第163回国会 予算委員会 第2号
平成十七年九月三十日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 甘利  明君
   理事 伊藤 公介君 理事 金子 一義君
   理事 渡海紀三朗君 理事 松岡 利勝君
   理事 茂木 敏充君 理事 山口 泰明君
   理事 細川 律夫君 理事 松野 頼久君
   理事 石井 啓一君
      あかま二郎君    赤池 誠章君
      新井 悦二君    井澤 京子君
      井上 喜一君    井脇ノブ子君
      伊藤信太郎君    伊藤 忠彦君
      伊吹 文明君    石原 伸晃君
      石原 宏高君    猪口 邦子君
      上野賢一郎君    臼井日出男君
      小野 次郎君    尾身 幸次君
      越智 隆雄君    大島 理森君
      大塚  拓君    岡部 英明君
      岡本 芳郎君    奥野 信亮君
      鍵田忠兵衛君    片山さつき君
      亀井 善之君    亀岡 偉民君
      川条 志嘉君    河村 建夫君
      木原 誠二君    木原  稔君
      北川 知克君    小杉  隆君
      木挽  司君    河本 三郎君
      近藤三津枝君    佐藤ゆかり君
      坂井  学君    坂本 剛二君
      清水鴻一郎君    清水清一朗君
      篠田 陽介君    杉田 元司君
      杉村 太蔵君    鈴木 馨祐君
      関  芳弘君    薗浦健太郎君
      園田 博之君    田中 和徳君
      田中 良生君    高市 早苗君
      高鳥 修一君    中馬 弘毅君
      津島 雄二君    土屋 正忠君
    とかしきなおみ君    土井  亨君
      土井 真樹君    冨岡  勉君
      中川 泰宏君    中根 一幸君
      中森ふくよ君    長崎幸太郎君
      長島 忠美君    西本 勝子君
      根本  匠君    萩原 誠司君
      林   潤君    原田 令嗣君
      平口  洋君    深谷 隆司君
      福岡 資麿君    福田 峰之君
      藤井 勇治君    藤田 幹雄君
      二田 孝治君    船田  元君
      牧原 秀樹君    松本 文明君
      松本 洋平君    武藤 容治君
      盛山 正仁君    安井潤一郎君
      山内 康一君    山本 幸三君
     山本ともひろ君    与謝野 馨君
      若宮 健嗣君    渡部  篤君
      小川 淳也君    大串 博志君
      岡田 克也君    加藤 公一君
      北神 圭朗君    笹木 竜三君
      田島 一成君    長妻  昭君
      原口 一博君    伴野  豊君
      古川 元久君    馬淵 澄夫君
      前原 誠司君    松本 剛明君
      赤羽 一嘉君    太田 昭宏君
      坂口  力君    田端 正広君
      佐々木憲昭君    志位 和夫君
      阿部 知子君    糸川 正晃君
      徳田  毅君
    …………………………………
   内閣総理大臣       小泉純一郎君
   総務大臣         麻生 太郎君
   法務大臣
   国務大臣
   (青少年育成及び少子化対策担当)         南野知惠子君
   外務大臣         町村 信孝君
   財務大臣         谷垣 禎一君
   文部科学大臣       中山 成彬君
   厚生労働大臣       尾辻 秀久君
   農林水産大臣       岩永 峯一君
   経済産業大臣       中川 昭一君
   国土交通大臣       北側 一雄君
   環境大臣
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当) 小池百合子君
   国務大臣
   (内閣官房長官)
   (男女共同参画担当)   細田 博之君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (防災担当)       村田 吉隆君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      大野 功統君
   国務大臣
   (金融担当)       伊藤 達也君
   国務大臣
   (経済財政政策担当)
   (郵政民営化担当)    竹中 平蔵君
   国務大臣
   (規制改革担当)
   (産業再生機構担当)   村上誠一郎君
   国務大臣
   (科学技術政策担当)
   (食品安全担当)
   (食育担当)       棚橋 泰文君
   内閣官房副長官      杉浦 正健君
   内閣府副大臣       七条  明君
   内閣府副大臣       西川 公也君
   総務副大臣        山本 公一君
   法務副大臣        富田 茂之君
   財務副大臣       田野瀬良太郎君
   文部科学副大臣      小島 敏男君
   文部科学副大臣      塩谷  立君
   厚生労働副大臣      中野  清君
   厚生労働副大臣      西  博義君
   農林水産副大臣      宮腰 光寛君
   国土交通副大臣      江崎 鐵磨君
   内閣府大臣政務官     江渡 聡徳君
   内閣府大臣政務官     木村  勉君
   内閣府大臣政務官     西銘順志郎君
   防衛庁長官政務官     北村 誠吾君
   総務大臣政務官      山本  保君
   法務大臣政務官      三ッ林隆志君
   外務大臣政務官      河井 克行君
   財務大臣政務官      倉田 雅年君
   文部科学大臣政務官    下村 博文君
   厚生労働大臣政務官    西川 京子君
   農林水産大臣政務官    大口 善徳君
   経済産業大臣政務官    山本 明彦君
   国土交通大臣政務官    石田 真敏君
   国土交通大臣政務官    伊達 忠一君
   環境大臣政務官      竹下  亘君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    阪田 雅裕君
   政府特別補佐人
   (公正取引委員会委員長) 竹島 一彦君
   政府参考人
   (内閣府市場化テスト推進室長)          河  幹夫君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   榊  正剛君
   政府参考人
   (防衛庁人事教育局長)  飯原 一樹君
   参考人
   (日本道路公団総裁)   近藤  剛君
   予算委員会専門員     清土 恒雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
九月三十日
 辞任         補欠選任
  伊藤信太郎君     北川 知克君
  伊吹 文明君     武藤 容治君
  石原 伸晃君     川条 志嘉君
  大島 理森君     土屋 正忠君
  奥野 信亮君     杉田 元司君
  亀井 善之君     福田 峰之君
  小杉  隆君     関  芳弘君
  坂本 剛二君     井澤 京子君
  園田 博之君     猪口 邦子君
  田中 和徳君     木原  稔君
  高市 早苗君     井脇ノブ子君
  玉沢徳一郎君     与謝野 馨君
  中馬 弘毅君     新井 悦二君
  津島 雄二君     中根 一幸君
  根本  匠君     亀岡 偉民君
  深谷 隆司君     大塚  拓君
  二田 孝治君     藤田 幹雄君
  山本 幸三君     赤池 誠章君
  小川 淳也君     松本 剛明君
  大串 博志君     前原 誠司君
  馬淵 澄夫君     田島 一成君
  坂口  力君     太田 昭宏君
  田端 正広君     赤羽 一嘉君
  佐々木憲昭君     志位 和夫君
同日
 辞任         補欠選任
  赤池 誠章君     山本 幸三君
  新井 悦二君     薗浦健太郎君
  井澤 京子君     小野 次郎君
  井脇ノブ子君     平口  洋君
  猪口 邦子君     篠田 陽介君
  大塚  拓君     福岡 資麿君
  亀岡 偉民君     高鳥 修一君
  川条 志嘉君     長崎幸太郎君
  木原  稔君     越智 隆雄君
  北川 知克君     片山さつき君
  杉田 元司君     安井潤一郎君
  関  芳弘君     小杉  隆君
  土屋 正忠君     岡部 英明君
  中根 一幸君     松本 文明君
  福田 峰之君     あかま二郎君
  藤田 幹雄君     中森ふくよ君
  武藤 容治君     伊吹 文明君
  与謝野 馨君     上野賢一郎君
  田島 一成君     馬淵 澄夫君
  前原 誠司君     長妻  昭君
  松本 剛明君     小川 淳也君
  赤羽 一嘉君     田端 正広君
  太田 昭宏君     坂口  力君
  志位 和夫君     佐々木憲昭君
同日
 辞任         補欠選任
  あかま二郎君     亀井 善之君
  上野賢一郎君     佐藤ゆかり君
  小野 次郎君     坂井  学君
  越智 隆雄君     鍵田忠兵衛君
  岡部 英明君     土井 真樹君
  片山さつき君     田中 良生君
  篠田 陽介君     原田 令嗣君
  薗浦健太郎君     松本 洋平君
  高鳥 修一君     藤井 勇治君
  中森ふくよ君     山内 康一君
  長崎幸太郎君     石原 宏高君
  平口  洋君     高市 早苗君
  福岡 資麿君     木挽  司君
  松本 文明君     津島 雄二君
  安井潤一郎君     奥野 信亮君
  長妻  昭君     大串 博志君
同日
 辞任         補欠選任
  石原 宏高君     石原 伸晃君
  鍵田忠兵衛君     林   潤君
  木挽  司君     土井  亨君
  佐藤ゆかり君     近藤三津枝君
  坂井  学君     鈴木 馨祐君
  田中 良生君     清水鴻一郎君
  土井 真樹君     河本 三郎君
  原田 令嗣君     冨岡  勉君
  藤井 勇治君    山本ともひろ君
  松本 洋平君     中馬 弘毅君
  山内 康一君     二田 孝治君
同日
 辞任         補欠選任
  河本 三郎君     西本 勝子君
  近藤三津枝君   とかしきなおみ君
  清水鴻一郎君     伊藤 忠彦君
  鈴木 馨祐君     木原 誠二君
  土井  亨君     深谷 隆司君
  冨岡  勉君     園田 博之君
  林   潤君     牧原 秀樹君
 山本ともひろ君     根本  匠君
同日
 辞任         補欠選任
  伊藤 忠彦君     盛山 正仁君
  木原 誠二君     中川 泰宏君
とかしきなおみ君     杉村 太蔵君
  西本 勝子君     大島 理森君
  牧原 秀樹君     若宮 健嗣君
同日
 辞任         補欠選任
  杉村 太蔵君     萩原 誠司君
  中川 泰宏君     坂本 剛二君
  盛山 正仁君     伊藤信太郎君
  若宮 健嗣君     田中 和徳君
同日
 辞任         補欠選任
  萩原 誠司君     長島 忠美君
同日
 辞任         補欠選任
  長島 忠美君     清水清一朗君
同日
 辞任         補欠選任
  清水清一朗君     渡部  篤君
同日
 辞任         補欠選任
  渡部  篤君     玉沢徳一郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 予算の実施状況に関する件
     ――――◇―――――
○甘利委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の実施状況に関する事項について、議長に対し、国政調査の承認を求めることとし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○甘利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
○甘利委員長 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として日本道路公団総裁近藤剛君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として内閣府市場化テスト推進室長河幹夫君、内閣府政策統括官榊正剛君、防衛庁人事教育局長飯原一樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○甘利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○甘利委員長 基本的質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。与謝野馨君。
○与謝野委員 自由民主党を代表して、総理を初め閣僚の皆様方に質問をさせていただきたいと思います。
 諸改革については既に武部幹事長が本会議で質問をされておりますので、別の問題について、やや細かいことになりますけれども、御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、自由民主党は、この十一月に結党五十年を迎えますが、その際の一つの事業として新しい憲法の草案を発表することになっております。多分、自民党の作業は順調に進んでおりますので、来月、十月中には最終案ができると思います。もとより、それは完全なものではなく、いろいろな方々の御批判を仰いで、さらに完成度の高い、新しい時代にふさわしいものにしていく努力が必要であるわけでございますが、小泉総理は、総裁として自民党の中の新憲法制定推進本部の本部長をやっておられます。
 そこで、自民党としての案ができましたときに、公明党を初め他の政党の方々と話し合いをスタートしなければならないと私は思っておりますが、新憲法にかけます総理のお考え、御決意をまず冒頭お伺いしたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 憲法の改正は自民党結党以来長年の課題でありました。それが、国会におきましても憲法調査会が設置され、各党参加による議論も行われてまいりました。結党五十年を契機として、自民党として案をまとめようということで、この間精力的に議論が重ねられ、ようやくその案がまとめられる段階に来た。多くの委員の方々のこの熱心な討議、協力に敬意を表したいと思います。
 私どもとして、日本のこれからのあり方というものを考える際に、最も重要な憲法という改正問題につきましては、これは自民党がまず案を出すということによって、各党もこの問題について真剣な討議を促進していかなきゃならないという環境になっていくと思います。もとより、憲法改正というのは自民党一党だけででき得るものではありません。各党の協力を得て、国民の理解を深めながらこの問題に対応していかなきゃならない。
 そういう意味において、自民党がまず草案をまとめて国会にも国民にも大きな議論を喚起するという意味においては、極めて意義の深いことであると思っております。できるだけ多くの国民に理解と協力を得ることができるような、そういう環境を醸成して、憲法改正の大きな事業を実現していきたいと思っております。
○与謝野委員 次に、竹中大臣にお伺いしたい。
 また、これは政府全体を代表して御答弁いただきたいと思うんですけれども、衆議院で相当長時間にわたって郵政関連法案を審議いたしました。閣議決定がされ、既に国会に提出されております郵政関連法案というのは、もともとの政府案プラス衆議院で修正した部分、それと、法律が成立する時期がおくれましたので、全体として半年ずらした法案になっておりますけれども、条文自体は前国会で議論した法案とそっくりそのままだと私は思っております。
 その際、竹中大臣を初め各閣僚が答弁された答弁は、そのまま将来の法律解釈あるいは立法意思、そういうものとして援用していいものかどうか。それは別の国会ですから、形式的には違うということも言えるんですけれども、そこで答弁されたことは事実上生きているのかどうか。また、将来の法律を解釈するときに、その答弁は引用していいものかどうかということをお伺いしたいと思うわけです。
○竹中国務大臣 与謝野委員御指摘のとおり、前国会におきまして、衆参百九十時間に及ぶ御審議をさせていただきました。我々、それぞれの御質問に対して真摯に御答弁をさせていただいたつもりでございます。言うまでもなく、法案の特に解釈等々については、担当大臣として責任を持って御答弁をさせていただいたものでございます。
 今回提出した新しい法律案も、基本的には、実施時期以外のところの実質的な変更はしておりません。衆議院での修正案を盛り込んだもの、そういう修正を行っただけでございますので、我々が責任を持って答弁させていただきましたその内容については、まさに立案を担当した我々責任者の意思であるということでぜひ御理解をいただきたいと思います。
 その意味で、我々の答弁、申し上げたとおりの運用をしてまいりますし、その解釈に基づいてしっかりと対応していくつもりでございます。
○与謝野委員 ぜひそのことは特別委員会の方でも御確認をしていただきたいと私は思っております。
 そこで、世論調査をしますと、やはり国民の御関心は、社会保障制度、中でも年金について非常に御関心が高いということがわかります。我々は、さきの通常国会で、各党並びに衆参が参加しました院内での協議会というものをやっておりまして、私が座長をやっておりましたが、申しわけないことですが、はかばかしい成果は得られておりません。
 そこで、我々自民党は、基本的には年金一元化ということについて別に反対しているわけではなくて、二段階で、まず共済年金と厚生年金を統合して、その後いろいろな問題を克服していきながら国民年金との統合を図っていくという考え方、また、社会保険料方式は、これは自民、公明の共通の認識として譲れないところだというふうに考えておりますが、厚生労働大臣は、二段階での統合という問題、社会保険方式の問題についてどういうような御認識をお持ちでしょうか。
○尾辻国務大臣 一元化のことでございますけれども、今般、総理より、まず被用者年金の一元化に向けて、制度間における給付や負担の水準の相違をどうするのか、そうしたことについての検討すべきさまざまな課題があるだろうといったようなことで、幅広く議論をして、その処理方針をできる限り早く取りまとめるようにという指示をなされたところでございます。
 これを受けまして、本日、閣議後の閣僚懇談会において、私から、被用者年金制度の一元化に関する関係省庁連絡会議を設置することとしてはどうかと発言をいたしまして、御了解をいただいたところでございます。今後、この連絡会議で精力的に検討を進めますとともに、国会でありますとか与党、関係者等の御理解、御協力も賜りながら、被用者年金の一元化に向けて全力で取り組む所存でございます。
 今お話ございました、恐らく、保険でいくのか、税方式なのかといったようなことについてのお尋ねであったかと思いますが、こうしたこともそうした中での御議論になろうというふうに考えておるところでございます。
○与謝野委員 昨年は年金、ことしは介護保険、また、ことしの暮れから来年にかけまして医療の改革をやらなければならないわけです。財務省の予算編成方針を見ましても、ほっておきますと八千億ほどふえます社会保障費、二千億は制度改革で削らざるを得ないということでございます。多分、財務大臣と厚労大臣は必ずしもまだ意見が一致しているところまではいっていないと思いますが、まず、社会保障、中でも医療費改革について、財務大臣は現時点でどういうふうにお考えになっているのかをお伺いしたいと思います。
○谷垣国務大臣 私どもの目標は、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを回復しよう、ツケを先送りにしないようにしようということでありますが、その中で、財政構造、歳出構造を変えていく場合に一番大きな支出項目が社会保障でございます。
 特に医療給付費に関しましては非常に自然増が大きい、高齢化が進んでおりますので。国の経済の伸びをはるかに超える勢いで伸びておりますから、ほっておくと、ことしも今御指摘のように社会保障全体では八千億ほどの伸びが出てくるという状況でございますが、少なくとも二千二百億は削っていただかなければいけない。
 さらに、いろいろな制度改革の努力をして、もう少し切り込んでいただかなければ、なかなか今のような目標が達成できないということでございまして、いろいろ基本的なことにつきましては厚生労働大臣とも方向感はかなり一致しておりますが、具体的なことになるとまだまだ一致しないというところがございますので、これから鋭意厚生労働大臣としっかり議論をさせていただいていい予算をつくりたい、このように思っております。
○尾辻国務大臣 おっしゃるように、社会保障費をどうするかというのは大きな課題でございます。そこで、私どもは、昨年は年金の見直しをいたしました。ことし介護をいたしました。そこで、一番大きな課題として残っている医療をどうするかということを、来年の通常国会で見直しの法案として出させていただきたいということを申し上げておるところであります。
 確かにおっしゃるように、まず総額規制をしよう、日本の経済指標に合わせて総額規制をしようというお考えもありますし、かねて私どもは、一つずつ積み上げていって、積み上げた結果がそういう方向になるのが一番いいんじゃないでしょうかということを言っておるところでございまして、私どもはその積み上げるものをどうするかということを今検討しておるところでございます。
 一番いいことは、私どもが一つずつ積み上げていく、その結果こういうふうに抑制できますというのと、大枠こう抑制すべきで、このぐらいの数字になるべきだというものが合うことが一番望ましいことでございますので、それに向けて努力をしてまいりたいというふうに考えます。
○与謝野委員 今の点について、竹中大臣にお伺いしたいんですが、いわゆる骨太方針の中に書いてあります社会保障の文章を見ますと、あれは明らかに数値目標を設定せざるを得ないように書いてあるんだろうというふうに私は思っております。もちろん、直接マクロ経済との連動という表現は書いてはございませんけれども、きちんとした実現可能な目標を立てて物事をやっていくということがはっきり書いてありますが、竹中大臣はあの文章はどういうふうに理解をされておられるでしょうか。
○竹中国務大臣 あの文章というのは、骨太方針での取りまとめでございまして、与謝野政調会長にも大変御尽力をいただいた部分でございますけれども、基本的には社会保障は大変重要である、しかし、さはさりながら、そうしたものは我々の所得から払うわけでありますから、所得の伸びと、所得全体のキャパシティーとの関連でやはり考えざるを得ないという非常に大きな制約は厳として存在しているというふうに思います。
 その意味で、諮問会議での議論におきましても、これは総理御自身から、やはり何らかの管理が必要である、そして何らかのそのための指標が必要であるという御指示をいただいておりまして、そういったものをどのように設定するか。これはマクロ的といいますか、全体でまず発想するのか、積み上げをどのように勘案するのかという難しい技術的な問題があると理解をしております。その意味では、今、その方向について財務大臣、厚労大臣、大きな隔たりがあるわけではなくて、それを技術的にどのように詰めるかということが今の課題であると思っております。
 骨太の方針におきましては、それにつきましても、年内に何らかの結論を出すというふうに述べて明確に示していただいておりますので、それに沿って、諮問会議におきましてもさらにその技術的な議論を詰めたいというふうに思っているところでございます。
○与謝野委員 厚労大臣に我が党の政権公約との関係でお伺いしたいんですが、年金に関しましては、幾つか我々も選挙を通じてお約束をしております。一つは社保庁の改革、一つはパートの方の年金問題、それから厚生省は多分高齢者のための医療制度というものをお考えになっていると思いますが、この三つの点について、現時点で厚労大臣が御判断できる点について御答弁をいただければと思います。
○尾辻国務大臣 三点お話がございました。
 一つが社保庁の改革でございます。これは今、最初に社保庁をどうするかという有識者の会議が官房長官のもとにできまして、一つの答えをお出しいただきました。それをさらに具体的な作業を進めなきゃいけないということで、今度は私のもとにまた改めて有識者会議をつくっておりまして、ここで御議論いただいております。まず当面何をするか、それから最終的に社会保障というのをどういう組織にするのかという二段で御議論いただいておりまして、その御議論を待って、また私どもの答えも出したいというふうに思っておるところでございます。
 それから、いわゆるパート労働者の厚生年金加入の問題をどうするかというのは、これは昨年の年金の見直しの議論の中でも随分御議論がありました。いろいろな御議論がありましたので見送らざるを得なかったところでありますが、これは今後の課題として私どもも認識いたしておりますので、さらに検討していきたいというふうに思っております。
 それから、三点目におっしゃったのは、多分、高齢者の改めての健康保険をどうするか、新しく後期高齢者の制度をどうするかといったようなことについてのお話だったというふうに理解をいたしましてお答え申し上げるところでありますけれども、十月中旬にも私どもの案を、厚生労働省としての試案でありますけれども、まさに御議論いただくためのたたき台としてまずは出させていただきたいと思っておりますので、それをまさにたたき台にして御議論いただければありがたいと存じております。
○与謝野委員 医療の問題は、実は厚労省の問題と文部科学省の問題と両方あって、今から十年前にも、私、医学部、歯学部の卒業生が多過ぎるのではないかというふうに思っておりました。人口減少社会の中で、医師の資格、歯科医師の資格を持った方が人口に比例して必要以上にふえていくというのは、それ自体が医療費を増大させる要因になるというふうに思ってまいりました。
 医師の過剰というのは、もちろん過疎地では医師がおられないという問題がありますけれども、トータルとしての例えば歯科医師の過剰、医師の過剰というものはやはり大学の定員との関係があるのではないか、そう思っておりまして、私も医学部出身の方の数を減らそうという努力を文部大臣のときいたしましたが、学校経営との関係でなかなか減らしてはいただけないんです。国家試験を通る方、非常にたくさんおられて、それ自体が医療費を押し上げているという現実があります。
 その問題について、厚労省だけではできない問題で、文部科学省もその問題をちゃんと考えなきゃいけない。その問題についてお二人の、決定的な御発言は必要ないんですが、まず御感想をお伺いしたいと思うわけです。
○尾辻国務大臣 よく言われることですが、医療の世界は、需要と供給の関係がほかのものと違う関係になる。すなわち、医療というのは、供給すると需要が追いつくという性格を持っておるというふうに言われます。したがって、供給をとめないと医療費が上がることにつながる。その供給をとめる手だてとして、医者の数を少し抑えた方がいいんじゃないかとか、あるいはベッド数を抑えた方がいいんじゃないかという御議論がいつもあるわけであります。そうした中での医者の数というのはそういう面からも話題になるわけでありまして、今まで議論を進めてきたところでございます。
 ただ、一方からいいますと、依然として無医村もありますし、また、産科、小児科に代表されるように、足らないと言われる診療科目もあります。こうした中で、今のそういう両方の御議論を組み合わせながらどう答えを出していくかということでありますが、今突然のお尋ねでありますけれども、率直に言わせていただくと、今私どもが悩んでおりますのは、やはり足らない方で悩んでおりますから、もう少しお医者さんの数がふえた方がいいのではないかなと思っておりますということは、極めて率直に申し上げたいと存じます。
○中山国務大臣 医師の問題につきましては、特に、私の地元でもそうですけれども、やはり山間僻地といいますか、そういったところに医師が足りないという問題もあるわけでございまして、このような中で、十六年の二月に出されました地域医療に関する三省連絡会議のまとめにおきましても、「今後の検討課題」の中に入っているわけでございまして、「平成十七年度中を目途に医師の需給見通しの見直しを行う。」こととされておるわけでございまして、文部科学省といたしましては、この見直しを踏まえまして、入学定員のあり方等を含めた大学における医師養成のあり方について検討していきたい、このように考えておるところでございます。
○与謝野委員 次は、政策金融機関の統廃合の問題についてお伺いしたいわけですが、私ども自民党の中でも、これについての合同部会をきょうから始めまして、政府系金融機関をどう統廃合していくのかということを始めます。始めますが、最初からばたばた倒していく、廃止していく、統合していくということではなくて、やはり一つ一つの政府系金融機関、政策金融機関が持っている機能を議論していこうと思っています。
 必要のない機能は切る必要はあるし、例えば中小企業金融など、一般の金融機関がなかなか喜んで貸してくださらないような場合にも、やはり政策的に我々は備えていかなければならないという考え方もありまして、我々はまず機能を議論して、その次に組織を議論していこうということですが、我々もどこかの役所がこれを残せと言うから残そうという考え方はとるつもりはありません。
 ただ、国としての機能として残さなきゃいけないものは残すという、多分そういう考え方になっていくと思うんですが、政府は、今まで政府系金融機関に関して既に決めてあること、また今後どういう議論の仕方をされて、いつごろまでに大体の方針を出されるのかということを、わかっておられる範囲で結構ですので、お答えいただければと思います。
○竹中国務大臣 公的な資金の入り口の改革としての郵政の改革、それに対して、公的な資金の出口の改革としての政策金融の改革は、構造改革の中でも極めて重要な位置づけが与えられているというふうに考えております。それに関しまして、今与謝野委員おっしゃいましたように、機能が重要であるという点については全く我々も同様の思いを持っておりまして、機能の問題をまずしっかりとしなければいけない。その上で組織の議論をすべきであろうという基本的な考え方を持っております。
 これまで、政府においては、政策金融の議論、特に平成十四年におきましてかなり集中的に行っておりまして、平成十四年十二月に取りまとめました政策金融改革についてという我々の取りまとめの中で、機能の議論に関してはかなりの議論を行ってきているところでございます。その議論を踏まえまして、より個別の機能論と、そしてあるべき組織について、今後議論を深めていこうというふうに考えております。
 機能について、技術的なことはいろいろございますけれども、一番重要な基本は、これはやはり民の補完に徹するべきである。民が主体であり、それがどうしてもできないところだけ官が政策金融という形で補完すべきであるという、そこが基本であろうと思っております。
 そうした観点から見ますと、日本の政策金融は諸外国に比べていかにも量が大きい。これは何で比べるかという問題もありますけれども、ヨーロッパの比較的政策金融をたくさんやっている国と比べても、おおむねその二倍ぐらいの規模があるというふうに認識をしておりますので、直接貸し付けについてはやはり二分の一ぐらいの規模にしていかなければいけないであろうというめどを持っております。それは、先ほどの政策金融改革についての中でも述べているところでございます。
 加えて、日本の政策金融の場合は、自分で資金調達をして審査をして貸し付けをして、かつ、その貸付債権を保持し続けるというまさにフルセットの形を前提にしているわけですけれども、世界の金融の流れというのは、そういうフルセットではなくて、そのリスクをさらに分断するような幾つかの質の改革も行われていますので、そういうものも取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。
 今申し上げたような方向性を持ちまして、これもことしの骨太の方針の中で、ことしの秋を目途に、「あるべき姿の実現に関する基本方針を取りまとめる。」というふうにしております。少し時間がおくれぎみでございますけれども、私としては、本年十一月を目途に、あるべき姿の実現に関する基本方針を、ぜひ今申し上げたようなことを念頭に置きながら取りまとめたいというふうに思っておりますので、与党におきましても、幅広くぜひ御議論を賜りたいというふうに思っております。
○与謝野委員 これは御要望しておきますけれども、自民党はそれぞれの、別に役所の言うことを聞くのではなくて、地域社会でいろいろな要望を国会議員は背負ってきております。特に中小企業や零細企業は、国民金融公庫を初め中小企業金融に頼るところが多いということもぜひ理解をしていただきたいと我々は思っておりますが、もとより、政府系金融機関で持っていなくてもいい機能は持つ必要がないということを前提に改革を進めていく必要があるというのは、自民党も政府も相違はないと思っております。十分政府と与党の間で連絡をとりながら、きちんと物事を進めてまいりたいと思っております。
 次に、文部大臣にお伺いをしたいと思うんです。
 いろいろな国際的なテストを見ますと、昔は世界で一番お勉強ができたはずの日本人が、何かこのごろ、テストをすると随分下の方になってしまっていまして、少し私はがっかりしております。別に中山文部大臣の責任だとは申しませんけれども、やはり義務教育の改革というのは、学力をきちんと充実させるということを重点にやらなければならないと思っておりまして、多分、文部科学大臣のもとで、中教審で義務教育の改革について、教育の内容あるいは教育委員会を初めとした制度の改革、こういうことに取り組んでおられると思いますが、現在までの検討状況を御報告いただければと思います。
○中山国務大臣 最近の日本の子供たちの学力の低下傾向というのは、いろいろ言われていましたけれども、昨年末の国際的な学力調査の結果の公表によりますと、その心配がやはり現実のものとなったというふうに考えています。
 特に読解力を中心とします応用力といいますか、これまで日本の教育というのは、基礎、基本的なことをしっかり身につけて、自分の頭で考え、判断して行動できる、そういう主体性のある子供たちを育てようというふうなことでやってきたわけですけれども、必ずしもその目標が達成されていないんじゃないかということを認識したわけでございまして、ことしの二月に私の方から中央教育審議会に対しまして、タブーを設けることなく、教育全般についてもう一回見直しをしてくれ、こういうふうなことで実はお願いをしたところでございます。
 特にその中で、現行学習指導要領の成果と課題といいますか、これを行う必要があるんじゃないかということで、特に国語力の育成、それから理数教育、さらに英語教育の充実など、教育の内容の改善充実を図るということ、それから到達目標の明確化、そして授業時数、これについてももう一回検討する必要があるんじゃないかということ、さらには学習内容の定着を目指す、そういう学習指導要領の枠組みの問題、そして地域とか学校の特色を生かす教育の推進、こういったことについて今精力的な検討をいただいているところでございます。
 今後は、義務教育全体についての検討を行っております中央教育審議会の義務教育特別部会の検討状況を見ながら、学習指導要領全体の見直しに当たっての基本的な方向といったものをことしの秋までに出してもらおうということで、今精力的な検討をいただいているところでございます。
○与謝野委員 多分、自民党の政権公約の中で余り注目されなかった項目の一つに、中学までは検定は必要だけれども、高校の教科書はもう検定は必要ないんじゃないかと。私自身はそう思っておりますが、公約は、高校の教科書の検定の必要性の有無について一度検討したらどうかという政権公約の一項目があります。私自身は、国がわざわざ高校で使っている教科書を検定するまでもなく、やはりいい教科書しか残らないというふうに思っております。
 義務教育課程の教科書は検定は必要だと私は思っているんですが、高校の教科書は、学習指導要領のレベルまで到達していてくださいよと言っておけば、それぞれの学校現場、教員、教育関係者が判断をして、いい教科書が残っていくというふうに考えているんですが、文部科学省は、やはり検定というのは高校の教科書まで必要だというふうに考えておられるのか、場合によってはこれは自由にしても構わないのではないかというふうにお考えなのか、どっちとも言えないのか、中山大臣の個人的なお考え方で結構なので、ぜひ教科書検定についてのお考えをお伺いしたいと思います。
○中山国務大臣 今の日本の教科書検定は、委員御承知のように、事実に照らして間違っているということ、あるいは一般的な通説から著しくはみ出している、そういったことについてチェックするというのが基本になっているわけでございます。そういう意味では、小中学校と高校と考え方に違いはない、こう思うわけでございまして、私としても、自然にいい教科書が選んでもらえるような雰囲気であればいいと思うんですけれども、なかなか現実はそうじゃない。ある教科書を選ぼうとすると大変な妨害が起こったりするというのが現実でございます。
 そういった中で、一体いい教科書とは何なんだ、だれが選ぶんだということも含めて考えていかなきゃいけない話だと思いますけれども、今の日本の現状を見ますと、やはり文部科学省がある程度検定といいますか、調査してチェックするという枠組みは残しておくべきじゃないかな。問題は、その採択をどうするかということが今大きな問題だなというふうに私は個人的には考えております。
○与謝野委員 そこで、やはり中山文部大臣にお伺いしたいんですが、三位一体改革の中で、義務教育国庫負担という項目があって、昨年は八千五百億立てて、暫定的にそのうちの四千二百五十億を実行したということですが、実は、国が義務教育に関して国庫負担を持っているということが義務教育と何か関係あるのかという疑問を持つ方もおられて、実際は裁量性のないお金なので、ほとんど政策経費とは言えない、義務的にどんどん出ていくお金、これに文部科学省が必要以上に強いこだわりを持っているというのは理解ができないという方が最近非常におられるんじゃないかと私は正直思っております。
 平成六年、七年のころ、文部省におりましたときも、このお金は本当に必要なのかどうかというのは省内で随分議論をしまして、そのときの結論は、若手の人たちとは、これは必要ないというのがそのときの省内の課長クラスの何人かの結論です。別に機関決定をしているわけじゃないんですが、優秀な人たちと集まって議論をした結果。そのときから実はそう思っておりました。
 しかし、文部省が一定の裁量的なお金を持って義務教育を奨励、振興するということは私は必要だと思っていますが、目の前を通り過ぎていくだけのお金を持っていて何か楽しいことがあるのかという気もいたしまして、そういう意味では、昨年の暮れは、みんなが守れ守れと言うので私も守りましたけれども、本当に必要なのかどうかというのは、実は今確信が持てないでいるわけです。その義務教育国庫負担のお金と義務教育の本質とはどういう関係があるのかということについては、私はまだすとんと胸に落ちるものを持っていない。
 実は、文部科学省にはことしの六月、七月、大変冷たいことを党としては申し上げてきているわけでございますが、文部科学大臣として、こういう機会ですからぜひ御反論をいただければと思っています。
○中山国務大臣 反論するほどのあれはございませんが、与謝野委員には昨年末の政府・与党合意におきまして大変な御尽力をいただいた、こう思っております。感謝申し上げております。その結果として、中央教育審議会で、先ほども申し上げましたけれども、義務教育全体についての議論、この費用負担も含めて御議論いただいているということは大変よかったな、すばらしかった、こう思っているところでございます。
 そこで、義務教育とそれにかかる金を国が持つことの関係ということの御質問でございますが、義務教育、国の責任とは何なんだということ、これは、一つには、やはり教育の機会均等だろうと思うんですね。どういうところに生まれても、たとえ山間僻地に生まれても、都会で生まれ育った与謝野委員と同じような教育が受けられるということが、これはまさしく憲法の要請だろうと思いますし、それから、教育水準の維持向上ということも二番目の大事なことであろうと思いますし、三番目が無償制ということだろう、このように考えているところでございます。
 そういう中で、確かに、おっしゃるように、文部省の目の前を素通りしていくようなこの国庫負担のお金、文部省にとって別に欲しいわけでも何でもありませんが、しかし、それを通っていって、地方に行くことによって、先ほども申し上げました機会均等といいますか、これが担保されているということを実は感ずるわけです。
 私、スクールミーティングということを提唱いたしまして、学校の現場を回っていこう、とにかく文部科学省、大臣以下、学校現場を見て、そして先生方のお話を聞き、保護者の意見を聞き、子供たちと給食をともにすることによって、子供たちの実態を把握することから教育改革をやろうじゃないかということで、この七月の末までに全国三百八十校の小中学校を見て回りました。
 やはり現場を見るということは大事なことだなと思いましたのは、本当に子供たちの実態、置かれた現状というのが非常に大変だな、こういうこともわかりましたが、また、学校現場におきましても、ぜひ与謝野委員、聞いていただきたいんですが、例えば、学校でファクスの用紙がないとか、あるいは、子供たちに宿題を出そうとしても、プリントの用紙がないので一回使ったものの裏を使ってプリントをしている、そういったような学校現場の現状があるわけですね。これは教材費ということで実は一般財源化されておりまして、地方でそれぞれ出しているんですけれども、そういった現状を見ますと、本当に義務教育にかかるお金というのを全部地方に任せていいものだろうか。
 やはりある程度は国が責任持つよ、そのかわりそれに見合うものを地方もしっかり持ってくれ、そして、全国どういったところに生まれても同じような教育を、少なくとも義務教育のレベルでは受けることができる、日本人として生まれてよかったな、そう思えるような日本にしたい、そういった教育にしたい、私はこういう思いで、義務教育国庫負担制度、去年の暮れの合意にもございましたけれども、この教育制度の根幹は維持する、そして国の責任は堅持するという、そういう方向のもとで、総理からも御指示いただいておりますけれども、地方案を生かす方策を今いろいろな観点から検討しているんだ、こういうことで御理解いただきたいと思っております。
 最後になりますが、昨年末から大変御支援いただきましたことにつきまして、改めて感謝を申し上げます。引き続きよろしくお願い申し上げます。
○与謝野委員 次に、財政再建についてお伺いしたいんですけれども、自民党では、この十月二十日前後に、自民党としての財政再建に対する考え方をまとめて、中間報告として発表したいと思っております。
 一つは、谷垣大臣には財政再建に対する決意をお伺いいたしたいと思いますし、麻生大臣には、やはり国の財政を再建する上で地方に御協力をしていただかなければならないことが実はあります。一つは、地方交付税のあり方、また一つは、地方公務員の人数、総人件費、こういうものはやはり地方に御協力いただかないと財政再建には到達しない。
 厚労大臣は、社会保障費全体を抑制していかれるというお気持ちは先ほど伺いましたので結構ですが、まず、財務大臣には御決意、それから麻生大臣には、財政再建をやっていく上で地方に協力をお願いしなければならないということに関して、総務大臣はどういう御決意を持っておられるのか。お二人に、財政再建に関連してお伺いしたいと思うわけです。
○谷垣国務大臣 与党の方でも、政調会長のもとで財政再建についてのお考えを研究していただいておりまして、それをまとめて出そうと、大変ありがたいことだと思っております。
 日本の財政は、今さら申し上げるまでもございませんが、今年度末で、国債の発行残高が、国五百三十八兆という、諸外国と比べましても、先進国と比べましても、極めて劣悪な水準になっている。財務大臣として、そういうことを国会で御答弁申し上げるのは、まことにじくじたるものがあるわけでございます。
 それで、今回の選挙戦を通じましても、郵政民営化というのが大きなテーマでございましたけれども、その背後に、簡素で効率的な政府をつくって、ツケを子供たちや孫たちの世代に先送りするなという強い国民の期待と意思があったのではないかというふうに私は感じているところでございます。
 そこで、財政再建の大きな道筋として私どもが今まで唱えてまいりましたのは、先ほどもちょっと申しましたが、二〇一〇年代初頭に、その年いただいた税金でその年の政策を打っていこう、いわゆる基礎的財政収支のバランスをとって、ツケを先送りしないように持っていこう、これを目標といたしているわけでございます。
 そして、この六月に閣議決定で、基本方針二〇〇五というのができましたけれども、その中で、大体一年間を目途として、歳入歳出一体改革について、道筋あるいは工程というものを明らかにせよということになっておりまして、私どもはそれをきちっとやっていかなきゃいけないと思っております。
 そういうことをやっていきますには、これからつくります来年度予算、平成十八年度予算は、その道筋をつけていく土台となったという予算にしていかなければならないんだろうというふうに思っております。
 それで、これをやりますについては、聖域なき見直しというのをしなければいけないわけでございますが、その中でも、先ほど与謝野委員がおっしゃいました社会保障改革、それから今の御質問の中にもありました国と地方の関係、こういうものが大きな歳出項目でありますから、そこの合理化といいますか、身の丈に合ったきちっとしたものをつくっていかなければならないというのがことしの予算の大きなテーマであろうかと思っております。
 全力を挙げて少しでもいい形に持っていきたいと考えておりますので、またよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げる次第でございます。
○麻生国務大臣 御存じのように、地方の方も、地方自治体という経営主体を経営する感覚がないと、多分首長はもうもたない時代になってきておるという意識を、正直私どもは持っております。
 今回、この四年間の小泉内閣のもとに、三千二百二十幾つありました市町村は、来年三月三十一日で一千八百二十二ないし二十一に多分なろうと存じます。約一千四百減ることによりまして、例えば人でいきますと、首長が当然それだけ減ることになります。町村会議員も一万八千九百人それで減る形になろうと存じます。また、当然のこととして三役もそれに合わせて、助役、収入役、それも掛ける三で減ることになるんですが、そういった形で人件費は減る。
 また、合併をいたしますと、一自治体当たり、人口五千人以下の自治体というものは、一人頭に行政経費が約百三万円かかっております。それが二、三万人になりますとその経費が大体半分、四十二、三万、さらに五万人ぐらいになりますと三十万台ということになりますので、今回の合併に伴いまして、全国で十万人以上の市は二百六十七、全人口の六四%という方々がここに住んでおられることになりますので、経費としては、合併した分だけコストはかなり下がると思っております。
 また、人件費につきましても、御存じのように来年から団塊の世代が地方では大量に定年を迎えられることになりますので、退職者の補充の点につきましても、ICTの発達等々いろいろなものがありますので、雇用の分を、従来の、百人退職いたしますと百人採用するのではなくて、五十人でそれを補う等々、いろいろな努力をしておるというのが既に出ておりまして、昨年からラスパイレス指数は、この数字をとり始めて以来、初めてマイナスで出ております。一〇〇を切ったというのは、この統計をとりまして以来初めてです。
 地方で意識の高いところはもう既に、そのような対応をやらないととても地方はやっていけないという意識を持っておられる長を抱えておられる自治体はどんどん進む。そうじゃないところは、まだ意識が余り足らぬというところもあろうと思いますので、自治体としては、おたくと同じ人口の市で、同じようなところでホームページを見てくださいと。おたくの財政指数はこんなに違うんですよというのは全部公表する、給与も全部公表。
 そういった形で競争をさせない限りは、これはなかなか言ったってというような感じがありますので、そういった公表する形によって、大阪市が一つの例かもしれませんけれども、ああいった形できっちりやっていかにゃいかぬというのは、民主主義の成熟度合いが上がっているというようにも思っておりますので、私どもも積極的に、この部分に関しましては、いろいろ力をかすところは力をかすにしても、少なくともそういった方向で地方が自治をもってやっていくように指導していかねばならぬと思っております。
○与謝野委員 私のお願いは、地方交付税改革も避けて通れないということを総務大臣によく認識していただきたい、総務省にも認識していただきたいし、地方団体にも認識していただきたい、このことをぜひお願いしておきます。
 次に、経産大臣にお伺いしたいんですが、アジアとのFTA交渉はどういう段階まで来たのだろうか。特に、私は、韓国とのFTAが停滞しているということを非常に心配しております。また、ヨーロッパの国で、例えばスイスというような国が日本とFTAを結びたいと言っているにもかかわらず、外務省も経済産業省も余り熱心でないという話を伺って、非常に私は残念に思っております。
 これらの点について、お考えをお伺いしたいと思います。
○中川国務大臣 日本は、貿易立国として、また、経済連携を積極的に強化していくことがある意味では国是でございまして、そういう中で、今積極的にEPA、経済連携の作業を進めております。
 御承知のように、過去二年間におきましても、シンガポールの後メキシコ、あるいはまた、大筋合意としてフィリピン、マレーシア、タイというふうに、近隣の国々との関係を強化しております。これは、マルチのWTO協定を前提にして、バイでやっていくという世界の流れの中で積極的にやっていきたいということであります。
 そういう中で、韓国につきましては、隣国であり、もとよりお互いに非常に関係が深いわけでございますから、この関係を強化していきたいということで、小泉総理と先方の大統領のもとでことしじゅうにという方向でやっておりましたけれども、残念ながら昨年の十一月以降交渉が中断をしております。先方にも理由があるようでございますけれども、日本としても、韓国との関係、EPAは最重要だと思っておりますので、私といたしましても、政府としても、一刻も早く交渉を再開して、そして日韓がともにプラスになるようなレベルの高いEPAを締結していきたい、これも総理の強い指示のもとで、そういう意向を持っております。
 また、スイスにつきましては、スイス以外にも、ASEANのほかの国々、あるいはまたほかの世界じゅうの国々と積極的にやっていきたいというのが小泉内閣の方針でございまして、その一つとして、スイスから非常に強い希望があることも承知をしております。スイスは非常に高いレベルの国でございますので、日本としては、もとよりスイスを排除するとか積極的でないということではなくて、スイスも含めてレベルの高いEPAを結んでいきたいということで、今鋭意作業をいろいろな国とやっていたり、また、これからやろうというふうに考えております。
○与謝野委員 国交大臣にお伺いしたいんですけれども、道路財源、これは長年の何か聖域みたいに扱われてきたんですが、いよいよ聖域ではなくなりそうになってまいりました。揮発油税それから自動車重量税、これについて国交大臣、今どう考えておられるのか。私としては、手をつけざるを得なくなるだろうなと思っておりますが、多分国交省の方々はかなりこれに対しては強い反応があるんじゃないかなと思っておりますが、大臣はどういうふうにお考えになっておられますか。
○北側国務大臣 一昨日、総理から、この道路特定財源について見直しの御指示がございました。これから年末に向けまして、論議が進んでいくと思っております。
 その論議の前提といたしまして、総理の御答弁の中にも記されておりましたが、これは自動車の利用者が負担をしている税でございます。税というのは、受益と負担の関係がこの特定財源ではあるわけでございまして、そうした負担をしている自動車の利用者の方々の御理解が得られる範囲内での使途でないといけないのではないかというふうにも考えられますし、また、暫定税率という問題がございます。二倍前後の暫定税率があるわけでございまして、この暫定税率をどう考えていくかというふうな問題点もございます。
 こうした課題をしっかり論議させていただきまして、この見直し作業を進めさせていただきたいと思っております。
○与謝野委員 どうもありがとうございました。
○甘利委員長 この際、金子一義君から関連質疑の申し出があります。与謝野君の持ち時間の範囲内でこれを許します。金子一義君。
○金子(一)委員 金子一義でございます。
 総理、私、岐阜県四区から当選させていただきました。これは、可児市という十万都市、それから高山、郡上という中山間地、こういう中山間地と都市部とが併合したところだったんです。
 今度の選挙のテーマで、都市部へ行きますと、構造改革。総理にも来ていただきました。握手すると、構造改革をやってよね、極端にあらわれてくるんです。山間部に行きますと、また反応が違うんですね。これを言っても拍手は来ないんです。そのかわり、都会ばかりが日本ではないぞと言うと拍手が来るんです。
 こういう、きょうのメンバーでもそういう方々は多いと思いますけれども、いわば二面性を持った、地方切り捨てはさせないというところも大事な使命として私の役割である。そういうものを踏まえて、きょう発言をさせていただきたいと思っております。
 今、与謝野先生から、政調会長からちょっとお話があったので、継続させていただきたいと思うんですが、総務大臣、三位一体、もう既に中山大臣と義務教について火花が散ったようであります。これから中身はさらに議論を詰めていくと思いますけれども、首長さんから見ますと、ことしで一応決着、総額が終わる。来年以降は第二弾というのがまた始まると思いますけれども、ことしが終わったところで首長さんから心配が出てきますのが、今までは補助金、負担金ということで必要な税源確保がなされてきたんだけれども、これが地方税ということで振りかわる。振りかわった場合に、自分の自治体にその補助金あるいは負担金というのがちゃんと手当てされるんだろうかという不安を、やはり依然として皆さんお持ちになっているんです。
 この心配をどう手当てされていくのか、御質問させてください。
○麻生国務大臣 基本的には、地方税というものを考えました場合に、地方住民税ということになろうと存じますが、これは人口の多いところと少ないところでは、差が出てくるのは当然です。結構合併が進んだとはいえ、格差が出る。百九十八人しかいない青ケ島、三百五十万人いる横浜も、同じ一自治体になりますので、そういった意味では、人口格差がつきますので、その人口格差をなくすために、五%、一〇%、一三%というぐあいに分かれておりました地方住民税を一律フラット化する等々によりまして、かなりの部分は補えると存じます。
 しかし、それでもとても足りないという部分は確実に出ますので、ある程度そこのところは補ってやらないととてももたない、私どもはそう思っております。したがいまして、今青ケ島を例に引きましたけれども、ここに住んでもらっているおかげで竹島みたいな話が起きないわけであって、いろいろな意味で、私どもは、いろいろな観点からこういったところにもきちんとやるべきものはやらねばならぬと思っております。
 しかし、基本的には、地方は地方自治団体としてこれは自立していくような形で不交付団体というものにする。人の数をふやしていかぬとどうにもならぬと思っておりますので、おっしゃいましたように、努めてそういったようなところに今後とも経営努力をしてもらうように促すということなんだと思いますが、いきなり今すぐできるわけの話でもございませんので、そういったところはきちんと対応していかねばならぬものと思っております。
○金子(一)委員 これは、市町村長の具体的な不安に対してもきめ細かく対応してあげていただきたい、御要請であります。
 もう一つ、今回の三位一体の流れを見ていますと、国から地方への流れというのが大分進んできた。これで一応三年間で一段落する、第一期が終わる。ただ、移された財源と権限というのが主に県のレベルなんですね。市町村の単位におりていかない。今度我々の議論として、この県とあるいは住民と向き合っている基礎自治体との関係をどうしてあげるのか。市町村長が自主裁量を発揮するという部分がまだまだ今の流れの中ではなかなか確立されてきていないんですね。この部分をどういうふうに考えてあげるのか、大事なことだと思うんです。
 例えば、義務教育費については、我が岐阜県は、県知事会前会長として、義務教を移譲してもらうのは結構だ。岐阜市は反対なんですよ。何でかといいますと、教育長さんが来まして、市の独自性の教育が失われかねない、金太郎あめになっちゃう。これは岐阜市だけではなくて、例えば埼玉県の志木市。この市長は、二十五人学級というのをもう小学校一年生、二年生で入れている。もっと入れたい、もっと入れたいんです。ところが、県がなかなか、やはりそれはだめだねと。特に、義務教が県の方に移管されてきますので、市の独自性というものが非常に発揮しにくい、されていかない、こういう心配をやはりお持ちになっている。
 そういう意味で、第二弾の議論をしていきますときに、こういう県と市。私は地域再生担当をやっていまして、市長が元気があるところというのは、本当にその市全体が元気があるんですよ。中川通産大臣と御一緒に函館へタウンミーティングで行きまして、この市長さんもやたら元気があるんです、遠野の市長のどぶろく特区もそうなんですけれども。
 この函館というのは水産に、市長、経済界を挙げて取り組んじゃっているんです。テーマを絞っている。ですから、最近新しく出てきたのが、こういうテーブル、こういういすの、ベンチのようなものを砂浜に埋めまして、砂浜に置くと大体波の流れでだんだん沈んでいっちゃうんですけれども、コンクリートブロックを、砂にめり込まないようなものを彼らが独自で開発しました。建設会社なんですよ。建設会社、公共事業がなくなっちゃうから、もうむしろそんな公共事業に頼っていないで、がごめ、昆布をこういうのに植えつけて商売をやろう、そういうのをつくり始めまして、市長もそれに一生懸命取り組む。
 こういう、やはり市が元気があるところというのを、自分たちが裁量できるようにしていくというこの仕組みを、第二期。今私たち見ていますと、国と地方の間の財源の綱引きのようにちょっと映ってしまうところがあるんですが、皮肉にも、そういう意味では市長の裁量が一番働いているのは、国交大臣のやっているまちづくり交付金あるいは村上大臣がつくられた地域再生枠、あの下水道ですよ。
 合併浄化槽、集落排水、公共下水、これを今までは、県が全部マップをかいて、この事業、この事業、この事業でやりなさいと決めていたものを、市長が、いやいや、もうちょっとこうやりたいというので自分たちで絵をかいちゃう。県が決めたものをオーバールールして、市長が自分で決めてそれを実施していくという交付税方式。これは麻生大臣余りもともとお好きじゃないんだけれども、交付税という、懐に国のお金が残っちゃうもので、地方自治体は余り好ましいと思っていないんです、今のところは。しかし、一番裁量が働いちゃっているのは、皮肉にも……(発言する者あり)交付金か。皮肉にもこの部分なんですよ。
 だから、そういう意味で、こういうものを参考にして、ぜひ第二弾、そういう基礎自治体と県との分担というものを検討する会を政府部内で一段落したらおつくりいただいたらどうかと思うんですが、どういうふうにお考えになりますでしょうか。
○麻生国務大臣 地方分権化は都道府県か市町村かというのは、これは最初からある議論だと存じます。その意味では、基本的には、市町村というものの方がより分権化していることは確かだと思いますので、私も、市町村がしっかりした自治体であれば市町村に直接渡した方がいい、これはもうはっきりしておると思っております。ただ、御存じのように、今まで百何十年間、明治四年廃藩置県この方そういうルールになっておりませんから、いきなりはいと言われてもなかなかそう対応できないというので、今、合併をして随分人数なりなんなりを育てつつあるところです。
 ただ、流れとしては、今おっしゃるような方向で流れていった方がより効率的ですし、もしその市長が、それだけの権限と税源を渡されて、なおかつ経営能力がなくて赤字になれば、それはその市長の責任もしくはその市長を選んだ市民が悪いとはっきりしちゃった方が、話は、より責任は明確化するだろう、私自身はそう思っております。
○金子(一)委員 今御指摘されましたとおり、市町村合併が相当進みまして、今、育て始められていると。三千が千、もう合併が一周期もそろそろ過ぎた時期でありますので、第二期の地方分権というものをそういう形の中であわせて考えていただきたいと思います。
 それから、北側国土交通大臣も、もう一遍国と地方の役割というのをこの第二期でお考え願った方がいい項目、これは河川なんですよ、河川の国管理と県管理。
 台風で、山古志の村長も今度当選されてきましたけれども、やはり、県管理、随分はんらんしているんですよ。国管理の河川というのが案外落ちついている。私の地元でいえば、神通砂防、北アルプスを源にしまして富山湾まで流れる河川があるんですけれども、これは、主川は国、支川は県とやっているんですよ。やはり県がはんらんを起こしているんです。
 それで、六団体の御要望を見ますと、支川の部分の予算を自分たちの方にもっとよこせという、御要請として出ているんです。それは一つの見解かもしれないんだけれども、実際にこういう災害という状況を見ると、むしろ線ではなくて面で、国が管理する河川の部分というものも見直していく。そういう意味で、新潟でもまさにそのとおり、そのことが起こったわけでありますけれども、県管理、国管理というものを面的にもう一遍見直していくようなことをこれから第二期の地方分権ではぜひお考えいただいていきたいと思っております。これは答弁は要りません。
 何かありますか。
○北側国務大臣 昨年一年間も大変な豪雨災害があったわけでございます。今委員の御指摘もありましたように、国直轄の河川だけではなくて、むしろ、おっしゃったように中小河川の河川はんらんということが大変多かったわけでございます。
 この中小河川の整備については、ハード面、ソフト面にわたりまして今対策を進めているところでございます。ハザードマップについても、中小河川でもつくっていただこう、義務化をしようということでやらせていただいているところでございます。
 この河川整備というのは、今も委員おっしゃいましたが、一地域だけで河川整備というのはできません。これは、上流から下流にかけて、また順序というものがございまして、やはり河川整備というのはそういう意味では一体として進めていかないといけないわけでございまして、今おっしゃっているように、面的な整備が必要であるということ、流域全体として整備を進めていく必要があるというのは、全くおっしゃるとおりであるというふうに考えます。
○金子(一)委員 三位一体をもう一つ、今度は財務大臣に御所見を伺いたいんですが、今度の六団体の御要望ですね。さっき与謝野政調会長からも同じ質問なんでありますけれども、「地方の改革案にない補助負担率の切下げなどが代案となることは絶対にあってはならず、地方の自主・自立につながらない国庫補助負担金が改革対象に入り込む余地はないことを、政府はあらかじめ確認」しろと。かなりきついなと。
 もう一つ、「国の財政再建のための国庫補助負担率の引下げや、税源移譲に結びつかない国庫補助負担金の廃止、予算シーリングによる国庫補助負担金の縮減などを昨年のようにスリム化と称して改革に含めることは、」断固受け入れられない。
 何か労働組合の文書を読んでいる感じがするんですが、この地方のスリム化というものの受けとめが政府側とは大分違うんじゃないかと思うんです。これをどういうふうにお考えになるんですか。
○谷垣国務大臣 三位一体の改革は、地方でできることは地方で、地方の裁量性や権限を高めていこうという中でやっていることでありますが、同時に、国、地方を通じて財政状況は御承知のように余りよくない。余りよくないというか悪い状況でありますから、納税者の視点に立てば、むだなものを省いていく、スリム化を進めていくというのは私は当然のことではないかと思っておりまして、補助金改革と言われております中でも、三つ柱があると思うんです。
 一つは、もちろん、もう国でやる必要のないものは地方へ譲り渡して、地方で自主的にやっていただくというのがあります。それからもう一つありますのが、今との関係で、むだなものはもうやめていこうじゃないか、スリム化していこうじゃないか、これは当然やらなきゃならない、納税者の観点で。それからもう一つは、さっき金子さんがおっしゃいました、交付金化をしてできるだけ地方の裁量性や使い勝手をよくしていこう。
 この三本の組み合わせでやってまいりまして、もちろん、一つ一つ国と地方で考え方が違うものもあります。また、よく調整しなきゃならないものもございます。ただ、スリム化は国の財政再建のしわ寄せだという視点だけで御議論いただくのは、やはり私は違うのではないかと思っております。
○金子(一)委員 あくまでも三位一体の趣旨に沿いまして、地方にも、尊重するという反面、きちっと指導すべきことは指導していただきたい、これは総務大臣にもお願いでありますが、申し上げさせていただいておきます。
 尾辻厚生大臣、先ほどの年金改革、与謝野政調会長とも絡むのでありますけれども、おとといの国会で総理が被用者年金一元化を指示した、問題点を洗い出すようにと。それを受けて、きょう関係閣僚で御指示をされたというお話、答弁をいただきました。いつごろを目安にしておやりになるんでしょうか。いつごろを目安に回答を出されようとしているのか、めどはありますか。
○尾辻国務大臣 まず問題点の整理をするようにという御指示でございまして、この作業に入りますが、問題点の整理でございますから、それは年内にも整理をしたいというふうに考えておるところでございます。
○金子(一)委員 尾辻大臣、もう一つよろしいですか。
 きょうは余り民主党の対案について議論するつもりはないのでありますが、一点だけ。
 民主党も一元化の案をそれなりに出されたのでありますけれども、最低保障年金制度、これがベースになっておられるんですが、この民主党案、今まで年金負担をしていない人、この人も今度は全部対象に入って年金制度というのができ上がるわけですよね。この部分の負担をどうするのかということについて、厚生大臣として、どういう問題があるのか、この一問だけ質問させてください。
 もう一遍申し上げます。民主党案によりますと、今まで年金負担をしていない人も、これにも今度は全部求めていくわけですね。この財源をどうするのか。財源をどうするかというところに何が問題あるのかを。
○尾辻国務大臣 私が理解しているところで申し上げますと、民主党のお出しになっておられる案というのは、そこの部分は税方式で考えておられるというふうに思います。したがいまして、財源は税になる。あとは、どういう税でそれを財源とするかというのが議論になるんだろうというふうに理解をいたしております。
○金子(一)委員 民主党はまた新たにこれから具体案を出していただけるものと思っているんですが、総理にちょっと重ねて一問だけお伺いしたいんです。
 総理はかねてから、年金というのは選挙の争点にはしない、政権が仮に、よしんばかわることがあっても、年金の制度というのは変えるものではない、したがって、長期的に安定したものをつくるためにも、与野党に働きかけて両院協議会の場できちんと議論を詰めてほしい、これが総理の両院協議会への呼びかけというふうに理解をしております。
 ただ、そういう中で、選挙中だったのでありますけれども、前回の党首討論、選挙の合間にちらっと見てまいりますと、岡田前代表は、与野党の年金協議は終わり、引き延ばしのための協議をするつもりはないというようなことをおっしゃられて、私もちょっと心配をしていたんですが、新しい党首になられて、民主党も御検討されているやに伺います。
 こういう年金協議の場への呼びかけというものを、総理はどういう考えに基づいておやりになろうとしているのか、一問御質問をさせてください。
○小泉内閣総理大臣 年金に対して、多くの国民が非常に大きな関心を寄せている。そこで、与野党、どのような年金制度にしていくかということについては意見が違っていることも承知しております。
 そこで、年金というのは、これからどうしても高齢者がふえますから、今の給付を維持していきたいという希望は高齢者は多いわけですね。ところが、若い世代が減っていく。そうすると、若い世代は、できるだけ保険料の負担を軽減してくれと。大体どの調査を見てもそういう結果が出ております。
 そういうことから、政治として年金制度を将来長く持続できるような制度にしていくためには、高齢者と若い世代が争うことのないように、いつか若い人も年をとれば年金を、給付を受ける立場になる。高齢者も、自分たちの給付を支えているのは自分たちの子や孫の世代だということを考えていただいて、お互い支え合っていこう。損だ得だということじゃなくて、お互い、将来の生活を考えると、年金制度をしっかりしたものにしていかなきゃならないということから、給付と負担の関係、これは非常に大事な問題なわけです。
 そこに焦点を当てますと、特に選挙になりますと、どの政党も、やはり給付は厚く負担は少なく、これはだれでも言いたいんですよ。そういうことから、お互いこの問題については、年金というのは、今税金投入もどんどんふえています。このままの現状を維持していくとなると、ますます税金を投入していかなきゃならない。税金投入、どの税目かとなると、これは消費税という、政党によっては年金のための目的消費税をやれとか、あるいは、選挙になりますと消費税はだめだという声にこたえてどうするかという問題がありますから、余り争いの争点に、焦点にしない方がいいんじゃないか。
 お互いの違いを埋めていって、政権交代が仮にあったとしても制度の変更がなくて、お互い、給付も負担も安心して、こういうものだという理解のうちに支え合っていく制度にしなきゃいかぬということで、各党違いがあるのを承知しながら、国会に、衆参一緒にやろうと、各党のしかるべき人に入ってもらって協議会で協議を進めているわけです。
 お互い、違いは承知しているんですよ。そういう中で、違いがあるからこの協議に加わらないというのは、これは私は余りいいことじゃない。その違いを埋める努力をするというのが政治に課せられた責任ではないかと思っておりますので、そういう意味において、歩み寄る努力、そして持続可能な制度にする努力をぜひとも国会においても進めていただきたい。政府としても、資料なり情報なりを十分提供します。そういう点において、お互いいい制度にしていく努力をしていく、それが大事ではないかなと思っております。
○金子(一)委員 岡田前代表も今のお話をよく聞いていただいて、自民党にも、津島さん、伊吹さんという大事な両院協議会のメンバーもおりますので、今のお答えをいただいて、両院協議会を精力的に進めさせていただきたい。民主党の皆様にもお願いを申し上げます。
 総務大臣、麻生総務大臣、恐縮です。選挙の件で一つ、電子投票。
 岐阜県の可児市というところで電子投票がありまして、これが機械のミスでやり直しになりました。これまで十自治体で電子投票というのを、総務省が積極的に推進していこう、e―Japanの一環だということでお進めになってこられた。二自治体、二件について、やはり機械がちょっと故障したのでありますけれども、票差が開いていたので、訴訟が起こったけれども裁判では有効ということだったんですが、二年前の可児市の市会議員選挙では票差が少なかったので、名古屋高裁、これは無効判決、最高裁上告棄却となりまして、やり直すことになりました。
 この無効を受けまして、地元可児市あるいは可児市議会から要求がありました。やはり、こういう故障、ふぐあいが起こったときにどういうふうにしたならばいいのかという方針を、あるいは手引といったようなものを総務省できちんと用意してほしいという御要請があったんですが、今までにどういう対応をおとりになられたのか、御質問させてください。
○麻生国務大臣 電子投票というものの、機械の進歩もありますし、私どもはこの制度をうまく活用していった方がいいと基本的には思っております。
 加えて、このたび最高裁で、海外在住の邦人の方々の投票をという話が、政治の怠慢もしくは行政の怠慢という指摘がなされているところでもありますので、ああいうものを現実的に考えますと、小選挙区における投票を物理的にやらせよう、特に公示の数日前に公認なんという形になってきますと、なかなかそれを周知徹底させるのは物理的には難しい。そこで、電子投票という手段は一つの解決策になると思っておりますので、電子投票は進めたいと基本的には思っております。
 また、今の可児市の件につきましては、確かにおっしゃるとおりに、ここの場合は僅差、差が少なかったためにこれは棄却になっておるといった経緯がありますので、私どもとしては、まことに残念なケースですけれども、これは機械のあれが、たしかあのときは電力のあれでオーバーヒートみたいな形にしてとまったというぐあいに聞いております。
 いずれにいたしましても、この問題に関しましては、これは当事者間の話でありますので、こちらが介入すべき話という感じでもありませんので、少なくともこれは、損害賠償を問う等に対して、向こうとの間で損害賠償するしないという話は当事者間で決められてしかるべきものなんだ、私どもとしては基本的にそう思っております。
○金子(一)委員 可児市、生活保護率というのが全国一番の最低。保護率が最低。麻生大臣の山田市、生活保護率が全国で最高。可児市に比べて百五十倍。文化都市なんです、可児市。
 それで、なぜ事故が起こったのか。なぜうまくいかなかったのか。これはもう新聞に出ましたので、あえて固有名詞を出しますけれども、富士通系列の会社、株式会社ムサシというものなんですけれども、これは報告が出ているんです、なぜうまくいかなかったか。新聞報道でもう出て、会社名も出ています。人為ミスでなくて、機械ミスだったと。簡単なんです。過熱しちゃった。ファンが、風通しをよくしてヒートダウンさせればよかったんだけれども、それができない機械をつくっちゃった、これがミスだったと。当社の報告も市に対して出ているんです。
 そこで、ちょっと今御答弁が一部あったのでやりますが、二年前に選挙があった。ことしの八月に、このお盆の暑い中に残期二年のための選挙をやったんですね。ですから、市議会議員がまた二年後に選挙をやる。だから四年間で三回選挙をやる。四年間で三回。衆議院でもやりたくないような選挙を市議会議員にやらせることになっちゃった。余りにもひどいんです。市が今この株式会社ムサシに対して損害賠償請求をしているんです。
 ちょっとお答えを伺いたい。株式会社ムサシが総務省にこの支払い問題について接触をしてきたこと、事実があるのかないのか、まずこれを質問させてください。
○麻生国務大臣 御質問のありました富士通の子会社というか関連会社ムサシという会社から、選挙無効に伴う損害賠償の実例について把握をしていないかという照会があっております、総務省に対しまして。これに対して、把握していない旨回答をしたというやりとりが一度ありましたのが八月下旬、これだけであります。
○金子(一)委員 総務大臣、もう一遍ちょっと、では、質問の聞き方を変えさせてください。
 総務省が、ムサシに対して、前例がないから、あるいは前例となるから、損害賠償に応ずる必要はないということを指導したという事実はない、確認をしてください。
○麻生国務大臣 ありません。
○金子(一)委員 わかりました。市議会あるいは行政当局、市、自信を持ってこの問題を取り組んでもらえるようにしていきたいと思います。
 ちょっと選挙に絡んで、恐縮なんですが、総理、今度は今度の衆議院の選挙、自民、公明合わせて過半数を大幅に、それなりに上回るという結果を生んだ。その一つの要因として、公募制度というのがうまく機能したんだろうと。大変大勢の公募の人たちが自民党に寄せられていたというふうに伺っておりますけれども、何でこんなに大勢の公募の皆さんが来られたんですか。大体、こういう役人とかエコノミストとか学者というのは、公募するとみんな民主党に行っちゃうのが今までの通り相場だったんですが、何があったんでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 今回の選挙において、さまざまな能力のある方が自民党の公認候補になりたいといって応募してこられた。千名近くの候補者が解散後に応募してきて、うれしい悲鳴を上げるぐらい選考に苦労したわけであります。今回、そういうさまざまな分野の能力のある方が立候補していただいて、自民党公認候補で出馬してくれたということは、やはり自民党に魅力を感じたからじゃないか。
 本来、公募になりますと、民主党に行く候補が多かった。自民党の中でも、自民党から民主党にどんどん有能な方が行くんじゃないかという心配がありましたが、それを払拭するような多くの方々が自民党から出たいと言ってきたこと、これもやはり今回の選挙で自民党が多くの支持を国民から獲得できた一つの要因ではなかったかと歓迎しております。
 これからも、多くの方々が、我こそは自民党に入って改革を進めたいというような政党になっていくことが必要だと感じております。
○金子(一)委員 そうなんですよね。これからも自民党に公募で来てもらう。私もちょっと個人的に、加藤の乱というのがありました。あのときに、宏池会に公募で選挙に出たいというのが随分寄せられていたというのがありまして、あれがまた加藤さんの自信になっていた。しかし、このことは別として、今、党としてこれだけの方が大勢寄せられておられる。いや、別に谷垣さんの顔を見ているわけではありません。それだけに、今度、さらに公募に来てもらうためにも、この新人八十三人の方々に活躍してもらわなければいけない。特に、次また当選をしていただけるように、この人たち、この一年生たちをやっていかなければいけない。
 私から見ると、当選一回の人はこれからが本当の選挙の苦しみ、味わうのはこれからと思っているのでありますけれども、この人たちがやはりもう一遍当選していかないと、また自民党への公募というのもどこかで途絶えてしまう可能性もある。
 そういう意味で、この新人への総理からのアドバイス、どういうアドバイスをされるのか。党として目に見える形で、やはり自民党が勝つという、これは目に見えることで改革を進めていくという政党としての責任と同時に、議員個人へのアドバイスというのは何かありますか。
○小泉内閣総理大臣 今回、自民党だけで新人議員が八十三人、これはかつてないことであります。しかし、今までの先輩からの話、また自民党議員共通している話題は、選挙で一番難しいのは二回目の選挙だということですね。私も、最初の選挙では落選しましたけれども、後になってよく選挙の支援者から言われました。小泉さん、あんた一回目落選してよかったんだ、もし一回目落選しないで当選したら、必ず二回目か三回目には落選しているよと言われました。
 しかし、この八十三人の新人議員は、恐らく、何回か選挙に出て苦労を知って今回長年のその努力が実って当選された方と、全く選挙の苦労を知らないで当選された方、両方おられるわけであります。評論するのは簡単です。しかし、実際、選挙になってみれば、学校の成績が優秀なだけで当選できるほど、選挙運動はそういうものではない。それぞれの人間関係、悩まれると思います、これから。
 国会議員というのはだれでも、与野党を通じて共通の苦労があると思います。それは、国政全体を考える国会議員の立場と、地元の発展を考える、地元から選ばれているという地元発展を考える、これが両立する場合と両立し得ない場合が出てくるわけです。
 多くの支援者、選挙区で苦労された方はだんだん理解されていると思いますけれども、支援する方にも好き嫌いがあります。A候補を応援するという支援では一致しても、支援者の間で、あいつが応援するんだったらおれは応援しないとか、これに必ず悩まされると思います。候補者になってみれば、応援してくれる人はすべてありがたいんですよ。
 そういう苦労をしながら、地元の発展と人間関係で大変悩まれると思いますけれども、ぜひともそこは乗り越えていただいて、石の上にも三年といいます。三年過ぎぐらいにはまた選挙があると思うんですね。二回目を目指す方は、そういう苦労を味わいながら何とか地元の支援者にこたえるような活躍をする、国会議員として国政全体の利益を考える、これは悩みながら、苦労しながら国会議員としての役割を十分に果たしていただきたいと願っております。
○金子(一)委員 この問題についての最後でありますけれども、公募したがゆえにすとんと落下傘、あるいは県連との必ずしも十分な協力関係なしに当選してきている。あるいは、自民党で籍を持ったまま無所属で立候補された、あるいはそういう方を推された地元の県会議員がいるというようなことで、新人の中でもそういう問題に相当、まだ依然としてその問題がなかなか解決されていない。つまり、ねじれ、あるいは自民党籍無所属という方々の調整というのがなかなか進んでいないという部分、依然として残っている部分というのがあります。
 そういう意味で、これは早々に総裁として整理、けじめをつけていただいて、こういう一年生、新人たちがさらに活動の輪を広げられる、活動の領域を広げられるようにさせていくというのも大事なことだと思いますが、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 これは、中選挙区制度のときと小選挙区になってから出てきた問題は違うんですよね。中選挙区の場合は、三名、四名、五名の選挙区ですから、複数の同じ政党から出る候補がいても、競争しながら、あるいは争いながら当選してきて、同じ政党から十分複数の公認が可能なわけでありますが、小選挙区で一人しか当選できないとなると、そこが違ってくる。
 私は、かつて自民党内で小選挙区制論者と議論をしたときに、小選挙区になれば公認候補と他の政党、無所属の候補が争うんだから、一度選挙が終われば、公認候補以外は絶対に復党させないという議論があったのを覚えているんです。それは議論としてはわかる、私は、それは政界はそんな生易しいものじゃないよということをよく言ったんです。
 仮に、一議席獲得できれば過半数を得ることができる、政権を担当することができるということになれば、無所属議員だろうが、公認候補と争った議員でも必ず勧誘する。理論上は、一度公認候補と戦った相手はもう一切復党させないということは、常にその政党が勝ち続ける、かなりの差で勝ち続けるという想定がないと、そういう議論は成り立たないんじゃないかということをよくしたのを今でも鮮やかに覚えていますよ。
 ですから、個別、いろいろな形でそういう問題については対処していかなきゃならない問題だと思っております。
○金子(一)委員 観光関係の話題でちょっと総理にお伺いしたいんですけれども、愛知万博、開会式、終了式もお出になられましたけれども、愛知万博の印象をぜひお伺いさせてください。
○小泉内閣総理大臣 ことしの日本における万博は、当初の予想を超えて、多くの方々から好評を博して、目標の千五百万人入場が、たしか二千二百万人を超えたんじゃないですか。最終日近くになりますと、何とかもう少し延長してくれないかという声が殺到するぐらい、非常に多くの人が入場されたということ、あるいは万博へ行ってみたいという気持ちになっていただいたということは、これは大変喜ばしいことだと思います。
 その陰には、愛知県初め地元の皆さん、民間のボランティアの方々も含めて、そして出展していただいた外国政府、機関の方々、多くの方々の御協力のたまものであったと心から感謝申し上げたいと思います。
 日本としては、できるだけこれからも、万博がなくても外国人が日本を訪れたいと思うような魅力的な国にしていかなきゃならない。また、日本人も、日本全国に行ってみたいな、訪れてみたいなというような観光地がたくさんあると思います。今有名な観光地でなくても、努力次第によっては新たな観光地になるという、眠っている観光資源がたくさん全国にあるはずであります。
 そういう観点から、大分県では一村一品運動というのが有名でありますけれども、一地域一観光というような考え方から、地域がやはり自分たちの町も魅力があるんだぞというような気持ちを持って発展のために努力していただく。そして、外国人も日本人もそういう観光地へ行ってみたいという気持ちになることによって、地域振興に役立つのではないか。
 特に、今まで外国人の皆さんは日本に年間約五百万人ぐらい訪れる。ところが、日本人は外国旅行をする方は年間一千六百万人を超えた。かつては外国に行ける人は五百万人ぐらいだったんです。そのときに、日本はもっと外国を見た方がいい、年間一千万人ぐらい外国を訪れることができるような、そういう豊かな国にしていこうと。これがもう一千万人を突破して、一千六百万人になった。逆に、これから一千万人ぐらい、二〇一〇年には一千万人ぐらいの外国人が日本を訪れることができるような地域振興、観光資源を発掘していこうという努力が必要ではないか。
 パリ市だけで年間五千万人の外国人が訪れているわけです。日本全国で五百万人、昨年ようやく六百万人を超えたと言います。この傾向をさらに助長しまして、二〇一〇年には年間一千万人ぐらいの外国人が訪れてくれるような、外国人にとって魅力ある日本にしたい。各地を訪ねてみたいというような努力はこれから日本としても各地域においても必要じゃないかなと思っております。
○金子(一)委員 大変な御決意を伺いました。
 愛知県では、万博の後に産業観光、自動車の最新工場を見て、そして隣で、メルセデス・ベンツだワーゲンだという輸入されている輸入車を見て、それで観光にしようと。
 能登半島へ行きますと、能登空港、チャーター便をばんばん入れているんです、東アジアから。そして輪島、能登半島を観光させているんですね。この能登の、輪島の市長さんというのはなかなか大したものだ。村上大臣のところでやった地域再生でもってあちらこちらの下水を整備しまして、輪島を流れる川、どちらかといえば余りきれいじゃなかったんですけれども、その処理水をどんどん流していって、そこで輪島の祭りを、これは従来からやっているんですけれども、お祭り広場まで整備しちゃう。これでもって、こういう地方空港でチャーター便をやられる。市長さんとこういう観光関係の旅館の皆さんが方向が合致すると、非常な力を発揮するなと。
 そういう意味で、それぞれの地域というのがいろいろなアイデアがありますので、ぜひ国土交通大臣もそういうものを御支援してあげていただきたいと思います。
 最後に、道路財源の話が先ほど来出てまいりました。
 見直しというのはいろいろな形があると思うんですけれども、見直しの切り口としまして、北側大臣、大規模な工事ですとか地方の幹線の道路、こういう部分は国の割合を高めていく。直轄という、大臣もぴんとこられるでしょうけれども、直轄割合をむしろふやしていって、これは予算のシーリングの範囲内なんですよ。別にばらまきでも何でもないんです。そのかわりに地方について、地方も道路財源がないんですね。全国、今ひいひい言っていますよ。こういう地方に対しては自主財源をつくってあげる。こういう基軸というものを道路財源の見直しの一つの基軸にされたらどうか。
 総理、日本の大手のカメラ会社の会長がやってきまして、道路をつくってくれと言うんですよ。どうしてだと言いましたら、今まで海外でつくっていたのを、心臓部、カメラの心臓部はやっぱり日本でつくらなきゃだめだと。その日本でつくる、今大分に工場がどんどん集中しているんですけれども、やはり物づくりの大事な部分は国内でやりたい、地方には人がいるというんです、人がいる。その地方の人を生かすためにも道路をつくってくれと。この方は二十八年間ニューヨークに生活されていた方ですけれども、そういうお話がある。
 板ガラスもそうなんです。高層の板ガラスというのは、ちょっとでも気泡が入っていると地震があったときにぱんと割れてしまう。この気泡をいかに少なくするか。今まで海外でつくっていたんですけれども、測定器を持っていっても海外の方が対応できない、やっぱり日本人じゃないと、これは日本ではちゃんと対応できる。ですから、この板ガラスも高層の部分については日本でつくるということで、むしろ回帰が起こっている。
 そういう中で、道路の整備というものが、この大手のカメラメーカーでも要請が出ておりますけれども、そういう意味で、繰り返しになりましたけれども、北側大臣、今のような切り口で道路財源の見直し等やっていただくという考え方についてどうお考えになるのか。
○北側国務大臣 私も国土交通大臣に就任させていただいて一年たったわけでございますが、国土交通省というのはさまざまな所管の分野を担当しておるんですが、全国の知事さん、そして市長さんから一番要望が多いのは、もう圧倒的に道路に対する要望が多いわけでございます。そういう意味で、改めて道路整備に対するニーズの強さというものを痛感しております。
 道路につきましては、国と地方がやはり役割分担をしながら進めることが重要と認識をしておりまして、今委員のおっしゃったように、大都市圏の例えば環状道路のように、大規模な投資を必要とする事業については、やはり直轄事業の役割が非常に大きいものがあるというふうに思っております。
 一方で、地方が主体となる道路整備につきましては、地方の自主性を尊重する、地方の創意工夫を凝らして優先順位を決めていただく、こうした工夫が非常に重要ではないかというふうに思っておりまして、これまでも補助制度につきまして、地方が使い勝手がいいような補助制度にしていくことが重要である、こういう認識のもとでやってまいりました。
 例えば、一本一本の道路について補助をしていくのではなくて、地方の道路整備をパッケージとして面的に支援する地方道路整備臨時交付金というような制度だとか、それから、道路整備も画一的な道路整備をするのではなくて、例えば、場合によっては一・五車線のそういう車線の整備もできる、そうした弾力的な運用ができるような見直しもしてきているところでございます。
 これからも地方の方々が自主性、創意工夫を発揮できるような、そうした制度をつくってまいりたいというふうに思っております。
○金子(一)委員 北側大臣、最後に、選挙の期間中も、地方だけじゃなくて、首都圏でも雨の大災害、雨水の災害、これは私、下水道普及率というのは、今まで下水道の整備というのは普及率だけで見ていたんですけれども、これがそれだけじゃない。雨水を地下にためておくといったような新しい課題を我々突きつけられたね、こういうものをどう考えていくのかというのが一点。
 ついでに、地元の話で恐縮なんですけれども、雨がちょっと降ると、私の、国道がすぐ閉鎖になっちゃうんですよ。逃げ道のバイパスがない。具体的に国道四十一号、美濃加茂―下呂間、これがすぐ閉鎖になっちゃうんです。そろそろ整備の調査をまとめて、地元にこんなものでどうだということをぜひおろしていただきたい、打診をしていただきたいと思うんですが、この二つの御質問、ちょっとあわせてお願いいたします。
○北側国務大臣 最近の豪雨、非常に想定を超える集中豪雨が頻発をしております。昨年もそうでございましたし、先般の台風十四号でもそうでございます。そういう中で、特に都市部におきましては、河川のはんらんもさることながら、内水被害が非常に多くなっているところでございます。
 そういう意味で、河川整備とともに防災の面からの下水の果たす役割が非常に大きくなっているというふうに考えておりまして、都市の浸水対策を担う下水道の役割、機能、これが非常に重要性を高めているというふうに考えておるところでございます。これからしっかりと、下水道の持つこうした大事な役割、大規模な貯水管をつくるだとか調整池をつくるだとか、そうした貯留浸透施設の整備をしっかり進めさせていただきたいというふうに考えておるところでございます。
 それから、後半の国道四十一号の話でございますが、この国道四十一号につきましては、今現在の国道を活用しつつ、必要に応じてバイパスを整備するなど、沿線地域から利用しやすく、また、今委員のおっしゃった防災上の問題を解決する信頼性の高い道路とする視点が重要だというふうに考えております。地域の方々の御意見を十分に伺いながら進めてまいりたい……(金子(一)委員「今の美濃加茂―下呂間でいいですか」と呼ぶ)はい、進めてまいりたいというふうに思っております。
○金子(一)委員 終わります。ありがとうございました。
○甘利委員長 この際、高市早苗君から関連質疑の申し出があります。与謝野君の持ち時間の範囲内でこれを許します。高市早苗君。
○高市委員 自民党の高市早苗でございます。よろしくお願いいたします。
 実は私は、民主党の前原代表とは二つの共通項がございます。一つは、阪神タイガースのファンだということで、きのうあたりから二人とも笑いがとまらないんです。もう一つは、二十代のころ、伊藤大臣もそうなんですが、松下政経塾で学びました。大学卒業後の五年間、松下幸之助氏のもとでいろいろ薫陶を受けながら過ごさせていただいた、そんな二十代を私も送ったのでございます。
 人それぞれ、どういったことを学び取るかというのは違いがあると思うんですが、私自身が松下幸之助さんの教えの中で一番印象に残っているのは、政治は国家経営であるという言葉です。そして、真の国家経営、国家の経営というものをつくっていくために最も大事なのは、経営理念、これを明確にすることだ、ここが一番私にとって印象に残っているところでございます。
 私自身は、松下氏のいろいろな教えを受ける中で、特にこの国家経営の理念ということについて、例示された文言を覚えております。
 明治時代の日本というのは、五カ条の御誓文のほかに、殖産興業ですとか富国強兵ですとか、一つ、国家の目標というものが非常に明確だったと。そしてこれが国民の間に広く浸透していた、だからこそ国家国民の活動に力強さがありましたと。ですから、今の日本も、国家の経営理念、つまり、日本国株式会社の経営方針というものが、短期的なものであれ長期的なものであれ明確であり、国民の間に浸透している。でなければ、そのときそのときに対応がまちまちになってしまいますし、国民のよりどころというものも見出せない、こんなことだと思っております。
 私自身、四年半前、小泉総裁に自民党総裁選挙で一票を入れ、その後、議席の有無にかかわらず小泉総理を支持申し上げてまいりました。その一番の理由は、この国家の経営理念、つまり、日本国株式会社が目指すべき方向というのが明確であり、そしてそれを徹底的に国民の間に浸透させた、その政治姿勢を私は大変評価いたしております。
 今回の選挙でも、国民の皆さんが覚えてしまうほど浸透していることは、地方でできることは地方で、民間でできることは民間で、ただし、安心と安全、公正と公平には国は責任を持ちますと。ワンフレーズポリティックスと言われたりもいたしましたけれども、私は、国民に目標が浸透している、明確である、ここが非常に大事なんだろうと思っております。
 そして、私がまだ松下政経塾生だったころ既に、小さな政府というものが望ましいということをおっしゃっていた学者、評論家、そして経済人、松下幸之助氏もその一人でした、政治家、たくさんおられましたけれども、でも、これを具体的に実行に移し、そして抜本的な構造改革に取り組む、これはなかなかやれる方がいなかった。そういった意味では、理念を明確にし、それを浸透させ、そして、非常に厳しい抵抗もあるけれども、中長期的に大事な国家の方針として取り組んでおられる。この姿勢をぜひこれからも堅持していただきたい、日本国株式会社の社長として頑張っていただきたいと思っております。
 さて、民主党の前原代表が、一昨日の衆議院本会議でこういう質問をされました。先般の総選挙の争点が郵政民営化関連法案であったということを御批判になる内容でしたが、本来、政権のあり方や政権政策の全体像を問うべき総選挙を、あたかも一法案の国民投票のように利用した、こういう指摘でございました。
 私自身は、この夏えらい目に遭ったわけでございますが、非常に厳しい選挙戦を、それも刺客などとたたかれながら、自分の本来の地盤とはちょっと違ったところで、それでも歯を食いしばって戦いました。
 この選挙に出るか出ないか、決断をした一番の決め手は、決して前原代表が言うように一法案の国民投票というような矮小化された理由じゃない。それなら私は恐らく出なかったと思います。私自身の解釈は、郵政民営化関連法案、つまり日本最大級の国家公務員を擁するこの組織をどうするんだ、日本郵政公社をどうするんだ、これを御審判いただくということは、恐らく、民間でできることは民間で、地方でできることは地方で、国はこれを邪魔しませんよという中で進められてきた過去四年半の改革、これ全体を問うことですし、これから十年、二十年先、最終的に日本の国の政治はこういう姿だ、小さな政府だ、こういう形をつくる上で物すごく大きな流れの選択を国民にしていただく、つまり、この小さな政府の改革を続けていいですか悪いですかという非常に大きな争点です。だからこそ意気に感じて私は出馬をいたしました。
 前原代表の言うような矮小化された国民投票とは私は理解していないし、それだったら選挙をやった値打ちもないと思うんですが、総理自身はどのようなお考えでございましたか。
○小泉内閣総理大臣 私は、郵政民営化一つに矮小化したとは思っておりません。
 そういう批判が多くの方から出ているのは承知しております。なぜ郵政民営化が矮小化、小さな問題なのか、それが長年不思議に思っておりました。民間にできることは民間にといいながら、なぜ郵便局、郵政三事業だけは公務員じゃなきゃできないのか、これが私はもう不思議でしようがなかったんです。だからこそ、この民間にできることは民間にという総論賛成でありながら、郵便局の経営は公務員じゃなきゃできないんだ、やらせないんだという与野党共通の考え方について憤りを覚えていたわけであります。
 だから、これを焦点にするということはあらゆる改革につながるんだけれども、そのもとのことだけはしないということじゃほかの改革なんかできないよということを国民に訴えたかったんです。国会の結論はおかしい、国民は必ずこの問題を理解してくれると思って、解散、踏み切りました。結果は、国民から多くの支持を郵政民営化に対して与えていただきました。
 もちろん、私は新人じゃありません。四年数カ月にわたって内閣総理大臣として政権を担当して、国民は、この四年間、私がどういう方針でどういうことをしているかということをわかっているはずであります。当然、郵政民営化が最大の争点でありますけれども、過去四年間の成果とこれからの方針、これを勘案して、私は国民は投票していただいたんだと思っております。
○高市委員 それからもう一つ、一昨日の本会議での民主党からの質問でございましたが、郵政法案への賛否ですべての課題について負託を受けたと強弁されるのか、郵政法案が成立すれば、重要政策課題について具体的なマニフェストを提示して、もう一度衆議院を解散して国民の信を問うことが憲政のあるべき姿ではないか、前原代表はこうおっしゃいました。
 過去にも、消費税ですとか、あと選挙制度ですとか、そういった特定の課題が解散の原因になり、また主要な争点となった選挙というのはたびたびあったと思います。しかしながら、そこで選出された国会議員が、その一つの課題だけにしか責任を持たない、ほかの法案は知らないよ、こういう姿勢で臨まれた国会議員はまずいなかっただろうと思っております。先般の総選挙も、郵政民営化関連法案が一つの大きな主要な争点、審判いただく材料ではございましたけれども、しかし、自民党では、百二十項目にわたるマニフェストを発表いたしておりますし、私自身は、自民党の議員としてこの百二十に責任を持つ、それぐらいの覚悟でおります。
 そもそも、前原代表の質問というのは、代議制民主主義の意義そのものをどうとらえているんだろう。私にはどうしても理解ができない。例えば、私がいなかったこの一年十カ月の間、衆議院だけで、提出された法律案は何と三百三十三本に上ります。その選挙のときに公約したこと以外について、多くの判断を国会議員は下していかなきゃいけない。そしてまた、それらの三百三十三本すべてに全部の日本人がかかわることはできないわけですから、そのために国会議員は主権者の代表として負託を受けているわけでございます。ですから、私自身は、今回の総選挙を経て、今後、次の総選挙までのすべての法律案について、この政治的判断について、国民から負託を受けたという誇りとそして責任感を持って働いているつもりでございます。
 総理は、選挙から選挙までの間に、国会議員が国民から受ける負託というのはどの範囲だとお考えでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 これは、政党によって、長期的な目標と短期的な目標、両方国民に掲げるというのはあってしかるべきだと思います。
 長期的な目標というのは、任期四年間でできないこともあります。短期的な目標、今回の選挙におきましては、自民党、公明党に過半数の議席を与えてくれれば選挙後の国会でこの民営化法案を実現させる、これはもう短期的な公約でありますが、将来の、例えば憲法改正にしても、一年や二年でできるものじゃありません、自民党が立党以来掲げてきた目標ですから。そういう両方を提示していくのが政党の公約ではないかと思っております。
 また、選ぶ方の有権者、選挙民にすれば、そのほかに地元の問題があるでしょう。公約に掲げられていない地元の問題がたくさんあります。むしろ、選挙になると、政党の掲げた公約以上に、書かれていない地元の問題に最大の関心が集まる選挙区もたくさんあるわけです。そういう点を総合的に考えて判断すべきであって、それを全国的に選挙の結果でどう判断するか。それはやはり、政党として多面的に、総合的に、公約実現のために努力していかなきゃならない問題だと思っております。
    〔委員長退席、渡海委員長代理着席〕
○高市委員 私自身は中選挙区時代が初当選でございました。その後、平成八年に小選挙区制度が導入されて、平成八年、平成十二年、平成十五年、そして今回平成十七年、四回目の小選挙区制度による選挙でございました。
 まだ、平成八年、平成十二年あたりはマニフェストというのは法制化されていなかったですし、どうしても私たちも、中選挙区時代の名残から、個々の政策を訴えがちな、そういった選挙の戦い方をしていたと思います。十五年にマニフェストというものが法制化されたんだけれども、ただ、私たち自民党の中にも、小泉人気は選挙の顔として利用させていただくけれども、ちょっと個々の政策については相入れない、そういった合意できない点を残したまま選挙戦を戦うといった状況も見受けられたと思います。
 ところが、今回の十七年というのは、それぞれの小選挙区で自民党候補が訴えている政策、その公約イコール自民党が発表したマニフェストの方針、そして、それはそのまま自民党の総裁が内閣総理大臣になったときにその内閣で進めていく政権政策である、こういった一つのわかりやすい形というのが実現できたと思っております。そしてまた、候補者選びも、非常に厳しい御決断をされましたけれども、必ずしも地縁、血縁にこだわらない形で、マニフェストの内容に責任を持てる人を張りつけていったと。小選挙区制度本来の意義というのを徹底されたような選挙戦だったのかなと思いました。これは非常に歴史に残る話なんだろうと思います。
 ただ、すべての政党がそういったことについていっているという状況ではなくて、これは主人の選挙区、福井県のものなんですけれども、済みません。民主党さんの東京の方で発表された本部のマニフェストは、道路、港湾、治水など国直轄の大型事業を五割削減します、「コンクリートからヒトへ」と資源を投入します、非常に耳ざわりのいい公約なんですが、民主党福井県連、県版マニフェストというのが出ておりまして、日本道路公団の舞鶴若狭自動車道、これをしっかりやります、それから国交省の中部縦貫自動車道早期完成、そして北陸新幹線平成二十六年度末開業と。それから、港湾もカットすると東京の方では言っているんですが、アジアの表玄関としての敦賀港、福井港の整備、そして主要一級河川の改修に大規模な財源を投入するということで、次の選挙戦あたりでは各党ともより成熟していくのかもしれませんが、まだまだ、なかなか、こういう一本わかりやすい形にはなりにくい状況なのかなと思います。
 ただ、今回の選挙戦で体現された自民党の方の形というのは、先般お亡くなりになりました後藤田正晴先生が自民党の基本問題調査会の会長として目指された小選挙区制度導入の意義が全うされた形だと思います。
 けさから一部のテレビ番組で、小泉総理が昔、中選挙区論者だったのにと多少批判的な内容を扱ったものもございましたが、選挙制度というのはとにかくベストなものじゃなきゃいけない。国民の民意をどう受けとめ、そして代議制民主主義の姿をつくるという意味では、常に不断の見直しというのはなされなきゃいけないんだろうと思います。
 小選挙区というのは政権選択機能があります。そして、比例代表というのは民意反映機能があります。全くこれは別個のものです。今、衆議院ではミックスされている、そしてまた衆参でかなり類似の制度が選択されているということなんですが、小泉総理は、今改めて小選挙区制度というものを、それから、今後、よりベストな選挙制度をつくっていくために新たな提案をされるようなお気持ちがあるのかどうか、簡単で結構です、お答えいただけたらと思います。
○小泉内閣総理大臣 私は、小選挙区制度の議論があったときに中選挙区論者としてかなり反対した者の一人であります。そのときに、中選挙区じゃ政権交代が起きないという議論があったんです。しかし、戦前も中選挙区で、政友会、憲政会、二大政党で政権交代があったんですよ。だから、選挙制度によって政権交代しやすい、しにくい、若干の差はあったとしても、中選挙区だから政権交代できないというのは、これは当てはまらないという議論をしたことを覚えております。
 現に中選挙区で自民党が過半数を割る可能性というのは十分あったんですから、この小選挙区に移る前に。そのときに、自民党以外の政党がまとまれば十分政権交代は可能なんです。小選挙区になっても、自民党が仮に過半数を割ったとしても、第三党なり第四党が自民党と合流すれば過半数を維持できる場合は、自民党が過半数を割ったとしても、政権交代といいますか、自民党が政権与党につく場合はあるわけであります。だから、小選挙区だから政権交代ができるんだ、中選挙区だからできないんだという議論は当てはまらないということをよくしたことを今でも思い出します。
 現にアメリカ等では、単純小選挙区で一選挙区から一人しか選ばれません。しかしながら、政権交代が起きる場合と起きない場合、長く続く場合と、現職の議員が八割、九割当選する、新人が当選しにくいという状況もあります。だから、こういうことから考えても、私は、選挙制度というのは、永久に変わるものではない、この制度じゃなきゃいけないんだとは思っておりません。
 私は、仮にこの制度に反対したとしても、制度が決まったからには、この制度の中でいかに勝利を得ることができるかということを考えなきゃならない現実主義者でもあります。そういう点を考えて、将来どういう選挙制度にするかということは、これからもよく検討しなきゃならない課題だと思っております。
    〔渡海委員長代理退席、委員長着席〕
○高市委員 今回の、小さな政府を目指す構造改革、民間でできることは民間で、地方でできることは地方で、ただし安心と安全には国が責任を持ちます、この最後のフレーズ、非常に私は気に入って御期待を申し上げているのですけれども、この安心と安全ということをどう担保していただくかということで、文部科学大臣にお伺いをしたいのです。
 今回の選挙中も、多くのお父さん、お母さん方から、小さな政府ということで過去四年半、公共事業費のカットなども行われてきたけれども、学校の耐震工事、これに関しては大丈夫なんでしょうね、安全なところで子供さんたちを勉強させたい、こういうお声がございました。いかがでございますか。
○中山国務大臣 小さな政府、効率的な政府を目指しますけれども、安心、安全ということは、これはもう絶対に欠かせないことである、そのとおりでございます。
 特に、子供たちを預かっております学校というのは、災害等がありましたら緊急の避難場所にもなるわけですから、そういう意味で本当に安全なところでなきゃいけない、こう思うわけでございます。
 今、文部科学省としましては、ソフト、ハード、両面から安心、安全な学校づくりということについて努力しているわけでございまして、安心な学校づくりとか、あるいは耐震につきましても、今調査をしていますが、まだ半分ぐらいしか耐震構造がなされていないということでございまして、これにつきましては、かなりの金もかかるわけでございますが、最優先で安心、安全な学校づくりということについては努力をしていきたいということで、予算面でもかなり力を入れて、これまでも獲得してまいりましたし、来年度予算要求でも、また要求をふやしているという状況でございます。
○高市委員 ありがとうございました。
 それでは、竹中大臣にお伺いをしたいんですけれども、今回、郵政民営化を行った上で安心、安全が確保できるかという一つの視点で、郵政民営化関連法案に反対しておられた候補者が私の選挙区で特に強調されていたのは、民営化をしてしまうと国民の資産がハゲタカファンドの犠牲になる、こういった論点でございました。
 持ち株会社の一〇〇%子会社であります郵便、窓口、この辺は理論的に外資の被害に遭うなんてことはあり得ないので、恐らく、貯金、保険、こういったところを指しての批判だと思うんですが、これに対して、わかりやすく御反論いただけたらと思います。
○竹中国務大臣 高市委員御指摘のように、外資の脅威ということをあおるような形で議論をされる方がいらっしゃるということは、私も承知をしております。このことは、安心、安全も絡めてしっかりと考えなければいけない問題であるということは、私もそのように思います。
 ただ、そもそも論でありますけれども、やはり資本の内外差別をするということ、そのこと自体が一般論としては決して好ましいことだとは思いませんし、また、国際的なルールにのっとらなきゃいけないということも大変重要であるかと思います。その上で、安全、安心という観点から、やはり不適切な支配というようなものは困るだろう、利用者の利便に資さないような不適切な支配は困るだろう、敵対的買収に対してもそれなりの対応は必要だろう、我々はそのことはしっかりと考えているつもりでございます。
 不適切な支配に関連して申し上げれば、これは外国資本であれ国内資本であれ、いわゆる銀行、保険会社の場合は、二〇%超の株式を取得する場合には、銀行法、保険業法できちっとした規定がございます。これは、監督当局である内閣総理大臣の認可が二〇%以上の取得の場合は必要になるわけで、そこで適切なチェックがきちっと行われる仕組みになっているわけでありますので、これは金融庁においてしっかりと株主の適格性についてのチェックがなされる仕組みになっております。詳細は省きますが、独禁法についても同様の枠組みがあるわけでございます。
 もう一つ、敵対的買収についてですけれども、これも、会社法の一般的な規定を活用して防衛策を講じるというふうに考えております。
 やはり民営化の趣旨にかんがみますと、一般の民間企業と同様にすべきである、その意味では、一般の民間企業と同様に、会社法の規定をフルに活用して防衛策を講じるべきものと考えておりまして、これは委員も御承知のように、ことしの五月二十七日に、経産省、法務省がガイドラインをこれについて公表しておりまして、さまざまなルールづくりが今進んでいるところでございます。
 最終的には、新会社設立の際に、そうしたものを活用して最も有効かつ適切な防衛策を講じることになりますが、これは政府としても適切にぜひ対応してまいりたいと思っております。
○高市委員 ありがとうございました。
 私もそう思います。日本企業の株を外国から買われないようでは、日本経済も厳しいものがございますし、私たちの資産、個人個人の私たちの資産を考えましても、別に郵便貯金がすべてじゃないわけです。銀行だってもし万が一のことがあったら困るし、民間の生命保険会社だって万が一のことがあったら困るし、今御答弁いただいた点、しっかり、これからよろしくお願いしたいと思います。安心、安全のために御期待を申し上げます。
 それから、前回、私が国会から消える直前の状況なんですけれども、たしか平成十五年の秋ごろでは、不法滞在外国人が大体二十五万人、ところが、入国管理の中の入国警備官、これが千七十人ということで、これだったら、入国警備官が、どこにいるかわからない密入国者も含めて、不法滞在外国人を捜しに行って捕まえてきて強制送還する、こういったことを一人当たりが二百三十人以上は担当しなければ、不法滞在外国人の問題もなくならない。そして一方で、外国人による凶悪犯罪もふえている。いろいろな意味で日本の治安というのは心配な状況だな、こういう問題意識を強く持っておりました。
 小さな政府を進める中でも、この入国管理、それから、高齢者をねらった詐欺ですとかコンピューター犯罪ですとか、新手の犯罪もどんどん出てきておりますので、警察官ですね、このあたりはきっちりと充実して、私たちの安心、安全な生活を守っていただきたい、こういう思いが強いのでございますけれども、この一年十カ月の間、入国管理の問題もどうなっているのか、生活の安心、安全、この点についてのお考えを総理にお伺いしたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 安全はただではない、世界一安全な国日本、これが危うくなっているというのは多くの国民が感じていることだと思います。世界一安全な国復活を目指してどういう対応がいいかということは、社会保障、年金だけでなくて、多くの国民の関心事でありますし、あらゆる政策を施行していく場合にも、やはり秩序が安定して保たれる、国民が安心して生活できる、これが最前提でありますので、その安全対策のための人員というものを、公務員削減の中でも、警察官の増員、あるいは今言われた不法滞在者対策、例えて言えば入管職員の増員、こういうことについては取り組んでおりますし、さらには、最近、IT初め、人を見分けるあるいは監視する、チェックする機械も随分普及しておりますし、進歩しております。
 そういう機器の面、人員の面、それから手厚く地域の協力等、総合的に考えて、世界一安全な国復活に向けて一段の努力をしていかなきゃならないと思っております。
○高市委員 どうもありがとうございました。質問を終わります。
○甘利委員長 これにて与謝野君、金子君、高市君の質疑は終了いたしました。
 次に、太田昭宏君。
○太田(昭)委員 公明党の太田昭宏です。
 先般の衆議院選挙、これは郵政民営化の是非を問うという選挙戦でありましたが、総理は、郵政民営化は改革の本丸だ、我が党の神崎代表は、改革のシンボルだ、私は、これは改革の突破口だ、こう言いました。この郵政民営化にとどまることなく、これをスタートとしてさらに行革を断行せよ、あるいは税のむだ遣いに切り込めというのが国民の声だったというふうに私は思いますし、また、そこへの断固たる覚悟というものを与党が持っていたということが評価をいただいた選挙戦だったと思います。
 我が党は、マニフェスト、ここで事業の仕分けということをずっと言いながら戦いを進めました。事業の仕分け作業を行えと。
 小泉内閣の構造改革ということが評価をされてきたわけですが、国から地方へ、そして官から民へ、これは一つ大きな改革でありますけれども、それは具体的には、例えば中央から地方ということは三位一体改革ということでもありましょうし、あるいは官から民へということでは市場化テストということがその象徴的な例だと思います。
 我が党が言っております事業の仕分けというのは、事業そのものが、移行するというのではなくて、要るのか要らないのか、必要か不必要かということにもっと力を入れろと。官から民、国から地方、そういうものは、ある意味では移すというニュアンスもあるわけですから、その前に、要らないものは切れと、断固たるそうした行革の断行という姿勢を出すということが、私は小泉改革の中で非常に大事だというふうに思っております。
 そういう意味では、事業そのものが必要か必要ではないかの、三位一体の改革そして市場化テスト、同時に、引き続き国がやるもので不必要なものを切るという角度を、ぜひとも小泉構造改革、これからの我々与党が推進するものの中に入れたいということが我々の今考えていることでございます。
 かつて私はこの予算委員会でも、もう七年前ぐらいになりますか、質問をさせていただいて、当時はダムがむだなのかどうなのかという議論の前に、やるのかやらないのかということでずっと事業が継続してきているというようなことがあって、結論を出すべきだということを言ったことがありまして、結論を出しますという明確な答弁をいただいて、また、連立政権になりまして、その後ずっと総点検を行って、公共事業二百七十二事業がストップして、節約されたお金が何と二兆八千億円というようなこともございました。
 私は、総理が事業の仕分け、小泉構造改革の中に、官から民、中央から地方と言うと同時に、もう一度全事業を総点検するという角度や、必要なものではない不要なものは切るという角度をぜひとも入れていただきたいと思いますし、外部の目で、あるいは現場の声を聞き、あるいは国民の目線で本当にこれが必要なのかという角度を、ぜひとも、官から民、中央から地方の上にもう一つ、これは不要であるから断固として切るという角度を入れる構造改革に大きくリーダーシップをとっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 今の太田委員の指摘というもの、これからの改革の一つの大きな方向でありますし、今までも、そのようなむだをいかに省くか、そして、役所でやるべき仕事と、これは民間にできるのではないかという仕分け、さらに、ここまで国がやらなきゃいけないのか、地方に任せていいのではないか、それを今わかりやすく説明していただいたと思うのであります。その方向に沿ってやらなきゃいかぬと。
 しかし、今までの例でも、役所に聞いても、これは民間に任せていいのではないかと言っても、全部必要ですという答えが返ってくるんですよ。特殊法人のときも最初そうでしたね。特殊法人、最初、統廃合、民営化できるものを役所が挙げてきてくれ。最初の返答は全部必要ですと言うんですから。
 一度決まったことは全部必要だから存在するというのはどこの社会でもあると思うのでありますが、それをどうやって、今言った、役所でなくてもできるものは、民間と競争して、民間でできるんだったら渡していこう、これから市場化テスト、お役所仕事を改革していこう。
 さらに、三位一体の改革。補助金の問題あるいは税源の移譲の問題、地方交付税の見直しの問題についても、いわゆる、ここは国でやらなきゃいけない、これは地方に任せてもいいか、まさに今太田さん言われた事業の仕分けですよ。同時に、これはもうやらなくていいんじゃないかというものは、なかなか自分の役所では言えません。
 そういう観点から、政党なり、あるいは民間の方なり有識者なり、いろいろの意見を聞いて進めていかなきゃならない。
 それを今後具体的に挙げながら、一挙に全部というのは無理でありますけれども、これは仕分けできる、むだであるということを一つ一つ具体的にやっていけば、ああ、こういうことだったのかとわかりますから、ぜひとも今後協力しながら、それを具体的に指摘しながらこの仕分けをして、できるだけ国の役割というものを、民間にできるんだったら民間に譲っていこう、地方にできるんだったら地方に譲っていこう、むだなものは省いていこうという成果を上げていきたいと思います。
○太田(昭)委員 大変いい答弁をいただきました。まさにそういう、今まではやってきたかもしれないけれども、お役所に聞きますと、官ということでなかなかそれが切れないということがありましたから、今の答弁どおり、我々も協力しますから、全力を挙げてそういうところに切り込んでいきたい、このように私は思っています。
 そこで、官房長官、去年一月、我々が、神崎代表が代表質問でも言ったわけですが、むだゼロを徹底しろ、そして、しっかりした行政の効率化の対策本部を設置しろというようなことを言ってきて、とりあえず連絡会議というものを各省庁が集まってやって、今総理の言ったものを省庁の中にもいろいろやってきたことはある。
 今私の言ったこと、また総理の答弁は、それを超えて、思い切って切るものは切るというところへ踏み出すということをおっしゃったわけですが、この一年半の間に、その連絡会議の中でいろいろ前進をしてきたはずなんです。それをトータルに聞いたことが一度もない。一般競争入札を入れるんだとか、あるいは効率化ということで、電子政府ということでかなり削減できたんだとか公用車をすごく削減したんだとか、いろいろなことがありますね。それをぜひとも、今の途中経過でいいですからお話をいただきたいと思います。
○細田国務大臣 太田議員御指摘のように、昨年一月に衆議院本会議で神崎代表から強くこのむだゼロの提唱、事業仕分けの提唱をいただいたわけでございます。またその後、公明党から、連立与党として太田議員初め皆様方から、簡素で効率的な政府のために個別に切り込んでいけ、もちろん大きく言えば、人件費をどこまで下げるかとか組織自体を合理化するかということは大事であるけれども、個別事業別にこれを切り込んでいけ、こういう強い御要請をいただき、そして、昨年二月以来、行政効率化関係省庁連絡会議を設置して一つ一つの項目について精査をし、かつ、この節減に取り組んでまいりました。
 例えば本年度予算においても、口座振替のたびに発行していた国民年金保険料に係る領収済みの通知書、これを廃止するだけで五十三億円節減できた、あるいは割引航空運賃の利用による外国出張旅費の効率化だけで三億円、公用車の効率化により一億円というふうに非常に大きな、合計で百十五億円に上る縮減効果が得られたわけでございます。
 また、その中には、アウトソーシングをより多く導入するとか、あるいは、これは自民党の方からも強く従来言われておりますが、電子政府の関連で、レガシーシステムを新しいものにしてより効率的な政府にせよ、こういうことも含まれるわけでございますが、今後とも、このように個別に内容を精査いたして、合理化していく、経費を節減していくという種はたくさんあると承知しておりますので、ぜひ太田議員からも、あるいは公明党、与党、あるいは野党からでも、御提言をいただきながら行政効率化に取り組んでまいりたいと思っておりまして、その都度、成果を国民にわかりやすくお示ししてまいりたいと思います。
○太田(昭)委員 事業の仕分けはかなり地方で率先して今努力をしているということがありまして、ちょっとイメージをつくるためにパネルを用意しましたので御紹介させていただきたいんです。
 全部で、岩手県を初めとする八県、あるいは新潟市を初めとする三市が実行し、そして、来年三月までには千葉県がこれをぜひともやりたいということで、具体的なそういう展開になっているわけですが、十一の自治体で行っている。こういうことからいきまして、あるシンクタンクの予測では、不要とか民間の仕事で、大体三市の平均一三%、八県の平均は一〇%ということですから、一割以上は削れるということが実績としてございます。そういう意味では、要らないと我々が言っている不要なものは恐らく数%あろうというふうに思っております。
 例えば、もう既に総理がスタートを切っているわけですが、私どもが八月十一日の首脳会議で神崎代表から、例えば学校というものがある。埼玉県の草加市で、阪神大震災のとき以来、小学校の建てかえをしよう、こう思っていた。ところが、基準からいきますと、天井は一律三メートル、こう決まっている。これを普通は二・七メートル。この三メートルでなくてはならないというのも、そんなに圧迫感がないであろうということで二・七メートルにならないかということで工夫しまして、ここは特区の申請をしたわけですが、こんなことをしないでも、全部それをフリーにして、二・七メートルにしたらということを私は提言したわけです。そうしますと、この草加市だけで、一校だけで八千万円節約できる、これを全国でやりますと、三メートルの天井を二・七メートルにするだけで、実は三十一億円削減できるというようなことがございます。
 これから、学校の耐震化あるいはアスベストの問題とか、いろいろなことが急務の段階になっている中で、そうしたことを一つ一つ具体的に、地方の意見も聞いたり、あるところではこういうことをやったということも全部入れながら事業の仕分けということをしっかり国の側に立ってもやっていくということに全力を挙げたいと私は思っています。総理は既にこの天井のことについては指示をされて流れができているわけですが、ぜひともそういう知恵を生かしていくということについて再度御答弁をお願いしたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 この学校の教室の問題、公明党の神崎代表を初め皆さんから言われるまで、私、知らなかったんですよ。三メートルの規制がかかっている、天井の高さが。これは地方では、なぜ三メートルじゃなきゃいけないのか、三メートルの身長のある人なんかほとんどいないと。それもそうだな。だから、場合によっては二メートル八十でも七十でもいいじゃないか、そうすると校舎の建築も安く済む。
 そこで早速、これは変えたらどうかと、公明党の皆さんからいい提案をいただいたものですから、検討させて、現にそういう方向に今なっています。
 こういう必要ない規制がほかにもかなりあると思うんです、これだけじゃなくて。これをどんどん洗い出してといいますか、地方なりあるいは政党なりがこれがおかしいんじゃないかということを言う点については政府も真摯に受けとめて、安全面において不安がない、学校の授業においても、三メートルだったらよく勉強できる、二メートル八十だったら勉強できないという状況でもありませんから、こういう規制は変えていこうということは大事ではないか。
 こういう点は、今一例を挙げましたけれども、そのほかあったらどんどん具体的な例を出していただきまして、不必要な規制等は撤廃していかなきゃならないと思っております。
○太田(昭)委員 という切り込みをしなくちゃならないのは、私は、本当に、これから少子高齢社会というものがいよいよ本格化する日本に対してどうするかということが非常に大事だという問題意識を持っているからです。
 いよいよ本格的な人口減少社会、再来年と言われたけれども、もうことしからそれが始まる。去年生まれた赤ちゃんが百十一万人。そして、昭和二十二年生まれが、再来年ついに六十歳、定年を迎える。二十二年生まれ、二十三年生まれ、二十四年生まれの団塊の世代三年間とりますと、これが約七百万人。二十六年までの五年間とりますと千八十五万人。百十一万人生まれて二百数十万人が六十代に突入していくということになって、いよいよ本格的な少子高齢社会の到来というときに、まず税のむだ遣いに切り込んでいかなくちゃならない。単なる給付と負担という問題だけで少子高齢社会には向かってはならない、私はそういうふうに思っております。この少子高齢社会という中で、年金、介護、医療というものは、確保すると同時に、その中にもしっかりと構造改革という角度を入れていかなくちゃならぬ、こういうふうに思っています。
 その意味では、一つは、予防という角度を入れる構造改革を展開するということが必要でしょう。もう一つは、一番膨らむという六十代の人たちをどういうふうに社会は、担い手にするのか、あるいはこれを支えられる側にするのかということは大きな違いがある。そして子育て支援。南野大臣を初めとして頑張っていらっしゃるけれども、さらにこれは力を入れなくちゃならぬということであろうというふうに思います。
 まず第一の、病気で長生きという社会ではなくて、健康で長生きをするという健康長寿社会の戦略というものが今こそ必要なときに来たと私は思っております。
 医療ということでいうならば、どちらかというと、日本は、治す、治療ということにかなりのシフトがしかれていたと思うんです。治療ということは大事なんですが、同時に、予防とかリハビリとか、特に、介護保険制度の改正がことしは行われたわけですが、これから生活習慣病ということについてどう対応するかということが、医療制度の改革だけでなくて、この医療費自体をどう節減するかという中で非常に大事になってくる。生活習慣病が国民医療費の実は三割を占めて、亡くなる方の約六割を占めるというデータがあるわけですね。
 そうしてみますと、この健診体制の充実、予防とかリハビリというのをしっかりやる、そして、地域、職域の連携強化、さらには、健診をしたけれども健診後そのままほうってあるということの健診後のフォローというような体制を、私は今こそ、少子高齢社会が本格化するときに、対応ということに力を入れるというこの力点、非常に大事だと思いますが、厚生労働大臣、いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 大変大事な御指摘をいただきました。一言で言いますと、私どもも全くそのとおりに考えております。
 改めて申し上げますと、まず、今お話しいただきましたように、生活習慣病の予防を徹底いたしますことは、個人の健康度の改善でありますとか生活の質の向上をもたらすことは当然でございますけれども、それにとどまりません。今お話しいただきましたように、健康寿命をまず延ばします。今まで平均寿命という言葉もございましたけれども、私たちは、健康で何歳まで生きるか、健康寿命ということに対して着目しなきゃいけないと思っておりますけれども、この健康寿命も延びてまいりますし、さらに、これまたお話しいただきましたように、結果的には医療費でありますとか介護費用に対してもきいてくるということでございます。
 したがいまして、私ども、厚生労働省における最重要課題の一つと考えておるわけでございます。生活習慣病対策と介護予防を柱とする健康フロンティア戦略を推進していきたいというふうに考えておるところでございます。
 特に、健診によりまして、生活習慣病の病気を既に持っておられる方、あるいはまた予備軍である方、そうした皆さんを発見いたしまして適切な保健指導につなげることで、個人の生活習慣の改善でありますとか発症予防の効果が期待されますので、地域、職域が連携して健診、保健指導を推進していくことは極めて重要な課題でございます。
 こうしたものを、今申し上げております来年に向けての医療制度改革の議論の中でしっかりと検討してまいりたいと存じます。
○太田(昭)委員 これは総理にぜひともお答えいただきたいんですが、私、ずっと、六十代の生き方ということがこれからは非常に大事だと。
 国民年金制度ができた昭和三十六年あたりの六十歳というのは、これはお年寄りの仲間だったかもしれません。しかし、今、六十というのは若い。六十五歳も若い。ここのところが、制度としては六十五歳以上はお年寄りということになっている。
 そこで、そのシステム自体をどうするかということは、また大きな論議ですから、考えなくちゃいけないことであると思いますが、それはおいておいたとしても、いよいよ団塊の世代が六十代に突入をするというときに当たって、六十代というものはどういう立場にあるのか。社会に支えられる存在としての六十代ということもあれば、社会の支え手にもなる、担い手にもなるという六十代になるかどうかということは極めて大事なことで、私は、支え手に、また担い手に十分なっていかなくちゃならぬというふうに思っていますが、総理自身がもう六十代に突入して、元気いっぱいでしょう。
 我々自身も、六十代という人は大勢いるわけですから、六十代で、あ、定年だということで、六十五歳までが、これは年金はそこだということで、さあこの五年間どう暮らそうかというような不安が実は大きな不安材料になってくるということからいくと、イメージを大きく変えなくちゃいけない。
 六十代、特に、年金と介護と医療に支えられるという六十代ではなくて、年金、介護、医療プラス雇用プラス消費プラスNPOプラスボランティア。元気で働く六十代という社会をどうつくるかということに我々はこれからかなりシフトしていかないと、これはうまくいかない。社会保障費の給付と負担ということだけを考えているだけで、そこのところは非常に私は、特に一番膨らむのが六十代、人口が膨らむのがあるわけですから。
 そこで、昨年改正した高年齢者雇用安定法、いよいよ来年四月スタートを切っていきます。これが進捗状況というのはどうかということは、これは厚生労働大臣のお仕事なんでしょうからしっかり監視していただきたいんですが、同時に、六十代の雇用というものを幅広く、短時間勤務というような雇用形態もあれば、あるいはまた契約雇用というようなやり方もあれば、いろいろなそういうことを高次元に、また幅広く受け入れる社会というものをつくり上げていかなくちゃいけない、こう思っています。
 ぜひとも総理に、六十代ということに、これから一番人口が膨らむ、そこに着目した、これは社会保障費をどうするかということも含めて非常に大事なことなんですが、そこにリーダーシップを思い切ってとっていただきたい、こう思いますが、いかがでありましょうか。
○小泉内閣総理大臣 私も六十三になりまして、確かに、今太田さん言われるように、昭和三十六年に年金制度が導入された。当時は、こんな、六十過ぎて月に四、五千円もらったって小遣い程度じゃしようがない、そのために毎月保険料を負担するのかと言う人もおられましたよ。私もそのころまだ二十そこそこでしたから、六十過ぎの人はみんな老人クラブですから、もう老人と言っていましたよ。今、私は老人になっちゃったんだよ、そうすると。ところが、老人の感覚はないですね。今、老人クラブでも、六十五歳以上になると、入り切れない町内会、自治会が出てきて、七十歳以上あるいは七十五歳以上の人じゃなきゃ案内を出さないとか、そういうような状況になって、高齢者がふえてきた、六十歳以上。
 ところが、六十歳以上は支えられる立場とよく言いますけれども、そうじゃない。支えることができる経験を持っている方がたくさんおられるわけです。ボランティアの活動においても、あるいは海外に出ている海外青年協力隊でも、シニア海外ボランティアだってできるような、そういう時代ですから。
 だから、これは私は、単に支えられる立場じゃなくて支える側に立ってもらう方がたくさんおられる。これをどうやって生かすかというのが、これから社会保障を考える場合にも、日本の社会の活力を維持するためにも大変大事な問題点じゃないかと思っております。
○太田(昭)委員 ぜひともリーダーシップをとっていただきたいと思っております。
 少子高齢社会ということの対応の中で、子育て支援ということは随分代表質問とかいろいろなので出ているんですが、私は、端的に言いまして、児童手当を充実すること、それから、出産一時金が三十万円ではとても足りないということがあるので五十万円にするということ。そして、働き方の見直しということで、子育ての場合の長時間労働の見直しであるとか育児休業制度の充実であるとか、あるいはまた結婚や出生というためにやめる人がまた再び職場に復帰できるというような、働き方の見直しという観点が非常に大事だと思います。
 三つまとめて、厚生労働大臣、御答弁をお願いします。
○尾辻国務大臣 まず、児童手当についてお答え申し上げます。
 公明党の御尽力もございまして、平成十六年四月一日より、支給対象年齢を、それまで小学校就学前でございましたけれども、それを小学校第三学年修了前までに引き上げたところでございます。
 さらにこれをどう延ばすかということでございますが、このことにつきましては、昨日も参議院の本会議で御党の浜四津先生からも御質問がございまして、総理がお答え申し上げております。総合的かつ効率的な視点に立って、そのあり方等を、財源も含め積極的に検討してまいりますというお答えを申し上げておりますので、その積極的にというところを私どもも受けまして、関係省庁と連携しながら、精力的に検討を進めてまいりたいと考えます。
 それから、出産一時金についてのお話がございました。
 これにつきましては、今三十万円支給いたしておるのは御案内のとおりでございます。これに対して、今先生よりお話ございましたように、引き上げるべきだという御意見もありますし、また一方では、分娩料の額は地域や医療機関によってさまざまであるという実態がございましたり、厳しい保険財政の状況の中で、出産費用の負担を医療保険でどのように扱うかといった課題もあるという御指摘もございますので、申し上げておりますように、来年に向けて医療保険制度改革の中で検討させていただく検討事項にさせていただきたいと存じております。
 それから、三点目として、女性の再就職支援などについてのお話がございました。これも大変重要なことでございます。
 そこで、今私どもがいたしておることについては申し上げませんけれども、今後のことで申し上げておきたいと思います。
 両立支援ハローワーク、これは今度私どもは、マザーズハローワークという言葉にしようと思っておりますが、これを新設いたしまして、子育て後の再就職希望者に対し、担当者制により、相談から就職まで一貫して個別のニーズに応じたきめ細かな支援を行うことを検討しておるところでございます。
 このマザーズハローワークにおきまして、就職のための総合的かつ一貫した支援を、これも先生のお話のとおりでありまして、極めて必要だと思っておりますので、実施するなど、女性が意欲と能力を十分に発揮して働くことができる社会の実現に努力していきたいと考えております。
 このことについてちょっとつけ加えますと、若者向けの就職支援で今これをやっています。最初から相談にずっと乗っていまして、今度は、相談に乗ってもらっている方の信頼も大変かち得ています。
 私も先日現場へ行きましたけれども、若い人たちの声を聞いていますと、例えば、おかげさまで三つ就職が決まった。どこへ行こうかと決めるときに、親じゃなくて相談員に相談したんですというような話もしておりました。そうしたものを今先生のお話しのようなところにも向けていきたい、そういう仕組みをつくっていきたいと実は考えておりまして、また御指導よろしくお願いを申し上げます。
○太田(昭)委員 ありがとうございました。
○甘利委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○甘利委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。太田昭宏君。
○太田(昭)委員 防災対策について質問しますが、昨年、台風が十個も上陸をして、大変な被害がありました。被災者生活再建支援法を初めとしていろいろな弾力的な措置もとられて、村田防災大臣やあるいは北側国土交通大臣を初めとして、大変な尽力をしていただいたと思っております。
 しかし、ことしに入りまして、例えば九月四日の台風十四号、死者、行方不明が二十九名、負傷者百七十人、避難指示、勧告が三十八万人というような事態になりまして、私の地元の東京でも、北区の王子というところがありますが、その近くの堀船というような、そんな地域でも床上浸水で大変な被害が出るというようなことがございまして、私も夜中に視察に行ったりいたしました。
 特徴は、九州や中国、そういうところではがけ崩れとかそうしたことでありましたが、東京等におきましては、時間で百ミリに及ぶ雨ということで、いわゆる都市型の水害というものが非常に最近顕著になったというふうに思っています。
 そこで、これだけ水害が多くなって、そして凶暴化するということを考えますと、一つは都市型の水害対策、特に内水対策ですね。都市中小河川対策や地下室対策、あるいはポンプ施設の問題、そうしたことの状況をしっかり把握した上で、本格的な内水対策に取り組むということが大事だということが一つ。
 もう一つは、最近、どうも一時間で百ミリなんということが案外多くなってきているというような状況もありますから、防災基準の見直し、雨量というものの設定や堤防の強化とか、そういうような対策が必要ではないかと思いますが、ぜひとも、こういう都市型水害やあるいはそれにかかわる水害の防災基準ということについて見直しをするとか、強い姿勢で取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○北側国務大臣 今委員がおっしゃったように、最近の豪雨の傾向というのは、降り出すとすごい量の雨が降るという傾向が非常に顕著になっております。
 台風十四号では、宮崎県では降り出してから一千三百ミリを超えるような雨量が降っただとか、これは宮崎市の年間雨量の約半分に当たると。宮崎というのはもともと雨が多いところなんですが、その半分を数日間で降ってしまうというふうな大変な雨が降りました。また、今おっしゃった首都圏の集中豪雨、同じ日でございますが、これは杉並の方では一時間で時間雨量百十二ミリという局所的な集中豪雨が発生をいたしました。こういう傾向が非常に顕著になった、これからもこういうことは続くであろうというふうに見ないといけないと思っております。
 大都市の場合におきましては、雨が降ったときの浸透が非常に弱くなっている。かつては五〇流出して五〇は浸透だったのが、今はもう八〇流出して二〇が浸透というふうな状況でございまして、総合的な内水対策の必要性が非常に高いと考えております。来年度予算におきまして総合的に内水対策を実施する事業を今要求しておりまして、また、地方公共団体がより効果的に内水対策を進めるためのガイドラインの作成についても、今検討しているところでございます。
 さらに、基準の問題でございますが、今新たに、大規模な豪雨による災害対策を検討するための委員会を設置いたしまして、専門家の方々にも入っていただきまして、年内を目途に提言をいただく予定でございます。
○太田(昭)委員 それから、少子高齢社会という時代の変化とともに、私は、防衛、防災、防犯という三つの防がリンクしている、防衛と防災と防犯。非常に日本が安全、安心という国であったのが、そうではないという、ここも時代の大きな変化だと思います。特に首都直下地震ということに対して、また、全国でもいろいろなところで地震が発生をするという、非常に危機があります。この備えをしっかりしなくてはいけない。中央防災会議が二十七日に首都直下についての対応、大きな大綱を発表したわけですが、いよいよこれは実行する段階だと思います。
 私は、特に初動体制の確立、それから建物の耐震化ということについてかなり重点的に対応していかなくちゃいかぬ、こう思っていますが、総理、その辺、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 具体的なことは後から防災担当大臣が答弁すると思いますが、この防災に対しては、私は国の機関を総動員すべきだと思うんです。
 かつて自衛隊は、援助活動とか支援活動、遠慮してほしいという自治体も見受けられました。しかし、阪神大震災の例を見ても、自衛隊の支援活動、救援活動は必要だという認識はとみに高まってきたと思います。また、台風とか集中豪雨の際に、自衛隊の諸君が懸命に、地域の皆さんと一緒になって、あの厳しい状況の中で泥にまみれて、復旧作業、復興作業にいそしんでいるということに対しても、国民や住民から高い評価を受けております。自衛隊のみならず、消防も、あるいは警察も、地域の自治会、町内会、さらには民間の方々、ボランティア活動、学生も含めて、救済活動については率先して参加する方が多くなった。こういうことを見ますと、国の機関でできることは、すべて災害に対しては支援活動をできるというような各省庁の連携、それと各地方団体との協力。
 そして善意の、好意のボランティア活動、こういう点についても、さきの集中豪雨に対する災害あるいは台風の災害にしても、阪神大震災のときは、善意、好意によって多くの方々が駆けつけてきてくれたけれども何をするかわからないという面もあった。そういう、ボランティア活動を采配する人まで用意しなきゃいかぬとか、あるいは、自治体の皆さんが復旧作業とか支援活動、救援活動で疲れちゃって、倒れちゃうという人も出てくるということで、災害を受けていないほかの自治体からも救援活動。
 さまざまな面で過去の問題点を整理しながら、反省すべき点は反省し、さらに充実した支援、救援、復旧活動をどうしたらいいかという取り組みをしなきゃいけないという認識が高まってきたということはいいことでありますので、この機運を実際の災害に強い国づくり、そしてふだんから災害に対する備えという点につきましては、各省庁初め各団体、国民の協力を得ながらやっていかなきゃならないと思っております。
 耐震活動等、また防災担当大臣、よくわきまえております。北側国土交通大臣も、建築物の耐震等いろいろ配慮されておりますので、もしもっと詳しいことを聞きたかったら、担当大臣に質問していただきたいと思います。
○太田(昭)委員 もう私の時間は残りほとんどありませんので、北側大臣、建物の耐震化ということについて力を入れて取り組むということを、一言で結構ですから、答弁をお願いします。
○北側国務大臣 地震対策の一番のかなめは、建物、住宅の耐震化を進めるということでございます。今、建物、住宅の耐震化率は七五%、これを今後十年間で少なくとも九割以上にぜひしていきたいと思います。そのために、この国会で耐震改修法の改正もお願いをしたいと思いますし、また税制、予算についても充実をさせていただきたいと思っております。
○太田(昭)委員 私は終わります。
○甘利委員長 この際、赤羽一嘉君から関連質疑の申し出があります。太田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。赤羽一嘉君。
○赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。
 きょうは、さきの衆議院総選挙以来初めての予算委員会の質問でございますので、今回の衆議院総選挙で御支援をいただきました有権者の皆様方に感謝の思いを持ちつつ、そして皆様方の声を国政に届けるんだという気迫で、二十分という限られた時間でございますが質問させていただきますので、総理初め関係閣僚の皆様、御答弁のほどよろしくお願いいたします。
 今回の衆議院総選挙で自由民主党と公明党に三分の二の議席を与えられたということは、まさに国民の皆様は、政治的な安定を求める中で、より一層の構造改革を進めること、そして日本の経済の一日も早い再生を実現すること、この大きな期待の声が今回の選挙結果にあらわれたというふうに、そう実感をしております。
 マーケットというのは大変正直、敏感なもので、株の方ももう一万三千円台を回復しました。これは一つの大きな私は明るい材料であるというふうに、そう実感をしながらも、ただ、日本全体の経済をよく見ますと、やはり地域差、また業種によって格差があることは否めない事実でございます。こういった明るい材料が出てきた今こそ、過ちのない、正しい的確な経済政策を、二の矢、三の矢を打っていくということが私は大事である、こういった思いで、まず経済政策についての質問をさせていただきたいと思います。
 今申し上げましたように、企業の中でも中小企業、これは日本の産業の中で九九・七%を占め、雇用でも七割を占めている。日本の経済の基盤ともいうべき中小企業の現状というのは、まだまだ実は厳しい状況が続いている、一進一退の状況が続いている。中小企業の具体的な、的確な支援策を今本当に前に進めていかなければいけないという思いを地元を回っている中で強く感じたわけでございます。
 現在の日本の中小企業の対策費というのは約一千七百億円でございまして、比べることがどうかはわかりませんが、いわゆる農業対策費、予算が約三兆円にも上る、こういったことを比較した場合に、全国四百七十万社とも言われている中小企業への支援策というのは少な過ぎるのではないかという意見もあるわけでございます。
 この中小企業の実態をいろいろ見ておりますと、一九九〇年代、安い労働力を求めて日本の多くの製造業が中国や東南アジアに進出をいたしました。しかし、その中でも、いわゆる精密品ですとかかなり高度な技術を持った部品をつくる、こういった製造業は実は日本に回帰をしている、こういった現象が出ておるわけでございます。
 この高度な部品をつくっているというのは、いわゆるメッキとか金属プレス加工ですとか鋳造といった物づくりの基盤となる技術を持った、私たちはこれをいわゆる物づくり中小企業と、こういった企業が支えているわけでございまして、東京の大田区や大阪の東大阪市というのは大変うまくいっている地域であるわけでございますが、私の神戸市では、ケミカルシューズで有名になりました長田区というところ、また兵庫区というところの下町は、かつての大手の重工業の下請としてのそういった物づくり中小企業の集積地であります。
 しかし、そういった集積地は、いわゆる重厚長大の産業の没落の流れの中で、下請で生きてきたがゆえにその技術力が生かされていない、こういった状況がございます。技術はあっても、マーケティング能力やコンサルティング能力、こういったものに欠けている。
 まさに親会社、子会社という従来の下請の系列関係を乗り越えて、系列関係を乗り越えると、結構、こんな優秀な部品をつくれる物づくり中小企業があったのか、こういったことで、大変うまくビジネスチャンスを生かしているという例もあるわけでありまして、こういったことをうまくマッチングさせるような施策、そして私の神戸では、大変な基礎的な技術力を持っているところが、例えば、今、神戸市のポートアイランド二期の地域で、先端医療産業都市構想というのを国を挙げて進めていただいているわけでありますが、そういった先端医療の製造部分を担うような産業集積をしていく、そういう政策誘導というのは大変意味のある重要な取り組みだというふうに考えております。
 このいわゆる物づくり中小企業への支援策、こういったものをどう具体的にお考えになっているのか、まず経済産業大臣から御答弁いただきたいと思います。
○中川国務大臣 全く赤羽委員御指摘のとおりでございます。日本を支えているのは、雇用面でも、また事業所数でも、あるいはまた今御指摘のように、日本の物づくり、これは部材、部品、材料ですね、あるいは基盤技術、この多くは中小企業が支えているわけでありまして、この発展なくしては日本の将来はないという思いは全く同感でございます。
 そういう中で、中小企業の中には、業種、あるいは、御地元の神戸のように大変な震災等に被災された地域とか、地域でいろいろ御苦労されている地域、また中小企業、いっぱいあるわけでございます。しかし、そういうところに頑張ってもらわなければいけません。そういう意味で、今御指摘のように、個々の中小企業一つ一つだけではなくて、連携、横の連携あるいはまた異業種の連携、あるいはまた地域の連携。下請からの変化という流れも出てきておりますので、そういう連携を支援していこうというのが、政府、とりわけ経済産業省、中小企業庁の最重要政策課題でございます。
 そういう面で、技術、情報、人材育成等を含めて、地域全体あるいは業界全体、あるいはまた国や自治体も、あるいは大学とか研究機関も含めて、いろいろな連携事業というものを支援していきたいと思いますし、また、金融面、あるいは税制面、法律面、政策面含めて、我々の今の基本政策であります新産業創造戦略の中でも、来年度に向けまして、中小企業の連携支援という今申し上げたようなことを中心にしてさらに積極的にいって、各地域、各中小企業の発展が日本全体を支えていくという観点から頑張っていきたいので、引き続き御指導をよろしくお願いいたします。
○赤羽委員 まさに大きな構造改革を支えるのは民間の活力であるというふうなことはもう異論を挟まないところでございますので、どうか経済産業省の的確なる産業政策、中小企業政策をお願いするところでございます。
 中小企業の多くは、大半が経済基盤、経営基盤が盤石ではない。そういった意味で、資金調達といった面で大変大企業と比べると困難さを伴う、これもまた事実でございます。
 いろいろな補助金制度というものを過去つくってきたと思いますが、私は、大胆に言うと、そういった補助金漬けにすることは余りプラスがなかった。やはり中小企業政策、今、産業クラスターみたいなことを角度をつけて推進するということも大事でありますが、より以上大事なことは、やはり金融政策をどう支えていくのか。
 技術力があるけれども資金面の部分で弱い、こういったことについて、やはりしっかりと民間の金融機関というものには大きく期待をしたいところでありますけれども、残念ながら、民間の金融機関は、中小企業向けの貸出残高を見てみましても、二〇〇〇年の末には二百九十六兆円だったものが、二〇〇四年、昨年末では二百二十八兆円に、約二割以上の減額、大幅減少をしているというのが実態であります。大変金融機関も、その体質改善というかそういった見直しの中で、なかなか中小企業への貸し出しというのが難しくなっていった。
 また一方では、セーフティーネット、取引先の倒産や災害などといった場合に、ある特定の業種に対しての資金繰りを大胆にというか柔軟に担ってきた、これは中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金といった、こういった政府系金融機関が担ってきたわけでございます。実績も、約四十一万件、八兆円の貸し出しがされている。
 私は、この政府系金融機関の見直しというのは大事だと思いますし、それを進めていくことに反対するわけではございませんが、その見直しをしていく中で、そういった機能として、中小企業向けの貸し出しというものを民間がちゃんと担えるということが担保されなければ、日本の中小企業というのは大変厳しい困難な道が予想されるのではないか。中小企業に対する金融政策というのは本当に大事な論点であるというふうに思っております。
 この中小企業に対する金融政策について、ぜひ総理から御所見というか御見解をいただければというふうに思いますが、いかがでございましょうか。では、経済産業大臣。
○中川国務大臣 中小企業政策は、先ほど申し上げましたように、総理からの強い指示に基づいてやっておりますので、私から答弁させていただきますが、今御指摘のように、金融面の役割は非常に大きいわけであります。と同時に、金融というのは、まず民ができるところは民がやる、民ができないところをいわゆる政府系の金融機関が補完をする、このすみ分けというものが大原則でございます。
 そういう中で、例えば昨年の中越地震あるいは今回の原油高騰のように、緊急的なものに対して、いわゆる民でできない部分に緊急かつ機動的に対応するということで、いわゆる政府系金融機関のセーフティーネット貸し付け、あるいはまたそれ以外にもセーフティーネット保証というものがあるわけでありまして、これはやはり政府系の、商工中金等の役割として大きいんだろうと思います。
 それから、中小企業あるいはベンチャー等の立ち上げ、今御指摘のように、研究開発期、あるいは販売のためのコストがかかるといったときに、担保がない、あるいはまたいろいろな人的保証もできないというものに対して、補完的な意味で、無担保無保証、あるいはまた売り掛け債権を担保にするとか債権を証券化するとか、そういった手法で資金調達ができるような、流動的にして、そして緊急、自由に対応できるような金融政策というものがとりわけ中小企業では必要だというふうに認識をしております。
 そういう意味で、御指摘のような趣旨で、そしてまた、民の補完、民ができない部分についてそういう役割を担うという観点から、より柔軟な中小企業金融対策を、今後も対応していきたいというふうに考えております。
○赤羽委員 なぜ私が総理に御答弁を求めたかというと、この大きな構造改革の中での政府系金融機関の見直しというのも一つの大きなアイテムだ。その中で、ぜひ、中川経済産業大臣がお答えがあったように、民間にできることは民間に、これは当然でありますが、民間にできない部分、また、それが永遠にというのではなくて、その移行期間といったものをよく実態に即して御勘案をいただき構造改革を進めていっていただきたいということを強く要望したいと思います。
 次に、同じ経済対策の流れの中で、先日の本会議でも、午前中もやりとりもございました道路特定財源、自動車諸税のことについてお伺いをしたいと思います。
 本四公団の債務の処理が終了すると同規模の剰余金が出てくる、このことについてどうなのか。それは、使い道をどう考えるのか、また税率をどうするのか、こういったことについて基本的な方針を年内に立てるように小泉総理から指示が出されたということを、私は、大変英断だと高く評価されるべきものだというふうに思っております。
 しかし、利用者、自動車諸税を納めている者の立場からすれば、道路をつくるという名目で、緊急整備という名目で暫定税率といったものが設けられたわけでありますので、原則から考えると、緊急整備という名目ではないのなら、やはり暫定税率というものを本則の税率に戻すというのが筋なのではないかというふうに、私はそう強く思うわけです。自動車重量税も、二千五百円であったものが今二・五倍の六千三百円でもありますし、揮発油税も、リッター当たり二十四・三円が二倍の四十八・六円でもあります。こういったことを本則の方に戻すということだけでも、私は、利用者の立場から、ぐっと重税感というか、昨今の、今これだけ原油が高くなっている中での自動車諸税の負担感を軽くするということは、意味があることであるし、筋としては間違っていないことだというふうに思っております。
 私はそのように思いますが、このことについて。
○谷垣国務大臣 総理から、道路特定財源について基本方針を年内に検討せよという御指示をいただきまして、これから検討を本格化しなければならないわけでございます。
 それで、今、暫定税率等々について、今までの経緯からすれば、そういうことであるならば下げていくべきではないかという赤羽委員のお考えを承りまして、これは幅広い観点から議論していかなきゃならないのでございますが、現在の私の認識を申し上げますと、自動車関係諸税は諸外国と比べて必ずしも高い水準というわけではないと思っております。それから、やはり自動車、車を利用する社会的コストというようなもの、あるいは環境に対する負荷というようなものを考えますと、必ずしも委員のようなお考えばかりではないのではないかというふうに思っておりまして、今後、道路整備の状況であるとかあるいは納税者の受けとめ方等々、幅広い観点から精力的に議論をしてまいりたい、このように思っております。
○赤羽委員 このことは、実は我が公明党の、今回の総選挙、マニフェストの六大項目の一つですので、重くぜひ受けとめていただきたい。
 加えて、これは地方税なんですが、軽油引取税も、実は何回にもわたって暫定税率がされております。
 軽油引取税、トラック業界というのは物流をなす業界でありますが、実は昨年春からこの八月、一年半でリッター当たり二十円上がっているんですね。業界としては、一円上がると百八十億円のコスト増と計算されているわけです。二十円上がった段階で、一年間その軽油代が続くと三千六百億円のコスト増だ、こう言われているんです。
 業界としてどのぐらいの利益があるかというと、年間五百億円の利益だという。極めて大変な状況だということを私は現場の声として聞いておりますし、北側国土交通大臣はこのことについて、物流の経費負担増については物流業界にだけしわ寄せをするなといったことを経済団体に対しても強く要望していただいているのは承知しておりますが、地方税ではありますが、道路特定財源の見直しという中に軽油引取税もぜひその対象として考えていただきたいということを、これは総務大臣、お答えは結構ですけれども、強く申し入れをしたいというふうに思っております。
 時間も随分迫っておりますので、最後のテーマとして。安全、安心なまちづくりをということを公約に掲げてまいりました。その中で、尼崎でアスベストの問題が発覚をいたしました。私たちは、本年七月にアスベスト対策本部を党内に設置いたしまして、私も尼崎市のクボタ旧神崎工場のところに現地視察もし、患者の皆さんからも実態調査をさせていただきました。
 その中で、七月二十五日に、小泉総理並びに関係大臣に対しまして、アスベスト対策本部の設置、また徹底した実態調査と情報開示、そしてアスベスト利用の完全禁止、労災認定問題について、また労災で救済されない被害者に対する速やかな救済、こういったことについて申し入れを行い、現在、アスベスト問題に関する関係閣僚会議が設定をされて、その基本的な枠組みというものがきのう取りまとめられたというのは高く評価されるものでございます。
 ただ、一人親方のように労災認定が受けられない被害者がいる。実際の問題として、毎月四十万円の治療費を払っている、仕事はできない、子供は四人いる、保険を解約しながら今生活をしている。こういった人は今、現在進行形であるわけでございまして、今の段階ですと、新法の施行というのは来年の春ぐらいになるであろう。この半年間というのは実は大変重い期間でありまして、中皮腫というのは発生後一年半で命を落とされている方が平均である、そういった意味での半年というのは大変重い話である。
 今回の枠組みの中で、すき間なく被害者を救済するという趣旨であるならば、施行自体は仮に来年の四月だとしても、現在進行形で進んでいる今の被害者に対しては、認定をするとか遡及をするとかいった本当にすき間のない対策をとることが被害者の皆さんから求められている対応だというふうに思っておりますが、環境大臣の御所見をいただきたいと思います。
○小池国務大臣 ただいま御指摘ございましたように、昨日関係省庁の閣僚会合を開き、そして速やかに新法成立の検討を進めていくということで打ち合わせをしたところでございます。
 御指摘ありましたように、スピード感を持って、かつシームレス、継ぎ目のない対応をしていこうということでございまして、幾つかその中でも、被害の実態把握であるとか被害者の認定に係る医学的な検討、そして一体どれぐらい費用がかかるのかなど、総合的に考えていかなければなりません。
 いずれにいたしましても、被害者の方々の状況などにかんがみまして、スピード感を持って当たってまいりたいと考えております。
○赤羽委員 ぜひ前向きな、やはり自民党、公明党に勝たせてよかったと言っていただける対策をとっていただきたい、こう強く申し上げまして、私の質問を終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。
○甘利委員長 これにて太田君、赤羽君の質疑は終了いたしました。
 次に、前原誠司君。
○前原委員 民主党の前原でございます。
 本会議に続いて、主に小泉総理に質問いたしますので、ほかの大臣の方はほかの大臣で指名いたしますので、総理大臣、ぜひ御答弁をいただきたいと思います。
 伊藤達也金融担当大臣もおられますが、私の恩師の一人も松下幸之助さんでございます。一度しかお会いしたことないんですが、どうおっしゃっていたかといいますと、国会議員は国家経営者たれというのが松下幸之助さんの遺言のようなものでありました。
 つまりは、経営者というのはむだ遣いをしないし、あるいは、会社というのは十年先、二十年先の会社をどうするかというビジョンを持ってやっている。しかし、翻ってどうだ、国は。借金だらけで、そしてまたビジョンもない、そして戦略もない、これは後で具体的に申し上げますが。やはりこれは、与野党を超えて今の経営感覚なき政治というものをなくしていかなくてはいけないし、真に小泉総理が改革とおっしゃるのであれば、その思いというのは共有していただけるのではないかと私は思います。
 したがって、きょうお話をするテーマにつきましては、今までの検証はもちろんしなくてはいけませんが、今後の日本の改革というものを私はいい意味で競い合いたいと思っております。それが、健全な二大政党制が発達して、ひいては国民の皆さん方の利益につながる、私はそういう思いを持っております。私の信念でそういう前向きな提案をしていきたいと思いますので、総理もぜひそれにこたえていただきたいと思います。
 さて、日本の国の借金というのは、本会議でも申し上げましたけれども、国、地方そして短期を合わせますと約一千兆円。小泉総理の任期中に二百五十兆円、四分の一ふえたわけであります。これについて、とやかくきょうは言いません。そして、単年度予算で見ましても、一般会計の歳出総額が八十二・二兆円、それに対して一般会計税収は四十四兆円ですね。ということは、歳入欠損は三十八・二兆円ということであります。
 一千兆円の借金があって、しかも単年度では半分近くも税収が足りない。異常な国ですよ。したがって、日本の競争力をはかる指標というのは、技術とかあるいは企業の経営はいいんだけれども、日本の財務というものを考えたときには極めて低くなってしまう。これを何とか変えなきゃいけないというのは、総理も同じ思いだと思います。
 そこで一つ、まず総理にお伺いしたいんですが、よく総理は、小さな政府ということをおっしゃいます。今の日本は小さな政府なのかそうでないのか、総理はどういう認識を持っておられるのか、まずそれをお聞かせいただきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 前原新代表が、これからお互い改革を競い合おうという姿勢を持たれて今の質問をされているんだと思いますが、お互い建設的な対案なり提言をして、現在の日本の厳しい財政状況も打開していかなきゃならないと思っております。
 そこで、小さな政府という話でありますけれども、これも一般には、小さな政府、大きな政府という形でよく取り上げられ、政党間でも議論がなされます。しかし、本当に小さな政府というのはどういうものか、大きな政府というのはどういうものかということについてまだはっきりとした認識なり理解というのは国民全体に及んでいないので、これをもっとはっきりさせなきゃいかぬという議論は経済財政諮問会議におきましてもなされていることであります。
 私としては、簡素で効率的な政府、これがいわゆる小さな政府だと。これでもわかりにくいということで、規模を小さくしよう。そうすると、規模というのは何か。量か、人員か。わかりやすいのは、公務員の人員を削減していこう。あるいは、政府の規模といいましても、一般会計全体なのか、あるいは政府関係機関の融資の規模なのか、いろいろとり方があります。
 そういう点について、今後、小さな政府か大きな政府かという質問に対して、直接的な答えではありませんが、今よりも簡素で効率的な政府にしていこうということは、政府の役割というものをできるだけ民間にゆだねていこう、できるものだったら。あるいは、国の役割というもの、地方の役割というものがありますから、それを、国でやる必要がないんだったら地方なり民間にゆだねていこう。そして、全体の政府の関与というもの、政府の役割というもの、ほかにゆだねることができるものだったらそっちにゆだねていこうというのが、ひいては小さな政府になっていくのではないかということで御理解をいただけるのではないかと思っております。
○前原委員 いや、理解はできません。自民党のマニフェストで、「年金も、景気も、「小さな政府」から。」「郵政民営化なくして、小さな政府なし。」小さな政府がやたら出てくるわけですね。これをまとめられた張本人といいますか総責任者は総理御自身ですよ、自民党総裁ですから。
 ですから、私の質問にはダイレクトに答えていただきたい。つまりは、今は小さな政府なのかどうなのかということを聞いているわけです。
○小泉内閣総理大臣 現在よりも小さくできるということであります。そのいい例が郵政の民営化であって、ほかの国と比較して小さいか大きいかという議論もあると思います。現在よりも私は小さくできると。現在でも公務員を減らすことができる、国の役割というものを減らすことができる。現在よりも小さくしていこうということでございます。
○前原委員 禅問答になっても時間がもったいないので。本質の話をしたいので。
 要は、私が申し上げたかったのは、これだけ借金をつくった。そして、この間財務省が財務書類というものを出して、それにどう書いてあったかというと、政府の総資産が七百兆円。GDPの一・四倍。これはどう考えても大きな政府なんですよ。
 それで、今一般的に見られている大きな誤解の一つは、自民党は小さな政府で、何か民主党は大きな政府を求めている、そういうような一般的な見方がされているけれども、実は、戦後六十年間かけて大きな政府をつくってきた、水膨れのむだが多い政府をつくってきたのは自民党自身なんですよ。これが、私は、根本の反省がなければ、小さな政府ということを幾らマニフェストに書いたって意味がないと思うんです。そういう意味で……(発言する者あり)変わったといったって、そんなすぐ変わりませんよ。
 そういう意味で、幾つか申し上げたいんですが、予算の面でも僕は大きいと思うんです、この国は。
 きょうの主要テーマで、また後で申し上げますが、総理、単純な数字ですので、大体、概数で結構でありますが、国庫予算歳出純計というのは幾らかおわかりですか。谷垣財務大臣でも結構ですよ、専門家でしょうから。
○谷垣国務大臣 ちょっと私は不勉強で、いつも一般会計の規模とかそういう形で議論しておりますので、一般会計で申しますと八十二兆二千億ということだと思います。
○前原委員 済みません、丁寧に申し上げましょう。
 一般会計と特別会計の繰り出し、繰り入れを除いた純計、これは総額幾らですかということが私が申し上げたい国庫予算歳出純計です。このぐらいだったら、もう総理、どのぐらいか。
 つまりは、一般会計の特別会計への繰り入れとか、あるいは特別会計の中のいろいろな繰り入れ、繰り出しを除いた、国として使っているお金の総計は幾らかということを伺っているんです。
○小泉内閣総理大臣 今資料を見れば答えることはできますけれども、そういう議論はいいでしょう。もっと大きな議論をした方がいいんじゃないでしょうか。一般会計とか、専門的な、政治的な議論ですから、政府委員でも答弁できることはいいんじゃないでしょうか。
○前原委員 数字を聞いたことについてそうおっしゃっているんであれば、まあいいですよ。大きな議論をしているんです。これから大きな議論をするための入り口としてこの数字は不可欠なんですよ。
 つまりはどういうことかというと、一般会計のいわゆる特別会計へ繰り入れしていないものは幾らかというと、三十四・五兆円。それから……(発言する者あり)見ないで言いましょう。重複などを除いたものは二百五兆円、合計で二百三十九兆円。数字をちゃんと言おうと思って見ただけです。そんな揚げ足取りのやじを飛ばすようだったら、本当の改革勢力とは言えないですよ。
 総理、何を私が申し上げたかったかというと、一般会計は小さい、そして特別会計は大きい、約六倍ぐらいあるんですよ。そして、国会で議論をするのは一般会計で、特別会計というのは国会でまともな議論ができない。
 後で具体的なことを申し上げますが、つまりは、こういう大きな、GDPが五百兆円の国で、実は八十二兆円というのが予算ではなくて、議論としては、この二百三十九兆円、二百四十兆円の議論をしなければいけないし、これだけの予算を扱っているのはまさに大きな政府じゃないか。自民党政治が今まで築き上げたものは非常に大きな政府なんだ、国がこれだけの予算を使ってやっと倍のGDPをもたらしているような大きな政府なんだということを私は申し上げたかったわけです。
 しかし、その部分で幾つか申し上げなければいけません。先ほど申し上げたように、これから歳入と歳出の大きなギャップ、それから莫大な借金、これをどう削っていくのか。これをどういう議論をしていくかということがあると思いますが、私どもの姿勢は、土光さんがおっしゃっていたように、これをまさに今、我々民主党ではなくて、政治家がやらなきゃいけないと思っているのは、行革なくして増税なし、つまりは、徹底したむだ遣いを削ることが、まさに先ほど総理とお話をした、いい意味での改革競争ではないかと私は思うわけです。つまりは、どういうむだ遣いを削ろうかということをお互い出し合って、そしてそれを競争していく、そういうことがまさに私はいい改革競争なんではないかと思うんですね。
 その意味で総理にお伺いしたいんですが、今の歳出の中で、大ざっぱで結構ですよ、総理が頭の中に思っておられる、まさに小さな政府とおっしゃっているんだから、今、私どもは大きな政府だと思っている、それを小さな政府にしていこうという意思はわかりました。どこにむだがあって、どこを削ることがまさに小さな政府につながると総理はお考えですか。
○小泉内閣総理大臣 最後の質問に答える前に、よく、小さな政府、大きな政府というと、自民党は小さな政府を目指す、弱者切り捨てだと、むしろ、その小さな政府に対する対抗軸、大きな政府と言わなくても、必ずしも小さな政府がいいとは限らないという議論が必ず行われます。
 これは、単に反対のための反対、あるいは与党と野党の違いを出そうというための議論もあると思いますが、そういう点については、私は、簡素で効率的な政府をつくるためには、前原議員が言われるような、むだをいかに排除していくかという点が必要だと思います。
 そして、今の御質問でありますが、今の一般会計でむだを省いていく、歳出を削減していくというと、一番税金を使っている分野が社会保障なんです、約二十兆円。そして国債費、これは今まで多額の国債を発行していますから。そして、地方に回る地方交付税。さらに、公共事業といいますけれども、かつては十兆円ほどありましたけれども、今では七兆円を切っているような状況になってきている。そのほか、防衛費ということでありますけれども、防衛費も五兆円を切っている。年間、医療関係に税金を投入するよりも少ないということであります。
 歳出削減となりますと、一番大きく支出している部分をどうやって抑えていくかということになると、社会保障の分野を削るというのは非常に大事なことなんですけれども、この削る部分というのがまた一番抵抗が多いわけです。地方交付税もそうなんですね。地方にできることは地方にと言っているけれども、税源移譲といったって税源がないじゃないかという議論がある。地域によって、税収が多いところと、税源を探そうといったってないところがある。これはやはり国で、どういう対応をするか、しなきゃならぬ。
 ですから、私は、各項目、それぞれ額も違います、国民の要望も違いますけれども、一番大きな分野に目を注ぎますと、社会保障関係、黙っていくと八千億円毎年毎年増額していくということでありますので、年金、医療、介護、生活保護を含めた社会保障全体の改革をどうするか。さらに、地方交付税をどうするか。そして、できるだけ国債費を増額させないために国債発行を減らしていく、借金を減らしていく。さらに、今後、やはり公共事業というのは次に大きい。
 そのほかいろいろありますけれども、ふやす部分があるんですから、必ず減らす部分をしないとこの歳出削減というのは無理だと思う。後は、借金しようか増税しようかというふうになっちゃいますから。関係者というのは必ず、自分のところは減らすな、よそを減らせという抵抗が強いものですから、その辺については、これから極めて厳しい状況の中で削減努力はしていかなきゃならないと思っております。
○前原委員 ちょっと切り口が似ているようで、若干私と違うんですが。必要なところにはお金をかけなきゃいけないし、社会保障が仮に、それは予算規模では大きいですよ、しかもこれから大きくなっていくのは当たり前ですね。では、それがむだであるかというと、もちろんその中のむだも削っていかなきゃいけない。医療費の問題についても、薬とかあるいは器具の内外価格差の問題とかありますよ。それはやっていかなきゃいけないけれども、ふえるものは仕方ない部分もある。それは私はセーフティーネットで考えていったらいいと思うんです。
 私が申し上げたいのは、一つはやはり公務員、ここが一つの大きなポイントだろう。特に私が思っているのは、少し古い資料かもしれませんが、国、地方を合わせました公務員の数が約三百八十万、そしてその人件費が三十八兆円。つまり、一人頭一千万円の人件費がかかっている。これは、退職金も入っていますので、平均給与ではありません。恐らく七百万とか八百万なんでしょう。
 おとついの本会議で総理に対して私質問しましたように、今の人事院勧告制度は大企業を中心に考えられている。零細企業が入っていない。中小零細も含めたサラリーマンの給与水準というのは約四百四十万ですよ。それからすると、余りにも大き過ぎるんじゃないか。つまりは、国民の皆さん方へサービスを提供する公務員の給料が高過ぎる、これをどう考えていくのかということがまず一つですね。それからもう一つは、数の問題。これは後で申し上げます、数の問題は。
 それから、二つ目の問題としては、おっしゃったように公共事業。私は後でお話ししますが、まだむだな公共事業も多い、談合体質。
 それからもう一つは、地方と国の関係。私も短い期間ではありましたけれども地方議員をやらせていただいて、この補助金というものはくせ者ですよ、物すごく。つまりは、補助率の高い方に流れていって、トータルとしてのマネジメント、コスト意識が働かない仕組みになっている、この補助金というのは。こういうものを直していかなきゃいけない。
 私は、この三本にメスを入れるべきではないかと思っています。
 そういう意味で、提案なんですが、もう一度総理に、おとついの確認になりますけれども、人事院勧告は、今回の特別国会でもそれに基づいて法案が出されていますが、零細企業を含めた人事院勧告にしなきゃいけないんじゃないかというふうに私は思うんですが、どうですか。規模の大きいところを中心に公務員の給与を決めるから、先ほど申し上げたような官民逆格差が生まれてきているんじゃないでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 今前原さんが指摘されたような議論を政府でもしているんです。
 特に、日本の公務員に対しましては労働基本権というものが制約されているということから、人事院勧告というものを尊重している。その人事院勧告の答申というもの、これが民間の給与と比べて、どこの民間の給与を比較するかというと、大体規模において、今言った零細が入っていない、中堅以上。それも全国一律というと、東京とか首都圏の規模、大企業なり、ある程度何百人以上かという規模。これを全国の公務員に当てはめますと、地方に行くと、そんな大きな企業ないというんですよ。首都圏では中堅企業でも、その中堅企業という対象になっているものでさえも地方にはないんだ、恵まれているんだと。そういうところと比べれば、地方に働いている国家公務員は恵まれ過ぎているじゃないかという声があるのも承知しております。
 ですから、今後、地域に、どのぐらいの地域に分けるかというのはこれまた一つ問題であります。何ブロックに分けるかというのも問題でありますけれども、県別じゃなくて、ある程度広い地域においての比較するべき民間の企業、これをどの程度の規模にするか。首都圏だけの、いわゆる民間のしかるべき中堅以上の企業というものがない地方もあるんですから、そういう点も含めて、一律じゃなくて、各地方を見ながら規模、対象をよく検討し直す、そして公務員の給料を是正していくというような見方をすべきじゃないかということで、今検討してもらっているんです。
 そういう点については、私は、ある程度共通した認識が持てるのではないかと思っております。
○前原委員 改革というのはスピードだということをおっしゃいますね。私もそう思うんですよ。
 そして、この国会に出されているわけですね、そういう給与関係の法案が。しかし、それは、今おっしゃったものが反映されていないわけですよ、先ほど申し上げた零細企業なんかは。もちろん地域格差というものについてはある程度議論されているということは知っています。しかし、そういうものも含めて、やはり今後早い時期に私は官民格差というのはなくしていくべきだというふうに思います。
 それから、麻生大臣、簡単にお答えいただきたいんですが、大阪市の手当、いろいろな不正な手当百六十億円、それも大問題でありますが、全国二百七十四市町村で徒歩で通勤できる人に通勤手当が払われている、こういう状況があるわけですね。
 こういうものに対しては、それは地方自治の原則なんだけれども、総務省として、これはおかしい、そういうものがあるのであれば。我々数字を持っているわけですから、調べられたら、どこの市町村がそんな変な手当を出しているんだということはわかるはずですので、ぜひ是正をしてもらいたい。簡単に答弁をお願いします。
○麻生国務大臣 この問題につきましては、大阪で端を発したのが最初ですけれども、こういったものは問題ではないかということで、昨年にわたってこの調査をして、昨年の十二月にこれを公表ということをやらせていただいておりますので、既にホームページ等々を見られたら公表されている部分がありますから、それを見ていただくとわかると思います。
 それに端を発して大阪ではあのような形で、民主主義が成熟したと私は思いますけれども、いわゆる市民の声で結果としてあのような形ができたというのは、私は、この種の話は公表するというのは極めて大きな力を持つものだと思っておりますので、今後とも……(発言する者あり)徒歩手当の意味。
 徒歩手当の意味というのを、テレビで見られている方々は、徒歩で、歩いて通勤できているにもかかわらず、早い話が、自転車とか徒歩等、金がかからないで、歩いているにもかかわらず手当がついておる、電車手当、通勤手当がついておるというのはけしからぬではないかというので、歩いて通える範囲のところにもかかわらず他の人と同じ、他のバス通勤、電車通勤と同じような通勤手当の一つとして徒歩手当というのがついているというのは、これはたしか愛知県かどこかだったかの例だと思いましたけれども、それが最初に出た例だと思います。幾つかあります。
○前原委員 まだ是正されていないんですよ、それが。だから質問させていただいたわけで、公開することは今大臣おっしゃったように大事なことですから、ぜひ徹底的にそこは取り締まってもらいたい。私は、税金のむだ遣いをなくす、取り締まるというか指導してもらいたいというふうに思います。
 公務員制度でもう一つ申し上げたいのは、よくこれも議論になります、民でできるものは民に、そして地方でできることは地方に。あるいは、余りよく言われないんですが、NPOとかNGOにできることは行政がやるんじゃなくて、公の仕事をNPOやNGOにやらせるということも私はあっていいと思うんですね。そういうことをやっていく上で、私は相当、自分の意思で公務員をやめる方もおられるけれども、やはり移ってもらうということも必要になってくると思うんですね。
 その意味では、私は、公務員制度改革の一つの柱として、私が代表にならせていただく前に申し上げたのは、労働三権を付与して身分保障を外す、公務員の。それぐらいのことをやらなければ、まさによりむだのない行政機構の改革というものはできないんじゃないかと私は思うんですが、総理の見解を聞かせてください。
○小泉内閣総理大臣 労働基本権、これを外そう、スト権等を認める、この問題は長年にわたっての大問題なんですよ。この人事院勧告制度と公務員の身分を保障するという点、それから国民感情、何のために公務員をしているんだ、ストをしていいのかというのは、これは確かに大きな問題であります。
 その点から、私は、公務員の給与問題あるいは労働条件ということを考えますと、このスト権を初めとした基本権、こういう問題については今後十分議論していかなきゃならない問題だと思っております。今この段階でスト権を認めようとか言うことはできないということも御理解いただきたいと思います。
○前原委員 実際問題、もちろん警察とか消防とかそういうものは無理ですよ、特別公務員。無理ですが、先ほどの身分保障を外すということと同時に、やはり人事院勧告ではない、自分たちで、組合でまた議論をしてもらって給与を決めるということも含めてやってもらうことが、まさに官のあり方、民に移すとかあるいは地方に移すとか、あるいはNPO、NGOに移すとかいう意味では私は必要だと思うので、ぜひこれは検討してもらいたい。これも我々は対案を出します。ぜひ公務員制度改革を進めていきたいというふうに思います。
 さて、先ほど申し上げた特別会計、この話をちょっとさせてもらいたいと思います。国民の皆さん方にはなかなか特別会計といってもおわかりにならないかもしれませんので、若干説明をさせていただきたいと思います。
 先ほど申し上げたように、歳出純計では、一般会計は三十四・五兆円に対して、特別会計は二百五兆二千億円、大体六倍ですね。それから、一般会計予算では八十二兆円に対して、特別会計予算は四百十二兆円。これが特別会計になっているわけですが、今、三十一特別会計、六十勘定というのがあって、では特別会計というのは一体どんなものがあるのかということで申し上げると、食糧管理の特別会計とか、空港整備の特別会計とか、道路整備の特別会計、治水特別会計、あるいは自動車損害賠償保障特別会計などがあります。
 もっとわかりやすく民間企業に例えれば、一般会計がいわゆる親会社、そして特別会計が子会社ですね。つまりは、一般会計に当たる親会社は、国民あるいは我々国会議員と言っていいのかもしれないけれども、株主総会に当たるこういう議会の中で議論が基本的にされる。しかし、特別会計については、子会社、しかもその親会社が一〇〇%株を持っている子会社になっていて、なかなかチェックがききにくい、これは後で具体的に申し上げますけれども。
 それで、問題は、親会社が小さくて子会社がどんどん膨れ上がっていっている。この子会社が実はむだ遣いの温床になっている。我々、こういう問題を扱う者からすれば、ここまでひどいのかというような点がざっくざっくと出てくる。宝の山と言ったらこれは逆説な意味で怒られるかもしれませんが、ひどい状況なんですね。
 これは、実は二年前の二月の衆議院の財務金融委員会で塩川前財務大臣が有名な答弁をされておりまして、「母屋ではおかゆ食って、辛抱しようとけちけち節約しておるのに、離れ座敷で子供がすき焼き食っておる、」と。言い得て妙な、まさに名言だと私は思っておりますけれども、そういう構造が放置されているわけですね。いやあれはそうですよ、後で言います。だって、前の財務大臣がおっしゃったのに谷垣さんが首を振っているのはおかしいじゃないですか。(発言する者あり)後で言いますよ。放置されている状況を言います。
 二つほど例を挙げましょう。
 電源開発促進対策特別会計といいまして、これは発電所の建設や新エネルギー研究などに使うために、国民が払う電気代に上乗せされている電源開発促進税が財源になっている。つまりは、電気代を払っている、その中に税金がかかっているというわけですね。それで、平成十六年度はその合計が三千六百億円。
 これは我が党の細野豪志議員が調べたものでありますけれども、その電源開発促進特別会計で運営しているホームページ、平成十五年度、ホームページの運営予算ですよ、三億四千三百万円、一年間で。十六年度が三億五千四百万円。平成十七年度が二億九千四百万円。ホームページですよ。これを所管している経済産業省のホームページ、年間幾らかかっているか。百三十万円なんです。母屋は百三十万円、離れで三億円ぐらい使っている、ホームページで。
 しかも、やはり当然でしょうけれども、消化し切れていない、予算計上していて。平成十五年度は二億円、平成十六年度は一億三千万円のみ使用、のみといったって、これだけよく使ったなと逆に思いますが、母屋で百三十万円しか使っていないわけですからね。そういう意味では、むちゃくちゃなむだ遣いをホームページに使っているわけです。
 そして、地方自治体への交付を除くと二千二百二十四億円、三千六百億円のうち二千二百二十四億円が特殊法人や公益法人など九十五団体に流れていて、おわかりになるように天下りの巣窟。天下りの巣窟だし、この九十五団体の下にまた財団法人等があって、我々でも、細野議員でも調べられないぐらいの天下りがいる。
 つまりは、それだけ、まさに塩川前財務大臣がおっしゃったように、母屋では切り詰めて切り詰めてやっているのに、特別会計ではホームページに三億円もかけている。そして、剰余金が二千四百億円あるんです。それだけ使ってまだ余っている。今、原発立地ができていませんから、進んでいないからそれだけ余っている。余っていたって国庫へ納付しないんですよ、特別会計。要は血液みたいなもので、逆流しないようになっている、一般会計から特別会計へ。一部例外はありますよ、道路とか。こういうような問題がまず一つある。
 もう一つ例を申しましょう。労働保険特別会計。これは、失業や労働災害に備えてサラリーマン、企業が払う保険料が財源になっている。これは我が党の馬淵澄夫議員が調べられたものでありますが、保険金の給付とは別に、雇用安定、能力開発、雇用福祉のいわゆる雇用保険三事業が行われている、このお金から。そして、財政制度審議会からも事業廃止の見直しが迫られているぐらい天下りの温床だと言われ続けてきた。
 その天下りの一つである、独立行政法人になりましたけれども、雇用・能力開発機構というのがあって、そこが、私の地元ですが京都に、おもしろい名前ですが、私のしごと館というのをつくって、これの総工費が五百八十億円、そして平成十六年度の収入は一億一千万円。それに対して年間の維持費は、職員が二十七人いて、二十七人の給与が二億四千万円、そしてそれを含む年間の維持費が二十一億円。
 五百八十億円使って、皆さん方が失業したときとかあるいは労災になったときのために、企業やサラリーマンの方が払っておられるお金を、そういうものを五百八十億円かかってつくって、そして収入が一億一千万円しかなくて、年間にかかっている経費は二十一億円。そして、職員の数が二十七人で給与が二億四千万円。むちゃくちゃですね、これは。まさに、すき焼きどころかステーキで、ステーキも何か非常に脂の乗った最高級のステーキを食っているようなそういう状況です。
 そして、こういった勤労福祉施設というものをこの同機構というのは千円とか一万円台で投げ売りしていましたね。そういうところでもあるということであります。
 そして、中小企業人材確保支援事業助成金というのがあるらしいんですが、それは予算額が二百億円に対して、十五年度は使えたのが五億円、平成十六年度は三十六億円の実績しかない。そして、トータルでは四千億円の余剰金を抱えるということなんですね。
 ちょっとフリップを見ていただきたいんですが、総理は資料を見ていただけますか。
 この上から、先ほど申し上げたものでありますけれども、こういったものがいわゆる剰余金積立金として生まれてきているわけですね。もちろん、ほかの特別会計には債務もありますので、足りないものもありますよ。そして、この剰余金についても、これについてはもちろん返さなきゃいけないものもあるけれども、これだけのものが余っている。余っているのが多い。にもかかわらず、国が、さっき申し上げたように、借金が多くてぴいぴい言っているのに、その剰余金というものを一般会計に戻せない。
 こんなむだ遣いの構造が特別会計にあって、そして、先ほど申し上げたように、一般歳出純計が三十兆円台で、特別会計が二百兆ですよ、総理。六倍規模の特別会計が、母屋じゃなくて離れになって、そこでむだ遣いをやり尽くしている。やりたい放題、天下りもいっぱい、我々でも数え切れない。そういうものをほっておいていいのかということを、まず私は総理に聞きたいです。今感想をちょっと、総理にお伺いしたい。
○小泉内閣総理大臣 前原代表、いい指摘をしていただいたと思うんですが、これは、今までもかなり議論されますと必ず反対論が出てくるんですよ。具体的に言われました電源開発の特別会計にしても、これは自治体にとっては必要だ。労働保険の特別会計、労災にしても、これは将来の保険等。しかし、今例を挙げていただきましたので、こういう財政状況が厳しいときによく検討しなきゃいかぬし、今までの反対論が本当に正当性を持つのかどうか、よく点検したいと思います。
 いい点を指摘していただいたと思っております。
○前原委員 反対論はあるでしょう、それは今まで使っていたものですから。
 ただ、私は総理にもう二つ提案させていただきたいんです。
 今おっしゃるような答弁をされるのであれば、一般会計と特別会計を分ける必要性はあるのか。つまり、先ほど申し上げたように、母屋が小さくて、子会社、しかも親会社の一〇〇%子会社になかなかチェックが入らないような仕組みをつくってしまって、そして税金のむだ遣いが行われている。先ほど申し上げたように、大きな政府、小さな政府の議論があったけれども、GDPが五百兆円の国で、実は八十二兆円じゃなくて、特別会計は、その繰り入れとか入れると四百十二兆円もある。純粋なものだけ足したって二百三十九兆円もある。これを国家予算として議論して、それでむだ遣いを削るということになれば、今、反対論が出るということを総理はおっしゃいましたね。そこは、もし本当に必要であれば一般会計から出す、特別会計というそんなわけのわからぬ懐じゃなくて。一般会計から出すという仕組みに変えた方がいいんじゃないですか。いや、総理に聞いているんです。
○小泉内閣総理大臣 これに対して、一般会計は厳しい縛りがかかる。そして、歳出削減にしても、むしろふやすんじゃなくて、見直すという場合には削減。そこで、どうしても、今言った電源開発にしても、あるいは今後の石油エネルギー対策にしても、金を捻出しなきゃならないということから出てくる分もあるので、全部とは言わないまでも特別会計を総合的に見直す必要があるということで、今総点検しているわけであります。それぞれできた制度ですから必要論が強いのは事実でありますけれども、こういう状況でありますので、不必要な点はなくしていくという点はぜひとも必要だし、こういう点についても見直していく、これはしていかなきゃならないと思っております。
○谷垣国務大臣 いい御指摘をいただいて、私も……(前原委員「いやいや、いい。今の総理の答弁でいいです」と呼ぶ)では、後で……。
○甘利委員長 財務大臣、簡潔に答弁をしてから次に進んでください。
○谷垣国務大臣 いい御指摘をいただいたと思っておりまして、私どもも、確かにメリットがあるところはありますが、硬直化しているというところがありますので、徹底的に見直すという塩川路線は引き継いでいきたいと思います。
 ただ、一つ申し上げますと、先ほどの電源特会は、確かにこの財制審の見直しの中で、剰余金が発生して圧縮していけという指摘を受けているところでございまして、この三年間ぐらいで半分ぐらいに剰余金を圧縮してきたと思います。千五百億ぐらいあるのを、今、八百億ぐらいになっていると思います。
 それから、先ほどの表の中で非常に額が多かった、七兆円を超えておりました労災の勘定は、これは将来の年金の支払いの原資でございますから、いろいろそれはおわかりかと思いますが、そういう点もございます。
○前原委員 先ほど申し上げたように、あれは挙げたものについては、もちろん将来のものもあるし、挙げてないものについては債務もあるということではちゃんと申し上げたでしょう。だけれども、剰余金が発生しているものが使えないというのはおかしいという話をしているわけです。
 それで、総理、先ほど申し上げたように、真剣に本当に改革競争をしなきゃいけないし、もし本当に、郵政のときでも、既得権で、刺客を送ってばさばさ切って、そして抵抗勢力をなくすということをおっしゃったんだったら、いろいろそれはありますよ、反対する人は。だけれども、先ほど議論してきたように、特別会計の話というのは、もし必要があれば、一般会計と特別会計を一つにして、一般会計で手当てすればいいんですよ、本当に必要なものについては。そうしたら我々も国会で議論できるんですよ。だから、一本化をして、まさに伏魔殿のような特別会計はなくしていきましょうということを我々は申し上げているんです。
 この特別会計の案、民主党の試案でありますけれども、総理にもお配りをしておりますけれども、我々は、こういう三十一の特別会計をゼロベースで見直して、六特別会計にしてしまう。そうしたら五・九兆円の節約ができる。それはやはり、総理、予算体系を一本にまとめて、一般会計と特別会計、そんな伏魔殿とか子会社ですき焼きを食うような仕組みではなくて、すべて株主総会の厳しい縛りがかかるようなものにして、本当に必要なものは一般歳出から出したらいいんです。そういう仕組みをつくる中で、私は、税金のむだ遣いというのはもっとなくせると思いますよ。もう一度答弁ください。
○小泉内閣総理大臣 塩川前大臣の発言を見てもわかるように、この特別会計をゼロベースで見直すということをしているわけであります。
 そこで、今民主党が出した、三十一特別会計を六特別会計に仮に減らした場合に五・九兆円の節約ができるかどうか、こういう点についても、政府としても真剣に検討してみたいと思います。そして、お互いできるだけむだを省く、そういう点については競争していかなきゃいかぬと思っております。
○前原委員 その意味でも、どうですか、自民党総裁としてお伺いしますが、国会に特別会計を調査する特別委員会のようなものをつくって、徹底的にそれを調べて、むだを国民の皆さん方に暴き出す、私はそういう特別委員会をつくった方がいいんではないかと思いますが、自民党総裁として答弁をいただきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 私は、このような議論をするのがまさに予算委員会だと思うんです。そして、予算委員会においては特別会計の議論をしてもいいんです、一般会計のみならず。そういう点について、この予算委員会でどしどし議論をし、いい案なり提言をしていただきたい。
 私は、行政改革ではありませんけれども、国会にこれだけ多くの委員会があるのに、あえてまた別の委員会をつくって果たして機能が向上するのかどうか、これもありますので、まさに特別会計というのは予算の問題ですから、予算委員会の中で議論すべき問題だと思っております。
○前原委員 都合のいいときには特別委員会を与党はつくってまいりました。建設的な意見として私が申し上げたいのは、与党が三分の二になりました。したがって、予算委員会で議論するということであれば、徹底的にやりましょう。そのかわり、しっかりと質疑時間をとってもらいたい。我々野党が質疑できるような十分な時間をとってもらいたい。それができれば、私は、今おっしゃったことは担保できると思っております。そのことは申し上げておきます。
 さて、特別会計だけじゃないんですよ、むだが使われているのは。(発言する者あり)
○甘利委員長 静粛にしてください。
○前原委員 一般会計についても、まさにおかしなことが行われている。
 これは読売新聞の九月二日、選挙中でありましたけれども、架空予算など九十五件百十八億円というのがありますが、ちょっと大きくします。
 これは総務省のものは入っておりません。後で提出されておりますけれども、総務省のものが入っておりませんが、一応、こういう各省庁の架空予算というのがある。実際問題……(発言する者あり)総理に質問しているんですから。
 それで、こういう架空予算というのはどういうものなのかというと、何年間も執行実績がないとか、必要以上の予算が計上されている過大計上であるとか、名目と異なる使い方をしている流用とか、そういうものがこれだけあるということです。
 それで、私、おかしいなと思ったのは、予算委員会の理事会で、架空予算というものが入っているからこんなものはけしからぬという話があった、そういう話を聞きました。私は、これはちょっとおかしいんじゃないかと思うんですね、それを言うこと自体。
 なぜかというと、これは与党、野党関係なく、国会議員は怒らなきゃいけない。まさに実際の、我々が例えば予算の議論をしているときに、その品目、予算について議論をしているのに、実際問題、何年も執行実績のないものを何年も出しているとか、あるいは必要以上の予算が計上されている過大計上があるとか、あるいは名目と異なる使い方をして流用しているとか、そういうものがまかり通っているのが百十八億円もあったというのは、これは与野党の問題じゃない、国会が怒らなきゃいけない話だ。今、財務大臣に答弁いただきますから。こういう問題は、特別会計ではなくて一般会計でもある。
 そこで、財務大臣にお伺いしたいが、これは氷山の一角じゃないか。でも、財務大臣、実際、これは財務省、多いんですよ、件数も額も。財務省が予算を管轄しているんですね、査定をして。その財務省がこんなことをしているということを、まさに私は大問題だと思う。しかも、これは全部本当に精査して調べられたものなのか、氷山の一角なのか。どうですか、財務大臣。
○谷垣国務大臣 今読売新聞の資料を前原委員がお示しになりましたが、毎年度予算は国会で御審議いただいて成立しているものでありまして、これは架空予算と言われるようなものでは必ずしもないと思っております。
 それで、国会でも、いろいろ執行実績とそれからその予算請求の積算根拠の乖離みたいな御議論がありまして、私は、そういうことを受けまして、各省庁に予算請求に当たって洗い直すように要請もいたしまして、各省庁が発表されたものを読売新聞が恐らく積算されたものだろうというふうに思っております。これは平成十八年度概算要求に反映されておりますので、さらにここを徹底的に精査していきたいと思っております。
 ただ、今架空予算というふうにおっしゃいましたけれども、これも実はいろいろなのがございまして、おっしゃるように、積算と執行実績が何年も乖離しているようなことは望ましいことでないのは当たり前で、国会も怒っていただいて、我々も頑張ってやらなきゃいかぬと思っておりますが、やはり予算編成時期に予想できなかった状況の変化等々があって、結果的に執行が行われなくて不用となるとか、それから、同じ予算科目の目的の範囲内で他の支出に充てているような例がありまして、そういったこともあるわけでございます。
 繰り返しになりますが、そういうことをことしの概算要求では各省庁に要求しておりますので、これから徹底的にそこは精査してまいりたいと思っております。
○前原委員 いや、それは予算というのはいろいろありますよ。何も使い切れと言っているわけじゃない。逆の意味で、それは使い切ってむだ遣いになりますから。
 ただ、例えば、経済産業省が一番多かったんですが、国際エネルギー消費効率事業、国際効率をよくするための事業費に五十五億八千万円計上していて、支出は四千八百万円。こんなものはまさに計画倒れですよ。あとは、先ほど大臣がまさにおっしゃったように、何年も続いているのがあるんですよ。これは大臣、御存じでしょう、そういうのは資料を見られて、私もそれを精査させてもらいましたが。
 やはり国会というのは、予算が出されて、それについて適正かどうかというのを議論していて、実はそれは何年も消化されていなかったとか、あるいは議論をしているものの予算が他に流用されているとか、言語道断ですよ、こういうものは。
 ですから、私は、そういったものが徹底的になくなるように、これはまず一つの警告として、これは財務大臣がまさに責任を負われなきゃいけない話。こんなことだったら、本当に立法府の予算を議論する場として、予算を議論することは政治の一番大事なポイントだと思う、皆さん方の税金をどう使うか、それについていいかげんなものが出ていること自体が大きな過ちじゃないですか。だから、それを徹底的に正してもらって、我々が予算書を見たら、それが本当に大丈夫なのかなというふうに見ないようなものにしていただきたいということを申し上げているわけです。
○谷垣国務大臣 そこはおっしゃるとおりで、予算の積算根拠と執行実績が違っているようなものは厳重にメスを入れていかなければならないと思います。
 それから、国会で御審議いただいたときに、そのあたりがよくわかって議論していただけますように、私どもも今、予算書のつくり方をもう少しわかりやすいものに改めるように検討しておりまして、ちょっとまだ時間をいただきたいと思っておりますが、そういうような形で国会審議を充実させていただくことができるように私どもも工夫をしております。
 ただ、もう一点御理解をいただきたいのは、結局最後は、弾力性というところもある程度はなきゃいけませんから、どこまで縛れるかという問題もございまして、その辺も今いろいろ議論をしているところでございます。
○前原委員 だから、それはさっき申し上げたように、何でも予算つけたら全部一円残らず使い切れということを言っているわけじゃないんです。それは、ある程度の誤差があって当たり前でしょう。だけれども、流用とか、あるいは先ほど申し上げたような十分の一も使われていないような予算、そういうものはちゃんと精査してくださいということを申し上げている。まあ、いいです、これは、時間がなくなりましたので。
 総理、道路特定財源の話。これは本会議でも私させていただいて、ずっと私は何回か総理とこの議論をさせていただいた覚えがあるんですが、ようやく道路特定財源の見直しということをおっしゃった。見直しといってもいろいろあるんですね。今でもある程度、昔の道路、維持補修だけではなくて、何か立体交差、いろいろなものに使えるように若干広がってはいるんです。
 ですが、私は一般財源化すべきだと思います。一般財源化して、教育とか福祉とか、あるいは環境の問題、こういったものにこの道路特定財源、大体、国と地方、国で三・五兆円ぐらいですか、地方を入れると五兆七千億円ぐらいだと思いますが、消費税二%ぐらいに相当するようなものですね、二%余り。しかも、ある程度道路整備もできてきた、もちろん維持補修はやらなきゃいけないけれども、人口減少の中で、先ほどまさに総理がおっしゃったように、社会保障のお金はどんどんこれからふえていく。社会保障のむだを削ったとしても、社会保障のお金はふえていく。
 その中にあって、硬直的に道路特定財源、もちろん暫定税率の問題とかありますよ、あるけれども、これをやはり一般財源化して、環境、福祉、教育、こういった人への投資というもの、あるいは地球全体への投資というものに使えるようにすべきだと私は思いますが、総理の、見直しじゃなくて、具体的にどうイメージをされて見直しとおっしゃっているのか、総理御自身の思いを語ってもらいたい。
○小泉内閣総理大臣 道路に使うということで特別の財源、税源に目をつけて、これは道路に使うんだから負担をお願いしますということをなくす場合に、仮に一般財源化する場合に、例えば自動車重量税一つとってみても、自動車と道路というのは密接に関係あるからということで負担をしていただいている。その際に、特別財源を見直すあるいは一般財源にするというんだったら、これをなくしてくれという声が必ず起こってきますね。
 それと、今前原さんも指摘されたように、地方におきましてはまだまだ道路が足りない。都会においてもそうです。道路が必要だという声はどこに行っても強いです。その際に、一般会計でできるのか。公共事業を減らしていく中で、ますます道路がつくれなくなるというと、これは与野党を問わず、選挙区を抱えている議員ならわかると思います。道路をつくってくれという要求は実に強いです。そういう際に、それでは、必要な道路の財源がない場合にどうやって捻出するかという声もあります。
 そういう点をすべて抱えてきたから、今までこの問題というのは、絶対特定財源は放しちゃいかぬという反対が強かったわけであります。そこを、やはり今の時代、公共事業も全体を見直さなきゃならない、道路だけ特定財源がかなりあるから、それだけ使ってはいかがなものかということから、環境問題とかほかに配慮して使えという動きが出てきている。
 そういう点も含めまして、これは、暫定的に道路特定財源は増税しているわけですから、一般財源にした場合に減税論も出てきます。それと、地方において、地方に使わせろという声も出てまいります。その点を総合的に見直すということであって、一挙に全部今の道路特定財源を、減税もしないで、このあるままを全部一般会計に移すという議論もあるかもしれませんけれども、そういう点も含めて、それでは、どういう点を減税していいのか、あるいはほかの税に振りかえていいのか、環境に使っていいのかという議論が今までも出てきておりますから、それを、税制改正の中においてもあるいは財政制度の中においても、両面で議論しなきゃならないと思いますので、今の時点で私が具体的に、これは一般財源にしろとか、暫定税率、増税だから、自動車重量税をなくせとか、そういう議論もあるのは承知していますけれども、よく専門家の意見と国会の中の議論を見きわめたい。そして、最終的にどういう選択肢が出てくるか、その中で私は判断したいと思うのであります。
○前原委員 先ほど申し上げた特別会計の話とよく似ている話だと私は思うんですよ。
 つまりは、私が申し上げてきたのは、特別会計は基本的にゼロベースで見直せ。もちろん、特別会計でも特定財源のあるものとないものがありますよ。だけれども、本当に必要なものを精査して、一般財源の中からやったらいいんです。我々だって道路をなくせなどということを言っているわけじゃない。道路が本当に必要だったら一般会計の中から堂々と出したらいい。
 だけれども、人口構成が変わり、日本の借金の状態がこれだけひどい中で、これだけ莫大な特定財源というものを維持することがいいのかどうかという議論をしているわけでしょう、我々は。私は、おのずとその方向性というのは見えていると思う。道路だけに使われるというのはやはりおかしいということだと私は思いますよ。
 ですから、そういう意味での……(発言する者あり)いや、民主党はもう考え方を出して、マニフェストも出していますから。我々は、道路特定財源を一般財源化して環境などに使えるようなものにしていくということは申し上げているわけですから。これも、我々も案はもう出していますので、先ほど申し上げたように、今の借金まみれ、そしてまた少子高齢化という人口構成の中でどうしても見直しの不可避の問題だということで、我々も案を出しますから、ぜひ建設的な観点から議論をさせてもらいたいと思います。
 税の話で、最後に、松本政調会長の時間を少しいただいて、これだけは申し上げておかなきゃいけないということをちょっと申し上げたい。税の話でありますが、定率減税の話です。
 これは、今までの議論というものは相当変遷していますね。これは国会で、橋本総理のときの参議院の敗戦、それから来ている話ですね。はっきりおっしゃらなかった、選挙の一週間ほど前に。それから来ている問題で、小渕総理が一九九九年にどういう話をされているかというと、恒久的な減税ということで明確におっしゃっている。それがだんだん軸足が変わってきているんですね。
 その次には、一九九九年、同じ年ですけれども、少し後に、要は、経済状況等を見きわめつつ、税制の抜本的な見直しを行うまでの間、こういうことが書いてある、こういうことが話されるようになってきた。その次には、恒久的な減税というのはあるんだけれども、景気回復に最大限配慮した負担軽減を主眼とした措置ということになって、今度は恒久的という言葉がなくなって緊急避難的な特例措置ということになって、それからその次は景気対策のための特例措置となって、そして谷垣大臣はこの間、選挙の直後の記者会見でどうおっしゃったかというと、異例の措置になっている。
 恒久が、いわゆる条件つきの恒久になって、そして税の抜本的な見直しを行うまでの間というものがつけられて、今度は景気回復に最大限云々かんぬん、緊急退避的な特例措置、そして異例の措置と。だんだんずれてきているわけですね。異例の措置だからいいのかという話なんですよ、実際問題。
 それで、これは恐らく社会条件が変化したんだからこういう言いぶりになっているんだというふうに言われるかもしれません。その意味で一つだけ、私、ひっかかっていることを申し上げたいんですが、自民党のマニフェスト、これとの整合性なんです、一番私がひっかかっているのは。
 自民党のマニフェストにどう書いてあるか。「所得税については、所得が捕捉しやすい「サラリーマン増税」を行うとの政府税調の考え方はとらない。」と書いてある。「サラリーマン増税」というのは、これは括弧書きだけれども、一体何なんですか。政府税調が出した……(発言する者あり)いや、伊吹議員は官僚席に座っていないんですから答弁しないでください。京都同士でかわってもらってもいいですけれども、もししゃべるんだったらそちらでしゃべってください。
 だから、この括弧つきの「サラリーマン増税」は何ですか。
○谷垣国務大臣 これは、衆議院選挙の前にありました都議選のときにサラリーマン増税ということが大変議論になりました。ただ、サラリーマン増税という言葉自体は、明確な定義が必ずしもあるわけではないと思うんです。
 それで、今、伊吹さんがやじで言われましたけれども、その前にいろいろ政府税調の論点整理が出たわけですね。その論点整理の中にいろいろなものがあったわけですが、それを必ずしもそのときにすぐやるという意味ではなくて、論点整理であったわけですが、それを全部増税に結びつけるかのような報道があって、それに対する反論でこのようなマニフェストが書かれたというふうに私は思っております。
○前原委員 いや、ですから、伺いたいのは、財務大臣じゃなくて自民党総裁に伺った方がいいかもしれませんが、マニフェストには「「サラリーマン増税」を行うとの政府税調の考え方はとらない。」と書いてあるんだから、その定義をちゃんとしてもらわなきゃいけない。サラリーマン増税の定義は何ですかと聞いているんです。(発言する者あり)いわゆるなんて書いてない。「サラリーマン増税」と書いてある。これは、自民党総裁として、マニフェストに書いてあるんだから……(発言する者あり)いや、それは、だって自民党のマニフェストですから、総裁に答えてもらわないと。
○小泉内閣総理大臣 これは、「税制の抜本的改革」という中に、これを読みますと、「国民の合意を得つつ、新しい時代にふさわしい税体系を構築する。その中で所得税については、所得が捕捉しやすい「サラリーマン増税」を行うとの政府税調の考え方はとらない。なお、十八年度において、三位一体改革の一環として、所得税から個人住民税への制度的な税源移譲を実現する。」というふうに書いてあるんです。このとおりなんですよ。
 だから、サラリーマン増税、サラリーマンだけを対象にした増税は行わないということなんです。
○前原委員 ということは、政府税調の考え方はとらないということは、政府税調はサラリーマンだけをターゲットにした増税を出しているんですか。それは何ですか。
○小泉内閣総理大臣 それは、サラリーマンに対しての控除、所得控除がいろいろあります。そういう分野に対して、これは廃止すべきだとかいろいろ議論が出ております。
 それが、幾つか具体的な問題が出ておりますけれども、政府税調と党税調の関係は、前原さん、自民党ではないからおわかりにならない点もあると思いますけれども、政府税調の問題をそのまま党税調がやっているわけじゃないんです。政府税調の意見を参考にしながら、それはいろいろな意見がありますから、それで、最終的に、与党の自民党、公明党、合意したものを税制改正として出すわけでありますので、その中で政府税調の意見は非常に参考になります。
 しかし、それをそのまま与党の合意を得て政府の実際の予算として国会に出すということではないんです。しかし、参考にはしなきゃならないと思っております。
○前原委員 私は自民党の議員じゃありませんので詳しくわかりませんが、我が党の岸本周平候補がこの点については明確に言っておりました。政府税調の考え方を尊重しなければいけないとかなんとか、そういう言葉は書いてあるはずですよ。だから、それは、参考にさせてもらうとかそういうことではなくて、私はかなり重いものだと思いますよ。
 それと同時に、さっき申し上げた、二つのことを申し上げたい。これ以上長くなるとあれですので、私もこれで質問を終わりますけれども、二つのことを申し上げたい。
 一つは、就業者の八割がサラリーマンなんですよ。そして、中曽根さんのときの売上税というのはなぜ失敗したのかということを、私、調査したことがある。何があの失敗だったかというと、公約違反だったんですよ。
 つまりは、大型間接税はしないということを中曽根さんがおっしゃっていて、売上税を導入して、何とおっしゃったかというと、中型間接税ですとおっしゃった。サラリーマン増税、だって、就業者の八割がサラリーマンですよ。このマニフェストを見たら、そんな、皆さん方の細かい、何か後ろで騒いでいる人の話なんかじゃなくて、これを読んだら定率減税だと思うでしょう。
 それが一つと、もう一つは……(発言する者あり)いや、思っていますよ、国民の多くは。
 もう一つは、先ほどの問題、これだけは聞いておきたいですけれども、退職金課税、これはサラリーマン増税に入れるんですか、入れないんですか。
 私は、あと二年ほどしたら団塊の世代の方が退職されますね。今退職金課税を上げるということは、まさに待ってました、団塊の世代が退職する、みんながリタイアしていく、そのときにねらい撃ちをしたものではないかと、どうしても考えるのが筋でしょう、これは。あの政府税調の考え方に退職金課税の強化とありますけれども、これはサラリーマン増税に入るんですか、どうですか。それについて、これは財務大臣。
○谷垣国務大臣 先ほど総理から御答弁もあったように、サラリーマン増税というものが何なのかというのはいろいろな議論があると思いますが、あくまで政府税調が出したものは、その時点で、今の所得税の持っているいろいろな労働の仕方とか家庭のあり方の違い、変化などを踏まえた上での論点整理でございますので、それをどうしていくか、具体的にどうやっていくかというところまではまだ議論が進んでいないんです。これからの議論だろうと思っております。
○前原委員 答えになっていませんが、政調会長に後はゆだねたいと思います。
 私ははっきり申し上げたいのは、選挙の直後に定率減税の話をされるというのは、私は非常に不愉快ですよ。不愉快だし、ひきょうだと私は思いますよ。だって、九月十一日選挙が終わって、与党が大勝したかどうか知らないけれども、したんですが、九月の十三日に記者会見をして、それで定率減税の廃止。だまし討ちに遭ったようなものじゃないですか。まさにこれは公約違反だ、このことは私はしっかりと申し上げておきたい。国民の皆さん方も絶対そう思っていますから。
 そんな数でおごって今の暴走政治を続けて、まさに郵政の賛成か反対かだけで実際問題投票してくれと言って、あとの問題は白紙委任じゃないんですからね。我々野党が建設的な提案をしながらも、そういった与党の暴走に対してはしっかりチェックをしていくということを申し上げて、私の質問を終わります。
○甘利委員長 この際、松本剛明君から関連質疑の申し出があります。前原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。松本剛明君。
○松本(剛)委員 民主党の松本剛明でございます。
 総理に質問を申し上げてまいりたいと思いますが、一点、通告を申し上げていない案件でございますが、総理、よろしいですか。
 けさ、総理の靖国参拝について大阪高裁で、高裁で初の違憲判断ということが出てまいりました。私のおじもパプアニューギニアで戦死をしておりまして、靖国神社にお参りをしておりますが、そのこととは別に、やはり総理がお参りをされるということは非常に重いということをある意味ではこの判決も示していると思いますが、この判決に対する総理の御所見、そして靖国参拝についての総理の御方針を承っておきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 私は、今の判決の内容はまだ承知しておりませんが、私の靖国参拝が憲法違反であるとは思っておりません。
○松本(剛)委員 このことを延々とやる気はありませんが、高裁がそういう判決を下された。三権分立の中で、総理が司法判断を下されるお立場ではないと思っておりますので、総理はこの違憲判決を受けられても引き続き参拝をされるということでよろしいでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 私は、まだ判決を、どういうことか聞いていませんので、なぜ私が靖国神社に参拝するのが憲法違反かということはわからないと申し上げたので、これは前からも何回も申し上げていますように、戦没者に対する哀悼の念をささげるということと、二度とあのような戦争を起こしてはならないという気持ちで参拝しているのであって、それが憲法違反であるというのはどういうことか。
 しかし、憲法違反でないという判決も過去に出ております。裁判所でも判断が分かれる。まだ、たしかこれは最高裁じゃないと思います。そういう点から、今後また裁判でいろいろ争われるんだと思いますけれども、私の率直な感想をと言うから申し上げているのであって、どうして憲法違反なのかと。一国民として靖国神社に参拝する、そして総理大臣として参拝する。私は、何回も申し上げていますように、総理大臣の職務として靖国神社に参拝しているんじゃないんです。それがどうして憲法違反なのか、理解に苦しんでいるんです。
○松本(剛)委員 総理の判決に対する御所見というのは、総理として御所見をお伺いしたかったわけで、個人の感想をお伺いしたつもりはないわけであります。総理大臣は、やはり当然、憲法を守っていただく義務があることは申し上げるまでもないと思っておりますが、司法が判断をする権利を有しておるからこそ、これは違憲判断をされたんだというふうに思います。
 違憲でないという判決があったというお話でありますが、憲法判断に踏み込んでいない判決があることは私も承知をしておりますが、憲法に合致をしているという判決が確定をしたというのは、私が記憶をする限りでは違うのではないかと思います。一度お確かめをいただきたいと思います。
 また、この裁判も最高裁まで争われるのかどうかわかりませんが、恐らくこれで確定をするのではないか、これは報道ベースでありますが、そういうふうにも言われております。確定をした違憲判断ということであれば、もう既に複数ということになってくると思いますので、その点を踏まえて、総理も十分に総理として御検討をいただきたいというふうに思っています。
 ちなみに、ことし御参拝の予定かどうかというのをお伺いしておきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 これも何回も同じ質問をされるんですよ、何回も。同じ質問に対しては同じ答弁しかないんです。適切に判断いたします。
○松本(剛)委員 与党からも拍手がぱらぱらとしか出ない答弁になってきつつあるのではないかというふうに思っておりますが、適切な御判断を、本当の意味で国益も含めて適切に御判断をいただくことを強く望んで、同じ答弁を繰り返しお聞きしている時間はないので、次へ参りたいと思います。
 それで、郵政の改革について私どもの考え方を申し上げ、二、三、御質問をさせていただきたいと思います。
 先般の代表質問でも、前原代表も亡くなられた後藤田さんの言葉を引用されましたように、私どもはやはり、官と民の、そして公と私の区別をしっかりとして、役割分担をするということが大変重要なことではないかというふうに思っております。
 郵政も当然改革が必要であるということは私どもの変わらぬスタンスでありますけれども、今回の政府の郵政民営化法案では、本当に巨大な金融機関、銀行、そして保険会社ができる。しかも、そこにさらに、いわば国民のための利便を維持するという公的な使命も負わせる。官と民、公と私がぐちゃぐちゃになった、大変な巨大な化け物ができるというのがこの民営化法案の実体ではないかというふうに私は思っております。
 代表質問にありました中の延長でお聞きをしたいと思いますが、民業圧迫にならないようにすべきだということは、恐らくそこまでは共通認識だろうというふうに思います。私どもは、大きな規模というのを引き下げて、その上で進めるべきではないかということをかねてから申し上げ、そして本日、私どもの党内で承認をされ、来週にも提出予定の対案の中でも、郵貯の限度額の引き下げというのを法案で御提案させていただくことになっております。
 この返事の中で、代表質問の総理の御答弁の中で、郵政の民営化、適正規模にすることが必要だという、これも多分共通認識なんだろうというふうに思います。ただ、御答弁で総理は、市場経済の中で適正規模にする、こうおっしゃいました。そして一方で、民業圧迫にならないように、首相のリーダーシップによる民営化委員会でいわばコントロールするというふうにもおっしゃっておられました。
 これは、適正規模にするのは恐らく十年の移行期間の中で適正規模にするということを想定されておられると思いますが、この間は、逆に言うと、民営化委員会、推進本部の本部長は総理で、そのリーダーシップのもとにというふうに御答弁がありましたけれども、そのもとにある民営化委員会で段階的に規制緩和をしながらという一項も入っているわけであります。
 つまり、結局コントロールをして適正規模に持っていく。これは、十年間の間は全くフリーの状態で市場経済の中で争うわけではなくて、いわばコントロールのもとで結局適正規模に持っていくということですから、やりようからすれば、私どものやり方の方が早い分だけよっぽどいいのではないかというふうに思いますが、総理の御意見をお伺いしたいと思います。
    〔委員長退席、渡海委員長代理着席〕
○小泉内閣総理大臣 それは、移行期間の中で郵政公社が民営化される際には、経営として成り立っていかなきゃならない。そういう観点から、どのような事業展開にしていくか。ある面においては民業圧迫になる懸念も出てくるでしょう。しかし、今のように郵便局は三事業しかやってはいけないという制約のもとで、果たして民営化された際には企業として成り立っていけるのか、これも考えなきゃいかぬ。
 そして、郵便局のネットワークは国民の財産である、資産であると我々は位置づけております。過疎地においてもこの郵便局のネットワークを維持していくということも明記しております。そういう観点から、国民の利便に支障を来してはならない。
 そういう国民全体を考えた大きな改革でありますので、ある面においては、今の官業の政府保証がついたままに民間と同じようなことをするとこれは民業圧迫になりますので、その点はよく考えながら、民営化が円滑に実施に移されるように、そして将来郵政公社が民営化して収益を上げられるような企業体としてできるような配慮をしなきゃならない。
 民主党は、たしか限度額を引き下げるということでありますけれども、果たして限度額を引き下げて経営が、将来、廃止か民営化か、まだ私は民主党の案をよく見ておりませんのでわかりませんけれども、経営として成り立っていくのか。あるいは、民営化しないで郵貯、簡保を縮小していって、これは雇用はどうなっていくのか、郵便事業はどうなっていくのか、こういう点もあります。その点はよく考えていかなきゃいかぬと思っております。
○松本(剛)委員 私どもの案については既に発表させていただいていますが、残念ながらここで総理に私が御答弁をしている時間はありません。
 申し上げたいのは、今回の、ここまでの郵便局というのは、いわば市場経済の中で適正規模を実現する。つまり、今度移行して会社ができたら、十年間の移行期間の間市場経済の中に出してそれで適正規模にする、こういう御答弁だったというふうに私は理解をしておりますが、一つまず申し上げなければいけないのは、市場に出される巨大な郵貯銀行、保険会社というのは、市場経済の中で育ったものではないわけですよ。官の中で大変な肥大化したものができ上がったわけであります。
 それをいきなり市場経済の中に出して、この大変大きな力を持てば、どこの国の市場経済にも独占禁止法というものがあるように、大変大きなものが市場の中に存在をするということは、むしろ適正化をしていくというよりも、大きい方に集まりやすいという要素があるからこそ独占禁止法という法律もあり、またそういう概念もあるということになると思います。
 そうだとすれば、やはり適正規模に持っていくまでは大きくしてしまった官の責任であり、また考えようによっては、この規制緩和をぐっと絞れば確かに適正規模になるかもしれません。だとすれば、市場経済の中で適正規模を実現するという先般の代表質問の御答弁は言葉が不正確だというふうに思いますから、御訂正をいただきたいと思ってきょうここでお聞きをさせていただいておりますが、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 それは訂正する必要はないんです。よく聞いていただければわかりますが、これだけ巨大な郵貯、簡保を持っている今の郵政公社、これを市場に円滑に移していくというからには、今までの政府保証があった状況、いわゆる旧勘定と、新勘定に分けていかなきゃなりません。そして、将来完全民営化する際にも、株式の処分にしても一挙にはできません。段階的にしなきゃいけないんです。
 そして、郵政公社が民営化された際に税金投入をしないで済むように企業体として成り立っていくためには、どうやって、今ある郵便局の機能を維持しながら、雇用に配慮しながら、なおかつ過疎地等について十分なサービスが提供されるように配慮しながら、いろいろな国民の声を聞いてまとめた案なんです。
 単にそれは廃止すればいいじゃないかとか縮小すればいいじゃないかという、した場合のいろいろな不利益な点も考えて、そういう支障を来さないように案を出して、その中で、将来、市場の中で、官がこれだけ縮小しなさい、役所がこういう事業をしちゃいけませんということでなくて、市場の民間と同じような条件の中でどういう事業を展開できるかというのは、これから民間の経営者が責任を負っていかなきゃならない難しい問題であります。
 その環境をいかに整備していくかという改革でありますから、十年間ということについては長過ぎると言う方もあると思いますけれども、私は十年というのはいい期間ではないかなと。むしろ、拙速過ぎるという批判もあるんですから。相変わらずの批判は、拙速過ぎる、長過ぎる、両極端な批判があるんですけれども、その中間をとって、適切な移行期間を設けて収益が上がるような民営化会社へ持っていきたい。
 そして、国民の、今、郵便局がなくなってしまうんではないかという不安にも十分配慮をした案である。最終的には、市場が判断される、国民が判断される。そして、これがうまく民営化されれば、株式を処分する場合にも、株の売却というのはかなり国庫に納められるようになるんじゃないか。そういう点にも十分配慮した案であるということを御理解いただきたいと思います。
○松本(剛)委員 国民が判断をされるとおっしゃいました。私は真剣に総理のお話を承っておったつもりでおりますが、ずっと聞いていて最終の方がよくわからなくなりました。
 改めて国民の皆さんに、今お話しされたように、我々は、官ででき上がってしまった巨大な郵貯銀行、郵便保険会社、これを適正規模にするところまではやはり責任を持ってやらせていただこうというのが我々の考え方であるということ。そして、政府は、今、市場経済の中でという一見よさそうな言葉を、振りつけをしておられますけれども、最初から民間の企業と同じ条件であれば大き過ぎるということは総理も今のお話でお認めをいただいているんだろうというふうに思います。だとすれば、結局民営化委員会の中で、株式会社ではありますけれども、手足の動かし方はある程度コントロールをして、結局、適正規模になるまではそのようにコントロールをしていくということをおっしゃったんだろうというふうに思います。
 率直に、官であるものは官でしっかりとコントロールをする、あたかも市場経済のようでいながら後ろからぎゅっと操り人形のように縛るというような形が、どちらがわかりやすい形なのかということは、多分国民の皆さんが御判断をいただけるだろうということで、次のテーマでお聞きをしたいと思います。
 官から民へというお話でありました。(発言する者あり)金子先生、選挙で終わったとおっしゃいますが、今まさに国会で法案がかかっている案件について質問をさせていただいているんですから、しっかりと質問をさせていただきたいと思っております。(発言する者あり)委員長、恐縮ですが、理事の方からたくさんやじが飛ぶというのは、非常に、神聖な予算委員会で私はいかがかと思いますので、お願いをいたしたいと思います。
 それでは、官から民への資金の話でありますけれども、特殊法人に流れる資金というのをとめたらいい、こういう話は私どもも賛成であります。これに関連をして、財投債という仕組みが財投改革の中で出てまいりましたが、もう私から申し上げるまでもなく、実は、財投債と名前はついておりますが、発行に当たっては国債と財投債と全く区別をしていないという形になっております。
 私どもは、これはやはりしっかりと区別をして、お金の行く先も違うわけでありますから、同じ国の勘定であるとはいえ、区別をして、そして、その使われ方、また発行についてもするべきだというふうに思っております。その上で、この郵貯、簡保のお金を特殊法人に流すべきでない、私どももそのように思っているから、財投債と国債を区別して、そして郵貯、簡保のお金では財投債は買わないようにすべきだ、このように申し上げておりますが、これについて、総理が御回答いただけますか、谷垣さんですか。
 大臣、恐縮ですが短目にお願いいたします。大臣には特にお願いをさせていただきます。
○竹中国務大臣 まず、そのような、財投債と普通の国債を区別するという制度設計をお持ちだというふうに承知をしておりますが、それが一体どのようなものになるのか、私たちにはちょっとイメージができないわけでございます。国が出す国債、債券についてA債、B債というようなものがあり得るのか。そこは、法案御提出というふうに伺っておりますから、その中でどのような制度設計をされるかということをきっちりとぜひ御説明をいただいて、私たちもそれを受けてしっかりと議論をさせていただきたいと思っております。
 ただ、いずれにしましても重要な点は、国の機関である限り、資金調達をして、その運用先はおのずと限定されるということです。国が運用する以上、それは安全資産に限定される。したがって、国債のようなものに行かざるを得ない。それを、たとえ財投債というものが区別できたとして、それに行かないとしても結局国債に行くわけでございますから、その意味では、官から官へという国の流れは、やはり民営化しない以上は一切変わらないであろう、それが我々の立場でございます。
 ともあれ、国債と財投債を区別するということに関してはかなり大胆な制度設計であると思われますので、その詳細をぜひ、いろいろな数字的なものも含めましてお示しいただいて、我々も検討したいと思います。
○松本(剛)委員 私の質問にぜひお答えをいただきたいと思っておるんです。財投債と国債を区別して発行されるおつもりはありますか。これは谷垣大臣ですか。
○谷垣国務大臣 財投債と言っておりますが、おっしゃるように国債と一体発行しております。それで、もちろんこの二つは償還の原資や何かが違いますので、国債の方は税等で返していく、それから財投債の方は貸し付けた返ってきたもので返すというようなことで、区分経理はきちっとしている。
 そこで、今のお問いかけは、なぜこのようにしているのかということだと思いますが、制度をつくりますときに、いろいろこれは市場関係の方もおいでをいただいて議論をいたしまして、諸外国の例等も入れてこういうふうな制度設計にしたわけでございます。
 余り細々したことを申し上げてはいけないと思いますのでもう申し上げませんが、私どもはこういう制度で運用してきておりますので、この制度で区分経理をしっかりしていくということでいいのではないかと思っております。
○松本(剛)委員 国民の側からしても、しっかりと区別をされることの方が規律も働いてくるということで私どもは御提案を申し上げているわけであります。当然、おっしゃったように償還の原資も違ってくるわけでありますから、そして、区別をして発行すれば、流通の表示も違ってくれば、当然市場の規律も働いてくる可能性もあるわけであります。
 これを、我々からすれば全部どんぶり勘定にしてしまうというところにどこか怪しげなものを感じてこざるを得ないわけでありまして、なぜ一緒にされるのかというよりは、なぜ区別をして発行できないのかというふうにお聞きをした方がいいのかもしれませんが、残念ながらそのお答えはいただけなかったように思っております。今申し上げた点についても、しっかりとまた議論の機会をいただいてまいりたいと思います。
 もう一点、先ほど総理もおっしゃいましたが、この郵政というのはネットワークを維持することも一つの大きな使命だというお話でありました。
 正確には、私どもは、ネットワークそのものももちろん大切でありますが、もともと郵便というのは、国民がひとしく情報に接する権利を最低限確保するために郵便という信書の、確保されるというものがあったというふうに理解をしておりますし、また、郵貯については、やはり国民が最低限の金融に接する権利というのを確保するために設けられたのではないかというふうに理解をしております。
 そうなりますと、このネットワークの維持というのは大変大切な使命であると思います。だからこそ我々の案では、これをいわばしっかりと公社が担っていくべきではないかということを御提言申し上げているわけでありますが、これについてはまた後ほどの機会に説明をさせていただくとして、今回の民営化法案の案では、民営化後の設置基準ということで、「総務省令で定めるところにより、あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置しなければならない。」こう法に書いてあって、省令としては、今度は過疎地についてはということで、絞った形で省令を設けてあるようにお聞きをしております。
 そして、この過疎地については、今度はさまざまな、離島振興法とかこういったものの法律を引っ張ってきて、これによるものというふうにされておりますけれども、こういう理解でよろしいのかということが一点と、この法律が、もしくはこの指定が、法律が改廃されたり指定が変わった場合はどうなるのかということについてお尋ねを申し上げたいと思います。
    〔渡海委員長代理退席、委員長着席〕
○竹中国務大臣 松本委員から二点御質問があったと思います。
 ネットワークの重要性、これは恐らく相互の共通の認識であろうかと思います。我々は、そうした観点から、あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置することを法律上義務づけ、さらに省令において具体的な基準をつくる、その意味で、第一の御質問に関しては、今委員御指摘のような形を我々も考えているところでございます。
 第二の点、しからば過疎地を定義する際に引用している法律が変わった場合にどうなるのかという御懸念であろうかと思います。
 我々は、法施行の際に過疎地とされた地域は、過疎地を定義する法律が改廃された場合であっても、当該地域の郵便局ネットワークの水準につき引き続き維持するものというような決め方をしております。つまり、法施行の際現に存する過疎地についてはネットワークを維持するということを旨とすることを規定しておりますので、法が変更されました後におきましても、法施行の際現にそのように認定されたものについては影響を受けないというふうに考えております。
○松本(剛)委員 そうすると、こういった法律を全部なくした場合でも変わらないという理解でよろしいわけですね。今存在するものを全部そのまま残す、動かすことはない、郵便局は。
○竹中国務大臣 これは前回の国会でも申し上げましたけれども、一つたりとも変えないということでは必ずしもございません。それは、現に、今のまま、公社のままでも、たしか年間三十五ぐらいの郵便局が人口構造の変化に伴って閉鎖をされておりますので、一つたりとも変わらないという趣旨ではございませんが、先ほど申し上げましたように、法施行の際現に存するネットワークの水準を維持することを旨とするということを規定しておりますので、地域の利便はしっかりと守りたいと思っております。
○松本(剛)委員 総理は、なくなることもあれば、こういうことをおっしゃったこともあったように記憶をしておりますし、これが率直な御意見ではないかというふうに思います。また、今の竹中大臣のお話も、一つたりともなくさないわけではない、しかし水準は維持する、しかし人口等の動きによって今でも改廃が行われているというお話でありました。
 申し上げるまでもないと思いますけれども、自民党のマニフェストで、すべての振興法は見直すというふうに書いてあります。何人かの大臣が私の顔をごらんになったということは、きょう初めて聞いたということなのかと思って、少し心配になりますが、すべての振興法は見直すと書いてある。
 ある意味では、社会情勢に伴って、当然見直しというのはあってしかるべきであろうと思いますが、そのときに、今おっしゃったように、今の状況を全く維持するような御答弁でもあり、しかし水準というのは人口等の動きによって変わるようにもお聞きをする。この辺、言葉で、巧みな御返答でしていただくというのはちょっといかがかなという気はしております。
 ぜひ、本当に維持すべきものというのをどういうふうに維持すべきなのかというのは、むしろ、先ほど申し上げたように、このネットワークと、また金融、情報に接する権利というのは国民の権利としてきちっと守っていくべきではないかという私どもの考え方にもぜひ耳を傾けていただくようにお話しを申し上げて、次のテーマに移ってまいりたいというふうに思っております。
 先ほど前原代表の方から税金のお話をさせていただきました。(パネルを示す)定率減税という問題については、皆さんの方もよくごらんになっておられると思いますので、総理も何度もお見せをいただく必要はないかもしれませんが、非常に各御家庭にとっては大きな負担になってくるわけであります。この夫婦子供二人の世帯、例えば年収五百万の方であれば、ボーナスもあるでしょうから十二で割るわけにはいかないかもしれませんが、月に二、三千円というのは決して小さい金額ではないというふうに私たちは思っております。
 この定率減税については、先ほど代表の方の質疑で幾つかお話がありましたので、重複は避けてまいりたいというふうに思いますが、先ほども、政府税調の考え方は必ずしも党税調ではとらないというお話でありました。これは谷垣さんにお聞きしたらいいんですかね、総理が聞いてくださるんですか、どちらにしても、だとすれば、これは最終的には党の御判断ということになってくるのかもしれませんが、先般与謝野政調会長とテレビで御議論をさせていただいたときには、とらないようにも、定率減税廃止はやらないようにも聞こえますし、ではやらないんですかとお聞きをしたら、やらないとは言わない、こういうお話でありました。
 政府と党の関係の使い分けというのは、議院内閣制でありますし、政府・与党という言葉があるわけですから、しっかりと一元的に御回答をいただくようにしたいということをぜひ申し上げたいんですが、大臣、政府としては、大臣としては、定率減税はことし廃止をするという方針で臨むという理解でいいんですか。
○谷垣国務大臣 定率減税については、御承知のように、ことしの通常国会で、まず半分は廃止をする、縮減をするという法律を通していただきました。あと半分をどうするかということでございますが、これは、定率減税を入れたとき、やはり当時の経済情勢に配慮して、日本経済の底が抜けないようにということでこういうことをやったわけでございますので、これから私どもとしては、半分廃止したからあとの半分も廃止する方向だとは思っておりますけれども、これから後の経済の情勢等をよく見きわめて、ことし年末に判断をして、法律にするかどうかということをまた国会にお問いかけをするということだろうと思っております。
○松本(剛)委員 お問いかけをするというのは、廃止をするということで問いかけをするということでよろしいんですか。
○谷垣国務大臣 廃止をするということが決まれば国会に法案を提出するわけでありますが、それまでに、今までの景気の動向等を見ながら、ことしの暮れに議論をさせていただいて判断する、こういうことであります。
○松本(剛)委員 政府としてはお決めになっても、党が反対をすればやらないと。逆に言えば、定率減税が廃止になったとすれば、それは自民党がお決めになったことで、自民党の責任だ、こういう理解でよろしいわけですね。
○谷垣国務大臣 まだ決めていないものですから何とも申し上げられませんが、しかし、もしやろうということを決めて、法律、税法にして国会に出すということになりますと、これは政府提案の法案になると思いますので、もちろん政府が責任を持って出すということになると思います。
○松本(剛)委員 これをお聞きする理由は、政府税調が定率減税廃止を決めていることはよくわかっておりますが、最終的にお決めになるのは党なのか政府なのか、それをはっきりさせていただいて、つまり、今までも、党は反対したんだけれども政府の意向で増税をすることになった、こういう発言は、私は、政府・与党という議院内閣制では本来おかしいと思っております。
 それで、今まさにおっしゃったように、では党で決める。党で決めた以上は、定率減税が廃止になれば、それは与党の、恐らく与党税制大綱というのを最終的にはお決めになるでしょうから、自民党、公明党、与党の責任だという理解でよろしいですねということを政治家としての谷垣大臣に確認をしているわけであります。
○谷垣国務大臣 それは政府、与党が車の両輪になって決めていくわけですから、両方それぞれの政治的責任、それから、内閣としてはもちろんそれを決定した責任を負うということであろうと思います。
○松本(剛)委員 ぜひ自民党、公明党の皆さんもその責任を担っていただきたいということを申し上げたいと思います。
 それでは、先ほどサラリーマン増税の定義、一定の程度まで行っておったと思いますけれども、これについてももう一度確認をさせていただきます。
 実は政府税調の提案は、十八年度以降の給与所得控除等を中心とする増税の話。これも物すごい金額です。年収五百万の方で、今の十六万から四十二万に税金が、給与所得控除を半分、半減した場合でありますけれども、これだけの金額になります。ごらんになれますか、総理。大変な大きな金額になってくるわけでありますけれども、この給与所得控除をもしさわらないとすれば、年収によって違いますが、今回の政府税調の提案は、金額ベースでいうとほぼ半分はなくなるということになります。
 給与所得控除についてはさわらないというのが今回の公約であって、今の任期の間はさわらないということをお約束されたという理解でよろしいですか。
○谷垣国務大臣 所得税制に関してことし考えておりますことは、一つは、三位一体との関係で、国の所得税から地方住民税に移転をしていく。その際に、この改正をする前で個々の方々の負担が余り違うようになってはいけませんので、地方税の方はフラット化ということでお考えであると思いますから、それに対して所得税、合わせて負担が余り変わらないように持っていくということは、これからの議論ですが、多分やっていかなきゃならないんだろうと考えております。
 それにあわせまして、先ほど申しましたように、定率減税のあとの半分をどうしていくかという議論を進めたいと思っておりまして、現在、平成十八年度、ことしの暮れに決めて、来年お問いかけする中に給与所得控除等々のものを考えているわけではございません。
○松本(剛)委員 サラリーマン増税、先般ホームページを見ましたら、自民党の武部幹事長が「「サラリーマン増税ありき」は許さない」といったような、大きなお顔でと言うのは語弊があるか、写っておられるページがありましたが、申し上げたいのは、少なくとも給与所得控除がサラリーマン増税に入るということは先ほどの議論でも確認をされたことだというふうに思います。そして、サラリーマン増税はやらないと選挙の公約でされた以上は、次の選挙まではそれは有効だと思うんですよ。
 ですから、給与所得控除は次の選挙まではやらないということをここで明言されませんか。そうでなければ、自民党が選挙でお約束をしたことというのが極めてその場限り、もしくは有効期限があっという間になくなることになるということになりますが、いかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 先ほどから御議論の給与所得控除については政府税調の論点整理の中に出てくるわけでございますが、これについては、個人所得課税の他の所得に対する課税のあり方とか人的控除、それから税率構造のあり方等々も含めて考えなきゃならない非常に大きな問題だろうと思うんです。その際には、今後の消費税を含む税体系全体を見直しながら議論をしていかなければならないわけでございまして、税制全体として国民にどのような税負担を求めることが適当かという大きな観点からの議論、これは私どもしていかなければならないんだと思っておりますが、今の段階で申し上げられることは以上でございます。
○松本(剛)委員 つまり、例えば、これは自民党のホームページですけれども、サラリーマン増税ありきを自民党は許さない、こう武部幹事長がおっしゃって公約した、この自民党の総理のお顔の入ったマニフェストの中でも、「「サラリーマン増税」を行うとの政府税調の考え方はとらない。」これを読んだら、サラリーマン増税は自民党はしないんだというふうに読むのが普通の日本語じゃないんでしょうか。
 しかも、これは選挙のときのお約束なんですから、選挙は今総理の専権事項ですから、いつおやりになるのか知りません。来年おやりになるのか、四年後におやりになるのか知りませんが、少なくとも次の選挙まではこの約束は守ると言っていただけませんか。そうでないと、我々もお互いに政策論争のしようがないということになってしまいます。
○谷垣国務大臣 だから、さっき申し上げましたように、今の所得控除等の問題を議論していく上では、やはり全部の税体系をどうしていくか、社会保障負担等々をどうしていくかというような問題とあわせて議論をして、国民にどういう負担をお願いするかという議論に持っていきませんと、一つサラリーマンだけをねらい撃ちしてやるというような形には、それはできないでしょう。やはり国民全体を見て、どういう税負担をお願いするかという議論をこれから私どもはしなきゃならないと思っております。
○松本(剛)委員 先ほどの議論をお聞きしておりまして、総理、ちょっと聞いておいてくださいね。給与所得控除については少なくともサラリーマン増税の定義の中に入るというふうにお聞きをしたつもりでありましたけれども、今の谷垣大臣のお話を聞くと、給与所得控除の見直しも場合によってはサラリーマン増税にならない、こういうことをおっしゃったという理解でよろしいんですか。
 だとすると、サラリーマン増税は許さないとこぶしを振り上げたり、その考え方はとらないとおっしゃったりしていますが、結局、中身がないということでよろしいんですか。
○谷垣国務大臣 サラリーマンだけをねらい撃ちしたような税制というわけじゃなくて、全部の税体系をどうしていくかという中で議論をしなければいけないと申し上げているわけであります。
○松本(剛)委員 全部の税体系を見直したら大幅に給与所得控除も見直すことがあり得る、それでよろしいですね。
○谷垣国務大臣 それは、可能性としてはあるかもしれません。
○松本(剛)委員 それが、給与所得控除の見直しがあり得るということと、この自民党の、サラリーマン増税を行うとの税調の考え方はとらないという自民党と国民の皆さんとの約束を、あとは国民の皆さんがどう判断するかということを私は問いかけさせていただいて、次のテーマに移りたいと思います。(発言する者あり)もう総理にはお聞きをしても、時間がもったいないと思いますのでね。
 お答えになりますか。もう一度、では、質問の要点はよろしいですか。
○小泉内閣総理大臣 松本議員のお父上が党の税調会長の、幹部で大変熱心にまじめに議論されていたころを私も今よく思い出しているんですよ。御子息が立派な議論をされているなとさぞお父上は喜んでいるだろうなと思っているんですが、私は、この税制の議論の中で、いわゆるサラリーマンだけを対象にする増税は行わないと。
 税体系全体の中で、例えば今、給与所得控除のことを言っておりますが、人的控除とかいろいろな、サラリーマンに対する税率の問題もありますが、同時に、これは手当の問題にも絡んでくるんです。税だけを論じますと、すべて減税賛成。しかし、子供手当とか児童手当等、そういうものを含めて歳出も考えなきゃいけないんです。同時に、ある面においては増税する部分もあるでしょう。ある部分においては減税する部分もあるでしょう。
 そして、サラリーマンに対する所得税というのは安易じゃないんです。サラリーマンに対する所得税においても、一番増税する場合は難しいんです。消費税を導入する場合には、安易な消費税を導入するなということをよく言われたんです。消費税も安易じゃありません。特に一番きついのは、直接税と言われる所得税です。所得税はすぐ痛みがわかる、消費税は痛みがわからないというふうに言われていた時期があったんです。
 だから、税制というのは、もう所得税だけじゃない、サラリーマン対象だけじゃない。具体的に言えば、定率減税はサラリーマンだけを対象にするものじゃありません。そういう点も含めて、法人課税、資産課税、消費課税、所得課税、全体の税体系と、さらに歳出。社会保障、今三分の一の基礎年金の部分を二分の一に引き上げるという、そういう部分も、歳出に対する財源をどうするかというのと税制改正というのが絡んでくるんです。
 そういう点も含めて、全体に対して率直に国民の意見を聞きながらいい税制改革をしていかなきゃならぬと思っているわけでございます。
○松本(剛)委員 今おっしゃったように公約に書いてあるなら私は何も言いません。サラリーマン増税はしないと書いてあるにもかかわらず、谷垣大臣は、給与所得控除の見直しはあり得る、こうおっしゃったからお聞きをしたわけであります。
 私たちは、行革なくして増税なしというふうにお話を申し上げてまいりましたが、これについてもまた、政府と党の関係もしくは政府の中の関係を一点だけお聞きをしたいと思っております。
 先ほど前原代表の方からも、この国会に人事院勧告に基づく給与法の改正がかかるというお話をいたしました。先般の代表質問の中で、武部自民党幹事長が、公務員の給与については、人事院勧告は国の財政事情を考慮したものとなっておりません、今日の厳しい財政事情を考慮した公務員給与になるよう検討する必要がありますと、与党第一党の幹事長がおっしゃっておられます。
 もう一つ申し上げると、これは政府の中でありますが、麻生大臣がお出しになった、五月二十四日、経済財政諮問会議にお出しになったのではないかと思いますが、国・地方公共団体の総人件費削減についてということで、国家公務員の給与について、「人事院勧告制度尊重の基本姿勢の下、国政全般の観点から検討し、」というふうに書いてある。私も、どちらも当然のことを言っておられると思いますが、総理のお答えは、人事院勧告どおりに実施することといたしましたと。
 与党第一党の幹事長が言い、ポストという言葉を使っていいのかどうかわかりませんが、麻生大臣が経済財政諮問会議に提言をされた、私どももこの点は賛成できる意見というのが結局全く無視されるとすれば、だれがどこで物をお決めになっているのかというのが今の政府のあり方ではないかと思います。
 総理に、公務員の人事院勧告どおりするに、武部幹事長も麻生大臣も、人事院勧告は尊重しながらも国の状況を勘案して決めるべきだとおっしゃっておられて、そのとおりだというふうに私も思いますが、総理はこの国会でも、公務員の給与法は勧告どおり実施するとおっしゃっている。国の事情等を勘案して出し直されるおつもりはありませんか、こうお聞きをしております。
○小泉内閣総理大臣 これまでも、政府としては人事院の勧告は尊重しなきゃいけないということでやってまいりましたし、今年度は尊重すると。今言っている議論というのは、これからの公務員の給与のあり方、これについては今後よく議論しようということでございます。
○松本(剛)委員 武部幹事長はこの国会の代表質問で人事院勧告に触れておられるわけですが、これは、ではこの国会で、まさにこの国会で法律が出ていますけれども、武部幹事長は来年の話をしているんですか。
○小泉内閣総理大臣 それは、政府として今年度は尊重すると。将来の話におきまして、幹事長は幹事長なりの考え方があると思います。
○松本(剛)委員 与党の幹事長が、いわば代表質問というテレビ中継の中で、国民に向かって、自民党は人事院勧告の上に国の事情を勘案しろと言っている。しかし、結局それは実施をされない。これでは結局、先ほど申し上げたように、自民党は国民向けに発言をされて、しかし、実際に行われるものは違うものが行われる。政府、与党の関係はどうなっておられるのかということをお聞きしたかったわけであります。
 実態として、幹事長はそうおっしゃったけれども、私から見る限りは、聞き入れられずに予定どおり、人事院勧告どおり実施をされる、こういうことになるでよろしいですね。
○小泉内閣総理大臣 今年度と将来の問題というものをやはり分けて考えなきゃいかぬと思っております。今年度は、今までのとおり、人事院の勧告を尊重しないという場合でいいのかどうか。それと、幹事長等が質問で言っている将来の給与の問題、これは、やはり将来の問題と今年度の問題というのは、すぐ変えようと思ってもできませんし、先ほど言いましたように、民間の給与実態に合わせるにしても、一年で調査結果が出るわけじゃありません。そういう問題も御理解いただけるんじゃないかと思っております。
○松本(剛)委員 先ほど私、文章を全部読みましたが、もう一回読みます。公務員給与については、人事院勧告は国の財政事情を考慮したものとなっておりませんと武部幹事長がおっしゃいました。人事院勧告はことしの分しか出ていないんですよ。来年からの人事院勧告で配慮をしろとか、そういうことを言っておられるわけじゃないんですよ。出た人事院勧告が国の財政事情を考慮したものとなっておりません。厳しい財政事情を考慮した公務員給与になるように検討する必要がありますとおっしゃっているわけで、まさに今この国会にその人事院勧告に基づく法律が出ているわけでありますから、与党の第一党の幹事長がそうすべきだと言っておるのだとすれば、議院内閣制で当然政府として検討されるべきではないですか。それとも、幹事長は言いっ放しの方なんですか。自民党の幹事長というのをもうちょっと重みを持っていただけたらありがたいと思っておりますが、これは非常に大事なことですよ。
 我々も、公務員の給与について、しっかりと政治主導でやっていくべきだと。もちろん、労働三権の問題等も、前原代表も踏み込んでお話をさせていただきましたけれども、現行の制度では人事院勧告というのがそれなりの重みを持っていることはわかります。だからこそ、麻生大臣の提言でも、尊重をしながらも、しかし国の状況を勘案しと、そこにきちっと判断が働く余地がある。
 総理も先ほどから尊重しというふうにおっしゃいましたけれども、今回は人事院勧告どおりに実施しなんですよ。代表質問でも総理の御答弁はそうなっています。尊重をした上でどうするのかということをおやりにならなかったわけですよねということを今お聞きしているわけであります。
 残念ながら時間がなくなってまいりましたので、何点か申し上げたいことがあるんですが、アスベストの問題、また防災の問題、被災者再建支援法もぜひ実現をしていただきたい、被災者再建支援法の住宅本体、谷垣大臣に特にお願い申し上げたいと思いますが、一点だけ、少しお時間をいただいて、年金の問題についてお聞きをしたいと思っております。
 年金について、我が党の前原代表もしっかりと与野党で協議をすることができるのであればということを申し上げてまいりましたが、既に与野党の協議会というのがことし設置をされ、協議が行われました。このときに、これは四月一日の決議案なんですが、「時代の大きな変化に適確に対応すべく、過去の経緯などにとらわれず、議論に必要な論点を国民に提示し、あらゆる観点からの議論を尽くし、社会保障制度改革なかんずく年金制度改革について、その実現のため全力を傾注しなければならない。」こうなっております。
 一方で、この協議会がスタートをいたしましたら、過去の経緯にとらわれずどころか、冒頭から、去年の年金改革はよかった、あとやるべきことは基礎年金の国庫負担の引き上げと被用者の一元化であると。これはしかし、被用者の一元化に至っては、何年も前に政府でお決めになったことをまだやっていないだけの話でありますし、国庫負担の二分の一の引き上げも、もう動き出し始める話でありまして、年金改革というのをやるのかどうかという意図が見えなければ、我々はだれとどういう思いで協議をしていいのかわからないということを申し上げたいというふうに思っております。
 今回の自民党のマニフェストを見ましても、年金については今申し上げたこと以上のことは何も書いてありませんでした。我々は、本当の公平を図るためには一元化を図るべきではないかというふうに、このことも協議会で訴えてまいりましたが、一元化については、一元化を展望しという約束になっているが、与党のしかるべき方は、展望というのは遠くに眺めることだ、こういうことをおっしゃった方もいらっしゃいます。ところが、自民党は、税制改正のコメントなんかでは、個人所得課税の見直しも展望と十七年度に書いているのは十八年度にやると。今申し上げた、展望は遠くに眺めるとおっしゃったのは公明党の方でいらっしゃいますが、公明党と自民党では随分日本語が違う中で、言葉がお互いに通じ合っているのかなというふうに思っております。
 ぜひ年金について、総理、よろしいですか、課題があると総理もお認めになっておられると思います。きちっと議論をする土壌を、つまり、去年の年金改革でもうよかったんだ、終わったんだ、こういうことであれば我々はもう議論に参加をする意味を見出すことができないわけであります。ぜひ、そこの認識を総理に御確認いただいて、自民党総裁として確認をしていただいて、次のステップへ進ませていただかないと、我々も国民のために国会へ送っていただいている貴重な時間を生産的なものに使っていきたいと思っておりますので、ぜひ御所見を承りたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 ぜひとも建設的な年金改革、お互い胸襟を開いて与野党でやろうということで、与野党の合同協議会が設立されたと思うんです。しかも、これは衆議院、参議院別々じゃなくて、衆参一緒なんです。これまた珍しいことで、それだけお互い年金問題というものの意見の違いを埋めていこう、そういう意思があったからこそ、このような協議会が設けられたと思うのであります。しかも、今まで七、八回、もう既に協議がなされていると聞いております。
 そういう中で、これから民主党は厚生、共済、国民、この問題を一元化していこうという考えということは承知しておりますが、我々としては、まず一元化を展望する上においても被用者年金の一元化が先であろう、これをしないと後に進めないであろうという考えを持っております。これについては異論があるということは承知しております。民主党は違う考えを持っているようでありますので、まずその考えを出していただくということがいいんじゃないでしょうか。
 我々としては、国会だけに任せないで、きょうの閣議におきましても、閣議後の懇談会においても、被用者年金の一元化について政府はどういう考えを持っているか、その問題点を洗い出して提供しよう、これが与野党の協議会の審議を促進すればいいなと思っております。
 まずは被用者年金の一元化。そして、国民年金の一元化というのに対して民主党は意見を持っているようでありますから、どうぞ遠慮なく、それでは一元化した場合に、給付はどうなるのか、被用者年金に合わせるのか、保険料の負担はどうするのか。あるいは、税の負担においても、年金目的消費税を掲げているようでありますけれども、本当にそれでいいのかどうか。社会保障全体を協議する協議会ですから、年金だけの消費税じゃ済まないはずです。もし導入した場合、仮にですよ、三%で済むかどうかもわかりませんけれども、ともかく目的税がいいのかどうかということについても各党意見が違うんです。
 与党は今まとめようと努力しています。しかし、全政党が参加している協議会ですから、野党は民主党だけじゃないんです。その野党の中でもいろいろ議論が違うということも知っておりますが、それを埋める努力をしなきゃしようがない。この違いを埋める努力をするための協議会でありますので、もう選挙も終わったんですから、そんなに違いを際立たせるよりも、いかに違いを埋めていく努力をするということが私は大事だと。その方が国民に対して親切じゃないでしょうか。
 現に、民主党の皆さんはよくスウェーデンの例を出されます。スウェーデンは七党の会派が一緒になってやっているんですよ、与野党。それで二年以上かかっているんですよ、案をまとめるのに。それで、年金というのは旧制度から新制度に移るのに十年以上かかるんですよ。だからこそ、数カ月でできるわけないじゃないですか。その点をよく考えて。
 もう、ただただ違いを出せば与野党いいという時代じゃありません。いい点は違いを埋めていこうと。与党にできるだけ近づく案を出しても政権に遠のくわけじゃありませんよ、やり方次第によっては。私は、そういう点において建設的な議論を進めて、年金というのは、政権交代があったとしても、国民が安心して、この程度の給付を将来もらえるのか、この程度の負担でいいのか、そして、税金を投入しなきゃいけませんから、税金は何にするのかという議論をするためには数カ月じゃ足りませんよ。だから、その違いを埋めていく努力をぜひとも民主党もしていただきたいと思います。
○松本(剛)委員 申し上げたいのは、年金の協議会で改革をやる気があるのかないのか。これはスタートをしなければ埋まらない。基本的な路線は既に決められたレールの話しか出てこないようであれば、やる気のある人とない人では議論ができないじゃないですか。
 しかも、大変残念なお言葉だったと思いますが、選挙が終わったんだからといって、先ほどのサラリーマン増税じゃないですけれども、我々は、選挙が終わろうと終わるまいと、言うことを変えるつもりはありません。終わったから言うことを変えるというような国会であることはぜひやめていただきたいということを申し上げて、質問を交代したいと思います。
○甘利委員長 この際、長妻昭君から関連質疑の申し出があります。前原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。長妻昭君。
○長妻委員 民主党の長妻昭でございます。
 端的に御答弁いただければ幸いでございます。
 昨日、政治資金が公表されましたけれども、自民党の橋本派の政治団体、平成研究会、これの繰越金が大幅に異なるということが発覚をいたしました。これはそもそも、我が党の永田寿康議員が、ことしの政倫審で橋本元総理の口から、ちょっと繰越金が実態よりも実はないのではないのか、こういう発言を引き出してこういうことになったというふうに認識をしております。
 差額の十五億五千六百万円というのが使途不明金になっているということでございますが、津島雄二事務総長、資料がないから解明できない、批判もあり得ると思う、まことに遺憾だと言われておりますけれども、総理、これは何でこういうことになったと思われますか。
○小泉内閣総理大臣 私も、何でこういうことになったのかわからないんですが。
 いかに自民党の総裁でも、自民党の議員はみんな政治団体を持っているわけですよ。その政治団体の内訳というものを今私に聞かれても、はっきり答弁できないのは申しわけないんですけれども、これは政治資金法にのっとって適正に処理しなきゃならないのは当然であって、それがどういう形でこういうことになったのかというのは、まだ私よく存じておりませんので、これについてはっきりこうだということは答弁できないという点は、これは申しわけないんですけれども、ほかに答弁しようがないものですから、何て答弁したらいいのか、人の、自分のことじゃないものですから、ちょっと御理解いただきたいと思います。
○長妻委員 私は使途不明金の明細を聞いているんじゃなくて、何でこういうことが起こるのか、白昼堂々起こるのかということを聞いたわけでございますけれども、これは総理、そうすれば、自民党の責任者として、調査をして、後で国会等で御報告をいただくということはお約束いただけますか。巨額でございます。
○小泉内閣総理大臣 これは、党の問題であるならば、総裁としてしかるべき対応をしなきゃいかぬと思っています。しかしながら、いろいろある中での政治団体の問題、党とは別の団体の問題に関して、私がここで、どうしろこうしろといいますか、内容がどうであるかということは把握していないという点もまた、今の段階ではそれしか言いようがないということでございます。
○長妻委員 脱派閥ということを言われている総理が、派閥というのは党と別だから、これはもう党は関知しないというような御発言だと思いますけれども、この十五億五千六百万円が何に使われたかさっぱりわからない。こういうような、権力を持っている政治家の団体がこういうお金が使途不明になっているということは、これはやはり党としてきちっと解明していただきたいということを強く申し上げます。
 そしてもう一つは、経済産業省の内部から御指摘をいただいた案件がございます。これは、資金の流れが不透明ではないのかという御指摘ございました。
 雑豆輸入基金協会という協会があります。これは、インゲンとかソラマメ、エンドウマメ等々の豆を輸入する、その促進をする関連の協会だというふうに聞いておりますけれども、そこからジェトロに平成七年までに二百四十億円のお金が流れて、そのお金が非常に不透明になっている。ジェトロの運営経費には四十億円使われている、あるいはいろいろな団体にそのお金が流れているということでございますけれども、職員の方の飲み食い代にこれは使われたということはございますか、大臣。
○中川国務大臣 まず、この場をおかりしまして、経済産業省が複数の不祥事を起こしたということで、八月末に処分と対応策を行いました。国民、国会の皆さんに大変御迷惑をおかけして、また現在、その対策、進行中でございます。
 そういう中での今長妻委員の御指摘でございますが、これにつきましては、職員の飲み食い、経済産業省のでございますね。(長妻委員「あるいはジェトロ」と呼ぶ)ジェトロ。それを含めまして、ジェトロにつきましては、監督官庁であると同時に、会計検査院の検査も含めまして、そういうような指摘、あるいはまた、経済産業省において飲食に使われたということについては報告は受けておりません。
 でも、こういう改革の真っ最中でございますので、この場の御指摘でございますので、徹底的にもう一度調べさせていただきたいと思います。
○長妻委員 ぜひ、競輪の二の舞にならないように、裏金の疑惑というのがいろいろ言われておりますので、徹底調査をして、国会の場で後刻報告いただきたいということをお願い申し上げます。
 それでは、道路公団の民営化の問題にテーマを移させていただきますけれども、いよいよといいますか、あした、道路公団、民営化され、新会社六社が誕生する。本日は、近藤日本道路公団総裁、きょう限りで、総裁でございますけれども、あしたからは中日本の会長に就任するという近藤総裁にも来ていただいております。
 この高速道路、四十兆円の大借金を重ね重ね、本来は返済を既にしていて、高速道路、無料化になっている、当初の計画では。しかし、無料化どころか四十兆円の借金がまだ残っている。そして、あした民営化。
 昨日、公正取引委員会が、官製談合を国の関連機関としては初めて日本道路公団に認定をして、そして、独禁法に基づく四十五社排除勧告が出たということでございまして、これは談合を繰り返していけば借金は返せないのは当たり前だと思いますが、この談合体質を根絶するということが何よりも重要だと思います。
 しかし、近藤総裁は、もう既に、あしたは中日本の会長に御就任されるということで、今後、追及といいますか、なかなか確認がとれない立場になる。実は公団の中からは、いや、逃げ切れた、こういうような声も聞こえてまいりまして、これはもう本当にけしからぬ話だと思いますので、近藤総裁にお尋ねをいたします。
 昨日夜、近藤総裁は、組織のトップとしての結果責任はしっかりとっていかなければならない、こういうふうにお話を言われました。これは辞任も含めてということでございますか。
○近藤参考人 責任はしっかりととってまいりたいと、一貫して申し上げております。責任のとり方は一様ではございません。いろいろと責任のとり方はあろうかと思います。私が今第一にやらなければいけない責任のとり方、それは、徹底した真相の究明であろうかと思っております。
 そういう意味で、先日発表させていただきましたが、社内調査を徹底してやらせていただいております。発表させていただきましたのは中間報告でございますが、現在も調査は継続しております。新会社になりましても三社共同の調査チームを結成するということで、ほぼ人事措置は整えました。外部の諸先生方の御協力もいただきまして、これはしっかりと真相を究明していきたいと存じております。
 また、昨日、公取の方から措置要求をいただきました。この措置要求に沿いまして調査活動をしっかりやってまいります。そして、その結果、必要な処分及び措置はしっかりととってまいりたい、そのように存じております。そのような責任のとり方が第一にあろうかと思います。
 第二の責任のとり方は、このような談合という行為、ましてや関与行為、こういうことはあってはならないわけでございまして、談合とその関与行為、双方ともに根絶する、その大きな第一歩を踏み出していくこと、それが第二の責任のとり方であろうかと存じております。
 そういう意味で、先日も二十数項目にわたります措置を発表させていただきました。現在、その措置を確実にとりつつあるわけでございます。新会社になりましてもしっかりとそれはフォローしてまいりたい、そのように考えております。
○長妻委員 総理、この談合問題というのは、これは公取の調査でもあるんですけれども、談合問題が明らかになると、落札率が一五%から二〇%下がる。今回の鉄の橋の談合も、逮捕者が出た途端、二割近く落札率が下がりました。その計算でいきますと、今回、鉄の橋の談合だけで、道路公団だけで二年間で二百億円、仮に談合がなければ二百億円のお金が我々に戻ってきたわけでありますが、これがある意味では泥棒された。私は、談合というのは泥棒と同じだというふうに思っております。
 その計算でいきますと、平成十六年度の日本道路公団の発注というのは、年間九千四百四十億円発注しております。工事では、平均落札率が九六・〇二%です。維持管理の入札では九八・〇%。車両管理、これでは九七・七二%。大体九五%以上が談合の疑い濃厚と言われている中で、平均がすべての業務で九五%以上になっている。その計算をいたしますと、一年間に九千四百四十億円、その一五%とすると、一千四百十億円が一年間に泥棒されている。こういうふうな推定もできるわけで、私は、一千億円以上が日本道路公団の発注において泥棒されている可能性が濃厚だというふうに思っておりまして、そういう意味では、本当に皆様方の通行料や税金が、払わないでいいものが取られている、こういう重大なことでございます。
 それで、実は今回、官製談合等々で逮捕お二人。内田副総裁、そして金子理事も逮捕された。このお二人を副総裁や理事に任命したのは近藤総裁そのものでございます。そういう意味では、この任命責任、あるいは、総裁自身も談合というのを全く知らなかったのかどうか、これは非常に疑わしい限りだというふうに思います。
 そういう任命責任がある方がそのまま横滑りする。これは総理の肝いりで日本道路公団の総裁に民間人ということで近藤総裁を招聘したというふうな経緯、知っておりますけれども、総理、これは近藤総裁にどういうふうに責任をとってもらうんですか。このまま談合はまた続くと思います。
○小泉内閣総理大臣 責任のとり方というのは先ほど近藤総裁が述べたわけでありますが、やめるというのは一番簡単な責任のとり方ですよ。しかし、立派な民営化会社にしていく、これからの談合をなくしていく、これも立派な責任のとり方でもあります。
 私は昨日も、民営化の委員の猪瀬さんと大宅さん、お二人と会ったんですが、よく努力していただいて、あすから民営化会社、よくここまで実現にこぎつけたなと感慨深いものがあります。やはり道路公団の今までの意識改革をするには民営化が一番だろうと、この困難な改革をよく粘り強くやってくれたなと感謝した次第であります。
 そして、道路公団におきましても、今まで公団のときには料金を値下げしたことがなかったのに、既に料金値下げが始まっています。そして、今まで、利益の上がるところ、それを、一体となって利益の出ないところにも道路工事を続けていく、そういうことをやめようということで三分割もできたんです。
 なおかつ、二十兆円で今まで計画した道路、これを半分の十兆円でできるという。そうしてなおかつ、必要な道路というものはつくらなきゃならないということは、民主党の皆さんも、与野党一緒じゃないですか。(長妻委員「むだな道路はつくらない」と呼ぶ)むだな道路はつくらないんですよ。必要な道路は、地方がどれだけの税負担をするか、国が、道路公団がどういう負担をするか、考えながら決めよう。むだな道路はつくらないという、私は、この道路公団改革、立派な民営化だと思っております。
 任命責任というのは、近藤総裁にも、やめるだけが能じゃないと私は言っています。しっかりと総裁としての責任を果たして、立派な民営化会社となって、その後やめるのは結構だけれども、今総裁の座を逃げ出してやめるのは一番安易な責任のとり方だから、そこはよく考えてくれと私は言っております。
○長妻委員 いや、それは優秀な方はたくさんおられますよ。やはり監督責任や、いろいろなしがらみがこれはできていると思いますから、それはもう新しい方にかえるというのが一番わかりやすい責任のとり方だと私は思います。
 そして、もう一つ驚くべきことは、天上がりといいますか、新しい会社の会長に民間の方がなっておられる。民間の血を入れるというのはいいことだと思いますが、しかし、その前歴を見ますと疑問符がございます。
 例えば、あした東日本の会長になられます八木重二郎さん。この方は新日鉄の社員の方でございますが、これは、昨日公取が排除勧告、談合しているということで指摘をした会社が新日鉄でございました。そして、エンジニアリング事業本部長、こういうことも経験された方でございます。
 そして、もう一人、西日本の会長にあしたなられます石田孝さん。この方は、神戸製鋼、これも、昨日排除勧告が出た、談合していると公取に指摘された会社でございます。この方も、都市環境・エンジニアリングカンパニー執行副社長ということで、都市環境・エンジニアリングカンパニー、ここの御担当をされていたという方でございます。
 これは近藤総裁に聞きたいんですけれども、今の部署というのは、今回の橋の問題と何か関係がある部署でございますか。
○近藤参考人 八木さん、石田さんのお仕事についてのお尋ねでございます。
 八木さん、石田さん、ともに経済界では有名な方でございまして、私も御本人は従前から存じ上げておりますが、その御担当されている仕事の詳細については存じ上げておりません。
○長妻委員 エンジニアリング事業本部というのは、鉄の橋の製造を担当し、営業も公団にしていたんじゃないですか。
○近藤参考人 営業が公団に来ていたかどうかというお尋ねでございますが、私は承知をいたしておりません。
○長妻委員 これは公団の職員の方の説明と違いますね、今、国会での御答弁は。
 公団の職員の方は、営業を担当していたと、この新日鉄のエンジニアリング事業本部が。そして、私も新日鉄に確認しましたら、エンジニアリング事業本部は、鉄の橋を担当し、営業も公団への営業をしていました、こういうふうに言われていますよ。それと神戸製鋼、これも、問い合わせをして資料をいただきましたけれども、公団からも資料をいただいているんですよ、新日鉄と神戸製鋼の。そして、都市環境・エンジニアリングカンパニー、神戸製鋼のこの部署は、鉄の橋担当、そして営業も担当していた、こういうことでございます。
 そして、今回摘発をされた談合はいつかというと、公取によると、平成十四年、十五年、十六年度、この三カ年で昨日排除勧告が出ております。
 八木重二郎さんは、まさに平成十三年の四月からエンジニアリング事業本部の副本部長だった。そして、平成十五年四月にはエンジニアリング事業本部長だった。本部長を平成十七年三月まで務められた。まさにこの談合を認定されたときにその中核におられた方。そして、石田さんも平成十二年六月から都市環境・エンジニアリングカンパニー執行副社長を平成十四年の五月までされておられたということで、まさにこの部署におられた方が今度会長に就任される。これ、東日本も西日本も、新日鉄や神戸製鋼とまた取引すると思いますよ、今後も。
 こういうことでいいんでしょうか。国交大臣、どうですか。認可は国交大臣です。
○北側国務大臣 私は、この八木さん、そして石田さんとも、ことしの四月から何度もお会いし、また、会議等で両名の方々のお話もちょうだいをしております。極めて、人物また見識、すばらしい方でございます。
 この民営化会社の趣旨というのは、まさしく民間企業の経営センスを導入して、そういう民営化会社の経営を託すにふさわしい人物であるかどうかということでございまして、私は、私が直接この目でお会いし、お話を聞いた中で、極めてすばらしい方であるというふうに考えております。
 また、八木さん、石田さんにつきましては、当然、この選考の過程の中で、こうした談合に関与したということは一切ないというふうに聞いておるところでございます。
○長妻委員 談合に関与したことがないというのは、どこでだれがいつ聞かれたんですか。
○北側国務大臣 選考の過程で、国土交通省の幹部、またしかるべき人が確認をして、それを私が聞かせていただいております。
○長妻委員 事前の国土交通省のお役人の方の説明では確認はしていないということだったんですが、ちょっと変わったわけですね。後でそれは詰めてまいります。
 そして、こちらに日本道路公団につくっていただいた資料がございますが、平成十四年、東京外環自動車道の鉄の橋、これを六億九千万で新日鉄が受注された。落札率が九七・〇六%。その契約の相手先はどこかというと、新日鉄エンジニアリング事業本部というふうに契約書に書いてあるんですよ、この本部の名前が。そして平成十五年、これも外環自動車道の鉄の橋、六億四百万円。落札率が何と九九・九四%ですよ。これも契約の相手先は、日本道路公団と新日鉄エンジニアリング事業本部と書いてあるんですよ。まさにその本部。そして、神戸製鋼所も、館山自動車道の橋、第二名神の橋、第二東名の橋、それぞれ九七・一四%、九八・五四%、九七・〇九%、落札率も異様に高い。こういう方々が会長に就任をされるというのは、私は大きな問題で、世間の理解は到底得られないんだというふうに思います。
 そして、総裁に聞きますけれども、逆に言うと、総裁、天下り規定というのを今度設けられて、禁止規定というか自粛規定を設けられておりますけれども、例えば、東日本あるいは西日本から逆に幹部の方が新日鉄や神戸製鋼に天下る、これは今後できるんですか、総裁。
○近藤参考人 私ども、天下りと申しますのは、利害誘導の目的で営業活動に携わることを前提とした再就職というふうに考えております。したがって、このたびの措置におきましては、営業活動を前提として天下るといいますか、再就職をすることは、役員でありましたら永久にこれはできません。職員につきましては五年間はできない、こういうことになっております。
○長妻委員 これは抜け道もあるというふうに聞いておりますけれども、そういう一定の措置を、自粛を天下りで出された。でも、逆の方向が今回天上がりなんですよ。東日本あるいは西日本の幹部の方は、今度は新日鉄や神戸製鋼に天下るということができなくなるけれども、結局、あした、そういう意味では、その会社の方が、まさにその担当していた部署の方が会長になるということで、これはいろいろな人脈や、人間、やはり人脈がありますから、その関連のところでいろいろなことがまた起こる。これは本当に、李下に冠を正さず、疑われないためにも、すぱっと決断して新しい人材を入れる。幾らでも優秀な人材というのは世の中います、公募をすれば本当にすばらしい人材がいます。非常に狭い中で選ばれているような気がしてならないわけでございます。
 そして、もう一つ近藤総裁にお伺いしますけれども、近藤総裁、官製談合ということで、公団の調査では、公団の職員、役職員が何人談合にかかわっていた疑いがあると。何人でございますか、調査では。
○近藤参考人 このたびの調査で明らかになった範囲だけで申し上げますと、延べ七名、実質六名の関与の可能性があるということが明らかになっております。
○長妻委員 そうしましたら、公取に聞きますけれども、公取が調べると、日本道路公団の中で談合に関与した疑いがあるという職員、役職員は何人ですか、大体。
○竹島政府特別補佐人 お答え申し上げます。
 公取の把握しているところによりますと、二十名程度の役職員が今回の談合事件に関与していたというふうに確認しております。
○長妻委員 これは国の機関の、日本道路公団の職員ですよ、役職員。二十人、六人、全然数字違うじゃないですか。このままほっかむりして民営化に逃げるんですか、近藤総裁。こういういいかげんな、ずさんな調査をされたままふたをするということは本当に許されないというふうに思います。
 そして、橋以外も、先ほど私が申し上げましたように、平均の落札率というのが鉄の橋以外も異常に高いんです。私は多くの日本道路公団発注分野で談合があると疑わざるを得ないと思いますが、ほかの部分もすべて含めて、発注業務すべて含めて談合があるかないかの調査、これは今後されますか。した場合、いつまでに結論を出しますか。
○近藤参考人 先ほど我々の社内調査についてのお言葉がございましたが、まだ完了しているわけではございません。調査の途上でございます。新会社になりましても、先ほど申し上げましたように、合同の調査チームの編成を、既に人事的な措置は終わっております。しっかりとさせていただくつもりでございます。
 ほかの分野についてのお尋ねでございますが、ほかの分野につきましても、現在、この間も発表させていただきましたが、調査を始めております。それで、この調査の中間的な結論といたしまして、かなり不自然な落札率があると、情況証拠的な問題は把握をいたしております。
 したがって、現在、それらについてどのように調査をしていくのか、そういうことも含めて検討しておりまして、公正取引委員会にも我々の調査の内容につきましては通告をさせていただいております。
 そして、この調査もできるだけ早く結論を得たいと考えておりまして、ただ、これは鋼橋上部工事につきましての刑事裁判の問題もございます、その公判の問題もございます。また、公正取引委員会の調査の、これから、調査要求されておりますので、その調査の情報提供もいただかなければいけない、そういうこともございます。
 できるだけ早くしたいと考えておりますが、具体的には、いつまでにこれが完了するということは、今申し上げる状況にはなっておりません。できるだけ早く、そのように考えております。
○長妻委員 私も五年間国会議員をやらせていただいておりますけれども、国会でいつまでということが言われないことで、本当に調査がなされたという記憶は私ありません。やはり年内とか、区切られたものはある程度出てきますから、年内にやっていただく、すべての発注工事の調査結果を出す、これをぜひお約束してください、総裁。
○近藤参考人 実は、この調査につきましては、いろいろな意見もちょうだいをしております。例えば、民営化までに調査を完了させろとか、いろいろな御意見もちょうだいいたしておりますが、私は、中途半端な調査はしたいとは思っておりません。(発言する者あり)
○長妻委員 聞いてていいよじゃないというか、期限を言われないんじゃないですか。何で期限を答えられないんですか。おかしいじゃないですか。(発言する者あり)
○甘利委員長 場内でやりとりしないように。
○長妻委員 そしてもう一つは、天下りの問題でございます。
 公団のOBの方がかずら会という会におられて、そして天下り三十二社、談合の会に、K会、A会に入っていた三十二社に三十八人OBが天下っている。そして談合の橋渡しをしていた。総理、これ私、びっくりしたんですが、年収一千八百万のサラリーマン。かなりの高給取りだと思いますが、週一回しか会社へ行かないでいい。そして、時と場合によって七十歳まで勤めておられるという方もいらっしゃる。そういう方々が何人もいらっしゃるんです、すごいサラリーマンが。その正体は天下りのOBの方。週一回会社に行って、談合情報を売っているんですよ。国の金を泥棒してこれだけ高給稼いでいるんですよ。(発言する者あり)泥棒ですよ、談合は。日本は談合に甘過ぎると思う。
 今、日本の官僚組織やこういう公団の組織、私は互助組織だと思っているんです。自分たちの老後の仕事あるいは先輩の老後の仕事を考える、自分たちの中で老後を幸せに暮らす。その互助会の会費は我々国民が払っているんですよ。談合しないと、OB天下り、受け入れられない。公取の調査でも、ある方が言われていたそうです。OB中心の談合が続く限り天下りを受け入れてもらえるので自分や組織のメリットとなる、だから情報漏えいしていたと。
 互助会の会費を何で国民の皆さんが払わなきゃいけないんだ。天下りをやめろ。我々民主党は、特殊法人、独立行政法人から天下りを禁止する法律を出しましたけれども、何で自民党は反対するんですか。おかしいじゃないですか。
 そういう意味で、この天下りを自粛するというのはあくまで自粛で、営業が目的でない場合は今後も天下りがオーケーだ、こういうような非常に甘い規定を近藤総裁は出しておられるわけです。国土交通省に至っては、このA会、K会に百九十七人も天下っているんですよ。何で、談合して、養わなきゃいけないんですか、我々が官僚の皆さんの老後の生活を。
 そして、むだな高速道路、これはつくらないと先ほど総理も言われましたけれども、あしたから民営化になる会社、近藤総裁は、整備計画の残り全部はできないと思う、こういうふうに話されました。整備計画というのは、高速道路九千三百四十二キロメートルつくる、全部できないと。
 しかし、今回のスキームでは、新会社が高速道路をつくりたくないと言っても、国土交通大臣がつくれ、あるいは国土交通省の審議会がつくれと言ったら、会社が拒絶してもつくれる仕組みになっているんですよ。そして、新直轄方式ということで、新会社がつくりたくないと言っても、税金でどんどんつくれる仕組みになっているんですよ。こんな水漏れ、ずさんな、むだな高速道路が今後もできてしまうこういうスキームというのは、本当にどうなんですか、総理。
○小泉内閣総理大臣 それは誤解です。偏見です。
 むだな道路はつくらない。民営化会社になれば、これはどの程度採算がとれるかとれないかとわかるんです。しかし、とれない場合には、どうしても地方が必要だという場合には、地方がどれだけ負担しなきゃならないか、その点をよく考えなきゃできないんですよ。政治家がこうやれああやれ、地元の議員がつくれつくれと言ったって、そう簡単にはできません。
○長妻委員 いや、ちょっとびっくりしますよ、総理。だって、採算がとれない道路はつくらないからむだな道路はできないという理屈ですよね。採算とれないと新会社が判断しても、つくれるような仕組みがあるじゃないですか、会社を飛び越して。これじゃ会社がつぶれちゃいますよ、採算とれない高速道路をつくったら。つぶれても必ず税金で助けられますよ。ですから、そういうインセンティブが働かないでどんどんむだな道路ができる。この四十兆円の借金は、私は返せないと思います。
 これはぜひ委員長にお願いしたいんですが、この道路公団の民営化問題について集中審議の場をぜひ設けていただきたいと思いますが、いかがですか。
○甘利委員長 理事を通じてお申し出いただければ、理事会での協議事項といたします。
○長妻委員 そしてもう一つ、これはファミリー企業七十三社、公団関係ございますけれども、剰余金を九百八十五億円もため込んでいました。一千億円もため込んでいました。本体は借金だらけなのに、ファミリー企業がたんまり金をため込んでいる。一社平均、売り上げの三六%が剰余金だった。民間企業平均は、剰余金は一四・四%です。半分以上も大きい。(発言する者あり)自民党からもひどいという声がありましたよ。そして、その金を返せと言った。そうしましたら、ファミリー企業も渋々百億円だけ返す。一千億円あるのに百億円だけ返す。
 さすがに国交大臣も、こういうふうに記者会見で言われました。八月二十六日、果たしてそんな規模でいいのかというのが率直な感想だ。これは国民常識に合っていると思います。大臣、もっと出させてください、一千億円。
○北側国務大臣 八月に、ファミリー企業等によって構成されました高速道路関連社会貢献協議会というのが、社会貢献事業をやろうということで、その所要額が、今おっしゃった、おおむね百億円程度と見込んでやるところでございます。
 私は、これまでの国会で、この件については何度も議論がございました。また決議もなされております。こういうこれまでの経緯を考えても、この百億円というのはあくまでスタートの数字であるというふうに認識をしております。近藤総裁もそのような認識でいらっしゃるというふうに私は理解をしております。
○長妻委員 今、スタートの数字百億円と言いましたけれども、私がヒアリングしたら、このファミリー企業の協議会ですね、百億がマックスだ、最終数字が百億だと言っておりますから、ぜひ国交大臣、けしからぬというふうに今後指導してください。本当に皆さんの金ですから。
 そして、もう一つ象徴的な数字を申し上げますと、日本道路公団、職員用のテニスコートが百三十九面もある。これは職員が八千八十人ですね。一面当たり職員五十八人。これは、みんなテニスをやるわけじゃないですから、使い放題といいますか、こういう福利厚生施設。そして宿舎。豪華マンション、一戸建て、百五十二戸もある。一戸建てが百五十二戸、そして宿舎が五千八百四十三戸。
 近藤総裁は、民営化までに、つまりあしたまでに全部売却しろと格好よく言われました。新聞にも大きく出ました。ああ、いいこと言うなと。ところが、全然売れていないじゃないですか。売る気がないじゃないですか。新会社に移行されるんですよ、それが。あしたからまた、こういう豪華マンションとかテニスコートが移行されちゃうんですよ。
 総裁、何で総裁がハッパをかけたにもかかわらず売れないんですか。売れたのはたった四四%ですよ。
○近藤参考人 不用資産といいますか、利益を生まない固定資産を最小化する、これは経営の鉄則でございます。
 私が一昨年末でございますが着任をいたしましたときには、簿価といたしまして千四百億円あったんです。これはできるだけ最小化させなきゃいけない、流動化させなきゃいけない、そういう方針を指示いたしました。そして、すべてを売却対象にしなさい、こういうことも指示いたしました。
 売却対象にして幾らで売れるか、これはまた別の問題なんです。ですから、すべてを売却対象にして、今まで努力いたしました。そこでこれだけの成果は上げられた、これはやはり職員が一生懸命頑張ってくれた、そのように思います。
 しかし、これで十分だと私は言っておりません。新会社になりましても流動化は進めていかないといけません。また、これは経営の根幹にかかわる事項でございます。しっかりとフォローをしていただけるものと考えております。
○長妻委員 いや、今の答弁を、総理も含めて答弁をお伺いしていると、本当に談合を根絶する、日本の国から談合をなくしていくという意気込みは伝わってまいりません。
 談合というのは本当に犯罪ですし、そこに巻き込まれた人は不幸になりますよ。新入社員でずっと入って、談合をやっている会社で、そして、悪い、罪の意識が初めはあるけれども、やはり妻子を養うためにそこでずっと談合せざるを得ない、そういう方もいらっしゃいます、犯罪ですけれども。人を不幸にするこういう仕組みをやめて、税金を食い物にする行政システムを変える、こういう姿勢がないじゃないですか。
 ぜひ、皆さん、私はずっと監視していきます、民主党は巨大与党を監視していきますので、情報をどんどん出してください。新会社になったら今度情報公開法の範囲外ですけれども、今までどおり情報を出すということをお約束していただいて、私の質問を終わります。よろしくお願いします。
○小泉内閣総理大臣 私は、道路公団を擁護する気持ちは全くありません。だから民営化したんです。今の指摘、公団なりこれからの民営化会社は十分検討しなければならない。いい指摘をいただいたと思っております。
○甘利委員長 これにて前原君、松本君、長妻君の質疑は終了いたしました。
 次に、志位和夫君。
○志位委員 私は、小泉総理に増税問題について質問いたします。
 まずただしたいのは、自民党が総選挙で掲げた政権公約と増税のかかわりであります。
 自民党が政権公約で述べているのは、「「サラリーマン増税」を行うとの政府税調の考え方はとらない。」こう明記されているわけです。ところが、総理は、一昨日の本会議での私の質問に対する答弁で、所得税、住民税の定率減税の廃止について、サラリーマンだけでなく、自営業者などすべての所得税納税者を対象とするものだから、いわゆるサラリーマン増税とは異なるものと考えている、こうお述べになって、年末までに、全廃するかどうかを検討していくというふうにおっしゃられました。
 しかし、定率減税の廃止は政府税調の打ち出したサラリーマン増税ではないというのは、およそ通用しない話だと私はまず言いたいと思います。
 これは、政府税調が六月に発表した論点整理、サラリーマン大増税の方針として大問題になった方針ですけれども、この最初のページをあけますと「平成十八年度においては、定率減税を廃止する」と明記されておりますよ。そして、何よりも、定率減税の廃止による三・三兆円の増税のうち八割以上が、サラリーマン世帯への増税となります。まさにサラリーマン直撃の大増税です。
 総理に私ただしたいんですが、こうなってきますと、自民党が政権公約でやらないと約束してきたサラリーマン増税とは一体何なのかということになってまいります。
 一つ具体的に私伺いたいので、総理、お答え願いたい。政府税調のこの論点整理を見ますと、所得税、住民税の配偶者控除と扶養控除について、廃止を含めた見直しによる増税の方向も打ち出しております。これもサラリーマン増税ではないとおっしゃるおつもりでしょうか。端的にお答えください。
○小泉内閣総理大臣 端的に答弁いたしますと、サラリーマンだけを対象にする税制でなくて、所得あるいは消費、法人、資産、全体を考えるのが税制であります。その中で、サラリーマンに関する今言われました控除の問題、この問題につきましても、歳出面も考えながら、税体系全体の中で考えなきゃいけない。サラリーマンだけを標的にするというだけの全体の税制改正ではありません。
○志位委員 私が聞いたことにお答えになっていないんですね。
 私が聞いたのは、所得税のあり方をどうするかということじゃないんですよ。総理がお出しになったこの政権公約で述べているサラリーマン増税について聞いたんです。所得税、住民税の配偶者控除、扶養控除の見直し、廃止も含めた見直しをこの政府税調の方針で言っているわけですね。これはサラリーマン増税ではないんですかということを聞いているんです。はっきりお答えください。
○小泉内閣総理大臣 いわゆるサラリーマン増税という考えではない。それは、歳出も考えながら、ある面においては、増税、絶対しない、そういう可能性はありません。いろいろな選択肢の中で、歳出等を考えながら、財源をどう捻出するかという中でも考えなければならない問題だと思っております。
○志位委員 結局、今のお答えは、配偶者控除、扶養控除の廃止もサラリーマン増税ではないというふうにお答えになったわけですね。
 しかし、配偶者控除と扶養控除を廃止した場合には、こちらは三・一兆円の増税です。こちらも八割以上がサラリーマン世帯への増税ですよ。定率減税の廃止、配偶者控除と扶養控除の廃止、合わせますと六・四兆円の増税です。このうち八割がサラリーマン世帯ということになりますと、五兆円がサラリーマンにかぶってくることになります。
 日本のサラリーマンというのは五千万人。ですから、単純割りでいっても、サラリーマン一人に約十万円の増税をかぶせる。これをやろうというのが、検討していこうというのが政府の方針だということになる。これがサラリーマン増税ではないというのは到底通用しないと私は思います。
 私、ここに、自民党の候補者が選挙中にまいたビラ、いろいろと持ってまいりました。これを見ますと、随分勇ましく言っています。
 例えば、この方は「サラリーマン増税は絶対に許しません 政府税調が発表した「給与所得控除、配偶者控除の縮小と廃止」を盛り込んだサラリーマン増税は許しがたい内容です。」こう言っております。それから、この方は「サラリーマン増税断固阻止!! 政府税調案を廃案へ!!」こういうふうにやって、同じようなビラが全国各地でまかれたわけですよ。こうやって選挙をやったわけです。
 選挙のときには、サラリーマン増税反対、これを叫んで、選挙が終われば、サラリーマン一人当たり十万円もの増税をこれはサラリーマン増税じゃありませんと言い出すというのは、こんな国民だましのやり方で庶民に増税を押しつけるというのは、私は絶対に認めるわけにいかないということをまず申し述べておきたいと思います。
 その上で、私、総理に税制の基本問題についてのお考えを伺いたいと思います。
 これは、小泉内閣の四年間で決まった増税と減税を一覧表にしたものです。左から「庶民への増税」ですが、もう連続的な増税です。
 サラリーマン世帯には、配偶者特別控除の廃止に続いて、来年から定率減税の半減が実施に移されようとしています。お年寄りには、年金控除の廃止、老年者控除の廃止、非課税限度額の廃止、連続的な増税です。そして、これらが連動して、例えば国民健康保険料、介護保険料にも雪だるま式な負担増を強いる仕掛けになっているということもこの委員会で取り上げてまいりました。
 中小業者の皆さんには、消費税の免税点の引き下げで、これまでも大変だったのがいよいよ身銭を切らないと消費税を納められない、これでは商売が成り立たないという悲鳴が聞こえてまいります。庶民のささやかな楽しみの発泡酒、ワインまで増税されました。
 そして、増税の合計額、年間で約三兆五千億円に達します。
 一方、「大企業・大資産家への減税」をごらんになってください。二〇〇三年に研究開発減税、IT投資減税という大企業向けの特別の優遇税制がしかれました。年間一兆円を超す大もうけを上げているトヨタ一社で、年間で研究開発減税五百億円もこれに充てられています。
 それから、一番下、株式配当などの減税ということが挙がっていますけれども、これは二〇〇三年から施行されたもので、株でもうけた所得はほかの所得と分けて分離課税にして、所得税、住民税を合わせて一〇%払えばいいという仕掛けを新たに導入しました。
 私は、額に汗して働いている人たちよりも、お金を左から右に動かす錬金術のようなやり方でもうけている人の税金が低いという、こんな不合理な仕掛けはないと思いますよ。
 こういうやり方で、大企業、大資産家への減税、合わせて二兆二千億円です。
 私は総理に伺いたいんですね。端的な話を伺いたい。総理は、二〇〇六年度をめどに抜本的な税制改革の結論を得たい、こういうふうに述べておられますけれども、その際にもこの路線でいくんでしょうか。すなわち、庶民には増税、大企業、大資産家には減税、これを続けるつもりでしょうか。私は、これは抜本的に見直すべきだと思いますが、見直す意思はないんでしょうか。いかがでしょう。
○小泉内閣総理大臣 税制改正というのは、増減税だけを今対象にされましたけれども、要は、いかに経済を活性化するかということなんです。そういう中で、私どもとしては、この四年間、ようやく民間主導の景気回復軌道に乗ってきた、失業率も減少している、倒産件数も減少している、そして、多くの大企業の利益がだんだん中小に及んでくるような形にしていかなきゃならない。大企業にしてもあるいは高額所得者にしても、それなりの税負担をすることによって国庫に増収となってはね返ってくる。
 大企業だけに重税を課せれば増収になるかというとそうでもないんです。国際社会の情勢をよく見ていかなきゃならない。各法人、企業は、今地域だけでなく国を選べる状況になっています。一国だけが法人税についても高いと、その企業は逃げていきます。そして雇用にも影響してきます。大企業だけいじめればいいという状況じゃないんです。我々としては、経済全体を見て、いかに経済全体を活性化するかという中で税制というものは考えていかなきゃならない。
 一部だけ見れば、全部共産党は減税がいいというのはわかっていますよ。しかし、そうやったら、国の財政はどうなるんですか。この点も考えていかなきゃならない。
○志位委員 今、大企業への増税の問題について言われましたけれども、法人税というのは、もう減税に次ぐ減税で、一時国税で二十兆あったのが、今十兆しかありませんよ。ですから、政府の資料を見ても、フランスと比べても日本の企業の税と社会保険料の負担は半分です。ドイツに比べても八割、イタリアに比べても六割ですよ。国際競争力のためというのは、これは理由にならない。
 私、一つ具体的に聞きたいと思うんですね。ここに、経団連が平成十八年度税制改正に関する提言というのを出しております。この中で、例のIT減税、研究開発減税について、「平成十五年度税制改正で講じられた研究開発・IT投資促進のための両税制は、極めて重要な効果を持つことから、引き続き整備・拡充することが不可欠である。」と述べております。合計一・二兆円に上る大企業向けの研究開発減税、IT減税、これは今年度限りの時限措置ですよ。ですから、これは当然やめるべきだと私は代表質問で伺いましたけれども、総理の答弁は、検討していくという答弁でした。
 検討ということは、この日本経団連の要求に従って延長するということもあり得るということでしょうか。端的にお答えください。
○小泉内閣総理大臣 このIT減税あるいは研究開発投資減税というのは、たしか三年間の時限措置だと思うのであります。そして、これが来年には切れるということでありますので、全体のこの研究投資開発の効果等見きわめながら、日本としては最先端のIT国家になろうという目標を掲げております。おかげさまで、今、最先端のIT国家になりました。これを現在では、世界の最先端のIT国家になり続けようという目標を掲げております。そういう点を考えながら、この研究開発というものを企業がやってくれる、税金を使わないで、みずからの投資をしてくれるという点に対する経済効果、これをよく見きわめながら今後判断していかなきゃならない問題だと思っております。
○志位委員 結局、やめるとは言わないわけですよ。今、本当に継続の方向が非常に色濃くにじんだ答弁でした。庶民への減税は、恒久的減税として始めた定率減税を平気で廃止する。しかし、大企業への減税は、もう時限措置が切れて終わっているものをやめると言わない。私は、ここには経団連との深い関係があると思います。
 きょう、二〇〇四年の政治資金収支報告書が発表されましたけれども、研究開発減税の恩恵を受けている大企業六社、トヨタ、ホンダ、松下電器、武田薬品、住友化学に新日鉄、この自民党への献金額、一億九千八百八十九万円です。この六社でこの二年間に一千七百八億円の研究開発減税の恩恵を受けている。つまり、献金の見返りに減税の恩恵を受ける、これが今のやり方じゃありませんか。総理は既得権益の打破と言うけれども……
○甘利委員長 志位君、時間が来ております。簡潔にお願いします。
○志位委員 ここに最大最悪の財界権益という既得権益があるじゃないか。ここにメスを入れないのでは、私は改革の名に値しないということを最後に述べて、質問といたします。
○甘利委員長 これにて志位君の質疑は終了いたしました。
 次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 本日は、本国会の冒頭の予算委員会でございますので、国民の命にかかわるアスベスト問題と、国の国防にかかわります自衛隊問題の二問を小泉総理に質問させていただきます。
 国会が解散・総選挙の解散以前に、六月の段階で、クボタの問題が尼崎で、主に労働者だけでなく、健康被害が住民等々に及ぶというアスベスト被害の大きさが指摘されておりました。
 それを受けて、昨日の段階で、九省庁が合同でさまざまな救済策を検討せねばならないということで、おまとめの文書もいただきました。私はそれを拝見して、一体、このアスベスト問題にかかわって、行政の責任、果たして本当に行政に不作為はなかったのかどうか、まずこの点を明らかにしていただかないと、この問題の今後の解決における国の責任があいまい化されると思います。
 総理、一点目、伺います。
 果たして、このアスベスト問題で、国の行政の不作為はなかったのか、失政はなかったのか、一言で明確にお答え願いたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 なかなか一言で、ワンフレーズで言うというのは難しいんですよ。(阿部(知)委員「お上手じゃないですか」と呼ぶ)いや、これは、多く語る中でマスコミがワンフレーズ取り上げるだけなんです。私からワンフレーズで終わったことは余りないんです。
 そこで、アスベストの問題であります。
 これは、今、関係省庁連絡して、このアスベストの問題、しっかりした対応をしなきゃならないということでありますが、過去に不作為なり失政がなかったかという御質問でありますけれども、現実にこういう被害が出ているということを考えますと、反省すべき点もあるんじゃないかと私は思っております。当時の時点時点においては、この危険性はわからなかった。外国の対応に比べるとおくれている面もあるし、おくれていない面もあると聞いております、阿部議員もよく知っておられると思いますけれども。そういう点についてよく関係省庁、縦割りでなくて、これは複数の関連省庁が関係する問題であります。その連携が足りない点もあったと思います。
 そういう点も含めて、現状の把握とそして今後の対応、被害者等の救済等含めて、できるだけ早く法的な措置で対応しないとならない点があるものですから、その点も含めて、来年の通常国会には法案として提出できるように鋭意努力したいと思っております。
○阿部(知)委員 私は、この場で総理にしかと事実を認識していただきたいのですが、実は国民の安全や安心にかかわることは、幾ら総理がおっしゃるような小さな政府でもしっかりやるんだというお話でした。
 振り返りますと、BSE問題で一九九六年、WHO勧告というのが出まして、肉骨粉の危険性が指摘されながら輸入し続けた我が国は、農水省、現在武部幹事長、当時農水大臣でした、農政行政の失策である、失政であるという形できっちりとお認めになったと私は思います。今その時点からこのアスベスト問題を振り返ると、何と後退し、何と官僚に甘い、そして事実について無視しているのかと思わざるを得ません。
 総理にごらんいただきたいんですが、ここにアスベストの輸入量の推移がございます。
 ここにございますこの棒グラフの中で、二峰性、二つのピークを持っているのは我が国だけであります。ここに、一九八六年、この年はILOでアスベストの健康被害に対しての勧告が出ました。アメリカやヨーロッパ、すべてここから使用量はがくんと減ってまいります。アメリカは八十万トンであったものが十万トン。しかし、よくごらんいただきたい。我が国はこの後にもう一つのピークが来るのです。
 これは、日本の通関、財務省が預かる輸入の量を石綿協会というところがグラフ化したものです。なぜ、危険性がアメリカやヨーロッパやILOやWHOで指摘されながら、日本は減らすどころかふやし続けたのか、私はこのことはBSE問題を上回る行政の不作為だと思います。
 ここにもう一つのピークがあるゆえに、我が国は、これから先二十年三十年、事によると四十年後、石綿の被害を抱えていかざるを得ないということが起こったわけです。各省庁間の連絡の不十分では語られない。実際に輸入されるから使われるんです。
 輸入量がこのような形をとっておる。総理はいかがお考えですか。
○尾辻国務大臣 事実について、私からお答え申し上げたいと思います。
 今のグラフでありますけれども、今、私はここに石綿の輸入量のグラフとそれから新規の住宅着工件数と重ね合わせたグラフを持っておりますが、これは見事に途中まで一致をしております。今のお話のように、石綿はもうぐんと途中でなくなりますけれども、途中まで見事に一致しておる。したがって、住宅のための資材として使われた、それがそのとおりのグラフになったということは、まず事実として申し上げたいと思います。
 そうした中でもう一つ申し上げたいと思いますことは、日本のアスベストの使用というのは、ヨーロッパからうんとおくれております。ヨーロッパはうんと早くアスベストを使って、それがゆえにまたアスベストの被害についても早目に察知をして、そしてその昭和四十七年の話になる。日本は、それを聞いて手を打つわけであります。
 そのころ日本はまだアスベストをそんなに使っておりませんから、日本における被害というのは、目に見える形ではまだ出ていない。ただ、ヨーロッパがそういうことだというので手を打たなきゃいけないというので、手を打つ。手を打ったのも事実です。
 そして、そのときに手を打ったのは、まず、これもよく御案内でありますけれども、青が危ないわけでありますから青をとにかくまず規制しなきゃいけないということで、手を打つ。したがって、青石綿の使用量というのはそこからぐっと落ちて、平成元年にはゼロにならしておりますから、この図は白とかその他の石綿まで含めての量でございまして、危険な青とか茶というのは、昭和四十七年に気がついて手を打ってどんどん減らしてきたという、そこだけ見るとうんと下がっているということをまず事実として申し上げるところであります。
○阿部(知)委員 今の尾辻大臣の御答弁にも、一部、私は御認識の誤りがございますと思います。そういう形に官僚諸氏がお話しであったのかと思いますが。
 実は、ヨーロッパでの現状を踏まえて、このまとめの文書でも私が本当に国民の命無視だと思いますのは、日本でまだ人が死んでいないから、日本でまだ中皮腫が多くないから、これは禁止しなかったという文書でございます。人が死ぬまで、犠牲が出るまで放置するのかということを私は問いたいと思います。
 また、青石綿、茶石綿の問題は、同時に、南アフリカから入っておりますが、それもここで一部は減っておりますが、大臣がおっしゃるように全く減っていくわけではございません。
 こういうことを考えますと、私が言いたいのは、BSE問題では、なぜ、欧米で危険とされた、やめなきゃ失政だと言われ、この石綿問題では、人が死んでいないから、まだ死んでいない、さあ、死ぬまで待とうというような行政に等しいと本当に思います。
 私は、今回、このいろんなおまとめの中で、厚生労働省が特にひどいと思います。そういう事態が来ていないから、アメリカで、あるいはイギリスで二百人、フランスで何十人、そういう中皮腫があって、報告があって、なおやらないのです。先に使った国で被害が出ている。日本も当然にやるべきでした。この二峰性の問題は、私は今の尾辻大臣の御説明ではどうしても解けないなぞがありますし、ここは、どうあっても、あってはならないピークなのです。石綿全体についても、特に青や茶は問題でした、しかし、そのほかの石綿についてもいろいろな報告がなされております。
 国民の命を守り、健康を守るということが、私は政治の命と思います。その意味で、きょう私に与えられた十二分、反論をいただかず恐縮ですが、きっちり指摘させていただいて、あとはまた厚生労働委員会でお願いしたいと思います。
 あと、本当は、今の点を総理には認識していただいて、行政の最高指導者ですから。例えば、今度救済策が出るときに、住民に対しては、自己負担分は救済基金から出ますが、そのほかの健康保険七割は健康保険から出るわけです。国の不作為の始末をなぜ私たちの健康保険が負わねばならないのか。やはり私はおかしいと思います。こういう事態が生んだアスベスト問題であれば、国が原爆症と一緒のように全部救済すべきです。この点についても、追って、この法案、来国会提案だそうですから、やらせていただきます。
 引き続いて、小泉総理にお伺いいたしますが、総理の選挙区は神奈川十一区でいらっしゃいます。私は十二区という数の上ではお隣ですが、実はよく総理の選挙区に伺わせていただきます。理由は、横須賀にございます海上自衛隊で、私が当選して五年になりますが、自衛隊内のいじめによると思われる自殺やあるいは放火事件が相次ぎまして、私は自衛隊は国を守る大事な財産と思いますから、そうしたことが起こるということは悲しいと思いますし、何が問題で、どう改善するのかを自分も考えるべく行かせていただきました。
 ところが、このたび、潜水艦という一番厳しい任務を行うところで、六人の自衛官が大麻、MDMAなどの汚染を起こし、本日また七人目が逮捕され、横須賀全体に広がる汚染と考えられます。
 総理はこの事態はどう受けとめて、どのように対処されるお考えか、一言お願いいたします。
○小泉内閣総理大臣 この大麻にしても覚せい剤にしても麻薬にしても、これはあってはならないことであって、まして自衛隊という安全確保のために重要な任務を担っている自衛官にとって、こういうことがないように今後しっかりとした対応を考えていかなきゃならないと思っております。
○阿部(知)委員 ありがとうございました。
○甘利委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。
 次に、糸川正晃君。
○糸川委員 国民新党・日本・無所属の会の糸川正晃でございます。
 本日は、貴重な時間をいただきましてありがとうございます。
 私は、現在三十歳で、このたび国民新党から初当選させていただきました新人でございます。本委員会では最年少と伺っております。浅学非才ではございますが、総理を初め諸先輩方の御指導のもと、国家国民のため全力を尽くしてまいりたいと思います。
 さて、さきの総理の所信表明演説におきましては、国民という言葉が二十回にもわたり多用されておりました。拝聴しながら、これは総理も少なからず私の所属する国民新党の存在を意識されてのことであろうかなと思ったりもしたものでございます。
 それでは、限られた時間でございますので、質疑を進めてまいります。
 まず、今回の衆議院解散・総選挙について総理にお伺いいたします。
 今回の衆議院解散は、郵政民営化法案に関して参議院で否決され、衆議院を解散するということに至ったわけでございますが、憲政史上例を見ない経緯でございまして、疑問の声も少なくございません。総理は、郵政解散と位置づけ、参議院で否決されたから民意を問う、国民投票に準ずる総選挙であるとも訴えられましたが、素朴な疑問といたしまして、参議院は民意を代弁する存在ではないということだったのでしょうか。
 また、憲法において国会は国権の最高機関と規定されておりますが、いかに行政府の長たる総理といえども、国権の最高機関たる立法府の衆議院を一法案の可否をめぐって解散するということは果たして妥当だったのでしょうか。私どもは、これは憲政史上に疑義を残したと考えます。総理はどのようにお考えでしょうか、答弁を求めます。
○小泉内閣総理大臣 衆議院ではなくて参議院で否決されて衆議院を解散するのはおかしいという御質問だと思うのでありますが、これについては、郵政民営化法案というのは小泉内閣の最重要法案である、これを否決するということは小泉内閣不信任であるということを私は申し上げてまいりました。
 そこで、確かに、参議院で否決された郵政法案を最大の争点にするということについては、疑問を呈しておられる方もおられるということは承知しておりますが、これはしょっちゅうするものじゃないんです。異例中の異例であるということは認めます。だから、こういうことがあるから、次もまた参議院で否決されたら衆議院を解散するのかということをよく聞く方、あるいはそう話される方があると思いますが、こういうことはめったにありません。
 しかし、私は、そもそも、民営化に反対だと言って、国会がこの郵政民営化必要ないと言うことに対する強い憤りの念を持っておりました。本当にこんなことで改革できるのかと。総論賛成、民間にできることは民間にと言いながら、なぜこれを民間に任せちゃいけないのかと。
 私は、反対している議員の皆さんは、国民も反対しているのではないか、そう思って反対している方がいると思いましたから、それでは国民に聞いてみようと。国民が郵政民営化必要である、賛成だったらば、参議院で反対した方も意見を変えてくれるだろうと思って、異例でありますが、解散に踏み切りました。
 もとより、解散権は内閣にあります。そして、解散するかどうかというのは内閣の政治判断でもあります。
 そういうことから、私は、今回、郵政民営化法案に対して国民は賛成の意思表示をしてくれたなということを、議席の数ではっきりと示してくれたと。議論している間は、反対論がある、反対論があるとばかり展開されましたけれども、現実の姿を見て、反対した方も私は意見を変えてくれると思います。総選挙する意義が十分あったと思っております。
○糸川委員 それでは、今、議席につきましては三分の二を自公合わせまして獲得しているということでございますけれども、得票率を見ますと、小選挙区に関しましては四九%、比例区に関しましては五一%の信任ということになっております。
 これは、文字どおり、国民投票だったとすれば、賛成、反対というものは半々であったのではないかなというふうに思いますけれども、総理はこの得票結果に対してどのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 これは選挙制度の中においては、イギリスの小選挙区制度でも、得票数は多かったけれども議席が少なくて政権を担当できなかった例は過去にあります。アメリカにおいても、大統領選挙においても、得票においては少なかったんだけれども、実際の、代議員というんですか、法に定められた制度によってその委員が多くて、大統領になった方もおられます。選挙制度というのはそういうものなんです。
 小選挙区制においても、過半数をとらなくても、比較第一党なら当選できるんですよ。圧倒的にほかの議員が多くても、第一位が当選と決められれば、その人が当選するんです。現在の選挙制度においても、将来も、得票は少なくても議席は多かったという例は出てくると思いますよ。しかし、それが選挙制度なんですから。選挙制度の中で国民がどう意思表示されるか。それに従うのが民主主義じゃないでしょうか。
○糸川委員 では、時間の関係で最後に一言、義務教育費につきまして総理にお尋ねいたします。
 私の所属する国民新党の綿貫民輔代表は、米百俵今ごろどこへ行ったやらと評したことがございます。総理が、かつて、長岡藩の故事を引いて教育の大切さを訴えられたことは記憶に鮮明なところでございます。
 今日、いわゆる三位一体改革の一環で、義務教育費の国庫負担をやめ、一般財源化する方針が打ち出されておりますが、教育の自治体間の格差や教育レベルの低下を懸念する声も多く聞かれます。イギリスの教育改革の例を見ても、人材こそ国の宝であり、国が全責任を持って義務教育費を国庫から負担する仕組みを堅持するべきだと考えますが、総理の答弁を求めます。
○小泉内閣総理大臣 教育の重要性は言うまでもありません。日本がここまで発展してきたのは教育を重視してきたからだ。よく外国からも、資源がない日本がどうしてここまで繁栄したのか、日本の教育に学ぼうという外国の首脳も多いわけでありますから、これからも日本は、人が人材であります、人間が人材であります、財産であります。
 そういう点から考えますと、教育の重要性は幾ら指摘してもし過ぎることはないと思いますが、義務教育について、これは国の責任でありますけれども、この責任を、費用を地方に任せることによって国の責任を放棄するか、そうでもないと思います。私は、そういう観点から、地方にできることは地方に、地方の教育の面においても裁量権を拡大するというのは、別に義務教育の国の責任を放棄するものではないと思っております。
○糸川委員 終わります。ありがとうございました。
○甘利委員長 これにて糸川君の質疑は終了いたしました。
 次に、徳田毅君。
○徳田委員 鹿児島二区選出の徳田毅でございます。
 せっかくの機会をいただきましたので、足早ではございますが、総理に要望と質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
 先日、平成十五年度の社会保障給付費が発表されましたが、総額八十四兆三千億円と我が国の国民総所得の二三%にも達しており、負担者としての国民の立場を考えると、総理がおっしゃるように、効率的な運営を確保するために社会保障分野における構造改革が不可避であるということは言うまでもありません。特に、全体の八五%を占める年金や医療保険制度に対する国民の不信感は爆発寸前のところまで来ております。
 その不信感の最大の要因は、制度の不平等さと非効率さにあるのではないでしょうか。特に、年金制度は最も不平等の多い制度となっております。まず、世代間の不平等があります。さらに、議員年金、公務員年金、サラリーマンの厚生年金、そして自営業者などの国民年金、これらの間には大きな不平等が存在しています。年金改革に当たっては、国民の年金制度に対する信頼感を回復することを第一義にお考えいただき、公的年金制度の一元化のもと、世代間、制度間の不平等を解消するための工程表を国民にわかりやすく示すべきではないかと思います。
 また、あわせて、厚生年金の財源でつくられた数百にも上る保養所や病院など、天下りのポストをなくして国民の不満感を解消するためにも、これら施設を政府から分離し、民間でできるものは民間に任せるという姿勢を明らかにしていただきたいと思います。
 次に、医療保険についても、経済財政諮問会議が医療費の総量管理の提案をされたようでありますが、むだな医療費を抑制し、制度の持続可能性を維持するための努力を払っていくことは当然のことだと思います。しかし、この議論の中にはどこにも、医療の質をどうするのか、国民が満足する医療保険をどう再構築するのかというビジョンが見えてまいりません。単に総額の議論だけになりますと、患者不在の効率性だけを追求し、我が国の医療水準の低下を招きかねません。また、国民の不満は、単に保険料が高いということだけではなく、高くなる保険料に見合う医療の質の向上が実感できないことにあるのではないでしょうか。
 国民の生命を預かる医療は、消防や警察と同じように、地域に関係なく、年中無休、二十四時間体制でなければなりません。採算性の悪い僻地、離島の医療や、小児科、産科、難病医療などコストのかかる医療を切り捨てられたり、粗診粗療を招いたりすることなく、命だけは平等だという信念に立って、医療の質の向上、医療の効率化を同時に進めるという大変難しいかじ取りをしていただく必要があると思いますが、総理の医療改革に対するお考えをお伺いしたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 医療の総額管理と、また医療の質の向上の御質問だと思うんですが、医療費は、今後、高齢者がふえるということを見れば、ふえていくことは避けられません。若い世代に比べれば高齢者の方が病気にかかる率が多いわけですし、そういう点を考えると、医療費はどんどんふえていきます。
 そうなりますと、これは保険料負担あるいは患者負担、同時に税金投入という問題が出てきます。これをどこまで認めるのか。これを、限度を超しますと、今度は実際医療保険制度がもたなくなる。こんな負担には耐え切れないと。医療負担が軽くなる患者さんにとってはいいんですけれども、要は、患者さんに対して適正な医療を供給できるというのは、病気にならない人が保険料を負担してくれるからこそ、医療保険制度はもっているわけです。一回も病院に行ったことがない、そういう方にも今保険料を負担していただいているわけです。そういうことも考えなきゃいかぬ。
 では、税金投入すればいいじゃないか。しかし、どこを増税するのか。これも増税はみんな反対です。そういう観点から、黙っていけばどんどんどんどん税金投入していかなきゃならない、これをある程度やはり抑えていく努力をしていかなきゃならない。そのためには、治療より予防がまさる、本当です。生活習慣病を初め、予防が大事です。
 そういう点も含めて総合的に考えなきゃいかぬし、質の面におきましても、ただ検査をすればいい、治療をすればいいというだけじゃない。日本におきましては、医学の進歩、医療機器の目覚ましい開発、そういうことによって医療の質をどうやって上げていくか。出来高払い制度と定額払い制度、出来高払い制度は今普及していますから、その弊害が指摘されていますが、それじゃ、定額払いに全部すればいいかといえば、またそれは、一定の額だったらば必要な診療も行われないじゃないかという批判も出てきます。どの制度をとっても必ず一長一短あるんです。
 そういう点から、出来高払い制度のよさと、総額の定額、一定の費用の中で、慢性病についてはその中でやってもらおうという定額払い、そのよさをどうやって組み合わせていくかというのがこれから医療の質の向上の面でも大事だと思いますので、そういう総合的な観点から、この医療保険制度を将来どうやって持続可能なものにしていくことができるかということを考えて医療制度の改革に取り組まなきゃならないと思っております。
○徳田委員 ありがとうございました。
○甘利委員長 これにて徳田君の質疑は終了いたしました。
 次回は、来る十月三日午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時四分散会