第159回国会 予算委員会 第2号
平成十六年一月二十六日(月曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 笹川  堯君
   理事 大野 功統君 理事 北村 直人君
   理事 杉浦 正健君 理事 園田 博之君
   理事 松岡 利勝君 理事 玄葉光一郎君
   理事 筒井 信隆君 理事 細川 律夫君
   理事 谷口 隆義君
      安倍 晋三君    伊藤信太郎君
      伊吹 文明君    今井  宏君
      植竹 繁雄君    尾身 幸次君
      大島 理森君    奥野 信亮君
      倉田 雅年君    小泉 龍司君
      小杉  隆君    小西  理君
      下村 博文君    鈴木 俊一君
      中馬 弘毅君    津島 雄二君
      中山 成彬君    丹羽 雄哉君
      西川 京子君    萩野 浩基君
      蓮実  進君    早川 忠孝君
      古屋 圭司君    町村 信孝君
      松島みどり君    宮下 一郎君
      渡辺 博道君    井上 和雄君
      池田 元久君    石田 勝之君
      生方 幸夫君    海江田万里君
      河村たかし君    木下  厚君
      吉良 州司君    小泉 俊明君
      小林千代美君    鮫島 宗明君
      首藤 信彦君    達増 拓也君
      中津川博郷君    平岡 秀夫君
      藤井 裕久君    前原 誠司君
      石田 祝稔君    遠藤 乙彦君
      太田 昭宏君    高木 陽介君
      穀田 恵二君    佐々木憲昭君
      照屋 寛徳君
    …………………………………
   内閣総理大臣       小泉純一郎君
   総務大臣         麻生 太郎君
   法務大臣         野沢 太三君
   外務大臣         川口 順子君
   財務大臣         谷垣 禎一君
   文部科学大臣       河村 建夫君
   厚生労働大臣       坂口  力君
   農林水産大臣       亀井 善之君
   経済産業大臣       中川 昭一君
   国土交通大臣       石原 伸晃君
   環境大臣         小池百合子君
   国務大臣
   (内閣官房長官)
   (男女共同参画担当)   福田 康夫君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (青少年育成及び少子化対策担当)
   (食品安全担当)     小野 清子君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      石破  茂君
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当)
   (個人情報保護担当)
   (科学技術政策担当)   茂木 敏充君
   国務大臣
   (金融担当)
   (経済財政政策担当)   竹中 平蔵君
   国務大臣
   (規制改革担当)
   (産業再生機構担当)   金子 一義君
   国務大臣
   (防災担当)       井上 喜一君
   内閣官房副長官      細田 博之君
   内閣府副大臣       佐藤 剛男君
   総務副大臣        山口 俊一君
   法務副大臣        実川 幸夫君
   財務副大臣        山本 有二君
   文部科学副大臣      原田 義昭君
   厚生労働副大臣      谷畑  孝君
   厚生労働副大臣      森  英介君
   農林水産副大臣      金田 英行君
   環境副大臣        加藤 修一君
   内閣府大臣政務官     西川 公也君
   内閣府大臣政務官     宮腰 光寛君
   防衛庁長官政務官     嘉数 知賢君
   防衛庁長官政務官     中島 啓雄君
   総務大臣政務官      松本  純君
   外務大臣政務官      田中 和徳君
   外務大臣政務官      松宮  勲君
   文部科学大臣政務官    田村 憲久君
   文部科学大臣政務官    馳   浩君
   厚生労働大臣政務官    竹本 直一君
   経済産業大臣政務官    江田 康幸君
   経済産業大臣政務官    菅  義偉君
   国土交通大臣政務官    佐藤 茂樹君
   国土交通大臣政務官    斉藤 滋宣君
   環境大臣政務官      砂田 圭佑君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    秋山  收君
   政府参考人
   (農林水産省消費・安全局長)  中川  坦君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  白須 敏朗君
   参考人
   (日本道路公団総裁)   近藤  剛君
   予算委員会専門員     清土 恒雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
一月二十六日
 辞任         補欠選任
  尾身 幸次君     早川 忠孝君
  滝   実君     伊藤信太郎君
  玉沢徳一郎君     奥野 信亮君
  西川 京子君     古屋 圭司君
  蓮実  進君     安倍 晋三君
  二田 孝治君     今井  宏君
  町村 信孝君     宮下 一郎君
  鉢呂 吉雄君     小林千代美君
  藤井 裕久君     前原 誠司君
  高木 陽介君     太田 昭宏君
  佐々木憲昭君     穀田 恵二君
同日
 辞任         補欠選任
  安倍 晋三君     下村 博文君
  伊藤信太郎君     渡辺 博道君
  今井  宏君     二田 孝治君
  奥野 信亮君     玉沢徳一郎君
  早川 忠孝君     松島みどり君
  古屋 圭司君     西川 京子君
  宮下 一郎君     町村 信孝君
  小林千代美君     鉢呂 吉雄君
  前原 誠司君     藤井 裕久君
  太田 昭宏君     高木 陽介君
  穀田 恵二君     佐々木憲昭君
同日
 辞任         補欠選任
  下村 博文君     蓮実  進君
  松島みどり君     尾身 幸次君
  渡辺 博道君     小西  理君
同日
 辞任         補欠選任
  小西  理君     滝   実君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成十五年度一般会計補正予算(第1号)
 平成十五年度特別会計補正予算(特第1号)
 平成十五年度政府関係機関補正予算(機第1号)
     ――――◇―――――
○笹川委員長 これより会議を開きます。
 平成十五年度一般会計補正予算(第1号)、平成十五年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十五年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省消費・安全局長中川坦君及び農林水産省生産局長白須敏朗君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○笹川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○笹川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安倍晋三君。
○安倍委員 まず初めに、イラクで行われている人道復興支援活動への自衛隊の派遣についてお伺いをしたい、このように思います。
 ただいま国際社会は、イラク人のイラク人によるイラク人のための平和で民主的な自由な国をつくるために、産みの苦しみの中で、四十カ国近い国々が参加をしながら、その中で懸命な努力を続けているところであります。我が国も、その責任を果たす、そしてまたこの産みの苦しみを分かち合うと決意し、昨年、閣議において基本計画を閣議決定し、そして世界にその意思を示したわけであります。
 既に航空自衛隊はクウェートの地に赴き支援活動に入ったわけでありますし、きょう第二陣も出発をする、こう聞いております。また、海上自衛隊も準備万端整っているわけでありますし、陸上自衛隊の先遣隊もサマワに赴いたわけであります。
 この活動に対して、菅代表も民主党も、憲法違反である、こう主張しております。政策的な判断で行かないということではなくて、憲法違反と言い切っているわけでありますから、こうした活動は今後一切しないということを宣言しているにも等しいのだろう、こう私は思うわけであります。
 しかも、テロリストの攻撃に対して反撃することは武力行使であると。ということは、今既に行っている海外での、例えばインド洋での活動等々も事実上できなくなってしまうということにもなっていくわけであります。
 私は、決してそんなことはない、こう思います。
 憲法とそしてイラク特措法上の自衛隊の活動について考えてみたい、こう思います。
 憲法が禁じているのは、海外での武力行使と集団的自衛権の行使であります。これは、必要最小限度の範囲を超える自衛の行使であるという政府の解釈でございます。人道復興支援活動は、もちろん、このどちらにも当てはまらないわけであります。また、安全確保支援活動も、現地で戦闘行為が行われていなければ武力行使と一体化するということにはならないわけでありますから、このどちらの行使にもならないわけであります。もちろん、先ほど申し上げましたように、テロに対する反撃は正当防衛であります。
 先般、先遣隊から現地の事情を政府は聴取されたと思います。私もお伺いをいたしました。この観点から、総理はどのように現地の状況を判断しておられるのか、自衛隊の本隊、陸上自衛隊の本隊の派遣の可否をどのように考えておられるか、お伺いをしたいというふうに思います。
○小泉内閣総理大臣 けさ、委員会が始まる前、八時過ぎですか、石破防衛庁長官から、現地の状況を伺いました。
 比較的治安状況も安定し、自衛隊の諸君は現地の住民、部族長あるいは知事等から歓迎されている、今後ともイラク特措法に基づく非戦闘地域として自衛隊の活動できる分野はあるという報告を受けました。
○安倍委員 政府としては、サマワでの陸上自衛隊の活動は合法であり、合憲であるという判断をされたということでございます。
 しかし、合法であり合憲であるからといって、サマワの地が完全に安全であるというわけではないわけであります。しかし、石破長官がおっしゃったように、確かにそこにリスクはあるけれども、リスクを超えてなおかつ達成すべき目的はそこにあるということなんだろうと私は思うわけであります。
 自衛隊の諸官は、入隊する際に、我が国の平和と独立を守るために、事に臨んで危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託にこたえますとの服務の宣誓を行うわけであります。そして、危険を回避するために、非常に厳しい、過酷な訓練を積んでいるわけであります。彼らにしかできない崇高な使命を果たすために、イラクの地に赴くわけであります。
 我々自由民主党は、彼らに対してしっかりと支持をしていきたい、こう思うわけであります。そして、それは我々責任ある政治家の使命でもある、こう考えるわけであります。
 自衛隊はまた、今まで海外で数多くの国際貢献を行ってまいりました。湾岸戦争時における掃海活動、またカンボジアでのPKO活動、モザンビークでのPKO活動、ルワンダでの人道支援活動、ゴラン高原でのPKO活動、インド洋での対テロ後方支援活動、そして東ティモールでのPKO活動などであります。こうした活動にも危険は伴っていたわけでありますし、危険もあります。こうした活動をしっかりと行ってきた彼らに対して改めて敬意を表したい、このように思うわけであります。
 続きまして、イラクのイラク人化について、その早期実現の観点からお伺いをしたい、こう思います。
 昨年の十一月十五日に、CPAと暫定統治機構は、イラク人への権限移譲のプロセスについて合意に達しました。二月には統治のための基本法を制定して、五月に暫定議会を選出し、そして六月には移行行政機構の選出と承認を行い、CPAは解散をし、統治機構は役割を終えるということであります。
 先般、CPAは、この直接選挙の是非を探るための専門家チームを送るように国連に要請をしたわけであります。こうしたプロセスの段階から現地においてしっかりと国連が役割を果たすことが、このプロセスの権威をより高め、イラクの安定のためにも大変資することになるのだろう、こう私は思うわけであります。
 イラクへ国連がしっかりとこの役割を果たす、そういう雰囲気を醸成するために日本の果たす役割は大きい、こう考えておりますが、外務大臣にその点お伺いをしたいと思います。
○川口国務大臣 おっしゃられるとおりでございまして、国連の十分な関与を得ながらイラクの復興をしていくことが大事であると思いますし、そのために、我が国として国連が十分に関与するような形で働きかけていくということが重要であると思います。
 また、その観点から、先般、総理特使として中山先生にアナン事務総長とお会いいただき、いろいろなお話をしていただいたということでございます。
 国連関与の問題については、当面、選挙及び治安、この二つの問題を議論する形の中で具体化をしていくというふうに考えております。
○安倍委員 中山特使が政府特使としてアナン事務総長に面会し、会談をされたということでありますが、同じく政府特使として橋本元総理が十二月の十四日からイギリス、フランス、ドイツを訪問し、そして、特にドイツ、フランス、シュレーダー首相、シラク大統領と会見をし、日本のイラクへの派遣に対する理解と、そしてまた、残念ながら、この両国は人道復興支援活動に参加をしていないわけでありますが、こうした活動への支援の要請をしたというふうに伺っております。その成果について、まずお伺いをしたいと思います。
 もう一点あわせて、先週二十二日に、アラブ諸国の大使の皆さんと昼食をとる機会がございました。その際に、日本の自衛隊のイラクへの派遣について理解を求めたわけでありますが、パレスチナの代表を含めすべての大使の皆さんは、我が国の自衛隊の派遣について理解を示し、そしてまた、その意義についても理解をしていただいたところであります。
 しかしながら、今、中東での大きな問題であるパレスチナ問題、中東和平についても日本はしっかりと役割を果たしてもらいたい、そして、今、残念ながら、安全の関係からパレスチナへのODAが減額をされているわけでありますが、何とかこのパレスチナへのODAをしっかりと行ってもらいたい、こういう要請がございました。
 イラクでの日本の政策へ理解を深めてもらうためにも、しっかりとパレスチナ問題について日本が取り組んでいく、また、支援を行っていくことが必要というふうに考えますが、このこともあわせて外務大臣に御質問したいと思います。
○川口国務大臣 総理特使といたしまして、先般、橋本元総理を初め大勢の方に外国に行っていただきましたが、橋本特使には、フランス、ドイツにおいて、シラク大統領、シュレーダー首相とお会いをいただきまして、その中でフランス及びドイツからイラク復興への積極的な姿勢を引き出していただいたということは、大きな成果であったというふうに思っております。
 フランス及びドイツですけれども、現在、イラクにおいて人道支援は実施をしておりますけれども、治安分野について支援について検討しているということであると承知をいたしております。引き続き、国際協調をつくるということでは努力をしてまいりたいと思います。
 それから、中東和平の件でございますけれども、おっしゃるように、中東地域の和平、平和と安定という観点でいきますと、この中東和平の問題が非常に大きな問題、最も大きな問題というふうに中東地域の方々はお考えでいらっしゃると思います。我が国としても、イスラエル・パレスチナの問題については引き続き働きかけていくということで考えております。
 先般、国連の緊急アピールがございまして、それにこたえまして、約千五百万ドルの資金の支援をいたしております。今既に六億五千万ドルを超える資金を、九三年以降でございますが、支援をしてきております。引き続き、人道それから改革、そして信頼醸成、この三分野でパレスチナを支援していきたいというふうに思っております。ODAによる協力も含めて、しっかり支援をしてまいります。
○安倍委員 次に、北朝鮮問題について質問したいというふうに思います。
 最近の北朝鮮の動向の中で、政策が少し変化してきたのではないか、北朝鮮の対外政策が少し変化してきたのではないかという議論があります。確かに、米国の調査団を受け入れた、あるいは拉致問題についてのいろいろな発言等々があるわけであります。しかし、彼らの本音はどこにあるのかということをしっかりと分析し、見きわめていくことが必要である、こう思います。
 昨年五月に、小泉総理がクロフォードにおいてブッシュ大統領と会談をした際に、北朝鮮に対して対話と圧力の姿勢で外交を展開していくということで一致し、それを基本的な方針にしたわけであります。もし、今、北朝鮮が国際社会の中で孤立を深めることに耐えられず政策を変えているのであれば、この基本的な姿勢が間違っていなかったということの証左ではないだろうか、こう私は思うわけであります。
 彼らが政策を変えずに事態が悪化するようであれば、しっかりと圧力をかけていく必要があると思います。その意味におきまして、自由民主党といたしましては、我が国独自で経済制裁を行うことを、政府によってそれができるようにするための法律でございます外国為替及び外国貿易法の改正案を既に党として取りまとめております。この国会の早い時期に成立をさせたい、こう思うわけであります。
 しかし、もし、彼らが政策を変えて、そして国際社会の中で責任ある行動をとろうということになってくるのであれば、しっかりとその機会をとらえる、そして対話を進めていく努力が大切である、このように思います。
 この対話と圧力、この政策を今後とも堅持していく必要がある、こう私は考えておりますが、政府の、そして総理の御見解をお伺いしたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 北朝鮮に対しては、拉致の問題、核の問題等、包括的に、総合的に解決しなければならない、なおかつ、北朝鮮が国際社会の責任ある一員となるように外交的、平和的解決を目指して取り組まなきゃならないというのは、日本政府の一貫した考えであります。
 そういう中で、圧力、対話、両面が必要でありますが、去年八月に、関係国、いわゆる六者会議が開かれました。そういう会議の中でも、核開発の計画というものを放棄するように働きかけてまいりましたけれども、今後、関係国と協力して、そのような注意、メッセージを発信し続けるというのも一つの圧力だと思います。
 さらに、今、自民党と公明党そして民主党、与党、野党、立場を超えて、日本の外交手段として、北朝鮮に働きかけていく際に、選択肢を広げた方がいいのじゃないかということから協議を重ねているということも承知しております。
 いろいろな外交手段として、対話のみならず、先方にこの問題の平和的解決に向けた努力を促すという意味において、いろいろな選択肢を持つということは有意義だと私も感じております。
○安倍委員 拉致問題についても、金正日委員長の発言もございましたし、また、日本の国会議員、平沢議員等に対する対話の働きかけもあったわけでございますが、しっかりと政府が窓口となってこの問題を解決していくことが当然必要であるというふうに思います。もし、可能性があるならば、その可能性をしっかりととらえていく必要があると思います。
 また、先ほど私が申し上げました制裁法案というのは、直ちに制裁をするということではなくて、その制裁を行う権限を政府に授権する法律でございますから、政府は外交の選択肢をふやすということになる、こう思います。
 この拉致問題、何としても解決しなければならない問題であります。残念ながら、まだ五名の被害者の方々の御家族八名の方々は北朝鮮に残されたままでございます。何としても、この八名の方々を家族のもとに戻さなければいけない。それは、政府そしてまた私たちの大きな責任である、こう思うわけであります。
 そうした中で、先ほど申し上げましたように、北朝鮮は今のままではどんどん事態は悪くなっていく。経済的にも、食糧の問題、エネルギーの問題も悪くなっていき、そして国際社会の中で孤立を深めていく、何とかしなければならないのではないかというふうにやはり考え始めているのではないだろうか、私はこう思うわけであります。そうした機会をしっかりととらえていく必要がある、こう思います。
 しかし、その中で、原則は原則としてしっかりと守っていく必要がある、こう思います。
 私が官房副長官当時、拉致問題専門幹事会の議長として、次のような基本方針をとりまとめたわけであります。五人の家族の帰国を国交正常化交渉再開までに実現すべく努めることとする、そして、それを最優先の課題として取り組む。五人の家族の帰国を実現する上で北朝鮮からのあり得べき代償要求、例えば拉致問題の幕引き、食糧等の支援等には一切応じないこととする。安否未確認の十人を含む方々に関する情報提供の要求については引き続きこれを求めていくということを決めたわけでありますが、こうした基本的な方針はしっかりと堅持していく必要がある、このように思うわけでありますが、現在の専門幹事会の議長を務めておられます細田副長官にお伺いをしたいというふうに思います。
○細田内閣官房副長官 御質問の拉致問題専門幹事会、内閣官房及び九省庁の局長クラスで編成されておりまして、安倍当時官房副長官のときに、先ほど言われましたような基本方針を決めておるわけでございます。
 その後もこの幹事会を開催し、その方針は何度か確認しておりまして、先ほど言われました、曽我さん、蓮池さん、地村さんの御家族八人の速やかな帰国、国交正常化交渉再開までにこれを実現するべきであるということ、それから、その実現の上で北朝鮮側からあり得べき代償要求、例えば拉致問題の幕引き等には一切応じないことを基本とすべきであること、また、安否未確認の十人を含む方々に関する情報提供の要求についても引き続き求めていくべきであるという考え方には、全く変わりがございません。
○安倍委員 力強い御答弁をいただきまして、大変安心をいたしております。
 続きまして、社会保障問題について御質問させていただきたいと思います。
 この国会におきまして、何としても年金制度の抜本的な改革を進めるための改正案を成立させたい、こう考えておりますが、来年には介護の改革、そして再来年には医療の抜本的な改革が待っているわけであります。高齢者への給付ということを考えれば、この三つを総合的な形でとらえる必要があると思うわけでありますが、その中で特に介護問題は大変深刻であるんだろう、こう私は思うわけであります。
 介護保険制度がスタートして三年半であります。当初、介護保険の利用者は毎年十万人ふえていくだろう、こう推定されていたわけでありまして、十年間たったら百万人ふえる、これは大変だな、こうみんな思っていたわけでありますが、三年半で実はもう既に百四十万人ふえてしまったわけであります。このペースでいけば、例えば団塊の世代の皆さんが六十五歳以上になると、毎年百万人以上の単位で利用者がふえていくということになります。果たして、それでこの保険がもつんだろうか。
 この保険制度の改革を行っていく上では、給付、負担の調整でありますが、やはり一番大きなポイントは、なるべく対象者をふやさないようにするという努力ではないだろうか。
 寝たきりになる理由の多くは、骨や関節が劣化する、あるいは脳溢血や脳卒中の後遺症等々が言われているわけであります。骨や関節の研究を進める、あるいは救急体制によって後遺症を少なくする、あるいはリハビリの研究を進めていく、そしてまたゲノム創薬をもっともっと進化させていく、そうしたことで治療から予防に重点を移しながら対象者を減らす。
 そのための投資は、私は、幾らしてもむだではない。そのことによって多くの医療費あるいは介護費用が削減できるわけでありますし、それと同時に、人生の質もより高くなるわけであります。そうした意味で、厚生労働省のお考えをお伺いしたいというふうに思います。
○坂口国務大臣 お話しいただきましたように、平成十二年の四月にスタートいたしましたこの介護保険制度でございますが、既に三年を経過いたしまして、非常に利用者が増加してきております。ざっと約二倍近くになっているわけでございまして、利用していただく方がふえたということは、一面、大変これはいいことではございますけれども、しかし、ここがふえ続けるということは、将来、大変な財政問題を喚起することになりますので、私たちもそれに対する備えをしておかなければいけないというふうに思っております。
 お話にありましたように、要支援とか要介護一類といった軽いところが非常にたくさんふえているわけでありまして、こういうことを考えますと、これからそういう人たちに対するリハビリテーションや支援をどうしていくかということになります。
 私もいろいろ考えているわけでございますが、いわゆる要介護への軌道と申しますか、要介護へもう一直線に進みかけているようになってしまいますと、リハビリテーションをいたしましてもなかなかとまらない。そこがどんどんと進んでいってしまう。したがいまして、もう少し前の段階でこれをどう防ぐかということが、御指摘のとおり、私も重要だというふうに思っております。
 もう少し早い段階で、生活習慣病を初めといたしまして、個々人でどういうふうにここは解決していただくか、あるいは家族でどういうふうに対応していただくかということも含めて差し伸べる手を検討し、十分にそこをしていかないといけないというふうに決意をしているところでございます。
○安倍委員 総理は、歴代の総理大臣として初めて憲法改正の草案を作成するということを宣言した総理大臣であります。聖域なき構造改革に挑む、あるいはタブーに挑む総理大臣らしいチャレンジではないだろうか、こう私は思います。
 そして、総理は、このタブーにチャレンジするという意味においては、平成十三年四月二十七日の総理記者会見において、集団的自衛権の行使について次のように述べておられるわけであります。「今の解釈を尊重するけれども、今後、あらゆる事態について研究してみる必要があるんじゃないかというふうに思っております。すぐその解釈を変えるということじゃないんです。研究してみる余地がある、」こうおっしゃっている。「研究してみる必要がある」そして「研究してみる余地がある」こうおっしゃっているわけであります。
 任期中には解釈を変更するということは考えていないということもおっしゃっておられるわけでありますが、我が国の安全を守るためにはしっかりと研究していくことは必要である、また、もしその研究の余地があるのであれば積極的にそれは英知を結集していく必要もある、こう考えるわけでありますが、この考えに、総理、お変わりはないかどうか、お伺いをしたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 憲法制定以後五十年以上経過していますと、やはり当時の、制定時の解釈と時代の変化があります。考え方、受けとめ方、それぞれ変わってくるのも自然なことだと思っております。
 当時、自衛隊そのものすら憲法違反であるという考え方がかなりありましたが、現在、自衛隊までが憲法違反であるという方は極めて少なくなっているのではないでしょうか。また、自衛隊が海外に出て活動をするということも憲法違反であるという考え方もございました。しかし、現在では、平和維持活動、いわゆるPKO活動においては、これは合憲であるという考え方が多くなってきているのではないでしょうか。いわば、憲法の解釈におきましても、時代の変遷につれ、また国際情勢の変化につれて、考え方が変わってきている面も多々あると思います。
 そういう中で、集団的自衛権の問題ですが、これは憲法の中でも、個別、集団問わず、自衛権は認められているというのは、私は大方の考え方だと思っております。そういう中で、集団的自衛権の行使は認めないというのが歴代日本政府の考え方でもあります。
 そういうことも踏まえながら、憲法の解釈をどう変えていくかということは、今までの論議の積み重ねもよく検討しなきゃいけない、時代の変遷も見きわめなきゃいけないということで、集団的自衛権の解釈をめぐってどうあるべきかという議論は大いにして結構だと思います。
 しかしながら、私は、今までの積み重ねてきた国会の議論、歴代政府の考え方を小泉内閣においては尊重していきたいと思っております。
○安倍委員 この集団的自衛権というのは、国際法上の概念であります。国連憲章の第五十一条に次のようにあります。途中、はしょりますが、五十一条には、「この憲章のいかなる規定も、」「個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。」こう書いてあります。集団的自衛権を固有の権利、つまり自然権でもあるわけでありますが、この権利を有しているということは、サンフランシスコ条約の第五条にも、そして日米安全保障条約の前文にも、さらには日ソ共同宣言の3の第二段にも、しっかりと明記されているわけであります。
 ですから、国際法上は間違いなくこの権利を有している、そして、条約の中でも日本はこれがあるということをまさに世界に向けて宣言していると言ってもいいんだろう、こう思います。
 ですから、今まで内閣の答弁は確かに変化をしてきたわけでありますが、今確定しているのは八一年の政府答弁でありますが、八一年の政府答弁にはこうあります。「わが国が、国際法上、このような集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上、当然であるが、」これはもう当然そうであるということをはっきりと認めているわけであります。
 しかし、少しわかりにくくなるのはその次からであります。「憲法第九条の下において許容されている自衛権の行使は、わが国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されないと考えている。」つまり、国際法上は持っているけれども、憲法上それは行使できないということを言っているわけでございます。
 そこで、どうしても聞いてみたくなるのは、国際法上権利を有しているのであれば、我が国は国際法上それを行使することができるのかどうか。憲法上行使できないということは言っているけれども、では、憲法上その権利を有しているのかどうか。
 さらにはまた、これは「研究してみる余地」ということにもつながってくると思うんですが、「わが国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものである」、こういうふうにありますが、「範囲にとどまるべき」というのは、これは数量的な概念を示しているわけでありまして、絶対にだめだ、こう言っているわけではないわけであります。とすると、論理的には、この範囲の中に入る集団的自衛権の行使というものが考えられるかどうか。
 その点について、法制局にお伺いをしたいというふうに思います。
○秋山政府特別補佐人 集団的自衛権と憲法第九条の問題でございますが、お尋ねにございましたように、我が国が主権国家である以上、国際法上は集団的自衛権を有していることは当然でございますが、国家が国際法上、ある権利を有しているとしましても、憲法その他の国内法によりその権利の行使を制限することはあり得ることでございまして、国際法上の義務を国内法において履行しない場合とは異なり、国際法と国内法との間の矛盾抵触の問題が生ずるわけではございませんで、法律論としては特段問題があることではございません。
 それで、政府は、従来から、その九条の文理に照らしますと、我が国による武力の行使は一切できないようにも読める憲法九条のもとでもなお、外国からの武力攻撃によって国民の生命身体が危険にさらされるような場合に、これを排除するために武力を行使することまでは禁止されませんが、集団的自衛権は、我が国に対する急迫不正の侵害に対処するものではなく、他の外国に加えられた武力行使を実力で阻止することを内容とするものでありますから、憲法九条のもとではこれの行使は認められないと解しているところでございます。
 それで、我が国は憲法上集団的自衛権を有しているかどうかというお尋ねにつきましては、ただいま御説明しましたとおりの理由から、我が国が憲法上集団的自衛権を行使できない以上、これを持っているかどうかというのはいわば観念的な議論でございまして、また、憲法は集団的自衛権の保有それ自体について言及しているものでもございません。それで、従来から、集団的自衛権につきましては、憲法上行使できず、その意味において、保有していないと言っても結論的には同じであると説明しているところでございます。
 なお、あくまで論理の問題として申し上げれば、国際法上は、集団的自衛権を我が国が行使したといたしましても、これは国際法上違法になるということではございませんが、憲法九条のもとでそのような事態は想定できないところでございます。
 それから、御質問の後段の、憲法解釈において政府が示している、必要最小限度を超えるか超えないかというのは、いわば数量的な概念なので、それを超えるものであっても、我が国の防衛のために必要な場合にはそれを行使することというのも解釈の余地があり得るのではないかという御質問でございますが、憲法九条は、戦争、武力の行使などを放棄し、戦力の不保持及び交戦権の否認を定めていますが、政府は、同条は我が国が主権国として持つ自国防衛の権利までも否定する趣旨のものではなく、自衛のための必要最小限度の実力を保有し行使することは認めていると考えておるわけでございます。
 その上で、憲法九条のもとで許される自衛のための必要最小限度の実力の行使につきまして、いわゆる三要件を申しております。我が国に対する武力攻撃が発生したこと、この場合にこれを排除するために他に適当な手段がないこと、それから、実力行使の程度が必要限度にとどまるべきことというふうに申し上げているわけでございます。
 お尋ねの集団的自衛権と申しますのは、先ほど述べましたように、我が国に対する武力攻撃が発生していないにもかかわらず外国のために実力を行使するものでありまして、ただいま申し上げました自衛権行使の第一要件、すなわち、我が国に対する武力攻撃が発生したことを満たしていないものでございます。
 したがいまして、従来、集団的自衛権について、自衛のための必要最小限度の範囲を超えるものという説明をしている局面がございますが、それはこの第一要件を満たしていないという趣旨で申し上げているものでございまして、お尋ねのような意味で、数量的な概念として申し上げているものではございません。
○安倍委員 今までの政府答弁の中で、例えば一九六〇年の岸答弁そして林法制局長官の答弁の概要は次のようになっています。
 集団的自衛権についての学説、理解は多様であり、その最も典型的なもの、本来的なもの、最も重要視されるもの、本質的な面、中心的な概念とは、武力攻撃を受けた他国をその領土まで出ていって自国同様に守る権利だが、日本は憲法上そういう権利は持たない、だが、言ってみれば、集団的自衛権のそのような核心部分ではなく、周辺部分的なものの保有は日本国憲法の否定するところではない、こう答弁をしております。
 この当時は、行使することと保有することを分けて考えておりませんから、有するというのは事実上行使するという意味で答弁をしているわけでありまして、当時は、いわゆる核心的なものは持っていない、そういう形で答えているわけでありまして、しかし、中核概念としては持っていないけれども、その周辺のものについてはいろいろと研究の余地があるし、学説もある、こう答弁をしております。
 そしてまた、私がガイドライン法案を審議する国会において高村外務大臣に質問した際、この岸答弁について質問した際、高村外務大臣は次のように答えております。
 集団的自衛権の概念は、その成立の経緯から見て、実力の行使を中核とした概念であることは疑いないわけでありまして、また、我が国の憲法上禁止されている集団的自衛権の行使が我が国による実力の行使を意味することは、政府が一貫して説明してきたところでございます。
こう、当時、高村外務大臣が答えているわけでありまして、ここで再び、長い間この中核概念ということについてはだれも政府側は持ち出していなかったわけでありますが、高村大臣は、この中核概念であるというふうに述べているわけでありまして、その中核概念とは実力の行使、いわゆる武力行使そのものということを言っているわけであります。
 ですから、それでなければ、それ以外の行為については集団的自衛権の行使としてもこれは考え得る、行使することを研究し得る可能性はあるのではないか、こう思うわけでございますが、法制局長官の御感想をいただきたいというふうに思います。
○秋山政府特別補佐人 昭和三十五年の参議院予算委員会におきまして、法制局長官が、例えば日米安保条約に基づく米国に対する施設・区域の提供、あるいは侵略を受けた他国に対する経済的援助の実施といったような武力の行使に当たらない行為について、こういうものを集団的自衛権というような言葉で理解すれば、そういうものは私は日本の憲法の否定するものとは考えませんという趣旨の答弁をしたことがございます。
 この答弁は、当時の状況において、集団的自衛権という言葉の意味につきまして、これは御承知のように国連憲章において初めて登場した言葉でございまして、その言葉に多様な理解の仕方が当時は見られたことを前提といたしまして、御指摘のような行為につきまして、そういうものを集団的自衛権という言葉で理解すれば、そういうものを私は日本の憲法は否定しているとは考えませんと述べたにとどまるものと考えております。
 現在では、集団的自衛権とは実力の行使に係る概念であるという考え方が一般に定着しているものと承知しております。
○安倍委員 それでは、質問を終わります。
○笹川委員長 この際、古屋圭司君から関連質疑の申し出があります。安倍君の持ち時間の範囲内でこれを許します。古屋圭司君。
○古屋(圭)委員 自由民主党の古屋圭司でございます。安倍晋三委員の持ち時間の範囲内において質問させていただきたいと思います。
 私は、まずエネルギー政策の構造改革、この視点から質問させていただきたいと思います。
 二十世紀のエネルギーの供給システムは、大規模集中型あるいは化石エネルギー依存型であったと思います。もちろん、六五年からは原子力発電が加わりました。今、五十三基あります。三八%を賄っていますが、いずれも大規模集中型であります。これはやはり、今の技術では、信頼性、安定性から一番ベストなものだということでありました。
 しかし、二十一世紀のエネルギー供給システム、エネルギー政策を考えた場合に、私は、こういった大規模集中型から小規模分散型、そして化石エネルギー社会から水素エネルギー社会、こういうものに大規模なパラダイムシフトをしていくべきである、そういうふうに考えております。
 分散型エネルギーシステムあるいは水素エネルギー社会をもたらすためのキーテクノロジーは燃料電池である、こういうふうに私は認識をいたしております。総理も、燃料電池の自動車を試乗したり、大変熱心に取り組まれております。確かに、燃料電池は自動車あるいは定置型、両方ございますが、これは、燃料電池単体ではなくて、例えば太陽光であるとか風力であるとか、こういうものをハイブリッドでやる、あるいはコジェネでやることによって多様な供給が可能になる。
 そして、この燃料電池システムを中心とするエネルギーは幾つものメリットがあります。
 まず一点は、大変すそ野の広い産業を育成することができる。二〇二〇年には百兆円規模、あるいはもっと、私は二百兆円ぐらいの規模になる可能性があると思います。
 二つ目は、分散型ということは、要するにリスクヘッジができる、エネルギー安全保障上も極めて効果が高いということであります。
 三つ目は、私はやはり環境に優しいということだと思います。
 COP7、我々は京都議定書を批准いたしましたけれども、大変高いハードルであります。しかし、CO2がふえているのは運輸と民生業務部門、これはいずれも燃料電池で対応することができる分野であります。
 そして、四つ目のメリットは、私は何といっても国際貢献だと思います。
 今、安倍委員からも、イラクの国際貢献の問題、安全保障上の国際貢献の問題について議論がありました。この重要な柱とともにもう一つの柱は、やはり技術の国際貢献であります。日本がこの燃料電池の技術を先駆的に完成することによって、例えば、日本は人口が減っていますけれども、世界は人口が急増しています。アフリカやアジア諸国が化石エネルギー、石炭であるとか石油を使ってエネルギー供給をしたらどうなるか、これは地球規模で環境の破壊につながることは火を見るより明らかであります。
 そういった視点から、私は、小泉総理も大変熱心に取り組まれているこの燃料電池でございますけれども、ぜひ小泉総理に着手していただきたいのは、単に自動車であるとかあるいは定置型の燃料電池単発の開発振興ということだけにとどまらず、長期的な国家戦略のいわゆる柱として燃料電池を中心にした分散型エネルギー社会をエネルギー政策の中心に据えていくんだ、こういう大胆なシフトをぜひ総理のリーダーシップのもとでしっかりメッセージを送っていただきたい。このことについて、まず総理にお伺いしたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 小泉内閣において最重要課題の一つが、環境保護と経済発展を両立させるということであります。環境保護に力を注ぐと経済発展の阻害要因になるのではないかという考えを転換しよう、むしろ、これからの地球環境、我々の生活面において環境を保護することによって経済の発展を図っていこう、また、環境保護を重視しないと企業の製品も国民から支持されないということで、この両立させるかぎを握るのは科学技術であるということで、科学技術創造立国という観点から科学技術を振興してきているわけであります。
 現に、今、古屋議員御指摘の燃料電池、これは日本のみならず、この開発をめぐりまして世界でしのぎを削っております。自動車のみならず、家庭面においての燃料電池の普及を図るための各企業の研究開発も進んでおります。
 私は、燃料電池のみならず、あらゆる分野において環境というものを重視したエネルギー政策が必要だと。今、我々が想像でき得ないような科学技術の研究も進んでいるようであります。ということは、今まで捨てられていた、あるいは公害の元凶となっていたものも、ある技術の進展によって無害化できるというような技術も目に見えないところで懸命に努力がなされているということも聞いております。現在、過去捨てられて放置されていたものも再生資源として利用できるのも、科学技術の進歩の結果によるものが大きいと思います。
 そういう面から、燃料電池だけにとらわれないで、エネルギー政策全般において、私は環境というものを十分配慮した政策展開が必要であると思っております。
○古屋(圭)委員 総理おっしゃるように、科学技術による改革というのが不可欠でありますけれども、私はやはり、そこで大きな転換は大規模集中型から分散型というパラダイムシフトを行っていく必要がある、ぜひそういう視点にのっとって取り組んでいただきたいと思います。
 ただ、私は決して大規模発電を否定しているのではありません、まだまだ大口需要を中心に必要でありますし。しかし、一方では、例えば大規模集中発電することによって、高圧送電線であるとか鉄塔、全国で数十万本ありますけれども、これは経年変化とともに維持管理に大変なコストがかかるという実情があるということであります。また、原子力発電、現在五十三基ありますけれども、三十年以上たって、いよいよ四基は廃炉に直面いたしております。そういったものを分散型電源にシフトさせていく、また、火力発電でもやはり古いものは順次シフトしていく、こういうことを申し上げているわけであります。
 確かに、大規模発電は発電するのに、電力供給、大変なコストがかかっていますけれども、しかし、電気をつくって売るという意味では、大規模であろうが分散型であろうが共通であります。また、例えば、電気通信事業者で、かつては電信電話公社が全国津々浦々に電話交換機をつくって電話線網を確立した。しかし、今は携帯電話の方が回線電話より多いですし、今、インターネットができまして、IPネットワーク、IP電話というのがどんどんできている。恐らく、十年たったら、いわゆるATM交換機による電話というのはほとんどニッチな産業になってしまう。しかし、IPネットワークから出る付加機能、付加価値をビジネスの道具にしていく、こういう大転換をしている。
 これはエネルギーも同じなんですね。例えば、いかに最高に効率のいいエネルギーを供給していくか、エネルギー・サービス・カンパニー、ESCOビジネスなんて言っていますけれども、こういうものがいろいろなところで生まれてくる。やはり、そういうものにどんどん新しく、これこそがまさしくエネルギーの構造改革だと私は思っております。
 そこで、ぜひ中川大臣に担当大臣としてお伺いしたいのは、二〇一〇年の長期見通しは燃料電池というものはほとんど入っておりません。これは仕方がないですね、二〇〇〇年に本格的に開発を始めたわけですから。しかし、次の計画は、燃料電池のような分散型エネルギーの供給の理念、水素社会あるいは分散型供給システムというものをしっかり基軸とするエネルギー社会の構築に向けた具体的なプログラムを策定するために、ぜひ大臣が主導的に取り組んでいただきたいと思いますが、一言答弁をいただきたいと思います。
○中川国務大臣 お答えいたします。
 今、古屋委員おっしゃられたとおり、我が国の総合エネルギー戦略は二〇一〇年をめどにしておりますが、それでは現実に対応できないということで前倒しをいたしまして、現在、検討に既に入っております。
 これは、二〇三〇年を見据えた、我が国、そして、今御指摘のように、世界にとってのエネルギーというものはどうあるべきかということで、今、古屋委員、また総理からもお答えがありましたように、安全、安定、安価、そしてまた環境あるいはまた分散型、いろいろな大きな視点から総合的に考えていかなければならないというふうに思っております。
 そういう中で、一つの大きな、御指摘がありましたように、新たな位置づけとして、やはり水素というものを大いに利用した分散型の燃料電池というものも今後のエネルギー戦略の中で大きな位置づけを占めていくと思いますので、引き続き御指導をお願いいたします。
○古屋(圭)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 さて、次の質問に入らせていただきますが、経済問題で一問質問させていただきます。
 月例経済は三年ぶりに景気回復という、これは私はいい傾向だと思います。ただ、主要企業中心でありますので、いかに地方あるいは中小企業にこれを波及していくか、これがことしの一番大きな課題だと思っております。
 そういう中にあって、地方の基幹産業というのは建設業なんですね。これは厳然たる事実でありまして、だからこそ、公共事業による効果というものもあるわけであります。しかし、総理は、たびたび指摘しているように、景気浮揚策として公共事業はとらない、こういう考え方を堅持されておられる。恐らく、今でもその姿勢に変わりはないと思います。
 ということは、いかにこの地方の基幹産業である建設業をどうやって構造改革していくかということが私は喫緊の課題だと思います。
 竹中大臣が経済演説でこう言っていますね、建設業を初めとする地域の基幹産業における経営革新に積極的に取り組みます。こういうふうに書いてありますけれども、私は、これは大臣の、いよいよ政府としても取り組むという強いメッセージだというふうに理解をします。時間がないので答弁は結構でございますが、そういうふうに私も理解をいたします。
 そこで、建設業のデータですけれども、例えば公共事業は、平成二年が二十五兆で平成八年が三十五兆、そして、平成十五年が二十三兆ということでマイナス二九%、建設全体の投資は、平成四年が八十四兆で平成十五年が五十四兆ということであります。ただ一方では、事業者というのは五十五万体制を維持しています。それから、六百二十万の雇用というのも変わっていません。
 ということは、要するに、バブル崩壊というのは実は平成八年なんですね、だから、建設はほかの業界と比べて二周おくれ、三周おくれになっているという事実があると思います。また一方では、やはり建設業の傾向として、高コスト構造を是正していくという全体としての取り組みというか、そういうものがはっきり方策として確立していなかった、あるいは公共事業受注という特殊性があった、こういうようなことで、最後に建設業界というのが残されてしまったということだと思います。
 特に地方の建設業というのは、高度成長期のときに立ち上げている企業が多いんですね。しかし、今、みんなジュニアにかわっているんですよ、経営者が。それで、このジュニアの経営者は、このままではいけないという非常に危機感を持っていますので、いよいよ、しっかりここにメスを入れていく環境が整ってきているというふうに私は認識をいたしております。
 そこで、国土交通省だけではなくて、中小企業対策を管轄する中小企業庁あるいは経済産業省、あるいは雇用政策を担当する厚生労働省、そして農林土木等々あるので農林省はもちろんでございます、こういう関連省庁がしっかり連携をして、技術革新であるとか経営革新であるとか、場合によっては事業転換も含めた総合的なメニューというものをしっかりつくって、速やかにそれを実行に移していく、当然、地域の実情に即した形でやっていく、これが私は不可欠だと思います。
 そういう中にあって、今般は十月から地域再生の大臣というものが任命をされましたけれども、金子大臣がその任務に当たっておられますけれども、私は、この地域再生のいわゆるメーンエベントはこの建設業の健全な構造改革にあるというふうに思っておりますが、きょうは、関連省庁がいっぱいありますので、代表して金子大臣から一言、その具体的な取り組みについてお伺いしたいと思います。
○金子国務大臣 かなり、農業あるいは建設業というのが大事なそれぞれの地域の基幹産業である、そして高コスト体制をどう解消していくか、大事な御指摘をきょうはいただいたと思っております。
 地域再生の中では、全体として、どうやって一方で建設業を転換していくか。既に国土交通省でも実態も調べていただいています。経済産業省でも、どういう支援ができるかというのも進めていただいています。総務省でも、こういう地域における企業ファンドというものをどうつくっていくかということも検討していただいております。
 私の方は、こういう建設業、株式会社のままで、雇用を維持したままでこの基幹産業を維持していけないか、転業していけないか。既に五件ほど、特区の方で申請が出てきております。例えば、兼業のまま、第一種農業の兼業というのがありますけれども、第一種建設業兼業というようなことで、従業員を維持したまま、三十人の従業員がいれば、十人は野菜あるいはリンゴの、株式会社のまま農業の仕事をしてもらって、二十人は建設業をやるといったような対策というのを進める。
 ただ、県でも進めている、古屋先生のお地元でも相当検討が進んでおりますし、国土交通省でも進んでいるんですが、進むところというのは、やはり力のあるところができてきているんです。そうじゃないところ、これを、今申し上げたような各省がどういう仕組みで検討していって今先生がおっしゃったような方向に行けたらいいのか、これから大事な検討課題であると思っておりますので、政府部内での調整を進めながら進めさせていただきたいと思っております。
○古屋(圭)委員 ぜひ、大臣におかれましては、早急にこれを進めていただきたいと思います。これが進まなければ、やはり地方の景気というのは回復したという実感は恐らく出ないと思いますね。
 そのためには、総合メニューですよ。だから、事業転換とかいろいろそういうことだけではなくて、例えば企業合併をしていくとか、そういうことを含めた総合メニューをぜひつくっていただきたい。そうすれば、公共事業も、いわゆる科学技術駆動型の公共事業、例えば燃料電池とか、先ほど申し上げましたそういうものにシフトしていっても十分に技術的に対応もできるという時代が必ず来ると思いますので、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、最後に、ひとつ総理並びに文部科学大臣にお伺いしたいんですが、教育基本法の改正問題についてお伺いをしたいと思います。
 教育基本法の改正については、もう御承知のように、平成十二年に教育改革国民会議をつくりまして、三十三回の議論をしました。また、その後、中央教育審議会に上げまして、四十二回にわたる総会及び基本部会を実施して、昨年三月には答申が出た。そして、我々自由民主党の中においても特命委員会をつくりまして、現総務大臣の麻生先生が委員長として対応していただいて、これも二十数回議論した。また、答申が出た後は、与党協議会というのをつくって、これも十五回、もうやっております。議論、検討の段階を経て、いよいよ実施をするという段階だと思います。
 私は、確かにこの連立与党の信義というのは大切にする必要がありますけれども、一方、これによって、本来、本当にやるべき政策に足かせになっては本末転倒だと思っております。総理の教育基本法改正にかける意気込み、これこそ、まさしく国家百年の計は教育にありと言われているように、教育の構造改革の根幹をなすものでありますので、ぜひこの取り組みについて、まず総理から御意見をちょうだいして、最後に文部科学大臣から御意見をちょうだいしたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 教育の重要性は、もう私が申すまでもございません。日本が今日まで発展してきたのは、教育を重視してきたからだと思っておりますし、これからもその教育を重視するということに変わりありません。
 そういう中で、基本法については、与党内においてもいろいろ議論が出ておりますので、この点については、改正について、どこを改正していいかということを論点整理いたしまして、お互いの共通点を見出していこうという方向で今作業を進めるということになっております。
 もとより、実際の教育現場におきましては、かなり改革が進んでおります。時間がありませんから多く述べませんが、具体的な面につきましても、今後の見通しにつきましても、河村文部大臣、党にあったときから大変この問題については熱心でありますので、大臣に答弁を譲りたいと思います。
○河村国務大臣 ただいま総理からも御答弁あったところでございますが、教育改革の根幹をなす教育基本法の改正については、歴代の内閣は、教育の構造改革の一環としてこれまで取り組んでこられたところでありますが、いよいよ、中教審の答申も改正に向けてという答申をいただきましたし、また、与党においても、改正に向かって議論するということになりました。私は、これはいよいよ政治日程に入ってまいりましたから、これは、さらに国民的な理解をいただきながら、どこをどういうふうに改正していくか、具体的な問題について詰めていく段階に来たと思います。
 特に、これからの国際化時代に対応して、まず、ふるさとを愛し、国を愛する心であるとか、あるいは公共の心であるとか、あるいは道徳心をどういうふうに養うかと、いろいろな重要な課題がございます。そういうことについて、積極的にこれから議論をいただきながら、まさに国会日程にのせていただいて濶達な議論をお願いいたしたい、改正の方向について努力してまいりたい、このように考えております。
○古屋(圭)委員 終わります。
○笹川委員長 この際、下村博文君から関連質疑の申し出があります。安倍君の持ち時間の範囲内でこれを許します。下村博文君。
○下村委員 総理、今月の十一日から十五日まで、日米議員交流プログラム、超党派でアメリカのワシントンに行ってまいりました。アメリカに行って、ワシントンに行って大変驚いたんですけれども、日本に対する好感度が大変高いんですね。アメリカの人たちが口をそろえて、建国以来こんなに日本に対する好感度、高かった時期はないのではないかということをそれぞれの会議の中で言われておりまして、それは一番の要因は、小泉総理とブッシュ大統領が個人的に大変に親しい、トップとトップが非常に親しいというのが国と国との関係の中で大変にお互いの好感度を増しているという国民にとっても要因になっているんじゃないか、これはアメリカ側なんですが。なかなか日本のマスコミがそういうことを余り報道されてなくて残念なんですが。あとは、アメリカの経済が大変に好調であるということもあると思います。
 自衛隊を我が国がイラクに派遣したということは、我が国にとって大変重要なことでありますけれども、アメリカにとっては、これで三十八番目の人的支援をするということですから、別に日本がイラクに自衛隊を派遣するということがアメリカの好感度を一番増しているということではないということは、私が感じたことですので、御報告を申し上げたいと思います。
 その中で、実はこの間の本会議で民主党の松本議員が、この中に私がいたんですけれども、自民党三人がいたんですが、代表質問で総理に対して質問をしているんですね。
 それは「我が党の渡辺周議員が与野党議員同席の場で米国国防総省幹部にただしたところ、公表していないが、報告書は関係者に送ってある、」こういう回答をしました。いわゆる我が国の外務省の外交官二人が殺害された件でございます。この「政府の対応と、米国の言うところの報告書について、答弁を求めます。」こういうふうに質問していまして、これに対して小泉総理が、「随時関連情報の提供を受けておりますが、いまだ事件の最終的な捜査結果が出されたとは承知しておりません。」こういうふうに総理が答弁された後、さらに松本議員が代表質問の再質問で、「奥大使を初めとする外交官が殺害をされた事件に関して、はっきりと国防総省の幹部が報告書を関係者に送ったと言っております。まさか日本政府が関係者でないということはないと思います。与党の議員のお名前も私どもも承知をしております。そういう報告は承知をしていないという答弁では大変不誠実な答弁ではないかというふうに思います。」こういうふうに質問していますから、私、総理の名誉のために申し上げておきたいと思うんです。
 これは通訳がちょっと間違って通訳したんじゃないかと私は思うんですが、国防総省の幹部は日本政府に報告書を送ったなんて言っていないんですね。ただ、総理が答弁されているように、適宜情報があれば情報を伝えますと言っていることでありまして、これは総理の答弁が正しくて、松本議員は勘違いして質問しているということで、さらに再質問ということですから、なおかつ公的なミッションではありませんでしたから、十分に配慮して質問もしてほしいな、こういうふうに思うわけでございます。
 私は、公的なミッションではありませんが、アメリカに行って、イラクの自衛隊派遣に、かねて我々はこんなふうに申し上げました。
 それは、ぜひ、復興支援について、これからもアメリカ主導のもとでの復興支援ということでなく、我が国も、先ほど安倍幹事長からもお話がございましたが、総理が橋本特使とか中山特使とか高村特使とか、それから逢沢外務副大臣等をそれぞれ関係主要国に派遣して、イラクについての復興支援について協力要請を我が国としてもされているわけでございます。これについて、ぜひアメリカ自身がこれらの、ロシアやあるいはフランス、ドイツ等について復興支援についてさらに働きかけて、より国連主導主義といいますか、少なくとも主要国が全面的にイラク復興支援をすることによってテロを許さないということは、これはどこでも、アメリカで話しても、アメリカの関係政府機関あるいはアメリカの国会議員も、みんなそうだというふうには同意されるわけですけれども、最終的にはブッシュ大統領がどう判断されるかみたいな、というふうに言う方も多かったものですから、総理とそれからブッシュ大統領が大変緊密な関係をお持ちだということを含めて、改めて小泉総理からブッシュ大統領に対してこのようなことをぜひ提案、提言をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 イラク復興に向けて多くの国がかかわっていく、協力していくということは極めて重要だと思います。国連も含めて、今、アメリカに対しても、あるいはフランス、ドイツに対しても日本側は働きかけております。
 日本とアメリカの関係が良好だという御指摘でありますが、これは単に私とブッシュ間の個人的な関係のみならず、今まで多くの先輩たち、また現在多くの働いている方たちが積み上げてきたものであって、単に私とブッシュ間の個人がいいというだけではないと思っています。多くの方々の努力があったから、日米関係の重要性がわかっていて、日米関係の良好さを損ねてはならないという努力のたまものだと思っております。
 また、イラクにおいても、イラクの首脳はまだ、国が今できていない状況であります。フセイン政権の時代に、私もフセイン元大統領と会ったこともありませんし、私はイラクに今まで行ったこともありません。しかしながら、イラク国民の日本に対する好感度は大変高いと聞いております。これもやはり、長年、日本の活動というものに対してイラク国民がよく理解し、認識しているあらわれだと思います。
 こういうイラク国民の日本に対する好感度というものはこれからも大事にしていきながら、復興支援にどう日本がかかわっていくか、そして、できるだけ多くの国がこのイラク復興支援に関与していくということが極めて重要であり、そういう点につきましては、アメリカのみならず、国連に対しても、各国に対しても、またアラブ諸国とともに日本が何ができるかということも含めまして、いろいろ努力を続けていきたいと思っております。
○下村委員 先ほど古屋議員から金子構造改革特区大臣に対して質問がありましたが、構造改革特区、これは、ほかの国もまだ行っていない画期的な手法であるというふうに思います。
 これによって我が国の経済が大飛躍をするという要因はあるわけでありますけれども、なかなかまだ、芽がまさに出た程度でありまして、この構造改革特区が、もう第四次募集しているわけですが、確かにこれによって、国民から見て日本の経済がよくなってきたというきっかけがこの特区からできたというふうにはまだなっていないわけでございまして、ぜひ金子大臣には、この構造改革特区によって、芽から大輪の花を咲かせるような活動をぜひしていただきたいと思いますが、時間の関係で、金子大臣の思いはもう伝わっておりますので、具体的に文部大臣にお聞きしたいんです。
 これは河村大臣が副大臣のときから、構造改革特区の中で特に教育特区、これは大変に熱心に取り組んでおられまして、実は私も、この「学校を変える!「教育特区」」という本を出したぐらいで、河村当時の副大臣の活躍もこの本に書かせていただいているんですが、この第四次提案でも、教育関係の特区提案というのは随分多いんですね。
 ところが、今、文部科学省が中央教育審議会にこれを投げちゃいまして、なかなかこの特区から、いろいろな株式会社参入とか、それからNPO参入とか公設民営化の義務教育や高等学校等いろいろな、教育環境における公設民営化を含めて随分提案が出されているんですけれども、事実上はペンディングに近いような状況がまだたくさんあるわけですね。ですから、芽は出てきたけれども、もしかしたら、その芽が、実際は水をやらないことによって枯れちゃうということになりかねないような状況だということで、期待している関係者の方々が大変心配をしているわけでございます。
 ぜひ、この構造改革特区において、これは一つの、全国どこでもということじゃなくて、それを、協力する自治体があって初めて民間もチャレンジできることでもあるわけですけれども、ぜひ河村文部科学大臣には、この構造改革特区、教育特区における今の懸案事項、公設民営化の問題あるいはNPO法人の問題、特区学校法人の問題等々について積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、今の状況と決意についてお聞かせ願いたいと思います。
○河村国務大臣 御指摘の構造特区における教育特区のお話でございます。
 これは、下村議員、大変御熱心にこの問題に取り組んでいただきまして、むしろ文部科学省も頭の切りかえをやることができた、こう思っております。
 これも聖域なき構造改革の一つでありまして、これまで教育というのは、私学については学校法人、あるいは公的以外はないんだという基本概念で固まっておりました。これに風穴をあけることになったわけでございますが、しかし、私は、教育の成果をいかに上げるかということが大事なことでありますから、株式会社あるいはNPO法人、その特性を生かした教育をやっていただくということは大事なことだ、こう考えておりまして、これまで進めてきたところでございます。
 御指摘の点でまだ十分でない点もございますが、現に株式会社については、既に特区において、大阪市、千代田区、それから岡山県御津町ですか、いよいよ、地方自治体からも申請がありまして、総理の認定を受けられたところでございまして、これから取り組んでいただきます。
 その成果を期待しておるわけでございますが、ただ、株式会社は、今、簡単にできるようになりました。しかし、やはり教育は、公共性とか継続性とか安定性とかということが求められます。これは学校法人の精神にもあるわけでありまして、その点はやはり大事にしてもらわなきゃなりませんから、そのことも踏まえながら、十分な成果を上げていただきたいと思っております。
 ただ、NPO法人については、まだ具体的な提案がないんです。これについては、例えばLD児でありますとかADHD、ああした障害児等についての特別な成果を上げている法人があるんですね。これを生かした学校ということでありまして、これは私学助成との兼ね合いもあって、NPO法人に私学助成をできるかできないのか、法的な議論もあるんです。これももうちょっと詰める必要がありまして、このことも今詰めさせていただいておりますが、これは法人化もとりやすいように今どんどん内容を変えておりまして、例えば、学校施設がなければできないとか、資産を持たなきゃできないとか、そういうことはもう外して、NPO法人が学校をつくれるように変えておりますので、これも議論していただいておりますし、これは地方公共団体から申請をしていただくということがございますので、文部科学省も、せっかくこういう方向でいっておりますから、NPO法人のこれまでの成果が教育において実るように、我々ももっとしっかり進めてまいりたい、こう思っております。
 それから、公設民営化の問題についても、特に当面、幼稚園と高等学校について今検討を始めました。これを公教育まで民営化できるかどうかという問題もございまして、これもやはり、憲法八十九条との兼ね合い等も含めて議論をもうちょっと深める必要があると思っておりますが、私は、いろいろな形の教育現場というのがあって、濶達に教育に取り組んでいただく、これは、そういう意味で教育特区をまずやっていただいて、それを評価して、検証して、最終的にその成果をもって全国に広めていく方向というのはこれから考えていかなきゃいけない、このように思っております。
○下村委員 なかなかハードルが高くて、理念だけが先行して、実際は提案しても受け付けてくれないというのが実態でございますので、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。
 最後に、治安問題についてお聞きしたいと思います。
 今回の補正予算の一番大きな目玉が行刑施設緊急整備費でございまして、法務大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、私も、法務大臣政務官のとき、全国の刑務所等を随分回りましたが、もう定員オーバー、一二〇%ぐらいで、どこも収容が大変なわけですね。一方で検挙率が二〇%で、総理も、今回の施政方針演説の中で、世界で一番の安心、安全な日本を復活すると言っているわけですけれども、これは検挙しちゃったら、刑務所、入れるところがなくなっちゃうじゃないか、余り検挙するのもよしあしだなみたいなことを町に行くと言われるわけですね。
 そういうことがあってはならないわけでございまして、この刑務所の過剰収容問題、行刑施設緊急整備費がきちっとできて、だから検挙もきちっと行って犯罪もどんどん減っていくというようなことがなければならないわけでございます。それについて、法務大臣からお聞かせ願いたいと思います。
○野沢国務大臣 我が国の治安を回復する上で、刑務所等の過剰収容の解消は極めて重要な問題であると認識をしておるわけでございます。委員御指摘のとおりでございますが、そのために、さきの犯罪対策閣僚会議で決定されました、犯罪に強い社会の実現のための行動計画においても、治安回復のための基盤整備の一つとして、刑務所等矯正施設の過剰収容解消と矯正処遇の強化が掲げられているところでございます。
 法務省といたしましては、関係各方面の御理解をいただきながら、最大限の努力をしてまいるつもりでございます。
○下村委員 私の選挙区は東京の板橋なんですが、犯罪は、四〇%ぐらい、今外国人犯罪が多いんですね。ですから、同時に不法滞在外国人の問題もきちっと対応する必要があるかというふうに思いますが、この不法滞在者問題、これについてどんなふうに今お考えか、お聞かせ願いたいと思います。
○野沢国務大臣 委員御指摘のとおり、外国人犯罪の温床となっております不法滞在外国人の問題は、我が国社会の治安対策上、喫緊の課題となっております。
 法務省は、昨年、東京都及び警視庁とともに、不法滞在者の多くが集中する首都圏、特に東京におきまして不法滞在者を今後五年間で半減させることを目指しまして、その取り組みを推進するための共同宣言を発表いたしました。また、昨年十二月の犯罪対策閣僚会議においてまとめました行動計画においても、不法滞在者を今後五年間で半減することといたしております。
 問題は、それをどう実現するかということでございますが、まずそのためには、外国人の中で問題のある方を日本に来させない、それから入国をさせない、水際でとめる、そして現在居住している不法滞在の皆さんをお帰しする、この三つが非常に重要と考えております。
 法務省といたしましては、関係機関との連携を保ちながら、入国審査、それから在留資格の厳格化、それから効果的な不法滞在者の摘発の実施等を行いまして、今後、国民の皆様の安全、安心に対する期待にこたえてまいるつもりでございます。
○下村委員 ありがとうございました。
○笹川委員長 これにて安倍君、古屋君、下村君の質疑は終了いたしました。
 次に、太田昭宏君。
○太田委員 公明党の太田昭宏です。
 総理、私は昨年六月にイラクを訪問し、また我が党におきましては、昨年十二月、神崎代表みずからがサマワを訪れるというように、現地を視察しながら、この問題、イラク問題に対応しようということで力を注いでまいりました。
 大きくくくりますと、私の印象とか主張したことは三つございまして、第一には、何といってもイラクの平和と安定、また中東の平和と安定というのが世界の平和で一番今大事なことである、同時に、イラクをテロの温床に絶対にしてはならない。
 そして、戦略的に言いますと、テロリスト、それからサダム・フセインのバース党の残党、そしてイラク一般国民、この一般国民の中にある不満というもの、この三つが結合したときに一番恐ろしい。したがって、これを遮断するということが一番大事な戦略でなくちゃならない。そうなると、一番大事なのは、イラク国民の不満あるいは不安というものを除去するということが一番大事であるから、ゆえに人道復興支援というものを極めてスピードアップして、そして、力を注いで幅広くやらなくてはいけないというのが第一点です。
 第二点は、今も申し上げましたが、どうしても日本の論議は自衛隊派遣論議というものに全部、一〇〇%収れんしがちなんですが、実際は、もう少し幅広い、より幅広いそうした人道復興支援というものの中で自衛隊派遣というものがあり、そして、自衛隊派遣も、そうした一環あるいはまた次の民間やさまざまなものを進めようというものの橋渡しという役割をしっかり果たしていくというような、広範な人道復興支援というのが必要である。
 第三には、自衛隊の派遣については、これは慎重の上にも慎重をということで、特に、これは憲法あるいは法律にのっとることは当然でありますけれども、安全確保ということをしっかり留保するということが大事である。
 私は、また我が党は、この三点についてしっかり柱を立てて、今回のイラク人道復興支援ということについて重要であるということについて話をしてきたわけですが、この認識に総理は一致しているかどうかということ。そして同時に、幅広い人道復興支援、後から細かく申し上げますけれども、こういうことの重要性ということについて総理の見解をお伺いしたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 御指摘のイラク復興支援についての考え方、同感であります。特に、イラクをテロの温床にしてはいけない、そして、イラクの平和と安定というのは世界全体にとって極めて重要であり、日本の国益にかなう。なおかつ、このイラクの復興支援というのは、自衛隊の活動だけではなく、資金的な支援あるいは物的な支援、さらには政府関係職員の支援、あるいは治安が安定してくれば民間人の支援も可能である、そういう幅広い支援が必要である。
 同時に、現在におきましても、ODAを活用して、現地のいろいろな要望にどう対応していくか、さらに、イラク人の雇用関係に対してどのような要求を満たすことができるか、現地の住民から評価されるような活動はどうあるべきか。そういう中での自衛隊の派遣であり、活動であります。
 自衛隊に焦点が当たっておりますが、自衛隊の活動は広範なイラク復興支援の一部であるし、今現在、自衛隊職員でないとできない分野があるからこそ自衛隊諸君に困難を伴う任務を担っていただこうということで、今、自衛隊の皆さんが努力されている。こういう点も考えまして、御指摘のとおり、日本として、世界の平和と安定のためにイラクの復興支援が大事である、そのために何ができるか、日本の国力にふさわしい、できるだけのことをしようということで考えていくべきだと私は考えております。
○太田委員 自衛隊の先遣隊が帰ってきて報告がされたわけでありますが、私の注目していたのは、サマワの市民の意識、反応がどうであったのか。あるいは陸上自衛隊の安全確保。同時に、その至るところの八号線の、サマワの外のところの、そこに移動中の八号線の状況。それからオランダ軍の反応。さらにはまたニーズというものがミスマッチにならないかどうか。このあたりの確度をつけて先遣隊の報告というものがされて、それをしっかり吟味する。
 我が党は、けさも拡大中央幹事会を行って、そういうことについて十分話をしたり、あるいは討議をさせていただいたわけですが、私も含めて、十二月中旬、神崎代表が行きまして、今、非常に雨が多いわけですから、非常にどろどろになっている中で、例えば上水道と下水道が一緒になっているというようなところが随分あるわけですね。そうしたことについて、給水というのは非常に大事なポイントなんですが、そうしたサマワの状況というものの、この先遣隊の一部の報告についてどういう印象を持っているかということについて伺いたいと思います。
○石破国務大臣 けさほど総理にも御報告申し上げ、また、公明党の皆様方にも御報告を申し上げたところでございますが、基本的に、非常に高いニーズが存在をする。今御指摘のように、水もそうです。学校の復旧もそうです。医療施設の復旧もそうです。神崎代表がごらんになったときと同じように、あるいはそれ以上に、非常に日本の国に対する期待が高いということ。それは、現地の方々、そしてまた部族長、宗教指導者の方々、そして行政に当たっておられる方々、皆様方に共通したものであったということであります。
 そしてまた、オランダ軍との連携につきましても、きちんとした確認ができたという報告を受けております。
 期待が高い。ニーズは存在する。そして治安状況、それは一〇〇%ということはございません、しかしながら治安は比較的安定をしているということ。そしてまた、仮に本隊が派遣されるといたしまして、私どもが持ってまいります権限、能力、装備をもってしてその危険は回避し得るものである、そのように判断をいたしております。
 いずれにいたしましても、安全確保につきまして万全を講ずることは当然でございますが、情報の交換、情報の入手等々を通じまして、いかに危険を抑止するか、そしてまた、危険があった場合にどのようにしてそれを回避するか、そしていかにしてそれを局限するか、ありとあらゆる場面を想定して私ども万全を尽くしておるつもりでございます。
○太田委員 防衛庁長官、まさに、十分な情報というものをしっかり得られるかどうかというのは、非常に大事な一つポイントですね。
 それから、安全確保ということからいきますと、移動時の安全面。今私は、幹線道路ということも、そこに、サマワに至るところも含めて言っているわけですが、そうしたこと。それから、万一襲撃があった場合に、相当訓練を積んでおかないとこれは対応できないということがありますから、これは、やられても大変ですけれども、イラク人を殺すなどということがあってもならないわけですから、その辺の安全確保ということについて。
○石破国務大臣 移動中の安全確保について御質問がございました。
 移動中は、やはり宿営地の中にいる場合と比べまして、襲撃を受ける危険性というものは確かにあろうと認識をいたしております。その場合に、いかにして抑止力を持つかということだと思っております。したがいまして、そのような車を持っていく、あわせて防弾処理というものもきちんと施して抑止をするということが最も肝要だと思っております。自衛隊の車はねらってはいかぬのだということ、それをねらっても効果はないのだ、そしてまた通ります道路につきましても、それは相手に行動を察知されないような、そういうような移動の仕方、時間の設定、そういうものも必要であろうと思っております。
 また、我々の身を守るということも必要だけれども、間違ってもイラク人を不当に傷つけることがないように、それはまさしく状況の適切な把握であり、そしてまた遅滞のない判断であり、そしてそれが正確な判断ということが必要なのだと思っております。どのように正確に状況を把握し、どのように早く判断をし、素早く行動をするか、そのことはROEともかかわることでございますが、これもあらゆるケースを想定いたしまして、遅滞のない正確な判断というものができるように、そして現地の人々を過ってでも傷つけることがないように、十分な訓練を積んでおりますが、さらに万全を期すべく努力をいたしたいと存じます。
○太田委員 今お話がありましたように、さらに万全をということには本当に念を入れてやっていただきたいというふうに思います。
 外務大臣、このサマワの状況を見てやはり懸念されるのが、デモとかそこにちょうど巡礼が通るというような事態がございます。デモには二種類あるということで、職が欲しいというデモがありますね。もう一つは直接選挙を求めるというデモがあったりするんですが、特に職を求めるということについては、これは相当、最初の物の考え方以上に要求が強くて、それはやるところではないとかいう話ではなくて、極力これは対応しないとだめなわけで、その辺についての、雇用についてどういう力を入れるかということについてお答えいただきたいと思います。
○川口国務大臣 おっしゃられましたように、デモには二種類あると思います。そしてその中で、職を求めるという人の気持ちは非常に強いと思います。私どもとしても、この気持ちにこたえていくということが大変に重要だと考えております。
 既に発表させていただきました三つの案件がございますけれども、これは国連機関を通じまして、ハビタットを通じて、学校等の修理、それからそのコミュニティーのハウジングということがそのうちの二つですけれども、これらによりまして、サマワ地区だけで一日五、六百人程度の雇用が確保できるかというふうに思っております。
 引き続き、この雇用の視点を大事にしながら、経済協力の案件を進めてまいりたいと思っています。
○太田委員 総理、先ほど幅広い人道復興支援ということを申し上げたわけですが、先ほどは、自衛隊派遣というのはそうした角度からいくとその一部という位置づけを明確にされたわけですが、昨年十月にイラク復興会議で総額十五億ドルの無償援助、それから三十五億ドルの円借款、合計五十億ドルというのを決めたわけですね。
 それで、現在までにどこまでやっているかというと、これは、決定したのを含めて約一億二千万ドル。十五億ドルということからいくとかなりまだ前段の段階ということが言えるというふうに思うんですが、イラクに対する直接支援ということで、二国間支援、その中には警察車両というものを六百二十台、サマワについてはそのうち二十台ということをこの間の閣議決定、十六日にしたわけですね。それから、国際機関経由の支援ということで、UNハビタットを通じての学校再建事業など、これも十六日の閣議決定で決めた。
 あるいは、NGO経由の支援ということで十一億円ということが決まって、いろいろ去年のもう夏ごろからやっているわけで、私も、六月に行ったときに、ピース・ウィンズ・ジャパンのメンバーと一緒に、それがやっている北部の医療の事業というのを見させていただきました。非常に一生懸命やって、そして現地でも喜ばれている。略奪に遭っている医療機関、中がもう何にもないわけです。それを復興させようとして一生懸命このNGOが頑張っているというような状況があったわけですが、私は、十一億円では余りにも少ないし、もったいないといいますか、大きくNGOにも働いてもらう必要がある、こういうふうに思うんですが、まず、その前に、こういうようなことが行われようとしているということ自体の、私は、アピールといいますか、説明というものが非常に足りないと。
 去年の十二月九日の時点の総理の会見というものは、自衛隊の派遣ということについて当然そこは説明をしたんでしょうが、幅広い人道復興支援というものの重要性と、こういうふうにやっていますよということで、この十五億ドルのうちまだ一億二千万ドルということからいきますと、さらにこういうことも、こういうこともできるというようなことのアピール、それから説明、これからどうするのかということについて、もう少し強く国民に私は説明する必要があると思いますが、いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 その点は、これからの日本の復興支援に、イラク国民のみならず日本国民からの理解を得るためにも大変重要だと思います。
 できるだけ、広報を通じて、どのような活動をしているかということを、随時、適宜、国民に理解いただけるように活動状況を提供していきたいと思いますので、多くの国民、またマスメディアからの御協力もいただければありがたいと思います。
○太田委員 外務大臣、今の質問と同じなんですが、とにかく奥大使あるいは井ノ上一等書記官がイラク全土を駆けめぐって、そこを、どこにつけたらいいのかということをやっていたということですから、その辺の、もう一度言いますけれども、十五億ドルというこの無償資金ということについて、早急に詰めるという今の総理の話あるいはアピールの仕方、そういうことも含めて、再度、今の質問をいたします。
○川口国務大臣 イラクの人道復興支援につきましては、日本だけでやっているもののほかに、近隣の諸国からも一緒にやりたいという要望が非常に多く参っておりますし、また、サマワの町からも幾つかの希望も出てきているわけでございまして、そういったものをできるだけ早く詰めて実施を早くしていきたいというふうに考えております。
 それから、広報につきましても、これは総理にもアルジャジーラに出ていただきましたし、石破長官も出られましたけれども、私も別のアルアラビアで話をしたりしております。アラビア語のパンフレット等々、さまざまな努力を既に行っておりますけれども、今後も引き続き、これには鋭意注力をしていきたいと思っております。
○太田委員 援助で大事なのは、総理、私は行ってみるともう本当に痛感するんですが、イラク人の親日感情というか好日の感情というものは非常にすごいものがありますね。その上に、一番大変なときに日本が、援助をしてもらったということは、今後のイラクと日本との将来の関係というものを築くというような面からも極めて重要であるということからいきますと、例えば、今まで携わってきた事業というものは、もう二十年間あるわけですね。
 例えば病院、一九八〇年代の前半に全部でイラク全土に十三個の病院を建てている。七階か八階建てで、私もキルクークとかモスルのその病院を見ましたけれども、ほかの現地の診療所等が略奪に遭ったりして何もない中で、非常にそこがもう拠点として生きている。原っぱの真ん中にその病院が建っていて、あれは日本からの病院だということをイラク人が大変誇りを持って言うわけですね。
 それが、今度、神崎さんが行ったのを見ますと、モスルの地域、私がキルクークとかモスルとかアルビルで見たその病院よりもはるかに傷んでいる。確かにサダム・フセインが圧制をそこはやったなということがよくわかるわけですが、十三個全部含めてこの病院の再建というのは、せっかくあれは日本の病院だということを言っているわけですから、全部行うとか、あるいはまた、日本が建設をした港湾とかあるいはプラントとかあるいは電力施設、こうしたことについては責任持って日本がきちっと修理もやりますとか、あるいはまた、一九八八年の三月十六日に、北部、クルド人自治区のところに化学兵器をサダム・フセインが使って、一瞬のうちに六千人以上が亡くなっているわけです。
 私も現地に行って、孤児院を訪ねたり病院を訪ねました。そうしましたら、後遺症があるとか、もうそういうことが山ほどあって、ハラブジャという町ですが、ここの人たちが、日本で知っているところはありますかと言ったら、広島と答えたんですよ。ハラブジャというのをなぞらえてハラブシマというふうに自分たちは呼んでいる、ここのところを。
 本当にそうした医療ということの、この後遺症の支援とか共同研究をしたいということがあるわけですが、こうしたことの、日本が携わったり、日本にこういうことを具体的に要請のあるところは、責任持って、先ほどの十五億ドルとか五十億ドルという話なんですが、そういうことについてはきちっとやりますというようなことをまた私は明確に出すということが大事だと思いますが、いかがでしょうか。
○川口国務大臣 先生がおっしゃられましたように、十三病院等の支援を以前やっております。日本は、非常にイラクには支援をしていたわけでございまして、病院、電力、そういったインフラについては、これは、リハビリ案件というのは比較的効果が早く出るということがございますので、我が国としても、これにつきましては、現地のニーズを踏まえた上で、鋭意、今検討をするということで考えております。
 それから、医療でございますけれども、医療については、日本とエジプトの間で第三国協力といいますか、一緒に協力をしておりまして、今年度中ですけれども、約百名のイラク人に対する医療研修をエジプトでやるということを考えておりますし、また、ヨルダンのハシミテ医療財団とともに、イラクにおいて医療支援を実施いたしております。電力や治安やそういった分野におけるイラクの専門家の研修についても、第三国で一緒にやっていくということを検討いたしております。
 それから、クルド自治区にあるハラブジャのことですが、これは化学兵器の犠牲になった町でございまして、これについては、既に我が国のNGOがここで孤児院をつくって支援をしてきております。
 それで、今後この地域について具体的にどういうニーズがあるかということも今調べておりますので、今後検討をしていきたいというふうに考えております。
○太田委員 当時からサダム・フセインの圧制下で、しかも経済封鎖がありました。そこで、民間経済が窒息をしていた状況で、公務員といいますか、そういう国になっている。それで、政府が倒れる、一瞬のうちにみんな職を失うということになりましたから、戦後イラクの復興では、最近にわかに言われているように思うんですが、本来、雇用という問題が一番大きい問題ということからいきますと、我が党がずっと言っておりますメソポタミア湿原の復元ということが極めて大事。ここは百万人規模の雇用ということになるという指摘もありまして、すぐさまというわけじゃないんですが、あのサマワの近辺から始めるということもあるかもしれません。
 四国よりもちょっと広い、そういうような湿原があって、これは農業、漁業というものの中心拠点であったんですが、もうわずかになってしまって、あと四、五年でこれが死に絶える。そこには、サダム・フセインがその地域を弾圧しようというようなことで、川をせきとめるというようなこともしたわけですが、この復興事業というのは、極めて私は、中長期までわたって雇用というものを復元させるという、メソポタミア湿原の復元は雇用の復元であるということで、ぜひともこれについては、水は非常に石油以上に向こうの国では難しい問題ではあるんですが、難しいからこそ私は、世界協力する、そのリーダーシップを日本が発揮するということが非常に大事だと思いますが、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 このメソポタミア湿原に関する回復、復興につきまして、過日、イラクの民主主義運動の指導者の一人でありますリカービ氏が来日されたとき、お話を伺いました。これは非常に大事な話だなと思いまして、私は、早速このメソポタミア湿原に対して日本が何ができるか正式に検討してみようということで、既に検討、着手しております。
 同時に、このメソポタミア湿原の問題につきましては、国際社会も関心を持っているようであります。雇用だけでなく環境にも大きな影響をもたらす、こういう点から、日本はまず、イラク国民からこの事業が評価し歓迎されるか、イラク国民が本当にやろうということをお手伝いするものだということを私は繰り返しリカービ氏にも申し述べました。
 受け入れ体制、これなくして日本がいかなる支援をするかということもなかなか難しいので、イラク国内において、しっかりとした日本のこのメソポタミア湿原に対する支援に対して歓迎し、そして、受け入れ体制もイラク国民がしっかりとやるという状況もつくらなきゃいけないという点から、日本として、極めて中長期的な問題であります、短期の問題でありませんので、しかしながら、それだけに世界も関心を持っている事業でありますので、日本としても、まず最初に何ができるかということを今真剣に検討している段階でございます。
○太田委員 政治プロセスの問題ですが、ようやくデモ等でも、直接選挙要求ということはもうそういうことを意識しながらやっている。憲法ということを頭の中に置きながら動きが開始をされている。そして、六月にイラク人による政府、これはなかなか難しいと言われているんですが、それはやらなくちゃならない。そうしますと、CPAは、これはブレマーさんが言っているように、民間ということになって解体をする。
 そこで、やはり、早く国連というものが一つの大きなイラクの中に柱に立つということが大事であるということからいきますと、もう少し、国連が戻ってくる、そして柱になっていくという関与ということについて、日本も特使を派遣してやっているわけですが、この間の十九日もそれぞれの話し合いが初めて行われたということですが、日本として、この政治プロセスの問題について国連を柱に立てるということについての一層の努力ということが私は大事だと思いますが、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 できるだけ早くイラク人によるイラク人の政府を立ち上げるということは、今後、イラクに安定した民主的な政権をつくるために不可欠でありますので、これに向けて、今の暫定統治評議会でも、米英でも、国連でも、いかなる支援ができるかということを真剣に討議しておりますので、この問題につきましてもできるだけ国際社会が関与して、イラク人の、イラク人のための政府は何かという観点を重点に置いて、できるだけ早期にこの問題が成功に向けて立ち上がることができるように努力をしていきたいと思います。
○太田委員 中小企業のバックアップについて質問したいと思いますが、日本経済がよくなってきたということは、これは数字等を見ましても確かにそうなんです。しかし、明確に中小企業と地域経済というものは相当てこ入れをしなくてはならないというここの認識は、しっかり持たなくちゃいけない。
 そして、その中小企業のバックアップということについては、私は、常々攻めと守りというのがあると思う。セーフティーネットという観点の守りもあるけれども、新しい企業をつくるというような攻めもあるし、金融においても攻めと守りという金融のやり方があるということで、我が党は、また私自身もそうですが、今から五年前の信用保証協会の特別保証制度というものを推進したり、返済は弾力的にしなくちゃだめですよということをやったり、売り掛け債権担保融資制度というのをつくり上げたり、去年の二月十日からは借りかえ保証制度ということをやってきたわけです。
 この借りかえ保証制度はかなり前進をして大きく利用されているというふうに聞いて、この間も私はそういう報告も聞いたわけですが、この借りかえ保証制度、例えばこれが今どうなっているのか、我が党もしっかりこれを推進してきたわけですけれども、どうなっているかという現状について報告いただきたいと思います。
○中川国務大臣 この借りかえ保証制度につきましては、今太田先生御指摘のとおり、去年の二月からスタートいたしました。直近、本年の一月十六日まで約一年弱でございますけれども、三十四万件、約五兆円に達しておりまして、中小企業にとって大変役に立つ制度ということで機能しているというふうに認識をしております。
○太田委員 その守りの支援策としまして、現場を回って中小企業の方々の話を聞きますと、例えば、信用保証協会の特別保証制度というのは去年の十月でちょうど五年になるわけですね。制度はもう既に終わっているんですが、返済が五年ということで、きちっと返してきて、中小企業の方々がどれだけ頑張って、歯を食いしばって、自分の給料も社長さんは本当に返上するぐらいの形で返してきた、返しましたと。これだけ努力してやってきているのに、何か新しい制度みたいな工夫はないですかというような、そういう要望というのはあるわけですね。
 汗をかいてきた、我慢してきた、頑張ってきた、痛みにも耐えてきた、そういう人に対して新しい、信用保証協会なら信用保証協会が新しい出動を願う知恵とか、あるいは、今いろいろな制度が整っているわけですが、それについて全部中小企業の御主人たちは知っているわけではない。もう少しきめ細かなアドバイスができるというような、そういうことについて私はより一層政府として力を入れなくちゃいかぬ、こう思いますが、いかがですか。
○中川国務大臣 まず冒頭、太田先生がおっしゃられたように、日本経済、事業者数で九九%を占める中小企業、そしてまた地域において非常に大事な位置づけの中小企業、大半はまだ非常に厳しい状況にあるという認識は私自身持っております。
 そういう中で、守りと攻めという先生の御指摘の中で、借りかえ担保制度、今御説明申し上げましたが、そのほかにも、今後法案等で御検討いただくものも含めまして申し上げますならば、既に去年の十月からスタートをしております、それぞれ経験豊かなOBの皆さん方の人材を活用した、商工会議所に人材を登録してデータバンクをつくったような形でOBマッチング事業というものが既にスタートをして、豊富な人材を有効に活用していくという制度を既にスタートをしております。
 また今後、「がんばれ!中小企業」ファンドというものを設定いたしまして、中小企業事業団とそれから民間のパートナーとが組んで、資金面あるいはまた販路のいろいろな知識を民間と政府系とで協力をし合ってやっていくということを十六年度からスタートさせていきたいと思います。
 さらには、スタートアップ事業ということで、ベンチャー企業を中心にして、研究とそれから市場への参入との間の、一つのデスバレーという言葉が使われておりますけれども、いよいよ生産、営業に向けて立ち上がるというところを支援していくということにつきましての補助金についても、十六年度からスタートをさせていきたいと思っております。
 さらには、いわゆる金融機関の中小企業への貸し出し、これはいわゆる有担保、土地中心の有担保、あるいは保証中心でございましたので、これを証券化することによって、よりスピード、そしてまた適切な資金供給ができる。それを、貸付債権を証券化することによって、流動化することによって、より資金供給がしやすいような体制にしていきたいというようなことを現在考えているところでございます。
○太田委員 中小企業にとっての三つのハードルといいますか、そういうものは、今お話のあったように、一つは金融。一つは、技術が具体化されて事業にいくまでのいわゆるデスバレー、バレー・オブ・デス、そういう死の谷というのがある、そこをどう克服するか。それから人材。それぞれについて用意をされていると。
 私は、もう一遍ここで金融という、攻めの金融といいますか、今お話のありました、担保が必要であるとかそういうことだけでない、証券化ということを利用するとなりますと、そこには中小公庫というのが絡むわけでしょう。そうしたことについて、単なる制度を用意したわけじゃなくて、そこに本当に銀行あるいは信金、信組も含めて、それがとにかく金融庁の監査も厳しいとかいろいろあるわけですから、そういう点でいきますと、思い切って利用してくださいというふうに手を挙げる、わきをあけるというようなことにするには、中小公庫とかあるいは政府みずからが、これは力を入れますよという保証をしないと、これは何ともならない。ぜひとも、そこは魂のこもった中小企業バックアップ策ということを、私は政府挙げてやってもらいたいと思いますが、いかがですか。
○中川国務大臣 中小企業の重要性、それから現状を考えますと、今先生御指摘のように、いろいろなメニューを用意していても、知らないとか、あるいはまた複雑だとか、関係がよくわからないということで、うまくそれが伝わっていかないということになりますと、我々の意図するところではございませんので、関係諸機関の横の連携、あるいはまた自治体とか商工会議所との連携の強化、さらにはやはりPRが必要になってくると思いますので、そしてまたいろいろな関係方面の御意見を聞いて、我々としてもこれでいいんだというふうには決して思いません、もっといいものがあればどんどん取り入れていくことが今非常に必要なことだと思います。
 そういう意味で、太田先生には、この件に関して長らく御努力をいただいておりますけれども、引き続き御指導をよろしくお願いいたします。
○太田委員 総理、私は政府挙げてというふうに申し上げているわけですが、そこについては、本当に中小企業が大変で、そこに火がついて元気になってくる、そういうことが非常に大事なことで、今までの経済のように、大企業がよくなった、それがそのまま中小に転化するという、まさに構造が変わってきているということからいいますと、相当粘り強くそこに視点を当ててバックアップしていくということが、私、非常に大事だと思います。
 総理かあるいは竹中大臣、私、質問通告してはおりませんけれども、競争原理主義の、アメリカナイズするような、そういうようなことでみんな国民は危惧しているかもしれませんから、はっきり物を言った方が、中小企業をバックアップするぞということを私は申し上げた方がいいと思います。
○竹中国務大臣 マクロ経済の指標がよい方向に向かっている中で、それを地域と中小企業に浸透させなければいけない、そのこと自体、我々、経済財政諮問会議で昨年の春から一生懸命議論をして、それが地域再生本部の設立にもつながったわけでございます。我々、その意味で、太田先生おっしゃったような問題意識を非常に強く持っております。
 中川大臣おっしゃったように、中小企業の担当の大臣として今一生懸命いろいろなことをやってくださっておりますが、これは全内閣でやらなければいけない。
 例えば金融に関して申し上げるならば、それに合わせて金融の検査マニュアルの中小企業編を、我々、今改訂の作業をしております。より中小企業の実態に合わせて、融資が滞りなくうまくいくような仕組みをつくっている。さらには、いわゆる大銀行に対しては不良債権の処理について数値目標を設けておりますが、我々、中小企業の金融に対しては、中小金融機関に関してはそういうことを設けていないわけであります。現実に、地域の金融機関、中小金融機関のうちの八割が、新たなタイプの、例えば担保に依存しない融資の制度を今検討しております。
 御指摘のような問題意識を我々は強く持っておりますので、ぜひ政府を挙げて、総理の御指導のもとに、そのような政策を進めていきたいというふうに思っております。
○太田委員 年金問題が今大きな焦点になっています。これについては今鋭意努力をし、そして、我が党が年金百年の安心プランというのを出して、それが軸になって相当練り上げられて、安心を得られるということになろうとしているということについてはいいわけですが、より幅広く言いますと、総理、最後に一つだけお答えいただきたいんですが、年金と医療と介護というものと保険料との関係性の中でやるということ以上に、六十代、いよいよ団塊の世代が四年後ぐらいに六十代になっていくということからいきますと、むしろこの六十代の雇用、それから働き口がある、そしてまた思い切ってそこで使ってもいただける、消費が喚起されるというような、六十代が働きもできるし消費もできるというようなことも含めて、年金、医療、介護、雇用、消費、こういう角度での、私は、幸せな年齢と書いて、あるいは公明党のコウレイ社会というのは幸せな年齢の齢を書くわけですが、そうした幸齢社会というものを、六十代というのを象徴的に枠組みをつくる。
 これは省庁じゃできませんから、政府挙げてそういう研究をスタートして、大きな枠組みの中での、まさに構造改革というのはそういうことであろうというように思いますが、統一した、横断的に取り組む体制をつくれということを私は申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 六十歳以上の方々にいかに活力を発揮していただくか、これはこれからの日本経済発展のためにも、また日本社会が高齢社会へ進む中で健全に発展していく上においても、極めて大事であります。
 今、六十歳という年齢は、もう高齢者のうちに入らないぐらい、非常に多くなって、元気な方が多いですね。私も若いころは、六十というと還暦だ、随分年をとっているなと思っていましたけれども、いつの間にか私も六十歳を過ぎてしまいました。しかし、元気でこうして活動できておりますし、私以上に元気な八十歳、九十歳、たくさんおられます。九十九歳でエベレストに登ろうという方もおられるぐらい、百歳でゴルフを楽しんでいる方もおられるぐらい、もう実にさまざまな分野で高齢者が活躍しておりますので、六十五歳ぐらいまでは元気に働けるというような環境を、政府も企業も組合の皆さんも一体となってつくっていくことが大事だと思っております。
○太田委員 終わります。
○笹川委員長 これにて太田君の質疑は終了いたしました。
 次に、前原誠司君。
○前原委員 民主党の前原でございます。
 午前中の残りとそして午後から約一時間、主に総理に質問をさせていただきたいと思います。
 まずはイラクの問題について質問をさせていただきたいと思いますが、改めまして、昨年亡くなられました奥大使、また井ノ上一等書記官に対しまして、心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
 また、立場は違いますけれども、イラク、中東に派遣をされている自衛隊の皆さん方が無事に職務を全うして帰ってこられることを、我が党としても心から祈念をしているということも、改めて国民の皆さん方に対して申し上げたいというふうに思います。
 まず、総理に聞いていただきたいんですが、我が党のイラクに対するスタンスというものについて少しお話をし、そして大きな観点からきょうはちょっと議論をさせていただきたいというふうに思います。
 我々は、アメリカ、イギリスなどによるイラクへの攻撃そのものに対して反対でありました。それは幾つか理由がありますけれども、国連決議、これは見解の相違だと総理がよくおっしゃいますけれども、一四四一という国連決議そのものがイラクへの攻撃を認めていない、あるいは、湾岸戦争のときの古い国連決議を持ち出して、そしてそれを用いてイラク戦争の正当化を行ったということに対しては、我々はくみしないと。
 ちょうど一年ぐらい前になりますけれども、まだイラク戦争が行われる前に、私もアメリカに行っていろいろな高官の方とも話をいたしましたけれども、そのころは、国連決議の六七八、六八七なんという議論はなかったんですね。そのときやったのはむしろ、イラクというのはそもそも危険な国家で、そして、ブッシュ・ドクトリンに基づいて、ああいう国はなくさなきゃいけないんだという議論が活発に政府の中で行われてきた。
 私は、言ってみれば、六七八、六八七という国連決議はまさに後づけの議論であって、そもそもブッシュ・ドクトリンという先制攻撃戦略に基づいてのイラク攻撃が行われたというふうに思っています。そういう意味からも、我々としては、あの戦争に正当性はなかった。
 それから、大量破壊兵器の問題が言われています。
 これは後で質問をさせていただきたい、あるいは同僚から質問があるかもしれませんけれども、当時のイラクへの査察団の団長であったCIAの特別顧問の方が、ケイさんという方ですか、その方が辞任をされて、そして、そもそも自分自身は大量破壊兵器が存在するとは思っていないということを発表されました。これは総理も御承知のことだと思います。言ってみれば、大量破壊兵器を持っている疑惑が高いからイラクを攻撃するんだという正当性そのものがさらに脆弱になってきているというのは間違いがないことであります。
 そして、戦争が行われました。そして、大義なき戦争を行ったと思われているアメリカ、イギリスがCPAという形で今占領統治をやっている。そして、その占領統治に加担をすることが果たして、その大義なき戦争に加担をするということも含めて、日本として本当にあるべき姿なのかどうなのか、そして憲法上も疑義がないのかどうなのか、そういった点。
 そして、あとは自衛隊を派遣する法定根拠となっているイラク特別措置法。この戦闘地域、非戦闘地域、これも同僚議員が後で質問をされますけれども、我々は、フィクションである、今のイラクでは当てはまらないと思っている、したがって法的にも今自衛隊を派遣することは妥当だと思わない、それが我が党のスタンス。しかし、それでとまっていては単なる批判勢力に終わってしまう。我々は、イラク復興支援は必要だと考えています。それに対しての対案も示してきました。そのことについて、少しこれから総理と議論をさせていただきたいと思っています。
 今まで政府が行ってこられたイラクへの支援というのは、私の言い方、失礼かもしれません、お気にさわったら許していただきたいんですが、極めて局地的、そして対症療法。外交を大きな外交、小さな外交に例えたら、小外交、小さな外交であって、大外交を日本はやっていない、そういう思いを私は強くしています。
 一つは、復興支援に対してお金を出した。これは相当なお金ですよね。アメリカに次いで大きなお金を出した。しかし、大きなお金を出したから大外交とは言えない、戦略外交とは言えない。それから、これも後で私が、もしくは同僚議員が質問されると思いますが、債権放棄の問題、パリ・クラブの枠組みの問題、これも債権放棄されるおつもりなんでしょう、ある程度は。それから、自衛隊も出された。この三つのことを政府としてやってこられたわけですね。
 しかし、私どもは、民主党は、今日本に求められているのは、戦略外交、大きな外交ではないかというふうに思っているわけです。つまりは、どういったところに問題点が今あるのか、そのことについて、少し総理と議論をさせていただきたいと思います。
 つまりは、このイラクの復興支援というものに対して、今大きな問題が幾つかあります。治安の問題、それから雇用の問題、それから政権移譲の問題、こういった大きな問題があって、まさに政権移譲というのは六月に行われようとしているわけですね。
 私がまず申し上げたいのは、例えばこの政権移譲についても、統治評議会そのものに疑義を示されているイラク人というのは多いんですね。つまりは、CPAが勝手に選んだ、あるいは自分たちの言うことを聞いてくれる人たちを中心に選んだ者だけで集めて、そしてイラクの将来を決める、その枠組みが果たして妥当なのかどうなのかということが一つあります。
 それから、この統治評議会とは別個に、イラクの本当の今の勢力分布、例えばクルド、スンニ、シーア、そういったグループを代弁するような別の評議会をつくるべきだという話もあります。
 また、統治評議会を前提とした間接選挙というものではなくて、やはり直接選挙をやるべきだ、こういう話があって、私は、これからどんどんどんどんイラクの情勢というのは混乱していくんじゃないか、そういう思いを持っているんですね。
 総理に伺いたい。
 お金を出します。アメリカに次いでたくさん出した。債権放棄もします。できれば、どのぐらい用意をしているのかもお答えをいただきたい。自衛隊も出します。自衛隊も、トータルで多分千人規模を超えるんでしょう。しかし、イラク全体、あるいは中東和平のかぎを握るイラクの今後のことを考えれば、今の日本の外交というのは、局地戦、そして戦術外交の域を出ていない。私はもっと大きな戦略外交というものを行うべきだと思いますが、その点について、総理のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 まず、イラクの復興支援というのは、これが、世界が協力してやるべきだと思っております。そういう中において、日本としてできるだけのことをしていこう。イラクの復興支援というのは、一番望んでいるのはイラク国民自身だと思います。
 同時に、このイラクがテロの温床になった場合に、一番脅威に感ずる、周辺国のみならず、世界が脅威を感ずるはずであります。日本も例外ではございません。
 そういうことを考えますと、今、世界の平和と安定のために日本が何ができるか。かつてだったら、日本がほかの、よその国からも援助をしていただかないと立ち上がれない、あるいは、日本が、戦争の経緯から、日本が余り強くなっては困る、そういう国際社会の懸念もありました。そういう場合は、日本が日本だけのことを考えていれば許された時代もかつてはありました。
 しかし、今、日本がここまで、援助される立場から援助できる立場に立ったときに、しかも、日本の平和と発展というのは日本一国だけではなし得ない、世界の平和と安定の中に日本の安全と繁栄もあるんだということを考えるならば、私は、日本として、世界の平和と安定のために何ができるかということを考えるのは、日本国家として大変大事なことだと思っており、また必要なことだと思っています。
 そういう中で、では、イラクの復興支援をどうするか。このイラクの復興支援に対して、世界の平和と安定と密接に結びついております。その中において、我々としては、日本の国際社会の中での責任をいかに果たすかということで今苦労しているわけであります。
 そういう点から、お金だけ出せばいいという状況にはないと私は認識しております。資金の協力ももちろんであります。物的な支援ももちろんであります。人的な支援、これをいかにするかという総合的な観点が必要である。
 もちろん、人的支援の中には、自衛隊だけではありません。日本国民あるいは政府職員、多くの方々が今までもイラクに対して活躍していたからこそ、今、イラク人の間で、日本国に対してあるいは日本国民に対して極めて好感度が高いというのは、多くの方々がイラクに対して協力していた過去の積み重ねが私はあるからだと思うんであります。
 そういう点を考えまして、今、日本としてこのイラク復興支援、人道支援に何ができるかという観点から、その一つとして、現在の状況において、自衛隊の派遣も必要だろうというふうに政府としては考えているわけでございます。もとより、それだけではないということは、前原議員御指摘のとおりでございます。
○前原委員 総論で、総理のおっしゃることに異論は全くありません。
 私が申し上げたかったのは、つまりは、戦術外交、小外交。つまりは、日本でできることはまず最低限やろうと。それは、立場の違いもありますけれども、それはわかる。それがなければ大きな外交、戦略外交もできない。てこにできないからです。何もしないのに大きな外交に口が出せるわけがない。したがって、そういった部分で、日本のできる範囲のことはやろうとおっしゃることについては、総論はわかります。そこから次のステップについて、私は総理に、どういう日本が国際社会に対して働きかけをしていくのかということを伺いたいわけです。そのことを聞いているわけです。
 私は、民主党の中に次の内閣というものをつくっています。我々は本当に政権を次にとりたいと思って、次の内閣、私は外務の担当をさせていただいています。もし、今私が政権の立場でそういう担当者であれば、多分、国会開会中は難しいかもしれないけれども、世界を飛び回らなければいけないんだろうと。
 つまりは、どういうことかというと、治安の問題一つとっても、この治安を回復するためには、私自身は、民主党は何が必要かと考えれば、それは日本が千人規模を出すこと、それは、アメリカにとっては、あるいはサマワという地域にとってはプラスになるかもしれない。しかし、全体としては、アメリカが十三万人出しているけれども、その次に出しているイギリスが一万人。専門家に言わせると、今のイラクの治安の安定というものを本当に実現しようと思えば、三十万人以上の部隊は必要なのではないかということは言われているわけですね。
 ということは、アメリカ、イギリス中心で行っていて、そっぽを向いている国がある。あるいは、復興支援についても、血を流したものだけが関与して、協力しなかった国は排除するよということの中で、結果的に関与できていない国がある。それがひいては治安の悪化を生む。治安の悪化を生んで、しかも排除するから、雇用が生まれない。悪循環をつくっているのが、実は今のCPAを中心とするアメリカのエゴではないか。
 もし、お金を出している、そして債権放棄もある程度する、そしてアメリカから要請のあった自衛隊も出す、これは立場が違います、出した。だったら、それをてこに、なぜイラクの戦略外交なり大きな外交、つまりは国連の関与とか、あるいは他国にもっとこのイラク復興のスキームの中に参加させるようなアメリカへの説得とか、他国への説得というものをなぜやらないのかということを私は聞いているわけです。
○小泉内閣総理大臣 現在も、日本のイラクに対する外交は戦略的外交の一環なんです。それは、日本の外交として日米同盟と国際協調を両立させる極めて重要なことであります。アメリカとの良好な関係を築いていく、同時に国際社会と協力してやっていく、それを言葉だけでなくて行動で戦略的に今やっているんです。日本は、そういう意味において、このイラクの復興支援に日本がどうかかわっていくということは、今後、日本が国際社会の中でいかに影響力を発揮していくか、日本が評価を得ていくか、また日本の役割を高めていくかにおいて極めて重要なことなんです。
 そういう観点から、日本としては、アメリカとも協力していく、これは当然であります。同時にフランスともドイツとも協力していく、さらにはアラブ諸国とも協力していく、それを具体的に今実際やっているんです。そういう観点から、日本としては、日本にふさわしい役割もあるのではないか、ほかの国とは違った、日本は戦闘行為には参加しなかったけれども、その他の面でイラクの復興に役立つことができることがあるからこそ各方面に働きかけていく、これは戦略的外交の一環であります。
○前原委員 言葉が、私は躍り過ぎていると思いますよ。つまりは、戦略外交というのは、そのトータルの面で、具体的にどこに落としていくかですよ。
 さっき申し上げたように、私の戦略外交という意味は何かというと、では、復興支援事業に、アメリカに協力した者以外を排除するということに対して、具体的にどういう行動をとられましたか。アメリカに対してどういう行動をとられて、そしてそれに対してアメリカはどうだったのか。あるいは、復興プロセス、今政権移譲のプロセスをしている。アメリカさえ、国連が関与しなければうまくやれないということは言い出している。
 では、国連はしかし、アナンさんは、いわゆるデメロさんなんかが二十人以上亡くなられた、それに対して二の足を踏んでいる。そのことに対して、では、アナンさんと話をして、そして、日本としてもできる限りのバックアップをするから、あるいはこういう支援もしているから、ちゃんと国連も関与すべきだよということをちゃんと言ったかどうか。私が具体的にと言っているのは、そういうことをちゃんとブッシュさんに言ったのか、そして話をしたのか、そしてまた、アナンさんにも話をして、そういうことについてどういう進展があったのか。そういう総論じゃなくて各論、具体的なことを聞いているわけですよ。私の申し上げている戦略外交というのはそういう意味です。その二つのことについてお答えください。
○小泉内閣総理大臣 答弁しておりますように、ブッシュ大統領との会談の際にも、今申し上げたようなことは重ねて申し上げております。いかに国連を関与させるか、国連を重視していくか。これはいろいろなブッシュ大統領との会談でも申し上げております。アナン事務総長に対しても、中山元外務大臣特使を派遣して、国連ができるだけ関与すべきだということも話しております。また、フランス、ドイツにも、橋本元総理を、特使を派遣してやっております。エジプトにも、私自身、ムバラク大統領と会談して、エジプトと日本が協力してイラク復興支援のために何ができるか、具体的に進めていこう。いずれも、総合的に考えて、具体的に日本は、口だけでなく行動でやっているんです。
○前原委員 その成果というものを、努力したプロセスというものを、国民に開示をしてもらう、そしてまた、どれだけ進んでいったのかということをしっかり示してもらうということが必要だと思うんです。
 僕は、対米追従ということがよく言われます。そこの一つの大きな問題点というのは、そういった努力のプロセスというものを国民にしっかり見せる、そしてアメリカにも嫌なことを言っている、そして国連にもちゃんとした働きかけをしている、それがどういう結果を生んだのかということを示すことが、私の申し上げている大外交であり戦略外交なわけですよ。そういうことが、では、ブッシュさんとどういう話をされて、ブッシュさんからはどういう回答があったんですか。今、ブッシュさんと会談して、いわゆる復興支援排除の問題でも、ほかのところを関与させるべきだとおっしゃったんだったら、ブッシュさんからどういう回答があったんですか。しかし、その他国の排除の話というのは全く今までの状況とは変わっていないじゃないですか。
 ということは、小泉総理のアメリカに対する申し入れというのは無視されたということなんですか。そのことを聞いているわけですよ。
○小泉内閣総理大臣 その御指摘は全く当たらないと思っています。
 よく、私がアメリカと協力すると、アメリカ追随と言います。これは全く当たらない。アメリカと緊密な協力というのは日本外交にとりまして大事であります。そして、アメリカに対して、多くの国に門戸を開放すべきだと。現にアメリカはその努力を続けております。同時に、日本としてはこれからも、国連の関与に対しまして、国連にも働きかけておりますし、その都度やっておりますが、報道されている部分が小さいのは事実であります。報道はやはりイラクに自衛隊に対する派遣だけを大きく取り上げるでしょう。
 ブッシュ大統領も、そういうことを考えながら、決してブッシュ大統領のやっていることが世界から全部歓迎されているとは思っておりませんけれども、ブッシュ大統領なりアメリカは、アメリカ一国でやっているということを好ましいとも思っていないし、できるだけ国連の関与を強めていこう、国際社会と協力していこうということで現実に動き出している。この点は、よく事実を見れば明らかだと思っております。
○前原委員 引き続き午後また議論させていただきたいと思います。
○笹川委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時五十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○笹川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。前原誠司君。
○前原委員 民主党の前原でございます。
 午前中に引き続き、イラク問題について質問をさせていただきます。
 午前中私が申し上げたことは、戦争の経緯、イラク攻撃への大義の問題については政府と我々は全く違うけれども、今のイラク復興支援については、国連決議もこれあり、しっかりやっていかなくてはいけない、そういう思いでは共通していると。しかし、今の政府のやり方というものが、私は、局地戦、つまりは、お金を出す、これも大事かもしれない、債権放棄、これも大事かもしれない、そして自衛隊を一部出す、これは立場は違うけれども、そういうことをやられている。それをしかし、イラクの復興を全体と位置づけないで、今のイラク自体をどういうふうに国として、民主主義国家として立ち上げるのかというところの、そういったグランドデザインというものを、それだけの支援をしているのであればしっかりやっていくべきではないか、こういう質問を私は総理にしておりました。
 そこで、取り組みについて、午前中少しやりとりをさせていただいたわけでございますが、私が今持っている問題意識というのは、六月に暫定政権というものができるというふうになっていますけれども、そのプロセスの中で非常に大きな問題が出てきている、それをうまく乗り越えなければイラク人による政府というのはできないのではないか、それに対してもっと日本が積極的にかかわるべきだし、そしてその役割を果たしていますか、果たすべきではないか、こういうことを申し上げているわけです。
 私が戦略外交、大外交と申し上げたのは、例えば、復興支援からアメリカに、イギリスに協力しなかった国を排除するよというものをやめて、すべての国がイラクの復興に協力できるような仕組みを、アメリカにしっかり物を言うということ、それがまず一つです。
 それから、アメリカさえも、国連関与、選挙監視について関与してほしいということを言ってきた。しかし、これは午前中にも申し上げたけれども、国連自体が、デメロさんの死亡を初め大きな損害を出して、人的な犠牲も出して、非常に逃げ腰になっている。しかし、私は、今国連が関与しなければ、一体何のための国連なのかということを国際社会から言われる、そういった国連の関与というものも、日本はしっかりと国連に対して、アナンさんに対しても言うべきではないか。そういうことをしっかりされていますかということを私は申し上げました。
 アナンさんには中山特使を送ったということを言われましたけれども、それについてどういう実績があったのか。そしてまた、復興支援事業について、協力をしなかった国を排除するよ、それに対してはブッシュさんにも言っているとおっしゃいましたけれども、言って、それがどうであったのか、どういう前進を見たのか見ていなかったのか、そして引き続きどういうことをやろうとしているのか。もう一度、この二点について総理に御答弁いただきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 午前中も答弁いたしましたが、まず、国際社会のできるだけ多くの協力を得るようにアメリカに対して努力すべきこと、これはもうブッシュ大統領にも直接言い、また関係者等に各レベルを通じて申し上げております。
 国連が出ていくべきだということに対しても、アナン事務総長に対して中山特使を派遣しまして、そのような日本の考え方を申し出ております。
 これはすぐ効果が出ていないのではないかというお話ですが、これは私は、実際にそういう努力をアメリカもしているし、国連も今真剣に考えてきた、そういうことが、これからの六月に向けて、暫定統治評議会、イラクにイラクのための政府をつくるためにどういう政治プロセスがいいかということにも出ているんじゃないか。もちろんすぐ効果が出るわけではありませんが、そのような必要性は、アメリカも国連も今前原議員が言われたような必要性は感じていると思います。日本としても、そのような努力は今後とも続けていきたいと思っております。
○前原委員 その上で、より日本が行うべきことは何があるんだろうかということで、これは私も、建設的な提案も含めて総理と議論させていただきたいと思うのでありますが、今イラクで問題になっている一つは、先ほど申し上げたように、治安の問題とか、あるいは雇用が足りないという問題が起きています。
 これについては、先ほどもお話ししたように、国際社会が関与するような状況をつくれば自然に治安も安定してくるし、そしてまた日本だって、自衛隊を出すといったらサマワにODAを出そうということになるわけですね。やはり局地で何かの協力、関与をしようと思えば、そういった支援をやらなきゃいけない。そうすると、そこにまた雇用が生まれてくるかもしれないという話になってくるわけです。ということは、多くの国が関与をすることによって、治安も雇用の問題も解決するかもしれない。そして、その努力はしているということをおっしゃいました。
 では、それをさらに強めていくために、私はこういう提案をしたいんですね。
 今イラクで問題になっているのは、今の統治評議会が定めた間接選挙でいいのかどうか。特に、六割を占めるシーア派が直接選挙をやってくれと言っている。中東、イラクの専門家の方は、仕事を欲しいというデモが、これが直接選挙の要望とつながってきたときには大変大きな暴動になるかもしれない、そして、それがひいては治安を悪化し、そしてイラク人による統治の移行に対して大きな妨げになるかもしれない、こういう話があります。
 つまりは、今まさにアメリカさえも国連に関与してほしいというふうに言っているのは、国連が関与することによって、CPA、アメリカ、イギリスのそのグロテスクさを一歩引いて、そして、イラク人による政権移譲というものをやらなきゃいけない、アメリカさえもそういうふうに思い始めているわけですね。
 ということは、その議論というものを例えば日本がほかの国にも訴えて、国際会議という形でもいい、復興支援会議というものでもいい、その直接選挙というふうなことを認めるのか認めないのか、今の統治評議会というものの前提でまずはスタートしろということを認めるか認めないか。それも含めて、やはり国際社会がある程度のコンセンサスを得なければ、私は、イラク人による統治というものはできなくて、結局は、個別で努力をしたことが水泡に帰する可能性があるわけですね。そういった仕組みをつくるために日本が果たすべき役割、例えば、国際会議を開いて、そしてそういったさまざまな国の意見調整をしましょうよ、こういうことを呼びかけるということも、私、一つの案であると思うんです。
 今の私の発言についてどう思われるか。それと、直接選挙の要望が出ている、あるいは、今の統治評議会を前提とした間接選挙でいいと思われるのか。そのことも含めて、二つ御答弁をいただきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 イラクの統治がどうあるべきかということについて、できるだけ、暫定統治評議会、国連を含めた国際社会が関与するべきだということについては私も賛成であります。
 それと、間接選挙がいいか直接選挙がいいか。これは非常に難しい問題で、私は、今イラクが自分たちの国をつくろうとして努力している。そういう中にあって、だんだんだんだん、ああ、自分たちの国民でイラクの政権を立ち上げることができるんだなという状況が生まれてくれば、やはりイラク国内の勢力争いも影響力争いも出てくると思います。その辺が非常に難しい問題で、今の時点で、直接選挙というのがどうあるべきかという点も難しい問題です。同時に、直接選挙が六月に実施できるかという現実の状況も、難しい問題が多々あります。
 いずれにしても、間接選挙がいいか直接選挙がいいかというのは、現実の、執行できるかという可能性も含めて、できるだけイラク国民に判断をゆだねる、またそれを尊重していく、そして国際社会がこれを支援していくということが私は必要だと思っております。(前原委員「国際会議の話、復興支援会議の話」と呼ぶ)
 この点についても、今、国際社会がどのように関与していくべきかということについては、日本としても、よくその状況を見きわめながら、日本として何ができるか、またどういうことを日本としてやっていったらいいかという中で考えていきたいと思います。
○川口国務大臣 若干事実関係に関することがございますので、申し上げさせていただきたいと思いますけれども、委員が御案内のように、この直接選挙か間接選挙かということについては、国連が三者会談の後、調査団を送るということを検討するということになっております。日本としては、この調査団が早く送られるようにというふうに考えておりまして、これについては、そんなに時間がかからないで国連は結論を出すのではないかというふうに期待をしているわけでございます。
 それで、先ほど総理がおっしゃいましたように、直接か間接かというその二者択一という構図よりは、恐らくもっといろいろなことを考えなければいけないんだろうと思います。それを考えるときの基準というのは、やはり民意が反映される制度であるということと、それから十一月十五日に合意をしました政治プロセス、これが時間どおりに行われるということ、それから実現できるかどうか、この三つを考えて、その基準に照らして一体どういうことがいいのかということを考えていくことだろうと思います。
 実際に、もう今までずっとフセインの政権のもとであったわけで、政党法もなければ基本的な選挙についての法律もない、それから選挙人名簿もないわけでして、そういうような状況、それから、国内の先ほど委員がお触れになられたプロセスで満足をどのように落ちつかせていくかということが課題でありますので、外で国際会議を開いて、それで国際社会の合意を見るという以前に、国内で幾つか詰めるべきこと、あるいは合意をとるべきための努力ということが今必要な段階であろうと思います。
○前原委員 二つ申し上げたいんですが、先ほど総理が、直接選挙か間接選挙かということについては、基本的にはイラク人に任せるべきだ、そういう話でしたけれども、くしくも総理がおっしゃったように、もうお互いの勢力争いに入ってきているわけですね、イラクの中では。ということになると、私は、それを、まあ丸投げするということになったらそれは誤解があるかもしれませんが、イラク人に任せるということになっても、なかなかやはり難しいんだろうと思うんですね。そこは、まさにアメリカさえも国連の関与というものを求めたということは、国際社会がそれに対しては真剣にかかわっていかなくてはいけないということを私は日本もしっかり認知すべきなんだろうというふうに思うんです。
 そこで、先ほど川口外務大臣が、国際会議なんかをやる以前に整理しなきゃいけないことがたくさんあるということなんですが、まさに私は官僚の発想なんだろうと思うんですね。
 つまりは、首脳が集まってトップダウンで決めるというのが私は国際会議の意義づけであって、そういったやはり大国間あるいは主要に関与する国々が、あらあらの問題というものをどのようにやっていくのか、また、それが集まることによって政治メッセージとして国連を促す、あるいはイラクに対してのメッセージにもつながる、そういうことも私はあり得ると思うわけです。
 もう一度申し上げますが、そういう意味も含めて、国際社会が一堂に会して、イラクの復興、今言われた暫定政権の移譲に向けての取り組みというものも、私は日本がイニシアチブをとるべきだというふうに思いますが、もう一度、総理、御答弁いただきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 これは非常に難しいことで、国際会議を開いて首脳が集まってトップダウンでこうやりなさいと言っても、イラク国民がそれを受け入れるかどうかという問題もあるんですね。イラク人自身でさえ、やはり自国の選挙をどうやるべきかというのをよその国に決められたくないという気持ちもあるでしょう、また誇りもあるでしょう。そういう点も含めて、よく情勢なり、今の暫定統治評議会に国連がどうかかわっていくか、また、イラク国民がどのような形だったらば受け入れるのかということをよく見きわめないと、今の段階からこうやりなさいと言って指令を出して、できるかどうか。その点も私はよく見きわめなきゃいけないと思うんであります。
○前原委員 提案でありますので、付言をして、もうこれだけにしますけれども、アフガニスタンの復興支援会議でも、当事者を入れてやるわけです、当然ながら。だれも、外してやれなんということを私は申し上げているわけではない。今だったら、統治評議会というものがあるわけですから、そういったメンバーを主要なメンバーとして入れるというのは当たり前のことだと思います。
 したがって、イラクの方々に関与させずに大国だけで決めて、そしてやれなんということは、それはもう現実問題としてはあり得ない。もちろん、そういった人たちが関与しなければいけない。
 しかし、何度も申し上げているように、CPAが人選を基本的にした統治評議会では、イラク人による政権移譲の正統性が危ういんではないかと騒ぎ始めている人たちもいっぱいいるわけですね。それがまた直接選挙への要求にもつながっている部分があるわけですから、そういったものも含めて、先ほど申し上げたように、金を出す、あるいは債権放棄に応ずる、あるいは自衛隊を出す、これはまさに、私は、局地戦、これを点から線に変えて、面に変えていって、イラク自体をどのように平和裏に国として移行できるかのような、積極的なイニシアチブをとってもらいたい、そういうことを私は申し上げているわけです。これはもう要望にさせていただきます。
 石破長官にお尋ねいたしますが、陸の先遣隊が帰ってこられて、報告を受けられて、そして、治安安定という形できょうにも本隊派遣命令が出るかもしれないということでありますが、もうお耳にされていると思いますけれども、時事通信の号外で、イラク西方で、防衛庁が調達をしたトレーラーが銃撃を受けて、そしてヨルダン人の運転手が亡くなる、こういうことがあったという話を私も先ほど聞きました。また、先遣隊攻撃の計画があった、そしてその容疑者と目される人たちを拘束した、こういった話があります。
 その事実関係をどのようにとらえられているのかということと、それから、これは長官は一番よくわかっておられると思いますけれども、今平穏であっても、テロ組織というものが存在をしていて、そして実際問題、テロに屈するなという大前提は理解をしますけれども、自衛隊がイラクに足を踏み入れられたときには東京を攻撃するとか、あるいは自衛隊を攻撃するということでつけねらわれる可能性というのはあるわけです。
 今の状況が平穏であっても、それが未来永劫平穏かどうかなんてわからない。実際にこういう計画とか、あるいは防衛庁が調達をしたトレーラーなんかが襲撃をされ始めているわけですね。それでも計画どおり本隊を派遣するということに日程上狂いがないのか、そのことについて、事実関係の確認を含めて答弁をいただきたいと思います。
○石破国務大臣 先ほどのコンテナの件は、今委員が御指摘になったとおりであります。ヨルダン人の運転手の方が死亡したということであります。日時、時間等々につきましては、現在のところまだ確認ができておりません。これは、行われた場所がスンニトライアングルの地域ということでございますので、したがいまして、私どもが派遣をしようとしておりますイラク南東部ということではない。報告の中にも、南東部の治安は比較的、比較的と申しますのは他地域に比べて比較的というつもりで私は使っておるのでございますが、このことについては私どもの判断に相違が生ずるということはないというふうに考えております。
 他方、今先生が御指摘の、旧フセイン政権の残党と見られる五名をサマワ市内で拘束したとの報道がある、これについてどう思うかというお話でございます。
 これは、一月二十四日、自衛隊の先遣隊がサマワの警察本部におきまして、御指摘の報道につきまして事実の確認を行いました。事実関係は以下のとおりとのことであります。
 すなわち、私的な恨みから数珠商人が警察にテロリストがいると虚偽の通報をしたため、十九日、サマワ市内セントラルシティーセンターにおいて五人逮捕した、そういうような虚偽の情報が伝えられ、それは私的な恨みによるものであったということであります。五名とも爆弾を持っていないし、自衛隊を標的としたテロ計画もない。警察は一月二十六日、五名を釈放する予定であるということでございます。
 いろいろな情報がございますが、それを精査いたしまして、本当にそれが、自衛隊が派遣をしようとする地域が、これは私どもの考え方で戦闘地域でないということか、そしてまた同時に、自衛隊の持つ権限、能力、装備をもってして危険が防げるのか防げないのかということは、本当に日々刻々確認をしていかなければいけないことだ。これで大丈夫だという思い込みは危険なのであって、本当に日々刻々確認をしていかなければいけないものだというふうに私自身認識をいたしております。
 それから、日本に対してテロ攻撃を加える、あるいは海外にございます日本の権益に対しまして攻撃を加えるというような、いわゆるおどしのようなことがあったらどうするかということでございます。
 それは当然、そういうことに対して、これは国家公安委員会あるいは海上保安庁の所掌になる部分も多々あろうかと思いますが、そういうものに対しては万全の体制をとるということは当然のことでございます。これは自衛隊の海上警備行動や治安出動も含めて、これは先生よく御案内のことでございますし、今後また議論をさせていただきたいと思います。
 ただ、そういうようなおどしがあったから、それではどうするのだ、では自衛隊を撤退させるのかどうかというのは、これはまた別の次元の議論でございます。そのことによって、では法律の要件を満たさなくなるのかといえば、それはそうではない。海外における権益や日本国内におけるテロのおどしがあったからといって、それでは法律の、イラク特措法の枠組みが変わってくるのかといえば、必ずしもそれはそうではない。その時点での判断などといういいかげんなことを申し上げるつもりはございませんが、法律の趣旨からすれば、そのことがそのままイラク特措法に影響するとは考えておらないところでございます。
○前原委員 一番初めに私がお話をしたように、立場の違いはあれ、派遣された自衛隊員の身に何かあっては困る、そして万全を期していただきたい、そして任務を遂行して帰還してもらいたい、その気持ちは共有をしております。したがって、質問をさせていただいているわけです。
 そして、おどしに屈してはいけない、それはそうなんですが、先ほど申し上げたように、今は平穏であっても、まさに長官がおっしゃったように、時々刻々変わるわけですね。それに対して本当に万全の体制がとり得るのか。
 誤認の情報があったとしても、今回、スンニトライアングルだとおっしゃいますけれども、実際、防衛庁が調達をしたトレーラーが銃撃をされてヨルダン人の方が亡くなられるということが起きているわけですね。しかも、つい最近でしたけれども、グルジアの飛行機がバグダッド空港を飛び立つときに攻撃を受けた、当たらなかったけれども攻撃を受けた。空自は、バグダッド空港でも離発着をするわけですよね。ということは、非戦闘地域、戦闘地域の議論は、同僚の議論に任せますけれども、ゆだねますけれども、そういったところで活動をする。そして、安全対策は万全にするといいながらも、本当に法律の要件が整っているかどうなのか。そして、その本隊の派遣命令を出すのかどうなのか。
 そういったことは、自分自身の身をかけてでもやり切るという気持ちで、それは総理も当然でありますけれども、やってもらわなきゃいけないことでありますので、このことについては、議論しても私は水かけになってしまう可能性がありますので、法律的な議論は同僚に任せますが、最大限配慮をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 さて、残りの時間で、近藤総裁もお越しでございますので、道路公団の問題について質問をさせていただきたいと思います。
 総理に、まず、そもそもの議論をちょっと伺いたいんです。
 道路公団、なぜ民営化が必要だと考えられて、これはかなり気合いの入った民営化、民間でやれることは民間だということをおっしゃって、民営化の議論をされてきて、政府・与党のまとめができたわけでありますが、なぜそもそも道路公団を民営化しなきゃいけないと考えられたのか、その点について総理の御答弁をいただきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 まず、高速道路、あった方が、ない方がいいかというと、ほとんどの人たち、地域を問わず、都市を問わず、地方を問わず、つくってくれという声が多いわけですね。そういう中で、選挙区、有権者の支援にこたえて、全国から選出される国会議員、与野党を問わず、各選挙区を回っております。地域の発展のためにも高速道路は必要だと言いますと、これはむげに断れない。どこの地域においても道路は必要だということで、道路をつくると喜ばれる、これはもう与野党を通じていると思います。
 そういう中にあって、それは、高速道路をつくることができればいいんですが、ただではできませんよ、どこかで負担しなきゃいけない。となると、今の公団方式でやりますと負担が見えない。どんどんどんどん、将来、債務が積み重なっていくということで、後の、将来にわたる世代の負担は大変だな。現在の道路公団方式によって高速道路を建設していきますと、本当にこの債務は返済し切れるのか、国民負担がどうなっていくのかというのが心配だ。やはりここで費用と負担、これをよく考えなきゃいかぬ。
 そういう点から、私は、公団方式よりも民営化方式の方が、国民負担を最小限にして必要な道路をつくるということだと、すぐれているのではないかということで、民営化方式をいかに実現するかで今まで腐心してきたわけであります。
 今後、今までの債務、これを着実に返済していく。そして、民営化の会社ができる道路とできない道路が出てきます。しかし、民営化の会社ができない道路でも、地方に行けば、ここは必要だからぜひともつくってくれという声が必ず出てくるでしょう。その際には、それでは、本当に必要だったら、どれだけの税負担が必要なのか、国がどれだけ負担するのか、地方がどの程度負担するのか、この負担に見合う道路になるのかどうか、これだけ負担してもなおかつ道路が必要かというのは、これは民営化によって私は今後可能だと思います。
 そういう点から、まず、今の公団方式では、真に必要ではない、あるいは負担が過大に大きいところでも国民の要望に沿ってつくっていく傾向が強くなるのではないか、その点を直したい。さらに、コストの面、今の公団方式のコストでやるよりも民営化会社の方が、必要な道路でもコスト削減できるのではないか。同時に、今言われております、公団に関係してくるファミリー企業、これも見直しが可能ではないか。なおかつ、今の道路、通行料金も民営化によって引き下げることができるのではないか。いろいろあります。そして、債務をまず着実に返済していくといういろいろな利点がある。
 そういう点を総合的に考えるということになりますと、現在の道路公団方式よりも民営化方式の方が、国民負担を最小限にしながら必要な道路を建設可能ではないかという観点から、やはり民営化がいいのではないかということの検討を始めて、ようやくその具体案がまとまりつつあるということでございます。
○前原委員 民営化推進委員会というものがあって、今、空中分解していますね。二人しか残っておられない、こういう状況であります。
 そのことについては後ほどおいおい伺うとして、今、総理がおっしゃった、今の道路公団方式では負担が見えない、こういうことですね。では、今度の政府・与党でまとめられたものについて、負担が見えるのかということを伺いたいと思うんです、見えるようになったのかということについて。
 一つは、リース方式というものを採用する。つまりは、民営化された道路公団については、既設の、既存の道路の維持管理を行うということが言われている。そして、民営化会社は、この与党・政府の申し合わせによると、利潤を求めないということが書いてあるわけですね。つまりは、維持管理だけに充てて、通行料金を決めて、そして借金返済は保有管理機構にリース料として払い続ける、こういう話になるわけですね。
 となると、利潤を求めなくて通行料金を設定して、そして、上がった通行料金、上がりについては利潤を出さずに保有管理機構に渡すということになれば、ロジックとして、この民間会社が新たな道路建設ができますかということが一つと、保有機構に借金を任せて、そして新たな道路をもしつくるとして、そうしたら、つくるまでは責任を民間会社が持つけれども、つくった後は借金も地べたも保有機構に任すということになれば、その保有機構は今の公団以上に目に見えないものになるんじゃないですか。
 ということは、今総理がおっしゃった、今の公団方式では負担が見えないということは根本的に解決されない、保有機構は。上下分離で、つまりは土地を保有し借金を保有する、そういうところに償還主義、プール制というのは残るんですよ、結果的に。
 そして、本当に必要なところは民間会社が考えてつくればいいというけれども、上がりは利潤を出さずに上納させられて、そして新たな道路をつくれといっても、これは無理ですよ、だれが考えたって。その批判についてはどうお答えになりますか。いやいや、総理。
○石原国務大臣 若干整理をしてお答えさせていただきたいと思いますが、委員御指摘のとおり、新規に建設する道路につきましては、民間、民営会社がみずからの調達の範囲の中でお金を調達してつくる、そういうことによりまして、これまでのように、プール制のもとで、どこの上がりでどこの道路をつくったかというのがわからないことがなくなって、三つに分割される。最初は六つですけれども、道路公団でいいますと三つに分かれる。例えば九州の道路は、九州を持つ会社が自分の責任で、範囲内でお金を借りてつくるということで、これまでのような問題は是正される。総理はそういう意思でおっしゃられております。
 それと、持つということをなぜしないのかということですけれども、これはもう御承知のことだと思いますが、利潤を含んだ料金体制にしますと、税の問題として法人税が発生します。また、土地を持ちましたら固定資産税が発生します。こういうものを極力避けて、総理がおっしゃっておりますように、債務の返済というものを最優先に行う、そういう形で保有の機構というものができます。
 保有機構は、もう言うまでもございませんが、大変小さい組織であります。御承知のように、仕掛かり品以外のものについては、新会社が申請をして、やりたいものはやる、やりたくないものは申請をしないからやらない。また、仕掛かり品につきましても、正当な理由がある場合はこれを断ることができるわけです。協議制ということも入れております。
 こういう形で、これまでのような非効率的と言われる公団方式を改めて、債務を完全に返還しつつ、さらに必要な道路はつくるという仕組みに変えさせていただいたところでございます。
○前原委員 多分、国民の皆さん方は何を言っているのかさっぱりわからないと思いますよ。
 私が聞いているのは、大臣、石原さん、後で、大臣が行革担当のころだったところの言葉の、発言の変遷はまたしっかりとフォローさせていただきますけれども、つまりは、利潤を出さないと。そんな、法人税がかかるとか、あるいは固定資産税がかかるから、そんな話をしているんじゃないんです。利潤のない民間会社ってありますか。そして、利潤がないのに新規建設というのをどうやってやるんですか。
 そして、新たにやる場合には資金調達をする。それは資金調達できますよ、アクアラインだって同じ形式でやったんですから。それは、国のいわゆる保証というものがあったから資金調達ができたんです。でも、アクアラインの例を見ておわかりでしょう。初めの建設費用と実際かかった費用というのは全然違う。あとのしりぬぐいはまた国民負担でやらなきゃいけない。どんどんどんどん拡散していって、今は京葉と、また拡大プール制にして、わかりにくくしている。
 もう一度聞きますよ。利潤の上がらない民間会社というのは何だという話ですよ。
 では、もう一度、違う観点から聞きますよ。それで、上場を目指すというのは、利潤が上がらなくて、どうやって上場を目指すんですか。次、総裁にも聞きます。
○石原国務大臣 利潤というのをちょっと整理してお話をさせていただきたいと思いますが、民間企業でありますから、利益を追求するのは当然なんですね。ただ、料金収入に利潤を含まないということを私はさっきから申し述べている。
 それは、さっき言いましたように、法人税がかかってくる、固定資産税の問題が出てくるということで、そのほかの附帯ビジネス、外国の高速道路会社を見てきても、通行料の部分でもうけていないんです、ほとんど。民営化している、エアラインが着陸する飛行場も全部そうです。本業である離着料等々では三割ぐらいで、あとの七割は附帯ビジネスから利益を得ている。これからの民営化会社も当面この附帯ビジネスで利益を上げていく、そういう意味でリース料には利益を含まないということを先ほど来申し述べているのであります。
○前原委員 おかしいじゃないですか。附帯ビジネスというのは、みんなファミリー企業で、民営化されているじゃないですか。附帯事業は今でも民営化されているんですよ、今でも。民営化されているんですよ。天下り先だけれども、ファミリー企業だけれども、民営化されているんですよ。わざわざそういうものをまたごっちゃ煮にして、通行料だけは上がりで、利益、利潤を出さない。おかしいじゃないですか。矛盾しているじゃないですか。ファミリー企業はもう民営化しているんだったら、そこは切り離したらいいじゃないですか。何で通行料の維持管理だけは全く利潤を出させなくてやるんですか。ファミリー企業の話を含めて、今民営化の議論をしているのであれば、ファミリー企業の上がりだけで本当に新たな道路建設ができるぐらいの上がりは上がるんですか。
○石原国務大臣 二つの問題が一緒になっているんですけれども、会社がお金を借りることができるのは何が基本かといったら、料金収入ですよね。キャッシュフローですよね。これが一番大きいわけです。
 ただ、民間会社が、これまでSA、PAが子会社等々になっていたものを全部本体でやって、そこの部分、あるいは情報通信だってあると思います。光ファイバーのインフラが相当通っているわけですね、高速道路。これを使って情報通信のビジネスをやる。そういうものを民営化された会社が独自の仕事としてやって、これまで問題になっている自分たちのファミリー企業みたいなものは縮減する、そういう形でこの整理がなされているということをぜひ御理解いただきたいと思います。
○前原委員 いや、答弁になっていないですよ。だって、一番初めに総理は、今の公団方式では負担が見えない、そして道路をつくり続けて、整備計画というのがあるわけですよ、九千三百四十二。そして全体計画というのは一万一千五百二十キロメートルあるわけですよ。その道路の話をして、そして民営化だとおっしゃっているのに、今の話だったら、ファミリー企業改革のために民営化と言っているのと同じじゃないですか。だったら、なぜ通行料金維持管理、通行料金についてその利潤を認めれば、その新たな道路建設ができるというのはわかるけれども、ファミリー企業の改革だったら、これからむだな道路を建設し続けるどうのこうのという話にならないじゃないですか。全く違う話じゃないですか。答弁になっていないですよ。
○石原国務大臣 前原議員にお答え申し上げますが、料金収入に利益を乗っけたら、それはその会社の利益ですよね。その利益に対して法人税はかかってきますよね。ただ、その一方で、四十兆円に上るこの債務をどうやって返すのかが実はこの民営化の一つのポイントなわけです。ですから、法人税として持っていかれないようにしなきゃいけないわけです。固定資産税として持っていかれないようにしなきゃいけないわけです。ですから、料金に利潤を乗っけてはいけないということです。
○前原委員 ちょっと、大臣やめた方がいいんじゃないですか。借金返済するために法人税を取らせないのだったら、法人税を取らせて、その税金を借金返済に回したらいいじゃないですか、そしたら。何をむちゃくちゃなことを言っているんですか。何を言っているんですか。まともな答弁してくださいよ。
○石原国務大臣 前原委員も与党にいらっしゃって税制論議をされていると思いますが、民営化の目的は、今四十兆円ある債務を、総理が御答弁されておりますように、確実にどうやって償還していくか。言葉をかえますと、今のままのプール制でそのままいっていたら、今は返せる計算ですけれども、これからもっと借金がふえてしまったら返せなくなる、そういうものがこの今回の民営化の根本であります。
 そんな中で、この四十兆円をどういう形ではっきりと返していくかということを考えて今回の仕組みを仕組んでいるということでございますので、法人税で返せばいい、では、幾ら法人税が上がるのかということを前原委員は算定できるんでしょうか。交通量がわからない、金利もわからない、そういう問題で、間接的に返すよりも機構が確実に返していくという形でこの四十兆円の債務を返済するという枠組みであって、何ら矛盾をしておりません。
○前原委員 税金を払わせないために、わざわざ民営化して利潤を出させない民間会社というのは、何ですか、それは。ちょっとその整理ができるまで、この質問できないですよ。何を考えているんですか、その民間会社というのは。何を目指しているんですか。全くわからない。
 では、財務大臣、今の国土交通大臣の説明、わかられますか。ちょっと解釈、ちょっと通訳してもらえますか。
○谷垣国務大臣 通訳する能力はございませんけれども、やはり今までの仕組みをより、私どもも、これから実際どんどん財政負担がふえてくるんじゃ困りますから、いろいろ御議論の末に、まあああいう形で将来を開いていこうということで、私は今の石原大臣の御答弁は理解をできたつもりでおります。
○前原委員 ちょっと、では、切り口を変えましょう。
 総裁、来られていますね。総裁の発言の今までの変遷もございます。総裁……(発言する者あり)ああ、変節。変節もございますが、要は、公団は会社更生法を適用する状態に限りなく近づきつつある、こういう話を当初されて、採算性を全く無視して国の意向で建設することは絶対しないと。上下分離については、今の保有機構、リース方式というのは上下分離ですよね。上下一体か上下分離かの話ですけれども、そのことについては、上下一体でなければならないと私自身かたく信じております、こういう話でしたよね。
 では、今のわけのわからない答弁を繰り返されている石原さんのスキームで、要は民間会社として本当に上場が目指せるんですか。利益は上がらないんですよ。利潤は上がらないんですよ。目指せるんですか。あるいは、新規の道路の建設というものが、果たしてファミリー企業の上がりだけでできるんですか。ちょっと答弁してください。
○近藤参考人 前原委員にお答えをいたします。
 私、従来から一貫して申し上げておりますことは、今度の民営化の目的でございますが、まず、今大臣から御答弁あったように、借金を確実に返していく道筋をつけること、これが第一でございますが、しかしながら、第二番目の問題点といたしましては、新規道路の順位づけにつきまして、何らかの規律が必要ではないかということでございました。そして第三に、今までの公団の経営のあり方、官の一部でございました。これを民に変えることによりまして、より効率的な組織体にしていこう、これが三つ目の目的であったように私は承知をしております。
 そういう意味で、今御質問ございましたように、昨年の十二月二十二日に、政府と与党におかれまして大枠を決めていただいたわけでございます。この大枠は、従来から私も一貫して申し上げておりますように、一〇〇%満足いくものではございません。しかしながら、大きな進歩であることは間違いないわけでございます。
 したがって、私の今与えられた役割は、この枠組みの中にあってできるだけの、今申し上げました三つの目的を達成するために、公団として、新しい会社としてできることは十分にやらせていただく、そういうことであると承知をしております。
○前原委員 委員長、質問に答えておられません。
 つまりは、そういう利潤が上がらないリース方式で上場できるのかという話と新規建設をやれるのかという話ですよ。明確に総裁は上場を目指すとおっしゃっているんですよ。上場を目指すということは、株主がそれを評価する。それこそさっきの話じゃないけれども、キャッシュフローもちゃんとあって立派な会社だと認められないと、上場したってそんなものはだめなんですから。
○近藤参考人 まず、利潤のお話でございます。
 今度の決めていただきました枠組みの中で、通行料の中に利潤を含まない、こういうことになっております。しかし一方で、効率化によるインセンティブ、これは認めていただける。したがって、我々がこれから効率化の努力をする、その分は内部留保として認めていただけるものと私は承知をしております。
 それに加えまして、今度、これから建設をする道路も含めまして高速道路のネットワーク、これは新会社にとりまして大変大きな資産でございます。この資産をベースにした形で附帯事業あるいは新規事業の進出も積極的に考えていきたい、そのように考えております。
 それによりまして、まず一つはインセンティブ、そしてもう一つは、現在やらさせていただいておりますSA、PAの事業も含めまして、新規事業の利潤をベースにいたしまして、将来は、枠組みの中でもしっかりと書かれておりますように、上場を目指していきたい、そのように考えております。
○前原委員 本当に絵にかいたもちというか、まあ、本心じゃないんだと思いますよ。
 石原さんだって、さっき、変節か変遷かわからないけれども、ちょっと総理、眠そうなので、総理に質問しますけれども、第二東名なんかできっこないということを行革大臣のときにははっきりおっしゃっている人ですからね。整備計画あるいは全体計画を聞いたとき、百年とか千年とかいうタームをおっしゃっていましたね、私の質問に対して。
 つまりは、私は、総理、改めて総理に伺いますけれども、一番初めに総理がおっしゃった、今の公団形式というのは負担が見えない、これは全くそのとおりだと思います。そして、改革の主点というのはそこにあったんだろうと思います。
 私自身は、極論を言いますと、うちは無料化ということを言っておりますけれども、無料化でも民営化でも公団方式のままでも何でもいいと思っているんです、私は。ただ、プール制と償還主義、これで隠ぺいして問題を先送りする体質だけは変えなきゃいけない、これが一つの肝ですよ、まず。
 もう一つは、まさに、厚生労働大臣おられますけれども、これからの少子高齢化社会にあって、各省の財政配分も思い切って変えていく。そうでなければ、まさに年金、医療などの社会保障体制というものは負担がふえ、そして支給開始年齢も引き上げられる、年金なんかは。つまりは、財政配分が必要なんです。
 その中で、これだけ道路というものに特定財源も残して、これからも整備計画はやりましょう、全体計画一万一千五百二十キロメートルはやりましょう、それそのものを変えていくということ、見直していくということが、二つの根本として、道路公団改革の議論としてなされなきゃいけなかったことで、私は、仕組みとしては、その精神さえ生かされれば、無料化でも有料化でも民営化でも公団形式でも何でもいいと思っています、正直なところ。
 しかし、今申し上げたように、まずこれについては、借金の返済、保有、それから土地の保有機構というものがまさに償還主義、プール制というものを温存するんですよ、これから。これからも温存するんです。
 ということは、民間会社、さっき何か国土交通大臣がわけのわからない答弁をされていましたけれども、つまりは、税金を払わせないために、利潤を民間会社なのに上げさせないんだというわけのわからない答弁をされていましたけれども、結果的には、その上下分離によって、保有機構、借金の返済機構というのがプール制と償還主義を温存するんですよ。それが正されなければ、総理が改革の主点とおっしゃった、負担が見えない構図というのは全然なくならないんです、総理。だから、これはだめなんですよ。
 なぜ田中一昭さん初め多くの方々がやめられたか。皆さん方が、要は一生懸命に努力されて議論されて、まさに人選のときには、総理は命運をかけてやるとおっしゃったわけじゃないですか。その方々がやめられるということは、答申、意見書さえ反映されていない、そこのポイントは、一つはそこですよ。それに対して、総理、御答弁をください。
○小泉内閣総理大臣 私は、やめられた方々も大変努力していただいたと思います。当初の民営化の目的はほぼ達成できるな、基本的に民営化推進委員会の意見を尊重して今回の案はまとめられたなと確信を持っています。
 まず第一に、先ほど言った理由、それと、債務を確実に返済するし、誤解がありますが、今まで、九三四二、九千三百四十二キロ全部できる、これはできない道路も出てくると思いますよ。これはマスコミの誤解もあります。前提を置くことなく見直していきます。
 同時に、今まで有料道路が、民営化の議論が行われない前は二十兆円でつくろうとしていたのが、何と、民営化の議論が出てきてから十兆五千億円でできるということになっている。半減できるんですよ。
 同時に、民営化会社ができたときに、それはもうどんどんどんどん、その民営化会社をつくろうとする意図もさまざまであります。利益を上げたいという民営化会社のことを考えれば、道路なんかつくらない、少しでも採算のとれない道路をつくらないということになれば利益はどんどん上がりますよ。それでは国民困るでしょう。
 国民にとって見れば、道路は必要なんだ、負担しても道路をつくってくれという声がどこでも起きているんです。だからそれは、その負担を最小限にして必要な道路をつくろうというためには、それぞれ知恵を出してもらわなきゃ困る。さらに、通行料金も引き下げてほしいという声が起こっています。やはり競争原理を導入するためにも分割した方がいいという意見、これは全部入っているんですよ、今度の。
 そういうことから考えれば、これはもう有料道路事業方式の抜本的な改革なんです。私は、そういう点において国交大臣も近藤総裁も前向きに評価していただいていますし、これからこの実現に向けて国民が、採算とれないところでも道路をつくってほしいという国民の声と、やはり将来に負担を余り残してはいけないという、国民負担を最小化にしていく努力もしていかなきゃならない。そして、民営化された民営化会社の自主性を尊重していかなきゃならない。そういうのを総合的に考えて今回の案はまとめられたのであって、辞任された方は、それは自分たちの意見が一〇〇%入れられないからということで辞任されたんだと思いますが、そこは民営化の委員会の議論をそのまま入れなきゃだめだというなら、国会議員必要ないんですよ。
 だから、政治、道路というのは政治の影響が非常にあります。そこはうまく考えながら、必要な道路はつくる、不必要な道路はつくらない、国民負担を最小にしていこうという中で、今回の道路改革案は、民間の方々が努力して今まで一生懸命案を出してくれた、その案を基本的に尊重してできたものである、私は自信を持って言うことができます。
○前原委員 時間がなくなりましたので、また改めてこれについては徹底的に議論をさせていただきたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、ポイントは二つなんです。つまりは、償還主義、プール制というものをやめるということと、九千三百四十二キロ、あるいは一万一千五百二十キロを所与のものとするかどうか、その二つが大きなポイントなんです。
 そして、なぜ多くの委員の方がやめられたかという背景には、まさに、民営化という冠はつきながらも上下分離で、そして、保有機構というものが償還主義、プール制を温存して、全く民営化会社という名に値しない、こういうことでやめられたわけです。
 そして、必要なものはつくらなきゃいけない、それはそうでしょう。だって、今、国土交通省がどさくさに紛れてやり始めているのは新直轄方式、つまりは、九千三百四十二キロで残りの二千キロぐらい、まさに採算の合うか合わないか、より合わないか、よりひどいかでABCでのランク分けをして、そして、何と驚いたことに、採算がとれないところからつくり始めているわけですね。つまりは、九千三百四十二キロの外堀を埋め始めているわけです、国土交通省。それで、新直轄方式と言っている。
 さっきのコスト削減の話も、それは、民営化の議論が出てきたから、このコストは縮減ができたんだとおっしゃるのであれば、これは規格の見直しじゃないですか、規格の見直し。それで半減されたんであれば、それじゃ、民営化の議論、もう一遍やり直したらいいじゃないですか。それは、規格の見直しでコスト削減になるのであれば、民営化の議論と関係ないじゃないですか。
 最後に、総理にもう一度伺いますけれども、九千三百四十二キロ、これは予定どおりやらないとおっしゃった。しかし、今、国土交通省の案でも、若干は見直しすると言っているんですよ、たった百八キロと三十五キロだけ、合わせて百四十三キロだけ。このことを指して、九千三百四十二キロはつくらないとおっしゃっているのか、いや、もっとこれからつくらないというものも出てくるよとおっしゃっているのかを聞きたいのと、一万一千五百二十キロという全体計画は予定どおりこれからもやるのかどうなのか、その二点、御答弁ください。
○小泉内閣総理大臣 後ほど国交大臣が答弁されると思いますが、予定どおりはできません。第一、予定どおりの規格でなくても、規格を変えてもつくってほしいという住民はたくさんいますよ。(前原委員「それは、百四十三を除いてでもですね」と呼ぶ)
 それは、これからよく見直していかなきゃならない。私が、総理がそこまで民営化会社のやることに口出しするのもよくないし、基本的なことは考えています。(前原委員「民営化会社じゃなくて新直轄でやると言っているんだから」と呼ぶ)
 新直轄で、予定どおりはできません。規格にしても見直します。予定どおりやるといったら、どれだけ費用がかかるかわからない。
 だから、予定どおりはできませんが、その規格を見直したり、事業費を削減したり、住民の希望を踏まえて、住民が負担してもつくってほしい、ある程度の税金投入してもつくってほしいというんだったらつくらなきゃいかぬ。
 しかし、それは費用と負担をよく考えてもらわなきゃならない。しかし、予定どおり全部できるということは、これはなかなか難しいと思っております。
○前原委員 私の質問時間終わっているんですけれども、総理、もう一遍聞きますよ、伺いますよ。
 この国土交通省でさえ、抜本的見直し区間ということで百四十三キロを出してきているわけですよ。この部分を除いたものを、さらにその九千三百四十二から百四十三を除いたものを見直すとおっしゃっているのか、それと、一万一千五百二十キロという全体計画はこれからも進めていくというのか、その二つ。
 違う違う、総理に聞いているんじゃないですか、政治決断をするんだから。石原さん、何を言っているかわからないから、総理が答えてくださいよ。いや、もう聞いたって何を言っているかわからないから。違う違う、総理、総理、その二つは、総理……
○笹川委員長 石原国交大臣。
○前原委員 ちょっと待ってください、委員長。総理に聞いているんですから。総理に聞いているんだ。
○笹川委員長 前原委員に申し上げますが、石原国交大臣の答弁で満足いかなければ、もう一遍質問してください。
○石原国務大臣 これは御承知のことで御質問されていると思うんですけれども、九三四二についても一一五二〇にしても、一一五二〇については国会の決議で全会一致なんですね。九三四二については、民主党さんは賛成ですが、一部の政党を除いて賛成して決めています。
 しかし、総理がおっしゃっているとおり、今のまま、九三四二というのはつくらないんです。はっきり総理がおっしゃっているんですから、そのとおりでありますし、一一五二〇にしましても、今のままつくれるわけないじゃないですかと総理は御答弁されているとおりだと思います。
○前原委員 質問に答えておられませんので、総理――いや、あなたはもういいですよ、あなたに聞いていないですから。
○石原国務大臣 さっきですね、さっき、非常に、さっき非常に誤解をされている部分があったので、お答えさせていただきますが……
○前原委員 ちょっとちょっと、国土交通大臣に聞いてわからなかったら、総理に聞くと言っていたんだから、もうあなたは答えられたんだから、いいですよ。
○石原国務大臣 適正な利潤と会社の利益というのは合同してお話しされていましたよ。適正な利潤というものが料金に乗っている話と会社の利益というものが一緒になっているから、話が通じなかったんです。
○前原委員 あなたの言いわけはまたゆっくり聞きますから。ぼろが出るのはもう明確なんだから、利潤が出ないのに民営化会社と言っているのは。
 総理、その点について、つまり、百四十三キロを除いたもの、整備計画とか基本計画、国会決議だといったって、我々、そのとき国会来てないですよ。改めて国会決議し直そうじゃないですか、それだったら。それでやろうじゃないですか。そういうふうな揚げ足をとるような答弁、やめなさいよ、国土交通大臣。
 それで、総理、その百四十三を除いたものの整備計画を見直すとおっしゃるのか、それとも一一五二〇、その点について答弁してください。
○石原国務大臣 新直轄というものができたことによって、これはもう九千三百四十二という議論はないんですね、国費でつくるわけですから。国費でつくるわけですから、それも、今までの計画どおりの道はつくらないとはっきり答弁をさせていただいているわけでございます。
○前原委員 いやいや、全然明確じゃないじゃない。つまりは、有料道路の話をしているんじゃないんだ。高速道路として、つまりは高規格道路の高速道路として、論理のすりかえをしているのはもう目に見えてわかっているんだよ。それで、その九千三百四十二キロについても規格の見直しの話をしているんです。私は、総延長の話をしているんです。その見直しの話を聞いているんです。
 総理、答えてください。私の質問時間は終わっているんです。終われない、総理から答弁してもらわないと。
○笹川委員長 石原さん、これ最後の答弁にして。
○石原国務大臣 九千三百四十二キロというのは、そのとおり九千三百四十二キロ、委員が御指摘のとおり、同じような計画された高速道路ではできないとさっきから答弁させていただいております。
○前原委員 それはだから、規格の話をしているんです。僕は総延長の話をしているんです。ちょっと、総延長……
○石原国務大臣 総延長も、九千三百四十二キロではございません。
○前原委員 だから、百四十三を除いているのかどうかを聞いているんだよ。そこをしっかり答えなさいよ。逃げるなよ。百四十三を除いてやるかどうかを聞いているんだ。逃げるな、そこは。
○石原国務大臣 ですから、九千三百四十二キロは、百四十二キロプラスそれ以下のところも見直せばそのとおりの距離にはならないと御答弁をさせていただいております。
○前原委員 違う、見直すのか見直さないかを聞いているんだ。総延長の話。
○笹川委員長 前原さん、もう一度詰めて、前原議員、聞いてください。
○前原委員 はい。
 総延長の話を聞いているんです。つまりは、九千三百四十二キロという整備計画がある、そして、国土交通省でさえこの抜本的見直し区間というものを出してきている、これを除いた総延長をさらに見直すのかどうかということを聞いているんです。それと、一一五二〇についても、根本的にそれはできないという見直しをするのかどうかを総理に御答弁をいただきたいんです。
○笹川委員長 国土交通大臣。
○前原委員 総理、逃げないでくださいよ。
○石原国務大臣 何度もお答えさせていただいておりますように、九千三百四十二キロは、委員が御指摘されている距離プラス何キロになるかわかりませんけれども、数字として意味を持たない、そのとおりの整備計画の距離、同じだけはできないと明確に御答弁させていただいております。
○前原委員 だから、その百四十三の話を除いて総延長をそれからさらに見直すのかどうかと聞いているのに、答えてないじゃないですか。答えてないじゃないですか。
○笹川委員長 石原国交大臣、見直すのか、できないのかという言葉を使っていますから、わかるようにしてください。
○石原国務大臣 ですから、何度も申しますように、九千三百四十二キロという数字にはもう意味が全く持たないということで委員の御質問の答えになっていると思うんですけれども。
○前原委員 なってない。なってない。なってないですよ。なってない、そんなの。
○小泉内閣総理大臣 もう最初から答弁しているんですよ。予定どおりできない、見直すということですよ。これは最初から、もう何回も答弁しているんじゃないですか。
○前原委員 逃げないでください。九千三百四十二を、国土交通省の出してきている見直しの百四十三を除いてさらに見直すかどうかを聞いているんです。
○小泉内閣総理大臣 不断の見直しをするんです。
○前原委員 では、あと、一一五二〇、全体計画については所与のものとするのかしないのか、その点も御答弁ください。総理、総理。
○石原国務大臣 何度も申していますように、前原委員は、過去のことは関係ない、自分はいなかったと言いますけれども、それはかなり乱暴な議論で、国権の最高機関が一一五二〇をつくるということを一度決め、整備計画として認めているわけだ。ただ、それができないだろうということを総理が御答弁された。そこで、もし一一五二〇をつくらないということを国会の意見とするならば院でお決めすることであって、総理がそれをどうするということを言えるようなことじゃないということは、賢明なる前原委員なら御理解のことだと思います。
○前原委員 もうこれで終わりますけれども、では、国土交通大臣、国会決議をしたことは全部やるということを約束しますか、本当に。国会決議をやっていることは、それは政府としては見直さないということになれば、それは必ずやるということになるんですね。
○石原国務大臣 それは院の話であって、首都移転の国会決議もしていますから、それとこれとは違いますけれども、全会一致で一一五二〇というものを決めたんですから、それを変えるのであるならばそれなりの手続が絶対必要だということを私は申し述べているのであります。
○前原委員 もう終わりますが、それとこれとは違うなんという手前勝手なことを言って答弁をされる大臣は、私は早くやめてもらいたい。そのことを申し上げ、それから、道路のことについては、これからとことんやらせてもらいますから、ぜひまた議論させていただきたいと思います。
 終わります。
○笹川委員長 この際、筒井信隆君から関連質疑の申し出があります。前原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。筒井信隆君。
○筒井委員 民主党の筒井信隆でございます。
 イラクにおける大規模戦争終結宣言以降において、米軍だけでも三百四十人死亡という悲惨な結果が出ております。戦争終結宣言以前はほぼ百四十人ぐらいでございましたから、それよりずっと多い米軍の死者が出ている。
 これはやはり、もうはっきりしているわけですが、戦争終結宣言がなされた以降においてもイラクにおいては戦闘行為が継続している、これはもうだれから見ても明白な事実でございまして、戦闘行為が継続している地域において非戦闘地域なんというのはあり得ない、フィクションでございます。
 現に戦闘行為がない、そういう地域はここにあるでしょう。しかし、イラク特措法で言っている非戦闘地域というのは、自衛隊の対応措置を実施している期間、つまり、ことしの十二月の中旬までですが、それまでの期間、戦闘行為がないと断言できる地域、これを指しているわけでございまして、戦闘行為が継続しているイラクにおいて、そんな長期間において戦闘行為がないなんということを断言できる地域はあるはずがない。
 もし本当に非戦闘地域が、そういう意味での非戦闘地域があるならば、確かに、自衛隊派遣をしても武力行使はないでしょうから憲法違反にはならない。しかし、そもそもそういう非戦闘地域なんてあり得ないとすれば、武力行使の可能性が出てまいりますから、海外における武力行使、憲法違反の可能性が出てくる。
 だから、石破長官は何回もいろいろなところで強調されておりますが、憲法違反という評価を受けないために非戦闘地域の条項をわざわざ入れたんだ、こう言っているわけでございまして、そもそもあり得ない非戦闘地域、これを前提にしてイラクに自衛隊を派遣すべきではありませんよ。
 我が自衛隊は、優秀な装備を持って優秀な自衛官がいる、こういう軍隊でございまして、これは専守防衛という、日本の国土と国民を守る、そういう崇高な任務に限定すべきです。海外に行くとすれば、これはPKO部隊など国連の部隊として行くべきでございます。
 日本は、もちろん、金だけじゃない、物だけではない、いろいろな国際貢献をしなきゃいかぬ。民間でもやる。政府職員でもやる。しかし、専守防衛を国是とする日本においては、軍隊は日本の軍隊としては出さない、出すときは国連の部隊として出す、これを明確に日本の方針としてはっきりさせるべきです。
 それをどうも余りはっきり言っていないものですから、いろんな要求をされて、例えばアメリカから要求されると、その都度、なし崩し的にどんどんどんどん日本の軍隊として出ていく。
 これは専守防衛の国是に明確に反するわけでございまして、だから、私は総理に確かめたいし、お聞きをしたいんですが、日本は専守防衛の国是、これを最後まできちんと守っていく、自衛隊は日本の国土と国民を守る、この崇高な任務に集中し限定する、人的な自衛隊としての国際貢献は国連の部隊として行く場合に限定する、これを明確に世界に発信する、こういう必要性があると思いますが、それについて総理はどう考えますか。
○小泉内閣総理大臣 自衛隊がイラク復興支援、人道支援に赴くということに対して、憲法違反ではないかという立場を筒井議員はとっておられるんだと思いますが、日本政府としては、今回の自衛隊が派遣されるのは、武力行使にもつながらない、戦闘行為でもない、復興支援活動に行くんだということであります。
 また、国連部隊と言いますが、国連部隊は今ないんですよ。そういうときに、国連部隊がどのような部隊か私はまだ定かではありませんが、そのようなものができていないときに、日本としては、自衛隊の活動におきましても、戦争に行くのではない、復興支援活動としてできる分野があるから派遣するのであって、私は、自衛隊が行くからこれは憲法違反であるとか武力行使につながるとかいう見解はとっていないんです。
○筒井委員 今、日本が世界各地でPKO部隊として行動している。これは自衛隊が行っているんですよ。これは憲法違反じゃないんですよ。私は、今度のイラクの場合に、非戦闘地域があるというフィクションを前提にして、そういうあり得ないことを前提にして出しているから、だからそれは憲法違反だと言っているんです。
 ただ、私が今質問しているのはそうではなくて、日本の国是として専守防衛をきちんと今まで掲げてきたんでしょう。専守防衛の日本としては、日本の軍隊を海外には出さない、武力行使の可能性がある場合には一切出さない、出すとすれば国連のPKO部隊等々として出す、これに限定しているんだと、これが日本の専守防衛の国是に合う方針であり、そのことをもっと明確に世界に発信したらどうですか、こういう質問なんです。
○笹川委員長 石破防衛庁長官。(筒井委員「総理、いや総理」と呼ぶ)指名しました。
○小泉内閣総理大臣 後で防衛庁長官に答弁していただきますが、自衛隊は武力行使に行くんじゃないんです。また、武力行使する可能性がない地域を選んで派遣されるんです。だから、これが憲法違反につながるというふうには考えておりません。
○筒井委員 非戦闘地域が本当にあるのならば、武力行使はないでしょう。私もそれは認めているんですよ。だけれども、非戦闘地域なんというのはフィクションだ。
 では、そのことを今これからお聞きしたいと思いますが、イラク特措法によれば、現に戦闘行為が行われていない地域、これはここにあるでしょう。だけれども、先ほど申し上げましたように、自衛隊の対応措置を実施している期間、これが当面は十二月の中旬までですよね、約一年ぐらい。この一年間にわたって戦闘行為がないと断言できる、そういう地域をイラク特措法は非戦闘地域と規定しているんですよ。戦闘行為がない、そういう期間、長期間、そんな断言ができるんですか。
○石破国務大臣 先生も法律家でいらっしゃいますから、言葉の定義というのは厳密になさっての上のことだと思います。もう一度申し上げておきますが、これは言葉の定義が違いますと議論になりませんので、これは町中で議論をしておるわけではなくて、法律をめぐって議論しておるわけでございますから、用語の定義をお互い共有しませんと議論になりません。その点はぜひ先生も御理解をいただきたいし、いただいての上のことだと思います。
 つまり、戦闘地域というのは危険な地域ということと同義ではございません。危険な地域イコール戦闘地域ということで議論をしますと、そもそも議論は成り立たなくなります。
 危険な地域かどうかということはこのイラク特措法のどこで読むかというと、イラク特措法の第九条で読むのです。つまり、防衛庁長官は派遣される隊員の安全に配慮しなければならないと。つまり、危険なのか安全なのかという議論は、防衛庁長官はその第九条の、安全に配慮するという義務をきちんと果たしているかどうかという観点でお聞きをいただきたいのです。そうだとすれば、そのようなお答えがございましょう。
 しかしながら、では戦闘地域かどうかということは、これは憲法によって、まさしく憲法九条によって、国際紛争を解決する手段として武力の行使、武力の威嚇は行ってはならない、これが憲法九条です。国際紛争を解決する手段としてのという、いいですか、その定義に基づいて武力の行使というのを考えた場合に、今のイラクで国際紛争を解決する手段としての武力の行使が行われているのかどうなのかということでございます。それは、その主体が何であるか、行われておることが計画的なのか、組織的なのか、国際性を持っているか、継続性があるか、そういうことで判断をすることになるわけです。
 これはもう累次申し上げていることですが、日本の一・二倍の国土があるイラクを、はい、ここは戦闘地域です、はい、ここは非戦闘地域ですと分けるような行為はいたしません。そのことを求められておるわけではありません。求められているのは、自衛隊が活動する地域は間違っても国際紛争が行われておるような、国際紛争を解決する手段としての武力の行使が行われておるような地域であってはならないということ、そしてまた、では、その期間を通じてそんなことが保証できるのかということであります。
 それは、法律に書いてありますように、現に戦闘が行われない地域、そして、その活動の期間を通じて行われることが認められない地域でやるのであり、仮にそういうことが起こったとするならば、情報収集には努めますが、情報収集した上でもなおかつそういうような行為に遭遇したときに、我々が自己を守るための武器使用はあります。しかし、それは武力の行使ではありません。そして、武器の使用をしながらだんだんと退避をしていく、中断をする、そういう行為をもって防衛庁長官の指示を待つということになりますから、まかり間違っても、イラクで自衛隊が武力の行使というふうに評価をされるような、そういうことにはならない。この法律は、そういう仕組みでつくってあります。
 どう間違えましても、自衛隊がイラクにおいて憲法で禁じられておる武力の行使、そういうようなことを行うことは絶対にございません。
○筒井委員 物すごいわかりにくい説明をくどくどと言っておりましたが、今言われた趣旨は、国際性、組織性、計画性を持った攻撃、これがなされた場合には、それは戦闘地域である、しかし、それらの組織性、国際性、それから計画性を持っていない攻撃がなされたとしても、これは単なるテロ攻撃とか私的な攻撃であって、それは非戦闘地域であることと矛盾しない、こういうことですね、一言で言えば。
○石破国務大臣 最後に御理解いただいたとおりでありまして、くだくだと長く言ってわかりにくいというふうに言われるかもしれません。でも、それは、今、筒井委員がおっしゃるような、そういうような定義をずっと積み重ねてきたわけでしょう。
 戦闘地域、非戦闘地域というわけのわからない概念を用いてというふうに委員はおっしゃいますが、この議論は昭和三十年代からずっとある議論ですよね。当時の社会党、自民党、そういうのでずっと積み重ねてきて、戦闘行為とは何なのか、そして、どのような行為が戦闘行為であり、それと一体化した、それ自体は武力の行使ではないが武力の行使と一体化したような法的評価を受けないためにどうするかということで、戦闘地域、非戦闘地域という議論をずっと国会のコンセンサスとして積み重ねてきたことを、今突然編み出したとか新発明だとか、それは今までの議論を否定することだと私は思っています。
○筒井委員 非戦闘地域ということを法文上出して、書いて、規定して、それを自衛隊派遣の最大の合憲あるいは合法性の根拠にしたのは今度が初めてでしょう。
○石破国務大臣 別に合法性の根拠にしておるわけではございません。それは……(発言する者あり)いや、合憲性の根拠も何も、我々は、つまり何でこういうような規定を設けているかといえば……(発言する者あり)いや、違います。それは、当然法律でございますから、憲法の範囲内でやらなければいけないのは当然のことでございます。
 そして、一体化の議論というのは、周辺事態法のときもあったことは御案内のとおりでございます。そしてまた、テロ特のときもそういう議論はございました。今回の非戦闘地域、戦闘地域、こういう概念は今回初めて用いたものではございません。当然、防衛庁として、国家として行ってはならないということを規定しておるわけでございます。
○筒井委員 私が聞いたのは、法律でそういう規定を用いたのは初めてだろうという質問です。
 それからもう一つ、今ちょっと今までと違うことを言いましたが、その非戦闘地域であることを合憲性の根拠にしていないと言われましたね。もしそうだとすれば、今まで、憲法違反という評価を受けないためにわざわざこの条文を入れたんだ、非戦闘地域であるという規定と、それがそうでなくなった場合に避難する、一時休止する、こういう条文を入れたのは、憲法違反だという評価を受けないためにわざわざ入れたんだ、そういう答弁が何回かされているでしょう。
 その二点、確認します。
○石破国務大臣 これは、法律をお読みいただければわかりますが、イラク特措法が初めてではございません。テロ特にもあるいは周辺事態法にも、このような規定、一字一句条文は一緒ではございませんが、同じ考え方に基づきます規定は、これは、委員、周辺事態法のときにいらしたかどうか、ちょっと私、記憶が定かではございませんが、このときも随分と院内において議論はございました。同じ考え方を踏襲しておるものでございます。
 そしてまた、それを政府は合憲の根拠としておるかということでございますが、そういうことを申し上げているわけではございません。
 しかし、先ほど答弁申し上げましたとおり、そのこと自体は武力の行使ではない、しかしながら、それが法的に武力の行使、憲法九条に言うがところの武力の行使というふうに評価を受けないために、活動を行うのは、現に戦闘が行われておらず、また、活動の期間を通じて行うことが予測されない地域という概念を設け、そしてまた、そういう場合には一時休止し、中断し、実施区域の変更等の防衛庁長官の指示を待つということになっておるわけです。
 これは条文を全部お読みいただければわかりますが、これは、自衛隊の行動は「武力の行使に当たるものであってはならない。」それはほかの条文にきちんと規定がございます。そして、それが一体化という議論がございますが、法的にそうだと受け取られないためにこの規定を設けておるわけでございまして、憲法に違反をしないということであれば、自衛隊の行動は「武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。」その条文でそれは十分だと私は思っています。
○筒井委員 ほかの質問に移る前に、今までの答弁と違っているので、その点また確認しますが、長官は、二〇〇三年十二月十五日において、こういう答弁をしていますね。なぜ、非戦闘地域、現に戦闘が行われておらず、活動の期間を通じて行われることが予測されない地域というものを入れたか、戦闘地域になった場合には一時休止するなどして指示を待つという条文を入れたか、自衛隊が憲法に反するような行為をしたという評価を受けないためにわざわざそういう条文を入れておるわけです、こういう答弁をした記憶はないんですか。
○石破国務大臣 それは同じことをお答えしているのです。
 それは、仮に委員が検事だとして私が被告だとすれば、そういうような御議論もあるのかもしれませんが、要するに……(発言する者あり)いいですか、憲法九条で否定されているのは、国際紛争の一環としての、国際紛争解決の手段としての武力による威嚇、武力の行使でしょう。そして、このイラク特措法には、そういうものであってはならない、ここで一つ担保していますね。
 もう一つは、今までの議論の中で、しかしそうはいっても、それ自体は武力の行使ではないが、それが一体化することによってそのような法的な評価を受ける場合もある。いいですか、戦闘地域、非戦闘地域という概念はどこから出てきたのかということをよく御理解いただかないと、このような混乱した議論になるのです。そういうような法的な評価を受けないということのためにこの議論をいたしておるわけで、より二重の縛りをかけている。
 そのために、絶対に憲法の枠内で行動するということ、自衛隊の行動はそういうものであってはならないという条文と、もう一つ、国会における御議論を、累次積み重ねておる御議論を踏まえまして、そういうような地域では活動しない、そういうような二重の、憲法を守るのだという話にしておるわけでございます。この法律の構造をよく御理解いただきたいと思います。
○筒井委員 長々と関係ないことを答えていますが、私が今追及しているのは、はっきり確認したいのは、ただ一点。非戦闘地域の規定を置いたのは、憲法に違反しているという評価を受けないためにわざわざ入れたと、これを、今たまたま私は一カ所しか引用していませんが、何回もあなたは繰り返しているんですよ。だから、憲法に違反したという評価を受けないためにこれを入れたんでしょう、それはさっきの答弁と違いますねということを確認しているんですよ。(発言する者あり)じゃ、さっきの答弁と違うというのはまずいいわ。
 憲法に違反しないためにこの非戦闘地域という規定を入れた、これは間違いないですね。
○石破国務大臣 累次お答えをしておりますように、それ自体は武力の行使に当たらなくても一体化をするということがあってはならない、それは、国権の最高機関たるこの国会においてずっと積み重ねられてきた御議論です。そのことを条文的にどのように担保するかということがその条文でございます。(発言する者あり)いやいや、違いません。それは、それ自体は武力の行使でなくても、法的にそのような評価を受けないためにこういう条文を設けている。それは、国会における御議論、これを体し、条文にしたものでございます。
 したがいまして、いいですか、憲法に違反しないためにこの条文をつくったのかということでございます。それは、憲法九条をストレートに受ければ、ストレートに受ければ、自衛隊の活動は武力による威嚇、武力の行使によるものであってはならない、それだけで、私は、条文をそのまま引いてきているのですから、それはそれで十分だという言い方もできましょう。しかしながら、それに加えて、それ自体はそうではない、しかしながら、それが一体化したとみなされることも同時に避けなければいけないということを申し上げておるわけで、この規定はそのために設けたものでございます。
○筒井委員 そちらの方も同じことを繰り返して何とかそのまま済まそうとしているかもしれないけれども、武力の行使をしないということであれば、もう条文、イラク特措法にあるんですよ、別にね。だからそれで十分なんだと。だけれども、さらに、憲法に違反したという評価を受けないためにわざわざ入れたんだということをあなたは何回も言っているんだ。だから、憲法に違反したという評価を受けないために非戦闘地域に関する条項を入れたんでしょうと。それは、イエスかノーかどっちかでしょう。あなたの今までの答弁に基づいて私は聞いているんですよ。いろんな説明なんか要らないんですよ。
○石破国務大臣 評価を受けないためにそのような規定を設け、そのような考え方を設けた、それは、この国会における御議論において院のコンセンサス。いいですか、国会における議論というのはそういうものです。国権の最高機関というのはそういうものです。そこにおいて、政府としてそのような答弁を申し上げました。
 それを具現化する、何度も同じことを申し上げますが、これはわかっていただくまで申し上げます。いいですか、その行為自体は武力の行使とは認められなくても……(発言する者あり)いや、それはわかっていただかなければ、それは議論になりません。政府としてそのような考え方で設けたものでございます。
 委員御指摘のように、憲法九条をそのままストレートに引いてくるだけであれば、それで十分です。しかし、それにさらに、国会の御議論を踏まえ、完璧を期すために、そういうような評価を受けないために設けたということは、これは政府として、国権の最高機関たる国会の御議論を踏まえ、それを誠実に条文化する、それは政府として当然のことであろうと私は思います。
○筒井委員 では、別な聞き方をしますが、憲法違反という評価を受けないためにこの非戦闘地域に関する条文を入れたという答弁、これは今までしましたね。したかしないか、その事実関係だけ。
○石破国務大臣 そもそも世の中に……(発言する者あり)いや、ですから、いいですか、私は……(発言する者あり)いいです、答弁を聞いてからおっしゃってください。いいですか。
 私、今、手元に答弁を持っておりませんので、一字一句正確には記憶をいたしておりませんが、憲法違反の法律が世の中にできないことはそもそも当然のことであって、そんなものが認められるはずはない。そして、それは弁護士であれば御存じのとおりでしょう。
 そして、憲法違反の評価を受けないということは、どういう意味で申し上げたかといえば、先ほど来申し上げているように、長い国会の議論を積み重ねた上で、その国会のお考えというものを体し、憲法に間違っても抵触するような行為であってはならないということを設けて規定を設けた、そのように答えたとするならば、それらの趣旨は今申し上げたとおりでございます。
○筒井委員 今、そちらの方もしつこく同じことを繰り返して逃げようとしていることは明々白々だから、だから、私は今言ったことをもう一度確かめますから、こっちもしつこく。イエスかノーかどっちか、そういう趣旨の答弁をしたのかしないのか、この点だけはっきり答えてください。
○石破国務大臣 先ほど申し上げましたように、議事録を精査させていただきます。
 しかし、申し上げた趣旨は、いいですか、申し上げた趣旨は、国会の御議論を踏まえ、その行為自体は武力の行使に当たらなくとも、それが一体化したという法的評価を受けない、そのために設けた規定だということは変わりません。そのように答弁をしたとするならば、議事録を持っておりませんが、そのように答弁をしたとするならば、その趣旨はそういうことでございます。
○筒井委員 イエスかノーか、どっちかですよ。それとも、委員長……(発言する者あり)
○笹川委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○笹川委員長 議事録、起こして。
 筒井信隆君、質問を続けてください。
○筒井委員 では、その間に調べてくださいね。
 そして、その間に質問しますが、先ほどの答弁によりますと、国際性、組織性、計画性のない攻撃の場合は、たとえあったとしても非戦闘行為である、今言った三つの性格のものがなければ。そういう国際性、組織性、計画性のある攻撃があった場合には非戦闘地域ではなくなる、しかし、国際性、組織性、計画性のない攻撃であるならば、これは非戦闘地域であることは別に排除されないということですね、先ほどの答弁は。その点、確認してください。
○石破国務大臣 その三つに限るという答弁を私はいたしたことがございません。それが国際的な紛争を解決する手段としての武力の行使に当たるか当たらないか、すなわち、日本国憲法第九条に抵触するかしないかということが問題なのでございます。
 国際的な紛争を解決するための武力の行使とは何かということを考えましたときに、それは国際性であり、あるいは継続性であり、組織性であり、そういうようなものが挙げられるであろう。いずれにしても、憲法九条に禁ぜられた国際的な紛争を解決するための武力の行使なのかどうなのかということが大事なのであって、その三つのうちどれが欠けたらとか、どれを満たしたらとか、そのような御議論に余り積極的な意味があるとは私どもは考えておりません。
○筒井委員 今、日本の側の武力行使に当たるかどうかを聞いているんじゃないんです。非戦闘地域であるかどうかの判断で、先ほど石破長官は、国際性等々、組織性等々があるかないか、それがないものであれば、たとえ攻撃があったとしてもこれは非戦闘地域であることに変わりはない、こういう答弁だったでしょう。それで、ほかの場所でもそういうふうに答弁しているので、それをまた確認するんですよ。
 あなた、ほかのときに認めていながら、何で私のときになるとそういうふうにあいまいもことして全部認めないんですか、一体。
○石破国務大臣 別に、人によって答弁を変えているつもりはございませんが、もしそのようにお感じになったら、これは御指摘をいただき、正してまいらねばならぬことだと思っております。
 いずれにいたしましても、日本国として、では武力の行使というようなことをやるのかといえば、我々は何にしても武器の使用しか行わない。
 しかし、逆に申し上げれば、相手方が例えば、前の国会でお答えをしたか、そもそも法案の審議のときにお答えをしたかもしれません、フセイン政権の残党なるものが明らかな形をとり、それが、国際的な紛争を解決する、そういうような主体として評価されるようなものという形であらわれました場合には、それは向こうの行っている行為というものが戦闘行為として評価され、そして、その地域が戦闘地域として評価されることはございましょう。その場合に私どもが行います行為はあくまで自己保存のための武器の使用であって、その地域が、一時的にという言葉を仮に使いますと、戦闘地域に化けるということはございます。
 しかし、我々が行いますものは、あくまで自己保存としての、正当防衛、緊急避難を危害許容要件とする武器の使用であり、そしてまた、そういう場合には、中断し、休止し、退避するなどして実施区域の変更等指示を待つということになりますわけで、いかなる場合も武力の行使に当たるものではございません。
 以上です。
○筒井委員 今の答弁ですと、長過ぎますから簡潔にしてくださいね、例えば同じロケット弾の攻撃、ミサイル攻撃があったとしても、国際性等々の要件がない攻撃の場合には、これは非戦闘地域だ、しかし、国際性等々の要件、今、フセイン残党勢力のことを言われましたが、そういう場合には、それは非戦闘地域でなくなって戦闘地域に変わる、こういうことですね。
○石破国務大臣 論理的にはそういうことはございます。
○筒井委員 今みたいな答弁をしてください。
 同じ攻撃、日本の側から見たら同じロケット弾、同じようなミサイル、これで攻撃された場合でも、相手がだれであるかによって、戦闘地域になったり非戦闘地域になる。だから、イラク特措法による非戦闘地域というのはまさに国民から見ればもう完全に戦闘地域だと、みんなそう理解するんだけれども、それが常識的な解釈なんだけれども、政府の解釈はそうじゃないんですよ。同じような物すごい攻撃されたって、それが、相手が国際性等々がないと判断すれば、それは非戦闘地域のまま、ずっとやはり続けるわけですよ。これがそもそも物すごいおかしな規定ですよ。
 そして、お聞きしたいんですが、では、相手がだれであるかわからないときはどうするんですか。どうなるんですか。
○石破国務大臣 いずれにいたしましても、武力の行使ということはございません。
 相手が不分明な場合はどうするかということをお答えすれば、それは戦闘地域という判断には結びつきません。そういうものだと思います、それは。わからない場合はですね。
 しかしながら、相手がどう変わるかということによって戦闘地域になったりならなかったりするのはおかしいではないかという御指摘かもしれませんが、国際的な紛争というものはどういうものかという定義にそれはよるのだと思います。
○筒井委員 いいですか。大体、相手がだれであるかによって戦闘地域か非戦闘地域に分かれると。それで、相手がだれであるかわからない、あるいは、だれであるかわかったとしても相手が国際性とか何か持っているかどうかわからない、こういう場合には非戦闘地域に入っちゃうんですか。
○石破国務大臣 これは何度もお答えしましたけれども、相手がそういう場合には、はっきりしている場合には、それはそういう評価になります。ならない場合には、それはその時々においてどのような評価を下すか。
 この場合に、委員がさっき三つの要件を挙げられましたが、どれを満たしたらこの場合にはどうなのだということを、今この場で、かくかくしかじかこういうものはということを申し上げることが可能だということだとは思わない。しかし、私どもは、今回、南東部のサマワという地域において、ムサンナ県という地域において起こっていることがそのような評価になるというふうには考えていないということです。
○筒井委員 ほとんどがわかってないんですよ、相手がだれが攻撃してきたか、相手が国際性等々を持っているかどうか。今までの答弁を聞いていたってそうだし、だれから見たってそうですよ。全然国際性等々なんてわからないのに、わからないのにそれを基準に戦闘地域と非戦闘地域を区別して、分けて、それで非戦闘地域だからといって派遣して、非戦闘地域だから憲法違反じゃないんだと言っているからめちゃくちゃだと言っているんですよ。
 相手がわからない、相手がだれであるかわからない、そして国際性等々を持っているかどうかわからないのに、何で非戦闘地域だというふうに規定づけできるんですか。
○石破国務大臣 なぜ、何のために何度も調査団を出したのか、専門調査団を出し、そして今回も先遣隊にそういうことを調べさせて報告させたのかということ、それは、現地のオランダ軍あるいは現地の警察等々に聴取をし、全部調べてみて、一体、襲撃が何件あったか、その中で本当に組織的、計画的な、そのような評価されるものが一件でもあったのか、そのようなことはきちんきちんと精査をして行っております。私どもは、そのようないいかげんなことはいたしておりません。
 どうしてそのようなことが言えるかといえば、それは、そのような調査に基づいて、これはみんなが本当に命をかけて行っていることでございます。
○筒井委員 日本の外交官が二人、襲撃されて死亡された悲惨な結果が起こった。この攻撃の主体がだれで、その主体がどの程度国際性を持っているか、今もわからないでしょう。わからないんですよ、ほとんどが。
 それで、今度、調査団を派遣されていろいろな調査をした。だけれども、相手が、アルカイダとかあるいはフセイン政権残党のところに行って聞いてきたわけじゃないでしょう。だから、わからないでしょう。
 それで、石破長官は、ほかのところでも言っておりますが、フセイン政権残党がフセイン政権の再興を目指して英米と戦争しているんだということであれば国際性等々を認定することができるというようなことを言っているけれども、しかし、それがそういうことを持っているかどうかは断言できません、こういう答弁をしている。そして、アルカイダに関しても、これも、組織性等々を持っているのかどうか、これは断言できない、そういう材料を持ち合わせていない、こういう答弁もしている。川口外務大臣もほとんど同じです。同じ答弁を繰り返している。
 つまり、だれが攻撃し、その攻撃の主体がどういう性格、組織性、計画性、国際性を持っているかというのは、調査団が行ったってわからないことじゃないですか。わからないのを、非戦闘地域でいいんだと。それは、結果としてはわからないのに国際性とかなんかないんだというふうに判断していることでしょう。(発言する者あり)関係ない、北方領土は。わからないのに国際性はないと判断しているのと同じ結果になるでしょう。それこそ、いいかげんな判断じゃないですか。
○石破国務大臣 私どもは、そのようにいいかげんな判断だとは思っていません。
 よく法律をお読みいただければおわかりになりますが、どのようにいたしましても自衛隊として憲法に反するような武力の行使をしない、それは条文上何カ所も担保しておるところでございます。
 あわせまして、九条によりまして、それがわからなければどうなのだという議論も前国会においていたしました。それは、委員、聞いておられたかどうかわかりませんが、その場合に、相手はだれだかわからない、しかしながら非常に危険である、我々は武力の行使に行くわけではない、戦争に行くわけではない、治安の維持に行くわけでもない、人道支援に行くのであり、そしてその任務に支障のない範囲において安全確保支援活動をやるわけですから、したがって、そんなに物すごい武器を持っていくわけではありません。それをもって安全が確保されないような、そういう状況になれば、当然、そこから引くということは起こります。
 そういうようなことを組み合わせて考えますと、武力の行使ということにもならない、間違ってもそうならないようにつくってあるということでございます。
○筒井委員 私が今聞いているのは、相手がわからない、しかも国際性等々を持っているかどうかわからない、しかし、それを持っていないと判断する結果になるんですよね。だから、非戦闘地域としてそのまま続けることができるんですよ。わからないのに判断する。(発言する者あり)蓋然性なら蓋然性と言ってくださいよ。
 だから、わからないのに国際性等々がないとどうして判断できるんですか、そんな判断したらそれこそいいかげんな判断でしょうということなんですよ。その点に限定して答えてください。
○石破国務大臣 いいかげんな判断ではございません。それはそうならないようにつくってございます。
 どうしたらば自衛隊が憲法九条に禁止された武力の行使を行う場面が生ずるのか、逆にこちらの方としては、そういうような場合があるとすればこのような場合だというふうな御提示をいただければと思います。
○筒井委員 さっきから一貫して答えていないんですよね。わからないときに国際性等々がないとどうしてそういう判断ができるんですかという質問なんですよ。何回も言っていますが、それについてだけ答えてください。
 わからないということは認めているんでしょう。相手がだれが攻撃したかわからない場合がほとんどで、それが国際性等々を持っているかどうかわからない場合もほとんどだ、今までそういろいろなところで答弁してきた。わからないのに国際性がない、こう判断する根拠は何ですか、何でそんなことができるんですかという質問なんですよ。わからなければわからないと言えばいいじゃないですか。
○石破国務大臣 そういう場合に、もしもし、あなたは国または国に準ずる者でいらっしゃいますかというようなことを聞くなどということは極めてナンセンスなことだということは、これは前回の国会でもお答えをしたことです。
 したがいまして、そのことはわかりません。それがはっきりわかるということはございません。しかし、我々として日本国憲法九条に禁ぜられた行為は行わない、そしてまた、それと安全の確保というものはぴったり重なるものではないけれども、いずれにしても、我々としてそのような評価を受けたということにはならないということを申し上げているのです。
○筒井委員 ちょっと、普通の論理がこの予算委員会では通らないのかもしれませんが、私が聞いているのは単純なことで、国際性等々があるかどうかわからないということを認めておられる、わからないのにないと判断する、どうしてそんな判断ができるんですかという単純な質問。こんなものは普通の、常識の話でしょう。わからない、最後までわからないと言うならそれでいいんですよ。
○川口国務大臣 若干違う角度から申し上げた方がいいかもしれないと思いまして。
 攻撃があった場合に、それが国あるいは国に準ずる者からの攻撃かどうかということを判断する基準として、石破長官が四つおっしゃいましたね、国際性、組織性、計画性、そして継続性と。そういった、それがどうかということは個別個別で判断をしていかざるを得ないですね。一般的には言えないわけでございまして、わからない場合に、具体的にそれぞれの四つの基準について、その具体的なケースについて総合的に判断をする、そういうことであるわけです。
○筒井委員 本当に、川口外務大臣も今までも何回も答えていますが、アルカイダとかあるいはフセイン残党勢力、これがやっていることは推測できるけれども、それが攻撃しているかどうかは個々具体的にはわからない、こう言っているんだ。そして、それらが組織性、計画性等々を持っているかどうかもわからないと。今まで一貫して答えているんですよ。それはそういう記憶が、それもないと言うのかな。そういうふうに答えている。
 私、何回も言うようですが、国際性等々があるかどうかわからないのに、ないとどうして判断するんですかという質問なんです。それに限定して答えてくださいよ。
○川口国務大臣 ですから、申し上げましたように、具体的に判断をしていかないといけないわけですね、それぞれのケースごとに。
 それで、全くわからないということではなくて、それなりに、ある攻撃が行われれば、いろいろな……(発言する者あり)聞いていていただきたいんですが、いろいろな攻撃が行われれば、それなりにわかる部分があるわけでして、それを先ほどの四つの基準に照らして総合的に考えてケースごとに判断していく、そういうことであると申し上げているわけです。
○筒井委員 今まで、外務大臣もそうですし、防衛庁長官もそうですが、イラクにおいてフセイン残党勢力、アルカイダ等が攻撃しているものと推測されるけれども、はっきりしたことはわからない、まずこういう答弁をしていることは記憶にありますね。
 そしてもう一点、それらが組織性、計画性等々を持っているかどうかはわからない、そういう答弁をしていることも記憶にありますね。
○川口国務大臣 一般論として、総括的に申し上げることはできないということを申し上げているわけです。
○石破国務大臣 断定できないという答弁はいたしました。アルカイーダであるという可能性もあるが、それはわからないという、それはもうそのとおり、正確かどうかはわかりません。しかし、それがはっきりと判断はできないということは申し上げたと思います。
○筒井委員 いや、だから、わからないと言っているのに何で国際性等々がないと判断できるんですかというさっきからの質問なんですよ。それが非戦闘地域の重要な根拠になっているから。イラク特措法のまさに柱が非戦闘地域なんですよ。この規定なんですよ。それが今みたいないいかげんな答弁じゃ納得できないので、もう一度言いますよ。単純なことなんだから。国際性等々があるのかないのかわからないのに、何で、ないと判断するんですか。この点だけ。
○石破国務大臣 なぜわからないか、それは主観的な判断をするものではないからでございます。
○筒井委員 意味が全くわからない。いや、わからないのはなぜわからないかなんて聞いてないですよ。そんなのはわからないのが普通ですよ。アルカイダが攻撃したのかフセイン政権残党が攻撃したのかわからない、それらが組織性等々を持っているかどうかもわからない、なぜわからないかなんて、そんなもの聞いてないんだ。私の質問、ちゃんと聞いてないでしょう。ほかのことを考えているんじゃないかな。
 私が聞いているのは、それがわからないのになぜ国際性等々がないというふうに判断したのかということですよ。わからないのに何で判断したか。判断、どうしてできるんですか。
○石破国務大臣 バグダッドとか北部のモスルとか、そういうような地域の話をしても、これはそう意味があることだとは思いません。
 なぜならば、何度もお答えしておりますが、イラクという国を、ここは戦闘地域、非戦闘地域というふうに区分するということを私どもは申し上げていることではないのです。我々が活動する地域は非戦闘地域でなければならない。ムサンナ県のサマワを中心とする地域において、そのような組織性、国際性、継続性を持った、国際紛争を解決する手段としての武力の行使が行われているということは、いろいろな情報から判断をいたしましても、我々が活動する地域がそのような地域であるとは全く認められないところでございます。
○筒井委員 では、違った……(発言する者あり)
○笹川委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○笹川委員長 では、速記を起こして。
 石破防衛庁長官。
○石破国務大臣 それは、バグダッド等々で起こっていることについて、これは判断できない場合がございます。組織性、計画性、国際性等々で、それはすべての材料を持っているわけではございません。
 私どもが実施区域として定めております南東部ムサンナ県におきましては、国際性も計画性も継続性も、そのような行為が行われていないということを確認し、実施区域に定めたものでございます。
○筒井委員 ムサンナ県を非戦闘地域として認められるという判断をしたから自衛隊を派遣したんでしょう。だけれども、現に戦闘行為がムサンナ県でないという判断までは認められますよ。しかし、十二月の中旬に至るまで、この間、戦闘行為がないと断定しているんですよ。そんな断定がどうしてできるんですか。フセイン残党勢力あるいはアルカイダあるいはイスラム過激派、これらがムサンナ県に関しては攻撃しないという断定がどうしてできるんですか。
 だけれども、イラク特措法では断定しているんですよ。だろうという予測ならいいですよ。非戦闘予測地域という規定ならばいいんですよ、あるいは非戦闘希望地域ならば。だけれども、はっきり断定しているんですよ。はっきりした断定なんというのはどうして、相手もだれが攻撃するかわからないし、相手の組織性、国際性やなんかも全然わからないと言っているのに、何でムサンナ県においてこの十二月中旬まで一切攻撃がないというふうに断定できるんですか。聞いているんですか、それを。
○石破国務大臣 条文にございますのは、現に戦闘が行われておらず、「活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる」地域というふうに書いてあります。ですから、現に戦闘が行われていない地域と断定をしているわけではございません。活動する期間において「戦闘行為が行われることがないと認められる」地域でございますが、仮にそのようなことが起こった場合というので、先ほど来御答弁申し上げておるとおりでございます。
○筒井委員 有事法でもはっきり、予測とか予測される場合と、そうじゃない場合と、はっきり断定する場合と、区別しているんですよ。このイラク特措法では、明確に、予測される地域とかという形で規定しているんじゃないの。もうないと認められる、ないと断定することができる、そういう地域を非戦闘地域として指定しているんでしょう。だから、そんな断定がどうしてできるんですかという質問なんです。そんな、わからないでしょう、相手がどこへやってくるかは。
○石破国務大臣 このサマワにおいて今までどれぐらいそういうことがあったかということは、現地のデータあるいは現地を管轄し治安に責任を持っておりますオランダのデータ、私は、オランダに参って国防大臣と会談したときに、一番意を用いたのはそこでございました。
 今までそういうことが全くと言っていいほどこのサマワにおいてはない。そうだとすると、これから先もないということが認められる地域。しかしながら、絶対になどという断言はこの世の中にはどこもできません。したがいまして、そういうことがあった場合にはどうするのか。したがって、中断そしてまた退避という規定がそのためにあるのでございます。
○筒井委員 フセイン残党勢力、アルカイダが国際性等々を持っているかどうかわからない、あるいは持っている勢力かもしれないわけですよね。持っているとすれば、そこから攻撃された場合に戦闘地域になる。それが攻撃するかどうかなんて相手が決めることですから、こっちはわからないんですよ。何でそれを、ないだろうと予測することはいいですよ。私は、そこまで予測してはだめだと言っているんじゃないんだ。だけれども、ないと断定しているんですよ。断定しているんじゃないんですか、この非戦闘地域というのは。その点を確認してください。
○石破国務大臣 今までも起こっておりません。そして、現地においては、これは先生御案内かと思いますが、不審者、見たことがない人間ということがあればすぐ通報できるというのがこの南部の地域の特徴でございます。それは、地域社会というのはそういうものであって、見かけぬ者が来たらすぐ通報がある、それによって今までそういうことが防がれてきた地域でございます。
 したがいまして、今までも起こらなかった、それは偶然起こらなかったというよりもシステムとしてそういうものが完備している、そういうことがあったとしても通報があったということが今までも積み重なっているわけでございます。そうでなければ、このような数字にはなりません。
 したがいまして、私どもは何も、当たるも八卦、当たらぬも八卦みたいなことを申し上げているわけではなくて、この数字というものはそのように判断すべきだということでございます。
○筒井委員 時間が来ましたが、さっきの、もう調べられましたか。それだけ最後に答えてください。
○石破国務大臣 現在調べておりますので、もうしばらく御猶予をいただければと思います。
○笹川委員長 速記をとめて。
    〔速記中止〕
○笹川委員長 速記を起こして。
 石破防衛庁長官。
○石破国務大臣 委員御指摘は、十二月十五日、久間委員に対する答弁の箇所でございますか。それを御指摘いただければ早いのですけれども。何委員に対する何日の質問ですか。
○筒井委員 私、もう時間過ぎましたので、後でそれ、何カ所でも聞きますから、この後、イラク問題については同僚議員が聞きますから、そのときまでに調べて答えてください。
○石破国務大臣 ですから、何月何日のどの部分だと御指摘いただければ調べますということを申し上げているのです。
○筒井委員 その間に言います、この中に入っていますから。
○石破国務大臣 そうしてください。
○笹川委員長 この際、鮫島宗明君から関連質疑の申し出があります。前原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。鮫島宗明君。
○鮫島委員 きょうの我が党の質問の主題はイラク問題ですが、十月以来余り国会が開かれていなくて、その間にいろいろな問題が出ているものですから、私は、イラク以外の問題をちょっと質問いたします。どうぞ防衛庁長官、その間、少し休んで頭を冷やしていただきたいというふうに思います。
 総理にお伺いします。総理は、牛どんや北京ダックはお好きでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 好きかと言われると、ほかに好きなのがあるので、嫌いじゃないことは確かです。
○鮫島委員 いや、実は、近々この我が日本国から牛どんや北京ダックが消えるかもしれないということで、質問をさせていただきます。
 鳥インフルエンザにかかった鳥の鳥肉や卵は食べても大丈夫でしょうか、坂口大臣。
○坂口国務大臣 現在まで得られておる知見からいいますと、鳥肉あるいは卵からインフルエンザは伝染しないということになっています。
○鮫島委員 そうすると、厚生労働大臣の立場、健康被害を引き起こすおそれのある食品を人間の口に入らないようにする。食品衛生法の観点からいったら、鳥インフルエンザ発生国から鳥肉の輸入は許される、食品衛生法の立場からいったら、鳥インフルエンザ発生国からの鳥肉の輸入は別に禁止しなくてもいい、食品衛生法の観点からいうと、そういうことになりますか。
○坂口国務大臣 鶏肉を通じた鳥インフルエンザの人への感染は報告されていないわけでありますから、食品衛生法上でいくならば御指摘のようなことになるわけですけれども、しかし、この食品衛生法の中にも、いわゆる衛生証明書というものを提出しなきゃならない。例えばベトナムで起こりましたら、ベトナムがこの鳥は疾病に罹患していないという衛生証明書というのを出さなきゃならないことになっておりますから、そういうものがあれば、それは食品衛生法上からいえばいいということになるわけでございますが、もう一方で、これは農林水産大臣にお聞きになるんだろうと思いますけれども、家畜伝染病予防法もございますので、あわせて検討をするということだと思います。
○鮫島委員 農林水産大臣にお伺いしますが、今、鳥肉の日本への輸出がとめられている国の国名をずっと言ってもらえませんか。アジアの国々。
○亀井国務大臣 お答えいたします。
 現在、高病原性鳥インフルエンザが発生したことにより我が国が家禽肉等の輸入停止を講じております国は、香港、マカオ、イタリア、韓国、ベトナム、台湾、タイ、米国の一部、さらにインドネシア、カンボジア、このような地域であります。
○鮫島委員 中国も鳥インフルエンザ以外の理由でとまっていますね、中国からの鳥の輸入も。鳥及び鳥製品の輸入。
○亀井国務大臣 お答えいたします。
 中国に関しましては、若干、まだ今確認をしておるところでありますが、中国のアヒル二百羽が死亡した、こういう報道が今、ここにおりましたときに承知をしたようなことであります。
 中国からのアヒル及びアヒル肉につきましては、加熱処理された加工品を除きまして、昨年五月より輸入停止になっておるわけであります。
○鮫島委員 ほかの、今言ったタイとかベトナムとか香港とかという国々からは、加熱処理した半製品も輸入を禁止されていますよね。
○亀井国務大臣 輸入を停止しております。
○鮫島委員 これは、その鳥肉の輸入を、厚生労働大臣は、まだ食品衛生法に基づく措置はとっていないわけですよね。ちょっと、とっているかとっていないかだけ。鳥肉に関して、厚生労働大臣は、食品衛生法に基づく輸入制限措置、あるいは証明書の発行をしないという措置をとっていますか。
○坂口国務大臣 食品衛生法上は輸入禁止の措置はとっていないというのは事実であります。ただし、証明書が必要であるということを先ほど申し上げました。
○鮫島委員 厚生労働省的には、証明書があれば、今農水省がとめているような国からも入れてよろしいという見解。
 では、農林水産省にお伺いしますが、少なくとも加熱した半製品は、インフルエンザウイルスは生きた状態ではいるわけないわけですから、つまり、日本の国内の鳥に病気がうつらないようにという観点からいったら、別に鳥肉あるいは加熱半製品は関係ないんじゃないかと思いますが、つまり、国内の鳥に被害を及ぼすという。なぜ禁止しているんでしょうか。鳥肉から鳥にうつるというのはどういうメカニズムをお考えなのか。
○亀井国務大臣 お答えいたします。
 まず、食品としての鳥肉の摂取によりましてこの疾病が人に感染をしたという報告はないわけでありますが、汚染をされた鶏肉を介しまして我が国の鶏が高病原性鳥インフルエンザに感染するおそれがあるわけでございまして、こういう点から、家畜の伝染性疾病の我が国への侵入を防止することを目的といたします家畜伝染病予防法に基づきまして、高病原性鳥インフルエンザの発生国からの鳥肉の輸入を停止しておるわけであります。
 なお、高熱処理をした、こういう点につきましても、なかなか、高熱処理で鳥インフルエンザウイルスが完全に死滅することが担保されるものであれば家禽肉等の輸入を認めることは可能であるわけでありますが、発生国から要請があれば、加熱処理方法、加熱処理施設等を含めまして、輸入を認めることが可能かどうかにつきましては検討していかなければならない、このように考えております。
○鮫島委員 いや、私がなぜこんなことを聞いているかというと、実は、きのうから我が党の菅代表が、山口県の阿東町、鳥インフルエンザの発生した養鶏家のところに視察にも行って、きょうの昼まで行っていたんですが、もう山口県産の鳥は引き取らないとか、早くも風評被害が出始めている。
 それは、厚生労働省は、さっき言ったみたいに、鳥肉や鳥を食べても人間にインフルエンザを引き起こすことがないということがわかっていても、農林水産省の方が、タイからの鳥肉輸入禁止とか、ベトナムからの鳥肉輸入禁止というのをどんどんどんどんプレス発表するものですから、鳥肉は食べると人間に健康被害を及ぼすというふうに早くも受け取られ始めていて、それで風評被害が発生しているんです。
 それから、私が北京ダックが食べられなくなると言ったのは冗談ではなくて、アヒルの肉は中国からも台湾からもついにとまっちゃって、もう品薄で騒ぎが始まっている。
 ですから、私は、もちろん安全や安心を守ることは大変大事ですが、安全と安心はある程度分けて考えないと、後でアメリカのBSEの話もしますが、食の世界全体が非常にある種のパニックになってきて、食品産業自身のビジネスが収縮するというおそれもあって私は言っています。
 もちろん安全は大事です。ただ、日本の鳥に病気がうつらないということを本当に厳密にやろうとしたら、もちろん、生きた鳥は絶対だめよという水際をとり、さらに、本当は渡り鳥が危ないわけですよね。だけれども、まさか農林大臣が渡り鳥に日本に入るなと言ってもそれは無理で、そうしたら、鳥小屋のケージの構造とか、壁からどれだけ離すかとか、やはりそういう指導をきちっとやるのが先決で、鳥肉食べるなみたいな話はある種風評被害を引き起こしかねないことなんで、その辺は、安心と安全の問題は私は厳密にすべきだという気がしています。
 例えば、そういうことに関しては、ある種の風評被害による非関税障壁、そのことによって、外国の鳥は危険だぞということがわっと何となく消費者のマインドに広がると、外国からの鳥肉が入ってこなくなる、こういうことにもつながりかねないと思うんですが、経済産業大臣は何となくそういう危惧を抱きませんか。風評被害による非関税障壁という。
○中川国務大臣 動物等によって人間や動物の生命あるいはまた健康に害を及ぼすおそれのあるものについては、またはそういう根拠のあるものについては輸入禁止ができるということは、ガットの二十条だったと思いますけれども、協定によって明記されておりますので、そういう科学的または合理的な根拠に基づいて輸入禁止ができるということでございます。
 これと風評被害の話とはまた別問題であろうと思っております。
○鮫島委員 山口県から多分農林水産大臣のところにもいろいろな要望が来ているんだと思いますが、こういう場で、とにかく、鳥インフルエンザの鳥肉とか卵で人間がインフルエンザにかかることはない、今の輸入禁止措置はあくまでも国内の鳥の生産に影響を及ぼさないように、国内の家禽の病気の保護のための措置だということを、私は大臣からもちゃんと正確にアナウンスしてほしいというふうに思います。
 アメリカのBSEの問題に移りますが、ついに恐れていたことが起こった。去年の六月にカナダでBSEが発見されたときに、私どもは、カナダで発見されたということは、日本でいえば北海道で見つかったのと同じですよ、もうアメリカは時間の問題、実はよく調べればアメリカにもいるでしょうと。
 そうすると、日本にとって何が必要かというと、これだけ今大量にアメリカから入れて、それで牛食の文化が成り立っていますから、もう世界じゅうほとんど発生国になったら、発生国間の新たな肉の輸出入のルール、これをつくることが必要な時期に入っているんじゃないかというのを私どもは去年の六月から実は言っていたんですが、その間、余り前向きに審議もされず、中断がありましたが、やはり発生国間での新たなルールというのを考えないと、今、日本の牛肉、輸入自由化以来堅調に消費は伸びてきて、八十万トンぐらいだったのが約百万トン。割合数字が覚えやすくて、四、三、三という比率ですね。日本で、国内が四割、アメリカ三、オーストラリア三と、両方とも三ですから、四、三、三で割合覚えやすい数字の比率になっていますが、こういう構成で一つの日本の牛食文化が安定してきた。
 さまざまな牛肉の食品を食べることによって消費量はふえ、そして、その中で国産のものが高級牛肉というポジションを得て、これで一つの世界が成り立っているものですから、一定量のこの数の確保というのは私は大変大事だと思います。
 今、ではオーストラリアから入れればいいじゃないかという説がありますが、日本がオーストラリアから三十万トン、アメリカから三十万トン入れている。これは全く違った形で入れていて、アメリカからはほとんど牛どん用のリブ、ばら肉の部分、それとタンをかなりたくさん入れている。オーストラリアからは一般の肉を入れているという違いがあるので、なかなかアメリカのかわりにオーストラリアというふうにはいかないということも紹介したいと思います。
 EUでは、もう既に全部発生国、BSE発生先進地域というと変な言い方ですが、そういう国々では、発生国間の輸出入のルールがEUではできていると思いますが、どういうルールになっているか、御紹介いただけますか。
○亀井国務大臣 お答えをいたします。
 なお、先ほどの鳥インフルエンザの関係につきましては、山口県でいろいろ防疫等につきましては大変御尽力をちょうだいし、現在その状況にあるわけであります。さらには、風評被害の問題につきましても、鋭意私ども努力を今重ねておるわけであります。
 いろいろプレスリリース等におきましても、いわゆる鳥インフルエンザが卵や鳥肉という、こういった食品を介して人に感染した例は世界的に報告されていない、このこと等、正確な情報を提供して、風評被害の問題等につきまして今鋭意努力をし、いろいろまた各量販店等につきましても理解を深めておるところでもございます。
 なお、EUにおきます関係につきましては、BSEの問題、このことにつきまして、それぞれの地域でいろいろの対応をしておるわけであります。特にイギリスにおきましての発生、こういう点でいろいろの国々がその対応を図っておるところであるわけでありますが、特に、一九九八年十一月に、英国産牛肉等の、ドイツ、フランスなどEU域内への輸出を可能とする規則がEU委員会におきまして承認をされたわけであります。
 この規則によりますれば、英国産牛肉をEU域内に輸出するためには、六カ月齢以上の牛の特定危険部位の除去に加えて、肉骨粉飼料の使用禁止措置がとられた一九九六年八月一日以降に生まれた牛のものであること、六カ月から三十カ月の月齢であること等の条件を満たすことが必要とされている、このように承知をいたしております。
    〔委員長退席、北村(直)委員長代理着席〕
○鮫島委員 今、BSE発生先進地域であるEUでは、一九九六年八月以降に生まれた牛じゃないとまずだめですよ、それから二番目に、月齢としては六カ月から三十カ月の範囲のもの、そして、特定危険部位は全部除かれていなければいけません、これがルールだと思いますが、フランスとドイツは、それに加えて、できれば二十四カ月以上のものについては全頭検査してくれという希望をEUの委員会に出していると思いますが、まあそれはいいです。
 日本の場合は、とにかく世界に冠たる厳密な調査で、全頭検査をやり、さらに特定危険部位の除去もやっている。
 安全という観点からいくと、特定危険部位の除去さえしてあれば、BSEの検査はかなり、三十カ月以上とか、ある程度、発生頻度を見るためのテストだけで、安全という観点からは、坂口大臣にお聞きしますが、特定危険部位の完全除去さえしてあれば、これは安全というふうに言えるんじゃないんですか。
    〔北村(直)委員長代理退席、委員長着席〕
○坂口国務大臣 御指摘のように、今までの知見を中心にして考えれば、安全という立場からいいますならば、危険部位の除去で足り得るんだろうというふうに思います。しかし、そうはいいましても、念には念を入れてということもございますし、全頭検査をしているところでございます。
○鮫島委員 ですから、今、日本でやっている全頭検査は、念には念を入れて、科学的に安全というだけでは非常に消費者は、食欲とか食の問題は心理的な要素が強いですから、最大限の安心感を抱いていただこうという意味で全頭検査をしている。でも、逆の言い方をすれば、科学的な根拠はないということになりますね。
 農林水産大臣のお立場としては、なぜ全頭検査が必要だというふうにお考えですか。
○亀井国務大臣 今、我が国におきましては、委員御指摘のとおり、いわゆる牛肉の安全と国民の信頼を確保する、こういう視点、屠畜場におけるBSEの全頭検査の実施あるいは特定危険部位の除去、これを、あらゆる措置を講じまして、牛肉に対する信頼が、実は、平成十三年九月に我が国でBSEが発生をした際、牛肉の消費が減退をしたわけでありまして、そういう面で消費も今回復をしております。
 特に、現在まで九頭のBSEの感染が確認されたわけでありますが、屠畜場で全頭検査を行っている、感染牛の牛肉等は消費者に渡らない、こういう仕組みを確立したわけでありまして、消費者も冷静に対応していただいておるというのが現状であるわけでありまして、私は、我が国の消費者に安心して牛肉を消費していただくということが、そのためにも全頭検査を行うことが必要である、このように考えております。
○鮫島委員 ちょっと農水大臣の答弁が長いので、聞いていることにだけ端的にお答えいただきたいんですが、農林水産省としてはなぜ全頭検査が必要と考えているんですかという質問なんです。
 別の聞き方をしますが、家畜伝染病予防法に基づいてBSEの蔓延防止のために全頭検査が必要というふうにお考えになっているという点はありますか。
○亀井国務大臣 さらに全頭検査をする。今、BSEが世界的に発生いたしましてまだ二十年に満たない、こういう状況で、いろいろの科学的な知見、こういう点の指摘もあるわけでありますが、我が国にとりましては、消費者の安全、安心、こういう面でも、全頭検査をして二十一カ月、二十三カ月の月齢のBSEが発見できた、こういうことは、やはり全頭検査をしておる、こういう面でも消費者の安心、安全を確立する、こういう面でもこの全頭検査が行われていることが必要なことではなかろうか、このように思います。
○鮫島委員 ちょっともう一回。
 私がなぜこういう変な聞き方をしているかというと、今アメリカからも、あるいは近々ほかの国々からも、ある種の、世界で一番厳しいと言われているドイツ、フランスですら、二十四カ月以上のものについて全頭検査してください、それ以下については危険部位の完全除去でやってくださいというのが新たな国際ルールになりつつあるものですから、日本についても恐らくそういう横並びで、どういう根拠で日本は全頭検査しているんですかということが問われてくるわけです。ですから両大臣に聞いているわけですが、ちょっと農林大臣、答弁が長いので。
 では、家畜伝染病予防法に基づく検査ですか、今の全頭検査は。
○亀井国務大臣 食品の安全行政、そしてさらに私どもはリスク管理を担当するわけでありまして、農林水産省は、この安全、安心の食料の安定供給ということを図る観点から、全頭検査、こういうことをいたしておるところでもあります。
○鮫島委員 はっきりしませんよ、そういうあれは。
 では、別の聞き方をします。
 日本は、全頭検査をやっていたことによって、確かに二十三カ月、二十一カ月という大変若い牛からBSEが発見された。これは世界記録ですよね。今までドイツの二十八カ月というのが一番若かったんだけれども、二十三、二十一、二頭とも世界記録だと思いますが、これは何か今までの検査と違った非常に厳密な検査を始めたらこれが出たんでしょうか。それとも、従来と同じ検査で出たのか。
○坂口国務大臣 一番最初、検査を始めますときに、もう若い牛はいいじゃないかというお話もあったわけでございますが、しかし、日本の場合に、どれが若いのかどうかということがわかりにくいということもありまして、そして全頭検査ということに最初したわけでございます。
 しかし、それとは別の意味で、今御指摘のように、二十一カ月、二十三カ月というのが陽性に出たわけでございます。これは普通の、一般のBSE検査と同じ検査方法を用いて出てきたものでございます。
○鮫島委員 世界も大変驚いたわけですよね。今、ヨーロッパに対しても、多分、日本の研究者が行って、今までのBSEと違うものではありませんという専門的な説明に行っていると思いますが、この二頭は、肉骨粉の給餌が完全に禁止された後生まれた二頭。そうすると、この二頭については、何がその原因で、どういう感染経路というふうにお考えになっているんですか。これはどちらでしょうか。農林水産省ですか。
○亀井国務大臣 お答えをいたします。
 今委員御指摘のとおり、二十三カ月、二十一カ月は肉骨粉を禁止してからの誕生、こういうことであるわけでありまして、現在、専門家によります検討委員会でいろいろ御議論をいただいておるわけでもございます。そういう面を含めまして、その原因の究明、このために関係者にいろいろ御努力を今いただいておるところでもございます。
○鮫島委員 原因はわからないけれども、いまだに、つまり完全に禁止したと言われている後も、何らかの理由でこの二頭の牛の口には肉骨粉が入っているという事実があるわけです。
 それで、アメリカとの関係でいえば、アメリカも大変パニックに陥って、日本向けの三十万トンがとまったというのは大打撃だと思いますが、今、農林水産大臣、あるいはこの前、中川大臣もアメリカの政府高官とお話し合いになったようですが、早くアメリカの肉を入れてくれというような要請は農林水産大臣あるいは経済産業大臣のところに来ているんでしょうか。
○亀井国務大臣 先般、私、ベネマン農務長官と電話で会談をいたしまして、安全、安心の確保、そういう点をお互いに理解し合い、そして早期に輸入再開ができるように協議をする、こういうことで電話でお話をしたわけであります。
 しかし、その後、代表団を日本に送る、こういうお話で、先般事務当局がその協議をしておりますが、その条件、再開のためのいろいろの条件、こういうことにつきましては、今日まで提案はございません。
○鮫島委員 中川大臣、いかがでしょうか。
○中川国務大臣 私は、たまたま一月の七日から九日までワシントンに経済産業大臣の仕事で行ったわけでありますけれども、十二月二十三日にアメリカで発表されたということで、ベネマン農務長官ほかから、BSEのことについて話がしたいということでございました。担当ではございませんが、たまたまこの仕事にもかかわっていたこともございますし、ベネマン長官とも知らないわけではございませんのでお会いをいたしまして、向こう側の発生の経緯あるいはその後とった措置等についてお話がありました。
 私の方は、二〇〇一年九月に発表された日本の状況、あるいはその前にも随分、動物の病気で消費者、生産者等、大変動揺が広がったこと等を御説明し、その結果、日本の食品安全システムが現在でき上がり、消費者の信頼をかち得ているということを御説明申し上げましたが、いずれにしても、交渉でもございませんし、向こう側から特に御要望もございませんでしたけれども、いずれにしても、向こう側のお話については両大臣にお伝えをするということでお会いしたわけでございます。
○鮫島委員 ちょっと総理、よろしいでしょうか。
 ブッシュ大統領から小泉総理に対して、肉の輸入に対する要請、直接的な要請は来ていますでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 いいえ、来ておりません。
○鮫島委員 今、先ほどドイツ、フランスは二十四カ月という基準、二十四カ月以上を検査、それからEUの国々は三十カ月以上の検査、三十カ月以上が大体国際基準になりつつあると思いますが、日本ではしかし二十一、二十三というのも発見されたことから、日本でそういうふうに今の段階で、二十カ月以下はいいとか十二カ月以下はいいとか、そういうことを決める環境ではないですよね、現在。つまり、この全頭検査は今の日本の環境では当分続けるべきだ、そういうお考えということでよろしいんですね。では、厚生労働大臣。
○坂口国務大臣 そのつもりでおります。
○鮫島委員 そうすると、日本が全頭検査をやっている以上、アメリカからの輸入を再開する場合も、その基準を特例的に外すべきではなくて、アメリカについても、あるいはヨーロッパの国々についても、日本に限っては全頭検査したものしか入れませんよ、これを私ははっきり宣言すべきだと思うんです。
 ちょっと、総理にも聞きますが、その前に、もしアメリカに対して、日本に入れるものについては検査しなさい、それを言った場合、何頭ぐらいが対象になりますか、アメリカから日本に輸出されている牛。アメリカは、当分まだうちの国民は全頭検査なんか望んでいないと言って、しないと言っているんですが、もし日本向けのものについては全頭検査しますということだと、それが何頭ぐらいが対象になると思いますか。
○亀井国務大臣 先ほど、三割というようなお話です。
 ただ、この肉が、生体牛、それぞれ部分肉もありますし、その輸入の製品と申しますか、それがいろいろありますから、一概に何頭というのはなかなか難しい数字になろうかと思います。
○鮫島委員 私が食肉流通関係のさまざまな業者あるいはその専門のジャーナリストに聞いたところでは、アメリカでは平均三千万頭が一年で屠殺されている、日本には、もちろん全身じゃない、一部分、さっき言った牛どん用のばら肉等々を含めて、二千五百万頭分が一部が日本に行っていますと。これは実は、そのうちの二千二百万頭は何かというと、タンなんですね。だから、これも今全部とまっちゃっていて大変な問題だと思いますけれども。したがって、アメリカもなかなか、では日本向けのものだけ検査しようといっても、八割がそれに相当するということで、それも大変難しい現状だと思います。
 だけれども、何か私の知っている範囲では、輸入業者側もアメリカ側も何となくあがいている。農林水産大臣も、最初は日本と同じ全頭検査じゃないといけませんよと言っていたのが、日本と同等のというようなことを言い出した。私はやはり、先ほど厚生労働大臣も言ったように、二十一カ月、二十三カ月なんという若齢牛も見つかったことだし、日本はやはり厳密な全頭検査を今後も続けるということを小泉総理の口から世界にちゃんと言ってほしいんですよ。
 なぜかといいますと、それを言えばオーストラリアは日本向けの、日本人の嗜好に合った牛肉を生産する体制に入ることができる。だけれども、日本がはっきりしなくて、もしかしたらまたアメリカの圧力で特例的に入れちゃうようなことがあるんじゃないかと疑われているわけですね。
 ですから、ここはひとつ小泉総理の口から、厳密な、この世界に冠たる全頭検査体制を輸出入の関係で崩すことはないということを言ってほしいんです。
○小泉内閣総理大臣 日本としては、安全で安心な食品確保にきちんとした対応をとりたいと思います。
○鮫島委員 私は、四十分間、多少解説も込めて質問してきたつもりで、ちょっと今のようなお答えでは納得しかねるんです。つまり、安心、安全ということからいえば、科学的な安全ということからいえば、例えばEUの基準ですと、危険部位を除去して、BSEの検査は三十カ月以上でいいですよというのがEUの基準になっているわけです。ドイツ、フランスはもうちょっと厳しくて、二十四カ月以上は検査しましょうということになっている。日本は全頭検査をしますということになっております。
 だから、アメリカから入れろ入れろというプレッシャーがかかっても、同等というのは、全頭検査以外の同等って何かあるんでしょうか。農水大臣に。
○亀井国務大臣 今の表現、同等と。この件につきましては、アメリカで、輸出をされる側という立場でどういうことをお考えになっておりますものか、そういうものも今まだ何のお話もない状況であるわけでありまして、米国でどういうお考えになりますか。
 これらはあくまでも、先ほど申し上げましたとおり、我が国でとっております全頭、そしてさらに特定危険部位の除去、そしてアメリカからどういうお考えがありますか、それらはやはり食品安全委員会また厚生労働省、これら関係機関と十分緊密な連携をとって対応すべきもの、このように考えております。
○鮫島委員 ダブルスタンダードは、こういう世界であったらおかしいと僕は思いますよ。日本で全頭検査をやって、それを日本の消費者に対する安心の根拠にしていながら、輸入するものについてかなりずさんな体制にしたら、これはダブルスタンダードだし、消費者は非常に迷って、場合によったら、全部また消費が冷え込む危険性があるんです。
 だからこれは、日本は全頭検査で危険部位除去というこの二重のルールでやっているんだから、日本に入れたい国々はぜひその基準をクリアしてくださいと。これが当たり前のことだし、これを総理の口からちゃんと言わないと、オーストラリアも信用していないんですよ。ぜひ、だから、日本の同等というのは全頭検査であり、全頭検査と特定危険部位の除去だ、このことを総理の口から私は言ってほしいと言っているのは、そのためです。
○小泉内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、日本国民が安全、安心、同等、日本に対する牛肉に対しては同等の対応ができるような措置をしたいと言っているわけです。
○鮫島委員 素直じゃないというか、どうして全頭検査、日本に輸出される牛肉については全頭検査をしたもの以外は受け入れませんよということはなぜ言えないんでしょうか。はっきり全頭検査以外は入れないということをちゃんと明言してもらいたい。
○亀井国務大臣 我が国の全頭検査並びに特定危険部位の除去、そしてさらに、今、これはカナダで発生したときにも私は申し上げたんですけれども、それと同等の、こういうことを申し上げ、これはあくまでも全頭あるいは特定危険部位の除去、こういうこと等を踏まえたことであるわけでありまして、このことは農務長官にも私は申し上げて、先方、どういうお考えがあるか、これはまだ何の連絡もないわけでありますが、同等、そして特定危険部位の除去、そしてそれと同等の、こう申し上げ、厚生労働省並びに食品安全委員会、あるいは国民の信頼、国民の理解、こういうものがなければ安心は得られないわけでありますから、その対応をしてまいりたいと思っています。
○鮫島委員 いや、特定危険部位除去はわかりましたが、全頭とか同等とか言って、その辺がよくわからないんです。私は、少なくとも、日本に輸出される牛の個体についてはBSEの検査は不可欠、日本に輸出される牛については全頭検査してくださいということを、世界に向けて日本のルールとして発信すべきだと言っているんですよ。
 ですから、同等のなんということを言ったらわからなくなる。だから、ぜひ、日本に輸出する牛については、すべての個体についてBSEの検査を必要とするということを明言してほしいんです。
○亀井国務大臣 再三申し上げますとおり、全頭検査、このことは我が国でとっておりますことでありますから、そのことを中心に、先方が、米国からどういう考えが出てまいりますか、これは協議をすることになりますけれども、あくまでも全頭検査、日本で行っておりますことを行う、こういうことを基本に考えております。
○鮫島委員 では、別の聞き方、裏返しから聞きますが、BSE検査を行われていない牛、検査を行っていない牛を輸入する可能性はあるんですか。BSE検査を行っていない牛の肉を輸入することは入っているのか、許容範囲に。
○亀井国務大臣 あくまでも、これはBSEの検査をやるということは当然のことであります。
○鮫島委員 わかりました。では、それで議事録としても確認をされたと思います。日本に入る牛についてはすべてBSEの検査を経たものに限るという明快な答弁をいただいたというふうに思います。(発言する者あり)大丈夫ですよ。議事録に残った。総理、それでよろしいですね。
○小泉内閣総理大臣 農水大臣の答弁のとおりでございます。
○鮫島委員 要するに、日本に入ってくる牛肉はすべてBSEの検査を経た個体から入ってくる、そういうことが日本のルールとして、農水大臣の口からも総理の口からも言われたことを確認したいと思います。
 それで、いろんな被害が出て大変お気の毒。例えば、外食産業はダブルパンチ。せっかく日本でのBSE騒動がおさまって堅調に消費が戻ってきたところで、またアメリカの肉がとまって、特にタンが二千二百万本とまって、ばら肉も約三百万頭分とまっていますから、これは大変な打撃なんです。
 それで、外食産業の産業規模、どのぐらいかといいますと、これはフードサービス協会の資料ですが、市場規模が二十五兆六千億円、店舗数が八十万五千店、従業員の数が四百三十万人。四百三十万人のうちパートさんが三百八十五万人。早くもそのパートさんの整理が一部の外食産業で始まっているんですが、雇用調整金というのがあると思いますが、これは外食産業やスーパーのパートさんにも適用できるんでしょうか。坂口厚生労働大臣。
○坂口国務大臣 これは、結論から申しますと、できるわけであります。雇用調整金の対象になります。これは雇用保険に入ってもらっていることを前提でございますけれども、パートの皆さんにも適用になります。
○鮫島委員 雇用保険に入っていないと、保険に入っていないと適用にならないということですね。パートさんで、国民年金だけではだめで、厚生年金に入っていないと雇用調整金は適用にならない。
 パートさんの中でどのぐらいが適用になりますか。外食産業に限らずでいいんですけれども、一般に日本のパート労働者に対して雇用調整金が適用になるのは何割ぐらいですか。
○坂口国務大臣 具体的な数字は後でまた申し上げますけれども、それぞれの企業といたしましては、皆、保険に入っていただいていることは間違いありません。
 その中で、パートの皆さん方も大体入っていただいているというふうに理解をいたしておりますが、しかしパートの皆さんも、パートもいろいろでございますので、中には入っていない方もおみえになるかもしれない。そこのところがどれだけかというのはちょっと今わかりませんので、後で御報告を申し上げます。
○鮫島委員 先ほども申し上げましたように、鳥インフルエンザによる風評被害もあり、鳥の消費が沈滞し始めている。また、アメリカからの牛肉の輸入もとまったということで、かなり、この三百八十五万人のパートさんを抱える外食産業というところに、恐らく一番大きいダメージがいくでしょう。ぜひそこは厚生労働大臣も十分な目配りをして、向こうからSOSが上がってきたときは温かいセーフティーネットを差し伸べるようにしていただきたい。
 これは、緊急融資、セーフティーネット融資についても同じことが言えて、こういう外食産業や、今、肉屋さんも大変です。鳥も余り売れなくて、牛肉のところは半分ケースは空になっていると思いますが、そのぐらい消費が冷え込んでいる。ですから、緊急融資、借りかえ保証制度、きょう午前中、太田議員からも出ていましたが、ぜひこのことを念頭に入れた借りかえ保証制度も中川経済産業大臣にはお考えいただきたい。つまり、牛肉、鳥に由来する消費の落ち込み、それによる経営難、これを対象にした借りかえ保証制度に類するセーフティーネット融資をぜひお考えいただきたいと思うんです。
○中川国務大臣 まず、BSEでございますけれども、二十五日に農林水産省からの御要請をいただきまして、BSE関連の卸、小売、それから飲食関係の皆様方の相談窓口を政府系金融機関、商工会議所、商工会、信用保証協会等々に設けました。
 それから、いわゆるセーフティーネット貸し付けを別枠でセットいたしましたけれども、現在、貸し付けいたしましたのは一件でございますが、これはセーフティーネット貸し付けではなくて、一般貸し付けで対応できたということでございます。
 保証については、今後、農水省の調査、そして要望があれば検討していきたいと思っております。
○鮫島委員 これはあくまでもうわさかもしれないんですが、金融監督庁にお伺いしたいんです。
 今、米国産牛を主として取り扱っている外食産業の企業あるいは外食産業のチェーンに対して、銀行が在庫調査をかけている。あと何カ月牛肉が残っているか、米国産牛を主として取り扱っている業者に対して。これは何のためにやっているかというと、完全に在庫がなくなって行き詰まって倒産する前に必要資金を回収しておかなくちゃいかぬ。ある意味では恐怖の貸しはがしのための下調べじゃないかといううわさが流れていますが、竹中大臣はそんなうわさを聞いているか。もしそんなことがあったとしたら大変なことだと思いますが、しっかり御指導をお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
○竹中国務大臣 企業と銀行の個別の取引に関与する立場に金融庁はないわけでありますけれども、一般論として申し上げれば、銀行は、一方で大事な預金を預かっている立場でありますので、信用リスク管理の観点からいろいろな調査をするということは、一般論としてはあり得ると思います。しかし、個別についてそういう話を聞いているわけではございません。
 我々としては、そういった場合にも、突発的な、一時的な要因によって判断するのではなくて、より中長期的なことから経営をしっかり判断するように、そういうような指導はしているつもりでございます。貸し渋り・貸しはがしのホットラインも活用しておりますが、今のところBSE関連でそういった情報は寄せられていないということでございます。
○鮫島委員 ぜひしっかり監視をしていただきたいというふうに思います。
 農林水産大臣にお伺いしますが、今一時的に、非常に、アメリカから入っていた三十万トンがすぽっとマーケットから抜けちゃったわけですから、オーストラリア産で、オーストラリアでつくられているものでなるべく日本人の嗜好に合うもの、これをぜひ少し探して集めて日本に輸出してくださいというような要請を農林水産大臣は行っていますか。
○亀井国務大臣 先般、オーストラリアに調査団を派遣いたしまして、関係の畜産業界等との話し合いを進めてきたわけであります。いろいろ肉の性格、性質等も違うわけでありますが、その対応ができるような努力は今しているところであります。
○鮫島委員 ちょっと大臣の御答弁、わかりにくいんだけれども、日本人の口に合うような穀物飼育の牛の肉をなるべく出してくださいという要請をされたということですね。探して集めて、あるいはマーケットにどのぐらい出せるか、そういう調査をお願いしますと、ある種の要請に近い行動を行ったということでいいんでしょうか。
○亀井国務大臣 政府の調査団、調査ということでございますから、我が国の牛肉のいわゆる消費の形態、これは今お話しのとおり、穀物あるいは草地というようなことで肉の性格が違うわけでありますから、我が国の需給、こういうことにつきましても説明をし、また先方の動向、こういう調査もしてまいったわけであります。我が国の現在の状況、こういう需給の関係につきましても説明をしてきたようなところであります。
○鮫島委員 ちょっとよくわからないんですが、今アメリカからの三十万トンがなくなって大変、牛どんだって二月の中旬にはなくなるぞと言われている時期に、オーストラリアも探せば日本人の口に合う、使える肉があるわけですよ。ただ、部分売りをしていないので、全体売りという難しさはあるかもしれませんが。
 少なくとも、オーストラリアは日本の政府からそういう要請を受けているという認識ですよ、向こうは。それで、どのぐらい出せるかというのも調べている。農林水産省の調査団も、オーストラリアの牛の三割は穀物飼育で、しかもそのうちの半分ぐらいは日本人の口に合うんじゃないかという調査報告を出していますよね。
 谷垣大臣にお伺いしますが、日本はオーストラリアに輸入拡大を要請しながら、今特別セーフガードを発動していますね。これは矛盾しませんか。
○谷垣国務大臣 これはもう委員よく御存じで、釈迦に説法でございますが、ウルグアイ・ラウンドの交渉の中で、日本が五〇%のものを三八・五%に譲るその代償措置としてパッケージでやったものでございますから、これはこれで、それから発動の仕方も客観的なことで、裁量の余地がない法律の仕組みになっておりますので、発動は私はやむを得ない、こう思っております。
○鮫島委員 もともと、牛肉に対する特別セーフガードの発動というのは、日本が権利として持っていることは私もよく存じています。しかし、これはあくまでも、去年に比べてことし一一七%以上ふえました、そういうことがあった場合には発動できますというふうになっているんですが、前の年が、BSEが発生して通常の六割も消費が落ちて、やっと消費が戻ってきて平年の八割ぐらいになりました、こういうときに発動するものじゃないでしょうということをさんざん申し上げたんですが、残念ながら我が党から出した修正要求も通らなくて、そのまま今発動になっちゃっているわけです。
 この特別セーフガードの発動というのは、なるべく輸出しないでくださいよと、輸出がしにくくなるための一つの関税措置なんですが、それをかけておきながら、オーストラリアの政府に、もっと肉を出してください、しかし特別関税はかけますよ、こんな変な注文をしてくる国は日本しかないというふうにオーストラリア大使から私は直接聞きました。
 ですから、今度の三月でまたこのセーフガードの発動の仕組みについては見直しになりますが、大体、英文自体は、発動することができる、こう助動詞が入っているわけです。メイ・アプライというふうになっているんですが、日本語で訳すときには、発動することとするというふうに裁量の余地がないようになっていて、英語の合意文と日本語の合意文が微妙に変わっているという問題も実は含んでいる。
 ですから、私は、異常年を基準にしたセーフガードの発動はおかしいのではないか、異常事態があって平年の消費の六割しかいっていないような年を基準にしないで、その直近の平準年、普通の年をやはり基準にするように、それは変えるべきだということを今度も主張したいと思います。
 例えば、今アメリカの肉がまた入らないわけですから、どんと輸入量は半分になっているわけですね。一年ぐらいたつと、全頭検査の仕組みなんかができて輸入がふえてくるかもしれない。そういうときはまたかけるんですか、セーフガードを。今度、アメリカのBSE発生によって日本の輸入量は平年の半分になりました、これを基準にはしないということぐらいは谷垣大臣の口から言っていただきたいんですけれども。
○谷垣国務大臣 これは法律上、委員の御意見でございますが、基準にする時期というものは明確に決まっているわけでございますので、立法論はいろいろあるかもしれませんけれども、現行の法律体系のもとではそれは難しい、難しいというか、できない仕組みになっているということではないかと思います。
 それから、今、来年のことをおっしゃいましたが、来年、委員がおっしゃいましたように、どう動いていくのか、あるいは、アメリカから入らないとして、代替の輸入がどうなるのかということもまだ明確にわかっておりませんので、その辺も我々は関心を持って見守ってまいりたいと思っております。
○鮫島委員 いや、大臣がもちろんこれは法律で決まっていることでしてというのは、確かに法律で決まっていますが、一行直せばいいだけで、前年の数字を基準年とするというふうに法律はなっていますが、前年が異常年の場合はその直近の通常年を基準年とするというふうに変えるだけで、大分世界から信頼されるまともな本来のSSGの姿に、本来の特別セーフガードの姿になるんだろうというふうに思います。それはまだ継続で、今後の審議の中でも議論させていただきたいというふうに思います。
 最後に、あと一問だけ農林水産大臣に。
 やはりBSEが日本で二十一カ月、二十三カ月で出たというのは、私はちょっと怖いことだなと思っているんですよ。つまり、完全にBSEは与えられていないことになっていたのに、その後に生まれた牛で二頭も出たというのは大変怖いことで、私は、ずっとかねてから、BSEの発生の現状を正しく把握するには死亡牛の検査が一番ですということを二年前からずっと言っていましたが、やっとあのBSE特別措置法の中で死亡牛の検査も対象になりましたが、北海道だけ、あるいは離島、僻地だけ特例的に一年おくれてということですが、今どのぐらい進捗していますでしょうか、全体の死亡牛の検査は。
○亀井国務大臣 死亡牛の検査につきましては、現在進めておりまして、今年四月までに全県、こういうことで、一月の二十六日付で全頭検査を開始した県が、北海道、青森、新潟、福岡、鹿児島、沖縄県を除いた県で今実施をしておりまして、これら六県につきましても年度内にそれが実施できる、こういう状況にあります。
○鮫島委員 死亡牛の約半分は北海道で発生していると思いますので、北海道での検査も急いでいただきたいと思います。
 食の安全、安心というのは大変大きな課題で、すべての食材が一瞬にして世界を駆け回るWTO体制のもとでは、私は、日本の制度として、先ほど、東南アジア、タイやベトナムからの鳥肉の輸入も、七十五度で一分間、あるいは六十度で三分間とか、適正な処置をしてあれば、これは輸入するのに何の問題もない。
 それから、アメリカがもしBSEの検査を始めても、本当に日本と同じ厳密な、適正な検査をしているのか、こういうことをいろいろなところに本当は見に行かなくちゃいけないんですが、日本は全く海外に検査官を派遣していません、熱帯果樹、オランダのチューリップ、それからBSEの関係でヨーロッパに二、三人は出していると思いますが。
 今や、日本全国の農地が四百万ヘクタールで、日本人の食生活を支えるためにその約四倍、千五百万ヘクタールの農地が使われているのに、さまざまな畜産が行われ、流通、加工を経て日本に入ってきているのに、そういう食品供給体制のあらゆる行程を国の内外を問わず監視するという仕組みができていないんですよ。
 民主党のマニフェストの中には、そういう視点から国際食料検査官制度というのを創設して、今だったら、アメリカに何人か定点観測で行かせるとか、それから鳥インフルエンザの関係で東南アジアの国々にやはり何人かの検査官を行かせる、こういうことをやるのが私はWTO体制では当たり前だと思います。FTAの御議論もあるようですが、そうなればますます。
 ですから、他党の提案だからおもしろくないとお思いかもしれませんが、ぜひ国際食料検査官制度というのも日本は取り入れて、食品安全基本法に魂を吹き込み、日本が食品安全の先進国の仲間入りをしてほしいというふうに思いますが、最後にこの点についての総理の御見解を伺いたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 食品の安全確保について、いかなる対応が必要かという点については、今鮫島委員御指摘の点も踏まえて、今後さらに検討を進めていきたいと思います。
○鮫島委員 ぜひ国際食料検査官の創設を御検討いただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○笹川委員長 先ほどの筒井君の質問に関し、石破防衛庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。石破防衛庁長官。
○石破国務大臣 筒井委員御指摘の箇所は、昨年の十二月十五日、中川正春委員に対するお答えのこの箇所かと存じます。
 すなわち、「それは、そういうようなことと一体にならないようにということを入れたわけであって、それはフィクションでも何でもございません。自衛隊が憲法に反するような行為をしたという評価を受けないためにわざわざそういう条文を入れておるわけであって、そのことはフィクションでも何でもない。」そのようなことというのは、武力の行使ということでございます。
 以上です。
○笹川委員長 この際、首藤信彦君から関連質疑の申し出があります。前原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。首藤信彦君。
○首藤委員 民主党の首藤信彦です。
 十五年度補正予算のフレームについて、まずお聞きしたいと思います。
 この中で、特に私は、今般、今、国会で審議の最中でございますが、イラクへの自衛隊の派遣、これに関するテーマについて特に集中的に質問したいと考えております。
 イラク復興支援経済協力費として、千百八十八億円、これが十五年度補正予算フレームに載せられています。この金額というものは、当然のことながら、我が国のODAの約七分の一に、年間のODAの七分の一ぐらいに相当する金額だと思うんですね。非常に大きな金額です。
 今、日本のODAに関しては、それ自体が曲がり角であるというふうに言われて、また、前国会においては、大変不幸な事件でいろいろな腐敗行為とかさまざまなスキャンダルが明らかになり、国民のODAに対する信頼というのはさらに失われました。
 そういう観点から考えると、私は、このODAに関しては、海外援助に関しては、徹底した透明性、客観性、公正性、公平性というものが求められていく。そして、それがまた本当に効率を生むかどうかということで、その効率性も求められているわけですが、このイラクの復興の協力費に関して、どのようなテーマがあるかということで、私も財務省主計局がまとめた説明資料を見させていただきました。ところが、ほとんど書いてないわけですね。何にも書いてないんです、はっきり言うと。
 そこで、疑問として、一体何を、この千百八十八億円をどんなテーマで、しかもこの補正のどたばたした審議の中で払っていこうとしているのか。そのテーマを、細目をお聞かせ願いたいと思うんですね。
 もちろん、そこには、国連開発計画とか、あるいはまた国連のさまざまな機関、あるいはIBRDのような国際的な銀行、こうしたものに援助として供与される部分もあると思います。しかし、それ以外に、一体どういう対象に、この千百八十八億円の大部分といいますか、六割近くが流れていくのか、それをまず財務大臣にお聞きしたいと思います。
○谷垣国務大臣 今首藤委員がおっしゃいましたように、この補正予算では十・八億ドル相当の千百八十八億円が計上されているところでありますけれども、この支援の内訳につきましては、イラク復興信託基金への拠出として四・五億ドル相当、四百九十五億円、それからユネスコ等の国際機関経由の支援として一・二億ドル相当、百三十四億円、それからイラクへの直接支援等として五・一億ドル相当、五百五十九億円、こういう事業を実施することを想定しております。
 このうち、イラクへの直接支援等の中身としては、電力、水・衛生それから保健医療、治安等の分野における支援を実施することを想定しております。
 具体的なプロジェクトの内容につきましては、今外務省で詳細を検討していただいているところでございますけれども、例えば電力分野では発電所の緊急リハビリといったこと、また、水・衛生分野では浄水機あるいはごみ収集車の供与、こういった検討が進められていると承知しております。
○首藤委員 いや、それは異なことをお聞きしますよね。補正予算というのは、これは緊急性を持っていて、すぐやらなきゃいけないというものですが、これから調べていこう、そんな予算が果たしてあるんでしょうかね。
 では、どういう本当に具体的な対象があるかということが当然問題となるんですが、どの程度、例えばここに上がりました五百五十九億円のうち、どの程度が具体的にもう既に当てはめられているのか、財務大臣、もう一度いかがですか。
○谷垣国務大臣 これは、今申し上げたようなことを今外務省で検討していただいているということであります。
○首藤委員 いや、年度内でこれを使おうと言っているのに、検討してもらうとは、一体どれだけ時間が残っているんですか。
 財務大臣、今、日本は不況で一円もおろそかにできない。中には、本当に中小企業の皆さんも苦労されていて、そして、地方でも本当に苦しんでいる。地方へ行けば、シャッター通りと言われるように商店街も次々と閉められていく。どうしてこんな、五百五十九億円に対して、補正で執行しなきゃいけないのに、その対象がわからないか。どういうことでしょうか。もう一度はっきりお願いします。
○谷垣国務大臣 今の五百五十九億円の内容としましては、一つは電力であります。これは発電所、変電所のリハビリ、整備、それから移動式発電機、変電機の供与というようなことを検討しております。それから、水・衛生では、上水、あるいは簡易浄水機の供与、それから衛生は、ごみ収集車、汚泥処理車の供与といったことであります。それから、保健医療では、病院リハビリ、医療器材の供与とか救急車供与、我が国が過去にかかわった病院等における医療器材、設備のリハビリ等を行う。それから、治安その他では、警察車両の供与、あるいは日本のNGOに対する支援、こういったことを考えております。
○首藤委員 いや、財務大臣、これはもう全然質問を理解されていませんね。結局、一体どこに、対象としてやるか。対象がAからZまであります、こんなもの、答弁じゃないですよ。
 今この緊急事態のときに一体どれだけのお金をどういう対象に振り分けるのか。そうしたら、私たちも予算審議の中で、いやそれは違う、それは緊急性が乏しい、むしろこちらの方じゃないかというふうに初めて国民の代表として予算を審議できるわけですよ。財務大臣がそんなことを言ったら、予算審議、何もできないじゃないですか。AからZまで品目があります、ここに出すというんだったら、対象にならないですよ。
 外務大臣、では、一体これを、今、五百五十九億円をどのような対象にこのお金を渡すかをお聞きしたいと思います。
 対象は、どのような対象かということは、プロジェクトではなくて、どのような受け皿かということですね。御存じのとおり、ODAの場合は、どのような受け皿に対してそれを出すのかというのが重要となります。外務大臣、いかがでしょうか。
○川口国務大臣 だれに、どのような対象に供与するかという御質問でございますけれども、これは、統治評議会の各省庁、それと地方政府ということでございまして、ちなみに、先般、パトカー六百二十台の供与ということを決定いたしましたけれども、これの対象は内務省でございます。
○首藤委員 いや、それは驚きましたね。いつイラク共和国というのがあるんですか。イラク共和国の内務省というのはどこにあるんですか。そんなものないじゃないですか。CPAじゃないんですか、それは。いかがですか。
○川口国務大臣 これは、イラクには省庁がございまして、内務省もございまして、大臣もおいでになります。
○首藤委員 いや、それはとてもまともな論議じゃないですよ。
 イラクというのは占領下にあって、暫定行政機構というのは国連で認められた、唯一の権威として認められているのが暫定行政機構、CPAなんですよ。その下でどうしてイラクの国家としての省庁がありますか。どうしてそれが我々の国民の税金を使う正統なる受け皿となりますか。外務大臣、いかがですか。
○川口国務大臣 決議一五一一というのが前に国連の安保理で出ておりますけれども、その中の、これは主文の四でございますけれども、そこに、ガバニングカウンシルが、及びそのミニスターズがインテリム、要するに暫定行政機構のボディーである、主たる組織であるというふうに決まっております。そして、これがイラクという国家の主権をエンボディーしている、体現しているというふうに書かれているわけでございます。
○首藤委員 いや、そんなことはだれだって知っていますよ。しかし、問題なのは、果たしてそれが、本当に今苦しいこの状況の中で、私たちの税金の受け皿となり得るかということを聞いているんですよ。
 例えば、イラクにおいても、まだ選挙も行われていない。今の暫定政府が、ある場合にはフセイン政権の残党であったり、あるいは古い行政府がそのまま残っていたり、あるいはまだバース党の幹部が居座っていて、問題になっている。選挙が行われ、そして本当の政府が出て、そしてまた本当の行政機構が行ったとき、これは、おまえたちはだめだという可能性だってあるわけでしょう。ですから、どうしてそういうところに送れるかということですね。
 今までのODAの対象を見てください。国際機関ですね。NGOですね。国家ですね。果たして、国家以外の機関、国家の下部組織に、国家の主権を飛び越えて地方組織に、地方政府に供与したという実例がございますか。いかがですか、外務大臣。
○川口国務大臣 これは無償資金協力でございますけれども、これは今までも、例えば草の根・人間の安全保障無償、NGO支援無償ということで、相手国の中央政府以外の人たちに対しても援助を実施してきているというのが現実にございます。
 イラクにおきまして復興ニーズが非常に高いということを考えますと、これは、相手国の中央政府、要するに、六月以降の暫定政府の成立を待つことなく、できるだけ早期に援助を実施していくということが大事でございまして、政府としては、当面、各省庁や地方政府に対して資金を供与していくということにいたしております。
 それから、あわせまして、DACにおきましてイラクについての会議をいたしましたときにも、これが援助を受ける適格性がある、今のトランジションにあるイラクの政府が適格性を持っているということがDACにおいても合意をされております。
○首藤委員 そういったレベルで果たして受け皿として出していいものかですよ。
 憲法八十九条は何て書いてありますか、憲法八十九条に。国家のコントロールに属さないところには私たちは資金供与を直接にしてはいけないんですよ。ですから、NGOだって長い長い論議を経て、NGOに出すんではなくてプロジェクトに出していったわけでしょう。ですから、今回だって、プロジェクトがはっきりしなければそれは出せないということなんですよ。
 それから、この中で、おっしゃったように、暫定機構を聞きましょう。CPAを伺います。
 CPAへの直接供与というのは、これは川口大臣も御存じのとおり、これは占領行政への加担でありますから、これは憲法上の問題がある。そのとおりですね。では、直接に、おっしゃるように、よりNGO的な地方組織に直接出したらどうかという考え方は、当然おっしゃるようにあるわけですよ。
 そこで、受け皿となる可能性があるとしたら、地方での評議会というのがありますね。しかし、これは、そのことが実は大きな問題となってきているわけですよ。
 これは我が党の同僚議員の達増議員からいただいたわけですが、岩手日報に、図らずもサマワの評議会の問題というものが載っています。この岩手日報というのは、共同通信のニュースをピックアップして、ここのところが本当に我々にとって大きな問題だということを拾い上げた、大変すぐれたニュースだと思うんですけれども、そこに、サマワやルメイサで評議会が不在だ、支援調整の窓口がない。
 何が問題かというと、評議会、地方の政府がCPAと対立しているわけですよ。それはなぜか。当たり前でしょう。CPAというのは、正統な行政機構として、国家の、国民に選ばれた行政機構でないために、評議会、地域をまとめている、統括している人たちから見れば、それはCPAの意に服さないということがあるわけですよね。ですから、当然のことながら、CPAに対して反発があったり、あるいは全部が巡礼に出ていってしまっている。
 ですから、川口大臣のおっしゃったような、地方の行政組織に出したりするというのは、あくまでも、正統な政府があって、その下に行政機構があった場合なんですよ。問題なのはCPAなんですよ。
 では、CPAへの直接的な資金援助というのは、それは可能でしょうか。外務大臣、いかがでしょうか。
○川口国務大臣 それは全く考えておりません。
○首藤委員 おっしゃるとおりです。これは、我が国の今までの法制局の判断からしても、憲法上からしても、それはできないんです。それを確認させていただけますか、もう一度、外務大臣。――委員長、ちょっと時間がないので、早くしてください。
○笹川委員長 はい。川口外務大臣。
○川口国務大臣 CPAには資金の援助はいたしません。
○首藤委員 それは法的にできないんですよ。
 では、する、しないじゃなくて、法的にできるかできないか、言明をお願いします。――ちょっと時間をとめてください。
○笹川委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○笹川委員長 速記を起こしてください。
 川口外務大臣。
○川口国務大臣 CPAに対してODAを供与するということについては、これは政策として考えておりません。
 それが法的に、あるいは憲法に照らしてどうかということについては、法制局に御判断をいただく事柄かと思います。
○首藤委員 法制局、では、法制局の意見を聞きましょう。
○秋山政府特別補佐人 政策的に考えておらないという状況でございますので、ちょっとまだ外務省とその点について協議はしておりませんので、この場での答弁は控えさせていただきます。
○首藤委員 これは絶対できないんですよ、要するに、簡単に言うと。できないんですよ、憲法上。
 では、この予算というのは一体何だということですよ。一体だれに、どこに出すのか。ユニセフに出すのは結構ですよ。UNDPに出すのは結構ですよ。IBRDに出すの、結構ですよ。しかし、ここに掲げて、政府案に書かれている予算は執行できないんですよ。だから、予算審議では、これはもう審議できないですよ、はっきり言って。そうじゃないですか。
 では、どうしてこんなことが起こっているのかということですね。それは、なぜならば、マドリッドで会議したときに、そうした国際機関分、そして日本が独自でやりたい、やらなければいけない、緊急にやらなきゃいけない、日本のプレゼンスを示さなきゃいけない、日本の税金で、国民の税金で来たお金を、私たちの顔が見える形で援助していかなきゃいけない、こうした崇高な目的で、みんな必死で外務省の人は走り回っていたんですよ。
 その中に奥さんと井ノ上さんもおられました。奥さんと井ノ上さんがお亡くなりになったわけですね。これこそ最大のテーマなんですよ。一体、どうしてこの二人があそこで死ななければならなかったのか、ここが最大の問題なんですよ。
 そして、ここで、こういう表現がありますね。これは政府特別補佐官の岡本行夫さんが、十二月八日ですか、テレビでおっしゃっていることですね。奥大使は、日本が供与を決めた無償資金十億ドルの具体的な使い道を確定するために走り回っていた、日本はマドリッドの復興会議で約五十億ドルぐらい決めたんだけれども、日本のその十億ドルの部分に関しては緊急性が高くて、日本が独自で決めなきゃいけない、それを決めるためにプロジェクトを探し回って決めてたんだと。したがって、この二人が死んでしまったために、日本は自分で供与する資金をもう自分で決めることができない、これはCPAに渡すしかないんだ、こういうことを政府の特別補佐官がおっしゃっていますね。
 この発言に対しては、外務大臣、いかがですか。
○川口国務大臣 奥大使、井ノ上書記官がイラクの支援をするために、まさに各省庁、そして地方政府とコンタクトをしながらニーズを聞き、そして、いろいろな我が国としてできる支援ということを考えていたということは、全くおっしゃるとおりでございます。そういう意味では、非常に、私も大変にこういう結果が、お二人が亡くなられたということについては、もう心から残念だと思っております。その上で、CPAに対しては行わないということは先ほど来申し上げているわけです。
 岡本補佐官がおっしゃったことについて引用をなさいましたけれども、それについて、私は直接見てもおりませんし、岡本補佐官からそういうことを伺ったわけでもございませんので、コメントはいたしません。
 申し上げているのは、CPAに政府としてODAを供与するということは考えていない、そういういうことであります。
○首藤委員 これはもうおかしなことですね。これは十二月の初めの、奥さんや井ノ上さんがお亡くなりになった直後に出てきた話なんですよ。私もこれを聞いて、テレビで見て、え、そんなことがあるのかと驚きました。しかし、これはただの評論家が言っているんじゃなくて、イラク問題の評論家が言っているんじゃなくて、政府の特別補佐官がこういうふうにおっしゃっているわけですね。
 ですから、これは本当にそうしたシステムなんでしょう。どうですか。政府の中で答えられるのは官房長官ですか。統一見解をぜひ出してください。
○笹川委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○笹川委員長 速記を起こして。
 川口外務大臣。
○川口国務大臣 政府の中で意見が異なるということはございませんで、これについては、CPAに対してODAを供与することはしない、そういうことでございます。
○首藤委員 だから、どうして、では、このお金、五百億を実行できますか、プロジェクトも決まっていなくて。そんなだったら、一体、その岡本さんというのは、どこかにいる人じゃなくて、もう毎日毎日テレビへ出て、政府の広告塔をやっている人ですから、当然のことながら、このことは当然、一番内実をよく知っている人ですよ。
 それなら委員長、私は、岡本行夫さんの参考人招致を求めます。いかがでしょうか。
○笹川委員長 理事会において協議させていただきます。
○首藤委員 時間がないので、次のテーマに行かなければいけませんが、私たちは予算審議をなぜしているかというと、私たちは、選挙でも何でもそうですが、国民の税金を一円もむだにしない、そのために我々はやっているんですよ。だから、この審議が本当に重要なんですよ。
 特に重要なのは、この前の国会で何が問題になりましたか。北方四島の問題だって、一部の政治家のために、もうめちゃくちゃになりましたよ。北方四島の帰還を一日千秋の思いで待っている人たちはどうなったんですか。めちゃくちゃになってしまいましたよ。
 ODAに関してだって、エイズの対策の支援の問題に関してだって、日本のODAはどんどんどんどん減らしている。世界ではODAは倍増しようといっているときに、日本ではどんどんどんどん逆になっているわけですよ。それぐらい、今、ODAに対して、あるいは海外への援助に対して、もう日本の国民がネガティブな気持ちになっているわけですよ。
 ですから、私たちは、このお金の使い道、たとえ緊急であっても、それが不公正であり、不効率であり、間違った社会の方向に使われてはいけない、そう思うんですよ。
 ところが、現実に見てみなさい。今、アメリカで何が問題になっているか。
 この援助を一括して受けているハリバートンという会社がありますね。それが、いろいろ使って、移動したときのガソリン代の水増しでハリバートンはもう大変な責任を問われて、その契約も打ち切りになろうとしている。あるいは、最近の例では、二人のスタッフが腐敗行為を行っていた。約六億円がおかしなことだとなっているんですよ。ですから、この会社に関しては、今ハリバートンとの契約そのものをどうしようかというふうに言われているんですね。
 このハリバートンの問題は、チェイニー副大統領がもとそこに勤めていたということで、皆さんもよく御存じの問題です。こういうことがあってはいけないと本当に思うんですよね。
 ですから、こうした援助に関しては、我々は徹底的に一つ一つの案件を精査しなければ、今、拙速でやってこの五百五十九億円をばらまいた結果、もしそれが本当にイラクの復興のためにならないとなれば、私たちはまたまたこういうものに対して否定的な見方になってしまうと思うんですね。
 例えば、サマワには、もちろん我々は、水という問題もあります。しかし、同時に雇用も回復しなきゃいけない。サマワにおける工場は何があるだろうか。病院はある。日本がつくった病院だ。恐らくいろいろ雇用してほしいと思います。
 産業は何だろうか。サマワにはセメント工場があります。だれがつくったんだか知らない。しかし、セメント工場。このセメント工場に対して、例えば日本政府は、この復旧とか改善とか、こういうものの支援をする計画がおありでしょうか。外務大臣、いかがでしょうか。
○川口国務大臣 セメント工場については、この十五億ドルの積算、これの中には、先ほどの一千百八十八億円ですね、その中には入っておりません。ただ、これは、今後事態の進展につれて、そういった生活基盤の強化ということは一つ考えられる可能性ではあるかもしれません。
 それから、先ほど谷垣大臣が若干おっしゃいましたので、この五百五十九億円の内訳については省略をさせていただきましたけれども、これはそれぞれ決まっておりまして、全部申し上げれば、例えば電力について言えば、発電所、発電所のリハビリ、整備、それから移動式発電機、変電機の供与。水・衛生部門につきましては、上水、簡易浄水機の供与ですが、及び衛生、ごみ収集車、汚泥処理車の供与。保健医療につきましては、病院のリハビリ、すなわち医療器材の供与、救急車の供与。それから、治安その他につきましても警察車両の供与等、それから日本のNGOに対する支援ということで、内訳は決まっておりますし、それぞれについて相手方も考えられているわけでございます。
 それから、委員の御質問の背景にある考え方というのが、このイラクの人たちに対する支援をするなということではなくて、これを十分に透明性を持って、国民の税金を使う以上はきちんとやるべきであるということであるというふうに私は考えますけれども、政府といたしましても全くこれは同じ考え方をいたしております。
 それで、例えば、地方政府であれば中央政府に供与するよりも透明性が低くなるのではないだろうかとか、そういうような御心配もおありになるかもしれませんけれども、イラクへの直接支援の使途、それから資金管理に関する透明性、効率性、公正性、これにつきましては、例えば、十分に知見あるいは実績を持っている専門的な機関に案件管理をさせるとか、供与先に報告書や会計報告を提出させるということによりまして十分に確保をしてまいりたいというふうに考えておりますし、いずれこの支出が終わった後で、実施が終わった後で十分な情報公開も、相手方の、供与先の了承が得られればという前提でございますけれども、十分なる情報公開をやっていきたいというふうに考えております。
○首藤委員 それは正しい。しかし、それは時間かかりますよ。今回の補正ではできないですよ。まず第一に、その詳細を可能な限り公開してください。そして、私なりにもう知っているものがあります。この会社はやめた方がいいんじゃないか、この会社は元アメリカの何とかコンサルタントとかやっていたんじゃないか、そういうことがあります。ですから、ぜひ公開して、もう一度この委員会の場で、予算委員会の場で予算審議をさせていただきたい。よろしいですね、外務大臣。外務大臣。
○川口国務大臣 いずれにいたしましても、今の五百五十九億円、これにつきましては、私企業を対象にするということではございませんで、先ほど申しましたように、地方政府、それからそういった団体等でございますね、ということでございますので、委員のその御心配のことはございません。
 いずれ、これはイラクへの支援というのは何年間か続くということでございまして、そういった段階での援助の仕方については、これは日本政府全体として決まったルールがございますから、当然にそういうルールに基づいていくのは当然でございます。
 ことしやるその五百五十九億円につきましては、いずれにいたしましても、先ほど申しましたように、透明性、公正性、効率性ということを十分に確保していきたいというふうに考えております。
○首藤委員 これは、委員長、重ねて資料要求いたします。これは理事会で討議していただきたいと思います。それがなかったら、これ以上の論議はできません。これは予算委員会なんです。外務委員会じゃないんです。予算を決める委員会ですから、ぜひそれは委員長におかれては、資料の提出を私は求めます。いかがでしょうか。
○笹川委員長 理事会に諮って詰めさせていただきます。
 速記をとめて。
    〔速記中止〕
○笹川委員長 速記を起こして。
 首藤信彦君、質問を続けてください。
○首藤委員 委員長、今の結論を言ってください。
○笹川委員長 明朝、理事会をやって、直ちに結論を出します。
○首藤委員 今川口大臣が、やはり地方政府、企業に出すんじゃないと、地方政府とおっしゃいました。地方政府の定義をしてください、これはさっきから求めているように。これがCPAの下部組織であるならば、これはCPAと同じですから、これは憲法に違反することなんです。一体、地方政府にどういう正統性、法的な根拠で出せるのか、それに対して政府の統一見解を求めます。
○川口国務大臣 地方政府というのは市等の評議会のことでございまして、これは民意を反映した形で選ばれているというふうに承知をいたしております。
 それから、CPAに選ばれた評議会、中央のバグダッドの統治評議会についてそういう言い方をおっしゃられましたけれども、バグダッドにある統治評議会というのは、国連の決議、たしか一五一一であったかと思いますけれども、一五一一で、これは先ほど申し上げましたように、六月にイラクの政権ができるまでの間、主権を持つ正統なイラクを代表するものであると、具体的にはちょっと文言は少し違いがあるかと思いますが、ということが国連でも認められているわけでして、十分に国際社会の中でも、それなりのお墨つき、オーソライズをされた組織であるわけでございます。地方の評議会においても全くそういうことでございます。
○首藤委員 重ねて統一見解を求めます。
 もう一つ、そういうことをおっしゃるんであれば、一五一一というのは、これを見ればわかるように、これはあくまでも暫定的な、バンドエイド的な処置なんですよね。ですから、六月にきちっと政権が、総理がいつも言っておられる、イラク人によるイラク人のための政権ができれば、その後は、当然のことながら行政府も決まり、当然我々はそこに、いろいろ問題があるにしろそれを出すことには私は法的な整合性があると思うんですね。ですから、はっきりしたことは、もうこれは十五年度補正予算ではなく、十六年度本予算でやっていただきたい。この部分はともかく削除を求めます。
 さて、ハリバートンのケースをさっき言ったわけですが、これは私たちも、政治資金とも関係することであり、決して対岸の火事とは思えない。我々も知らないうちにいろいろな形で実はこの復興特需に加担している可能性があるかもしれないんですね。実は、いろいろ漏れ聞くところによりますと、いろいろなことがもう企業から出てきている、また企業へのアプローチもあると聞いています。
 ですから、例えばいろいろな問題があると思うんですね。例えば、先ほどサマワのケースがありましたけれども、サマワでセメント工場がある、本当に、我々はサマワで雇用を集めて、そしてセメント工場であればセメントを再建のために使える、もう最高のものだと思うんですね。そういうところへ日本はノウハウがないのかというと、これはあるわけですよ。例えば、日本で典型的なセメント関係の企業といえば、三菱マテリアルなんという会社もありますね。そういう会社は、三菱関係は非常にイラクに強かったわけですから、そういう会社が参加することもあるかもしれない。しかし、我々が気をつけなければいけないのは、そういうところに、例えば政治献金をもらっていたり、それから、そういうところのプロジェクトに我々が何らかの形で関与してくることですね。
 私もその会社はよく知りませんけれども、たまたま、会社四季報を見てみますと、その役員の名前がずっと載っています。ずっと見ていくと、岡本行夫さんという方が三菱マテリアルの取締役をやっているということがわかりました。これは、そうした復興やそうした問題に関するのに政府の関係者が関与しているということは、日本のODAの執行に当たって認め得るのか、どうでしょうか。外務大臣、いかがでしょうか。
○川口国務大臣 まず、サマワにあるセメント工場については、先ほど申しましたように、具体的に今対象として考えているわけではないということでございます。したがいまして、いろいろなセメントについての企業は我が国には随分ございますけれども、それの何が、そもそもセメント工場を対象にするということも決まっていなければ、したがって、当然に、それではその後どうなるかということも決まっていないわけです。
 それから、一般的に申しまして、イラクの無償についても、あるいはほかの国に対する無償についても、これは先ほど来申しておりますように、効率性、透明性、公正性というのはODAについて大変に重要なことであると私は思っておりますので、そのような仕組みをつくっております。基本的に、基本的にといいますか、その仕組みにおいては、一般競争入札であるということでございます。すべて透明性を持った形で、そういう形で経済協力についても改革をいたしました。その方法でやっていくということに変わりはございません。イラクだからといって何か特別なことがあるということではございません。
○首藤委員 全くよくわからないですね。この問題はやはりしっかりさせないと先へ進まないんですよ。ですから、この補正予算を論議するんであれば、まず最初に戻って、CPAに果たして日本のお金が出せるのかどうか、この問題に関して、統一見解を政府に求めます。これに関して、委員長のきちっとした明快な回答をお願いしたいと思います。
○笹川委員長 政府の統一見解、先ほど相談をしてと申し上げましたが、相談されたのかしないのか。政府の統一見解、どうなんですか。出せないのか、出せるのか、出さないのか、はっきり。
○秋山政府特別補佐人 憲法上どういう観点から問題になりますのか、ちょっとつかみかねておるのでございますが、それが、例えば交戦権の行使になるというような話でございましたら、それは武力の行使の当事者でない日本が交戦権の主体になることはあり得ないのでございますから、それはあり得ない。(首藤委員「使えないということですね」と呼ぶ)はい、使えるという、その関係では問題ないと思います。
○首藤委員 今のは、要するに、CPAに直接お金を出すことはできないということですね。
○秋山政府特別補佐人 資金の提供は武力の行使でもございませんし、また、資金の提供は武力の行使には該当いたしませんし、それから、交戦権の主体に武力の行使の当事者でない我が国がなることはあり得ないのでございますから、憲法九条との関係に限定して申し上げれば、CPAに資金を供与することは憲法上の問題はないと考えております。
○首藤委員 いや、本当にそれでいいわけですか。では、占領行政にお金を出していいというわけですか。それは大変な問題ですよ。法制局の運命をかけてひとつ答弁してください。大変なことですよ、それは。
○秋山政府特別補佐人 第九条の武力の行使あるいは交戦権の否認との関係において問題になる行為ではございません。
○首藤委員 これは明確じゃないですね、全く明確でない。このことに関しては、委員長、ぜひもう一度審議の場を与えていただき、この問題に関して、これは一番重要な点でありますから、これが解決できなければこの予算は成り立たないということなんですよ。ですから、ぜひもう一度審議の場を与えていただきたいと思います。
 さて、この問題でやはり大きな問題となってくるのは、私たちの代表である奥さんと井ノ上さんがお亡くなりになったということです。これがもし、歴史にイフということはございませんが、もしそういうことがなければ、それなりにやはり具体的なプロジェクトも決まっていただろう、そういうふうに思うんですね。
 さて、この二人の外交官の死、これは本当に悲劇的な死です。しかし、これを最初の段階ではテロによる攻撃というふうに言われていました。そして、テロに屈してはならないということでいろいろ言われたわけですが、果たしてこれはどういう人たちがこれをやったか、大変疑問に思っています。私もこの地域をよく知っているし、この武器のこともよく知っている。一体どういう状況で、発表されているたった三枚の写真に載った、このたった三枚の写真の状況はどうして生まれたのか。
 私もいろいろ実験してみました。カラシニコフのレプリカを持って、車高の低い一般車から車高の高いランドクルーザーにどうやったら撃てるのかと思いましたが、やってみると実に難しい。なぜならば、カラシニコフというのは、バナナカートリッジという三十発入る弾倉がひっかかって、窓からなかなか出せないんですよ、下がね。
 ですから、車高の低い自動車から高いランドクルーザーを撃つということは非常に難しい。もし無理してやるとすれば、それはちょうどその翌日に韓国の車が襲われたように、弾がばあっと散ってしまうんですね。我が国のランドクルーザーみたいに、奥さん、井ノ上さんが亡くなったこのランドクルーザーみたいにぴしっと当たらないんですよ。
 そして、一体どういう状況で本当に当たったのか。例えば、この地域ではカラシニコフのAK47というのは、一般的な、最も普通な、普遍的な武器なんですよ。では、果たして本当に外務省はこれに対して防弾の能力のない防弾車を持っていたか。この車は、私も行きましたけれども、大使館は乗せてくれなかったですよ。これは政府の人が乗るんで、あなたはだめよと言われましたよ。
 ですから、本当に外務省が持っている一番いい車ですね。私も一回だけ乗りましたけれども、これは防弾が厚いですよ。二十ミリじゃないですよ。もっと厚いですよ。かなり厚い。本当にカラシニコフの弾が抜けたのかどうかと私は思いますよ。ドイツの研究所のレベル六なのか、アメリカの裁判所のNIJの三なのか、そのレベルですね。それの上のレベルかもしれないですよ。ですから、本当に弾が内部まで抜けたのかどうか、これだってわからないんです。
 そこで、私はいろいろ聞いたら、何とCPAからは十数枚の写真が日本に送られているということを聞きました。川口大臣、一体何枚の写真が日本に送られてきたか、その正確な枚数をお伝え願いたいと思います。
○川口国務大臣 今、何枚の写真であったかということは、記憶はいたしておりません。ただ、その三枚ということで提供いたしましたのは、これは今後引き続き調査、捜査を警察として行っていく必要があって、警察と御相談の上、この三枚が適切であろうということで三枚をお出ししたということでございます。
○首藤委員 こんな何枚来たかも公開できないようだったら、こんなことはもうだめですよ。国民にそんなことは、現実に何が起こったかが伝えられないのだったら、これからの援助なんてやったらもうだめですよ。もし我々が、サマワで、いろいろな地域で問題があったときに、そんなごまかしをやるんだったら、もうこれ以上の援助は続けられないですよ。
 それで、私は、この三枚でもよく見ました。二カ月間見ていましたよ、この三枚で何かわからないか。ようやく最近気づいたことがあるんですよ。
 これは、今まで私たちは、低い車高の車から高い車高の車、ランドクルーザーを撃ったと思っていた。じっと見ると、この写真の、左側には集中的に弾が当たっている。その何発かは抜けているかもしれない。抜ければ、当然のことながら反対側の窓ガラスも割れるんです。たとえ通過しなくたって、防弾のポリカーボネートの樹脂を抜けて、ぴしぴしぴしぴしっとクモの巣のように割れるんですよ、通常。一つもないんですよ。
 その仮説から一つ、唯一導き出せるのは、この左側のガラスから高い角度でガラスの下、すなわち側壁に抜けたということですよ。そうすれば表面には出ない。その角度は十五度から二十度ですよ。そして、実際に具体的な照射角度を考えたら、撃った車の位置は約三メーターですよ。これが唯一の仮説ですよ。三メートルのところから撃てる銃というのは二つしかないですよ。それは、百キロで走るピックアップトラックの上にだれかが仁王立ちになって立ち上がって撃ったか、第二は、アメリカ軍のハンビーの上から固定機関銃で撃ったかじゃないですか。
 その二つを考えると、一体だれがこれを撃ったのかということが大きな問題となります。もしテロリストであれば、これは我々は全力を挙げてそのテロリストを追わなきゃいけない。当たり前ですよ。地の果てまで私たちは追っかけていって、私たちの仲間であった二人の外交官を射殺した人間を地の果てまで、アフガニスタンの奥にまで追っかけていって捕まえなきゃいけないんですよ。
 しかし、一体だれが撃ったかというのは簡単にわかるんです。それは、この二人の遺体の中から弾丸が発見されているわけですね。そして、司法解剖もされている。そして、この弾丸も取り出されているわけですよ。もちろん、防弾のガラスを抜けていますから、かなり割れたり、あるいは一つの弾の形にならなくて、幾つかに割れてばあっと散弾のようになっていたりしている。それは、御遺体の写真を見ればその辺もよくわかります。
 しかし、それでも、現代科学でいえば、その弾の口径を特定するのは簡単なんですよ。たった五種類の弾しかここにはないんです。五・四五ミリ、五・五六ミリ、七・六二ミリ、九ミリ、十二・七ミリ、たった五種類ですよ。その中の一体どの弾であるのか。この司法解剖をされた警察の責任者に、きちっとした弾丸のスペックをお聞きしたいと思います。国家公安委員長に。
○小野国務大臣 司法解剖の結果につきましては、奥大使は左側頭部の銃創によります頭蓋内損傷、井ノ上書記官は左上腕部の銃創によります失血死が死因と推定される、そういう報告を得ております。
 現在、さらにお尋ねの点もあわせまして詳細については鑑定中でございますが、捜査の事件に関する情報の公表につきましては、捜査上の支障あるいは関係機関や関係者の御意向にも配慮する必要があると考えますけれども、本件につきましては、事案の重大性にかんがみまして、可能な範囲において公表に努めたいと考えております。
○首藤委員 これは本当にぜひ早急に結果を出していただきたい。
 私は、これは、こういうような戦場においては事故というものは非常に多くあり得るんだと思っています。私たちにとって重要なことは、真実を知っていることです。テロに屈しないというのならば、問題があればそれを乗り越えていかなきゃいけない。それをごまかしてやれば、必ず後で問題となって、二倍、三倍になって私たちの国際貢献努力に対してマイナスの影響を与えてくると思うんですね。
 これは、実は全く同じ事件が幾つも起こっているわけです。このちょっと前に、やはりティクリートの周辺近くでイタリアの外交官が撃たれました。どういう状況で撃たれたかというのがイタリアの新聞に載っています。これは、追っかけていって、要するに車列を追い抜こうとした。そのとき、アメリカ兵が手を振ってとめた。手を振ってとめて、とまらなきゃいけないんだけれども数秒遅かった。一瞬遅くて、その次の瞬間には弾が飛んできて通訳が死亡した、こういうふうになっているんですね。ですから、私は、戦場というものはこういうものだと。
 私たちも、向こうでしょっちゅうこういうのがあります。いろいろなところをNGOで活動していると、ぐうっと戦車が砲塔を回してくる、あるいはハンビーの射手がぐうっと銃を回してくるんです。本当に瞬間で回ってくるんです。そういうことがあり得るわけですから、本当に、この事件が一体何であったのか、私たちは真実を明らかにしなければいけないと思います。そうしなければ、我々が援助だ、我々が国際貢献だと言っているのも、やはり何かのときに、こういうことで結局はだまされていたということになれば、再び私たちは国民の信頼を失うことになる。
 この海外援助に関しても、イラクに関しても、たくさんいろいろな問題を抱えています。だからこそ、しっかりと情報公開して、私は、国民も覚悟を決めて、そして状況をしっかり学んで、こういう状況ではこうしたことをしちゃいけないんだ。例えばサマワでも、最近、取材の方がばあっと行って、そしてオランダ軍が車列に近づくなと。車列に近づくということは、すなわちテロリストと目されるということなんですよね。ですから、そういうふうにしてはいけないということを知ったわけですから、そういうこともしっかり我々の財産として知らなきゃいけない。
 ですから、私は、こういう状況をごまかすことなく、真実を徹底究明してやっていただきたい。もしそれがテロリストによる攻撃であれば、私たちは、可能な限りテロリストを特定して、地の果てまで追いかけなければいけないんです。そういう覚悟をぜひ小泉総理にも持っていただきたいと思うんですね。
 小泉総理、小泉総理は、この二名の外交官の死によって、テロを乗り越えなきゃいけないというふうに叫ばれていたわけですが、現実に、これはどのようなテロリストがやったとお考えでそのような発言をされたんでしょうか。いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 これは、奥大使にしても井ノ上書記官にしても、安全だろうという気持ちで行かれたんだと思いますが、現実にあのような状況になって極めて残念であります。今お話しのような防弾ガラスつきの自動車まで貫き通す銃を持っている、相当準備された犯行だと思っております。今のところ真相不透明な部分がありますが、今後とも真相解明のために日本政府としても努力を続けていきたいと思っております。
○首藤委員 時間もほぼ大体終わりになりましたので、最後に、現在のこの問題をめぐるより大きな問題についてぜひ小泉首相の御意見をお伺いしたいわけですが、今、最近になって出てきた展開の一つは、今まで懸案となってきた大量破壊兵器、大量破壊兵器こそが私たちの原点で、大量破壊兵器があったからこそ、私たちも、それがあるということを前提として、それに対して、あるときには賛同し、あるときにはもっと慎重を期すべきだという意見を言ってきました。すべての起点はこの大量破壊兵器ということで、イラクに対してあれだけの攻撃が行われ、恐らくイラクの民間人も万を超す人たちが死んでいき、そして、アメリカの若者が、五百名を超える若者が既に死に、二十数名の自殺者を出し、手足を失い、目を失明するなどの重傷者が二千人を超えている、そういう惨事を生み出しているわけです。
 しかし、今その原点の大量破壊兵器というものが、アメリカの査察の、戦後の査察をやっていた方も、それはなかった、こういうふうに言明されている。そして、あれほど主張していたパウエルさんも、実はその問題はもうクエスチョンマークがつくんだということをおっしゃっているわけですね。そういうことはどういうことを意味するか。イラクに大量破壊兵器が本当はなかったんじゃないか。これは、今まであった私たちの論議のすべての原点なんですよ。ですから、このことに関しては、国連もある意味でだまされたかもしれないわけですよね。
 ですから、今まであった、たくさんの決議がたくさんあります。御存じのとおり、一四四一、一四八三、そして最近の一五五一に至るまで、いろいろな国連決議が行われた。しかし、もし国連の決議というものに関して錯誤があれば、我々は勇気を持ってそれを変えていかなきゃいけない。その意味では、日本こそが、この問題に関して、一体我々は原点で間違えていたんじゃないか、もしかしたら私たちが最初の一歩を、ボタンをかけ違えしたんじゃないかということを世界に向かって、日本がリーダーシップをとって国連で提起していただきたいと思うんですね。このことこそが、小泉総理が日ごろ述べられた、まさに、国際社会において名誉ある地位を占めたいと思う、私たちの、国民の願望であると思うんです。
 ですから、今、そうした状況ががらっと変わろうとしている、ついにがらっと変わろうとしているこのタイミングをとって、ぜひ積極的な行動を起こし、私たちの原点となった大量破壊兵器の問題に関して国連を動かして、もう一度歴史を、その原点に戻って新しい別な道を選ぶことを可能にするような提言をぜひやっていただきたいと思うんですが、小泉首相の御意見をお伺いしたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 その点に関しては、首藤議員と意見を異にしております。
 これはもう前国会においても何回も民主党議員の間で議論されたところでありますが、イラク政府は、過去、大量破壊兵器を使っていた事実があるし、なおかつ、国連の決議に沿って、大量破壊兵器を持っていないという立証責任を示す必要があったんです。それで、国連決議に従わなかった。日本の支持表明は、国連決議にのっとって支持を表明したわけです。今でも正しかったと思っております。
○首藤委員 いや、総理、それは、イラクの問題に関して、かつて使った、かつて使ったと言っていますけれども、日本だって持っていたんです。使ったんですよ、石井部隊もあり。しかし、例えば、今、日本で立証責任を出してそれを証明しろと言ったって、それはできないですよ。今だって、総理も住んでおられる、そして私も住んでいる神奈川で、いろいろな兵器の残存が見つかっているわけですよね。ですから、そういうことに関してもぜひ勇気を持って新しい展開を導き出していただきたいと思います。
 以上で終わります。
○笹川委員長 これにて前原君、筒井君、鮫島君、首藤君の質疑は終了いたしました。
 次に、穀田恵二君。
○穀田委員 本日、小泉内閣は、先日の航空自衛隊派遣命令に続いて、陸上自衛隊本隊、海上自衛隊のイラク派兵、派遣命令を下そうとしています。今なお戦争状態にある他国へ武装した自衛隊を派兵するという道に戦後初めて踏み込むものです。
 私たち日本共産党は、この自衛隊のイラク派兵が日本国憲法の平和原則を破壊し、平和の国際秩序を願う世界の大勢に逆行するものであり、直ちに中止することを要求したいと思います。
 政府が自衛隊のイラク派兵を強行しようとするもとで、改めて、イラク戦争の正当性、この戦争の大義、戦争を行うことの理由はあったのか、根本問題が問われています。
 総理は、昨年三月二十日に開始されたイラク戦争に際して、イラクが大量破壊兵器を保有していると繰り返し断言し、そのことを戦争を支持する最大の理由としました。ところが、現在に至るも、大量破壊兵器は発見されていません。
 一昨日、この問題にかかわり、アメリカで重要な証言がありました。イラクで大量破壊兵器を捜す米調査団団長であったデビッド・ケイ氏が、聞き取り、文書、実地調査に基づく捜索活動の結果、イラクに大規模な兵器生産があったという物理的証拠は見つからなかった、もともと存在しなかったと明言したことです。
 ケイ氏の発言は、イラク戦争を始めた最大の理由であった大量破壊兵器の存在を根本から否定したもので、米英が始めた戦争の出発点そのものを問う非常に重大な発言だと私は思います。
 小泉総理は、昨年三月、イラクが大量破壊兵器を持っており、フセイン政権がこれらの兵器を廃棄する意思がない以上放置できない、だからアメリカの決断を支持する以外に解決の道はないとメールマガジンにはっきりと述べられました。イラクの大量破壊兵器保有を断定し、アメリカ、イギリスのイラク戦争開始を支持してきました。ケイ氏の発言は、総理の言明を根本から覆すものだと思います。
 総理は、みずからイラクは大量破壊兵器を保有していると断定してきたことの誤りを率直にお認めになりますか。
○小泉内閣総理大臣 認めることはいたしません。
 先ほども答弁いたしましたように、イラクは、過去、大量破壊兵器を使用しておりました。なおかつ、国連の決議によって、大量破壊兵器を持っていないことを立証せよという国連決議に対して、全く無視して、愚弄してきました。そういうことから、私は、このフセイン政権が大量破壊兵器を持っていても不思議ではないと考えるのは自然なことだと思っております。
 現在もイラクの監視グループが捜索を続けております。今後も注視していきたい。そして、日本がイラク戦争を支持したということは、国連決議にのっとって支持したわけであります。
○穀田委員 アメリカ、イギリスのイラク攻撃は、国連安保理の承認したものではありません。それは、最終盤の、アメリカが武力行使を行う際に当たって新たな決議を用意したことで既に明らかです。
 問題は、国連安保理の多数が反対をし、しかも、国連安保理決議一四四一などは、イラクの大量破壊兵器疑惑を明らかにするために査察を決めたものであります。そして、国連の査察の継続を議論している最中に一方的にアメリカが開戦に踏み切ったわけであります。今、総理はそのことを何度も繰り返していますが、注視したいということで済まされる問題では決してありません。
 国連のアナン事務総長は、ケイ氏は経験豊かな査察官である、以前に国連でこの問題に取り組んでいた、したがって、彼の報告や発言は重く受けとめるべきだと述べています。
 私は、総理がこの問題について、あると断定したところを聞いているわけです。したがって、重く受けとめて、このことをどう考えているのかということをお聞きしているわけです。
○小泉内閣総理大臣 今も申し上げたとおり、支持は正しかったと言っているんです。
○穀田委員 総理、私が聞いているのは、最初に言いましたよね、あなたは、その保有を断定をして、断言をして、だからこのイラク戦争を支持するのだと、メールマガジンでも二度も明言されているんです。保有をしていると断定した根拠を我々は何度も聞きました。あなたも今おっしゃったように、国連決議が支持しているとかなんとかいう話をしているが、実際に、あるということについて、いまだにあなた自身も確かめられていない。それは、先ほど言いましたように、こう言っていましたよね、今後も注視したいと。注視したいで済む問題じゃないということを私は言っているんですよ。しかも、イラクが大量破壊兵器を保有しているということまで、それを根拠にして言ったことを私は今繰り返し言っているんです。
 また、では違う話をしましょう。
 パウエル国務長官は、あの一年前に、この問題が議論になったときに、わざわざ一時間半も、この問題について、証拠があるということを言いましたよね。そして、テレビも使って、大きな画面も使って、その証拠写真も出して、やりました。それは御承知のとおりです。あのときに、その安保理の公開討論で、イラクが生物兵器を持っていることは疑いないと断言したんですよ。その方が、そういういわば全世界に対して断定した当事者が、今の段階で、昨年の三月の開戦時にイラクに大量破壊兵器があったのかなかったのか疑問のまま残っている、未解決のままだと述べているんです。
 その今のパウエル、断定して証拠まで示した方が未解決だと言っている問題について、あなたもそういう立場に立つのですか。
○小泉内閣総理大臣 未解決だということは事実です。しかし、当時の状況を考えて、過去にイラクが大量破壊兵器を行使した、使った、これは事実。大量の人間を殺害した、これも事実。なおかつ、国連の決議によって、イラクは大量破壊兵器を持っていないということを立証しなければならなかった。国連の決議を無視したことも妨害したことも事実。そういう状況を考えれば、私は、持っていると当時パウエル長官が考えても不思議ではないと。今、未解決、持っていないとも断定できない、持っているとも断定できない、だから、イラク監視グループが今捜索しているのを注視していると言っているんです。
 なおかつ、日本が支持したのは、国連決議にのっとって、国連憲章に合致するから支持したんです。今でも正しかったと私は思っております。
 また、イラクがこのまま国連決議を無視してフセイン大統領は健在だった場合にどういう可能性になったか、これも考えなきゃいかぬ。
○穀田委員 話を広げちゃいけませんよ。
 しかし、今、あなたは重要な発言をしました。未解決だったということは事実だとおっしゃいましたね。だとすると、あのときに保有を断定したということは間違いだったということになるじゃありませんか。明らかじゃありませんか。
 今お話ししましたよね、パウエル国務長官は、いいですか、生物兵器を持っていたかなかったのか疑問のまま残っている、未解決の問題だ、つまり、当時あったかなかったかわからないということを言っているんですよ。あなたは断定したんですよ、保有を。それは間違いだったということを認めなさいよ、それじゃ。
○小泉内閣総理大臣 将来見つかる可能性もある。今、全くないと断定はできない。
○穀田委員 しかし、今お話あったように、将来見つかるかもしれないという発言は、二つの点で問題だと思います。
 今、未解決をお認めになった。つまり、当時はあったかなかったかわからなかったということなんですよ。そして、今後も今の時点ではわからないということなんですよ。それが私は大問題だと思います。
 つまり……(発言する者あり)それね、私はないと断定しているんじゃないんですよ。あなたがあると断定した問題で、戦争に突っ込んでいった。しかも、当時、イラク戦争の開戦を前にして、国連、国際社会で一体全体何が問題になっていたかということなんですね。
 今、総理もおっしゃいましたが、そういうイラクが大量破壊兵器を持っているんじゃないかという疑惑に対して、国連の査察を継続するべきか、そして、それを継続すべきだという方が国連では多数だった。しかも、ブリクス委員長は、あと数カ月あればその査察は完了すると国連に報告していた。ところが、アメリカとイギリスは、イラクが大量破壊兵器を持っている、そして、それを隠ぺいしていると。
 ブッシュ大統領は、開戦の演説の中でそのことを言っています。「イラクが最も破壊的な武器の幾つかを保有し隠ぺいし続けていることは疑いがない。」彼も、「疑いがない。」こう言って戦争に行かざるを得ない。しかも、「イラクの支援により手に入れた生物化学兵器や核兵器を使用することにより、米国その他の国々の数千あるいは数十万の罪のない市民を殺害するという野望を遂げる可能性がある。」こういうことを言って戦争に突っ込んでいったんですよ。
 あなたは、同じようにこう言っています。そのときに、武力行使が始まると犠牲者なしでは済まされません、しかし、大量破壊兵器、これが独裁者によって使われたら何万人あるいは何十万人という生命が脅かされます、こう言って、そして、危機感を持って戦争支持に突っ込んだわけですよ。
 だから、その結果はどうでした。一万人を超えるイラク国民が犠牲となり、しかも、今日では戦争の深刻な泥沼化になっている。そういう状況になっているからこそ、今、イラク戦争の根本が問われていると私は思うのであります。
 総理は、何度も私は言いますけれども、こう言っていました、イラクは大量破壊兵器を現に保有していると。断言して支持した。そういう点は崩れ去ったと言って私は差し支えないと思います。つまり、当時、あったかなかったか未解決の問題だったとすれば、その前提が崩れる。世界もその問題について前提が崩れるだけでなく、日本でさえもそういう行為を行った前提が崩れたということを意味するじゃありませんか。
 ですから、まさに結果として何が起こったかという問題を私は問いたいんです。無法なそういうことを、戦争を行った、まさにそれは侵略戦争以外の何物でもないということを見事に証明しているじゃありませんか。そう思いませんか、総理。
○小泉内閣総理大臣 共産党の意見、全くそうは思っておりません。
 今のイラク国民がいろいろ自由な意見を発言できるのも、フセイン政権が打倒されたからであります。また、テロリストが動いている事実もありますが、同時に、イラク国民が、フセイン政権では考えられない、希望を持って立ち上がろうという意欲も多々出ております。
 そういうことを考えると、日本が戦争に突っ込んだと言いますけれども、日本は戦争に突っ込んではおりません。戦争に行っているわけではありません。アメリカの立場を支持してはおりますけれども、日本が戦争に突っ込んだというのは誤解であります。日本は、自衛隊を派遣するにしても、戦争に行くわけではございません。
 そういう点から考えて、共産党が言う考え方とは全く違います。
○穀田委員 立場が違うことは明らかです。そのことを前提にしているんじゃなくて、その事実について私は問うているわけです。総理が、あなたが、あの戦争を支持することを決める際に、重要な判断として、ブッシュ大統領も保有をしていると断言し、あなたも断言し、そして、戦争に突っ込み、あなたは戦争を支持することにいった、これが誤りだったと言っているわけです。
 ですから、事実は一つしかないんです。立場が違おうと、その問題について明確だったことを私は明らかにしておきたいと思います。
 そこで、もう一つお聞きしたいと思います。
 総理は、私どものこの間の二十二日の志位委員長の質問に対して、人道復興支援との関係で、占領行政の一翼を担うものではないかということを質問したのに対し、総理は、「主体的にイラクの人道復興支援を中心とした活動に従事するものであり、米英などの占領行政の一翼を担うとの指摘は当たりません。」こうお答えになりました。私どもは、早速、その問題について連合軍当局に問い合わせました。
 委員長、その問い合わせの資料と回答の資料を首相に見ていただいて構いませんか。
○笹川委員長 結構です。
○穀田委員 今お渡ししましたが、私どものしんぶん赤旗が連合軍司令部報道情報センターに問い合わせた質問です。
 それは、「陸上自衛隊はイラク南東部のサマワ周辺に駐留し、彼らはオランダ軍と協力関係を持つ。彼らは、CJTF7の指揮下に入るのでしょうか。あるいは独立した活動を行うのでしょうか。」ということを尋ねた文書です。それに対して、連合軍司令部報道情報センターは、「自衛隊は、連合軍第七統合任務軍(CJTF7)の指揮下に入ることになる。」こう回答をよこしていただきました。
 総理が答えた、「占領行政の一翼を担うとの指摘は当たりません。」こう言っていますが、現実は指揮下に入るということを連合軍の司令部は回答してきている。その問題について、どういう説明をされますか。
○小泉内閣総理大臣 これは、本会議でも答弁したとおりであります。
 占領軍の一員としての法的地位を持つことが認定されているわけではないと、はっきりと答弁しております。占領軍の一員として認定されているわけではないと、はっきり答弁しております。
○穀田委員 総理はその際にこう言っているんですね、「米英などの占領行政の一翼を担うとの指摘は当たりません。」と。一翼を担うどころか、連合軍のいわば指揮下に入るということを明確に言っているんですよ。そういう事実なんですよ。それは、私どもがきちんと連合軍の司令部の報道情報センターに問い合わせをして、それに基づいて明確な答えをいただいているわけなんですよ。
 もし、あなたが、総理がそんなふうに、連合軍の指揮下に入らない、占領行政にくみしないと言うんだったら、そういう証文でもあるんだったら出してみなさいよ。
○小泉内閣総理大臣 証文とか、そういう問題じゃないですよ。我が国の自衛隊は我が国の指揮下に入るんです。
○川口国務大臣 今おっしゃった、先方から来た文書ということでおっしゃっていらっしゃいますけれども、私どもは、その文書を見たこともなければ、どういう文書か承知しておりませんので、それについてはコメントいたすことができませんけれども、先ほど来総理がおっしゃっていらっしゃるように、我が国としては、武力紛争の当事国ではないわけです。いかなる意味でも当事国ではないということです。
 したがって、占領国でもないわけです。あくまでも我が国の自衛隊は我が国の指揮下において活動をする。占領をしに行くわけでもない、そして武力紛争の当事国ではないということでございますから、これは、我が国の指揮下で活動をするというのは明白なことであります。
○穀田委員 何の答えにもなっていないんですね。自分のところの指揮下で自衛隊が動くのは当たり前じゃないですか、こんなこと。
 問題は、その自衛隊が海外で活動し、しかもイラクで活動する、そして、イラクで活動する際に――見ていないと言うんなら、先ほど渡しましたように、見ていただいて確かめてもらったらいいですよ。そして、問題は、あなた方が、政府全体が、そういう占領行政の一翼を担わないと言っているけれども、事実上その指揮下に入るということを相手の方は言っているじゃないか。だとすると、自分の軍隊を自分の指揮下に置くのは当たり前、その上に米英軍がおるじゃないか、それは明らかに占領行政に組み込まれることになる。
 またあしたでも、それ以後については事実についてさらに詰めて、それぞれの、空自や、さらには陸自がどういう活動をするのかについてさらに詰めていきたいと思いますけれども、やはり、そういう外国の領土とそこにおける占領行政などは憲法九条の二項の禁止する交戦権に当たるということは明らかだと思うんです。
 したがって、私は、その問題について、最後に、連合司令部の指揮下に入るということについては憲法違反だということを明らかにして、私の質問を終わります。
○笹川委員長 これにて穀田君の質疑は終了しました。
 次に、照屋寛徳君。
○照屋委員 社会民主党の照屋寛徳でございます。
 石破防衛庁長官はきょうにも陸上自衛隊本隊と陸上自衛隊の装備を輸送する海上自衛隊に派遣命令を出すということが報道をされております。私は、いよいよ日本は平和国家から戦争国家へとルビコンを渡ったなという思いを強くいたしております。
 小泉内閣は、ブッシュの大義なき戦争を支持し、そして、人道復興支援の名のもとに、米英軍のイラク統治に自衛隊派遣をもって全面協力をしております。ところが、大量破壊兵器の発見というイラク戦争の大義が、アメリカの、大量破壊兵器を捜索した団長のデビッド・ケイ氏が、そのような兵器はなかったと明言をしておるわけであります。
 私は、そして社会民主党は、イラクへの大義なき戦争に反対をしてまいりました。そして、現下、イラクの情勢にかんがみたときに、憲法九条が禁ずる武力の行使、そして交戦権の行使、イラクへの自衛隊派遣はそれに該当するというふうに考えておりますが、改めて総理の見解をお伺いいたします。
○小泉内閣総理大臣 憲法違反ということを言われますが、自衛隊は戦争に行くのでもありませんし、武力行使をするものでもありません。復興支援、人道支援に行くのであって、憲法違反という御指摘は当たらないと私は思っております。
○照屋委員 総理はしきりに、自衛隊は戦争に行くんじゃない、復興人道支援に行くんだ、こういうことを繰り返し述べておりますが、現下のイラクの情勢は、私は、昨年成立したイラク特措法の前提をもう欠いておるんじゃないか、イラク特措法が想定をしていなかった戦争状態にあるのではないか、こういうふうに思うわけですね。
 PKOによる自衛隊の海外派遣と違って、今度のイラクへの自衛隊派遣は、私は、国際社会の理解は得られていないんじゃないか、また、国民に対してその必要性の説明も十分果たされていないんではないか。と申し上げますのは、いろんな世論調査の中で、総理の説明責任は不十分だというのが八割近くあるわけですね。そのことを総理はどういうふうにお考えになっておるんでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 七月に、イラクに復興支援のための自衛隊派遣を可能にする法案のときにも議論がなされ、賛否両論でした。その後、十一月に選挙が行われました。そして、我々は、今後イラク復興支援のために自衛隊の派遣もあり得るということで国民に訴えてまいりました。おかげさまで、そういう考えの自由民主党、そして与党の公明党、両党が絶対安定多数の信任を得ることができました。
 今回、いろいろ賛否両論分かれておりますが、国際社会におきましても、開戦時には各国意見が分かれましたが、今、イラクの状況を見て、すべての国はイラク復興支援のために協力すべきだという国連の安保理で全会一致の決議がなされて、すべての国連加盟国に対してイラクの復興支援に協力要請をしております。
 そういうことから、私どもは、日本としても、これからも、理解していただけない方には、できるだけ理解と協力を得ることができるように政府としても努力をしていかなきゃならない。そして、イラクを安定した民主的な政権にするために、日本としてもできるだけの支援をしていきたい。そのことが、世界の平和と安定の中にこそ日本の発展があるということを考えるならば、私は、日本国家として、日本国民として必要なことではないかと思っております。
○照屋委員 私は、総選挙の結果をもって国民の自衛隊のイラク派兵に理解が得られたと言うのは、これはもう詭弁にすぎないというふうに思っております。
 次の質問に進みますと、総理、防衛庁長官、川口外務大臣、これはアメリカの二十五ミリ劣化ウラン弾の薬きょうであります。二〇〇〇年の六月に沖縄県の西原町で民間地域に流出をした四百七十本の薬きょうの中の四本であります。残留放射能があるかどうかは、外務省がないと言っているので、ないと信じたいんですが、外務省の発表だから、にわかに措信しがたいところもありますけれども、私がきょう聞きたいのは、国連環境計画が、イラク戦争で米英軍は湾岸戦争以上に劣化ウラン弾を使った、そのために深刻な放射能汚染あるいは環境破壊が起こっている、こういうふうな報告書を発表しておりますが、それは存じておるでしょうか。
○川口国務大臣 UNEPが二〇〇三年の九月にファクトシートを公表したということでございまして、そこの内容は、劣化ウラン弾の放射線医学的な、また化学的な健康に与える影響は、最悪の事態のシナリオのもとでのみ発生すると予想されるとしている。そして、そうしながら、汚染除去前には爆弾使用地へは立ち入らない、一般市民に注意を呼びかけているということであるというふうに承知をしております。そういったことが出ているということでございます。
○照屋委員 外務大臣、私がお聞きをしているのは、イラク戦争で米英軍は劣化ウラン弾を使用した、こういうことを認めたという報告を外務省は承知しておりますか。
○川口国務大臣 イギリス軍については、これは約一・九トンの劣化ウラン弾を使用したということを公表いたしております。米軍については、これについて使ったかどうかについてですが、今後とも明らかにするということは予定をしていないというふうに承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、劣化ウラン弾、これは、特定通常兵器使用禁止制限条約という、残虐な兵器を禁止するという趣旨の条約ですけれども、その規制対象となっていないということで、その使用が禁じられているわけではないということでございます。
○照屋委員 防衛庁長官、陸上自衛隊の本隊をサマワに派遣することになりましたが、サマワで劣化ウラン弾が使用されたというジャーナリストの報告もあります。それから、イタリア軍は、既に劣化ウラン弾の被曝で七名の兵士が発病して帰国をしたという報告もあるんです。そうすると、自衛隊を送り出す責任者として、このサマワの劣化ウラン弾による放射能被害、放射能汚染、それによる自衛隊員の被曝のおそれについてはどのような独自の調査をなさったんでしょうか。
○石破国務大臣 委員御指摘の、サマワでイタリアが劣化ウラン弾に接して発病をしたという事実は、私確認をいたしておりません。サマワというふうに今おっしゃったかと存じます。そのような事実があれば、ぜひ御指摘をいただきたいと思います。私は、そのような情報には接しておりません。
 劣化ウランにつきましては、例えば、私ども日本におきましても、バラスト等々で使われておるものでございます。その発病性につきましては、先ほど外務大臣から答弁がございましたとおりでありますし、IAEAのウエブサイトにおきましても、WHOのファクトシートにおきましても、そのような懸念はない旨、記されております。
 しかしながら、これは与党の方からも御指摘もございます。万が一ということもございます。そういうような被害に遭わないように、仮に総理の御承認をいただき、自衛隊の本隊を派遣するということになりました場合には、そのような御懸念に対してもきちんとした対応ができますように、私どもとしては万全を期してまいりたいと存じます。
○照屋委員 国連環境計画の報告書によりますと、イギリス軍はイラク南部のバスラ周辺で一・九トンの劣化ウラン弾を使用したということを認めておるんです。
 私が申し上げたのは、イタリア軍が劣化ウラン弾で被曝をしたのはサマワという地域を特定して質問したんじゃなくして、このイラクの戦争で、イタリア軍は既に七名の兵士が劣化ウラン弾で被曝をして帰国をしたという事実と、もう一つは、サマワ近郊で劣化ウラン弾の使用が確認をされて、これは何か、高射砲が劣化ウラン弾でぶち抜かれた、そしてその高射砲から残留放射線が大量に見つかったという。これは、もしそういう報道に接していないのであれば、資料をお上げしたいと思うんです。
 私は、自衛隊員の劣化ウラン弾による被曝の危険というのは、やはり日本政府が独自に調査をしてきちんとした対策をしなければ、湾岸戦争のときには百万発の劣化ウラン弾が使われて、そして、湾岸戦争症候群というのがアメリカで深刻な社会問題になったわけであります。
 私は、広島、長崎の原爆による悲劇を思い起こすまでもなく、やはり劣化ウラン弾の使用も、それによる放射線被害も予想されるサマワに自衛隊の本隊を送ってはならないということを申し上げると同時に、政府の独自の調査をなぜやらないのか、そのことをぜひお聞かせください。
○石破国務大臣 累次お答えしておりますように、劣化ウランというのは、バラスト、例えば工業用シールド、医療用シールド、そのほかの材料として、国内でも多く使われているものでございます。
 そして、この劣化ウランというものの粒子は皮膚を通過いたしません。そのことは先生御案内のとおりでありますし、直接摂取をしない限り影響がないということも、これは科学的に明らかになっておることでございます。米軍が言っておるわけでもなく、英軍が言っておるわけでもなく、WHO、それは日本も参加をいたしております。IAEA、これは日本も多額の費用を出し参加をしておる国際的な機関であるというふうに承知をいたしております。
 しかしながら、先生御指摘のように、私どもは、原爆の被害を受け、そのことについての知見というものはあるわけでございます。したがいまして、先ほどお答えをいたしましたように、私どもとして、それが直接人体に被害があるという認識はいたしておりませんけれども、万が一のことに備えまして、例えて言いますと線量計のようなものを携行させておる、先遣隊にもそうでございますが。自衛隊がそのようなものに、私どもが今存じております知見で、影響があるという判断はいたしておりません。しかしながら、万が一にもそういうことで被害が出る、人体に影響がないように、そういうふうに心がけてまいる所存でございます。そのようなものを携行させております。
○照屋委員 大臣、私が申し上げているのは、その砲弾としての劣化ウラン弾のことを聞いているんですよ。他の用途に使う、劣化ウランというのは、これは核燃料物質なんです。法律上指定されておるんです。
 自衛隊は、何ら具体的な手だてを講じないで、放射線に対する被曝対策を何にもやらないで送り出すんですか。最後にそれをお聞かせください。
○石破国務大臣 申し上げましたように、そのようなものがあるかどうか検知するような線量計を先遣隊にも携行させておるということを申し上げました。
○照屋委員 以上です、時間がありませんので。
○笹川委員長 これにて照屋君の質疑は終了いたしました。
 これをもちまして各会派一巡の基本的質疑は終了いたしました。
 次回は、明二十七日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時四十四分散会