第156回国会 個人情報の保護に関する特別委員会 第8号
平成十五年四月二十二日(火曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 村井  仁君
   理事 逢沢 一郎君 理事 砂田 圭佑君
   理事 蓮実  進君 理事 松下 忠洋君
   理事 伊藤 忠治君 理事 細野 豪志君
   理事 漆原 良夫君 理事 東  祥三君
      石田 真敏君    岩永 峯一君
      大村 秀章君    金子 恭之君
      亀井 久興君    北村 誠吾君
      左藤  章君    菅  義偉君
      田村 憲久君    滝   実君
      竹下  亘君    橘 康太郎君
      谷田 武彦君    谷本 龍哉君
      福井  照君    星野 行男君
      松浪 健太君    松野 博一君
      宮澤 洋一君    吉田 幸弘君
     吉田六左エ門君    石毛えい子君
      大畠 章宏君    奥田  建君
      後藤  斎君    今野  東君
      近藤 昭一君    中村 哲治君
      平岡 秀夫君    山内  功君
      横路 孝弘君    西  博義君
      桝屋 敬悟君    黄川田 徹君
      春名 直章君    吉井 英勝君
      北川れん子君    保坂 展人君
      山谷えり子君
    …………………………………
   議員           細野 豪志君
   議員           山内  功君
   総務大臣         片山虎之助君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     福田 康夫君
   国務大臣         細田 博之君
   内閣府副大臣       伊藤 達也君
   内閣府副大臣       米田 建三君
   経済産業副大臣      高市 早苗君
   内閣府大臣政務官     大村 秀章君
   総務大臣政務官      岩永 峯一君
   総務大臣政務官     吉田六左エ門君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  藤井 昭夫君
   政府参考人
   (防衛庁長官官房長)   山中 昭栄君
   政府参考人
   (防衛庁人事教育局長)  宇田川新一君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局長)  藤原  隆君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局審議官
   )            三國谷勝範君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    五味 廣文君
   政府参考人
   (総務省行政管理局長)  松田 隆利君
   政府参考人
   (総務省自治行政局長)  畠中誠二郎君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局長
   )            有冨寛一郎君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  吉戒 修一君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房技術
   総括審議官)       田中 慶司君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議
   官)           恒川 謙司君
   政府参考人
   (厚生労働省政策統括官) 水田 邦雄君
   衆議院調査局個人情報の保
   護に関する特別調査室長  小菅 修一君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十二日
 辞任         補欠選任
  岩永 峯一君     菅  義偉君
  滝   実君     田村 憲久君
  宮澤 洋一君     左藤  章君
  島   聡君     奥田  建君
同日
 辞任         補欠選任
  左藤  章君     宮澤 洋一君
  菅  義偉君     岩永 峯一君
  田村 憲久君     滝   実君
  奥田  建君     近藤 昭一君
同日
 辞任         補欠選任
  近藤 昭一君     島   聡君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 個人情報の保護に関する法律案(内閣提出第七一号)
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案(内閣提出第七二号)
 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案(内閣提出第七三号)
 情報公開・個人情報保護審査会設置法案(内閣提出第七四号)
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第七五号)
 個人情報の保護に関する法律案(枝野幸男君外八名提出、衆法第一〇号)
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案(枝野幸男君外八名提出、衆法第一一号)
 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案(枝野幸男君外八名提出、衆法第一二号)
 情報公開・個人情報保護審査会設置法案(枝野幸男君外八名提出、衆法第一三号)

     ――――◇―――――
○村井委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、個人情報の保護に関する法律案、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案、情報公開・個人情報保護審査会設置法案、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び枝野幸男君外八名提出、個人情報の保護に関する法律案、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案、情報公開・個人情報保護審査会設置法案の各案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官藤井昭夫君、金融庁総務企画局長藤原隆君、金融庁総務企画局審議官三國谷勝範君、金融庁監督局長五味廣文君、総務省行政管理局長松田隆利君、総務省自治行政局長畠中誠二郎君、総務省総合通信基盤局長有冨寛一郎君、法務省人権擁護局長吉戒修一君、厚生労働省大臣官房技術総括審議官田中慶司君及び厚生労働省政策統括官水田邦雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○村井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山谷えり子君。
○山谷委員 保守新党の山谷えり子でございます。
 まず、総務大臣に対する事前通知の制度、そして適用除外についてお伺いしたいと思います。
 行政機関個人情報保護法案においては、総務大臣に対し、各行政機関が保有しようとする電算処理された個人情報ファイルについて、法運用の統一性及び法適合性を確保する観点から、事前に通知する制度が設けられております。これは現行の、昭和六十三年に制定された行政機関電算処理個人情報保護法でも同じでございますけれども、総務大臣に事前通知された個人情報ファイルについては、個人情報ファイル簿に必要な事項を記載し、公表されることになっております。
 そこで、政府案では、個人情報ファイルの総務大臣への事前通知の制度が適用除外されるものが第十条第二項に列挙されておりますが、事前通知の適用除外の制度を設ける基本的なお考えを伺いたいと思います。
○松田政府参考人 法文の説明でございますので、私の方から御説明させていただきます。
 先生今御指摘の事前通知の制度でございますが、法運用の統一性あるいは公表という次の制度によります透明性の確保という観点から、事前通知、公表の制度が用意されておるわけでございますが、一定のものについて適用除外をさせていただいているところでございます。
 このうち、一号、二号は、国の安全あるいは外交上の秘密に関するファイル、あるいは、犯罪の捜査あるいは租税の犯則事件の捜査に関するファイルなどでございまして、特に秘匿性が高く、総務省が事前通知を受けまして調整を行うという余地が極めて乏しいもの、そういうものとして例外にいたしているわけでございます。
 それから、三号から十一号につきましては、逆に、一過性のものあるいは小規模のもの、例えば一年以内に消去しちゃうようなファイルですとか、あるいは資料発送や連絡用のあて名リストですとか、そういうものもいわば個人情報ファイルになるわけでありますが、そういういわば個人の権利利益を侵害するおそれが少ない個人情報ファイルを例外、適用除外とさせていただいているところでございまして、これらにつきまして事前通知を義務づけることは、行政機関に過大な負担をもたらしますし、また実効性も期待できない、またそういう意味も少ないということであろうかと存じます。
    〔委員長退席、蓮実委員長代理着席〕
○山谷委員 野党案の方では、国の安全等に関するファイル及び犯罪の捜査等に関するファイルについては適用除外とされ、すべて、総務大臣に事前通知の上、ファイル簿において公表することになっております。しかし、今御説明ありましたように、一過性のファイルやあて名リストまで事前通知の対象とすると非常に過大な負担があるという御説明でございましたけれども、行政実務上どのような、もうちょっと具体的にお話しいただけますでしょうか。
○松田政府参考人 例えばバックアップ用のファイルですとか、あるいは、先ほど申し上げましたように、一年以内に消去されてしまうようなファイル、こういうものは一過性のファイルでございますが、利用目的がそういうことで極めて限られておりますし、国民の権利利益の侵害のおそれも少ない。仮にそういうものを個人情報ファイル簿に掲載をいたしましても、すぐにその本体自体が消去されてしまうようなことになりますので、事前通知して、あるいはそういう個人情報ファイル簿に掲載する意味が、実益がないということであろうかと存じます。
 また、資料発送等のためにだけ用いられるあて名のリストというものは、行政機関の中で多々業務上つくったりしているわけでありますが、当然、本人からそういうものの開示請求を受けるということは想定しがたいということでございますし、さらに、一々個人情報ファイル簿に掲載しなければ資料を発送できないということになりますれば、行政運営に著しい支障が生じるのは当然かと存じます。
 このように、一過性のファイルやあて名リストまで、いわばここで事前通知の対象外としているものも対象といたしますと、行政実務上、行政機関の業務が不必要に過大なものになりますし、ひいては国民に対する適時適切な行政サービスの提供ということに支障を来すおそれがあると考えております。
○山谷委員 昨日も、参考人四方が、報道、表現の自由についていろいろな御意見をお述べになりました。
 細田大臣は、この委員会で、きょう終わると二十八時間三十分というふうな大変長い委員会の中で、たびたび、やりとりの中で、表現の自由を最大限尊重する姿勢を示しておられますし、また小泉総理も本会議で、プライバシーの保護と報道の自由を両立させるという法案の趣旨が一層明確になったというふうにはお答えになったわけでございますが、改めて、第五十条、出版社が適用除外の例示になっていないのはなぜか。五十条二項の定義では、雑誌の予備取材や先行取材ができなくなるのではないかという危惧が依然消えておらないわけでございますが、その辺お考えをお聞かせください。
○細田国務大臣 この御審議をいただいている間にも、特に雑誌、出版等に携わっておられる方からいろいろな疑念が、疑問の念が提示されておりますけれども、私どもの意図するところと違っておりまして、残念だなと思っておるわけでございます。
 少なくとも出版事業につきましては、ほとんど大半は報道的なものも含みまして、あるいはフィクションにしても、本来、一切この法律の目的から抵触しないわけでございますし、週刊誌とか、そういった本来報道目的で編集されるようなものは、その内容いかんにかかわらず、それは報道の内容であるとして適用除外であると私ども考えております。
 しかしながら、実は出版の形態が非常に多様化しまして、今例えば本屋さんとか、いろいろなソフト屋さんに行かれますと大量の名簿が、紳士録のようなたぐいの場合もあるし、役員四季報のような場合もあるし、会社四季報とかそういったものの形態をとったり、そしてまた、戸別の地図帳を固有名詞つきで発売するというようなCD―ROM出版というものがどんどんふえてまいりまして、その中には大量な個人情報が含まれている出版事業も現に出ておりますね。これだけで、CD―ROM一枚入れて、その参考資料があって一万五千円とか、そういうふうに出版業自体の一部が非常に変わってきておるわけです。
 そういったものはやはり個人情報そのものでございますので、出版業という形で切り分けることは非常に難しい。むしろ、出版業の中で明らかに報道を目的とするようなものは当然除外されますし、またその他の、フィクションその他、ドキュメンタリーとか、そんなものは全部表現の自由あるいは著述、そういったものでございますので適用除外になる。ただ、先ほど申しましたような新しい形態の発生ということがございますので、一〇〇%これを除外することが難しいという意味で出版業が例示されていないというふうに御理解をいただきたいと思います。
 そして、二番目に御質問のございました雑誌の予備取材、先行取材等につきましても、全く私どもは、これは報道のための取材活動であるというふうに考えておりますので、適用除外になることは当然であると考えております。
    〔蓮実委員長代理退席、委員長着席〕
○山谷委員 そうしますと、政府は、報道及び著述にかかわる一連の行為は、表現の自由との関連で、その表現方式・手段にかかわらず、義務規定の適用除外に含まれることに留意して運用するというような形で理解していいのではないかというふうに私自身理解いたしました。
 主務大臣が報道か否かを判断するのではないかという危惧をお持ちの方も多うございます。というのは、報道の定義が狭いし、さまざまな時代の流れの中でどうなっていくのか、そのような権限を主務大臣が持つのはいかがかというような当然の疑問でございますが、そのような危惧についてはどのようにお考えでございますか。
○細田国務大臣 御質問の、主務大臣が報道か否かを判断するということでございますが、そういうことを考えておるわけではございません。報道機関による報道目的を一部でも含む個人情報の取り扱いは義務規定の適用が除外され、主務大臣の関与は明確に排除されておると考えております。当該活動につきましては主務大臣の関与はあり得ませんので、主務大臣の存在を議論する必要はないかと思います。
 また、報道に該当するかどうかにつきましては、一義的には当事者、すなわち個人情報取扱事業者と本人の間で判断され、争いがあれば、最終的に裁判所で判断されるべきものと思います。
 仮に、紛らわしい苦情が行政へ持ち込まれた場合どうするのかということになりますが、主務大臣に求められますのは、個人情報の取り扱いに報道目的を一部でも含むか否かという極めて容易な判断であると思っておりますので、その点は問題はないのではなかろうかと思っております。
 また、三十五条一項におきまして、主務大臣は、権限の行使に当たりまして、表現の自由等を妨げてはならないと明記しております。
 したがいまして、主務大臣が報道目的を全く含まないと誤って判断し、改善命令を発したとしても、報道機関は命令取り消しについて裁判所への提訴が可能であり、その場合、主務大臣の側で報道目的を全く含まないことを立証する必要があります。
 なお、この場合の主務大臣とは、問題となっている報道目的を全く含まない活動、例えば販売業、旅行業等に関してその事業を所管する大臣でございます。
○山谷委員 そうしますと、主務大臣が報道か否かを判断する、これは誤解である、判断しないということでございますね。
 続きまして、死者の個人情報について、きのうも私、宇賀参考人との間で質疑をさせていただいたわけでございますけれども、死者の個人情報について、個人情報が生存する個人のものに限られているわけでございますけれども、これはどうしてでございましょうか。
○細田国務大臣 これは法案の基本的な考え方でございまして、本人の情報に関して、本人を対象といたし、かつ、本人の権利利益の侵害を未然に防止することを目的としております。
 死者の個人情報というのは、いろいろな形でこの委員会でも提起されておりますが、それは、例えばおじいさんが病院に入られて亡くなられた、しかし、御遺族の方がそれぞれの診療の内容だとか病状だとか、そういうことについて情報を公開してほしいという問題であろうかと思いますが、これはまた別の、いろいろな医療関係の問題としてこのお話は今後検討していただきたい問題でございまして、やはりこれは、本人から見た権利利益の保護ということに限定して考えるべきものだと考えたわけでございます。
○山谷委員 死者を開示請求権の主体とすることが制度上不可能だからこのような形ということでございますけれども、一方で、死者に関する情報は、医療等の分野において、遺族の方からカルテなどの開示を求める動きもあって何らかの措置が必要であると思います。今後、必要な取り扱われ方などについて考え方をお聞かせいただければと思います。
○細田国務大臣 これは、ただいま申し上げましたとおり、この法案自体は、第二条におきまして、個人情報の範囲につきまして「生存する個人に関する情報」と規定して、死者に関する情報は除くとしたところでございます。
 ただ、死者に関する情報が同時に遺族の生存する個人に関する情報でもあるという場合が何らかの形である可能性はございまして、それは本人の情報として取り扱うべきものがあるかと思います。それは、亡くなった方の例えば死因ですとか診断ですとか、そういうことではなく、いわば家族としての特定の情報であって、亡くなられた方に限らず、本人に極めて大きな影響があると申しますか、まさに本人の情報であると言えるような種類のものであれば、これは対象になると思っております。
○山谷委員 本日の新聞に、自衛官募集、防衛庁に名簿提供という記事が載っておりました。
 私、昨日、宇賀参考人に、行政機関における個人情報の適法な取得に関する規定について伺いました。行政機関については、民間に比べてより厳格な仕組みとすることは当然でありますが、行政機関について個人情報を適法に取得しなければならないとの規定がないことにより、官に甘く民に厳しい法案であるという意見がずっとあったわけでございますが、きょうの新聞のような記事が出ますと、まさにそうではないかという意見があると思います。
 なぜこの適法な取得に関する規定がないのか。宇賀参考人は、委員として参加された行政機関等個人情報保護法制研究会で議論があったその経緯などを御説明いただいたわけでございますけれども、その辺を改めてもう一度伺いたいと思います。
○松田政府参考人 法案に関する御説明でございますので、私の方から御答弁させていただきます。
 適法かつ適正な取得に関する規定がなぜ法案に盛り込まれていないのかという御指摘でございますけれども、行政機関が法令を遵守して適法かつ適正に個人情報の取得に当たるべきことは、日本国憲法のもとでは当然要請されるところでございまして、職員につきましても、国家公務員法の法令遵守義務等により規律されているわけでございます。
 したがいまして、既にそういう法規範として存在しておりますので、新しい法案におきまして法律で改めて規定をしていないところでございます。
○山谷委員 これは、ではどうして起こったのか。これはどうなさるおつもりですか、実態調査等々。
○片山国務大臣 きょう一部の新聞に報道がなされましたね。それは、自衛隊の募集については、これは都道府県知事や市町村長にも募集の事務の一部委託ができるんですね。また、それに関して、「内閣総理大臣は、」これは防衛庁長官ですから主務大臣は内閣総理大臣になるんですが、「自衛官の募集に関し必要があると認めるときは、都道府県知事又は市町村長に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。」こういう根拠があるんですよ。それで、内々、防衛庁の方から各都道府県の募集事務主管部長に協力要請があって、それに基づいて適格者情報を住基その他から出している。
 我々としては、住基の四情報は、委員御承知のように公開情報なんですよ、氏名、住所、年齢、性別というのは。だから、それについて教えることは一向構わないことでございまして、自衛隊だからおかしい、自衛隊募集がいかがわしいなんということは一切ないんで、ちゃんと法律の根拠に基づいて求められれば協力している、こういう関係であります。
○山谷委員 新聞を読んだだけでございまして、私も実態を十分に把握しているわけではございませんが、記事によると、その四情報以外が漏れているということでございますので、その辺はいかがでございましょうか。
○片山国務大臣 国の行政機関につきましては、これは法律に基づく政令で根拠がありまして、住民票の写し、これは提出を求められたら出す、こういうことになっておりまして、その場合には十二情報になるんです。ただ、自衛官の募集については我々は四情報でいいと思っておりますから、その点は事実を、きょう私も新聞を見ただけで詳しく知りませんので、こっちに来る途中に見ただけで。事情をよく調べまして、おかしいところがあれば直させます。
 法律違反の問題は、私は直ちには生じないと思っております。
○山谷委員 そうしますと、実態調査、そして、おかしいところがあれば是正ということをぜひおやりいただきたいというふうに思います。
 行政機関が個人情報を勝手に目的外に使い回すという主張、心配をする人がいて、これがまさにそうではないかということではないかと思いますけれども、国家公務員法や刑法の罰則だけでは不十分で、新たに五十三条、五十四条、五十五条で処罰されるものが決められているわけでございますけれども、その罰則の三点を新たに設けた、しかしこのような実態、現実、それについてどのような御意見、御感想をお持ちでございましょうか。
○片山国務大臣 旧法ですか、前の国会で議論された法律では、我々は、国家公務員法の服務規定と刑法の関係の処罰規定を運用すれば十分対応できる、こういうことを何度も申し上げました。
 その過程でいろいろな御質問、御意見があったものですから、具体の権利利益の侵害があって、犯罪ですから、構成要件というものがしっかり書けるんなら、それは刑罰をさらに追加することも一つのお考えでしょう、しかし、我々は今のところその必要はないと考えておりますということを答弁したんですが、もう国会であれだけ委員御承知の議論があり、国会の外でもいろいろな御意見がありましたよね。
 そういうことで、さらにこの関係の国民の信頼を増すためには、あるいは処罰規定を追加することがあっても、それはやむを得ない。また、与党もそういうお考えでございますから、与党と十分調整の上、五十三条、四条、五条を追加させていただいた次第でございます。
○山谷委員 改めて、その目的外利用・提供についての基本的なお考え方をお伺いしたいというふうに思います。
○松田政府参考人 現行法もそれから新しい行政機関法もそうでございますが、個人情報を収集あるいは保有するに当たりましては、法令の定める事務のために、かつ、できる限りその目的を特定して必要な限度を超えない、そういう基本原則で規定しているところでございます。
 目的外利用・提供につきまして、したがって原則禁止いたしておるわけでございますが、次の三原則にのっとりましてその例外を認めるということにいたしておりまして、一つは、本人あるいは第三者の権利利益を侵害しないというのが第一点でございます。第二点目は、法令に定める他の所掌事務のために使うんだというのが第二点目でございまして、第三点目に、相当の関連がなければならないということで、だれもが納得していただけるような、そういう範囲にとどめていくというのが基本的な考え方でございます。
○山谷委員 行政機関における情報化の進展は大きく、また、これによって非常に行政の効率化も高められるわけでございますけれども、国民の行政に対する信頼を確保するために、改めてそのお考え、覚悟のほどをお伺いしたいと思います。
○松田政府参考人 お答え申し上げます。
 新しい法案の第一条、目的にも規定しておりますとおり、個人情報の保護というのは国民の権利利益に大変かかわりの深いものでございまして、行政機関におきます厳格な取り扱いを通じましてそういう権利利益の保護に当たってまいりたい、こう考えております。
○山谷委員 本当にそのような覚悟とそれからある種のスピードが求められているというふうに思います。
 けさの新聞についても、実態調査そして是正というのは、きちんとしたスピードでやっていただかなければ国民の不信感というのはぬぐえないわけでございまして、そのような例えばタイムスケジュールとか、何か御意見、フレームワークへの姿勢がございましたらお教えいただきたいと思います。
○片山国務大臣 とにかく必要最小限度ということを考えてお互いやらなきゃいけませんね。
 新聞の報道が正しいかどうか知りませんが、必ずしも自衛官募集に必要不可欠でないようなことまで教えてくれ、資料を出してくれ、こういうことはいかがかと思いますので、いずれにせよ、状況を調べまして、おかしい点があれば、改めてもらう点があれば、それは改めてもらいます。
○山谷委員 いつごろまでに。
○片山国務大臣 スピードですね、できるだけ早くやります。
○山谷委員 この法律というのは、本当に行政の効率化の上で必要で、個人情報の保護ということも大事だというようなことで始まっているわけでございますから、こういうような問題はあってはならないことと考えておりますので、ぜひ大臣のリーダーシップをお願いしたいというふうに思います。
 これで質問を終わります。
○村井委員長 次に、漆原良夫君。
○漆原委員 公明党の漆原でございます。
 きょうは、野党案についてお尋ねしたいと思っております。同じ議員の仲間として、これだけ難しい法案をおまとめいただいて提出された野党の皆さんには本当に敬意を表しながら御質問をさせていただきます。
 まず、自己情報コントロール権ということについてお尋ねしたいんですが、余りメディアの方から評判がよろしくないというふうに私は認識しておりますが、四月七日付の読売新聞は、社説で、「「表現の自由」と矛盾する野党案」という大きな見出しをつけまして、野党案の問題点を指摘して、その中で、自己情報コントロール権については、「これについては、様々な学説があり、内容も法的性格も固まっていない。安易に法律に定めれば、取材活動への不当な干渉に道を開きかねない。 政府案から、「本人の関与」などを定めた基本原則が全面的に削除されたのもそうした恐れがあったためだ。」と批判をしています。
 野党案の提出者の細野議員は、趣旨説明で、自己情報コントロール権を第一条の目的規定に定めたというふうに提案の趣旨を説明されておるわけでございますけれども、この自己情報コントロール権を第一条の目的規定に定めたことに対するメディアの批判を野党の皆さんはどういうふうに御認識されているか、まずその認識を尋ねたいと思います。
○山内(功)議員 漆原議員にお答えいたします。
 まず、メディアの反応についてどういう認識を持っているかという点からお話をさせていただきます。
 確かに、マスコミの一部に、表現の自由の観点から自己情報コントロール権は不適当だとの見解があるのは承知をしているところでございます。しかし、一方、表現の自由の観点から、適用除外の仕方は政府案よりよほどいいというメディアの方の声もちょうだいをしたこともございます。ただ、率直に言いまして、まだまだ私どものPRが不十分だったかなと反省する部分もございます。この委員会での審議を通じて、野党案に対して御理解を一層広げて、かつ深めていただければいいと考えております。
 読売新聞の社説に関連しての御質問がございましたので、長くなりますけれども、続けて、自己情報コントロール権の説明を含めてお話をさせていただきたいと思います。
 この委員会でも既に何度か答弁をさせていただきましたけれども、野党案では、具体的には、目的外利用の制限の例外事由を政府案より縮小したり、利用目的の通知、公表については原則通知にしたりするなどしております。そうした本人関与を充実させる努力のよって立つ考え方として、自己情報コントロール権の基本的な考え方、すなわち、自己情報への本人関与の重要性を第一条の目的規定に頭出ししたものでございます。
 御指摘のとおり、自己情報コントロール権につきましては、その要件効果が学説においてもなお検討過程にあることから、確定的なものとして明記はしておりません。しかし、社会的な認知の広がりを後押しする意味も込めて、その基本的考え方を十分に反映させることができたと思っております。
 自己情報コントロール権は、確かに、表現の自由と緊張関係にあることは事実であります。しかし、だからこそ、政府案にはない「表現の自由を尊重しつつ」という文言を第一条に置いたわけでございます。具体的には六十五条で適用除外の範囲を広くとることなど、政府案より格段の表現の自由について尊重されるものとなったと考えております。
 そこで、最後になりますけれども、読売新聞への反論はどうかということでございますが、早くから読売修正案を独自に提言報道し、結局、政府の皆さんがそれをも参考にして踏み込んだ修正をされたという経緯がありますから、こういうような批判に、こういうような御主張になるのかなというふうにこの社説を読ませていただいております。先ほど述べた点について御理解がいただければと考えております。
○漆原委員 この自己情報コントロール権を法律上の権利として構成するということは、これは相手方に自己情報コントロール権に服する法律上の義務を課することになります。メディアの観点から、メディアの側からすれば、メディアの取材・報道活動に具体的な義務を課していない旧法での基本原則でさえも、報道、取材の萎縮を生ずるとして、そういう危険、おそれを感じてメディアは反対された。しかし、今度、法律上具体的な義務が課せられることになるとすれば、読売新聞の社説のように、取材活動への不当な干渉に道を開きかねないという危惧をするのは私は当然ではないかと思います。
 そこで、野党の皆さんにお尋ねしますが、旧法の基本原則でさえも、野党の皆さんは、取材・報道活動の萎縮を招き、表現の自由を侵害するおそれがあるとして反対をされておりました。しかし、なぜ基本原則よりもより一層強い取材・報道活動の制限を招きかねない自己情報コントロール権を導入することになったのか。そして、そのことは、基本原則の削除と自己情報コントロール権との整合性についてそごを来すんじゃないかというふうに私は思いますが、御答弁をお願いします。
○山内(功)議員 私どもは、旧政府案はメディア規制の目的がかなり濃厚であったと思っています。そのことは、立法過程における自民党内の議論の状況を見れば否定できない。この文脈の中では、主務大臣の果たす役割と相まって、たとえ具体的な義務を課さない基本原則ですらメディアの萎縮効果をもたらすと私どもが批判したのは至極当然なことだと私たちは今でも思っています。
 一方、野党案は、第一条に「表現の自由を尊重しつつ」と盛り込んだことを初め、適用除外の仕方も目的で規定するだけにとどめ、幅広く表現の自由を保障する内容となっています。憲法でその優越的地位を認められている表現の自由といえども他の社会的法益との関係において絶対ではないということは当然のこととしても、野党案の中には、この法律で表現の自由は規制しませんという強いメッセージが流れています。
 ですから、自己情報コントロール権の趣旨を盛り込んだことが、旧政府案の基本原則のような萎縮効果をもたらすものとは全く考えておりません。
○漆原委員 自己情報コントロール権を権利と言う以上は、それに反対する立場、相対峙する立場としてのメディア側からすれば、その権利に服する義務があるというふうに法律上当然なると私は思うんですね。したがって、より強い義務がメディア側に課せられることになることには変わりがないというふうに私は思っております。
 ところで、提出者は、自己情報コントロール権の内容について、個人情報の取得、利用、第三者に対する提供に関し本人が関与する権利と説明されておりますが、個人情報の取得、利用、提供のそれぞれについて、本人が具体的にどのように関与する権利なのか説明をいただきたいと思います。
○山内(功)議員 本人の関与の具体的な場合を指摘してほしいということだと質問を理解させていただきました。
 政府案では、利用目的の通知は原則公表によっておりまして、運用次第では、利用目的の通知は形だけで本人に周知されない危険性があると考えています。
 野党案では、取得に際しての利用目的の本人に対する通知を個人情報取扱事業者に対して義務づけ、これに多額の費用を要する場合などにのみ利用目的の公表で足りるとしています。
 次に、政府案では、開示、訂正等の方法については、単に「政令で定める」とだけ規定をしております。明確性、証拠の保存が全く担保されていない、考えられていない法案だと思っています。
 野党案では、保有個人データの利用目的等及び当該保有個人データの開示、訂正等の通知は原則書面または電磁的方法によって行うべきことを個人情報取扱事業者に義務づけておりますし、明確性、証拠の保存が十分に担保されている内容となっていると思っています。
 次に、政府案では、開示の例外規定が「業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合」となっており、拡大解釈のおそれがあります。また、本人から請求があった措置を事業者がとらないときの理由の説明についても、一般的努力義務として規定されているにすぎません。
 野党案では、例外規定を極力限定して、本人から求められた措置をとらない旨を通知する場合等には、理由を示すことが困難な事情があるときを除いて、その理由を説明すること、これを個人情報取扱事業者に義務づけております。
○漆原委員 ちょっと私の質問と答えが違うように思うんですが、もうちょっと絞ると、例えばメディアの取材、報道に即して言えば、自己情報コントロール権に基づく本人関与というのは、その取材、報道について具体的にどのように本人が関与していく権利になるのか、もう少し踏み込んでお答えいただきたいと思います。
○山内(功)議員 野党案では、具体的には、例えば、目的外利用の制限の例外事由を政府案より縮小しましたり、利用目的の通知、公表については原則通知したりすることなどをしておりまして、そうした本人関与を充実させようという努力のよって立つ考え方として、自己情報コントロール権の基本的な考え方、すなわち、自己情報への本人関与の重要性を第一条の目的規定に頭出しをしたものでございます。
 ですから、自己情報コントロール権についての確定的な概念規定を第一条の目的規定の中に規定したものでは、野党案でもそういう規定にはなっておらないと御説明させていただきたいと思います。
 ですから、例えばメディアの取材活動に対して、メディア側からの開示請求や訂正権などを定めたものでは、野党案でも一切それは内容に入っておりません。報道目的の活動などは政府案より幅広く適用除外しており、御指摘されるような、整合性がないのではないかというような批判は当たらないと考えております。
○漆原委員 確認しますが、今、山内提出者がおっしゃったこの自己情報コントロール権というものは、野党案は概念として認めていないという御趣旨ですか。
○山内(功)議員 概念規定を目的規定の中に規定していないということでございます。
○漆原委員 それは条文を読めばわかるんだけれども、自己情報コントロール権という権利を認めているのかいないのか。なぜかというと、あなたはずっと、答弁を聞いていると、そういう趣旨の答弁をされている。
 しかし、細野さんの提案理由だとこう言っていますよ。「まず、「個人情報の取得、利用、第三者に対する提供等に関し本人が関与する」という自己情報コントロール権を第一条の目的規定に定めました。」こう言っていますよ。
 それから、あとは、今回答弁に立たれた達増議員はこう言っていますよ。「四党議員提案の個人情報保護法案と政府提案の個人情報保護法案の際立った違いについて一言で説明する場合、四党議員提案の個人情報保護法案は、自己情報コントロール法案というふうに言ってもいいと思います。」「自己情報コントロール権ということを明確に意識して、個人情報の乱用防止、適切な取り扱いの確保というところにいかに本人の関与を確保していくかというための法案でございます。」こう言っておる。
 また、野党四党の共同の声明でも、今回の政府の修正して提出した法案については、政府の法案は自己情報コントロール権を認めていないというふうに厳しく指摘をされて、野党は自己情報コントロール権を明記すべきというふうにきちっと言っていると私は認識しております。
 だから、あなたの答弁とそのほかの、達増さんなり細野さんの答弁は違うのじゃないかというふうに私は思っているのですが、どうなんでしょうか。本当に野党案は自己情報コントロール権というのを認めていないんですか、いるんですか。はっきり答えてください。
○山内(功)議員 繰り返しになりますけれども、自己情報コントロール権は認めておりますけれども、目的規定の第一条の中に自己情報コントロール権はこういう権利であるという概念規定まではしていないということを先ほどから申し上げているわけでございます。
 細野議員や達増議員の御主張、これは政治的な答弁、発言でございますので、私の方で既に何度も答弁をさせていただいておりますけれども、野党案では、具体的には、例えば、目的外利用の制限の例外事由を政府案より縮小する、利用目的の通知、公表については原則通知にしたりする、そういうような、本人関与を充実させる努力のよって立つ考え方として、自己情報コントロール権の基本的な考え方、すなわち、自己情報への本人関与の重要性を第一条の目的規定に頭出しをしたわけでございます。
 自己情報コントロール権について、その要件効果が学説においてもなお検討過程にあることから、確定的なものとしては明記はしておりません。しかし、社会的な認知の広がりを、権利ですからね、これから守り育てていく、権利を認知する、そして広がりを持って後押しをしていく、そういう思いを込めて、その基本的考え方を十分に反映させることができたと思っています。
 自己情報のコントロール権を認める、だからもう少しみんなで勉強して、そういう個人情報を大切なものとして扱うというような意識が個人にも市町村にも防衛庁にもあれば、きょうの新聞記事のような問題は起きなかったと思うのです。
○漆原委員 野党案が自己情報コントロール権を認めた法案であるというふうに理解した上で、具体的に質問をさせてもらいます。
 政治家とか高級官僚が社会的に重大事件を起こしてメディアの取材対象になった、この場合に、自己情報コントロール権を根拠に裁判をして、取材ノートの開示とかあるいは誤りの記事の訂正を求めることができるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○山内(功)議員 取材ノートの開示、訂正と言われましたか。(漆原委員「そうです」と呼ぶ)はい。
 それについては、表現の自由を最大限に尊重して、報道の中身はもちろん、取材のあり方などについても一切規制を加える内容とは私たちはしておりませんので、御指摘のケースについては六十五条一項で適用除外となっている。つまり、取材ノートについても、提出、訂正、開示の申し立ては認められないということになります。
○漆原委員 私が聞いているのは、この法案でどうなるかということではないんです。自己情報コントロール権を認めた場合に、自己情報コントロール権という考え方を認めると、その考え方を根拠にして、この法案じゃなくて、一般的な裁判の権利としてそれを利用される可能性があるということなんですね。
 今回の法律は、事業者の持っている個人情報に対する行政の事前監督のあり方というふうな感じの問題ですよね。しかし、自己情報コントロール権という概念を認めることになれば、それを根拠にして、この法案とは別に、被害者が、自分の自己情報コントロール権を侵害されたということで、それを理由にして開示請求とかあるいは訂正の請求ができるんじゃないかというふうに、そういう根拠にされるんじゃないかという危惧を持つ人はたくさんいるんです。だから、あなたが自己情報コントロール権を認めるということになれば、そういう権利が発生した場合どうなりますか、裁判された場合に裁判所はどう判断しますかということを私は聞いているんです。
○山内(功)議員 裁判の問題がどうかということとこの法案がどうなのかということがどう関連するんでしょうか。
○漆原委員 総理もこの自己情報コントロール権について答弁されておりますが、自己情報コントロール権というのは表現の自由との調整原理が明らかでないんだという答弁をされております。私も、まさに、自己情報コントロール権という概念を持ち出すことは、いまだこの自己情報コントロール権の概念がはっきりしていないし、自己情報コントロール権と表現の自由との調整原理が明確になっていない段階でこの権利を持ち出すことが、どんなメディアに対する影響、表現の自由に対する影響を及ぼすのかなというふうに僕は心配しているわけですね。
 したがって、あなたが、自己情報コントロール権があるんだというふうに、自己情報コントロール権を認めてもいいとおっしゃる以上は、その調整原理はどうなっているのか、そこをお聞きしたいということで具体論を出したわけでございます。
○山内(功)議員 先ほどから私も質問の趣旨がわからないんですけれども、裁判で使うかどうかという問題なんですか。だとしたら、それは民事、刑事の裁判で適切に判断することになると思っていますので、この第一条に自己情報コントロール権の精神を書いたことで裁判の内容が云々されるということにはならないと思っています。
○漆原委員 私の質問をよく理解されていないのかなと思っているんですが、自己情報コントロール権を認めたことによって、それを裁判の根拠として、裁判所に取材ノートの開示とか誤りの訂正だとかいうふうに求められることになるのではないですかということを僕は申し上げているんですが、いかがでしょう。
○山内(功)議員 裁判所で認められるような具体的な請求権を第一条で書いているわけではございません。
○漆原委員 それでは、例えば報道機関が汚職政治家の裏金を発見したとします。その場合に、本人の同意がなければ公表できなくなるのかどうか、あるいは本人の同意がなくとも公表できるのか、その辺をお尋ねしたいと思います。
○山内(功)議員 本人の同意がなくても公表できます。
○漆原委員 これはきょうの朝八時ごろ先生に御連絡申し上げた件で、余り急だから先生お答えになれないかもしれぬけれども、平成九年に東電OL事件という大変悲惨な事件がありました。東京電力に勤めている女性が殺害されたということなんですが、ある週刊誌が、この被害者が殺害される前どんな女性だったかということで、その私生活を詳細に暴いたという記事がありまして、夜は売春をしていたとか、あるいはその性生活を非常に詳細な記事にしたり、さらにまた被害者の裸の写真を載せたりした記事がありました。
 こういう場合に、この自己情報コントロール権という権利をお認めになるとしたら、どんなふうな救済方法があるのかなというふうに私は思うんです。急な話で申しわけありませんが、もし印象としてお持ちであれば、感覚をお聞かせいただければありがたいと思います。
○山内(功)議員 例えば、昔、松本サリン事件のときに、河野さんの家族のことがいろいろ書かれましたよね。ある新聞については、家族関係も含めていろいろなことが書かれた。実際、もう真犯人みたいな書き方もされたわけなんですね。こういうケースも含めて、今の東電OL殺人事件の際の報道のあり方、内容について、そういうメディアのあり方、報道のあり方として、これでよいのかなという思いは私自身も持っています。
 しかし、野党案は、表現の自由を最大限に尊重して、報道の中身そして取材のあり方などについて一切規制を加える内容とはなっていないし、してはいけないと思っています。御指摘のケースについては、具体的には六十五条一項で、適用除外で解決される問題となっております。
 松本サリン事件などをきっかけにして、報道被害について、メディアもみずから自主的にあり方を改革しようという努力が続けられていると聞いてもおりますし、私どもは、あくまでそうしたメディアの自主努力に期待をしています。
 なお、もし名誉毀損等の問題があれば、先ほどからちょっと議論がかみ合っていないかもしれませんけれども、そういう名誉毀損とか慰謝料の問題等がございましたら、そのときには、民事、刑事の裁判で適切に判断されることも考えておりますし、そういうことで、議員が、例えば遺族で文句を言う権利があるのかないのかまでもし聞かれたいのなら、そういうようなことも含めて裁判所で適切に判断されると思っていますし、そういう裁判の問題とこの法案との問題の直接の関係はないものと考えております。
○漆原委員 あなたの言う自己情報コントロール権、野党の皆さんの言う自己情報コントロール権というのは、個人情報の取得、利用について本人が関与するという権利だということですよね。そうだとすれば、私は先ほどから何回も申し上げているように、自己情報コントロール権という概念をお認めになるとすれば、この法案を離れて、あなたの言う自己情報コントロール権でもって、東電OL事件のような被害者あるいは松本サリン事件の河野さんのような被害者を救う方法は何かあるんですか、ないんですかという問いかけなんですが、いかがですか。
○山内(功)議員 ですからそれは、繰り返しになりますが、報道機関、メディアの側の自主努力に期待をするということと、そういう名誉毀損等にかかわる場合には、家族、御遺族の感情的な問題を含めて、裁判所で解決する方法も残されております。
○漆原委員 議論がかみ合わない、私の申し上げておることが理解されていないようなんですが、自己情報コントロール権の内容が、この具体的事案で説明が明確にできないということは、やはり私は、表現の自由との調整原理がまだ明確になっていないということを指摘せざるを得ないというふうに思います。
 最後に一点だけお尋ねしたいんですが、野党案六十五条の「適用除外」、第一項ですか、「報道」という言葉が使われておりますが、野党案では、提案者は報道ということをどのように解釈されているか、お尋ねしたいと思います。
○山内(功)議員 まず、政府案では、「報道」を「不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせること(これに基づいて意見又は見解を述べることを含む。)」と定義しております。我々、野党案提出者として、報道の意味の中核的なものとしてこれが必ずしも的を得ていないと考えるものではないんです。
 しかし、我々は、次の理由によって野党案の中に報道を実は定義しておりません。これは、一つには、国民の知る権利に奉仕する報道の意味について、国の法律で定義を設けてこれを限界づけるということが懸念があったからでございます。特に、政府案で、「客観的事実を事実として知らせる」と……
○漆原委員 ちょっと失礼。自分の出した法案の解釈を聞いているわけであって、あなたが報道という言葉を使って法文を書いたわけだから、その報道は何かということを聞いているんであって、それをお答えください。
○山内(功)議員 わかりました。
 野党案で報道の定義は何かというと、不特定多数の人に対して事実を知らせること、これに基づいて意見または見解を述べること、事実をめぐって交わされる議論を広く伝えること等でございます。
○漆原委員 以上で終わります。ありがとうございました。
    ―――――――――――――
○村井委員長 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、政府参考人として防衛庁長官官房長山中昭栄君、防衛庁人事教育局長宇田川新一君及び厚生労働省大臣官房審議官恒川謙司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○村井委員長 続いて、横路孝弘君。
○横路委員 防衛庁は、昨年、国民のいわば個人情報に関する問題を起こしまして、いわば違法収集ということをめぐってあれほど議論がされたわけであります。ですから、個人情報に関して何をやってはいけないのかということは明確に認識されたはずなんですけれども、その後どうも内部チェックをしたのかどうか。今回の事件を見ますと、結局、何もしていなかった、何の反省もなかったということを示しているのだろうと思います。
 内容について、まず防衛庁の方にお尋ねしたいと思うんですが、まず提供を受けた募集のリストですが、それはその後どのように取り扱われたのか。電算処理されているのか、あるいは紙のままなのか。あるいは、提供を受けた方法はフロッピーで受けたのか、紙で受けたのか。提供を受けたリストは廃棄したのか、そのまま現在も保存されているのかといった点について、まずお答えをいただきたい。
○宇田川政府参考人 委員の御質問は、きょうの新聞報道があった件だと思いますが、地方公共団体から提供を受けた形式は紙であります。それから、それをどういうふうに扱っているかについては、今調査中でございますが、主として紙であるというふうに考えております。いずれにしても、現在、調査中であります。
○横路委員 地方連絡部と県とが二〇〇〇年の十一月に作成をした「自衛官募集事務の手引」ということで、その内容なわけですが、これは名前、住所、生年月日、性別のほかにどんな情報を収集したんですか。
○宇田川政府参考人 委員御質問の募集の手引については、それぞれ地方連絡部と都道府県と、作成しているところ、作成していないところもございますが、今の御質問、氏名とか住所のほかに、ある一つの例としましては、「住民票に記載されている住所、氏名、生年月日、世帯主との続柄及び世帯主氏名のほか、職業、健康状態、技術免許等募集上参考となる事項で判明しているものを含むものとする」というような記述があるものがございます。
 ただ、これにつきましては、必ずしも募集について必須のものではないという観点から、昨年の十一月から、住民票で必要なもの、例えば住所とか氏名とか生年月日それから性別、これにとどめるよう、四項目にとどめるよう、昨年の十一月、指示したところであります。
○横路委員 石川県と地連とのような募集マニュアル、今のお話ですと、あるところもあるし、ないところもあるということですけれども、そのあるものについて国会に提出していただけますか。提出すべきだと思いますが。
○宇田川政府参考人 今御指摘の件につきましては、県の方と当方の地連との共同で作成していることになっておりますので、ちょっと相談させていただきたいと思います。
○横路委員 今御答弁がありましたように、その募集マニュアルの中に、いわば募集というのは雇用ということですね、雇用に関して、例えば世帯主の情報であるとか健康状態であるとか、あるいは石川県とのケースですと、技術免許だとか、特に問題なのは健康状態とか世帯主の情報といったような情報が提供されているということなわけですから、これはぜひ出してもらわなければいけない。もし訂正されているならば、訂正前のと訂正後のをあわせてぜひ出していただきたいと思います。
○宇田川政府参考人 委員御指摘の提出の話でございますが、私、帰った後、関係先と積極的に調整したいと思っています。
○横路委員 委員長、これ、委員会としても、提出するようにひとつ理事会で協議して、要求していただきたいと思いますが。
○村井委員長 理事会でお預かりさせていただきます。
○横路委員 自治体から獲得したリストというのは今回の法案に定めた個人情報ファイルに当たるのかどうか、そのリストは総務大臣に対する通知義務の対象となるのかどうか、この点はどうですか。
○宇田川政府参考人 委員御指摘の、地方公共団体から提供を受けた氏名、生年月日等を一覧にした場合には個人情報ファイルに当たるというふうに考えますが、しかしながら、総務大臣への報告につきましては、たしか現行法上適用除外になっていると思います。
○横路委員 その個人情報、今四つだけ挙げられたわけですけれども、それ以外の情報も含んであるわけですね。そうすると、やはりそれは、プライバシーの保護ということからいうと大きな問題があるわけでして、これは防衛庁限りでもって自由に何でもできるということじゃないわけですから、ちゃんと総務大臣に通知すべきだというように思いますが、違いますか。
○宇田川政府参考人 現行の行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律の第六条の「個人情報ファイルの保有等に関する事前通知」でありますが、これの二項の三号に、「行政機関の職員又は職員であつた者に係る個人情報ファイルであつて、専らその人事、給与若しくは福利厚生に関する事項又はこれらに準ずる事項を記録するもの(行政機関が行う職員の採用試験に関する個人情報ファイルを含む。)」こういうふうになっております。
○横路委員 いやいや、今審議している法律案ではどうなるんですかと聞いているんです。
○松田政府参考人 今、けさの新聞との関連につきましては、ちょっと詳細を私ども把握いたしておりませんので、御説明しかねるわけでありますが、仮に電算機で処理された個人情報ファイルでありまして、そういうものにつきまして、一定のものについて事前通知を総務大臣にすることになっているわけでございますが、先ほど防衛庁の方から答弁ございましたように、現行法におきまして事前通知の適用除外の対象外になっておるものとしまして、現行法の第六条の二項の三号に、「行政機関の職員又は職員であつた者」、いわゆる人事ファイルにつきましては事前通知の対象外になっております。新しい行政機関法におきましても、同じように、人事ファイルにつきましては事前通知の対象外になっております。
○横路委員 しかし、これはまだ採用されているわけじゃなくて、その対象者、つまり満十八歳以上の対象者ということでしょう。それも同じような扱いになるんですか。それはおかしいんじゃないですか。いずれにしても、これはこれからさらに内容をしっかりと調査していただいて、その結果に基づいて、今の点などを含めて議論したいというように思います。
 これは、情報公開法に基づく開示請求があれば開示することになるんですか。あるいは、八八年法の開示請求の対象にもなるんでしょうか。
○松田政府参考人 お答え申し上げます。
 情報公開法におきまして、これは一般論でございますが、個人情報は非開示になっておりますので、何人も個人情報に関して開示請求をすることはできないわけでございます。
 それから、今、行政機関個人情報保護法の方で、現行法で開示請求の対象になるのかというお話でございますが、現行法におきましては、電算個人情報ファイルが対象になっているわけでございますが、これにつきまして、個人情報を事前通知され、そして一定のものについて公表されるわけでありますけれども、そこに公表されたものについては開示の請求ができることになっております。
 ただ、今御指摘のものが、先ほど申し上げましたように、第二項第三号の人事ファイルということであるとしますと、その事前通知の対象外ということになって、公表の対象外になっておりますので、開示請求の対象にならないということでございます。
○横路委員 これは、本人が知らないうちにリストに挙げられるわけですね。そして、住民基本台帳に記載されている以上の情報もそこで集められるということでございますので、それに対して何の権利もないというのは、まさにこの法案そのものの問題点だろうというように思います。
 総務省の方にもちょっとお尋ねしたいんですけれども、今回の、先ほど大臣も四つの、住所、氏名、生年月日、性別以外の情報についてはやはり必要ないんじゃないかというお話をされました。
 私は、プライバシーの保護という観点から、雇用についてもどういう情報を集めていいかということは、これは厚生労働省の方でも一定の方針、指針というのがあるわけでございますが、今回の行為というのは、例えば今回の法律の三条、行政機関というのは利用の目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を保有してはならない、こういう規定もあるわけでして、やはり非常に問題が多い、今回の集めた内容については。私はそう思いますけれども、総務大臣、いかがですか。
○片山国務大臣 実情を防衛庁の方でしっかり調査してもらわないと今一概に断定はできないと思いますけれども、健康状態なんというのは、自衛隊員にするかせぬかで一つのあれかもしれませんね。しかし、御両親がどうだとかというようなことは必要あるのかどうか。これも、どういう調べ方をして、どうやっているのか、この辺はしっかり調査した上で我々としては対応を決めたいと思いますが、私は、何度も言いますように、住基の情報を全部とったわけじゃないんでしょう。市町村が資料の提供を求められて住基の中の四情報を提供したということはあると思いますが、私は、四情報ぐらいが個人的には適当ではないかと思っております。
○横路委員 結局、次のこととも関連してくるわけですけれども、今回の法案の中で、例えば個人情報の利用の中止というのを求める請求の対象になるのかどうかとか、こんな点はどうですか。
○片山国務大臣 何度も局長が答弁していますように、人事情報は、これは適用除外なんですよ。これは採用についても同じなんですよね。だから今の利用停止だとかということになるのかどうか、もともと適用除外なんですから。その辺は御意見としては承っておきます。
○横路委員 いや、例えば採用試験をやるということで、採用してもらいたいということで申し出するケースとは違って、これは勝手にですよ、勝手に防衛庁の方が、十八歳以上の者、だれがいるのかということで、条件を付してリストをつくったというわけですからね。どうも今までおっしゃっている点とは違うんじゃないかと私は思いますよ。
 いずれにしても、これは非常に大きな問題でございますので、しっかり調査をしていただいて、その調査に基づいて審議もしていかなければいけない、集中した審議も必要だろうというように思いますが、委員長、いかがですか。
○村井委員長 今の質問、どなたにですか。
○横路委員 いや、委員長、これはやはり集中して議論をして内容を明らかにする必要があると思いますが、委員長、いかがお考えですか。
○村井委員長 委員の御意見として、とりあえず承っておきます。
 質問をお続けください。
○横路委員 防衛庁の方、結構でございます。
 それでは、個人情報保護法案について質問をしてまいりたいというように思います。
 今回の個人情報保護法、一体、個人情報を何から守ろうとしているのかということで、保護法益は何かという議論がありました。いろいろ議論しておりまして、結局、細田大臣の方は、プライバシーを含む個人の情報に関する権利利益の保護というようにお答えをされました。プライバシーを含む保護ということで、プライバシーの権利というところまでは御答弁されませんでしたが、まあ大体、保護法益としては、やはり個人のプライバシー並びに権利利益を保護するというのが保護法益だと思いますが、よろしゅうございますね。
○細田国務大臣 本法案は、制度全体として申しますと、IT社会において個人情報が不適正に取り扱われることによって侵害されるおそれのある個人の人格的、財産的な利益を保護しようとするものであります。
 先ほど来、自己情報コントロール権とか、今御質問のプライバシーの権利という御指摘がございました。非常に幅広くいろいろな概念で、多くの学者あるいは判決においてもこういうことが言われておりまして、定義上いろいろな、人によっても使い方が若干違うと思いますが、当然ながら、自分の個人の情報が不適正に取り扱われることによって侵害されるというものは、一種の、大きな意味でのプライバシーの権利であると思っております。
○横路委員 この保護されるべき個人情報というのは、実は非常に幅広いわけですね。
 例えば個人のプロフィールの情報というのは、氏名とか生年月日、住所、電話番号、あと趣味とか学歴とか、出身地だとか、病歴だとか、家族構成だとかありますね。それから、生物学的な特徴といいますか身体的な特徴といいますか、身長とか体重、あるいは、これからきっと問題になってくるでしょう遺伝子情報とか、それこそ今議論された健康状態。
 それから、個人の社会生活上の情報というものもあると思いますよ。どんな仕事をしているのか、社会的な地位はどうなのかといったようなこと。それから、個人の経済活動に関する情報もありますね。所得がどうかとか、金融の取引をどうしているのか、保有するカードはどんなカードを持っているのか。あるいは社会的な活動に関する情報。例えば、犯罪歴があるのかないのかとか、どういう団体に所属しているのかとか。それから思想、信条でいうと、支持する政党はどうなのかとかいうような、本当に幅広い個人情報があります。
 しかもこの情報は、過去の情報もあるし現在の情報もあるし、あるいは未来の情報もあるわけで、例えばこれから結婚するとか家を建てるとかいうような未来の情報も入って、そういう意味では、非常に幅広い情報があるわけですね。
 問題は、そういう情報の中で、他人に知られたくないと思う情報というのがやはりこの法案でも対象にすべき非常に大きなところだと思うんです。
 政府の方で、これは総理府の方ですか、やった世論調査を見ますと、他人にできるだけ知られたくない情報というのは、一番が、年収とか納税額とかという財産状態ですね。二番目は、家族、家庭生活の状況ということですね。それから三番目が、支持政党とか宗教などの主義、信条ですね。それから、病歴だとか身体の障害などの記録といったような点が知られたくない情報だということで、これは大体世論調査の同じ傾向が出ています。
 大臣、まず、こういう結果、国民がこういうのは知られたくないよといって出されている情報をどう受けとめられるのか。そういう国民の要望にしっかりこたえることになっているのかどうかというのが中心になるわけでございますが、どのように受けとめられておりますか。
○細田国務大臣 横路議員がお尋ねになられましたことは、実は、昨年以来私が何度もお答えしていることと大変マッチする御質問でございまして、一人一人思いが違うと思うんです。しかし、それぞれによって、その収入においてあるいは財産の状況等においてセンシティブだと言う方もおられますし、御自分で病歴、診断歴その他健康情報についても非常にセンシティブだと言う方もおられます。それから、社会的な背景、出生とか、その他のさまざまな信条、思想とかそういう問題もあります。
 政府案は、そういったそれぞれの個人の情報についてプライオリティーを付するのではなく、いずれにしても、本人から、こういった問題について多量に情報を扱うような者に対してさまざまな権利が行使できるようなことを付与するという意味で、非常に幅広い概念を採用しているところが特徴であると思います。
 私は、先国会で実は答弁しまして、生命保険会社に自分の健康状況を非常に細かく出したり、クレジット会社に細かい財産状況を調べられたり、こういうことも非常にセンシティブな情報じゃないかと言ったら大変怒られまして、そんなものはセンシティブ情報じゃないぞなんという反論を受けて、私、審議も一時とまるぐらいの御批判をいただいたんです。
 しかし、今の御指摘のように、さまざまな個人情報は、同じような価値観を持って、しかも個人個人によって違うという意味では、非常に私は議員の御質問の趣旨と同じような感覚を持っております。
○横路委員 それで、その問題は、そういう知られたくないという一人一人の思いが、では、今の社会の中でしっかりと実現しているのかどうかということ、この法律案がそれを実現することになるのかどうかということで、ちょっと具体的に名簿の売買の問題について御質問をさせていただきたいと思います。
 今、情報のいろいろな漏えいが相次いでいるわけでございますが、名簿が一種の商品のように売買されている、当人の意思とは関係のないところで売買されている、こういう現実をまずどのように受けとめておられますか。
○細田国務大臣 インターネット上のものも含めまして、非常に名簿の売買等が行われておるわけでございます。
 本法案では、偽りその他不正の手段による個人情報の取得を禁じるとともに、個人情報取扱事業者が個人情報を第三者に提供する場合には、あらかじめ本人の同意を得るか、本人の求めに応じてその名簿から個人情報を削除する等、これはオプトアウトと言っておりますが、一定の要件または手続を満たす場合のみ第三者への提供を認めることとしております。したがいまして、本法案によりまして個人情報の取り扱いに関する一定のルールが設けられることによりまして、これにつきましても適正な利用環境が整備されるものと考えております。
 今まで、八年間で八十件ほどの事件といいますか事例が起こっておりますけれども、その中のやはり一番質の悪いものは故意に、収集した個人の名簿等を、対価を得ることが多いようでございますが、他人にあるいは他の企業に渡してしまう、こういう事件が今起こっておりまして、これに対応する必要があると考えているわけでございます。
○横路委員 消費者の人たちが非常に不安に感じていることというのは、どこからか商品やサービス購入の電話がかかってくるとか、ダイレクトメールを送ってくるとか、あるいはセールスに来た人が自分の情報を物すごく詳しく知っているとかいうような不安というのがあるわけですね。ですから、一体、ずうっと流れている情報というのをとめることができるんだろうか、どこにどういう情報があって使われているのかということを知りたいけれども、どうやったら知ることができるんだろうかというような不安というのは国民の中にあると思うんですね。
 そこで、大臣に、きのう政府委員室の方を通じて、インターネットのホームページで名簿を売買している業者のリストを、リストといいますか内容をとって、ごらんいただくようにということで御連絡しておきましたが、大臣、これは目を通されましたですか。(細田国務大臣「はい、名簿」と呼ぶ)
 これはある会社のものですけれども、これを見ますと、中に、例えば非常に問題だなと思うのは、キリスト教の教会員の名簿、だれがキリスト教の会員であるかという名簿ですね、それから歯医者に通っている通院者の名簿、それから瀬戸内寂聴さんの講演会に参加した参加者の名簿、もちろん多重債務者、それからサラ金やマルチの会員がどういう人であったのか、あるいは身体障害者の人のデータ、これは一万人ぐらいですか、名簿をそこで売買しますよということになっているわけですね。
 こういう現実にあるということをどのようにお考えになられますか。
○細田国務大臣 今御指摘になったような中身は、やはり、この法律上、保護されるべき個人情報であろうと思いますので、こういうことこそ対応していかなければならないと思っております。
 ただ、もちろん、案件について、規模というものも今この法律は考えております。つまり、米屋さんや魚屋さんや本屋さんが、顧客の、お得意さんのリストを今はコンピューターに入れるというような時代でもございますし、一定規模以上の情報処理をして提供するような業を対象としておるわけでございますけれども、その中には、たとえ量が少なくてもこれは大変問題だというものもあると思いますね、こういったものについては。
 ですから、一般法としては私どもの今考えているところで個人の権利を保護するということも必要でございますし、場合によっては個別の法律でこれだけはやらなければならないという場合もあるかと思います。これは今後の課題であると思っております。
○横路委員 こういういわば非常にセンシティブな情報、教会の会員であるかどうかというのは、個人の思想、宗教、信条に関するデータですね。あるいは、講演会にだれが出席しているのか、瀬戸内さんの講演会に出た名簿というのはどうやって手に入れられたのかわかりませんが、四千名を超える名簿だというように表示されていますが、大体、こういうことが売買の対象になるということ自体どうなんですか。今度の法律でこれはどうできるんですか。
○藤井政府参考人 お答えいたします。ちょっと条文の内容の話でございますので。
 まず、こういう名簿業者にリストが流れるという根っこの部分をまずとめる必要があろうかというふうに考えております。
 そこで、従来御説明しておりますように、本来、そういうリストが有効に使われていたというか、個人情報取扱事業者の中から第三者に提供される場合、こういった場合は、原則目的外提供禁止という条文を設けているところでございまして、その場合は、例えば、原則として、本人の同意がない限りは目的外に提供してはならないという義務がかかっております。ですから、これらの義務違反ということになると、それはそれで是正が求められることになるということでございます。
 それからまた、名簿業者自体どうなのかという問題があろうかと思います。名簿業者も、個人情報をいわば業の用に供しているというようなことが判断されれば、もちろん個人情報取扱事業者ということでこの法律で規制を受けることになるということになるわけでございます。
○横路委員 今回の法律案の制定を一番楽しみにして待っているのは名簿業者なんですね。要するに、これでもって適法業として認められる。しかも、ほとんど規制の枠ははまらないで自由にできる。
 例えば、今話した、現にインターネットのホームページでこういうふうに売りますよと言っているわけですね。これに対して何かチェックをかけられるんですか。例えば内容は、身体障害者のデータ、一万人以上の全国の名簿がありますよというのが出ています。これについて何かチェックをかけられるんですか。もちろん、本人の了解など、そんなものは得ていないでしょう。
○藤井政府参考人 お答えいたします。
 名簿業者自体が保有されているそういう名簿、これが、本法案における個人情報であり、また個人情報データベース等であるということになれば、当然、本人開示とか本人の訂正請求、停止、そういう権能を行使することができるということでございます。
 ただ、これも大臣から重々、前からも御説明しておるところでございますが、いわば個人の人格に非常に密接にかかわるようなそういう微妙な情報、こういったものについては、やはり、まず業界ごとに自主的な改善努力、それこそガイドライン等々、きめ細かい取り扱いの基準をつけていただく、それは現行法でも対応は可能でございますので、そういったことを各省庁が強力に推進していただく。それに加えて、法律制度上より厳格な、例えば本人同意なんかが必要であるということであれば、個別の法律で推進していく。そういう必要があろうかというふうに考えているところでございます。
○横路委員 この情報を見ていますと、例えば「豊島区一人暮らしの老人」という名簿があるんですよ。こういうものというのは本当に犯罪にも使われかねないですよね。内容を一つ一つ言いませんけれども、あるいは結婚を希望している人とか、どこどこ大学のOBの独身者の名簿とか、そんなものまで出て売られているわけですよ。今いろいろとこの法律で、本人の同意とか、こんなもの本人の同意があるはずがないわけで、勝手に使われて、しかも第三者に提供しようというわけでしょう。これは本人が知りようもないですよね。
 ですから、もう少し議論しますが、こういう状況を、しっかり実態を見てどうするか。法律的には、この法律はやはり野党案のように変えるとチェック、歯どめがかかると思いますが、それは後でお話しします。
 それで、もう少し具体的に。金融庁、来ていますか。
 この名簿の中でサラ金、つまり、いろいろなサラ金の会社がありますが、そこでも、そこの会員である会員名簿、それから多重債務者の名簿というような名簿が全部出ています。これだけで百二、三十万ぐらいの人数になるわけですけれども、これはいわば情報が漏れているという証拠だと思うんですけれども、この点は金融庁としてどのようにお考えですか。
○五味政府参考人 お答えいたします。
 金融分野における個人情報の保護につきましては、今のお話のサラ金も含めまして、関連法令あるいは検査マニュアル、事務ガイドラインで、顧客情報管理の体制あるいは他者への伝達に当たっての守秘義務、例えば本人の同意の取得等に関しまして規定を設け、検査、監督を行っております。
 具体的にどのようなものが出ておるのかわかりませんけれども、当局としては、こうした観点から、顧客情報の厳正な管理ということを検査、監督、指導してきておるところでございます。
○横路委員 こういう多重債務者の情報を手に入れてどうするかというと、いわゆるやみの金融の人たちがそこにまたお金を貸す電話をするわけです。返済期日なんかを見て、その直前に集中して電話をするとか、あるいはサラ金に行って断られた名簿なんというのもありまして、そういうのを今度やみ金が手に入れてやるということで、いずれにしても、これがいろいろ問題なのは、犯罪にも使われかねない要素があるということなんですね。
 ですから、これだけの、百二、三十万ぐらいの名簿が多重債務者として載っているわけですから、これは名簿が漏れているのははっきりしているわけでして、これもひとつ実態を調べていただきたいと思います。
 それから、厚生労働省に、この名簿の中に身体障害者のデータと歯医者に通っている通院者の名簿というのが載っているんですけれども、前に厚生省の方で、やはり医療関係の情報が漏れて、いろいろと調査されました。結論は、どうも何か、見ていると、要するにわからなかったというだけの調査結果になっているわけですけれども、こういう身体障害者のデータとか病院に通院している通院者の名簿というようなことについてはどのように考えられますか。
○水田政府参考人 お答え申し上げます。
 厚生労働行政分野におきます個人情報保護に関しましては、先生御指摘のとおり、医療分野を初めとしまして、特に保護が必要な分野が多いということがございます。そういうことから、これまでも、医療従事者の守秘義務の整備でありますとか指針の策定等を行ってきているところでございます。
 御指摘のような、患者でありますとか障害者の方々の情報につきましては、まずは、こうした情報を取り扱う医療従事者でありますとか公務員の守秘義務の徹底を図るということが重要であると考えております。
○横路委員 大臣、例えばここの中でもセンシティブな情報というのはたくさん入っているわけですよ。ですから、こういう情報の収集をやはり禁止するということをこの法律の中でしっかり規定しないとこういうものが起きてくるというように思います。
 私は、まずやはりこういう情報の、これははっきりしていますよ。どういう情報か、何か類型できないとかいう御答弁ございますが、もうはっきりしているわけで、どこの宗教団体の会員であるかどうかとか、身体障害者であるかどうかというようなことというのははっきり類型としてもするわけですから、やはり、そういう情報の収集はだめだよということを原則としてもはっきりしなきゃいけないと思いますが、大臣、どのようにお考えですか。
○細田国務大臣 今言われたような例は、当然、政府案におきましても厳しく管理し、また取り締まらなければならないようなたぐいの問題であると思っております。
 また、この中での、いわゆる多重債務者とまでは言えないにしても、ある会合に出たとか、個別のそういうものについては、御存じのように、ある外国有名政治家が来たときに、ある大学で入り口で名簿をみんなとりまして、それが二つの大きな訴訟になって、今、プライバシーの権利の関係で最高裁で審理されていることはお聞き及びかと思いますけれども。
 個人を救済するさまざまな手段も包括してとるべきでございますし、医療機関からこれが漏れたことが明らかなような場合には、当然医療機関の問題として処理するべきでありますし、多重債務者の問題についても、これは金融の問題としてさらに管理をすべき問題であると思います。
 私どもも、もうこれは絶対にセンシティブなんだからセンシティブ情報である、あるいは自己情報コントロール権の問題であるという野党のお考えは一つのお考えだと思いますけれども、結局、効果としては、政府案も、こういったものを当然管理し、さまざまな措置をとれるようになっており、かつ、これは横路議員がおっしゃいましたように、まさにこういう法的な措置が今こそ必要な事態になっておるという認識では一致しておるわけでございまして、立法を急いでおるようなわけでございます。
○横路委員 ただ、この法律でこういう名簿業者の人を取り締まれないでしょう、このいろいろなセンシティブな情報を集めて売買しているような人たち。この法律では規制対象にならないんじゃないですか。
○細田国務大臣 私どもとしては、これらの状況につきまして、本人に注意を喚起し、あるいは行政庁がこれを管轄して、やはり幅広く世の中に問うていく必要があると思っております。私は、主務官庁もこういう場では積極的に働くべきであると思っております。
○横路委員 結局、記載された本人に無断で名簿を提供する行為なわけですね。ここで、いわば利用目的の本人通知または公表と、本人の同意かですね。
 問題はこの通知と公表ということなんですが、公表というのは、例えばホームページで公表することもいいという御答弁のようですが、どういうぐあいに公表するんですか。例えば、この名簿業者がホームページでどういう公表をするとこの条項を満たすことになるんですか。
○藤井政府参考人 お答えいたします。
 具体的には、どういうファイルを保有しているか、それから何のために使うのか、あるいは苦情の先はどこへ行けばいいかとか、そういうようないわば本人が関与するために必要な情報をあらかじめオープンにするということを考えております。
○横路委員 私、藤井さんの前の十五日の議会の御答弁もよくわからないんです。本人への通知にかわる意味合いを持つわけでしょう、公表というのは。先ほど言いましたように、我々、全く知らないうちに名簿が売買されていって、どういうぐあいに流れていって、どこにあるのかわからないわけですね。
 一つお答えいただきたいのは、希望すれば自分の情報を名簿から削除できると今説明されましたが、本人の了解を得ていないわけですから、だれも自分の氏名が出回っていることすら知らないわけですよ。多分、ここの中に載せられている人だって、知らない人がたくさんいると思うんですね。そうすると、一体どうして公表すること自身が本人の関与が適切になされたことになるのか私はよくわかりません。これは、ホームページに今言ったようなことをちょっと載っけることがどうして本人の関与が適切にされたということになるんでしょうか。
○藤井政府参考人 お答えいたします。
 すべての場合において、本人が、自分の情報がどの業者にどういう形で保有され、どういう形で利用されるかということをそんなに簡単にもともと見れるものではないと思っております。ただ、多くの場合は、紛争が現にあるか、あるいは紛争が起きる可能性がある、そういう事態が多いかと思っております。そういう場合には、やはり、自分の情報があの事業者に持たれているんじゃないかとかいうような事前の情報があり得る場合が多いと思います。
 そういった場合は、やはり、心当たりの事業者に対して、そこにまず公表されているファイルの名簿のようなものを見せてもらうとか、あるいは、具体的な場合には事業者に直接照会していただくという形でもいいかと思いますが、そこで見当をつけていただいて、あとは法律に基づく手続で請求していただくということができると思っていまして、当面私どもはそれで十分ではないかなと思っているということでございます。
○横路委員 前の藤井さんの御答弁は、まず、直接個人情報を取得する場合、その場合は本人が提供者ということになるわけですから、そのときに本人が同意するかしないかということはあると思うんですが、それ以後、この情報が流れていった場合ですね。通知、公表という趣旨は、やはりそれ以後の本人関与といったものが適切になされる、そのためのいわば基盤ということになるわけでございまして、そういう観点からは、本人が知ろうと思えば知られる状態に確実にしておくということが大事なんだということで公表制度を導入したということなんですね。
 しかし、例えば身体障害者の人が、自分の名簿はどこにあってどうなのかというのは、そんな公表を例えばある業者の人がしたとして、どうして知ることができるんでしょうか。私は、全然知ることはできないと思いますよ。例えば、その名簿に出ているかどうかというのは、個人名から検索するような機能というのはどこにもないんですから。個人名を検索できるならば、それでわかりますよ。だから、削除してくれとかいう要求ができますけれども、そういう機能というのはないわけですから、自分で見つけ出さないといけないわけでしょう。
 だから、本人に通知すれば、通知を受けた段階でわかるわけですけれども、公表という手段じゃ全然やはり本人はわからないまま情報が勝手に流れるということになるんです。それが、ここの通知または公表という十八条のところの大きい問題ですよ。ほかにもありますけれども、この点はどう考えますか。
○細田国務大臣 本人が関与する問題についてはおっしゃるとおりでございますが、別途、三十四条の規定に、勧告、命令、罰則等が設けられているんですが、その前提として、例えば二十三条、「個人情報取扱事業者は、」云々と、「あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。」この二十三条に違反をするということで、これは、三十四条の規定により、主務大臣がこのような事実を認め、かつ大量のデータによる移転が行われるような場合には、必要な措置の勧告を行い、これに措置をとらない場合に命令を行い、さらに罰則を設けるようになっております。
○横路委員 しかし、公表したからということでちゃんと責任を果たしましたよということになるんじゃないですか。
○細田国務大臣 ただ、先ほど来の問題につきましては、この二十三条の要件がそれぞれございますので、その要件に当然当たるものと考えております。
○横路委員 ですから、問題なのは、本人の同意なくして第三者に対して、しかも目的外で使用するという場合ですよね。それが売買という形をとって流通して流れているわけですよ。これは非常に高い対価ですよ。一万件ぐらいとると五十万ぐらい払わなきゃいけないようなことになっています。しかし、それでも欲しい人はいるんでしょう。
 さっきの一人暮らしの老人の名簿なんというのは、あるいは証券会社とかそういうようなところで手にして、セールスをしたりするようなことに使っているのかもしれません。あるいは犯罪者が目をつければ、これはひとり暮らしなんだというのはわかるわけです。住所も氏名も全部わかるわけですからね。そういうことにもなりかねない。やはり非常に問題が多いわけですよ。
 そこのところは、やはり第三者に対する目的外の使用ということなんですね。第三者に対する目的外使用、これはやはりしっかり本当は禁止するということにすると問題はかなり解決できるということでございますが、この点はどうですか。
 私は、だから、センシティブ情報について収集を禁止するということ、それから第三者に対する目的外の使用ということ、これは非常に問題がありますので、これをやはりしっかり制限するということがなければ、こういう情報ますますこれはひどくなりますよ。
 そして、本来この法律をつくった趣旨は何なのかというと、細田大臣の答弁は繰り返し繰り返し、こうやって情報が勝手に流れている、社会的な被害、個人的な被害も生まれている、だからつくるんだとおっしゃっていたけれども、一番根っこのところのこの名簿、ここをしっかりコントロールしないと私はやはりもともとつくられた趣旨も生かすことができないんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○藤井政府参考人 先生の御指摘された事例というのは本当によくないことだと私どもも思っておりますが、申し上げたいのは、政府案の第二十三条の第三者への提供制限でも、今の先生の御指摘のあったような事例はやはり同意がない限り制限されているということでございます。
 むしろ、この第二十三条の第三者制限で認めているのは、本人の権利利益への侵害のおそれとかそういうことも、事業者の必要性あるいは第三者の必要性とか、そういったことをやはりバランスをとった上で必要な範囲で認めているわけでございまして、まさに先生の御指摘の事例というようなのはやはりよくないというふうにこの法律も考えておるということでございます。
○横路委員 では例えば、あとこういう事実、これはほかにもありますよ。ほかのも幾つかホームページに何社か載っていまして、それからあるいは、ホームページには載せていないけれどもいろいろ売買しているかなり大きなところもありまして、そこも実は公表されているデータ以外のデータも随分持っているわけですよ。
 こういう実態なんですが、こういう名簿業者というものの実態をしっかり調べてもらって、そして私、さっき申し上げましたように、知られたくない情報というのはたくさんありますけれども、その中でもやはり特に知られたくないという情報はあるわけで、しかもそれが世の中の公序良俗といいますか、そういうベースからいってもおかしいというような点もありますので、ちょっと実態をよく調べていただいて、そしてこれに対してどういうコントロールができるのか。
 私は、この法律改正をして、先ほどの通知、公表、公表なんというのはやはり通知にすべきで、公表は例外的にするとかやはりそういう措置、それから第三者への目的外使用というところの制限などをすべきだと思いますけれども、大臣、いかがですか。
○細田国務大臣 目的意識は全く委員と同じでございます。
 二年前から、何とか個人情報を保護しなければならないという事態がどんどん広がっている。今の時点では、このようなことがわかっても民事上の措置をとるしかないということでございますので、これは一日も早く法律を制定せよという御趣旨であれば全くそのとおりだと思いますし、もう一つは、十七条の「適正な取得」とか二十三条とか、例えば多重債務のような問題は、当然、全員の同意を得るはずがないんです。したがいまして、これは本人の同意を得ないで提供しておるというふうに主務大臣が判断することもできるような事例だと私は思います。
 それから、それがセンシティブ情報として例示されているものとして入っているかというと、やはり私は、多重債務の問題などは、貴重な個人の財産、債務も含んだ債権債務、資産も含んだ財産権の問題であり、例示されておりますセンシティブ情報の外にも非常にセンシティブな情報があるというまさに事例だと思っておりまして、幅広く対象とする方がいいのではないかと思っております。
○横路委員 多重債務者でいいますと、多重債務者でしょう、多重債務者でなおかつ金融の申し込みをしている人でしょう、それから金融を紹介する紹介屋とか、本当にいろいろな名簿がたくさんありまして、これはもう何かいろいろな問題、法律に反するさまざまな問題がこの名簿から生まれてくるということを非常に強く感じます。
 ですから、ぜひ、本来、今せっかく審議しているこの法律案でもうちょっと強化するところは強化すべきだというように私は思います。しかし、同時にまた、新しくチェックする個別法が必要だということも考えられるところでございますから御検討をいただきたいと思います。
 一つ、この名簿に関して総務大臣に、やはりある名簿のホームページのリストをとったら、そこに主な仕入れ先というのがありまして、情報の主な仕入れ先。この中に、幾つか書いてある中に郵政省というのが入っているんですよね、郵政省。
 それで、一体何をこういう名簿業者に郵政省は提供しておられるのか、お調べいただきたいと思います。
○片山国務大臣 郵政省は平成十三年の一月五日になくなりまして、私は最後の郵政大臣をやらせていただいたんですが、郵政省はなくなってもう二年以上、二年三、四カ月たっているんですけれども、具体のあれを出していただければ調べてみましょう。
○横路委員 やはりこの名簿問題というのは私は本当に深刻に受けとめるべきではないかなというように思いますが、あらゆる名簿というのは全部、公開された名簿になるのかどうか。
 例えば、親睦を目的として作成、配布されたような名簿類でありますとか、あるいは同窓会名簿のようなものも、この名簿は同窓生が使う以外の目的で使っちゃいけないというようなことを表示すると流れがとまるのかというようなこと。あるいは、ダイレクトメールに対して不要の申し出をした場合に、その名前を全部リストから除いてもらう。それから、ダイレクトメールだけ除いてもだめなんで、そのもともとの名簿をどこから得たのかという入手先をやはり明確に示して、そうすると、そこまで削除することができるわけですね。
 これも非常に大事なところだというように思いますが、大臣、いかがですか。
○細田国務大臣 まず、案件に対する対応としては、個々人の皆様方がそれぞれ、これはおかしいぞ、自分の権利が侵害され、名簿を勝手に流用されたのではないかというときに、積極的に働きかけを行う、行政庁にも話を持っていくということだと思っております。
 この間、あるデパートの会員の会員権、カードを申し込みますと、そこに、関係会社に対して、あなたに対してまた別の販売の商品リスト等が郵送されることがありますのでよろしいですね、特に問題がある場合はお断りするという欄にチェックしてくださいなんというのがあるんですね。これはやはり、この法律の趣旨からしても、やるのなら逆にすべきですね。よくよく送ってくれというのなら、送ってくれというふうに言わなきゃいけないんですが、そういう事態があります。
 それから、そもそも、そういうことを今、次から次へと発生させて、また、通信販売のカタログ等がいつの間にか送られてくるという実態で、多くの主婦の方を中心に、これはおかしいじゃないか、どうなっているんだということも認識が深まっておられますから、そういった中に、さらに自分として、個人情報として知られたくない情報が漏れるような場合があれば、これは積極的に対応するという、まずは自立のことだと思います。
 ただ、議員おっしゃいましたように、大きな名簿のホームページでもう明らかにおかしい、今の法律が成立すれば違反であるような項目がありますから、これはしっかりと直ちに対応していく必要があると思いますので、法案の早期成立をよろしくお願いしたいと思います。
○横路委員 ただ、今の、ダイレクトメールが送られてきますね。それに対しては、もう結構ですよと言って削除してもらう。問題は、そのダイレクトメールの業者が持っている名簿をどこから入手したんですかと。やはりこれの権利が消費者になければ、もともと、そういうものをすっかりなくすということにはなりませんよね。これはどうなんですか。私は、その場合の入手経路というのは、やはりちゃんと話をして、本当に消費者が権利を行使できるようにすべきだというように思いますが。
○藤井政府参考人 制度の説明ですので、私の方から御説明いたしますけれども、今の政府案では、入手先まで開示請求の対象には含めておりません。ただ、わからないことがあれば、やはり事業者にお聞きいただいて、さらに事業者も親切に対応する、そういう対応が求められると思っております。
○横路委員 いや、だからそこは、やはり入手経路をはっきりさせなかったら、本当にその消費者の個人情報を守るということには結局ならないというように思いますよ。だからそこを、大臣、やはりちょっとはっきりさせて、しかも、皆さん方は、何か業界に呼ばれて出ていくたびに、いや、入手経路は言わなくていいんだ、言わないでいいんだ、心配するなというようなお話もされているようで、そんなことのないようにひとつしていただきたいと思いますが、どうぞそこのところを。
○細田国務大臣 この法律によってやはり初めて第三者提供というものがしっかりとコントロールされるわけでございますから、今までのところですと、例えば関連会社の間で、デパートと通販会社と何々サービス会社などとの間で名簿が流通する場合は、なかなか、これが違法入手であるというようなことで、例えば民法上の損害賠償とかそういうわけにいかなかったのですが、今度ははっきり第三者提供等の規定が適用されますので、そういった意味でも法整備が必要で、この法律の制定、成立が必要でございます。
○横路委員 終わります。
○村井委員長 午後二時より委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時開議
○村井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。黄川田徹君。
○黄川田委員 午前中にもちょっと質疑がありましたけれども、防衛庁が市町村に対して自衛隊募集に関して住基情報を要請してきたということに関して、これに関連して基本的なことを総務大臣にお尋ねいたしたいと思います。
 私は、市町村の職員もしておりましたので、まずもって、国と地方公共団体の役割の分担、これは明確化しなきゃいけないということが時代の要請であると思っております。そしてまた、地方分権一括法が施行されまして本格的な地方分権の波が押し寄せておる、そしてまた、税財源の移譲をしっかりとしなきゃいけないという、これが大きな流れでありますけれども、こういう流れにあって、国、地方公共団体、パートナーシップで仕事をしなきゃいけないと私は思っておるわけであります。
 ですから、かつてのような、いわゆる上下関係というんですか、国が上で県がその次、市町村がその下といいますか、三層構造といいますか、あるいはまた、公務員も、国家公務員、地方公務員ありますけれども、悪い意味での公務員意識があったりして、本来的に法律等あるいは条例等に基づいた仕事ができかねておる、できることあるいはできないことがはっきりできないというような、そういう環境がいまだにあるんですかね。
 そういう現状があるとすれば大変な問題だと思うわけなんでありますけれども、総務大臣、いかがでしょうか。
○片山国務大臣 地方自治法ができる前はそうだったですよね。やはり上下の関係が何となくあった。戦後も、そこは直ったんだけれども、例えば機関委任事務なんというのは、都道府県知事、市町村長を国の出先機関の長という、フィクションですね、擬制をして国の仕事をやらせると。だから、機関にだけ委任する、団体に委任するわけではない、だから、団体の意思決定機関である議会は関与できない、こういうことだったんですね。例えば総務大臣の出先機関に何とか県知事がなり、その知事の出先機関に何とか市長や町長がなる。
 これはやめたんです、平成十二年四月から施行の地方分権一括推進法で。機関委任事務は、自治事務か、地方団体の事務か。ただ、地方団体の事務だけれども、やることについてはいろいろ法律で注文をつけるようなことはありますが、基本的には自治事務。それからもう一つは、国が地方団体に、受委託の関係、こっちは委託する、向こうは受託する、法定受託事務と。
 こういうことをやりましたから大分私は変わってきていると思いますし、最近は地方も強くなっていますから基本的には変わりつつあると思いますけれども、まあしかし、国の方がでっかいですから、金も、借金はどっちも多いですけれども、国の方が財政力もありますし、そういう意味では、気分としては対等、協力なんだけれども、やはり国の方が上かなという感じは幾らか残っているかもしれないと思います。
○黄川田委員 大臣に聞きたかったところは、市町村のいろいろな事務、国に係ることの仕事をしたりするわけでありますが、関連して、民間の人たちも自衛隊募集に関してはいろいろな仕事に携わっている方があるということ。それらの取り扱いが、全国三千二百の市町村の中でそれぞれ思いがあってやられるということは、これからの情報公開あるいは個人情報の保護とかということの中で、やはりしっかりした取り組みがないと、ますますこういう状況が出てきますと国民から信頼を受けられないという状況になりますので、その辺はやはりしっかりと、大臣のリーダーシップなり、まあ大臣というよりも首長のリーダーシップなんですけれども、その辺をお願いしたいと思っておるわけなんですが、加えて所感をちょっとお願いいたします。
○片山国務大臣 私どもの方は、地方分権を進める、地方自治をより強くする役所ですから、基本的には、三位一体の改革だとか市町村合併だとか権限移譲だとか、いろいろなことを今やっていまして、それはやはり本当の意味での国と地方がパートナーシップ、そういうことにするために頑張っておりますから。
 ただ、自衛隊の場合には、自衛隊の募集事務については、法律に基づいて地方に、地方団体に御承知のように委託できる、地方団体もそれをやる、また、必要があれば資料の提供や報告を求めるとか、そういうこともできるというのが法令の仕組みになっているんですね。だから、ある程度住民基本台帳の情報やその他の情報を出すことはいいんですが、しかし、それは自衛隊募集について必要最小限度の情報でなきゃいかぬ、こういうことなんですね。
 そこで、いろいろなマニュアルをつくったり、いろいろな募集の仕方をしていると思うんだけれども、その中で行き過ぎたところがあるのかないのか。あったら直してもらわなきゃいかぬ、なきゃ今のままでやってもらえばいい。自衛隊も自衛隊募集も国にとっては重要な仕事ですから、そこを防衛庁にしっかり調べてもらおう、こういうふうに思っておりますし、もし直した方がいい点があれば、私どもも防衛庁に言って直してもらいます。
○黄川田委員 いずれ、情報が足りない中での議論でありますので、さまざまあると思うのでありますけれども、しっかりした対応をお願いいたしたいと思います。
 前回に引き続きまして、それでは、個人情報保護法案に関連して質問させていただきたいと思います。
 まず、政府修正法案でありますけれども、冒頭、第一条の「目的」で、「高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることにかんがみ、個人情報の適正な取扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成」などを定めておるところであります。
 御案内のとおり、政府は、高度情報通信社会の進展に対処すべく、平成十三年の一月、e―Japan戦略を策定しまして、五年で世界に冠たるIT国家の確立を目指すこととされておりました。民間ではインターネット利用者の人口普及率が五〇%を超えまして、そして米国に次ぎ世界第二位になるなど、ブロードバンド化が進展している、おわかりのとおりであります。
 しかしながら、政府のe―Japan戦略でありますけれども、たびたび私も指摘してきたのでありますが、この戦略自体にゆがみが露呈し、IT戦略本部は、最近、基本戦略を見直すべく十数回も検討委員会を開いた、このように聞いておりますし、また改定作業中であると聞いておりますけれども、いまだに見直し案の新IT戦略は公表されておりません。
 そこで、最初に、このe―Japan戦略の見直し状況と今後の見通しについて、IT担当ですか、細田大臣にお願いいたします。
○細田国務大臣 e―Japan戦略につきましては、戦略本部におきまして精力的に検討を進めております。
 第一次の戦略は、まず、日本がどうも社会環境、社会資本の整備、光ファイバー網の設置等も含めて非常におくれたぞ、アメリカの情報スーパーハイウエー等の整備に比べるとおくれておりますし、各国に対してもおくれたぞということで、その整備を高らかにうたうとともに、教育面でも、子供からお年寄りまで各層のインターネット環境、パソコンに対する利用の向上、そういった点を政策的にも後押ししよう。それに加えまして、個々の契約、入札とか公的ないろいろな手続について、Eガバメントということから各種法律を変えていただく、環境整備、個人認証制度も整備する、そういうことをずっとやっていただいたわけですね。
 ところが、今の時点で立った場合に、このIT戦略についてもう一段いかなくちゃいけないということがさまざまにあるわけでございます。せっかくそれぞれ環境は整備したけれども、それでは、個人の立場に立った場合に本当に便利な社会になっているかと。朝から晩まで考えた場合に、非常にまだまだ不便で、待ち時間の多い生活をしておりますし、企業と企業の間でも、企業と政府、自治体との間でも、手続的には一応整備したというものの、本当に二十四時間三百六十五日、どこでも待ち時間ゼロというような、これは理想論として掲げているわけですが、そういう社会になっておりません。
 したがいまして、これらを一つ一つの視点から今見直しております。出井ソニー会長が座長となりまして、専門家を集めまして御審議いただいていまして、IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会だけで、本委員会が八回、きのうも開会したところでございますが、調整のための会がそのほかに八回、十六回にわたって、相当具体的な案が出ております。
 キャッチフレーズ的に言いますと、「元気」、日本のGDPの発展のためにも貢献する。「安心」、これはセキュリティーとかいろいろな問題がありますから、この点もきちっとやらなきゃいけない。それから、「感動・便利」と言っておりますが、国民一人一人にとってIT社会がすばらしい社会であるということが実感できるようにしようということで、例えば、医療、食、生活、中小企業関係の金融とか、知、就労、労働、行政サービス等々、あるいは人材育成、研究開発、国際関係等に分けまして、今かなりの量の報告書をまとめているところでございます。
 今、これは相当各省に強硬に、特区なんかと同じでございますが、今までなかなかやれないというものも、ぜひこうしたらどうかということもお願いをしながら調整しておりますので、初夏、もうじき初夏でございますけれども、初夏までに案を表に出しまして、新戦略を策定し、そして十六年度予算に間に合わせながら一つ一つ深掘りしていきたい。
 ちょっと長くなりましたが、そんなことでやっておりますので、御理解いただきたいと思います。
○黄川田委員 ハードの面は整備できたんだけれども、経済の活性化に一気にはつながっていないという現状だという話なんであります。これは本来、デフレ下の経済不況を救い、景気回復の牽引力ですか、そういうものに期待されていたIT産業でありますけれども、逆に景気の回復の足を引っ張っていたというような事実もありますし、そしてまた、これは単に米国のIT産業の不況の影響というだけじゃなくて、やはり政府の経済政策の失政、特にe―Japan戦略を初めとするIT戦略の失敗によるところが大きいんじゃないかと私は考えているところもあります。
 そこで、今、統一地方選挙でありまして、地域に行けば、地方の経済の疲弊は大変なものであります。この地方の経済の現状について、細田大臣の認識を改めてお尋ねいたしたいと思います。
○細田国務大臣 私も地方選出の議員でございますから、地方は本当に大きな悩みを抱えております。地方は、特にこれまで公共事業依存型の経済でございますから、公共事業の伸びにおいてはむしろマイナス、その中でいかにやりくりするかということで苦労しているわけです。
 その中で地方は、大都市からはかなり距離のある地方が多いわけで、黄川田議員もそうでございますが、やはり距離のハンディキャップを解消するには情報だということは確かでございます。IT、インターネット利用等によりまして地方の活性化を図ろうということで、さまざまな地方の努力もされておりますが、こういった面も政府は大いに支援をしていかなきゃならないということで、今そういう面での知恵も出しておるところでございます。
○黄川田委員 また一方、民間では、大容量の情報を瞬時に伝達することが可能なIT社会が形成されつつあります。しかしながら、政府は、この大量の情報をデータベースとして抱えてはいるものの、それらを国民に的確かつ迅速に還元し、そしてまた、国民生活の利便性向上に役立てるというところまでには至っていないような気がしております。
 そこで、質問でありますけれども、以上の趣旨を踏まえまして、具体例を挙げてお尋ねいたしたいと思います。
 最近、米国の大手コンサルティング会社のアクセンチュアは、世界の電子政府プロジェクトの進捗度を調査いたしました。その結果、日本は、調査二十二カ国中十五位にすぎないわけであります。この実態、細田大臣、どう認識しておりますか。
○細田国務大臣 二〇〇三年の電子政府成熟度ということで、ここが調査したところでは、残念ながらおっしゃるとおりでございまして、上から言いますと、カナダ、シンガポール、米国、デンマーク、オーストラリア、フィンランド、香港、英国、ベルギー、ドイツ、アイルランド、フランス、オランダ、スペイン、やっと日本が出てくるということでございますが、これは電子政府の成熟度というふうなテーマもついております。
 確かに、法制度とか環境整備がどんどん進みまして、それから、各行政庁も、各府省の情報化統括責任者、いわゆるCIO連絡会議というものも設置して、そして今、国民の利便性、サービスの向上を図る観点から、ワンストップサービスの拡大とか、利用者の視点に立った行政ポータルサイト、全省庁の政策や予算やいろいろなことがわかるようなサイトをつくって、また改善を図っているところでございます。
 まだ、確かにこれからさらに取り組んで改善をしていかなきゃならないところでございますが、あらゆる法的な基礎ができましたので、あとは一気にこの十五位が七位ぐらいまで上がるようにみんなで工夫したいと考えております。
○黄川田委員 それから、通告はしていないのでありますけれども、私は総務委員会に所属しておりますので、IT担当の細田大臣と議論する機会が少ないわけでありますので、ちょっと重ねてお尋ねいたしたいと思います。
 情報通信産業の世界では厳しい競争が展開されております。しかしながら、政府は、公正な市場環境の育成に有効な政策手段を展開できず、時にはブレーキをかけることもありまして、中小の情報通信事業者は私は苦戦を強いられていると思っております。一方、巨艦のNTTは、需要が低迷する固定電話や、あるいはまたISDNへの対応におくれをとりまして、通信分野のイノベーションのスピードについていけないというのではないかと思ってもおります。
 そこで、例えばNTT回線の接続料の値上げ問題、あるいはまた東西NTT間の財政支援に対する税制の優遇など、政府が民間会社を支援するという奇妙な世界に迷走しておるのではないかとも思っております。特に後者、財政支援に対する税制優遇などでありますけれども、既に民営化されている東西NTTを政府が支援する、これはどう解釈してよいのか、民間の多くの持ち株会社などのもとではあり得ないことであると思っております。
 規制緩和、撤廃は遅々として進んでいないというふうに私は思っておるわけであります。規制緩和といえば石原大臣ということになるんでしょうけれども、政府の修正法案に大きく書かれております「高度情報通信社会の進展」ということがありますので、大臣にも、正直どう認識しておるか伺っておきたいと思います。
○片山国務大臣 NTTを国が支援していることはありませんよ。それは、いろいろな制度をつくるとか、ほかの電気通信事業者と並びでいろいろな恩典というのはあるかもしれませんけれどもね。
 そこで、あれは今持ち株会社になって、グループになったんですよね、東西も別会社ですから。ただ、接続料につきましてはいろいろな議論があるものですから、現に黄川田委員御所属の衆議院の総務委員会も、東西に差をつけるなと。あれは、分割したのは差をつけてもいいということだったんですよ。ところが、差をつけるなという国会の強い御要請ですから、我々は過渡的にはそれもやむを得ないと。東から西に応援してくれ、接続料を同じにしようということで今調整中でございましてね。
 それから、今、電気通信事業法の関係は規制緩和が一番進んでいるんですよ。今回も電気通信事業法を出させていただくことで、これは参議院先議というお話なものですから、参議院で恐らく間もなく審議が始まると思いますけれども、一種、二種区分をやめる、もう大幅な規制緩和をやる、こういうことを考えておりますので、ぜひ今後ともひとつ御支援のほどをよろしくお願いいたします。
○黄川田委員 大臣としょっちゅうこういうやりとりをするわけなんでありますけれども、そしてまた、何でNTTが変わってきたかという趣旨、そしてまた、日本が生き残らなきゃいけないですから、こういう経済が本当に国家を支えられるのか、そういう意味もありまして、わかりながらも質問しているところもあるわけなんでありますけれども、細田大臣もIT担当大臣としてしっかりしていただきたいと思っております。
 それから、またさっきの調査に戻りますけれども、日本は、行政手続のオンライン化、そしてまた住民基本台帳ネットの整備では進んでおるのでありますけれども、サービスごとに区分された住民に密着した総合受付等の整備、あるいはまた中央官庁あるいは地方自治体間のサービス内容の統一等々がおくれていると指摘しているようでありますので、この点に関し、これは片山大臣から。
○松田政府参考人 電子政府の進展状況の御説明ですので、私の方から御説明させていただきますと、特に、パスポートの交付申請を初めとする申請、届け出手続約二万一千件につきまして、平成十五年度末までに原則すべてオンライン化するということで、既に電子入札については導入が始まっておりますし、また、電子申告、電子納税についても平成十五年度末までにサービスを開始するということで進めているところでございますが、先生御指摘のように、まだまだこれからでございます。
 現在、政府のCIO連絡会議というところで本年三月に次期電子政府構築のための基本方針を策定いたしまして、利用者視点に立ったシステムの整備、そして行政サービスの改善ということで、具体的には、行政手続をワンストップでやっていけるように、電子政府の全体の窓口を行政ポータルサイトということでつくりまして、そこを通じまして一カ所でオンライン申請ができるようなそういう姿にしていくとか、それから、今までは縦割りの、各省別にいろいろなシステムを整備していっておるわけでありますが、政府全体としてわかりやすい情報の提供あるいはシステムにしていくということで、例えば働くですとかあるいは海外旅行ですとか、そういうライフイベント別にシステムをつくり直していく等々の方針に基づきまして今作業を進めているところでございまして、六月ごろをめどに新しい電子政府構築計画をつくりたいと考えております。
○黄川田委員 それでは、また関連してお尋ねいたしたいと思います。
 現代の情報通信社会でありますけれども、本当に技術革新が激しいといいますか、大変な状況下だと思っております。この技術の進歩に合わせて、国民の生活環境もこれまた変わらざるを得ないということになっております。
 私は、今回の修正法案に見直し規定を、野党案では附則九条で規定していることでもありますし、政府案でも最初から入れておくべきであると考えますが、細田大臣の見解はいかがでしょうか。
○細田国務大臣 いろいろな対応すべき事態があるのですね。つまり、個人情報というものが既に相当集められており、そういう事業者が存在し、その中で、不祥事といいますか、横流しがあったり、情報を売り飛ばすような悪質なケースもある。他方、過失もあって、いつの間にか自分のホームページに人の情報が載るような場合もあります。したがって、今の段階では相当いろいろなケースが表に類型化されて出てきておると思いまして、そのことにつきましては今の政府の法案で対応ができるものと考えておるわけでございますが、やはり、今後どんなことが生ずるかということについて十分な予測が不可能であるようなものもあるわけでございます。その中には、非常に大変な、けしからぬ内容が含まれる場合もあると思います。
 こういった問題については、今後、内閣府においては、毎年度、法の施行状況を把握いたしまして、必要に応じて国民生活審議会において検討できる仕組みを整備しておりまして、それまでは、主務大臣において、できる限り情勢に対応することにしたいと思っておりますので、必ずしも、もう何年たったら見直すという規定が必要だとは今のところ考えておりません。
○黄川田委員 それでは、具体的な事例に関して質問していきたいと思います。
 個人情報保護の観点から、通信の秘密を守ることは、憲法第二十一条にあるとおり、大事なことであります。
 そこで、この通信の秘密に属する事項とプロバイダー責任制限法との関係について、ちょっと触れてみたいと思います。
 特に、個人データのうち、インターネットサービスプロバイダーが保有することとなる発信者の通信履歴について、ちょっと伺っていきたいと思っております。
 例えば、利用者がプロバイダーが保有するウエブサーバーに開設された電子掲示板上に投稿、書き込みをした場合には、ウエブサーバー側では、書き込みをした者の氏名、メールアドレス、IPアドレス、通信日時等の通信履歴をとることが可能であります。このような通信履歴がむやみにプロバイダー以外の第三者に提供されるようなことがあれば、国民は安心してインターネットを利用することができず、IT技術の高度化による便益を十分に享受することができないばかりか、自由な思想表現活動を阻害することにもなりかねないと思っております。したがって、通信履歴は個人データの中でも特に慎重な取り扱いが求められるものであると考えます。
 そこで、まず、通信履歴の取り扱いの現状について総務省に確認したいわけでありますけれども、インターネットを利用した際、プロバイダーが保有することとなる通信履歴についてはどのような取り扱いがなされているのか、法令による定め等も含めて説明をいただきたいと思います。
○有冨政府参考人 インターネットを利用した際の通信履歴でございますが、先生御指摘のとおり、発信者の氏名、メールアドレスあるいは通信日時、IPアドレス等が想定されるわけでございますけれども、これらは電気通信事業法等で定められております通信の秘密に属する情報であるとされてきているところでございます。
 この通信の秘密につきましては、電気通信事業法の百四条におきまして、「電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密を侵した者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。」と定められておりまして、本人の同意がある場合、捜査令状に基づき捜査機関に提供する場合などの例外を除きまして、原則として外部に提供してはならないものとされております。
 総務省といたしましては、プロバイダーを初めといたします電気通信事業者が個人情報を適切に取り扱うための指針といたしまして、平成十年に、電気通信事業における個人情報の保護に関するガイドラインを定めているところでございます。同ガイドラインにつきましても、通信履歴については慎重な取り扱いを定めているところでございまして、総務省としても、これに基づきまして、電気通信事業者に対して適切な対応を指導しているところでございます。
○黄川田委員 引き続き、プロバイダー責任制限法ですが、これをお尋ねしたいと思っております。
 プロバイダー責任制限法でありますけれども、これは二つの重要事項が盛り込まれております。一昨年秋の臨時国会で成立しまして、そして昨年五月に施行されておるところであります。
 第一点は、プロバイダーの損害賠償責任の制限であります。すなわち、インターネットのホームページや電子掲示板など、不特定の者によって受信されることを目的とする通信において他人の権利を侵害する情報が流通された場合、例えば病院経営の妨害になるような誹謗中傷の書き込みをする等の場合でありますけれども、プロバイダーが権利侵害情報に対して適切に対応することを促すため、プロバイダーが当該他人の権利を侵害する情報を削除しても責任を問われない場合等を明確化しているものであると思っております。
 第二点は、発信者情報開示請求権の創設であります。権利侵害情報の流通によりまして被害を受けたとする者の救済を図るため、プロバイダーに対して、一定の場合に、当該権利侵害情報の発信者を特定する情報の開示を請求することができる旨を定めたものであります。
 このうち、二つ目の発信者情報開示請求権についてでありますけれども、開示の対象となる発信者情報とは、例えば発信者の氏名、住所、電子メールアドレス等でありますけれども、これらは通信履歴、すなわち通信の秘密に属する情報でありまして、一般の個人データ以上に慎重な取り扱いが求められると思っております。したがって、プロバイダーがこれをむやみに、発信者の同意を得ることなく第三者たる被害者に提供することは、通信の秘密、プライバシーの保護の観点から問題があると思っております。一方、プロバイダーが一切、第三者たる被害者に発信者情報を開示できないことになれば、これはまた被害者の救済が十分に図れないことになるわけであります。
 そこで、総務省にまた確認したいと思います。
 このプロバイダー責任制限法の発信者情報開示請求権は、個人データの中でも特に慎重な対応が求められる通信の秘密に属する情報の取り扱いを定めるものでありますけれども、この通信の秘密、プライバシー保護の観点からいかなる配慮がなされているのか。これまた具体的な答弁を総務省から求めておきたいと思います。
○有冨政府参考人 今先生御指摘のとおり、発信者情報というのは通信の秘密に属する情報であると先ほど答弁申したとおりでございますが、厳に慎重な取り扱いが必要であるということでございます。
 いわゆるプロバイダー責任制限法におきまして、その第四条におきまして、発信者情報開示請求権、これが発生するためには二つの厳格な要件が定められておりまして、一つは、侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであること、それから二つ目が、当該発信者情報が当該開示の請求をする者の損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由がある場合、この二つのいずれにも該当する場合に限られるという非常に厳格な要件が定められておるところでございます。さらに、開示請求を受けたプロバイダーがその請求に応じなかったことによって損害が出たとする場合、先生から御説明がありましたけれども、これはプロバイダーに故意または重過失がある場合を除いては免責される、こういうことになっております。
 したがって、開示すべきか否かプロバイダーが判断できないという場合には、むやみに開示することのないように制度上の担保措置が設けられておるというところでございまして、実際の状況を見ますと、発信者情報の開示につきましては訴訟において争われる、裁判所がこれを判断するというのが通常の流れになっております。
 このように、プロバイダー責任制限法の発信者情報開示請求制度、これは、被害者の救済という法益とのバランスを図りつつ、通信の秘密、プライバシーに対しまして必要な配慮が図られているものと認識をしているところでございます。
○黄川田委員 御答弁いただきましたけれども、これに関して、個人情報保護法案との関係をちょっとお聞きしたいと思います。
 この修正法案の第二十三条では、個人情報取扱事業者は、原則として、あらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはならない旨が定められております。
 したがって、発信者情報の開示は第二十三条との関係の原則からすれば認められないものであるとも考えられるわけでありますけれども、そこで、プロバイダー責任制限法の発信者情報開示請求権に基づいてプロバイダーが発信者情報を開示することは、この個人情報保護法案の第三者提供の制限との関係で問題にならないのか。また問題点をどのように整理されておるのか、お尋ねいたしたいと思います。
○片山国務大臣 この法律では二十三条第一項第一号で、一般的には第三者に情報を提供してはだめだ、こうなっておりますが、法令に基づく場合は別だと。これがまさに法令に基づいているんですね。プロバイダー責任制限法ですか、一般的には第三者に教えるべきでないんですけれども、第三者が発信者によって明白な権利侵害があって賠償請求権を行使したい、こういうような場合には、それは開示をしないとかえって両方の法益のバランスが崩れるわけですよね。そういうことで極めて厳重な要件のもとにこの開示請求を認めている、こういうことでございます。
○黄川田委員 大臣の言うとおり、これこそ法令に基づくものだということでありまして、そしてまた、法益といいますか、通信の秘密、プライバシーという法益と被害者救済という法益ですね、このバランスが実際にきっちりと確保されることが大事だと思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思っております。
 そして、関連して、通告しておりませんけれども、ちょっと質問してみたいと思っているところがあります。
 法曹界の一部では、ある特定の問題に対してインターネットで意見を募りまして、同様な意見を有する個人を何千あるいは何万人と多く集めまして、千円、二千円と極めて安い費用で原告団を構成し、そして訴訟を起こす新しいやり方があるようであります。
 この仕組みは、正しい方向に向かえば問題ないわけでありますけれども、悪徳弁護士の訴訟費用稼ぎなど、新しい社会問題を生じかねない状況もあります。今後の動向がどうなるか、見定めないとわからない話、何とも言えない難しい現象ではあるでしょうけれども、ネット社会でありますので、この種の事案が多く発生して、そのたびに法の整備が後追いになるというようなことがあるのではないかということを憂慮するものであります。
 そこで、これらの動き、これらの件に関して、片山大臣あるいは細田大臣の所見なり、お尋ねしておきたいと思います。
○藤井政府参考人 お答えします。
 基本法制の物の考え方からいきますと、要は、定義に載っかっているような個人情報取扱事業者に該当するかどうかということに尽きるかと思います。
 その場合は、今のいろいろ名簿を集められたものが、個人が識別性があって、しかも体系的に整理されていて、いわばコンピューター処理情報として保有されているかどうかとか、それから、それを事業の用に供する必要がございますので、反復継続的に、しかもいわば社会的に事業と言えるような形でやられているかどうか、それから、ちょっとメディアを介して事業をやっておられるような節もございましたが、その辺は逆に適用除外との関係で、報道目的というものが一部でも含まれているかどうか。
 そういうような見方で切り分けていって、事業者になれば対象になるし、事業者でなければ対象にならない、あと、適用除外になれればまた法律の適用が排除されるということになりますが、ちょっと今の急のお尋ねでもございまして、こういう要件にそれぞれ該当するかどうかというようなのはちょっと即断しかねるものですから、もし必要だったら改めてまた検討してみたいと思います。
○黄川田委員 突然の質問でありましたから、要は、ネット社会でいろいろな問題が生じてくる、そういうのに個々に対応していかなきゃいけないんだけれども、大臣が、いや、そういう社会もしっかりと支えるんだとか、そういう所見をいただきたかったという思いなのでありますけれども、これは突然の話でありますから、申しわけございません。
 では、本題に入ります。
 個人情報の定義は、これは何度も聞いているところでありますけれども、生存する個人に関する情報であるということであり、死者の個人情報及び死亡直前の生存する個人情報については改めてまた考えてみたいと思っておりますので、質問するわけであります。
 東京都の個人情報保護条例では、自己の個人情報の開示請求をできる者は本人に限定されておりまして、死者の個人情報は原則として開示請求の対象にはなっていない。しかしながら、東京都では、近年、死者の近親者に極めてかかわりが深く、これらの者に対して開示することが適当な情報があり得るとして、今後どう開示請求を認めることができるか検討してきたと聞いております。
 そしてまた、それによりますと、死者の個人情報のうち、相続財産等請求者自身の個人情報でもあると考えられるもの、あるいはまた、未成年である子供の死亡事故の事故報告書など社会通念上請求者自身の個人情報とみなし得るなど、請求者と密接な関係にあるものについては条例に基づく開示請求の対象として認められるとの方向づけをしておるということであります。
 これはさまざま議論されてきたところでありますけれども、そしてまた私も前回も指摘したところでありますが、この東京都の事例に見るとおり、個人情報保護に関してはどうも自治体の条例の方が先行しているところがあると私はいつも思うわけであります。
 政府案では、個人情報を生存する個人と定義しておるわけでありますけれども、いろいろさまざまな動きにかんがみまして、改めて、この定義を拡大していくことの必要性について内閣の見解を求めておきたいと思います。
○藤井政府参考人 御説明申し上げます。
 若干繰り返しの御説明になるかと思いますけれども、政府案は、御指摘のとおり、第二条第一項で個人情報の範囲については「生存する個人に関する情報」と規定し、死者に関する情報は除いているわけでございます。これは、そもそもこの法案が、あくまで個人情報の本人を対象として、本人の人格的、財産的な権利利益の侵害を未然に防止するということを目的につくっているというところにあるわけでございます。すなわち、遺族などの第三者の権利利益を保護するということまでは意図していないということによるものでございます。
 なお、死者に関する情報は、同時に、遺族等の生存する個人に関する情報でもあるということも言える場合はあるわけでございまして、そういった場合は、いわば遺族に関する個人情報ということで、この法案のいわば対象情報になるというふうに考えているところでございます。
 あと、前にも御論議があったのは、問題は、東京都なんかはちょっと条例のつくり方が違うわけですが、遺族の個人情報であるということが識別されるかどうかということに加えて、解釈で若干広げようという努力をしておられるというふうには承知しておるんですが、その問題についてはちょっと、この法案がどういう問題が起きるかということを、今後、実態なんかを見ながら検討していったらいいんじゃないかなと思っているところでございます。
○黄川田委員 時間が来ていますけれども、一点だけお願いいたします。
 いわゆる植物人間の状態などの、自分の意思を表現できない状態にある、そういう生存する個人にかかわる個人情報、今回の修正法案ではどのように対応するか、最後、一点お願いいたします。
○藤井政府参考人 簡単に結論だけ申し上げます。
 植物人間になっておられる方でも、いわば生存する個人ということで本法律の対象になります。
○黄川田委員 時間でありますので終わります。ありがとうございました。
○村井委員長 続いて、春名直章君。
○春名委員 日本共産党の春名直章でございます。
 午前中から問題になっております防衛庁の自衛官募集リストの問題について伺いたいと思います、防衛庁にも来ていただいておりますので。
 まず総務省に、住民基本台帳についてお聞きをしておきたいと思います。
 住民基本台帳法の第十一条は、原則閲覧を請求できる、こういうふうになっていると承知をしております。しかも、その項目は、氏名、出生の年月日、男女、住所の、閲覧できるのは四情報であるということを私、認識しておりますが、それで正しいですか。
○畠中政府参考人 住民基本台帳法のお尋ねでございますが、四情報につきましては、何人も閲覧が請求できることになっております。
○春名委員 要するに、原則閲覧を請求できる、四情報だということでありますが、十八歳の適齢者を自治体に一律に提供させる、それができる根拠が住民基本台帳法にはあるのかないのか、お答えください。
○畠中政府参考人 お答えいたします。
 住民基本台帳法は、先ほど申し上げました閲覧の請求、それからコピーの請求につきましては規定がございますが、提供に関する規定は住民基本台帳法上はございません。
○春名委員 先ほどの議論で、自衛隊法で募集の協力を、各地方自治体に一部協力要請できるという趣旨のことがあるということでありますが、住民基本台帳法は、閲覧はよいけれども、十八歳の人を一律に自衛隊に提供するということは想定しておりませんし、法の趣旨からいっても私は許されないんじゃないかと思いますが、いかがでしょう。
○畠中政府参考人 お答えいたします。
 先ほどお答え申し上げましたとおり、四情報につきましては、だれでも閲覧できますし、先ほどコピーと申し上げましたが、写しの交付も請求できます。
 ただ、提供の規定はございませんが、他の法律によりまして協力を求められるということはあろうかと思います。他法によりまして協力が求められた範囲でその四情報等を提供することは、住民基本台帳法上は禁止はしていないというふうに考えております。
○春名委員 住民基本台帳法にそういうことが出ていますか。違いますでしょう。自衛隊法とそれに基づく省令でそういう業務をやらせるということがあるから、それでやむなく協力をさせられているということではないんですか。
 横浜市の市民局の窓口サービス課の方に、この事件が起こりまして、午前中に急遽問い合わせてみました。私どもは自衛隊協力を断っています、なぜならば、住民基本台帳法十一条は、窓口に来て請求書に記載して請求された方に、不当な請求内容でない限り閲覧を許可しているものでありまして、自衛隊の適齢者名簿提供はこの閲覧には当たらないと考えるからです、個人情報保護の立場から、市は、法十一条の適正な運用を行っております、こういうふうに言っております。
 したがって、住民基本台帳法の趣旨からいって、一律に十八歳の適齢者を自衛隊に提供するということをやって本当にいいのかということを聞いています。
○片山国務大臣 午前中にも答弁しましたように、自衛隊法に基づいて、都道府県知事や市町村長は、政令で定めるところにより、自衛官の募集に関する事務の一部を行うんです。また、施行令の百二十条ですか何かによって、自衛官の募集に関し必要があると認めるときは、知事または市町村長に対し、内閣総理大臣は、これは防衛庁長官が補佐するわけですが、必要な報告または資料の提出を求めることができるんです。
 そこで、これは国の事務なんですよ。御承知のように、国の事務をやるわけですから、そこで求められたときは、提供できるものは提供すべきなんですよ、住基法とは関係ないんですよ。
 そこで、四情報ぐらいがいいというのは、防衛庁が言っているんですよ、四情報ぐらいが適当だと。ところが、適当を超えて、若干の、さらに追加の資料提供を求めている、こういうことなんですからね。住基法は、四情報については公開情報ですよ。その他についても、住基法上、国の機関等に求められれば、住民票や住民票の写しを出すことはある。これもちゃんと法律にあるんですよ。
 住基法に基づいてという議論を盛んにされますけれども、住基法は関係ないことはないけれども、これは、報告、資料の提供を求められているから協力しているんですよ。だから、その中に、十八歳以上の適齢者についての情報を教えてくれと、こういうわけですから、市町村は、協力しようというところが協力している、こういうことであります。
○春名委員 こういうふうな規定があって情報を提供しているのは、恐らく、私が知っている限り、自衛隊法だけだと思うんですね。あとは、そういうことをしない。
 住基台帳法というのは、三条に、「住民に関する記録の管理が適正に行われるように必要な措置を講ずる」、三十六条では、「その事務に関して知り得た事項をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならない。」と明記をされておりまして、住基台帳の基礎というのは、四情報であっても、確かに閲覧はできるけれども、写しはできるけれども、しかし、それも慎重にやらなきゃいけない。
 同時に、今、個人情報保護法が議論になっている大もとにあるのは、そういう四情報をダイレクトメール業者などが大量に閲覧して、そしてダイレクトメールでどんどんどんどん送りつける、私の情報が一体どこから漏れているんだろう、そういう不安が大きく広がって、そういうことの中から、個人情報保護法も必要だという議論をこの場所でしているわけです。
 住民基本台帳法のその趣旨からいっても、個人の情報をしっかり守るという点からいっても、今のような答弁では、私はとても納得できないと思います。
 同時に、防衛庁にお聞きをしますけれども、毎日新聞の報道では、どこの県が提出率が高いのかを公表し、率直に言って、それを見たら、無理やり提供せざるを得ないという雰囲気になる、ある会議でこういうことまでやられたというふうに報道されていますが、これは本当でしょうか。
○宇田川政府参考人 委員御指摘の会議でありますが、常日ごろから募集に協力いただいている地方公共団体と連絡を密にしていますので、そのような会議の席上、そういう資料は配付したという事実はございます。
○春名委員 要するに、そういう情報を報道して、十八歳の適齢者名簿を提供してない自治体が肩身が狭くなるような、そういう思いをさせているという事実があるわけでしょう。ですから、住民基本台帳というのは、四情報は確かに公開情報であるけれども、しかし、今、それも制限しようという世の中の流れの中で、三十数年間にわたってこういう情報が次々と提供されてきたということについて、皆さん方は反省がないんでしょうかということを聞きたいですね。
○片山国務大臣 住民基本台帳は、正当なことに利用するためにあるんですよ。だから、行政機関の本人確認情報に応じるとか、必要なことには使えばいいんですよ。委員の言うようなことだったら、使うな使うな、隠しておけ、こういう議論じゃないの。だから、正当に使うんですよ、目的の範囲で必要最小限度に。目的外の利用や提供はしない、こういうことで使うので。
 自衛隊員の募集が、これは国の事務でない、そういうことならまた別の議論がありますけれども、これはちゃんと法律に基づく国の事業なので。しかも、必要な確保は、これは国として考えなきゃならぬことなので、そこで、国会で決めた法令に基づいて募集の事務を地方団体もやっているわけですよ。それについて協力を求められたら、協力するのは当然じゃないですか。
 ただ、問題は、一部報道にありますように、協力の範囲が適正かどうか、そこのところはありますよ。
○春名委員 ですから、私、もうここは終わりますけれども、本当に、今、個人情報がどういうふうに扱われているかというのが一番問題になっているときでして、適正にこれが使われて活用されればいいんだというふうに言われますけれども、住民基本台帳法の趣旨というのは、そういう趣旨ではないというのははっきりしているわけですので、その点は改めて明確にしておきたいと思います。
 それで、片山大臣も何度も言われておりますが、センシティブ情報の収集という問題についてお聞きをしたいと思います。
 住民基本台帳の四情報だけではなくて、その上に、健康状態、家族の実態、続き柄、職業、免許など、これらは、石川の地方連絡部は手引として作成をし、提供させていたということが報道されております。
 こうした四情報以外の個人の情報、センシティブ情報を集めさせるようにしていたのは、四十七地方連絡部、北海道が四つありますので、すべてで五十連絡部で、どこがどういう内容で集めていたのか、すべて公表し、当委員会に提出をしていただきたいと思いますが、今現状、どこまで調査が進んでいるか、お答えください。
○宇田川政府参考人 ただいま調査中でございますので、ちょっと今お答えするわけにはまいりません。
○春名委員 それじゃもう一回、人事局長、調査したものをきちっと、当委員会、個人情報保護の委員会ですので、しっかり報告していただいて、それに基づき議論をしっかりやりたいと思いますが、そのことを、確認をお願いします。
○宇田川政府参考人 募集の手引というのは、いわばマニュアルでございますが、これは、当該都道府県を管轄する地方連絡部とそれから都道府県との間で作成することが多うございまして、すべての地連でつくっているわけじゃございません。また、作成権者は私どもだけじゃございませんで、相手方もあることでありますので、その点についても、いろいろと相談した後、措置させていただきたいと思います。
○春名委員 募集の手引、現物ではないんですが、私は午前中に石川県にすぐ連絡をとりまして、石川県がやっているその情報、連絡部との関係でつくっている募集要項とか、すぐ手に入りますから。ここにありますので。
 したがって、五十連絡部ですから、そう大きな数ではありません。いつまでにこれは調べて出していただけるのか。早急にやっていただきたいと思うんですが、確認をお願いします。
○宇田川政府参考人 石川県との関連につきましては、午前中、当委員会で御指摘ありましたので、直ちに石川県の方と調整いたしまして出してもらうというふうにしました。
 その他の都県については、まだ、実際にそういうものをつくっているかどうかも調査しておりますし、相手方のあることでありますので、いつまでかというのは、ちょっと申し上げにくいと思います。
○春名委員 しかし、今度の委員会では、行政機関の個人情報保護法の議論の第一の柱は、センシティブ情報をどうするかという議論をしているわけですよね。野党案は、それをきちっと明記して、類型化して、これを守るというのをはっきりさせなきゃいけないと、重要な論点で議論して、そういう法律を今議論しているわけですから、その生きた、今現物の問題が出ているときですから、この委員会に直ちに出していただいて、それに基づく議論をしなければ、私は委員会は実のあるものにならないと思うんですね。ですから、直ちに出してほしいんですよ、すぐに調べて。一日、二日のうちに。それぐらいできますか。
○宇田川政府参考人 先ほど申し上げましたが、募集の手引、いわばマニュアルをすべての都府県でつくっているわけではございませんので、残りの都府県については、あるところについては早急に調整したいというふうに考えています。
○春名委員 早急に調整していただくということと同時に、次に聞きたいのは、地方連絡部は市町村提供の適齢者名簿についてパソコンに入力し管理していたと報道されているんですが、パソコンに入力、管理をしているのかどうか、これを確認したいと思います。
○宇田川政府参考人 お尋ねの件につきましては、今調査中であります。都府県から提供のあった情報をどの範囲で入力しているのか、あるいは入力しないでそのまま紙で持っているのか、これも調査しておるところであります。
○春名委員 これは技術的な問題ではありませんで、非常に重要な問題でして、そういう管理をしておりますと、現行法の、行政機関の保有する電算機処理に係る個人情報保護法の対象のファイルとなります。第四条には個人情報ファイルの保有制限が明記をされております。この保有制限では、個人情報の電子データを保有する場合にはその保有の目的に必要な範囲に限る、こういうふうに明確になっております。
 ダイレクトメールを送るためであれば、住所と名前があれば送れます。それが目的であります。それで提供してもらっているのです。しかし、そういう管理の仕方を、そのファイルの中に、健康状態について等々が一緒に明記をされて、そしてファイル化されているのであれば、これは完全に現行法への違反となります。どういう事態なのかを明確にしなければなりません。その点をお答えください。
○宇田川政府参考人 委員のお手元にあります石川県のマニュアルには健康状態等がございました。現段階の調査の結果でありますが、健康状態とか、向こうからの提供はございませんでした。そのほかの都県についても、あるいはそのほかの事項についても、どうなのか、今調べておるところであります。
 ただ、一つだけありましたのは、世帯主だったか親権者だったか忘れましたが、こういうものの提供はあったところであります。これは連絡先の関係とか必要になりますので、これは、あっても別に構わないかなというふうに考えているところであります。
○春名委員 ダイレクトメールを送るために、十八歳の適齢者を、住民基本台帳の情報を提供してもらうということで、それを各地方連絡部が個人情報ファイルにファイルしているということであれば、それ以外の情報を、もし、この報道にあるような、家族の実態だとか続き柄だとか職業だとか免許だとか、こういうものまで含めてファイル化している、個人情報を蓄積しているということになれば、現行のこの法律にも違反することになるわけですね。そうでしょう。ダイレクトメールを送るというのは、住所があればわかるわけですから。それ以外の情報、個人情報を収集してはいけませんので。そういう問題であります。
 したがって、こういう角度からも、四十七の連絡部、そして全部で五十ですが、どういうものをつくっていて、どういう保管の仕方をしていたのか、どういうファイルになっているのか、これを示していただかなければ、私たちは十分納得することができないし、議論ができませんので、その点を当委員会にきちっと出していただきたい。
○宇田川政府参考人 委員御指摘の、各地連でどういうふうなものをつくっているか、今調査中でございますので、ちょっと今、提出は困難であります。
○春名委員 委員長に、このことを提出していただいて、実のある議論になることを要請しておきたいと思います。よろしくお願いします。
○村井委員長 承りまして、理事会でまた御相談させていただきます。
○春名委員 第三番目に、通知、開示の適用除外問題についてです。
 先ほどの議論で、集めたリストは、現行法でも新法でも、総務大臣への通知、開示の適用除外になるということを御説明されました。
 その根拠として、新法でいいますと、第十条の二項の適用除外の項目の中の第三号「行政機関の職員又は職員であった者に係る個人情報ファイルであって、専らその人事、給与若しくは福利厚生に関する事項又はこれらに準ずる事項を記録するもの(行政機関が行う職員の採用試験に関する個人情報ファイルを含む。)」に該当するので、適用除外であって、開示も通知も必要ないというふうに御説明をされました。
 しかし、本当に、地方自治体から提出されたこの十八歳適齢人口の名簿がこの三号に適合するのでしょうか。満十八歳の適齢者の情報を提供させているわけですから、それが採用試験に関する個人情報ファイルと全部断定できるんでしょうか。
○宇田川政府参考人 委員御指摘の適齢者情報についてでありますが、これは、防衛庁としましては、おっしゃったように、職員の採用情報に関する個人情報ファイルというふうに考えておったところであります。
 しかしながら、今御指摘があったかもしれませんが、自衛官の募集事務に直結するかどうかというのは若干疑義が残るところでありますので、先月まで若干検討しておったわけでありますが、やり方を変えようという検討をしているところであります。
○春名委員 疑義が残るということをおっしゃいました。それ自身が大事な答弁だと思います。
 やり方を変えるというのはどういうことでしょうか。一律に十八歳の提供をさせるというふうなことをしないという意味なのか、それとも、今の現行法の中でこれも適用、開示できるようにちゃんとするという趣旨なのか。何を変えようとしているんですか。
○宇田川政府参考人 私ども自衛隊にとりまして、人員の募集というのは必須の問題であります。また、若年隊員の募集というのは、これは欠くべからざる業務でありますので、従来どおりの、十八歳からちょっと上になりますけれども、募集適齢者名簿につきましては、今後とも地方公共団体の御協力は得たいというふうに考えておるところであります。
 私、職員の採用試験に関する個人情報のところで疑義と申しましたが、それはどういうことかというと、保管していくに当たってもっと厳密に管理していった方がいいだろう、こういう話であります。
○春名委員 厳密に管理するのは当たり前のことでして、私が言っているのは、この表現でいいますと、「採用試験に関する個人情報ファイル」が、地方自治体から十八歳以上ぐらいの適齢者の名簿をごそっと提出させておいて、その名簿が全部採用試験に関する情報であって、ファイルであって、これは開示請求できない、適用除外である、そんなことが通用しますかと言っているんですよ。十八歳になった国民を全部、防衛庁が自治体の協力を得て日本全国で集めて、膨大なファイルを集めて、それは全部採用試験に係る情報だから、これは開示しません、開示請求されてもしません、そんなことが通用しますか。だから、そういう厳格な管理の以前の話を私はしているんです。
○宇田川政府参考人 防衛庁として、存続のために隊員を募集するというのは必須な事案であることは申し述べたところでありますが、そのために必要な人間を確保する、それが募集であります。
 もともと募集につきましては、先ほど総務大臣の方からもお話がありましたが、自衛隊法の九十七条で「都道府県知事及び市町村長は、政令で定めるところにより、自衛官の募集に関する事務の一部を行う。」となっておりまして、また自衛隊法施行令の「広報宣伝」、第百十九条がございまして、「都道府県知事及び市町村長は、自衛官の募集に関する広報宣伝を行うものとする。」と、この広報宣伝の一環として適齢者名簿をつくるということは法令上何の問題もないということになっておりますので、その提供を受けて私どもが募集に役立てるということは、当然あり得ることだというふうに考えています。
○春名委員 だから、話をすりかえないでほしいんですが、もう時間がないのでやめますけれども、その集めることについてどうこう言っているんじゃなくて、あなた方は、この十条二項三号に適合して開示の対象にもならぬと、こんな、例外だというようなことで本当にいいのか、そこを変えるというつもりじゃないのかということを聞いているのに、全くお答えになりません。こういう姿勢で本当に大丈夫かということを改めて痛感せざるを得ません。
 私は、この新しい行政機関の法案の欠陥を示すものでもあると思いますよ、この事件は。
 第一に、センシティブ情報の収集禁止規定がないということがいかに重大かということを示すことになりました。第二に、行政機関の個人情報をめぐる適正収集、この規定がないことがいかに重大かということが明らかになりました。
 ですから、引き続きこの点ではしっかりと議論をして、同時に、途中で言いましたとおり、必要な資料を全面的にこの委員会に提出をしていただいて、それを踏まえた実のある議論をしていただくということを、改めてこの問題の最後に委員長にもお願いしておきたいと思います。よろしくお願いします。
○村井委員長 承りました。
○春名委員 次に、基本法の方の六条三項の問題についてお聞きをいたします。
 「格別の措置」をとる必要があるということがここで書かれておりますが、これは、幾つかの分野では個別法の制定が必要だという御認識を明記しているものかと思います。
 細田大臣に改めてお聞きをしますが、政府として個別法が必要と考える分野はどういうところがあるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○細田国務大臣 御審議の過程でもさまざまな例示が、各議員から、あるいは各党からも出されました。それぞれに応じまして、必要なものは担当の各省で検討をこれからも進めるのではないかと思いますけれども、現時点で申しますと、はっきりと検討に着手しているものを申しますと、医療分野につきまして、これは厚生労働省からも御答弁ありましたけれども、一昨年の六月に、それまで守秘義務が課されていなかった看護師等についても新たに守秘義務を設けるための法制が行われまして、今後の課題としてどういうところがあるかということが、またさらに検討されるものと思っております。
 それから、金融分野につきましては、本法案の審議状況を勘案しつつ、引き続き金融審議会等におきまして、金融分野における個人情報の取り扱いについて検討をすることとしておるところでございます。
 それから、電気通信分野におきましては、電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインを運用するとともに、本年二月より研究会を開催し、必要な措置のあり方についても御議論いただいているところでございます。
 先ほども、午前中も野党の議員からも、緊急に早くこの法律を、個人情報保護法自体を早く施行しないと影響が大きいぞというお話もございました。私どもも、その認識は共通しておりまして、さらに必要なものは個別法で対応すべきだと考えております。
○春名委員 大臣、申しわけない、もう一点だけ確認ですが、十五日の日に、この六条第三項に基づきまして追加的な保護措置が必要なものは、その性質や利用目的によっては個人の権利利益の侵害のおそれが高いもののことでございますと。そのとおりだと思うんですね。これに該当する個人情報については、例えば金融分野における個人信用情報などが考えられると。
 今お話が出たんですが、細田大臣自身の認識なんですが、個人信用情報の分野、信用情報の分野での個別法はぜひとも必要である、こういう御認識だということで理解してよろしいですか。
○細田国務大臣 午前中に出されましたさまざまな実態、これは、やはり非常に事態は深刻なものがございます。勝手に多重債務の情報を流す者があったり、いろいろございます。現行法上は、必ずしもそれが、十分な対応ができにくい点があることは事実でございます。しかし、この法律でもこれは対応はできます。ただ、それで十分かどうかは、やはり金融の専門家の方に十分検討をしていただきたいと思っております。
○春名委員 大臣は、どうしても必要だという認識は言わないわけですけれども、しかし、十分かどうか、よく検討せにゃいかぬということですね。それは言われているわけです。
 そこで、その信用分野を担当する金融庁と経済産業省に来ていただいたのでお話を聞いていきたいと思いますが、金融庁は、信用分野、信用情報分野については個別法が必要だという御認識をされているのかどうか。いかがですか。
○三國谷政府参考人 お答え申し上げます。
 金融分野におきましては、今後、個人と金融仲介機関とのかかわりにおきまして個人情報の取り扱いが重要な論点になると考えられますことから、これまでも、個人情報の保護に関する法律案に加えまして新たな追加的な措置が必要かどうかといった点につきまして、金融審議会等におきまして議論をいただいてきているところでございます。
 今後とも、個人情報保護法案の審議における意見を参考にしつつ、また、個人信用情報の保護等について何らかの立法措置が必要か否かを含めまして、金融分野における個人情報の取り扱いにつきまして検討してまいりたいと考えております。
○春名委員 今の答弁には、私はちょっと理解ができません。必要か否かを含めて検討すると言われるんですね、必要か否かを含めて検討すると。ということは、要らないということも結論としてはあるという御認識ですか、金融庁は。
○三國谷政府参考人 お答え申し上げます。
 現時点におきまして、金融分野に関する個別法を整備する必要があるか否かにつきまして、一定の結論が出ているわけではございません。
 繰り返しになりまして恐縮でございますが、今後とも個人情報保護法案の審議におきます意見を参考にしつつ、個人信用情報の保護等につきまして何らかの措置が必要か否かを含めまして、個人情報の取り扱いにつきまして検討してまいりたいと考えております。
○春名委員 全然後退していると思いますよ、私。
 例えば、一九九九年十一月、高度情報通信社会推進本部個人情報保護検討部会中間報告、別途検討する分野として信用情報が必要であると。個人信用情報保護・利用の在り方に関する懇談会報告書、九八年六月、いろいろ一般的な法律でやる考え方もあるけれども、問題の重要性、緊急性にかんがみると、金融分野の法的措置をできるだけ早期に講じることが望ましいということがもう明確に既定の方向として、基本法が当然つくられるのは大事なことだけれども、同時に、深刻さ、緊急性からいって、この信用情報の分野は、個別法、法的措置をできるだけ早期に講じるという立場に立っていたんじゃないですか。必要か否かを検討するなんというのは、えらい後退しているように思えてなりませんが、いかがでしょうか。
○細田国務大臣 これは、そもそも政府の法案の三十四条、これはまた「第三者提供の制限」、二十三条があって、私どもの考えとしては、この法案が通りましたときには、特に、先ほど来例示が出ておりますような金融の実にけしからぬ情報の開示等については、すべて主務大臣においてばりばりとやってもらわなきゃだめです。それがまず基本でございます。
 どこまでできるかということを金融庁の方がおっしゃったわけでございまして、徹底的にこの権限を発動してもらった後、さらに個別に、例えば情報処理の量がうんと小さくて同じような悪いことをする者が出たとか、そういうことでこの法律だけでは対応できないようなものがあればまた考えていただきたいと思いますが、これで相当できるというのは、私ども、金融庁から聞いておることでございます。
○春名委員 どういう事態になっているかは、午前中に横路委員も御質問されていましたが、本当に深刻な事態が続発しているわけですよ。だから、信用、医療の分野などは特別の措置が要るというふうに今までおっしゃってきたわけですよ。
 例えば、商工ローンの業界最大手の日栄、ありますね。あの日栄が、本社が管理する顧客名簿を小口融資を扱う日栄の子会社が流用するということが起こりました。元社員の証言でこれがわかったんですが、子会社の営業担当社員は、この名簿をもとに、資金繰りに苦しむ日栄の債務者に融資を持ちかける。つまり、日栄本体と子会社両社から借り入れをさせて自己破産するというような、ねらい撃ちですね、こういう自営業者の方が直接出ておられる。
 さくら銀行に住宅ローンの申し込みをしたら、審査担当者から電話があって、あなたの消費者金融での借入金額が年収と同じくらいあるので融資は難しいですと言われて愕然となったという話とか。ある大手都銀の融資部の担当者と話したときに、その担当者からは、オフレコの話だがというふうに言いながら、融資する際のマイナスポイントが幾つかあるが、その一つに消費者金融のカードを所持していると減一点となるので、もし持っているのなら早く解約した方がいいですよと忠告されたとか。これはまあ一つの例です。
 本当にこんな事態がというぐらいの悪徳であり、かつ、個人の情報を丸裸にしてやっているという事態が、もう無数といいますか、あるわけでしょう。そういう認識があったので、基本法はもちろん大事だ、これでもきちっとやるけれども、同時に、信用分野というのはその中でも筆頭格として個別法を制定する対象である、こういう認識を皆さん言っていたんじゃないでしょうか。
 今の認識は、この法律ができたら、まあその運用でもういいかもしれない、いいとは言っていないけれども、個別法はその先の話であって、そういうことはまあ今はどうでもと、どうでもとは言いませんが、そういうふうにしか聞こえない。
 法律をつくるかつくらないかも含めて検討するということですから、私は、随分後退しているなというふうに印象を受けるわけなんですね。大臣、違うんでしょうか。
○細田国務大臣 役所の若い人たちは多少遠慮もありまして、つまり、立法が必要かと。立法行為は国会のお仕事でございますので、政府はその中で、立法がないと我々動きにくいんですがということを申し上げると、国会の方で、与党は与党、野党は野党で、こういう法律をつくれ、つくるべきだと。これを徐々に調整していくわけですから。あらかじめ、もうこんな法律が必要ですよ、我々が案をつくりますよというようなことは余り言わないものでございますが、実態が非常に深刻であり、いろいろ大変だということは、みんなわかっていると思います。
○春名委員 高市副大臣に来ていただいているのに申しわけなかったんですが、一問聞きます。
 同じ信用情報の分野を担当する経済産業省の認識を伺いたいんですが、クレジットカードなどを担当されているわけでして、そういうあなた方の目から見て、信用情報の個別法の必要性はどのように認識されているのか、お聞かせください。
○高市副大臣 この個人情報の保護に関しては、これまでも政府内で、例えば平成九年からですとか平成十一年からですとか、政府内に懇談会や作業部会ができて議論されてまいりました。でも、その中で、個人情報保護法制定のための議論が開始されたことを契機として、一たん平成十一年の七月にこの議論が中断され、そしてまた平成十三年の四月から、経済産業省に関しましては産業構造審議会の方で議論をされております。
 そういった経緯がございますので、私は、あくまでも、今後、産業構造審議会が、今回の法律案、現在御審議いただいている法律案の内容を前提とした上で、それで、必要であるか否かも含めて専門家の方々にお知恵をかりながら検討していく、そういった形であるべきだと考えております。
○春名委員 金融庁とほぼ同じ認識を言われて驚いたんですが。
 最後になりますけれども、高市副大臣、一点だけ聞きますね。
 四月十七日付の御答弁で、今度の基本法ができたらガイドラインの変更が必要になるという御答弁をされておられます。それが必要だと考えています、今のガイドラインの中には、特定の機微な個人情報の収集に対する制限ですとか個人情報の収集に際しての本人同意の取得ですとか、それから本人からの利用停止要求への対応といった事項も含まれておりますので、今回の法律案と照らし合わせますと、この法律に基づく措置として適用していくには明確性などの点でかなり困難と思われる事項が含まれていますので、法律案の内容に合わせて直したいというふうに言われている。
 これはどういうことか。つまり、機微な情報、センシティブ情報の類型化というのは、基本法にないからこれを取ってしまおうということなのか。それから、個人情報の収集に際しての本人同意の取得、これも必要ないということでガイドラインを緩くしてしまうということなのか。本人からの利用停止要求への対応ということも、基本法に合わせて緩くするということなのか。現行のガイドラインを緩くするというふうにしか聞こえないわけでありまして、これは重大でありますので、この点を明確にしてください。
○高市副大臣 確かに経済産業省のガイドラインは、平成九年に、積極的に、自発的に取り組んでいこうという業界団体がもしもガイドラインをつくられるときに、こういったことでどうですかという一つの提案型でございました。目標型というのですかね。そういった形でしたから、恐らくこの法律案よりもはるかに厳しいという印象を私も持ちます。
 その中で、この法律案の中には、指針を国が策定するということで法定しておりますので、あくまでもこの法律案に沿った形でガイドラインというのは見直していかなきゃいけません。例えば、先ほどおっしゃいました特定の機微な情報に関する規定でございますけれども、これも、何が特定の機微な情報に該当するかというところがあいまいな点も多く、ここは見直しの必要性がございます。
 もともとはこれは、平成九年の時点で、経済産業省は当時のEUの議論を参考にしてまいりました。その中で、人種ですとか民族ですとか宗教、思想、信条、労働組合への加盟、政治的見解、健康または性生活に関する情報といったようなことまで書いてございましたので、このEUの議論を参考にしたのでございますが、やはり、現在は何が特定の機微な情報に該当するかというのが非常にあいまいでございますので、ここは見直したいと思います。
 それから、情報技術の発達によりまして、個人情報の蓄積ですとか加工、編集それから流通が容易となりましたので、個々の個人情報がマッチングされてしまう結果、容易に機微な個人情報というのが生み出される状況もございますので、この点からも見直しをする必要があると思います。
 それから、本人同意の点でございますけれども、これも、法律に基づく一律の措置として運用するには困難と思われる事項が含まれている、このように考えております。
○春名委員 終わりますけれども、基本法ができたら今あるガイドラインがこれほど緩くなってしまう、これは大問題だということを、私は、きょうはっきりしましたので、改めて指摘をして、きょうの質問を終わります。
○村井委員長 続いて、保坂展人君。
○保坂委員 社民党の保坂展人です。
 防衛庁の官房長に来ていただいていますか。もう入っていますか。
 官房長、もう答弁書を見ないで端的に答えてください。去年、防衛庁リスト事件がありましたよね。何を反省したんですか。簡潔に言ってください。
○山中政府参考人 お答えをいたします。
 昨年の六月に起きましたいわゆるリスト事案、これは、私どもの反省点といたしまして、個人情報に対する認識の甘さ、これがあったということが端的に言えようかと思います。
○保坂委員 その認識の甘さそのものがまた問われたわけで、これは重大だと思います。
 これは防衛庁の宇田川局長に伺いますが、ちょうど去年、実は防衛庁の扱いの中に応接記録というのがあったということを問題にしましたよね、一年前ですが。その中に、郵便局を退職した後、市のゴルフ場の役員か、息子が二佐の自衛官らしい、現在の不況から息子の再就職が不安、こういうことが書いてあるんですね、情報公開業務日報に。
 こういうことを逐一問われて、何を反省したんですか。今回のこと、重ね合わせて考えないですか。そういう角度からの率直な言葉を聞きたい。
○山中政府参考人 今のお尋ねの応接記録でございますが、これは情報公開の事務手続の手引に位置づけられておりまして、いわゆる情報公開窓口におきます情報提供に際して、再度の問い合わせや事後の開示請求もあり得るということで、できる限り応接記録を作成することが望ましいということでやってきているものでございます。
 ただ、いずれにしましても、私ども、この応接記録そのものについての問題はさることながら、今お尋ねの個人情報の取り扱いという観点から申し上げますと、昨年の十一月に、今回問題とされております事案につきましては、住民基本台帳法に基づく四項目、これに限定した提供を受けるというふうな取り扱いの変更を行っている。これは反省に基づくものだというふうに考えております。
○保坂委員 何か声が小さくて、反省と言ったのかどうかわかりません。
 もう一回、答弁者を指定しますよ、宇田川局長に答えてほしいんですよ、今、官房長がかわって答えましたけれども、どうしてかわって答えたのかわかりませんが。
○村井委員長 委員長が指名しました。
○保坂委員 防衛庁では、六月のこの事態を受けて、はっきりと、全職員の意識改革、教育研修やチェック体制の充実、行政の透明性を確保するために、情報公開をめぐってもこういう事態を繰り返さないようにしたいと言っているわけですよ。それで、やったのは十月でしょう。
 今回の答弁の中で、こういうことがあって信頼を損ねて申しわけないとか、あるいは、去年あれだけのことがあったのにやはり配慮が足りなかった、そういう意識はないんですか。
○宇田川政府参考人 朝の委員会で、適齢者情報として入手すべき範囲につきましては四情報ということを昨年の十一月に募集担当者会同で指示したわけでありますが、実は、この前からのリスト事案の話がありましたので、六月ごろから、全般的に何か問題があるとまずいということでチェックしておりました。その一環として十一月になったというのが次第であります。
○保坂委員 つまり、余り反省ということはない、ちゃんとやっていたけれども六月から十一月までかかったというふうにしか聞こえないんだよね、今。
 片山大臣、このやりとり、実は片山大臣にも去年答えていただいていて、郵便局の退職後ゴルフ場に勤務云々と、これは詳細はわからないが、ちょっと必ずしも適切じゃないですねという答弁がありました。その後わかったのは、実は総務省自体がこういった応接記録をつくれと言っていたこともあって、これは徹底的な見直しを私は指示しました。その議論は、きょうはいたしません。
 先ほどの答弁の中で、四情報プラス健康情報ということをおっしゃいました、自衛隊の募集業務にとって。これは、健康情報は必要に含まれるというのが大臣の見解ですか。
○片山国務大臣 防衛庁の方が、四情報が適当だ、こう言っているので、私も、何度も言いますように、四情報が適当だと思いますよ。
 ただ、健康情報なんというのは、やはり自衛隊の人は健康でなきゃいかぬから、その必要が十分あって地方団体も納得するなら、それもまあ真ん中辺かなと。いいとか悪いとかということじゃありません。その辺が、いいか悪いかのボーダーラインではないかという感じを申し上げたわけであります。
○保坂委員 片山大臣、今回議論になっているでしょう、センシティブ情報の議論をずっとやっていますよ。健康情報の中には心身にかかわるあらゆる情報があるんですよ。ただ元気だとか大変健康で問題ないという情報だけじゃないんですよ。病気があるとか、かくかくしかじかの理由で例えば学校に行けなかったとか、さまざまな情報があるんですよ。それはいいんですか、今みたいな答弁で。
○片山国務大臣 いや、だから、健康でもいろいろな表現の仕方があるので、健康か不健康かというぐらいなら、それは、あなたが言うような、センシティブ情報というものは必ずしも概念は決まっておりませんけれども、何の病気をしたとかどうだったとか、そういう細かいことまでやると、それは私も問題だと思いますよ。
 ただ、それは、必要とする防衛庁の方のお話と受けた地方団体との方の話で、マニュアルでどこまでどう書いてあるか私は知りませんよ、現実を。だから、それは十分防衛庁の方で考えて適切な対応をすべきであると何度も言っています。
○保坂委員 それは、今すぐと言われてもわからないと恐らくおっしゃるでしょうけれども、どういう健康情報を自治体が出していたのか、ぜひ調べてくださいよ、片山大臣。
 それに加えて、先ほどの午前中のやりとりで、もし今回提案の法律に係った場合にはということで、これは、答弁は片山大臣ですよ。防衛庁の方が考えている、そして総務省の方が考えているのは、先ほど同僚委員も触れましたけれども、職員の採用に関する個人情報ファイルと解釈して適用除外と考えることもあると言っているんです。片山大臣はどう思いますか。これを出している責任者ですよ。
○片山国務大臣 だから、採用試験に係る、係る範囲というのはこれはいろいろなケースがあるので、そのケースに応じて判断せざるを得ない。最終的には地方ですよ、私は何度も言いますけれども、こういうことの解釈は。一義的にはそれぞれの行政機関の長にある。
○保坂委員 そうじゃなくて、今提出している法案をどう読むかという話じゃないですか。こういうことがあったときに、まさに採用試験そのものの情報ではなくて、十八歳になった適齢者の、広範な若者の情報ですよ、それこそ健康情報も含めて。それが適用除外になるのかどうか、はっきりこれは答えてもらわないと審議になりませんよ。
○片山国務大臣 それは採用試験の内容によるんですよ。(保坂委員「話が全然違う」と呼ぶ)いやいや、採用試験の内容によるので、我々としては、採用試験に係る人事情報に属するものについては、これは総務大臣の事前通知の対象外だ、こういうふうに言っているわけであります。
○保坂委員 到底納得できませんので、これはとりあえずどういう扱いだったのか、あらゆる資料を防衛庁からも出していただいて、総理、防衛庁長官出席のもとに当委員会での集中質疑、これを求めたいと思います。委員長。
○村井委員長 理事会でお預かりさせていただきます。
○保坂委員 それでは、民間個人情報の問題に行きたいと思います。
 いろいろ苦労されて、政府もカーナビ論争にそれなりの整理をということで考えられたようですが、私、これを読みまして、細田大臣の答弁も聞きまして、やはり、まだ少し政府に混乱があるんじゃないかという気がいたします。
 というのは、これは確認をいたしたいのですけれども、五千以上の個人情報を搭載したカーナビのデータベース、住所、氏名等々五千以上データを、既に積んでいるデータベースを使用して事業の用に供している者というのは、取扱事業者の対象にするんですか。細田大臣、これはどうですか。
○細田国務大臣 まず、携帯ナビを含めインターネット上で公開されているデータベースを利用することは、単に他人が提供するサービスを利用するものにすぎず、個人情報データベース等を事業の用に供しているとは言えない。ただし、インターネット上から、政令で定める件数、五千件以上の個人情報を自己のデータベースに取り込んで利用する場合などは別であるとまず申し上げまして、それの横並び的な発想なんですが、データを含むカーナビ等を購入等しまして利用する場合であっても、カーナビ等に含まれているデータが、電話番号や住所表示、法人や公共施設等の名称のみであり、個人名が入った個人情報が含まれていない場合には、まず該当しない。それから、個人情報が含まれたものであっても、その件数が政令で定める件数を超えるものでない場合は該当しない。(保坂委員「持っているからいいです」と呼ぶ)
 それから、さらに、五番、六番のところですね。(保坂委員「もう飛ばしていいです」と呼ぶ)六番のところで若干誤解が生じ得る表現をしていますので、はっきり私なりに整理しますと、六番から七番にかけてでございますが、例えば、宅配事業を行う者が個人情報データベース等に該当するカーナビ等を自己管理のもとで宅配事業に利用する場合などについては、七番に続けまして、市販されているカーナビ等をそのまま事業目的の範囲内で使用する場合、第二条五項の「保有個人データ」に該当せず、開示、訂正、利用停止の義務の対象とならないのみならず、利用目的、制限等の義務に違反するケースも実態上ほとんどないと考えられる、こういうふうに言っております。
○保坂委員 私もちょっと気が短いので、本委員会で二回朗読されたものを三回目朗読されるのはつらいなと思ったんですが、決定的なところで、今、細田さん違ったんですね。これは、宅配事業の場合は該当し得る、ただ、その場合は大量の顧客情報をコンピューター処理するのと同じだとしていたんです、前回は。そこを今回つなげられたんですね。つまり、ほとんど当てはまらないよと安心情報にしたんですが。
 さて、藤井審議官に伺いますが、ちょっとこれ、率直に見ても矛盾していませんか。つまり、前段で細田大臣が読んだ、五千件以上インターネット上などから取り込むというのは、主動的、能動的に作業して五千件以上、一から五千まで取り込むという作業行為、意思、これが入っているわけですね、五千件以上。
 ところが、カーナビについて言っているのは、そうではない。これは何百万というさまざまな情報、その中に個人識別可能な個人情報も含めて五千件以上ある場合には該当しますよと言っているわけですね。もし、このカーナビの解釈が正しいとすれば、例えば何百万というデータベースを利用する、これは、必ずしも五千件じゃなくても該当するじゃないですか。論理的にわかりますでしょう。整理されていない。
○藤井政府参考人 お答えいたします。
 大臣の御説明についてということでございますけれども、私は大臣の御説明は間違っているとは思っておりません。この趣旨を御説明しておられると思いますが……(保坂委員「だから、データベース」と呼ぶ)はい。むしろ、大臣が御説明なさりたかったのは、現実のカーナビというのが現段階ではまだパソコンとして仕事に使うというような機能なりデータベースを持っているというものはほとんどないということであれば、そこは、メディア等でいろいろな誤解を受けていたのはここの部分でございまして、いかにもこういうふうな書き方をすると、カーナビが、もうすべて対象事業を認定する個人データベース、それに相当するものというふうに誤解されていたということで、そこは、強調されたのは、現実のカーナビというようなものはまだまだそういうものはほとんどなくて、今後は、それはいろいろ、この分野というのは進歩する分野ですので、そういうものは出てくるかもしれませんが、そのときの心配のためにこれを書いていた部分、そこをちょっと強調することはよくないということで処理をされたんだと思います。
○保坂委員 委員長、質問に答えていただかないと時間がどんどんなくなっちゃうので、ぜひ指揮の方をお願いします。
 藤井審議官が細田大臣にこうやって整理しましょうと事務方として提案している側ですから、それはあなたの整理の仕方にやはり矛盾があるということを、私の方はあえて言いたいと思いますよ。
 例えば、これは二回答弁しているんですね、大臣が、前回、先週。これは、米屋や本屋は入らないけれども、カーナビで配達しても、宅配便業者は入るということだと。私は、これで質問を用意したんですよ。保坂宅配というのを開業して、例えば四、五年たってこうしたらと、そういう質問がまた覆るわけですけれども。
 これは藤井さんにもう一度端的に聞きたいんですけれども、いいですか、よく聞いてください。つまり、カーナビの場合は、五千件以上のものをデータに持っているわけです。そして、インターネットや携帯などで接続する他のデータベースの場合も、もっと持っているわけです。ですから、これは、五千件以上の個人情報を持っているカーナビに接続して使用することが事業の用に供するという要件を満たせば、これは藤井さん、ちゃんと答弁しているわけですよ、適用になります、商売なんかで使っているものも個人情報取扱事業者ですと。一回目の議論のときに答弁しているんです。これは撤回されますか。撤回されるなら撤回されると言ってくださいよ。
○藤井政府参考人 前回も一回御答弁申し上げたんですが、要は、カーナビに電話帳の情報が入っているというような議論から最初は始まったものですから、電話帳というのは、個人の名前と住所、それと電話番号、それが入っている、それ以外に地図情報が入ると、これは一般的には個人データベース、それこそ件数次第でデータベース可能性になるということで、そういう御説明をしたところなんですが。その後、技術が進歩発展していろいろなカーナビが開発されていくかもしれませんけれども、少なくともこれは、保坂先生が御指摘だった、今、電話番号で場所を検索するというような機能ぐらいのカーナビはざらにあるんですが、こういったものは、個人の氏名が入っているということは普通はないと考えられる。そういうものは、これはそもそもの個人情報を体系的に整理したデータベースではないということで、それはもとから外れますということで、むしろ、最初の保坂先生の御質問を私ちょっと取り違えたんだろうと思いますが、そういうことから始まって、ちょっと認識のずれかと思っております。
○保坂委員 では、ちょっとここを押さえておきたいんですけれども、電話番号と住所だけじゃなくて、地図ですね。結局、個人情報は何かというところで、「他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができる」、これも含むわけですよね。そうすると、例えば住所、氏名入りの地図なども販売されていますね。これと引き合わせれば識別できるわけじゃないですか。どうしてこれは個人情報じゃないんですか。
○藤井政府参考人 個人識別性についての御質問というふうに承りますが、これもちょうど午前中の議論にもあったんですが、識別可能であるかどうかという判断は、実は結構難しい判断ではございます。ただ、一言言えるのは、行政機関法は、容易にというのは、従来入っていたのを今回外したんですが、事業者の方は「容易に」としているということだけでもないんですが、やはり私どもは、個人を特定するための一番のポイントになる情報は氏名だと思っております。
 したがいまして、氏名がそういうほかの属性情報と直接結びつくようなシステムになっているかどうかというのは、これは大きな決め手だと思っております。(保坂委員「ポイントは氏名」と呼ぶ)はい。
○保坂委員 それで、私は、こういうのがみんな当てはまるぞということを言っているんじゃないんですよ、実は。効果的な個人情報保護ですね。それこそいろいろな事件が起きないようにするためには、かなりしっかり縛った方がいいだろう。全部網をかけるといろいろな矛盾が起きてくるということを指摘しているので、これは誤解のないようにしてください。
 では、年賀状ソフトというのはどうでしょうか。一番売れているそうですけれども、「筆ぐるめ」とか「筆王」、こちらが一番売れているんですかね、ここにございます。これは、電話番号を打ち込むんですね。そうすると、きれいに郵便番号から住所、名前まで出してくれるんですね。これは便利ですよ。これは、全国のデータ、NTTの電話帳に入っているデータがインプットされているそうですよ。そういう便利なもので、これは、パソコンで年賀状を書きたいからと、皆さん、ある程度、私の親の世代なんかはみんなパソコンにふなれだけれども、年賀状をきれいに出せるんならと結構高齢者の中でも、私、パソコンでやったのよなんて自慢をしている。これは相当売れているんですね。
 藤井さん、どうですか、これは。個人情報取扱事業者、ぴったりじゃないですか。
○藤井政府参考人 今御指摘のケースの場合は、そのソフトの中に、電話番号ですと、自分で氏名を打たないにもかかわらず、氏名と住所が自動的に出てくるというものですか。
 ちょっと結論だけ御説明申し上げます。いずれにしても、大臣から御説明いただいた資料の中にあるんですが、あくまで、いわば……(保坂委員「結論だけ言ってください、該当するのかどうか」と呼ぶ)事業と言えるには、やはり社会的に事業と認められるような活動に使われるということでなければ事業となりませんので、今御指摘のような事例は、通例は事業と見られないというふうに考えます。
○保坂委員 答弁がもうめちゃくちゃになってきましたね。
 では藤井さん、どこに書いてあるんですか、その限定要件は。社会的に認められる、認められるということを何か出してきたけれども。本来、この包括的な個人情報保護体系をつくる意味は、すべからく事業の用に供している、営利、非営利を問わず、十歳の子供でも、それこそ八十歳の御老人でも、やはり個人情報をある一定以上扱って、そこに個人情報漏えいなりプライバシー侵害の蓋然性があれば、これは縛る、対象にする、主務大臣が取扱事業者として対象にしますよと、こういうことじゃないですか。どうなっているんですか。社会的に認められるということは、法案のどこに書いてあるの。それだけ答えてください。
○藤井政府参考人 法文上は事業だけでございますが、その事業の解釈に当たっては、その法律の目的、趣旨から総合的に解釈して判断すべき、こういう理解でございます。
○保坂委員 総合的に解釈なんかしないんですよ。裁判官は法文で解釈するんです。ですから、そんなことしませんよと、保坂さん、そんな細かいことばかり聞かないでくださいと言ったってだめなんですよ。藤井さんの思いとか、あるいは立法者の思いなんというのは残らないんですよ、しょせん法律というのは。これはひとり歩きしていくわけですよ。それによってそれこそ違反かどうかというのが見られて。これは、違反したら逮捕ですよ、最後は。それだけ厳しい網をかけるんですよ。
 例えば、今言われたカーナビに氏名があるかどうかがポイントだと言うわけですよ、藤井さんは。氏名があるものを今度は出したら、これは当てはまらないと。全く矛盾しているじゃないですか。だから、法律を出すときには、日ごとに答弁が変わるような法律を出しちゃいけないんです。大臣、どうですか。やはり条文の修正が必要じゃないですか、こんなにころころ変わるんじゃ。
○細田国務大臣 いや、私は保坂先生の前々からの御主張はごもっともと思って、こういうものがいろいろあるじゃないかということは、本来これを個人情報保護の方からしっかり押さえなきゃいけないのは、むしろ電話番号から直ちに氏名や郵便番号を出せる情報であったり、カーナビそのもので、これをつくる人だと思うんですよ。それは、いろいろ、当然対象であることはおわかりのとおりですね。自分はオプトアウトで権利を行使したい、ここに入れないでほしいということは、これを出版したり発売したりするソフトウエアメーカーなどに言うことは当然できますね。
 ところが、実際にそれを買って、単に全く加工せずに何万個も売って、それを買った人に、いわばパーソナルユースですね、しかも変更等がなくて、その中から選ぶというパーソナルユースをする人にこの法の規制が及ぶと考えて、例えば開示、訂正、利用停止といっても、実態は意味のないことではないかというので、前に具体的な御指摘がありましたから、それらは該当しないと解釈するのが当然ではないか。本当にこれら個人の情報が保護されるべきだと思えば、そのもとを変えなければいけないわけですから、カーナビ会社あるいは年賀状のソフト作成会社に文句を言うべき筋合いのものではないか。それは当然適用になる、こういうことが常識論ではないかということなので、法律論で一つずつのことはごたごたしましたけれども、それが私どもの考え方であります。
○保坂委員 そうすると、今また改めて大臣見解が出たのですが、藤井審議官、政府がせっかく苦労してつくった答弁の中には細田大臣が言われたことと違うことが書いてあるんですよ、これ。
 だって、今言われたのは、メーカーが縛られるべきであって、個々のユーザーまであれこれ言われるようなことはちょっと常識に反すると言われたわけです。ここに書いてあるのは、カーナビでも、名前が含まれているものが五千件以上入っていれば対象になり得る、しかしこれは事業の用に供している者という要件がつくがと、こういうふうに言っているんでしょ。違うじゃないですか、今、細田大臣の答弁と。
○藤井政府参考人 お答えします。
 個人情報取扱事業者になるか、ならないかについては、今一つずつ御説明したので、答弁がぶれているのじゃないかという御認識を受けられたのかもしれませんが、もともと大体三つの要件があると思っています。
 一つは、利用するデータベース等が個人情報データベースということが言えるかどうか。その判断の中には、個人が識別できるような情報、特に氏名等が入っているかどうかとか、あるいは体系的に記録されているかどうかとか、そういう要件が入ってくるということです。
 第二番目の要件といたしまして、当該データベース等を事業の用に供しているかどうかという要件が入ってくると思っています。その中で、今まさに御指摘のあったような、やはり社会的に事業と見られるようなものでなければこの法律として規制対象にする必要がない、これは大臣がよくおっしゃっているところでございますが、まさにそのとおりだと思っております。
 最後には、若干政令マターになるのですけれども、取り扱う個人情報の量とか利用方法から見て、個人の権利利益の侵害のおそれがないもの、これは別途、五千件未満のものなんかでございますけれども、そういったものは適用除外にするということでございまして、答弁がぶれているというよりは、むしろ委員の御指摘の中でちょっとあいまいだったところがより議論で鮮明になってきたんだと思っております。
○保坂委員 委員長、ちょっとお願いしますよ、これ。簡単なことなんですね、細田大臣よくわかっておられるんだけれども、実際には。メーカーがつくるんですよ、これは。そのメーカーがまずいろいろ気をつけなければいけないということを細田大臣は言っているわけですよ、米屋さんや本屋さんまで縛られてはいかぬと。宅配業者は入ると言ってみたけれども、宅配業者の方だっていろいろリアクションがありますから。
 私、聞こうと思っていたのは、私が宅配業者を開業して、三、四年たって配達履歴が五千件以上たまったと、では、そろそろ介護事業をやろうかなと、だけれども、それを使ったときに目的外使用に入るかどうかなんという、こういうややこしい問題が出てくるのですが、一応、用意したから、細田大臣に聞きましょうか。どうなりますか、その場合は。
○細田国務大臣 私も、前回の選挙のときは、電話番号から直ちに名前が出るソフトは利用しまして、別途七万件ぐらいの情報は持っているのですが。選挙のときに、ばあっと集まる紹介状は電話番号でも打ち込まなければリストになりませんから、それによってリストをつくりました。ただ、私は政治家ですから、政治活動は除外かもしれませんが、例えば、私がそこで考えて、何かそれにさらに加工を施して、それを別の用に供するとか、人にまた出すとかということになると、これはやはり新たなこういう取扱事業者になったと。
 これは、私を例示にするのはよくないのですが、宅配業者でもそういうことになることはあり得ると思います。ただ、今申し上げたように、もう、決まった定番のソフトを買ってそれをただ使う、アウトプットするだけのものについては、保坂先生もそういうふうな感覚でおっしゃっておられますように、これをあえて法の規制の対象となるようなことで仕切るというのは、やはり余り常識的でないなと思っております。
 ただ、今私がちょっと例示で申しましたように、さらにそれを拡充強化して、ここにはお中元を届けたとか、ここにはどことの取引があるらしいとかいうことをどんどん書き込めば、そういう情報だって特定の個人情報を処理したことになるわけですから、いろいろなケースはあるかもしれませんね。
○保坂委員 やはり、わからないですね。
 藤井さんが答えていないのが一つだけあるんですよ、さっきから終始答えていないのが。
 データベースにして氏名がある五千件以上のものを使う場合には、一定の要件をかけて取扱事業者になり得るという政府の見解。データベースに、これは当然五千件以上のものですが、ただアクセスするだけでは、これは、例えばインターネットとかさまざまな形態などでアクセスする場合には、直接にはならないと。この二つは矛盾しませんかということです。
 つまり、インターネットとか何かについては、自分で情報を引っ張って、検索エンジンだって五千も並べたら取扱事業者だよと言っているわけです。データベースについては、そもそもあるものを使えばそれは取扱事業者となり得るよと。この二つは明らかに矛盾しているでしょう。どっちかに統一するべきじゃないですか。
 こんなにあいまいじゃ、どう考えたらいいんですか、業者は。日本経済もこれだけ大変なときに、パソコンの需要にも直結していますよ、こういうのは。カーナビだってそうですよ。毎回そうやってはっきり示せないようじゃ、実効性がないじゃないですか。これは、当てはまらない、当てはまらないと言っていけばいくほど、ずるずるになっていくんですよ。どうですか。
○藤井政府参考人 非常に議論がうまくかみ合わないのは、一つは、今技術が非常に進歩していて、新たなタイプの携帯ナビとか、それが出てきている、CD―ROMとかですね。実際そういうものが、どういう情報を記録していて、どういう使われ方をするかということを個別に、子細に検討していけば、定義を当てはめるというのは非常に客観的に判断すればいい話でございまして、そこは先生、せっかくいろいろの条件を示していただいているんですけれども、本当に、検討する場合に、ここのところはどうなのかというふうなのはよくわからないところがあって、いろいろ即断できないというところでございます。
○保坂委員 委員長、ちょっとこれ、再度整理してもらわないと、聡明な委員長のことだからおわかりだと思いますが、これじゃ困りますよ、業者は。当てはまると言ってみたり、常識論が出てきたり。もう一回ちゃんと整理するように指示してください。
○村井委員長 答弁できちんと整理してください。
 細田国務大臣。
○細田国務大臣 まず、本来の整理、この規制が及ぶか及ばないかの整理は、私が申したような基本的なラインで整理いたします。
 ただ、その中で、開示、訂正、追加、削除の権限を有しないということもございますので、もう一度論理を整理しますので、済みません、もう一度お時間を……。
○保坂委員 宿題を抱えたということで、ぜひじっくりこの宿題はやっていただきたい。
 そうじゃないと困りますよ、本当に。年賀状ソフトも、これだって、事業者として逮捕までされるなんといったら、これはとんでもないことになります、本当は。だけれども、そんなに網が広いのかということで、これは当てはまらない、当てはまらないと言っていけば、本来のプライバシーの侵害が守れなくなる。今後、だから、ぜひやっていただきたい。
○細田国務大臣 保坂議員の御趣旨も、私の申しておる常識論と大きなずれはございませんですね。ただ、法文上の事業者とか、いろいろな個人情報取扱事業者の定義とか、それでは、どこでどういうふうに厳密に当てはめて、どこで除外されるのかをもっと明確にしろということですね。それはいろいろな対応で、基本方針としては、一切加工もなく売られているようなソフトを使う人に法の規制が及んだりすることのないような解釈といいますか、きちっとした線を出すように、もう一度出します。
○保坂委員 実は、カーナビも大変進んでいて、いろいろな情報を取り込めるんです。年賀状ソフトなんかも、自分でどんどん加工できるんですよ。名刺のファイルと年賀状、あて名、それからメールアドレスを一括して変換するソフトも今人気で、それはもう五千件ぐらいになっちゃうんですね。それは自分で組みかえたりすることができるんで、実は訂正や開示その他、加工はできるんです。それだけ言っておきます。
 最後の質問ですが、これはまた藤井さん、大きな問題なんですけれども、きょうは一問だけです。
 報道の定義、これはずっと問題になっていますね。報道の定義で、これは最高裁判決に照らして、趣旨に沿ってということを言われているようですけれども、政府が答弁をしている、あるいは示している最高裁判決の日は何年の何月何日の、どんな事件の判決で、それは報道の定義に関する判決だったんですか。これは重大な質問なんで、最後になっちゃいましたが。
○藤井政府参考人 私どもが立案に当たって参考にいたしました最高裁の判決についてでございますが、それは、愛知県地方労働組合評議会の機関紙「愛労評」の編集発行人、発行の責任者であり、かつ、名古屋市長選挙に立候補を決意した近藤信一さんという方がいらっしゃったようですが、その選挙運動者である被告人が、昭和四十年三月十二日付臨時大会特集号として、紙面に名古屋市長には近藤信一と大書きして、左肩に写真を掲げて、それで、ちょっと引用文があるんですが、推薦候補者として近藤信一を決定し、戦い抜くことを決定しましたという旨の記載をされた文書を約五百四十部、愛労評書記局員らに、あと、傘下の労働組合書記長ら六名に対して配付または郵送させ、これが公職選挙法第百四十二条違反に問われた事件でございます。
 本件については、昭和四十四年六月二十六日に最高裁判決が出されておりまして、今申し上げました五百四十部とか六名とか、こういった配付先の文書について、上記の記載をした文書は、特定候補者の当選を目的とした単なる宣伝文書であり、公職選挙法第百四十二条違反の罪は成立すると判示されているわけでございます。このほか、読者に対する判断材料が含まれる主観的な意見、見解のみを述べることは報道には当たらないことが明らかということでございますので、そういう意味では、大きく客観的事実と。あと、特定の人ではなしに不特定多数の者に知らしめることというような考え方を導き出しているところでございます。
○保坂委員 細田大臣、これは、選挙に関する実務家でもございますから、今驚きました、私。報道の定義ですよ。最高裁判決と言うから、どんな大事件かと思っていたら、まあその当事者にとっては大事件ですけれども、五百何十人に配付した労働組合の選挙にかかわる判決だったと。
 これは妥当だと思いますか、報道の定義として根拠づけるのに。これは見解を問うて終わります。
○細田国務大臣 読者に対する判断材料が含まれる主観的な意見、見解のみを述べることは報道に当たらないというようなことが適当かどうか、ちょっと考えさせてください。昭和四十四年の判決ですね。
 我々としては、報道の定義については、法制局におきましてきちっと、いろいろなことは参考にされたと思いますけれども、条文を考えていただきましたので、どういうふうに参考にしたということが決定的要因になったかどうか、ちょっと今つまびらかにしませんので、法制局ともよく相談をいたします。
○保坂委員 もう終わりますけれども、委員長にお願いします。
 これは大問題ですよね。報道の自由あるいは表現の自由ということで、これだけ前回、去年以来の議論をして、政府はこれを受けとめて出してきたんですよ。その根拠を今担当大臣が示されて、どんなものかなとおっしゃられるのでは、はっきりとこの最高裁判決が、日本全国あるいはマスコミ、あるいはマスコミだけではない報道すべてに当てはまるものなのかどうか、しっかりとした政府見解を求めます。委員会に提出するように指示してください。
○村井委員長 そのように、きちんとした政府見解をまとめてくださるように政府にお願いを申し上げます。
○保坂委員 終わります。
○村井委員長 続いて、大畠章宏君。
○大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。
 個人情報の保護に関する関連五法案について質問をさせていただきます。
 昨年、内閣委員会でこの個人情報の保護に関する法律案の審議をしてきたわけでありますが、大変中身が濃いといいますか、非常にさまざまな論議があったことを思い起こしております。私も内閣委員長としてあの席にずっと座っておりまして、片山総務大臣の雄弁を聞きましたし、竹中大臣のいろいろな話も聞きましたし、官房長官のお話も伺いました。防衛庁長官も出てきていただいたり、さまざまなことがございました。
 私は、この個人情報の保護に関する法律案、五法案ありますが、今の時代におけるあるいは日本における、国民生活と言ってもいいのでしょう、あるいは国民の経済活動といいますか、そういうものにも非常に大きく影響する法律案なだけに、今お話をいろいろ聞いておりましたが、あいまいであっては国民が困ってしまうんですね。やはり法律というのは、ある人が解釈すれば黒くなるし、ある人が解釈すれば白になる、こういう法律では法律を施行したとしても国民が混乱するだけだと、先ほどからの論議を聞いておりまして感じました。
 きょうは、そういう昨年一年間の審議、あるいはことしになりましてからの新しく提出された法律案等々について、振り返りながら御質問をさせていただきます。
 きのうの参考人のお話を伺っておりましても、私自身のとらえるポイントは、細田大臣もITには非常に詳しい大臣でございますけれども、この情報問題は、かつては、文書を墨で書く、本も余りありませんでしたから、それを、写本といいますか本を墨で写す、そういう情報がベースだったでしょう。それが、印刷技術が発達してきまして本になる。それがまた、今度はコピーする機械が生まれた。そしてまた、それに今度はIT社会が入ってきて、ワープロ、パソコンというのが出てきて、それにメールが出てきて、あっという間に百人、千人、一万人、一億人のところまで情報が流れる、こういうふうな情報になりました。表をつくるということについても、手書きの表というのは大変なんですが、それをコピーしたり、あるいは電子情報にすればあっという間に世界に広がる。こういう社会になって、個人の情報をどうやって保護するかということが非常に問題になってきました。これは大臣も御存じのとおりであります。
 それで、最初のころの発想というのは、きのうも参考人がいろいろおっしゃっていましたけれども、個人の情報、これは、行政の個人情報と、個別といいますか民間利用の個人情報、この二つの種類がありますね。どっちがということはないんですが、情報量を持っているのは圧倒的に行政情報なんですね。民間の個人情報の利用の仕方にもいろいろ問題があったと私自身も思いますけれども、いずれにしても、そういうものを包括して何かきちっとしなきゃいかぬということで今回の法律案が出てきたと思うんです。
 そこで、今いろいろもめているのは何かというと、行政の膨大な個人情報をどういうふうに行政内が利用しているか、そして自分自身の、市民の個人情報というのはどういうふうに行政内で回されているんだろう、ここのところで、行政も電子政府を目指していまして、非常に広範なことでデータのやりとりがされるということは予測するんですが、果たしてどういうふうに行政が管理しているのか、どういうふうに利用しているのか、これは一般市民にはわからないんですね。
 ですから、最初にちょっとお伺いするのは、先ほども防衛庁のリスト問題でもめておりましたけれども、住民基本台帳法の四項目というものをやるということ、さまざまな論議がありながらこの法律案ができたわけでありますが、そういうもののほかに、まさかこういう形で利用されているというのは一般住民は全くわからないわけですね。
 それから、去年ももめた原因は、防衛庁の、情報公開法に基づいて資料請求した、それがリストとしてつくられたという話で、大体委員会でもめる法案というのは、どこかおかしなところがあるともめるんですね。きちっとした法案というのはそんなにもめないんですが。それだけに、この個人情報に関する五法案、政府の方も、いろいろ一年間の論議を踏まえて修正案を出されましたけれども、あいまいなところをつぶしていかなけりゃならないと思いますね、国民のために私たちも委員会をやっておるわけですから。
 そこで、一番最初に、行政の目的外利用の禁止について基本的にどうすべきかということを、これは政府提案者と、それから野党の方でも対案を出しておりますから、その二者から、この目的外利用の禁止問題についてどういう基本的な見解を持っているか、お伺いしたいと思います。
○片山国務大臣 本当に、委員長をやられて御苦労されましたから、大畠委員には釈迦に説法ですけれども。
 政府案では、個人情報の利用目的を具体的に明確にさせるということが一つ。その上で、目的外利用や提供の必要があるときは、厳格に厳重に制限をして使わせる。そのためには、目的外利用や提供の場合には相当な理由がなきゃいかぬ。もちろん、職務に属さなきゃいかぬ、あるいは個人の権利利益を侵害しちゃいかぬ、これは当たり前のことでありますが、その上に、相当な理由がある。これは、原則禁止の例外として認めるにふさわしい、だれでもがなるほどと納得できる客観的な理由でなきゃいけませんので、個別事案において厳格に判断すべきであり、決して行政機関の恣意的な解釈を認めない、こういうことでございます。
 しかし、実際に判断するのは人でございますので、まず、すべての職員が隅々まで制度の趣旨を的確に理解する、同時に、透明性を確保することによって担保していく、こういうことでございまして、教育研修をしましたり、施行状況調査による個人情報ファイルの目的外利用や提供の状況の公表をいたしましたり、そういう仕組みを今回の法律案ではとっておるわけでございます。
○細野議員 ちょうど一年前は、大畠委員長のもとで、私も内閣委員会で質問させていただいておりましたので、その内閣委員会できちっと議論できないというのは、我々にとっては大変無念でございますけれども、こういう形で今設定をされているということで、今回は我々も法案を提出して議論しているということでございますので、お答えを申し上げたいというふうに思います。
 まず、目的外利用については、前提として、そのファイルがどういう目的で保持されているのかということを確認するのが出発点となります。ここの部分で、政府案では十条、我々でいうと十二条になるんですが、政府案は個人情報ファイル簿の通知について大幅な例外を設けております。この例外になってしまいますと、実は、行政の内部でも何のための目的でその個人情報が保有をされているのかというのが不明確なままになってしまうわけでございまして、まず、出発点として、ここに政府案と野党案の大きな違いがあるというふうに考えております。
 その上で、目的外利用についても、これは、原則禁止というのは野党案も政府案も同じなんでありますけれども、その例外として、政府案では、相当の理由がある場合には目的外利用が認められている、野党案では、当該事務の円滑な遂行に著しい支障が生じるときと、極めて厳しい限定を課しているということでございます。
 その上で、さらに設けておりますのが手続的な要件でございまして、これは十条三項でございますけれども、利用目的以外の目的で個人情報を利用、提供した場合については、情報公開・個人情報保護審査会に諮問をする、その際に、その目的外利用は合理的なものかどうか、当該事務の円滑な遂行に著しい支障があるかどうかということは、当該行政機関がこれを立証する責任があるという手続が入ります。さらに、十条五項で、目的外利用をした場合には記録にとっておかなければならない。
 こういう手続的な部分もきちっと担保をすることによって、目的外利用が国民から理解をされるように、しかも外からも見えやすいようになされるということを前提としたのが野党案でございます。
 以上です。
○大畠委員 片山総務大臣にお伺いしますが、先ほどの御答弁の中で、行政機関の恣意的解釈は許さない、こういうふうなお話がございました。先ほどの防衛庁の、十八歳以上の健康状態まで付加したリストというものを、先ほど総務大臣は、いいじゃないか、そのくらいは行政として法律に基づいてやるんだからいいじゃないかというように受け取れる発言がございましたが、これは、総務大臣は、先ほどの論議されたところまではいわゆる行政の当然な権利として施行しているのであるというふうに解釈されておるんでしょうか。
○片山国務大臣 これは、何度も言いますように、自衛隊法や自衛隊法に基づく政令ができておりますし、それから、そもそも、住民基本台帳法の四情報は公開情報でございますし、自衛隊員を募集する仕事というのは国の仕事であり、しかも、それは地方公共団体の長にやってもらうということになっているわけですよ。しかも、その長は広報宣伝をやるということも義務づけられておりますし、防衛庁が必要なら資料の提供その他が求められるということになっているわけでありますから、四情報ぐらいについて協力するのは、法令に基づいて当然のことだと思っております。
○大畠委員 先ほどのお話では、健康状態とかそういう問題も含めて入れることも何か容認するような発言をされておりましたが、四情報をやるということは一つのそういう見解でありましょうが、しかし、それに付加してさまざまな情報を入れてリストをつくったというのは、まさに行政機関の恣意的解釈と言わざるを得ないと私は思いますね。
 したがって、私は、ここら辺、二番目の質問に移りますが、主務大臣の関与についてどう考えるかということ、あるいは、これも何度も言われておりますが、第三者機関の設置についてどういうふうに考えているか、これをあわせてお伺いしたいんです。
 大臣によって解釈を変える。いわゆる相当の理由がある場合を除くということになっていますが、この相当の理由というのは、今総務大臣がおっしゃったように、大臣が解釈すればいいということになるんでしょうか。この主務大臣の関与という問題。
 それから、いろいろ論議はありますが、お金がかかるから第三者機関はつくらないんだというんですが、どうも基本的に視点がずれていると思うんですね。何のための行政府なのか、何のための政府なのか。金がかかるからこれはやめちゃう、金がかかるからこれはもう要らない、そうしてくると、何のためにこういう個人情報保護法というのをつくるのかわからぬ。
 私自身も、食品安全委員会の設置法についても質問をさせていただいたことがあるんですが、通常の行政がたくさんあって、その上に食品安全委員会というのをちょっと乗っければいいんだというんだけれども、どうも、コストの問題と国民が求めているものにどう対応するかというその二つがせめぎ合うときに、コストがかかるから、それは抑えても現状の組織をうまく生かしながらこうやるんだという意識が何かちょっと強過ぎるように感ずるわけであります。
 この主務大臣の関与の問題と第三者機関の設置について、もう随分この委員会で議論されておりますが、改めて、政府提出者並びに野党提出者の方からそれぞれお伺いしたいと思います。
○片山国務大臣 我が国の行政は、これも釈迦に説法ですが、議院内閣制で各大臣が責任を持ってやる、こういうことですね。内閣の意思決定は閣議で決める。アメリカは大統領制で、一人で決まるわけですから。もちろん議会の関与はそれぞれありますよ。
 そこで、日本の行政を見るときに、一番専門家なのは役所ですね。それは、それを専門でやってきているんだから。それからもう一つは、法令に基づいてやっているんですよ。法令に基づいて、すべて、法治国家で。したがって、憲法以下、法令を守れ、法令に従ってやれと。だから、例えば相当の理由と書いたって、それは恣意的なことを許すわけじゃないんですよ。だから、私は、そこのところが皆さんと少し違うなと思うんですよ。
 もし委員の言われるようなことだと、全部第三者機関が要りますよ。国民に選ばれた多数のグループが国政を責任を持って担当して、連帯して国会に責任を持っておる、こういうわけですよ。それぞれの大臣が、責任を持って、専門家集団を従えて、法令に基づいて仕事をやる、こういうことでございますから。しかも、最終の判断は司法が担保するんですよ、何度も言いますように。
 だから、大臣がやると、役所がやると恣意的なことをやる、法令に基づかない、法令から離れたことをやる、これはおかしいので、もしそういうことがあって問題になるのなら、それこそ、処罰規定だとか国家公務員法の懲戒処分だとか、それはもういろいろな担保があるわけですから、何でも第三者機関というのは、これはいささか私は問題ではないかと。
 アメリカは、権限が大統領に集中しているから行政委員会をたくさんつくっているんですよ。分けているんですよ。日本は各大臣が責任を持っているんですよ。総理大臣が一番偉いわけですけれども、これは閣僚の任免権があるから一番偉いんだけれども、個々の仕事は各大臣ですよ。その大臣と切り離して、ある仕事の個人情報保護の部分だけは委員会にやらせますと、ある意味では二重行政的になるんですよ。しかも、その委員会というのは、国会に責任を持っている人がなるわけじゃない。民間の人やその他の学識経験者がなるわけで、国会や国民に責任を持っていない。ある意味では無責任になる。
 それからもう一つ、上から下まで、地方の末端までその組織をつくるとすれば、これは膨大な人と金がかかるわけでありまして、行革に反するんですよ。そういうことのためにそれぞれの役所があるんですから。そこのところはぜひ御理解を賜りたいと思います。
○細野議員 総務大臣から大演説がございましたけれども、基本的に、ここがやはり政府の考え方と、与党の皆さんの考え方と我々の違いだというふうに思っております。
 先ほど委員がくしくも指摘をされましたが、少なくとも、自衛官の募集に際して、そこに健康情報であるとか、また、これは事実関係を確認しなければなりませんが、障害の有無のような情報が、これを提供されることが私どもは相当な理由に当たるとは考えませんし、それが合理的な判断であるとは思いません。こういう部分について、主務大臣とはいいますが、現場の省庁に判断させることが果たして適切なのかどうなのか、我々は、その出発点において、やはり、できる限り客観的な組織にそこに判断に入ってもらった方がいいだろう、そういう判断をいたしております。
 行革の議論とは全く違うレベルで適切な運営を図っていくというのが私どもの趣旨でございまして、目的外利用の部分に例をとりますと、この部分についてこの審査会をきちっとかかわらせることは、私は、この法律を適正に運営するために不可欠な要因である、そのように考えております。
 第三者機関、民間の方も含めて、もうお一人の提出者の方から御説明させていただきます。
○山内(功)議員 民間の方に限ってお話をさせていただきますと、やはり、事業を所管する主務大臣や官庁が個人情報保護の監督をするという形をとるとしますと、省庁が所管する事業について、個人情報の保護に名をかりて、みずからの都合のいいやり方で恣意的な関与や介入を行う可能性があり得ます。あるいは、特定事業者との癒着が起きる可能性も否定できないと考えています。
 また、省庁で統一的な運用がそれではできるんでしょうか。さらに、ぽてんヒットのような、各主務大臣の網の目から漏れるようなケースが出てこないのか等、いろいろな問題があろうかと思っています。
 新しい政府案も、幾ら基本原則を外したからといっても、法案の骨格とも言える部分に主務大臣の監督という点についてはしっかりと残している。少しもこの重要な点については法案修正をしておりませんので、そのことは最大の問題点の一つだと考えています。
 今申し上げましたような、主務大臣が監督することにより起こり得るいろいろな問題、弊害を排除するために、独立した中立公正な個人情報保護委員会が監督するシステムにしたのが野党案でございます。
 政府や与党には、行革の流れから、新たな機関を創設することに反対する声もありますが、むだな仕事や規制を大胆に廃止するとともに、新たな課題に対応するために、真に必要な機関や仕事をきちんとつくっていくことは、それもまさに行革の要請することだと認識をしております。
○大畠委員 これまでの質疑を少し整理しながら御質問させていただいておりますが、片山総務大臣からも一つの見解が示されましたけれども、考えてみますと、行政マンというのは法律に従ってきちっとやるんだから、そんな質疑者が言うようなことはないんですよという話ですけれども、去年の委員会の審議のときも、いわゆる情報公開を求めた人のリスト、それも四情報以外のところも入っていたということでありますが、そういうこともありましたし、今回もこういうことがありました。
 片山総務大臣は、非常に人間を信頼するという、あるいはお役人さんを信頼するという立場に立ってお話をされているのかもしれませんが、もともと去年の法律案も、行政マンに対する罰則はなかった。この件についてもかなり論議されましたよね。私も委員長席で聞いておりまして、いや、公務員の守秘義務というのがあって、それに違反すれば当然罰則がかかりますから、かかりますからと、かなり断言されていましたが、昨年からことしにかけて、それをあっさりと撤回されてこの罰則を法律案に入れたという意味では、行政マンといえども、やはり長い間、明治のころからかもしれませんが、ずっとあって、だんだんだんだん仕事になれが出る、まあこのくらいは集めてもいいか、ここに情報があるんだから、このくらいやってもいいだろう、それで、それに書き足してリストをつくってしまう、こういうこともあり得るんですね、現実問題。
 したがって、その可否について、主務大臣が判断すれば、法律のようにやっているんだからいいんだと言うけれども、どうも私は、そこら辺がやはり国民からとっても解せないところだということを指摘しなければなりません。
 同時に、大臣自身に疑惑がかかるようなこともいろいろあるわけですね。例えば大臣にかかわる個人情報に関する問題については、主務大臣が自分なんだから、それは違反だと判断すれば、それは大臣に対する個人情報の保護ということで、行政命令を出してストップさせるとかなんかということに至ってしまうんでしょうか。その対象者が大臣自身という場合には、どういうふうに考えたらよろしいでしょうか。
○片山国務大臣 これもいつか答弁しましたが、大臣は機関なんですよ、個人じゃないんですよ。総務大臣というのは、総務省、組織の機関の長なんですよ。それが勝手な、自分中心の恣意的な判断ができるわけがありませんよ。
 それから、そういうことのために、例えば会計については会計検査院があったり、いろいろなものがありまして、最終的には、何度も言うように、結局、司法の判断を仰ぐ、こういうことになりますよ。
 去年、私は、今ある罰則と国家公務員の服務規定で運用上担保できると言ったんですよ、いろいろなことは。ただしかし、国会でも、大畠委員が委員長のときによくお聞きになりましたように、いろいろな御議論があるんですよ。あるいは国会外でもいろいろな御議論がある。そういうことの中で、罰則を追加することによって、さらにこの仕組みについての、制度についての国民の信頼が高まるんなら、皆さんも納得されるんなら、それは私は罰則の追加はやむを得ない、与党の皆さんもそういう御意見ですから。
 そこで、私は、委員長として覚えておられるかどうか知りませんが、罰則、罰則という皆さんの御意見は一つの考え方であると言ったんです。私は何度も言っていますよ、権利利益に具体の侵害があって犯罪の構成要件がきっちり書き込めるんなら、罰則をおかけになるのも一つのお考えでしょうと。ただ、私どもは、今ある処罰規定と国家公務員の服務規定でやれると思っていますよと、こういうことを申し上げたわけでありまして、今回の法律も、これも大畠委員十分御承知でしょうけれども、目的外の利用や提供については、個人情報ファイル、あらかじめ総務大臣に内容については事前通知をもらいますから、ある程度そこで、総務省でチェックできる仕組みになっておりますし、毎年度、施行状況の調査をやりますから、その結果については、目的外利用や提供についても公表するんですよ。こういう担保も一つかけておりますし、ぜひそこのところは私はお考えいただきたいと思う。
 がんじがらめにして、とにかく役所や大臣と別のものをつくって、そうしなければ不安でしようがない。これはなかなか大変なことになります、行政の仕組みとしては。司法でもなければ、そういうことになるんですよ、どこかの独裁国家みたいなことなら。日本はそんなことないんですよ。ちゃんと法治国家でありまして、これだけマスメディアの監視も厳しいし、司法もしっかりと機能しているし、いろいろなほかの担保もあるし。
 そういうことの中で、もう全部、第三者の機関をつくってそこで目を光らせて、膨大な量のいろいろな処理をやっていくというのが適当な判断かどうか。私は、お考えとしてそういう考えがあっても当然だとは思いますけれども、政府・与党はそれはとらない、こういうことであります。
○大畠委員 私自身も、いろいろ両者のお話を伺いましたが、やはり私は、第三者機関の設置をして、国民の目から見ても公正な形でこの個人情報保護というのは行うべきじゃないかという考えを持っているところであります。
 それから、これも論議が随分されました。いわゆるセンシティブ情報、これに先ほどの防衛庁の問題も絡んでいるわけでありますけれども、病歴の問題、学歴、それから警察関係の犯罪歴、預金、あるいはクレジットカードを何に使ったかとか、どこでどういうメールのやりとりをしたか、さまざまな情報があるわけでありますが、ここのセンシティブ情報の収集の禁止問題について両者はどういうふうに考えておられるか、改めて基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
○細田国務大臣 センシティブな情報というのは、情報の内容や性質にかかわりませず、その利用目的、方法、利用環境によって個人の権利利益に深刻な侵害が生ずる可能性があるわけでございます。したがいまして、何が一体慎重に取り扱うべきセンシティブ情報であるかということは、非常に類型的に定義することは極めて困難だと思っております。午前中でも、御党の議員からも御質問がありました。例えば多重債務の問題とか、財産の問題とか、健康情報とか、アンケートをとると、これこそ上位四位か何かに入る情報ではないか、非常にセンシティブであると。これはもっともだと思うんです。
 まあ、時代とともにも変わりますし、一定の考え方のもとにこれがセンシティブ情報であると規定することはなかなか難しいので、およそあらゆる情報が個人にとってはセンシティブであるけれども、世の中の公益とかいろいろな調整がありますから、例えば氏名が公表されてしまうというのはだれでもしようがない、あるいは政治家にとって財産が公表されてしまうのは社会的要請からしようがない面がありますね。
 だけれども、一般人は、財産が公表されてしまったり支払った税金が公表されるのはたまらないわけでございますから、公益との調整等も勘案しながら、センシティブな情報というものは、一般的に幅広く同様に取り扱われ保護されなければならないという考え方でございますので、野党案の場合と少し食い違っておることは事実でございます。
○山内(功)議員 法務委員会で明らかになった事実なんですけれども、法令上、法務大臣が刑務所からの収容者の情願を、年間三千通ぐらいあるんですかね、それをしっかり読むというのは法務大臣の仕事なんですね。それをやっていなかったのは非難できるんですけれども、それ以上に、そういう情願制度があることを知らなかったという答弁を法務大臣はされているんですよ。
 それから、昨年一年間、あんなに防衛庁リスト問題で、審議も空転する、委員会も開かれない、ストップするというような、ああいう審議状況があったのにもかかわらず、漫然とまたきょうの朝刊のような事件、ああいうことを繰り返している。つまり、人権にかかわることについては、特に法に書き込めることは書いておくべきだと私たちは思っているんです。
 大畠議員が御指摘のように、野党案は、センシティブ情報に関する本人の権利利益の重要性にかんがみて、取り扱いについての規律をしっかりとそういう意味でも設けております。政府案は、センシティブ情報といっても定義があいまいだとかいろいろなことを言ってこの規定を置いていないわけですが、私どもは、各種法律や社会通念に照らしてみても、思想、信条、人種、民族など、列挙した事由が取扱事業者に不明確な義務を課すとは全く考えていないところでございます。
 なお、私どもは、センシティブ情報の取り扱いに関する規制を盛り込むことは国際的な流れとも認識をしております。
 これまで政府は、早く法案を通さないとEUとの情報の流通ができなくなると説明したわけですが、そのEU指令でも、「加盟国は、人種、民族、政治的見解、宗教、思想、信条、労働組合への加盟に関する情報を漏洩する個人データの処理、もしくは健康又は性生活に関するデータの処理を禁止するものとする。」とありまして、政府案よりも野党案の方がよりグローバルスタンダードに近いと自負もしているところでございます。
○大畠委員 ここで、三十分ほど同僚議員に質問の時間を譲りまして、また質問をさせていただきます。ありがとうございました。
○村井委員長 続いて、平岡秀夫君。
○平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。
 きょうは、官房長官の出席の関係でちょっと変則的な質問の時間割りになってしまいました。ということで、官房長官が来られましたら、前回もちょっと申し上げました、私がぜひとも聞いておきたいことについて質問をさせていただきたいと思いますけれども、第三者機関の問題でございますので、先ほど来の議論にもいろいろ大きく関係するということでございます。
 その前に、いろいろと積み残し案件、あるいは、さらに別の質問事項について御質問をさせていただきたいと思います。
 前回、私、個別法と一般法の世界の話の中でいろいろと質問を申し上げました。特に、個人信用情報についての関連で質問させていただきましたのですけれども、そのときに二つばかり質問を積み残した形にしておりましたので、まず、そこを確認させていただきたいというふうに思っています。
 個人情報の保護法の二十三条の一項の四号ということでございます。実は貸金業規制法三十条の二項に基づく目的外使用について質問した件に関してだったんですけれども、そのときの答弁は、また見ていただければと思います。
 そのときに私が質問しようとしていたもう一つの点というのが、この第四号で、国の機関とかが個人情報取扱事業者に対していろいろと情報の提供を要請するような場面になっているわけでありますけれども、ここのところで、ちょっと読みますと、「国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。」このときには、第三者に個人データを提供してはならないということの例外として提供してもいい、そういう状況になっているわけであります。
 ただ、問題は、ここに書いてある、四号に書いてあるいろいろな判断の部分について、一体だれが責任を持って判断をするのか、そして、その判断について、仮に間違っていたりとか、あるいは、その対象となった個人の方から、いろいろな損害を受けたというようなことで責任追及があった場合には一体だれが責任を持つのかというところがどうもはっきりしていないという意味で、確認したいと思います。
 この第四号に関して、協力する必要がある場合というのは、一体だれが判断するのか。そして、国等の事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるということについては、だれが判断するのか。そしてまた、その判断についての責任、例えば本人からの損害賠償請求があるというような場合に、その責任を負うのはだれになるのか。この点について、細田大臣の方からお答えいただきたいと思います。
○細田国務大臣 政府案の二十三条第一項第四号に関しましては、「国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する」場合と規定されているわけですが、いろいろな事態が想定されると思います。例えば、税務調査に協力する場合などがその例であると考えておりますけれども、協力する必要があるか否かを判断するのは個人情報取扱事業者であると考えております。
 したがいまして、本人から当該違法な情報提供に対して損害賠償請求がなされた場合におきまして、本法案の義務規定違反を主張されたときにも、例外的に、該当するかどうかの判断を行った責任も個人情報取扱事業者が負うことになるわけでございます。
○平岡委員 ついでに、国等の事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるということについては、だれが判断するんでしょう。――既にこれは通告をしてある問いなので、別にそれほど時間がかかるわけじゃないと思うので、もったいないので早くお願いします。
○藤井政府参考人 これも個人情報取扱事業者でございます。
○平岡委員 そういう解釈であれば解釈で、それに応じた対応を個人情報取扱事業者がすることになるんだろうと思いますけれども、今言われた、法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要があるとか、あるいは、国の事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるというようなことを個人情報取扱事業者に判断させるという仕組み自体が非常に奇妙な仕組みであると私は思います。
 ということは、断っても何のとがも問われないということになるんだろうと思いますけれども、そういう理解でよろしいですね。
○細田国務大臣 いろいろなケースがあると思いますが、議員からも事前に、こういう場合はどうかということで、例えば警察から刑訴法の百九十七条二項による捜査関係事項の照会を受けたときはどうだと。これは、法令に基づく場合に該当しまして、協力する必要がある場合か否かを判断する必要はございません。法令に基づくものであるかどうかということも大きな要素でございます。
○平岡委員 全く話がかみ合わないので、私が質問したことに対して明確に答えていただきたいと思うんですけれども。
 二十三条の一項の四号に基づいて国の機関等からいろいろ情報の提供が要請されたときに、その個人情報取扱事業者が、この四号で応じることは自分にとって危険があるなと思ったときには、応じないで何のとがもない、何の責めも負わないでいいんですねということを確認したいんです。
○細田国務大臣 そのとおりでございます。
○平岡委員 それは、制度の仕組みとしてそういうことであるということで理解させていただきたいと思います。
 それともう一つ、これも個人信用情報の関係で質問した件でございます。いわゆる個人信用情報については、全国銀行個人信用情報センター、日本情報センター、そしてシー・アイ・シーがそれぞれ信用情報についての情報交流を行っていますし、また、今読み上げました三者においても情報交流を、CRINというふうに言っているそうですけれども、行っているという中で、今回の個人情報保護法が成立することによって、第三者提供の問題で問題は生じないのかということをせんだってお聞きいたしました。
 そのときに、一応、現在行っているものについては、二十三条一項の、あらかじめ本人の同意があるということで問題がないんだという御説明がありましたけれども、その際、あわせて細田大臣から、二十三条四項の三号に該当するということから、現在行っている情報交流については問題がないというふうに解しているという説明がございました。
 私は、ちょっとその点については、事務方の方からよく説明を聞いた上で答弁してほしいということをお願いしておったわけでありますけれども、再度、その答弁でよろしいかどうかということについて確認をさせていただきたいと思います。
○細田国務大臣 やや詳細に御説明を申し上げます。
 政府案の第二十三条四項三号では、グループを通じて総合的なサービスを提供する場合など、特定の会社が取得した個人情報を本人への便益提供や企業の事業活動の適正化のために一定の契約関係のもとに特定の他者との間で相互に利用することが極めて有益であることから、一定の要件を満たす場合に個人情報の共同利用を認めるものであります。
 具体的には、あらかじめ、どのような種類の個人情報がどのような目的でどの範囲の企業間で共同利用されるかにつきまして、通知または本人が容易に知り得る状態に置くことにより、全体を当事者とみなす取り扱いをすることが合理的であると考えられ、その旨の規定を置いているわけでございます。
 一方、個人情報の共同利用に当たっては、第二十三条第一項に規定する第三者提供の原則に戻り、本人同意に基づく共同利用を行うことも可能であります。
 御質問の個別具体のケースにつきましては、現時点では、第四項第三号に規定する共同利用のケース、第一項の本人同意に基づく共同利用のケースの双方の可能性がありますが、いずれにせよ、法第二十三条に規定する方法にのっとりまして、共同で個人情報が利用される際の適切な個人情報の取り扱いがなされることを期待するものであります。
○平岡委員 個別具体的に照らしてみないとよくわからないという答弁だったと思いますけれども、それはまた詳細に検討をしなければいけないというふうには思います。
 とりあえず、その今の見解をいただいたところで積み残しを終えまして、ちょっと新しい問題でございますけれども、五十条の第三項というのがございまして、いわゆる自主規制というふうに言われているわけであります。この点について、ちょっと時間がないので一問だけ質問させていただきたいと思うのです。
 この第三項には「第一項各号に掲げる個人情報取扱事業者」、つまり、いろいろなケースがありますけれども、例えば政治団体については、「個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置、個人情報の取扱いに関する苦情の処理その他の個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な措置を自ら講じ、かつ、当該措置の内容を公表するよう努めなければならない。」こう書いてあるわけでありますけれども、細田大臣も御自身の政治団体、後援会というものをお持ちなんだろうと思うのですけれども、この規定に基づいて大臣はどのような自主規制措置を考えておられるのでしょうか。
 つまり、これについて言うと、ここにおられる多くの政治家の方々が、みずからいろいろな措置を講じて、その措置の内容を公表しなければならないというように、努力義務ではありますけれども、義務が課せられているという中において、一体何をしたらいいのかよくわからないというような状況になっては困ります。この法律を所管する細田大臣であれば、この法律の規定に基づいてこういうことをしなければいけないと自分は考えてやるんだというものは既にお持ちだろうと思うので、ここでその点を説明していただきたいというふうに思います。
○細田国務大臣 これは、私の政治活動その他に関連してでもいいですか。私も、いろいろ後援会名簿等を集めましてコンピューターに大分入れておりますけれども、そうしますと、必ず、これは人の紹介で集めておりますから何万人かありますけれども、それに基づきましていろいろ通知をしたりはがきを出したりすると、相当、ある一定の数で、何で私はあなたの案内を受けなきゃならないんだとか、何であなたはこういう私の情報を知っているのかというような、そういう話もよく受けるわけでございますが、そういったときに、一種の規制措置としてそれを削るというようなこともございますし、私どもは、こういった個人の情報について、政治家としても非常に慎重に対応しなきゃならないと思っております。
○平岡委員 今の答弁を聞いたのでは、私も、自分自身の後援会について、どのような措置を講じ、公表したらいいのか、さっぱりわからない。どうしたらいいんですか。大臣、そんな答弁では、この努力義務に対してこたえたと、この努力義務の規定に沿ってちゃんと手当てしたというふうに言えるんですか。ちょっとこれは、今の答弁では全く納得できない。全く何をしていいのかわからない。
 所管大臣としてそういうことでは、この法律を出してもらっちゃ困りますよね。もう一遍答弁願えますか。
○細田国務大臣 それは、いわば後援会名簿について、私のところでよく起こることについて申し上げるわけでございますけれども、当然ながら、この名簿データの管理のためには細心の注意を払わなければなりませんし、もちろん苦情処理についてもやらなければなりませんし、その他適正な取り扱いを確保するために必要な措置を講ずるということで、私は、今までその措置の内容を公表したことは経験としてございませんけれども、必要な事態が生ずればそのようにしたいと思っております。
○平岡委員 必要な事態が生じればというのは、どこにもこれは書いていないんですね。「公表するよう努めなければならない。」と書いてあります。この法律が施行されたら、大臣、直ちにあなたは、自分の後援会について、こういうみずから講じた措置、そしてその措置の内容を公表するということを行われますか。
○細田国務大臣 これは、皆さんもさまざまな形でデータを持っておられると思いますが、よく検討いたしたいと思っております。
○平岡委員 僕は、この法案を提出する政府の担当の大臣として全く責任のない答弁になってしまっているという気がいたします。十分この点を詰めて、再度きちっと、自分がどのようなことをするのか、担当大臣として模範を示せるようなものをお示ししていただきたいと思います。
 きょうは、もうとりあえずここでとめておきます。
 それで、きょうせっかく、お願いにお願いを重ねて、やっと官房長官と議論ができることになりましたので、ぜひその関係で質問させていただきたいというふうに思います。
 実は、これはもう何回も何回も議論されている話ではあるんですけれども、私も最も重要な話だと思っておりますので、第三者機関としての委員会の問題でございます。
 かつて、昨年の十二月にも、個人情報の保護を任務とする個人情報保護委員会を内閣府の外局として設置すべきじゃないかというような質問に対して、官房長官はいろいろ答弁をされておられます。その答弁の内容は、「新たな第三者機関、これを設置いたしますと、既存の行政機関と事務が競合しまして責任関係が不明確になる、こういうおそれがあります。さらには、地方組織を含む膨大な組織の整備、これは行政改革の流れにも反する、言葉をかえれば屋上屋を架する、こういうことになるのではなかろうかと考えております。」というような答弁があります。
 表面的には確かにそういうことが言えるのかもしれませんけれども、よくよくその中身を見てみますと、例えば既存の行政機関と事務が競合するというような問題については、既存の事務というのは一体何を目的にやっているのか、必ずしも個人情報の保護を目的とするものではありません。
 例えば公正取引委員会をとってみれば、国土交通省が所管する建設会社というのがあって、建設会社は建設会社として必要な事業をしておりますけれども、片や、公正な取引を実現するという意味から、公正取引委員会が別の行政目的を持ってちゃんと仕事をしているということがあります。これは、確かに仕事の中身としては競合している部分はあるかもしれませんけれども、目的が違えば、競合という問題じゃなくて、本来それの目的に沿った組織というものがあってしかるべきだというふうに思います。
 そういう意味では、個人情報の保護という目的を持っておれば、別の組織で所掌することは当然ではないかというふうに思うんですけれども、この点について、官房長官の御答弁をお願いします。
○細田国務大臣 第三者機関論については、先ほど総務大臣もいろいろな角度から言われましたけれども、やはり主務大臣がさまざまな産業について知見も豊富であるわけでございますし、現にこの委員会でも、この問題はぜひ、例えば金融庁できっちり監督しろ、そういうような御趣旨の御主張もあるわけでございまして、まずは、いわば事業所管の官庁を主務大臣とすることが妥当ではなかろうかと思っております。
 また、公正取引委員会が所管しておりますのは独禁法上のさまざまな独自の視点からの規制でございまして、事業活動の中で実現を図るべき個人情報の保護をこれと同列に論ずることは必ずしも適切でないと考えております。
○福田国務大臣 ただいま細田大臣からも答弁がございましたけれども、個人情報の適正な取り扱いを十分に確保するためには、事業ごとのきめ細かい判断が不可欠である、そしてまた、当該事業に関する事務と一体的に処理することが実効的であるということから、各事業の発達、改善を図るべき大臣を主務大臣と、こういうふうにしているところでございます。
○平岡委員 そういうことを言われると、例えば、先ほど同僚議員の方からも質問がありまして、名簿取扱業者ですね。その名簿取扱業者が取り扱っている名簿の中には、ある地区の独居老人の人たち、あるいは身体障害者の人たちのリスト、あるいは独身者のリスト、それから歯医者さんに通っている人たちのリスト、こういうものを大量に取り扱っている、いろいろな種類の名簿を取り扱っている業者がいます。
 では、これについては、主務大臣というのは一体だれですか。
○細田国務大臣 基本的には、データを処理してサービスする事業者ですから、経済産業大臣が包括的に所管はあると思います。
 ただ、個別の、先ほどの多重債務情報のような固有の金融情報等につきましては、金融庁も関係が深いと考えております。
○平岡委員 そうなると、一つの業者に対していろいろな主務大臣がわあっと登場してきて、その主務大臣がみんな一緒になって協議をして物事をするというようなことは、ちょっと非常識的な感じだと思うんですよね。ある者は勧告をし、命令をするけれども、ある主務大臣はしないというのもまた変だと思うんですね。
 こんな変なことが生じてしまうというこの法律の仕組み、主務大臣制でやる仕組み、これに対しては非常に私はおかしいというふうに思うんですけれども、再度答弁をお願いします。
○細田国務大臣 主務大臣が何人か存在するというケースはこれまでもたくさん法律上ございまして、いつかちょっと御答弁申し上げたことがありますが、まず、クレーム等がある場合は、クレーム等を受けた主務官庁が自分のところで処理しようということを決断してもらって、関係する省庁があれば、それに連絡しながら、連携体制でやることは当然可能だと思います。
 問題は、それらが出てきても、いや、自分のところじゃないよという消極的権限争議のようなことが起こるケースも全くなきにしもあらずでございますが、これは内閣総理大臣の権限として最終的にその権限を決めるということになると思いますし、これまでもいろいろな例がございます。
 一番大事なことは、これは行政庁間の約束で決めるべきことでございますが、自分の省が主務大臣であると思うところは同時に相乗りしながら、しかし事象は一つでございますから、協力して事に当たるということは大事なことだと思っております。
 これは過去の行政にもたくさん例があることでございまして、それを逆に、権限争いのように、けんかをしながらいつまでたっても対応ができないようなことだけは避けなければならないわけでございますが、そのようなことは避けられると思っております。
○平岡委員 そのようなことを避ける意味でも、やはり個人の情報についての取り扱いをする組織というのは、きちっとした組織が単独でやるということが必要であるということを指摘しておきたいというふうに思います。
 それともう一つ、昨年の十二月の官房長官の答弁の中には、新たな第三者機関を設けると、地方を含む大規模な行政組織が必要になり、行革の流れに反するというふうに答弁しておられます。先ほど片山総務大臣もこれと似たような趣旨のことを言っておられましたけれども、例えば現在政府から提出されています人権擁護法案、この中に人権委員会というのがあります。この個人の情報の保護についても人権の中の一つの分野だろうと思いますけれども、こういう組織を使って個人情報の保護を図っていくということも私は十分に考えられるんではないかというふうに思っているわけであります。
 この点について、どうしても行革に反するからできないんだというんじゃなくて、もっと既存の組織をいろいろ使うことによって、行革に反しないでもやれることはできるんじゃないかというふうに私は思うんですけれども、官房長官、どうでしょう。
○細田国務大臣 やはり、平岡議員もよく官庁のことも御存じのように、官庁にもいろいろな欠点もございまして、では、新しい組織をつくればそれで直ちに始動してうまくいくのかという問題は、今後もよく考えていかなきゃいけない。今、主務大臣制度でうまくいかないかといえば、私は、大半の案件は円滑に処理されるし、大きな案件はさらにいろいろな行政措置につなげていかなきゃならないと思いますが、私は対応が可能であると。
 しかし、野党四党がいろいろ考えられた第三者機関も、考え方として全くこれは採用するに足りない、取るに足りない案だということを申し上げているわけじゃございませんで、今の行政の実態等から見れば、当面、急いで体制を確立して早く対応することが最も大事なことであるという意味も込めて申し上げているわけでございます。
○福田国務大臣 これも今細田大臣が申されたとおりでございますけれども、人権擁護委員会というふうにおっしゃったので、そのことで申し上げれば、人権擁護法案の人権委員会は主として個別事案に係る救済を目的としているのに対しまして、本法案は個人の権利利益の侵害の未然防止を図ることを目的といたしておりまして、主務大臣としての権限、これはその実効性を確保するための担保措置であって、この両者の性質というのは、これは異なるものでございます。
○平岡委員 私は、人権委員会がそのまま所掌しなさいと言っているわけじゃなくて、組織として似たような、要するに、個人の人権を守る、個人の権利を守るというような大きな目的があるわけですから、そのような大きな目的の中でこういう組織を活用することによって、そして第三者委員会、制度でやるということについての行革上の問題をクリアできるんではないか、そういう意味で言っているわけでありまして、こういう組織が使えないという理由は何かあるんですか。
○細田国務大臣 これまでも各行政庁、大変いい訓練を受けておりまして、こういう問題があれば、消費者保護の問題でもそうですが、それぞれの担当に応じて非常に機動的に動くというふうに考えられるわけでございまして、今新しい組織を立ち上げてこの対応を行うという必要はむしろ小さいと申しますか、今は十分に主務大臣の規定を動かしていくことが大切ではなかろうかと思います。
 また、各省は、みんなまじめなものでございますから、先ほど総務大臣も言われましたように、苦情があって、一たんいろいろな案件があれば本当に一生懸命取り組んで対応する体質になっておりますから、私は大きな心配をしておりません。むしろ、議員の皆様方から、何かほうっておくんじゃないかという議論と、規制を強化し過ぎて主務大臣がいろいろな強過ぎることをやって変な指導をするんじゃないかという、両様の御意見が出るので、そこはむしろ中庸のことでできるんじゃないかなと思っております。
○平岡委員 その両様の意見をうまく調和させると言ったら語弊があるかもしれませんけれども、そういう意見を踏まえて考えてみれば、やはり第三者機関においてやっていくことが一番適切であるというふうに私は申し上げたいというふうに思います。
 さらに、別の視点からこの問題についてちょっと申し上げてみたいと思います。
 実は、独立行政法人についても個人情報保護法案というのが出ております。この別表に掲げられている法人名を見ると、いろいろな法人がありますけれども、例えば日本道路公団も入っています。日本道路公団について言えば、これから民営化をするんだというような位置づけになっていますね。JRについてはこの中に入っておりません。
 例えば日本道路公団を取り上げてみた場合、取り扱っている情報というのは、多分、民営化の前も後もほとんど変わらない情報を取り扱っているんだろうと思うんですけれども、この日本道路公団が民営化される前と後とで個人情報保護に関する取り扱いが異なることになります。例えば、民営化前であれば自分たちが判断をする、ただし、決定をするに当たっては情報公開・個人情報保護審査会の諮問を受けるといったような仕組みになっている。ところが、民営化されちゃうと、多分、主務大臣の勧告あるいは命令というものの対象になる組織になってしまうというようなことになるわけですね。本来の目的からいえば、個人情報の保護という目的からしたら、やり方がこんな急に変わってしまうというのはちょっとおかしいんじゃないか。そういう意味で、私はやはり個人情報保護委員会といったような第三者機関が官民を通じて個人情報の保護について責任を持ってやっていくという仕組みが必要ではないかというふうに思います。
 この点について、官房長官、御答弁をお願いいたしたいと思います。
○片山国務大臣 独立行政法人については、今法案を出させていただいております。
 これは、行政機関に準じて措置を講じようというものでございまして、今お話がありましたが、考え方は、行政機関と同様に扱うことが適当な政府の一部を構成すると見られる法人、これを同じ扱いにしているわけでありまして、民営化された法人については、これは基本法制である個人情報保護法の対象になる、その個人情報取扱事業者としていろいろな措置を受ける、こういうことになるわけであります。
 日本道路公団は、まだこれは特殊法人ですからね。これが民営化されるという議論が始まりますけれども、いつ、どのような形で民営化になるか。まだ今民営化じゃないんですから、だから基本法制の方の対象じゃない。独立行政法人等個人情報保護法の対象でございますので、ぜひ御理解を賜りたい。
○平岡委員 だから、それがおかしいじゃないかというふうに私は言っているんですね。独立行政法人のときは、何か知らぬけれども、さっき言ったような情報公開・個人情報保護審査会というものの関与の中で動き、民営化されちゃうと今度は主務大臣の勧告、命令を受けるような対象としてある。同じ個人情報を取り扱っておりながら、ころころころころとは言いませんけれども、仕組みが変わってしまうというのは、なかなか説明しづらいでしょうと。
 だから、やはり個人情報というのは、何を守るかといったら、個人の情報を守っている。つまり、守られるべき主体というのがいて、その人たちのことを考えて制度をつくらなきゃいけないわけですね。そういうふうに考えたら、やはりきちっと、できるだけ統一的な組織が個人の情報の保護について見るという仕組みが必要ではないか。そのためには、第三者機関としての個人情報保護委員会といったものをつくってやるべきじゃないかというのが私の意見なんです。
 ぜひ、片山大臣もうなずいておられますから、よく理解していただいたと思いますので、私どもは――あ、違ったんですか。
○片山国務大臣 日本道路公団が本当に民営化されて株式会社等になるには、国会の意思で正式に決まらにゃいけませんね。決まる前に、これは民営化するんだから民の方に入れるというわけにいかない。
 そこで、平岡委員が言われたのは、恐らく、もう官も民も一緒にして第三者機関の対象にしよう、こういうお話でしょうけれども、民間に対する基本法制と行政機関の法制では相当違うんですよ。これは一緒にできません、今のままでは。
 そういう意味では、日本道路公団が特殊法人等である限りは独立行政法人の個人情報保護法制の対象になり、民営化されたら基本法制である個人情報保護法制の対象になる、こういうことでございます。
○平岡委員 また人権委員会の話を出して恐縮ですけれども、人権委員会というのは、民間で行われる人権侵害であろうと、行政機関が行う人権侵害であろうと、これはやはり同じように見るんですよね。私がさっき言っていた個人の情報の保護という観点は、別に行政機関のためにあるわけじゃない、民間の業者のためにあるわけじゃない。要するに、個人の権利を守ってあげよう、個人の利益を守ってあげようという、そういう仕組みとしてあるわけですから、できる限り、それを所管する省庁、役所というのはやはり一本化されていることが必要であるということを申し上げまして、私、時間が来ましたので、終わりたいと思います。
○村井委員長 再び、大畠章宏君。
○大畠委員 平岡委員の質問に続いて質問をさせていただきます。
 官房長官におかれましても、大変忙しいところ御臨席をいただいて、久々に三人の大臣がそろわれたようであります。三人の大臣を前にしますと大変懐かしいわけであります。
 先ほど、ちょうど私、最初の質問に立ったときに申し上げさせていただきました。去年の四月二十六日に五法案の法案趣旨説明があり、五月十七日、福田大臣、竹中大臣、片山大臣、そろいました。五月二十二日も三大臣がそろい、議論をさせていただいたところであります。このときは住民基本台帳法との関係が大変熱を帯びまして、紛糾した記憶がございます。さらには、五月二十九日には小泉総理が出席をされまして、竹島官房副長官補も出席をされた。このときは読売新聞の修正案が議論になりまして、総理がもう法案審議が始まると同時に修正案の話をしたんじゃないかというんで、小泉総理の真意を問うということで小泉総理にも出席をしていただき、読売試案が発表されたときに竹島官房副長官補が関与していたんじゃないか、こういうふうな話もありまして、御出席をいただいたということでございます。そして翌々日、五月三十一日には、今度は防衛庁長官に出席いただいて、防衛庁のいわゆる情報公開を請求した方のリストが防衛庁内で存在したということで、これがまたいろいろ論議を呼びました。行政官の守秘義務というものに関してとか、あるいは先ほどから論議されておりますように目的外利用の問題等々、大変な議論がされたところでございます。
 こういう経緯を経て、今政府の方も、そういうさまざまな論議を経ながら、先ほども総務大臣からもお話がありましたが、政府としても、法案の一部修正をして出し直すということになったわけであります。
 私の記録といいますか、実は読み起こしました。ちょうど衆議院内閣委員会の会議録というのはこのぐらいなんですが、その間ずっと官房長官も、総務大臣あるいはIT担当大臣以外のところの行政の個人情報保護法を所管する大臣にかわって官房長官がずっと出席をいただいたわけであります。
 改めてきょうは官房長官に、この一年間の審議を経て政府が修正案を提出した、こういう経過を踏まえながら、新しい法律案について、そして個人情報保護という問題についてどのような御見解をお持ちか、まず最初に官房長官にお伺いしたいと思うんです。
○福田国務大臣 今委員から以前の質疑の状況などお話しいただきまして、大変懐かしいなと思っております。しかし、内容的なことはもうすっかり覚えていないんですけれども、いろいろと追及を受けて、その都度苦労した思いをいたしております。
 個人情報保護法制というのは、IT社会、この便益を考えますと、国民が安心してIT社会の便益を受けるようにするために不可欠なものである。これは、そういう意味においては、IT社会実現の基盤であるというように言っても過言ではないと私は思っております。これは、私だけじゃない、みんなそういうふうに思っているわけでございます。
 この法案は、もともと、表現の自由それから個人情報の保護の両立を図る、こういう趣旨から立案されまして、本来、メディア規制を内容としないで、その意図も全くなかったのでありますけれども、さきの国会審議におきましては、メディア規制という意図があるのではないかという不安、懸念が払拭され切れなかったというようなことから廃案とされた、こういうことでございます。そのために、この新法案では、その趣旨を一層明確にするために、与党の修正要綱も踏まえまして基本原則の削除等の修正を行ったものでございます。
 いずれにしましても、これからの社会において大変大事な法案であるということにおきまして、ぜひ御理解を賜りたい、このように思っているところでございます。
○大畠委員 官房長官としては、大変忙しいし、当時は有事法制も同時並行的に論議をされていまして、内閣委員会がなかなか立ち上がらなかったというので、そういう意味からしますと、この一年の間にさまざまなことがありましたからなかなか詳しく記憶されていないというお話かもしれませんが、ぜひ思い起こしていただいて、これは非常に重要な法律案でありますし、改めて個人情報保護について、国民の立場に立って、よりいいものにしようという立場から官房長官としても御尽力いただきたいということを申し上げさせていただきます。
 そこで、先ほどからずっと論議がされておりますが、正直言いまして、私、昨年一年間のこの議事録を読ませていただきましたが、本当にいろいろ、与党の皆さんは与党の皆さんでいろいろ論議があるかもしれませんが、しかし、非常にいい論議をしましたね。そういうものが積み重なって今回の修正案につながったのですが、今回の修正案も、先ほどから論議されていますように、まだこれは再修正をするような内容が随分含まれているような感じがするのですね。
 片山総務大臣も、それから細田大臣も、いや、この状況で大丈夫なんだという話でありますが、先ほどの防衛庁のリストの問題でもそうでありますし、第三者の機関の問題についても先ほど同僚議員からお話ありましたように、それから、細かな問題になると何かよくわからなくなってきて、このまま法律が通りますと国民が大変混乱するんじゃないかという疑念を禁じ得ません。ですから、国民にこれだけの大きな影響を与えるものでありますから、そういう与野党の議論を踏まえて、本来は再修正をするのが妥当じゃないかと私自身は感ずるわけであります。
 そこで、きのうの参考人の質疑の中で、私もいろいろ伺っていまして、あっ、これはどうなんだろうかという心配事が幾つかございました。それをちょっとここでお伺いしたいわけです。この個人情報保護五法案というものの対象に子供というのは該当するのかどうか、これが参考人の質疑の中で出てまいりましたね。子供というのはこの法律案の対象になるのでしょうか。
○細田国務大臣 本法案におきましては、実効性の担保のために主務大臣の権限を定めておりますが、報告徴収、助言を基本としており、権利利益の侵害がある場合にのみ勧告が認められ、さらに、勧告に従わずに権利利益の侵害が切迫している場合でなければ命令はなされない仕組みでありまして、罰則が適用されることとなるのは命令違反の場合のみであります。
 お尋ねのような、子供が本法案の事業者となることは通常ほとんどないと考えられるわけでございますが、仮に、取扱事業者に該当し、かつその規律違反に対して主務大臣の関与が必要になる可能性は、あるかもしれないというふうには考えております。しかしながら、この場合、本法案の目的は個人情報の適正な取り扱いの確保にありますことから、主務大臣においては、当該事案の対象に応じた最もふさわしい措置が検討されるものと考えられます。
 子供が問題になるようなケースというのはどういう事態を想定しておられるのか、これもちょっと、参考人の御意見もわからないところでございます。
○大畠委員 最近の犯罪の低年齢化というのが随分指摘されていますね。これは、殺人事件ですとか、あるいはホームレスの人に対してかなりの危害を加えて殺人事件を起こしたとかいう情報もありますし、それからコンピューター関係は、もう子供の方が、情報といいますか、技能といいますか、知識というのは非常に広範に発展しているんですね、大人よりも。したがって、個人情報保護法が想定された前提は、コンピューターのいわゆるIT社会、あるいはネット社会というものにおける個人情報をどう保護するかということですから、大人も子供もその範疇に入ってくるわけですね。
 きのうの参考人の話では、この法律案は、子供とか大人とかに分けていない、したがって、子供に対してはどういう判断をするのかがどうもあいまいであるという指摘がありましたので質問をさせていただいたわけでありますが、今の細田大臣のお話では、これは、子供、大人、要するに、年齢は一切関係なくこの法律を適用するというふうに理解してよろしいでしょうか。
○細田国務大臣 子供とおっしゃったのでちょっとあれですが、いわゆる未成年者で、コンピューター、パソコン、インターネット等に非常に明るくて、そういうサイトにアプローチしたり、そこから情報をとったり、そういう人がいるではないかという御質問ですね。そういう場合には、この法案全体にはかかる場合があり得ると思いますが、罰則全体について、これは、あらゆる日本の法令の罰則の適用に関連して、未成年者をどう扱うかということは横並びの議論があると思います。
○大畠委員 これと関係して、いわゆる対象の中の事業者ということなんですが、結局、ここのところも問題なんですね。対象事業者とは何ぞやという、これがわからないんですよ。対象事業者とは何ぞや。だから、未成年者でも成年者でも、とにかく、どういう状態を対象事業者とするのかというこの定義が、ずっと論議を聞いておりますが、あいまいなんですね。
 例えば、例えがいいか悪いかはわかりませんが、ゴマが入ったあめをなめてはだめですよという法律があったときに、それを知らなければ、いろいろなものを購入してなめていた、ところが、おい、法律違反と。その法律の適用というものが明確でなければ、ここまでは対象事業者で、ここからはだめですよという、その区分けが国民にきちっとわからなければ、どんなに法律をつくったとしても、国民が判断できないというか理解しない法律をつくって、法律適用であなたは有罪と言われたときに、国民が今度は困るわけですね。
 したがって、ここの法律案の一つの問題点としては、対象事業者の定義というのがより明確になるようにしないと私は不十分ではないかと思いますが、改めて大臣の御見解を伺います。
○細田国務大臣 国際的にもよくハッカーが出て、ハッカーをどんどん追っかけて捕まえてみたら子供というか未成年者だったというようなことがあって、これの法律適用がどうなっているのか。例えば、これは家庭の責任等もあって、家庭裁判所とかそういうところに指導を頼む場合もあると思うわけでございます。
 確かに、個人情報取扱事業者という場合には、年齢の定義はしておりませんで、はっきりと、例えば「個人情報データベース等を事業の用に供している者」と定義されており、かつ特定の個人が識別される個人情報が含まれていない場合には個人情報データベース等には該当しないとか、そのほか要件がいろいろ書いてあって、かつ五千件以上ということを政令で縛ろう、それから利用方法についても、そのまま保管、運送、販売等を行う場合を想定しておりますが、それに該当する場合には個人情報取扱事業者とはならないというような要件が書いてあります。
 また、「事業の用に供している」とは、一定の目的のもとに反復継続し、社会的に事業として認められる状況にあるものをいうのであって、日常生活で利用する場合や他人が一般的に提供するサービスを単に利用する場合は事業の用に供していることにならない、こういった要件を当てはめて、個別に対応をするということになると思います。
 やはり、一般的に、こういう事態をつかまえた場合に、指導するということも大きな行政の対応だと思っております。
○大畠委員 細田大臣も途中で竹中大臣にかわって登板されて非常に大変なことはわかりますが、先ほどの委員からの話をいろいろ聞いておりましても、なかなか、この法律のかぶせる範囲が非常に広いものですから、どこがどうなのかということを、きちっと区分けが十分にされていないという感じを私は持ちますね。このまま網をかぶせますと、効果があるところもあるでしょうけれども、何かいつの間にか網をかぶせられてしまっているという、混乱が生ずる可能性があるんじゃないかということを指摘させていただきます。
 それからもう一つ、これもきのうの参考人の質疑の中で、これはどうなんだろうかと私自身がよく理解できなかったところがあるんですが、死者の情報というのは、故人の情報、亡くなった方の情報というのは、どういうふうにこの法律では取り扱っていくのか、あるいは意識していくのか、このことについてお伺いしたいと思います。
○細田国務大臣 本法案では、二条におきまして、個人情報の範囲につきましては「生存する個人に関する情報」と規定し、死者に関する情報は除かれているわけでございます。これは、本法案が、個人情報の本人を対象として、本人の権利利益の侵害を未然に防止することを目的としており、遺族などの第三者の権利利益を保護することまでも意図するものではないためであります。
 ただし、死者に関する情報が、同時に遺族など生存しております個人に関する情報でもある、非常に大きな影響があるというような場合には、これはその生存する個人に関する情報として、法案の対象となるわけでございます。
○大畠委員 このことも非常にあいまいといいますか、それでは、亡くなった方の個人情報というのはどういうふうに守られるのか。この法律案の対象外ということであれば、それは自由に勝手に使っていいんだということになってしまうと、遺族の方としては抹消してほしいという要請があるのかもしれません。あるいは、その亡くなった人の情報はどういうふうにして利用されていますかと。また、亡くなった人の情報だけ集めていろいろ利用するという方法も、こういう社会ですからあるかもしれませんが、その亡くなった人の個人情報というのは、ではだれがどうやって守っていくのか。死者の個人情報というのはこの法律の対象外というんですが、どういうふうに考えたらいいのか、細田大臣のお考えを伺います。
○細田国務大臣 もし、いろいろな権利侵害があり、不法行為が個人に対して行われている等のことがあれば、これはその相続を行う者から損害賠償等を要求することはできると思います。
 ただ、よく死者の情報といって問題になる例は、入院して治療を受けて、しかし、手術を受けたけれどもお亡くなりになってしまった、医療情報等を開示しろというような場面で起きることがあると思うんですが、通常は、これは個人情報保護法によってというのではなく、いろいろな不法行為その他、そちらの方で対応されるべきものと考えております。
○大畠委員 そろそろ予定の時間が参りましたので、最後の質問にさせていただきます。
 官房長官もきょう御出席でございますし、官房長官、今のやりとりをずっと聞いておられて、私は、やはりこの法律案、一言で言うと、どうも大ざっぱ過ぎるんですね。例えば信号だったら、青とか赤とか黄色とか、三色なんでしょうけれども、これはグレーだとか、これは何色かわからないのもあるし、これはどう判断していいかわからないというのがたくさんありまして、それの整理が十分にされていないんじゃないかと私は思うんですね。
 個人情報保護というのは大変重要なんですね。重要だという認識はあります。かつて情報公開法というものができまして、さまざまな評価を受けていますが、某総理大臣の前科とか前歴記録を要求した者に対しては警察庁としては文書の有無自体を答えないのは妥当ということで、情報公開審査会では評価されたり、いろいろ社会の流れの中で、個人情報保護法と同時に、情報公開法とかさまざまな関連の法律があるんですが、私は、官房長官、そういうものを含めてもう一回よく整理して、国民が、この法律が施行されたときに戸惑わないように、そして、いい法律ができましたね、これで私たちの個人情報はきちっと守ることができましたということを実感できるような法律案にすべきだと思うんです。
 官房長官として、国民の立場に立って、今のいろいろなやりとりを聞いておられてどういうふうに感じておられるのか、お伺いしたいと思うんです。
○細田国務大臣 ちょっとその前に。
 私は、新しい事象についてどう考えるか、解釈するか、例えば保坂先生の御意見とか、それぞれ金融に関する個別の、先生の御意見については、いろいろやはり対応はしていかなきゃいけませんねということは申してはおります。
 しかし、この法案が、個人情報コントロール権の問題にいたしましても、センシティブ情報の問題にしましても、第三者機関の問題にしましても、個別立法がどのぐらい今後必要であるかというような問題については、すべてはっきりとお答えしておりますし、我々の考え方は申し上げております。ただ、野党の法案を、その点で個別に攻撃的な内容で御答弁することはしておりません。
 しかし、今、例示でそれぞれ言われたことは、社会で生じている、一種の悪として出ている、故意に大量の情報を人に密売したり、勝手に利用したり、人の権利を阻害したり、そういう事象についてはきっちりと対応できるということを基本的に申し上げているわけでございまして、それは、カーナビでこういう場合はどうだということは、もちろんテクニカルな問題ですから詰める必要がありますが、そこで、では具体的にどういう重大な権利の侵害が起こるかというような議論をするときに、大きな点はすべてお答えしているつもりでございます。
 それから、報道、出版その他の関係もはっきり申し上げておりますので、大きなラインではほとんど紛れのない法案審議になっておると私は確信しております。
○福田国務大臣 この法案は、個人情報の有用性に配慮しながら、個人の権利利益を保護することを目的といたしておりまして、あらゆる事業分野を対象に、必要最小限の規律を定めている、そういうものでございます。さらに厳格な取り扱いをする必要がある個人情報については、今後、個別分野を所管する各府省において必要な措置を検討すべきと考えております。
 また、いかなる制度も、つくって終わり、こういうことではありません。結局、人が利用して運用するというものでございますので、それぞれが法の趣旨、仕組みを的確に理解して初めて所期の効果が生まれる、こういうものでもあろうかと思います。したがって、事業者側にも利用者側にも制度が十分理解されるよう普及啓発するということが最も重要かつ不可欠な課題である、このように考えているところでございます。
○大畠委員 今、御答弁をいただきましたけれども、特に細田大臣からお話がありました三つの視点についてという話でありますが、そこがやはりこの法律案はまだ問題があるということを指摘しなければなりません。できるのであれば、国民の立場に立って、改めてそういう点を修正して出すのが一番国民のための個人情報保護法になるんじゃないか。
 行政と民間の個人情報保護ということを前提としてやっているわけでありますが、特に官の持っている個人情報をどういうふうに市民がコントロールできるか、ここら辺もどうもあいまいなところがありますし、できれば与野党で話し合って、さらに国民のための個人情報保護法にしていただきたいということを希望して、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○村井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時三十六分散会