第155回国会 総務委員会 第10号
平成十四年十二月五日(木曜日)
    午前十一時一分開議
 出席委員
   委員長 遠藤 武彦君
   理事 荒井 広幸君 理事 佐藤  勉君
   理事 林  幹雄君 理事 八代 英太君
   理事 安住  淳君 理事 後藤  斎君
   理事 桝屋 敬悟君 理事 黄川田 徹君
      浅野 勝人君    伊藤信太郎君
      岩永 峯一君    上川 陽子君
      小西  理君    左藤  章君
      佐田玄一郎君    滝   実君
      谷  洋一君    谷本 龍哉君
      野中 広務君    平林 鴻三君
      宮路 和明君   吉田六左エ門君
      吉野 正芳君    渡辺 博道君
      荒井  聰君    伊藤 忠治君
      大出  彰君    玄葉光一郎君
      島   聡君    武正 公一君
      中村 哲治君    伴野  豊君
      松崎 公昭君    松沢 成文君
      漆原 良夫君    西  博義君
      山名 靖英君    山岡 賢次君
      春名 直章君    矢島 恒夫君
      重野 安正君    横光 克彦君
      三村 申吾君
    …………………………………
   総務大臣         片山虎之助君
   内閣府副大臣       根本  匠君
   総務副大臣        若松 謙維君
   総務大臣政務官      岩永 峯一君
   総務大臣政務官     吉田六左エ門君
   政府特別補佐人
   (人事院総裁)      中島 忠能君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  春田  謙君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  村田 保史君
   政府参考人
   (総務省大臣官房技術総括
   審議官)         石原 秀昭君
   政府参考人
   (総務省自治行政局長)  芳山 達郎君
   政府参考人
   (総務省政策統括官)   稲村 公望君
   政府参考人
   (総務省政策統括官)   大野 慎一君
   政府参考人
   (国土交通省自動車交通局
   長)           丸山  博君
   政府参考人
   (国土交通省自動車交通局
   技術安全部長)      中山 寛治君
   政府参考人
   (国土交通省海事局長)  徳留 健二君
   総務委員会専門員     大久保 晄君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月五日
 辞任         補欠選任
  滝   実君     小西  理君
  野中 広務君     渡辺 博道君
  赤松 広隆君     大出  彰君
  荒井  聰君     伴野  豊君
  遠藤 和良君     西  博義君
  山名 靖英君     漆原 良夫君
同日
 辞任         補欠選任
  小西  理君     滝   実君
  渡辺 博道君     野中 広務君
  大出  彰君     赤松 広隆君
  伴野  豊君     荒井  聰君
  漆原 良夫君     山名 靖英君
  西  博義君     遠藤 和良君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案(第百五十四回国会内閣提出第一〇二号)(参議院送付)
 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(第百五十四回国会内閣提出第一〇三号)(参議院送付)
 電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案(第百五十四回国会内閣提出第一〇四号)(参議院送付)

     ――――◇―――――
○遠藤委員長 これより会議を開きます。
 第百五十四回国会、内閣提出、参議院送付、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案の各案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房技術総括審議官石原秀昭君、総務省自治行政局長芳山達郎君、総務省政策統括官稲村公望君、総務省政策統括官大野慎一君、内閣官房内閣審議官春田謙君、内閣官房内閣審議官村田保史君、国土交通省自動車交通局長丸山博君、国土交通省自動車交通局技術安全部長中山寛治君及び国土交通省海事局長徳留健二君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○遠藤委員長 この際、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案の両案に対し、後藤斎君外一名から、民主党・無所属クラブ提案による修正案がそれぞれ提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。後藤斎君。
    ―――――――――――――
 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する修正案
 電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○後藤(斎)委員 おはようございます。民主党の後藤斎でございます。
 ただいま議題となりました修正案につきまして、民主党・無所属クラブを代表して、その趣旨及び概要を御説明申し上げます。
 民主党は、電子政府化自体については、積極的に推進すべきであると考えております。しかし、政府案は、電子政府化を行うだけにとどまらず、住民基本台帳ネットワークの利用と拡大を行う旨の改正も含んでおります。
 国民の多くは、行政が自分の情報を勝手に収集、蓄積して活用しているのではないかという不安と不信を抱いております。現に、防衛庁による個人情報リスト作成事件が起きたのは、記憶に新しいところであります。そのような中で、十分な個人情報保護法制を整備し、国民のプライバシー保護に万全を期すことなく、なし崩し的な住民基本台帳ネットワークの利用及び利用拡大を認めるべきではありません。
 ゆえに、電子政府化に当たっては、住民基本台帳ネットワークを利用しないシステムを構築すべきであると考え、本修正案を提出することといたしました。
 次に、修正案の内容及び概要を御説明申し上げます。
 本修正案では、電子証明書は市町村長が発行することとし、電子証明書の失効申請等情報、異動等の失効情報、記録誤り等に係る情報、発行者の署名符号の漏えい等に係る情報の記録は、都道府県知事ではなく、市町村長が行うものとすること、署名検証者に対する失効情報等の提供は、都道府県知事ではなく、市町村長が行うものとすること、市町村長は、指定認証機関に認証事務を委任することができるものとすること、住民基本台帳ネットワーク利用事務を追加する改正規定は削除することを主な内容としております。
 以上が、ここに修正案を提出する理由及び概要であります。
 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○遠藤委員長 これにて両修正案についての趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○遠藤委員長 これより各案及び両修正案を一括して質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上川陽子さん。
○上川委員 おはようございます。自由民主党の上川陽子でございます。
 今会期から、総務委員会の方に所属をさせていただくことになりまして、そういう意味では、きょう、このオンライン三法が初めての質問ということでございますので、大臣初め、よろしくお願い申し上げます。
 政府は、昨年の一月に日本の国家戦略として、二〇〇五年までに世界最先端のIT国家になるということを目標に、今、e―Japan戦略に基づいたさまざまなプログラムにつきまして精力的に取り組みをしているということでございます。この間、日本の社会全体のIT化というのは著しい進歩を遂げているわけでありますけれども、同時に、諸外国のIT事情ということにつきましても、大変進展が激しくて、日本の動きよりもはるかに大きなものがあるというふうにも思うわけでございます。
 e―Japan重点計画二〇〇二ということで、ホームページを開かせていただきました。e―Japan重点計画の概要ということで、ここにございますけれども、この中で見てみますと、例えば、インターネットの普及率の国別順位ということにつきまして見てみますと、一九九九年の九月時点で、日本の場合には二一・四%の普及率、それが今の段階では何と四四%と倍増しているわけであります。しかし、順位を見ますと、片方は十三位でありますが、ただいまのところ十六位ということでありまして、これは、ほかの国が大変大きく努力しているということでございます。また、電子政府の進捗率ということの比較もございまして、これは二〇〇二年の段階でございますけれども、日本は、何と十七位という水準であって、進捗度ということでいきますと三〇%という状況である、こういうデータもこの中に載っているわけでございます。
 そんなことでございまして、あと数年で二〇〇五年という目標の年次になるわけでありますが、この中で世界最先端のIT国家になる、こういう目標でございまして、この間の努力というのは大変大きくしていかなければいけないということでございますが、具体的にどのような方針で、どのような意気込みでというか、お取り組みになられるのか、ぜひ大臣の御所感をお願いいたします。
○片山国務大臣 今、上川委員からお話ありましたように、日本も懸命にIT革命の推進に努力しておりますが、よその国も同じように頑張っておりまして、相対的には順位が下がったものもございます。特に、今我々が考えております電子政府の順位が十七位というのは、これは、進み方を調べる尺度がどうも税金とパスポートと自動車の登録みたいなんですね。日本はそれがこれからですから、ちょっと順位が落ちておりますが、これが進んでいきますと、私は、かなり上に行くんじゃなかろうか。
 いずれにせよ、二〇〇五年までといいますと、あと三年後でございますけれども、世界で一番進んだIT国家になる。特に、インフラの方はかなり進んでいるんです。光ファイバーが一千万世帯、それからその他の高速ネットワークが三千万世帯、これが安い料金で常時アクセスを可能にする、もうそういうインフラはできているんですね。ただ、実際に加入している方がまだ少のうございますので、高速道路ができたけれども自動車が少ないという状況ですから、これから自動車を多くしていくということが大きな課題になろうかと思います。
 e―Japan戦略の中で四つの大きな課題の一つが、電子政府、電子自治体でございまして、これは当面は、似たようなことを答弁させていただいておりますけれども、行政手続約五万二千件を平成十五年度までに原則オンライン化する、こういうことでございまして、その中には、一番利用が多いパスポート、不動産登記あるいは自動車登録あるいは厚生年金、国民年金、こういうものもこういうことの中に取り込んでいこう、しかも添付書類も省略していこうということを今回のオンライン三法の一つの中に書いておりまして、当面は、来年度中に申請、届け出を全部オンライン化して、それからその後は、電子調達、税金の関係で電子申告あるいは電子納税、こういうことを順次アクションプランに従ってやっていこう、こう考えているわけでございます。
 同時に、この際、電子化にあわせまして、行政のあらゆる事務の見直しを行いまして、行政運営の簡素化、効率化もやりたい。国民の皆さんでは便益の増進、行政の方では行政の簡素効率化、こういうことをやっていこう、こう考えておる次第でございます。
○上川委員 今大臣の方から、四つの大きな課題の一つということで、電子政府、電子自治体というところに積極的に取り組むということでございまして、特に、インフラについてはかなり進んできている、あとはソフトだ、こんなお話もございました。
 今回の三法、行政手続のオンライン化、国民との接点という意味では一番初めにつくり上げる部分でございますが、全体の電子政府あるいは電子自治体の中の位置づけとして、本法案の持っている意義あるいは役割、位置づけ、この辺についてもう一度お聞かせいただけたらと思います。
○大野政府参考人 国民の方々にとりまして、行政といいますものは、いわゆる窓口での届け出とか申請というものが一番大きいわけでございます。従来、紙情報で申請、届け出をしているんですが、これは法令に根拠がありまして、書類とか文書で申請しろ、こうなっているものですから、今回オンライン化の三法案を出させていただきまして、従来どおり書類でも文書でもいいんですが、御希望の方はインターネットで電子情報でも結構でございます、こういうことにするのが法案でございます。
 あわせて、電子情報は目に見えないものですから、従来の文書の場合の署名捺印にかわるものとして電子署名をつくるということなものですから、公的個人認証法案というものも出させていただいて、三本一緒に電子政府、電子自治体の実現を図る、こういうことでございます。
○上川委員 電子政府の先駆的事例ということで、申請手続、先ほどの大臣の中に、パスポートとか不動産登記とかで五万二千の手続ということでありますが、既に先行している事例も幾つかあるということでございます。五十年代は関税関係で取り組まれていますし、また、特許の関係でも六十年代から開発が進められまして、平成二年にはとりわけ特許、実用新案のオンライン申請についてもスタートしているということでございます。
 実は私は、特許庁のペーパーレス化等、工業所有権に絡まる実用新案とかそういうもの、特許のところの電子出願あるいは電子媒体上の審査というものの実現の時期に、法案の改正の部分でちょっとかかわった経験がございまして、その当時の状況は今のような状況ではございませんでしたので、大変イメージを膨らませるのに苦労いたしました。当時は、オンライン出願がどの程度いくのか、先ほどのお話ですと、書面もこれまでどおりできますし、同時に電子オンラインの申請もできるということでありますが、その特許法のときにつきましても、どのぐらいオンラインが普及するのかというのは全く見当もつかない状態でございました。
 資料をちょっと取り寄せさせていただいたんですけれども、今、特許の関連でいきますと、電子出願の比率というのは、平成二年の十二月にスタートした当時は四三%の状態だったものが、平成十四年の三月、ことしの三月の段階で何と九七%、国際の特許出願においては九九%ということで、ほぼ全部がオンライン出願をしている、こういう現状がございます。十年ですね。これは私も驚くべき結果だったわけでございますので、この後、ほかの分野についても、恐らくスタートし始めると急速に進展していくのではないかということも予想されるわけでございます。
 ただ、特許の関連の場合には、電子出願をするときの端末の配置というのは申請者である事業所等が中心でありますので、そういう意味では、非常に限られたネットワーク、仕組みになっているわけでありますが、今回の電子政府ということになりますと、国民のお一人お一人、御家庭の端末と結んで、そこからアクセスできるという意味では、けた外れの広がりを持ち得る可能性がある、そういう分野であるというふうに認識しているわけでございます。
 これから、そのシステムの開発、さらにはインフラの整備ということではかなりほかの国に比べて進んでいるというお話でありましたが、これから集中的にシステム開発を進めながら、そしてオンラインの申請ができるようにするということでありますけれども、そういう意味では、先行事例というのは少ない中で大変生かしていくべきものを含んでいるのではないか、こんなふうに考えております。
 そういう意味での前向きな取り組みをお願いしたいところでございますが、この点につきましてのお考えをぜひお聞かせいただけたらと思います。
○大野政府参考人 今議員御指摘のように、特許庁の電子出願システムなどの先行事例も随分あるわけでございますので、特に、ペーパーレスでやる内部の事務処理なんかは大変参考になるものですから、そういった先行事例を生かしながら、多くの場合の申請、届け出は汎用的に扱えるものですから、汎用の受け付けシステムなどの共通の仕様も各省庁にお示しをいたしまして、できるだけ安い経費で開発を進めるというふうにしたいと思っております。
○上川委員 ぜひよろしくお願いをいたしたいと思います。
 先ほど大臣の方から、今回のオンライン化の対象となる行政手続の数ということで、国民と国、地方自治体の間の申請、届け出の部分と、それから行政機関相互のものを足し合わせて五万二千という手続ということで挙げられておりましたけれども、それが最終的に実現した場合の、あるいはその過程の中で期待されるような効果ということでいきまして、そのメリット、どういうものを具体的に考えていらっしゃるのか。ちょっと先ほど触れられたわけでありますが、もしよろしければもう少し具体的にお聞かせいただければありがたいと思います。
○片山国務大臣 五万二千件の中で、二万件ぐらいが国民の皆さんが直接役所とやりとりする、残りの三万幾らが行政機関同士ですね。
 それで、どういうメリットがあるかといいますと、手続のために役所に出かけていく時間や手間やコストがなくなりますね、職場や自宅から申請、届け出ができるわけですから。しかも、二十四時間受け付けますから、都合のいいときにインターネットで送ればいい、こういうことになります。それから、ワンストップサービスなんかをこの機会にあわせてやりますから、そういう意味では処理する時間が大変短くなる。こういう具体的なメリットが国民の皆さんにあると私は思います。
 役所の方も、先ほど言いましたように全体が電子化されるわけですから、手間が簡単になって時間も短縮されるし、この機会に要らない様式だとか添付書類はやめよう、あるいはやり方も変えよう、こういうことになりまして、役所自身のいわば業務改革というんでしょうか、広い意味で言えば行政改革にもプラスになる、こういうふうに考えているわけでございます。
○上川委員 ありがとうございました。
 今のお話の中で、五万二千の手続の中で、二万一千が国民と国、地方自治体の関係で、行政機関相互の手続が三万一千ということでございますが、窓口に行く手間が省けて、二十四時間サービスが可能である、こういうことで大変国民にとってもメリットが大きい、そして同時に行政の方でもメリットが大きいということでございます。
 特に、国民にとって窓口との接点というのが非常に大きいわけで、その窓口という意味では、地方自治体の機能というのは大変大きなものがある、こんなふうに思うところでございます。そのためには、市町村のシステムがきっちり整備されて、そしてそれがしっかりと国のネットワークの中にもつながっていく、ちょっとなかなか舌があれなんですが、LGWANと霞が関WANということでございまして、そこの二つのネットワークというのがこれから大事になるということでございます。
 ちょっと問い合わせさせていただきましたところ、今、LGWANの現時点の接続というか、システムが整備されている団体というのは二百三十七団体で、年度末に四百三十五団体の整備が完了する予定、こんなふうに伺っております。全体として市町村は三千二百四十あるわけでございますので、これを差し引きますと、残り、来年に二千八百五団体というところを頑張っていただかなければいけないというふうになるわけでございます。
 この自治体の中には大変小規模な自治体もあるわけでございまして、システムの整備をしている段階で、地方自治体間の格差がまたさらに広がることになっても困るということでございますので、そういう意味では、国として万全の支援体制をとっていただかなければいけない、こう思うわけでありますが、これまで地方自治体に対してどのような取り組みをされてきたのか。
 また、ここで二百三十七団体、既にシステムを整備しているわけでありますが、そうした過程の中で、具体的にこういうことをしてほしいとかこういう課題があるとか、こういう現場からの御指摘についてどういう形で集約、把握されていらっしゃるのか、どういうものがあるのかということについてぜひお聞かせいただければと思います。
○大野政府参考人 まず、LGWANは、行政同士の間の電子データのやりとりに使うわけでございまして、これはやはり十五年度中には各市町村まで含めまして接続を今お願いしております。実際に、電子政府、電子自治体のシステムを動かすことになりますと、その中で情報をやりとりするというふうになるものですから、これはぜひお願いをするということで、そのための財政支援措置も、かねてから交付税措置でやってはおりますが、これはこれでもっときちんと十分なものにしていきたいと思っていますし、それからシステム、ソフトの方につきましては、かねてから片山大臣が一緒に共同でやったらどうか、こういうふうに言っておられますので、そういうふうにやる場合に、私どもも実証実験などの財政支援というものについて工夫をしてまいりたいと思っております。
○上川委員 ちょっと後半、もし自治体からの御要望とか御意見とか課題とかということで把握されていらっしゃるものがあれば、ぜひ二、三お聞かせいただければと思うんですが、いかがでしょうか。
○大野政府参考人 今、各県でありますとか、それから政令市も含めて、自治体の方々の電子自治体の構築に係ります御要望をお聞きしていますと、やはり当面、まずは受け付けシステムなり、そういうシステム開発に膨大なコストがかかる。もちろんこれは中長期的に見ますと行政の事務経費が削減されるということがありますので、そういうことを背景にしながらとりあえずはシステム開発を進めていただくということでありますが、そうはいいましても、一時的にそのシステム開発経費が相当かかるものですから、これに対する財政援助をぜひ要望したい、こういう声が、都道府県もそうでございますし、市それから町村も含めて大変多うございます。やはりこれに対する何らかの対応というものをしていきませんと、実際にはシステムができませんと動かないものですから、何とかその御要望におこたえをしなければならない、このように思っております。
○上川委員 ぜひ国として、共同の開発パートナーという位置づけの部分で地方自治体が頑張っていただかなければいけないという意味では、本当にきめ細かな課題を共有しながら、またその解決に向けても協力しながら、国民に対しては同じサービスを提供する公のものでありますので、そういう意味での前向きな取り組みをぜひお願いいたしたい、こんなふうに思います。
 次に、先ほど大臣の方からも少し触れられた点でございますけれども、私は、地方自治体のLGWANということでいろいろお伺いする中で、特に、これから地方分権が進んでいくということになりますと、地方自治体の権限、あるいは地方自治体がみずから政策とか事業を立案していくという意味で、今中央と地方の間ではある意味で情報の格差と言えるようなギャップがあるように思うわけであります。また、省庁間の縦割りの連携の中で、縦の中の情報は流れるけれども横の情報がなかなか流れにくいというような問題もあるわけでありまして、そういう問題を解決するという意味でも、電子政府、電子自治体に、先ほど申しましたようにパートナーシップを持って取り組んでいくということが非常に大事ではないか、こんなふうに考えているわけでございます。
 そういう意味で、行政情報の共有化、また縦ではなくて総合的に情報にアクセスするという意味で、非常に大事な段階に来ているんじゃないか、こんなふうにも思うわけでありますが、この行政情報の共有化という観点で、これについてのお考えと、さらに、そういう面で進めていくことについての意識というか、そういうものの取り組みということについてお願いをいたします。
○大野政府参考人 今委員御指摘ございましたLGWANでございますけれども、これは本来は、都道府県、市町村含めまして、自治体の行政情報の共有のためにつくっているシステムでございますけれども、実は霞が関WANというのもありまして、各省庁は御自分のところのLANを、またこれを霞が関WANにくっつけておりますから、この霞が関WANとそれからLGWAN、この四月から接続がされたわけでございまして、こうなりますと、メールなどはもちろんでございますけれども、文書交換も当然できるわけでございまして、膨大な電子文書の交換もできるということでございまして、これは一種の行政同士だけの専用回線でございますね。したがいまして、これを使いまして、政策情報などをお互いにもう少し引っ張り出せるような工夫が十分できるんじゃないかと。これは基本的にはインターネットには接続しておりませんから、公務員であるといういわば認証をすることによっていろいろな情報をやりとりできる工夫もできる、このように思っております。
○上川委員 システムというかインフラが整備されると、そういう意味では、いろいろな利用という意味で可能性が広がるわけでありますので、ぜひそういう可能性もこの整備の段階で引っ張り出せるような柔軟な観点で取り組んでいただけたら、こんなふうに思います。
 同時に、先ほどもちょっと大臣が触れていらっしゃいましたけれども、国民に対してのサービスということと同時に、行政サイドの業務の効率化あるいは業務の改革という意味で、このプロセスは非常に大事じゃないか、こんなふうに思っております。
 今、行政の改革ということでありまして、業務の見直しとかあるいは不要なものについては廃止するというようなことも、国を挙げてもやられているわけでありますけれども、なかなか手段がないとできないということでありまして、このオンライン化あるいは行政手続のオンライン申請というようなことを踏まえて、今までむだな業務あるいは効率の悪い業務についての、中で頑張っていらっしゃるスタッフの皆さんが、ある意味では中から改革をしていくという意味で、今回の整備、電子政府化あるいは自治体の電子化というのは非常にチャンスと考えられるわけでありますので、そうしていただきたい、こう思うわけでありますが、ぜひもう一つ業務の改革という観点での積極的な御答弁をいただけたらありがたいというふうに思います。
○片山国務大臣 委員言われますように、今回のオンライン化は業務改革の大きなチャンスだ、私もこう思っておりまして、特にそれを機会に、住民の窓口サービスと、内部管理事務と、それから意思決定や金のやりとり、補助金の交付みたいなもの、大きく分けると地方自治体の仕事は三つあると私は思うんですね。これを、窓口サービスのいわゆるフロントオフィス的な仕事もバックオフィス的な内部管理の仕事も、ともにIT化、電子化していく。そういうことによって、管理的な仕事をしている人の数を減らしてサービスや福祉の方に人を重点的にしていく。
 そこで、今の市町村は能力や大小が全くさまざまですから、今回のオンライン化の場合には、一つの市町村じゃなくて、できるだけ共同でやるように、お金もかかりますし、共同でシステムを開発して設計をしてやっていく。できたものの運営は、セキュリティーがしっかりしていなきゃいけませんが、アウトソーシング、外部発注していく、外部の民間の会社にやってもらうということを考えております。こういうことをやりながら、地方自治体が本来やるべき仕事に集中的に人もお金もまとめてやっていく、こういうことをこの機会にぜひやりたいと考えておりまして、そのための準備と地方団体との意見の調整等を今やっているところでございまして、ぜひ来年度からそういうことにかかっていきたいと思っております。
○上川委員 ちょっと時間があれなんですけれども、特に国民の不安に感じている部分として、情報のセキュリティーの部分、あるいは危機が発生したときの管理の問題ということでは、相当な知識とノウハウと、そしてそれに対しての処し方ということが必要になってくるわけでございまして、恐らく職員の皆さんに対しての教育研修という面では欠かせないというふうに考えておりますが、この点につきましてどのような方針で具体的に取り組まれるおつもりなのか。お願いいたします。
○若松副大臣 市町村職員の情報セキュリティーに関するいわゆる訓練、また意識の向上についてのお尋ねですが、電子自治体の推進に当たりましては、既存業務の見直しを行いながら適切なシステム開発を進めていくことが当然必要でございます。そして、住民に信頼される電子自治体を実現するために、十分な情報セキュリティー対策の確立が何よりも大切だと考えております。
 このために、各種情報システムの構築に必要な専門知識を有するとともに、セキュリティーポリシーの運用、またはファイアウオール等最新のセキュリティー技術に関するノウハウ、これを有する人材をしっかりと育成、確保しなければいけない、このように認識しておりまして、総務省といたしましては、各地方公共団体での人材育成、確保を支援するためにこれまでも全国各地でセミナー等を開催しておりまして、今月の初めから二カ月間、各団体三名程度の情報担当者を対象にEラーニングと称した情報セキュリティー研修を全国規模で展開しております。来年一月には情報セキュリティー集中セミナーの開催も予定しておりまして、また来年度以降は、一般職員、情報担当職員、また高度なノウハウを求められる職員など、さまざまなレベルの職員の必要性に応じた研修、訓練の体系的実施を行うことで検討を進めているところでございます。
○上川委員 今の件につきましてはぜひ力を入れて取り組んでいただきたい、こんなふうに思います。
 それから、二〇〇五年ということで、最終的には最先端の電子政府、電子自治体をつくるということでございまして、高度化すればするほどその脆弱性については、これに対しての対策という意味では同じ規模で取り組んでいかなければいけないということであると思います。
 この安全性、信頼性の担保、確保という意味での取り組みということでございますが、今後、国際的なサイバーテロとかあるいは大惨事においての危機管理というような点につきまして、国全体として、この世界最先端なIT政府、電子政府ができたときの十分なセキュリティーという意味で、国挙げて取り組むべきことだというふうに考えますが、この点につきましてどういう対応をする方針なのか、また、一たんそうした事態が発生した際の対処の方針ということにつきましてもお願いを申し上げます。
○村田政府参考人 お答えいたします。
 現在の社会のように情報システムに対する依存の度をますます深めている状況のもとにおいて御指摘のサイバーテロ対策などを進めること、これは政府にとっても大変重要な課題と認識しております。
 こうした観点から、政府におきましては、平成十二年に、当時の内閣官房の内閣安全保障・危機管理室に情報セキュリティ対策推進室を設置しまして、政府の情報システムの安全確保あるいはサイバーテロ対策など、我が国の情報セキュリティーの確保に向けた諸施策を政府全体としての取り組みとして進めてきたところであります。各情報インフラ分野があるわけですが、それぞれについて、サイバー攻撃による被害の予防あるいは緊急対処の取り組みについて、政府のみならず、重要インフラ事業者自身、あるいはこれを所管する官庁、さらに内閣官房、それぞれの責任と役割分担のもとに取り組みを進めております。
 また、御指摘の自然災害時などにおける対策であります。これは大変重要な問題でありまして、政府において情報セキュリティーポリシーのガイドラインというものを示しておりまして、その中において、そうした物理的な損壊の事態に対するリスク評価を行うとともに、そうした事態に備えての非常用の予備システムあるいは情報資産のバックアップなどを行うよう、それぞれ各省庁に対し、また省庁を通じてインフラ事業者に対して必要な措置を講じるよう指導しているということでございます。
 今後とも、さまざま状況を想定して、情報通信インフラを初めとしたインフラ分野全体の安全確保あるいは緊急時の対応について全力で、また官民連携のもとに取り組んでまいりたいと思っております。
○上川委員 電子政府ということで、日本が国家戦略としてこの分野について全力で取り組むわけでございますが、とかく、明るい面、光の部分については議論が前向きになるわけでありますが、いろいろ影の部分、例えば個人情報のセキュリティーの問題、あるいは今申し上げたような国際テロの問題、こういうものに対しての脆弱性対策についてはなかなか表に出てこないということでございますので、どうぞ、国民の不安を払拭できるようにお取り組みいただけたら、こんなふうに思います。
 時間が過ぎましたけれども、御質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、山名靖英君。
○山名委員 公明党の山名靖英でございます。
 今回のオンライン化三法、大変論議も尽くされてまいりまして、いよいよ大詰めに来たのかな、こういう思いがいたしておりますが、行政はいつの時代にあっても、住民のため、国民のため、まさに簡素で効率的な運営に努めなければならないわけでございまして、かつ、国民の負担がいかに軽減されるか、ここにやはり視点を置いていかなければならない、こういうふうに思います。今回のオンライン化三法は、いわゆる電子政府、電子自治体、これを構築する上で極めて、最も基礎的な部分になるわけでありまして、このオンライン化が構築できない限り電子政府、電子自治体の構築はあり得ない。そういう意味では、非常に大事な法案だと思っております。
 先ほどからるるお話がございまして、その電子政府、電子自治体の国民に対するメリット、こういったものはほぼ理解できるわけでありますが、どうも国民の側に立ってみれば、オンラインで自分たちの利便性といいますか、行政サービスが具体的にどうなるかということについてはなかなかわかりにくい部分がどうしてもあるわけでございます。ましてや、家庭でインターネットを通してそういう事務手続ができる、こう言っても、まだまだ、いわゆるデジタルデバイドといいますか、そういう格差も依然として存在をしている。一方で、そういったものの格差是正にしっかりと取り組んでいかなければ、何となくこういったIT社会の中に取り残される、そういういわば影の部分もなくならない、こういう思いがいたします。
 したがって、まず最初に大臣にお聞きしたいんですが、国民の側に向けてこのメリットというかそういうものをしっかりと強調するとともに、安心して利用できるような仕組みの説明というか、アカウンタビリティーをやるべきではないか。そういう意味での広報宣伝、これについてどのように今後努力をされるのか、まずお伺いをしておきたいと思います。
○片山国務大臣 言われるとおり、この三法がなければ電子政府、電子自治体はできないんですね。今はとにかく、特別の分野を除いては、全部書面でなきゃ申請、届け出は一切するな、こういうことですから、申請、届け出の電子化もできませんし、これからやる電子入札も電子納税も、全部それができるという法的な根拠が要るわけですね。そういうことをこの三法の中で手当てする法律ですから、そういう意味ではぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
 そこで、今委員が言われますように、国民にメリットをわかりやすく言え、それが安全だということもあわせて教えろ、まさにそれがポイントだと思います。
 何度も同じことを言いますが、自宅や職場から手続が二十四時間できるようになるし、そういう意味での大変な手間や労力や時間が省略される、便利になる、こういうふうに思います。時間も短縮されるというメリットがありますし、行政側にもメリットがある。そこで、安全の方は、これはセキュリティーを、この電子政府は各省庁全部やるわけですから、内閣が中心になってセキュリティーポリシーをつくり、基準をつくってそれを守ってやるということについてのさらに意欲的な、この法律を通していただければPRをいたしたい、わかりやすい説明を国民に重ねていたしたい、こういうふうに思っております。
○山名委員 今御答弁いただいたわけですが、最終的に便利になっても、やはり国民にとって気になるのは、個人情報が漏れはしないかとか、そういう意味でのセキュリティーの確保ということでございまして、お話しのように、これから二十四時間アクセスが可能で、そういう手続が可能になるわけであります。ということは、二十四時間セキュリティーを確保する、こういうことも一方で当然必要でありまして、休むわけにはいかないわけであります。
 そういう意味では、国民の信頼をどうかち取るか。影の部分ばかり追及してやる前から不安をかき立てる、これは私はおかしいなと思うんですが、確かにこの世界はもう国境がないわけです。諸外国を見ても、やはりサイバーテロを含め、そういう意味での不安というものは一方で続出している。こういう意味で、今後しっかりとしたファイアウオール、セキュリティーポリシーもそうでありますし、加えてソフト開発ですね、そういうセキュリティーのためのソフト開発、こういうところにもしっかりと力を注いでいかなきゃならないんだろうと思っております。
 そういう観点から、総務省として、例えば来年度予算でどういったセキュリティー対策のための措置を要求しているのか、考えているのか、その辺についてお聞かせいただきたいと思います。
○大野政府参考人 今、議員御指摘のように、電子政府あるいは電子自治体を構築する場合に、インターネットを使いまして国民の方々がさまざまな手続ができるようにしようということでございます。
 インターネットというのは、よく御案内のとおりだと思いますけれども、セキュリティー面の非常に弱いものでございますので、これをIT技術を使いまして強化するということがどうしても必要でございますし、それから、行政の方が受け取りました国民の方々に関します情報、これをきっちり保護していくということも大事でございまして、私ども総務省といたしましては、来年度の電子政府、電子自治体を推進する場合に、プライバシー、セキュリティーに配慮した電子政府、電子自治体を推進する、こういうことで関連の予算を要求させていただいているところでございます。
 ちなみに、幾つか具体的に申し上げますと、今、議員御指摘のようなネットワークのセキュリティー、こうしたものの基盤技術というものをまず進めなければならないということでございまして、従来からこれも進めておりますけれども、来年度も、ネットワーク系のセキュリティー技術あるいはアクセス系のセキュリティー技術、こうしたものの基盤技術を推進することにいたしております。
 そしてまた、国民の方々に情報セキュリティーについて十分知っていただくということも必要でございまして、こういうセキュリティーに関しましてホームページを設けまして、国民の方々に対する意識啓発を図っていきたいと思っております。
 そしてまた、かねてからソフトのOS、基本ソフトにつきましていろいろな議論がございますので、このセキュアといいますか、安全なOSといったものに対する調査研究というものも来年度予算で要求をしておりまして、これはネットワークのセキュリティーを確保するという観点から、いわゆるオープンソースのソフトウエアも含めまして十分に調査研究をしようということでございます。
 そしてまた、プライバシーの保護対策ということでございますが、厳重に国民の方々のプライバシーを保護するということにつきまして、IT技術を活用してやる工夫につきまして調査研究も進めてまいりたい、こう思っておりますし、特に当省のシステムにつきましては、これは総合システムでございますが、不正アクセスを二十四時間一元的に監視する、こういったことも考えた監視システムということにつきまして予算の要求もしているところでございます。
○山名委員 この電子政府、電子自治体の構築は、やはり地方分権、地方主権といいますか、こういったものの推進がやはり基調にならなければ意味がないと思います。何となく、国が管理するような、こういう批判というか見方も一方であるようでございますが、やはり地方分権という観点に立ったこれの推進というものが必要だろうと思います。
 そういう意味では、特に地方自治体におけるポータルサイトで、ワンストップサービスといいますか、従来の縦割り行政の弊害、こういうものが除去される、こういったもので地方附帯の情報が発信できる、こういうシステムもきちっとこれは担保しなければならないだろうと思います。そういう意味で、このワンストップサービスについて、どういうような方向性でどういう内容を持ってこれから取り組もうとされているのか、この辺についてお聞かせください。
○大野政府参考人 国におきましては、各省庁の届け出などにつきましてワンストップでできるようなサービスを提供できるように今考えておりますが、実は、住民の方々から見ますと、国も、そして都道府県、また御自分の身近な地元の市町村の分も含めまして、国も地方もすべて窓口手続がワンストップでできれば一番いい、こういうふうに思われるわけであります。
 しかも、これは手続を、一つのサイバースペースといいますか電子空間上にポータルサイトをつくればいいわけですから、実際の行政分野と必ずしも関係なしに一つの窓口上に電子的に構築できるということなものですから、例えば、住民の方々のライフサイクルといいますかライフイベント、出生、それから例えばお亡くなりになる場合もありますから死亡とか、それから転出転入の関係、引っ越しですね、そうしたライフサイクルごとに国、地方の手続がどんなものがあるのか、そこにアクセスすれば一発で出てくる。しかも、大体、基本四情報はみんな書くようになっているわけですから、一回書けばあらゆる手続に、必要な手続に全部書き込める。そしてまた、余分に必要なデータは書き込む必要はありますけれども、基本的には必要な手続に一回で申請、書き込みができる、こうなれば大変便利がいいわけでございまして、まさにこれが身近なワンストップサービスになるだろう、こう思っております。
 私どもでも、地方団体の方でそういうサービスが提供できるように、技術的な問題もございますし、それから国の各省庁とのやりとりもございますので、制度的な問題も含めまして、モデル的なシステムをつくってみて、これを全国に普及させるようなことが必要ではないか、このように考えております。
○山名委員 その辺しっかりお取り組みをお願いしたいと思います。
 それで、住基ネットについての本格的な稼働、これは来年からになるわけですが、その基本が住基カードの発行ということになるわけですね。住基カードについては、本人確認四情報、これを含めて、市町村が行う行政サービス、こういったアプリケーションが搭載できるわけでありまして、そういった意味では、今後さらに住民への情報発信といいますか利便性が高まっていくだろう、こういうふうに思います。
 そこで、ICカード、カードそのものが大変住民にとって、国民にとって負担になるようなものであれば、わざわざお金を出して買う人も少ないだろうと。やはりそこにおける、行政面といいますか、そういう負担に対する支援というものも必要ではないか、こういうふうに思っておりまして、そういう意味で、カードの準備状況並びにカード料金に対する負担軽減策、これについてお聞かせをいただきたい。
 あわせて、地方公共団体にとって、このオンラインシステムの導入に伴ういわゆる地方負担、これはやはり軽減していかなければならないし、それなりの国の支援が必要であろう、このように思います。先ほど大臣も、できるだけ費用がかからないように、アウトソーシングの問題あるいは共同システム化とか、そういうこともあわせて工夫をしたい、こういうふうな御答弁もございましたが、もう少し具体的にこの地方負担軽減に対する国の支援策、あわせてお答えをいただきたいと思います。
○芳山政府参考人 住民基本台帳カードの準備状況ないしは地方団体の導入についての支援の措置等でございます。
 来年の第二次稼働について、住民の皆様から申請があった場合、市町村が交付するわけでございまして、特に、今先生御指摘がありましたように、法律に基づく利用としての広域交付なり転入転出の特例なり、法別表に基づく本人確認以外に各市町村の条例でもってさまざまな面で利活用を空き領域の中でやっていくということで、非常に重要だろうと思っております。
 準備でございますが、住基カードの使用につきましては、今、写真のあるのとないのの二種類を用意していまして、写真のある場合には身分証明書として活用ができるというわけでございまして、これらを含めて、記録、どういうことを内容にしていくか、ないしは運用をどうするかという項目について、政令ないし省令において定めるということで準備をしております。
 なおまた、ICカードそのもののセキュリティーが非常に重要になってまいりますので、セキュリティー基準を総務省の告示で策定する。特にその中で、パスワードの入力における本人確認とか、カードとシステムとの相互認証とか、また利用項目の中のファイアウオールの設定とかいうようなことについてセキュリティー基準をつくるというように考えております。
 そういうことで、ICカードが正常に稼働するかどうかの動作確認を行った上で、市町村がカードを順次採用していくということになろうかと思いますが、お尋ねのありましたカードの負担軽減というものにつきましては、我々は、来年度の地方財政の措置の中で、具体的に住民の皆様になるべく負担がかからないように地財の措置を検討していこうというぐあいに考えておりますし、また、市町村におけるカードの購入につきましても、規模の大きな自治体ないしは小規模自治体、それぞれ対応が異なってくるだろうと思いますので、きめ細かに対応してまいりたいというぐあいに思っております。
○山名委員 住基カードにつきましては、今もありましたように、すべての住民が希望すればそれが持てるわけでありまして、それだけに、カードが持つシステムそのものをしっかりしておかないと、この制度そのものを根底から覆す、崩壊させる、こういうことになってしまうわけでございます。そういう意味では、お話ありましたように、住基カードのセキュリティー確保、紛失のときにどうするのか等を含めまして万全を期してもらいたい、こういうふうに思います。とともに、高齢者とかあるいは障害者の方々にとってやはり使いやすさという面で工夫もしていく必要があるんじゃないか、こう思います。あわせてその辺の御検討は今後の課題としてぜひお取り組みをお願いしたいと思います。
 そこで、これはちょっと通告していないんですが、六十万人を超える在日外国人の方々、現実に日本に永住、定住していらっしゃる方ですね、そういう方がこのオンライン化法の利便性をどこまで享受できるのか。当然、住基台帳法に基づく記載が、いろいろと現実問題としては問題があるわけでございますが、そういう意味で住基ネットそのものが使えない、こういうこともあります。しかし、このオンライン化法による住民サービスの享受ということを考えていかなければ、六十万を超えた在日外国人の方々への利便性もやはり存在しないわけでありますから、そういうことにつきまして、今どのようにお考えになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○大野政府参考人 私どもが今お願いをいたしております公的個人認証法案は、住基台帳に登録をされている方を対象にする、こうなっておりまして、したがいまして、今議員御指摘の外国人の方はこの公的個人認証サービスにあずかれない、こういうことでございます。
 しかしながら、さまざまな行政手続はそういった方もおやりになるわけでございますので、その場合の御本人の確認、成り済ましがないかどうかが確認できるシステムというのは、これは必要でございます。ただ、法務省との関係で今一緒に委員会をつくっておりまして、外国人登録法などの既存の法律との関係もよく調整する必要がございますので、この研究会の中で議論をいたしまして、その結論を踏まえて対応してまいりたいと思っております。
○山名委員 今も出ました公的個人認証サービス、都道府県が電子証明書を発行する場合に、その事務処理は大臣が指定するいわゆる指定認証機関に委託をするわけでございます。これで問題ないのかということなんですね。
 これは、民間のそういう指定認証機関、ここに委託をするにしても、極めて高度なセキュリティーと運用ノウハウ、こういったものが要求されるわけでありまして、民間を信用しないという意味ではありませんけれども、きちっとした基準を定め、そして指定をする、こういうことではありますけれども、その辺の心配について明確に、心配ないんだ、なおかつ、都道府県の裁量権といいますかこういったものも確保する、こういった観点からの御答弁をぜひお願いしたいと思います。いかがでしょう。
○大野政府参考人 今議員御指摘がございましたこの指定認証機関でございますけれども、これは法人が想定されるわけでありますが、認証業務をやるということになりますと、運用技術はもちろんでございますが、職員の方々の行為の規範、あるいはシステム、設備等につきましても相当高いセキュリティー基準を満たしていただくことが必要であります。
 そうした意味合いから、総務大臣の指定をするというふうにしているわけですが、具体的には、職員、設備、認証事務などの実施の方法その他の事項についての認証事務等の実施に関する計画が適切である、こういったことが法律的な要件になっておりまして、これは商法法人でも民法法人でも構いませんが、そうした高いセキュリティー基準を満たしている法人、そしてまたこれは複数の法人でも構わないということでありますが、申請に基づきましてきちんとした大臣の指定をするということになるわけでございます。その意味では、一定の技術的基準というものをきちんと守っているかどうか審査をした上で大臣が指定するわけでありますので、御懸念のようなことはないと思います。
 また、都道府県が電子証明書の発行業務をやるというのが法の建前でございますけれども、それを委任することができるのは知事が委任できるわけでありまして、総務大臣が指定した認証機関の中からどこにするかは、これはもうまさに知事の判断でございまして、御自分の、各県の地域の事情に応じまして知事が判断をされるということでございます。
○山名委員 証明書あるいは許可証等現物交付、あるいは出頭する、対面して審査をしなきゃならない、こういった手続については今回除かれているわけでありまして、それがオンライン化になじまないものとして三十四法律、二百二十件といいますか、そういう手続だ、これがオンライン適用除外ということになっておるようでございます。
 しかし、これらがなじまないといっても、やはりこれからのIT国家樹立のためにはそういったものも含めて一つ一つしっかり点検をしながらより一層利便性を高めていく、こういう方向性も私は必要ではないかと。したがって、今回のオンライン化に適用除外になったものについて、今後どういうふうに精査をしていかれるのか。とともに、五万二千にわたる行政手続、これについてさらに一層の簡素化、効率化を図っていく必要があるんではないか。一方でそういうオンライン化を図るとともに、残されたものの一層の簡素化、効率化、こういう観点からの取り組みの方向についてお考えを最後にお聞かせいただきまして、質問を終わらせていただきます。
○大野政府参考人 実は、行政手続のオンライン化につきましては、従来は各個別法で、先ほどお話がありました特許の出願など、こういうことにつきまして工業所有権法などで特例的にオンライン化できるというふうにして既に進めてきたわけでございますが、今回オンライン化三法案を出させていただきまして、行政手続のオンライン化を加速するために、この際、原則的に、あらゆる行政手続につきまして、従来どおり書面でもよろしいわけですが、オンライン化できるという原則を決める、こういう法律の組み立てにいたしました。
 そこで、さはさりながら、オンライン化になじまない、現在のままの行政手続でございますとオンライン化になじまない手続も一部は残る。それが、例えば御本人に来ていただく必要がある、対面が必要である、それから何かどうしても携帯すべき許可証なり証明書というものを現物で交付しなきゃならない、こういったものは現在のところオンライン化になじまないわけでございますので、これは適用除外をする。そのかわり、適用除外したものにつきまして、ネガティブリストとして、今議員御指摘のように具体的には三十四法律、別表で書いているわけでございますね、手続的にはもう少し多いわけでございますけれども。
 これは逆に言うと、ネガティブリストに残っておりますけれども、将来におきまして、手続のやり方を工夫する、これによっていずれはオンラインにできるように持っていくという、いわば説明責任がネガティブリストにはある、こういう意味でございまして、それでいいということではないわけでございまして、いずれこのネガティブリストが減っていくことが望ましい、こういう法律案の組み立てになっているわけでございます。
 そしてまた、おっしゃるように、手続につきまして現在の流れを簡素化、効率化する、これは当然でございまして、法律にもそのような文言があるわけでございますけれども、現実に、オンラインになれば受け付け時間は二十四時間になるわけでございますし、それから、さまざまな添付書類、これも大幅に省略、廃止をするというふうなこともしておりますし、申請様式そのものも見直してしまうというふうなこともやりましたが、それとあわせまして、オンラインをするための具体的な効果として国民の方々にお示しをするということが必要だろうと思っております。
 また、いわゆる各省庁のCIOという責任者の会議も九月につくりまして、そこでも、今後とも手続の簡素合理化、効率化につきましてITを活用するというふうにしているわけでございます。
○山名委員 いずれにいたしましても、国民のため、住民のために、IT国家戦略、これに基づく一層の推進をぜひお願いしたい。とともに、影の部分と言われる不安材料については、明確にそういったものをしっかりと除去する、そういう努力を引き続き一層やっていただくことを最後にお願い申し上げまして、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○遠藤委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○遠藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。中村哲治君。
○中村(哲)委員 民主党・無所属クラブの中村哲治です。行政手続オンライン化三法案について質問をさせていただきます。
 私たち民主党も、行政手続のオンライン化については必要だと考えております。その趣旨については、一昨日、私たちのNC大臣である島聡委員からも申しましたとおりでございます。この行政手続のオンライン化によってどのように行政が変わるのか、問題意識を共有化するためにも大臣に確認をさせていただきたいと思います。行政手続のオンライン化の効用について、大臣はどのようにお考えなのか。
 まず、行政コストの点についてお聞かせいただきたいと思います。行政改革の観点から、行政コストはどの程度減るとお考えでしょうか。例えば、公務員の人件費二十七兆六千億円、そのうち窓口業務が一〇%、また企画、調達、設計、計画が一〇%を占めるとすれば、その半分程度、例えば二兆七千億円ぐらいは浮くのではないか、そのように考えられると思いますが、どのように大臣はお考えでしょうか。
○片山国務大臣 行政手続のオンライン化は、もう既に答弁させていただいておりますように、一つは、国民の皆さんのサービスの向上、利便性の向上になる。もう一つは、行政側では、行政の処理の簡素合理化、効率化につながってくる。こういう意味で大変な効用がある、こう思っておりますが、今委員が言われますように、それでは数字的にどうなるのか、これはなかなか難しいんですね。というのは、全部オンライン化になるわけではないんですね。希望する人はどうぞオンライン化で、書面で出したい人は結構ですと。これから始まる調達や入札や申告や納税も恐らくそういうことなんですね、二本立てです。だから、直ちにこのくらいのコストが削減になると言うことは大変困難ですけれども、いずれにせよ、私はだんだん、先ほど上川委員が言われましたように、特許ではもう九七%以上がオンラインですね。昔は四三%だった。そういうことで、全部オンライン化になってきますと、それは相当な削減になる。
 特に、地方の場合に、何度も同じことを言っておりますが、私どもは共同化をしてもらって、それをアウトソーシングしようと。それによって浮いた人員は、これは本来の福祉だとか環境だとか、そういう方に回ってもらおうと。内部管理的なことをやっている方や窓口で今人手でやっている方が、もしこれが相当な合理化、効率化ができるとすれば、本来の、本来というのもおかしいんですが、福祉や何かの方に回ってもらおう、こういうふうに考えておりまして、なかなか数字的には申し上げられませんけれども、大きな効用があるということだけ、行政改革に資するということだけ御理解をいただければ大変ありがたいと思います。
○中村(哲)委員 数字を出せないとおっしゃいまして、非常に難しいということもおっしゃいました。確かに、私も数字が出しにくいということは理解している部分があります。これはいろいろな考え方があって、やはり二兆七千億ぐらいは目標として出すべきなんじゃないか、そういう意見もあると思います。しかし、地方分権が進む中でどの程度これが実行できるのかということを考えると、数字的にはなかなか難しいんだろうな、私もそのように考える部分もあります。
 しかし、それであるのならば、行政手続のオンライン化は何のためにするのか、そこをもっとはっきりする必要があると思うんですね。先ほど大臣も、サービス、環境、そのようなものに重点を置いていきたいという話でした。質的に何が変わってくるのか、そこをもう少し聞かせていただきたいと思うんです。というのは、行政手続をオンライン化するということは、今まで公務員が機械的にやっていた仕事を機械に任せていく、コンピューターに任せていくということになります。ということは、人間しかできない仕事をするために行政手続のオンライン化をしていく、そういった考え方もできると思うんですね。
 公務員の働き方ということと、この行政手続のオンライン化というものは、非常に密接に関係してくると思います。大臣のお気持ちも多分その辺にあるのではないか。サービスに重点を置いていく、環境に重点を置いていく、福祉に重点を置いていく、そういった御答弁を先ほどされておりました。また、窓口業務や内部管理の業務というものは、このオンライン化によって減らしていく。やはりオンライン化の趣旨、理念というものは、公務員の働き方、そこに最終的には帰結するのではないかと思うのですが、まず大臣、その点について御確認をよろしくお願いいたします。
○片山国務大臣 中村委員の言われるとおり、公務員の事務処理の、難しく言うとビヘービアというのが変わってくると私は思いますね。受け付けから、それを審査する、あるいは内部的な決裁、結果の通知、保存、そういう一連のものがオンライン化されるということによって、相当そこは合理化、効率化されますから、今まで何十人かでやったことが相当な人手が減るに違いない。特に、内部管理の財務だとか人事だとか給与だとか、そういうことはもっと私はそうなるんじゃなかろうかと。そうなると、企画を一生懸命やるとか、今言いましたような福祉で人手がかかる方に回るとか、本来のそういう、処理じゃない、中身のある住民に対する直接のサービスの方に人手が回ってくる。その効用は大変大きいと思います。
 ただ、私どもの方でも数字的な、今このくらいというのはつかんでおりませんが、私は、一定の前提を置いて試算をしたらどうかといって、今関係の私どもの方の職員の皆さんにお願いしておりまして、これから本格的に取りかかるわけですから、これだけこうなると。特に、共同化やアウトソーシング化すれば、これはかなり数字が見えてくると思います。どういう共同化をしていくか、それからそれをどういうところにどういうアウトソーシングするか、これからですからね。ちょっと、なお数字的には固め切っておりませんけれども、ぜひ何らかの目安をつかめれば、こういうふうに思っております。
○中村(哲)委員 大臣から、数字の試算についても指示をしているというお話がありました。その点についての御努力に対しては、率直に評価をさせていただきたいと思います。
 私は、国会の質問というものは、制度をつくられるときの光と影の部分を明らかにすることだと考えております。先ほども上川委員から同じような発言がありましたけれども、私もそのように考えております。だからこそ、この制度の光の部分についてはきちんとまず押さえさせていただきたい。人間が人間しかやれない仕事をしていく、そのためのオンライン化なんだ。IT技術というものは、すべてのことを機械としてやっていくというためにやるのではなくて、人間が人間性を取り戻すための道具にIT化をさせないといけない。そのためのオンライン化が今回の法案の光の部分である、そこは大臣と問題意識を共有化させていただきたいと思います。
 しかし一方で、私たちは野党の立場で物事を見ますときに、新しい制度が政府の立場では見えなかったそういった影の部分をきちんと把握していく、明らかにしていくことが私たちの野党としての仕事とも考えております。今回の法案について一番私たちが影の部分だと認識しているのが、住民基本台帳ネットワーク、いわゆる住基ネットの使用をされているという点でございます。これからは、この住基ネットについての質問をさせていただきます。
 今回の政府案の最大の問題は、住基ネットを組み込んでいることである。住基ネットがなぜ問題なのかと私は思うに、やはり一億二千万人の人すべてに番号をつけて、国が国民を管理する、このことに関する漠然とした不安があると思うんですね。政府はこの不安について国民にこたえる義務があると思います。
 今まで、質問取りにいらっしゃった公務員の皆さん、また違う機会でいろいろと意見交換をさせていただくときの公務員の皆さんがおっしゃっていることは、いや、完全に安全ですから安心してください、がちがちに固めていますからセキュリティーは万全です、そのようなことをおっしゃっておりますが、そこの部分の主張というものはその公務員が言っている評価にすぎないと私たちは認識するわけですよ。つまり、事実レベルの問題として、事実認識の問題として、まだ腑に落ちていない。そこに今、この住基ネットを取り巻く問題というのがあると思います。
 住基ネットを使うことによって国民が漠然と不安に感じていること、この部分を取り除いていく必要が今の政府にはあると思います。その不安が払拭しないうちは、私たちの立場とすれば、住基ネットに反対しなくてはいけないと私は考えております。
 そこで、大臣に質問をさせていただきます。公的個人認証法案についてです。公的個人認証システムでは、住基ネットはどのような目的で使われるのでしょうか。
○片山国務大臣 中村委員、今るるお話がありましたが、一つは、この住基ネットワークは国の管理するシステムではないのです、オール地方団体の共同のネットワークですから。そこのところはひとつ、国が何ら管理するようになっていない、一種の監督責任や何かはありますけれども。そういうことでございます。
 それからもう一つ、すべての国民に番号をつける、コンピューターで処理する、ネットワークでつなぐ、これは番号化せざるを得ないんですよ。漢字化で今のネットワークに乗せたりコンピューター処理するというのが、将来は知りませんよ、今のところできていませんから、数字化せざるを得ない。だから、総背番号というのは当たっていないこともないんだけれども、総背番号が持つ何となく拘束感だとかなんとかということじゃないんですね。今のコンピューターのIT社会、ネットワーク社会で数字は全部だめだと、これはひとつぜひそういうふうに御理解を賜りたい、こう思います。
 そこで、なぜ公的個人認証システムで住基ネットが要るのか、こういうことなんですが、公的個人認証は、例えば中村先生、中村哲治委員という人が本人だということの確認をするということですね。確かに本人だ、それを証明することなんですね。今も本人で、これから何日かたっても本人だ。そのために常時、本人確認のシステムで、それが事実だという情報の提供がどこかで要るのです。そのためには、一億二千七百万ですか、その方の基本的な情報をネットワークで結んで、それが現実に本人である情報を常に提供する仕組みが要るんですね。もし住所が変わったり名前が変わったり、あるいはお亡くなりになったりしたらそれが失効しますよという、失効情報というのだそうですけれども、失効情報も常に提供する仕組みが要るので、全国的なそういうネットワークが。そこで住基ネットワークを公的個人認証システムの確認と失効についてチェックをするために使う、こういうことでございまして、その点はぜひ御理解を賜りたいと思います。
○中村(哲)委員 大臣がおっしゃって、番号をつけることがおかしいということに関してはおかしいという御答弁でしたけれども、私も番号で情報を処理していくということは否定していないのです。しかし、全国民に一律に、一番から一億二千万番までという通し番号が全国民につけられることが問題だと思っているんですね。通し番号じゃないというやじもありましたけれども、大事なことは、通し番号と私は言っておりますけれども、通し番号がつけられる、すべての国民にあまねく唯一無二の番号がつけられるという意味では表現は正確だと思いますけれども、そういったことが問題なのではないか。例えば、地域ごとにその番号の振り方を違うようにするとか、いろいろやり方はあると思います。しかし私は、通し番号をつけていくということに問題点があるのではないかと考えております。
 そこで、この論点についてもう少し深く議論をさせていただきたいという意味で、修正案の提出者に質問をいたします。修正案では住基ネットを使わないことにしております。なぜ住基ネットを使わないのでしょうか。
○武正委員 中村委員にお答えをいたします。
 この八月五日に稼働いたしました住基ネットでございますが、野党四党共同で凍結案を出しているその理由、あるいはまた、さまざまな自治体で選択制あるいはネットワークへの連結というか結びつけることの拒否等が起きていること、これは、申すまでもなく、個人情報を保護する法整備が未施行であるからといったことでございますし、もちろん、特にプライバシー保護の観点あるいは個人情報保護、いわゆるセキュリティーについて非常に不安がある、こういったところがありまして、この住基ネットワークについてのさまざまな動きが出ているのでございます。
 また、昨日も行われました個人情報保護法に関する内閣委員会での質疑でも、やはり多くの委員から、個人情報を保護する観点から、あるいは目的外使用の観点から、その公務員の方に対する罰則というものが非常に甘い。懲戒処分ということは、全体的に懲戒処分だというようなことは答弁から出るのですが、罰則ということまで踏み込んだ答弁が出ない。こういったところもやはりこの個人情報保護法、問題ありということでございまして、政府もこの法案、今国会では廃案、通常国会出し直しというようなことも聞いております中で、あえてこのオンライン三法、住基ネットを前提とした法案というのは問題ありということで、修正案は住基ネットを利用しないという趣旨にしたのでございます。
○中村(哲)委員 ただいまの提出者の御答弁の内容は、住基ネットを使うことはよくないという、住基ネットを使わないことの必要性についての御意見でした。しかし一方で、住基ネットを使わないことによって果たして本人確認ができるのか。つまり、住基ネットを使わないことの許容性についての確認をさせていただかなくてはならないと思います。
 先ほど片山総務大臣が、失効情報のチェックなどをするためには常時本人確認の必要がある、そのためのネットワークが必要であるという御答弁がありました。そこで、提出者にもう一度確認なんですが、別なネットワークを使うことによって本人確認ができるのかどうか、答弁をお願いいたします。
○武正委員 まず、住基ネットを利用せずにということでございますが、本人確認は市町村が行うわけでございまして、これは、認証業務自体を市町村に行わせることにしておりますので、市町村長は住基台帳を管理していることから、みずから保有している情報に基づいて異動等失効情報を記録することが可能であり、住基ネットを使わずにできるということでございます。
 また、霞が関WANあるいはLGWANということで総合行政ネットワークも張りめぐらされている、あるいは平成十五年度にはそれを行うといったこともありますので、あくまでも住民と一番近い基礎自治体が本人確認あるいは電子証明書の発行ということを行うことで、住基ネットを使わずにできるということでございます。
 以上です。
○中村(哲)委員 そうすると、住基ネットを使わないことの必要性も許容性もカバーされることになります。そうすると、政府案がなぜ都道府県に発行を任せることにこだわっているのかな、そのような疑問が出てくるわけでございます。
 そこで、総務大臣にお伺いいたします。都道府県に電子証明書の発行を任せる理由はどういう理由でしょうか。
○片山国務大臣 それは、今の武正提出者の言うようなことをやると大変ですよ。三千二百十八ですかの市町村に個別に照会して、時間をかけて答えをもらって、それはなかなか大変なことになって、そのためにも全国的な、瞬時に情報が得られるネットワークをつくるんですから。
 それは置いておきまして、なぜ都道府県かといいますと、この証明書の発行設備というんでしょうか、発行装置というんでしょうか、これは特別の機器なんです。物すごく金がかかる。しかも、これを三千二百幾らも市町村に全部置くなんということは、経済的に見て大変問題があるというのかな、かかり過ぎるというんでしょうか。そこで、これはやはり四十七で。
 しかも、一つの市町村でどれだけ照会が来るかという議論もあるんですよ、人口が多いところ、少ないところありましてね。それからまた、事務処理のことを言っちゃいけませんけれども、事務処理能力についてもばらつきがありますよね、今のところしようがない。そういうことの中で、三千二百十八がスムーズな電子証明書の発行が可能かどうか、あるいは失効情報をちゃんと提供できるかどうか。しかも、膨大なお金がかかることについてどう考えるか。
 そこで、やはり三千二百十八じゃなくて四十七にアクセスしてもらって、アクセスポイントを四十七にして、そこで都道府県知事が電子証明書を出す、失効情報も提供する。事務処理の信頼性から見ても、経済性から見ても、効率性から見てもその方がずっとベターである、私はこういうふうに思います。
○中村(哲)委員 発行装置に特別にお金がかかるという話ですけれども、これはそういう御答弁があるかどうかというのは事前には聞いていなかったので今お聞きしたいんですが、大体一つ幾らぐらいかかるものなんでしょうか。
○若松副大臣 証明書の発行装置、いわゆるハードウエア・セキュリティー・モジュールというんでしょうか、これの一連の特別の機器の設備ですが、大体一つのセットに対して一億前後というふうに理解しております。
○中村(哲)委員 その一億円というコストは、どのようにして計算されているんでしょうか。
○大野政府参考人 システム費用全体、設備費、それから回線の問題、施設、いろいろありますけれども、私どもが考えております仕組みといいますと、リースした場合に年間が大体一千五百万程度ですね。これを耐用年数六、七年ということで割り返しますと、一億円程度になるということでございますね。
 これはシステムの設備でございます。当然これにソフトウエアをまた別途つくりましてやらなければならないということがありますので、全体合わせますと、大体全体の年間のリース料が一台当たり二千四百万として、これを耐用年数で割り返しますと一億四、五千万か、こういう感じでございますね。
○中村(哲)委員 細かい話をして申しわけないんですけれども、この設備、ハードウエアが六、七年しかもたない、そういう理解でいいんでしょうね。
 ということは、掛け算をしますと、先ほどの大臣のお話を具体的に数字にしますと、一億五千万掛ける四十七で済むところが、修正案だと一億四、五千万掛ける三千二百十八必要になってくる。そのコストとしては、大ざっぱに言うと、百億かからないものが、こっちだと五千億ぐらいかかってしまう、それだけ違いがあるということの認識でいいんでしょうか。
○大野政府参考人 せっかく詳しくお尋ねでございますので、この際、詳しく申し上げますけれども、今、市町村ごとにこのシステムを構築する、市町村が電子証明書の発行主体になるというふうにして私どもがコストを計算しますと、年間大体五千六百億かかるんですね。全国の市町村ごとに、全国の市町村が認証局になる、こうなりますと、運用コストが約五千六百億円であります。
 それから、都道府県ごとに、都道府県がみずから認証局になる、こういう場合の試算でありますが、こうなりますと、年間四百二十億円かかるんですね。
 それから、今法案で想定されておりますように、四十七都道府県が電子証明書の発行主体に今なっているわけですが、それを仮に全国で一つの指定認証機関にする場合には、十六億円ぐらいの年間の運用経費になる。もちろん、指定認証機関が複数になってふえれば、その分が若干、二倍、三倍にはなりませんが、よりかかる、こういう試算でございます。
○中村(哲)委員 今、一つの指定認証機関にしたら十六億円だ、それを四十七都道府県でやると四百二十億円だ、市町村ごとにやると五千六百億円だということですが、市町村ごとでやっていることを一つの指定認証機関でやった場合というのは十六億円ぐらいと考えてよろしいんでしょうか。
○大野政府参考人 今、三千数百の市町村が一つの、特定の認証機関にやる場合どうか、こういうお尋ねですけれども、この場合は、これも試算ですが、電子証明書は、御案内のように市町村長名義で出す必要がありますね。三千幾つの市町村長名義が必要です、こうなりまして、仮にそれを一つの指定認証機関にやる場合には大体五十億円程度かかる、こういうことでございます。
○中村(哲)委員 つまり、指定認証機関を利用すれば、それぞれ大幅なコストの削減ができるということでございます。そうすると、コスト面ということは余り大きな理由にならないのではないかなと私は考えるわけでございます。
 先ほど大臣の御答弁で、コスト面以外に、一つの市町村にどれだけ申請が来るのかどうかわからない、また、事務処理の能力の差もある、こういう御答弁がありました。ここが本来的な理由になるのかなという気がするんですが。
 そこで、修正案提出者に伺います。政府は、そのような、一つの市町村当たりの申請数が幾らになるかわからないということと事務処理能力の差もあることを例に挙げているが、それについてどのように考えるでしょうか。
○武正委員 まず、総務大臣が先ほどおっしゃられましたが、三千三百がそれぞれ電子証明書を発行する、あるいはいろいろと、本人確認というか、いろいろな署名機関ですね、署名機関からのいろいろな問い合わせ、これは大変だよというお話でしたが、二〇〇五年に、ブロードバンドというか、そういったスーパーネットワークというものを目指す日本でございますので、それが瞬時にできないはずはない。それができなかったら困るわけでございまして、まずこれが違う。そういったネットワークは、瞬時に本人確認もさまざまな機関からの問い合わせもできる、これが大前提でございます。
 コストについて今お話がございましたが、十二月三日の質疑でも、私からも申しましたように、今のこの二兆二千億のIT予算の使われ方、さまざま問題があろうということでございます。三千三百市町村で五千六百億という数字をはじきましたが、まずこの数字がいかがなものか。適正な競争とJVと中小企業を含めたさまざまな形での入札制度の見直し、これによってどのぐらい減るんだろう。財務省は、IT予算、一兆減らすべきだ、あるいは五千億減らすべきだ、こういったことを言っておりますので、まずこの根本から、この五千六百億がいかがなものかということが一点。
 それから、既に政府は、市町村合併、総務省を中心に進めております。三千三百を千にしようということでありますので、まず今の市町村を三分の一にしようという政府でありますから、ここもまた違ってくるだろうということでございます。
 さらにまた、市町村にとってはどうだろうということでございますが、まず、県とのやりとりがないわけですね。県に情報を提供して電子証明書を発行してもらう、このやりとりがないわけですから、市町村にとっても事務が軽減される、まずこれが一点。それから、市町村の事務にとって、先ほども触れましたように、住基ネットワークシステムを利用する必要もない、こういったことも含めて、先ほどのコストという面ではさまざまな形でこれは軽減ができるだろう。
 そして、あわせて、私は、セキュリティー、利用者の個人情報が守られる、この確信があって初めて、IT社会は、あるいは電子政府、電子自治体は実現できるんだ。個人情報の保護、セキュリティーというものがやはり大事なんだよ、これをやはり第一義に考えなきゃいけないということでございますので、コスト、コストということだけでは当たらないだろう。もちろん、前提としてこのコストの計算が違っているだろうということでもございます。
 以上です。
○中村(哲)委員 さらに修正案提出者に確認なんですが、事務処理の能力の差というお話があって、市町村というものは、やはり大きなところから小さなところまで規模が大小さまざまです。そういった意味で、一律には言えないんじゃないかというような批判も恐らくあると思うんですが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○武正委員 これは、指定認証機関にその市町村が、例えば発行・失効情報の問い合わせ等、これをまた委託することができる。これは政府案も都道府県が指定認証機関に委託することができる。これを同じように、修正案では市町村が委託することができるということでございますので、この法律、政府提出の法律でも、指定認証機関に関するさまざまな条件を法律で担保をしております。そしてまた総務大臣がそれを認めるという形で、法律はそういった構造になっておりますし、また、そうした指定認証機関の確からしさについてのさまざまな第三者機関、これも考えられております。
 加えて申せば、これについて、既に御答弁の中では、各市町村の個人情報保護に関する第三者機関をということをよく言われておりますが、これは、私が行政機関の個人情報保護法でも内閣委員会で指摘をしましたが、個人情報保護と、そしてまた情報公開が市町村ではごっちゃになって第三者機関になっている、たしか芦屋市の例でしたでしょうか、これはやはり分離をすべきであるということもつけ加えまして、御答弁とさせていただきます。
○中村(哲)委員 つまり、市町村の大小の差というものは指定認証機関の存在によってカバーできる、また、恐らく、今後合併なども進んでくるので、能力ということにもそんなに差は出てこないんじゃないか、そのような御判断なのかなということを、修正案提出者の答弁から印象を受けました。
 それで、大臣、今のような議論がある中で、政府案として、いや、それは違うだろう、そこは問題点のすりかえだというようなところなどございましたら、もう一度御確認をよろしくお願いいたします。
○片山国務大臣 現在、本人確認のための住基ネットワークのシステムができて動いているんですよ。それを、公的個人認証の失効情報をとるためだけに、別のネットワークをつくらなければいかぬのですよ。回線をどうするんですか。全くむだなことなんですよ。しかも、今いろいろなお話がありましたが、合併が均一で行われて、同じような行政能力を皆備えれば別ですよ、しかし、現実に、市町村は三千二百何十の事務処理能力があって、皆さんも、心配だ、心配だと言われる方が大勢おるんだから、そういう中できっちり電子証明の正確な事務の執行をやるには、四十七の都道府県でやるのがベターなんですよ。しかも、法令上も、そういうことがやれるのは、今の住基法では知事に権限を与えているんです。
 そういうことも総合的に勘案しまして、我々としては、無理に三千何百に分けて、手間が大変、金が猛烈にかかる。今言ったのは、単なる設備だけですよ。回線をどうするんですか。住基ネット以外につくる、私はそんなむだなことをするような余裕が我が国にあると思えない、そういうことでございます。
○中村(哲)委員 回線の問題については、先ほども言ったように、今、行政の中には、インターネットでない、閉じた回線がつくられるというお話でありましたから、それを利用するなどの方法はあるのではないかというのが論点として別にあるのではないかと私は思います。
 さて、質問を先に続けさせていただきたいと思います。
 三法案のうち、いわゆる整備法案についてでございます。なぜ今、いろいろ問題が起こっている中で、住基ネットの利用事務の追加をするのでしょうか。大臣にお伺いいたします。
○片山国務大臣 我々は、平成十五年度までに全部の行政手続を希望する方にはオンライン化しよう、こうしているんです。そうしますと、申請の方は、お認めいただければ、申請書そのものはオンライン化できるんですね、インターネットを通じてオンライン化できる。ところが、添付書類で本人確認するのだけ、これは、おまえ、役場に行って住民票なりなんなりをもらって、それをまた役場に届けなさいということになるんです、行政機関に送りなさいということになるんですよ。例えば、厚生年金でも国民年金でも、本体の申請書の方はオンラインですぐ送れるんです。ところが、必ず本人確認の添付書類が要るんです。例えば、住民票にしますと、それぞれの市町村の役場に行って住民票をもらって、それを送るか届けるかせにゃいかぬようになるんですよ。
 だから、全体をやりたいんだから、重立ったものについては、添付書類が要るものについては、それは本人確認で住基ネットに照会すれば、それぞれの行政機関が、厚生年金なら社会保険庁でしょうか、そういうところからすれば、住基ネットが、本人ですと。何らの添付書類の手続をとることなく、本申請もオンライン、本人確認は住基ネットでこれもオンライン、こういうことになるわけであります。そこで、今一番地方の要望が強い、行政機関の方もぜひやってくれという、例えば、パスポートだとか、自動車の登録だとか、不動産登記だとか、厚生年金だとか、国民年金だとか、こういうものについて、添付書類の省略、本人確認を住基ネットの照会で済まそう、こういうことで、百七十一の追加をお願いしているところでございます。
○中村(哲)委員 大臣の御答弁は、制度の光の部分だと思います。
 もちろん、私たちの質問というのは、影の部分も明らかにすることであると思いますので、修正案の提出者にお伺いいたします。
 政府案から、大臣の御答弁にあった目的がある住基ネットの利用の事務、その追加規定を削除したのはどういう趣旨でしょうか。
○武正委員 先ほども申し上げましたように、住基ネットについてのさまざまな不安が多くの自治体からも述べられている。また、横浜市の選択制については、法施行で大丈夫だというお話ですが、五条件も付与されている。こういったことですね。また、法律については、また通常国会に出し直すであろう、廃案になる。こういった状況で、なぜ、本臨時国会で個人情報保護の法整備が整わないうちに、また廃案にしようとするうちに住基ネットの利用拡大をいたずらに急ぐのか。到底それは認めるわけにはいかないということでございます。
 また、先ほども大臣の方から新たなネットワークというお話がありましたが、今一六・八%のLGWANを、先ほども同僚委員から質疑がございましたが、来年度、二千八百団体にネットワークを張りめぐらせてLGWANを整備する、このように言っておられるわけですから、このLGWANを使ってさまざまなネットワークができるであろう。
 ただ、とにかく基礎自治体が一番大事なんだ、住民に接している基礎自治体が一番大事で、そこで本人確認や電子証明書や、あるいはさまざまな検証機関からの問い合わせ、異動等、それは基礎自治体でやろうよ、頑張ろうよ、こういったところが趣旨でございます。
○中村(哲)委員 大臣の御答弁、そして修正案提出者の御答弁をお伺いしておりますと、やはり事実認識のところの差異があるのかなという気がいたします。
 私たちの国会の質問というのは、先ほども申しましたように、制度の光の部分と影の部分をはっきりさせることでございます。そして、国民はとかく影の部分にも敏感になりがちであります。私たちは、影の部分をきちんと明らかにしながら、それでは政府さん、この影の部分をなくしていくために、もう一歩違う角度から光を当てていかないといけないんじゃないですかということを御提案させていただいているわけでございます。
 住基ネットというものは、最初も申しましたけれども、その導入自体が国民に大きな不安を与えるものでもあります。利便性もあるけれども大きな不安もある、この不安を解消するための努力というものは引き続きやっていく必要があるのではないか、私はそのように思います。
 きょう現在、個人情報保護の法制もできていない中で事務を拡大していくということは、最初申しました、一億二千万の通し番号をつけて行政が私たちを縛っていくという不安を増大するものではないかと私自身は懸念しております。もちろん、この世の中の流れに関しては、そう思わない人もたくさんいらっしゃるだろう。ほとんど、光の中でそのように感じられない方はたくさんいらっしゃると思います。しかし、多くの人が不安を感じていて、まだ影はあるよと。そういったことで、実際に意見書も出されたり反対している市民団体の方がたくさんいらっしゃる。そういう状況なんだと私は思います。
 私たち民主党は、住基ネットに対しては、現時点では国民の理解はなかなか得られない、安心感を持てないといった意味で、廃止法案を出させていただいた経緯もございます。そういった意味におきましても、改めて、政府には、住基ネットに対する国民の不安、それを取り除いていくような努力をこれからも続けていただきたい。その必要性も、今の国会での質疑の中で明らかになったと思います。また、不安を取り除く諸活動にどうか取り組んでいただきますようお願い申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。
 さて、公的個人認証サービスについて、技術的な確認事項を残りの時間でさせていただこうと思います。
 秘密かぎの保持についてです。ICカードに書き込まれる情報は何なのか、秘密かぎを作成した際に行政側には残らないのか、それについて御確認をお願いいたします。
○大野政府参考人 今想定しているシステムの考え方は、ICカードの中には、かぎペア生成装置で生成されました秘密かぎと、この公開かぎがだれのものであるかという電子証明書が入るわけでございます。かぎペア生成装置で御本人がかぎペアを生成していただきますけれども、その後消去しますので、秘密かぎは消しますので、秘密かぎは行政側には残らない、こういうことでございます。
○中村(哲)委員 残らないと言われても、残っているんじゃないかな、そういうふうに思うのが利用者の心情でございます。消しているのか消していないのかとかいうのが見えないものですから、これもまたそこのあたりの不安を取り除く努力というものが行政側、政府側には必要なんだと思います。
 そこで一つかぎになるのが、やはりカードの規格というものなのではないかと思います。カードの規格というものはどのようにつくられて、どういうふうに周知徹底されるんでしょうか。
○大野政府参考人 一定の安全基準を満たす必要がありますので、これは技術的な基準を決めまして、国民の方に周知をするという手続になるわけでございます。
 この安全基準という場合のポイントは二つございまして、要は、第三者に乱用されないということがポイントでございますので、一つは、ICカードの中に入っております秘密かぎ、これは数字の羅列ですけれども、これを外部から物理的に読み取られないような構造にする、ICカードというのはコンピューターですけれども、読み取れないような構造にしていること、これがまず一点でございます。
 それから二点目では、御本人がいわゆる暗証番号、パスワードを打ち込んだ上で活性化させるということにしておりまして、パスワードは御本人にしかわからないということでありますので、この点でもガードをするということになるわけでございます。
○中村(哲)委員 今御答弁されたことというのは、恐らくだれが考えてもそのとおりだと思うんです。あらかじめこういう制度をつくるというんだから、それぐらいはしてくれるだろうとみんなが考えることであると思います。
 そこで、カードの構造が読み取れない構造であるということだとか、暗証番号を打つとか、そういったこととも関係してくるのが、カードそのものはどういうものなのか。新しくカードをこれ専用につくるんですか、どういったカードというものが考えられるんでしょうか、そういった疑問というか、国民がちょっとイメージがわきにくいんじゃないかと思うんですね。
 そういった意味で、カードというものはどのようなカードになるのか、新しくカードをつくっていくのか、そこについてもう一度詳しい説明をよろしくお願いいたします。
○大野政府参考人 今申し上げましたような一定の安全性の基準を満たしているカードであればいいということでありますので、御本人がそうしたカードをお持ちである場合、窓口でチェック、確認する必要がありますけれども、御本人が持っていらっしゃるICカードを持参されて、それに先ほどの秘密かぎとか電子証明書を入れるということを想定しております。
○中村(哲)委員 ICカードの規格というのは、一般的に一種類じゃないですよね。多分、いろいろな種類のICカードが世の中に出回ると思うんですが、そのあたりのところの規格の統一みたいな点や、規格がさまざまある中でどれに対応するかというようなことについては、どのようにお考えなんでしょうか。
○大野政府参考人 規格の統一というよりも、私どもの方では、今、多分、議員の御指摘の中で、カードというのは、例えば接触型もありますし、非接触型もあるということになるわけですけれども、そういうことではなくて、セキュリティーの基準は一定でなければならないということを申し上げたわけでございます。それについては、私どもの方で、一定のセキュリティー基準を満たしているカードというものをお示しして、それを窓口でもチェックしてもらう必要がある、こういうぐあいに考えております。
○中村(哲)委員 私、ちょっと不勉強で申しわけないんですけれども、世の中にICカードの規格というものは、非接触型、接触型の二種類しかないんでしょうか。それとも、ICカードの発行会社ごとに規格が違うのか。そのあたりのところ、私、不勉強なのでよくわからないのですけれども、今の御答弁だったら、すべてのICカードの規格、今世の中に出回っているICカードの規格に応じた設備を窓口で用意するということでよろしいんでしょうか。
○大野政府参考人 今申し上げた、ICカードは、接触型と、それから今考えているのは非接触型と、それから一体型になったものがあるようでございまして、型は三タイプあるわけでございますけれども、それを、私どもの方ではソフトをつくりまして、ICカードでもって入力してもらうということでありますので、どういうタイプであっても入力のところで対応できるということでございます。
○中村(哲)委員 ということは、型は三タイプであるし、どのタイプによっても、どんなICカードを持ってこられても、ソフトの方で対応できるから心配ないということでよろしいんですね。
○大野政府参考人 繰り返しになりますが、セキュリティー基準は、一定レベル以上でなければ危ないわけですから、一定基準以上である、それを入力のところでチェックをしますので、セキュリティー基準が入力のところでチェックされますから、型はどういうタイプであっても構わないというふうにしたいと思っております。
○中村(哲)委員 ということは、その安全基準に適しているICカードというのは、今、世の中にどれぐらいあるのか。例えばJR東日本でスイカというのがありますけれども、そういうものでもいいのかどうか。そのあたりのところの具体的なイメージがわからないんですけれども、そこはどのように考えているんでしょうか。
○大野政府参考人 今申し上げたようなことを想定しておりますけれども、実際には、これからシステムの実証実験をやりますので、今申し上げましたような一定のセキュリティー基準を満たした入力対応の設備なりソフトであるかどうか、きちんとチェックするための実証実験によって確認をするということでございますので、その上でまた御説明させていただきたいと思います。
○中村(哲)委員 実証実験は今からするというお話ですし、具体的な企業のイメージもないということですか。今、現時点で、どこの企業がつくっているどういうICカードが念頭にあるのかというのを、率直に国民の中では聞きたいと思うんですけれども、そこについてのもう少し詳しい説明を、きちんとした説明をよろしくお願いいたします。
○大野政府参考人 私どもは、ICカードにつきまして、一定のセキュリティー基準などを満たす、技術的な中立性を確保して対応するということでございますので、どこの企業のつくっているものかどうかということについては全然念頭に置いておりません。
○中村(哲)委員 いや、ちょっと待ってくださいと、私、思わず漏らしてしまいましたけれども、企業も今から、基準も今から、どういうものができるかどうかわからないということなんでしょうか。
 私、説明の書類の中でも、カードライター、リーダーなどをパソコンの横につけるというふうに書いていますし、具体的な商品のイメージがなければ、国民としてはまさしく絵にかいたもちなのかなという気にもなりかねないと思うのですね。そこについて、若松さん、よろしいですか。
○若松副大臣 今の中村委員の御質問でありますが、極めて自然な疑問だと思います。
 技術的な話は後で大野統括官に説明をいただくわけでありますが、今、私どもは、当然、いろいろなメーカーと合わせながら技術開発をしております。この技術というのは、御存じのように、ビザとかマスターカードとか、ああいったところもICカードの技術革新というものをそれぞれしているわけでありますが、私どもが想定しているICカードの技術というのは、例えばEUとか今言ったマスターカードとか、実はそういったところの問い合わせが来ておりまして、世界的にもセキュリティー面も配慮したかなり高レベルの位置にあるということをまず客観的に御説明させていただいて、具体的には統括官から説明させます。
○大野政府参考人 今、若松副大臣の方から全体のお話をさせていただきましたけれども、先ほど来申し上げておりますように、現在の技術水準で三つのタイプのカードがあると申し上げましたが、どういうレベルのものを使うかは、これから公的個人認証のシステムをつくりまして、それを現場で入力させてレベルをチェックする、こういう実証実験をやるわけでございますので、その上でどこのシステムを使っていくかということが決まるわけでございまして、あらかじめ私どもがどこのメーカーのものにするかという先入観を持っているわけじゃないということを申し上げたわけでございます。
○中村(哲)委員 それでは、安全基準と定める規格の知的財産を持っているところとか、例えば、こういうセキュリティーは非常に大切なものですから、その規格をつくる上においても、どこがつくるのか。ソフトウエアの開発も、どこがつくるのか。国産の企業でやるのか。そのような基準はどういうふうにつくっていくのか。そういう実現までのイメージというか段取りが全然わからないわけですよね。
 だから、型は、確かに入れ物としては三種類あるのかもしれないけれども、大切なのは、そこからどのように読み取っていったり、どういうふうに安全性が確保されるかということですから、世界的なそういうふうな基準、流れもあるけれども、そこは任せてくださいと言われても、なかなか国民としては、あれ、どうなのかなという気になるのではないでしょうか。いかがですか。
○大野政府参考人 先ほど来申し上げておりますように、セキュリティー基準は公に明らかにするわけで、告示するわけですね。その基準に合ったものを、具体的にはベンダーが提供してくるということになるわけでして、私どもは一定の基準を公に明らかにするということで足りると思っております。
○中村(哲)委員 そのベンダーの、供給するときの、特定の業者に有利になるようなことはないというような担保というのは、どのようにお考えでしょうか。
○大野政府参考人 いろいろな形でICカードというものが企業によって開発されると思いますけれども、どれをお使いになるかは、これはまさに個々人の、個人の方が選ぶわけでございますが、入力のところできちんとセキュリティーのレベルをチェックしますので、どういうベンダーのものであっても心配ないようになるわけでございます。
○中村(哲)委員 なるはずでございますということですし、今の時点ではまだきちんと決まっていないということですから、今の時点では、私は頭の中に絵が浮かびません。
 ここに、説明書に書かれている、まだ絵にかいたもちの状態なんじゃないかなと思いますので、きちんともちにしてくださいますようお願いを申し上げまして、いっぱい質問は残っていたんですけれども、こんなところで時間をとるとは思いませんでしたが、これで私の質問は終えさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、大出彰君。
○大出委員 民主党の大出彰でございます。
 きょうは、いわゆる整備法の十二条関係の中で、行政書士法の一条の二と十九条が改正ということで入っておりますので、そのところからお尋ねをさせていただきたいと思います。
 行政書士法の一条の二の方の改正は、いわゆる文書に対して電磁的記録を条文上入れるということで、その他の士業の法と同じなんですが、十九条の方におきましては、一項のただし書きのところで、「定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、当該手続に関し相当の経験又は能力を有する者として総務省令で定める者が電磁的記録を作成する場合は、この限りでない。」こういうことが入っておりまして、そこでほかの士業とは違っている部分があるものですから、その辺を詰めておきたいと思っているわけでございます。
 御承知のように、余り御承知じゃないのかな、行政書士というのは、官公署に提出する書類を作成しているのがメーンでございますが、その他に、権利義務または事実証明に関する書類を作成する、この作成することが報酬をもらって作成するんですが、いわゆる独占と言っておりまして、お金をもらってやるには行政書士でないとできない、こういうことなんですね。
 何となれば、大概の書類は本人が申請をできるものはすればいいということからきているわけでございまして、そのほかに、独占ではございませんけれども、先ほどの官公署に提出する書類を官公署に提出する手続を代理することと、契約書類を代理人として作成することと、さらに相談に応じるという業務が非独占であるわけでございます。
 そしてさらに、行政書士となる資格が必要でございまして、行政書士法に書いてあるわけですね。これは二条で、行政書士試験に合格した者、弁護士となる資格を有する者、弁理士となる資格を有する者、公認会計士となる資格を有する者、税理士となる資格を有する者、これは行政書士ができる、さらに公務員で二十年以上事務を行ってきた方ということがあるわけでございます。
 ところが、今回の改正は、それと違いまして、先ほど申し上げたような部分が追加をされておりますので、御質問をしたいわけです。
 まず最初に、この十九条ただし書きの「定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続」という文言が対象とする、総務省令で定めようとしている手続というのは、どのような手続を言うのでしょうか。
○芳山政府参考人 今回の行政書士法の一部改正でございますけれども、行政手続オンライン化法を契機にしまして、今後、定型的かつ容易に手続を済ませることができるオンラインシステムを備えた行政手続の整備が予想されるわけでございます。
 そういうことで、今後、電子政府、電子自治体の目的である行政手続の簡素化なり効率化の観点、また、専門的な業務を処理するために必要な知識、能力を有する者に資格を与え、業務独占を認めている資格制度の趣旨等々にかんがみまして、今回、先生今御指摘ありました十九条に、定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について相当の経験を有する者について、電磁的記録の作成を認めることとしております。
 今後、この手続がどういう手続になるのかというのは、他の行政機関が所管する手続についてのオンライン化の進捗状況を見きわめて対応しなければならない。現時点では確たることは申し上げられませんけれども、例えば、自動車の新規登録申請手続などの道路運送車両法に規定します手続、今後、ワンストップサービス化を通じて定型化、容易化が進められるという場合には、今後の検討の対象になる可能性があるものと認識をしております。
○大出委員 今の例えばの中で、道路運送車両法にということでございましたが、お聞きをしたところによると七種類ぐらいあるというような話を伺ったんですが、例示的には挙げていただけますか。
○芳山政府参考人 道路運送車両法の手続の中身が今後どうなっていくのか、今、確としてわかりませんけれども、車両法に基づく手続全般について、どういう容易化、定型化がなされるのかというのを見きわめなければならないと思っております。
○大出委員 余り明確におっしゃっていただけませんが、道路運送車両法、検査、登録、車庫証明、納税、自賠責保険の確認、こういったことをおっしゃっておられるんでしょうか。
○芳山政府参考人 先生御指摘の、自動車関係に係るワンストップサービスの今後の動向というのは、我々も注視してまいりたいと思っていますし、この前、中間報告のグランドデザインが出たばかりで、まだ具体的にはわからない段階でございます。
 ただ、その中でも、例えば、今先生御指摘の自動車の保管場所の確保等に関する法律に定める手続、車庫証明等の手続については、まだその中でも今後の検討課題というぐあいになっていまして、我々としても、具体的にオンライン化の方向性についての判断的な材料を持っておりません。そういう意味でいいますと、その対象ではないのではないかと、我々、今の時点では思っております。
○大出委員 流動的なということなんでしょう。明確になっておりませんが、次のものは少なくとも入るかどうかということなんですが、新車の新規登録、抹消登録、変更登録、移転登録はどうでしょうか。
○芳山政府参考人 先ほど来申し上げておりますが、自動車関係の手続が今後オンライン化システムになっていく中で、今先生御指摘のようなものがどうなるかということですけれども、一応該当するのではなかろうか、検討の対象になるのではなかろうかと思っていますが、具体的には、法律に書いていますように、主務大臣の意見を聞きながら、総務大臣として、総務省としてどうするかという判断を今後していくということになろうかと思います。
○大出委員 なかなかどうも、すぱっと歯切れよくはいかないようでございますが。主務大臣の意見、その主務大臣というのは総務省じゃないところの主務大臣なんでしょうけれども。
 それでは、今、定型的な方を御説明いただいたわけですが、もう一つの方の「当該手続に関し相当の経験又は能力を有する者として総務省令で定める者」が対象とする、総務省令で定めようとしている者というのは、どのような者を言うんでしょうか。
○芳山政府参考人 今申し述べた手続について、相当の経験または能力を有する者として総務省令で定める者が電磁的記録の作成業務を行うことができると法案で規定をしてございます。そういうことから、相当の経験または能力を有する者として指定するという点については、過去の実績や業務能力等を総合的に勘案した上で検討してまいりたいというぐあいに考えております。
 先ほどのワンストップ等に伴って具体的に検討課題になるとすれば、道路運送車両法でいいますと、例えば、道路運送車両法に規定する自動車の新規登録の手続などを代行業務として長期間にわたって大量に行ってきた実績のある社団法人日本自動車販売協会連合会が検討の対象になるのではないかと思っています。
○大出委員 それは、その連合会の自動車の登録業務の代行センターということでしょうか。
○芳山政府参考人 指定そのものとしては、代行センター、八十ぐらいお持ちだと聞いていますけれども、社団法人そのものとして全国に持っているということでございまして、その定める者として、例えばということは、社団法人全体が指定の対象になるというぐあいに思っております。
○大出委員 今おっしゃられましたところの団体、それのみだということではないんでしょうか。
○芳山政府参考人 ただいま申し上げましたように、法律の要件として、相当な経験なり能力を有する、そして業務能力を有するということでございまして、ただいまの段階では、今申し述べた団体が対象になるということで、それ以外についてはまだ我々想定していませんが、今後、先ほどのまた繰り返しになりますけれども、当該手続を主務大臣がよく承知していますので、主務大臣の意見を聞きながら我々としても判断してまいりたいというぐあいに思っております。
○大出委員 ただいまでは想定をしているということで、非常にまたここの部分も歯切れが悪いわけでございますが、具体的な名称が出ており、これ以上言っても主務大臣のという話になるわけでございましょうから、了解をするということで、次に質問をいたします。
 この場合、今途中で想定というふうな言葉も出たわけですが、先ほどの、その定める者、想定される者以外の者が業としてこのようなことを行うと行政書士法違反になるわけですね、想定されない者が。その点について。
○芳山政府参考人 先生御指摘のとおりと思いますが、総務省令で定める相当の経験または能力を有する者については、その当該手続、総務省令で定める者に限って今回の改正法で電磁的記録の作成を認めておる案になっているわけです。したがいまして、それ以外の者が業として報酬を得て電磁的記録の作成を行うということについては、十九条違反になるというぐあいに考えております。
○大出委員 行政書士法違反になるということでございました。
 では、その今度新しく改正をされます定める者は、書類の作成業務は行えるんですか。
○芳山政府参考人 ただいま申し上げましたように、今回の改正法案は電磁的記録について改正の案を出しておるわけでございまして、その点、改正の背景にありますオンライン化法を契機として、手続を簡素化、容易化された事務について認めるというぐあいになっていると思います。そういうことで申しますと、総務省令で定める者であっても、行政書士以外の者が業として報酬を得て書類の作成を行うという今の御指摘については、十九条違反であろうと思っています。
○大出委員 報酬を得て書類の作成業務を行うのはできないということだったと思います。
 また、いわゆる定める者でございますが、行政書士には守秘義務があるわけなんですが、その定める者には、守秘義務、そしてそれの違反に対する罰則というのはございますか。
○芳山政府参考人 今回の改正で、総務省令で定める者については、行政書士法上の守秘義務を課してはおりません。これは、行政書士が、今の制度として国家資格制度とされているということ、法律上の広範な業務独占が認められているということから、資格要件が設けられている。また、職務の誠実、適正な遂行のため、守秘義務を含めてさまざまな規律が要求されておるわけでございます。
 今度の総務省令で定める者につきましては、行政書士と異なりまして、総務省令で定める特定の手続を行う場合に限って認められているというにすぎませんで、そういう意味から申しますと、今回の改正は規制緩和の観点から行うということで、今御指摘ありましたように、行政書士と同様の資格要件や守秘義務等の法律上の職務規律を要求することは適当でないというぐあいに判断をしております。
 ただ、この者につきましても、官公署に提出する電磁的記録の作成という公共性の高い業務を行いますことから、高い倫理観ないし社会的責任の保持が当然求められると我々思っております。そういう意味で、総務省令を定める際には、指定しようとする団体が、その内部規定の中で、取得情報について、本来の情報取得目的、電磁的記録の作成というその目的以外の目的で使用しないという旨を明確に定めているというようなこと等を指定の要件として考えていきたいというぐあいに考えております。
○大出委員 今のは初めてお伺いをいたしました。当然、守秘義務がなく、罰則もないとなると、いわゆる資格がある行政書士と違うことになってきていたわけでございますが、そうすると、我々、行政書士としても、住民票とか印鑑証明書、添付書類にかかわってくるわけですから、それではプライバシーあるいは個人情報保護の点で問題があるなと実は思っていたんです。そうしたところに、内部の規定の中でという、初めてお伺いをすることですが、そういうことを考えている、こういうことでございますね。
 では次に、これは長年の、行政書士の報酬についての解釈のことでございますが、総務省に見解をお伺いしたいんですが、無資格者が申請書を作成し、申請代理ないし代行を行い、対価をもらう、その対価が、官公庁に払う純粋な申請関係費を除いてもなお残る、人件費のような部分を含んでいる場合、行政書士法で言う報酬に当たり、違法となりますかという御質問ですが。
○芳山政府参考人 他人の依頼を受けまして報酬を得て、官公署に提出する書類その他の権利義務または事実証明に関する書類の作成をするということは、法十九条によりまして行政書士の独占業務とされておるというぐあいに思っています。そういうことですから、行政書士以外の者が、今先生御指摘ありましたような、業として必要経費を上回る対価を得てこのような書類の作成を行うというような場合には、十九条違反になるというぐあいに考えております。
    〔委員長退席、佐藤(勉)委員長代理着席〕
○大出委員 今、総務省の御見解をお伺いしたんですが、同じ質問でございますが、国土交通省の方はどのようにお考えでしょうか。
○中山政府参考人 お答えいたします。
 自動車の登録を行う場合におきまして、例えば新車の購入でありますと、購入者はディーラーとの間で契約手続を行います。その際に、ディーラーに対して登録申請手続というのを委任することがございます。この登録申請手続の委任の際に、対価を得て代書を行う場合には、行政書士によって行われるものというふうに考えております。
○大出委員 対価を得て行うと行政書士法違反であると。
 現実のいろいろな業態を見ていると、大変悩ましいといいますか、申請書を作成する、だから、代行の方をやっているといいますか、その他人件費であるとかあるいは交通費だとか、そういういろいろと、裏わざといいますか、逃げといいますか、そういうふうな感じもあるわけですが、今の正式な見解としては、対価としてと認められればそれは報酬に当たる、こういう認識で国土交通省の方はよろしいんでしょうか。
○中山政府参考人 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、対価を得て代書を行う場合、これは行政書士によって行われるものというふうに考えております。
○大出委員 次に、また国土交通省にお伺いするんですが、関東陸運振興財団、質問通告しておきましたが、こういう財団がございまして、公益法人ですか、これはどのような団体であるのかということと、そこでは自動車に関する登録代行事業をやっておられるのかという点、お尋ねいたします。
○中山政府参考人 お答えいたします。
 財団法人の関東陸運振興財団、これは、一都五県におきまして、登録に必要な自動車検査・登録印紙の販売、自動車登録番号標の交付などの業務を行っておりますが、そのほかに、交通遺児の福祉などの公益事業への協力を行っております。
 なお、先生御指摘の申請書などの書類の作成、これは行政書士を置いた申請代行事業者が実施をしております。
○大出委員 株式会社サンクスとかいうんでしょうか、そういったものですか。国土交通省、サンクスとかいうものでしたか。
○中山政府参考人 お答えいたします。
 株式会社のリクサンというところでございます。
○大出委員 そのリクサンというところは、では、行政書士を使ってやっておられるんですか。お尋ねいたします。
○中山政府参考人 御指摘のとおり、行政書士によって行われております。
○大出委員 ワンストップサービス、いろいろなところで今、今回の法案も問題になっているわけですが、自動車の保有関係の手続のワンストップサービスのプロジェクトというのがありまして、報告書を出しているわけですね。この自動車の関係、新規については公益法人が九〇%申請代行を行っているという実態があるわけですが、この自動車保有関係手続のワンストップサービスプロジェクトが決定してきた内容について教えていただくと同時に、そのようにワンストップサービスになってきたときには、間違いなく本人が簡単に申請ができるようになると考えてよろしいのかどうか、お尋ねをしたいのです。
○中山政府参考人 お答えいたします。
 ワンストップサービスの内容でございますけれども、自動車を保有するために必要な検査、登録、保管場所証明、それから自動車諸税の納税などの手続というのが現在ございますけれども、現在、それぞれの行政機関へ出向いて行うということで、大変煩雑でございます。申請者にとりまして大きな負担になっているということでございます。
 ワンストップサービスにつきましては、この手続をオンラインで一括して行うことができるようにするということでございます。このワンストップサービスにおきましては、関係する多くの手続をオンラインで一括して行うということによりまして、申請者の利便の向上につながると考えておりますが、加えまして、先生御指摘の、申請等を行う際の入力を簡素化するなどによりまして、本人申請が一層容易に行われるようになるというふうに考えております。
○大出委員 ワンストップサービスを論じ合うときにはそういう話になってくるわけなんでございますが、まだ過渡期なのか、なかなか現状ではそうではないのかなというところもあるわけでございます。
 まずは、この法案、先ほど冒頭にも申し上げましたように、税理士さんや公認会計士さん、社会保険労務士さん、海事代理士さん、この方々は電磁的記録の作成だけが改正部分になっているんですね。ところが、行政書士については先ほどの部分が入り込んできているというので、今のいわゆるIT世界で見ますと、文書も電磁的記録もほとんど、我々には区別しないぐらい当たり前なことなわけで、文書ではないから電磁的記録と入れているだけと認識をしているわけですね。
 そんな意味で、一律に士業が電磁的記録の作成というのを入れているのにもかかわらず、行政書士だけが違う部分が入ってきているというのは、業界の中でも、これは不公正ではないかという声がかなりあるんですね。その点についてどういう御認識でいるか、お尋ねいたします。
○芳山政府参考人 先ほど来御答弁申し上げておりますけれども、今回、電磁的記録の作成を入れましたのは、行政手続オンライン化法を契機にして、今後オンラインシステムを備えた行政手続の整備が予想されてくる。その場合、電子政府、電子自治体の目的である行政手続の簡素効率化の観点が一つ。もう一つは、業務独占を認めている資格制度の趣旨等々を踏まえながら、我々として、定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、定めるその経験、能力を有する者については電磁的記録を、その点に限って認めることにしたわけでございます。
 今回、例えば先ほどの自動車の手続で申しますと、一つの御意見としては、やはり電磁的記録と文書の作成と一緒ではないか、今先生言われるように、業務独占を続けるべきじゃないかという御意見はあろうかと思います。そしてもう一つは、やはりIT化の社会において、電磁的記録の作成については、書類と同様に業務独占することについてはIT化の動向ないしは規制緩和の観点からいかがなものか、こういう御意見もある。その中で、先ほど来お話ししている自動車関係の手続のワンストップサービスが動いておりまして、自動車関係団体を通じて総務大臣の方にもそこらの要請も来ていたという中で、我々立案に当たりまして、関係省庁との意見調整ないし関係団体、関係団体の御意見の調整の中で、今度こういう文案を打ち出した。その心は、やはりその手続をケース・バイ・ケースで具体的に考えていこうではないかということで、先ほど、行政手続を所管する国務大臣の意見を聞きながら、総務大臣としてそのオンライン化の進捗状況を勘案しながら検討していこうというぐあいにしたわけでございます。
 他士業との関係では、我々としてコメントする立場にはないと思いますけれども、各省庁においてそれぞれ御判断されることというぐあいに思います。
○大出委員 法案の中に法文として出てきてしまっていて、行政書士会も、基本的には中央では賛成をしているということになっております。実際は業界内では異論が多々あるようでございますが、内部的な問題でございますので。ただ、間違いなくかなりの行政書士の方々がおかしいのではないかと思っているのは事実でございますし、昔からよくある何とか登録士みたいな別なものをつくった方がよかったのではないかとか、この法案の中に持ってくるというのは余りにも違和感があり過ぎるんではないかという、この法案のつくり方についての問題点もかなりあると思うんです。
 これには限らないわけですが、いわゆるワンストップサービスというのを考えたときに、当然国民の利便がよくなるということで進めているわけですが、例えば、川がありましたところに橋がかかる、橋がかかると、今まで渡し船とかこしによって人を運んでいたその職業がだんだん要らなくなるわけですよね。問題なのは、本当は橋がかかったんだから渡し船も要らなくなったはずなのに、渡し船がイージス艦になっていたとかいうようなことになっては、大変不都合であると思うわけですね。つまりは、行政のスリム化と申請者負担の軽減というのが目的になっているにもかかわらず、実際には、申請自体が国民に開放されないで、公益法人が独占をしたり、あるいは果実をとったりするようなことになったのでは、本末転倒になってしまうと思うんですね。
 そしてまた、申請窓口といいますか、電子申請の窓口が公益法人に一本化するようなことが起こった場合に、そうすると、だれでもできる本人申請ではなくて、必ずそこを通さなきゃならないというようなことになっては、かえって国民負担が増大してしまうわけですね。
 そういう意味では、このワンストップサービスを築いていくに当たって、先ほど言った、橋がかかって渡し船は要らなくなったのに、渡し船がイージス艦になってしまったりするようなことがないように、やはり制度を進めていくときに御用心をしていただきながら、本当に国民のための利便性にかなうワンストップサービスあるいはIT自治体といいますか、そういうものにしていただきたいと思って、この質問はここで終わりにして、次の質問に移りたいと思います。
 続きまして、公務員制度の改革についての御質問でございます。
 私は、しばらく総務委員会を離れておりました。ところが、その間に、この公務員制度改革について、国会でも議論がございましたし、マスコミでもしばしば取り上げられておりまして、大変強い関心を持って見てきたわけでございます。
 そこで、まず最初に、労働基本権について関連してお伺いをいたしたいと思います。
 昨年十二月に閣議決定をされました公務員制度改革大綱におきましては、労働基本権制約を維持する、そうなったわけですね。だとすれば、労働基本権の制約が維持されるわけですから、当然のことながら現在の人事院の代償機能というものはそのまま維持されるはずだと思うわけですが、この点はいかがでしょうか。
○根本副大臣 今般の公務員制度改革では、基本的な考え方として、各主任大臣などが「適切かつ弾力的な人事・組織マネジメントを通じて、所掌する行政組織の人的資源を公正かつ最大限に活用し、機動的・効率的な行政運営を実現する。」こととしております。このため、内閣、各主任大臣等と人事院の機能を整理することとしておりますが、職員の利益保護、人事行政の中立性、公正性を確保する観点から、人事院は第三者機関として引き続き重要な役割を担うこととしております。
 昨年末に閣議決定された公務員制度改革大綱では、公務の安定的、継続的な運営の確保の観点、国民生活へ与える影響の観点などを総合的に勘案し、公務員の労働基本権の制約につきましては、今後もこれにかわる相応の措置を確保しつつ、現行の制約を維持することとしております。閣議決定では、先生のおっしゃられたとおりで、「現行の制約を維持すること」、こうしております。
 労働基本権制約の代償機能についての考え方の基本とされる全農林警職法事件判決におきましては、勤務条件が法律で定められていること、勤務条件について人事院の国会及び内閣に対する勧告または報告が義務づけられていること、人事院に対して職員の行政措置要求及び不服審査が開かれていること、この三点が代償措置として明記されておりますが、今般の公務員制度改革におきましても、これらの措置を引き続き維持することとしております。
 さらに、新たな公務員制度におきましても、人事院が勤務条件に関する給与水準等の設定などについて適切に関与することとしておりまして、職員の利益保護の観点等にも十分配慮した制度となるように法制化作業を進めていきたいと考えております。
○大出委員 今の議論のところで、私も、前の総務委員会、十一月六日ですが、私は基本的には公務員もストライキ権を認めるべきだと考えておりまして、それも主張いたしましたが、全然その方向ではない方向で動いて大綱ができてしまったということなんですね。前のときも申し上げているわけなんですが、憲法二十八条に、団結権、団体交渉権、そしてその他の団体行動権、こう憲法で規定されているわけでございまして、この二十八条には公務員も民間も書いていないわけですね。そして、権利と書いてあるわけですから、憲法の原則としては、原則認めるのが当たり前でございまして、認めた上で、それを制約するかどうかという話が後からついてくる、これが本来考えなきゃいけないやり方だと思うんですね。
 それで、イギリスやフランスはどうかといったら、三権とも公務員に認めているわけで、ただ、フランスの場合には協約締結権がないというのがあるということなわけですね。
 さらには、今まで、公務員だとかいっていても、国鉄が民営化されたりとか専売公社が民営化されると、即ストライキ権が認められるわけですね。こういう種類のものなんですね。
 ですから、使用者は国ですから、交渉を行って、交渉事で物を決めてくるということでなければならないのに、なぜ、ずっと、またしても公務員のストライキ権を制約したままにしようとするのかというのがまず一点。
 そして、先ほどの勤務条件のところにもちょっと入っておりましたけれども、最高裁判決というのは、ストライキ権が認められていない、労働基本権が認められていない、その代償措置として人事院ということを言っているわけでございまして、どうもこの間の改革のスタイルを見ていると、人事院の権限を弱めている方向に改革しようとしているように実は思うんですね。制約をしておいた上でそれをやると、憲法違反ではないか、それをやり始めるのならば、ストライキ権を最初に与えて交渉できるようにしなければいけない、そういうふうに思っているわけです。
 人事院も労働基準の設定権限が当然あるわけで、それを低めたりしてはいけないということの前提がないといけないと思うんですが、その点はどうでしょうか。
○根本副大臣 最初の先生の質問につきましては、先ほど私が申し上げましたように、昨年末に閣議決定された公務員制度改革大綱、この中で、公務の安定的、継続的な運営の確保の観点、国民生活へ与える影響の観点などを総合的に勘案して、公務員の労働基本権の制約についても、これにかわる相応の措置を確保しながら現行の制約を維持するということにいたしました。具体的には、この代償措置については、先ほども申し上げましたように、今般の公務員制度改革におきましても、これら措置を引き続き維持することとしております。
 次の点の先生の御質問でありますが、新たな公務員制度におきましても、人事院が勤務条件に関する給与水準などの設定などについて適切に関与するということで、職員の利益保護の観点にも十分配慮したいと思っております。
 具体的に、今回の議論のたたき台という中で、人事院の関与のあり方をたたき台という形で示しておりますが、その中で、具体的に申しますと、勤務条件に関する事項は法律で定めることを基本としておりますが、具体的な内容の決定を法律で下位規範にゆだねる場合には、これまでどおり人事院規則にゆだねるもの、あるいは政令にゆだねることとするものについては、勤務条件に与える影響の度合いに応じて、政令制定に際しての協議など、人事院がどのように関与するか、そういう整理をしておりまして、これまで法律が人事院規則にゆだねていたもののうち、人事院の適切な関与を維持しながら法律が政令にゆだねる事項、こういうものも出てまいりますが、このことによって人事院の代償機能が低下することにはならないと考えております。
    〔佐藤(勉)委員長代理退席、委員長着席〕
○大出委員 複雑な話だったわけですが、勤務条件のところで、ある意味では政令の場合もあるような話が出ているわけです。問題なのは、やはり人事院という中立な機関がやるからいいのであって、任免者であるというか、使用人のところが何でも決めていこうというふうに、何でもとは言っちゃいけませんね、勤務条件の点でも政令で決めていくようなことになってくると、政府に都合のいい公務員はという発想になってしまいますので、私は、そこのところはやはり人事院の中立性ということをかなり重視しないと、今回の大綱の流れを見ていますと、そうではない方向に動いているなという気がいたします。
 二番目の質問をいたします。今回、能力等級制度を導入するということでございますが、そうなると、その前提として能力の評価制度というのが確立していないといけないわけですね。その点については、能力等級制度をとるとおっしゃいますので、その前提としての能力評価制度を確立しているのかどうか、ちょっとお聞きしたいのですが。
○春田政府参考人 お答え申し上げます。
 現在の公務員制度におきましては、いわゆる人事評価に関しましては勤務評定という制度がございます。現行の勤務評定につきましては、いろいろとその内容につきまして、例えば職員の性格というような評定項目があったりとか、あるいは評価の方法として基準が具体的には設定されていないことでございますとか、あるいは評価結果をどういうふうに用いるか、用途についても明確にされていないというようなことがございます。そういった意味で、能力あるいは実績に基づく人事管理を行っていく、そういう基礎として活用するには不十分な制度となってございます。
 そういう現状の評価制度が整備されていないという状況にかんがみまして、今回の公務員制度改革におきましては、職員の能力、業績を適正に評価いたしまして、適材適所の人事配置、あるいは能力だとか職責だとか、そういったようなものを反映する処遇、こういったようなものを人事制度としてつくっていくということが必要であるというように考えております。
○大出委員 今、勤務評定という話が出て、機能していないという認識だと思いますが、確かに、勤務評定はあるけれども全然機能していないんですね。その理由というのは、昔、勤評闘争というのが、私はその場にいたわけじゃありませんけれども、ございまして、結局は、公務労働者と意思の疎通が図れないままといいますか、暗礁に乗り上げたような形になったままなものだから機能しないんだろうと思うんですね。
 今、勤務評定は機能していないということをおっしゃったわけだけれども、その原因が昔のように労働者との対話不足というところにあるんだとすれば、その部分について、今度能力等級制度を設計していこうとするに当たって、公務員、公務労働者との協議をどのようにして考えているのかについてお伺いいたします。
○根本副大臣 今回の公務員制度改革におきましては、職員の能力、業績を適正に評価し、適材適所の人事配置や能力、職責、業績を適切に反映する処遇を基本とする人事制度に改めることによって適切な行政運営の実現を図っていく、これが大きな目的であります。
 このため、今回、この評価制度につきましては、民間において取り入れられている手法も参考としながら、公務の特性も考慮した上で、能力評価と業績評価から成る公正で納得性のある新たな評価制度を導入することとしておりますが、この新たな評価制度の導入に当たりましては、関係府省あるいは職員団体を初め幅広く関係者と十分に意見交換を行いながら、積極的に検討を進めてまいりたいと考えております。
○大出委員 十分意見交換をとよく答えられるんですけれども、大概そうではないんですよね、これが。前の総務委員会で十一月の六日に質問したときに、職員団体と話をするように言ったわけですね。ところが、どうも誠実な話なんかはしていないというのが現実でございます。それもそうですね、十一月六日という日に、もう大綱が出そうなときに委員会で何かしら約束なんということはできないはずですから、そうかもしれませんけれども。
 ILOの勧告なんかも出ているわけでございますから、やはり誠実に話をしていただかないと困るというのと同時に、ミックスしたような、能力と業績ということをおっしゃっていましたけれども、この制度をつくるには、試行、試しを十分行って実行に移さないと、例の勤評のときの失敗を繰り返すようなことになるのではないかと思うんですが、その点、どうでしょうか。
○根本副大臣 能力、実績に基づく新人事制度をトータルに機能させるためには、公正で納得性の高い評価システムの導入、そしてその適切な実施が不可欠であると思います。このためには、新たな評価システムを円滑に導入するという観点から、平成十八年度からの本格実施までの間に試行を十分に行いたい、こう考えております。
 昨年十二月に閣議決定されました公務員制度改革大綱におきましても、「各府省がそれぞれの実情を踏まえた手法により評価の試行を十分に行い、その試行結果を踏まえつつ具体的な制度設計を行う。」具体的にこう記述されておりますので、現在、その具体化について、民間企業、地方自治体に関する情報収集や関係者との意見交換など、所要の準備を進めております。
○大出委員 そういうふうにおっしゃっておるわけですが、ここで、公務労働者、労働団体との協議が十分もし行われないで、同意、合意形成ができないで評価制度を設計したとしても全く機能しないということと、それから、労働団体との協議を経た上で、試行を行わないでもし設計をするとしたら、これまた機能しない、この点は強く申し上げておきたいと思います。
 そして、先ほども能力ということを言っているわけなので、次の質問です。
 能力等級制度ということなんですが、これはかつて民間企業で導入されたんですね。ところが、能力評価は難しいということで、年功的に運用されたりして、人件費も上がってしまったりして、民間企業では最近では見直されているんですね。最近の潮流は、むしろ、仕事給といいますか、仕事給と職責給というんですか、そういう方向に向かいつつあるわけなんですね。このあたりの実情はどんなふうにお考えでしょうか。
○春田政府参考人 ただいま、民間の企業で、職能資格制であるとかあるいは能力給の関係のことでお尋ねをいただきました。
 現在の国家公務員の人事制度につきましては、まだ未実施でございますところの職階制を前提といたしまして、不完全な暫定制度と職階制がなっているというようなこともありまして、職員の能力あるいは成果を適切に評価をして、その結果を任用だとかあるいは給与、こういったものに活用するという仕組みが不十分だということもありまして、採用試験あるいは採用年次を過度に重視した硬直的な任用、年功的な処遇、給与処遇が見られるというような、さまざまな問題が生じているところでございます。
 一方で、民間企業におきましては、非常に経営環境が厳しくなっている中で、いわゆる職能資格制でございますとかあるいは能力給といったような制度が戦後非常に普及をしてきているところではございますけれども、勢い年功的な運用に陥るというようなこともあって、人件費増につながったことがございますのを反省するような形で、成果であるとかあるいは職責であるとか、そういったものをより重視する方向で今見直しが進められているというように承知をしてございます。
 現在も、そういう意味で民間企業の取り組みというのがいろいろなされていることを参考にいたしまして、私ども、今回、能力等級制度ということで導入をしてまいりたい。その能力等級につきましても、やはりその制度をつくっていくに当たりまして、例えば、それぞれの仕事を詳細に、難しさ、責任の度合い、そういったようなものをどういうふうに位置づけをするか、あるいは、在職年数とかそういったようなものを基準として昇任や昇格をするということではなくて、やはり職員の能力の伸長の度合いであるとか、あるいは業績とか成果をどういうふうに上げているかというようなことを評価した上で処遇をしていく、あるいは人事配置をしていくというようなことが必要であると考えておりまして、民間企業の人事制度の見直しと、そういった意味では私ども目指すところは変わらないものというように考えております。
○大出委員 私の認識と同じような認識をなさっているということがわかりましたが、先ほども申し上げたように、民間では仕事給や職責給に向かっているという、いろいろ報道なんかにも出ておりまして、日本水産とかNECとかキヤノンとか東芝、マツダ、かなり多いんですね。かなりのところが仕事給、職責給という方向に向かっているという報道等も出ておりますので、そういうことを参考にしながらしていただきたいと思いますと同時に、時の政府にこびるような人事にしてはいけないということでございますので、そこのところをお願いしたいと思います。
 そして、実は、この公務員大綱というもの、私は、議論のし直しといいますか、はっきり言いますけれども、余り評判がよくない。国会で仕切り直しの議論をしないといけないのではないかと実は思っていまして、どう見ても、新聞報道等を見てもいいこと書いてないですね、これは。なぜかというと、先ほども申し上げたみたいに、ストライキ権、つまり労働基本権を与えないのに人事院を弱めてしまうようになってしまうことがやはり一番の問題なんだと思うんですね。
 そのことはILOからも指摘をされていまして、国際労働基準にも違反する、私は国際労働基準の先に憲法に違反すると言っているわけですけれども、そういうふうになって、毎日の十一月二十六日は「公務員改革も「世界の常識」で」とタイトルを打っていますし、それと、毎日の十一月一日などは「陰でコソコソ「改革」するな」と言っていますよ。これは、私も総務委員会で質問をしましたけれども、どうもその方向で、つまり権利を認めていく方向では動いていないということがわかりますので、これはやはり見直しをしていただきたいものだなと実は思っております。
 そこで、十一月二十二日の読売新聞でございますが、同じこの問題について、「今回の改革をめぐる一連のプロセスに問題があることが挙げられる。」ということがありまして、「今年初めから「公務員制度放浪記」というタイトルの手記が霞が関の官庁街に出回った。」ということが書いてあるんですね。その手記には、「(1)経済産業省が「裏チーム」を作り、同事務局に配置した参事官や、橋本元首相ら自民党行政改革推進本部のメンバーと連携して今回の改革をコントロールしようとした(2)経産省と自民党は人事院の権限を縮小しようとし、人事院との間で「戦争」が繰り広げられた(3)重要な方針が局内の議論ではなく、橋本氏らとの調整で決まった(4)同推進室長が経産省、自民党の圧力に屈したため、組織の求心力が失われた」などと、A4判、百ページにわたってつづっているんだそうです。これは十一月二十二日の読売の記事ですよ。
 私は、これは、前からも橋本さんという名前が出てきたりしておりますが、公務員全体の問題なんですから、一部の方だけで決めるようなことはまずいと思うんですね。これはやはり国民的議論をすべきだと私は思いますけれども、この点どうでしょうか、どなたかお答えください。
○根本副大臣 今までの、公務員制度改革大綱決定までの経緯を申し上げたいと思います。
 平成九年十二月に、首相を会長とする行政改革会議の最終報告が公表されまして、その中で、内閣機能の強化、新たな中央省庁のあり方とあわせて、公務員制度の改革の基本的な方向が提示されました。
 そして、平成十年六月に、中央省庁等改革基本法、これが国会の審議を経て成立をいたしました。その国会の審議を経て成立した中央省庁等改革基本法の中で、国家公務員制度の改革について早期に具体的成果を得ること、人事院の機能を職員の利益保護などのためにふさわしい機能に集中させるなど、中央人事行政機関の機能分担を見直すことなどが盛り込まれております。
 そして、平成十二年十二月、行政改革大綱におきまして、国家公務員等の抜本改革を行う旨閣議決定されましたから、この過程の中でいろいろな意見交換をしながら、法律も基本法も成立し、そして閣議決定でありますから、さまざまな意見を踏まえて閣議決定をしてまいりました。民主的な手続を経てこれまで公務員制度改革大綱がつくられてきたものと私は思っております。
 いずれにしても、これから国会での議論ということになりますから、幅広い意見を交換しながら、これからも十分にこの公務員制度改革大綱の考え方で議論を進めてまいりたいと考えております。
○大出委員 今述べられたわけでございますが、そのように読めないのでいろいろな問題がいろいろな報道に出てくるんだと思うのです。大綱ができるまでの間もそうですが、再度申し上げたいのは、やはり、国が使用者でございますので、労働者であるところの公務員と誠実に交渉をして、合意をとる努力というものをしていただきたいと思います。
 そうでないと、やはりそのことが国民全体に、国民のための公務員でなくなってしまっては意味がないわけでございまして、時の政府におもねる人だけがいるような公務員では困るわけでございますから、そういう意味では国民全体の問題ですので、使用者に対する労働者という意味での公務員の皆さんと誠実に交渉して、合意をとる努力をしていただきたいということを申し上げて、時間になりましたので、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、黄川田徹君。
○黄川田委員 自由党の黄川田であります。
 先ほど大出委員から質疑がありましたけれども、私も、行政手続のオンライン三法の質疑を継続する前に、この公務員制度改革の基本課題についてお尋ねいたしたいと思います。
 まず最初に、今回の公務員制度改革に関して、公になりましたILOの勧告についてお尋ねいたしたいと思います。
 去る十一月二十一日、かねて連合が、今回の公務員制度改革がILOの原則に反するとして、ILO結社の自由委員会に提訴していた事案につきまして、ILO理事会は結社の自由委員会の報告を採択したと伝えられております。そしてまた、その勧告は日本政府にとってかなり厳しい内容を含んだものであったと承知しております。
 ところが、片山総務大臣は、十一月二十一日の参議院総務委員会での又市委員の質疑において、ILOが言えば一から十まで恐れ入りましたじゃおかしいのですよ、もっともらしい国際機関に言われたら恐れ入りました、全部恐れ入りました、そういうことでは私はだめだと思っておりますといった趣旨の発言をしていたのを、私はたまたま国会内のテレビで拝見いたしました。大臣の発言は、国連の正式な機関であるILOを著しく軽視したものであり、見過ごすことはできないと思っております。
 そこで、この大臣の発言は理事会で扱いが問題になっているとこれまた聞いておりますけれども、これは政府の公式見解と考えてよいのか、大臣の発言の真意はどこにあるのかをまずお尋ねいたします。
○片山国務大臣 表現、物の言い方の問題がございますが、私は、結社の自由の原則を初めとするILOのこの基本的な原則の重要性は十分に認識し、理解しているつもりであります。しかしながら、今回の中間報告において、我が国の公務員制度がILO条約に反すると指摘されたことについては、我が国の法制度やその運用状況を十分理解した判断とは言えず、従来のILOの見解と異なる部分もあることから、承服しがたい、こういうふうに思っております。そのことは既に談話で発表いたしております。
 しかも、今回の報告は中間報告ですから、最終報告がどうなるかということもありますので、我々は、ILOに対して、いろいろな情報の提供あるいは当方の考え方の理解を今後とも求めてまいりたい、こういうふうに考えております。今までにない物の言い方をされているわけで、これについては我々も、当方の考え方を十分に理解していただくように努力いたしたいと考えております。
○黄川田委員 初めからこの勧告の受け入れを拒否ともとられるような姿勢はいかがなものかと私は思っております。そしてまた、御案内のとおり、勧告には強制力あるいは法的拘束力はないものの、大臣の発言は国際的信頼を失墜しかねないところでありまして、発言の真意の十分な説明の必要性を指摘しておきたいと思っております。
 そしてまた、一方、去る十二月二日の衆議院の予算委員会で、小泉総理は、ILOの勧告をよく見て、世界の実情と日本の国情をあわせ照らして、適切な関係を維持できるような体制に持っていきたいと答弁し、勧告を尊重する姿勢を表明しておるところであります。
 そこで、今回のILOの勧告を見ますと、公務員の労働基本権制約を引き続き維持するとの日本政府の方針について再考を促すとともに、労働基本権を制限するのであれば、代償措置をしっかり確保すべきということを述べておられるところであります。私も全く同感であります。
 労働基本権の制約と代償機能の仕組みは、いわばトレードオフの関係にあるはずであります。つまり、この労働基本権制約を続けるのであれば、人事院による代償機能はこれまで同様に、あるいはそれ以上に維持するべきであると思っております。他方、人事院による代償機能が低下すれば、労働基本権の制約について、これを見直すことが必要になると思います。両者はこういう関係にあると思っておりますけれども、総務大臣及び人事院総裁の認識、それぞれお尋ねいたしたいと思います。
○片山国務大臣 既にこの問題、何度も論議されておりますが、国家公務員の労働基本権につきましては、その地位の特殊性と職務の公共性にかんがみ、国民全体の共同利益の保障という見地から制約をされているわけでございます。しかし、同時に、国家公務員も勤労者であり、その生存権の保障の見地から、労働基本権の制約に見合う人事院勧告制度等の代償措置を設けているところでございます。
 今回の公務員制度改革大綱においても、この公務員の労働基本権を制約しているから、代償機能、代償措置は保障する、相応の措置をとる、こういうことを書いてあるわけでございまして、その点は政府としては考え方が変わったわけではありません。労働基本権を制約しておれば、その代償措置は十分に担保する、こういうことであります。
○中島政府特別補佐人 考え方は黄川田先生がおっしゃった考え方とほぼ同じでございます。
 人事院が決めております代償措置というものの一部か相当部分かわかりませんけれども、それを政令で決めたい、政府の方で決めたいということでしたら、やはり勤務条件ですから、労使対等の交渉ができるシステムを新たに法律で決める、その上で交渉していただくということになるだろうというふうに思います。そういう措置をおとりにならないなら、やはり代償機能というのは現在のままだというのが原則的な考え方じゃないかというふうに思います。
○黄川田委員 総務大臣は、総論、基本的なことをよく理解なさっておりますけれども、何か、公務員制度改革大綱の具体に行きますと、どうも横道にそれた感じに思われますので、よろしく、人事院総裁の御意見も十分に尊重していただきたいと思っております。
 今回のILOの勧告は、今般の公務員制度改革の内容だけではなく、検討手続についても日本政府を強く批判しておりまして、関係者との十分で率直な協議を強く勧告すると述べております。今般の公務員制度改革については、その検討の進め方が不透明であり、先ほど来言われているところでありますけれども、関係者の意見が全くと言っていいほどくみ上げられておりません。その結果、改革の中身も官僚のお手盛りになっているとして、これまで国内的にも、学識者等で構成された二十一世紀臨調が問題点を取りまとめ、小泉総理に緊急提言を行っておるところであります。また、先ほど紹介がありましたとおり、マスコミや有識者からは厳しく同様な指摘がなされておるところであります。
 そこで、今回、国際的にも同様の指摘が行われたわけでありますので、この際、このような批判にこたえて、原点に立ち返り、白紙から国民の求める改革を検討し直すべきであると思いますけれども、いかがでしょうか。そしてまた、その場合、今までのような、キャリア官僚が中心メンバーとなって非公開での内閣官房主導の検討の進め方ではなくて、広く有識者や関係者とオープンな議論を一つ一つ積み上げていくべきであると考えておりますが、いかがでしょうか。この二点について、先ほどと同じように、総務大臣及び人事院総裁の御意見を伺いたいと思いますし、あわせて内閣府の行革担当の根本副大臣の見解も求めておきたいと思います。
○片山国務大臣 公務員制度改革は行革特命大臣が今担当してやっておりまして、内閣官房中心に検討が進められております。しかし、公務員法そのものあるいは公務員制度は総務省の所管ですから、内閣官房と連携協力しながらやっている、こういう状況でございます。
 今、たたき台とかという説明も、当委員会だったか前の委員会だったか何かにはございましたが、昨年の十二月に可決された公務員制度改革大綱に基づいて、具体はどうするかはこれからの議論ですから、私は、十分関係者の議論を聞いて調整をして、最終的なまとめをすべきではなかろうか、こういうふうに考えておりまして、恐らく内閣官房もそういうおつもりではないかと考えております。
○中島政府特別補佐人 案ができるまでのプロセスについていろいろ厳しい批判があるというのは、おっしゃるとおりだと思います。
 その批判というものをいろいろな場面で聞くわけでございますけれども、これを整理してみますと、一つは、国家公務員制度というのは国の組織の基本法だ、これを改正するときにお役人さんだけで議論して案をつくっていいのか、やはり国民各界各層の参加を得てつくるべきじゃないかという視点からの批判があるだろうというふうに思います。
 もう一つは、案が出て初めて我々は内容を知ったということを言う行政学者とかジャーナリストとか評論家がたくさんおる。したがいまして、そういう人にとりましては、案が発表されるということはパブリックコメントがいわば始まったというふうに受け取っておる。したがって、そこから議論を始めたいというふうにそういう人たちは思うておるようですが、しかし、いろいろ御意見を申し上げても案を変更する、修正するというような話が一向に出てこない、そこに一つ厳しい批判が集まっているのじゃないかというふうに思います。
 したがいまして、これからの進め方としては、やはり各界各層の人たちのいろいろな意見をオープンな場で聞いていただいて、そして、一度決めたけれども、とにかく十分議論をしていい案をつくり上げていくんだという心構えで進めていただく方が、案外遠回りのようで近道じゃないかというふうに私は思います。
○根本副大臣 先ほども私、公務員制度改革大綱決定までの経緯を申し上げました。この点に入る前に、少しILOの勧告につきまして考え方を申し上げておきたいと思います。
 今回のILOの勧告、これは我が国の法制度などについての理解が十分ではなくて、ILOの過去の見解と整合しないと認められる部分もあると認識しております。政府としては、勧告の内容を十分精査した上で、ILOに対し、必要な情報提供などを行い、我が方の見解について十分な理解が得られるよう、さらに説明をしてまいりたいと思います。
 この公務員制度改革大綱を経ての今回の公務員制度改革の内容につきまして、これまでの経緯も含めて申し上げたいと思います。
 先ほども申し上げましたように、平成九年に行政改革会議の最終報告が公表されまして、内閣機能の強化や新たな中央省庁のあり方とあわせて、公務員制度の改革の基本的な方向が提示されました。平成十年六月に中央省庁等改革基本法が成立し、要は、法律が、基本法が成立したわけですから、その中で国会の審議等もあったわけでありますが、公務員制度の改革について早期に具体的成果を得ること、人事院の機能を職員の利益保護等のためにふさわしい機能に集中させるなど中央人事行政機関の機能分担を見直すことなどが国会の審議の中で法律の中へ盛り込まれました。
 それから、行政改革大綱、これは閣議で決定したわけでありますが、ここで国家公務員の抜本改革を行う旨、これもさまざまな意見を聞きながら、閣議で決定されたという経緯であります。そして、平成十三年一月に内閣官房に行政改革推進事務局を設置して、いろいろな、さまざまな意見を聞きながら、公務員制度改革大綱を閣議決定したものであります。
 私は、公務員制度改革大綱の決定、要は、この公務員制度改革大綱の意味がまだ必ずしも十分に理解されていないのだろう、人事院を含めてなぜこういう公務員制度改革をするのか、そういう趣旨を十分に御理解いただいていないということだと思います。したがって、この問題は、まさに広く国民の御理解を得て検討を進めていく課題であると認識しておりますので、当然、今回の改革の内容につきましては、関係府省や職員団体等との意見交換も行ってまいりましたし、行政改革推進事務局のホームページの開設などにより改革の取り組み内容について周知を図るとともに、広く御意見も承ってきたところであります。
 最近に入っても、大臣みずからによる有識者からのヒアリングや、事務局と憲法、行政法学、労働法学の多くの先生方と意見交換を行っておりまして、引き続き、職員団体などの関係者との意見交換などを通じまして、国民各界各層から御理解をいただけるようにより一層努力し、改革の実現を図ってまいりたいと思います。
○黄川田委員 それぞれお話をいただきました。総理も先日の答弁で、公務員制度改革については関係者、職員団体等と協議を進めると答弁されているのでありますから、今はされているということを言われていますけれども、ぜひともさらに、職員団体や人事院を初めとする関係省庁と、あるいは学者の皆様方ときちっと話を詰めていただきたいと思っております。大事な問題でありますから、拙速は避けていただきたいと思っております。
 この公務員制度は何といっても国の行政の根幹を支える制度でありまして、これが揺らぐと国全体がおかしくなってしまいます。そしてまた、地方公共団体にも、あるいはまた地方公務員にも大きな影響を与えるものであります。私は、きょうのILOの問題を初めといたしまして、これからもこの問題につきまして引き続き本委員会で質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、具体の質問に入りますので、人事院総裁それから根本副大臣には、御退席されて構いません。ありがとうございました。
 それでは、本題のオンライン三法の法案質疑に入りたいと思います。
 御案内のとおり、今回の行政手続のオンライン化に際して、各府省のアクションプランのオンライン化対象手続は総計約五万二千件にも及びます。そしてまた、そのうち、国民等と行政との間の申請、届け出等の手続が約二万一千件、それから行政機関等の間、同一組織内等の手続が約三万一千件とのことであります。また一方、内訳を別な視点で見ますと、国が扱う手続が約三万三千件、地方公共団体が扱う手続が約一万四千件、独立行政法人等が扱う手続が約五千件となっております。
 そこで、質問でありますけれども、平成十二年四月に地方分権一括法が施行され、二年半がたちました。地方公共団体ではほかに条例等で規定する手続も多いと思いますけれども、以上のとおり、オンライン化対象手続で見る限り、依然として国が扱う手続が多く、地方への権限移譲が進んでいないような姿が読み取れると私には見えるわけであります。そこで、これについての大臣の所見を伺っておきたいと思います。
○若松副大臣 今、黄川田委員が、地方公共団体一万四千件、そして国は三万三千件ということで比較をされましたが、二点の観点から、この数字だけではちょっとはかれないというところをぜひ御説明させていただきたいと思います。
 まず一点目ですが、アクションプランの地方公共団体関係の部分でございますが、これは法令に基づく手続でありまして、国が実施方策の提示等、条件整備を図るもののみを対象としておりまして、地方公共団体が独自に条例等に基づいて行うものは含まれておりません。
 二点目といたしましては、国が扱う手続につきましては、国民との間での手続ではなく、バックオフィスによる手続、例えば人事とか給与、こういった手続も含まれているわけでありますが、これにつきましても各地方公共団体が独自に手続を定めておりまして、このアクションプランの対象に含まれていない。そういったことで、先ほどの国と地方公共団体の手続数の把握になったわけでありまして、決して手続数の違いのみで地方分権が進んでいないということはございませんで、ぜひ御認識を持っていただければと思います。
 いずれにいたしましても、地方分権一括法によりまして、機関委任事務制度を廃止いたしまして、地方公共団体が行うものはすべて地方公共団体の事務であると整理するとともに、国の関与を縮小して地方公共団体の行う事務そのものを、自主性、自立性の飛躍的向上が図られたことは委員も御案内のとおりだと思います。
 そういうことでありまして、地域住民のニーズを迅速的確に把握して行政に反映させる、このためには、何といっても住民に身近な地方公共団体にできる限り事務権限を引き続き移譲することが必要だと考えておりまして、小泉内閣の掲げる、地方でできることは地方にゆだねる、この原則をしっかり実現しながら、しかし今、地方分権、いわゆる事務の移譲といいながらも、税源移譲がない、これは私どもはいつも地方からの声を聞いておりまして、何としても税源移譲もあわせてやっていきたいと思いますので、ぜひ委員の御協力もよろしくお願いいたします。
○黄川田委員 頭でっかちの中央政府を脆弱な自治体が支えるというような、そういう構図にならないようによろしくお願いいたしますし、また、副大臣おっしゃったとおり、形だけの地方分権ではなくて、税財源の移譲もよろしくお願いいたしたいと思います。
 そしてまた、電子政府、電子自治体を推進するに当たっては、コンピューターメーカーのハードウエアあるいはソフトウエアをどのように組み合わせて構築したコンピューターシステムであっても、うまくシステムが作動することが大事であります。今日、世界的に情報通信機器の仕様を標準化する動きが活発化しているようであります。例えば米国の国防総省などでもオープンソースOSが導入されていると聞いております。
 そしてまた昨今の報道でも、我が国は、電子政府の安全性を高めるため政府内ネットワークのコンピューターで採用する基本ソフトの見直しに乗り出し、リナックスなどのオープンソースOSと呼ばれる基本システムの採用を予定するとされておるところであります。オープンソースOSを採用して安全性が向上するならば非常によいことでありますけれども、一方、本当に安全性がどこまで向上するのか、ちょっと疑問なところもあるとも聞いております。
 そこで、電子政府、電子自治体などの公的部門のコンピューターシステムでオープンソースOSを採用した場合は、安全性がどの程度向上するのか、そしてまた、政府はこのオープンソースOSの採用について将来の基本方針としてどう考えておるのか、総務省の考え方をお知らせいただきたいと思います。
○稲村政府参考人 お答え申し上げます。
 オープンソースのOSに対する内外における関心の高まりを踏まえまして、総務省といたしましては、オープンソースOS及び非オープンソースOSにつきまして、セキュリティー面や運用面等におけるメリット、デメリットを客観的、中立的に評価することがまず必要であると考えております。
 このため、総務省におきましては、そのための調査研究を実施することといたしまして、平成十五年度の予算におきまして予算要求をしておりまして、事務的にも着手可能な準備については、早急に取り組みを始めることといたしております。
 いずれにいたしましても、電子政府、電子自治体のOSにつきましては、セキュリティー面や運用面等におけるメリット、デメリットを客観的、中立的に評価した上で検討していくべきものと考えております。
○黄川田委員 ちょっと通告しておらなかったわけですけれども、参考までに、諸外国のオープンソースOSの採用の動向を把握しておるのであれば、お示しいただきたいと思うわけであります。
○稲村政府参考人 その点も含めまして、来年度に調査研究していきたいと考えております。
○黄川田委員 どこかの研究機関で何か調べておるんじゃないですか。きょうお持ちでないということでしょうから、しっかりと調べておいていただきたいと思います。
 そしてまた、一般にこの適用システム開発の際には、小規模の自治体におきましては、職員の人手不足もありまして、そして一たん外注化されると、職員がシステムを理解し自分たちのものにするのにこれまた時間がかかるわけであります。また状況によっては、自分たちでは消化し切れずに、外注化のままの状態で見切りスタートをせざるを得ないこともあるのではないかと、私も自治体から来ておりますので、不安を抱くわけであります。
 そこで、一昨日も質問いたしましたが、今回のオンライン化法案は個人情報の保護に深くかかわる法案でありますので、あいまいな状態でスタートすることにはならないように、自治体、特に小規模自治体によく指導していただきたいと考えておりますけれども、総務省の見解、再度お伺いいたします。
○大野政府参考人 自治体ごとにシステムを開発するとかあるいは運営をするということになりますと、今、委員御指摘のような懸念も起こりがちでございますけれども、私どもは、前から申し上げておりますように、できれば共同で開発、運営をして、これを民間の業者に委託をしたらどうかと思っております。運営の場合のセキュリティー対策、例えば二十四時間監視するとか、ウイルスが侵入していないかどうかきちんと検知するとか、そういったことを専門の者にさせるということも大事でございますので、そういった形でシステムの開発なり運営を進めたらどうか、こう思っております。
 その上で、住民の方々の情報にかかわることがございますので、これはそれぞれの自治体で個人情報保護条例をつくっていただきまして、現につくっているわけですが、その中で、委託先との関係もきちんと条例に盛り込んで、不安のないように担保するということが大切だと思っております。
○黄川田委員 小さな市町村はまとまってということでありましょうけれども、合併すれば大きな受け皿になるということなんでしょう。
 また、今現在、一部事務組合とかあるいはまた複合事務組合あるいはまた広域連合等々、受け皿みたいなものがあるんでありますけれども、そういうところも視野に入れておるということでしょうか。
○大野政府参考人 この形態は実はさまざまになろうかと思っておりまして、例えば電子申請とか届け出につきまして汎用的に受け付けるシステムをつくるということにつきまして、ある県では、県も入りまして全市町村一緒にそれをつくるというところも出てきております。実際には、各県で電子自治体の推進協議会というものを今つくっておられますので、そこで何のシステムについてどういう組み合わせでいくか、こういう御議論がされるというふうになるわけでございます。
○黄川田委員 それでは次に、オープンネットワークにおける申請、届け出に対応する手数料の納付に関し、不特定多数の人がごくまれに手続を行う場合、その簡便な納付方法を検討しておく必要があると思います。
 一般に、申請、届け出手続をオンライン化する場合に、納付書の送付を伴う口座振替、インターネットによる口座振り込み、インターネットによるデビットカード決済、インターネットによるクレジットカード決済、あるいは電子マネー等々、いろいろな手法が考えられるわけであります。これらの手法を検討する際に、手数料納付の確実性あるいは納付確認に要する行政機関の負担の軽減化などなど、事前に考えておかなければならない課題が多いのではないかと考えております。
 そこで、これらの点を総合的に考慮いたしまして、どのような納付方法が現状では最もふさわしいと考えられるか、また、その際、自治体は事前にどのようなことを検討しておかなければならないか、あわせて総務省の見解を求めておきたいと思います。
○大野政府参考人 今御審議をお願いいたしておりますオンライン化関係三法案の中のいわゆる整備法でございますが、その中でも、電子納税、あるいは手数料につきまして電子納付ができるという規定を設けることにいたしております。この場合の納付、手数料のみならず、税金も同じでございますけれども、国も地方も、今考えておりますのは、民間の金融機関がマルチペイメントネットワークシステムというものを研究しておりまして、これを使うのが申請をされる国民の方々にとっては選択の幅が一番広いのかな、こう思っております。
 そういったものを使ったシステム、私どもの方では受け付けシステムになるわけでございますけれども、こういったものを地方団体にもシステムを提示するということにいたしまして、地方団体が導入しやすいようにしていただくということを考えております。
○黄川田委員 それでは次に、行政手続等の法案の第七条において、地方自治法に基づく条例の制定あるいは改廃の請求など三十四法律、二百二十二の手続につきましては例外的にオンライン化の可能規定の適用を除外するものとしておるところであります。
 そこで、これらの手続が適用除外とされた理由は主に何であるのか。また、証明書、許可証等の現物交付、あるいはまた出頭、対面審査などが求められているこれらの手続でありますけれども、今後、オンライン化をできるだけ可能にするために、これをどうするかという取り組みなんかはされておるのでしょうか。これもあわせて総務省にお尋ねいたします。
○大野政府参考人 今、議員御指摘のありましたオンライン化になじまないものにつきましては、このオンライン化法の中で適用除外として別表に個別的に列挙をいたしております。三十四法律あるわけでございますが、原則的な考え方は、先ほどちょっとおっしゃいましたけれども、手続に当たりまして現物の提出を要する、あるいは対面をしなきゃならない、こういったものがオンライン化にはなじまないわけでございますので、そうしたものが主としてあるわけでございます。具体的に言いますと、例えば道路交通法の免許証の交付、こういったものが適用除外になっている。旅券法の一般旅券の交付、パスポートですね、こういったものがあるということでございます。
 ただ、これにつきましても、今、各省のCIO会議というものができたわけでございまして、今の仕組み、手続のやり方ですとオンライン化になじまないわけでございますが、IT技術を活用することによりましてオンライン化できるように努力をするということになっているわけでございます。
○黄川田委員 いずれ努力をしていただきたいと思います。
 それでは次に、一昨日も到達時期に関して質問させていただきましたけれども、行政手続のオンライン化が進みますと時刻の認証の重要性がますます高まってくるのではないかと思っております。しかし、パソコン等に内蔵されております時計は、電圧の変動や作動状況によりまして誤差が生じやすく、信頼性に乏しい場合もあります。そしてまた、利用者が容易に調整できますので、書類の作成時刻を不正に操作することも可能となります。
 したがって、電子政府化あるいは電子自治体の推進によりまして、国や自治体の入札や特許の出願などでは書類の作成時刻や提出時期などが大きな問題になると思っております。最近の新聞報道によりますと、今後電子化が進展していきますと、不正や偽造の防止のため新しいシステムや機器の開発が進みまして、この時刻認証の関連市場は総額で一千五百億円規模、あるいはまた、周辺市場も加えると、将来には三兆円の市場になるのではないかというふうな可能性もあるということも言われておるところであります。
 そこで、現時点では、時刻の電子的認証というものはどのような法的裏づけがあるのでしょうか、そしてまた、最近の時刻認証の技術開発動向はどのような状況にあるのか、お尋ねいたしたいと思います。
○大野政府参考人 時刻認証につきまして、私の方からはオンライン化手続法関連ということでお答えを申し上げたいと思います。
 今御審議をお願いしておりますこの法案の中で、到達時期につきましてはこのような考え方になっているわけでございます。申請される方の場合、それから申請した後行政機関からのさまざまな処分通知、両方あるわけでございますが、申請をいたします場合に、申請につきましては行政機関のシステムのファイルへの記録が完了したときに到達したものとみなす、こういう規定を入れております。
 それから、行政機関の側から国民の方々への処分通知の場合でございますけれども、これは、申請をされた方が行政機関のファイルにアクセスしまして、通知を、データをダウンロードする、それで御自分のシステムのファイルへの記録が完了する、こうしたときに到達時期が定められるということで、いわゆる時刻認証そのものはここでは使わなくて済むものと考えております。
○石原政府参考人 委員の御指摘のとおり、安心して利用できる高度情報通信ネットワーク社会を実現するために、ネットワーク上で行われました電子商取引等におきまして、第三者に証明することができる時刻認証というものは不可欠であるというふうに認識をしております。
 今後の時刻認証サービスの広がりに向けまして、新たなサービスの開発でありますとか普及に向けた取り組みのほか、技術開発という面で申し上げますと、インターネットを利用しても遅延することなく精度の高い時刻情報等を配信可能とする技術でありますとか、日本標準時をもとに正確かつ信頼できるタイムスタンプを高速に付与するとともにその改ざんを防止する技術など、さらなるセキュリティーの向上を図るためのタイムスタンプ技術の研究開発、標準化等に取り組むことが必要でございまして、そのための研究開発については、平成十五年度予算でも要求をしているところでございます。
 総務省といたしましても、関係機関と連携を図りながら、こういった時刻認証等の普及、促進に向けまして、研究開発、標準化等の推進を図っていく所存でございます。
○黄川田委員 お話のとおり、今さまざま検討されておるようでありますし、また予算要求もされておるようであります。時刻認証ビジネスの普及のためにも、国あるいはまた自治体などの公的機関が積極的にシステムを導入するようによろしくお願いいたしたいと思います。
 この臨時国会も火木、火木とずっと質問してまいりました。たまには二分ぐらい残してやめるのもいいかなと思いますので、これで終わります。ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、春名直章君。
○春名委員 日本共産党の春名直章でございます。
 先ほど、大出委員が整備法案の中の行政書士の関連法案について御質問されましたが、それに続いて、この分野の問題を質問したいと思います。
 同法の第十九条に、先ほど質問もありましたが、第一項に、定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、当該手続に関し相当の経験または能力を有する者として総務省令で定める者は電磁的記録の作成をやってもよい、業務独占をなくすという一文が入りました。
 同じ士業の改正で、税理士法、社会保険労務士あるいは海事代理士、司法書士、こういう改正項目はありません。なぜ行政書士法だけこういう改正をやるのか。改めて明確にしておいていただきたい。
    〔委員長退席、林(幹)委員長代理着席〕
○芳山政府参考人 今回の行政書士法の一部改正でございますけれども、一条の二で業務独占を入れまして、十九条で、御指摘のとおり、定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める行政手続については、当該手続に関して相当の経験または能力を有する者として総務省令で定める者が電磁的記録の作成業務を行うことについて改正を行ったものでございます。
 これにつきましては、我々としては、今後、行政手続オンライン化法を契機としまして、定型的かつ容易に手続を済ませることができるオンラインシステムを備えた行政手続の整備、これが予想されることから、一つは、電子政府、電子自治体の目的であります行政手続の簡素合理化、簡素効率化の観点、また、業務独占を認めている資格制度の趣旨等々をかんがみまして、今申し上げましたように、そういう総務省令で定める手続また者について作成業務を行ったわけでございます。
 我々としては、そういう中で、今後、総務省令を定める際には、当該手続を所管する国務大臣の意見を聞きながら、また、オンライン化の進展状況を踏まえながら、現状をしっかり把握した上で、過去の実績ないしは業務能力を総合的に勘案して検討してまいろうと思っています。
 他士業との関係は、我々としてコメントする立場にないと思っていますが、それぞれの省庁で検討されるものと考えております。
○春名委員 理由は、簡素効率化に資するということだけですか。
○芳山政府参考人 我々としては、今回の改正において、規制緩和というのもIT化社会における一つの流れである、その中で、やはり一定の能力を持っている者という歯どめをかけつつも、具体的な手続についてケース・バイ・ケースに考えていこうというぐあいに立案したものでございます。
○春名委員 効率化とあわせて規制緩和をするんだというのが今の理由だということを確認しておきますが、おいおい議論します。
 国土交通省にお聞きしますが、法案準備の段階で、海事代理士法にも同様の改正をしようとしたと思いますが、それは改正案にはなくなっております。なぜこれはやめたんですか。
○徳留政府参考人 お答え申し上げます。
 海事代理士は、他人の委託により、業として、行政機関に対し海事関係の法令の規定に基づく申請、届け出、登記その他の手続をし、これらの手続に関する書類の作成を行っております。
 具体的には、船舶の検査、船員の雇い入れ契約の公認、海技免許の申請等の、そういう手続を行っておるわけでございますが、例えば船舶の検査を例にとりますと、検査の内容ごとに申請の書類が異なる、かつ、多岐にわたるのみならず、おのおのの書類につきましても、例えばデータ、スペックを求めるとか、そういう記載も必要でございますので、極めて個別的かつ専門的、複雑な業務でございます。
 お尋ねの件につきましては、私ども、事務的に検討をいたしましたが、今申し上げましたように、海事代理士の行う申請等の事務手続については、それぞれ個別的、専門的かつ複雑な業務であるということでございまして、定型的かつ容易に行える事務とは認められないということで、業務制限の適用除外規定は設けないということにしたところでございます。
○春名委員 行政書士の分野だけは簡素で簡単にできるかのような、これは聞いていたらそういう話になるわけですけれども、決してそうではないと思うんです。
 国民が直接手続を行って負担を減らすことは私たちも賛成であります。しかし、それならば国民が直接できるようにすればいいのです。どうして、経験や能力を有する者という形で、行政書士以外の者にそれができるような改正をわざわざするのか、それが私にはどうしてもわかりません。
○芳山政府参考人 今回の改正について、改正経緯については先ほども申し上げましたけれども、一つは、今先生御指摘の点でいいますと、電磁的記録を行政書士の業務独占の中に追加したわけでございますが、その場合、電磁的記録の作成を入れるのはもう当然だという御意見ももちろんあるわけでございます。
 一方、今後オンライン化に伴って電子申請なり電子届け出がなされる、そして、その添付書類を簡素化することによって国民が電磁的記録の作成を行えるようにするというようなことでございまして、これは、IT化社会のみならず、規制緩和の観点からも必要ではないのか。だから、業務独占についてそのまま認めるのは問題があるのではないかと。特に、自動車団体を中心に、平成十七年度の実施を予定しておりますワンストップオンライン化サービスについての電磁的記録の作成までも行政書士の業務独占にすることはいかがなものかというような御意見もあったわけでございます。
 そういうようなことから、我々、行政書士における役割は十分認識をしておりますが、一部手続について、ケース・バイ・ケースに、今後の具体化の動向を見ながら例外ケースを考えていこうと。その場合は、法律にありますように、所管の大臣の御意見もお伺いしながら、総務大臣として決めるということで、総務省令で定めることとしたわけでございまして、先生御指摘の、個人として国民の皆さんがオンラインでできることはそのとおりでございますが、業として行う場合どう考えるのかというのが今回の論点だろうと思っています。
    〔林(幹)委員長代理退席、委員長着席〕
○春名委員 全然説得力ないですよね、局長。国民が直接やれるようにするのがいいんですよ。何で新たに、相当の経験、能力を有する者という規定を置いて、業としてお金を取るような、そういうところをふやすのかと聞いているんですよ。IT化というのは国民の負担を減らすためにやるんでしょう。それがわからないんですよ。そこをちゃんと説明してくださいよ。
○芳山政府参考人 国民がオンラインを今回の場合できるというのはそのとおりでございます。
 今回、業として行う場合に、行政書士が電磁的記録を業務独占するのかどうかというのが議論のもとでございまして、我々、今回の場合は、そういうオンライン化になった場合には、電磁的記録について定型的、容易になる事務もある。ただ、それについても、やはり書類の作成と同様に公共性の高い電磁的記録でございますので、それは総務省の定める者ということで、これについては能力なり経験というのを絡ませたということでございまして、我々、ここで考えておりますのは、それに伴って新たな業態というか業というのを創設したと思っておりません。これについては規制緩和の一環であって、したがって、そういう意味でいいますと、その部分は、特定の手続と特定の者についてケース・バイ・ケースで考えていくということでございます。
○春名委員 ですから、説得力全然ないんです。
 要するに、今お話に出たけれども、特定の者というのは日本自動車販売協会連合会、自販連の自動車登録業務代行センターである、今はそれ以外には想定されていないというのが先ほどの大出委員への答弁でありました。今でも代行センターは、自動車登録のための申請業務を実質行っているわけですよね。しかし、表向きは業としてはできません。できないということになっていますよね。これは確認します。
○芳山政府参考人 行政書士の業務独占でございますけれども、書類の作成というのが業務独占になっています。一条の三で、提出代行、そして代理、これはみんな非独占になっております。
 今我々が考えておりますいわゆる自販連でございますが、これまで提出代行という形で事務をやられているということでございまして、御指摘のとおりでございます。
○春名委員 御指摘のとおりなんですね。
 それで、今回の改正では、電子申請については、行政書士の独占ではなくなって、総務省令で認められれば、代行センターが晴れて業としてお金を取って申請を行うことができるようになるわけですよね。建前としては、国民はセンターに頼めば無料だった。建前としてはというのが大事なんですが、しかし、今後は有料で晴れて取れるわけですよね。国民に新たな負担をかけることになるじゃないですか。なぜこんなことをするのかがわからないと言っているんです。
○芳山政府参考人 これは、国民の選択として、行政書士に依頼するか、個人としてオンラインをするか、または今回の場合の、総務省令で定める能力、経験を有する者にするかという意味でいいますと、選択の幅が広がっているというぐあいに我々思っております。
 そういう意味で申しますと、IT社会における手続を、一定の限度において今回の法改正をしたというぐあいに認識しています。
○春名委員 国民の選択が広がるということを一般的に否定しませんけれども、新たに業として、国民の負担がふえるような仕組みをあえてなぜ今入れなきゃいけないのかというふうに言っているわけですね。
 お聞きしますが、この代行センターに対しては、行政書士法十条の二は、業務に関して受ける報酬の額を掲示しなければならないとなっております。各業務の報酬額について、統計を作成し、これを公表するように求められております。その結果、行政書士報酬研究委員会というところが、報酬額に関する統計調査について、車庫証明とか自動車登録について大体どれぐらいの刻みでどれぐらいのお金を取っているか、全部自主的に発表しております。この相当な経験と能力を有する者、代行センターにもこうした義務を当然かけることになりますね。
○芳山政府参考人 今後、我々、どういう手続がこれに該当し、またオンライン化の手続が進んでいってそういう状態になるのかというのを、じっくり、所管の省庁の意見を聞きながら判断してまいりたいというぐあいに思っております。
 なおかつ、今後、指定の際には、先ほども御議論ありました内部規程の中で、どういう運用の仕方をするのか、どういうコンプライアンス体制というか法令遵守体制をとるのか、また料金のぐあいをどうするのか、よくよく聞いた上で判断してまいりたいと思っております。
○春名委員 今行政書士にはかけられている、報酬の額がどれだけかというような発表も、これからやろうとしている者に対しては、今の時点ではないわけですよね。
 それから、先ほど大出委員が御質問がありましたが、大問題だと思うのは、守秘義務の問題ですよね。経験と能力を有する者には行政書士と同じように守秘義務をかけるのは当然だと私は思いますが、かからないんですか。
○芳山政府参考人 行政書士法に言う守秘義務はかからない仕組みになっていますが、その背景としては、行政書士は国家資格ということで試験制度になっていまして、法律上、書類の作成について広範な業務独占になっている、そして、資格要件なり、今言われたいろいろの面で制約が設けられている、職務についての誠実、適正な執行が、規律が求められているということでございます。
 今回の総務省令で定める者につきましては、こういう行政書士とは異なりまして、一定の特定の手続を行う場合に限って認められる、なおかつ、規制緩和の観点からこの手続についてのみ行うという意味でいいますと、行政書士と同様の守秘義務ないしは資格要件を職務規律上要求することは適当でないというぐあいに判断をしました。
 ただ、この総務省令で定める者につきましても、電磁的記録についての作成という意味で申しますと公共性の高い業務と思いますので、その意味でいうと、高い倫理観や社会的責任の保持が求められると思います。そういう意味で、総務省令で定める際には、指定しようとする団体が、内部規程において、その取得した情報を本人の同意を得ることなく本来の取得目的、電磁的記録の作成以外の目的で使用しない旨明確に定めていること等を指定の要件としてまいりたいというぐあいに考えております。
○春名委員 要件にするのは当然なんですけれども、一方では、行政書士法の中では、書類を扱う際に守秘義務がかけられて、資格を取ってやっているわけでしょう。今度の場合は、その法律はないわけですよね。当然、罰則はないわけです。
 私、おかしいと思うんですよ。以前、総務省は、自動車登録の申請事務などの独占を行政書士から外すという問題が議論されたときに、それはだめだというふうに言われていますよね。その根拠をどこに求めていましたか、以前。記憶がありますか。
 わからなければ、例えば、平成九年五月、自治省の行政局行政課が「行政書士による代書業務の専属の緩和について」という文書を出しているんですね。自動車登録の申請事務の独占など、こういう独占を行政書士から外すことについて、やってはならないと。なぜやってはならないか、理由を書いてあるんですよ。業務独占を廃止した場合、依頼者のプライバシーを侵害するような事態が生じ、人権問題に発展するおそれも十分懸念されているところ、そういう見解を明らかにして、独占じゃないとだめだというふうになっているんですよ。わずか五年前じゃないですか、平成九年といったら。この方針は、この態度は、今度から変えるということなんですか。どういうことなんでしょう。
○芳山政府参考人 作成についての社会的意義というのは、従来も今後も変わりません。変わりませんが、今回、電磁的記録について業務独占を外すということでございますけれども、それは、先ほど来言っていますが、行政書士における国家資格なり試験制度なりとは今回は違いまして、特定の手続、電子的手続についての、特定の者についてのみ行うという意味で申しますと、そういう意味で、電磁的記録についてのみそういう取り扱いをする。ただ、先ほども言いましたように、内部規律の面では十分対応してまいりたいと思っています。
 ただ、今回の改正について、先ほども言いましたように、業務独占を続けるべきであるという意見が一部ございました。一方では、こういうIT社会の中で、規制緩和をすべきじゃないのか、特に自動車団体からは、オンラインに伴う、ワンストップサービスに伴う事務についてまでも、電磁的記録についてまでも業務独占が続くのはいかがなものかという御意見がございました。そういう中で、行政書士会全体としては、今回のこの一部改正についてはやむを得ない、賛成であるということで理事会で決定し、また、早期成立も期待しておるということを聞いております。
 いずれにせよ、今回はそういうIT社会における電磁的記録についての対応だというぐあいに認識をしております。
○春名委員 IT社会というふうにまくら言葉をつければ何でもやっていいということにはならないわけで、間違っていることはやってはだめなんですよね。簡単な手続だとしても、住民票や戸籍の添付が必要な場合は往々にしてあるわけでして、当然守秘義務が必要なんですよね。しかし、それは要らない、総務省令でそれにふさわしい者を選ぶというようなやり方をされる。しかも、有料で取れる団体をつくる。
 ITで、電子化によって便利になることは大いに賛成だし、努力をしなきゃいけないし、そのために今度の法案も、皆さんもそういう認識でお出しになっているんだと思います。しかし、この中身は全く違うんじゃないかと私は思うんですよね。一方では住基台帳のプライバシー保護は万全だと言っている。一方ではプライバシーの規制緩和をやっているじゃないですか。だから、説明がつかないと言っているんですよ。説明がつかないことはやめていただきたいわけです。
 もう一回聞きますよ。一方で住基ネットの万全の個人情報保護はやる、やらなきゃいけないと。一方で守秘義務を外してプライバシー保護は緩める。整合性がないじゃないですか。どう思いますか、大臣、副大臣、どちらでも。
○片山国務大臣 これは、今度の行政書士は、いろいろな経緯があるんですよ。行政書士というのは、万般のことは何でもやるんですよ。そういうことの中で、長い間の、代行してきたというようなこともありますし、特定の業務について、特定の者だけに限定して、しかも内部的にはいろいろなことをきちっとやってもらうということが前提でやらせる道も開くんで、これからよく相談して、どういう態度で来るかを見て、場合によったら省令で決めなきゃいいんだから。だから、よく相談して、その上で我々は考えていきます。
○春名委員 大臣は、一昨日の委員会で、自動車保有関係のワンストップサービスのことに少し触れられた。自動車保有関係手続のワンストップサービスプロジェクト最終報告というのが出ていますが、きょうは国土交通省に来ていただいているので、このワンストップサービス、OSSという機関をこの文書では国土交通省の外につくるというように読めるわけですが、実際はどうなっているのか。そういうものは外につくるのか、中につくるのか。今どういう状況ですか。
○丸山政府参考人 お答え申し上げます。
 なぜOSSをやるかということでございますけれども……(春名委員「中につくるのか、外につくるのかだけでいいですから」と呼ぶ)端的に申し上げますと、関係行政機関で管理運用を行う、中につくるということで考えております。
○春名委員 要するに、国土交通省のワンストップサービスの機関は別に外にやってもらうということではないわけですね。もし外で、委託をして、そこで電子手続、オンラインでやっていくということであって、そこを特定の者とかこの法令でもし位置づけるんであれば、話は多少わかるかなと思いましたが、この話とは全く関係ないわけですね、今度の改正は。要するに、代行センター、自販連の利益をいかに拡大するかという話なんですよね、これは。問題はそこなんですよ。何で自動車販売業界にこのような特定の便宜を図らなきゃいけないのかというのが私はわからない。国民の利便を向上させる、国民の負担を減らすというためにやっているんですからね、皆さんのこの法案というのは。
 三月一日に、自販連を初め日本自動車会議所、日本自動車工業会、こういう自動車関連八団体が、電子申請を行政書士独占はだめだと、改正反対の要望を提出しました。三月七日には、総務大臣のところに、じきじきにお会いになってこれが提出されている。三月十二日の時点では、十九条の改正は入っておりませんでした。ところが、これを受けて、三月二十六日の改正案を見ますと、総務省令で定める者が総務省令で定める手続について電磁的記録を作成する場合はよろしいという項目が突如入る。翌二十七日の改正案を見てみますと、相当の経験を有する者というのが入る。そして、二十九日の改正案では、相当の経験または能力を有する者という、今回の改正案の文面になっているわけですね。
 要するに、これは特定の団体の要請にそのままこたえたというものになっているんですよね。だから、なぜ自動車販売業界にこのような特定の便宜を図る必要があるのかと。大臣、なぜでしょうか。
○片山国務大臣 基本的には自分でやればいいんですよ。どうしても自分でやれない、暇がない、だからお金を払ってもやってもらおうという人が行政書士を使うんですよ。自動車のこの場合には、代行センターでやってきた者がずっと大勢おるんですよ。
 だから、今回もその仕組みは残してほしい、こういう要請ですから、選択肢を広げただけで、嫌ならもう自分でやってもらう、これが一番で、ぜひやってもらうように我々もシステムを簡単にし、やってもらうようにいろいろなことを身につけていただきたい、一般の利用者の方に。しかし、どうしても自分は代行センターでやりたい人がおったら、絶対やるなという必要はないじゃないですか。行政書士でやりたいといったら、それもやらせたらいい、こういう基本的な考え方であります。
○春名委員 この問題ばかりはできませんので最後にしますけれども、なぜこのような、私から見れば非常に理不尽な改正が入るのかということで一言言っておきますが、例えば、自販連には、九九年二月十七日の読売新聞の調査では、地方の支部を合わせて三十人以上の運輸省のOB、警察、法務・検察関係、五十名以上の天下りがいる。調べてみましたら、現在中央の役員の中に、常務理事の谷合さん、旧運輸省情報管理部長、専務理事は元通産省の辛嶋さん、現時点でもこれは事務局の双璧ですね。事務局は天下りの人で占めているというふうに言っていいと思う。あと、会長、副会長は、自動車業界の社長さんなんかが占めているんですね。
 こういう非常に不明朗な、はっきり言いましてそういう天下りも根源にあると私は言わざるを得ないですよね。そういう国民にとっては全く理不尽で、利便性向上どころか、ほとんどそれに逆行するような事態をわざわざ潜り込ませているということはやめるべきだと、これは私、はっきり申し上げておきたいということです。
 さて、一昨日の私の質問に対して、個人情報保護法もできていない中で住基ネットシステムを稼働したことへの批判と不安、これが広がっているということに対する認識を大臣に問うたときに、何が不安なのかということの説明をちゃんとしなきゃいけないというふうにおっしゃった。説明が不足しているという趣旨の答弁もされました。
 そこで、大臣にもう一度お聞きをしたいと思うんですが、国民が住基ネットに最も不安に感じていることは何だとお思いですか。
○片山国務大臣 仕組みを十分に御理解いただいていない方が多いんで、一方では、不安だ不安だという指摘がありますから不安になるんですよ、人間というのは。私は、そうだと思っております。
○春名委員 二日前も同じことを言っていたんですよね。そういう大臣が不安の震源地なんですね、皆さん。国民の不安は、国民すべてに共通番号が振られるということについて、これについてどうなんだろうかという率直な疑問を持っているわけですね。私はそこに不安の根源があるというように感じるんです。
 そこで、その点、共通番号を振る、先ほどは通し番号と言われましたが、ランダムに振っているので通し番号とは言わないかもしれないけれども、一億二千万人すべてに一つの番号を振ったわけですね、このシステムで。ここで確認ですが、今度の住基ネットの住民票コードは、これまでの年金番号とか免許証番号とかとは本質的に違うわけです。つまり、生まれてから死ぬまですべての国民に一つの番号が振られる。これは史上初めてのことです、日本にとって。これはそうでしょう、大臣。
○芳山政府参考人 住民票コードとほかの行政目的における番号というものの違いは何かという御指摘であろうと思いますが、基礎年金番号でありますとか運転免許証番号でもパスポート番号でも、それぞれの目的に応じて番号がなされている。住民票コードは、本人確認をするための番号である、そのために限定された番号であるという意味でいいますと、共通番号と我々思っておりません。これは本人確認のために行う住民票コードでありますから、限定された番号であるという意味で、諸外国で言っている、諸外国で番号をつけられて、社会保障番号とか住民登録番号が使われている、そして官民利用されているという意味での共通番号ではないというぐあいに我々理解しております。
○春名委員 ちょっと質問の趣旨が違うんですよね。生まれてから死ぬまですべての国民に一つの住民票コードという言い方をしてもいいし、行政コードという言い方をしてもいいけれども、そういう番号が一億二千万人すべてにつけられるというのは今回初めてですねと聞いているんです。初めてでしょう、だから。大臣、どうぞ。
○片山国務大臣 それは、国民全部の本人確認のための番号ですから、当たり前なんで、番号が嫌だというのは、先ほども言いましたが、コンピューター社会やネットワーク社会を否定することですよ。だから、死ぬまで同じ番号では嫌なら、変えていただいて結構ですと私はいつも言っているんです。
○春名委員 本人確認のための番号なんだから全員についている、生まれてから死ぬまでつく番号であるというのは確認できました。要するに、この住民票コードというのは、そういう意味で汎用番号になり得る、マスターキーになり得るという番号なんですね。この国民一人一人に番号を振ることに、コードを振ることに対する批判が本質の問題なんですね。
 確認しますよ。先ほど幾らでも変えたらよろしいと言いましたが、私はこの番号は要りませんと言ったら、消去されますか。
○芳山政府参考人 住民票コードは、先ほど来お話がありますように、住民基本台帳の居住関係を公証するためにすべての住民に記載されるものでありまして、これは、全国で本人確認するためにも必要なものだというぐあいに思っています。
 仮に、今先生御指摘のように、消去ができる、できない、また選択によってできるということになりますと、住基全体のネットワークが支障を生ずるというようなことでございまして、記載ないしは住基ネットにおける保存を拒否することはできない、消去はできないというぐあいに思っております。
○春名委員 そうでしょう。消去できないんですよ。全員にずっと最後まで番号がついて回るという仕組みが初めて今度できて、それが稼働することについて、それでいいのかという疑問を持っているわけでしょう。
 そこで、次の問題です。
 大臣は、参議院の議論でも私の議論でも、コードが漏れれば幾らでも変更したらいいじゃないかと。それから、参議院の八田議員の質問では、住民票コードは気に入らなければ変更可能ですから、どうにでも変えられるんですと。ですから、どんどん変えればよろしいから、したがって、そんな総背番号制にはならないかのような御答弁を繰り返していらっしゃいます。
 そこで、私は確認したいと思いますが、今度のオンライン三法の中で、オンラインで住民票コードの変更はできますでしょうか。
○芳山政府参考人 ちょっと論点が違うだろうと思いますが、今回のオンラインの手続上は、変更請求に当たっては、本人確認を厳格に行うという意味で運転免許証等の提示を義務づけておりまして、必要に応じては、本人確認を行うために口頭で質問するということでありまして、今度のオンライン法の第七条の規定によりまして、成り済まし防止、他人が成り済まして住民票コードを変更することがあれば大変なことでございますので、個人情報保護の観点から、オンライン化の対象とはしておりません。
 ただ、この住民票コードの変更については、一生変えられないということは不安があるというような漠然とした不安感も考慮して、特定の要件も設けずに、いかなる理由であっても、理由もなく、その変更請求はできる制度としているということでございます。
○春名委員 ですから、ほとんど変えられないということですよね。だって、そうでしょう。例えばインターネットの接続パスワードなどは、ネット上では当然行えるようになっているわけです。なぜかといえば、頻繁に変えることによって、パスワードを特定されずに、情報が漏えいする危険を減らすためにそういう仕掛けを当然とっているわけですね。大臣はあちこちで、住民票コードを自由自在に変えられます、だから総背番号制にはなりませんみたいな説明をされているんだけれども、これは全然違うんですよね。
 変えるということはできるんですよ、手続は。オンラインでやればいいんですよ、そんなもの。ところが、私、調べたら驚いたんですが、今度の法案では、コード変更がオンラインでできないことが、ちょっと読んだだけではわからないように書かれているんですよね。
 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案、本法の方ですね、この本法の三条で、書面による申請に加えてオンラインでもできるようにするという一般的な規定がまず規定されている。その七条で適用除外規定が置かれていて、別表が載っている。そこには、住民票コードの変更手続は入っていないんですね。
 したがって、適用除外規定の中へ入っていないから、あ、変更はオンラインでできるんだと私は思って、一生懸命読んでみました。そうしますと、整備法の十八条に本法の一部改正というのが出てきまして、その中で、住民基本台帳法の三十条の三、これも適用除外とするとつけ加わっているんですね。三十条の三というのは、住民票コードの記載の変更請求である。こういう非常に手の込んだ、わかりにくい仕掛けになっているんですね。
 何でこんな手の込んだ法律の改正の仕方をするのか。オンラインではできないということをできるだけ知らせまいとする姿勢なんだろうかと思ってしまいますが、これはどういうことですか。
○芳山政府参考人 先生御指摘の点は、全くそうじゃありませんで、法技術的な、法制的なものだと。住基法の改正の施行が前なのかオンライン法の施行が前なのかということで、本則に書けなくて附則に書いただけで、我々はこれは説明しています。
○春名委員 普通の人にわかるようにつくってほしいんですよね、法律というのは。全くこれは込み入って、理解するのが大変でした。技術的な問題だということですが、しかし、そうとられても仕方がないような書き方になっていることも事実であります。
 すべての国民に史上初めて共通番号が振られるということになる。そこで、総務省や大臣がよく、本人が申請すれば変えられるから大丈夫だと言われるんだけれども、しかし、例えば、九九年四月二十七日に鈴木行政局長は私に対してこう言っていますよ。住民票コードが変更された場合でありましても、変更前の住民票コードから本人確認情報にアクセスすることが必要なことがあります、それができるように、住民票コードの履歴は都道府県知事あるいは全国情報処理機関において必要な期間保存されることになりますということになっているわけですね。
 要するに、最初に大臣が言われたように、特定本人一人をこのコードによって特定しなきゃいけないわけですよ。したがって、コードが変わっていけばそれでわからなくなるといったら、このあなた方が言う利便性はなくなっちゃうわけです。そういう意味でいいますと、もう変えようが変えまいが、二十回、三十回変えようが、履歴がついて、そしてその履歴から今のコードもわかるし、個人を特定するという仕組みはできるわけですよね。そういう仕掛けになっているんですよ。ですから、総背番号制だ、それに近いという話にやはりなっていくわけでしょう。
 こういうことについての不安がやはり今国民の間に非常に広がっている。これが利用がどんどん拡大されて、データベース化されるんじゃないかとか、マッチングされたらどうなるのか、情報漏えいはどうなるのか、こういう疑問が今広がっているんだということであって、これを国民の合意もなしに利用拡大するなんということは、とてもではないけれども許されないことだということを私は申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○遠藤委員長 次に、横光克彦君。
○横光委員 社民党の横光克彦でございます。
 住基ネットを利用する国の適用事務が九十三事務から二百六十事務に大幅に拡大される、そういった内容が含まれたこの電子政府関連三法案、これが参議院を通過して本委員会で審議され、そしていよいよ、あと私の質問が終わると同時に採決されるわけでございますが、私は、ちょっと抗議を申し上げたい。
 というのは、三年前の国会で、この住基ネットの法案のときに、「システム利用の安易な拡大を図らないこと。」と決議されておるんですね。三年前です。それを受けて、時の大臣は、その附帯決議を誠意を持って守るとお答えになっておる。片山大臣は、それを引き継いでおられるわけですよ。その片山大臣が今回、国会の決議を、結局まだ三年しかたっていない、そういった中で、安易な拡大、膨大な拡大という法案を出してきたわけです。
 そして、この住基ネット、そもそもスタートするまでにどれだけ多くの問題があったか。要するに、自治体で、ネットを拒否する自治体が数多くあった。横浜においては、選択制、八十四万人の人たちが拒否しているという事態が起きた。そしてまた、中止請求や審査請求など、広範な住民からの拒否の意思表示もあった。そしてまた、スタートしてからは、いろいろな、住民票コード漏えいの疑いとか、あるいはセキュリティー問題への対応が非常に難しい問題であるということが起きてきているわけです。住基ネットの持つさまざまな問題点が新たに噴出したわけですね。
 それから四カ月しかたっていない、そういったときに、本来なら、これらの噴出した問題点、いろいろな、多くの拒否している自治体あるいは個人、そういう人たちをいかに参加させるかという努力をまずやらなきゃならないにもかかわらず、そういった問題は置いてきぼりにして、さらにシステム利用の安易な拡大、決議があるにもかかわらず、二・五倍に適用事務を広げるという法案を出してきたことに対して、私は強く抗議を申し上げたいと思うんです。
 これは、そもそも、先ほどからお話がございますように、個人情報保護法、大前提であるこれさえも成立していない、そういった中で、事務の適用範囲を拡大するというのは、本当にそんなことがあっていいのかどうかという気がするわけです。まず大臣に、国会の決議を受けて、それを無視してこういった法案を出したことに対してどうお考えなのか、お答えいただきたいと思います。
○片山国務大臣 十一年の六月に、今言われましたような附帯決議がついたということは承知いたしております。
 ただ、これも既に答弁申し上げておりますけれども、十三年の一月にe―Japan戦略を決めまして、三月にアクションプランを決めたわけであります。それは、十二年の臨時国会であったと思いますけれどもIT基本法というのが決まりまして、その中で、国家戦略を決める、その一つが電子自治体、電子政府の早急な実現、十五年度中にそれを実現する、こういうことが正式に国の戦略として決まったわけでございます。
 そういうことで、三年前とは状況が大きく変わりまして、ぜひ本人確認を住基ネットからやる、こういうことがなければ電子政府、電子自治体の意味がございませんので、我々としては、国会決議は十分承知しながらこういうことにいたしたわけでございます。
 今、委員言われましたトラブル続出ということは、実はないんですね。参加も、一億二千五百万が参加しているんです。横浜は、全員参加なんですよ、全員参加だがちょっと待ってくれ、こういうお話でございますし、残りのところも、個人情報保護法なり自分の方で条例をつくるから、こういうことでございます。それから、不正アクセスやハッカーの侵入なんかは一切ございません、若干のトラブルはございましたが。
 そういう意味では、今順調に稼働している、そういう意味では国民の理解も次第に得てきているんではなかろうか、私はこう思っておりまして、そういうことで、なお我々は、セキュリティーなりプライバシー保護は万全を期しながら、国民の期待にこたえるようにやっていきたいと。ただ、一部に不安その他についての御議論があることも事実でございますから、できるだけ十分な説明を今後ともさせていただこう、こういうふうに考えているわけでございます。
 今回の事務の追加は、地方団体の要望を十分に聞きまして、関係の行政機関とも協議の上決めたものでございまして、この追加をすることによって国民の利便は大幅に増進すると私は考えております。
○横光委員 今、いろいろな、問題点はそんなにないというようなお話でございました。
 これは、もう読まれた方はいるかと、きょうの毎日新聞の夕刊です。「自民有志も「反対」 住基ネット拡大法案」、これでも問題点はないんですか。あなたたちの、支えている政党の人たちがこうして大きな反対集会をやっておるんです、反対の運動を。午前中に申し込まれたでしょう。大きな問題があるから申し込んだんじゃないんですか。それを、あなた、何で問題ないと言うんですか。そうでしょう。
 我々が言うのならわかりますよ。しかし、自民党の有志、しかも会長は小林興起さん、財務副大臣じゃないですか。こういう人たちが、問題点があるといってこの法案に対して抗議を大臣に申し入れている。(片山国務大臣「委員長」と呼ぶ)まだ質問しておるんです。抗議を申し入れている。(片山国務大臣「正確に言ってもらわなきゃ困るんです」と呼ぶ)いや、だから、その理由として、現状では住基ネットは住民の理解を得ているとは言いがたい、これも理由の一つ。それから、システム利用の安易な拡大は図らないと附帯決議をしている、これも一つ。こういったことを指摘して、なし崩し的に拡大することは反対であるということを、こういう人たちはそういう議連で、そういう思いで大臣に申し入れをしておるんです。
 それを大臣は問題がないと。これほど大きな、自民党の皆さん方さえ心配している今回の法案であるということを自覚していただきたい。もうお答えは要らない。自覚していただきたい。(片山国務大臣「いやいや、立たせてくださいよ。一方的に言うのはおかしいよ」と呼ぶ)時間がないんです。これは質問じゃない、自覚していただきたいと言っているんです。(片山国務大臣「二人なんですよ。個人で来ているんですよ。議連じゃありません」と呼ぶ)いや、議員連盟と書いていますよ、新聞には。(片山国務大臣「じゃ、何か、間違いです。それは前のものです」と呼ぶ)きょうの夕刊です。(片山国務大臣「違う」と呼ぶ)
 ですから、そういったことがあるから、私が言いたいのは、問題点があるということを自覚してくださいと言っているんです。
○遠藤委員長 横光委員に申し上げます。
 大臣より発言を求められておるので、これを許します。片山総務大臣。
○片山国務大臣 確かに、議連は前ありました。それはかなり前でございまして、そして今回、私に会いたいということで、国会がありますから、それについては、どうぞ大臣室に来るなり、ほかの代理の方に会うなりと。二人が個人の意見としてそういうことを言ったわけでありまして、私のところに来ている文書は、名前を言っていいのかどうか、二人で個人としてあれしたわけであります。
 自民党は自由な党ですから、いろいろな議論があるのはよろしい。しかし、その中で、党としての考え方、基本的なあれはみんな一致しているわけであります。
○横光委員 ただし、これだけ新聞で報道されるように、要するに、そういった心配点があるということを自覚していただきたいということを私は申し上げているわけでございます。
 それでは、法案の中身について、やはりこれまた多くの問題点があるわけでございますので、ただしていきたいと思っております。
 まず、多くの議員が質問しましたけれども、さらに、私はわからない、それでちょっと質問いたします。指定認証機関、これなんですが、一昨日、我が党の重野委員の、全国一本の指定認証機関となる可能性が高いのではないかという質問に対して、大臣はお答えになっております。全国を一つという場合もある、複数になる場合もあっていいと思う、能力があるのなら一つでも構わない、また、今国会での論議も参考にする、今白紙状態である、今後検討する、こういう趣旨のことを言われました。
 要するに、これでは何もわからないですね。この指定認証機関は幾つになるのかという答えにはなっていない。いろいろ幅広いことをお考えであろう。しかし、今国会での論議も参考にする、その論議ももうこれで終わるわけですよ。そして、これまでいろいろなこのことに対しての意見も出た。
 そういった中で、お尋ねをいたしたいと思いますが、大臣のお答えのように、都道府県知事が認証事務を委託できることとされているわけで、一つの指定認証機関のみに委託が集中することも制度上あり得るわけですね、それはあり得る。今、大臣もお答えになっている。あり得る。そうなりますと、指定認証機関として、いわゆる住基ネットワークシステムの全国センター、地方自治情報センターが指定されることはあり得るのかどうか、まずお答えいただきたいと思います。あり得るかどうかでいいですよ。
○大野政府参考人 いずれにいたしましても、総務大臣が申請に基づいて指定を行う、こういうのが法案の建前でございます。
○横光委員 あり得ると理解いたしました。
 あり得るとなりますと、全国を一つでやることになれば、これは、いわゆる住民基本台帳ネットワークも、さらに今回の認証業務も、一つの機関がやることもあり得るということなんです。こうなりますと、これは大変なスーパー機関が生まれることになるわけですね。しかも、このスーパー機関は国民を監視するスーパー機関と言っても、これは過言でない。理屈としてはそうなるわけですね。
 これは、国民のセキュリティーの観点から、私は非常に問題があるんじゃないかという気がするわけでございます。つまり、データが集中管理、一元管理されるということになるわけで、そうしますと、もし仮に不正アクセスやあるいはハッカーという問題が起きたときにはどうなるか。いわゆる個人情報の漏えいや改ざんのおそれが当然考えられるわけですね。極端なことを言うと、一カ所だと、一発によって一億二千万人の情報が一遍に持っていかれるということだってあり得るということです。ここを私はまず申し上げたい。
 そうしますと、やはり政府としては、そうした危険性を未然に防止するのも、これも立法に課せられた義務ではないかと思うんですが、いかがですか。
○片山国務大臣 この指定認証機関については、いずれにせよ、知事さんの権限の委任でございますので、全国の知事の皆さんの御意見を聞かなきゃいかぬと思いますけれども、地方自治情報センターを絶対入れない、こういうことではないですね、しかし、絶対入れるということでもないです。
 ただ、これは、横光委員御承知のように、公的個人認証サービスの仕組みと住基ネットの仕組みは全く違うんですね。違うけれども、十分なセキュリティーの必要はあると私は思いますが、まず一つの法人で全部やるということは大変なことになりますから、その辺は権限者である全国の知事さんと十分相談してまいります。
○横光委員 確かに、セキュリティーの不安感は大臣も感じておられる。ですから、こういった一つのところに一元管理というのは大変危険であるので、データを分散させて、そしてセキュリティーの確保を図るということが必要ではないか。つまり、ある意味では、私は地方自治情報センターを指定認証機関としない方がいいんじゃないかということを言っているわけですね。すべての都道府県の委託が一つの指定認証機関に集中しないように、むしろ総務省としてはそういった方策を考えることがセキュリティーの面からは大事ではないかということを申し上げているのですが、この点についてはいかがですか。
○片山国務大臣 その点についてはいろいろな意見があると思いますけれども、しかし、横光委員の御心配、御懸念もわからないでもございませんので、十分にそれは念頭に入れて検討いたします。
○横光委員 それでは次に、指定認証業務の保護委員会についてちょっとお尋ねをいたします。
 まず、これも重野委員の、なぜこの保護委員の任命は代表者の任命としたのかという質問に対して、大野政策統括官は前回、個人情報保護条例というものを設けており、その中にいわゆる第三者組織であります個人情報保護審議会というものを設けているという県が多いわけでございます、こういった既存の組織を活用することもあるのかなというふうなことも考えまして、委任を行わない都道府県にも義務づけするという組み立てはとらなかったと答えております。この点は間違いないですね。うなずくだけで結構です。そうですね。ということは、既存の組織を活用することもあるのかなというふうなことも考えましてということになりますと、既存の組織を活用させることが必要だと思っているわけですね。
○大野政府参考人 御指摘の、指定認証機関に設置します情報保護委員会、これは指定認証機関そのものの中で、第三者的な立場の方々が、扱う個人情報につきましてきちんと行われているかどうか、これを審査する、こういうことでございまして、指定認証機関にされるところはそういう仕組みを使う。しかし、ある県で、委任をされずに御自分のところで、直営でおやりになるというところは、やはり個人情報の保護という観点から、既存の条例があれば、その個人情報保護審査会を使うのが適切ではないか、こう申し上げたわけでございます。
○横光委員 都道府県に個人情報保護条例があります。そして、その認証事務を指定認証機関に委託してしまえば、その時点でこの認証業務情報の保護は指定認証機関にゆだねられることになるわけですね。ですから、先ほど言いましたように、例えば一元化という形ですべての都道府県が指定認証機関にゆだねるというようなことになった場合、そうした場合、今統括官のおっしゃられた既存の組織というのはもう全く活用されないわけですよ。すべて一つのところに都道府県が委託した場合は、都道府県の個人情報保護条例というのは実際意味をなくしてしまう。
 そういったことから、この任命というのは、代表者に任命された委員が代表者に意見を述べることができるという形になるわけですね、これで果たして中立公正であるべきそういった委員会が十分機能できるのか。これはよくあるんです、こういうシステムというのは。国民はいつもこのことに疑念を持っている。自分がお願いしますよと言って入ってもらった人が、その人に意見を言うわけですから、それはなかなか、十のところ十言えないことだって出てくる。これが自然なんですね。
 ですから、こういったことより、都道府県が認証業務情報の保護に関与できるように、保護委員会の委員は指定機関の代表者が任命するんではなくて、やはり委託した都道府県知事が委員を任命すべきではないか。そのことによって初めて、私はこの情報保護委員会の責務を果たすことができるんではないかと思っておるんですが、その点はいかがですか。
○大野政府参考人 法案の条文の四十七条になるわけでございますが、この指定認証機関につきまして、まず一項で、総務大臣がさまざまな報告を求めることができる、あるいは立入検査もできる、こうなっておりまして、二項では、今度、指定認証機関に都道府県知事が委任をした場合、知事にも総務大臣と同様の権能を与えておりますので、これによって委託先につきましては個人情報の適切な取り扱いについてきちんと責任をとらせる、こういうことでございます。
○横光委員 それは都道府県がみずから指定認証機関をやるということになった場合なんですよ。私が言っているのは、先ほどから言っているように、すべて一元化して、すべての都道府県が指定認証機関に委託をした場合、委託するわけですから、県の関与がなくなるじゃないか、そういった意味では、その委員はそれぞれの県に、認証業務情報の保護に関与できるように、県の任命者がやはり委員になるべきではないかということを言っておるんですが、その点はいかがですか。全部、指定認証機関が各県に入った場合。
○大野政府参考人 今私が申し上げましたのは、都道府県知事が委任をした場合の指定認証機関に対する措置でございまして、報告なり立入検査ができるのは知事が委任した指定認証機関に対してでございます。
○横光委員 知事が委任した指定認証機関になりますと、知事が持っている、県が持っている個人情報保護条例というのは、結局そこで途切れてしまうわけでしょう。もうそこで切れてしまう、委託した時点で。ですから、何ら意味をなさなくなるので、委任した場合、皆さんは有識者どうのこうのと言いますが、県の方で、各県が有識者を選んで任命するという形の方が公正中立な委員会ができるんではないか。ただ大臣が指名して、そしてつくるより、そういった方が幅広くできるんじゃないかという思いをしておるんですが、それはどうですか。
○大野政府参考人 個人情報保護につきましては、実は公的個人認証にかかわりまして知り得た秘密につきましては、守秘義務違反というのがかかっております。これは、関係する公務員はもちろんでございますが、指定認証機関の役職員にも同様の規定がかぶさっておりまして、そちらでもって担保するというのがまず大原則でございます。その上で、先ほど申し上げたような権能もあるというふうに申し上げました。
○横光委員 私はやはり、都道府県知事の委員任命による保護委員会というものを義務づけた方がいいんじゃないか、そういった思いを非常に強く持っております。
 それでは次に、これまた何回も各委員が質問いたしましたが、電子証明書の発行に係る処理等の手数料についてお尋ねをいたしたいと思います。
 これも同僚委員の質問で、市町村にも手数料の一部を交付されるべきではないか、要するに一番先の仕事をするのは市町村の皆さんですから、そういう質問に対して、手数料の一部が市町村に対し交付金等の形で支払われることも今後の検討課題であるというお答えがございました。この検討課題の具体的な内容についてちょっと説明をいただけますか、これから検討される具体的な内容の。
○大野政府参考人 まず、このシステムを考えますときに、例えば電子証明書の発行につきましては知事が行うわけでございまして、この発行に係る費用、これも、先ほど申し上げましたように、指定認証機関がどの程度の数になりまして、知事がどのように判断されるかということによって実費が変わってくるわけでございます。したがいまして、この手数料の額は実費を勘案して各県の知事が条例で決める、こうなっております。
 この条例で決まった場合の額につきまして、現実には本人確認業務というのは市町村長がやっていただくわけでございますから、これは内部的な問題で相談をいただくのが適切ではないかと思っております。
○横光委員 住基台帳法においての法律の規定ぶりと今審議されている法律は全く同じですよね。そうなりますと、参考という形で、現在の地方自治情報センターにおける本人確認情報の提供にかかわる手数料の現状はどうなっているんですか。
○芳山政府参考人 住民基本台帳ネットワークに係る情報提供手数料でございますけれども、住基法第三十条の十の規定によりまして、委任都道府県知事は、指定情報処理機関の収入として収受させることができるという規定になっています。今御質問の点は、一件当たり金額十円と算出をしております。
 これにつきましては、その額は、国等行政機関に対する本人確認情報の提供に要する年間運用経費を推計して本人確認情報の年間見込み提供件数で除した数でございます。この金額について、実際、指定情報処理機関の経費については各県が持っておりますので、各都道府県にお諮りした上で、この一件当たり十円という金額を承認を受けたということになっております。
○横光委員 では、住基台帳法に基づく手数料は、今市町村に対しては一体幾ら支払われているんですか。
○芳山政府参考人 御質疑の点は二つ、ちょっとわかりませんでしたが、一つは、住民基本台帳法の住民票の手数料は一件当たり百円か百五十円か、各条例で決まっております。
 住基ネットワークに伴う経費については、先ほども言いましたように、都道府県の事務を指定情報処理機関である情報センターに委任しておりますから、すべて指定情報処理機関の経費は県が持っています。市町村は持っていません。それで、先ほど御質問がありました国から入る手数料については、市町村に入らない、持たないから入らないという仕組みになっています。
○横光委員 市町村において今回の電子証明書の発行申請を受けた際には、その事務にかかわる手数料は収受されるんですよね。もし、そういう仕組みだと、市町村において収受されないで、あくまで電子証明書の発行にかかわる手数料は都道府県あるいは都道府県知事が委任する指定認証機関においてのみ収受されるのならば、これは本人確認を行うという負担だけ押しつけられることになって、市町村には何のメリットもなくなってしまうということが考えられると思うんですね。
 ですから、負担だけ押しつけるのではなくて、一定の見合いの収入も与えることが必要ではないかということをお尋ねしていて、少なくとも住基台帳法の手数料と同額の手数料は保証すべきではないかということを申し上げておるんですが、これはいかがですか。
○大野政府参考人 原則的には、電子証明書の発行をいたします都道府県が条例一本で発行手数料というものを決めるということになろうかと思います、本人確認手数料というのは別にしまして。ただ、先ほど申し上げましたように、実際に市町村も本人確認していますので、これは都道府県が条例一本で決めるにいたしましても、内部的なお金のやりとりというのはあるのかな、こういうことでございます。
 その場合に、もう一つ、公的個人認証の場合も情報提供手数料というのがあるわけであります。失効しているかどうか検証した場合の情報提供手数料、これもありますので、これは、議員御指摘のように、住基ネットワークの場合も勘案しながら今後検討してまいりたいと思っております。
○横光委員 検討するということでございますが、検討も大事ですが、私は、手数料の一部が市町村に対し交付されるようにルールを確立する必要があるんではないか、このことを申し上げておきたいと思います。
 次に、これまた多くの議員が質問されました、この電子政府、電子自治体の成否のかぎというのは、何はさておいてやはりセキュリティーがすべてだと私は思うんですね。そういった意味で、公的個人認証制度にかかわる本人確認、この問題をちょっとお尋ねいたしたいんです。
 電子証明書発行を受けようとする者は最初に市町村の窓口に行きますね。そこで、氏名、生年月日、性別、住所を書いて電子証明書の発行をお願いする。これを受けて市町村長は申請者が本人であるかどうかを確認することになるわけですが、この本人確認、これは簡単なようで難しいと私は思うんですね。これまでの御答弁で、確かに写真と照合するのが一番でございますので、免許証、パスポート、これがあれば文句はないわけでございますが、残念ながら、パスポートや免許証を持っていない方も地方には非常に多いですね。そういった方の場合は保険証とか年金手帳で対応するということをお答えになっております。しかし、成り済ましというのは多いんですよ。
 お答えで、そういった保険証とか年金手帳の中身を言って、挙動不審なあれが見られないかというようなことを言われていましたが、こういったことを考えて行動を起こそうとする人は、あなた、そんな挙動不審なんか起こすわけないじゃないですか。すべて頭の中へばちっとたたき込んで堂々と言って、全くきれいに成り済ますことができるわけですよ。悪いやつほどよく眠るという言葉がありますが、悪いやつほど本当によく知恵を絞るんですよ。あり得ないことまでやるのが……(発言する者あり)そう、本当にもうすごいの。考えられないようなことがあるんです。ですから、ここが大事だという気がするわけですね。
 もしそうして成り済ましによって結局勝手にデータをとってしまうと、財産のすべてをあっという間に持っていかれるということだってあり得るわけです。これはあり得るんです。ですから、このセキュリティーというのは非常に大事であろうと思う。丸暗記していっては、なかなか防御できないという気がするわけです。
 ですから、幾らシステム構築、運用に対する安全対策に万全を期した、万全を期すと言っていますけれども、もしこの電子証明書が第三者に発行されるようなことになってしまっては、何のための公的機関による認証制度の構築なのかさっぱりわからなくなるわけでございます。そういった状況は地方に行けば行くほど危険性が高くなるように私は思われるわけでございます。
 そこで、いろいろ、ITとかICとか、あるいはマウスとかクリックとかパスワードとか言ってもわからぬ人が田舎に行けば多い。マウスと言ったってミッキーマウスかと思うし、パスワードと言ったってパスカードかと思うし、これはわからぬですよ。ですから、それをやはり自治体はしっかり、高齢者、障害者に対して操作技術について何らかの配慮をする必要があると思う。こういうことに対して、本当にわからぬ人が多いんです、私だってわからぬのはいっぱいある。だから、政府はそういうことを、どのような対策を講じようとしているのかということが一つ。
 そしてまた、職員が隣で操作の補助をしていく、これは大事。しかし、そういった場合気をつけなければならないのは、また、本人の情報が漏れるようなことはないのか、そのあたりもちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○大野政府参考人 申請される方の確認につきましては、議員の御指摘のとおり、市町村の実務の担当の方などとも十分お話をしまして、申請者の方に余り負担になってもまずいわけでございます、その辺もよく考えながら、マニュアルなどできちんと対応してまいりたいと思います。
 そこで、高齢者の方たち、余りITになれておられないという方もたくさんいらっしゃるわけでございますので、例えば、秘密かぎとか公開かぎというかぎペアの生成をするコンピューターの操作にしましても、キーボードとかそういうんじゃなくて、タッチパネルで押せばいい、そういった形の機器にぜひしてまいりたいと思いますし、それから、そういったことを、操作につきまして職員の方が介助するにしましても、これは、おっしゃるとおり御本人の個人情報にかかわるものでございますので、その辺につきましては、設備面、施設面でも十分対応してまいりたいと思っております。
○横光委員 先ほど言いましたように、顔がない保険証とか年金手帳の場合、例えばそれを受け取った市町村がその住所にもう一回送る。ちょっと時間がかかる、受益者に負担をかけてはまずいと言われましたけれども、それは確かにそう、しかし安全のためにはある程度仕方がない。結局、本人かどうかというものを、その申し込みを受けた住所にもう一回返送をして、そしてその送ったものをもう一回持ってきてもらったときに私は確認できると思う、本人だという。それぐらいの慎重さも一つの手ではないかという気もいたしております。
 これを言うとまた邪推とか言われるかもしれませんが、いわゆる高齢者がICカードを持っていない場合、ICカードがあれば一番電子証明書はとりやすいわけですね、しかし持っていない人が多い。我々だって持っていない人が多い。そうなりますと、恐らく市町村の窓口が説明するには住基カードの発行を勧めることになるわけで、住基カードさえあれば電子証明書をすぐとれますよという説明をする。ところが、住基カードというのは希望する人だけがもらえるシステムになっております。希望しない人もおるわけですよ。そういうところがわからない人もおるわけですね。ですから、こういった説明も、希望者だけが交付申請を行うことができるのが住基カードだということの説明もやはり必要でしょうし、広報などを通してこういった趣旨を周知すべきだという気もいたしております。
 もう時間がありませんので、お答えなく、私の言いたいことだけちょっと申し上げさせていただきます。
 電子証明書発行申請の受け付け窓口となる市町村に住民への行政サービスとしてICカード、ICカードといっても皆さん持っていますか、ICカード。それはクレジットカードとか携帯カード、いろいろなものもICカードになりますが、ICカードそのものというのはないんですよね。何にも、真っさらなICカードってあるんですか。あるかどうか知らないけれども、これからできる可能性は私はあると思う。ICカードがあればこの電子証明書はすぐとれるわけです。そうすると、こういったICカードをやはり住民サービスとして受け付け窓口で販売するようなこともこれから方策として必要ではなかろうか。ICカードとは一体どれぐらい値段がするのかさっぱりわかりませんが、技術革新がすばらしいので、真っさらなICカードというものが出るのかもしれません。
 時間がございませんので、もう一つ、先ほどからこれはずっと各委員が質問いたしておりましたが、行政書士の問題ですね。
 規制緩和、規制緩和というお答えがございました。確かに規制緩和は必要でしょう。しかし、その規制緩和によって問題が生じるような規制緩和があってはならないということだと思うんです。しかし、この総務省令で変えられるという法律、しかも、そのことによっていわゆる守秘義務が適用されないということ、これは非常に問題だなという気が先ほどからしているんですね。国民の個人情報の保護はでは、どこで担保されるんだろうかという気がしてならない。
 行政書士の、専門家でありますが、行政書士というのは、本当に国民の個人情報、つまりプライバシー情報を多く取り扱う仕事だと聞いております。そういう行政書士の皆さんには厳重な守秘義務がありながら、しかもこれに違反すれば刑罰まで科せられるようなことになっていながら、今度の総務省令で定める者についてはそれがない。これは国民にとって非常な脅威であり、かつ、私は著しく利益を損なうような気がしてなりません。このような問題点、法の適用における公平性の問題も含めて、やはりこの問題は慎重にお考えいただきたいという気がいたしております。
 また、先ほどこれも同じ質問が出ましたが、大臣、私も先日予算委員会で総理にお尋ねしたんですね、ILOの、公務員制度の問題。このとき、今までと違って総理は非常に前向きの答弁をしてくれました。これは本当にこれから次の通常国会で、これは本所管の、大臣が所管している法案ですからね、大変大きな問題になろうと思う。ILOがあんなに厳しい勧告をしたわけでございますので、このことは通常国会で重要な論戦になろうかと思いますので、そのことを十分自覚しておいていただきたい、このことを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○遠藤委員長 これにて各案及び両修正案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○遠藤委員長 これより各案及び両修正案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。島聡君。
○島委員 民主党・無所属クラブの島聡でございます。
 私は、民主党を代表しまして、政府提出の行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案、いわゆるオンライン化三法案に反対、民主党提出の行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する修正案、電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案に対する修正案に賛成の立場から討論を行います。
 まず、民主党は、新しい国の形を目指す電子政府化自体については、積極的に推進すべきであるとの立場をとっています。この点につきましては、これまでも党の公約として掲げてきたことでありますが、しかしながら、今回の政府案は、住民基本台帳ネットワークの利用事務の拡大をすること及び個人認証に住民基本台帳ネットワークを利用する旨の改正を含んでおります。
 住基ネットワークに対しては、杉並区、横浜市等の例を挙げるまでもなく、地方自治体や多くの国民の方々から、セキュリティーや個人のプライバシー保護の観点から、強い危惧の念が示されております。
 個人情報保護法制の整備の必要性については、小渕元総理大臣が、個人情報保護に限界がある現行の法制ではプライバシーの観点から問題がある、そう言って、住民基本台帳ネットワークの実施に当たっては、民間部門も対象とした個人情報保護に関する法整備を含めたシステム、それを速やかに整えることが前提である旨、明言されたとおりであります。
 しかしながら、政府は個人情報保護法の成立を待たずに、住民基本台帳ネットワークの利用事務拡大を行おうとしており、これを認めることは、私どもとしては到底できません。
 以上の理由により、政府案に反対、住民基本台帳ネットワークの利用事務追加の削除及び個人認証について住民基本台帳ネットワークを利用しない旨を内容とする民主党提出の修正案に賛成いたします。
 以上。(拍手)
○遠藤委員長 次に、黄川田徹君。
○黄川田委員 私は、自由党を代表して、ただいま議題となりましたいわゆるオンライン三法案に関し、政府案に対して反対、民主党提出に係る修正案に反対の立場から討論を行います。
 目覚ましい科学技術の発展とともに、高速・超高速インターネットを初めとする情報通信基盤が整備され、国民や企業にとって関連が深い行政手続のオンライン化や行政情報の提供が可能となってまいりました。こうした制度を適切に整備し、国民の利便と生活の向上を図っていくことは、国の重要な課題であります。
 しかしながら、制度を適切に整備するためには、個人情報が保護され、国民のプライバシーが守られることが最優先されなければなりません。国家や公的機関がいたずらに個人の情報に関与し、これを乱用することがあるならば、国民の基本的人権にかかわる大問題となるのであります。
 すなわち、行政内部の事務処理の電子化を行う電子政府、電子自治体を推進し、住民基本台帳ネットワークを整備し、これにかかわる法制を国が整備することは必要であり、積極的に推進しなければなりませんが、その前提としての個人情報保護法制があわせて整備されることが大前提であり、この見地から、個人情報保護法制のないままに住基ネット並びにオンライン三法の法制化を先行させるべきではないと考えるものであります。
 もとより、政府提出の個人情報保護法案にも不備があり、これを廃案にして、前向きにつくり直すことがまず先決であるべきであることを申し添えます。
 なお、民主党提出の修正案には、認識を異にするものであり、これにも反対いたします。
 自由党は、瞬時に情報が共有でき、国民が安心してその恩恵をこうむることのできるような世界最先端のIT国家建設に努力してまいることを申し上げまして、私の討論を終わります。(拍手)
○遠藤委員長 次に、矢島恒夫君。
○矢島委員 私は、日本共産党を代表して、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案、同法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案並びに電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案の三案に対し、一括して反対の討論を行います。
 反対の最大の理由は、国民の懸念と不安の高まりの中で強行された住基ネットの利用を前提としているからであります。
 住基ネットシステムは、従来の特定の行政分野に限定された番号制度と違って、すべての国民一人一人に十一けたの番号をつけて個人情報を効率的に管理することができる初めての制度であります。だからこそ、国民は、番号をつけられて行政に管理されることの不安、情報の漏えいでみずからのプライバシーの侵害の危険について強い危惧を抱いたのであります。政府には、こうした国民の不安や危惧を解消する責任があります。
 ところが、政府の行ったことは、施行は包括的な個人情報保護法の整備が前提条件との総理答弁を無視して、各種の世論調査で圧倒的な施行延期の国民の声を無視した住基ネットの施行の強行であります。こうした住基ネットの活用を土台とした本法案は、到底認められるものではありません。
 加えて、第二に、住基ネットに対する国民的合意がない中で、その利用対象を一挙に二百六十四事務へと拡大していることであります。情報漏えいによるプライバシーの侵害という国民の懸念を無視するだけでなく、その危険性を増大させるものであります。また、行政書士法の改正も極めて不明瞭で、いずれも容認できるものではありません。
 また、電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案は、その業務が民間に委託されることが前提となっており、守秘義務がかかるとはいえ、住基ネットの個人情報を多数の民間機関の操作にゆだねることになり、国民の不安や懸念をますます増大させるものであります。公的認証制度をつくるのであれば、住基ネットとは切り離したものにすべきであります。
 最後に、民主党の修正案については、国民の不安や懸念を増大させる住基ネットの利用対象の拡大を削除する等の内容であり、賛成できるものであることを表明して、討論を終わります。(拍手)
○遠藤委員長 次に、重野安正君。
○重野委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題となりました行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案を初めとするオンライン関連三法案に対し、反対の立場から討論を行います。
 第一の理由は、今回の電子政府、電子自治体が自治体や住民の論議が不足している中で国主導で行われている点であります。
 国家戦略であるe―Japan戦略に基づく今回の電子政府、電子自治体は、地方自治を考慮することなく、電子自治体の到達目標と実現年次を一方的に決定し、国で決めたシステムを自治体抜きで無理やり強制する構想にほかなりません。予算、人材の不足等からまだまだ未着手な自治体が多く存在していますし、国民的議論も不足していると言わざるを得ません。
 第二の理由は、事務の標準化による国の統制、管理強化と地方自治の骨抜きにつながる点であります。
 電子文書化と総合行政ネットワーク、霞が関WANとの接続は、国による統制、管理が強まるおそれがあります。また、電子化によって標準仕様やシステムが構築されれば、自治体の判断による独自性の発揮ができなくなる可能性もあります。職員が住民と直接接触する機会は減少し、行政の標準化、画一化が進む一方、地域の実情の反映や住民による自治の側面が薄れかねません。
 第三の理由は、企業、財界のための電子自治体に重点が置かれている点です。
 一時期、IT関連産業はリーディング産業として竹中大臣ももてはやされていましたが、現在、IT不況が深刻化しています。電子政府、電子自治体は不況にあえぐ産業のための利権創出という面は否定できません。事務の標準化も、経団連の「「一つ」の電子政府実現に向けた提言」に沿って企業負担を軽減する要望にかなうものにほかなりません。
 第四の理由は、住基ネットとの関係です。
 個人情報保護法案も成立しておらず、住基ネット稼働への批判が高まっている中、システム利用の安易な拡大を図らないことという住基法改正時の附帯決議に反し、住基ネットのなし崩し的な利用拡大を認めるものとなっています。
 公的個人認証サービスも、公的な本人確認証明として商取引でも使われることが期待されており、住基ネットの民間利用への拡大につながることも懸念されます。しかも、認証システムの指定機関として住基ネットの指定法人である地方自治情報センターもあり得るとの答弁は、国民の個人情報を集中するスーパー機関を意味するものであり、断じて認めることはできません。
 なお、住基ネット関係を削除することを柱とする民主党提案の修正案は、住基ネットとは異なる認証システムの構築という点で二重投資をもたらすおそれがあるばかりか、現段階においては電子政府、電子自治体及び個人認証システムに内在する不安を払拭できるものとはなっておりません。
 最後に、社民党は、本法案の審議が極めて拙速であるということを強調し、政府原案並びに民主党案、いずれにも反対であることを申し添え、反対討論を終わります。(拍手)
○遠藤委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○遠藤委員長 これより各案について順次採決に入ります。
 まず、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○遠藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、後藤斎君外一名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○遠藤委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○遠藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、後藤斎君外一名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○遠藤委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○遠藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○遠藤委員長 この際、ただいま議決いたしました各法律案に対し、佐藤勉君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び自由党の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。桝屋敬悟君。
○桝屋委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び自由党の四会派を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
    行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、左記の事項の実現に努めるべきである。
 一 電子政府、電子自治体の構築に当たっては、あくまでも国民の利便性の向上との観点から国民の理解を得つつ、行政サービスの質の向上が図られるよう情報通信基盤の整備を進めるとともに、地域間格差が生じないよう地方公共団体に対し、必要な支援を行うこと。
 二 情報通信技術の利用の有無により行政サービスの内容に差異が生じることのないよう十分留意するとともに、国民の情報通信利用技術の向上のための施策を一層進めること。
 三 行政手続のオンライン化、地方公共団体の認証業務を行うに当たっては、情報の改ざん、漏えい、不正使用等が行われないよう、技術革新に対応したセキュリティー対策、個人情報保護のための措置を講じ、業務の信頼性・安全性が確保されるよう万全を期すること。
 四 行政手続のオンライン等に従事する関係者のモラルの維持・向上、徹底したデータの管理、法令の遵守、責任体制の明確化を図ること。
 五 プライバシー保護及び個人情報保護の重要性にかんがみ、住民基本台帳ネットワークシステムの目的外使用・安易な利用の拡大を行わないこと。
 六 本年八月に稼働した住民基本台帳ネットワークシステムに関しては、セキュリティーを確保する観点から、地方公共団体において、その実施状況を自ら点検し、必要に応じ外部監査を受けるようにするとともに、政府は住民基本台帳ネットワークシステムの運用状況等について適時公表すること。
 七 行政手続のオンライン化が国民生活及び国民の権利に密接に関係し、市町村ごとに取り組み状況が異なることにかんがみ、本法律施行に伴う政省令の制定及びその運用に当たっては、国会における論議及び地方公共団体等の意見を十分踏まえるとともに、状況の変化に応じて必要な見直しを行うこと。
以上であります。
 何とぞ皆様の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
○遠藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○遠藤委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。片山総務大臣。
○片山国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
○遠藤委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○遠藤委員長 次回は、来る十二日木曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十四分散会