第156回国会 経済産業委員会 第6号
平成十五年三月十四日(金曜日)
    午前九時三分開議
 出席委員
   委員長 村田 吉隆君
   理事 阪上 善秀君 理事 下地 幹郎君
   理事 竹本 直一君 理事 谷畑  孝君
   理事 田中 慶秋君 理事 中山 義活君
   理事 井上 義久君 理事 土田 龍司君
      小此木八郎君    奥谷  通君
      梶山 弘志君    小池百合子君
      河野 太郎君    佐藤 剛男君
      桜田 義孝君    西川 京子君
      西川 公也君    林  義郎君
      平井 卓也君    増原 義剛君
      松島みどり君    山本 明彦君
      渡辺 博道君    奥田  建君
      金田 誠一君    川端 達夫君
      後藤  斎君    鈴木 康友君
      中津川博郷君    松野 頼久君
      三井 辨雄君    山田 敏雅君
      河上 覃雄君    福島  豊君
      大幡 基夫君    塩川 鉄也君
      大島 令子君    金子善次郎君
      宇田川芳雄君
    …………………………………
   経済産業大臣       平沼 赳夫君
   国務大臣
   (産業再生機構(仮称)担
   当大臣)         谷垣 禎一君
   内閣府副大臣       根本  匠君
   経済産業副大臣      高市 早苗君
   経済産業副大臣      西川太一郎君
   経済産業大臣政務官    桜田 義孝君
   経済産業大臣政務官    西川 公也君
   政府参考人
   (内閣府産業再生機構(仮
   称)設立準備室長)    江崎 芳雄君
   政府参考人
   (内閣府産業再生機構(仮
   称)設立準備室次長)   梅村 美明君
   政府参考人
   (内閣府産業再生機構(仮
   称)設立準備室次長)   小手川大助君
   政府参考人
   (公正取引委員会事務総局
   経済取引局長)      上杉 秋則君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議
   官)           青木  豊君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議
   官)           中嶋  誠君
   政府参考人
   (経済産業省経済産業政策
   局長)          林  良造君
   政府参考人
   (中小企業庁長官)    杉山 秀二君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房審議
   官)           松原 文雄君
   経済産業委員会専門員   鈴木 正直君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十四日
 辞任         補欠選任
  増原 義剛君     西川 京子君
  渡辺 博道君     奥谷  通君
  小沢 鋭仁君     三井 辨雄君
同日
 辞任         補欠選任
  奥谷  通君     渡辺 博道君
  西川 京子君     増原 義剛君
  三井 辨雄君     小沢 鋭仁君
    ―――――――――――――
三月十三日
 脱原発に向けての政策転換に関する請願(中川智子君紹介)(第六九九号)
 同(阿部知子君紹介)(第八五〇号)
 中小企業の経営振興に関する請願(木島日出夫君紹介)(第七〇〇号)
 同(中津川博郷君紹介)(第七五四号)
 同(吉井英勝君紹介)(第七五五号)
 同(藤木洋子君紹介)(第八五一号)
 中小企業・中小業者の経営振興に関する請願(大森猛君紹介)(第七五六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 株式会社産業再生機構法案(内閣提出第三号)
 株式会社産業再生機構法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第四号)
 産業活力再生特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)

     ――――◇―――――
○村田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、株式会社産業再生機構法案、株式会社産業再生機構法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び産業活力再生特別措置法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、政府参考人として経済産業省大臣官房審議官中嶋誠君、経済産業省経済産業政策局長林良造君、中小企業庁長官杉山秀二君、公正取引委員会事務総局経済取引局長上杉秋則君、内閣府産業再生機構(仮称)設立準備室長江崎芳雄君、内閣府産業再生機構(仮称)設立準備室次長梅村美明君、内閣府産業再生機構(仮称)設立準備室次長小手川大助君、厚生労働省大臣官房審議官青木豊君及び国土交通省大臣官房審議官松原文雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○村田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山田敏雅君。
○山田(敏)委員 おはようございます。山田です。
 昨今、急に日本の経済情勢、危機的な状況になってまいりました。小泉さんが、大胆かつ柔軟に、あるいはまた、奇策をやらないで王道をやれと。これ、日本語の意味はよくわかるんですけれども、今議論しております、きょうも日経新聞に載っておりましたけれども、どこが大胆かつ柔軟なのか、どこが王道で、全然わからないという状況にあると思います。
 しかし、平沼大臣におかれましては、最も重要な経済閣僚でいらっしゃいます。今のところ、私たちには、具体的な今のこの危機的な状況を突破する景気対策あるいは有効な株価対策、きのうの報道でございました、けさの新聞にも載っておりますけれども、ほとんど株価対策として効果のない政策ではないかという議論がきょう出ております。
 そこで、きょう朝一番で失礼ですが、内閣として、大臣の立場として、今の景気対策、株価対策という点に関して、大胆かつ柔軟にというのはないわけですね、今、伝わってきませんので。きょうは、平沼個人として、大胆かつ柔軟に景気対策、株価対策、何が、私たちも議員は一人一人、個人的には、これを大胆かつ柔軟にやれば株価も景気もよくなる、こう思っているんですが、多分平沼大臣も個人的には、大胆かつ柔軟に今の株価、景気を打破するお考えはあるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○平沼国務大臣 御指摘のように、日本の今の経済というのは大変厳しい状況にあることは御指摘のとおりでございまして、株価も、昨日も七十四円安で、いずれ続いて八千円台を切り込む、こういう厳しい状況です。また、イラク情勢等もありまして、先行き不透明で大変厳しい経済状況だということは私もよく認識をしているところでございます。
 そういう中で、個人として、この景気対策、株価対策、何か意見があるか、こういうことでございますけれども、私は、今回の株安というのは、確かに日本の全体の経済の状況が悪いということがベースにあると思いますけれども、やはりイラク情勢が不透明だということが一番の大きな原因だと思っております。それは、世界の株が同時安に相なっている、こういうことでございまして、そういう意味では、例えば、きのうあたりのアメリカの株は二百ドル以上反発をしたというのは、今、イラクの情勢について、少し先延ばしになるかなというようなことが非常に敏感に反映されているところでありますし、またそれも原油価格にもそういうことがあらわれています。
 私は、日本のそういうファンダメンタルズ的なものは、全体の基調は悪いけれども、例えば企業の経常利益率というのは非常に、対前年度比、大幅に向上している、設備投資も一八%ぐらい上がっているというようなことを考えれば、本当にこれを慎重にとらえて対策をしっかりと講じていくことは必要だと思いますけれども、カタストロフィにはなることはないのではないか、こういうふうに見ています。
 そういう前提の中で、私は、きのう金融庁が発表いたしました一連のそういう対策、今山田先生は、大したことはないという御評価ですけれども、こういったことを、今ファンダメンタルズがそう極端に悪化しているということではないですから、そういう手を打つことも非常に必要なことだ、こういうふうに私は思っておりますし、また、平成十四年度の補正予算、そして今御審議いただいている十五年度の予算というものを確実に実行していくということも私は必要なことだと思っています。
 それから、景気対策に関しましては、三十兆円枠と、それから、補正予算を組まないという前提の中で昨年ずっと推移をしておりましたけれども、私は記者会見等でも、やはり柔軟かつ大胆にやるということであれば補正予算も必要ではないかというようなことも前もって申し上げて、結果的には、三兆円の補正予算、そして政策減税、それから三十兆円の枠にこだわらない、こういうことになりました。
 ですから、小泉総理も、景気対策については状況を見て、そして柔軟かつ大胆に対応する、こういう基本線でございますので、私は、景気対策に関しても、そういう前提にとらわれないでやるべきことはしっかりやっていくべきではないか、こういうふうに思っております。
○山田(敏)委員 大臣の個人的な御意見では、株価対策については特にないという御意見ですね、今お聞きしたところ、このままでいいと。株価対策には大胆かつ柔軟にやる必要はない、こういうことだと思うんですが、けさの日経に六名のアナリストの人たちの評価が、さっき申し上げたのは私の意見じゃなくて、金融庁の考えている政策については余り大きな効果は期待できない、こういうふうに言っているんです。
 問題の株価なんですけれども、これはもともと竹中大臣が不良債権処理をばんばんやると、もうやる前に、何をやるのかわからないときに言っちゃって、一気に株価が反応した。これは世界同時安でもイラクでも何でもないんですよね。政策の失敗。そういうことで今株が、世界、私は、今のファンダメンタルズに比べて日本は非常に安く評価をつけられていると思います。
 そして、今大臣がおっしゃったように、日本のファンダメンタルズは悪くない。確かに、企業の業績、経常利益は上がっているんですから、これは悪くないわけですね。悪くないんだったら、ちゃんとした株価対策をやれば株はちゃんと上がる、そういうふうな意味でおっしゃったと僕は理解するんですけれども、そこで、株価対策は何もありません、今のままでいいんですという意見だと、やはり経済閣僚として、重要な、今経済界で一番パイプを持っていらっしゃる経済産業大臣の意見としては余りにもお粗末だと思いますが、いかがですか。
○平沼国務大臣 私は、金融庁が発表しましたそういう対策、これをやはり経済アナリストの方が、それはいろいろ御批判なさると思います。しかし、朝刊等にも出ておりましたけれども、ああいった項目をやはりしっかり実施していくということは必要なことだ、決して効果が上がらないことではない、私はこういうふうに思っています。
 そこで、一つは、株価というのはやはり非常に経済動向に反映をいたしますから、先ほど申し上げたように、ちゃんと、国がやるべき、例えば補正予算の確実な執行ですとか、十五年度予算を一日も早く確実に執行して、そしてその予算の中に盛り込んだそういう諸施策を効果をあらしめるようにしていく、こういうことは私は大切だと思っております。
 アナリストはいろいろなことを言われています。例えば日銀がETFを買えだとか、そういうことがいろいろあるわけですけれども、そういったこともいろいろ一長一短もあります。ですから、そういう中で、金融庁が立てたああいったこともしっかりやることと、経済産業省といたしましては、私どもが予算に盛り込んだ、そして税制改正もお願いしておりますけれども、こういったことをしっかりアナウンスして、国民の皆様方はポテンシャリティーはあるわけですから、予算の確実な執行等がそういう形できちっと履行できてくれば、私は、それは株には反映されていくことだと思っています。
 また、きょう、例えば寄りつきも八千円台を回復するというような動きも出ていることも事実でございまして、ここは着実かつ、そして完全に実行していく、このことに尽きる、私はこういうふうに思っています。
○山田(敏)委員 森総理のときに、就任されたときには株価は二万円だったわけですね。御存じのように、小泉さんが就任されると一万四千円ですよね。今八千円の議論をしている。今、大臣の認識とは別に、やはり経済界はもう本当にとっくの昔に危機ラインを突破しているという認識なんですけれども、今のお答えは、私はせっかく朝一番で大臣の個人的な見解をお聞きできると思ったんですが、なかなか、内閣の見解を述べられて非常に残念なんですが。
 今、大臣最初におっしゃったように、企業は一生懸命リストラをして経常利益を上げてきたんですね。設備投資も少しやってみようかという動きになっているわけですね。ところが、株価が七千円とかになってくると、今、時価会計制度というのをやっちゃったわけですね。例えば三洋電機、きょう決算のあれが出ていましたけれども、非常にいい業績をやっている。ところが、時価会計で八千円とか七千円になってくると八百億円の赤字が出る、こういうことになっちゃった。もう身動きできない。
 例えば、この時価会計制度というのはもともと日本にはなかった制度なんですよね。簿価でやれば、株が上がったり下がったりこんなになって、毎回企業の業績はちゃんと着実にやっているのに、今言ったように八百億円の赤字が出た、あるいは今度はまたバブルになったら物すごい利益が出る。こういう制度を、もともと日本にはなかった、それを今時価会計にして、そしてこういうふうな異常な事態になってくると、どんどんまた不良債権処理を進めていかなきゃいけない。
 こういうのが大胆かつ柔軟な政策で、これをやればまた、あるいは民間の個人の投資家、これはもう全然逃げちゃって、株式の譲渡益をゼロにするとか、あるいは相続税を一時的にゼロにする、相続税の議論を別の機会にやりましたけれども、こういう政策は今すぐ非常に機動的にやる必要がある、私は個人的にはそう思いますが、もう一度、ではお答えを。
○平沼国務大臣 今御指摘の時価会計制度、これを例えば二年なら二年また凍結して簿価に戻せ、これは一つの考え方で、そういったことを主張されている方々は与党内にもおられますし、さらには経済アナリストの中にも私はおられると思います。
 この件に関しましては、私が専権事項じゃございませんで、総理を初めとして担当大臣、そういった方がおられます、そういう中の判断でありまして、私は一つの考えだとは思っておりますけれども、今、閣内にいる一員として私は経済を担当しておりますから、個人的な見解でも非常に大きなそういう波紋がございますので、一つの考え方である、こういうことは申し上げてもいいと思いますけれども、そういう私の立場も御理解をいただきたいと思います。
 また、今回お願いをしているいわゆる政策減税の中でも株の譲渡益課税というものを、当初は、二〇%というものを、私なんかは、いろいろな議論の過程では今おっしゃったようにゼロにしろということも主張しておりました。しかし、やはり税収との関係があって一〇%と、それでも大きな前進だと思っています。
 ですから、こういうものが動き出せば、投資家が、今までよりは非常によくなるわけですから、そういったことも期待できて、それが株価に反映されるんじゃないか、私はこんなふうにも思っているところでございまして、おっしゃる意味は私はよく承知をしておりまして、そういったことも含めて、やはり大胆かつ柔軟に政府としては対応していかなければならない、そういう基本線は私は持っております。
○山田(敏)委員 なかなか立派な答弁で。
 これからイラクの戦争が始まってさらに原油あるいは株価というところで、国民、経済界は、非常に大きな不安と大きな危機感が今蔓延しております。ですから、今の答弁をずっとこれから繰り返されると大変なことになると私は思いますので、経済産業省としては、ほかの大臣よりも一番早く一番機動的に手を打てる、こういう体制でぜひやっていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それで、次の質問ですが、一年半前から大臣に何回もお願いしているんですが、中小企業の方の倒産が非常にふえておりまして、みずから命を絶たれる方が一日に約二十人とか三十人とかいうことで、これは、一日も早く日本の非常に野蛮な個人保証制度を改めないとたくさんの人の命が失われるという状況を去年から御説明申し上げました。
 日本だけが、中小企業の借り入れをするときに社長が個人保証をしなきゃいけない。無理やりにやらされる。大企業の経営者は個人保証をしなくていいですと。そして、倒産したときは身ぐるみはがれて、家族は生きていくことができない。御主人は、自分の生命保険で皆さんの、家族の生活費をということで自殺をされるわけですね。そういう制度は、実は日本だけなんですよね。
 アメリカでは、前、何回も申し上げましたように、自由財産というのを残してあるから、一年間、家族が生きることは、生きる生存権を保障している。ドイツでは、銀行がそういう優越的な条件を結ぶ、そのこと自体をもう禁止している、こういうことでございます。
 そこで、経済産業省主導になっていただいて、個人保証制度、まず自由財産を、一年間生きていける、生存できる、その額をしっかり早く政府として、倒産法部会ですか、そこで、法務省でやっているんですけれども、三月に結論を出すということで大臣は答弁されたんですが、いまだに出てこない。聞くところによると、夏までかかる。今言いましたように、一日に二十人、三十人の方が命を落とされているわけですから、一日早くやれば二十人の方の命を救うことができる。私はそういう意識を持って今まで何回もここで議論したんですが、大臣はそういう意識を持っていただいているんでしょうか。
○西川副大臣 山田先生が、昨年の十一月の十三日、二十日、二十二日と、さらに法務委員会、御熱心にこの問題に取り組んでおられます議事録を、この御質問をいただいた時点から丹念に勉強させていただきました。中小企業者に対する思いの深さというものに、まず敬意を表したいと思っております。
 その上で、先生のおっしゃるようにアメリカでは、約、百二十円で換算しても四百万円近い、三百七、八十万でございますかね、自由財産を残している。それに対して、我が国は、大体一カ月の生計費ということで二十一万。アメリカでは、テキサス州やフロリダ州では、金額のいかんを問わず家や土地は一切没収しない、こういう特例もある。ドイツでは全くない。
 ただ、私どもの研究によりますと、アメリカでは、スモールビジネスエージェンシー、中小企業庁でございますが、これは、企業の所有二割以上のオーナーに保証させるという仕組みもまだ残っている、こういうふうに承知をしております。
 しかし、先生のおっしゃるとおり、先生の御説によれば、三万三千人を超える自殺者のうち、一万五千人が経済的事由である。このことに対して、私どもとしては、まず担当課長をこの部会に出して、検討、部会の前のお役人同士の予備の折衝では十分意見を申し述べていますし、それから、中小企業者の方にもこの委員に加わっていただいて実情を訴えていただいている、そういう努力をしておりますことを御理解いただきたいと思っております。
○山田(敏)委員 では、結論はどういうふうになっているんでしょうか。
○西川副大臣 先生のおっしゃるように、できるだけ早くこの部会で結論を出すというところで今鋭意詰めているところでございますが、先生のお尋ねはそこでございますけれども、しかし、私どもの方の役所の政策としても、個人保証を必要としない融資の制度を拡充したり、それまでのびほう策といいますか、つなぎといいますか、そういう努力も拡充しているということでございますが、結論としては、まだいつという時期を明言できない、こういう状態でございます。
○山田(敏)委員 こういう縦割りで、法務省がやっている。では、オブザーバーで経済産業省から課長は出ています、こういう形だと思うんですけれども、法務委員会でも言いましたけれども、その審議会の部会の委員が七割の方が学者さんですね、大学の先生。一度も個人保証をやったことのない、一度も個人保証で死ぬ目に遭ったことのない人がこの議論をしているんですね。これは、委員の任命がおかしいんじゃないですかと大臣に言いましたけれども。
 そこで、やはり、経済産業省が発言権を持って、やれることをもっと強く言っていただきたいと思いますので、大臣、よろしくお願いいたします。
○平沼国務大臣 西川副大臣からも既に答弁させていただいておりますが、私どもは、担当課長が出ております。中小企業の非常に苦労されている、そういったことはその法制審議会の中でもしっかりと伝達するように、力強くやっていかなければいけない、そういうことで私も督励をしているところでございます。
○山田(敏)委員 そこで、今西川副大臣の話もありましたけれども、担保と個人保証に頼って今まで間接金融をやっているわけですね。平沼プラン、新しい企業、新しい事業をどんどん育てていこう、こういうことを言われました。
 私も、地元のいろいろな、元気のある、これからどんどん伸びていく、そういう会社を回ってみました。要するに、直接金融が日本に根づかない。ベンチャーキャピタルはあるんだけれども、非常にそれが有効に使われない。こういう企業も、最近、非常に元気がなくなってきました。これはITの検査機器をやっている会社なんですけれども、せっかく上場間近で頑張っていたんですけれども、全然、もちろん今の銀行の融資とか投資とかそういうのは一切ない。では、直接金融で自分でやらなきゃいけないということなんですけれども、大臣が一生懸命言っていただいたんですけれども、余りにもアメリカのやり方と、日本の直接金融のやり方がうまくいかないんですよね。
 前の国会でも申し上げましたけれども、アメリカのベンチャーキャピタル、全部で大体五兆円ぐらいというふうに言われておりますけれども、そのほとんどは、物すごい大規模な投資家じゃなくて、普通の個人の、三百万円とか五百万円とかそういう額の投資をされるベンチャーキャピタリストですね。しかも、それは自分の住んでいる家の半径五十キロの中にある会社に投資をする、これがほとんどなんですよね。なぜかというと、車で十分で行って、社長に会って、今会社頑張っていますか、うまくいっていますか、いつでも確かめられる。自分が投資したお金が心配じゃないですね。東京でロンドンの会社に投資したら、もう見に行けないですね。だから、それがほとんどなんですね。
 それと、地元の証券会社、これがしっかり情報を持っていて、会社の情報あるいは投資家の情報を持っている。それをうまく結べている。そうすると、三百万、五百万投資する投資家がたくさんいるんだけれども、今の日本の状況ですと、企業会計ですね、中小企業のバランスシート。ちょっとこれは信用できない。あるいは、それを扱う証券会社がどうも本当に本当のことを言っているのかわからない。
 最後に、エンゼル税制ですよね。五百万投資して、全部なくなるかもしれない、あるいは十倍になるかもしれない。なくなったときにちゃんと損で落とせるということだったらば、積極的に、安心して、この三つの条件がそろえば大きな力になって、今申し上げましたように、間接金融、銀行の金融もほとんど当てにならなくなった、では、元気な会社、これから伸びていく会社というのは直接金融をやるしかない。重要な不備があるわけですね。
 これは大臣、よく御存じだと思うんですけれども、本当にまた大胆かつ柔軟な姿勢でこれを具体的にやっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○平沼国務大臣 確かにアメリカはそういった意味で、一九七〇年代は、アメリカは三つ子の赤字を抱えて大変呻吟をしていました。そういう中で、やはりどんどん新規の企業を創造して、そして活力をつけよう、こういう形で、バイ・ドール法に象徴されるようないわゆるプロパテント政策というようなものもとりました。
 その一連の中で、大幅な規制緩和ですとか、今御指摘のようなそういう仕組みもどんどん育てていって、それが大きく結実して、そして五兆円、こういうことをおっしゃいましたけれども、残念ながら、今日本はその二十五分の一の規模でしかありません。
 しかし、そういう中で、私どももそういったところは必要だということで、新規の開業に対しては、これは臨時国会でお願いをして、新規創業のためには事業計画だけに着目をしてそして融資をするという制度をつくらせていただいて、これは、おかげさまで、従前に比べて十倍のスピードで、そういった形で利用をしていただいているということも事実です。
 さらには、もう少しいろいろ仕組みをやりやすくしようということで、中小企業の投資事業有限責任組合につきましては、昨年の秋の臨時国会の中で、投資の対象を拡大する、こういうことで、より利用しやすくするようなこともさせていただいたところでもございますし、エンゼル税制のこともお話しになられました。
 エンゼル税制では、前から日本もありましたけれども、しかし、それは結果に対してのそういうフェーバーを与えるという形で、これはアメリカ型でやはりしっかり特別控除制度と連動しなければいけない、こういう形で、いわゆる投資時点でやる、こういうことも、まだ十分ではない、こういう御指摘がありますけれども、やらせていただいたところです。
 したがって、私どもとしては、そういう、日本には、やる気のある、能力のある、そういったベンチャーを起こそうという人たちはたくさんおられるわけですから、そういった方々がさらに飛躍できるような体制というものを、今幾つかやってきておりますけれども、さらに拡充をしていかなければならない、このように思っています。
○山田(敏)委員 私が今議論申し上げた、確かに去年、かなり進歩して、五百万円とか一千万で創業しようという方はかなり救われたと思うんですけれども、今日本の経済は、大きく飛躍しようと思うと、もうちょっと先のベンチャービジネスの方たちがもう一段事業を大きくしよう、そういうことが日本の各地に起こってくれば、日本の経済を下から支えることができるんですね。そういう意味で、私は、そういう会社を訪ねていったんですね。
 その中で、今申し上げた、例えば一億円とか二億円とかいう直接金融の場合は、全然うまくいかないんですね。さっきおっしゃったように、五百万円とか一千万というのは、今新しい制度ができて、すぐにできるんですけれども、例えば数億円の規模でさらに会社の基盤を大きくしようとかそういう場合は、ほとんど機能しない。それは、投資家の立場に立った政策がないんです、今言いましたように。自分の周りの企業の、住んでいる近くの情報がわからない。それから、企業会計の情報の基準あるいは監査の基準、それが本当に信頼できるものかどうか、それがわかっていない。だから、投資をする人の気持ちに立っていないんですね。それを私は申し上げたんです。
 今の段階では、確かにこのレベルの人たちの直接金融がうまくいく政策を緊急にやらないといけない、エンゼル税制もアメリカ並みのエンゼル税制を今すぐやらなきゃいけない、そういうふうに思うんですけれども、いかがですか。
    〔委員長退席、下地委員長代理着席〕
○平沼国務大臣 今、確かに、日本の、そういうベンチャーを含めて、規模がある程度大きいところに対する対策というのは、御指摘のとおりの現状だと思います。
 そういう意味では、第一歩として、エンゼル税制というものに手をつけさせていただきました。それから、あと、例えばもう少し大きくなりますと、制度としては、商工中金なんかで大型の無担保無保証制度というものがあって、これも御利用いただいております。しかし、投資家育成というそういう視点は政府としてもしっかり持っていますけれども、それを、御指摘のように、拡大して、そしてこの国の競争力、経済活力を高めていくということは非常に必要なことだと思っておりまして、私どももそういう意識でこれから積極的に手がけていかなければならない、こういうふうに思います。
○山田(敏)委員 中小企業再生支援協議会についてお尋ねいたしますけれども、各県に一つの協議会をつくるというプランだそうですが、大体一月に何件ぐらい相談に来るんだろうかという予想をされているんでしょうか。
○桜田大臣政務官 お答えさせていただきます。
 中小企業再生支援協議会につきましては、多様性、地域性といった中小企業の特性を踏まえて、地域の金融機関や専門家などのさまざまな関係者の参加を得て、きめ細かな支援をしていくところでございます。
 再生計画の策定を支援することを主たる目的としておりまして、当省といたしましては、個別企業の再生に関し特定の相談件数を想定しているわけではございません。しかし、広範な中小企業の相談にできる限り応じられるような体制を整備しているところであります。
 これまでに、既に十五の道府県の協議会で相談業務が開始されているところであります。三月の十二日までに百三十五件の相談が寄せられております。例えば、北海道では二月の十九日から三月の十二日にかけて三十六件の相談、また、宮城県では三月三日から三月十二日までに三十二件の相談が既に寄せられているところでございます。
 当省といたしましては、これらの協議会が円滑に機能し、中小企業の再生支援を適切に行えるよう、今後とも支援していくところでございます。
○山田(敏)委員 今おっしゃった、三月一日から十二日に三十二件。一月に大体百件近くという数字を今挙げられたんですが、では、その中身、何を協議会でやるのかということを今おっしゃったんですけれども、個別の企業が再生について案件を持ち込んでくる、それを相談して、それについて専門チームをつくっていく、この会社についてはどういう案で、どういう対策でどうやるか、こういう計画なんですね。では、だれがそれをやるのか。例えば一月に百件来たら、どんな専門家が何人というのはもう当然あるわけですね。
 ですから、今予想できないとかおっしゃったんですけれども、大体今予想がついているわけですね。今、補正予算で二十億この協議会について予算をつけられている。この二十億の予算は、全国四十二の都道府県に、専門家を各県に二人、この人件費に充てます、こういうことらしいんですけれども、ではその二人で、一月に百件の中小企業の再生を、プランをつくって、そして債権者を集めて平等に話し合いをして、そして債権放棄をしてもらって、それから、だれか協力者を入れて、そして会社の営業を立て直して、そういうプランはできるんでしょうか。
○西川副大臣 今、桜田政務官がお答えをしました数字でございますが、中小企業総合事業団の中に中小企業大学校というのがございまして、そこに三月の初旬から、実は今、年度内に成立をさせていただきたいと思っております支援センターは二十八予定していて、二十五がもう立ち上がっているんです。福井県が二月の七日で一番早いんでございますけれども。そういうところに、今、先生御指摘のように、専門家は二人、場合によっては三人、こうやっているわけでありますが、それ以外に、補助的な職員といいますか、関係機関の職員が大勢おりまして、この皆さんを、さっき申しました総合事業団の附属の大学校で教育を今一生懸命していただいております。
 アメリカと違って再生ビジネスがまだ未熟なところでございますので、なかなか専門家というのがいないのが実情でございますが、鋭意、追いつくように人員もふやしております。どうぞそのことを御理解いただきたいと思います。
○山田(敏)委員 この支援協議会は、各県に、例えば商工会議所の副会頭とか、十人程度で上げて、そしてこの会社を再生するか、あるいは倒産してください、こういうふうにやることになっているんですね。
 ところが、その十人の協議会のメンバーの方は、今言いましたように、商工会議所の副会頭ですとかいろいろおっしゃったんですが、商工会議所の副会頭、例えば私は広島県なんですけれども、例えば広島ガスの社長だとか、広島銀行の会長だとか、そういう人たちが一月に百件のことを、上げたものをその場で協議する。これは物理的に、想像するだけで不可能ですね。その人たちに会社をやめてもらってここへ来てくださいというならわかるんですけれども。
 それを、では、指揮する人は二人専門家がいますと。これも難しい。まして、中小企業の再生というのは、今まで、日本では極めて難しい。債務超過になって、もうどうしようもなくなった会社をもう一回というのは、大企業は例があるんですけれども、中小企業の場合は、これはもうほとんど不可能です。一たん再生支援協議会に入ったというふうになると、取引先が、幾ら、だれが支援しますとか何を言っても、もう二度と、債権放棄するわけですから、もう一回取引しようかという人はいないんですよね。だから、極めて難しい。
 そんな難しい事業を月百件もやるのにこういう協議会でやるということは、考えただけで物理的に不可能だと思うんですが、谷垣委員長、何か御意見はございますか。
○谷垣国務大臣 突然御指名になりましたので、上手に答弁できるかどうかわかりませんが、今委員のおっしゃっていたことは、確かに非常に難しい点だと私も思います。
 それで、とにかくぎりぎり頑張ってきて、さあ何とか手を入れようと思ったときに、もう施しようがないというような状況になっているのは多い。その前提として、今おっしゃったように、万が一再生だというようなことになると、もうあそこはだめだということで、取引先もみんな見放してしまう、こういう非常に、何というんでしょうか不名誉という烙印が押されるということが今まで多かった。そこをどう脱却して、いわば病気に例えますと、早期にお医者さんに相談して早期に手術をするか、そういう仕組みをどうつくっていくかということで、今みんなで苦労しているんじゃないかと思います。
 経済産業省でやっておられるそれぞれの地域の協議会も、今おっしゃるように、ではすべて全部さっささっささばけるかというと、それはノウハウの蓄積や何かはこれからだと思いますが、しかし、今までどこに相談に行っていいのかわからなかった、ここにやはり、門をたたいてみよう、そういう工夫だと思いますし、私どもの機構も、やはりそういう意味で、早期に治療をし早期に手術をする、そういう大きな、何というんでしょうか、カルチャーの変化と言ったらちょっと言い過ぎかもしれませんが、そういうものを試みるための装置なのではないか、私はそんなふうに、先生の御議論を聞きながら認識しておりました。
 ちょっと所管違いをお答えしたかもしれません。申しわけございません。
○西川副大臣 お時間をいただいて、できるだけ手短にやりたいと思います。
 先ほどの桜田政務官の御答弁はとりあえず全体を申し上げたのでございますが、例えば北海道は、二月十九日に開設して三月十二日までに三十六件、これは多うございます。それから宮城県は、三月三日に開いて三十二件、これも非常に多いんです。しかし、ほかで例えば四件とか二件とかございまして、そういう、例えば先生の広島県は、三月十一日に開いて九件でございます。広島の場合には、商工会議所の会頭さんが責任者になっていただいて、四人の専門家が銀行からおいでになったり、その他、専門職の方がやっていただいたほかに、さっき申しました関係機関の職員がいらっしゃいます。
 したがって、今後、これでフィックスするということじゃなくて、要するに需要に応じて柔軟に対応していきたい、こういうふうに思っております。
○山田(敏)委員 去年、法改正等で中小企業の信用の枠の問題とか新しい担保の問題をやりましたので、私は地元でその件について二百社ぐらいでセミナーをやったんです、前に申し上げましたけれども。それをやって以降、個人的に相談に来られる方がだんだんふえてまいりまして、その方の中身を聞くと、もうほとんど、非常に難しい債務超過を起こしていらっしゃるんですね。これを何とかしようと、もちろん債権放棄なんですけれども、平等に、しかも信用を保つやり方でというのは、しかも経営者をそのままに置いてやる、これは本当に難しいことだと思いました。それは率直に申し上げます。
 それから、今の件数ですけれども、広島県全体で一月に幾らかなと。私の今相談を受けている感覚とかが、今三月十一日から九件とおっしゃいましたね、これはまだはっきりPRとか、この中小企業再生支援協議会を知っているという方はほとんどいらっしゃらないんですね。正式に四月にこれは施行になると思うんですけれども、しっかりPRをしたら、恐らく百件という数ではきかないと私は思います。ほとんどの中小企業は、今銀行から借り入れとか融資というのはほとんどとまっていますから、それでここに駆け込んでくるというのは相当の数になると思いますので、それはちょっと、少ないということは、必ずそういうことはないと思いますので、体制をしっかりやっていただきたいと思います。
 副大臣、では、もう一度。
○西川副大臣 御指摘を踏まえて、臨機に検討して対応してまいりたいというふうに思っております。
○山田(敏)委員 それから、一番のポイントは、今副大臣もおっしゃったように、人材の養成、これをきちっとできるという人たち、これは二十億ということですので、非常に少ないですから、もう一気に十倍ぐらいやってもまだ間に合わないんじゃないかというふうに思いますので、その点もまた指摘しておきます。
 最後に、ちょっと、大臣が先ほど申されたように、今、いろいろな信用保証の枠とか、経営革新の枠がありますよとか、新規事業の信用の枠がありますとか、あるいは業態を転換するときの枠がありますとか、あるいはひっかかったときにそれを保証する枠があります、こういう、本当に物すごいたくさん枠があるんですね。これを利用したいということで申し込んで、例えば、あなたの会社は経営革新的な事業なり技術がありますという認定を県から受けるんですね、印籠みたいなものですけれども。それを持って信用保証協会に行って、これで枠ができましたと思って行くと、それはもう何の役にも立ちません、おたくの会社は返済能力でできるのは二千万円までです、それで終わりですと。でも、ここにいろいろな制度があって、中小企業庁の制度があり、この制度があって、私の枠は八千万ですと言っても、これは何の意味もない。保証協会は、返済能力があるかないか、これを外したらモラルハザードが起きますから。そういう相談がございました。
 ですから、今、大臣、せっかくいい制度をつくりました、いい制度をつくりましたとここでおっしゃっているんですけれども、現実の現場ではそういうものが全く機能していないということがございますので、それを最後にちょっと御答弁いただけますか。
○平沼国務大臣 認定制度の意義といたしましては、支援策の利用という観点のほかに、中小企業がみずから事業計画を作成いたしまして認定をとるというプロセスを通じまして、中小企業自身の経営の質を高めていく、こういう側面は一つ確かにあると私は思っております。
 御指摘のとおり、法律による認定を受けると直ちに政府系金融機関の融資や信用保証の特例等の支援が受けられるものではありません。これは、都道府県等が計画の認定を行う際には、事業の革新性等に着目をして審査を行っておりまして、中小企業の具体的な返済能力等の審査は行わない。そしてまた、一方、政府系金融機関や信用保証協会においては、当該計画認定は尊重をしておりますけれども、御指摘のように、認定企業に対して返済能力等の審査を具体的に行っているために、認定を受けた中小企業の中には融資や保証が受けられないケースが出ていることは、事実、承知をしております。
 いずれにいたしましても、認定を受けた中小企業について、私ども、政府系金融機関、保証協会等が審査を行うに当たっては、そういう認定が出ている企業ですから、その中小企業者の潜在力や発展性を十分踏まえた総合的な審査を行って、しゃくし定規に返済能力だけに着目してやる、こういうことじゃなくて、そういう総合力を評価するということは私は必要なことだと思っておりまして、それをしないと仏をつくって魂入れずということになりますので、私どもは総合的にそれを判断するように指導していきたい、このように思っています。
    〔下地委員長代理退席、委員長着席〕
○山田(敏)委員 今、大臣がおっしゃったとおりなんです。私も、保証協会に行って同じことを言いました。
 広島県の信用保証協会は、去年から赤字になりました。総合的な判断をやっている場合じゃない、自分のところが赤字になって、今返済能力を見ないとできない、こういう現実も起こっていますので、保証協会をまず救ってあげないと、もう全然その判断がかたくなっちゃって、せっかく今大臣おっしゃったとおり、私も言いました、大臣おっしゃるとおりだと思います。革新的な技術、革新的な商売を持って認定を受けているんですから、これについて何らかの評価をしないといけない。しかし、全く評価しない、全然評価しないんですよ。これは現実に起こっていますので、もう一度大臣、保証協会を救うことも一つの手段として重要なことで、それから今おっしゃったことが実現できると思いますので。
○平沼国務大臣 確かに、信用保証協会の財政というのは非常に厳しくなってきていることは事実です。そして、一兆円以上用意していたものをずっと取り崩してきておりまして、前期は六千億の赤字が出ました。そして、向こう三年間で九千億の赤字が出るということが必至です。今七千億ちょっとある融資基金を一部取り崩して充てているということと、それから補正予算で二千億手当てをさせていただいて、厳しい中ですけれどもそういう保証体制の充実に努めております。やはりこの保証体制というものの維持というのは必要ですから、厳しい中でも、私どもは必要な財源というものはぴしっと確保していかなければいけない、このように思っています。
○山田(敏)委員 質問を終わります。ありがとうございました。
○村田委員長 河野太郎君。
○河野(太)委員 自民党の河野太郎でございます。(発言する者あり)とりあえず今自民党でございます。
 谷垣大臣にお伺いをしたいと思います。
 再生ファンドの方と話をしていると、こうした債権の買い取りビジネスというのは、個々の案件ではねらったとおりの利益率がなかなか出ないことが間々ある、場合によってはロスを出してしまうことがある、しかし、ポートフォリオの中でならしてみると、大体ねらいどおりの利益がとれているというような話のようでございます。
 恐らく、新しくこの法律が通ればできる機構についても、個々の案件ではねらったとおりの利益といいますかはとれないかもしれない、あるいは場合によっては二次ロスが出るのかもしれない。しかし、トータルで機構全体で見るとそれなりの目標のところに落ちつく、そういうふうに大臣もお考えでしょうか。
○谷垣国務大臣 今までも御議論がありましたように、必ずしもこういうノウハウが日本の経済社会の中に十分あるわけではありませんので、本当にそのようになるかは、これからのやはり努力というかそういうものにかかってくる面が多々あると思います。
 しかし、大きな見通しとしては、今河野委員がおっしゃったように、個々のものではそれはプラスマイナスいろいろあると思いますが、全体として、私は今この場で収益を上げるというところまで言い切る自信は正直言ってございません。やはりリスクのある仕事ですから、最後閉めたときに若干ロスが出てくる可能性というのも私は多分にあると思いますが、それを最小にしていくという努力をしなければならない、こう思っております。
○河野(太)委員 今の大臣のお話ですと、個々の案件ではばらつきがあるけれども、全体としてどこかのところへ収れんさせていきたい、場合によってはそれがマイナスのこともあり得るということでございますが、そうしますと、この機構の中で買い取り価格に関して最終的に責任を負うのは社長なわけですね。再生委員会の委員長ではなくて社長が最終的に全責任を負う、そういうことでよろしいですね。
○谷垣国務大臣 これはいろいろな株式会社も、業務執行の責任を負っている社長と、それから意思決定の合議体であるボード、取締役会の議長である会長と分かれている例がございます。しかし、やはり責任者はいわゆるCOE、社長だと思いますね。そういう意味で、この責任者はあくまで社長でございます。ただ、専門家の知恵を集めて、その価格の合理性、妥当性を判断するために委員会の決定を経て行う、こういう仕組みでございます。
○河野(太)委員 もう一度確認しますが、委員会が専門家の英知を集めて出した価格としても、ポートフォリオに責任を持っているのが社長であるならば、社長がそれをオーバーライトして価格を変えることもあり得るわけですね。
○谷垣国務大臣 これは、やはり委員会の決定を経ないと行えない、こういうことでございます。
○河野(太)委員 話がおかしいと思いますが。個々の案件ではいろいろ問題があるけれども、最終的には機構でならすんだと。ということで、もし社長が委員会の決定を覆せないならば、社長は責任を負えないじゃないですか。
○谷垣国務大臣 それは、個々の株式会社の経営でも、取締役会の決定というものを社長が覆す権限は持っていないはずでございます。
○河野(太)委員 そうすると、この再生委員会というのは取締役会なんですか、それとも専門家の英知を集めたアドバイザリーボードなんですか。
○谷垣国務大臣 これは、法上、取締役である中から三人ないし七人委員を選ぶことになっておりまして、いわば取締役会の中のインナーボードというような位置づけだと思います。
○河野(太)委員 そうしますと、例えば、仮に機構が二次ロスを出したときに、この委員会のメンバーは株主代表訴訟の対象になるんですか。
○谷垣国務大臣 それは、全員取締役でございますから、当然、取締役は株主代表訴訟の被告としての責任を持ってくるということではないかと思います。
○河野(太)委員 最初から利益が上がらないかもしれない、最初から赤字になって損失になるかもしれないような株式会社というのは、普通、スタートしないのが常識だと思います。いわば投資をしたらリターンがない、それを所轄する大臣もなるべくマイナスを小さくしたいと言っているようならば、これをやるのは私は間違いではないかと思うんですね。プラスマイナスがまあ何とかゼロになるよというのならそれはいいのかもしれませんが、ほかの再生ファンドが利益を上げている中で、何でマイナスになるかもしらぬことをやらにゃいかぬのですか。
○谷垣国務大臣 今の点は、リスクのある仕事というのは、もちろん利益を目指すということはありますけれども、それは今のような経済事情の中でやはり一種の、何というんでしょうか、リスクをとりながら進んでいくということを先ほどあのような表現で申し上げたわけであります。
○河野(太)委員 適正な時価というお話がございましたが、適正な時価というのは、今再生ファンドが、一五パーなら一五パーの利益のターゲットを持ってやっているわけで、それが適正な時価なんではないでしょうか。マイナスになるかもしらぬというならば、それは適正な時価をはるかに上回った上げ底の価格なんではないでしょうか。
○谷垣国務大臣 いや、それは一五%ということをおっしゃいましたけれども、それぞれの再生――今のは割引率ですか。
○河野(太)委員 再生ファンドがそれぞれ利益を上げてビジネスをやっていらっしゃる中で、同じビジネスに参入しようとしているこの機構は赤字になるかもしらぬというならば、それは買い取り価格が明らかに適正な時価を大幅に上回っているとしか考えられないのではないですか。適正な時価で買い取るというならば、ほかのファンドと同じ利益率を得てしかるべきではないですか。
○谷垣国務大臣 これは、利益を上げられる可能性もあると私は思います。ただ、今委員のおっしゃっていることは、確かに利益を上げているファンドもございます。しかし上げていないところもございます。しかし、そういうものがなかなか根づいていかない中で、一種の、リスクをとりながら触媒を果たしていこう、こういうことでございますから、もちろん我々も、上げられれば利益を上げるということは、それは必要だと思いますが、必ずそうなるかどうか今ここで断言することはできない、こういうことを申し上げているわけです。
○河野(太)委員 それで、その赤字の穴埋めに税金が使われるかもしれないというような話もございましたが、ほかに出資者がいらっしゃるならば、そうした方の取り分をまず最初に充てるのか、あるいは税金もそれと同等に扱われるのか、そのあたりはどうなんでしょうか。
○谷垣国務大臣 当然、閉めたときに赤字が出ている、ロスが出ているということになりますと、まず第一に充てるのは、出資した出資金がその償却に充てられるのは当然のことでございます。それがさらに、それでは埋まらないという場合に、この法律は、国家が補てんすることができる、こういう規定にしております。
○河野(太)委員 この機構、社長、再生委員会以外にもスタッフが必要だと思いますが、その人たちは一体何をやるんでしょうか。
○谷垣国務大臣 これはいろいろなスタッフがあると思いますが、一番中心の仕事は、それぞれ幾つかチームをつくりまして、具体的な再生計画の妥当性、それから、それぞれの計画に従って出口を見据えたときにどれぐらいの企業価値を生み得るか、こういうことをまず審査していく、こういうことが中心の仕事になるかと思います。
○河野(太)委員 そういう人材をどこから集めてくるつもりですか。
○谷垣国務大臣 これはやはり民間からリクルートしてくるということが中心になると思います。
○河野(太)委員 再生に必要な情報のほとんどはメーンバンクが握っているわけで、この機構がどの程度の情報を集められるかというのは、いわばメーンバンク次第なんだろうと思います。そういうところの状況の中で、この機構の中の人間がその再生計画をつくったりそれを判断したりすることが本当にできるんだろうかと考えると、恐らくそうはならないんだろうと思います。
 こういうところに来る人間は、本当に能力のある一線級の人間が来てくれるかといえば、恐らくやりがいのないビジネスのために自分の時間は使いたくないということで、人間は集まってきてくれないだろうと思うんです。そうすると、この機構にそういう人間を集めるとすれば、高額な給料を払わなければならなくなって、機構自体がコスト高の構造になってしまうというのはいわば目に見えているわけです。
 さらに、普通のファンドは利益が出なければ当然組織を縮小して失敗した人間は首になるわけですけれども、この機構は、別に、大臣が最初から赤字幅を小さくしたいとおっしゃってしまうような組織ですから、赤字が出てもいいと。給料は高く払うけれども別に利益は期待されていない、いわば働き得の組織になるとお考えになりませんか。
○谷垣国務大臣 全部理詰めに絵を描けばそういう絵の描き方もあるんだろうと思いますね。
 それで、これは一種、病院に例えますと、やはりいいお医者さんがなければならないということだろうと思います。それから、今、すべての情報を握っているのはメーンバンクだというふうにおっしゃいましたけれども、やはりメーンバンクも、その企業に今まで貸し付けてきて、いろいろ相談をしてやっていくというのは、いわば自己診断に近いんだろうと思いますね。その診断を、本当にその診断が的確かどうかこの機構に持ち込んできたときに、もう一回、いや、あなたの診断は違うよとか、もう少し厳しい診断にしなきゃいけないよというのは、やはり名医が必要だろうと思います。その名医をリクルートしてくるためには、今委員がおっしゃったように、これはある程度の報酬というものを出さないとなかなかいい名医は来てくれないということは事実だろうと思います。
 この報酬体系をどうするかというのはまだこれからの議論ですけれども、成功報酬等、こういうことも入れることも検討しなければならないのかなとも思っておりますが、これからその点は詰めて検討したいと思っております。
○河野(太)委員 少なくとも、高給をもらってこの機構に来た人間が集まっていろいろやったあげく機構は赤字だったということは、納税者から見てみると絶対に許されないということだろうと思いますので、ここは成功報酬一〇〇%でやってもしかるべき、それぐらいのことなんだろうと思います。
 私は、こんな機構をつくるよりも先に、再生ファンドがもっと日本できちんとビジネスができるように行政を明確化し、税制を明確化していくことが先なんではないかと。今まで一生懸命市場原理の中で頑張ってやっている人間がいるんだから、しかもそこにノウハウがあるわけですし、そこに名医はいっぱい恐らくいるわけですから、そこがきちんと活動できるようなルールづくりをしてやれば、何も機構なんというのは必要ないんではないですか。それをやらずにこんな機構をつくるということは、私は何かいかがわしい意図があるとしか思えないんですが、大臣はいかがですか。
○谷垣国務大臣 委員のお口からいかがわしい意図ということを言われたのは、私は甚だ残念でございます。ただ、委員がそういうお気持ちから質問されるのは、実は私も正直言ってわからないわけではありません。
 それは、私がこの仕事をお受けしましたときに、さて何をやるのかなというところから実は始めたわけでございます。
 そこで、今までも、委員がおっしゃるように、再生ファンドなり実務でいろいろ御苦労された方が、そして立派な実績を上げた方が日本の社会の中にもいらっしゃいます。そういうような方々の知恵を中心にして、例えばそのいわゆるガイドラインですね、事業再生ガイドラインみたいなものをつくっていただいて、そういうものでいろいろどうやるかというようなことも御苦労いただいているんですが、どうもそういうところがどんと進んでいく弾みがなかなかつくれない。
 委員はそういう努力もしないでとおっしゃいますが、いろいろなところで努力はしているわけです。もう一個弾みをつけるためにはどうしたらいいか。全部民間で弾みがついて進んでいくんなら、私もそれにこしたことはないと思いますが、今までのやはりこれに関与してきたその関係者と申しますか専門家たちの議論は、何かもう一歩弾みが欲しいんだ、こういうことなのではないかと思います。
 ですから、私どもがつくる機構はそういう弾みをつけていこうというものだというふうに私は理解しております。
○河野(太)委員 時間が終わってしまいましたので、これ以上の質問はいたしませんが、少なくとも納税者の目から見て納得がいく、理屈がきちんと通っている、そしてその市場、日本は市場経済に移行すべきだと私は思っておりますから、少なくとも、日本が市場経済になろうとしているときに、それを邪魔するようなことにこの機構がならないように切に望んで、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○村田委員長 中山義活君。
○中山(義)委員 今、河野太郎君がいろいろ質問いたしまして、国がこの事業に携わって、我々はこれはあくまでも私的整理だという見解でやっておりますが、その中で、今いろいろなお話がありましたね。この今の状況というのは緊急事態だからやっているというふうに私は見ているんですね。これが二年で買い取って五年で売却するという話ですが、つまりこの五年間で終わるということですね。それは確約できますか。
○谷垣国務大臣 機構は、平成十七年三月三十一日までに債権買い取りの申し込みがあった債権を買い取る、それで、買い取った債権等は買い取り決定の日から三年以内に処分を行うように努めなければならない、こういうふうにしておりまして、その業務が完了した時点で解散することとしておりますので、存続期間は五年程度、こういうことでございます。
 そして、確かに、今委員がおっしゃいましたように、それから今までの御議論にもありましたように、民間でどんどん進んでいくんならやる必要はないわけでございまして、一種の危機意識と申しますか非常事態という認識がございますので、こういうものをつくる、だから決してずるずるといつまでも存続させるということは考えていない、こういうことでございます。
○中山(義)委員 緊急事態というのは、よほど今、政府の方々がなぜ緊急事態になったかというのは一番おわかりだと思うんですが。
 先ほどちょっと気になったんですが、きのうからも、どんと企業者を押して、いわゆる再生を進める弾みをつけるという話がありますね。これ、どんというのはどういうことなんですか。例えば金融機関の査定を厳しくして、がりがりやって、がりがりやった結果、どうしても不良債権は回収しなきゃならないような状況に銀行を追い込んでおって、それで破綻懸念先の事業者が焦ってこういう機構へ持ち込んでくる、こういう意味ですか。まず金融機関をがりがりやると、肩を押したことになるんですか。どういうことですか。
○谷垣国務大臣 このどんというのもちょっと例えですので、正確な例えになったかどうか、今委員のお話を伺って、ちょっとどうだったかなという気もございます。
 それで、一方には、確かに流れとして、不良債権の査定を厳格にしていくという流れがございますから、当然そういうことも我々は見据えていることも事実でございます。しかし、他方、本来民間でスムーズに進むべきものも、いろいろな障害から進んでいかない事態がある。先ほどのお話のように、どこに相談を持っていっていいかわからない事態もある。あるいは、違う銀行間の合併というのもなかなか進まない場合がある。金融機関のいろいろな利害調整が難しい場合もある。そういうようなことの障害を取り払うことによって加速させることができるならば、こういう意味でございます。
○中山(義)委員 金融再生プランとこれは表裏一体みたいな形になっていますね、どうも。私どもが先ほどから聞いているのは、金融再生プランで銀行を厳しく査定して、そして不良債権を追い出すというようなふうに聞こえてしようがないんですね。
 だから、本来であれば、今の時期に、この不況の時期に、デフレの時期にこんなに査定を厳しくするということは、逆に言えば、企業者が、事業者が、あえて倒産しなくてもいいようなものが市場から追い出される、こういう状況をつくっている。だから、むしろ金融再生プランをもっと穏やかに、不況対策をしっかりやりながらやっていった方が、あとは民間同士で私的整理の方が私は正しいんじゃないかと思うんですが。
 山の登り方を例えれば、例えば植草一秀さんみたく、滝くぐりの北壁を、氷の壁を登っているようなものだ。つまり、不良債権の回収であるとか、デフレの状況であるとか、いろいろな厳しい状況をつくっている。むしろ、南の壁の高原ルートを、不況対策をやりながらゆっくり行った方がいいんじゃないかという説も出ているわけですよ。皆さんのところの政党の中からも五十兆円の公共事業であるとか何であるとかいろいろな話が出ていますよ。これは、やはり南風の吹く、春風の吹く高原ルートを行った方がいいんじゃないか、何でこんな厳しい北壁ルートを行くんだと。
 つまり、金融再生プランで銀行をがりがりがりがりいじめておいて、不良債権を出して、そこを一回国が受けとめてそれを売却していくというようなものは非常に危険だし、むだな一つの大きな事業をしょい込んだと。先ほどから河野太郎君の話でもありますが、その機構が本当に機能するのかということ自身がすごく心配なわけですよ。
 この間、田作さんが言っていたのは、買い取ったいわゆる大きな債権を売りやすくするというような形、一つはまた、いろいろな意味で買い取った機構の複雑さを単純にして陳列棚に並べてファイナンスに買ってもらうというような、そういうことを言っていましたけれども、果たしてそんなことは可能かなと私は思うわけでございまして、むしろ、その前の不況対策等がすごく大事だと思うんですね。
 もともと、私もずっと年間予算を見ていますと、大体一九九〇年ぐらいは八十九兆円ぐらいの年間予算だったんですね。それがだんだんだんだん下がってきて、二〇〇一年には八十五兆円ぐらいですかね。それで二〇〇二年に八十一兆円、こう下がってくるわけですよ。そうすると、やはり経済が縮小均衡に向かっていることは間違いないわけですね。しかも、清算とか回収とか、不良債権の特に回収の加速なんというのは、まさに緊縮財政を進んでいるんじゃないか。これは、やはり今までやってきた自民党の政治に対してアンチテーゼとして小泉さんが三十兆円の枠を決めてみたり、緊縮財政をやっていくんだと。
 きのうのテレビでずっと何回も小泉さん出てきましたけれども、一切政策転換はしないと言っているんですよ。しかし、私は、不良債権の回収とかこういう問題については、同時に不況対策をやっていかなきゃ不可能だと思うんですよね。どんどんどんどん縮小均衡に向かっている、これしか考えられないんですが、今度の再生機構というところは、そういう面では再生して拡大均衡というか、そういうことは全然考えていなくて、これはあくまでも清算する、そういう機構なのか、その辺、どうなんですか。
○谷垣国務大臣 全体としては、やはり小泉内閣で、構造改革をいろいろな面で進めていく、加速させていくということがございまして、その一環であるという位置づけだろうと思います。
 しかし、じゃ、全部清算していくんだ、こういうことではありませんで、基本認識として、日本の中には有効な経営資源を持ちながら過剰な債務で足をとられているというところがたくさんあるわけですから、その中で過剰な債務を引き離して、有効な経営資源に自由に動いてもらうようにしよう、こういうことができてくれば、当然経済にもよい影響を与えていくというふうに考えております。
○中山(義)委員 今の理論は理論として、平沼大臣、やはり今この状況は、株価から見ても特殊な状況だと思うんですね。緊急事態だと思うんです。いわゆる有事法制みたいなもので、いざ有事があったら何をするかというその中の同じような観点から見ると、完全な私は有事だと思うんですよ。そういう面で緊急的にこういう制度を使うならば、私はそれなりに意味があると思いますが、本来は私的整理ですから、国がかかわるべきじゃないと思うんですね。
 ですから、大臣、これは、経済産業省の立場とすれば、経済の状況が普通なんだ、普通の中でやっているんだというのか、緊急事態なのか、この辺の見解はどうですか。
○平沼国務大臣 私どもは、従来、産業再生法というものを制定して、そしてこの国の経済の活性化のためにその法律を用意したところです。
 しかし、今回、この機構と並行して抜本改正をお願いしたということは、やはり今この国の経済には、一つは、今中山先生から御指摘がある不良債務の問題が非常に大きな手かせ足かせになっているという問題、それから、この国の産業のいわゆる過剰供給構造、こういった問題があって、ここのところを解決しないと本当の経済の再生、活性化ができない。ある意味では非常事態だ、こういう認識で法改正もお願いをしている、こういうことでございます。
○中山(義)委員 この間の参考人の話でも、不良債権の回収というのは、必ず不況対策をやっていくべきだ、一緒にやるべきだという話をそのときもしていましたよね。ですから、私は、そういう面では、順序がどっちかわかりませんが、現在がやはり緊急事態だということは、要するに小泉さんのやってきた経済政策は間違っていたという結論でこれが出てきた、こう思うんです。
 お二人の大臣にぜひ聞きたいんですけれども、これは小泉さんの失政の結果、こういう緊急事態。今緊急事態と大臣もおっしゃった。この緊急事態をつくったのは小泉の失政だ、こういうふうに言ってください。言わないと、これは、私は、どうも、さっき緊急事態だとはおかしいじゃありませんか。
 だから、緊急事態と言ったことは、要するに、小泉さんのいわゆる経済政策が失敗したんだ、だから緊急事態なんだ、だからやらなきゃいけないんだ、こういう結論だと思うんですが、どうでしょうか。
○平沼国務大臣 小泉総理は、就任以来、それを引き受けたところからバブルが崩壊をして、そしてその後遺症で、日本の経済はその時点から非常に厳しいものがありました。私は、そのときから緊急事態だ、こういうふうに思っています。
 そういう中で、やはり従前の手法でやってくることは限界がある、そういうことで、構造改革なくして景気の成長はない。そして、そういう一つの基本方針の中で彼は一生懸命に頑張ってきたと思っています。
 ですから、そういう中で、就任以来、数年は非常に厳しいことがあるけれども、しかし、やるべきことをやれば必ずそこは乗り越えて新しい局面が開かれるんだ、こういう一貫した姿勢でやっているわけでありまして、今回も、緊急事態でありますけれども、こういった産業サイドにおけるいわゆる過剰供給構造でありますとか、あるいは金融サイドの不良債権の問題、こういったものを、やはり今は厳しいけれども改革をしていく、だから、その途上にある、こういうことを私は思っております。
 例えば、英国病と言われた英国におきましても、サッチャーという人が登場してきてサッチャリズムという形で、彼女は十一年英国の首相の座にいました。しかし、最初の四、五年は大変厳しい状況でありましたし、またアメリカにおいても、七〇年代後半から三つ子の赤字、これを脱却するためにレーガノミックスというのをやったけれども、最初の四、五年は、お互いに経験していますけれども、惨たんたるありさまだった。そういう中で、国民の協力をいただいて、そしてそれを乗り越えて繁栄の九〇年代を迎えられた、こういうことでございます。
 ですから、私が申し上げた、今非常事態というのは、本当に受け継いだときから厳しい状況の中で今一生懸命頑張っている、こういうふうに御理解をいただければ、こういうふうに思っています。
○谷垣国務大臣 私も平沼大臣とほぼ同様の認識でございまして、同じことを繰り返すことは避けますが、あの右肩上がりの時代と現在では明らかに経営環境が違っておりまして、過剰債務を抱えているという意味合いも全然変わってきているんだろうと思います。
 したがいまして、その緊急事態という意味は、一種のスピード感がないと、今までの過剰債務がさらにさらに重くなっていって、有用な経営資源も腐ってしまうし雇用にもさらに大きな悪影響を与えていく、その取引先にも大きな影響を及ぼしていく。ここをスピード感を持って乗り切らなくてはならぬ、こういうことなのではないかと思っております。
○中山(義)委員 谷垣担当大臣は、緊急事態、小泉内閣のつくった緊急事態をおれが変えてやる、こういう意気込みだということで、ある意味でははっきりここで、小泉の、また竹中政策が間違った、経済政策が間違ったというような言い方にも聞こえるんですね。私は、それだけの決意を持って、その失政を何とかするというような発言にも聞こえました。
 それから、平沼大臣もやはり内々では恐らく亀井さんに近いことをお考えになって、財政出動は全くないという考えは私はおかしいと思うんですよ。
 だから、財政出動が悪という、要するに小渕内閣のアンチテーゼで、小泉さんが出てきたときには、公共事業は悪い、こういう気持ちでやっていたと思うんですよ。あの当時やはり、田中知事じゃないけれども脱ダム宣言とか、ああいうようなのが受け入れられていますね。構造改革と言うと、すごくみんなわあっと喜ぶわけですよ。構造改革なくして景気回復なし、我々はその逆だと思っていますが、ただ、逆だと言っていると亀井さんと一緒になっちゃうんです、我々も。
 ただ、公共事業の質が問題でありまして、公共事業の質というのは、やはり予算を組み替えて、より乗数効果のあるところに予算をつぎ込まなきゃいけないというのが我々の考えでございますので、ここまでの話は、要するに、今までの小泉・竹中路線の失敗を何とか谷垣担当大臣がここで企業を再生して利益を上げていくんだ、こういうように私は聞きました。そういうふうに結論づけて、さらにお願いがあるわけでございます。
 景気のいい時代には、銀行は、金を貸そう、金を貸そうとしたんですね。私どもの近くのところにもこういう話があった。社長、社長のところにお金を貸したいんだ、なぜかといえば、あなたの土地はすごい高い、銀座の一等地だ、このままいったら相続で大変ですよ、おたくに二十億貸すから十五階のビルを建てなさい、テナントは全部うちで紹介します、十五年たったら全部あなたのもの、こんなうまい話ないでしょうと銀行が金を貸したんですが、今どうでしょうか。この一階はしにせがやっているんです。今の事業もちゃんと利益が上がっています。しかし、これは要破綻懸念先債権とか金利が払えなくなったということでそうなって、どんどん借金の返済を迫られる、こういう状況があります。
 こういう状況の人は再生機構で救えますか。
○谷垣国務大臣 これは、個々の実態を見ないと判断できないことでございますけれども、やはりそこが、本業としてこれからも付加価値を生み得るような技術力なり、あるいは人材の力なり、そういうものを持っていて、そして、いろいろなところにメスを入れる場合もあるでしょう、そういうことによって十分再生が可能であると判断できれば、私どもは、そういうところの再生のお役に立ちたい、こういう気持ちでおります。
○中山(義)委員 下町の西川副大臣に聞きたいんですが、こういうケース、下町は多いですね。しかも、しにせが世代交代をして自分の息子に仕事をさせたいというときに、今の実情は、要するに借金の返済に大変困って、それを売らなきゃならないという状況もあるわけです。
 しかし、本来であれば、本業だけはうまくいっているんですよ。全部つぶしちゃって、さっき言った個人保証までしていて、どこかへ夜逃げしちゃうとか自殺するとか、何とかこういうことにならないように、本業がうまくいって、本業が利益上がっているんですから、これはぜひとも救ってあげなきゃいけないんですが、西川大臣、私と同じ下町の気持ちで、ひとつ快い答弁を。RCCに回すなんということを言わないように、ひとつ。
    〔委員長退席、竹本委員長代理着席〕
○西川副大臣 中小企業再生支援協議会というものがありますね、今度お認めいただいているわけであります。これが今度の御決裁をいただいて予算がつくと、例えばRCCに回されるとか、それから谷垣大臣の方に回されるとか、それと同じように中小企業に対しても、政府系金融機関、例えば中小公庫とか商工中金から再生支援のための融資というのができるわけです。ただし、これはモラルハザードに陥らないように、さっき谷垣大臣から御答弁がございましたように、改正ROCとかいろいろなものを物差しにしながら、それらの条件を満たしたものについてはきちっとやれると。
 私、先生と同じようにいろいろな御相談を受けておりますけれども、確かに銀行がうまい話を並べ立てて、もう手のひら返したように、とんでもない御苦労を高齢者の方にかけたりしている例を幾らも知っています。そういうことで、銀行に乗り込んで言うと、くるくる相手を変えて逃げるんですね。もうとんでもないやつらだと、はっきり言って思っていますよ。
 だけれども、思ってはいるけれども、しかし、私はやはり借りる方にも責任はあると思いますよ。やはりこれは自由主義経済で、個人の責任において、やはりハイリターンを期待するならハイリスクというのは当然あるわけなので、そこのところを捨象しちゃって、結果だけ見て、金融機関の口車に乗った人が気の毒だ、気の毒だと言うだけでは済まないところがある。
 したがって、くどくなりましたが、きちっとした物差しを当てて、さっき言った、再生が可能で、そしてもうけていただいて、納税もしていただける、社会にも貢献する、こういう企業を救っていくために公的なお金を使うということは許されるんじゃないか。その基準が大事だ。
 だから、気持ちとしては先生と同じで、先生だって、だれでもかれでも無責任に救えとおっしゃっているんじゃないと思っておりまして、全く同じだと思っております。
○中山(義)委員 そこで、要するに、銀行が中小企業者よりも優越的な地位にあることは間違いないんですよ。これを乱用しているんですね。だから、私は公取の委員長にもこの間話をしましたら、非常にそういう疑いはあると言ってくれたんです。ただ、個別にいろいろなことがありますので、それは個別で対応しなきゃわからないと言いましたけれども。銀行が優越的な地位にあって、今まで、急に金利を上げるよとか担保をもうちょっとよこせとか保証人をもっとつけろとか、いろいろなことを言ってくるんですよ。
 しかし、初めの時点で借り手と貸し手がつくった契約は、本当はそのまま契約としてずうっといかなければいけないわけですね。担保だって、とったときにはそれだけの金額があるということで、貸した方はその担保を満額で考えてお金を貸したわけですよ。ところが、担保が目減りしていくというと、その減った分の借金は返済しろ、こう来るわけですね。
 だから、契約からいえば、初めの担保に入れた時点で、その担保は借りたお金に相当していなきゃおかしいわけですね。そういう契約を結んでいるわけなんです。ところが、それがそのままいかないということは、借り手に責任があるのか貸し手に責任があるのかといったら、私は五分五分だと思うんですよ。五分五分だと思うんです。ところが、銀行の方が強くて、返済を迫る。おかしいと思うんですね。
 だから、貸し手の責任というのは、これは相当よく考えていただかないと、今度の機構で中小企業でも十分対応できますと言いますが、そのような状況になったときはもう貸しはがされちゃうんですよ。つまり、困ったような状況でそちらへ相談に行こうなんて思って、企業と銀行が相談できるような状況じゃないんです。そういう状況になったときにはもう貸しはがしで来るわけですよ。
 ここにやはり問題があるので、貸しはがしの問題というのは、今回の再生機構の中でどういうふうにとらえていますか。もし、この貸しはがしは必要ない、こんな貸しはがしが法的におかしいというのであれば、中小企業は何もそこへ行く必要はないんですが、もし貸しはがしを受けるようであったら、やはり相談に行ったときに相談に乗ってもらいたいんですね。
○西川副大臣 全く同じ問題意識でございまして、したがって、セーフティーネット融資を拡充する。そして、私どもは中小企業庁の職員を全国に調査に行かせまして、六百七十八銘柄があるわけですね。そのうちの、今月中に三つふやしますから四百三十六になるんですが、約六割、こういうところ、だから都市銀行は全部入ります。それから、第二地銀は八割、信用金庫は八割、信用組合は五割、こういうところを指定金融機関にしました。
 それはどういうのかというと、最近合併をして店舗の数が減ったとか、従業員の首を七%以上切ったとか、それから、先生おっしゃるとおり、貸し出しが減ったとか、貸しはがしを迫っているとか、こういうところを指定金融機関にしまして対応する、こういうことでありますから、そういう現実をしっかり見て、この再生機構は、ポリシーミックスといいますか、いろいろなことで総合的に救っていこう、こう思っております。
○中山(義)委員 そこでなんですが、では、不良債権をはっきりとさせて、顕在化させてそれを処理していこうということだと思うんですが、不良債権の質なんですけれども、バブルが終わった当時、バブルの清算は土地だったんですよね、不良債権というと。これは、投げ売りすれば済んだんですよ、ある意味では。
 両大臣に聞きますけれども、今の不良債権というのはどういうことを想定しているんですか。どういうものが不良債権なんですか。土地ですか、それとも設備ですか、何ですか。ちょっとはっきりしてください、この辺。
○高市副大臣 先生おっしゃるとおり、確かにバブルのころの不良債権と今のは変質していると思います。
 一九八〇年代の後半に全国銀行ベースでわっと増大した貸出残高ですけれども、これは大体百十兆円ございました。一九九二年から二〇〇一年度まで約十年間で九十兆円不良債権の処理が進んでいるということから考えても、バブル崩壊によるショック、不良債権問題と現在のは変質をしていると思います。
 確かに、先生おっしゃったように、当時は土地、不動産に対して銀行がどんどん貸し出しをした。それが地価が下落したことで不良債権となった。今も確かにそれはあります。金融サイドの問題としては、土地という問題は、特に資産デフレが進んでいますから、優良債権も不良債権に変わっていく。
 土地という問題もありますけれども、現在はむしろ、為替の問題もありますから、外国から安いものが入ってくるですとか、それから産業構造の転換に乗りおくれちゃった。要は、企業の競争力そのものが低下しているということで、生産サイドの不良債権、生産サイドの要因、これが今の不良債権の根本的な問題だと思っております。
 ですから、当然設備もそれに当たるでしょうし、企業の持っているプロジェクト、そういったこれからのプランに関してもそういうものに当たってくると思います。
○中山(義)委員 これは株式会社ですから、不良債権というのが何だか規定してくれないと、定義がないと困るんですね。
 最後に売らなきゃいけないわけですね。参考人の方たちのお話では、つまり、でっかいものを整理したり、または複雑なものを整理して、陳列棚に並べてファイナンスに買ってもらうというような言い方なんですよね。だから、その陳列棚に並んでいるものというのは一体何なのかよくわからないんですよ、我々も。どういうものが債権で、むだなものは何なのか、残った債権とはどういうものなのかちょっとよくわからないんですが、この辺の説明がないと機構そのものが何だかわからないんですよね。何を買って何を売るのか、債権とは何なのか、これはどういうことですか。ちょっと説明してもらえませんか。
○谷垣国務大臣 機構が買い取る債権は、事業用の取引の債権とかこういうことではありませんで、金融機関、この金融機関の定義も法律の中に書いてございますが、金融機関から貸し付けている債権を買い取る、それでもってそういう金融機関から借りている債権の重荷をどういうふうにいわば引きはがしていくかということを主として念頭に置いている、こういうことでございます。
○中山(義)委員 ちょっとまだよくわからないんですが、要するに、買って売るわけですよね。買って売るわけですから、それは商品ですね。商品になりますね。買ったときは仕入れですよ。出るときはいわゆる小売みたいに最終的に売るわけですが、これをどう評価するのか。
 先ほどから、買うときの時価であるとか何であるとかいろいろありましたけれども、まだよくわからないんですが、要するに、機構がやるべきことというのは、大き過ぎるから一般的な銀行とその企業で話がつかないということなのか、権利が複雑過ぎてそれで整理がつかないから機構が乗り出すんだとか、いろいろなことがあると思うんですが、その結果、商品というのはどういう形で商品になっているのか。
 要するに、どういうものを買うか、債権がどうのという次の段階で、商品は何なのか、会社そのものなのか、営業体そのものなのか、ちょっとよくわからないんですね。債権というのをもう一回ちょっとわかりやすく説明しないと、この機構が何をやろうとしているのかちょっとわからないですよ。
○谷垣国務大臣 うまく御説明できるかどうかわからないんですが、要するに、この企業を生き返らせるにはどうしたら生き返らせるのか、どういう手術をすれば生き返らせるのか、こういうことをまずやはり考えるんだろうと思いますね。
 そして、こういうものは引き離さなきゃならない、こういうものはリストラしなきゃいかぬ、しかし、これは残していって中核的な今後の経営の中心にしなきゃいかぬ、そういうことを考えた場合に、ではどれだけの価値がつくか。したがって、それに対して貸し付けている金融機関の債権はどれだけの価値を持ち得るのか。
 もちろん、これは予測ですから確定的なことは言えませんし、その価額をつけるにはこれから出口までの割引率というようなものも考えていかなきゃなりませんが、そういうことで金融機関の持っている債権を評価して買っていく、こういうことだろうと思います。
○中山(義)委員 大体わかってきましたけれども、要するに営業体みたいなものですね、大体は。そうすると、営業体みたいなものだと、現下の不況で、幾らむだなものをとっても、また今の不景気の中でその会社がだめになる可能性があるわけですよ。今の不況下の中でその会社はおかしくなったんですね。おかしくなった会社ですから、そこに相当な能力のある方が交代できればいいですよ。これはいわゆる会社更生法とは違うんですから、恐らくそこにいる人はそのままいるんでしょうからね。それで、また社会へ出ていく。しかし、今の不況下では同じことを繰り返す、二次ロスが出るということはもう我々目に見えているんだと思うんです。
 だから、基本は何かといったら、先ほどの話に戻りますが、株価がこれだけ下落しているというのは一つの症状ですよ、病気でいえば。これも、今まで禁じ手と言われていることでも何でもやれというような感じで、新聞に書いてあるのは、今までいわゆる評論家でも禁じ手だと言っているものまで全部並べて書いてありますよ。きのうの読売でも何でも、いろいろ書いてありましたけれども、まあすごいことが書いてありましたね、こんなことまでやっていいのか。
 与党の出しているものだってそうですよ。禁じ手みたいなものばかりですよ、今まで。そこまでして今の状況を、むしろ与党が表現しているんですよ、緊急事態だ、不景気だと。
 だから、この状況で陳列棚に載っけて売っても、その商品がまたおかしくなっちゃった、この責任を先ほどだれがとるのかという話だったんですが、社長なのか、それとも委員長なのか、それとも担当大臣なのか、主務大臣なのか。結局、内閣の主務大臣というのは総理大臣ですから、やはり総理大臣が責任をとらなきゃいけない。
 しかし、総理大臣の責任の一番大事なところは、まず景気をよくしてやらなければ二次ロスが出るということは間違いないんですよ。この現下の不況の中でこんなことをやっても結果的には間違いを起こすと私は思うんですが、両大臣、ちょっとお答えを聞きたいと思います。
○谷垣国務大臣 確かに、再生がうまくいくかどうかというのは、全体的な経済情勢というものが大きな影響を持つと思います。全体的にうまくなれば、かなり病状が重かったのもまた元気になっていくということがあろうかと思いますし、全体の状況が悪ければ、相当元気だったものも力が衰えていくということはありますので、これは、本年度予算ももちろんですが、いろいろな手だてを講じていく必要があると私は思います。
 それともう一つ、私どもの業務に即して言えば、これは企業そのものの再生というふうにイメージしていただくとちょっと違う場合がある。コアとなる事業、生命力のある、価値のある事業をどうくびきから脱して再生させていくかということでありますから、そこのところのコアとなる力のある事業は何なのかという見方がやはり我々とすれば大事なのではないか、こう思っております。
○平沼国務大臣 谷垣大臣とまさに同じ観点でございますけれども、もう一点は、お願いをしている産業再生法の改正の中では、一つは、今谷垣大臣が言われた企業の中のバブル等で非常に負の部分と、しかし、先ほどビルのお話がありましたけれども、本業ではしっかりとした歴史と競争力がある、そういったところを生かすという企業としてのあれと、それから、今度の法律の中では、企業の壁を超えて、産業同士、そういうものもうまくマッチングをして、そして産業自体のそういう能力を伸ばしていく。あるいはまた、特定なところでそこをさらにインセンティブを与えて伸ばしていきたい、そのためにはこういう設備が必要だ、そういったところには、そういう設備のいわゆる融資というものもしっかりやっていくというようなことでございますから、そういう中で、私どもは、機構とこの法律とで、そういった形で活力を高めていく、こういうことに尽きるのではないかと思っています。
○中山(義)委員 わかりました。
 それでは、では五年間でこの機構をやめるとする、緊急事態は五年で終わるということだと思うんですね。では、五年でどうやって、再生プラン、日本の経済を立て直していくかというプランなしに、この五年間をこの機構がやるということは、すごく問題があると思うんですよ。経済が悪くなっていくということを想定してこんなことをやったら、新たにコアであるすばらしい産業だと言っても、この不景気じゃもたないですよ。
 だから、やはりそれには、景気をよくしていくという同じようなプラン、つまり五年後はこうなるというプランがあって初めて、この五年の事業というのは意味があると思うんですよ。五年間の何のプランもなくて、勝手に、いや、これは企業再生しますからといって、単独事業じゃ困るわけですよ。これは、この日本の不景気を必ず直していく、五年たったらこうなりますということがなければいけません。
 そのためには、小泉さんにやめてもらいますとか、そういうことを入れてもらわないとまずいと思うんですが、どうでしょうか。
○平沼国務大臣 一つは、もうこれは中山先生もよく御承知のように、今非常に日本の経済の足を引っ張っている不良債務の問題ですね。これを二年以内にとにかく、厳しいけれども片づけていこう、これが一つの大きな前提です。そこで、そういうがん細胞を取り去るということで、そういう面から活力を出すという前提で、それを含めて五年という期間を置いています。
 そしてまた、政府はその間何も積極策をやっていないということじゃなくて、骨太の方針の二〇〇二の中にも盛り込まれておりますけれども、例えば、重点四分野というものに特化をしながら、日本の持っている潜在的な力を発揮して産業競争力を高めていく、こういったことも積極的に行っていく、そういうことを総合的にやっていきながら、五年の中で私どもというのは一つのめどをつけておく、こういう計画でございます。
○谷垣国務大臣 全く平沼大臣と共通の認識でございまして、そして、その中で五年いろいろやっていく中で、この産業再生機構を通じて、過剰債務から有効な経営資源を分離していくというのもその大きな計画の中の一環である、こう思っております。
○中山(義)委員 要するに、産業やいろいろ業界だ、そういうものの構造を変えていくということですね。
 だから、私がさっきから言っているように、構造改革をするから景気がよくなるという判断をしている以上は、この状況は変わらないと思うんですよ。私はやはり景気対策が先だと。でないと、幾ら機構を変えても、構造を改革しても、また結局できた産業が苦しい状況になって、また同じように不良債権化するということがあると思うんです。ですから、私は、そういう面から見ると、今回のこの二年で不良債権を少しでもなくすというようなことは、逆に言えば景気対策をやった上でないと無理だ、こう思うんです。
 田作さんという方のこの間の参考人の話は、要するにステップワン、ツー、スリーと言うんですよ。初めの段階は何かといったら、要するに、まず、不良債権を表へ出すために銀行の査定をぎりぎりやるということなんですよ。それで苦しくなって、銀行と企業が話をする、事業者が。そして機構に持ってくるということなんですね。機構でそれを預かって、次にそれを商品として仕上げて、最後にスリーの部分で売る、こういうことなんですよ。
 だけれども、これはよく考えてみると、構造を改革していく作業なんですね。ですから、構造改革なくして景気回復なしと言うけれども、構造改革を先にやったらば、怖いのはそれによってつぶれる企業。産業再生機構に行く人はいいですよ。行けない人はどうなるのか。
 例えば、民事再生法だって許可されるのは、まず中小企業なんか許可されませんよ、あんなのは。そういうことを考えてみたら、やはり大企業は救うけれども中小企業は救わない、大きいからつぶせない、小さいところはつぶしていくという悪循環で、どんどんおかしな方向に行っちゃうんですね。
 だから、これは構造改革の一環なんですね、間違いないですね。構造改革の一環だというと、我々の考え方に相反するわけですよ。我々は、景気回復をしながらでなければ不良債権の回収はできないし、構造改革はできないと思っているんですから、その辺の見解の違いがあると思うんですが、平沼大臣は、むしろそうじゃなくて、本当は景気回復をやらなければ構造改革は無理だと思っているんでしょう。顔を見ればわかりますよ。それをはっきり言ってくださいよ。小泉、竹中のメイコンビは、迷う方の迷だとはっきり言ってくれれば、私もすんなりこの法律に賛成したいぐらいに思っているんですが、その辺、どうでしょうか。前提があります、これは緊急事態だという前提があると思うんですよ。
○平沼国務大臣 どうも私と亀井前政調会長が非常に仲がいいという形で、そういうイメージをお持ちなのかもしれませんけれども、私は、不良債権処理、そういうものも構造改革の一つの一番大きなファクターだと思っています。ですから、もとより同時に、負のことをやっていけば、いわゆる正、プラスのこともやっていかなければいけない。
 ですから、小泉総理も、厳しい中で、例えば今回も、皆様方にお力をいただいて三兆円の補正予算を組む、さらには思い切った二兆円の政策減税もさせていただく、こういうこともやらせていただきました。そしてさらに、私も、ちょっと閣内不一致というようなそしりもありましたけれども、昨年の秋ぐらいには、やはり補正予算三十兆の枠、これはこだわらない方がいいのではないかというようなことも言いました。そういう中で、税収が下がった、そういう事態もありましたけれども、国債の発行も五兆円をふやす、こういう形で、いわゆる正の対応も同時進行でやっております。
 また、常に総理が言っているのは、いろいろな事態に対処して、大胆かつ柔軟にやっていく、こういうことでございますので、私も、そういう中で、もちろんおっしゃる意味はよくわかっておりますし、そういうやるべきときにはしっかりとしたことをやっていかなければいかぬ、こう思っています。
○中山(義)委員 大臣、お時間がお忙しいそうですから。とにかく、景気回復という観点を忘れるとえらいことになるなということを私どもは感じておりますし、その辺は配慮しながら、閣内不一致でも結構でございますから、どうぞちゃんと自分の意見をしっかり主張して、日本の国を誤った方向に行かないようにお願いいたします。どうぞ、本会議に行ってください。
 谷垣大臣、私は今まで質問したんですが、やはり不良債権の回収というのは、どうしても景気回復を伴っていかないと非常に危険な部分があるというふうに考えていただきたい。私は、必ずしも財政出動だけすればいいというのではなくて、財政出動の質も、予算を組み替えてより効率のいい、乗数効果が上がるものに持っていってくれとか、いろいろなことを言っているわけで、決して、亀井さんと同じだって今だれかが不規則発言をしましたけれども、そんなことはありません。亀井さんよりもうちょっと高度に、我々よく考えているわけでして。
 やはりこの機構を本当に成功させるためには、今言った、商品が売れる世の中の状況をつくらなければ。だから、ファイナンスが、ああ景気がよくなる、これは買えば必ず利益が上がってくるという感触を持たないと、陳列棚に売る物を並べてもファイナンスが買ってくれないんじゃないか、このように思うんですが、いかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 基本的には、私も、全体の経済情勢というものがこの機構の成功、不成功に大きく影響するというふうに思っておりますし、しかし、その点では、先ほど平沼大臣がおっしゃいましたように、いろいろな工夫も小泉内閣でさせていただいて、そして、私としては、やはり十四年度の補正予算の執行とその効果、それから平成十五年度予算も早期に成立させていただいて、効果を上げるようにしていただきたいと思っております。
 そういう中で、やはり不良債権処理というものが進んでいかないとなかなか健全化していかないという認識は、これは、どういう手法、手順の、あれにはいろいろございますけれども、ほぼ共通の認識だと思っておりますので、それをいわば表裏の関係で我々のところも果たしていきたい、こう思っております。
○中山(義)委員 もう時間もありませんので一回ちょっとまとめたいんですが、今の事態は緊急事態であるということは、確認しました。
 それから、五年間でやはり経済プランというものをしっかり出してもらって、こうやって景気回復をしていただくというような、同時に五年間のプランがないとおかしいと思うんですね。五年後は全然わからないで、二年で買ってから三年目から売るんだといったって、そのときの状況が、余りにも不景気で物を買えるような状況じゃないということもあり得るわけですよ。ですから、五年間の再生プランというものはしっかり見据えた上で、目標をつくった上でやってくれないとまずいわけですね。
 例えば、物価は一%から三%ぐらいインフレ傾向でいくとか、または財政支出はこうだとか、そういういろいろなものがあるわけです、メニューが。そういうものはこうやって使っていくとかの話がないと、だんだん禁じ手ばかりになってしまう。緊急事態だから、私的整理の中に国が入っていったり、銀行の株を日銀が買っていくとか、何か今まで禁じ手であったものがどんどん使われるようになった。これが緊急事態だからどんどんやっていってしまうとなると、日本のルールというものも全部狂ってきてしまうと思うんですね。
 そういう面では、今回の再生機構のルール、いわゆる国が関与したということは、緊急事態だから五年間だけやる、こういうふうに私どもは判断をいたしております。それを最後に結論といたしまして、質問を終わります。
○竹本委員長代理 梶山弘志君。
○梶山委員 自由民主党の梶山弘志でございます。質問をさせていただきます。
 デフレ下の不況の元凶である金融仲介機能の不全、過剰供給構造を解消するためには、金融サイド、産業サイド一体の対応というものが望まれておりましたが、産業サイドは、民事再生法に見られるように、今の事態を考慮に入れない司法の判断で約三分の二が再生認可をされ、その七割が単独再生というような、逆に過剰供給構造を助長しているような現状であります。
 産業再生機構が指導力を発揮して、業界の再編、つまり過剰供給構造の解消をしてくれることを期待しておりましたが、参考人の質疑を含む二回の質疑の中でわかったことは、このような緊急事態、非常時にもかかわらず、民間主導のこだわりから脱し切れていないということであります。
 これまでの当事者ではない新たな調整者として、市場原理を活用していくということですが、ここ数年、この市場原理というものが働いていないから供給過剰構造が解消できないわけでありまして、我が国の産業再生という大きな目的のために、市場が閻魔大王であるなどと言わずに、志を持って指導力を発揮していただきたいと思うのですが、御所見を伺いたいと思います。
○谷垣国務大臣 御指摘の問題意識はよく理解できるところでありますけれども、今のお話は、産業再生機構自体が主導的に、それぞれの業界の再編をイニシアチブを持って進めろという御趣旨だろうと思うんですね。
 閻魔大王たることを逃げるな、こういう御趣旨でございますが、今回の機構は、そこまで市場に、いわば計画的に踏み込むということを考えているわけではございませんで、まず、対象となる事業者が金融機関と一緒になって、自分のところをどう再生させていくか、そのために我々のところに申し込んでくださるということを前提といたしております。
 もちろん、そうやってお話が来ましたときに、それをどうやって再生できるのかできないのかという判断のときには、当然、その持っている事業分野の供給構造が過剰かどうか、こういうことを判断しなければなりませんけれども、今梶山委員がおっしゃるように、行政というか政治的に踏み込もうというところまでは考えていないわけでございます。
○梶山委員 ちょっとくどいようなんですが、再生ビジネスの成功モデル、先行モデルをつくるというような話が先般の質疑の中でありましたけれども、大手銀行各行は、みずから不振企業再生、そして再生ビジネスの仕組みを急速に整えつつあると認識をしております。銀行が持ち込むのは再生可能性の低い企業にならざるを得ないのではないかという思いがありますのでこういう質問をしているわけですが、もう一度、その点を踏まえて御所見をお伺いしたいと思います。
    〔竹本委員長代理退席、委員長着席〕
○谷垣国務大臣 今の委員の御質問の趣旨は、金融機関が持ち込むのは再生可能性の少ないところでないか、そういうことではなかなか進まないのではないかという御趣旨でしょうか。(梶山委員「はい」と呼ぶ)
 これは、再生可能性が余りないと言ってはいけませんけれども、破綻懸念先と言われているようなものに関しては既にRCCが、やはり当初より相当方針を広げてやっておられるわけですね。もちろん、ここの御努力だけでいいのかということがありまして我々の再生機構というものがつくられるわけですけれども。しかし、これは参考人等の御意見の中にもありましたけれども、金融機関なり当事者が合理的に判断をしていただければ、私は、ここの機構を利用していただくメリットというものは十分ある仕組みになっているんではないか、こう思っております。
 今の御趣旨は、要管理先というだけではなくて、もうちょっと幅を広げて買い取るようなことも考えたらどうか、こういう御趣旨というふうに理解いたしますと、もちろん、当事者がこの機構を使って自分のところの事業再生をなし遂げようということで申し出ていただいて、その計画が十分その企業の持っている価値を引き出して再生が可能である、こういうことであるならば、必ずしも要管理先だけにこだわるわけではない、こういうふうに私は思っております。
○梶山委員 今の要管理先の話はちょっと、次の質問にしようと思っていたんですけれども。
 整理回収機構は破綻懸念先が対象ということでありまして、再生機構は要管理先を中心として買い取りをするということだと思うんですが、昨年の九月期時点で、要注意先債権は減少しております。そして、破綻懸念先の不良債権も減少しております。そしてその逆に、要管理先債権は、特別検査等の影響もあったと思うんですが、増加をしております。
 昨今の経済情勢の悪化に伴い、正常先、要注意先から要管理先への多数の企業の移行が予想されるわけでありますが、要管理先というのは、この数字で見る限り、破綻懸念先へ行くまでなかなかやはり改善のできないところである、手の出ない塩漬けの部分であるという認識が私はあるんですけれども、その辺の認識を含めて、先ほどのことも含めて、もう一度御答弁願いたいと思います。
○谷垣国務大臣 今、塩漬けというふうにおっしゃいましたけれども、これは私どもは、そのようなものとしてこの機構を使うわけではありません。
 それで、破綻懸念先に関しては、主としてRCCが今まで対応してこられたわけですね。要管理先というのは、それよりいわば状況のいいものでございます。それは、今梶山委員がおっしゃったように要注意先から要管理先に、いわば少し状況が悪くなるようなものが現状ではあるねということは、破綻懸念先を救うといいますか再生させるというよりも、やはりもうちょっと早期の段階で診断をして、早期の段階でその病状を改善するという努力がないと今の日本経済がうまくいかない、こういう認識で我々はこの機構をつくるわけでございまして、決して、それを塩漬けにしてしまおうなんということを考えているわけではありません。
○梶山委員 今のお言葉で、早期の段階で対応をしていくというお話でありましたけれども、その早期の段階で再生可能なものは、先ほど私が申し上げましたように、各銀行でそれぞれ再生ビジネスというものを組み立てつつある、また不良債権の処理のシステムというものを構築しつつある、そういった中で、果たしてこちらに回ってくるのかどうかという疑問があるんですが、いかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 いろいろな流れの中で、それぞれの金融機関やあるいはそれぞれの企業が早期に再生に着手していこう、これは結構な流れだと私は思います。
 しかし、今まで見てまいりますと、必ずしも民間だけでうまくどんどん進んできたというわけではございません。それは、この委員会でもたびたび答弁させていただいておりますように、債権者間の足並みがそろわないとか、あるいは、場合によっては、合併させてしまう必要もあるけれどもメーンバンクが違ってうまくいかないとか、やはりそういうことが現実にあるわけでございますから、私は、参考人の御意見にもありましたように、合理的に判断していただけば、あそこは使ってみよう、こういうことになるのではないかなと思っております。
○梶山委員 非メーン行から債権を適正な時価ということで買い取るわけでありますが、貸し手責任の中心にいるメーン行、メーン行の債権放棄という問題についてお伺いしたいんですけれども、これは、非メーン行から債権を買い取る時点で、やはりその責任を明らかにする意味でそういう債権放棄もあり得るのか、それとも、全体の流れの中でどこであるのか、それとも、債権放棄はあり得ない形になるのか、その辺をお伺いしたいと思うんですが。
○谷垣国務大臣 これは、支援決定をして買い取るということに乗り出すときには、一体どういうふうにこれを再生させるのかという案がなければ、買い取るか買い取らないかという判断はできないと思うんですね。その事業再生計画の中でやはりこの程度の債権放棄は必要じゃないかというようなことが議論されて計画が策定されるというのを、我々は想定しているわけですね。
 したがいまして、メーンバンクであろうと非メーンバンクであろうと、支援決定をしますときは、大体このぐらいの債権放棄をしていただくことが必要じゃないか、このぐらいのやはり犠牲は払っていただくことが必要じゃないか、こういうことが前提としてあるわけでございます。
○梶山委員 あと、非メーン行からの債権の買い取り、適正な時価でということでありますが、この適正な時価というものがくせ者でありまして、我々普通の消費者、我々の購買行動と重なるものではありませんけれども、適正な時価というのは何となくやはり理解できない部分があります。これは非常に厳格に、やはりさまざまな可能性や夢をつけ足さずに厳格な査定というものをして、事後の清算があってもいいような形でやるべきではなかろうかと思いますが、いかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 それはもう梶山委員のおっしゃるとおりでございまして、いろいろなところで債権の査定というものは議論されてきておりまして、まだ十分にそういうものが、マーケットが完全にできているわけでもありませんから、マーケットで一義的に値段が決まっていくというような段階には、日本では至っていないと思いますけれども、しかし、今までも、成功した企業再建などではそこがやはりきちっと行われているということが前提でございますので、私たちのところも、そういう専門家にアウトソーシングをするというようなことも視野に置いて厳格に価格というものを算定していきたい、こう思っております。
○梶山委員 次に、中小企業再生支援協議会の件につきまして質問をさせていただきます。
 業界の再編、そして地方の産業界のこれは課題でもあります。今回の協議会の設置というものは大変に評価できますが、補正も入れて約二十億円の予算と聞いております。もう少し大きな予算そしてスタッフをつけて、待ちの姿勢ではなくて、待っている姿勢ではなくて、合併、廃業、転業、そして融資の相談に乗ってほしい。そして、これをすることによって地方の経済の活性化も図られると思いますが、今後の取り組みについてお伺いをいたしたいと思います。
○西川副大臣 先生の御指摘は大変重要だと思っておりまして、その方向に努力をしてまいりたいということをまず最初に申し上げたいと思いますが、実は今回、二十億円の予算が、大分そこの切り口で私どもいろいろと御意見を賜るわけでございますが、実はこれは、新たなものをつくるのではございますけれども、しかし、その新たなボードに加わっていただく方は、商工会議所であったり商工会連合会であったり県の中小企業支援センターであったり、今までいろいろなものを手がけてこられた手だれの集団をここに結集するという意味で、そこの直接的な人員の経費や運営費が二十億ということであります。
 それ以外にツールとして使うものの中には、この間の補正予算で認めていただいた四千五百億を入れたりいろいろしますので、すぐに二十億で小規模な事業しかできないということではないのでありますが、冒頭、先生の御注意もございましたように、その方向に向かって充実してまいりたい、こんなふうに考えております。
○梶山委員 次に、資金調達の方法についてお伺いしたいのですが、我が国の中小零細企業と言われる企業の大部分が、限られた株主で資本を形成しまして、間接金融中心の、銀行の融資中心の資金調達をしております。いわば、日本型株式会社であると思っておりますが、不良債権処理等の問題で、金融機関からの資金調達に限界を感じているのが現状ではなかろうかと思います。企業が金融市場から直接必要な資金を調達するチャンネルが整備されることが、我が国の経済そして中小企業の再生に大変重要な課題であると思っております。
 私は、さまざまな債権の証券化、そして、限定された地域や業種を対象とした直接金融市場の登場、育成というものがこれから望まれるものと思っておりますが、現に東京や福岡ではそれに着手していると聞いております。この辺の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
○西川副大臣 先生の御指摘を事実に即してフォローさせていただきたいというふうに思いますが、今おっしゃいましたのは、新たなCLOという仕組みでございまして、これは東京都、大阪府、福岡県等の大都市圏で行われておりまして、これは金融機関が貸出債権を束ねて証券化いたしまして投資家に売却をする、そういたしますと貸し出しのリスクを金融機関が抱え込まなくて済む、こういう仕組みでございまして、これは今後の新たな直接金融の方法として有効ではないかと思っております。
○梶山委員 時間となりましたので、これで終わりにいたしますが、再生機構の件、ミクロとマクロの観点から多岐にわたる目的を持っていると思いますが、必要以上に自己規制をしないで、もう少し伸び伸びと、所期の目的を達することができるように頑張っていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○村田委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時七分休憩
     ――――◇―――――
    午前十一時三十三分開議
○村田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。金田誠一君。
○金田(誠)委員 民主党の金田誠一でございます。
 初めてこちらの委員会に配属になりましたので、よろしくどうぞお願いいたします。
 まず、谷垣大臣にお尋ねをしたいと思います。
 この産業再生機構法案については、識者の間でも意見が分かれているというふうに思います。本法案を肯定的に評価する意見もあれば、日本は社会主義国ではないのだから市場原理に任せるべきだと、全く相反する意見もあると思います。また、産業再生に政府の関与を認める立場からであっても、本法案に対しては多くの問題点を指摘するという意見もあるわけでございまして、私自身としては、現在のところ、この第三の立場、こういう立場だと思います。そういうことから、きょうは質問をさせていただきたいと思います。
 報道によれば、谷垣大臣は、二月十二日の昼ごろ、全国地方銀行協会の例会に出席して、産業再生機構で再生する案件にはメガバンクの取引先企業が取りざたされがちだけれども、地方銀行でも十分御活用いただけますというあいさつをされたということでございます。さらに、翌十三日には、第二地銀の方にも出かけて同じようなあいさつをされた。この背景には、再生機構行きが有力視されていた企業も銀行も、再生機構という公的な機関の介入を嫌ってそれぞれ自主的な対応に動き出したことがある、こう報道されております。
 百貨店、スーパーの整理は大体終わったという声があり、ゼネコンも手を挙げるところは余りなさそうだ、逆にゼネコンを国民の税金で再生させたら国民の批判を招くことにもなる、一方、大手銀行からは法的整理直前の再建困難な案件ばかりが持ち込まれかねない、こんな状況の中では、産業再生機構がスタートしても開店休業に追い込まれるおそれがある、そこで谷垣大臣が地銀協にセールスに回っているという解説でございました。
 こういうことであれば、今どうしても産業再生機構が必要な情勢にはない、こう言わざるを得ないわけでございますが、大臣、いかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 機構がなくてもどんどん企業をあるいは事業を立ち直らせる動きが進んでいくんであれば、私は、それは大変歓迎すべきことだと思います。しかし、今までいろいろな方の御努力があったわけでありますけれども、そういうことにかかわらず、なかなか企業、産業の再生というものが進んでいかない状況が私はあったと思います。
 これは、あくまで民間主体で進めばそれが望ましいんですが、これも何度か御答弁もしておりますが、メーンバンクとあるいは非メーンの間の、なかなか、利害が反したり協議が調わないとか、あるいは事業再生に関するマーケットが成熟していない、不良債権等のマーケットも余り十分ではない、こういうようなこともございますし、それから、合併なんかをさせていくような場合は、メーンバンクが違ったりするとなかなか話がつかないというようなことも現実にはあったと思います。こういう理由から、期間を限って、政府が関与して事業再生を促進することが必要ではないかというのが今度の機構のまず根底にあるわけであります。
 それで、設立されても開店休業状態になるんじゃないかという御心配ですけれども、先日の参考人質疑でも、田作さんや坂井さんがお述べになっていたように、合理的に考えて合理的に行動していただけば、機構を使っていただくことが自然じゃないかというふうに考えております。
 しかし、こういうふうに進んでいくためには、やはり我々は、まず第一号案件というものをうまくさばいて、成功事例をつくっていかなきゃならないな、これは我々の責務だと思っているわけでありますが、あくまで、第三者から強制されるものじゃなくて、金融機関や債務者企業にとって事業を再生していく上での一つの有力な選択肢だというふうに私はとらえていただければいいんではないかと思います。
 それで、ちょっと答弁、時間をとっちゃうかもしれませんが、この構想が公表されて以来、大手銀行がメーンバンクとなっている大企業のうちどこが対象になるのか、一号案件になるのかといった報道が相次いでおりますが、私は、実はちょっといささか違和感を覚えておりまして、地銀や第二地銀だって、セールスに行ったといえば確かにそうなんですが、債権者間の調整が進まずに事業再生が困難になっている事例があれば、やはり地方の中小の事業でも、地域経済の繁栄の、発展のためにぜひ使っていただきたい、こういう思いでおります。
○金田(誠)委員 そういうことであれば、またわざわざ地銀協まで大臣が二回も出かけていくということ等、どう理解すればいいのかなという疑問は残ります。
 巷間言われていることでは、スタート時には地銀がメーンバンクになっている地方企業を扱った方が反発も少ないだろう、いわゆる第一号の扱いでございますが、そんな声もあるようでございますが、そうだとすれば、債権買い取り資金に十兆円も用意したという趣旨と、これはまた趣旨がかなり変わってくるんではないかなという気もいたしますが、この辺はいかがですか。簡潔にひとつ。
○谷垣国務大臣 どういう企業の債権買い取りから業務を始めていくかということは、今後機構に持ち込まれる案件を審査、検討する過程で結果的に決まることで、アプリオリにどういう企業が望ましいといった予断は持っているわけではないんです。
 それで、買い取り資金として十兆円政府保証枠を設けておりますけれども、これは必ずしも全部十兆円使おうという趣旨ではございませんで、いろいろな規模や業種の企業が数多く持ち込まれたとしても、まあ大体これだけ持っていれば対応できるだろうという最大限の枠を示したわけであります。
○金田(誠)委員 私は、地方の中小企業も極めて重要だというふうに思っております。そういう立場を前提に質問しているんですが、しかし、この法律のスキームは、日本の産業構造にかかわるところに焦点を当てたスキームだろうと思っております。それがそううまくワークしないということを想定されているのかなという気もしながら、今聞かせていただきました。
 ぜひ、予断を持って当たれとは言いませんけれども、きちっとした展望を持って事に当たっていただきたいものと思います。
 次は、多少角度を変えて質問させていただきますが、さまざまな識者の指摘の中では、今日のデフレの根底には巨大な需給ギャップというものがある、これを正常なレベルに戻さない限り、デフレも株価の下落も地価の下落もとまらない、設備投資も盛り上がらない、例えば建設業の場合、ゼネコンの二割が事業を縮小すれば、残った八割の事業の収益率は正常に戻る可能性があるということを指摘する方もいらっしゃいます。
 こうした認識に立つならば、政府と業界、有識者が一体になって産業の過剰設備を削減しない限り、企業の過剰債務問題は根本的には解決をされないということになるのではないかと思います。不況産業の需給曲線を予測し、過剰設備を何%削減したら残りの企業が収益率が上がって黒字になるか、そうしたシミュレーションが必要ではないでしょうか。
 産業再生機構法案、この法案にはこうした観点が明らかではない。個別の企業という視点はあるわけでございますが、産業構造全体をどうするというものが欠落していると思うんですが、いかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 委員の、需給ギャップが多くて過剰な分野があるぞという御指摘は、私はそのとおりだと思います。ただ、産業再生機構は、再生支援を行うに当たっては、政府が機構を使って、まず、こういうふうに絵を描いて産業再生を、再編を主導していくというような仕組みとしてはつくっておりませんで、事業者自身がいわば主体的に金融機関と連名で申し込みを行うということを出発点としているわけであります。
 そういうミクロのところから出発いたしますと、確かに全体の過剰供給を残していかないという視点を持ちながらやらなければならないわけですが、しかし、その企業が生き残っていけるかどうかというのは、またかなり個別の判断が要ることがあり得ると私は思います。
 一律の判断を設けるというのは、なかなか難しい面もございます。そういう一律の判断は難しいが、同時に、その過剰供給構造を意識の上に置いて、機構の支援を受けた個別事業者が選択と集中とを含めた大胆な事業再構築を進めていくことによって、結果としてそういうマクロな目的に使えることができるのじゃないかというふうに考えているわけです。
○金田(誠)委員 この法律のスキームはそういうふうになっているということはわかるんですが、それでは不十分ではないかということで、これはある識者の指摘でございますけれども、その理由を二つ挙げております。
 これは指摘だけさせていただきたいと思いますが、産業構造全体の再編成の青写真を描く必要がある、それを持たずに対象企業の債権買い取りの議論を始めた場合、信用不安が発生するリスクがあること、例えば同じ業界の他企業やメーンバンクの株価、社債価格の下落が考えられるという指摘が一つです。もう一つは、銀行が提出する企業の再建計画、とりわけゼネコンの再建計画に沿った再建は、個別企業ベースでは可能だとしても、業界の将来展望も考え合わせたマクロの視点で見ると、再生自体が現実ではないケースが多いことがあるという指摘でございますが、これは一理ある指摘だと思います。
 マクロの視点だけで私はやれと言っているわけではないんですが、ミクロはミクロとしてきちんとやるにしても、マクロとの整合性をきちんととる、この青写真がないのではないかという指摘はぜひ受けとめていただきたいというふうに思います。
 次の質問でございますが、具体論に入ります。
 事業再生計画の実行に伴いまして、労働者のリストラが想定をされております。この役所からいただいた資料によっても、「産業再生機構の業務フロー」という中には、「事業再生計画の実行」の2に事業者のリストラ等というものが明記されている、こういう説明資料になっているわけでございます。
 したがって、この場合、労働組合の団体交渉権を担保するとすれば、事業再生計画を、労働組合の同意を要件とする必要があるのではないか。今のところは考えられておらないようでございますけれども、そうしなければ団体交渉権が実質的にはもう空文化する、こう思いますが、いかがでしょうか。
○江崎政府参考人 再生機構には、債務者企業それからメーン行等が再生計画を策定いたしまして持ち込んでくる、申し込みに来るということでございますが、この再生計画を策定するということに当たりまして労使間で話し合いが行われておるのかということは、買い取りに入りますと、債務者企業に対して再生機構は債権者という立場になりますので、債務者企業の再生が本当にできるのかどうかというのを考える際に大変重要な要素であると考えてございます。
 一律に法律上の条件とするということは適切ではないと考えてございますけれども、各企業が、事業再生を行うに当たりまして労使間の話し合いが行われるという場合が大体通常であろうか。過去の例を見ましても、やはり現場で、事業のリストラ、それから、場合によりましては生産性を上げる、こういう汗をかく努力をしていかないと、なかなか企業の再生ができないということでございますので、通常は労使間で何らかの話し合いが行われておるということかと考えます。
 そうした点を機構が再生支援等の判断を行うに当たりましてどのように勘案していくのが適当かということにつきましては、今後鋭意検討してまいりたい、このように考えてございます。
○金田(誠)委員 これは、後は運用の段階の話になると思いますが、連名で申し込みをするに当たって、そこにその同意書、協定書の添付を要件とするということなど、いろいろ考えられると思いますので、御検討いただきたいと思います。
 さらに、債権買い取り資金が十兆円ということでございますが、これが投入される事態を想定すれば、場合によってはリストラされる労働者の数は相当数に上るということが想定されます。その場合、かつて石炭産業等においてなされたような、あるいは国鉄の分割・民営でもなされておりますけれども、特別の雇用対策というものが必要になるのではないか。とりわけ建設業、ここなどは、他の職種といってもかなり転職も難しいということからすれば、特別の職業訓練等が考えられるのではないかと思います。これは国土交通省の方になるのかなという気もいたしますが、いずれにしても、この再生法絡みで検討されるべきことではないか。
 そこで、質問でございますが、十兆円の債権買い取りで発生する失業者数は産業別にどのように予測をしているものなのか、お答えいただきたいと思いますし、あわせて、それに伴う特別の雇用対策。私は、前の国会まで厚生労働委員会の方にずっとおりましたが、旧労働省のスキームでは特別なものになっていないですよ。どんどん、雇用保険制度自体が財政的にも厳しい状況で圧縮している状況があるわけで、この再生法が動き出すことに伴って、とりわけ建設業など、どういうマクロの設計をするかにもよるわけですが、私はこれは特別の雇用対策が必要だと思うんですが、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、竹本委員長代理着席〕
○江崎政府参考人 機構がどの程度の債権を買い取り、その結果、雇用にどの程度の影響が出るのかという点でございますが、これは、事業者及び金融機関等からの再生支援の申し込み、これに大きく左右されるというわけでございます。また、債権の買い取り決定、再生ができるということで買い取り決定を行った事業者の再生の中身、規模等々も、経済情勢その他もろもろの要因に影響を受けるわけでございまして、現時点で明確な見通しを立てるということは困難ではなかろうか、かように考えてございます。
 ただ、各企業が事業再生を行うに当たりまして、労使間の話し合いが行われるのが通例であるということを申し上げましたが、そうした点を機構が再生支援等の判断を行うに当たりましてどのように勘案するのが適当かということにつきましては、今後、検討してまいりたいと考えてございます。
 なお、先般の戦略本部が決定をいたしました企業再生支援に関する基本指針、ここにも、一番最後に、「企業・産業再生に当たっての雇用面での対応」ということで、政府を挙げて取り組む指針が示されてございまして、こういう面でもさまざまな努力をしておるということを御理解いただきたいと思います。
○金田(誠)委員 この法律のスキームが、ミクロの、個別企業の対応ということになっておるわけですね。そこからこういうことになってくるんだろうなという気もいたします。前段申し上げた、マクロの、全体の設計図というものがないわけですね。
 しかし、産業、需給ギャップの調整につながってくるわけです。そういうものを視野に入れれば、転職、そこに政策的に関与していくということがなければ、ミクロでそれぞれの会社が処理されて、それぞれ失業者ということで排出をされてくるという状況で社会不安が募る、せっかくの、よかれと思った産業再生が、社会不安が募ることによって景気を冷え込ませるという逆の影響を来す。
 これは、やはりそこからはじき出されてくる労働者のことも全部含めたプランをつくらなければうまく機能していかない。もっと大がかりな、労働省あるいは文部科学省ですか、職業教育というふうなことも全部含めたものを考えるべきだということをぜひ指摘させていただきたいと思います。ぜひお考えをいただきたい。政府全体で、これはせっかく内閣府が主導しているわけですから、考えていただきたいと思います。
 次の質問でございます。
 二〇〇三年三月一日の日経新聞がございます。「国民負担避けられず」ということが大見出しになっているわけでございますが、産業再生機構の社長予定者の斉藤さんのインタビュー記事でございます。
 「不良債権の買い取りにより損失が生じ、国民負担につながることは避けられない」という見方が示されております。さらにまた、「十兆円の買い取り資金予算をすべて使い切るわけではないが、回収も進め収支がゼロになるよう努力する。だが不良債権処理がこれほど進んでいない以上、政府が積極的に資金を使わなければいけない。ある程度の国民負担は必要だ」ということで結ばれているわけでございます。これは、今度の社長予定者のお考えのようでございます。
 しかし、こういう話というのは大臣の答弁と趣旨が違うのではないか。あらかじめ国民負担を想定して、使わなければならないという筋のものだとすれば、それこそ再三指摘されているようなずぶずぶな銀行救済になってしまうわけでして、そういうものではないようなことをずっとおっしゃっていた、適正な価格であると。この社長さんのお考えというのは、政府の考え方と違いませんか。
○谷垣国務大臣 報道に基づいて斉藤さんの御発言を論評するのはどうかなと私も思うんですが、仮に御指摘のような発言があったとして、私は、これまで私が申し上げてきたこととそんなに違うことをおっしゃっているわけじゃないと思うんです。
 私は、トータルの最終的な国民負担というのは最小限にしなきゃならぬというふうに申し上げてきたわけですが、逆に言えば、個別案件で損失が生じるということはあり得るし、それを過度に恐れて思い切った仕事ができないということであるならば、この機構をつくった意味がないという思いで申し上げてきたわけです。
 それで、制度的にも、機構が解散時にその財産をもって、最初は資本金を充てる、出資金を充てるわけですが、それでも債務を完済できないときは、政府が所要の予算措置を講じて、その予算の範囲内で費用の補助を行い得るという規定を設けておることは御承知のとおりでありますけれども、それもそういう趣旨でございます。
 もとより、損失が出るということは望ましいことではないことは当然ですけれども、過度に抑制的であって、あるいは石橋をたたいて渡らないというようなことでこの機構が機能しないとすれば、それはこの制度をつくる趣旨と異なるという意味においては、私と斉藤さん、表現は違うかもしれませんが、そんなに違ったことを言っているわけではないと思います。
○金田(誠)委員 違うのか違わないのか、御本人に聞くのが一番わかりやすいと思いますので、私どもの党からも、参考人招致要求ということで理事会に出されていると思うわけでございまして、委員長、ぜひ参考人の招致についてお諮りをいただいて、早期に実現をしていただきたいと御要請を申し上げておきたいと思います。
 ただ、この新聞記事でございますが、「政府が積極的に資金を使わなければいけない。ある程度の国民負担は必要だ」という言い回しからすれば、個別の企業についてそういう場合もあるという文脈ではないのではないか。トータルとして、十兆円のうちのある程度の部分、もしかすれば十兆円全部かもしれませんが、そういうものを念頭に置いての発言だと思うわけでございます。この法律は、こういう法律なんですよ。どうなるかわからないわけです。
 そこで、提案している立場からどういうつもりで御提案になっているのか、伺いたいと思うんですが、第四十六条に政府補助についての規定があるわけでございます。この限度額というのは、どの程度の想定がされているのでしょうか。
 私は、これはゼロにこしたことはないというふうに思いますね。最終的には資本金で処理できるぐらいが一番いい形である。もうけが出るのが一番、本当はもっといいのかもしれませんが、仮に利益が出なくても、自己資本で処理できるぐらい。その場合に、金融機関の出資が先般の報道では五百億程度ということで報道されておりましたから、この五百億ぐらいで処理できるのであればいい形かなと思うんです。
 万々が一のことで、政府補助という四十六条の規定があるわけですが、これは実際問題どのぐらい想定されているんですか。五百億に毛の生えた程度ぐらいですか、それとも十兆円ですか。
○谷垣国務大臣 十兆円というのは、これは買い取る枠の最大限の枠でございますから、十兆円という数字を我々は想定しているわけではもちろんございません。ただ、これはどういうものが持ち込まれてくるかによっても違ってくるわけですので、現時点で、あらかじめこのぐらい想定していると言うわけにはまいりません。
 もちろん、第一義的には先ほどおっしゃいましたように出資金で埋める、プラスが出る場合もあるかもしれませんが、マイナスが出た場合には第一義的には出資金で埋めるということで、それでもできない場合にはこの規定が設けられている、こういうことでございます。
○金田(誠)委員 私は、この法律、何か必要ないとかやめてしまえと言っているわけではないんです。仮に政府が関与するとしても、どういうスキームなのかはっきりしてほしいということを言っているわけですね。
 法律だけを見ると、十兆円かもしれないわけですよ。こういう産業再生機構というところを経由して銀行に公的資金をぶち込むという法律にもなり得るわけですよ。しかし、本当に適正な市価で買い取って、最終的に買い取ったものを処理してほぼとんとんにおさまる、多少の穴埋めは、政府補助が多少は出るかもしれないというものであれば、それはそれなりのものかもしれません。これはどっちなのか、どういう運用がされるのかというのは、今の大臣の御答弁ですと判断できないわけです。
 それは、説明責任、提案者ですから、きちっと果たしていただきたい。我々がどういうものを想定して判断すればいいのか。それはやはり、最終的には、この四十六条の政府補助に限度額を定める。それは、法律に書き込まなくても、明快に、きちんと数字で答弁をして、そこにおさめるという不退転の決意でやるということになれば、もしかすれば信用できるかもしれない。社長さんはそう思っていないみたいですけれども。その食い違いも含めて、きちんと答弁してください。
○谷垣国務大臣 もちろん、例えば再生ファンドみたいなところでは、実際、再生をして、そこで利益を上げておられるところもたくさんあるわけですから、そういうこともあり得ると思います。それで、我々としては、それは、適正な時価で買って、うまく再生させて、そして何とかプラスに持っていくというのは当然の努力目標であるというふうには思っております。
 ただ、こういう規定を設けていることは、先ほども申したことでありますけれども、過度に抑制的になって、こういう機構を設ける趣旨と違うことになってはいかぬという意味からこのような規定を設けているわけでありまして、我々としては、当然プラスに持っていきたい、こういうふうに考えております。
○金田(誠)委員 私は、この政府補助が最終的に幾らになるか、ここでもうきちんと確定した数字を出せと言っているわけではないわけです。一定の幅がもちろんあるだろう。万々が一ですよ、これは。原則は、自己資本の範囲で処理できる形が原則だと思うんですが、ずぶずぶの関係にならないような歯どめをきちんとしていただきたい。それは、どの程度、最悪でも想定しているのか。それによって、買い取り価格、買っていいものか悪いものかが全部決まってきますでしょう。このままですと、本当にもうずぶずぶですよ。
 これは、委員長、政府統一見解として、その幅も含めて、どういう形で運用するのか、これをやはりきちっとしていただかなければ、これは賛否を表示しようがない、こう思いますが、いかがですか。
○竹本委員長代理 いや、一応聞いておきます。
○谷垣国務大臣 繰り返しの御答弁になりますが、これはあくまで、こちらが乗り出していって、あなたのところ、この病院に入院しなさい、こういう仕組みではございませんので、どういういわばお客様があらわれるかによって違うわけでございまして、今それを一概に言うことはなかなか私は難しい、こう思っております。
○金田(誠)委員 ゼロかもしれないけれども十兆円かもしれないという話ですから、これはやはりきちんとしていただかないと、審議が進まないと思います。
 ここで質問をやめますなんということは申し上げませんけれども、次のときにきちんと答えていただかないと、これは審議のしようがない。こんな無責任なことを我々できませんので、それはもうきちんと政府部内で統一見解をまとめるように強く申し上げておきたいと思います。委員長、ひとつよろしくお願いいたします。
○竹本委員長代理 はい。
○金田(誠)委員 次に、平沼大臣にお伺いをいたします。
 産業再生法により既に認定した案件についての資料をいただいております。この資料でございます。百八十一件のうちには、トヨタ自動車、ソニーなど、超々優良企業も含まれているわけでございます。
 本来、自力でやっていける企業は自力でやっていただく、少し後押しすればうまく走り出す、坂を越えられるというところは投資するのが政府の役割ではないでしょうか。一兆五千億利益を計上しているところに一億か二億つぎ込んだところで、こんなもの、そういうところに国費というものは、税金というものは使う筋のものですか。この辺、ちょっと筋が違うんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○平沼国務大臣 まず、冒頭ちょっと、参議院の本会議で前半出席できずに、大変申しわけございませんでした。
 産業再生法で、今、金田先生、百八十一件と言われましたけれども、百九十件の実績がございます。大企業で、一兆五千億も利益を出しているようなところに果たしてそれを適用するのはいかがか、こういう御意見だったと思います。
 苦境にある企業の優良な経営資源の散逸を防ぐこと、これも私は非常に重要だと思っております。しかし、グローバル経済下において、強い企業というものをある意味ではより強くするという視点も、私は、産業政策の理念の中で否定すべきことではない、こういうふうに思っております。
 したがいまして、企業の規模や経営状況のいかんにかかわらず、企業の持っている経営資源を低生産部門から高生産部門に集中をして、企業経営の効率化あるいは生産性の向上を図ることによって、選択と集中、これを取り組んでいく。このことが、私どもとしては、我が国産業の総合的な活力を高める上でも非常に重要なことだ、こういう考え方でございます。
 今回、百九十件の中では、中小企業も五十一件ございますし、そういう意味で、私どもは、おっしゃっておられる意味も理解できますけれども、今申し上げたような、そういう観点も私どもは持っているということを御理解いただきたい、このように思っております。
○金田(誠)委員 誤解があれば困りますので申し上げますが、私は、強い企業がより強くなっていただくのは結構なことだと思っております。それは、まず第一義的に自助努力、自由主義経済ですから、そういうことでしょうし、政府としても、やるべきことはいろいろある。あるいは、科学技術の振興であるとか、大学教育の改革であるとか、さまざま、政府がやるべきことは多いと思います。しかし、こういう企業に税制措置をやらなきゃならないのかという問題を指摘しているということで、ぜひ誤解のないようにしていただきたいと思います。
 ちょっと、数字のことで恐縮でございますが、この百八十一件が、二百件になったと言いましたか。(平沼国務大臣「百九十件」と呼ぶ)百九十件。どちらの数字でも構いませんけれども、この件数について、税制による支援措置の金額はトータルでどのようになっているか。また、その中で、今言ったトヨタとソニー、これはもう興味ありますので、ぜひこの二つについて答えていただきたいと思います。
 あわせて、その次の、今後、今回の改正で、事業再構築計画の延長のほか、新たに三件の認定制度が新設されることになっております。これにかかる税制措置の金額、それぞれ単年度でどうなるかということを教えてください。
○林政府参考人 お答えを申し上げます。
 まず最初の、百九十件、これは毎日若干ふえてくる部分もございますから、申しわけございませんが、その数字でございます。正確な数字というのは、実は、個々の企業の税務状況、あるいは、いつ払うかということもございますので、把握が困難でございますけれども、計画から推定いたしまして申させていただきます。
 現在の事業者全体で、百二十五億円程度ということが、経済産業省の案件、これは百二十一件、ベースでございます。それから、その内訳を申し上げますと……(金田(誠)委員「いや、もういいです、簡単で」と呼ぶ)
 それから、トヨタ、ソニーのお尋ねでございます。これは、トヨタがトヨタフィナンシャルサービスを設立するということに関します登録免許税軽減が、予定どおり行われておりますれば三・五億円。ソニーがソニー銀行設立に関しまして、二・一億円ということになってございます。
 それから、今後の減税見込み額でございます。これは、各企業の事業再構築や共同事業再編といった活動の見込みに左右されますので、ちょっと推計は簡単ではないのでございますけれども、大きく見込まれております革新的な、新しい設備投資に関する特別償却でございます。これが非常に大きくて、百億円程度になろうかなと思っております。これに加えまして、現行の延長分がございます。合わせまして、大体、二百二十五億円というのが我々の試算でございます。これは、経済産業省の関係分でございます。
○金田(誠)委員 トヨタが三・五億、ソニーが二・一億というのは、本当に必要なものかどうか、ぜひお考えをいただきたいなというふうに思います。
 これに対して、中小企業対策としてこれが出されているわけでございます。中小企業再生支援指針と認定支援機関というものが出ております。また、中小企業総合事業団の出資制度の対象に中小企業再生ファンドが追加されるということもあるようでございます。これらにかかる経費の方、中小企業対策ということで行われる方は、これは単年度幾らになりますでしょうか。
○杉山政府参考人 お答え申し上げます。
 中小企業再生支援協議会、これに直接かかわります予算でございますが、平成十四年度の補正におきまして、本年度内に立ち上げることが可能な約半数の都道府県、一・八億円を計上させていただきました。それから、十五年度予算につきましては、これは全都道府県を対象にいたしまして、十八・五億円を計上させていただいております。
 それから、中小企業総合事業団からのファンドの件でございますが、現在三百億円のファンドのトータルの出資のお金がありますので、それの一部としてそれを使うというふうに考えておるところでございます。
○金田(誠)委員 全体の、大企業も含めたスキームが二百二十五億ということでございますから、この数字がどんなものかという感慨深いものがございます。
 あわせてお聞きをしておきますが、認定支援機関、各都道府県に一カ所程度、程度ということでありますけれども、四国であれば四県ですから、恐らく四カ所。北海道は、道は一つですから一カ所ということにはまさかならないだろうというふうに思いますが、四国の面積からいっても人口からいっても倍ぐらいあってもいいような気もしますが、これはいかがでしょう。
○西川副大臣 おっしゃるとおりでございまして、北海道は、道の御配慮もございまして、道内にございます広域的な組織であります再生協議会の支部を六つ、例えば道央、道南、十勝、オホーツクなどの各圏に六カ所、札幌と合わせて七カ所、こういうことになってございます。
○金田(誠)委員 ありがとうございます。
 とかく、北海道も一つなんというのが、経済産業省はそういうことはないのかと思いますが、他省庁では多いものですから、ぜひこれは念頭に置いて今後お考えをいただきたい。今回は、ありがとうございます。
 次に、中小企業対策で引き続いて伺いたいと思いますが、我が国における法人企業六百万社のうち九九・七%が中小企業、こう言われております。中小企業の再生がなければ日本経済の再生もないということだと思います。こうした観点から、今回のセーフティーネット保証の拡充、これは大変ヒットだったというふうに実はいろいろな方から伺っております。いいことは率直にいいということで申し上げさせていただきたいと思います。
 そこで、評価をいただいたその方から、提案をぜひしてほしいというふうに言われている点が一点ございます。政府系金融機関の融資条件の年齢制限、今実質七十歳になっている。これは、信用保証協会の保証が七十を超えると得られないということのようでございますが、この七十歳を七十五歳に引き上げられないかということでございます。
 例えば、厚生労働省では高年齢者共同就業機会創出助成金制度というものがあって、六十歳以上の三人で創業する場合には特別の助成をするというのもあります。こうした方が事業継続で追加融資を考えるころは七十を過ぎているということでございまして、頑張っていただけることはいいことだと思います。
 こうしたことから、七十が七十五になるだけでも中小企業者は大変ありがたいと。現在は後継者の保証があれば可能とされているけれども、こういう中小企業のおやじの保証をするような息子など今どきもうほとんどいないという話でございまして、そこで年齢制限を七十五にして、担保は生命保険でもいいではないかとおっしゃっているんですよ。住宅金融公庫だってそうだと。であれば、そういう形でぜひ引き上げできないかというふうに提案をいたしたいと思います。
○西川副大臣 お答え申し上げます。
 先生、政策金融機関が押しなべてというお話でございましたが、それは誤解でございまして、信用保証協会は、内規を持っていないところを除いては内規で七十歳、こういうふうにしております。それに対する対応は、保証を認めた場合には、普通の方が五年であったら七十歳以上の経営者の場合には三年とか、そういう、これを差別的というかある意味で当然というか、これは大変議論の分かれるところでありますが、御指摘のように、長生きをされる時代であります。所有と経営の分離が不明確な小規模企業においては、その点は一つの大きな問題だと思っております。検討していきたいというふうに思います。
 それから、住宅金融公庫の方も調べてみましたけれども、ローンを組みますと団体生命保険に入っているんですね。私も入っておりますけれども。これは、返せなくなったときに家族が家を手放すことがないように、いわゆる負債者にかわって住宅金融公庫の関連団体がやる制度であります。
 生命保険を事業資金の担保にとるというのは商工ローンっぽくなってどうも余りよくない、こういうふうに思いますので、ほかの方法で検討を加えなければいけないかなと思っております。
○金田(誠)委員 今、貸してもらえないわけですから、もう生命保険でもという必死の要請でございまして、御検討ということでよろしくどうぞお願い申し上げたいと思います。
 最後に、平沼大臣、コンビニフランチャイズの問題で以前お邪魔をさせていただきまして、これもまた産業再生法が適用になる企業以上に深刻な事態、こういう状況を放置しては地域全体がどんどん疲弊していくわけですよ。地域にお金が回らない状況になっている。再生法は再生法としても、こういうところをやはりきちんとやっていただきたい。
 事情は、もう御承知のとおりでございます。例えば、廃棄ロスや棚卸しロスにロイヤルティーをかけている、これ一つ是正しただけで地域が大分変わってくる、私はこう思うわけでございます。ぜひひとつ、公取とも連絡をとって、できるところから手をつけていただきたいと強く要請したいと思いますが、いかがですか。
○平沼国務大臣 金田先生は、かねがねこの問題について大変すばらしい活動をされておられまして、私も、金田先生からいただいた冊子もよく読ませていただきました。
 確かに、大きな問題点がございます。フランチャイズ制度というのは、加盟をする人からいえばいろいろのノウハウが得られて非常にいいということと、それから、展開をする人にとっては一気に店舗をふやすことができる。いろいろなそういう両方にメリットがあるわけですけれども、一方が不当なメリットを得て一方が不利益をこうむるということはあってはならないことでございまして、私どもは、このことは今後しっかり公取とも連携をとりながら万全を期していかなければならない、このように思っております。
○金田(誠)委員 よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。
○竹本委員長代理 後藤斎君。
○後藤(斎)委員 民主党の後藤斎でございます。質問通告にないものを、ちょっと谷垣大臣と平沼大臣に冒頭お尋ねをしたいと思います。
 この産業再生機構、産業再生法を含めて、両法案、大変本国会で重要法案だと言われて、まさに今の株価、経済の何とかして立て直しをという思いが両大臣にあると思います。ただ、よく大臣ごらんになっていただきたいんですけれども、これは委員長に言う話かもしれませんが、議員の方はそれぞれお忙しいかもしれませんが、私は、その意気込みが両大臣が思っているほど議員の諸君も感じていないような感じがします。まずその点について、大臣どうでしょうか。
○平沼国務大臣 ちょうど今回、今やっている審議は、たまたまこちらの席が非常に人数が少ない。ちょうど昼食の時間にもかかっているというようなこともある意味ではあるんじゃないかと思いますけれども、私どもは、今の経済状況からいって、御指摘のとおり、この法案というのは非常に重要な法案だと思っております。そういう意味で、委員会の先生方にも、もちろん意欲を持ってやっていただいておりますけれども、さらなる意欲を持って御審議をいただければ、このように思っております。
○谷垣国務大臣 後藤委員には、きのうは食品安全の御議論も賜りまして、ありがとうございました。
 きょうのこの産業再生の議論でございますけれども、御指摘のように、私は大変大事な議論だと思っておりまして、この委員会で熱のこもった御質疑をしていただいているのは大変ありがたいと思っております。出席と熱意が足りないんではないかという御指摘ですが、私もかつて複数の委員会に所属して出席に困ったようなことがございまして、そういうこともあろうかなと思っておりますが、引き続き熱心な御議論をお願いしたいと思っております。
○後藤(斎)委員 お二人の大臣、思いは強く、若干ですが感じますけれども、谷垣大臣、十二時半には退席をなさるということで、まず谷垣大臣の方から御質問申し上げたいと思います。
 先ほど来、せんだっての委員会の質疑でもそうですが、この産業再生機構、ある意味では銀行救済でもあるという指摘もございますし、ある一方では企業の活力を高めていく、多分両面ありながらこの機構法案が私は出ているんではないかなというふうに思っています。
 確かにRCCとの機能、役割分担の整理、これもございますが、逆に言えば、産業再生機構は金融機関から要管理債権を買い取り、再生をするということで、ある意味では金融機関の債権を切り離しをして対応するということは、金融機関側から見れば、金融機関の再生ではないかというふうな意見ももちろんあります。それはある意味では正しい方法かもしれませんが、それだけに特化をするということは私は大変間違っているというふうに思いますし、これは後ほど、大臣が退席してからちょっと細かな点について御質問しますが。
 そんな中で、私は、議論を聞いていても、今回準備室、経済産業省、財務省の若手の役人の皆さんが五十人近くで準備室をつくられ対応しているというふうな話は聞いておりますが、この人的なものは、例えば委員の部分については法律に三人ないし七人までということが規定をされていますが、職員の規定というものがございませんが、どのくらいの規模というものを大臣は今見込まれていますでしょうか。
○谷垣国務大臣 大体、数十名といっても、規模が割合多い方から百名ぐらいの間を現段階では想定しております。もちろん、やり始めて、持ち込まれる案件がたくさんあるような場合にはさらに拡大していくとか、また逆の場合もあると思いますが、現時点で想定しているのは大体そのぐらいの規模でございます。
○後藤(斎)委員 先ほどの同僚議員への答弁の中には、基本的にその人材というのは民間の方ないしは政府系金融機関の方というふうなお話がございました。先ほども御指摘した今準備室の職員として働いておられる方は、その中に入るんでしょうか、入らないんでしょうか。
○谷垣国務大臣 今の準備室のメンバーは、先ほどおっしゃいましたように、経済産業省やあるいは財務省から来ている者もございますし、あるいは金融機関等から派遣してもらっている者もおります。官僚機構におりました者が今後この機構ができましたときどうするかにつきましては、私は、こういう成立の過程やあるいは政府が関与したものでありますから、若干のそのつなぎ役といいますか、リエゾンオフィサー的なものは残す必要があるんだろうと思っておりますが、原則として、民間から来た方で先ほど申し上げたような数十名から百名の規模を埋めたいと思っております。
○後藤(斎)委員 もう一点、非常に単純な質問ですが、今回この機構法の中の五十四条で主務大臣の規定がございます。谷垣大臣、今特命大臣としてこの産業再生機構の問題を取り扱われておりますが、谷垣大臣の固有名詞はないにしても、内閣総理大臣と財務大臣、経済産業大臣が主務大臣である、権限の委任ということで五十五条で内閣総理大臣は金融庁長官に委任をするという形で、谷垣大臣は機構をつくるまでがお仕事なんでしょうか。
○谷垣国務大臣 主務大臣は御指摘のように内閣総理大臣と財務大臣、経済産業大臣でございますが、この中で内閣総理大臣がおやりになるのはいわば二つございまして、一つは、これは預金保険機構が株主になるわけですが、預保等の主務大臣など、そのほかいろいろございますが、金融庁、今の金融担当大臣がやっておられるその総理のお役目と、それから総合調整をされる意味での総理のお役目と、両方あるわけでございます。それで、できましても恐らく、恐らくというのはちょっと語弊がありますが、その総理がなさる総合調整の仕事を特命大臣という形で担当する者ができる、今のところは私である、こういうことだろうと思います。
○後藤(斎)委員 先ほどもちょっとお尋ねをしようと思って、正式に確認をしたいんですが、先ほどもお話ししましたように、この産業再生機構がある意味では銀行の要管理債権の処理というものに使われるということも事実だと思うのですが、それと産業再生ということで、事業再生をメーンにする。こちらはどの程度のウエートをかけているというふうに谷垣大臣はお考えでしょうか。
○谷垣国務大臣 機構がやりますことは、あくまでお申し出のあった案件を再生させていく。その意味で、産業の再生というよりも事業の再生を主として扱うというのが正確な言い方だろうと思います。それは同時に、いろいろ御議論をいただいておりますが、その過剰供給構造を助長するようなものであってはならないので、結果として産業再編といいますか、そういうものに役立っていくだろうという認識でございます。
 それで、産業、金融一体という言い方がございますけれども、それは不良債権と企業の抱えている過剰債務が裏表の関係に立つということでございますから、もちろん金融の方も金融の御努力があることは当然でございますけれども、私たちは、産業というか、企業の側からこの機構を通じて努力をしていく、こういう関係であろうと思います。
○後藤(斎)委員 確かにそうあってもらわなければ困るというふうに思っていますが。
 もう一点、先ほど大臣が、委員は別として、実際事務局として働く方、大体マックス百人くらいだろうというお話をされました。ただ、実際、案件処理をして、一号もどういうふうになっていくのか、これからですが、例えば一号が、この法律が正式に施行される、二カ月以内ということが附則で決まっておりますから、されるとき、今まだ何も念頭がなく、その一号案件というものが例えばどのくらいの審査期間が必要なのか。三カ月ルールみたいなものがありますが、実際、諸外国の例を見ると、大体こういうものは三カ月から半年ほどかかる、それに要するスタッフというのは大体チーム制でやって四人、五人、六人と。六人までいくかどうかは別としても、大体複数、それも十人の半分くらいまでの人数がかかわっていく。それが、案件がどのくらいあるかはわからないというふうに多分お答えになるでしょうから、例えば三十件が並行していくとしたら、そこで四人の体制にすれば百人はすぐ超えてしまうわけですよ。適時またそのときにスタッフを採用すればいいということになるのか、それとも、ある程度、どのくらいの企業からリクエストがあるかということを見込んでやるのか、その点はいかがなんでしょうか。
○谷垣国務大臣 第一号案件というのは非常に大事だと思っておりますが、まだ、使ってくださいということを申し上げる段階で、第一号案件というのは、やはり国会で通していただいてから具体的に考えるべきものと思っております。
 そこで、先ほどおっしゃいましたように、実際作業をしていく場合は、十の半分ぐらいとおっしゃいました。七、八名ということになるんじゃないかと思っておりますが、そういうものが、やはり今までの処理を見ましても、数カ月、二、三カ月はかかるんだろうというふうに思います。
 百名内外といいますのは、管理の部門もおりますので、そういうものが十チームぐらいのところを今のところは想定しているわけでございまして、出発時は大体そんなことを考えているということでございます。
○後藤(斎)委員 確かに、大臣がお答えになったように、正式には第一号というものは出ておりませんけれども、幾つかの情報誌には既に、再生必至企業百社というようなリストがそれぞれの銀行ごとに出て、準備室の匿名の形で名前が具体的に挙がっております。もちろんそれは、いろいろな思惑やいろいろな思いの中で出ていると思いますが、それでは、逆に言えば、大臣が、中小企業も対象にするということで地銀や第二地銀と、先ほど金田議員も御指摘をしたように、いろいろな依頼をしているのは、先ほどのちょっと繰り返しになるかもしれませんが、それは、案件が少ないからいろいろ説明に大臣御自身がお歩きになっているんでしょうか、それとも、思いをもっときちっと伝えるためにやられているんでしょうか。
○谷垣国務大臣 先ほどのようなことを地銀協ないし第二地銀協のお集まりで申し上げましたのは、報道をベースにいたしますと、とかく、メガバンクが扱う非常に巨大な案件、これが第一号だとかいう報道が先行しておりまして、何だ、あそこはそういうことばかりを扱うんじゃないかという、私から言わせれば誤解なんですが、そういうものが広まっておりますので、その誤解を解いて、そして、もちろん大きなところも扱わなければならないと思っておりますが、自分たちと関係ないと思っておられる方に、使えるものだという、宣伝というと言葉は悪うございますが、それもさせていただく必要があると思ってしていることでございます。
○後藤(斎)委員 今回の産業再生機構の債権取引価格、RCCの買い取りよりも、適正時価ということで高いと。これはどのくらい高くて、それによってモラルハザードというのは起こらないというふうにお考えでしょうか。
○谷垣国務大臣 これは、高いと一義的におっしゃるのは、私は違うんだと思います。それで、適正な時価、時価というのは幾らかというのは、論理的には一つに決まるんでしょうが、今、そういうようなマーケットがあって、そのマーケットの中で自動的に決まっていくという形ではありませんので、どういうふうに査定をして決めていくかという、それはいろいろな困難はあろうかと思いますが、私どもは、やはり出口を見詰めて、出口の再生計画の中には、病気に例えますと、ある程度手術も必要だろうと思います。そういうことをした場合にどれだけの価値があり得るかということで、価格を決めていくということでございます。
○後藤(斎)委員 これも出口の議論で、五年後のことを言って大変恐縮ですが、二年間で集中的に買い取りをし、三年間で処理をしていくということは変わっておりませんですね。
 その中で、五年後、この機構が、法律によって延期というか延ばすことはできるのかもしれませんが、今の段階で、この五年間に区切って、スピード感スピード感、緊急事態だという点はよくわかります。ただ、逆に言えば、よくこれも言われることですが、アメリカは、二十年かけて、四千人から五千人の、企業再生ファンドという新しいビジネスというか、専門家の育成をした。日本ではその十分の一に満たない方、そのせめぎ合いを、RCCもそうでしょうし、今回の産業再生機構もそうでしょうし、後で中小企業庁にお尋ねをしようと思っていますが、各県に置かれる、支援センターじゃなくて、そういうものがいろいろな部分で人材を引っ張り合いをする。これは、先ほども同僚議員からお話があったように、よっぽど高給でないと、それをメーンでやっていくことはなかなか難しい。
 逆に言えば、今回の産業再生機構は、新しい企業再生ビジネスを、日本の今なかなか起業家も、新しい創業というのも難しい中で、ここを少しノウハウ、人材を蓄積してやっていくんだという部分であれば、五年後にはいわゆる民営化をして、新しいものをつくっていくということも視野に入れてやれば、逆に言えば、四十六条で、仮にそのときに債務を完済することができないときには、予算の定める範囲で、費用の全額または一部を補助することができるというものが、少しは国民、納税者の方に理解されると私は思うんですが、その点、どうでしょうか。
○谷垣国務大臣 塩漬け機関にしないというような意味合い、スピード感も含めまして、私たちは五年ということを念頭に置いてやっております。
 それで、うまく、そういう再生マーケットみたいなものが育ちましたときは、やはり民間でこういう再生ファンドが必要じゃないかというようなことになるかもしれません。そのときは、この中で働いたり、あるいはこの中からアウトソーシングした仕事をなさった方が、そのときのメーンプレーヤーとして登場するということは、私は十分あり得る。それで、こういう機構をつくった意味合いも随分達成されるということがあり得るんだと思いますが、私どもは、やはりこれは五年間で達成したら店じまいする、そういう覚悟でやらなければいけないと思っております。
○後藤(斎)委員 国土交通省さんにちょっとお尋ねをしたいと思います。
 具体的な支援基準というものが法律の中に明定をされております。要するに、産業再生法の中の生産性基準と財務健全化基準を満たすことを基本的な要件に最終時点でしながら、支援基準を設けております。一方で、国土交通省さんは、建設業に関し、独自の基準を出しております。
 この違いを簡単に御説明いただくとともに、この独自基準をつくる際にいろいろな駆け引きがあったというふうな話を、駆け引きというと大変言葉が失礼ですが、先ほど御指摘をしました五十四条の主務大臣の中に、当初の案では、国土交通大臣も入っていたというようなお話もありますが、その点も含めて、どんな形で二つの基準が、一般基準と国土交通省の基準が出てきたのか、ちょっとお尋ねをしたいと思います。
○松原政府参考人 お答えを申し上げます。
 国土交通省で定めました建設業の再生に向けた基本指針、これは、一般的な基準となっております企業・産業再生に関する基本指針、これに基づいて、事業分野別の指針として定めたものでございます。
 建設業につきましては、平成四年当時、建設投資が当時ピークでございましたけれども、現在、それに比べまして、市場規模が三割下がるというような状況になっておりまして、こういった過剰供給構造ということを踏まえまして、建設業の再生を進めるということで、特に、安易な企業救済とならないように、再生可能な企業に絞って今回のスキームの対象にする、こういうことでございます。
 特に、主といたしまして、緊急の課題でございます大手、準大手ゼネコン、これを対象に今回の基準を定めたところでございますが、その中身でございますけれども、先ほど先生の方からお話のありましたとおり、一般基準となります生産性向上基準あるいは財務健全化基準に加えまして、まず、供給過剰になっておるという、その点を是正するという観点から、事業規模の縮小、あるいは二つ以上の企業の経営統合や事業再編が行われることということを要件として一つ加えております。
 それからもう一つ、再生が確実に行われて、中途半端な再生にならないようにという観点から、収益性、安定性、健全性、こういった三つの観点を示す指標が、計画の出口時点でございます三年以内に建設業の平均的水準に近い水準となることということ、この二つの点を要件として加重をいたしておる点でございます。
 それからもう一つ、先ほど先生の方からいろいろ駆け引きというお話がございましたが、特段の駆け引きがあったわけではございませんで、お互いに、その業界の状況、そういったものを意見交換しながら相互に、同時並行でこの作業を進めてまいりましたので、そういった観点から、こういった形で集約をしたということでございます。よろしくどうぞ。
○後藤(斎)委員 今の最後の答えはなかなか納得できないんですが、まだたくさん聞くことが残っていますので。
 谷垣大臣は退席をされましたが、要すれば、債権放棄を受けた企業の業種分布というので、調査室が取りまとめていただいたもので、昨年の九月三十日現在の数字で債権放棄を受けた企業の分布というのが六百六十八社ございます。この六百六十八社は、ある意味では、債権放棄を二度三度受けるというのは日本にしかない慣例というか慣行というかルールで、欧米ではなかなか、一度きりはとりあえずきちっと債権を放棄するよと。これはよくこの委員会でも言われていることですが、大企業ばかりやって中小企業はそんなことしてくれなくて、最悪の場合は本当にみずから命を絶つということもある中で、例えば、昨年の九月三十日現在のこの六百六十八社というのは、今回の産業再生機構の支援対象になるんでしょうか。
○根本副大臣 大臣がおりませんので、私が答弁させていただきます。
 産業再生機構の基本的な考え方でありますが、支援決定を行う時点で、対象となる企業の事業再生計画の中身を十分に見て、これが再生可能かどうか、そして事業再生計画がきちんと実施できる、こういう判断をした場合に支援を決定しよう、こう考えております。したがって、今先生のお話にありましたような、当該企業が過去に債権放棄を受けたかどうか、これだけによって支援の是非を判断するということにはならないだろうと思います。
 ただ、その企業を見た場合に、本当にコアとなる事業、その事業が非常に優良な資源があって、事業再生計画も実現できる体制にある、こういう点を判断する際には、それまでの経営状況なりあるいは事業の実施状況、これを厳格に検証してやるということになりますから、過去再建計画がとんざしているような企業につきましては、私は、債権放棄をしたという事実も含めて、そこのところはより厳しい目で評価することになると考えております。
○後藤(斎)委員 きょうの質疑の中でもあったと思いますが、要するに、中小企業も今回の支援対象にするというお話を、谷垣大臣からも根本副大臣からもお答えがあったと思います。その際に、基本的には同一基準でございますよね、中小企業も。これもよく言われることですが、十兆円の保証枠、これは限られているか、多過ぎるのかというのは、私もよくわかりません。今までの特別保証の枠であるとか、そういうものに比べてみれば若干多いかなという感じもしますが。中小企業と大企業を同一支援基準というふうにするというのは、一方で、産業再生法の改正の方の中小企業の別のまたスキームをつくって対応しているのと、ここはそごが出てくると思うんですが、どうでしょうか、副大臣。
○根本副大臣 私も再々、中小企業と大企業、そこは区別いたしません、それで、支援基準という基準も決めておりますので、その基準を十分にらみながらやっていきたい、この点は変わりませんが、いわゆる中小企業の場合は、業種もあるいは地域的にもさまざまな業種、業態があって、相当個別に違うんだと私は思うんですね。
 ですから、中小企業につきましては、再生機構については区別をいたしませんが、ただ、中小企業の場合には、メーンバンクが利子を減免するなどしてみずから支援するという形もありましょうし、それから経済産業省の方で考えている地域ごとの再生支援機関、こういうものも出てまいりますし、あるいは今回の補正予算絡みで、要管理先債権にも政府系金融機関が融資をする、あるいはリスケジュールにした場合に信用補完もする、こういうさまざまな政策手だてを今やっておりますので、私は、その全体の中で再生機構も中小企業の再生支援に当たっての選択肢の一つだと思っておりますので、基本的には支援基準に従って中小企業に対しても対応していきたい、こう考えております。
○後藤(斎)委員 十兆円の枠、特別枠というものを有効に使っていただきたいというのをぜひお願いをしたいと思います。
 多分、一般の国民の方に、特に中小企業者の方も含めてかもしれませんが、今回のこの機構というものが産業再生法と相まってどんな産業形態にしていくのかというのが、私はなかなか見えにくいんじゃないかなというふうに思っています。
 これは、後で平沼大臣の方にお尋ねをしますが、過剰供給構造の解消から始まって国内空洞化への対応という中で、四つのいろいろなパターンを、共同事業再編計画とか事業再構築計画とか、いろいろなものを織りまぜながらやっているのは、時代に合った中で私は正しい方向であると思いますが、一方で、先ほどこれも金田議員からも御指摘がありました、要するに、働く人の部分で、それが一義的にその部分だけでいいのかという議論ももちろんあると思います。
 厚生労働省さんも来ていただいていますから、一点だけお尋ねをしたいと思います。
 労働契約の継承を企業や事業の一部移転に際してしている四つの大きなEU指令をもとにEUでは対応しておりますが、実際、企業再編が進み、倒産もある程度これから出てくるというものが進んでいけば、ある意味では、日本型の経営というものが変わっていく中で、労働関係の継承や労働者保護というものを、いろいろなまた新たな法体系の整備も含めてやっていかなければいけない、要するに、セーフティーネットの充実というものをしていかなければいけないというふうに考えておるんですが、その点、いかがでしょうか。
○青木政府参考人 我が国の企業組織再編に伴います労働契約の承継については、企業組織再編については三つのパターンがあるだろうと思います。一つは、会社分割ということでありますが、これは、商法それから労働契約承継法の規定によりまして、これは包括承継でありますので、労働契約がそのまま承継されるということであります。二つ目の合併というパターンでありますが、これも商法の規定により包括承継のため、労働契約がそのまま承継されるということになっております。もう一つのパターンの営業譲渡につきましては、譲渡会社、それから譲り受け会社間の合意に加え、個別労働者の同意を得て個別に承継するということになっております。
 それで、委員御指摘のEU既得権指令でありますけれども、ここでは、営業譲渡についても一律に労働契約の承継を義務づけるということに、法的措置を講ずるということになっておるわけでありますが、これを日本で今法的措置を講じるということにつきましては、一つは、今申し上げましたような営業譲渡が個別労働者の同意を必要とするという特定承継である、そういう法的性格があるということでもあります。それから、今の営業譲渡が不採算部門の整理などに活用されているということで、労働契約の承継を義務づけると営業譲渡が成立しにくくなるということになって、かえって雇用が失われるおそれもあるということもございます。それから、日本の場合には、労働者は、営業だとか特定の職種に従事するというよりも、まだ会社に就職するという意識が強いというようなこともございます。そんな我が国の雇用慣行もございますので、なかなか今直ちにそういう立法措置を講ずるというのは難しいのではないかなというふうに思っております。
○後藤(斎)委員 であればこそ、逆に言えば、産業活力再生法の中にも労働者の部分が明定をされております。当該労働者について、例えば再構築を行う、十八条ですね。雇用の安定ということで、「失業の予防その他雇用の安定を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」いろいろな規定がございますが、要すれば、では、この再生法の中でこの実効性をどう担保するかということが一つ問題になると思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○平沼国務大臣 今ちょっと御議論がございました整理解雇の四要件、これは、計画の認定段階ではなくて、実施段階において遵守すべきルールでございまして、当該要件を満たしたものであるかどうかについては、個々のケースに即して司法が判断をするべきものだ、こういうふうに思っております。したがって、あらかじめ認定段階でこれを確認することは、私どもとしてはできないのではないか、こう思っています。
 このために、我が国の雇用慣行等を勘案した場合、労使の協議等、十分な話し合いが行われていない場合には、従業員の地位が不当に害される蓋然性が高いと判断をすることが私は合理的だと思っておりまして、計画の認定に当たっては、外形標準として労使間で十分な話し合いがなされているかを確認している、こういうことでございまして、先日も参考人の質疑、これも私どもちょっと見させていただきましたけれども、連合の成川参考人の答弁にもありましたとおり、現在の法的措置で特段問題なく運用されているのが実態であり、今後とも、雇用の安定、これを十分配慮しなければならない、こういうふうに思っているところでございます。
○後藤(斎)委員 時間がなくなってきたので、産業再生の方にちょっと移りながら御質問申し上げたいと思います。
 産業再生法は、この一枚紙によくまとまってできていると思うんですが、先ほど御指摘をした、一番に過剰供給構造の解消ということで、私これをちょっと見たときに、何か、国内だけに目が向いて、経済産業省らしくないのかなと。もっと、貿易もあるし、いろいろな部分をこの産業空洞化というところへマッチすれば、何か、逆に言えば競争力をそぎ落とすような、私は初め見たときに、よくよく読んでいくとそうではないということはよくわかるんですが、大臣、率直にそういうふうにこれは思いませんでしょうか。
○高市副大臣 文字として、国際競争力の向上とか、そういう形で打ち出していればわかりやすかったのかもしれませんが、過剰供給があって、過剰債務があって、それによって企業の利益率が下がっていて、利益率が下がっちゃうと、どうしても研究開発投資も減っちゃうし、設備投資も減りますし、そんな中で、結果的に国際競争力がなくなっていく、こういったことを問題視しております。ですから、むしろ過剰供給とか、それから過剰債務の問題を解決していくことで競争力の復活にもつながっていくと思っております。
 今回の法律案、改正案の中で、共同事業の再編計画、これを新しい類型として加えましたよね。そうすると、企業の壁を超えて、複数の企業で一つの、これからやっていけるぞという分野に人材とかお金も、いろいろなものを投入できますよね。そうすると、今、半導体なんかですと五百億円、一年間に一社だと、日本の会社だと投入できるかなと、研究開発に。でも、これじゃ全然勝負にならないんだそうです。一千億投入してやっとかなと。インテルあたりになると七千億。一社だと五百億しか出せないけれども、幾つかで集まって頑張っていくと国際的な競争力も出てくるかな、このように前向きに考えております。
○後藤(斎)委員 ぜひ前向きに、一番最後にちょっと大臣には総括的なこれからのあり方、御質問しますが、その前に、先ほども機構の方で人材の問題を御指摘させていただきましたが、企業再生人材育成センターというものを経済産業省の肝いりで、機構の、これから人材になる方、また地方の方を含めて、その事業に取り組むというお話を聞いていますが、これは先ほどもちょっとお話がありました中小企業再生支援協議会、ここもなかなか、正直言って、地方には人材がいるようでなかなか育っていない。実際、この支援協議会がどこまで計画の作成の支援ができるかということが一番重要だと思っています。
 経済産業省としてこれから、機構法の主務大臣としても、また産業再生法の所管大臣としても、どんな形でこの人材を、国というか、中央の部分、地方の部分で育成されていくのか、お尋ねをしたいと思います。
    〔竹本委員長代理退席、委員長着席〕
○高市副大臣 地方の再生協議会の方はまた別途お答えさせていただきますが、事業再生に係る人材ということで申し上げますと、アメリカなんかですと、大体八〇年代から、事業再生そのものがビジネスになっていて、御存じかと思いますが、TMAというのがございますよね。六千人の事業再生の専門家の組織がございます。日本の場合は、プロの再生専門家といったら、正確な数はわかりませんが、数百人ぐらいかなと言われております。企業の倒産の方は二〇〇二年で二万件ということで、一社当たり、再生に専門家を送り込むとしたら、二、三十人を数カ月張りつけるようなケースもありますので、とてもじゃないけれども足りない。
 そこで、経済産業省で策定いたしました早期事業再生ガイドライン、これによりまして、事業再生人材の育成というのは重要な柱といたしております。民間主導の形にはなりますが、事業再生人材育成センターの発足の準備を進めておりまして、このセンターに向けて経済産業省も予算措置を含めた効果的な支援を計画いたしております。
○西川大臣政務官 今、高市副大臣から、地方の状況、私の方からということがありました。
 今、十四日現在で、二十三協議会できています。この中で、専門家を集めてくることが一番大事なことでありますけれども、私も、この発足に当たりまして、今まで企業を再生させるのに成功した人たち、そういう人たちをできる限り集めるように、こういうことで指示をいたしまして、そんな協議会の形ができてきております。
 例を挙げれば、先生のやまなし産業支援機構も三月十二日にできておりまして、栃木県に私は住んでおりまして、三月十一日にできた、こういうことで、しっかりやらせていきたい、こう思っておりますので、よろしくお願いします。
○後藤(斎)委員 そろそろ時間がないので、大臣に二点お尋ねをしたいと思います。
 先ほど高市副大臣からも御指摘があったように、私は、もちろんポジティブに考えていくべきだというふうに従来から思っておりますし、それが確かに、本来であればまだ余力はあるものの大変先行き不透明で、まさに今の株価の七千円台突入というものは、イラクや北朝鮮の問題もあるでしょうし、また健康保険が四月から上がるということで、社会保障制度全体の先行き不透明感、いろいろなものが総体となって対応がこんな危機的な状況に陥っているんではないかなと。
 これはもう大臣もよく御案内の下村治博士が昭和三十年代から四十年代にかけて繰り返し言い続けた言葉を引用させてもらいますが、「経済発展の真の原動力は、人間の、つまり国民の成長意欲であって、人の意思、行動と離れて経済発展はあり得ず、どんな良い条件があっても、伸びようとする意思と行動がなければ、その条件は生かされない」。
 先ほど、人材ということにこだわりながらいろいろな質問をさせてもらいました。確かにこれから、年齢的に若いということでなくて、まさに新しい潜在的な力を、再生機構法にしても再生法にしても、どんな形で日本の経済や社会、特に経済ということに限っては、マクロだけではなくミクロの、中小企業も含めた経済がどんな形になっていくのかということを問われているんではないかと私は思います。
 確かに、きょう谷垣大臣は、機構がこれからきちっとうまくいく、その中ではスピード感を持って今の危機的状態に対応していくんだと。私は、今の部分というのは確かに、先ほどお話ししたいろいろな要因が絡まっていますから、すぐにそれがすべて解決できるとは決して思っておりません。ただ、一方で言われているように、人口の減少という時代が少なくともあと三年か四年すれば、少なくても国内の人的な面のマーケットというものが大きく伸びていくという時代はもうなくなってくる。私は、今よりもはるかに大きな危機がやってくるという前提で、二年間で申請を受けて五年以内に処理をするということはある意味では非常に正しいと思うんですが、要すれば、そういう時代にあっても、国民全体が、企業者の方も含めて、そして適切な労使関係というものがベースにありながら自信をどう回復していくのかということで、私は先ほど下村先生のお言葉を引用させていただいたんです。
 今回のこの改正産業再生法、どのような産業の将来像をきちっと示すのか。通産省時代は大変そういうビジョンづくりがお得意だったはずの経済産業省が、最近少し、何か内向きになっているような感じも正直言ってしないでもないんですが、やはり今一番は、見えにくい、将来がどうなるんだろうという不安感で経営者も消費者の方も一般の国民の方もいっぱいだというところに尽きるんじゃないかなというふうな感じも私はあるんです。
 機構の問題も含めて、最後に平沼大臣、この改正産業再生法ができた以降の産業はどうなるのか、ぜひ、具体的なイメージを含めて、お答えをお願いしたいと思います。
○平沼国務大臣 私も学生のとき、下村治先生のものは読ませていただいて、そのうち、日本が当時やっていることは陳腐化してよその国に任せるようなことになる、アメリカで隆盛をきわめている自動車産業なんかが日本に移行してきて、それもやがて日本から離れていく、そういうことを学ばせていただいて、本当かなと思ったら、現実にそういうことになった。下村先生の偉大さを改めて感じている次第です。
 かつて我が国におきましては、成長産業と衰退産業というものが現在よりも非常に明確だったわけです。ですから、成長部分を伸ばして衰退産業をうまく撤退させる、そういう産業構造の調整を改革する、こういうことが非常に大切でした。
 しかし、現在は、日本の状態というのは、産業が高度に発展をしまして、そして市場も成熟をして、例えば、現在、自動車だとか家電に代表される既存産業というのは決して衰退しているわけじゃございません。これから非常に伸びるという低公害車ですとかIT分野、こういったことが主力になるということを想定していきますと、やはり、成長産業で立派なポテンシャリティーを持っているのですね。そういった産業というものが、それぞれの産業の中で劣位にある企業において、不採算部門というものをいかになくして、そして得意分野にこれを転換していくか、いわゆる経営資源の集中というのがこれからの命題だ、そこが一つのポイントで、法律もつくっているわけでございます。
 ですから、今後、我々としては、成長が有望だというのはむしろ、産業というよりも、社会構造ですとかあるいは消費者の嗜好の変化がもたらす市場の拡大だ、こういうふうに思っているわけでございます。
 今回の産業再生法改正に当たりましては、個々の企業における経営資源の調整、再配分に着目をしまして、これを円滑化するための措置を講じて、企業単位での選択と集中を促すとともに、新たな共同事業再編計画でございますとか経営資源再活用計画といういわゆる支援類型を設けまして、企業の壁を超えて事業再生を促すことにしているわけでございます。
 今後の絵姿、未来像、こういうことでございますけれども、私どもとしては、今後の成長が有望な市場については、一昨年に産業構造審議会の新成長政策部会報告におきまして、イノベーションと需要の好循環をテーマに、例えば環境・エネルギー制約、あるいは高齢化社会の進行など社会構造変化と、今申し上げました消費者嗜好の変化に対応した今後の有望市場についての分析をいたしまして、その未来像を提示いたしました。
 その未来像というのは、一つは、例えば低公害車産業、それからITS及びカーナビなど車載機器の生産業、それからリユース、リサイクル産業でございますとか省エネルギー・新エネルギー、こういう関連産業などの社会システム革新産業群、これを一つ大きく育てていかなければいけない。二つ目は、健康食品ですとか医薬産業ですとか医療福祉機器産業、介護ロボット、こういったロボット産業なんかもこういう転換を図っていって、そして、大きく成長力があっていわゆる潜在力がある、こういう生活革新・支援産業群。それから、これは価値実現産業群と言っておりますけれども、IT家電でございますとかデジタルのコンテンツですとか自己啓発、そして教育サービス、こういったことがこれからの主力になってくる。
 ですから、こういう機構法、そして産業再生法の抜本改正を通じまして、やはりそういう時代に対応した新しいイノベーションをもとにしたものを興していく、そして御指摘のように、そういう未来像を描いて、国民の皆さん方が、日本人というのは潜在力がありますから、意欲を持ってやっていただくような、そういうための今回は二つの、機構法でありそして再生法だ、このように思っております。
○後藤(斎)委員 両大臣、この二つの法案、ぜひ実効性が上がるように、それぞれのお立場からリーダーシップを発揮されるように最後にお願いして、質問を終わります。ありがとうございます。
○村田委員長 土田龍司君。
○土田委員 自由党の土田龍司でございます。
 まず、産業活力再生法について、その背景と意義をお尋ねしたいと思うんですが、この法律が平成十一年にできて三年経過したわけです。これまで百八十件程度の認定がなされたわけでございますが、今回の法改正については、抜本的改正といいますか、非常に大幅な拡充がなされた上で、特に、共同事業再編計画あるいは経営資源再活用計画など、認定スキームができてきたわけです。
 まず、共同事業再編計画、経営資源再活用計画及び事業革新設備導入計画、この制度を設けた背景と意義について御説明ください。
○平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。
 現在、我が国の経済の大きな問題の一つである過剰供給構造を解消するため、それには、過剰供給構造にある事業分野の事業者が設備廃棄等を行いまして、事業縮小、撤退を図る取り組みが重要だと思っています。
 しかしながら、一つ一つ個々の会社ベースでの設備廃棄等は、反射的に利益を受けるのが競合他社である等の理由から、このような取り組みを一つの会社、個社で行うといった経営判断はとられにくい、こういう状況にあったことは事実だと思っています。
 こうした状況を考えますと、過剰供給構造にある事業分野におきましては、共同で事業統合して、そして設備廃棄等の効率的な事業の縮小あるいは撤退を図る取り組みが重要でございまして、このような取り組みを円滑化していく措置が必要となっている、これが背景でございます。
 改正産業再生法におきましては、過剰供給構造にある事業分野における二つ以上の事業者が共同で取り組む設備廃棄等を円滑化するために、その要件を緩和するとともに、税制等支援措置を強化して新たに共同事業再編計画を設けることにいたしました。
 また、既存企業の中核的事業との関係で、相乗効果に乏しくて不採算事業と目される事業であっても、他の事業会社等が買収をすることなどによりまして、当該他の事業者の事業部門との相乗効果から再生する可能性がある経営資源、あるいは、既存企業から分離独立をいたしましてその経営形態を一新することによって再生する可能性がある経営資源があると思っています。このような経営資源を活用してその事業の再生を図ろうとする取り組みは、雇用や取引先の影響を極力少なくし、かつ、我が国産業の活性化に資するものであると思っておりまして、これを促進することは非常に意義が大きいと考えています。
 こうした観点から、既存企業において必ずしも有効活用されていない経営資源を他の事業者が承継をしまして、これを有効に活用して、当該経営資源に係る事業の生産性を相当程度向上させる取り組みを促進するために、改正産業再生法におきましては経営資源再活用計画を新設する、こういうことにいたしたところでございます。
○土田委員 次に、各省における認定計画の審査体制についてお尋ねしたいと思うんです。
 今回の法案で産業全体の再編を視野に入れた認定制度を新設したわけですが、認定の対象を拡大しておりますが、この認定に当たって、やはり安易に企業に対して政府のお墨つきを与えてはいけない、あるいは安易に企業の延命に手をかすようなことはしてはいけない、この認定基準に従って中立な、あるいは公平な審査を行う必要があるというふうに私は思っております。
 しかし、計画の審査体制に当たって、産業再生機構と違って外部の専門家を積極的に活用できるような状況でないというわけでございますから、各省庁では基本的にどのような審査体制をとっているのか。また、今回の改正によって認定対象が拡大され、申請が当然増加するというふうな想定をされるわけでございますが、現在の人員体制のままで対応できるのかどうか。この人員について、産業再生機構よりも条件的にはもっと厳しいんではないかと思われるわけですが、今後の各省の審査体制の整備状況についてお答えください。
○高市副大臣 産業再生法におきます計画の審査体制は、各省庁におきまして、それぞれの産業の所管課で行っております。経済産業省の場合は、できるだけ中小企業の実態に即したきめ細かな審査をしたいということで、資本金が百億円以下の事業者によって申請される計画につきましては、地方局で審査を行っております。今、大体半分が本省の所管課で、半分が地方局でといったようになっております。一件の審査に大体四名から五名で対応しておりまして、今も十分忙しいながらも、それでも省令で定めました期間内に処理を行えております。
 ところが、先生に御心配いただいておりますとおり、今回の法改正によりまして支援措置も拡充されますし、それから計画の累計の方もふえてまいりますので、そうするとやはり、かなり大変かなということで、今経済産業省では、省内におきまして体制のさらなる整備について検討してまいりたいというところでございます。
○土田委員 平沼大臣は昼飯がまだだそうでございますので、副大臣がいらっしゃいますから、どうぞ退席されて食事を済ませてください。どうぞ。
 次に、不良債権業種の再編についてお尋ねしたいと思うんですが、不良債権の比率が高い特定業種、例えば流通とか不動産、建設などだと思いますが、これらについては抜本的な改革がもう避けて通れないというふうに思うわけですね。業界全体として過剰債務、過剰供給の是正に向けた具体的なプランをつくっていく必要があるんではないか。業種によっては、現在の産業再生法及び産業再生機構の認定基準ではハードルが高過ぎるということがあって、どちらの支援も受けられない状態が発生するんじゃないかというふうに思うわけですね。
 そこで、この不良債権の処理の加速化にはこれらの業界の改革が避けて通れないと今申し上げましたけれども、これらの業種において、産業再生はどのように進めていくべきであると考えておられるのか、また、その他の具体的な方策についてございましたらば、御答弁ください。
○高市副大臣 不良債権業種の再編、再生に今回の改正後の産業再生法がどのように活用できるかということで、大体三つの活用方法を想定しているんですが、まず、今回、支援措置の対象といたしまして、新たに経営資源再活用計画を追加することによりまして業容の拡大を図る同業他社ですとか、それから企業再生ファンドがスポンサー企業となりまして、経営不振企業が抱えております優良な事業をその経営資源とともに承継して有効活用して再生していくという取り組み、これを、課税やそれから商法上の特例措置で支援することとしております。ですから、同業他社がスポンサー企業となるケースでは、これは産業再編につながるということになります。
 それから、当該不良債権業種が過剰供給構造にある事業分野と認められる場合におきましては、今回支援対象として新たに共同事業再編計画というものを追加することによりまして、当該事業分野に属する複数の事業者が共同で実施する事業再編を、これまた課税や商法などの特例措置によって特に手厚く支援していく。これは、事業統合や合併を促進するものになっております。
 それから第三番目ですが、民間における企業再生ファンドの取り組みを円滑化して、民間資金を最大限活用した企業再生を進めるということで、今回の産業再生法改正において、中小企業のみならず、経営不振企業や産業再生法の認定を受けた企業を投資事業有限責任組合の投資対象として、追加措置を講じております。この措置によりまして、我が国においても民間企業再生ファンドの活動というものが活発化して、不良債権業種の再編、再生が進むこと、こういうことを期待いたしております。
○土田委員 今回の産業再生法では企業の大幅な再編が想定されているわけでございますが、公正取引委員会の今後の企業結合に対する審査方法について伺いたいと思います。
 企業再生のために、合併等の審査が迅速に進められているというのは確かだと思うんですが、公正な競争の確保についてはぜひ一層的確な審査をお願いしたいと思いますが、近年の合併審査などが大変大型化している、あるいは複雑化しているという状況にあります。
 このような企業結合が市場の競争に及ぼす影響については、高度な判断が必要とされるんじゃないか。企業の機動的な行動への支援を求められる余りに、公正な競争の確保の視点から審査がおろそかになってはいけない、当然なことではありますけれども。この公正な競争の確保は最終的には消費者の利益につながっていくわけでございますから、合併審査における審査の迅速化と公正な競争の確保、この両立をどのような方針で臨むのか、公取の回答を聞きたいと思います。
○上杉政府参考人 お答えいたします。
 近年、企業の経営のスピードが求められておりまして、当然、企業結合審査の迅速化の要請も企業側には強いわけでございまして、公正取引委員会としても迅速な審査に努めているところでございます。
 このやり方というのは世界大体共通でございますけれども、企業結合に関する届け出なり相談がありますれば、それから三十日以内に、これは問題にならないか、あるいは問題となるおそれがあるので詳細に調べなければいけないかという判断をいたしまして、それを当事者に示す、そういう形でやっているわけでございます。したがいまして、まず我々としては、届けられた案件が問題となりそうかどうかということを迅速にやる、これが大事であろうと考えております。
 その後に、より詳細な審査を必要とすると判断されたものについて、詳細な資料の提出、提供をいただきまして、競争に及ぼす影響というのを十分に検討する、こういうことで、我々といたしましては、迅速化という問題と、それから競争を制限することによって国内の消費者なりユーザーの利益を害するようなことがないように、的確な企業結合審査に努めたいというふうに考えております。
    〔委員長退席、阪上委員長代理着席〕
○土田委員 次に、今話がちょっと出ましたが、審査期間の短縮ということですが、産業再編を円滑に進めるために、今般、公正取引委員会は、産業再生法の対象企業については、合併、統合が独禁法に接触するかどうかの審査期間を短縮するということにされました。また、一定の場合に限っては、事前相談の期間が通常の三十日から十五日以内に短縮をされた。また、企業の合併、統合の審査に関する指針をつくって産業再生に向けた企業の取り組みを側面から支援するということですが、その具体的な内容と今後の方針について。
○上杉政府参考人 ただいまお尋ねの企業・産業再生に係る事案につきましては、これまでの企業結合審査の事例、それから企業・産業再生に係る事案の特色ということも踏まえまして、私どもとしては、市場構造が寡占的ではない場合であって、例えば市場シェアが二五%以下であるというような一定の基準を示しまして、これは要するに、これまでの我々の経験に基づきまして、この程度であれば独占禁止法上の問題を生ずるおそれが少ない、あるいはそういう判断が容易にできそうだということで判断いたしました五つの類型を示しまして、それに該当いたしますれば、届け出あるいは事前相談がありましてから十五日以内に書面の審査のみによって結論を示す、そういう内容の運用指針を定めたところでございます。
 先生御指摘のように、この問題は迅速な対応というのが非常に重要というふうに認識しておりますので、私どもとしては、担当課に専門のスタッフを置くなどして、その要請にこたえていきたいと考えております。
○土田委員 その新しい指針について、まずは制度の周知といいますか、皆さんに知ってもらうことが大事であると思っております。
 事前相談の前に企業が出すべき資料などについて説明する仕組みもあるというふうなことでございますが、資料がなかなか整わないという場合も想定されるわけですが、そのために結局、事前相談にも入れないということも出てくるんじゃないかというふうに思います。このような場合に、審査期間の短縮が結局骨抜きにされてしまう、効果を発揮しないということもあるわけでございますから、制度の運用に当たってはある程度弾力的に運用しなくてはならないと思うんですが、この点についてはどう考えていますか。
○上杉政府参考人 お答えいたします。
 法律に基づく届け出の際には、公正取引委員会規則によりまして、どういった資料が要るかということが決められているわけですが、事前相談の場合にはそういう決まりがございませんでしたので、そこが不明確という指摘がございました。そこで、昨年の十二月十一日に企業結合計画に関する事前相談に対する対応方針というところを示しまして、どういった具体的な資料を提出いただく必要があるかどうかを示したところでございます。
 もちろん、その中には、市場における地位とかシェアとか、あるいはそのもとになる売上高とか、そういったものをどうやって算定したらいいのか企業がわからないということも十分考えられますので、こういった問題につきましては、照会に応じまして、どういった統計で算定すればいい、あるいはこの部分が欠けていても大丈夫であるというようなことの親切な対応をしながら、この事前相談趣旨が生きるような、そういう運用に努めていきたいと考えております。
○土田委員 現在、我が国の公取の企業結合審査体制、やはり人員が決定的に不足しているんじゃないかというふうに感じるわけでございます。アメリカの場合は五百人ぐらい、EUでも百人程度のスタッフがこういった審査に当たっていると。我が国の公正取引委員会ではどのような体制で審査を行っているのか。
 また、アメリカでは、専門のエコノミストが審査に加わってくるなど、非常に質的にも高度な体制を確立しているというふうに聞くわけですが、我が国の体制の整備状況はどうなのか。また、今後の対応方針についてはどのように考えておられるのか。
○上杉政府参考人 先生御指摘のとおり、近年非常に大型の合併というものが我が国でも多数見られるようになりまして、現在、この企業結合の審査に当たっている人員というのは二十八名ということでございまして、これは実は十四年度の予算で六名増員がされておりまして、また現在の平成十五年度予算案につきまして二名の増員が盛り込まれるということでございます。
 先生今御指摘のように、諸外国と比較いたしますと、数においてもかなりの差がありますし、それから質においても差があるのではないか、こういうお尋ねでございます。
 私どもとしては、やはり迅速な対応、迅速な審査ができない、あるいはちゃんと市場における影響がきちっと見られないということではいけないわけですので、体制整備には努めていきたい。それから、我が国の場合には、行政内部にそういったエコノミストというような職を設けて採用するのはなかなか難しいわけですけれども、現在そういった外部の人材活用という道も相当開けてきておりますので、質の面の向上というものにも努めてまいりたいと考えております。
○土田委員 次に、中小企業再生支援協議会のことについてお尋ねしたいと思います。
 今回の産業再生法では、中小企業の再生を支援するために、各都道府県に中小企業再生支援機関を認定し、そこに中小企業再生支援協議会を設けることになるようですね。
 そこで、この認定支援には経営再建のプロを常駐させ、中小企業の経営再建計画の策定などに指導あるいは助言をする体制をつくるというふうな答弁をされておりました。この中小企業再生支援協議会は、具体的にはどのような規模で、どのような人選を考えておられるのか。
 また、こういった中小企業に対する相談業務は、中小企業支援センターなどで既に実施している部分もあると思うわけですが、中小企業再生支援協議会において、中小企業は具体的にどのような支援を受けることができるのか。それは、これまでの相談機関が行ってきた業務とどのように違うんでしょうか。
○杉山政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねの中小企業再生支援協議会でございますが、御指摘のとおり、各都道府県におきまして少なくとも一つずつ商工会議所等に設置をいたしまして、地域の金融機関あるいは専門家、こういった幅広い関係者の参加を得て、再生に取り組む中小企業を御支援申し上げるというふうに考えておるわけでございます。
 これも御指摘がございましたように、この成果が上がるかどうかというのは、再生についての知識や経験を有する専門家がきめ細かに対応するということが重要でございまして、そのためには腕っこきの専門家というものがどうしても必要でございます。現在、二十三カ所で協議会が設置をされておりますけれども、五十七人の専門家というものが就任をいただいております。具体的に申し上げれば、弁護士、公認会計士あるいは中小企業診断士あるいは再建にたくさん携わった銀行出身の方々、こういった方々が御就任をしていただいておるわけでございます。
 それで、この事業でございますが、もちろんさまざまな指導助言あるいはあっせんというものも行うわけでございますが、あわせて、必要があれば、この専門家というものが中心になりまして、銀行あるいは政府系の金融機関、そういったところといろいろな協議を重ねながら、具体的な個別の再建計画、これの策定を手助けするというところまで踏み込んでやるということを想定いたしておりまして、こういった意味で、既存の組織を活用しながらではございますが、新たに協議会がもう少し踏み込んだ活動ができるようにするというふうに考えているところでございます。
○土田委員 我が国はその手の専門家が少ないという話がこれまで出ておりますけれども、各都道府県レベルで専門家の適切な人材を確保できる可能性があるかどうかというのはやはり懸念されるかと思うんです。今の杉山長官の数字によると、一協議会当たり二人ぐらいになりますね。これからどの程度の相談件数が来るかどうかわからないわけでございますが、今後、各協議会に、今は二人ずつですが、何人になるのかわかりませんけれども、そういった人材は将来的に必ず確保できるという見通しはあるんでございましょうか。
○西川大臣政務官 今、中小企業庁長官からもお答えしましたけれども、二十三の協議会がきょう現在できておる、五十七人の専門家を確保した、こういうことでありますが、特に多いのは銀行出身で今まで再建やってきた、こういう人が二十三名おります。それから、中小企業の診断士が十七名。この人たちで大体大宗を占める、こういうことになっています。
 それで、私どももこの発足に当たりまして、一度名前が挙がってしまいますと、もし再生できないということになりますと信用不安が起きます、その企業は。ですから、もう名前が挙がった以上、本当に再建のプロに手伝ってもらってしっかり再生できる、こういうことにしなきゃならない、こう思っています。
 そこで、銀行の中には、不況が長引きましたので、再建を専門にやってきた人がたくさんおりまして、それらをいかに確保していくか、これがこの事業の決め手であろう、こう思っておりまして、今後どのぐらい件数が出てくるかわかりませんけれども、努力をして地方でそれらの人材を発掘していく、こういうことで当面は対応していきたい、こう思っています。
 さらに、今後どうするんだ、こういうことになりますと、やはり専門人材の育成をやっていかなきゃなりませんので、中小企業大学校等において専門の研修をやっていく、こういうことで将来に向けては対応していきたい、こう考えております。
    〔阪上委員長代理退席、委員長着席〕
○土田委員 わかりました。
 次に、いわゆる秘密保持の問題でございます。
 今話が出ておりましたように、個別企業の企業秘密に関する事項を扱って、あるいは相談を受けるわけでございますから、その秘密が漏れるということは非常に重大で、風評によって大きな打撃を受けるということは当然予想されるわけでございますが、この法律上は、協議会の委員には職務上知り得た守秘義務が課されておりますけれども、これに反した場合の罰則規定は入っていないですね。産業再生機構の役職員には、守秘義務違反に対して厳しい罰則が設けられている。もちろん、産業再生機構と地域の協議会を同列に論ずることはできないと思うんですけれども、中小企業再生協議会の委員にあえてなぜ罰則規定を設けなかったのか、その理由は何なのか。また、中小企業にとって風評被害はむしろ大企業よりも大きな打撃を受けやすいということがあると思うんですね。そうした中で、この協議会が機密の保持ができるのかどうか、この点についてはどういった対策を考えておられるのか。
○杉山政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のございましたように、いわゆる風評被害というようなことが起こりますと、業務上大変な支障をもたらすということが十分考えられるわけでございます。このために、この協議会におきまして、企業秘密の保持につきまして義務規定というものを設けたところでございますが、御指摘のとおり罰則規定は設けてございません。
 罰則規定を設けるかどうか、随分議論をいたしました。一つは、この機関が地域の関係者、できるだけ幅広く御協力を得て、いわば自発的に協力を得たいということでございますので、罰則で担保をするということにいたしますと、かえってそういった幅広い、自発的な協力というものが得にくくなるんではないか。あるいはまた、産業再生機構との御比較がございましたけれども、この機関はみずからが出資をしたり、あるいは買い取ったりするといったような機関ではございませんので、そこの差を設けてもいいのではないかというようなことで、こういったことにいたしたわけでございます。
 ただ、罰則規定は設けてございませんが、こういった秘密を漏らしたような場合におきましては、例えば改善命令を経済産業大臣が出す、あるいは認定を取り消すことができるといったような法律上の規定を設けておりまして、この秘密保持義務につきましては、こういった命令あるいは認定の取り消しというような担保で対応したいというふうに考えているところでございます。
○土田委員 改善命令もしくは認定の取り消しで対応するということでございますが、この協議会の専門家、こういった人たちはどういった身分になるのか、あるいはどういった報酬を受けるのか、あるいは時間的に、常設と言っていますけれども、常駐するのかどうか、この点はどうでしょうか。
○杉山政府参考人 まず、協議会のメンバーの方々でございますが、これらの方々は無給でございます。例えば、商工会議所の幹部でありますとか、政府系金融機関の代表でありますとか、そういった方でございます。
 それから、常駐をいたします専門家でございますが、この方は文字どおり常駐をしていただきまして、国から謝金という形でお金をお支払いするということにいたしております。
 さらに、その常駐の専門家がいろいろアドバイスを受けるための法律専門家とかあるいは税理士さんとか、そういった方々も協力をしていただくということで対応しておりますが、その方々には、協力をいただいた分につきまして、日当といいますか謝金といいますか、そういうものをお支払いするというような格好で今予算を組んでいるところでございます。
○土田委員 次に、昨年十一月、中小公庫及び商工中金において、取引先中小企業の経営改善、事業再生を目的とした中小企業再生支援本部が設置されましたね。また、産業再生機構や整理回収機構との連携を視野に入れて、ことしの二月に企業再建融資を創設したというところでございますけれども、この中小企業再生本部の取り組み状況を具体的に伺いたいと思います。
 また、産業再生スキームの中でこういった政府系金融機関をどのように活用していくのか、お答え願いたいと思います。
○杉山政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、中小公庫、そして商工中金につきまして、昨年の十一月に部内に再生支援本部というものを設置いたしております。
 この設置をいたしました背景でございますが、政府によります中小企業再生支援への取り組みに呼応する、そして再建のためのいろいろな貸付制度、これを各支店にまで十分周知徹底をするためのいわば本部の役割を果たす、さらに中小企業再生支援協議会への協力のあり方を具体的に詰める、こういったことを主な任務といたしております。さらにまた、RCCなどと連携をいたしまして、そういったところに譲渡された中小企業者につきまして、政府系金融機関からの融資制度を実行するといったようなことについても、その打ち合わせなどをするといったような業務をこの主な任務といたしております。
 その取り組みの実績でございますが、両機関合わせまして、いわゆるDIPファイナンス、これは、法的整理等になりました中小企業者に対して政府系金融機関が融資を行う制度でございますが、これが、現在までの間に五十五件、四十四億円、こういった融資実績でございますし、さらに、より踏み込んだ、従来は対応できなかった企業再建のための貸し付け、これもことしの二月から両機関始めておりますけれども、両方合わせまして六十件、四十二億円といったような実績を上げているところでございます。私ども、こういった政府系金融機関とよく連携をとりたいと思っています。
 それから、協議会におきましても、政府系金融機関の代表の方々に入っていただきまして、再建計画をつくる際には、この政府系金融機関の知恵もかりながら、適切な再建計画をつくるというようなことにも協力をしていただこう、そう思っているところでございます。
○土田委員 中小企業の再生なくして我が国の経済、産業再生はないと平沼大臣は日ごろからおっしゃっています。そのためには、産業再生機構あるいは整理回収機構、中小企業再生支援協議会の支援を受ける手前で、その前にやはりみずからの努力で経営革新を行う、あるいは事業再生を行おうとする意欲を持っている中小企業者に、これの支援が重要であって、非常にこれを充実させる必要があるんじゃないかと思うんです。
 これまでも、政府において、中小企業経営革新支援法に基づいて、中小企業の新規事業分野への進出などを通じて経営革新の取り組みに対する支援を講じておられますけれども、こうした、中小企業みずから経営革新をやるんだ、再生をやるんだという努力をする人に対してどういった支援をされているのか、その現状と実績をお尋ねしたいと思います。
○杉山政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、中小企業の方がみずからの努力によって事業再生あるいは経営革新を図っていく、そういう中小企業の方はたくさんおられます。まさしく先生おっしゃいますように、そういった方々の御努力を御支援するということは大変重要なことだと思っております。
 そのための一つの方策として、私ども、経営革新支援法というものに基づきまして、経営革新に対する取り組みをしておられる中小企業の方の御支援を申し上げているところでございますが、実績で申し上げますと、既に認定をされた方が九千五十八件ございまして、それに基づきます融資制度、これを御利用いただいた方が五千七百七十九件、三千六百二十五億円、また信用保険の特例を活用された方が二千六百十一件、七百二十二億円、こういったような実績を上げてございます。
 またさらに、国会の御支持も賜りまして、新しくセーフティーネット保証の拡充などもさせていただきましたけども、こういったことでの対応というものも実績が上がってきておるというふうに認識をいたしております。
 また、政府系金融機関の企業再建貸付制度、これは先月から始まったものでございますが、先ほど申しましたように、六十件、四十二億円ということで、相当な出だしの実績を上げているというふうに思っておりますし、また、商工会議所等で倒産防止相談窓口というものも設けてございますが、そこでも毎年三千件ぐらいの相談、助言をやっているというような状況にあるところでございます。
○土田委員 次に、中小企業支援センターの事業評価の方法についてです。
 事業評価をされるわけでございますが、各地域のセンター間で具体的に違いが出てきている。そこで、中小企業庁において、センターの事業評価方法の見直しや、あるいは事業評価を予算配分に反映させるというようなことをおっしゃっているようでございますけれども、具体的にはどういった事業評価方法を考えておられるのか。
○杉山政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の中小企業支援センターでございますが、全国で三百三十カ所ほどございます。そして、相談窓口を設けまして相談に応じましたり、あるいは専門家の派遣を行うという事業をいたしております。十三年度で申し上げますと、相談件数で約十三万五千件、専門家の派遣で二万二千件ということになっております。
 先生御指摘ございましたように、この支援センター事業というものは、やはり中小企業の方々にとりまして、より一層役に立たなければいけない、また、より一層効率的に運用されなければいけないというふうに思っております。そのために、各支援センター事業の評価というものを本年度から開始をしたところでございます。具体的に申し上げますれば、本年度におきましては、今後の評価方法を確立するためのいろいろなアンケート調査、あるいはその分析というものを実施いたしております。
 これからは、こういった調査結果を踏まえまして、各支援センターにおいてどのように具体的に中小企業の方々に貢献をしたか、その満足度、あるいは売上高の増加等がどう見られたかというようなことについても評価をしていきたい、こういった調査、評価を進める中で、効果的な予算の配分というものについても考慮をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○土田委員 以上で終わります。
○村田委員長 塩川鉄也君。
○塩川(鉄)委員 日本共産党の塩川鉄也です。前回からの続きで、産業再生法についてお聞きします。
 この前、最後の機会に、産業再生法というのが企業組織再編にかかわるものということでのお話をしたわけですけれども、改めてお聞きしようと思うんです。
 この産業再生法ができたことによって、合併ですとか、あるいは営業譲渡ですとか、持ち株会社を設立する、子会社を設立する、このような企業組織再編がやりやすくなったというものであることは確かだと思うんですけれども、その確認だけなんですが。
○平沼国務大臣 そういう効果はあったと思っております。
○塩川(鉄)委員 そこで、お聞きしたいんですが、この産業再生法で既に百九十件近くの認定が行われているわけです。産業再生法の認定を受けますと、さまざまな優遇措置を得ることができます。その一つに減税措置がありまして、登録免許税の減免があるわけです。
 そこで、数字の確認をしたいんですけれども、二月末で少し切りまして、そうすると百八十三件ぐらいだと思うんですが、その段階での登録免許税の軽減見込み額の総計、百八十三件の合計が幾らになるかということと、登録免許税の軽減額のトップファイブ、上から額の多い順に五つ並べた場合に、その企業名と減税額を教えてください。
○林政府参考人 お答え申し上げます。
 二月末の段階でということでございますので、経済産業省関係で百十六件で八十二億円でございます。
 それから、全府省庁のお尋ねがございました。これの推計でございますけれども、二月末のベースで合計五百四億円となってございます。
 それから、上位五グループのお尋ねでございました。
 当省案件で申し上げますと、さくら信用保証、ダイエーグループ、JFE、三菱、オリコ、おのおの七億円、六億円、六億円、五億円というところでございます。
 それから、百八十三、全府省庁のベースでございますけれども、上位五社で、これは最新まで合計したものでございますけれども、みずほグループで二百五十六億円、三井住友銀行が八十一億円、東京三菱銀行が六十三億円、UFJグループが五十五億円、りそなグループが四十億円となってございます。
○塩川(鉄)委員 経済産業省が所管するだけではなくて、ほかの産業も含めて全産業にわたってというのが産業再生法でしたから。
 そうしますと、登録免許税の軽減額が五百四億円という話を伺いました。この登録免許税の軽減を受けているトップファイブを聞きましたら、全部銀行ですよね。一番がみずほフィナンシャルで二百五十六億ですし、三井住友が八十一億、東京三菱が六十三億、UFJが五十五億、りそなグループが四十億、ついでに六番目も私の方で調べましたら、中央三井信託、さくら信託で十四億円ということですから、上の方は全部銀行なんですよね。
 産業再生法というとやはり製造業のイメージがあるわけですけれども、何でこう上位ばかり銀行になっているのかなというのが不思議でならないんですが、その点の率直な大臣の受けとめ、お聞きしたいんですけれども、いかがでしょうか。
○平沼国務大臣 銀行が上位に並んだということは、やはり銀行というのはそういう意味では登録免許税等々の計数が多くて規模が大きい、こういうことに起因している、私はこういうふうに思っております。
○塩川(鉄)委員 今の世の中、貸しはがしや金利の引き上げの問題で中小企業が大変苦しんでいるときに、メガバンクへのこれだけの減税というのが国民的にどういうふうに受けとめられるのか、このことが問われてくるのかなというふうに思っております。
 その上で、もう一つ数字の確認をしたいんです。
 産業再生法の認定を受けた企業、二月末までの百八十三件についてお聞きしたいんですが、認定計画には、公表されている資料としてこういうものが出されています。これは第一号の住友金属ですけれども、ここの様式を見ますと、中に事業再構築に伴う労務に関する事項というのがあります。そこに事業再構築の開始時期の従業員数が記してあり、次に事業再構築の終了時期の従業員数ということで、計画の始まりと終わりの従業員数、その差を引きますと、どれだけ従業員が変化をしたか、このことが明らかとなって出てくるわけです。
 そういう点で、この百八十三件ということで、数字をお聞きしたいんですけれども、この事業再構築の開始時期の従業員数の総合計から終了時期の従業員数の総合計を引くと何人になるでしょうか。
○林政府参考人 百八十三件のベースで申し上げます。
 これらについて、各省から公表されております資料をもとに、そのすべての案件につきまして開始時の従業員数そして終了時の見込み従業員数というものを単純に足し合わせますと、計画開始時で百四万一千人、終了時の見込みが九十六万六千人でございます。
 それで、差し引きで申し上げますと七万五千人の減少となっております。一方で、新規採用が総計で五万八千人、それからグループの内外での出向、転籍が三万七千人ということで新たな職を得るということが計画されております。
 以上でございます。
○塩川(鉄)委員 当然、単純な集計ですけれども、政府が認定をした計画で従業員数の減少、削減というのが七万五千人ということが出されたわけですね。お手元に配付した資料が、それと対応する形で私どもの方でつくったものです。一枚目、二枚目が、それぞれ第一号から取り上げたデータになっています。ごらんいただきたいと思うんです。
 そこで、もう一つお聞きしたいんですけれども、産業再生法認定を受けた企業が計画を終了したその段階で、掲げた生産性向上の基準、これを達成しているかどうかというのがわかる数字があると思うんですけれども、終了した企業のうちで認定計画に掲げた生産性向上の基準を達成していなかった企業は何社あるのか、お聞きしたいと思います。
○林政府参考人 現在まで終了しました案件が十四件ございます。そのうち、十一件で生産性基準に係る改善の目標値が達成をされております。したがいまして、残りの三件が達成されていないということになります。
○塩川(鉄)委員 その三件の企業はどこになるんでしょうか。
○林政府参考人 個別の企業名のお尋ねでございますけれども、御承知のように、この再生法は事業者の生産性向上努力を促すということが目的でございます。それで、そういった意味でROEの二%ポイント以上の向上などの数値目標を設けてございますが、これは、前回の法律の制定のときの経緯を含めまして、行政側が恣意的にそういう基準を決定することのないようにということで定めたものでございます。
 逆に申し上げますと、その計画期間内にいろいろ起こるわけでございますから、そういうものについては、事業者自身の問題ではないというようなこともございます。そういった意味を含めまして、その総体としての生産性の向上ということをおはかりするために集計値でお話しさせていただきたいと思っております。
 逆に申し上げますと、その詳細について公表いたしますと、個別の企業に対しての風評リスクというようなものを招くおそれもございます。そういったものも含めまして、認定事業者の総体として、十四社全体としての達成状況ということをお話しすることによりまして御判断いただければというふうに申し上げたいと思います。
○塩川(鉄)委員 わざわざ政府にみずから認定計画を出して、そこに達成すべき生産性向上の基準の目標もみずから掲げているわけですよ。それによって政府がさまざまな優遇措置もとる、その中に減税などもある。いわば国民の皆さんの税金が間接的に入るという形であるわけですから、そこに道理がないといけない、公開性がないといけない。達成していないにもかかわらず、ではその企業はどこかということも言えないというのは、これはおかしな話じゃないですか。目標未達成のところは減税した分を返してもらうとか、そういう話にならないですか。
○林政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどもちょっと触れさせていただきましたように、客観的な基準として、行政が恣意的に決定しないようにということで設定いたした目標でございます。そういった意味で、あくまでこの目標に向かって努力をしていただくということが非常に重要なことでございます。
 逆に申し上げますと、この期間にいろいろな、経済環境の変動とか、あるいは景気循環なり需要構造の変動がございます。そういったものにつきまして、必ずしも事業者自身で予見、制御できるものではないというような要因については、相当大きな影響を与えるわけでございます。そういった意味で、個別の案件の評価については、基準目標値に達したかどうかということよりも、そういう計画に沿って真摯な努力が行われたかどうかということが問われるものというふうに考えてございます。
○塩川(鉄)委員 国民の皆さんの税金を使っての施策ですから、なぜできなかったかということについてきちんと明らかにするということは必要だと思うんですね。
 結果として、みずから掲げた目標ができなかった。何が残ったかというと、リストラ計画出したように、従業員を減らすという形で従業員の方にしわ寄せが行く、あるいは国民の血税が投入される、そこしか残らなかったという話になるんじゃないですか。大臣、一言いかがでしょうか。
○平沼国務大臣 一定の政策目的に合致した事業活動であるとはいえ、減税措置等の優遇を受けている以上は最低限の説明責任を果たすべきである、そういう御意見には、私どもは真摯に耳を傾ける必要があると思っています。
 このため、改正産業再生法の運用に当たりましては、改正後の認定を行うものについては、各計画終了時点での実施報告については、競争上の地位等に影響を与えるおそれのないと考える事項であって、事業者の同意を得たものについては概要は公表をしなければならない、このように思っております。
○塩川(鉄)委員 私は、生産性向上基準そのものが妥当かどうかという点も議論があるわけです。ROEのように株主へのリターンを基準とするようなことが、本来、国民経済を考えた際に、そういうことだけでいいのかという問題があるわけです。そういうことはおいておいても、掲げた基準もできていないのに減税だけを受けるという仕組みというのは、国民にとって説明責任を果たしていないということを言わざるを得ません。
 そういう点でも、この産業再生法の認定を受けた計画において、私が、一番国民的にインパクトが大きいというのが、やはり従業員を削減する計画のところになってくると言わざるを得ないわけです。
 先ほども七万五千人の従業員削減の計画の話をしましたけれども、いわば政府の方に正式にこういった文書で出すわけですから、お墨つきをもらったようなものだと我々はずっと言ってきたわけですね。リストラに政府がお墨つきを与えたと。
 この資料も見ていただきますと、トヨタが三十五番目にありますけれども、計画では三千二百五十九人。これを筆頭に、自動車メーカー七社で一万二千人の削減の計画になっていますし、四大メガバンクでは二万人、こういう人減らしの計画になっています。これはあくまでも計画段階の数字で、実際にはこの計画を上回る人減らしが行われているわけです。
 それが、お配りしました資料の三枚目のところに例示してあるものですが、これは、産業再生法の認定企業のうち、認定計画が終了した企業、そのうちさらに東証一部上場を取り出したものですが、その企業について、認定計画と実際の従業員数推移の比較をしたものです。
 例えば、住友金属工業は、計画では三千四百九十五人の削減となっていますけれども、有価証券報告書などで見た従業員数の推移、それに対応する時期をとってみますと、実際には三千六百四十三人、計画を百四十八人超過する削減数になっている。三菱自動車工業も同様に、認定計画では千八百九十一人削減に対して、実際にその期に削減された人数は八千二百五十一人、計画を六千三百六十人超過する。こういったように、現実には計画を上回る従業員の削減が進んでいる。
 ですから、お墨つきを与えることが、さらにリストラ、人減らしを加速させる、いわばそういう大義名分を企業側に与えてしまっているんじゃないか、そういうことを率直に思わざるを得ません。
 こういった数字をごらんいただいての、大臣の率直な感想を伺いたいと思います。
○平沼国務大臣 お墨つきを与えた、そういう御意見でございますけれども、先ほど林局長からの答弁の中で、産業再生法に基づく実際のいわゆる従業員数の減と、それからその後、新規雇用と、さらにはその他の部門への転職、そういったことを考えますと、今の数字では確かに大きな乖離が出ておりますけれども、しかし、産業再生法に基づいた先ほどの数字の中では、これとはまた違う数字が出ておりまして、私どもはそのお墨つきを与えたんじゃない、やはりそれぞれの企業がその活性化のためにぎりぎりの努力をしている、そして労働問題に関しても配慮をしながらやっている、こういうことも私は一面言えると思っております。
○塩川(鉄)委員 私は、個々の企業のリストラというのが、マクロで見るとどういう影響を与えるのかということも真剣に考える必要があると思うわけです。
 東京商工リサーチのまとめたデータの中で、昨年ですね、二〇〇二年に希望退職及び早期退職者募集の実施を公表した上場企業が、東京商工リサーチの調べでは、具体的内容が確認できたものだけでも二百社に上ったそうです。前年の調査、つまり二〇〇一年の調査に比べ、五割増しだった。際立った増加ぶりを見せた。この二百社の合計で、退職者募集というのが四万人に上ったということが書かれております。
 それからまた、もう一つ別な東京商工リサーチの調べでは、〇二年三月期の決算で、東証一部、東証二部上場の製造業九百五十六社の従業員総数というのが、前年同期、一年前に比べて十万五千人減少したという形で、大きく雇用の場が失われている。こういう状況が大きく進んでいるわけです。
 やはり、ここの数年間というのが大変な失業率の増大の時期と重なっている。産業再生法がスタートした九九年の十月の完全失業率が四・六%、完全失業者数が三百十五万人でした。ことし一月の数字でいえば、過去最悪の五・五%、三百五十七万人の完全失業者数であります。
 私はやはり、こういった大失業の時代に、大手企業を中心とした人減らしをする際に政府がお墨つきを与えてきたというこの産業再生法というのが、こういったリストラを大きく、それこそ背中を押すようなことになってきているんじゃないか。失業者をふやすことを容認するような計画にお墨つきを与えるような産業再生法が、今の大失業ですとか、やはり景気に大きな影響を与えているんじゃないか。そういう点でも、マクロの意味で、この産業再生法が雇用や経済に与えた社会的影響が大変大きいのではないか、マイナスの影響が大変大きいのではないかと思いますけれども、大臣の御認識を伺いたいと思います。
○平沼国務大臣 産業再生法の存在いかんにかかわらず、日本の経済全般が非常に厳しい局面の中で、今塩川先生御指摘のように、日本の完全失業率というのは過去最悪になって、マイナス五・五になっているということは事実です。
 ですから、そういうものにあたかも産業再生法がお墨つきを与えた、そういう御分析ですけれども、私どもとしては、やはり先ほど申し上げたような、産業再生法の中でも労働問題に関しては十分考慮すること。それから、先ほどお示しいただいたように、やはりスタートの時点とそしてそれを適用した時点との労働者数を比較する、そういうデータの提出も求めているところ。そういうことを考えてみると、私は、あながち産業再生法というものがそういう失業を加速したということにはつながっていない、全体が非常に厳しい中でリストラが進んだということも私は言えると思っております。
 また、産業再生法を適用して、それによって企業というものがいわゆるポテンシャリティーが増す、こういうことですから、もしそれを適用しなかったら、あるいはもっとひどい事態が出たかもしれないということも想定されますし、さらに、中長期的に見れば、そういう体質改善をしたことによって次なる雇用を創出する可能性も秘めている、こういうことでございまして、確かに失業の問題というのは大変大きな深刻な問題でございますので、これは国を挙げて取り組んでいかなければならないと思っておりますけれども、産業再生法でこういう失業が助長されたということは私は言えないのではないか、こういうふうに思います。
○塩川(鉄)委員 改正産業再生法の基本的考え方、この法律が成立すれば基本指針として盛り込まれるこの文章の中では、事業再構築に関しての基本認識を述べたところで、個別の企業の生産性向上だけが産業再生法の目的じゃないんだ、個別の企業が生産性を向上させることを通じて、雇用所得や設備投資の増加による需要サイドへの好影響、あるいは不良債権の新規発生の減少や株価への好影響をもたらすことを目指すというふうに出ているわけですね。
 しかし、実際はどうかといえば、やはり産業再生法のもとでの従業員へ離職を促すような取り組みというのは、後で現場の話をしますけれども、大変な深刻なやり方で強要されていると私は率直に思います。
 そういった中で、実態として見れば、今言ったような雇用所得の面で見ても、労働者一人当たりの現金給与総額、これなども、産業再生法がスタートした一九九九年が三十五万三千円だったのが、〇二年で三十四万三千円に後退をする、実質的な所得が減っているという状況に今追い込まれておりますし、同じように、現金給与総額というのが連続二十三カ月、前年同月比減少する、どんどん手元に残るお金が減っているというところにも端的にあらわれているんじゃないか。これが産業再生法が一定の成果を上げているという状況と言えるのかと率直に思います。
 その上で、業績が回復したと言われている企業も、その企業の実情に踏み込んで考えれば、人員削減を中心とするリストラ効果によるものだということが、今広く議論されているときだと思うんですね。その結果というのが、今紹介したような国民所得の減少ですとかデフレ不況の深刻化にもつながっていると思います。
 二月一日の日本経済新聞でも、見出しにありますように、「V字増益 民富まず」という形で出ておりますけれども、例えば日立製作所では、人員削減中心のコスト削減でこの期千七百四十億円の増益の要因をつくり出したわけですけれども、一方で、今、デフレ下の価格低下などもあります。国民の消費が落ち込んでいるのも含めて、それが九百二十億円の減益の要因になっている。ですから、デフレがコスト削減の努力の大半をのみ込む結果となった。「デフレを克服しようとする個々の企業の必死の努力がまわり回って最終需要を細らせ、企業収益を再び圧迫する」という合成の誤謬に陥っているという指摘をこの新聞でもしているわけです。
 私は、やはり率直に、今言った個々の企業のリストラというのが、結果として国民経済にとってマイナスをもたらすような合成の誤謬に陥っているんじゃないか、そういう御認識を大臣はお持ちではないのか、その点をお聞きしたいと思います。
○平沼国務大臣 今、バブル崩壊後、残念ながら、日本の経済というのはデフレ基調にあります。ですから、そういうデフレの中では、今御指摘のような合成の誤謬というような、そういう事態が起こることも私は否定するものではありません。
 産業再生法というのは、そういう中で、いかに企業に活力を与え、そして中長期的に見て、新たな活力を生み出していくか、こういう視点があることも事実でありまして、そこで、何もしない、こういうことじゃなくて、やはり、産業再生法をつくることによって、企業自体も努力をしていく、そしてその中でいろいろな形で国としても手助けをする。そういうことで、私どもは、今厳しい状況の中で、合成の誤謬というようなことを指摘されましたけれども、そこから抜け出して新たな展開を切り開いていく、そういうことが必要だ、それが産業再生法の基本的なところに私はあると。ですから、しっかりとやっていくべきだ、このように思っております。
○塩川(鉄)委員 私は、産業再生法というのが、冒頭大臣にお聞きしましたように、企業組織再編という点で、さまざまなメニューをつくって、大いに自由度を増すものになっている。それは一方で、その裏側として、雇用の面での大変大きなマイナスの影響を与えるものだ、そのように思うわけです。だからこそ、産業再生法も、雇用への配慮ですとかこういうことを言わざるを得ない。しかし、実態として、そういう雇用への配慮というのはどれだけなされているのか、このことを考えざるを得ません。
 労働者の権利保護の対策の問題ですけれども、そこで一つ確認したいんですが、九九年の産業再生法の議論の際、衆議院の委員会で附帯決議がつきました。その附帯決議でも、「企業の組織変更に伴う労働関係上の問題への対応について、法的措置も含め検討を行う」とあるわけですけれども、この附帯決議の宿題はどうなったのか、お聞きしたいと思います。
○高市副大臣 まず、法的な措置も含め検討を行うこと、附帯決議に書いてありました。会社分割の場合については、平成十二年の五月に、会社の分割に伴う労働契約の承継等に関する法律、これを制定いたしまして、労働契約の承継の円滑化のための所要の措置を講じているところでございます。
 それから、営業譲渡や合併の場合の労働契約の承継については、これは厚生労働省さんの方におきまして、過去に所要の検討が進められてきたものと承知しているんですが、これも平成十二年の衆議院の労働委員会、ここに、「学識経験者を中心とする検討の場を設け、速やかに結論を得た後、」というくだりがございますので、この部分につきましては、学識経験者を集めた場で検討がなされたものと認識しております。
○塩川(鉄)委員 厚生労働省の方で検討を行うということで話を聞いているわけですが、厚生労働省の方からその後の検討状況、実施状況についてお伺いします。
○青木政府参考人 今お話ありました、平成十二年に、会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律をお出しして、その際の附帯決議で、合併、営業譲渡、そういったものに伴うものについては、立法上の措置を含めてその対応のあり方について十分に検討を加えろ、こういう附帯決議もございました。
 それを受けまして、厚生労働省といたしましては、平成十三年の二月から、学識経験者にお集まりをいただきまして研究会を開催いたしました。それで、約一年半ぐらいかけまして検討していただきまして、その検討の結果、営業譲渡の労働契約の承継につきましては、営業譲渡の法的性格でありますとか、あるいは経済的意義でありますとか、あるいは我が国の雇用慣行、あるいは営業譲渡の多様性、使われている多様性、そういったことを考慮すると、一律なルール設定は難しいというようなことでありまして、法的措置を講ずることは適当ではないという指摘がなされました。
 一方で、円滑に企業組織再編が行われるためには、企業が判例法理を含めた現行の法的枠組みを踏まえまして、労働関係に配慮しつつ対応するとともに、労使間で十分な情報提供、協議が行われることが必要だ。そのことから、企業が講ずべき措置、配慮すべき事項等に関する指針を策定して、その周知を図ることが必要という指摘がなされました。
 その御指摘を受けまして、厚生労働省としてはこの指針について検討したいというふうに思っておりますけれども、昨年の八月に研究会報告が出された以降、会社更生法の改正が行われました。今般の産業活力再生特別措置法の改正ということも、もしなされれば、いずれも四月一日の施行ということでありますが、こういったもの、新しい仕組み、制度ができまして、裁判所による労働組合等からの意見聴取でありますとか事業者と労働組合との協議が、そういったシステムの中に組み込まれるというようなこともございましたので、いわば営業譲渡が行われる場合の労働組合の関与というものが一定程度、手続上担保されることとなりました。
 こういったことを踏まえますと、今後、営業譲渡に伴う労働関係の実態というのをもう少し見る必要があるのではないかというふうに思っておりまして、こういった実態を把握した上でさらに検討を行っていきたいというふうに考えています。
○塩川(鉄)委員 大体、附帯決議で、雇用に対する配慮は必要だ、法的にも検討しろと言っておきながら、実際には研究会、ずっと引っ張ってやってきて、その結論というのは、法的措置は必要ないと。ただ、いろいろな配慮のために指針、ガイドラインはつくらなくちゃいけないと言っているんでしょう。その指針、ガイドラインをすぐつくるのかと思ったら、それもつくらない。なぜかといえば、会社更生法の改正もある、産業再生法の改正もある、それに合わせてスタートをさせるというので、どんどんどんどん先延ばししているだけじゃないですか。
 昨年の衆議院法務委員会での会社更生法の改正案の質疑の際、我が党の木島議員の質問に対して、指針の策定に向けて、労使、学識の方々から成る新たな研究会を設けて、検討を進めていきたいと青木さんが答弁されているんですけれども、これはどうなりましたか。昨年の十一月の二十二日に、あなたは指針の策定のために研究会をつくると言っているんですよ。どうなんですか。
○青木政府参考人 今申し上げましたように、指針をつくるべく検討したいというふうに考えております。それで、もう少しこういった新たな法的枠組みの影響といったようなものも見る必要があるのではないかというふうに思っておりまして、そういったものを見た上で発足をさせていきたいというふうに考えております。
○塩川(鉄)委員 それは通らないんですよ。そのときの、会社更生法の質疑をした際の法務委員会の附帯決議に、こういうふうに書いてあるんです。「企業組織の再編に伴う労働関係上の問題への対応については、現在、政府において検討を進めているガイドラインを早急に策定する」とある。「早急に策定する」というふうに附帯決議で確認しているんですよ。それとともに、「施行後、当該問題の実態把握に努めた上で、法的措置を含め必要な検討を行う」わけですから、ガイドラインはまずつくるんですよ。その上で、実施状況を踏まえて、法的措置を含めて改めて検討するんじゃないんですか。何で指針をつくらないんですか。
○青木政府参考人 今まさに委員がおっしゃったように、ガイドラインをつくりまして、しかる後に、その施行の状況を見た上でいろいろなことを検討するということになっておるわけであります。
 しかし、そのガイドラインにつきましては、新たな研究会を発足させて検討していこうというふうに考えているわけでありまして、新しい法的な枠組みを、そのほかの法的枠組みができてきておりますので、その施行を踏まえてスタートさせていきたいというふうに考えておるところでございます。
○塩川(鉄)委員 会社更生法の改正も産業再生法の改正も、企業組織再編の自由度を高めて、営業譲渡など労働者に不利益となり得るような状況があるからこそ、少なくとも指針、ガイドラインをつくりましょうということなんでしょう。それなのに、会社更生法ができるまで待って、産業再生法ができるまで待ってと。では、実態となる労働者の現状はどうなるのか。そういう実態を放置したままで、どんどんどんどん先延ばしするというのが厚生労働省の態度なのか、そのことを率直に疑わざるを得ない。
 私は、そもそもこの研究会が出した結論そのものも、率直に言って労働者の現状を見ないものだと思わざるを得ません。先日の参考人質疑で連合の成川参考人も、早急に営業譲渡における労働契約の承継法を制定する必要があるということを訴えておられましたし、全労連も、企業の合併や分割、営業譲渡を行う場合は、労働関係のすべての権利は承継されることとし、解雇を禁止することと。こういうのを労働側は率直に求められているわけですよね。
 せめて指針、ガイドラインが必要だというのに、それもつくらないというんじゃ、何が労働省なんですか。もう一度答えてください。
○青木政府参考人 ガイドラインについて、つくらないと申し上げているわけではございませんで、関係者、学識経験者あるいは労使の方々にそれぞれ入っていただいて、十分実態を踏まえて、相当、こういった企業再編についての動きがいろいろ出てきておりますので、そういった実態を踏まえてつくっていこうということでありますので、そういった実態を見た上で発足させて、検討していきたいというふうに思っております。
○塩川(鉄)委員 そもそも、三年前の産業再生法の議論の際にこの話がスタートしているわけでしょう。三年前の産業再生法、その年は民事再生法もありましたから、それとセットで研究会をつくって、その結論が、少なくとも指針はつくろうという三年前の約束なんですよ。それをさらに先延ばしするなんというのはとんでもないことだ、このことを言わざるを得ない。
 その上で、大臣に最後にお聞きしたいんですが、やはり私、今言ったように、企業組織再編について自由度が増すと、それに対応して当然、労働者の側のきちんとした権利保護の問題についても考えなくちゃならぬという形で、附帯決議で何度も確認をし、実際に研究会なども立ち上げて、それは我々としては意見がありながらも一定の方向を出しているのに、それすらも果たしていないという状況にある。
 こういう状況を見た上で、私は労働者保護のルールを急いでつくるべきだと思いますけれども、そうでないのであれば、営業譲渡の場合などに労働関係の権利が継承されることが保障されなくなる。そういう状況のままならば、私は、一方での企業組織再編、自由度を増すということについても、これは待ったをかけるというのが筋じゃないかと。その点、いかがでしょうか。
○平沼国務大臣 産業再生法の中には、やはり労働問題には十分配慮をする、こういうことはしっかりと担保されているわけであります。したがって、その精神を生かして、私どもは労働者に対する配慮というものはちゃんとしていかなければならない、このように思います。
○塩川(鉄)委員 終わります。
○村田委員長 大島令子さん。
○大島(令)委員 社会民主党・市民連合の大島令子です。
 西川大臣に、私は意見をまず申し上げたいと思いますが、きょうはお見えじゃありませんね。(発言する者あり)西川副大臣です。副大臣というのは天皇が認証をする職ですから、やはり関係する委員会にはいてほしいと思いますが、後で大臣、伝えてください。
 三月十二日、先回の委員会で私は、産業再生法の法案の審議の中で、景気対策としての雇用対策について質問をしました。答弁を求めていない西川副大臣が、このように答弁したんです。大変多くの求人がございまして、これがもしミスマッチが除かれてフィッティングするならば、完全雇用に近いようなものがあるというようなデータもひっ提げながら、懸命に今、雇用の安定化、失業率の低下に努力をしているということも、ぜひ大島先生に御理解いただきたい、このように答弁されているんですね。
 私はこのときに、努力が足りないという観点で質問をしたのではなく、雇用の現状を分析することが大切であり、雇用の現状を把握した上で、トータルな雇用施策が必要であるという主張をしたわけなんです。
 そして、そのときに、では、完全雇用に近いようなものがあるというデータもひっ提げながらとおっしゃいましたので、その資料を下さいということで、差し上げますということで、昨日いただきました。
 これを見て少々驚いたんですが、まず調査が平成十一年六月の時点のデータなんです。そして、これは、完全失業者数が三百十七万人で求人総数が二百六十七万人ですから、〇・八四倍なんです。有効求人倍率は〇・四七倍なんです。そして、もう一つ申し上げたいのは、この時点で潜在需要が三百二十四万人存在していまして、この時点の完全失業者数が三百十七万人になっているわけなんです。この中に、副大臣ともあろう人が、潜在する人材需要も入れて完全雇用に近いという形で答弁されているわけなんです。
 確かに、この調査の中で潜在需要はあります。これは営業職がトップなんです。この潜在需要という定義は、経営環境の変化があれば向こう一年のうちに人材の採用、活用してもよいとの回答があったものということなんです。その潜在需要の多いところは営業職なんです、ほとんど。営業というのは、需要がない限り営業職についても成果が上げられないから、雇用のミスマッチングなんですよね。というか、皆さんそういう職につかれないわけなんです。
 ですから、私は、会議録に残ることですので、やはりこの辺、経済産業省として、完全雇用に近いようなものがあるというようなデータがあるという認識自体、私はもう少し考えていただきたいということを申し上げて、質問に入ります。
 まず、株式会社の再生機構について質問をします。
 まず、株式会社設立の費用は、谷垣大臣、大まかに幾らぐらいを設立に関して想定しているんですか。例えば、会社の規模ですとか社員数、もちろん社長や取締役の給与も入りますし、五月ぐらいに立ち上がるというふうに聞いていますけれども、大体幾らぐらいを想定しておりますか。
○谷垣国務大臣 今委員のおっしゃったことに正確にお答えできるかどうかわからないんですが、現在の段階で五百億ぐらいの出資をいただけるように大体話がまとまりつつございます。したがいまして、その五百億の出資を得て、それでもって機構の立ち上げ費用、あるいは人件費、それから動いていく費用、そういうものに充てたいと考えております。
○大島(令)委員 おおよそ、ここの社長、あと委員長の年俸はどのくらい予定しているんですか。
○谷垣国務大臣 これは、まだそのあたりは株式会社が、国会でも法が認定していただいておりませんので、これからの議論でございますが、先ほど来いろいろな御議論がございますように、これは社長、委員長というだけではありませんが、優秀な方に来ていただくためには、例えば成功報酬といったような報酬体系も念頭に置きながら検討していきたいと考えております。
○大島(令)委員 しかし、内定ということでございますけれども、斉藤さんにしましても高木さんにしましても、向こう五年になるのか何年になるのかわかりませんけれども、自分が働くわけですから、ボランティアじゃないわけですから、おおよそ自分の年俸が幾らぐらいかという、そういうことがない中で内定に応じるということはないですよね。大体どのくらいの数字を示したかぐらいは、これはやはり国の税金ですからね、おおよそ示していただかないといけませんね。よく、一本とか二本とか一・五本とか言いますでしょう。そういう表現でも結構です。おっしゃってください。
○谷垣国務大臣 まだそういうようなお話はしておりません。
 それから、今、これは税金ですからとおっしゃいましたけれども、先ほど申し上げましたように、これは出資をいただいておりまして、まずその出資でもって運用していく。それから先、これはどういう収入をそういうようなものに充てていくかと申しますと、債権を買い取るわけですね。債権を買い取りますと、その利息収入というものを我々は考えているわけでございますが、そういうものでもって充てていきたい、こういうことでございます。
○大島(令)委員 お答えいただけないということですか。
○谷垣国務大臣 いや、まだ給与が幾らかというような話はいたしておりません。
○大島(令)委員 本当にそうなんですか。ここは、やはり法案を審議して、また年度内成立を与党は目指しているんでしょう、そういう委員会なんです。そこに示していただけないようなものなんですか。
○谷垣国務大臣 本当に、まだそこまではお話ができておりません。
○大島(令)委員 わかりました。納得できませんけれども、意思がかたいようですので、次の質問に移ります。(発言する者あり)いや、だけれども、ボランティアでこういうのに飛び込むなんという人いないでしょう。
○谷垣国務大臣 もちろん、ボランティアで、無償でなってくださいなんというふうなお願いはいたしておりません。ただ、これは株式会社でございますから、株式会社の取締役の給与というのは、これは所定の手続を経て決めていただかなければならないわけでございます。
○大島(令)委員 しかし、国が認可する株式会社ですよね。国の関与が全くないということじゃないわけじゃないですか。谷垣大臣がいろいろ人選に当たっているわけですから、そういうことをちゃんと私たち国会にも示してください。
○谷垣国務大臣 いや、これは別に、何もここで委員にうそをついたり、隠そうという気は毛頭ないんです。しかし、まだこの委員会の法案の審議自体も、お願いしたときは始まるか始まらないかというときでございましたし、ではあなたに給与は幾ら差し上げますよというような具体的な話ができる段階でもないんだと思います。
 それから、内定というふうに報道はされておりますけれども、これはやはりあくまで、この委員会で、ここで、国会で認めていただいて、株式会社でございますから、その後具体的に設立するわけでございます。その点はまだ本当に、給与を幾らにするかというようなことは決まっておりません。もちろん、これ以後、こういう分野がどういうことかで想定して、ある程度の計画は立てていく必要がございますけれども、現在まだその段階ではないんです。
○大島(令)委員 では、この機構が業務の対象とする事業者数ですとか業種、まず事業者数はどのくらい、また業種はどういうものを見込んでいらっしゃるのか、お願いいたします。
○谷垣国務大臣 これは、事業の再生についてはいろいろなケースが考え得ると思うんです。銀行がみずから主体となって再生を図るケースももちろんございますし、民間の再生ファンドというような場合もございますし、法的整理の場合もあると思いますが、再生の方法はさまざまでございますので、どういった方法で再生を図るかというのは、これは債務者や金融機関側の判断で行う。今度の仕組みもそういうことでつくっているわけでありまして、あらかじめこの分野の、あんたは必ずうちの病院に入院しなさいよと無理やり引っ張ってくるような仕組みではないわけでございますから、我々としてはいろいろなある程度想定はしなければならないと思っておりますが、現在まだそういう段階ではございません。
 ただ、もうちょっと申しますと、現在、各金融機関側でも産業再生機構をどのように活用しようかということは、内部でそれぞれ検討していただいているものというふうに考えております。
 それで、我々の準備室としては、そういう検討がやはり立ち上がったときにある程度できておって、円滑に進みたいという気持ちがございますから、一月末には産業再生機構に関するQアンドAというようなものもつくりまして、法案についての説明会の実施とかあるいは問い合わせの対応など、PRと言ってもよいかもしれませんが、そういうことには積極的に努めてきたところでございます。
 いずれにせよ、しかし、どの程度の数を買い取るかとか、どのような分野にあれをするかとかいうことは、現時点においては、まだ具体的なことを申し上げるのは困難だというのが実態でございます。
○大島(令)委員 ただ、総合デフレ対策としてこういう手法で解決していこうという、やはり大きな政策の中での一つの機構をつくっていくわけですから、大まかなものが何にもない中でこういうものがただぽこっと出てくるわけではないわけですよね。それに、全銀行が持っている要管理先債権が十九兆円、そのうち非メーンが七割で、そのうち銀行の引き当てが二割あるから、差し引き十兆円ぐらいになるであろうというような数字を持っているわけで、銀行を通せばどういう業種に不良債権があるかということぐらい把握できるわけですから、私は、ある程度の業種、数、どんなところが銀行と一緒に申し込みがあるかぐらいは大臣は把握していらっしゃるのではないかと思って質問しましたが、残念な答弁でした。
 機構は、地方の事案について距離的な格差をどう克服するのか、何か考えがございますか。
○谷垣国務大臣 これは確かに委員がおっしゃるように、我々のところは機構自体は百人ぐらいの規模で出発することを考えておりまして、全国くまなく機構の人員をばらまくというような規模ではございません。
 ただ、そういう中で、メーンバンクと地域の金融機関もあそこを利用しようということになれば、我々のチームがいわば診断をお手伝いして再生計画をつくっていく、こういうことでございます。
○大島(令)委員 企業の再生には迅速さが必要だということでございますね。そして、先般の質問の中でも、中小企業も対象になるかということで、当然大中小問わないということでございました。中小企業は地方に多いと思うわけなんです。そうしたときに、迅速さと、中小企業も対象になるということであれば、私は、本社のほかに支社とか、そういう距離的な問題、迅速、そういう観点からも今後必要になってくるのではないかと思うんですが、こういう問題をどのように解決していく方向を持っているのか、お答えください。
○谷垣国務大臣 この点につきましては、今平沼大臣のもとでそれぞれの地域に協議会というものが立ち上がっているわけでございますから、私は、必要に応じてそういうところとの連携を図って、そういうところで御相談に見えた方が、じゃ、この機構を使ってみよう、こういうようなことがあるのではないか、また、その連携は密にしていく必要があると思っております。
○大島(令)委員 では、既に先行してこのような再生事業を実施している、いわゆる再生ビジネス会社というのがあると思いますけれども、将来、機構との関係、五年間ということになっているわけなんですが、どのようになっていくんでしょうか。例えば、再生ビジネス会社に、今度社長に内定する斉藤さんは野村証券にいらっしゃいましたよね。既にこういう会社も企業再生のビジネスをしてきているわけなんですが、将来どのような関係になっていくのか教えてください。
○谷垣国務大臣 まず、将来という前に、これから、まあこれも将来ですが、この機構が五年間存続する間にどういうことかということから申し上げますと、やはりそういうビジネスをしていた方をリクルートしてこの組織の中に入っていただいて、いろいろな作業をしていただくということがまずあろうかと思います。そして、そういう中でさらに経験を積んでいただいて、この五年間の役割を終えた後、我が国の産業再生ビジネスを担っていただくということがあろうかと思います。
 それから、現在いろいろなファンドとかそういうところでビジネスをやっていただいている方に対しましては、機構としては、例えば、何らかの企業が来ます、この企業をどういうふうに評価するかというような場合に、いわゆるデューデリジェンスみたいなのをそういうところにアウトソーシングしていくということもあり得ると思います。
 そういうことを通じて、今の民間のビジネスの方々にもさらに自分のノウハウを使う機会をふやしていただく、こういうようなことがあろうかと思います。
 それから、先ほど申しました経済産業省でやっていただいている中小企業再生支援協議会とか、そういうところでもいろいろ実務家がさらに経験を積んでいただく機会がございますので、五年たちましたときに、そういう方々が民間の中でマーケットをつくったりいろいろなビジネスをしていただく、そういう中心的なパワーとなって働いてくださるのではないか、こう考えております。
○大島(令)委員 アウトソーシングという言葉が出ましたけれども、今私の手元にある資料の中で、既に再生企業に関係している会社が大体二十九社ありまして、そのうち外資系が六三%あります。外資系投資ファンドはいずれも米国系、リップルウッド、ローンスター、サーベラス、カーライルということでございますが、外資系の企業に将来はもうほとんど行ってしまうというような、そういうやはり心配もあるわけなんです。
 こういう外資系の企業が今中心になってやる、そして、きっかけは、国が認可して株式会社をつくって日本にこういう産業再生という手法をなじませていくということに対して、大臣はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○谷垣国務大臣 やや時系列を追いますと、五年前だったでしょうか、六年前だったでしょうか、長銀や日債銀が破綻するころには、日本国内にはこういうビジネスを扱う方々というのは、いなかったとは申し上げませんが、極めて限定されていたように思います。したがって、そういうことを扱う人は、どちらかといえばやはり外資が多かったのではないかなと思います。
 それで、私、今度この仕事の任命を受けましていろいろ話を聞いてみますと、今委員もおっしゃいましたように、もちろん外資も行動しておりますけれども、日本国内にもある程度そういう経験を積んだ方々がふえてきているということも事実でございまして、もちろん、現在のところ日本はまだ十分ではございませんので、外資の力もかりなければならないのだろうとは思いますけれども、日本国内にこういう手腕を持った方、経験を持った方をさらにふやしていく、そういう役割をほかのいろいろな仕組みと相まって果たせるのではないかな、こう思っております。
○大島(令)委員 では、支援決定のことに関して伺います。
 法案の二十二条なんですが、過大な債務を負っている事業者が申し込みの条件ということになっておりますが、この過大な債務の基準というのはどういうものなんでしょうか。
○江崎政府参考人 この過大な債務ということでございますが、まず、どのような考えでこういうことが書かれておるのかというのをお答えさせていただきたいと思います。
 例えば、過去に本業以外の事業分野におきまして多額の借り入れにより行った投資の失敗でございますとか、それから赤字事業をいろいろな事情で継続をしてきた、このいわばツケといたしまして借り入れが増加をした、こういった事情から、本業で得ることのできます事業利益でございますとかキャッシュフローでございますとか、こういったものではこうした借り入れに係る利払いでございますとか返済、こういったことを賄い切れない、結果として、延滞とか、返済条件の変更要請を行わざるを得ない、こういう状況のことを指しておるということでございます。
○大島(令)委員 基準となるもの、例えば、平沼大臣と前に保証のことに関して法案審議したときには、例えば、ネガティブリストというものがありまして、この基準に当てはまった人は融資を受けられないとか、そういう一定の物差しを持っていましたけれども、そういうたぐいのものはもうつくられているんでしょうか。
○江崎政府参考人 機構に対しましては、こうした過大な債務を抱えた企業、これがメーンバンクとともに再生計画を持って申し込みに参ります。それに対しまして、機構といたしましては、さまざまな専門家、それから先ほど来お話の出ておりますような外部の専門家、こういった専門家の知恵をまさにフルに活用いたしまして、再生計画の中身、多くは、片一方、金融面では債権放棄ということが入っておるかと思いますし、そのいわば裏側といたしまして、うまくいかなくなった事業の再編ということが含まれておるかと思います。
 そういうものを専門的にいわばチェックをいたしまして、再生可能性がある、再生可能性があるというのは、つまるところ、スポンサーがつくのかどうかというのが非常に大きな要因になろうかと思いますが、再生計画の三年以内におきましてスポンサーがついていろいろな形で新しいお金が入ってくる。例えば、再生機構にかわりまして新たに別の人が新しくお金を貸し付けるという状況が、その蓋然性が非常に見込める、そういった場合に支援決定をいたしまして、非メーン等の債権を買い取りに入って、その後……(大島(令)委員「委員長、時間がむだです。私はそういうものがあるのかどうか聞いているので」と呼ぶ)数値基準という意味では、ございません。今申し上げた考え方で判断をするということでございます。
 失礼いたしました。
○大島(令)委員 数値基準のようなものはなく、考え方ということでございますと、先ほど来、専門家の知恵をかりてとかいうことですね。やはり心配なのは、明確な、私どもも基準がわからない以上、そこに関係する人の知恵と言いますけれども、裁量というものが非常に働くということは否定できないと思います。
 こういう場合、何よりも求められるのが公平性であるわけで、公平性というのは、大企業、中小企業を問わず、また業種間も問わず、公平な、厳格な運用が必要だと思うわけなんですね。そういうものがない中での、過大な債務という、その過大なとか、やはり国が認可してつくる株式会社ですから、少なくともそういうきちっとした数字的なもの、あと文言にしたもの、プラス経験豊かな人の知恵、そういうふうなものが私はもう既にあるのかと思っていましたが、今の答弁は非常に残念です。
○谷垣国務大臣 今、過大な債務というところをとらえて、その過大を判定する基準という意味で委員はお問いかけになったと思うんですが、ここのところの意味は、結局、過大な債務を抱えて、それに足をとられてなかなか業績が上がっていかないという意味で使っているわけでございます。
 では、実際に支援に乗り出すときに基準がないかといえば、そんなことはございませんで、支援基準は、昨年十二月の基本指針に従って定めることとしているわけですが、主な内容としては、再生計画終了時点で生産性が向上するとか財務構造が改善すること、これは産業再生法の基準を使わせていただくわけですが、そのほかにも、対象企業の清算価値よりも回収価値が多くなると見込まれること、あるいは買い取り価格は再生計画を勘案した適正な時価とすること、それから、先ほど室長も申しましたように、再生計画の終了時点において新たな再生スポンサーの関与により資金調達、リファイナンスが自力で可能になっている、こういうような基準があるわけでございまして、全く基準なしに乗り出すという話ではございません。
○大島(令)委員 今の大臣の答弁は、支援決定の具体的な基準を述べられたわけでございますね。私が質問したのは、過大な債務の過大の基準というところで質問しているわけで、もう少し参考人の方も質問の意味を理解して答弁していただきたいと思います。
 では、申し込みは債権者である金融機関等との連名となっておりますが、先般来、これはつまり金融機関を助けるということではないのか、そういうやはり心配があるわけなんです。再生を望む中小企業の場合、特に債権者である金融機関が主導して、債務者である中小企業の計画を策定させて金融機関の穴埋めをするという構造も見え隠れするわけなんです。これに関しての認識はどうでしょうか。
 というのは、平沼大臣もおりますので、先般から、制度融資、旧債振りかえが非常に多いということで、やはり今、世の中の人みんな銀行に対して、自分のところの債権を回収するということで、お金を貸して企業を育てて、株主には配当を渡す、そういう本来の銀行の役目から相当ずれているのではないかという、多くの国民の銀行に対する厳しい目がありますので、こういう趣旨の質問をさせていただいております。
○谷垣国務大臣 金融機関等と連名で申し込むべし、こういうふうになっているわけですが、この趣旨は、今まで企業にとって一番情報を持っているのはやはりメーンバンクであるということもあります。それからもう一つは、自分がメーンバンクとしていわば面倒を見てきた企業を、メーンバンクとしてはどう責任を持って再建をしていくのかということも、やはりこれは、責任を放棄してもらっては困るという意味合いもここにはあるというふうに私は考えております。
 そこで、結局、そんなことを言ったって、銀行のしりぬぐいをしてやる機関じゃないかというお問いかけだと思いますが、それは結局のところ、再生計画、それから買い取り価格の妥当性というところに帰するんだと思います。そこをやはりしっかりやる必要があるということは、これは申すまでもないことだろうと思います。
○大島(令)委員 では、過剰供給産業の企業と金融機関から申し込みがあった事案について、市場への影響も考えて決定されるべきだと私は思いますけれども、どのように認識していらっしゃいますか。
○谷垣国務大臣 それは、大島委員のおっしゃるとおりだろうと思います。
 したがいまして、先ほど支援基準ということを申しましたけれども、支援基準にはそういう内容も含まれておりますし、それから、国土交通省におかれましてもそういうことを意識して基準をつくっていただきました。
 そういうことを参考にしながら判断していかなければならない、こう思います。
○大島(令)委員 形は株式会社でありますけれども、国が出資し、担当大臣が置かれ、やはり必要な資金の調達にも政府保証がつくわけですよね。そして、民間企業の生死に国がかかわっていくという異例の組織としてスタートする機構だと思うわけです。
 いろいろな新聞報道では、救急病院の役割になるのか、そういう心配もあるわけなんですが、私は、企業再生の救急病院として五年間で本当に終わるのか、その後もまた法律改正して続いていくのか、どのような形で産業再生というのが市場の中で今度はビジネスとして出ていくのか、そこの見通しがいま一つわからないわけなんです。
 こういう条件のもとスタートするわけですから、大臣としては、どのようにこの機構が五年間で役割を果たしていくのか、聞かせていただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 まず、この機構は二年間で債権を買い取るわけですが、その債権を買い取るときの前提として、およそこれから三年ぐらいの間に事業を再生したときに、つまりスポンサーがつくか、それから自力であるいはファイナンスが、資金調達ができるようになっているか、そういう蓋然性がどのぐらい高いかということがこの再生計画のポイントですから、やはりそこの判断が大事なんだろうと思います。
 それで、大体、それは今までのいろいろな事例から見ましても、スピード感を持って三年ぐらいでやらなきゃならない、こういうことですから、おおよそ五年間ということを考えているわけでございまして、もちろんこれは、きょうもたびたび御議論になっておりますように、日本の全体の経済情勢とかそういうことも影響してくる面があることは私も否定はいたしません。しかし、再生計画の立て方自体は、そういう範囲内できちっと結論が出るような立て方をしていくということだろうと思います。
○大島(令)委員 世間では、第一号の認定にゼネコンがなるのではないかとか、いろいろうわさをされておりますが、大臣はどういうふうに想定しておりますか。
○谷垣国務大臣 これはいろいろ報道が先行しておりまして、いろいろなことが言われておりますが、まだ会社も立ち上がっているわけではございませんので、私たちとしては、いろいろ宣伝はしておりますけれども、どういうものが最初に持ち込んでこられるのかということについて、今お答えできる材料がございません。
 ただ、我々としては、第一号案件が、こう言うといけませんが、ぶざまなできでございますと、あそこはあんなところだということになって、使っていただくわけにもいかなくなるわけでございますから、第一号案件がどういうものかということは、やはりこれからよくよく詰めていく必要のあることだろうと思っております。
○大島(令)委員 しかし、債権放棄をしたゼネコンも、一番弱い不動産の部分は切り離して核になる建設というところに会社をきちっとすれば、この申し込みができますね。
○谷垣国務大臣 これはやはり、今おっしゃったのは、あれでしょうか、ゼネコンでも申し込めるかということ。それはもちろん、ゼネコンでも、十分再生の可能性があって、しかも過剰供給構造を助長するようなものでなければ、我々としてはそれは扱うということは、これは申し上げられると思います。
○大島(令)委員 先ほど、市場への影響も考えて支援を決定するべきだという質問に対して、そのとおりだと大臣は答弁されました。このゼネコン、こういう業種がやはり該当するわけなんですね。
 例えば私の町でも、公共事業で文化会館とか公共下水道事業とかやりますけれども、大体何億以上だと総合ゼネコン、何千万だと地元の小さな建設会社。ところが、現場に行って働いている人を見ますと、地元の小さな管渠敷設工事をやっているおじさんは、そのときは地元の何々建設、JVで大きな文化会館をやっているときは、同じ人が今度は何とか何とかJVという、ヘルメットが変わるだけなんですよ。ゼネコンの会社の人は、現場監督の人とか設計会社の人とか、そういう人たちが、現場監督必要ですから、数人見える。実際は、働いている人は地域で大体同じ人なんです。
 ですから、私は、ゼネコンという会社は、やはり救わなくても市場が自然に淘汰してくれる業種だと思うわけなんです。
 そしてもう一つ、こういう事例があるわけなんです。
 大きな道路に公共下水管を埋設するときに、シールド工法といって、地下何メートル、これも、ゼネコンが受注しても、またその専門の技術を持った会社がやるわけなんです。ですから、地元のある程度の企業が受注できるわけなんです。そういうふうな形で、今ゼネコンといいましても、私からしましたら、専門技術者を抱える下請企業の方が逆にゼネコンの経営能力を選別するのが今の実態であると思っているわけなんです。
 そういう意味で、一回債権放棄をしたようなゼネコンも、核になる産業にまとめればこれが申し込めるということは、非常にモラルハザードの助長になるのではないか、そういう心配から質問をしているわけなんです。
○谷垣国務大臣 先ほど私申し上げたのは、ゼネコンであろうとあるいはゼネコンでなかろうと、再生の可能性があって、しかも過剰供給を助長するものでなければお受けできると申し上げたので、具体的な、どの企業がということになると、これはいろいろだろうと思います。
 ただ、今おっしゃった建設業の関係では、国土交通省が、建設業の再生に向けた基本指針というのをつくっていただいておりまして、これは、具体的に中身がどうなっているかということは申し上げませんけれども、今委員がおっしゃったようなこともいろいろ念頭に置きながら、相当実情を見ながらこういう基準をつくっていただいたのではないかなと考えております。
○大島(令)委員 時間が参りました。
 きょうの質疑の中で感じたのは、やはり裁量が非常に働く組織であるなというのを強く感じました。やはり運営の厳格なルールをつくりまして、買い取りの可否ですとか価格に対する判断、そういうものがきちっと示せるような形で、ぜひこの委員会の審議の中で私は示していただきたい。そうでなければ、なかなかこの法案は納得することができません。
 質問を終わります。
○村田委員長 次回は、来る十八日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時八分散会