第156回国会 決算行政監視委員会 第3号
平成十五年四月十六日(水曜日)
    午前九時三十一分開議
 出席委員
   委員長 山口 俊一君 
   理事 宮路 和明君 理事 持永 和見君
   理事 奥田  建君 理事 木下  厚君
   理事 山名 靖英君 理事 塩田  晋君
      石田 真敏君    岩崎 忠夫君
      植竹 繁雄君    江藤 隆美君
      大木  浩君    北村 誠吾君
      小西  理君    河野 太郎君
      高木  毅君    高橋 一郎君
      橘 康太郎君    谷  洋一君
      谷本 龍哉君    中村正三郎君
      額賀福志郎君    橋本龍太郎君
      林 省之介君    三ッ林隆志君
      宮腰 光寛君    武藤 嘉文君
      村上誠一郎君    赤松 広隆君
      上田 清司君    北橋 健治君
      古川 元久君    松崎 公昭君
      神崎 武法君    桝屋 敬悟君
      大森  猛君    藤木 洋子君
      中川 智子君    山谷えり子君
    …………………………………
   財務大臣         塩川正十郎君
   国務大臣
   (金融担当大臣)
   (経済財政政策担当大臣) 竹中 平蔵君
   内閣府副大臣       伊藤 達也君
   総務副大臣        若松 謙維君
   外務副大臣        茂木 敏充君
   財務副大臣        谷口 隆義君
   文部科学副大臣      渡海紀三朗君
   厚生労働副大臣      鴨下 一郎君
   文部科学大臣政務官    池坊 保子君
   会計検査院長       杉浦  力君
   会計検査院事務総局次長  白石 博之君
   会計検査院事務総局第一局
   長            石野 秀世君
   会計検査院事務総局第二局
   長            増田 峯明君
   会計検査院事務総局第四局
   長            重松 博之君
   政府参考人
   (総務省行政評価局長)  田村 政志君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房長) 結城 章夫君
   政府参考人
   (文部科学省スポーツ・青
   少年局長)        田中壮一郎君
   政府参考人
   (文化庁次長)      銭谷 眞美君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局次
   長)           三沢  孝君
   政府参考人
   (社会保険庁運営部長)  磯部 文雄君
   政府参考人
   (環境省大臣官房廃棄物・
   リサイクル対策部長)   飯島  孝君
   決算行政監視委員会専門員 小林 英紀君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十六日
 辞任         補欠選任
  小西  理君     谷本 龍哉君
  河野 太郎君     高木  毅君
  橘 康太郎君     三ッ林隆志君
  額賀福志郎君     高橋 一郎君
  橋本龍太郎君     北村 誠吾君
  御法川英文君     岩崎 忠夫君
  宮腰 光寛君     林 省之介君
  神崎 武法君     桝屋 敬悟君
  穀田 恵二君     藤木 洋子君
  山口わか子君     中川 智子君
同日
 辞任         補欠選任
  岩崎 忠夫君     御法川英文君
  北村 誠吾君     橋本龍太郎君
  高木  毅君     河野 太郎君
  高橋 一郎君     額賀福志郎君
  谷本 龍哉君     小西  理君
  林 省之介君     宮腰 光寛君
  三ッ林隆志君     橘 康太郎君
  桝屋 敬悟君     神崎 武法君
  藤木 洋子君     穀田 恵二君
  中川 智子君     山口わか子君
同日
 理事御法川英文君同日理事辞任につき、その補欠として宮路和明君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
四月十五日
 平成十三年度一般会計歳入歳出決算
 平成十三年度特別会計歳入歳出決算
 平成十三年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成十三年度政府関係機関決算書
 平成十三年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成十三年度一般会計歳入歳出決算
 平成十三年度特別会計歳入歳出決算
 平成十三年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成十三年度政府関係機関決算書
 平成十三年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 歳入歳出の実況に関する件
 行政監視に関する件

     ――――◇―――――
○山口委員長 これより会議を開きます。
 まず、理事辞任の件についてお諮りいたします。
 理事御法川英文君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
 引き続き、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、宮路和明君を理事に指名いたします。
     ――――◇―――――
○山口委員長 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 両件調査のため、本日、政府参考人として総務省行政評価局長田村政志君、文部科学省大臣官房長結城章夫君、文部科学省スポーツ・青少年局長田中壮一郎君、文化庁次長銭谷眞美君、厚生労働省職業安定局次長三沢孝君、社会保険庁運営部長磯部文雄君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長飯島孝君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
○山口委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山名靖英君。
○山名委員 公明党の山名靖英でございます。
 それでは質問をさせていただきたいと思いますが、まず総務省の方にお伺いをしたいと思います。
 行政評価法、これが二年前にできまして、昨年四月から施行しているわけでございまして、そういう意味では、昨年は政策評価法施行元年、こういうことで、今、行政評価、政策評価が進められているところでございますが、きょうは若松副大臣に来ていただいております。副大臣もこの行政改革については特段の見識を持っていただき、推進力を果たしていただいたと高く評価をしているところでございます。
 そこで、国民は、やはり自分たちの支払った税金がどのように、どういう方向で有効に使われ、そして効果を上げているのか、最近とみに厳しい目があるわけでございまして、そういった中でこの行政評価法ができたということは、まことに画期的な法律だと私は思っておりますし、一層の推進に力を入れなければいけない、こういうふうに思います。いわゆる企業会計あるいは企業の経営、こういったものが行政に一枚加わり、本当に有効性のある政策が実現される、そして一方でむだなものは排していく、そのためのチェックというものは極めて大事であろうと思っております。
 そこで、昨年、施行元年ということで、それで各府省もいろいろな試行を重ねながら評価を実施してきた、こういうふうに認識をしておりますが、どのくらいの政策評価が実施されたのか、平成十四年度の各府省における政策評価の実施状況についてまずお伺いをしたいと思います。
○田村政府参考人 ただいまお話ございましたように、平成十四年四月から行政機関が行う政策の評価に関する法律が施行されまして、各府省におきましては、この法律に基づきまして、基本計画、実施計画を策定しまして、それぞれの施策につきまして、事後評価、事前評価に取り組んできているところでございます。
 平成十四年度中に、法に基づく政策評価としては約一万一千件が実施をされておりまして、この評価の結果につきましては、広く国民に公表するとともに、各府省の政策への反映に努めるところでございます。
○山名委員 一万一千件の評価が出たということではまことに画期的なことだと思っております。問題は、その評価に基づいて、それがどのように具体的に予算に反映したのか、こういうことが問われるわけでありまして、これは、政策評価法、法律の中にきちっとその辺は規定をされているところでございまして、いわば義務づけられているわけですね。
 この政策評価の結果というのは、昨年の場合でいいますと、平成十五年度の予算要求の時期から、すなわち八月以降、かなりおくれた段階で出てきておるわけでありまして、そういう意味では、当然、十五年度予算には反映されていないわけであります。
 今後、そういう意味では、予算要求にきちっとした反映を図るためには、やはり評価のタイミングというものはもっと事前にきちっと出すべきではないか。そうでなければ、予算の上でどのような配慮をし、その評価が生かされたかということがはっきりしないわけでありまして、そういった意味では、総務省としては、その辺の取り組みはがっちり各府省にお話をしていただいて、評価の前倒しといいますか、予算の要求に間に合うような、そういうタイミングで取り組むべきである、こういった話はするべきではないか、こういうふうに考えますが、いかがでしょうか。
○若松副大臣 まず、山名委員におかれましては、この行政評価の施行、まだまだ駆け出しもありまして、これからの改善点も含めまして、委員の御協力に対し感謝申し上げるとともに、引き続き御指導をよろしくお願い申し上げます。
 そして、今委員が御指摘になりました政策評価結果の予算反映でございますが、先ほど局長が一万一千件ということでございますが、去年のいわゆる予算過程、去年の十二月までに実際、約千件強出てまいったわけであります。
 そういうことを考えますと、私どもとしては、やはり予算編成の八月末、ここまでに、政策評価をそれぞれ各省が出していただきたいということでこれからもお願いしてまいるわけでありますが、この政策評価もことしで二年目ということで、実は、あしたちょうど副大臣会議がございまして、そこで各副大臣に、ぜひともことしの八月までに各府省の評価報告書を出していただきたいということをお願いしようと思っております。また、きょう委員から御質問があったこともその場で報告させていただこうと思っておりますので、ぜひとも、平成十六年度の概算要求に向けました政策評価につきましては、全府省の政策評価書の作成と公表を強く求めてまいりたいと考えております。
○山名委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 そこで、そういう意味での反映状況についてでありますけれども、要するに、今までは年末に財務省が、いわゆる財務省原案、こういったことを示す段階でこの反映状況を公表する、こういうことでありまして、各府省における政策評価結果が予算要求にどこまで反映したのかということについては、今まで一切公表がなかったわけであります。
 そういう意味では、各府省が概算要求に向けまして政策評価を行うということになっているわけでありますから、その結果の反映状況については、総務省がきちっと取りまとめて公表するというルール、こういったものをやるべきではないかと考えておりますが、これについてはいかがでしょうか。
○若松副大臣 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、概算要求が行われた段階で、政策評価の結果を予算要求へいかに反映していくか、これは大変大事なことでありまして、またそのためにこの政策評価法ができたわけでありますので、ぜひとも、国民への説明責任を果たすためにしっかり対応してまいりたいと思っております。
 具体的には、平成十六年度予算要求への反映状況がどうだったのかということをしっかりと取りまとめて、国民の皆さんにその全体像が示されるように、現在も努力しておりますけれども、それはしっかりと対応してまいりたいと決意しております。
○山名委員 そこで、この行政評価・監視は、我が国の今の財政状況を考えましても、当然、その評価が生かされて、歳出削減あるいは経費の効率化、こういったところに、まさに行政上の重要課題でありますけれども、いかにそういった形のもので生かされたかということが重大な関心事であろうと思います。
 そこで、歳出削減あるいは経費の効率化、こういう観点から見て、今日まで行った総務省の行政評価、政策評価が結果的にどのような実績をもたらしたのか。何点かそういった紹介すべきものがあれば、この機会にぜひ紹介をお願いしたいと思います。
○田村政府参考人 お答えいたします。
 総務省の行政評価・監視は、総務省設置法に基づきまして、各行政機関の業務の実施状況を調査しまして、合規性、適正性、効率性などの観点から業務運営上の問題点を明らかにしまして、その上で、関係行政機関に対して改善方策について勧告を行い、行政運営の改善を図るものでございます。
 平成十二年度から十四年度までの三年間で見ますと、四十四件の勧告等を行っておりますが、このうち、歳出削減、経費の効率化の観点を含んだものは約半数でございます。
 最近の例を一つ挙げさせていただきますと、私立学校の振興に関する行政評価・監視、これは平成十四年十二月十七日に勧告をしておりますが、ここにおきましては、多額の収入超過額がある学校法人に対しまして経常費補助金を支出しているという例がございましたので、その大幅な減額を勧告した例がございます。
 以上でございます。
○山名委員 総務省に対する最後の質問なんですが、こういった従来からの行政評価・監視活動、こういうことについては、やはり今後とも、予算執行全体を所管する財務省、ここと十分な連係プレーが必要ではないかと思っております。
 いずれにしても、国民の皆さんのとうとい税金がいかに効率的に活用されているのか、そしてきちっとした行政評価のもとにそれがどう生かされたのか。これは当然、総務省と財務省との間の連係プレー、ふだんは余り仲がよくないわけでありますが、これについてはしっかりと連係プレーでぜひ推進方を図っていただきたいと思っておりますが、最後に、その点についての決意のほどをお聞きしたいと思います。
○若松副大臣 御指摘のとおりでございまして、歳出削減、経費の効率化の観点から行う行政評価・監視は、その結果をいかに効率的に予算執行につなげていくか、こういうことで、財務省との連携が極めて重要ということであります。
 具体的には、四月の十日でありますが、これは財務省の主計局局長以下、総務省行政評価局局長以下、いろいろな意見交換をさせていただき、今委員が御指摘のとおりの趣旨に従って、効率的な予算反映というところに今努力しているところでございます。
 そのために、何といっても、私どもの行政評価局で得た情報を財務省に情報提供を行うということで、財務省の主計局の予算編成にいかに役立てていただけるか、こういうことで、今後も行政評価局と主計局の連携というのを密にしたいと考えております。
 これは私個人の考え方でありますけれども、特にアメリカでは、予算管理庁というのがございまして、平たく言うと、日本の主計局と行政評価局が一体化したような組織であります。似たような組織が議院内閣制のオーストラリアにもあるということで、事前評価ということを考えますと、財務省の主計局の予算査定と、私どもが行う事前評価は極めて重複する面もあります。やはりそういったところもいろいろとこれから議論しなければいけないのかな。そういう問題意識もございまして、ぜひとも、今後とも委員の御指導を賜りたいと念願しているところでございます。
○山名委員 それでは次に、環境省に、特に廃棄物関係でお聞きをしたいと思います。
 昨年でしたか、青森県と岩手県の県境で、産業廃棄物等の不法投棄問題が明らかになりました。二十七ヘクタールの原野に、推計ですが、八十二万立米という不法投棄がなされたわけでありまして、大変な社会問題になっております。特に、その中に、いわゆるRDF、難しい言葉ですが、リフューズ・ディライブド・フュエル、ごみ固形化燃料というものですね、これが投棄をされていた、こういうことでありました。これについて、環境省はどういう実態把握をしておりますか。
○飯島政府参考人 先生御指摘の青森・岩手県境の不法投棄事件でございますが、RDFを初めといたしまして、堆肥のようなものあるいは燃え殻などの廃棄物が全部で八十二万立方メートル不法投棄されております。このうちRDFにつきましては、主に青森県側に投棄されておりまして、その量は約四万七千立方メートルと推計しております。
 このRDFの由来でございますが、埼玉県にございます縣南衛生株式会社という中間処理業者が、産業廃棄物である廃プラスチック類を主体に、紙くずや木くず等を混合の上固形化したものでございまして、ただ、その中にガラスのかけらとか金属のかけらが混入していたこともございまして、有価では売却できないで、青森県で廃棄物処理業の許可を得ておりました三栄化学工業株式会社と共謀して、平成十年ごろから、地盤安定化剤として有効利用する、こう偽りまして不法投棄したというところまでわかっております。
○山名委員 きょうは、その問題は余り深くは追及いたしませんが、RDFについて若干の質問をしたいと思うんです。
 このRDFは、環境省が中心になっていろいろと地球温暖化対策、こういったことで取り組んでいただいておるわけでありますが、廃棄物分野に関する施策として、いわゆる廃棄物の発生抑制、それから再使用、再生利用、こういう取り組みをやる。特に、燃やさざるを得ない廃棄物、これについての廃熱有効活用といいますか、そういう意味での廃棄物発電あるいはバイオマスエネルギーの有効活用、こういうことによりまして、従来の化石燃料の使用抑制を推進する、こういうことであるようですね。
 これがひいては地球温暖化対策ということにつながるわけでありまして、当然、この廃棄物処理施設に対する温暖化事業で、平成十五年度予算で環境省として五十億円、予算を計上しておるわけですね。当然、その中に、こういったいわゆるRDFあるいはガス化溶融炉の施設推進等々入っておるわけであります。
 そこで、このRDFにつきましては、生ごみ等あるいは廃プラ、ごみ由来であるがゆえに、いわゆる有害物質、ダイオキシン等、こういった発生の可能性は一方で当然懸念をされているわけでありまして、そういった意味でのダイオキシン対策という観点からRDFをどうとらえているのか、その辺について御見解をお伺いしたいと思います。
○飯島政府参考人 先生が御指摘になりましたように、廃棄物でございますRDFを利用して発電に使用する場合でございますが、これは当然、このRDFの燃焼施設というものが廃棄物処理法の規制を受けることになります。
 一定程度、一時間当たりの処理能力が二百キロ以上等の燃焼施設につきましては、廃棄物処理法におきましては、都道府県知事の許可を通じて施設の立地の審査を受けることになります。
 ダイオキシン対策でございますけれども、ダイオキシン類を低減するために必要な燃焼室、燃焼ガスの冷却設備あるいは排ガス処理施設、これらを有していなければならないという基準がございますし、さらに、排ガス中のダイオキシン濃度が基準値に適合するような適切な維持管理の基準も定められておりまして、RDF燃焼施設からのダイオキシン類の発生につきましては、廃棄物処理法に基づいて規制されているわけでございます。
○山名委員 このRDFの新技術というのは比較的新しいわけでして、それだけ、余り実績等がないようでありますが、その中で、数年前ですか、RDFの製造、発電、こういった面でその有効性というものが期待をされてきたわけであります。だからゆえに、環境省としても補助金をつけまして、施設整備等の支援をしている。現実は、RDFの利用先が一方で少ない、こういうふうにも聞いております。
 そもそもこのRDFの持つ有効性、それから逆にデメリット、こういったものをどのように認識をして、当然有効性があるがゆえに補助金対象になっているわけでありますけれども、そういった意味で、功罪といいますか、こういう認識、これをどのように持ってこの補助金の対象にしたのか、その辺についての見解をお聞きしたいと思います。
○飯島政府参考人 RDF製造施設に対する国庫補助でございますが、これは平成五年度から国庫補助の対象にしておりまして、これまで、十四年度まででございますが、全国四十九カ所のRDF施設に国庫補助を行ってきております。
 当然、RDF施設の有効性を認識した上での補助でありますが、特に、昨年十二月のダイオキシンの本格規制に対応いたしまして、個々の焼却施設の改良では非常に効率が悪い、お金もかかるということで、一カ所に集約して、きちんとしたダイオキシン対策の焼却施設をつくる。ほかの市町村では、RDF製造施設をつくりまして、それを集約した焼却発電施設に運んで、行っていく。これは、ダイオキシン対策の上からも、あるいは費用効果の上からも効果的ということで、特にこの十四年十二月に向かっての数年間、新規採択の実績が多くなっているわけでございます。
 RDFの利点でございますが、そのまま焼却する場合に比較いたしまして、固形化いたしますので質が均一化しまして、焼却管理がより容易になります。しかも、比較的長期間の保管が可能、さらに、先ほど申し上げましたように、運搬するときの安全性が高まるということであります。先ほど言いましたように、個々の市町村でRDF化施設をつくって、そのRDFを一カ所に集約して、焼却してごみ発電につなげる、これが最近非常に多くなっております。
 こういった特徴がございますので、これは地域の実情に応じて、必ずしもこれが一番いい方法であるかどうかは検討の必要があると思いますが、私どもとしては、地域の実情に合った形で行われれば、このRDF製造施設の建設というのは、ダイオキシン対策あるいは効率的なごみ処理の観点から有効な手法であるというふうに考えているところでございます。
○山名委員 今お話があったように、まさにごみの減量化という観点から考えれば、極めてこの有効性は高いと思うんですね。当然、かさ比重が少ないわけですから、輸送についても、輸送性といいますか、これは極めて高いと言えますし、それから、貯留性というか保管ということが、極めて安定した状況で保管できるとか、そういうことは当然あると思います。
 ただ、非常にこれはコストが高いわけですよ。だから、製造設備にコストがかかるというこの大きな欠点、これは非常に困るわけでありますが、しかし、私も、ごみの減量化という観点から考えれば、減量化のシステムはいろいろあるでしょうけれども、ある面では、このRDFの方式というのはこれからも推進していくべきであろうというふうに思っております。
 大体、不燃物以外ほぼすべてのごみがRDF化可能、こういうふうに言われておりまして、そういった意味では、腐敗の可能性がある分別可燃ごみといいますか、これのRDF化、これが主たる対象ということでありますから、特に生ごみ等、年間五千万トンを超えるという大変な排出量、これをいかに今後減量化して、そして有効処理していくか、有効活用していくか、この観点はこれからもしっかり生かしながら、一方で推進は図るべきであろうと思っております。
 そこで、そういう意味で、このRDFの利用先ですね。さっきもちょっと触れましたけれども、なかなかこの利用先が少ないという話も聞いておりまして、その辺についてどのように環境省としては考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○飯島政府参考人 先生の御指摘になりましたRDFの利用先についてのお尋ねでございますが、環境省が国庫補助を行ったRDF製造施設、これにつきまして、平成十三年度の稼働実績を最近調べました。国庫補助を受けたRDF施設、二十五施設稼働実績がございました。
 それらの利用先は、製紙工場とかセメント工場の中のボイラーの燃料になったり、あるいは先ほど申し上げました発電施設の熱源になったり、さらに公共施設の中での冷暖房の熱源になったり、あるいは、製造施設それ自体が乾燥するために燃料を必要といたしますので、乾燥用燃料になったりという形で、すべて確実に利用されておりました。
○山名委員 各自治体四十九カ所、この施設を持っていると。しかし一方で、いわゆるでき上がったRDF、固形燃料、これが処理できずに、さっきの不法投棄という事態もあったわけでありますが、現実、地方自治体にとっては、その処理のために、わざわざそれぞれの自治体の単費を投入してその処理をお願いする。自治体にとっては、わざわざお金を払って、買い手を探しながら、売り手を探しながら、ある面ではこの問題について悲鳴を上げている、こういう自治体もあるやに聞いております。
 これは補助金を打っているわけですから、その補助金を打つための要件は当然あると思います。事業計画に基づいて、その事業計画がそれなりの要件に合致して初めて補助金の対象ということになるんでしょうけれども、そういう点では、RDFの利用実態について、実際、現実問題として、どのような有効な廃棄物処理形態があるのか、調査、点検、フォローアップ、こういったものを今しっかりやっていかないと、推進するにしても、そのフォローという面では現状は極めて薄いと思います。
 したがって、お聞きしますと、十三年度に一回、そういった調査をされたように聞いておりますけれども、この際改めて環境省としてこのフォローアップについてしっかり取り組むべきである、こういうふうに主張したいと思いますが、いかがでしょうか。
○飯島政府参考人 RDFの利用実態調査につきましては、最近行わせていただきまして、十三年度に稼働実績のあったものがどうなっているか、こういう調査でございまして、ごく最近に行わせていただいたところでございますが、先生の御指摘も踏まえまして、引き続き調査をしていきたいと思います。
 なお、環境省の補助を受けて行ったRDF施設は先ほど申し上げたとおりなんですが、先生御指摘のように、補助を受けないで市町村が単独でかつてRDF施設をつくった場合がございます。その場合には、民間の製造業等の燃料として契約を結んで、取引先といいますか利用先を確保したということなんですが、いろいろな景気の変動によりまして、取引先が確保できなくなって困ってしまう、こういったお話は確かに聞いております。
 環境省の補助の対象とする場合には、その永続的な利用先につきましても、きちんとチェックした上で補助金を交付しておりますので、先ほど申し上げましたように、十三年度の稼働実績のあった施設については今のところきちんと利用されている。ただし、御指摘の点もございますので、今後ともこのフォローアップをしっかりして、利用先の確保に努めてまいりたいと思います。
○山名委員 時間が来ましたので終わりますが、最後に会計検査院にお願いだけしておきます。
 今局長のお話がありましたが、会計検査院としても、その辺の、実態に伴う補助金の出費がなされているのかどうか、費用対効果という観点とあわせて、この問題に対する取り組みを会計検査院としてもぜひやっていただきたい、このことを要望しておきます。
 ありがとうございました。
○山口委員長 次に、北橋健治君。
○北橋委員 おはようございます。民主党の北橋健治でございます。
 この間、私はまず、日本にとりまして非常に危機的な状況に陥っております経済、とりわけ金融問題について、まず財務大臣、金融担当大臣の御見解をお伺いしてまいります。
 今週週明けの株価は、驚くべき、底なし沼の状況まで来ておりまして、いよいよ日本経済も、このままではもう三月危機ならぬ毎月危機に陥っている。まずここで両大臣にお伺いしたいことは、最安値の株価低迷に至るまでは、政府・与党間でいろいろな手を打ってきてはいるわけです。しかし、ここまで落ち込んでまいりますと、これはもう、産業界が緊急提言されたように、重大な深刻な事態に来たと言わざるを得ないんでありますが、まず、その原因についてどのように考えていらっしゃるか、率直に大臣の御見解を聞かせていただきたいと思います。財務大臣からお願いします。
○塩川国務大臣 私は、一つは、株式に対する企業並びに個人の認識が非常に変わってきたと思っております。つまり、個人の側からいいますと、株式に対する価値観というものが変わってきたと思っておるんです。それは、バブル以前でございましたら、株は、持っておったら値が上がるということ、それからもう一つは、増資とかで配当以外に妙味がございましたが、現在は、株を持っておったって、株の配当があるかないかわからぬような状態だし、あっても、低金利の状態で、それに連動しておりますから妙味がないということもある。そういう点から、株のリスクだけが目立ち過ぎて、株に対する興味というものが非常に薄れてきておるという、これが根本だと思っております。
 ところが一方、社会的に見ました場合に、株というものは高いものだという認識、とにかく、ダウ平均何万円時代のこと、それがやはり頭の中に残っておりますので、それで高いの低いのという評価をいろいろやっておりますけれども、これは金利水準とかいろいろな面から見たら、私は株の価格というものがもう少し高くあってもいいとは思いますけれども、そんなに昔のような、平均株価二万円とか三万円とか、そういうことは想定できないように私は思います。
 そうであるとするならば、これをやはり平均水準以上に興味のあるようなそういう状態に持っていくということが株価の誘導であろうと私は思っておるのでございまして、何千円がデッドラインであるとか、何千円が要するに目標であるとかいうようなことは、今早計に決められないと。
 しかし、もう保有している株が、株価が企業に大きい含み損を与えておるということは事実でございますので、この含み損を少なくするためには、やはり根本的にはデフレ対策というものが必要ではないか。そのデフレ対策を積極的に講じることによって、株価の水準も当然に引き上げられていく可能性が高いのではないかという考えを持っておるのでございまして、当面はデフレ対策に重点を置いて努力をすることが必要だと思っております。
○北橋委員 竹中大臣の御答弁をいただく前に、今の財務大臣のお話を聞いておりますと、底なし沼に陥って、これから質問しますけれども、与党の方からもいろいろな提言が出ているわけです、産業界でも、このままじゃだめだと。そういう状況に至っているその危機感というものが全く今の御答弁には感じられません。
 それでは、大臣にお伺いいたしますけれども、小泉内閣がスタートをしたときには、日経平均は一万三千九百七十三円であります。時価総額は三百九十兆円です。それが、四月十五日に七千七百五十二円まで落ち込み、時価総額にして実に二百二十九兆円まで落ち込んだという。これに対しては政治責任というのはほとんどお感じになっていらっしゃらないんじゃないですか。大臣は、ここまで株価が底なし沼のように落ち込んできていることに対して、まず、政治責任というのをお感じになりませんか。
○塩川国務大臣 そういう理論でおっしゃいますならば、一九九三年、四年ごろの株価から一万七千円、一万三千円落ちたのはどういうことなのかということとの連動でございまして、要するに、それがバブルがはじけた一つの現象として起こってきておるものであって、それに対する対策というものは、株価だけの問題ではなくして、経済構造全体の問題として解決しなければならぬものである、私はそう思います。
○北橋委員 最近の証券市場の変化に対してはいろいろな識者がいろいろなことを述べておられますが、やはり直近の株価下落の牽引役というのは、銀行株に非常に大きな問題があるのではないか。つまり、メガバンクの中には、取引先に増資の引き受けを押しつけてみたり、そういう悪あがきの増資というようなものもあってマーケットの不信認を受けている。要するに、金融システムに重大な欠陥があって、それに対して本格的に改革に着手をしていないというところに最大の原因があるのではないですか。それについては、大臣、どう考えますか。
○塩川国務大臣 もちろん、それは大きい原因であると私も思います。
○北橋委員 最初からそのように、株価がここまで落ち込んだ原因の中で、状況認識の中で言っていただければいいわけでありますが、要するに、金融システムに重大な欠陥が、本当に改革に着手されていないからだということですね。それもお認めになるわけですよね、塩川さんは。
○塩川国務大臣 それも原因の一つであると思いますが、やはり経済全体の問題、そしてまた株式に対する一般のあるいは企業の認識の問題も、価値観の変化というものを一緒に考えてもらわなければいけないと思うんです。
 だって、今まで株価をつり上げてきた一つの、維持してきた原因は、持ち合い制度があったということでしょう。この持ち合い制度がなくなってきたということは、売り一手になってきたということも一つの原因であって、銀行の構造改革だけの問題ではない。そういういろいろな複合した原因が株価というものに出てきておるのでございまして、単一にこれだというような決め手のものは私は考えられないと思っております。
○北橋委員 塩川大臣は小泉内閣の最高のブレーンの方だと私は思っておりますので、やりとりがありますので、続けさせていただきます。
 それでは、報道によりますと、きのう小泉総理と財務大臣が協議をされた。それはなぜかというと、産業界は、ここまで至るとこれはもう大変な状況になったので、証券税制の見直しなど緊急提言をされたと。
 それについては、やらないでいこうというふうに報道によるとお決めになったということなのでありますが、なぜもう少し深刻に受けとめられないんですか。幾つかの理由があるということをおっしゃいましたけれども、産業界が、これ以上、株価低迷の中でどんなに自助努力でリストラをしてみてもどうにもならない、やはりそれを活性化するための緊急対策が必要だ、そういう悲痛なる産業界の足並みをそろえての叫びに対して、どうしてそれだけ耳を閉じられるんですか。大臣、どういうふうにしてきのうは総理とお話しになられたんですか。
○塩川国務大臣 総理と私の話の中にありましたことは、そんなに大きい、多言を要することじゃございませんが、経済界三団体からこういう申し入れがあった。私のところには、つまり、政府に対してはどのように正式に手続を踏んであったのか知らないけれども、新聞で報道されるところではこういう報道があったと。これに対しまして、私としては、責任者の一人として、これを実際に実現するためにいろいろ手段を講じるということは今の段階では難しいということを私ははっきり申しました。
 ということは、税制の改正がやっと皆さんの御尽力によりまして国会で成立したところなんです。それをまた変えろということは、余りにも朝令暮改のそしりを受けるではないか、税制そのものに対する信頼を失うではないかということが一つであります。それからもう一つは、主として、証券税制に対してたび重なる改正を加えて、税制の改正も加えてまいりましたし、また、株の保有体系等について株価対策というものを講じてまいりました。保有機構をつくろう、日銀も銀行の保有株を、要するに保有を切りかえようと。これは金融システム安定のためにやるんだということでございますから、金融システムのためにはそういう努力もしておられる。
 あらゆる努力をしてまいりましたけれども、これがやはり自然の勢い、要するに、経済の力というものはそういう政策だけの問題としてできるものじゃなくて、政策はあくまでも環境を整えるものには役立つけれども、引っ張り込んでいくということの力というものはなかなか政策では、この自由主義経済、資本主義経済では難しいということを実感しておるのでございます。そういうことがあるから、だから、銀行、三団体からの言ってきておるものに対して、私は、今のところ考慮することはできないということを返事したいということを総理に申しました。総理も、よく考えてみるとこれは今早急に検討すべき問題としてはちょっと難しいな、こういうことでございました。
 それが以上の話の中身であります。
○北橋委員 大変残念な方向であると私は思っております。
 大臣、今の答弁の中でも、朝令暮改になって税制の信頼を失うということでございますが、それならば、視点を変えてお伺いいたしますけれども、今、与党の最高首脳の皆さん方が口をそろえて、今日の株式市場の低迷なり経済の惨たんたる状況を前にされまして、一度決まっていることを見直しをしようじゃないかという話が起こっていますね。時価会計の一部凍結であるとか、あるいはまた今後減損会計の延期をしてはどうかという話が出てきております。
 私は、政府・与党の中でいろいろな議論があるのは結構でございますが、政調会長が言われている、総務会長が言われている、それから与党のデフレ対策の特別委員長が言われている、さらには宮澤元大蔵大臣までが言っていらっしゃるようなことを報道されているわけです。与党の最高首脳の人たちが時価会計の一部凍結ということを言い始めている。これに対してはどうされますか、財務大臣。
○塩川国務大臣 昨日の記者会見でも、それから、二週間ほど前でございましたか、記者会見でもこの質問が出まして、私はこういうことを申しております。
 この時価会計制については、平成十二年の三月期決算から適用するということが決まった、一応。そして、それを準用している企業がどんどんとふえてきておる。その中であって、これはまた政府としては、これはやんぴで、これはどうでもいいんですというような、選択制であるとかいうことを採用したとするならば、これに対する、一般のいわば投資家というものが企業に対する、決算に対して一つの思惑を持つのではないか。だから、決めたことはそのまましてもらった方がいいのではないかということを私は申し上げたことがございます。昨日の記者会見でも、そういう観点に立つならば時価会計を継続するということかという質問がございましたので、私は、そのとおり、これは政府の既定方針どおり実行するということを申し上げました。
○北橋委員 竹中経済財政担当大臣は、この問題についてどうお考えですか。
○竹中国務大臣 この問題というのは、企業会計、会計基準の問題ということだと存じますけれども、基本的に、日本の商法及び証券取引法等々では、一般に公正妥当な会計基準をしんしゃくしなければならない、これがやはりすべての基準であろうかと思います。
 では、何が一般に公正妥当な会計基準なのか。これについてはそれぞれの皆さんによっていろいろな考え方があろうかというふうに思います。さまざまな御意見も踏まえながら、今、一般に公正妥当な会計基準というのは、以前は大蔵省の企業会計審議会等々で議論されて、そこでさまざまな基準が示されてきたわけでありますけれども、それが数年前に、これは政府の一部である、政府からも民間企業からも独立した場でこういうものが決められるべきであるという声に押されて財団法人財務会計基準機構がつくられて、今その委員会で、何が公正妥当なものなのか、時価会計等々についての議論が行われているところでございます。
 我々としては、まさに一般に公正妥当な会計基準に従うべきである、そこでの議論をしっかりと専門家を中心にしていただいて、幅広い各層、各業界からの御意見も聞いていただいて、そこで議論をしていただく、そこの結果を尊重するというのが我々の基本的な立場であろうかというふうに思っております。
○北橋委員 これは既に報道されていますように、財務会計の基準機構、政府の審議会のところで協議をするというふうになっているんですが、竹中大臣にもう一度お伺いします。
 この問題については、与党ががんがん皆さん方のところに言っていっているわけでしょう。その中で、小泉総理は三月十一日時点でこう言っているんですね、奇策はとらない、王道を行くと。つまり、一蹴されておるわけです、与党の流れを。大臣はその方向でいくんですね、審議会にまた丸投げではなくて。総理はそういうふうにおっしゃっているじゃないですか。あなたにも言われたと思う。やらないということですね。
○竹中国務大臣 まず、繰り返しになりますけれども、これは財団法人でありまして、政府の審議会ではございません。専門家が集まって、各幅広い層の意見を聞きながら、一般に公正妥当と認められる会計の基準を議論する場であるということでございます。
 我々としては、商法の規定にあくまで立って、一般に公正妥当と認められる会計基準に従ってこの制度をつくっていくというのが我々の務めである。一般に公正妥当と認められないような基準をもしつくったならば、これは奇策であろうかというふうに思います。
 繰り返し言いますが、一般に公正妥当なものに我々としては従う。与党の皆様、野党の皆様、それぞれ各層でいろいろな意見がございます。会計基準についても、見直した方がいいという意見もあれば、いや見直すべきではないという意見もある。そういうことも踏まえて、一般に公正妥当な基準というものがまさに今粛々と議論されているところであるということであります。
○北橋委員 言葉は多いんですけれども、よくわからないんです。政調会長、総務会長、デフレ対策委員長、元大蔵大臣が言っていることなんですよ。それを総理大臣も、これは奇策だ、やらないと言っているんです。だから、その方針でやるんですねと確認しているんです。たくさんの言葉は要りません。総理の方針でやるのかやらぬのかだけ言ってください。
○竹中国務大臣 総理の方針は、一般に公正妥当と認められる会計慣行に従えということであります。そのとおりやります。
○北橋委員 そう言っていません。奇策はとらないと言っている、奇策と認めるとか認めないのかを答えてほしい。再答弁を求めます。与党が何ぼ言っても、総理が言われたように、奇策とあなたも考えているのかいないのかと聞いているんです。
○竹中国務大臣 奇策とは何なのか。王道とは何なのか。一般に公正妥当と認められる会計慣行に従うのが王道であると思います。
○北橋委員 これは、政府・与党のポリシーというのは本当にすごい対立になっていますね。溝がありますね。ばらばらですね。
 そこで、時間もありませんから、今度は竹中大臣にお伺いします。長い答弁、正確にお答えしたいでしょうけれども、質問に端的にお答えいただきたい。
 株価が異常なまでに落ち込んだのはいろいろな理由があると塩川大臣はおっしゃった。その中で、金融システムに大変大きな欠陥があることが大きな原因の一つだと認めますね。
○竹中国務大臣 日本の金融システムが依然として脆弱である、それを解決するために我々は今不良債権処理の加速を行っておりますが、それがまだ途上であるということが、やはり日本の経済全体に対する信頼をまだ十分に回復していない一つの理由であるというふうに思っております。
○北橋委員 私どもは、何もやってこなかったことが重大な事態に至っているという認識でございます。
 先へ進みますけれども、例えば、実体経済が非常に傷んでいるから株価にもそれはあらわれていると思うんですよ。いろいろと手を尽くしてやってみてもうまくいかないというのは、日本経済の実態が非常に傷んだままだと。失業者が出る、年金が下がりそうだ、医療費は上がる、個人消費が凍結されていく、そういうことがいろいろとシンボルとして株価にあらわれていると私は思いますが、きょうは、その中で一つだけ取り上げます。
 中小企業の倒産、ひどいですね。失業もひどい。では、中小企業に対する金融の円滑化については、いろいろなところが、各省庁協力してやってきてはいると思います。私どももそれを後押ししてきました。
 ところが、例えば、約束一つ守らない銀行がありますね。公的資金を注入を受けたところの銀行というのは、前年度に比べて中小企業への貸し出しをふやすという対外公約をしてもらっている。それは、国民の税金をつぎ込むわけですから、九八年以来、それはきっちりやってもらわなければいけない。三年前にこの委員会で、当時は大蔵委員会でございましたけれども、それをやらないものですから、徹底的にこれは与党からも厳しい意見があったけれども、我々は頭取に来てもらってやったことがありますけれども、あるメガバンクなんというのは去年の九月時点で五兆円も減っていますよ。
 では、それがこの三月ぐらいになって、見込みですけれども、これは少し時間がかかって出てくるのは承知しています。四兆五千億円まで減っている。つまり、五兆円、金融庁は半年前に指導もされたと思う、何をやっているんだと。対前年度よりふやして、中小企業をもっとふやせよと言っていると思う。それがほとんど改善されていない。
 つまり、株価がなぜ落ち込んできたのか。それは経済運営が失敗しているからです。行き詰まっているからです。そして、中小企業という日本のほとんどの法人の中で苦しんでいるのは、金融問題。たったこの一つ断面を取り上げてみても、何もやっていないじゃないですか。金融庁は一体何を指導してきているんですか。
○竹中国務大臣 中小企業に対する金融が依然として非常に厳しい状況にある、そのことに関して、金融機関も我々の当局も引き続き大きな責任を負っているというふうに日々痛感をしております。
 今、例えば公的資金を注入を受けている銀行の中小企業に対する貸し出し目標が実現していないという点に関しては、これは委員は御承知だと思いますが、我々は今までになかったような速さで業務改善の命令を打たせていただきました。本来でしたら、これは年度目標ですから、年度を待って業務改善命令を今まで打ってきたわけでありますけれども、中間の決算の段階で、これはひどいということで業務改善命令を打ちました。今、それに基づく報告を定期的に我々としても聴取して、その目標が達成されるように、これは我々としてもぜひ引き続き厳しくその監督をしていきたいと思っております。
 もう一点、余り長くなると申しわけありませんけれども、そうした問題に加えて、我々としては、メガバンクの今までの行政と、やはり地域に根差した中小企業に対するいわゆるリレーションシップバンキングとは違うメカニズムであるという認識に立って、金融審の中でリレーションシップバンキングに関する新しい仕組みづくり、結論を出しました。こうしたことについても、引き続き、しっかりと制度をつくって、我々としては中小企業に対する、地域に対する金融が滞ることがないようにしっかりと努めていきたいと思っているところでございます。
○北橋委員 その答弁で、今資金繰りに苦しんで、日本経済を実質支えている中小企業の人たちが納得すると思われますか。五兆円、九月現在で去年よりも減っているところが、命令を出しても五千億円ぐらいしか改善されていないじゃないですか。その正確な数字は後から出るかもしれませんけれども、結局、公的資金を受けたところ、注入を受けたところでもそのような実態ですよ。
 本当に、対前年度に比べて貸し出しをふやしていくという公約は、絶対達成させますか。ここまで株価が下がって、そのしわ寄せは全部中小企業に行っているんです。ますます苦しんでいる。その中で、ひどい状況が九月決算のときにあった。大臣は必ずやり遂げさせますか、銀行に対して。国民の税金を受けて再出発をしている銀行に対して、政治家としてここで約束できますか。いろいろと、理屈じゃないんですよ、公的資金を受けたら、きちんと中小企業に対して貸し出しをふやすというのが対外公約なんです、銀行側にとって。それを指導するのがあなた方なんです。政治家として必ずやらせるんですか。その一言、決断を聞きたい。
○竹中国務大臣 我々としては、業務改善の命令を出しております。それを実行させるように、しっかりと監督を行いたいと思っております。
○北橋委員 できなかったらどうするんですか。連休明けにこの数字は出てきますよ。できなかったらどうされますか。政治責任をとるんですか。
○竹中国務大臣 業務改善命令というのは重いですから、今、それを受けた銀行でもその目標に向けて懸命に取り組んでいるというふうに思っております。改善が見られない場合や結果が伴わない場合には、その原因等を十分精査して、その態様に応じてさらなる必要な監督上の措置を厳しくとっていくつもりでございます。
○北橋委員 やはり私は、竹中教授のレポートをたくさん読ませていただいて、私は尊敬をしておりましたけれども、でも、政治家としての答弁はそういうものじゃないと思いますよ。やはり、自分が体を張って、政治生命をかけてでもやるんだ、やらせるんだというぐらいの姿勢が当局に全くないということは、きょうはっきりわかりました。
 それから財務大臣、総理とお話しになって、産業界のあれをまた一蹴するそうですけれども、やはりここまで落ち込んだのは、金融システムの改革が進んでいないからですよ。それをしていないで、朝令暮改だからと。今さら国民のだれが税制に対して、何%が信頼していますか。冗談じゃないですよ。やるべきことはやるというのが政治なんです。お二人の大臣には危機感というのが全くない。その意味では、与党の方がずっとある。そういった意味で、私は産業界の緊急提言をやるべきだということを主張して、あともう一問聞いておきます。
 これは、生命保険のセーフティーネットのあり方につきましては、既に衆議院を通過いたしました。やはり国民にとって、自立自助の将来の安心を、礎を支えるという意味において私は当然のことだと思いますが、これは業界負担だということをよく各委員が言っていたけれども、それは基本的にはちょっと性格が違う。これは契約者の問題なんですね。
 だから、例えば一万円ぐらいの配当がことしは来るんじゃないかと楽しみに待っていたら、そのうちの千五百円分ぐらいはセーフティーネットのために企業を通じて拠出しているわけです。本来、これは契約者に帰属する世界のものなんです。そうやってやっているんですが、現実に一千億円の枠を超えた場合に、実際に政府がどのように措置するかというのは、答弁は実にあいまいであります。そのときの生保の経営の状況を見て、こうおっしゃるんですけれども、財務大臣にまずお伺いします。
 予算をそのときに提出するとなった場合には、これは財務省がやらなきゃだめなんですけれども、やるんですか、本当に。この答弁を聞いている限り、やるのかやらないのかわからぬのです。
 そのことは、私は、今回の議論を通じてアメリカの方から、日本の行政というのは本当にわからない、ディスクロージャー、何をやっているのかわからない、こういう問題を契約者に対して、国民に対して、また健全な経営を促す意味においてもきちんとすべきであるにもかかわらず、どうするのかが見えないんだということを言ってきている。全くそのとおりだと思いますよ。
 ですから、予算を提出する権限を持っている財務大臣として、その場合にはきちんと対応するということを言明していただきたいのであります。
○塩川国務大臣 政府は既に言っておりますように、そういう事態が起これば、非常に残念なことでございますけれども、やはり予算措置を講じざるを得ないと思っております。
○北橋委員 この問題については、竹中大臣は、きのうの答弁でもそうですけれども、業界全体の動向を見ながら政府が判断し、予算措置を国会にお願いするとしか言っていないんです。
 この問題については、三年前の改正のときに、私、当時、大蔵委員会の理事をしておりまして、質問をさせていただきました。
 そのときに、同僚委員からもいっぱい質問が出まして、この問題についてかなり議論があったんです。答弁は、かなり突っ込んで、大臣から、当時は宮澤大蔵大臣でございました。大野次官からも出ております。どういうことを言っているかというと、当時の三年前にしても、保険業界の場合、実際上、もう負担の限界に来ているというふうに宮澤大蔵大臣はっきり言っているわけです。これ以上業界がそれを強化するための努力に負担の能力の限界がある、だから政府としても保護の意思を明らかにする、こう言われました。小渕総理もそうなんですね。おのずから限界があると考えている、だからその補助を可能とした、こう言っております。
 当時、やはり業界を取り巻く厳しい経営環境というものを大臣、政務次官は答弁の中ではっきり認めております。あれから超低金利政策を続けて、その分逆ざやという形で、経営の自助努力ではどうにもカバーできない問題でプレッシャーがかかっております。
 そして、今日の株価、異常な低迷であります。だれが考えたって三年前に比べてますます厳しくなっていることはわかる。しかし、それにもかかわらず、仙谷委員の質問に対しても局長の方からはっきりとお答えにならない。私は、年金を守る、医療を守る、生保を守る、そういった将来の安心を守るという政府のかたい決意というものが見えない限り、個人消費は解けないと思うんです。
 担当大臣、竹中大臣にお伺いしたい。
 だれが考えても、三年前と比べて状況は厳しくなっている。特に、最近の無為無策による株価の低迷は直撃弾になっている。超低金利政策で、年金生活者や生保や年金、みんな苦しくなっている。そういう中で、対外的な要因によってますます苦しんでいるのに、なぜ局長にこんなあいまいな答弁をさせるんですか。業界の負担能力を考えたら、三年前に小渕総理、宮澤大蔵大臣がはっきり言明しているより厳しい状況にある。
 私は、そういうところに、官僚によって統治されているという気がしてならない。ここは政治家としてはっきりと、やることをやるんだということで認識を明らかにした方がいいと私は思うのであります。どうですか。
○山口委員長 申し合わせ時間が過ぎていますので、大臣、簡潔に。
○竹中国務大臣 ちょっと私、意外な感じがしたのでございますけれども、昨日、局長のみならず、これは私だったか副大臣だったか、しっかりと答弁をさせていただいたつもりでございます。
 現状を厳しく認識していること、そして、現状の状況では結果的にやはりその財政措置をとるということになる可能性が高いと思っている、そのことはしっかりと申し上げたつもりでございますので、その意味では、私は、前回の、数年前に当時の宮澤大蔵大臣が答弁されたのと同じ気持ちでございます。
○北橋委員 それでは、これ以上契約者に対して負担の強化は求めませんね。これ、一言だけお答えして。これ以上負担を求めませんね、契約者に対して。
○山口委員長 これを最後にしてください。
○竹中国務大臣 これ以上負担を求めないということの趣旨でございますけれども、今回の法案で示したとおりでございます。
○山口委員長 次に、木下厚君。
○木下委員 民主党の木下厚でございます。
 本日は、音楽と芸術という、私の顔からちょっと想像できないようなテーマでございますが、ひとつ議論させていただきたいなと思います。
 既に御承知のように、バブルのピークを前後に、いわゆる地方の活性化あるいは景気対策ということで、それぞれ全国の地方自治体で、文化会館とかあるいは市民ホール、音楽ホール、あるいは文化センター、あるいは芸術会館といったものが全国あちこちにできたわけですね。これはいわゆる箱物という形でできたわけですが、その中の目玉あるいは象徴として、パイプオルガン、数千万円から、高いものでは四億円を超えるというものまで入ってきています。
 このパイプオルガンそのものは、私は、市民の文化あるいは芸術の向上、そういった面では大いに結構だと思うんですが、ただ、このパイプオルガンに関しましては、非常に限られた方々、欧米を中心に約五百社ぐらいあるらしいんですが、ビルダー、いわゆる製作者と、それから、日本への輸入商社、さらにはごく一部の専門家、いわゆるオルガニスト、こういった人たちの専門の中でこういったものの設置が決められている、非常に選定が不透明であるという指摘がなされています。
 やはり税金でございますので、そういったものが不透明であればこれは正していかなきゃいけないということで、ちょっと議論させていただきたいと思うんですが、本論に入る前に、一般論としてちょっとお聞きしますが、国立大学が物品を購入する場合、これは通常は一般競争入札あるいは指名競争入札あるいは随意契約という形があると思うんですが、この基準、これはどうなっているんでしょうか。簡単にちょっと御説明願いたいと思います。
○結城政府参考人 国立大学などの国の機関の調達手続でございますけれども、会計の法令によって定められておるわけでございます。
 特別な場合、すなわち金額の小額な物品を買う場合、あるいは緊急に調達を要する物品を買う場合、あるいは著作権あるいは特許権などで供給者が一者に限定されている物品などの調達、こういった場合については随意契約による場合がございますけれども、それ以外は原則的には一般競争入札による物品などの調達が行われているところでございます。
○木下委員 一般競争入札ということなんですが、音楽、芸術というそのジャンルで、金額以外に、非常に、例えば選定委員の評価とかあるいは価値基準、あるいは好きだ嫌いだといういわゆる嗜好の部分まで及ぶものがございます。
 例えばパイプオルガンみたいなもの、こういったものに対して、本当に一般競争入札でいいのかどうか、その辺はどういうふうに判断されていますか。
○結城政府参考人 国立大学におきます大型設備の調達におきましては、その仕様を決める必要がございまして、その仕様の内容の公正性、公平性を確保する観点から、適正な人数による仕様策定委員会を設けることになっております。そこで十分審議をした上で仕様の決定を行うということになっております。
 その場合の仕様でございますけれども、教育研究上の必要性に配慮しながらも可能な限り必要最小限なものにするという考え方になっておるわけでございます。
○木下委員 もう一度、一般論としてお聞きしますが、大学が物品を購入する際、一部の教員が繰り返し同じ製品を推奨する、あるいは、選定委員になってあちこちの、例えば国立大学あるいは地方自治体のそういった施設、そういった選定委員に同じ人があちこち顔を出して繰り返し同じ製品を推奨するということは、どうなんでしょうか。法的な問題その他を含めてお答えいただきたいと思うんです。
○結城政府参考人 競争入札のための仕様を策定する過程におきまして、教員が教育研究上必要となる性能とか機能を要求することは認められるものだと考えております。
 先ほど申し上げましたように、大型設備を調達する場合には、複数の者による仕様策定委員会によって仕様策定しておりまして、その仕様の内容は、教育研究上の必要性に配慮しながら可能な限り必要最小限のものとする。さらには、その仕様策定の際には、官報により業者の方に資料の提供を招請し、さまざまな性能、機能を把握した上で仕様書のまず原案を策定し、さらに、特定の供給者が有利にならないよう、仕様書原案についても官報により供給者に対して意見の招請を行う、こういう手続等を行っておりまして、国立大学の調達において、透明性の確保をするための仕組みができ上がっているというふうに思っております。
○木下委員 できるだけ簡略にお願いしたいと思うのですが、国立大学の教員が繰り返し同じ製品をあちこちで推奨する、これは望ましいことですか、望ましくないですか。その点で答えてください。細かい説明はいいです。
○結城政府参考人 その教員が自分の属します大学において選定委員などになりまして、仕様の策定委員になって、教育研究上必要なことを言う、これは当然あり得ることだと思います。
 ただ、それ以外のいろいろな全国の施設について物を言うというのは、これは専門家としてのアドバイスということだろうというふうに思っております。
○木下委員 それでは、もう少し詳しく聞かせていただきますが、国立大学の東京芸術大学音楽部新奏楽堂に一九九九年七月に納入されたフランスのガルニエ社製のパイプオルガンは、二億六千四百五十万円で購入しています。その選定が極めて不透明だったという指摘があります。
 実は、これを指摘したのは、最近「癒しの楽器 パイプオルガンと政治」という本を出された慶応大学教授の草野厚教授が指摘しているわけなんですが、その東京芸術大学でこのガルニエ社製のパイプオルガンを導入した経緯と決め手となったポイント、簡単で結構でございますので、教えていただきたいと思います。
○結城政府参考人 東京芸大のパイプオルガンの調達の件でございますけれども、平成六年の十一月に九名の教官、事務官から構成されます仕様策定委員会を発足させまして、その後、仕様書の原案をつくり、先ほど申し上げましたような手続でメーカーの意見招請などを行い、最終的に平成七年の六月に公開入札を行ったところでございます。
 その際に、三社から応札がございまして、そのうちの一社については、これは技術の審査で不合格となりましたが、残りの二社で競争いたしました結果、予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって申し込みを行った業者に落札をした、こういう経緯でございます。
○木下委員 そのパイプオルガンの導入に際して、選定委員会である同大のH教授、名前はあえて伏せますが、S助教授、このお二人がとりわけ強くガルニエ社製のパイプオルガンを推してきた、推薦してきたという、この事実は把握しておりますか。
○結城政府参考人 今御指摘のお二人の方は、先ほどの九名の仕様策定委員会に入っておられるわけですけれども、そこの仕様策定委員会におきましては、ガルニエ社を含む複数の企業の提案書などを比較検討し、教育研究上必要とされる最小限の性能、機能等を仕様として要求したというふうに考えております。
 したがいまして、今のような、特にこれを、特定の社のものを強く推したというような事実はないというふうに承知しております。
○木下委員 今、比較検討したという話がございました。
 その点からもう一つ質問させていただきますが、このガルニエ社製のパイプオルガン、いつごろから日本に知られるようになったのか、また現在までに何台ぐらい国内に輸入されているのか、わかったら教えていただきたいと思うのです。
○銭谷政府参考人 私どもが調べました範囲では、ガルニエ社のパイプオルガンが日本に最初に入りましたのは、昭和五十八年に神戸松蔭女子学院大学に設置をされたというふうに聞いております。また、公立の文化会館に導入をされましたということでは、平成三年の東京芸術劇場が最初というふうに承知をいたしております。
 なお、公立の文化会館におけるガルニエ社のパイプオルガンの設置台数は、ただいま申し上げました東京芸術劇場と盛岡市民ホールの二カ所であるというふうに承知をいたしております。
 ただ、日本におけるガルニエ社のパイプオルガンの納入台数につきましては、草野先生の著書では二十五台ということになっておりますけれども、私どもとしては正確な数は承知をいたしておりません。
○木下委員 今、草野教授の本からということなんですが、草野教授や私の調査によれば、最初に導入されたのは神戸の松蔭女子学院ということだろうと思うんですが、九一年に、今おっしゃった池袋駅前の東京芸術劇場、ここに導入され、八〇年代では七台、それが九〇年代には十七台、一気に急増するわけですね。そして、二〇〇〇年代、三台。現在受注残が相当あるということなんですが、これは、これだけガルニエ社製のパイプオルガンが人気が出たのは、恐らく先ほどのS助教授が繰り返し推奨し、あちこちで導入を働きかけてきたその結果だろうと思います。
 これが単に、本当にオルガニストとして、すばらしい、いいものだという観点からだったら私は納得するんですが、この導入にまつわるさまざまな不透明さ、これが指摘されているわけなんです。
 特に、このガルニエ社製のパイプオルガン、これは東京芸術劇場に四億円で九一年十二月に導入されていますが、このガルニエのオルガンというのは、設置当初からトラブル続き、本当にトラブル続きで、十分な演奏ができない、そういう状況が続いております。これについて、どの程度把握しておりますか。
○銭谷政府参考人 東京芸術劇場の設置者でございます東京都に確認をいたしましたところ、芸術劇場が導入をいたしましたガルニエ社のパイプオルガンの購入価格は三億八千七百万円、それから、その後、メンテナンスに、設置時から平成十三年度まで、合計で一億二千四百万円かかっているというふうに聞いております。
 トラブルにつきましては、東京都に確認をいたしましたところ、これまで、完成記念演奏会などでトラブルが発生をしているというふうに承知をいたしております。このため、東京都では、平成九年、平成十一年、平成十三年に、パイプオルガンの機能の鑑定を専門家の方に依頼をしておりまして、その鑑定報告書によれば、多くの機能上の問題点があって演奏に支障を来していると指摘をされているとのことでございます。
○木下委員 十三年間で、メンテナンス費、一億二千万円、これは異常に多い。年間にすると約一千万円ですよ。それだけのトラブル。
 しかも、今、三回鑑定が行われたということなんですが、フランス文化省オルガン鑑定士のエリック・ブロチェ氏の鑑定、ここにございます。この中で、今おっしゃったように、大変重要なことをおっしゃっています。これらのトラブルの問題は、オルガンの基本的なコンセプトにかかわることであり、分解と再建造を含む大がかりな改造工事なしには解決できない、こう言っているわけですね。これは、三回やって、一回も二回も三回目も、ほぼ同じことを言っているんです。要するに、これはもう直しようがないということを言っているわけですね。これは承知していますか。
○銭谷政府参考人 ガルニエ社のパイプオルガンにつきましては、冒頭申し上げましたように、公立の文化施設は二つ入っているわけでございますが、盛岡市に確認をいたしましたら、盛岡市では、設置以来、特に故障などのトラブルはないということでございます。
 東京の芸術劇場につきましては、先ほど申し上げましたように、三回の鑑定を、検査を受けているわけでございますが、その三回目の報告書の中で、ただいま先生がお話をされましたような記述があるということは、私ども、調べまして、承知をいたしております。
○木下委員 年間に一千万円、十三年間で一億二千四百万円ですか、このメンテナンス費、どう評価されていますか、多いですか、少ないですか、当たり前だ、これは当然ですか。どう判断されていますか。
○銭谷政府参考人 私ども、ほかの公立文化施設のパイプオルガンのいわゆるメンテナンス費について若干調べましたところ、それらに比べますと、東京芸術劇場の場合は、大変大がかりなパイプオルガンということもあるとは思いますけれども、メンテナンス費としては決して安くはないというふうに思っております。
○木下委員 決して安くないと、高いんですよ。これは都民の税金で使われている。
 私の調べたところによりますと、例えば、今、盛岡市民文化ホールのパイプオルガン、これはトラブルがないとおっしゃっていますが、年間のメンテナンス費用は約二百万円です。三十一ストップクラスではかなり高い。ちなみに、四十四ストップの秋田県総合生活文化会館、約百十五万円、これはフランスのケルン社製のものです。あるいは、四十二ストップの福島市音楽堂が約百二十万円、デンマークのマルクーセン社製です。そして、東京芸術大学と同じ規模の三十三ストップの松江市総合文化センターが約七十五万円、これはドイツのベッケラート社製のものです。東京芸術大学に導入したガルニエ製のものは、二〇〇一年で二百三十二万円、二〇〇二年で二百四十八万円。
 どうですか、よその違うビルダーのオルガンと比べて、このガルニエ社製のものがいかに高いか。どう判断されますか。
○銭谷政府参考人 東京芸術劇場のパイプオルガンは大変大がかりなものでございますので、規模の大きさに応じてメンテナンス料がかかるということはあろうかと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、他の同じガルニエ社のパイプオルガンを導入いたしました盛岡市などに比べますと、やはり東京芸術劇場のパイプオルガンのメンテナンス費というのはかなりかかっているということは事実だろうと思います。
○木下委員 問題は、東京芸術劇場のガルニエ社製のパイプオルガンがこれだけメンテナンス費用が高くて、しかもトラブル続きであるにもかかわらず、その後導入した盛岡市民文化センターあるいは東京芸術大学、同じものを導入しているわけです。
 その選定委員の審議の過程、議論を全部取り寄せて見ました。しかし、トラブルのことについて一言も触れられていない。その選定委員あるいは選定委員長になったのは、東京芸術大学のH教授であり、S助教授なんですね。
 何で、それだけトラブルがあるにもかかわらず、盛岡市民文化センターあるいは東京芸術大学に導入するのに、議論をしないんですか。あるいは、東京都に対して、例えば、それだけトラブル続きだったら、損害賠償をなぜ請求しないのですか。その辺、どう思いますか。
○結城政府参考人 東京芸術大学のパイプオルガンの調達のことで申し上げたいと思いますが、ただいま御指摘の東京芸術劇場のパイプオルガンと芸大のパイプオルガンでは、製作の技法が異なっております。つまり、池袋の芸術劇場の方は裏表両面タイプの回転式であるのに対しまして、上野の芸大のものは一般的な据置式でございまして、東京芸大といたしましては、芸術劇場のパイプオルガンの故障やトラブルについて評価した結果、同じようなことは芸大の方では起こらないと判断したというふうに聞いております。
 事実、東京芸大の方のパイプオルガンは、導入した後、今日まで、大きな故障やトラブルは全くないというふうに聞いております。
○木下委員 それじゃ、さっき私が申し上げました、盛岡のパイプオルガン、これも、メンテナンス、年間二百万円。あるいは、東京芸術大学のパイプオルガンのメンテナンス、これもさっきしたように、二百三十二万円、二百四十八万円、二〇〇一年と二〇〇二年です。なぜ、これだけメンテナンスが高いんですか。
○結城政府参考人 東京芸大の方の状況を申し上げますと、メンテナンス費は、音に関する調律、それから、メカニズムに関する、湿度の変化などに対応した構造上の調整といったことを行っておるわけでございます。東京芸大のパイプオルガンは無垢の木材によって製造されておりますので、空調を入れるときには、そういったメンテナンスが必要になるということでございます。
 それで、先生御指摘のように、大体、二百万ちょっとの年間メンテナンス料がかかっておりますけれども、これは、パイプオルガンの使用頻度、メンテナンスにかかる人件費、所要経費などを積算してやっておりまして、その予定価格内で契約をしておりますので、適正な価格での契約になっておるというふうに思っております。
○木下委員 調律その他ということなんですが、では、なぜ、盛岡市民文化センターあるいは東京芸術大学での選定の際、この東京芸術劇場のふぐあい、あるいは解体しなきゃだめだとまで言われたそのふぐあい箇所について全く議論されなかった。これは、公平公正な選定をする上で大きな欠陥じゃないですか、その辺はどう判断されていますか、なぜ議論されなかったんですか、あえて隠したと言わざるを得ないと思うんですが。
○結城政府参考人 東京芸大の方に確認したわけでございますけれども、芸術劇場のパイプオルガンと芸大のパイプオルガンでは構造が違いますので、同じようなトラブルは生じないという判断で、隠したということではなくて、議論する必要がなかったということだと思っております。(発言する者あり)東京芸大の判断でございます。
○木下委員 それはおかしいですね。確かに、池袋の東京芸術劇場、先ほどおっしゃったように特色のあるものになっています。しかし、同じビルダーがつくったものなんですよ。やはり当然参考意見として、そのトラブル続き、あるいは一億二千万かかっている、そういった問題が議論されなきゃいけない。だれがあえて触れなくていいと言ったと、それを確認していますか。だれが言ったんですか。もうその問題は触れなくていいとだれが言ったんですか。答えてください。
○結城政府参考人 その辺の入札に当たりましての仕様につきましては、先ほど申し上げました九名の仕様策定委員会において議論した結果でございます。
○木下委員 だから、議論したということなんですが、その選定委員長はH教授、それから選定委員はS助教授なんです。ずっとガルニエを推奨してきた人たちが選定委員長と委員を兼ねている。さらに、この仕様策定委員会と技術審査会の委員長、これをH教授が兼任していますね。あるいはS助教授も、両方兼任した委員をやっています。これで本当に公正公平な選定ができるんでしょうか。
 恐らく文部科学省は、会計課長通知で、旧文部省時代、公平公正さを保つために委員の重複を避けるようにという通達を出しているんじゃないですか。その事実を含めて、この重複した選定委員と技術審査会、この重複している人事についてどう判断されますか。
○結城政府参考人 国立大学での大型設備の調達に当たりましては、技術審査の公平性、公正性を確保するために、可能な限り仕様策定委員と技術審査職員の重複を避けるように、先生おっしゃいましたように、通達を出して指導しておるところでございます。
 ただ、調達する物品によりましては、専門的知識を有する者が極めて限られている場合がございまして、この場合には重複はやむを得ないというふうに考えております。
 この芸大のパイプオルガンの調達に当たりましては大学で検討を行ったわけでございますけれども、この専門的知識を有する者、これは具体的に申し上げますと、芸大の音楽学部の器楽科のオルガン・チェンバロ専攻ということになるわけですが、ここに教授が一名、助教授が一名の二人がおるだけでございまして、そういうことで、その専門的知識を有する者が極めて限られておったということで、仕様策定委員と技術審査職員が重複して任命された結果になった、これはやむを得なかったというふうに承知しているところでございます。
○木下委員 専門家が少ない、だからやむを得ない、こういうことをやっているからだめなんです。専門家なんか、オルガニストはほかにもいっぱいいるわけですよ。何も同じ大学の教授と助教授が仕様策定委員会と技術審査会とを両方兼ねなくても、もっと公平的な人事ができたはずであります。
 もう一つ言えば、専門的であるということを隠れみのに、非常にこの世界、いわば保守的でありあるいは閉鎖的なんですね。ですから、その辺を解消しないと、ある有力なオルガニストが繰り返し推奨するものが全国あちこちに、公共ホールその他に設置される、そういう傾向があるわけです。ですから、できるだけその公平性を期してもらいたいということなんです。
 ただそれだけでやむを得ないと。もう一度お聞きします。やむを得なかったんですか。
○結城政府参考人 可能な限り仕様策定委員と技術審査職員の重複は避けるという考え方をとっておりますけれども、ただいま御指摘のこの芸大のパイプオルガンの調達に際しての入札に当たっては、それが重なることもやむを得なかったというふうに判断いたしております。
○木下委員 時間ですので、最後に文部科学政務官にお伺いしたいと思うんですが、今までの議論を見ていて、このパイプオルガンの東京芸術大学への導入についてどんな印象を持たれますか。最後に一言。
○池坊大臣政務官 才能豊かな学生にすぐれた楽器でけいこを積み重ねてほしいと思いますし、一人でも多くの人たちにすばらしい音楽を聞いてほしいとは思いますが、でも、高価なものでございますから、慎重に購入すべきとは考えております。
 ただ、今回、官房長や次長が経過を御説明いたしましたように、これは九名から成る仕様策定委員会において何回も検討されましたし、WTO政府調達協定、会計法令にのっとってきちんとした調達が行われていたのではないかというふうに考えております。
 ただ、楽器というのは大変難しくて、音色、音質、性能などをもとに仕様を策定いたしますけれども、それぞれの企業の楽器によってやはり音質が異なるとか、一般のものとは比べられない難しさがあるのではないかというふうに思っております。
 先ほども答弁いたしましたように、専門性を有することも確かでございます。ですけれども、それらのこともかんがみながら、やはり既得権益と思われないように、委員はこれから重複をしないように、それからまた、それぞれの大学のニーズというのがあると思いますから、それをしっかりと見きわめながらも、私たちは、公平さ、透明性が確保されるような指導を今後していきたいというふうに考えております。
○木下委員 時間ですので、終わりにさせていただきますが、不十分な答弁ですので、引き続きこの問題は、また改めて追及させていただきます。
 ありがとうございました。
○山口委員長 次に、塩田晋君。
○塩田委員 自由党の塩田晋でございます。
 まず、FTAの我が国政府の基本方針、言うならば戦略、それのポイントを説明してください。
○茂木副大臣 FTAに対する我が国の基本的な取り組みということでありますが、御案内のとおり、今、WTOを中心とします多角的貿易体制、これを強化していくという方向であります。同時に、このWTOに参加するメンバー国、これもふえております。また、扱います課題も、単なる貿易財から、さまざまなサービスであったりとか、いろいろなシステム、こういう分野に入ってまいりまして、WTOを補完し、強化していく上でも、二国間、それから幾つかの地域とのFTAという形での経済連携、これは重要だと考えておりまして、そういう観点から我が国といたしましては、対外経済政策の一つの重要な柱として、FTA、またEPAという形のもう少し包括的な経済連携協定、こういうものを大きな柱として位置づけております。
○塩田委員 さきにシンガポールとFTAを結びました。後続いて、メキシコ、韓国に重点を置いて早急に進めていくという方針と聞いておりますが、台湾、これは既にWTOに参加しておりますし、中国もともに参加しておりますし、これは早急に、台湾も強く要望しておりますし、我が国も理論的にも法律的にも参加することについての支障はないと思いますが、ただ、関税がもう既に低いからというような理由で、そう急ぐ必要はないというような考え方があるようですけれども、それではおかしいんじゃないか、低いならばやりやすいわけですし、メキシコは幅が大き過ぎて非常に難しいと思うんですけれども。それから、台湾と日本は経済構造も国としては似通っているし、そう支障が起こるところは少ないと思うんですね。これは早急に認めるべきだと思いますが、いかがお考えですか。
○茂木副大臣 塩田委員が台湾と我が国の経済関係の強化について一貫して大変御熱心だということは十分承知をいたしております。
 そこの中で、先ほど御説明申し上げましたFTA、どこの国と進めていくか。こういう取り進め方に当たりましては、FTAの締結を通じて得られる潜在的な経済的利益はどれくらい大きいか、それから政治、外交的関係強化の必要性、そしてまた我が国の産業がまさにそういったものをどれくらい要望しているか、こういったことも含め、さまざまな要素も考えながら、どの地域と、またどの国と優先的に進めるべきか、これを判断していくということだと思いますが、先ほどシンガポールそして韓国と御指摘もいただきましたが、東アジア地域との経済連携、これは大変重要だ、優先順位が高いと考えております。
 そこの中で、御指摘の台湾との関係でありますけれども、FTAの締結につきましては、日本にとって台湾が緊密な経済関係を有する重要な地域である、このようなことは言をまたないわけでありますけれども、委員も御指摘のように、台湾の関税率、これを考えますと、先ほど申し上げた潜在的な経済的利益、こういうことからいいますと、関税率がそれほど高くない、こういう観点から、経済的利益だけを考えたらそれほど大きいと言えない状況にあると思っております。
 その一方で、台湾は昨年の一月にWTOに正式加盟をしたばかりでありまして、まずは台湾が加入の際に約束した事項を着実に実施していくことを確保すべきだ、このように考えておりまして、FTAの締結、これも一つの選択肢であると思っておりますが、台湾に関しましては、例えばWTOであったりとかAPECといった多国間の枠組みを踏まえて幅広い経済関係を構築していく、このことが当面は重要な課題ではないかなと思っております。
○塩田委員 中国との関係を余りにも考え過ぎてもたもたしているんじゃないかなという感じもするんですが、早急に、今御答弁ありましたように、支障がない問題ですから、これを進めていただきたいと思います。要望いたします。
 続きまして、拉致問題でございます。
 既に御承知のとおり、拉致被害者五名が我が国へ帰ってまいりまして、既にきのうで半年たったわけでございます。その間にいろいろな、政府も手を打ってこられたわけですね。それは、帰国された方々の支援はもとより、また、拉致事件そのものについての国際的な認識が少ないということから、そういった各国に対する認識を広める、そういう努力もしてこられたこともわかるんですが、基本は、何としてもこの問題は、他の国家が政府機関を使って我が国の主権を侵したということですね。我が国の国民を拉致して連れていった、そのことにあるわけですね。我が国の国民の人権を侵して、主権を侵してやったこと。これは、北朝鮮は今まで、そんな事実はないということをずっと言って、うそをついてきておったわけですね。ところが、昨年の小泉総理が行かれて交渉の結果、これを認めた、向こうの最高責任者が、拉致はしましたと、そして謝ったわけですね。それが基本的な事実でしょう。その上に立って、半年間何をやっておったか、基本的な問題をどう解決すべくやっておられたか。
 我々国民一般はイラク戦争についてかたずをのんで見守っておる。それは、やはり北朝鮮のこの問題とダブらせて考えて見ているわけですね。同じく北朝鮮の首脳部もテレビを一生懸命見ておったと言われているわけですね。そのような状態の中で、政府は、基本的なこの問題、拉致の問題についてどれだけやってきたか、何をやっているんだという国民の非常なやはり関心が集まっておりますね。時には、先日も川口外務大臣の失言ともとれるような発言があって、非常に怒りを買っている、そんな認識をしているのかと、政府、外務省は。本当に本腰を入れて取り組んでいないんじゃないかという怒りの声が上がっているわけですね。
 ですから、この基本的な問題について、本当にイラクみたいにやってもらいたいというような気持ちがあるとしても、それはそうじゃなしに、交渉、話し合いでやっていくんだと言いながら、話し合いが進んでいるのかいないのか。水面下でやっていると言う。では、どこまでいっているんだか。半年たって、本当にあの時点から、半年前から進展していないんじゃないですか、基本的な問題は、家族も帰さないし。本当に反省して謝るなら、こちらが要求すれば家族は帰すべきですね。なぜやらないのか。それから、まだ、亡くなったと言われる方々についての本当の経緯は知らされていないでしょう。それを盛んに要求しても言わないんですか。もうそういう拉致問題は解決したなんという声まで聞こえるわけですね。そんなことでいいのかどうか。この問題について外務省の現在の取り組み、またどこまでやってきたかということについて、御説明願います。
    〔委員長退席、宮路委員長代理着席〕
○茂木副大臣 委員御指摘のように、昨年の九月の十七日、北朝鮮が初めて拉致の事実を認めたわけであります。それから、被害者の方五名が日本に帰国をされて、昨日でちょうど半年がたってしまう、こういう形でありまして、その五人の方のお気持ち、家族を北朝鮮に残したままである、そして、実態的に見るとなかなか事態が進展をしていない、心が大変痛む思いがいたします。委員もブルーのリボンをおつけになられまして、この問題に非常に熱心に取り組んでいらっしゃるということをよく承知をいたしております。
 まず、北朝鮮に対しましては、日朝国交正常化交渉の中でも、この五人を含めました十件十五人の問題につきましては、詳細な資料をベースにして事実関係の調査、こういう要求を出しておりますが、なかなかそれに対する十分な回答も得られていない、これが現状であります。
 一方で、この問題をやはり国際社会全体で、拉致の問題の深刻さ、これを認識するような努力もしていかなきゃならない。川口大臣も、いろいろな外遊のたびに、各国の首脳と会うたびに、この拉致の問題、これを取り上げながら、そういった理解を深めるような努力もいたしておりますし、また国際機関に対しましてもこの問題を我が国としても提起をしてきている、こういう事実もございます。
 そういった中で、さまざまな多国間の枠組みであったりとか、進めていくことはあるわけでありますけれども、今では、北朝鮮の姿勢につきまして、例えば多国間の協議に若干前向きな姿勢を見せている、こういう部分はありますが、これは単に安全保障、核の問題だけではなくて、拉致の問題も含めて、我が国としては全面的な解決を図っていくようこれからも努力をしてまいりたいと思っております。
○塩田委員 各国の理解を求め、国際機関に人権問題として持ち出して理解を求めるということは結構なことです。しかし、基本的な主権を侵されたということ、そして向こうは認めて謝ったということ、それで、日本が主体的に、独自でこれを解決していく意欲と努力がなければ、国際関係はもちろん大事ですけれども、それは日本がやるべきことだ、応援はしましょうということだと思うんですね。
 日本が本当に、何が何でもこれを解決するんだという強い意思を持ち、やはり動きをしないと、こんなのは、ああいう国ですから、今日まで、うそをついてきて、拉致はないなんて言ってきた国ですから、本当に相当な、交渉をするとしても、イラクのようなああいう形で体制をなくすのが一番いいという説もありますけれども、それよりも、やはり交渉でやるというなら、よほど強い交渉をしないと、それはなかなか、言っただけでは、わかりました、やりましょうということを言うような国ではないですよね。したがって、我が国が主体的にこれを打開するのを交渉の中でどうするかということ、やはりプレッシャーをかけないとだめですね。
 それから、我が国の安全防衛につきまして、向こうはおどしておりますから、それに対しても、専守防衛の立場に立って、万全を期した防衛体制を持つということの上に立って、もっと強い交渉をし、向こうは、もう参りました、言われるとおりにしますというところまで持っていかなければ、本当に体制を崩さなければだめだということにもなりかねないと思うんですが、いかがですか。
○茂木副大臣 委員御指摘のように、北朝鮮との問題、各国間で外交的な努力によって問題を解決したい、こういう点では一致をいたしております。ただ、外交的な努力によって解決するという意味では、よほどの毅然とした態度が必要である、こういうふうに我が国としても考えております。ではそれを、例えば交渉の場でどう示すかとかこういうことにつきましては、また委員の御指摘も踏まえながら、しっかりした対応をやっていきたいと思っております。
○塩田委員 これは、私はプレッシャーと言いましたけれども、これは経済制裁も含めて、それから我が国に来ている万景峰号の取り扱いとか、送金の問題とか、出入国の問題とか、いろいろあるじゃないですか、そういうものをちゃんとどう処理するか。プレッシャーをかける手はあるわけでしょう。もっと強硬に出るべきだと思いますね。余りにも生ぬるいんじゃないですか。認識が、大臣のそういう発言に見られるような認識だと、本当にやる気持ちがあるのかということすら疑いがかかりますよ。
 それから、日本政府はどうしてこの拉致をテロと認定しないんですか。アメリカへ行った家族の皆さん方は、アメリカでは相当な高官が皆、口をそろえてあれはテロだということを言ったのに、日本へ帰ってきて、日本政府の高官に聞くと、いや、それはテロであるとは言えないというような言い方なんですね。これは何でなんですか。答えてください。
○茂木副大臣 アメリカと日本では法制上の違いというのがあります。例えば、アメリカはテロ国家というのを指定して、それに対しまして制裁措置をとったり、さまざまな形をとっておりますけれども、では、この拉致の問題そのものがテロに匹敵するような非道なものであるか、こういうことにつきましては委員と私の意見は全く一緒であります。
○塩田委員 テロに匹敵するような非道なものかという、そういう認識が大体甘過ぎるんじゃないですか。国家主権を侵されているんですよ、我が国が。武力でもって解決できない、日本の情けない立場ですよ、今。それを忍んで、交渉で、隠忍自重してやっていく、それにはあらゆる手を使うべきだと思うんですね。そういう覚悟が必要だと思うんです。本当に性根を入れ直して、ぜひともこの問題を早期に解決する方法を、毅然たる態度で、断固としてやっていただきたいということを要望いたします。
 それから、政府が認めている十件十五人のほかに、具体的な話で三人おられるんですね。これなんかもどうしておられるのか。それから、そのほかに民間団体が、あるいは拉致されたかもわからぬという人が百人ほど、名前を実際挙げてやっていますね。これ、全部が全部とは言いませんけれども、その中にかなりの人がいる、何十人いるかもわからない、そういったことにつきましてもどういう態度で交渉しておられるか。この三人の問題につきましては私また別の機会にやりますけれども、この点についてお答えいただきます。
○茂木副大臣 委員御指摘いただきました十件十五名以外にも、警察庁等より外務省に対しましてさまざまな情報を得ております。また、民間の方からもそういった情報ございます。そういったことも踏まえまして、北朝鮮に対しまして、同様な事案があれば早急に事実を提示するように、こういうことで要求をいたしております。
○宮路委員長代理 もう時間でございますから、最後にしてください。
○塩田委員 政府一体となって、外務省を中心としてこの問題の早期解決に全力を挙げて尽くしていただくことを強く要望して、終わります。
○宮路委員長代理 次に、大森猛君。
○大森委員 日本共産党の大森猛でございます。
 坂井衆議院議員が政治資金規正法違反容疑などで逮捕されました。この事件をめぐって、政治家と人材派遣業界との関係、さらには官庁との癒着関係もマスコミで報道されたりしました。きょうは、限られた時間でありますので、人材派遣業界と政治家の関係について質問をいたします。
 最初に、人材派遣を束ねる協会として社団法人日本人材派遣協会がありますが、厚生労働省、この社団法人の設立目的は何か、簡潔に御説明いただきたいと思います。
    〔宮路委員長代理退席、委員長着席〕
○三沢政府参考人 お答え申し上げます。
 社団法人日本人材派遣協会は、労働者派遣事業の適正な運営を図るための自主的な取り組みを行うことを通じまして、労働者派遣事業の健全な発展を図ることを目的といたしまして、昭和六十一年十二月一日に、労働者派遣事業を行う会社を構成員として設立された社団法人でございまして、平成八年七月一日に現在の名称に変更する前、日本事務処理サービス協会として設立されたものでございます。
 具体的には、派遣元事業主などに対する相談、指導、援助や労働者派遣事業に関するセミナー、講習会などを実施しているところでございます。
○大森委員 委員長の許可を得て配付をいたしました資料の一で協会の概要について紹介をしておりますので、参照いただきたいと思うんですが、厚生労働省にもう一点お聞きをしますが、この坂井衆議院議員の事件に関連して、この社団法人に対して家宅捜索が入ったと聞いておりますけれども、そういう報告は受けておられるでしょうか。
○三沢政府参考人 お答え申し上げます。
 御質問の趣旨、必ずしも明確でなかったわけでございますけれども、坂井議員の関係で家宅捜索がどこに入ったかということ……(大森委員「協会へ入ったかどうかです、御報告を受けていらっしゃるかどうか」と呼ぶ)その家宅捜索があったかということについては、協会の方から、家宅捜索が終了後、報告は受けてございます。
○大森委員 報道によりますと、坂井議員に対する人材派遣会社のやみ献金攻勢の一つがメーンバンク変更問題、二つ目が社会保険料未納問題、三つ目が人材派遣をめぐる規制緩和問題と言われているわけです。社会保険料未納問題は、これはとりわけ人材派遣業界にとって極めて深刻な問題だったということで、この未納問題の端緒となったのが会計検査院の検査であったわけですね。
 会計検査院にお聞きしますが、検査の時期、目的、検査結果、これはどういうものだったでしょうか。
○増田会計検査院当局者 お答え申し上げます。
 私ども会計検査院では、健康保険及び厚生年金保険の保険料の徴収の適否につきまして、毎年重点を置いて検査を実施しているところでございますが、平成九年の検査におきまして、当時、いわゆる労働者派遣法の施行後約十年が経過したということで、常用的に使用されていて、これらの保険の被保険者となる派遣労働者も相当多数に上ることが想定されましたので、労働者派遣事業の事業主についてもこの年から検査をすることといたしました。
 その結果でございますが、平成八年度決算検査報告に掲記いたしました保険料の徴収不足のうち派遣事業の事業主に係るものは、四百七事業主、徴収不足額三十四億五千五十四万円ということでございました。またその後、平成十、十一、十二の各年におきましても派遣事業の事業主について検査をしておりまして、これらの事業主に係る指摘は、平成九、十、十一、各年度決算検査報告中それぞれ、二百事業主、十四億六千五十六万円、七十九事業主、五億八千百八十五万円、二十事業主、一億四千六百三十万円ということでございました。
 以上でございます。
○大森委員 今御答弁いただいたようなことを資料の二で掲載しておりますが、八年度から十一年度まで連続四年間、同じテーマで、同じ業種に連続して検査に入るということ自体極めて異常な、異例のことだと思うわけなんですが、これが業界、協会にとっては大変脅威だったという中で、協会から相当陳情、要望攻勢といいますか、が行われております。
 その資料を取り寄せました。資料四でこれをお示ししております。
 社会保険関係だけで、九七年六月、労働者派遣事業における社会保険適用についての要望、翌月七月、社会保険遡及適用に関する要望、九八年三月、一般労働者派遣事業における社会保険適用についての要望、同年六月、同様の基準緩和ですね、陳情。それから、同年九月、一般労働者派遣事業における社会保険適用基準の緩和についての陳情、さらに九九年八月、一般労働者派遣事業における実態に即した社会保険の適用について、この三年間で六回も陳情をしているわけですね。中には、もう社会保険料の遡及徴収は御容赦を、こういうような要望まで入っております。
 こういう陳情の数の多さが協会の危機感のあらわれの一つだと思うわけなんですが、四年間にわたって会計検査院から不当事項として指摘をされた。当然これは協会を監督する旧労働省や社会保険業務を行っている旧厚生省は協会に対して何らかの指導を行われたと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○鴨下副大臣 今、人材派遣業についての、平成九年から平成十二年までの四年連続で会計検査院が徴収不足を指摘している、こういうようなことで、社会保険庁として日本人材派遣協会について指導をしたのかどうか、こういうようなお尋ねでありますけれども、この検査が実施された直後の平成九年八月には、日本人材派遣協会に対しまして、被保険者資格取得届の提出を速やかにかつ積極的に行うよう指導したところであります。
 また、さらに平成十年の三月には、各社会保険事務所に対しまして、平成十年度の事業運営方針を示す通知の中で、特に労働者派遣事業を行う事業所等に関して届け出漏れがないよう指導の徹底を求めた、こういうようなことをしております。
○大森委員 四年間にわたって同一の問題で指摘をされている、そういう問題に対して、文書による指導などはやられたんでしょうか。それはいかがですか。
○三沢政府参考人 お答え申し上げます。
 旧労働省としての立場で申し上げたいと思いますけれども、旧労働省として、この社会保険料の問題につきまして、文書で協会を指導したということはございません。口頭で指導しております。
 その指導を受けて、人材派遣協会の方から会員各社についての通知がなされている、こういうふうに承知してございます。
○大森委員 延べで七百企業、金額で五十億円を超えるこういう問題について口頭だけで済ませるというのは、やはりこれは監督官庁としての行政の怠慢と私は指摘をせざるを得ないと思うんですね。
 同じ資料四に掲載をしております、対象業務の拡大等々の要望も多数に上っております。協会から旧労働省に提出されておりますけれども、九四年十月には労働者派遣にかかわる当局への提出書類の見直しと行政指導に関する要望、同年十二月には対象業務拡大要望事項、九六年九月には派遣対象業務追加項目に関する意見書、九七年十一月は規制の緩和に関する要望、九九年七月には実態に即した社会保険の適用について、同年八月には省令等の整備に関する要望、二〇〇〇年の十月には雇用機会拡充のための労働者派遣事業に係る規制改革要望、そして八番目に、二〇〇一年二月には営業職派遣に係る緊急アンケート結果に基づく要望等ということで、計八回も要望書が出されているわけですね。
 これは、こういう協会からの陳情攻勢といいますか、これは厚生労働省所管の公益法人であるわけなんですが、他の公益法人に比較しても余りにも多いと率直に私は感想を持ちますけれども、この点はいかがですか。
○三沢政府参考人 お答え申し上げます。
 一定の事業を行っている事業者の団体が、その事業運営に関してさまざまな意見、希望、要望をお持ちになることは、それなりに理由があることだと思います。それをどういう形で事業を監督している官庁に伝えるか、これはまたその団体の御判断によるところでございまして、その数が多いとか少ないとか、それは私どもとしてとやかく言う問題ではないんじゃないか、こう思っている次第でございます。
○大森委員 数の多さとあわせまして、そういう不当事項について、七百社、七百企業が指摘をされている。その徴収、さかのぼって徴収するかどうかということのかかわりの中でこういうものがたくさん出されているということを、やはりしっかりこれは見なくちゃいけないと思うんですね。九七年から二〇〇一年の五年間、協会から厚生労働省に対して計十一回こういう要望書が出されているということ自体、私は、異常だと思う数の多さだというのは、これは非常にびっくりするような状況だと思うんですね。
 冒頭に指摘をしましたように、こういう坂井事件というのは、社会保険料徴収問題や人材派遣をめぐる規制緩和問題、これが端緒になっているわけですね。その中でやみ献金が行われたということで、言ってみれば、人材派遣会社と政治家との癒着が問題になったちょうどそういう時期にこういう攻勢が行われているんだということだと思うんです。
 私ども、人材派遣会社と政治家の関係について調査をしてみました。これは、協会加盟の人材派遣会社から、協会を所管する旧労働省の大臣、政務次官の方々にどれだけの献金が行われているのか、陳情が多くなった九六年から二〇〇一年の間の政治資金収支報告書をもとに調査をしてみました。この間の労働大臣は七人、政務次官は合計七人であります。その結果を資料の五で示しておりますので、ごらんいただきたいと思うのです。
 大臣献金については、太枠になっているのが任期の期間の献金ですね、甘利大臣がトステムから十万円、これは九七年ですね、それからナイススタッフから九六年五十万円、それから九八年、同じくトステムから十万九千円余り、計七十万円余りであります。
 政務次官については、長勢氏と小林氏ですね。長勢氏については、九六年七十四万円、九七年七十四万円、九八年七十四万円、九九年七十四万円、二〇〇〇年百六十万円、二〇〇一年七十五万円の合計五百三十一万円であります。それから、小林氏は、九七年六十万円、九八年が三十六万円、九九年が六十万円、二〇〇〇年が九十六万円、〇一年が八十四万円の計三百三十六万円であります。
 所管する公益法人の会員企業から、監督しなければならないそういう公益法人の会員企業から陳情を受ける、一方で、こういう政治家が、大臣あるいは政務次官が献金を受ける。これは、政治的、道義的に見て大変問題ではないかと思いますが、鴨下副大臣、いかがでしょうか。
○鴨下副大臣 先日もお話し申し上げましたように、ある意味で企業も団体も社会的存在でありますから、そういうところから節度ある献金をいただくということは、ある意味で民主主義のコストを払っていただく、こういうようなことにおいては容認されるべき問題だろうというふうに思います。
 ただ、それにつきましては、ある意味でのディスクローズをきちんとしていく、こういうようなことが重要でありまして、さらに、そのディスクローズをした結果をそれぞれの有権者の皆様がどう御判断するか、こういうことが民主主義のルールなんだろうというふうに思っておりまして、政治資金規正法にのっとって適切な処理をされている問題につきましては、これは何ら問題ないというふうに解釈しております。
○大森委員 民主主義のコストという名のもとに、暴力団との癒着関係が生まれたり、さまざまな公共事業がゆがめられたり、そういうことになっていて、そういう意味で私どもは、そういう民主主義コスト論、企業・団体献金は一切認めないという立場でありますけれども、今私が大臣にお聞きしたのは、このような所管する公益法人の会員企業から献金を受け取る、こういうことついてどうなのかということを伺っているわけです。
 しかも、この会計検査院が不当事項を指摘した七百企業の中には、こういう献金を行った企業も入っていることが当然予測されるということでありますね。監督官庁である、そういう会員企業からの献金は、私が申し上げたのは、大臣、政務次官、そのトップは少なくともこういう企業からの献金は避けるべきではないか、このことを伺っているんです。一般的なことを聞いているんじゃないんです。
○鴨下副大臣 それぞれの政治家が長年にわたってどういうおつき合いをなさっていたか、こういうようなことからの連続の中で考えるべきだろうというふうに思いますし、特段その地位にあったときに格別な資金提供があったとか、こういうような問題ではないだろうというふうに解釈しております。
○大森委員 あなたの答弁は、従来のそういう要職にある人が、しかも監督官庁にある企業については何らかの、それについてはしんしゃくすべきであるとか、少なくともそういうことは述べられた方はたくさんいるわけですよ。そういうことと比較しても、あなたの答弁というのは本当に驚くような感覚の麻痺じゃないかと思いますが、いかがですか。
○鴨下副大臣 いや、ですから、それぞれ政治資金規正法にのっとって、節度ある献金というようなことで、さらにディスクローズされているわけでありますから、問題はないというふうに解釈しております。
○大森委員 最近の特徴では、政治資金収支報告書に記載されていても罪に問われているケースが幾つも出ているでしょう、去年でもことしでも。だから、そのことだけでディスクローズとは言えないと思うんですよ。客観的に見て、国民から見て、そういう要職にある人が、監督すべき、しかも会計検査院が不当事項を指摘されていることにかかわりのある会員企業から献金を受けることについて、少なくとも大臣や政務官、現在でいえば政務官と副大臣、それは慎むべきだということは言えないんですか。そのぐらいのことも副大臣は言えないんですか。
○鴨下副大臣 いや、ですから、それぞれの議員が長年にわたって、それぞれの企業との間のおつき合いの中での話でありますから、これはそれぞれ判断されるべき話でありまして、一般論として、慎むべきとか慎むべきでないとか、こういうことは申し上げるべきでないというふうに申し上げているわけであります。
○大森委員 驚くべき政治姿勢だと思うんですね。例えば、これでいったら長勢氏ですね、在任期間中の九九年、二〇〇〇年、献金を当然受けているわけですが、特に二〇〇〇年、これはそれこそ、遡及徴収については御容赦願いたいというような要望まで出されている、そういう時期なわけですね。そういうときに、政務次官にある人が、政治家が百六十万円も献金を受ける、はね上がっているということについて、あなたはこれは全く問題ないと思いますか、当然のことだと思いますか。
○鴨下副大臣 それを私がどう判断するかというようなことについては、これは答弁するべき問題ではないというふうに思います。
○大森委員 厚生労働行政のトップ、ナンバーツーがそういう姿勢では、本当にこれは困ったものだと思うんです、全くあなたの答弁は。先日も政治と金の問題ではあなたに質問しましたけれども、これはまた改めて問題にしていきたいと思うんです。こうした副大臣の答弁というのは、こういう副大臣あってこそ、こういうような献金攻勢があるんだと。
 あわせて、今、政治と金の問題が本当に後を絶たないわけで、またまた今回与党の中の議員から、暴力団との深いかかわりのある会社から秘書の給与を受け持ってもらっていたと、大変重大な問題も出てまいりました。
 本当にそういう、副大臣にある者が、みずからのかかわりのある、そういう監督下にある企業、団体からの献金について、少なくとも、限定に次ぐ限定を幾つもつけた限定についても認めようとしないということについては、厳しくこれは今後もただしていくということを申し上げて、質疑時間が終了しましたので、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○山口委員長 次に、中川智子君。
○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。
 きょうは、文部科学副大臣の渡海副大臣に、熱中症の問題で質問と御要望をいたしたいと思います。
 毎年毎年子供たちが熱中症で、本当に毎年何人も命を落としています。私は、熱中症は防ぎ得る事故、そのように思っております。特に文部科学省が、熱中症をなくしていこう、子供たちの命を守ろう、そのような決意で取り組まれるならば、ことしの夏、また暑い夏が予想されますが、その中で子供たちが命をなくすことがない、そのように思います。
 これは、過去十年間の熱中症での死亡件数なんですけれども、これは日本体育・学校健康センターの災害共済給付支給実績、そこから把握したものですが、平成六年度は小学生一人、中学生一人、高校生五人、計七名が亡くなっています。平成七年度は六名が、八年度は四名が、十年度は五名、十一年度は四名、十二年度も三名、十三年度も三名、毎年毎年熱中症で亡くなっています。
 これは学校の外、グラウンドとかそういうフィールドだけではなくて、体育館の中なんかで、剣道や柔道や卓球の練習などでも熱中症の症状を起こして亡くなっています。私は、熱中症というのは特に屋外での発生が多いと思っていたのですが、この内訳を見ますと、剣道とかレスリングとかさまざまなものがございます。
 私自身が、今申し上げましたように熱中症は防ぎ得るものというふうに思っておりますし、昨年の決算行政委員会で遠山文科大臣に私が熱中症のことで質問をいたしましたらば、しっかりとした実態調査の必要性、そして発生したときの敏速な、やはり救急車での搬送、処置ということに関してはとても前向きな御答弁をいただきました。
 ことしになりましてから質問主意書を出させていただいたのですけれども、その答弁書を拝見いたしまして本当に愕然としたのですが、一番大事なのは、なくしていくために今どうなっているかという実態調査なんですね。でも、答弁書の中は、「お尋ねの熱中症の症状を訴えた者の数、救急車の要請の状況等については承知していない。」というたった一行の答弁でございました。
 渡海副大臣に特にお話ししたいのは、私は厚生労働委員会などで医療事故の問題にも取り組んでまいりましたが、この問題を勉強するに従いまして、医療事故ととても体質が似ているな、性質が似ているなと思ったんですね。
 それは、まず、子供たちが部活動なんかで、最初、現場の先生がチェックする。体調の悪そうな子がいたら、きょうは練習やめておいた方がいいんじゃないかとかという最初のチェックというのがすごく大事です。また、途中で本人が、ちょっと疲れたから休みたい、しんどいんだという声に対して、そうしたらもう休んだらいいよと。また、その練習の途中でも、子供たちが調子が悪そうだったらやはりそこに配慮をしてこちらから声をかける。子供たちはなかなか自分から言いにくいという現実がございます。
 それでも、今、熱中症でこのように死亡事故が起きているところ、全部とは申しませんが、先生のタイプというのもございまして、やはり根性主義というか、弱音を吐くな、頑張れ、そしてまた、科学的にも熱中症に対しては水分を補給するということが大事なのに、私どもも渡海副大臣なんかも学生のころというのは、水を飲むな、なるべく水なんか飲まないようにというふうな指導がいまだにまだ残っている。そこで、そのような不幸な事故が起きるということなんです。
 私は、まず最初の質問、そして御要望におこたえ願いたいのは、熱中症をなくしていこうと文部科学省の方はきっちり思っているのか。そのような死を防いでいこう、ことしの夏に向けてもそれを取り組んでいこうという決意がおありかどうか。そして、そのために昨年の質問でも申し上げましたように実態調査をして、そしてその数、そのときの状況、その処置、すぐに救急車で運んで処置したのかとかいうこととか、関係者の話というのを総合的に把握する、それが入り口、第一歩なんですが、それに対しての御答弁をまず伺います。
○渡海副大臣 中川委員がこの問題に昨年来大変熱心に取り組んでおられます。そのことを、私も、実は改めて勉強をさせていただきました。昨年の決算第二分科会ですか、当時私はここの席に座っておりましたが、そのときの資料も改めて読ませていただきました。
 まず、文部科学省に決意があるかということでございますが、これはもちろん、学校で起こっているさまざまな問題について、我々は、責任を持って対処をしなきゃいけない、この原因をやはりしっかりと把握をした上で対策を講じなければいけないという姿勢でこれまでも取り組んできております。
 その取り組み方について中川委員からいろいろと御指摘をいただいておりまして、まだまだこれだけやることがあるじゃないか、こういうお気持ちもあろうかと思いますが、まず、いろいろ取り組んでいる中で、今言われました、例えば本当は水を飲まなきゃいけないのにというふうなこととか、いろいろな範囲においていろいろな会合でこちらから指導をさせていただいたりということはやっております。
 ただ、実態調査は、確かに、改めて委員から御指摘をいただきますと、なかなか難しいところもあるわけでございますが、まだまだ不十分な点があるというふうにも認識をしておりまして、そういう意味で、例えば死亡例というのが、これは八月一日にお出しをした資料でございますけれども、確認をされておるわけでございますから、そういったものについて、これを実施しているのは、実際は御案内のように日本体育・学校健康センターが行っている災害共済給付事業、これについて精査をし、その中で原因が熱中症と考えられるものということでこのリストをおつくりしたわけでございますが、その中身についてより精査をすべく、今後、教育委員会等を通じてできる範囲の努力をなお続けていきたいというふうに考えております。
 ただ、御理解をいただきたいのは、事故の件数というのが御案内のように非常に多うございます。その中で、ある程度抽出をしたわけでございますけれども、やはり原因を解明するという意味であれば、死に至ったというふうな、そういうものからまずどういうことがわかってくるかということを再度努力をさせていただきたい、調査をさせていただきたいということを考えております。
○中川(智)委員 実態調査に取り組んでいただくということです。これは、死亡と、そして重い後遺症を残したものということで、まずはそこに取り組んでいただきたいと思います。
 畳みかけるような質問で申しわけございませんが、もう桜も散りました、夏がいよいよ目の前なのですが、期限をどうかお示しいただきたい。教育委員会では把握しておりますし、この健康センターの方でも把握しております。私の手元にももう死亡事例というのははっきり来ておりますので、そこの学校設置者、教育委員会に聞いていただいて、少し精査をするということです。渡海副大臣、きょうは四月の十何日ですね、いつまで、お願いします。
○渡海副大臣 実は、できるだけ期限も含めてというふうに思っておりましたが、これは相手もあることでございますので、今の段階で、ではいつまでということでやれるかということは、正直はっきりしておりません。ただ、我々も責任を持ってこうやって委員会でお答えをさせていただいておるわけでございますから、早急にそのことができるように。
 ただ、十年も前のものについてどこまではっきりしたものが残っているかということについては、少し時間をいただかないと、この場で今はっきりいつまでにどうのこうのということもお答えはできません、それはかえって無責任になると思いますから。私自身がこうやって答弁に立たせていただいて、早急にやらせていただくということを申し上げておるわけでございますから、そういうことで御理解をいただきたいというふうに思います。
○中川(智)委員 私は、これは毎年繰り返されているので、ことしの夏はそのようなことがないように。たった一人の命さえ重いものです。朝元気で行ってきますと学校に行って、物言わぬ体になって二度と帰ってこないという、親御さんのそのつらさと、そして助かる命が助からなかった、未来をなくしてしまった本人の無念さを思ってください。ことしの夏、本当にそれまでに、早急にというのはそのような思いとして受けとめさせていただきます。十年前とおっしゃいますが、それは資料がきっちり残っているのは当たり前のことです。それをよろしくお願いいたします。
 やはり、私は、本当に早急に実態調査をして、それをもとに何が必要かということは、今、厚生労働省などでも、医療事故をなくそうという取り組みで、検討委員会とかさまざま設置しております。大切なのは、その情報を共有するということです。
 これは文部科学の方も関係することですが、特に国土交通で、私は、箱ブランコ、公園などに設置しておりますあの箱ブランコでもう子供たちが二十四人も亡くなっているという事実の中で、多くの自治体やその設置者が、箱ブランコがそんなに危険なものだったらもっと早く知りたかった、情報が欲しかった、そのようなマニュアルがあれば撤去するとかそれに対しての対策を講じることができた、小さな子供たちがもう二十四人も箱ブランコで死んでいるということを知らなかったと言われました。そのときに、ああこれは熱中症も同じだと。実態調査をして、このような状況の中でこのようなことがあったということを学校現場に徹底し、それを教師にも、そして親、家庭にも、子供たちにも、こんなときは自分から水が飲みたいとか休みたいとか言うべきだよと。そのマニュアルが、完璧なものでなくてもいい、小さな冊子でもいいので、行き渡れば同じことが繰り返されないわけです。
 ぜひとも大臣、ことしの夏、ゼロにしていこうということで、その実態調査によっての分析でマニュアルづくりをしていただきたいというのをあわせて要望いたします。
 それで、次なんですけれども、きょう傍聴席に、一九九九年に中学一年、十三歳のときに健斗君という息子さんをラグビーの部活動中に熱中症で亡くされました宮脇健斗君のお父さんが見えております。兵庫県の方です。健斗君は、本当に明るくて元気で人気者でした。でも、何度も部活中に、先生、しんどいよ、つらいよと自分で訴えたんですが、頑張れ頑張れということで、練習を継続せざるを得ませんでした。そして、もう練習についていけないときに、もうその辺で寝ておけということで、グラウンドの上で一時間半、救急車も呼ばれずに放置されました。そして、手おくれで亡くなりました。
 私は、これがとても大事だというのは、その状況になったときに、そんなグラウンドの上で一時間半も放置している、これは殺人行為だと思います。そのことで余計、残された遺族は苦しむわけです。ですから、ラグビーなんかで目の前で頭を打ったりしたらすぐに救急車を呼びます、そのような状況のときは。でも、熱中症は内部のことですので、すぐに対応ができないことによって手おくれになることが多いんです。ですから、それが致命傷になります。
 学校責任者などが了承しなければ救急車を呼べないとかということがいまだにあるようなのですが、昨年の大臣答弁、このようなことはあってはならないと遠山さんもおっしゃいました。これに対して、昨年からもう本当に一年近くたっていますが、具体的にどのような形で教育現場に徹底をされているでしょうか。
○渡海副大臣 大臣もおっしゃいましたように、そういうことはあってはならないことでありますし、マニュアル等につきましては、既に冊子になったもの等も、これは熱中症ということではありませんが、例えば救急車を呼ぶときの体制はこうであるとかいったものは出しまして、そしてさまざまな会議がございますから、そのときに徹底を図るように指導はいたしておるところでございます。そして、校長先生が必ずしも了承しなくても、現場の判断でとにかくすぐ救急車を呼ぶということについても、現実にはちゃんとやるようにということの指導もしておるところでございますが、これは要は、これは先生がまさに御指摘いただきましたように、最終的にはやはりその現場にいる人間がしっかりとした認識を持ってそういうことに取り組むということが大切でございます。
 ですから、より一層、さまざまな機会を通じて我々としては、そのようなことが起こらないようにということをしっかりと研修の中でも指導していきたいと思いますし、都道府県教育委員会、また、今、熱中症の問題については夏までにというお話もございましたですね。それで、ことしもこれから夏までに幾つかの会合がございます。例えば、ことしでいいますと、十五年の五月七日から九日まで都道府県・指定都市教育委員会健康教育担当会議、こういうもの、ございます。こういったあらゆる機会を通じてしっかりと指導をし、なおかつ、そこに指導したから文部科学省の責任が果たせたと言うつもりはございません。要は、それをしっかりと都道府県において、市教委なりまた学校の現場でしっかりとやっていただくように指導してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 なお、マニュアルにつきましては、多分、委員、ちっちゃなペーパーがありますね、今、熱中症につきましては一枚の。これでは不十分ということなのかもしれませんが、このことにつきましては、いろいろ検討の末、かえって、複雑なものをつくると、実はこれは残念なんですがなかなか読んでもらえなかったりするものですから、むしろシンプルなものにして、皆さんにちゃんと読んでいただけるようにという、その考えのもとでつくったものが現在つくっておるマニュアルでございます。
 しかしながら、それがまだ不十分だということであれば、また、委員の御意見も聞きながら、検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
○中川(智)委員 時間ですが、最後にもう一点、渡海副大臣、このたった一ページの「熱中症に注意」というペーパーだけなんです。むしろ分厚い中の一ページというのは見逃されます。
 今、指導を徹底していくとおっしゃいましたが、今まで指導が徹底していれば、毎年こんなに子供が死ぬことはないんです。徹底していないから、現場に不行き届きなものですから、このように毎年子供たちが死んでいくんですね。ですから、熱中症だけのマニュアルをつくっていただきたい。そして現場の徹底は、単にそのような会合のときに一つのプログラムとして話すんじゃなくて、熱中症についての時間をちゃんと設けて、それが徹底するということでありますし、ことしの夏の様子というのが、徹底が行き渡ったかどうかのフィードバックをきっちりしていただきたいと思うんですね。
 もう温暖化で、本当に毎年夏すごくて、消防庁で独自に調査、資料をもらったんですが……
○山口委員長 中川委員、時間ですので簡潔に。
○中川(智)委員 はい。
 平成十一年は二百三十四人だった搬送が、十四年は六百二十九人、三倍近く、熱中症で救急車が動いています。
 最後に、検討委員会を設置していただきたい。文部科学省として、このような学校災害の問題で、検討委員会で、専門家や当事者の方たちの検討委員会でもって、学校の中で子供たちが命を失うことのないような方策を講じていただきたい。最後にその御答弁をいただいて質問を終わります。ぜひとも、でないとなくなりません。
○渡海副大臣 やはり悲劇を繰り返さないように、しっかりとした対応が必要だと思っております。検討委員会のことについても、どういうやり方が一番いいのかということも含めて検討をさせていただきたい。
 ただ、私は、こういうことに関していつも思っておることは、要は、形をつくることではなくて実効あらしめるために一体何をやったらいいか。我々はやはりそのことをしっかりと考えていかなきゃいけないというふうに思っておりますので、そういった姿勢で今後とも取り組みたいというふうに考えております。
○中川(智)委員 よろしくお願いします。ありがとうございました。
○奥田委員 委員長。
○山口委員長 はい。
○奥田委員 本日の委員会をずっと拝聴させていただいておりました。大臣あるいは出席の皆様には申しわけございませんし、また、理事の皆様ともお約束しながらの委員会でございますけれども、本日、今も大体十五名、ずっと委員会開会中は定足数の十九人に満たないという状況であります。
 決算の、これからの大臣の概要説明、大変重要な説明だと思っております。ぜひとも、国会法四十九条に基づき、今回の審議はこれで打ち切って、また新たな委員会開催のもとで大臣の御説明を聞きたいと思いますけれども、よろしくお願いします。
○山口委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○山口委員長 速記を起こしてください。
 当委員会、それぞれ各委員お忙しいとは思うんですけれども、やはり決算行政監視委員会の権威にもかかわる話なので、私からもしっかりと出席をしていただくように、特に与党の皆さん方には厳重にお願いをいたしておきたいと思います。
     ――――◇―――――
○山口委員長 次に、平成十三年度一般会計歳入歳出決算、平成十三年度特別会計歳入歳出決算、平成十三年度国税収納金整理資金受払計算書及び平成十三年度政府関係機関決算書並びに平成十三年度国有財産増減及び現在額総計算書及び平成十三年度国有財産無償貸付状況総計算書、以上各件を議題といたします。
 まず、財務大臣から各件について概要の説明を求めます。塩川財務大臣。
○塩川国務大臣 平成十三年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに国会に提出し、また、平成十三年度の国の債権の現在額並びに物品の増減及び現在額につきましても国会に報告をいたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
 まず、平成十三年度の一般会計の決算につきましては、歳入の決算額は八十六兆九千三十億円余であります。なお、この歳入の決算額には、決算調整資金からの組み入れ額五億円余が含まれておりますが、これは、決算調整資金に関する法律第七条第一項の規定により、平成十三年度において予見しがたい租税収入の減少等により生ずることとなった一般会計の歳入歳出の決算上不足を補てんするためのものであります。
 他方、歳出の決算額は八十四兆八千百十一億円余であり、差し引き二兆九百十九億円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定により、既に平成十四年度の一般会計の歳入に繰り入れております。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額八十六兆三千五百二十五億円余に比べて五千五百四億円余の増加となり、この増加額には、前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額三兆五千五百六十億円余が含まれておりますので、これを差し引きいたしますと、歳入の純減少額は三兆五十五億円余となります。
 一方、歳出につきましては、予算額八十六兆三千五百二十五億円余に、平成十二年度からの繰越額三兆五千五百五十億円余を加えました歳出予算現額八十九兆九千七十五億円余に対しまして、支出済み歳出額は八十四兆八千百十一億円余であり、その差額は五兆九百六十四億円余となります。このうち平成十四年度への繰越額は四兆一千五百五十一億円余であり、不用額は九千四百十二億円余となっております。
 なお、歳出のうち、予備費につきましては、その予算額は二千五百億円であり、その使用額は一千二百四十七億円余であります。
 次に、平成十三年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は三十七であり、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算のとおりでございます。
 なお、歳入歳出決算に添付されている国の債務に関する計算書によります債務額につきましては、平成十三年度末における債務額は六百七十七兆六千五百七十四億円余であり、このうち、公債につきましては、平成十三年度末における債務額は四百四十八兆二千五百三十四億円余であります。
 次に、平成十三年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いにつきましては、同資金への収納済み額は五十六兆八千二百一億円余であり、一般会計の歳入への組み入れ額等は五十六兆一千七十三億円余であります。差し引き七千百二十八億円余が平成十三年度末の資金残額となります。
 次に、平成十三年度の政府関係機関の決算でありますが、その内容につきましては、それぞれの決算書のとおりでございます。
 次に、国の債権の現在額につきましては、平成十三年度末における国の債権の総額は三百三十六兆八千三百三十三億円余であります。
 その内容の詳細につきましては、平成十三年度国の債権の現在額総報告のとおりでございます。
 次に、物品の増減及び現在額につきましては、平成十三年度末における物品の総額は十三兆八千九百七十一億円余であります。
 その内容の詳細につきましては、平成十三年度物品増減及び現在額総報告のとおりでございます。
 以上が、平成十三年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書等の概要であります。
 なお、平成十三年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用や経理の適正な運営に努めてきたところでありますが、なお会計検査院から、二百四十八件の不当事項等につきまして指摘を受けましたことは、まことに遺憾であります。
 今後とも、予算の執行に当たっては一層配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいる所存であります。
 何とぞ御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
 次に、平成十三年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに平成十三年度国有財産無償貸付状況総計算書を、会計検査院の検査報告とともに国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
 まず、平成十三年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要につきまして御説明いたします。
 平成十三年度中に増加いたしました国有財産の総額は十三兆六百五十三億円余であり、また、同年度中に減少しました国有財産の総額は十一兆六百五十二億円余でありまして、差し引き二兆円余の純増加となっております。これを平成十二年度末現在額百七兆九百四十四億円余に加算いたしますと百九兆九百四十四億円余となります。これが国有財産法に基づく平成十三年度末現在額であります。
 以上が平成十三年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要であります。
 次に、平成十三年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要について御説明いたします。
 平成十三年度中に増加いたしました無償貸付財産の総額は千四百七十五億円余であり、また、同年度中に減少いたしました無償貸付財産の総額は千三百七十二億円余でありまして、差し引き百三億円余の純増加となっております。これを平成十二年度末現在額一兆四百五十七億円余に加算いたしますと一兆五百六十億円余となり、これが平成十三年度末現在において国有財産法に基づき無償貸し付けをしている国有財産の総額であります。
 以上が平成十三年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。
 なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書を添付しております。
 何とぞ御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
○山口委員長 次に、会計検査院当局から各件の検査報告に関する概要説明を求めます。杉浦会計検査院長。
○杉浦会計検査院長 平成十三年度決算検査報告につきまして、その概要を御説明いたします。
 会計検査院は、平成十四年九月二十七日、内閣から平成十三年度歳入歳出決算の送付を受け、その検査を終えて、平成十三年度決算検査報告とともに、平成十四年十一月二十九日、内閣に回付いたしました。
 平成十三年度の一般会計決算額は、歳入八十六兆九千三十億三千八百五十五万余円、歳出八十四兆八千百十一億二千八百五十万余円、各特別会計の決算額の合計額は、歳入三百九十六兆二千二百三十五億百七十四万余円、歳出三百六十三兆三千三百六十七億六千五百二十八万余円でありまして、会計検査院ではこれらの決算額を確認いたしました。
 また、国税収納金整理資金は、収納済み額五十六兆八千二百一億七千七百十六万余円、歳入組み入れ額四十八兆八千八百七十三億二千七百八十八万余円でありまして、会計検査院ではこれらの受け払い額を検査完了いたしました。
 政府関係機関の平成十三年度の決算額の総計は、収入六兆五千八百三十六億千七百九十六万余円、支出六兆六千二百八十億三千二百七十万余円でありまして、会計検査院ではこれらの決算額を検査完了いたしました。
 平成十三年度の歳入歳出等に関し、会計検査院は、国、政府関係機関、国の出資団体等の検査対象機関について、書面検査として計算書二十万余冊及び証拠書類七千三百五十一万余枚について、また、実地検査として検査対象機関の官署、事務所等三万六千百余カ所のうち三千余カ所について検査を実施いたしました。そして、検査の進行に伴い、関係者に対して八百余事項の質問を発しております。
 検査の結果、検査報告に掲記した不当事項等について、その概要を御説明いたします。
 まず、不当事項について御説明いたします。
 不当事項は、法律、政令もしくは予算に違反し、または不当と認めた事項でありまして、検査報告に掲記いたしましたものは、合計二百四十八件、百三十七億九千五百十七万余円であります。
 このうち、収入に関するものは十件、五十八億四千九百二十九万余円でありまして、その内訳は、租税の徴収額に過不足があったものが一件、十億千四百七十万余円、保険料の徴収額に過不足があったものが二件、四十七億八千三百七十一万余円、郵便切手類の販売代金の回収が困難となっていたものが一件、二千五百四十四万円、職員の不正行為による損害が生じたものが四件、千五百六十八万余円、保険給付に係る費用の徴収が適切でなかったものが二件、九百七十五万余円。
 また、支出に関するものは百九十七件、七十二億四百七十五万余円でありまして、その内訳は、会計経理が適正を欠いていたものが一件、三億千三百九十一万余円、賃借料の支払い額が過大となっていたものが一件、六百二十四万余円、委託費の支払い額が過大となっていたものが一件、千二百十九万余円、保険給付金の支給が適正でなかったものが三件、八億九千三百三万余円、医療費の支払いが適切でなかったものが二件、十二億千四百八十二万余円、補助事業の実施及び経理が適切でなかったものが百七十八件、四十三億千八百一万余円、貸付金の経理が適切でなかったものが一件、五千六百二十八万余円、職員の不正行為による損害が生じたものが六件、九千七百三十八万余円、その他、助成金の経理が適切でなかったものなどが四件、二億九千二百八十六万余円であります。
 以上の収入、支出に関するもののほか、職員の不正行為による損害が生じたものが四十一件、七億四千百十一万余円あります。
 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について御説明いたします。
 平成十四年中におきまして、会計検査院法第三十四条の規定により是正または是正改善の処置を要求いたしましたものは二十八件、また、同法第三十六条の規定により改善の意見を表示しまたは改善の処置を要求いたしましたものは四件であります。
 その内訳は、外務省の支援委員会等の国際機関等に対する拠出金及び分担金に関するもの、厚生労働省の特定求職者雇用開発助成金と中小企業雇用創出人材確保助成金との併給調整に関するもの、特別養護老人ホームが保有している特別積立預金に関するもの、特別支給の老齢厚生年金の受給権者に係る現況届による就労情報の把握及び活用に関するもの、保育所における定員を超えた保育の実施に関するもの、農林水産省の牛肉在庫緊急保管対策事業における冷凍格差の助成に関するもの、独立行政法人国立特殊教育総合研究所ほか二十五独立行政法人の国から承継した資産等に係る会計経理に関するもの二十六件であります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
 これは、検査の過程におきまして、会計検査院法第三十四条または第三十六条の規定により意見を表示しまたは処置を要求すべく質問を発するなどして検討しておりましたところ、当局において、本院の指摘を契機として改善の処置をとったものでありまして、検査報告に掲記いたしましたものは三十一件であります。
 その内訳は、内閣府(防衛庁)の専用回線の利用契約における長期継続利用割引制度の活用に関するものなど二件、総務省の電気通信格差是正事業等の実施及び事業効果の発現に関するもの、法務省の在留資格審査事務支援システムにおける業務委託契約の予定作業単価の算出に関するもの、財務省の普通財産の貸付料の改定等に伴う債権管理事務に関するものなど二件、文部科学省の公立の中学校における免許外教科担任の実施に関するものなど三件、厚生労働省の国民健康保険の保健事業の実施に関するもの、農林水産省の牛肉在庫緊急保管対策事業における助成金の支払いに関するものなど七件、経済産業省の地域ベンチャー中小企業等商品化・新事業可能性調査事業の実施に関するものなど二件、国土交通省の道路管理データベースシステムのデータ更新業務の実施に関するものなど三件及び国の出資団体等における工事費の積算に関するものなど九件であります。
 次に、特に掲記を要すると認めた事項について御説明いたします。
 これは、事業効果または事業運営等の見地から問題を提起して事態の進展を図るために掲記しているものでありまして、検査報告に掲記いたしましたものは、新住宅市街地開発事業の実施に関するものの一件であります。
 最後に、特定検査対象に関する検査状況について御説明いたします。
 これは、本院の検査業務のうち特定の検査対象に関する検査の状況について記述したものでありまして、検査報告に掲記いたしましたものは十七件であります。
 その内訳は、金融システムの安定化のための緊急対策等の実施状況に関するもの、情報通信技術講習推進特例交付金事業の実施状況に関するもの、郵便局における渡切費の経理に関するもの、在外公館における会計経理に関するもの、政府開発援助に関するもの、中山間地域等直接支払い制度の運用に関するもの、電源開発促進対策特別会計電源立地勘定の決算状況に関するもの、夕張シューパロダム建設事業に伴う損失補償等の実施に関するもの、中小企業向け政府関係金融機関における不良債権の実態及びその管理に関するもの、住宅金融公庫の融資業務に関するもの、年金の給付に要する費用等の支払いなどの資金に充てるため承継した土地の処分状況に関するもの、産業基盤整備基金における債務保証業務及び利子補給業務に関するもの、独立行政法人の政府受託事業に係る経理に関するもの、日本放送協会の非現用不動産の管理、処分状況に関するもの、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社における病院等の運営に関するもの、国の機関が内部監査として実施する会計監査の状況に関するもの、特別会計の決算分析に関するものであります。
 以上をもって概要の説明を終わります。
 会計検査院といたしましては、機会あるごとに関係各省庁などに対して、適正な会計経理の執行について努力を求めてまいりましたが、なお、ただいま申し述べましたような事例がありますので、関係各省庁などにおいてもさらに特段の努力を払うよう望んでいる次第であります。
 引き続きまして、平成十三年度国有財産検査報告につきまして、その概要を御説明いたします。
 会計検査院は、平成十四年十月十一日、内閣から平成十三年度国有財産増減及び現在額総計算書及び平成十三年度国有財産無償貸付状況総計算書の送付を受け、その検査を終えて、平成十三年度国有財産検査報告とともに、平成十四年十一月二十九日、内閣に回付いたしました。
 平成十二年度末の国有財産現在額は百七兆九百四十四億千八百四十七万余円でありましたが、十三年度中の増が十三兆六百五十三億六千九百九十四万余円、同年度中の減が十一兆六百五十二億九千八百二十三万余円ありましたので、十三年度末の現在額は百九兆九百四十四億九千十八万余円になっております。
 また、国有財産の無償貸付状況につきましては、十二年度末には、一兆四百五十七億二千五百四十七万余円でありましたが、十三年度中の増が千四百七十五億六千五百七十五万余円、同年度中の減が千三百七十二億千三百五十五万余円ありましたので、十三年度末の無償貸付財産の総額は一兆五百六十億七千七百六十六万余円になっております。
 検査の結果、平成十三年度国有財産増減及び現在額総計算書及び平成十三年度国有財産無償貸付状況総計算書に掲載されている国有財産の管理及び処分に関しまして、平成十三年度決算検査報告に掲記いたしましたものは三件であります。
 その内訳は、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項といたしまして、内閣府(防衛庁)のエンジン等を取り外し長期に格納する航空機の国有財産法上の取り扱いに関するもの、財務省の普通財産の貸付料の改定等に伴う債権管理事務に関するもの、特定検査対象に関する検査状況といたしまして、在外公館における会計経理に関するものであります。
 以上をもって概要の説明を終わります。
 ありがとうございました。
○山口委員長 これにて平成十三年度決算外二件の概要の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○山口委員長 この際……
○奥田委員 委員長、一言だけ。
○山口委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○山口委員長 速記を起こしてください。
 この際、資料要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十三年度決算の審査に当たり、決算の検査報告に掲記されました会計検査院の指摘事項に対する関係責任者の処分状況調べについて、財務省当局に対してその提出を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時四十六分散会