第162回国会 経済産業委員会 第13号
平成十七年四月二十二日(金曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 河上 覃雄君
   理事 河村 建夫君 理事 櫻田 義孝君
   理事 平井 卓也君 理事 松島みどり君
   理事 鈴木 康友君 理事 細野 豪志君
   理事 吉田  治君 理事 高木 陽介君
      遠藤 利明君    嘉数 知賢君
      北川 知克君    小杉  隆君
      佐藤 信二君    坂本 剛二君
      坂本 哲志君    菅  義偉君
      竹本 直一君    武田 良太君
      谷畑  孝君    西銘恒三郎君
      野田  毅君    平田 耕一君
      福井  照君    望月 義夫君
      森  英介君    山口 泰明君
      山本 明彦君    大畠 章宏君
      奥田  建君    海江田万里君
      梶原 康弘君    菊田まきこ君
      小林 憲司君    近藤 洋介君
      鮫島 宗明君    高山 智司君
      中山 義活君    計屋 圭宏君
      古本伸一郎君    渡辺  周君
      江田 康幸君    塩川 鉄也君
    …………………………………
   経済産業大臣       中川 昭一君
   文部科学副大臣      小島 敏男君
   経済産業副大臣      小此木八郎君
   経済産業大臣政務官    平田 耕一君
   経済産業大臣政務官    山本 明彦君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 塩沢 文朗君
   政府参考人
   (外務省経済局長)    石川  薫君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   杉本 和行君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           森口 泰孝君
   政府参考人
   (文部科学省科学技術・学術政策局原子力安全監)  片山正一郎君
   政府参考人
   (文部科学省研究開発局長)            坂田 東一君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房地域経済産業審議官)     薦田 康久君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁長官) 小平 信因君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      安達 健祐君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁原子力安全・保安院長)     松永 和夫君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁原子力安全・保安院次長)    三代 真彰君
   経済産業委員会専門員   熊谷 得志君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十二日
 辞任         補欠選任
  武田 良太君     坂本 哲志君
  望月 義夫君     福井  照君
  佐藤 公治君     小林 憲司君
  計屋 圭宏君     鮫島 宗明君
  村井 宗明君     古本伸一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  坂本 哲志君     武田 良太君
  福井  照君     望月 義夫君
  小林 憲司君     佐藤 公治君
  鮫島 宗明君     計屋 圭宏君
  古本伸一郎君     村井 宗明君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律案(内閣提出第四四号)
 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四五号)
     ――――◇―――――
○河上委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律案、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官塩沢文朗君、外務省経済局長石川薫君、財務省主計局次長杉本和行君、文部科学省大臣官房審議官森口泰孝君、文部科学省科学技術・学術政策局原子力安全監片山正一郎君、文部科学省研究開発局長坂田東一君、経済産業省地域経済産業審議官薦田康久君、資源エネルギー庁長官小平信因君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長安達健祐君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院長松永和夫君及び資源エネルギー庁原子力安全・保安院次長三代真彰君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○河上委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塩川鉄也君。
○塩川委員 おはようございます。日本共産党の塩川鉄也です。
 きょうは、冒頭、関電美浜事故にかかわって、国の責任の問題について何点かお聞きしたいと思っております。
 美浜事故の最終報告書にも示されていますが、アメリカのサリー原発の事故の教訓との対比での日本の対応の問題ですが、この報告書では、「米国では、昭和六十一年に発生したサリー原子力発電所事故後、事業者の反対があったものの、二次系配管に対する事業者の管理プログラムを監視対象とするなど、NRCが積極的に規制制度改革に取り組んできた姿勢に比べ、我が国の対応には反省すべき点が多いと思われる。」とあります。
 ここで「我が国の対応には反省すべき点が多い」と言われている、その「多い」という中身について紹介をしていただけますか。
○松永政府参考人 お答え申し上げます。
 美浜の三号機の事故は、これまでの原子力発電所で例を見ない十一名の死傷者を出した大変重大なものであるというふうに考えておりまして、国といたしましても、この事故を反省し、再発防止に万全を期さなければならないというふうに考えております。
 塩川委員が今御指摘のとおり、報告書の中では米国の例を出しまして、アメリカの場合には、サリーの事故の後、事業者の反対があったものの、国が事業者の管理プログラムを監視の対象といたしたわけでございます。これに対しまして日本では、事業者からPWR管理指針の策定を行ったという報告を聴取いたしましたけれども、具体的な配管の管理につきましては事業者の自主保安にゆだねていたということが、国として反省すべき点であるというふうに指摘をされております。
 国といたしましては、この指摘を受けまして、配管の肉厚管理を各事業者にゆだねていたということを変えまして、統一的な指針に基づく管理を徹底することとしております。具体的には、昨年の十二月に省令を改正いたしました。また、ことしの二月には通達を発出いたしまして、事業者による点検に当たっての国の要求事項というものを明確にしたところでございます。
 また、最終報告書におきましては、さらに根本的な原因が、事業者の不適切な保守管理、品質保証活動にあったとされておりますので、この点につきましても、事業者による配管の肉厚管理が国の要求事項を満たしているかどうかということを厳格な保安検査等により確認してまいる、こういう考え方でございます。
 さらに、こうした国の対応につきましては、地元の福井県あるいは美浜町にもよく御説明をし、御理解を得たい。その上で、原子力安全に対する信頼の回復というものを図ってまいりたいと考えております。
○塩川委員 事業者の自主保安にゆだねてきたというところが問題だという点ですけれども、私は、そういう点でも、国のこの間の原子力保安行政におけるあり方の問題も問われているのではないかなと思うわけです。
 この前の美浜事故の集中審議のときにも、平成七年がターニングポイントじゃないのかという話をしましたけれども、関電の不適切な配管の減肉管理が常態化したのも平成七年ごろだったと。また、三菱重工業から日本アームへの業務の移管が行われて、あれは結果としてはコスト削減になっていたわけですから、そういう点での事故の背景になった問題も平成七年でありましたし、三菱重工業内に定検の短縮のためのプロジェクトチームをわざわざつくる、電力業界のニーズにこたえるためという形で行われたのも平成七年でありました。
 それもこれも、平成七年という年に電気事業法が改正をされて、電力自由化の方向に大きく進む、自己責任を明確化した保安規制体系の確立ということが言われていたわけであります。こういった中で、関電において経営効率化計画がつくられ設備保全の効率化などが行われている、その背景があって、結果としてこういう事故につながっているんじゃないかなというふうに思うわけです。
 この点に本当にメスを入れる、特にコスト優先の問題についてメスを入れるということをきちんと国としても迫っていく必要があるんじゃないか。そういう点でも、事業者に強く、事業者の反対を押し切ってでもやれるようなそういう姿勢と構えが求められているんだと思うんですけれども、この点、いかがでしょうか。
○中川国務大臣 おはようございます。
 塩川委員の御指摘のとおり、平成七年に今御指摘のようなことがあった。振り返ってみますと、電力自由化の例のように規制緩和という一つの大きな流れがあって、そういう中で、サリーのときにはアメリカが、国がきちっとした対応をしたにもかかわらず、日本は、民間でそういう二次系の点検をきちっとしろということを民間に指示をした、一義的には民間の責任でやれというふうにしたという対応があったわけであります。
 それから、企業ですから、コスト意識というものも当然あると思います。それも事実。コスト意識をなくせということは、ある意味では、これは逆の意味で言えないことだと思います。
 しかし、それらすべての前提に立つのは、やはり安全であるということ、あのような事故があってはならないということ。
 そして、現に起こってしまったということを考えますと、最終報告書の御指摘のように、今から考えると、きちっと、すべき事業者が、あるいはまた事業者間がしていなかったということになりますと、最終的に原子力行政、原子力安全行政の責任を負う経済産業省あるいはまた原子力安全・保安院が反省すべき点が多々あるということで、今院長の方から申し上げましたように、関電を初めとして、きちっとした対応に今変更をし、また、関電については、特別検査というものをしばらくの間続けて、厳正な監視をしていかなければいけないということです。
 こういうことは、今後、事業者の間でないとは思いますけれども、しかし、国として、より今まで以上に、国としてのやるべきこと、責任を負うべきことをきちっと対応していかなければならないということで、今まさにその作業がスタートをした。最終報告書をいただいたことによって、事業者もそうでありますけれども、国としても改めて原子力安全行政について見直しをし、その行政がスタートをしたという認識を持っております。
○塩川委員 やはり、この間の経緯の中で、自主保安で事業者に丸投げをしてきたという姿勢がやはり大もとから問われているんだと思います。そこに、コスト削減が行われた中での事業者の問題点をチェックし切れなかった国の姿勢、対応の問題というのが今問われているということを申し上げたいのが一つと、もう一つ、アメリカ、NRCを教訓の対象とするのであれば、私、事業者に対しても強い姿勢で臨むことができる。というのは、やはりNRCというのが独立した安全規制機関だ、ここにある、ここにこそやはり教訓を導き出すべきではないか。そういう点では、日本にはそれがないわけであります。経済産業省やエネ庁のもとに置かれている保安院で行われているわけで、アメリカに学ぶべきは、独立した安全規制機関をつくるべきじゃないのか、これは地元でも共通する強い要求でもあるわけで、本当に報告書で明らかにすべきは、独立した安全規制機関をつくるということ、そこに求めるべきじゃないかなと思いますが、その点、いかがでしょうか。
○中川国務大臣 中間報告、それから最終報告ともに、安全についての国の最終的な、第三者かつ最終的なチェック機関は原子力安全委員会でございますから、我々、保安院あるいは経済産業省として安全行政を行い、そしてまた、そのことは安全委員会に御報告をするわけでありますし、また、この報告書を安全委員会の方に御報告をしているわけでございますので、そういう意味で、我々の行政としての、原子力行政と原子力安全行政というものを、私どもが所管しております安全行政、それとまた、独立した形での第三者機関として安全委員会というものが現に存在をし、機能しているわけでありますから、私は、そういう体制で最終的に担保されているというふうに考えております。
○塩川委員 いや、やはりアメリカでの、体制も権限も持って独立した安全規制機関というのが求められているんだ、この点をやはり改めて強く求めておきたいと思います。
 それでは、法案にかかわって、この法案を議論する上での前提となるべき核燃料サイクル路線について少し質問したいと思っております。
 原子力委員会が昨年の十一月の十二日に、原子力長期計画の改定作業の取りまとめを行う中で、核燃料サイクル路線の継続を確認しました。一部委員の反対とか保留もあったように、その継続の是非が議論になったにもかかわらず、短期間の審議で継続の方向が打ち出されたわけであります。しかしながら、その議論の前提となっている再処理費用の算出方法について多くの疑問が出されているわけであります。十八・八兆円という金額についても、本当にそれが妥当なのかという疑問、批判の声がやはり上がっているわけです。
 その点で何点かお聞きしますが、この十八・八兆円のコストの中で、使用済みMOX燃料の再処理の費用というのはこのコストの中に含まれているんでしょうか。
○安達政府参考人 お答え申し上げます。
 使用済みMOX燃料については、現在、日本原燃株式会社が建設中の六ケ所再処理工場において再処理する計画はなく、六ケ所再処理工場に続く再処理工場、いわゆる第二再処理工場で再処理されることが想定されてございます。
 しかしながら、その第二再処理工場については、現行の原子力長期計画において、二〇一〇年ごろから検討を開始されることが適当であるとされており、現時点では、その再処理能力や利用技術を含む建設計画が明らかでなく、その再処理費用を合理的に見積もることは困難でございます。
 したがいまして、今回、この法律の前段階として、総合資源エネルギー調査会電気事業分科会において費用の見積もりを行ったわけでございますけれども、バックエンド費用の見積もり十八・八兆円には使用済みMOX燃料の再処理費用は含まれてございません。
○塩川委員 含まれていないということであります。
 もう一つ、四十年間というスパンで計算していますから、この四十年間に発生する使用済み燃料のうち、処理をする三・二万トンはいいわけですけれども、中間貯蔵に回される三・四万トンの使用済み燃料の貯蔵後の処理コストというのは含まれているんでしょうか。
○安達政府参考人 お答え申し上げます。
 中間貯蔵施設等に当面貯蔵されます使用済み燃料については、六ケ所再処理工場ではなく、第二再処理工場で再処理をされることが想定されてございます。したがいまして、今と同様に、バックエンドの費用の見積もり十八・八兆円には、当面貯蔵される使用済み燃料の再処理費用は含まれてございません。
○塩川委員 含まれていないということであります。
 そういう点では、第二再処理工場が想定をされているから、そちらに費用をツケ回しするという点では、当然のことながら、使用済み燃料は膨大に出るわけでありますし、MOX燃料を燃やせば、その使用済み燃料の処理の問題も出てくるという点では、費用にしてみれば、本当にその全体の一部にしか含まれていないというのが今回の金額だということになります。
 それと、六ケ所再処理工場の使用済み燃料の年間処理量が八百トンとされておりますけれども、この八百トンとされる根拠についてお聞かせください。
○安達政府参考人 お答え申し上げます。
 日本原燃によれば、六ケ所再処理工場は、主要工程の技術導入先でございますフランス・コジェマ社のUP3プラントの経験を効率よく取り入れるために、工場規模を同じとしてございます。したがいまして、その処理容量もUP3プラントと同じである方が望ましいことから、年間八百トンと設定したということでございます。
○塩川委員 その場合、工場の設備利用率、稼働率でしょうか、これは何%と想定して計算している数字ということでよろしいんですか。
○安達政府参考人 お答え申し上げます。
 一日当たりの処理量を最大四・八トンに対して四トン、実働日数を約二百日程度と想定してございます。
 先ほど申し上げましたように、六ケ所再処理工場の主要な工程は、フランスのコジェマ社の再処理工場UP3の技術を導入していますが、UP3は、定格運転を開始して以降、一〇〇%に近い運転実績を有していると聞いてございます。さらに、日本原燃は、UP3で発生したトラブル情報も入手、分析し、六ケ所再処理工場の運転性や保守性の向上に係る反映を行っているということでございまして、私どもとしては、こうした事業者の取り組みにより、六ケ所再処理工場が順調に稼働していくことを期待しているというところでございます。
○塩川委員 そうはいっても、コジェマの場合でも、数十年の工場の歴史があり、そういう実績の中で今の到達点という点では、初めてスタートする、海のものとも山のものとも言えない、そういう中で一〇〇%を前提とした試算になっている、一〇〇%に近い前提となっているということ自身に、私、率直に、その根拠の危うさというのを感じるわけであります。稼働率が五%下がれば五百億円の負担増という試算があるそうですから、そういう点でもコストにはね返ってくる。そういう意味でも、この十八・八兆円の根拠というのは大変危ういものではないかなというふうに率直に思うわけです。
 特に、費用想定がいろいろな面で過小評価になるというのは大型公共事業にはつきもので、そういう点では、ダムの問題もしかり、そうであります。民間が進めるといっても、こういう国策推進の流れの中での再処理工場の費用が大きくかさむというのが普通であるわけで、六ケ所再処理工場そのものも、七千億円とした予算というのが今二兆二千億円ですから、三倍以上に膨らんでいるわけで、そういう点でも、これはどれだけ膨らむかわからないという声が上がるというのは、当然のことだと思うわけです。
 このように、十八・八兆円の再処理コストに幾つもの問題点があるわけで、核燃料サイクル路線推進の議論の前提が崩れているんじゃないか。これで推進というのでは、国民の理解を得られないというふうに思うわけです。
 もう一つ重大な問題が、プルトニウムの問題です。
 余剰プルトニウムといいますか、需給バランスの問題ですけれども、そこでも何点かお聞きしたいんですが、これまで海外の再処理事業者に委託をした使用済み核燃料が七千百トンぐらいあると思いますけれども、そこから回収されるプルトニウム量というのは何トンとされているんでしょうか。
○安達政府参考人 お答え申し上げます。
 電気事業者によれば、海外に再処理を委託した約七千百トンの使用済み燃料から、約三十二トンの核分裂性プルトニウムが回収される見込みであるということでございます。
○塩川委員 三十二トンということであります。
 それから、六ケ所の再処理工場の本格稼働により回収されるプルトニウムというのは、年間何トンに上るんでしょうか。
○安達政府参考人 約五トン弱のプルトニウムが回収される見込みでございます。
○塩川委員 この再処理工場の稼働が二〇〇七年の五月、本格稼働は二〇一〇年の五月以降と聞いております。あわせて、酸化物を燃料に加工するMOX燃料の加工工場の操業開始は二〇一二年の四月とお聞きをしております。そういう点では、実際にMOX燃料が日本でできてくるのは二〇一二年以降という話になってくると思うんですが、供給サイドはそうなる。
 一方で、需要、利用の見込みについてなんですけれども、電気事業者によるプルトニウムの利用計画というのは、年間何トンぐらいを想定しておられるんでしょうか。
○安達政府参考人 電気事業者は、二〇一〇年度までに十六基から十八基でプルサーマルを実施する計画を持ってございまして、これによって回収されるプルトニウムは約五トンから八トンというふうに聞いてございます。
○塩川委員 二〇一〇年に十六基から十八基ということで答弁がありましたけれども、二〇一〇年でこのプルサーマルを始められる、そういう地元との確約というのは実際どうなっているんでしょうか。
○小平政府参考人 お答え申し上げます。
 プルサーマルでございますけれども、これは、平成十五年の十月に閣議決定をされましたエネルギー基本計画に基づきまして、着実に推進していくことといたしております。
 先ほどお答え申し上げましたように、電気事業者は、二〇一〇年度までに合計十六ないし十八基での導入を目指して取り組むということにいたしておりまして、例えば、昨年五月に九州電力から出されておりました原子炉設置変更許可申請につきましては、本年二月、原子力安全・保安院の一次審査を終了いたしまして、原子力委員会及び原子力安全委員会の二次審査に付されているところでございます。また、四国電力からは、昨年十一月に、地元の事前了解を得まして、原子炉等規制法に基づきます原子炉設置変更許可申請が提出をされております。
 電力業界全体として、こうしたことを初めといたしましてプルサーマル計画の実現に向けまして努力をされているところでございまして、私ども経済産業省といたしましても、電力業界と協力をいたしながら、このプルサーマル計画が実現されますように、御地元の理解を得るための説明会等につきまして全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
○塩川委員 その二つぐらいしかないということですよね。当初、早いスタートを切ったはずの東電と関電は、そもそも何年にプルサーマルをスタートする予定となっていたんでしょうか。それが今どういう状況になっているんでしょうか。簡単で結構ですから、説明していただけますか。
○小平政府参考人 お答え申し上げます。
 それぞれの個別の電力会社が以前どういう計画であったかということにつきましては、ただいままだちょっと正確な資料を持っておりませんけれども、東京電力におきましては、御存じのような状況にございますので、現在のところ、電力業界全体としての二〇一〇年というものを目標にいたしまして、地域の信頼回復に取り組んでおられるということでございます。
 また、関西電力につきましては、当初、二〇〇八年度までということ、現在もこの計画は変わっておらないと思いますけれども、これに基づきましてさまざまな御地元への説明等を進めてきたということでございますけれども、美浜の事故等の状況を踏まえまして、御地元等との間では、話し合い、御理解を得るための活動等は現在のところ中断をした状況にはなっておりますけれども、今後、御地元の信頼回復の状況を見ながら、関西電力としてもさらに努力をしていただけるということになっております。
○塩川委員 関電の二〇〇八年が今地元との関係でちょっと待ったとなっているというのは、今回の美浜事故がきっかけですよね。そもそも、関電にしてみても、平成十一年とか平成十二年に始めますよと言っていたわけですよ。それが、そもそも「もんじゅ」の事故などを踏まえて先延ばしになってきているわけですよね。東電も同じように、平成十一年、平成十二年に一基ずつ動かす予定というのが、やはり同様に、東電としての不祥事もあり、結局は延ばさざるを得ない。地元との関係でいえば、事前了解が撤回をされるという格好ですから、今もう見通しそのものがないわけですよね。
 そうすると、二〇一〇年というのは、もう一九九七年以降ずっと言っているわけですけれども、そういう意味では、何ともあやふやな話ですよね。
 それと、一番プルサーマルを使うと言われるフルMOXの大間ですけれども、大間そのものについても、当初の建設の予定がずれ込んでいるわけですよね。実際に今現在、大間について、いつから動き出すという予定になっているんでしょうか。
○小平政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘の電源開発株式会社の大間の原子力発電所でございますけれども、現在の建設計画では、二〇一一年度の運転開始ということになっておりまして、二〇一〇年度にMOX燃料を装荷するという計画で調整を進めているというふうに伺っております。
○塩川委員 炉心地の住民の方が同意をしないという中で、結局炉心の変更をするという大きな計画変更ですから、この先の見通しも本当にどうなるのかわからない中での計画のずれ込みになっているわけです。
 私、そういう意味でも、あれもこれも、この間の電力事業者のみずから起こした事件や事故によってこういう状況になっているわけです。それに対してきちっと是正をするというのが国の責任でもありますし、国民の安全を求めるそういう要望にきちっとこたえた電力事業者の対応が強く求められているときに、本当に二〇一〇年に十六基から十八基動いて、五トンから八トンもプルサーマルを使うことができるのか、私、とても、二〇一〇年で見たときに、五トンにも届かないんじゃないのかと率直に思うんですけれども、その点は、見通しはどうなんですか。
○小平政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、このプルサーマル計画につきましては、以前の計画に比べまして全体としておくれていることは事実でございます。
 他方、御存じのとおり、海外等におきましても、MOX燃料を通常の軽水炉で使用をするということにつきましては、大変各国で安全に使用されてきた実績がございまして、私どもといたしましては、電力事業者と協力をしながら、二〇一〇年度十六ないし十八基におけるプルサーマルの実施ということにつきまして、今後さらに力を入れて努力をしていきたいというふうに考えておりまして、この計画の達成に向けて最大限努力をしていくということで取り組んでいきたいと思っております。
○塩川委員 九七年にプルサーマルの計画ができたのも、「もんじゅ」の事故があって、高速増殖炉についてもう見通しが立たない、それでプルトニウムが余って仕方がないからプルサーマルという話で、にわか仕込みでやっているような計画であるわけですよね。それでも、一九九七年の時点で、少し先の二〇一〇年で十六基から十八基動かして五トンから八トンというのは、そのときにはそれなりに見通しがあったのかもしれないんだけれども、もう今二〇〇五年ですよ。二〇一〇年まであと五年しかないんですよ。それなのに、本気でそんなことができると考えているのかということなんですよ。私、そこが今問われているんじゃないかと思うわけです。
 ですから、このプルトニウムの需給バランスについて、かつては原子力白書などについてもそういう数字も出したことがあるわけですよ、これだけの需要が見込めるからこれだけの供給をつくりますよと。今原子力白書にそんなのがないじゃないですか。そういう需給バランスの見込み、そういうのもなしでこれを進めるということなんですか。いかがですか。
○小平政府参考人 お答え申し上げます。
 プルトニウムの全体のバランスでございますけれども、これにつきましては、平成十五年八月の五日の原子力委員会におきまして、「我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方について」というものがまとめられております。その中で、「プルトニウムの利用目的の明確化のための措置」ということで、原子力委員会は、利用目的の妥当性について原子力委員会において確認をしていくということとあわせまして、この中身でございますけれども、電気事業者がプルトニウム利用計画の公表を行うということ、それから利用計画の変更も、必要に応じて見直しを行うというようなことを決めておりまして、今後、この基本的な考え方に基づきまして、プルトニウムの利用計画につきまして明らかにしていくということになろうかと思います。
○塩川委員 プルトニウム利用計画というのは、使いますというときに出すものですよね。ですから、そういう意味でも、今の段階でプルトニウム利用計画なんかないわけですよ。そういう点では、五年後の二〇一〇年に何トン使うのかという数字だってまるで現時点でないわけでしょう。みんな九七年の、八年前と同じ、消費の五トンから八トンということをオウム返しのように繰り返しているだけじゃないですか。そういう点でも、まともな検討も行われないでずっと来ているのか、見直すことも行えないのかということが問われているわけですよ。
 ですから、今考えるとしたら、少なくとも、推進の立場に立つ、私は違いますけれども、推進の立場に立つという人であっても、海外に三十二トンもあるわけですよ、若干試験運転で使って減っていると思うんですけれども、三十二トン余っているわけですよね。それなのに、二〇一〇年に使う見込みも甚だ怪しいのに、再処理工場を動かすということを決めるということはどういうことなのか。新たなプルトニウムをつくり出して、余りかねないような再処理施設を急いで稼働させる必要がどこにあるんですか。これが聞きたいことなんですよ。いかがですか。
○小平政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年の原子力委員会におきます核燃料サイクルの中間取りまとめにおきましては、我が国において再処理を基本方針として堅持をしていくということが確認をされたわけでございますけれども、その際の議論におきましては、使用済み燃料の再処理が進んでまいりませんと、全国の原子力発電所に既に保管をされております使用済み燃料の保管等につきましても制約が生じるというようなことも含めまして、使用済み燃料の処理を進めていく必要があるということが確認をされているわけでございます。
 ただいま先生御指摘のような全体のサイクル、プルサーマルを含めまして、これからどのように推進をしていくかということが大変重要でございますので、先ほど申し上げましたとおり、既に九州電力それから四国電力につきましてはプルサーマルについて一定の前進があるわけでございますので、こういうものを前例としながら、プルサーマルにつきましては全力を挙げて取り組んでいきたい、こういうことでございます。
○塩川委員 いや、何か使用済み燃料の持っていき場所がないから動かしましょうという話じゃ、もう本末転倒みたいな話なんですよ。
 ですから、同僚委員の方でも、推進の立場からでありますけれども、このロードマップ、きちっと持つ必要があるんじゃないかというのがあるわけですよね。それがないというところに対しての国民の不安や不満、不信というのがあるんじゃないですか。私、その点を大いに今見直すときに来ているんだ、国民的な議論を今行うべきだということが問われていると思うんです。
 結局、今回の再処理積立金法というのは、まともなロードマップもないのに、需給計画もないのにお金だけは積み上げてくださいというんですから、こんなのあるかという話になってくるわけですよ。利用目的のないプルトニウムは持ちませんという国際公約についても、これはやはり懸念の声が上がるというふうにならざるを得ないわけです。高速増殖炉のめどが現時点でまるで立たないわけですし、「もんじゅ」の事故の後、余剰プルトニウム対策で急遽持ち出された今回のプルサーマルというのが、結局もうつじつまが合わなくなっている。再処理工場稼働が先にありきのやり方こそ見直すべきだと思うわけです。
 そこで、大臣にお尋ねいたしますが、福島県が、核燃料サイクルについては国民的な議論を行うべきじゃないかということをおっしゃっておられます。佐藤栄佐久知事も、核燃料サイクルについては、一たん立ちどまり、国民的議論の俎上にのせた上で今後のあり方を考えるべきだと述べておられますけれども、これに対して大臣はどのようにお答えをされるんでしょうか。
○中川国務大臣 核燃料サイクル事業というのは、我が国の基本方針であります原子力の平和利用という観点から、一たん使われたウランを再処理してできたプルトニウム、これは海外に約三十トン前後あるわけでございますけれども、それとこれから発生してくる使用済み燃料から取り出したプルトニウムをMOX燃料にしてやっていくことが、資源を有効活用する、平和利用の一層のレベルの高い活用方法であるというふうに考えております。
 この根拠になっているのは、昨年の中間取りまとめにおきまして四つの選択肢があったわけでありますけれども、やはり全量再処理という御指摘に基づいて進めていくわけでございます。
 福島県の知事さんからは、一たん立ちどまってもう一度国民的議論をという御指摘があるわけでございますけれども、原子力発電所が非常に多い地域の県民の安全の責任者であります知事さんの御発言は、大変重いものとは受けとめておりますけれども、我々といたしましては、当委員会を初め国会の場での広い御議論あるいはまた専門家の皆様の純粋科学的な見地からの御議論等々を踏まえて、その上で最終的にこの方針でいきたいというふうに考えております。
 いろいろな御意見、特に福島県知事さんのような、我々が全く無視できないような大きな原発立地地域の責任者の御発言というものも重ねて我々としてはしっかり受けとめ、また、我々としては、知事さんにもきちっとした御説明を申し上げ、国民的理解を進めながら、御理解をいただくことを前提としながら、この方針で進めさせていただきたいというふうに考えております。
    〔委員長退席、高木(陽)委員長代理着席〕
○塩川委員 佐藤知事もおっしゃっておられますが、フランスは十五年かけてこの議論をしているんだ、日本は四カ月じゃないか、拙速だというのは、本当に当然の指摘だと思うわけです。
 ですから、改めて本当に徹底した議論を行うことでいかないと、こういう拙速なやり方が将来に重大な禍根を残すと言わざるを得ません。核燃料サイクル路線に対する国民合意のないままで負担を国民に押しつけるような、電気料金を通じて押しつけるような今回の再処理積立金法案は、国民の理解を得られないんじゃないかと思うわけであります。
 次に、原子炉等規制法改正案にかかわって、核物質防護対策についてお尋ねいたします。
 私、この点で、核燃料サイクル路線に踏み出すということが、再処理工場も稼働させることで、余剰プルトニウムを持つ可能性というのが高いわけですよね。そういう点でも、かえって脅威を呼び込むことになるんじゃないのか。再処理路線、再処理工場を動かすということが、脅威を呼び込むことにつながりかねない。核物質防護の問題でも重大な負の影響をもたらすことを強く懸念するものであります。
 その上で、保安院の中での検討で、防災小委員会の報告では、原子力基本法の基本精神を踏まえ、核物質防護秘密の対象は最小限の範囲にとどめるとありますけれども、この核物質防護秘密の種類と範囲はどこまでになるのか、この点をお答えください。
○松永政府参考人 お答え申し上げます。
 原子炉等規制法の改正案におきまして、今回、核物質防護対策を強化する観点から、守秘義務につきまして新たな規定を設けることとさせていただいております。
 そこで、御指摘の守秘義務の対象となる秘密の範囲でございますけれども、基本的にはIAEAのガイドライン、具体的には、不法に開示されると核物質及び原子力施設の防護を損なうおそれがある情報、こういう定義に基づきまして、限定的に設定をすることとしたいというふうに考えております。
 秘密とすべき情報の範囲についてでございますけれども、原子炉等規制法の関係省令で規定することとしたいと思っておりますけれども、具体的には、国が定めます設計基礎脅威、DBT、あるいは防護体制、警備運用の情報、標的となる物質の所在情報等をその対象にすることと考えております。
 また、実際に秘密を設定する方法でございますけれども、まず、秘密とすべき事項、その項目ごとの守秘義務の対象者の範囲というものを具体的に示した指針を国が策定いたしまして、これを受けまして、事業者が具体的な秘密の内容や守秘義務の対象者を盛り込んだ情報管理要領を策定する、この要領が具体的に問題がないかどうかということにつきまして、国が検査によりその妥当性を確認するというふうにしたいと思っております。
 なお、保安院といたしましては、今後新たな第三者機関を設置いたしまして、こうした国による一連の秘密保持の枠組みというものがきちっと適切に運用されているかどうかということを監査していただく、そういう仕組みを整備したいというふうに考えております。
○塩川委員 省令、国の指針、その上で事業者が情報管理要領を策定ということですけれども、項目はあるんですけれども、実質的には国と事業者に白紙委任という格好になっているわけですよ。秘密の範囲が限定されていないわけで、何が秘密かもわからないということが実際であるわけです。
 無限定な守秘義務というのは安全対策の面から問題だ、こういう声も上がっております。公開原則でこそ安全対策の向上にもつながると思います。原子力事業者の中でも、徹底した情報公開を信頼回復の手段としてきたけれども、法改正がその障害となるかもしれないという懸念の声も上がっているわけであります。
 そこでお尋ねしますが、国民への説明責任、地元への信頼感醸成の上でも重要な原子力施設の情報公開を抑制するようなことになりはしないか、また、原子力基本法の公開原則を後退させることになりはしないか、この点についてはいかがでしょうか。
○松永政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、私ども原子力安全規制を実施する立場にとりましても、きちっと情報を公開し、また、国民の皆様にきちっと説明をすることによって、原子力安全規制につきまして十分な御理解をいただくということが大変大事なことだというふうに認識をしております。
 したがいまして、先ほど御説明しましたとおり、今回新たに整備をされます核物質防護に係る守秘義務の対象範囲、あるいは守秘義務をかけられる秘密保持義務者の範囲につきましては限定的に運用していきたい、そのためのきちっとした仕組みを法令上に加えまして、第三者機関を設けて監査をするというような形で運用していきたいというふうに考えております。
○塩川委員 第三者機関というのは、保安院のもとに置かれているわけですよね。そういう点では、私、率直に言って、第三者的な立場というのはどうなのかということが問われるんじゃないでしょうか。恣意的な運用がされるんじゃないかという懸念は払拭されないわけであります。
 そこで、具体的な事例でお聞きしようと思うんですが、去年の夏に、私、日本原燃の再処理工場の貯蔵プールの視察に行きました。そのときに、貯蔵プールに欠陥があるということだから、その現場を見に行って、その内容について、当然、国会での質疑や、あるいは国民の皆さんに報告をする、そういうことを責務として私出かけたわけでありますけれども、そのときに私、原燃から誓約書を書いてくれと言われたんですよ、守秘義務の誓約書。この守秘義務の誓約書には「今回の施設訪問中に知った如何なる情報も、日本原燃の書面による許可なく他の者に開示しない事。」と書いてあるんですよ。
 おかしいでしょう。だって、日本原燃が起こした不祥事、欠陥工事、欠陥問題について私が調査に行った。調査に行って私がいろいろ知り得たことについて、何で原燃の許可をもらわなくちゃいけないんですか。おかしいじゃないですか。事故隠しと言われても仕方がないんじゃないですか。何でこんなことが起こるんですか。
○松永政府参考人 お答え申し上げます。
 日本原燃におきましては、原子炉等規制法に基づきます関係省令に基づきまして、核燃料物質の防護のために必要な措置に関する詳細な事項につきましては、知る必要があると認められる者以外の者に知られないようにすること、こういう情報管理が義務づけられておりまして、こういう炉規制法に基づきます情報管理の考え方に即して、核物質防護の観点もございますけれども、それ以外に、例えば、商業機密の問題、あるいは核不拡散の観点から、公開しても支障がないと考えられる施設以外の施設を見学する際には、情報管理の手法として、今塩川委員御指摘の誓約書を提出する、そういう運用を行っているというふうに承知をしております。
 私どもとしましては、これは日本原燃が独自に行っている情報管理の手法であるというふうに承知をしておりますけれども、原子力安全・保安院として誓約書の徴取を指導した事実はございません。
 ただ、いずれにしましても、こうした運用につきましては、御指摘のとおり、情報公開という基本的な考え方に支障がないような形で運用されるべきではないかというふうには考えております。
○塩川委員 いや、情報公開に支障があったんですよ。
 私、こんな誓約書はおかしいと。だって、事故隠しに加担するような話になりかねないですから。だって、事故が起こりかねないような事態についてきちんと報告する義務が私はあるわけですよ。だから、こんな誓約書は書けないと言ったら、それでは入れませんという話なんですよ。だから私、欠陥の貯蔵プールを見られなかったんですよ。こういう形で情報公開を制限しているんじゃないですか。結果としてそうなっているんじゃないですか。いかがですか。
○松永政府参考人 日本原燃による、誓約書を徴取する方式でございますけれども、海外の状況との関連で申し上げますと、フランスのコジェマ社も同様な情報管理の手法を行っておりまして、日本原燃といたしましてはこうした方法を採用したというふうに考えております。
 ただ、いずれにしましても、見学者に対する情報管理の手法につきましては、それぞれの施設の実情に応じて、事業者みずからが判断をすべきというふうに考えております。ただ、こうした運用が、委員御指摘のとおり、あたかも情報公開を妨げるとか、あるいはトラブルを隠そうとしているというような形でとられないように、きちっとした適切な運用が図られるべきではないかというふうに考えております。
○塩川委員 私だって、核物質防護の必要性は当然認めますよ。その上で、だって、こういう事故に対して説明する責任が事業者にあるにもかかわらず、知り得たことについては書面で了解をとってくださいと、情報公開を制限するようなことを押しつけるわけでしょう。その姿勢そのものが今大問題なんじゃないですか。だから私は、こういった今の国の目指している方向が情報公開に逆行する、その具体的な事例としてこの問題があるんだということを言っているわけですよ。
 東奥日報が去年の十二月十八日に報道していますが、「再処理工場内の撮影「検閲」を原燃が撤回」したという報道もあります。これは、マスコミ各社が取材に行ったときに、撮影をする場合については、「撮影結果の公開は事前に書面による許可が必要」だ、「要求があった場合、撮影結果を提出する」というふうになっていたのに対して、抗議をしたわけであります。そういう意味では、検閲とも受け取れるようなやり方について、これはおかしいというので、渋々でしょうか、事業者としては譲歩をするという中身でありますけれども、その記事の中に、原燃がつくった「撮影許可申請書は、日本原燃が、経産省原子力安全・保安院の指導を受けて作成した。」となっているんですよ。指導してやったんじゃないんですか。私に対する誓約書を書けというのも、保安院がやったということなんじゃないですか、いかがですか。
○松永政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど御説明しましたように、誓約書につきましては、日本原燃が情報管理の手法として独自に採用したものでございます。また、今御指摘をいただきました昨年十二月の報道機関との関係のいわば一種のトラブルでございますけれども、これにつきましても、事後的に私ども話を聞いておりますけれども、あたかも検閲を要求したかのような運用は明らかに不適切な行為でございまして、私どもがそうしたことを指導したこともございませんし、むしろ、そうしたことはやめるべきであるという形で日本原燃に対しては指導しております。
    〔高木(陽)委員長代理退席、委員長着席〕
○塩川委員 もともと、国から公開について問題だと言われて、それで、当然のことながら事業者が対応したわけですよね、去年の六月以降の流れでいえば。そういう点では、これは保安院の関与というのはぬぐえない話であります。そういう意味でも、これは国や事業者の恣意的な運用の具体的な事例としてやはり問題になる、今後そういうことが起こりかねない、そういう懸念というのが大きく増大すると言わざるを得ません。
 その上で、法改正と連動した省令改正で、設計基礎脅威を導入するということですけれども、内部従業員も脅威の対象となる、不満を持つ従業員まで想定をしていると。ここのワーキンググループで検討されている保安調査というのはどういうものなのか。
 それから、そういう意味では、その中身として、毎日新聞などでも報道していますが、原発職員の素行調査ということが言われているわけですよ。そういう保安調査の内容に、従業員の借金状況や、アルコール・薬物依存性の調査、犯歴情報チェック、こういうことを行おうとしているのか。さらに、人権侵害につながるような思想調査、これは入っているのかどうか。思想調査は行わないということもはっきり約束していただきたいと思いますが、保安院と文科省と、それぞれお答えいただけますか。
○松永政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員御指摘の内部脅威対策でございますけれども、これは、今この国会にお諮りを申し上げております原子炉等規制法の改正法案とは別の話でございます。各国におきましては、こうした内部脅威対策につきまして、それぞれの国で具体的な対策がとられております。こうしたことも受けまして、我が国におきましても、こうした検討の必要性が指摘をされておりまして、昨年の十二月から原子力防災小委員会のもとにワーキンググループを設けまして検討しているところでございます。
 ただ、今御指摘のとおり、こうした問題は、我が国の場合、民間企業活動に対する国の過度な介入になるのではないか、あるいは個人のプライバシーの侵害等の観点から慎重に検討する必要があるのではないかというふうに考えておりまして、現在、このワーキンググループあるいは原子力防災小委員会において審議をいただいているところでございます。
○片山政府参考人 御説明を申し上げます。
 内部脅威の問題につきましては、これはさまざまな対応、対策というものが考えられるわけでありますが、例えば物的防護であるとか出入管理であるとかあるいは人的管理、さまざまなものの組み合わせで対応するということになるのではないかというふうに考えているところでございます。この人的管理の中の一つの方法として従業員の信頼性の確認ということも考えられるわけでありますが、これは、あくまでも原子力施設に対する妨害破壊行為や、テロ攻撃の未然防止、こういうものを目的とするものであって、個人の思想とか信条、こういう調査を行うことを目的とするものではないわけでありますが、基本的な人権の尊重あるいはプライバシーの保護等、こういう観点から極めて慎重な検討を要する課題であるというふうに認識しております。
 我々としても、本年一月から、研究炉等安全規制検討会、これは文部科学省の検討会でございますが、このワーキンググループにおきまして、法律あるいはセキュリティー分野を含む有識者の意見を聞きつつ、慎重な検討を進めているところでございます。
○塩川委員 核物質防護については、やはり関係者、原子力事業関係者の自覚を基本に対応することが何よりも重要でありますし、そういう国民的監視を強めていくことがその力につながっていくんだということを申し上げて、質問を終わります。
○河上委員長 次に、近藤洋介君。
○近藤(洋)委員 民主党の近藤洋介でございます。本日、原子力関連二法案に関連しまして、私も我が国の原子力政策全般について質問をしていきたいと思っております。
 質疑の中でも同僚議員が強調しておりましたけれども、原子力発電というのは、我が国の発電の三割を占める基幹エネルギーでありますし、その重要性につきましては今後も高まっていく、私もこの点について非常に強く認識をしているところでございます。とりわけ、日本の我が国の原子力発電の歴史を見ますと、大変難しい国際関係の中で、被爆国として原子力の平和利用を進めてきた、さらには原子力発電、さらにはプルトニウムの平和利用の技術集積も重ねてきた、その国際交渉能力、さらには各関係者の技術者の方々の努力ということについては、私はこれは世界に誇っていいことだと思っておるわけであります。また、それがゆえに核燃料サイクルを前提に原子力政策を政府は進めてきたわけでありますから、あえて言えば、核兵器の原料ともなるプルトニウムを扱うがゆえに、だからこそ、総合的な安全保障戦略といいますか、位置づけといいますか、エネルギー戦略を超えた総合安全保障上の戦略というのも明確に日本としては求められてくると思うわけであります。とりわけ、六ケ所のプラントがこの年末にもアクティブ試験が始まるということを控える、現実化するということになりますと、国家としての覚悟というものも求められると思うわけであります。
 そこで、大臣にちょっと大きなテーマを最初に伺いたいと思うのでありますが、被爆国である我が国が原子力発電を進めてきた、そして、非核保有国で公式上では唯一プルトニウムの利用をきちんと認められている、世界としてちゃんと認められているということの意味、意義合いについてどのようにお考えなのか、総合安全保障上の意味も含めてどのようにお考えか、これは外交もかかわる話でありますけれども、中川大臣は重要閣僚でもございますから、ぜひ御見識、また取り扱う覚悟を伺いたいと思います。
○中川国務大臣 まず、日本は世界の平和を希求するという憲法あるいは国民の総意があるわけでございます。そのために、核のみならずでありますけれども、とりわけ核の脅威というもの、核拡散、あるいはまた使用といったことについては先頭に立って反対をしていかなければならないことは、実績としても、また今後もそういう方針は国民の総意として変わらないと思います。
 それからもう一つは、今近藤委員御指摘のように、不幸なことに、我が国は唯一の被爆国家であり、また第五福竜丸であるとか、あるいはまたこの前のジェー・シー・オーの問題、これも中性子を浴びたという意味では被曝でございますし、それから広島、長崎はプルトニウム型とウラニウム型と二つのタイプの違う爆弾を落とされたわけでありますから、ある意味では、第五福竜丸の水爆を含めて、あらゆる形で、国家としてあるいは日本国民が被爆をしている経験がある。これは戦争でない状態の中での事故ということも含めまして、本当に不幸なことだと思いますけれども、戦後の核兵器の三原則とかいろいろありますけれども、まさに平和利用に世界で一番貢献をしている我が国が、戦後の事故等で被曝者がいっぱい出てきているというのも、皮肉と言うとちょっと言葉が軽過ぎるぐらいに不幸なことであります。
 しかし、我が国の政策として、そしてまた実績として、今御指摘のように、原子炉施設を持ちながら、五十数基の実用の原子炉を持ちながらもIAEAの統合保障措置の位置づけを与えられているということは、これはやはり実績が世界に認められているという誇りであると同時に、またその責任も大きいというふうに思っておりますので、今後とも、日本の果たすべき役割、それは内外にわたっての果たすべき役割、あるいは国民総意の目標の実現に向けて、我々も、また国民も、一致協力して、またこれから一層努力をしていく必要があるというふうに思っております。
○近藤(洋)委員 大変大きな責任を持っているんだという御発言でございました。
 原子力、とりわけ核燃料サイクルの進め方については、確かにさまざまな立場からさまざまな御意見がある。原子力委員会でも昨年いろいろな議論がされた。
 ただ、進め方についてはさまざまな議論はあるけれども、日本が透明なプルトニウム管理をして、平和利用の総合技術をしっかり持って、その運用のノウハウもきっちり蓄えて、そして、そのことで世界を牽引していくといいますか、その分野でフロントランナーになるということについては、私はやはりこれは大変大事な、ちょっと大げさかもしれませんが、国家的な使命でもあるような気がしているわけであります。
 とりわけ、一九八八年ですか、日米原子力協定で三十年間の包括プルトニウム利用を認められた。三十年間ですから二〇一八年までということなんでしょうか。いろいろまだ制約はあるとは思うんです。あるかもしれませんけれども、この期間というのは極めて重要なチャンスですし、これが私は大事な期間になるのではないか、世界をリードすることができるかどうかの大変大事な集中期間ではないかということをあえて申し上げておきたいと思います。
 そこで、今度は具体的に法案の内容について伺っていきたいと思うのですが、私は積立法案の方についてお伺いしたいと思っております。
 この法案では、六ケ所再処理工場の費用につきまして、電気事業者がこれまで内部で積み立ててきたものを外部積み立てとする、別法人で管理する、区分経理するという内容、大まかに言えばそういうことでございますが、資金も巨額でもありますし、この枠組みというか思想、考え方自体は私も適正だと思うわけであります。
 ただ、重要な、不透明な点といいますか、確認しなければならない点が一点あるので、伺います。
 すなわち、対象の議論もあるわけですけれども、対象の議論はちょっとおきまして、この六ケ所サイクル事業で、不測の事態、天災であるとか、余り考えたくありませんが、地震国でありますから、岩盤は大丈夫だと聞いておりますが、しかし何が起こるかわかりません。もし天災が起きるとか、例えば、これはあってはなりませんが、事故で事業が中断をしなければいけないということが仮にあった場合、さらには、まさに国際的な状況の中で、事故や天災はないけれども工場が操業できないという状況がある場合、さまざまな不測の事態というのがあるわけです。その場合、当然、工場が操業できなくなるわけですから、ないしは破損するとかというのがあった場合は新たな負担が当然かかるわけでございますね。大きな負担がかかる。
 先般、一年間試験期間が延期したことによって五百億円のさらなる費用がかかったということでしたが、事業者側に伺いましたらば、これは内部の合理化で吸収しますという話でございました。しかしながら、大きな負担がどんどん出るケースがあるわけですね。
 そういった場合は、法文を見る限り、そういう場合どうなるかということは法案には書いておりません。法案に書いてないということは、これは一つ間違うと運用なのかとなるわけでありまして、これはお金だけのことを一つ考えてみても民間事業に対して大変大きなリスク要因になると思うわけでありますが、その場合は、当然のことですが、この前提となる仕組みが変わった場合は、これは改めて法律の内容を変える、見直すということでよろしいのでしょうか、お伺いしたいと思います。
○小此木副大臣 我が国の基本的考え方であります核燃料サイクル政策の根幹をなす、六ケ所再処理工場における再処理事業の実施に当たっては、国家、政府は当然のことでありますけれども、電力会社及び日本原燃などの関係者が万全な注意を払うということはもう常々、当たり前のことであります。
 不測の事態、いろいろなことが考えられるというふうに思いますが、先般も新潟で大きな地震がございました。原子力発電所のような、そういうようなところはあらかじめ強い震度にも耐えられるような建設構造にもなっておりますが、さらなるさまざまな現象が考えられるというふうに思います。そのような想定外の事態が発生した場合には、またその時点で、再処理事業に係る環境を踏まえ、必要があれば、本法案の制度全体について再検討を行うことになると考えております。
○近藤(洋)委員 その際、前提が崩れるというふうになった場合、あってはならないことでありますけれども、これは考えておかなければいけないと思うわけですが、さまざまな前提が崩れた場合、状況にもよりますが、法律を見直す際には、官民の役割分担等も含めて見直すことになる、それも否定しないということを確認したいと思いますが、その際には、これは法案を見直すわけですから、当然国会での審議が必要になるということで、国会できちんと議論するということでよろしいわけでございましょうか。
○小此木副大臣 大臣も私どもも何度も申し上げているように、これは国民の理解を得るということが大前提でありますので、国会の議論ということは委員のおっしゃるとおりだと思います。
○近藤(洋)委員 基本的には、ふだんの状況が大きく変化する場合は、私としては、今回の法律は一期工事についての話でありますが、今後のことについても、やはり官民の役割分担については、同僚議員も重ねて指摘をしてまいりましたが、私はまだまだ不明確な部分があると思っておりますので、やはりきっちり議論をしなければいけないんだろうなと思っているわけでございます。
 続いて、法案のことにも絡んでくるわけでございますが、原子力を進める上での基本となっております電源三法の運用、とりわけ電源開発特別会計について伺っていきたいと思います。
 この件につきましては、細野豪志議員が先般別の法案の審議で、もう大変内容のある質問をされ、恐らく次のバッターとしても手ぐすね引いて待たれている部分もあるとは思うんですが、この問題、極めて原子力政策の中核のエンジンでございますから、私はまた別の角度から伺っていきたいと思っておるわけでございます。
 資料を添付させていただきました。四枚のA4の資料でございますが、こちらの資料一をごらんいただきたいと思います。こちらの資料、資源エネルギー庁に資料要求をいたしまして、相当内部でも検討されて、でき得る限りのところは出していただきました。この点については感謝をしたいと思うわけであります。
 電源開発特別会計の中の大きな柱である電源立地地域対策交付金というのがございます。これは、一番上の表で、平成十五年度実績で、億円単位で九百十四億円が県や自治体、地方町村に交付されている、大変使い勝手のいい交付金でありまして、資料を見ましても、道路から公民館といったハードから地域地場産業の振興といったソフト事業まで、ほとんどさまざまな事業に使うことができる、電源立地の地域に対しての協力、また理解促進ということも含めての制度ということであります。
 この交付金の存在自体は、私は否定するわけではないわけでありますが、問題は使い方でございます。これは、いろいろさまざまな用途によってこの中身が分かれているわけでございますが、下の方に区分をしておりますが、これはほとんどが原子力関係でございます。その中に、済みません、ちょっとこれは私のミスで、網かけされているところのうちの下の方の、電力移出県分ですか、こちらと、あとその下の、白抜きでございますが、長期発展対策分、合計で四百億円程度ございます。
 この電力移出県分というのと長期発展対策分というのは、エネ庁の御説明によりますと、既存の原子力発電所、既に運転している原子力発電所の自治体に対して交付金を出すということだ、新設のときにはまた別に、建設工事中に前後にお出しするのがこの初期対策分、下から二番目の移出県分と長期発展対策分は、すなわち動いているものに対して出しますということでございました。合わせて四百億円、十五年度実績である。周辺地域対策分というのが電力料金の割引とか、いろいろあるようですが、まずこの二つの、移出県分と発展対策分についてお伺いしたいと思うわけであります。
 そこで、最初にお伺いしたいんですが、下にある表は福島県と全国の原発の利用率の表でございますが、まずお伺いしたいんですけれども、福島県に対する電力移出県分さらには長期発展対策分の交付金、県及び県内市町村の十五年度の実績は幾らになっているのか。さらに、十六年度、十七年度の見込み額についてお伺いしたいと思います。
○小平政府参考人 お答えを申し上げます。
 ただいま先生から御指摘ございましたとおり、電力移出県等交付金それから長期発展対策交付金は、運転段階におきます発電電力量を基礎として交付限度額を定めるものでございます。
 平成十五年度の福島県それから福島県下の市町村への交付金の実績でございますけれども、電力移出県等交付金で五十二億円、長期発展対策交付金で三十億円ということになっております。
 また、平成十六年度、十七年度につきましてのお尋ねがございましたけれども、私どもとしては、限度額としてはほぼ前年並み、すなわち平成十五年度並みであるというふうに考えておりますけれども、まだ実績が確定をしておりませんので、確たる金額を申し上げられる段階にはないということでございます。
○近藤(洋)委員 二年前の数字で算出するという説明を受けましたので、実績は確定していないということですが、確認ですが、ほぼ十五年度並みの額が十六年度、十七年度、出される見通しであるということでよろしいわけでございますね。
○小平政府参考人 今先生の御指摘のとおりでございまして、いずれも、十六年度、十七年度につきましても、十五年度と余り大きく変わらない金額になっているのではないかというふうに思っております。
○近藤(洋)委員 そこで、ちょっとこれ、下の表であるわけですが、まさに十七年度も同じ額だとすると、二年前の数字をベースにするとすると、この下の表で、平成十五年度、福島県は二一・二%の利用率であった。福島第一原発の事故があったということでもございますが、二一%。全国平均も、これは福島の影響で、ぐっと六割に落ちているわけでございます。
 普通考えますと、これは、前年度が五八%、七六%なわけですが、二割、八割減っているのだから、当然その分交付金も、運転に対する交付金でございますから、電力移出県分というのは、根拠を聞くと、ほかの県に電力を供給している、その貢献度に応じて交付金を出すというのが法の趣旨だと聞いておりますが、発電所が動いてないのに交付金が出るというのは、なぜ満額交付されるのか、非常におかしいというか、ちょっと理解できないんですが、その理由を教えていただきたい。
○小平政府参考人 お答えを申し上げます。
 今御指摘の二つの交付金でございますけれども、これも先生御指摘のとおり、運転が停止している場合でございましても、それが事故後に必須となる措置に限らず、広く安全性確保のためになされているとみなされる場合につきましては、平常時と同等に運転が行われていたものとみなして交付金を交付することができる、そういう旨、交付規則に規定をしているところです。
 これは、原子力発電所等の運転停止につきましては、立地地域に責任がないにもかかわらず原子力発電所の運転停止に至った場合には、立地地域を不利に扱うべきではないという基本的な考え方に基づくものでございます。
 したがいまして、これは、安全性の確保を大前提といたしまして、原子力発電所の設置及び運転の円滑化を図るという電源三法交付金の趣旨に直ちに反するものではないというふうに考えておるところでございます。
○近藤(洋)委員 まさに事故とか、事業者の責任で事故が起きたという場合は、それは確かに、県の責任ではないから特例を認めましょうという特例がある。規則で特例があるというのは、それはわからないでもない、理解できるところです。
 ただ、ちょっとここで確認したいんですが、東京電力の福島第一原発一号機、いまだにとまっておりますが、原子力安全・保安院の検査は、昨年の六月、おおよそ終わっていると聞いております。国としては、もう既に安全基準は完全にクリアした、または、検査はもうほとんど必要ないという状況だと聞いておりますが、保安院、確認させてください。
○松永政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の福島第一原子力発電所一号機でございますけれども、これは格納容器漏えい率検査の不正が行われましたために、経済産業省といたしまして、平成十四年の十一月に一年間の運転停止命令処分を行いました。
 その後、保安院といたしまして、当該一号機につきまして、格納容器漏えい率検査を含みます、起動前に実施すべき五十項目程度の検査を実施しておりますが、御指摘のとおり昨年の六月末までにこれは終了しております。その結果、検査後の停止期間中に発生した水漏れによる部品交換に伴う再確認、こういうものも多少はございますけれども、今後、これらの追加的な検査が完了すれば、原子炉の起動につきましては特段の問題はないというふうに認識をしております。
○近藤(洋)委員 福島県は、もう要するに、お墨つきは国としては与えているということでございますね。
 とすると、県はまだ納得してないという話が伝わっておりますけれども、ちょっとこれは基本的なことで恐縮ですけれども、原子力安全・保安院は、福島県に、安全の確認を機関委任事務でもしているんでしょうか。確認したいと思います。
○松永政府参考人 お答え申し上げます。
 原子力発電所の運転の前提になります安全確保の一義的な責任は事業者にございますけれども、国民から負託を受けて事業者を規制する責務を負っているのは国でございます。したがいまして、国が一元的に安全規制を行っているというふうに理解をしております。
 しかし、一方で、自治体につきましては、先ほど中川大臣もお答え申しましたとおり、住民の安全を確保する責任を負っておりまして、住民の側にもそのような役割を期待する気持ちがあるということも事実でございまして、このため、自治体におきまして、私ども、国の安全規制上の判断や対応につきまして十分な説明を求め、また、独自に検証しようとする、こういう動きが出てきていることでございます。
 福島県、また新潟県につきましては、東電問題を原因といたしまして、一昨年になりますけれども、十七基の原子力発電所をすべて停止するというような事態になりました。これを順次点検いたしまして、再起動するに当たりましては福島県が非常に慎重な対応をしております。私どもといたしましても、私どもの安全規制につきまして十分に御理解をいただけるように、これからも努めてまいりたいというふうに考えております。
○近藤(洋)委員 福島県がそういう形で、思いを持たれる、地域の福島県民の皆さん方も、私も東北人ですし、隣なんです。隣の米沢ですから、それは福島県民の方々の気持ちもわからないではないといいますか、それはあるんですが、しかし、もう一回、ちょっと法の交付金の話に戻るんですけれども、したがって、国はお墨つきを与えている、安全ですとお墨つきを与えている。にもかかわらず、とめている、とまっている。となると、やはりこの移出県分なり長期発展対策分というのは、法の趣旨に解すれば交付金は支払うべきではない。福島県は、もしとめているのであれば返納すべき。返納することになっても、もうもらったものは離さないということがある。国はこれはやはり交付すべきではないと思うんですが、いかがでしょうか。もう一度です。
○小平政府参考人 お答えを申し上げます。
 この交付金につきましては、先ほど申し上げましたとおり、地元の責めに帰すことのできない状況によりまして原子力発電所が運転停止状態にあるという場合には、運転がされているものとみなして交付をすることができるという規則に照らして交付をしているところでございます。
 これにつきましては、ただいま保安院長からも御説明申し上げましたように、実際に、安全につきましては、保安院の方で、県との間で協議をしながら国において対応しているところでございますけれども、他方で、それぞれの原子力発電の立地あるいは運転につきましては、御地元の理解というものも大変重要でございまして、その限りにおきましては、知事あるいは県当局におきまして、運転を始める上で県として安全性について十分検証をしたいという立場をとっておられるわけでございますので、そういう観点から申しますと、交付金の趣旨に照らしまして、先ほど申し上げましたとおり、安全の確保ということでございますので、交付金の趣旨には必ずしも反していないというふうに考えているところでございます。
○近藤(洋)委員 いや、それは、趣旨に反していないという言い方はどうも理解できないですね。
 では、角度を変えて伺います。いいですか。法令上、実際に、だから、結論からいくと、これは法律をきっちり整理すると、地方自治体には原子力発電所を動かす、動かさないという権限はどこにも書かれていないんですよね。どこにも書かれていませんね。ところが、実際には拒否権を持っているというのが実態の運営になってしまっているんです。
 これは、エネ庁の皆さん方に言わせると、電力会社と自治体の安全協定の問題もこれあり云々という話をされます。安全協定というのは非公開のようでありますが、その安全協定に、仮に、では、とめる権限ないしはとめることが可能な権限を地方自治体と事業者が結んでいるとすれば、これは適法ではないんじゃないですか。違法なんじゃないでしょうか。これを適正と言えるんだろうか、仮に。この点をまず確認したい。
 さらには、もう一点言えば、実態的に自治体が拒否権を持っている今の状況は不正常だと思うんですが、いかがでしょうか。
○小平政府参考人 お答えを申し上げます。
 今先生から御指摘ございましたとおり、自治体は地元住民の生命や身体の安全を確保するという観点から、事業者との間で安全協定を締結し、事業者の安全確保の取り組みを検証するということを行っているところでございます。これは、あくまでも地方自治体と事業者との間、立地にかかわりまして事業者が自治体との間で約束をしたという協定でございます。
 これにつきましての整理でございますけれども、原子力委員会の新計画策定会議におきまして今月まとめられましたエネルギーと原子力発電についての論点整理におきまして、原子力発電は全国的な視点に立って行われる国の施策であるというふうにしました上で、国が適切に安全規制を行い、エネルギー政策や安全確保の活動を十分に説明する場合には、地方自治体はこれらを効果的に活用した判断を行うことが期待される旨、整理をされているところでございます。
 資源エネルギー庁といたしましては、こうした原子力委員会の論点整理に沿って地方自治体が対応をしていただけるように、自治体との信頼関係の構築に今後とも最大限努力をしていきたいというふうに考えております。
○近藤(洋)委員 これで国策と言えるんですか。こういうことだから、国策が危ういというふうな指摘を受けるんだと思うんですね。せめて、少なくとも交付金は減額すべきです。今の法律のことを考えるのであれば、減額すべきである。減額する必要はない、趣旨に反しないと強弁するならば、今の状況は不正常ですから、法律を減額するように改正すべきです、制度を見直すべきだと思うんですね。こういうことをきっちりしないといけないと思うんです。
 大臣、これは本当に税金のあり方としても大問題ですよ、交付金のあり方としても。動かしていないのにどんどんどんどん出ている。ある意味で、これは本当に原子力のことを議論しているのか。言い方は悪いですけれども、だから、札びらでほおをひっぱたくという表現がされてしまう部分もあると思うんですね。
 やはり、責任に応じてお金も出る、出ないんだったらば、やはりそれは地方自治体もリスクを負う、お金はもらえない、そこのところをしっかり自治体も議論しなきゃいけないし、国も議論しなきゃいけないし、ごまかしちゃいけないと思うんですね。
 この問題は、これから、自治体との権限のあり方の法律をきちっとつくるべきだということ、これは今後も大事になってくると思います。サイクルの問題、最終処分の問題、中間貯蔵の問題、あらゆるところで立地県との話が出てきますよ。そして交付金もこれから出てくるでしょう。中間貯蔵を受け入れないと言ったけれども、受け入れを前提にしたお金がまたどんどんどんどん出てくるんですか。そういうことも出てきます。
 これからの原発政策を考える上で、これは何としても直すべきだ、見直すべきだと思いますけれども、これはやはり政治家の方のお話を伺いたいと思うんです。見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか、交付金のあり方。
○中川国務大臣 近藤委員御指摘のとおり、この交付金は目的を持って、そしてまた財源は国民の負担ということでございますから、その目的にきちっと対応した形でそれぞれ使われるべきだと思います。
 他方、先ほどエネ庁長官の方からも御答弁ございましたように、立地地域の責任によらない、そしてまた立地地域のいわゆる首長さん方は住民の安全に対して責任を負っておりますので、そういう観点から地方自治体の役割というものがあって、本来、よく国の方から、あるいはまた事業者から御地元に説明をし、理解をしていただいて、事業者、自治体、国がそれぞれ信頼関係を持って原子力行政、原子力安全行政を推し進めていくべきものと考えております。
 そういう中で、今福島県についての個別的な御指摘がなされたわけでございますけれども、近藤委員のような御意見も、強い御指摘も、我々としてもよく承り、また、いろいろな、福島県には福島県の、一度立ちどまって根本的に議論しようというような御指摘も先ほど塩川委員からもございましたけれども、とにかく自治体の皆様方によく御説明をし、そして御理解をいただいて、問題がなければ一日も早く稼働することが、これはエネルギー行政、ひいては国民に対するエネルギーの安定供給という観点からも必要なことだろうと思っております。
 強い御指摘をいただいたことも十分踏まえ、またいろいろな御意見があることも勘案しながら、適切な原子力行政を推し進めていきたいというふうに考えております。
○近藤(洋)委員 ぜひ大臣、真剣に、やはりこの問題、自治体と向き合っていなかったと思うんですね。そこを自治体と向き合い、地方分権の時代だというのであれば、じゃ、知事の権限は一体どこまでなんだ、どうできるんだ、どうコミットするんだ、どこまでできるというところをやはりきっちり整理をしていかないと、これはとてもじゃないですけれども、それは民間事業者、自由化の中で原子力をやれない状況にだんだんなりつつあるので、大事な問題ですので、引き続き、私も重ねて強調しておきたいと思います。
 時間もありますので、次の論点に移りたいと思います。
 核燃料サイクルにとって中核ともいえる高速増殖炉について伺いたいと思うんですが、現在、原子力委員会では新しい長計を策定中と。その中の会議の議事録を読みますと、資源エネルギー庁は商業炉、高速増殖炉の商業化について、二〇五〇年から入りますということを、資料も提出されておっしゃっています。
 そこで、今現在「もんじゅ」があるわけですけれども、これは原型炉であります。これが、いつ実証炉を建設するのか、そしてどこが運営するのか。
 ちょっと資料二をごらんいただきますと、二枚目を見ますと、これは過去における原子力長計の実証炉の抜粋ですが、一九八七年、昭和六十二年は、実証炉の建設は九〇年代後半に着工と明記しています。平成六年のものについては、下線をしていますけれども、平成六年の長計では、二〇三〇年ごろまでには実用化が可能となるよう目指しますと。実証炉第一号は、二〇〇〇年代初頭に着工目標に計画と、もう数値目標をこうやって入れて書いています。
 ところが、平成十二年になると、下線最後ですが、高速増殖炉の実証炉については、実用化への計画については実用化時期を含め柔軟かつ着実に検討を進めていくと、これは一気にどんと落ちているんですね。これは普通に素人が見れば、あら、もうこれはやらないのかというのが、素人目の受けとめ方でございます。
 もちろん、この間事故があったのも十分承知をしておりますが、時間の関係もございますので、この計画、いつ進められるのか、いつまでに実行されるのか、原子力委員会に伺いたいと思います。
○塩沢政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、原子力長期計画におきまして、FBRの考え方については先生御指摘のような変遷を経てきておるわけでございますが、これも先生御指摘のとおり、その時代時代、さまざまなことが起きておりまして、原子力長期計画というのは、その進展や策定時との情勢変化を踏まえて、おおむね五年ごとに計画の評価、見直しを行う、そういうフィードバックをかけながら、計画を遂行していく、見直していく、そういうことを行っているわけでございます。そういうことで、高速増殖炉の実用化時期の記載についても、研究開発の進展や情勢の変化を踏まえて適宜適切に見直しを行ってきたというふうに我々としては考えております。
 先生御質問の、現在原子力委員会でどのような高速増殖炉技術の実用化に向けた研究開発の計画を考えているのかということでございますが、まず第一に、今核燃料サイクル機構は、「もんじゅ」等の成果を踏まえまして、高速増殖炉サイクル技術として適切な実用化像とそこに至るための研究開発計画を二〇一五年ごろに提示するということを目的として、実用化戦略調査研究というものを実施しております。これを引き続き実施するというのが一つでございます。
 国は、この実用化戦略調査研究を踏まえまして、高速増殖炉サイクルの適切な実用化像とそこに至るまでの研究開発計画、マイルストーンについての国の検討を二〇一〇年ごろから行うということにしております。
○近藤(洋)委員 非常にまだ先行き不透明感が漂うということだと思うんですね。これではいけないと思うんです。私は、原子力長計の中にどうするのかというのはやはりきっちり位置づける必要がある。二〇〇〇年初頭のこの五十年間、間が何もないんですよ。二〇五〇年からは高速増殖炉商業化だというのが絵図があって、間に原型炉があって、この間に何にもない。これで信じろというのは、やはりなかなか限界があるのではないかと思うわけです。
 そこで、そういう悩ましい一方で、一つ大きなプロジェクトが今国内で浮上、ずっと佳境を迎えているんですね。ITER、国際熱核融合実験炉でございます。このITERでございますが、中山文部科学大臣とEUの担当大臣が四月に会談をし、ことしのG8までに政治決着をするということが確認されたようでございますが、まずITER計画、六ケ所村に誘致ということでございますが、これに対する政府の姿勢と、あわせて、これで、未来のエネルギー、核融合で発電ができるようになるのはいつになるんでしょうか、お伺いしたい。
○小島副大臣 お答えいたします。
 ITERの関係について今御質問があったわけでありますけれども、確かに、四月十二日に中山文部科学大臣とEUの担当でありますポトチュニク欧州委員との間で会談がなされまして、G8が行われるときまでに決着をしたいということであります。
 委員御指摘のように、ITERの関係につきましては、人類にとって究極のエネルギーであるという核融合の実現に対する国際協力プロジェクトでありまして、今、六極でその関係について話し合いを進めているところであります。
 六ケ所村とフランスのカダラッシュ、どちらをサイト地にするかということで話し合いを進めているわけでありますけれども、日本側とEU側とで条件が非常に異なっているということで、今日まで条件闘争という形で来たわけであります。日本側といたしましては、ともかく七月に行われますG8サミットまで条件がほぼ出そろいましたので、六ケ所村にITERを誘致しようということで、一丸となってその実現に努力をしているところでございます。
 核融合における発電はいつごろ行われるのかということでありますけれども、核融合エネルギーというのは、今お話しいたしましたように基礎的な段階であるということでありまして、ITERの施設をつくるのに約十年間ぐらいかかります。その後、でき上がりましてから、今度はそのITERによって核融合が、実験が開始されるわけでありますけれども、おおむね三十年程度で核融合発電の実用化へのめどがつけられるのではないかというのは、日米欧の専門家の中にはそのような見方をしている人もいるということでありまして、それに向けて努力をしていきたいということでございます。
 このような意見も踏まえまして、現在、関係両極でできるだけ早期のITER計画の実現を目指しており、我が国としても、核融合エネルギーの実用化に向けて積極的に努力をしていきたいというふうに考えております。
○近藤(洋)委員 副大臣、お忙しいところ御出席いただきまして、ありがとうございます。政府一丸となって取り組むという話でございました。
 私は、核融合の実験自体、研究は、これ自体はやったらいいと思うんです。大変未来の夢のある話でございますし、鉄腕アトムじゃないですけれども、その先の世界というんでしょうか、夢のある話ですからいいんですが、しかし私は、ITER計画については果たしていかがかと思わざるを得ないんですね。
 というのは、先ほど副大臣答弁いただきましたが、十年で建てて、三十年後このプロジェクトを終えると。一兆三千億円かかると、政府の試算によるとございますね。一兆三千億円総コストがかかります、廃炉までということでございますが、これでも、先ほど、では核融合発電ができるかどうか、実用化のめどが立つという見方もあるというレベルですから、ずばり言うと、二二〇〇年、三〇〇年に「もんじゅ」のレベルまで達するかどうかという、「もんじゅ」と比べれば二百年、三百年おくれの話ですね、技術的には。そこに一兆三千億円かけるということでございますが、日本とフランスの誘致合戦でホスト国になった場合、これは文部省の資料によりますと、これまでの財務省との経緯の資料を見ますと、八千億円ホスト国はかかるという試算を出しています。一兆三千億円のうち八千億円かかると。そこで、八千億円かかる、ではお金はあるんだろうかと。七月に決着して、政府一丸と取り組んで、だったら、ではお金はどこから幾ら出てくるのかなと思うわけでございます。
 ぜひお伺いしたいんですが、これはITERについては、資料三で閣議了解がございます。閣議了解では、総合科学技術会議の中で、原子力予算の範囲内で確保することと書いてありますが、となると、原子力予算は今現在四千七百億円あるんでしょうか。文部科学技術部分の予算を削るということなのか、それとも、隣の庭じゃございませんが、経済産業省にひとつよろしくということで、それこそ電源開発交付金か何かを削るのか、どこからお金を捻出するのか、ぜひその見通しを伺いたいと思います。
○小島副大臣 お答えをしたいと思います。
 先ほど委員にお答えした三十年後ということでありましたけれども、これは、ITER計画をともかく決定いたしましたら、そのITER計画とあわせて、その後の実用化に向けてのことを並行してやるというような専門家の方がいますので、それで、片方では十年かけてやるんですけれども、片方の部分ではそれと並行して実用化に向けての研究開発をしていくということで、おおむね三十年後ぐらいにはということでありまして、これは全体の意見というよりも、日欧の専門家の意見でありますので、御理解をいただきたいと思います。
 それから、今予算の関係がありまして、もし決定したらどうなのかと。また、一兆三千億円かかるんだよということで、その予算の捻出の関係についてのお話があったわけでありますけれども、御指摘のように、平成十四年五月三十一日に閣議の了解におきまして、「第二期科学技術基本計画を踏まえつつ、他の科学技術上の重要政策に影響を及ぼすことのないよう、既存の施策の重点化、効率化を図り、原子力分野の予算の範囲内で確保する」ということにされているところでございます。
 文部科学省といたしましては、閣議了解の方針にのっとり、ITER実現のために必要な経費については、文部科学省における原子力関係予算を精査し、重点化、効率化を図りつつ、ITER計画にかかわる経費の確保に努めてまいりたいということでございます。
○近藤(洋)委員 額は八千億円でございます。これは見積もりですから、大体、過去、「むつ」は二十倍、「もんじゅ」も数倍と、倍以上かかるのは当然ですね。当然というか、そうかかるのを想定しなければいけない。どこから文部科学予算が出るのか全く理解できないんですね。核融合の研究はいいと思うんです。ただ、僕は、ITERプロジェクトは大変な、まさにタックスイーターになりかねないと思うわけでございます。
 これはやはり選択と集中だと思うんですね。私は、フランスには核融合、それで国際協力、日本の技術は大事だから、フランスに持っていかせたらいいと思うんです。そして技術はちゃんと応分に国際協力としてやらせて、そしてその分、高速増殖炉は日本でというすみ分けでそれぞれの部分をやっていくということが、私はこれは現実的な世界であるし、それが「もんじゅ」というものを持っている我が国の優位性ではないか、原子力予算の範囲の中でやるならですよ。
 さらに飛び越えて、ほかにも我が国にとって貴重な技術開発が、ナノテクであるとかさまざまな技術がある中で、じゃ、この二兆円以上かかると想定されるものにぶち込む、核融合にぶち込む必要があると僕は到底思えないわけでございますが、これは文部科学省は旗振り役ですから、副大臣に聞いてもせんない話でございますから、仕切り役がいなきゃいけないと思うんですね。
 科学技術会議、どうですか、これは選択と集中すべきじゃないでしょうか。フランスにITER、日本は高速増殖炉ということでどうでしょうか。
○塩沢政府参考人 お答えを申し上げます。
 今先生御指摘のとおり、ITER計画につきましては、平成十四年五月三十一日の閣議了解に基づいて、その所要経費については、既存の施策の重点化、効率化を図り、原子力予算の範囲内で確保することを前提に計画を推進することとされております。
 総合科学技術会議といたしましては、毎年六月ごろに、次年度の概算要求に向けて重要な施策、それから資源の配分に関する考え方を明らかにした科学技術に関する予算、人材等の配分の方針というものを策定し、本方針に基づいて適正な資源配分が行われるよう、私どもとして、各省が要求されます科学技術関係施策の優先順位、いわゆるSABCづけというのを行っております。
 平成十七年度概算要求における優先順位づけにおきましては、ITER計画については、国家的に重要な研究開発であって、国際協力プロジェクトとして政府全体として長期的視点に立って積極的にすべきというふうに評価され、また、「もんじゅ」については、核燃料サイクルの確立にとって重要な技術であり、積極的に実施すべきということで、ともにSという評価とされているところでございます。したがって、ITER計画、「もんじゅ」ともに、関係省庁において予算の範囲内で着実に推進していただきたいというふうに考えておるところでございます。
○近藤(洋)委員 全く答えになっていないですね。ほとんど仕切っていないわけですよね。私はまじめに聞いているんですよ。
 本当に、私も前回六ケ所村に視察に行きましたけれども、ITER誘致の大看板がありましたよ。これは、地元対策としてそういう夢を振り向けたいという政治的な意図はいいです。わかりますよ。それは理解できますが、しかし、事は一兆三千億円であり、日本の科学技術戦略の話でございますから、極めて大事だと思うんですね。
 最後の資料に、原子力関係の我が国の研究開発費、民部門の研究開発費の表を載せました。電力会社の研究開発費は、もうまさに坂道を転げ落ちるように民間企業のRアンドDは減っています。メーカーも十年前の半分です。これまで蓄積してきた技術、外交努力によって獲得してきた原子力の能力を、ITERをやることで両方アブハチ取らずになるんじゃないんですかということを申し上げているんです。両方アブハチ取らずになるようなことを、核融合の研究はいいけれども、ああいう戦艦大和にもならないようなものにどこまで本気で政府はまじめにつぎ込む気があるのか。今の答弁じゃとても本気だとも思えませんし、疑問と思わざるを得ないんです。これはもう政治判断だと思うんです。
 大臣、最後の質問でございます。ぜひここは期限を切って、私は集中開発すべきだと思うんですね、高速増殖炉というものにつぎ込むならば。そこはどうでしょうか、集中開発をして、そして国策として取り組むべきではないかと思うんですが、中川大臣はどのようにお考えでしょうか。
○中川国務大臣 近藤委員から冒頭お話ありましたように、日本はエネルギーがないということが大前提にありますけれども、核の平和利用の先端に立たなければいけないということで、原子力発電も次の世代の開発もやっておりますし、それから高速増殖炉も大事でありますし、また、新技術ということで、燃料電池みたいなものもこれから、日本が先頭を切っておりますから、何としてもトップランナーとして、技術立国として、そしてまたそれによるエネルギーの安定供給を、日本だけではなく世界に貢献していくということが日本の文字どおり使命だと思います。
 そういう中で、ITERというものは、御承知のとおり、これは何も日本対フランスの闘いではなくて、六カ国で一緒にやりましょう、さて、その候補地についてどこにしましょうか。六カ国に限らずですけれども、中心的な六カ国、これはまた三対三に割れてしまってお互いに譲らないということでございますけれども。
 私は、今のSABCというのは、Sということは、予算の手当てをしっかりします、国家的事業でありますという位置づけになっているわけでありまして、熱核融合というものは、何も日本だけではなくて人類の未来に向かって非常に大事なものであり、それからカダラッシュと六ケ所との比較においても優位性がありますねということで、各国に、私自身も外国に行ったり、特にEUの人あるいはロシア、中国の人にはそのことを私自身も政府の一員として申し上げているところでございます。そういう意味で、やる意義は大きいと思います。
 ただ、御指摘のように、それによってほかのエネルギー部門への何かしわ寄せが行ってしまうということも避けなければいけませんし、そうであるとするならば、何かこう、総花的でアブハチ取らずになってしまうという近藤委員の御指摘もある意味ではもっともでございます。
 全部が大事だ、エネルギー立国として全部が大事であるから、それぞれやっていかなければいけないということで、このITERについても、私は政府の一員として、大分大詰めに来て、この前もシラク大統領と小泉総理との話し合いが行われましたけれども、その中でも、お互いに話し合いで何とかいい方法を見つけましょうというふうにやっておりますので、日本としては、やることによるメリットはあるんですから、ぜひこれを、私は政府の一員、閣議決定された、拘束される立場において、このメリットをぜひとも実現していきたいということで頑張っている一員でございますので、ぜひとも御理解をいただきたいと思います。
○近藤(洋)委員 大臣、先輩の政治家に対してこんなことは釈迦に説法だと思うんですが、やはり今原子力政策に一番大事なものは信頼だと思うんですね。一〇〇%、どう考えても安全だというのはだれも証明できないわけです、極論を言えば。安全を確保しますという政府に対する信頼、行政に対する信頼、政治に対する信頼でありますから、できもしないというようなプロジェクトを本気で進めるということは、これはやはり大事な、僕は決断した方がいいと思うんです。
 また、自治体との関係におきましても、前半の交付金の問題ですね。これはやはり英断をもって決断をして、自治体との交付金のあり方も切り込むべきだと思うわけでございます。
 民主党も政権準備政党でございますから、原子力政策について覚悟を持って取り組んで、政策を提言し続けることを申し上げ、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○河上委員長 次に、細野豪志君。
○細野委員 原子力関係の、特に電源特会に関する質問に入る前に、経産大臣の方に、東シナ海の問題について二つ、三つだけ先に質問をさせていただきたいというふうに思います。
 先日、私も海上保安庁のガルフVという飛行機をお借りして、ちょうど中間線のあたりを見てまいりました。中国側が資源の開発をしている現場も空中から、かなり低空飛行をしまして見てまいりまして、改めて非常に危機感を持って帰ってきたところでございます。
 大臣の、ある意味での歴史的な政策の転換によって、試掘に向けて日本が一歩踏み出したことは、これは何度も申し上げていますが評価をするところでございますが、率直に言って、この試掘のあり方そのものについて我が国の法律が十分にできているのかということについては、非常に私は疑問を持っております。
 鉱業法の試掘手続になるんですが、具体的にどういう手続があるのかということを事前に伺いましたところ、審査の許可権者というのは、これは鉱業法によりますと、経済産業局長に許可を受けなければならない。経済産業局長とはだれかというと、それぞれの地域にいらっしゃるわけですね。今回の場合であれば、九州の経済産業局長に許可を受ける。さらに、鉱業権を与えるということになってまいりますと、これは都道府県の知事にも相談をかけなければならない。鉱業法というのは領土内における採掘を前提としておるものですから、こういう規定になっているというふうに理解をしておるんですが、果たして、これで国として試掘をするという体制になるのかということをまず一点、お伺いしたい。
 加えて言うと、最終的に着手ということになってまいりますと、政治的にもかなりリスクを伴いますし、私は現場を見てまいりましたが、率直に言って民間の調査船が行って試掘をできるような状況ではない。中国の旗を立てた船も相当動いておりましたし、すぐ先では中国側が試掘をしているわけでございますから、そういう環境にないというふうに思っておりまして、その着手の決定の主体ですね。経済産業局長がやるのか、それとも、民間があれするわけですから、鉱業権を与えたとして、経済産業局長が与えて、さあ、いざ掘るかどうかという判断は民間事業者がやれるのかどうか。そのあたりも含めて、大臣はどうお考えになっているか、まずお伺いしたいと思います。
○中川国務大臣 今、物理探査、つまり船の上からケーブルを流して、それによって電波のやりとりで構造がわかった。構造の中には、中国側で開発が進んでいる地域と一帯である可能性が極めて高い地域もあります。実は我々が調査したのは、何も中間線にまたがっている、今話題になっております、問題になっております春暁とか断橋とか天外天とかだけではなくて、実はかなり広い水域をやっているわけでありまして、何もそこに当ててだけの調査ではなく、あの地域一帯の相当広い、三百五十万ヘクタールでしたか、かなり広い地域を調べたわけでありまして、その中で有望なところについて、既に鉱区設定を申請されている民間事業者の方々に対して試掘権を与える作業というものに今着手したということでございます。
 現時点においては、実際に、私やりたいと言って手を挙げている企業は今のところは正式にはないわけでございますけれども、しかし、そういう手を挙げることを前提に経済産業省として準備を進めているということでございます。実際に手を挙げられた企業がいらしたときには、これはまた、今御指摘のように、自治体との協議とかいろいろな作業がございまして、ちょっと一、二カ月時間がかかるということがございます。
 そして、試掘権を付与するかどうかということは、御指摘のように経済産業局長の決裁でございますけれども、先ほど確認しましたら、私の名前で試掘権を付与するということでございます。実務は経済産業局、この場合には九州経済産業局でありますが、そこがやることになりますけれども、最終的には経済産業大臣が試掘権を付与するということであります。
 さて、その次に、試掘をするかどうかということ、実際に穴を掘って試掘をするかどうかについては、現時点ではまだ、当該企業も、出てくるであろう企業も、あるいはまた経済産業省としても次の方針は決めておりません。
 ただ、この試掘の作業というのは、去年からやっております物理探査、つまり、実際に、極めて重要な石油天然ガスの資源が我が国のEEZの中にあるかどうか、あったらこれは確保すべきであるという前提の中の物理探査、そしてまた試掘権の付与、そして次のステップは試掘ということをするかしないか、そして試掘という一環の流れの中の作業であります。そこの判断をどうするかという前の段階で、今、試掘を申請している権者が、面的にやっておりますけれども、実際に手を挙げるのは、その中のどの地域に試掘をするかということを手を挙げてくるものだろうと予想しておりますので、そういう意味で、中間線のみならず、申請権者がどういう形で申請されるかを待っている状況でございます。
 ちなみに、御指摘のとおり、私も実際、飛んで上から見てまいりましたけれども、あの中間線の地域には、中国は着々と、平湖のように既に石油ガスを大陸に送っているところもございますし、間もなく操業開始と言われている地域もございますから、日本としては、万が一にも日本の排他的経済水域の中の貴重な資源が、国際法上、不法に吸い取られることのないようにしていくということも、日本の国益を守る観点から重要なことだという認識を持っております。
○細野委員 試掘の決定、試掘権を与えるかどうかは、経済産業大臣が御自身で決めるんだというお話が今ございました。法律には書いていない事項でありますが、当然その決断は政治的に大臣にしていただきたいというふうに思います。
 そこで、実際に掘る場合のことを、もうそろそろ、先のことはわかりませんということではなくて、想定をして考えていかなければならない時期に私は来ていると思うんですね。その観点からこの間質問したのが、では、公船でやるべきではないかと。今、民間に対して試掘権を与えるかどうかという話をされましたが、公船でやるべきではないかという提起をこの間いたしました。それに対して、大臣は、今答弁があるんですが、きちっとした試掘のための船を確保すると。きちっとした試掘のための船というのは、公船のことを検討されるというふうに私は解釈をしたんですが、私は公船で掘るべきだと思っているんですよ。
 一つその前提として、外務省に確認をしておきたいんですが、国連海洋法上、公船とは一体何を意味するのか。海洋法の九十六条を見ると、「国が所有し又は運航する船舶」、これについては、船舶へのそれこそさまざまな妨害に対しては、管轄権が相手に行かない、こちらで確保できる、そういう法律構成になっているんですね。残念ながら、日本の場合は、国としては試掘をできるような船を持っていません。「所有し又は運航する船舶」というのは、国連海洋法上は、どこかから借りてくる、それで国がやるんだというときは該当するんでしょうか。外務省にこれをお伺いしたいと思います。
○石川政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねの公船のことでございますけれども、御案内のとおり、国連海洋法条約におきましては、公船という用語そのものは使われておりませんけれども、委員御指摘いただきましたとおりに、「国が所有し又は運航する船舶で政府の非商業的役務にのみ使用されるものは」「旗国以外のいずれの国の管轄権からも完全に免除される。」と規定されておるわけでございます。おっしゃったとおり九十六条でございます。したがって、こうした定義に当てはまる船舶であれば、免除を享受するものと考えられます。
 ある船が「国が所有し又は運航する船舶で政府の非商業的役務にのみ使用されるもの」に該当するか否かについては、国と当該船舶との関係、当該船舶が従事する活動の目的……(細野委員「具体的に聞いているんだから具体的に答えて」と呼ぶ)はい、済みません。ちょっと前置きが長くなりますが、具体的に申し上げます。活動の目的等を勘案して、個別具体的な事例に即して判断する必要があるものと考えます。
 条約解釈上、これまで言われておりますところをまた申し上げさせていただきますと、例えば、民間の商船や漁船等は、「国が所有し又は」云々というものには該当せず……(細野委員「そんなこと聞いていないですよ」と呼ぶ)済みません。では、そこをちょっと飛ばさせていただきまして、条約上の話でございますけれども、この海洋法条約の第九十六条は、基本的には自国船舶の運航を想定しているので、外国船籍の運航の場合には、その国以外の外国からその船舶が免除を享受することについて疑義が提起される可能性もあり得ます。
 しかし、外国の民間会社が所有する船舶であっても、我が国が運航する船舶と条約上解釈する余地は排除されません。別の言い方を申し上げれば、仮に解釈論争が起きたと想定した場合に、これはあくまでも仮の話でございますけれども、外国の民間会社の船舶であることのみをもって、条約上の根拠を我が方がないと断定されるわけではございません。
○中川国務大臣 訂正をさせていただきます。
 さっき、私の名前で出すと言ったのは、ちょっと間違いでございまして、細野委員御指摘のとおり、地方局長名で試掘権の許可を出す。ただし、私の下にいる人間でございますから、当然これは私も重大な関心を持っておりますので、私の判断が入るわけでございますけれども、規定上は細野委員が御指摘のとおりでございました。
○細野委員 外務省の方の答弁は随分前置きが長かったですが、現実的には、外国の民間企業が持っている船を日本が借りてきて、日の丸を立てて試掘をした場合は公船と認定され得る、そういう解釈をされたわけですよね。そういうことでよろしいですか、再度確認させてください。
○石川政府参考人 これは論争は生じ得ます。論争は生じ得ますけれども、先ほど申しましたように、外国の民間会社の船舶であることのみをもって、条約上根拠を我が方が有さないと断定されるわけではない、こういうことでございます。
○細野委員 外務省の方というのはどうしてもそういうふうになるのかもしれないんですが、海洋法というのは非常にグレーゾーンがあるわけですよ。それをある程度、国の、それぞれ国益に基づいて解釈をして行動してきているのが海洋法なんですよね。ですから、今の答弁というのは、いろいろやりとりをした中で初めてきちっと御答弁いただいたんですが、きちっとした形で借りてくれば公船になるということでございますので、大臣ぜひ、御答弁は求めませんが、公船による試掘を検討していただいて、鉱業権の取得という鉱業法の極めて限られた分野の話をするのではなくて、国として何ができるのかというのを外務省と話をしていただきたい、そう思います。これは私からの要望です。
 ここから少し電源特会のことに話を移していきたいんですが、まず、前の委員会の中で私がお願いをした資料、それを今回提示しておりますので、それをごらんいただきたいというふうに思います。
 今回、約二週間ほど時間がたっておるんですが、私が要求した資料に関しては、安達部長もいらしていますが、皆さんを中心に大変御苦労をいただいてきちっとした形で出していただいたということに関しては、心より敬意と感謝を申し上げたいというふうに思います。ただ、その上で、この中身については、私の方からいろいろやはり申し上げたいことがございますので、質疑の中で明らかにしていきたい、そう思います。
 まず、この膨大な資料なんですが、「原子力なんでも相談室」、一ページ目以下でございますが、これについてまず伺っていきたいというふうに思います。
 これはそれぞれ、大体年間五百件ぐらいの電話であるとかメールで相談を受けていて、それに平成十五年度でいえば約一億二千万ですか、予算がついていたという問題です。一体何に使っているのかということで、左に予算、そして平成十五年度の実績を示したのが、これが右の表になるわけですが、二つこの中で指摘をしなきゃならないことがあるというふうに思っています。
 一つは、そもそも予算の中に入っている事務室の賃料であるとか借料であるとか、(3)のところに書いていますが、資料の送付代であるとか出張説明旅費、外部研修費、それから運営検討会費、運営検討会をやると書いてあるんですが、これも行われていない。これは平成十五年度だけではなくて、十六年度も同じような資料が出てきています。さらに言うならば、今年度、平成十七年度の予算でも同じような予算がついているんですが、現実的にはそういうものは行われていないという予算と実績のずれ、そういう架空の予算を毎年組んできているという問題ですね。
 もう一つは、二ページ目のところに出ておるんですが、では何に使っているのかというと、実はデータベースをつくったり世論調査をしたり違うことに使っていて、合計すると一億二千万になりますという問題。この二点、何でこういうことになっているのか、まず政府参考人にお伺いしたいと思います。
○安達政府参考人 お答え申し上げます。
 まず最初に、事務室借料等の……(細野委員「個別のことは結構です」と呼ぶ)それぞれ経緯がございまして、実は借室料を払っていたときがあったんですけれども、途中で委託先が変わったときにそのまま積算に残っていたとか、そういうことがあるわけでございます。そういった経緯や当初の想定があったわけでございますけれども、結果的に、これらの経費について、複数年にわたり予算参考書の積算と実際の執行との間で乖離が生じてございまして、過去の予算執行結果が予算の積算に必ずしも十分フィードバックされていなかった面があったことは事実でございまして、適切ではなかったと考えてございます。
 したがって、今後、当省といたしましては、予算見積もり、現実の予算執行、執行結果の次の予算見積もりへのフィードバックといったプロセスが十分に機能するよう、十八年度予算要求までに、直近の決算結果を踏まえて、予算要求上の見積もりを変更する等の見直しを行ってまいりたいというふうに思ってございます。
○細野委員 一つ一つ指摘していると切りがないんですが、これは予算参考書というのがあるんですけれども、それぞれの項目を見ていると、ほぼこれはもう建前の世界で、中身は違うんですよね。
 そのことは、この部分に関しては違うことに予算を使っていますというので、ある程度、ああ、そうなのかなという数字は一応出てきているんですが、大臣、「なんでも相談室」なんですが、私は原子力の情報公開は大事だと思うし、この事業自体は否定をしませんが、これをよく見ると、五百件のあれに答えるのに人件費が九百九十八・五人かかっていて、おまけにアルバイトの形で、臨時傭役費という、六番ですが、三百六十四・五人、単価が二万一千円。これは電力のOBの方を使っているということなんですが、毎日二人、三人張りつけて、一日に来る電話が二本です。電話回線を三本引いて、データベースを置いて、パソコンを二台置いて、これはいかにももったいない。予算消化のためにやっているとしか正直この予算は思えないし、実績も、これもよく見ても、私はそう思います。
 大臣、これは改める必要はありませんか。お答えいただきたいと思います。
○中川国務大臣 改めます。
 実は、私からちょっと短時間お時間をいただいて、この電源特会の原子力の広報事業についての見直しというものを、きょう、まず当委員会に御報告をした上で、作業に入らせていただきたいと思います。
 まず、電源特会の広報予算総額の圧縮、それから見積もりと実態との乖離の是正、それから競争原理の全面的導入、外注比率の適正化、それから有識者から成るアドバイザリーチームへの照会手続の整備。それから、電源特会そのものの果たすべき役割、あり方についても、外部有識者の方々から御意見を聞き、きちんと基本から見直すということで、この「なんでも相談室」の人件費なんというのはその象徴だと思いますので、これを前回、そして今回の細野委員を初めとする当委員会の皆様方の御指摘、基本的にもっともだと思いますので、それを踏まえて抜本的に見直していきたいと思っております。
○細野委員 まあ、改革をしようという意思はよくわかりました。
 ただ、ちょっと私がお話を聞いていてどうかなと思うのは、外部の有識者を呼んできてやりますということなんですが、これは外部の有識者に見てもらうとかいう以前の問題だと思うんですよね。いかに税金を大事に使うか、これを資源エネルギー庁の中でもやらなきゃならないし、会計検査院も財務省もいるのに、一体何をやっておったんだという問題だと私は思うんですよ。
 一つ、私が一番、この出てきた資料を見ていて、やはりどう考えてもおかしいなと思うのは、実はホームページなんですね。その資料をちょっと説明して、それについて財務省の見解もぜひ伺いたいと思います。
 この原子力について、八ページ以降になっているんですが、これも予算と確定額を見ていると、調査が行われていなかったり、検討会があると言っていてこれがなかったり、連絡協議会があると書いてあるけれどもなかったり、そんな話ばかりであります。それを一つ一つもう改めて指摘しませんが、平成十五年度に三億四千万で予算が組まれていて、そして決算額が二億ちょっと。さらに平成十六年度に行くと、これは予算額が三億五千万に上がっているんですね。三億五千万に上がっているにもかかわらず、実績額が一億三千万。
 これは私、率直に資源エネルギー庁に聞きたいのは、随契でやっているわけですよね、随契で。社会経済生産性本部に対して随契でやっていて、契約というのはもう平成十六年の夏ごろには行われているわけですね。実際の改修も、十七年には、もう行われていて、三億とか二億というお金はかかりようがないんですよ、毎年随契でやっているんだから。前の年に随契で一億三千万で投げておいて、平成十七年度、ことしに関しても、これは二億九千万ですよ。三億で出している。
 もう絶対かからないにもかかわらず、わかり切っていることに関してこうやって予算を出すことは、私は、これはもう本当に重大な予算執行上の問題だと思いますが、資源エネルギー庁、これはどうなっているんですか。
 ちなみに、先日、予算は立てるんだけれども実績で異なることがありますというような答弁を参議院の方でもされていますが、これは違いますよね。随契で毎年出しているところに大体決まった予算で出しているんだけれども、予算では三億立てているわけだから。その乖離をどう説明するか、お答えいただきたいと思います。
○安達政府参考人 お答え申し上げます。
 このホームページの運営に当たっては、社経生に委託しているわけでございますが、そこから先に入札を行う場合には競争入札なんかを行って、その結果、予算の執行額が、見積額が小さかったわけでございます。
 ただ、そういう……(細野委員「見積額じゃないでしょう」と呼ぶ)それで、その執行額が次の年の予算の見積額にフィードバックされていなかったというのは、先生御指摘のとおり、適切でなかった点があるというふうに考えてございます。
○細野委員 いや、部長、おかしいですよ。見積もりなんて出させていないでしょう。これはもう投げているんですよ、随契で。実績が反映されていなかったじゃなくて、経済産業省とそして社会生産性本部の間のその年の契約をして、もう固まっているわけですよね、平成十六年度に関しては。それと同様の作業をするのに三億予算で立てるというのは、おかしいじゃないですか。
○安達政府参考人 実際は支出したものだけ確定で支出してございますので、予算の額が社経生に流れているということはございません。
○細野委員 一億三千万で投げていて、一億三千万以上の請求を生産性本部からしてくることはあり得ないですよね。わずかながら下回ることがあっても、それが上限ですよ。
 部長、いいですか。それよりも、もうそれが確定しているのに、次の年にさらに二倍以上の予算を出すというのは、明らかに、初めから使わないとわかっているのに予算を立てている、そのものじゃないですか。
○安達政府参考人 お答えいたします。
 予算額で契約しているという実態はございません。この確定額で最終的に契約してございます。
 それがフィードバックされなかったというのは適切ではなかったというふうに考えてございます。これはちゃんとフィードバックして、次の年度の予算の見積もりにきちっと反映させるべきものだというふうに考えてございます。
○細野委員 では、時間も大分短くなってきたので財務省に聞きたいんですが、特会のチェックというのはどうなっているんですか。この予算書、本当に参考書は財務省として見ているんですか。これは本当に、現場の方に聞きましたら、やっています、やっていますとおっしゃるんだけれども、省としてはどういうふうに取り組んでいるのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○杉本政府参考人 先生御指摘の予算参考書の積算とその執行の実態が乖離しているという点でございますが、予算の執行は執行官庁の責任のもとで効率的、効果的に執行を行っていただくというのが基本だと考えておりますが、問題とされております事業のように、支出実績がない費目を特段の理由なく積算に含めるということは適当でないと考えております。
 予算のチェックにつきましては、財務省におきましては、予算編成過程におきまして、要求官庁から提出される予算要求につきまして、必要に応じてヒアリングを行って査定作業を行っているところでございます。今般の電特の広報事業についても、こうした執行実態が明らかとなり、今後執行官庁において実態を踏まえた要求としていただく必要があると考えておりますが、私ども財務省におきましても、執行状況にさらに注意を払っていきまして、執行と要求が大きく異なっていくということであれば、予算査定に適切に反映していくことが必要であると考えております。
 プラン・ドゥー・チェックという観点を近時予算の方に非常に重要だという観点から考えておりまして、そういった観点から予算のチェックも引き続きやっていきたいと思っておりますが、そうした観点で要求官庁の要求をしっかりと見ていきたいと思っております。
○細野委員 この資料を出してもらうときに、実は二週間時間がかかったんですね。ただ、これは細目を出してもらったので時間がかかったというところは理解をしますが、そもそも、それぞれの事業についてどういうふうに使っているかというのが照合できる形になっていれば、もっと早く出てきたはずなんですよ。そういうチェックの体制になっていないから、これをつくるのにも物すごく膨大な時間がかかった。反映されていない何よりの証拠だと私は思っています。
 では、財務省に確認をしますが、今までそういうふうに経済産業省はやってきた、資源エネルギー庁がやってきて、それに対して財務省はチェックをしてきたと言っているけれども、これは、今まで適切にチェックをしてきた結果、こういうふうになっていたということなのか、チェックが甘かったという話なのか、そこをどう考えるんですか。
○杉本政府参考人 予算編成作業におきましては、要求官庁の方から要求書に基づいて説明を受けているところでございますが、今回問題とされている項目については、必ずしも説明の聴取を受けていなかったというところであると思います。
 いずれにせよ、予算編成作業、限られた時間で、限られた資源といいますか限られた人材ではございますが、できる限りのことはしなきゃいけないと思っておりまして、そこは要求官庁と適切にタイアップしながら、信頼関係を持ちながらやっていくべきことだと考えております。
○細野委員 今、財務省の方からとエネ庁の方から、大臣の方からもそれぞれ答弁があったので、ここでちょっと話を大きな話に移していきたいと思うんです。
 実は電源特会の予算というのは、私が主にやっているのは立地勘定の方なんですが、全体の予算の中で毎年余剰金が一千億出ているんですね。最近整備資金という新しい資金をつくって、そこに一千億をつけていますが、それでも、これを除いても予算の執行率というのは大体六割なんですよ。四割余っている実情なんですね。四割余っているにもかかわらず、さらにこれだけむだ遣いがあって、今財務省の方もエネ庁の方も節約をしますということになると、さらに余るんですよね、今の構図だと。
 これはどうしますか。財務省も余らせちゃいけませんよと言いながら、一方で節約をしなさいと言っていると、この乖離がますます広くなるわけですよね。
 私は、解決策は二つしかないと思っていまして、一つは、もうこの特会のあり方そのものを大きく変えて、使う先を大きく転換する。石特とエネルギーの別の特会もありますが、それも含めて、我が国は何にお金を使っていくのかというのを抜本的に見直す。この中で解決するのは無理だと私は思います。今のジレンマは解決できません。
 これが本来の姿ですが、それがすぐにできないのであれば、とりあえずこれだけ余っているんだから減税するというのが、私は納税者に対する責任だと思います。大臣がどうお考えになるか、お聞かせいただきたいと思います。
○中川国務大臣 特会というのは、御承知のとおり、一つの大きな政策目標のために、いわゆる別勘定として立てているわけでありますから、目的そのものが重要でないとか、もう使命は終わったということであれば、それは話は別でございますけれども、この電源特会は、いろいろ問題点は、先ほどから御指摘のとおり、そしてまた私が指示したように、問題点があったことも事実でございますけれども、目的そのもの、その使命というものは、現時点においても、将来に向かってもまだまだ大きいものがあるというふうに判断をしております。
 ただ、もちろん、だからむだ遣いをしていいということでは毛頭ございませんし、節約に努めるということは、これはもう基本であります。ただ、余っているからどういうふうにするかということは、ほかに足りないところもあるから振り分けたらいいじゃないかとか、そこは法律上の観点もございますけれども、やはりこの電源特会は、いろいろな意味で、突発的なことも含めて必要な財源でございますので、きちっとした性格、かつ、もちろん乱用は避ける。
 先ほど報告をいたしましたが、冒頭に申し上げなければいけませんでしたけれども、いわゆる会計法上の不正はなかったわけでありますけれども、しかし不適切なものがあったことは、もう細野委員の御指摘のとおりでございます。そういうことで、これは余っているというよりも、必要な財源をこれからの特会の目的のために有用に使うようにしていくことが、この特会の使命を果たすことだと思っております。
○細野委員 むだな支出があるので、それは節約するんですという話ですよね。
 特会の問題点は、入ってくる税収はほぼ一緒なんですよ、電力需要が大きく下がるとか上がることはありませんから。入ってくるお金が一緒なんだけれども、節約をすれば必ずお金が余るんです。それは、大臣がイニシアチブをとって、これからすぐ予算の策定作業にも入られるんでしょうから、何をつくるかというアイデアがないと、これは全然改革にならないんですよ。では、何に使うんですか、余ったお金を。今余っている、そしてこれからさらに余ってくるお金を、では特会の中で何に使うんですか。
○中川国務大臣 まさにいい御指摘でございまして、いいアイデア、この特会の目的のためにいいアイデアをどんどん、いいアイデアというか、こういうことが必要だという政策的なニーズというものがあれば、それに大いにこの特会の資金あるいはまた機能を活用していきたいというふうに思います。また、そういうアイデアを、使うために生み出すのではなくて、政策上必要であるからアイデアが生まれ、そのための、政策遂行のためにこの特会のお金を使うということによって目的達成をするということも十分必要だと考えております。
○細野委員 担当大臣にしては随分のんびりした答弁だと思いますよ。一般会計は火の車であって、毎年四十兆赤字が出ていると大騒ぎになっていて、国として七百兆だ八百兆だと言っているときに、使い方は決まっていませんが、皆さん、アイデアをくださいみたいな話は、この特会の現状を考えれば通用しませんよ。ここで答えを出せとは言いませんが、もともと矛盾を抱えています。抱えていますから、本気でこの改革、また特会で集中審議もやれそうですので、そのときに御答弁をいただきたいというふうに思います。
 きょう、実は一番やりたかったのはもう一つの方なんですが、時間もなくなってまいりましたので、あと十分ほど時間をかけて、電源特会の使っている先、ではどこにどういうお金が流れているのかということについて少し話を移していきたいというふうに思います。
 同じく経済産業省に出していただいた資料、A3のものとA4のもの、二つ持ってきましたが、このA3の方をごらんいただきたいんです。これは電源特会の中の広報関係費、平成十五年でいえば九十五億円ですね。その中で、財団法人なんかで上位のものをずっと並べたのがこの表です。ごめんなさい。A4の方がその金額ですね。社会経済生産性本部がトップに来て、日本立地センターが二番。そこからずっと電源関係の財団が並んでいるわけですが、聞くところによると、上位の五つが大変この分野でよく名前が挙がってくるというふうに私は聞いてまいりまして、それで、ではどれぐらいの人員で何をやっているところなのかを調べる材料としてA3の資料を出していただきました。
 それぞれ予算の相当の受け口になっているので、それは後ほどやりたいと思うんですが、特にまず経済産業省にお伺いしたいのが、経済産業省が所管をしている二番目の日本立地センター、そして電源地域振興センター。例えば二番目の立地センターに関していうと、職員が大体、足元でいえば平成十六年で二十七人、役員が二十九人もいるんですね。職員より役員の方が多いんですよ。これは一体どうなっているのか。
 ちなみに、公益法人の設立許可及び指導監督基準というのが平成八年に閣議決定されているんですが、そこにはこういうふうに書いてある。「理事の定数は、法人の事業規模、事業内容等法人の実態からみて適正な数とし、上限と下限の幅が大きすぎない」ようにすることと書いてあるんですね。これは明らかに閣議決定違反じゃないですか。
 これは担当の役所としてどう考えるのか、お答えいただきたいと思います。
○薦田政府参考人 お答えいたします。
 今御指摘のように、日本立地センター、役員数、総数は二十九名となっておりますけれども、この大半は、実は、この日本立地センターというのはまさに工業立地等をやってきたものですから、全国的に展開をするということもございまして、各県の知事であるとかあるいはいろいろな業界の幹部の方、こういう方が非常勤の役員として入っておられるということでございまして、ここにございますように、実際の常勤の役員等、これは理事と監事を含めたものでございますが、これについては六名ということになっておるところでございます。
 そういうことで、監督基準には合致をしているというふうに考えております。
○細野委員 監督基準には合致をしているという話なんですが、そうすると、もう一つ実はこの閣議決定に反するんですね。
 というのは、確かに立地センターの場合は、二十九人役員がいて、常勤が六人、理事でいえば二十四人と五人なんですが、この五人のうち、経済産業省から天下っている人が三人いるんですね。この閣議決定の同じ項目に、理事のうち、所管する官庁の出身者が占める割合は、理事全体の三分の一以下にすることになっている。これは六割ですよね。では、これはこっちに反しているじゃないですか。どうなんですか。
○薦田政府参考人 お答えいたします。
 私どもといたしましては、この指導基準というのは、全体の意思決定にかかわる、これに対するある一部の者が大きな力を持たないようにということでできているものでございます。そういうことで、基準につきましては、全体の理事数、そして、先ほどでありますと役員総数二十九名になりますが、そのうちの三分の一を超えないというふうに我々は解しているところでございます。
○細野委員 今のは矛盾しているんです。
 いいですか。適正な理事の数を確保しなさいと言ったら、非常勤だから数に入れませんと答弁したんでしょう。そう言っておいて、では三分の一を超えているじゃないかと言ったら、全部入れるんですと言う。それは矛盾しているじゃないですか。
○薦田政府参考人 お答えいたします。
 当然、法人としての経営にかかわります意思決定というのは、総数、まさに、理事でありますと二十六名によってなされるというふうに理解をしておりまして、こういうことから、この中で、先ほど申し上げましたような、三分の一を超えないということが適用されているというふうに理解しております。
 ただ、まさに職員の数とのバランスにおいてどうかと言われたときには、やはり実際に常にそこに座っておられる方ということが重要であろうということで、先ほど申し上げましたように、常勤は理事数として五名になっているということをお答え申し上げたところでございます。
○細野委員 全く矛盾しているんですよね。
 三分の一以下にするためには、理事をたくさん並べて名義を貸せばいいんですよ。それで一定の役割を担っている方もいるかもしれないけれども、どう考えても、理事として影響力を行使させないためにちゃんと雇っている、お金を払っているというのであれば、職員数二十七に対して二十九というのは多過ぎるじゃないですか。どっちかですよ。
 さらに言うと、もう余り時間もないんですけれども、この立地センター、電源地域振興センターの二つというのは、それぞれトップが資源エネルギー庁のOBの方、経済産業省のOBの方が、細かいことは言いませんが、二千万ぐらいの給料をもって理事長をやっているんですね。それぞれで、例えば電源地域振興センターであれば、仕事を受けて、それを外注という形で立地センターに流しているようなものもあるんですよ。これは明らかにお手盛りじゃないかというふうに言われてもしようがない。
 全体に、金額は実は限られたように書かれていますが、振興センターのホームページを見まして、収支を見たら、振興センターの収支、固まっているのが十五年ですが、全体の収入額が二百八十四億円、そのうち補助金等の収入が二百七十二億円、そのうち二百九億円は原子力関係の予算だというふうに書いてあります。これは割合でいうと九六%、ほとんどの収入が補助金で成り立っていて運営をされている、そういう財団なんですよね。私は、これも実は閣議決定に違反をしているというふうに思っていまして、補助金の収入が三分の二以上を占める公益法人に関しては、その補助金の依存体質の解消を図るというふうに書かれている。これも閣議決定違反ですよ。
 もう一つ言うと、この振興センターの予算というのは、受けられて、それをまた外注しているものも結構あって、これは経済産業省のホームページでも、きょう朝、発見をしましたが、五〇%を超えて外部委託をしているものは結構あります。いわゆる丸投げというものですね。一回受けて、違う団体に投げている。そういう事業が一番多いのも、この電源地域振興センター。
 これ、今まできちっと監督をしてきて、閣議決定は守ってきているんですか、経済産業省として。これは担当者に御答弁いただきたいと思います。
○小平政府参考人 お答え申し上げます。
 電源地域振興センターの収入に占めます補助金の割合につきましてのお尋ねでございますけれども、これは、国からの直接の補助金の比率をこの閣議決定においては規定をしているところでございまして、平成十五年度決算ベースで見ますと電源地域振興センターにつきましては一六%ということになっておりまして、私どもといたしましては、この閣議決定の趣旨にのっとって運営をされているというふうに考えているところでございます。
○細野委員 それはへ理屈でして、電源特会の予算というのは、国に一回入りますが、国ももちろん支出をしますが、交付金という形で地方に流れるわけですよね。それを受けて、この事業者は九九%とか九五%でやっているんですよ。この閣議決定は何と書いてあるかというと、補助金依存体質の公益法人の解消を図るというふうに書いてあるんですね。この趣旨からすると、九五%や九八%というのは明らかに補助金どっぷりで、これだけでやっているということじゃないですか。これはどうなんですか。長官にもう一度御答弁いただきたいと思います。
○小平政府参考人 お答え申し上げます。
 今、先生御指摘ございましたように、県等からの委託費によります電源地域振興センターの収入、このセンターにおきましては相当な比率になっていることは事実でございます。
 他方、地方公共団体からの委託につきましては、交付金を財源といたしております場合も、あくまでもこれは地方自治体の判断によりましてこのセンターに委託をしているということでございまして、県によりましては、このセンターに委託せずにほかのところに委託する、あるいはみずから使っているというケースもあるわけでございますので、そういう意味では、国からの直接の補助金と地方自治体からの受託収入というものを全く同等に扱って補助金の比率が高いというふうに判断するということは、この閣議決定の趣旨、補助金に対する依存度の低減ということに照らしましても、私どもといたしましては問題はないものというふうに考えております。
○細野委員 細かい議論はここではやめようと思いますが、大臣に最後にお伺いしたいと思います。
 これだけむだ遣いがあって、そして、電源特会は問題だという議論を今しているんですね。これは本当に金額でいえばわずか、広報費全体の中で言えば百億弱ですから、全体の中でいえばもう何十分の一ですよ。この金額についてこれだけあって、しかも、それぞれの財団を見てみれば、実際に働いている理事の六割とか七割が経済産業省から天下っています。そこで電源特会の予算を受けて、さらに関係の団体に投げたりしている。丸投げをしているケースもある。人件費だけ削って丸投げをしているケースもある。
 これは本気で正さないと、さっきの大臣のような悠長な答弁でこの構図を直せると思いますか。大臣、ぜひ御答弁をいただきたいと思います。
○中川国務大臣 今我々が見ている資料は、経済産業省が細野委員の御指摘に基づいてつくった資料でありますけれども、財団法人、法人として、職員数よりも役員数の方が多いというのはちょっと私も考えられない。幾ら常勤、非常勤の区別があるとしても、じゃ、例えば二十九人と二十七人の財団で二十人以上の非常勤の方がいらっしゃるとすれば、何人かの常勤を追加して雇えば非常勤は要らないぐらいの仕事量をこなせるんじゃないかとか、いろいろなことを今この資料を見ながら思いました。
 そういう意味で、閣議決定云々、違反か違反じゃないかとか、あるいはまた天下り云々という話以前に、この財団の組織としての人的構成がちょっと、こういう法人というのはかなり普通ではないような感じがしますので、これも含めてちょっと私も内部で検討をしてみたいと思います。
○細野委員 経済産業省には改めてお願いをしてあるんですが、独立行政法人、特殊法人、そしてこういった公益法人に相当の金額が特会から流れています。実はそれぞれについていろいろな問題が背景にあって、それを解決しない限りこの問題の本質は解決できないというふうに私は思っております。財団にもいろいろあるんですよ、民間の人がやっている財団もあります。ただ、お手盛り財団があるんですよね。それをしっかり見ていただいて、実は私のところには、こういう質問をしていると、いろいろなところからいろいろな情報が来ます。経済産業省はリベートをもらっていないと言ったけれども、ある企業が、電源特会を受けている財団からもらっているのをリベートを要求されましたみたいな内部情報はいっぱい来ます。
 電源特会の予算はおいしい、普通の予算よりも少し、少しじゃないですね、大幅に優遇されていて、そこに実はのり代があって、それを食い物にしているという構図が間違いなくあるというふうに私は考えています。その部分については、まあ予算の全体のむだ遣いは明らかになったわけでありますが、本当に特殊法人のお金の使い方とか法人のあり方そのものについては引き続きやっていきたいというふうに思っていますので、まず経済産業省の方には引き続きまして調査をお願いして、質問を終わりたいと思います。
 以上です。
○河上委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二分開議
○河上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。中山義活君。
○中山(義)委員 お食事も終わりまして皆さん元気が出たところで、質問をいたしたいと思います。
 まず、時代に合った質問からさせていただきますが、昔、エンロンという会社がありまして、日本の自由化にうまく乗じて、日本の電気を生産する側に、または電気をどのようにうまく商売として考えるかということで参入しようとしてきたという話もありますし、最近は、外資がその国のエネルギー、そういうところまでしっかり参入をして何かしようというような動きがあるかもしれない。
 つまり、今回の法律案の中にテロをどうやって防ぐかという問題がありますが、テロ以外にも、こうやって外資が入ってくるという可能性もあるわけです。電力の事業というのは何らかの形で守られているはずなんですが、どういう形で、外資が参入してきてもうまくコントロールする、そういうような状況になっているかどうか、大臣からまずお聞きをいたしたいと思います。
○中川国務大臣 日本は原則自由でございますけれども、その事業あるいはまた国家的見地から、例えば外資の持ち株比率の規制等がされている業種というものが幾つかあるわけであります。例えば、先日来ずっと話題になっておりました放送法なんというのは、あれは放送法で外資は二〇%未満ということになっておりますし、いわゆる業法でもって規制している部分もいろいろございます。それから、一般的に、いわゆる外為法、これの別表みたいな形で規制されているものもございます。
 この電力会社につきましては、外為法の方で安全保障上の問題の観点から規制されておりまして、一〇%を超える場合には主務大臣への事前届け出を義務づけるということで外資規制がなされております。
○中山(義)委員 原子力発電とか核燃料サイクルというのは非常に長期間で、すぐに利益が出てくるというような種類のものでもないし、国家として、日本のエネルギーの全体から見て原子力が重要だ。ですから、コストの問題で必ずしも利益が上がるわけではないわけですね。
 そうしますと、やはり外資が入ってきて、もっと利益を上げろ、何やっているんだ、原子力発電なんかやったってもうからないだろう、石炭でどんどん電力をつくれ、こういうような話になってきては大変だというような趣旨から質問したんですが、外国では、ヨーロッパなんか見ていますと、外資が入っていてかなり混沌としている部分があるわけですね。しかし、エネルギーというものは、これはやはり国家百年の計に基づいてやっていくものだと思うんですよ。
 私、実は、衆議院議員になったばかりのときに、その当時の通産大臣は深谷さんという方だったんです、よく知らないんですが、その方のことは。質問をずっとしてきたときに、アラ石の問題で権益を失効するときなんです。余りにも簡単に日本の国から税金で二千億円も出して鉄道を敷くなんというのは国民が許可しませんから、そんなものは、権益が続行するような努力はしないようなことを言ったんです。これは大変なことだったと思うんですね。
 例えば外交一つとっても、中東に、そこに大使館があって、もう一つやはり会社が、アラビア石油がそこに入っていて、サウジアラビアとの関係というのがどんどん親密になったり、何百人も向こうで働いている人間がいれば、相当大きな情報というのが入ってくると思うんですね。そういう面で、なぜあのときアラビア石油との権益を簡単に失効してしまったのか。あるときは国家プロジェクトだ、あるときは、あれは民間だからそんな国が援助することはできないというような言い回しで言っていたんです。
 でも、我々は、もうちょっとよく考えてみると、中国だって、今、東シナ海を見ていたってすごい気合いが入っていて、ある意味じゃ、本当に国を挙げて何かやろうというような、そういう気迫が見えるんですよ。それからアメリカだって、イラクで戦争して、結果的には、あれは石油というもの、エネルギーというもの、そういうものに相当頭があったのではないか。
 ということは、全体的に考えてみると、アメリカのやっていることは、ベネズエラだとかカナダだとか、いわゆるメキシコ湾だとかカスピ海とか、最近はどこにでも手を打って、石油というものに手をつけていますね。これは、石油が将来枯渇してくるとかいろいろなことを考えながら、エネルギーというものに対して相当集中力を持って国が政策に取り組んでいる。だけれども、どうも日本は、今まで石油やなんかについても淡泊過ぎやしませんか。
 そういう面で、私どもは、今までエネルギーがうまくいってきたのは、ある意味では、石油以外に原子力というものがあったからなのかなとも思うんですよ。しかしながら、もう今はそんな状況ではないと思うんですね。大体一バレル十ドルぐらい上がるとどのぐらい日本の全体の費用がかかるかというと、何か一・五兆円ぐらいかかるというわけですけれども、最近になって、二十ドルぐらい上がると、相当日本だって負担があるわけですよ。
 これは、石油の将来ということを考えたときに、そろそろやはり核燃料サイクル、これに力が入ってきて、もっと確固たる信念でやっていくべきじゃないかと思うんですが、その辺、大臣、どうですか。予算委員会のときにも質問したんですけれども、あのときも時間がなかったので、エネルギーに対してもっと熱のこもった答弁をしてもらいたいと思うんです。
○中川国務大臣 エネルギーは、食糧と並んで、国民が生活するあるいは産業活動する、その他さまざまな面で必要不可欠な物資である。しかも、そのエネルギーの大半は、実は日本の中で確保することができないということでございますので、安定的に確保していくということは、これは国家の基本的な責務であろうというふうに考えております。したがって、エネルギーの基本計画でありますとか長期見通しでありますとか、さまざまなそういう方針を政府としてつくり、そして、それに基づいて行政を行っているところでございます。
 今、中山委員御指摘のように、アメリカも、あるいはまたヨーロッパの国々も、そして中国も、それからロシアも、私はきのうたまたまロシアの産業エネルギー大臣と長時間エネルギー問題を中心に会談をいたしましたけれども、国家戦略というものをまずロシアの大臣は、自分たちはこういう戦略を持っているんだということを明確に私に示してくれました。日本の戦略も私の方から少しお話をいたしましたけれども、多分御指摘の面は、そういうものがあることはもう委員重々御指摘の上で、しかし、もっと国家的にきっちりみずから行動している姿が見えないのではないか、しっかりしろという御叱正だと思い、また、重要な御指摘だと思っております。
 そういう中で、一つのエネルギー戦略のポイントとしては、エネルギー源の多様化、種類の多様化と地域の多様化というものが重要なポイントであるわけでございます。そういう意味で、二度のオイルショック、あるいはその他いろいろ経験をして、日本は世界一の省エネ国家になり、エネルギー効率のいい国家になり、そしてまた、備蓄も石油に関しては百七十日程度持っているということでありますから、これはもう我々の経験にのっとって政策を進めておりますけれども、今後どうするのかということにつきましては、やはり石油あるいは石炭、天然ガスといった化石エネルギー、とりわけ石油依存からの脱却。言うまでもなく、電力につきましては、三十数年前六割が石油でありましたけれども、もう今は一割に減っておりますし、総エネルギー量の中に占める石油の割合も逐次減ってきているということは、まさにエネルギー源の多様化であります。そういう中で、安全というものを前提にして、長期的に、そしてまた環境の面でも貢献できる原子力エネルギーというものは、やはり重要な位置づけが、今後ますます大きくなっていくというふうに考えております。
 そういう意味で、本日の、あるいは前回も含めて、貴重な委員会でのエネルギーに関してのいろいろな御質問を踏まえながら、我々も決められた計画等々にのっとりまして、国民に安定的にエネルギーが供給できるように、引き続き努力していかなければならないというふうに思っております。
○中山(義)委員 今お話を聞くと、いろいろなエネルギーを総合してうまく使っていくという話で、私たちも原子力発電がすべてだと言っているんじゃないんですね。やはり原子力発電、その地域、地域によっても大変問題が出ているし、今までも安全性で随分御心配もされていた、いろいろな問題がありますね。
 ですから、原子力発電は今なら今のままでいくし、それ以外にも、天然ガスであるとかいろいろなものをあわせて、要するにベストミックスという形で考えていろいろなエネルギーをやはりしっかり使っていくということだと思うんですが、先ほどちょっとお話ししたように、だからといって、すべて日本の周辺にあるそういうエネルギーというものに関しては、どん欲にやっていきませんとおかしなことになってしまうんじゃないかなと思うんですね。周りはすごくエネルギーに対して真剣に取り組んでいるのに、何か日本だけが何となく満たされているというような感じも見えないわけでもないんですよ。
 やはりエネルギーに関してはしっかり、ちゃんととれるものは全部とっていくというぐらいの大きな戦略に基づいてやっていかなきゃいけない。それにはやはりベストミックスというのが一つ考え方としてあるので、この辺の理想形というのは当然あると思うんですが、それをまずどういうふうに考えているのか。
 もう一つ、核燃料サイクルの中にはプルサーマル計画、徐々に希望が持てつつあるし、うまくいきそうだという感触が何となく見えてきていると思うんですが、その中に、やはり「もんじゅ」という高速増殖炉、これが入っていなければ本当の意味での核燃料サイクル、いわゆる完成形とは言えないんですが、それを含んで今回はそういう大きな問題として考えているのか。ベストミックスと、今の二つのことをちょっと答えていただければと思います。
○中川国務大臣 ベストミックスというのは、逆の言葉で言うといかにリスクヘッジを減らすかということでございますから、そういう意味で、今、中山委員も御指摘になりましたけれども……(発言する者あり)訂正いたします。ベストミックスというのはリスクを減らすという観点からも極めて重要であり、また、できるだけコストを少なくとか、そういう面からも重要だと思っております。
 そういう観点で、先ほど申し上げたように、石油等の化石エネルギー、それからまた原子力発電、そして再生エネルギー、資源エネルギーと言われている新たなエネルギー、燃料電池、水素エネルギー等々も含めまして、技術開発をしながら日本としてもやっていくことが必要であります。
 御指摘のように、各国は必死になって今エネルギーを確保しようとしております。日本の場合には、今後急速な経済の拡大もしくはエネルギーの急速な需要増というものは想定をしておりませんから、いかにこのベストミックスを効率面あるいは環境面、安定性面でより強固なものにしていくかということでありますけれども、お隣の中国は経済の規模そのものが非常に発展をしておりますから、確保するエネルギーの量も、これはもう大変なものでございますから、必死になって、アフリカや南米等々を含めて、もう世界じゅうに展開をしていることは御承知のとおりであります。それに負けないように、日本としての、日本の国益にかなったエネルギー確保、エネルギー政策ができるようにしていかなければならないというふうに考えております。
 そして、そのエネルギーのポートフォリオの中の一つとして、やはり高速増殖炉というものの位置づけは当然あるわけでございまして、先ほど申し上げたような種々の政府決定の方針の中でも、高速増殖炉の位置づけというものがはっきり明記されているわけであります。午前中も事務方から答弁いたしましたように、二〇五〇年の商用化を目指して、原型炉として「もんじゅ」が動くようになるわけでございまして、この高速増殖炉の位置づけというものも、二〇五〇年とは随分先の話じゃないかという御指摘もありましたけれども、早いにこしたことはございません。
 いずれにしても、高速増殖炉によるエネルギーの確保というものも、重要な日本のエネルギー戦略、ベストミックスの中の位置づけにあるというふうに我々は政策を進めていきたいと思っております。
○中山(義)委員 過去に答弁していて、大臣がこの間、たまたま東京電力の問題で、東京電力がとめましたね、それでしばらく原子力発電をとめて、大体年間で四・七%ぐらいの炭酸ガスが多くなったとかなんとかと答弁していましたよね。
 だから、そういう炭酸ガスを出すとかなんとかということからしても、簡単に電源に変えられないという大きな問題があると思うんですね。コストを除けば、やはりCO2を出さない、それから安定的なエネルギーであるというような面から見ても、非常に有効なものだと思うんです。ただプルサーマル計画をやればうまく燃料のリサイクルができるというだけじゃないと思うんですね。
 やはり「もんじゅ」までいかないと、例えば廃棄物を埋めるときも、毒性なんかについても、やはり「もんじゅ」を経た方が全然量も少ないし、毒性もどんどん減るわけですよ。そういう形でいきますと、今回の計画というのは、やはり「もんじゅ」が入ってこそいわゆる最終処分という言葉も出てくると思うんですね。だから、「もんじゅ」をやらないうちは最終処分じゃなくて中間的なものなわけですよ、中間貯蔵なわけですね。
 そういう面では、これは最終処分という言葉も使って、やるんだったら「もんじゅ」が入らなきゃおかしいわけでございまして、先ほど近藤委員からも話がありましたけれども、本当に「もんじゅ」を絶対入れて、すばらしい核燃料サイクルを完成させるんだ、こういう意欲があるのかどうか、何となくわからないんですよ。ITERに手を出してみたりあっちに手を出してみたり、本当にこれ一つに集中してやっていこうという気があるのかどうか。
 これは恐らく、まだ最終処分場というのは決まっていませんが、最終処分場という意味も「もんじゅ」を使ってのことだと思うんですが、間違いないですよね。最終処分場という言葉を委員会で使ったとしますね。そうしたら、この最終処分というのは、「もんじゅ」で最後に使った後の話なのか、それとも、何かプルサーマルをやれば最終処分だと思っているのか。そんなことありませんか。その辺、ちょっとはっきりしてください。
○中川国務大臣 まず、私は中山委員の御質問だったかどうか忘れましたけれども、私、二〇〇三年のあの東電の事故あるいはそれに関する停止によって、CO2が四・七と確かに申し上げましたが、データ的にいうと四・九でございまして、ちょっと数字を訂正させていただきます。
 最終処分を含めたサイクルの中に「もんじゅ」が含まれているかという御質問でございますけれども、エネルギーの計画というのは二〇三〇年というものを一つ見ているわけでございますし、このサイクルそのものは、実は、「もんじゅ」が商用化するのは、先ほど申し上げましたように二〇五〇年でございますので、二〇五〇年を見据えたエネルギー計画あるいはまた原子力長期計画とかあるいはサイクル計画というものは、まだきっちりしたものがないんですよね、ちょっと間違っていたら後で答弁させますけれども。
 しかし、中山委員御指摘のように、最終形といいましょうか、二〇五〇年に「もんじゅ」が出てくることを前提にした最終処分計画というものがなければ、これは「もんじゅ」を計画の中の重要な位置づけとして明記しているわけでありますから、当然、最終処分を含めた、サイクルの中に「もんじゅ」というものが入った、それを前提とした計画に、その時点で、それが視野に入ってきた時点でそうなるというふうに理解をしております。
○中山(義)委員 「もんじゅ」の場合は、単純に毒性を減らすということがありますが、来るべき水素社会ということを考えたときにも、「もんじゅ」を使って水素をつくるというような計画もあるやに聞いているんですよ。だから、私は、この「もんじゅ」というものに対して相当重点を置いてやってもらわなきゃならないんですね。だから、さっき、近藤委員のように、何だか知らないけれどもITERに手を出したり何したり、何か、大丈夫か、本当に集中してやっているのか、こういうような問いかけだというふうに思うんですよね。今回の核燃料サイクル、これは、当然「もんじゅ」が入って、来るべき水素社会、いわゆる水素を使った新しい動力を今度は前面に出していけばCO2はなくなってくる、こういうことだと思うんですよ。
 だから、あのマンモスだって、飾ってありますけれども、あのマンモスはツンドラから、絶対解けないと言われていたツンドラから解けて出てきたわけでしょう。これはやはり、そういうことを警告してマンモスは出てきたわけですよ、おまえらも、人間も今に絶滅するぞと。そういう意味合いであれを見ないと、ただ、ああ、マンモスだ、でかいなとかと言っていたんじゃだめなんで、やはりあのマンモスはなぜ出てきたのかぐらいのことは皆さんもそれを判断して、そういう面では、地球温暖化というのが大変大きな問題であることは間違いないんです。それに向かっては、やはりこの原子力社会というものをしっかり見据えてやっていくことが大事なんですね。
 だから、そういう面で、本当に何か、今ちょっとお話で、いや三十年、四十年、五十年先の話だからちょっと、ええとなんて言っていますよね、大臣が。やはりそうじゃなくて、入っているんだとはっきり、長官、ここへ来てはっきり言ってくださいよ。
○小平政府参考人 大臣からお答えを申し上げたとおりでございますけれども、若干補足をさせていただきます。
 まず、高速増殖炉の位置づけでございますけれども、これはけさほどの御審議でもお話がございましたように、以前の計画に比べますと高速増殖炉の進捗状況はおくれておりますけれども、先般、資源エネルギー庁におきまして、原子力委員会の新計画策定会議の場で、二〇五〇年ごろ商業ベースでの高速増殖炉の実用化を目指すという長期的な展望のもとにこれから原子力政策を進めるべきであるということを申し上げ、これが論点整理に取り入れられたところでございます。
 お話しのとおり、高速増殖炉の機能といたしましては、一つはやはりプルトニウムをふやしていくということで、数百年以上にわたる燃料の確保ができるということ。それから、核種変換ということで、先ほど高レベル廃棄物のお話がございましたけれども、半減期が短いものに核種を変換できるという能力も高速増殖炉の使い方によってはございます。今考えております最終処分につきましては、これは高レベル廃棄物、再処理した結果出てきますものをガラス固化体にして最終処分するというものでございますけれども、これもかなり先のことでございますので、その間の技術開発というものも当然にあろうかと思います。
 また、水素につきましても、増殖炉によりまして生産することは可能でございますし、また原子炉全般ということで申しますと、高温ガス炉というものも水を熱分解して水素を使えるというようなことがございますので、それぞれの期間の長さに応じてきちんと研究開発あるいは実用化に向けての対応を、国と民間企業で協力して取り組んでいくことが必要であるというふうに思っております。
○中山(義)委員 今お話がありましたけれども、ちょっとこちらに元文科大臣もいらっしゃるんですが、原研とそれから「もんじゅ」をやってきた人たちとうまくやってもらって、水素を生み出すのも、片一方は千度だと言って片一方は五百度なんて言っているんだから、温度差が随分あるでしょう。こういうのは問題なんです。
 そういうようなことも含めて、やはりこれはしっかり核燃料サイクルというのは組み立てを、子供にでもわかるように、小学校五、六年の教科書に核燃料サイクルというのはこういうことだというふうに、教科書を見たらすぐわかる、そういうものにしてもらいたいと思うんですよね。でなきゃ、いつまでたっても、これは議論していても何かよくわからない。だから、もっと、本当に小学校の教科書ぐらいに載せてくださいよ、もうそろそろ。これは確立したんでしょう。今回、そうやって安全委員会でもこの方向でいくというふうに出たら、もうこれを確立してくださいよ。それに向かって頑張っていってもらいたいと思うんだね。何だか知らないけれどもまた動いたりなんかする、そこに、なぜそういうことが起こるかというと、やはり原子力の安全性というような問題が出てくるわけですよね。
 安全性というものも、私は飛行機に乗りますけれども、飛行機が絶対に落ちないということはないんですよ。落ちるかもしれない。だけれども、人間の知恵で、できる限り、九九・何%までコントロールできるというものですよね。ですから、この放射能というものも、しっかり管理すれば、九九・何%かはわかりませんけれども、九九九九と続くぐらいのコントロールができるはずなんですが、安全委員会や保安院の皆さんもまずこのことをしっかりやらなければ、原子力発電そのものが信頼されない。
 安全性に関しても、人間ですから、交通安全の週間なんかあるじゃないですか。ああいうのと同じように、一カ月に一回ぐらい、そういう安全点検の日とか安全何とか週間とか、それから、やはり同時に、原子力の有効性とか有用性とかそういうものを知らしめる、そんな日をつくってやったらどうかと思うんですね。
 とにかく、これからこの計画がうまくいくかいかないかは、安全性なんです。それはコントロールできると思うんですよね。その辺、コントロールできるということをここで言って、それから、たがが緩まないように、現場の気持ちがいつも引き締まるようにこういうことをやるということを、ちょっと保安院長、言ってください。
○松永政府参考人 お答え申し上げます。
 中山委員御指摘のとおり、原子力の推進の大前提は安全の確保でございまして、私どもも大変重大な使命を帯びているというふうに考えております。
 御指摘のとおり、この世のプラントで絶対安全というのはございません。問題は、リスクをいかに最小限に極限まで縮めていくのかということでございまして、そのためには、最新の科学技術というものをどんどん取り入れて、私ども、原子力安全規制の考え方もどんどん高いレベルを目指して向上させていく、こういう考え方が大事だというふうに考えております。
 また同時に、今御指摘のとおり、原子力の安全に携わる原子力発電所の現場の方々ということも含めて、日々、安全に向けての考え方というものを拳々服膺させるような、そういう機会も持っていくことが大事だと思っております。
 そうした観点から、間もなく五月でございますけれども、私ども、毎年五月は原子力エネルギー安全月間というふうに定めておりまして、現場で長年安全に携わって貢献のあった方を、原子力エネルギー安全実務功労者表彰ということで、経産大臣表彰を実施しております。また同時に、私どもがすべての原子力施設に赴きまして、安全規制への理解促進あるいは意識の高揚という形で、いろいろな形での啓発活動にも携わっております。
 こうした形で、安全意識の高揚も図りながら、また同時に、地元の皆様にも私どもの日ごろの行政のあり方というものを御説明し、また御意見を賜りながら、それを安全行政に生かしていく、こういうこともあわせて進めてまいりたいというふうに考えております。
○中山(義)委員 今、安全は、こういう科学的などんなものでも絶対というのはないということで、本当に、絶対はないけれどもコントロールはできるというような話だったというふうに思うんですが、そのためには、やはり人間の気持ちが大事で、どこか緩んだらだめだと思うんですね。しかも、今まで見ていますと、原子力に携わっているいろいろな、パイプ一つにしても、新品でなければ危ないんだ、頭の中でそういうようないろいろな考え方があったと思いますが、そうじゃなくて、やはり、どれが安全なのかということをもうちょっと的確にわかるようにしてもらいたいと思うんですね。
 あれは二十年たっているから危なくて、これは新品だから危なくない、そういう考え方じゃなくて、本当に危なくないのはどういうことなのか。つまり、維持基準であるとか、そんなものもやはりしっかりやってもらいたいし、何より現場の人が気持ちが緩むことのないようにしてもらいたいので、そういう面で、今、そういう交通安全と同じような何かそういう週間をつくって気持ちを引き締める、そういうことをやった方がいいんじゃないか、こういうことをお話ししたんですよ。
 ある時期に必ずいろいろな事故やなんかの話が出てくるわけですよ。そういうときも的確に、今回の美浜のやつでも、大変な事故ですよ、大変な事故だったけれども、一次系の事故で、例えば炉心がどうにかなったり放射能が漏れたという事件とは違うんですね。だから、この辺はしっかり、報道のときにも的確にやってもらいたいと思うんですね。「もんじゅ」もナトリウムが漏れた、だけれども、これは、では放射能が漏れたのかというのとは違うんですね。
 だから、やはりこの安全性に関して、安全性というものは人間がコントロールできるんだ、制御できるんだ、そういう信念とその実証をしっかり国民に示すことが大事だったと私は思うんですが、今までどうもその辺が、報道によっておかしな方向へ行ってしまったりなんかあった。ここはもう、本当に五十年先を見据えて、百年先を見据えて、ちゃんと「もんじゅ」もしっかり組み込んで、来るべき水素社会をつくっていくとかそういう大きな考え方でやっていかないと、先ほどの質問みたく、ITERの方へ手を出して、集中力なくあっちこっち手をつけて、結局何もできないんだろう、こういう質問になっちゃうんですよ。だから、これは絶対やるという信念がやはり顔に見えなきゃだめなんです。
 大臣、そういうことで、最後、ひとつ答弁をしていただいて。
○中川国務大臣 先ほどから中山委員から何度も御指摘にありますように、何のためにエネルギー政策、エネルギー行政をやるのかという観点から、「もんじゅ」というもの、高速増殖炉というものが、まあ、二〇五〇年といえば、私も生きているかどうかわかりませんけれども、かなり先の話でございますが、一刻も早く実用化というか商用化できるようにしていくことによって、エネルギーのベストミックス体制をさらに強化できるように努力していきたいと思いますし、また引き続き中山委員の御指導をお願いしたいと思います。
○中山(義)委員 ありがとうございました。私の短い三十分の質問を終わります。
○河上委員長 次に、奥田建君。
○奥田委員 民主党の奥田でございます。
 皆さん、こうやって大局から見たといいますか、エネルギー政策の話が弾んでおりますけれども、私の方は、法案の方に準じた審議をさせていただきたいというふうに思います、地道になりますが。
 ただ、きょうも午前中に細野議員の質疑がありまして、私も質疑を聞きながら、ちょうど石井紘基先生が生きていらっしゃったころに、こういった特殊法人あるいは公益法人の問題を毎回のように追及しておりました。私も、そのとき新人で、少し一緒に仕事をさせてもらったこともありますけれども、そういったときに、公益法人でたしか二万六千法人ぐらいあって、民間といいますか、民間から発生したものもありますけれども、それを追跡するという膨大な作業をどうやってやっていこうかというようなことで、頭を悩ませる以前に、精神的な緊張をどこへぶつけていこうかというようなことで、プレッシャーに押しつぶされそうになったようなことも思い出したりしました。
 やはり、今政府としてもこういったことにしっかりと問題意識を持っていらっしゃるのであれば、もちろん政府もそして行政も絡んでつくってきた組織ではありますけれども、こういったものの再見直しというのは膨大な作業量ですけれども、しっかりと問題意識を持ってやっていただきたいなと。
 私どもも大臣も、きょう見た資料で持つ意見というのは一つの感覚にすぎない部分でもありますけれども、やはりそういった感覚の中で聞いた数十分の話の中だけでも、おかしいんじゃないか、そういった感覚が大臣の方であるということは、まだ私は一つの救いがあるというふうに思います。反対に、だれとは言いませんけれども、組織の中にいる方から見たら、言いわけをしなきゃいけない、そういった話を聞いていれば、やはり霞が関の常識が世間の常識と大きく乖離してしまって、そのことに気づいたり、あるいは是正をしていくという意欲が欠けているんじゃないかなというような感想を持ちながら、質疑と対応を聞かせていただきました。またぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。
 最初に、五十年近い昔の話からさせていただきます。日本のウラン開発の歴史を刻んできた人形峠の方の話でございます。
 今は核燃料サイクル機構の環境センターですか、それがあって、それも、いろいろな燃料サイクルのプラント開発技術だとかそういった研究の使命を岡山の地では終えて、閉鎖、解体の準備に入っているというような話を聞いております。ただ、こういったウランの採掘ということでは輝かしい歴史を刻めなかったわけなんです。私どもが小学校のころは、日本にも人形峠にウランのすばらしい資源があるんだよということを教科書に堂々と書かれて、いまだにそれがやはり頭の中に残っている。
 今、さきに中山義活先生の方から教育の分野でということも話がありましたけれども、やはりそういったときに、素直な気持ちで、先生も世の中も教えてくれることはみんな正しいんだと思って、教育の影響というのは物すごく大きいんだなということを改めて感じますし、確かに今のエネルギー政策、こういったところも教育の中で入ってもいい分野だというふうに思います。
 私もいろいろなことは言いますけれども、原子力の基幹電源、ベース電源としての重要性というものはしっかりと認めて、今政府も目指している核燃料サイクルが順調に回っていただくということを願っている人間でございます。
 ちょっと話がそれました。人形峠の方に戻りますけれども、人形峠の方は、ウラン採掘は一九五六年ごろ、大体私どもが生まれる前ですな、そんなときから十年くらいで採掘の任務は終えて、その後、濃縮でありますとか製錬工場でありますとか、そういった任務をしていただいていたわけであります。ただ、鉱山跡地の問題がやはりいまだにくすぶっているというか、放置されているというか、そういった問題が残っている。
 一九九〇年、もう十五年前になりますけれども、こういった一つの鉱山跡地にあります地区との話し合いの中で、その前にこじれたから話し合いの結果が出たわけですけれども、ウラン残土、放射線を含んだ鉱山残土を撤去してほしいという協議が持たれました、協定が結ばれた。それがなかなか実行されないまま、昨年、裁判において敗訴、判決確定といった形で、中身を大分はしょりましたけれども、昨年のことからいえば、裁判で国側といいますかサイクル機構側が敗訴して、そして、今は、撤去しないのであれば制裁を科すという裁判所の判決になっている。一番近いところでは、ことしの三月十一日から一日七十五万円の制裁金を地元側に払いなさいということが新聞記事に少し出ましたし、その前には、鳥取県、地元の方ですけれども、鳥取県との間でこの残土の移動について話し合いが持たれておりますけれども、それも、県の方から移動禁止命令、持ち込み禁止命令ですか、そういったことが言われて、サイクル機構側が今度、県の禁止命令に対して提訴をしているというような状況であります。
 今の本当の、原子力事業者の、燃料サイクルの部分とは違いますけれども、国が原子力開発の歩みの中で一番最初に手をつけていったところの問題というのがやはり解決されていない。物としては三千立米、土としては膨大な量ではありませんけれども、そういった残土処分、これがきちんと行われないということで、報道もされ、また、地域の方とのあつれきも生んでいるということであります。
 ちょっとこの問題に関して、文部科学省の方からひとつ、今現在の新しい報告というものを聞かせていただきたいと思います。
○森口政府参考人 御説明申し上げます。
 今先生の方からお話がございましたとおり、昨年末の最高裁による判決を受けまして、その当事者である核燃料サイクル開発機構は、現地での措置が基本ということで、残土の撤去を命じられた方面の堆積場から、サイクル機構の所有地であります麻畑堆積場の方へ搬出するということを検討いたしました。
 しかしながら、その後鳥取県が、麻畑堆積場への搬入行為は自然公園の利用に大きな支障となる、そういうことの理由で、県の自然公園条例に基づきまして麻畑堆積場への搬入禁止を命令しております。これにつきまして、現在、サイクル機構は、禁止命令の取り消しを求めまして、鳥取地裁に対し提訴を行っているところでございます。
 しかしながら、この提訴に対する司法判断というのが確定までに相当の期間を要することも推測されますので、これと並行しまして、他の場所への搬出につきましてあらゆる角度からその可能性を探るなど、残土の撤去に向けて、現在、鋭意努力をしている、そういう状況にございます。
○奥田委員 そのまま、座っている暇はないと思います。
 続けて、こういった問題がやはり長期化、十分に長期化しているわけですよね、一九九〇年からの、残土移動の実施を求めるという話でいえば。そういった問題が長引くということに関して、今もやはり原子力政策が毎年のように、事故の対応といった中でいろいろな問題を抱えている中で、この問題がどういう影響を持つというふうに当事者たちは考えておるのかということを聞かせていただきたいと思います。
○森口政府参考人 鳥取県の湯梨浜町の方面地区における核燃料サイクル開発機構のウラン残土の撤去に関する問題について、このように状況が長期化するということは望ましいことではないというふうに考えてございます。
 この対応につきまして、まずは、やはり核燃サイクル開発機構が、当事者として責任を持って、司法の判断に従ってウラン残土の撤去先を見つけるということが大前提ではございますけれども、文部科学省といたしましても、原子力の研究開発利用は国民の理解を得つつ進めるべきということもあり、このような状況が長期化することについては、望ましいということでもございませんので、早期解決に向けまして適切に対応してまいりたいと考えてございます。
○奥田委員 あともう一つ、別の側面の問題もはらんでいると思うんです。地区だけではなくて、やはり地域行政との協調した行動がとれない。例えば、鳥取県知事に禁止命令を出される。私は、そんな、搬入の禁止命令がどういった理由でなされたということを詳しくは知りませんけれども、先ほど、福島の原発がとまっちゃったところとの話とかありましたけれども、国として、住民の説得、それは和解という形が一番望ましいことだと思います。だけれども、その前に、地域の県知事とか、あるいは、今回は市長とかは関係ないですけれども、そういった方々が阻止する側に回ったりということは、一体どういうことなのかというふうに感じたりするんですよね。鳥取県知事あるいは岡山県知事との話し合いとその見解、また、それについての文科省としての考え方、受け取り方というものも、ありましたら聞かせていただきたいと思います。
○森口政府参考人 本件につきましては、やはりサイクル機構が当事者ということでございますので、まずは、やはりサイクル機構に全力を尽くして対応してもらいたいというふうに考えてございます。
 しかし、この問題につきましては、先生もお話ございましたように、長い経緯のある、複雑化した問題でございますので、文部科学省といたしましても、何ができるか、よく状況を見きわめて、適切に対応していきたいというふうに思ってございます。
○奥田委員 今、サイクル機構が当事者である、それは事実でもあるんでしょうけれども、問題解決のために、うまくいかないときには文科省として、あるいは政府として、もっと大きな協力体の中で問題解決のために努力するということは当然あるべきことだというふうに思うんです。
 では、これは今まで、文科省としてどのくらいの、局レベルの話でずっととまっているのか、みんな、報道もされていることですから、副大臣や大臣のところ、あるいは省庁を超えての問題意識としての共有というもの、あるいは解決の糸口を探るというようなことが行われているのかどうか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
○森口政府参考人 先生の御指摘につきましては、省内におきましては、大臣まで、この状況の問題、十分御説明申し上げてございます。また、関係省庁とも話をしながら、サイクル機構の当事者としての努力について何が支援できるか、そういったことも含めて、省内的に議論はしているところでございます。
○奥田委員 この問題ばかり引きずっているわけにいきませんので、そろそろ打ち切りますけれども、すぐにここで大きな健康被害が生じたとか、あるいは何かの物的損害が起きてということではないんですけれども、やはり後処理、しかも、一つの事業がもう終わって、人形峠の地から核燃料サイクル機構の方も撤退しようというときに、後始末だけできないでそんな問題が残っているということは、これは大変な不祥事と考えていただきたいんです。
 大きさは違うかもしれませんけれども、前の平沼大臣が、原発がとまったときに地元へ行って、一生懸命地元の説得のために動いていたという姿なんかは、ある意味、大きな役割を背負った方として尊敬できる行動であったというふうに私は思っています。ぜひ、こういった問題解決のために、恥ずかしい話だから外に出さないでおこう、そういった意識ではないでしょうけれども、あるいは、早く解決することが、また周りのすべてのことがうまく回っていく、そういった一つの要件にもなると思います。
 こういうことを、何キロか、低レベルの廃棄物の感覚でいいですよね、そういったものを三千立米動かせないところが「もんじゅ」をやろう、あるいは核融合の方をやろう、それを一緒に担っている組織だと言われると、やはり、こんな、原子力の関係の問題の中で一番小さな問題を解決できないところが一番先端の大きなものを担えるのかということになってくるというふうに思います。
 もし大臣、副大臣、政務官から御感想か御意見がありましたら、聞かせていただきたいと思います。
○平田大臣政務官 お申し越しのことはよく私も理解はできますが、当省的に申しますと、これは納得いかれないと思いますけれども、この鉱山につきましては、経産省としては、鉱山保安法令の適用を受けて適法である、こういうことでございますけれども、事態としては大変憂慮すべき、あり得べからざることだというふうに思っておりますので、しっかり我々も、当事者間の、一部には、まだ麻畑地区への搬入の禁止命令について係争中でもございますので、その結果も見守りつつ、そしてまた、文科省からも申されましたけれども、いっときも早い撤去等につきまして、我々の立場でできることがあれば協力をしていくということで頑張ってまいりたいと思います。
○奥田委員 ぜひ、これまでのいろいろな原子力政策でも、縦割りで、研究と安全確保あるいは事業の部分がみんな違うんだと言っているような姿が指摘もされていますけれども、一つの原子力政策、それは私どもも含めてになるかもしれませんけれども、そういった大きな事業、そして、どこかで御迷惑をおかけしたりすることもある事業でもありますし、そういった中での協力体制が地方も含めてできる姿を築いていただきたいというふうに思います。
 それでは、法案の方に入らせていただきたいと思います。どうも、文科省の方、どうぞお引き取りください。
 まず、クリアランス制度というものが今回の法案で出てきました。私も環境関係での廃棄物の話をよくさせていただくんですけれども、確かに放射性廃棄物は、そういった廃掃法の範疇外といったところで、排出者の自己管理の部分に任されているというような姿であったというふうに思っています。原子力発電所の高経年化という言葉が使われていますけれども、これから、高齢化、老齢化の中で、解体という現実がついて回ってくるという中で出てきた制度でもあります。まず、初歩的な、基礎的なことですけれども、原子力発電所、今の実動のものを一基壊すと大体五十万トンから五十四万トンの廃棄物が出てくるというふうに聞いております。
 今回話しているクリアランス制度という中で、このクリアランスレベルの検査対象、検認対象というものになってくるというのは、当然発電所の中の一次側の部分のプラントであるとか、あるいは建屋といった部分が対象になってくると思うんですけれども、この五十万トン以上の廃棄物の中で、クリアランス制度の中で確かめていこうというのは何%ぐらいになるのか、どのくらいの量になるのか、教えていただきたいと思います。
○平田大臣政務官 おっしゃられたのは、推定ですが、百十万キロワット級の原子炉一基の廃止措置ということで、廃棄物の総量が加圧水型軽水炉で四十九・五万トン、沸騰水型で五十三・六万トンという、おっしゃっておられたとおりの数字でございまして、そのうち、クリアランスの対象となる廃棄物というのが加圧水型で一・二万トン、沸騰水型で二・八万トン、%で申しますと、それぞれ、二%、五%ということでございます。
 それ以外に放射性廃棄物でない廃棄物も発生をいたしまして、それが加圧水型で四十七・七万トン、沸騰水型で四十九・五万トンでございます。
 したがって、合わせますと、それぞれ、四十八・九万トン、五十二・三万トンということで、総発生量でいきますと、九九%と九八%、これは推定でございますけれども、そういう試算ができておるわけでございます。
○奥田委員 御丁寧にお答えをいただきまして、ありがとうございます。
 ここで、推定の中の話ですから、小数点三位ぐらいのところはいいんですけれども、大体数%、それも五%以下、二、三%ですか、それが対象になるというふうに聞こえたかと思います。
 そんな中で、それでも、何万トン単位という万トン単位の話になってくる。ほかの、では、今の原子力発電所がなくて、いろいろの廃棄物とかそういったものが年間大体どのくらい出てくるのかなというようなことは、部署が違いますから御存じないということなんだと思いますけれども、全部足してもそれだけにはいかないんじゃないかなというふうな、もちろん、レベルと扱いが違うというのは当然の話でありますけれども、それだけ大きな量が出てくるものを、何とか再生あるいは一般廃棄物に近い形としての適正処理に持っていきたいというのも、当然出てくる話だというふうに思います。
 ただ、一般の方あるいは外からは、大変この制度に不安を持たれていることも事実であります。やはり原子力政策全般と同じように、そういった放射能、そして核に対するアレルギーの部分に対する説明責任というものが必要になってくると思います。
 法案の中ではないですけれども、経済産業省も発表した中で、原子力事業者が、こういった制度が定着するまで、ここから出るようなクリアランス制度の中に入るような廃材の方は電力業界内を中心に再利用していく方向だということを表明されて、それも経済産業省さんの口を通して表明されたと思いますけれども、この制度が定着するまでの間という言葉、あるいは業界内で再利用するというものが現実にできるのか。もし、簡単にできることなら、ずっと続けていただいた方がありがたいんですけれども、ちょっと、今、期間のことと再利用の方法について簡単に御説明をいただきたいと思います。
○三代政府参考人 ただいまのクリアランス制度についての御質問でございますけれども、まず、クリアランスレベルと申しますのは、さまざまなシナリオを踏まえて十分安全性の余裕を持って設定されているわけでございます。また、これらにつきましては、その事業者の測定、評価について、国により厳格に監視また確認されております。このため、クリアランスレベル以下であることが確認されたものにつきましては、その再利用や処分を行う際には、放射線防護上特段の措置は不要であるというふうに考えております。
 他方、ただいま御質問がありましたように、クリアランス制度が社会に定着するまでの間は、国民に信頼感を持って受け入れてもらうための取り組みが必要であるというふうに考えているところでございます。このため、原子力事業者では、クリアランスされたものについて、みずから率先して、電力業界を中心に社会の理解を得つつ再生利用などを進めることとしております。
 例えば、金属であれば鉄筋や鉄骨として、また、コンクリートであれば埋め戻し材、路盤材として再生利用することが考えられますが、再生利用の具体的な内容は現在検討中であるというふうに承知しております。また、再生利用あるいは処分の際の最初の搬出先については、自主的に把握するというふうにしております。
 原子力安全・保安院といたしまして、今後、このようなクリアランスされたものの安全性あるいはクリアランス制度の実施状況などについて、積極的な情報提供、理解促進に努めながら、適切な時期に原子力安全・保安部会などの場において、広く関係者の御意見を伺いつつ、制度の定着状況について判断していきたい。その中で、やはり時期についても検討していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○奥田委員 業者の方は、別に使い道とかそういうものも提案ははっきりされていると思うんです。もし、いろいろな材料が、それがコンクリートであれ、鉄骨、プラント材であれ、そういったものが溶鉱炉の中に入るまでなのか、溶鉱炉の中に入って出てきた後もそういったものが自分たちの事業の中で使われていくとかいうような、完全な監視体制と追跡体制のもとで出てくる社会的な定着と、それを取ってしまったときの定着とは全然違うと思うんです。
 法案で出てきている、法案で制限されていることというのは、普通の廃棄物でも今ちゃんと管理票のもとでの制度ができているわけですから、管理票のもとでちゃんとどこへ持っていったか追跡をしていますというのは当然のことであって、その後にどういうものに変わってどこで使われているというトレーサビリティーの履歴管理、そこまでしっかりと電力業界の方々もできることだと思います。法案には、ここに関してはクリアランス制度の、検査についてのことまではしっかりと書かれていますけれども、その先の、一般廃棄物になって全然後は口出ししないというだけではなくて、そういったしっかりとした管理体制という、履歴をしっかりと見きわめているという体制があるから社会に認知されていく制度だというふうに私は思いますので、そういったところをしっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 次に、原子力燃料のサイクル、流れについてのお話をさせていただきたいと思います。
 皆さんからのお話やあるいは省庁からの話でも、毎年、現状でいえば一千トンほどの使用済み燃料が出て、そのうち、六ケ所村の再処理工場が稼働し出せば八百トンくらいがそこに行くんだよ、そして、二百トンぐらいは再処理工場の能力からオーバーフローする分になるから中間貯蔵という手段になるということは、何回も聞かされるわけです。
 ところが、今、青森県の方から、許可申請を受け取って出してもらったMOX燃料の加工工場、こちらの方の生産能力が百トン強というふうに聞いています。八百トンのものが再処理工場へ入っていって、加工工場からは年間百トン強が出てくる。そうしたら、その差というのは一体何になって、どこにどういう形で残るのか、あるいは利用されるのかということがよくわからない。そこの再処理工場へ入った後の使用済み燃料というのは、使える分はいいけれども、使われない分、一年間のフローの中で出てこない分はどこにどういう形で残っているのか、説明をいただきたいと思います。
○安達政府参考人 お答え申し上げます。
 六ケ所再処理工場において、使用済み燃料から高レベル放射性廃棄物を分離し、有用物質であるウランとプルトニウムを回収いたします。このウランはウラン酸化物の形態で回収され、専用のウラン酸化物貯蔵容器に充てん、封入された後、ウラン酸化物貯蔵施設で保管、貯蔵される予定でございます。
○奥田委員 ウラン酸化物としての貯蔵というか保管という形しかわかりませんけれども、この中にもいろいろな言葉が出てくるわけですよね。保管でも、今はもう原子力発電所内でも何千トンというものがあって、それは何という呼び方で保管するのか、仮貯蔵ですか仮保管ですか、中間貯蔵というのはまた別の、もう少し安定した形のものだ。今のウラン酸化物というのはどういうもので、何という呼び方の貯蔵なのか。やはりこれだって何千トン単位になってくるはずです。そういったところの整理というのがなかなかできていなかったり、あるいはちょっとごっちゃにされたり、何かは表に出ないで伏せられていたりというようなところがあるので、やはり透明性という中と、説明責任というものは、こういうものをわかりやすく、一足す一が二だ、十引く一は幾つだ、残りは幾つなんだというところをちゃんと説明できるような姿でなければいけないと思います。
 それと、こういったフローの図を、大臣も私どもも何回も見せていただいていると思うんですけれども、こういったフロー一つ一つがきちんと稼働していかないと、全部とまっちゃったりする。理想的だけれども、ある意味もろさを持ったものだというふうに思うんです。
 先ほどの塩川先生の話にもあったMOX利用というのが、やはり政府の見通しというものが出されてはいますけれども、現状を見ると、すごい甘い、計画の幅の中で一番楽観的なものが出ていて、今の原子力発電所の設置状況と同じように、ある程度悲観的といいますか、いろいろなリスクが現実化してきたときのものという中でつくられている計画ではないというようなことなんかも見ると、やはりこのMOX燃料が本当に消化していけるのかということに一番近いところの、この核燃料サイクルがちゃんと回るのかということの問題点があると私は思うんです。
 ちょっと大臣の方に、ひっくるめて、今最終処分や中間貯蔵というこれからまたやっていかなきゃいけない部分はありますけれども、大臣としての、核燃料サイクル全般の中で今一番大臣の頭の中から離れないんだ、あるいは一番こういうところで少し心配している部分があるけれども乗り越えていかなきゃいけないというような思いがありましたら、聞かせていただけませんでしょうか。
○中川国務大臣 先ほどから奥田委員が御指摘になられているように、これはサイクルとしてぐるぐる回っているわけでありますから、最初にウランを燃やして出るエネルギー、そしてその使用済み燃料を再処理してMOX燃料にして、プルサーマルにしてということを何回か繰り返すことになると思いますし、そしてまた、それによって廃棄物が中間貯蔵、そしてまた最終処分ということになっていくということが一貫してなされていかなければならないわけでございます。
 今回のサイクルは、再処理を中心としたバックエンドについて御審議をいただき、そのための資金の別管理というようなこと、あるいはまた、安全管理あるいはクリアランス、廃炉の処分の問題等々が法律上の問題になっているわけでありますけれども、そのほかにも、今の段階できちっとした見積もりが出ない部分につきまして、中間貯蔵の部分でありますとか最終処分についても、きちっとした形でこれから早急に続けていかなければならないというふうに思っております。
 したがって、どの部分がよくてどの部分はほうっておいてもいいんだということではなくて、こういうサイクルの完成形が大事でありますし、そして、どの部分においても安全に、安定的に稼働して、国民にきちっとした電力エネルギーを供給できるというシステムが完成することが私にとりましての最大の関心事項でございますので、あえて言えば、どの部分も安全に、無事に、一日も早く稼働して、そしてサイクルとしての機能を発揮してもらいたいというふうに考えております。
○奥田委員 終わります。どうもありがとうございました。
○河上委員長 次に、鮫島宗明君。
○鮫島委員 民主党の鮫島宗明です。BSEの質問しかできないんじゃないかと思われるのもしゃくなものですから、きょうはちょっと核燃サイクルの質問をさせていただきます。
 私は、核燃サイクルの推進は国策なのかそれとも電力事業者がみずから行う事業なのか、そういう前提のもとで幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
 電力自由化の環境の中で余り過度な負担を事業者に強いることは、国民にとっても事業者にとってもよろしくないという立場から聞かせていただきます。
 本題に入る前に、きょう、皆様方のところに一枚、日本全体のエネルギーフローの図をお配りしておきました。これは、東大の工学部の平田先生、今芝浦工業大学の学長さんをやっておられる平田先生のライフワークなんですが、これを見ていただくと、何を見ていただきたいかというと、左からちょっと来たところに、発電用とくくってあるのと非発電用、これはパーセントで書いてあります。それから、全体の幅がエネルギーの総量。それから、右の方で大きくくくってあるのが、損失エネルギーと有効利用されているエネルギー。
 ですから、一九七五年と一九九八年を比べていただくと、発電用の比率が大変ふえていて、二七・五だったのが四三%というふうになっています。ところが、一方で有効利用のエネルギーのパーセントは、一九七五年の三七%、九八年も三四%と若干悪くなっていて、三分の二は捨てています。
 日本は省エネ先進国と言われていますが、実は構造的に見ると余り先進国とは言えない。大変ロスの多いエネルギーの供給構造を持っているのが日本の特徴です。何が先進国かというと、日本は省エネ機器先進国で、システムとしてはおくれている。電力会社が電力だけ供給し、ガス会社が熱だけ供給する、てんでんばらばらに二本立てでやっていることがこのむだの多さにつながっている。
 それに対して、鉄腕アトムでも何でもいいんですが、夢の二〇××年に、熱電同時供給、コージェネレーションとか燃料電池の普及によって有効利用のエネルギーが四五%まで上がったとすればというのが三番目の図ですが、これだとエネルギーの供給総量は、一九九八年に比べて七〇%。つまり、この有効利用エネルギーをふやすだけで三〇%の総量の減少が図れる。
 ですから、地球温暖化の問題を考えるときに、原子力の推進でというのももちろん一つの考え方ですが、より大きいのはこの有効利用エネルギーの比率をいかにふやしていくか。これはぜひ、中川大臣もこういう視点をお持ちいただけると大変ありがたいと思います。
 本題に入ります。
 核燃サイクルの推進は国策なのか、電力事業者がみずから行う事業なのかということに関係して、三十分しかないので手短にお答えいただきたいんですが、使用済み燃料は全量再処理しなければいけないという法的義務は事業者にありますでしょうか。イエスかノーかで。
    〔委員長退席、高木(陽)委員長代理着席〕
○松永政府参考人 お答え申し上げます。
 原子炉等規制法では、六ケ所再処理工場における再処理を法律上は義務づけてはおりません。
○鮫島委員 六ケ所におけることは義務づけていない。
 いや、全量再処理は義務ですか、法的義務ですか。それから、六ケ所におけることがさらに義務づけられているのかと聞こうと思ったんだけれども、全量再処理も義務じゃないんですね。
○松永政府参考人 お答え申し上げます。
 再処理そのものを法律上義務づけておりませんので、当然のことながら、全量も再処理するということも義務づけてはおりません。
○鮫島委員 経済産業省を初めとして、私は電力会社をいじめないでほしいんですが、特に関西電力です。
 私はきのう、関西電力に対して、二〇一〇年までに各電力会社で十六から十八のプルサーマルを実施するということが繰り返し語られていますけれども、その中にはおたくの二基も入っていますよと、関西電力さんに。それは二〇一〇年までに導入できるということを今の段階で言えますかというふうに関西電力に聞きました。ぜひ役所の方はいじめないでほしいんですが、何て答えたかというと、当社にとって美浜三号機の事故再発防止が最優先課題であり、プルサーマルを含め、その他の計画はすべてとまっている、したがって、見通しはどうかと問われれば、今のところございませんとしか申し上げられないというのが関西電力のお答えです。
 私は、東京電力も同じことだと思います。したがって、十六から十八基でプルサーマルを二〇一〇年導入するというのは、現時点で既に不可能でしょう。そういう中で、再処理工場が二〇一〇年の五月、MOX燃料加工工場が二〇一四年の四月から商業運転を開始するということになっていますが、このアンバランス。それから、外国から戻ってくる分も含めて、こういう形でどんどん再処理を始めると、プルトニウムの余剰在庫という危険性があるのではないかと思われますが、その見通しはいかがでしょう。ちゃんとはけるかどうか。今の関西電力の回答を踏まえてですから、午前中の答えと違うはずですよ。
○小平政府参考人 お答え申し上げます。
 関西電力の点につきましては、先ほどお話ございましたように、美浜の事故、それまでは、高浜におきましてプルサーマルをできるだけ早く実施するということで関西電力は進めておられたわけでございますけれども、美浜での事故によりまして、現在、先生御指摘のとおり、地元との調整が中断していることは御指摘のとおりでございます。
 他方で、私どもが関西電力から現時点で伺っておりますお話といたしましては、現時点におきましても、関西電力、従来からの方針として、高浜発電所の二基、続いて大飯発電所でプルサーマルの実施に向けて具体的な計画の検討を進めるという点については、変更はないというふうに私どもは承っております。
 したがいまして、私どもといたしましては、二〇一〇年に向けて各電力会社努力をしていただいて、プルサーマルの拡大に努めていただきたいと思います。
○鮫島委員 官尊民卑という言葉があって、役人に対しては、怖いからというかしようがないからそう言わざるを得ない。私どもの方には、今のところございませんという回答が返ってきている。だから、そういう無理に言わせた返答を積み重ねて核燃サイクルの見通しを立てても、私はどうせうまくいかないだろうというふうに思います。
 余り急がずに、無理づくりにせずに、私は基本的に反対しているわけじゃないんですよ。ベース電源としては原子力が一番すぐれていると思うし、あふれない範囲でいかに上手にやっていくかというのが大事だと思いますが、やはり慎重に、堅実に進めることが大事じゃないか。電力会社に余り過度な負担をかけてはいけない、電力自由化の中で十分競争力も維持できる、そういう条件は何かという立場で聞いているので、誤解しないでいただきたいと思います。
 余剰プルトニウムは持たないというのが原則になっていますが、余剰MOX燃料は持つことができるんでしょうか。これも短く答えてください。
○小平政府参考人 MOX燃料はプルトニウムとウランを混合したものでございますので、これは持てるということでございます。
○鮫島委員 持てる。
 では、MOX燃料は核物質防護規制の対象になるでしょうか。
○松永政府参考人 核物質防護規制の観点からの炉規制法の改正を今御審議いただいておりますけれども、具体的な対象をどうするかということにつきましては、今後DBTを策定するという中で最終的には明らかになると思いますけれども、MOX燃料の具体的な所在をどうするかというところは、そういう意味では基本的には対象になり得るのではないかと考えております。
○鮫島委員 いや、所在がどうこうなんというんじゃなくて、核物質防護規制の対象になりますかと。
 これはだって、MOX燃料が滞留することが今非常に懸念されているわけですよ。だったら、これが対象になるかどうかによって、この法律なんか審議できませんよ、はっきりしていないと。
○松永政府参考人 お答え申し上げます。
 対象になります。(発言する者あり)
    〔高木(陽)委員長代理退席、委員長着席〕
○鮫島委員 三分ほど返してほしいけれどもね。当たり前だと思いますよ。
 そうすると、これは結構微妙で、核物質の防護規制の対象になるものを余剰で持ってもいいというふうにさっき言ったんですが、それでいいんですね。
○小平政府参考人 先ほど舌足らずでございましたけれども、利用目的が明確である限り余剰のMOXは持てる、こういうことでございます。
○鮫島委員 では、利用目的が、いつになるかはわかりませんが、プルサーマルとして二十年以内ぐらいに利用するつもりです、そういう、かなり遠い将来の利用目的でも構わないんですか。
○小平政府参考人 その点につきましてはこれまでも原子力委員会で議論になったことがございまして、どの程度の期間のアローアンスがあるかということはございますけれども、ある程度の期間のアローアンスは頭に置いた上で、利用目的を明確にした上で持てるということではないかと思います。
○鮫島委員 いや、本当は、利用計画に書き込まれている量以上は持たないというのが、多分、国際的に一番安心される仕組みだと思います。まあ、ここを深入りしていると時間がなくなるので。ただ、ここのところは問題だと思いますよ。逃げの言葉で、利用目的がはっきりしていればというのがまくら言葉でついているんですが、これを余り拡大解釈すると、とにかくいずれ平和利用するんだからというので幾らでも持てちゃうことになるので、そんなことが許されているわけはないんですよ。もっと、何年以内にどこでどういうふうに使うというぐらいはっきりしていないと、利用目的が明らかとは言えない。ただ、そこは私は時間がないから余り突っ込まないけれども、ちゃんと考えてください。
 それから、お金の話に入りますが、今度のは何となくおかしくて、今まで原発で使った使用済み燃料がたくさんたまっていて、これがまだ再処理できていない、一部は海外で再処理しましたけれども、国内で滞留しているものは全くできていない。今度、いざ六ケ所で再処理を始めようと思ったら、再処理費用として積んでおいたお金だけでは足りませんと。思っていたよりもどうも再処理の費用がかかるので、一部は新たに足すことになりますよね。ですから、ここに法律の対象になっている資金を移しかえるという以外に、六ケ所が動き出したら、これまで費用として見積もっていた以外に新たな費用が出ます。これは電力料金に足しますということになっていると思うんですが、それでいいんでしょうか。
○小平政府参考人 お答え申し上げます。
 これまで、従来の税制では二つだけが対象の費用になっておりましたけれども、六ケ所工場でウラン試験も始まるということで、対象の費用が明確になったということで、費用の対象を拡大いたしております。
 他方、対象になります費用につきましては、従来は使用済み燃料全体ということでございましたけれども、今回は、六ケ所の再処理工場で再処理されるものを対象にいたしまして税制措置をとるということになっております。
○鮫島委員 そうすると、新たにこの法律が通ると、いつから再処理のための付加コストが上乗せされるんでしょうか、電力料金に。
○安達政府参考人 お答え申し上げます。
 この法律を通していただければ、十七年十月ぐらいを念頭に置いてございます。
○鮫島委員 ことしの十月という意味ですね。
 そうすると、まだ六ケ所は動いてない、実際には再処理は行われてない、MOX燃料の加工工場も動いてないという中で、この新たな四項目についてのお金を電力料金に足して取り始めるということだと思いますが、実は、今たまっている使用済み燃料は、これまでに使った電気を起こしたためにたまっている燃料であって、その積んでおいた処理費が足りないから今の人から取るというのは、過去に使った電力料金に本来乗せられるべきものを今の人から取ると。逆に、もうちょっとわかりやすく言えば、ガソリン税を取っていたけれども、環境なんかに使わなくちゃいけないのでどうも今の税では足りない、もうちょっと取らなくちゃいけない、ついでに五十年ぐらい前までさかのぼって取りましょうというのに似ているんだと思いますよ。ずっとこの間、三十年ぐらいの間積んでおいた処理料では足りない、したがって、過去に使った電力で出たごみだけれども今のやつから取ろうというのは、おかしいんじゃないですか。
○小平政府参考人 お答え申し上げます。
 現在の電気料金でございますけれども、御存じのとおり、これはいわゆる総括原価料金制度をとっておりまして、電気料金は適正な原価に基づいて算定をされるということになっておりますので、合理的な見積もりができない費用につきましては、従来、政府といたしましては、原価として電気料金に含めることを認めてこなかったということでございます。
 昨年の八月に取りまとめられました総合資源エネルギー調査会電気事業分科会の中間報告におきまして、六ケ所再処理工場の稼働を前提に、これまで合理的な見積もりができなかった先ほど申し上げましたような費用、例えばTRU廃棄物の処理処分費用、あるいは再処理施設の廃止措置費用等についても、電気事業者が提示をした費用試算が合理的であるというふうに判断されたわけでございます。
 合理的な見積もりができ、適正な原価というふうに整理されたわけでございますので、これらの費用につきましては、その費用の発生の原因となりました原子力発電による利益を享受した需要家が、受益者負担のもと、負担することが適当であるというふうにされたところでございまして、現在の需要家はこのような利益を享受したものであるということで、電気料金として回収をするということにしたものであります。
○鮫島委員 よくわからない。後で議事録を読んでみます。
 今度、電気事業者が内部で留保していた積立金を資金管理法人に移しますということになっていますが、今、電力事業者が留保しているお金は二・八兆円というふうにきのう聞きましたけれども、海外で再処理を随分した、七千トン運んで、ほぼもう六千トンぐらい終わっていると思いますが、これに払ったお金というのはこの積立金の中から払ったんでしょうか。
○安達政府参考人 お答え申し上げます。
 使用済み燃料の海外再処理に要する費用につきましては、現行の使用済核燃料再処理引当金制度の対象となってございます。したがいまして、これは、原子力発電に伴う不可欠の事業であるバックエンド事業の一部という観点で、発電コストの一部をなすということで、受益者負担のもと、電力会社が需要家から電気料金としてこれまで回収してまいりました。
○鮫島委員 今、二・八兆円積んであります、これを十五年かけて資金管理法人に移しますというのがこの法律の趣旨でしょう。この二・八兆円の中に、あるいはこれと別に外国の分はもう払ってあって、この二・八兆円から外国にも払わなくちゃいけないということなんですか、それともそうじゃないんですか。海外で処理した分はもう処理済みなんですかということです。
○安達政府参考人 お答え申し上げます。
 二・八兆円の中には海外の再処理費用が入ってございますが、これまで再処理したものについてはもう取り崩してございますので、そこから必要な支出はもう行われているということでございます。
○鮫島委員 海外にはプルトニウム換算で約三十二トン分の再処理を依頼した、生でいうと七千トン分依頼したと思いますが、では、そのうちどのぐらいの分までは払ってあるんですか。何割ぐらい。
○安達政府参考人 お答え申し上げます。
 今、手元にちょっと、何割支払ったかでございますが、ほぼ三十トンほどはもう再処理されているというふうに思ってございます。
○鮫島委員 そうすると、その分、九割方はもう支払い済みだということでよろしいんでしょうね。
○安達政府参考人 お答え申し上げます。
 どの程度支払っているかどうかは、今はわかりません。
○鮫島委員 私、一番最初に言ったように、核燃サイクルの推進は国策なんですか、それとも電力事業者の自主的な事業なのかということを念頭に置きつつ聞いているんですが。
 では、日本原燃という会社の資産内容についてちょっとお伺いしますけれども、二〇〇三年の有価証券報告書によると、日本原燃は収益が五百五十一億ありました。それに対して、経費が利息の支払い、特別損失含めて七百四十億かかっているものだから、百八十九億円の赤字です。
 そのほかに、長期の借入金が一兆二千七百十億円あります。それで、これがまた不思議なことに、全部電力の十社、電力九社と日本原子力発電、日本原子力発電も電力九社の持ち物みたいなものですが、実質電力九社が全額債務保証して、日本原燃の資産は一切担保に入ってない。つまり、電力会社におんぶにだっこでやってもらっているわけです。
 そして、さらにそのほかに日本原燃は、電力会社から、建設分担金、再処理工場の建設分担金、少しは持ってくださいよということで、一千億円別枠でこれはもらっていますね。それからさらに、再処理の前受け金、これが一兆円弱、九千三百億円ぐらいもらって、全部これも使っちゃっているわけです。先食いの最たるものだ。
 それで、先食いで苦しくなったものだから、これ以上電力会社にたかろうと思ってもなかなか出てこないといけない、したがって、たんすに入っている金を資金管理法人に移しておかないと取りっぱぐれるんじゃないかというおそれでつくったのがこの法律じゃないかというのが私の解釈なんですが、この再処理の前受け金一兆円弱、九千五百億円程度、これはさっき言った二・八兆円の中に入っているんですか。
○小平政府参考人 お答えを申し上げます。
 ただいま御質問の前受け金につきましては、これは電力会社の資産ということで引き続き計上されているということでございます。
○鮫島委員 そうすると、二・八兆円のこの中に入っているということでいいんですね、今の答えは。
○小平政府参考人 二・八兆円には入っておりません。
○鮫島委員 入っていないけれども、これは、だって再処理のコストですよ、一兆円。これは、では、どこで使うの。
○小平政府参考人 やや会計上のテクニカルな話で恐縮でございますけれども、二・八兆円は負債でございまして、前受け金は資産であるということで、別々に計上されているということでございます。
○鮫島委員 これは使っちゃったんですか、それともまだあるんですか。再処理前受け金として日本原燃に置いてある一兆円弱は、あるのか使っちゃったのか。これは使っちゃったはずですよ。
○小平政府参考人 お答えを申し上げます。
 これは、先ほど申し上げましたように、経理上は資産ということで計上されているわけでございますけれども、実際には六ケ所の処理工場に充てられているというふうに思います。
○鮫島委員 これはどういうことかというと、六ケ所の再処理工場をつくるのにえらい金がかかっちゃった、七千億でできると思ったら、三倍の二兆一千億かかっちゃった、お金が足りない、したがって、処理費を前払いしてください、それはMOX燃料でお返ししますという話になっていて、十年分使っちゃったわけですよ、この再処理工場で。
 ですから、こういうかなり粉飾決算、あるいは五百億円しか売り上げがないのに、長期の借入金が一兆あり、それからそうやって使っちゃったお金も一兆ありというので、これは下手したらいつ吹っ飛ぶとも限らないぐらい危ない経営状態だと思いますが、これは、国は日本原燃の経営にタッチしているという自覚があるんですか。
 つまり、日本原燃が何をするかというのは、ほとんど経済産業省が手とり足とりでがんじがらめに縛ってやらせているんじゃないですか。それはつまり、核燃サイクルの推進が、建前は電力会社の自主裁量だと言いつつ、実は国策としてやっている。しかし、金は出したくないものだから、電力会社が自主的にやっている事業だと。これは小泉民営化の典型みたいなもので、内容は縛っておきながら、民間がやることだからといってお金は出さない。
 日本原燃の経営に関与しているという自覚はあるんですか。この経理状態、どうするつもりですか。
○小平政府参考人 お答え申し上げます。
 再処理の事業をどのような形で行うかということにつきましては、以前議論が行われまして、結果として、九電力が主体になって民間事業としてこれを遂行するということで、国はこれに対して必要な支援を行うという形でやってきております。
 その一環といたしまして、必要な資金につきまして政策投資銀行から融資等を行ってきているわけでございますけれども、私どもは、これはまさに国にとって必要な再処理事業を行う重要な会社であるということで、会社の経営状況等につきましてはこれまでも注視をしてまいっておりますし、会社とも緊密な連絡をとりながら事業を進めているところでございます。
○鮫島委員 もう時間なのでそろそろ締めますけれども、これだけ日本原燃も幾らお金がかかるかわからないような経営内容になっちゃっている。真水は一銭も出していないんだけれども、政策投資銀行から融資してやったからいいだろうという話ではないと思いますが、とにかく大変な経営状態になっている。日本原燃が吹っ飛ぶと、東京電力だけで七千億円の損失を抱えなくちゃいけないというぐらい大変な状態です。
 そのほかに、この再処理費用も、どうも当初見積もりよりも大分かかる。それから、プルサーマルもそう簡単に進みそうもない。そういう中で、しかし、おくれによってその間に生ずる費用も電力会社に全部背負わせていくと、ボディーブローのように非常にきいてきて、電力会社は大変体力を失うと私は思いますよ。
 もし大手の外資か何かがつぶれかけた九電力のうちの一個を買い取って、うちは再処理は、アメリカならアメリカで自分で持って帰って直接処分するから六ケ所なんか出さないよと言われたって、法律的にはとめるすべがないわけですよ。あるいは、電力会社によっては、うちは六ケ所に出すよりはフランスに出した方が値段が半分だからそっちへ出したい、あるいは、ヤードの中にスペースがあるから、五十年ほどは再処理に出さないで中間貯蔵しておきたい。そういう選択肢は認めるんですか。
○小平政府参考人 お答え申し上げます。
 この点につきましては、従来から九電力との間で緊密に協議をしながら、今後は六ケ所の再処理工場で処理をするという方針でまいっておりますので、私どもといたしましては、引き続きこの再処理工場での再処理ということでお願いしたいと思います。
○鮫島委員 電力会社がやる、民間がやる事業だと言いつつ、そのやり方については国が大変強く縛っているということはよくわかったと思います。
 けさから電源特会の話が幾つか出ていますが、私は、あの特会を、ある意味では少しは電力会社が喜ぶような使い方をする必要があるんじゃないか。
 その中の一つに、中間貯蔵のとらえ方ですが、これは将来の燃料だというふうに思えば、核燃物質の備蓄ということで、石油やなんかと同じように、備蓄としてのお金が特会の性格からいっても出せるんじゃないかというのが一つです。午前中も、御答弁で、何かいい考えがあったら教えてくれと言っていたようですので、それが一つ。
 それからもう一つは、やはり「もんじゅ」の話で、先ほど中山さんからもちゃんとやるべきだというのがありましたが、世界的に見ても、どうもあの金属ナトリウムというのが非常に反応性が激しくて、あれを使っている限りなかなか実用化は難しい、何かもうちょっと安定して反応性の穏やかないい熱伝導体を探したいというのが原子力関係の技術者のテーマになっていると思います。
 そういうところに思い切って予算をつけるとか、今の中間貯蔵を備蓄というふうに考えてお金を出すとか、余り地域対策でコンパニオンの費用まで持つというようなことじゃなくて、そういう使い方もぜひ考えていただきたいと思います。
 以上で終わります。
○河上委員長 次に、吉田治君。
○吉田(治)委員 もう時間も過ぎておりますので、一点だけ、この法案の最後におきまして、大臣から御意見なり答弁なりいただきたいなと思っておりますのは、この審議を通じて明らかになったことは、エネルギー政策、原子力政策というのはまさに国が率先しなければならない。各知事がおいでであっても、それは法律的権限はない。結果としては知事が持っている道路の使用権限だとか港湾権限、それで嫌がらせを受けないためになだめすかしていると言っても言い過ぎではないかなという部分もあったと思います。
 ですから私は、所管大臣として大臣の御決意は何度も聞きました、しかし、郵政の民営化ばかり言っている総理大臣のエネルギー政策だとか原子力にかかわる決意というものを、ぜひともどこかで明らかにしてもらいたい。そうでないと、国民は納得もしないし、各知事も、やはり総理が言うんだったらこれは本当の国策なんだという部分は、私は必要だと思うんですけれども、どういうふうに大臣お感じになられるでしょうか。
○中川国務大臣 私のことについてはもう何回も聞いているということでございますので省略いたしますが、一員であります私は、小泉総理から、エネルギー政策についても極めて重要であるということで、私からも折に触れて総理に御報告をし、総理からも指示をいただいているところでございます。
 総理はエネルギー政策をきっちりやるべきであるということで、例えば、現時点において非常にエネルギー依存度の高い中東地域の安定のために貢献を一生懸命しているところでもございますし、また、東シナ海につきましても、これは内閣一体ということは総理にも折に触れて報告しているところでありますが、総理はいつも、この東シナ海のエネルギーというものは大事であるけれども、この海を対立の海にしてはならない、協調の海にしなければならないというような指示もいただいているところでございます。
 さらに、最近になりまして、これはエネルギーの政府の会議におきましても、先ほどのベストミックス、ポートフォリオではございませんけれども、安定供給のために、総理は、大変新エネに興味があると同時に、最近は脱石油ということにも非常に関心を持っております。何も石油は要らないということではなくて、石油の持つ重要性と、またいろいろな、特に最近のコストの変動であるとか地政学的リスクでありますとか、そういうことも含めて、石油の依存度を少し薄めるというような観点から新エネ等々についても一層努力するようにということでございまして、総理は、エネルギー政策についても最高責任者として強い関心と、また、折に触れて私も指示を受けて仕事をしているところでございます。
○吉田(治)委員 もう最後になりましたけれども、るる御説明がありましたけれども、やはり総理の施政方針演説であるとか予算のときの演説であるとか、そういうふうなものに、もっと時間も、そして発言も中身も割いてしていく必要が、国民にとっては私は必要ではないかと思います。
 美浜の事故の問題も、やはり国民はまだ納得、理解はできていないと思います。やはりそういうことを含めていって、総理みずからがエネルギーの問題は国策である、いや、安全保障について大事なものである。大臣が、中国の問題、また中近東の問題、大変御苦労されても、やはりそういう総理からじきじきないと、何か小泉さんイコール郵政民営化ばかりだということは、本当に国民にとって私は不幸である。場合によれば、予算委員会なりこの委員会なり、またこの国会において、エネルギーを主要テーマとして総理出席のもとの議論をいま一たびしていく必要があるということを最後に強く申し入れまして、質疑を終わらせていただきます。
○河上委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○河上委員長 これより両案に対する討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。塩川鉄也君。
○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、再処理積立金法案と原子炉等規制法改正案、両案への反対討論を行います。
 これらは破綻した核燃料サイクル再処理路線を強引に進めるもので、我が国のエネルギー政策上、重大な禍根を残すものであります。
 積立金法案反対の第一の理由は、この法案の前提となる再処理路線が、一連の原発事故、不祥事への真の反省もないまま、経済性、技術安全性などあらゆる面で国民の不安と疑問を解消するものとなっておらず、国民的合意形成に逆行するものだからであります。
 第二は、核燃料サイクル処理費用の根拠はあいまいで、電力会社の経営リスクを国民に押しつけるものであるからです。再処理等総費用は根拠のない過小見積もりであり、電気料金を通じた国民の負担額については、法案で示すこともなく、電気事業法の省令だけで自由に値上げする仕掛けになっており、認められません。
 続きまして、規制法改正案であります。
 日本の原子力の研究、開発、利用は原子力基本法に基づき、平和目的に限り、自主、民主、公開の三原則に依拠し、行われてまいりました。核物質防護については当然厳格に実施すべきものでありますが、この大原則を堅持し、国民的監視によってこそその実を上げ得るものであります。ところが、本法案はそれを阻害しかねないものです。
 第一に、罰則を伴う秘密保持義務を導入することです。法案には特定核燃料物質に関する防護に関する秘密の定義がなく、質疑で明らかになったように、恣意的に拡大運用されるおそれがあります。核物質防護を理由に安全にかかわる情報の公開が制限されるおそれがあり、重大です。
 第二に、本法案と連動して、内部、従業員による脅威対策を理由に、従業員への犯罪歴、病歴の調査、公安情報の照会や素行調査などの導入が議論されていることです。こうしたやり方は、重大な人権侵害になりかねず、従業員の自覚的な対応が欠かせない核物質防護において、原子力の職場内で相互不信を招き、逆効果になりかねません。
 次に、クリアランス制度の導入は、基準値を超えるものが一般の産業廃棄物に混入するおそれがあり、監視の仕組みなど、国民的理解を得られておりません。また、廃止措置の安全規制は、民間任せ、国の責任にあいまいさを残すもので、問題です。
 最後に、危険でむだな核燃料サイクルへの固執ではなく、自然エネルギーの開発、利用を本格的に促進するようエネルギー政策を根本的に転換すべきことを求め、討論を終わります。
○河上委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○河上委員長 これより採決に入ります。
 まず、内閣提出、原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○河上委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○河上委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、平井卓也君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の三派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。細野豪志君。
○細野委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、核燃料サイクル政策の根幹である使用済燃料の再処理事業の重要性にかんがみ、原子力政策に対する国民の信頼を確保するため、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 今後の核燃料サイクル政策の具体的な進め方について、高速増殖炉の実用化目標時期、それに向けたプロセス等も視野に入れつつ、将来展望を早急に示すこと。その際、望ましい官民の役割分担の在り方についても検討することとし、特に、六ヶ所再処理施設に続く対応については、核燃料サイクル政策を確実かつ安定的に遂行するために国が果たすべき役割について明確にすること。
 二 核燃料サイクル関連施設の建設・運営に際しては、地元住民・自治体の理解が不可欠であることにかんがみ、国及び事業者は、事業の必要性・安全確保への取組みなどについて十分な説明を行い、地元との信頼関係の構築に努めること。あわせて、自治体が独自の基準・判断で行う行為が国のエネルギー政策の遂行方針と対立する場合における自治体の権限と責任の在り方について整理し、国策としてのエネルギー政策を円滑に推進する観点から国と自治体の関係を明確にする手法について早急に検討すること。
 三 六ヶ所再処理施設をはじめとする核燃料サイクル関連施設の建設・運営に当たっては、安全の確保を大前提に、地元の理解・協力を得ることに万全を期しながら、一歩一歩着実にこれを進めること。なお、再処理を巡る国際情勢が大きく変化した場合や、六ヶ所再処理工場が長期間にわたり稼働停止に陥った場合など、本法律案が前提としている条件に変化が生じ、制度内容を大きく変更せざるを得ない場合には、制度の在り方そのものに立ち返って再検討を行うこと。
 四 巨額の資金の安全・透明な管理という資金管理法人の業務の重要性にかんがみ、政府として、資金管理法人の指定に関して説明責任を果たすよう努めるとともに、資金管理法人に対し十分な指導監督を行うこと。また資金管理法人の指定により天下りが行われることがないよう厳正に取り組むこと。
 五 国策の基本をなすエネルギー政策全般にわたって、その円滑な遂行に遺漏なきを期するために、関係省庁間においてより緊密な連携を図るとともに、将来に向けて、政策を効果的に遂行する組織・体制の在り方についても検討を進めるものとすること。
以上であります。
 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○河上委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○河上委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
    ―――――――――――――
○河上委員長 次に、内閣提出、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○河上委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○河上委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、平井卓也君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の三派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。細野豪志君。
○細野委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、今般新たに導入されることとなる、核物質防護検査制度、原子力施設における廃止措置規制及びクリアランス制度の厳正かつ円滑な運用を図るとともに、原子力に対する国民のなお一層の信頼を得るために、本法施行に当たり、特に次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 核物質の盗取や核関連施設に対する妨害・破壊行為といった非常の事態に際し、迅速かつ実効的な対処が可能となるよう、核物質防護のためのきめ細かい計画策定をリードするとともに、日頃から公安当局との意思疎通に努めるものとし、加えて関係省庁間においての緊密な連携を図ること。
 二 政府は、クリアランス制度の適正な運用を図るため、その安全基準や手続手順に関して可能な限り明確にするとともに、その運用が厳格に行われるよう事業者の監視を徹底すること。さらに、本制度の内容や趣旨を広く分かり易く広報等を行うことにより、地元の理解に万全を期するとともに、国民の間で誤解や風評が生じないよう十分周知徹底に努めること。
 三 政府は、長い期間を要する原子炉の解体において、その廃止措置が安全かつ適正に行われるよう十分な監督を行うとともに、今後増加が予想される原子力発電所の高経年問題に対して、その方針及び必要な安全策を早急に検討すること。
 四 規制の強化や新たな制度の円滑な運用に万全を期するため、専門人材の育成・登用に一層努めるとともに、必要に応じ、原子力安全・保安院と原子力安全委員会とのダブルチェック体制の在り方についてさらに検討すること。
以上であります。
 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○河上委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○河上委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、両附帯決議について中川経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中川経済産業大臣。
○中川国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、これらの法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。
 ありがとうございました。
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○河上委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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    〔報告書は附録に掲載〕
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○河上委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時五十三分散会