第164回国会 法務委員会 第16号
平成十八年四月十二日(水曜日)
    午前十時七分開議
 出席委員
   委員長 石原 伸晃君
   理事 倉田 雅年君 理事 棚橋 泰文君
   理事 西川 公也君 理事 早川 忠孝君
   理事 松島みどり君 理事 高山 智司君
   理事 平岡 秀夫君 理事 漆原 良夫君
      赤池 誠章君    稲田 朋美君
      近江屋信広君    太田 誠一君
      笹川  堯君    柴山 昌彦君
      下村 博文君    丹羽 秀樹君
      平沢 勝栄君    三ッ林隆志君
      水野 賢一君    森山 眞弓君
      矢野 隆司君    保岡 興治君
      柳澤 伯夫君    柳本 卓治君
      石関 貴史君    枝野 幸男君
      河村たかし君    津村 啓介君
      細川 律夫君    伊藤  渉君
      保坂 展人君    滝   実君
      今村 雅弘君    山口 俊一君
    …………………………………
   法務大臣         杉浦 正健君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長) 沓掛 哲男君
   法務副大臣        河野 太郎君
   国土交通副大臣      松村 龍二君
   法務大臣政務官      三ッ林隆志君
   最高裁判所事務総局刑事局長            大谷 直人君
   政府参考人
   (警察庁長官官房長)   安藤 隆春君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    縄田  修君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    大林  宏君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    小貫 芳信君
   法務委員会専門員     小菅 修一君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十二日
 辞任         補欠選任
  森山 眞弓君     丹羽 秀樹君
同日
 辞任         補欠選任
  丹羽 秀樹君     森山 眞弓君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第八五号)
     ――――◇―――――
○石原委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房長安藤隆春君、警察庁刑事局長縄田修君、法務省刑事局長大林宏君、法務省矯正局長小貫芳信君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○石原委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局大谷刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○石原委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細川律夫君。
○細川委員 おはようございます。民主党の細川律夫でございます。質問をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
 まず、代用監獄関係でお聞きをいたします。
 まず、捜査と拘禁の分離でございますけれども、よく代用監獄は冤罪の温床であるというふうに言われております。実際、ほとんどの冤罪事件は代用監獄に留置されている間の自白の強要によって起こっております。
 私も、以前弁護士をやっておりましたときに大森勧業事件というのを担当いたしまして、一審は無期懲役でございましたけれども、これが逆転無罪になった、そんな事件を担当いたしましたけれども、これもやはり代用監獄で自白を強要されたというような事件でございました。
 まず大臣にお聞きしますけれども、代用監獄での自白の強要ということで冤罪事件が起こっていることについて大臣はどういうふうにお考えか、お答えください。
○杉浦国務大臣 先生御指摘のように、代用監獄は冤罪の温床であるという御指摘があることはよく承知しております。先生も一件おありになるようですが、冤罪となった事件の中には虚偽の自白が強要されたものがあるというのも事実でございます。
 捜査機関としては、そのような不適正な捜査を行うことがないよう十分に留意すべきだというのは当然でございます。代監、代用刑事施設に収容すること自体の問題ではない、捜査の適正の問題ではあるわけですが、しかし、代用監獄がそれを助長する面があることも、冤罪となった事件から見れば明らかだと思います。
 代用監獄、留置場と言われているものも、時代とともに進化しているといいますか、よくなっている面もあるわけでして、かつてはブタ箱と言われたわけですね。そんなに非衛生的だったとは思いませんが、余り衛生的ではない。留置している人が捜査をやっているという状態でしたし、差し入れ品も好きなものを自由に差し入れさせて、たばこも自由に吸え、そのかわり協力しろというようなことも行われているところがあったようです。
 ですから、我々と申しますか、昭和五十七年当時、刑事施設がようやく改善されようとしたころ、代用監獄は廃止すべきだということで、当時副会長で反対運動に立ち上がったわけなんですが、あの当時の留置施設と現在と比べると格段によくなっている、進歩しているということは間違いないと思うんです。留置官が設けられて、捜査とは画然と区別されるようになっておりますし、施設もきちっと分かれておる。出入については留置官が全部コントロールしておるという状況でございますから、施設もよくなっておりますね。拘置所の方がおくれているんじゃないかというような新しい施設ができていることも事実でございます。
 しかし、先生の御指摘のあるような冤罪の温床、誤判事件、後を絶ちませんけれども、そういうことを考えますと、引き続き代用監獄の問題については、本法では、現実的に果たしている役割を考えて存続を前提にした法律になっていますが、将来はそういった点に留意して絶えず検討を続けていかなきゃならない問題だというふうに認識しております。
○細川委員 捜査と拘禁は分離すべきであるという原則がありますけれども、これが現在守られているかどうか。大臣はどのようにお考えですか。
○杉浦国務大臣 代用監獄、つまり警察の方で捜査部門と留置部門を分離し始めたのは昭和五十五年以降だというふうに伺っております。警察の方がおられますけれども、例えば留置場の出入りについてはすべて留置主任官の承認に係らしめるとか、食事、入浴、運動等の処遇は留置担当官が取り扱う運用がなされるなど、分離の趣旨は徹底されてきているというふうに思います。
 私も就任後、東京都内でしたが、一番新しい留置施設と一番古い留置施設、選んでいただいて見たんですが、何とその一番古い留置施設が、昭和五十七年、あの当時、できたのはもうちょっと後かもしれませんが、警視庁改築の際にできた、当時としては最も新しい施設で、それが今では一番古い。池上警察が一番新しい施設だということで池上警察も視察してきましたが、池上警察の方がさらに整備されているというふうに思いましたが、分離の趣旨が徹底されてきているなという印象を受けた次第でございます。
 今回の法案におきましては、今までの警察のそういう措置は事実上行われてきておったわけですが、分離を明記したと同時に、「留置担当官は、その留置施設に留置されている被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。」という明文の規定も設けることとしておりますので、捜査と留置の分離についてはより明確なものとなるというふうに考えております。
○細川委員 八〇年代に警察庁の方では捜査と拘禁を分離したというふうに言われておりますけれども、しかし、それ以降も代用監獄のもとで無理な取り調べがあって、自白が強要されたり、あるいは心理的、精神的な圧迫が行われたというような実態といいますか、件数といいますか、そういうのはたくさん報告があるわけでございます。したがって、私は、捜査と拘禁が完全に分離されているとは思っておりません。
 そこで、保安についてお聞きをしますが、十六条三項で、「留置担当官は、その留置施設に留置されている被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。」というふうに規定されておりますけれども、この規定は非常にあいまいでございます。
 逆に、では、捜査担当者、これは留置業務ができるんでしょうか。
○安藤政府参考人 お答えいたします。
 今御指摘の法案十六条三項につき書いてあります留置担当官とは、留置管理係に所属する者のみならず、現に留置業務に従事する者を言うことでありまして、第十六条三項は、この留置担当官がその被留置者の捜査に従事してはならないことを定めているものであります。
 したがいまして、現に被留置者の捜査を行っております捜査官が当該被留置者の処遇を行いますと、その捜査官は今挙げました三項の留置担当官に該当することとなるため、この規定に違反するということになるわけでございます。したがいまして、あえて重複した規定を設ける必要性は乏しいものと考えたものであります。
○細川委員 私は、この規定は非常にあいまいだというふうに思います。だから、この規定によって捜査担当者は留置業務ができないんだということならば、これは明文化してきちっとすればいいと思いますけれども、いかがですか。
○安藤政府参考人 お答えいたします。
 先ほど申し上げた理由によりまして、この規定でその目的を達していると考えております。
 御案内のとおり、捜留分離というものの本質的な問題が指摘されたのは、捜査員が留置業務に係る処遇を利用しまして被疑者の自白を強要したり、被疑者への不当な圧力がかかったりすることのないように必要な措置をとることが本来の趣旨でありますので、十六条三項の規定の趣旨を徹底することによって、その趣旨は十分に達成されているものと考えております。
○細川委員 次に、法案の百八十四条、ここでは、「留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯を定め、これを被留置者に告知する」、こういうことになっておりますけれども、これも大変あいまいな条文でございます。
 そこで、留置業務管理者、この者は内閣府令を遵守する義務があるのか。例えば、留置担当者には、深夜取り調べをしようとしている捜査担当者にそれをとめさせる権限と義務があるのかどうか、お聞きをいたします。
○安藤政府参考人 お答えいたします。
 まず、冒頭御指摘の百八十四条の内閣府令につきましては、これは単に技術的なことを書くことを予定しておりまして、日課時限についての告知の仕方みたいなところを、つまり単に技術的な内容を定めるということにしております。
 本来の、今の御指摘の点でございます、留置担当官は深夜にわたる取り調べをやめさせる権限があるかという御指摘でありますが、まず、新法では、留置業務管理者は、日課時限、すなわち被留置者の起床、就寝時間、食事の時間、運動の時間等をあらかじめ定めることとしておるところであります。被留置者の処遇というのは、原則として、これらの時限にもちろん従って行われることになるわけでありますが、他方、被留置者は刑事手続の対象でもございまして、勾留尋問とか取り調べとか引き当たり捜査、公判出廷、弁護人等との面会等を実施すべき公益上の必要性もあるところであります。
 したがいまして、具体的事案に応じて、やむを得ず定められた時間に実施できないこともあり得るわけでありますけれども、例えば、就寝時間を超えて長時間の取り調べが行われるような場合には、取り調べの打ち切りにつきまして検討するよう留置担当の方から捜査担当に要請をするほか、当該被留置者の翌朝の起床時間をおくらせて十分な睡眠時間を確保するなどのいわゆる補完措置を講じているところであります。
 お尋ねの点で権限があるかということでございますが、捜査担当官と留置担当官は、これは互いに指揮命令を行うような関係にはなく、御指摘のように捜査担当官に対して強制力を及ぼすような措置をとることはできませんが、実際の統計を見ましても、捜査を理由として出場しました被留置者が夜九時以降に帰場した例は全体の約一%前後、これは昨年の秋にサンプル調査をしたのですが、そういうことからも、警察内部で適切に運用されているものと考えております。
○細川委員 端的にお聞きをいたしますが、例えば、当日、捜査担当官が捜査をしていて、夜の九時、十時というふうになった場合に、留置担当者は、そのことについて、やめろ、房へ戻せ、こういうことは言えるんですか。先ほどは検討というふうに言ったんですけれども、戻せというふうに言えるんですか。
○安藤政府参考人 お答えいたします。
 先ほども申し上げましたが、捜査の打ち切り要請をするということができるわけでありまして、権限的にそれでやめさせるということは、先ほども申し上げましたように、できないわけであります。それは、御案内のとおり、被疑者の処遇ということは一方大きな配慮をしなきゃいけないんですが、他方、捜査の適正な遂行という、もう一つ大きな観点とのバランスということがございます。
 ただ、もう昭和五十五年から警察内部で、組織的に完全に分離するだけじゃなくて、運用的にも徹底してこの捜留分離ということを意識改革をしておりますので、捜査担当者の方も、留置担当者の意見といいますか要請に対して、捜査上の必要やむを得ず生じるということをきちっと説明するといいますか、そういう形で調整しながらやっております。
○細川委員 私の質問に端的にお答えをいただけないんですけれども、就寝時間というのは、例えば八時間なら八時間、これを確保しなきゃいけないというふうに決まっていて、では、夜遅くまで取り調べを受けて、それで帰ってきたような場合、翌日の朝起きるとか、あるいは取り調べに出るとかいうときには、就寝時間が十分守られていないということになれば、担当官はその房を出ることを拒否することができるんですか。
○安藤政府参考人 拒否というような権限的な、そういう関係にはございませんが、先ほども申しましたように、そういう夜遅く、深夜取り調べがやむを得ず行われる場合には、翌朝の起床時間とか、そういう日課時限について配慮をするということを留置主任官の方が、最終的にはこれは署長の責任でありますが、判断をいたします。ですから、実際にもそれが尊重されていくということでございます。
○細川委員 私が質問しているのは、捜査担当官が連れてこいと、朝、そういう連絡があったときに、就寝時間が守られていない場合にはそれを拒否できるんですかと聞いているんです。運用がどうじゃないんです。
○安藤政府参考人 先ほどから申し上げておりますように、この問題は、捜査の適正な執行と被疑者の処遇に対する配慮ということでありますから、この二つのどちらを優先するかについては、これはぎりぎりのところを、個別具体的事情に照らしまして、警察署長が最終的に判断するということでございます。
○細川委員 ということは、拒否はできないんですか、はっきり言ってもらいたいんですけれども。内閣府令で定めたことが守られないような場合にはどうするかということを質問しているんです。
○安藤政府参考人 先ほども申し上げましたように、最終的には、個別具体的事情に照らして警察署長が判断するということであります。ですから、通常といいますか、これまで、昭和五十五年から運用して実際定着しておりますので、そういうことを両方ともよく承知して、特に捜査官もその辺のところを、補完的な措置について十分承知しているわけでありますが、個別具体的にどうしてもというときに留置主任官から拒否をする場合も、それはもちろんありますが、一般的に、そういうことではなくて、個別具体的な捜査と留置の処遇の要請によってそれが決まってくるということじゃないでしょうか。
○細川委員 どうもあいまいでございます。私が最初に質問したように、この規定は非常にあいまいだということを申し上げたのは、そういう点でございます。
 したがって、私は、内閣府令で食事とか就寝その他の起居動作すべき時間帯を定めて、被留置者に告知するということでありますから、これは当然守るべきものとして、留置業務管理者に義務がある。そういうことで留置担当者は、就寝とかその他起居動作のための時間を確保するために、私は当然、そういう場合には拒否をする、あるいは夜遅くまでやる場合にはその取り調べを打ち切るような、そういう権限と義務を本来ならばしっかりと明記すべきだったというふうに思います。今からでも遅くないですから、ぜひ、そういう点、はっきりしたことを明記していただきたいと思っております。
 それでは次に、被疑者などの人権をしっかり守る、あるいは侵害されないように取り調べなどを常にしっかり監視するという意味でも、留置施設における被留置者の出入りというのを明確に記録いたしまして、その記録については、裁判所から求められたとき、あるいは、弁護人あるいは当事者から求められた場合には遅滞なく提示をすべきではないかと思いますが、この点についてはいかがですか。
○安藤政府参考人 お尋ねの被留置者の出入場記録につきましては、裁判所から提出または開示の要求があった場合には、その根拠、目的、被留置者のプライバシーなどを考慮した上で、これは原則として警察署長の判断によりまして提出されるものと考えております。
○細川委員 それでは、先に進みますが、有識者会議では、代用刑事施設制度は、「捜査を迅速・適正に遂行する上で重要な機能を果たしているものである。」、こういうような視点が多数意見として書かれております。このような立場をとりますと、代用監獄というのは未来永劫続くことになりますけれども、大臣、以前、法制審議会の答申では、「監獄法改正の骨子となる要綱」というので、代用監獄は漸減する、こういうことをはっきり答申の中で書かれております。
 そこで大臣、この答申のように、こういう代用監獄は漸減をしていくということを、ぜひここでもう一度明言してほしいと思います。
○杉浦国務大臣 先生御指摘の法制審議会のいわゆる漸減条項でございますが、これはあくまでも新法の運用上の配慮事項を示したものであって、これを法文化することまで求めるものではないと私どもは理解しております。従来、法務大臣もそういう答弁を行ってきております。
 加えまして、最近の未決拘禁者をめぐる厳しい過剰収容の状況が一方にあり、また、財政事情も非常に厳しい状況がございます。もとより、法務省としては、今後とも未決拘禁者の収容能力の増強に努めてまいる所存でございますけれども、刑事施設の収容能力の増強を図って、やむを得ず被勾留者を留置施設に収容する例を少なくするという結果を生み出さなければなりませんが、それを十全に実現することは必ずしも容易ではないことから、これを求める漸減条項の内容を法的拘束力を有する附則に規定することは適当ではないというふうに考えている次第でございます。
○細川委員 海外との比較についてお聞きをしますけれども、オーストリアとかあるいはイタリアの方に未決拘禁施設を視察したというふうに聞いておりますけれども、オーストリアあるいはイタリア、こういう国では逮捕後どのくらい警察の留置施設で拘禁されているか、簡単に答えてください。
○小貫政府参考人 昨年の七月四日から八日までの間で、日弁連、警察庁そして法務省の事務局の担当者がオーストリアとイタリアへ調査を行うことといたしました。
 オーストリアでは、すべての施設を聞き取り調査したわけではございませんが、ウィーンのヨーゼフシュタット拘置所とヘルナルザー・ギュルテル警察留置センターを視察いたしましたが、その際の聞き取り調査の結果によりますと、逮捕後四十八時間以内に裁判所送致の手続がとられるまでの間に限り、警察の留置施設に留置することができるということにされているとのことであります。
 同じくイタリアでは、ローマのレビッビア刑務所の新館、これは、刑務所でありますが、未決拘禁者も収容するところだそうでございます。ここと、ローマ県の警察本部の視察をしたようでありますが、その際の調査結果によりますと、逮捕後二十四時間以内に裁判所送致の手続がとられるまでの間に限り、警察の留置施設に留置することができることとされているとのことでありました。
 以上でございます。
○細川委員 今報告のように、イタリアでは二十四時間、オーストリアでは四十八時間という大変短い時間なわけです。わざわざこの二つの国を調査いたしまして、その結果、そういう短い時間しか警察の留置施設に拘禁することができないということですけれども、それでは、欧米の先進国で、日本のように警察の施設で長い間拘禁をされている例があるでしょうか。
○小貫政府参考人 欧米諸外国の制度を網羅的に調べたわけではございませんが、把握している範囲では、欧米諸国においては、我が国と同程度の期間、警察の留置施設に留置される例はなかった、こう承知しております。
○細川委員 それでは、韓国などアジアの近隣諸国ではどうですか。
○小貫政府参考人 現在、手元資料でわかっているのは韓国でございますので、韓国の例について説明申し上げます。
 韓国におきましては、警察官による逮捕が行われた場合については、逮捕後四十八時間以内に拘束令状を請求しなければならないとされておりまして、裁判官が拘束令状を発付したときは被疑者を十日間拘束することができる、その場合、被疑者は警察の留置場に留置されるということになっております。そして、警察が十日以内に被疑者を釈放しないときは検事に引致しなければならないということになっておりまして、検事は引致を受けた後、被疑者を拘置所に留置した上、原則として十日間身柄を拘束して捜査できるというシステムになっているようでございます。
○細川委員 今報告がありましたように、ヨーロッパ先進国、それからアジア、アジアでもわかっている韓国でも最高十日、こういうような状況ですけれども、こういう面を見ますと、日本はちょっと、そういう人権の面については先進国と言えないのではないかというふうに私は強く思うんですけれども、これは大臣、外国との比較でどのようにお感じですか。
○杉浦国務大臣 正直言って、私も、先進国であるとは言えないんじゃないかというふうに思います。
 韓国は、私も年初に行ってまいりましたけれども、今御報告のあったとおりです。日本の半分ですよね。施設も相当整備されている。私は、拘置所は見ませんでしたが、刑務所は見てまいりました。日本が今刑務所を増設しておりますが、その最新鋭の刑務所よりもさらに内容のいい刑務所、最先端の刑務所を見てまいりました。
 受刑者に対するものだけじゃなくて、今度十年計画をつくりましたが、刑務所等で働いている、職場の環境も劣悪であります。宿舎もひどうございまして、とりあえず十年計画で、昭和四十年前につくったひどいものについては、例えば働いている場所に暖房もストーブしかない、冷房も扇風機だというところが随分あるわけです。宿舎なんかも劣悪で、千億を超える投資が要ると思うんですけれども、とりあえず劣悪なところは計画的に整備することにいたしました。拘置所なども、この間矯正局長が試算をいたしましたけれども、数千億の投資が要るわけなんです。また、投資だけじゃなくて、人も張りつけなきゃいけません。そういう国家としてやるべきことをやるという政治的決断がいまだできていない状況でございますが、これは一刻も早く改善していかなきゃいけないというふうに思っております。
○細川委員 ぜひ、そういう政治的決断を早目にやっていただきたいと思います。
 世界が日本のこういう状況をどういうふうに見ているかといいますと、国際人権規約委員会から、既に二度にわたって勧告もされているところでございます。したがって、このことは、やはり日本が先進国として人権に非常に配慮のある国であるということを世界の国々にも十分認識していただけるような、そういう国に早くなっていただかなければいけないと思います。
 そこで、大臣にお聞きをいたしますけれども、大臣がどういうふうに代用監獄についてお考えになっているかということ、これは、これまでにもいろいろ質問がございましたので重ねてのことになりますけれども、大臣はこの問題については従来から非常に熱心に取り組まれてきておられます。大臣は八二年から東京第一弁護士会の副会長をお務めになられまして、その八二年に、いわゆる拘禁二法が国会に提出をされております。当時、日弁連は組織を挙げて拘禁二法に反対をいたしておりました。大臣もそのときの弁護士会の役員としてこの法案に反対したことは前からもお聞きをいたしておりますけれども、今もそのときのお気持ちに変わりはないのか、そのことについてお聞きをいたします。
○杉浦国務大臣 変わっておりません。
 あの当時は、先ほどちょっと触れましたけれども、やはり留置場というのは、ひどい留置場が多かったわけです。捜査当局と留置官の分離も行われていない。五十五年から始めたということなんですが、全国津々浦々までできたのはかなり遅いんじゃないかと思うんですね。施設もよくなかったということから、第一東京弁護士会というのはどちらかといえば保守的な先生方が大部分な弁護士会なんですが、それでも、これではまずいと。
 代用監獄制度は必要やむを得ないものであるにしても、必要やむを得ないというか、予算がなきゃできないと言われるとそれまでなんですけれども、しかし、ともかく廃止という方向で、少なくとも法律においてはそういうゴールを目指して進んでいくんだという姿勢がないとだめじゃないかということで、反対運動を始めたわけでございます。
 この法律でも、代替収容制度はこれを所与の制度と考えているわけではありません。漸減条項こそございませんが、司法の世界もどんどん変化しております。刑事訴訟の迅速化、裁判員制度も導入されますし、公的被疑者弁護制度も今度導入されます。刑事司法制度全体が大きな変革の時代を迎えているということは間違いないと思います。
 これから刑事司法のあり方を検討する際には、取り調べを含む捜査のあり方ももちろんでございますけれども、代替収容制度のあり方についても全体の関連の中で検討を怠ってはならないと考えておりますし、これは何代もの内閣にわたると思うんです。厳しい財政状況の中、当分続くと思いますけれども、しかし、その中でも治安にかかわる、国家存立の根本にかかわることですから、予算を配分して一歩一歩前進していく。
 何回も申し上げておりますけれども、中長期、五十年、百年後、もっとかかるかもしれません。しかし、理想としては、先進国はみんなそうであります。韓国ですらと言うと韓国に失礼ですが、日本よりはるかに進んだ状態になっておられるのに、胸を張って日本もこうしておりますということが言えるような状態にするのが理想であるとは思っております。
 ただ、現実問題として、先ほど先生がおっしゃった、二十五年の歳月を経て、代用監獄も進化しております。警察の運用も変わっておりますし、今度の法律でも、今、留置官と捜査官の分離は実質上行っておるだけで法的根拠はありませんが、今度分離を徹底させますし、さらに、被留置者の人権保障に配慮した運用が図られると思いますし、それから留置施設視察委員会制度ですか、導入されます。意見も公表することになります。また、不服申し立て制度も整備されるというような制度的改善も行われておるところでございますので、我が国の未決拘禁制度は、国際的な人権保障の水準により合致したものになるというふうに思っております。望めば際限はありませんが。
 人権規約委員会の最終見解も、代監制度を廃止しろと言っているのではない、代監制度の運用が規約のすべての要請に合致するようにしろと言っておられるわけで、その御要請にはこたえたのではないか、最低の御要請にはこたえたんじゃないかというふうに私は理解しております。
○細川委員 大臣が弁護士会の副会長になられたその三カ月後に、当時、第一東京弁護士会から、「刑事施設法案・留置施設法案レポート」というのが出ております。当時、拘禁二法に反対をされた大臣ですが、代用監獄についてこういうレポートになっております。ちょっと読みますから。
  かかる代用監獄制度は、明らかに憲法上、刑訴法上の前記諸原則等と相容れない極めて矛盾した制度であり、被疑者の人権、防御権を著しく侵害し、そのうえ、刑事裁判における当事者主義、公判中心主義を極端に形骸化する危険性を含んだものといえる。
  又、代用監獄制度は、別項「代用監獄に関する法律上の問題点」で指摘されている通り、現行法の体系上からも極めて矛盾した制度である。
  従って、代用監獄制度は、可及的速やかに廃止することが必要であると考える。
こういうレポートになっているのですが、当時、こういうレポートを出されて、大臣そのものも担当の副会長として非常に頑張っておられた。
 今私が読んだこのレポートの内容と、今も大臣のお気持ちは変わらない、今も同じでしょうか。お聞かせください。
○杉浦国務大臣 先ほど先生からそれを見せていただきまして、大変懐かしく思った次第でございます。当時の会長は設楽敏男先生、そのもとで副会長を務めまして、この拘禁二法反対運動の担当副会長をいたしましたので、よく覚えております。
 ただ、その文章は、プロといいますか、詳しい方がつくりまして、私は行動派だったものですから運動の方に走りましたので、その中身は、漆原先生だったら中身までおつくりになったかもしれませんけれども、詳しい方がおつくりになったんですが、基本的精神においてはそのとおりだと思いますし、私もその精神は変わっておりません。
○細川委員 時間が余りありませんので、少しはしょって次に移りますけれども、外部交通についてお聞きをいたします。
 弁護人との面会について停止の規定があるわけでございますけれども、弁護人との面会について、どうしてこういう新たな停止規定を設けたのか、まず、これを簡単に説明してください。
○小貫政府参考人 一時停止の制定の趣旨というお尋ねだろうというふうに思うんですが、その前提として、いろいろな場合が想定されるという事実認識がございました。
 まず、その点について申し上げますと、ここで百十七条の刑事施設の規律及び秩序を害する行為として考え得る、例えばのことでございますが、この委員会でも何度か申し上げているとおり、具体的にあった事実関係に即して申し上げますと、弁護人と面会中の被告人が、弁護人の言動に激高しまして、面会室の遮断スクリーンの通話孔部分をけりつけた上、手拳で殴りつけて、アクリル製通話孔もろとも網入りガラス製遮断スクリーンをたたき割ったという事例や、あるいはまた、これは懲戒請求事案だったようでございますが、弁護人が接見室内に携帯電話を持ち込み、接見禁止中の被疑者に、接見室の仕切り板越しに被疑者の母親と携帯電話で会話させた事例が発生したというような事例も報告されていることを念頭に置きまして、停止等の措置が必要である、こう考えた次第でございます。
○細川委員 遮へい板をけったりして激高しているときには、これはもう弁護人の方から当然接見はやめるんじゃないでしょうか。理由にならないんじゃないでしょうか。もうみずから弁護人がやめるでしょう。
○小貫政府参考人 多くの場合、大半の場合、弁護人においても、そういう事態になれば中止をし、あるいは停止をするということになろうかというふうに思っております。
 ただ、その場合においても、職員の権限について明文で規定しておくことが必要だ、こう考える次第でございます。実際の場合を考えましても、職員が、面会中の未決拘禁者の規律、秩序を害する行為を知った場合に直ちにこの行為を停止できないというのではやはり実務上適当ではない、こう考えているところでございます。
○細川委員 全くよくわかりませんね。だけれども、そういう場合は、弁護人の接見を一時停止というよりも、そもそも弁護人はやめるでしょう。接見しないんじゃないですか。
 そんな、ごくごくまれな例を出して、面会の一時停止をできるなんて、そういう権限を与えるなんというのはとんでもないことだと思いますよ。もう一回答えてください。
○小貫政府参考人 お答え申し上げます。
 若干私の説明が不十分だったかもしれませんので、さらに若干言葉を継ぎ足しながら御説明申し上げますと、刑事施設の職員が、未決拘禁者と弁護人との面会を一時停止すべきだ、こういう状況を認知した場合に、未決拘禁者の自傷行為を防止するなどして、重大な結果が生ずることを防ぐためにも、やはり直ちに一時停止の措置を講ずることができるというふうにしておくことが必要であると考えております。
 また、先ほどの繰り返しになりますけれども、通常はそのようなことはないと私は思いますけれども、弁護人が規律、秩序を害する行為に及ぶ場合も全く想定されないわけではなく、そのような場合には、弁護人の申し出を待つことは期待できない場合もあり得るだろう、こう思っております。
 したがいまして、未決拘禁者と弁護人との面会を一時停止すべき状況においては、弁護人が面会の一時停止の申し出を行うことを待つことなく、刑事施設の職員が直ちに面会を一時停止させるなどの適切な対応をとることができる、こうしておく必要があるものと考えているところでございます。
○細川委員 弁護人の規律違反について、先ほど一つの例を出されましたけれども、その件については、弁護士会の方は懲戒処分をきちっとしているわけでございまして、ちょっとよくわからないのは、遮へいされたところで規律違反をしているかどうかというようなことは、どういうふうにして監視というか認定するわけですか。ずっと見ているわけですか。
○小貫政府参考人 もとより、弁護人と未決拘禁者との面会において、その面会内容の秘密が保障されることは当然でございますし、それを尊重することもまた施設の責務だろうというふうには考えております。
 そのために、百十七条は、未決拘禁者と弁護人等との面会につきまして、発言内容に着目した制限をすることはできないものとして、第百十三条第一項第一号ロの、未決拘禁者または弁護人等が刑事施設の規律及び秩序を害する行為に及んだ場合にのみ、刑事施設の職員が、このような行為を制止し、またはその面会を一時停止させることができることとしているところでございます。
 実際の運用におきましても、未決拘禁者が弁護人等と面会する場合には、刑事施設の職員は、面会における会話内容を聴取しようとしたり、あるいはまた面会の状況を監視しようとするようなことはありません。
 面会室は、通常の大きさで話している声は聞こえない構造となっておりますが、しかしながら、拘置所の面会室は、通常、被留置人が立ち入りする側のドアにガラスがはめ込まれておりまして、そこから室内を見ることができる構造となっているのが通常でございます。したがいまして、例えば、他の面会のために被収容者を連行したり、非常事態の発生に備えまして面会室近くの待機場所に待機している刑務官が、ガラス越しに未決拘禁者や弁護人等の規律、秩序を害する行為を行っているのを認知することはあり得るところでございまして、そのような場合は、監督刑務官の指示に従いまして行為の停止を行うということになろうというふうに思います。
 先生御指摘のような、監視をするとか、そういったことは許されない行為というふうに考えているところでございます。
○細川委員 時間が来ましたから終わりますけれども、私は、弁護人の接見の一時停止の権限を留置担当者に認めるというようなことは全く必要ない条文だと思います。やはり憲法でもきちっと被疑者の人権というのも認められているわけですから、こんなあいまいで要領のよくわからないような説明しかできないような条項は、私は当然削除すべきだというふうに申し上げまして、質問を終わります。
○石原委員長 次に、高山智司君。
○高山委員 民主党の高山智司でございます。
 きのう、おかげさまで、政務官にも同行いただきまして、東京拘置所、また、四谷のいわゆる代用監獄でしょうか、警察署内の拘置所、こういったものも見学をさせていただきました。そういった中で、いわゆる代用監獄問題、警察の捜査の近くに留置をしておくと自白強要のおそれがあるんじゃないか、けしからぬじゃないかと、もうずっと、百年来言われてきたわけでございますけれども、実際、きのう見学させていただきますと、警察の方も、また刑務官の方も、随分きちっと丁寧にお仕事をされているなという印象は持ちました。
 しかし、やはり、いわゆる塀の外から、代用監獄内ではずっとこういう自白偏重の捜査が行われているんじゃないか、おかしいじゃないか、こういうことが言われている。
 こういう中で、確かに、国会などで大臣に聞いたりいたしますと、皆さん、いや、捜査と留置は完全に分離してきちんとやっております、今はこういう手法でやっているということをおっしゃるんですけれども、実際にその組織がどのように人を育てて評価しているのかということが、どういう方針でやっているのかというのが一番端的にあらわれてくる部分が、新人研修ですとかあるいは専門課程に進むときの研修の教材ですとか、マニュアル、カリキュラムといったようなもの、あるいは、仕事が、どのように人を評価する、こいつはよく頑張っている、よく頑張っていないというのをどう評価するかという勤務評定、こういったところに一番端的にあらわれてくるんじゃないかなというふうに思います。
 それで、きょうはまず、例えば、これはちょっと話がそれますけれども、日本政府が英語の教育を充実させなきゃいけないというのであれば、中学校、例えば週四こましか英語を教えていなかったら、これは少ないじゃないか、六こまにしたらどうですか、いや、八こま必要だ、しかも、その英語の内容だって、文法重視じゃなくて会話中心のをもっとふやしたらいいじゃないか、こういうような話を、取り調べのやり方あるいは刑務官の日常に関しまして、もうちょっと、塀の外からは人権感覚が足りないじゃないかとかいろいろ言われているわけですから、そこをどういう教育をしているかということを各省庁に伺いたいと思います。
 それで、まず、今回のこの未決拘禁者の法案に関しましてですけれども、これは、法務省と警察、そして海上保安庁、すべてにかかわることでございまして、それぞれ本当の現場の職員の方が一体どういう教育をされているのかということを伺いたいと思います。
 まず法務省に伺いたいと思うんですけれども、法務省の、新人教育というか刑務官の研修の中で、全部でどういう教育をなさっているのか。全部のカリキュラムが、何時間中、刑事訴訟法だとか憲法だとか、こういう人権に大体どのぐらいの時間数を割いているのかということを大臣の方からまず御答弁願えますでしょうか。
○杉浦国務大臣 高山委員の御質問にお答えする前に、細川先生、質問がなかったものですから答えられなかったんですが、ちょっと補足を……(発言する者あり)
 では、まずお答えをした上で。
 刑務官には、被収容者の人権に関する理解を深めさせなきゃならない。並びに、被収容者の処遇を適正かつ効果的に行うために、必要な知識及び技能を習得させ、また向上させなければなりません。そのために必要な研修及び訓練を行うこととされております。詳細については副大臣の方から話してもらいますが。
 そこで、細川先生にちょっと一言だけ言わせていただきますが、あの条項は、要するに一時停止の条項は、もうめったに、ほとんどないと言っていいぐらいの事態だと思います。ただ、弁護人にもありましたし、あの方は後にはこれで懲戒になりましたが、また、収容者が騒いだのも、そういうことがあったわけですから、そういうことが起こった場合にどうできるかという念のための規定を設けないと法律としては不備だということで設けられたと私は理解いたしております。
 私も接見に何回も、小菅に何百回と行っていますが、窓があると知らなかったんですが、収容者の後ろに、ガラスのはまった小さな窓があるらしいですね。そこは、通るたびに、そこから見れば中が見えるというだけのことで、ガラスがはまっていて音も聞こえないし、監視のためのものではないようでございまして、先生のような御懸念はまずないんじゃないかというふうに思っております。
○河野副大臣 研修内容の詳細についてお答えをさせていただきたいと思います。
 研修内容の具体例といたしましては、憲法、行刑法などの基礎科目のほか、人権問題研修、福祉施設実習、矯正護身術、集団行動訓練、さらに戒具や武器の使用法などの科目を研修しているところであります。
 また、刑務官が相手の立場に立って考え、対話により相手を説得するなど冷静な対応ができる能力を習得させるとの観点から、民間プログラムによる人権研修を新たに導入し、実務に即した行動科学的な技法を取り入れた研修に取り組むとともに、刑務官が被収容者の立場に立って感じ、考える機会を与えるとの観点から、行刑施設内で日々起こるさまざまな事象をもとにしたロールプレーイングや事例研究を実施するなど、人権教育の充実にも努めております。
 主な初等科研修、新採用職員の研修でございますが、三カ月の集合研修、合計四百八時間でございます。その中の主なカリキュラムの研修時間を申し上げますと、まず憲法が十四時間、行刑法五十六時間、人権問題研修四時間、福祉施設における実習八時間、矯正護身術三十六時間、集団行動訓練三十四時間、戒具使用法などの実習が十八時間ということになっております。
○高山委員 今、副大臣は恐らく、これが人権に配慮したような部分だということで言われたんだと思うんですけれども、そこはちょっと私の解釈と多少争いはあるんですけれども、では、まず、法務省は四百八時間中これだけやられているということで、あと、今回、海上保安庁も関係がありますので、海上保安庁の方では一体どういう教育カリキュラムを組んでいるのか。その中で、被逮捕者あるいは被収容者に対してどういう配慮をなす部分が何時間とられているのか。これは全体何時間で、そこがどのぐらいの割合であるということを副大臣から御答弁願えますか。
○松村副大臣 お答えいたします。
 海上保安庁は、御承知のように、出入国管理関係あるいは漁業関係等の逮捕者を検挙するわけでございますが、そういうこともありまして、海上保安大学校また海上保安学校におきまして、人権について、入庁時、採用時にしっかりした教育を行っております。
 海上保安大学校は、高校卒業という資格で四年間の教育をしておりまして、授業総時間は三千時間でありますが、法学六十時間、憲法三十時間、刑法六十時間、刑事訴訟法六十時間、海上犯罪捜査論三十時間、犯罪捜査論演習六十時間ということで、広く含めれば人権関係で三百時間、約一割の時間を割いております。
 海上保安学校は一年間の研修でありますが、授業時間千時間中、同様に、憲法を含めた法学概要が十五時間、刑法五十時間、刑事訴訟法二十時間、実務的な海上警察は百から百二十時間ということで、二百時間の教育をして、戦後の憲法、刑事訴訟法の体系に基づきます人権教育をしっかり行っております。
○高山委員 それでは、次が一番問題になるところなんですけれども、まさに、警察できちんと捜査と留置を分けているのか、あるいは、捜査をする上で、この人はまだ犯罪者と決定したわけじゃないんだぞ、被疑者の地位にある人なんだということを考慮しながらどれだけの捜査官の方がやられているかということで、これは警察の責任を持って答えられる方は官房長ですか、では、官房長にお願いします。
○安藤政府参考人 お答えいたします。
 まず、新たに採用されました警察官に対しましては、これは都道府県警察学校におきまして、二つありまして、短期課程、これは大卒対象で、八カ月で一千二百九十六時間行っておるわけですが、この中では憲法、刑訴法等の法学が六十八時間、加えまして、捜査に関する二百八時間の授業の中で行っておりますし、また、長期課程というのは大卒以外の者を対象として、十三カ月、二千五十六時間の教育でありますが、この中では法学の関係で百三十二時間と、捜査に関しまして、三百六時間の授業の中で、それぞれ各授業項目の中で適正捜査及び適正処遇について教育を行っております。
 もう一つ、これとは別に、新たに刑事部門に任用される警察官に対しまして、これがまた非常に重要な教育になるわけでありますが、これにつきましては、百八十二時間の全課程のうち、基本実務が十時間、捜査手続等の捜査実務百四時間、各種事件捜査の専門実務四十八時間のそれぞれの授業の中で、適正捜査及び適正処遇に関する教育を行っております。とりわけ、刑事任用科におきましては、やはり適正かつ緻密な捜査を第一義としまして、供述の任意性の確保とか客観的な証拠による裏づけ捜査の徹底等、そこを重点に教育を行っております。
 全体として適正捜査に関する教育が十分行われているものと認識しております。
○高山委員 今の警察庁の方のお答えですと、私も、これはきのういただきまして見ました。確かに、しかも今のお答えだと、刑事課程に進まれる方は百八十二時間のうち、これは足したらほとんどの時間は人権教育をやっているというような感じにはなるんですけれども、実際問題、刑事経験者の方とかに聞いたら、オン・ザ・ジョブ・トレーニングも何カ月かあって、その前に研修期間、座学があって、オン・ザ・ジョブ・トレーニングがあって、そういう長い研修である、一年ぐらいあると。オン・ザ・ジョブ・トレーニングに関しては、先輩刑事について回れという感じで回るんだと。
 そうしますと、これは一見、この座学の時間では百八十二時間中、ほとんど九〇%ぐらい、そういう法律等の手続の勉強をしているということにはなりますけれども、実際の取り調べの際、ついて見ていろ、あるいは、こうやって、落とすというと言葉はあれですけれども、自白をさせるんだというようなことは、では、この座学の中で特に教えているということではなくて、オン・ザ・ジョブ・トレーニングの中で教えているんですか、そういう捜査手法というんでしょうか。
 これは、公表できるものと公表できないものがもちろんあると思うんですね。こういう手法で捜査しているんだということになっちゃうと、それこそ暴力団だなんだが入手しますから。ですから、どこでそういうことを教えているのかなと。全く教えないで、ただ徒弟制度で背中についてこいということで、いまだに「太陽にほえろ!」方式でやられているのか。それとも、もう今、サラリーマン化した「踊る大捜査線」方式で、きちんとマニュアルがあって教えているのか。この辺をもう一度官房長に伺いたいと思います。
○安藤政府参考人 お答えいたします。
 最初に警察学校へ入った初任科では、これは卒業しますと御案内のとおり地域警察官ということで交番勤務になりますが、そこで必要な捜査実務というものについて教育をいたしますが、もう一つは、先ほど申しましたように、刑事任用科というか、新たに刑事になるということでありますので、この部分はやはりオン・ザ・ジョブ・トレーニングという前に、前提として、これはプロフェッショナルな刑事を育てなきゃいけませんので、基本的な捜査手続というもの、あるいは捜査書類の作成とか、捜査の基本的な手法といいますか、そういうものは当然教えて一人前にする。その上で、やはり現場でもさらに先輩から、もう少し、座学では得られないいろいろなノウハウを伝授する、こういう形になる。補完的なものだと思います。
○高山委員 そこをもう少し詳しく伺いたいんですけれども、刑事になられる方、これがまさに捜査にかかわるわけですね。それで、いわゆる代用監獄で取り調べで、問題じゃないか、自白強要があったじゃないか、冤罪じゃないか、こうなるとき、大抵その刑事の方が思い余ってといいますか、つい長く取り調べちゃったとか、そういうことから、多分仕事熱心な余りきていることだと思うんです。
 今官房長から伺いました刑事課程に進む人、座学百八十二時間ということですけれども、これが多いか少ないかは、これはちょっと政治家の判断ですので、国家公安委員長や責任ある大臣の方に聞かなきゃわかりませんけれども、それ以外の、オン・ザ・ジョブ・トレーニングのときに、研修用のマニュアルですとか引き継ぎするときのペーパー、こういうものは何かつくっているんですか。
○安藤政府参考人 私、担当ではございませんので、突然の質問でありますけれども、そうしたものはつくっていなくて、先ほど言いましたように刑事任用科で、もちろん、そこで教えるときにきちっと教えまして、その上で、現場でいろいろな先輩からいろいろ伝授されるということではないかと思います。
○高山委員 いや、官房長、担当ではないということはないと思いますよ。官房長で、今責任ある立場で来ているわけですから。
 それで、私はきのうから、このカリキュラムとあと勤務評定、後から聞こうと思っていましたけれども、勤務評定をどういう基準でやられているのか、出せるものと出せないものはあると思うけれども、そういう捜査のやり方だとか自白をどうしろとか、調書をどういうふうにとるかとか、こういうのを何か徒弟制度で教えているんじゃなくて、きちんとマニュアル化して教えているんでしょう、出せるものがあったら出してくださいねと。もちろん、捜査の機密にかかわることですから、出せなければ結構ですよという話をきのうからしているので、どういうやり方をやっているまで今聞いているわけじゃないんですよ。
 そのオン・ザ・ジョブ・トレーニングのときに、その研修期間に、単に先輩刑事が、よし、おまえ、とにかくおれについてこい、見て学べというのではなくて、こういう方法で、例えば調書をとるときはこうですよとか、自白はこういうふうにやるんですよとか、こういうところに捜査のポイントがあるから、尾行するときはこうだ、気をつけろと。まず伺いたいんですけれども、そういう何かマニュアルみたいなものというのはないんですか、オン・ザ・ジョブ・トレーニングのときの。
 各々県警等、あるいは警察庁の方でそういうものをまずつくってはいないんですかということを聞いているんです。
○安藤政府参考人 今、先生のいろいろ資料要求について、私必ずしも詳細に承知していなくて申しわけなかったんですけれども、そこは県によって多少差があったり、つくっている場合もあるかもしれませんが、ちょっと今、お答えするだけの材料を私持っておりませんので、また調査をさせます。
○高山委員 今官房長の答弁ですと、そういう捜査マニュアルみたいなものをつくっているところもあるかもしれないけれども、詳細はわからないということですけれども、いわゆる捜査のやり方ですとか、こうやって供述をとるんだぞとか、尾行はこうだとか、こういうところは捜査の端緒になるんだ、これはもう各県ばらばらですか。警察庁の方で、こうだという指導は全くしていないんですか。
○安藤政府参考人 刑事任用科という、刑事になるプロフェッショナル集団を育てるところは、もちろん全国同じ高いレベルに達しなきゃいけませんので、そこでは、警察庁の方からある程度指導要領みたいなものは当然行っていると思いますが、その現場のオン・ザ・ジョブ・トレーニングでどうかというところは、ちょっと私、詳細に承知しませんので、先ほどのような答弁をいたしたわけです。
○高山委員 いや、官房長、私が伺っていますのは、特に今、これは脈絡が、未決拘禁者の自白の強要につながっているんじゃないかみたいな、こういう疑いがあるわけですよね。そうじゃないんだ、警察もきちんとやっていますという話で、座学で百八十二時間はいろいろ憲法や刑訴法やら学ぶ、これはわかりました。
 それで、その後、オン・ザ・ジョブ・トレーニングで実際にやるときに、おまえ、こういうところは気をつけなきゃいけないぞ、そういう、どんと机をたたいたりだとか、カツどん食うかとか、今はこういうのはもうだめだと。例えばそういうことを全国レベルで標準化して、こういう研修方針でオン・ザ・ジョブ・トレーニングというのはやってください、そういうことは一切今やられていないんですか。それを今出せと言っているんじゃないんですよ。そういうことを今やっているかどうかということを聞いているんです。
○安藤政府参考人 全国的にそういうものを警察庁から指示といいますか、資料を作成して出しているというのは、ちょっと承知しておりません。
 刑事任用科の課程では、先ほどの繰り返しになりますが、そういう被疑者の処遇とか捜査のあり方とか、そういうことをきちっとそこでは教えております。
○高山委員 それで、きょう私、資料提出をさせていただいたものなんですけれども、これは今週発売の週刊誌ですけれども、これに、警察はここまでやっているんだ、捜査対象者の車に発信機をつけたり、何と自白強要マニュアル、こういうのまで警察の方でつくっているんだと。これが、いわゆるウィニーによる流出で警察官の私物パソコンから出てきていると。
 それで、この週刊誌報道によればですけれども、自供させるまで部屋から出すなとか、取り調べ室に入ったら自供させるまで出るな、被疑者の言うことが正しいのではないかという疑問を持ったり、調べが行き詰まると逃げたくなるが、そのとき調べ室から出たら負けだと。あるいは、否認被疑者は朝から晩まで取り調べ室に出して調べよ、被疑者を弱らせる意味もあると。例えばこんなようなマニュアルがウィニーによって流出している、こういう週刊誌報道があるわけです。
 これは官房長に伺いますけれども、例えばこういうようなオン・ザ・ジョブ・トレーニングで、昔ながらの徒弟制度で、それこそどんと机をたたいてやるようなやり方で、いまだにこういうことが続いちゃっているということですか。これは週刊誌報道ですので真偽のほどはわかりませんが、信憑性の高い、私は信頼できる週刊誌だなと思って、きょうは質問させていただいております。
 官房長に伺いますけれども、こういうようなマニュアルというのは一般的なものなんですか。
○安藤政府参考人 警察は、昭和五十五年から、先ほど来御案内のとおり捜留分離ということで、被疑者の人権に配慮して捜査を行うということを徹底してまいったわけであります。したがいまして、被疑者の取り調べを行うに当たりまして、個人の基本的人権を侵害することのないよう十分配慮をしております。この点につきましては、警察庁はもちろん、全国警察においても従来から指導教育を徹底しておりますので、こうしたものを出しているということは承知しておりません。
 今御指摘の愛媛のウィニー問題については、現在その調査を行っている最中でございますが、そうしたものを警察庁が作成するということは承知しておりません。
○高山委員 今の官房長の御答弁ですと、警察庁がつくったマニュアルではないけれども、愛媛県警なりがこういうマニュアルをつくっている可能性はちょっと否定できない、現段階では、こういうことでよろしいですか。
○安藤政府参考人 ちょっと舌足らずでございました。警察庁及び各都道府県警察がそういうものを組織的につくっているということは承知しておりません。
○高山委員 そうしますと、きょう私が資料として提出させていただきましたこの週刊誌報道によればですけれども、ウィニーによって愛媛県警からこういう捜査マニュアルが出ていると。では、この流出している捜査マニュアルというのは本物ではない、そういう認識でよろしいんでしょうか。これはにせものなんだ、こういうことでしょうか。
○安藤政府参考人 先ほども申し上げましたが、これは現在捜査中であります。愛媛県警において調査中でありますが、この流出した資料の具体的内容を明らかにするということは、やはり資料の検索を容易にして、情報の拡散を招くおそれがございます。また、ネット上に流出した情報の真偽を認めることにつながると考えておりまして、答弁は差し控えたいと思います。
○高山委員 ウィニーのことを聞くと必ず、今答弁をすると検索を容易にと言うんですけれども、ウィニーは、キーワードを入れればばあっと出てくるのであって、内容が正しい、間違っているは関係ないんですよ。こういうファイルが今ネット上にあることはもう争いのない事実で、その検索を容易にするのは、例えば、このファイルが愛媛県警から出たとか、あるいは自衛隊の何とかという駆逐艦のものだとか、そこを例えば国会で言えば検索は容易になりますけれども、もう週刊誌にこれは出ていて、やる人はやっていますよ。
 だから、私は、この真偽のほどを今聞きたかったんです。それはなぜかと言えば、もしこういう自白強要マニュアルみたいなものがいまだに使われているとすれば、これは、今審議中のいわゆる代用監獄問題、やはり代用監獄というのはかなり危険なものだなというふうに断ぜざるを得ませんので、これが本物かどうかというのはすごく大事なことなんですけれども、官房長は、捜査中であり、これは完全なにせものだと断言はできないというような御答弁でしたので、この質問はもう終わります。
 あと私が伺いたかったのは、どういう人がその組織で偉くなっていくかという勤務評定でございます。
 勤務評定をするときに、例えば警察であれば、あいつはもう自白を何本もとってきたから偉い、こういうことで評価されるのであれば当然みんなそっちに行っちゃうでしょうし、だから、一体どういうことで評価をしているのですかと。きのう、その評価方法を教えてくださいということを言いましたら、割合漠然とした評価、責任感が強いとかそういうのが多かったものですから、そこはちょっと私としては、一体これからどういう捜査方法が評価されるべきなのかというところで、もう少し、余り人権教育をして、捜査が物すごくおろそかになるということがあってはいけないのかもしれませんけれども、本来法律をつくるときには、そういう暴走しそうな部分に関しては、おまえ、そういうふうにすると評価が下がるぞというようにして、評価方法も考えていただければというふうには思っております。
 それでは、ちょっと質問はかわりまして、きのう、せっかく東京拘置所ですとか行刑施設を見学させていただきました。その中で、政務官と一緒に見に行きましたら、拘置所で領置した漫画本ですとかTシャツとかそういうものを、ここは民間委託なんですというふうに現場の方がおっしゃっていて、えっ、これまで民間委託しちゃっているの、杉浦大臣になる前からなのか知りませんけれども、随分頑張っているなと。この間の行革特ではすっかり抵抗勢力の役割を演じていた法務大臣ですけれども、まず、私はこれから、行革特でもちょっと答弁の食い違いが見られましたので、はっきり伺っておきたいんです。
 行革法で、公権力を行使する刑務官を除くと括弧書きで書いてあるんですけれども、まさにその部分が、じゃ、一体どういうところなのかというのがはっきりしないと、これは公権力なんですよといって広がっていくおそれもあるし、逆に、あんな領置のところの部分が、これを民間に委託しちゃっていいのかなというようなものまで委託しちゃっているということですので、まずこれは大臣に伺いたいんです。
 いわゆる刑務官といっても、経理みたいなことをやっている人もいるでしょうし、いろいろな仕事があると思うんです。だから、その身分によって区切ることはできない。ですから、公権力の行使ということをはっきり、これだという確定した基準を出してください。後はそれを当てはめればいいと思いますので、大臣、お願いします。
○杉浦国務大臣 公権力の行使につきましては、行政事件訴訟法や行政不服審査法等に規定されております。一般に、公権力の主体である国または地方公共団体が行う行為のうち、その行為によって直接国民の権利義務を形成し、またその範囲を確定することが法律上認められているものとされております。
 ところで、行刑施設におきましては、収容の目的を達成するために被収容者に対し処分等を行う権力的な事務から、給食、洗濯、清掃などの非権力的な事務まで、幅広い事務を行っております。これらの事務のうち、被収容者の身体や財産を直接侵害する実力行使や、被収容者に対して直接に義務を課し、また権利を制限する処分等を伴う事務、刑務官等が行う処分等に当たる事務の準備行為またはその執行として行われる事実行為が公権力の行使に該当すると考えられます。
 詳細については副大臣から言ってもらいましょうか。
○石原委員長 どなたが答弁されますか。
 小貫矯正局長。
○小貫政府参考人 定義につきましては、今大臣が御答弁されたとおりだと思います。
 私の方から、例えばということで、何例か挙げて説明させていただきたいと思います。
 まず、刑事施設の長が行うものといたしましては、保管私物等の保管方法の制限、領置金の使用の許否の処分、あるいは差し入れ等に関する制限、面会の許否、方法の制限、信書発受の禁止または制限、さらには典型的には懲罰の賦課、こういったものが公権力の行使に当たる。施設の長だけではなくて、指定する職員が行うものとしては、受刑者に対する信書の検査等があるだろうというふうに思います。
 刑務官が行うものとしては、身体に直接影響を及ぼす識別のための身体検査、あるいは身体、所持品等の検査、被収容者に対する静止等の措置、捕縄、手錠及び拘束衣の使用、さらには保護室への収容、武器の使用といったものが考え得るところでございます。
○高山委員 今聞きましたとおり、それは確かに言うとおり、公権力の行使はそこなんだろうと思います。しかし、民間委託するとなると、まさに人一人が、この人は民間人、この人は公務員とすぱっと分けなきゃいけませんので、これはなかなか難しい問題をはらんでいるなと思います。そして、きのうも見学させていただきまして、いっぱい疑問点もわいてまいりましたので、これはちょっと慎重に審議してからこの法案はかからなきゃいけないなというふうに思いましたが、私の質疑時間が来ましたので、きょうは終わります。
○石原委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時三十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十分開議
○石原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。枝野幸男君。
○枝野委員 民主党の枝野でございます。
 まず最初に、午前中の細川議員の質問にもありました、被疑者と弁護士との面会における一時停止の措置について、さらに突っ込んで聞きたいと思いますが、改めて伺います。
 百十三条一項一号ロということになるんでしょうか。弁護人との面会において行為もしくは発言を制止する場合というのは、具体的にどういう場合を想定しているのか、改めて法務大臣と国家公安委員長に伺います。
○河野副大臣 法案の百十七条は、未決拘禁者と弁護人との面会について、発言内容に着目した制限をすることはできないものとし、百十三条一項一号ロの未決拘禁者または弁護人等が刑事施設の規律及び秩序を害する行為に及んだ場合にのみ、刑事施設の職員がこのような行為を制止し、またはその面会を一時停止させることができることとしているところであります。
 法案第百十七条の刑事施設の規律及び秩序を害する行為としては、例えば、弁護人と面会中の被告人が弁護人の言動に激高し、面会室の遮へいスクリーンの通話孔部分をけりつけた上、こぶしで殴りつけて、アクリル製通話孔もろとも網入りガラス製遮断スクリーンをたたき割ったという事例が発生しております。また、弁護人が接見室内に携帯電話を持ち込み、接見禁止中の被疑者に、接見室の仕切り板越しに被疑者の母親と携帯電話で会話させた事例もあると承知しております。
○沓掛国務大臣 今法務副大臣が言われた趣旨と同様でございますが、弁護人等との面会でありましても、例えば被留置者が暴れた場合等においては、施設の規律及び秩序の維持の観点から面会を停止すべきことがあり得ると考えております。
 なお、留置施設においては、弁護人面会中の面会室の中を監視したりするなど、弁護人面会の秘密性を損なうと誤解されるようなことを行わないよう指導しているところであります。
○枝野委員 では、法務省に聞きましょう。
 今のような刑事施設の規律及び秩序を害するような行為に当たるのかどうかという判断はだれがするんですか。
○河野副大臣 未決拘禁者と弁護人との面会において、その面会内容の秘密が保障されることは当然であり、それゆえに、第百十七条は、未決拘禁者と弁護人等との面会について、発言内容に着目した制限をすることはできないものとし、第百十三条一項一号ロの未決拘禁者または弁護人等が刑事施設の規律及び秩序を害する行為に及んだ場合にのみ、刑事施設の職員がこのような行為を制止し、またその面会を一時停止させることができることとしているところです。
 運用においても、未決拘禁者が弁護人等と面会する場合には、刑事施設の職員は、面会における会話内容を聴取しようとしたり面会の状況を監視しようとすることはありません。
 拘置所の面会室は、室内で通常の大きさの声で話している声は聞こえない構造になっています。しかしながら、拘置所の面会室は、通常、被留置者が立ち入りする側のドアにガラスがはめ込まれ、そこから室内を見ることができる構造になっています。したがって、面会のために被収容者を連行したり、非常事態の発生に備えて面会室近くの待機場所に待機している刑務官が、そのガラス越しに未決拘禁者や弁護人等が規律、秩序を害する行為を行っているのを認知することはあり得ることであり、そのような場合、監督者である刑務官の指示に従ってその行為の停止等を行うことになります。
○枝野委員 そうすると、偶然そのガラスからのぞいて見つかったら制止をするけれども、見つからなかったら、特に規律、秩序を害する行為が行われても仕方がない、こういう法律ですね。
○河野副大臣 先ほど申し上げました、例えば携帯電話を使って被疑者の母親と通話をさせたということも、後からわかったことでございますので、弁護人との接見の秘密が守られなければいけない以上、そのガラス越しにたまたま見えて、規律を害する行為があれば、それは制止をしなければならないと思いますが、一〇〇%そうしたことが制止できるかといえば、そうではないんだろうと思います。
○枝野委員 最初に例を挙げられた二つ、つまり、被拘束者が中で暴れたような話と、それからもう一つ、今も例を挙げられた、弁護人が例えば携帯電話で話をさせたみたいな話と、これは二種類あると思うんですね。
 一種類目は、こんな規定を置かなくたって、弁護人が暴れていれば、むしろ看守さんを呼んで、そこで事実上面会はストップするということなんで、こんな規定は要らないと思うんですが、まずその点について確認したい。
○河野副大臣 刑事施設の職員としては、未決拘禁者と弁護人との面会を一時停止するべき状況を認知した場合には、直ちに一時停止等の措置を講ずることができるものとする必要があると思います。そうしたために法的な措置を置いておく必要があると思います。
○枝野委員 今の答弁は先ほどの話とずれますよ。つまり、一時停止をすべきような状況があったらすぐにできるようにしなきゃならないんだったら、逆にずっとのぞいておかなきゃいけない、こういう話になりませんか。
○杉浦国務大臣 先ほど、細川委員の質問に対して補足で申し上げたのですが、この条項を発動して刑務官が制止する例というのは、一〇〇%ないとは言えないと思うんですが、まあ、弁護士との関係ではほとんどあり得ないことだと思います。
 ただ、この条項を設けておきませんと、二例ほど副大臣が話した例は極端な例ですけれども、そういうことが起こった場合に制止できないということになりますから、この条項を設けたのが趣旨であろうと思っております。
 先生御案内のとおり、接見室の後ろに、被勾留者が入ってくるドアに、こういう小さい窓があいていますね。ですから……(枝野委員「質問に答えていないですよ。私は今、副大臣の答弁に対して、それだったら先ほどの話との関係はどうなるのかと聞いているんですよ」と呼ぶ)
 ですから、こういう規定を設けてあるからといって、わざわざのぞき見たり耳を立てて聞くというようなことはできない構造になっておりますし、そういうことはさせない指導をいたしておるところであります。
○枝野委員 今の答えになっていないですよ。河野副大臣は最初に、いや、たまたま見つけたときだけのためにあるんだという趣旨のことをおっしゃった。ところが、今の答弁では、一時停止をしなきゃならない状況になったらすぐにできるようにしておかなきゃならない。どっちなんですか。一時停止をしなきゃならないような状況を把握する責任が刑務官にはあるのかないのか、それをはっきりさせてください。
○河野副大臣 例えば未決拘禁者が自傷行為を行っているような場合には、大きな音も出るでしょうから、そうした場合には把握ができると思いますし、そうした場合には、弁護人の方からも恐らく声もかかるだろうと思います。弁護人が携帯電話を使わせようとしているような場合には、これはわからないわけですから、たまたま把握をした場合にのみ、とめることができるわけであります。
○枝野委員 まず、弁護人はそういうことをしちゃいけないという義務を負っていますよね。そうですよね。もちろん、一例として義務に反した例もあるということです。それはそのとおりです。だからといって、こういう規定が必要であるんだとすれば、例えば取り調べの可視化を認めないと論理矛盾になりますね。違いますか。
○河野副大臣 取り調べの可視化と矛盾するとは思いません。
○枝野委員 いいですか、では丁寧に説明しましょう。
 いいですか。弁護士も、広い意味で法のもとの責任を負って、そして、その刑事手続の一環である面接交渉の場において、違法な行為をすれば弁護士会の懲戒という行政処分を受けるということでその正当性が担保されているんです。
 ところが、もちろん人間ですから、何百万件の中には一件ぐらい違法な行為があります。捜査官の皆さんも、検察庁法とか、あるいは刑事訴訟法その他の法律に基づいて、大部分の方はきちっと適法に捜査を行っているでしょうが、現に、取り調べの現場で違法な取り調べが行われていることもたくさんあるわけです。それに対して、ではどういう手当てを打っているのかと。
 違法な取り調べがあったときには、それはもちろん行政的に、当該公務員の処分をするということでしっかり担保をする、あるいは指導監督をちゃんとするということで担保しているんです。だけれども、それはちゃんと第三者の目のチェックをしないといけないじゃないかということで、取り調べの可視化ということで、テープにちゃんと撮っておいてチェックできるようにしろと言っているわけです。
 検察官や捜査官については、いや、自分たちでちゃんと内部規律でできるんだからそんなもの必要ないと言って可視化の話に前向きに行かないのに、何で弁護士の方だけは、のぞいて、そこでとめなきゃならないだなんて制度が要るんですか。ちゃんと弁護士会の懲罰という行政処分があるんですから、もし現認したら、その現認したことをしっかりと記録をして、そのことを弁護士会に申し立てて、当該弁護士を懲戒処分すれば済むだけの話じゃないですか。
○河野副大臣 この百十七条の規定は、第百十三条一項一号ロの、未決拘禁者または弁護人が刑事施設の規律及び秩序を害する行為に及んだ場合にのみ、こうした行為を制止する、その規定でありまして、刑事訴訟法全体に関する規定ではありません。(発言する者あり)
○杉浦国務大臣 取り調べの可視化は、捜査に関することでございますし……(発言する者あり)
○石原委員長 ただいま大臣の答弁中でございます。御静粛に願います。
○杉浦国務大臣 この弁護士の接見交通の問題とは違うと思うんですね。弁護士の部分を除いてもいいんじゃないかというのは、御意見としてはあり得ると思うんですけれども、事後やればいいんじゃないかと。けれども、一件そういうことがあったわけですし、めったに、一〇〇%ないと言い切ってもいいかもしれませんが、しかし、そういう事例があった以上、そういう秩序維持のために制止することができるという条項は設けるのが適切じゃないかと私は思っております。
○枝野委員 だからアンフェアだと申し上げているんですよ。だったら、いいですよ、この規定を置くんだったら、そのかわり、弁護人に取り調べの一時停止権を認めてくださいよ。それなら対等ですよ、話わかりますよ。取り調べという無罪推定の被疑者に対して、検察捜査当局は完全な密室のところで取り調べができるわけです。それに対する防御権を行使するために、短い時間しかない中で、そこで面接交渉をして、そこで防御権行使のための準備をしていることについてはのぞき見をされるという話になるわけです。フェアにしてください。
 だから、取り調べの部屋のところにちっちゃな窓をつくって、そこの周りを弁護士がうろうろしていてよくて、そこでおかしなことがあったらとめるという権利を弁護士に認めるんだったら、この法律、理屈がわかります。だけれども、明らかにアンフェアじゃないですか。
○杉浦国務大臣 先生、わかった上でおっしゃっていると思うんですけれども、取り調べの可視化は、これはこれで検討すると申し上げておりますし、いたしてもおるわけなんですが、これは、弁護士の接見交通にかかわる秩序の問題でございますので、ちょっと、こっちをあれするからこっちをどうしようということはいかがなものでしょうか。
○枝野委員 片方は人権の問題ですよ。いや、だって、一件だけ、その携帯電話で、つまり接見交通の趣旨に反するようなことをやって処分された弁護士が一件だけある。だけれども、捜査のときの違法な取り調べはあまたあるじゃないですか。そういうことをとめるための手順を与えてくださいよ、弁護側にも。だったら公平ですよ。携帯電話を使ったって言ったけれども、母親にでしょう。違法性の程度はどっちが強いんですか、違法な取り調べと。その違法な取り調べをとめる権限を与えないでこちらにだけやるというのは、明らかに不十分だと。
 それは、そんなもの許してしまえと言っているんじゃないですよ。現認できるんだったら、現認できて一時停止ができるような状況だったら、そのことで弁護士会の懲戒処分という行政処分で、しっかりとその弁護士を排除できるんですよ。何でこんなアンフェアなことをやらなきゃいけないんだと聞いているんですよ。
○杉浦国務大臣 めったにない、ほとんどあり得ない話だと言っていいと思うんですけれども、たまたま窓があります。横二十五センチ、縦十センチぐらいですかね。私は接見に何百回も行っていますが、気がついたことはないんですが、たまたま通りかかった刑務官がその窓から、例えば携帯電話でやっているのを見てしまった場合どうするかという問題でございます。
 この条項の適否については、これは法案でございますので、国会で御審議いただいて、不適切だ、除けということであれば、国会の御意思に従う。当然でございますけれども、私どもとしては、秩序維持に関することですから、入れた方がいいというふうに判断しておるわけでございます。
○枝野委員 法務大臣と国家公安委員長の両方に聞きますが、刑事施設の職員は、刑事施設の規律及び秩序を害する行為を阻止する公務員としての責任を負っているんじゃないですか。簡単に、両方お答えください。
○杉浦国務大臣 そのとおりでございます。
○沓掛国務大臣 そのような責任を負っております。
○枝野委員 そのような責任を負っていて、百十七条のような停止のための権限を与えられていれば、ちゃんと末端まで法律の趣旨を徹底させるということの相当の担保がなければ、だって、当該公務員は刑事施設の規律及び秩序を害する行為をさせないような責任を負っているんです。そして、それについて一時停止をさせる権限も持っているんですよ。責任も権限もありながら、ああ、気がつきませんでしたというわけには、公務員の立場としてならなくなるんです。だから、こんな規定を置いちゃいけないと言っているんです。責任があるんですから。
 だから、たまたま見つけたときですと皆さんはおっしゃる。だけれども、当該刑事施設の職員、拘置所の職員の立場から見れば、もともと、この秩序を維持する責任を負っていて、そして秩序を害する行為があったら、弁護人との接見の場合であっても停止ができるという権限を与えられている。自分がその権限を与えられているのに、結果的に規律、秩序を害する行為を見逃しているということになったら、自分の責任は果たせませんね、こういうことに現場の人間はなるんじゃないですか。お二人に伺います。
○杉浦国務大臣 刑務官等の責任の範囲内で、例えば弁護士と被収容者が秘密交通を行っているのをウオッチする立場にいるわけでありますが、たまたまそういう状況の中でそういう事実を認知した場合にどうすることができるかという、これはその規定でございますので、一般的な責任と、その責任をどうやって果たすか、弁護士の秘密交通権を十全に担保しながらどう果たすかということを定めた一条でございますので、私は、先生のおっしゃることと矛盾するとは思っておりません。
○沓掛国務大臣 お答えいたします。
 弁護人等との面会に当たりましては、例えば、先ほども説明がございましたが、被留置者が暴れた場合等においては、施設の規律及び秩序の維持の観点から面会を停止すべきことがあり得ると考えておりますが、なお、留置施設においては、弁護人面会中の面会室の中を監視したりするなど、弁護人面会の秘密性を損なうと誤解されるようなことを行わないよう指導しているところであります。
 包括的にはいろいろあるにしても、やはりこの問題についての、こういう場合にはちゃんと中止させるということの規定は必要だというふうに私は思っております。
○枝野委員 例えば、拘置所の警察官は、逮捕、勾留されて拘置所にいる被疑者が外部の人と携帯電話なんかで勝手に話したりしないようにする責任を負っているんじゃないですか。
○沓掛国務大臣 それは、当然そういうものは持っております。ここでは今二つの例がありますが、その間にはいろいろな例もあると思いますから、そういう場合には、適切に一時停止するように規定を設けておくことも必要だというふうに思います。
○枝野委員 現場の警察官、特に人を勾留している人たちは、まさにここに書いてある規律、秩序を守る、守らせる責任があるわけですよね。携帯電話で外部の人と勝手に話をしたりしないようにさせる責任があるんですよね。そして、弁護人と接見をしているところに、もしかすると弁護人が勝手にそこで携帯電話を渡して話をさせるかもしれないという可能性があるということをこの法案提出者の皆さんは認めていらっしゃるんです。私が現場の捜査官だったら、法に反しないぎりぎりの線で窓からのぞき続けないと自分の責任を果たせないと思いますけれども、その責任を果たさなくていいんですか。
 片方では、そういうことをさせちゃいけない。例えば、弁護人を通じてでも携帯電話で外部と交渉させちゃいけないという責任を皆さんは現場の警察官や刑務官に負わしているわけですよ。一方で、ちらちらのぞき見しちゃいけませんということは、どこにも書いていないんですよ。ちらちらずっとのぞき見をしておいて、そんなことが起こらないようにする責任を現場の刑務官や警察官は負っていると考えるのが当たり前じゃないですか。
○杉浦国務大臣 そのガラス越しにちらちら見る行為というのは、弁護士の秘密交通権に影響を与える行為でございますから、厳重に禁止しておりますし、そういうことはやっちゃいけないと指導もいたしております。
 たまたま通りすがりに見ることは、あり得ない話ではございません。
○枝野委員 今のちらちらのぞいちゃいけないというのは、どういう根拠に基づいて、どういうふうに指導しているのか、具体的に言ってください。
○杉浦国務大臣 私は、弁護士で何百回と小菅へ行っておりますが、その窓の存在も気がつかないほどでございました。
 弁護士と被疑者は、だれの目も届かないところで本当に真実について話し合う、被疑者の意思も聞く、それに影響を与えるような行為は絶対にさせてはならないし、現に拘置所でもそういう指導はいたしております。
○枝野委員 いつから日本は人治国家になったんですか。法治国家でしょう。今、法的根拠を聞いているんですよ。
○杉浦国務大臣 刑事訴訟法第三十九条でございますが、「身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。」先生の言葉の表現があれですが、そののぞき窓からちらちら見るという行為は、立会人なくして接見するという趣旨を甚だ害する行為だと私は思います。
○枝野委員 では、確認させていただいていいですね。つまり、その小さな窓なりなんなりから監視をするというか、見続けるということはないということは、それは、法務省所管の組織でも警察庁所管の組織でも、あくまでもたまたま見たとき以外はないということで、逆に言うと、その窓からのぞき続けるという行為は刑事訴訟法違反であるという確認を両大臣に伺います。
○杉浦国務大臣 そのとおりでございます。
○沓掛国務大臣 停止等をすべき事情を認知した限りにおいてその権限を行使することは、これは当然職務だというふうに思いますが、そこの窓から常時監視しながらということではありません。
○枝野委員 大臣、もう一回確認です。刑事訴訟法に違反しますね、そういうことをしたらという確認をしたいんです。
○杉浦国務大臣 のぞき窓から、ちらちらという表現は別ですが、監視、中を見るという行為は、接見交通権を妨害する行為だと思います。
○沓掛国務大臣 ただいまの法務大臣と同じであります。
○枝野委員 最後にもう一回申し上げますけれども、だったら、こんな法律を弁護人についてまで入れて、弁護士の不公平感、不信感を高める必要は全然ないじゃないですか。
 具体的には、暴れたようなケースであれば、当然弁護人の側も、むしろ弁護人の側が看守さん、看守さんと呼ぶんですよ、当たり前じゃないですか。それからもう一つは、結局、先ほどの携帯電話のようなケースも、そのときわかったんじゃなくて、事後にわかったわけですよね。つまり、ちらちらというか、窓から監視でもし続けない限りは、まさに声も聞こえないところで本当に接見をしているんだったらわかるはずがないんですから、この規定なんか使いようがないんですよ。のぞき見をしていたら、刑事訴訟法違反なんですから。たまたま認知して、その携帯電話のようなケースだったら、繰り返し申し上げますが、弁護士会に行政処分を求めればいいんです。そうしたら行政処分するでしょう。現にされたんでしょう、その一件だけあるという例も。
 何でこんな規定を置いたのかということについては、いろいろな勘ぐりをされても仕方がないし、先ほど来申し上げているとおり、基本的に、もちろん捜査の必要性ということを私は否定するものじゃありません。だから、捜査のためには、身柄を拘束して、場合によったら外部との交通、連絡を遮断することによって捜査を進めなきゃならないという必要性は認めます。
 しかし、同時に、防御権の行使もその捜査の必要性と同じぐらいの重要性を持ってしっかりと担保されなきゃならないというときに、防御権行使のための弁護士の接見交通と捜査のための取り調べ云々ということとは余りにもアンフェアな状況にあるというのは、これは到底私は納得できないということを申し上げて、次の問題に移りますが、もう一つ、手紙の話です。
 被疑者から弁護士に対する信書についても、これは正確には内容を検査するというんですかね、百三十五条の一項ですか。逆、弁護士から被疑者に対するものは中身のチェックはしない、だけれども、被疑者から弁護人に対する手紙は内容を検査する。だけれども、被疑者が弁護士に対して手紙を出すというのは、接見をして、会って話をするのと同じように、防御権を行使するために必要な秘密交通の範囲じゃないですか。どうしてこんな規定になっているんですか。
○杉浦国務大臣 まず、未決拘禁者から弁護人への信書の件でございますが、刑事訴訟法は、未決拘禁者と弁護人との間の外部交通のうち、接見については秘密交通権を保障しておりますけれども、信書の授受についてまで秘密交通権を保障しておらず、むしろ法令で、罪証の隠滅等を防ぐため必要な措置を規定することができるものとしております。刑事訴訟法三十九条でございますが。
 したがいまして、未決拘禁者が弁護人等との間で発受する信書について、内容の検査とその結果としての制限を行う旨の法令を規定し得ることを前提としていると考えております。
 未決拘禁者が弁護人等に発する信書については、罪証を隠滅する結果を生ずるおそれがある記載など、不当な内容の記載がなされる可能性が高い上に、これが弁護人等以外の第三者に転々流通する恐れも否定できないところでございます。
 このような事態となった場合、未決拘禁者や弁護人等以外の第三者に対して直接信書を発したと同様の結果となることから、単に、弁護人に対してあてたものであることの確認のみならず、内容の検査が必要であると考えております。
○枝野委員 わかりました。要するに、先ほどの接見の停止の話もそうなんですけれども、弁護士が何するかわからないという前提に立っているわけですよね。つまり、あて名が弁護士であるならば、受け取った弁護士が変なことにそのことを使わなければ、つまり、刑事訴訟の当事者としての被疑者の、刑事訴訟手続において被疑者を守るという防御権行使を手伝うという権限、役割を越えて弁護士がおかしなことをするかもしれない、だから、弁護士のところに変な手紙が行くとまずい、こういう前提に立っているということですよね。
○杉浦国務大臣 そういうことではございません。そういう、弁護士さんに対する不信に基づくものじゃございませんで、未決拘禁者が弁護人等に発する信書について第三者に転々流通するおそれがあるということは、弁護人が未決拘禁者から受けた信書を第三者に交付することについて、原則として規制を受けるものではございませんということを踏まえたもので、弁護士さんに対する不信感につながるものではございません。
 例えば、事務員に預けておる、事務員がうっかりして親族にはいと渡してしまうこともあり得るわけで、弁護士さんが中をきちっと検査して渡すというふうには、そういう規制はないという前提でございます。
○枝野委員 まじめに答えていただきたいんですけれども、それは何か、きょうの新聞を見ても、どこかの裁判所が、本当は身柄勾留できない人を、法律を忘れていて事務官が勾留しちゃっていておわびをしたとか、役所の中でもそういうミスはもちろんあり得るでしょう。だから、弁護士事務所だってそういうケースが全くないなんて言うつもりはありません。
 だけれども、それはそれとして、例えば、まさに民事的にそうしたことをすれば、秘密の保持という関係で、あるいは、弁護士としての弁護士倫理の話としても、事務員を含めて事務所としての情報管理を誤ったら、それは行政処分の対象になるんですよね。それは同じように、役所の場合も弁護士の場合も、今のようなうかつな情報管理の結果として何か社会的な損害を与えれば行政処分の対象になるということでは一緒なんですよ。一緒なんですから、そのことなんか言ったってしようがないです。
 基本的に、弁護士のところに手紙なんかを出させると、じゃ、その手紙に基づいて弁護士が何か罪証隠滅の教唆、共犯をするんじゃないかとか、あるいは、一番典型的に考えられるのは脅迫でしょうね。被害者とか関係者に対して、手紙を通じて被疑者が脅迫をするということのお手伝いを弁護士がするということの前提に立たなければ、こんな規定は要らないはずなんですよ。違いますか。
○杉浦国務大臣 一番典型例としては、罪証隠滅等の内容の信書、手紙が出された場合でございますが、罪証隠滅等が起こる結果を防止するということは公益性の高い要請でございまして、事前に防止すべきものであることは当然のことでございます。そういうことによって、信書を第三者に交付することによって罪証隠滅等の行為が行われてしまった場合、実体的真実の追求にとって取り返しのつかない重大な結果を招くことになるわけであります。
 その上、罪証隠滅の結果を生ずるおそれのある記載など不当な内容の記載の有無については、弁護人等の判断が常に刑事施設の長の判断と一致するものではないことにもかんがみますと、御質問のような不正な行為が行われた場合に、事後的に弁護士会による懲戒によって対処すれば足りるということは適切ではないと考えております。
○枝野委員 結局、今の話は、要するに、弁護士が罪証隠滅の教唆犯、幇助犯をするという前提に大臣は立っておられるとしか受け取りようがない。
 もちろん、すべての弁護士がちゃんと法を守っているだなんて僕も思わない。おかしなことをする弁護士もある。それは捜査官だって一緒なんです。捜査機関だって、違法捜査で問題になることもあるんです。だけれども、何百件に一件か、何千件に一件かということがあるからといって、じゃ、すべての捜査官に全部第三者監視人をつけましょうという話にならないのと同じですよ。あるいは、密室の中で逮捕して、取り調べしていいですよという話にしているのと一緒ですよ。
 弁護士には被疑者を弁護する責任はありますが、罪証隠滅の共犯をしていいという規範は弁護士倫理上もありませんから、だからそこは、違法行為をするんだ、ああ、弁護士なんかにこういうことを伝えると違法行為をするんだという不信感を前提にしなければこんな規定にはならない。繰り返し申し上げますが、違いますか。そう受け取られてもしようがないですよ。
○杉浦国務大臣 弁護士が罪証隠滅行為を行ったとして懲戒された例はないわけじゃないことは、先生も御承知のとおりだと思います。弁護士は被疑者と秘密接見交通する権利を持っています。弁護に当たるために会って、話をいろいろ聞いて対応するわけでございます。そこでも罪証隠滅等を頼まれたりすることがないわけではない。ここは秘密の範囲ですから、そういう実体上の真実を追求する意味で、何を話されたかは、それは弁護人と被疑者の間の問題でございますが、それが行為として、罪証隠滅等の行為が外で行われる、それに弁護士が加担されるということがあれば、これは刑事法にも触れますし、懲戒にもなることと思います。
 この場合は手紙でございます。弁護士秘密交通権に関することは、まず、弁護人と被疑者との間の秘密接見の中から漏れるかどうかという問題ですが、手紙は、未決拘禁者の手紙が形となって弁護人のところに届く、その中に罪証隠滅等のことを依頼する内容が含まれているとすれば、それが第三者に流れて罪証隠滅等の行為が行われることを事前に防止すべきだ。罪証隠滅等の結果の防止は可能であります。中身を点検すればいいわけでして、事前に防止すべきものであり、非常に公益性の高い要請だと私どもは思うわけでございます。
○枝野委員 そんなに罪証隠滅を弁護士が協力してやることが怖いんだったら、そもそも接見交通を自由にしていること自体が間違いじゃないですか。矛盾するんですよ。接見交通で会ったところでは、全く秘密のうちに話ができる。そこで罪証隠滅を依頼されることは幾らでもあるわけで、何で手紙だけ排除しなきゃいけないんだ。
 便利じゃないですか。捜査機関だって、一々弁護士が来て接見だったら、人を何とかしてとかという話があるけれども、そこで複雑な事件だったら、物すごく長い話になるから、長時間にわたって話を聞かなきゃならないけれども、手紙だったら、これこれこういう経緯でと、時系列が長い話もたくさん書ける。それを弁護人にちゃんと伝えて、これで防御してもらおうという話を、何でそれを阻止しなきゃならないのか。
 今の大臣の趣旨からすれば、接見交通そのものについてだって罪証隠滅の可能性があるんですから、刑事訴訟法を改正して、接見交通の自由、弁護人との秘密交渉をやめないとおかしくなりますよ、今の理屈は。
○杉浦国務大臣 デュープロセスの保障というのは、刑事訴訟手続に課された一番大きな保障です。私も、国選弁護を初めとして刑事弁護を随分やりましたけれども、被疑者との話し合い、こちらを信頼してもらって思う存分言ってもらうことが大事ですから、罪証隠滅にかかわりそうな話も際どい話も随分聞くわけであります。
 しかし、真実の発見と弁護士としての職責を勘案すれば、当然、罪証隠滅というのはできませんから、それはできないよということも言うわけなんですけれども、一つの刑事事件の実体的真実の追求にとっては、弁護士であれだれであれ、罪証隠滅等の行為が行われないことが大事でありまして、罪証隠滅等の結果を防止することが公益性の高い要請だということは、もう先生もお認めになられると思うんです。
 手紙を書く、それを施設の長がチェックする、このことによって、弁護士とその施設の長との考えは違うかもしれませんが、これはまずいですねということになれば、その段階で罪証隠滅の結果は防止できるわけですけれども、手紙が弁護人のところに届いて、それがいろいろな形で転々流通して、結果として罪証隠滅という結果が起こってしまったとした場合に、確かに、弁護士とか、刑事訴追をされる問題ですとか、懲戒という問題があるかもしれませんが、事後にそういうことがあるから、では罪証隠滅等の結果が起こっていいということは、逆に私は言えないと思うんですが。
○枝野委員 そうですか。そうですね、罪証隠滅なんて起こっちゃいけませんね。
 罪証隠滅の結果が起こってからでは懲戒処分したりしても遅い、だから手紙を検閲します。面接交通の現場においても、どこどこにこういう証拠があるからこれを隠滅してくれと弁護士に頼むケースはあり得るわけです。それで、不心得な弁護士がいて、その秘密のうちに面接交渉の場で聞いた証拠を隠滅しました。してしまってからでは遅いですね、だから面接交渉も秘密はやめた方がいい、こういうことですね。
○杉浦国務大臣 先生のおっしゃることはよく理解できませんけれども、秘密交通の場においては、一対一の話、あるいは二対一もあるかもしれませんが、弁護人自身が判断できることです。その職責に従って処理されればよろしいことなんですが、手紙ということになると、形として残ります。弁護士以外の方も見る可能性があるわけでございますから、秘密交通の場合には弁護士の判断に期待できますが、手紙の形で第三者の手に渡った場合には、弁護士さんの判断だけで済まない場合が出てくるということを再三申し上げておるわけでございます。
○枝野委員 今のが立法事実なんですか。つまり、郵便は郵政公社が株式会社になっても国が信書の秘密を守って郵便を届けるんでしょうから、弁護士事務所まで、ちゃんと秘密のうちに、第三者の手に渡らずに届くというのは、これは国の責任ですからね。
 さあ、そこで届いたところで、弁護士事務所の中でだれがどう管理するか、管理する責任を含めて弁護士には違法な行為をしないというのが弁護士倫理として課されているのであって、それは、紙であったら残るから第三者が見るかもしれない、そうしたら、弁護士が接見交通のところでとってきたメモだって一緒ですよ。では、メモをとるなという規制をかけるんですね。
○杉浦国務大臣 秘密交通の場で話をした、メモをとった、そのことは一にかかって当事者の責任でございます。
 ところが、手紙という第三者に渡る可能性がある形で漏れ出て、その結果、罪証隠滅の結果を生じたということになりますと、弁護士さんの判断も入らない、チェックも受けない形で、結果として罪証隠滅という公益性に著しく反することが起こってしまうわけでありまして、それを事前に防止することは大変必要だと私どもは考えております。
○枝野委員 何を言っているのかわからない。具体的に言ってください。いいですか、弁護士あての信書であることは確認をしてから発信するんですよね。どこで、弁護士の判断以外でその信書が第三者のところに行くんですか。
 弁護人があけて見てみて、ここには確かに重要な証拠がここに隠してあるから捨ててくださいとかと書いてあった。そういうことが書いてあったら、まさに直接会って聞いてメモをとったときの場合と同じように、そんなことには加担することはできないんだから、その手紙を捨てるなり、あるいは厳重に保管するなり、少なくともその共犯者等のところに伝わるようになんかしないようにする判断、責任を弁護士は負っているじゃないですか。どこから第三者のところにその手紙が転々流通するんですか。具体的に言ってください。
○杉浦国務大臣 先生にお伺いしますが、弁護人あての手紙は自由に出せるといたしましょう。弁護人が受け取って、その中身を検査して、点検して、外へ漏らさないという担保はございますか。(枝野委員「失礼だよ、質問していいんですか、質問に答えていないし、そういう議論はしていない」と呼ぶ)
○石原委員長 杉浦法務大臣、質問にお答えください。
○杉浦国務大臣 あくまでも罪証隠滅等の結果を防止するのが非常に大切であると考えております。
 罪証隠滅の結果を生ずるおそれのある記載など不当な内容の記載の有無につきましては、弁護人等の判断が常に刑事施設の長の判断と一致するものではないということにかんがみますと、御質問があったような不正な行為を行った場合に、事後的に弁護士会の懲戒等によって対処すれば足りるとすることは適当ではないと思います。(発言する者あり)
○石原委員長 枝野君、もう一度質問をしてください。
 杉浦大臣は具体例を具体的に御答弁を願います。(発言する者あり)
 御静粛に願います。
 枝野君。(枝野委員「何度も言っています」と呼ぶ)
 枝野君、枝野君、質疑を続行願います。(発言する者あり)
 枝野君、もう一度、もう一度御質問を願います。(枝野委員「できません」と呼ぶ)御質問をお願いいたします。
 委員長は、大臣にも申しました。枝野君、もう一度質問をお願いいたします。(枝野委員「だめです、失礼です」と呼ぶ)
 枝野君の質問にお答えするために、枝野君、もう一度お願いをいたします。委員長からお願いをいたします。
 枝野君、もう一度質問をお願いいたします。(発言する者あり)
 御静粛に願います。質疑を続行お願い申し上げます。御静粛に願います。御静粛に願います。御静粛に願います。
 枝野君に申し上げます。質疑の続行をお願い申し上げます。(発言する者あり)
 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○石原委員長 速記を起こしてください。
 枝野幸男君、お願いを申し上げます。
○枝野委員 はっきりと、わかりにくい質問をしているつもりはありません。先ほど申しましたとおり、どういう場合に、では、その弁護士のところから、あるいは弁護士以外のところに転々流通するんですか、その手紙が。
 弁護士が読んで、おかしい、これは転々流通させちゃいけないと思ったら、ちゃんと弁護士の責任、判断で、そこで保管するなり焼き捨てるなりするわけですから、それは面接交渉した場合と一緒じゃないですか。面接交渉でメモをとった場合と一緒じゃないですか。どこが違うんですか。どういう場合に転々流通するんですか。具体的に答えてください。
○杉浦国務大臣 一般的なことは先ほど申し上げたとおりなんですが、この信書の点検はずっとやっておりまして、いろいろなケースがあるようでございますので、当局から具体的なおそれ、例について説明させたいと思います。(枝野委員「だめです、入れていませんから」と呼ぶ)
○石原委員長 政府参考人は今回登録をされておりません。
 杉浦法務大臣。
○杉浦国務大臣 弁護人の方が解読できないような暗号とか、そんなものを用いて現実に罪証隠滅行為を行ったケースもあるようでございます。そういった弁護士の方がその職責によってきちっとチェックできる担保は、暗号なんか使われるとないわけでございますから、そういう例もあるということで、今まで文書については点検も行ってきたわけでございます。
○枝野委員 例えば、確かに、今のお答えを好意的に解釈すれば、具体的に、手紙にここにこういう証拠があるから隠滅してくれとか、隠滅をだれかに頼んでくれとかということは書いていないけれども、手紙にいろいろな暗号的なものが書いてある。それは、弁護士が読んでも証拠隠滅のことについて書いてあるわけではないけれども、関係者が見ればわかるというような暗号である。そういうことが書かれている手紙であるということに弁護士が気づかずにその手紙をだれかに読ませたということであれば、確かに証拠隠滅の可能性はあるでしょう。
 面接交渉の場合だって一緒じゃないですか。わけのわからない何か、捕まる前から約束されている暗号のような話を、口頭でだれだれさんに何とかと伝えてください弁護士さん、と頼まれて伝えたら、同じ結果が起こるのは一緒じゃないですか。手紙だからという特別性というのはどこにあるのかという話、全く話になっていないです。違いますか。
○杉浦国務大臣 手紙の特性というのは、形になって残るという点でございましょう。さまざまなケースがあるようで、今まで長きにわたって、被疑者等が出す文書はチェックして罪証隠滅等の予防を講じてきたわけで、それはそれなりの理由がある。
 当局を登録していただけなかったので具体例がどうこうということは事細かには申し上げられませんが、先ほど一般原則で申したとおり、罪証隠滅の防止を図ることは最も公益が求めているところでございますので、事前にチェックさせていただくということでございます。
○枝野委員 大臣はわかってお答えになっているんだと思うんですが、罪証隠滅が非常に重要だ、それは私も認めます。でも、罪証隠滅を防ぐということが重要だからということの説明を幾らされても、だったら、面接交渉そのものについての自由だって制約しなければ罪証隠滅を防げないじゃないですか、こういう話になっていくんですよ。
 直接会って話すことについては大臣もお認めになっている。では、直接会って話すということの延長線上で、どこから先は許されない話になるのか。
 確かに、例えば、後で電話の話を聞きますけれども、弁護人と電話で話ができるように今度しますねという話だ。これも、電話口に出ているのは弁護士本人であるかどうかという確認をしなきゃならない。それはそのとおりよくわかります。
 手紙についても、弁護士本人のところに被疑者から、勾留されている被疑者からの手紙だとちゃんとわかるように、何か一般の手紙と混乱してごちゃごちゃ処理されたりしないように、こういう留意をして、弁護士が扱いをちゃんと慎重にするようにというような配慮をしろということまでは僕も必要だと思います。あるいは、例えば、これは弁護士自身かかわるのか、それとも、場合によっては法規制があってもいいかもしれないけれども、そうやって被疑者から受け取った手紙の扱いについて、弁護士により具体的な義務を課すということもあってもいいと僕は思いますよ。だけれども、面接交渉の自由を認めているんだったら、手紙についても最大限認める。
 だって、会って話をするよりも手紙で出してもらった方が、防御権行使に当たっては、わかりやすい、やりやすい、みんなにとって時間の節約になるだなんという可能性はたくさんあるじゃないですか。そういう可能性がたくさんあるにもかかわらず、手紙についての検閲が行われるということでは、手紙を通じてでの弁護士と被疑者との間の、特に否認事件においては自由な意思疎通が図れなくて不便じゃないですか。
 そして、先ほど来申し上げているとおり、何で手紙はだめで直接会うのはいいのかということの説明を私はいただけていると思っていません。ということは、こういう方向でいけば、弁護人との直接面会の話についても、やはり証拠隠滅の可能性があるから、だれか耳をそばだてて聞いていないといけませんねとか、こういう話になりかねないんじゃないかと思います。
 一点だけ、これに関連して最後に聞きます。
 弁護人と電話でやりとりする。どっちなんですか。刑事訴訟法によって保障された秘密交渉の保障されている面接交渉なんですか。それとも、手紙のような話なんですか。どっちなんですか。両方に伺います。
○杉浦国務大臣 刑事訴訟法上の接見には、電話による通信は含まれておりません。未決拘禁者には、現行法上、電話による通信を行う権利はないと解されています。
 そのために、現在の実務におきましては電話による通信は認められていませんけれども、公的被疑者弁護制度や裁判員制度の実施などの刑事司法手続の変革も考慮し、通信手段が発達、普及した今日における簡便な外部交通の一形態といたしまして、未決拘禁者と弁護人等との電話による通信を認めることを検討すべきものだと考えております。
 もっとも、未決拘禁者に電話を使用させる場合には、それにふさわしい場所や電話設備を確保する必要があるほか、その場所まで未決拘禁者を連行して、動静を監視するための職員の配置も必要となるなど、人的、物的体制の整備が必要であり、また捜査との調整なども必要となります。したがって、権利的あるいは全国一斉に導入した場合には、どの程度電話による通信が行われることになるか予測困難なこともございますので、施設や捜査の現場において混乱が生じるおそれは十分に予想されます。
 そのため、これを法律に規定することはせず、原則的な外部交通の手段である接見を補完するものとして、運用上、試行的に実施する方向で実施可能な範囲や具体的な方法等について検討しているところであります。
○沓掛国務大臣 まず最初に電話の問題ですが、電話については、これは運用上の問題としてこれからいろいろ検討させていただきたいと思っております。
 先ほど来のいろいろのことで、接見の場合とそれから信書の場合についてですけれども、これは、非常に違うのは、接見の場合はそこで何かメモされるのは弁護士の方がなされるわけですから、そこで弁護士の方が自分のいろいろな法律上の判断も含めてきちっと書かれるんでしょうが、信書の場合においてはそういう弁護人の判断を介することなく文書として出てくるのであって、そこに大きな違いがあるというふうに思っております。
 それからもう一つ、例えば、先ほど来、罪証の隠滅云々もございましたけれども、そのほかに、いわゆるこの留置施設の規律、秩序を阻害するようなおそれのある場合は云々ということですが、それをやはり判断するのは施設職員がいろいろ判断するわけでございまして、必ずしも弁護士の方の判断というよりも、そういう問題があると思います。
 それでは、具体的にそういうふうな施設職員の判断が入るようなものは何かということであれば、例えば留置施設の保安上の問題点などが指摘される。これは例えばの話ですけれども、留置場から出ていこうとするような場合についてはやってもらいたいということです。
○枝野委員 だから、今の話は、結局、手紙を受け取った弁護士が、ああ、刑務所の中はこうなっているんだ、こうなっているんだから、ここから例えば中の人間を外から襲撃して救い出そうだなんというときに、中はこういう見取り図になっているんだ、こういうことのために弁護士が受け取った手紙を利用する、そういう前提に立たないと今のような話にならないわけですよ。
 そういう弁護士もいるでしょう。だから、一〇〇%弁護士を信頼しろなどと僕は言いません。だけれども、どんなシステムだって違法なことをやる人がいる。それは捜査機関だって一緒でしょう。捜査機関だって、弁護士だって違法なことをする人がいる。それは、行政的なさまざまなシステムと事後的な担保によって、そういった人はごく一部になっている。それは、捜査機関で違法なことをする人も、弁護士で違法なことをする人も一緒なんですよ。(発言する者あり)
 対等じゃないからおかしいんですよ。本来、対等じゃなきゃいけないんですよ。対等じゃなきゃいけないどころか、圧倒的に捜査機関の方が強い権限を持っているのに、どうしてその手紙、受け取った手紙を弁護士が悪用するという前提に立たない限りは、何で弁護士が自分でメモをとったのはよくて、弁護士が受け取った手紙はだめなのかという説明にならない、受け取った手紙を弁護士が悪用するという前提に立っているんだと言わざるを得ないと私は思っているんです。
 今の電話の話、結局、僕は法的な位置づけを伺ったんですが、ということは、刑事訴訟法で認められた接見交通の自由の範囲の中にあるわけではないので、さすがに電話そのものを盗聴すればそれは別の違法の問題になるんでしょうが、弁護士は、例えば裁判所か何かの部屋から、ここは秘密が守られているといって電話をした。ところが、警察署の拘置施設の、留置場のところから連れてこられて電話をかけている、そこはちょっと離れているけれども、聞き耳を立てていましたとやっても違法ではない。こういうことですね、法務大臣。
○杉浦国務大臣 電話による通信についてでございますが、訴訟法上の権利ではございませんけれども、未決拘禁者と弁護人等との間でなされるものであることは間違いございませんので、そういう事情にかんがみますと、その秘密交通性には最大限配慮する必要があると考えており、例えば、その通話内容を傍受するという運用は予定しておりませんし、秘密交通性に最大限配慮する、秘密交通権と同様の配慮をする必要があると考えております。
○枝野委員 だから、そこがよくわからないんです。今の答弁はそのとおりだと思うんです。刑事訴訟法では直接会うことだけ規定されているけれども、弁護人とできるだけ便利に秘密交渉ができる、弊害のない限りで最大限認めるということで、電話についても当然のことながら聞き耳を立ててやるだなんという話はおかしいよねと。
 手紙についても、弁護士限りですよと。例えば別の規定を法律上加えてもいい、可能性として否定しませんよ。被疑者から弁護人あてに出す手紙というのは特別にわかるような形で、先ほど言いましたけれども、弁護士事務所の方でもほかの手紙と混在したりしないように。あるいは、受け取った手紙についての扱いについて、これは法律がいいのか、弁護士会の規則がいいのか、それはいろいろな議論はあるでしょうけれども、間違っても第三者に見せるようなことがあったらいけないとか、あるいは、それがどこかに転がしておいて、だれか拾っちゃったなんということになっちゃいけないとか、そういう規制を、直接会った場合と加えてつけなきゃならないのは私も当然だと思いますよ。
 だけれども、今大臣が御答弁された趣旨のとおり、まさに接見交通、秘密交渉をするということを守ってあげるという趣旨からすれば、何で手紙についてこんなに冷たくしているのか、私には理解できないということを申し上げておきます。
 きょう一番やりたかったこと、次に行きます。
 国家公安委員長、この法律の十六条三項だと思いますが、留置担当官が捜査に関与してはいけないという規定があります。ところが、捜査担当官が留置業務に関与してはいけないという規定はありません。なぜですか。
○沓掛国務大臣 留置担当官とは、留置管理係に所属する者のみならず、現に留置業務に従事する者をいいます。第十六条第三項は、この留置担当官がその被留置者の捜査に従事してはならないことを定めているものと理解しております。
 現に被留置者の捜査を行っている捜査官が当該被留置者の処遇を行うと、その捜査官は留置担当官に該当することとなるため、この規定に違反することとなるというふうに理解します。そのため、あえて重複した規定を設ける必要性は乏しいものというふうに考えております。
 両方の規定でなくても留置担当官の捜査関与規定があれば、それで逆の捜査担当官が留置業務に何かかかわれば、それは当然留置業務担当官ということになるので、その逆はだめということだというふうに理解しております。
○枝野委員 趣旨はわかりました。
 確認しますが、ある事件を捜査している人が、その事件の留置について関与してはいけない、関与すればこの十六条三項に当てはまる、こういう理解でいいですね。
○沓掛国務大臣 そのとおりであります。
○枝野委員 それで、一般的に拘置所は、留置所は警察署にある、警察署長が留置業務管理者である。
 ところが、警察署長というのは捜査の方にも関与しないんですか。捜査の指揮官ではないんでしょうか。
○沓掛国務大臣 お答えいたします。
 警察署で行われる捜査は、通常、捜査主任官の指揮のもとに行われますが、その責任者は警察署長であります。このような観点からは、警察署長は当該警察署で行われる捜査に関与しているものであります。
○枝野委員 そうすると、少なくとも各警察署の署長レベルになれば、その十六条三項の趣旨とは反して、一方では留置についての監督責任者である、片方においては捜査の責任者である。つまり、捜査と留置の両方について一人の警察署長が見なければならない、こういうことになっているわけですね。
○沓掛国務大臣 そのとおりですが、警察署長がまず直接いわゆる留置の管理、捜査をするわけではなくて、それぞれ留置に関しては留置をする責任者がおりますし、捜査に関する責任者がいて、最終的な責任者が警察署長だということであります。
○枝野委員 ところが、現場だと、例えば捜査の方だと刑事課長さんとか、留置の方だと留置管理課長さんとなるんでしょうか、署の規模にもよるんでしょうけれども。
 先ほど来の高山議員などの質問にもあったと思いますけれども、捜査の方では、捜査の必要性がある、だからもっと取り調べをしたいと。ところが、留置の方では、いや、ちょっと最近捜査が厳しくて寝不足で、別にふらふらで熱を出して倒れているわけじゃないけれども、もうそろそろ寝せてやらないと困ると、現場の、つまり捜査の担当者とそれから留置の担当者とで見解が分かれる場合がある。その場合、だれがどうやって判断、決定するんですか。
○沓掛国務大臣 留置部門及び捜査部門を分離したとしても、結局はそれぞれの部門の責任者がおのおの警察署長であり、警察署長が捜査の意見をもし優先させることとなると意味がないのではないかというような御趣旨かというふうに思います。
 警察署長は捜査の責任者であるとともに留置業務の責任者でもあり、留置業務についても適切な判断が期待されるところであります。
 特に、留置業務に関しましては、被留置者の処遇に問題があるなど、その遂行に当たって不適切な点がある場合には、当然、警察署長の責任を問われることになります。
 さらに、留置業務に関しましては、被留置者の出入、例えば留置場への入場時刻とか、あるいは留置場からの出場時刻、あるいは出場理由などの被留置者の処遇状況については留置担当者が記録することになっており、警察署長の判断の適正さは客観的に担保されているものと思います。
 また、今回の法整備によりまして、被留置者の処遇に関しましては、警察本部長や今度は公安委員長に対する不服申し立て手続も整備されることになりますし、また、留置施設視察委員会が新しく設けられ、その視察等が実施され、施設の運営の透明化が図られると思います。
 警察署長の具体的な措置は、必要に応じて、公判においてももちろん明らかにされるものでもあり、警察本部による実地監査、あるいは警察庁による巡察により、専門的観点からのチェック等も行われていることでもありまして、その適正な職務執行が担保されているということで、決して片一方に警察署長が偏るというようなことはない。バランスのとれた適正な留置、適正な捜査、そういうものが実施されているというふうに考えております。
○枝野委員 結局、留置業務と捜査業務は分けています、分離していますといっても、警察署長レベルぐらいのところで一本になっているということ自体は今否定をされていないんですよね。だけれども、いろいろな担保をしているから大丈夫ですという話で、したがって、本当に分離なのか、それが分離と言えるのかということになると、これはなかなか微妙な、非常に難しい話じゃないかなと私は思います。
 つまり、例えば会社なんかで、全然事業部が別々で、副社長か何かをトップにして別系統で別々の事業部でやっていますという話とは全然違っていて、どこかの営業所の中でA商品の販売とB商品の販売を分けていますというぐらいのレベルなわけでして、果たしてそれが本当に分離と言えるのかということは強く指摘をしておきたいと思います。
 時間もなくなってきたので、本質的な話をこの絡みで一点だけ申し上げたいんですが、そもそも、いわゆる代用監獄をすぐに縮小したり廃止をしたりすることは困難であるというのが、これは法務省も国家公安委員会、警察も、どちらも意見なんですが、端的に、短く、何で直ちに縮小したり廃止をしたりするのは困難なんですか。
○杉浦国務大臣 事前通告のない御質問でございますが、先日、矯正局長が答弁で申しておったと思いますが、もし今の警察署にございます留置施設に対応するだけの拘置施設を全国につくるとすれば、数千億の投資が必要であり、それに対応した人員の配置等も要する等、膨大な財政負担があるということを申しておりましたが、それが一つはっきり言える理由でございます。
○枝野委員 それが唯一とは言わないまでも、大きな理由だと思うんですね。それは確かによくわかりますよ。
 だけれども、要するに代用監獄で問題になっているのは、そこで自白の強要なんかが行われるのではないかという話なわけでして、では、日本の刑事事件の中で、本人が否認をしている否認事件、つまり争いのある事件で、なおかつ、本人や弁護人が代用監獄では嫌だから拘置所に入れてくださいということを要望している事件がどれぐらいの数あるのか。それぐらいのことは、本来の刑事施設に収容しても十分足りるんじゃないのか。
 一般的に、本人も認めていて情状酌量の争いだけのような事件は、どこに勾留してもというと弁護士会から怒られるかもしれませんが、ということはあると思うんですが、本人や弁護人が代用ではなくて本当の拘置所に置いてくださいというケースだけはきちっと拘置所に置きますという制度にしても、別に今の施設の数の問題は何にも問題はないと思うんですが、法務大臣、どうですか。
○杉浦国務大臣 被疑者を勾留する場所につきましては、裁判官が具体的事件をもとに、諸般の事情を総合的に考慮して決すべきものとされておるところでございます。
 現実問題として、拘置所、刑務所から始まって過剰収容状態が継続しておりますし、そういう制約もあるという中で、先生のおっしゃったような趣旨の、本人が希望している分がどれぐらいあるか、事前にあれがなかったので調べておりませんけれども、そういうのに答えられるかどうか、ちょっとここではお答えできるだけの資料がございませんが、裁判官がそういった事情も考慮して決しておられるものと承知しております。
○枝野委員 拘置所の数が足りるとか足りないとか、そんな事情を裁判所が判断するのかなとは思うんですけれども。
 だから、今の現行法では裁判官の裁量にゆだねられている。裁判所も、事実上、拘置所の混雑ぐあいとかわからないから、検察官からの申し出に基本的には従ってやっているという話なので、これは立法政策の話をしているんです、国会なんですから。
 立法政策の話として、確かに、今の代用監獄、代用刑事施設にかわるものを全部拘置所としてつくりましょうといったら何十年かかるかわかりません。だけれども、例えば、否認事件で本人、弁護人が求めているとき、それでも多過ぎるんだったらその中でも重大事件に限ってと、いろいろな縛りをかければ、それは何とか拘置所でちゃんとできますねということは幾らでもできる話なんですよね。
 ところが、その努力をせずに、全部十把一からげで、でも裁判所が決めているんですからというのは、少なくとも立法機関での話としては私は無責任だと思う。裁判所が判断するに当たって、こういう事件は拘置所で、こういう事件は留置場でもやむを得ないかなということの判断指針を、ちゃんと立法上、法律上明記をするということがあっていいんじゃないですか、法務大臣。
○杉浦国務大臣 一般的に、そういう法律上の規定を設けることが適切かどうか、検討する必要があると思います。
 ある裁判官経験者の議員の方が、かつては、つまり過剰収容以前の段階では、裁判官は、判断に際して、どこへ収容したらいいかというところまでも決めたものだけれども、その方はもう十年以上前に退官されているんですが、最近はどうなのかなという感想を述べておられました。
 個別具体的な事件に応じて、裁判所が裁量に任されているとして判断されているものと承知しております。
○枝野委員 検討しなきゃならないですねって、検討しなかったんですかという話が僕は不思議だと思うんですけれどもね。
 済みません、時間になったんですが、一点だけ。これは大事なことなので、もう一回質疑の時間をいただけるかどうか保障がないので、いただけるならやめますが。
 大事な話で、日本では、残念ながら、無罪推定の原則があるはずなんですが、逮捕、起訴されたりすると、民間企業なんか首になるケースがあるんですね。民間企業を首になると、健康保険が切れちゃうんですね。健康保険が切れたら国民健康保険に入る、これは国民の義務なんですが、留置施設、拘置施設の中で会社を首になりました、健康保険が切れて、健康保険について無保険者になりましたという人には、当然、それは国として、国民皆保険という制度にしてあるんですから、きちっと国民健康保険に加入する手続を、本人が嫌だと言っても強制することまではできるかどうかわかりませんが、きちんとやらせる義務があると思うんですけれども、どうなっているのかということを法務省と警察、両方にお尋ねします。
○河野副大臣 健康保険制度につきましては法務省の所管外でありますが、承知している範囲においてお答えをさせていただきますと、刑事施設に収容中は、医療費については国が全額を負担することになります。国民健康保険の被保険者となったとしても、療養給付が制限されることになりますので、国民健康保険は、刑事施設にいる間には特に被保険者になる必要性はないと思っております。
 また、刑事施設は、それぞれの健康保険の加入状況も把握をしておりませんので、お尋ねのような場合に、それぞれ一人ずつ積極的に働きかけを行うことについては、現在、非常に難しい状況にあります。
○沓掛国務大臣 留置施設における医療費は、原則として都道府県が負担することとしているほか、留置施設としては被留置者の解傭等の事情を速やかに認知することができないこと、留置施設における被留置者の収容期間も、平均で約一カ月程度と短期間であることなどから、被留置者自身の判断にゆだねており、警察において特別な措置は講じておりません。
 しかし、被留置者からそのようないろいろな申し出を受けた場合には、関係機関との郵便物のやりとり等について必要な便宜を図っております。
○枝野委員 大臣、もう一言だけ話させてください。
 例えば、六十三条で指名医による診療という仕組みがあって、これは自弁なんですから、自弁のときに保険がきくのかどうかというのは大きいと思うんですけれども、それはどうなっているのかわけがわからない。
 それから、例えば、国民健康保険にも入っていない状態で無保険、いや、どうせ中に入っているんですから、収入がないですから保険料免除になると思うんですが、極論を言いますよ。先ほどの電話の接見交通の話だって極論で皆さんおっしゃっているわけだから。
 刑務所を出た瞬間に石につまずいて骨折しましたといったら、無保険になる可能性があるわけですよね。例えば、起訴しないことになりました、保釈をされました、それで出ました。出たけれども、それまでに会社を首になっていましたから健康保険は切れている、そして国民健康保険にも入っていない。出た途端に石につまずいて骨折した、これは医療保険はどうするんでしょうかねとかという考えもあるわけです。
 それから、皆さんは、所管じゃありませんが所管じゃありませんがと大好きでいらっしゃいますけれども、行政権は内閣に属しているんです。法務省や厚生労働省に行政権があるんじゃないんです。そして、少なくとも、大臣は国務大臣なんです。そして、日本の健康保険制度は、国民皆保険という仕組みをつくってあるんです。その国民皆保険という仕組みをしっかりと守る責任は、国務大臣たる法務大臣にもちゃんとあるので、しっかりと、逮捕、勾留中の者が、例えば会社を首になったりして、無保険になったときの国民健康保険はどうするのかということについて善処することを求めて、私の質問を終わります。
○石原委員長 次に、平岡秀夫君。
○平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。
 今、枝野委員の方からいろいろ質問がありました。私も、それとの関連で、少し確認をしておきたいことがありますので、まず、先にその話をしていきたいと思います。
 弁護人等との面会停止規定の問題でございますけれども、先ほど、この停止規定を働かさなければいけないようなケースということでるる説明がありましたけれども、その中で、何か、アクリル通話孔を破ったとか、あるいは遮断板を破ったとか、そういうような話がありましたけれども、このケースのときは、そのとき当局はどういうふうな対応をされたんでしょうか。
○小貫政府参考人 この事案は昨年の事案だったと記憶しておりますが、その際は、面会室の近くに待機していた刑務官のところに大きな音と物が壊れる音が聞こえたので、すぐにその部屋に駆けつけていって接見を中断した、こういう流れだというふうな報告を受けております。
○平岡委員 それは、法律に基づいて面会停止という措置をとったんですか、どうですか。
○小貫政府参考人 当時、今回お願いしておりますような法律の規定はございませんでした。しかしながら、そういう事態に対して対応することは必要なことでございまして、その際の理屈づけとしては、古い論理構成でございますけれども、特別権力関係であるとか、あるいは庁舎管理権の行使、そういったことで、先ほど申し上げたような措置を講じた、こういう次第でございます。
○平岡委員 今の説明でもわかるように、最初に挙げた例なんかは、この百十七条のような、弁護人等との面会の一時停止の規定といったような仰々しいものをつくってやらなくても、それなりの、一般管理権でもできるということなんですよね。わざわざそんな例を挙げてこの規定が必要だということはおかしいだろうというふうに私は思うんですね。
 それからもう一つ、携帯電話のケースを挙げられましたけれども、私たちもきのう留置場の方へ行ってまいりました。入るときには、携帯電話はちゃんとこの封筒の中へ入れてくださいよというふうにやりました。何か不都合なことが起こりそうなケースがあるならば、前もってその辺の手当てをすることも十分可能なわけですよね。
 そういうことを考えたら、この規定が持っている趣旨というのは一体何なんだろうか。むしろ、弁護人との秘密交通権というものを侵害するおそれがある、そういう規定ではないか、濫用のおそれがある、そういうものではないかというふうに私は思うんですね。
 ところで、例えば、この百十七条が発動されるとき、弁護人の方は何らかの防御手段というのはあるんでしょうか。
○小貫政府参考人 先生の質問の御趣旨、必ずしも私は十分に理解し切っていないかもしれません。ただ、停止行為といいましても、いろいろな比例の原則があるんだろうと思いますね。そこで権限が濫用されるというようなことがあれば、これは不当な接見妨害になるわけでございますので、法的にはいろいろな手段があり得るんだろう、こんなふうに一般的には考えております。
○平岡委員 その手段というのは、即時に効果を発揮する、つまり、一時停止してくださいと言ったときに、いや、これはそういうものには該当しない、それは待ってくれと言ったら、その段階で、その一時停止を命じた担当官というのは、わかりました、それでは一たん引き下がります、そのかわり、こういう手続きをとってまたやります、そういう仕組みになっているんですか、どうですか。
○小貫政府参考人 その場での法的な救済手段というのはなかろうと思います。現場的な判断の中での判断の食い違い、こういうことでございますので、事後的な救済にならざるを得ないであろう。もちろん、事実上は、先生からおかしいじゃないか、こう言われまして、それでいろいろ考えて、それでは、落ちつきましたのでどうぞやってくださいという事態はあり得るかもしれませんが、これは法的というよりも、事実上の交渉の結果ということになろうかと思います。
○平岡委員 今いろいろ申し上げましたように、当局が挙げておられる例というのは、この規定がなくたって十分対応はできる。一般管理権とか、あるいは事前のいろいろな、持ち込みについての制限をする、そういうことでも対応できる。しかも、これが発動されたときに、直ちにそれを救済する手段がない。本当に秘密交通権が守られて、今、弁護人と被留置者との間でしっかりとしたコミュニケーションがなければいけないというようなことが中断されないように、防御する手段もない。こういうことになったら、この規定について言えば、これは本当に濫用のおそれしか考えられないというふうに私は思います。
 そこで、改めて大臣にお聞きします。この弁護人との面会停止規定については、有識者会議の提言の中にちゃんと書いてあるんですか、どうですか。
○杉浦国務大臣 事前通告がございませんでしたので、確かめておりますが、確かめて、正しいかどうかがわかりませんですけれども、さあ、そういうことは書いてあったかどうか、何回も読んでおりますが、即答はいたしかねます。
○小貫政府参考人 私の記憶だけで申し上げて恐縮でございますが、あの提言の中には書いてなかったんじゃないかというふうに記憶しております。
○平岡委員 これほど重要になっているものが、この提言の中に書いてあったかなかったかということもわからないというのは、そんなのは、多分、私はおかしいと思うんですね。書いてないんですよ、これは。書いてないのにわざわざこの法律に入れた、それだけの何か魂胆が政府当局にあるというふうに私は思うんですね。
 同僚の枝野議員も、いろいろ問題点を指摘しました。私も、今言ったようなことで、こんな規定は濫用のおそれしかない、そんな規定、私は削除すべきだというふうに思います。大臣、この点についていかがですか。
○杉浦国務大臣 いろいろな方の御質問にお答えしてまいったとおりですが、私としては、そういう事態も一〇〇%起こり得ないわけではございませんから、設けることが適当だと思っておりますが、これは、法律は国会がお決めになることでございますから、国会の御判断でということであれば別でございますし、先ほど来、前々から何回も何回もこの趣旨について御答弁申し上げているところでございますので、実際、法律が成立して運用される場合には、そういった皆様方の御議論も踏まえて適正に運用されると思いますし、そのために努めてまいりたいと思っております。
○平岡委員 今、大臣がいみじくも、この規定の取り扱いについては国会の御判断だ、こういうふうに言われました。我々も、この規定については削除するということ、この部分については削除するということで、今、修正をしたいということで与党と御相談申し上げておるところでございますので、与党の方々とも共通の理解を持って、しっかりと対応していきたいというふうに思っております。
 そこで次に、代用監獄、留置場の問題について御質問をさせていただきたいと思っております。
 一九八〇年の法制審議会の合意事項の中に、こういうくだりがあります。「関係当局は、将来、できる限り被勾留者の収容の必要に応じることができるよう、刑事施設の増設及び収容能力の増強に努めて、被勾留者を刑事留置場に収容する例を漸次少なくすること。」という答申、報告が出ておりますけれども、この報告が出ていることは大臣も御存じでしょうか。
○杉浦国務大臣 承知いたしております。
○平岡委員 この報告に基づいて、当局としてはどういうことを実行してきたんでしょうか、大臣。
○杉浦国務大臣 厳しい財政状況の中でございますが、収容者の増加する中で、極力刑事施設の増強に努めてまいっております。
○平岡委員 それは当然、一九八〇年の法制審議会の「被勾留者を刑事留置場に収容する例を漸次少なくすること。」ということを念頭に置いてやってきているわけですね、大臣。
○杉浦国務大臣 そのとおりでございます。
○平岡委員 どうして今回の法案の中ではそれを前提にしたものにしていないんでしょうか。どうでしょうか。
○杉浦国務大臣 先生御指摘の昭和五十五年に法制審議会からちょうだいいたしました答申の趣旨でございますが、本来刑事施設に収容することが相当と判断される者について、刑事施設の収容能力の不足から留置施設に収容せざるを得ないという事態が現に存し、あるいは、そのような事態が生じるおそれがあるとの認識に立たれまして、刑事施設を所管する法務省に対して、その増設等に努めることによって、そのような事態が生じることがないようにすべきことを要請するものであると理解いたしております。
 私どもといたしまして、やむを得ず被勾留者を留置施設に収容する例は少なくなりますが、一方で、この法制審議会の答申は、代用監獄に収容される被収容者を漸次減少させて、代用監獄制度を将来的に廃止するという趣旨を含むものではないと理解いたしております。
 我々としても、これまでも未決被収容者の収容定員の増加に努めてきたところでございますが、起訴後の被告についても、代用刑事施設から拘置所等への移送の停滞が見受けられる実情にあることも踏まえますと、さらにその収容定員の増加に努めていく必要があると思いますし、これからも努力してまいりますが、将来的に代用監獄制度を廃止するという状況からははるかに遠い現状だというふうに言わざるを得ないと思います。
○平岡委員 大臣は、認識としては、漸次少なくしていくという認識に立っている、ただし、現実の問題として、廃止ということまでなかなかいけないんだ、こういう御認識だというふうに受けとめましたけれども、私も、現状、すぐに廃止というような現状にないということは認識しているつもりであります。
 ただ、一九八〇年にこの法制審議会の答申が出てから、今まで二十数年間、三十年近くたってきているにもかかわらず、このことがそういう方向性に行っていないということについては、私は、今までの努力というものが十分でなかった、足りなかった、こういうふうに思うわけですね。
 そういう意味でちょっと聞きますと、都道府県警察が留置場を建設あるいは設置するという場合に、まず、都道府県警察の方としては、どういう収容見通し、見込みを立てているんでしょうか。
○安藤政府参考人 お答えいたします。
 都道府県警察におきましては、警察署の新築、改築や留置専用施設の建設に当たりましては、現下の過剰収容状況にかんがみまして、収容力の増強に努めているところでありますが、その整備に当たりましては、犯罪の発生、検挙状況とか、男女別、成人、少年別被留置者数の留置実績、あるいは警察署の位置や規模、配置人員、財政上の制約等もろもろのことを勘案しまして収容基準人員を定めているところでございます。
○平岡委員 それは一般論的にはそうなのかもしれませんけれども、結果を見ると、被留置者の地位別割合というのを事前にいただいておりますけれども、数も全体も相当ふえていますけれども、その中でも被告人の割合というのが非常に増加しているということはありますよね。それ以外にも、勾留前の割合は相当減っていますけれども、勾留後の被留置者というものも相当ふえている。
 こういう状況にある中で、私は、都道府県警察においては、留置場に留置する人たちについて言うと、勾留後あるいは被告人というものを入れるということを前提に収容見通しを立てているというふうに思うんですよね。
 こういう点について言うと、私は、法務省は、先ほど来からの一九八〇年の法制審議会の提言の中にもあったように、こういう都道府県の動きに対しては、法務省としてやはりしっかりとした見解を示していかなければいけなかったというふうに思うんですけれども、どうしてこういう状態を許してきたんでしょうか。
○杉浦国務大臣 その点につきましては、歴史的経緯もございますから、当局から答弁させたいと思います。
○小貫政府参考人 拘置所、刑事施設ということになりますけれども、その増加状況は以前申し上げたところでございます。これからも努力していくことでございますけれども、今までの努力がどうであったか、こう言われますと、現状を見て、必ずしも十分ではなかったという認識でございます。
 では、都道府県の留置場設置について法務省がどんな関与をしてきたかということでございますけれども、留置場の設置につきましては、都道府県が、その地方におきます治安の維持の責任を全うするという観点から、その判断に基づいて行っているものでございます。先ほど警察庁の官房長からお話があったとおり、いろいろな積算に基づいてその設置を図ってきたということでございますが、それについて法務省が特段の関与をしてきたということは今までございませんでした。
 逆に、拘置所の収容能力というのは、起訴後の被告人につきましても、委員御指摘のとおり、拘置所への移送の停滞が見受けられる実情にある、こういうことでございまして、十分ではないと言わざるを得ない収容能力の状況でございます。
 逆に、ここ数年来は、東京、大阪、名古屋、栃木、奈良など各地の都道府県知事から、あるいは警察から、拘置所の収容能力を高めるべしという要請を受けている状況にございます。これらの要請を受けて、法務省では、例えば、宇都宮拘置支所の増築であるとか名古屋拘置所の増築、さらには立川拘置支所、さらには大阪等の計画等々を今推進しているところでございます。
 ただ、しかし、拘置所の収容能力の増強というのは、厳しい財政事情のもとで都道府県の要請にはなかなか応じ切れないというのが実情でありますし、なおかつ、拘置所には今受刑者が数多くおりまして、どうしても行刑施設、刑務所の増設が急務であるということで、そちらに力点を置いている、こういう実情にございます。
○平岡委員 今、都道府県警察が治安の維持をきちっとするという観点から、こういう留置場の拡充をしてきているんだというような趣旨の話がありましたけれども、それこそ捜査と留置、拘禁というものを混同させる話であって、本来それであってはいけないということを、あえて逆に、治安の維持というのを捜査と勾留、拘禁というものであわせてやっているんだという説明になっていて、大変けしからぬ説明だと私は思うんですね。
 それはさておいても、現状をもってしてこれが無理だからということを言っておられるということでありますけれども、現状をこういうふうにしてしまった責任というものを法務当局にしっかりと感じ取っていただきたいというふうに私は思うんですね。
 そういう意味でいけば、今警察署の建物の中にある留置場あるいは近隣にある留置場といったようなものについても、これを拘置所にかえていく、あるいはこれからつくられるものについても、できる限り法務省が関与して拘置所という位置づけの中で管理していく、このことの努力をしていかなければいけないというふうに思うんですけれども、大臣、この点についてはどうお考えになりますか。
○杉浦国務大臣 まず、全国津々浦々にきめ細かく設置されている警察署の建物の近隣に新たな拘置所を設置することは、極めて厳しい財政事情のもとで、極めて困難である、矯正局長がどなたかの御質問に答えたとおり、莫大な投資を要しますし、人員の増も必要となるということでございます。
 留置施設は、先ほど答弁があったように、都道府県が、地方の治安責任を全うする必要性から、これもやはり厳しい財政事情の中、独自の財源を充てて設置しているものでございまして、これを国の所管に移すことは、治安に関する地方公共団体と国の役割分担や責任の所在にかかわる重大な問題であると思います。財源負担の問題もございます。
 留置施設は、逮捕後の留置とこれに引き続く勾留を通じて用いられておりますから、要員の点でも、逮捕から勾留まで一貫して、現在は、地方公務員である施設の看守勤務員が対応しておるところでございます。したがって、留置施設にかえて拘置所を新設するとしても、留置施設を国の所管に移すとしても、逮捕後の留置を行う施設としての留置施設は存続する必要がございます。
 留置施設の機能を分割するという考えもありますが、被勾留者の収容に関する部分のみについて拘置所を新設し、あるいは国の所管とすることとなります。その場合、国の業務を行う区画を別に設けて、共通した業務に従事する職員を国と地方ごとに配置せざるを得なくなります。こうした点などにおきまして、留置施設にかえて拘置所を新設したり、既存の留置施設の所管を法務省に移すことは現時点では現実的ではないという考えで、この法律を御提案申し上げているわけであります。
○平岡委員 現実がこうだというのは私も認めているんですけれども、現実に到達するまでのこれまでの努力というものが法務省はしっかりしていないということを指摘して、これからは法務省としてはむしろ、これまで、一九八〇年の法制審議会で示された見解というものに沿って、そういう努力をしていくべきだ、その考え方の中でこれからの代用監獄問題というのを考えていくべきだ、こういう流れで話をしているわけですね。
 大臣、先ほど来から、莫大な経費が必要であるとか人員が必要であるとか言っています。これは今都道府県警察が、あるいは地方公共団体がそれを負担しているということなのかもしれませんけれども、国民の目から見れば、地方公共団体の負担であれ国の負担であれ、同じ税金として払っていることには変わりはないわけですよね。そういう意味でいったら、本来必要なことは何なのかということがしっかりと押さえられれば、国民負担というものは全体として変わらないわけですから、しっかりと法務省としての本来あるべき方向性に向かって努力をしていっていただきたいというふうに思います。
 そういう意味でいくと、一九八〇年の法制審議会の確認事項というのは、これはまだ生きているんですね、大臣。
○杉浦国務大臣 法制審の御意見は御意見として、現実にちょうだいしたものは生きております。
○平岡委員 そういう状況の中で、拘置所における勾留の事務と留置場における勾留の事務というのが一体どういう関係にあるのかということをしっかりと整理しておかなきゃいけないというふうに思うんです。
 そういう意味でいくと、今回の法案を見ますと、法案の十五条のところに、「刑事施設に収容することに代えて、留置施設に留置することができる。」こう書いてありますね。私は、「刑事施設に収容することに代えて、」ということの持っている意味というのは非常に大きいと思うんですけれども、本来は刑事施設に収容すべきであるけれども、いろいろな事情によってできない場合には、それにかえて、留置施設に留置することができるというふうに書いてあるという理解でよろしいですね。
○杉浦国務大臣 どちらが原則でどちらが例外という関係にはないと思いますが、個別事案に即して判断されるべきことだということでございます。
○平岡委員 では、刑事施設にかえてというのはどういう意味なんですか。
○杉浦国務大臣 刑事施設が現実的に足りないという現実を踏まえまして、そういう表現になったんだと思います。
○平岡委員 そのことは、本来はそこに入れるべきだけれども、そこが足りないから留置場にということですよね。だから、本来は刑事施設であるということを今大臣は答弁されたという理解でよろしいですよね。
○杉浦国務大臣 法律としてはそうなっておりますが、そういう御理解をされることは自然なことかなと思っております。法律としては、どちらが原則でどちらが例外ではございません。
○平岡委員 それはどういう意味ですか。どちらが原則でどちらが例外ということはないというのは、全然意味がわからないですね。
 だから、刑事施設にかえて留置施設に留置すると書いてあるんだから、本来は刑事施設である、原則は刑事施設における勾留であるということではないんですか。それが自然な読み方であり、自然な解釈で、これまでの歴史的な流れを考えてみても、それ以外には考えられないですよね。大臣、どうですか。
○杉浦国務大臣 代用刑事施設が現在の刑事司法において重要な役割を果たしている、そういう現実を踏まえまして、その存続を前提としてこの法律はつくられておるわけでございます。
 ですから、その御理解が間違っているとは申しませんし、私のかつてからの取り組みからすればそうでございますが、ただ、法律の構成としてはそういうことだということを申し上げているわけでございます。
○平岡委員 先ほど、警察の留置場において勾留しているということについて言えば、捜査とあわせて治安の維持をきちっとするための観点から都道府県警察はやっているんだという説明が局長からありましたけれども、逆に、ちょっと聞いてみると、拘置所に勾留している事務と留置場に勾留している事務、このそれぞれの、勾留し、そして留置している事務というのは、法律上、性格は違うんですか。
○安藤政府参考人 事務としては同じだと思います。
○平岡委員 だから、事務としては同じである以上、先ほど来から言っているように、刑事施設にかえて留置施設に留置するということについて言えば、本来は拘置所において勾留する事務というものが主であって、それができない場合には、拘置所にかえて、留置場において勾留する、あるいは留置するということだということなんですよね、事務が同じなわけですから。種類が違うのなら、こういう場合はこっち、こういう場合はこっちというのがあるかもしれませんけれども、今警察庁の方から答弁がありましたように、事務としては全く同じなわけですから。
 そういう意味でいったら、先ほど来から私が言っているように、拘置所において勾留するというのが本来の原則であるということが、その意味でも確認されるというふうに私は思います。
 そこで、今回の勾留について、代用監獄の問題について言えば、よく有識者会議の話が出て、有識者会議では当面代用監獄を維持するというような話になっていないので、これによってお墨つきをいただいたようなことが説明されるわけでありますけれども、この有識者会議というのは、一体その設置根拠というのは何なんですか。どういうことでこれは設置されているんですか。
○小貫政府参考人 有識者会議は、法的な根拠があって設置したというものではございませんで、法務省事務次官及び警察庁長官が共同で、いろいろ専門家あるいは識見の高い方に御意見を伺う、こういう趣旨でつくったものでございます。
○平岡委員 そういうレベルのものであるということをもう一度よく認識していただいて、法制審議会というものが法令の根拠に基づいて設置されている権威あるものであって、そちらの方から出されている提言なり報告というものがやはり上位にあるということを、しっかりとこの場でも共通の認識として持っておかなければいけないというふうに思うんですね。
 そこで、この代用監獄問題について言えば、国内的な問題だけじゃなくて国際的にも今いろいろと問題にされているということは、もう既にいろいろなところでも出ているというふうに思うわけでありますけれども、先ほど枝野議員の方からも話がありましたが、警察署における留置業務管理者というのは署長である。しかし、被留置者に係る犯罪の捜査の責任者もまた署長である。こうなったときには、一九九八年の人権委員会の最終見解の中で示されているように、これは、捜査と分離された当局の管理下にこの勾留というものが行われていない、留置というものが行われていないというふうに私は解釈するんですけれども、そういう認識でよろしいでしょうね、大臣。
○安藤政府参考人 お答えいたします。
 確かに、捜査の責任者は警察署長でありますが、同時に留置業務の責任者でもありまして、留置業務につきましても、署長として適切な判断が期待されているところであります。とりわけ、留置業務に関して被留置者の処遇に問題があるなど、その遂行に当たって不適切な点がある場合には、これは当然警察署長の責任が問われることとなるものであります。
 さらに、留置業務に関しましては、被留置者の出入り等の被留置者の処遇状況については留置担当官が記録することとなっておりまして、警察署長の判断の適正さはこれによって客観的に担保されるものと考えております。
 加えて、今回の法整備におきましては、被留置者の処遇に関して、警察本部長や公安委員会に対する不服申し立て手続が整備されていること、あるいは、留置施設視察委員会の視察等が実施され、施設の運営の透明化が図られること、さらには、警察署長の具体的措置は必要に応じて公判においても明らかにされるものであることなどによりまして、我々としては、その適正な職務執行が担保されるものと考えております。
○杉浦国務大臣 先生御指摘のとおり、国際人権規約委員会から平成五年及び平成十年の二度にわたりまして、代用監獄制度が分離された当局の管理下にないため、被拘禁者の権利が侵害される可能性があるとの見解が示されております。
 今回の法整備では、捜査と留置の分離を法律上も明記する、今警察庁が申したほか、それを担保するため、留置施設視察委員会の設置、不服申し立て制度の整備等による施設運営の透明性の確保を図ることとしているところでございます。これによって、我が国の未決拘禁制度は国際的な人権保障の水準により合致したものとなるものと考えております。
○平岡委員 より合致したものになる、要するに、昔に比べれば少しはましになってきたけれども、本来あるべきものは、捜査と勾留、拘禁の責任者というものはそれぞれ別であるべきだという考え方というものは、この国際人権委員会の方でも示しているわけですね。これに代用監獄というものは沿っていないということでありますから、それはやはり本来はなくしていくべきものであるということが言えるんだろうというふうに私は思うんですね。
 だから、今回の話について言えば、ぜひ我々も、この代用監獄問題についてはこれから漸次縮減していくという方向を法案の中でも示していきたいというふうに思っているわけであります。
 さらにこの点について申し上げれば、せんだって同僚の保坂議員の方からも質問がありましたけれども、与党が推薦されました鴨下参考人という方がおられましたけれども、その方は、昨年の論文の中でも、あるいは十一日に行われた本委員会での参考人としての答弁の中でも、平成二年に出された留置施設法案では、代用監獄を漸減する方向を附則で明記しているというふうに言っておられるんですね。これは結果としては、多分御本人の誤解だったと思うんですけれども、実は明記されていないけれども、そういう発言とか、あるいはそういう論文になっているということは、私はこれは極めて大きな事実を含んでいるというふうに思っています。
 そういう意味でいったら、この鴨下参考人はこの法案の作成にも深くかかわった人だと思いますけれども、いつの段階で、どういう経緯があって、この漸減規定というものが法案から削除されたんでしょうか。
○小貫政府参考人 先日の参考人質疑の中で鴨下参考人が先生言われたようなことを述べられ、なおかつそういった論文があることは承知しておりますけれども、私どもが知る限りでは、過去三回にわたって上程されました法律の条文の中にその漸減条項なるものがあったとは承知しておりません。
○平岡委員 私も、明記されていないということは自分の質問の中でちゃんと言っているから、それはわかっているんですけれども、逆に、これは法務省と日弁連が昭和五十九年あたりにいろいろとこういった問題について協議をしている中で法務省の見解として示されたものとして、代用監獄廃止問題については、要綱の漸減条項を国会の附帯決議もしくは附則の形式で盛り込む程度で考えたい、法律の本文中に盛り込むことは難しいということを法務省がちゃんと言っているということなんですよね。
 ですから、こういうことがあるにもかかわらず、これがその当時の法案にも書かれていない、今回の法案にも書かれていないということを私は問うているんです。
 先ほどの有識者会議の話は、法制審議会の提言とか報告というものを否定するものではないということが確認されているわけでありますから、これは、当時の考え方に基づいて、やはりしっかりと附則で漸減規定を盛り込むということが本来あるべき姿じゃないんですか。法務省もそういうふうに考えていたんじゃないんですか。いつの段階でそれを取りやめたんですか。
○小貫政府参考人 先生御指摘の資料というのを私ちょっと存じ上げませんでしたけれども、ただ、刑事施設法案につきましては、過去三度にわたって国会に提出されたところでございます。しかも、その議論の中では、その廃案を求める意見も強うございました。その審議の過程などにおいて、法案の成立を目指すための方策としてさまざまな対応が検討されまして、その方策の一つとして、いわゆる漸減条項の趣旨を何らかの形で明らかにできないかということも、附則に規定することも含めて検討されたことはあったように思いますし、そのあたりのことを鴨下参考人は言っておられるのかなというふうに理解しておるところであります。
 しかしながら、結論といたしましては、必要な数の拘置所あるいは支所を必要な場所に設置することは、用地の取得だとか予算面の裏づけ、さらには収容定員の増員とこれに見合う職員の確保等の観点から見て、これを短い日時の間に実現することは現実問題としては極めて困難であると考えられたことから、法務省としては、漸減条項を法的拘束力を有する附則に盛り込むことは望ましくないと考えていたものと思います。
○平岡委員 今の答弁は全く根拠がないといいますか、我々が持っているものは、すべて漸減していくべきだということを、法務省としてもそういう附則で盛り込むということは考えられるんだとか、あるいは法制審議会の中でもそういうふうにすべきであるとか、そういう方向のものしかないんですよね。それにもかかわらず、そういうふうに考えたんだというのはどこにも証拠がない。そんなものがここで答弁されたからといって、私もすぐに信じるわけにはいかないですね。
 ちょっと話を変えますと、よく、この問題を取り上げると、いや、最後は裁判官がお決めになる話ですから、裁判官の指示に従ってどちらに入れるかというのは決めているんであって、どちらが優先するかどちらが優先しないかという問題じゃないんです、裁判官の判断なんですということを言う人もいるんですよね。この中でも、多分答弁の中にもあったのかもしれませんけれども、私が事前レクで聞いたときもそういう御発言がありました。
 そういう観点からいうと、きょうは最高裁にも来ていただいておりますけれども、裁判官の方というのは、勾留を決める裁判において、どういう観点から勾留場所を決めているのか。いろいろな総合的な判断で決めておられるんだろうと思いますけれども、代用監獄に関して問題意識というのは全く持っておられないという状況なんでしょうか。この点について、最高裁から御見解を承りたいと思います。
○大谷最高裁判所長官代理者 お尋ねの点につきましては、最終的には個別の裁判事項でありますので、ここでは協議会等における議論あるいは裁判実務家の文献等から申し上げるしかないのでありますが、勾留場所の指定につきましては、今先生からお話のありましたように、諸般の事情が総合考慮されておりまして、例えば拘置所の収容能力の現状といった点についても考慮が払われていると考えられます一方、令状事務が被疑者の人権にかかわる重要な職務であるとの観点に立った検討も当然されていると考えられます。
 具体的に申し上げますと、例えば被疑者が被疑事実の全部または重要な点を否認し、かつ、物証や第三者的な参考人の乏しいケースであること、あるいは警察官が被害者である事案であるといった事情は勾留場所を拘置所と指定する方向に働く要素となるという点について、裁判官の間で異論はないように思っております。
○平岡委員 特定の場合を挙げて異論がないと言われてもちょっと困るんですよね。さっきは、拘置所がいっぱいだという事情も考えてという話がありました。ということは、本来は、拘置所というのがいっぱいでなければやはり拘置所に行くべきであって、代用監獄が抱えてきた今までの諸問題については、当然、裁判官も念頭に置いているという理解でいいわけですね。もう一遍確認します。
○大谷最高裁判所長官代理者 法律上、どちらが原則、例外という関係にあるかということについては、これは法律解釈の問題にわたりますので、私どもから申し上げることはできないということでございます。
 ただ、今お尋ねのありましたように、拘置所の収容能力という点については、当然、総合考慮する際に判断しているだろうということを、これは先ほども申しましたように、文献あるいは議論などからするとそういうことが言えるのではないかということを申し上げているわけでございます。
○平岡委員 最高裁からは私の質問に対してまともに答えていただけないということは、日本の裁判官の人たちというのは代用監獄問題について全く問題意識を持っていない、こういうふうに理解していいんですか。どうですか、最高裁。
○大谷最高裁判所長官代理者 代用監獄問題といいましても、具体的にいろいろな点がございますので、個々の裁判官が具体的に判断をする際にどういう点を問題にしているとかしていないとかいうことを申し上げることはできないのですけれども、先ほど申し上げましたような、勾留場所を考える際に、具体的に、先ほど申し上げました事情があるときには拘置所を勾留場所とする方向に考えているということは、一つのその検討のあらわれではないかと思っております。
○平岡委員 裁判官の方々が代用監獄に関する問題意識を全く持っていないというような説明というのは、ちょっとこれは最高裁に対する信頼を失わせますね。
 大臣、今の最高裁の答弁を聞いて、裁判官の方々は問題意識を持たないで、ただ単に、何か、どちらがいっぱいかというようなことでやっているような答弁でしたけれども、どうお考えになりますか。
○杉浦国務大臣 今の御答弁を伺っていて、そういうふうには受け取れませんでした。いろいろとお考えになっておられるというふうに受け取りました。
○平岡委員 だから、私は今の答弁を聞いてそういうふうに受けとめた、大臣はどういうふうに受けとめたんですか、具体的に。
○杉浦国務大臣 個別のケースに応じて裁判官がいろいろな状況を総合判断してお決めになっておられると伺いましたので、全く代用監獄について関心をお持ちではないということは言えないんじゃなかろうかと思うわけです。
○平岡委員 大臣は代用監獄についての関心は持っておられるというように受けとめられたということならば、大臣、先ほど来からるるお話を申し上げてきております代用監獄問題については、これは国際的な関心も持たれており、国内的にも歴史的にずっと重大な関心を持たれてきた話である、これについて漸減規定をしっかりと附則の中に設けていくべきだというふうに私は思っています。今、その観点の修正案も与党と協議中でありますけれども、この点について、大臣、どうお考えになりますでしょうか。
○杉浦国務大臣 前から私が申し上げているのは、理想論は別といたしまして、先生御指摘の法制審議会のいわゆる漸減事項というのは、あくまでも新法の運用上の配慮事項を示したものであって、これを法文化することまで求めておられるものではないと思っております。
 加えて、最近の未決拘禁者をめぐる厳しい過剰収容の状況あるいは現下の財政状況等にかんがみますと、もちろん法務省としては今後とも未決拘禁者の収容能力の増強に努めてまいりますけれども、刑事施設の能力の増強を図り、やむを得ず被勾留者を留置施設に収容する例を少なくするという結果を十全に実現することは必ずしも容易ではない、非常に厳しい、何回も御答弁申し上げておりますが、そういう状況から、これを求める漸減条項の内容を法的拘束力を有する附則に規定することは適当ではないと考えております。
○平岡委員 先ほど来から言っているように、与党が推薦された鴨下参考人も、当然これは法律の附則事項に入っていると思っていたというような、思っているということを前提とした発言があったり、あるいは先ほど御紹介しました法務省の昭和五十九年の見解の中でも、これは附則事項として盛り込むことが可能であるというような見解を示しているということでございますから、大臣がそんな後ろ向きな答弁をしないでいただきたいというふうに思います。
 そこで、我々は、先ほど言いましたように、ぜひともここは漸減規定を法律の附則の中に盛り込みたいということで今与党と協議中でございますので、しっかりと受けとめていただきたいというふうに思います。
 そこで、代用監獄の問題について、少し現実的な問題として、この法案に即しながらお尋ねをいたしたいというふうに思います。
 法案の百八十四条で、「留置業務管理者は、」「食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯を定め、これを被留置者に告知するものとする。」というふうに書いてあるんですけれども、ただ単に告知したからといってどうなるものでもないと思うんですけれども、告知された被留置者はどういうふうにして時間を知り、そして自分が告げられた時間との関係では、その時間が来たらどういう対応ができるんでしょうか。
○安藤政府参考人 お答えいたします。
 被留置者は、時計が見えない場所にいるなどによりまして時刻がわからないときには、看守勤務員に現在時刻を尋ねるなどしているものと承知しております。
 留置業務管理者は、日課時限、すなわち、被留置者の起床、就寝時間、食事の時間、運動の時間等をあらかじめ定めることとしているところでありますが、被留置者の処遇というのは原則としてこれらの時限に従って行われることになりますけれども、被留置者は他方、刑事手続の対象でもございます。したがって、勾留質問、取り調べ、あるいは引き当たり捜査とか公判出廷などを実施すべき公益上の必要性もあるところでございます。
 したがいまして、具体的事案に応じて、やむを得ず、定められた時間に実施できないこともあり得るところでございますが、例えば、そういう場合は別の時間に運動を実施するとか、そういう補完措置をとっておるところでございます。
○平岡委員 ちょっと聞きますけれども、まず、尋ねた場合はちゃんと答えるということになっているんですね。それから、それで時間を知ったときには、あらかじめ告げられた時間帯を過ぎているというような場合にはどういう対応がとれるのか、この点を私は聞いたんですけれども、もう一遍お願いします。
○安藤政府参考人 あらかじめの日課時限については、例えば食事、就寝等の時間にかかるような取り調べが行われる場合、留置部門から捜査部門に対して取り調べの打ち切りについて検討を行うよう要請する、こういうことになっております。
○平岡委員 私が聞いたのは被留置者の話ですよ。被留置者が時間を聞いたら、取り調べをしている人を含めて当局の人はちゃんと答えてくれるんですね、そういう仕組みになっているんですねということと、それから、被留置者は、自分が告げられた時間を過ぎてこうなっているなというときには、もうこの時間ですから、私はこういうふうなことになっていますよということで、取り調べをしている人に対しても、こういうふうにしてほしいということがちゃんと言える仕組みになっているんですか、これを聞いているんですよ。
 何のために被留置者に対して告げているんですか。被留置者に告げた以上は、被留置者は、その告げられた中身、内容に従って、みずからの生活というものをそれなりにコントロールできるんじゃないですか。どうですか。
○安藤政府参考人 答弁が正確でなかったかと思いますけれども、御指摘の前者について、被留置者の方が時間がわからないときは、これは看守勤務員に時刻を尋ねる、こういうことになっております。(平岡委員「尋ねたときはちゃんと答えることになっているんですね」と呼ぶ)もちろん、それは答えることになっております。
 後者につきましては、被留置者の方が現在時刻というのを承知しておりませんので、実際のところ、そういう形にはならないと思います。
○平岡委員 ちょっと今のは意味不明ですよ。聞いたら、ちゃんと時間は答えてくれる。この百八十四条では、どういう時間帯になっているかということはちゃんと告知されているわけですから、例えば、午後六時になったら、今何時ですか、六時ですと、午後五時に夕食を食べることになっている、そうしたら、私はもう夕食を食べる時間になっているんだから、ちゃんと夕食を食べさせてくださいと言うことができるんですね、そういうことが言えるような仕組みになっているんですねということを聞いているんですよ。
○安藤政府参考人 被留置者が捜査担当官にそういうことを申し述べて、それに対して捜査担当官がどういう判断をするかというのは、それは他方、捜査の必要性ということがございますので、そこは、最終的に被留置者の要望どおりにならないことはあるわけでございます。
○平岡委員 そうしたら、この法律の百八十四条というのは何のためにあるんですか。ただ単に告知するということだけで、言ったらそれでもう責任が全うされて、後は当局の好きなように運用できるんですか。それこそ何か全然意味のない法律の規定じゃないですか。どうですか。
○安藤政府参考人 日課時限につきまして、百八十四条で、あらかじめ定めるということで、これは運用上もできるだけ、捜査に支障がかなり生じるという場合におきましては捜査と日課時限との調整ということになりますけれども、基本的にこの日課時限が尊重されて運用されているということがありますので、被留置者が、先ほど申し上げましたように、そろそろ時間ですよという場合に、そういうことは、もちろん捜査担当者も、日課時限について日ごろから、そういう捜査、取り調べをする場合に尊重しつつやっておりますが、どうしても、やはりやむを得ずそういうものを超えて取り調べをしなきゃいけないという事態が生じますので、そういう場合におきましては、先ほど申しましたように、後ほど補完的な措置を運動とか食事についてする、こういうことでございます。
○平岡委員 告知された時間というものがちゃんと守られているかどうかということは、これは尊重するというふうに言われたから、尊重をしていただかなきゃいけないんですけれども、やはり告知した以上は、それに対応する被留置者のそれなりの、何といいますか、権利と言うとちょっと言葉が強過ぎるかもしれませんけれども、利益といったようなものも、しっかりと守っていかなければいけないというふうに思うんですよね。
 その観点からちょっと一つ聞くと、これは「食事、就寝その他の起居動作」と書いてあるんですけれども、「その他の起居動作」の中には、運動時間とかいうのも入るんですか。あとどんなものが入るんですか。
○安藤政府参考人 御指摘の、運動あるいは入浴などが入ります。
○平岡委員 ここで明示されていないということを大変残念に思っているんですけれども、留置場にしても拘置所にしても、それぞれの被留置者あるいは被勾留者についても、それなりの健康を維持していくために必要な運動であるとか入浴であるとかというようなこともしっかりとこの中に含まれているんだということを確認しておきたいんですけれども、これは両方、拘置所の関係での法務省と警察庁、確認しておきたいと思います。
○安藤政府参考人 その中にきちんと定めることにしております。
○小貫政府参考人 拘置所においても、被収容者、人間的な生活をすべきでございますので、日課は原則として守るということになるわけでございます。
 ただ、押送で裁判所に行きっきり一日帰ってこないというような事態もございますので、そういう場合については運動時間は与えられないというような場合もございますし、渋滞で遅い時間に帰ってきて夕食時間が遅くなるというような事態もあり得るというふうに思います。
○平岡委員 そういうちょっと例外的な場合はともかくとしても、日常的な通常の場合のこういう起居動作について、一日はこういうふうにして過ごしていけるんだという健康も留意したものはしっかりとやはりあるべきだということで、そこは確認できたというふうには思います。
 そこで、例えば、留置業務管理者または刑務官という者が、被留置者あるいは被勾留者が取り調べに耐えられているかどうかというようなことについて、耐えられるような状態にあるのかというような状態についての確認というのはどういうふうに行っているんでしょうか、それぞれお尋ねいたします。
○安藤政府参考人 警察留置場におきましては、被留置者の処遇については、その健康の維持も含めまして、留置部門が責任を持って常時対処しております。
 したがいまして、具体的には、取り調べ等の捜査により被留置者が留置施設から出る場合には、これは捜査担当官が被留置者の出場の目的、予定の時間等について書面に記載し、責任ある留置担当官がその適否を判断するということでございますが、その中にも、当然健康についての判断を含めて適否を判断しておりますし、さらに、食事、就寝等の時間にかかるような取り調べにつきましては、先ほど来申し上げております留置部門から捜査部門に対して取り調べの打ち切りについて検討を行うよう要請していること、こうしたことの措置を通じまして、こうした面につきまして配慮をしているということでございます。
○小貫政府参考人 拘置所におきましても、舎房担当あるいは連行する刑務官において、その病状がわかる場合が多々ございます。そういう場合については、それぞれの担当者が捜査官側にこういう体の状態にあるというようなことを告げるようにしておりますし、私の実際の経験でも、小菅拘置所でそういったことを多々伝えられたことがございましたので、実務はそうなされているものと承知しております。
○平岡委員 せんだって四谷警察署に行ったときも、留置人がどういうふうに出入りしているのかということについては、出入簿というものがつけられているというような説明がありましたし、私も、警察庁を通じて、留置人の出入簿というようなものもちょっと入手をさせていただきました。さらに、警察庁の総務課長通達で「被留置者の健康保持のための手続について」という通達が出ておりまして、この中でも、就寝時刻経過後においても引き続き取り調べが行われているようなときには、関係簿冊にちゃんといろいろなことを記入しなさい、こういうようなことで、留置人出入簿あるいは関係簿冊といったようなもので管理されているというふうに聞いているわけであります。
 例えば、被留置者が、就寝時間、これは午後九時ということになっているようですけれども、以降も入場しない場合、留置担当官はどのような措置を講じることになっているのか、この点について警察庁の方からお伺いしたいと思います。
○安藤政府参考人 お答えいたします。
 先ほども申し上げましたが、被留置者の処遇は原則として日課時限に従って行われておりまして、就寝時間にかかるような取り調べには、留置部門から捜査部門に対しまして、取り調べの打ち切りについて検討を行うよう要請することとしているわけであります。
 しかしながら、例えば、深夜に逮捕した場合とか深夜に検証を行う必要がある場合、さらには自供が深夜に及んだ場合など、具体的な取り調べの状況によってはこれを中断することが困難な場合もございます。そのような場合には就寝時間以降に被留置者が入場することもありますが、そのときは、翌日の起床時間をおくらせるなど、守れなかった日課時限を補完する措置をとって運用しております。
○平岡委員 これが本当に今説明されたような状況で、本来の趣旨、つまり、留置場における勾留が虚偽の自白を促していくというようなことにならないといったような観点からすると、先ほど言いましたように、留置人出入簿とかあるいは関係簿冊といったようなものにどのように記載されているのか、どのように管理されてきたのかということがわかる仕組みになっていなければいけないというふうに思うんですけれども、こういった留置人出入簿とかあるいは関係簿冊といったようなものについては、弁護人とかあるいは裁判所から提示を求められた場合には、遅滞なくこれに応じるということであるべきだというふうに思いますけれども、それはそういうことでよろしいでしょうか。
○安藤政府参考人 お答えいたします。
 警察の方では、随分昔から留置人の出入簿というものを作成しておりまして、これは、被留置者の出場または入場を要請する者、あるいは出場または入場の理由とか、出場及び入場の予定時間などを記載しまして、留置担当官の承認を得るということで、これが毎日記録されているわけですが、今委員お尋ねのこれらの記録についての提出ということでありますが、提出ないし開示の要求があった場合には、その根拠、目的、被留置者のプライバシー等を考慮して、警察署長の判断により提出されるものと考えております。
○平岡委員 いろいろな条件があるようですけれども、基本的に提出されるという理解でよろしいですね。
○安藤政府参考人 そのとおりでございます。
○平岡委員 そういう理解のもとでお願いをしたいのでありますけれども、先ほど言いました留置人出入簿については、例えば、平成六年以降の虚偽自白を強要された事例のうち無罪となったものとして日弁連が調べたのが二十件あるというふうに言われていますけれども、この関係の関係簿冊、留置人出入簿について、ここでちょっと示していただきたいというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。
○安藤政府参考人 お答えいたします。
 もちろん、各都道府県警察が作成しております留置業務に関する個別具体の書類については、警察庁において把握しておりません。お示しできないわけでありますが、なお、各都道府県警察においては、こうした書類というものの保管期限というのはそれぞれ各県で設けておりまして、これは大体、被留置者の出入簿というのは、三年、五年といった期限を設けているところが多いものと承知しております。
 したがいまして、保管期限を過ぎました書類については廃棄されていると考えられますが、他方、公判中の事件に係るものについては公判終了まで保管しているということでございます。
○平岡委員 私が事前に伺った中では、保管期間は大体三年ぐらいだ、ただし裁判中は保管をしているという話でありました。
 裁判中に必要になってくるというものは当然あるでしょう。ただ、今までいろいろと問題になったものについて言えば、再審請求がされて、再審まで行っているというものもあるわけですよね。そういう中で、やはりこういったものが、留置された人が警察署内でどういうふうに取り扱われていたのかということを確認する必要も出てくるんだろうというふうに私は思うんですね。
 そういう意味でいくと、これは保管期間三年とか五年、あるいは裁判中だけは保管しているというのでは短いんじゃないかと思うんですけれども、この辺はちゃんと、もっと記録として残しておくべきじゃないでしょうか。どうでしょうか。
○安藤政府参考人 先ほども申し上げましたように、この文書の保存期限というのは、各都道府県のそれぞれの判断ということで三年とか五年ということでありますけれども、現場の都道府県警察においては、いろいろな書類が大量にございまして、そうした全体の中で保存期限というのが定められているということだと思いますが、そうした中で考えられていくということじゃないかと思います。
○平岡委員 ちょっと確認だけですけれども、今言われたのは、出してくれ、提示してくれということで要請がある場合には大体こたえられるような保管期間になっているという理解でいいですか、今の説明は。
○安藤政府参考人 公判の中で求められれば、それは出すという対応をいたしております。
○平岡委員 それはある意味では当然なんですけれども、私が言ったのは、再審のケースとかいろいろあるので、保管期間として定めているものは、出してくれというふうな要請に大体対応できるような保管期間になっているんですかということを聞いているんです。
○安藤政府参考人 警察におきましては、未決拘禁の期間というものを視野に入れて、大体、こうした三年から五年ということで定められておりますので、再審とかそういう長期の場合、対応できないといいますか、先ほど申し上げましたように廃棄されるという形になるんじゃないかと思います。
○平岡委員 具体的な事例を踏まえてやらなければ押し問答になってしまいますから。
 私が言いたいことは、代用監獄の中で何が行われているかということについては非常に問題視している人たちも多い。そういう中で、代用監獄で不当な捜査が行われていないとか、それを立証していくためには、留置人出入簿とか、あるいはそれ以外の関係簿冊というのがあるようでありますけれども、こうしたものでしっかりと記録をとっていく必要があるということだと思うんですね。我々自身は、取り調べの可視化といったことをやるべきだというふうに言っていますから、そういうことができればこういうものは必要なくなるのかもしれませんけれども、ぜひそこは、そういう状況に、限られた手段しかないということでありますから、しっかりとこれについては、まともな保存、まともな保管ということを要請しておきたいというふうに思います。
 そして、必要があるときには、裁判所あるいは弁護人からの要請がある場合にはしっかりとその要請にこたえていただく、提示の要請がある場合にはしっかりと提示していただくということについても、私はここで要請しておきたいというふうに思います。
 そこで、代用監獄問題については幾つか論点があるわけでありますけれども、せんだってもちょっと議論になった中で、大規模独立留置場というものをいろいろなところでつくっておられるという話がありました。これについては、先ほど来からの話でいきますと、法務省の方もしっかりと関心を持っていただいて、こういうものこそ本来法務省で拘置所として使うべきだという議論が行われるべきだというふうに思っておりまして、ぜひそれを実現してほしいということでありますけれども、そういうふうに拘置所にしていくということはできないんでしょうか。どうですか、法務省。
○小貫政府参考人 この点は、先ほど大臣が御答弁されたところと同じような答えになって恐縮なんですが、留置施設というのは、都道府県が、地方の治安責任を全うする必要性から独自の財源を充てて設置しているものでございまして、これを国の所管に移すことは、治安に関する地方公共団体と国の役割分担や責任の所在にかかわる重大な問題でございます。
 また、留置施設は、逮捕後の留置とこれに引き続く勾留を通じて用いられておりまして、要員の点でも、逮捕から勾留まで一貫して、地方公務員である施設の看守勤務員が対応しております。
 したがいまして、仮に留置施設を国の所管に移すといたしましても、逮捕後の留置を行う施設としての留置施設は存続する必要がございますし、留置施設の機能を分割して被勾留者の収容に関する部分のみを国の所管とするということになりますけれども、この場合も、国の業務を行う区画を別に設けて、共通した業務に従事する職員を国と地方ごとに配置せざるを得ないという事態も考えられるわけでございます。こうした点などにおきまして、留置施設の所管を法務省に移すことは現実的ではないのではないかというふうに考えているところでございます。
○平岡委員 先ほど、一九八〇年の法制審議会の提言についてはそういう趣旨で努力してきているつもりだというお話、それから、これからもその趣旨は生きているんだということ、そういうことを踏まえると、今言われたのは、ちょっと法務省としては余りにも後ろ向き過ぎるんじゃないかというふうに私は思うわけですね。
 予算とか人員の確保ということについては当然努力をしていかなければいけないわけでありますし、先ほど来から何回も言っていますけれども、留置場の設置、建設というものが、これは治安にかかわる話なんだ、こういうふうな説明をされちゃうと、どうも私は、捜査と勾留というものがごっちゃにされているというふうにちょっと考えざるを得ないんですよね。そういう気持ちでこの留置場を考えてもらったのではいけないというふうに思います。
 そもそも、逮捕して、最初のときはいいですけれども、その後勾留をしていくという段階においては、治安の問題というよりは、むしろもっと法務省としてはかかわらなければいけない問題であるというふうに私は思いますので、そこの点については重ねて指摘させていただきたいというふうに思っています。
 それから、先ほど最高裁に聞いたときに、最高裁の裁判官というのは代用監獄問題について意識が乏しいというような印象を受けましたので、ぜひ、制度としてこの法律の中に、法律の第十五条の適用関係の問題として、例えば重大事件とか否認事件であるとか、あるいは女性、少年の被疑者に関しては原則拘置所で収容するというふうにすべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。余りにも裁判官が頼りないという印象を受けましたので、あえてこの点について御提言させていただきたいと思います。
 法務大臣、いかがでしょうか。あらかじめ通告している話なので、よろしくお願いします。
○杉浦国務大臣 立法論としてはいろいろな御意見があり得ると思うんですが、十分に慎重に検討すべきことだと思います。
 とりわけ、先ほど最高裁からも御答弁ありましたように、被疑者を勾留する場所については、裁判官が具体的事件ごとに諸般の事情を総合的に考慮して決しておられる、裁量に属することでございますので、最高裁判所の裁量に属すべきことを法律で定めるについては、もし定めるとすれば、慎重に検討し、最高裁の御意見もお伺いしてやらなきゃいけないことであると思っております。
○平岡委員 今のはあらかじめ用意された答弁ですか。制度として拘置所収容とするということが、裁判官の裁量に反する事項なんですか。それはおかしいんじゃないですか。制度としてこういうものをつくるということ自体は別に、裁判官は法律に拘束されるんでしょうけれども、そのことを定めること自体が裁判官の裁量を侵害するような事項である、これはとても見逃せない答弁ですよ。
○杉浦国務大臣 いや、立法論として、御意見としてはさまざまあり得るということは申し上げたわけでございますが、それを定めるについては、基本的には、もちろん国会がお決めになることではありますけれども、慎重に検討すべきことだと思っております。
○平岡委員 いずれにしても、きょうは代用監獄問題とか弁護人等との面会停止規定の問題とかについて少し焦点を絞って質問をさせていただきましたけれども、これらの問題については、同僚議員もるる質問してきたように、大きな問題があるということでありまして、我々としては、修正案を今与党との間で協議させていただいておりますので、ぜひ与党の皆さん方におかれても真摯に対応していただくとともに、法務当局あるいは警察当局におかれましても、こうした議論を踏まえて、運用面でしっかりと逸脱のないようにしていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○石原委員長 次に、保坂展人君。
○保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。
 杉浦大臣、長時間御苦労さまですが、ごくごく初歩的な答弁をいただきます。ちょっと予告はありません。しかし、簡単なことで、基礎的なことです。
 例の、法制審議会の全会一致で出された漸減条項のことです。この漸減条項は、「刑事施設の増設及び収容能力の増強に努めて、」という部分と、「被勾留者を刑事留置場に収容する例を漸次少なくすること。」こうなっていますね。つまり、前半と後半に分かれていると思います。
 私の理解では、前半は、刑事施設あるいは収容能力、これを増設、増強しなさいということ、後半は、刑事留置場収容者がだんだん、漸次少なくなる、こういうことかと解しますけれども、大臣の見解を伺います。
    〔委員長退席、早川委員長代理着席〕
○杉浦国務大臣 私どもは前半と後半を分けて考えておりませんで、施設の増設及び収容能力増強に努める、そのことによって被勾留者を刑事留置場に収容する例を漸次少なくすること、こう思っておりまして、そう解しております。
○保坂(展)委員 では、その書かれているとおりに解釈をしているということだと踏まえますけれども、まず冒頭大臣に聞いて、それから局長に聞いていきます。
 昨日、参考人とのやりとりで、先ほど平岡委員からもありましたけれども、鴨下参考人の方から、代用監獄についても法律の一部である附則で漸減することを明記しているんだと論文に書かれていたのを私は事前に読みまして、この点を確認させていただきました。証言は、少なくとも附則というのは条文の一つにあった、それが前の廃案法案には明記されていたにもかかわらず、反対意見が多くて日の目を見なかった、こういう内容だったんですね。
 改めて確認しますが、事実はどうだったんでしょうか。大臣にお願いします。
○杉浦国務大臣 刑事施設法案につきましては、三度にわたって国会に提出されておりますが、その廃案を求める意見も強かったため、審議の過程などにおきまして、法案の成立を目指すための方策としてさまざまな対応が検討され、その方策の一つとして、いわゆる漸減条項の趣旨を何らかの形で明らかにできないかということも、附則に規定することを含めて検討されたことはあったようでございます。しかしながら、結論としては、三度とも附則に盛り込まれておりません。
○保坂(展)委員 いろいろな対応の中で、附則に盛り込もうということもかつて法務省の中で検討されたという答弁を今いただきました。
 そういった経過に入る前に、矯正局長に、鴨下参考人は刑事施設法案の立法当時、矯正局の中で法制化の作業に当たったと聞いていますけれども、どのようなポジションでいらっしゃったんでしょうか。その点に関してのみお答えください。
○小貫政府参考人 鴨下参考人につきましては、矯正局総務課におきまして、法規係長、法務専門官、課長補佐、矯正調査官として、監獄法の改正作業に従事していたものでございます。
○保坂(展)委員 監獄法の改正、つまり刑事施設法ですよね、この中で、最初から法制審議会答申に漸減がありながら法案にないじゃないかということを、弁護士会中心にこれが問題になった。法務省との間でもいろいろやりとりがあって、今、大臣の答弁なんですけれども、法務省内で附則化が検討された時期があったんじゃないかというのが出ましたけれども、いつごろ、どういう形で附則化が検討されたんでしょうか。
○小貫政府参考人 いろいろ当時の人に聞いてみましたけれども、現在のところ、時期的なものが必ずしも明確にはなっておりません。ただ、国会に上程されている際に、何とか法律案を通すために策はないかというようなことでいろいろ検討した経過はある、このように聞いております。
○保坂(展)委員 局長に伺いますが、きのう、鴨下参考人から、附則に明記してあるのに、法律条項であるのに、反対運動でこういった刑事施設法案がつぶれたことで、後の刑務所におけるさまざまな異常な問題、これが今回の法改正の根っこにあるわけですけれども、そういう認識を持っておられたわけですね。その彼の認識というのは、結論からいえば、何かの勘違い、錯誤だったのか、なぜそのような認識を持たれたのか、確かめていただけましたか。
○小貫政府参考人 鴨下参考人は我々の大先輩で、信頼する方でございますので、恐らくそういう記憶があってそのまま口に出たんだろうとは思うんですが、私どもが調べた範囲では、少なくとも、委員も御案内のとおり、三度提出した法案の附則の中にその条文がなかったということは、またこれは事実でございます。
 ですから、先ほども申し上げましたように、法案が審議される、あるいは上程される中でいろいろな議論が行われたのではなかろうかなということでございまして、結論的に言いますと、何らかの誤解をされているのではなかろうかなというふうに思っているところでございます。
○保坂(展)委員 正面から答えていただけないので、ちょっと大臣にもう一度今の点をお聞きしたいと思うんですね。
 鴨下さんは、こちら、「行刑法改正の経緯と問題点」、矯正講座二十六号という昨年出たものに、先ほど私が紹介したように、法案に明記されているんだ、附則に書いてありますよ、附則に書いてあるということは法的実効力があるので、代用監獄の恒久化にはなりませんよ、しかし反対運動でつぶしちゃったという認識をお持ちだったんですね。
 昨日の参考人質疑でも、例えば、日弁連と警察庁ともいろいろ交渉して、説得して、これは合意してもらったんですと。要するに、附則に盛り込むということでやってきました。今回見てみて、あれっ、入っていない、こういうふうにあえて言えば思うということを証言していただいたんですね。これはすごくこの法案審議にとって重要なポイントじゃないかと思うんですよ。
 つまりは、法制審答申を受けて当時の法務省が、いろいろ調べたけれども余り資料はありません、しかし、ない中で、総合すると、法務省の方から、いわば漸減条項を法文化するとか附則に盛り込むとかいうのを政府案として出すことは難しいけれども、相手、つまり、例えば国会審議の場で野党から求められたりという場合、あるいは修正協議の中で、例えば附則という部分であれば可能なのかなというような見解をお持ちになられた。そして、どうもその作業はやはり現場におりていたということのようなんですね。
 鴨下さんは、当時矯正局の現場で、附則に入れたその法案を、恐らく、これは日の目を見なかったもので、実際には提出されていないと思いますが、これをつくられ、その後、別の任地に向かわれたということで、今回の錯誤が起こったんじゃないかというふうに私は考える。
 きのう、相当長く質問取りをやって、この点を確かめてくださいと。大変大事な問題です。我々野党としても、修正条項に附則でせめてこれを入れようということを言っているわけですから。この点について、大臣の所感。
    〔早川委員長代理退席、委員長着席〕
○杉浦国務大臣 ともかく二十五年の経過がございますので、その間さまざまなことがあったことは考えられると思います。
 私が当初の反対運動のときにあった案にはございませんでした。当時の日弁連、弁護士会と政府、全面対決でございまして、一番最初の案が結局つぶれたわけですけれども、その過程では、政府側から、では、漸減条項を入れるからのんでくれというようなお話はなかったと記憶しております。
 その後、何回も何回も話し合いもし、やっておりますから、どこかの段階で先生のおっしゃるような話が、要するに漸減条項を入れればのんでもいいよという話が、日弁連とか、あるいは野党とか与党とか、そういう政党間とかどこかから出た可能性は否定できないと思いますね、私は知りませんけれども。少なくとも、当初の全面対決のときにはそういう話はございませんでした。
○保坂(展)委員 日弁連の中の記録によりますと、八三年の六月の法務省との第七回意見交換会において、代用監獄の漸減方針を表明、附則または附帯決議の盛り込みを示唆したというふうにあるんですね。これは「監獄法改正問題意見交換会会議要録」、日弁連拘禁二法案対策本部のものですけれども、内容としては、先ほど平岡さんも紹介しましたけれども、代用監獄問題については、漸減条項を加えるのが精いっぱいでしょう、国会の附帯決議か、附則を議員の修正の形で入れる形になるだろうというようなやりとりはこの段階であったようです。
 もう一つは、九〇年代に入って、一回廃案になりましたね。その時点で、何とかもう一回、四回目の挑戦でこの刑事施設法案を通そうというときに、法務省の中で、今度は附則に入れる形でのいわば要綱案づくりというか、法文化したものの素案というか、表に出ないものをつくられたんじゃないか、少なくともそういうふうな話もされているようなんですね。その点はいかがでしょうか、大臣。
○杉浦国務大臣 そのあたりの経過は私は存じませんけれども、あり得る話ではあると思います。ただし、法務省の方で、では、ここへ落としてくれという話を出される際にそういう要綱まで落とした形で示されたかどうか、それは私の知るところではございませんし、法務当局に聞いても、そこまではやっていない、こう言っておられるところでございますので、どの段階でどういう話が出たか、さまざまな可能性があると思います。
 あそこまで勘違いされているんですから、事務方として、何らかの話があって、鴨下さんですか、御本人が原案を書かれた可能性はありますね。ただ、それがどの段階でどういうふうな、事実のことはわかりませんが、日弁連とか与党等の関係で正式に提出されたのかどうか、そこまでは、可能性としていろいろ言えるとだけしか申し上げられないと思います。
○保坂(展)委員 大変率直な答弁をいただきました。
 対外的には提出はされていないみたいなんですね。私もそう思うんですね。要するに、全くの勘違いとか、机で資料だけ集めて何か書いていらっしゃるような方と違って、現場でもずっと経歴を積んでこられて、現在も矯正行政の中で指導的な論陣を張っていらっしゃる方なんで、恐らく、あのときああしたのにということがあったはずだと。
 そうしたら、大臣、この法案を今審議中ですから、直ちに、どうだったのか、このことを確認して、国会へ報告していただけますか。そうでないと、これはすごく大事な点なんですよ。表の歴史には出ていないことなんですね。少なくとも、ここの法案審議の参考人の場でおっしゃったことなんで、それがどういうことだったのか。単なる勘違いだったのか、それとも今大臣自身がおっしゃったように、法文まで落としたんだ、しかし、その後は赴任しちゃったんでそういうふうに勘違いしていたということなのか、これははっきりさせていただきたいと思います。大臣、いかがですか。
○杉浦国務大臣 二十五年の経過があります。先輩でいらっしゃるようなんですが、初期のころかかわられたようなんですが、さまざまなやりとりがございましたから。
 ただ、法務省としての公式な資料その他にはないようでありますし、話し合いの中で、とにかくすごいやりとりがありましたから、法務省、国、政府としては通したい一心で、一心でと言うと失礼ですが、我々は攻める立場だったですから、何とかこういうことを入れることでのんでもらえないかとかいう話は私も聞いたことがありますから、それはいろいろと御検討なさったとは思うんですけれども、法案の形としては、最初出たのはもとよりのこと、その後も出ておりませんから、公式の資料ということで残っているものはないようでございます。
 これは鴨下さんの勘違い。しかも、可能性としてはいろいろな可能性がある勘違いでしょうが、形として、結果として、きちっと審議されていた法案、その立法趣旨等々で考えていく以外にないんじゃないでしょうか。そういうことを明らかにする実益があるとは思えませんが。
○保坂(展)委員 ちょっと委員長にお願いしたいんですけれども、我々野党は、これは長いことずっと論議してきたわけですね、大臣自身おっしゃるように。ですから、この漸減という本当に短い言葉ですが、これが入るのか入らないのかによって、これは世の受け取り方も随分違うわけです。当時、きのうですよ、きのうこの場でそういった証言があった。つまり、事の詳細はわからないわけですね、矯正局の方でも調べていただいたと思いますが。
 この際、もう一度鴨下さんに来ていただき、当時のことを語っていただくか、また、それがかなわないならば、日程的なこともあるでしょう、であれば、最低どういうことだったのかというのをきちっと聞いて、政府に、法務省に報告していただけないかということを委員長にお願いします。
○石原委員長 お聞き及びさせていただきます。
○保坂(展)委員 お聞き及びというのはどういうことですか。
○石原委員長 ですから、保坂委員がそういうことを言われたということを私は今聞かせていただきました。
○保坂(展)委員 ですから、委員長として、法務大臣に対して、この経過はどうだったんですかということを法案審議中にきちっと提出してくださいということを指示していただけませんかということを私はお願いしているんです。
○石原委員長 議長席から委員長がそうしゃべることは余り好ましくないと思うんですが、これは鴨下先生の発言でございますので、鴨下先生の発言を大臣にどうか確認しろというのはちょっと失礼なんじゃないんですかね。
 ですから、私が言うのも変ですが、参考人を御招致願いますとか、そういう御提案でありましたら私の方から発言できますけれども、御当事者は民間の方でございますので……(保坂(展)委員「じゃ、もう一回」と呼ぶ)はい、どうぞ。
○保坂(展)委員 いや、そういうことを言っているんじゃなくて、二つ言ったんですよ。参考人で招致していただけますか。ただ、それがいろいろな諸事情で難しいのであれば、その経緯を、こういうことであったということを調べて報告してくださいということを委員長から指示願えませんかということです。どちらかということです。
○石原委員長 参考人は昨日行わせていただいて、きょうの午前中の理事会で質疑終局の話が出ている段階で参考人の再招致という御提言が保坂委員からなされたということは、後刻理事会で私から、いらっしゃらない理事の方もいらっしゃいますので、御報告をさせていただきます。
○保坂(展)委員 もう一つはどうですか。
○石原委員長 もう一つは、先にお話をさせていただきましたように、大臣に調査しろというのは、私は筋が違うように考えております。
○保坂(展)委員 では、杉浦法務大臣、大臣自身が、この漸減条項をしっかり入れろ、そういうふうに、今すぐじゃなくても、代用監獄廃止に向けた道筋を描いていくべきだというふうに、そういう道のりをたどってこられたわけですね。現状は、先ほどから、ずっとこの審議の最初から、五十年先かわからない、百年先かわからないという大臣の一つのこの問題に対する見解はよくわかっています。
 ですから、最低この審議をし、また、与野党で修正をするかどうかの議論をするためにも、法務省が、かつて、いわば政治判断として、これだけ刑事施設法案が三回廃案の憂き目に遭った、では、ここで附則に漸減条項を入れようということを内部で検討したのか、どこまでつくったのかということは調べて報告してくださいよ。これは法案審議そのものじゃないですか。答弁を求めます。
○杉浦国務大臣 先ほど来御答弁申し上げておりますように、いわゆる漸減条項が、過去の法律案、三つ出たようですが、その中の附則に盛り込まれていないということは御答弁申し上げたとおりでございます。
 法務省としては、何回も御答弁申し上げておりますように、いわゆる漸減条項の趣旨を法的拘束力を有する附則に盛り込む、附則に盛り込むと法的拘束力を生じます、そういうことは現実的でないし、好ましくないと考えております。
 いずれにしても、最終的には、国会の御審議の結果にゆだねるべき、立法府でございますので、結果にゆだねるべきものと考えておる次第でございます。
○保坂(展)委員 ということは、今回の法案の中に、法案審議の中で漸減条項が附則についても、これは国会の判断で構わないというふうにお考えですか。大臣、どうですか。
○杉浦国務大臣 法務省としては、法的拘束力を有する附則に盛り込むことは好ましくないと考えておりますけれども、立法府であります国会の御判断でつけられるということであれば、これはやむを得ないことだと承知しております。
○保坂(展)委員 正面から調査をして報告してくれというふうに言うとなかなかお答えしにくいのかもしれませんけれども、大変大事なポイントだと私は思うんですね。漸減条項を附則に入れ込むことで、先ほどから答弁ありましたが、では、国会に対する一つの法務省なりのいろいろな議論を踏まえた判断というのが十数年前にもしあったんだとしたら、そこから杉浦大臣に後退してほしくないということを先ほどから申し上げているわけですね。
 ですから、だれがどうしてどういう会議があってなんということを別に細かく言っていただかなくてもいいんですが、そういうことについてどういうことがあったのか、少なくとも把握していただけませんかということですが、いかがですか。
○杉浦国務大臣 私、鴨下さんを存じ上げませんし、機会があればまた、私も一番二十五年前にはかかわった人間ですから、お話を伺ってもいいなとは思っております。
○保坂(展)委員 この点について、矯正局の中に全く記録が残っていないということはないと思うんですね、お役所というのは大事な記録は残すところですから。矯正局の中で、どういう経過があったのかということを調べていただけませんか。
○小貫政府参考人 私が昨夜随分遅くまで調査させました。その限りでは、そういった書類は残っていないという報告を受けております。
○保坂(展)委員 これは大変大きな点なので、ぜひ、あえて機会をつくって、大臣みずからが聞く必要はないわけですけれども、しっかり報告をしてもらいたいということを強く求めたいというふうに思います。
 警察庁の方に、ウィニー関係で出たマニュアルについて、午前中に高山委員から質疑があったと思いますけれども、これは特定ができない、現在調査中であるということのようですけれども、それはわかりました。
 ただ、では逆に、調べ室に入ったら自供させるまで出すなとか、あるいは否認被疑者は朝から晩まで調べ室に出して調べよとか、被疑者を弱らせる意味もあるということを、仮にどこかの警察署がつくってそれを実行していた、あるいは実行しないまでもつくってこれでやれというようなことをしていたとしたら、これはどういうふうに対応されますか。愛媛というふうに限定しないで答弁してください。
○縄田政府参考人 取り調べを行うに当たりましては、憲法、刑事訴訟法その他法令を遵守して、人権を不当に侵害しないように十分配意をいたしまして、また、取り調べによって得られた供述につきましては、十分その内容を検討する等裏づけ捜査を徹底して、供述の任意性あるいは信用性を確保することが大事だということで、これが基本的な考え方でありますし、諸般の警察における初任科あるいは刑事任用科等々教養の場面でも、当然のことながら、これを基本に行っております。
 委員御指摘の、お話がございましたけれども、私どもといたしましては、現時点で、私が今申し上げたような基本的なところを旨とするということで、信用性とか任意性、ましてやその任意性を疑われるような取り調べのあり方について記載をしておるとか、そういったことで指導をしておるとか、そういった事実については私どもは把握をいたしておりません。
○保坂(展)委員 いや、そういうことは聞いていないんですね。そうではなくて、つまり、では、否認被疑者は朝から晩まで調べ室に出して調べよというような姿勢はいけないですよというコメントはできないんですか。それとも、それはもう捜査の裁量権内だ、こういうのもあり得るんだ、そのどっちなんですかと聞いているんです。
○縄田政府参考人 委員は一部分をもって今御質問になられていますけれども、これは恐らく、一般的には、その一行で教養するということはないんだろうと思います。
 朝から晩までということでありますけれども、まさに執務時間中取り調べをするということは、これは普通のことであろうかとも思います。これが朝から深夜、夜中過ぎまでしっかりと取り調べをして、何としてでも供述をさせなきゃいかぬ、事実に反するものでもいいとか、これはとんでもない話であります。
 そういう意味合いで私どもも理解をいたしますと、先ほども申し上げましたように、各県では、いろいろな資料を使い、教科書も使い、教養をしておるところでありますけれども、現時点におきまして、委員御指摘、御懸念のような、任意性、信用性についてとんでもない教養をしておるのではないかというふうな報告は受けておりません。
○保坂(展)委員 このウィニーで出たとされることが事実かどうかというのは一切聞いていないんです。それはわからない、調査中だということで、わかりましたということで、もう答弁は求めていないんですね。
 そうではなくて、朝から晩まで調べ室に出して調べよとか、被疑者を弱らせる意味もあるというような、こういう記載ですね。それは私だってわかりませんよ、全体は知らないんですから。そういう部分があったときに、これは裁量権の中なのか、今言われたのはそういうふうにも聞こえますよ。つまり、全体のうちの一部だからこういうことだってある、朝から晩まで調べるのは当たり前だろうというようなことなのか、やはり不適切なものがあればしっかりそれを言うのか、そこのところをはっきり答弁してください。
○縄田政府参考人 繰り返しになりますけれども、個々具体の事案に応じて全体を通して判断すべきもの、そういう事項だろうと私どもは考えておりますので、先ほど申し上げたようなお答えになろうかと思っております。
○保坂(展)委員 個々具体的ということじゃなくて、つまり、どこかの県警でと言ったわけですね。ですから、これはいわば一般論です、こういう国会のやりとりで言えば。一般論で言ったら、こういう記載を、もし現場にこういうものがあったら、これは不適当なのか、全体を読まなきゃわからない、いいのかもしれない、裁量権の範囲内かもしれないという見解なのか、どっちかを述べてくださいということ、それを答えてください。
○縄田政府参考人 あくまでも一般論でございますけれども、そういう記述があるようなものがあれば、これは真意をまずは聞いてみるんだろうというふうに思っております。
○保坂(展)委員 その真意を聞いてみるということは、イコール、これはまずいよということではないということですね。それだけ答えてください。真意を聞かなきゃわからぬということですね。
○縄田政府参考人 これは、まさに真意を聞いてみまして、どういう事情でどういう趣旨でその記述がなされておるのかによって判断が分かれるものだろうと思います。
○保坂(展)委員 きのう見学させていただいて、留置と捜査を分離しているんだということで、大臣言われるように、なかなかやはり世の中変わってきたなというふうに思ったんですが、しかし、幾ら何だって、調べ室に入ったら自供させるまで出すなとか、被疑者を弱らせる意味もあるというのを、見ただけで一概に言えないというのは、ちょっと、これはいいんですか。
 それで終わります。答えてください。
○縄田政府参考人 先日の委員の御質問にもお答えしましたが、取り調べによって任意性あるいは信用性を疑われるというようなことがあるとすれば、まさに警察の使命が果たせない結論にもなり得るわけであります。そういった意味合いでは、そういったことに疑念を抱かれないように、確実に教養がなされることが必要だと思っております。
 したがいまして、私どもとしても、各県がそういった趣旨に沿って的確に指導がなされるように機会を見て指導してまいる、こういうことだろうと思います。
○保坂(展)委員 では、終わります。
○石原委員長 次回は、来る十四日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十九分散会