第156回国会 安全保障委員会 第4号
平成十五年四月一日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 田並 胤明君
   理事 岩屋  毅君 理事 木村 太郎君
   理事 浜田 靖一君 理事 山口 泰明君
   理事 桑原  豊君 理事 渡辺  周君
   理事 赤松 正雄君 理事 樋高  剛君
      逢沢 一郎君    岩倉 博文君
      臼井日出男君    北村 誠吾君
      小島 敏男君    左藤  章君
      砂田 圭佑君    虎島 和夫君
      中山 利生君    仲村 正治君
      野呂田芳成君    平沢 勝栄君
      町村 信孝君    大出  彰君
      小林 憲司君    前田 雄吉君
      前原 誠司君    松本 剛明君
      田端 正広君    赤嶺 政賢君
      今川 正美君    保坂 展人君
      粟屋 敏信君
    …………………………………
   国務大臣
   (防衛庁長官)      石破  茂君
   防衛庁副長官       赤城 徳彦君
   防衛庁長官政務官     小島 敏男君
   外務大臣政務官      新藤 義孝君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  村田 保史君
   政府参考人
   (防衛庁防衛参事官)   安江 正宏君
   政府参考人
   (防衛庁防衛局長)    守屋 武昌君
   政府参考人
   (防衛庁運用局長)    西川 徹矢君
   政府参考人
   (防衛庁人事教育局長)  宇田川新一君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局長
   )            西田 恒夫君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局国
   際社会協力部長)     石川  薫君
   政府参考人
   (外務省アジア大洋州局長
   )            薮中三十二君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    海老原 紳君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長
   )            安藤 裕康君
   政府参考人
   (外務省条約局長)    林  景一君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房技術
   総括審議官)       田中 慶司君
   安全保障委員会専門員   小倉 敏正君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月一日
 辞任         補欠選任
  杉山 憲夫君     左藤  章君
  前原 誠司君     松本 剛明君
同日
 辞任         補欠選任
  左藤  章君     砂田 圭佑君
  松本 剛明君     前原 誠司君
同日
 辞任         補欠選任
  砂田 圭佑君     杉山 憲夫君
    ―――――――――――――
四月一日
 自衛隊基地強化反対に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第一二七八号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第一二七九号)
 自衛隊艦隊派遣などアメリカの戦争拡大への協力反対に関する請願(北川れん子君紹介)(第一三九二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三六号)

     ――――◇―――――
○田並委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官村田保史君、防衛庁防衛参事官安江正宏君、防衛庁防衛局長守屋武昌君、防衛庁運用局長西川徹矢君、防衛庁人事教育局長宇田川新一君、外務省総合外交政策局長西田恒夫君、外務省総合外交政策局国際社会協力部長石川薫君、外務省アジア大洋州局長薮中三十二君、外務省北米局長海老原紳君、外務省中東アフリカ局長安藤裕康君、外務省条約局長林景一君及び厚生労働省大臣官房技術総括審議官田中慶司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田並委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○田並委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。桑原豊君。
○桑原委員 おはようございます。
 きょうはまず、二十八日に韓国のチョ・ヨンギル国防部長官と会談をされた日韓の防衛担当相の会談について、お伺いしたいと思います。
 まず、今回の会談の成果は何であったのか、そして、この会談概要の中でも書かれておりますが、盧武鉉政権の平和繁栄政策を支持する、こういう旨表明をされたということでございますが、この政策のどの点をどのように評価をされてそういうふうな結論に至ったか、まずその点をお伺い申し上げたいと思います。
○石破国務大臣 最初に、意義、成果等につきましてのお尋ねがございました。
 これは、一つは、盧武鉉新政権になって国防長官もかわられたということがございます。前任の李長官が昨年の十一月、日本を御訪問になられまして、かなり長時間にわたりまして意見交換を行いました。その後、盧武鉉政権の誕生に伴いまして国防長官も交代をし、チョ・ヨンギル長官が就任をされたわけであります。日韓の間には、毎年、防衛首脳の交流、会談というものがあるわけでございますが、新しい長官になられたということで、意見交換をしたいということが一つございました。
 基本的に、やはり日米韓の防衛当局首脳が意見交換を行い、お互いに信頼関係を持つというのは、極めて重要なことだというふうに認識をしておるわけでございます。加えまして、昨今のイラク情勢あるいは北東アジアの情勢等々を考えましたときに、昨年の十一月、ことしの三月ということで、時期は近接をしておりますが、今のような時期であるだけにそういうことが必要だというふうに思った次第でございます。
 お尋ねの、平和繁栄政策についてどうかということでございますが、基本的に、これは金大中政権の太陽政策というものを発展的に継承したものであるというふうな認識を私はいたしておるところでございます。
 先生御案内のことでございますが、大統領は、就任のときに、この平和繁栄政策につきまして四つの原則を提示しておられるわけであります。
 第一に、あらゆる懸案は対話を通じて解決をするようにしたい、第二に、相互信頼を優先し互恵主義を実践していきたい、第三に、南北の当事者の原則に基づき円滑な国際協力を追求する、第四に、内外に対して透明性を高め国民の参加を拡大し、党派を超えた協力を得るということであります。
 私どもとしては、これは合衆国も同様でございますが、北朝鮮の問題というものを平和的に外交的に解決をしていきたいというふうに考えております。
 大韓民国が、とにかく対話をするんだということ、そのことを重視しておるということ、そして相互信頼を優先するということ、加えて、透明性を高めるというのは、極めて大事なことだと思っております。太陽政策についていろいろな議論がなされておりましたが、そのことを透明性をさらに高めていく、なぜこの政策をとるのかということ、透明性を高め国民の合意のもとに推進していくんだという点におきまして、私としてはこの平和繁栄政策というものを支持したいというふうに申し上げた次第でございます。
○桑原委員 長官は記者会見の中で、北朝鮮が一九九四年の米朝枠組み合意と同じような展開を期待しているのであれば、違った結果になる、クリントン政権からブッシュ政権にかわったからだ、こういうふうなことをおっしゃっておるわけですが、長官の認識の中で、ブッシュ政権は、さらに北朝鮮が核開発を中心に瀬戸際外交のようなことを続ける、そういうことであれば、イラクに対して行っているような先制的な攻撃といいましょうか、そういうふうなものを行うという選択肢はある、こういうふうに考えておられての上での発言なのか。アメリカは一方では平和的解決を主張しておりますけれども、そういったことなのかどうかということが一つ。
 それから、この問題に対しては、御確認をされたように、日米韓が一致して対応していくということが極めて大切なことだろう、こういうふうに思うんですが、韓国は、今の平和繁栄政策にも示されていますように何としても平和的な解決を目指していきたい、アメリカは時と場合によってはそういった選択肢もあり得るというような対応だ。その間にあって、日本のとるべき態度というのが非常に注目をされますし、一致して対応していくという場合に日本の役割というのは非常に重要になってくる、こういうふうに思うんですね。そういう意味で、日本はどういう軸足でこの問題に対応していこうとされているのか、そこら辺をお聞きしたいと思います。
○石破国務大臣 これは当然のことでございますが、防衛庁だけで対応するものではなくて、政府全体で対応していくべきものでございます。
 御指摘の第一点でございますが、九四年にも相当緊張が高まったわけでございます。そのときに、クリントン政権というものが、米朝枠組み合意、ジュネーブ合意というものを行って、当面の危機が回避をされたということになっております。実際、そのとおりでございます。
 今、ブッシュ政権において、これはもう大統領も国務長官も言っておられることですが、やはり平和的、外交的にこれを解決するという方針に何ら変わりはないと思っております。北朝鮮に対しまして、今先生御指摘のような、いわゆる、いわゆるつきでございますが、先制攻撃を加えるというような発言は一切ございませんし、また、そのような意図があるとも私どもは認識をいたしておりません。
 ただ、政権が、つまり瀬戸際外交というものを繰り返していって繰り返していって、それで思うような成果が得られるというわけではない、しかし平和的、外交的にそれを解決する、そこの解決法というものをどのように見出していくか、その解をどのように見出していくかということが極めて重要であり、同時に困難なことなんだろうと思っております。困難というのは、難しいが見つけていかねばならない、こういう意味でございます。
 私が思いますのは、日本と韓国とアメリカと、それぞれがばらばらなことを言うことはいけないのだろうと思っています。つまり、例えば北がいろいろな行動をやるとします、それに対して日米韓がばらばらの反応を示すということになってきますと、これは外交的、平和的に解決をすることに非常に支障になる可能性があるということでございます。
 要は、日米韓三カ国が、例えて言えば核の保有というものは絶対に許さないんであるということにおいて何があってもきちんと一致をしておるということが大事だ、そして平和的、外交的に解決をする、同時に核の保有は絶対に許さないんだということ、その二つを中心として常に対応が、そしてまた反応が一致をしておるということが極めて重要だというふうに認識をしておるところでございます。
○桑原委員 三国の一致した対応のために日本の果たす役割は大変大きい、私はこういうふうに思いますので、ぜひ今おっしゃられたような方向で努力をしていただきたい、こういうふうに思います。
 それから、北朝鮮は、どうも見ておりますと、自分の国の体制の維持を最優先して、それを保証してくれるということとの関係で核開発をどうするか、こういうふうな対応を考えているのではないか、こういうふうに思うんですね。
 北東アジアの国々では、ほとんどの、日本も含めてでしょうけれども、今の金正日の体制をどうするこうする、こういうようなことを考えているところはないと思うのです。そういう意味では、金正日の体制と話し合いをしてどうしていくか、こういう対応だと思うのですが、アメリカは、表向きはそうなんですけれども、やはりほかの国と違って、最後には、この体制を信用できない、転覆を考えているのではないか、こういうふうに北はとらえているのではないか、そういう節があるわけですね。そういう意味では、北にとっては、アメリカというのは自分の体制を保証してくれない最大の脅威だ、北側から見ればそういうふうに見える。
 そういう関係でいくと、やはりこの両国が直接対話をしていくということの必要性というのはあると私は思うんですね。多国間で協議をしていく部分と、それからこの二国が直接話し合いをしていく部分というものが必要だという認識もあるのですけれども、その点について長官はどう考えているかということと、韓国側はその点をどういうふうに認識しているのか。そこら辺、わかったら教えていただきたいと思います。
○石破国務大臣 チョ国防長官との会談に先立ちまして、高建総理とも会談をさせていただきました。表敬ということで参りましたが、三十数分にわたりまして意見交換をする機会を得ました。
 その際に先方の総理から提示がございましたのは、先ほど申し上げました平和繁栄政策についての御説明というものがあり、そして盧武鉉政権として北朝鮮に向けてこのようなメッセージを送っておるという説明がありました。それはすなわちどういうことかというと、さっき先生御指摘の点に絡むことでございますが、北朝鮮に対して、核兵器を放棄するのか、体制安定と経済支援を得るのか、この二者択一を求めておるんだ、こういうメッセージを北朝鮮に対して発しておるんだという御説明が高総理からございました。
 それは要するに、金正日政権というのでしょうか金正日体制というのでしょうか、そこに対して、核兵器を放棄するのか、それとも経済支援や体制安定を望むのか、どちらかですよと。体制は維持する、同時に核兵器も持つ、そういうようなことは絶対にあってはならないんだということを言っておるわけでございます。その両方はあり得ない。あるいは、これはあくまで推測にしかすぎませんが、体制も維持したい、核兵器も持ちたい、そのようなことは絶対にだめであるということなのだと私は思っています。
 そこの二者択一を求めておるということが日米韓三カ国において一致をしているということが極めて重要だと思っています。北の核保有についてはいろいろな意見がございます。いろいろな意見はありますが、それは認められない、二者択一なのであるということにおいて私どもが一致をすることが肝要だというふうに思っておる次第でございます。
○桑原委員 この問題で最後に、私は、日韓の防衛首脳がこういった形で意見交換をする、大変大事なことだ、重要なことだというふうに思います。私は、こういった会談をさらに北東アジア全体のものに発展させていくということがこれから展望されてしかるべきじゃないか、こういうふうに思うのです。
 例えば、軍事交流といいましょうか、そういうこと、あるいはそれぞれにホットラインを開設したりするようなこと、あるいは防衛白書の作成、公表であるとか、ともかくいろいろな面で相互に交流できることは多々ある、こういうふうに思うんですね。やはりそういったことなどを積み重ねて、定期協議や、あるいは行く行くは首脳会談などにつなげていく、こういう構想があってもいいのではないか、こういうふうに思うのです。あってもいいのではないかというよりも、むしろそういったものを展望して積み上げていくべきではないかな、こういうふうに思うのですが、その点について、長官の将来的な展望といいましょうか、そういうものがあればお聞きしたいと思います。
○石破国務大臣 私、委員のお考え、全くそのとおりだと思っております。それを口で言うだけではなくて、本当に実のあるものにしていくということが大事なんだというふうに思っています。
 例えば、ARFのようなそういう試みというのも見られ、それが次第に定着をしておるわけでございますが、正直言って、ヨーロッパにおいてNATOを中心とするいろいろなシステムがございます。NATOもあれば西欧同盟もあれば、平和のためのパートナーシップですとかいろいろな仕組みがあって、それが重層的に重なり合って、そして長い歴史のもとに今、欧州の安定というものがもたらされたのだというふうに考えています。
 アジアにおいては、まだそれが始まったばかりなんだというふうに思います。NATOのように、本当に長い時間をかけて、そしていろいろな重層的な試み、試行錯誤の上に今日があるわけです。それをアジアにおいてつくろうとする場合に、いきなりそういう枠組みといっても、アジア版NATOとか、NATOという言葉はおかしいですね、安全保障機構というのですか、そういうようなものをつくるということがあるいは一つの最終的な姿なのかもしれません。
 しかし、そこに至る過程において、まずバイの話し合い、二国間同士の話し合い、それを広げていって、だんだん多国間に持っていく、それは大事なことだと思っています。
 例えば私どもの安全保障政策というものがございます。これは、政治同士だけではなくて、実務のお話し合いも大事なんだと思っています。例えば、私どもの国に留学をする向こうの軍人さんがおりますね、その方々が、私は防大の卒業式で申し上げたことなんですが、我が国の自衛隊というものを本当に見れば、この我が国が侵略国家になり得るものではないという認識を持っていただけるわけです、我が国のいろいろな物の考え方を理解していただけるわけです。そういうような相互のいわゆるユニホーム同士の交流というのも大事だ、政治家の交流というのも大事だ、事務方の交流も大事だ。
 やはりお互いに会って、信頼関係を持って話をしていかないと、いろいろな情報からだけ見ると、相手が考えていることを誤解するということはあるのだろうと私は思っています。会って話をすれば、ああそうなのかと思うことがたくさんございます。
 その仕組みをだんだんに多国間に広げていくということは極めて重要なことでありますし、これは政府だけでできることではございません。先生も御尽力いただいておりますように、やはり議員間の交流、例えば先週も韓国の国会議員の皆様方、国防委員長というのでしょうか、委員長のところにも表敬をされた、意見交換をなさったというふうに聞いておりますが、やはり議員同士でもそういうことは大事であるというふうに思っております。政府といたしましても努力をしてまいりたいと存じます。
○桑原委員 ぜひそうした重層的な交流を積み重ねて、展望を持って努力をしていただきたい、こういうふうに思います。
 さて、ミサイル防衛について次にお聞きしたいと思います。
 アメリカが昨年の末に、二〇〇四年度から、ある意味では繰り上げて部分的にミサイル防衛を配備していくというようなことを決めました。長官もかなりそこに踏み込んで、検討していく、あるいは具体的な配備に向けて事を進めていく、こういうような意向を表明されておられるようですけれども、今後のミサイル防衛について、まず全体的にどう考えておられるのかということをお聞きしたいと思います。
○赤城副長官 お答えいたします。
 まず、ミサイル防衛に関しての全般的な取り組みなり考え方でございますけれども、これは、もう先生御案内のとおり、冷戦後、大量破壊兵器が拡散する、またそれを運搬する手段としての弾道ミサイルが拡散して、テロリストとかあるいは独裁国家とか、そういうものが持ったりする可能性がある、そういう中で、この問題というのは大変重要だ、こういうふうに考えております。
 特に、このミサイル防衛というのが、弾道ミサイルによる攻撃に対して、我が国の生命財産を守るために、純粋に防衛的で、かつほかに代替手段がない唯一の手段である、こういう観点から、専守防衛また抑止との観点から重要な課題である、こういうふうに考えて、平成十一年度から海上配備型システムを対象とした日米の共同技術研究をやってまいりました。さらに、このBMDシステムに関する研究を行っているわけでありますけれども、その導入の時期とか、形態とか、技術的実現の可能性、費用対効果等について最終的な成果が得られているというわけではありません。
 そこで、アメリカが二〇〇四年に配備する、こう言われているもの等との関係でありますけれども、今後このBMDについて開発や配備をするかどうか、これについては、技術的な実現の可能性とか、どういうシステムがふさわしいとか、法的な問題とか、そういうものを整理して、安保会議で議論を経て判断される、こういうことでございます。
 その際の対象として、今、日米共同技術研究の対象としている海上配備型システムのみならず、アメリカが初期配備を決定した海上配備型システムとかパトリオットPAC3など、ほかのシステムも念頭に置きつつ、最適なシステムの組み合わせとは何か、こういうことをそういう観点から検討していくということが必要であるというふうに考えております。
○桑原委員 従来から日米共同技術研究でやってこられた海上配備型上層システム、これは引き続き研究を進めていく、一方では、SMDあるいはPAC3と言われる、アメリカが既に来年から配備を決定した、そういうものについても導入するかどうかを決めていく、要するに、二つを同時に進めていく、そういう考え方ですか。
○赤城副長官 これは、弾道ミサイル防衛というのがまだ確立された技術ではありませんで、アメリカでもさまざまなシステムというのを検討しています。日米共同技術研究でやっております海上配備型システム、これはさまざまなシステムの中の一部分でありまして、特に共同研究しているのはその中の四つの部品について今試作をしている、こういう状況であります。
 そこで、将来的にどういうものを配備するかというふうな意思決定を行うに当たって、検討対象としてはそういう幅広いものがシステムとして考えられるのだという全体を念頭に置きつつ、したがいまして、今将来のものとして共同研究している海上配備型のシステムとか、アメリカが配備すると言われているPAC3のようなものとかあるいは海上配備型システムとか、そうしたものが幅広く検討の対象である、こういうことでございまして、どれをどうするということはまだ決定されていないということでございます。
○桑原委員 従来やってきた技術研究というのは、これは配備までに至るというときには相当時間がかかるわけですね。相当先にならないと具体的にそういう形にはならない。しかし、国際的な諸情勢はそれを待ってくれない。そういう意味で、例えばアメリカが決めたSMDやPAC3を考えている、こういうふうに我々は受けとめているんですが、そういうふうなことなんですか。何か、同じようなレベルでみんな考えているような言い方ですけれども、そうではなしに、PAC3やSMDが出てきたのは、そういうアメリカの態度決定もあり、そういう国際情勢もあってという判断で出てきたのではないんですか。それはどうなんですか。
○赤城副長官 今申し上げましたように、BMDシステムについてはいろいろなものがあります。その中で、御指摘のように、共同技術研究しているものについては研究段階でございますし、その中の部品について今やっている、こういう段階であります。いずれにしても、いろいろなシステム全体が検討の俎上にありますということです。
 どういう視点から検討するかにつきましては、技術的可能性がどうか、費用対効果がどうか、どういう組み合わせが有効なのか、法的な側面でどうなのか、そういうふうな視点から検討してまいりますので、御指摘のように、今どういう段階にあるのか、実現の可能性がどうなのか、技術的にどのぐらいの確度で、確率で対応できるのか、そういった点も検討の視点になるわけでございまして、ただ時期的に早いからこちらを先にやるんだとか、そういうふうな意味での意思決定というのはまだされておりません。
 そういういろいろな視点から幅広い対象を俎上にのせて、今後どういうふうに配備するか、開発するかについては安保会議の議論を経て決定される、こういう段階でございます。
○桑原委員 技術的な問題、費用対効果、法的な問題というのは、私は、きょうは時間がございませんから、後ほどまた改めてということにしたいと思うんですが。
 私は、これは長官に聞きたいんですが、基本的にミサイル防衛というのは、ならず者国家と言われるような、そういう国が出てきた、アメリカの考え方ですけれども。そして、それと結んだテロリストがいついかなるときにどう対応してくるかわからない、そういうものに対する防衛策として必要だ、そういうことなんですけれども、しかし、結局は、ミサイルを持った国はもう四十六カ国に及んでいる、大量破壊兵器の保有国というものを考えてもふえてきているわけですね。そういう意味では、そういう国々のある意味では抑止力というものを無力化していく、そういうことにつながっていくわけですよ、当然、そこに一つの効果を見ているわけですから。
 私は、短期的にはそういう意味での防衛の効果というのは出てくると思うんですけれども、当然のことながら、このミサイルディフェンスを突破するためにどうしていくか、当然、アメリカだけがひとり勝ちをすればいいという話にならぬわけですから、抑止力をどう確保していくかというのは当然みんなの課題になってきて、それを突破していくという考え方が出てきて、また軍拡という話にこれはつながっていくんだろうと思うんですね。
 そういう問題が一つあるということと、例えば、北朝鮮は今、百基のノドンを配備している。そういうものに対して、では日本がどう対応していくのかということになったら、これは経費的な面でもいろいろな技術的な面でも大変なことになるだろうと私は思うんですね。そういう意味での現実的あるいは経済的な問題を考えたときに、そういった対応というものが本当に効果があるんだろうかということを非常に疑問に思いますし、そういう意味では、ミサイル防衛というのは、結局は、現実性の点からしても、あるいは軍拡という面から見ても効果がないんじゃないか、こういうふうに私は思うんですけれども、その点はどうでしょうか。
○石破国務大臣 まさしく先生の御指摘のような御議論をどう考えるかということは大事なことだと思っています。それが国民的なコンセンサスを得るというのも大事ですし、昨年も幾つかの答弁で申し上げたことですが、国際的な理解を得るということも大事なんだろうと思っています。
 まさしく先生がおっしゃるように、そんなことをやると、それを超えるようなシステムを持とうじゃないか、ミサイルディフェンスのシステムでは対応できないような、例えばもっと多弾頭化するとか、そういうことをやろうじゃないかという国が出るかもしれないという話はあるんです。
 しかし、ミサイル防衛というのは、常に原点に返らなきゃいけないと思っているんですけれども、これは専守防衛的なものであるということは間違いない。向こうが撃たなければこっちは撃たないわけですね。そして、ミサイルディフェンスというものをどう間違ったって攻撃的には転用のしようがないわけです、技術として。そうすると、それに対して、それを乗り越えるシステムを持つというのは一体どういう意図なんですかねということをまた考えてみなきゃいかぬということなんだろうと思っています。
 私たちは、向こうが撃たなければ決して撃たないということ、そして、抑止力として、撃ったって意味がないんだ、撃っても撃ち落とされてしまうんだということを確実にしていくことによって、そういう今までの抑止がきかないような国家あるいはテロリストグループ、そういうものに対して対応ができるのではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。
 御批判はいろいろありまして、ミサイルだけではあるまいてと。例えばスーツケース爆弾みたいなものもあるだろう、そういうものに対してミサイル・ディフェンス・システムは全く役に立たないだろうと。それは確かに、ミサイルの拡散ということに対してはある程度有効に対応できるかもしれない、しかし大量破壊兵器の拡散というものに対しては意味がないじゃないかという御批判は、一面当たっているんです。一面当たっているけれども、では、だからといってミサイル防衛やらなくてもいい、こういう理屈になるのにはちょっと無理があるだろうと私は思っているのですね。
 私は、例えば日ロ防衛首脳会談においてもこういう議論はいたしました。やはりこれも、ヨーロッパにおいては長い長い議論の末に今の立場があるわけです。ミサイル防衛システムというのは、何も今日ただいま突然登場したものではございません。本当に直接当てて落とすというシステムは最近のものでございますが、昔のミサイル防衛システムというのはもっともっと荒っぽいものでしたよね。直接当てるよりも、近くでどおんと核爆発なんか起こして一遍に無力化してしまおう、こういう非常に荒っぽいミサイル防衛システムというのは昔からあったんです。だけれども、そういうことをやりますと被害が拡大する、であるからして、直接当てて本当にミサイルそのものを撃ち落とすんだという発想に変わってきておるわけです。そういう昔のミサイル防衛の考え方の時代から、一体どういうふうにするんだという議論があり、そしてABM条約があり、ABM条約を合衆国が脱退した、そういうようなずっと歴史的な経緯があるわけでございます。
 私どもは、ミサイル防衛につきましての考え方は今副長官から御答弁申し上げたとおりでございますが、本当にミサイル防衛というものが我が国にとってどれほど重要なものであるのか、専守防衛的なものであり、しかしながら、その費用対効果はどうなのか、防衛全体の中でどうなるのかということをあわせて議論をしていきたい。
 それは、国民的なコンセンサスを得るということが大事なことであり、私どもとしては、安保会議の議を経、また国会でもいろいろな御議論がございましょう。これは、いつも申し上げるように、バスやトラックを買ってくるわけじゃありませんから、注文してすぐ届くようなものではございません。それをどうするかということは極めて重要な課題である、その御議論に供するだけの材料というものをきちんと整えるのが私どもの責任だというふうに思っておるところでございます。
○桑原委員 法案に対する質問も予定しておったんですけれども、時間が終わってしまいました。
 ミサイル問題は、私はやはり、このミサイル防衛とあわせて考えるべきことは、大量破壊兵器をどうなくしていくか、このこととセットにならないと、これは私は軍拡になると思うんです。そのことがきちっと保証されるミサイル防衛でない限りほとんど意味がないと私は思っていますので、その点を申し上げて、終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○田並委員長 次に、大出彰君。
○大出委員 民主党の大出彰でございます。
 戦時中にもかかわらず、参考人の皆さん、御苦労さまでございます。よろしくお願いをいたします。
 どうも、イラクの攻撃を見ていますと、査察、経済制裁という中で丸裸にされたところにもってきて、ハイテクの物量攻撃をアメリカ中心にやっているというところを見たときに、余りにもちょっと、えっ、ひきょうではないかなと思われるような状況の中で、さらに、まだかかっているユーフラテス川の橋の落札が行われているというのが現実の話でございますので、そんな意味で、九・一一以降の動きをしっかりと検証しておかないと将来に禍根を残すことになるのではないかな、そんなふうに考えながら、質問したいと思います。
 まず最初に、三月の二十八日に、十六時四十五分でございますが、グリーンピース・ジャパンの皆さんと外務省にお伺いをいたしまして、総合外交政策局審議官の小田部陽一氏が応対をしていただきまして、それは、平和のための決議、国連決議三七七を政府から発議をしてほしいという要求であったわけでございます。その際、九百二名の平和のための結集を求める声と、千三百二十名のイラク戦争に反対する市民の声も提出をいたしました。グリーンピースの皆さんは何回か出しておられまして、市民の声は総計六千四百六十九名、外務省の方にお出しをしているわけです。
 そのときに、外務大臣に目を通してくださいということを盛んに皆さんがおっしゃっておりまして、小田部さんも、そういたしますという話でございましたので、まずは、外務大臣が一つでも目を通していただいたのか、そしてこの平和のための結集の発議を行っていただけるのかどうかについてお答えください、外務省。
○西田政府参考人 お答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、三月二十七日に、当局の小田部のところにグリーンピースの方々からの要望書を提出いただきました。多くの市民、今委員からも御指摘のとおり、合計で、今まで三回陳情を受けておりますが、六千四百六十九名の方からのお手紙をいただいております。そういう多くの市民の方々からいただいたメッセージということで、外務省としても大変重く受けとめておりまして、この旨は大臣の方にも報告をさせていただいております。
 他方、ただいま御指摘の、いわゆる平和のための結集決議、これは国連決議三七七でございますが、これに基づき国連緊急特別総会の開催ということについて、外務省としてどういうふうに考えているかということについて付言を申し上げたいと思いますが、委員御案内のとおり、今回のイラクに対する武力行使というものは、我が国を含みます国際社会、最後まで懸命な努力を尽くしましたが、イラクの対応を根本的に変えるための見通しが立たないという状況のもとでの武力行使でございまして、我が方としては、これはやむを得ないものとして支持をしたところでございます。
 御案内のように、イラクは過去十二年間にわたりまして十七の安保理決議を無視し続けてきましたので、このような経緯にかんがみ、現時点で平和のための結集決議に基づきまして国連緊急特別総会開催ということを請求することは有効というふうには考えておりません。
○大出委員 まあ、今までの態度からすればそういうことだと思いますが、再度、一日も早い停戦を求めることに動いていただきたいということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います、時間的な余裕がございませんので。
 実は、先ほどから九・一一以降の動きということを申し上げていますが、どうも、今度のイラク攻撃を見ていますと、九・一一のテロがあって、ビンラディン氏、そしてタリバン、アルカイダ、こうなってきまして、ところが、つながりが必ずしもはっきりしていない、ビンラディンも捕まっていないということであるわけです。
 ところが、いろいろな論点があるわけですが、二〇〇一年の十月の七日に、パキスタンの軍事諜報機関ISI、統合情報局のマフムード・アーメード局長がいわゆる主犯格であるアッタに送金をしたという報道がございまして、これはインドとパキスタンの報道でございますが、となると、実は、パキスタンのISI当局が絡んでいるわけですから、黒幕はパキスタンだということになるわけなんですね。ところが、イラクを攻撃することに話がいって、アルカイダのつながりということが言われながらも、川口外相は、イラクとアルカイダのつながりはないと。だから、これは、この辺をずっと詰めていかないと、なぜイラクを今攻撃しているのかということに疑問が出てくるわけなんですね。
 その間に、二〇〇二年の二月に、アメリカの方では、戦略影響局、OSIというのが廃止をされたり、あるいは、二〇〇二年三月一日に暴露されているわけですが、アメリカの中でパラレルガバメントというのが暴露されたりいたしまして、これはアメリカの自由と民主主義にかかわる問題だと思うんですが、そうかと思いますと、実は、二〇〇二年の七月の五日に、イラク攻撃計画の存在というのが暴露されてきておりまして、イラクを攻撃することが先にあるというふうに読めるようなことが起こっているわけですね。そしてその後に、今度は、アルカイダではなくて、イラクと大量破壊兵器の問題だということなんですね。
 そうすると、本当にその大量破壊兵器に証拠価値があるのかを検証しなきゃならないだろうと思いますし、そして今度は、二〇〇二年の四月十六日には、通告がしてありますけれども、化学兵器禁止機関のブスターニ事務局長解任策動というのが起こって、イギリスでこれに対する反対運動が起こっていたわけですね。
 さらに、この問題の流れでいけば、イギリスとアメリカが行っている、イラクに飛行禁止区域を設定している根拠があるのかどうかという問題。それから、今までさんざん議論されておりますが、イラク攻撃の今度の根拠が国連決議にあるのかという問題。さらには、イラクとの関係で北朝鮮はどうなるのかという問題も起こってきますし、有事法制あるいは今回の法案であります即応予備自衛官や予備自衛官補の問題や徴兵の問題、あるいはミサイル防衛の問題、核保有の問題等がつながってくるんだと思うんです。
 すべての質問をすることはできませんけれども、まず、パキスタンという話は先ほどしましたけれども、政府は九・一一の犯人、そしてその黒幕についてどんなふうな把握をなさっているか、お答えください。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。
 今、さまざまな側面についての御質問がございましたけれども、その中で、委員の方から御指摘のありましたパキスタンとの関係について申し上げたいと思います。
 パキスタンにつきましては、二〇〇一年の九月十一日の米国同時多発テロ事件以降、ムシャラフ大統領自身の御決断によりまして、タリバーンとの断交及び国際的なテロとの戦いへの協力を表明しておりまして、その後もアルカイーダのテロ分子の逮捕等を行っております。
 それから、ちょっとお話がございましたISI、パキスタンの統合情報局の長官の話でございますが、一九九九年十月のパキスタンにおけるクーデターの後、アフマッド長官はISIの長官に就任して、二〇〇一年九月十一日の米国同時多発テロの際には、たまたまアメリカを訪問中であったわけでございまして、このときにアーミテージ・アメリカ国務副長官と対米協力について協議しております。
 帰国後、アフマッド長官は、二度にわたりアフガニスタンを訪問して、タリバーンと接触し、ウサマ・ビンラーデンの引き渡しについてタリバーンと協議した模様でございますけれども、協議は決裂いたしました。
 二〇〇一年の十月になりまして、ムシャラフ大統領は軍幹部の人事異動を実施して、アフマッド長官は退役したわけでございますが、この人事異動は、パキスタン政府のタリバーン政策の転換を反映したものだというような見方、報道もございますけれども、パキスタン政府は、あくまでこの人事異動は以前から予定されていたものであるというふうに言っていると承知しております。
○大出委員 今、ISIの長官であるマフムード・アーメードさんは、タリバン政策の転換ではなくて予定の人事で交代をしたんだ、こういうわけなんです。どうもその辺が、多くの情報を持っているわけではありませんからなかなか難しい話でございますが、ただ、疑問に思ったのは、先ほども日にちを挙げましたけれども、二〇〇一年の十月の七日に、インドのインディア・タイムズに次のようなことが載っているんですね。パキスタンのムシャラフ大統領が軍の諜報機関であるISIのマフムード・アーメード局長ら軍首脳を解任、理由はオマル・シェイクを通じて九・一一実行犯モハマド・アッタにテロ資金を送金していたことがFBIの調べで明らかになった、こういうふうに報じているんですね。要するに、ISIという当局の長官が、主犯であるアッタに送金をするのに、間の人を介して送金をさせたということがFBIで確認をされているんですね。
 これはインドからの報道ですから、パキスタンと仲が悪いからパキスタンは認めていないのかと思うと、パキスタンの大手の新聞であるドーンも、ニューデリー発で二〇〇一年十月九日に載せているんですね。ということは、ISIの長官であったマフムード・アーメードさんが間違いなく裏にいたということになってしまうわけですね。
 そうすると、これはもともとイラクとアルカイダの関係はないと言われていたわけですが、パキスタンとはあるわけでございますから、この時点で、本来ならばイラクが相手ではないんではないかという疑問がわくわけですね。その点はどうでしょうか。
○安藤政府参考人 お答えいたします。
 確かに、二〇〇一年の十月の時点で幾つか報道がございまして、その中で、情報筋の話として、御指摘のマフムード・アフマッドISI長官が、オマール・シェイクがモハメッド・アッタに十万ドルを送金することを指示したということを報じていることは私ども承知しておりますけれども、この点につきましては、確たる裏づけのある情報は報道以上にはないというふうに私どもは承知しております。
○大出委員 確かにそうなんですね。アメリカではこの報道が余り大々的にされていないようでございまして、ただ、非常に不可思議なんですね。
 というのは、ビンラディンがやったんだということでも余り証明的なものが出ていない。その中で、このマフムード・アーメードさん、ISIの長官の動きというのが大変不思議な動きをしておりまして、先ほどもお話ありましたけれども、オマル・シェイクという人を通してアッタに送金をさせたわけですが、オマル・シェイクという人は名前をいろいろ変えていまして、本名はサイード・シェイクというわけですね。
 何でマフムード長官が疑われるかというと、九・一一事件の前の九月四日からワシントンを訪問しているんです。そして、CIAのテネット長官ほか国防総省や国家安全保障会議の要人たちと会合をしているんです。これはパキスタンのカラチ・ニュース、二〇〇一年九月十日が報じておりまして、このマフムード長官は九月十一日当日は何をしているかというと、上院のボブ・グラハム議員ら諜報問題委員会のメンバーと会合をしてアメリカにいたわけですね。これが二〇〇一年の九月十一日なんですが。そしてその後、九月十二日、十三日とパウエルさんやアーミテージさんと会って帰国をしている。
 その本人が送金をしていたとなると、これは、まずこのアーメードさんという人を調べなきゃいけないだろうし、直接送金をしたところの本名サイード・シェイクというオマル・シェイクを調べなきゃならないわけですよね。
 ところが現実に、では、サイード・シェイクという本名のオマル・シェイクさんはどうなっているかというと、パキスタンに捕まっているんですね。二〇〇二年の二月にパキスタンで逮捕されまして、その逮捕の理由が、アメリカ紙のウォールストリート・ジャーナルのダニエル・パール記者の誘拐殺人容疑で捕まっているんです。要するに、パキスタンのやみの中に入っているわけですね。
 アメリカでも、ばかじゃないんでしょうから、本来なら、このマフムードさんとサイード・シェイクを調べることによってつながりがわかってくるというはずなのに、それをしないのはなぜなのかというのが非常に疑問のあるところでございます。ここら辺どうでしょうか。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。
 マフムード・アフマッド前ISI長官につきましては、先ほど申し上げましたけれども、確かに、九九年の十月のパキスタンにおけるクーデターの後、二〇〇一年の九月の時点で、つまり九・一一の同時多発テロがありました時点でたまたまアメリカを訪問中であった、しかもそのときにアメリカのアーミテージ国務副長官と協議をしたということは私どもも確認しております。ただ、それ以上についての事実関係は私ども承知していないわけでございます。
 他方、オマール・シェイクにつきましては、カシミール過激派として活動しておりましたけれども、インド政府によって拘束されました。そして、九九年の十二月末のインディアン航空機ハイジャック事件において、犯行グループの要求によりインド政府が釈放いたしまして、その後パキスタンにおいて逃亡していたというふうに見られております。
 二〇〇二年の一月に発生しましたダニエル・パール・ウォールストリート・ジャーナル記者の誘拐殺害事件の容疑者として、この年の二月にパキスタン当局により逮捕されました。同じ年の七月、カラチ地方裁判所より死刑判決が下されましたけれども、同人は上告をしておりまして、現在係争中であるということで、オマール・シェイクの事実関係については今申し上げたとおり。
 それから、マフムード・アフマッドISI前長官につきましても今申し上げたとおりでございますが、その間の関係であるとかそれ以上のことについては、報道でいろいろな報道がございますけれども、それ以上には私ども、事実として確認できていないということでございます。
○大出委員 ただいまサイード・シェイクの話をしておりましたけれども、七月に死刑判決が出て上告をしていると。これは、パキスタンの方からも、このサイード・シェイクという人は、ひょっとすると殺したんではなくて誘拐の手引きをしただけではないかというような報道は確かに出ているんです。
 ただ、問題なのは、私が心配をしておるのは、イギリスのガーディアンの九・一一を疑う記事というのが二〇〇三年二月の二十三日に出ている。日本では東京新聞が二〇〇三年三月二十一日に書いておりまして、こんなこと書いてあるんですね。
 ことし二月二十三日付の英紙ガーディアンは「九・一一の見逃しもイラク攻撃の伏線ではなかったのか」という内容を示す衝撃的な報告を流した。
  「ブッシュを戦争に追いやる二人の男」と題した記事で、二人のうちの一人はウルフォウィッツ国防副長官。対イラク戦争を強硬に説いた政権内「ネオコン派」の一人だ。
  同国防副長官らは一九九七年に現在のチェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官も巻き込み、共和党内のシンクタンク「アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)」を立ち上げたが、記事は「PNACは二年前、米国が世界覇権を打ち立てるためには“新たな真珠湾攻撃とも言うべき、何らかの破局的で触媒となるべき事件が必要だ”という文書を出した」と暴露した。この事件が「九・一一」では、と記事は示唆している。
こんなようなことが書いてあるわけですよ。
 どうも、マフムード長官と本当に渡したサイード・シェイクという人を調べてみないと、やみの中ということになるのではないかと非常に危惧をしながら、報道の裏を追ってみたんですが、その点は多分お答えにならないだろうと思います。この部分のまず始まりが九・一一でございますので、真珠湾攻撃という言葉まで出てきているわけでして、政権の、アメリカ自体の相当奥の話でございますから、なかなか真相というのはわからないかもしれませんが、はっきりと九・一一からつながってきているわけですから、大もとのところをしっかりと調査をしなきゃいけないわけですね。
 アメリカでも、九・一一調査ということがあって、キッシンジャーさんが一応会長になりましたが、すぐ、失脚をしたんじゃなくて、おりておられたりしていまして、これは日本からもしっかり真相を追求していかなければいけないんだろうと思いますが、その点は、外務省、どう考えているんでしょうか。
○海老原政府参考人 今委員がお述べになりました、二月二十三日付のガーディアンということでございましたので、この記事に書いてあります、先ほどお述べになりましたPNACの文書というのを我々も可能な限り探してみましたけれども、このガーディアンに書いてありますような、パールハーバーのような何らかの破局的な物事の契機となるような事件が必要であるというような文書というのは見当たりませんで、この記事の中で引用されている文書がPNACのどういう文書であるのか承知をいたしておりませんけれども、いずれにせよ、報道のことでございますので、政府の立場としてその一々についてコメントをする立場にはないということでございます。
○大出委員 PNACの文書はということで、実は訳したのを持っておりますが、まあ、そういうお答えでいいでしょう、これ以上、先に進まないでしょうから。
 それで、先ほどもお話ししたんですが、二〇〇二年の七月の五日に、ニューヨーク・タイムズがイラク攻撃計画文書の存在を暴露しているんですね。もう二〇〇二年七月の五日あたりでイラク攻撃の計画ができ上がっている。ニューヨーク・タイムズで皆さんもお読みになったと思いますが、最初に三千発だとか三百発だという話ですよ。
 これについては、ばれたものですから、AP通信なんかは、ラムズフェルド国防長官、リークした者は監獄に行くべきだと激怒、こういうんですね。しかし、これは、初めに戦争ありきだったのではないかということが非常に心配なわけですよ。これを、コメントを聞いてもしようがないでしょうから。
 それで、問題なのは、先ほど申し上げたような影の政府だとか、あるいは、二〇〇二年二月にアメリカ国防総省の戦略影響局というのが廃止に追い込まれたんですね。これは質問通告しておりますので、このOSIという機構はどんなことをやっている機構だったんでしょうか。外務省。
○海老原政府参考人 今御指摘のありましたOSI、戦略影響局と呼ばれておりますけれども、オフィス・オブ・ストラテジック・インフルエンスということでございますが、この設立につきましては、二〇〇二年の二月二十日付の国防省ニュースリリースが言及をいたしておりまして、これによれば、二〇〇一年の十一月に創設をされた、その目的は情報作戦の軍事的側面について政策立案を補助するというふうに説明がなされております。
 そして、二〇〇二年の二月の二十六日、これも国防省のニュースリリースになっておりますけれども、ラムズフェルド国防長官が記者会見を行いまして、この戦略影響局は廃止されるという説明をいたしております。その際、ラムズフェルド国防長官は、この局についてはさまざまな話がある、解説の幾つかには、この局が、国防省が実際行ったことはなく、今も行っておらず、行うことを許すことができない活動に関与しているという不正確な憶測や主張が含まれているというようなことを述べております。
 これを超えまして、戦略影響局が具体的にどのようなことを行っていたのかということにつきましては、我が方は承知をいたしておりません。
○大出委員 この戦略影響局というのは、今の、イラクで戦争をやっているんですが、そこでやっている情報戦のようなことをやろうとして、今まさにそのことをやっているんですね。我々は報道しか、報道あるいは聞き込みになるでしょうけれども、資料はないわけでございますが、二〇〇二年の九月六日のインターネット、アサヒ・コムに載っている内容からいくと、要するに諜報活動的なといいますか、外国報道機関にうそを流すという、欺き戦術と言っているようでございますが、そういうのをやっていて、なくなったと言っていますが、現実にやっていることは、今アメリカがやっていることはこの局の延長上でやっているのではないかと。
 このことは、なぜ廃止に追い込まれたかといえば、それは、やはり国民の皆さんに正確なことが伝わらなければ、知る権利がないわけですから、情報を正確に判断できなければ民主主義も成り立たないわけですね。ですから、アメリカの国民からすれば、こんなものをつくるべきでないとなるでしょう、それで廃止に追い込まれたんだと思います。
 最後に、もう時間がなくなってしまいましたが、政府は大量破壊兵器の存在を証拠能力のある証拠に基づいて認定しているのかどうかをお尋ねしたいと思います。
○安藤政府参考人 イラクの大量破壊兵器の問題につきましては、これまでもUNSCOM、UNMOVIC等の報告書等がいろいろございまして、そういうことに基づきまして多くの疑惑が残されているわけでございまして、イラクはこの疑惑を晴らす責任がございます。そして、その最後の機会を与えられたにもかかわらず、これを果たさなかったということでございます。
 その疑惑について少し具体的に申し上げますと、私どもは、そういうこれまでの報告書、国際機関の報告書等に基づいて把握している疑惑でございますけれども、まずVXガスでございます。これはサリンよりも強力だと言われておりまして、致死量は〇・二滴で死に至ると言われておりますが、これは、イラクにつきましては三・九トンの生産は明らかになっておりますが、そのうち一・五トンを廃棄したということは、これはイラク側が言っているわけでございます。しからば残りの二・四トンがどうなったかということについては全く説明がない。この残りの二・四トンがもしあるとすれば、二億人を死に至らしめる量だということでございます。
 あるいは、化学剤につきましても、マスタード、サリン、タブン等がございますが、この化学剤が約千トンが行方不明になっているというふうに承知しておりますし、また、炭疽菌につきましてもあるいはボツリヌス毒素につきましても、それぞれ一万リットル、二万リットルがある可能性があるということでございまして、こういう疑惑があるということ、それを晴らしていないということは、これは国際社会でも広く認知されたことでございます。
○大出委員 証拠能力のある証拠に基づいて認定したのかと聞いたので、イエス、ノーで答えてほしかったんですが、時間がありませんので。
 このスコット・リッター氏が書いた本を読んでいませんね、多分、今の言い方だと。下手をすると、なぜ証拠能力のある証拠と言ったかというと、刑事訴訟法はそういう手続でなければ人の命を奪ったりしてはいけないんですね。ところが、疑惑、つまり隠しているかもしれないだけで死刑宣告することになるんですよ。もし、そうなってしまったのでは、法治国家じゃなくなっちゃうから言っているわけですよ。
 もともとイラクというところはなるべく隠すわけです、それは隠しますでしょう。それに、記録に残らないで自分で破壊したりしているわけですよ。それだけではなくて、アメリカの方はアメリカの方で、イラクが有利になるようなことは困るわけだから、有利にならないようなことをいろいろこの中でやっているわけですね。
 もう時間ですので一つだけ言いますが、UNSCOMの兵器査察組織の活動の後半で、ディック・スパーツェルさんの例が紹介されていまして、この方は、元アメリカ陸軍の生物戦担当将校で、米軍の攻撃用生物兵器製造にも一役買った人なんです。ですから、よく知っている人なんですが、この方は、国連で兵器サンプリングを行わないと言っているんですね。最終的にどうなったかといいますと、イラクの大統領宮殿で、炭疽菌のとき、調べに行ったんですね。ところが、イラク側がなぜ検査をしないのかと詰め寄ると、彼は、こんなところに生物兵器などあるはずがないし、検査の結果シロと出てイラクの得点になってはおもしろくないからだと答えましたと。こういう状況で、どっちもどっちだということになるんですよ。
 ですから、はっきり証拠能力のある証拠に基づいてと聞いたのは、もう少しこういうものも読みまして、アメリカ情報だけで、パウエルさんの情報はごみだごみだと言われていた情報でございますから、そういう意味ではしっかりと検証をしていただきたいということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○田並委員長 次に、前田雄吉君。
○前田委員 民主党の前田雄吉でございます。
 核開発をめぐる北朝鮮の瀬戸際外交によって、アジアは、特に東アジアは非常に緊張が高まっている。その中で、今回の防衛庁設置法等の一部改正案、これにあるような自衛官の定数削減で果たして本当に我が国の防衛は大丈夫なのかという疑問が生ずるわけであります。
 まず初めに、この件についてお答えいただきたいと思っております。これは、確かに防衛大綱あるいは中期防の我が国の防衛力の合理化、効率化、コンパクト化といった方針に沿ったものではありますが、本当に自衛官の定員削減を埋めるだけの質的な向上が望めるのかどうか、これを伺いたいと思います。
 そして、第二点に、現在の防衛大綱によって即応予備自衛官が導入され、平成九年度から適宜部隊に配置されておりますが、本案においても、第五師団及び私どもの名古屋の第十師団に導入するとされております。
 この即応予備自衛官は、部隊の作戦地域における後方支援や部隊の予備として運用されることになっておりますが、年間わずか三十日程度の訓練でこうした所要の練度を確保できるのかどうかといったことが疑問視されると思っております。即応予備自衛官を確保するために何か方策は具体的に持っておられるのか、お答えいただきたいと思います。
○石破国務大臣 即応予備につきましては、政府参考人からお答えをさせていただくことでお許しをいただきたいと存じますが、第一点のことは、先生御指摘のように、平成七年に定められた大綱に、合理化、効率化、コンパクト化、こう書いてあるわけで、それにのっとって着々と行っておるものでございます。問題は、人的な量的不足というんですか、ちょっと変な表現ですけれども、これをどこまで質で補えるかという話なんだろうと思っているんです。
 確かに、私どもとしましては、高機動車、多用途ヘリコプター等々、質的な向上を図ることによって対処能力というものは維持していきたいというふうに思っています。コンパクト化というのは、まあそういうものなんだろうと。お化粧なんかに使うコンパクトというのがありますね。あのコンパクトというのはどういう意味かというと、ぎゅっと機能が詰まっている、そういうような意味だと私は当時聞きました。ですから、質的な向上によってそれは補うということでございます。
 ただ、問題は、本当にそれでどこまでカバーできるのかという検証は、常に行っていかねばならないものだと思っています。即応予備自衛官につきましては後ほど人事教育局長から答弁いたしますが、例えば予備役というものがあります。世の中には予備役というものがある。では、日本における予備のあり方というものはどうなんだという議論は、私は必要なんだろうと思っています。
 要は、私どもは防衛計画の大綱に基づいてきちんきちんとやってまいります。そして、それが国民の皆様方に安心していただけるものであるように、きちんとやっていきたいというふうに考えています。しかしながら、同時に、本当に現役だけですべての抑止力たり得るわけでは決してございません。そういう観点から即応予備というものを入れておるわけでございますけれども、予備のあり方というものの御議論は、またこの国会におきましても、委員の皆様方の御指摘を賜りながら考えてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○赤城副長官 お尋ねの年間三十日の訓練がどういうものであるかについては、後ほど人事教育局長からお答えいたしたいと思います。
 そこで、この即応予備自衛官をいかに確保するか、こういうことで大変大事な点でございます。即応予備自衛官を確保するために、私どもは、自衛官退職予定者とか予備自衛官に対して積極的な募集活動を行っております。
 また、特に手当の面でございますけれども、即応予備自衛官手当ということで月額一万六千円、また、訓練招集がかかりますので、このための手当として、これは階級によって違いますけれども、日額一万四千二百円から一万四百円を支給するなどやっております。
 また、即応予備自衛官は平生、企業に勤めておりますので、訓練のためにやりくりをしなきゃいけない、仕事をやりくりして休暇を取得するということで、企業の方にも負担がかかりますので、雇用企業の理解、協力を得る、またその負担や労苦にこたえるために、即応予備自衛官雇用企業給付金、こういうことで月額四万二千七百円、こういったものを支給しております。
 こういうさまざまな取り組みをして、三年間で員数の二分の一、四分の一、四分の一と計画的に員を確保するということでやっておりまして、現在、平成十四年度末で五千七百二十六人の確保を予定しておりますけれども、そのうち五千四百七十八人、こういうことで、これは予定でございますけれども、順調に計画を達成してきておるということでございます。
○宇田川政府参考人 即応予備自衛官の練度についてであります。
 即応予備自衛官、これは、陸上防衛力の基本的な枠組みの一部として、師団、旅団の主要な部隊、普通科連隊等でありますが、ここに配置しまして、防衛出動、治安出動、災害派遣に活用することとしておりますので、第一線部隊の一員として運用できるよう、高い練度と即応性が必要であるということは、委員御指摘のとおりであります。
 このために、即応予備自衛官の招集訓練につきましては、中隊などが基本的な戦術行動の単位となりますので、中隊などの戦術行動が最小限実施できる練度を達成する、こういう観点から、また、即応予備自衛官は自衛官経験者でありますので、年間三十日の訓練を実施しているものでございます。
 訓練内容でございますが、個人としての訓練につきましては、最低限の基本的戦術行動能力を確保する、こういう点から、精神教育とか小銃射撃、特技訓練等を実施しております。
 また、中隊以下の各級部隊、普通科部隊でありますと班とか小隊とか中隊になるわけでありますが、この各級部隊における部隊訓練を実施して練度を維持しているわけでございまして、このような訓練を実施することによりまして、即応予備自衛官が防衛招集等をされて部隊において自衛官として勤務するため必要とされる練度は確保できるものと考えているところであります。
○前田委員 長官が言われたコンパクト化、こうしたことによって我が国の防衛力に空白な部分ができないように、そしてまた、赤城副長官が言われたように、計画性を持って即応予備自衛官が確実に集まるようにお願いしまして、次の質問に移りたいと思います。
 次の質問は、北朝鮮と弾道ミサイル防衛についてであります。
 長官は、さきの二十九日に韓国に訪問した折、北朝鮮による核開発は断じて認められないとの認識を韓国側と共有されたとの報道がございました。しかし、一方において、盧武鉉韓国大統領の特使として日米を訪問した与党民主党の鄭最高委員がこんなことを言っております。これはKBS放送、二月十一日の報道でございますが、韓国軍当局や政府当局は北がプルトニウムによる二個ないし三個の原子爆弾を保有していると見ていると。また、アメリカも、議会の上院軍事委員会公聴会において、CIAのテネット長官が、北朝鮮はプルトニウム型の核爆弾を今日の段階で恐らく一、二個保有している、こう発言しております。
 さらに重ねて言えば、ファン・ジャンヨブ書記とともに韓国に亡命しました秘書の金徳弘、彼は、軍需担当の全秉浩書記、彼は政治局員であり、この原子爆弾を製造する軍需産業全体の責任者でありましたが、この全秉浩書記ですね、黄書記に対して、一九九六年当時で既にプルトニウムを使った核爆弾五個を有していると語ったと証言が出ております。
 そもそも、日本政府は、北朝鮮が核を保有しているものかどうか、具体的にお答えいただきたいと思います。
○守屋政府参考人 お答えいたします。
 今先生が言われたように、アメリカ、韓国等でさまざまな指摘がなされているところでございますが、北朝鮮という国は、先生よく御承知のとおり、極めて閉鎖的な体制をとっていることもありまして、北朝鮮の核兵器の保有について、いずれの国も断定的なことを言える状況にはございません。
 一番新しい、二〇〇三年の二月五日のラムズフェルド国防長官の下院軍事委員会における証言でも、一、二発の核兵器があると評価されている、こういうふうな表現にとどまっておるという現状であることを御理解いただきたいと思います。
○前田委員 ということは、アメリカと同じような認識を長官もお持ちだということでございますか。一、二発の核を保有しているかどうか、長官、お答えください。
○石破国務大臣 今防衛局長が答弁申しましたとおり、外国においていろいろな報道や政府要人の証言というものがなされております。
 私どもとしては、北朝鮮で核兵器開発というものが進んでいる可能性は決して排除できないというふうに思っています。それは、それぞれの国が、今先生御指摘のように、黄書記の秘書さんがこのようなことをおっしゃった、あるいはラムズフェルド長官がそういうふうにおっしゃった、それぞれが発言しておられることは、それぞれの認識を形成するに至った何かを持っておるはずであります。それは言いません、だれもそれは言わない、どうしてそういうことを了知するに至ったかということは言わない。私どもといたしましては、そういうような発言があることも承知をいたしておりますし、いろいろな情報を総合してみまして、北朝鮮で核開発が進んでいる可能性は排除できない、こういう立場をとっておるところでございます。
○前田委員 それでは、最近まで北朝鮮の核爆弾、五千キログラム程度もあって、これは特にミサイル、ノドン一号等、搭載できないとされておりましたが、昨今の核兵器の専門家の見解あるいは報道によりますと、北朝鮮の保有する核爆弾はノドンに搭載可能な千キログラム程度にまで軽量化された、それに成功しているとの見方が有力になっております。
 その根拠として、一九九八年以降、高性能の火薬を使用した起爆実験を数十回も行っていること、また二つ目に、確かに核爆弾性能確認のために核実験自体は実施しておりませんが、原子力科学技術の進歩で、核実験がなくても軽量化が可能となってきている、そして三番目に、パキスタンなどから技術供与も当然受けておりますので、こうしたことから考えると、ミサイルにも搭載可能だ、北朝鮮における核爆弾がミサイルに搭載可能だということであると思います。
 また、ミサイルでなくても、北朝鮮が保有する空軍の中のミグ29、これには五トンの原爆を搭載可能でありますので、日本海を低空で飛行して、レーダーに捕捉されずに日本を十分に攻撃することが可能であるわけであります。
 日本政府は、こうした北朝鮮の保有する核兵器がいかなる開発状況にあるものと認識しておられるのか、この北朝鮮の弾道ミサイルの開発、配備状況についてどのように把握しておられるのか、また日本を含む東アジアの安全保障問題全体にどのような影響をこれは及ぼすものかどうか、お伺いしたいと思います。
○守屋政府参考人 二点お尋ねでございます。
 最初に、北朝鮮の核兵器の開発状況でございますが、これは、昨年十月に核兵器開発問題が明らかになって以降、北朝鮮は米朝の枠組み合意で凍結していた核燃料棒の封印を除去するなどの動きを進めております。それから、NPTからの脱退という事態もございました。それから、五メガワット原子炉の再稼働を行ってきているということの一連の北朝鮮の行動を考えれば、核兵器開発が進んでいる可能性は日本として排除することはできないと私どもは考えているところでございます。
 それから、北朝鮮の弾道ミサイルの開発状況でございますけれども、よく御承知のとおり、我が国のほぼ全域が射程内に入る可能性があるノドンは、射程が約千三百キロメートルと見られておりますが、これの配備を行っていると考えられます。それから、射程一千五百キロメートル以上と考えるより長射程のテポドン1の開発が急速に進展していると判断しているところでございます。さらに長射程のテポドン2、これは射程が三千五百から六千キロメートルと考えられているところでございますが、こういうものが開発中であると見られます。
 この北朝鮮の弾道ミサイルの長射程化が一層進展するという傾向にございまして、こうした動向は従来から強く懸念しているところでございます。
 それから、先生御指摘のように、この弾道ミサイルと先ほど申し上げました核兵器開発疑惑と相まって、これが結びつきますと、我が国を含むアジア太平洋地域だけでなく、国際社会全体に不安をもたらす要因となっておりまして、私ども、その動向を強く懸念しているところでございます。
    〔委員長退席、渡辺(周)委員長代理着席〕
○前田委員 では次に、我が国の情報収集衛星打ち上げに関して、これは北朝鮮のスポークスマン、三月二十八日の発言で、双方が他方の脅威となる行動はしないとした平壌宣言の精神に公然と違反した、さらに、日本は我々の衛星発射について云々するという資格を完全に失ったと発言しているわけであります。我が党の桑原議員の質問にも関することでありますけれども、こうした北朝鮮の発言は、弾道ミサイル発射実験再開に踏み切る可能性を示したものと考えられるわけであります。ただ、平壌宣言そのものではなくて、平壌宣言の精神にと言っているような部分もあると思いますが。
 とにかく、こうした発言を日本政府はどのように受けとめるのか、また、北朝鮮による弾道ミサイル発射実験再開の可能性についてどのような情勢判断をされているのか、伺いたいと思います。
○石破国務大臣 北朝鮮がそういう発言をしていることは承知をいたしております。
 ただ、今回の衛星というものは、情報収集衛星あるいは多目的衛星とも言われるものであって、その利用は平和目的に限られております。これは、例えば災害でありますとか、あるいは農業でありますとか水産でありますとか、環境でありますとか、そういうものの情報も集めるということでありまして、私どもといたしましては、我が国の独立、平和、安全、そのための情報も収集をいたしますが、多目的なものであり、これは平和目的に限るものであります。日朝平壌宣言本文にもあるいは趣旨にも反するものだとは全く考えておりません。
 その上で、北朝鮮が、日本がそういうものを上げたのだから我々も上げることができる。そのこと自体は、別に日朝平壌宣言の議論とは関係のないものだと思っています。しかし、衛星であればそうですが、弾道ミサイルの実験をやられてしまいますと、これは日朝平壌宣言というものに明らかに反することになります。
 それで、一九九八年であったかと思いますが、テポドンの実験というのがありました。あのときも、衛星である、こういうお話でした。しかし、衛星であろうがミサイルであろうが原理は一緒なんですけれども、それが第一宇宙速度に到達をすればそれは周回軌道に入って、決してミサイルというものにはなりません。逆に、当初から第一宇宙速度に達しないような打ち方をいたしますと、これは間違っても衛星にはなりません。その場合に、それが何であるのかということが重要なんだろうと私は思っております。
 あわせまして、衛星であれミサイルであれ、そうなのですけれども、これは、例えば国連海洋法条約あるいはシカゴ条約、それの基本原則に照らして考えてみましたときに、事前の通報というものがある意味国際的な慣例になっておるわけでございます。先般我が国が情報収集衛星を打ち上げたときもそうです。船舶や航空機の航行の安全という趣旨に照らしてみて、事前に通告をするということが当然に大事なことであります。もし衛星を打ち上げるということであるとするならば、国際的な慣行に従いましてそういうような通告がなされるものというふうに私は承知をしておるところでございます。
○前田委員 弾道ミサイルの発射実験に関しては、厳しくこれを監視していただきたい。これは我が国の防衛に直接かかわる問題でありますので、ぜひこの点はお願いしたいと思っております。
 また、これもまた桑原議員の質問に関連した質問になりますけれども、石破長官が韓国において、北朝鮮への抑止力としてのBMDの導入を国民に訴えていくといった旨の発言をされております。こうしたことの事実関係はどうなっているのか。また、導入をお考えの迎撃ミサイル、これはノドンの迎撃に関して一体どのような効果を期待できるものかどうか。これを伺いたいと思います。
○石破国務大臣 私といたしまして、ミサイル防衛の必要性を国民に訴えていくという発言は、日韓防衛首脳会談におきましていたしておりません。これは事実と異なります。
 私が申し上げましたのは、いつも委員会で答弁をさせていただいておりますように、これは専守防衛的なものであり、ほかに手段はないものである、しかしながら、その実現の可能性でありますとか費用対コストでありますとか、あるいは防衛力の中における位置づけでありますとか法的な裏づけでありますとか、そういうことをきちんと議論して、日本におきましては安全保障会議の議を経て決せられるべきものであるという従来の私どもの政府の立場を韓国に向けて御説明したということでございまして、価値観を交えてお話をしたというような事実は一切ございません。
 そして、ノドンに対してどのような迎撃力があるのか、今そのような表現をお使いにならなかったかもしれませんが。それは、スカッドでありますとかアル・フセインでありますとか、そういう短距離に対しましては、今イラクで行われておるような、あるいは湾岸戦争のときに行われたようなパトリオットで限定的な迎撃は可能であります。しかし、物はミサイルですから、今私どもが持っておりますものはあくまで航空機を対象としたものでございますので、非常に速い速度、ましてや千三百キロなどという中距離のものは非常に速い速度で落ちてまいりますので、今のままでは本当に限定的な能力しか有し得ないということでございます。
 したがいまして、先ほどのほかの委員の御質問に副長官からお答えを申し上げましたが、そういうものに対応するシステムは、今世界じゅうどこも持っていません。それがどういうものが一番よろしいのかということをこれから先よく研究をし、議論をしていきたいということでございます。これでもってノドンに対してきちんと対応できるというようなものは、現在のところございません。さればこそ、そういうものに対する議論を深めるということが必要であり、安全保障会議の御議論に付したいというふうに私どもとしては考えておるところでございます。
○前田委員 では、北朝鮮の話が続いておりますので、もう一つ日本政府の認識の御確認をさせていただきたいと思っております。北朝鮮における強制収容所の問題であります。
 これは、北朝鮮が全体主義国家であるという要件を非常に持っている要素となります。我が安保委員会でも、平成十四年の十二月十日に参考人招致いたしましたドイツ人医師のノルベルト・フォラツェン参考人の御答弁の中にも、脱北者の証言によると、非常に厳しい、こうしたアウシュビッツを思わせるような強制収容所の話がありました。これに対して日本政府はどのような御認識をお持ちなのか、伺いたいと思います。
 韓国の情報当局は、一九九九年には十カ所の強制収容所があり、二十一万人の政治犯が収容されていると。その後、所在が明らかになった五カ所については閉鎖したということが伝わってきております。また、一九九三年に、強制収容所内で、五十歳前後の日本人、我が国の同胞の女性が拷問を受けたとの目撃情報もございます。これは許されることではありませんので、これを政府として、どのように北朝鮮の強制収容所について御認識をお持ちなのか、最後に伺いたいと思います。
○薮中政府参考人 今委員御質問の、北朝鮮における強制収容所でございますけれども、政府といたしましても種々の情報に接しております。各種の証言あるいはいろいろな報告書等ございます。
 そういう中で、その状況について種々の情報に接しておりまして、また、これは北朝鮮の人権問題ということで、私どもとしても大きな関心を払っているところでございます。もちろん、その中の実情ということにつきましては、外からなかなかわかりにくい部分がございますので、確たることを申し上げることもなかなか難しゅうございますけれども、関心を持ってフォローしておるということでございます。
○前田委員 やはり甘いんじゃないんですか。拉致のときと同じじゃありませんか。もっと厳しい態度でしっかりと見ていただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
    〔渡辺(周)委員長代理退席、委員長着席〕
○田並委員長 次に、樋高剛君。
○樋高委員 自由党の樋高剛でございます。
 きょうも安全保障の問題、長官、副長官そして防衛庁の皆様方、そして委員の皆様方におかれましては、この安全保障の問題について議論をいただいておりますことにまず敬意を申し上げたいと思います。
 今、関心事はやはりイラク戦争ということでありますけれども、外を回っておりまして一番多く聞かれますのは、このイラク戦争の見通し、どうなのよということを大変多くの方々から聞かれるわけであります。
 もちろん先のことなんかわからないですし、現場にいるわけじゃありませんから、今後どうなっていくかということはわからないわけでありますけれども、一方で、きのうは年度末ということで、三月三十一日でありますが、東京株式市場は、イラク戦争の長期化観測が高まったということで全面安になりました。日経平均株価、二百二十五種でありますけれども、先週末比三百七円四十五銭安で、八千円台を割り込みまして七千九百七十二円七十一銭と、ことし最大の下げ幅を記録したということであります。また、東証株価指数、TOPIXも大幅に下落をして、二九・九二ポイント低い、八〇〇ポイントを割って七八八・〇〇ということであります。
 特に金融機関は、この年度末の決算によりまして今後経営が圧迫されるということは予想されるわけでありますけれども、景気回復の足かせとなるということにも私は大きな懸念を抱いているわけであります。また、銀行の含み損というのは八兆五千億円にも上ると言われておりますし、また一方で、不良債権処理負担とも合わせて、大手の銀行グループがすべて税引き後赤字になるという見通しのようであります。
 この経済の問題もしっかりと取り組まなくちゃいけないんですが、情報という意味において、防衛庁長官に伺います。
 質問通告しておりませんけれども、イラク戦争の、先のことはまだわからないと思いますけれども、今後の見通し。報道では、もしかしたらちょっと長期化してしまうかもしれないというのが今報道されつつ、その話が大きくなりつつありますけれども、大体どういった見通しをお持ちなのか、恐縮ですがお伺いいたしたいと思います。
○石破国務大臣 わかりません。
 そう言うのは、無責任に申し上げておるわけではなくて、委員御指摘のように、私どもとしては日々いろいろな情報を集めながら、どうなるかということの分析は毎日行っております。これがなるべく犠牲者が少なく短期に終わってもらいたい、そして、大量破壊兵器の除去、そういうような最初の目的がなるべく犠牲者が少なく早期に成就してもらいたいというふうに思っております。
 これは、私は評論家的にあれこれ申し上げることは不謹慎だと思っておりますし、してもならないことだと思っています。戦争が始まりますときに、ブッシュ大統領が、これは長期化するかもしれないということは当初から言っておられました。短期にすぐ終わるというようなことを公式に、責任ある立場の人がそういうような楽観的なことを言ったとは私は思っておりません。これを短期に終わらせるべく最大の努力をしておるというふうに認識はしております。
 戦争のことですから、全部が絵にかいたように計画どおりにいくとは思いません。それは、いろいろな意外なことも起こってくるでありましょう。しかしながら、合衆国として、例えば、反フセインの蜂起というものが一体どれぐらいあるのだろうか、あるいは国民を盾に使うということがどれぐらいあるのだろうか、そういうようないろいろなシミュレーションは行われておることだろうと思っております。
 しかし、例えて言えば、市民を、本当に武装していない市民、そして軍服も着ていない、ジュネーブ条約においてそういうようなものとして取り扱われる市民というものを戦場に駆り出すというようなことが、それは私は、ジュネーブ条約の趣旨からいって、精神からいって、許されることだとは思っていないんです。そういうようなことがどんどん行われる、そうすると、市民の犠牲をどうやって少なくするかということに力点を置いた場合には、いろいろと戦争のやり方というものは変わってくるということはあるだろう。基本的に、早くということと犠牲を少なく、それをどう両立させるかということが戦争の期間というものにかかわってくるのだろうというふうに私は思っております。
 私どもとして、評論家的なことは申し上げませんが、常に正確な情報を得るべく努力をし、分析をいたしておるところでございます。
○樋高委員 いずれにいたしましても、もう今始まってしまっておりますので、一刻も早くこの戦争が終わりますことを願っている次第であります。
 きょうは防衛庁設置法の一部を改正する法律案ということの議論でありますが、それに関連をいたしまして、外務省の政務官、お忙しい中お越しをいただいておりますので、防衛駐在官の制度につきまして建設的な議論をさせていただきたいというふうに思っております。
 昨今、情報戦争と言われるようになりましたけれども、情報によって国家の危機を救うこともあれば、滅びることもあるわけでありますけれども、日本はやはり情報音痴になってはならないと思います。情報を積極的に収集することも、先ほど長官答弁ありましたけれども、安全保障上とても重要なことであると私は思っております。
 そして、防衛駐在官のあり方について見直す方針を固めたと新聞の記事に出ておりましたのは去年の暮れだったと思いますけれども、新聞に掲載されました。四十七、八年ぶりに見直すということでありまして、随分と放置されてきた感が否めないわけであります。
 この問題に関しましては、自由党の田村参議院議員、防衛大学一期生であります、そして同じく自由党の藤島衆議院議員、防衛庁の元官房長であります、そして西村眞悟衆議院議員も、今までずっと指摘を申し上げ、いわゆる駐在武官の制度の拡充について申し上げてきたわけでありますけれども、ここに来てようやく見直しの方向が出てきたということは、私は、歓迎すべきことであるというふうに思います。
 まず冒頭、防衛駐在官の果たす役割についてどのように考えておいでか、防衛庁にお伺いいたしたいと思います。
○赤城副長官 樋高委員言われますとおり、情報というものが我が国の平和と安全を守る上でいかに大切であるかということは私どもも常々感じておりまして、そのために、国の安全のために必要な情報の収集、分析、これを迅速にやる、そういう情報機能として、防衛駐在官というのは極めて大切な人的情報収集源、こういうふうに位置づけております。
 現在、三十六カ所の在外公館に四十七名を派遣しておるわけでございますけれども、派遣先国の国防関係者とか他国の駐在武官等々と交流を通じて各種の軍事情報を集積し、それを分析、評価する、そうした日常的な活動を通じて我が国の安全の確保に重要な役割を果たしておるというふうに考えております。
○樋高委員 伺った話なのでもちろん定かな話ではないんですけれども、日本の駐在武官、今の制度では、防衛庁から外務省に出向した形になって、それぞれの、三十六カ所、四十七名の方々が今活躍を、職務に精励なさっていらっしゃるわけでありますけれども、情報というものが日本に伝達をしたときに、なかなかその情報が防衛庁本庁に届きにくかったという話も私は伺いました。
 そして、要するにそれはなぜかといいますと、防衛駐在官というのは、いわゆるその指揮権が外務大臣のもとであり、なおかつ在外公館長の指揮監督下にあるわけでありまして、一度外務省を経由しなくてはならない、一応形としては外務省を通した上でないと防衛庁には情報は伝わらないということのようでありまして、外務省の段階でその情報が重要だと思わずに伝わりにくかった。
 別に故意に隠ぺいしたという話ではもちろんないと思いますけれども、外務省にとっては関心の低いことであっても、防衛庁もしくは日本の危機管理という部分にとってはとても重要な情報も私はたくさんあるのではないか。別に大げさに言っているわけではなくて、やはり一つ判断を間違えれば日本を危機的状況にも陥らせかねないこともあるのではないか。こういった現状を踏まえても、まだまだ改良すべき課題というのがあると思いますし、それを現実に見て、そしてそれを国民の皆様方に提示し、こういうやり方でいいのかということをきちんと議論していく必要があるのではないかと私は思います。
 そこで私、まず提案として申し上げたいのは、やはり身分は自衛官のままとして、情報を本庁に直接伝達できるようにすべきであるというふうに考えますけれども、どのように考えますでしょうか。
○赤城副長官 情報伝達をいかにスムーズに速くするかということ、このことについては、樋高委員初めこれまでも多くの委員からの御指摘がありまして、この駐在官の制度についての御指摘をいただいたところでございます。そこで、昨年の十一月以来、防衛駐在官制度の改善について外務省と協議を重ねてまいりました。
 言われます、情報の伝達におくれがあったのではないか、これは実際、駐在武官経験者からもいろいろ話を聞きまして、その中で、例えば公電について、防衛庁から実際に人が、職員が外務省に公電をとりに行くというようなことで、防衛情報で一日程度のおくれ、また、それ以外の公電で二日から数日おくれる場合が多い、そんな話も伺いました。そこで、外務省との協議の中で、防衛情報であるということをまずはっきり表示して、電報コードを新設しまして、これは防衛情報であるから直ちに防衛庁へ早期、自動的に伝達しなさい、そういうふうなシステム、伝達を実現したところであります。
 また、公電については、一度外務省から、そこへ職員が出向いてとりに行ったのではおくれますので、同時に入手できるように、外務省の公電システムの端末を防衛庁にも設置するということについて引き続き外務省と協議をしているところであります。
 こういった措置をすることによって、防衛駐在官が入手した防衛情報を防衛庁が外務省と同時またはほぼ同時に入手できるということが可能となると考えておりまして、今後とも外務省とすり合わせをしてまいりたいというふうに考えております。
○樋高委員 駐在武官、防衛駐在官でしょうか、が発信した情報が外務省を経由して防衛庁に届くまでに三日あるいは一週間近くかかった。別に重箱の隅をつついたような話じゃなくて、情報をスピーディーに、とにかくスムーズに、そして正確に伝えるということが私は物すごく、特にこういう世界情勢でありますからますます重要になってくると思いますけれども、外務政務官に伺いますが、こういった、いわゆる時間がかかってしまったということに対する反省点、そして改善点をおっしゃっていただきたいと思います。
○新藤大臣政務官 お答えを申し上げます。
 大変これは、そういったことが行われないようにしなくてはいけないわけでございまして、情報というのはスピードが命でございます。内容とともにスピードが命。ですから、これはぜひとも改善をしようということで取り組んできております。
 まず、御指摘いただきました、一週間近くかかったケースというのが新聞等でも報道されました。これは一件なんです。ちょうど昨年に、外務省が耐震補強工事のために仮庁舎の方に移転をいたしました。その直後に起こった一件のレアケースということでございまして、これは、外務省の本省の中であれば、公電を受け取ったところから即座に、防衛情報を受け取る担当課である安全保障政策課に、自動的に受け取るようになっていたんです。ところが、建物がかわりましたので、これは非常に、保守の問題それから秘密保持の問題から、公電のうちの、防衛情報のうちの極秘というものについては自動的ではなくて直接手渡しでやるようになってしまったんです。ここで漏れたことが一件ございました。ですから、これは即座に解決をしているというところでございます。
 それから、三日、数日かかるというのは、例えば時差によって一日ずれてしまうことがあるんです。ですから、極力、できる限り速く行うという意味では、物理的なものを除いては改善をしたということでございまして、特に、今赤城副大臣からも申しましたけれども、防衛情報のコードパターンというものを新たにきちっと設けまして、これは物理的に、自動的にきちんと来るもの、それから、極秘についてはきちっと手配を、見落とさないようにするということで改善をさせていただいております。
 それから、先生、この問題については随分御関心をいただいておりまして、ありがたいと思っております。実はもっときめ細かくやっております。ですので、極めて技術的な問題でもありますから、よろしければ一度担当を差し向けさせていただいて、しっかりと御説明をさせていただきたいと思っておりますから、御了承をお願いいたします。
○樋高委員 御配慮は非常にありがたい話なのでありますけれども、役所の場所が移ったからとか、一件だから許されるという問題じゃないと思うんですよね。
 やはりしっかりとこういう危機管理、最も情報というのを私今一番欲しているし、必要であるし、国家は今ある意味で危機的状況にあるという緊張感を持ってそれぞれ、特に外務省の方々は、今までの過去は過去として心機一転して、堂々としっかりとした仕事をしていただかなくてはいけないわけでありますので、その職責をきちんと果たしていただきたいというふうに申し上げさせていただきたいと思います。そして、今までの反省点をきちっと精査し、雑駁な話じゃなくて、一つ一つ、何でだめだったのかということに素直に反省をし、改良していっていただきたい、強く要望申し上げたいと思います。
 それと、戦後ですけれども、外務省と防衛庁で覚書というのを取り交わしまして、その覚書も拝見をさせていただきましたけれども、その中では、暗号を使用しないと覚書に書かれてあります。国家の機密にかかわるといった観点からもやはり今後は暗号を使用できるようにしてもいいのではないかと指摘する声もありますけれども、防衛庁としてどのように考えていらっしゃるか、お考えを伺いたいと思います。
○赤城副長官 防衛駐在官の制度につきましては、先生御指摘のように、大分古い話で約半世紀も経過しておりますし、覚書のことも含めて制度について見直しが必要だということで、外務省ともすり合わせをしてきております。
 御指摘の、暗号を独自に使うべきかどうか、こういうことでございますけれども、これも一つの考え方だと思います。ただ、実際に独自の暗号システムを使う、つくるということになりますと、これは膨大な経費がかかるということが見積もられておりまして、当面、そういう独自の暗号システムというのは実現不可能ではないかと考えております。
 やはり大事なのは、情報というのがきちっと即時に伝達され、また秘密は当然守られるということで、即時に入手できる、こういうことでございまして、そういう点では、先ほど申し上げましたような外務省の公電システムの中で、防衛情報を外務省と防衛庁が同時に時間的なおくれがなく入手できる、こういうことが大事かというふうに思っておりまして、その点、引き続き外務省と協議をしておるということでございます。
○樋高委員 仮に手間暇かけて暗号をつくっても、それがまた一週間もかかったんじゃ意味ないわけでありまして、まずこれはそういう議論を始めてもいいのではないかという意味で私は申し上げているわけであります。
 以前でありますけれども、アメリカのラムズフェルド国防長官は、いわゆる情報戦争は重大な国家安全保障上の脅威だというふうにおっしゃっておいででありますけれども、情報戦争といいますと何か過激な印象を受けてしまうかもしれませんが、私は、日本というのは欧米諸国に比べて情報の取り扱いに関してはやはり何か疎いと感じることに接するわけでありますけれども、防衛庁に限ってはそのようなことのないように、しっかりとお願いをいたしたいと思います。
 テレビや新聞、またインターネット上での情報収集はもちろん大切でありますけれども、現地の人との接触によって得られる情報の方が、よりリアリティーがあり、重要であることも多いというふうに私は思います。
 そこで、階級というものについてなのでありますけれども、私は、防衛駐在官が日本の安全のために十分情報収集するに差し支えないように、やはり諸外国と同様の、諸外国の武官同様の階級に引き上げるべきだと考えますけれども、どのようにお考えでしょうか。
○赤城副長官 最初に申し上げましたように、駐在武官が人的な資源として諸外国の駐在武官とか国防関係者と交流をする、先生まさに御指摘のように、そういう人間同士が顔を突き合わせてあるいは情報収集に当たるということが極めて大事でありまして、そういう面で遺漏がないように、その点も昨年来外務省と協議を重ねてまいりまして、例えば、駐在武官が活動する、そういう処遇面につきましても予算の範囲内で外務省が十分配慮するとされたところでありますし、駐在武官の行政職九級へ昇格する時期についても見直し、調整を図っているということでございます。
 そこで、御指摘のような階級についてでございますけれども、これは、我が国の防衛駐在官の階級は将補及び一佐でありまして、諸外国の武官は、少将、准将、大佐以下というふうになって、特に階級面では変わりがないと考えておりますけれども、今申し上げましたように、活動について、十分駐在武官が活動できるように、さまざまな面について改善を図ってまいりたいと考えております。
○樋高委員 今、副長官おっしゃっておいででありましたけれども、活動経費なのでありますけれども、これは今、出向という形でありますから、外務省の方の予算で、例えば現地の人と食事をとったりしながら、もしかしたら情報収集する場合もあるかもしれない。しかし、そういった経費が十分に確保されないというときには、情報収集能力、情報収集が現実にどのぐらいできるかといったら甚だ疑問でありますので、きちんとした予算を確保していかなくちゃいけない。
 それは、やはり外務省の枠の中ではなくて防衛庁として、出向という形を改めて、そのまま、自衛官のまま海外に行って武官として活動し、そして独自の予算で、もちろんお金がかかってしまいますけれども、そういった活動ができるように処遇をきちんと、今ある処遇の問題点、どういうところなのかということを具体的に精査をし、そして見直しをしていく必要があると思います。では、今現在どういうところの処遇を具体的に改善するべきだというふうにお考えでしょうか。
○赤城副長官 そもそも、駐在武官制度について、外務省との併任ではなく防衛庁独自にというふうな御意見もあると思いますけれども、大事なのは、いかに防衛駐在官が任務を全うできるか、スムーズに、経費の面も含めて、海外のカウンターパートと交流できるか。
 食事の点も委員触れられましたけれども、いろいろな視察とかそういう活動をしなければならないというときに、先ほど申し上げましたように、外務省が手当てをする、それがどうも十分ではなかったのではないか、こういう御指摘がありましたので、予算の範囲内で外務省が十分配慮する、こういうふうにしていただいたところでございます。
 これは、外国の武官団と一緒に視察をする、軍事施設を視察するとかそうしたときに、これは防衛駐在官独特の活動でありますから、そういう防衛駐在官の特殊性を踏まえて、外務省がその予算の範囲内で十分配慮していただける、こういうことだと理解しております。
 それから、先ほど申し上げたことですけれども、防衛庁から駐在武官として勤務するということになりますと、防衛庁で勤務している自衛官と不均衡が生ずるのではないかということで、行政職九級へ昇格する時期についても、その不均衡が生じないように、早める方向で今外務省と調整をしているところでございます。
 こういうふうに、さまざま言われてきたところがあると思いますけれども、いずれにしても、防衛駐在官がきちっとその職責を全うできるように、そうした問題点を一つ一つ洗い出し、解決をしてまいりたいと考えております。
○樋高委員 私が申し上げたいのは、外務省、今ある現状の中でどうするか、現実を見たときに、やはり外務省と防衛庁の連携強化をしっかりとしていかなくてはいけない。それと同時に、予算措置なり、現実の問題点をきちっと吸収をしていただいて、そして相互で、お互いにどうしたらいいのかということを、建設的に処遇を改善していっていただきたいということなわけであります。
 国際協調、また国家間の相互依存が今ますます進展をしているわけでありますので、やはり外務省と防衛庁の連携強化という場面がますます多く予想されると私は思いますし、物すごく重要な責任を課せられていくのではないかと思いますから申し上げているわけでありますけれども、その辺の意思疎通の問題。それは現地での意思疎通もありますし、また本省での、こちら、東京での意思疎通というものも同時並行としてきちんと行われなくてはいけないと私思いますけれども、この連携が十分に図られているのかということにつきまして、どのようにお考えでしょうか。
○赤城副長官 先ほど来の御議論にありますような防衛駐在官の問題でもそうですけれども、昨年来、外務省といろいろ協議をさせていただいて、非常に外務省としてもこの問題についてよく理解をしていただき、積極的にその協議に参加していただいているというふうに感じておりますし、情報を、防衛庁、外務省、それぞれ十分交換をし合い、連携をし合うということ、これはもう大変お互いに前向きに進んできておるというふうに思います。
 防衛情報につきましては、先ほど申し上げましたように、外務省を経由して自動的に防衛庁へ伝達される、こういうことになっておりますし、それ以外の公電でも、内容面で防衛庁に関するものだということでありましたら、これは外務省の判断で防衛庁に伝達をするということになっております。また、防衛庁の方でも、みずから収集、分析した情報の中で、これは外務省と共有すべきだというものにつきましては、適切に外務省へ伝達をするということであります。さらに、必要に応じて、内閣の合同情報会議等の場で共同してこの情報の分析を行う。
 そういうふうに、外務省と情報交換、意思の疎通、連携、こういうものは全般に良好に行ってきていると思いますけれども、さらに一層、確実に情報を共有するということで、緊密な連携協力を進めてまいりたいと考えております。
○樋高委員 赤城副長官は本当に優しい方でありまして、言葉をすごく選ばれて、政務官を前にして物すごく気を使っていらっしゃる。その気持ちもよくわかりますけれども、もう少し本音で、もっとこうしてくれ、ああしてくれとやっても私はいいのではないか。それは国家のためですから、国のため、将来のため、子供たちの未来のためですから、もっと、そんな、十分に大丈夫だなんというふうにおっしゃらずに、本音できちんと話をしていただきますればと思いますが。
 政務官、外務省の立場から、この連携強化につきまして、私は、連携が図られていないとはもちろん言いませんし、これからますます強固になってきていると思います。ただし、今、時代の流れの中で、やはり今こそ重要だよということを私は申し上げたいわけでありますので、政務官の方ではどのように外務省としてお考えなのか、お話を伺いたいと思います。
○新藤大臣政務官 これはもう、委員の御質問は外交の根幹にかかわることだ、このように認識をしております。そして、もし情報に各省庁間でそごを来すようなことがあれば、これはまさに国家的な問題になってくるわけでございます。
 そこで、ちょっとおさらいといいますか、あえて基本的なところを確認させていただきたいと私思うんですが、この防衛駐在官というのは、昭和二十九年から始まりました。三十年に、防衛庁と外務省との事務の文書の覚書がございます。
 結局これは、現在の法律では、在外公館で勤務するためには外務公務員でなければならない、これは法律で決めているんです。そのもとは、外交一元化を行う。日本のこれまでのことをいろいろと照らし合わせながら、日本外交は一元化をするんだ、この基本のもとで、そしてまた、在外公館をきちんと機能させる、こういう基本的なポリシーのもとで始まっているということなんです。そして、今回まさに在外公館名称位置給与法の改正をしていただきましたけれども、これで定めてあるんです。
 ただ、防衛駐在官は、特例として外務公務員兼自衛官の併任をこの覚書によって認めているということでございます。ですから、この基本のもとで、外務大臣の指揮監督権、それから直接通信の禁止、独自予算の配賦の禁止、こういうことを昭和三十年からやってきたということです。
 そして、今御質問がありましたように、改めなければいけないところ、改善できるところがあるんならば改善しようじゃないかということで、赤城副長官に今お話をいただきましたけれども、これは非常に高いレベルで、副長官と私ども外務省の方と、副大臣とで緊密な連携をとらせていただいていると私は認識をしております。
 そして、具体的な作業を行いまして、特に、ことしの一月から六項目改善をいたしました。
 時間がかかりますから手短に申し上げますけれども、まず、これまでですと、防衛駐在官で、かつ一等書記官、こういうことになっていたんですが、この防衛駐在官であるとともに自分の呼称を言えるようにしよう、防衛庁における呼称を場合によっては使えるようにしますよ、こういうことも変えました。
 それから、先ほどお話がありました接宴というもの、外国の人間との交わりにつきましては、基準の見直しを行いまして、自分が主催するだけでなくて、お招きする方のお客様のランクに応じて予算をちゃんとつけられるようにしましたので、結果として、これは十分な予算額が使えるようになっております。
 それから、出張旅費につきましても、必要性が認められるものについては柔軟にということで、結果的には、これはほかの省庁からも出向の方がいらっしゃいますけれども、この防衛駐在官については十分な経費が認められるようになっております。
 それから、自衛隊記念日のレセプションにつきましては、防衛駐在官が大使の横に並べるように、こういうことでやりました。
 それから、防衛情報の方は、これは特にコードを定めまして、きちんと、今まで以上に密接に、スピーディーに情報が伝達できるようにした。
 それから、職員の防衛駐在官に行っていることによる昇進のおくれについては改善をいたしましたというのは、赤城副長官からのお答えのとおりでございまして、外務省としては特にこの一月に直したばかりです。
 六項目直しました。かなり前向きな、また積極的な改善ができたんじゃないかな、このように思っております。
○樋高委員 非常に御丁寧な御説明をありがとうございました。
 それは引き続き、その六項目で終わらずに暫時見直していく、そして、自衛隊員が海外に出ていって誇りを持って職務に精励できるような体制を構築していただきたい。私自身も、防衛駐在官の処遇向上に向けまして、非力でありますけれども取り組んでまいりますことを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○田並委員長 次に、赤嶺政賢君。
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢でございます。
 国連憲章を踏みにじって始まったイラク戦争、長期化の様相を呈し、そして民間人の被害を拡大してきております。改めて、イラク戦争の即時中止と、日本政府がその戦争の支持をやめるということを要求いたしまして、質問に入っていきたいと思います。
 今、イラク戦争の中心は、横須賀から出港したキティーホークであります。戦争の中心になっております。沖縄や佐世保からも米軍が展開をしている。まさに日本は、このイラク戦争の上で日本の米軍基地が重要な役割を果たしているんですが、それで改めてお聞きしたいんですけれども、当然、自衛隊は、キティーホークやそれらと行動をともにしている駆逐艦に対して給油など軍事的な支援活動を行うことはできないと思いますけれども、それはいかがですか。
○西川政府参考人 お答えいたします。
 現在、インド洋の方には、アフガンの関係、テロ特措法関係で船が出て、給油をしております。
○赤嶺委員 私は今、テロの話をしているんじゃなくて、今度のイラク戦争に当たってキティーホークに自衛隊が軍事的な支援活動ができるのか、こういう質問だったんです。
○西川政府参考人 失礼いたしました。そのとおり、できないということです。
○赤嶺委員 そうすると、アメリカの方はイラク戦争に対して各国に協力を訴えているわけですが、日本の場合も、アメリカから軍事的支援を求められた場合には、それは断るという理解でよろしいんでしょうか。
○西川政府参考人 お答えいたします。
 イラクの関係については、我々は現在やっておりませんので、そういうことに対しては給油関係はいたしませんということです。
○赤嶺委員 それがやっていない、できないということは、小泉首相も武力行使は行わないんだということを何度も発言しておられるようですけれども、日本の憲法上の立場からいってそれはできないんだ、こういう理解でよろしいでしょうか、防衛庁長官。
○石破国務大臣 運用局長がお答えをいたしましたように、今やっておりますのは、テロ特措法に基づきまして、その法律の目的に資するべくやっておるわけです。その法律の目的から外れる場合には、これは当然、根拠を持ちませんので、できないということになります。
 今委員御指摘の憲法の趣旨というのは恐らく第九条のことかと思いますが、それは、海外における武力の行使はできないんだ、こういう意味でとらえるとするならば、当然、ありとあらゆる法律は憲法の中で定められるものでございますから、そこに抵触をするものはできないということになろうかと存じます。
○赤嶺委員 私の質問は、テロ特措法でキティーホークに軍事支援ができるかどうかという質問じゃなかったんですよ。できるかと求められてもそれはやらないんだなということだったんです。そこは大事なこととして改めて確認をしておきたかったということです。
 それで、先週ですか、長官は記者会見を行いまして、その中で、テロ特措法に基づく支援の期間を延長いたしました。そういう延長と一緒に、今度は、テロ特措法に基づく日本が行っている給油支援活動の対象国をふやされました。それは、インド洋一帯がイラク戦争の開戦に伴って情勢が一変したということによってとられた措置、こういうことでよろしいでしょうか。
○守屋政府参考人 今般、先生の御指摘のとおり給油対象国を拡大しましたが、その理由は、昨年の秋以降、テロとの闘いの一環としてのアルカイダ及びタリバーンに対する海上阻止活動が行われている海域が拡大しておりまして、艦船を派遣している国もふえておりまして、全体のこの地域における作戦の効率的な実施の必要性が増大しているという事情によります。
 こうした新たな状況を踏まえまして、そのような海域における補給体制をより柔軟にするとの観点から、昨年秋以降、燃料補給支援の対象を、現在まではアメリカとイギリスだったわけでございますが、これ以外の国に対しましても拡大していく方向で関係国との間で調整を行ってきたところ、既に発表しましたとおり、二月二十八日にフランス、ドイツ及びニュージーランド、三月十一日にイタリア、オランダ、スペイン、三月二十八日にカナダ及びギリシャに対して支援を実施することを決定したものでございます。
○赤嶺委員 今、支援対象国が拡大したのを、対テロ、アルカイダとの関係での答弁がありました。
 それと一緒に、実施区域を縮小しておられます。この実施区域の縮小というのは、やはりイラクの開戦と大きなかかわりを持っている旨、防衛庁長官も記者会見で述べられておりますが、それはそういうことですね。
○石破国務大臣 これは、当然のことでございますけれども、テロ対策特措法及び基本計画の変更の要件というものを常に満たしていかねばなりません。その要件を満たすように変更をいたしたところでございます。
○赤嶺委員 その要件というのは、「現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」、この要件に該当しない区域が出てきたということですね。つまり、戦闘地域が出てきた、こういう理解でよろしいですね。
○石破国務大臣 必ずしも、戦闘が行われる区域ができたということではございません。つまり、委員が今御指摘になりましたように、現に戦闘行為が行われておらず、かつ、活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められるという意味でありまして、及び派遣される自衛隊の安全を確保すること等を考慮してということでございますから、戦闘が行われたということだけを必ずしも指すものではございません。
○赤嶺委員 記者会見では長官は、確かに、その区域で、イラクによる攻撃の可能性ということで今度の要件に該当しない区域が説明されるというよりも、アメリカ、イギリスがオペレーションを行っているという点に着目をして今回の判断をしたと述べているわけですね。これはやはり、イラク戦争の開戦と重要なかかわりを持っているというぐあいに理解していいですね。
○石破国務大臣 それは、諸般の情勢を総合的に勘案したものであります。
○赤嶺委員 諸般の情勢ということで、私が言った点を含まれているつもりの御答弁だと思います。
 それで、アフガニスタンの攻撃のときを思い出すのですが、当時、インド洋に展開していた空母から艦載機による空爆が行われました。駆逐艦から巡航ミサイルも発射されました。そうした行動が行われていた海域、この海域というのは実施区域に当時含まれていたのでしょうか、あるいは含まれていなかったのでしょうか。
○西川政府参考人 お答えします。
 実施区域の具体的な内容につきまして言及することは、その活動の安全確保や米国との関係もありまして、お答えすることは差し控えたいと存じますが、いずれにいたしましても、当時も、御質問のそういう巡航ミサイル等の発射も含め、現に戦闘行為が行われておらず、かつ、活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められること、それから活動の安全を確保すること等を考慮し、テロ対策特措法及び基本計画の要件が満たされるように行った、こういうふうな格好で承知しております。
○赤嶺委員 今回、はっきり実施区域を縮小したと言っているわけですね、それは米英のオペレーションと深くかかわっているんだということを長官記者会見でも述べておられるわけですよ。
 ですから、私が聞いたのは、当時、アフガニスタン攻撃の際にオペレーションが行われていた地域、それは、日本政府として、防衛庁として、実施区域に入れていたのかどうかということを聞いているのです。
○西川政府参考人 今先生お尋ねの、その地域が入っておったかどうかということでございます。そのところは、先ほども繰り返し御答弁いたしておりますが、具体的な話は別にいたしまして、当方としては、たしか十三年に、十三年の十一月に前の中谷大臣も答えておられますように、トマホークのミサイルの発射が戦闘行為に当たるかどうかという議論に対しましても、私が実行する……
(赤嶺委員「ちょっと、委員長。聞こえない」と呼ぶ)済みません、失礼しました。(赤嶺委員「最初からちゃんと言ってください」と呼ぶ)はい。
 具体的な話はちょっと先ほどの理由で答弁を控えさせていただきますが、いわゆる巡航ミサイル等につきましても、十三年十一月のときに中谷大臣も、そういうふうなトマホークのミサイル等の発射等の事実等も踏まえてその範囲を決定するという形で答えておられますので、我々その範囲で考えておるところでございますが。
○赤嶺委員 ちょっとしっかり答弁させていただきたいのですが、後半また聞こえなかったんですね。(発言する者あり)今いつも聞こえないという声も上がっておりますが、もうちょっときちんと、後半の部分でもしっかり、中谷防衛長官云々云々、むにゃむにゃむにゃということで、さっぱりわからないんですよ。きちんと答弁してくれますか。
○西川政府参考人 どうも失礼いたしました。
 本件、この実施区域、当時の実施区域は、御質問のトマホークの発射も含め、現に戦闘行為が行われておらず、かつ、活動の期間を通じて戦闘行為が行われていることがないと認められる地域として設定したところでございます。
○赤嶺委員 当時、今も答弁にもありましたけれども、テロ特措法の審議のときに、空爆を行うために空母から艦載機が飛び立っていく、あるいは駆逐艦からミサイルが発射される、そういう状況の中で、当時の議論というのは、人を殺傷しまたは物を破壊する行為が行われていないから戦闘地域には該当しないんだという答弁をしておりました。非常にひどい答弁だったと、後々までいろいろなところから批判のあることであったわけですが。今回はオペレーションとのかかわりで実施区域を縮小した。当時はそれはオペレーションとのかかわりで実施区域に入っていたのか入っていなかったのか、そこをはっきり答えてくれますか。戦闘地域ではないということで入れてあったんじゃないですか。
○西川政府参考人 済みません。もう一度、済みません。趣旨、ちょっと今取り逃しまして。ちょっと恐縮でございますが……。
○赤嶺委員 あなたの答弁が非常にあいまいだから改めて聞いているんですが、テロ特措法の議論のときに、戦闘地域について当時いろいろな国会答弁が行われていて、オペレーションが行われている地域でも、それは、人を殺傷しまたは物を破壊する行為は行われていないから、戦闘地域ではないという認識だったんですね。ですから、当時は、戦闘地域ではないということですから、実施区域に入っていたんですか、入っていなかったんですか。そこをしっかり答えてください。
○西川政府参考人 失礼いたしました。
 当時、トマホーク等の発射される場所を含めて、それは、戦闘区域に入っておりませんでした。
○赤嶺委員 入っていなかった。当時戦闘地域には入っていなかったから、実施区域になっていたと。そうすると、今度は長官は記者会見では、オペレーションとのかかわりで実施区域から外していく、その外す理由は要件を満たさなくなったからだということを言っているわけですね。そこはどうなんですか。
○西川政府参考人 ちょっと言葉が足らずに、済みません、先ほどちょっと誤解を与えるような回答をいたしました。
 いわゆるトマホークが発射されるようなところは、戦闘――失礼、実施区域には入っていなかった、こういうことでございます。(赤嶺委員「実施区域には入っていなかった」と呼ぶ)はい。
○赤嶺委員 そうすると、実際は、テロ特措法の審議のときには、空爆を行うために艦載機が飛び立ったり、あるいは駆逐艦からミサイルが発射されたり、そういう状況であっても、人を殺傷しまたは物を破壊する行為が行われていないから戦闘地域に該当しないんだという答弁をさんざんしていたわけですね。しかし、やはり、空爆のために艦載機の発着やミサイルの発射が行われている海域というのは基本的には戦闘地域だという認識でいいわけですね。
○西川政府参考人 お答えいたします。
 いわゆるそういう場所は、戦闘地域という形ではなくて、その他の要素もございまして、先ほどの答弁の繰り返しになりますが、自衛隊の活動の必要性、あるいは現に戦闘行為が行われておらず、かつ、活動の期間を通じて戦闘行為が行われていることがないと認められる、及び派遣される自衛隊員の安全を確保すること等を考慮して防衛庁長官がその実施区域を指定しているところでございまして、直ちに戦闘区域云々ということではないと考えておりますが。
○赤嶺委員 では、実施区域に入っていたということですか、今の答弁は。さっきは入っていないということでしょう。今は入っているということですか。(西川政府参考人「いやいや、違います」と呼ぶ)今は入っていないということですね、入っていない。
 そうすると、やはりそれは戦闘地域だという認識でいいわけですね。実施区域には入っていないけれども、戦闘地域ではないということですか。
○西川政府参考人 戦闘区域には入っていない。戦闘区域になるおそれとかそういう場合も含めまして、単に直ちに戦闘区域になるという形ではございません。
○赤嶺委員 戦闘地域、国民には非常にわかりにくい議論。実際に今回、実施区域を縮小している、それは米英のオペレーションとの関係という流れ。当時は、対テロ戦争が始まったころは、その辺が非常にあいまいにされてきた。私は、戦闘地域というものについての国民への非常に不可解な疑問を皆さんが大事な問題で与えているということを、まずは指摘しておきたいと思います。
 それで、イラク戦争が始まったら、やはりインド洋海域の情勢というのは、戦争が始まる前と始まって後からでは一変しているというぐあいに思います。このイラクの戦闘地域で展開している艦船が、例えば日本が支援を実施できる支援区域、ここでは給油の支援というのは可能ですか。
○石破国務大臣 こういうことでございますか、イラクに向けて行動している艦船というものに対してという前提ですか。いかなる船に対して、どのような地域でという、ちょっとシチュエーションを明らかにしていただけますか。ちょっと理解が足りなくて恐縮ですが。
○赤嶺委員 イラクの戦闘地域で活動していた艦船が日本の支援実施区域にやってきた、そのときに支援実施区域ということで日本は給油支援ができるんですか、こういうことです。
○石破国務大臣 それは地域によって律せられるものではございません。その船がどういう目的を持っているか、そしてまた、それがテロ特措法の趣旨にかなうものかということによって決せられるものでございます。
 委員、お許しをいただきまして、先ほどのミサイルのお話でございますが、その点につきましては当時の議論でも法制局長官の方から、政府としてこうである、つまりトマホークミサイル、別にトマホークには限りませんが、そういうミサイルが発射されるような地域は、それはもうその行為自体が戦闘行為の一部となるものである、こういうような答弁をいたしております。そういうようなところがそういうような地域に当たらないというような考え方は、政府としていたしておらないところでございます。
○赤嶺委員 法制局長官の答弁も私も十分知った上で、こういうあいまいな議論がされていたということであります。
 それで、今の、なぜイラクで展開している艦船が実施区域に戻ってきたときという質問をしたかということなんですが、もうあの海域というのは、今やアメリカ中央軍のもとで対イラク、対アフガンの活動をやっております。そして、イラク戦争の展開いかんによっては、対アフガンの艦船が直ちに対イラクに展開しなければいけないという作戦上の要請も、イラク戦争が始まる以前とははるかに緊迫した形で求められていると思います。
 そういう意味で、逆に今度は実施区域で、対アフガンで、対テロで、特措法に基づいて給油支援を受けていた艦船が、作戦上の関係で、受けた翌日に対イラクに展開するということは、今の緊迫した情勢のもとではあり得るわけですね、起こり得るわけですね。そういう場合にはどうなりますか。
○守屋政府参考人 先生の御指摘でございますけれども、我が国が米国に対して行う協力支援活動というのはあくまでもテロ対策特措法に基づくものであるということは、米国と協力支援対象国との間の交換公文で明記されている。それからまた、先方との協議の場でテロ対策特措法の趣旨について説明しており、先方はこのことを十分了解しているということでございます。
 我が国の支援はこのような確かな信頼関係のもとに行われるものでございまして、我が国が提供した物品についてもテロ特措法の目的に合致して適切に使用されているものと承知している、これが政府の態度で一貫しているわけでございますから、御理解いただきたいと思います。
○赤嶺委員 政府の態度は、イラク戦争が始まる前から一貫しているんですよ。私は、例えば交換公文にしても、イラク戦争が始まる前の交換公文ですよ、その中身も知っております。
 しかし、先ほどのように、情勢が緊迫している地域で、交換公文やテロ特措法に基づいて皆さんが給油支援活動をやった艦船が、アメリカの中央軍の指揮下のもとに対イラクに展開するようなことが起こり得ないと。あるいは起こった場合にどうするのか、こういう質問なんです。
○石破国務大臣 それは、今防衛局長がお答えをいたしましたように、そういうことは起こらないということなんです。起こらないというふうに私どもは信頼を申し上げておる。
 これは国と国との間で交換公文を結んだものでありまして、そんなものは信用できない、それが破られたらどうするかというようなことは、私どもは考えておりません。それが信頼関係というものであって、そういうことは起こらないというふうに思っておるわけでございます。
○赤嶺委員 今の情勢のもとでは、そういう、お互いの信頼関係というだけでは、国民の感情からしてなかなか納得いかない。皆さんが国会の中でどういう答弁をするかというような話ではなくて、気持ちとしても、そういう説明には納得いかないものを感じるところです。
 それで、さっき、給油支援対象国をふやされたというのがありましたけれども、これは、何カ国、そして何隻の艦艇、ここに参加しておりますか。前との比較でちょっと答弁お願いします。説明をお願いします。
○守屋政府参考人 これまで交換公文を締結した国は八カ国でございます。それで、アメリカ、イギリスが当初でございますが、新たにフランス、ドイツ、ニュージーランド、イタリア、オランダ、スペイン、カナダ、ギリシャ、この八カ国が加わったということでございます。
○赤嶺委員 その対テロ支援の給油をしている海域で、これまではアメリカの艦船も重要な役割を果たしていたと思うんですが、今の情勢のもとで、対テロで、特に対テロの中心的な活動は今日では海上阻止活動に移り、先ほど皆さんから御説明があったように阻止活動の地域も広がっているということになっていますが、アメリカの艦船はどうなんですか、今ふえているんですか、減っているんですか。
○西川政府参考人 アメリカの実績といたしまして、ことし、今年度に入りましてでいきますが、十五年の一月で五回、八千キロ、二月で十六回、三月で十回、こういうふうな回数で給油をしております。よろしいでしょうか。
○赤嶺委員 私はアメリカの参加隻数を聞いたんですが、時間が来ましたので、もうまとめますけれども、アメリカの空母機動群がイラクにシフトして、そしてそういう空母機動群が減っているわけですね。補給艦も機動群に組み込まれてイラクにシフトをしている。そして、その結果、日本の給油支援対象国がふえてきた。言ってみれば、これも国民から見ればアメリカの穴埋めを、アメリカがイラク戦争に展開する、その結果アフガンが手薄になった、それに連動して日本の給油対象国がふえていった、いわばイラク戦争の穴埋め支援ともいうべきものじゃないか。
 そういうようなことは直ちにやめて、イラクの平和的解決を政府は求めるべきと最後に主張しまして、私の質問を終わります。
○田並委員長 次に、今川正美君。
○今川委員 社会民主党の今川正美です。
 まず、石破防衛庁長官にお尋ねをしたいと思うのでありますが、先月二十七日の委員会答弁等で、北朝鮮問題とも絡みながら、我が国が敵地攻撃能力を持つ必要性は検討に値するという御答弁がございます。さらに、これは新聞報道等によりますと、巡航ミサイル・トマホークの購入が可能かどうかなど、米側との水面下の調整を図るように庁内に指示している、こういう報道等もございますが、まず、長官の真意をお伺いしたいと思います。簡潔にお願いします。
○石破国務大臣 まず、後段のトマホークの件でございますが、そういうような指示をしたという事実は一切ございません。そのような指示は全くいたしておりません。
 それから、前段のお話でございますが、あのときに、委員も席にいらっしゃってお聞きになっておられたと存じます。
 議員の方、議員といいますか、委員の方から、野党の方の方から、そういうふうな能力というものを持つということについての御見解のお話がございました。そして、かつての国会答弁において、ほかに手段がない場合に、座して死を待つのは憲法が予定をしておるところではないということも引用をいたしましたし、皆様方御案内のとおりでございます。
 それは、従来の政府の考え方を変えるというものでもございませんで、私は答弁の中で申し上げたと思いますが、現在、政府は、日米ガイドライン等々に基づきまして、そういう場合の弾道ミサイルに対する、敵基地に、敵といいますか、そういうような意図を持っておる国に対します打撃力というものは米国にゆだねるということもお話をしたとおりでございます。
 ただ、現在、与党の中にも野党の中にもそういうような御議論があります。今まで政府がとっております立場というものが本当に正しいものである、私どもとしてはその立場を堅持してまいるわけでございますけれども、その御議論を一切封殺するということではなくて、そのことに対してどうなのかということ、これはきちんと御説明をする必要があるし、議論をするに値するものということでございます。
 政府の方針を変えるとか、専守防衛を変えるとか、そのようなことはございません。これは当日の答弁の中でも申し上げたとおりのことでございます。
○今川委員 おっしゃるように、私も議論を封殺するということではいけないと思うんですね。
 ただ、これは長官が御存じのとおり、これまでの政府の統一見解というのは、例えば一九五六年二月二十九日の衆議院の内閣委員会で、鳩山総理答弁、船田防衛庁長官代読ということでありますが、簡単に言いますと、「誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能である」という見解がございますね。
 同時に、これは三年後の五九年三月十九日の内閣委員会でありますが、これは防衛庁長官の答弁で、途中から読み上げますけれども、「こういう仮定の事態を想定して、その危険があるからといって平生から、他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは、憲法の趣旨とするところではない。」ともおっしゃっているわけですね。
 つまり、法理的には可能かもしれないけれども、いや、政策的に自衛隊にそういう敵地攻撃能力は与えてこなかったんだということですよね。いかがですか。
○石破国務大臣 この委員御指摘の内閣委員会の三十四年三月十九日は、「他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは、憲法の趣旨とするところではない。」こういうふうになっております。確かに、政策的にということなんでありましょう。
 ただ、これはもう共通の認識だと思いますが、ほかに手段がないということと、攻撃的な脅威を他国が感じるというのは、私はニュアンスとしては別のことなんだろうと思っています。脅威を与えるような、専守防衛に反するような、防衛目的でないような、そのようなものは持たない、そういう政策判断は一貫しておりますし、現在もそうであります。したがって、敵基地攻撃というようなものを私どもとして今持つつもりがないというのは、冒頭の答弁で申し上げたとおりのことでございます。
 他方、では攻撃的兵器とは何かという議論が以前国会でございました。そのときには、大陸間弾道弾、そういうものが本当にあるか、そういう概念があるかどうかは別にして、攻撃型空母あるいは長距離爆撃機のようなもの、そういうものは持たない、攻撃的兵器は持たない、こういうようなお話もございました。
 いずれにしても、私どもとして現在の態度は、冒頭申し上げたとおりのことでございます。そして、他国に脅威を与えるような攻撃的なものは持たない、それもそのとおりでございます。
 それと、法理上できるということは、委員が御指摘になりましたこの答弁は二つの仕掛けがあると思うのですね。一つは、そういう今御指摘のようなこと。そして、もう一つは、そのようなものは、しかしながら、あのときは誘導弾という表現を使ったと思いますが、誘導弾は、今そのようなものがない、昭和三十年代前半においてないし、同時に、そのようなことは、座して死を待つことは憲法の予定するところではない。こういう二つの仕掛けによってあの答弁は成り立っているのだと思います。
 それが、現在、そのような誘導弾、今の言葉で言えば弾道ミサイル、そういうものの脅威が現実的になったときに、私どもはその部分は米国の打撃力にゆだねるということになっておるわけでございます。それが常に正しいということについて、これは検証していかねばならぬ。私どもは、それが正しいと思って今主張しておるわけでございます。
 そして、冒頭委員が御指摘になったように、議論を封殺するというものであってはならない。それが常に検証が行われ、私どもの国の平和、独立、安全に資するものであるということについて、私どもは責任を果たしてまいりたい。従来の専守防衛の方針を変えるつもりは全くございません。
○今川委員 今おっしゃった攻撃的兵器であるか否か、解釈はいかようにもできるんですね。非常に難しいと思います。
 今、昭和三十年代、いわゆる誘導弾という言葉が出てきますけれども、このミリテク、軍事技術の目覚ましい発達の中で、過去とは比べ物にならないようになってきていますね。そういった意味では、我が国が自衛隊発足以来とってきた専守防衛、そして必要最小限度の防御力というのも、非常に抽象的であり、何をもって必要最小限と言い得るかどうか、非常に問題を含むわけですね。
 先ほど長官は、巡航ミサイル・トマホークの購入の可否については言った覚えがないとおっしゃいました。これは一つの仮定として、今先ほどの答弁の中にもありましたが、北朝鮮を特定しない方がいいと思うんだけれども、周辺諸国の中で弾道ミサイル、日本を射程にすっぽり入れ込むような弾道ミサイルを発射する能力を持っている国がある、日本に対して攻撃の意図があるといった場合に、今の自衛隊の能力ではそれを撃ち返すだけのもの、防御する手段はないですよね。
 例えば、例えばです、巡航ミサイル・トマホーク、これは通常弾頭だと大体千七百キロぐらいの射程を持っていると言われておりますし、これで防御可能とお考えですか。
○石破国務大臣 これは、ミサイルディフェンスという意味では全く意味がないことは委員御案内のとおりで、いわゆるトマホークでもって弾道ミサイルが防御可能という概念は成り立たないのだと思っています。
 問題は、そのトマホークなるものを、これはもうどの国の仮定は全然いたしません、日本とか北朝鮮とかそんな話は一切いたしません。ある国が弾道ミサイルを持っている、それからねらわれている国がトマホークを持っている、それはどのような防御能力があるかと言われた場合には、それはミサイルディフェンスとしての意味を持ち得ないとするならば、そのトマホークを打撃力として行使するということに理屈の上からはなろうかと思います。
○今川委員 つまり、今、日米で共同研究をやっていますミサイルディフェンス、これも長官は、昨年暮れに2プラス2の会議でアメリカに行かれた折に、開発、配備も視野に入れて進めたいという趣旨のことをおっしゃったようでありますけれども、まだ今未完成ですね。いわゆる海上配備型で弾道ミサイルに対応し得るような防衛網を張るということでしょうけれども、今差し迫っているとは思いませんけれども、そういう海上配備型のミサイルディフェンスが完成する前に、先ほど仮定の話を申し上げたんだけれども、長官のおっしゃるとおりです、巡航ミサイル・トマホークが迎撃用のミサイルとは私も思いません。したがって、発射する基地に向かって、いわゆる敵地攻撃を、に打撃を与えるという能力は、トマホークの場合にはあるとお思いですか。
○石破国務大臣 それは委員御案内のとおり、トマホークもいろいろなタイプがございます。全く、最初に御指摘になったようなトマホークから、果てはと言うべきでしょうか、核搭載のトマホークまで、いろいろなトマホークがございます。
 委員が御指摘になったようなタイプのものだとするならば、それは、トマホークは巡航ミサイルですから、非常にスピードは遅いわけですね、原理としては飛行機と一緒でございますから。それはタイミングの問題かと思いますが、相手の基地に向けて打撃力を発揮し得る場合には、その相手のミサイル発射能力を減ずるもしくは滅するという意味においての意味はあろうかと思います。
○今川委員 次に、今北朝鮮の方は、NPT脱退あるいは黒鉛減速炉の再稼働であるとか、どんどんエスカレートしていますね。恐らく北朝鮮政府の思いというのは、クリントン政権と違って、今の米国のブッシュ政権は、イラク戦争があるということもあるんでしょうけれども、協議に応じないという態度をとっていますね。ただし、ブッシュ政権は、イラクの次は北朝鮮をやるとも言っていないわけでして、対北朝鮮に関しては多国間の枠組みで協議をした方がいいという趣旨のことを言っているはずですね。
 ところが、北朝鮮の方は、核の問題に関しては交渉相手はアメリカだとしか言っていませんよね。肝心のアメリカが振り向いてくれないものだから、どんどんエスカレートしていっているのかなと思うんだけれども。
 石破長官、この今の北朝鮮がとっている態度、これは最悪の場合には核燃料棒の再処理にまで手をつけていくということになると、さすがに米国も黙ってはいないだろうと思うんだけれども、そういう北朝鮮がエスカレートしていくところの原因なり理由というのは、一体どうお考えでしょうか。
○石破国務大臣 これは本当にいろいろな可能性を考えてみないといけない。私は、もし自分が、委員も同様だと思いますが、自分がかの国の指導者の立場であればどうなんだろうと思って考えてみるわけであります。
 そうしますと、とにかくどんどんエスカレートさせて振り向いてもらいたいということが一つあるのでしょう。ただ、気をつけなければいけないのは、それが単なる瀬戸際外交というものが目的なのか、それとも核保有そのものが目的となっているのか、それによってお話は全然変わってくるんだろうと思います。私どもは、そこのところをきちんと見きわめていく必要があるし、あらゆる可能性を視野に入れて対応を考えていかなければいけないと考えています。
 ただ、きょうの委員会の冒頭に申し上げましたように、大韓民国政府が申しておりますのは、二者択一ということですよね。核というものをとるのか、あるいは核を放棄するのかと裏返しに言ってもいいのですが、それとも体制存続なのか。言い方を変えれば、体制存続を望むのか、それとも援助というものを望むのか。核も持ちたい、しかし援助も受けたい、そういうようなことは通用しませんよということを、その選択というものを韓国政府が北朝鮮に対して求めている、私はそれは重要なことなんだろうと思っています。その点において日米韓三カ国が一致をする、そのことに私どもは努力をすべきではないかというふうに考えておる次第でございます。
○今川委員 今、北朝鮮の一番関心事というのは、今の政治体制、私もいいとは思わないけれども、しかし、北朝鮮側からすると、今の体制を維持することを肝心の米国が何らかの形で保証してくれということなんだろうと思うんですね。
 ですから、この間の経過の中で、私が思うに、北朝鮮としては、核開発というものに関しては主権国家である以上権利があるんだ、そういう核開発の計画も持っているんだとは言っているんですね。では、今原爆を一、二個持っているかどうかということは、だれもこれはまだ検証できていない。少なくとも今の体制を保証してくれればの話ですけれども、北が言うのは、米朝間の交渉の中で新たな枠組み合意をつくって核開発を放棄するということも一つの選択肢として持っているんだろうと思いますね。
 問題なのは、ですから、前回の委員会でも申し上げたんだけれども、アメリカも、先ほど申し上げたように、一切対話を拒んでいるわけではない。そうしますと、やはり我が国政府として、これは外務省に本来お尋ねすべきことなのかもしれませんが、やはりアメリカにもっと積極的に、朝鮮半島で二度と戦争を起こさせないために、起こさないために、やはり何らかの形で協議に早目に応じてほしいということをきちっと伝えるべきだと私は思うんですね。
 韓国から、つい先日も与野党の国会議員の皆さんがたくさんおいでになりました。ほとんど異口同音におっしゃっているのは、韓国にとって最優先は、第二次朝鮮戦争みたいなことがあっては絶対にならないということで、実は今回、イラク戦争に関しても、工兵隊など、非常に苦渋の決断だとは思うんだけれども、朝鮮半島で戦争を起こさせないという前提の中で、イラク戦争に少し派兵をしなければならないのかということもあったようであります。
 私が申し上げたいことは、事北朝鮮問題、朝鮮半島に関する限りは、ノドンミサイルあるいはテポドンがあるから、軍事的にどう防衛手段をとるかということも一つの考え方かもしれませんが、私は、ここは徹頭徹尾、やはり外交、話し合い以外に手段はないと思っているんです。
 そういった意味で、北朝鮮は米国との話し合いをしたい、米国は多国間の枠組みと言っている。ここに加えて韓国、直接の当事者である韓国は、やはり、米朝、それに日本、韓国、中国、ロシア、この六カ国の枠組みということを積極的に提言されているわけなんですね。
 あわせて、日本に来られた国会議員の皆さん方はやはり、いま一つ、日本のこの間の流れです、九七年の新しい日米のガイドラインから、先月二十八日に発射された偵察衛星も含めて、日本の政治の右傾化に対して非常に懸念をするということも正直に申されております。
 そうしたことに関して、あえて防衛庁長官にお聞きしたいんですが、石破長官、あなたの御見解を伺いたいと思います。
○石破国務大臣 御指摘のように、これは外務省がお答えすべきことでしょうし、政府全体なんだろうと思います。ただ、私は思いますのは、対話と抑止とよく言いますが、抑止のない対話というのは余り意味がないのだろう。そして、対話なくして抑止だけやったら、これも全く意味がないのだろう。そこの、対話と抑止のバランスをどうとるのだろうということなのだと私は思っています。
 おっしゃるとおり、韓国からいろいろな国会議員の方がお見えになりました。私もお話をさせていただきました。とにもかくにも戦争というものは絶対に避けなければいけない、それはそうだと思います。しかし、もう一つ絶対に避けなければいけないのは、北朝鮮が核を保有するということ、これも絶対に避けなきゃいけない。この絶対に避けなきゃいけないことが二つありまして、これをどうやって両立させるんだいということなんだと思っているのです。
 核主権という議論があることは私もよく知っています。北朝鮮において、何でNPT体制の五カ国だけが核の保有が許されて、私たちが持つのは許されないんだ、これは主権国家として当然の権利である、こういう議論がありますが、それを認めてしまいますと、これはもう核拡散がとまらなくて、もう世界じゅうが核を持ち始めて、これは本当に恐ろしい世界が現出をするのだろう。ですから、私たちとして、核主権というものはNPTの観点から認められない。それは、主権の制限と逆に言ってもいいのかもしれない。
 その、核を絶対に持たせないということと、戦争を起こさずにということ、そして委員が先ほどから御指摘になっておられる体制の保証というもの、この三つをどう考えるんだということだと思っています。
 私は、これが一番いい解決方法だというものを私個人が持っておるわけではありません。毎日悩んでいますけれども、これだというものが見つかりません。しかし、大事なことは、本当に日米韓三カ国がそのことについて認識の一致を持つということであり、これは米韓、米朝、二カ国だけの対話であってはだめだ。これはやはり世界じゅうが、世界じゅうの問題であるということで認識を持っているんですよということも、きちんと押さえておく必要があるんだというふうに私は思っております。
○今川委員 もう余り時間もないので、本当は、きょう外務大臣がお見えじゃないから、外務省の方に少し答弁を求めたいと思ったんですが。せっかくきょうは防衛庁設置法の一部改正案が出ているわけでして、それとの関連で、残された時間にちょっと、これも防衛庁長官の方にお尋ねをしたいと思います。
 私、改めて、来年で自衛隊が創設をされてちょうど五十年を迎えますね。やはりこれは憲法とのかかわり合いにおいて、自衛隊が専守防衛に徹するということから始まって、やはりいろいろな制約もあり、国民の七、八割が自衛隊を認めるというふうになってくるまでには、やはり非常に抑制的な組織として、装備も訓練も指揮系統も、欧米諸国から比べると抑制的な体制で臨んできたと思うんですね。しかし、最近、例えば冷戦が終わってから十年余、活動範囲も専ら、PKOから始まって、今はインド洋、アラビア海というふうに海外任務の方が比重が非常に高くもなってきています。装備にしましても、すぐれてハイテク化しています。
 ですから、確かに陸海空の自衛官の定数は三千名ほど減員とはなっておるものの、これでもって自衛隊の合理化、効率化、コンパクト化というふうに言えるのか。少なくとも、実力、戦力としては、例えば護衛艦を一つ例にとりますと、旧大綱のときの六十隻から、新中期防が完成したときには五十二隻。しかし長官、従来型の護衛艦と今の最新鋭のイージス艦とでは、その実力たるや格段の差があると思うんですね。ですから、隻数でもって減ったから軍縮とかコンパクト化、合理化というふうには必ずしも言えない。むしろ、自衛隊の持つ実力、戦力というのははるかにアップしているんじゃないか、私はそのように認識しています。
 特に一部改正案の中には、いわゆるゲリラ、コマンド対処部隊、既に私がいる佐世保には六百六十人規模の西部方面隊直轄の部隊がございます。今度は習志野に設置をするとおっしゃっていますけれども、三百人規模の特殊作戦群ですか、これは長官、どうなんでしょう。実質的に、日本版海兵隊のひな形みたいな思いもするんだけれども、いかがですか。
○石破国務大臣 委員御指摘のとおり、本当に、トン数が減ったから能力が落ちたというようなことにはなりません。私どもは、そういう説明をしてはならないと思っておりますし、それぞれ持っておるものの能力というものはきちんと御説明をしなきゃいけないことだと思っております。
 ただ、これは委員が一番よく御案内のことだと思いますが、イージスというものは攻撃的には用いることができない船ですよね。つまり、防空能力にしても対水上戦闘能力にしても、従来型の護衛艦よりもすぐれてはいますが、それが攻撃的な能力を持っているかというと、決してそういうものではございません。ですから、その辺を納税者の皆様方にきちんとした御説明をする義務が私どもにはあるんだろうと思っています。
 これは、為替のレートにもよりますが、世界有数の防衛費を国民の皆様方からいただき、使わせていただいておる私どもとして、それが抑止力として十分に機能するものなのかどうなのかという問いかけは、自分たちに向けても行っていかねばなりませんし、議会に向かっても御説明し、御議論をいただくことが私どもにとって必要だというふうに常日ごろ思っておるところでございます。
 今の相浦とか習志野のお話でございますが、これは現場を委員も何度かごらんいただいたことだと思っております。日本版海兵隊というようなことを私どもは考えておるわけではございませんし、そういうような能力を私どもとして考えているわけではございません。
 しかし、日本国内、いろいろな脅威、多様な脅威というもの、かぎ括弧つきでございますが、あろうと思っております。つまり、冷戦のときに考えられました例えば大規模侵略というようなもの。そういうようなものではなくて、もっと多様な、いろいろな危険があるのだろうと思っております。そういうものに適時適切に対応できるもの。そしてまた、これも従来申し上げていることですが、じゃ、どこまでが警察権、警察や海上保安庁で対応すべきものなのか、どこからが同じ警察権を使いながら我々が対応すべきものなのか、その装備は何であるべきなのかということをきちんと考えまして、かりそめにも海兵隊日本版というような、侵略的な、あるいはそういうような響き、ニュアンス、そういうものが国民の皆様方に持たれることがないようにきちんと御説明をしてまいりたい。
 しかし、多様な、複雑な脅威に対しては、きちんと国として対応できるようなものでありたいというふうに考えておるわけでございます。
○今川委員 もう時間がございませんので、二点だけお尋ねをしておきたいと思います。
 一つは、陸海空自衛隊の統合運用の問題です。
 これは、今石破長官がおっしゃったように、脅威の度合いからするとはるかに大きかった冷戦時代、ソ連の脅威に備えるという時代があったわけですけれども、その時代、冷戦時代にすらなかったこの三自衛隊の統合運用、それをなぜ今だろうか。これも先ほど申し上げたように、憲法とのかかわり合いの中でつくられた自衛隊だからこそ、欧米諸国の軍隊とは、いろいろな意味で特殊性を持ち、自己抑制的な武装組織として今日まで来ていると思うんですね。それを、なぜ冷戦後の今日、三自衛隊の統合運用というのが必要なのかというのが一点。
 いま一つは、陸上自衛隊の最高司令部、これは呼び方はこれでいいのかどうか、全体的な指揮権を与える中央機動集団というのですか、の創設ということが考えられているようでありますけれども、その中身を少し、簡単でいいですから説明していただきたい。
 というのは、これもやはり、陸上自衛隊にそういう最高司令部を設けなかったというのは、旧陸軍時代の陸軍の暴走があったから、その反省に立って陸上自衛隊の場合にはそういう最高司令部機能がなかったんだと理解するんですけれども、その点を含めて御答弁ください。
○石破国務大臣 後段につきましては、副長官からお答えを申し上げます。
 前段でございますが、私は、冷戦構造が終わったということと統合の問題は、論理的にはリンクしないというふうに思っております。
 先生御存じのように、自衛隊法二十二条の場合のみにそういう複数の自衛隊によります統合的な運用というものがございますが、逆に言えば、その場合のみに限られておるわけでございます。
 私は、冷戦が終わる、終わらないということとは関係なしに、陸海空三自衛隊の持っております機能が十分に発揮をせらるべく統合の運用というものは考えられなければいけない。統合ができないためのデメリットというのはたくさんあるわけですね。陸海空それぞればらばらに長官を補佐するというものが、二十二条の事態以外はそうなのだということで私はよいと思っておりません。
 長い間、統合運用が必要だという議論はございました。それは、もういろいろな試行錯誤もございました。しかし、今回統合運用を行うということをきちんと定めたことは極めて画期的なものであるというふうに思っております。それは、国民の皆様方からいただいております陸海空の機能をどうやって有機的に発揮し、抑止力たり得るかということを主眼とするものでございます。
○赤城副長官 後段の、最高司令部機能を持つ中央機動集団のようなものについてということでございますけれども、現行の制度では、防衛庁長官が各方面総監を指揮するということとなっておりまして、必要に応じて自衛隊法二十二条一項で特別の部隊を編成したり他の部隊を指揮下に入れるということで対処しております。
 今、統合運用に関する検討とか防衛力のあり方検討の中で、現行の体制で十分に有事に対処できるかどうかを検討してまいりたいと考えておりますが、防衛庁として先生御指摘のような方向で検討に入ったという事実はございません。
○今川委員 時間が参りましたので、最後に一言だけ。
 私が申し上げたかったのは、諸外国の軍隊とは違って今日があるということですので、ここ十年間ほどの防衛庁・自衛隊のありさまを見ていますと、非常に臨戦化しつつあるということに私は非常な大きな懸念を覚えます。
 これで質問を終わります。
○田並委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○田並委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。赤嶺政賢君。
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢でございます。
 私は、日本共産党を代表して、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 本法案は、防衛大綱、ガイドラインのもと、さらには自衛隊による対テロ戦争支援や有事法制の法制化など新たな情勢の展開を踏まえ、自衛隊の役割の拡大と米軍が海外で起こす戦争への支援態勢づくりを一層進めるためであり、反対であります。
 第一に、陸上自衛隊に新編するゲリラ、特殊部隊対処の専門部隊、特殊作戦群は、防衛出動時だけでなく、治安出動下令前の情報収集や警護出動、在外邦人救出などの事態であってもその出動は可能であります。警察機関が第一義的に対処すべき治安維持分野での任務、武器使用権限の拡大など、自衛隊の役割を拡大しようとする動きと一体となった部隊の態勢強化にほかなりません。
 第二に、第五師団の旅団化は、一定の定数削減を行うものの、高機動車や軽装甲機動車の導入などにより機動力や情報収集能力を高めた部隊への組織改編を進めたもので、周辺事態やPKOなどにも対応し得る陸上自衛隊の態勢づくりを進めるものであります。自衛官定数の変更には、第十師団の火力、人員面からの増強を図った戦略機動師団への改編も含まれています。
 第三に、防衛局次長の新設は、内局の体制を強化することにより、有事法制の法制化や防衛大綱の見直しに向けた検討を加速しようとするものであります。
 最後に、統合幕僚会議の増員には、統合運用計画室、統合運用訓練支援班の新設が含まれています。これは、昨年十二月に統合幕僚会議がまとめた「統合運用に関する検討」成果報告書を踏まえ、陸海空自衛隊の統合運用化に向けた検討体制の拡充を図るものであります。
 一九九〇年代に入り、自衛隊は、PKOや対テロ戦争支援など海外への出動と米軍支援を繰り返してきましたが、今度は、その効率的な運用のためとして、統合運用を基本とする態勢への移行を進めようとしています。自衛隊の海外出動と日米共同作戦の本格的な実行態勢の構築に向けた一歩を踏み出そうとするものであり、容認できません。
 以上、反対討論を終わります。
○田並委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○田並委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○田並委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田並委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○田並委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十一分散会