第156回国会 本会議 第2号
平成十五年一月二十一日(火曜日)
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 議事日程 第二号
  平成十五年一月二十一日
    午後一時開議
 一 国務大臣の演説に対する質疑
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○本日の会議に付した案件
 国務大臣の演説に対する質疑

    午後一時三分開議
○議長(綿貫民輔君) これより会議を開きます。
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 国務大臣の演説に対する質疑
○議長(綿貫民輔君) 国務大臣の演説に対する質疑に入ります。石井一君。
    〔石井一君登壇〕
○石井一君 今国会の冒頭に当たり、私は、民主党・無所属クラブを代表して、補正予算並びに小泉内閣の政治姿勢の全般に対し、主に総理に質問をいたすものであります。(拍手)
 恐らく、総理の胸中に去来する思いは、これまで犯してきた小泉内閣の数々の公約違反に対する反省と後悔、そして、いつまでも回復しないどころか、ますます深みにはまっていく我が国の深刻な経済情勢への自責の念に駆られておられることでしょう。
 そもそも、財政健全化の第一歩として国債発行を三十兆円以下に抑える目標を小泉総理みずから高々と打ち出し公約されたのは、平成十三年五月七日の、この衆議院の本会議場における所信表明でありました。まさに今、この補正予算において、この公約も破綻したのであります。
 今回の措置は税収不足を補うためとの言いわけをされると思いますが、そのこと自体、小泉内閣の経済失政が原因であります。小泉内閣の政治責任と公約違反の数々は極めて大きいと言わなければなりません。(拍手)
 まず、二〇〇二年度補正予算案に関して、若干の質問をいたします。
 その第一は、財政支出の経済効果についてであります。
 改革、改革と叫び、一向にその実現の芽を出すことができなかった小泉政権が最近になってやっと政策目標の第一に掲げたデフレ脱却のためには、従来の特定産業救済型の財政支出をやめるべきであり、具体的には、公共事業の全面見直しを進めると同時に、雇用の不安に対応するためのセーフティーネットを充実し、国民の消費意欲を減退させないことが大切であります。
 政府は、補正予算に計上されている一兆五千億の公共事業を構造改革推進型と言っているものの、単なる言葉遊びで、実体は従来のばらまき型公共事業と大して変わらないものでありますが、これらの公共事業が改革加速につながるとする理由を御説明いただきたいと存じます。
 内閣府の試算では、金融機関の不良債権の処理は雇用への影響が大きく、初年度だけでも約六十五万人、その後も毎年、それに匹敵する離職者が出るとされておりますが、これら就業者全体の一%に相当する人々の消費面での大きなマイナス効果が予想され、不況克服どころではなくなってくることが懸念されます。そして、これら離職者の失業の長期化に対応するために、雇用保険の規模拡大は避けて通れない道であります。しかるに、補正予算では雇用対策費が五千億円程度しか計上されておらず、極めて不十分であります。
 総理、経済効果の薄い公共事業を削り、その財源を雇用対策に回すべく、補正予算を組み替える必要があると考えますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
 次に、消費税の見直しについてでありますが、一月元旦早々、財界のトップより、毎年一%ずつ税率を上げて一六%まで持っていくというような、とてつもない提案がなされ、国民の楽しかるべき正月に暗雲を投げかけた感があります。
 総理は、このところ、消費税の現時点での引き上げには消極的な発言をしておられますが、あなたの約束、公約は、今では信用できません。そして、今や、小泉公約は国民の信を失い、うそつき純一郎の声は全国に広がりつつあります。ここで、心して、消費税の引き上げに対してのあなたの考え方を述べていただきたいと存じます。(拍手)
 また、今年は所得税の配偶者控除の見直し等が行われる予定であり、直接税重視の姿勢ともうかがえる。直間比率のあり方と、将来的基幹税を何にすべきなのか、具体的に明示していただきたいと存じます。
 議場の同僚の皆さん、改革なくして成長なし、私が自民党をぶっつぶす、威勢のよい言葉でスタートし、これまではマスコミにもてはやされてきた小泉内閣ではありましたけれども、一年九カ月を経た今日、改革もなければ成長もなし。自民党は、ぶっつぶれるどころか、なかなか健在であります。これが日本の不幸であります。(拍手)
 国民の財布の中身や株、土地などの資産の価額は、その失政でどんどん目減りしております。この現実をよりよく理解するために、幾つかの数字を提示いたしましょう。
 日経平均株価は、小泉内閣発足当時一万三千九百七十三円、以来、下がり続け、昨今は八千円台前半となっておりますが、国全体で、この間、実に約百四十兆円が消えてしまっております。小泉総理、株価に一喜一憂しないと、のんきなことを言っている場合ではないんですぞ。
 もう一つの国民の大切な資産とも言える土地は、内閣府の国民経済年報によると、内閣発足時には時価で一千五百十兆円でありましたが、昨年の秋には約一千三百六十兆円となっており、百五十兆円が雲やかすみのごとく消えてしまっておるのであります。
 だれが一体、これら三百兆円になんなんとする、年間国家予算の四倍にも匹敵する大金を持っていってしまったのでありましょうか。国権の最高責任者である小泉総理、その盗人はあなただと言われてもいたし方がないような重要な立場に立っていることを厳しく御認識いただきたいと存じます。
 小泉総理……(発言する者あり)議場の皆さん、静かに聞いてください。あなたは不思議な人です。別に、家族の問題とか髪の毛がどうだとかというようなことを申すつもりはございません。自民党内に大した支持基盤もなく、最大派閥経世会の総帥、橋本元総理を破って、見事に現在の地位を手中におさめられました。しかし、あなたは、公約されたことはことごとくすべて、今回の国債三十兆円枠の堅持、ペイオフの延期、郵政の民営化、一内閣一閣僚の堅持、八月十五日の靖国神社参拝などなどなど、これらすべての公約をほごにされたり骨抜きにされてきたにもかかわらず、歴代内閣の支持率から見ればかけ離れた高い支持率を今日まで維持してこられました。こう考えてみると、総理、あなたはオズの魔法使いのような不思議な人物だとお思いになりませんか。これは一体なぜなのでしょうか。
 私は、私見ではありますが、その秘密がどこにあるかということを申し上げたいと思います。私見であります。
 それは、あなたが議会制民主主義のルールを無視しているからであります。考えてもみてください。小泉内閣の構成は、国民の信を得ていない、つまり、議会制民主主義の根本である選挙の洗礼を受けていない素人民間人が大手を振って主要ポストを占めています。それが悪いと言っておるのではありません。現実を指摘しておるのであります。大臣をやめればただの人、政策施行に対する政治責任は一切ありません。もちろん、選挙にも関係がありません。
 また、自民党の各派にはそれぞれ実力者がおりますが、きょうも出席されておりますが、それらの人々は、ことごとく閣外にほうり出され、小泉手法には批判的ですが、世論調査におびえ、消化不良ぎみであります。党内野党の守旧派、抵抗勢力と対決するけなげな首相を演じ、それでいて平然と妥協を繰り返し、マスコミや国民からの同情を買っています。
 総理、あなたは、時には居丈高に絶叫されますが、その実、「弱き者、汝の名は小泉純一郎なり」をみずから自作自演し、小泉テレビ劇場で国民向けのパフォーマンスを演出し、後継者やチャレンジャーを故意に育てず、議会制民主主義を軽視し、実体は役人の言いなりに踊り、難問は民間人や学者に丸投げし、国民やマスコミの同情をあおり続け、決断と実行を欠き、日本を破滅の奈落の谷へ引きずり落としつつあるのです。(拍手)それが今日の日本の姿であります。それでも、いい政治をやっていると、あなたは胸を張って言い切れますか。その答えは、断じてノーであります。今や、国民はあなたを見捨てつつあります。
 その証拠に、時事通信が一月十七日にまとめた世論調査結果によりますと、小泉内閣の支持率は、前月を四・七ポイント下回り、二カ月連続で低下しております。支持率が五割を下回ったのは昨年九月以来四カ月ぶりであり、いよいよ国民も、小泉内閣の虚像とまやかしに目覚めてきつつあります。今後の推移を注意深く見守りたいと存じます。
 次に、総理の外交方針について一言申し上げます。
 内政が行き詰まったら外交に国民の目をそらし点数を稼ぐことは、外国の為政者も行う常套手段でありますが、あなたの本年一月のモスクワ訪問は、国民の最大の関心事である北方領土問題については解決の道筋が全く示されなかったのみならず、北朝鮮への訪朝以降、事態は悪化する一方であります。拉致問題は硬直状態のままで、新たに離散家族をつくり、加えて、核問題は最悪のデッドロックに乗り上げ、平壌宣言は空文化してしまっているのではないですか。これらの現状こそ、小泉思いつき外交の無残な決着と断ぜざるを得ません。御意見があればお伺いいたしたいと存じます。
 当面最大のイラク問題は、この先の展開がまことに危険な事態に直面してきております。米国は、単独でもイラクを攻撃する強硬姿勢を崩しておりませんが、世界のほとんどの国は、新たな国連決議なしでの武力行使には反対であります。総理はこの機会に、我が国がどのような立場をとるのか、明確に国民に示していただきたいと存じます。(拍手)
 いよいよ最後の段階であります。議場の諸君、静かに御清聴いただきたいと存じます。
 一九五五年、保守合同以来の半世紀、自民党単独支配の政権が続き、経済繁栄を謳歌したよき時代も一時はありました。私も、そのときは自民党におりました。しかし、近年、失われた十年と申しますが、一九九三年以来、自民党は失政続きで、国家の財政は破綻し、世界一流の経済国は崩壊寸前であります。
 そればかりか、毎回毎回、スキャンダルの連続であります。前国会での鈴木宗男氏の逮捕、加藤紘一、井上裕氏の辞職、そして大島理森氏の疑惑、本年に入って、中村喜四郎氏の失職、そして長崎県の自民党幹事長逮捕などの不祥事は、もはや、個人の政治モラルを超えた、政権交代のない長期政権からくる政官業癒着の慢性的構造腐敗であり、このままの自民党の政権ではここで歴史的役割を終えるべきであると信じます。(拍手)
 国民は、長期政権の現状を知り尽くして、この間に行われた五回の国政選挙で、一度も自民党に単独過半数を与えておりません。
○議長(綿貫民輔君) 石井一君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
○石井一君(続) しかし、この間、思い出してください、あるときは社会党とひげの白い内閣をつくり、あるときは野党からゴボウ抜きして選挙を経ずに人員をふやし、現在は公明党様と連合を組んで、きゅうきゅうとして政権を維持しております。
 前回の総選挙において、自民、公明、保守の政党比例得票は二千五百万票、それに対する民主、自由、社民の得票は二千七百万票であります。共産党の獲得した七百万票を考慮すると、一千万票近く野党がまさっておるという現実を御存じなのですか。
 今や、多くの心ある国民は、自民党政権の退陣の早からんことを願っております。小泉総理、国家存亡の危機にある今日、今求められているのは、このままの何でもあり政権を続けるのではありません。現在の三党連立政権をきっぱり打ち切り、潔く下野し、民主、自由、社民を中心とした新しい改革政権に一度道を譲るという度胸はありませんか。私たちもまだまだ至りませんが、その責任を感じ、任にたえる決意であります。そのときこそ、小泉純一郎の名前がさん然と歴史に残るであろうことを申し述べて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 石井議員にお答えいたします。
 まず、補正予算についてでございます。
 十四年度補正予算におきましては、日本経済の再生に向けて、構造改革の加速にあわせて緊急に措置することが必要な施策及びデフレ抑制に直接的に資する施策として、国費ベースで、雇用・中小企業等のセーフティーネットの構築に一兆五千億円、構造改革推進型の公共投資に一兆五千億円の予算措置を講ずることとしております。
 雇用対策については、不良債権の処理の加速に伴う雇用への影響にも十分対応できるよう、雇用対策費として約五千億円を計上しているほか、新規雇用機会の創出等に資する創業支援のための施策を盛り込むなど、今般提出した平成十四年度補正予算において、十分な対応を講ずることとしております。
 政府としては、今般の補正予算は必要な施策を厳選して編成したものと考えており、組み替えは念頭にありません。
 消費税に関する御質問であります。
 私は、在任中、消費税を引き上げることは考えておりません。ただし、消費税の議論は結構であります。私の内閣の役割は、いろいろありますが、わけても、徹底した行財政改革を行うこととしておりまして、歳出の見直し、これに専念するのが先でありまして、消費税率の引き上げを行うことは考えておりません。
 なお、将来の税制のあり方については、少子高齢化の進展や財政状況等を踏まえ、国民的な議論が必要でありまして、その中で消費税について議論することは歓迎いたします。
 今後の税制のあり方についてでございます。
 税制については、所得、資産、消費等の間でバランスのとれた税体系に配意しつつ、国民皆が広く公平に負担を分かち合う観点から構築していくことが重要であり、いわゆる直間比率は、その結果として決まってくるものと考えております。
 その際、基幹税の一つである所得税については、本来果たすべき財源調達などの機能の回復を図ることが課題と考えております。また、消費税については、世代間の公平の確保、安定的な歳入構造の確保などの観点から、中長期的には、その役割は重要となっていくものと考えております。
 支持率についてのお尋ねであります。
 支持率は、高いときもあれば、低いときもある。支持率に左右されるときもあれば、左右されないときもある。民主党の支持率も低いけれども、元気を出して頑張っていただきたいと思います。(拍手)
 私の対ロシア外交及び対北朝鮮外交についてのお尋ねであります。
 今月初めの日ロ首脳会談に際しましては、四島の帰属の問題を解決して平和条約を可能な限り早期に締結し、もって両国関係を完全に正常化すべきとの決意をお互い確認しました。
 ソ連からロシアに変わり、米ソ対決から米ロ協調になった。なおかつ、ロシアが一党独裁から民主主義体制に移行した。統制経済から市場経済を重視する体制に変わった。そういう中にあって、日ロ関係は、二国間のみならず、国際舞台におきましても、協力できる分野は多々あると思います。そういう点を考えながら、今後、日ロ友好関係を発展させながら、北方四島の領土の問題、平和条約の締結に向けての努力をしていきたいと思います。
 日朝関係につきましては、日朝平壌宣言に基づいて、拉致問題及び核問題等の諸懸案を解決して、地域の平和と安定に資する形で国交正常化交渉を実現するという基本的な方針に変わりはありません。政府としては、引き続き関係国と緊密に連携しながら、さまざまな機会をとらえ、北朝鮮側に諸懸案解決のための前向きな対応を求めていく考えであります。
 イラク問題についてであります。
 重要なことは、イラクが現在行われている査察に対して無条件、無制限に協力し、大量破壊兵器の廃棄を初めとするすべての関連安保理決議を実際に履行することであり、この点につき、我が国と米国の立場は一致しております。この問題は国際社会全体が取り組むべき問題であり、我が国としても、今後とも外交努力を継続してまいります。(拍手)
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○議長(綿貫民輔君) 冬柴鐵三君。
    〔冬柴鐵三君登壇〕
○冬柴鐵三君 私は、自由民主党、公明党、保守新党を代表し、財務大臣の財政演説に対し、総理並びに関係大臣に質問をいたします。(拍手)
 本題に入る前に、我が国を取り巻く国際情勢の動向について、政府の見解、方針を確認しておきたいと思います。
 一昨年秋の忌まわしい九・一一米国同時多発テロ事件の発生以来、国際情勢は急変を告げております。
 何ら罪のない多くのとうとい人命を、ある日突然に犠牲にするという無差別テロに対しては、我が国として、国際協調を図りながら、自主的、自立的判断のもとに、敢然と立ち向かう姿勢を示してまいりました。
 これに関連し、緊迫の度合いを増しているイラクの情勢について、政府は今、どう認識をしているのか、基本的な見方、方針を伺いたいと存じます。
 また、北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国による日本人拉致問題を早急に解決し、現在、引き離された家族の再会を一刻も早く実現することが強く望まれており、重ねて、核やミサイル開発は、国際的にイラクと並ぶ大きな問題に発展しつつあります。これらの問題に関する今後の政府の取り組みについて、強い決意をお聞かせいただきたいと存じます。
 次に、今般提出された平成十四年度補正予算に関連し、我が国経済の情勢等に関して質問いたします。
 一九九〇年代初頭のいわゆるバブル崩壊以来、日本経済は長引く経済の低迷に苦しんでおり、最近においても、アメリカを初めとする世界経済の先行き懸念や、我が国の最近の著しい株価水準の低迷など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
 このような状況を克服し、一日も早く経済の回復過程を確かなものとすることが喫緊の課題であり、このためには、民間金融機関の抱える不良債権処理問題の抜本的な解決を図ることが避けて通れない課題となっております。そうした日本経済の構造改革を推進していくため、政府はできる限りのあらゆる政策手段を動員して、万全の対応策を講じることを強く期待するものであります。
 その意味で、昨年末、政府において、改革加速プログラムを決定し、これを実施するための平成十四年度補正予算を編成したことは、総理が常々おっしゃる、柔軟かつ大胆な政策運営のあらわれであるものと高く評価するところであります。
 総理、そこで、まず、政府として現下の経済状況についてどのような御認識をお持ちなのか、また、このような経済情勢に対しどのような方策を講じるのか、国民に対し、わかりやすく、我が国経済の再生に向けた見取り図をお示しいただきたいと存じます。
 また、現下のデフレ状況からの脱却を実現するには、政府、日銀は一致協力して、思い切った金融緩和措置を実施するなど、適時適切かつ機動的な金融政策を講じていくことが重要であると考えます。
 このような観点から、今、金融政策に関してさまざまな議論がなされておりますが、総理としては具体的にどのような見解をお持ちなのか、政府、日銀の取り組みの方針をお伺いします。
 我が国経済の活力を取り戻すためには、金融機関の不良債権という、日本経済に巣くう病巣を根本から摘出することが喫緊の課題であります。その過程において、失業者の発生や中小企業への貸しはがしといった事態にも十分備えることが重要と考えます。
 このため、雇用・中小企業などのセーフティーネットの構築に万全を期するとともに、デフレ抑制に効果が高く、構造改革を推進するための施策を緊急に実施すべきものと考えますが、塩川財務大臣の御見解を承りたいと存じます。
 雇用情勢を眺めてみますと、民間企業の求人は増加傾向にはあるものの、完全失業率は五%台半ばの高水準で推移し、賃金面でも弱い動きが続くなど、雇用情勢は依然として厳しい状況にあります。
 構造改革の推進に伴う雇用のセーフティーネット構築は重要かつ喫緊の課題であり、失業者、離職者に対する早期再就職支援の促進、雇用保険制度の安定的運営等、多様な雇用対策の強化に遺漏なきを期すべきであります。
 特に、今補正予算において、早期再就職者支援基金事業二千五百億円の創設などの措置がとられたことは大いに評価するところであり、政府としての雇用対策への取り組み、決意について、小泉総理並びに坂口厚生労働大臣に総合的に御説明いただきたいと存じます。
 また、不良債権処理の過程で、せっかく意欲、能力に富んだ中小企業の経営者がゆえなく切り捨てられるようなことがあってはなりません。
 民間金融機関の体力が低下する中、中小企業に対する貸しはがし問題が発生するなど、中小企業をめぐる資金繰りは極めて厳しい状況にあります。
 しかしながら、日本の数多くの中小企業は、創造力にあふれ、これまでも、戦後の我が国経済の復興、躍進に大きな役割を果たしてきたところであります。経済が低迷する今こそ、我が国経済の将来を背負う新規産業の担い手である中小企業の活躍が大いに期待されており、これら将来性のある中小企業がその特色を十全に発揮することが求められていると思います。
 こうした中で、中小企業に対するセーフティーネットとして、セーフティーネット保証・貸し付けの拡充とともに、資金繰り支援のための保証制度が創設され、あわせて十兆円の保証枠が拡充されたことは、時宜にかなった適切な対応措置であります。
 政府としての中小企業に対する支援の取り組み方針について、総理並びに平沼経済産業大臣にお伺いいたします。
 平成十四年度補正予算においては、先般決定された改革加速プログラム関連経費として、総額三兆円もの予算が計上されております。その財源や年度途中の税収見込みの大幅な落ち込みといったやむを得ざる事態に対応するため、補正予算において国債の増発を行うこととした結果、国債発行額は三十五兆円弱となっております。
 平成十四年度当初予算を編成するに当たり、極めて厳しい財政事情のもとで、総理が国債発行額について三十兆円という厳しい枠を設けられたことは、歳出の構造改革を進め、財政規律の維持を図っていくためのてことして、大変重要な役割を果たしてきたと考えています。
 我々与党三党としては、現下の厳しい状況に対応するため、大胆かつ柔軟な政策運営の一環として、総理がこの補正予算を編成するとの決断を行われたことを重ねて評価するとともに、今後も将来にわたって国民が不安を抱かないような規律ある財政運営を行う責任ある姿勢を示すことが重要と考えます。
 今般、「構造改革と経済財政の中期展望」の改定が行われますが、これに関連し、今後の中長期的な財政運営の見通しや、その過程における歳出の構造改革に向けた取り組み方針に関し、総理の考え方を伺いたいと存じます。
 我々与党三党は、このたび提出された平成十四年度補正予算は、経済の構造改革を進め、我が国経済の復活を図るために必要不可欠な施策が盛り込まれているものであり、これを早期に成立させることが最も重要であると考えております。政府におかれても、この補正予算が成立した後、速やかにその着実な実施を図るなど、万全の取り組みを進めていかれるようにここに要請し、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 冬柴議員にお答えいたします。
 イラク情勢についてでございます。
 重要なことは、イラクが現在行われている査察に対して無条件、無制限に協力し、大量破壊兵器の廃棄を初めとするすべての関連安保理決議を実際に履行することだと思います。この問題は国際社会全体として取り組むべき課題であり、我が国としても、今後とも外交努力を継続してまいります。
 北朝鮮による拉致問題及び核やミサイル開発問題への取り組みについてのお尋ねであります。
 政府としては、日朝平壌宣言に基づき、拉致問題、安全保障上の問題、諸懸案の解決を包括的に図っていく方針でありまして、引き続きアメリカや韓国を初めとする関係国と緊密に連携しながら、さまざまな機会をとらえ、北朝鮮側に問題の解決のための前向きな対応を求めていく考えであります。
 現下の経済状況の認識と経済再生に向けた方針についてでございます。
 我が国の景気は引き続き一部に持ち直しの動きが見られるものの、このところ、弱含んでおります。また、デフレ傾向は根強く、不良債権も依然高水準にあるなど、日本経済は厳しい状況が続いております。
 こうした中、政府としては、日本経済再生のためには、デフレを抑制しながら構造改革をさらに強化する必要があるとの認識のもと、不良債権処理の加速を含む金融・産業の再生策、都市再生、規制改革などから成る総合対応策を取りまとめるとともに、これを補完、強化するための平成十四年度補正予算を編成し、平成十五年度予算とあわせ、切れ目ない対応を図ることとしているところであります。
 政府としては、今後とも、国民一人一人や企業、地域が持っている潜在力そのものをさらに高めていける経済社会の実現に向けて、デフレ克服を目指しながら、金融、税制、歳出及び規制の四本柱の構造改革を一体的かつ整合的に実行し、民間需要主導の持続的な経済成長の実現を図ってまいりたいと思います。
 デフレ脱却のための金融政策についてでございます。
 デフレ克服は経済財政運営における重要課題であると認識しており、できる限り早期のプラスの物価上昇率実現に向け、政府は日銀と一体となって総合的な取り組みを実施することが必要だと思います。日本銀行におきましては、さらに実効性ある金融政策運営を行っていただけるよう期待しているところであります。
 いずれにしても、日銀とは、今後とも、経済財政諮問会議のほか、さまざまなレベルにおいて意見交換を行い、連携をとっていく考えであります。
 雇用対策への取り組みでございます。
 厳しい雇用情勢のもと、経済社会の変革に対応した雇用のセーフティーネットを確保することは極めて重要であると認識しております。また、雇用問題は、政府のみならず、労使も積極的に取り組むべき課題であり、雇用問題に関する政労使合意が取りまとめられ、政労使が協力して取り組んでいく枠組みが形成されました。
 こうした中、政府としては、構造改革を加速していく中で考えられるさまざまな影響に十分留意の上、平成十四年度補正予算において、議員御指摘の早期再就職者支援基金事業の創設を初めとする離職者の再就職支援策や、地域の創意工夫による雇用機会の創出策の拡充などの措置を講じ、雇用のセーフティーネットに万全を期すこととしております。
 中小企業対策についてです。
 厳しい経済環境の中で、やる気と能力のある中小企業の資金繰りを円滑化するために、金融セーフティーネット対策に万全を期してまいります。また、我が国経済の活性化のためには、中小企業の新規創業や新事業展開を促進することが重要であり、中小企業の果敢な挑戦を強力に後押ししてまいります。
 今後の中長期的な財政運営の方針についてでございます。
 中長期的な財政運営については、昨日の経済財政諮問会議において、二〇〇六年までの政府支出規模は二〇〇二年度の水準を上回らない程度とすることを目指す、二〇一〇年代初頭にはプライマリーバランスを黒字化することを目指す等を内容とする答申が出されたところであります。
 今後の財政運営に当たっては、こうした考え方を踏まえつつ、負担に値する質の高い小さな政府を実現するために、郵政改革、道路公団改革など公的部門の見直しを進めるとともに、真に必要な分野に予算配分を集中するなど、歳出改革を加速してまいりたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣塩川正十郎君登壇〕
○国務大臣(塩川正十郎君) 冬柴先生からの御質問でございましたが、金融機関の不良債権処理を加速させていくならば、当然、デフレ対策としてセーフティーネット対策というものを十分に講じなければならぬ、これはどうしておるのかという御質問でございました。
 政府は、この秋に、不良債権処理の加速をいたすに伴いまして、改革加速プログラムを策定いたしまして、それの対応策をとったところでございます。それに基づきまして、年末に平成十四年度補正予算を編成いたし、現在提出させていただいておるものでございますが、ぜひ早期に成立させていただきたいと思っております。
 この内容は、改革加速プログラムに基づいてつくったものでございまして、具体的に申しますならば、一つの柱は、雇用促進を図ってセーフティーネットを十分に備えるということが一つでございます。それに付随いたしまして、新しい四分野に該当する施策といたしまして、民間投資誘発効果の高いもの、あるいは雇用創出効果の特に高いもの、すなわち、即効性があって、非常に幅広く、早期に実施できる公共事業等を中心とした事業に新しく投資をするという二つの柱でございます。
 それとあわせまして、税制の改正もいたしまして、税制におきましては、企業等の設備投資なり研究開発を促進するための措置と、個人の資産を早期並びに適切に運用するための資産対策税制を講じたところでございまして、この施策の効果を発揮し、デフレ対策として十分な措置を講じる次第でございます。(拍手)
    〔国務大臣坂口力君登壇〕
○国務大臣(坂口力君) 冬柴議員にお答えを申し上げたいと思います。
 雇用対策への取り組み、決意についてのお尋ねがございました。総理からもお答えをいただきましたが、改めてお答えを申し上げたいと思います。
 政府は、構造改革を加速し、日本経済を再生するための政策強化を行いまして、デフレを克服しながら民需主導の自律的な経済成長を目指すために、十月三十日に、改革加速のための総合対応策を取りまとめました。さらに、この総合対応策の思い切った補完・強化策を講ずるために、十二月十二日に、改革加速プログラムを策定し、これに基づきまして、平成十四年度補正予算案において、必要な雇用対策の強化策を盛り込んだところであります。
 なお、厳しい雇用情勢に対応していくためには、政労使協力して取り組んでいくことが重要であるとの認識のもと、総理からも要請を受けまして、十二月四日に、雇用問題に関する政労使合意を取りまとめたところであり、この趣旨は、平成十四年度補正予算における雇用対策にも反映されております。
 今回の雇用対策の主な施策としては、冬柴議員御指摘の、離職者の早期再就職を強力に推進するための早期再就職者支援基金事業の創設のほかに、不良債権処理に伴いますところの離職を余儀なくされた者に対する体系的な再就職の支援を行います雇用再生集中支援事業の創設、また、地域の創意工夫による雇用機会の創出を目的としました緊急地域雇用創出特別交付金の充実及びその効果的な活用などを図ったところでございます。
 今後とも、国民の方々の雇用不安の払拭に向けて努力をしてまいる所存でございます。(拍手)
    〔国務大臣平沼赳夫君登壇〕
○国務大臣(平沼赳夫君) 冬柴議員にお答えをいたします。
 中小企業の支援に対するお尋ねでございました。
 御指摘のように、総理からも御答弁がありましたけれども、やる気と能力のある中小企業、これに対してしっかりと政策上の手当てをするということは非常に重要なことでございまして、資金繰りの円滑化、さらには、経済活性化の原動力となります元気な中小企業を育成する、このことが大切なことだと思っております。
 具体的に申し上げますと、第一に、金融のセーフティーネット対策でございます。
 さきの臨時国会で改正していただきました中小企業信用保険法、これを活用することと、現在御審議をいただいております平成十四年度の補正予算、ここで、中小企業に対する金融のセーフティーネット貸し付け、これをしっかりと拡充させていただきたい、このように思っているところでございます。
 また、現下の厳しい経済情勢の中で、中小企業の皆様方が大変資金繰りにお困りでいらっしゃいます。そこで、やはり借りかえ融資、こういったことをしっかりとやって、そして、この厳しい難局を乗り切っていただかなければならない、こういう観点から、借りかえ融資に対する保証を行う資金繰り支援保証制度を創設いたします。
 そして、御指摘がございました、事業を再生して活力を増さなきゃいけない、こういうことで、事業再生支援として、これも補正予算でお願いしているところでございますけれども、各地域に中小企業再生支援協議会、これは現段階では二十五カ所でございますけれども、さらに拡充して、しっかりと、地域性、多様性のある中小企業、その再生にきめ細かく対応させていただきたい、このように思っております。
 第三に、中小企業による新事業、新分野への挑戦及び個人による創業への挑戦に対しましては、技術面、人材面、そして資金面等、多面的に私どもは力を出していかなきゃいかぬ、こういったことに万全を期してまいりたい、このように思っております。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(綿貫民輔君) 達増拓也君。
    〔達増拓也君登壇〕
○達増拓也君 私は、自由党を代表して、さきの塩川財務大臣の財政演説に対し、経済財政に関する政府の基本認識を中心に、総理に質問いたします。(拍手)
 昨年末に余りにこそくなやり方で誕生した保守新党という政党を、小泉政権はもろ手を挙げて歓迎し、連立のパートナーとして受け入れました。極めて異常なことであったと思います。年が明けて、小泉総理の突然の靖国参拝、旧正田邸の無神経な取り壊しの開始。常識に反する、決してあり得ないようなことが、さも当然のことのように行われる異常事態が進行しています。
 日本国民は、異常事態になれてしまうことなく、これらを正していかなければなりません。とりわけ、国や地方の財政を食い物にしている自民党政治の罪の深さに、我々はなれてしまうわけにはいきません。
 十六日に実刑判決が確定した中村喜四郎氏のゼネコン汚職事件は、まさに、政治家がゼネコンの意向を受けて公共工事に介入するという、政治の私物化そのものであり、自民党政治を象徴しています。地裁、高裁での二度の有罪判決のたびに、野党は議員辞職勧告決議案を提出しましたが、自民党はそれを葬り続けました。中村氏がついに司直の手によって議員失職に至ることは、自民党政権のもとでは国会の自浄作用が働かないことを示すものであり、国会の権威を失墜させるものでもあります。
 また、十五日には、自民党長崎県連の前幹事長が、ゼネコンからのやみ献金問題で、収賄容疑で逮捕されました。
 このように、政府予算を通じて、国民の税金のかなりの部分が自民党政治家への政治資金に化けていく仕組みがある限り、国民の代表である国会議員がそのような政府の予算案に賛成できるはずがありません。
 小泉総理に伺いますが、今の小泉内閣には、税金に由来する不正な政治資金を受け取る閣僚はいないと断言できますか。また、小泉総裁のもとでの自民党には、税金に由来する不正な政治献金を受け取る政治家はいないと断言できますか。お答えください。
 次に指摘しなければならない異常事態は、日本経済の低迷ぶりです。日経平均株価が八千五百円前後のまま超低空飛行を続けるというのは、余りに異常です。加えて、高校卒業予定者の就職内定率は過去最悪を記録し、失業率も史上最悪の水準を続けています。
 小泉総理、これらの異常事態は、いわゆる痛みを伴う改革のプロセスとして、予定どおりのことなのでしょうか。なぜ、このような屈辱的な経済情勢のもとで多くの国民が苦しまなければならないのか、そのわけを教えてください。以前おっしゃっていたように、改革が進んでいる証拠なのか、それとも逆に、改革なくして成長なしという論法からすれば、改革が進んでいないからなかなか成長が実現しないのか、お答えください。
 関連して伺いますが、改革なくして成長なしというおなじみのスローガンからすれば、小泉内閣にとって、改革はあくまで手段であり、成長こそが目的であるはずです。小泉内閣発足から一年八カ月、成長という目的はどの程度達成されたのか、小泉総理に伺います。また、経済成長率の伸びにとどまらず、広く国民生活の向上について、どのような進歩が見られるのか、具体的にお答えください。
 平成十四年度補正予算案の中に認められる異常事態についても取り上げなければなりません。二兆五千億円という巨額の税収不足であります。
 一九八二年の鈴木善幸内閣では、当時の渡辺美智雄大蔵大臣が歳入欠陥問題で辞意を表明しました。歳入欠陥は財務大臣の進退問題に発展し得る大問題でありますが、それは、税収が予想を大幅に下回るということは政策の失敗、経済社会運営の失敗があったということだからです。
 自由党は、NTT株の売却益の基金を取り崩した昨年度の補正予算や、地方交付税特別会計のいわゆる隠れ借金を総動員するなどして体裁を繕った今年度当初予算に対し、国債発行三十兆円枠は既に論理破綻していると指摘してきました。小泉総理は、三十兆円枠は守っていると絶叫してこられましたが、ここに来ていよいよ国債を五兆円も追加発行し、来年度予算案では、最初から史上最悪の大借金をするというていたらくであります。
 巨額の歳入不足の一方で、一兆五千億円の医療費負担増が行われ、ことしは介護保険料の引き上げが予定されています。社会保険に関する負担が増大すると同時に、消費税率引き上げの議論が活発化することで、増税やむなしのムードが醸成されつつあります。
 しかし、国民負担増は、消費を抑制し、経済成長の足をさらに引っ張る効果を持ちます。国民負担がふえる一方で、税収が落ち込み、国の借金もふえるという異常な悪循環。これを失敗と言わずして何と言いましょうか。小泉総理はこの失敗の責任をどう感じておられるのか、明快な答弁を求めます。
 今回提案されている補正予算案は、策定の経過も異常でした。昨年の通常国会で本予算が審議されているころから、与党内では補正予算の必要性が主張されていましたが、小泉総理は、補正予算の編成を否定し続けていました。
 野党四党は、秋になっても日本経済が回復せず、ますます深刻の度を増す中で、昨年の臨時国会で、補正予算の策定と実行を提起しました。しかし、政府・与党は、昨年十月、改革加速のための総合対応策なるものを策定し、改革加速のために全力投球すると言いながら、補正予算という具体的な財政政策については手を打たなかったのであります。
 そして今、政府は平成十四年度補正予算を提出してきましたが、なぜ、平成十四年度ももうじき終わろうとする今のタイミングで補正予算を提出するのか、そして、これが一体どのような実質的効果を日本経済にもたらすものなのか、小泉総理の所見をお聞かせください。
 この際、小泉予算の歳出構造についてもお聞きします。
 小泉内閣になっても、歳出における各省庁のシェアは変わっていません。選挙区や支持母体の顔色をうかがい、従来どおりのシェア配分の獲得に狂奔する自民党の体質を改めない限り、構造改革など不可能であります。小泉内閣が国策実現の根幹である予算配分の構造を改革しなければ、構造改革を唱える資格はありません。
 来年度予算案で、地方財政の若干の手直しで三位一体の改革の芽出しと大げさに喧伝しているようですが、内閣発足から二年近くたってこの芽出し程度しか進まないというのであれば、スピードを要求される構造改革など、できるはずがありません。
 歳出構造の改革について、小泉総理はどのような理念を持っておられるのか、芽出しと称する歳出構造の見直しは、いつ、どのような花が咲くとお考えなのか、明確にお答えください。
 さて、ペイオフ解禁延期をめぐる小泉内閣の異常な経済運営についてお伺いいたします。
 そもそも、不況期における緊縮経済政策は過去にすべて失敗しているという歴史的事実を直視しないところが異常であります。不良債権処理の加速で供給過剰を是正しても、高付加価値の新産業の創出などがなければ、失業率が上がり続け、消費がさらに落ち込み、需要不足による日本経済の落ち込みに歯どめはかかりません。金融不安も高まるばかりです。小泉内閣誕生以来の経過はそのとおりではありませんか。
 不良債権処理を順調に進めさせ、ことしの四月からペイオフを全面解禁することが小泉内閣の基本中の基本政策だったはずであります。ところが、昨年夏までは、総理みずからがペイオフ解禁を予定どおり実施すると公言していたにもかかわらず、結局、昨年秋に、いとも簡単に政策を転換、ペイオフ解禁を二年も延期することを決定しました。余りに異常な、経済政策の大失敗です。
 ペイオフ解禁の二年延期は、緊縮政策という小泉内閣の経済政策の基本方針が決定的に間違っていたこと、そして、間違った基本方針を二年近く強行したために日本経済が取り返しのつかないような困難に直面してしまったことを意味します。にもかかわらず、小泉内閣は自分たちの過ちを認めず、基本方針を変更しなくてもよい、むしろ強化、加速すべきと主張しているのは、異常のきわみであります。
 小泉総理はこのペイオフ延期をどう説明するのか、お答えいただきたいと思います。(拍手)
 税収が五十兆円しかないのに三十兆円の国債を発行している状況を何で緊縮財政と言うのか、と小泉総理は絶叫されていました。補正後の今年度予算案では、税収を四十四兆円、国債発行額を三十五兆円にされようとしていますが、総理はこれを、緊縮財政ではないと、積極財政であるとお考えなのでしょうか、お答えください。
 世界第二位の経済大国の首相が、財政の緊縮政策と積極政策を取り違えて二年間やってきているとすれば、その異常さはもはや形容のしようがない、国家の基本すら危うくなるような事態であります。小泉総理がもしこの異常さを自覚するなら、直ちに退陣するべきであります。また、異常さに気がつきつつも、みずから退陣するに踏み切れないのであれば、解散をして国民に信を問うべきでありましょう。国民も、そろそろ自分たちの責任で自分たちの総理大臣を選ぶべきときです。総辞職か解散をしないのかどうかを小泉総理に伺って、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 達増議員にお答えいたします。
 政治献金についてでございます。
 政治資金については、小泉内閣の閣僚、自民党の各議員は、政治資金規正法にのっとって適切な手続を経て処理しているものと承知しております。
 構造改革の進展と経済成長についてのお尋ねであります。
 私は、就任以来、日本経済再生のためには構造改革を進める以外に道はない、構造改革の効果が発揮されるにはある程度の時間を要し、二、三年の低成長は我慢すべきだと言ってまいりました。
 小泉内閣が取り組んでいる構造改革は各分野において着実に進展しておりますが、全体として見れば、改革はいまだ途上にあります。政府としては、デフレを抑制しながら、金融、税制、歳出、規制の四本柱の構造改革を中心に諸改革を加速することにより、民間需要主導の持続的な経済成長を実現していく考えであります。
 社会保険の負担増や消費税引き上げについてのお尋ねでございます。
 社会保障については、給付は全体で年四%程度の伸びで増大する見込みであり、このまま給付が増大すれば、それをどのように賄うにせよ、国民負担が増大するとともに、将来の社会保障制度の持続可能性に対する不安が広がり、そうした面から消費、景気に悪影響を及ぼすと考えております。
 したがって、社会保障制度については、経済の伸びと均衡がとれ、将来にわたり持続可能で安定的、効率的な制度を構築することが経済の活性化にとっても重要であると考えております。
 なお、消費税については、私の在任中、引き上げることは考えておりませんが、議論をするのは歓迎いたしております。私の内閣としては、徹底した歳出の見直しを行うのが先だと考えております。
 補正予算の提出時期と実質的効果についてでございます。
 政府としては、日本経済の再生に向けて、十月末に、金融・産業の再生策、都市再生、規制改革、雇用・中小企業のセーフティーネットの拡充策などをまとめ、その着実な実施に努めてきたところであります。
 そうした中、十四年度税収について、十一月中旬に、二兆円を超える減収が避けられないことが判明したことを受け、総合対応策を補完、強化するための措置を含め、十四年度補正予算を編成することとし、その後、編成作業に全力を挙げて取り組み、今国会における冒頭の審議をお願いしているところであります。
 この十四年度補正予算におきましては、民間需要誘発効果や雇用創出効果が特に高いものを厳選し、事業規模では四兆四千億円程度、事業・融資規模を含めたベースでは十四兆八千億円程度を確保しているところであり、十五年度当初予算とあわせ、経済活性化に向けた切れ目のない対応を図ってまいります。
 歳出の構造改革についてでございます。
 平成十五年度予算については、歳出改革の一層の推進を図るとの基本的な考え方のもと、活力ある社会経済の実現に向けて、将来の発展につながる分野への予算の重点配分や徹底した単価の見直しなどの効率化に取り組んだところであります。
 また、国と地方の、国庫補助負担金の整理合理化、地方歳出の抑制を通じた地方交付税総額の抑制を図るとともに、この三位一体という改革につきましては、今後も特に重点的に進めていきたい。自動車重量譲与税の税源配分の見直しなどを行ったところでありまして、さらに、今後、本年六月を目途に、地方の自立に向けた改革案を取りまとめることとしております。
 ペイオフ延期についてでございます。
 不良債権処理は、金融仲介機能の回復を図るとともに、資源の新たな成長分野への円滑な移行を可能とするものであり、構造改革を進める上での最重要課題であります。
 そのため、先般、不良債権処理を一層加速することとしたところですが、その際には、同時に、金融システムの安定と中小企業金融等金融の円滑化に十分配意することも必要であることから、ペイオフにつきましては、不良債権問題が終結した後の十七年四月から実施することとしたものであります。これは、不良債権処理の加速化という、構造改革を強化するものであります。
 補正後の今年度予算について、緊縮か積極かのお尋ねであります。
 平成十四年度補正予算については、財政節度を維持する観点から、国債の追加発行は当初想定し得なかった税収減及び雇用・中小企業などのセーフティーネットの構築と構造改革推進型の公共投資として追加する経費の範囲内にあくまでとどめるとの基本的考えに基づいて編成したところであります。
 この結果、平成十四年度補正後の税収は約四十四兆円、公債発行額は約三十五兆円となりますが、このような財政状況については、私は、緊縮とは呼べないと思っております。
 退陣せよ、あるいは解散せよというお尋ねであります。
 私は、改革の仕事、まだ山積しております。実績を残し、しかるべき後に解散を考えればいいことであって、現在、解散は念頭にありません。もちろん、退陣することも考えておりません。(拍手)
    ―――――――――――――
    〔議長退席、副議長着席〕
○副議長(渡部恒三君) 吉井英勝君。
    〔吉井英勝君登壇〕
○吉井英勝君 私は、日本共産党を代表して、小泉総理に、二〇〇二年度補正予算案について質問します。(拍手)
 初めに、今、世界の平和にとって焦眉の課題であるイラク戦争をどのようにして回避させるかについて質問します。
 イラクの大量破壊兵器の査察を行っている国連監視検証査察委員会が安保理に報告を提出する期限である二十七日を節目に、アメリカのブッシュ政権は、イラク攻撃の準備を進めています。
 これに対して、世界の世論は、ブッシュ大統領はイラク攻撃をやめよ、戦争を回避せよとの声を上げ、首都ワシントンで五十万人の大規模な集会を初め、アメリカ、カナダ、欧州、中東、アジア、中南米、そして日本と、世界三十カ国以上でイラク戦争に反対する大規模な集会とデモが繰り広げられています。欧州各国の世論調査では、七割から八割の人々が武力攻撃反対を表明しています。
 こうした情勢のもとで、フランスのシラク大統領は、戦争は常に失敗の確認であり、最悪の解決策だと述べて、アメリカのイラク攻撃準備を批判しました。ドイツのシュレーダー首相は、イラク攻撃回避最優先の立場から、イラク攻撃反対を明確に主張する、ドイツは軍事協力はしないと発言しています。
 総理、イラク攻撃反対が世界の圧倒的世論となっているとき、なぜ、小泉総理は明確に戦争反対を言わないのですか。ブッシュ大統領に、戦争をやめよ、イラク攻撃やめよという日本の意思をはっきり示すべきではありませんか。答弁を求めます。(拍手)
 さて、補正予算案に関連し、小泉内閣の経済財政政策について質問します。
 小泉内閣は、構造改革なくして景気回復なしと叫んで誕生しましたが、今日の日本経済の最悪の状況を見れば、その破綻は明白です。
 まず、構造改革の最大の柱とした、不良債権の早期最終処理についてです。
 内閣誕生以来の一年九カ月の不良債権処理で、中小企業は、昨年、戦後二番目の倒産を記録するなど、倒産と失業を大量に生み出して景気をさらに悪化させ、逆に不良債権をふやす悪循環となっているのが現実であります。
 また、デフレ対策だとして日銀には超金融緩和策をとらせましたが、不良債権処理を迫られる金融機関の現場では、中小企業に対する貸しはがしや金利引き上げという超金融引き締め策が進められています。
 総理はこの経済金融政策の矛盾や破綻をどのように説明されるのか、伺いたい。
 二つ目が財政構造改革で、社会保障を切り下げ、国民負担をふやし、可処分所得を減らして、消費不況をさらにひどくしたことで、結局、税収を二〇〇〇年度の五十兆七千億円から二〇〇二年度には四十四兆三千億円へと落ち込ませ、国債発行残高を三百六十八兆円から四百二十八兆円に、小泉内閣になってからで六十兆円もふやしたのが実績ではありませんか。
 加えて、大企業がリストラを進めるのは当然だなどとして、大企業の無法を野放しにしたために、完全失業率は、内閣誕生時に四・八%だったのが、過去最悪の五%台半ばに急増したままです。就職活動断念に追い込まれた人を合わせると、実質失業率は一〇%を超える深刻な状態になりました。そこへ、財政構造改革だと、失業給付の二千億円削減、雇用保険料の引き上げの追い打ちで、所得減少と将来不安から消費を落ち込ませ、大不況の加速という悪循環を深めているのが小泉政治の一年九カ月ではありませんか。
 景気回復どころか、小泉構造改革をやればやるほど景気も財政も悪くなりました。総理は、これだけ国民生活を圧迫し、日本経済を悪化させたことに対し、どのように責任を感じているのか、明確に答えられたいと思います。(拍手)
 今、景気を立て直す決定的なかぎは、国民生活の応援です。
 我が党は、国民の暮らしを応援して景気を立て直すこと、そのため、医療改悪の実施をやめるなど社会保障の三兆円負担増をやめること、配偶者特別控除の廃止など庶民増税をストップすること、不良債権処理加速策の強行で中小企業の倒産をふやすことをやめ、さらに、雇用を守り失業者の生活支援を行うことなど、四つの緊急要求を提起してきました。この緊急要求の実現こそが景気回復への道であります。
 まず第一に、四兆円負担増問題です。社会保障分野の三兆円負担と、配偶者特別控除の廃止や発泡酒の増税など庶民増税の一兆円、合わせて四兆円の国民負担増が強行されようとしています。これに対して、ことし四月からのサラリーマン健保本人三割負担について、患者や家族はもとより、日本医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会など医療関係者は、その医療改悪法の凍結を強く求めています。総理、四兆円の国民負担増をやめよの国民の切実な声を無視するのですか。はっきり答えていただきたいと思います。
 この点では、九六年に経済成長率がプラスで上向いたときに、九七年四月の橋本内閣の消費税二%増税など九兆円負担増で、立ち直りかけた日本経済を破綻に追い込みました。この苦い教訓から何を学んだのですか。今は、国民所得が大幅に減り続け、最近の政府経済見通しでも、三カ月連続下向きに落ち込んでいるときです。この経済局面で四兆円もの国民負担増をかぶせたら、橋本内閣の九兆円負担増以上に大きな打撃を日本経済にもたらしかねないものとなります。その危険を総理はどのように認識しているのか、伺いたい。
 政府は、補正予算の一つの柱が雇用や中小企業へのセーフティーネットとしていますが、これは不良債権処理の加速で大量の倒産と失業を発生させることを前提にしたものであります。民間機関の試算によれば、加速策で百六十五万人の失業の発生も見込まれています。今、政府がなすべきことは、不良債権処理の名による雇用や中小企業を破壊する悪政からの転換であります。
 その上で、政府が雇用対策として取り組むべきことは、本気でリストラを規制し、失業者の生活支援立法とその予算化を図ることではありませんか。財界のシンクタンクも指摘してきたサービス残業を解消し、過労死まで生んでいる長時間労働を規制して、雇用を拡大することではありませんか。答弁を求めます。
 また、中小企業の金融対策の充実のために緊急にやるべきことは、現に進められている貸しはがしや金利引き上げをやめさせる具体策をとることであります。さらに、中小企業が金融の面で困難に陥ることのないように、信用保証協会の借りかえ保証と低利のものへの借りかえ融資、複数保証の一本化による新規与信、返済猶予の実現など、中小企業がこの長期不況のトンネルを抜けるまで金融の面で全面的に応援することであります。総理にこのことを実現する決意があるのか、伺うものであります。(拍手)
 補正のもう一つの柱である、一兆五千億円も組んでいる公共投資について質問します。
 その中身を見ると、むだ遣いの批判の高い中部国際空港建設など、拠点空港、国際港湾の整備と道路建設が中心です。見通しのない巨大開発や、住環境を破壊し、一キロメートル当たり一千億円以上もかかる都市環状道路の建設など、これらは、構造改革推進型と銘打ってみても、従来型の公共事業そのものです。
 大体、総理は、一昨年十月には、「不況になってきたからということで、国債を増発して公共事業を積み増しすればいいという状況でもない」と、従来型公共事業には効果はないと公言してきました。しかし、今回の補正予算は、総理が景気に効果がないと言ってきた、従来型の大型公共事業の積み増しそのものではありませんか。はっきり答えていただきたい。
 小泉内閣が従来型公共事業をやめることができないのは、ゼネコンなど企業からの政治献金を断ち切れないからです。
 先日、ゼネコン汚職であっせん収賄罪に問われた中村喜四郎元建設大臣の実刑、収監が確定しましたが、その前日には、長崎県知事選挙をめぐって、公共事業受注業者からの違法献金で自民党長崎県連前幹事長が逮捕されました。これらの事件は、企業の政治献金がわいろの性格を持っていることをはっきり示しました。
 日本共産党は、金で政治をゆがめる企業・団体献金の全面禁止を行うべきだと考えていますが、公共事業受注企業などからの献金を禁止する法律を直ちにつくるべきです。総理、既に野党四党は、この措置を盛り込んだ政治資金規正法改正案を国会に提出し、現在、継続審議となっています。自民党総裁として、その速やかな成立を期すべきです。明確な答弁を求めます。
 日本経団連は、企業献金の指針を策定することを明らかにしました。政党の政策実績を評価して、日本経団連の要求に忠実な政治家に企業献金を集中させ、企業利益になるように政治を金で買うというものです。このあからさまな金権政治を総理は認めるのかどうか、伺うものであります。
 最後に、財政政策の転換について伺います。
 今回の補正で、不況による税収の落ち込みと従来型公共事業の積み増しなどの五兆円の財源を国債発行で賄うとしています。この結果、補正後の国と地方を合わせた長期債務残高は七百五兆円、GDP比一四一・二%となります。小泉内閣は、財政構造改革を進めるため、国民生活を切り縮める政治を強行した結果、結局、不況を加速して税収の落ち込みをもたらし、財政危機を深め、国債発行三十兆円枠の旗すらみずから取り下げました。総理はこの責任をどう説明するのですか。
 既に竹中大臣は、経済財政諮問会議で、今回の補正を入れても来年も再来年も想定した経済成長率を下回るという見通しを発表しています。国民には痛みを我慢せよと言って構造改革を進めてきましたが、この我慢を押しつける集中調整期間を一年延期しても、今のデフレが解決できるわけではなく、デフレの克服は集中期間後だということになると、国民は文字どおり長期不況に苦しめられます。そして、これでは、GDPの六割を占める個人消費を伸ばして日本経済の立て直しを進めることはできません。
 家計を痛めつける政治から、暮らしに軸足を置いた経済財政政策への抜本的転換こそ必要であります。このことについての答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 吉井議員にお答えいたします。
 イラク問題についてでございます。
 重要なことは、イラクが現在行われている査察に対して無条件、無制限に協力し、大量破壊兵器の廃棄を初めとするすべての関連安保理決議を実際に履行することであり、この点につき、我が国と米国の立場は一致しております。この問題は国際社会全体が取り組むべき問題であり、我が国としても、今後とも外交努力を継続してまいります。
 不良債権処理を含む経済政策についてです。
 不良債権処理の加速は、金融機関の収益力改善や、貸出先企業の経営資源の有効活用などを通じて、新たな成長分野への資金や資源の移動を促すことにつながるものであり、他の分野における構造改革とあわせ実施することにより、日本経済の再生に不可欠なものと認識しております。
 政府としては、こうした認識に立って、先般、不良債権処理を加速し、政策を強化することとしたところであります。
 あわせて、不良債権処理に伴う影響に細心の注意を払い、やる気と能力のある中小企業への資金供給の円滑を確保するためのセーフティーネット策を取りまとめ、着実に実施に移しているところであります。
 社会保障制度改革などの構造改革の推進が経済を悪化させているとのお尋ねですが、やるべき構造改革を行わなければ経済の再生はないと思っております。そういう意味で、改革に全力で取り組んでいるところであります。
 社会保障制度については、少子高齢化が進展する中で、制度を持続可能で安定的なものとしていくためには、給付と負担の見直しを初めとする制度改革が避けられないと考えており、これをしない限りは、かえって将来の社会保障に対する不安が広がり、経済にも悪影響を及ぼすことになると考えております。
 今後、日本経済の再生に向け、デフレを克服しながら、金融、税制、歳出、規制など構造改革の取り組みをさらに加速することにより、民間需要主導の持続的な経済成長の実現を図っていくことが小泉内閣に課せられた責務であると考えております。
 社会保障負担増や増税による四兆円の負担増は経済に打撃を与えるものであり、これらを再考すべきではないかというお尋ねであります。
 急速な少子高齢化が進展する中で、今後、社会保障給付費は増大していく見込みであり、国民の安心を支える社会保障制度を将来にわたり持続可能なものとしていくためには、医療保険などの制度改革は不可欠なものと考えます。
 今般の税制改革については、現下の経済情勢を踏まえ、国、地方合わせて一兆八千億円の先行減税を実施するとともに、あるべき税制の構築に向けて、税制上のゆがみを是正するなどの観点から増収措置を講じるものであり、全体として経済活性化に資する改革であると考えております。
 そもそも、共産党の主張されている四兆円の負担増については、年金の物価スライドの完全実施などを前提として十五年度における負担増を過大に見ているほか、十五年度における先行減税の実施や社会保障給付全体の拡大が見込まれるなどの事情を考慮せず、いたずらに負担増のみに着目しているとの問題があり、これをもとに経済に与える影響を議論すること自体、適切ではないと考えております。
 リストラの規制、サービス残業の解消など、雇用対策についてでございます。
 経済社会が大きく転換する中で、企業がその存続を図るために雇用調整を余儀なくされる場合がありますが、政府としては、離職を余儀なくされる方々への円滑な再就職支援に努めるとともに、雇用保険制度などにより失業中の生活の安定や再就職の促進を図っているところであり、今後とも、雇用のセーフティーネットの確保には万全を期してまいります。
 また、いわゆるサービス残業については、的確な指導監督を通じ、その解消に努めてまいります。長時間労働については、時間外労働の限度基準を定め、指導を行っているところであり、今後とも、その基準の指導徹底などにより、総実労働時間の短縮に向けた取り組みを継続してまいります。
 中小企業への貸し渋りへの具体策及び借りかえ制度などの金融支援策についてです。
 経済の基盤を支える中小企業への円滑な金融を確保する観点から、金融機関による不当な貸しはがしなどを防止するためのモニタリング体制の強化などの措置を講じております。
 また、中小企業の金融セーフティーネット対策として約四千五百億円を補正予算に盛り込んでおり、これにより、借りかえ等にも保証を行う制度を新たに立ち上げる等、中小企業への金融支援策に万全を期してまいります。
 補正予算における公共事業は従来型ではないかというお尋ねでございます。
 従来型の意味というのは必ずしも判然といたしませんが、今回の補正予算における公共事業については、都市の再生や環境問題への対応など、構造改革の加速にあわせて緊急に措置する必要のある施策であって、民間需要創出効果や雇用創出効果が高く、かつ、事業の早期執行が可能で経済への即効性が高い事業を厳選したところであり、必要で効果的な措置であると考えております。
 公共事業受注企業などからの献金規制についてのお尋ねであります。
 政治献金のあり方につきましては、疑惑を招くことがないよう仕組みを考えることが必要であり、昨年、あっせん利得処罰法を改正強化するとともに、いわゆる官製談合防止法を制定したところであります。
 公共事業受注企業などからの献金については、現在、自民党において検討が進められているところであります。
 企業献金についてでございます。
 企業等民間の団体が政党や政治資金団体に対して寄附を行うかどうかは、その団体がみずから決めるべき問題であることは言うまでもございません。
 政治資金については、政治資金規正法にのっとり厳正に処理することにより、公明公正な政治活動を確保していかなければならないと考えております。
 国債発行三十兆円枠についてでございます。
 平成十四年度当初予算の編成に当たっては、税収が五十兆円程度にとどまると見込まれる中で、八十兆円を超える歳出の規模、内容について、財政の規律を確保するため、国債発行額三十兆円を目標としました。
 今回の補正予算の編成に当たっては、当初予算編成時には想定し得なかった税収の落ち込みや、経済情勢に応じて大胆かつ柔軟に対応する観点からの雇用・中小企業などのセーフティーネットの構築や、構造改革推進型の公共投資などの経費の追加の財源として国債の追加発行に踏み切ったところであり、財政構造改革を進めるための旗を取り下げたとの指摘は当たらないと考えております。
 暮らしに軸足を置いた経済財政政策への転換についてのお尋ねでございます。
 日本経済の再生のためには、デフレを克服しつつ構造改革を進める必要があり、政府としては、不良債権処理の加速など、金融・産業の再生策、規制改革、都市再生などの構造改革を推進してきたところであります。
 こうした改革の取り組みを進める過程において、社会の中に痛みを伴う事態が生じることがありますが、雇用や中小企業のセーフティーネットには万全を期すなど、痛みを和らげる措置にも十分配意しているところであります。
 また、小泉内閣としては、こうした観点から、例えば保育所待機児童ゼロ作戦の推進や奨学金の充実に取り組むなど、国民の豊かな暮らしの実現に直接結びつく取り組みも同時に進めているところであります。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(渡部恒三君) 中川智子君。
    〔中川智子君登壇〕
○中川智子君 社民党の中川智子です。
 私は、社会民主党・市民連合を代表しまして、二〇〇二年度補正予算案に関連し、総理及び坂口厚生大臣に質問をいたします。(拍手)
 小泉総理、あなたが誕生して間もなく、総理におなりになって間もなく、横綱貴乃花がひざの故障を押して優勝したとき、あなたが、痛みに耐えてよく頑張った、感動したとおっしゃったのは有名なエピソードですが、昨日、貴乃花関は引退をしました。残念です。第二の彼の人生が実り多いものであることを心より祈るものです。
 でも、痛みに耐え切れず、たった一度の人生を捨てざるを得ないところまで追い詰められている人たちがふえています。
 年が明けて数日後、私が乗った電車がとまりました。車内アナウンスが、人身事故発生のためと告げました。自殺です。都市圏では、またかというほど日常茶飯事になってしまいましたが、私は、そのたびに、全身が凍りつくような思いがいたします。何が原因だったのだろうか。家族はどうしているのだろうか。どんな思いを持って電車に飛び込んだのか。
 総理、一日に百人近い人々がみずから命を絶つ現実をどう考えますか。それも、四十代半ばから五十代の男性がふえています。一生懸命働き続け、経済成長の下支えをしてきた働き盛りの人々をどんどんリストラし、完全失業者三百六十二万人を生んだこと、また、中小零細企業への貸し渋りや貸しはがしが、どれほど多くの国民を追い詰め、絶望のふちに追いやっているか、考えてみてください。総理、今、死と隣り合っている人々に、死ぬなと、あなたは言えますでしょうか。このことに総理が人間としてどのように思われているか、まずお聞かせください。
 さらに、構造改革と称し、国民に対し痛みに耐えよと言い続けてきた総理は、将来に希望が持てない深刻さがおわかりでしょうか。小泉内閣の失政によって日に日に社会不安を増大させている責任をどのように考えるのか、お答えください。
 長引く不況の中で、失業者や中小零細企業の経営者が、やむにやまれずサラ金や商工ローンからお金を借り、返済ができないまま、やみ金融に手を出してしまうという事例が増加しています。借金地獄から自殺が相次ぎ、今や社会問題化しています。
 やみ金融がはびこる最大の原因は、大手の商工ローン、消費者金融の安直な貸し出しがあります。やみ金融に手を出す人は、消費者金融への返済が不可能になった人たちであって、最初からやみ金融に手を出す人はいません。また、大手銀行が庶民への融資をやめて消費者金融に資金を流していること自体、見逃すことはできません。したがって、大手商工ローンや消費者金融の安直な貸し出しを規制することが最も重要であると思いますが、総理の御見解をお聞かせください。
 次に、総理、一家の担い手は主に夫であるという形はもうやめにしませんか。一家の大黒柱であることの重荷は、この不況下にますます深刻です。世帯単位の税の仕組みや年金制度は、いやが応にも、「大黒柱は男性」の社会をつくり上げてきました。男と女、ともに働き、暮らしを支えていく雇用形態を実現するために、労働の均等待遇を検討すべきと考えます。一千二百万人を超えるパート労働者など、非正規労働者の七割が女性です。その賃金は、正規雇用者の何と半分です。同じように働いて、こんな理不尽なことはありません。
 この不平等待遇によって、男性をも正規雇用から非正規雇用に移行させる企業がふえています。社民党は、パート均等待遇立法の法制化に取り組んでいます。政府としてもぜひこのような趣旨での法整備を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 さて、厚生労働大臣に早急に御決断をお願いしたいことがあります。
 つい先日、厚労省は、障害者の介護にかかわるホームヘルプサービスなどの支援費制度について、利用時間に実質的な上限を設ける方針を打ち出しました。これが実施されれば、障害者は地域で暮らすことができなくなります。全国すべての障害者団体が白紙撤回を求め、東京都など努力してきた自治体も、福祉の後退につながるとして猛反発しています。今も、寒空の下で障害者の人たちが必死で抗議行動をしています。
 大臣、今までどおり利用時間の上限はつけないと約束してください。明確な御答弁をお願いします。(拍手)
 さて、一月十七日で、阪神・淡路大震災から八年がたちました。私は、あの震災がなければ、この場に立っていませんでした。一人の被災者として、必死でボランティア活動をしました。多くの被災者の方々と会いました。被災者の方々から漏れるつぶやきはこうでした。「ああ、あのとき死んどったらよかった。」私は、被災者にこのような言葉を吐かせるこの国に対して強い怒りを持ちました。
 一瞬にして六千四百三十三人の人々の命が失われた日、助かった人々は、命あることに感謝しました。しかし、家も家財も何もかも失った人々を待ち受けていたのは、生活苦でした。自殺、孤独死が、八年たった今でも後を絶ちません。
 私は、人災とも言える被災者の悲惨さを前に、どうしてもこの国に被災者を救う法律が欲しい、そう思って議員になりました。法律ができて五年がたちました。ことしは見直しの年です。所得制限の緩和、支給額の増額等、より充実した中身が要求されています。なお、法律の附則に盛り込まれた住宅再建への手だても、いまだ何らなされていません。被災地神戸で震災時にできた空き地は、三割がそのままになっています。
 災害は、いつ、どこで発生するかわかりません。あすは我が身です。東南海・南海地震も危惧される今、セーフティーネットの確立は一日の猶予もありません。政府の支援策の見直しについて、お考えをお聞かせください。
 北朝鮮がNPTからの脱退とIAEAの査察協定からの離脱を宣言しました。危険な核を道具としてもてあそぶ、このような対応を国際社会が許すはずはありません。
 北朝鮮の行為は、九四年の米朝合意をほごにするものであることはもちろん、九二年の朝鮮半島非核化南北共同宣言違反であり、日朝平壌宣言をも踏みにじるものです。また、社民党が呼びかけてきた北東アジアの非核地帯構想を根底から否定するものであり、私どもは、北朝鮮の核開発を断じて容認するわけにはいきません。
 北朝鮮の核開発を断念させるためには、日本を含めた近隣諸国、すなわち中国、ロシア、韓国を含めた粘り強い説得を行うと同時に、アメリカが直ちに北朝鮮との対話を開始すべきではないかと思います。世界で唯一の被爆国として我が国がイニシアチブを発揮し、北朝鮮とアメリカへ積極的に働きかけるべきだと思いますが、小泉総理の御見解をお伺いします。
 しかし、総理、一月十四日、あなたは三たび靖国神社を参拝しました。なぜこの時期なのかという疑問に、二月に韓国、五月に中国訪問の予定があるからという話が伝わってきたことに対しては、唖然といたしました。そんな小手先のごまかしは、外交的にはかり知れないマイナスをもたらします。
 中国、韓国、そしてアジア各国の反発、批判は当然のことです。中韓の新しい指導者と話し合う前から、メンツや意地を優先させ、信頼を損なった責任をあなたは自覚しているのでしょうか。過去に学ばない小泉さん、あなたに未来は築けません。一昨年の靖国参拝後、中国で抗日戦争記念館、韓国で西大門刑務所を訪問した際、あなたは一体何を見て、何を感じてきたのか、お答えください。
 さて、最高裁は、十六日、ゼネコン汚職事件であっせん収賄罪に問われ、無罪を主張していた中村喜四郎衆議院議員の上告を棄却する決定をしました。そこにいつも静かに座られていました。このほかにも、大島農水大臣の前政務秘書官による口きき疑惑、清水達雄参議院議員の党費立てかえ問題など、口きき政治、腐敗は相も変わらず続いています。
 さらに、長崎県知事選に絡むゼネコンからの違法献金事件に関し、自民党長崎県連が地検の捜索を受け、前幹事長らが逮捕されるという事態も生じています。極めてゆゆしき状態です。政権与党の政党支部の捜索、責任者の逮捕、極めて異例です。その中で、巨額の負債を抱え、債務免除を受けたゼネコンや、民事再生法で再生中の建設会社からの献金もあったということは、余りにも国民を愚弄していないでしょうか。
 公共事業を食い物にした自民党の集金システム自体が問われています。総理、この金権腐敗体質をぶっ壊さなくて、自民党の一体何を壊すのでしょうか。あなたが提案した、公共事業受注企業からの献金禁止はどうなったのでしょうか。よもや、ほかの改革と同じように、言いっ放し、丸投げ、棚上げに終わるということをおっしゃるのではないでしょうね。
 今のあなたの姿は、政治倫理に関しては、ごりごりの妨害勢力。抵抗勢力どころではありません。ごりごりの妨害勢力になっています。公共事業受注企業からの献金禁止に対する決意をこの場ではっきりと示してください。
 今、世界じゅうの目がアメリカとイラクに注がれています。アメリカの姿勢はイラク攻撃ありきのようですが、軍事攻撃によっては何も解決しません。そのことを日本ははっきりとアメリカに示すべきです。ヨーロッパ各国も、湾岸戦争のときとは明らかに対応が違い、慎重になっています。小泉首相がアメリカに同調されることなどないと思いますが、臨時国会終了直後にイージス艦を派遣されたことなどを見ると、懸念を抱かざるを得ません。
 世論調査によると、イラク攻撃に反対する人は実に国民の七割に上ります。しかし、国会で反対の声を上げている人はいまだに少数です。国民の声にじっと耳を澄まし、アメリカに対してイラク問題を平和的に解決するよう毅然と要求すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 私は、命を大切にする議員でありたいと思っています。そのことにこだわって仕事をしてまいりました。皆さんも同じ思いだと信じています。自殺も戦争も、政治によって防ぐことができます。もう二度とこの手を血で染めてはならない。強く戦争反対を訴えて、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 中川議員にお答えいたします。
 痛みを伴う改革についてでございます。
 改革を進める過程においては、社会の中に痛みを伴う事態が生じることはありますが、こうした痛みを和らげることは政治の責任と考えており、雇用や中小企業のセーフティーネットには万全を期すこととしたところであります。
 いずれにしても、こういう痛みを乗り越え、我が国の持つ潜在力をいかに発揮させるか、これが改革なくして成長なしの考え方でございます。私は、今後とも、この潜在力をいかに発揮させるかという改革に取り組むことが私に課せられた責務であると考えております。
 貸金業者の貸し出しについてでございます。
 貸金業規制法においては、貸金業者に対し、債務者の資力等の調査を求め、債務者等の返済能力を超える貸付契約の締結を禁止しているところであり、今後とも、その趣旨の徹底を図ってまいります。
 なお、やみ金融問題など悪質な金融業者への対応の強化については、貸金業の無登録業者の取り締まりなど、関係省庁の連携のもと、適切に対処してまいります。
 パートタイム労働についてでございます。
 近年、パートタイム労働者は著しく増加していると同時に、その果たす役割も基幹的なものとなってきている中で、通常の労働者との処遇の格差については拡大傾向が見られます。
 このため、パートタイム労働者の適正な処遇を確保することは重要な課題であると認識しており、政府としては、パートタイム労働者の処遇改善に向け、パートタイム労働者の雇用管理に関する情報提供、相談援助を通じて、事業主の自主的な取り組みを促進しているところであります。
 また、パートタイム労働者と通常の労働者との処遇の均衡の問題も含め、今後のパートタイム労働対策について、厚生労働省の審議会において議論が行われているところであり、その結果を踏まえて対応してまいります。
 被災者生活再建支援法の見直し及び住宅再建支援についてでございます。
 被災者生活再建支援制度については、法制定時の附帯決議も踏まえ、全国知事会において各種の検討がなされていると承知しており、政府としても、今後、その検討結果も踏まえて、必要な措置を講じてまいりたいと思います。
 被災者の住宅再建支援については、さまざまな課題が指摘されておりますが、安定した居住確保のための施策については引き続き検討してまいりたいと思います。
 北朝鮮に対する問題でございます。
 政府としては、日米韓三カ国の緊密な連携が核問題の解決のために何よりも重要と考えております。その上で、中国、ロシアなどの関係国や国際原子力機関とも協力しながら、北朝鮮に対して、核拡散防止条約の遵守を求めるとともに、核関連施設を再凍結し、すべての核兵器開発を放棄することを強く求めていく考えであります。
 私の靖国神社参拝についてでございます。
 これは、心ならずも国のために命を失わなければならなかった方々に対して、敬意と感謝を込めて哀悼の誠をささげました。
 今日の平和もこういう方々のとうとい犠牲の上に成り立っているということを、常に我々は忘れてはならないと思っております。そういう意味から、二度と戦争を起こしてはいけないという決意を新たにいたしました。御指摘の中国、韓国訪問の際にも、二度と戦争を起こしてはならないという気持ちを強くいたしました。
 今後、私の靖国参拝につきましても、近隣諸国の理解を得るようにしてまいりたいと思います。
 公共事業受注企業からの献金についてでございます。
 政治資金のあり方については、疑惑を招くことがないような仕組みを考えることが必要であり、昨年、あっせん利得処罰法を改正強化するとともに、いわゆる官製談合防止法を制定したところであります。
 公共事業受注企業からの献金につきましては、現在、自民党において検討が進められているところでございます。
 イラク問題については、重要なことは、イラクが現在行われている査察に対して無条件、無制限に協力し、大量破壊兵器の廃棄を初めとするすべての関連安保理決議を実際に履行することであり、この点につき、我が国と米国の立場は一致しております。この問題は国際社会全体が取り組むべき問題であり、我が国としても、今後とも外交努力を継続してまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣坂口力君登壇〕
○国務大臣(坂口力君) 中川議員にお答え申し上げたいと思います。
 支援費制度におけるホームヘルプサービスについてのお尋ねがございました。
 平成十五年度からスタートする支援費制度につきましては、バランスのとれたサービス提供体制を整備しまして、地域格差の是正を進めることが重要な課題になっております。
 こうしたことから、支援費制度の施行にあわせて、ホームヘルプサービスについては、全国的に公平公正に国庫補助金を配分する基準を設定することとして検討を進めております。
 本基準は、あくまでも国庫補助金の交付基準でありまして、市町村が行う個々人の支給量の決定を拘束するものではなく、すなわち、個々人の支給量に上限を設ける趣旨のものではありません。
 それぞれの市町村において障害者支援の計画、予算の活用方法を決定できるように、文書でもって明確に示してまいりたいと考えているところでございます。(拍手)
○副議長(渡部恒三君) これにて国務大臣の演説に対する質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(渡部恒三君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時五十四分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  小泉純一郎君
        総務大臣    片山虎之助君
        法務大臣    森山 眞弓君
        外務大臣    川口 順子君
        財務大臣    塩川正十郎君
        文部科学大臣  遠山 敦子君
        厚生労働大臣  坂口  力君
        農林水産大臣  大島 理森君
        経済産業大臣  平沼 赳夫君
        国土交通大臣  扇  千景君
        環境大臣    鈴木 俊一君
        国務大臣    石破  茂君
        国務大臣    石原 伸晃君
        国務大臣    鴻池 祥肇君
        国務大臣    竹中 平蔵君
        国務大臣    谷垣 禎一君
        国務大臣    福田 康夫君
        国務大臣    細田 博之君
 出席副大臣
        財務副大臣   谷口 隆義君
 出席政府特別補佐人
        内閣法制局長官 秋山  收君