に比べて、成長量のある七齢級から八齢級が減少し、高齢級に移行する、こういうことから、二〇一〇年時点の森林の炭素吸収量は約一千九百万炭素トンに減少するもの、こういうふうに見込んでございます。
○鮫島委員 今の話でわかったように、一九九〇年が二千三百万炭素トン、二〇一〇年が千九百万炭素トンで、四百万炭素トン実は減るわけです、吸収量が。しかし、国民に対しては、二〇一〇年には森林に頑張ってもらって三・九%そこで減らしますというふうになっていますが、ぜひ大臣、ここのところを正直に国民に説明する責任が大臣にはあるんだと思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木国務大臣 今林野庁の方からお話がございましたとおり、一九九〇年とその後を比べますと、一九九〇年の方が炭素量の吸収量は多いということでございます。これは事実でございますが、これは、三・九%ということで日本が勝手にそう言っているわけではなしに、そのルールというのは国際会議の中で、マラケシュ会議の中で合意をされたということでございます。
 私も今回COP8に行ってまいりまして、マラケシュ合意以降の積み残しのいろいろな事務的な詰めというのを横から見ていたわけでありますけれども、これは大変激しいそれぞれの国々の主張の中でそうしたルールというものが決めていかれるということであります。
 COP7のときに当たりましても、中には、一九九〇年以降人為的な活動によって増加した吸収分のみを分離して計上すべきだという意見も確かにございましたし、それから、獲得できる吸収量に極めて厳しい制限を課すべきである、三・九%よりかもっと厳しい上限を設けるべきだ、それ以上の上限を設けるべきだ、そういう厳しい意見もあったわけでありますが、いずれにしても、そうした国際取り決めの激しいルールの中で、このような多年にわたる森林整備の努力が評価されるもの、また、獲得吸収量に厳しい制限を課すことはそれ以上の森林整備を実施しようとする意欲をそぎかねないというような、そういう観点からこうしたルールが決められたということであります。しかし、先生がおっしゃるとおり、そういうことも含めて、きちんと国民に理解をしてもらう努力ということは大切だと思います。
○鮫島委員 国民にわかりやすく言うとしたら、劣等生がげたを履かせてもらったという話だと思いますよ。それで、特殊なカウントの仕方を認めてもらいましたと。こんなことを引きずっていると、やはり環境先進国の中で世界に胸を張って生きていくこともできないし、今アメリカを説得しなくちゃいけないというのが日本の一番の役割だと思いますが、こんなげたを履かせてもらっているような劣等生の言うことを聞く国はないと思います。できればこういう数字を使うことをやめて、本当の意味で六%削減ができる道を目指すべきだと思います。
 ところが、先ほど小渕委員からの話もありましたが、一連の原子力発電所の検査、点検等の不正問題が生じまして、今、これが不思議なんですが、いろいろなところで点検不正事件が起こって、東京電力関係で、最終的に再審査して、十六件九基について不正な扱いがあった、あと東北電力、中部電力関係でもそれぞれ数基ありましたということで、現状、今オペレーション、運転がどうなっているかというと、これは専門でおわかりの方がいたらちょっと教えていただきたいんですが、原子力発電所は、BWR、沸騰水型と、PWR、加圧水型と二種類の仕組みがあって、沸騰水型のものは高温の蒸気でいきなりタービンを回す。それから、加圧水型は高温、加圧の水でもう一つの二次冷却水を温めて、それでタービンを回す。一段階、間にサイクルが挟まっているのがPWR、いきなりストレートに一次冷却水でタービンを回すのがBWRということだと思いますが、今度問題になったのは全部BWRの世界だけなんですが、これは何かそういうひび割れしやすいということがあるんでしょうか。もしおわかりだったら。
 それで、なぜそんなことを聞くかというと、今、二十九基のBWR、沸騰水型の原発が動いていますが、現状どうなっているかというと、そのうちの半分、十五基が運転停止の状態になっている。この十五基がとまっている状況で、今、需給関係はちゃんと成り立っているのか、十分な供給力は確保できているのかどうか。もし最初の質問もわかれば御説明いただきたいんですが。
○岡本政府参考人 我が国、今五十二基の原子力発電所がございまして、今先生御指摘のように、BとPと二タイプでございます。
 今回、東京電力がBWRなんですけれども、大変遺憾な改ざん、そういった事件が起きまして、国民の間に大変な不安を、あるいは御心配をおかけしているということについては、私ども行政の立場からもおわびを申し上げたいと思います。
 今現在、需給の点でございますが、東京電力は十七基の原子力発電を持っておりますが、その中で、定期検査あるいは自主的な検査、そういったことのために九基が運転を停止しております。それから、中部電力は浜岡に四基原子力発電所を持っておりますが、四基が、これは東電とはまた別の事象、トラブルがございまして、四基すべて今運転を停止しております。
 そういう状況での需給ということですが、東京電力に関して言えば、休止火力を極力立ち上げる、あるいは他社からの融通、そういったことも考えながら、冬場も、二月に向けて冬場のピークが参りますので、懸命に需給を確保するという努力をいたしておりまして、これからの寒さというところによるところもございますが、今のところでは需給は何とか確保できる見通しでございます。
 中部に関しましては、原子力発電の比率が約二割ということで低うございますので、火力の準備等ももちろんありますけれども、中部電力については、冬場の需給ということについては今のところ支障はないというふうに私ども認識をいたしております。
○鮫島委員 二十九基のうちの十五基がとまっている、特に中部電力については全部とまっている、しかし全部とまっていても供給力は確保できているということだと思います。
 これはやはりすぐに再開はできなくて、東電の新社長も、再開については地元同意がやはり条件だ、慎重に地元と話し合って納得していただかなければとても前へは進めませんというようなことも言っていますし、今の地球温暖化推進大綱の中で、森林吸収と原発十三基の増設というのが二本の柱になっているわけですが、森林吸収は劣等生のげただということはさっきわかったと思いますが、もう一つの原発、これが、こういう事故があって、不祥事があって、B型の半分がとまっちゃっている。新増設についても、かなりの自治体が少し慎重な態度をとり始めたと思います。
 福井県でも、敦賀の三、四号機については考え直したいということも知事さんがおっしゃっている。私が実際に各県にヒアリングしたところでは、恐らく二〇一〇年運転開始に間に合うのは、最大限見積もっても六基でしょう。そうしますと、今の温暖化推進大綱で、新たな需要に対応し、かつCO2をふやさないということで、原発依存というのを大変強く打ち出しているわけですが、今のような環境の中で、新増設は大幅におくれることが見込めるんじゃないか。
 それからもう一つ、新規の需要に対応するという意味では、今、半分B型がとまっていて、供給量も確保できていますということだったら、なぜどんどんさらにつくらなくちゃいけないのか。どっち側から見ても極めておかしな話になっていて、特に中部電力が今、浜岡一から四までとまっていて、浜岡五号というのも計画に入っているわけですが、一から四が動き出したら、浜岡五号が二〇〇五年の一月から運転ということになっていますが、一気に五基動き出したら、たちまち供給過剰になってくる。前にも実は既に、中国電力で一時、正月にベース電源の原発だけで需要量を超えちゃったことがあって、大騒ぎになったことがあります。
 今、景気も低迷し、少なくとも小泉さん、竹中さんがデフレ政策をとり続ける限り、とても電力の需要はふえないと思うんですが、一方で、資源エネ庁は毎年一・五から二%ふえますと。小泉、竹中路線はどんどん経済成長も落ちるようにやっていくというのは、それは政策的に矛盾があるんですが、需給の面からいって、十三基の増設がなぜ必要なのかということをお答えいただきたいんです。
○岡本政府参考人 先ほど冬場の需給ということについてお答え申し上げましたが、懸命の努力をして休止火力を立ち上げるということは、コストの面あるいはCO2の面でも、石油火力をたき増しするということですので、これを先々とも続けるということは、電力会社としても、私どもエネルギー政策の立場から見ても必ずしも望ましいことではないわけですけれども、電力需給を確保するという観点から、やむにやまれずそれをやっているということでございます。
 それから、中部につきましても、冬場はそういうことで何とかなるとしましても、夏場のピークというのはさらに高いものがございますので、原子力がこのままでいった場合に私どもも心配なしとしないというのが、短期的な需給の観点からの見通しでございます。
 加えまして、先々につきまして、私ども、今先生から御指摘がありましたように、確かに今現在、原子力についての国民の方々の信頼は大きく傷つけられておりますので、新たな立地ということについて、今の状況は難しい状況があるということは十分認識しておりますが、信頼回復のための事業者の取り組みはもちろん、私どもも今度の国会に関連する法律改正を提出すべく準備をいたしております。そういったことを伴いながら、国民の方々、なかんずく立地地域の方々の信頼の回復というものに向けて懸命な努力をしながら、それを前提に、先々に向けての原子力発電の新増設あるいはプルサーマルを含む一連の核燃料サイクルの事業は変わりなくこれは続けていきたいと考えておりまして、今、二〇一〇年に向けての原子力について、基数も重要でございますが、同時に、キロワットアワーペースでの現状対比約三割、発電電力量を原子力でふやしていくという目標の実現に向けて、私どもは引き続き最大限の努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
○鮫島委員 いろいろなことがあったり環境の変化があっても変わりなくこの方針を続けていくというのはこちらで決める話でして、そっちで決める話じゃないと思いますよ。
 あと、東京電力の勝俣新社長も、もう一つ、それに対して今度は電力会社の経営ということを考えると、自由化の圧力もまた一方であり、そういう観点から、「日本経済が停滞して電力需要は伸びない。そんな時、長期にわたり巨額な投資が必要な原発が、コスト競争の電力自由化とどう絡むか。自由化が激しくなれば、電力会社として原発建設をためらうことはある。自由化は原発推進のブレーキの方向には働くが、アクセルにはならない。」という、最大の電力会社の東電の社長のこういう見解もある。
 それで、この経営圧迫要因というのがもう一つありまして、コストの話というのは資源エネルギー庁もなかなか出してこないんですが、二人のどら息子を電力業界は抱えている。そのどら息子の一人は、どら息子というのは何かもし用語として悪かったら後で速記録から削っていただきたいと思いますけれども、日本原子力発電株式会社が長男ですね。それから、次男が日本原燃株式会社。
 この原子力発電株式会社は昭和三十二年にできて、とにかく日本で原子力発電の灯をともそうというみんなの熱意で、いわば原子力ベンチャーとして各電力会社が出資してできた。それで、東海一号から始まって、日本の商業原子力発電のまさにパイオニアとしての歴史的役割を果たしてきたわけですが、今やもう各電力会社はそれぞれ十分なオペレーションの能力も持って運転しているときに、この原子力ベンチャーは大変なお荷物になっている。
 この日本原電が一九九九年度幾らで電気を売ったかというと、一九九九年は敦賀一号のシュラウド交換なんかがあったものですから、それから事故があって、設備の利用率が二六・四%と大変低かったんですが、このときは電力会社にキロワットアワー当たり二十二・五円で買ってもらっている。それから、非常にオペレーションがよかった二〇〇〇年、設備利用率が八二・三%、このときでも八・六円。それから、ことしの半年間ですが、計算してみると十二円と、非常に高い電気を電力会社が買わされている。つまり、どら息子、お金かかってしようがないなという話ですね。
 さらに、事故とかシュラウド交換なんかでとまっている間、発電量が少ないときは、維持費ということでそれにプラスしてお金を払ったりしている。それから、東海一号が廃炉になりましたが、あれも思った当初予算の三倍ぐらいの金がかかっているとか、大変金食い虫みたいになっちゃっている。今さらなぜこういう原子力ベンチャーを、昭和三十二年からもう随分、五十年近くたっているわけですが、どうしてこれを維持しなければいけないのかというのが一つ。
 それからもう一つが、もう一人の次男の方が日本原燃。これは平成四年にできましたが、大変不思議なお金の使い方をしていて、再処理前払い金というのを、ちょっと日本原燃の経理状況はどうなっているかというと、二〇〇一年の数字でいうと、年間売り上げ五百七十億円、長期借入金が一兆円、それに対する利子が二百三十五億円、再処理前払い金が六千九百九十一億円。これは、サラリーマンの家庭で、万に直すと、年俸五百七十万円のサラリーマンの家庭が、年収が五百七十万なのに一億の借金があって、利息を二百三十五万払っています。残りが三百三十五万でとても暮らせないので、会社から給料の前借りを六千九百九十一万円しています。これは十二年分の給料の前借りをしているのと同じ、このぐらい電力会社に負担がかかっている。つまり、十二年分の再処理の保管費用の前払いをしているわけです。これをしないと原燃がもたない。だから、これが二番目の次男のどら息子。
 これは、今電力会社も、経営感覚、自由化を目の前にして大分変わってきたと私は思いますが、もし電力業界がもうこの二人の息子の面倒を見られない、この二つの会社は、でも多分燃料の方はすぐには閉じられないと私は思いますが、少なくとも長男の方の、ベンチャーとしてつくったのはもう廃止したいという判断をした場合に、国の方としてはそれを了承しますか。
○岡本政府参考人 日本原電は、日本で最初のBWRの原子力発電所を敦賀に建設し、その後二号、百十六万の原発を建設、運転し、さらに三号の増設も今計画しているところでございます。
 御存じのように、発電した電気は各電力会社に卸電力供給ということで供給しておりまして、原電自身、各電力の出資も仰ぎ、あるいは卸供給ということで各電力会社の意向をもとに今やっているところでございますので、各電力との間でそのニーズにこたえるような形で事業が行われていくという場合に、私ども国の立場で、今御質問に対してお答えをするということは控えたいと思います。民間の事業者の間の一つの原子力を進めていくやり方として、今のようなやり方で関係者の合意ができて進められているものでございますので、そのこと自身は、日本における原子力を進めていく上での一つの方策かと思いますので、私どもの国の立場で軽々なお答えは控えさせていただきたいと思います。
○鮫島委員 それは民民ベースの話だから国は干渉しない、口を出さないというふうに受け取らせていただきます。
 時間も来ましたので、余り本題に入れなかったんですが、そういう意味で、森林吸収も劣等生のげただ、それから原子力の方も、いろいろ山あり谷ありで大変です。ところが、温暖化対策推進大綱はこの非常に不確かな二本柱の上に成り立っているわけです。非常に大きな視点が欠落していまして、気体エネルギーの利用、天然ガスから水素という長期的なエネルギーの流れを見たときに、そこについて非常に見通しが立っていないというのが日本の大綱の特徴だというふうに私は思います。
 既に韓国は半島全体に天然ガスのパイプラインができて、輸入の価格は日本と変わらないのに、ユーザーの価格は韓国が日本の三分の一。だから、こういう温暖化推進について、石油を天然ガスにかえていくことによって三割そこで原単位当たりのCO2の排出は減りますし、家庭用の燃料電池あるいは自動車の燃料電池の普及によって、今、日本全体のエネルギー利用効率が三三%、三分の一しか使っていなくて、三分の二は熱で捨てちゃっているわけですが、天然ガス中心にした燃料電池にすることによって約六〇%という効率に上がりますので、そういうことも十分配慮しながら、大綱を新大臣の目で再検討していただきたいというふうに思いますが、もし最後に一言ありましたら、大臣の方から。
○鈴木国務大臣 エネルギー問題、特に原子力発電について、大変山あり谷ありという状況についてお話をいただきました。そういうような状況の変化ということがあれば、これに対して大綱というものも見直していかなければいけない、そういうふうに思っております。
 原子力発電についてのこの大綱の位置づけでありますが、その前提となります長期エネルギー需給見通し、それが今の時点では変わっておりませんので、今、きょうの段階では、直ちに見直すということは考えていないというのが今の私の思いであります。
○鮫島委員 ありがとうございました。質問を終わります。
○松本委員長 奥田建君。
○奥田委員 民主党の奥田建でございます。
 きょうはちょっと持ち時間が少ないということで、皆様のお手元に資料を二枚、配付させていただいております。
 私は、一つの例を挙げて、産業廃棄物処分場の公的関与、これは平成三年そして平成十二年の法改正の中で、廃棄物処理センターの規定、そして緩和の措置といったものがとられました。この問題についてお話をしたいと思います。
 今現在、平成五年から十四の廃棄物処理センター、産業廃棄物ですけれども、法人を指定して七つの施設が稼働して、そして残りは建設中あるいは建設予定、計画策定中といったことになっております。ただ、公的関与をしておりながらも、九カ所、大体三分の二近くが反対運動や訴訟が起きている、あるいは起きていたということになっています。そして、このセンター制度をつくった目的としては、逼迫する最終処分場の確保、あるいは公共の信用力を活用することによる住民、周辺の方々の安心や信頼をかち得るといったことが大きな目的であったと思っております。
 当委員会の中でも、毎回、不法投棄の問題に対しては熱意を持った質疑が行われておりますし、また、大臣のお地元の方でも大きな問題を抱えておる。それは、地方自治あるいは全国あるいは民間といったものを問わず、皆が闘っている大切な問題であるということは十分に認識させていただいておるつもりでございます。
 今回、お手元の資料にありますこれは、茨城県の笠間市、二番目に新しいといいますか、一番新しい、現在動き出している事業ですけれども、「エコフロンティアかさま」という事業でございます。
 現地の方、イメージとしては、お手元の資料の写真の部分が、立地、今現在建設が進められている、始まった地域でございます。写真をよく見て、木の大きさなどでスケールを感じていただければと思います。もう一枚の資料、これは行政の方が住民への周知ということで出している広報誌の中から、工事概要についてをお手元の資料とさせていただいております。
 まず、これはいろいろとテレビあるいは新聞、そして雑誌などでも報道されておりますので、御存じの方も多いかと思いますけれども、私も少し御縁がありまして、現地の方へ足を運ばせていただいて、また、県の方あるいは保全運動といいますか、反対の運動をしている方々とお話を聞く機会がありましたので、この問題を取り上げたいと思っております。県の方も、私どもが申し入れしますと、丁寧に応対はしていただきました。ただ、残念ながら、私どもに対してはというお断りをつけなければいけない状況でもございました。
 茨城県の現状を簡単に説明いたしますと、大体、一般廃棄物、そして産業廃棄物最終処分量、これが七十六万トンあるそうですけれども、このうちの五五%が県外の処分場に頼っているということ、そしてやはり長年不法投棄問題に悩まされている。そして近年、廃棄物の越境問題といったものが大きくクローズアップされてきて、その処理に対して抜き差しならない状況になっている。
 あるいは、この現地であります笠間市の方では、最終処分の一部事務組合、広域組合の事務処理ですけれども、そういった中で、廃棄物行政の中でちょっと孤立化してしまった、あるいは孤立化しそうだ、これは新聞情報での受け売りですけれども、そういった背景があるというふうに聞いております。
 茨城県の方では、平成九年ごろから、本格的に県内での処分場をつくりたいということで、懇話会を設けたり立地の候補選定に当たって、そして今五年ぐらいたっているんでしょうか、ことし、ここに工事の一つのメスが入ったということでございます。
 ここにおられる委員の方も、この資料だけ見て、直観的に、これが果たして廃棄物最終処分場の立地なんだろうかということを少し考えていただきたいと思います。私も、処分場の立地の要件あるいは規制というものを全部知っているわけじゃないですけれども、最初に、えっと思いました。そして、現地へ行って見てみたら、別にこの写真はそのままですし、お天気が曇っているか晴れているかぐらいの違いで、やはりこの写真のままの姿だったと思います。そして、もう一つ残念なことには、こちらの広報誌の中にはこういった状況を伝える写真というのはありません。
 この跡地といいますか、この候補地といいますのは旧採石場でありまして、一つの山を削って、そして今度は地面の下の方に向かってもう一山、大体今の水深が三十九メーターあるということですけれども、下の方に向かって掘削された、採石会社も倒産して放置されていたという立地でございます。そして、これは湖というのか池というのか何というのかわかりませんけれども、ここの水面というものは周囲約一キロ以上、そして三万平米、推定水量が八十万トンから百四十万トンと言われているところでもございます。
 部長にお尋ねします。飯島部長かな。
 まず、環境省あるいは廃棄物担当としまして、こちらの件についてどのようなことを御存じか、ちょっと時間がないので、私が一つずつ挙げていきますので、あっ、これは知っているよ、これは知らないよ、これは問題だなというようなことを言っていただければと思います。これは現地の事業団の方と、あるいはそれに異議を訴えている方との対立点や相違点、見解の相違といったところでもあると思います。
 一つ、これは湧水なのか、水たまりなのか。
 二つ、これは水源としてどのような価値があるものなのか。この下流には笠間市も含めて九市町村の水源がございます。
 三つ、日量百トン以上の水が、ここから隣に流れる涸沼川に対してオーバーフローをしている。
 四つ、住民同意がなされていない。
 五つ、市に対して二万二千名の反対請願が出されているけれども、市議会はそれを不採択としている。この数字は、大体二万二千名のうちの七割程度が市民の方だというふうに感触で聞いておりますけれども、市の人口からいえば大体半分近い方の、市の方の人数でいえば署名になります。市の人口は三万五百ぐらいです。
 六つ、談合問題が報道され、そしてその談合情報どおりの落札が行われた。
 七つ、土地売買が、施設、焼却施設もこれはあるんですけれども、焼却施設あるいは最終処分場施設の入札後である。
 八つ、現地の生態系について、トンボあるいはオオタカといったところの報告がなされている。
 九つ、この土地の歴史的背景といいますか、周辺の住民の人たちが、昔は山だったんですね、どういう山として扱っていたか、現地の歴史観による価値観。
 十、これはきょう入ったニュースですけれども、工事の準備段階として、水中ポンプで水を一時期二週間ほどくみ上げたそうです。そして、周辺の井戸で、やはり注意深く見守っている人たちの報告では、五十センチの水位低下があらわれた。それまでの生活環境調査などでは、直接的な影響はない、井戸やこの湖、湖といいますか、水源との直接的影響はないというふうに報告されています。
 今、十挙げましたけれども、部長の方からお答えいただきたいと思います。
○飯島政府参考人 今委員御指摘の十の問題でございますが、湧水か水たまりかという、端的に言うとそういう主張の隔たりがある。地域住民の方……(奥田委員「いや、知っているか知っていないかと私は聞いているので。時間短縮のためにこういう質問の仕方をしたんです」と呼ぶ)はい。湧水、水たまりの相違については承知しております。
 九市町村の水源地が涸沼川の水源地になっていることも承知しております。
 オーバーフロー百トンというのは、豊水期、水が豊かな時期の実測値だと承知しております。
 住民同意でございますが、県の要綱で住民同意を求めておりますが、これは三百メートル以内という要綱になっておりますが、それを超えて県が住民同意を求めるような指導をしているというふうに聞いております。
 それから、市議会に対する反対請願が十二年十二月に出されて、市議会が不採択したということも知っております。
 ことしの九月、入札前の事前情報として談合報道がされたことも承知しております。
 土地売買が入札後に行われたという話は承知しておりません。
 当地の生態系として、隣接する湿地に貴重な種でございますトンボやあるいはシランがあるということは承知しております。
 歴史的背景として、委員がお話しになりましたように、四十年代から六十年代初めまで、六十一年ごろまで採石場としてあったということ。それに対するどういう感覚を地域は持ったかは承知しておりません。
 きょう入ったニュースというのは承知しておりません。
○奥田委員 もう一つお答えいただきたいんです。
 環境省としては、公的関与の中で、国としても多くの産業廃棄物処分場に対して補助金を認めるといった施設になるかと思いますけれども、環境省の方、現地に入って、この現地の確認あるいは県庁のヒアリングといったことは行っているか、簡単に御報告いただきたいと思います。
○飯島政府参考人 この問題につきましては、御指摘のように、補助金の交付という手続も今後出てくるわけでございますので、先月上旬に、担当の課長を含め、担当職員を予定地に派遣いたしまして、現地を視察し、県の担当者から説明を受けております。それ以外に、県の担当課あるいは専門委員会の専門家の方々から直接ヒアリングをして、状況を把握しているところでございます。
○奥田委員 私自身も、残念ながら、報道があってからこの現地の状況というものを少し知って、そして、嗅覚といいますか勘といいますか、そういった感覚で現地に、やはりそういうものを確かめてみたいなと行ったのが最初でございます。
 これは素朴な疑問なんですけれども、飯島部長にお尋ねいたしたい。
 こういう、これだけの水があるところ、これを、直接かこの上部かとかは別として、こういうところが最終廃棄物処分場の立地条件として環境省の方針として認められるのか、お答えいただきたいと思います。あるいは奨励できるのか。
○飯島政府参考人 廃棄物処理法に従ってということだと思いますが、最終処分場の設置許可手続におきましては、地域住民などの関係者、関係市町村長からの意見を踏まえて、さらに専門家の意見を聞いた上で、施設の基準に適合しているかどうか、これを判断することになります。さらに、生活環境保全上、適切な対応がなされたかどうか、これも都道府県知事が判断した上で許可をするということになっているわけでございます。
 そういう意味では、御指摘のような水源とか地下水とか湧水とか、そういった周辺環境に十分な配慮がとられなければ許可はされないわけでございますが、今回の場合は、住民意見も聴取した上で、たしか九月だったと思いますが、県知事が許可をした施設というふうに承知しております。
○奥田委員 省の方では、構造基準あるいは維持基準といったものははっきりと法文化されておるというのが現状かと思います。ただ、立地とかそういうことに関しては、やはりこれは都道府県の権限の中のものでということで、はっきりとした指導基準というのがないんじゃないかというふうに私の方は思います。
 ちなみに、時間がないのにあれですけれども、お国自慢をさせていただければ、私どもの住んでいるところはダム水源ですけれども、そこには民家さえありません。そこから生活排水さえ入らない水を、使用量の半分ぐらいですけれども、持てることを大変自慢にしておりますし、歴代の市長なんかも、そういうことを大切に守っていく方針の一つとして行っております。
 もう一つ質問があります。
 住民合意、これもやはり都道府県の条例や要綱という形で定めることができるという形になっております。この住民合意の方向性については、国として、あるいは地方自治体としてという、これからの臨まれる方向性というのが少し見解が違っているということはあると思いますけれども、現地におきましては、民間であれば、施設から半径三百メーター以内ですかの方々の合意はとらなければ申請の手続に入れないというような要綱があるというふうに聞いております。これが公的関与であれば、その住民合意は要らないということが現実に行われています。
 そして、先ほども言いましたように、集落といいますか、福田地区というここの地域の百七十五世帯ですかの方々でいえば、これもきのう郵送していただいたんですけれども、七五%の人が反対している。公的関与であれば、合意に対して、民間施設以上に乱暴なことができるのか。その住民合意についての所見をお伺いしたいと思います。
○飯島政府参考人 先生御指摘になりましたように、環境省の立場としては、県が要綱で住民同意を求めなければ施設の設置の申請を受け付けないというのはおかしいという立場でございまして、平成九年の廃棄物処理法改正で生活環境影響調査を義務づけまして、それを縦覧することを義務づけたのが法律の考え方でございます。
 ですから、住民同意についての意見というとなかなか難しいわけでございますが、実際上の問題として、県が、要綱に従って、三百メートル以外の方々にも説明をし、同意はまだ得ていないのかもしれませんが、しているということは承知をしているところでございます。
 いずれにしても、法律に基づく生活環境影響調査の縦覧等の手続をきちっとやっていただいた上で、最後に都道府県知事が、十分な配慮がされるような、そういう形で施設の許可を行ったというふうに考えております。
○奥田委員 県の方からも、生活環境衛生調査ですか、そちらの方の資料なんかもいただいてきました。
 しかし、今対立点となっているのは、その調査が本当に正しいのかどうか、私たちにも調べさせてほしいということを言っているんです。そして、自分たちがおかしなところから人を連れてくるとかそんなのじゃなくて、私たちも聞いたことがあるような著名な学者さん、そして自分でもテレビとかに出て、私は第三者的な立場ですということを言っている、そういった人たちに調査をさせてほしいと言っている。
 先ほど、土地売買が入札の後になった。この土地売買の問題を、まだ私有地だからということで、そういった自分たちのお金で自分たちが納得する調査をさせてほしいということを拒否されているわけです。そういった姿勢が公的関与のあり方の姿勢なのか、そういうことを私は問うておるわけでございます。
 大臣の方、時間が少なくなりましたので、ちょっと今のお話を聞いてどうかなと。感想や、あるいは自分としてはこういう指示を出したいというようなことがありましたら、御意見をいただきたいと思います。
○鈴木国務大臣 この「エコフロンティアかさま」でございますが、いろいろ問題点が地元である、県と住民の皆様方の合意というものがなかなか進んでいないという御指摘、先生から十項目にわたりますいろいろな御質問の中でも、今伺っているところであります。
 環境省といたしましては、もとより最終処分場というものは必要なものである、これを整備していかなければいけないわけでありますけれども、その設置というものに当たりましては、やはり十分な合意と申しますか、そういうものが必要であろうかと思っております。今まで、全国的な事例の中で成功例もありますし、また失敗例もございますので、そういうものを環境省としても検証した上で、そういうことを地元にもお伝えして、側面から、円満な解決の中でこうした処分場の建設の当否が決まっていくように、努力をしたいと思っております。
○奥田委員 時間が来ましたけれども、こちらから言いたいことだけ言わせていただきます。
 泡瀬の方で、大臣が就任してすぐに、一つの記者会見といいますか、コメントを発表いただいたことなんかも質問したかったんですけれども、最後に一つ、これは、七月八日付、大木大臣あるいは前の大石委員長のときに出された地方自治体からの提言書でございます。大体十二項目にわたって四十四の指摘がされております。そういった中で、私も非常に重要だと思うことだけ述べて、質問を終わらせていただきます。
 一番、まず、総合的、包括的な廃棄物行政を確立すること。廃棄物とリサイクルを廃掃法のもとに一体として扱う。これは、私たちが循環型社会形成推進基本法のときに与党案と一番対立した点でもございます。
 二つ、公共関与を推進すること。国が積極的に計画策定等について調整機能を発揮すること。
 四番目に、信頼できる公共機関が、総合的、客観的、科学的に多くの候補地について調査し、総合的に比較検討の上、適地を選定すること。候補地選定に当たって調査、決定のプロセスは、全面的に情報公開をすること。
 産業廃棄物処分場の立地規制をすること。重要水源地には処理場を設けないことを法規制として定めること。
 七つ、住民の不安を除くための情報公開。廃棄物対策全般について、国が積極的に情報の提供を行い、廃棄物減量から処理場の必要性、技術開発の現状等についてPRをすること。
 八つ目に、処理場の建設には、地元の同意を要件とすること。合理的な立地選定、安全性に対する信頼、周辺整備、それに徹底した情報公開などが担保されれば、地元合意は可能であるということを十分に認識すること。
 これが地方自治体から出されている提言書でございます。箇条書きで並べてあるだけなんですけれども、一つ一つの文章を追っかけると、本当に地元の苦悩がにじみ出ているような提言でもございます。
 どうか、来年度の廃掃法改正の中でこういったことも十分に織り込んで取り組んでいただきたいということをお願いしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○松本委員長 金子哲夫君。
○金子(哲)委員 社会民主党・市民連合の金子です。
 大臣、就任をされましてから、インタビューにお答えになる形で、水俣病の関西訴訟の問題について、国としては裁判の結果を待つということで、上告の問題はそのままになっておるようでありますけれども、もう一度最初にお伺いしたいんですけれども、長い間の患者の皆さんの苦痛を思ったときに、そしてまた大阪高裁で国が敗訴をしている状況の中で、一日も早く解決をするということで、上告に対する取り下げのお気持ちはないでしょうか、その点まずお伺いしたいと思います。
○鈴木国務大臣 水俣病の問題についてでございますが、いろいろな経緯があったと思っております。たくさんの原告団があり、それぞれ裁判をなされたわけでありますが、最終的に、平成七年の政治合意と申しますか、そういう中で多くの原告の方々と一つの和解と申しますかができたということでございます。
 そういう中におきまして、関西の原告団の皆様方が、あえてそうした道をとらずに、あくまで裁判という法的手続を通じてこれを進めていくんだ、そういう道を選択されたもの、そういうふうに理解をしております。
 したがいまして、そういう中で、私どもとしても、そうした法的な対応をとられたわけでありますので、それに対して引き続き法的な対応をしていかなければいけない、こういうふうに思っております。
○金子(哲)委員 非常に残念ですけれども、今、大臣の態度がそういうことでしたら、重ねてお伺いしたいと思います。
 昨年の四月の大阪高裁の判決の内容を読み上げますと時間がかかりますので申し上げませんけれども、そのとき、当時の環境大臣、川口環境大臣が、国が上告した理由として、高裁判決では、メチル水銀中毒症の認定に関して、これまでの水俣病対策が依拠してきた医学界の定説とは全く異なる判断が示されているということで上告理由に挙げておられますけれども、この医学界の定説と全く異なるということについて、大臣も同じお考えでしょうか。その点を確認したいと思います。
○鈴木国務大臣 環境省として、同じ考えでおります。
○金子(哲)委員 それではお伺いしますけれども、医学界の定説というのはどういう定説でしょうか。
○鈴木国務大臣 少し技術的にわたりますので、答弁書に基づいてお答えさせていただきますけれども、お尋ねの医学界の定説とは、過去に医学界において提唱され、かつ議論を尽くされたものである、そういうふうに考えております。
 例えば、一つ一つの症状や兆候が幾つもの疾患によって起こり得る場合には、他の疾患と区別するために、症状や兆候の組み合わせによって総合的にどういう病気であるかということを判断するということであると思いまして、例えを挙げますと、せきは、風邪を引いてもあるいは肺がんでもあらわれる症状でありますけれども、せきと鼻汁が出れば風邪と診断をする、それから、せきと血のまじったたんが出れば肺がんを疑うというような、そういう診断の手順というものがあるそうでありまして、それがいわば医学界の定説と言えると思っております。
○金子(哲)委員 それではお伺いしますけれども、水俣病に関しての医学界の定説というのは、七七年、つまり昭和五十二年のいわゆる判断基準と言われるものが医学界の定説というふうにお考えでしょうか。
○鈴木国務大臣 そのように考えております。
○金子(哲)委員 その定説は、今どれだけの学者の方が唱えられているんでしょうか。どういう人たちが今唱えられているんでしょうか、そういう定説を。
○南川政府参考人 この考え方につきましては、五十二年に判断基準が示されまして、不断に研究をいたしております。その間、中央環境審議会等でも多くの学者の方に検討いただきましたし、私ども環境省といたしましても、長期にわたりまして、水俣病に関する総合研究の中で、全体としまして四十名ないし五十名のこの分野の数少ない研究者の方をほとんど動員いたしまして、メチル水銀毒症の発現、修飾現象あるいは長期微量暴露の健康影響評価を含めて行っているところでございます。
 したがいまして、幅広くこの分野の、数は少ないのでございますけれども、専門家に御参加いただいて検討いただいているというふうに認識をしております。
○金子(哲)委員 それでは、重ねてお伺いしますけれども、その四十数名と言われる学者の先生、医学界の先生方は、この定説に対して異論はないわけですか。
○南川政府参考人 幅広く全く自由に御議論をいただいておりますが、基本的には、判断条件を覆すには至らないということで、支持をいただいておると認識をしております。
○金子(哲)委員 それでは、つまりは、五十二年、七七年から二十五年間たっておりますけれども、このメチル水銀中毒症にかかわる医学界の域というのは、七七年のときに検証された域を全く超えていないということですか。
○南川政府参考人 私ども、四十名ないし五十名からの研究班をつくりまして、そこにすべて新しい知見を集中して御議論をいただいております。したがいまして、知見としては新しいものを入れておりますけれども、判断基準については妥当ということで御認識をいただいておるものでございまして、新しい知見はどんどん私どももインプットしておりますし、先生方からも提供されておるところでございます。
○金子(哲)委員 それでは、具体的なことでお伺いをしたいと思いますけれども、私はこの前、七月の十六日のこの委員会で質問をした際には、当時の判断条件というのは、平成三年十一月の中央公害対策審議会の答申、それから六十年の医学専門家会議で判断条件がそういうふうになったという話でありますけれども、それではその点は間違いありませんか。そこで医学的にしっかりと検証されて、そこで今医学界のさまざまな意見を乗り越えるだけの判断基準を出されたということですか。
○南川政府参考人 御指摘のとおり、二回にわたりまして検証がなされております。それについては、特段それを覆す知見は出ていないと考えております。
○金子(哲)委員 裁判をされている方から、六十年の会議の会議録を出してほしいという要望が出されたけれども、それはないということなので、六十年のときに専門家会議で本当にどのような論議がされたということは一体どこで証明できるんですか。
○南川政府参考人 環境省、事務局としましても、先生方の議論は十分伺っておりますし、私ども、その後も引き続き連携をとりながらともに研究をしておるところでございまして、そういう中で、そういう話を伺う中で確信をしておるところでございます。
○金子(哲)委員 大体、今の話では全く具体性がないわけですよね。具体的に何を、どれだけの素材を出して、どういう医学界の学説を検討したのかということが全く明らかになっていないでしょう。それでもって検討しましたと言われたって、例えば、あのときの医学専門家会議は八名おられたけれども、そのうちの五名は、七七年の判断基準を出したその当事者が圧倒的にそこの中に入って検討された会議じゃないですか。それでちゃんとした検討結果が出たということ、あらかじめ自分たちが決めた判断基準をもとにして、その中心にいた人たちがその検討をした、圧倒的多数の人で。それは、自分たちの判断基準、決めたことに従うようにそこを持っていくというのは当たり前じゃないですか。
 しかも、会議録が今ないという。では一体どういう検討をされたかということは不明じゃないですか。その点についてあなた方が今答弁されるのなら、一体何の資料に基づいてそういう自信を持って答弁されるか、それを明確にしてください。
○南川政府参考人 水俣病の疾患でございますけれども、経験豊かな専門家は限られております。したがいまして、先生方の学者としての良心を当然ながら御信頼申し上げて、御検討いただいております。
 私ども、委員の構成も検討の結果も妥当であったと受けとめておりますし、引き続き先生方とは連携をとりながら、じっくり話を伺う、意見交換をする機会を持ちながら、調整を図っていきたいというふうに考えております。
○金子(哲)委員 それでは、もう一度確認をしておきますけれども、これは大臣に確認しておきますけれども、五十二年の今生きております判断基準というのは、純医学的な判断条件を備えている、医学的な見地に立った判断条件というふうに認識をされているかどうかについて改めてお伺いしたいと思います。
○鈴木国務大臣 先ほど来答弁をしておるわけでございますけれども、その五十二年の一つの判断基準というものにつきましては、その後も昭和六十年あるいは平成三年という段階を経てこれを検討しているということであります。その際には、それまでに知り得た新しい知見というものも加えて判断をしたということであります。
 そういう中で、先生から、同じ人がずっと携わっているじゃないかというような御指摘もございました。しかし、これも御答弁を申し上げたところでありますが、水俣病という新しい疾患でございますので、それに詳しい専門家というのは数が極めて限られているという中で、何人かの先生方には重ねて参加をしていただいたと思っております。そういうような段階を経たものにおきましても、それを変更するというような結論に至らなかった、こういうことでございます。
 それからもう一つ、現行においても一般に認められた知見を基礎として適切なものと考えているわけでありますけれども、こうした経緯があってそういう判断に至ったということをぜひ御理解いただきたいと思います。
    〔委員長退席、奥田委員長代理着席〕
○金子(哲)委員 一言だけでお答えいただきたいんですけれども、それは、私が聞きたいことは、裁判の中でも争点になっているようですけれども、この判断基準というのは、今の医学界の、医学としての、政治的な思惑は全く抜きにして、医学的な判断で間違いないかどうかということをお聞きしたいわけです。その点についてだけ明瞭にお答えいただきたいと思います。
○鈴木国務大臣 この判断基準といいますものができましたときには、これは医学的な見地から決められたと思っております。それが変わっていないということでありますから、これは医学的な見地に基づいて変わっていない、こういう判断をいたします。
○金子(哲)委員 実は、私が質問した後に、七月の質問の後に、朝日新聞等で九一年の中央公害対策審議会環境保健部会水俣病専門委員会の八回にわたる議事録が公開をされました。これはマスコミの請求があって公開をされております。その中の議事録を読みますと、どうも今おっしゃったようなことではないのでないか。
 例えば第一回の速記録、事務局がどういうことを言っているか。「五十二年の判断条件につきましても、行政の通知でございますので、一〇〇%医学的な診断基準ではないわけですけれども、」と、こういうことを事務方が言っているわけですよ、その中で。
 第五回の速記録、これまた事務局の発言ですけれども、「水俣病の場合、明確な判断基準的な表現になっておりますのは、実際は行政の方の判断条件しかないようなところでございますので、」ということまで述べておるわけですよ、当時の環境庁の事務方が。
 そして第六回の議事録、これまた事務局の発言です。本当は前後がありますけれども、「水俣病に関して純医学的な面から医学者の方がつくられた診断基準というものがないものですから、」とりあえずこれでいきましょう、こういう発言が事務方から出ているわけですよね。その点についてはどういうふうにお考えですか。
○南川政府参考人 開示請求がございまして開示いたしましたのは、その際の議事録という以前の速記録でございます。したがいまして、通常議事録としてまとめます場合には、発言の流れの中でいろいろな言葉を使います関係もありまして、正確を期すために、きちんと発言者がチェックをして、その上で出しておることでございます。
 したがいまして、速記録につきましては、逐一の発言につきまして、当事者もそのときの雰囲気で話すことがございますので、それについての個別のコメントは御容赦いただきたいと思います。
○金子(哲)委員 それはないでしょう。それは全く違うんじゃないですか。九一年の専門家委員会の会議で皆さんしっかり検討したと。
 では、これは速記録だから事実を正確に伝えていないということですか。それだったら議事録を出してください。
○南川政府参考人 議事録は調製しておりません。
 ただ、私どもとして、内容的には十分現在の判断条件についての御検討をいただいたというふうに考えております。
○金子(哲)委員 そういうことを聞いているわけじゃないでしょう。
 大臣に聞きますけれども、議事録はない、速記録に書いてあることを公表したけれども、その中身はその場の雰囲気で発言したことだから責任が持てない、そんなことでいいわけですか。そういう扱いでいいんですか。
    〔奥田委員長代理退席、委員長着席〕
○鈴木国務大臣 南川部長が申し上げたのは、この会議として議事録をつくっていないということだと思うんです。速記録というお話がございましたけれども、やはりこれは、それぞれ発言者の責任にかかわることでございますから、議事録をつくるためには一々これは事実を確認しなければいけない、そういう事実を確認作業したものがないということを申し上げたのであります。
○金子(哲)委員 しかし、少なくとも、情報公開で外に出した後に、それは我々は一々確認していないから責任が持てないという、そんな無責任なことでいいんですか。それをお答えください。
○南川政府参考人 私どもとしては、情報公開に関しましては基本的に文書管理規程にのっとっておりますけれども、あるものはお出しする、プライバシー等に関しなければお出しするということでございますので、若干の問題が後で生じたとしても、そこはあえて目をつぶって、公開という原点に立ち返って公表しております。したがいまして、若干の不都合が起こることについては、そういうこともあり得ると思っております。
○金子(哲)委員 若干のという問題じゃなくて、では次々言いますよ。速記録の中の指摘をしましょう。
 第七回の速記録。
 植村委員 メチル水銀の影響を受けて四肢の感覚障害のみを有するようになった、そういうものは存在するのだと考えてよろしいわけですか。
 井形委員長 私はあり得ると思うのですが、今までの裁判での主張は、あり得ないと。この報告書にも、あり得ないと書いてあるのです。
こういうやりとりをして、そして、それは本人に確認していないから、速記録だから我々は責任持てませんと。それが、あなたが、お二人が答弁された、いや、医学的に検討した、その検討した結果こうですと。しかし、その検討された会議の中ではこういうことが言われているわけですよ。それは速記録だから我々は責任持てないと。それじゃ、何を検討したかということを一体どこでだれが検証するんですか。その点をお答えください。
○南川政府参考人 御承知のとおり、井形先生は鹿児島大学におられまして、現場のことも知り尽くし、なおかつ保健部会長として御指導いただいた方でございます。
 幅広い知識を持つ中でいろいろな御議論が出たということでございますけれども、私ども、いずれにしてもそのすべてについて確認をしたわけではございませんので、コメントは差し控えさせていただきます。
○金子(哲)委員 コメントを差し控えるじゃなくて、あなた方が出した資料でしょう。
 そして、第二回の速記録。
 井形委員長 裁判で言われても、私たちは、水俣病と公的に認めない方がいいと思っているのは、水俣病と認めますと、医療費をチッソないしは国が持たなければいけなくなりますね。その額はものすごい大きな額になるんです。
こういう発言もされていますよね。では、これは否定されるんですか。今の発言がなかったとおっしゃるんですか。
○南川政府参考人 なかったということではないと思います。ただし、御本人の見解として正式なものであるかどうかはわかりませんし、それについては確認はいたしておりません。
○金子(哲)委員 では、確認してくださいよ、それを。いいですか、確認してください。
○南川政府参考人 井形先生には御連絡をとりたいと思っております。
○金子(哲)委員 大臣、今速記録の話をしておりますけれども、それが、一々本人の確認をしなければこの速記録には責任持てないと。当時の環境庁の事務方が入っていて、事務方が議事録を起こして出したものが、それが今になって、確認とれなきゃできないと。それでは、委員会で何を検討し、みんなの委員は何を言って最終的に結論をまとめたか、その論議経過については全く責任が持てないということですか。
 それは、この速記録が明らかになって、しかもこれをずっと読めば、結局のところ、私はなぜそのことを言うかというと、それは一々確認するかどうかは別ですよ。少なくとも、この九一年の会議の中で、この速記録の中に出てきているいろいろな発言は、もちろん医学的な検討もされたでしょう。だけれども、かなりの部分で七七年の判断基準を変えることは政治的に難しいという思惑の中で、そういう事務方の意図も含めて、流れとして起きてきている中に、こういう委員長の発言ですよ、まとめるべき委員長の。だれか一人の委員がお話しになったことではない。しかも、この委員長はずっと長く、今部長もおっしゃったように、この水俣問題に関してはずっとかかわってこられた方が、九一年にこのような発言をされているということの意味、それが確認できない。
 では、確認がとれてそのとおりだったらどうなるんですか。もしこのとおりだったらどうされるんですか。
○南川政府参考人 検討の結果につきましては、報告という形で委員の方々の合意を得ておりますので、それをもって十分信頼するに足りると考えております。
 なお、連絡はとりたいと考えております。
○金子(哲)委員 だから、それは報告書は最終報告がありますよ、七七年の判断基準はオーケーだということになったと。しかし、どういう論議がされて、どういう検討がされて、この七七年の判断基準も現在の医学的な見地に見てたえ得るものだというふうに判断されたかということが重要であって、最終的には政治的な思惑の中で、それは私もわかりますよ。拡大したときに補償の枠が広がれば大変なことになる、そういう一定の条件は働いたかもわからない。
 であれば、本当に今最初からおっしゃるように、二つの会議の中で、まさに医学的な、間違いなく医学的にこの七七年判断基準をそのとおりだ、医学的な見地でということを疑問を持たざるを得ないような会議が運営されて、結論はこうだったから間違いないんだということでは、それは納得いかないでしょう。違いますか。しかも、有力な委員がそういう指摘をされている。そういう発言があった。それを全体として眺めてみると、事務方がリードをしている。全体の流れは、最終的到達点はここだというようなことで、結論としては言っているんじゃないですか。
 いいですか。第五回の速記録、委員長自身の自白の中で、堂々と書面で主張してきたことを今裁判で争っている、その堂々と主張してきたことを今ここでうそだとも言いにくいというような発言もその中にあるわけですよ。
 今当事者がおられないところで部分部分を取り上げて言うことは、私も非常に普通の状態でないと思いますよ。しかし、これは公表された速記録をもとにして読んでいけば、こういうことが記載をされているわけですから。にもかかわらず、その速記録を否定していくということだったら、では、もともとあなた方が最初に主張されたこの昭和六十年と九一年、この専門家会議そのものが本当に医学的なことを知見に基づいてきっちりと検討したのですかという疑問が出てくるわけですよ。それに答えてください。
○南川政府参考人 全体として、速記録を読みますと、大きな流れの中では、確かな医学的な観点からの検討がなされていると思います。
 ただ、さっきも言いましたように、私ども、その過程でいろいろな議論があったことも含めてお出しをしておる中で、いろいろ御指摘があると思います。それについてはよく連絡をとりますけれども、全体として見れば、立派な医学的見地からの検討が行われているというふうに考えております。
○金子(哲)委員 そう言わなきゃ、もうきょうはこの委員会、答弁できないから、そのことをおっしゃっていると思うんですけれども、今申し上げたように、そこの委員会の責任者の方が、委員長が今言ったような発言をされているのに、幾らその会議は医学的な見地でちゃんとした、報告されたものはそうだといったって、それを信用することはできないんじゃないですか。
 しかも、これまたいわば環境省の臨時水俣病認定審査会副委員長をされて、熊本県の水俣病認定審査委員をされている熊本大学医学部の教授の内野先生なども、その後、二〇〇一年に新しい見解を発表されているわけでしょう、水俣病認定患者の感覚障害というのは中枢神経損傷が原因と。合併症状でなければならないというような、二つの症状がなければならないというようなことではなくて、そうではないということを、水俣病を長く研究されてこられた先生が言われている。そうすると、九一年はまさにそのことを中心にしてやられたんじゃないですか。結局は結論ありきで、先ほどまさに委員長が言われたとおり、これ以上拡大すれば賠償は大変なことになる、だからこれはできない、そこに結論があって出てきているんじゃないですか。
 しかも、外国のさまざまな研究の状況を見ても、医学界の中には新たな知見が発表されている。逆に言うと、日本の場合には、七七年の判断基準を守りたいがゆえに、医学界で新たな研究をしようとしてもそれによって阻まれる、新たな研究成果が認められないということになっていくんじゃないですか。むしろ日本の方がこのチッソの水俣病問題にかかわる医学界の前進というものをおくらせている結果になるんじゃないですか。その点はどうですか。
 新しい見解が出ている、これに対して、大臣にぜひお答えいただきたいと思うんですけれども、そういうことも含めて、七七年から、最初に申し上げましたけれども、二十五年間もたって裁判で係争中、しかも裁判では高裁でも負けているわけですよ、国側の主張が。そういうことを考えてみますと、今ここで、確かに九五年の政治的な判断もあって政治解決をされた問題もあります。しかし、その多くの訴訟を行っていらっしゃる人たちは、あいまいなことでなくて、私はやはり水俣病の患者なんだということを認めてほしい。だから損害の額は、もうこのことは申し上げませんけれども、そのことなんですよ。
 そのことは、医学的に見ても、確かに、そのことを広げれば、環境省から見れば、国側から見れば、補償の額が広がる、幅が広がる、だから抑えなきゃいけないという政治的判断が働くかもわからないけれども、だけれども、この前も言いましたけれども、そもそも患者が被害者なんですよ。被害者は、今何か裁判に訴えているから、あたかも国を訴えているように思えますけれども、その人たちは加害者でも何でもないんですよ。被害者なんですよね。そういう状況を考えてみると、これだけ、二十五年間もたって、その当時の医学的な知識の状況のままで判断基準がとどまっていいとは到底思えないんですよ。
 大臣、やはり私が今言いましたように、水俣の専門家の先生も含めて、一部には新たな学説、研究結果も出ているわけですから、この判断基準についてもう一度再検討をしていく。裁判が終わって、最高裁でも負けた、その後見直しをするんではなくて、やはり今の時点で、こういう速記録が当時出ていなかったけれども、当時の会議も、率直に言ってずさんな会議をやっていると思うんですよ。そういう中で、やはりもう一回、専門家による七七年判断基準の見直しを検討すべきだと思いますけれども、どうでしょう。
○鈴木国務大臣 今度の、今度のと申しますかこの裁判の一つの争点として、この昭和五十二年の判断基準というものがあるわけでありまして、それについて金子先生から大変いろいろお話がございました。
 そういう中で、環境省といたしましては、御承知のとおり、今まで昭和六十年、平成三年に一つの見直しをしておりますが、またこれとは別に、昭和四十八年から、予算措置をいたしまして、水俣病に関する総合的研究というものを継続して実施をしているわけであります。
 したがいまして、この継続しております水俣病に関する総合的研究などによって、この判断基準、昭和五十二年の判断基準の再検討が必要になるような、そういう新しい知見というのが示されれば、これは当然対応してまいりたいと思います。
○松本委員長 時間となりましたので。
○金子(哲)委員 わかりました。
 ぜひ、新しい知見も私は出ているように思いますので、そのことをやはり真剣に検討していただいて、ただ単に政治的な判断によって切り捨てられることのないように、医学的な問題、医学の正式な検討の上に新しい判断基準をぜひつくっていただくような見直しを進めていただきたいということを要望して、終わりたいと思います。ありがとうございました。
○松本委員長 藤木洋子さん。
○藤木委員 日本共産党の藤木洋子でございます。どうかよろしくお願いをいたします。
 まず最初に、東京の大気汚染公害訴訟の控訴をされたということに対して、私は非常に遺憾だという意を表明させていただき、ぜひお取り下げをいただきたいという私の意思をまず最初に表明させていただきたいというふうに思います。
 早速質問に入らせていただきます。
 今回のCOP8では、先進国の対策の責任を果たす姿勢を明確にさせるということが課題だったと思います。ところが、当初のデリー宣言案には、削減の文字もなく、京都議定書への言及もありませんでした。COP8では、宣言に京都議定書の批准を明記して、京都議定書を効果的に実施するため、先進国の早期排出削減と途上国への資金と技術の移転を含んだ内容が求められておりました。
 鈴木環境大臣は、大臣あいさつの中でもお述べになりましたけれども、閣僚級会議で、京都議定書の早期発効と各国の早期締結、そして温室効果ガス削減の取り組みでの発展途上国の参加を呼びかけ、デリー宣言に盛り込むように要求されました。同時に、大臣は、すべての国が共通のルールのもとで行動すべきだとされまして、事実上、発展途上国が温室効果ガス削減を義務的に取り組むことを主張されたというふうに思うわけです。
 しかし、米国やオーストラリア、カナダなどの先進国がいまだ批准しておりませんし、日本のように温室効果ガスの排出を九%もふやしているという現状では、次のステップとなる一三年以降での発展途上国の削減義務を今盛り込もうということをおっしゃっても、到底同意が得られないのではないかというふうに思いますが、いかがでございますか。
○鈴木国務大臣 地球温暖化防止というものは、これは地球規模で行われなければならないものでありますから、グローバルな取り組みが必要であるというのは、これはもう基本的な認識でございます。先進国も途上国もこれは取り組まなければいけない。
 しかし、そうはいっても、現実に目を向けてみますと、私もCOP8で実感をいたしましたけれども、先進国、途上国の間には非常に大きな不信感というものがありまして、途上国から言わせれば、これは今は先進国が努力するのがまず第一であって、途上国が新たな義務を負うということはできない、こういうことでございました。そういうことは報道等でも報じられているわけでありまして、先生も御承知のとおりでございます。
 しかし、やはり基本原則というものを追い求めていかなければならないということは、これは重要な姿勢である、そういうふうに思います。したがいまして、私も、閣僚級円卓会議におきまして、二〇一三年以降の取り組みについてそろそろ議論を始める道筋をつけるべきだ、こういう趣旨の発言をしたわけであります。それは、今先生がおっしゃったように、今の時点で二〇一三年以降の新たな義務を途上国に課すというのではなしに、そういう新たなコミットメントを得るというのではなしに、そうした新たなアプローチについての道筋を、ドアを開きましょう、そういう意味で申し上げたわけでありまして、こういうことを申し上げ続けるということは極めて大切なことであると私は認識しております。
○藤木委員 しかし、自分たちの果たさなければならない責任をまず果たして、その姿勢を示すということが大事だと思いますね。
 ベネズエラの代表も、議定書は発効せず、先進国の排出はふえている、一三年以降の話をするなど非常識、このように訴えております。これは、途上国は排出削減義務を負わないということを明記した九一年の会議の結論でもあるわけです。
 幸いにも、EUや日本などが要求をしたことが取り入れられまして、三十一日夜の改定宣言案では、京都議定書批准国は未批准国に適切な時期の批准を強く促すべきだという表現が盛り込まれました。また、先進国の削減義務の履行と、気候変動に悪影響を及ぼす途上国の要求と関心事項を最大限検討するという表現で、途上国への資金、技術支援を迫る内容も示されております。
 これに対して、一九九〇年代に温室効果ガス排出を三・五%削減したEUは、円卓会議の会合で、先進国は先鞭をつける必要がある、このように発言をして、金額を明示して資金支援の表明を行いました。
 しかし、日本は、COP8の会議中は金額を示した支援の表明はございませんでしたけれども、途上国の参加をもし促すというのであれば、少なくとも日本としては、議定書の確実な実行と、議定書が定めた後の期間の高い削減目標の方針を明確にする必要があるのではないか、このように思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
○鈴木国務大臣 究極の目的を達成するためにグローバルな参加が必要であるということは先生もお認めだと思いますが、先生は、その前提として先進国としてやるべきことがあるのではないか、こういうお話であると思います。
 私も、ニューデリーにおいて二国間会談を行いまして、アメリカそれからオーストラリアの未参加国にもこの参加というものを強く訴えました。そして、先ほど申し上げましたとおり、先進国と途上国の間の不信感、それを払拭する努力というのは、先生がおっしゃるとおり、先進国側が多くの努力を払わなければいけない、そういうふうに思っております。
 そういう中で、先進国も必ずしも対応は一つにまとまっておりませんが、少なくとも日本として、約束したことはきちんと実行していく。例えば技術移転などもこれを進めていく。そして、京都議定書によって定められたいろいろ基金もございます。これはまだそうした基金の全貌、全体像というものが明らかでございませんので、そうした日本の出捐というものはまだ定まっておりませんが、そうしたものが定まった状況を見ながら、日本もそうした資金的な協力もしていくというようなことの中で、まず日本としてやるべきことはきちっとして、途上国の不信感を払拭して、そして最終的にグローバルな参加ができるような、そういうプロセスが必要であると思っております。
○藤木委員 また、デリー宣言では、再生可能エネルギー源の割合をふやすことを目指すということが最終的に盛り込まれましたけれども、数値目標や期限が明記されませんでした。
 再生可能エネルギー問題では、九月の環境開発サミットで、石油などの化石燃料への依存を減らし、再生可能なエネルギー源を開発、供給する取り組みに数値目標や期限を明記するかどうか議論になったところです。この問題でも、日本政府は米国とともに、再生可能エネルギーへの転換を図るルールづくりに反対をしております。
 EUが設定を求める国際目標は、途上国を中心に、風力や太陽光、地熱、バイオマス、水力など再生可能エネルギーの開発を進め、五%以下の現在の比率を一〇年までに一五%にふやす、先進国は二〇一〇年までに二%を伸ばすというものでした。世界自然保護基金、WWFのモーガン気候変動部長は、記者会見で、風力や太陽熱などによる再生可能エネルギー供給について、拘束力のある目標を設ける討議を日本や米国などが妨害していると名指しで批判をされたところです。
 そこで、この提案に対して米国政府代表は、再生可能エネルギーは高額だ、金がかかるとして、その普及を目指すような目標設定に反対をいたしました。日本は、国によってエネルギー政策が異なり、一律の数値目標はそぐわないと猛反発をしましたけれども、これでは大幅な再生可能エネルギーの供給を実現することは難しいのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○鈴木国務大臣 再生可能エネルギーというものに対して、我が国が何かそれを否定的にとらえているかというと、そうではないわけでありまして、これは化石燃料に依存しないエネルギーでありまして、この利用を促進することが地球温暖化防止に極めて大切である、そう極めて前向きに評価をしているところであります。
 ただ、我が国といたしましては、それぞれの国のエネルギー政策というものがあるわけでありますから、その柔軟性というものが損なわれるようなことがあってはならない、こういうことで、ヨハネスブルグ・サミットにおいての立場があったわけであります。
 現に、我が国におきましては、総合資源エネルギー調査会において、再生可能エネルギーの一次エネルギー供給に占める割合を、一九九九年度四・九%でございましたが、二〇一〇年までに七%程度に増加させる、こういう目標を設定しておるわけでありまして、今後こうした目標が着実に達成できますように、再生可能エネルギーというものが十分利用されるような努力というものをしてまいりたいと思っております。
○藤木委員 結局、数値抜きで、再生可能エネルギーの比率を相当程度増加させるため切迫感を持って行動する、こういう文言が入って合意したということでございました。
 この交渉の過程で、アメリカとともに日本政府が数値目標の設定に反対したということは私は重大だと思います。当時の大木大臣は、前向きな気持ちが出ている、よいものができたと評価していますけれども、エチオピアのエグジアブヒル環境相は、石油のない日本がなぜ再生エネルギーで積極的姿勢をとらないのか理解ができないと指摘しております。温室効果ガスを削減する京都議定書の実行の立場に立つのでしたら、石炭、石油などの化石燃料を減らし、再生可能エネルギーをふやしていくことが不可欠であります。
 そして、達成目標が盛り込まれなかった採択予定の実施計画に対して、日本のNGO十三団体は声明を出しております。化石燃料に依存する社会を温存する内容だ、このように指摘して、大きな失望感を感じざるを得ないと表明しております。明確な目標を盛り込むよう要請をしているわけです。
 その一方で、ドイツのトリッティン環境相は、九月一日の記者会見で、温室効果ガスを九〇年比で二一%削減することを目指すと改めて強調しておりまして、サミットで風力や太陽光発電などの再生可能エネルギーの問題で合意に達成する必要性、そのことを強調しております。しかし、この目標設定の合意に反対をした日本は、実際、風力や太陽光などの新エネルギーも、二〇一〇年度のエネルギー総供給量の、今もお話がありましたけれども、結局三%を目標にしているということにすぎないわけです。
 ですから、東京電力などの原子力発電所の点検データ改ざん問題が国民の強い不信を招いている現在、この分野で大幅なおくれをとる日本にとって、国際的に通用する数値目標を大幅に引き上げて設定してこそ、強力な推進力になると思いますけれども、大臣、大幅に目標を設定される、引き上げるということはお考えじゃないでしょうか。
○鈴木国務大臣 先ほどの繰り返しになる部分があって恐縮でございますが、それぞれの国のエネルギー源の構成といいますものは、各国の資源の賦存状況でありますとかさまざまな事情を勘案して決めるべきものである、そういうふうに思っております。そういう自主的な判断の中で、先ほど申し上げましたとおり、日本は、一九九九年度四・九%のところを、二〇一〇年までに七%に再生可能エネルギーの一次エネルギー供給に占める割合を引き上げようということをみずから決めて、今その努力をしているところであります。現に、今の状況でありますが、再生可能エネルギーの総供給は、欧米諸国の導入実績と遜色のないレベルにもう今なっているということをぜひ御理解いただきたいと思います。
 今先生は、目標値をさらに引き上げて努力しろ、こういうことでございますが、我々といたしましては、今欧米とも遜色のないレベルにございますが、しかし、先ほど申し上げたこの数値目標、それに向かって着実に努力をしていくということが重要である、そういうふうに認識しております。
○藤木委員 しかし、日本の目標はもういかにも消極的であります。
 この際、再生可能エネルギーについて、少し立ち入ってお聞きをしたいと思うのですが、政府の新エネルギーの二〇一〇年目標では、原油換算で太陽光百十八万キロリットル、風力発電百三十四万キロリットル、これに対して廃棄物発電は五百五十二万キロワットに設定しております。しかし、風力発電推進市町村全国協議会の要望書の中では、新RPS法、つまり電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法について、発電コストが割安な反面、二酸化炭素の排出量増加につながる廃棄物発電への依存が増大し、二酸化炭素を直接排出しない風力発電を初めとする自然エネルギーの導入が停滞することを懸念しながら、風力発電からの電気は電力会社による買い取りを義務化すること、その買い取り価格は発電事業者の採算可能な価格となるよう優遇すること、大規模風力発電における電力会社の入札制度は行政上なじまないので、地方自治体への適用には弾力的運営を講ずることなどを求めているわけです。
 私も実際、三重県へ行ってまいりました。久居市の榊原風力発電施設を見てきたんですけれども、今、久居市それから大山田村と日本鋼管の第三セクターで二十基の風力発電施設を建設しておりますけれども、青山高原ウィンドファームと一般的には言うそうであります。最大出力が一万五千キロワットの能力を持っていますのに、一万四千キロワットに抑えられております。これは中部電力への売電枠が一万四千キロワットで契約をしているからだということでした。もともと中部電力の売電枠が二万キロワットという中で入札をしたわけですけれども、青山高原ウィンドファームが一万四千キロワット、残りの六千キロワットは他の自治体に割り当てられたそうでした。ところが、他の自治体が売電を取りやめたのですけれども、中部電力は売電枠をふやしてはくれないということでした。
 ですから、全国協議会の要望書にもありますように、地方自治体が行う風力発電からの電気は、電力会社による買い取りを義務化することなどの改善をぜひ図っていただきたいと思うのですが、経済産業省、いかがですか。
○伊藤政府参考人 ただいま御質問いただきましたように、本年五月に成立いたしました電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法、いわゆるRPS法、リニューアブル・ポートフォリオ・スタンダードを略してRPS法という法律でございますが、この法律、来年四月から全面的に施行をする予定で現在準備を進めておるところでございます。
 この法律におきましては、電気事業者に対して、その供給する電気の一定割合を風力を初めとする新エネルギーで賄うことということを義務づけている法律でございます。したがいまして、電気事業者は、この法律の義務を履行するというときに、みずから新エネルギーを使って発電をしてももちろんいいわけですし、あるいは自治体、事業者、いろいろな方から購入するという形でもよろしいわけでございますが、そういう形である一定量を新エネルギーによる電気で賄わなければならないという制度でございます。したがいまして、先生御指摘の地方自治体の風力発電につきましても、その購入先の一つということになるんだろうというふうに考えております。
 ただ、この法律では、一定量を義務づけてはおりますが、自治体の風力発電は必ず買わなければいけないんだとか、そういうことにはなってございませんで、みずから発電するのか、あるいはどこからか買うのか、それが風力なのかバイオマスなのか太陽なのか、そういったことは義務者である電気事業者がコストを考えながら義務量に達するように判断して決定するという制度でございます。
 その場合、今先生御指摘のようなケースとは若干違って、自治体等が啓発等を兼ねてつくるような小規模なものが非常に不利になるケースがあるわけでございますが、そういうことに対しては、設置に対する助成の段階で補助率を高めるというような形で優遇をしているというふうになっております。
○藤木委員 そういうことを申し上げているんじゃないんです。法律に書いていないからできないわけではありません。これは協議会の要望ですから、ぜひ検討していただきたいということを強く申し上げておきたいというふうに思います。
 それから次に、ちょっとインフラのことも伺いたかったんですが、時間がございませんので、風況調査の問題で伺いたいと思います。
 新エネルギー・産業技術総合開発機構などでも実施しておりますが、これはもう随分不十分なんですね。例えば、経済産業省の風力発電フィールドテスト事業は、これまでの四百五十一基中、たった三十一基にすぎません。そこで、最近、沖縄県の宮古島に沖縄電力が設置した風力発電施設の一基、そして鹿児島県の野間岬に九州電力が設置した風力発電施設の一基が、台風の通過に伴って強風で倒壊をしてしまいました。
 風力発電システムの基準というのは、国際電気標準会議が決めた国際基準を使用していますけれども、この国際基準というのは、風力発電の先進国であるデンマーク、オランダ、ドイツ、こういった地域のデータをもとにしてつくられております。しかし、地形も平たんで風が単純な北ヨーロッパに比べまして、日本の風は複雑な山だとか谷だとかを通過してまいりますから、吹きおろし、吹き上げ、また局所的な変動というのがございますし、季節風もあれば台風もあると、変動が大きいわけです。
 私、実際に三重県の久居榊原風力発電施設を見たときに御説明をいただいたんですが、青山高原の尾根に沿ってオランダ製を四基設置しておりました。随分風況調査は厳密にやられたようでございます。幸いにこれまでの施設では倒壊などということはここでは起きておりませんけれども、しかし今後の建設では、十分な風況調査と、九十メートル程度の風速にも耐えられる施設づくりというものが求められているであろうと思うわけです。
 ですから、全国的で長期的で、しかも日本の特性を踏まえた風況調査を行うことが必要だと思いますし、同時に個々の建設予定地の風況調査の補助制度の拡充、これが求められていると思うのですが、いかがでしょうか。
○伊藤政府参考人 経済産業省では、平成七年より、風力発電事業を行おうとする方々に対して、風況調査を行う場合にNEDOを通じて各種支援を行ってきております。
 風況調査のやり方としては、ある有望な地点を選びまして、その地点における一年間の風況を実測するという形で行っております。それによって、その地点の通常の気象変動を一通り把握して、個々の地点における地形等による特徴を把握するということを目的にしている。もちろんその場合、御指摘のように、台風がその年に来なければ、台風が来たときの状態はわからないわけですが、それについては、気象庁が持っている過去のデータ、それを組み合わせて検討する。その検討を容易にするために、シミュレーション技術の研究開発を平成十一年から進めておりまして、本年度までで相当精度の高い風況予測モデルができるというふうに考えております。
 さらにもう一つ御指摘の台風等で壊れたという御指摘、まさに実際そういうことであるわけですが、それにつきましては、NEDOと共同で風力発電設備の我が国に適した技術的なあり方なり問題点について、今後検討を進めていこうというふうに考えております。
○藤木委員 久居市の場合は、実に熱心な研究者の方がいらっしゃいまして、長年にわたって研究しておられたということが事故なく過ぎているというようなことでしたけれども、そういう個人の力量に頼るのではなくて、やはり助成を強化していただきたいということを重ねて申し上げたいと思います。
 さらに、特に風力発電の適地が自然公園内に多いことから、自然公園法上の許認可を簡素化し弾力的に運用すること、また、農地を利用した発電機並びに送配電線の整備については、電気事業法に準じた優遇措置を講ずることなどを求めております。
 私が見てまいりました久居榊原風力発電施設は、室生赤目青山国定公園の第三種特別地域に伴う自然公園法上の許可だとか、水源涵養保安林及び保健保安林区域に伴う森林法上の解除、これが必要なところでございました。自然公園法上の許可の権限を持つ三重県の知事さんは、久居榊原風力発電施設の場合は基数が四基でございますから、基数が少なくて事業者は市単独だ、しかもこれは、学術研究という、目的の公益性もあるということで、開発の条件を必要に応じて緩めるという特別の措置をとられたというふうに伺いました。
 青山高原ウィンドファームの建設ですけれども、これは二十基ですから相当の数なんですが、これは自然環境保全審議会が、既に自衛隊のレーダー基地もあるし風車四基もある、やむを得ないと判断したということで、これはそういう答申を受けて国定公園内に商業用の風力発電所建設を全国で初めて許可したという例なんですね。
 二〇一〇年までに三百万キロワットにするという計画を立てていらっしゃいますよね。ですから、その計算でいきますと、発電能力一千キロワットであと二千七百基はつくらなければならない、こういうことになるわけですが、これまでの立地条件は非常によい場所から次々とつくられてまいりましたから、もう残っているのは、国定公園内だとかあるいは国立公園内というようなところに勢いその建設が及ぶだろうということが危惧されるわけです。
 そういう場合に、既に国立公園内で一地域、国定公園内でも五地域で許可されているわけですけれども、今後、国立公園内や国定公園内での建設の許可が増加してきた場合に、環境省として、風力発電の建設に対する自然公園法上、自然環境や野生動植物の保全を基本にしたガイドラインを検討する必要があるのではないか、このように思うのですけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○鈴木国務大臣 先生のお話のとおりに、風力発電というのは適地が限られているということで、勢い国定公園、国立公園、そうした自然公園の中で建設をしたいということがあろうかと思います。また、いろいろ外国の例を見ますと、猛禽類の衝突死とか、そうした野生動物に対する悪影響もある、こういうことを承知しております。
 確かに今、風力発電施設の建設に対する審査のガイドラインというのは定めておりませんけれども、今あります、国立・国定公園の風景の保護を図るための、開発行為に対する自然公園法に基づく許可基準というものを定めているわけでありまして、この運用の中で、地域の景観や野生生物の生息に与える影響など、個別具体的な事例に即して慎重に対応してまいりたいと思っております。
 先生から三重県の例も挙げられましたが、私としましては、それは極めて特例的なものであって、今後こういったような、今あるもので慎重に審査することによって、こうした面での風景の問題、また野生生物に対する問題、そういうものは一定の規制というものができる、そういうふうに判断しております。
○藤木委員 再生可能エネルギーの風力発電も大いに促進しないといけないわけですから、やはり整合性のとれたガイドラインというのをぜひ御検討いただきたいというふうに思います。
 これまでいろいろ議論してまいりましたけれども、三%という再生可能エネルギーの目標も低いと私思いますけれども、その低い目標を達成する対策も極めて不十分だという気がいたしました。京都議定書の六%を達成するために一層の国内対策を求めて、きょうの質疑を終わらせていただきます。
○松本委員長 高橋嘉信君。
○高橋(嘉)委員 自由党の高橋嘉信でございます。
 まずもって、鈴木俊一先生の環境大臣の御就任を同郷の一人としてお祝いを申し上げる次第であります。今後の環境行政に大きく御貢献いただくものと期待をしている次第であります。
 さて、大量の廃棄物の排出、最終処分場の逼迫、不法投棄の多発など、廃棄物問題が深刻化する今日、循環型社会の形成が喫緊の課題であると鈴木大臣は所信において鋭く指摘をされておりますが、この点につき、まずは環境省の今後の取り組み姿勢について大臣の御見解を賜ります。
○鈴木国務大臣 高橋先生から祝意をいただきまして、本当にありがとうございます。
 環境型社会の形成に向けてと、こういうことでありますが、今のような、大量生産、大量消費、大量廃棄といったような今の社会経済システムというものが、私は、これはもう環境の制約、資源の制約からいって、いつまでも続くものである、そういうふうには思っておりません。そういうものを改めて、例えば廃棄物が出ましてもそれを少なくする努力をまずする、そして、廃棄物の中からリサイクルに活用できるものはリサイクルに回す、それでもなおかつ廃棄物として残るものを処分する、そういうような姿勢が必要である、それが基本的な認識であります。
 このため、国でも、平成十二年を循環型社会元年、こう位置づけまして、循環型社会形成推進基本法、廃棄物処理法及び関係リサイクル法の整備を行いました。特にも、循環基本法に基づく循環型社会形成推進基本計画、これを半年間前倒しいたしまして来年三月までに策定して、そしてこの基本計画に乗って循環型社会の形成を進めてまいりたいと思っております。
○高橋(嘉)委員 では、焦点を絞りまして、今大きな社会問題となっております産業廃棄物の不法投棄、後を絶たない現状に対しまして、現在環境省が行っている指導及び監督は十分なものであるとお考えかどうか、この点をまずもって大臣からお伺いします。
○鈴木国務大臣 さまざまな大量不法投棄というものがございます。そういうことに対処するに当たって、我々環境省としても、あるいは地方自治体としても、どうしてこういうような事態が出来をしたのか、そういうものに対する検証というものを常にやっていかなければならないと思っております。
 そういう中で、率直に言って、指導が必ずしも十分でなかった点というものもございます。そういうような検証を含めて、足らざるところは改めて、また、場合によっては法規制というものも考えていかなければならない分野もあろうかと思います。そういうことも考えながら、常に検証しながら、足らざるところはこれを反省するという立場で取り組んでいきたいと思います。
○高橋(嘉)委員 産業廃棄物に関しては法定受託事務とされておりまして、国が本来果たすべき役割を地方公共団体が事務処理を行っているというものであります。すなわち、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとされているわけであります。この点、明確に国は指導監督の義務、責任を負っていると言えますか。この点、確認する意味で再度お伺いいたします。
○鈴木国務大臣 これからも県、地方自治体にいろいろな指導をしながら進めていくことが重要であると思っております。
○高橋(嘉)委員 産業廃棄物の処理法、平成九年に法改正されまして、施行された平成十年六月以降の不法投棄に対し、地方公共団体が原状回復するに際しまして行政代執行を余儀なくされた場合の方策として、産業界と行政が半々、半分ずつ、すなわち国の補助も四分の一、地方公共団体の負担も四分の一という制度ができました。この法整備において、基金制度がつくられた背景はどのようなところにあったのか。
 七月十六日における飯島政府参考人の答弁のくだりは、このようになって議事録に残っております。自分のところで出したものじゃないものが不法投棄されていて、それを片づけるときに何の支援もないのはおかしいという議論から始まりまして云々、産業界と行政、これが半々で負担する、こういう基本原則を考えたところであります、こういうことでありました。法整備の背景はここにあった。
 しかしながら、平成十年六月、厳密に言えば六月十七日ということでありますが、以降の不法投棄は自治体は四分の一の負担で済み、平成十年六月十七日以前のものは三分の二負担という仕組みであります。その基準は、産業界の基金制度があったかなかったか、ただこの一点によるわけであります。この仕組みは法整備の背景なり趣旨と合致しているのでしょうか。六月十七日以前は捨てられ損ということになるわけでありますが、このような中で、環境保全や特にも今自然再生を唱える環境省の存在がよく見えないのですが、大臣の御見解を伺います。
○鈴木国務大臣 平成九年の法改正のときのことを考えてみますと、香川県の豊島の問題等、大変社会問題になっていた、そういうような背景がございます。さまざまな議論の中で、地方公共団体としても手に負えない、そういう大規模なものにしてどういう枠組みをつくっていくのか、そういうことであの時点で議論がされたと認識をしております。そして、平成九年の法改正において、特に投棄者不明のものによるそうしたものに対して、その原状回復を円滑に実施するために、先生の御指摘のとおり、産業界の拠出を得て、そして産業界と行政と協調して必要な資金を手当てする、こういうことができたわけであります。
 したがいまして、その前の扱いとその後の扱いというものは確かに差がございますが、しかし、拠出をしていただく産業界の立場からいえば、ずっとさかのぼってまでなかなかできないというようなお立場もあったと思うわけであります。そういうことで、その辺の仕切りがあるということについては御理解をいただきたいと思います。
○高橋(嘉)委員 僕がお尋ねしているのは、その仕組みはわかっているんです。大臣が就任早々、循環型社会の形成を力強く唱えている背景の中に、今までの環境行政の転換を考える部分があるのかどうか。つまり、基準を、基金制度を設定したというこの一点にだけよるものであるか、むしろ、この忌み嫌われる産廃関係をもっと共存できて受け入れてやっていくような社会をつくるために、環境行政どうあるべきかという新たな視点に立っていくお考えがおありなのかどうか、大臣の御見解をお聞きしたかったのであります。
○鈴木国務大臣 平成九年の法改正の枠組み、これをずっとこのまま継続していこう、そういうふうには思っておりません。事実、その後の法改正におきましても、排出者責任というものを厳しく問う仕組みというものもできているのでありまして、そうしたことも総合的に考えてやってまいりたいと思います。
 殊にも、今青森県と岩手県の間の産業廃棄物不法投棄がございますが、私はこれに対して、ソフト、ハード含めてこういったものにどう対応できるのか、一つのモデルケースとしてこれを対応してみたいと思います。そして、これで対応したものを、これからこういうものが出てきては困りますけれども、その都度個別個別に対応するのではなしに、またさらにこれを、新たな枠組みをつくる、そういう検討につなげてまいりたい、そういうふうに思っています。
○高橋(嘉)委員 今お話しいただきましたので、まさに大臣の選挙区、全国最大規模、八十二万立方メートルの産廃の不法投棄が行われておりました、岩手、青森の県境の産廃不法投棄の問題について伺います。
 原因者は平成十二年五月の逮捕直前まで事業展開をしておりますが、岩手への不法投棄分はいつごろ始まりいつごろ終わったのか特定できますか。また、このように二県にまたがって有機化学物質が広範囲に投棄された事例はございますか。
○鈴木国務大臣 具体的に何年何月何日に始まり、何年まで続いていたかということは把握ができておりません。ただ、環境省に対してそういう報告がいつあったかということについてでございますが、旧厚生省から引き継いでいる記録によりますと、旧厚生省時代の平成十二年六月に行為者が起訴をされた直後に、青森県と岩手県から報告を受けたという記録が残ってございます。
○高橋(嘉)委員 私は、要は、いつごろ始まっていつごろ終わったか特定できるかどうか。まだされていないのはわかります、できるかどうか。平成十年の六月十七日施行以降であれば、国の補助率が変わってくるわけですね、原状回復、行政代執行するといった場合においては。特定できなければ、そのような考え方も柔軟に、ましてやこれだけの規模ですから、考えていく用意がおありかどうか、その点はいかがですか。
○鈴木国務大臣 先ほど申し上げましたのは、始まった日等が具体的に何年何月からかということは承知していない、こういうことでございます。ただ、継続して大体いつごろからいつごろまで続いていたというのは、私今ここで答えるデータを持っておりませんけれども、それは両県においても把握をしているのではないかと思います。今ある法体系の中で、そうした事実を照らし合わせて、法律的にどう対処できるかということを判断するということになると思います。
○高橋(嘉)委員 では、大臣にお話ししておきますが、きのう事務方から聞いたところによれば、特定はできない、かなり困難なわけです。そういった状態の中で、十年の六月十七日以前、以降、無理やり決めつけてやっていこうという考え方は、本当の今後の環境行政にいい結果を生むものではないということだけ僕はまず申し上げておきます。
 では、次に移りますが、三十回以上の周辺の沢水の調査なり業務停止処分という指導、指示を行っていながら、なぜ長期間にわたりこの問題を発見できなかったかという点であります。青森県側の行政責任は免れないところであると考えますが、では環境省に責任はなかったかということであります。
 ここに興味深い報道があります。青森県環境政策課長鎌田啓一氏談でありますけれども、処分後、立入検査を強化し、年一ないし二回から毎月にふやした、違法性は確認できなかった、許可施設以外は行政の権限が及ばない、業者に協力を求めたが受け入れられなかったと記者にコメントし、報道またいろいろな合同委員会等で話して、終始弁明を続けた内容であります。
 ここに重大な問題があります。廃棄物処理法第十九条に立入検査に係る規定がありますが、この青森県の課長さんの言うように、許可施設以外には立ち入り権限は及ばないのですか。つまり、施設が所在する原因者の広大な所有地、そういう所有地全体には権限は及ばないのですか。この点、お伺いします。
○鈴木国務大臣 間違いがあると困りますので、ちょっと読ませていただきますけれども、廃棄物処理法施行当時から、事業者の産業廃棄物の保管もしくは処分の場所、産業廃棄物処理業者の事務所または事業場及び一般廃棄物処理施設または産業廃棄物処理施設のある土地または建物については、これは立ち入ることができる場所ということになっておりまして、先ほど、我々としてもいろいろ検証をして反省しなければならない点もあるということでありますが、この点につきましては、まさに国が、環境省として県に対する十分な対応を行うことがなかった点である、そういうふうに思っております。
 したがいまして、こうした反省をもとにいたしまして、平成十三年五月に「行政処分の指針について」というものを発出いたしまして、改めてさきに述べた事項を周知するとともに、不法投棄現場に立入調査できることや、当該都道府県等の区域外であっても立入検査できることを周知したわけであります。
 こういう抜かりがあったということも含めて、今後とも県に対する指導助言に努めてまいりたいと思います。
○高橋(嘉)委員 そのように言っていただくとありがたいんですが、つまり、これはBSEの問題や無登録農薬の問題と全く酷似しているんですよ。要は、指導しっ放し、フォローなしってやつなんですね。こういった中で、環境省と地方公共団体との法律の解釈、運用の部分で大きく隔たりがあったんですよ。当時、法の運用に関して明確な判断基準を環境省は示していなかったんですよ。
 四十五年に廃棄物処理法がたしかできたと僕は記憶しているんですが、四十六年に一片の通達を出して、その三十年後、全くこのままじゃどうしようもない、不法投棄は一向におさまる気配がない、目を覆うばかりだ、それで、三十年後の十三年五月十五日、今大臣がおっしゃった行政処分の指針というものを出しているんですね、また通達を。まさに、一片の通達行政なんですよ。それで監督指導の責任があると言われるか。全くこの辺がおかしい、僕はそこを強く指摘したいんです。
 そういった中で、まさに岩手県なんか全くの被害県だと思いますよ。その点もお考えいただきながら、環境省の責任は確かにあった、そしてこの問題については、平成十年六月十七日以前、以降の問題を問わず、柔軟に考える用意がおありかどうか、再度お伺いします。
○鈴木国務大臣 都道府県に対する立入検査の件について、指導が徹底していなかった、そういう点につきましては、確かに責任がある、反省をしなければいけない、そういうふうに思っております。
 これの原状回復等の対応でありますが、今ある枠組みをこれに対応する、それを柔軟にというお話でございますが、先ほどお話ございますとおり、これは今までの豊島の廃棄物の量を上回るものでございますので、これは今後につながることも視野に入れながら、一つのモデルケースとして、ハード、ソフト含めて対応していく、そういうことで対応をしてまいりたいと思っております。
○高橋(嘉)委員 いずれ、本当に大臣お考えいただきたいんですが、これだけ何十回もあって、環境省からお伺いすると、大体立ち入りの内容を聞いても、もう三十回ぐらいあったらしいみたいな、後から全部報告を受けているんですね。では、相談されたことは何回ぐらいあるという話を聞いたら、三回ぐらいあるという。メモして、ちゃんとテークノートして、それに対するフォローをしたか、指導をしたかと言うと、その記憶はないわけですね。受けた、こういった内容だったと思うということだけなんですね。それでは全く本当に環境行政を語る資格すら僕はないと思っているんですね。国の責任を考えるべきですよ、こういった問題は。
 大体に、最終処分場は都市圏ではないんです。少ないんですよ、非常に。というと、中山間地に行ってみんな捨ててしまうわけですよ。人のうちのトイレを借りているようなものの話ですよ。根本からそういう問題がある。
 では、排出県の責任の所在等々については大臣の御見解はいかがですか。今後考えていく用意がおありかどうか。
○鈴木国務大臣 現在におきましても、排出事業者は自分の責任において処理をしなければならない責務というものがあるわけであります。一方において、都道府県には、区域内における産業廃棄物の状況を把握し、適正に処理が行われるように必要な措置を講ずる責務がございます。
 したがいまして、こうしたものに応じて、青森県、岩手県のこの事案につきましても、首都圏の都県市も、両県の要請に応じて排出事業者責任の追及のための調査等の協力を行っているところでございます。
 先生の、排出都道府県にも責任があるのではないか、そういう考えをすべきではないかということが、例えばこれが原状回復の財源等を求めるというようなことであるとするならば、これは全国知事会の折に、青森県知事、岩手県知事からもあったわけでありますが、現状において、この排出事業者を抱える都道府県からのコンセンサスがなかなか得られない。コンセンサスを得るということが前提であろうかと思うのでありますが、そういうコンセンサスが得られないという今の現状では、直ちには難しいのではないかという判断をしております。
○高橋(嘉)委員 コンセンサスを得られないという中では、環境行政の指導をする立場としてはいかがなものかと思うんですよ。
 そうであったら、ではお伺いしますが、産業廃棄物の流入阻止、搬入阻止、あるいは規制強化、つまり自県内処理の原則を各自治体が持つようになっていったらどうなるんですか。その点については、環境省の考え方は、そのようなことのないようにという考え方を持っていると思うんですね、捨てるところがなくなってしまうわけですから。
 しかしながら、排出元の県の責任も視野に入れて大いに検討し、法整備も考えていくという姿勢ならわかります、ごみは減ることはあり得ないんですから、幾らリサイクル化しても。ですから、産業廃棄物はあるものだという受け入れる姿勢の中で、どうやってそれを受け入れて、そして次の社会に理解の上で展開していくか、本当の循環型社会を形成するかという視点に立つのだったら、その辺のところは逃げては通れないところなわけでありますから、その辺に一歩踏み込んでやることが、まさに環境行政の転換点に立つわけであります。ですから、僕が冒頭、御期待申し上げているというところはここにあるわけであります。
 廃棄物の流入阻止、規制強化という考え方が各自治体で持たれるように、各自治体がそのような考え方を強く持つようになっていったとしたらどうしますか。それに関して環境省は、では何も言いませんか。それらを含めて、もう一度お話をお伺いします。
○鈴木国務大臣 産業廃棄物の処理の問題というのは、これは原則的には行為者、例えば最終処分者でありますとか、それから関係者、さらには排出者、こういう方々がやはり責任を持つというのが原則であると思うのであります。これは、例えば都道府県等に責任を全部肩がわりさせるということになりますと、いわば捨て得、そういうようないわゆるモラルハザードも私はそこに出来するのではないか、そういうことでありまして、やはり直接の原因者が責任を負うということを基本に、事の枠組みを考えていくことが必要だと思っています。
○高橋(嘉)委員 いや、捨て得とか、要は、どうしても他人のうちのトイレを借りなきゃいけない。最終処分場の数が少ないんですから、これは仕方ない。しかし、そういう経済基盤の中で生きていかなきゃならない地域なわけですから。みんな責任とれとか、そんなことを言っているのではありません。もう少しお考えいただくような、その辺の柔軟性はお持ちになるべきである、私はそれを申し上げて、これ以上の御見解は聞かなくて結構ですが、再検討を要する一つの要因になり得るのではないかということだけ申し上げておきます。
 いずれ、この忌み嫌われる産業廃棄物から、受け入れて共存する道を開くのが僕は環境省の大きな役割であると思っております。将来のため、禍根を残すことなく、この問題を環境行政の転換点としてとらえていただきたいのであります。
 私の時間が短くなりまして、本会議が始まりますから、この辺で終わりにしまして、またこの問題については次回続けさせていただきますが、大臣に、大きな転換点として環境行政を発展させていただけるように、その辺のところを柔軟におとらえいただきたいということを再度申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。
     ――――◇―――――
○松本委員長 次に、第百五十四回国会、谷津義男君外六名提出、自然再生推進法案を議題といたします。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。谷津義男君。
    ―――――――――――――
 自然再生推進法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○谷津議員 本会議が近づいておりますものですから、秒読みみたいな状況になりますけれども、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
 ただいま議題となりました自然再生推進法案につきまして、提出者を代表して、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国は、国土が南北に長く、地形の起伏に富む上、四季の変化も相まって、多様で豊かな生態系を有しています。
 しかしながら、ここ数十年の間に、経済成長により国民の生活水準の向上が実現された一方で、湿原、干潟などの減少が進み、かつては身近な存在であった動植物までが絶滅危惧種となるなど、我が国の生態系は衰弱しつつあります。
 こうしたことから、今ある自然を守ることはもちろんですが、それだけでなく、過去に損なわれた生態系その他の自然環境を積極的に再生、修復することが現在の我が国の重要課題であります。
 そこで、生物多様性の確保を通じて自然と共生する社会の実現を図るとともに、地球環境の保全に寄与するため、自然再生についての基本理念を定め、及び自然再生事業の実施者等の責務を明らかにするとともに、自然再生基本方針の策定その他の自然再生を推進するために必要な事項を定めることにより、自然再生に関する施策を総合的に推進する必要があります。以上が本法律案を提出する理由であります。
 次に、本法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、この法律において自然再生とは、過去に損なわれた生態系その他の自然環境を取り戻すため、関係行政機関、関係地方公共団体、地域住民、NPO、自然環境に関し専門的知識を有する者等の地域の多様な主体が参加して、自然環境の保全、再生、創出等をすることと定義しております。さらに、自然再生についての基本理念を明らかにするとともに、政府は、自然再生に関する施策を総合的に推進するための自然再生基本方針を定めなければならないこととしております。
 第二に、この法律においては、自然再生事業を、自然再生を目的として、地域の多様な主体が連携するとともに、透明性を確保しつつ、自主的かつ積極的に取り組んで実施される地域主導の事業と位置づけ、事業の着手後も自然再生の状況を監視し、その結果を当該事業に反映させるという順応的な方法により実施されなければならないものと定めております。自然再生事業を実施するに際しては、その実施者が、地域住民、専門家、行政機関等とともに自然再生協議会を組織することとし、その協議会における協議結果に基づき、自然再生事業を実施するという仕組みとしております。
 第三に、さきに述べたような地域主導の取り組みを支援するための措置についても規定しております。まず、国及び地方公共団体の責務として、地域住民、NPO等が実施する自然再生事業について必要な協力をするよう努める旨を定めております。次に、この法律の主務大臣である環境大臣、農林水産大臣及び国土交通大臣が、NPOを初めとする実施者の相談に応じる体制の整備を図ることとしております。また、国及び地方公共団体は、自然再生を推進するために必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努める旨を定めております。
 第四に、自然再生に関し関係省庁間の連携を確保するため、環境省、農林水産省、国土交通省その他の関係行政機関の職員で構成する自然再生推進会議を設け、自然再生の総合的、効果的かつ効率的な推進を図るための連絡調整を行うこととしております。また、その際には、自然環境に関し専門的知識を有する者によって構成する自然再生専門家会議の意見を聞くものとしております。
 その他、自然再生に関して行われる自然環境学習の振興、自然再生に関する広報活動の充実、自然再生に関する情報提供、自然再生に関する科学技術の振興、地域の環境と調和のとれた農林水産業の推進等について定めることとしております。
 なお、この法律は、平成十四年十二月一日から施行することとし、施行後五年を経過した場合において、この法律の施行状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしております。
 以上が、本法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいまするようお願い申し上げます。ありがとうございました。
○松本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○松本委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、来る十五日金曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。
 次回は、来る十二日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五十分散会