第156回国会 財務金融委員会 第20号
平成十五年六月六日(金曜日)
    午前九時三十一分開議
 出席委員
   委員長 小坂 憲次君
   理事 金子 一義君 理事 七条  明君
   理事 林田  彪君 理事 渡辺 喜美君
   理事 生方 幸夫君 理事 松本 剛明君
   理事 上田  勇君 理事 中塚 一宏君
      岩倉 博文君    上川 陽子君
      倉田 雅年君    坂本 剛二君
      砂田 圭佑君    田中 和徳君
      竹下  亘君    竹本 直一君
      中村正三郎君    萩山 教嚴君
      林 省之介君    福井  照君
      増原 義剛君    松島みどり君
      山本 明彦君    山本 幸三君
      五十嵐文彦君    井上 和雄君
      上田 清司君    大島  敦君
      小泉 俊明君    佐藤 観樹君
      中津川博郷君    永田 寿康君
      平岡 秀夫君    石井 啓一君
      遠藤 和良君    達増 拓也君
      佐々木憲昭君    吉井 英勝君
      阿部 知子君    植田 至紀君
      江崎洋一郎君
    …………………………………
   財務大臣         塩川正十郎君
   国務大臣
   (金融担当大臣)     竹中 平蔵君
   内閣府副大臣       伊藤 達也君
   財務大臣政務官      田中 和徳君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局長)  藤原  隆君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    五味 廣文君
   政府参考人
   (総務省郵政行政局長)  野村  卓君
   財務金融委員会専門員   白須 光美君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月六日
 辞任         補欠選任
  小泉 龍司君     松島みどり君
  竹本 直一君     福井  照君
  増原 義剛君     岩倉 博文君
  永田 寿康君     大島  敦君
同日
 辞任         補欠選任
  岩倉 博文君     増原 義剛君
  福井  照君     竹本 直一君
  松島みどり君     小泉 龍司君
  大島  敦君     永田 寿康君
    ―――――――――――――
六月六日
 出資法の上限金利の引き下げ等に関する請願(阿部知子君紹介)(第三〇三五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 保険業法の一部を改正する法律案(内閣提出第一一九号)
 金融に関する件

     ――――◇―――――
○小坂委員長 これより会議を開きます。
 金融に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局長藤原隆君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○小坂委員長 この際、竹中金融担当大臣から発言を求められておりますので、これを許します。金融担当大臣竹中平蔵君。
○竹中国務大臣 去る六月四日の衆議院財務金融委員会で、「りそな」に関し御質問を受けまして、私から金融庁の担当者に事実関係を確認いたしましたので、その結果を御報告申し上げます。
 まず第一に、金融庁の担当者が監査結果をゆがめるよう「りそな」に指示したことはないか、また、そのように誤解を受けるようなことはしていないかという趣旨の御指摘をいただいたことを踏まえまして、この点について確認をいたしました。
 担当者からは、まず第一に、五月七日の朝、大臣より、監査結果に圧力をかけたり誤解を招くような言動はしないよう指示を受けたことから、同日、りそな銀行から監査法人との交渉状況の説明を受けた際に、冒頭に監査法人の判断について金融庁が介入する考えがないことを念のため明確に銀行側に伝えている、監査結果をゆがめるよう「りそな」に指示したことはなく、誤解を受けることのないよう意を尽くしたつもりであるという報告を受けました。
 第二の点でありますが、五月十日付の金融庁の担当者とりそなホールディングス常務とのいわゆる「電話メモ」や、同日付の金融庁の担当者と「りそな」とのいわゆる「面談メモ」についての事実関係はどうか、また、預金保険法第百二条を材料に「りそな」を恫喝したのではないかという趣旨の御指摘をいただいたことを踏まえまして、この点についても確認をいたしました。
 担当者からは、まず、五月十日付のいわゆる「電話メモ」については、そのような電話による会話、応接の事実はなく、全くの事実無根である。六月四日の衆議院財務金融委員会で示されたいわゆる「面談メモ」に該当すると考えられる「りそな」との打ち合わせにつきましては、これは、五月九日の夜、りそな銀行より、引き続き監査法人との協議は続けるが、時間も限られているので、コンティンジェンシープランを相談したい旨話があり、これに応じて、同月十日に預金保険法第百二条の趣旨、内容等について説明をした。
 なお、同条の説明は、「りそな」より、同条も含めコンティンジェンシープランを相談したい旨話があったことを受けて行ったものであり、金融庁が恫喝したということはないとの報告を受けております。
 第三に、いわゆる「面談メモ」には金融庁の担当者が監査法人との状況を尋ねた旨記載されており、これは五月十日付のいわゆる「電話メモ」に記載された内容と合っているのではないかという趣旨の御指摘をいただいたことを踏まえ、この点についても確認をいたしました。
 担当者からは、五月十日付のいわゆる「電話メモ」については、そのような電話による会話、応接の事実はなく、全くの事実無根であるとの報告を受けたこと、これは先ほど申し上げたとおりでございますが、なお、担当者からは、これに加えまして、五月十日は、その前日に、りそな銀行より、引き続き監査法人との協議は続けるが、時間も限られているので、コンティンジェンシープランを相談したい旨の話があり、説明等を行ったところである。
 なお、こうした相談、説明は、もともと「りそな」と監査法人との交渉状況を踏まえて行われるものであり、交渉状況について確認を行うということはあるが、いずれにせよ、監査結果をゆがめるよう「りそな」に指示したことはなく、誤解を受けることのないよう意を尽くしたつもりであるといった報告を受けております。
 第四でありますけれども、いわゆる「面談メモ」においては、当局としてりそな銀行の破綻を認識して話をしていたのではないかという趣旨の御指摘をいただいたことを踏まえ、この点について確認いたしました。
 担当者からは、五月十日の打ち合わせについては、「りそな」より、引き続き監査法人との協議は続けるが、時間も限られているので、コンティンジェンシープランを相談したい旨の話があって、相手方からの質問などを交えて、預金保険法第百二条の趣旨、内容等を説明した。
 その際、同条について、これは、金融危機回避のための例外的措置という性格からして、健全金融機関に対する早期健全化法や組織再編成促進特別措置法などにおける取り扱いとは異なること、及び、同条の要件が、資本増強等の措置が講ぜられなければ当該金融機関が破綻に陥るなどによりシステミックリスクが生ずるおそれがあると認められることである旨説明を行った。
 なお、その際、「りそな」について、破綻という事態に至っているとの認識に基づく発言は一切していないとの報告を受けております。
 最後に、いわゆる「面談メモ」には金融庁側の厳しい発言が記載されているが、「りそな」を恫喝することにより、監査法人を説得するよう強要したのではないかという趣旨の御指摘をいただいたことを踏まえまして、この点についても確認をいたしました。
 担当者からは、五月十日の打ち合わせについては、「りそな」より、引き続き監査法人との協議は続けるが、時間も限られているので、こういう状況下でコンティンジェンシープランを相談したい旨話があり、相手方からの質問などを交えて、預金保険法第百二条の趣旨、内容等を説明した。
 その際、一般論として、同条が適用される場合、同法百五条において経営の合理化のための方策等の実行が求められているところであるが、その場合、健全金融機関に対する早期健全化法や組織再編成促進特別措置法などにおける取り扱いとは異なり、金融危機回避のための例外的措置という性格からして、おのずと厳しいものとならざるを得ない旨の説明をしましたが、恫喝、強要といったことは全くしていないとの報告を受けております。
 ただいま御説明申し上げましたとおり、去る六月四日の衆議院財務金融委員会での御質問を受けて事実関係を確認いたしましたが、金融庁として、監査法人の判断に関与する立場にはなく、実際にも監査法人に圧力をかけたという事実は一切確認されませんでした。
 今後とも、金融庁といたしましては、監査の独立性を尊重しながら、金融監督に取り組んでいきたいと考えております。
 以上、御報告を申し上げます。
    ―――――――――――――
○小坂委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。平岡秀夫君。
○平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。
 おとといのこの委員会における、民主党の仙谷委員、そして私の方からいろいろと質問させていただきました。その質問に答えて、竹中大臣は、「当事者に確認をして、御報告したいと思います。」というふうに答弁されまして、きょうその確認をした結果についての御報告をいただいたということでございます。この点については私も評価したいと思いますけれども、今るる説明された事実関係が本当に正しかったのかどうかという点、あるいは説明されなかった点について、私としてもまだ疑問が残っている点もございますので、いろいろ質問させていただきたいと思っているわけであります。
 まず、大臣の認識を先に聞いておきたいと思うんですけれども、今現在、我々が問題を投げかけている疑惑があるんですけれども、この疑惑というのは今晴らしていかないと、今後の金融行政を適切に遂行していくためにはやはり晴らしておくことが必要であろうというふうに私は思っておるんですけれども、大臣の御認識はいかがでしょうか。
○竹中国務大臣 金融再生プログラムをつくりましたときに、その中に、日本の金融システム及び金融行政の信頼性を回復して、日本の経済を健全化させて再建していきたいんだという強い意思を私自身表示したつもりでございます。その意味では、金融システムの健全化は重要ですが、その基礎に、金融行政に対する信頼性がしっかりと確立しているということがなければ、やはりこれはできないと思っております。
 今般、その意味で、国会の場でこのような議論がなされているということに関しては、改めて日本の、我々の行政の姿勢をしっかりと確立していかなければいけないと、私自身気を引き締めて今回の調査も行ったつもりでございます。これはいろいろな議論がなされている、国会でも大変御懸念をいただいている、そのことは事実として私自身も重く受けとめておりますので、具体的にどのように信頼性を確立していったらいいか、これは私が陣頭指揮で、陣頭に立って、しっかりと解明すべきは解明する、強化すべきは強化する、そのようなことをぜひともやり抜くという決意で私自身はおります。
○平岡委員 解明すべきものは解明するというふうに言っていただいたんで、ぜひその姿勢を貫いていただきたいと思います。
 多分、きょうの説明を聞いて、また投書が来るかもしれません。またいろいろなところで報道がなされるかもしれません。そういう疑惑に対して、確かにコピーしたようなものかもしれませんし、報道でその取材源がはっきりしないということもあるかもしれませんけれども、そういう疑念を国民が持っていたら、これから審議される保険業法の改正であろうと、これから行われるであろう「りそな」に対する資本注入であろうと、国民の皆さんは支持することはできない、そのようなことになってしまうわけです。
 もう一度大臣の、この問題についての疑惑はこれからまたいろいろ出てくるかもしれませんけれども、そういった問題に対してもしっかりと対応していく、その発言をいただきたいと思います。
○竹中国務大臣 繰り返し申し上げますけれども、金融行政に対する信頼がなければ、金融システムを強化するということはできないと思っております。
 そのために何をすべきか。今、伊藤副大臣とも相談をしながらしっかりと我々としては進めていきたいと思っておりますが、これはまだ私個人の考え方でありますけれども、例えば金融庁の中にしっかりとしたコンプライアンス対応室のようなものを設けて、その中で、そのコンプライアンスの問題について、もう一度改めて我々自身で問い直していくような体制をつくるということも考えなければいけないというふうに思っております。これについては、副大臣とも相談しながら、できるだけ早くその対応策を考えていきたいと思います。
 その際に、今平岡委員が、我々としてはとにかく解明するという気持ちは非常に強く持っている、それをもって国民の信頼にこたえたいという気持ちを持っている。それに当たって、例えば、いわば、いわゆる詠み人知らずの文章であれば、これは我々としても、実は対応のしようがない面がございます。
 これに関しては、私自身、一昨日ですか、仙谷議員がお尋ねになって、それを平岡委員がフォローアップされた、関係者から得たとございました。これは大塚議員に私の方からもお願いしようと思いますし、同僚でありますから平岡議員の方からもできればお伝えいただければというふうに思いますが、例えばですけれども、私の個人の住所を大塚議員にお知らせしますので、その発送者がもし確認できるのであれば、その方から直接私に書留でも内容証明郵便でも送っていただければありがたい。そうしましたら、私としても、これはもういわゆる詠み人知らずではなくて、どういう証拠性があるのかということが確認できますし、これは今こちらから確認している、先方からも確認できるということで、我々としてもさらに作業の進めようがあるのではないかと思っております。
 先ほどコンプライアンス室の話がありましたけれども、普通、企業の場合には、それに対して弁護士等々独立した主体にいろいろなことをお願いするヘルプラインというようなものもつくるんだそうであります。私は、繰り返し言いますが、コンプライアンス室とヘルプライン、急いでそういうものをつくって、そういうような、もしコンプライアンスに関する問題があるんであるならば、それをしっかりと受けとめて調査をするというような体制も考えていかなければいけないと思っております。
 直接のお答えとしては、強い決意があるかというお尋ねでありますが、私としては、ぜひとも強い決意を持ってしっかりと金融行政に対する信頼性を確立するために努力をしたいと思っております。
○平岡委員 そもそも論をいろいろ聞いてみたいところなんですけれども、ちょっと時間がないので、先ほどの御説明のあったところをちょっと引っ張り出して御説明をさらに求めたいと思います。
 先ほどの説明では、十日に行われた「面談メモ」に基づく調査については大筋認められました。そこで、その「面談メモ」に登場してくる人物、名前は差し控えますけれども、銀行一課長、参事官、企画官、補佐、そして係長二名、この人たちが同席していた会議であるということは確認できましたでしょうか。
○竹中国務大臣 そのような会議が当日あったということは、確認ができております。
○平岡委員 銀行一課長の職責はわかるんですけれども、参事官、企画官、補佐、係長二名、この人たちの職責は何でしょう。
○竹中国務大臣 参事官、企画官等は危機対応、まさに預金保険法百二条に相当するような危機対応室というのがございまして、その担当の参事官等々でございます。補佐は、銀行一課の補佐であると認識をしております。
○平岡委員 係長二名は、どこの部署から来た係長ですか。
○竹中国務大臣 ちょっと今、所属はすぐに思い出せないのですが、いずれにしても、そこに参加しておりますのは、銀行一課、監督ですね、それか危機対応室か、どちらかの係長、補佐等でございます。
○平岡委員 検査局の職員じゃないことは確認できますか。
○竹中国務大臣 これは監督の話でございますので、検査局の人間は出席していないというふうに認識をしております。
○平岡委員 せんだっての、おとといの仙谷委員の質問の中で、大臣はこういうことを答弁されておられます。「その担当参事官がこれは債務超過であるとか、はっきり破綻企業であるだとか、そういった趣旨のことを、つまりこれは預金保険法第百二条の第一項第三号に当たるんだとか、そういうような趣旨のことを言ったことは一切ないというふうに本人には確認をしております。」というくだりがございます。確かに、こんなことを言うはずは私もないだろうなというふうに思いますけれども、逆に言うと、ここまで至らなくても、言っていることはたくさんあるんじゃないかというふうに私は思うんですね。
 先ほど、こんなことは言っていません、恫喝はしていませんというふうに言われましたけれども、例えば、この「面談メモ」の中にあります銀行第一課長が「その後監査法人の方は如何か、三年を説明するメモを見たが論理的ではないと思う」という発言、あるいは「百二条しかないだろう」という発言。あるいは、参事官の方からの発言があった。「従業員・銀行からみると破綻と同じ。」「早期健全化法のように自主性を尊重するものとは違う。」「ガバナンスについては基本的に国が握る、普通株で三分の二を得るというイメージ。」「ポツダム宣言と同じこと。」
 企画官の発言、「経営の自主性はない、倒産企業として扱う、事務方はミニマムを申し上げているがそれで止まるかわからない。従業員には大勢辞めてもらう」
 補佐、「百二条となった時、監査法人が税効果を追加で落とすということはないか。前提は三年だが崩れると困る。」
 こういうことを言っているというメモになっていますけれども、こういった発言、そのとおりじゃないかもしれませんけれども、そういった趣旨の発言がされていることは確認されていますか。
○竹中国務大臣 まず、「面談メモ」そのものについては、金融庁として、我々としては作成したものではありませんし、個別の金融機関とのやりとりについて、個々のコメントはこの場で行うことは差し控えさせていただかなきゃいけないんですが、委員御懸念の点が幾つか今御指摘されたと思います。
 一つは、繰り延べ税金資産云々ですね。これはもともと、「りそな」と監査法人との交渉状況を踏まえて、どういうふうな交渉状況、今交渉一生懸命やっているわけですね、それを踏まえて行っているものでありますから、その過程でいろいろなことの確認を行ったり、これはやはりその過程ではあると。しかし、本人から聞いておりますのは、監査結果をゆがめるよう「りそな」に指示したことはなく、誤解を受けることのないよう意を尽くしたつもりである、そのような指示を受けている。
 あと、後半の、百二条は大変なんだというような、そういう御指摘のことがありましたけれども、この百二条というのは金融危機回避のための例外的措置という性格からして、先ほど申し上げましたように、早期健全化法のような場合とやはり違うんだ、経営合理化等が厳しく求められるんだ、そういう旨の説明をしたというふうに聞いております。
 ただ、いずれにしても、それによって相手を恫喝するとか監査に圧力をかけるとか、そういう事実はないし、そういうことがないように注意したというような報告を受けております。
○平岡委員 仙谷委員に対して、答弁の中で、そういったことはないというふうに明確に否定されましたけれども、先ほど私が指摘した発言の部分については、明確に否定をされていません。そういう発言があったんだと思います。
 ということは、大筋においてこの会談メモの中身については確認がされたということだと思いますけれども、そうした会談メモに書かれている会談の結果として、先日もお話がありましたように、この話を聞いた人たちは、金融庁から恫喝を受けたというふうに言っているわけですね。そういう投書になっているわけです。まさに皆さん方当事者は、確かに恫喝したつもりはないというふうに口をそろえて言われるかもしれませんけれども、受けた本人が恫喝をされたということであれば、それはもう恫喝なんですよ。そういう誤解を与えるような行為をしたということなんですね。
 大臣、そういうふうに思いませんか。相手が恫喝を受けたというふうに印象を受けたんなら、やはりそれは誤解を与えるような行為をした、そういう反省がなければならないんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょう。
○竹中国務大臣 まず、仙谷委員に私がお答えしたのは、破綻に当たる、そういう認識は持っていないし、そういうことは言っていない、そういうふうにお伝えをしたわけでございます。
 今委員言われましたことでありますけれども、我々としては、繰り返し言いますけれども、この百二条の趣旨はしっかりと伝えなければいけない。その交渉状況を踏まえてこういう議論をするわけでありますから、その交渉状況について、どういう状況になっているのかということはしっかりと聞かなければいけない、そういう会議の設定であったということは御理解を賜りたいと思います。
 平岡議員が今最後に言われた点は、これはもちろん重要な点であります。こちらはそう言っていなくても、向こうがそう思ったんだったら、これはやはり問題ではないか。先方がそのように受けとめたのであるならば、これはやはり問題である、問題にしなければいけないということであろうかと思います。その点に対して、我々は否定するつもりはありません。
 しかし、重要なのは、先ほど申し上げましたように、私たちは、一生懸命、今回、信頼性を回復するために調査を、中では、担当者に対してヒアリングも行ってまいりました。しかし、繰り返し言いますが、この仙谷議員が御指摘してくださったその関係者からの手紙と称するものも、我々から見ると、先方がちょっと確認ができない、詠み人知らずなのであります。
 したがって、先ほど言いましたように、私のところに直接それを申し出ていただけるようなルートを開きます。そこは私を信じていただきたい。私は一生懸命内部の検査もやっているんだから、信じていただきたい。それに加えて、私でだめだというのであるならば、それに関連して、コンプライアンス室というようなものをしっかりと早急に立ち上げて、その中にヘルプラインとして、これは弁護士の方とかそういうような方々に直接言っていただいて、その人の立場は守られるような、そういう仕組みも早急に私はつくりたいと思います。そういう中で、私としては議論をしていただきたい。
 私としては、私も副大臣も、金融の信頼を回復したいと心から願っておりますから、内部に対して一生懸命いろいろな聞き取りを行っている。内部の方々は、一生懸命日々の行政をやっておられますから、そういうことはなかったんだというふうに訴えておられる。その上で、今私が申し上げましたように、その相手方の特定ができるのであるならば、それは私としてはさらにそのことについて調査をしなければいけない、このように思っております。
○平岡委員 大臣は逃げておられるんですね。この「面談メモ」、五月十日に会談があったこと、そしてその当局側の出席者、確認はされました。相手方がだれであったか、この出席者は知らないんですか。これは確認できているんでしょう。どうでしょう。
○竹中国務大臣 相手方、作成者は確認ができておりません。
○平岡委員 そういうふうに逃げないでください。
 私は、作成者と聞いているんじゃないんですよ。この会議における相手方の出席者は確認できるんでしょうと聞いたんです。答弁をお願いします。
○竹中国務大臣 これは確認はできます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、これは以前にも私はこの場で答弁をさせていただいておりますけれども、証拠性があるものについては、外部の方々に対してもいろいろ話をするということはしなければいけないと思います。しかしながら、詠み人知らずの文章に対して、それを一々相手方に対して何か調査をするというようなことをもしやったら、行政は混乱すると私は思いますよ。
 そうではなくて、ですから、もし相手方がいらっしゃるんでしたら、握りつぶすようなことがないような形でちゃんと対応しますので、それは、もしその相手方が先生の方で確認できるのでありましたら、そういうラインできっちりと、私としても調査すべきことは調査いたしますので、そういう形に持っていっていただけないだろうかと私は考えております。
 いずれにしましても、今の状況で、金融庁の職員に対して調査できること、問いただせることは、我々としてはできる範囲でやっているつもりでございます。そういう制約といいますか、今の状況をぜひとも御理解をいただきたいと思っております。
○平岡委員 先ほど、五月十日の会談の存在そして当局からの出席者を認められ、そして私が読み上げた数点の部分についての発言があったということについても否定されなかった。そういう事実がそろっているわけですね。
 五月の二十八日の予算委員会で、竹中大臣は、民主党の菅代表の質問に対してこういうふうに答弁しておられます。
 「しかし、外部の人に対する確認というのは、これは、それを行うに足るよほどの客観的な証左、証拠がある場合にはそういうことをするということも考えられましょう」、こういうふうに言っておられます。その後には、「これは、いわば出どころのわからないワープロ打ちの紙が出たからといって、それに基づいて一々外部に対して確認する、そういう性格のものではない」というところまで言っていますけれども、今大臣は、この会議の存在、出席者、そして話の中身、大筋認められました。そうしたら、これは外部の人に対して、予算委員会で答弁したことに従ってちゃんと調査をする、確認をする必要があるんじゃないですか。どうでしょう。
○竹中国務大臣 監督上、いろいろなことが行われます。監督上、先方が発表していないことに対して、それに先立って我々が何か物を言うということは、これはむしろ我々の守秘義務に反することになりかねないというふうに思っております。
 「りそな」側に関して、この紙そのものについては今まだ調査中であるという報告を受けております。
○平岡委員 冒頭、私が大臣に、今回のこの疑惑についてはどういう姿勢ですかということをお尋ねしました。大臣は、しっかりと対応していきたい、解明していきたい、問題があれば解明していくのが務めだという趣旨のことを言われました。私は、これだけのものがそろい、多分、当局の担当官にもいろいろ確認されたんだと思います。そういう中で、確かに、もしかしたら誤解を与えるような言動があったかもしれないなという印象も多分持たれたんだろうと思います。
 そういう状況であるならば、予算委員会で答弁したように、きっちりと、外部の人たちとの間でそういうことだったのか、どういうことだったのかという確認を大臣はする、そういう政治的責任を持っているというふうに私は思うんですけれども、大臣、冒頭の大臣の決意に比べて、どのようにお考えでしょうか。
○竹中国務大臣 金融行政に対する信頼を本当に私はしっかりとしたものにしていきたいと思います。そのために、担当の大臣としてやるべきことを、これは副大臣とも協力して、本当にしっかりやっていく責務を負っているというふうに私は思っております。
 ここは、むしろこちらからのお願いになりますけれども、例えば大塚先生のところにそういうふうに申し出た方がいらっしゃる、その方はぜひ私のところに申し出ていただきたい。その方の立場は絶対に守ります。ないしは、私に対して不安があるのであるならば、コンプライアンス室をつくってそこに弁護士、ヘルプラインを置きますから、そこに申し出ていただきたい。そうしたことを通して、私はやはり次のステップに初めて行けるのではないかというふうに思うんです。
 菅代表に対して私はお答え申し上げましたけれども、申しわけありませんけれども、今の段階では、この紙が私たちとしても確認できません。やはり詠み人知らずの内容のものでございます。そうしたものに関しては、私たちは、部下に対して、できる確認はしっかりといたします。それに対して、証拠性があるようなものであるならば、これは先ほど言いましたように、一歩進めて議論をしていきたい。そのような立場で、しっかりと事実を解明したいという気持ちは全く変わりませんので、この点を御理解いただきたいと思います。
○平岡委員 私は、何もこの「面談メモ」そのものの存在を認めなさいとか、この「面談メモ」に書いてあることそのものを認めなさいと言っているわけじゃないんです。
 皆さんは、皆さん側として、この会談をやったことを認めておられる。そして、多分その会談については当局の方でもきちっと応接録を書いておられる。多分、係長さんが一生懸命書いて、これよりもっともっと詳しいものがつくられて、大臣にも上がっているんじゃないかというふうに私の経験からして思うわけでありますけれども、そういうものを見れば、一体、このやりとりが、恫喝を相手が感じるような内容のものであったかどうかということはわかると思うんですね。
 そういう意味で、やはり大臣が主体的にやらない限りは怖くて出られませんよ。大臣、どうでしょう。
○竹中国務大臣 今、金融庁にも面談メモがあるというお話がございました。面談メモは、あるものもないものもございますけれども、今ないしは先日来いろいろ御議論いただいているようなものに関して、私自身、省内にそういった記録のあるものに関しましてはすべて目を通したつもりでございます。私自身、そうしたやりとりの中でも、恫喝とか恐喝とか、そういった部分は確認されませんでした。この点はどうぞ御信頼をいただきたいというふうに思います。
○平岡委員 ちょっとおとといの議論を少し読み直してみますと、大臣はこういうことを言っています。
 これは答弁を訂正する場面だったんだと思いますけれども、「先ほど、官房機能のところから監督局全員にそのような調査を行ったというふうに申し上げましたが、その全員に行った調査の内容は、先ほど申し上げたことよりは少し限定されておりまして、りそなグループの監査法人新日本及び朝日と同グループの平成十三年三月期決算の内容について話をしていた金融庁職員がいないか、それについて検査をしたということでございます。」ということで答弁しておられまして、これはまだ未定稿でございますから、いろいろと後で訂正しなければならない点があるかもしれませんけれども。
 ここで、監査法人新日本及び朝日に対して話をしていたかどうかという調査の限定、それから、これはちょっと多分間違いじゃないかと思うんですけれども、平成十三年三月期決算の内容について話をしたかという点、これはどうも私は、このような内容で確認をしたのでは十分じゃない、不十分だというふうに思いますけれども、先ほど来から問題になっている、「りそな」に対して恫喝をするという形で監査法人に対して圧力をかける、介入をするというようなことが疑念されているわけでありまして、これに、この答弁じゃなくて、もっとしっかりとした調査が行われなきゃいけないというふうに思いますけれども、どうでしょう。
○竹中国務大臣 先般の私の答弁の中で、まず御指摘の十三年三月期決算、これは大変申しわけありません、十五年三月期決算というふうに私は申し上げようとして言い間違えたようでございます。十五年三月期決算でございます。
 直接、お尋ねの調査を行ったかどうかに関して、もう一度明確に申し上げたいと思いますが、監査法人に対して、それぞれの監査法人のりそなグループの平成十五年三月期決算の内容について話をした金融庁職員がいないか、これは監督局の基本的に課長補佐以上の全員について、そういうことを官房の方で確認している、それは行っております。
 今委員お尋ねの、監査法人も重要だけれども、直接「りそな」に対して、相手方に対してそういう圧力をかけたようなことはないのか、それは調査は本当に十分かというお尋ねだと思いますが、それに関しては、これは銀行一課が担当でありますから、担当のところの部員に対して、私の方から直接そうした事実はなかったかということで確認をしておりまして、そういったことはなかったと、その事実を確認しているということでございます。
○平岡委員 その事実は、いつ、どのように、だれに対してやったんですか。おとといの答弁では、先ほど限定されたような調査しかしていないという話だったんですね。その後、いろいろと確認のための活動をされたんだと思いますが、いつ、どこで、だれに対して、どのように調査されたか、確認されたかを答弁願います。
○竹中国務大臣 この銀行の一課の担当者とはほとんど毎日私は顔を合わせて、いろいろな議論をする立場にございます。これは五月七日に最初の報告を受けて、いろいろな監査法人とのやりとりがあると。そのとき私は、そういうことを絶対するなという指示を出した、これは繰り返し申し上げておりますけれども。それ以降、そういう事実はないか、銀行に対しても事実はないかと。これは、ほとんど毎日のように顔を合わせながら、毎日のようにそのような話をしておりますので、どこでだれに確認したというよりは、ほとんど毎日、その担当の課の全員に対して確認しているというふうに私は思っております。
○平岡委員 私が聞きたかったのは、おとといの答弁の中で、こういうふうに限定された調査をしている、限定された調査しかしていないという答弁があったわけですね。今問題になっているのは、もっと「りそな」本体に対してどうだという、「りそな」を通じて会計監査法人とかというところにしていないかというのが問題になっているわけですね。だから、それについてはちゃんと調査したと思うんですよ。それを、いつ、どこで、だれが、どのようにしたかを聞いているんですよ。していないんだったら、していないと言ってください。
○竹中国務大臣 ちょっと確認をさせていただきたいんですが、委員のお尋ねは、これは二通りの調査があるわけですね。一つは、非常に幅広く調査を行っている調査。これは、しかし、監査法人に対して圧力をかけていないかという調査、これをいつ行ったかという御質問ですか。これは五月二十日及び五月二十一、二で行いました。
 それで、もう一つの「りそな」に対する調査、これは先ほど申し上げましたように、私は毎日のように確認をしているということです。毎日のように確認している。それで、先般、これは平岡議員の方から、改めて調査といいますか、新たに一昨日問われたことについて調査をすべきだというふうに言われまして、それで、一昨日、昨日、両方ですけれども、聞き取りを行っております。したがいまして、改めてその点については、銀行一課の担当に対しては、そういった聞き取りを行っているということでございます。
○平岡委員 きょうの報告は非常に限定された部分の報告でしかなかったので、先ほど最後に質問したようなことについてもしっかりとした確認をしたという報告をしてもらわない限りは、どうもまだ確認が足りないんじゃないか。
 途中で言いましたように、これだけの情況証拠がそろっておって、そして会談を認め、金融庁の出席者もはっきりわかっている、相手の出席者も当然これはわかっていると思いますけれども、そういう状況の中で、大臣が、相手が恫喝を受けたという気持ちを持っているという状態のままで物事を進めていくということについては、私は大臣の政治的な責任があるというふうに思います。
 しっかりと事実解明をし、疑惑を晴らしていっていただくということを、再度重ねて要請したいと思います。
     ――――◇―――――
○小坂委員長 次に、内閣提出、保険業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局長藤原隆君、金融庁監督局長五味廣文君、総務省郵政行政局長野村卓君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○小坂委員長 この際、竹中金融担当大臣から発言を求められておりますので、これを許します。竹中金融担当大臣。
○竹中国務大臣 一昨日、六月四日の当委員会におきまして、自由党の中塚一宏委員から、契約条件変更の申し出の承認の際の「保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」の要件を具体化すべきとの御指摘がありましたので、その検討状況について御報告を申し上げます。
 保険業法第二百四十条の二第三項に基づく契約条件変更の申し出の承認に当たっては、以下の点に留意することといたします。
 第一に、現時点では保険業の継続が困難である状況にはないこと、
 第二に、将来の業務及び財産の状況を予測した場合に、契約条件の変更を行わなければ、当該保険会社の財産をもって債務を完済することができないなど保険業の継続が困難となり得ることが合理的に予測できること
に留意することといたします。
 このうち、第二の点につきましては、
 第一に、金利、株価、為替レート等金融経済動向にかかわる事項
 第二に、新契約進展率、保険契約継続率、保険事故発生率等保険契約にかかわる事項
 第三に、資産配分等運用にかかわる事項等について客観的かつ妥当な前提を置くこと
 合併・再編、組織変更、事業費削減、業務の再編成等の経営改善努力の効果を織り込むこと
として、これらを総合的に勘案することといたします。
 これらについて、事務ガイドラインに定める方向で、法律の施行までに検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
 以上です。
    ―――――――――――――
○小坂委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中塚一宏君。
○中塚委員 まず、資料を要求したわけですね。資料を要求して、きょう質疑に立つということになっているわけですが、きのうの夕方になってもできない。けさ理事会に来たら、せめて理事会には配ってあるのかと思ったら、理事会にも配っていない。大臣が御発言になるということで、それはそれで構わないんだけれども、普通理事会ぐらいにはちゃんと配っておくものですよ。どんな委員会だって、資料を要求したらそういうふうにしているはずなんですから。それを今ここで読み上げるというのは、これは今読み上げるまで、私が理事会で、ではちょっとよこしてくれというふうな話をしたら、コピーしに行きますと、そういうことですよ。
 委員長、金融庁にちゃんと注意していただけますか。
○小坂委員長 委員長も同感に思いますので、その旨金融庁に注意をいたします。
○中塚委員 では、このいただいたものについて質問をいたしますけれども、合理的、合理的というふうに局長はおっしゃっていましたが、一体これはどこが合理的なのか、私は全然理解できません。
 まず、伺いますが、「事務ガイドラインに定める方向」と書いてありますけれども、これは事務ガイドラインなんですか、例えば政省令等にするわけじゃないんですか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 現在も、いろいろな行政の指針としまして事務ガイドラインを定めているところでございますが、今回も、この申し出に当たりまして、その判断をする際のガイドラインというのをここで定めていきたいというふうに思っております。
○中塚委員 いや、局長、政省令にするつもりはないんですか。ならないんですか。
○藤原政府参考人 行政の判断の指針でございますので、そういうものにつきましては、従来から事務ガイドラインということでやらせていただいておりますので、今回も事務ガイドラインでやらせていただきたいと思っております。
○中塚委員 保険契約者の財産権を侵害するような話を、ガイドラインみたいなことでいいんですか。ちゃんと政省令に落とすべきだ。あるいは法律に書き込むのが当たり前なんじゃないですか。どうですか。
○藤原政府参考人 今回のものは、まさしく法律に書いてあるものの解釈を示すということでございまして、こういうものにつきましては、従来から事務ガイドラインで対処させていただいております。
○中塚委員 格好悪くて書けないんじゃないでしょうね、政省令にするには。
 保険契約者等の保護のための特別の措置等に関する命令、平成十年十一月四日、大蔵省令第百二十四号というのがありますね。第一条の二の三のところで、「将来の収支を保険数理に基づき合理的に予測した結果に照らし、保険業の継続が困難である旨の意見が記載されている場合であって、その要因の解消を図るために必要な措置を講ずることができないとき。」こっちにはちゃんと政省令で落ちているじゃないですか。それだったら、何でこれを政省令にできないんですか、何でガイドラインみたいな中途半端なもので置いておくんですか。
○藤原政府参考人 御指摘のケースは破綻の場合の話でございまして、それを整理して書いたものでございます。
○中塚委員 破綻のケースというふうにおっしゃるけれども、「事業継続困難の申出の基準」ということですね、「業務の停止、合併等の協議の命令並びに業務及び財産の管理」ということについての政省令がこうなっているわけですよ。こっち側は政省令で落とせるのに、何でこれはガイドラインのままなんですか。おかしいじゃないですか。
○藤原政府参考人 まさしく法律に書いてあるところの解釈につきまして、行政がどういうふうに判断するかということの指針を示すものでございまして、こういうものにつきましては、従来から事務ガイドラインで対応させていただいておるところでございます。
○中塚委員 そうしたら、何でこの大蔵省令第百二十四号には書いてあるんですか、「将来の収支を保険数理に基づき合理的に予測した結果に照らし、」と。こっちだって書いてあるじゃないですか、「将来の業務及び財産の状況を予測した場合に、」と。片っ方は政省令で、何でこっちはガイドラインなんですか。
○藤原政府参考人 先ほど先生の御指摘になりましたものにつきましては、保険会社が申し出る際の基準でございまして、今回の私どもがガイドラインで示そうとしておりますのは、私どもが判断する際の基準ということでございますので、ガイドラインということでございます。
○中塚委員 それだったら、申し出る際の基準を出してくださいよ。私はそのことをお話ししていたはずだよ。申し出るときの基準は出ていない。
 だから、これは承認するときの基準なんでしょう、申し出るときの基準を出してくださいよ、そうしたら。
○藤原政府参考人 このことに関しましては、従来からお答え申し上げていますように、まさしくこういうものを、ある程度、かなり客観的な基準というのを示しますと、これは相当な風評リスクを呼ぶという議論がかなりございます。
 したがいまして、そういうことを勘案いたしますと、できるだけきちっとしたものであるのが一番望ましいわけでございますが、他方、そういうおそれもあるということから、私どもとしましては、私どもが判断するに際しての基準というものをこういう形でお示しさせていただきまして、総合的に判断させていただくということでございます。
○中塚委員 申し出の基準と申し出の承認の基準というふうに、別のものだとおっしゃるけれども、それは決してそうじゃないですよ。保険会社が根性を決めてこれを持ってくるわけでしょう。要は、自分のところがバンザイするかしないかという話なんですよ。だから、申し出の基準と申し出の承認の基準というのはそんなに変わらないもののはずだよ。どうですか。
○藤原政府参考人 破綻の場合は、申し出を義務づけておるわけでございまして、義務づけている以上は、どういうことかというのをきちっと書かざるを得ないわけでございますが、今回の場合は、申し出を義務づけているわけではございません。あくまでも自主的な判断の中で申し出をしてくる。それに対しまして、行政の方がどういう基準で承認するか、判断するかというものの判断をこのガイドラインで定めさせていただきたいというふうに考えております。
○中塚委員 そういうのを裁量行政というんですよ。
 では、申し出てきて、あんたのところは予定利率を引き下げる必要はありませんねと言われた保険会社はどうなるんですか。つぶれちゃうじゃないですか。
 要は、手を上げてくるんでしょう、だから申し出の基準というのをちゃんと明確にしなきゃいけない。申し出の基準で数字が入ると風評リスクがあるという話をされていましたけれども、では承認の基準はどうなんですかといったらこれが出てきたわけでしょう。それだったら、本当に保険会社の倒産なりなんなりというのにかかわる問題なんだから、何で政省令に落とせないんだ、事務ガイドラインという、こんないいかげんなもので置いておくんですか。
○藤原政府参考人 届け出を義務づけているものにつきましては、ある程度きちっとしませんと法律違反になるわけでございますが、これにつきましては自主的な判断で申し出をすることができる。そこはよく保険会社が勘案した上で、私どもの審査の際の基準と申しますか、参考になるようなことにつきましてはこの事務ガイドラインであらかじめ明らかにされておるわけでございますから、こういうものを勘案しながら、かつ、自分の保険集団、保険会社の状況を十分勘案した上で、こういうものを参考にしながら申し出をしていただくということだと思っております。
○中塚委員 そうしたら、この大蔵省令第百二十四号の三のところと今回提出されたこの部分というのは、どういうふうに違うんですか、具体的に。
○藤原政府参考人 これにつきましては、破綻の場合と、破綻ではなくて、予定利率を引き下げなければ、契約条件の変更をしなければ、他の経営努力をしてもなお保険業の継続ができない蓋然性のあるということで書いておるわけでありまして、そこは全く違うと思っております。
○中塚委員 けれども、この百二十四号の一条の二の三でも、「将来の収支を保険数理に基づき合理的に予測した結果に照らし、保険業の継続が困難である旨の意見が記載されている」、要は、これから先の話ですよ。こっちだってそうじゃないですか。現時点では保険業の継続が困難である状況にはないけれども、将来のことを考えた場合にそうなるということなんでしょう。ここで言っていることとこっちで言っていることと、中身はどうなんですか。同じじゃないんですか。
○藤原政府参考人 破綻の場合につきましては、かなり切迫した状況。それから、今回の場合につきましては、いろいろな経営努力とか、こういうのも盛り込んだ上で、なおかつ、もう少し長いスパンの話でございますので、そこはおのずと違っておるものだと思っております。
○中塚委員 申し出の基準と申し出の承認の基準なんでしょう、政省令とこっちのガイドラインは。申し出の基準と申し出の承認の基準ですよね。それで、書いてあることは同じじゃないですか。片っ方は破綻だとおっしゃるけれども、こっちだって「将来の収支を保険数理に基づき」でしょう。こっちだってそうでしょう、「将来の業務及び財産の状況を予測した場合に、」ということで、書いていること、同じじゃないですか。要は、ここへ出てきたものを見れば、予定利率を引き下げてほしいというふうに言ってくる保険会社は破綻しているということじゃないですか。
○藤原政府参考人 今回の契約条件の変更は破綻ではございませんで、破綻に至る前に、それを予防的に阻止することを可能とするような一般的な措置としてそういうものを準備するということでございまして、破綻ではございません。
○中塚委員 竹中大臣、フィッチという格付会社が、予定利率を引き下げたら債務不履行とみなす、それで格付をDに落とすというふうにけさ報道されていますが、それについていかがですか。
○竹中国務大臣 幾つかの格付会社がそれについて発言をなさっているということは聞いております。しかし、同時に、その格付会社の幾つかが、それによってその保険会社が新たな財務基盤をつくって、しっかりと経営改革を行って、それによって将来的にさらによくなる、もちろん、そのためにこそこういう制度を使ってほしいと我々は思うわけですが、そのような場合には改めてそれを見直していくというふうにも言及をしておられる。
 我々としては、格付会社は格付会社の基準でいろいろな御判断をされるわけでございまして、それについてどうこうと言う立場にはありませんが、しっかりと、格付会社からも将来的に高い評価が得られるような、そういう経営改革と一体となって、このような制度をその一つの選択肢として活用してほしいというふうに願っているわけでございます。
○中塚委員 ここに、「第二に、」「困難となりうることが合理的に予測できること」で、第二の点については、「金利、株価、為替レート等金融経済動向に関わる事項」と書いてありますね。局長は合理的、合理的というふうに言っておられたから合理的という言葉を入れたんだけれども、どうやったらこんなものが合理的に予測できるんですか。金利、株価、為替レート等金融経済動向にかかわる事項が合理的に予測できるのであれば、それにふさわしい経営計画を保険会社みずからが立てればいいだけのことじゃないですか。それをさせることができる権能だって金融庁は持っているわけでしょう。早期是正措置とか経営健全計画とか、いろいろなものを出せるわけじゃないですか。何でこれ、将来、ちゃんと合理的に予測ができるということが、今は大丈夫だけれどもこれから破綻するというのは、どういうことですか、合理的というのは。
○藤原政府参考人 お手元にお配りいたしました紙にも書いてございますように、例えば、第二の点につきましてと以下に書いてございますように、金利あるいは株価、為替レート等について金融経済動向にかかわる事項、あるいは、新契約進展率とか保険契約継続率あるいは保険事故発生、それから資産配分、運用に関する点、こういうことにつきまして、ある合理的な一定の前提を置いて、こういうもとに、そういう計算といいますか、将来展望をやってくださいと。これはかなり客観的かつ合理的な一つの基準だと思っております。
○中塚委員 こういうのを、私の友人である永田寿康議員の今手元にある本のタイトル、「バカの壁」というんですよ。
 合理的とか客観的とかいえば全部そうなると思ったら大間違いで、合理的に金利、株価、為替レート等ちゃんと予測できるんだったら、それにふさわしい経営計画を立てればいいだけのことであって、そもそも、竹中大臣にお伺いしますが、改革なくして成長なしなんでしょう。何年かは厳しいかもわからないけれども、景気よくなると言っているんでしょう、竹中大臣は。それだったら、金利、株価、為替レート等、竹中大臣は竹中大臣なりに合理的に予測をされているんだから、保険会社にもうちょっと頑張れと言えばいいじゃないですか。予定利率下げるなんて言わせなきゃいいじゃないですか。
○竹中国務大臣 いやいや、保険会社には頑張れと当然言うわけですよ。頑張ってもらわなきゃそれは困るわけでありまして、その頑張っていただく際の一つの経営の選択肢として、今回の法律もその選択肢の中に入れていただきたいということを言っているわけです。頑張らないとどの会社もだめになります。
○中塚委員 その保険会社に頑張れと言うのが契約者を泣かせる話だから問題なわけですよ。そんな、頑張るのは当たり前。大臣に言われなくたって保険会社は頑張りますよ。
 それと、もう一つ。きょう、時間がなくなりましたけれども、この(二)の「合併・再編、組織変更、事業費削減、業務の再編成等の経営改善努力の効果」と書いてあるけれども、基金とか劣後ローンの取り崩しの話は一切書かれていないじゃないですか。結局、契約者だけに負担を押しつける、そういう法律、基準だということを、また時間をいただいて質疑をいたします。
○小坂委員長 次に、倉田雅年君。
○倉田委員 自由民主党の倉田雅年でございます。
 保険業法の改正につき、少し素朴な質問をさせていただきたい。
 まず第一に、平成七年以前の保険業法には、契約条件の変更に関する主務大臣の命令権だとか、あるいは、相互会社においては条件変更ができるというようなことを定款にあらかじめ書いておきなさい、こんな規定があったですね。そういう規定がなぜ削除されたんでしょうか。そのことをどなたかお答えください。大臣に答えていただければ一番ありがたいです。
○竹中国務大臣 倉田委員のお尋ねは、平成七年の改正で、予定利率引き下げを可能とするような条文が削除された、その理由いかんということだと思います。
 これは、御指摘のとおり、平成七年にそのような削除が行われております。この七年の改正前の保険業法では、まず第一に、これは委員よく御存じのとおりでありまして、保険業法の第十条第三項で、大蔵大臣の行政命令による保険金の削減を可能とする規定があった。それと、同法第四十六条で、相互会社における社員自治による定款の定めに基づく保険金の削減を可能とする規定がございました。これらの規定については、その当時の保険審議会の議論がいろいろございました。
 その保険審議会の議論では、まず第一に、大蔵大臣の行政命令によって保険金を削減するという規定につきましては、行政命令の効力を直接既存の契約者に及ぼすということになり、これはやはり不適当ではないのかというような議論があったというふうに聞いております。第二に、相互会社における社員自治による定款の定めに基づく保険金の削減の規定については、相互会社が株式会社と同質化している実態を考えると、やはりこれはその実態とかけ離れているのではないかというような議論があったということであります。
 こうした議論を受けて、保険審議会の報告を踏まえてこの規定は削除された、このように承知しております。
○倉田委員 わかりましたけれども、今回、また新たに保険契約条件の変更をするような事態が起こるというようなことになった状況にかんがみますと、例えば、今大臣がおっしゃったところの大蔵大臣の命令権、これは、私的契約を直接変更するのはおかしい、こんな理由があったことはわかりますが、それにかわるもうちょっと自治的な変更用の規定をなぜ設けておかなかったのかということについてはどうでしょう。
○竹中国務大臣 まさに当時の、その七年までの方策に比べて、今回のスキームというのは考え方が違うものでありまして、今御指摘くださいましたけれども、これは、相互会社、株式会社の区別なく保険契約者を保護するという観点から、保険会社と保険契約者間の主体的な判断、自治的な手続によって契約の条件の変更を行うものである。その意味では、契約者自身に十分に理解をしていただくということを前提に、今回、この法律の御審議をお願いしているわけで、その平成七年に削除された規定とは性格の異なるものでございます。
 委員のお尋ねは、そのときにどうしてそういう改正がなかったのかということでございますが、これはちょっと当時の状況を私なりに推察するしかないわけでございますが、恐らく、保険業界全体の置かれていた立場が非常に今と違ったのかなという思いがいたします。もちろん、当時、平成七年でありますから、逆ざやの状況は既に今から思うと出現していたということになりますが、まだ保険契約保有高そのものの減少には至っていなかった。
 そうした中で考えますと、やはり逆ざや問題というのが無視できない一つの構造問題としてこの業界全体にのしかかっている、そういう状況下で、当時余り意識されなかったような問題点を今日的に位置づけて、政策上議論する必要が生じた、それが大きな理由ではないかというふうに推察いたします。
○倉田委員 背景が今とは違った、こういう理解でよろしゅうございますね。
 次の質問に移らせていただきます。
 今回の法案では、契約条件の変更については、株式会社では株主総会、それから、相互会社では社員総会、または、総代会の設けられている場合には総代会で特別決議をしなさい、こういうぐあいになっていますけれども、そもそも、総代というのはどういう権限を持っておるのか、つまり、だれから委任をされて、どういう内容の権限を委任されているのか。これについて、局長、お答えいただけますか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 保険相互会社の総代会と申しますのは、社員総会にかわるべき機関として設置されたものでございまして、業務運営の最高意思決定機関でございまして、社員のうちから選出されました総代によって構成されているものでございます。
○倉田委員 社員のうちから選任されるはいいんですが、どういうぐあいにして選任されるか、選任の手続、だれから委任をされているか。多分、社員からでしょうが、どんなぐあいになっていますか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 総代の選出方法でございますが、保険業法上は定款で定めるとされておりますが、各社とも、定款上は、社員の選挙により、あるいは総代候補者選考委員会が選考した総代候補者につきまして、社員が投票を行うことによって選出することといたしております。
 この二種類の方法のうち、御指摘のように、現在、各社とも総代候補者選考委員会方式を採用いたしておりまして、その総代候補者選考委員会が選考しました総代候補者につきまして、社員が投票を行うということになっております。それで、十分の一以上の不信任があれば選出されないというようなことになっておるようでございます。こういうことでございまして、社員の信任投票を通じて総代が選出されているということで、社員の意思はその過程において確認されているというふうに思っております。
○倉田委員 そこはわかりました。
 もう一点の、どういう内容をだれから委任されているのか、どういう権限を委任されているのか。この点についてはどうでしょう、局長。
○藤原政府参考人 委任と申しますか、本来、最高意思決定機関でございます社員総会というのがあるわけでございますが、法律上は、総代会を設置した場合は、総代会が社員総会にかわる権限を有するというふうに規定されております。
○倉田委員 私が聞きたいのは、契約条件の変更というような権限を、総代会がどこからか、もっと言えば社員からか、与えられているんだろうか。こういうことなんです。
    〔委員長退席、林田委員長代理着席〕
○藤原政府参考人 総代会は、社員総会にかわりまして、機関としての重要事項の決定をするというふうな規定になっております。
○倉田委員 少しわからない部分もありますが、要するに、社員総会も、あるいは株主総会も、保険会社、保険者の方の機関として保険者側の意思を決定する、こう理解してよろしゅうございますか、藤原さん。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 そういうことでございます。
○倉田委員 それでは、保険者側の意思決定過程はわかりました。
 問題は、保険契約者の側の意思決定の仕方についてであります。これについては異議申し立てという手続によって保障されている、こういうぐあいに法律の規定はなっているのかなと思いますが、それでよろしゅうございますか。
○藤原政府参考人 御指摘のように、保険契約者の権利保護という意味では、異議申し立てというのが機能しているということでございます。
○倉田委員 そこで、改めて保険契約というものを考えてみるんですけれども、相互会社の場合には、保険契約をすると同時に相互会社の社員にもなる、こういう関係はあると思うんです。つまり、契約者がA、B、C、Dとたくさんいますね。Aは会社と契約するんだけれども、Bさん、Cさんという契約者とも社員という相互関係ができてくる。ここまではわかります。しかし、株式会社の場合はそういう関係は起こりませんね。株主にでも同時になれば話は別ですが、あくまで、会社対AさんならAさん、BさんならBさん、CさんならCさんという、個々の私的な契約ということになりますね。
 そうすると、十分の一以上の異議がなかったら全員が条件変更に同意したものとみなすといっても、Aさんの立場からすると、Bさん、Cさん、Dさんがオーケーをしたからといって、Aさんの意思をちっともBさん、Cさんが代理しているわけでもない。そこは何で多数決で決められるんだろうか。まことに素朴な疑問ですけれども、この辺はいかがでしょうか。
○藤原政府参考人 保険契約集団における意思決定システムということでございますが、これにつきましては、御案内のように、保険契約者数が膨大であるということ、あるいは保険の団体性ということにかんがみまして、意思決定手続を、先ほどから申し上げておりますように二つに分けておりまして、一つは、会社の機関意思決定手続としまして総代会あるいは株主総会の特別決議、もう一つは、今お話ありましたように、保険契約者の権利の保護手続の方は異議申し立ての手続の活用というふうに、二つに分けて考えております。
 現行法におきましても、保険会社の合併でありますとか、あるいは保険契約の移転の際に保険契約者の保護を図る観点から、異議申し立て手続というのを活用いたしております。そういうことでございます。
○倉田委員 現在も、合併とか、あるいは契約の包括的な移転の場合にはそういう規定があるんだ、そういう御説明でありますけれども、集団性、集団性と言うけれども、契約はあくまで、さっき言ったように、Aさんと会社の関係ですね。保険というもの自体がそもそも集団的なものだということは私も理解するんです。つまり、大勢が少しずつ保険料を出し合って、自分が何らかの条件が来たときにはもらえる、まあ一種の講みたいな、そんなような全体の仕組みじゃないかと想像しますけれども。しかし、契約者の立場に立ってみればあくまで、AならAとしては、自分が例えば死んだときには幾らくれるとか、たったそれだけの部分であって、BともCともは実は関係がないんですね。
 全体として、確かに保険会社の立場から見れば、百円しか払わなかった人に保険金を一万円払う、これは保険契約者を大勢抱えているからこそできることです。こういう立場は保険者としてわかります。しかし、それはあくまで保険者の懐ぐあいの問題であって、契約とは関係がない。契約はあくまで、AならAという個人と保険会社との関係。BとかCが賛成しようが反対しようが、Aの意思決定になぜ関係してくるのか。この疑問が本当に、私は法律家のつもりでもありますが、法律家でなくても素朴な疑問があるんじゃないかと思うが、その点、どうお考えになりますか。
○竹中国務大臣 倉田委員先ほどから御指摘の点は、極めて本質的な問題だと思います。私も、今回の法律に際してこの問題を根本からじっくり考えていくと、そもそも相互会社というのは大変不思議な組織であるなというふうに改めて思います。
 よく会社というと、まさに利益の最大化とか言うわけですけれども、社員と契約者というのは、利益の最大化とかそういう観点からすると、利益相反になるんじゃないかとか、そういう素朴な疑問が幾つか出てくる集団だと思います。そこはまさに保険というものの特殊性、先ほど先生は、Aさんにとっては個人の契約、私的な契約のはずだと。しかし同時に、これも御指摘になりましたけれども、同じようにBさん、Cさんが全部抜けていきますと保険そのものが成り立たなくなりますので、そこは、集団性を保ちながら、しかし、それぞれの権利ができるだけ守られていくような制度という形で、どこかで調和を図らなきゃいけないという一つの問題を背負っているのが保険というものなのだろうというふうに思います。
 そうすると、どうしたらよいかということになると、結局、これは先ほどの局長答弁と同じになってしまうんですが、考えてみると、こういった集団の意思決定をする際に、営業の包括的な譲渡とか、今までもそういった問題点を克服できるような方法としての異議申し立てのような制度が確かにあったなと。今回は、そういう異議申し立ての手続をしっかりと活用して、この特殊性を踏まえて、もちろん、そもそもが利益と社員と契約者という問題を抱えてはいるわけですけれども、それをできるだけ克服していくのが法律をつくるときの一つの考え方ではないだろうかというふうに考えたわけでございます。
 その意味で、特別決議であるということと、異議申し立てに当たっても五分の一でなくて十分の一という設定をしまして、御指摘のような点をできるだけ克服していけるように今回の設計を行ったつもりでございます。
○倉田委員 別にだだをこねるつもりはないですけれども、大勢契約者がいなければ成り立たないということは、私に言わせると、あくまで保険者側の懐の問題だとさっき言いましたが、例えば保険でなくても、一個の商品をつくるのに、一個だけつくった場合は百万円かかる、百個つくれば一万円ずつで売れる、あるいは千個つくれば千円ずつでも売れる、商品というのはそういうものですね。
 つまり、相手が大勢契約してくれる、売買契約をしてくれるからあくまで成り立つのであって、そういうことを考えると、集団性、集団性という言葉にごまかされてしまうような気がするんだけれども、契約はあくまで一対一じゃないと、保険会社の懐ぐあいをみんなに押しつけるというのはそもそも変じゃないかなということを感ずるんですが、いかがでしょうか。だだをこねているつもりはないんだけれども、ちょっとそう考えてしまう。
○竹中国務大臣 そこは本当に、保険契約者の立場というのは最も重視されなければいけない。保険契約者の利益を守るために保険集団があるわけでありますから、そこの原点が何よりも重要だというふうに私も思います。
 その際に、これは先般からいろいろ議論させていただいておりますけれども、しかし、今のような厳しい逆ざやの環境下でこのまま放置したら、これは仮定ですけれども、この逆ざや等々が原因になって経営が破綻する可能性があるような場合、これについて、本当に契約者の利益になるんだろうか。
 契約者の利益を考えれば、その際の一つの選択肢として、破綻になると、これは海江田委員の御質問でいろいろな数値の検討もなされましたけれども、責任準備金のカットがあるかないか、予定利率は今までの破綻の例だとやはり相当低くなっているということを考えますと、今回の措置のようなものをうまく、これはうまく使っていただかなければいけないんですが、その方が結局は保険契約者のためになるのではないだろうか。そういう場合には、まさに自治的な手続を踏まえて、こういう選択肢を用意しておくのは決して悪いことではないのではないだろうか、我々としてはあくまでそのように考えているわけでございます。
○倉田委員 私は必ずしも納得できないですけれども、次の質問へと移らせていただます。
 十分の一以上の異議がなければ成立したものとみなす、こういうことになっているんですね。その際、十分の一以上異議がなかった場合は変更対象契約者全員が賛成したものとみなす、承諾したものとみなすということになっているんですね。
 そうすると、では、私は異議がありといって異議を申し出た契約者は、その異議を申し出ているのにもかかわらず、異議とは反対の方向の賛成をしたというぐあいにみなされちゃうというのは幾ら何でも、意思表示の原則からいくと、ノーと言っているのにイエスとみなすというのは少々乱暴ではないかと私は思いますが、いかがでしょうか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 保険の相互会社の場合、先ほどから申し上げていますように、大変膨大な数の契約者がいらっしゃるということと集団性ということから、現在におきましてもまさしく異議申し立て制度というのは存在しておりまして、先ほどもちょっと申し上げましたが、合併でありますとかいろいろ重要なことにつきまして、五分の一あるいは十分の一ということで、異議申し立て制度が活用されております。そこでもし十分の一以下あるいは五分の一以下しか異議申し立てがなければ、それは全体としてそれを決めていくというような、今システムがそういうふうに既に保険業法の中で仕組まれているところでございまして、今回の措置もそれに倣った措置でございまして、御理解を賜りたいと思っております。
○倉田委員 既存の条文がほかにもあるからいいんだという論理はどうも私にはわからないですね。反対だという意思表示をしているのを賛成とみなすというのは、どういう法的な論理に基づくものか。それしか方法がないからだというのか。それとも、それ自体が意思表示の原則からいけばおかしいから、だから法律でこう決めちゃうんだというのか。少なくとも、無理でもそう決めちゃうんだ、こうでも言わない限り論理的には成り立たないと思うけれども、どうでしょう。
○藤原政府参考人 繰り返しになりますかもしれませんが、保険契約集団における意思決定システムにつきましては、契約者数が膨大であることや、保険の団体性ということにかんがみまして、やはり二つに分けてやるしか、こういう形で、例えば機関の意思決定手続としては総代会や株主総会の特別決議、それから保険契約者の権利保護は異議申し立て手続、こういう活用、これをこういうふうにしてやらざるを得ないような、生命保険会社という形態がかなり特殊な形態をとっておる。したがって、従来の法律も、そういうものを勘案しながら、総代会あるいは異議申し立てというものを組み合わせてその運営を行っているということで御理解いただきたいと思っております。
○倉田委員 意思表示の原則からいって論理的には説明できない部分があるので、逆に法律で決めるんだ、こう言うならばわからないことはないんですが、そういう答えとみなしていいんですか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 そういうことというよりも、むしろ、先ほどから申し上げていますように、相互生命保険会社の組織としての、あるいは保険集団としての極めて特殊性からそういうふうに決めざるを得ない、そういうふうなことしかワーカブルではないということだと思っております。
○倉田委員 この問題はどうも納得のいく答えが出てきそうもない感じがするんですけれどもね。要するに、私の理解とすれば、全体としての契約者にいいように決めてやる法律なんだよ、今必要なんだよと。そういう必要性があるかどうかということも含めてよく考えなければいかぬな、こんなぐあいに思います。
 次の質問へと移りますけれども、問題は、これは、現在、インフレ時代は終わってデフレ現象が起きてきている。そこで金利が下がってしまっている。そこで、インフレ時代の典型的な商品であった生保の商品、契約ではどうも行き詰まっちゃうぞ、こういう状況があるという認識の上での対症療法だと私は思うんですね。問題はやはり、そのデフレをどのように解消していくのか、このことが非常に重要だと思うんです。
 それに関連しまして、昨日も総理が衆議院の本会議で言っておられましたね。日本の為替レート、円ですが、円は実態に比べて、実態の日本の経済力に比べてといいますか、国際競争力に比べてですか、実態よりも割高ではないか、こういう認識を示されたように思うんですね。それをブッシュさんにサミットで言ったところ、ブッシュさんは、いや、ドルは強いドルで頑張りますよ、こう言ってくれた、こういうんですが、割高な円レートというものが現在のデフレ状況に関係していると私は思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○竹中国務大臣 為替レートは何が適正か、その適正レートに比べて割安か割高かということを一概に申し上げるのは大変難しいということは御理解をいただけると思うんですが、一つの指標として、これは塩川大臣もよくおっしゃいますが、購買力平価に比べるとやはり割高であるというふうに皆さん実感しておられるだろうし、そういうような同様の認識は私も持っております。
 デフレにそういった為替レートが影響しているかどうかということでありますけれども、デフレのすべてをもちろん為替レートだけで説明することはできませんが、海外から非常に安いものが入ってくる、これがグローバリゼーションの中で非常に急速に目立つようになった。これが一つ国内の物価を下げている要因であるということは、私も全く否定いたしません。したがって、購買力平価から見て割高な為替レートのもとでデフレが加速しているという側面は確かにあると思っております。
○倉田委員 確かに、海外から安い物が入るから云々という形の影響がデフレにある、これはわかりますけれども、私が大臣にお尋ねしたいのは、割高な円レート、名目レートにあった場合に、実質の為替レートというか、それに実質、正しいところへ調整するために国内物価が下がるという面はないか、ここを聞きたいんです。
    〔林田委員長代理退席、委員長着席〕
○竹中国務大臣 御指摘のとおり、名目レートで我々普通、議論するわけですが、本当は実は経済的に意味があるのは実質レートであって、しかも、あえて言えば、我々は、対ドルレートだけで今円が高いというふうに思いがちでありますが、実は今、ユーロに対しては円はどんどん安くなってきたという経緯がここ半年ぐらいに関してはあるわけでありますから、実質の為替レート、同時に実効の為替レート、ドルだけではなくてすべての、そこで判断をしなければいけないという側面はあると思います。
 今の委員の御指摘は、為替レートの関連で国内の物価がそれをむしろ調整しようとしているのではないだろうか、そういう側面があるのかということだと思います。それは、その意味では、為替レートを通して、海外の物の値段と日本の物の値段が均衡するようなメカニズムが、これは輸出入を通じても働くし、もっと間接的な競争を通じても働きますから、そういう側面は確かにある。結果的に見ますと、その意味では、購買力平価に比べて割高な為替レートのもとで、今まで高かった国内の物価が国際価格に向かって収れんしているというような、そういうメカニズムは私はかなり強く働いていると思います。
○倉田委員 もう時間がなくなってきましたので、簡単に言いますけれども、そうだとしますと、いわゆる対ドルについて、ユーロの問題はまたありますが、対ドルについて円安誘導をするということもデフレ脱却の一助になるのではないかな、論理的にそうなるはずなんですが、いかがでしょう。
○竹中国務大臣 私は、デフレの克服と為替レートの調整というのは同時進行で進むのだろうと思います。
 先生は今、円安誘導というふうにおっしゃいましたけれども、マーケットで決まるレートを本当に誘導できるのか。そうすると、一体どういうメカニズムで為替の円安は起こるんだろうかというふうに考えますと、先ほどまさに言われたように、日本の場合、物価が低いですから、実質金利が日本は結構高いわけですね。日本は実質金利が高い。その実質金利を日本が下げていくということが、これは経済を刺激することでもあるし、同時に、それを通して、価格面を通して、所得面を通して円が購買力平価に近づいていくプロセスでもあるんだと思います。
 その意味では、委員がおっしゃったメカニズム、私は全くそのようなメカニズムが働くべきだと思っておりますが、円安誘導というのは、決して政府が何か直接為替に介入できるということではなくて、やはり実質金利を下げていく。名目金利はゼロだけれども、デフレ、実質金利を下げていくという努力を通して初めて可能になるものだというふうに思っております。それには、インフレ目標がいいかどうかという問題もいろいろ議論されてきたわけですが、金融政策の役割は私は重要だと思いますし、政府、日銀一体となった努力が必要だということになるんだと思います。
○倉田委員 もう時間がないから終わりますけれども、すぐ終わりますけれども、実質金利を下げるのには、物価水準を上げなきゃいかぬのでしょう。物価水準を上げるのに円安誘導はどうかということを私は聞いている。
 それが一つと、手段がないということをよく言います、一日、非常に膨大なものがあるから。だけれども……
○小坂委員長 質問時間が終了しております。簡潔に終えてください。
○倉田委員 政府と日銀が、例えばの話が、百六十円まで円安に持っていきますよと宣言をした場合は、市場の人間は急いでそれに右に倣えするんじゃないかという考えもありますが、いかがですか。これで最後にします。
○小坂委員長 答弁は求めないでください。以上で質問を終了してください。(発言する者あり)じゃ、一言で答弁をお願いします。
○竹中国務大臣 そのように、物価上昇へ期待を変えるということが重要で、その意味で、政府、日銀の役割は大きいと思っております。
○倉田委員 終わります。
○小坂委員長 次に、大島敦君。
○大島(敦)委員 民主党の大島敦でございます。財務金融委員会での質問は初めてでございます。
 倉田委員の質問を伺いながら、相互会社におけるガバナビリティーについて、もう一度考えさせられました。
 今回の保険業法の一部を改正する法律案の中で、先ほどの倉田委員の御質問にありました相互会社の総代会における決議、もう一つは株式会社における決議もあります。今の生命保険会社は、相互会社の形態と、もう一つ株式会社の形態がございます。今、日本にある株式会社の形態をとっている保険会社の株主の数というのは、それは膨大なんでしょうか、それとも、ごくわずかなんでしょうか。ちょっと、お答えください。
○五味政府参考人 資料の持ち合わせがございませんが、私の理解では、一般の上場企業などに比べますと、株式数は少ないというふうに理解しております。
○大島(敦)委員 株式会社の保険会社の株主の数というのは多分一名、あるいはそんなに多くない数だと思います。何万人いる、あるいは何十万人いる、そういう株主の数じゃないと思うんです。外資系の生命保険会社、あるいは日本でも片仮名生保と言われている保険会社の株主の数というのは、おおむね私は一社であると理解しております。
 今回、この修正案、改正案の中で、ここには三分の二以上の多数で決せられると書いてあるんですけれども、これは本当に意味があるんでしょうか。
○藤原政府参考人 株主の構成というのは、ちょっとまだ定かではございませんけれども、極めて少ない場合は、極端なケースをいいますと、一人でも三分の二以上になるというケースはあるわけでございまして、そういう場合においては、確かに株主総会の決議としては余り意味がないかもしれませんが、他方、今回の措置を組織として認めていくためには、先ほどから議論になっておりますように、異議申し立て制度がございますので、これにつきましては、十分の一超の異議がなければ成立する、つまり、そういう手続を経なければならないということでございます。
○大島(敦)委員 ただいま十分の一以上という御発言がございました。生命保険会社の経営者、先般、生命保険協会の横山参考人が当委員会でいろいろと御説明しておりまして、その中で顧客サービスの向上ということを挙げていらっしゃいました。生命保険会社の経営にとって顧客サービスの向上というのは具体的にどんなイメージを持てばいいのか、大臣にお聞きしたいのですけれども。
○竹中国務大臣 やるべきことはたくさんあるのだと思いますが、基本的には、まさに一番重要なのは、顧客のニーズに合った、しっかりとした、信頼性の高い、利便性の高い商品を開発していくということでありましょうし、さらに背景的なものとしては、その保険会社がしっかりとした経営を行って、保険の基礎にある将来に対する信頼性のようなものをしっかりと契約者に持っていただけるようにしていくこと、それが何といっても経営側から見た契約者に対する最大のサービスであり、やはり実現しなければいけない問題であるというふうに思います。
○大島(敦)委員 金融商品の中でも、生命保険の商品というのは、他の金融商品とは大きく性格が異なるものだと私は考えております。これは、株式投資とか投資信託の投資とか、金融商品の役割が、生命保険というのは、やはり相互扶助の精神です。お互いの助け合いの精神を具現化している温かい商品なんですよ。
 もともとは無尽という形、昔の、工業化される前でしたら、大家族とか村社会の中での相互の助け合いの精神、それが工業化社会において個々にばらばらになってきましたから、お互いにお金を持って助け合おうという商品が生命保険の商品なんです。
 その生命保険の商品というのは、確かに、今大臣がおっしゃったように、新しい商品を開発するというのもあるかもしれません。しかしながら、病気になった方、あるいは死亡リスクを抱えていらっしゃる方をしっかり守っていくということが私は必要であると考えているんです。
 それは、生命保険に入るときには、リスクを保険会社として排除するということで、健康診断を受けて、一たんは健康な状態で保険を買ったりあるいは加入することになります。その後、病気をした場合、その場合に、例えば緑内障になった場合には失明というリスクを抱えるわけです。あるいは難病になった場合、例えば小脳変形症とか幾つかの難病になって徐々に健康状態が悪くなっていくとき、こういうリスクをしっかりと守っていくという役割が生命保険にあると思うのですけれども、その点いかがでしょうか。
○藤原政府参考人 おっしゃるとおり、そういう役割が重要な保険の一つの役割だと思っております。
○大島(敦)委員 例えば、これまで破綻した生命保険会社は何社ありまして、おおむねどのくらい死亡保険金が削減されたのか、概略でいいから、教えてください。
○五味政府参考人 定期保険の場合でございますと、破綻処理時の経過年数にもよりますけれども、一〇〇支払われるべきところ九八あるいは九九といったようなものが、死亡時ということでございますと、そういうことになっております。
○大島(敦)委員 確かに、定期保険ですと百分の九十ぐらいかもしれない。しかしながら、養老保険あるいは終身保険だと、減額される割合はもっと少なかったはずと考えております。
 減額されたときに、減額された分を保険会社が守ろうとした、そういうことは、皆さん、存じ上げていらっしゃいますでしょうか。
○藤原政府参考人 過去の破綻事例におきまして、死亡保険金額を維持するために、保険料を増額した上で、変更前の保険金額まで増額をするということを可能としたというような措置がとられているケースがあるというふうに存じております。
○大島(敦)委員 もう一度伺いたいんですけれども、そこの部分は、減額されたときに、その減額された部分について、新しく保険料をお支払いして、その部分を埋め合わせる、そういうような会社があったという理解でよろしいでしょうか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 例えば、体況が悪化しているような者に対しまして、過去の破綻事例におきまして、その死亡保険金額を維持するために、審査をせずに保険金額を増額した上で、変更前の保険金額まで増額を可能とするというような措置を講じた例があるというふうに存じております。
○大島(敦)委員 今の例は、おおむね破綻した七社について行われているという理解でよろしいでしょうか。
○五味政府参考人 条件変更前の保険金額まで増額更新をする際に、無選択での条件変更ということで、ただし、もちろん保険料はその分上がるわけですが、こういった扱いをしているところ、あるいは、その保険金額を増額する場合、通常の危険選択ではなくて、簡易な告知をすればよろしいといったような例が多数であるというふうに理解しております。
○大島(敦)委員 今回の改正案が通った場合には、予定利率を三%に下げるというお話がございます。
 お手元に資料があるかと思うのですけれども、一千万円の保険であれば、一九八八年の契約であれば、六百二十万に下がってしまうわけです。この場合の措置なんですけれども、その差額分の三百八十万円について、今、破綻した会社がとったような、体況の不調を理由としないで、あるいは告知なり、あるいは健康診断をもう一度受けることなく一千万という保険の高さを継続するということ、そのようにすべきだと考えるんですけれども、大臣としてはいかがお考えでしょうか。
○藤原政府参考人 まず私の方からちょっとお答え申し上げますが、今回のスキームは、保険契約者の保護の観点から、保険会社とその保険契約者の間で自治的な手続によりまして契約条件の変更を行うことができるような仕組みをつくることでございまして、当然のことながら、保険契約者の十分な御理解が前提でございます。したがいまして、契約条件の変更をどのように行うのかにつきましても、これも保険会社と保険契約者間の主体的な判断で決めることが基本であると思っております。
 御指摘の点につきましては、その契約条件の変更の内容が複雑になって、迅速な手続が困難という可能性があることや、あるいは、保険契約者にとりましては、死亡保険金の保障よりも満期保険金の削減を抑える方を望む方もいらっしゃる可能性があることに留意する必要があるというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、自治的な手続の中で、保険会社と保険契約者の中で決めていただくことになるんだと思っております。
○竹中国務大臣 委員の御指摘は、死亡保険金というのは、保険契約者、加入者にとって大変重要な問題であろうと。確かに、私自身も、保険に幾ら入っているかというときに、死亡保険金を多分頭に置いていろいろ金額を皆さん言うんだと思うんですね。そのような意味で、過去にもそうした破綻事例において、死亡保険金額を維持するためにいろいろなことを努力した例もあるではないか、そういうことは今回の措置の中では一体どのように位置づけられていくのか、そういう大変重要な問題意識だと思います。
 これは、今局長が申し上げましたように、今回のは、手続そのものは保険会社と保険契約者間の主体的な判断で決めるということでありますから、そのような選択肢も当然入ってくるのだというふうに思います。
 しかし、これは手続が複雑であるというようなことでありますとか、一体本当に保険契約者は、冷静に考えてみてそのどちらを、例えば死亡保険金の保障と少しでも満期保険金の維持、それはやはりチョイスの問題であろうというふうにも思います。
 いずれにしましても、保険会社と保険契約者間の主体的な判断でこれは議論していただくべき問題だ、こういうふうに思っております。
○大島(敦)委員 今の議論は、せっかくつくってきましたから説明しますと、要は、予定利率を五・五から三・〇に下げると、一千万円だったものが六百二十万円に下がってしまう、この場合、この下がった部分の三百八十万円をどうやって保障していくかという問題なんです。
 今、三十歳で入ったとして、先ほど言ったように、体況の不良が三十五とか四十前でできると、この一千万円という金額が非常に大きい金額になるわけです。御承知のとおり、これは死亡リスクだけじゃなくて、例えば緑内障で両目を失明された場合にも一千万という保障はおりるわけですから、本人としては極めて重要な金額なんです。これが下げられてしまうということは、生命保険会社としての生命、要は生命保険会社の意義が失われる問題だと考えているのです。
 もちろん、先ほどのお話ですと、この部分の三百八十万について、新しくお金を払って加入してくれという話ですよね。違いますか。そういうことですよね。
 今回のこのスキームだと、三%といって利率を固定しているじゃないですか。本当に三%というこの利率を固定していることが正しいかどうかというのが、三%というこの利率、要はミニマム三%ですよということにしているのですけれども、これによって保険商品の幅が自分は狭められると考えているのです。
 今の保険のさまざまな商品が出てくる中で、例えば、ある会社においては、終身保険における解約の割合を一定率はじくことによって全体的な保険料の利率を下げている、そういう商品もあったりもします。今、いろいろな考えによってさまざまな商品が出てくる。
 そうすると、例えば、一千万円を守るために、三%というこの予定利率にこだわることなく商品設計した場合には、例えば、ここのところを変額にして、この責任準備金を固定じゃなくて変動させることによって一千万円という金額が守れないのかなというお話をさせていただいているのですけれども、いかがでしょうか。
○五味政府参考人 今のお話は、今回御審議いただいている制度によって、予定利率を引き下げた保険会社と契約をしている契約者が、死亡保険金額を例えば維持したいということで、そういうニーズに対応した一種の受け皿商品のようなものとしてのお話だろうと思いますが、こういう形で条件変更対象契約の受け皿となる商品、効果としては死亡時の保険金が従来と同じ水準で維持できるといったようなものを開発することは、これは保険会社の経営努力としてあり得る話でございまして、こうした商品は、新商品として申請がございますれば、法令に基づく認可基準に基づきまして、私どももその認可の要否を判断していくことになります。
○大島(敦)委員 新商品を開発して既存の契約者に新たな負担を強いるという話ではないのです。負担を強いないで、この一千万円という死亡保険金を維持して、その期間も維持することが可能かなと私は思っています。
 今回のこのスキームの中ですと、「将来金利が上昇した場合等において変更対象契約者に対し利益を還元する方針は定款に記載」というのがございますから、将来、三%以上に利率が、要は運用ができた場合にはその分戻すということを想定しているわけなんです。そうすると、ここの三%の金利を固定するよりも、変動させた方が顧客の利益を守れるのかなと私は考えるんですけれども、その点はいかが考えればよろしいでしょうか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の新しいスキームにおきまして、予定利率の引き下げを行う場合、保険契約者保護の観点から下限を設けるという趣旨でございまして、まさしくその下限として、今政令で定めるとなっておりますが、それを現下の状況から勘案すると三%程度の話かなという話でございまして、まさしくその三%というのは引き下げの下限の話でございまして、ちょっとそういうことと御理解いただきたいわけでございます。
○大島(敦)委員 三%は、これは下限値でも構わないんです。三%の下限値だったら三%の下限値を置いて、これによって、会社によっては四%、五%で今後運用できる会社もあるかと思う、今回のスキームに乗った場合。その場合に、これだと一千万円という、ここを、今までの保険料は一定にして、一千万円を維持する商品をぜひ保険会社の方に考えるように指示してほしいということなんです、あるいはお願いしてほしいということなんです。
 なぜかというと、先ほど冒頭、破綻した会社の話がありました。健康状態、体況のことは一切不問に付して、それ以降も、この三百八十万の高さの部分について、新しい保険をここに充当して一千万円を守るというお話がございました。しかしながら、保険会社をもっと考えさせてほしいんです。そのような簡単に、ここに新しい商品を当てはめるのではなくて、今までの責任準備金を生かしながら、今の保険の、変額保険なり幾つかの前提を置いて、商品をもう一度、安易にここに、このプラスアルファは契約者に押しつけるのではなく、今までの死亡保険金の金額を守るような商品をつくる、要は検討させるということをぜひ生命保険会社の方にお願いしていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○藤原政府参考人 先ほど大臣の方からも御答弁いただきましたけれども、まさしく保険契約者の中にどういうニーズが強いかということにもよろうかと思っております。まさしく、死亡保障の方を厚く保障する、貯蓄性の方は薄くてもいいというニーズが強いのか、あるいは逆なのか、そこの辺はまさしく保険集団さまざまだと思いますので、まさしくここはどちらの方にしわ寄せするかという話でございますので、まさに保険会社、保険集団の中で自主的に御決定いただくべきことでありまして、私どもの方からそれを必ずこちら側でやれと言うのは、まさしく今回の措置の趣旨に合わないんだと思っております。
○大島(敦)委員 局長の御答弁はよくわかるんですけれども、ただ、楽な仕事をしていただくよりも、国民に非常に負担を強いるものですから、保険会社には徹底的に、簡単ですよ、新しい保険をつけるということだけだったら。ただ、そこには今さまざまな理屈がありますから、それをしっかりスタディーした上で一番ベストのものを考えてほしいという、そのようなお願いをやはり政府としてはすべきだと考えております。
 例えば、今回は、先ほど十分の一の異議申し立てがあるとか、あるいは保険の契約者数が非常に多いものですから、グループとして一人一人の意見を聞けないというお話がございました。でも、保険会社の場合には、適格年金の予定利率の引き下げについては各会社に対して了解を得ていると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○五味政府参考人 適格年金のうち、平成二年以降に発売されました新企業年金、これの約款には、一般的に次のような規定がございます。金利水準の低下その他の著しい経済変動など、この契約の締結の際予見し得ない事情の変更により特に必要と認めた場合には、返戻金、保険料及び責任準備金の計算の基礎を変更することがある。こういう規定が一般的に置かれておりまして、したがって、この新企業年金の場合は、約款上、契約者である企業の同意がなくても、契約者への通知をすることで契約条件の変更は可能ということになっております。
 ただ、おっしゃいますように、平成二年以前の発売に係ります旧企業年金におきましては、定款にこのような規定はございませんので、既契約の条件変更には契約者の同意が必要ということであります。この旧企業年金というのは現在はほとんど残っていないという事実はございますが、そういうことでございます。
○大島(敦)委員 今のことについても、予定利率を下げるということについてそのように決められたということは、契約者の利益を著しく損なうことであると考えます。
 今回の改正案が通りますと、今申したとおり、契約者に対して、例えば企業責任をどうやってとっていただくかということになってくると思うんです。それは、今相互会社、あるいは株式会社でもいいんですけれども、経営責任をどう自覚してもらうかということだと思うんです。
 前回、この場で、生命保険協会の横山会長は、その横山会長の会社では契約者懇談会というのを総代会の前に全国で開いているというお話がございました。答弁の中で、十分の一の反対というお話もあったんですけれども、保険会社の幹部職員の方がしっかり責任を自覚してもらうためには、予定利率を下げる場合において、一〇%の申し出をとることとは別に、各支社においての説明会なりをしっかり組み込んだ方が経営に対する自覚を持てるようになるのではないかと私は考えるんですけれども、竹中大臣のお考えをお聞かせください。竹中大臣、お願いします。
○竹中国務大臣 これは何回も申し上げておりますが、自主的な決定、自治的な手続というふうにある以上、事前に契約者に対する説明責任とかそういうものを果たすことは大変重要であるというふうに思っております。その意味では、おっしゃったように、今横山さんの発言を少し引用されましたけれども、それは各社において、当然のことながら、しっかりとした努力をしていただかなければいけないし、逆にそれをやらないと、保険会社自体がその異議申し立ての手続等々をクリアできないということになってしまうんだと思っております。
 ただ、契約者の懇談会のようなものを、これはどのようなものをイメージするかにもよると思うんですけれども、保険契約者が極めて多数であるということを考えますと、手続の迅速性とかそういうものにもやはり配慮しなければいけない。ここはまさしく、しかし、各保険会社の工夫の問題だと思います。
 いずれにしても、繰り返し言いますけれども、これは本来契約者のために行うものであり、契約者の異議申し立てというその制度をクリアしないと機能しないわけでありますから、それは極めて大きな工夫を、それぞれ保険会社に説明責任を果たす過程で行っていただかなければいけないものだというふうに思っております。
○大島(敦)委員 もう一つ竹中大臣に伺いたいんですけれども、竹中大臣が今までの御答弁の中で、生命保険会社の経営努力というお話をよくされておりました。生命保険会社の経営努力の具体的なイメージをどういうふうに持たれているのか、お聞かせください。
○竹中国務大臣 経営努力の具体的なイメージというお尋ねでございますが、これはもうさまざまなそれこそ創意工夫をして、いろいろな努力をしていただかなければいけないんだと思います。しかし、経営者としては、結果に対してしっかりとした責任を負っていただく、よい結果を出すためにさまざまな努力をしていただく、そういうことに尽きるんであろうというふうに思っております。今回のスキームにおきましても、経営者の責任をどのように求めるかというのはやはり大変重要なポイントであるというふうに私も理解をしております。
 今回、総代会等々の通知の中に経営者の責任について明記せよというふうな項目を設けておりますけれども、そうした中で、これは経営者といってもいろいろあると思います。長年経営をしてきた方、数カ月前に就任された方、それぞれ責任の果たし方は当然違うわけでありますけれども、契約者に対して、場合によっては株主に対してということもありますけれども、しっかりとした結果を出すための努力をしていただく、我々としてはそれのガバナンスの体制がしっかりとつくられているかどうかということを見ていかなければいけないと思っております。
○大島(敦)委員 最後になりました。もう時間でございますので。
 保険会社のガバナンスの問題とか、あるいは生命保険会社、相互会社の役員の責任追及というのは、なかなか今の制度だと難しいと思うんです。今回のこのスキームの中でも非常にそれがあいまいになっているわけですね。日本の会社の中において、同じメンバーで会社がよみがえるということが本当にあるのかどうか、あるいは経営者を入れかえた方がしっかりとした経営ができるかなと私は思っているんです。
 その点につきまして、最後に、竹中大臣の方から、これはその社員の方あるいは株主の方が決めることでもあるんですけれども、責任をとっていただくということについて具体的というのかな、大臣としての気持ち、経営者を入れかえるべきだと私は思うんですけれども、その点について最後にお聞かせいただいて、私の質問を終わりといたします。
○竹中国務大臣 繰り返し申し上げてきたつもりでありますけれども、やはり経営者の責任は大きいと思います。かつ、そういった問題に対して毅然たる態度をとることが、まさに経営者の責任の一環であるというふうに思っております。
 今回の、これは保険、銀行、少し違いますけれども、「りそな」の件においても、そういった意味での責任の明確化とガバナンスの強化というものに対しては、我々としても非常に努力をしたつもりでございます。委員会等設置会社を、ある意味で銀行としては初めてということになりますけれども、「りそな」に対して設置すべきであるというふうに私も考えましたし、保険の相互会社、株式会社、いろいろ形態はありますけれども、まずやはりガバナンスが発揮できるような仕組みをしっかりとつくってもらいたい、その中でその結果に対してしっかりと責任を負うようにしてもらいたい、そういう思いは私自身しっかり持って監督に当たらなければいけないと思っております。
○大島(敦)委員 ありがとうございました。
○小坂委員長 次に、佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 民主党の佐藤観樹でございます。
 最初に、りそな銀行に対します公的資金注入について、私の前にも平岡さん、そして仙谷さんからもありましたが、その角度ではなくて、別の角度からいろいろなあり方についてお伺いしたいのでありますが、それについても、十日に公的資金注入をすると言われておるし、それから、二十六日には「りそな」の株主総会もあるという時期でございますので、今度は、十一日には、委員長の配慮で、理事会で、両監査法人なり「りそな」の前社長等が呼ばれるということでございますので、一つは、いい悪いは別にいたしまして、公的資金の注入が幾ら、いつごろ、どういう形で、どういう株式で注入するおつもりになっているのか、まずそれを聞きたいと思います。
○竹中国務大臣 御承知のように、五月の三十日にりそな銀行から申請がございました。それと同時に、経営健全化計画の提出がありました。それを我々としてはしっかりと審査した上で、資本増強を行うべきかということを最終的に決定することになります。資本増強の必要性の認定というのは、御承知のように既に十七日に行われているわけでありますけれども、今、五月三十日に提出された申請に基づいて、しっかりと経営健全化計画を審査しながらそのスキームを決定していくということになると思っております。
 その際、これは記者会見で私自身申し上げておりますけれども、基本的な考え方としては、普通株と議決権つきの優先株を組み合わせて三分の二の議決権シェアを占める方向で検討をしていきたい。経営健全化計画をしっかり見るということ、その方向としては、普通株と議決権つき優先株を組み合わせて三分の二の議決権シェアを占める方向で検討をしていきたい。しっかりとした自己資本比率を持ってもらって、その後、しっかりとした経営改革を伴ってこの銀行をしっかりと健全化させていく、そのシナリオをぜひ念頭に置いた意思決定をしたいと思っております。
 正確に、日にちについてのお尋ねもございましたが、これはちょっと何日になるかというのはわかりませんが、六月の中ごろまでにはそういう決定に持っていきたいというふうに思っております。
○佐藤(観)委員 ついでに、株数と、それからおのおの金額はわかりますか。
○竹中国務大臣 そのことを今まさに検討しているところでございます。
 繰り返し申し上げますが、先方から申請がございました。我々としては、基本方針は、まず経営健全化計画をしっかりと見て、厳しい審査をして、リストラをさせる。幾らお金を入れてもその後がだめでは元も子もありませんので、そこで見るということと、基本的な方針としては、金融危機対応会議の申し添えられた意見に沿ってしっかりと自己資本を持たせるということ。その場合に、普通株と議決権つき優先株を組み合わせて三分の二の議決権は確保したい。商品設計は今一生懸命やっているところでございます。
○佐藤(観)委員 なぜそれを聞くかということは、後でわかります。
 それで、伊藤副大臣、参議院の予算委員会で、「りそな」になる前の大和銀行、あさひ銀行、二回注入していますよね、膨大な金額を。これは永久劣後ローンになっていますけれども、あるいは転換型になっているものもありますが、今は結局、いわば転換開始時期というのもあったりして、それをどうするかは政府の意思だと思いますが、今はざっと言ってどうなっていますか。
○伊藤副大臣 これは、転換期が到来している優先株については、先生御承知のように、毎年転換価格の見直しがなされることになっておりまして、現時点において普通株の株価が転換価格を下回っているとしても、それをもって直ちに含み損が発生しているとは考えておりません。
 仮に、現時点において既に転換期が到来している優先株を普通株に転換する場合においては、現時点での株価が注入時より低下をし、そして下限転換価格を大幅に下回る状況にあるので、結果的に注入額に見合う株式数を取得することができないことになるわけであります。
 また、従来のりそなホールディングスに対する資本増強額というのは、約一・一兆円のうち、劣後ローン三千億、そして転換期が到来していない優先株一千億、こうしたものを除いて、仮にということでございますけれども、既に転換期が到来している優先株七千六百八十億円について仮の試算をした場合に、注入額と時価総額の差額が大体五千億円ということになろうかというふうに思います。
○佐藤(観)委員 今まで投入したものは約五千五百億円ぐらい、これは永久劣後ローンですからどうするかは別でございますけれども、「りそな」がこれから再生すれば、再生させますと言うんだろうけれども、再生すればまた生き返ってくるけれども、もし再生しない場合には、これは本当に紙くず同然、五千五百億円、紙くず同然ということになるわけですね。
 しかも、なぜ私がそういうことを言うかというと、あさひの時代、大和の時代、それから一九九八年、九九年の三月に二回にわたって、今伊藤副大臣が言われたように、合計一兆一千億入れてもなおかつこういう事態になったんですから、そういう紙くずになる可能性は十分ですよね。十分かどうか、断定的に言ったらどうかわかりません。要するにそういう問題だということです。
 したがって、これからもう一度、一兆九千億公的資金を入れる。これは預金保険法の百二条で、言うまでもなく、あなたが一番よく知っているように、最終的には政府保証ですから、十五兆円、それは準備してありますといったって、万が一のときにはそれは全部パアになっちゃうわけですよ。膨大な金額の国民の税金を使う話ですから、これはよっぽどお気をつけて、大臣も言われましたように、一体幾らがまさに国民の納得いくように正しい金額なのかということをしていかないと、きょうの前半の質疑にもありましたように、仙谷委員あるいは平岡委員の質問のようなことがまだ何となくもやもやしているというようなことではいかぬ。
 もう一つは、繰り越し税務資産の問題。このこともはっきりさせないと、金額を幾ら入れるべきかということを、投入するのに、もやもやして、国民の最終的には税金になるかもしれないこの金額を入れるについて、いかぬと思うんですね。しかも、今の生命保険の法案の前には、公認会計士法の審議をやったわけですよ。
 そして、非常に困ったことだと思うのでありますけれども、困ったことというのか、私が関心を持っておりますのは、今この「りそな」を監査した新日本監査法人、それから朝日監査法人。ただし、最終的に判こを押したのは新日本監査法人だけであります。しかし、朝日だってかなりぎりぎりまで調べて、最後は判こを押さないでやめにしたんです。なぜやめにしたかは、また後で申し上げますけれども。
 ということを思いますと、日本の監査法人の中で一番大きいのが新日本であり、四番目が、何をもって何番目というかは別にして、朝日。つまり、日本のビッグフォーの中の二つが監査が違うというんですから。繰り越し税務資産について、その見方が違うということは、これは一体、では何をもって正しいものとすればいいのか。恐らく竹中さんは、それは最後までやって最後に責任を持ったのは新日本監査法人です、だから新日本監査法人の方のを信ずるべきだというふうに言われるかもしれませんけれども、二つの重要な監査法人がとにかくタッチをして、最後にはおりると。これは、昨年の株主総会で二つの監査法人は指定されているわけですよ。
 私も、こういう道の専門家に聞いてみたところ、そんなことは幾らでもありますよ、決算を出してからおりることもありますというようなことで、この繰り越し税務資産の問題というのは、さらに若干竹中さんにも責任があるのでありますが、後でそれは申し上げます、あるんですけれども、大変重要なことだと思っているんです。しかも、日本の有数な監査法人が見解が違う。見解が違うって、私も随分この問題をやってきたけれども、どこかに税務会計の基礎があるはずじゃないかと。あるはずなのに、監査の中身が違う。
 片方はおりた格好になっていますけれども、これはなぜおりたかというと、監査できないという結論を出すと、上場できなくなるわけですね。したがっておりたんだと私は思っているわけでありますが、それは十一日に御本人が見えますからお伺いしますが、この事態、竹中さんはどういうふうに見ておられますか。
○竹中国務大臣 佐藤委員は、今重要な点を二点御指摘くださいました。
 最初の点は、過去にこれは確かに資本の注入を既にしていて、今回またさらに多額の注入をしようとしている、本当に大丈夫なのかと。この点はまさに今回の議論の核心の一つであると思っております。要するに、資本を増強する、注入するだけではだめなんだ。資本不足であれば、資本の注入は必要であります。しかし、それだけではだめで、繰り返し申し上げてきましたように、金融機関の経営、ガバナンスをしっかりさせるということが伴っていないと、同じようなことが繰り返される懸念もなしとしないわけであります。この点に関しては、やはり我々は反省すべきことは反省をした上で、しっかりとした体制をつくる、このことは何度も国会でも申し上げてきたつもりでございます。
 今回「りそな」に関しては、委員会等設置会社をきちっと導入して、外部からしっかりと役員を招いて強いガバナンスの体制を築いていく、その中で、十分な自己資本をもとに、経営の改善をぜひとも実現させていきたいというふうに強く思っているところでございます。
 委員御指摘の第二点の繰り延べ税金資産、これは言うまでもなく今回非常に大きな重要な問題にもなっております。しかし、これは、七カ月前に金融再生プログラムをつくるときに、繰り延べ税金資産という厄介な問題があるということを私自身問題提起をさせていただいたつもりでございます。それに関して、もちろんいろいろな議論を経て、今、金融審議会のワーキンググループで御議論をいただいているわけでありますけれども、この繰り延べ税金資産については今のルールをしっかりと守っていただくというのが、我々が今の時点で申し上げられることだと思います。
 これについては、これも委員が御指摘になられました、実務の指針がございます。公認会計士協会の実務指針にのっとって、しかし、この実務指針に関してはかなりの幅が監査法人にゆだねられている。これそのものについて、今実は審議会で議論をしていただいていることではありますけれども、今の時点で、今のルールの中でしっかりとやっていただく。その中で、正式に契約を結んだ公認会計士が今回のような結論を出したということで、この点はやはり尊重されなければいけないと思っております。
 十一日にこの委員会で当事者の監査法人も呼んでいろいろ御審議いただくというふうに伺っておりますので、その問題はぜひまたこういう場でもきっちりとさまざまな形で御議論をいただきたいというふうに、私たちも思っておるところでございます。
○佐藤(観)委員 重要な問題、繰り延べ税金資産の問題というのは、それは制度としてはヨーロッパにあるけれども、日本のように、資本のうちの、「りそな」はたしか九割ぐらいになっているという、こういう不安定なものを資本にこのまま組み込む状況というのは、ちょっと私は異常だと思うんです。それはまあ触れませんけれども。
 いずれにしろ、重要な監査法人の見解が違う。あなたは行政的立場から、あるいは政治家として、片方の方はおりたわけだから、それは残った者が監査をして、それを唯一正しいものとするけれども、私はそのことについてちょっと疑問に思っているんです。
 それを述べているのは、「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」、監査委員会報告第六十六号。これは平成十一年十一月のものですね、この平成十一年ということがちょっと大事なのでありますけれども。この繰り延べ税金資産というのは、簡単に言えば、将来を見込むことだから大変難しいことなのでという前置きがずっとあって、五つに企業を分けておりますよね。
 五つに分けて、一つは「期末における将来減算一時差異を十分に上回る課税所得を毎期計上している会社等」、二番目が「業績は安定しているが、期末における将来減算一時差異を十分に上回るほどの課税所得がない会社等」、三番目は「業績が不安定であり、期末における将来減算一時差異を十分に上回るほどの課税所得がない会社等」、これが三番目であります。四番目と五番目が特に重要なのでありますが、四番目は「重要な税務上の繰越欠損金が存在する会社等」、そして五番目は「過去連続して重要な税務上の欠損金を計上している会社等」ということになっているわけです。
 今回の新日本と朝日監査法人の両方の違いというのは、基本的には、これは直接聞いてみないといけませんけれども、新日本はいわば四番目のものを使って、五年ということを使い、それから五番目は、「過去連続して重要な税務上の欠損金を計上している会社等」ということで、「過去(おおむね三年以上)連続して重要な税務上の欠損金を計上している会社で、かつ、当期も重要な税務上の欠損金の計上が見込まれる会社の場合には、通常、将来の課税所得の発生を合理的に見積ることができないと判断される。したがって、そのような会社については、原則として、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金等に係る繰延税金資産の回収可能性はないものと判断する。」ということで、「りそな」の場合には三期連続して赤字になっていますから、朝日監査法人はこの五を適用したのだろうと私は思っているわけであります。
 いずれにしろ、その正否につきましては今度参考人が見えたときにお伺いいたしますが、私はもちろん専門家じゃないけれども、あるいはその他の記事を読んでみても、常識的に見て、三期連続欠損になっておって、それから先の返還金の見通しが難しい、こういう規則をつくっているわけですよね。平成十一年に公認会計士協会がつくっているわけであります。だから、やはりこれから見ると、一体これを、預金保険法百二条の一で言うところの欠損を持っている会社という認定は正しいのだろうか。今、「りそな」は債務超過じゃなかったかという議論が当然なされておりますけれども、これは、仙谷委員も言いましたけれども、預金保険法百二条の三の国家管理、事実上の国有化に当たるのではないかと私は思っておるんです。
 それで、今、冒頭竹中さんにお伺いしましたように、大体三分の二国が株を持つんだと。三分の二持てば、大体五一%持てばそこの支配力ですよ。これは、あなたに言うまでもなく、合併の場合でも何でも五一%ですよね。三分の二持つ必要があるかどうかはいろいろ角度があるからまた議論しますが、三分の二国が株を持っていれば、それは国有化なので、そうすると今度は百二条の方が、判断がいかがなものかという感じもするんです。
 いずれにいたしましても、この公認会計士協会の六十六号のものを、第四段目を使うか第五段目を見るのか、これは専門家の公認会計士が判断することであって、私は五段目の方が合っているのではないか、あるいは、その他の常識的なところでもそういう記事は随分出ているわけです。
 そこで、竹中さんにお伺いしたいんですが、あなたは昨年の十月三十日に、俗に言う竹中プランという、いろいろな面でしっかりやっていかないかぬということを出された。時間がありませんからその関係する部分だけ言いますと、「繰延税金資産に関する算入の適正化」それから「繰延税金資産の合理性の確認」ということで、竹中プランの中に入っておるわけであります。計画の中にも、先ほど触れられたように、繰り越し税金資産の合理性の確認ということで、公認会計士協会に昨年の十一月の十二日に要請して、検査を厳しく検証してもらうということ、あるいは、金融審議会において繰り越し税金資産に関する算入の適正化についてはやってもらうということになっているわけです。
 そこでお伺いしたいのは、今度の「りそな」の件は、この再生プラン、つまり、金融をしっかりしなきゃいかぬ、しっかり厳正に、甘々な監査でやっていてはだめですよという竹中プランの延長上として考えているのか、あるいはそれとは別個に起こったことですと。私は、その監査のあり方を見ると、必ずしも延長上だとは思わないんですが、それはどういうふうになっているんですか。どういう認識、どういう位置づけで竹中さんの頭の中にはあるんですか。
○竹中国務大臣 金融再生プログラムの延長上にあるかどうかという、延長上という御指摘、御表現でございますけれども、基本的に、銀行に対する検査監督の行政というのは、十月三十日以降すべてこの金融再生プログラムにのっとっているというふうにお考えいただきたいと思います。
 その中で、我々としては、まさに繰り延べ税金資産が抱えている非常に難しい側面を我々自身が問題提起をさせていただいたつもりでありまして、それに基づいて、ルールそのものをどうするかということは、これは過去の税制の問題も引きずっていますから、金融審で専門家にしっかりと話し合っていただく。しかし、これは、ルールとしては平成十一年に決められました実務指針があるんだから、それをしっかりとやってもらいたい、そういうけじめといいますか、そういう位置づけで我々としての金融の監督の行政を行ってきたつもりでございます。
 これは、いろいろな要因があったわけでありますけれども、監査法人としては、まさに独立した立場で繰り延べ税金資産についての一つの判定を今回された。その判定の結果が、結果として、将来収益に対して保守的な見積もりを行った結果、繰り延べ税金資産が従来より少なく見積もられた、そして自己資本が健全基準である四%を下回った、そのような経緯になったわけでございます。
 繰り返し言いますけれども、我々としては、この金融再生プログラムにのっとって金融の監督検査、すべての行政を進めているつもりでありまして、今回も、この中に書かれております特別支援行の枠組みをそのまま適用いたしまして、監視チームでありますとか、次なるタスクフォースにおける議論でありますとか検査とかをしっかりと実施していく所存でいるところであります。
○佐藤(観)委員 別の聞き方をいたしますが、二年前になりますか、青木建設がつぶれたときに、小泉総理は見解を求められ、これは改革が進んでいる証拠であると言って、ちょっと言い方が冷たかったものですからひんしゅくを買ったところもありますけれども、それと同じように、竹中プランといいましょうか、金融をとにかくしっかりしなきゃいかぬということで、今読み上げたようなことを昨年の十一月に出しているわけです。
 そういう意味で、逆の言い方をすれば、これは金融再生の第一歩の事象であるというふうに理解をしていいんですか。
○竹中国務大臣 今回の資本注入の決定それだけをもって改革が進むとか金融再生とかというようなことを申し上げるつもりはありません。しかしながら、こうしたことを通して、厳格な資産査定、自己資本の充実、ガバナンスの強化ということを通して初めて金融再生が進んでいくわけでありますから、今回のことも、これは重要なきっかけとして、金融再生にしっかりと結びつけていきたいという強い決意を持っているわけです。
○佐藤(観)委員 次に、保険業法の方に行きたいのでありますけれども、御承知のように、今日まで七生命保険がつぶれたわけであります。そのとき、たしか千代田なり協栄生命、東京生命もそうでありますが、かつての基準では二〇〇を超えておったのに、何でつぶれたんだということがいろいろと言われました。
 それで、ソルベンシーマージン比率を変えたわけでありますけれども、それをもって出してもらったのでありますが、もう時間がありませんから自分で言いますが、千代田生命で二六三が一五八、協栄生命が二一〇が一一〇、東京生命が三七〇が一九〇ということになりました。そういう意味では、ソルベンシーマージンというものの権威という言い方がいいかどうかわかりませんが、この変更を行ったということ、つまり、あらゆるものを入れてソルベンシーマージンというものが成り立ったことの証左とも言えるかと思います。
 そういう意味では、ストックの面では、ここにソルベンシーマージンの表がありますけれども、大から小までありますが、それはそれなりの意義があったんじゃないか、ストックとしては。しかし、逆ざや問題ということを抱えますと、フローの面から見てどうなんだろうかというふうに心配をして、こういう保険業法の改正が出てきたんだと思います。
 そこで、私はつくづく思っているのでありますが、一体、もちろん今の繰り越し税務資産じゃないけれども、先のことはわからない。いろいろわからない点はあるにしても、この保険業法の改正案を使うときというのはどういうときなんだろうか。ソルベンシーマージンのストックの面から見れば、これはかなり高い率になっている。しかし、たびたび竹中大臣が言われる中には、フローの面のいわば基礎利益、逆ざや、あるいは格付も、またアメリカからあるいはヨーロッパから、きょうはヨーロッパから、新聞に出ておりましたけれども、最低のDに落ちたというようなことも出ております。そういう面から見ますと、いわば、外国から見てもこれは約定違反だということも言われておりますけれども、ストックの面ではいいけれども、フローの面で先々が心配であるということを考えているのかなと。
 私はどうもわからないのは、先ほど自由党の中塚さんからもありましたように、あいまいもこで、これはわからないんだよね、いつどういうときに使うのか。蓋然性というものを書いてくるけれども、蓋然性も、今の保険業界の状態からいったら、それは蓋然性というんだからずっと先に行けば全くゼロとは言えないけれども。そういう意味で、どうも、この問題が提起されている意味が余り私にはよくわからないのであります。
 この前、我が党の平岡さんからもありましたように、保険業法百三十二条の第二項とか、二百四条の第二項とか、二百三十条の第二項、いわゆる早期是正措置で、ソルベンシーマージンが二〇〇以下のものについては、いわば行政指導というか措置をいろいろやることになっておるわけであります。
 それから、この前のまさに竹中プランの中にも、保険につきましても、三カ月に一回づつ実態を持ってきなさい、それから先の見通しも持ってきなさい、こういうふうに改正してがんじがらめに保険会社を見ていますと、一体この改正する業法を使うようなときというのはあるのかな、どういう想定をしているのかなというのが一点。もう一つ、一点申し上げますが、ちょっと教えてください。
○竹中国務大臣 佐藤委員のお尋ねは、要するに、我々の監督行政の中で今回の措置はどのように位置づけられるのか、特にソルベンシーマージン基準に基づく早期是正との関係はどうなっているんだ、そういう御視点なのだと思います。
 これは、委員御自身が今的確に御表現くださいましたが、ソルベンシーマージンというのはストックの比率なのか。まさに今の時点でのいわば支払い余力というのをあらわしている。もちろん将来に対するリスクの評価も入ってはいるわけですが、基本的な概念としては、今の時点での支払いの余力、資本に不足はないのか、そういうことを示しているものだというふうに思います。これは、早期是正という観点からは、これに基づいて、不足している場合はしっかりとした対応策をとってもらう。我々は、この早期是正をさらに補強するために、それとは別に早期警戒という、その他のさまざまな指標で早目早目にいろいろ経営改善を求めるようなものは持っているわけであります。
 しかし、今回の法律は、我々の監督の話というよりは、保険会社の経営の選択肢を提供するものであります。したがって、これはあくまでも保険会社の問題であるわけですが、我々の中でどのようにそれが位置づけられるかということに関して言うならば、先ほど言いましたように、今の時点における支払い余力云々ということではなくて、まさに将来、これは非常にダイナミックにというか、いろいろな要因を動態的に勘案して、ここの経営がどうなっていくのか、そういった場合、先ほどから議論をされておりますまさに蓋然性をいろいろ議論して、その中で必要であるならばこういう措置を一つの選択肢として考えてもらう、そういう位置づけになるのだというふうに思っております。
 その意味では、今の時点での支払い余力に加えて、より将来の数字が入ってくる、将来をどう見るかということが入ってくる。その中には、支払い余力だけではなくて、利益の動向、流動性の動向、さまざまな要因が入ってくる、このようにお考えいただきたいと思います。
○佐藤(観)委員 今の答弁について私の感想を言えば、トラの尾を踏んだというか、かえって何か、こんな時期にこんなものを出すといかにも保険会社が危ないみたいな感じにとられる。みんなそう思っているんだよ。(発言する者あり)ほら、余計なものを出してきたなと。
 いろいろな問題点はもっとありますよ、いろいろな各位から、与党からもあったように、いろいろな問題点はあるけれども、何でこんな経営状況の中で、それは五年先までちゃんと将来収支見通しまで出させて、三カ月に一遍ずついろいろな点検をしているのに、何でこんなものを今出してくるのかなと、逆に契約者から見れば不思議でならない。
 それと、時間がないからあれなんですが、もう一つ、きょうあるいは先日来あれしているように、どうしても、竹中さんはそういうことをやっちゃいけないと言うけれども、行政指導といいましょうか護送船団方式と申しましょうか、こういうものをやりたがるのは役所であります。竹中さん個人がそう思っていなくても、あるいは、私はきょうは報告を聞いた中でも、それはあなた、やりましたよと言う役人はいないよ、世の中に。恫喝しましたと言う人はいないんですよ。
 同じように、早期是正措置、つまりソルベンシーマージンが二〇〇以下なら、それはそれなりの措置があっても、結局、今度出されているような、あなたのところの経営からいったら三%まで下げた方がいいですよという、御勧告と申しましょうか御指導と申しましょうか、そういうものは保険会社にはないのでしょうね。あくまで自主的に手を挙げてくる会社のみこの法律に基づいて措置をするというふうに理解をしてよろしいですか。
○竹中国務大臣 委員は、トラの尾を踏んだのではないかというふうにおっしゃいました。我々は、今の時点でもちろん保険会社がどうこうなるということを考えているわけではありません。
 しかし、これは繰り返し申し上げましたように、逆ざやという構造問題は厳然として存在している。この逆ざやが経営を徐々にむしばんできているという事実はやはりあるのだと思います。そうであるならば、こういった問題に対して一つの選択肢を用意しておくというのは、これは行政の立場にある者としての一つの判断なわけであります。
 もう一つ、行政指導的なものというお話がありました。
 これは基本的には、早期警戒でいろいろなことを、こういう問題点があるというような指摘はいたします。ただし、それに対して行政指導で、こういう問題点があるからこれを使いなさい、これは全く想定しておりませんし、そういうことはないというふうに申し上げてよいかと思います。これはあくまでも経営の一つの選択肢だということであります。
○佐藤(観)委員 ソルベンシーマージンの話をいたしましたが、ちゃんとうまくやっているところもあるわけですね、十分に。十分にあるわけで、その意味では、余りにも早くといいましょうか、そんなに事態は急迫していないのに法律までつくって、やればやるほど、契約者から見れば、これは何か隠されたものがあるのかな、銀行のためかなと思っているわけでありまして、後の委員がそのあたりはやってくれますから譲ります。
 最後に、ちょっと竹中さんに聞くのもどうかと思うが、やはりあなたじゃないかと思うんですが、例の無認可共済の話でございます。
 例えば、全労済は厚生労働省の担当であるし、JA共済は言うまでもなく農林水産省の監督下にあって法律に基づいてやっているけれども、全然法律に基づかずにお金を集めて、あるものは、掛け捨てであるけれども再保険したり、あるいは全然運用していないというようなものが大分ふえてきているわけですね。一々名前は挙げませんが、大分ふえてきている。
 それで、私たちが嫌な思いをしているのは、オレンジ共済の問題というのがありました。あれは三十七人から六億幾ら集めて、結局全部使っちゃってというのがあったわけであります。その本人の参議院議員は今刑務所に入っていますけれども。全く無認可でお金を集め、あるものはマルチ的手法も使っておるということを放置しておいていいんだろうか、我々の、財務金融委員会の責任として。
 何で竹中さんだというと、やはりこれは強いて言えば保険ではないか、共済といっても保険ではないか。ペットの共済まであるそうですから、それを竹中さんに押しつけるのもかわいそうな気もしますが、いずれにしろ、お互いに、全く監督官庁なし、根拠法なしというのを、これだけふえて、これだけ大きくなってくると、置いておいていいものだろうかということを思うわけであります。幸いまだ、相談はあっても被害は報告をされていないようでありますが、消費者の目から見ると大変心配なことである。
 そういう意味では、直ちに答えられないにいたしましても、何らか、政府全体として、各省に関係するようなところもありますから、やはりやる必要があるんじゃないか、それが経済担当大臣の責任ではないかと思いますので、そのことについての見解をいただいて、終わります。
○竹中国務大臣 最後、金融担当大臣じゃなくて、経済担当大臣としてというお話でございましたが、無認可共済、ちょっと形式的な議論に一部なってしまうかもしれませんが、共済というのは、対象者が地域とか職域で限定されている、いわゆる不特定多数の者を相手にしていない。そうすると、実は保険業法の対象にはこれはならないわけでございます。この点は委員御承知だと思いますが。そうすると、金融庁として、今の法的な枠組みの中で、だからなかなかできるということではない。
 一方で、無認可ということになりますと、これは捜査の取り締まりということになると、捜査当局になるのかなと。もちろんいろいろな共済がございます。共済は、それぞれの業の担当の中でいろいろやられているわけでございますけれども、無認可のものはどうなるかというのは、それは御指摘のような点、これが現実に消費者に不安をもたらしているのではないかという御指摘は、私はあるのかというふうに思います。
 繰り返し言いますけれども、我々としては、できることは、保険業法に抵触する疑いのあるものについては情報収集をやっておりますし、財務局に対してもいろいろ指示をしている。また、保険協会とも協力して情報収集のことはやっているつもりであります。
 その上でさらに、しかし、全政府として何かやるべきではないのかと。これは、今の時点ですと、私の権限で何とも申し上げられないんですが、問題の勉強は少し私なりにしてみたいというふうに思います。
 ただ、共済は、非常に小規模で、職域等多様なものであるということでありますから、こういうものに対して一律に横の規制を課すというのはこれまたやはり難しい面もあるのではないかな、その意味での慎重さは必要なのではないかなという気もいたします。しかし、無認可共済、まさになかなか落としどころの見つからないところでありますので、これは私なりに少し勉強してみたいと思っております。
○佐藤(観)委員 終わります。
○小坂委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三分開議
○小坂委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、来る十日火曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○小坂委員長 質疑を続行いたします。松本剛明君。
○松本(剛)委員 それでは、保険業法の一部改正案について質疑をさせていただきたいと思います。
 まず最初に金融審議会のことについてお伺いをするというふうに通告を申し上げておりましたんですが、後ほど質問もあるようでございますし、時間がありましたらということで、少し順番を入れかえて質問をさせていただきたいというふうに思います。
 大臣もこの議事録をお読みになられたことだろうというふうに思います。もう答弁は求めませんけれども、これを読むと、なかなかさまざまな意見が出ているということと、これでは、金融審議会が了解をした、行政が作業を進めることについて了解をしたと読むのもちょっと無理ではないかなというふうな私の感想を申し上げたいと思います。
 質問の二番目でお願いをしておりました、解約についてお伺いをしたいと思うんです。
 政府参考人の藤原局長に先にちょっとお願いをさせていただきたいと思いますが、株主総会、総代会の決議に関連して、先ほど倉田委員との質疑の中で、異議申し立ての手続、総代会と異議申し立ての組み合わせで契約者の意思を確認するということが、保険業法の中にはそういうことで確認をする手続が幾つかこれまでにもあったというような御答弁があったように理解をいたしておりますが、その具体例をちょっと、後ほどお聞きをしますので、事務方の方に御準備をいただくように、この点は正確には通告をしておりませんでしたので、お願いをしておきたいと思います。
 それでは、よろしいでしょうか。解約についてお伺いをさせていただきます。
 先日の四日でしょうか、仙谷委員との質疑の中で、改めて仙谷委員の方から、解約の自由は保障されておって、解約の意思表示は自由にできる、その意思表示された解約というのは当然のことながら法律効果を生むということで、確認をさせていただいております。
 これに対して、竹中大臣は、「解約の申し出は自由である」、このように議事録では御答弁をされているんですが、契約者が解約の申し出を行って、その意思表示が会社に到達をしたとした場合に、どこで解約の効力は発生をするのかという解釈をお伺いしたいと思います。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の予定利率の引き下げに当たりましては、保険契約者の保護のために、手続を混乱なく粛々と進め、保険集団の維持を図る必要があることから、保険会社に対しまして……(松本(剛)委員「どこで発生するかを聞いているんです」と呼ぶ)はい。保険会社に対しまして解約に係る業務の停止を命ずることができることとされております。
 その業務の停止命令は保険会社に対する命令でございまして、保険契約者の解約の申し出に関する私法上の効果が制限されるものではないため、解約の効力は、解約の意思表示が正当に保険会社に到達した時点に発生するものと考えております。
○松本(剛)委員 つまり、保険会社に対して解約に係る業務の停止を内閣総理大臣が命じた、そして、それが解けるまでの間でも解約は次々と効力を発生するという理解でよろしいわけですね。
○藤原政府参考人 そのとおりでございます。
○松本(剛)委員 とすれば、一般的に、解約があたかもその間は禁じられているかのように伝えられているわけでありますけれども、正しく契約者に理解をしていただくためには、むしろ金融庁からきちっとこのことも御説明をいただく必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○藤原政府参考人 先ほど先生から効力についてお尋ねがございましたが、効力は確かにそういうことでございますが、他方、手続を粛々と進めるために、その間におきましては、会社に対しまして支払い業務の停止を命じておるわけでございます。
 したがいまして、効力は生じているわけでございますが、いずれにせよ、解約の手続が実際上なされるのは手続が終了後ということになっておりますので、そういうことにつきましても、契約者に対しましてよく御説明させていただきたいと思います。
○松本(剛)委員 解約の意思表示が会社に到達して解約の効力が発生するわけです。その時点から、保険会社には、解約返戻金があれば支払う債務が生じるというふうに理解をいたしますけれども、それを命令で停止をさせる、こういう理解でよろしいわけですか。
○藤原政府参考人 そういうことでございます。
○松本(剛)委員 効力が発生してから解約返戻金が支払われるまでの期間の利息というのは、商事利息が発生すると思いますが、どなたがお払いになるのでしょうか。
○藤原政府参考人 保険契約を解約する場合におきまして、解約返戻金の支払いが遅延いたしましたときは、保険約款の定めるところによって、保険会社が利息を支払うことになっているところでございます。
○松本(剛)委員 約款にそれぞれ利息が定められているんではないかと思いますけれども、無利息という約款になっているかどうかというのは、お手元でわかりますか。
○藤原政府参考人 一般的には、解約の申し出から支払いまでの間、大体五日以内に行う場合が多いわけでございますが、この場合には、業務停止によりまして支払いがその期間を超える部分、その部分につきましては法定利率による遅延利息を支払わなければならないということになっております。ちなみに、その法定利率と申しますのは、商事の場合は六%、民事の場合は五%というふうになっております。
○松本(剛)委員 効力が発生するわけですから、契約者側からいえば、総理大臣の解約に係る業務の停止命令が保険会社に出たとしても、早く申請した方が得だということになるという理解でよろしいんでしょうか。
○藤原政府参考人 ただ、いずれにいたしましても、解約停止命令期間と申しますのは、従前からるる御説明しているように、そんなに長いわけではありません。極力短くしようという努力をしておりますので、大体、長くても三カ月ぐらいかなというふうに思っております。
○松本(剛)委員 局長、御自分でおっしゃったんですよ、通常五日ぐらいで支払われるというのと三カ月というのは、普通に比べても相当長さに違いがある。
 申し上げたいのは、確かに、この手続を無理やり実現しようと思えば解約をどこかで抑えなきゃいけないということは、中間報告の話の中でも、混乱が起こるだろうということが出ています。ただ、法的にも、恐らく御苦労されたんだろうと思いますけれども、こういうことは基本的にできないんですよ、破綻でもなくて、裁判所も関与しないのに。だから、今申し上げたように、こういうおかしなことになるわけですね。せいぜい監督権限をもって保険会社に命令できるだけであって、契約者の側を縛ることができない。であるがゆえに、今の、こんなおかしな構図になってしまうわけですね。
 ですから、今私が申し上げたようなことはある意味では重箱の隅をつついているようなことでありますが、実は、根幹の部分できちっとした形でやらない限り、結局こういう予定利率の引き下げというのは債務不履行で、これは破綻ではないかと私どもは申し上げているわけで、この債務不履行をやろうと思ったら、結局は司法手続によるしかないということを、こういう矛盾が出てくることが改めて証明をしている、そういうふうに御指摘を申し上げたいというふうに思います。
 解約については自由である、そして、解約の効力は内閣総理大臣からの解約に係る業務の停止命令が出ている間も有効である、その時点で効力が発生をするということを確認させていただいたということを申し上げて、このことを――率直に申し上げて、いろいろな御説明の中で、間違いをおっしゃっているとは思いませんけれども、あたかもその間に契約者が解約できないかのように巷間伝えられていることがそのままになっている、このことはしっかりと御指摘を申し上げて、次の質問に移らせていただきたいというふうに思います。
 二つ目、契約条件の変更手続をするに当たって決議を行うということで、先ほど自民党の倉田先生の御質問がございました。私が御質問を申し上げようと思ったことを半分以上済ませていただきましたので、その先の方へ話を進めさせていただきたいというふうに思うわけでありますが、先ほどもありました、決議は会社の重要事項として行われる、こういうことであったかというふうに思いますが、これは会社の意思決定に係る手続という理解でよろしいわけですね。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今回のスキームにおきましては、契約条件の変更が会社の将来にかかわる重要事項であることから、株主総会や総代会という、株主や社員による業務運営の最高意思決定機関の決議に係らしめているところでございます。
○松本(剛)委員 では、まず総代会の方からお聞きをさせていただきましょうか。
 総代会については、しかし、中間報告でも、ガバナンスに限界がありという言葉があったかというふうに思います。総代会の改革の方向として、例えば、立候補制の導入など総代の選考方法の多様化、また、総代数についてその大幅な拡充を図る、こういう方向性が既に中間報告で示されておったかというふうに思います。
 しかし、これは、早いところでもこの十五年の四月から、しかも総代の任期はたしか四年だというふうに思いますので、本当にきちっとした形になるとすれば随分先ということになろうと思いますが、そもそも、金融庁に設置された金融審議会でガバナンスに限界があるとされた総代会に、これだけ大変なことを新たにゆだねるということをどのようにお考えになるか、お伺いしたいと思います。
○藤原政府参考人 総代会につきましては、先生御指摘のように、社員総会にかわるべき機関として設置されました最高意思決定機関でございます。その総代会につきましては、従前、中間報告からいろいろな指摘がなされていることは事実でございます。その改善に向けまして、この間いろいろな努力もなされてきたこともまた事実でございます。
 例えば、各保険相互会社におきましては、総代の氏名や職業などについての開示を進めておりますし、また、平成十三年六月の中間報告を踏まえまして、十四年の三月には事務ガイドラインを改正しまして、総代数あるいは総代選考方法に関する考え方及び総代の構成をディスクロージャーして開示するということとともに、総代会の議事録をホームページで公開するというような、総代会の改革に向けてのさまざまな取り組みをやってきたところでございます。
○松本(剛)委員 私が申し上げるまでもなく、この中間報告を拝見しましても、一番肝心なところは、やはり立候補制の導入と総代数の拡充なんですよ。その周辺の、情報公開ももちろん大事なんですけれども、一番肝心なところができていなくて、総代会の改善が進んでいると簡単におっしゃると、それはもう本当に言葉で取り繕っているということになってしまうと思います。総代選考委員型で今も総代が選出をされているという状況も基本的には変わっていない、これではとても社員を代表しているとは言えないのではないか。
 これは、金融審議会の皆さんもお認めになったからこそこういう提言が出ているんだろうというふうに、そしてまた、金融庁の皆さんもそれはそうであろうと思われるからこそ改善の方向へ進めておられるんだろうと思います。その総代会にこんな大きな役割を本当に背負わせていいのかということを、まず一点、御指摘を申し上げたいと思います。
 それから、今、大体出ましたか。先ほどお聞きをしましたけれども、いろいろなケースで、契約者の意思を確認するに当たって、異議申し立ての形をとる場合と、総代会と異議申し立ての組み合わせで確認をする場合がある、こういう話でしたけれども、二、三で結構です、例を。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 総代会で発議をし、異議申し立て手続を経て成立するようなものにつきまして、例えば過去に行われたものとしましては、保険契約の包括移転が行われる場合の異議申し立て手続、あるいは破綻保険会社等に係る保険契約の契約条件の変更が行われる場合の異議申し立て手続、こういうようなものでございます。
○松本(剛)委員 包括移転は、合併とかまた営業譲渡とか、そういうケースも含んでという話だろうと思いますし、また、あとは破綻という形なんだろうというふうに思います。
 今回のは、まさに個々の契約者との契約条件を変えるという話なんですね。今お話があったようなのは、会社そのものにかかわる話であって、これは、会社の機関としての総代会がかかわって、それに対して債権者である契約者が異議を申し立てるというのは、会社法とかでもそういう構図になっている部分というのはあると思いますけれども、今回のはそうではなくて、そもそも、もちろん会社の存続にかかわらないことだとは申しませんけれども、個々の外の契約者との関係をどうするのか、こういう話だろうというふうに思うんですね。この意思確認を単に異議申し立てだけで本当にやっていいのかということは、先ほどの倉田先生の御指摘も、納得がいかないとおっしゃったのも、同じ疑問ではなかろうかというふうに思います。
 このことは、株式会社でもっとはっきりしてくるというふうに私は思っております。株主総会で決議をするというのは、当然にして会社の機関として決議をされるわけであります。その結果、株主総会での決議があり、もちろんそのほかの行政の関与がありますが、契約者の側は、通知を受けて、異議申し立てをするかどうかということであります。
 自主的な手続という言葉を何度も連発されますけれども、会社と契約者の双方の合意があって初めて契約条件の変更というのは認められるんだと思います、基本的に。この契約者の合意をどのように擬制するかというのが今回の法案だというふうに理解をいたしますけれども、会社の側は、申し出て、行政が絡んで、決議をして、行政が絡む、非常に丁寧に手続をしていますが、契約者の側は、ぽんと通知が来て、それに異議申し立てを述べるかどうか、この一点だけで終わっているわけですね。
 先ほども、保険の契約者で、その会社が株式会社になって、知らないうちに株式が届いた、こういう話を言われる方がいらっしゃいました。恐らく、相互会社が株式会社になるまでの間に何度も契約者には通知が行っているはずなんですね。異議申し立てもいろいろあるはずです。しかし、契約者の意識としては、ある日株式が突然来た、契約者にとってこういう一片の通知だけで。
 もう一度、これだけアンバランスな手続で本当に許されるんだ、このようにお考えなんでしょうか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今、契約者に比べて会社側の方の手続が厚くできておって、契約者の方が薄いではないかというような御指摘でございましたが、先生も今御指摘ありましたように、そのところどころ、中間段階で行政が承認をしたりする行為が挟まれております。
 行政はどういう立場からそれを承認したりするかというと、それはまさしく契約者保護の観点から、契約者保護に欠けるところはないかという観点から、非常に多数の契約者にかわってそういう観点からチェックをするというところでバランスがとれているというふうに私どもは考えております。したがいまして、行政は契約者保護の立場からこれに関与しているというふうにお考えいただければありがたいと思っております。
○松本(剛)委員 勘違いをされておられる方があるようで、総代会は契約者のある意味では集合体ですから、あたかもそこで合意を擬制することができるように一見見えるわけですが、今申し上げたように、株主総会になれば非常にはっきりしてくるわけで、基本的に株主と契約者は利益相反だという理解でよろしいですね。
○藤原政府参考人 利益相反という言葉をどういうふうに定義するかでございますが、いわゆる純粋の意味での利益相反となりますと、一人の人間が全く違った利害を持ち得る。そういう観点からいけばそういうことではないのかもしれませんが、株主と保険契約者という観点から見れば、広い意味での利害が相反するところはあるかと思います。
○松本(剛)委員 例えば大同生命も、株式会社化するときに、これは有配当契約者と株式との間とどういうふうに区分経理するか、こういったこともたしかテーマになったはずであります。利益をどのように、余剰と言った方がいいのかもしれませんが、保険契約者と株主の間で分配をするかということで、明らかにやはり相反する部分が出てくるわけなんです。
 株主の側は、あらかじめ議題をもらって、通知をもらって、株主総会に参加をして、説明を聞いて、質疑もすることができて、そして決議をする。これは、今出資者の問題も私ども提起をさせていただいていますが、この法案では、出資者に対する言及も責任もほとんどないままに、これは、株主総会がそれだけさまざまな手続を置いているのも一番先に責任をとらされるから、逆に言えば、債権者よりはるかに会社に近いところでさまざまな権利を行使することが認められている、こういうふうに私は理解をしておるんですよ。その株主の側の手続は機械的にそういうふうに載っかって、そして、本来最後まで守られるということによって一番会社の外側にある、債権者である契約者の権利だけがまず負担を求められる、こういうこの法律の構成というのは大変アンバランスだということです。
 これは、私から見てもこれだけアンバランスがある中で、今局長がおっしゃったように、もしそこを行政がカバーするんだといったら、このアンバランスの分の責任は完全に行政が負うという理解でよろしいわけですか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 保険契約者の保護というのは、最終的には異議申し立てで担保されるというふうに私ども考えております。それは繰り返し御説明してきたところでございます。その過程におきまして、機関としての発議、こういうのが、株式会社の場合は株主総会でありますし、相互会社の場合は総代会ということだと思っております。
 そういう発議と最終的な保険契約者の保護というのは二本立て、いわば最終的な保護はまさしく異議申し立てである。その間に、私ども行政が、契約者保護の観点から、発議されたものについてチェックする、あるいは第三者の保険調査人というようなものを使いまして、あくまでも保険契約者の権利が侵害されないかという観点からチェックするわけでございまして、そういうことを考えれば、全体としてバランスが著しく欠けているというふうにはならないと思っております。
○松本(剛)委員 契約者保護の観点から異議申し立てとおっしゃいましたけれども、最終的に契約者保護は異議申し立てだとおっしゃいましたが、では、最初はどこにあるんですか。
 これは両者の合意なんですよ。契約者の意思をどこかで確認を、擬制をするとしても、契約者の意思がなかったら契約条件の変更はスタートしないじゃないですか。会社側の意思はそうやって確認できますよ、株主総会なり総代会をやって。契約者の意思を最終的に、契約者保護のために異議申し立てをするというのは、それは合意ができ上がってからという話になっちゃうじゃないですか、異議申し立て。根本の、一番最初の部分がまるっきり抜けているんですよ。
 それを行政の関与でカバーするというのであれば、その部分を丸々行政が背負うということになりますから、到底自主的とは言えない。ある意味では、これは行政と保険会社との手続だと言わざるを得ないんじゃないですか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 本来の自治的な意思決定システムとしましては、理想的には、前回の中間報告にもございましたように、契約者集会の開催によりまして、そこですべての契約者がやるというのが理想的なのでございます。これはまさしくそうだと思います。
 ただ、先ほど来るる御説明させていただいておりますように、その保険集団が膨大であるということとか、集団性があるとか、そういうふうな状況から、そこを現実にワーカブルなものにする必要があるということから、今回、総代会というものを使っておるわけでございます。
 したがいまして、そういう保険という極めて特別な、特に相互会社形式をとっております保険会社という、保険集団という極めて特異な集団の中で、そういう意思決定と、それから保険者の保護、そこを両立させるための工夫としてやむを得ない措置だと思っております。
○松本(剛)委員 さっきも申しましたように、契約者集会で集まって意思表示をするのと、異議申し立ての手続をするというのが同列に論じられるはずがないじゃないですか。そこは無理があるんですよ。局長も大変率直な方だからこそ、契約者の意思がそこで表明されるとはなかなかおっしゃりにくいんだろうと思います。契約者保護の最終的な手段としての異議申し立てという言葉を繰り返して言っておられます。
 先ほど解約の件についても申し上げました。解約できないという誤解を招くような表現はぜひお差し控えいただきたいというふうに申しましたが、これからは、この法律について、契約者と保険会社の自主的な手続による契約条件の変更という言葉はおやめをいただいて、保険会社と行政による契約条件の変更手続で、異議申し立てという形で契約者にも十分に配慮をした手続をつくった、せいぜいそのぐらいの表現に変えていただくように御要望申し上げて、次の質問に入らせていただきたいというふうに思います。
 それから、更生法の特例処理、本案による予定利率の引き下げ、それから早期是正措置、保険業法の手続、いろいろな手続があります。朝、中塚委員も言っておりましたけれども、この四つの手続の適用要件から行きましょうか。
 簡単に、保険業法、更生特例処理、それからその手前が予定利率の引き下げ、こうおっしゃるのかもしれませんが、早期是正措置を含めて、破綻から、下から順番に並べていただけますか。
○藤原政府参考人 更生手続と保険業法の手続、それから今回、早期是正措置の適用要件の差異ということでございますが、更生手続の申し立ての要件であります「破産の原因となる事実が生ずるおそれがある場合」、これは更生特例法第百八十条でございますが、一般的に、事態がそのまま推移すると支払い不能または債務超過が生ずることが客観的に予想される場合とされておりまして、これは保険業法二百四十一条に定める破綻要件であります「保険業の継続が困難であるとき」とほぼ同様の意味と解されております。
 他方、今回の法案におきましては、先般来るる御説明しておりますように、「保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」とは、現時点では、破綻の要件である、保険業の継続が困難であるという状況には至っておりませんが、将来を見通して、契約条件の変更を行わなければ、他の経営改善努力を織り込んでも保険業の継続が困難となることが合理的に予測できる場合が該当すると考えております。
○松本(剛)委員 これは中塚委員も問いただしておりましたけれども、基本的なところでお聞きをしましょうか。
 保険契約者等の保護のための特別の措置等に関する命令というのは、保険業法の二百四十一条の継続困難のことを書いておりますが、この一条の二の三号のところで、「将来の収支を保険数理に基づき合理的に予測した結果に照らし、保険業の継続が困難である旨の意見が記載されている場合」、これは保険計理人の意見書ということであります。だれがやっているかとかだれが判断するかとかいうことには違いがありますから、一緒には論じられないというふうに思いますけれども、これも、きょう朝配られた、基本的な考え方をここにお示しいただいているんだろうと思いますが、「契約条件の変更を行わなければ、」これは普通は行わないんですから、当たり前ですね、二百四十一条と一緒で、行わないのが当然なんですから。「当該保険会社の財産をもって債務を完済することができないなど保険業の継続が困難となりうることが合理的に予測できること」。保険計理人が「将来の収支を保険数理に基づき合理的に予測した結果」とこれとどこが違うんですか。この後、「経済」とか「改善努力」とか言いますが、まずそれ以前に、どういう状態に会社があるかというのが、普通に日本語を読んだらほぼ同じだろう、こういうことになるんですね。いかがですか、どう違うんですか。
○藤原政府参考人 けさ御説明いたしましたガイドラインについて、留意すべき点といいますか、我々が現時点でこういうものを念頭に置きながらと言っているのは、第一と第二がございますが、「第一に、現時点では保険業の継続が困難である状況にはないこと、 第二に、将来の業務及び財産の状況を予測した場合に、契約条件の変更を行わなければ、当該保険会社の財産をもって債務を完済することができないなど保険業の継続が困難となりうることが合理的に予測できること」といたしまして、特に、第二の点につきましては、金利でありますとか株価、為替レート、こういう経済動向にかかわる事項とか、あるいは新契約進捗率でございますとか、あるいは資産配分等運用にかかわる事項、こういうものにつきまして、客観的かつ妥当な前提を置いた上で、さらに合併、再編、組織変更等について総合的に勘案するというふうにしております。
○松本(剛)委員 大変急いでつくられたからかどうか知りません。この金融審議会の議事録を見ましても、与党の先生方には申しわけないんですが、与党に、与党に言われているから急がなきゃいけないんです、こういうトーンがありありと、金融審議会の議事録を一遍全部お読みになるとよくわかります。ですから、金融庁の方も大変お急ぎになっておつくりになった結果こういうことになったのかどうかわかりませんが、今申し上げたように、この二百四十一条に関する命令と、今お配りをしたこの前半の部分とは、普通の日本語として読んだらほぼ一緒になるんですよ。
 その後の「経営改善努力」とか、そういったものについてお触れになっていますけれども、これは、ある意味では、同じ状態から改善努力ができればむしろ予定利率の引き下げをしなくて済むんじゃないか、こういう話でありまして、同じ状況に一回陥ったらむしろ二百四十一条に先に行かないといけないということになってしまうわけであります。
 最後に、御指摘だけ申し上げて私の質問を終わりたいというふうに思いますが、じゃ、何が違うのかといったときに、これは更生手続、保険業法の手続、早期是正、この予定利率の引き下げで、だれがお金を出すのか、だれが負担をするのかといったときに違い、それからだれが責任を持つのかということが違う。
 予定利率の引き下げは、責任は、申請をする責任は保険会社にげたを預けている、負担は契約者に預けている。ほかのものは、もっと行政の責任であるとか財政の負担であるとかいうのが出てくるんですよ。一番契約者に、保険会社に、そして私たちは、行政は責任がない、こういう形になるのが予定利率の引き下げなんですね。
 同じような状況の中でこういう法案を新たに出してきた。もし合理的に説明をするとしたら、今申し上げたように、むしろだれが責任を持つのか、だれが負担をするのかということから説明をした方が非常にわかりやすい。契約者が負担をさせられる、行政が責任を持たない、こういう法案をおつくりになった、こういうことではないかと思います。
 解約の点と、この法律の構造と、この法律の目的、私なりに説明をさせていただいたつもりでございますので、以上で質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○小坂委員長 次に、上田清司君。
○上田(清)委員 保険業法の改正の前に、十一日の質問バッターのために幾つか確認をさせていただきたいと思います。
 「りそな」の問題でありますが、仙谷議員が提出しました「面談メモ」について、出席者の確認はできました。「面談メモ」の中身については、議事録と、そちらの方の、金融庁の方の忘備録というんでしょうか応接録というんでしょうか議事録というんでしょうか、名前はともかく、一致していたのか一致していなかったのか。
○竹中国務大臣 これは前回からずっと申し上げておりますけれども、この「面談メモ」と称するもの、我々としては、我々として作成したものではありませんし、その出所等を確認ができません。こうした確認できないものについて、一つ一つについて、それをコメントするないしはどうこう言うという立場にはないと思っております。
 加えまして、面談というのは、面談をもちろんやったわけでありますけれども、これは監督の行政の中でやらなければいけないことであります。監督上知り得たことを全部申し上げるということは、これもできないという点は御理解を賜りたいと思います。
 ただ、委員会でいろいろ御指摘いただき、御懸念いただきましたように、例えば圧力をかけるようなことはあったのか、百二条に関して恫喝するようなことはあったのか、それに関しましては、けさほど、きちっと私なりに聞き取りをして、報告をさせていただきましたように、そのような事実は確認されないということを御報告申し上げたわけでございます。
○上田(清)委員 大臣に申し上げますが、出席者が鈴木銀行第一課長、参事官、企画官、補佐、係長二名と、危機対応室のメンバーがほとんど出席されているということがどうして外部の人にわかるんですか、まずこれが一点。当事者しかわからない、つまり出席した人しか。つまり、その会議の中に出席した人、もしくは出席した人から詳しいそうしたメモをいただいた人じゃないとわからない。つまり、このメモそのものが信憑性があるんですよ。
 おまけに、菅代表と竹中大臣とのやりとりを見て、余りにもうそが多いので、悲憤慷慨して手紙を添えて出しているわけでありまして、「報道で名前の挙がった鈴木銀行第一課長は竹中大臣に対してウソをついています。」「鈴木課長の意向をお伺いしました。そのとき鈴木課長は「監査法人がいう三年には根拠がない」と断言して、監査の独立性を無視した発言を繰り返されました。そして、私どもに対しては、「万が一、三年ということになれば、百二条の適用で破綻企業と同じ扱いになる。それでもいいのか」と恫喝されました。 今となってみればお恥ずかしい限りですが、鈴木課長の強い意向を受けた私どもは、監査法人に対して哀願と恫喝を繰り返しました。」こういう文章を添えて、そのメモが二枚出ているわけですね。どうぞ、出してください。
 この面談に出席して、そういう内容があるから、これは一般的に言えば、捜査であれば信憑性のある証拠として採用されるんですよ。当たり前じゃないですか。中身がないのに勝手に書けるわけないし、だれがいるかもわからないじゃないですか、普通。それがわかっているんだから。しかも、いろいろな流れからして明らかじゃないですか。どうしてこの「面談メモ」の言っていることが出所不明だというふうに言われるんですか。
 しかもはっきり言っているじゃないですか。ここに書いてありますよ、その資料で渡しているところでは3ですけれども。竹中大臣は、破綻ではなく再生だと。総理も言いました、破綻ではなく再生だと。しかし、中原参事官ははっきり言っているじゃないですか。「破綻処理すべきものを金融機関として営業だけは続けさせる」と。本当は破綻なんだけれども、そう言っちゃ身もふたもないから、営業だけは続けさせてあげるぞ。「私的整理と同じプロセスと考えてもらいたい。早期健全化法のように自主性を尊重するものとは違う。」と。自己資本比率についても、行政の方で勝手に言っているじゃないですか。向こうが申請するんでしょう。もうちゃんと言っているじゃないですか、「相当上がる」ものになるって。ガバナンスについても「基本的には国が握る、」って。こういうのを行政の関与と言わなくして何を関与と言うんですか。有名な話になりました、「ポツダム宣言とおなじ」だと、仙谷議員も言いましたけれども。
 竹中大臣がうそをついているんですか。それとも部下がうそをついているんですか。どちらですか。
○竹中国務大臣 竹中はうそをついているのかという質問に関しては、私は一切うそはついておりません。これは国会でもそのようにはっきりと申し上げます。
 それで、今上田委員は三つの点を指摘されたというふうに認識をしております。
 まずは、最初に、大塚委員に差し出されたお手紙に関して、その中で、金融庁の職員は竹中にうそをついているというふうに書いていると。その後で、いろいろな、読み方によっては非常に生々しい、そういうことを書いていると。
 まず、私は、私がうそをつかれているとしたら、これは耐えられないことでありますから、私としてもしっかりと調査したいという気持ちを強く持っております。でありますから、繰り返し、職員に対しては、そういうことがないかということは、聞き取り、確認をいたしました。
 しかし同時に、では職員がうそをついているのか。これは私としては、金融庁を管轄する大臣として、職員はうそをついていないというふうに信じたいと思っております。
 しからば、それをさらに進めるためには、これはけさほども申し上げましたが、もし上田委員がこのお手紙の差出人を御存じでしたら、私に直接申し出ていただく。これは絶対秘密は守ります。ないしは、今度コンプライアンス室をつくって、そこに弁護士によるヘルプラインをつくりますので、弁護士の方が言いやすかったら、そこに申し出ていただきたい。それで、いわゆる詠み人知らずではなく、確認できるものでありますれば、それをさらに進めて、これはきちっと、我々としての説明の責任を果たしていきたいと思います。そこはまず第一のポイントであります。
 第二の点について、この面談について、面談録そのものについて私は確認できないというふうに申し上げたところ、上田委員は、これはしかし、そもそもこちらから出ている人間は合っているんだから、これは十分客観的な証拠性があるんじゃないか、そういう御指摘ですね。そこに基づいてきちっと調査はできないのかという御指摘でございました。
 これは先方に、つくったとしたら向こう側でございますから、そういうことはあるのかということを今確認しております。それは調査中だというお答えでありますので、もし向こうがつくったということでありますれば、それはまた次のステップの調査は当然することになると思います。
 ただ、これはあくまでも、我々行政としては、私は組織の上に立つ者として、部下が言うことはやはりまず信じるという姿勢は持ちたいというふうに思いますし、それで、確かにこちらの人間は確認できているわけでありますけれども、いろいろな場合が想定されるわけです。だれが参加しているかだけを確認した上で、これは仮定ですよ、仮定ですけれども、それは悪意を持って捏造することだってあり得るわけですから、やはりきちんとこちらとして出所を確認した上で、それで必要であれば調査をする、それは再三申し上げたいと思います。
 第三番目には、いろいろとその中身を御指摘になって、こういうことを言っているじゃないか、ああいうことを言っているじゃないかと。これは繰り返しになりますが、この手紙の出所が確認されれば、それなりにさらに踏み込んだ調査は可能になると思います。
 ただ、今の時点では、申し上げられますのは、けさ御報告したように、我々としては、まず確認しなければいけないのは、そういうような、恫喝のようなことを行っていたのかということ。これに関しては、繰り返し聞き取り調査をして、そういう事実はない、そういうふうにとられないように意を配ったというようなことをその担当者は申しております。さらにはもう一点、圧力をかけたのか。そういうことについても、そういう事実はない。
 もちろん、これもけさ申し上げましたけれども、監督ですから、決算がどうなっているんだ、繰り延べ税金資産どうなるんだ、そういうことのやりとりは当然やります。そういうことの議論の上に立って、コンティンジェンシープランを説明してくれということで、今回の説明をしているわけですので、そういうやりとりは当然のことながらしているわけですが、繰り返し言いますが、相手に圧力をかけたり、恫喝したようなことはない、このようなはっきりとした報告を私は受けております。
○上田(清)委員 簡単に御回答をお願いしたいと思いますけれども、基本的に、「りそな」の問題について債務超過の疑いがあるんではないかということで私どもも申し上げておりますが、大臣としては、新日本監査法人の判断、つまり三年の繰り延べ税金の効果を認めて、四%には達していないけれども債務超過ではないという御判断をしているわけですね。そして、もしそういうことであれば、当然自己資本調達ができるわけですから、竹中大臣がしばしば言っておられるように、ルールに基づいて金融を行われればいいんだ。なぜ、わざわざきちっとできているところに金融支援をするんですか。
○竹中国務大臣 午前中に、これは佐藤委員から御質問いただいたと思いますが、金融再生プログラムのとおりやっているのか。これはもう金融再生プログラムのとおりにやっております。金融再生プログラムにのっとってやる中で、我々としてはルールどおりの判断をしているつもりでございます。
 まず第一のポイントは、この繰り延べ税金資産をどのように見るか。
 これは公認会計士が実務指針にのっとって厳正に見るんだ、これは再生プログラムで書かれていることであります。そのとおり、会計士が、担当の会計監査法人が行ったものについて、我々は、監査は厳正に行われたというふうに見ております。それに基づいて、まず、自己資本比率が低いというふうになる。
 第二のポイントは、それに基づいて、今度は百二条の発動をどのように判断したか。次のポイントになるんだと思います。
 これについては、資産総額四十兆円を超える大きな銀行が自己資本比率二%で市場の中にさらされるということに関しては、信用秩序に重大な支障をもたらすおそれがある、これはまさに我々の、金融監督当局としての判断でございます。このルールに基づいてきっちりと判断をしたというふうに私は思っております。
○上田(清)委員 新日本監査法人の監査を認められて、一方では朝日監査法人は、近い将来というか極めて短期間のうちに当該状況の解消が見込まれない会社に当たるという判断をして、この三年の繰り延べ税金効果を認めないという形で、事実上の債務超過だという判断をして、監査をおりているわけですね。
 二つの法人が監査をして、一方では、三年の繰り延べ税金効果を認められない状況にある、とてもこの先いい経営ができると思われないという判断をしておりたということを、そこの資料の2のところに、これは理事長の岩本さんが内部の方々に、「りそな」の報道についてという形で、上から六行目くらいのところに、三月―四月下旬にかけて予備的な調査を行って、繰り延べ税金資産等に関する情報も入手して、判断をした、そして、結果としておりたと。
 つまり、何らかの形で、この辺のいきさつについては想像の域を出ませんけれども、言えることは、朝日法人は、この次の「電話メモ」でもわかるように、非常に緊迫した状況の中で、三年認められない、そうすると債務超過でだめだ、四年だったらどうなんだ、四年だったらぎりぎり何とかなりますということで、鈴木第一課長と思われる人が、じゃ、それでいけとかというような指示をしながらやってきた経過があります。
 少なくとも、最小限度、二つの監査法人が違う結論を出しておられる、にもかかわらず、どうして金融庁は検査しないんですか、どちらが本当なのか。どうして新日本だけを判断するんですか。おかしいんじゃないですか。
○竹中国務大臣 まず、繰り返し申し上げますが、我々はルールにのっとって、きちっと監督の行政をしなければいけない立場にあります。そのルールとは何かというと、担当した、この場合だと、やはり正式に契約を結んで判こを押す新日本監査法人が独立した立場で監査を行う、その監査の結果に基づいて我々が判断していくというのが、これがまさにルールだと思います。
 委員の御指摘は、もう一つは、朝日監査法人と称するこの2の紙がございます。これは報道等々で私は承知をしておりますが、ちょっとこの紙そのものについて、私たちはこれまた確認ができません。
 若干不思議に思うのは、これは契約しているところではない、これはもう御確認いただいているんだと思うんですが、この辺は、想像の域を出ないがというふうに上田委員も前置きをつけられました。これは六月十一日にぜひいろいろ御審議をしていただきたいと思いますが、これを見て、私の素朴な印象でございますけれども、例えば監査の立場にある人、この紙がどういう紙かわかりませんが、監査法人には監査法人としての守秘義務というのがあるわけでございますから、こういう情報がどのように出てくるのかというのは、私にはちょっと理解できない面がございます。
 いずれにしましても、最後に委員は、検査をやらないのかというふうにおっしゃいました。これは、検査はやります。金融再生プログラムの中にも、繰り延べ税金資産について特に検査もやるんだ。我々の検査の中でこの繰り延べ税金資産についてもしっかりと検査をやりますし、その点についても、我々としてはルールどおりに、ルールを曲げることなくしっかりとやっていく決意でおります。
○上田(清)委員 基本的に、旧大蔵省の銀行局の検査以来、私は信用していないんですよ、検査そのものを。その都度その都度、都合よくやっているんですよ。
 まず、幸福銀行が破綻したのはいつですか。十一年の五月二十二日ですよ。しかし、私の手元には平成八年の銀行局長の、ちゃんと刻印を押した検査報告書があるんですよ、平成八年。ここにちゃんと、三百八十二億の債務超過に陥っていると。平成八年にもう債務超過だというのをずっと破綻させないで存続させているじゃないですか、当時の大蔵省は。八年から九年、十年、十一年と三年存続させたこともあるんですよ。だれも責任をとっていない。
 それから兵庫銀行は、銀行検査のときに不良債権が六百億、三カ月後に破綻した、そのときには一兆五千億の不良債権が出ている。二十五倍ですよ。通常は三倍から四倍ですね、多くても五倍ぐらい。それは、資産が劣化しますから、破綻したりするといろいろ。それについてもだれも責任をとっていないし、うそじゃないですか。検査がうそだったか、よっぽど二重帳簿を出されたか、二つに一つじゃないですか。それについての総括もしていないじゃないですか、いまだに。
 なみはや銀行のときはどうだったのですか。本当になみはやも、ぐず同士くっつけてどうなるんだと再三再四言って、とにかくこういう仕組みをつくらせてくれと言って、半年後に破綻したじゃないですか。どういう検査をしたらそうなるんですか。資金贈与もした、お金はパアじゃないですか。
 そして、佐々波委員会も、合計で二兆円近いお金を十九行にほうり込んだけれども、半年後に長銀と日債銀は破綻したじゃないですか。どんな検査をしたんだ。しかも長銀とか日債銀に関しては、金融国会で、我々が債務超過じゃないかと言って、債務超過じゃないなんて言っていたけれども、江戸城の門の名前を全部くっつけたペーパーカンパニー、地下鉄の駅の名前を全部くっつけたペーパーカンパニーが三十幾つもあって、そこに資金を貸し付けて、飛ばして、こんな実態が本当に健全かと言っても、健全ですと開き直って言っていたじゃないですか。その結果、債務超過は、それぞれ三兆円ぐらい実質上吹っ飛んだじゃないですか。
 そういうことを過去に何度も何度もやっていて、皆さん方の検査がオールマイティーだとはとても思えないんですよ。むしろ、こういうところに出てきているメモの方が信用できる、本当のことを言っているんじゃないか。過去にもそうだった。
 竹中大臣、言いますけれども、我々も、こういうメモを、少なくともこの公的な委員会できちっと物を出して言っている以上、そこそこ確信めいたものがあったり確信めいた情報のソースがあるから言っているんですよ。それを全面的に否定されているんですから、ある意味では。そういう姿勢だと委員会の審議の前提というのが崩れてしまうんですよ。我々は、選挙を通じて常に指弾される立場にあるんです、いいかげんなことを言っていると。大臣は選挙がないからそういうことはないかもしれませんけれども。そういうことだけはちょっと申し上げまして、本題の保険業法の方に移らせていただきます。
 そこで、現在の生保で、債務超過とか破綻とかが、近い将来も含めて見込まれているんですか、それとも見込まれていないんですか。
○竹中国務大臣 今の時点で債務超過、破綻が見込まれているのかということに関しては、そのような見込みは持っておりません。
 ただ、今回そもそもこのような法案の御審議をお願いしている背景は、繰り返し言いましたように、逆ざやという構造問題がある、これがやはり体力をむしばんでいる、そういう認識であります。
○上田(清)委員 逆ざやに関して言えば、先ほどから我々の委員も言っていますように、必ずしもそういう逆ざやを、苦にしないでとは言いません、それはそれで相当大変ですけれども、クリアしている企業もあるということも大臣御承知のとおりであります。どこかを救おうと一生懸命されているんじゃないかとしか思いようがないじゃないですか、特別なところを念頭に置きながら。だから、私も解約を考えなくちゃいけないですよ、大臣がそう言っておられる以上。そういうふうに国民は思うんですよ。
 破綻する可能性がない、債務超過もない、ソルベンシーマージンも比率もまあまあだ、それで生保に、引き下げをしないと近い将来危なくなる可能性もある、その危なくなる可能性というのはどんな条件だと言ったら、これもまたようわからぬ話。
 大体、金融審議会の第二分科会の議事録を読ませていただきました。大臣はお読みになっていますか。
○竹中国務大臣 読んでおります。
○上田(清)委員 少なくとも意見を表明した委員が九名おられますが、全体の傾向としてどうでしたか。
○竹中国務大臣 さまざまな立場から非常に幅広い意見が出されたというふうに思っております。
 これは繰り返し申し上げますけれども、制度そのものの必要性というようなものについては御理解を示された方も少なくない、しかし同時に、幾つかの懸念を表明された方も少なくない。そういうのがまさにさまざまな意見があったということだと思っております。
○上田(清)委員 先般、参考人で、堀内会長が陳述に来られたわけですけれども、なぜか、余り内容について必ずしも触れておられないような印象がありました。
 少なくとも九人の方が意見を表明されております。七人は、今大臣が言われたように懸念をされている、この引き下げに関してはむしろ問題が多いと。そして、二人の方は、そういう選択肢が広がるのはやむを得ぬかな、行政の方でそれを要請されるのであれば、それはそれでしようがないという。いいですか、九人中七人は、ある意味では否定されているんですよ。何が問題かということについては、竹中大臣は今までの議論の中でよく御存じであります。
 あるいは、参考人で来られた深尾先生の陳述、文書が残っておりますから、わかりやすいですから言いますと、破綻処理をある時点で行うこととこの引き下げとどちらが得か、大臣は、引き下げの方が基本的に得なんだということでこの仕組みをつくらせてほしいと言っておられますけれども、そうじゃないという意見があるということについて、いまだに説得力のある議論を、あるいは証左を出していないんですよ。あるんですか。絶対間違いありませんという証拠はあるんですか。
○竹中国務大臣 深尾さんの意見は承知をしております。ただ、深尾さんの前提というのは、今破綻した場合。しかし、破綻、債務超過というのは、今既に基金等々にもう食い込んでいるわけでありますから。それで、深尾さんの意見というのは、破綻の場合は、契約者だけではなくて、基金、劣後ローン等々に負担を任せるから、こちらの契約者の負担が少なくなるのではないか、そういう御意見なわけで、それは事実としてはそのとおりでありますけれども、今既にもし破綻であるならば、これはもうマイナスになっているわけですから、そこに食い込んでいる。
 今、しかし、破綻になる前に、破綻に至らしめないようにそういうふうな措置を講じようということでありますから、ちょっとこれは比較の次元が違っているというふうに私は理解をしております。
 同じ時点で、これからの時点で考えるならば、これは先般から海江田委員の御質問にもお答えさせていただきましたように、今後どうなるかというのは、やはり二つの要因で決まってくるわけですね。責任準備金の切り下げをするのか。それこそ予定利率が、破綻した場合と、例えば三%程度を下限とした場合とどっちが有利か。この点に関しては、私たちが申し上げているように、程度の差はあるかもしれませんが、破綻に至らしめないで、今回のような措置をとる方が有利なのではないか。もちろん、個々の契約者については、これは実はいろいろと出てまいります。その最大の理由は、例えば契約条件を変えて、その後ほっておいたら破綻するかもしれない、それまでの間に保険事象が起きたような方、そうすると破綻する前に保険金をもらう方が得だった、それは出てまいります。
 だから、個々についてはこれは何が起こるかわかりませんから一概には言えないわけですが、通常想定されるケース、先ほど言いましたように、保険準備金はカットされるのかどうか、予定利率は、破綻した場合は三%より低くなるかどうかということを考えますれば、これは私たちが申し上げているように、やはり一つの重要な選択肢として整備をいただく価値があるのではないか、このように思います。
○上田(清)委員 では、申し上げましょう。そもそも論でいくとこういうことじゃないですか。
 そもそも、保険会社が消費者保護なり契約者保護ということを、お客さん第一という姿勢を持っていれば、これはやばいな、うちの会社は、これはもたぬぞということであれば、どういう態度をするのが本当の会社だと思いますか。何らかの形で、資産が劣化する前に会社をどこかの受け皿会社に負担してもらうとか、あるいは行政当局に早期是正措置をみずから求めるとか、あるいは更生手続をみずからしていくとかというのが一番負担がかからない話でしょう、契約者に。
 しかし、一般的に言うと、そうはいっても、企業は消費者の論理や契約者の論理で動いているわけない。利益本位だし、企業の論理で動いているから悪あがきもする。そういう悪あがきをさせないためにあなた方がいるんでしょう、大臣がいるんでしょう。だから、きちっと早期是正措置を求めるなり、あるいは更生手続なりするのが筋でしょう。
 そもそも、会社が契約者のことを考えていれば、一番最初に会社自身がみずから、資産が劣化する前に、契約者のことを考えて、さっと受け皿会社にお願いしてみずから破綻するとか、バンザイして受け取ってもらうとか、あるいは何らかの形で更生手続をとるとか、そして資産が劣化するのを防いでできるだけ契約者に返す、預かってきたものを。これが筋。だけれども、悪あがきをするんで、金融当局が何らかの形で早期是正するなり、あるいは更生手続の指示をするなりするのが当局の務めなんですから。
 何でそれで、わざわざわけのわからない、こんなことを何度も何度も繰り返して、藤原局長も苦しい答弁をし、抽象的な回答しかできない、こんな法案を出すのかわけわからないんですけれども。そもそも、今言ったのが筋目じゃないですか。筋目じゃないんですか、それとも。それだけ聞きたい。
○竹中国務大臣 今上田委員がおっしゃったことを私は否定するつもりは全くありません。これは早期是正措置とか、我々は当然やっていくわけです。必要があれば破綻の特例の措置とか、さまざまな措置をもちろんとっていくわけです。
 でも、ちょっとお考えいただきたいんですが、例えば早期是正しろと。早期是正というのは早く直せという命令ですから、直せといった場合に、保険会社としてはどういう手段があるだろうか。
 例えばですけれども、そのときの手段の一つとして今回のようなものが入ってくるということは、これは実はあり得るわけです。これは経営の判断ですから、わかりません。今回の措置を用いる方がよいのか、別のやり方があるのか、それはケース・バイ・ケースであると思います。
 また、例えば受け皿を探すとか。これは合併、再編ということだと思いますが、例えば合併、再編を行うに当たって、今度は吸収する方から見ると、今の予定利率じゃとても引き受けられない、そういうような場合に、予定利率引き下げと一緒になってこういうふうな話がうまくいく場合もあるでしょう。
 我々は、命令、監督、これはやります。これはやっていかなきゃいけないし、早期是正の命令も必要な場合は出します。しかし、今回は、そういうようなことを含めて、そういうようなことと全く矛盾しないで、一つのチョイスを、経営の選択肢を与えるものでありますから、私はもう、お答えとしては、委員がおっしゃることは間違っていないと思います。しかし、その場合に、経営の選択肢を与えるものとして今回の措置も位置づけていただきたいということです。
    〔委員長退席、七条委員長代理着席〕
○上田(清)委員 ただ、選択肢と言っても、それは保険会社の選択肢であって、国民・契約者の選択肢じゃないんですよ。
 そして、何が筋目かというのが大事なんですよ。何か、わざわざ迂回路をつくって、真っ正面から行かないで、裏口入学の勧め話を一生懸命やっているような感じですよ、担当省庁が。
 大体、この、きょう出されたガイドラインの「将来の業務及び財産の状況を予測した場合に、契約条件の変更を行わなければ、当該保険会社の財産をもって債務を完済することができないなど保険業の継続が困難となりうることが合理的に予測できること」。そんなにしっかり予測ができるような会社だったらつぶれないですよ、第一。危なくなるわけないの。そんなに合理的に予測できないんですよ。だれがこれは予測するんですか。どの会社がどういう予測をするんですか。
 ここに抽象的に書いてありますよ。「金利、株価、為替レート等金融経済動向に関わる事項」とかを「総合的に勘案する」。とんでもない抽象的な話じゃないですか。全然ガイドラインでも何でもない、こんなのは。当たり前のことじゃないですか、総合的に勘案するというのは。それじゃわからないから、藤原局長の話は何を言っているのかさっぱりわからないから、だからガイドラインを出せと言ったんですよ、我々は。何をもって決めるのか。ソルベンシーマージン比率でやるんだったら、それでもわかりやすいですよ、それはそれとしての見込みがあるんだから。それだけじゃないと言われるし。何なのかということがわからないからね。
 しかも、この「将来」なんというのは何年先の話、何カ月先の話なんですか。イメージとしてはどんなことですか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 契約条件変更の申し出を行うに当たって策定する将来の予測というのは合理的なものである必要があるわけでございます。したがって、おのずとその期間につきましては限度があるというふうに考えております。
 ただ、しかしながら、自主的あるいは自治的な手法であるとの性格からしまして、画一的な基準を設けることにはなじまない、いずれにせよ、個々のケースによって判断せざるを得ないと思っております。
 なお、現在、日本アクチュアリー会の実務指針というのがございまして、そこでは十年間については将来収支の分析を行う実務が定着しておりまして、これが一つの参考になるのではないかと考えられますが、これ以上の期間の分析を一律に排除するというものではないと考えております。
○上田(清)委員 ちょっと今の局長の御説明というのはわからないですね。将来というのは十年後の話、タームとしては十年後ということですか。
○藤原政府参考人 先ほどお答え申し上げましたように、今回の措置は、自治的な仕組みの中で自主的に決めていくわけでございますので、画一的な基準を設けるということはなじまないというふうに思っておりまして、いずれにせよ、個々のケース・バイ・ケースによって判断せざるを得ないと思っております。
 ただ、先ほども申しましたように、現在、日本アクチュアリー会、こういう会がございまして、ここの実務指針によりまして、十年間については将来収支の分析を行う実務が定着しておりまして、これが一つの参考になるものと考えますが、これ以上の期間について排除するものでもないと思っております。
○上田(清)委員 とてもわかりづらいですね。十年後の蓋然性というか、十年後にひょっとしたらおかしくなるかもしれないから、今のうちに引き下げを国民にお願いするというのは。もし、三年後に経済担当大臣が抜群の功績を上げて、日本の景気が抜群によくなったときにはどうするんですか。今度は契約をまたもとに戻せという契約でもするんですか。国民にとってみればそんなばかなことはないでしょう。全然わからないですね。
 だから、実は、この仕組みそのものがある意味じゃもうむちゃくちゃだと言わんばかりに、この九名発言されたうちの七人の方々は、そういうことをはっきり言っているんですよ。
 とにかく、この仕組みをつくることで新規契約が入らなくなってくるリスクの方がかえって大きいぞ、だから何にもならない、こういうことを言っておられる方もあります。
 そして、二年前より経営改善をしたかどうかということになったら、ノーだ、自治的な制度であると言うけれども、これはデフォルトだ、債務不履行だとはっきり言っておられました。
 全体としてあらかじめ予定利率を引き下げた方が、契約者は総体として有利になるという状況ではない、ずるずるとどうしようもなくなって破綻するときに比べれば、早期に何らかの処理をした方がいいに決まっている、それと比較するのもおかしな話、あくまで早期に更生手続に入れ、こういうことを言っておられます。選択肢として、経済学的に考えたときに余り意味のある選択肢ではない、こういうことも言っておられる方がおられます。
 今の生保の経営は危険でないと金融庁の方はおっしゃっているわけですが、それにもかかわらず予定利率の引き下げを今なぜするのか、審議会に参加している私もわかりづらい、国民にとってはもっとわかりづらい、実務的に使えるものになっているかどうかということについても懸念いたしますと。
 よりコストのかからない更生手続のものがあればその方がいい、そのところに対する説得的なものは必ずしもこの引き下げということではないと。
 あるいはまた、予定利率の引き下げでは経営が変わらない、そういった先送りのコストがある、こういうことを言っておられる方もあります。
 少なくとも九人のうち七人は問題があると言って、二人は、行政で用意する分にはそれはしようがないかね、こういう意見の表明があって、我々が申し述べてきたことと大体同じなんですね。人間の考えることは同じ。何か、そこの辺の、周辺の人だけがおかしな考え方に陥っていらっしゃるんじゃないでしょうか。賢明なる竹中先生や伊藤先生にしても、首をかしげておられるのですから。素直に判断すればいいわけでありまして、本当に……(発言する者あり)ああ、賢明じゃないんですか。失礼しました。
 こうした金融審議会の、日本を代表するアナリストや、名前を挙げるとまさしく今申し上げた七人の方はそうそうたる方でありまして、きちっとした議論を述べておられます。これを、なぜ、どちらかというと全然生かさないで反対のことをやっていらっしゃるのか。もう一度聞きます。この金融審議会の皆さんの言った意見というのは、余り関係ないということなんですか。
    〔七条委員長代理退席、委員長着席〕
○竹中国務大臣 金融審で諸先生方がおっしゃった御指摘というのは、それぞれ傾聴に値する非常に重要なポイントがあったというふうに私自身も考えております。しかし、上田委員も冒頭で御指摘くださったと思いますが、基本的には、堀内先生がおっしゃるように、基本的な方向としては了解をされたということも同時にこれは事実でございます。
 この問題というのは、当初から、非常に難しい問題点があるということは私たちも承知しておりまして、こういう委員会等々では、むしろそういう難しい問題点、懸念される問題点を委員の方々はいろいろお出しくださったわけでありますが、同時に、こうした制度の必要性を認識して御支持してくださった先生もいらっしゃったし、基本的な方向としては了解をされたというのが私たちの認識であります。
 何よりも、我々の基本的な方向性、認識、必要性の判断といいますのは、繰り返し申し上げているように、この逆ざやという構造問題の中で体力がむしばまれていく、そうした中にあって、破綻した場合に結局契約者が不利になるのではないか、それならば、そうならないように、早目の一つの選択肢として、これは経営の選択肢として持ってもらうことが結局は保険契約者のためになるのではないか、我々は最終的にそのようにあくまでも判断をしているわけです。
○上田(清)委員 資産の劣化だとか、内容がわかっていらっしゃる金融庁ですから、そうであれば早く更生手続すれば契約者に迷惑をかけないんですよ。そんなのわかっているじゃないですか。
 それから、今、堀内会長の、基本的にはこの審議会の中身を了承されたと言っていますけれども、こういうふうに書いてあるんですよ。「事務局が説明した考え方についてご異論が出たということを踏まえた上で、」それはそうです、九人意見を述べられて、そのうち七人が異論を述べていらっしゃるんですから、「ご異論が出たということを踏まえた上で、さらに事務局と私とで検討させていただいて、予定利率の引下げというものを一つの選択肢として認めていくような準備を進めることをお認めいただきたいのです。」と。準備を進めることをお認めいただきたいと。本当は了とするとは言ってないんだ、準備をすることを進めたいと。それが現実。
 しかも、さる委員は、行政として責任を持って対応されることを了承する以外にないですね、ただ、金融審議会がエンドースした政策であると言われては困ると。おれたちはエンドースなんかしてないぞとわざわざ念を押されていますよ、そういうことを言うから。
 基本的には、金融審議会が考えている総体的なものとは全く違う仕組みを金融庁としては出されている。金融審議会では基本的には反対意見があったけれども、断固行政としてはこれをやるんだ、そういうおっしゃり方をされるんだったら、それはそれで真実ですから認めますけれども、今あたかも全体として了承されたなんという言い方をされたのは間違いですよ。大臣、訂正されますか。
○竹中国務大臣 正確には、まさに今上田委員がお読みになったとおりでございます。「事務局が説明した考え方についてご異論が出たということを踏まえた上で、さらに事務局と私とで検討させていただいて、予定利率の引下げというものを一つの選択肢として認めていくような準備を進めることをお認めいただきたい」。それに対してもさまざまな意見が出ておりましたけれども、行政は行政として責任を持ってやられるというのは尊重すべきだということになる、これは池尾委員の御発言でございますけれども、まさに今御紹介いただいた議事録のとおりでございます。
○上田(清)委員 事務局は準備を進めると言って、準備を進めるという結論を出しながら、もう法案として出てきたという、この背景というのは一体何なんですか。これは五月十二日ですからね、この日は。
○竹中国務大臣 背景と申しますか、基本的には、我々として、先ほども私直接申し上げましたように、逆ざや問題を放置することなく、早目の選択肢としてこういうものを用意することがやはり金融行政の当局として必要だというふうに、まさに我々が判断したということです。
○上田(清)委員 逆ざや問題はもう何年前からありまして、それを踏まえた上でいろいろな議論がなされて、一つの選択肢として準備を進めていいかという話であって、結論で何か法案を出すというような話は本当はしてないんですよ。だから、急に法案を出されたのはどういう理由ですかということを聞いたつもりです。それは、例えば与党の大御所みたいなのにどつかれましたとか、そういう言い方をしてくれればすぐわかる。しかし、そういうことは言われないで、逆ざやの話をされる。逆ざやの話はもうとっくの昔からあるの。
 しかも、逆ざやの理由ばかり言っておられるけれども、いいですか、費差益とか死差益というのは膨大な黒字なんですよ。生保全体で三兆五千億の黒なんですよ。そして、その逆ざやの部分が一兆五千億。それでも二兆は残っておる。
 具体的に言えば、新規契約をどんどん生保の会社が進められるような魅力的な商品、例えば保険料が安くて、極めて安心できるようなシステムだとかそういうのを提供できれば、事実そういうものを提供しているところは伸びているわけですよ。片仮名文字のところが多いですけれどもね。そうすれば総体的に薄まって、過去のいわば予定利率の高いところだって総体的に薄まることで、経営は楽になるんですよ。ある意味じゃ経営努力じゃないですか、竹中さんが一番好きな。
 何でここに来たら変な仕組みを言うんですか。ルールどおりやれと言っているのに、全然ルール以外の変なルールをつくろうと一生懸命しているじゃないですか。全くわからないんですよ、言っておられることが……
○小坂委員長 時間が終了しております。
○上田(清)委員 委員長もそう言っていらっしゃいますよ。
○小坂委員長 時間が終了しております。
○上田(清)委員 ああ、時間が終了しました、済みません。そのとおりですと聞こえましたので、委員長の……。委員長も何かそのとおりですと、ついうなずいたのかなと感じましたが。
 ぜひ、賢明なる大臣、副大臣は、特定の方の横車に屈することなく、ルールどおり頑張っていただきたいとお願いを申し上げまして、終わります。ありがとうございました。
○小坂委員長 次に、達増拓也君。
○達増委員 今の上田委員と竹中大臣のやりとりを聞いていて、疑問がわいてきたんです。それは、逆ざやが深刻になってきている、できるだけ早く何とかしなければならないということで、確かに、この法案の提出の趣旨説明、法律案提案理由説明を思い返しますと、「我が国の生命保険を取り巻く環境は、保有契約高の減少や株価の低迷等に加え、超低金利の継続によるいわゆる逆ざや問題により、一層厳しいものとなっております。」こういう不景気、株価の低迷、そして逆ざや問題、その背景の超低金利、まあゼロ金利の継続ですね、こういった異常事態が今目の前にあり、一定期間続いてきているということで、それがこの法案提出の理由になっているのかということを伺いたいんです。
 つまり、もしそうじゃなければこういう法案は要らないんだけれども、今の日本の経済が非常に苦しい状況で、生命保険を取り巻く環境が非常に厳しい、だからこういう法案が必要だというのが小泉内閣の考え方なのかどうかを確認したいと思います。
○竹中国務大臣 今回の法案を準備させていただきたいと思った背景は、保険業界を取り巻く環境が非常に厳しい、その中心にあるのは、まさしく逆ざや問題なのだというふうに思っております。もし、この逆ざやが仮に景気の循環的な流れの中で解決できるような性格のものであるならば、対応策は少し違ってくるんだと思います。
 しかし、バブルのときに非常に高い名目金利であった、それが今、低い金利である。今の異常な低金利がどのぐらい続くかという問題も一つありますが、さらに言えば、しかし、当時の、八〇年代終盤の金利とはやはり今後も違う次元の世界になるだろう。そういうことを前提とした上で、構造問題を解決する一つの手段として、もちろんマクロはマクロで努力をいたします、しかし、ミクロ、経営面での一つの選択肢を準備したかったということでございます。
○達増委員 もし今の異常な経済環境のもとで必要な法律であれば、例えば時限立法的にするのも手でありましょうし、あるいは、ちょっと正確さを欠く表現かもしれませんが、金利が一%を超えないのであればこれを適用するとか、つまり、金利が一%を上回るようになったらもうこれは適用しないとか、あるいは、株価が一万円を上回るようになったらもうこれは適用しないとか、一種の危機対応の法律であるんであれば、そういう趣旨を法律の中に明確にすることが必要だと思うんですけれども、今の法案のままだと、およそどんな経済環境のもとでも契約者保護のためにはこうするものなのだというような法律になっているんですね。
 ですから、もしこれが現状の経済に対応した危機対応的な法律であれば、その趣旨を法律の中に盛り込まないとだめだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、林田委員長代理着席〕
○竹中国務大臣 もし今が非常に異常な状況であって、これはいずれは解消するかもしれない、そういう場合であるならば、御指摘のような考え方もあろうかと思います。
 ただ、今むしろ問題になっているのは、八〇年代の後半が異常であった、この状況はやはり消えないわけですね。そうした状況下で考えますと、金利は、ゼロ金利じゃなくて今後上がっていくことを期待するわけでありますけれども、バブルのときのような状況に復活するということはやはりちょっと想定できないのではないのだろうか。それを考えますと、不確定なことを前提に法律に期限をつけるというような状況ではなくて、一般的な一つの手段として整備しておく必要があるというふうに思っております。
○達増委員 バブルはバブルであれは異常だったと思うんですが、今は今でやはり異常なんだと思うんですね。だから、これがずうっと続くことを前提に立法するというのは、やはりそれはそれでおかしな話だと思うんです。
 そこで、経済財政大臣としての竹中大臣に伺いますが、日本経済が回復する蓋然性というのはないんでしょうか。バブルになる蓋然性は余りないみたいでありますけれども、そこまでいかなくてもいいんで、金利を一%ぐらいにできる蓋然性とか、株価が一万円を超えて、まあ二万円ぐらいまでいく蓋然性とか、そういう蓋然性というのはないんでしょうか。
○竹中国務大臣 株価や為替レートについての蓋然性、ないしはもっともらしい予測をするということは大変難しいと思っておりますが、例の「改革と展望」の中で、経済全体の成長率であるとか、財政赤字の状況であるとか、そういうことについて最も蓋然性の高いシナリオ、これはもちろんある種の政策努力を前提とした上ででありますけれども、そういうものは示しているつもりでございます。
 あと、集中調整期間の間、まだ厳しい状況は続くであろうけれども、それに、日銀と協力してデフレ克服の努力を重ねて、三年度目以降は本来の実質成長率に回復する、同時に、デフレについても何とか克服を目指していく、そのような姿を蓋然性の高いシナリオとして我々は今持っているわけです。
○達増委員 日本経済が回復する蓋然性については、あるというよりも、高いという答弁だったと思います。
 このことは、契約者の判断の問題として、また契約自由の関係で非常に重要なポイントなんですが、それはまた後で議論することとしまして、その前に、やはり同僚委員が指摘しています、金融審議会でかなり反論、慎重論があったんじゃないかという点について伺います。
 これは、行政の進め方として非常に興味深いケースでもあります。
 審議会行政というものは、もう八〇年代あるいは七〇年代から批判の対象になってきたわけであります。審議会というものを役所がおぜん立てして、役所がしたいと思っていることを、審議会を隠れみのにしてやってしまう、審議会なんかない方がいいというような文脈でずっと語られてきたわけではあります。そういう意味で、金融審議会というものについても、特に立法の準備として議論するんであれば、むしろこういう財務金融委員会に小委員会を設け、その小委員会でヒアリングを重ねて勉強していく方が本来の立法の準備としては適切だとは思っているんです。
 他方、せっかく集めた有識者に審議会、分科会等で議論をしてもらって、その議論と余りに違う中身の法案を内閣として出してくるというのはいかがなものかと思うわけです。
 建前としては、今の内閣は、金融審議会というものは必要だし、いいものだと思ってそういう金融審議会を持ち、そして金融審議会で議論してもらっているんでしょう。
 そうやって議論してもらって、おととし中間報告が出て、「今後の進め方」が出て、それで、予定利率引き下げ問題については、パブリックコメントでも反対意見が多いし、これはほかに生保の経営努力等々先にやらなきゃならないことも多いので、役所が検討する分には構わないけれどもというような中間報告、そして「今後の進め方」というのがおととし決まっていたわけですね。
 それが、ことし五月になって突然、金融庁の方から金融審議会に、予定利率引き下げできるような制度をつくりたいと。それに対しても、先ほど来各委員が指摘しているように反対論や慎重論が多いわけであります。それをいわばほうっておいて内閣が法案を提出するというのは極めて異例なことだと思うんですけれども、どういった理由でこういう異例な進め方が今の内閣において肯定されるんでしょうか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 生命保険の予定利率の引き下げの問題に関しましては、先生御指摘のように、金融審議会の第二部会におきまして、一昨年、平成十三年でございますが、議論が行われまして、十三年六月に「生命保険をめぐる総合的な検討に関する中間報告」というのが、それから同年九月には「生命保険をめぐる諸問題への対応 ―今後の進め方―」が取りまとめられたところでございます。これらの中間報告等におきまして、御指摘のように、「国民・保険契約者の理解の上、社会的な認知が十分に得られてこそ初めてその導入が可能となる」とされたところでございます。
 その後、保険会社や行政当局におきまして、中間報告に盛り込まれました多くの事項につきまして対応を図ってきたところでございますし、また、生命保険を取り巻く環境が一層悪化したことをも踏まえまして、昨年来、金融庁としては予定利率の問題を検討してまいりました。
 こうした中で、先般、五月十二日に金融審議会第二部会を開催しまして、予定利率の問題についてさらに御議論をいただいたところでございます。当日の会合におきましては、けさ配らせていただきましたように、非常に幅広い観点からさまざまな御意見があったところでございますが、行政として作業を進めることについては了とされたというところでございます。そういうことでございます。
○達増委員 では、確認しますけれども、異例じゃない、これは審議会の役割として、立法の準備として審議会がこのような形で関与するというのは、今回のケースについては異例ではないという政府の認識なんですか。
○藤原政府参考人 審議会、部会あるいはワーキング、いろいろな形で取りまとめの形がありますが、必ずしも結論を全部出さないというのもありますし、そもそも、基本的に申し上げますと、既に中間報告からしましても、基本的な意義は否定しないというふうに、基本的な方向としてはこれを進めていく、ただし、いろいろと問題がある、そういうものの解決を図るべきということの流れの中で、今回、問題として指摘されたものを対応してきて、さらに広く御議論をいただいて、進めることについて了とされたところでございます。
○達増委員 小泉内閣は、総理大臣のところに高速道路の民営化の会議をつくって、例の、あの猪瀬直樹さんが入っていたものですけれども、あれもしっちゃかめっちゃかになりましたが、今地方分権をめぐる幾つかの審議会、何とか会議というのも、意見がばらばらになっていてぐちゃぐちゃになっている。
 そういう傾向が小泉内閣にあるのはわかるんですけれども、それを昔からある審議会の運営にまで、意見が分かれているのに、ばほっとやって、拙速に法案をばっと出しちゃうというようなことをやるのは、本当にこれはめちゃくちゃだと思いますよ、行政の進め方として。これは本当、日本の近代のそういう行政の流れを見てきて、歴史を踏まえて、対外的にも非常に恥ずかしいことが今起きているなという感じがいたします。本当に異常な展開だということを指摘したいと思います。
 デュープロセスという言葉がありますが、手続の適正さというのはある程度中身の適正さを保証するわけで、逆に、手続がしっちゃかめっちゃかだということは内容のしっちゃかめっちゃかさをやはり保証するものでありますから、中身のめちゃくちゃさというのを確認させていただきたいと思いますけれども、やはり、蓋然性という言葉の問題ですね。
 二百四十条の二、「保険業の継続が困難となる蓋然性」ということですけれども、これはけさから、きょうペーパーが出てきて、要件を具体化するということでいろいろ説明がありました。「保険業の継続が困難となりうることが合理的に予測できる」、保険業の継続が困難になることが予測できるんじゃなく、「困難となりうることが予測できる」ということなんですが、例えば、今の低金利、そして株価の低迷がさらに続き、そして失業や倒産等もどんどん悪くなってきているわけですし、あるいは今の水準が続いたとして、およそ、そういう異常な経済情勢のもとで、保険業の継続が困難となる蓋然性のない保険会社なんというのは存在し得ないんじゃないですか。これはどうですか。
○竹中国務大臣 まさに先行きに対する不確実性、リスクが非常に高い中で、各社一生懸命経営しているんだと思います。
 その意味では、困難となる蓋然性、まあ蓋然性が高いか低いかも含めて、蓋然性があるというのは蓋然性が高いというような意味で考えるならば、これはやはり経営の主体によっていろいろな場合があるのだというふうに思います。その可能性が全くゼロだという会社はもちろんないと思います。しかしながら、合理的に見積もれる範囲の中でその蓋然性が高いか低いか、それはあるかないかという表現でする場合もあるかと思いますが、これはまさにさまざまであるということなのではないかと思っております。
○達増委員 では、政府の公式の答弁として、本法案の「保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」というのは、蓋然性が高い場合という意味だという理解でよろしいですか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の法案におきます、「保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」と申しますのは、単に保険業の継続が困難となる可能性があるといった程度ではなくて、現時点で、破綻の要件であります、保険業の継続が困難である状態には至っておりませんが、将来を見通して、契約条件の変更を行わなければ、他の経営改善努力を織り込んでも保険業の継続が困難となることが合理的に予測できる場合が該当するということで、可能性が高いということだと思います。
○達増委員 二つの問題があると思うんですね。
 一つは、経営努力を織り込んでもという場合の、その経営努力というのをどれだけ評価していくか。それは、経営者の気合いの問題もあるわけでありますし、カルロス・ゴーンみたいな人を引っこ抜いてきて、その人に任せるとかいったとき、それがどのくらいのものかは未知数でありましょうし、かなりこれはあやふやなところだと思います。
 あとは、金利、株価、為替レート等、そういう経済環境を客観的に見るんでしょうけれども、半年後の金利、半年後の株価、半年後の為替レートとかというのは合理的に予測できるんでしょうか。一年後の金利、株価、為替レート等は合理的に予測できるんでしょうか。これは今答弁した局長に答弁していただきたいと思います。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 今先生御指摘のように、それじゃ半年後の株価がどうなっているかとか、そういうものを合理的に予測するのはまず難しいと思います。したがいまして、ここで申し上げております、金利、株価、為替レート、例えば新契約進展率とか云々、こういうものについて客観的かつ妥当な前提を置いて考えるというのは、予測をするというのではなくて、ある合理的な一定の前提を置いて、それに基づいてやる、そういうふうにやっているかどうかというのを見る。
 例えば、保険会社では保険計理人が毎年将来収支の分析を行うこととされておりまして、これにつきましての実務につきましては、先ほど申しました日本アクチュアリー会が実務基準というのを策定いたしております。予測における前提の置き方が客観的かつ妥当であるか、これを判断する際には、この実務基準に定められている方法なども一つの参考になるんじゃないかというふうに思っております。
 ちなみに、それでは今どんなふうに実務基準で定められているかと申しますと、例えば、金利とか株価とか為替レートについては、直近の水準で分析期間中一定と前提をするとか、新契約進展率とか保険継続率とか保険事故発生率につきましては、直近年度または過去三カ年度の実績の平均で分析をして期間中は一定と考えるとか、資産配分につきましても、一定の前提を置いて、この前提のもとで計算をするというようなことにいたしております。
○達増委員 けさ、中塚委員が質問していったときに、これは金融庁サイドの承認の際のガイドラインだということだったんですけれども、当然、申し込む保険会社の方もこれを参考にして、申し出の理由をきちっと整理して、書類も整えて提出するんでしょうが、これだけあいまいであれば、提出したけれども金融庁から断られるという最悪の事態を回避するためには、結局一種の予備審査といいましょうか、これは、皆さん、選挙をやるときに届け出のいろいろな紙とか公報とか、事前に選管に見てもらったりしますでしょう。ああいう予備審査、事前審査のようなことをやっておかないと、やはり選挙の本番になっていきなり出して却下されたら大変じゃないですか。
 だから、生命保険会社も、事前に金融庁に対して、これなら大丈夫でしょうかと、それで金融庁の方が、いやこれはちょっと合理性に欠けるからここはこうした方がいいとか、結局、そういうやりとりの中で予定利率を下げるかどうかということが、本当に、官、業の癒着といいますか、一体となったさじかげんの中で決まっていくことになるんじゃないですか。
○藤原政府参考人 あくまでも申請するか申請しないかは保険会社の方の決定によるわけでございますが、その申請の際の参考としまして、一律に決めることはできませんけれども、私どもが仮に申請を受けた場合の私どもの考え方の基準というのをガイドラインとして定めるべく今努力しているところでございまして、この、きょうお示ししましたのは、まさしく、これから定めるガイドラインにおいてはこういうものについて今後詰めていって、わかりやすくしようという話でございます。
○達増委員 どうして、そういう行政裁量的な、会社、企業と役所が一体となってそういう予定利率引き下げということをやってはいけないと考えているかといいますと、予定利率の引き下げ、特に、それに反対している人、異議を述べる人が十分の一を超えないと、一種、多数決、九割以上の多数決をもって無理やり契約内容が変更されてしまうわけですから、これは憲法が定める財産権の保障、これに反する財産権の侵害に当たる、そういう疑いが高いわけですね。
 憲法は、財産権は、これを保障するとしつつ、ただし、公共の福祉に適合するように財産権の内容を定めるとありまして、財産権は公共の福祉の制限は受けます。それで、この公共の福祉の解釈については、それは他の基本的人権との兼ね合いだというのが通説になっておりまして、ほかの基本的人権を守るためであれば、財産権というのはある程度制限されてもしようがないということになっているんですが、本法案においては、他のどの基本的人権を守るために、予定利率引き下げに反対する人の財産権が制限されるということになるんでしょうか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 先生今御指摘のように、憲法の保障する財産権といえども、法律によって合理的な範囲の制約を加えることは憲法に違反するものではない、こういうふうに私どもも考えております。
 今回のスキームは、破綻を未然に防ぐことによりまして保険契約者全体の利益を守る、こういうものでございまして、結果として、一部の保険契約者の財産権が、他の多数の保険契約者の財産権のために合理的な制約を受けることは容認されるものと考えております。
○達増委員 これは、自由主義とかあるいは民主主義と言ってもいいでしょう、そういう近代デモクラシーの原則をかなり大きく変更する解釈なんだと思いますよ。全体の利益という抽象的なもののために財産権が侵害されるということは、日本国憲法は想定していないと思います。
 この提案理由説明のところでも「契約者保護のため」とあるんですけれども、結果として、まさに保護されない、意図に反して財産権を侵害される契約者が出てきてしまう。では、保護されているのは何かというと、全体の利益。全体の利益というのは、システムの安定とか金融秩序とか、結局そういうことなんだと思います。
 だから、この法案は、一見個々の契約者を保護するための法案のように見せかけつつ、そもそも危機対応的な法案だと言っているじゃないですか。こういう異常な経済情勢のもとで、経済システム、金融システムを守っていこうというところに目的があって、そのためには個人の財産権は制限しようという。個人の権利を保護するというところをずさんにしたまま有事法制の法案が出てきたりもしていましたけれども、それと軌を一にする、これは小泉内閣の重大な欠点の一つ。あの刑務所問題もそうですけれども、権利とか自由とかそして憲法ということについて、小泉内閣が余りにいいかげんである例の一つであると思います。
 保険というものは、非常に確実性と不確実性の積み重ねの中にあるものでありまして、人間は死ぬのは確実、しかしいつ死ぬかは不確実。そういう中で保険に入るんですけれども、これも、毎月一万六千円ずつ納めていれば死んだときには一千万円おりるというのが今確実になっている。これを不確実にして、月々一万六千円じゃなく二万五千円にはね上がらせようというようなことが今法案で出てきているわけであります。ただ、そうやって一千万円受け取ったとしても、その一千万円が、インフレが進んでいれば余り価値がないものになっているかもしれないし、まして、自分が死んだ後、後に残される者が金さえあれば幸せになれるかということも不確実。
 そういう中で、契約する人は、あえて自己責任で、月々このお金で保険金がおりるのであれば契約するぞ、そういう一種の魂の自己決定ですか、そこが自由主義の本質であり民主主義の本質、近代デモクラシーの本質なんですが、そういう自己決定権というものを根本から侵そうとしているのがこの法案なわけですよ。これは本当に絶対許すことができないと思います。
 しかも、日本経済がV字回復する蓋然性にかけようという人たちだって出てくるわけですよ。だから、一万六千円でいいじゃないか。二万五千円に引き上げればその会社が破綻する蓋然性は低くなるかもしれないけれども、それより前に日本経済が回復する可能性だってある。また、一年以内に政権交代が起きて、経済政策が大転換して、経済が回復する蓋然性にかけよう、僕はそこにかけようと思っているんですけれども、そういうところにかけよう、そういう自己決定権だってあるはずです。また、カルロス・ゴーンみたいな人が出てきて、会社側の経営が刷新されればいいわけですから、そういういろいろな要素の中で自己決定していくことを守っていかなきゃならないというのが近代デモクラシーの原則なはずなんですね。
 ですから、今、全体の利益で個人の財産権を制限すると言ったのは、これは竹中大臣、本当にそれでいいんですか。憲法違反の疑いが高いですよ。
○竹中国務大臣 この法律の憲法との兼ね合い、これはもちろん重要なことだと思っております。
 これは、昨年の十二月五日に、大塚耕平民主党議員が参議院の委員会でお尋ねになったときに、内閣法制局の方から答弁があったわけですけれども、一般論として、「公共の福祉に適合するようにされたものである限り、これをもって違憲の立法ということができない」、これは財産権についてそのように答弁をしている。この場合に、「いったん定められた法律に基づく財産権の性質、」「内容を変更する程度、」それに「保護される公益の性質」、これは一般論であります。
 今回の問題というのは、まず、基本的には、これは条件の変更でありますから、委員言われたように、約束したことを守るのがこの国のルールである、そのことを否定するつもりはありません。しかし、予想されなかったような経済環境の変化で、もしもそれが果たせないような約束をしてしまった場合はどうなのか、これがまさに今この逆ざや問題の中で問われているわけでございます。
 そうしたことを考える場合に、これはまずもって、以前から議論しましたように、破綻する場合に比べたら、通常想定されるケースでは契約者になる場合だというその個々の利益、それともう一つは公共の福祉、これは永田委員の御質問の中にもありましたけれども、保険集団の維持でありますとかそういったことを考えると、やはり公共の福祉といいますか、多くの人の利益にかなう、そのように考えて我々としてはこの法案を提出をさせていただいているわけであります。
    〔林田委員長代理退席、委員長着席〕
○達増委員 異常な経済を直して、景気が回復して、二%ぐらいの成長でもいいです、そうすれば金利だって一%とか二%とかの金利になっていくんでありましょうし、また、そのくらい景気が回復していく見通しが立てば、株価だって一万、二万上がっていくんだと思います。ですから、民主主義国の内閣、政府としては、こういう変な法律をつくるよりも、景気が回復していくような経済財政政策をしていくのが筋だと思いますが、これは、経済財政大臣、いかがでしょう。
○竹中国務大臣 マクロの経済運営についてそのような努力をしなければいけないというのは、これは当然のことでありますし、我々は、そのためにも構造改革を進めて、日本の経済の本来の成長率、潜在成長力を発揮できるような形に持っていこう、さらには、その潜在成長力そのものを高める、これは一にも二にも構造改革である、四つの改革を進めたいというふうに思っております。
 まずこれということではありません。マクロの努力は懸命に続けます。しかし同時に、今回はミクロの選択肢として御議論をいただいているわけでありますけれども、これは今の状況をかんがみるに、このような選択肢も用意する必要があるのではないかというふうに我々は判断をしたわけでございます。
○達増委員 もう少しこの法案で疑問に思う点があるので、そこを質問しますけれども、解約の問題です。
 予定利率引き下げの手続に入ると解約ができないことになってしまう。しかし、今みたいな異常な経済のもとでのそういう異常事態でありますから、当然、失業して暮らしに困る、経営している会社が倒産して暮らしに困る経営者、そういった人たちは、すぐにも解約しないと暮らしに困るはずなんですね。こういった人たちを救済する道というのはあるんでしょうか。
○伊藤副大臣 お答えさせていただきたいと思います。
 先生御指摘のとおり、今回のスキームにおいては、一定の期間、解約に係る業務の停止について行政命令を行うことができることとしているわけであります。したがって、基本的には、解約に係る業務の停止期間中には、解約の返還金、返戻金は支払われないわけでありますが、必要に応じて、例えば、保険会社において、希望する契約者に対して貸し付けを行うこと、あるいは希望する契約者からは保険料の支払いを求めないこととすること、こうした柔軟な対応を行っていくことが考えられるというふうに思います。
○達増委員 きのう発売の週刊誌に、白川勝彦元衆議院議員が、前回選挙に出るに当たって、新しい政党をつくったから、十人分の供託金六千万円を負担しなきゃならなくなって、それが全部パアになって、それで生命保険をも解約せざるを得なくなったという話が載っていまして、我々にとっても非常に身につまされる問題でありますし、月々何万円も保険料を払っている人たちをこういう経済情勢の中でどう救済するかということは非常に重要なんだと思います。
 もう一つ、異議の申し立てについてですけれども、十分の一が異議を述べれば契約条件の変更が成らなくなるわけですが、法案を読んでいますと、この異議を述べるというのをどういうふうに述べるのかが書いていない。本社に出頭して述べよなどと言われたら、これは十分の一も集まらなくなるでありましょう。では、簡単に、切手を張らなくても投函できるようなはがきに、賛成、反対を単にチェックして投函するだけでいいような簡単な方法にするのか。生命保険会社によっては、生保レディーが説明し、そして生保レディーがその場で異議を申し立てるかどうか聞くかもしれませんが、そうすると、生保レディーは非常に説得力がありますから、説得されて、だれも異議を申し立てないかもしれません。その辺が全然この法案からはわからないんですが、どういうふうになるんでしょう。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 異議申し立て手続におきましては、契約条件の変更対象者に対しまして、保険会社が通知します契約条件の変更の内容等の書面に、異議のある者は一定の期間内に異議を述べる旨を付記することを義務づけることとしているところでございます。
 具体的な異議申し立ての方法につきましては法律上規定しておりませんが、例えば、保険会社の破綻の際に契約条件を変更する場合、こういう場合におきましても異議申し立て手続を行うことになっておりまして、その実務におきましては、異議のある保険契約者に対しまして、はがきに必要事項を記載の上、返信することを求めております。
 今回のスキームにおける異議申し立ての方法につきましても、破綻の場合の実務や、あるいは事務負担等も勘案しながら保険会社において検討されるものと考えております。
○達増委員 いずれにせよ、非常に問題がある法案だということを指摘して、質問を終わります。
○小坂委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭です。
 前回の質疑で、私は、五月十二日の金融審議会金融分科会の第二部会の議事要旨に基づきまして質問をいたしました。私は、このときの第二部会の議論では、十五の意見が出たが、十が反対意見だった、反対の方が多かったのではないかというふうにお聞きをしました。これに対して、藤原総務企画局長は、それに同意をせず、具体的に何名賛成で、何名反対というような数え方はいたしておりません、特定の委員が繰り返し発言した、その数え方いかんにもよる、こういう答弁をされましたが、この答弁は間違いありませんね。
○藤原政府参考人 ちょっと、済みません。今聞き取れなかったので、もう一回お願いします。済みません。もう一回、ちょっと聞き取れなかったものですから。(佐々木(憲)委員「この前の答弁、数え方による、賛否の数」と呼ぶ)
 一人の委員が繰り返し御発言なさったケースがあるというふうに申し上げました。
○佐々木(憲)委員 このときは、数え方によっては別な結論も、つまり賛成がふえるかのような言い方をされました。
 そこで、私は議事録を出すように要求をしまして、出されてきたわけであります。その発言内容を私なりに整理したのが今配付している文書であります。
 先ほど上田議員も九人とおっしゃいましたが、私は数えると十人になるというふうに思っておりますが、そのうち、はっきり賛成意見を述べているのはたった二人しかありません。寺阪氏と岩原氏であります。ただ、寺阪氏は、自分の会社では絶対にやらないんだ、こう言っているわけであります。そういう意味でいうと賛成意見は一・五人ぐらいだと思うわけでありますが、逆に、反対意見を述べている人は私は六人いるというふうに判断をいたしました。
 例えば高橋氏は、「厳しいものでも賛同が得られなかったのに、こんな甘いもので賛同を得るということは非常に難しいと思います。」原氏は、「解約停止とか、予定利率引下げに手を挙げた段階で、新規契約が入ってこないというリスクの方が大きい。」池尾氏は、「契約者は総体として有利になるという状況は考えがたいのではないか」。川本氏は、「予定利率の引下げを今なぜするのかということに納得感はない」。今松氏は、「よりコストのかからない形の更生手続というのがあればその方がいい」、「必ずしもこの引下げというところではならないのではないか」。成川氏は、「今回の予定利率の引下げは、個々の生命保険会社の事業を本当に安定化するものであるかどうか、もう一つ明確でない」。こういうふうな発言をされているわけですね。
 これは反対意見の方が明確に多いんじゃありませんか。
○藤原政府参考人 今、先生が整理されましたその表を拝見させていただいたんですが、私どもが見ますと、例えば山下先生のところが三角になっておりますが、この辺のところは、私どもはむしろ明確に御賛成いただいたと思っておりますし、それから池尾先生が明確にバツとなっておりますが、例えばきょうお配りしました審議会資料の三十三ページの池尾先生の最後の御発言のところをごらんいただきますと、ちょっと読ませていただきますと、「すみません、誤解があってはいけないんですけれども、岩原委員がおっしゃったことに全面的に賛成です。有効な手を打たなきゃいけないということで、私的自治に委ねるような形の今の議論では有効な手にならないだろうという懸念を強調したということ、岩原委員のご意見に全く賛成です。」というふうに言っておられまして、これを一概に、すべて賛成か反対かというふうに色分けするのはなかなか難しいと思います。
 反対というふうに整理されている先生の中でも、こういうふうに、基本的には賛成であるけれどもそういう懸念もあるというようなことでおっしゃっているような方もおられるわけでありまして、これを一概にマル、ペケというか、整理するというのはなかなか難しいような気がいたします。
○佐々木(憲)委員 参考人質疑で池尾先生は、今回のやり方には反対である、更生手続が正しい、こうおっしゃっているわけです。ですから、明確にこれは反対の立場をとっているわけであります。ですから、そういうことをいろいろ考えますと、例えば山下氏でも、仮にこれはマルにしたって、三人しかマルにならないんですよ。しかも、翁さんだって見方によっては反対論ですから。
 こういうことを考えますと、全体としていったら反対意見の方が多数じゃありませんか。はっきりしているじゃありませんか。
○竹中国務大臣 今、佐々木委員、参考人で池尾先生がとおっしゃいましたが、池尾さんは出ておられないのではないでしょうか……(佐々木(憲)委員「深尾さんです」と呼ぶ)深尾さんですね。
 それで、ここはどの発言をとらえるかによっていろいろな解釈もあろうかと思うんですが、私も正直言って、ずっと議事録を読んで、私なりの解釈は、やはり山下さんはマルだというふうに思っております。山下さんはつまり、「選択肢の一つとしてこういうものを置いておくということは現時点でも意味があるのではないかと思います。」意味があるというふうに前置きした上でこういうふうな留意点を言っておられるというふうに私は理解をしております。池尾さんも、これはやはりバツじゃなくて三角じゃないのか、同じような意味で下の成川さんも三角じゃないのか。
 これは余り言っても仕方ないことかもしれませんが、ほかに、実は、ここの方以外に五人の方は、事務方の説明に対して異論を言っておられないということになる。これをどう見るのかという問題もあろうかと思いますが、その意味では、私は先ほど申し上げましたように、さまざまな御意見が出た、その点はやはり尊重しなければいけないと思います。その上で、しかし、作業を進めることに関しては了とされたというふうに認識をしているわけでございます。
○佐々木(憲)委員 さまざまな意見が出たというのは事実ですが、反対意見の方が優勢である。これは一人や二人、若干の入れかえがあったとしても、全体としては、明確に賛成論を唱えているのが二人しかいないわけであります。そういう点からいいますと、これは明らかに反対論が大勢を占めているわけです。ですから、数え方によって賛成意見が多数になるということは全く考えられない。そういう意味では、まさに反対論が大勢を占めていたというその結論には変わりないじゃありませんか。
 そういう状況でありながら、何かさまざまな意見が出て、反対論、賛成論がいろいろあって、念頭に置いてやっていく、こういう強引な解釈で一方的にこの法案を提出する、しかも、何かそれが手続的に了解されたなどというような、全くわけのわからない理屈で提案してくる。
 社会的認知が得られていないというのを私は前回指摘しましたが、社会的認知が得られたという証拠は示すことができませんでした。つまり、そのときにその資料を示すことができずに、大臣は二つの論点を挙げて正当化したわけです。
 一つは、社会的認知の前提となる条件が整備された、こういうふうにおっしゃっているわけであります。しかし、その条件とは何かといいますと、財務基盤の強化とか、経営の努力とか、情報開示の進展とか、一体、財務基盤の強化なんていうのはなされていないんじゃありませんか。経営の努力は多少あったかもしれないけれども、実態は全く後退していると言わざるを得ないわけでありますし、仮に前提となる条件が整備されたからといって、社会的認知が得られたというものではありません。それはまた別問題であります。認知が得られたかどうかというのは全く別問題であります。その証明はされておりません。
 もう一つ言わせていただければ、金融審で、行政として作業を進めることは了とされた。これは、もう一つのいわば正当化の論理として出されているわけですが、先ほどの答弁でも、基本的方向としては了解されたとか、そうされていないわけです、実際、なっていないわけです。手続的にも了とされたということにはなっていないんじゃありませんか。
○竹中国務大臣 まず、財務基盤の強化なんてなされていないのではないかという御指摘がございました。私が申し上げたかったのは、例えば、この間に、十三年から十四年にかけて各生保で基金の増額が行われております。これは数次にわたって行っているところもあります。基金調達の多様化ということで、SPCを用いたスキームを用いたところもございました。株式会社化を行ったというところもそのうちの一つだと思います。配当の弾力化、そういった努力が行われたという点を私としては申し上げたつもりであります。
 社会的認知を何で判断するかというのは難しいわけでありますが、これは繰り返しになりますが、議事録で見る限り、私はむしろこの議事録を拝見して、明確に反対を唱えたのは四名であったというふうに認識をしております。もちろん、これは繰り返しますが、問題点もありますから、問題点の指摘はなさいます。私も、いろいろな委員会のメンバーをやりましたけれども、大体問題点を指摘するわけです。そういう傾向の中で、明確に反対だとおっしゃったのは四名ではなかったかと私は認識をしております。
 かつ、一部の方が数回にわたって発言をしておりますので、その点も考えなければいけない。委員長は前向きであるということは参考人質疑で表明をされたというふうに聞いておりますが、五人の方は少なくとも異論は唱えていない、その委員会に出席されて。こういう点もフェアに見なければいけないのではないかというふうに思っております。
 基本的に、最後、また繰り返しになりますけれども、行政として作業を進めることは了とされた、この点は、たしか堀内委員も参考人としておっしゃっておられたと思います。
○佐々木(憲)委員 しかし、随分勝手な発言の解釈をされるものだなと思います。
 山下教授の例を挙げましたけれども、これはマルじゃないかというような話がありましたが、山下教授は、以前、保険ワーキング・グループの座長をされていまして、これは二年前の四月二十五日でありますが、国際的にはこういう制度はほかの国ではほとんどないわけで、今の生命保険業界がどういう状況になっているのかということについて、国民的コンセンサスを得ないとできない話なんですと。こういう制度は国民的なコンセンサスを得ないとできないんだと、はっきりとそういう意見を述べておられるわけですね。今回、そういう社会的なコンセンサスが得られたかというと、全くそれはありません。ですから、山下教授が賛成をしたなどというのは、これは全く問題の読み違いということでありまして、そういう点などを考えますと、これは三角にしていますが、実はこれはバツなんですね。
 だから、そういう点でいいますと、最大限マルを集め、本当に拡大解釈、誇張解釈をして、それでも四人しか賛成がないんですから。四人しかないわけでしょう。賛成は、私どもが見たところ、これは二人です、この中で。あとは疑問をいろいろ呈している、あるいは反対論を述べているというものでありまして、大臣がそういうようないいかげんな解釈で何か承認されたかのようなことを言うのは全くこれは事実と違うということを述べておきたい。
 それから、もう一つ、この議事録を見まして、大変重大なことが書かれております。議論の冒頭で高橋委員がこういうふうに述べているんですね。「まさか一回の会議で了承をとりつける、あるいは、とりつけたとする形式的なことはないと思うんですが、」とくぎを刺しているわけです。また、終わりの部分で原委員が、「この会はきょうで終わるのですか。いろいろな議論が出ましたけれども、もう一回おやりになるのか。」こういうふうに聞いております。これに対して堀内部会長は、「私がいただいているト書きによりますと、事務局と私が相談しながらという形になっておりますけれども、皆さんがご了解いただくということを前提にしてやっております。 それでは、時間がまいりましたので。」こう言ってまとめに入っていこうとしたわけです。ところが、その後、池尾委員から、「金融審議会がエンドースした政策であると言われると困るというのが今の状況ではないかということですね。金融審議会としてこの政策をエンドースするということであればもっと議論が必要である」というふうに述べているわけです。これに対して堀内部会長は、「ここは結論を出す場ではないということでございまして、行政サイドからは皆さんのご意見をいろいろいただいたと考えます。したがって、事務局がどう動こうと勝手でございますと言われてしまえばそうですけれども、」こう言って、「それでは、時間がまいりましたので、」というふうになっているわけですね。
 つまり、勝手にやらせていただきますと。この場では合意がありませんでした、合意ができませんでした、しかし、いわばさじを投げて、やるならどうぞ勝手におやりくださいと。これは行政的な手続を了としたということではないわけで、どちらかというと、どうぞおやりください、勝手ですよ、それは、やるのは、しかし、ここでは合意はされていませんよ、こういう状況ではなかったんでしょうか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 この第二部会の最後の方で、部会長のまとめでございますが、先ほど先生もお触れになったところとも重なるんですけれども、最終的に部会長の方から、「事務局が説明した考え方についてご異論が出たということを踏まえた上で、さらに事務局と私とで検討させていただいて、予定利率の引下げというものを一つの選択肢として認めていくような準備を進めることをお認めいただきたいのです。」ということに対しまして、これは異論がなく、了承されたところでございます。
○佐々木(憲)委員 多数が反対だった、だから皆さんが了解するという筋書きどおりに進まなかったわけですね。したがって、勝手にやらせていただきますと言うしかないんですよ。
 なぜそうなったのかというのが問題であります。河野信用課長がこういう発言をしているんですね。「行政としまして、今、与党手続も進行中でございますので、行政の責任においてそういったものに対して対応していかなければいけないということはございます。」要するに、審議会ではまとまらない、反対が多数だ、しかし与党の自民党がやれと言うので勝手にやらせていただく、そういうことじゃないんですか。
○藤原政府参考人 この五月十二日といいますのは、連休明けからずっと議論をしてまいった途中の段階でございまして、その段階で審議会に御報告して御議論をいただいた。私どもは、それを踏まえまして、さらにここでお認めいただきましたように手続を進めていくということでございました。
○佐々木(憲)委員 ずっと議論をしていたのは、どこでだれがやっていたんですか。
○藤原政府参考人 予定利率の問題につきましては、昨年末のセーフティーネットのときから、さまざまな場でさまざまな御議論がありました。
○佐々木(憲)委員 一般論を聞いているんじゃないんですよ。この予定利率の引き下げ問題について法案を出すという議論を、ずっとだれがいつどこでやっていたんですか。
○藤原政府参考人 それにつきましては、行政部内で検討は進めておりました。
○佐々木(憲)委員 勝手に行政の中でやっていた、あるいは与党と一緒にやっていた、こういうことですか。
○藤原政府参考人 昨年末以来、行政の中でも検討を進めておりましたし、また、与党とも御相談をさせていただいておりました。
○佐々木(憲)委員 結局、審議会というのは何の権威も与えられていないわけです、これだと。要するに、いろいろな意見が出ている、しかし聞きおいて、ともかく既定路線で、国民に保険金のカット、年金カットを押しつけるという方向をずっと議論して、ともかくその方向で突っ走ってきた、審議会で多数が反対してもそれをやってきた、こういうことじゃありませんか、今の答弁では。
○藤原政府参考人 先ほどから申し上げておりますように、セーフティーネット問題等の議論の過程で、予定利率の問題についても議論がございまして、これを下げるか下げないか、それも含めての議論であったわけでございまして、一方的に下げるということを前提にして議論したというようなことではございません。
○佐々木(憲)委員 下げる法案を出しているじゃないか。下げる法案を出しているんでしょう。上げる法案、出しているんですか。こういう法案を一方的に準備しておいて、審議会は開くけれどもこれはもう関係ない、そういう位置づけで、これに縛られることはないんだというので出してきたんじゃありませんか。
 しかし、国民の認知は得られていない。どこで国民の認知が得られているんですか。何の証明もないじゃないか。そういう状態で勝手に出してきて、それで通せ通せと。とんでもない話だ。大体、そういうやり方が、これが一体世間に通用すると思ったら大間違いだ。
 ともかく、あなた方のやり方というのは、社会的認知も得られていない、審議会でも合意がされていない、反対が多数、与党の中でも異論がある、そうにもかかわらず、強引にともかく進めるんだ、これが実態だということは今の状況でよくわかりました。ともかく、あなた方のやっていることがいかに反国民的であるか、でたらめであるかということがこれではっきりしたと思うんです。
 一体、竹中大臣、これで国民の認知が得られると思いますか。
○竹中国務大臣 繰り返しになりますが、これは審議会で、金融審で御議論をいただいたときも、基本的な作業の進め方、作業の方向としては了とされたというのが基本的な認識でございます。
 この点は、堀内先生も、参考人として、契約条件を変更することを可能とする制度をできるだけ早く準備することが一定の合理性を持っているというふうに判断した、行政サイドで準備していただくという作業を進めてもらうことに関して部会長の責任で了解していただいた、そのような旨の発言をしたというふうにお伺いをしております。
 国民の社会的な認知、この国会での御審議というのはまさに国民の社会的な認知そのものであると私は思っておりますので、我々としても、精いっぱいこの趣旨を御説明申し上げて、御賛同をいただければというふうに思っておる次第でございます。
○佐々木(憲)委員 社会的認知が得られなければ法案は出せないというのがこれまでの結論だったんじゃありませんか。二年前はそういう結論が出ていて、出さなかったんですよ。これから社会的認知を得るんだ、法案を通してから、そんなばかなことはないでしょう。逆じゃありませんか、やっていることが。
 しかも、堀内部会長自身もト書きで書かれたものを読まされて。自分で言っているんだから間違いないんですよ、これ。そのことについて、「事務局がどう動こうと勝手でございますと言われてしまえばそうですけれども、」と、勝手にやっているということを自分でも認めているわけですから。
 こういうでたらめなやり方をして、ともかく国民負担だけは押しつけていく、私は、こういうやり方は本当に許せないと思いますよ。
 大体、この部会で出されたいろいろな意見がありますね。それは検討したんですか。さまざまな意見を念頭に置いてというのは、どう検討したんですか。
 例えば、この中に、川本委員はこう言っているんです。「小さな生保で数百億円程度、大きな生保で数千億円程度の助けになるという計算があると思いますけれども、予定利率を引き下げると解約率が今の一〇%」、一割、「が二割から三割になる、あるいは、新規契約が五割から七割ぐらいに落ちてしまうのではないかというようなシミュレーションもあって、損益影響を見るとその方が大きいのではないかという心配が考えられます。」
 このシミュレーション、試算、やってみましたか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 試算と申されましたけれども、なかなか、契約者数が変更することを試算の前提として行うというということは、ある保険集団をモデルとして構築する必要が新たにありまして、変動要素も含めて極めて複雑多岐にわたることから、そういう試算を行うことは困難であるということでございます。
○佐々木(憲)委員 困難であるということでやらないというのはおかしいじゃないですか。簡単じゃないですか、この数字を減らしていけばいいんだから、一割減らしたり、二割減らしたり。それで計算できるじゃないですか。最初からやる気がないんだ。今の答弁だと、これは難しいと。そんなことはないでしょう。何でやらないんですか。やる努力はしたんですか、一体。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 川本委員の御意見はそういう御意見としてございましたが、他方、私どもは、そういうものも織り込んだ上で自治的な手続の中で、そういう影響もあり得るということも考えた中で新たな契約変更の条件を検討してもらうということを前提に今回のスキームを考えておりまして、そういうことにならないように、一生懸命、自治の中で御検討を、努力をいただきたいというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 では、どう織り込んだんですか。一・五%、責任準備金一割カット、そこに、契約者がどういうふうに変動したか、どこに入っているんですか。
○藤原政府参考人 まさにそれを自治的な手続の中、検討の中で、そういう影響もあり得るということも踏まえた上で検討してほしいということでございます。
○佐々木(憲)委員 だから、数字でどう織り込んだのかと。そういう試算はやったんですか。試算はやっていないでしょう。変動したという前提――では、今織り込んだと言うんだから、それではその資料を出してください。
○藤原政府参考人 私の方は、あくまでも今回のスキームというのは、保険会社と契約者の間で、どういうふうなスキームであれば今後安定的な保険業を営んでいけるか、そういうのを自治的な手続の中で検討してくださいという話でありまして、私どもがそれをとやかく、こういうことを織り込めとか、こういう話をしておるわけではございません。
○佐々木(憲)委員 さっきの答弁では織り込んだと言ったでしょう、織り込んだと。織り込むということを言うことはできないんだと、今の答弁は。違うじゃないですか。では、さっきの答弁、撤回してください。
○藤原政府参考人 私は一貫して、自治的な手続の中で、その中で織り込んでもらうということだと思っておりまして、私の方で織り込んだと言ったつもりはございません。もしそれが誤解を与えるのであれば、撤回させていただきます。
○佐々木(憲)委員 結局やっていないんですよ、この試算は。やっていないでしょう。契約者が変動するということを織り込んだ試算は出しているんですか。
○藤原政府参考人 先ほども申し上げましたように、それは川本委員の御意見でございますし、それから、もう一つ申し上げましたように、仮にそういう試算をするとなりますと、ある新しい保険契約集団モデルをつくって、構築して、その変動要素も極めて多岐にわたるところであるということから、これについては行っておりません。
○佐々木(憲)委員 先ほど大臣は、さまざまな意見が出されて、それを念頭に踏まえてこういうものをつくったんだと。何にも踏まえていないじゃないですか。何にも念頭に置いていないじゃないですか。試算さえしていない。やる気さえないじゃないですか。何のための審議会で、何のための意見聴取をやったんですか。そこで出されていることを、しっかりと反論できるような材料を出して説得するというのは当たり前じゃないですか。言われっ放し、反論されっ放しで。あなた方のやり方に対して圧倒的多数の委員が反対をしている。こうなるんじゃないか、ああなるんじゃないか、こういうシミュレーションが必要だ。全くそれを無視して一方的にこんなでたらめな法律を出してくる。そんなやり方は絶対に通用しない。
 私は本当に、この審議会でこういういろいろな指摘がされていても、全くそれに対応しないという金融庁のやり方というのは本当にまあひどいものだ、最初に予定利率引き下げありき、これしかないと言わざるを得ない。
 こういうやり方で拙速にこの法案を出してきたということについて、竹中大臣、こんな法律は一度撤回してもう一度出し直したらどうですか、計算のし直しをやって。
○竹中国務大臣 先ほども申し上げましたように、この逆ざやという構造問題を解決していくのは大変難しい、したがって、今回のスキームに関しても非常に難しい問題があるということは我々も十分承知しております。
 そうした点についていろいろな御指摘をいただいたということも事実でございますが、繰り返し言いますが、先般の金融審では、これは全面的に反対された方は、私は四名ぐらいであったというふうに認識をしております。あとの方は、賛成の方もおありになれば、留保条件をもちろんおつけになった、この辺が問題だと。その上で、方向としては了だ、作業を進めるということに関しては了とするということであったというふうに思っております。
 そうした点、この過程でもいろいろな議論がなされました。経営者の責任はどうするのか、ほかの債務者はどうするのか、そういったことに関しては、例えばですけれども、総代会等々の通知の中にそのことを、どのように意思決定するかということをきっちりと書くというようなことも決めましたし、さまざまな皆さんの意見を織り込んでこの法律をつくっているつもりでございます。その点、ぜひとも御理解をいただきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 全然理解できません。大体、こういう試算さえ出さないというのは私はおかしいと思うんですね。
 委員長に申し上げたいと思うんですが、契約者の変動、川本氏が提案したような変化が起こった場合にどうなるかというシミュレーションを出してもらうように検討していただきたい。
○小坂委員長 理事会で協議をさせていただきます。
○佐々木(憲)委員 今回のこの法案の質疑全体、まだこれからも続くと思いますけれども、これまでの議論でも非常にはっきりしてきたのは、生命保険会社がこのような経営難に陥っていった大きな原因は、三利源によって起こったのではない、逆ざやというのはあるけれども、しかし、ほかの利益によってそれは埋められてプラスになっているわけですね。結局は株価が落ちてその他の損益が発生した、その他の損失が発生した、そのことによってこのような事態が生まれているわけです。つまり、政府の政策によって保険が追い詰められているわけです。
 本来ならばその政府の政策を転換し、保険業が契約者のしっかりとした信頼を得られるように、つまり契約内容が履行されるように指導していくというのが本来の政治のあり方だと思うんです。そのことを全くやらずに、ともかく大変だから契約者だけに負担をさせるんだ。しかも、国民の多数は反対している、審議会でも多数が反対している、野党だけじゃない、与党の中でも反対している。きょうの質疑だってはっきりしているじゃありませんか。そういう状態で強行するというのは、余りにも世論と国会を無視したやり方だということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○小坂委員長 次に、植田至紀君。
○植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀です。
 この間の法案の審議、ずっと聞いておりますと、やはりかなり、そもそも入り口から瑕疵ある法案だなという印象をますます深くするわけです。例えば、条文の意味内容を伺ったら、答弁で、条文を読み上げるような答弁をなさる。そういうやりとり、その意味で非常にむだに時間を浪費しているわけです。
 適切な議論をさせていただきたいと思っておるわけですけれども、実は、きょうはやや、法案に直接かかわるというよりは、むしろその背景に横たわっている問題を大きくざくっと二点ばかり伺いたいと思っております。恐らく、来週以降もたっぷりと審議時間が保証されるであろうと思っておりますので、この間の議論を踏まえて、法案に直接かかわるような話はまたたっぷり来週させていただければと思っているわけですけれども、恐らく御高配いただけると思っているところでございます。
 二つの問題といいますのは、実は、そもそも予定利率引き下げ云々以前に、金融行政として、金融庁として、ではまず、民間企業たる保険会社、生命保険会社が本当に適正なルールのもとで競争ができる、自助努力ができる、そうした環境をどう整備するのか、それがまず大前提だろう、そういう問題意識を持っているということでございます。
 そこで、お伺いしたいのが、きょうは総務省さんにもお越しをいただいているわけですけれども、まず第一点は、簡保と民間生保とのかかわり合いについてでございます。
 昔の、大昔のものを孫引きいたしますと、一九一六年ですから大正四年か五年になるんでしょうか、簡易生命保険法案の提案理由の説明の中で、普通保険の及ばざるところを補うというところが最も大切なところである、決して普通保険と競合するものではないと、はっきりと、既にもう何十年も前の話ですが、いわば民業の補完ということで創設されたものであるということは共通認識として持ち得るだろうと思います。
 さて、それからもう既に、この法律ができてから八十年以上たっているわけですけれども、民間生保がどうなっているか。市町村のカバー率でも九九パー、民間の生保のサービスが受けられない地域というものはほとんど皆無である。そういう中で、有力な一つの見解として、簡保の民業の補完としての役割というものは既にその歴史的な役割を終えたのではないかという有力な見解があるだろうと思いますけれども、その点について、金融庁そして総務省、それぞれから御見解をまずお伺いいたします。
○竹中国務大臣 総務省の方からまた御見解があろうかと思いますけれども、委員のお尋ねは、それぞれの役割がきちっと分化されていて、同時にそれがイコールフッティングというか、そういう状況になっているのかということであろうかと思います。
 言うまでもありませんが、簡保の事業は民業を補完する立場にある、これは基本的な考え方。それで、公平な競争条件が確保されなければいけない、そうした観点から、簡保事業そのものは、総務大臣の管轄、監督のもとで公社の業務がまさに適正に運営されなければいけないという性格のものでございます。
 我々としては、民間の生保の監督を行う立場でありますので、さまざまな立場で、それがまさに補完的であるかどうか、競争条件に問題点はないかということを常に議論しなければいけないというふうに思っております。
○野村政府参考人 お答えいたします。
 先生御案内のとおり、簡易保険は、万一の場合等の生活を支える基礎的な生活保障手段を提供するという政策目的のもとに設けられている制度でございまして、無審査で加入できるとか、職業による加入制限がないとか、保険金は原則即時で支払うというような、簡易に利用できる小口の生命保険として提供しているところでございます。
 国営事業として、このような基礎的生活保障サービスを国民にとって身近な郵便局を通じまして全国あまねく提供する、こういった意義は引き続きあるものと考えているところでございます。
○植田委員 とりわけ総務省のお話を伺っておりますと、今日的な存在理由がある、民業の補完という観点からの役割を果たしておる、そういう御見解でございますので、後ほどまたお伺いすることがあるかと思います。
 そこで、竹中大臣に伺いますけれども、少なくとも、例えば今話題になっておる予定利率にかかわっても、これは民間生保の設定と、簡易保険が置かれている客観条件がありますから、そこでの水準設定、やはり民間生保の側にハンディがあるということは、これは否定できないだろうと思います。
 そこで、竹中大臣として、私は簡易保険が何か弊害があるなんということは言いません、言いませんが、簡易保険が現実に民間生保と競合していることは否定することはできないだろうと思いますから、いい、悪いは別として、簡易保険が民間生保の、言ってみれば経営、営業活動等々にいかなる影響を与えているのか、その問題意識についてお話しいただけますでしょうか。
○伊藤副大臣 生命保険の経営環境というのは大変厳しいものがあるわけでございまして、そのことは事実だというふうに思います。
 しかし、これはさまざまな要因を複合的に受けた結果でございまして、その中で簡易保険の存在がどのような影響を与えたかということについて申し上げるのは大変困難なことではないかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、簡易保険というのは民業を補完する立場にあるというのが基本的な考え方でありますので、公平な競争条件というものを確保していく、このことが大変重要であります。総務大臣の監督のもとで公社の業務が適切に運営されていくものというふうに考えております。
○植田委員 そういうぐらいの御答弁だろうとは想定しておるわけですけれども。
 現実に金融市場が公正、公平かといった場合、運動会で、最初から十メートル先にスタートラインを設定しているのと、それこそ鉄の靴を履かされているようなハンディを背負っているのと、それはどう考えたって、市場が本当に適正なルールで動いているのかという点は、仮に民間生保の側から見れば、今おっしゃるようなことではちょっと、恐らく心の中でいろいろなことを思いつつも今御答弁されたんだろうとは拝察はいたしますけれども、遠慮していいところとあかんところがある。何のために金融庁をこしらえたんだということに話は行き着くだろうと思うんです。
 そこで、総務省、少なくとも支払い保証があり、租税免除があるわけですよ。国の手厚い保護を受けておる。それが民間生保と競合しているわけです。そしてまた、これから公社化して、どんどん事業分野を拡大するでしょう。そうなると、競争条件において公正である、適正であるということが言い切れるかどうかという疑問がわいてきても、これは全然不自然なことではないだろうと思いますよ。市場をゆがめるものではないかというふうに疑問を持ったとしても、これはごく自然なことだろうと思いますが、少なくとも総務省さんとしては、民業の補完として、民業の邪魔をしないようにささやかにやっているというふうにおっしゃるのかもしれませんけれども、問題が顕在化している以上は、その問題をいかに軽減するかということをきちんと認識しておいていただかなければならないと思うんですが、総務省さんは今のままで結構ですというお考えなんでしょうか。
○野村政府参考人 お答えいたします。
 先ほども申し上げましたように、簡易保険は、全国あまねく設置された郵便局を通じまして簡易に利用できる基礎的生活保障手段を提供する、こういった目的のために実施しているものでございますけれども、先生御案内のとおり、諸税等の負担が軽減されているというのは事実でございます。
 ただ、一方、不採算地域を含めた全国への店舗配置とか、取り扱いコストのかかる小口個人保険に限定されているとか、無診査保険に限定されているとか、保険の種類が法定されていて自由に拡大できないとか、資金運用対象が限定されているとか、例えば基礎年金の国庫負担分というのがあるわけでございますけれども、国営事業ということで、公社全体で三百五十億ぐらいになりますけれども、これについては公社が負担しているということがございまして、保険事業を行う上で民間生保にないそういった制約がございますので、官民、そういったことをトータルで考えてみれば、トータルとしてのバランスはとれているのではないかというふうに考えているところでございます。
○植田委員 後でもう一回総務省さんに伺います。
 きょうはお忙しいところ、この後も御日程あるんですが、一問だけ財務大臣にお伺いをして、その答弁が終わったら、次の会議の方、非常に重要な会議だというふうに伺っておりますので、立っていただいて結構です。
 何といったって、民間生保はちゃんと税金を納めておるわけですわ。諸税の納付が免除されておりますがと、あと何やかんやとおっしゃっていましたけれども。
 ちなみに、ちょっと単純な話だけ聞きたかったんです、ここは。財務省の立場からして、今の話を聞いていて、その現状についてどうお考えかということだけですとやや抽象的ですので、もう一つ加えますと、実際の簡保の事業総額等々を見たら、この分の余剰分を国庫納付していただくということに対する御期待も、財務大臣は、大いに、簡保の余剰分の国庫納付に期待があるんやないかなと思いますが、その点についてはどういうお考えでしょうか。
○塩川国務大臣 簡易保険、簡保が制定されました趣旨はもう申すまでもございませんが、比較的安い料金で安定した保険を提供して、非常に不便なところ、山間僻地でも保険に加入できるというその趣旨を、政府の趣旨を生かした保険でございまして、そのお金を大事に政府が預かって、産業の振興なりあるいは政府の行っておりますところの各般の行政のいわば資金として活用させていただいたということで、その意味におきまして、簡保の存在は、我々、財政上の問題としましても非常に重要な意味合いはあったと思って認識しております。
○植田委員 済みません、ちょっと足らぬので、すぐ終わりますので、もう一回だけ、大臣。
 郵政公社の施行令二条で、国庫納付金の規定があります。要は、「法第三十七条の政令で定めるところにより計算した額は、千五百億円と同条第一号に規定する当該期間の最後の事業年度の事業年度末の郵便貯金の預り金の総額の百分の三に相当する額との合計額から公社の資本金の額を控除した額」。これは郵便貯金なんですね。簡保についての余剰分への国庫納付には何か御期待はあるんですかということはいかがですかということを聞きたかったんですよ。
○塩川国務大臣 簡保につきましては、利益金は出ております。出ておりますけれども、これは全部法律に基づきまして、簡保の法律に基づいて契約者に全部分配しておりますので、差し引き余剰金はごく微量たるものしか勘定には残ってこないということでございますので、その微量なものにつきましては配当せずして積み立て、また次の利益分配の中に使っておるということをいたしております。
○植田委員 まあいいです、それはわかっていて聞いているわけですから。そういう枠組みになっているけれども、財務省のお立場として、簡保の事業総額を考えたときにいかがですやろかと。それは、今の御答弁でいくと、僕が何ぼ聞いてもそれは答えませんという御答弁だと思いますので、余りここで時間を割くこともないので、後何か会議もあるそうですから、御退席いただいて結構です。私の聞きたいことをわかっているからそういうことをおっしゃったんだなということで、どうぞ御退席ください。
 それで、総務省さんにお伺いするんですが、さっきからまさにお役所答弁を聞かせていただいているんですけれども、郵政事業についても、郵政公社は明確に独立採算制というのが規定されておるわけです。独立採算ということになれば、これは収益性が担保されなければならない、当たり前の話です。それが宿命です。とするならば、民間が持ってへん特性、特典を抱えておいたまま収益向上に走ったらどないなるんですか。そうなったら結果的に、民間生保の補完、その役割を逸脱することになりかねないでしょう。
 だから、現状において民業の補完をしっかり果たしていますではなくて、要するに収益性を担保しなければならないわけですから、結局そういう方向がやはり展望されてしまうわけでしょう。そういう事態は当然ながら郵政公社である以上あるわけですから、その点について総務省さんとしてどういうことをお考えなのかということをさっきから聞いておったわけです。その点、いかがですか。
○野村政府参考人 何回も釈迦に説法でございますけれども、簡易保険の使命は、簡易な生命保険を全国あまねく公平に提供するというのが私どもの使命、公社の使命でございます。そういった意味で、利益を追求するというよりも、そういったサービスを提供するというのを目的に我々公社の方は事業をやっているということでございます。
 具体的に、客観的に見ましても、私ども公社の簡易保険のシェア、ここ十年間ほぼ変わってございません。また、直近、昨年の状況を見ましても、簡易保険の保有契約件数で見ましても対前年比五・六%減、それから保有保険金額も三・九%減という非常に厳しい状況でございます。また、公社の中期経営計画、今後四年間の計画についても、百二十四兆円の資金が四年後には百十四兆円に減少するというふうに見込んでおりまして、簡保が民保を圧迫するというような状況にならないんじゃないかなと思っております。
 我々としては、今後とも引き続き、民間生保との機能分担の下に、それぞれの役割において国民の生活保障の充実に資していくということでやっていきたいと考えているところでございます。
○植田委員 役割分担をしてやっているので民業の補完としての意義を十分果たしているということを御説明されたわけですけれども、独立採算で収益を担保しなければならないでしょう、そうなれば、やはり収益向上に走らざるを得なくなるでしょうと私は聞いたわけですよ。計画でこうなっていますとか、実際、そんなに数値的には民業を圧迫していませんとか、そういう話じゃないんですよ。現実に収益性を担保しなければならなくなる、そうなれば、収益向上に走らざるを得なくなるでしょう。そこで、では現行以上の商品であるとかサービス料率、加入限度額等々が拡大されるようなことになったらどうなるんですか、答弁は求めませんが、そういうことを聞いておったということでございます。
 総務省さんにそれ以上の話を聞けると思って質問しているわけではありませんが、あとは金融庁さんに話を伺いますので、総務省さんもそれで退席していただいて結構です。
 そこで、あとは金融庁さんに、竹中大臣もしくは副大臣もいらっしゃいますが、総務省さん、お帰りになられましたので、ぜひ気楽に口を滑らせていただければというふうに思うわけです。
 現実に、私も社会民主主義という立場であります。これはどういうことか、やはり市場、資本主義を否定しているわけでも何でもない、適切な市場のルールがなければならない、公正な、適正な条件の中で競争ができる、そういう社会でなければならない。共産党さんに言わせると、そこは、よりまし資本主義というふうな表現もなさっておられますけれども、そういうことですわ、ありていに言えば。
 ですから、そこの適切な、言ってみれば金融市場の、ある意味ではゆがんだと指摘されるような市場をいかに再構築していくか、まさに、財金分離して金融庁をこしらえたというのはそこに意義があったんじゃないのかというふうに思うわけです。
 今回のこの簡保と民間生保の問題も、やはり、例えば生保市場全体を健全に発展させていこうとするんであれば、可能な限り競争条件は同一化されなければならない、当たり前の話を私言っているはずなんですよ。そしてそれは、金融審の将来ビジョンでもそのことを指摘しているわけですね、はっきりと。
 どうでもええことを、審議会の議論、ええかげんな議論をして、開き直って法案を出す前に、審議会で指摘していることをもっと物を言うていかないかぬと思いますよ。
 二〇〇二年、去年の九月、少なくとも民間金融とのイコールフッティングが確保されるとか、いろいろあるわけです、競争条件の同一化にかかわって。その点について、今どのようなお考えかということ。
 もう一点、簡保にかかわっての、私は何も総務省との共管を外せなんて、そんなことは言いません。ただ、金融庁の、いわばリスクの、資産領域だけの検査ではなくて、もっと簡易保険そのものに対して監督指導を積極的に関与できる、それはむしろ、金融庁の側から物言いをすべきなんじゃないのかと私は思っているんですよ。とりあえず、それはいろいろなあれがあるでしょうから、何も総務省との共管であかんとは言いませんよ、それでいいんですよ。ただ、その中で、金融庁が金融庁たる役割を果たすためにもっと物言いをすべきなんじゃないかというふうに考えているわけですが、その点はいかがですか。
○竹中国務大臣 市場における活力、活力ある競争を通してその業界全体が強くなっていく、ひいては契約者、消費者も大きな利益を受ける、これはやはり我々が考える経済の大原則であろうかと思います。
 そうした観点から、非常に大きな存在、公的な機関が存在している、そうすることによって幾つかの問題が生じる懸念というのはやはり常に持ちながら、競争条件が本当にイコールかどうかというのを我々は常に見ていく必要があるというふうに思っております。
 簡保と生保、これは今さら言うまでもありませんけれども、本当に税金が違う、契約者保護機構の負担金が違う、もちろん加入限度とか加入手続も違う、その中で、できるだけすみ分けをしようということで長年やってきたわけでありますけれども、非常に金融市場そのものが進化する中で、こうした競争条件がイコールかということを見直す努力は、これは常にしていなければいけない問題である、我々はそのように強く思っております。
 公社そのものは、これはできて間がないということでありますから、経済財政諮問会議等々でいろいろ議論をやるときも、まずは公社の立ち上がりを見てほしいということが総務大臣からもお話がありましたし、やはり新しい体制下でどのようにやっていかれるのかということを我々もしっかりと拝見をしなければいけないのだと思っております。
 ただ、いずれにしましても、委員御指摘のように、これはやはり常にその存在を見直していかないと、非常に大きな存在で、通常の競争条件とは非常に違う存在が厳としてこの市場の中にある、すみ分けのための幾つかの工夫は既になされてはいるわけでありますが、その点に対する見直しといいますか、不断の見直しはやはり我々は行っていかなければいけないというふうに思っております。
○植田委員 次に、二点目の質問に移りたいと思うわけです。
 二点目、午前中も議論になっていましたけれども、佐藤観樹先生が一点御質問されました、無認可共済の件でございますけれども、あのときの竹中大臣の答弁は、私、非常に不満なんです。
 たしか、情報収集に努めていますとおっしゃいましたね。そういう無認可共済の実態についての情報収集はしているとたしかおっしゃいました、記憶に間違いがなければ。それと、私なりに少し勉強していきたいと思うとおっしゃいましたね。覚えてはりますよね、数時間前ですから。今、そんな実態じゃないということなんですよ。大臣がこれから少し勉強するという段階ではないだろう。
 要するに、実際これは詐欺まがいの、もう説明はいいですから、後でまた、不特定多数が保険で、特定の人が共済なんだとか、そういうことはわかった上で聞いているわけですが、ただ、実際詐欺まがいの団体が多いわけです。国民生活センターには、ここ最近、やはりそうした苦情、相談というのは急増している。
 これは一つには、実際、消費者、国民から見れば、保険も共済も同じようなものなわけです。とりわけ、こういうマルチだったらお年寄りがひっかかりやすいだろうと思います。一見共済のようにしながら、実態は不特定多数になっちゃいそうな、そういうものはたくさんあるわけです。しかも、そういうものが現実に、例えば生保の営業職員さんなんかがなぜかいろいろなところで直面するわけですよ。そういう営業職員さんが、いろいろなそういう事例、顧客の方からの話を聞いてきたあれを見ると、明確に民間生保を誹謗中傷するとか、強引な勧誘をするとか、例えば、お客を二人紹介したら保険料が無料になるというようなマルチ商法みたいなものもある、そしてまた、説明会へ行ったら、何か知らぬけれども、その場で入ったことにさせられてしまうとか、実態はいろいろあるわけです。
 私は、それぞれ、固有名詞、オレンジ共済だのKSDだのありましたけれども、余りそういった、今、実際そうした活動をしているものの固有名詞までは挙げるつもりはありませんけれども、少なくとも、基本的に責任を持つ金融庁さんとしては、まず無認可共済事業の実態把握に努めるということは、これは可及的速やかに行わなければならない課題だ。情報収集をしています、少し勉強したいやったら、それはもう現状からすれば、そういう対応ではいかぬと思うのです。実態把握、これはきちっとした調査をして、それに対して、それを受けて、ではどんな対応をするのかということを考えなければならない時期に来ているじゃないでしょうか。その点、どうですか。
○伊藤副大臣 私も、今の金融の仕事をさせていただく前に、消費者保護の問題についても取り組みをさせていただきましたので、委員が御指摘されているさまざまな事象については同じ問題意識を持っております。
 この無認可共済の問題についても、これはさまざまな問題がございまして、これは、私ども金融庁だけではなくて、関係の省庁と緊密に連携をとりながら対応していかなければいけないというふうに思っております。
 その中で、私どもとして、やはり実態を正確に把握する、そのために情報の収集というのは極めて重要でありますし、その中で保険業法に抵触するものがあれば、これは捜査当局に連絡をして、適切に対応していくということが重要であります。過去にもそうしたことをしてまいりました。
 大臣も先ほど勉強をというお話がございましたが、私どももさまざまな実態というものを十分に見詰めて、ただ、共済というものは、委員御承知のとおり、これは規模もさまざまでありますし内容も非常に多岐にわたっているものですから、それを一律に規制するということになると、これは共済そのものの問題にやはりかかわってまいりますので、大変難しい問題があります。ただ、難しい問題がありますけれども、私どもとしてできることはどのようなことがあるのかということを十分にこれからも検討し、対応していきたいというふうに思っております。
○竹中国務大臣 今、副大臣、完全にお答えいただいているんですが、私の答弁で、情報収集の段階じゃないだろう、勉強の段階じゃないだろう、そういう御指摘がありましたので、あえてちょっと誤解のないように申し上げておきたいんです。
 情報収集というのは、不特定多数を相手にしているのであったら、これは保険業法の対象になります。そういう前提でないにもかかわらず、不特定多数をやっている、そういうことに関しては、既に財務局とか関連の協会から情報を集めるような仕組みがあります。そういった情報収集をやっていて、これは保険業法の対象になりますから、我々は既にそれに対してはちゃんと手を打っているというつもりであります。
 勉強すると申し上げたのは、そうじゃなくて、保険業法の外にあるようなものについて、ほかの役所になるのか、これは今すぐ金融担当大臣としてどうこうできるものではない、しかし、内閣の一員として、全体として何ができるかということは、これはちょっと考えてみる、勉強してみる、そのような趣旨で申し上げたわけです。
○植田委員 ですから、まず、共済というたって、根拠法のある共済はそれぞれ所管、監督官庁があるわけですから、とりあえずはそこが監督している、これから先はどうかは別にしても。ただ、要するに、根拠法がないというのは、これは監督官庁も何もないわけです。では、勉強するというよりも、それはむしろ金融庁が問題提起をし、発信していかぬことには、根拠法のない共済についての対応について、では、農林水産省が手を挙げるという、そんな話にはならへんと思います。そのために金融庁があるんやと思うんですけれども。
 ですから、それは、技術的にどういうふうな仕組みにするかはともかくとしても、少なくとも、根拠法のない共済を抱える、そういった意味での法令上の規制、監督の整備、そうした必要性はあるという認識は共有できるわけですから、なぜ金融庁がそこで手を挙げないんですか。手を挙げることを前提にして、その辺研究させていただきたいということであればいいんですが、そういう理解をさせていただいてよろしいですか、竹中大臣。
○竹中国務大臣 これは、しかし、いわば省庁の領域の問題でありますから、私一人で、これは私がやるというふうに申し上げるわけにも必ずしもいかない。しかし、問題がある、問題がしかも大きいということは認識をしておりますから、したがって、内閣全体でどのようなことができるかということは考えてみたい、そのように申し上げているわけです。
 そこは、だから、それぞれ領域がありますから、金融庁としてやるということを、これは軽々に申し上げるというのはちょっと差し控えなければいけませんが、しかし、問題があるということの認識を持って、どのような対応が可能かということは勉強させていただきたいというふうに思っているわけです。
○植田委員 といいますのは、それは、ここでうちが手を挙げますとは言えぬでしょうけれども、金融庁として問題意識を持って問題提起をせぬことには、一体どこが、文部科学省が問題提起をするんですか、国土交通省が問題提起をするんですか。最終的にどこが受けるかどうかは別にしても、金融庁がやはり問題提起していかぬことには、一体どこがやるんですかということを私は言っているわけですよ。
 それは、内閣全体で考えるに当たってのたたき台なり問題提起、論点整理でも何でもいいですよ、金融庁がまず口火を切らぬことには、どこもそんなこと言いませんよ。そういうことを言っているんですよ。私は、金融庁で引き受けるべきや、やるべきやと思っているんですけれども、それはよう言わぬと思いますけれども、そのために金融庁があるんでしょうという話なんです。
 というのは、実際加入者がいるわけですし、いろいろなトラブルが起こっているわけですから、そうしたいわば消費者保護、加入者保護のセーフティーネットというのは緊急な課題やというのは、副大臣にせよ大臣にせよ思ってはるわけでしょう。思ってはることはやはり口に出して言うべきじゃないですか。
 そこで、その意味では、共済と保険、これも、無認可も根拠法があるものも問わず、実際消費者の側からすれば同一視されているわけです。中長期的な課題からすれば、監督体制の一元化ということも含めて、中期的には金融サービス法みたいなものもイメージしてもええと思うんですけれども、そうしたことも金融庁なりには、やはりこれは短期ではなく中期的に展望されるべきだろうと思います。
 ですから、一つは、今既に、無認可共済についてのセーフティーネットの構築を初めとして短期的にすぐにやらなきゃならない問題、これはむしろ、いろいろおっしゃったけれども、金融庁が責任を持ってやらなきゃならないと思いますが、そうは言えないのであれば、やはり竹中大臣なりに問題提起をするぐらいの意思は表示していただきたい。
 もうちょっと中期的に考えた場合は、やはり金融庁がなぜこうしてこしらえられたのかということに立ち返れば、一々言いませんけれども、金融商品全般にかかわって一元的に監督をするということを常に理想として、夢として描いておく必要があるだろうということ。これは、金融サービス法などを展望して、もうちょっと中期的な話です。
 その二点、最後伺って、終わりたいと思います。
○竹中国務大臣 まず、問題意識は共有します、持っております。ただ、これはちょっと思い当たると、例えばネズミ講とかああいうものというのは、実はこれは警察が多分対象なんだと思うんですね、金融取引だけれども警察なのかなと。消費者保護であれば内閣府かな、それと法務省なのかなと。そういう問題があるので、これはちょっと勉強させてくださいというふうに申し上げているんです。問題意識は共有をいたします。
 最後の金融サービス法、これも何度か御議論をいただいたと思いますけれども、縦割りの規制から機能別、横断的なルールに転換するという問題意識は持っております。しかし、今までの業法でいろいろ整備されてきた問題もありますので、必要なものは、例えば例の金融商品販売法、そういうものは整備しつつありますし、全体として、縦割りから機能別、横断的なルールに転換できるような方向を、我々としても実際に進めていっているつもりでございます。
○植田委員 もう終わりましたので、ぜひ前向きにやっていただきたいと思っております。きょうは余りしんどい答弁をせないかぬ場面は私の質問ではなかったようで、ちょっとゆっくりできたかなという感じですね。終わります。
○小坂委員長 次回は、来る十日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時七分散会