第164回国会 外務委員会 第4号
平成十八年三月十日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 原田 義昭君
   理事 小野寺五典君 理事 谷本 龍哉君
   理事 土屋 品子君 理事 水野 賢一君
   理事 渡辺 博道君 理事 武正 公一君
   理事 山口  壯君 理事 丸谷 佳織君
      逢沢 一郎君    愛知 和男君
      伊藤 公介君    伊藤信太郎君
      宇野  治君    高村 正彦君
      篠田 陽介君    新藤 義孝君
      鈴木 馨祐君    中山 泰秀君
      藤井 勇治君    三ッ矢憲生君
      山内 康一君    山中あき子君
      泉  健太君    吉良 州司君
      篠原  孝君    津村 啓介君
      長安  豊君    松木 謙公君
      松原  仁君    松本 大輔君
      谷口 和史君    笠井  亮君
      照屋 寛徳君
    …………………………………
   外務大臣         麻生 太郎君
   内閣官房副長官      長勢 甚遠君
   防衛庁副長官       木村 太郎君
   外務副大臣        塩崎 恭久君
   防衛庁長官政務官     高木  毅君
   外務大臣政務官      伊藤信太郎君
   外務大臣政務官      山中あき子君
   政府参考人
   (防衛庁防衛局長)    大古 和雄君
   政府参考人
   (防衛庁人事教育局長)  飯原 一樹君
   政府参考人
   (防衛施設庁業務部長)  長岡 憲宗君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 長嶺 安政君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 梅田 邦夫君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 佐渡島志郎君
   政府参考人
   (外務省大臣官房広報文化交流部長)        岡田 眞樹君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長)   中根  猛君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    河相 周夫君
   外務委員会専門員     前田 光政君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十日
 辞任         補欠選任
  逢沢 一郎君     藤井 勇治君
  田中眞紀子君     長安  豊君
  津村 啓介君     泉  健太君
同日
 辞任         補欠選任
  藤井 勇治君     逢沢 一郎君
  泉  健太君     松木 謙公君
  長安  豊君     田中眞紀子君
同日
 辞任         補欠選任
  松木 謙公君     松本 大輔君
同日
 辞任         補欠選任
  松本 大輔君     津村 啓介君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一号)
     ――――◇―――――
○原田委員長 これより会議を開きます。
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本件審査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官長嶺安政君、大臣官房参事官梅田邦夫君、大臣官房参事官佐渡島志郎君、大臣官房広報文化交流部長岡田眞樹君、総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長中根猛君、北米局長河相周夫君、防衛庁防衛局長大古和雄君、人事教育局長飯原一樹君、防衛施設庁業務部長長岡憲宗君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○原田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三ッ矢憲生君。
○三ッ矢委員 おはようございます。自民党の三ッ矢憲生でございます。
 外務委員会で久しぶりに質問をさせていただくことになりました。また、我が国の安全保障の根幹にかかわる案件で質問の機会を与えていただきましたことに対しまして、感謝申し上げる次第でございます。在日米軍駐留経費負担特別協定の質疑に当たりまして、その必要性を論じるために、最初に我が国周辺情勢について議論を行いたいと思います。
 東西冷戦後、例えば欧州におきましては、もはや大規模な軍事衝突が発生することは、予想される将来、ちょっと考えにくい状況にあるのかなというふうに思うわけでございます。しかしながら、我が国を取り巻く東アジアにおきましては、冷戦が終結した後も冷戦構造に根差す軍事衝突の可能性が今日でも残っており、その点で欧州とは対照的な環境にあるというふうに認識するものでございます。また、二〇〇一年の米国同時多発テロ以降は、国際テロリズムや大量破壊兵器の拡散など、いわゆる新たな脅威が加わり、不安定性や不確実性がこれまで以上に高まってきておるところでございます。
 東アジア情勢を考える場合、二大不安定要素と言えるものは、言うまでもなく朝鮮半島と中国、台湾の問題でございます。
 このうち、朝鮮半島の軍事的対立については、金大中政権のいわゆる太陽政策以来軟化の兆しがございますが、その一方で、二〇〇二年以降、北朝鮮による核開発問題が再燃しており、予断を許さない状況にあるのではないかなというふうに考えるところでございます。北朝鮮は、日本人拉致問題など日朝二国間の問題を抱えるほか、弾道ミサイルの開発を推し進めるなど、我が国にとって重大な軍事的脅威となっており、その動向に注意が必要なことは言うまでもないと思います。
 しかし、現在我が国が最も関心を払わなければならないのは、中国における急速な軍備の近代化、拡張ではないかというふうに考える次第でございます。三月五日から開かれております中国の全国人民代表大会に提出されました二〇〇六年の国家予算案におきましても、国防費が前年実績費で一四・七%増の二千八百三十八億元、日本円に直しますと約四兆一千百五十一億円と巨額な予算が組まれておるわけでございますが、中国のこうした軍事費の急速な増加につきまして、中国政府の意図やあるいはその目的について、政府としてどのような分析を行っておられるのか、まずお尋ねしたいと思います。
○塩崎副大臣 閣議のために麻生大臣、後ほどまた参りますが、かわって私の方から答弁することをお許しいただきたいと思います。
 今三ッ矢議員からお話がございましたとおり、中国の軍事予算あるいは軍事政策、国防政策そのものについて、透明性に問題がありという声は世界から寄せられているところでございます。我が国としては、この国防予算を含めた中国の国防政策について、発表されている国防予算以外にも不透明な部分があるのではないか、それから、近年の国防予算の伸び率自体が今御指摘のとおり高水準で推移しているという事実に注目をしておりまして、いろいろなチャネルを通じて、中国側に対してその透明性の向上を働きかけてきているというのが実態でございます。
 今全人代で財政報告の中で示された国防予算一四・七%増ということでございますけれども、これは実は十八年間連続で二けた増ということでございまして、この十八年の間に約十一倍に膨れ上がったということでございます。この急速な軍事力の増加の意図あるいは内訳については不透明な部分が依然としてあるというのが基本的な認識で、先ほど申し上げたように、さまざまなレベル、大臣レベル、私も北京に行ったとき、あるいはこちらの大使に対してもいろいろとこの透明性を確保することについて強く言っているわけでございます。したがって、引き続いてこの透明性の向上について働きかけていこうというのが私どものスタンスでございます。
○三ッ矢委員 今のお答えにもありましたように、中国の軍備近代化を考える場合、軍事費の増加など目に見える部分とは別に、中国はなぜこのような急速な軍事的な軍備の拡大をするのか、その意図がよくわからないということが重大な問題ではないかというふうに思っておるわけでございます。特に、大陸国であります中国が自国防衛に必要な範囲を超えて海軍あるいは空軍の軍備を増強しようとするならば、自国の領域外で軍事作戦を行おうとするのではないかというふうに判断せざるを得ないものでございます。
 中国の国防政策についてはアメリカも警戒を強めておるようでございまして、二〇〇五年の七月に公表されましたアメリカの中国の軍事力の年次報告書におきましても、三点指摘しておるところでございます。一つは、中国の国防費は公表額の二倍から三倍あるんじゃないかということが第一点。第二点は、中国の軍事力は東アジアで活動するほかの近代的な軍隊、ほかの国のということでありますが、にとって確実な脅威となり得る。第三点が、台湾海峡の軍事バランスは中国優位に傾きつつあるといったような指摘がなされておるわけであります。
 また、昨年六月のアジア安全保障会議で、ラムズフェルド国防長官が、中国を脅かしている国は存在しないのに、一体なぜ中国は軍拡を進めるのかと異例の強さで中国の軍拡を批判し、国防費の透明性を求めたところでございます。
 さらに、本年二月三日に発表されましたQDR、四年ごとの国防計画の見直しにおきましても、台頭する大国の中で、中国は米国と軍事的に競争し、米国が対抗戦略をとらなければ、長期的に米国の伝統的な軍事的優位を弱め得る破壊的な軍事技術を行使する最大の潜在力を有すると評価した上で、中国の安全保障事業のほとんどの面が秘密で覆い隠されている、外部の世界は中国の動機や意思決定あるいは軍事近代化を支える主要な機能についてほとんど知識を持たないということで、中国の秘密主義に警鐘を鳴らしておるところでございます。
 このような中国の国防政策の秘密主義は民主主義国家の価値観と相入れない部分があるわけでございますが、先ほどの質問と同じようなお答えになるかもしれませんけれども、中国のこうした秘密主義について政府はどのような見解をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
○塩崎副大臣 中国に国防白書というのがございますが、ここで明らかにされているのは、例えば人員生活費とか活動維持費とか装備費といった、この三分野については明らかにされているわけでありますけれども、当然、日本などでやっております主要装備のコスト、それから取得計画、こういったものについては全く明らかにされていないということで、ただいま三ッ矢議員の方から秘密主義という言葉がありましたが、私どもとしても、先ほど申し上げたとおり、できる限りやはり透明性を確保するというのが私たち民主主義国の基本中の基本でございます。ODAの予算についても、中国の発表はどこまでODAと呼んでいるのかというのがよくわからない。
 そういうことでありまして、特に国防政策にあっては、他国にさまざまな波紋を投げかけられるものでありますので、こういった秘密主義は、やはり責任あるプレーヤーとして中国が国際社会の中で生きていくためには明らかにしていかなければならないことではないかと思っております。
○三ッ矢委員 情報収集という面で大変難しい面もあろうかと思いますけれども、できる限り、いろいろなチャネルを駆使していただいて、中国の軍拡の意図、それから実態、これを正確に把握していただくように努力をしていただきたいと思っております。
 次に、先ほどもちょっと申し上げましたが、去る二月の三日に発表されました米国の二〇〇六QDRに関して一つお尋ねしたいと思います。
 今回のQDRの内容は、基本的なスタンスは二〇〇一年のそれと大きな変更はないというふうに私は思いますが、ただ、米国も、イラクでの経験も踏まえまして、対テロ戦争がそんなに簡単に片づかない長い戦争だと。冷戦時代は逆に戦争という言葉を使っておりました、コールドウオーという言葉を使っておりましたが、むしろ、長い平和だったんですね。ところが、その冷戦が終わりまして、皮肉なことに長い戦争に入ってしまったということだと思いますが、どうも、アメリカもこれまでの経験で、一国ではなかなか対処できないということがわかってきたんじゃないかというふうに思います。
 また、対テロ戦争だけでなく、ほかの軍事的脅威に対処するためにも、同盟国との協力、それから軍事的統合の強化が必要であるということで、このQDRの中でも繰り返しその重要性が強調されているところでありますが、日本もその中でMD、ミサイル防衛につきましては、同盟国との協力関係の一つの例として挙げられておるところでございます。
 一方、いわゆるGPR、グローバル・ポスチャー・レビュー、前方展開態勢の見直しと言ったらいいんでしょうか、これに関しましては、海上基地あるいは長距離爆撃能力、装備の事前集積等を前方展開部隊と組み合わせることで海外駐留を削減するという従来の方針がこの今回のQDRで再確認されているところでございます。
 そうした中、中国を視野に入れて太平洋におけるプレゼンスを米軍として増強するという話が出ております。具体的には、空母を六隻太平洋に持ってくる、六隻体制にする、それから潜水艦につきましては、アメリカが保有しておる潜水艦の六〇%を太平洋に持ってくるというようなことが言われておるわけでございますが、私は、この戦力シフトは日本にとりましても大変大きな影響を与えることになるんじゃないかなというふうに考えておるわけでございます。
 今回の日本国内における米軍の再編の問題も含めまして、これら一連の動きが、東アジア地域におけるアメリカと日本の防衛上の役割分担といいますか、これにどのような変化をもたらすというふうにお考えなのか、その点について御見解を伺いたいと思います。
○塩崎副大臣 先ほどの中国の点で一点だけつけ加えさせていただきたいと思いますが、当然、日本はいろいろなルートを使って国防予算、国防政策の中身についての検討を行っているわけでありますけれども、関係各国とも情報交換をしっかりやっているということもつけ加えさせていただきたいと思います。
 今のQDRに関係して、東アジアにおける日米の役割についての変化はあるのかどうかということでございますが、基本的にはまず変化はないというのが結論かと思います。今お話がありましたように、やはり九・一一以降、テロに対する、ファイト・アゲンスト・テロリズムということで、安全保障環境の変化がかなりあったわけでありまして、特にテロなどに対処するための能力向上の必要性をこのQDRでも強調しているということでございます。
 日米同盟については、太平洋地域において共通の安全保障上の脅威に対処するための活動を促進するものということでございますが、在日米軍の再編についても、安全保障環境の変化を踏まえて、二〇〇二年十二月の2プラス2以降ずっと検討してきたわけであります。
 日米の役割については、今申し上げたように、基本的には役割の変化はない、考え方に変化はないということでありますけれども、さっきの2プラス2の共同文書で、日米の役割、任務、能力としてまとめられて、日本は、みずからを防衛し、周辺事態に対応するということでありますし、米国は、日本の防衛及び周辺事態の抑止や対応、そして今御指摘のあった前方展開兵力を維持しながら、打撃力とそれから核の抑止力をもって日本の防衛力を補完して、地域の平和と安定に資するということで、この考え方に基本的に変わりはないし、また、二国間の協力においても、これまで同様、引き続き日米が協力をしながらとるべき措置についての検討結果を具体的に示しているというところでございます。
○三ッ矢委員 基本的な役割については私も変化はないと思っているんですが、ただ、実際問題としまして、今回の在日米軍の再編の話でも、海兵隊が実際に七千人グアムに移転するとか、そういう話があるわけでございます。
 そこで、一つちょっとこれは防衛庁にお伺いしたいと思うんですが、中国の意図が何であれ、中国と一衣帯水の関係にある我が国あるいはアジア太平洋地域に重大な利害を持つ米国からすれば、中国の意図が判然としない以上、ある意味で最悪の事態に備えて対応しなければなりません。
 我が国の安全保障は、周知のとおり、自衛隊など我が国自身の努力と日米安保条約に基づいて我が国に駐留する在日米軍の抑止力の二本柱から成っておる、いわば車の両輪でございますが、我が国に配備されております米軍は、大別して、横須賀を事実上の母港とする空母機動部隊、嘉手納基地や三沢基地に配備された戦闘機部隊、そして沖縄を中心に配備された海兵隊の三つに分かれているんだと思います。
 このうち沖縄の海兵隊が七千人以上グアムなどへ移転するということになったわけでございますが、この決定は、長年在日米軍基地の重圧にさらされてきた沖縄県の負担軽減の観点からは歓迎すべき話だとは思いますが、他方、海兵隊の撤退が抑止力を損なうんではないかというような危惧もあるわけでございます。
 八日の外務委員会、この委員会におきましてもこうした観点から質疑があったと思いますが、政府の答弁は一言で言うと、御心配なく、こういうことだったと思うんですけれども、現実にいろいろ具体的な脅威といいますかが目に見える形であらわれてきている以上、御心配なくと言われましてもやはり心配です、こう言わざるを得ないんじゃないかと思うんですね。
 そこで、我が国としても、海兵隊の移転に伴う抑止力低下を補うための措置が必要なんじゃないかなという気がするわけでございます。
 二月の十六日に守屋防衛次官が、二〇〇八年度に航空自衛隊那覇基地の戦闘機を老朽化したF4からF15に切りかえるという方針を明らかにされておりますが、この方針は、将来的に沖縄における航空自衛隊の能力を向上させ、海兵隊移転に伴う抑止力低下を補う効果があるんではないかと思うわけでございます。御心配なくとはいいながらも政府としてもある程度打つ手は打っているというふうな印象も受けておるわけでございますが、F15の配備の理由などについて御見解を承れればと思います。
○大古政府参考人 お答えいたします。
 F4戦闘機につきましては、現在那覇基地ほかに配備されておりますけれども、平成二十年代の半ばごろには耐用年数を迎えまして、所要機数を割り込む見通しでございます。そのため、島嶼部に対する侵略への対応とか必要な戦闘機部隊の体制の維持ということが防衛計画の大綱で記述されているところでございますけれども、F4戦闘機の減勢と、減勢してなくなりますと後継機の調達という問題も出てきますけれども、これとの関係を効率的に実施するために、平成二十年度に那覇基地のF4戦闘機一個飛行隊をF15戦闘機と入れかえたいと考えているところでございます。
 したがいまして、F15の那覇基地への配備につきましては、F4戦闘機の減勢に伴う措置でございまして、先生御指摘の在日米軍の再編の問題で沖縄の海兵隊がグアムに移転することとは直接の関係はないということで御理解いただきたいと思います。
○三ッ矢委員 古くなったから更新する、こういうことのようでありますが、できれば、私が期待しておった答えは、沖縄及び東シナ海域における防空能力の向上を図ります、こういう言葉を一言いただきたかったんですが。事実上、防空能力向上するわけでございますので、ぜひ、アメリカの海兵隊が抜けても十分日本として対応できるということでお願いをしたいと思っております。
 それから、ちょっと一つぐらい駐留経費の話について御質問しないといけないと思いますので、一つお伺いしたいと思います。
 この特別協定、一九八七年以来、今回で五回目となるわけでございますが、駐留経費そのものについては、日米安保体制のもとで、同盟国たる我が国のバードンシェアリングとして、その重要性は今日でも変わらないと思います。
 現在の我が国は極めて厳しい財政状況にあるわけでございますが、政府も、国の行政機関の職員約三十三万二千人おりますけれども、これを二〇〇六年度から五%削減するというようなことで、非常に厳しい行政経費の切り詰めを行ってきておるところでございまして、私は、駐留経費といえども決して聖域ではないんじゃないかなというふうに思うわけでございます。
 この協定に基づく在日米軍駐留経費負担には、大別しまして、光熱水料あるいはNLPなどの訓練移転費、それから在日米軍労働者の労務費という三点が含まれているのではないかと思いますが、このうち光熱水料につきましては、八日の質疑でも同僚委員から質問がございました。
 光熱水料の問題点としては、節約努力の実効性などがありますけれども、このほか、公用、私用の区別の問題もあるのではないかなというふうに思うわけでございます。特別協定上、我が国が負担すべき光熱水料は米軍が公用のために調達するものとされておりますが、現実には、アメリカが公用証明を出せば、我が国はそれを公用の調達とみなすということになっておるわけでございます。
 基本的には信頼関係に基づくものでございますので、アメリカ側を疑ってかかるということは慎みたいとは思いますけれども、批判の土壌をなくすためには一定の見直しも必要かというふうに思います。例えば、光熱水料の負担は、米軍基地の司令部庁舎など明らかに公的調達にかかわるものに限定するとか、あるいは住宅部分の負担は取りやめるというようなことも考えられるわけでございますが、こうした見直しについて政府としてどのようにお考えなのか、御見解を承りたいと思います。
○河相政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、我が国は非常に厳しい財政事情にございます。政府の中では、聖域なき見直しだ、予算の節約だという状況にございまして、昨年二月から断続的に日米で行った本件についての交渉の中でも、日本側、我々としてはそこの点は非常に繰り返し米側に説明をして、何とかやはり節約をしてもらわないと困るんだということは、主張するべきところは一生懸命主張はしてまいりました。
 片や、その中で米側は、米側自身として全体の活動がやはりふえている。それから、米全体でいうと、やはり国防予算というのは非常に急増していて、アメリカの財政状況も非常に苦しいという中で、米側はむしろふやしてほしいというようなことを主張している。
 なかなか協議が一致点を見出せないまま、だんだん年末が近づいてきた。その中で、最終的には大臣レベルでも、節約すべしという日本の議論をし、片や先方からは、やはりアメリカは厳しい状況にある、全体として非常に大きい負担をしているというようなことで、平行線、接点が見出せない中で、二年間の期間、暫定的に延ばす、現行の維持をするという結論に至ったわけでございます。
 御承知のような光熱水料をもっと節約できるじゃないかという御指摘は、私どもとしても十分理解しておるところでございまして、米側にもその旨は申し入れております。また、米側としても、いろいろな、できるだけエネルギー効率のいいような器具にかえるとかいう努力はしておるという状況にはあるようでございますけれども、引き続き、本協定が御承認いただけますれば、その期間中もそうでございますし、また、次の改定に向けて、その点、米側と十分議論をしていきたいというふうに思っておりますが、光熱水料については、やはり在日米軍の駐留を維持していく上で不可欠だという認識のもとで今回においても光熱水料の負担は含まれているわけですが、その節約、節減というものは引き続き求めていきたいというふうに思っておるところでございます。
○三ッ矢委員 私も、余りけちくさいことを言うつもりはないんです。金で済むんだったら、それでいいじゃないかという議論もあると思います。ただ、姿勢の問題としまして、政府全体、日本政府もいろいろな行政経費の節約に取り組んでいる中でございますから、ぜひその点はアメリカ側にも十分認識をしてもらいたいなというふうに思うわけでございます。
 次に、ちょっと視点を変えまして、我が国の空域管制の問題に移りたいと思います。
 外国の軍隊が駐留しているという事情はあるにせよ、私自身は、実は、この点も含めて将来的には日米地位協定の改定も視野に入れて検討をすべきじゃないかなというふうに思っておるわけでございますが、空域の話に限って言いますと、一部の日本の空域が、これは国際的に見ても余り例がないんじゃないかと思うんですが、言ってみれば外国が管理しておる、日本の空をですね。いわば主権の制約であります。
 そういった非常に特殊な状況にあるんだと思いますが、具体的に言いますと、一つは横田の空域、それから岩国の空域、それから嘉手納、この三つ、ほかにも訓練空域等もありますが、実際の進入管制業務をやっているのはこの三つの空域でございます。
 このうち、まず沖縄に関してでございますが、沖縄の空域管制は、七二年の沖縄返還後、この時点で、いずれ日本に返しましょうということになったわけですね。現在、私の認識している限りでは、日本の航空当局と米軍の方で移管に当たっていろいろな訓練等を含めた作業が行われておるというふうに聞いております。
 実は、那覇の空港と嘉手納の基地は、位置的にはクロスする格好になっているんですね。これは、アメリカが管制を嘉手納でやっているものですから、御経験のある方もおられるかもしれませんが、那覇の空港を飛び立ちました日本の民間機、これはかなり長い時間、低空飛行させられるんですね。アメリカが上を管理しているものですから、低いところをずっと飛ばされる。海面すれすれとは言いませんけれども、かなり長時間にわたって低空飛行を余儀なくされている。
 実際には、この空域を使っておる飛行機の割合というのは、恐らく七〇%ぐらいが日本の民間機だと思います。あと、残り三割が軍用機なんですね。そういうこともございまして、今、嘉手納の問題については、移管作業が進んでおるというふうに理解しておるわけでございますが、緊急時を除きまして、管制権が我が国へ返還されました後は、基本的に民間機を優先した航空管制業務が望まれると私は思っております。
 嘉手納空域管制の現状と日本に返還された後の運用のあり方について、政府の御見解を伺いたいと思います。
○塩崎副大臣 先生御専門で大変お詳しいわけでありますが、嘉手納につきまして、進入管制業務の沖縄における返還というのは、平成十二年の三月に米側から返還に同意する旨の表明があって、それを受けて日米合同委員会民間航空分科委員会のもとに特別作業部会というものを設けまして、そこで専門家による協議を重ねてきたということでございます。
 この協議を経まして、平成十六年、おととしの十二月に進入管制業務の日本への移管に関する具体的計画というものが日米合同委員会において承認をされて、そしてこれに基づいて三年間の予定で今お話がございました日本側の航空管制官の訓練が実施されているということでございます。
 現在、この訓練が着実に実施されているというふうに我々は承知しておりますけれども、この訓練が終了した後に、日米合同委員会においてさらに具体的な調整が行われた上で嘉手納における進入管制業務が我が国に移管をされるというふうに認識をしております。
○三ッ矢委員 ありがとうございます。
 ちょっと時間がなくなってきましたので、せっかく大臣来られたのですから、ちょっと質問を一つ飛ばします。
 横田の問題で二問お伺いしようと思っておったのですが、軍民共用化の話と、それから横田の空域の話、二つそれぞれ個別にお伺いしようと思っていましたが、御承知のとおり、羽田が二〇〇九年に拡張されることになっておりまして、横田の空域があそこにありまして、西側はもう全部壁になっておるような状況で民間の航空機が運用されているんですね。これはぜひ、今回のこの見直し、再編に当たって、軍事面だけじゃなくて民生部門においてもこういう見直しあるいはそのメリットというんでしょうか、あるんですよというPRは必要だと私は思うんですね。
 特に、この横田の航空管制あるいは空域の問題につきまして、あるいは軍民共用の話につきましては、非常にセンセーショナルな話題にもなり得ると思いますので、ぜひ前向きに御検討を賜りたいと思っているのですが、その点について、まとめて御見解を承れればと思います。
○麻生国務大臣 御指摘の点につきましては、特に空域調整の方が先に片づけねばならぬ大事な問題だと思っております。
 これは、管制官の配置というより併置の話が出てきますので、そこらの点からいきますと、羽田の第四滑走路に合わせまして空域調整というのは先を急がないかぬということで、これは既にいろいろ交渉を開始し、始めておるというのが現状で、まだ詳細につきましてはとても語れる段階ではありませんけれども、空域調整は既に協議を開始させております。
○三ッ矢委員 時間が参りましたので終わりますが、軍民共用の話も、一部地元で反対、いろいろ賛否両論あるようでありますけれども、賛成という方も出てきておるようでありますので、ぜひ前向きに御検討いただきますようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
○原田委員長 次に、山口壯君。
○山口(壯)委員 きょうは三十分しかないので、早速前回の続きをさせていただきます。
 最初に、永年勤続表彰、これは例の労務費の中に、米軍に勤めている日本の人が長年勤めた場合に、勤続表彰、例えば一千万円もらっている、それについても日本側から出しているという話は本当ですかというのが、前回聞かせていただいて、宿題になっていました。この点について、まず防衛庁。
○長岡政府参考人 駐留軍等労働者に対します永年勤続表彰でございますけれども、これは、労働意欲、作業効率の向上を図るといったことを目的として実施しているわけでございまして、この経費につきましては、地位協定の二十四条の一の在日米軍がその任務遂行のために労働力を使用するのに直接必要な経費と言えないという整理をさせていただいておりまして、日本側が負担をいたしております。
 なお、永年勤続表彰につきましては、一般慣行といたしまして、日本の多くの企業におきましても、福利厚生施策の一環ということで実施をしておると承知しているところでございます。
○山口(壯)委員 永年勤続表彰についても出している、思いやり予算でカバーしているという答えがありました。
 これは、私はそんなのまだもらう前にやめちゃったからないんですけれども、例えば公務員の場合、こういうものはあるんでしょうか。
○長岡政府参考人 官庁のすべてがどうかは存じませんが、私も二十五年の勤続表彰で表彰状はいただいたことがございます。
○山口(壯)委員 長岡さん、それは表彰状だけですか。
○長岡政府参考人 何か杯のようなものもいただきました。
○山口(壯)委員 確かに先輩方、銀の杯とかもらっていたのを、私もあれもらいたいなと思って、その前にやめちゃったんですけれども。でも、要するに一千万円じゃないわけですね。
 やはりこれは一千万円を、私は別にこれは悪いとは言わない、悪いとは言わないけれども、アメリカの基地に勤めている日本の人に日本の政府が肩がわりする、これはちょっと私は納得できない。
 長岡さん、どうですか。
○長岡政府参考人 実は、駐留軍等労働者の永年勤続でございますが、十年、二十年、三十年、四十年の勤続の方に出しておりまして、十年の方の記念品代が二千三百円、二十年の方が四千五百円、三十年が七千九百円というようになっておりまして、平成十六年度の実績で申しますと、全国で二千人の方に出しておりますので、合計の経費が御指摘のように一千万円程度になっておるところでございます。
○山口(壯)委員 あと、制服についてもずっと聞きました。ちょうネクタイ、タキシードあるいはネクタイピンあるいはコックさんの帽子、こういうものも全部思いやり予算でカバーしているわけですね。一言でいいです。
○長岡政府参考人 御指摘のとおりでございまして、地位協定二十四の一の米側に負担義務のある経費ではないという整理をさせていただいておるところでございます。
○山口(壯)委員 面倒を見ているわけですね。
○長岡政府参考人 さようでございます。
○山口(壯)委員 駐留米軍について、日本はそこまで面倒を見ている。このような面倒の見方をしている国はほかにありますか。
○長岡政府参考人 済みません、今ちょっと手元にはございませんが、ほかの国ではないのですが、御承知かと存じますが、民間の企業におきましても、事業主から制服の着用を義務づけられているホテル等の業界におきましては、通常、事業主が任意の福利厚生施策の一環としてこれを貸与しているということはございます。
○山口(壯)委員 ほかの国でこのような負担をしている例はありますか。外務省、どうですか。
○河相政府参考人 お答え申し上げます。
 今御質問のあった衣服の貸与というものをほかの国でやっている例があるかというのは、私が持っている資料ではちょっとそういう例はございません。ただ、もう少し広い意味での接受国の負担ということでございますと、労務費それから光熱水料等の負担を行っている国はほかに何カ国かあるというのが我々の資料に基づく情報でございます。
○山口(壯)委員 私が前回からあるいは本会議からずっと言っている趣旨というのは十分理解していただいていると思いますけれども、要するに、原理原則があいまいになっているということを言っているわけですね。このことはグアムに海兵隊が移転するということについても全部当てはまってしまう。だから、どこまでを日本が見るのが正しいのか、どこまでを日本が見なければいけないのか、この辺の議論がなしに、請求書を突きつけられて出してしまっている、そういう図柄があるわけです。
 だから、この特別協定についても、さっき三ッ矢議員からも聞いていました光熱水費についての切り込みが全くゼロですからね。議論しているといったって、レジスタンスしているだけで、言ったけれどもねと。だけれども、切り込みはゼロですからね。全く数字が変わっていないんです。議事録を見ていただいたら、全く変わっていない、一言も変わっていない、数字について細かい部分が全く変わっていない。これは、日本とアメリカがまるで主従の関係にすら私には見えてしまうわけです。
 そういう意味で、麻生大臣にもずっとおじいさんの例を引きながら私は言わせていただきました。
 本会議ですうっと行ってしまったから余り通じていなかったかもしれませんけれども、日本が一九五一年の日米安保条約を結び、その翌年に行政協定というのを交渉した。行政協定で、アメリカから、NATO型の統合司令部、ユニファイドコマンドというのを提案してきたわけです。有事のときには米軍の司令官が日米全軍を指揮する。
 それで、吉田茂さんは、対等の同盟を望む日本国民には受け入れられないという理由づけで、最後まで突っ張ったんです。そのときに、アメリカは、では講和条約も安保条約も上院で批准しないぞとダレスがそこまで言ってきた。講和条約を批准しないぞということは、ずっと占領国でいろということなんです。ずっと占領国でいろとまで吉田茂さんは言われて、最後まで突っ張り切った。この圧力というのは相当きつかったと思う。だから、麻生和子さんに、和子、これでいいんだなとずっと彼は自問していたらしい。
 そういう意味では、今の日本とアメリカとの関係を思ってみると、どうも小泉総理とブッシュ大統領の関係とは余りに違う。昔の方がもっときちっとしていたんじゃないかという思いを禁じざるを得ないわけです。
 この基地特別協定の話についても同じことがある。だから、私は本会議で、ギブ・ミー・チョコレートのマインドからもう脱却すべきときが来ているんじゃないのかと言ったわけですよ。
 そういう意味で、この光熱水費とか、正直細かい話だ、細かい話だけれども、日本側が同盟関係をどう考えているかということに対する大きな心構えというものがそこでついついにじんでしまうから私は聞いているわけです。多分、自民党の中にも同じ発想をされている方は多いと思います。
 この原理原則の話で、グアムに移転する海兵隊のことですけれども、それに行く前に、日本の在日米軍について、レクリエーション施設、例えばボウリング場のようなもの、これを面倒を見て、やはり思いやり負担で出しているんでしょうか。
○長岡政府参考人 御指摘のように、昭和五十三年から以降、ちょっと今手元にはございませんけれども、そういった福利厚生施設のようなものもつくってまいりましたけれども、平成に入りましてから、基準をつくりまして、娯楽性があるとか、そういったものは提供施設で整備するのは控えようということで、現在は、そういったたぐいの施設については整備をいたしておりません。
○山口(壯)委員 ということは、グアムについてもこれを当てはめ、私はそれはまずいけないと言っているんですけれども、そういう資金、経費負担をするのはよくないという前提はまずあるけれども、今、議論を十一日までされているわけですね、日米協議で。その中でこういう話が出てきても、それは断られる、こういうことですね。
○河相政府参考人 御指摘のように、今ハワイで日米の審議官級協議をやっておるところでございます。まだ個々の報告を受けておりません。
 恐らく、グアムについてはまだ議論は、きょう、あす以降の話になろうかとは思いますけれども、その中で、グアムに七千人以上の海兵隊員、その家族が撤退するに当たって、一体どういうものが必要になるのか、どういう施設が必要か、その経費としてどういうものが見込まれてくるのかというのは、米側で今いろいろな作業をしている途次でございますので、まずその全体像を見た上で、日本としてどういう形での資金協力、負担が適当なものであるかということについて議論を進めていくという、まだそれより前の段階に今あるということでございますので、回答については予断をできないということでございます。
○山口(壯)委員 ということは、河相局長、こういうボウリング施設が出てきたら、皆面倒を見る可能性があるという答弁ですね。
○河相政府参考人 今申し上げていますことは、どういうレクリエーション施設が出てくるのかどうかというところ、具体的な米側の提案というのはまだ目にしておらない状況でございますので、それを見た上で、一体全体としてどういうことが適当なのかというのを判断していくわけでございますので、現時点で私が予断することは差し控えたいと思います。
○山口(壯)委員 原理原則がはっきりしていないということが余りにも明らかに出てしまっている。正直、これでは私はきょうの採決なんてあり得ないと思います。だって、原理原則がはっきりしていないじゃないですか。
 特別協定で今議論している。この同じ発想がグアムの海外移転にも当てはまりかねないから私は聞いているわけです。そして、現に今協議をしている。それで、長岡さんが今、ボウリング場みたいなものについては自粛しようという話があるからということを言っている。だけれども、今、河相局長は、申しわけない、面倒を見るかもしれない、出てきていないけれども、面倒を見るかもしれないという答弁になっているわけです。今言えないということは、そうなっている。面倒を見れないという答弁があるんだったら、私は少しは原理原則がはっきりしているなという納得をします。どうですか。
○河相政府参考人 繰り返しの答弁になりますけれども、私どもとしては、米側が七千人以上の海兵隊のメンバー、それからその家族をグアムに移転をさせる、それに当たって一体どういうものが必要なのかという米側の具体的提案、それを見た上で、我々は、もちろん、そこのところで原理原則に基づき、日本としてどういう資金的対応が可能なのか、適当なのかを判断していく。今、そのものを、米側のまず具体的なプランというものの提出を待っているというのが現状でございます。
○山口(壯)委員 防衛施設庁の方で、こういうレクリエーション施設的なものについてはやはりもう見ない方がいいと。これは極めて常識的で、しかも、国民の税金を使う場合には国民も納得する話です。だけれども、出てきてみないとわからないと。ちょっと待った。七日からやっているわけですね。きょうが十日でしょう。八、九、十、一日ずれているとしても、ハワイが、十九時間ずれているとしても、三日既にたとうとしている。二日は既にもうたっている。十一日までやるとしても、そのことについて知らないって、一体外務省の連絡体制はどうなっているんだ、本当にどうなっているんだと思います。
 河相局長、同じ答弁だったら要りません。違う答弁だったらやってください。
○河相政府参考人 七日から日米審議官級協議をやっているわけでございますけれども、その中の一つの議題としてグアムの移転の話というのが出てくる。この前に、役割、任務、能力の話もある、それから米軍の本土、沖縄での再編の話もある、いろいろな議論をしているわけでございます。七日からずっとグアムの移転の話だけをやっているわけではございませんので、順を追ってその各議題をやっているということでございます。
○山口(壯)委員 河相局長、どうしても民主党にこの協定について反対しろという気持ちであれば今の答弁でもいいけれども、そうさせないでほしい。お互いに必要なものは認めていこう。だけれども、国民に納得できる説明が欲しい。レクリエーション施設が出てきた場合にはそのときに考えようじゃ、国民は納得できません。
 病院、学校、銀行、ガソリンスタンド、果てはスーパーマーケットまで。長岡さん、これについて、日本の在日米軍について今どういう面倒の見方をしていますか。
○長岡政府参考人 先ほどの先生のお尋ねで、ボウリング場の例をお引きになりましたけれども、私どもが平成十二年につくりました基準の中で、娯楽性及び収益性が高いと認められる施設の例として、ゴルフ場、ボウリング場を私どもは考慮しておりますけれども、過去に整備の実績はございません。
 私どもが過去におきまして提供はしておりましたが、十二年度以降、できるだけ控えようというもので、以前に整備した実績のあるものを申し上げますと、将校クラブとかクラブ、こういったものでございます。先ほど大変失礼しましたけれども、ゴルフ場、ボウリング場は整備の実績はございません。
○山口(壯)委員 長岡さん、今の答弁で、病院、銀行、学校あるいはガソリンスタンド、スーパーマーケット、これについては自粛しようという答弁として理解していいですか。
○長岡政府参考人 平成十二年に、できるだけ自粛をしようという基準をつくりました施設の例を申し上げますと、ゴルフ場、ボウリング場、ミリタリークラブ、スナックバー、こういったものでございます。
○山口(壯)委員 ガソリンスタンド、スーパーマーケットは、長岡さん、どうですか。
○長岡政府参考人 私ども例示としてちょっと挙げていないんですけれども、その場合はまたケース・バイ・ケースで、そのときの事情に応じて判断することになると思います。
○山口(壯)委員 ということは、長岡さん、ガソリンスタンド、スーパーマーケットについては場合によってはケース・バイ・ケースで見るかもしれないという答弁ですね。
○長岡政府参考人 今具体的にそういう案件がございませんので、ちょっとにわかにどうということは今申し上げかねるということでございます。
○山口(壯)委員 長岡さん、これはもう原理原則の問題として、そういうものは出てきてももう見ませんと言ったっていい話なんです、本当に、常識の範囲として。
 私、別に反対のための反対は言っていません。日本としてあるべき同盟政策を語っています。ガソリンスタンドを面倒見ることが日本の立派な同盟政策とは思えない、スーパーマーケットの面倒を見ることが日本の立派な同盟政策とは思えないと思いますよ。
 河相局長、どうですか。今ハワイで協議をされている中で、具体的な見積もりについて出てきていますか、出てきていませんか。
○河相政府参考人 私、今ここに手持ちの資料は持ち合わせておりませんけれども、グアムの経費については、今回、七日から十一日、この協議の中で議論するということはございます。それから、前に先立っての議論というのがございます。ただ、それはかなりの施設の数の話になりますので、極めてまだ初歩的段階の議論ということでございます。ですので、具体的な形でレクリエーション施設云々というような議論に至るよりまだはるかに前の状況にあるということでございます。
 それからもう一つ、補足的に申し上げますと、今まで委員が御質問いただいていた在日米軍のレクリエーション施設等々の問題、これはこの特別協定の対象としてやっているものではない。特別協定の枠外の、五十三年以来のオリジナルな日本側の予算措置のもとでやっているということだけ御指摘いたします。
○山口(壯)委員 河相局長、将来外務省を背負うかもしれない人なんだから、そんな詭弁を使わずに。
 だって、今回の特別協定というもの自体で例えばグアムの移転経費は見れないわけですよ。在日米軍じゃないんだから見れない。そもそもその枠外なんです。そんなことわかった上で聞いている。しかも、このもともとの日米地位協定の中で無理やり読み込んでいた部分、それではさらに読み込めない労務費の本体の部分、給与の部分、それも見ようということで特別協定でしょう。だから枠外の部分というのはもともとやっているんだから、枠外だから知りません、それは詭弁という。
 ぜひ外務省が国民に納得できる説明をしなければ、この同盟というのは将来危ないものがある。これが最も吉田茂さんが強調していた部分なんです。きょうは麻生大臣とはほとんどやっていないけれども。
 そういう意味で、今グアムの移転に関して、出てこなければわからない、原理原則は本当にないと思うんです。
 今、七、八、九の部分はもう既にわかっているはずです。いろいろなことを話している、それはそれでいい。だけれども、どういう対処方針が出ているかということですよ。外務省が協議する以上は、対処方針は私も徹夜でいっぱい書いた、対処方針がなくして協議はあり得ない。その対処方針はどうですか。
○河相政府参考人 グアムの経費負担につきましては、それは米側の考え方、どういうプランを持っているのか、かつその経費としてどの程度のものがかかってくるのか、それを聴取してくるというのが今回の基本的立場でございます。
 申し上げますけれども、現在、日本政府として必ずグアムに資金負担をするという決定をしているわけではございません。中間報告の中にも書いてあるように、それは何が適当なものであるか検討するということなので、その検討の前提となる米側のプランというものをまず出してくれ、我々に説明をしてくれというのを要望しているところでございます。
○山口(壯)委員 ちょっとそもそもの話に、歴史を振り返ってみましょう。
 湾岸戦争が九一年のときにあった。湾岸戦争のときに、百十四億ドル日本が出した。出したけれども結局余っているんですよ。余ったんです。要するに、アメリカの積算根拠というのは極めてあいまいじゃなくていいかげん、思いつきで出している。だから私は、思いやり予算じゃなくて思いつき予算じゃないかと本会議で言ったわけです。その教訓をなぜ生かさないか。
 そして、ちょっと待ってくださいよ。私は十二月にワシントンで国務省、国防総省、いろいろ議論させてもらったときに、もうこれは最終的なものだと自分たちは思っているという話が各所で出てきていました。全部ファイナルレポートだと思っているんだということが出てきていた。彼らとしてはそうなんでしょう。
 そういう意味では、あとはもう言ってみれば細かいところを、今まだ初歩的な段階じゃないと思うんです。対処方針が出ているはずなのに、どうして今そうやって隠すのか。これが私、シビリアンコントロールというところを危惧する。
 麻生大臣、やはりきょう少しは聞かなきゃいけないから。シビリアンコントロールという概念、いろいろあります。麻生大臣はシビリアンコントロールはどういうものだとお考えですか。
○麻生国務大臣 日本の防衛庁もしくは制服との関係がシビリアンコントロールになっていないと山口先生は思っておられるという前提でお答えするんでしょうか。
○山口(壯)委員 私流の解釈といろいろな人の解釈があるでしょう。シビリアンというのは市民です。市民がコントロールするとはどういうことか。これは私は国会だと思っているんです、市民の代表は国会ですから。
 例えば、これが軍人じゃないことというふうにすると、例えばレーガン大統領も全部含めてみんな軍人だったわけですよ。そんな人みんななれなくなる。例えば前の統参議長も大統領選に出るか出ないかという話がアメリカでありました。そういう意味では、彼らは議会のコントロールという部分に非常に重きを置いている。
 そういう意味では、国会がコントロールしていくということが、前も私は、おじいさんの外務省入省同期の広田弘毅さんの例をとって、広田弘毅さんが、関東軍がどんどんどんどん既成事実を積み重ねていって、結局コントロールできなかった。決定を突きつけられてコントロールできなかった。あのときに、統帥権干犯の話が大臣からありました。統帥権干犯の話だって、憲法では決めていないものです。国会がしっかりしていればそういうことは防げたかもしれない。そういう意味では、国会がコントロールしていく、このことがすごく大事なはずなんです。
 そういう意味でいうと、今河相局長の答弁というのは、何かまるで関東軍の話に私にはダブってしまうんです。何かいろいろなところで既成事実が積み重なって、最後、国会には決定しましたということで持ってくる。前回の答弁でも、決定していませんから持ってきていないと。裏を返せば、決定してから持ってくる。現実にそうですね。そういうとこら辺が、シビリアンコントロールの観点から国会がきちっと軍事に関するコントロールをしていくことが非常に大事じゃないか。
 長岡さんおられますけれども、当時も一緒に仕事させてもらって、防衛庁は内局が制服をコントロールするということに非常に重きを置いているわけです。外務省は外交が防衛をコントロールするということに非常に重きを置いている。今は多分、内閣総理大臣がコントロールするからいいじゃないか、だから外務大臣も防衛庁長官もシビリアンだからいいじゃないかと。それじゃ防衛庁の制服組の中谷さんというのはどうなるんですかという話ですね。
 そういうことがあるから、国会が軍事をコントロールするということが非常に大事な部分です。それだけだとは言いません。その部分はどうでしょうか、大臣。
○麻生国務大臣 国会が、いわゆる良識の府として、市民の代表として選挙で選ばれた国会が、選挙で選ばれていない国会もいっぱいありますので、いっぱいとは言わぬけれども、選挙で選ばれていない国会も国会というけれども、そうじゃない国もありますので、市民に選挙によって選ばれた国会がというのが正しいんだと思いますけれども、そういう国会が軍もしくは軍事に関していわゆる戦略を最終的に決定する、私は極めて大事なところなのであって、シビリアンコントロールというのはその意味においては最も大事な観点だ、私もそう思っております。
○山口(壯)委員 麻生大臣、そういう観点から、やはり、今外務省と防衛庁と一緒になって日米協議をしているわけです。そのことについて全く今方針も何もかも出てきていないわけですね。正直、何にも出てきていないんです。これできょう採決しろと言われても、ちょっとつらいものがあるなと。特別協定、この部分はこの部分でいいじゃないかという、それはちょっとないんじゃないのかなと。日米同盟のあり方自身にかかわる話だから、こんな主従をにおわせるようなところをもうそろそろ卒業していいんじゃないのかなと。
 そうしたら、グアムの海兵隊移転についても、そんな、スーパーマーケットだのガソリンスタンドだの、出てきてみなければわからないという答弁じゃなくて、それは出てきても遠慮することになると思いますよと、これはあっていいんじゃないのかなと思いますけれども、大臣、いかがですか。
○麻生国務大臣 役人というのは基本的に、こういうところでいろいろ言われたら、それに対する答弁に手足を縛られたくないというのが最大の関心事ですよ。当たり前だと思いますけれどもね。いわゆる、縛られたくない、したがって、フリーハンドは持ちたいと考えているんだと思うんですね。
 そうすると、例えば、さっきのボウリング場でしたか、沖縄の基地やらほかの米軍の基地や、いろいろ行かれるとわかりますけれども、ボウリング場というのは兵隊さんの筋トレの施設とほぼ大体同じところにくっついているものなんです。どこでも、アメリカに限るわけじゃありませんけれども。そうすると、それはボウリング場か筋トレの施設か兵隊の施設かと言われると、どこからどこまで勘定区分するかという話は結構手足を縛られる話になるんじゃないかなと考えると、何となく、ボウリング場が何とかとかいう答弁に多分なっているんだ、私は基本的にそう思っております。
 だから、その意味では、基本的に、今言われましたように、もともとは、もともとはですよ、沖縄の住民の負担というものを軽減するのが目的という話ですから、向こうは、いやうちは別に関係ないからと、七千人そのまま普天間に居残られても、私どもとしては甚だ困る話なので、そういった意味では、もともと早期に移転をしてもらうというのが私どもの最大の目的だったと思うんです。かつ、それで抑止力を維持と、二つの目的を同時に達成するために、いろいろ知恵を、頭を使っているところなんだと思っております。
 そういった意味で、今言われたように、ボウリングとかそういった、いわゆる余り直接関係しているとはとても言えないようなものに関しては、それは遠慮すべきではないかという御意見に関しては、私も基本的にはそう思います。
○山口(壯)委員 おじいさんの吉田茂さんだったら同じことを言われたでしょう、そういうものが出てきた場合にはやりませんと。それでいいんだと思うんです。だから、外務省も、今ちゃんと大臣からしっかり方針を聞いたわけですから、済みません、そういうふうに対応してください。
 そして最後に、このグアムの移転経費についてはどういう枠組みで対応されようとしているのか。
 今、河相局長から、そもそも経費負担を見るか見ないかについてもまだ決めたわけではないという答弁がありました。私は非常に大事なポイントだと思っています。万が一これを見るという判断をされようとする場合には、新たな枠組みがなくても面倒を見られるとお考えですか。
○麻生国務大臣 今のお話につきましては、基本的には、正確に言うと、まだ具体的なあれができていないから正式に答弁のしようがないというのが多分正確な答えなんだと思うんですけれども、今言われましたように、仮にやるとしたらということになった場合、よく出てくるように、半分やるとか何とかやるといろいろ新聞には出ていますけれども、私どもにとって、今、これが仮にやるということになった場合、それをどういうような法律を使うのか、また法律を新しくつくらねばならぬのか等々は、ちょっと正直、山口先生、細目わかっていない段階で、仮定の段階でなかなか答弁がしにくいというので、こういったときには、仮に出た段階において関係省庁とよく連絡をつけた上でやりますと言う以外にこの段階では答えようがないんじゃないのかなと存じます。
○山口(壯)委員 実際には対処方針というのは、既にやっていて、この三月までにこれをまとめようとしているわけですから、もう出てこなきゃわからないというタイミングでも何でもないわけですね。代表団が、代表団というか、事務方であれ、行く場合には、これは、防衛庁ともあるいは財務省の主計とも打ち合わせをして、ちゃんと電報は出ていますから、だから、そういうものをあえて隠そうとするというとこら辺にシビリアンコントロールの危うさを感じるわけです。
 麻生大臣、ぜひ日本のあるべき同盟政策、きょうは抑止力の部分については私は議論しませんでした。本当に大丈夫かという部分については議論しませんでした。しかし、その部分も含めて、百十四億ドル、湾岸戦争で行ったけれども、現実にはかなり余っていた。だから、向こうはそういう積算をしますから、それは確かに戦争をするんだから、きっちり全部ぴちっと合わないでしょう。それはよくわかる。でも、今回は、そうじゃない面があるんだけれども、そういう部分を持っているから、何でも思いつきで突きつけたら日本は言うことを聞くだろうという思いつき予算にしないように、本当のきちっとした予算になるように、国民にしっかりその説明ができるようにお願いします。
 終わります。
○原田委員長 次に、津村啓介君。
○津村委員 民主党・無所属クラブの津村啓介と申します。麻生大臣への御質問は今回が初めてになります。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に、国連改革に関する御質問をさせていただきたいと思います。
 実は、昨年、町村前大臣にも同じ質問をさせていただきましたが、その後、国連常任理事国入りという点では、昨年秋、日本の取り組みが多少、残念ながら後退を余儀なくされている、そう認識しておりますが、その後編成されました平成十八年度予算におけるODA予算の対GNI、国民所得比率は、昨年度に比べてふえているのか減っているのか、国連常任理事国入りの取り組みという意味で前進しているのか後退しているのか、御答弁ください。
○麻生国務大臣 御記憶というか、言わせていただきますと、いわゆるミレニアム開発目標というのがあったんだと思いますが、あのとき、ODAの対GNI比率が〇・七%という目標に向け引き続き努力するということで、日本としてもその旨を表明した、声明したんだと思っております。
 それにあわせまして、あれはイギリスでしたからグレンイーグルズのサミットだったと思いますけれども、あのときに、小泉総理の方から百億ドルの増額をしますということをやって、対アフリカは三年間で倍増だったかな、何とかいうのをやられたんだと思っております。
 したがいまして、私どもは、ODAに対しましては、今回の予算の中で約七千六百億円ということで、対前年比はマイナスの三・四になっております。マイナスですよ。マイナスになっておりますので、そういった意味では、ODAのいわゆる対GNI比というのでいきますと、二〇〇四年は〇・七じゃなくて〇・二とか〇・一九とかいう数字になったんだと思っております。
 ただ、これはぜひちょっと頭に入れておいていただかないかぬのは、日本の場合は補正予算というのがございまして、この補正予算を積んでいきますと、今回の平成十八年度でいきますと、内示額で七千五百九十七なんですけれども、補正の部分が三月に出てまいりますことになるので、それが三百四十五億円積み増すことになりますので、トータル七千九百四十二ということになって、前年度比でいくと、先ほどの数字からいきますと、マイナス三・四だということに本予算ではなりますけれども、補正を足したところで見ますと〇・九%のマイナスということになっているんだと思っております。
 それで、いろいろこの種のことに関しては、私どもとしては、このODAに関しましては、日本というような国においては、これは非常に重要な外交手段の一つ、多分これが一番重要な外交手段だとも思っております。そういった意味では、これは安保理の常任理事国として責任を果たしていく等々、町村大臣、その以前からいろいろお話があっておりますので、私どもとしては、ODAというものに関しましては、もう少し戦略性をきちんと持たせるべきではないか。
 大体、一元化が全然されていないではないか。こっちが行ったり、あっちこっちに行って、行ってみたら全然違う話になっているじゃないかというので、もう少しきちんと体系化、そういった一元化されたものにしていくべきではないかということで、今外務省としては、局をつぶしてやる機構改革を含め、また内閣の方も、ODA、何か正式な名前はまだ決まっていないようですけれども、経済対策本部みたいな形で、今の安全保障閣僚会議みたいな形でやろうとしておりますので、私どもとしては、これを大いに活用すると同時に、日本として、国際貢献の一環として、安保常任理事国を目指すという従来の目的を捨てたわけでもなく、それにおいてODAというものを極めて有効な活用手段だと思って対応していきたいと思っております。
○津村委員 私の質問の枠を多少超えて丁寧に御答弁いただきまして、今話題になっています政府系金融機関の再編の問題まで言及していただいたわけですが、私がもともと伺いましたのは、額として、姿勢をやはり対外的に示していく上では、組織のあり方というよりは、ODAを実額としてふやしていく方向をこれからも維持していくのか。それとも、逆に国民の目から見れば、ODAというのをそうやって戦略的に位置づけていたはずにもかかわらず、この厳しい財政赤字の中で、結局、所期の成果を上げられなかったじゃないか、少なくとも昨年秋についてはそういう反省もあるべきだという、二つの角度からの意見があるわけですね。
 そうした中で、麻生大臣がどういう明確なビジョンを持って、今後ODA予算というものを編成されていくのか。今の御答弁は、二〇〇四年度、つまり平成十七年度の数字についての補正予算も含めた御説明でしたが、私がお尋ねしたのは平成十八年度、今回の予算の話をさせていただいています。
    〔委員長退席、渡辺(博)委員長代理着席〕
○麻生国務大臣 今説明のあれだったので恐縮ですけれども、平成十七年度は実はマイナスの一〇%だったんです。正確にはマイナスの一五%、済みません、十七年度、マイナス一五%になりました。
 御存じのように、ここのところをずっと見ますと、十四年度で一〇%、十五年度で六%、十六年度で一〇%、十七年度で一五%、これはずっとマイナスなんです。これは、とてもこのままいくといかがなものかというのがすごくありましたので、いろいろございましたけれども、最終的に十八年度でマイナス〇・九になるという話で、従来までの二けたのマイナスとかいうのから、コンマ以下のマイナスにまでとどめたということであって、それでもふえておらぬじゃないかといえば、間違いなく減っております。
 私どもとしては、こういったODAというものは、アフリカに限らず、主にこれまで私どもはアジアというものに物すごい勢いでやってきたんだと思いますし、事実、ここのところを見ましても、ASEANの中における投資というものを見ますと、中国やらの投資に比べて四十倍ぐらい、韓国の投資に比べて十一倍ぐらい多いんだと思います。
 いろいろな意味で、日本のそういった形でのあれはアジアにかなり寄った部分を、この間の会議でTICAD等々を通してアフリカにもという方針を示して、私どもとしては、アフリカにかなり重点を置き、きのう、おとといも在京のアフリカ大使との懇談会を外務省で主催しておりますけれども、そういったところにおきましても、アフリカに対して、我々みたいなやり方をやったらアジアはうまくいった。おれたちのところはうまくいっていない、どうやったらうまくいくんだ、これは率直な向こうの質問です。
 そういったものに対して、我々のやり方というのは、こういうやり方で、多分欧米とはやり方が違うんだと思うので、ぜひ、こういった我々の経験をお互いに意見交換して利用してもらったら、お互いさま、こっちも費用対効果とか投資効率がいいとか、いろいろな表現があるんでしょうけれども、そういったもので私どもは対応していきたい思っておりますので、ODAとしては、今後、基本的にはさらに有効活用してふやすという方向で考えております。その例が先ほど申し上げたアフリカの例だと存じます。
○津村委員 ふやすと今おっしゃったんですか。これからODAをふやされると明言されたんでしょうか。もう一回確認してください。
○麻生国務大臣 基本的には、ミレニアム開発計画に寄与するために、ODAというもののGNI比〇・七%の目標に達するために、ぜひ日本としては十分なODAの水準を確保しますという方向で、私どもとしてはその方向で事を進めております。これは、外務省に限らず、総理のところも同じお答えだと思います。
 また、よく言われますアフリカのODAに関しての倍増目標というものが、いかに達成するんだという御質問もよくいただくところでもありますので、政府部内で、倍というのはちょっとなかなか簡単な話じゃありません、百億ドルといえばかなりな額になりますので、そういった百億ドル、一兆円だから百億ドルですかね。百億ドルというものに進めていくためにどうやっていくかというのは、これはちょっと今すぐ、これが答えです、来年は幾らにしますというのはきちんと持っているわけではありませんけれども、これまで二けた台で減らしてきていたODA関連の予算というものを、少なくとも私どもとしては、基本的な政策としてふやす方向で考えております。
○津村委員 ずっと減らしてきたもの、そしてことしも〇・九%でしたか減らしているものを、来年ふやすと明言されるのはかなり思い切って御答弁いただいたんだなと思うんですが、私がお尋ねしたいのは、これ一つだけを針小棒大に取り上げて、常任理事国入りのためにとにかくこれをふやせということを言っているのではなくて、ふやされるのは一つの取り組みとして非常に前向きな御答弁をいただいたと少し驚いてもいるんですが、国連常任理事国入りという大きな、昨年なんかは非常に大きなテーマとして取り上げられたわけですけれども、国内では郵政民営化、そのほかさまざまな政局の中で、いつの間にか残念な結果に終わっている。
 今後、どういう取り組みをするのか。そろそろ外務省としての、いろいろな戦略性というか、戦略性のあるビジョンを示していただく時期なんじゃないかな、そういう意味でお尋ねをしました。
 そういう意味で、ODAだけでなくて、もう一つの私がカードと考えるテーマについてお尋ねしたいんですが、今、韓国の外務大臣が、国連の事務総長、この年末に事務総長の任期が切れるわけですけれども、その後任として手を挙げる動きがあるやに聞くわけです。
 韓国云々は別として、一般論として、日本がこれから国連の事務総長選挙に取り組んでいく、対応していくに当たって、私は、やはり日本の外交方針に対する十分な理解をしてくださる方でなければいけない。
 もう一つは、私たちの国連改革に対する取り組み、意欲、これを十分理解してくださる方でなければいけない。
 少なくともこの二つは明確に条件として掲げていくべきと思うんですが、これは大臣はどのようにお考えでしょうか。
○麻生国務大臣 これは、津村先生、全くごもっともな御指摘なんで、私どもは国連の運営分担金のほぼ二割弱を払っている国でもありますし、日本としては、ここにおいて、今言われたような条件というものは基本として満たせるような方を候補者としてぜひというのは当然のことだと思っております。
 今、御存じのように、名前が出ておりますのは、韓国、スリランカ、タイと三つ挙がっておりますけれども、私どもとしては、津村先生が生まれる前かどうか知りませんけれども、ウ・タントといったと思いますが、当時はビルマだったんですが、今はミャンマーという国になっているところの人が一九六一年から七一年まで約二期事務総長をやったのを最後に、アジアからの事務総長はいないと記憶をします。
 アメリカなんかは、アジアとか地域割りの話なんかないと言っているのが今アメリカの立場だと思いますけれども、アメリカとかほかの国はいろいろ自分の都合でみんな言いますので、アジアとしては、断固このアジアから出したいということで、アジアからであり、かつ、今言われたような条件を満たせる人というのを私どもとしては基本として考えております。
○津村委員 今言われたようなと言っていただいたんですけれども、ぜひ大臣のお言葉として、どういう、アジア云々という地域バランスも重要ですが、やはり日本国として戦略的に使えるそれほど多くないカードの一つだと思いますので、国連改革の議論を先ほどしたのは、これは大きな関係があると思っているので続けてこの質問をさせていただいているんですが、国連改革、国連常任理事国入りと絡めてこの問題について取り組むことが可能と私は思うんですね。そういう意味で、大臣のお言葉でお聞きしたいんです。
○麻生国務大臣 国連改革というのは、これは、この常任理事国に限らず、その他効率性から考えても、津村先生、国連改革は物すごく大きなところ。特に、日本のようにこの種のことに関してえらく効率とか生産性とかいうことにこだわる国民から見ますと、どう考えてもアンフェアじゃないかとか、公平じゃないじゃないかとか、効率が悪いじゃないかという話は、皆そう思っておるところでもありますので、私どもとしてはその点は重要な点だと思っております。
 ただ、その種の話を交渉するときに、これは表で出てくることはありませんから、何となく、呼んで、わかっているねという話ですから、表の話でなかなか出てくる話ではないのだと思いますが、基本としては、国連改革等々、常任の問題含めて真剣に検討してくれる人という表向きの条件というのがそういうところだと存じます。
○津村委員 それでは、どういう方を選ばれるか、どういう方を支持するかということも大変大切なんですが、さまざま今外交情勢が変化する中で、どの時期にその支持を決めるかということも非常に戦略的なテーマだと思うんです。
 年末には任期が切れるわけですから年内ということになるわけですが、どのぐらいのタイムスパンでこの問題に取り組んでいかれるのか、方針をお聞かせください。
○麻生国務大臣 国連憲章のいわゆる九十七条でしたかによって、任期は会計年度は十二月三十一日になろうと思いますので、それまでまだ時間がありますので、いつごろからというのは、ちょっと今のこの段階で何月とかいうような言葉を持っているわけではありません。
 ありませんけれども、安保理におきます意思決定に加わることになりますので、日本の場合としては非常任理事国として。そういった意味では、この次期事務総長を勧告するというのがこの安保理におきます権限の一つというか、発言権の一つなんだと思います。それまでに時間がまだありますので、今のこの段階で、五月までとか六月までとかいうような時期を決定しているわけではありません。
○津村委員 そうした中、日本と韓国の間には、毎年二回首脳がお互いの国を行ったり来たりする、いわゆる日韓シャトル会談というものがこの数年行われてきました。
 しかし、昨年の後半というのは、いわゆる靖国問題の影響が深刻になったこともありまして、六月は韓国で行われましたが、本来十二月に日本で行われるはずだったタイミングが結局流されてしまって、今、事実上不正常の状態になっていると思うんですね。
 その流れでいきますと、今度は、年に二回ですからこの一月から六月の間に、また韓国に戻るのか、それとも日本ができなかったので次は日本なのか、開かれていくということになると思うんですが、まず、次は日本で開かれるんですか、韓国で開かれるんですか、これをお聞かせください。
○麻生国務大臣 今言われましたように、昨年の六月、日韓首脳会談というのが行われた以後、両国関係がぎくしゃくしておるというお話はもう全くおっしゃるとおりで、盧武鉉大統領の訪日というのは実現をいたしておりません。おっしゃるとおりでありまして、次にいつやるのかということに関しましても、全く今の段階で目安が立っているわけではありません。
 私どもは、こういった話で、まあ、あそこは国連の事務総長という候補者を抱えていることもありますので、いろいろな意味で私どもとして大統領を迎える用意はありますということは現時点でもその前からもずっと言っておりますけれども、その見通しが立っているかといえば、立っていないというのが率直なところなんでして、ちょっと、次期どちらでやるのか、いつやるのかという段階が立つような状況にはなっていない。
 ただ、外務大臣との接点とかいろいろな形で、今、ちょっと正確な表現は忘れましたけれども、外務省の外務大臣の次のポストの人やら何やら、私どもといろいろ接触をし始めているというのが実態でして、ちょっとその細目につきましては今この場で申し上げられるような段階にはございません。
○津村委員 今少し大臣も触れられていましたけれども、昨年の秋の段階では確かに靖国問題ということが、どちらかというとこちらの方の事情で、向こうがそれを嫌気して来ないという判断を、去年……(麻生国務大臣「北の方でしょう」と呼ぶ)いや、違います。
 去年の秋は、靖国問題というこちらの事情で韓国の方が来ないという意思表示をしたわけですけれども、このタイミングになってきますと、今大臣も少しお触れになりましたが、韓国には韓国の事情といいますか、国連事務総長に立候補ということがあるわけで、私どもも、先ほどおっしゃられたように、この夏から秋にかけてどなたを推薦するか、支持するかを決めていくわけですから、そういった意味では、両国のためにも、韓国のためにも、これは早い時期に、もちろん向こうの大統領にきちんと説明に来てもらう。どういう趣旨で、国連改革に対してどういう取り組みをするのか、そういったことをしっかりと日本に来て説明をしてもらうべきだと思いますし、ここは戦略的といいますか、駆け引きをしっかりしていただいて、早く、この上半期に韓国の大統領の訪日をこちらから働きかけるべきだと思うんですが、そういったお取り組みはされているんですか。
○麻生国務大臣 常識的に言って、次回は先方側が訪日をされる順番というのが常識だと思っておりますので、その線でやるわけですけれども、今言われましたように、年二回はともかくとして、少なくとも今回はおたくの方がという順番なんじゃないんですかというのはもう事実だと思います。
 今、潘基文の話やらいろいろ出ています。事務総長の候補者の話やらいろいろありますし、その他いろいろ、私どもとしては話をされるべき問題というのはほかにもあろうと思いますので、今週の初めでしたか、向こうのナンバーツーの話やら何やらと私ども外務省ともさせていただいておりますので、私どもとしては、今言われたように、そろそろそちらの方からお話があってもしかるべきではないか等々のお話は既にいたしております。
○津村委員 続きまして、防衛庁の方に少しお話を伺いたいと思います。
 今、米軍再編等の動きが議論になっているわけですけれども、こうした中で、日米共同訓練というものがあると思います。この目的というのはどのようなものなんでしょうか、御答弁ください。
○木村副長官 私ども、この日米共同訓練というのは、戦術、技量やインターオペラビリティー、例えば戦術、装備、後方支援あるいは各種作業の実施要領などに関し共通性あるいは両用性を持つこと、これは大変大事なことというふうに考えております。そのことが、ひいては日米安保体制の信頼性そして抑止効果を維持し、向上させることにつながるというふうに思っております。
 自衛隊は、米軍との間で各種の共同訓練をこれまでも行っておりまして、今後ともその内容の充実に努めてまいりたいと考えております。
○津村委員 その共同訓練なんですけれども、訓練場というのはどうやって場所を選ぶんでしょうか。
○木村副長官 例えば陸上自衛隊で申し上げますと、毎年度、米陸軍そして海兵隊と、それぞれ二回、計四回、共同訓練を実施しているところであります。そして、全体の練度の向上を図るということが大事でありますから、できる限り多くの部隊がこの経験ができるように、例えば、五個ある方面隊に対しなるべく均等に、その方面区内における適切な規模の演習場において実施をしてきているところであります。
 近々でいいますと、本年二月から今月にかけまして、米海兵隊との間で、私ども中部方面隊の第十三旅団と訓練を実施しているところであります。
○津村委員 均等にというのはわかるんですけれども、実際には、地域によって周辺の住民の皆さんの理解その他、非常にばらつきがあると思うんですね。
 後ほど時間があれば少し外務省にも伺おうと思っているんですが、思いやり予算のあり方や在日米軍のあり方については、国民の理解というのは、進んでいる地域とそうでない地域というものもありますし、必ずしも十分な取り組みがなされていないんじゃないか、そういう問題意識を持っておるんですが、この日米共同訓練の実施に当たって地元の理解というのはどのような形で得ているんでしょうか。
○木村副長官 委員おっしゃるとおり、やはり地元の御理解をいただくことは大変大事なことと思っております。私ども、そのために、事前に訓練の内容あるいは期間等を、地方公共団体等を通じて御説明、また御理解をいただいているところであります。
 先ほども申し上げました近々の例でいいますと、本年二月から三月にかけて、これは委員の地元でもあると思いますが、日本原演習場においても、同じような手続をしながら御理解、御協力をいただいているところであります。
○津村委員 ごめんなさい、どういうふうに地元の理解を得ているのかということを伺ったんですけれども、もう少し具体的にお答えいただけませんか。
○木村副長官 先ほども申し上げましたが、可能な限り、訓練の内容そのもの、あるいはその期間等を、例えば日本原演習場の場合は津山市や奈義町に対して事前に御説明し、また訓練が終わってからも、その報告を申し上げながら、何かまた地元的にいろいろな御意見があればそれを拝聴するような努力をしながら、地元の御理解をいただく努力をしているところであります。
○津村委員 具体的に伺っているつもりなので具体的にお答えいただきたいんですけれども、その地元の理解を得るというのは、対話をしながらというんですか、どういう形で説明会のようなものをされて、そこではどういう要望が地元からは出てきたんでしょうか。
○木村副長官 先生の地元である日本原演習場の例でいいますと、例えば、事前に説明する段階において、津山市や奈義町の方から要望として、使用協定の範囲内で計画を持っていただきたい、あるいは火砲射撃は行わないでいただきたい、あるいは夜間に騒音を伴うような訓練は行わないでいただきたい、あるいはヘリコプターの夜間飛行訓練は行わないでいただきたい、あるいは米軍の個人的な外出は慎んでいただきたいというふうに、事前にそういう地元からの御意見、御要望をいただき、また、それを踏まえて実施して、今言ったような御要望についてはその方向で、行わないことで訓練全体は実施させていただいた。
 そういったことを、我々、これからも努力していきたいと思います。
○津村委員 事後的にも説明をされるとおっしゃっていたんですが、まだ訓練が終わったばかりだと思うんですけれども、もう既に事後的な説明をされたということなんでしょうか。どういう形でされたんですか。
○木村副長官 既に私どもの中部方面総監部の訓練課長また装備部長が、自治体の方をお訪ねして報告しております。
○津村委員 先ほども申し上げましたように、地元の理解というのは、これは私、訓練の必要性を否定するわけではなくて、先ほど御説明をいただいたわけですから、訓練には非常に大局的なというか、日米防衛協力の一環として意義を見出すわけですけれども、その大前提には、やはり日本国民、あるいはこうした具体的な訓練ということになればその周辺の住民の方の理解というものが当然必要です。
 また今後も、先ほどのお話でいけば、五つの方面隊が、年に、海上自衛隊二回、陸上自衛隊二回でローテーションで訓練をしていくということになれば、またいずれ同じ場所でもやる可能性が基本的にあるわけですよね。だとすれば、今後のためにも、特に事後的なフォローアップは非常に丁寧にされた方がいいと思います。
 そういう意味で、自治体に説明というのは、多分、市長室とか町長室に行って何分かお話しになったんでしょうけれども、もう少しきめ細かな、住民の皆さんの声を直接聞くような、そういう場を設けたらいかがですかというのが私の提案なんですが、いかがでしょうか。
○木村副長官 先ほど言ったとおり、日本原演習場でいいますと、既に担当が自治体を訪問して御報告し、そのときにまたいろいろ御意見をいただければ、いただく姿勢は持っているわけであります。そういったときに、地域から、あるいは地方公共団体等から、そういった声が出てくれば、当然に対応することになると思います。
○津村委員 逆にお聞きしますと、そういう声は今のところ上がっていないので、もうこの件については事後のフォローアップは済んだ、そういう御理解ですか。
○木村副長官 そう決めつける必要はないと思います。
 例えば、中部方面隊の担当が行ったときに、次回、またそういう機会があったときに、今委員がおっしゃるような、事前にまた地域住民とのそういう場を設けてほしいとか、そういうことがあれば当然に我々も判断し、検討していくということを言っているわけであります。
○津村委員 今のところはそういう予定はないということですね。
○木村副長官 今は具体的にそういう予定はありませんが、くどいようでありますが、地方公共団体等からそういった考え方、あるいはそういった努力を私どもに御提案とか御相談、あるいは検討を促すようなことがあれば、それはもちろん検討していきたいということを言っているわけです。
○津村委員 その件はこれで終わりにします。
 今度は外務省に、日本人学校、それから日本語補習校に関する御質問をさせていただきます。
 現在、外務省と文部科学省のプログラムとして、海外の日本人学校それから日本語補習校に対する一定の援助を行っていると思いますが、それはどのような目的で行っているのでしょうか。
 考えられるところでいえば、一つは海外に在住する日本国籍を持った方の教育支援ということもあるかもしれませんし、またさらに、その副次的、間接的な効果としては、日本文化あるいは日本語に対する理解を、日本国籍を持った方のみならず、日本語補習校ということであれば、中には外国籍の方も通われている方もいらっしゃるという実態がありますので、そういった方々もこれは援助の対象になっているのか、この援助の意義について御質問いたします。
○麻生国務大臣 本来は、基本的には、日本人学校及び補習授業というのは、現地にあります日本人のいわゆる学校運営委員会みたいなものができていて、それで運営されているというのが通常です。
 現実問題として、学校数は、平成十七年度で見ますと、全日制の教育施設約八十五校、世界じゅうにあります。補習授業校で百八十五校あることになっておりますので、基本的には、日本語等々、在留邦人の子弟に対しての支援というのが主たる業務だ、私どもはそう思っております。
 ただ、今津村先生御指摘のように、私の知っている範囲で、メキシコ市で見ますと、これは基本的には、日本人学校の児童生徒というのは日本人であるということが一応原則なんですけれども、メキシコで前に見に行った記憶ですと、ここはメキシコ人の金持ちの子が多い。理由は極めて明確で、日本人の学校はしつけをしてくれる。メキシコ人の自宅に育つと、物は片づけない。日本人学校へ連れていくと、週番はある、給食当番はある、何はある、掃除はさせられる、何はさせられる、もう大変と。
 それで、とにかくえらい貧しい校舎の中に強制的にやられて、うちの子供の教育は非常によくなった、だからというので、これはずっと言い伝えみたいになっていますから、メキシコは、現地を見に行ったことは二回ほどありますけれども、いずれも日墨学校としてはかなりいいところになっておりまして、寄附やら何やらが金持ちのところから来るんですけれども、いや、うちはそんなものは要りません、きちんとしておりますのでという話で、きちんとした教育がなされているという面でいきますと、今言われた後半の部分は、そちらの部分も、スペースがあればそういった人も受け入れる。
 これはメキシコの例ですけれども、そういった例もありますので、一概に日本人だけに限っているわけではない。日本人の子弟というのを原則にして、日本の義務教育のあれをかなり補おうというのを主たる業務にしておると理解をいたしております。
○津村委員 これはお金のかかわるものですから、もう少し正確にというか、要するにこれは、海外の、日本国籍を持たない方もこの援助の対象になっていることは、それでお認めになるわけですね。
○麻生国務大臣 校舎やら何やらに補助をしておりますので、その校舎なんかの補助をしているという面からいきますと、それはそういうことになります。ただ、授業料はちょうだいしますので、ただでしているわけではございませんので、その点は、校舎なんかとか施設等々をという意味であれば、それは補助しているということに間接的にはなるということだと思います。
○津村委員 誤解のないように申し上げますと、私自身はこれは非常にいいことだと思っていまして、余り狭義に日本人に限らなくても、例えば、日本国籍は持っていないけれども、日本人女性が海外の方と結婚された、そのお子さんが日本国籍を持っていないケースで祖国の文化を学ばせたいとか、そういうケースもたくさんあるわけで、ぜひそこは、ただ、ルールは多少明確にされた方が、線引きが難しくて逆に抑制的に働いてしまう場合もあるので、そういう意味でルールをお聞きしております。
 きょうはもう余り時間がないので、今後またこのことはお聞きしていくのですが、もう一つだけ関連してお聞きすると、日本人会というものが海外にさまざまございます。実際、日本人学校や日本語補習校の設立に関連しても、日本人会の理解というものもある意味で必要になってくると思うんですが、この日本人会というのは法的にはどういう地位にあるんでしょうか。
○麻生国務大臣 これは、ほとんどの場合、任意団体です。特定な法的資格を持っているということはないと存じます。
○津村委員 そうした中、日本人学校あるいは日本語補習校の援助をする場合の要件というものが、私の知る限りでは、法律的には明定されていないと思うんですが、外務省と文部省の間では一定のルールの共通理解があるというふうに伺っています。それをお聞きしたいのですが、具体的にお述べください。
○麻生国務大臣 おっしゃるとおり、設立要件及び援助を受けるというために当たっての要件は、法律上は定められておりません。
 それで、その上に立ちまして、援助を受ける要件に関してどういうのをやっておるかというのでありますと、大体四つぐらい言えると思うんです。
 学校の安定的運営と財務の面での健全性。それから二つ目が、習っている授業の生徒の数がおおむね三十人ぐらい、三十人以上、できれば今後増加が見込まれるところが望ましい。三つ目、在留邦人みんなである程度コンセンサスをつくってください。四つ目、運営上の主体が一つの企業の子供だけ、例えばでかい企業が来て、メキシコでホンダならホンダの子供だけというのじゃなくて、公共性はぜひ保ってくださいというようなところであります。今のは学校です。
 それから、補習授業をやっておりますところは、これは同じ五つぐらいあるんですが、補習の方は、少なくとも児童生徒は五人以上で、できれば伸びが望ましい。在留邦人のコンセンサスは先ほど申し上げたとおりですし、一企業に偏らず公共性ということと、運営資金がしっかりしているということで四つ目なんですが、もう一つは、こっちは補習授業ですので、主に土日、日曜日とか土曜日とかいうのが主たるあれになりますので、そういった意味では、授業は年間三十五日以上実施されるのが望ましいというのが五点であります。
○津村委員 時間が参りましたので、これで質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○渡辺(博)委員長代理 次に、吉良州司君。
○吉良委員 民主党の吉良州司でございます。
 質問通告では、最初にいわゆる思いやり予算をやることにしておったんですが、今の同僚の津村議員が質問したことに関しまして、麻生大臣の方から、ODAはある意味で外交の最も重要な手段であるというような発言がございましたので、質問通告二番目にしておりました経済外交手段としての国際協力銀行、JBICということについてちょっと簡単に触れたいと思います。
 恐らく、きょう財務省の方もJBICの方もいらっしゃっていないと思いますので、各論、詳細はまた改めて質問したいと思いますけれども、総論の部分で話をさせていただきます。
 その前にちょっとお断りしておかなければならないのは、もちろん、今、政府それから与党の内部でも政府系金融機関のあり方ということで議論されております。民主党もしかりであります。そういう意味で、最終的な結論がまだ出ていない、JBICに対する民主党としての考え方も出ていないという中で、私自身の個人的な思い、見解ということで外務省に質問したいと思っています。
 まず、私自身、実は国会議員になる前には商社に勤めておりまして、このODAといいますか、国際金融を使ったもろもろのプロジェクトを追求しておりました。そういう意味で、無償援助も、円借款も、それから昔の輸銀のプログラムを使ったファイナンスを駆使したプロジェクトもすべてやっておりました。
 もちろん、有識者会議の中でもかなり、現場の声、相手国のニーズ、それから日本のプロジェクトを実際に発掘しプロモートしていく経済界の声も十分聞けているとは思うんですけれども、一つ私が指摘したいのは、とかくODA、ODAということで一くくりにしておりますけれども、戦後、日本が円借款を通じて主にアジアのインフラ整備をしていく中でアジアの発展に貢献してきた、これはもちろん十分承知しているところであります。
 ただ、ODAの中で、円借款と技術援助、無償協力、こういうものがあって、いわばJICAが行っている無償協力、技術協力というのは、いわゆる草の根援助と私は位置づけられると思うんです。もちろん相手国からも高い評価を得ている。実際に実施するそれぞれの分野からも高い評価を得ている。ただ、その当該国からしてみると、やはりインフラ整備等々大型プロジェクトに対する日本の援助というのを最も高く評価しているというのが現実であります。
 そういう中で、私の論点は、今、国際金融業務は民間でできるじゃないかとぽっと切り離して、中小企業金融公庫とかとくっつければいい、機能だけ残せばいいじゃないかという議論、そしてODAはODAでまとめればいいじゃないか、こういう議論がなされていますけれども、実は相手国から見た場合は、先ほど言いました草の根援助に当たるJICAがやる部分と、それからインフラ整備にかかわるところは、円借款だけではなくて、やはり国際金融業務というか国際金融、このセットで評価されているんですね。ここには分断がなくて、まさに連続しているんです。
 ODAというか、協力といえば何かといえば円借款、円借款と言っていますけれども、官から民へというこの流れは決して日本だけの話ではなくて、また先進国だけの話ではなくて、発展途上国も官から民へというのがあるんです。
 オフバランスシートという、やはりできるだけ国としての借り入れを少なくしたいという要望があって、円借款の提案を日本側からしても、できるならば借り入れでなくて、民間にやってもらえるのであればぜひそうしてもらいたい。例えば、発電所建設をするときに、一方では援助で、それはグラントエレメント要素が強いのはありがたい、ただ、投資法制だとか投資税制だとかそういうものが整っているのであれば、やはり自国の民間資金、それから海外からの投資、これによって政府が新たな借り入れをせずにインフラ整備をしたい、発電所の建設をしてもらいたい、こういうニーズが極めて強いわけですね。
 そういうときに日本は、今言いました円借款でなくて、実際、それにかかわる民間企業というのは、相手国のニーズを十分把握した上で、今申し上げましたように、投資税制だとか投資法制だとかそういう環境が整っていなければなかなか民間資金でやるのは難しい、だから何とか円借款で、ただし借り入れはふえるよ、こう言う。だけれども、そういう法制が整うならば、今、日本としてもEPAだとかそういう交渉をしていますけれども、それをある意味では促進する意味も含めて、そういう環境が整うならば、日本としても、欧米諸国と一体になって、民間でぜひインフラ整備をやりたい、こういうような流れなんです。
 そういう中で、私はまず指摘したいのは、大変失礼な言い方ながら、小泉首相のある方針は、国内向けに大胆な改革をしているんだ、だから一つ二つ残すんじゃなくて一つにするんだ、こういう国内向けの顔で今の方針をまとめ上げていて、実際、先ほど麻生大臣がおっしゃられたように、まさに日本の外交の最も有効な手段というODA、に加えて私はあえて国際金融と言いますけれども、それを駆使して相手国のニーズにこたえていく、これがやはり日本の外交のあり方だろう。
 その際には、やはり機能として円借款と国際金融がくっついた形というのは、相手国の立場、そしてそれをプロモートする日本の民間の立場からいって、極めて整合性がある、私はこういうふうに思っておりまして、ぜひその現場の声、それから外交の最大の手段であるODA、国際金融についての相手国のニーズというものを大事にしていただきたい、このように考えておりますけれども、麻生大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○麻生国務大臣 先生今おっしゃったように、私もそういうところにいましたので、住んでいましたので、よくわかるんです。
 今言われましたように、ちょっと整理をしてみなきゃいかぬところなんですが、先生はもうJBICになってからでしょう、今の話は大体。JBICになる前の、輸銀、海外経済協力基金というのが一緒に……(吉良委員「両方知っています」と呼ぶ)別々のころから知っておられるね。では、話は早い。
 これは、もともと違ったんですよ。この違ったものを橋本内閣のときに、似ているからとかいって、ぽちょっと一緒にしたんですけれども、私に言わせれば、そのとき閣僚をやっていたかと思いますけれども、断固反対。吉良先生と同じようなことを言って、大体違うんじゃないかということを言って、海外経済、いわゆる無償の方は、考えてみれば、これは十年据え置きの二十五年のローンなんというものは、こんなものが金融か。三十五年先なんて大体生きているかどうかわからぬものを相手にしていて、そんなものを相手にこれが金融と言えるか。きちんと担保をとってやる輸出入銀行の話とこれと一緒にするというのは、これはよほどきちんとしないと、モラルハザードが起きるか何かとんでもないことになるぞという話をその当時やった記憶がすごくあるんですが、結果として一緒になって、また今分かれることになったということなんです。
 今おっしゃるように、相手国側にすれば、別に金に色がついたわけじゃありませんから、どっちだって同じというのがまず第一点。
 二つ目は、今の言われた中で、国際金融の方は、これは約一兆一千億円ぐらいだと思いますが、そのうち約一兆は日本企業が借りておるわけです。相手企業が借りているのは、約一割の一千億ぐらいなんだと思うんですね。傍ら、もう一個の円借の方は、六千五百億か七千億ぐらいだと思いますが、これは丸々借りているのは相手ですから、日本の企業は借りていないわけ。だから、民間だけ、やめてもいいじゃないか、民間がやっているんだから民間でいいじゃないかという、先生に言わせればちょっと現場がわかっておらぬじゃないかという御意見なんですけれども、私もそれはそう思います。
 現実問題として、ほかの民間の金融機関がこれに出ていこうとする場合に、JBICが出るか出ないかというのは、自分が出るか出ないかを決める非常に大きな要素になっておるわけです。日商岩井が行ったって全然信用しないけれども、JBICが行けばというような話になっていますでしょう。そうなっているんですよ。(吉良委員「全くそうです」と呼ぶ)でしょう。それはもう別に日商岩井だからというんじゃなくて、どの民間銀行でも、みんな同じですよ。このJBICというのは、すごく大きいんですよ。
 そこで、私どもとしては、今回いろいろ、政府系金融機関を一本にするときに当たっても、これは政府系金融機関でもJBICという名前は売れていますから、少なくとも新政府金融機関、何という名前になるか知りませんけれども、メガバンクみたいのができるわけです。
 そのメガバンクの中にJBICという名前だけはある程度残しておいて、業務を分担して、円借の方がいわゆるJICAの方に来て、いわゆる昔の輸銀の部分がこっち。OECFとJICAとJBICと分かれるわけですから、JBICの部分に関しては、名前も残して、新しい部門としてJBIC担当、役所ですから局にするんだか部にするんだか知りませんけれども、そういうものにしてきちんとした従来の業務をやり続けさせるような配慮をしておかないと、結果的に、せっかくこれまで効果のあったものを、丸々ちょっと改革という名でつぶして、迷惑するのは日本だし相手だしということになるのは、これはどう考えても避けたいということで、私どもとしては、外務省が所管しますのは、いわゆる円借の部分はちゃんときちんとやりますが、そこはいわゆるJICA法を改正してやらせていただきます。
 ただ、分かれたこちらの方は、ちゃんと新しい政策金融部門できちんと対応して、名前もJBICという名前が通っているんだから、それもちゃんと生かされて使うというようなことを考えられたらどうかということで、今御心配の点は、私は全く同じことを考えましたので、その方向で事が今交渉が進んでいると理解をいたしております。
○吉良委員 ある意味で問題意識を共通させてもらっているということはありがたい話なんですが、そもそも改革ということと、本当に日本の国際的な地位とか今後の経済外交を考えたときに、これまた私の持論でありますけれども、本来なら役所の焼け太りがない範囲で経済外交省というのがあってもいいくらいで、そういう経済外交を実施する一つの手段として、こっちにあり、こっちにありというのではなくて、そういう意味でのJBICの今の一体性というのは大事なんだろう。
 私も、実は大臣、全く、最初、OECFと輸銀がくっつくというのも全然違うんだと思っていたんですけれども、結局、くっついてみたら、先ほど言いました、相手国から見たら、そこには違和感ない、連続性があるということなんですね。
 そういう意味で、機能だけ残すというのはわからぬでもないですけれども、本当に外交の中の最大の手段と位置づけるならば、まさに今私が申し上げたような、経済外交、そのためのアーム、手段というような形でとらえていただければなと思っています。
 ただ、もちろん天下りの受け皿という位置づけにならないとか、ちょっと各論には深くは入りませんけれども、先ほどおっしゃったように、日本企業が借りているというサプライヤーズクレジットの部分はぐっと減らすとか、実際、最近ふえていますのは、日本企業が現地に投資をして、その企業が借り入れるというようなことが出てきていますので、そういう意味では、日本企業という名前だったりコンソーシアムであっても、実際は当該国に貸していると同じ意味合いを持つ、これは御理解をしておいていただきたいと思います。
 済みません、釈迦に説法かもしれませんけれども、そのことを、私の思いを伝えさせていただいて、ちょっと次回といいますか機会を改めて、JBICについての質問をさせていただきたいと思っております。
 続いて、きょうの趣旨であります思いやり予算についてであります。
 私も、二期目とはいいながら、まだ二年ちょっとしかたっていない身で、余り大所高所から偉そうなことを言える立場ではないんですけれども、まず、議員というより一人の国民として考えたときに、例えば、一般の人たちが借家に住んでいます。マンションを借りて住んでいます。毎月家賃三十万円払っています。では、これを購入してローンを払うときに、月々二十八万円で済みますとか同じ三十万円ですということになれば、大概の人は、家賃を払い続けるぐらいだったらローン返済で自分の資産にしてしまおう、こう思うのが一般の国民、一般の家庭だと思っています。
 その意味で、我が国日本が将来的に南米に引っ越してしまおう、こういうことであれば、例えば今の在日米軍駐留経費についてずっと払い続けてもいいかもしれないけれども、将来的に引っ越すわけでない、未来永劫この極東の島の中に生きていくという以上、そういう米軍の駐留経費を負担していくぐらいであれば、先ほどのローンを払って自分の資産にするじゃないですけれども、自分の自主防衛、自力防衛のためにお金を使うべきだ、私はこう思っているんです。
 断っておきますけれども、日米関係の重要性だとか日米同盟の重要性というようなことにけちをつけるつもりはありません。それはある意味で、昨今は議員になっている者の共通認識だと思っています。
 その前提で、なおかつやはり申し上げたいのは、今言いました、そんなお金払うぐらいだったら、戦闘機買いたい、迎撃ミサイル買いたい、そこにお金を費やしたい、こういうふうに思っておるわけです。
 その意味で、前回の外務委員会の質問を聞いていましても、これは大変失礼ながら、自民党の先生方も、そもそも論とか自主防衛について簡単には触れていながら、でも日米関係大事だから、その重要性にかんがみて、やはりこれはしようがないなという結論に大概なっているわけです。本当に形だけ自主防衛等に触れているというふうにしか私には映らない。
 そもそも、戦後六十年たちましたけれども、我が国が当初の国策として軽武装、経済大国化、これを一つの国策と掲げてきたこと自体、私は正しかったと思っています。あの廃墟の中で食べるもののなかった時代に、自主防衛なんというのはとんでもない話だったというふうに思っています。
 ただ、その国策が功を奏して、日本が世界ナンバーツーの経済大国になった、このような状況において、いまだに日米関係、日米関係と、今言いましたように、大事なんだけれども、ますます依存を深めているようにしか私には思えないんです。
 あれだけ世論の反対があったにもかかわらず、岸内閣が断固、それこそ死んでもいいじゃないけれども、命をかけて、安保改定ということで対等な日米関係に持っていきたい、対等な同盟に持っていきたいという歴史があった。私は先ほど言いました、日本が世界二位の経済大国になった、ある意味で八五年のプラザ合意以降、なぜ、より一層の自主防衛路線を政府として模索しなかったのか、してこなかったのか。
 自民党のことかもしれませんけれども、やはり憲法改正、自主憲法制定ということで、そしてこの自主防衛というのは、ある意味で真の独立を果たしていくということのその悲願がずっとあって、そのために、我々はというか先輩諸氏含めて、みんな頑張ってきたんだと思うんです。
 やはり、真の独立というのは私はキーワードだと思う。ところが、自民党の方々からその真の独立を果たすというような言葉、どこからも出てこない。何か米国への依存が当たり前という感覚にしか私はとらえられないんですけれども、ちょっと自分の演説会でもないので、この思いやり予算に関して、麻生大臣が、真の独立ということの自主防衛路線、これはアメリカを全く無視するということではないですよ。より自力で、自分の国は自分で守っていくという路線についてどうお考えかということをお聞きしたいと思います。
    〔渡辺(博)委員長代理退席、委員長着席〕
○麻生国務大臣 国会議員になって、答弁するような立場になって七、八年たつと思いますけれども、最もまともな御質問だったと思って、敬意を払います。
 いや、まじめな話、すごく大事なところですよ。思っていても、結構思っている人はいるんですけれども、なかなかこういうところで堂々とそういうことを言う人はいない。何となく書生っぽいじゃないかとかなんとか格好つけて、言わないんですよ。私は、言い過ぎるといつも問題を起こしている立場なんですけれども、基本的に、今のところはすごく大事なところだと思っております。
 吉良先生、やはりあの時代、私はその岸内閣の安保騒ぎのときに、ちょうど昭和三十五年、二十の学生ですから、まさに全共闘の前の全学連の時代に巻き込まれて、非常に鮮明な記憶がある時代でもあるんです。
 私どもは、それからかれこれ五十年近くがたちまして、いわゆる有事法制、国民保護法制というような法律が、三年前、全党が衆議院の中に入って、そして牛歩とか徹夜とか乱闘とかいうような騒ぎもなく、少なくとも粛々と、民主党を含めて約九割の方が有事法制に賛成、一年おくれて国民保護法制に賛成という形で通っていったというのは、昔を知っておられる方々から見ると、驚天動地はちょっと言い過ぎでしょうけれども、いろいろな思いがおありになっただろう。その当時から政治の世界のかなり近くから見ていた者からすると、それがやはり大きな世論の変化なんだと思うんですね。
 それが、冷戦が終わったという状況がかれこれ十五年続いているんですけれども、何となくまだ冷戦構造の意識が抜けていない、なぜなら、日本の場合は冷戦を正面切って戦っていませんから。
 そういった意味では、私どもは非常に判断を間違えない、国際情勢を間違えてはならぬ大事なところで、冷戦という立派な戦争が行われて、我々は知らない間に勝者側に立っていた。かつての第一次欧州大戦に大した参加もしないで勝者側に立ったときと似たような形になっているんだと思いますが、その後の判断を間違えて御存じのようなことになっておりますので、私どもはここは非常に大事な判断をしなくちゃいかぬ。
 そのときに、自主防衛だという点に関しましては、私も自主防衛という概念は基本的に正しいと思います。今、自主防衛の方が高くつくという話が多分一つの意見です。
 それから、長いこと、冷戦の中で日米安保のもとに、アメリカ側から見れば、ぬくぬくと手に入れた繁栄じゃないか、おれたちはみんな体張ったんだ、おまえらはぬくぬくと稼いでという意識は多分向こうにはあります。それは三百六十円が百二十円、一時期八十円までなったんだから、逆に言えば、一ドルが千六百円ぐらいになった計算になりますので、それは向こうにしてみれば、冗談じゃないと多分おなかの中では思っていますよ。
 僕は、そういう点からいきますと、ここは、確かに今の考え方としては一つの見識として持っておかねばならぬ大事なところなんであって、日本人自身がその覚悟をするというのは、私自身は大切なところだと思っております。
 したがって、さっきローンの話を例に引かれましたけれども、いい例だと思いますよ。私どもも、そういった意味では、少なくとも、昔、松野頼三という方が、まだ御存命ですけれども、この方が吉田茂に、こんな片務条約があるかといって当時の内閣総理大臣に食ってかかった場面があるんですけれども、そのときには、松野、犬飼っているかと。終戦直後のこと、そんなもの、今危なっかしいから犬ぐらい飼っていますよ。番犬と思ったらどうだ、えさ代は向こう持ちだと言って、おれはごまかしたんだと。
 ごまかしたという表現がすごく大事なところで、その当時はやはりじくじたるものがあったんですよ、それで多分ごまかしたという表現をしていますけれども。
 今は、払うだけの金は持ったんだけれども、自分で柔道を習って番をするのか、相変わらずどこかに傭兵を頼むのかというような話にとられると、いわゆる国家として、国民としての誇りをとか、自分の国は自分で守るとか、自分のことは自分でやるとか、そういった基本的なところに一番という話を多分言っておられるんだと思いますけれども、私どもとしては、そういった御意見を持っておられる方が自民党におられることを心から期待をしております。
○吉良委員 この点についても共有していただいているということは非常にありがたく思うんですけれども、先ほど津村議員が常任理事国入りの話をされました、質問しました。
 みずからの生存、存立を他国にゆだねる、自分の国を自分で守れないという国は、ある意味でやはり世界からの尊敬、尊崇を受けるわけがないというふうに思っていまして、それから、細かな資料をお手元には配らせてもらっていますけれども、そこは今詳細は触れません。
 他の米国駐留ホスト国に比べてかなり巨額の負担をしている我が国が、なかなか今米国にノーと言えない。私は、もちろん国益が一致すれば一緒に行動すればいいと思っていますけれども、いつもいつも米国と国益が一緒とは限らない。やはり時にはノーと言わなきゃならない。
 そういう意味で、今言った自国の存立、生存まで米国に依存している日本が幾ら常任理事国に名乗りを上げても、世界のほかの国から見れば、米国の言いなりの、安保理常任理事国の中で米国票が二票にふえるだけだ、こう思われても仕方がないんだと思うんです。
 ですから、私が言いたいのは、常任理事国を目指していくということと、米国に時にはノーと言える自主防衛路線というのは、これはセットでなきゃいかぬ。こっちを放棄しておいて、何とか常任理事国になりたいというのは、これは矛盾していると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 今、常任理事国に関して、米国の言いなりというのに関して、これは我々もそういうような感じを日本側から見ますけれども、アメリカから見て、日本はアメリカの言いなりになってくれる友好国かと聞いたら、冗談言うなと多分向こうは言うと思うんですね。いろいろこれまで表に出てくるところは、何となく、英語で言えばオビーディエントという感じ、従順というイメージだとは思いますけれども、アメリカから見たら、何をといって、貿易摩擦のことから思い出しても、向こうは向こうで、多分ずっと不満はいっぱいあるんだと思います。
 ただ、吉良先生、日本の場合、これまで安全保障という面にいきますと、いわゆるドンパチするPKFの話とか、そういった話にどうしても新聞の関係で我々も目が持っていかれるんですけれども、現実問題、秩序ができた後、その国を復興させる、再興させるということになりますと、例えば、役人が全部いなくなっちゃっているとか、いわゆる行政官がゼロとか、これから、例えば大きな大きな東ヨーロッパの国々の中で、はい、今から地方自治ですなんといったって、今までずっと中央政府一本ですから、地方行政をやろうといったって、地方の役人はいないし、地方税はわからぬし、地方議会もないしというのか、全然ルールもない。選挙と言われても、選挙というのはほとんど余り経験がないなんという国が多いわけで、そういったところに日本という国は平和を構築していくという意味においては貢献できる部分というのはいっぱいございます。
 実は、外務大臣になる前は総務大臣をしていましたけれども、そのころ、地方自治大学校というのがございまして、その地方自治大学校の中には、例えばベトナムから学生が来てみたりして、そこで、もともとは地方の官僚をグレードアップさせるために学校というものをつくっているんですけれども、実際は、海外からの学生を受けて、そこで訓練してもとに戻しているというようなことを実は自治省がやっております。
 こういったようなことは、海外から見ると物すごく頼りになるところであって、日本は資源がなくてこれだけやれている国、おれたちは資源があってもこれしかできないという、何となく、何か手品があるんだと。だから、それは教育なんです、いわゆる行政のレベルなんですという話をして、何となく納得すると学生を送ってくるということになっております。
 今、常任理事国の例に引きますと、日本の貢献というのを腕力に期待している部分はありませんけれども、いわゆる黄色人種として、少なくともG8の中にいて、ほぼ同じ目線で、資源もなく、小さな面積のところから出てきた国が、自分たちよりはるかにすごいことをやってきておるという実績は、かなりコンビンシブル、説得力のある話だと思いますので、私どもとしては、国連の常任理事国入りした後、ほかの発展途上国等々が日本に期待している部分というのはむしろそういうところであって、プラスそこにODAがくっついてきてみたりするんだと思います。
 ODAの裏側には、勤勉とか、いわゆる働くとか労働とか、そういうものに対する美学も一緒にくっついてきているというところが日本の非常に自信を持って今後海外展開をしていくべき大事なポイントではないかと思っております。
○吉良委員 麻生大臣のお話、答弁もごもっともではあると思いますけれども、最終的には、常任理事国にならんとすれば、支援を得て、選挙ということになって、もちろん地道な外交努力というのは大事ですけれども、やはりイメージ、常にアメリカの後ろにくっついている、このイメージでは理解は得られないし、そういう意味では、そういうアフリカ諸国等々に対しては中国もどんどん手を伸ばしていっているわけですから、日本がきちっと独立した、アメリカに常に追随しない国であるという印象を持ってもらうことが非常に大事だというふうに私は思っています。
 資料で一点だけ、正直、精査された資料ではありませんが、この大きな黒い矢印があるものを見ていただきたいんですけれども、横の一枚物です。
 これは、単純な数字の足し算、掛け算なので、これが実際面でどこまで有効かということについては正直わかりませんと、そこまで申し上げます。
 ただ、先ほどの一般の人が考えたときのローンと家賃という比較で見ていただければわかるんですが、その六千二百十六億円というのは、資料の一ページ目にも載せていますように、これは、義務的経費だとか、直接支援の思いやり予算だとか、狭義の思いやり予算だとか、そのどれをとるかによって違ってきます。ただ、仮に全額これを自主防衛に充てたとしたら、掛け五年間、そうすると、ほぼ、今の在日米軍のすべての能力とは言いませんけれども、戦闘機二百機、イージス艦四隻、護衛艦五隻、ミサイル艇二隻、これだけのものが装備できるわけなんですね。
 それを考えますと、繰り返しにはなりますけれども、安易に努力義務を、もちろん節約しろと言っています、今アメリカにノーと言えない以上、そういう努力は必要かと思いますけれども、もっと根本にさかのぼって、やはりこれだけのお金があればこれだけの装備を備えることができる、自主防衛に一歩近づけるという参考のためにこれを出させてもらいましたので、ぜひ自主防衛路線というものを再考いただきたいというふうに思っています。
 それで、私がこのようなことを主張しますのは、日本は日米同盟、日米同盟と、これをきちっと守っていれば日本の安全、東アジアの安全は守られる、このように皆さんは思っておられるかと思いますけれども、本当にそうなのか。
 今のように、中国が経済的に発展し、アメリカにとっての工場でありマーケットという位置づけがますます強くなり、そして、今の中国が未来永劫今の体制であるという保証はどこにもありません。仮の話ですけれども、中国が民主主義国家になった、人権擁護というものを前面に押し出す国になった、そのときに、日中の対立があったときにアメリカが必ず日本につくという保証はどこにあるんだろう。
 これは私のオリジナルではなくて、三井物産総合研究所の寺島実郎さんという方が、もし一九四九年に共産中国が成立しなかったならば、日本の発展は三十年おくれたであろうということをよく言われています。
 要は、米国として、当時の蒋介石中華民国を支援していたわけですから、そしてもともと、私の勝手な歴史認識ですけれども、太平洋戦争というのは、いろいろな物の見方がありましょうけれども、ある一側面をとらえれば、日本、米国両方とも、おくれた植民地獲得、経営に乗り出したところが、中国をめぐって対立したという見方ができる。アメリカは、門戸開放、みんながもう全部中国に進出してしまっているので、自分にもその経済的分け前をよこしてほしいということで入っていったという要素がある。
 したがって、今言いましたように、アメリカが支援をし続けていた蒋介石中華民国がそのまま続いていたとすれば、防共ということでの日本の位置づけというのはぐっと下がって、アメリカはここまで援助しなかっただろう、そういう見方もできるわけですね。
 ただ、そうしたときに、中国共産党が成立して、あるときから開放経済ということを前面に押し出して、まず、経済の面からはある意味では共産主義を放棄した、社会主義を放棄した、今、政治体制だけが残っている、これが本当に何年か先、民主主義国家にならないとは限らない。
 そうしたら、アメリカというのは、繰り返しますけれども、もう今でもアメリカにとって中国というのは、日本と同じように、工場でありマーケットになっていますから、米国が中国を重視しても全くおかしくない。
 そのときに、今、東シナ海だとか領土問題だとか、こういうような争いが実際にある中で、日本というのは、やはりアメリカ抜きでもある一定の防衛はできるという体制をつくることがどれだけ必要かと私は思っておりますが、その点についてのまた麻生大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○麻生国務大臣 まことに傾聴に値する御意見なんだと思いますが、だから、やはり日米というのはきちんとしておかないかぬという話なんだと思うんですね。
 やはり基本的には、世界の中で、今一九四九年の例を引かれましたけれども、日本にとっては一九五一年の朝鮮事変なんだと思うんですね。これによって、いわゆる冷戦というものが非常にはっきりして、あの当時は第三次世界大戦というのが非常に注目をされた状況でもありました。
 あの朝鮮事変というのは結構深刻でして、先生の生まれたところもですし、私は北九州に生まれたんですが、東京は朝鮮事変の動乱景気でうはうはのころ、私ども北九州にいた者にとりましては、昭和二十六年、まだ敵機来襲、もちろん灯火管制、対空機関砲なんというのは、門司、小倉ではそんな珍しいことではありませんでした、朝鮮事変でミグ幾つとかいうのがいっぱい入ってくる時代でもあったので。そういったものを経験した世代からいいますと、やはり冷戦というものが日本というものの重要性を非常に増させたということは、否めない事実として我々は認識をしておかねばならぬところだと思っております。
 ただ、一九四九年、蒋介石が勝ったらその後どうなったかという話は、これはまた全然別問題ですよ。だから、そこのところを考えておかぬと、ちょっとなかなか難しいところなんだと思います。
 いずれにいたしましても、日米安保条約というものを結んで、ここまで、我々としては、米軍の抑止力の傘のもとでぬくぬくと経済的繁栄を営めたというのは疑いもない事実なんだと思うので、やはり日本として、そういうときの、日米安全保障条約における一番のフロントラインにいるわけなので、前方展開部分のところの抑止力というものを我々は担っているんだと思っておりますけれども、少なくとも、それが日本にとって、もっときちんとやるべきことをやるべきではないかというのは、私も全く御意見に関しては賛成をするものでもあります。
 ぜひ、そういった意味で、そういった意識は、昔は、この種の話は国会でするだけでも、国会は今ごろとまっていますからね。間違いない。私どもの最初に当選したころはそういう時代でしたよ、にこにこした雰囲気なんかとてもありませんでしたから。
 こういったことが言えるようになったというのは、日本の論議もかなり現実的なものとして成熟されてきたものかなというのが、私の方もちょっと、たった二十数年間でも感無量の面持ちがありますから、これは五十年、六十年の昔から知っておられた方から見たらとても考えられぬというような話だと思います。
 いずれにいたしましても、やはり基本的に自分のことは自分で守る。ただ、守れない部分がありますから、その部分に関しては抑止力に頼るというところですけれども、頼る分が少なければ少ないほどいい。ただ、その分だけ覚悟と経費はかかるということだけをきちんと腹におさめて、腑に落としておかないといかぬところだと思っております。
○吉良委員 時間もそろそろなくなってまいりました。
 私も、日本がすべてできると思っていません。核を持たないという国是の中で、やはり、核を持っている周辺国がいる中で、アメリカの抑止力というものが必要なことはもう十分わかっています。
 だけれども、新防衛大綱の中でも、抑止力から対処能力重視ということになっておりますので、いざ何らかの攻撃、侵略を受けたときに、抑止力はそれを起こさせないためですから、実際受けたときに、それに対する反撃能力をきちっと自国で持つ、これは自前でできることなんだろうと思っていますし、ある意味では、抑止は米国に、特に核に対する抑止は米国に、でも、実際の有事があった場合には自力で、これが一つの考え方ではないのかということを申し上げたいと思います。
 ちょっと時間がなくなりましたので、質問の三番目については、一つの問題意識だけを述べさせてもらって終わります。
 日本の経済的な繁栄、安定を確保するためには、当然ながら、資源、エネルギーの安定確保というのが最も重要なことである。
 そういう中で、再三私はいろいろな場で言っていますけれども、中国を中心としたBRICsが、世界じゅうの化石燃料を中心とした原料資源、エネルギーを買いあさり、また非効率な使い方でもって浪費している。こういうことを考えたときに、それがためにまた石油も上がり、鉄鉱石も何もかも上がっている。
 こういう状況を考えたときに、やはり日本は原子力の平和利用といいますか、この技術を持っておるわけですから、中国を初め、ちょっと各論は今せぬけれども、積極的に、化石燃料を含めた世界のエネルギー資源、原料資源の浪費といいますか消費を抑えていくという貢献をしていかなければならない。そのために、先ほど言った国際協力銀行なり日本のメーカー、技術の果たすべき役割は大きいし、それはまた外交の大きな手段になるということで、またこれは時を改めて取り上げさせていただきたいと思います。
 ということで、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○原田委員長 次に、武正公一君。
○武正委員 おはようございます。思いやり予算二日目の質疑ということで行わせていただきます。
 まず、水曜日、八日のときに、ちょうど日中の局長級協議が終わった後でございましたので、外務大臣にその内容、そして伝えられるところの中間線両側での共同開発は拒否、そして新提案、尖閣諸島周辺での開発提案、これに対する所見を伺ったんですが、佐々江さんは午後帰ってくる、まだようわからぬということでの答弁でございましたので、再度、この内容、そしてそれに対する所見を伺いたいと思います。
○麻生国務大臣 御指摘のありましたように、六日及び七日に北京で行われました東シナ海等に関する日中協議におきまして、中国側から、東シナ海の北及び南の二地点に関して共同開発の提案というものが行われております。
 中国側との申し合わせもありまして、交渉中のことでもありますから、中身を詳細に申し上げることは差し控えさせていただきますが、日本としては、中国側の提案につきましては、その中身は吟味していく必要はあるとは思いますが、これまで我が国が主張した話とは相入れられないものだと思っております。
 また、中国側から、日本側の提案は問題があるということを向こうも言っておりましたけれども、いずれにしても、日中双方が提案を引き続き検討するということで、次回協議においてお互い考え方を示すということになっております。
 いずれにしても、日本としては、主権の確保というのは大事なところだと思いますので、東シナ海というところで、双方話し合いの上できちんとした形での協力の海というものにしていく方向で努力をしていきたいと思っております。
○武正委員 双方内容についてはということですが、きのうの報道では、中国の報道官が尖閣諸島周辺での開発について認めた、こういうような報道もあるわけであります。今外務大臣、明言はなかったんですけれども、相入れない提案だったということでありますが、再度、中国の報道官も認めているこの尖閣諸島周辺での開発という提案があったのかなかったのか、お答えいただけますでしょうか。
○麻生国務大臣 中国側の提案の詳細についてはお答えできないと先ほど申し上げたんですが、尖閣諸島が日本の固有の領土であるなんということは、これはもう歴史的にも国際法上的にも全く疑いの入れないところでありますので、日本もこれを有効に支配しておると思っております。したがって、中国との問題で解決すべき領有権の話とかいうものの問題はそもそも存在していないと思っております。
 一般論として、これが我が国の立場でもありますので、いわゆるそういうものと相入れられない共同開発については、私どもは応じる考えはございません。
○武正委員 きょうは委員会に官房長官の御出席を再度求めておりましたが、残念ながら理事会で、官房長官は出席ができないということでございました。
 長勢官房副長官がお見えでございます。
 これは質問通告にないんですが、先般来この話を外務大臣ともやりとりしておりまして、実は外務委員会は一月に沖縄に視察をいたしまして、海上自衛隊機で上空から、それこそ日中中間線の春暁、天外天を確認し、そして尖閣諸島も上空から私は確認をいたしましたが、そういうときに、石垣市長から、ぜひ課税対象の尖閣諸島に上陸をしたいんだ、こういう要請を我々外務委員会一同受けたんですね。
 今のような、そもそも領土問題はないという外務大臣の、まさに私はそのとおりだというふうに思いますが、さりとて地元の市長が上陸をしたいというのに、政府、とりわけその課税については、地方税ですから担当は総務省なんでしょうか、前総務大臣ですから麻生大臣の方が詳しいかもしれませんが、拒否をされている、こういうような話なんです。
 きょうはせっかく官房副長官においでいただいていますので、どうでしょうか、私はやはり、石垣市長の上陸したい、当然領土問題もないという外務大臣の話ですから、上陸して当然だと思うんですが、いかがでしょうか。
○長勢内閣官房副長官 今の問題、私も、通告もなかったものですから十分勉強いたしていない部分がございますが、尖閣諸島四島はもともと私有地であり、平成九年四月、当該四島の所有者から、国の機関を除き上陸等を認めない、また、第三者による権利侵害行為に対し厳重な対処を求める旨の要請が行われております。
 また、平成十四年四月には、政府が尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持を図ることを目的として、尖閣諸島について当該所有者から賃借を開始いたしましたが、この所有者の意向を踏まえ、かつ、賃借の目的に照らして、原則として上陸を認めないとの方針をとってきているところでございます。
 したがって、上陸を認めるかどうかについては、土地所有者の意向、政府の賃貸目的などを十分に踏まえて検討していく必要がある、このように考えておるというのが現在の方針でございます。
○武正委員 地方自治体の首長として、課税対象のその市の面積でありますので、対象でありますので、私はやはり、地元自治体の首長としての上陸をして、しっかりと課税がいかにあるべきか、このことを認めていく、これは当然の政府としてやるべきことであるということを再度申し上げておきます。
 そこで、先ほど来、この思いやり予算に絡めて今進行中の日米審議官級協議の内容について、再三同僚委員から質疑がございます。
 先ほど河相北米局長からは、当初、最初の二日間はグアムへの移転経費についてはまだ協議していない、こういうことがあって、再度山口委員から聞きましたら、いや、実は最初からちょっと始めているんだ。答弁の変更もあったような、大変あいまいな答弁が続いておりますが、二日前にも外務大臣に聞きました、審議官級協議の内容はどうですか。先ほど来のやりとりでは、いや、まだ協議中ですということでありますが、当然対処方針はある。
 そして、先ほどは、日本が負担するグアムへの移転経費、その中で、いわゆるこれまで見てきたクラブなどの設備等、こういったものを日本ではもう平成十二年以来認めないということでやっているんだから、当然そのことは認めませんね、こういったことも求めているわけでございますが、今の審議官級協議の二日も経て、この二日間のやりとり、そしてまた対処方針、どのような対処方針で特にグアムへの移転経費の負担について指示をし、今協議が進んでいるのか、お答えをいただけますでしょうか。
○麻生国務大臣 ちょっと長くなりますけれども、日米間におきまして、いわゆる日本時間の八日から外務、防衛当局の協議が行われております。
 協議の具体的な詳細につきましては、ちょっと米軍の関係もありまして、お答えは控えさせていただきますが、五点。
 まず、沖縄につきましては、普天間飛行場代替施設の具体的なあり方、在沖縄海兵隊の削減やグアムへの移転及びそれに伴う嘉手納飛行場以南の土地の返還に関する計画の具体化などにつき協議。
 二、在日米軍司令部の改編などについては、これに伴うキャンプ座間及び相模総合補給廠の効果的かつ効率的な使用のあり方について検討。
 三、横田飛行場につきましては、航空自衛隊の航空総隊司令部、府中にあります司令部の移駐に関する詳細な検討を行っております。また、横田空域のあり方、横田飛行場の軍民共用化にかかわる検討を行っております。
 四、空母艦載機の厚木飛行場から岩国飛行場への移駐、それに伴います関連措置につきましては、滑走路の沖合移設後の岩国飛行場のあり方をも念頭に意見交換を進める。
 五、そのほかにも、普天間飛行場の空中給油機KC130の移駐やXバンド、Xバンドというのはウルトラ・ハイ・フリークエンシーです、Xバンドのレーダーの配備などについても取り上げております。また、飛行場にかかわる案件につきましては、飛行経路やその他の騒音にかかわります影響などにつきましても議論をしてきております。
 これらについて、日米の共通の理解に達した論点につきましては、地元からの質問に答える形などで地元にも今後説明をしていきたいというように考えております。
 以上です。
○武正委員 グアムへの移転経費の負担額あるいは割合、そして、先ほども話がありましたその対処方針についてはいかがでしょうか。
○麻生国務大臣 今御質問のありました中で、海兵隊のグアム移転に関し、資金的な措置を含めて検討はされております。これは、正直言って、ほかのものが最初に出ましたものですから、そんな最初からやったわけではありません。協議はいまだ継続中ということでもありますので、ちょっとこれに対して詳細はまだお答えできるようなところまで詰まってはいないというのが正直なところです。
○武正委員 昨年の十月の2プラス2合意以来、協議をしてきております。そのことはもう既に外務省はお認めでございます、防衛庁も。ですから、詰まっていないということで、もう三月末の最終合意、これは昨年の2プラス2でも合意をされているわけです。三月末までにこれをまとめる、双方努力する、これを双方で確認しているわけですが、今もって、もう二週間もないのに今のような御答弁しかできない、そういう協議状況ということでよろしいでしょうか。
○麻生国務大臣 かなり厳しいことになっているのは事実です。
 まず、払う払わないの話に始まり、真水でやるかローンでやるか等々を含めて、正直申し上げて、ゼロか一〇〇か五〇にするか、もうとにかくごちゃごちゃいろいろ、かなり激しい応酬が続いているということが事実として申し上げられるところだと存じます。
○武正委員 激しい応酬と言われますけれども、もう既に、巷間、四月一日、二日、2プラス2、この協議をやるんだ、外務大臣、防衛庁長官も訪米をするんだ、こういうような報道がありますが、そうすると、もうあと二週間でその最終報告、合意、2プラス2ですけれども、間に合うんですか。
○麻生国務大臣 間に合わせたいと思っております。この三月の十八日に、私、シドニーで、ライスそれからオーストラリアのダウナー等々と日米豪の会議をすることにいたしておりますけれども、その席で、アメリカの方から、日米バイの会談を申し込まれてきておりますので多分この件にも、避けて通れない話題の一つだと思っておりますが、ぜひ三月末にまとめる。
 先生、これは一日おくれたからどうのこうのという話じゃありませんけれども、できないとやはり、期日はある程度切っておきませんとなかなか前に事は進みませんので、私どもとしては、ぜひ三月までにまとめたいという方向で取り組んでおります。
○武正委員 そこで、本来は官房長官、お見えいただけなかったのが大変残念ですけれども、今週月曜日の記者会見、再度副長官にもお見えいただいておりますが、今、外務大臣は、まとめたい、まとめなければいけないと。確かにそうなんですね。去年の十月二十九日の2プラス2合意では、再編に関する勧告でこのように書いております。
 「閣僚は、地元との調整を完了することを確約するとともに、事務当局に対して、これらの個別的かつ相互に関連する具体案を最終的に取りまとめ、具体的な実施日程を含めた計画を二〇〇六年三月までに作成するよう指示した。」ここで、地元との調整を完了することを確約することという文脈がこの2プラス2で双方合意をしております。
 地元との調整を完了できるんですか、二週間で。まず外務大臣、いかがですか。
○麻生国務大臣 これは、まとめる、誠心誠意努力をして、基本的にはなるべく地元負担も軽減することなんですからということで、私どもとしては、ぜひ地元の了解を得るべく、今いろいろな形でお願いをさせていただいたり話し合いをさせていただいたりしておりますので、ぜひ三月いっぱいまでにまとめたい、私どももそう思っております。
○武正委員 長勢副長官、再度聞きますが、月曜日、安倍官房長官はこのように述べている。「(三月末の日米の最終報告と地元との合意と)どちらが先か、一日も早く地元との合意が得られればいいが、他方で最終合意は日米が協議していることであり、日米で協議が整い次第、それが最終合意になる。」日米で協議が整い次第、それが最終合意になる、これが月曜日からの政府の政策転換ではないんですか。
 先日、おとといですか、こういう協議の三月末という締め切りを控えて、外務大臣も焦っている、そういうことで、今週月曜から、官邸、官房長官は、地元との合意よりも日米間の合意、これを優先というふうに転換をしたんではないですか。官房副長官、いかがでしょうか。
○長勢内閣官房副長官 昨年の2プラス2の合意において、本年三月までに最終的な取りまとめを行うという旨事務当局に対して指示をしたということでありまして、それを踏まえて、現在、精力的に検討して、協議を続けておる状況でございます。
 当然、この内容について関係府県においていろいろ厳しい御意見があることは承知をしておるわけでありますけれども、この再編について、地元地方公共団体を含めて、国民の理解がなければ大変実行が難しいということは当然でございまして、政府としてはもう誠心誠意、昨年来、防衛庁長官あるいは外務大臣も含めて、何度も地元に足も運び、御協力をいただく、また説明をするという努力をずっと続けておって、これをしっかりやっていこうというのが変わらない政府の一貫した方針でございます。
 御指摘の官房長官の記者会見での発言についてでございますが、当然、安倍長官も政府の方針を踏まえてお話しになっておられますし、それをきちんといつも申しておられるわけで、今お話しになった記者会見の発言、読みようにもよるんでしょうけれども、当然、協議が整わなければ最終合意にならないのは当たり前のことでありますし、むしろ、協議をする過程において地元との調整、理解を得るということをきちんとやるということは繰り返し申し上げておられるわけですから、そういうふうに御理解をいただきたいと思います。
 そういう意味では、新聞の記事等で見出し等が、何というんですかね、相当何か、今おっしゃったような、転換をしたのではないかということを強調した見出しになっているのもどうかなと。毎日新聞では、「地元合意なしでも」というような見出しがつけられたようでありますし、朝日新聞でも、「地元の納得なくとも」という見出しで報道がされておるようでありますが、そういう趣旨でおっしゃったんではないと私どもは思っております。
 ちなみに、昨日、官房長官の記者会見では、報道側から、今後、政府として地元の合意を得ないまま最終報告をまとめるというお考えもあるのでしょうかという御質問があったようであります。
 それに対して、官房長官からは、中間報告が出た後、地元に対して防衛庁を中心に説明を行ってきたところでありますが、今後とも、政府案についてよく御理解をいただけるよう、誠意を持って説明を続けていかなければいけないと考えています、もちろん、地元の住民の方々にもいろいろなお気持ちもあると思いますので、こうしたお気持ちを酌みながら、しっかりと説明、説得の努力を重ねていきたいと思っておりますというふうに昨日の記者会見で述べておられるわけでありますし、こういう考え方を、累次、今までもずっとおっしゃってきておられるわけで、おっしゃったように、方針が変わったというふうに考える必要はないというか、そういうことではないというふうに申し上げたいと思います。
○武正委員 そうすると、昨年の2プラス2、十月の合意に基づいて、地元との合意、これを確約、そして、それで三月までに最終的取りまとめということでよろしいと理解をいたしました。
 さて、そうはいっても、稲嶺知事は今の沿岸案も反対であると副知事に続いて表明をされておりますが、防衛庁、きょう副長官お見えですが、どうやって、知事の、あるいは沖縄県、あるいは地元名護市、説得を進めるんですか。担当としていかがでしょうか。
○木村副長官 先般もお答えしましたが、2プラス2の共同文書発表以降、額賀長官初め私ども手分けをして、沖縄県を初め各関係自治体等に御説明、あるいはまた、日米間の協議が進む中で、お伝えしながら、また御意見をいただきながらという姿勢を大事にしてきたわけでありますから、その姿勢は額賀長官もこれまで何度も国会等で述べておるとおり、その方針で努力を続けていきたいと思っております。
○武正委員 ただ、地元は沿岸案はだめだと言って、そして首相は日米合意のもとにやってくれと山崎衆議院議員に頼んだ、こういう報道になっているんですね。
 もう、首相も知事とトップ会談というような報道がきのう流れていますが、副長官、知事と首相は、会って、知事の説得を首相みずからやるということなんでしょうか。日程も決まったんでしょうか。
○長勢内閣官房副長官 私自身は承知をいたしておりません。
○武正委員 外務大臣は、先般、やはり地元が、結局合意をとれなかったら、また後で大変なことになる、こういうふうに答えておられます。たしか金田副大臣が沖縄に行く、こういう報道もあるんですが、外務大臣みずから沖縄に行って、外務大臣としてもしっかり説得をする。今、日米間で、最終合意、ぎりぎりのところで大変な協議をしているけれども、でも、とにかく地元の気持ち、考え、それを十分酌み取ってやるんだよ、こういったことをするお考えはございますでしょうか。
○麻生国務大臣 以前にも行ったことありますし、外務大臣に就任してからも行ったことありますし、稲嶺知事、こっちに上がってきたり、市長さん上がってこられたり、いろいろしておられますので、合意を何らかの形で得たいと思っておりますけれども、私ども、行く必要があるというように判断すれば、行くことになろうと存じます。
○武正委員 先ほど確認をしたように、あくまでも、地元の合意、これを確約という昨年の2プラス2、十月のこの文書に基づき、政府として、それこそ首相そしてまた外務大臣、防衛庁長官、先頭になって、とにかく地元との合意、これを取りつけるために、もう三月末まであと二週間足らずでありますので、最大限御努力をいただくということをお願いしておきます。
 そこで、本協定でございますが、いわゆる平成三年から、光熱水料費、この負担が始まっております。
 また、お手元の理事会のお許しを得ての資料、これも比較していただきますと、これはパーセンテージ、手書きで大変恐縮なんですが、全世界における米軍に対するホストネーションのサポート、トータルに対して日本の割合はどうかということで、九七年五〇・六%、九八年五三・二%、そして九九年六〇・九%、そして二〇〇〇年六一・八%、これが一番新しい数字でありますが、年々全世界における日本の負担割合というものもふえている。
 こういったこともおわかりいただけるわけなんですが、そのユーティリティーについてということで、委員会配付資料にもありますように、ギリシャ、ノルウェー、クウェート、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、しかし、最大のサウジアラビア百六十三万ドルに対して、日本の二億一千七百三十四万ドルは約百四十倍。光熱水料、なぜ五年前から同じ水料が負担なのか、こういったことについて、一体この五年間、協定にあるような節約努力をしてきたのか。
 そしてまた、書簡にある二のcですね。内容の通知は一体どうやっているのか。領収書を渡しているのか。そしてまた、契約変更。過去、では、そうした契約変更があったとして、ちゃんと通知しているのか。
 あるいは、書簡の三にあるように、見積もり、これはお手元の資料には防衛庁から単価も示されておりますが、一体この単価は競争原理が働いているのか。こういった見積もりをどういうふうに提出しているのか。
 以上、副大臣、お答えいただけますでしょうか。これは副長官かな。どちらでしょうか。
○木村副長官 まず、御指摘ありました書簡の二のcに関してで、例えば契約の変更があったときという御指摘がありましたが、これにつきましては、在日米軍の方から私ども防衛施設庁に対しまして事前に通知をなされることになっております。また、在日米軍と業者との間で契約の変更等が行われた後に、在日米軍司令部の方から私どもの方に契約書の写しをいただいているところであります。
 それから、領収書のお話もありました。これにつきましても、毎月、在日米軍司令部の方から私ども施設庁の方に提出をいただいているところであります。
 それから、経費の見積もりについても御指摘がありましたが、私ども、米側の経費見積もりにつきましては、概算要求前に在日米軍司令部の方から施設庁に対して提出をしていただいております。
 我が国は、書簡の三ということでありますが、この特別協定の三条に関しての移転訓練にかかわる部分において、この実施手続を定めた往復書簡に基づきまして、訓練の移転に伴って追加的に必要になる経費の全部または一部を負担してきているところであり、具体的に申せば、硫黄島におきますNLP、あるいは本土の五演習場で実施されております沖縄県道一○四号線を越えての実弾射撃訓練、あるいは伊江島補助飛行場におけるパラシュート落下訓練、こういったものが対象とされ、かかる訓練につきまして米側の見積もりは、毎年、概算要求前に私どもに対して文書で提出させていただき、これを我々としてももちろん精査した上で、財政当局とやりとりしているということであります。
○武正委員 この国内の訓練移転費の経費見積もりを協定に入れた平成八年の変更のときの、平成七年の外務委員会議事録でも、政府委員からは、各会計年度ごとに我が国が負担することとする額は、アメリカ側から提供された経費項目、見積もり等の情報を踏まえて日本政府の側で決定する、つまり、額は米国政府からこういう額ですよということがされて、日本政府としてそれにこたえる。すべてこういったスキームで行われているがゆえに、今回のグアムについても、精査ということを言っておりますが、とにかく言い値で日本は払う、こういったスキームがずっと続いているんですね。
 これもそろそろ本当に変えないと、いつまでたっても、日本の税金が投じられる、本当にそれが競争原理が働いて適正な価格なのか、こういったところが絶えず言われなきゃいけないということでございますので、私は、やはりこの仕組み自体を変えていく必要があるというふうに思うわけでございます。
 副長官、どうぞお引き取りいただいて結構でございます。
 官房副長官も、ありがとうございます。
 そこで、もう時間となりましたのでこれで終わらせていただきますが、今の協議にあって、地位協定の改定、これは地元の渉外知事会からも要望があります。地位協定の改定は協議の中で含まれているのかどうか、この点について、外務大臣、お答えいただけますでしょうか。
○塩崎副大臣 この点については、武正議員御承知のとおりでございますが、これまで、地位協定については運用の改善ということで臨んでまいりました。刑事手続や環境等々で運用の改善を図っているところでございますので、引き続きこのラインでいきたいと思っております。
○武正委員 外務大臣、いかがですか。地位協定の改定を、ここの三月末の最終合意に向けて、やはりこのことをしっかり入れていくべきだと私は思うんですよ。地元の説得、地元の合意を得るためにも、私はこれは欠かせないと思いますよ。そして、2プラス2に臨む。やはり、本当に地元は地位協定の改定ですよ。地元自治体、本当にその合意を得るために、これは私は欠かせないと思うんですが、外務大臣、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 今、副大臣の方からも答弁をしましたが、基本的には、これまで運用の改定ということでやってきて、事実、刑事訴訟やら何やら、日本がとにかく犯人の起訴前の身柄引き渡し等々、この間起きた事件もそうでしたけれども、世界じゅうで、起訴前の身柄引き渡しができているのはたしか日本だけだと思いますので、いろいろな意味で運用改善という方が、私どもから見ますと現実的には合っておるんじゃないかなという感じが率直なところです。
 ただ、地位協定ということになりますと、これはちょっと、世界じゅうやらないかぬことになるのかなという感じがしますので、私どもとしては、いろいろ貢献をしていることもこれあり、この種の話や問題が起きたときの条件は、我々が一番有利な条件にさせてもらって当然じゃないかという話等々がやれて、運用協定でここまで来たんだと思っておりますので、直ちに、地位協定を今回の段階に一緒にあわせてやるという考えは、今現在ではございません。
○武正委員 ボン協定なども改定していますし、例えば、低空飛行訓練の禁止などもボンでも改定をしております。日本が改定、これまでできていない、日本が改定したら諸外国に影響を与えるということはありません。やはり日本の地位協定の改定というのが地元の悲願である。米軍ヘリ墜落のときの事故通報、これも運用の改善ではうまくいかなかったということですから、地元合意のためには、私は地位協定の改定が欠かせないと思います。
 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
○原田委員長 次に、松原仁君。
○松原委員 普天間の飛行場移転計画でありますが、先般三月八日、沖縄県名護市の末松助役は市議会本会議で、普天間飛行場の移設計画に関連して、日米が合意したキャンプ・シュワブの沿岸案とSACO合意に基づく従来の辺野古沖計画との中間の位置まで移設場所が修正されれば、政府との協議に応じる意向を明らかにしたわけでありますが、このことは、ある意味では、向こうから出された最終的なエールではないか、一つの提案ではないかと思っております。
 しかしながら、それに対して、従来の沿岸案に固執するということになると、最後の現地から出てきた案も考慮なく、考えることなく却下することになってしまう。このことに関して、政府は、名護市からのエールにこたえるのか、円満決着の恐らく最後の機会であると考えますが、やはり計画案の修正拒否を貫くのか、このことに対してお伺いいたします。
○塩崎副大臣 ただいま松原議員から、名護市の末松助役の方からの御提案というお話がございましたけれども、外務省としては、この提案を受けているわけではございませんので、現時点でコメントをできるような状態にはないというのが正直なところでございます。
 したがって、先生おっしゃるように、地元の理解と協力を得られるようにするというのは一番大事なことでありますので、政府としては、一日も早い普天間飛行場の移設、返還の実現に向けて、2プラス2で日米間で合意された案について今鋭意協議を行っているところでございますので、引き続き、地元の理解と協力を得られるようにこの交渉を進めていくということで、その際に、名護市を初めとする地元の関係者の皆さんとの間でも緊密に連絡をとっていかなければならない、このように考えております。
○松原委員 市議会における答弁ということで、正式に伝えられていないということでありますが、どういう形が正式かというのはちょっといろいろとあると思いますが、正式にそれが伝えられたときは俎上に上げる用意がある、こういう認識でよろしいですか。
○塩崎副大臣 それは、そのときに適切に判断をすることが必要だろうというふうに思います。
○松原委員 ぜひこれは正式に俎上に上げて、既にこのことについての議論はずっとこの両日行われておりますが、向こうから上がってきたエールに対してやはり真摯に受けとめる、その中で、可能性があるならば大いに検討するべきだということを私は申し上げたいと思います。
 続いて、昨今の国際状況に関してもちょっとお伺いしたいわけであります。
 先般、中国の李肇星、日本でいうと外務大臣というんですか、外交部長が発言をしまして、靖国参拝のことで、これに参拝する日本の指導者に対して、ナチスのヒトラーのところに参拝しないだろうというふうな、ナチスとこれを引き合いに出して批判をしたということであります。とんでもない話である。こういうふうなばかげたことは、靖国批判は、これも私は了解をしませんが、ナチスと比較して言うというのはちょっとどういうことなんだろう。これについて、麻生大臣の怒りの所見をお伺いしたいと思います。
○麻生国務大臣 この種のものにうかつに乗ると話が込み入りますので。
 さきの大戦に関する日本政府というか国家の認識というのは、昨年八月十五日の小泉総理の談話のとおりなんですが、今回の発言というのは、これは外交儀礼上、甚だ不適切、はっきりしていると思っております。
 したがいまして、八日ですか、谷内事務次官の方から王毅中国大使に対して、厳重な抗議ということで、意見の違いというものはあるにしても、意見を表明するときに当たっては、少なくとも適切な表現を用いるべきではないかということで、厳重な抗議を行っております。
 また、今、戦時中の日本とドイツの比較については、いろいろ意見があることとは存じますが、自国民を大量虐殺だなどというような話と一緒にされるのはちょっとというのは、同じような思いだと思っております。
○松原委員 私は、これから質問をする中で、要するに、そこに一つの意図があるのかもしれぬということを解明していきたいと思うわけであります。
 要するに、ナチス・ドイツというのは、これはもう悪の権化みたいな話であります。あれだけの大量虐殺、ホロコーストを行ったわけでありまして、それが、日本の靖国に入っている中にユダヤの大量虐殺をやったナチズムと比肩し得るものがあるということを、靖国参拝批判という中で言ったにしても、この文脈で言ったということは、彼らの中で、そういうふうに日本の立場を理解させようとする意図まであるのではないか。
 それは、これから南京の話をしていきますが、大変に私は危惧をしているので、ナチスと一緒にするのはけしからぬということは、ドイツだってナチスは当然否定されているわけですから、これはそういったことをきちっと認識していただきたいと思うわけであります。
 次に、かつて中国がベトナムと戦争したときに、ベトナムに対して、これは膺懲という言葉を使ったわけであります。この膺懲という言葉は、どういう意味で、どういう状況でその場合使われたのか、お伺いいたします。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
 中国の膺懲という言葉でございますが、これは辞書によりますと、討伐をする、それから、懲罰をするという意味で用いられております。
 ちなみに、中越戦争当時、中国政府は、中国軍がベトナムの挑発に対する懲罰のための限定的自衛反撃を行うという言葉を使って、新華社報道を通じて発表しておりますが、同時に、当時、トウショウヘイ総書記が訪米された際に、今委員の方から指摘がありました膺懲という言葉を使用されたというふうに承知しております。
○松原委員 歴史の「逆説の日本史」という本を書いている井沢さんが、この中でこれを指摘していたわけです。膺懲という言葉は、宗主国が属国に対して懲らしめる、つまり、宗主国が属国を教育する、懲らしめて教育する、これが膺懲という言葉であります。
 私は、中国の中華意識というのがまさにここにあらわれていると思うんですね。よくも悪くも膺懲という言葉を使った、はしなくもその本心があらわれたというふうに私は考えるべきだろう。一つの中国を考える尺度として、中越の戦いに関して膺懲という言葉を使ったというのは、事実として明記をしておく必要があると思います。
 そうした中で、もう一問お伺いしたいわけですが、時々テレビにも出ていたペマ・ギャルポさんというチベット出身の方がおられます。この方が、チベットは中国によって武力制圧をされた。まさに、非常にいろいろな議論をしてきますと、西洋の近代国家と東洋型の国家のあり方が違うとか、そういう非常に難しい話になってきますが、一人の人間であるペマ・ギャルポさんは、やはり中国によってチベットは制圧をされ、弾圧を受けた、こういうふうなことを言っているわけであります。
 この中国のチベット制圧について、ペマ・ギャルポさんがこういうふうなことを言っていることに対して、麻生大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○麻生国務大臣 この方は、教育を日本で受けられたりいろいろしておられますのでお詳しい方なんですが、チベットに関する経緯についていろいろ議論があることは承知をいたしております。
 いわゆる一九四九年、中華人民共和国成立直後、たしか中国政府は、帝国主義勢力からチベットを解放すると宣言されて、翌五〇年十月、人民解放軍がチベットに進軍開始、そして五一年五月、中国中央政府は、チベット地方政府を、いわゆるチベット平和解放に関する十七カ条の協定を締結、同年十月、ダライ・ラマは同協定が友好的に締結されたことを毛沢東に対して表明、同月、人民解放軍がラサに進駐したということに、歴史上にはそのようにされております。
 それに対していろいろ議論がありますことはもう確かなところで、日本にもいろいろな形で、今も何となく、漢民族がどんどんふえてみているとか、いろいろお話があるので、こういった話があるとは思っております。
 ただ、基本的には、松原先生、こういったことが言われておりますけれども、国際法的に見ますと、チベットの話というのは、これは中国の内政問題ということに多分なるというのが基本的なところになるんだと思っておりますので、日本としてはそれ以上、これは中国の内政問題としか言いようがないというのが公式な立場だと存じます。
○松原委員 そうした議論を踏まえた上で進めていきたいと思いますが、南京大虐殺というのが一つのイメージとして、特にアメリカの多くの知識人、場合によっては親日的な政治家まで、南京はひどかったねと、その事実を肯定した上で話をするというような、大変に先人に対して顔向けできない状況が私は続いているだろうというふうに思っております。
 この南京大虐殺を一つ事実あらしめた、その功績あるというか、その原因をつくった人物として、ティンパーリというマスコミ人がよく言われているわけでありますが、ティンパーリと中国国民党との関係について、ちょっとお伺いしたいと思います。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
 ティンパーリ氏につきましては、日本軍の南京占領当時、これは一九三七年の十二月でございますが、中国に駐在していたマンチェスター・ガーディアン紙の特派員でありました。同時にということでございますが、中国側の資料によれば、同氏は中国国民党国際宣伝処顧問、同処在ロンドン事務所主任であったとされております。
○松原委員 極めて重要な指摘なんですよ。つまり、南京大虐殺を最初に報道した人間が、実は中国側の宣伝、まあ、言葉は悪いけれども、ナチス・ドイツにおいてゲッペルスがやっていたような、その宣伝担当の人間が、南京大虐殺という表現とこういったものを最初にアピールしたということですね。このことはきちっとやはり明記しておく必要があると思います。
 その次に、南京大虐殺を国際的に認めさせた「戦争とは何か」というティンパーリの書物がありますが、この書物に関して、これも非常に、こういった議論がありまして、ティンパーリは、単に顧問であったということではない、この本自体が国民党中央宣伝部が作成した対敵宣伝本二種類のうちの一つであることが東中野亜細亜大学教授によって明らかにされた。
 台北の国民党党史館に、極機密の判こが押された「中央宣伝部国際宣伝処工作概要―一九三八年から一九四一年四月」という文書が存在していて、このことが、つまり、南京大虐殺を世の中にアピールしたこの書物自体が、国民党中央宣伝部が作成した対敵宣伝本の一つであることが明記されているというふうに書いてありますが、このことについて御答弁いただきたい。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
 今、先生から言及のありました日本の研究者の方がその論文の中におきまして、「戦争とは何か」という本が中国宣伝部国際宣伝処工作概要の中に宣伝書籍の一つであったというふうに記載されているのは承知しております。ただし、政府としましては、直接事実関係を確認しているわけではございません。
○松原委員 何か今、質疑時間を見たら、私、四十分のつもりが、持ち時間の中で三十分に減らされているので、急いでやらなきゃいけないので大変困っております。
 このティンパーリ氏が、同時にトランスパシフィック・ニュース・サービスの責任者であったか、これについてお伺いいたします。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
 今先生が言われたとおり、ティンパーリ氏がトランスパシフィック・ニュース・サービスの責任者であったという論文が存在しております。
○松原委員 その存在している論文の説明に入ると思いますが、私もここにその邦訳を持っております。
 ザ・ローダウンという、一九三九年一月に出された、こういった雑誌があります。日本の研究家の茂木さんという方が、大変苦労してこれを入手して翻訳しておるわけでありますが、この中に、このティンパーリ氏が責任者をやっていた記事が載っておるところがあります。そのところを、時間がないので簡潔に、速く読んでいただけますか。よろしくお願いします。
○梅田政府参考人 読ませていただきます。
 ちょっと長くなりますが、日中戦争に関して、プロパガンダのニュースリリースにより残虐写真が新聞社にあふれ始めた。これらのほとんどは元上海の新聞人が経営するトランスパシフィック・ニュース・サービス社から出たものである。残虐写真のほとんどのものはまともな検証がされていない。また、大部分のものは二十年前に連合国によってつくられリリースされたベルギー残虐事件と同じような手法でつくられたものである。最も忌まわしいものとしては信頼の高いAPに流されたものである。それが印刷物に載るとだまされやすいアメリカ人はしかるべく反応した。写真は日本軍将校が十字架に縛りつけられた中国人捕虜を使って銃剣の練習をしているのを写したものである。もう一人の日本軍将校は大げさな笑い顔でこれを見ている。APは写真は本物であると言い張ったが、その後それを取り下げ、複写したものであることを告白せざるを得なかった。
 その一枚の写真の歴史は興味深いものである。というのはほとんどのその手の写真の歴史に光を当てることになるからである。最初、その写真は、一九一九年に上海で絵はがき用に売り出された。それは内陸地方で暴虐を働く軍閥の一人を非難するプロパガンダとして使われていた。その後、今度は北方の地域で中国の共産主義者の将校が中国人の捕虜を虐待している写真として使われた。その後、日本軍が満州へ進出すると、反日プロパガンダに使われた。満州の危機が収束しニュース価値がなくなると、今度は蒋介石が中国紅軍掃討作戦を行っているときに中国共産主義者によって行われた残虐行為を写したものとして再び登場した。
 最も最近に使われたものは、お決まりの目的である、アメリカ人の同情心をかき立て、反日感情をアメリカで高めるものであった。
 そういう記載がございます。
○松原委員 これは一九三九年に出されたものでありますが、ちょうど南京のことをティンパーリが、しかもこのティンパーリが責任者であるその雑誌において、それがここに出てくるトランスパシフィック・ニュース・サービスですよ。ティンパーリというのはどういうことをやってきたのか。それがどれほどでたらめなことをやっていたかというと、一九三九年のローダウンという書物の中に書いてある。
 この中には、それはヒトラー、ナチスのそれこそプロパガンダのやり方と書いてある。まさに、こういうふうなことをベースにして南京大虐殺の、最初にティンパーリが数字も言っているんですから、四万幾つという数字を、四万がだんだんふえて三十万になっちゃったんだけれども。
 つまり、その段階で、四万という数字は、その後、この間、私、外務委員会で質問したように、紅卍字会が日本の特務機関によって遺体処理をしたとき、せいぜい水増しして一万数千体ですよ。だから四万自体がもうあり得ない数字なんですが、ティンパーリというのはそういう人物である。そのティンパーリがこういったことを明らかにしていったんだということを我々はきちっと認識しなきゃいけない。
 それでは、こういったことに対して、これは茂木さんという方がかなり頑張ってやってきたんですが、こういう我々の先人のことをまさに汚名を着せる、マイナスのプロパガンダをする、こういう動きに対して、外務省のどこがこれは担当するんですか。これに対して、茂木さんが日本国の一人の国民としてやってきたようなこと、こうやって実証したわけだ、資料をとって、大変細かくやって。こういうのは外務省、やらないんですか、やるんですか。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
 外務省でやるとしますと、アジア大洋州局ないしは広報文化交流部でございます。今までのところ、今先生が指摘されたような論文の検証については実施しておりません。
 以上でございます。
○松原委員 やはり我々は、日本という国は歴史があってやるわけですから、こういうティンパーリのような人間がつくり始めたことが、さらにそれが針小棒大になって今の南京大虐殺の実像をつくっている。
 東中野さんは、これに関して、例えばアイリス・チャンが使っている写真とか、ほとんどにせものというか、彼は全部にせものというふうに喝破しているわけですよ。私はやはり、そういうことにエネルギーをかけるというのは、国益を考えた上で重要だと思うんですよ。
 これはちょっと時間がないので、さらに先に進みます。
 これは産経新聞に書いてありますが、ALPHAという団体があるんですね。このALPHAという団体がハリウッドで、これは誤報だったんですが、イーストウッド監督で映画をつくるという話があった。これはそうじゃないということが産経新聞のワシントン支局長の古森さんの報告で明らかになったわけですが、このALPHAという団体がこれに絡んでいたんですが、このALPHAというのはどういう団体でしょうか。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
 ALPHAは、アジアにおける第二次大戦の歴史を保存することを目的としまして二〇〇二年に結成された団体であり、写真展やシンポジウムの実施等の活動を行っているものと承知しております。
 なお、同団体のウエブサイトを見ますと、その活動趣旨としまして、日本によるアジア侵略の歴史的事実を保存することを記載しております。
 日本政府として、必ずしも同団体の活動の詳細を承知しているわけではございませんけれども、今申し上げたような趣旨の事実は承知しております。
○松原委員 このALPHAという団体は、在米中国人を主体とするALPHAという団体と産経に載っていますね。日本は侵略や虐殺に対して公式謝罪も賠償もしていない、その実行を求めるとしている、中国当局が関与する世界抗日戦争史実維護連合会の傘下にある、こういうふうに書いてあります。
 いわゆるこの母体となる連合会、これは中国国営の新華社通信につながるサイトを持ち、中国主要都市で当局の支援を得て集会など開いているというふうに産経新聞には書いてありますが、これは事実でしょうか。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
 母体となる団体ということで、多分先生は抗日戦争史実維護会を念頭に置かれているのではないかと思いますけれども、中国政府とこの団体がどのような関係にあるかは必ずしも定かではございませんけれども、この団体は、日中戦争の苦痛に満ちた歴史の真実を保存することを目的としまして、一九九二年に設立されたと承知しております。
○松原委員 産経新聞には中国との関係を明記しているので、私はこういう団体を調査するというのは国益上極めて重要だと思うんですよ。さっき言ったティンパーリの問題もそうですが、こういう団体が何をしようとしているのか、日本に対して何をやろうとしているのか、何を仕掛けようとしているのか。
 例えば、ここに書いてありますが、このALPHAは、九〇年代後半、ALPHAというか連合会だと思いますが、アイリス・チャンの書いた「ザ・レイプ・オブ・南京」、ほとんどうそ八百が書かれている。写真も、東中野さんの検証によっても、全然違うところの写真を持ってきて、日本兵にこれから虐殺される中国人の婦女子の写真とか、うそ八百を書いている、この雑誌。正式なこの本質に関する抗議文は日本は出していないんですが、こういった「ザ・レイプ・オブ・南京」という、これによってアメリカの多くの人たちが、日本はナチスと同じようなホロコーストを南京でやったと勘違いしている。こういう雑誌の宣伝、販売にこういった連合会やALPHAが協力したという事実はあるんですか、どうですか。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
 アイリス・チャン氏の「ザ・レイプ・オブ・南京」という書籍に関連しましては、当時、九八年の四月に斉藤駐米大使が、非常に不正確な記述や一方的な見解の多い本で、事実の誤認、恐らく曲解もあるんだということを記者会見で述べております。
 それから、今先生の御指摘のあった点でございますけれども、政府としましては、同団体がそのアイリス・チャン氏の書籍の宣伝、販売に協力した実績があるかについては確認はできておりません。
○松原委員 大事なことは情報を探るということでありまして、今情報戦の時代でありますから、ティンパーリの存在一つとってみても、これは、茂木さんという方が本当に一人で苦労して、アメリカから、こういう一九三九年の資料を取り寄せたりして証明しているわけですよ。
 こういうことを、別に民間の人もそれはやっていいわけですが、やはり国家として事実を明らかにするということはやる必要がある。
 ティンパーリがどういう人間だったか、そして、そのALPHAというのはどういう団体で、そこから、例えば、今回、イーストウッドさんが主演の映画はできないかもしれないけれども、南京についての別の映画はつくるでしょう。その映画は、まさにアイリス・チャンが書いたような時代背景を伴って生まれるのではないかと大変危惧しております。
 その映画が向こうでブレークすれば、ブレークすると同時に、日本人イコールナチズムと一緒という、最初、私が、李肇星さんがそういうことを言ったというのは一つの意図があるんじゃないかと言った。その意図がそこに、ALPHAとこの連合会、それからティンパーリから始まる、まさにプロパガンダですよ、こういう中で一つの渦にきっちり我々ははまっていく。しかも日本人はそのことに対して極楽トンボで何も知らない、何も反撃をしない。
 私は、これは外交上、根本的な、特に先人の名誉にかかわる問題であり、我々がプライドを持ってやっていけるかどうかの問題であり、さっき冒頭言ったように、アメリカの日本びいきの知識人ですら、日本というのはかつてナチスと同じようなことをやったんだね、ナチスについては我々は知っていたけれども、日本もやったというのはようやく最近わかったよと、こんなばかなことを言われるということがあっていいのかどうかという議論を私は申し上げたいわけなんですね。
 そこで、こういったものに対して、今、アメリカにいる外務省の人間が反論したと言いましたが、日本政府は、例えば新聞記事で反論するということはしているようでありますが、このことによって植えつけられたイメージをひっくり返すことができたというふうに御認識をお持ちでしょうか。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
 その点につきましては非常に判断が難しいと思います。日本の言うことをきちっと理解した方もおられれば、そうでない方もおられるのは現実だと思います。
○松原委員 私は、これはほとんど認識されていないと思うんですよ。ほとんど認識されていない。
 問題は、やりましたよというアリバイ証明を我々は外務省に求めているんじゃないんですよ。アメリカの日本に対して間違ったメッセージを変えることをしなければ、これは引きずっていくんです、一回決まってしまえば。
 中国側と言っていいかどうかわからないけれども、意図的にそれをする情報部があって、ティンパーリ以来の歴史があって、そして南京大虐殺といえどもティンパーリがつくった一つの話の中の出来事であるし、それはいろいろなことはあったと思いますよ、戦争だから。しかし、ああいうジェノサイドをやったというインパクトをつける、ナチスと一緒だと。そして、そのためにALPHAという組織があって映画までつくる。すごいメディアミックスでアメリカで彼らは戦略を展開しているということを我々は認識するべきだと思うんですよ。
 私は、日本人に対するアメリカ人の誤った南京大虐殺等の意識調査というものをやるべきだと思うんです。そういうアメリカの知識人に対してのアンケート調査、もしくは一般国民に対するアンケート調査、こういうものもぜひやっていただきたいと思うんですが、大臣、御所見をお伺いしたいと思います。
○塩崎副大臣 先生の今一連の御意見については、傾聴に値することがたくさん入っていると思います。
 一方で、アメリカの一般人あるいは有識者の日本に対する見方ということに関しての意識調査を見てみますと、比較的よい結果が出ていて、日本を信頼できる国というふうに見ている一般の人は多いわけですね。
 ただし、今の南京の事件を初め個々の歴史の問題等についての調査をすべきかどうかということについては、我々としては余りこの意義を感じないというところでございまして、一般的には、当然、良好な対日関係、対日観を維持向上させることをやっていかなければいけないとは思っております。
○松原委員 日本に対していい国だという印象を持つのは、それは非常に当たり前で、大事なことだし、我々も貢献しているわけですよ。
 彼らが日本に対して好意的であっても、いや、かつてナチスみたいなことをやったんだねと思うことが問題で、その部分に対して、南京大虐殺三十万人あったみたいな話を、アンケートとかやったら、みんなあったと思ったら、これはアウトなんですよ。この部分に関して、私は、税金を使ってアンケート調査をするのは国益になりますよということを言っているんです。
 もう時間がないのでまとめて麻生大臣にお伺いしますのは、ぜひともそういうアンケートをやっていただきたいということと同時に、本来、外交というのはいろいろな分野があります。しかし、相手が、まさに情報操作によってと言っていいでしょう、情報操作によって日本をこうやって悪者にすることによるメリットがあるんですよ、あるから情報操作をしてきているんですよ。
 しかし、だからといって我々は悪者になる必要性はないのであって、これに関しては、金も使い、すべての我々の資源を使い、先人の名誉を守り、我々につながる後輩の誇りを保つために、アンケート調査をやって実態を調べることは必要ですが、知識人に対するアンケート調査とか、きちっと対応するべきだと思います。
 そのことをやはり外務省の大きな主題として、歴史認識をまさに中国が言うんだったら言い返してやりたい、我々は真実の歴史認識を新たに確立するんだ、本当のことを言え、こういう話をするべきだと思うんですが、含めて答弁をいただきたいと思います。
○麻生国務大臣 アンケート調査をするかどうかは別にして、少なくとも歴史認識の話等々は、今、アメリカも一緒にやろうという話になったりして、いろいろ、おかげさまで日韓は始まりました、日中の方はまだなかなか緒についていないところですが。
 今言われたように、ヒトラーのときのゲッペルス、いろいろありますけれども、その国のための宣伝相という者というのは、これは正直言って、松原先生、日本の場合は昔から下手ですな、それは率直にそう思いますよ。
 会社のPR含めて、ADとPRの、いわゆるアドバタイズメントとパブリックリレーションズの区別がついていないのが普通の人ですから、そういった意味では、日本の場合は、この種のPRは下手というまず大前提に立った上で、私どもとしてはPRというものを考えたときに、これは何も中国が中国人を使う、日本人は日本人を使う、アメリカ人はアメリカ人を使うというんじゃなくて、少なくとも日本という国のイメージを正しく持ってもらうためには、そういったメディア、PRというものにプロのなりわいとしてやっている人を雇うとか、いろいろな形のやり方は今後考えてしかるべき問題なんだと私自身は基本的にはそう思っております。
○原田委員長 申し合わせの時間が過ぎましたので、御協力をお願いします。
○松原委員 はい、終わりますけれども、こういったことに民間で汗を流している方々がおられるうちに、彼らも年をとっています、ぜひともそういった方と連携して、我々の誇りを高からしめるように、向こうの変なプロパガンダに、少なくともアメリカの世論が大事ですから、アメリカの世論がそのプロパガンダに巻き込まれないように最大の注意を外務省としては払っていただきたいと思います。
 以上で終わります。
○原田委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十分開議
○原田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。笠井亮君。
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。
 前回の委員会以来議論がありますが、まず米軍再編について七日から十一日までの日米審議官級協議では、先ほど大臣からお話ありましたが、沖縄、座間、相模原、さらには横田、岩国、そしてグアムの移転問題などなど、テーマとされて協議が進行中ということであります。
 私、まず最初に伺いたいのは、今回の事務レベルの審議官協議の先に、その後にさらに事務レベルの協議をやられるのかどうか。その上で、三月末には最終報告を取りまとめて、2プラス2が、日程は若干というお話もありましたが、行われる予定ということになっているのかどうか、これについて伺いたいと思います。
○河相政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、現地時間で七日から十一日まで協議を現在やっておるわけでございます。この先また同様の審議官級協議をやるのかどうかということにつきましては、今回の協議の結果を見て、必要があればもちろん再度また協議を行うということでございます。
 政府としては、三月いっぱいに最終的な取りまとめを行いたいということで現在鋭意努力をしているところでございますが、一部報道にあるように、いつ2プラス2を開催するか等々については、まだその先の話というのが現状でございます。
○笠井委員 いつということは別にして、開催はするということになるわけですか、最終的に合意した後。
○麻生国務大臣 基本的にはした方がいいと思っております。日米豪の三外相会議というのをこの十八日か十九日の土曜日にかけて向こうの大臣とやることにしていますけれども、そのときにバイの、二人だけの会談を向こうから要求してきておりますので、ということは、私どもとして2プラス2の話等々打ち合わせをしなきゃいかぬと思っておりますけれども、それが、できればその翌週というわけに、うまくいくかどうか、ちょっとそこのところはわかりませんけれども、私どもとしては、2プラス2で始まっておりますので、きちんと最後もオーソライズする意味でも2プラス2でできれば一番いいな、希望的観測としてはそう思っております。
○笠井委員 今、大臣は、やるようにした方がいいと言われました。
 大臣、一昨日の本委員会の質疑の中で、地元自治体との話し合い、協議の問題について、そこそこのところで納得いただけるような、そういうところまで努力をしなくてはならぬという形で答弁されました。
 それで、それに関連してなんですが、自治体側が出しているさまざまな要望がありますよね。これを反映して、例えば十八日と言われたバイの会議を含めて、2プラス2もそうだと思いますが、その自治体の側の意向ということについて米側と交渉する余地があるとお考えなのか、それとも、政府案でいこう、こういう形で考えていらっしゃるのか、その点はいかがでしょうか。
○麻生国務大臣 十八日、これは国会の了承も要るんですけれども、国会の了承を得れば十八日に行きたいと思っておりますけれども、その場で私どもとしては、基本的には、笠井先生、いわゆる地元負担の軽減と抑止力の維持という二つの問題を解決した上で、この普天間の移転というのが、今、案は辺野古になっておりますけれども、このキャンプ・シュワブにきちんとした形で移転できて、ヘリコプター等々ができればいいのであるという、これは基本的には、ぶっちゃけた話はそういうことになります。
 何にもならないまま両方でわあっと言って、今のままでずっといきますなんて言われたら、それこそ最悪の結果ですから、何らかの形ででき上がるというのが大切なところでありますので、一センチも動かさないみたいな話じゃとてもまとまる話じゃありませんから、私どもとしては、向こうとしてもこれじゃなきゃできないと、いろいろな話でいけば、それは三方というか、沖縄と米軍、私どもまで入れて三方、それぞれ百点満点はもう最初からとれるわけがない、私どもはそう思っておりますので、何らかの形でお互い少しずつ譲り合ったところで落ちつかせるところに落ちつかせる、そういった形以外にこの種の話はまとまらぬのではないか。
 だから、両方、一方的に突っ張っても始まりませんし、きちんとした目的は、負担を減らすというのは沖縄の方々ですし、私どもとしては抑止力の維持ということがありますし、そういったところを納得できるところというのでそこそこという言葉を、かなりいいかげんな言葉ですけれども、使わせていただいたのは、かちっとした案がこれで、五メーター動かしたら丸、六メーターではバツなんて、そういった細かいきちんとした話があるわけでもありませんし、私どもとしては、今米軍と話をした上で、いろいろな意味で三者でまとめるというのはかなり手間暇かかる話ですけれども、丁寧にきちんと詰めていかねばならぬところだと思っております。
○笠井委員 この普天間移設の問題一つとっても、その地元意向の尊重を求める要望に対して、先日来議論になっていますが、安倍官房長官の発言ということで、地域の皆さんに理解してもらえるように説得して説明していくという話があったり、総理も、政府案、沿岸案を変えると新しい問題が起きてくる、政府案でやってほしいということで基本的に言われていて、全体としては一センチも二センチもという話ではないと言われたんだけれども、政府案をのめという形で政府が姿勢をとっているということになって、そして沖縄の側から見れば、県民が三万五千人の総決起大会をやって声を上げたばかりのタイミングでそういう話が出てくる。
 そして、日米合意先にありきという動きに対して、沖縄の地元紙が社説で、県民の意向よりも日米合意を優先する姿勢は本末転倒としか言いようがない、こういうふうに書いたり、国民の支持のない日米安保や同盟関係は砂上の楼閣だ、対米従属という言葉を使っていましたが、この姿勢は異常にさえ映る、異常な対米従属から脱却すべきだという訴えも社説で言われている。私もかつて参議院の沖特委員長をやっておりまして、沖縄問題もいろいろやってまいりましたが、やはり本当にその思いはすごいことだと思うんです。
 そこで、先ほどの質疑でも、期日は切っておかないとという話はありました。それで三月末ということなんですけれども、これはいわゆる日切れ法案とかそういう問題とは違うわけでありまして、政府は三月末までに最終合意ということで目指しておられるわけですが、それがたとえずれ込んだということになった場合に、何か支障が起こるということになるんでしょうか。
○麻生国務大臣 笠井先生御存じのように、我々は引き算が好きでして、台風が来るからそれまでに刈り入れて、その前に田植えと、大体昔からずっと引き算で来た国なものですから、何となく期日を切ってやらぬといかぬことになっている。試験が来ないと勉強しないみたいな話ですけれども、何となく、期日をきちんとやっておかないと、だらだらやって、だって、SACOなんて十年やって何もしなかったんですよ、十年間やって何も動かなかったんだから。
 そういった、だらだらしたのでは何の意味もないし、双方というか三方、いいところは一つもありませんので、何らかの形で期日ということで、一応三月末ということになったというのが昨年の十月と思っておりますので、これを一日おくれたら途端に日切れ法案で全然あれが違うんだ、そんなような種類の話ではないと思っております。
○笠井委員 SACOの場合は合意なしにやったからああいう形になったというのは、地元でも言われる問題であります。
 それで、地元との調整は完了していない。そして、小泉総理もかつては、これは二〇〇四年十月だと思うんですけれども、政府は自治体に事前に相談をして、自治体がオーケーした場合には米国と交渉すると言って日米交渉に臨んだという経過もあったと思います。地元の負担、それから爆音、環境被害、生活に支障があって外交、防衛があるのかという問題になってくる。米国本国では、住宅地のそばにはそういう基地があったりそういう騒音をまき散らすことはないということでありますし、各地で、安保に賛成の保守の方であっても、やはり同意が得られないという形で、再編計画についてはいろいろ問題になっているわけであります。
 ラムズフェルド国防長官が七日の記者会見で、何百万も国民がいれば常に違う見方があるものだ、日本政府は自治体と調整して我々のところに戻ってくる、心配ない、うまくいくという形で、日本国内の調整を加速するような発言もされているわけですが、私は、これは国民の声に対する重大な挑戦というふうに受け取らざるを得ないと思うんです。
 今岩国でも住民投票が行われております。問題は、国民や地元自治体との信頼関係、その意向を優先するのか、それとも米国の意向、日米との合意を優先するのかということになってきている。政府が関係自治体と真摯に協議して、国民の声に耳を傾けるというならば、関係者との協議が進まないから今最終合意はできない、こうはっきり日本の政府としては言うべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 笠井先生、これは両方重要なんであって、最初から抑止力の維持と地元負担の軽減というこの二つの部分を納得させるところでいろいろスタートいたしております。したがいまして、今おっしゃるように、地元が丸々だめな状況で話は前に進みませんし、米軍の言うとおり全部やるというのでは地元がまとまらないというのであれば、何らかの妥協案を模索するということになるんだと思います。
 私どもとしては、これだったら確実にまとまるんだという原案というのを、これでのめるかといえば、それは基地がなくなるのが一番いいというのが最終合意ということになりますと、なかなかさようなわけにいかないということだと思いますので、どこかのところで妥協案を模索せないかぬというところでありますから、そこらのところは、どっちがどの順番でどれくらいの比率なんだと言われると、ちょっとお答えのしようがないんですけれども、基本的には、原点は抑止力を維持しつつ地元負担の軽減ということが本来からの趣旨でありますので、そこの点が御理解をいただける、そこが納得できる、そういった案を模索するために、残り二週間ちょっとありますけれども、きちんと対応していかないかぬと思っております。
○笠井委員 抑止力の維持と地元負担軽減、この両方という話ですが、そこのところで地元は納得できないという話になっているわけでありまして、私は、政府はやはり日本の国民の気持ち、意思、地元の意思を体してアメリカに対しても向かっていくべきだというふうに思いますし、さらにこの問題はただしていきたいと思います。
 さて、この本特別協定の問題に入りたいと思いますが、この特別協定、もともと一九八七年に締結をされて、以後四回ですか、一九八八年、九一年、九六年、二〇〇〇年と延長をしてきて、今度五度目ということになるんだと思います。当初から、この特別協定については対象期間も限定された暫定的かつ特例的措置という形で政府は説明をされてきたわけですけれども、この対象期間も限定された暫定的かつ特例的措置というのはどういう意味だったんでしょうか。
○河相政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、昭和六十二年度以降この協定を結んできておるわけでございます。この協定自身は、地位協定に対する特別の、別途の合意ということで締結をして、日本側が一定の負担をしてきたということでございます。
 その中で、暫定的ということにつきましては、一定の期間に限って行ってきている、それから限定的ということにつきましては、特定の経費、従来から御説明しておりますように、労務費の基本的部分、それから光熱水料、それから訓練移転に関する経費という形で限定的に行っているということ、そして特例的ということは、先ほど申し上げました、現在ある地位協定に対して特別の、特例の形で負担をするということで、政府として暫定的、限定的、特例的という表現をしてきておる次第でございます。
○笠井委員 今、暫定的、限定的という話と同時に特例的という話でありましたが、一応これは確認なんですが、つまり現行の地位協定の二十四条の一項の原則とは違うことをやるから特別の協定を結んだということでいいわけですね。
○河相政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、地位協定二十四条一項の規定そのものであれば本来米側が負担義務がある経費について、あえて特別の協定を結んで日本側が負担をするということで、特例的ということでございます。
○笠井委員 今ありましたように、特別協定というのは、地位協定に基づかない措置ということになって特例的、特別の協定を結んだと。だから政府は、当初の会議録も私改めて読み直してみましたが、従来、いわゆる思いやり予算というのは解釈上合法で、今度は特別協定の締結という形で合法という形の答弁もされておった。要するに、特別協定をつくったから、いわば言葉で言えば合法だということであったという言い分だと思うんです。
 それをこれまで四度延長をするという形、あるいは広げるということでやってきて、そしてあわせて、一九八七年からですから十九年ということになりますが、これも続けてきて、今度また延長をする。当面は二年間、さらにその後の延長も前提にされているんだと思うんですが、私、これでは暫定的でも何でもなく、なし崩し的に恒久化するということになるんじゃないかというふうに思うんですけれども、この点はどういうふうに考えますか。
○河相政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、一九八七年以来、四次にわたって協定を結んできておりまして、今回、その次の、ことしの四月一日以降適用となる特別協定について御審議を本日いただいておるわけでございますけれども、政府といたしましては、この特別協定に基づく日本の負担というものが日米安保体制の円滑かつ効果的な運用という視点からやはり必要である、重要であるということで、その都度、特別協定につきましては、国会の御審議をいただいた上でそれを実施していく。今回についてもそういうことで、この特別協定の御審議をいただいている次第でございます。
○笠井委員 外務省は当初いろいろな表現をしておりましたが、時間的にも限定が付されておる、だからよろしくといって、最初八七年にやってきた。そして何回かやってきたわけですが、ところが、ずるずると延長を繰り返すという形になって、今局長が、安保体制、安保条約の効果的運用という形で言われましたけれども、今安保体制というふうに言葉をよく言われますが、つまり、米軍の実態というのは、安保条約からしても、はるかに超えるという状況がどんどん広がってきている。
 我々は反対ですけれども、本来、政府の立場からいえば、特別協定の内容というのは、日米安保や地位協定自体の内容そのものにかかわってくる、そういうものであるはずだと思うんです。それを今、アメリカの戦略も先ほども議論ありましたが、QDRにも強調されておりますし、それから、これは一般教書ですか、長期戦争、ロングウオーということで言われる中で、そういう戦略にも対応しながら、この協定自身についてもなし崩し的に拡大、延長、恒久化するということは、私、許されないことだというふうに思うんです。
 しかも、当初強調されていた日本の経済財政事情ということについても、あるいはアメリカの経済財政事情ということについても大きく変わってきている。特別協定分で計算しますと、既に合計二兆円を超えると思います。それから、一九七八年のいわゆる思いやり予算以降で見ると、在日米軍の駐留経費の負担全体は、予算委員会でも局長お答えになりましたが、十三兆円の規模になっているということであります。
 今日の日本の財政状況というのは極めて厳しくて、財政の健全化ということが重要課題になっているもとで、一方では、国民には財政が大変だからということで負担を求めながら、さらに大変な状況を求めながら、このままこの協定については延長するということは許されないと思うんです。私は、これはきっぱりやめるべきだということを主張したいと思います。
 さて次に、グアムの移転費問題について伺います。
 これも先日来議論ありましたが、麻生大臣は、二月二十日です、衆議院の予算委員会で私が質問したのに対して、グアム基地が強化されることで、結果として日本全体の安全保障上の役に立つ、こういう観点も忘れちゃならぬところだという形で答弁されました。グアムの基地の強化が日米安保条約の目的達成に資する、グアムが安全保障上の地理的概念に入るということをおっしゃったんでしょうか。いかがですか。
○河相政府参考人 事実関係それから条約との解釈の関係もございますので、まず私から御説明をさせていただきたいと思いますが、グアムそのものが安保条約六条に言うところの極東の地理的範囲に入っているということを申し上げたことではないというふうに理解をしております。
 それから同時に、今回の海兵隊のグアムへの移転ということ、これ自体の目的は、基本的に、沖縄の地元の負担の軽減ということのために七千人もしくは八千人の海兵隊を沖縄からグアムに移転させるということでございます。それとあわせて、アメリカの基本的方針として、この話とは別途、海軍、空軍の機能をグアムにおいて強化をするという話はございます。
○笠井委員 沖縄負担軽減の話はさっきもちょっと言いましたし、後でも触れますが、そうしますと、大臣が、グアム基地強化が日本全体の安全保障上の役に立つというのは、これはどういうことをおっしゃったのか。日本全体の安全保障上の役に立つということについてどんなことを想定されているのか。どんな意味でそんなふうになるのかということですね。
○麻生国務大臣 笠井先生、沖縄で今、いろいろな意味で、海兵隊約七千人、八千人と、数字は確定したわけじゃありませんけれども、そういう話がありまして、この問題で、沖縄の地元でいろいろなトラブルがあるのは御存じのとおりでありますので、そのトラブルの部分が、少なくとも、家族含めて約二万弱の数が沖縄からグアムに移転するということは、沖縄を責任持っております我々としては、地元との関係が非常にうまくいくということは強化されるというように理解しているんだ、私どもは基本的にそう思っております。
 ごちゃごちゃするもめごとが少なくともグアムに移転されていくということにもなりますので、それは結果としては、沖縄の中におきまして米軍とのトラブルの発生の絶対量は、少なくとも一万七千人分、出る確率はがたっと下がりますし、そういった意味でも、地元住民と在沖縄米軍との関係等々が、ごちゃごちゃ、いわゆるいろいろな事件が起きますので、そういった事件の発生する絶対量が減るということは、基本的には、日米のためにとりましてきちんとした強化につながっていく背景になるんだと私どもは思います。
○笠井委員 沖縄の負担軽減という話、また言われましたので、私、幾つか言っておきたいんですが、塩崎副大臣も一昨日、いずれにしても、七千、八千行ったとしても前方展開戦力は維持されるという形で言われました。実際に、県民の重圧になっていると問題になってきた実戦部隊は残るわけです。そうですよね、七千、八千移転しても。
 つまり、第三海兵遠征旅団は残る。まさにこれ、遠征旅団と名前にあるように、日本を守るんじゃなくて、海外の殴り込み部隊だと言われている、そのとおりの任務だと。しかも、名護に新しい基地を建設するということがある中で、やはり地元でいえば、これももう地元社説で言われて有名な言葉になりましたが、がんが転移するだけだという怒りの声が上がっているわけです。地元の負担軽減どころか負担強化、基地の固定化になるということであります。
 そのことと、グアムの基地強化というのが日本の安全保障上、役に立つということとはまた別の話なんだと思うんですが、大臣はこの前、明確に予算委員会でそうお答えになったんだけれども、今のお話では、その話がどういう意味なのかというのが全然理解できないんですけれども。
○河相政府参考人 私から若干説明をさせていただきたいと思いますけれども、先ほども申し上げましたとおりに、七、八千名の海兵隊がグアムに移転をするという話、これとは別途の形のものとして、米軍そのものの計画として、グアムの海軍それから空軍、この能力を強化するという大きな方針はあるということでございます。そのことによってグアムにおけるアメリカの機能が強化をされるということは、我が国を含むアジア太平洋の安全保障、平和と安定に寄与をするというのが基本的考え方と考えております。
○笠井委員 アジア太平洋地域で軍事を強化するとこれが平和と安定に寄与すると。抑止という話になるのかもしれません、政府の理屈で言えば。私、これは全然おかしな話だと思うんですよ。
 今、アジア太平洋地域でいったら、やはり平和と安定を確かにする流れというのは軍事や軍事同盟強化じゃない。これは、東南アジアで、私申し上げるまでもなく、政府自身もTACに、東南アジアの友好協力条約に署名されて入られた。そして、東アジアの共同体という話もある。紛争については武力じゃなくて話し合いで、そして、東南アジアでいえば非同盟、軍事同盟でないという流れが強いわけで、私は、そういう流れの中で、それをともにする方向で日本が役割を果たす、憲法もありますし。それでこそ本当に平和と安定に寄与するということになると思うんですが、逆に、軍事同盟強化というか、そういう中で、アメリカの側はグアムを空軍、海軍強化する、これが平和と安定につながるというのは、これはとんでもない話だというふうに思います。
 抑止ということでいえば、ミサイルの問題だって、それは向こうが開発すればこっちだってということで、ミサイル防衛で日米共同で初実験やるということになっていけば、これはますます軍拡の方向になる。歴史の教訓を学ぶべきだというふうに思うんです。
 やはり私、そういう点でいいますと、日本全体の安全保障上の役に立つという言い方というのは、もともと安保条約に規定がありません、先ほどありました。それから、アメリカもそうした説明はしていないと思うんです、グアム強化ということで。大臣のおっしゃり方というのは、いわば、極めてあいまいと申し上げるとあれですが、そういう説明のされ方をしながら、根拠は具体的にないということだと思います。そういう見解のもとにグアムの基地建設に日本の国の国民の税金をつぎ込むということを検討するという話が進んでいる。
 大臣は先ほど、真水かローンかという話もありました。それから局長は、二月の協議でも実はかなりの施設の数が向こう側から出たんだ、それでは余り多いのでこれは今いろいろ協議しているんだという話がありましたけれども、総額でいえば八十億ドル、九千億円超とも言われる移転費に対して、私は国費を費やして基地建設を強化することは許されないと思うんですけれども、大臣、いかがですか、この点。
○麻生国務大臣 額については承知をしておりませんので、何ともお答えのしようがありませんけれども、今の段階で、基地の負担の軽減ということを考えていった場合に、仮にグアムに撤退するのを二十年かかるんですか、十五年かかるんですかという話をされた場合に、私どもとしては、できるだけ早くというのが沖縄県民の要望、希望だと存じます。少なくとも、日本の基地の七五%が集中しているという地理的条件等々もあるんでしょうが、そういった形になっておりますのを一日も早く軽減するように努力をしようとするのは、国としては当然のことだと思っております。
 したがって、それを促進するために、いわゆる向こうのベースでいけばずうっとかかるところを早くする、早くやってもらうというためには、ある程度こっちが負担というのを強いられているというのが今の現状なんだと理解をしております。
○笠井委員 負担の軽減ということを言われ、抑止という話もされますが、私さっきも言いましたけれども、沖縄にとっては、では、七千人、八千人がいなくなったら負担が軽くなって万々歳かといったら、そんな話は全然出てこないわけですよ。北部にも新しい基地ができ、そして、そのことでまたさらなる負担が来る。実戦部隊が残る。実戦部隊というのは、やはり事件、事故も多いということがあるということでありまして、私は、これはアメリカにとっては、日本の負担軽減を考えるというよりも、アメリカの都合でグアムに移転して強化するんだと。だったら、どうぞ自分たちで戻って、グアムに帰って、それで自分たちでちゃんとその施設をつくってくださいという筋だと思うんです。
 何でかといいますと、この間も若干しましたが、アメリカの国家安全保障戦略上のグアムの位置づけというのは明確です。四年ごとの国防の見直しのQDRの中でも、先ほど局長からもありましたが、海軍、空軍の強化という流れの中で、六隻の空母と六割の潜水艦も太平洋に配置するということが明らかにされております。その拠点の一つがグアムと位置づけられている。
 地元の経済界を見ますと、既に空軍、海軍関係での軍事特需と言われるような、そういう沸く状況もある。そして、次は海兵隊基地の建設だというふうなことが言われて、アメリカの議会でも、つい先日も、グアム選出の議員が質疑をする中で、米国の財政事情から見て海兵隊のグアム移転というのはぜひやるべきだ、しかも、その中で七五%については日本側が負担せよということで、グアム選出の議員が要求しているということであります。
 文字どおり、アメリカの戦略拠点ということで世界的に展開する、その中でのグアムを強化するために日本国民の血税を投入して、とにかく七千人、八千人を持ってきて、施設もつくって強化する、明らかじゃないかと思うんです。
 そういう形に対して、日本の政府がオーケーですよなんということは自主外交をやる立場からいえば絶対言えないと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 先ほどから申し上げておりますけれども、在沖縄海兵隊のいわゆる要員及びその家族がグアムへ移転ということによって沖縄の軽減は全然ないかのごときお話ですけれども、私はあると思っております。少なくとも一万数千人、約二万人弱の方が沖縄から移転をするということは、私は負担が軽くなるという感じを沖縄のかなりの方はされておると思っております。
 したがって、これをなるべく早く実現するために資金的な措置も含めて検討しようということで今検討が進んでいるということであって、額が決定したとか、七十何%ですか、ちょっと知りませんけれども、そういった話が具体的にどうのこうのと今私どものところまで上がってきているという段階ではございません。私どもとしては、なるべく早く実現するためにどうすればという手段の一つと考えております。
○笠井委員 沖縄のお話をされたので、ぜひまた沖縄の声をじかにでも聞いてもらいたいと思うんですけれども、では、七千、八千帰ったから全くその分がマイナスがないのか、負担が減らないのかといったら、プラスマイナスして、沖縄の人たちの実感としても、思いとしても怒りとしてもプラスなんだ、負担増なんだというのが、もう社説だけじゃなくて多くの沖縄の声です。そこのところをやはり政府はしっかり受けとめるべきだというふうに私は思うんです。
 ブッシュ政権が推進する地球規模での米軍再編ということでいいますと、これは、先制攻撃の戦争を世界のどこでも迅速に展開できる、より機動的に軍隊をつくりかえて再配備すると。そして今、アメリカの戦略の大きな柱は、そうした戦略の中で同盟国をいかに引き込むかということを考えているわけでありまして、沖縄の負担軽減のために頑張ろうということよりも、アメリカはどうやって自分たちのために同盟国を引き込むかと。アメリカの文書を私も読みました。そういうことしか読み取れないんですよ。だから、そうであるならば、アメリカの都合なら、どうぞアメリカのお金でグアムに帰って、強化するならやってくださいという話になるのが筋だと思うんです。私は、その強化自体も反対ですけれどもね。
 私は、そうしたアメリカ戦略の拠点、グアムを強化しようというのは、日本全体の安全保障上役立つどころか、世界と日本の平和にとって危険きわまりないものだと警告しなければいけないと思います。そんな基地強化のために日本の財政を支出することは絶対許せない、このことを申し上げて、時間が来ましたので、質問を終わります。
○原田委員長 次に、照屋寛徳君。
○照屋委員 麻生大臣、去る三月五日に、米軍再編中間報告で普天間基地の移設先をキャンプ・シュワブ沿岸案とする日米両政府の決定に抗議する沖縄県民大会が、約三万五千人参加して開かれました。同大会は、稲嶺県知事、島袋名護市長を初め多くの県民が、地元の声を無視し、十分な事前説明も同意もないままに沿岸案を押しつける日米両政府に対する強い反対の意思を表明したものでありますが、外務大臣は、県民大会で示された沖縄県民の切実な要求をどのように受けとめておられるでしょうか。
○麻生国務大臣 御指摘のありましたように、三月五日、沖縄で開かれた決起集会というのを知っております。主催者発表三万五千人、県警発表六千人、かなり差があるとは思いましたけれども、お気持ちとしてはよくわかるところだと思っております。
 普天間飛行場の代替施設に関しまして、建設地の問題を含めまして、沖縄県内に激しいというか厳しい御意見があることは私もよく知っております。先ほども稲嶺知事が来ておられましたし、昼にお目にかからせてもいただきました。
 いろいろな形で、この問題に関しましては、地元の中で、名護市側の方もありますし、また普天間は普天間としてそれぞれおありなんだ、嘉手納以南の方々を含めて、それぞれ皆御意見があることはよく知っておりますけれども、地元のそういった激しい、厳しい御意見があることを十分踏まえた上で、私どもとしては、今後とも誠心誠意、これまでもやってまいりましたけれども、御理解を得るべく努力をしていかねばならぬものだと思っております。
○照屋委員 政府は、米軍再編最終報告の関係自治体の同意取りつけを事実上断念したと報道されております。
 三月八日、小泉総理や守屋防衛庁事務次官は、沿岸案修正を求める与党沖縄県議団に対して、政府案を譲歩すると新しい問題が起こるとか、政府案でやってほしいなどと述べて修正を拒否した上で、沿岸案を強行する考えを示しました。
 麻生大臣も、小泉総理や守屋次官と同様に、沖縄県民の同意はどうでもいいんだ、沖縄県民が反対しておっても押しつけてやるんだ、見切り発車するんだ、そういう基本的な考えなんでしょうか。
○麻生国務大臣 安倍官房長官の記者会見を直接聞いておりませんし、新聞報道というのは適当なところだけつまみますので余り信用できないものだと思って読みますので、その内容を明確に把握しているわけではありません。
 ただ、基本的に、官房長官の立場として、この種の案をまとめねばいかぬというお立場にあられると存じますので、今の段階で一方的に見切り発車するかのごとき話があったとはとても思えないと思っております。また、今、私ども、官房長官、防衛庁長官そして外務大臣、三者のところで何らかの形で合意という案を考えねばならぬ立場にありますけれども、そのときに見切り発車でいこうじゃないかというような話が出るとはとても思えません。
○照屋委員 私はもともと、米軍再編中間報告では沖縄の基地負担の軽減は図れない、こう思っておりますし、従来案の沖合案であれ、浅瀬案、沿岸案、陸上案、要するに沖縄県内に厄介な基地は押しつけておけ、こういう考えには反対の立場であることをあえて明確に主張しておきたいと思います。
 ところで、きょうは条約審議に関連をしてお聞きをしますが、復帰前の基地労働者は米軍の直接雇用でありました。今は間接雇用制度でありますが、両制度の重要な違いを説明してください。
○長岡政府参考人 ただいま先生御指摘のように、昭和四十七年の復帰前の沖縄県におきましては、米軍等が必要とする軍の労働者につきましては、米軍等がみずからその雇用を行う直接雇用方式がとられていたところでございます。一方、復帰後におきましては、地位協定の十二条の四の規定によりまして、日本国政府が法律上の雇用主として駐留軍等労働者を雇用させていただいて、米軍等に提供するという間接雇用方式をとっているところでございます。
 直接雇用におきましては、一義的に米軍が雇用者の労働条件を定めるということでございますのに対しまして、間接雇用方式でございますと、給与等の諸条件については日米間で協議を行って、その合意の内容を基本労務契約等の労務提供契約に反映させることができるといったような面で、労働者の権利保護等の面でメリットがあるのではないかと考えているところでございます。
○照屋委員 間接雇用制度における法的な雇用主はだれですか。
○長岡政府参考人 地位協定の十二条の四におきましては、「現地の労務に対する合衆国軍隊及び第十五条に定める諸機関の需要は、日本国の当局の援助を得て充足される。」と規定されております。また、防衛庁設置法におきましても、駐留軍等労働者の雇い入れ、提供、解雇及び労務管理に関することは防衛施設庁長官の権限とされているところでございます。したがいまして、間接雇用制度における法的な雇用主は日本国政府でございまして、具体的には防衛施設庁長官が雇用主としての事務を行っているところでございます。
○照屋委員 法的雇用主としての国内労働関係法令上の義務について、その内容を述べてください。
○長岡政府参考人 先ほども申し上げましたように、駐留軍等の労働者の労働条件等、これは日米間で締結をされております労務提供契約により規定されております。こういった駐留軍等労働者の方々については、日本の国内労働関係法令が適用されるものというふうに理解をいたしているところでございます。
○照屋委員 基地労働者は法的雇用主は日本政府で、米軍は単なる使用人なんです。だから、政府としても、米軍に対して基地労働者の国内法を遵守するように強く主張すべきだと私は思います。
 ところで、基地労働者に法的雇用主として賃金を払う責任は政府にあるんじゃありませんか。
○長岡政府参考人 先生ただいま御指摘のとおり、駐留軍等の労働者につきましては、在日米軍の任務に従事する者でございまして、こういった方々の基本給等、これは地位協定の第二十四条の一に言う合衆国軍隊を維持することに伴う経費に該当するということでございまして、協定上は米側が負担するということでございますけれども、御承知のように、現在、我が国は、御審議いただいております特別協定に基づきまして、その範囲内で駐留軍等の労働者の基本給等を負担させていただいているところでございます。これは、合衆国軍隊の効果的な活動を確保するとともに、駐留軍等の労働者の雇用の安定にも資するものということだろうと思いまして、現在、我が国が負担をさせていただいているところでございます。
○照屋委員 復帰後、国を被告として提訴された基地労働をめぐる裁判の件数、その内容、結果について詳しく報告してください。
○長岡政府参考人 昭和四十七年の本土復帰後、沖縄の駐留軍等労働者の方々における国を被告として提訴をされた裁判でございますけれども、解雇の無効確認請求事件、これは四件ございます。それから賃金の請求事件、これは九件でございます。それから退職金の差額の請求事件が一件でございます。
 裁判の結果につきましては、国が勝訴をしたものが四件、それから原告の方で訴えを取り下げられたものが一件でございます。他の九件につきましては、国が敗訴をいたしております。
○照屋委員 私は、そのうち四件担当しました。私が担当した事件は全部勝訴した。国が敗訴した。その結果、国は賃金、退職金を払ったはずであります。その総額は幾らでしょうか。また、国が支払ったお金はアメリカ政府に求償してアメリカ政府からもらいましたか。
○長岡政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、本土復帰後、沖縄の駐留軍等労働者の方々に係る国を被告として提訴された裁判、国が敗訴をした九件でございますけれども、これにつきまして支払った経費の総額は約千三百六十万円でございます。
 千三百六十万円のうちでございますけれども、このうち約七百六十万円につきましては、防衛施設庁といたしまして、従業員の方々の保護といったような観点から、控訴を断念したりいたしておりますので、その点で、米側の理解を得られないで、償還を得るに現在のところ至っていないということでございます。
○照屋委員 国が立てかえて払ったお金をアメリカに求償もしていない。アメリカから払ってももらっていない。日米地位協定でどうなっているの。アメリカから取るべきでしょう。特別協定で財政事情が厳しいのに、アメリカに経費をたくさん負担して、取るべき金も取らぬ、こんなことが許されますか。
○長岡政府参考人 先生御指摘のように、今まだ償還をいただいていないのは、当方が控訴を断念したというようなやむを得ないような事情があったわけでございますけれども、引き続き、私どもといたしましては、米側の理解を得るよう償還を要請しているところでございます。引き続きこの努力を続けてまいりたいと思っております。
○照屋委員 私が担当した四件は、もうやがて三十年なんですよ。引き続き償還をアメリカに請求する、そんな子供だましを言うんじゃないよ。アメリカに求償していない、控訴断念したというのは、負けそうだから控訴しなかったんでしょう。それは、アメリカから求償して取らない理由にはならぬじゃない。怠慢ですよ。驚いたね。
 こんなに多額の金、件数の裁判、国が負けておって、これは当然アメリカが払う金でしょう。地位協定上もそうなっているんだ。なぜ、国が法的雇用主として、協定や法律に違反するようなことを三十年もやるんですか。答えなさいよ。
○長岡政府参考人 先生御指摘のように、私どもは、引き続き米側の理解を得て、償還をしていただくように要請を続けていきたいと思っておりますので、米側の理解を得るよう最大限努力をさせていただきたいと思っております。
○照屋委員 三十年も請求もしない、理解も得られぬのが、どうして引き続き理解が求められるんですか。そんなことをやらぬで、皆さんは基地負担だけは沖縄に押しつける。戦後六十年間、沖縄はこの国の安全保障の負担や犠牲を一方的に強いられているのよ。それでいて、そのお金は国民の税金なんだよ。
 大臣、こんなことが、特別協定を結ぼうというときに、許されていいと思いますか。大臣の所見を聞きましょう。
○長岡政府参考人 繰り返しまことに恐縮でございますが、私どもも、毎年ちゃんと償還をしてくれるように要請をさせていただいておりますので、米側の理解を得られるよう努力をしてまいります。その辺は御理解を賜りたいと思っているところでございます。
○照屋委員 きょう僕から質問されて、そんな苦しい言いわけをしているが、そんなことが国民に通るはずがない。三十年間何もしないで、引き続き努力をするといっても、それは納得できませんよ。
 ところで、政府は、今回の特別協定締結交渉の中で、労務費を軽減するとの名目で、米軍基地警備を日本人警備員にかわって自衛隊員が肩がわりすることをアメリカに要求したのではありませんか。そのてんまつについて詳しく説明してください。
○河相政府参考人 お答え申し上げます。
 米側との今回の交渉の細かい具体的な詳細についてお答えすることは難しいところではございますが、今御指摘のような、米軍基地の警備を自衛隊が肩がわりをするというような形の議論を我が方から提案したということは、想定しがたいことでございます。
○照屋委員 大臣、先ほど、基地労働者の雇用主である防衛施設庁があんなでたらめな答弁をした。防衛施設庁が法的雇用主としてことごとく敗訴をして、支払った金を、米軍にも求償してお金を取っていない、三十年間も取らぬ。一方で、今度問題になっている特別協定の光熱水料にしても、アメリカが公用だと言えば、私的に使ったのかどうかも判明しない。そういう中で、アメリカは、訓練移転で外国へ行っても、冷房もつけっ放し。また、沖縄から移転した海兵隊、日出生台で演習して、日出生台へ行った海兵隊の観光費用まで日本政府が払っているんですよ、研修費という名目で。これも特別協定なんです。
 こんなことで、私は、納税者である、主権者たる国民を到底納得させることはできないと思いますが、麻生大臣はどうお思いでしょうか。
○麻生国務大臣 先ほどの勝訴した、敗訴したという話の内容を、私、全然知りませんので、ちょっとその点に関しては所管外でもありますので、答弁のしようがないので、その点についての答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
 いわゆる駐留経費の負担の話というのは、これは、照屋先生、始まった年がたしか一九八七年だったと思うんですね。あの年は、私の記憶だけれども、ドルがいきなり百二十円に暴落したのがその前の年。それで、たしか沖縄の基地に勤めている人、二十五年たった人の給料が陸軍中尉の給料より高いとか、それは給料が半分になっちゃったんですから、そういうことになったんだと思いますよ。そういったときの状態で、これはとてもじゃないぜというので、円が暴騰した、ドルが暴落したのは直接我々が関知するところではありませんけれども、市場でそうなったとはいえ、ちょっと極端なことになったものですから、それであの種の話が始まったのが今回の特別協定の最初だったんだ、私の記憶ではそういうことになっております。
 以来、ドルはどうなったかといえば、さらに下がって、八十円ぐらいまで下がって、今は百十何円までになっているんだと思いますけれども、そういったもともとの経費から、思いやり予算とか、HNSとか、特別協定とかいろいろなった経緯があったんだと思いますけれども、今言われたような御指摘のところを含めて、少なくとも理解を得られるような努力というものは大変必要なものだと存じます。
○照屋委員 終わります。
○原田委員長 次に、小野寺五典君。
○小野寺委員 自由民主党の小野寺五典です。本日最後の質問をさせていただきます。
 初めに、この特別協定の委員会審査でございますけれども、二日間にわたりまして、延べ八時間の審議を行ってまいりました。この間、与野党双方から、特別協定のみならず、在日米軍再編にかかわる諸問題、さらに我が国を取り巻く国際情勢、南京大虐殺の評価など、さまざまな問題が取り上げられた結果、単なる条約審査にとどまらず、我が国の安全保障問題について、相当突っ込んだ議論が行われたと思っております。私は、この二日間の審議を踏まえ、この総括という立場から政府の御意見を賜りたいと思っております。
 まず初めに、この駐留経費負担が果たしてきた役割についてお伺いしたいと思います。
 我が国は、従来から日米地位協定に基づきまして、在日米軍基地を米国に提供し、また用地の借料や周辺環境整備などを負担してまいりましたが、さらに一九七九年にいわゆる思いやり予算の負担を開始、その後、一九八七年に初めてこの在日米軍駐留経費負担に対する特別協定を締結するなど、同盟国として駐留経費負担に取り組んでまいりました。この駐留経費負担が日米安全保障体制の円滑化に果たしてきた役割について、初めに外務大臣からお伺いしたいと思います。
○麻生国務大臣 御存じのように、一九九九年か二〇〇〇年に、いわゆる冷戦というものの構造が崩壊して、ソ連が十五の国に分裂等々、いろいろな形で東西対立というものが終わった、いわゆる冷戦構造の崩壊ということになったんだと思いますが、確かに、大きなユーラシア大陸の西半分ではそういった形になったということは言えるかと思いますが、傍ら、東半分の方を見ますと、やはり朝鮮半島の不安定性とか、台湾海峡の不安定性等々、この地域においては、不確実な、不安定なものというのはまだ残っておりますのはもう御存じのとおりであります。
 日本としては、こういった地政学上、もとは地理的にいろいろな問題を抱えておりますところにまさに位置しておりますので、私どもとしては、この地域において、日本だけで自国の安全を完全に守り切る自信があるかといえば、なかなかさようなわけにはいかぬと思っております。
 したがって、抑止力として米軍との関係というものをいい意味で使って、日本というのは、少なくともこの六十年間、冷戦構造が終わりました後も約十五年間、ごちゃごちゃした話に巻き込まれることなく、ここまで繁栄を維持することができたという意味においては、私どもとしては、この在日米軍なり日米安全保障体制というものの果たしている役割は極めて大きいし、その潤滑油としてこの特別協定等々は考えられてしかるべきではないか、そのように整理をいたしております。
○小野寺委員 私も、日米安保体制が果たした役割というのは大変重要ですし、これは世界の平和についても貢献をしていると自負もしております。また、この協定につきまして、その潤滑油たる役割を果たしたということも評価をしております。
 ただ、そういう中で、この審議を通じまして幾つかの問題点が指摘されたことも事実です。そのことについて、ちょっと改めてお伺いしたいと思います。
 まず初めに、在日米軍労働者の身分についてお伺いしたいと思います。
 この労働者につきましては、米国側の希望に応じて防衛施設庁が雇用し米国側へ提供する、いわゆる間接雇用の形態をとっていると伺っておりますが、この給与は公務員の給与制度に準拠しているというふうにも伺っております。
 この内容について少しお伺いしたいと思うんですが、実は、どういう仕事をしているのかなと思いまして、資料を取り寄せて見させていただきました。いろいろな職種が書いてあります。内容はよくわかりませんが、ずっとこうやって見ていくと、確かにこういう仕事があるのかなというのがあります。先ほど来、野党の質問の中で、例えばボウリングの問題がありました。ボウリング機械の修理工の方とか、あるいはボウリングボールの作業員という方、そういう方もいらっしゃいます。
 こういう中で、たしかこれは二〇〇〇年だったと思うんですが、この内容について、今まではある面で自由にいろいろな形で雇えたんだけれども、幾ら何でも、やはり日本に生活する米軍や家族のための、例えばミリタリークラブとか映画館、ショッピングセンターなどの娯楽施設につきましては、これはどうなのかということで、こうした施設については、我が国が経費を支出することについて国内から多くの疑問が上がりました。
 その結果、二〇〇〇年の十月の日米合同委員会におきまして、二〇〇一年から、米軍の娯楽性、収益性の高い施設の新設を駐留経費負担の対象から外すということが合意されて、その後もこうした施設で働く日本人の従業員の労務費を日本が負担しているということについては疑念があるんですが、今回改めて資料を見させていただきましたら、これは内容はよくわからないんですが、多分、この字を見る限りでは、例えば、ゴルフクラブマネジャーとかゴルフコースの整備員あるいはゴルフ練習場係、中にはバーテンダー、チーフバーテンダー、バーマネジャー。このバーテンダーだけで百人以上の方が、実は職員という形でこの中では登録されています。
 ほかにもたくさんこういう職種があるんですが、ちょっとお伺いしたいんですが、これがいわゆる公務員という形で、準公務員という形で日本がお金を払って仕事をしていただいているのかどうか、お伺いしたいと思います。
○長岡政府参考人 雇用主は国でございますけれども、身分は非公務員でございます。
○小野寺委員 ただ、雇用している事実はあって、この職種について把握しながら、逆に、今回のこういう問題について恐らくこの委員会で協議されてきたのかなということを改めて確認したいと思うんですが、実際、例えば防衛庁の中に、このようなゴルフクラブマネジャーとかゴルフコースの整備員とかバーテンダーとかバーマネジャーとか、こういうようなお立場の仕事をする方はいらっしゃいますか。
○飯原政府参考人 自衛隊施設の中に、隊員の福利厚生のための飲食提供施設等がございますが、これは防衛庁共済組合が運営をいたしておりまして、国が直接従業員を雇用しているという例はございません。
○小野寺委員 外務大臣にちょっとお伺いしたいんですが、外務省の職員の方は総勢で何人いらっしゃるか、おわかりでしょうか。
○麻生国務大臣 ちょっと正確な数字じゃありませんけれども、五千二百何十人だったと記憶しますけれども、海外やら何やら、ちょっとなかなか正確につかめていないところだと思いますが、五千二百数十名だったと記憶します。
○小野寺委員 確かに私も五千二百人と伺っております。また、防衛施設庁は約三千人と伺っています。今回、この協定で、日本が準公務員として給料を払う対象の方は二万三千五十五人です。
 きょう、恐らく、午前中の閣議で行革推進法のことについて議論があったと思います。これで五%の国家公務員の削減ということ、この厳しい状況の中で、そしてまた世界じゅうで外交が今大事だということで、日本政府が一生懸命頑張っている中で、外務省の職員、ふえなくてふえなくて困っている。それはもう外務大臣もお感じだと思うんですが、その中で、この二万三千五十五人の方々、しかもその職種の中を見ると、こういうことが実際仕事としてもし認められているのであれば、何となく、私ども、外交で一生懸命頑張っている人間、あるいは日本国民として少し寂しい思いをする感じがあるんですが、この内容について、例えばどのような精査をされてこの数字が上がってきたのか、あるいは、当然予算を支出していますから、その予算の決算なりあるいは評価というのがどのような形でこの委員会に反映されているのか、施設庁からお伺いしたいと思います。
○長岡政府参考人 ただいま先生御指摘のとおり、現在我が国におられます駐留軍等労働者の方、約二万五千人おられます。先生おっしゃいましたように、その方々というのは、職種が現在約九百に分かれておりまして、各軍の司令部や部隊等で働く事務系の方々、警備員とか消防員とか警備関係の方々、それから実際に船を修理していただいている艦船修理といった技術要員の方々、そういった方が大半でございますけれども、そのほかに、軍人や家族の生活用ニーズを満たすための食堂、売店等の販売員等もおられるわけでございます。
 そういった食堂、売店等の方々というのは、合衆国軍隊、これは母国を離れて勤務をしておりまして、家族も連れてきているわけでございますので、そういった米軍人等の福祉、士気、そういった能率を維持するためにも、いわゆる私ども十五条諸機関と呼んでおりますけれども、こういった福利厚生の施設も必要であろうと思っておりまして、そういった方々も対象になっているわけでございます。
○小野寺委員 ちょっと確認をしたいんですが、私がいただいている資料ですと、職種として、今いろいろな整備とかとお話をされましたが、実は、確かに多いのは運転手さんが多いんですが、その次に多いのはコックさんです。それからべーカーというパン屋さんも百名以上いらっしゃいますし、その販売の店員の方も四、五百人いらっしゃいますし、どうも今お話しされた内容と私がいただいているこの個々の職種の数字を見ると大分乖離があるんじゃないかと思うんですが、もう一度答弁をいただきます。
○長岡政府参考人 今先生御指摘のように、非常に細かく書いておりますけれども、今私が申し上げました米国政府の歳出外資金による諸機関、いわゆる十五条諸機関でございますけれども、そこで働いておられる方が約六千人、二割。それで、この方がすべてそういったサービス業をやっておられるわけではなくて、そういった諸機関の維持運営に当たっている方もおられますけれども、大きく分けまして、そういった合衆国軍の業務、その中で事務とか技能を発揮される方、それから、そういったいわゆる福利厚生施設で働いておられる方、これが大体二割ぐらいというふうにお考えをいただければと思っております。
○小野寺委員 私は、この協定は潤滑油として重要な役割を果たしているということは認識しております。そういう前提に立って、ちょっと嫌な質問でしょうけれども、もっと内容をきちっと詰めないと、本当にこの協定自体、国民から後ろ指を指されないようにしてほしいということで、もうちょっと嫌な質問を続けさせていただきたいと思います。
 例えば、先ほど照屋先生のお話がありましたが、実は在日米軍は海外に出動しております。二〇〇四年二月以降、沖縄に駐留します第三十一海兵部隊は、約五千人イラクに海兵隊として派遣をされています。ということは、沖縄の基地というのは、ある面では、ほとんどイラクに行ってしまって海兵隊の人がいないんではないか。それでありますが、先ほど光熱費の話がありましたが、そのことについては、算定はほとんど、余り見ていないという状況が感じられるんですが、その辺の話し合いなんかもされているんでしょうか。
○長岡政府参考人 在沖海兵隊の運用につきましては承知する立場にありませんので、大変恐縮ですがお答えは差し控えさせていただきますけれども、光熱水料等につきましては、公用に使うという証明書があって請求書を持ってきていただければお支払いするような格好になっておりまして、これも特別協定によって上限が定められておりますので、その範囲内で負担をさせていただいているということでございます。
○小野寺委員 予算の査定の中では、恐らく皆さん相当厳しくいつも財務省と折衝をされていると思います。本当にどのぐらい電気を使うかという基礎的な査定で苦労されていると思うんですが、ここに関してはそういう非常に大ざっぱな対応をこの協議の中でされているとすれば残念だなと思います。
 もう一点お伺いします。
 SACO合意によりまして、既に基地の返還について一部決まっております。例えば、基地の返還が既に決まっている、あるいは一部返還されているということで、楚辺の通信所は三十一名の人員がいた。あるいはキャンプ桑江というんでしょうか、二百十一名。瀬名波の通信施設は四十九名。こうやって、既に返還が一部決まっているはず、あるいは一部返還されている内容についても、実はこの人員が変わっていない。当然、施設が返還されればそこで働く方の人員は減るというふうに理解していいと思うんですが、この辺の詰めはどうされたんでしょうか。
○長岡政府参考人 米軍再編等によりまして米軍に大きな移動があった場合、あるいは部隊が撤退したような場合には、当然そこで働いておられる労働者の方の労働力は余剰になる可能性が高いわけでございますけれども、まだその再編の具体的な中身が……(小野寺委員「もう既に一部移転してなくなっているじゃないですか」と呼ぶ)恐縮です。
○小野寺委員 今私が挙げた三件につきましては、ちゃんと調べて理解していただきたいんですが、今挙げた三点については、既にSACO合意で一部基地が返還されていますし、もう間もなく基地が返還されるという状況になっていますので、ここ数カ月、半年以内にもう完全に日本に、既に返ってきているか、返ってくる施設なんです。そのことについて同じく人員を今回も同じ数として計上されているとすれば、何のために基地の返還がされているのかなと思うんですが。
○長岡政府参考人 私どもが負担をいたしておりますのは、上限労働者数の二万三千五十五名の経費でございます。
 それから、これまでそういった返還等があった場合でございますけれども、ちょっと御質問から外れるかもしれませんが、できるだけ解雇ということはしないで配置転換等で対応しておりますので、それによって労働者の方が解雇されたとかそういうことではございませんけれども。ちょっと違いますでしょうか。
○小野寺委員 今、グアムの移転の問題もあります。いろいろな数字が私ども仄聞されているんですが、こういう形で、普通やはりきちっと積み上げて、ちゃんと見積もりが出て、このぐらい最低限かかるねというところが多分議論のスタートだと思います。今回、今お話しした中で、私自身この協定は大事だとは思いますが、内容についてはまだまだ努力される必要が本来あるのかなと思っていますので、そのことについては重々今後も理解していただければと思っています。
 時間も、実はあるんですが、きょうは金曜日ですのでそろそろ最後の質問にさせていただきたいと思っています。済みません、満場の拍手ありがとうございます。
 最後に、外務大臣にお伺いしたいと思います。
 この特別協定に基づきます駐留経費負担の問題について、それから将来像についてちょっとお話ししたいんですが、これまでこの委員会審議におきまして、この特別協定に基づく駐留経費の負担の問題、本当に多々指摘されてきました。日米は信頼関係のもとに同盟関係にあるということは、これはもう米国側が努力してあるということは、私ども大変信じております。同盟国として、この駐留経費についても信じるべきものだというふうに思っています。
 しかし、この経費の負担というのは、言うまでもなく国民の納めた税金で賄われているものでありますし、また、昨今国民の監視の目が届かない公的機関のいわゆる機密費の使途につきましても国民の厳しい目が注がれているということは周知の事実だと思っています。これは、在日米軍の駐留経費といえども決して例外ではないと思っています。血税の使い道にブラックボックスというのがあってはならないというのが私どもは正論だと思っています。
 今回の特別協定は、在日米軍再編の結果を見きわめるために従来の五年間を二年に短縮したということに特徴があります。
 逆に言えば、二年後、二〇〇八年には見直しのチャンスが訪れるということです。今回はいろいろな時流で、こういう審議になりましたが、次回は実際の日米交渉期限切れの一年前に恐らくこの交渉が始められるとすれば、来年の今ごろはもう既に次の交渉について議論が開始されてもおかしくないと思っています。
 政府におかれましても、ぜひこうした日本国内の厳しい雰囲気、またこの委員会の中での議論、これについては重々重く考えていただきまして、与野党を通じた指摘があったことを十分米軍側に説明していただき、米軍側の節約努力が数値に見えるような成果を上げていただきたい。そうでなければ、次の特別協定は今回以上に厳しい内容になるだろうということを改めてよく周知していただければと思っています。
 最後に、日米安保とこの次の二〇〇八年特別協定について、今後の見通し、それから最終的な日本の外交の方向についてお考えをお聞かせいただければと、日米安保の今後の見通し、それから二〇〇八年特別協定、次の協定に向けての政府の考え方についてお話をいただければと思っています。
○麻生国務大臣 今の御指摘に限らず、他党の方からもいろいろ御指摘いただいた点というのは、検討を十分にして臨まねばならぬ大事なところです。少なくとも、何となくなあなあになるという話はよくある話なんで、私どもとしては、きちんとしてやらねばならぬところだと思っております。
 ただ、軍の話というのはなかなか機密っぽい話が多いので、ここはなかなか難しいところだとは存じますけれども、こういったものは少なくとも日本の安全保障上非常に重要な問題でありますので、一たん緩急あった場合、緩急というのは有事に際しましては、間違いなく日米安全保障条約に基づきます稼働、作動がスムーズに行えるように、常に心がけておかねばならぬ大事なところだと思いますので、私どもとして、今回、この法案が通りました後も、きちんとその種の点は詰めていかねばならぬ大事なところだと思っております。
 日米安全保障条約の今後の話ですけれども、これはこの周辺、この周辺というのは、東アジア、北東アジアの朝鮮半島、台湾海峡等々、そういった地域の状況がどのような状況になっているかというのが、ちょっと正直、見通しのできないところでもあります。また、北朝鮮の核の話やら何やらがかまびすしく、かしましくいろいろ言われてくるようになりますと、また世論としても、私どもとしても、この対応としては、日本の安全保障を考える等々、もっと事がさらに厳しいものになっているのか、それとも北朝鮮の方が全然違った対応になってくるのかというところは、今のイラン情勢みたいなものなどと同じなんだと思いますので、ちょっと何とも申し上げられません。
 きちんと日米が手を組んでやっていくというのは大事ですけれども、先ほど民主党の方々から御意見があっておりましたように、自分のことは自分でやるという基本がなくて、とにかく最初の対処はどうしたって自分のことは自分でやって、足りない分をやってもらうという姿勢でなくて、最初からおんぶにだっこじゃ、向こうもその対応については俊敏さを欠く等々のことを考えねばなりませんので、基本的には、やはり自分のことは自分でやるというのを基本にした上で、日米安全保障条約ということをうまく抑止力として使っていくというのが基本だと思っております。
○小野寺委員 本当に、日米安全保障条約、これが基準となるということを私ども理解しておりますし、この特別協定というのは大切な潤滑油だと思っております。
 そしてまた、今非常に流れの速い時代です。ですから、日米が基軸でありますが、国際環境の変化、どういう状況が起こるかもわかりません。私ども、国民に対しては、どんな環境になっても国民の生命財産を守るという大切な責務を負っています。基本的には、我が身を守る、我が身は自分の力で守るということが前提だと、ぜひそれを踏まえてこの協定を活用していただき、そしてまた、次回、次々回、いろいろな協定がこれからあると思いますが、最終的には日本が本当に我が身を自分で守れる国になること、そのための万全の御活躍を願って、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○原田委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○原田委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。土屋品子君。
○土屋(品)委員 私は、自由民主党及び公明党を代表し、在日米軍駐留経費負担特別協定につきまして、賛成の立場から討論を行います。
 第二次世界大戦終結からはや六十年、これまで我が国が東西冷戦のはざまで平和と安定を享受し、世界のリーダーとしてその地位を不動のものとできた要因の一つに、歴代政権の対米協調政策があります。
 また、我が国が戦後、平和外交を貫いてきたことで、現在多くの国から世界に好影響を与える国として認知されていることはまことに喜ばしい限りですが、そのことを可能にしたのは、日米安保条約の存在があったからであると言っても過言ではないと考えます。
 日米外交の基軸となるこの条約を大変な御苦労の末に締結され、我が国の発展の礎を築かれた故吉田茂首相を初めとする先人の努力の上に今日の日米同盟関係があることは、だれが見ても明らかです。そして、この同盟関係が、単に我が国の平和と安定に寄与するだけでなく、不安定の弧と言われている東アジアから中東にかけての地域、さらには世界の平和に大きく貢献していると考えます。
 東西冷戦終結後においても、日米安保体制の重要性はいささかも揺らいでおりません。昨今のアジア太平洋地域に目を向けますと、難航する北朝鮮をめぐる六者協議、とどまることを知らない中国の軍備増強、さらに終結の兆しの見えないテロとの闘いなど、不安定、不確実な情勢にあります。
 このような状況下、民主主義という共通の価値観でかたく結ばれた日米両国がこれまで以上に協力関係を強化しなければならないことは、火を見るより明らかなことであります。在日米軍の効果的な活動を確保するための本特別協定の意義も、その文脈、すなわちいわゆる思いやりではなく、同盟国としてのホスト・ネーション・サポートとしてとらえなければなりません。
 本特別協定は、在日米軍労働者の労務費、訓練移転費、光熱水料の全部または一部を我が国が負担しようとするものでありますが、これは同盟国として妥当なバードンシェアリングと評価することができます。また、アメリカ側の経費節約努力も規定されるなど、国民の立場に立った、目配りのきいた内容となっています。したがって、本特別協定を締結し、今後も経費負担を継続しようとすることは、日米同盟の重要性にかんがみれば、非常に有意義な施策と考えます。
 このように重要な協定でありますが、一方で、現在の我が国が極めて厳しい財政状況にあることもまた事実であり、将来的には経費削減を通じて、我が国の負担軽減に取り組むことも必要であります。特に、在日米軍再編を通じて、新たな経費負担に見込まれる可能性も否定できないことから、現行の特別協定が三十三億円の負担軽減を実現したことを考えますと、次回の特別協定においても目に見える負担軽減が図られますことを政府にお願いいたします。
 その意味で、本特別協定が二年間という短期協定であることは本当に重要なことで、時期とその理由ともに適当だと考えます。
 政府では今後、三月末に予定される在日米軍再編に関する最終報告策定に向けて大詰めを迎えることと思いますが、関連する地元自治体と合意形成が図れるよう誠心誠意取り組むことをぜひともお願いいたします。
 また、関連してグアム移転経費等の問題に関しては、国民の理解が得られるよう日米協議に臨まれることをつけ加えさせていただき、私の賛成討論といたします。(拍手)
○原田委員長 次に、吉良州司君。
○吉良委員 日米地位協定二十四条についての新たな特別措置協定に関し、民主党・無所属クラブを代表して、賛成の立場から討論を行います。
 五年前、民主党は、厳しい財政状況の中、米軍への厳しい節減要求をいたしました。また、支出している項目自体も、俗に思いやり予算と言われるように、本当に地位協定の解釈上、義務づけられているものなのかどうかという素朴な疑問も提示し、残念ながらその疑問は解消されませんでした。そのような問題点を厳しく指摘しつつも、決して安定しているとは言えない東アジアの安全保障環境を考慮し、良好な日米同盟関係を維持していく必要性の見地から、経費節減などの個別項目の再検討を行うなどのことを条件に賛成した経緯がございます。
 今回の延長議論には、米軍再編という新たな要因が加わっております。その決着を見ないことから、今回の延長は、現行の枠組みを維持した上で二年間の暫定措置と位置づけられているもので、やむを得ない面があることは理解いたします。
 しかし、その内容はどうでしょうか。予算を支出する基地から日本の防衛とは直接的には関係ない米軍のイラク派遣が継続されています。また、この協定とは別に、米軍再編に伴う沖縄海兵隊のグアム移転経費の巨額の支出が報じられております。この経費は一説には八千億円とも言われておりますが、これだけの巨額経費分担になる可能性があるにもかかわらず、現時点で政府は十分な説明責任を果たしていません。この負担が現実となれば、それこそ今回の特別協定の節減努力等の議論が軽く吹き飛んでしまいます。
 また、日米同盟を健全に維持していこうにも、予算を執行するおひざ元の防衛施設庁が官製談合まみれでは、信用は失墜してしまいます。形ばかりの節減や外交交渉による成果も、官製談合で経費が水増しされていたのでは、国民の納得は到底得られません。
 さらに、現在の特別協定の実態は、国際的な比較からしても、駐留米軍に対する過度な予算、便益の供与ではないかという疑念が払拭できません。冷戦後、世界において国際情勢が変化する中、基地のあり方自体が修正を迫られ、米国は、効率の悪い基地を縮小し、条件の有利な基地に集約しようとも見てとれます。米軍再編の機会に合わせ、我々も、日米同盟を健全に運営していく見地からも、地位協定自体の見直しや経費負担のあり方など、徹底的に検証すべき時期に来ていると言えます。
 そして、今回の協定延長の政府方針決定に際して一番危惧しておりますのは、日米関係、日米同盟の重要性は一〇〇%認識するものの、我が国の安全保障上の米国への依存が常態化、恒常化し、自分の国は自分で守るという極めて当たり前の自主防衛、自力防衛の気概と決意と将来計画が全く見られないことであります。
 戦後、焼け野原となった廃墟から一刻も早く経済的に立ち直ることを最優先してきた時代の軽武装経済大国化という国策とそれを補完した日米安全保障条約堅持の方針は間違っていなかったと思っております。しかし、世界第二位の経済大国になった今も、自国の生存、存立を他国にゆだねるような防衛方針を未来永劫続けていいのか、大いに疑問であります。
 東アジア地域、世界の平和を積極的に追求、創造することは永遠の国是としながらも、国民の血と汗の結晶である税金を投入する以上、思いやり予算ではなく、自前の防衛力増強に使うことを提言させていただきます。
 冒頭申し上げましたように、民主党として、本特別協定に対しては、東アジア情勢、日米同盟の重要性などの見地から、やむを得ないものとして賛成いたします。しかし、誤解しないでいただきたいのは、るる申し上げたように、この協定は、数々の問題が噴出しており、既に耐用年数の限界に来ているとも考えられます。
 今回は、米軍再編協議で実質的な話し合いが進まず、二年間の暫定措置という特別な事情を酌み取りますが、政府は、米軍再編協議において、国会や国民に対して、本特別協定に定める経費節減努力はもちろん、グアム移転経費負担のあり方、また地位協定そのものの改定の実現に対して、誠意ある対応をすべきであります。民主党として、このような動向を今後とも厳しく検証し、対処していくべきことを付言し、私の賛成討論とさせていただきます。(拍手)
○原田委員長 次に、笠井亮君。
○笠井委員 日本共産党を代表して、在日米軍駐留経費負担特別協定に反対し、廃止を求める立場から討論を行います。
 反対の理由の第一は、この特別協定で負担する経費は、日米地位協定第二十四条一項の規定に基づいて、本来米軍が負担すべきものだからです。このことは、そもそもの締結時に政府自身が、今回負担しようとしておりますのはアメリカ側において負担する義務がある経費であり、現行の地位協定第二十四条一項の原則とは違うことをやると説明していたことからも明らかです。この特別協定を継続するということは、日米地位協定の原則に反する措置を追認し、日本側の負担を恒常化させることにほかなりません。
 第二に、特別協定は、当初、急激な円高によって在日米軍の経費負担が圧迫されている事態のもとで、基地労働者の雇用の安定を図るためとして締結されましたが、今日、その理由は成り立たなくなったからであります。
 現在の日本の財政状況は、財政制度審議会建議でも、国、地方合わせて二十兆円程度ある基礎的財政収支赤字と報告しているように、極めて厳しい状況にあり、財政の健全化が重要な課題となっています。だからこそ、駐留経費負担についても見直し、効率化を行っていくとの方針を出しているのであります。
 他方、アメリカの財政は赤字ですが、経済は良好な状況が続いています。片や日本国民に耐えがたい負担を押しつけながら米軍の駐留経費負担については続けていくことは本末転倒であり、到底許せるものではありません。
 第三の理由は、米軍の駐留を維持するための日本側の経費負担が世界的規模へ拡大している日米安保体制を維持、推進するためのものであり、それはアメリカの国家安全保障戦略、先制攻撃戦略を財政的に支える重大な役割を担うものとなるからであります。
 政府は、特別協定を延長する理由を、日米安保体制の円滑かつ効果的運用を進めるためと説明しています。今、日米安保体制は世界的規模へと拡大されているのが実態であり、在日米軍の再編の中でこれを一層強化、固定化しようとするものにほかなりません。
 以上、反対の理由を述べて、討論とします。
○原田委員長 次に、照屋寛徳君。
○照屋委員 社民党の照屋寛徳です。
 ただいま議題となりました、いわゆる在日米軍駐留経費負担特別協定について、反対の立場で討論いたします。
 反対討論の前提として、私と我が党の立場を明らかにしておきたいと思います。
 私は、基地労働者の安定的な雇用の確保、労働条件の維持向上並びに使用者たる米軍当局の国内法令遵守は当然だと考えます。同時に、それは法的雇用主たる国の責任であります。言うまでもなく、間接雇用制度のもとにおける法的雇用主は紛れもなく国であり、基地労働者との関係で米軍当局は単なる使用者にすぎません。
 ところで、私と我が党は、日米地位協定第二十四条の原則を超えた際限のない在日米軍の駐留経費の負担、いわゆる思いやり予算や特別協定における不必要な経費支出、日本における米軍駐留の固定化につながる経費支出には反対であります。我が国の財政事情が厳しい中、また、米軍再編についての日米交渉が続く中にあって、沖縄の基地負担の軽減が図られることなく、日米の軍事同盟の強化が加速する中でのアメリカに対する手厚い経費負担は、やめるべきであります。
 そもそも政府は、特別協定は暫定的、特例的、限定的なもので、五年経過すると廃止をすると明言していましたが、協定は五年ごとに更新され続け、現在に至っております。今回は、米軍再編をめぐって協議中であるため、延長の期間を二年に短縮したにすぎません。
 政府は、米軍再編中間報告で合意した在沖海兵隊のグアムへの移転経費七十六億ドル、約八千百三十二億円のほとんどを負担すると言われております。
 しかも、きょうの委員会審議で、私の質問に対して、防衛施設庁は、本来、地位協定上、当然アメリカに求償しなければならない多額のお金を求償していない、三十年間もほうっておった。こんなことじゃ、本来、防衛庁長官は首ですよ。
 一方で、特措法を制定して沖縄に強権的に基地を押しつけようとしております。光熱水料の根拠の乏しい負担、在沖海兵隊の日出生台演習場への訓練移転に伴う米軍への観光費の支払い等、特別協定には余りにも問題点が多く、その継続には強く反対せざるを得ないことを表明して、討論を終わります。
○原田委員長 これにて本件に対する討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○原田委員長 これより採決に入ります。
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。
 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○原田委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○原田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時十四分散会