第156回国会 内閣委員会 第16号
平成十五年六月十一日(水曜日)
    午前九時三十二分開議
 出席委員
   委員長 佐々木秀典君
   理事 逢沢 一郎君 理事 小野 晋也君
   理事 星野 行男君 理事 渡辺 博道君
   理事 中沢 健次君 理事 山内  功君
   理事 遠藤 和良君 理事 西村 眞悟君
      浅野 勝人君    大村 秀章君
      奥山 茂彦君    嘉数 知賢君
      金子 恭之君    木村 隆秀君
      菅  義偉君    高橋 一郎君
      谷川 和穗君    谷本 龍哉君
      近岡理一郎君    林 省之介君
      石毛えい子君    大畠 章宏君
      鎌田さゆり君    平野 博文君
      横路 孝弘君    西  博義君
      児玉 健次君    北川れん子君
      江崎洋一郎君    山谷えり子君
    …………………………………
   議員           中山 太郎君
   議員           五島 正規君
   議員           荒井 広幸君
   議員           福島  豊君
   議員           肥田美代子君
   議員           近藤 基彦君
   議員           西川 京子君
   議員           井上 喜一君
   国務大臣
   (内閣官房長官)
   (男女共同参画担当大臣) 福田 康夫君
   内閣府大臣政務官     大村 秀章君
   内閣府大臣政務官     木村 隆秀君
   衆議院法制局第五部長   鈴木 正典君
   政府参考人
   (内閣府男女共同参画局長
   )            坂東眞理子君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議
   官)           金森 越哉君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議
   官)           青木  豊君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議
   官)           渡辺 芳樹君
   政府参考人
   (厚生労働省政策統括官) 水田 邦雄君
   内閣委員会専門員     小菅 修一君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月十一日
 辞任         補欠選任
  亀井 久興君     浅野 勝人君
  横路 孝弘君     鎌田さゆり君
  太田 昭宏君     西  博義君
  瀬古由起子君     児玉 健次君
  江崎洋一郎君     山谷えり子君
同日
 辞任         補欠選任
  浅野 勝人君     亀井 久興君
  鎌田さゆり君     横路 孝弘君
  西  博義君     太田 昭宏君
  児玉 健次君     吉井 英勝君
  山谷えり子君     江崎洋一郎君
    ―――――――――――――
六月九日
 高速自動車国道等におけるオートバイの二人乗り禁止規定の廃止に関する請願(西村眞悟君紹介)(第三一九〇号)
同月十一日
 高速道路二輪車二人乗り規制撤廃に関する請願(長妻昭君紹介)(第三五一九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 少子化社会対策基本法案(中山太郎君外八名提出、第百五十一回国会衆法第五三号)

     ――――◇―――――
○佐々木委員長 これより会議を開きます。
 第百五十一回国会、中山太郎君外八名提出、少子化社会対策基本法案及びこれに対する逢沢一郎君外三名提出の修正案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案及び修正案審査のため、本日、政府参考人として内閣府男女共同参画局長坂東眞理子君、文部科学省大臣官房審議官金森越哉君、厚生労働省大臣官房審議官青木豊君、厚生労働省大臣官房審議官渡辺芳樹君及び厚生労働省政策統括官水田邦雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐々木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○佐々木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鎌田さゆり君。
○鎌田委員 おはようございます。民主党の鎌田さゆりでございます。
 きょうは、少子化社会対策基本法案、最終盤審議ということで、私も、大分大きくなりましたけれども、高一と中一の子供の子育て世代の一人として質問をさせていただきたいと思います。
 この間、この内閣委員会を中心といたしまして、議員立法の法案でございますから、皆様方、精力的に御審議に臨まれて、今まさに結実を迎えようとしている予定でございますので、そのことにつきましては私からも率直に敬意を表させていただきたいと思います。きょうの午前中にも採決予定と伺っておりますけれども、私といたしましても、最後のあがきに近くなるかもしれませんが、皆様にただしていきたいところがございますので、伺ってまいります。
 修正案が出されたようでございますけれども、修正案を見ましても、率直にこれまた喜べない、歓迎しがたい部分が新たに出てまいりました。この点を含めてお伺いをしてまいりますが、まず、少子化の原因につきましてどのようにとらえていらっしゃるのか、改めてお伺いをさせていただきます。
○中山(太)議員 少子化という基本的な理念というもの、別に法律とかそういったものでございませんので、一応、統計上考えて設定してあると私は思っております。
 つまり、現状の人口が、どういうところに出生率が低下すると人口の減少があるか、あるいは、出生率が増加すれば人口の増加につながってくるのか、そこいらの点から踏まえまして、日本のこの少子化現象というものは、結局、戦後の日本の復興期、そして、働く人たちの所得がどんどん向上していく、男女ともに向上したわけでございます。さらに、女性の高学歴化、こういったことから、次第と女性の社会参画が増加をしてまいりまして、そして、現場に出て男性と一緒に働くということの働く喜び、それに人生を満喫しておられる女性方、こういった方々が結婚をされる初婚年齢というものが随分おくれてきております。こういったことから、現在は合計特殊出生率が一・三二ぐらいまで落ちてきているわけでございます。
 そういう意味から考えますと、世界の例から見ましても、二・〇で現在の人口は維持する、しかし、それから落ち始めると将来人口というものが減っていくということでございます。
 そういうことを考えて、私どもは、今まで日本の社会は経験したことのない少子の時代に入ってきた。一方、世界一の長寿国になりましたから、高齢者がどんどんとふえるという、人口統計上は非常にアンバランスな状況が起こり始めている。こういったことがあると私は考えております。
○鎌田委員 今御答弁いただきましたことも、確かに現象面、事実面ということでは私も同意でございます。
 先週のこちらの内閣委員会では、少子化問題にかかわっておられる四名の皆様から、参考人として御意見を聴取されているようでございますけれども、私もその会議録を読ませていただきました。それぞれの方が重要な指摘をなさっていると思うのですけれども、その中で、少子化の背景ということで、「かつては、子供は親にとって家業の労働力、後継者、老後の保障、家の継承といった意味を持っておりました。言いかえれば、子供を持つということは結婚の前提であって、ほぼ、子供を持つということがいわば選択の有無を問わない必然的なものであった、」というふうに御指摘をなさっている参考人の方がいらっしゃいました。それで、その続きに、「子供を持つということが現代の社会では」、今、中山議員がおっしゃってくださったようなことにもつながって、「選択的になっている。」と。子供がいると家庭が明るくなる、子育てが楽しい、子育てによって自分も成長できるというふうに感じられるということで。
 私は、少子化の原因、ただいまのように、日本の高度成長と相まって、構造が、あるいは女性の就業率あるいは高学歴の取得なども相まってだと思うのですけれども、やはり、子供に対して家の中で親がどう認識を向けるかということが大きく変わってきているということが少子化の背景にすごく大きくあると思いまして、この参考人の意見に強く共鳴を受けたんですね。
 昔でしたらば、五人、六人、七人産んで、それぞれに家の働き手として、収入源として期待をし、そのうち一人か二人すごく優秀な子供がいたら、そちらにお金をかけて高学歴の道を進んでもらう。しかし、今では、この家の収入源として、働き口として子供を見ているという御家庭はほとんど、きっと、ないと思います。少なく、お一人かお二人か、一人をお金をかけて、その子をいわゆる高学歴で立派に育てていくという感覚の御家庭がやはりまだたくさん今もいらっしゃると思うのですね。そういうところもしっかり認識をした上で、少子化対策というよりもやはり少子化社会対策、私はこの法案の名前に賛成なんですけれども、この現状をそのまま受けとめるということが私は大事じゃないかなというふうに思ったのです。
 それでなんですが、前文のところに、「しかしながら、我らはともすれば」というところから「極めて長い時間を要する。急速な少子化という現実を前にして、」云々という、この一つの段落のところで、今ちょっと申し上げましたことと関連してなんですが、「この事態を克服するためには、」という表現のところがあるんですね。これを見ますと、せっかく法案の題文が「少子化社会対策」と、少子化対策になっていない。つまり、少子化対策になっていると、まさにこの「この事態を克服する」に当てはまるんじゃないかなと思うのです。でも、法案は「少子化社会対策」です。だから、少子化になっている社会をそのまま受けとめて、こういうふうに私たちのライフスタイルが変わって、そして志向も変わった、だから、この事態をすんなりそのまま受けとめて、向き合って、ここに合う、現状に合う仕組みの改正、システムの改正というものをしなくちゃいけないんじゃないかと思うんですけれども、しかし、ここに「この事態を克服する」とあるということがとても違和感を感じまして、あえてお聞きしますが、この事態とはどういうことを指して、そして、克服するというのはどういう意味を持つものなんでしょうか。
○五島議員 今、鎌田議員も御指摘になったように、非常に少子化が進んできているというふうな状況の中で、これに対して私たちは、簡単に言えば、克服していくのか、それとも鎌田議員の言うようにその状況を受け入れていくのか、この二者択一を求めておられる質問かと思います。
 しかし、私たちは、この今の出生率がどんどん減少し、子供の数が減少している社会において、それをそのまま受け入れていくということが前提であるとは考えておりません。そういう意味においては、こういう社会において講ぜられるべき施策というものをこの法案の中に規定しておりまして、急速な少子化の進展に歯どめをかける、その目的において、子供を生み育てやすい環境を整備することで、そういう意味においては、少子化社会を克服する、立ち向かうということもこの法案の中に入れてございます。あくまで、子供を生み育てやすい環境を整備するという内容においてこの克服という言葉を使っております。
 しかし、もとより、結婚や出産というものは個人の選択の問題でございますから、国が直接関与すべき問題ではございません。そのため、昭和五十年ぐらいからの特殊出生率の一貫した減少、これがここへ来て急激に進んできている、こうした状態に対して、第二条の第四項において、社会、経済、教育、文化その他あらゆる分野における施策は、少子化の状況に配慮して講ぜられるべき旨も記載したわけでございまして、そういう意味におきましては、この少子化の状況の中においても、生まれてきた子供さん、そして子育てをしておられる方々、そういうふうな人々に対して、それがより負担少なく、社会全体で支え合えるというふうなことを規定している。
 そういう意味においては、少子化社会というものを克服する努力と、そして同時に、現状の少子化の中において次世代を育成していくためのそういう施策、この側面を持つ内容として本法はつくらせていただきました。
○鎌田委員 克服という言葉は、読んで字のごとくというか、辞書にもありますように、勝って相手を従わせる、それから努力して困難、試練に打ちかつことを指します。
 ただ、今御答弁の中で、克服する努力と、また、安心して生み育てやすい社会環境をつくっていく、そういう側面もあるんだということで少し安心をいたしましたけれども、何か私は、ずっとこの審議でも、産めよふやせよと言っているわけではないという御答弁を私も何度も会議録で見ましたが、しかし、この事態を克服していくというその表現から漂ってくるものが、やはり少子化に歯どめをかけ、そして願わくば、できるものならば、皆さん、もっと産んでというような、何かそういう空気が伝わってくるような気が私はまだいたしまして、気になりましてちょっとお伺いをいたしました。
 今も触れられましたように、それから委員会の審議の中でも、中山議員が御答弁の中で、産めよふやせよの政策をとるのではないという御趣旨も含まれていると存じますけれども云々という、五月二十八日、小宮山さんへの答弁の中で、産む、産まないは本人の意思だから、あくまでも御本人を中心にという御答弁がありました。そして、ほかの提案者の皆様も同じように答弁をなさっています。
 ですが、今回修正案で出された案文を見ますと、この趣旨が果たして生かされているのだろうかという疑問を抱きました。
 修正案の前文のところに、「こうした事態」というところの前に「もとより、結婚や出産は個人の決定に基づくものではあるが、」というふうに入ったようです。「あるが、」が入りましたけれども。これを読みますと、ずっと皆様が答弁なさっている、産めよふやせよは国が関与するものじゃないという趣旨が生かされておりませんと私は思います。逆に、「個人の決定に基づくものではあるが、こうした事態に直面して、」というこの表現は全く逆にこれは伝わってしまいます。いや、お笑いになりますけれども、修正案が出された直後、この委員会の審議を注意深く常に見守っていた多くの女性の団体のところからファクス、メール、何でこんなふうに修正したんですかという御意見が相次いでおります。
 単に文法上の問題かもしれないんですけれども、簡単なんですね、これ。「もとより、結婚や出産は個人の決定に基づくものである。」で一回言い切るというふうにしていただければ、まさに皆様が答弁なさってきた、そして委員会の皆さんが質問なさってきたその趣旨が生かされるんです。何で「あるが、」になったんでしょうか。
○逢沢委員 委員御指摘のように、私どもいろいろ議論を重ねて修正案を出させていただきました。「もとより、結婚や出産は個人の決定に基づくものではあるが、」を前文の中に挿入をするという形で修正案を出させていただきました。
 実は、既にこの審議を通じて提出者から明らかにさせていただいておりますのは、つまり、こういう修正案を加えたわけでありますけれども、もうその以前から個人の自己決定権が大前提としてあるんだ、当然の前提なんだということであります。また、その趣旨についてはさまざま答弁の中で答えさせていただいたわけでありますけれども、しかし、議論を踏まえて、文言上明らかにした方がいい、そういう一つの判断でこのようにさせていただいたわけであります。
 つまり、改めて申し上げますけれども、自己決定権を制約してよいということではないんだということを明確にさせていただきたいと思います。
 今委員がお話しをいただきましたような表現ぶりあるいは規定ぶり、それも一つの選択ではあろうかというふうに思うわけでありますけれども、この「が、」というのが逆接を意味する、そういう趣旨ではないということを改めて申し上げさせていただきたいと思います。
○鎌田委員 ただいまの御説明の中でも、決して自己決定権を規制してよいんだということではないんだ。こんなに文字数を多くしなくたっていいのではないかなと私は思うんですけれども、そのお気持ちがあるのであれば、素直に「決定に基づくものである。こうした事態に直面して、」、こうした事態というのはまた何を含むかによってここの表現が変わるかもしれませんが、でなければ、百歩譲りまして、「もとより、結婚や出産は個人の決定に基づくものであり、こうした事態に直面して、」というふうにするならば、もうすんなり、ああ、皆様は、みんなが望んでいる気持ちを酌んで法案を修正したというふうになるんですけれども。
 もう一度だけ、済みません、粘らせていただきまして、ここのところ、せっかく修正したのでございますから、「ある。」と言い切るか、あるいは「であり、」と「る」を「り」に変える、「が」を取るということですが、そういう再度の修正を、済みません、もう一度だけ粘らせていただきまして。
○逢沢委員 今委員の方から、一つの修正についての具体的な提案といいますか、お話をいただきました。「もとより、結婚や出産は個人の決定に基づくものである。」として一度区切ったらどうか、あるいは、百歩譲ってという言葉を使われたわけでありますけれども、「であり、」ということについても提案をいただきました。
 私ども、修正を加える過程で、どの部分に修正を加えるか、いろいろ議論がありました。結果的に言えば、前文の中にこういう文言を挿入しようということに決定をさせていただいたわけであります。最終的には「ものではあるが、」という形をとらせていただいたわけでありますが、同じことを申し上げて大変恐縮でございますけれども、これは、結婚や出産が個人の自己決定に基づくことを文言上きちんと明らかにする、素直にそういう趣旨であるというふうに修正提案者としては考えさせていただいているところでありまして、そのようにぜひお受けとめをいただきたい、そのように申し上げたいと思います。
○鎌田委員 では、これは一度ならず二度、三度お聞きをして確認をさせていただきましたので、決して逆接ではない、あくまでも結婚や出産は個人の決定、自己決定に基づくものであるという前置きを入れて、そしてつなげているんだということでございますね。――はい。今後のさまざまな施策にこれがしっかりと生かされるように期待をしたいと思います。
 次になんですが、第一の総則の三から六まで、国の責務に始まって、それぞれ責務が文言でここに掲げられておりますけれども、この責務というのは、これまた読んで字のごとく、責任と義務でございますよね。辞書を引いても同じなんですけれども、やはりここは、国から始まって四つ、地方公共団体、事業者、国民、責任と義務、この意味で使われているわけでしょうか。
○五島議員 そのとおりでございます。
○鎌田委員 責任と義務、責任の重い務め、まさに重い言葉なんですけれども、この三と四の国の責務、地方公共団体の責務というのは、まさしく責務があると思います。ですけれども、五と六の事業主の責務と国民の責務のところなんですが、私、これは非常に違和感を覚えます。もう不適切だと申し上げたいと思います。
 その事業主の責務というのは、事業主も国民もどちらも国民なんですけれども、事業主の責務、事業主に責任と義務を課すものなんでしょうか。もちろん、本文中になりますと、国と地方公共団体の方は本文中もまた「責務を有する。」「責務を有する。」と来ていますが、事業主と国民の方は「努める」「努める」というふうに変わっております、若干軽目になっているのかなと思うんですが。事業主の責務というものも、私は、これはやはり国民でございますから、そこに違和感を覚えます。
 さらに、国民の責務というところは、「国民は、家庭や子育てに夢を持ち、かつ、」云々とあります。この文言につきましては、委員会でもいろいろな議員の方が質問なさっています。私も、このところにつきましては、国民が家庭や子育てに夢を持つことを否定しません、いいことだと思います。でも、それは法律で規定することなんでしょうか、法律において国民の責務ということで、ここに文言として規定する性格のものでしょうかと私は思います。ですから、修正が成ったというふうに聞いたときに、ああ、事業主の責務は事業主の役割にでも変わったのかしら、国民の責務のところはなくなったのかしらということを心の中で期待いたしましたが、全くそうじゃなかったものですから、私はぜひそのことをお伺いしたいと思います。
 事業主の責務のところ、これはせめて役割と、それから国民の責務、ここにつきましては、私ははっきり申し上げて要らないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○五島議員 第五条におきまして、事業主の責務ということにつきましてでございますが、現在の、子育てをしていく、そして少子化を克服していく、その両方にとりまして、仕事と育児の両立を支援するということは非常に重要な課題でございます。
 とりわけ、日本的雇用慣行、それと非常に密接に結びついております男女の固定的な性的役割分業を見直す、あわせて職場優先の企業風土を是正する、そういうことができない限り、この仕事と育児の両立というのは恐らく非常に困難になるんだろうと思っています。そういう意味において事業主が果たさなければならない役割は極めて大きいと考えておりまして、設けられた規定でございます。そういう意味で、おっしゃるように努めとか配慮でなく、責務という言葉を使わせていただいています。
 また、第六条は、国や地方公共団体、事業主の責務を規定した上で、主にサービスの受け手となる国民に対してその責務をあわせて規定したものでございまして、国民が現在の少子化社会の現状を理解して、そして地域において子供を生み育てることができる社会を実現するように努めていただく、そのことをもって国民の責務として、この文言を入れさせていただきました。
○鎌田委員 一番初めにお聞きをしました、責務は責任と義務、この意味で使っていらっしゃるのかという点。(五島議員「そのとおりです」と呼ぶ)はい、わかりました。
 であれば、なおさらのこと、今御説明いただきましたけれども、私、どうしても、これは事業主の方をそのように何とか理解をしたとしても、国民の責務というところ、国民の義務と責任ということの意味を持って「家庭や子育てに夢を持ち、かつ、」ですから、「夢を持ち、」で一度切れているんですよね。私、これは法律で規定をして、では夢を持たなきゃいけないと。持たなくて悩み、葛藤し、苦悩する家庭、親、保護者、私はそういうところへの配慮がとても足りないと思うんですね。みんなが夢を持って、いわゆるバラ色の、そういうことを法律で規定するということを、私はとても違和感を覚えます。
 今の御答弁の御姿勢を伺っていますと、何としてもここについてはという強い意思もあってお出しになっていらっしゃるようですから、何か私とは全然相入れないのかなと思いますが、事業主のところと国民のところ、本文中になると、努めるというふうに変わっております。国や地方公共団体の責務はそのまま責務というふうに本文に入っているのとまた違っておりますので、私はこの委員会で、やはりこの国民の責務というところについてはおかしいぞということをしっかり言わせていただきたいと思います。
 それと、委員長、済みません、私のところにあと何分という紙が来ないんですが、時間がちょっと……。
○佐々木委員長 あと五分ぐらいじゃないでしょうか。(鎌田委員「ちょっと質問者にも紙をお願いします」と呼ぶ)今行きますから。あと五分だと思います。
○鎌田委員 次にお伺いいたします。
 基本的施策の五のところにありますゆとりのある教育についてお伺いしますけれども、ここでは「教育の内容及び方法の改善及び充実、」というふうに表現されております。内容ということもここで触れられておるわけなんですが、文部科学委員会、それから一般世論でも論争の対象となっておりますいわゆるゆとり教育との関連はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○五島議員 この本文において述べておりますゆとりのある教育というのは、文科省が提唱するいわゆるゆとり教育とは同じものではございません。
 内容についてはこれから具体的に議論していきたいと思いますが、ここで述べておりますのは、いわゆる学歴偏重の風潮が依然として強く、子供の教育について悩みを持つ親も多く、そのことが子供にも親にもゆとりを失わせ、子育てに対する大きな心理的負担を構成している、こうした学歴偏重の風潮というものが結果的には産む子供の数を少なくする方向に働いているというところから、こうした全体的な現在の日本のありようというものについて述べたものでございます。
○鎌田委員 今、いわゆる一般的に言われているゆとり教育とは違うという御答弁がございましたので、それならば私も少し受け入れられるかなと思うんですが、どうしても、「ゆとりのある学校教育」という表現があって、そして「教育の内容」となりますと、今ゆとり教育の中では、とにかく、ゆとり教育が緩み教育になっているんじゃないかと、そして、学力低下が非常に問題になっていて、保護者の皆さんからも心配の声が寄せられ、そして教育の分野あるいは文部科学の委員会の中でも大きな論争の一つとなっておりますので、そういったところ、今の御答弁もありましたので納得はいたしますが、この「ゆとりのある学校教育」というところ、私の個人的な願望としては、今の答弁がそのまま生かされるのであれば、個性を尊重するきめ細やかな学校教育であるとか、そういった表現だったらよかったのにという希望をここで述べさせていただきたいと思います。
 そこでなんですが、今、「教育の内容及び」云々はこれからの検討課題だというふうなお話がございましたけれども、まさに学歴偏重教育の中で、入学者の選抜方法の改善なども必要となってきますが、まさに今学校現場で必要となっている、それこそ長年の願いは三十人学級の実現ですとか、それから、先日は大阪池田小の事件をもとに文部科学省との協議の結果が発表されたりいたしました。安心、安全な学校づくり、それから耐震化の充実ですとか、本当にさまざまございます。ここにもいろいろるるお書きをいただきましたけれども、ぜひそういったところが検討され、取り入れられることを希望しておきたいと思います。
 最後になんですが、ちょっと順序が逆になりまして、戻りまして、第一の七のところに施策の大綱というところがあります。施策の大綱を私自身、どうイメージしたらいいのかなというふうに少しわからないんですけれども、第二の基本的施策の一から八までいろいろ挙げていらっしゃいます。これらの中にありますものとの実効性とつながりがあるものなのか。大綱とはつまり大もとですとかあらましでありますから、今これを定めて一体何になるのかななんということは申し上げませんが、申し上げましたけれども、既に関係省庁が取り組んでいるものをより実効性を高めていくためには、私は、大綱も大事かもしれないけれども、ことしの三月現在で、我が国の基本法は二十四ございます。その基本法には、今計画の策定がもう済んだもの、あるいはそれを目指しているのが、二十四のうち十五あります。準憲法と言われている教育基本法ですら、今度の基本法改正の目玉に、教育振興基本計画をつくるという、その二行の文言を入れて基本法を改正すると。愛国心どうのこうのという議論は少しあいまいにした中で、基本計画をつくるんだという文言を入れることが基本法改正の一番の目的ではないか、私はそういうふうに思っていますけれども、そのくらいこの基本計画というものが、やはり基本法に基づいて財政措置を伴って、さらに実効性を高めていく上で、非常に政府はずっと重要視をしているようなんですね。
 ですから、大綱は大もと、あらましでありますから、それを定めて実効性につながるのかしらと。それよりも、やはり基本計画というものを、しっかりとそれぞれの分野、施策のところで年次計画を立て、実行していくということの方が実効性につながるんじゃないか、そして、この法案の中にも何度か出てまいります財政上の措置ということも実効たらしめると思うんですが、そのことについてちょっと御見解をお願いします。
○佐々木委員長 荒井広幸君、時間が来ておりますので簡潔にお願いします。
○荒井(広)議員 はい。
 重要な御指摘をいただきましたけれども、先生、この法案は平成十一年の十二月に提出をいたしております。解散で一度廃案になりましたけれども、そのときにも見直しました。その結果、例えば今厚生労働省でも議論しておりますいわゆる次世代法、こういったものも、そのときの精神、まさにこの基本法、そういったものにのっとって今具体的な行動計画を立てているものというふうに我々提出者は理解しているんです。逆に言えば、それだけこの基本法というのが時間に耐え得るという検証がなされた。
 そして、御指摘のように、第七条で、いわゆる総理大臣を長とするところで国の責務にもかかわるんですが、大綱を策定する。そして、具体的には、これは基本法ですから、高らかに、国民の皆さんとさまざまな課題を克服しよう、少子化のさまざまな問題を克服しよう、そういったことを基本的にうたって、その障害となるものがあったらそれを取り除こう、それらを総合的かつ有機的に、今までは各省庁がばらばらでございました、そういったところについてはきっちりと連携をとりながら、むだなくしっかり進めていこう、こういうことです。
 その結果、次世代法がことし提出をされまして、去年から準備をいたしておりますが、その中では、まさに先ほどの先生のお話に反論するようになるかもしれませんけれども、やはり働く環境が非常に両立問題を難しくしている、育児の負担を高くしている、こんなことでございますので、例えば事業主に対しても、きちんと働き方の見直しをせよ、それについての計画を立てろ、そして地域の都道府県、自治体には、子育て支援の環境をしっかりしろ、地域の環境をつくれ、こういういわゆる計画をこの次世代法で言っているわけです。
 その大もとの方向を出しているというのがまさにこの基本法で、これはもう既に十一年の十二月からその方向を、この中に盛り込んでいることにのっとってやっている、そういうようなものでございますので、いわゆる今さらではなくて、今ごろ議論するような国会とそして我々国会議員の、何で四年間もたなざらしにしたのか、それぐらいの思いがむしろ私たちはあるんだということでございますので、非常に重要な御指摘をいただきましたけれども、方向の基本理念、そして具体的には総理を長とする会議、その中で、個々の各法律によって、個別法によって担保する計画を立てていくべきもの、このように仕分けをしているということでございます。
○鎌田委員 時間を超えまして申しわけありません。
 ありがとうございました。
○佐々木委員長 以上で鎌田さゆり君の質疑は終了いたしました。
 次に、西村眞悟君。
○西村委員 自由党の西村ですが、基本的なことをお聞きいたします。
 この前文に言う、少子化が人口構造にひずみを生じさせて、国民生活に深刻かつ多大な影響をもたらす、我らは、紛れもなく、有史以来の未曾有の事態に直面しているというこのくだりですね、これは、具体的にどういう事態が未曾有の事態なんだろうかということについて、いま一度説明していただけますか。
○中山(太)議員 委員も御存じのように、日本の人口は、徳川時代は大体三千万ぐらいで推移しておると思います。それから次第に増加を始めまして、ちょうど第二次世界大戦が終了後は約七千万人の日本人が残っておりました。
 そういった人口の経過の中で、戦後の復興に関して経済が繁栄を始める。そういった中で、所得が増大するものですから、今まで高等女学校で終わっておったような女性たちが専門学校、短大、女子大、一般大学といったようなところへ行く資金的な余裕が両親にできてきた。そういったことから、女性の高学歴化が進む。そして、男女共同参画社会といったような、男女同権という憲法上の規定で、女性たちが社会で男性に伍して活動する時代が出現してきたわけでございます。
 そのために、結婚の平均年齢というものが二十八歳ぐらいまで落ちてきてしまった。こういう中で、晩婚化といいますか、初子の、第一子の出生の年限が非常に遅くなってきた。社会全体は、まだ、子供たちを社会でどのように保護し、保育していくかというような制度は国のシステムとしてできてございませんでしたし、地方自治体もそういうことではなかったと思っております。
 そういったところで、保育所が、民間もあるいは公的保育所もできてきましたけれども、女性が働きに行く、そして夕方五時に帰る前に、例えば保育所に預けている子供たちが熱を出したり引きつけを起こしたりする、こういったときに、子供のところへ行くには就業時間中だ、しかし現場の保育所からお母さんに帰ってほしいという電話がかかってくる、こういうふうな状態が発生をしまして、やはり、安心して子を産み、預けて育てながら自分も働くという社会、これが実現するのに手間取っておったと思います。
 そういうことで、子育てには、先生も御案内のように、大変物心両面の心遣いが必要なものでございますから、この今の日本の社会ではどうしても一人っ子が多くなってきた。子供が生まれて死ぬ率というのは、乳幼児死亡率と申しますけれども、日本の場合千人で四人ぐらいになっております。そのために、母子手帳などをもらって産前産後の健康管理を十分やり、予防注射をやっておれば子供たちはすくすくと育つという衛生状況の恵まれた国家になってきました。
 一方、託児所の配備が非常におくれておりまして、子供たちを預けて、そして自分の働く場所へ行って働いてくるというこの仕組みが社会で未完成であります。特に、早朝の保育あるいは時間外保育、こういった問題がございまして、このようなものをどういうふうにこれから社会がやっていくか。
 このままの人口出生率、一・三二でいきますと恐らく百年後の日本の人口は約七千万人になると厚生省の人口問題統計書は出しております。こういうことから踏まえて、民族という形よりも日本国民の数、特にやはり日本民族でしょうね、日本民族の数が減ってくるという中で、生産年齢人口が二〇〇七年から落ち始めますから、どうしても、そこで女性たちが男性に伍して社会で活動できるような社会システムを整備するか、あるいは外国人労働者を入れるという決断を迫られる時代に入ってくると思います。
 こういうことを考えておりますと、子供たちを安心して生み育てられる社会環境というものが日本の社会に定着しているかというと、決してそうではない。こういうことで、今回この基本法を出させていただきまして、そして次世代の子供たちを育てられるような、厚生労働省が今回提案をしております次世代の問題とセットにして国の子育てというものがうまくいくように考えたらどうか。出生はあくまでも男女の、女性の権利でありますから、産む、産まないは個人の自由であります。しかし、生まれた子供たちが健全に育てるような社会にしたい、こういう考え方でこの基本法をつくらせていただきました。
○西村委員 今先生御説明なさったことは、社会の不可逆的変化、収入がふえる、高学歴化する、男女がともに働き始める、この不可逆的変化だと思うんですね、これが「未曾有の事態」というふうな法案の言葉になっている事態を現出している。そして、今の御説明の範囲からでも私はわからないのは、だから、この基本法で人口増加を目的としておるのか、それとも産む、産まないは個人の自由である、ただ安心して生み育てる環境を整備しようとするだけなのか、これが明確にわからないということであります。
 次に、また前文で、二段目の段落の「少子化は、社会における様々なシステムや人々の価値観と深くかかわっており、この事態を克服するためには、長期的な展望に立った不断の努力の積重ねが不可欠で、極めて長い時間を要する。」「我らに残された時間は、極めて少ない。」
 今、中山先生の御説明の中でも、不可逆的変化がある、その中で価値観が変化していくだろう、そこで「この事態を克服するためには、」と来るわけですね。克服して何を目指すのか。これは人口の増加を目指すのかということなんですね、確認したいのは。
 そこで、この基本的価値観を、この前文の前提では少子化は深くかかわっておりますから、これを克服する、いかなる価値観に持っていきたいのか、克服すべき価値観とは何か、今ある価値観とは何か。
 それから、まとめて聞きますが、「極めて長い時間を要する。」克服すべき価値観が現在あって、そしてこの価値観を克服する、それには極めて長い時間を要する。いかほどの時間を要するのか。
 私、最終目的が、安心して生み育てる環境を整備することだけが目的で、総体としての人口増加を目的としていないのかどうかはわかりませんけれども、そのわからぬ前提で聞いているわけですが、価値観についてお聞きしますが、どうですか、克服すべき価値観とは何か、どういう価値観にしたいのか、どれほどの時間を要するのかということについてお答えいただけますか。
○中山(太)議員 どういうふうな価値観を持っておるかというお尋ねでありますけれども、私は、子供を欲しい御婦人たちが、子供を育てるのには物心両面の苦労が伴う、特に働きながら子育てをしたいと思っていらっしゃる御婦人たちのためにも、そういう御婦人が、朝、駅前保育所に子供を預けて、そして働く場所へ行って一日働いて帰りに子供を連れて帰るという社会のシステムというものが完備しているかというと、されていない。これがやはり現実だと思います。これを、現実を解決していくのはやはり政治ではないか、このように思っております。
 それから、人口はどういうふうに変化していくかという御質問だと思いますけれども、私はなかなかそう簡単にはいかないと思いますけれども、人口のバランスがどのようになっていくのか、これはこれから先の予測にしかすぎません。
 御案内のように、アメリカ以外の先進国は全部少子高齢化になっております。こういうふうな問題を踏まえて、我々政治が、子育てがしたいという御婦人たちが安心して働けるような仕組みをつくっていくことは、これは大きな政治の課題だと思います。国あるいは地方自治体の大きな責務だと思いますが、産む、産まないは自由でありますから、産んだ子が健やかに育つような社会、そして父も母もその子供たちと一緒に暮らすことの大きな生きがい、こういったものを、夢と希望を託しながら暮らしていくというような社会をつくっていきたいという考え方が基本でございます。
○西村委員 それで、確認のため再度お聞きしますが、この基本法は、我が国の人口を増加させることを目的にしておるのですか。我が国の未曾有の事態、これを克服する、人口構造にひずみが生じている、人口増加をすればこれらは克服されると考えておるのですか。人口増加を目的としておるとして、いかほどの人口増加率をこの法案で確保することを目的としておるのでしょうか、このことについて。
○中山(太)議員 人口の、出生率の変化というものがどのようになっていきますか、今一・三二でございますから、これが二・〇になれば現在の人口は維持できるわけであります。しかし、なかなか、いろいろな統計を見ても、いろいろな手当てをしても、二・〇に近づくことは非常に難しい。
 こういった中で、御婦人たちの中にも、やはり、もう一人欲しいと思っておっても、一人の子供を育てるのに物心両面の負担が大きい、だから保育所に預けて働きやすい環境をつくってほしいということでございまして、先生お尋ねのように、何人になるという予測を持っているかということはこの法律をつくる我々の方では考えておりませんが、何とかして、欲しい人が子供を産めるような社会をつくりたいというのが理想でございます。
○西村委員 前文を修正追加されました「出産は個人の決定に基づく」ということは、これはいわゆる女性の自己決定権のことでありますか、女性の自己決定権の内容は、堕胎の自由を認めるということでありますか、これについてはいかがですか。
○逢沢委員 修正案提出者としてお答え申し上げたいわけでありますが、前文の中に「もとより、結婚や出産は個人の決定に基づくものではあるが、」を加えさせていただいたわけであります。当初の段階より自己決定権を大前提としている、それはもう当然の前提としてこの法律案が組み立てられていたわけでありますけれども、議論の結果、文言上も、法文上もそのことを明記する、そういうことを通じてより明らかにする、その必要性がやはりあるというふうに判断をいたしまして、修正をいたしたわけであります。
 そして、今委員御質問の、自己決定権を持つ主体とは一体何なのか、それは女性なのかといった趣旨の御質問でございますが、主体は、もちろん男女、カップルの場合もありますでしょう、また女性の場合もある、あるいは男性の場合もある、そのように私どもは理解をいたしているわけであります。法律を超えて堕胎の自由を認めるものでは決してないということを改めて強調させていただきたいと思います。
 堕胎罪につきましては、刑法にきちんと規定がされているところでありますし、この法律案の趣旨は、あくまで幾つかの法律の範囲内で自己決定権を尊重していこう、そういうものであることをぜひ御理解いただきたいと思います。
○西村委員 法文上自明のことを明記したわけでありますという前提での修正追加で、この文言があらわれたということであります。これも法律であります。刑法も法であります。相互に矛盾するのか矛盾しないのかは、刑法がありますから矛盾しないでは、お互いに同等でありますから、説明にならないのであります。後法は前法を否定するというのが法の世界であります。
 したがって、自己決定権はいわゆる堕胎の自由をも含むという、つまり刑法の堕胎罪を後法で否定するという考え方もあるが、この法案における自己決定はそうではないということは明記する必要があるのではないか。なぜなら、法律の世界においてはこの法も刑法も同等であり、そして前法を否定するのは後法であるという世界ですから、こう思って私はお聞きしておるわけです。議事録に残っているだけでは法としての、法がひとり歩きして社会で理解されていくという世界に歯どめはかけられないのではないですかということについては、いかがですか。
○逢沢委員 重ねての御質問、あるいはまた委員の法の解釈についても言及をいただいたわけでありますが、先ほど答弁をさせていただきましたように、堕胎罪については、現行の刑法に明確に規定がなされているわけであります。刑法初め諸法律の範囲内で、今議論をいただいております少子化対策基本法の前文に挿入をさせていただきました自己決定権が尊重されるべきだという立場に私ども立っているわけでありまして、重ねての答弁で恐縮でございますけれども、そのように御理解を賜りたいと存じます。
○西村委員 我々人間の存在は、ある意味では自然の中の一部であります。その前提で私はこれから法案を提出された方の見解をお聞きしたいわけです。
 法は法なきを期すという、これは私の理想とするところであります。片一方で、法万能主義というものがあります。これは、利息制限法であるとか規制法の世界では、法をつくってこの複雑化した社会システムを秩序づけようというふうな観点で法が必要でありますが、そのようにしてその世界に必要な法が、すべての、自然の領域に任すべきところにも、法をつくりさえすれば自然の秩序がそのつくった法に従って変わっていくという考え方を法万能主義というならば、本件基本法は、法は法なきを期す世界にあるべきものを対象にした立法なのか、それとも規制によって秩序づけられるという近代社会に必要な領域を対象とした世界なのかということになるんですね。
 私は、いかなる家庭を築き、いかなるライフスタイルを選ぶか、これは自由に選ばれるようになった、我々の先祖からの目的が今現前の姿になってあらわれているんだろうと思います。この世界はまさに子供を生み育てる世界でありまして、中山先生がおっしゃったように、産めない、育てたい、産みたい人が産みやすいような社会をつくるというのは、これは当たり前の話でありまして、したがって、当たり前の話でありますから、これは法は法なきを期す、自由な領域の世界ではないんだろうか、法をつくって人口増加を促すことができる世界だろうかと思うんです。
 必要なのは、法ではなくて、国家や社会全体の明るさや活力ではないのか。それはまさに、法をつくるという作業のみではなくて、当然ですが、政治、社会全体の作業ではないのか。国家や社会全体の明るさや活力を我々はいかに確保するのか。それは、将来に希望を持てる社会を我々は運営しているのか、自分の生まれたこの日本という国家に誇りを持って、この国を愛することができる社会を子供たちに見せているのか、このように我々自身の責任としてなってくるわけですね。
 現在、この問題意識を考えずして、ただ、産みたいと思う人が産みやすくするという観点で法をつくるならば、この少子化、出生数が少なくなった現在の我々の教育も、出生数が多い、貧しいときの教育よりはるかに劣っておるわけであります。このことを考えますならば、私は、この問題は、法をつくる領域の問題ではないな、もっと深く大きな、政治全体の責務にかかわった問題であるなというふうに考えますが、この考えを背景に持っておられるのかどうか、また私の今申し上げたこととは違う御意見を持っておられるのか、参考のためにお聞きできたらと思います。
○中山(太)議員 子供たちが国の未来、将来に希望を持って、そして自分の人生をつくるといったことは、私は本来あるべき姿だろうと思います。
 ただ、そういう子供たちが教育の影響やいろいろな問題で変化を起こしてきたこの時代の中で、例えば育児休業制度、これが、雇用者が了承しないとなかなかこの育児休業制度を活用できない。どうしても雇用者の方は働く人たちの勤務状態というものを見て評価をするわけであります。特に、女性の育児休業手当の取得率と比べて男性はわずか〇・五ですね。こういうふうな法律的な問題を解決することが必要なんであって、私は、この先生の述べられた高邁な国家の理想とか社会の夢、そういったものと別の観点から、この現在未整備の法律をきちっと整理していくということが大切だというふうに考えてまいりました。
○西村委員 ここの育児制度、家庭に対する税制のあり方、これはもうそのとおり、我々が注意してやらねばなりません。その意味で、配偶者特別控除を廃止していくとかこういうことはゆゆしき事態なんだ、この法律があろうがなかろうが、我々は、その点については重大な政治家としての問題意識を持って、税制のあり方全体、雇用との関係全体を見直していかねばならない、このように思っております。
 時間がちょっと手前ですが、質問をやめます。ありがとうございました。
○佐々木委員長 以上で西村眞悟君の質疑は終了いたしました。
 次に、児玉健次君。
○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。
 スウェーデンのカールソン前首相のアドバイザーを務めていたアグネッタ・タムさん、この人が一九九〇年に日本に来たときに、次のように述べています。自分の意思で子を産む社会で出生率が下がることは、人々が未来に希望が持てないことのあらわれです。ですから、私たちは心配し、分析チームをつくり、政策を練りました。出生率が毎年ふえている今、人々は未来に積極的な姿勢を持っているのではないでしょうか。
 私は、このタムさんの発言はなかなか示唆に富んでいると思うんですが、提案者の見解を聞かせてほしい。
○五島議員 私もそのとおりのものだというふうに考えています。ただ、スウェーデンの場合も、確かに一九八〇年代の後半出生率が回復してきたわけでございますが、九〇年代に入りましてまた低下をしてきています。
 そういう意味におきましては、そうしたいわゆる少子大国になってきた国において、スウェーデンがなぜまた出生率が落ちてきたのかということの検討も大事なんだろう。考えつくところとしては、スウェーデンも、八〇年代の後半のベビーブームの反動ということもあるでしょうが、その時期から社会保障その他が若干削減されてきたということも影響しているのかなというふうに思っております。
○児玉委員 今、五島提案者のお話もありましたが、最近の北ヨーロッパはどうか。
 去年、私は、夏にスウェーデンとフィンランドを訪問する機会がありました。今の議論を大いに交わしたんです。
 フィンランドでは、国会のコッコネン憲法委員会委員長、この人は女性です、フィンランドにどんな社会的な特徴があるのかと聞いたら、彼女は、一、女性の就業率が八〇%前後に達している、それから二として、そのことを可能にしたのが社会保障の充実である、こう述べましたね。そばに国会の事務総長がいて、あなたは男性だけれども今の考えはどうだと聞いたら、全く私も同感だ、こう言う。
 そして、スウェーデン。確かにスウェーデンは出生率が、若干の上下はしておりますけれども、日本よりは高いですね。二と一・五の間を維持しています。ここで私は、ちょうど選挙中だったものだから国会議員には会えなかったのだけれども、国会事務次長に会いました。彼はこういうふうに述べます。社会保障制度の前進により、女性の就業率が急速に進み、フィンランドの上へいって八〇%を大きく超した。そして、女性の社会的進出の反映として、国会において、全議員三百四十九名中女性が百五十名、四三%ですね。フィンランドは三〇%を超しています。これは世界最高ですよ。ある評論家は、出生率の高さは国会での女性議員の比率と相関関係があると言っていますが、これなどは、私はやはり見事なものだと思う。
 そういった社会の前進的な特徴の結果として、結果としてです、結果として出生率が上がり、またはひどくは低下しない。これは、私たち日本にとっても学び取るべき多くの教訓を持っていると思うんです。この点についても提案者の考えを聞きたい。
○五島議員 先生御指摘のとおり、スウェーデンの場合は、一九三〇年代から世界に先駆けて女性の社会進出が非常に盛んであり、そうした女性の社会的進出というものとセットになった形であの国は高齢化も進み、そして、そうしたものに対する社会保障の整備も時間をかけて充実してきたと思っております。
 現在も、例えば、育児休業の取得率あるいは状況をとりましても、スウェーデンの場合は、日本と比べたら日本が恥ずかしくなるような状態でございまして、非常に高い。男性の取得率についても女性の取得率につきましても、取得率が高いだけでなく、制度としても、十八カ月、最初の一年間は給与の八〇%が所得保障されています。その次については定額の最低保障という形の保障が続いておりますし、また経済的にも、社会保障として、例えば子育ての経済的支援というものにつきましても、児童手当は十六歳まで、年間九百五十クローネ、このお金は大体夫婦所得の七%に相当すると言われております。障害児の場合はもっと長期でございますが、そういうような制度も整備されています。
 そういうふうな社会保障の整備と女性の社会進出というもの、このことが相まって、現在北欧におきまして、かつてはスウェーデンは少子化だと言われていたわけですが、現状においてはその他の国の方がはるかに少子化が進んでしまっているという状態をつくっているというふうに認識しています。
○児玉委員 私は、北欧を一つのモデルとは考えているけれども、やはり日本には日本のやり方があるだろう、こういうふうにも考えています。
 それで、厚生省に伺いたいのですが、つい先日、皆さんは最新の出生率を明らかにされた。全国平均一・三二。その中で、例えば、東京一・〇二、京都一・一七、奈良一・二一、私のいる北海道、神奈川、大阪が一・二二と、地域的にかなり差がありますね。落ち込んでいます。これは、突然の現象ではなくて、もう持続的な現象です。
 出生率が低下する地域の社会的特徴、社会的要因を厚労省はどういうふうに見ているか、お答えいただきたい。
○水田政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘になりましたとおり、合計特殊出生率は、都道府県別でかなり差がございます。その背景といたしまして、さまざまな要因が考えられるわけでありますけれども、この合計特殊出生率が低い都道府県におきましては、比較的大都市を有する都道府県がある、こういう傾向が見られるわけでございまして、それらに共通して見られる現象といたしましては、晩婚化、未婚化がより進行しているということ、それから、労働時間等の労働環境でありますとか、住宅事情が比較的厳しい状況にあることなどが挙げられているところでございます。
○児玉委員 今の点ですが、先ほどのフィンランドの憲法委員長は、同行した人間が、日本では出生率の低さは高学歴と晩婚が主な原因だというふうに言われていると言ったら、彼女は言下にこう言いましたね。ヘルシンキ大学、これは学生数一万人以上、女子学生が半分を超している、そして、大学を出たからといって子供を何人も産めないということはありません、こうずばり言いましたね。
 それで、今、水田政府参考人のお話、それはそれで一般的に皆さんのお考えをお示しになったと思うんだけれども、厚生省の科学研究費によって作成された「家族政策および労働政策が出生率および人口に及ぼす影響に関する研究 平成十一年三月 主任研究者阿藤誠」、これは個人のレポートですけれども、私はこれを読んでいて、非常に興味があった。
 こういうふうに阿藤氏は言っていますね。もし保育所キャパシティーを向上させる、それから家賃の水準と教育費の水準を引き下げる、それから女子労働力の構造的なネガティブな関係、雇用流動化などを指しているんでしょうね、これらが大きく改善されていけば、七〇年代後半の出生率は一・六一でなくて一・九八を維持したであろう、そして直近でいえば、一九九六年で見れば、一・四三が一・八〇を維持しただろうと。
 非常にさまざまな推計学などを駆使してあらわしているんですが、このことについても厚生労働省のお考えを聞きたいんです。
○水田政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘の報告書は、国立社会保障・人口問題研究所の研究者を中心とするグループが行いましたもので、平成十一年三月にまとめられております。
 ここにおきましては、家族政策あるいは労働政策が出生率に及ぼす影響の評価というものが試みられているわけでございまして、一九八二年から一九九六年までの十四年間、これを観察期間といたしまして、保育所の定員が実際よりも五〇%多いこと、家賃や教育費の水準が実際よりも三〇%低いということ、それから女性の労働力参加が出生行動に全く影響を及ぼさない、こういう仮定を置きましてシミュレーションを行った結果として、先ほど先生御指摘になったとおりの、出生率に回復が見られる可能性があるということを指摘したわけでございます。
 ただ、この結果につきましては、ただいま申し上げましたそれぞれの数値でありますとか仮定でありますとか、これを当てはめて単純に試算を行ったものでございまして、前提となります改善策が何であるのか、あるいは女性の労働力参加と出生行動についての具体的な諸施策が何であるか、これについては具体的な想定をしておりませんものですから、なかなか評価としては難しい、このように思っております。
○児玉委員 シミュレーションというのはいつもそういう問題を含むので、極めて具体的な条件の設定、保育所が五〇%ふえたらどうなるか、家賃が三〇%低下したらどうなるか、それをこういう形で出しているので、私は、このとおりだとは言わないけれども、非常に示唆に富んでいると思いますね。その方向を私たちはやはり真剣に追求しなきゃいけない。
 次に、厚生労働省の青木審議官にお伺いしたいんですが、政府の統計によれば、直近の三月の完全失業者が三百八十四万人、これは過去最高です。一方、出生率は一・三二、過去最低です。失業者は過去最高、出生率は過去最低、この状態でいえば、法案の中の文言に、前文にこういう部分がありますね。「家庭や子育てに夢を持ち、かつ、次代の社会を担う子どもを安心して生み、育てることができる環境を整備」、これと日本の現状は著しく乖離している。相入れないのではないか。
 ここのところの状況改善を厚生労働省としてはどのように進めようとなさっているか、お示しいただきたいと思います。
○青木政府参考人 少子化につきましては、私の方で申し上げれば、長時間労働というようなものを抑制していくということが大変重要だというふうに思っております。
 統計的に言えるかどうかということはあるかと思いますが、長時間労働者の比率が高い地域ほど出生率が低いというような相関関係も見られるところでありますし、そういうことで、長時間労働というのが出生率の低下につながるおそれがあるというふうに認識をしております。
 そういう意味では、いろいろな直接的な対策ということではないかもしれませんけれども、一つには、そういった時間外労働の縮減とか、あるいは有給休暇の取得の促進などを図って長時間労働を少なくしていくということは、そういう意味でも有意義なことではないかなというふうに思っております。
○児玉委員 今の青木さんの御答弁の中で、長時間労働と出生率の相関を厚生労働省として明言されたのが重要だ、私はそう思います。
 そこで、もうちょっと突っ込みたいんです。
 法案の五条に何と書いてあるかというと、事業主の責務、「事業主は、子どもを生み、育てる者が充実した職業生活を営みつつ豊かな家庭生活を享受することができるよう、」云々と言っていますね。そのために「必要な雇用環境の整備に努めるものとする。」。主語は事業主だと思うんです。
 そこで、今、青木審議官がお話しなさったことに、もうちょっと私は最近のデータで触れたいんです。
 総務省の労働力調査、直近のものは二〇〇二年です。男性労働者に限定しましょう。常用雇用者の総数は二千八百七十七万人です。この中で、週六十時間以上労働に従事している数は五百三十六万人、一八・六%です。五人に一人が一週間で六十時間以上、これは一日に直せば四時間ですからね。五時に終わって、九時過ぎまで働いて、そして東京で、二時間電車で帰るとすれば、もう帰宅は深夜に及びますね。
 この状況は年々悪化しています。例えば、九九年は、六十時間以上だった人は一六・七%ですから、二年間で約二%、二ポイント上がっているんです。ここはやはり問題だ。政府の国際公約は、年の労働時間は千八百時間以内ですから、余りに乖離し過ぎてはいないか。他方で、リストラで職場を離れた人たちは、何とか仕事を見つけようと思って必死になっている。
 だから、残っている人たちは、さっきの五人に一人が週六十時間以上、そして職場を離れた方は、求職活動で全力を挙げている。この状況とさっきの事業主の責務、この関連について、青木さん、どうお考えでしょうか。
○青木政府参考人 直接のお答えになるかどうかわかりませんけれども、今お挙げになりましたような調査でも、統計的に本当に因果関係があるものかどうかわかりませんけれども、出生率の低い南関東地域では、雇用者の平均通勤時間も長かったり、あるいは父親の帰宅時間が遅かったりというようなことも見られるわけです。
 そういうこともありますけれども、全体として、やはり働く方々が家庭と職場との両立をきちんと果たして、それぞれ能力を発揮して、しっかりと働いていただくというためにも、やはり先ほど申し上げましたような時間外労働あるいは年次有給休暇、そういったものがきっちりと縮減されたり、取得がなされるということは大切だと思いますし、そのためにも私どもは、法律を守っていただくことはもちろん当然でありますけれども、それと同時に、やはり労使の意識改革とか具体的な取り組みとか、そういったことが大変大切だというふうに思っております。
 そういう意味では、もちろん法律上の義務といいますか、そういったものはきちんと果たしていただきながら、なおかつ、そういった職場における労使の意識を持った取り組みを進めていただきたいというふうに思っているわけでございます。
○児玉委員 雇用者に対する指導を強化してほしいと私は要望しておきます。
 次に、教育の問題です。
 若い男女、夫婦が子育てに対して持っている不安、懸念、その大きな要因として、現在の日本における教育の困難な状況があるだろう、私はそう思います。
 これを、ただ日本でどう見ているかというのではなくて、国際的な観点でもし見るとすれば、最も適当なのは、国連子どもの権利委員会ですね。これが一九九八年五月に日本政府に対する最終所見として、最終所見というのは、懸念事項という部分とここは直せという勧告の二カ所になっています。勧告のところにはっきりこう書いている。「本委員会は、貴国における高度に競争的な教育制度、および、それが子どもの身体的および精神的健康に与えている否定的な影響」、これは懸念のところでは、否定的な影響のことをずばり「発達障害」と言っていますよ。ディベロプメンタルディスオーダーと言っているんです。それが生まれている。「過度なストレスおよび不登校・登校拒否を防止し、かつ、それと闘うための適切な措置を取るよう貴国に勧告する。」国連が日本に対して勧告している。
 この勧告に文部科学省はどのようにこたえようとしているか、お答えいただきたい。
○金森政府参考人 お答え申し上げます。
 若い世代の子育てを支援いたしますために、学校教育に対する不安感を軽減し、子供が夢を持って伸び伸びと学習や生活ができるよう、教育環境の整備を図ることは極めて重要であると考えております。
 御指摘のように、児童生徒の問題行動に関しましては、学級崩壊や暴力行為、いじめ、不登校など、依然として憂慮すべき状況になっておりますことから、文部科学省といたしましては、例えば、新しい学習指導要領のもと、わかる授業を行い、子供たちに達成感を味わわせ、楽しい学校を実現することを初め、社会性や豊かな人間性をはぐくむための体験活動の充実など心の教育の充実、生徒指導に関する専門的、実践的研修の実施など教員の指導力の向上、スクールカウンセラーの配置の拡充や心の教室相談員の配置などによる教育相談体制の充実、学校、家庭、地域の連携の推進などの施策の充実に努めてきているところでございます。
 今後とも、これらの各種の施策の一層の充実を図りまして、若い世代の学校教育に対する不安が解消されるよう努めてまいりたいと存じます。
○児玉委員 メニューは少ないより多い方がいいけれども、しかし、若い男女、夫婦にとってこれはと思うメニューは、残念ながら今お話しになった中には入っていないですね。
 例えば、皆さんがこういう国連の勧告に対してどのようにこたえるか。今あなたがおっしゃった、例えば心の教育、そしてこの法案の中の十四条にあるゆとりのある教育、これらがその後三年間を経て、文部科学省自身によってどのようにある意味では是正を迫られているか。このあたりを、私は、時間がないからこれ以上言わないけれども、指摘をしておきたいと思います。
 先ほどのシミュレーション、阿藤さんのシミュレーションの中で、保育所キャパシティーの大幅な増加という点がありますね。ところが、その方向を今、日本は確実に追求しているかというと、私は必ずしもそうとは思わない。地方分権推進会議、財政諮問会議など最近何と言っているか。保育所運営費負担金約四千二百億円を一般財源化する、地方交付税その他財源移譲で充てると言うんだけれども、四千二百億円丸ごとでなくて、七、八割しか補てんしないということが今言われ出している。そういう中で、公立、民間の保育所のキャパシティーをふやしていくということは困難ですね。
 厚生労働省は、この保育所運営負担金の一般財源化に対してどのように対応なさろうとしているか、お示しください。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。
 今先生御指摘の点につきましては、私ども、なお経済財政諮問会議等において種々議論されている途上の国庫補助負担金全般の見直しに関する方策ではないかというふうに考えております。
 私どもといたしましては、御承知のように、待機児童ゼロ作戦を推進する、十四年度、十五年度、十六年度、着実に推進する。そのための予算も計上し、きちっと対応していきたいと考えておりますし、今現在国会において御審議を賜っております次世代育成支援対策推進法案及び児童福祉法の改正法案、これにつきましても国として一層の政策的な努力を払っていく、こういう姿勢で今御審議を賜っているところでございます。
 そういうことでございますので、保育所の運営費の扱いを含む保育政策全体について、これを後退させるような結論であってはならないのではないかという観点から、今政府部内で鋭意議論をさせていただいているところでございます。
○児玉委員 さて、最後に提案者に幾つかお伺いしたいと思うのです。
 今、私が質疑の中で、私自身が関心を持っている問題について幾つか指摘をしました。この私自身の関心事と提案者の皆さんの関心事が、もし、かなりの部分、基本的に重なっているとすればどうするかという問題が出てきます。
 先ほどもちょっと議論があったけれども、第一条、目的のところですね、そこに「少子化社会において講ぜられる施策」という文言があります。そして、その施策はどんなものかというのは、後、展開されるわけだけれども、施策の目的は何かということを明示する必要がありやしないか、すなわち、少子化社会を克服するという目的を明示する必要がありはしないかと思うのが第一点です。
 それから第二点は、この法案についてさまざまな意見やその他が寄せられているということを我々もよく承知しております。そういう中で、北京会議その他以来の議論を踏まえて、明白に、少子化に対処する施策は、結婚及び出産は個人の選択のもとにゆだねられるべきである、それを法律の本則である第二条、基本理念に盛り込むことが必要ではないかと思うのですが、提案者、どうでしょうか。
○五島議員 提案者といたしましては、今御指摘のこの二点に沿ってこれまでも御答弁申し上げてまいりました。
 きょうも朝から御議論ございましたが、この目的の規定のところは明らかに、いわゆる人口政策はとらないけれども、少子化に対して真っ向から対処する、あるいは克服するというための方法として、「直面して、」という以下に入っておりまして、そこのところは、この委員会における四党の修正案として出されたところでございますが、先生御指摘の、少子化社会を克服するという理念というのは、この法文そのものの内容であるだろうと思っております。
 また、施策の基本理念におきましても、具体的な施策に対して、まさに結婚、出産が個人の選択にゆだねられるべきであるということが前提であるということについては繰り返し申し上げてまいったところでございまして、そういう意味におきましては、今先生が御指摘なさった二点につきましては、我々提案者の主張と全く違うところはないものというふうに考えております。
○児玉委員 最後の質問になると思うんですが、一九八九年十一月に国連総会で採択された、子どもの権利条約というのがあります。これは、九四年四月に日本は批准しました。私は、この子どもの権利条約と少子化の問題はあっちこっち対比させて議論できると思うんだけれども、一例として言いたいんだけれども、第十八条第一項でこう言っていますね。「締約国は、児童の養育及び発達について父母が共同の責任を有するという原則についての認識を確保するために最善の努力を払う。父母又は場合により法定保護者は、児童の養育及び発達についての第一義的な責任を有する。児童の最善の利益は、これらの者の基本的な関心事項となるものとする。」一般的に第一項でそう定義している。
 第二項で具体的にこう言っています。「締約国は、この条約に定める権利を保障し及び促進するため、父母及び法定保護者が児童の養育についての責任を遂行するに当たりこれらの者に対して適当な援助を与えるものとし、また、児童の養護のための施設、設備及び役務の提供の発展を確保する。」
 今私たちが審議しているこの基本法は、今私が本当に例示的に示した、この子どもの権利条約の中の一部ですね。その方向と合致して、国民合意のもとに社会の前進を遂げ、そして結果として出生率が向上していくということが必要だと思うんですが、その点について伺って、私の質問を終わります。
○福島議員 ただいま委員御指摘ありました子どもの権利に関する条約、児童の権利に関する条約に示されました文言の指し示しておりますところと私どもの法案が指し示しているところは、基本的に一致するものであると私どもは考えております。
○児玉委員 終わります。
○佐々木委員長 以上で児玉健次君の質疑は終了いたしました。
 次に、北川れん子君。
○北川委員 社民党・市民連合の北川れん子です。
 ちょっと順番を変えてお伺いをいたしたいと思います。
 文科省の方に毎回出てきていただいていたんですが、質問が、前回も前々回も時間がなくて申しわけありませんでした。
 きょうは、ゆとりある教育というのは、学歴の偏重を解消するために使った言葉だというふうにあったんですが、文科省で使われているゆとりある教育にはその精神が入っているのか、そして、文科省で使われているのは、一番ポイントとして、ゆとりある教育を何に重きを置いて使われているのかをまずお示しください。
○金森政府参考人 お答え申し上げます。
 平成八年に出されました中央教育審議会の答申におきまして、これからの子供たちに生きる力をはぐくんでいくためにはゆとりが重要であるとされておりまして、ここで言うゆとりとは、子供たちが自分で考えたり生活体験や社会体験を豊富に積み重ねることができる時間的なゆとりだけではなく、心のゆとりや考えるゆとりを含んだものとされているところでございます。
 文部科学省におきましては、これを踏まえまして、昨年四月より小中学校で実施されている新しい学習指導要領におきまして、ゆとりの中で生きる力を育成することをねらいといたしまして、全員が共通に学ぶ内容を厳選し、それによって生じた時間的、精神的なゆとりを活用してきめ細かな指導や体験的、問題解決的な学習を充実することにより、子供たちに基礎、基本を確実に身につけさせ、みずから学びみずから考える力や、豊かな人間性、健康や体力などの生きる力をはぐくむこととしているところでございます。
○北川委員 今回の立法提案者の趣旨と、文言は同じだけれども、少し違うというのを確認させていただきます。
 それと、「生命の尊厳」が使われているんですが、法制局に、この立法においての生命の尊厳の意味の御説明をまずいただきたいと思います。
○鈴木法制局参事 お答えいたします。
 第十七条の「生命の尊厳」の文言につきましては、これまでの審議におきましても提案者の方から御答弁がございましたように、昨今、児童虐待やいじめが深刻な社会問題となっており、幼い命をはぐくむという認識や、根源にあります、命に対する畏敬の念の欠如が指摘されているところを受けて、この社会の少子化に対処しなければならない、この法案の提案に当たって、生命の尊厳についての国民の意識の向上が重要であると認識して規定しているところでございます。
 「生命の尊厳」とは、以上のような趣旨からこの法案に明記されたものでございまして、本法案の立案に当たりましても、法制的にそのような趣旨で十七条の条文を作成しているところでございます。
○北川委員 望まない妊娠を防ぐことは含められているが、中絶はかかわっていないというのがその後に続くというふうにここでは理解を深めさせていただきたいと思います。
 それで、前回なんですが、やはり、この法案で「生命の尊厳」というのを使われています。前回、石毛議員の質問に対して中山提案者は、本法案は母体保護法の改定につながるものではないと明言をされました。この点について、きょうは厚労省にも、同じ認識であると理解していいかどうかを確認させていただきたいと思います。
○渡辺政府参考人 そのように理解しております。
○北川委員 では、これも確認させていただきました。
 では、次に不妊治療の部分についてお伺いをいたしたいわけなんですけれども、これはエンゼルプランの方で、また、生涯を通じた女性の健康支援の一環として、全国にもう既に不妊専門相談センターを置かれているとお伺いしております。しかし、提案者にお伺いしたいんですが、あえてこの法案で繰り返す目的はどこにあるのかをお伺いしておきたいと思います。
○福島議員 この法案は、すべての個人が、みずからの結婚や出産を望んだ場合、それが妨げられることのないように、結婚や出産の妨げとなっている社会の意識また慣行、制度を是正していくとともに、子育てを支援するための諸方策の総合的かつ効果的な推進を図ることを目的としたものでございます。
 その中で、不妊治療について取り上げているということは、子供を産みたい、そのために不妊治療を受けておられる方もおるわけでございます。しかしながら、現行の社会にありましては、この不妊治療につきまして、実際にそれを受けておられる方々にさまざまな悩み、また困難があるということも事実でございます。そうしたことを踏まえて相談事業というものも行われているわけでございます。
 ですから、この法案にこの不妊治療の問題を取り上げたということは、その治療を受けることによって子供を持とうとしておられる方、そうした方にとっての困難を取り除く、このことも、先ほど申し上げました、すべての方が、みずからの結婚や出産を望んだ場合には、それが妨げられることのないようにしよう、その文脈の中に位置づけられる、そう考えて盛り込んだものでございます。
○北川委員 前段のところでおっしゃいました、産めない人や子供を産まないという決意をした人に対しても社会の慣行等々が押しつけている問題の解決にもこの法案は臨んでいくんだという点は、理解をさせていただきたいと思います。
 そして、日本産科婦人科学会の報告でも、体外受精や顕微授精で出産に至る率は、胚移植までできた場合で一七から一九%とお伺いをいたしております。
 私は、去年の六月、衆議院の文科委員会の方で排卵誘発剤の副作用について質問をしたんですけれども、そこで、厚労省医薬局安全対策課から、去年の六月二十五日、データを入手しました。そこにおいては、九四年から二〇〇二年にかけての排卵誘発剤の副作用の症例数を教えていただいたわけです。死亡症例数が五名、そして症状が残った方の症例が七名、そして副作用の報告症例数が三百二十一名というふうになっております。
 そのときも本当にお伺いしたんですけれども、ここのところの人数、それから実態、こういうものを、先ほど言いました不妊専門相談センターに情報として適時流していらっしゃるのでしょうか。その点を一つ確認させていただきたいのと、この相談業務、あえて今あるものを重複してこの法案で後押しをするというふうにお決めになっているというのを福島提案者からお伺いいたしましたが、もし流していらっしゃらないのであれば、今後、相談事業を実施された場合、不妊治療の実態としてこういう副作用の数字なども流すおつもりでいらっしゃるのかをあわせてお伺いしたいと思います。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。
 不妊相談センターというお話でございます。不妊専門相談センター事業といたしまして、私ども、全都道府県に整備をしていこうということで取り組んでおります。ここでは、地域における中核的な役割を担う保健医療施設などにおいて、専門医等が不妊に関する医学的相談や不妊による心の悩みの相談などを行う事業として実施をしていただいておりますが、なお整備の途上でございます。
 先ほどの、体外受精その他の確率の問題であるとか、あるいは排卵誘発剤周辺のさまざまな情報でありますとか、そういう点につきましても、まさしく、こうした不妊に関する医学的な相談等々も、専門医等の立場で専門的に御相談に応じるということのできる事業としてやっておりますものですから、その点については私どもしっかり対応させていただきたいというふうに考えております。
○北川委員 ちょっと明確ではなかったんですけれども、現在、不妊専門相談センターの方にこういう情報は流していらっしゃるシステムを、今途上であるというお言葉もあったんですけれども、もう確立されているのでしょうか、お伺いをしたいと思います。
○渡辺政府参考人 お答えいたします。
 専門医による相談体制でございます。御指摘のような学会情報については、当然の情報として承知していただいていると理解しております。
○北川委員 相談をする側が専門家だから知っていてやっているんだろうというふうにおっしゃっているんですが、今、現実にお伺いするところによると、不妊専門相談センターの方には厚労省から副作用の情報等々は流されておりませんというふうにお伺いしております。
 では、提案者、先ほども厚労省は、不妊センター、つくってはみたもののまだ途上であるというお答えもありました。今後、相談する側が専門性があるかないかは別にいたしまして、こういう情報を厚労省から適切に流す必要はあると提案者の方はお考えになるかどうかをお伺いしたいと思います。
○福島議員 不妊治療の相談で大切なことは、治療にはメリットとデメリットといいますか、リスクとベネフィットというのは当然あるわけでございますから、そうした適切な情報が与えられるということは私どもは必要だというふうに思っております。
 そしてまた、さらに重ねて言いますと、不妊治療によって子を産み、持とうとすることにつきましても、さまざまな葛藤があるわけでございます。当然、夫婦間の葛藤ということもこれはあるだろうと思います。ですから、不妊治療の相談というのは、そうした個々の方が抱えておられるさまざまな心理的な問題も含めて御相談に応じる、コンサルトに応じる、こういうことが大切な視点なんだろうと私は思っております。
 したがって、先ほど申しましたようなリスクとベネフィットもちゃんときちっと情報提供する、そしてまた、それを選択するのかしないのか、そこにも悩みがあるわけでございますから、そういうことも含めて対応していただくということが必要だ、そのように思っております。
○北川委員 今の立法者の御発言を受けて、厚労省に再度お伺いしたいと思うんです。
 これは、去年も私も質問をさせていただきました。やはり、リスク、デメリットとメリット、両方とも流す必要があるという立法者のお考えなんですが、これを生かして、やはり、今もう現在センターは運営されているんですから、こういう情報を流すということは当たり前のようにやっていっていただきたいと思うんですが、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
○渡辺政府参考人 さまざまなメリット、デメリット、副作用、その他情報につきまして、それは厚生労働省として、例えば医薬品の話であれば医薬局が中心でございますが、情報公開をし、それが専門の学会あるいは専門医の皆様方に行き渡るということは大変大切なことだと存じ上げております。
 先ほど申し上げましたように、そうした専門医による相談体制をとるということでございますので、私どもは、その点について十分情報を公開し、その情報は十分に行き渡るということを前提として事業を進めてまいりたいというふうに考えております。
○北川委員 やはり厚労省の方は、きっちり流すシステムをつくるということに関しては多少抵抗がおありになる発言とお受けとめいたしましたけれども、立法者の方は、御自身たちの基本政策の中に、具体的に細かいこういう部分も見落とさないように入れていただくことを、再度、厚労省等々にも要請いただくようにお願いをしたいと思います。
 次に、法整備についてお伺いをいたしたいと思うんです。
 お伺いしたところ、非配偶者間の生殖補助技術、つまり、精子、卵子、胚の提供等については、厚生科学審議会生殖補助医療部会が検討して、四月下旬に報告書が発表されたと聞いております。厚労省が法案準備をしていると伺っております。しかし、この部会において、通常の夫婦間の不妊治療については全く検討をされていないということでした。きのうもお伺いしたんですが、非配偶者間のみというふうに強調をされておりました。
 そこで、先ほども言いましたように、不妊治療の中では死亡事故も起きております。受精卵の取り違えも報道されています。凍結された夫婦の受精卵をいつまで保存できるかも、特定な規定はございません。海外では、離婚した夫婦が受精卵の所有権を争う裁判も起きていると聞いております。こうした不妊治療の現状について、今後、厚労省はどのように対処をなさっていくおつもりなのか。特に、非配偶者間だけではなくて、配偶者の間のそういう生殖補助医療に対して、今後、倫理基準やガイドラインなどを整える御予定はおありになるかどうかをお伺いしたいと思います。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。
 先般、四月にまとめられました生殖補助医療部会の報告書は、そもそもが、非配偶者間の生殖補助医療についての法制化をめぐる議論の整理をし、報告としてまとめていただいたものでございます。
 以前御答弁申し上げましたように、不妊治療というのは、配偶者間のものももちろんあるわけでございまして、配偶者間のものにつきましては、人工授精、体外受精、顕微授精ということが現に行われているわけでございます。
 この報告書をもとに、今後、十分、関係方面の御意見も承りながら、どのような形で立法過程に入っていくのかという点について、今慎重に検討をしている途上でございます。また、立法化のプロセスの中でさまざまにこの報告書の中身を吟味していくことになろうかと思いますけれども、成案が得られるような段階になってまいりますと、その中で、夫婦間の生殖補助医療である不妊治療、こういうものにも当てはまるさまざまな大事なポイントというものが凝縮されてくるということも想定されるわけでございますので、全体としての不妊治療の安全性やその他さまざまなこれから出てくる論点に対する対応について、適切な対応を図ってまいりたい。まあ、これからのことでございますので、ぜひ私どもも慎重に丁寧に幅広い検討を進めてまいりたいというふうに考えているところであるということを申し上げさせていただきます。
○北川委員 これからの対応という中に法整備のことも視野に入れるというふうなお答えであったと、こちら側は受けとめさせていただきたいと思います。これは本当に、生命の倫理の問題の点におきましても、医療技術になるのか治療になるのかといった点においても微妙な問題ですので、やはり、法整備を願望というか待たれている方たちがたくさんいらっしゃる点においても、その点は厚労省、推進されていかれることを要望しておきたいというふうに思います。
 そして、次に内閣府、坂東局長の方にお伺いをいたしたいと思うんですけれども、前回の審議で、私は、リプロダクティブヘルス・ライツの包括的な概念を福田官房長官から何度も御説明をいただきました。そして、五月二十八日の審議では、岩田政府参考人からも、男女共同参画二〇〇〇年プランに策定された男女共同参画基本計画など各施策の中にリプロダクティブヘルス・ライツが生かされると答弁はありました。法案の第二条でもとりあえず触れられております。
 今後、内閣府は現在の方向のまま、地方自治体は自治体の自治にのっとり条例づくりを進めております、そういうものと連携をして男女共同参画社会の形成を行っていかれるお考えだというふうに理解してよろしいでしょうか。あえてお伺いをさせていただきます。
○坂東政府参考人 私どもとしては、男女共同参画基本計画にのっとり進めていくつもりでおります。
○北川委員 それにのっとり進めていただくと。しかしながら、かなりのそれぞれの、各自の意見の違いというものがなかなか克服されない点というのもあるというのは、坂東局長も推進をされていてよくおわかりいただけていると思います。
 それで、これはちょっと通告をしていなかった点なんですが、もう一度坂東局長にお伺いをいたしたいと思うんですけれども、きょうの議論を聞いておりましても、女性の体というのは子産みの道具として使われてきた過去がありました、兵力の増強や労働力の確保であったり、為政者の政略のためであったりという。そこでは、そういういろいろな反省のもと、このリプロダクティブヘルス・ライツの考え方が生まれ、この十数年間で定着が日本の中では各地方自治体の方にも行き渡るようになってきたと私どもは理解をしております。
 第四回世界女性会議で採択された行動綱領の百六項では、違法な中絶を経験したことのある女性に対して刑罰措置を含んでいる法律を再検討することを考慮すると規定してあり、このことから、女性が刑法堕胎罪で訴追されない権利はリプロダクティブヘルス・ライツの考え方と解釈できるというふうにもなっていると私どもは理解をしております。
 ここのところにおいて、男女共同参画局長であられる坂東局長は、この点、実施の中においても踏まえていただけているかどうか、申しわけありません、ちょっと通告していなかったんですけれども、きょうの議論を聞いた上での質問ということで御理解をいただいて、踏まえていらっしゃるかどうかということをお伺いしておきたいと思います。
○坂東政府参考人 私どもといたしましては、現在の法律の枠内で、また母体保護法等々の範囲内で施策を進めていくことになるだろうと思っております。
○北川委員 範囲の中で、この間の過去の反省から出てきたこのリプロの考え方というものは踏まえているということであるというふうにお受けとめをさせていただきたいのですが、男女共同参画局というところが唯一総合調整機能を持たれているところでありますがゆえに、ここのところはぜひ踏まえていただくことを再度要望させていただきたいと思います。
 そして、児童福祉法との関係のことで、厚労省の方にお伺いをいたしたいと思います。
 児童福祉法の方では、第一条で「すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない。」というふうに書かれており、二条では「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」というふうに記述がされてあります。本来ならば、父母の養育と扶養の責任と社会的施策の整備は、私どもは別々に論じられなければいけないと思っています。日本では批准をしている子どもの権利条約の第三条でも、最善の利益の確保、二項も、締約国にすべての適当な立法上及び行政上の措置をとることを定めています。
 この法案では、父母の責任が法案の第二条に入っているのですね。第一義の責任を父母がとるというふうになって、国や地方公共団体の責任が弱められています。また、父母の状況によって一人一人の子供の福祉に利益の差異が生じることを深く懸念をいたします。
 従来どおり、子供に関する社会的施策は児童福祉法、子どもの権利条約を軸に行っていくべきと考えますが、提案者、厚労省に、この点はどのように置かれているのかをお伺いしておきたいと思います。
○肥田議員 現在のように成熟した社会におきましては、結婚それから出産につきましては、女性の意思がきちんと決定の場所で認められていく、そういうことが原点にございますので、この法案の中では、もちろんその決定した御本人たちが第一義の責任をとる、そういうふうに考えております。ですから、先ほどおっしゃいました児童福祉法それから子どもの権利条約には矛盾をいたさないと考えております。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。
 父母その他の保護者が子育ての第一義的な責任を有することにつきましては、御承知のように、民法上の規定に加えまして、児童の権利条約においては、父母等が「児童の養育及び発達についての第一義的な責任を有する。」こう規定されておるわけでございます。今回の基本法案の、父母の第一義的責任の規定につきましても、同じ流れのものと理解しておりますが、児童福祉法第二条、先生引用いただいた当該条項との整合性は確保されているものというふうに私どもは理解をしております。
 具体的には、児童福祉法第一条、第二条は、一義的に保護者が責任を果たすことを前提として、その上で国民がそれぞれの立場において児童の育成に責任を負っていること、また、国及び地方公共団体が保護者の援助等を行うことを明らかにするという規定でございますので、基本法案の、父母の第一義的責任の規定の考え方と矛盾するものでは全くないというふうに理解をしております。
○北川委員 ありがとうございました。
 では、最後になりますけれども、きょう、修正提案者の「ではあるが、」のところがやはり疑問が残る、疑義が残るという声が出されていました。私も前回質問したわけですけれども、修正の提案者から、少子化に歯どめをかけることが結婚や出産という個人の決定より優先されるわけではない、逆接にとっていただいては困ると答弁されたわけですね。
 今回は、この場は確認とさせていただきたいわけですが、この解釈はこの答弁どおりで間違いがないのか、提案者が当然だとはおっしゃってきた個人の自己決定権、リプロダクティブヘルス・ライツの制限がされるということでは、間違いがないのかを、もう一度、再度押さえをさせていただきたいというふうに思います。
○遠藤(和)委員 そうした懸念は全くないと理解していただきたいと思います。
 この自己決定権は、憲法二十四条にもう既に明記されているわけですね、婚姻は両性の合意のみにおいて成立すると。こういうふうに、結婚が自己決定されるということは憲法上もはっきりしていることでございまして、また憲法第十三条では、個人の尊厳や幸福追求権について規定しております。
 私どもが修正案におきまして、「もとより、結婚や出産は個人の決定に基づくものではあるが、」という文言を入れましたのは、これらの憲法の規定によりまして保障されている自己決定権を前提として、そして少子化に対する施策を講ずること、こういうふうにすべきだ、こういうことを明文上担保したというふうに理解していただきたいと思います。
 それから、今リプロダクティブヘルス・ライツのお話がありましたけれども、ここでも個人の自己決定権として結婚、出産、妊娠等が書いてあるわけですが、ここは妊娠はあえて書きませんでしたけれども、これは、出産は妊娠を前提としたものであるという意味で、すべてこの三つを包摂している、こういう概念であると理解していただきたいと思います。
 以上でございます。
○北川委員 では、時間がやってまいりましたので、どうもありがとうございました。
○佐々木委員長 これにて本案及び修正案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○佐々木委員長 この際、本案に対し、児玉健次君から修正案が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。児玉健次君。
    ―――――――――――――
 少子化社会対策基本法案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○児玉委員 私は、日本共産党を代表して、少子化社会対策基本法案に対する修正案の趣旨を御説明します。
 修正案は、今お手元に配付されている案文のとおりです。
 少子化は、日本社会の未来にかかわる根本問題であり、小手先の対応や対策で済むことではなく、その克服のために本腰を入れるべき課題です。
 少子化の最大の原因は、子供を生み、育てるという社会を維持していくための基本的条件と環境が、現在の日本では余りにもないがしろにされてきたことにあります。少子化の克服のためには、女性が働き続けることと子供を生み、育てることをきちんと両立できる社会にしていくことが不可欠であります。
 我が党は、そういった立場から以下の修正案を提出します。
 第一は、第一条の目的に「少子化社会を克服」、この文言を挿入し、法律の目的が少子化社会克服そのものにあることを明確にするものです。
 第二は、第二条の施策の基本理念に第二項を起こし、「少子化に対処するための施策は、結婚及び出産は個人の選択に委ねられるべきことを前提として講ぜられなければならない。」との条文を加えたことです。
 以上が、日本共産党の修正案の提案理由とその概要です。
 委員各位の御賛同をお願いし、修正案の趣旨説明を終わります。
○佐々木委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○佐々木委員長 これより本案及び両修正案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。星野行男君。
○星野委員 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び保守新党を代表いたしまして、ただいま議題となりました自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び保守新党の四党共同提出の修正案及び修正部分を除く原案に賛成の立場から討論を行います。
 先般明らかになりましたとおり、昨年の合計特殊出生率は一・三二と過去最低を記録し、急速な少子化の進行はとどまるところを知らない状況にあります。こうした少子化の進行は、労働力の減少、現役世代の社会保障負担の増大、地域における人口減、さらには子供の健やかな成長への影響など、二十一世紀の国民生活に深刻かつ多大な影響を及ぼすものであり、この喫緊を要する事態の克服のために、社会全体のあり方にかかわる改革を総合的に推進することは、今を生きる我々の世代の将来の世代への責任であります。
 こうした中にありまして、少子化社会対策基本法案は、少子化社会において講ぜられるべき施策の基本理念や関係者の責務を明らかにするとともに、対策の基本的方向を明快に示すものであります。本法案の成立を契機として、少子化の問題が国民全体、社会全体にかかわるものであることが広く認識されるとともに、改めて国の重要政策として位置づけられることによりまして、もう一段の取り組みが加速し、これまでともすると高齢社会への対応に重点が置かれてきたさまざまな制度、仕組みがより総合的でバランスのとれたものになるものと考えております。
 また、本法案では、内閣府に、内閣総理大臣を長とする少子化社会対策会議を置くこととしております。これにより、これまで個別の分野ごとに各省庁等で講ぜられてきた各種の対策について、幅広い視野に立った総合的、効率的な取り組みが推進されることが大いに期待されるところであります。
 次に、四党提出の修正案は、「結婚や出産は個人の決定に基づくもの」であることを文言上も明らかにすること等としているものであり、さまざまな御意見、御懸念を踏まえた適切かつ妥当なものと考えます。
 以上の理由により、修正案及び修正部分を除く原案に賛成の意をあらわすものであり、一日も早くこの法案が成立し、少子化社会への対応のための大きく、そして確かな一歩が踏み出されることを強く希望します。
 以上、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び保守新党を代表しての討論を終わります。よろしくお願いします。(拍手)
○佐々木委員長 次に、西村眞悟君。
○西村委員 私は、自由党を代表いたしまして、ただいま議題となりました少子化社会対策基本法案並びにこれに対する自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、保守新党の共同提出修正案及び共産党提出の修正案に反対の立場から討論を行います。
 安心して子供を生み育てることができる環境を整備することは、真の福祉国家の実現を目指す政治の当然、自明の責務であるところ、本法は、少子化による人口構造の変化をひずみと認定し、これを有史以来未曾有の事態に直面しているとの深刻な問題意識のもとに立案されたものであるが、その未曾有の事態を克服するための基本的理念があいまいで、さらに、いかなる状態を出現せしめればこの未曾有の事態が克服されたものになるのかも不明確である。
 よって、このように法を支える基本的理念と目的の不明確な基本法は、それ自体矛盾し、存在自体失当で無用のものと思料されるので、法は法なきを期す観点から反対する次第であります。
○佐々木委員長 次に、北川れん子君。
○北川委員 社民党・市民連合を代表いたしまして、この原法案に反対をいたします。
 本法案を考えるとき、大前提になる事柄は二つあります。
 一つは、生まれてきた子供は、すべてひとしく、その誕生を社会から歓迎され、子供がみずから育つこと、子供を育てる男性、女性を社会が支えるということです。これは児童福祉法、子どもの権利条約の理念でもあります。
 二つ目は、リプロダクティブヘルス・ライツ、生涯を通した女性の健康、女性の性と生殖に関する女性の権利の概念です。子供を産むか産まないか、産むとすればいつ、何人産むか、この女性の自己決定権に関する考え方は、国連女性の十年、女性差別撤廃条約、国際人口・開発会議の行動計画、北京女性会議の行動綱領と、平等と人権を尊重する観点から、女性たちが丁寧に時間をかけて確立し、世界的な流れをつくってきたものです。国内でも、男女共同参画基本計画など各自治体のさまざまな施策に既に反映されています。
 まず、一つ目の観点からこの法案を見てみますと、参考人質疑において、日弁連所属の金澄道子弁護士は、子供を産もう、育てようとする人をふやすには社会的環境整備を図ることに尽きると言われました。多くの人が子育てを負担に感じています。子育ての孤立化、子供に対する暴力、学歴偏重社会、経済的負担、仕事と家庭の両立が容易でない職場環境、住宅事情等々、子育てを困難にさせている原因は枚挙にいとまがありません。
 こうした問題の解決こそ、国が積極的に乗り出し、各省庁が積極的に施策を講じることで出生率低下を食いとめるなら、社民党は大賛成です。また、国、地方公共団体、事業者、国民が問題を共有し、その解決の方策を探り、安心して子育てのできる環境をつくっていくことにも賛成です。しかしながら、本法案は、この問題の解決方法に十分な比重がかけられておらず、その体制がつくられるとは到底思えません。
 逆に、女性の権利を後退させる心配があります。
 本法案には、リプロダクティブヘルス・ライツの認識が欠落しています。今回、附帯決議がつけられましたが、不十分で、前文と条文に文章できっちり盛り込まないと効果はありません。審議の過程で、提案者、参考人は全員、女性の自己決定権は当然のことであると明言されました。しかるに、当然だから法の本文に入れないというのは、到底納得がいきません。
 また、どんな事情があっても人工妊娠中絶を許さない、罪であると主張する団体が使う「生命の尊厳」という言葉を基本法にあえて使うことの意図も理解ができません。法がひとり歩きし、勝手な解釈がされることのないよう、当然の事柄は当然とわかるように記述し、文言は誤解が生じないよう厳選されるべきです。
 さらに、法案で、バランスを欠いて具体的施策として突出して目立つのは、不妊治療の部分です。不妊治療に関しては、専門の分野で慎重に検討すべき生殖補助医療の分野であり、法案も未整備な現段階では、エンゼルプランで既に項目として取り入れられているわけですから、基本法で詳述するべきではありません。
 現在、不妊治療で妊娠、出産に成功する確率は約二割と言われています。残りの八割の人は、治療の過程で心身ともに傷つき、治療をあきらめていくのが実情です。また、その人々へのケアはほとんどありません。この実情の中で、基本法はどのように作用するのでしょうか。女性を不妊治療へ駆り立てることになりかねません。
 日本は生殖技術の水準に比べ、その分野の法整備は立ちおくれています。一方で、不妊治療の副産物として得られる卵子を実験用に確保するために不妊治療を推進する必要があるやにも聞きます。また、生殖医療では、生命の選別が常について回る問題です。今後、さまざまな問題が生じてくることを危惧します。
 最も危惧する点は、不妊治療を拒否することや途中でやめること、また、子供を産まないことを選択した個人、カップルの自己決定権が脅かされていくことです。
 さて、今百五十六国会は、国民の日常生活に、また将来に大きな影響を及ぼす重要法案が次々と出てきました。日常を戦時体制に持っていく有事関連法案三法、名称とは裏腹に個人のプライバシーと公開請求権を侵害しかねない個人情報保護法、国家の利益が優先とばかりに、個々の利益が軽視されていくこの風潮に大きな不安を感じます。
 また、労働法制の改悪によって、解雇、失業者はふえ、不安定さは日に日に増しています。政府は長期化する景気の低迷に有効な打開策を打ち立てられず、経済の将来展望も描かないままです。子供を産みたい、育てたいという社会が築けるとは到底思えません。国民の責務として家庭や子育てに夢を持つことを定めることには最も違和感を覚えるとともに、国の責任の放棄ともとれます。
 このような状況下で、我らは、紛れもなく、有史以来の未曾有の事態に直面している、急速な少子化という現実を前にして、残された時間は、極めて少ない、少子化の進展に歯どめをかけることが、今、我らに、強く求められていると上から一方的な大号令をかける法案は、平成版人口政策、産めよふやせよ法であるというそしりを免れません。
 以上の点をもって、本法案に、社民党は反対いたします。
 なお、修正案及び共産党の修正案にも、同様の視点から、反対をいたします。
 以上で討論を終わらせていただきます。
○佐々木委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○佐々木委員長 これより採決に入ります。
 第百五十一回国会、中山太郎君外八名提出、少子化社会対策基本法案及びこれに対する両修正案について採決いたします。
 まず、児玉健次君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○佐々木委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、逢沢一郎君外三名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○佐々木委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○佐々木委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○佐々木委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、小野晋也君外三名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。小野晋也君。
○小野委員 ただいま議題となりました附帯決議案について、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び保守新党の各会派を代表いたしまして、案文を朗読し趣旨の説明といたします。
    少子化社会対策基本法案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。
 一 少子化に対処するための施策を推進するに当たっては、結婚又は出産に係る個人の意思及び家庭や子育てに関する国民の多様な価値観を尊重するとともに、子どもを有しない者の人格が侵害されることのないよう配慮すること。
 二 国連の国際人口・開発会議で採択された行動計画及び第四回世界女性会議で採択された行動綱領を踏まえ、その正しい知識の普及に努めるとともに、女性の生涯を通じた身体的、精神的及び社会的な健康に関わる総合的な施策を展開すること。
 三 教育及び啓発の推進に当たっては、児童虐待、いじめ、犯罪又は様々な差別から子どもを守る視点からの取組を推進すること。
 四 望まない妊娠や性感染症の予防等に関する適切な啓蒙、相談等の取組を図ること。
 五 不妊治療に係る情報の提供、不妊相談、不妊治療に係る研究に対する助成等の施策を講ずるに当たっては、不妊である者にとって心理的な負担になることのないよう配慮すること。
 六 出産を望みながらも精神的、経済的負担に悩む妊産婦に対する相談等の支援の充実を図ること。
 七 子どもを生み、育てる者が充実した職業生活を営みつつ豊かな家庭生活を享受することができるようにするための取組に関し、事業主がその責務を十分に果たすことができるよう、育児休業制度等の充実、労働時間の短縮の促進、再就職の促進その他の雇用環境の整備のための施策に万全を期すこと。
 八 保育サービス等の充実を図るに当たっては、病児保育、低年齢児保育、休日保育、夜間保育、延長保育及び一時保育のほか、障害児保育の体制の整備のための施策を講ずること。
 九 少子化に対処するための施策を総合的に推進するため、各般にわたる制度の充実、必要な予算の確保等に努めること。
以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○佐々木委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○佐々木委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。福田国務大臣。
○福田国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしましても十分にその趣旨を尊重し、努力してまいります。
    ―――――――――――――
○佐々木委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐々木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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    〔報告書は附録に掲載〕
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○佐々木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時四十九分散会