第164回国会 農林水産委員会 第5号
平成十八年三月十六日(木曜日)
    午前八時三十分開議
 出席委員
   委員長 稲葉 大和君
   理事 岡本 芳郎君 理事 梶山 弘志君
   理事 原田 令嗣君 理事 二田 孝治君
   理事 松野 博一君 理事 黄川田 徹君
   理事 山田 正彦君 理事 西  博義君
      赤城 徳彦君    赤澤 亮正君
      伊藤 忠彦君    飯島 夕雁君
      今津  寛君    小野 次郎君
      金子 恭之君    近藤 基彦君
      佐藤  錬君    斉藤斗志二君
      関  芳弘君    谷川 弥一君
      中川 泰宏君    並木 正芳君
      丹羽 秀樹君    西村 康稔君
      鳩山 邦夫君    福井  照君
      御法川信英君    渡部  篤君
      荒井  聰君    岡本 充功君
      小平 忠正君    佐々木隆博君
      篠原  孝君    仲野 博子君
      松木 謙公君    森本 哲生君
      山岡 賢次君    丸谷 佳織君
      菅野 哲雄君    古川 禎久君
    …………………………………
   農林水産大臣       中川 昭一君
   農林水産副大臣      宮腰 光寛君
   農林水産大臣政務官    金子 恭之君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  大藤 俊行君
   政府参考人
   (総務省行政管理局長)  藤井 昭夫君
   政府参考人
   (総務省自治行政局長)  高部 正男君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   勝 栄二郎君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   松元  崇君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         佐藤 正典君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房技術総括審議官)       染  英昭君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房審議官)           吉田 岳志君
   政府参考人
   (農林水産省消費・安全局長)           中川  坦君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  西川 孝一君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  井出 道雄君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局長)            山田 修路君
   政府参考人
   (林野庁長官)      川村秀三郎君
   政府参考人
   (水産庁長官)      小林 芳雄君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            高原 一郎君
   政府参考人
   (環境省地球環境局長)  小林  光君
   農林水産委員会専門員   渡辺 力夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十六日
 辞任         補欠選任
  西村 康稔君     関  芳弘君
  森本 哲生君     篠原  孝君
同日
 辞任         補欠選任
  関  芳弘君     西村 康稔君
  篠原  孝君     森本 哲生君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 独立行政法人に係る改革を推進するための農林水産省関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第一九号)
 農林水産関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○稲葉委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、独立行政法人に係る改革を推進するための農林水産省関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房技術総括審議官染英昭君、消費・安全局長中川坦君、経営局長井出道雄君、水産庁長官小林芳雄君、内閣官房内閣審議官大藤俊行君、総務省行政管理局長藤井昭夫君、自治行政局長高部正男君、財務省主計局次長松元崇君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○稲葉委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。黄川田徹君。
○黄川田委員 民主党の黄川田徹であります。
 通告に従い、順次質問していきたいと思っております。まず、前半で行革推進事務局に全般的な問題点を尋ねたいと思います。そして、後半で農林水産省の個別法案について質問していきたいと思っております。
 政府は、去る三月十日、行政改革推進法案を閣議決定しまして、国会に提出いたしました。この行革法案の五つの重点項目の一つに、独立行政法人の組織、業務見直しがあります。今回の行革法案は、あくまでこれはプログラム法であると思いますので、個別法につきましては、小泉内閣の後に個々に制定されることになると思っておりますけれども、どこまで実効性を伴うのか、疑問点が私にはあります。
 そこで、最初に、平成十年六月に施行されました中央省庁等改革基本法に始まり、そして平成十三年四月に政府機関が独立行政法人化された経緯について、簡潔に行革推進事務局に答弁していただきたいと思います。
○大藤政府参考人 お答えいたします。
 平成十年六月に中央省庁再編等のための基本的な法律でございます中央省庁等改革基本法が成立し、この中において独立行政法人制度を創設することが規定されまして、各施設等機関の性格に応じて独立行政法人化への移行を検討するところとされたところでございます。
 その後、中央省庁等改革基本法に基づきまして内閣に設置された中央省庁等改革推進本部におきまして、平成十一年四月に中央省庁等改革の推進に関する方針が決定されまして、この中において独立行政法人化すべき国の施設等機関が具体的に決定されたところでございます。
 さらに、平成十一年七月に独立行政法人に関する共通的な制度的枠組みを規定した独立行政法人通則法が成立し、これを踏まえまして、平成十一年十二月、独立行政法人化される法人に関する個別法が成立し、平成十三年四月、国の機関をもとに五十七の独立行政法人が設立されたところでございます。
○黄川田委員 独立行政法人化ということで、その目的があり、そしてまた、その効果を期待したということでありましょうが、その後、この五年間の中期目標計画、これを終了した時点で、この総法人数はどの程度になっておりますか。人数等聞きましたけれども、なかなか回答が出にくいということなんでありますけれども、まず、この総法人数、これをお尋ねいたします。
 そしてまた、全体でこの運営費交付金がどの程度節減されたか、この点もお答えいただきます。
○藤井政府参考人 お答えいたします。
 まず、法人数についてでございますが、平成十七年度末に中期目標期間が終了する独立法人、これは五十三法人ということになっております。ただ、見直しをやった上、統合するものがございますので、十八年四月には四十三法人ということに相なることとなります。
 次に行きまして、運営費交付金と人員についてでございますが、これを五十三法人について平成十三年度と十七年度を比較いたしますと、運営費交付金の予算額は三百六十七億円の増加ということになっております。総額で申し上げますと、二千五百六十七億円が二千九百三十四億円になっているということでございます。それから、人員についてでございますが、これも四百二十八人の増加となっております。これも、総数でいきますと、一万三千七百四十九人が一万四千百七十七人になっているということでございます。
 増加しているということなんでございますが、これは、私ども、法人にはさまざまな事情があると思いますが、理由は把握しておりません。ただ、この計画期間の中に、これらの独法法人に他の認可法人と統合しているものがあるとか、あるいは国の行政機関からの業務が追加されたものがあるとか、そういったものがやはり相当影響しているのではないかというふうに推察しているところでございます。
○黄川田委員 答弁いただきましたけれども、職員の有効活用の関係でありますとか、あるいはまた、人も減らないし、予算も減らない、独法化とは何のためだったのかということにちょっと問題意識を持つものでありまして、そしてまた、独法化によって職員が意識改革をして、さらにいい組織にしていこうというインセンティブが働いているのか、ちょっと疑問に思うわけであります。外から見ると、単に国家公務員の見かけ上の数が減っているというだけではないかと思われるわけであります。
 そこで、本当の行政改革をしていかなきゃいけないと思っているわけでありますけれども、五年ごとの中期目標の見直しということでありますけれども、今後いつまでこういうことをローリングしていくのか、長期的な独法改革の見通しもお尋ねいたしたいと思います。
○藤井政府参考人 お答え申します。
 まず、見直しをいつまでやるのかということでございますが、実は独法通則法上、中期目標期間とそれから中期的な事業計画をやって、その上で全体のあり方の見直しまで踏み込んだ見直しをやっていただいて、それを第三者的な機関にチェックしていただくということは、この独立行政法人制度の趣旨を担保するためのかなめの仕組みだと思っております。独法通則法上もこれは明確に規定されているところでございますので、いつまでということではなく、この法律の制度に沿ってずっとやられていくということになっております。
 あと、この行革の効果というものについて今後どう考えるのかというような御指摘がございましたが、これはまさに、この制度を生かすも殺すも独立行政法人の経営部門、これが独立行政法人の趣旨に沿って事業運営をそれこそ自主的、自律的に、機動的にやっていただけるかどうかということにかかっていると思っております。そういったことをいわば外部からチェックするためにも、こういう仕組みというものは不可欠なものではないかというふうに考えているところでございます。
○黄川田委員 先ほどの答弁でも交付金がふえているということでありまして、来年度の国家予算は八十兆円をもう割り込んでおりますし、対前年度比三・〇%マイナスでありますか、こういう行政規模本体が縮小する中で、独法化したことで、これがどれだけ行革に貢献したか、本当になかなか理解しがたいものがあります。
 そこで、一方、民間企業からの受託研究など自助努力によりまして収入増、これは過去五年間でどのように改善されているのでありますか。また、研究機関とはいえ、自助努力により交付金なしに独立して歩むことが可能な法人もあるのではないかと思っておりますけれども、いかがでしょうか。民営化の将来像、本当にどのように考えているか、重ねてお尋ねいたします。
○大藤政府参考人 先生御案内のように、独立行政法人は、国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務事業であって、国がみずから主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの、または一の主体に独占して行わせることが必要であるものを実施させるために設立される法人でございまして、法人の自律的運営により効率的かつ効果的な事務事業の実施が可能となるよう、制度が設けられているものでございます。
 独立行政法人におきましては、このような制度が設けられた趣旨にかんがみまして、独立した法人として自律的かつ効率的な運営の推進に努めていくことは当然のことと考えておりまして、業務の効率化に努めるとともに、収入増の自助努力を行うことにより可能な限り自立を図っていくことが重要であると考えております。
 先生お尋ねの受託研究など自助努力による収入増について、定量的にお示しする資料は持ち合わせていないところでございますけれども、各法人におきましては、受託研究の増による外部資金の導入のほかに、知的所有権収入の増加等のさまざまな取り組みがなされているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも、独立行政法人の見直しに当たっては、組織、業務の全般にわたる検討を通じまして、こうした法人の努力を促していきたいと考えております。
○黄川田委員 国も地方も厳しい財政状況の中で、皆頑張っておるわけでありまして、独立行政法人も自立に向けてしっかりと歩んでいかなきゃならないと思っております。
 それで、各独法に共通するところで、非公務員化についてお尋ねいたしたいと思います。
 今回の非公務員化とは一体どのようなものであるのか、そしてその意義は何か、あわせて期待される効果とは何か、お尋ねいたします。
○藤井政府参考人 お答えいたします。
 非公務員化の意義、内容それから効果という点でございますが、非公務員化というのは、これは独立行政法人制度が創設された経緯にもあるんですが、本来、独立行政法人の職員というのは、国とは別の法人格ということで非公務員であるということが基本であるというような考え方であったようでございますが、いろいろな諸般の事情もありまして、総合的に勘案して、公務員身分の、いわゆる特定独立行政法人制度というものが設けられたということでございます。
 今回、その特定独立行政法人制度について、改めて、五年後の見直しにおいて、果たして本当に公務員の身分としておく必要があるのかどうかということを精査していただいたということで、その必要のないものについては本来に戻って非公務員化ということで措置していただくということになった次第でございます。
 それで、効果ということでございますが、これは先ほど来申し上げていますように、独立行政法人制度というのは、もともと、どちらかというと、官の硬直的な管理運営のもとにあった行政のいわば実施部門、これを国とは別の法人格のものにゆだねて、その中でできるだけ経営の自主性、自律性、弾力性と申し上げましたのは、民間の経営に近いような経営形態をとっていただくということをねらいとしておるものでございまして、そういうねらいからいったら、この非公務員化というのは、まさに人事運営についてのいろいろな制約、国家公務員法等による制約等があるわけですが、そういったものを外して、本来の独立行政法人らしい運営を確保していただくための基盤を整備するものというふうに認識しているところでございます。
 具体的には、非公務員化すれば今申し上げました国家公務員法は適用されないということで、任用とか勤務形態、あるいは民間との人事交流、特に研究業務なんかについては今後一層民間との研究交流も進める必要があると思うんですが、そういったことをやる際には非常に有効な基盤となるというふうに考えているところでございます。
○黄川田委員 さまざまの御説明をいただきましたけれども、独法の機関は行政の実施機関であるということで柔軟な対応、あるいはまた身分を非公務員化する中で動きを活発化するということでありますかね。
 それであれば、何で十三年の当初に独法化に際して非公務員化を図らず、五年もたった今、非公務員化を図るのか、重ねてお尋ねいたします。
○藤井政府参考人 お答えいたします。
 これもそもそもの創設時の経緯を再度繰り返して申し上げることになるかと思いますが、独立行政法人制度、これを御検討いただいていた行政改革会議というのがございますが、そこの平成九年の最終報告なんかを拝見いたしますと、先ほど申し上げましたように、もともと独法というのは非公務員化が基本というふうな御認識はあったようでございますが、制度の創設には、やはり大量の試験研究機関とか検査・検定機関が国の機関から独立行政法人に移行することとなったわけですが、いろいろな諸般の事情というような表現になっておりますけれども、諸般の事情にかんがみ、国家公務員の身分を与えることとし、あわせて国家公務員としない類型も設けることとしたとなっております。
 そこで、これも法律に書いてあることで恐縮なんですが、いわゆる特定独立行政法人の要件といたしまして、その業務の停滞が国民生活または社会経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすと認められるもの、それから、その他法人の目的、業務の性質等を総合的に勘案して、その役職員に国家公務員の身分を与えることが必要と認められるものというような要件がございますが、この要件につきまして、中期目標期間が終了した段階で改めて精査していただいたということが今回の経緯というか趣旨でございます。
○黄川田委員 なかなか答弁も大変みたいですものね、諸般の事情によるということでありますので。
 非公務員化によりまして、国家公務員定数、国直接負担の人件費は縮減すると思うのでありますけれども、非特定独立行政法人であっても、多くは、その人件費は国費、運営費交付金ですか、そういうもので賄っているということでありますので、本当の意味で政府のスリム化が進むわけではなくて、むしろ、事業とか人員配置の効率化をしっかりやらなきゃその部分での意味合いが出てこないんじゃないかと私は思うわけであります。
 それで、この非公務員化を図っても国家公務員の共済制度のままであると思うわけなんですが、この辺、財務省、何で国家公務員共済制度のままであるのか、お尋ねいたしたいと思います。
○松元政府参考人 お答えいたします。
 国家公務員共済組合制度が適用されております独立行政法人が非公務員化された場合には、厚生年金、健康保険制度が適用されることが原則ということでございますが、国家公務員共済組合法第百二十四条の三におきまして、国家公務員共済組合法の別表に定めるところによって、それらの職員につきましては、国家公務員共済組合法上の職員とみなし、引き続き国家公務員共済組合制度を適用するとされているところでございます。これは、職員に適用される社会保険制度の継続性、安定性等を勘案いたしまして、このような取り扱いとされているところでございます。
 なお、同様の事例といたしましては、かつて三公社、これはJR、JT、NTTといったものでございますが、これらが民営化された際にも、同様の考え方から、当分の間は国家公務員共済組合制度が適用されたところでございまして、郵政公社の民営化に当たりましても、当分の間、国家公務員共済組合制度を適用するとしているところでございます。
○黄川田委員 共済制度の中で、パイが小さくなると運営も大変だというさまざまなことがあるんでしょう。そしてまた、共済の中の長期のものですか、年金、これについては、共済とそれから厚生年金との統合とかいろいろあります。もともと国民年金、厚生年金、共済年金ということで、一本化というのは我が党も主張しているところでありますけれども、さまざまな課題がまだまだあるのではないかと思っております。加えて、非公務員化となれば、労働基本権の付与であるとか、いろいろな課題が出てくると思いますので、さらなる詰めをしていただきたいと思っております。
 それでは、独法の統廃合について、話題を変えまして、質問していきたいと思います。
 昨今、バイオテクノロジーであるとか、あるいはまたライフサイエンスなどの先端的な研究は各省でそれぞれ取り組んでおるところであります。特に、経済産業省の産業技術総合研究所と農水省の農業・生物系特定産業技術研究機構や、あるいはまた農業生物資源研究所などでは、研究テーマの重複や類似プロジェクトが私は多いと思っております。そして、その研究所の場所でありますけれども、これはつくばであります。
 この機会にこそ横断的に連合する分野などを特定し、英断をもって統廃合を実行すべきであると思っておりますけれども、大臣は前職経済産業大臣でありますので、それらの見解を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○中川国務大臣 おはようございます。
 今、黄川田委員の御指摘でございますが、経済産業省におきましては、産業技術総合研究所ということで、技術研究をほぼ一本化しているわけでございます。他方、バイオテクノロジー、ライフサイエンスといった現段階での省庁横断的なところにつきまして、一体的にやるべきだという御指摘はそのとおりだと私は思います。
 今大学でも昔の何とか学部を超えたような研究あるいは学問がいっぱいあるわけでございますから、そういう意味で、私は、日本が本当に競争力を持っていかなければいけないこの分野においては、省庁の垣根あるいはまた学部の垣根、こういったものは取り払っていく必要があると思います。そういう意味で、否定的にとらえるのではなくて、御指摘のように、必要なものがあれば、省庁を超えてどんどんどんどん私は研究をやっていくべきだというふうに思います。
 ただ、農林水産省におきましては、例えば、ゲノム研究とか、農水がやるべきこと、あるいはまた経産がやるべきこともいろいろありますので、柔軟に考えると同時に、また、現段階で今やっている研究について推し進めていくということも大事だと思っております。
 いずれにいたしましても、目的のために手段が固定されてしまうということは避けて対応すべきであるというふうに考えております。
○黄川田委員 各省庁ごとに独法の非公務員化等を初め、いろいろと法案が出ております。こういう機会でないと、また改めて見直してということはなかなか、また五年先、十年先になってしまうわけであります。
 大臣は、積極的な物の見方をした方がいいんじゃないかということでありますけれども、行革の推進事務局の方にちょっとお尋ねいたします。
 平成十六年十月二十七日の行革推進本部の独立行政法人に関する有識者会議の指摘事項でありますけれども、この中に、独立行政法人の非公務員化とともに、類似業務を行う法人の再編統合の指摘がなされておるわけであります。これは、省庁横断的な広い範囲を意味するものだと思っておりますけれども、いかがですか。
○大藤政府参考人 お答えいたします。
 平成十六年十月二十七日に独立行政法人に関する有識者会議が政府に対して行いました「独立行政法人の中期目標期間終了時の見直しに関する有識者会議の指摘事項」は、平成十七年度までに中期目標期間が終了する法人のうち、三十二法人について指摘を行ったものでございますが、その中で、先生御指摘のように、「運営の効率化や研究成果を上げるためには、類似業務を行う法人は再編・統合すべきであり、」二十二法人について「再編・統合に向けて更なる検討を行うべきである。」旨が指摘されているところでございます。
 また、平成十七年十月二十八日に独立行政法人に関する有識者会議が政府に対して行いました有識者会議の指摘事項におきましても、「各法人は、積極的に組織を見直し、抜本的な効率化を図るべきである。特に、類似業務を行っている法人や共通の目的を有している法人は、職員の知見の相互交流、業務成果の共有、業務の相互補完・相乗効果の発揮によって、効率的かつ効果的な組織運営が期待できる。」旨を指摘しているところでございます。
 これらの指摘の趣旨は、省庁横断的な再編統合性の可能性についても否定するものではないと考えておりまして、いずれにしても、再編統合によって真にその効率化や研究の相乗効果等の効果が見込める場合には、再編統合について検討すべきものと考えております。
○黄川田委員 いずれこの行政改革でありますけれども、省庁横断的な抜本的な統廃合ができない限り、効率的な小さな政府というのはこれまた不可能ではないかと私は思っております。
 それで、農水省の独法改革について、個別に聞いていきたいと思っております。最初に、今回の農水省関係の国の試験研究機関を主とします独法の改革の目的、そしてまたその内容、概略を御説明いただきます。
○宮腰副大臣 独立行政法人につきましては、簡素で小さな政府を実現するために、独立行政法人通則法によりまして、中期目標期間の終了時に、当該法人の業務継続の必要性など、組織及び業務の全般にわたる検討を行い、その結果に基づき、所要の措置を講ずることとされております。
 このため、平成十七年度末に農林水産省所管の独立行政法人につきまして、事務事業の見直しを行い、まず、農業・生物系特定産業技術研究機構、農業工学研究所、食品総合研究所及び農業者大学校の統合、それから水産総合研究センターとさけ・ます資源管理センターとの統合、そして、統合後の法人を含む十法人の役職員の身分の非公務員化等を決定し、本年四月からこれを実施するため本法案を提出したところでございます。
○黄川田委員 それぞれ非公務員化というのが大きな柱みたいでありますけれども、先ほどもちょっと非公務員化を質問しましたけれども、この独立行政法人は、非公務員化によりまして、天下りの待機機関になるおそれがあるんじゃないのかという思いもしますし、懸念されるところであります。
 非公務員化された独立行政法人の職員は、国家公務員法による天下り規制の対象外となりまして、そして、営利法人への離職直後の再就職が可能となるのではないか、こういう懸念がされるわけであります。
 加えて、農水省所管の十七法人の運営費交付金でありますけれども、平成十三年度の約一千四十億円から、平成十八年度には約一千百四十億円に百億円ほど増加しているというのが実態じゃないですか。簡素で効率的な政府を目指すという副大臣からのお話でありますけれども、これに反するのではないですか。
○染政府参考人 委員御指摘のように、独立行政法人が発足して以来、運営費交付金が増加しております。
 いろいろ原因がございまして、まず一つは、特殊法人等の改革に基づきまして認可法人などの統合があったこと、また、公募によります課題の採択と資金の配分を行います競争的資金、これを積極的に増加させるという政府全体の方針に基づくこの資金の増加、またさらには、BSEの発生を契機といたしました国民の食の安全や安心への関心の高まりに対応いたしました業務の増加、この辺がかなりのものを占めております。
 しかしながら、これらの法人の、ただいま申し上げましたような新たな業務を除いたいわゆる純粋な運営費交付金につきましては、事務事業の効率的実施を図る観点から、第一期中期目標期間中におきまして、毎年度平均で少なくとも前年度比一%の経費削減を行いますとともに、人件費については、各法人での人員計画を定めて効率的に行っているところでございます。
 そのようなことによりまして運営費交付金の抑制に努めておるところでございますし、その総額は、平成十五年、これはピークでございますが、いわゆるこの辺の時期に認可法人との統合があったわけでありますが、それをピークといたしまして毎年減少しているという状況にございます。
○黄川田委員 昨年十月の会計検査院の報告によりますと、平成十三年度から十六年度まで、農林水産消費技術センターの人員が六十七名も増加していると指摘しております。
 お話しのとおり、BSE問題とか突発的な要因もあろうかと思いますけれども、ただ、二千八百人もの職員を抱える大きな組織、研究機構も近くにあることでありますので、もっとやりくりとかいろいろなことができたのではないかと私は思っております。それから、経産省であるとかあるいは厚労省の研究機関のバイオ関連の研究員も動員することもできたのではないかと私は思っております。
 そういう中で、しっかりやるということでありますけれども、また昨年十二月、政府は、小さくて効率的な政府の道筋、これを確かなものにするということでありまして、行政改革の重要方針を閣議決定しております。そこでは、今後五年間で五%以上の人件費を削減する基本方針を踏まえまして、運営費交付金等を抑制するとされておりますが、これについて農水の見解をいただきます。
○宮腰副大臣 御指摘のとおり、昨年末の閣議決定の行政改革の重要方針におきまして、独法におきましても、今後五年間で五%以上の人件費の削減を行うことを基本とするとされております。
 これを受けまして、各法人は、その各法人が作成する中期計画におきまして、人件費削減に関する具体的な削減目標を明記するとともに、業務の重点化やアウトソーシングの推進などを進めることを明記するということとしております。
 各法人の長は、この新たな中期計画を策定することとしておりまして、農林水産省におきましては、この中期計画によりまして、削減目標の設定状況や人件費削減の進捗状況等を的確に把握していくものとしております。
 こうしたことによりまして、運営費交付金を抑制することとしているところでございます。
○黄川田委員 一般会計に占める農水省の予算も今年度三兆円を割っている、来年度もさらに割っていくというふうな話であります。そういう中でありますので、独法も本当に財政規模が縮小になっていく時代でありますので、これは真剣に考えていかなきゃいけないと私は思っております。
 ところで、今回、農水省全体で十七法人中十四法人の改革を行うとしておるわけでありますけれども、残りの三法人、農林水産消費技術センター、肥飼料検査所、農薬研究所は一年先に先送りというふうな形になっておりますけれども、こういうときだからこそ一気にやってしまうのがいいのではないかと思っておりますが、どうしてこれはだらだらとといいますか先送りしたんでしょうか。
○宮腰副大臣 御指摘の検査・検定三法人につきまして見直しを平成十九年度に行うことといたしましたのは、それぞれ食の安全及び消費者の信頼の確保に直結する業務を行っているために、これらを統合する法人におきまして統合効果を十分に発揮し、より質の高い検査、分析等の業務をより効率的に実施していくためには、その業務内容や執行体制等につきまして十分な検討を行う必要があるとしているところであります。
 このため、三法人の統合につきましては、御指摘のとおり、次回以降の国会に法案を提出すべく、現在しっかり検討を行っているところでございます。
○黄川田委員 しっかりやってください。本当は、今回一気にやれればいいんですけれども。
 ところで、先ほどは省庁連携の話をしましたけれども、今度は、農水省の中での統合はできないのかということをちょっと質問してみたいと思います。
 これは、十四法人の中で、半分の七つの法人は本部はつくば市にあるはずであります。そこで、先ほど大臣から言われたとおり、産総研ですか、これはしっかりと研究所あるいはまた地方の工業試験所を一括してまとめたということであります。
 農水省もこういうふうな形のまとめ方はできないのか。重ねて、経産大臣も経験した中川大臣でありますので、お答えいただきます。
○中川国務大臣 御指摘のように、試験研究機関ですから、もともと研究所があってということじゃなくて、何を目的にしてやっていくかというところから考えるべきだと思います。
 私が七年前に農林水産大臣のときに、西ケ原にあります農業総合研究所、これをよりレベルの高いといいましょうか広いといいましょうか、そういう研究所に改編をいたしました。初代所長には篠原委員に御就任をいただいたことを、今思い出しているところでございますけれども。
 ですから、例えばドイツのマックス・プランク研究所、あるいはまたアメリカのNIH、本当にもう巨大な、しかもその大きさによってメリットが発揮できているような研究所に比べて、日本は、各省にそれぞれ研究所があって、しかもその各省がそれぞれまた幾つもあるというのは、これは研究ですから、ある意味では世界競争ですから、これに負けないようにしていくためにはどういう研究機関のあり方が一番いいのかということを思い切ってやはり考えていくべきだ、この七つについても、いつまでもばらばら、固定をしないということではなくて、よりよい成果を上げるために、国家のために、また世界のために何が貢献できるかというところから、私は柔軟に考えていくべきだというふうに考えております。
○黄川田委員 国益を考えるとともに世界にどれだけ日本が貢献できるかということで、大きな枠組みをつくろうというその大臣の心意気はよくよく伝わってくるわけでありますけれども、事務方もしっかりした意味合いを持たなきゃいけないんじゃないのかと思っております。
 時間も残り少なくなりましたので、今度は研究用機器の購入関係について具体を聞いていきたいと思います。
 研究機構及び農業生物資源研究所の二つの法人でありますけれども、平成十五年、十六年度、会計検査院から不適切な契約事務が実施されていると指摘されておるわけであります。その指摘事項とは主にどのようなものか、お尋ねいたします。
○染政府参考人 平成十五年度と十六年度における研究用機器の購入におきまして、複数の代理店があったにもかかわらず一社のみからの見積書によりまして随意契約を行っているものが、農業・生物系特定産業技術研究機構では三十一件、契約金額にいたしまして一億八千九百三十四万円、また農業生物資源研究所では二十一件、契約金額にいたしまして七千七百五十三万円でありまして、契約事務の公正性及び競争性が確保されておらず、改善の必要がある旨、会計検査院から指摘されたものでございます。
○黄川田委員 各独法からレクを受けたとき、一般競争入札の下限額の是正ということで資料をいただいています。独法化後、法人独自の経営判断によりまして、一般競争入札の下限額を引き上げて設定し、そして契約手続の簡略化等により研究現場が必要とする研究機器や研究資材の早期導入を実現したものというふうな形で資料をいただいておるわけであります。
 もちろん、研究機器というと、特定のものとか、研究員の自由な活動ができるようにとか、あるいはまた先端的な事業を展開できるとか、必要なものがあると思うんでありますが、やはり競争というものにさらさないとだめだと思うんです。
 そういう指摘をされる中で、見積もりが一カ所しかないとか、あるいはまた他県に納入業者があるにもかかわらず全然かかわらないとか、ちょっと契約の事務方の怠慢もあるのではないかというふうな感じがするわけであります。
 そこで、中期目標を立てて業務改善を図るということでありますが、逆に独法化によって何か自由に、物品購入とかを競争にさらさないような仕組みになっているのではないか、改悪ではないのかという気もしますけれども、会計規程の契約にかかわる条項は独法になってどう変わっていったんですか。改めて伺います。
○染政府参考人 試験研究独立行政法人におきます物品の購入におきましては、競争契約によることが原則になっているというのは変わりございません。
 ただ、研究用機器につきましては、高い精度や迅速な処理等の特殊な機能が求められておりますことから、契約の性質または目的が競争を許さない場合に当たるとして随意契約で対応する場合が多いという実態にあるわけであります。ただ、この場合におきましても、可能な限り複数の者から見積書をとらなければならないということになっておるわけであります。
 そういう意味で、今回の会計検査院の指摘につきましては、研究機器の購入に当たりまして不適切な事例があった背景というものは、やはり両法人が販売代理店制度への知識が乏しかった、それによりまして、製造メーカーから提出された一社のみが県内に設置された代理店であると誤認していたとか、あるいは代理店の取引地域についても、代理店によっては取引地域が限定されない場合もあることを知らなかったというようなことに加えまして、先生おっしゃいました、特定の製造メーカーしか製造していないというような特殊な事情もあったということから、契約事務において公正性あるいは競争性の確保、あるいは予算の適正執行についての配慮を欠いていたものではないかというふうに考えております。
○黄川田委員 会計検査院からの指摘ということで、やはり独法の中で、意識改革といいますか、契約担当者も含めまして、もっとみずからの力でみずからのものをつくっていこうという意識がちょっと足りないんじゃないのかと思っております。
 残り時間が少なくなりました。最後の質問になりますが、具体的な、農業者大学校が廃止されるというところでちょっとお尋ねいたしたいと思います。
 品目横断的な経営安定対策、日本型の直接支払いとか、本当に農業政策の大きな変わり目だと思っております。そしてまた、農業再生は喫緊の課題だと思っております。
 そういうふうな中で、今回、農業者大学校が廃止されるということで、その後どんな新しい形になっていくのか。廃止になったとはいえ、それを受けて今後どのような形になっていくのか。というのは、各府県ですか、農業大学校がありますけれども、その連携とか、まだ確定しないところがあるかもしれませんが、その辺をちょっとお尋ねいたします。
○井出政府参考人 農業者大学校の廃止に伴う措置でございますが、新たになります法人において研修教育が引き継がれることになっております。ただ、新法人におきましては、平成十八年度に新たなカリキュラム等の検討を進めまして、十九年度に学生募集を行い、二十年度から学生の受け入れが開始されるという予定でございます。
 見直しに当たりましては、現在、青年農業者を対象にしておりますものを、それに限定することなく広く受け入れたいと考えておりますし、カリキュラムにつきましても、これからのリーダーたる農業者を育成するために、政府の機関であります独立行政法人ならではの農業・食品産業技術総合研究機構の研究開発によって得られました先進的な技術あるいは経営管理手法を中心として教授するということで、修業年限の短縮化、多様化も図ることを考えております。
 都道府県の農業大学校との連携でございますが、今回の見直しによりまして、新法人における研修教育を道府県の農業大学校の卒業生の新たな研修ルートとしても機能させることを考えておりまして、このことによりまして農業研修教育の活性化にもつながるものと考えております。
○黄川田委員 国の農業者大学校が廃止になるということは、自治体が経営する府県の農業大学校のあり方もさまざま検討しなきゃいけないということになると思います。ぜひとも、その辺のしっかりした軸足を自治体向けに明確にしていってほしいと思います。
 それでは、最後の最後であります。地域課題でありますけれども、私の岩手の方にも東北農業研究センターがあるわけであります。研究機構の下部組織、十一の研究センターの一つだと思いますけれども、岩手の研究センターはどのような研究をしておるのか、そしてその主なる成果をお尋ねいたします。
○染政府参考人 農業・生物系特定産業技術研究機構の東北農業研究センターにおきましては、東北地域の立地条件の特性を踏まえた研究を行っておるということでございます。特に、東北地域は、やませという大変冷たい風が吹きまして、冷害が起きやすいというふうな特徴を持っておりますので、冷害などの気象災害の克服によります食料の安定生産であるとか、あるいは消費者ニーズに対応した高品質で高付加価値の農畜産物の低コスト生産を行う、この辺の重点的な研究開発に取り組んでいるところでございます。
 これまでの主な研究成果といたしましては、現在の気象や水稲生育の状況と今後の気象予測から冷害の危険度を診断いたしまして、その情報を即座に関係機関や生産者に提供いたします水稲冷害早期警戒システム、この辺の開発をやっているところでございます。また、消費者ニーズに対応した東北地域に適した新品種として、いわゆるめん用小麦でもちもちした食感のすぐれるネバリゴシや、あるいは大豆で豆腐用のリュウホウ、このような多様な品種の開発をやっているところでございます。
 今後とも、県の試験場であるとか、十分連携をとりながら研究開発を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○黄川田委員 個々の研究所、試験場では、研究者は一生懸命汗をかいておると思っております。しかしながら、独法の評価といいますか、内々の評価で終わっているような気がします。情報の公開であるとか、あるいはまた第三者機関による評価などを通じまして、しっかりとした独法になってほしいと思います。
 時間でありますので、終わります。
○稲葉委員長 次に、篠原孝君。
○篠原委員 民主党の篠原孝でございます。
 今国会で初めて農林水産委員会で質問させていただきます。私の時間、予定では十時までになっておりますけれども、きょう、大事な法案を提出するのに立ち会わなければなりませんで、五、六分早目に終わらせていただきますので、御了解いただきたいと思います。
 独立行政法人の問題、いろいろありますけれども、きょうは一点に絞りまして質問させていただきたいと思います。
 その前に、そもそもの話をさせていただきます。
 私は、農林水産省の皆さん、非常にまじめでみんな一生懸命働いておられると思います。そうした中で、どれが一番、二番というわけじゃないんですが、試験研究機関の皆さんの水準とか熱意というのは大変なものだと思っております。世界に誇れるような水準じゃないかと思っております。そもそも、そういったものを独法化し、非公務員化していくというのは問題じゃないかと思っております。基本的には、そもそも国が全部賄ってしかるべきだ、国が責任を持って農林水産業関係の試験研究はする。それは世界じゅう同じです。日立もあるわけじゃない、トヨタもあるわけじゃないわけです、農林水産業関係のところはですね。農林業界が金を出して研究できるわけがないわけですから。ですから、国が全部責任を持つ、これは世界の常識なわけです。この根本問題があるということを念頭に置いていただきたいと思います。
 次に、行政改革というのは、ダブりの問題で、ダブりというのは、国のところで、各省の試験研究機関でも、例えばバイオマスでいったら、厚生労働省もやっている、経済産業省もやっている、農林水産省もやっている、だから、統合したらいいんじゃないか、同じ研究所の中でもダブっているのがあるんじゃないかということで、統合によって、総務部門とか管理部門とかいうのを中心に切り詰めていったらいいんじゃないかということで行われているわけです。
 しかし、絶対見落としてならないのは、国と県との関係です。道州制というのが叫ばれています。県に試験研究機関がたくさんあるわけです。全部の県にあります。私の地元の長野県は広い県でございます。県の中でも、上から数えて福島と岩手の次ですかね。セクショナリズムが働いておりまして、長野は四つに分かれるわけです、北信、東信、中信、南信と。それぞれに農業試験場があって、絶対統合するのは嫌だと言って頑張っているわけです、気候が違うとか言って。大して違わないんですけれども、そう言い張ってばらばらになっているわけですね。この無駄というのは大変なものなんですね。これをほっておくわけにはいかないのじゃないかと私は思っております。ですから、両方の意味があるんですが、それは後で聞かせていただくことにしまして、基礎的なことについてお伺いしたいと思います。
 都道府県の農林水産関係の試験研究機関の職員の数は、一体どのくらいなんでしょうか。
○染政府参考人 都道府県の農林水産関係の試験研究機関の職員の数は、ここ数年一万四千人台で推移しております。平成十六年三月現在では一万四千四百十七人となっております。ただ、これは事務職、研究職合わせての数字でございます。このうち、研究職員は八千百四十人と全体の五六%を占めておりまして、都道府県の実態に合った試験研究を推進しておるというところでございます。
○篠原委員 今、一万五千人弱ということですね。それで、伺っているところによりますと、国は五千五百七人、約三倍の人たちが都道府県の試験研究機関で働いておるわけです。研究者が八千百四十人というお答えでしたけれども、国の場合も、研究者はそのうち限られるんだろうと思います。つまり、三倍の人たちが働いている、これを念頭に置いていただきたいと思います。
 そこに、指定試験とかいうので国がいろいろ補助しているはずなんです。その国の試験研究の補助が一体幾らか。
 次は、国の農林水産関係の試験研究費と都道府県が出している研究費の比較をちょっとしていただきたいんですが、それぞれどのくらいなんでしょうか。
○染政府参考人 平成十五年度の都道府県の農林水産関係試験研究機関に対する国からの補助の総額は、七十七億円であります。都道府県全体の試験研究費総額は、一千六百十九億円であります。
 一方で、農林水産省が所管いたします試験研究機関における試験研究費総額は一千百八十七億円でありまして、都道府県の試験研究費総額は、農林水産省が所管する試験研究機関の試験研究費の約一・五倍というような状況になっております。
○篠原委員 ありがとうございました。
 人数で約三倍、それから試験研究費で約一・五倍、国がわずか七十七億円。ですから、五、六%にしかならないんだろうと思います。
 次に、問題は、いろいろあるんですが、まず、都道府県の試験研究機関の中の研究のダブりです。それは一体どんなふうに把握しておられるか。
 私があちこちで耳にしたところによりますと、例えば花の研究というのが盛んなわけですね、花はもうかるので意欲的な農家がいっぱいいるということです。トルコキキョウというのを、美しい花だそうでございまして、皆さんいっぱいもらっているんだろうと思います。私はもらったこと、残念ながらほとんどないんですけれども。送ったこともないんですけれども。それが、猫もしゃくしもなんて言っちゃいけませんけれども、何と、東京都の試験場も含めて四十七都道府県が全部トルコキキョウの研究をしているということなんですね。
 それは、北海道でできるのと沖縄でできるのと違いますから、それはあちこちでやってもいいんでしょうけれども、少なくとも東北六県などは、などはなんて言っちゃいけないですが、気候が相当似ています。だから、一県でやってその研究成果をそれぞれ、東北だったら六県に均てん化していく。九州だって同じです。九州の全県でやる必要はないということを考えたりしてもいいはずなんですが、七十七億円しか補助金を出していないので、あとは都道府県で勝手にやってくださいということでやっておられるのか、それとも、国がきちんとした研究支援を立てて、この地方ではこういうのが向いているからこういうのをやってください、こっちはダブりで、こっちにこういう試験研究結果があるから、こっちに聞いてくださいというようなことをされておられるのでしょうか。
○染政府参考人 試験研究課題のダブりなり類似したものという物の考え方でございますが、都道府県の試験研究機関は、それぞれの県の農林水産業が直面いたします課題を解決するための研究を行っておりますので、複数の県で類似の研究課題が取り上げられる場合もあろうというふうに考えております。ただ、この場合、研究手法が異なる場合もありますので、このことが一概に無駄であるとは言えないのではないかとも考えております。
 限られた研究資源を効率的に利用する観点からは、できるだけ重複を調整することが必要な場合もあろうとは思っております。このため、都道府県が実施しております試験研究課題につきましては、毎年度、農林水産技術会議事務局が調査を行い、各研究課題の内容や実施機関等について把握いたしまして、データベース化いたしまして、都道府県を含め広く研究者に提供しているところでございます。
 また、さらに、農業・生物系特定産業技術研究機構の地域農業研究センターが主催いたします地域推進会議におきまして、ブロックごとの都道府県間の情報交換や研究目標の検討等が行われているところでございます。これらの過程を通じまして、不要な重複の調整なども実施されているというふうに考えております。
○篠原委員 そういう抽象的な答弁しかできないんだろうと思いますけれども、わかっていただきたいので具体的な例で申し上げます。
 これは提案ですけれども、例えば果樹試験場が東北六県にみんなあるわけですよ。そして、リンゴもブドウも桃もナシもサクランボもすべて同じように研究しているわけです。これは壮大な無駄だろうと思います。ですから、地域研究センターがあります。そこがきちんとコントロールというか調整をすればいいんです。どういうふうにするかというと、青森はリンゴの研究をやってください、山形はサクランボの研究でいいです、福島は桃の研究でいいです、秋田はナシでもというふうな形でやって、その研究成果はそれぞれの県にすべて均てん化していく。
 競争原理というのはいいんですが、やはり小泉、竹中、ホリエモン路線というのは余りよくないんですね、農業分野にまで。そうやって各県が競って研究するなんというのは無駄になりますから、ほかのところでちゃんとお金を使ったりした方がいいのです。こういったことをすぐ思いついてやったりするべきなんでしょうけれども、地域研究センターには、そういう機能というか心づもりがあって、こういうことをやっておられるんでしょうか。
○染政府参考人 先ほども申し上げましたように、やはり研究人員であるとか研究予算、この辺の研究資源を我が国全体としていかに効率的に使っていくかというのが極めて重要な問題だというふうに考えております。
 また、そういう意味では、これをだれが調整をとるのかということになりますと、やはり国が、それも独立行政法人の、地域ごとにあります地域農業研究センターが、地域の全体のいろいろな立地条件なり、あるいは研究の進捗状況なども踏まえながら、全体としてどのようなことを推進するのが一番いいのかというような判断のもとに調整を図るというのが大変重要ではないかと考えております。
 そういう意味で、先生御指摘のようなものについて申し上げれば、例えば、東北地域におきましては飼料用稲の研究開発をやっております。これにつきましては、例えば、飼料用稲の新しい品種を開発していく、あるいは飼料用稲の低コスト生産をやっていくような基幹的な技術を開発する、これは国の独立行政法人である東北農業研究センターがやる。一方で、現地の適応試験をやるということになれば、それは都道府県の農業試験研究機関がやっていくというようなことで、十分な役割分担と連携のもとに、資源の効率利用、それに向けまして研究を推進しているところだというふうに考えております。
○篠原委員 今、飼料用稲でお答えいただきましたけれども、稲なんかも典型的だろうと思います。稲ぐらいでしたら、みんな各県で競って、あきたこまちは秋田でつくるというようなのがあります。だけれども、コシヒカリが典型的な例だと思います。コシヒカリは福井の農業試験場で生まれました。しかし、全国に均てん化していくというのがあるわけです。
 ですから、そんな一つの県だけでやってというのをやる必要はない。米ぐらいはみんなつくっているから全県でやってもいいですけれども、果樹とか野菜になったりしたら全部やることはない。ですから、百貨店じゃなくて、専門店ベースの形の試験研究機関にしていけばいいんだろうと思います。そのコントロールは国の独立行政法人がやるべきじゃないかと思うんですけれども、これをよく頭に入れておいていただきたいと思います。
 それから、県同士のダブりもあるんですけれども、国と県のダブりも相当あるんじゃないかと思います。
 どういうことかというと、研究者、やはり意欲的な面はいいんですが、国がやるようなバイオの最先端のような研究もみんな県の研究者がやっている。県の場合は、地域に密着した、例えば新しい品種だとか、それぞれの地域にあった研究。
 福島県の例でいいますと、いろいろなくちゃいけないのはわかるわけです。福島も広いわけです。浜通り、中通り、会津若松とあって、気候がそれぞれ違う。豆なんというのは非常に敏感な作物だそうでして、稲は何か鈍感な作物であちこちでできるようになるわけですが、豆は山一つ隔てたらもうだめだというのがありますから、それぞれの地域で新しい品種を開発しなければならないというのがあるわけです。
 だから、分担がそういうふうにちゃんとできればいいんですが、国は、都道府県と国との分担関係についてきちんと配慮してやっておられるのでしょうか。
○染政府参考人 農林水産研究におきます国、都道府県等の分担の問題でございますが、いわゆる試験研究関係の国の独立行政法人につきましては、長期的な計画のもとに大規模な研究資源を投入するということから、基礎的な、先導的あるいは基盤的な研究、この辺を重点的にやっておるというふうに理解しております。
 また、都道府県の試験研究は、生産現場を抱えておるわけでございますので、やはり個々の地域の立地条件に応じた独自の研究課題をやるというふうな役割分担のもとに研究を進めておるという点でございます。
 そういう点から、やはり地域で共通するような大きなテーマに取りかかるときには、今申し上げたような役割分担のもとに、国が一体何をやるのか、また県が何をやるのかということを明確に、推進会議等で十分打ち合わせしながら、役割分担と連携を図りながらやっておるというのが実態でありますし、今後ともそういうふうに指導してまいりたいというふうに考えております。
 ただ、いずれにいたしましても、行財政の効率性に対する国民の目が一段と厳しくなっている中でございますので、これまで以上に重複を排除するようなことに尽力してまいりたいというふうに考えております。
○篠原委員 国と都道府県の関係を考えていきますと、矛盾が生じてくるわけです。この独立行政法人の法律は非常に矛盾が多いわけです。その一般的なものはもうあちこちで議論されているから私はやめますけれども、非公務員になるのに国家公務員の共済組合にはそのまま入っているとか、国立環境研究所は完全に独立行政法人になるわけですけれども、国立をそのまま残してほしいとか、めちゃくちゃなわけです。欧米の論理的な社会では絶対あり得ないことが平然と行われているわけです。
 こっちでは、実質的に問題になってくるわけです。今お答えいただいたとおり、国が調整をしようとすると、しかし、国の関係の独立行政法人は非公務員になってしまっている。ところが、都道府県の試験研究機関の職員は公務員なんです。こういう古い意識の人がいるかどうかわからなくて、今は民の方が偉いということになっているかもしれませんけれども、日本社会では官尊民卑がある。何だ、非公務員からごちゃごちゃ言われて、おれたちが言うことを聞く必要はないというようなことにもなりかねない。論理的におかしいんですね。
 都道府県の試験研究機関は一つも独法化していないと思いますけれども、国は、全部じゃないですけれども、一部を除いて独法化している。そういうことを考えると、都道府県の方は一体どうなっているのか。この公務員と非公務員の矛盾というのを是正される考えというのはないんでしょうか。総務省の方にお答えいただきたいと思います。
○高部政府参考人 お答えを申し上げます。
 先生御指摘ございましたように、地方の試験研究機関、試験研究につきましても、平成十六年四月から施行になりました地方独立行政法人法に基づきまして、独立行政法人という形で対処できるという形になっているところでございます。
 私どもといたしましては、各地方公共団体が地方独立行政法人を設立して業務を行う方が効率的、効果的に行政サービスを提供できるというような判断をされる場合には、これを設立することが可能だ、これで対処したらどうかというふうに考えているところでございます。
○篠原委員 今、受け皿ができて、つくっているという答弁だったと思いますけれども、これはすぐ考えなくちゃいけないんじゃないかと思います。
 ちょっと昔の話をするのも恐縮なんですが、私は、自分でこの仕事に携わったので、ここの問題点は地方の試験研究機関だということに気がつきました。しかし、国会で一体このことがどう議論されているかというのを衆議院のビデオライブラリーでチェックしました。皆さんおわかりだろうと思いますが、地方の試験研究機関、行政改革、非公務員化とかいうキーワードをやると出てくるのです。私は感心いたしました。このことを、今から七年前に国会でちゃんと質問されて指摘されていた方がおられたのです。入澤肇議員です。
 入澤さんは、やはり国のものがみんな独立行政法人になるけれども、ダブりだと言っているけれども、おかしいじゃないか、都道府県の試験研究機関は山ほどある、これの方が問題じゃないかと言って、自治省に質問しておられました。この問題は非常に大事な問題で、さすが入澤さんだと思いました。非常に前向きに考えておられる方はこういうところに気がつくはずなんですね。
 ですから、これはやはり独法化すべきだし、いろいろ廃統合とかいうのも、総務省の立場で、任せてある、受け皿をつくったというだけじゃなくて、積極的に言っていくべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○高部政府参考人 委員御案内のとおり、地方行政も大変厳しい財政環境等々に代表されますように、大変国民の厳しい目にさらされているところでございます。こういう中で、私ども、地方行革を積極的に推進するよう要請しているところでございます。
 私どもは、個別行政分野について、個別にどうこうということは原則的にはございませんけれども、私どもの一般的な行革をするに当たりましての考え方をちょっと申し上げたいと思います。
 現在の段階でいいますと、昨年の三月に行革指針を出しまして、五年間の集中改革プランの策定というものをお願いしているところでございます。本年度内に策定するようにという形でお願いしているところでございますが、そういう中でのアプローチといたしまして、まず、いろいろな事務事業について、廃止統合できるものは廃止統合すべし、することが大事だ、それから、業務委託でありますとか、地方公共団体の場合には指定管理者制度といったような制度もございますので、民間に委託してできることは民間に委託してやったらどうかというふうに考えております。それでも困難なものについて、地方独立行政法人の活用というものを考えていただきたいというふうなことを考えているところでございます。
 地方独立行政法人の場合には、役員を設ける、あるいは評価委員会を設けるというようなことにもなってございます。こういう形をとっておることから、地方公共団体がみずから実施するよりも効率的、効果的にサービスが提供されると判断されるような場合に、独立行政法人を設置して対処したらどうかというような考え方で対処いたしているところでございます。
 いずれにしても、いろいろな検討をしていただきまして、行政改革という観点から、あるいは効率的に行政サービスを提供いただくように、いろいろな工夫をしてお願いしていかなきゃいけない、かように考えているところでございます。
○篠原委員 今、お答えになった問題、国と地方、そしてもう一つ、大学もかかわってくるわけです。大学にも試験研究機関があります。
 具体的ないい事例で、皆さんに考えていただきたい事例を提供いたしますと、長崎なのです。長崎県は、水産が大事なわけです。県が用地を提供いたしまして、長崎大学の水産学部、それから長崎県の水産試験場と、国の水産総合研究センターの地域研究センターも、同じ場所にあるのです。それは、一体どういう役割分担をしているのか。同じ場所にあるし、連携もすればいいのです。それで、このうちの二つは既に独立行政法人になっているのですよ、大学と、国のは。県のだけがなっていない。それで、県が独立行政法人にしたら、その独立行政法人になった三つの独立行政法人が一緒になっていいんですね。
 こういうことが考えられるわけですけれども、水産庁ではこの点についてどうお考えでしょうか。
○小林(芳)政府参考人 御指摘の長崎市に、研究機関、水産関係は三つございます。
 一つが長崎大学の環東シナ海海洋環境資源研究センター、これは当然国立大学でありまして、学理追求を主目的とした研究をやっておりますし、それから県の総合水産試験場、こちらは県の産業政策の一環としての研究機関であります。沿岸域を対象に現場即応型の研究だというふうに理解しております。それから独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所であります。これは国のまさに研究機関の一環を担っていまして、国際的な資源管理を含めた、いわば広域的、基礎的、先導的研究開発に取り組んでいる、こういったのが基本でございます。
 御承知のように、長崎県は、東シナ海に面しておりまして、大きな水産県であります。その中で役割分担を見たときに、大学は、いわば学理的な研究機関でちょっと違いますけれども、県と国の研究機関を比較したときにも、県の場合には、やはり地先におけるいろいろな魚資源の来遊予測だとか実際の漁獲状況、こういった現場密着型の対応ですし、それから、西海区水産研究所、これは東シナ海を中心に、あの辺はマアジとかいろいろな資源がございますけれども、分布・回遊状況といった全体の資源量の推定をやっているということで、役割分担のもとでそれぞれの機能を果たしているというふうに理解しております。
○篠原委員 三つ、場所は一緒のところにあって、役割分担しているということですけれども、指揮命令系統がちょっとずつ違うんですね。しかし、現場の方がわかっていると思います。いずれ時がたてば、三つ一緒にというふうに必ずなっていくはずです。待っているだけじゃなくて、主体的にやっていただきたいと思います。
 水産が、私が提起している問題を一番ぴったりするような形で回答を出してくるわけです。機関委任事務というのと自治事務というのが地方分権で問題になったことがあります。西尾勝先生と私は二度ほど大議論をしたことがあります。西尾さんにはすぐ理解していただけました。どういうことかというと、あちらはみんな地方自治事務にと言ったんですが、私はそうじゃないと。海のことについては県の境がない、県の境どころじゃなくて国境すらない、だから、鯨やマグロは全部国際機関の管理だ、海のこともそうなんだと。
 水産の研究になっていきますとどうなるかというと、今、TAC制度の資源管理ということで、国がいっぱい出して資源調査をしているわけです。先ほどのお答えの中に、国の割合と県の割合というのがありましたけれども、水産関係で伺いましたところ、全体で五十億ぐらいの研究予算があると。そのうち、都道府県が七億か八億しか出していない。かなりの部分が国から出ている。水産関係の試験研究などは一体化して、すべて国が持ってもいいような気がするんですが、政務官、いかがでしょうか。
○金子大臣政務官 お答え申し上げます。
 国と都道府県の水産研究機関におきましては、地方にできることは地方にということで、政府レベルでの観点も踏まえまして、国と地方の役割分担を図りつつ調査研究を行っているところでございます。
 例えば、複数の都道府県をまたぐ広い海域に生息する水産資源につきましては、国の水産総合研究センターが中心となって、都道府県の研究機関と連携しながら調査研究を行っております。一方、沿岸域の調査研究につきましては、豊富な知見を有する都道府県の水産試験場が中心となって取り組んでおります。
 こうした役割分担と緊密な連携、協力関係のもとに、国としても、主体性を持ちまして地方との連携、協力を図って取り組んでまいっております。
○篠原委員 時間がなくなりましたので、この質問は大臣にお答えいただきたいと思います。ちょっと副大臣のところはスキップさせていただきます。
 もう一つ、題材を提供いたします。北海道の試験研究です。
 北海道は、札幌農学校ができまして、大学で試験研究も教育も普及もみんなやっていたんです。それで、都市化してきたんで、今、見晴らし台があるところに試験研究所が移ったんです。それで、戦後どうなったかというと、もう一つ転機が訪れるわけです。GHQが、やたら地方自治の確立ということで、どうしても北海道でも道立の試験研究機関をつくらなければいけないというふうに圧力をかけてきたわけです。当然、日本は、そんなことをしなくたって北海道は道で一体だ、だから別の試験研究機関は要らないんだ、一緒でいいんだと言うのに、わざわざ分けたわけです、無駄なことをしたわけです、硬直的なものに。
 ですから、もともと一体でよかったんです、北海道なんか、おわかりになりますよ。北海道は、一つのところにあって、北海道だけの地域研究センターが国にあり、道も同じようなことをやっているわけです。
 こういうことを考えていくと、大学も独法化した、国の試験研究機関も独法化した。先ほどのお答えのように、県の方も独法化するというようなことを考えてきたら、国が全部責任持ってやっていいんです。ここにもう一つヒントが隠されているわけです。
 大臣、WTOで、あちこち行ったりして大変お疲れだろうと思います。時差ぼけも大変だろうと思いますけれども、最近一週間はないんですよね。
 そこで、例の緑と黄色と赤と補助金を三分類してやる考え方があるんですが、こんなものも一々まともにきちんと受けている必要はないと私は思うんです。例えば、おわかりだろうと思いますけれども、日本の二〇〇〇年の約束水準は三兆九千億ですよ。米や麦は価格支持をやっていた。それを日本が通報した。経営安定対策で緑だと。同じように補助金が行っているんですけれども、急に七千億ぐらいになる。そういうものなんですよ。日本がちゃんと、断固たる態度を示して、こうだと言っていけばいいんです。
 そこで、試験研究費は緑の補助金の典型的なものとして常に例示されているわけです。それはどうしてかというと、お金持ちの国が試験研究をする、しかし、その試験研究の結果は、数年後には貧乏な国のところにもみんな均てん化していくんです。だから、試験研究はどんどんやってくださいというふうになっているんです。
 ですから、緑の補助金にするんだったら、だますというわけじゃないんですけれども、試験研究だ、パイロット事業的に普及している段階であるということで日本の農政を進めていけばいいんですよ。こういう知恵を働かせていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○中川国務大臣 先ほどから篠原委員の御質問の内容を聞いておりまして、やはり試験研究、つまり新しいことをやっていくということですから、それぞれ、国であろうが地方であろうが大学であろうが、あるいは独法であろうが、やはり成果をきちっと上げるということが最大のポイントではないかなと。成果が上がっていかないのに、今御指摘のように同じようなところで同じような研究をやっているということであれば、これは結果的に無駄というふうに言わざるを得ないわけでありますから、研究者の皆さん、一生懸命やっていると思いますけれども、ぜひ成果を上げていただきたい。
 かといって、競争によってインセンティブが高まるという部分も多分あるのかもしれません。そういう意味で、日本は科学技術立国としてこれからも試験研究を、今まで以上に一生懸命、いい環境の中で成果を上げていただきたい。御指摘のように、日本だけではなくて、貧しい国を初めとする世界じゅうに貢献できるような試験研究の成果を上げていただきたいというふうに思います。
 試験研究は御指摘のようにグリーンボックスですから、これについては、今後もさらにWTOの中でも堂々と、日本が先端的な、そして大規模な試験研究ができるように、私としても積極的に取り組んでいきたいというふうに思っております。
○篠原委員 具体的な数字、一番最初にお答えいただいた数字をもう一度申し上げます。県の試験研究費、人件費も含めてわずか、わずかと言うと国民の皆さんにおしかりを受けますけれども、千六百十九億円です。これを全部国がやったって罰は当たりません。緑の補助金です。
 みんな独立行政法人にして国のもとにきちんとやる、こういう方針で臨まれるのが一番だと思います。中川農政の間にぜひ実現させていただけたらということをお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○稲葉委員長 次に、仲野博子君。
○仲野委員 おはようございます。民主党の仲野博子でございます。
 きょうは、朝八時半からこうして農水委員会が開会をされて、早朝より大変まじめな委員会であるな、そのように改めて私、認識させていただいております。
 今、同僚の黄川田委員、篠原委員から、今回の独立行政法人に係る法律の一部改正ということで質疑がございました。
 私の地元、北海道の釧路、根室管内には、独立行政法人水産総合研究センターに所属する北海道区水産研究所、通称北水研と厚岸栽培漁業センターがあり、サケ・マス類、スケトウダラなどの北海道を代表する魚種の資源状況の調査研究や、これらの水産資源の持続的な利用を確保するための栽培漁業に関する技術開発など、釧路、根室地域にとどまらず、北海道や日本の重要な産業である水産業の維持発展に重要な役割を果たしております。また、独立行政法人さけ・ます資源管理センター根室支所もあります。
 委員会に付託された今回の法案にかかわって、先般、地元や道内の関係者の方々からの声や意見を直接伺ってまいりましたので、これらを踏まえ、何点か質問をさせていただきたいと思います。
 まず、独立行政法人の中期目標期間終了時の見直しの手続についてお伺いしたいと思います。
 独立行政法人通則法では、中期目標期間の終了時において組織及び業務全般にわたる検討を行うとされておりますが、実際には、今回の改正案にかかわる十四法人のうち、十法人については平成十六年度に前倒しで検討が行われ、実質三年程度の実績をもとに見直しの内容が決定されました。
 生き物と自然を扱う農林水産業の試験研究について、果たしてこのような短い期間の実績をもとに組織の改廃を含む重大な見直しを行うことの妥当性はあるのでしょうか。農林水産省独立行政法人評価委員会においては、見直しの決定のプロセスと評価委員会のあり方に問題があったのではないかという趣旨の発言がなされ、附帯意見も提出をされております。十分な評価、検討が行われた上で今回の法案が提案されたと言えるのかどうか、まず副大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○宮腰副大臣 十七年度に中期目標期間が終了する独立行政法人の見直しに当たりましては、平成十五年八月に閣議決定されました「中期目標期間終了時における独立行政法人の組織・業務全般の見直しについて」で示されました見直しの基準をもとにいたしまして、まず、農林水産省独立行政法人評価委員会の意見を踏まえて見直し素案を決定いたしまして、その後、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会が、主務官庁へのヒアリングを経て、主要な事務事業の改廃に関する勧告の方向性により見直しに関する指摘を行いまして、その勧告の方向性を踏まえました見直し内容について、政府行政改革推進本部の議を経て決定したところでございます。
 さらに、今回の見直しの検討に当たりましては、いわゆる骨太の方針二〇〇四において設置が決定をされました独立行政法人に関する有識者会議によるヒアリングにおける指摘等も踏まえておりまして、今回の独立行政法人の見直しは、慎重かつ十分な検討を経て行われたものというふうに考えております。
○仲野委員 今回、この改正案では、水産総合研究センターなど十四法人、統合後は十法人を特定独立行政法人以外の独立行政法人、すなわち非公務員化へ移行し、これら十法人の役職員の身分を非公務員化するとしております。
 農林水産業の試験研究において、非公務員化による具体的メリット、効果をどう考えているのか、大臣の御見解を求めたいと思います。
○中川国務大臣 一言で言えば、効率化、きちっと試験研究機関としての成果を上げてもらいたいということであります。
 そのために、非公務員化するということは、民間との交流ということがよりできるわけでありますから、試験研究というのは、ある意味では競争であります。世界との競争でありますから、御地元のサケ・マスの研究、これは世界一ですね。あるいはまた、米についても世界一。その他試験研究というのは日本では世界一、その世界一というのは、何もその研究だけが世界一なんじゃなくて、それが均てんして世界じゅうに広まっていく。日本のサケ・マス研究が、今やもう南米、ペルーやチリでもその成果が、ある意味では、日本の漁業者にとっていいか悪いかは別にして、広まっていっているわけであります。
 ですから、ぜひ、試験研究者は緊張感を持って、競争意識を持って、そしていい成果が出れば報われるという体制をきちっと国なりあるいはそれぞれの組織がやっていけるように後押しをするということが大事でありますけれども、そういう意味で、非公務員化になると、何か身分があやふやになっておかしくなるのではないか、そういう後ろ向きの意識では私はだめだというふうに思います。まさにチャレンジ精神を持って試験研究をしなければいけないわけですから、そういう意味で、リスクと言うと言い過ぎかもしれませんけれども、チャレンジ精神を持って、新しい世界で、未知の分野に大いにこの試験研究機関がチャレンジしていただきたい、また、そのために我々もバックアップをしていきたいというふうに考えております。
○仲野委員 今、大臣からお答えをいただきました。非公務員化することによって、本当に競争意識を高めて、世界一を目指していく、そのチャレンジ精神が大事である、そのようにお答えいただいたんですが、そういったメリットもあるかもしれません。
 しかし、今回のこの見直しにかかわる実質的な議論は、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会や行政改革推進本部独立行政法人に関する有識者会議と、主務省である農林水産省との間で行われているだけで、一番肝心の現場の対象法人で実際に働いている研究員や職員との話し合いは、十分に行われてきたのでしょうか。ほとんど行われていないと、先般、私、現場でそういったお声を聞いてまいりました。
 しかも、現在、それぞれの機関で日夜働かれている職員は、終身雇用の公務員という身分で勤務することを前提に採用されているわけであります。国家公務員で事務方の皆さんが働いておりまして、突如として非公務員化となるよと聞かされたときに、どのような御心情でしょうか。
 そういったことを考えたときに、こうして非公務員化を一方的、強権的に実施すれば、試験研究現場の職員の不安が高まり、職務上の士気にも影響が出てしまうばかりか、目先の個々の成果や評価を求める傾向が強まることで、短期的な評価が困難な基礎的、長期的研究がおろそかになってしまわないか危惧するという声が、現場から実際上がっております。
 このように、現場で実際に働いている職員との話し合いの機会を担保、保障しないままに非公務員化を実施するということについて、どのように考えていらっしゃるのか、また、このような現場の危機感に対して今後どのように対処するつもりなのか、大臣の見解を改めて求めたいと思います。
○中川国務大臣 今の仲野委員のお話を伺っていると、間違っていたら訂正いたしますけれども、親方日の丸という言葉を思い出してしまいましたが、やはり試験研究者というのは、それだけの野心的な意欲があって、さっきから申し上げているように、厚岸の水産試験場でやれることは世界一だ、あるいはまた、標津でしたか、さけ・ますふ化場は東洋一だ、そういう施設で誇りを持ってやっている皆さんが、さらにこの世界一の中で、民間との交流、国際的な交流をやっていくということが求められている。
 また、私は、意欲ある研究者はそれを求めているというふうに思いますので、もちろん現場の意見をよく聞くことは大事でありますけれども、それを踏まえた上で、さらにその意欲が、逆に、公務員のがちがちの世界にいることによって能力やあるいは仕事が制約されているという部分も私はあるのではないかというふうにも思いますので、どうぞ自由にやってください、そして成果を上げてください、日本のために、世界のためにという観点からこの問題に取り組んでいるわけでございますので、水産であろうが農業であろうが林業であろうが、日本が世界に貢献できる、また、日本がトップランナーとしてやっていける部分を生かしていけるような体制づくりのために、私は積極的な意味でこの法案に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○仲野委員 まず、私が一番大事なことと言えるのは、この見直しの過程において、大体法改正すべてがそうだと思うんですが、トップダウン、ボトムアップがなされていないような気がしてなりません。
 この見直しの過程において、査定書及び独立行政法人有識者会議による非公務員化、統合ありきの一方的な見直しが行われて、中期目標の達成度や成果、主務省の評価結果とは関係のない見直しが行われ、なおかつ、特定、非特定の基準が明確でなく、透明性や納得性がないこと、査定書、有識者会議の対応は主務省が行い、決定過程に当該法人やその団体職員が参画できない見直しシステムであることなど、この見直しの手法と結果に透明性、納得性を著しく欠いていることが問題でないのかな、私はそのように思っております。
 このことについて、副大臣、どのようにお考えでしょうか。
○宮腰副大臣 先ほどもお答え申し上げましたけれども、見直しの流れということで、まず、農林水産省におきまして、独立行政法人評価委員会の意見を踏まえて素案を決定いたしました。これが平成十六年八月末、それから、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会で主務官庁からヒアリングを実施いたしまして、あわせて、有識者会議の皆さん方の御意見もしっかりお聞きをいたしました。
 その中で、もちろん、八月末の見直し素案を提出する際にいろいろな御意見をいただいたわけであります。例えば、今の仲野先生の御指摘の非公務員化の問題でありますけれども、これにつきましては、もちろん両方の意見がありました。あるいは、昨年の検討で十九年から実施をするということに決まりました検査・検定三法人の検討におきましても、やはり両方の意見がございました。それから、総務省の評価委員会、この中では、すべての法人を非公務員化すべきであるといったような御意見があり、あるいは、検査・検定三法人の統合のほかに、林木育種センターと森林総合研究所の統合を進めるべきであるといったような御意見もいろいろあったわけであります。
 それらを踏まえまして、農林省におきまして、政府行政改革推進本部の議を経て見直し内容を決定し、そして今回法案化させていただいて提出をしているということで、時間もかけて慎重にいろいろと検討してきた結果、今回の法案提出に至っているということで、御理解いただきたいと思います。
○仲野委員 確かに、有識者の方たちから貴重な御意見をいただいて今回の法改正ということでありますが、やはり一番肝心なことは、そこで働いている方たちの声に実際に、やはり法改正、法整備に当たっては耳を傾けていく必要があるのではないのかな、そのように私は思っております。
 今回、この非公務員化に伴う中立性、公正性の確保について伺ってまいりたいと思うのですが、冒頭お話しした北水研が所属をしております水産総合研究センターにおいては、年間の漁獲量の上限を定めることによる資源を管理する漁獲可能量制度、いわゆるTACなどの実施に必要な水産資源の調査研究を行っております。漁業者の漁獲量決定の基礎となる水産資源の評価は、中立性、公正性が絶対に不可欠な前提条件、要素でございます。
 しかし、今回の法改正では、守秘義務及び罰則は科されるものの、兼業規制の緩和によって、ある企業や団体との間に特定で密接な関係が生じる可能性が出てくることを危惧する現場の声もまたあります。また、公務員は、身分の安定性を前提に中立性や公正な判断を保持しているとも考えられるわけであります。耐震偽装問題で明らかになったような、外部からの圧力に屈してしまう可能性については、厳格にこれを回避する必要があります。
 非公務員及び非公務員型独立行政法人において、どのような根拠で中立性や公正性を確保、担保していくのか、染審議官の御見解を求めたいと思います。
○染政府参考人 先生御指摘のように、非公務員化をいたしましても、独立行政法人の事務事業は中立性、公正性が強く求められるものであるというふうに認識しております。そのため、まずは、農林水産大臣が定めます中期目標に基づきまして、各独立行政法人が行います事業につきまして適切にやっていただくというのが重要ではないかというふうに考えております。
 それと、先生からも御指摘ありましたように、非公務員化後におきましても、業務上知り得た秘密を保持する義務を役所に課すというようなことを個別法に盛り込むということをやっておりますし、また、法人が行う業務の内容が公務に準ずる、公益性あるいは公共性の高いものでありますので、刑法等の罰則の適用につきまして公務員とみなす旨を、各法人の個別法に規定することとしております。
 さらに、兼業規定等の問題につきましては、これはそれぞれ、各独立行政法人の理事長が就業規則等に基づきまして定めるということになっておりますので、そういう中で、各独立行政法人の業務の実態に即して定めていただくということになろうかというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、このような方法によりまして、独立行政法人の中立性あるいは公正性の確保について適切に対処してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○仲野委員 この独立行政法人の業務運営の効率化がもたらす影響についてお伺いしたいと思うんですが、農林水産大臣が定める独立行政法人ごとの中期目標に、その業務運営の効率化に関する事項が設けられておりまして、人件費を除く運営費交付金等の一%抑制などの目標が掲げられております。
 北水研においては、独自の漁業調査船を用いての水産資源の調査研究が行われておりますが、水産業の持続的発展を可能にするための水産資源の調査研究という、基礎的で長期にわたる性格を持つ非常に重要な業務が、現在、経費の一律削減や燃油高騰の影響を受けて、調査期間の短縮を図らざるを得ない状況に陥っております。現場の研究者の方々からは、それぞれの業績も評価せずに一律に削減されるのは納得がいかないという声が上がっており、私はそれはもっともなことだと思いました。
 このように、最初に予算の削減ありきという現在の状況が基礎的、長期的な研究に及ぼしている影響について、副大臣はどのようにお考えになっているのか、御答弁を求めたいと思います。
○宮腰副大臣 独立行政法人の運営費交付金につきましては、第一期中期目標期間中その削減に努めてきたところでありますが、第二期中期目標期間におきましても、小さくて効率的な政府を目指すという方針に基づきまして、業務運営の効率化によりその削減に努めていくこととしております。
 このような中におきまして、試験研究独立行政法人におきましては、業務の集約化による効率化や資材の一括調達、さらには専門的知見を必要としない業務の適切なアウトソーシングの推進などの取り組みによりまして、経費の削減に取り組んできたところであります。
 また、研究開発につきましても、リスクが高く、長期間を要する基礎的、基盤的研究や食品の安全性確保のための研究など、国家的視野に立って実施するべき課題に重点化して、適切かつ効率的に推進したところであります。
 さらには、試験研究独立行政法人におきましては、研究開発の質の向上を図るべく、運営費交付金のほかに、競争的研究資金その他の外部資金の獲得に努めてきたところでありまして、今後とも、これら外部資金の獲得に積極的に取り組み、研究開発の質の向上に努めることが重要と考えております。
 なお、御参考まででありますけれども、水産総合研究センター、さけ・ます資源センター、この統合二法人の合計におきまして、これは予算額ベースでありますが、運営費交付金、これは平成十三年が百二十八億一千二百万円、平成十七年が百七十一億六千万円となっておりますし、また、競争的研究資金、その他の外部資金、これは受託収入、実績額でありますけれども、同じように平成十三年が四十六億二千九百万円、平成十六年が五十億五千九百万円というようなことになっておりまして、交付金、予算額でありますが、それから競争的資金などの外部資金、実績額、現実は両方とも伸びているというふうな数字になっております。
 以上でございます。
○仲野委員 先ほど大臣からも御答弁いただきました、研究したその成果が世界一であるということを目指す、私も本当にこれはごもっともなことだなと思っております。
 今、三位一体改革で、どこの予算も削減、削減、削減で非常に厳しい環境に置かれているわけであります。先日も、北水研で働いている方たちからお話を伺ったときに、いい研究をしたい、いい開発を目指すためには、いい研究を、地道な研究をしていかなければならない、そのためには、やはりこのたびの燃油高騰などがありまして、調査日数を減らしていかなければならない、そして調査船も老朽化してきている、こういった予算のない中で、果たしていい研究開発ができるんだろうか、どうなのかという大変切実な声を私いただいてまいりました。
 そういったことで、今後、例えば調査船なんかも老朽化した場合に、支障のない予算計上を、これは北海道に限らず全国のそういったところで、いろいろな調査船やら機械やら、調査する器具がたくさんあると思うんですが、更新するときに、もちろん農水省はぜひともやってあげたい、しかし、肝心の財務省の方でばっさりと切られてしまう、そういった懸念があるわけです。
 そこで、副大臣、やはり力強くそういった要望にこたえていけるのかどうなのか、単刀直入にお聞きしたいと思います。
○宮腰副大臣 耐用年数等々の問題がありますし、新たな求められる機能というものもあろうかと思いますが、それは、その時点において判断をさせていただきたいというふうに思います。
○仲野委員 これは、きょうは水産庁長官もいらっしゃっておりますので、長官にお尋ねしたいと思います。
○小林(芳)政府参考人 今副大臣からもお答えいたしましたように、いろいろな試験研究のベースになる調査船とか機材、それからいろいろな運営費用、これは非常に大事でありまして、その都度その都度ちゃんと我々は需要を見ながら、交付金という形で整理して財務省に要求しているということであります。
 その際には、全体としてやはり効率化を求めるのは確かですから、その中でできるだけ、個別の調査船とか機材をうまく効率的に使って、例えば耐用年数の中でうまく使うとか、それから、新しく再建、建造するときには、またいろいろな計画的な形で更新の時期を決めて、それでうまく分配してやっていくとか、そういった工夫はしておるわけです。
 ベースは、いずれにしても、試験研究機関の調査研究が行われなければこれは意味がありませんので、その辺のところはきちんと確保するという前提で、毎年毎年の状況を見ながら、的確に精査して、要求もしていきたいと思っております。
○仲野委員 データをとるのにやはり支障を来さないように、やはりこういった船でも老朽化してくると、沿岸、遠洋に行った場合に非常に私は今度危険度が増してくると思うんです。
 ですから、働いている方たちの安全、そしていいデータ研究をされるためには、やはり働いている現場の方たちの声をしっかり受けとめて、支障のないように予算計上を、お声が上がったときには、要望があったときには、こういった研究開発、私は予算はけちれないと思うんですよね。農林水産省で頑張っても、やはりお金を出す財務省が難色を示す、やっていられないという事務方のお気持ちもよくわかるんですけれども、ぜひそこはやはり力強く主張していただきたい、そのように思っているわけであります。
 この研究機関は、私はやはり地域に密着した研究機関の重要性があると思います。この独立行政法人の地方支部については、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会などにおいて統合を強く要求されていると聞いております。一方、自治体としての地元北海道においても、道立の研究機関について独立行政法人に移行する検討が始められております。
 しかし、例えば、地元釧路の水産関係団体においては、水産活魚の販売促進の取り組みが進められており、そのための活魚の取り扱い技術などを地元の道立水産試験場が開発しております。このような地域の課題に密着した組織であるからこそ、地元の水産業や行政との緊密な連携のもと、地域の振興に寄与できるものだと私は考えております。
 今後、国の独立行政法人の地方支部の統廃合や、とりわけ財政難を理由に、地域を支える都道府県立の水産試験場などの研究機関の独立行政法人化やその統廃合が過度に進展すれば、地域の実情に即した研究開発の実施が困難になることが強く懸念されております。
 これら地域に密着した研究機関が、地域の水産業の振興に果たす役割と、地域ごとの産業政策の展開にかかわる国及び地方自治体の試験研究機関の機能を維持する必要性について、中川大臣の見解を求めたいと思います。
○中川国務大臣 たしか、ことしから間もなくサンマを生きたまま東京等の大消費地に送る。これは地元の水産業界と研究機関が去年一生懸命研究をして、新鮮なといいましょうか、生きたままで、しかも鮮度の落ちないサンマを消費地に送る予定だというふうに聞いております。
 そういう意味で、サンマとかスケソウダラだとかサケ・マスは、やはり北海道、ほかの地域でやってもいいんですけれども、特に仲野委員の御地元のようなところでやっていただく。研究ですから、どこで何をやってもいいんです。ただ、成果を上げる、実績を残す、それによってその研究所なり研究員がさらにインセンティブを持って、そしてまたさっきの予算面も含めて、きちっと我々も評価して後押しをしたいというふうに考えております。
 必要以上に地方を切り捨てるなという御指摘はもっともでありますし、また、こういう財政状況あるいはこういう小泉内閣の方針でありますから、地方でできることは地方でと同時に、不必要なものまで何が何でも残すということも、これはやはり国民的なコンセンサスも得られないということで、その辺は適切に評価をしながら、とにかく、研究者、研究機関が日本一、世界一、釧路の研究所はこの分野で日本一、世界一というような、あるいは全国でそういう試験研究機関がどんどん切磋琢磨しながらいい成果が出るように国としても積極的に後押しをさせていただきたい、大いに釧路の水産も試験研究も頑張っていただきたいということを申し上げさせていただきたいと思います。
○仲野委員 それぞれの国としての研究機関の役割、都道府県としての研究機関の役割があると思います。ただいま大臣からは、国としても本当に後押しをしていきたいという御答弁をいただきました。私は、やはり地域に密着した研究機関は非常に重要であると思います。
 例えば、先ほど生きたサンマを出荷するということのお話もいただきました。さすが中川大臣、北海道の大臣であるな、こう言えば失礼かもしれませんけれども、非常に私はよく研さんされてさすがだなと思っているわけであります。そういった大臣だからこそ、私は、大臣が本当に農水大臣でいるときに、やはりいい農政、農林水産行政を先頭に立って目指していただきたいな、そのように思っているわけであります。
 ですから私は、やはり今回のこの独立行政法人の一部改正に当たって、今働いている方たちの声を代弁させていただきますと、身分が非公務員化、そしてまた、この都道府県の研究機関に働いている方たちが、もしかしたら、いずれは国と同じように身分が非公務員化になるのではないかと危惧されているわけであります。公務員として採用されて、公務員として地域の皆さん方の住民サービスにどうこたえていくかということで、研究機関の中で一生懸命いいものを開発する、いいものを研究していくということで、本当に日夜努力をされているわけであります。こういった国とそれぞれ都道府県の研究機関で働いている方たちが世界一を目指すためにチャレンジしていく、いい意味でそういった言葉を私は使わせていただきたいなと思っております。
 最後にもう一度、くどいようですけれども、大臣から世界一を目指すための再度の決意を聞いて、終わりたいと思います。
○中川国務大臣 日本は、技術、あるいはまたソフトウエアといいましょうか、そういうところで世界に勝ち抜いていかなければならないわけでありますから、そういう意味で、子供たちの教育から始まって、専門家の皆さんのそういう知的好奇心を満足できるような国家にしていく必要があるんだろうというふうに思います。それが日本が生きる道にもつながっていくというふうに思います。そういう意味で、釧路の水産、あるいはまた全国の農業であり、林業であり、水産業が発展していくためには、技術あるいはノウハウ、研究というものが極めて大事でございます。
 そういう意味で、小泉内閣としても、全体としてのこの問題に対する取り組みは極めて意欲の強いものがございますし、また個別には、限られた財源の中でありますから、まさに競争でありますから、農林水産の試験研究は極めて大事な部分が多々あると思いますので、先ほど副大臣からも答弁がありましたけれども、農林水産省一丸となって、日本あるいは世界に貢献できるような研究については大いに予算、人材、資材を含めて全力を挙げて獲得をして、成果を上げられるように努力していきたいというふうに思っております。
○仲野委員 最後に前向きな力強い御決意をお伺いしましたので、終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○稲葉委員長 次に、菅野哲雄君。
○菅野委員 社民党の菅野哲雄でございます。
 今、仲野委員の質疑を聞いていて、本当に、なぜ今統合や非公務員化なのか、これに改めて強く疑問を感じたところでございます。
 平成十三年に独立行政法人、特定独立行政法人としてスタートして、五年経過してきたわけでございますけれども、この五年の中で試験研究機関に何の問題があったのか。これまでの体制でどこに具体的な問題があったのか。そして、中期目標をつくって、五年間、そのことの実現に向かって試験研究を行ってきたというふうに思うんですが、この中期目標達成において何が欠けていたんですか。
 農林水産省としてこの五年間をどう総括なさっているのか、この点についてお聞きしたいというふうに思っております。
○染政府参考人 独立行政法人制度につきましては、独立行政法人通則法によりまして、中期目標期間の終了時に、当該法人の業務継続の必要性など組織及び業務の全般にわたる検討を行い、その結果に基づき所要の措置を講ずることとされているところであります。
 このような中で、例えば農業関係の試験研究独立行政法人につきましては、農業の構造改革の立ちおくれや多様化、高度化する消費者の、実需者のニーズへの対応など、我が国の農業が直面する課題に対しまして、これまで以上に迅速かつ的確に対応することが必要となっておりますことから、統合を決めたところでございます。
 一方、非公務員化をする独立行政法人は、もともと国の機関であったものを、平成十三年に独立行政法人制度が発足した際に国から分離して独立法人化したものでありますが、その当時は、独立行政法人という従来にない新しい制度についてきちんと国民に理解を得て対応すべき段階にあったこと、労働争議の発生により独立行政法人業務の停滞が国民生活または社会経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすおそれがあったこと、これらのことから公務員型の独立行政法人として発足したところであります。
 しかしながら、独立行政法人化後五年間を経まして、独立行政法人の制度に対する理解が国民に浸透いたしまして、役職員の身分が非公務員であっても独立行政法人が公的な仕事を行うことについての認識が形成されておりますこと、五年間、独法当局と職員の間に良好な労使関係を維持していること、またさらには、同じ試験研究を行う国立大学や経済産業省所管の独立行政法人産業技術総合研究所が非公務員化したこと、さらには独立行政法人の原則である非公務員化を行うべきとの指摘が外部からもなされたこと、これらに加えまして、民間企業との人事交流が容易になるなどの非公務員化のメリットについても検討した結果といたしまして、今回の業務の見直しにおきまして非公務員化することを決定したところでございます。
○菅野委員 今の答弁で触れていないんですが、この試験研究機関に何が、統合を果たさなければならなかった、外的要因じゃなくて、これまでずっと特殊法人でやってきて、独立行政法人として再スタートして五年間やってきたわけですね。今の答弁では、農業構造の変化に伴った体制ということですけれども、私はそんなものじゃないと思うんです。
 根本的な流れの中では、今日、行政改革のうねりというものが吹き荒れている中で進んでいる事態だというふうに私はとらえているんです。そして、総務省の評価委員会においては、最初に、統合できるものは統合していく、そしてすべての特殊法人を非公務員化していくんだという強い流れが示された中で進んできた事態だと言わなければならないと思うんです。
 そのときに、農林水産省として、試験研究機関がこうあるべきだという体制を、農林水産省の評価委員会としても、総務省評価委員会と意見交換する中では、現状で十分対応はとれるんだ、非公務員化などという方向性は私どもは持っていないんだという当初の出発点が農林省の評価委員会の出発点じゃなかったんですか。そして、この統合や非公務員化を進めていく場合においては、一方的な押しつけではなくて十分なコミュニケーションをとっていくべきだという方針もこの過程の中ではあったわけですね。
 これらの今日まで進んできた経過についてどうとらえているんですか。農林水産省としてどうとらえているんですか。お聞きしておきたいと思います。
○染政府参考人 農林水産省の試験研究機関は極めて公共性、公益性の高いものをやっておるということだと我々は考えております。また、そのためには独立行政法人制度という仕組みが大変適したものであろうというふうに思っております。
 ただ、一方で、試験研究を活性化していくということを考えますと、当然、試験研究をやる過程におきまして、例えば民間との人事交流が必要である、あるいは、場合によったら兼業規制なんかも緩和いたしまして、研究者の方が自由に新しいことに携わることができるようなことをする、そういうようなメリットも与えながら試験研究の活性を図っていくというのが極めて重要であろうというふうに考えております。そういう意味で、今回は、まず一つは、独立行政法人の中でも非公務員型の独立行政法人を選択したということでございます。
 また、統合につきましても、これも先ほどのちょっと繰り返しになって恐縮でございますが、我が国農業が極めて厳しい状況にある中で、消費者ニーズあるいは国際競争力の確保、これらに対応する必要があろうということでございますので、それをいかに効率的にやっていくのかということを考えますと、現在ある農林水産省関係の試験研究機関をある程度統合することによって、それが効率的かつ効果的な試験研究の推進につながるというふうなことを判断いたしまして、今回の統合、また非公務員化を決めたということでございます。
○菅野委員 農林水産省の評価委員会と、それから総務省の評価委員会の中で、どのような議論がなされて今日までになったのかという問いを私はしています。そして、農林水産省の評価委員会の中では、先ほど、副大臣はいないんですが、副大臣の答弁では、この統合や非公務員化に向けて両論があったんだ、賛成意見や反対意見があったんだと。そこを、どのような議論の中で今日の経過をたどったのか、ここをお聞きしておきたいというふうに思います。
○染政府参考人 農林水産省の独立行政法人の評価委員会あるいは総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会での経緯は、先ほど副大臣が申し上げたとおりでございます。当然その議論の内容は、極めて多様な議論があったわけでございます。
 農林水産省の評価委員会におきましては、具体的にどのような法人をどういうふうに統合すべきであるとか、そういう議論まではなかなか、結果としては十分なされておらなかったというふうな点もございますし、非公務員化につきましても、両論併記的なものがあったというのが一番最初の八月の段階での議論でございました。ただ、その後、総務省の政策評価・独立行政法人委員会等におきましては、農林水産省からのヒアリング等も踏まえながら、独立行政法人の統合あるいは非公務員化を図るというような方向性が打ち出されてきたわけでございます。
 さらに、我々といたしましては、その段階におきまして、もう一度農林水産省の独立行政法人評価委員会にお諮りいたしまして、そういうふうな方向づけについて再度いろいろ御意見を賜ったというふうな中で、その辺のことをすべて総合的に判断した結果といたしまして、現在の結論が出ておるというふうに理解しております。
○菅野委員 私は、独立行政法人を立ち上げるときもかなり議論をいたしてまいりました。非公務員か公務員であるべきか、その議論も当時は徹底して行ったという記憶がございます。
 それで、独立行政法人になったときに、国家公務員の法定定員制度の対象外ということになったわけですね。そして、今度非公務員化になった場合はどう違うのかというと、独立行政法人の場合は毎年国会に常勤職員数を報告するという義務が課せられていたんですけれども、今度非公務員化になった場合は国会に報告する義務はなくなった。この違いが生じました。
 そうしたときに、どうしてもわからないんですが、今後五年間で五%の人員削減という方針が出されているんですけれども、この独立行政法人化に向かっての重要方針の中では五%の人件費削減という方針になっているわけですけれども、重要方針ですから、これは一律に非公務員化になった独立行政法人にも適用になるのかならないのかというのは、これは大きな問題点だと私はとらえているんですが、この件についてどう考えておられるのか、答弁願いたいと思います。
○染政府参考人 昨年末に閣議決定されました行政改革の重要方針におきまして、総人件費改革の観点から、これは、独立行政法人につきましても、今後五年間で五%の人件費の削減を行うことを基本とするというふうにされておるところでございます。
○菅野委員 独立行政法人の性格は、国の事前の関与、統制を制限し、みずからの判断により、効率的かつ効果的な組織編成、人員配置及び役職員の給与等への業績の反映等を行うことができるということで、独立行政法人化にしていったわけです。だから、国の事前の関与、統制を制限しという大きな目的があるにもかかわらず、この閣議決定においては、重要方針として、今後五年で五%の人件費削減方針というのが貫かれています。
 この矛盾点はどう説明するんですか。私は、特定独立行政法人だったらわかります。しかし、今回、非公務員化して特定というのが取れて、完全に独立行政法人化していく。ある意味では、民間の機関として位置づけたんです。そこにどうして国が関与できるのかということを答弁願いたいと思います。
○染政府参考人 先ほどからお話が出ておりますように、独立行政法人の運営費交付金につきましては、第一期の中期目標におきましても人件費を含めて削減を図ることとされておりまして、そういう方向でやってきたわけであります。また、第二期の中期目標期間におきましても、小さな効率的な政府を目指すという方針に基づきまして、業務の効率化によりその削減を図るということになっておるわけであります。
 ただ一方、独立行政法人の職員の身分の非公務員化に当たりましては、農林水産省におきましては、職員の雇用と労働条件の確保に配慮する旨の大臣名によります談話を発表しているところでございます。そういうことでございますので、各法人におきましても、理事長と職員との間で、今後の労使関係のあり方につきまして、逐次話し合いが進められてきたところであると考えております。
 非公務員化後におきましても、労使間の協議を重ねることによりまして、引き続き労使間の良好な関係を維持していくことは重要であろうというふうに考えている次第でございます。
○菅野委員 先ほどの仲野委員とのやりとりも含めて聞いておりました。現場段階にどれだけ丁寧な話がなされていて非公務員化の道をとったのか、そこにおいては疑問を挟まざるを得ないというふうに思っています。そういう意味で、現場段階に混乱が起こらないように、身分と雇用条件は守るんだということで大臣談話を発表しなければならないという状況があったというふうに思うんです。しかし、一方では五年間で五%の人件費削減という重要方針が存在するんですね。こことの整合性をどうとっていこうとしているんですか。独立行政法人として、独立した機関に対して押しつけていくんですか、五%削減というのを。ここは農水省として、明確にしていただきたいと思うんです。
 そして、この非公務員化によって労働組合法が適用になる職場になりました。何が違うか。特定独立行政法人のときも労働協約は結んでおります。この労働協約が完全に守られないときは、労働組合法ですから争議権が発生します。一律に五年で五%削減という義務を課せられたら、その現場で働いている人たちは、五%賃金削減ということをこの法人の理事長に言われたら、みんな争議行為に走るんじゃないでしょうか。ここをどう考えておられるのかという質問なんです。答弁願いたいと思います。
○染政府参考人 繰り返しになって恐縮でございますが、昨年末に決定されました行政改革の重要方針、これにつきましては、独立行政法人、これは公務員型であろうが非公務員型であろうが、一律にそれを適用され、努力すべき目標であろうというふうに考えております。
 そういう中で、各独立行政法人におきましては、非公務員型の独立行政法人は特に、いわゆる労使の協議によりまして労働条件等を決定していくということになるわけでございますので、大きなこの重要方針の枠の中で、いかに工夫をしながら、労使の協調を保ちながら、人件費等についてきちっとおさまるようにやっていくのかというのが重要ではないのかというふうに考えております。
○菅野委員 今回の独立行政法人というのは、本当に大きな組織じゃないんですよね。本当に、ぎりぎりの体制で試験研究を行ってきている組織だというふうに私は思うんです。
 大臣、一方では、今度の独立行政法人の法案提出に当たって身分と雇用条件は守ると言いながら、一方では五年間で五%の削減という方針が存在します。このことにどのように対処なさっていかれるのか。
 私は、この独立行政法人の独自性、独立性というものを考えたときに、この重要方針の五年で五%削減という方針は、その機関の自主性にゆだねるべきだと。行政改革というのは、本当にみずからが、不断、絶えることなく行っていくことだというふうに思っておりますし、これまでも行政改革を、私は、そのところところにおいて真剣になって行ってきているというふうに思いますけれども、大臣の考え方をお聞きしておきたいと思います。
○中川国務大臣 まず、五%削減、これは時間をかけてやっていくわけでありますけれども、いわゆる生首は切らない、これはもう大原則としてあるわけでございます。他方、試験研究機関として、独立行政法人がこれからいい成果をぜひ出していただきたい。
 今ある新聞で、「私の履歴書」で、有名な免疫学者の先生のをやっておりますけれども、アメリカなんかではもうしょっちゅう、研究機関、大学をかわっていく、よりよいポジションを求めていく、よりよい研究環境を求めていく。私は、そういうダイナミズムもある程度必要だろうと。
 もちろん生首は切りませんけれども、しかし、終身雇用で身分を保障しますといっていて、本当に意欲ある研究者としてそれでいいのかなという気持ちも一方では、多少私は持っているわけであります。何といっても、前人未踏のことをやろうという人たちでありますから、私は、チャレンジ精神、あるいはリスクも覚悟してやっていくということが必要だと思います。そういう意味で、その両方をうまく兼ね備えた形が今回の制度改正であり、統合と独立行政法人、あるいはまた非公務員型の身分ということになっていったんだろうと思います。
 いきなり首を切る、生活に困るということはいたしませんけれども、ぜひ研究機関の皆さん方はチャレンジ精神を持って、研究者としてやっていく以上は、やはり成果を出すために大いに頑張ってもらう。頑張ってもらったら、そのときにはきちっとそれに対応するという形が、一般の事務的な仕事とは違うこの試験研究機関の特色だろう、その特色を大いに生かせるようにしていこうというふうに考えるのがこの改革の基本的な方向性だというふうに私は考えております。
○菅野委員 意見の分かれるところでございますけれども、国の関与、事前の関与や統制を制限しという、独立行政法人としての、これまでの進んできた経緯というものを私はしっかりと大事にしていただきたいというふうに申し上げて、質問を終わります。
○稲葉委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○稲葉委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。黄川田徹君。
○黄川田委員 私は、民主党・無所属クラブを代表して、独立行政法人に係る改革を推進するための農林水産省関係法律の整備に関する法律案について、反対の立場から討論させていただきます。
 まずもって、今回の対象法人は、設立後初めて中期目標の見直しを迎えたものですが、職員の身分に過度に焦点が当たり、本来の適切な事業執行という観点からの見直しが欠落していると言えます。すなわち、政府の監督が十分に機能していないと言わざるを得ません。
 独立行政法人化により、政府の監督を離れ、また、市場の評価の対象にもならない以上、その事業の妥当性、効率性をチェックするためには、情報公開、第三者による評価が不可欠であると言えます。しかしながら、現在の独立行政法人は、情報公開が十分ではなく、また、評価も内輪の評価にとどまっています。これでは独立行政法人が行う事業を適正に評価することはできず、ひいては、本来独立行政法人制度に期待されていた効果を発揮することもできません。政府は、見かけ上の公務員数削減に固執することなく、事業そのもののあり方を検討すべきであり、まずは、その第一歩として、独立行政法人の情報公開、第三者評価のあり方を根本的に見直すべきではないでしょうか。
 議題となっている法律案は、そのほとんどが、独立行政法人の職員の身分を公務員から非公務員に変更することを内容としています。法案には、非公務員化する一方で、国が交付する運営費交付金が増額されるなど、矛盾するものも多く含まれています。非公務員化するのであれば、国の関与、運営費交付金を減じ、さらには、民営化等を検討すべきではないでしょうか。一方、国の関与等を強化する必要がある事業であれば、国の機関とし、国会の監視下に置くべきであると考えます。事業の性格に応じて組織のあり方や職員の身分を定めるという基本的な検討が欠落しているため、設立後わずか数年で職員身分の変更を提案するというお粗末な結果になっているのであります。
 独立行政法人の職員の身分を単に非公務員化するだけの政府提案は、天下り隠しの非公務員化のそしりを免れません。民主党は〇三年に独法職員の天下り規制法案を提出しておりますが、この天下り規制に加え、独法の長の公募、一般競争入札義務化など、独法の性格を抜本的に改める環境整備が必要であると言えます。
 民主党としては、独立行政法人のあり方について根本的な検討を行い、今後も具体的な提案をしていきたいと考えておりますことを最後に申し上げ、反対の討論といたします。
 以上であります。(拍手)
○稲葉委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○稲葉委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、独立行政法人に係る改革を推進するための農林水産省関係法律の整備に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○稲葉委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○稲葉委員長 次に、農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、米国産牛肉輸入問題に係る米国側報告書に関して政府から説明を聴取いたします。農林水産大臣中川昭一君。
○中川国務大臣 米国産牛肉輸入問題につきましては、二月二十七日に開催されました本委員会におきまして御報告させていただいたところでありますが、二月十七日に米国農務省から提出された報告書については、その精査を終了し、国民にも理解を深めていただくため、三月三日に和訳の公表を行ったところでございます。
 前回も申し上げましたように、この報告書の結論において、米国農務省は、今回の事案は、輸出業者と農務省職員が日本に輸出できる製品の範囲を理解していなかったため発生したものであり、また、米国産牛肉の輸入再開後唯一の子牛肉の輸出によるものであり、異例なものであるとしております。そして、これらの調査を受けて、米国農務省においては、検査官等への研修の強化や関係部局間の連携強化など、再発防止のための措置を実施するとしております。
 この報告書に対して、我が国としては、今回の事案について徹底した原因の究明を行い、再発防止のための改善措置を講ずるため、米国農務省が行った施設の認定に問題はなかったか、本件の施設において問題が見過ごされた原因の検証が適切か、米国農務省の検査が適正に行われていたか、再発防止のための改善措置が適切かといった観点から、三月六日に米国に対して照会を行ったところであります。
 この照会に対し、三月十日のロンドンにおけるジョハンズ農務長官との会談の際、先方から、今週中にも回答を行いたいとの発言があり、私からは、その回答を待って対応を検討したい旨、応答したところであります。
 また、三月十三日に、米国で三頭目のBSE感染牛が確認されたところであります。これまでの情報では、この牛は飼料規制以前に生まれた高齢牛とのことですが、引き続き情報収集を行ってまいりたいと存じます。
 なお、米国の大手食肉業者の施設から香港向けに輸出された牛肉に、対象外とされている骨が混入していたことから、香港政府が三月十一日に当該施設からの輸入を停止したところでありますが、この詳細につきましても、現在情報収集を行っているところであります。
 いずれにいたしましても、米国産牛肉問題につきましては、報告書についての照会に対する米国側の回答を踏まえ、今後、関係省とも十分連携して、国民の食の安全、安心の確保を大前提に適切に対応してまいりたいと考えております。
○稲葉委員長 以上で説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○稲葉委員長 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房総括審議官佐藤正典君、大臣官房技術総括審議官染英昭君、大臣官房審議官吉田岳志君、消費・安全局長中川坦君、生産局長西川孝一君、経営局長井出道雄君、農村振興局長山田修路君、林野庁長官川村秀三郎君、水産庁長官小林芳雄君、財務省主計局次長勝栄二郎君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長高原一郎君、環境省地球環境局長小林光君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○稲葉委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐々木隆博君。
○佐々木(隆)委員 前回、二月二十七日に論議をさせていただきました経営安定対策について引き続き論議をさせていただきたいというふうに思います。
 先日、日曜日の朝の番組に大臣が出演をしておられまして、食について大変情熱を込めて語っておられたのを拝見させていただきました。後ほどその食についても少し議論をさせていただきたいというふうに思ってございます。
 最初に、前回の品目横断的経営安定対策について確認をさせていただきたいというふうに思うんですが、品目横断の対策のところで対象者についてお尋ねをいたしましたが、大臣は、やる気と能力のある者に集中するというふうに答えられたわけでありますが、現在、我が国の販売農家の戸数は約百九十五万三千戸というふうに言われております。そのうちの主業農家の戸数は約四十二万八千戸というふうに言われておりまして、いわゆる販売農家のうちの主業農家と言われる人たちは二二%程度であります。
 つまり、対象者を主業農家に絞るというふうにはまだ言っているわけではありませんけれども、担い手に絞るということになるわけでありまして、結局、主業農家プラスアルファぐらいな数字だとしても、極めて限定される数になってしまうのではないかということを私は大変危惧をいたしているわけであります。
 結局、そのことは、かなり多くの農民、農家が生産を続けられなくなってしまうことになるのではないか、この新しい対策を、構造改革を加速化するというふうに政府は言っているわけでありますけれども、加速化どころか、大半がこの対象から外れるということは、減速化になってしまうという危惧を抱くわけでありますが、このことについて、まず、大臣の御見解、認識を伺いたいと思います。
○中川国務大臣 今回の改革は、もちろん国際的な競争ということもあるでしょう、これも含めまして、消費者が求める農産物を安定的に供給をしていくという、ある意味では当たり前の、しかし、これが今までともすれば欠けていた部分について、よりそちらの方向に持っていきたい、それがやる気と能力のある農家の育成だということであります。
 つまり、我々北海道のように、専業地帯だけではなくて、いいものをつくって高収益を与えている農家にも光を与えているわけでありますし、今、百九十三万戸、それから二十二万戸ですか、という御指摘がありましたが、認定農家だけではなくて、いわゆる集落営農という形で何十戸という単位でやって、まとまっていけば、一戸一戸は該当しないにしても、集落として認定されれば、それが多くの、そちらの方の農家に入っていくわけでございますから、今からどのぐらいになるかということははっきりとは明示できませんけれども、そういう観点で、文字どおり、やる気と能力、あるいはプロ、あるいは認定、いろいろな言葉が当てはまると思いますけれども、とにかく、消費者あっての日本の農業であるという前提で、それにこたえられるような経営体、経済活動ですから、それにこたえられるよう、農業の皆さんにさらに頑張っていただこうというのが今回の趣旨でございます。
○佐々木(隆)委員 今大臣から、担い手と言われる方がどのぐらいになるかということについては、まだ今の段階でわからないと。それはそうだと思うんですが、集団や法人で救えるという話もあったわけでありますが、私は、日本の農業というのはやはり家族経営を中心に考えるべきだというふうに思っておりますので、その点については、この次の質問に関連しますので、そこでもう一度お話を伺いたいというふうに思います。
 結局、この前の品目横断のところを中心に話をさせていただいたわけでありますが、資源、環境対策というのが、車の両輪というふうに言われてもう一つあるわけであります。品目横断対策は、今大臣がおっしゃられたように、確かに産業対策、産業政策だというふうに思うんですが、もう一つの農地・水・環境保全向上対策というのは、地域政策というふうにここにも書いてあるわけでありますが、地域政策というふうに表現をしているわけであります。
 そういうことからすれば、一つは産業政策として担い手を中心に考える、もう一つは地域政策として農村全体のことを考えていくということになるというふうに思うんですが、そういったことに踏み込んだということは私は大変評価をしているわけでありますが、その分だけ、地域対策、地域政策の意味合いというのは非常に大きいというふうに思います。
 そこで、品目横断と農地・水・環境保全向上対策、車の両輪というふうに言われているわけでありますが、この対策の全体の考え方というものを明らかにしてください。
○山田政府参考人 ただいま農地・水・環境保全向上対策について御質問がありました。
 農業の持続的発展と多面的機能の健全な発揮を図るために、効率的かつ安定的な農業構造の確立とあわせまして、先生お話ありました農地、水、環境の保全と質的向上を図るとともに、農業が本来有する自然循環機能を維持増進するということが必要であると認識しております。
 こういった観点から、この農地・水・環境保全向上対策は、こうした状況に対応するための施策ということでございますが、二つの内容を有しております。
 一つ目といたしまして、地域ぐるみで、農地、農業用水等の適切な保全とあわせて施設の長寿命化や環境の保全にも取り組む共同活動、これが一つ目でございます。それから二つ目として、地域の中でまとまって化学肥料や化学合成農薬の使用を原則五割以上低減する先進的な営農活動、この二つでございます。
 この二つをともに協定に位置づけて、多様な主体の参画を得て、これらを総合的、一体的に実施する活動に支援する、こういう考え方でございます。
○佐々木(隆)委員 この地域振興政策は、今局長からお答えがありましたけれども、共同活動の支援と、そして特に減農薬などに取り組んだ人たちへの支援という二重構造になっているというお話があったんですが、結局、共同活動の方をやった上で、さらにそうした取り組みをした人に二階建てとして支給される、なぜそういう複雑な構造にしたのかということについて、もう一度お願いをいたします。
○西川政府参考人 地域営農活動に対する支援についてのお尋ねでございますけれども、化学肥料、化学合成農薬の使用の大幅な低減など、地域の環境保全に向けた先進的な営農活動を効果的にかつ安定的に進めるためには、農地周辺の環境についても、適切に保全され、病害虫や雑草の発生しにくい環境が維持されていることなどが必要であると考えております。
 このほか、地域の環境保全を効果的に進める観点からは、農村地域の環境資源でもございます水路やため池などを保全向上させる取り組みと一体的に実施することが重要であるというふうに考えているところでございます。
 こういったことから、営農活動への支援については、より効果的な施策とする観点から、水路、農道、ため池などの資源を保全向上する共同活動に対する支援と一体的に実施するということにしたところでございます。
○佐々木(隆)委員 そもそも、基本法で言うところの多面的機能の発揮だとか農業生産基盤の整備というのは、これは地域政策というふうに言えると思うんですけれども、自然循環機能の維持増進というところは、いわゆる有機農業のようなものを指しているんだというふうに思うんですが、そうしたものは、どちらかというと農業生産を通じて達成されるものだというふうに思うんですね。
 ですから、ここは、地域政策として取り組まれた水、環境対策の中に、二階建ての部分だけが、なぜか営農活動の部分がそこに入ってくるというのは、これは、デカップリング政策としてやっていく政策としては、本来、別々の政策として組み立てられるべきものではないかというふうに私は思っております。
 ちょっと事例を申し上げたいというふうに思うんですが、滋賀県では、環境農業直接支払いというのとそれから農村環境直接支払い、これは別立てで県が実施しているんですが、そういうことをやっております。それから、減農薬運動で結構先進的な取り組みをされております福岡県ですけれども、ここでは、直接支払いの基準となる生き物の指標づくりというものに取り組んでいるというようなことを伺っているわけであります。
 本来、一つの政策になじまないというふうに私は思うんですが、これを別々の政策として組み立てるべきというふうに考えるんですが、大臣の見解をお伺いいたします。
○中川国務大臣 考え方だろうと思うんですけれども、個々の営農活動と水管理あるいは道路その他は全く別かといえば、それは密接に関連しているわけでありますし、これからいいものをつくっていこうということになりますと、もう常に消費者とのいい意味の緊張関係みたいなものも大事になってくるわけでございます。
 そういう意味で、営農活動への支援というものも、やはり地域振興という観点から、面的な部分として考えなければいけないというふうに考えておりまして、当然、農地、水、環境、あるいはまたその中の肥料、化学肥料を少なくするとか、そういったものも含めて、やはりこれは地域振興策として実施した方がより効果があるというふうに理解をして、位置づけをしたところでございます。
○佐々木(隆)委員 今度の制度は新しくスタートをするわけですから、なかなか理解しづらいというところもたくさんあるのは私も承知をしておりますが、営農活動という名前がついているぐらい、これは、営農にかかわっている部分と地域政策と言われている政策というのは、本来明確に分けるべきだと思うんですよね。その方が、農家の皆さん方にとっても非常にわかりやすい。
 わかりやすい制度にしていくということから考えても、あるいはまた、営農活動で、例えばさっき紹介したような有機農業的な農業に取り組んでおられるという方は、どちらかというと主業農家の中でもかなり先進的な人たちだというふうに思うんです。だとすれば、私は、むしろ産業活動の方で見た方がいいのではないかというふうに思いますが、そこはまた、もう少しこの先の論議をさせていただきたいというふうに思います。
 この対策の一階部分というふうに言われている地域対策、地域の共同活動の方でありますが、対象者は、もちろん農業者だけではなくて地域の住民も含んだ多様な主体ということで参画する組織というふうにされているわけでありますが、地域の全農家あるいは住民、農村全体、こうしたものがこの対策を通じて活性化するというためにはそれなりの予算措置がなければならないというふうに思うんです。
 同時にまた、この分野に関しては地方公共団体に対して国と同額の助成金を求めているわけであります。国は、政府としては車の両輪だと言って打ち出した政策でありながら、地方に半分の負担を求めているということでは、国が政策を打ち出したという責任からして、私はおかしいのではないかというふうに思うんですが、全体の予算についての考え方など、あわせてお伺いを申し上げます。
○山田政府参考人 お答えいたします。
 農地・水・環境保全向上対策の予算措置の関係でございますが、この対策につきましては、先ほどお話ししましたように、農業の持続的発展や多面的機能の発揮を図るということを目的としておりますが、先生お話がありましたように、農村地域の活性化にも資するものというふうに考えております。
 十九年度から本格的に導入をするということにしておりますが、十八年度に全国約六百地区で実際に活動組織を立ち上げてモデル的な支援を行うということで、施策の実効性を検証し、支援規模を含みます本対策の具体的内容の検討について、今申し上げましたモデル的な支援の状況を反映させるとともに、都道府県を初めとする関係者と今後の施策のあり方について議論を進めているというような状況でございます。
 それから、地方負担についてのお尋ねがございましたけれども、この取り組みは、国、地方、農業者のそれぞれが利益を受けるものであると考えております。それぞれが適切に負担をするということが適当であると考えておりまして、このため、支援の要件等について、地方の自主性が尊重される枠組みを検討するなどの措置を講ずることによりまして、地方の応分の負担についても理解が得られるよう努めていきたいというふうに考えております。
○佐々木(隆)委員 もちろん理解を得られなければこの政策は進まないわけですし、その六百のモデルからことしはスタートするということで、私の住んでいる地域でも一カ所指定をされるというふうなうわさも聞いてございますので、よく私自身も研究をさせていただきたいというふうに思ってございます。
 ただ、もう一つ、経産省、大臣がもとおられたところでありますが、経産省でも今、まちづくり三法というのが出ていまして、その中の中心市街地活性化法というのが見直しをされようとしています。この中心市街地活性化法をなぜ見直さなきゃいけなくなったのかというと、それは、商業者あるいは商工業者が中心でやっていた中心市街地の協議会だったのを、それだけではまちづくりにはならないということで、地域の人にずっと広げていったわけですよね。それが今回の大きな目的だと思うんです。それと同じように、地域政策というものは、国がそういう方針を打ち出したときには、国がそれなりの責任を持って打ち出していかなければならないものではないかというふうに思いますので、ぜひ検討いただきたいというふうに思います。
 そこで、これは、昨年の十一月十八日付の全国農業新聞という新聞があります。農業委員会の組織、農業の組織が出している新聞でありますが、この新聞によりますと、品目横断の経営対策は約千七百億から千八百億ぐらいではないかと。これは政府が発表しているわけではありませんから、多少推測をした記事だというふうには思います。それから、資源対策と環境対策を合わせて三百億から四百億ぐらいではないかというふうにこの新聞は報じています。千七百億から千八百億というのは、今まで政府がやっていた財政負担の額を合わせると大体そのぐらいになるわけですので、そこに根拠を求めたのではないかというふうに思います。
 極めて単純に計算をさせていただきますが、資源、環境対策が四百億だとして、総農家戸数、これは販売農家じゃなくて地域に住んでいる人たちということになりますから、全農家ということになる、総農家ということになると思うんですが、二百八十三万八千戸、単純に割り返しました。単純に割り返すと、一戸平均一万四千円。品目横断の方、千八百億円、これを主業農家四十二万八千戸で、これも単純に割り返しますと、一戸平均四十二万円。主業農家の方は、四十二万戸の方は、品目横断とプラス環境対策と両方になりますから、四十三万四千円ということに、単純計算ですけれども、なります。実際には、畑作が今回中心ですから、もう少し農家は絞られるし、また、面積で支払われるわけですから、こういう単純な計算にはいかないというふうに思いますが。
 車の両輪というふうに言っているわけでありますが、片方の車がこんなに小さくて、片方の車が、これは大きい方が悪いと言っているんじゃないんです、片方、この環境対策の方が余りにも小さ過ぎるのではないか、対象農家は大きいわけですから。車の両輪というのは同じ大きさでないと前へ進んでいかないわけで、大きさの全く違う車を車の両輪として前へ進めようとしても、それは前へ進んでいかないのではないかというふうに私は思うわけであります。
 この環境対策というものに踏み出したことは、私は大変評価をしているんですが、もう少しというか、この四百億というのは決まった額ではありませんが、ここに向けてどういう決意で取り組まれるのか、大臣の御決意を伺いたいと思います。
○中川国務大臣 まず、今佐々木委員からも御指摘がありましたように、千七百とか四百というのは、あくまでも一専門新聞の試算でありますから、それを前提に議論をすることは控えたいと思いますが、品目横断と環境対策、文字どおり車の両輪であって、定性的な意味で輪の大きさが違ったら、それは車は真っすぐ前に進んでいかないわけでありまして、下手をするととまってしまうということになりますから。そういう意味で、定性的な意味で重要な柱であり、どちらも大事である、どちらも同じような意味で大事であるということで車の両輪というふうに御理解いただければありがたいというふうに理解しております。
○佐々木(隆)委員 別に計数のところでとやかくということを申し上げたいわけではありませんけれども、一番最初に経営安定対策のところでも大臣と議論させていただいたんですが、要するに、品目横断の方の対象農家が、結局これは産業対策ですから、僕はある程度は仕方ないと思うんです。ある程度は仕方ないと思うんですが、産業対策としてかなりの部分の人たちに絞り込まれていく、農家全体の中で。そして、もう一つの方の対策は、これは全農家でやっていただくわけですから、これはこれでいいんですが、結局、今の農家全体のどのぐらいの人たちがここの対策で救えるのかということが非常に問題だと思うんですね。
 いわゆる担い手というところから外れた人たち、いわゆる品目横断の対象から外れた人たちというのは、今までは価格対策の中で、ある意味、奨励金とか助成金とか、さっき言った政府が投入していたいろいろなものの中で品目ごとに救われていたんですが、今度はそれは全部なくなるわけですね、今度の対策では品目ごとの対策というのはなくなるわけですから。結果として、この対策から外れた方々というものは、環境対策の部分しかないわけであります。
 その意味で、この環境対策というのはもっと重厚にしていかないと、日本の国土を守っていく、あるいは耕地面積を守っていくという意味で非常に私は危惧を持っておりますので、このことは、仮の数字ですけれども、あえてその話をさせていただいたということでありますので、ぜひ一層の御検討をいただきたいというふうに思ってございます。
 次に、食育についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
 現在、食育基本法というのが検討されておりまして、三月には正式決定するというふうに言われております。栄養教諭の拡大あるいはまた地産地消の推進、食品リサイクルなどが検討されているというふうに聞いているわけでありますが、これは今後この基本計画の中でどのように推進していこうとしているのか、まず、計画全体の方向性。それと、一府三省でやられているというふうに聞いておりますが、いわゆる食材を提供する省庁として、農水省の取り組みについて、あわせてお伺いをいたします。
○中川政府参考人 食育推進基本計画でございますけれども、これは今先生おっしゃいましたように、食育の推進に関します施策を総合的かつ計画的に進めるために、今月末をめどに決定をするということで、今準備をしているところでございます。
 まず、具体的な基本計画の内容でございますが、大きくは四つの柱から成ってございます。
 まず、この計画は平成十八年度から二十二年度までの五年間が対象でございますけれども、その第一の柱としまして、国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成に資することを目指して施策を講じていくということで、食育の推進に関する施策についての基本的な方針というものが示されることになっております。
 それから、二つ目の柱としまして、目標に関する事項というのがございますけれども、食事バランスガイドなどを参考に食生活を送っている国民の割合の増加というふうに一定の数値目標を掲げまして、国民運動として食育を推進するにふさわしい定量的な目標値、これが九つございますけれども、こういったものが設定されることになっております。
 それから、三番目としまして、食育の総合的な推進に関する事項でございますけれども、生産者と消費者の交流の促進のための施策など、七項目の柱が立ってございますが、必要な施策を具体的に記述がされております。
 それから最後に、四番目としまして、食育の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項、具体的には、都道府県などによります推進計画の策定あるいはこれに基づきます施策を促進することなどが、具体的な方向性として盛り込まれることになってございます。
 これが具体的な食育推進基本計画の概要でございます。
 二点目としまして、お尋ねがございました、農林水産省としてその中でどういうことをするのかという点でございます。
 この食育推進基本計画におきましては、関係府省が連携をしまして、家庭ですとか学校ですとかあるいは地域において、食育を総合的に、また計画的に推進することとされておりますけれども、農林水産省におきましては、食の生産の現場から消費に至るまでの各段階におきまして食育の取り組みを進めていきたいというふうに思っております。
 具体的な例で申し上げますと、一つは、日本の気候風土に適した米を中心に多様な副食から構成をされておりますいわゆる日本型食生活、これをより一層実践するためにいろいろな取り組みをしていきたいと思っておりますし、また、二つ目としまして、都市住民の方と農林漁業者の方との交流の促進ですとか、あるいは、子供を中心として、食に対する関心と理解を深めるために、農林漁業の体験活動を一層促進したいというようなこともございます。
 それから、学校給食におきましては、地場農産物の活用の推進など地産地消の推進、それから我が国の伝統ある食文化や地域の郷土料理などの情報発信、こういったものが農林水産省として特に食育の推進の中で力を入れていくべき項目ではなかろうかというふうに思っております。
○佐々木(隆)委員 農林水産省のホームページに「「いただきます」が言えた日」という、あれは何というんでしょうか、絵本というのか、そういうのがありますね。
 あれも私見せていただいたんですが、いま一つリアリティーがないんですよね。それは、主人公は卓也君といいましたか、結局、異次元の世界に行って、そして、しかも食料危機が来るとか洪水が来るとか、こういう話でありがたいという気持ちになったと。あれを見て子供たちが本当にそう思うのかなと、極めてバーチャルな世界のようなイメージを私は持ってしまったんですね。私は子供の気持ちになり切れませんので、ここはわかりませんけれども、どうもリアリティーに欠けるのではないかというふうに思いました。
 実は、これはある小学校で本当にあったと言われている話なんですが、参観日の日に先生が、給食の時間に、給食の前ですから、子供たちに向かって、いただきますということを言いましょうと。お米やあるいはきょう食卓に並んでいるものをつくってくれた人たちに感謝をして、いただきますと言いましょうねと言って、いただきますと言って給食を食べた。給食が終わって、あるお母さんが、私は汗の対価は支払っていますというふうに先生に言ったというんですね。
 これはどっちが間違っているのか、どっちが正しいのかというのは非常に難しいんですが、このお母さんが言っていることは決して間違いじゃないんですね。農家や漁師の皆さん方が苦労して収穫してこられたものについて私はお金という対価を払っていますというふうに言ったというのは、これは決してお母さんも間違っているわけではないと思うんです。
 私は宗教家ではありませんけれども、本来、いただきますという言葉は仏教から来ている言葉だというふうに聞いております。いただきますの本当の意味は、汗をいただくのではなくて、命いただきますという意味、食材の命をいただいて私の命つなぎますという意味の言葉だというふうに聞いているわけであります。
 そういった意味では、先ほどのホームページに戻りますけれども、あのホームページから、命いただきますという感覚というものは伝わってこないんですね。だから、どちらかというと汗の方に重きが置かれていて、あれから本当に子供たちがそういうものを感じていくだろうか。
 なぜそのことを言うかというと、今、食材に命のない食べ物がたくさんふえてきているときに、本当に命のある食べ物、あるいは、先ほど体験というお話がありましたけれども、どういうふうに命というのははぐくまれていくのか、そして、その命を壊さないようにどのように加工されてきているのかということを子供たちは体験しなければ意味がないと思うんですね。栄養バランスの話を無駄だと言うわけではありませんけれども、一番大切なところは、子供たちが、命を育てている現場に出向いていって、体験をして、そこの大切さを知って、そして、いただきますという気持ちにならなければいけない。農業がまさに命の産業と言われているのは、そこにゆえんがあるのではないかというふうに私は思っております。
 確かに、今、一人で食べる孤食とか、そういったことも多いというようなこともあったり、食のマナーあるいは風習、文化というものが壊れてきているというようなことも言われております。
 先日のテレビで、大臣もそのことについていろいろ論議をされておられたのを、私は同調しながら聞いてございましたけれども、そういった意味で、食育というものを、一府三省の中で命の産業を預かっているのは農水省だけですから、ほかは、人間の命を預かっているところもありますけれども、そういった意味で、命の産業としての農水省として、食育にぜひとも相当な決意を持って取り組んでいただきたいなということで、大臣の御所見をお伺いしたいというふうに思います。
○中川国務大臣 食育の目的は、先ほど四点、事務的に申し上げましたが、もう御指摘のとおりだろうと思いますね。
 お金を払っているんだから、別に、いただきますは要らないとかと言うというのは、私はそういうしつけを親から受けておりませんし、また自分の子供にもそういうようなしつけはしておりません。つまり、私は、感謝をして、いただきます、ごちそうさまと言うべきだというふうに思っておりますので、お金を払っているんだからいいんだろう、では、お金はあっても入らないときにどうするんだと。これがまさに、過去においても、平成五年の大飢饉であり、あるいは大豆や小麦が日本に入らなかったパニックであり、また石油ショックによって、またいろいろなところで影響を受けたわけであります。そのとき、幾らお金を持っていても、食べ物が入らなければ、みんなと同じように苦しむわけでありますから、私は、そういうお母さんがいるとすれば、それは大変に悲しいことだなというふうに思います。
 命をいただく、まさしく私も同感でございます。食べるものはすべて命でありますし、その命を我々はいただいて自分たちの命や健康を守っているわけでございますので、そういう前提に立って、つくる人の気持ち、努力を感謝しながら、またつくる方も、食べてくれる人がおいしく、満足して食べてもらって、ありがたいという共存共栄関係がこれからますます大事になっていくという観点から食育をとらえていきたいと思います。
 なお、ホームページが、そういう趣旨で、佐々木委員から見ればどうも不十分だということであれば、広報は極めて大事でありますから、改善する余地があれば、どんどんいいものに変えていかなければならないというふうに思いますので、御指導よろしくお願いいたします。
○佐々木(隆)委員 今、積極的な御発言もいただきました。終わらせていただきますが、食材の担当をしている農水省として、ぜひそのことを積極的に進めていただきたいというふうに思います。
 食料、農業、農村というテーマでそれぞれ論議をさせていただいてきたわけでありますが、基本法ができて七年経過をするわけで、そういった意味では、直接支払いという新しい制度に踏み込んだということは私は大いに期待をしておりますので、そのことが、名前だけに終わらないで、本当に直接支払いというものが、農民のところに直接的に支払われる、そんな制度になりますように、ぜひ御努力をお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございます。
○稲葉委員長 次に、森本哲生君。
○森本委員 民主党・無所属クラブの森本哲生でございます。
 本日は、一般質疑ということで時間をいただきましたので、本題に入ります前に、個別品目として委員会では余り取り上げられる機会のない茶業経営の推進策について、政府の見解をお尋ねさせていただきます。
 お茶でございますと、夏も近づく八十八夜という歌があるわけでございますが、立春から数えて八十八日目の日に摘み取られたお茶を飲みますと、一年間無病息災で元気に過ごせる、そういうふうに言われておるわけでございます。
 私の出身地でございます三重県も、四月の末から、最近早くなりました、一番茶の摘採が始まりまして、昔は秋のお彼岸のころまで四回摘み取りがなされておるわけでございますが、今では機械化に伴いまして十月には大体終わってしまうような、そういうお茶でございまして、種類は普通せん茶からかぶせから玉露、いろいろあるわけでございますが、特に普通せん茶、そして私の方では、東京市場で非常に人気を博しました深蒸しのせん茶という、早く出しやすいということもあったのでございますが、そうしたお茶を好んで飲ませていただいておるような次第でございます。
 大臣、お茶については、好みはいかがでございましょうか。
○中川国務大臣 私は、お茶は大好きであります。逆に、お茶以外の、お茶と並び称される飲料は、ここ三十年ほど一切口にしておりません。お茶が大好きで、日本茶も紅茶も、あるいはウーロン茶その他、最近ハーブ茶も、いろいろとありますけれども、特に三重県のお茶は大好きでございます。
○森本委員 ありがとうございます。
 後、質問がなかなかやりにくくなってくるんですけれども、深蒸しは独特の急須もございますので、また私どもの方から大臣にお届けをさせていただきますので、言うたことはやりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 さておきまして、それでは、現在のお茶の需要動向ということでございますが、我々国会議員も、会議など、残念ながらと言っていいのか、喜んでいいのか、どちらも言えると思うんですけれども、ペットボトルとか缶入りのお茶をほとんどいただいておるわけでございます。つまり、これは大量生産、大量消費ということですが、この低価格茶の需要は、安定というよりは確実な伸びを示しておりますが、高価格帯のお茶の需要が非常に伸び悩んでおるというのが現状でございます。
 茶業農家にとりましては、高価格帯のお茶は、収入基盤の最も重要な部分でもございますし、やや大げさな言い方をすれば、高付加価値茶の生産のインセンティブになり得るものだというふうに私は思っておるわけでございます。高級茶とは何を指すのかという議論はさておきまして、ここで、特に今、高級茶の消費拡大が必要だということを私は思う次第であります。
 また、来年度予算案では、生産物の輸出倍増対策の強力な推進として、生産物の輸出額を五年で倍増させるというような定量的な目標も掲げられておるわけでございます。価格帯の高低にかかわらず、日本茶のよさ、魅力を諸外国の方々に知ってもらうための具体的な方策がなければ、目標達成はなかなか厳しいのではないかと思料されます。そのためには、日本茶ブランドを世界に向けて発信する努力と強い姿勢が必要だと考えております。
 以上、お茶に対する思いを込めて、幾つか問題意識をまとめて申し上げましたが、御答弁をよろしくお願い申し上げます。
○西川政府参考人 高級茶の消費拡大というお尋ねでございますけれども、全般的なお茶のお話を申し上げますと、緑茶については、近年、消費者の健康志向が高まる中で、緑茶が、がん予防であるとか血圧降下であるとか、殺菌作用、抗アレルギー作用などの機能を有するということが明らかになってきております。また、ペットボトル等の緑茶飲料の需要が増加しているということから、消費は拡大しております。
 一方、一番茶などの価格の高い高級茶につきましては、お茶を入れるために手間がかかるといった理由によりまして消費が低迷しているということでございます。また、二番茶以降のお茶については、安価な輸入品との競合関係にある、ただし、ペットボトル等の緑茶飲料の原料として需要は堅調にあるということでございます。
 お尋ねありましたように、今後、茶生産農家の一層の所得向上ということを図っていくためには、やはり日本茶の一層の品質の向上によるブランド化などを図るとともに、価格の高い緑茶を中心として緑茶全体の消費の拡大を図っていくということが大事である、必要であるというふうに考えております。
 このため、御案内だと思いますけれども、日本茶インストラクター制度というのがございます。そういった活用によりまして、急須で入れる本来の緑茶の一層の普及啓発、あるいは機能性を付加した製品の開発、あるいは原料原産地表示による産地のブランド化、また輸出の促進といったことをこれから促進することが大事だろうというふうに思っておりまして、さまざまな予算措置も講じまして、これらを推進しておりますし、これからもいこうとしております。これらを通じまして、緑茶生産農家の経営安定というものを図ってまいりたいと考えているところでございます。
○森本委員 ありがとうございました。
 ハード面で、メーカーと生産者の皆さんと協力体制をとって、十八年度予算も計上されるというような、そういうことについては評価をさせていただいております。
 ただ、残念ながら、茶がす、茶の入れた後の残り、これを禁止されるようなマンションも出ておるというような報道も、茶の後、使い残しの茶がすというんですか、ほうってはいかぬというようなところも出ておるんですよ。なかなか迷惑がられておるというのか、茶の葉っぱの後の利用を。しかし、それはNHK等で、牛の飼料に使われておるというようなうれしい情報もありますので、ぜひ、そういう面についてもこれからしっかりとPRもしていっていただきたいなと。
 本当に今はペットボトルは好まれるんだけれども、本来のお茶の出した後が迷惑がられる、ごみの処理の問題なんですけれども、そういうこともこれからもう少し正しい方向でPRしていただきたいなというように思っております。
 次に、独立行政法人の問題は先ほど質疑がなされたばかりですが、独立行政法人の農業・生物系特定産業研究機構の野菜茶業研究所というのがございますね。そこでは、お茶の持つ機能、効用についてどれだけ研究の成果が得られておるのか。また、民間企業などと協力しながら、これは先ほど申し上げたことにも関連すると思うんですが、商品化に向けた取り組みは進んでいるのでしょうかというお伺いをさせていただきます。
 茶の持つ成分の分析で、ここ数年随分いろいろな報道もなされて、追い風だということは十分承知をいたしておりますが、あえてこのことについて質問をさせていただきます。
○染政府参考人 農業・生物系特定産業技術研究機構の野菜茶業研究所におきましては、嗜好の多様化あるいは消費者ニーズに対応した茶の新品種の開発、そしてお茶の高品質化、低コスト化技術の開発、さらには茶の環境保全型生産システムの確立などに取り組んできたところでございます。
 このような中で、特に最近の商品化に結びついた顕著な研究成果といたしましては、同研究所が育成いたしました品種であるべにふうきが、抗アレルギー成分の高いメチル化カテキンを多く含んでいることに着目し、メチル化カテキンの持つ機能性についての基礎研究を行いますとともに、飲料メーカー、菓子会社、大学などと製品化に向けた共同研究を実施いたしておりまして、結果といたしまして、べにふうきを原料とする緑茶、キャンデー、あるいはカプセルの商品化に結びついたところでございます。
 今後とも、民間、大学、都道府県等と連携を図ることによりまして、新たな商品化に結びつけるような研究を推進してまいりたいと考えております。
○森本委員 ありがとうございました。
 細菌、アレルギー、こういった茶の効用が出てくるということは非常にうれしいことでございますし、特に、後で申し上げます炭の効用と茶の効用とあわせて、いろいろ、これからそういう面について随分頑張って研究をいただきますことを要望させていただきます。
 そして、大臣には、やはり日本文化の、今も心の、哲学的なお話がありましたが、やはり日本の伝統、伝わってきたわびさびの世界といいますか、そういった、世界にない日本人の心の細やかさといいますか、そういうようなものは、やはりこうした文化から脈々と、我々が育てていただいた、そのことをもう少しPRしながら大事にしていっていただくような施策を今後も考えていただきますことを要望して、次の質問に移らせていただきます。
 先般、二十七日の委員会でも申し上げたんですが、木質バイオマスの利用促進でございます。本日は同じ質疑は繰り返しませんが、新エネルギーのバイオマス普及促進によって間伐材の利用が進む、間伐材の利用が進んでいけばさらなる間伐が進んでいって、ひいては森林資源の適正化につながっていくというふうに、このように私は申し上げました。
 さて、木質バイオマスの種は、一般に間伐材と建築廃材が使われております。本日、薪炭、これは炭のことなんですけれども、利用可能性についてお尋ねをいたします。
 間伐材や端材から炭をつくり、その余熱利用とあわせて、野菜畑や茶園などの土壌改良材、木酢液などの健康食品、さらには炭を原料としたリサイクル製品として建築資材への利用など、事業化に向けた検討が盛んになってきております。カーボンニュートラル効果を有する炭が炭酸ガスを土中に固定する機能は皆さんも御存じだと思います。事実、薪炭を含めた材料多様化の試みがなされているようですが、技術開発のコストの面で克服困難な課題が実はございます。
 薪炭を例として、バイオマス材料の多様化に向けた問題点をどのように認識されておるのか、問題解決に向けてどのようにお取り組みをなされておるのか、お伺いをいたします。
○川村政府参考人 お答えいたします。
 木炭の利用、これは森林資源を非常に有効に使うという意味でも大事でございます。そして、特に木炭につきましては、今先生の御質問にございましたとおり、単に燃料としてだけではなくて、水質の浄化でありますとか、あるいは湿気を調節する調湿剤、あるいは融雪剤というふうに、用途も非常に多様化をしております。
 ただ、なかなかその使用方法等が浸透しないといいますか、そういう普及はまだまだというところが一番の課題かと思っておりまして、そういう新しい分野への利用促進を図るという意味でのPR活動、特にリーフレットを作成したり、そういうことに努めておりますし、今後、新たにまたさらに努力をしてまいりたいと思いますし、ハード面での助成につきましても取り組んでまいりたい、こういうふうに思っております。
○森本委員 このことについては深く質問いたしませんが、とにかく、昔のものでいいものはいい、今再現されておるものが非常に多くございますので、ぜひよろしくお願いをいたします。
 次の質問に移りますが、バイオマスガス化メタノール製造試験装置として農林グリーン一号機が、ガスエンジン発電とガス燃料生成として農林バイオマス三号機が今稼働中でございます。生産効率は現在どうなっているのか、実用化プロセスはどうなっているのか、御答弁をよろしくお願いします。
○染政府参考人 バイオマスの研究は、農林水産業の新たな展開を促進するという意味で大変重要だというふうに考えております。ただいま話題に出ました、地域の林地残材であるとか製材所の残材、この辺も有効活用しながら、あるいは家畜ふん尿などの廃棄物系のバイオマスなんかを有効利用するのも極めて重要であろうというふうに考えております。
 委員御指摘の、まず農林バイオマス一号機につきましては、製材所の木材残渣などの植物系バイオマスをガス化いたしまして、一日当たり、バイオマス二百四十キログラムから七十二キログラムのメタノールを生産するシステムとなっております。
 また、農林バイオマス三号機につきましては、廃材等の木材系の廃棄物などのガス化を行いまして、一日当たり、バイオマス一トンから千キロワットの、小規模で高い効率で電力を生産するシステムを構築したところでございます。
○森本委員 ちょっと先を急ぎますが、それでは、木質バイオマスの資源密度は、都道府県によってかなりばらつきがあるんではないかというふうに思います。その他の資源についても恐らくそうであるというふうに思っておるんですが、現段階で資源密度にばらつきがあったとしても、将来的には全国あまねく普及していくことが望まれるわけでございます。統計調査などを踏まえて、将来の展望についてお伺いをいたします。
○高原政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、我が国のバイオマス資源というのは、都道府県ごとに、また、木質系ですとか畜ふん系ですとか、あるいは廃棄物系など、バイオマスの種類ごとに、いわゆる資源密度でございますけれども、すなわちエネルギーとして利用可能なバイオマス資源の量を都道府県の面積で割ったものということには、ばらつきがございます。
 この点につきまして、経済産業省では平成十四年度に委託調査を行っておりまして、木質系バイオマスで申しますと、資源密度が最も多い順に富山県、宮崎県、広島県という順番になっております。数字をちょっと申し上げますと、富山県では平方キロメートル当たり四十四・三トン、宮崎県では三十六・三トン、広島県では三十四・九トンといったことになっております。逆に、この木質系バイオマスで資源密度が最も少ないのは、この調査では、沖縄県、神奈川県、千葉県となっておりまして、例えば沖縄県では平方キロメートル当たり四・三トンといったような委託調査の結果が出ております。
 このように、木質系のバイオマスにおきましても、資源密度にはばらつきがあるといった調査結果を得ております。
 以上でございます。
○森本委員 それでは、少しまた一号機、三号機の稼働状況に戻らせていただきますが、先日、バイオマスエネルギー研究の実績が高い長崎総合科学大学の坂井正康教授のお話を聞く機会がございました。
 坂井教授は、現在、粉状の木材を高温の水蒸気と反応させて水素、メタンなどを含む良質でクリーンなガスを直接生成する研究をなされておりまして、実験施設では、生成したガスでエンジンを駆動させて発電を実現されております。将来は、生成したガスからメタノールをつくり、石油にかわる燃料にしたいと研究を重ねられておるようでございます。私は、究極のクリーンエネルギーを実現するものとして、この研究に大いに関心を持たせていただいた次第です。
 坂井教授の研究が将来実を結ぶことを願っておりますが、メタノール燃料の特性を前提として、特にバイオメタノールの用途についてのビジョンが大切だと思っております。実用に向けてのハードルは高いのか低いのか、どのような認識を持っておられるのか、お伺いをいたします。
○染政府参考人 委員御指摘の農林バイオマス三号機、これは長崎総合科学大学の先生の御協力のもとにやっているものでございます。
 委員御指摘のとおり、この三号機につきましては、従来、農林バイオマス一号機で開発してきました技術を応用いたしまして、昼間はガス化して電力を生産する、夜間は液体燃料であるメタノールを生産するということで、エネルギーの用途を拡大して経済性を高めていきたいということで、これはまだ研究段階でございますので、平成十八年からさらに研究を再スタートさせたいというふうに考えております。
 では、そのできてくるものでございますが、電気については、現在いろいろな売電の制度等が徐々に整いつつありますので、その辺で大いに活用していただくのかなというふうに考えております。
 メタノールにつきましては、まだ用途開発をどうやっていくのかというのも大きな問題でございまして、例えば一つは、燃料電池に使っていくというのが一つでございます。それと、さらには、廃食用油とメタノールを反応させてバイオディーゼル燃料をつくっていくということでございます。
 ただ、これも、このバイオディーゼル燃料、まだまだきちっとした規格ができているわけではございませんので、その規格もつくりながら、それの導入を図っていくという点でございます。
 そういう意味では、農林省だけの問題ではなくて、経産省を初めといたしました関係省庁とも連携をしながら、その辺、十分検討し、推進を図ってまいりたいというふうに考えております。
○森本委員 非常に関心の高いことでございますので、ひとつよろしくお願いをいたします。
 しかし、これは通告をしていないんですけれども、これまでの研究の成果は、予定された研究の成果を着実に、予定された計画を着実に実行されてきたと解釈させていただいてよろしいですか。やや難しいんだとか、いや、殊のほか順調に研究は進んでおるのか、その辺は個人のお考えで結構でございますので。
○染政府参考人 先ほど三号機のお話を申し上げましたが、やはり研究の発展がまだまだこれから見込まれるということでございますので、農林水産省としてもこれを継続的に、新しい知見も持ち込みながら、研究を展開していくということでございます。そういう意味では、これからの研究に期待が持てる面が多々あるものだというふうに考えておる次第でございます。
○森本委員 それでは、期待をさせていただいて、見守らせていただきます。
 では、バイオマスについて最後の質問でございます。
 政府各省が連携してバイオマス研究を促進する体制をつくっておられることは、非難、否定するつもりはございません。実際、バイオマス研究を行っている設備は、まだ小規模で分散型であるのが現状であるというふうに認識をいたしております。
 一九九七年の新エネルギー利用促進法の趣旨にかんがみて、バイオマスエネルギーが将来、国民の生活基幹を支えるインフラ、資源としての地位を得るためには、徹底した効率化、そしてコスト縮減、つまり大規模集約型にしていくことが不可欠であると私は考えます。
 スケールメリットの実現可能性について、どのような見通しをお持ちでしょうか。これは簡単で結構でございます。
○川村政府参考人 これまでも御議論ございましたとおり、バイオマスを有効に使っていくということは非常に重要なことでございます。ただ、その場合、やはり一番課題になりますのはコストの問題でございまして、やはり実用性のあるコスト、そういうものでないといけないということでございます。
 ただ、既に幾らか着手もされておりまして、例えば製材の残材を使った木質系のバイオマスの発電施設、あるいは熱供給施設、あるいはペレット製造施設の整備、あるいは公共のペレットボイラーの導入、こういったものがなされておりまして、これについては私どもも支援をしているところでございます。
 今後とも、そういう技術の進歩、コストパフォーマンス等々考えながら、十分この支援に努めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○森本委員 着実に成果を上げていただくようによろしくお願いをいたします。
 それでは、次の質問でございます。
 農林水産省は、昨年十月二十七日、今も私どもの佐々木議員が質問をされておったことでございますが、我が国農業の構造改革の加速化とWTOにおける国際規律の強化にも対応し得る対策という政策名目で、品目横断的経営安定対策の導入等を柱とする経営所得安定対策等大綱が決定いたしました。来年度産から適用対象となることで、農家の方々には大きな混乱を招くなど、農業経済上の理論的、実務的問題点が露呈してきておるというふうに思っております。
 我々民主党は、特に食料安全保障の観点から、昨年の衆議院選のマニフェストで農政の転換を訴えてまいりました。すなわち、補助金漬けの農政から脱却して、すべての販売農家に対して直接支払いを行うというものであります。具体的には、総額一兆円規模とし、このうち五千億円を国の直接支払いとして、米、麦、大豆、雑穀、それから菜種、飼料作物などの重点品目を対象といたしております。地方分権改革の観点から、自治体に五千億円を交付して、地域の実情を反映した直接支払いができるように考えております。また、中山間地域や環境保全型農業に対しても直接支払いを実施するという内容でございます。
 ちょうど昨日、民主党の次の内閣で、食料の国内生産及び安全性の確保等のための農政等の改革に関する基本法案が了承されました。議員立法として間もなく提出の運びとなると思います。加工食品等の原料原産地の表示などについてもこの法案の射程範囲に入っておりますが、直接支払い制度を典型に、我が国の農業政策の方向性について、民主党と政府・与党の間で論点上の対立が多いと受けとめております。
 国会での本格審議はこれからという感じでございますが、中川大臣にはまず、今回の品目横断的経営安定対策導入に至った背景、立法事実に相当する事柄について基本的な認識をお伺いします。
○中川国務大臣 今御指摘のいわゆる品目横断経営所得安定対策、これはもともとは九九年の食料・農業・農村基本法の趣旨にのっとって進めている施策でございます。五年を経過いたしまして、基本計画の見直しという中で、より現実的な政策手段として、今回、当委員会を中心にして御議論をいただくことにしているわけであります。
 日本の場合には、規模が小さいとか、あるいはまた急峻な地形であるとかいった特殊な要件があるわけでありますけれども、それにしても日本の農業は、消費者、国民の皆さんの御理解と、また食べていただくということあっての日本の農業、農村、食料政策だと思いますので、やはりやる気と能力のある経営体が頑張っていく、頑張っていってそれが報われる、つまりもうかるということもありましょう、あるいはだれだれさんちの、森本委員のところのお茶がおいしいですねとか、そういうような努力を後押しするような施策を全体として進めていかなければならないというふうに考えております。また他方、WTO上の黄色あるいは青といった政策から極力脱却をしていかなければいけないという要素もございます。
 そういう中で、トータルとして、麦、大豆、でん粉等の主要な日本の作物については、やる気と能力のある農家あるいはまた集団に対してそういう対策をとる、あるいはまた、規模は小さくても高収益を上げている、いいものをつくっているところについても引き続き後押しをさせていただくということで、頑張ってやっていけるところに対して、さらに、日本だけではなくて、世界的にも輸出も含めてやっていけるような農業あるいは経営体を育成していこうというのが今回の趣旨でございまして、やる気と能力が発揮されたら、いい結果が出たら、報われる経営体であるというふうな施策にぜひ方向転換をしていきたいというふうに考えております。
○森本委員 大臣、ありがとうございました。私もこの質問が初めてということがございますので、他の議員さんも質問がございまして、何回もお答えをいただいておりまして、ある面では申しわけなくも思っております。
 それで、先ほど言われました基本法の問題でございますが、農業政策の憲法ともいうべき食料・農業・農村基本法第十五条三項には、「前項第二号に掲げる食料自給率の目標は、その向上を図ることを旨とし、」と規定をされています。「その向上を図ることを旨とし、」という部分は、第百四十五国会で本法律が閣法として提出された際、衆議院で修正されたという経緯がございます。食と農を一体化してとらえ、十年単位で基本計画を策定するということは、国会の政治的意思が強く働いているということは間違いがないわけでございます。
 小農切り捨てとの批判を恐れる余り、補助金農政がエスカレートしていった経緯はここで詳しく述べるつもりはありませんが、このような農業予算の使い方が国家財政を不当に圧迫してきたのではないか、政府内部でもそのような認識がなされているのかどうか、財政当局に確認をさせていただきます。
○勝政府参考人 お答えいたします。
 毎年の予算編成に際しまして、財政制度等審議会が財務大臣に対して建議という形でもろもろの提言を取りまとめております。その中には、農林水産分野初め、各分野の問題点とか改善の方向が指摘されております。
 農業について申し上げますと、例えば農政改革について申しますと、先ほど話が出ましたように、零細または効率の悪い土地利用型農業の構造改善を促す観点から、やはり助成対象を絞り込むべきではないか等、つまり選択と集中の必要性が説かれております。
 具体的に、例えば去年の六月の建議について申しますと、これは農林水産関係予算全般について指摘していますけれども、読ませていただきます。「厳しい財政事情の下、引き続き、施策の効率化・重点化の取組みを推進する必要がある。」と断った上で、先ほど話が出ました品目横断的経営安定対策につきましては、「対象を効率性向上に取り組む相当規模の経営体に集中するとともに、対象農家の経営効率を勘案して真に必要と認められる助成水準とする等、客観的かつ合理的な助成要件を設定し、財政構造改革と整合的なものとする必要がある。」という指摘を行っているところでございます。
○森本委員 ありがとうございました。
 ここで申し上げるというのはどうかと思うんですけれども、かつてのガット・ウルグアイ・ラウンドが、随分予算が豊富にありましたね。しかし、これはどちらかといったら、農業の基本的なものよりもほかのところへ使われたという例が私は多かったんじゃないかなという一つの問題意識を持っています。
 これからは、そういった潤沢な予算がありませんから、政策と財政ということについて、これからもまた慎重に進めていただきますことを要望いたしまして、次に移らせていただきますが、この対策で自給率向上が果たして果たせるのかどうかという質問でございます。
 認定農業者や一定の規模以上の集落営農に対する直接支払いでもって、関税引き下げによる価格低下の補てんが果たして可能なのでしょうか。関税が引き下げられたことによって輸入が増大して自給率が下がるのではないかと率直に疑問に思うわけでございます。自給率が下がれば販売農家の販売高が減って、幾らゲタ対策を重ねてもマーケット自体が衰退していく危険性をはらんでいるのではないかということでございますが、いかがでございましょうか。
○井出政府参考人 今回の品目横断的経営安定対策のうちの生産条件格差是正対策でありますけれども、この単価水準の決定に当たりましては、対象農産物の生産費と販売収入との差額の補てんを図るということを旨として設定することになっております。このうち、販売収入の額につきましては、関税を含んだ輸入品の価格水準によって事実上決まりますので、販売収入には関税水準が反映されてまいります。ですから、関税が上がり下がりいたしましても、そのことによって単価水準に影響を与えないようにするということによりまして国内の生産水準は守られると考えております。
○森本委員 そのような見解として受けとめさせていただきます。
 それでは、次に移らせていただきます。
 本対策は、WTOという国際法ルールに整合しない政策は削減対象になり、担い手に対しても行えないはずでございます。ところが、複数作物の組み合わせによる営農を対象とするのであれば、すなわち複合経営が対象となって、WTO農業協定附属書二の6の(b)に定める、基準期間後のいずれかの年における生産の形態または量に関連または基づくものであってはならないという文章に触れないのかどうか。
 さらに、過去の生産実績支払いと、毎年の生産量、品質に基づく支払いの合計額で支払われることになれば、生産を義務づける政策にほかならないと解されますので、同じくWTO農業協定附属書二の6の(e)に定める「この支払を受けるために、いかなる生産を行うことも要求されてはならない。」との文言に反するのではないかという疑問でございます。黄色の政策としては済まないのではないかということでございますが、この点についていかがでございますか。
○井出政府参考人 委員お尋ねの件のうち、過去の生産実績に基づく支払いにつきましては、これは文字どおり、過去の一定の基準期間を設定いたしまして、その生産実績に応じて交付することといたしておりますので、今御指摘のWTO農業協定附属書二の6の(b)に照らしまして、基準期間後の生産とリンクしていないということを要件とされておりますので、これは(b)に言う緑の政策になるものと考えております。
 それから、後段の毎年の生産実績に基づいて払う部分については、私どもも、これは黄色であるというふうに認識をいたしております。ただ、両々相まってその制度が成り立ってはおりますが、この二つのものについては明確に基準を分けて設定をいたしますので、そのことによって、前段の過去の生産実績に基づく支払いが緑であるということに影響は与えないと考えております。
○森本委員 時間も余りございませんので、この辺についてはまた後ほど議論をさせていただくようにさせていただきます。認識がいろいろございますので。
 それでは、本対策のスキームとして、先ほど大臣も言われました、意欲と能力のある担い手に限定し、認定農業者は四ヘクタール、集落営農は二十ヘクタール以上との面積要件が課せられております。しかし、大規模集約化に向けて、全国の農家が法律のスキームに易しく乗っかるかどうかということでございます。
 地方では特に生活の論理ということが言われておりまして、これは、二〇〇四年の第百三十一回の芥川賞受賞作のモブ・ノリオさんの「介護入門」という本から、これは少し極端な例かもわかりませんが、寝たきりの祖母を自宅で介護して、大麻にふける男性の心理を如実に描いたストーリーなんですが、「うちのハタケが心配で死なれへんねや。」と言う祖父に対して、「おお、兼業農家のくせに、いつまで地主気質でおるのだ、」とまぜっ返して、「ウチの畑や山では」中間抜きますけれども、「荒れ放題の草ぼうぼう」とうそぶく主人公が実は描かれておるわけでございます。
 特に、半世紀前の農地改革で得た先祖伝来の農地は、ある種の、先ほど来の哲学、信仰にも基づくというような、そんなことにもつながっていくんだというふうに解釈しておるんですけれども、生産方式が経済的合理性を有するかは別として、このような農業文化、農業観が根強い日本で、簡単に農地を手放したりする方がいるでしょうかという疑問なんでございます。
 また、農家といっても、今回の品目対象にならない作物を行ったり、家畜を飼ったりするなど、茶もそうなんですけれども、茶は工芸作物に入っていくと思うんですけれども、いろいろなライフスタイルが絡み合っております。
 今回のスキームは、土地財産権の不可侵の原則がそのままでございまして、自律的に大規模営農が進んでいくかどうか、すなわち、構造改革につながるのかどうかという疑問でございますので、いかがでございますか。
○井出政府参考人 今回の品目横断的経営安定対策につきましては、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を占めるような農業構造の確立に向けた構造改革を推進することをねらいといたしております。
 本対策におきましては、今委員御指摘のように、思い切った私権の制限というような強制的な仕組みはとっておりませんけれども、やる気と能力のある担い手に対しましては、先ほど来御説明しております、諸外国との生産条件の格差を是正するための補てんと、毎年の収入変動が経営に及ぼす影響を緩和するための補てんというものを組み合わせた、そういった経済メリットを付与することによりまして、担い手が自律的に経営改善や経営規模の拡大を図っていく、そのことによって結果的に構造改革が進むものと考えております。
 ただ、農村の現実は、私どもも地方を回りまして説明会等何回もやっておりますが、御高齢の方を中心に、集落営農でさえ拒否されるという現象は確かにございますが、そういったところでも、中核になります四十代、五十代の方を中心に、非常に今、集落内で真摯な話し合いが行われ、そういう高齢者に対しても一定の役割を保障するという中で集落営農のメリット等について御説明をいただく中で、現に集落営農組織がかなりの数、今できてきております。
 私たちは、そういった試み、取り組みに対して支援する中でこの構造改革を進めていきたいと考えております。
○森本委員 今のは後で質問を申し上げようと思っておったんですけれども、経営規模の特例もやりながら中山間もやっていただくということでございますので、その辺につきましては、おおむね了とさせていただきます。
 ただ、農地の件については、勧告制度ぐらいがないと、なかなか自分の土地を荒らしても人には移行していかないというのか、そういう危惧は確かにございますので、その辺については十分心してお願いをしたいと思います。経営面積が一律に論じられるかどうか、農家といっても千差万別でもあるわけです。農地面積が狭くても、経営の多角化などに努めてこられて、立派に自立経営を実現されている方も実はあるわけでございまして、前段にもその質問がありましたが、その方の存在は絶対に無視できないというふうに思っておるわけでございます。
 施策としてどのような配慮をして、先ほども言われたことにつながると思うんですけれども、対象経営としていくのか、具体的に、時間がございませんので簡単に答弁をよろしくお願いします。
○井出政府参考人 今回の対策におきましても、例えば集落内の農地が少ない場合ですとか、複合経営などにより相当水準の所得を確保されている場合については、別途の基準を設けまして対象とすることができるように、その地域の実情に十分配慮しているところでございます。
 また、集落規模が小さい場合でも、隣の集落と合わせて一定の要件を満たす組織をつくって集落営農組織として認定される、あるいは生産法人になって認定農業者としての資格を取るということによって個別経営として規模要件を満たす、あるいは特定の認定農業者の方に農地を農作業受託という形で集約していただく、そういったようなさまざまな方法によって対象となり得る道を開いているということでございます。
○森本委員 最後にしますが、品目別から品目横断的に形態転換することによって、農業の担い手が現行制度以上に支援を受けることができるのかどうか、支援水準の計算値に関しては改めて検証を要するところでございます。
 品目別の新たな支援は、小麦十アール当たり四万円に対して四万二百円、大豆は二万七千三百円に対して三万二百円となります。過去の生産実績に基づく支払いは、対象品目ごとに、面積当たりの単価と過去の生産実績を掛け合わせることになる、これは今お聞きしました。品目別から品目横断的に形態転換すること自体は、担い手育成的になるのでしょうか。品目間の価格差が交付金水準の差を上回らない限り、これまでの作目構成を固定した方が価格安定的ではないかと思っています。
 先ほどの例で言えば、差額は一万二千七百円と一万円ですから、合理的な経済人を仮定すれば現状維持を選択することになると思うんです。つまり、平均水準が上がって現行以上の支援を受けるインセンティブにつながることにはならないのではないか、このような理解でいいのでしょうか。
○井出政府参考人 委員が先ほど申されました、この新対策における支援水準値、これは、現時点でのデータでの試算値でございますので、実際実行する段階では最新のデータで計算をさせていただきます。
 それを前提にいたしますと、今回の対策では、諸外国との生産条件の格差を是正するための過去実績に基づく支払いというのは法律に基づいて継続的、安定的に実施される、また当該年の品質等に応じた支払いもあわせて受けられるわけでありますから、そこは、頑張った農家はその分またふえるということになります。
 それから、いわゆる収入変動の影響緩和対策につきましては、現行の担い手経営安定対策などに比べまして、生産者の負担をより軽減するなど、メリット感の出るような制度として組みかえておりますので、そういった面でも担い手農家がこういったものに積極的に取り組んでいただいて、規模拡大ですとかあるいは新たな商品作物を導入するとか、農産物の品質向上などに取り組むということができるものと考えております。
○森本委員 終わります。ありがとうございました。
○稲葉委員長 この際、休憩いたします。
    午後零時三十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時九分開議
○稲葉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。岡本芳郎君。
○岡本(芳)委員 自由民主党の岡本芳郎でございます。
 今回は、我が国農業の食料供給能力の確保について質問いたしたいと思います。
 言うまでもなく、食料は国民の最も基礎的な物資であり、その確保は、防衛と並んで、安全保障の面からも極めて重要な国家的課題であると思っております。そのような観点から、昨年の新しい食料・農業・農村基本計画においては、食料自給率の目標を、カロリーベースで現在の四〇%から四五%に上げる目標を設定しております。
 その意欲は評価できるとは思いますが、私は、食料自給率というのは単に国民の食生活の動向によって変動するのであって、食料供給能力という面からは余り意味を持たないのではないかと常々思っているところであります。つまり、近年の地球温暖化あるいは世界規模での砂漠化、異常気象、水不足、人口の増加等々考えますと、やはり自分の国でどれだけの食料が生産できるかというのが最も大切なことではないかと思っております。
 世界人口は現在六十五億人でございます。二〇五〇年には九十一億人に達するとの予測もありますが、現在でも八億三千万人もの飢餓人口があるのに一体これからどうなるのか、極めて深刻な問題であります。
 食料を生産するには農地、水が不可欠であります。農地は、砂漠化等で毎年、日本の農地面積よりも大きい五百万ヘクタール以上も破壊されていっております。新たに農地を造成する土地はありません。また、水も大変な状況でございまして、二十一世紀は水をめぐる争いの世紀になると言われているほどでございます。世界水フォーラムは今行われているところでございますが、大変な問題となっております。
 したがって、食料は、世界的にこれからも非常に厳しい状態であります。我が国だけがいつまでも輸入で賄うなんてことは極めて甘い考えであると言わざるを得ません。
 そこで、食料供給能力を確保するために必要な事項について農林水産省に質問いたしたいと思います。
 まず第一は、やはり農地面積の問題でございます。食料生産には何といっても最も必要なのは農用地でございますが、これが昭和三十六年には六百九万ヘクタールもありました。それがピークでございます。年々減少し続けて、平成十六年には四百七十一万ヘクタールへと約二〇%も減っております。これを年平均にいたしますと、毎年三万二千ヘクタールの減少でございます。近年、多少は鈍っておるようでございますが、物すごい面積が減少しておるわけでございます。
 この農地面積の減少を食いとめる、これは極めて重要なことでありますが、このことにつきまして、農水省の具体的な対策をお伺いいたしたいと思います。
○宮腰副大臣 岡本先生御指摘のとおり、食料の供給力を確保していくというためには農地と水が極めて重要であるというふうに考えております。
 新たな食料・農業・農村基本計画におきましては、平成十六年現在の農地面積四百七十一万ヘクタールが、趨勢値でいきますと、平成二十七年には、耕作放棄がマイナス二十六万ヘクタール、農地の転用がマイナス十四万ヘクタール、合わせてマイナス四十万ヘクタール、四百三十一万ヘクタールになると見込んでいるわけでありますが、耕作放棄の発生の抑制でありますとか、そういうことで十九万ヘクタール、これを確保いたしまして、合わせて差し引き四百五十万ヘクタールを確保するということを見込んでいるわけであります。
 そのための施策といたしまして、まず、品目横断的経営安定対策などによる担い手への農地の利用集積を通じた農地の有効利用の推進、それから、農業生産基盤整備の推進を通じた中山間地域の農地等の生産条件の向上、さらには、中山間地域等における条件不利を補正するための中山間直接支払いの交付、それから、昨年改正されました農業経営基盤強化促進法に基づきまして、地域の建設業者や食品産業の新規農業参入を通じた遊休農地等の有効利用、また、農業振興地域制度及び農地転用許可制度の適切な運用を通じた優良農地の面的な確保などの施策を行っているところであります。
 食料供給力の確保のためには、基本は、農地を農地としてしっかり利用していくこと、さらには農地の利用率を高めていくことであると考えておりまして、今後とも、これらの施策を通じ、農地の確保と有効利用に努めてまいりたいと考えております。
○岡本(芳)委員 さらなる努力を期待いたします。
 私、農地の改廃を減少させるには、やはり水田で米をつくることが最大の効果あることだと思っております。余った米はバイオマス、すなわちエネルギーに活用するなど、そういったことを考えていくのがいいんではないかと思っております。水田というのは、永久使用が可能な世界最高の農地なんですね。輪作、連作障害はございません。そういうすばらしいものを何としても保っていきたい、これが日本の最大の義務ではないかと思っておるところでございます。
 次に必要なのは、やはり高度に整備された農地の確保であると思っております。つまり、これは、農業用排水施設やあるいは圃場整備、こういった生産基盤をきちっとやっておかなければ高度な農地と言えないわけでございます。そして、これらは、長期にわたる投資によって形成されたものでありまして、一たん機能が損なわれましたらその復元には莫大な時間と経費を必要といたします。そのために、良好なストックとして次の世代に引き継いでいくためには、その整備、保全管理、更新を的確に推進していくことが重要であります。
 そこで、農業水利施設でございますが、我が国においては、基幹水路が四万五千キロメーター、末端まで含めますと地球十周分にも相当する四十万キロメーターの水路が網の目のように張りめぐらされております。また、ダムや排水機場などの基幹施設については、七千カ所にも上っておるわけでございます。我が国の農業生産、国民の食料は、このような営々と蓄積された農業水利施設という基盤の上に立っているものであります。
 農業水利施設ストックの資産価値は、計算いたしますと約二十五兆円でございます。今後、これらの膨大な農業水利施設のストックを、逐次耐用年数を迎えてきておりますので、更新していかなければなりません。予算の確保等、非常に大切なことでございます。
 また、農地につきましては、効率的な営農展開のためにはどうしても圃場整備をやっておかなくてはなりません。現在、全国ベースで半分程度の農地が整備を終えているだけでございます。米どころの県ではまだまだ整備がおくれているなど、府県ごとに整備の状況にばらつきがあります。
 圃場整備は、生産性を向上するだけではなく、担い手への農地集積を進める重要な役割を担っております。加えて、圃場整備は、耕作放棄地の発生防止にも極めて有効であります。全国平均の水田の耕作放棄率は三・六%、二〇〇〇年のセンサスでございますが、これに対して、圃場整備を実施したところでは〇・二%、非常に少なくなっております。
 このように、圃場整備は、担い手への農地集積、集落営農の組織化、法人化等の推進や耕作放棄地の発生防止を図る上で非常に重要な政策手段でございます。今後とも計画的な推進が必要でございます。
 このように、農地や農業用施設などの農業生産基盤の整備は、食料の安定供給、農業の持続的発展を図る上で最も基本的かつ重要な施策であると考えておりますが、農水省の御意見をお伺いいたしたいと思います。
○宮腰副大臣 御指摘のとおり、食料供給力を強化するためには、農業の構造改革の推進や持続的な発展を図ることが不可欠でありまして、その基礎となる農地や水利施設の整備保全が非常に重要であると認識いたしております。
 例えば、農地の利用集積面積を見ますと、平成十四年の例でありますけれども、農地の利用集積面積全体として年間三万ヘクタールふえているわけでありますが、このうち圃場整備を契機として集積が進んだもの、これはこの年において一万三千ヘクタールというふうに約四割強を占めているということもあります。それから、生産コストを圃場整備前と整備後で比較してみますと、約三割圃場整備をすることによってコストが削減されているということでありまして、農地整備、圃場整備につきましては役割が非常に大きい、数字でしっかりその違いが出ているというふうに考えております。
 このため、今後とも、強い経営体の育成を重視する農地整備、あるいは既存施設の長寿命化対策などを通じました農業水利施設の適切な更新、保全管理など効果的、効率的な施策に重点化をいたしまして、農業生産基盤の整備を着実に推進してまいりたいというふうに考えております。
○岡本(芳)委員 しかしながら、最近、財政状況が厳しさを増す中で、整備スピードが非常に落ちてきております。事業の採択とか進捗が十分に図られていないということが今の現状でございます。特に地方財政が非常に厳しくて、県や市町村の財政負担が制約となって、農家が事業を要望しても、なかなか地方の段階で進まず、とまってしまうという実情にあるわけでございます。
 そこで、そういった状況にかんがみて、地方財政を含めこのようなことにどのように対処していくのか、農林水産省の御意見を伺いたいと思います。
○宮腰副大臣 農業生産基盤の整備に係る地方負担につきましては、これまでも起債措置や地方交付税への算入が行われますとともに、今年度、平成十七年度においては、新たに農業生産基盤整備の市町村負担分が過疎対策事業債の対象とされるなど、地方財政措置の充実が図られてきているところであります。
 また、農業生産基盤整備事業のコスト縮減対策、あるいは重点化につきましては、まずは先送りのできない水利施設の維持管理、保全につきましては重点的に実施をするということで、平成七年度から十七年度の十年間でできる限り重点化をしていくということで、全体として三四%の減になっている中におきましても、この水利施設につきましては一五%減ということでとどめております。
 また、農道あるいは汚水処理などの生活環境の整備につきましては、国と地方の役割分担の見直しなどを通じまして、ここの分については地方でしっかりやっていただくということで、国の予算につきましては大幅に削減をさせていただいておりますが、そのように重点化を図って進めているところでございます。
 地方財政の厳しさ、これについては十分認識をいたしておりまして、今後とも、地域の要望を十分に踏まえつつ、事業の効率的実施あるいは適切な地方財政措置によりまして、食料供給力の強化に不可欠な農業生産基盤の整備を着実に実施してまいりたいと考えております。
○岡本(芳)委員 よく総務省とも協力し合って進めていっていただきたいと思います。
 最後の質問として、農地そして農業基盤、その次には、やはり担い手の確保であるというふうに思っております。
 農業従事者の高齢化とか減少は非常に激しいものがあるわけでございますが、二〇〇七年からは団塊の世代がどんどん大量退職いたします。これは、農業、農村にとって最大のチャンスではないかと思っておるところでございます。この世代は六百八十八万人と言われておりますけれども、この人たちは非常にたくましく生き抜いてまいってきております。そして、経済大国日本を築いた方々でございます。
 したがって、彼らの持つ技術やその他いろいろなノウハウ、これは大変なものがあると私は思っておりますが、この技術やノウハウを何とか農業、農村に生かせないか、これはこれから非常に大切なことではないかと思っております。異業種交流というような言葉もございます。彼らは、いろいろなものを持っております。ぜひ農村に使っていきたいなと思うところでございます。
 そこで、総務省の方では、何か人口減少自治体の活性化に関する研究会というのを発足されて、これを進めていこうとしているそうでございますが、農水省として、ぜひこの団塊の世代の取り込みを一生懸命図っていただきたいと思いますが、その対策はどのように考えているのか、お伺いいたします。
○宮腰副大臣 御指摘のとおり、二〇〇七年から三年間で六百八十八万人の団塊の世代がリタイアをするということが見込まれている中で、他産業などで得られた知識、技能の活用によりまして、地域農業や農村集落の活性化、農地の有効利用等の役割が期待をされております。
 例えば、集落営農の中でいろいろな知識を生かしてそれぞれの役割を果たしていただく。これまでは勤務が忙しくて必ずしも農業に熱心でなかったという方々であっても、リタイアをした後で、オペレーターでありますとかあるいは経理でありますとかいう形でいろいろな貢献をしていただけるのではないかというふうに考えておりまして、そのようにして集落内で定着しておいでになった方々が責任ある立場で集落の農業のリーダーとなって頑張っていただけるのではないかということもあり、集落営農が受け皿にもなり得るというふうにも考えております。
 またさらには、内閣府が実施いたしました世論調査におきまして、都市部の団塊世代を含む五十歳代の約三割が農山漁村への定住を希望するという結果が得られております。これらを参考にいたしまして、都市と農山漁村の共生・対流に関する副大臣プロジェクトチームにおきまして、団塊世代の願望を踏まえた農山漁村への二地域居住でありますとか、あるいは定住の促進など、政府一体となった強化策を検討していくことといたしております。
 例えば、企業も一体となって、現役世代のうちから地方との交流を進めていくというための社会実験を行うということにしておりまして、これには十一カ所の候補地が挙がっているわけであります。
 十八年度予算におきまして、農林水産省におきましては、空き家や生活などの情報提供、地域活動への参画や農ある暮らしのための支援など、地域の受け入れ体制の整備を支援していくということにいたしております。
 定年帰農者の就農対策の着実な推進という点からも、Uターンフェアと就農イベントの合同開催でありますとか、企業に在職したままで農業の基礎的な知識や技術を習得できる就農準備校の設置でありますとか、道府県農業大学校における定年帰農者を含めた中高年齢者のための研修コースの設置などを行っているところでありまして、十八年度予算におきましては、中高年が勤務する一般企業などでの出前就農相談の実施を強化するということも検討いたしておりまして、幅広い人材の育成、確保に努めてまいりたいと考えております。
○岡本(芳)委員 ありがとうございました。
 きょうは大臣がおられたら水の問題の話をしようかなと思っておったのですが、先般、テレビを見ておりましたら、大臣が水のことを非常に詳しく述べておられましたので、また次の機会にやりたいと思います。
 きょうは、ありがとうございました。
○稲葉委員長 次に、伊藤忠彦君。
○伊藤(忠)委員 自民党の伊藤忠彦でございます。
 きょうは、私は、国産農林水産物の輸出をめぐりまして、いろいろとお話を伺いたいと存じます。
 私の選挙区は愛知県の知多半島でございまして、私も県会議員をさせていただいておりましたけれども、同僚、先輩の県会議員の方の中に、三代前は北海道の日高で果物をつくってナホトカ経由でロシアに輸出をしていたという先輩の先生もおります。随分昔から、工業製品だけじゃなくて、私たちの国はいろいろな国に農林水産物も一生懸命出していたんだなということを感じたわけでございます。
 今回、特にこの問題をどうしても御質問したいと思いましたのは、昨年来の燃油の高騰で、実は、例えば温室のミカン等々、つくるはつくるんですけれども、出荷すると、とてもじゃないけれども日本の市場価格では合わない。これをどうしようかということをみんなで知恵を絞っていたときに、さあ、出すかと。輸出に向けてこのミカンを出していきたい、でもどうしたらいいんだろうか、どういう方法で、どうしていくとうまく出していけるんだろうかということを農家の方々が悩んでおられたので、ちょうどこのことを、では一度勉強して委員会でもいろいろと聞いて、地域の皆さんにもっと輸出をしてもらえるように、頑張れるように話をしていきたいと思いまして、きょうは質問に立たせていただきました。
 そこで、調べさせていただいておりますと、十六年度の輸出総額は三千億、十七年度には三千三百億、実に一二・一%の輸出額が伸びておるわけでございます。全国の農家の皆さん、そしてこれにかかわる皆さんが本当に一生懸命頑張って、外へ外へ出していこうという努力をしておられます。今の輸出をめぐる現状と、そしてまた五年後には輸出額の倍増という大きな目標に向けて今邁進をしている農林水産省を代表して、金子政務官に今の決意とそして現状のお話を伺いたいと存じます。お願いします。
○金子大臣政務官 伊藤委員におかれましては、日ごろから我が国の農政に対しまして積極的また建設的な御意見を賜っておりまして、心より感謝申し上げます。
 今お話がございました輸出拡大に向けた取り組みでありますが、まさに攻めの農政が今から必要なことだと思っております。政府といたしましては、農林水産物の輸出額を平成二十一年までの五年間で倍増させることを目指しておりまして、先ほど委員からお話がありましたように、初年度であります平成十七年の輸出額は、前年を一二・一%上回る三千三百十一億円となったところでございます。特に七月以降は、毎月、前年同月比二けた以上の高い伸びを示しております。
 これは、輸出拡大目標の設定などを通じまして、民と官が一体となって輸出を促進しようとする機運が醸成される中で、輸出を志向する産地や食品産業等の取り組みが徐々に軌道に乗ってきていることのあらわれではないかと考えております。
 農林水産省といたしましては、平成十八年度において、新たに果実や水産物等の特定品目の輸出拡大を支援する事業を創設するなど、全力を挙げて輸出促進に取り組んでいるところでございますが、伊藤委員におかれましても、引き続き、御支援、御協力をお願い申し上げます。
○伊藤(忠)委員 今いろいろな決意も伺いまして、まさにこれから頑張っていくんだなということがよくわかりました。
 実は、最近私もタイのバンコクに参りまして、バンコクに伊勢丹のデパートが、日系デパートがございますが、そこで何と青森県のフェアをやっておりまして、青森県の県の職員がリンゴその他さまざまな農産物を一生懸命売っておりました。大体青森県がここまで来るのにどれぐらいかかったのですかということを聞いてみると、約五年ぐらいの試行錯誤をしながら、外でいろいろなものを売りながら今日までやってきたというふうに伺っております。
 顧みますと、私の本県、愛知というのはどれぐらい輸出をしているかというと、まだまだ品目が少なくて、金額も多少少ないわけでございます。選挙区にかかわるもので申しますと、洋ランを出しておりますが、十六、十七の比較をいたしますと数字が減って値段が上がる、こういう状況になっております。
 商圏としてどの辺が一番優位と考えているのですかということを青森県の人に聞いてみましたら、実は、例えば青森県のリンゴというのは四国に出すよりも台湾に出す方が四倍出している、台湾は青森県にとって国内市場です、こう言ってのけたわけでございます。私は、こういう言葉を聞くにつけ、全員がこんな気持ちで、セールスマンになって取り組んでいく姿をみんなでつくり上げていくためにどういう方法があるのかということをこの次に伺いたいわけでございます。
 輸出を拡大していく上で、例えばマーケティングでございますとか、企業とのマッチングでありますとか、いろいろなことが必要になってくるわけでございますが、政府としてはどのようなことについて手助けをしていってくれているのか、そこを少し教えていただきたいのと同時に、特に、今申し上げましたとおり、アジア諸国は有望な輸出先と考えられるわけでありますけれども、アジア諸国において具体的にどのような取り組みを行っておるのか、十八年度の予算の中ではどんなことをしていただけるのか、教えていただきたいと存じます。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、十八年度におきまして、本格的な輸出を行っていく方々、こういう方々を大きく育てていこうということでございます。これまで海外でのPR、展示会、商談会、あるいは常設店舗を通じました販路の拡大あるいは創設、それから、基盤といいますか、輸出の環境づくりということで、検疫面あるいは知的財産の保護というようなことでの努力をしてまいっております。特に十八年におきましては、果実とかあるいは水産物とか、そういった特定品目の輸出拡大プロジェクトということに取り組みたいというふうに考えております。これは、輸出を始めるという段階から、本格実施をするという方々のお手伝いをいたしたいというふうに思っているところでございます。
 それから、先ほどアジアの国々というお話ございました。御指摘のとおり、日本のマーケットとして、上から数えていきますと米国が一番目でございますが、その後が香港、中国、台湾、韓国、タイ、シンガポールと続いてまいります。それでかなりの部分、半分以上ぐらいになりますでしょうか、アジアのマーケットが日本の農林水産物の大きな市場となっているわけでございます。
 こうした有望な輸出先として大変期待をしているところでございますが、十八年度におきましては、中国、マレーシアで展示、商談会、それから、中国、マレーシア、シンガポール及びタイにおきまして、現地の高級百貨店等におきます常設店舗の設置等を行っていきたいと思います。ほかの取り組みにつきましても、主要なマーケットがアジアということから、重要なエリアとして取り組んでいく考えでございます。
 以上でございます。
○伊藤(忠)委員 今政府がお示しをいただいているこうした方策に対して、やはり農協を中心に、全農さん、全中さん、そしてまた日園連さん等、農業の団体の皆さんとぜひ協調していただいて、たくさんの皆さんにチャンスをつくって、多くの品目が日本から出ていくようにする、それが先ほど金子政務官が力強くおっしゃっていただきました五年後の六千億に向けての大事な一歩だと思いますので、ぜひ、私ども、地域の人たちを助けていただきますようにお願いを申し上げておきたいと存じます。
 さて、私、実は、そうは申しましても、輸出農業の行き着く先というのは少し心配なことがあるわけであります。高値だから買ってくれる、高い値段であれはいいと思ってもらえる、そういう商売の仕方と申しますか、マーケットが伸びていく手法というのはいつまで続くんだろうか。実は、今、金額ブランド化のようなことが起こっているのではないか。高ければいい、高いのが日本だ、こういうことではないか。
 でも、実は本当に大事なことは、品物がいいから買ってもらっているんだ、品質ブランド化というところに持っていかなければならないのではないか。また、高いから買ってくれる金額ブランド化というのは、確かに、つくっている農業、農家の人たちもうれしいんですけれども、あなたのつくったものは本当にうまいといって買ってくれた方が、なおうれしいし、なお力が入るのではないかというふうに思っております。
 向こう五年間で六千億にいくということはわかりますけれども、もう一つ先まで見据えて、私たちは輸出農業をどのようにとらえていくのか、どんなふうに考えているのか、そこら辺のところを、私たちの輸出農業の指針としてどう長期的にとらえておられるのか、お考えがあればお聞かせをいただきたいと存じます。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のように、我が国の農林水産物につきまして、特に食品につきまして、健康とか長寿とか、そういうイメージのもとに大変高い値段で取引をされているものもございます。また、そのことが人気を呼ぶということにもつながっているのも事実でございます。
 しかしながら、御指摘にありましたように、やはり品質面での裏打ち、端的に言えば、おいしい農産物であるということが大変大事だと思います。私どもの運動のキャッチフレーズとして、この「おいしい」という言葉を使っているところでございます。こうしたブランド力、高い品質に裏打ちされたブランド力を築くと同時に、マーケットをつくっていくわけでございますので、流通、加工の方々との連携を通じましてコストの低減をするということもありますし、それから、量的な安定供給ということも大変大事だというふうに思っております。
 こうした取り組みをしながら進めていくわけでございますが、特にこうした取り組みが成果につながるように、幅広い関係者から成ります農林水産物等輸出促進全国協議会のもとで、官と民が一体となりまして総合的な対応をしてまいりたいというふうに考えております。
○伊藤(忠)委員 ぜひ、その全国協議会におきまして、本当に値段がそのまま、高いまま続いていったときは、ハッピーハッピーなんですけれども、これは実は高いんじゃないか、もっと安くていいものをいただきたいんだという本当のマーケットの心理になっていったときに、その輸出協議会でちゃんとこたえられるだけの私たちの準備を今からしておきたい。六千億になったときには、そういうことでも対応ができる、日本の工業製品が、省エネでも何でも、石油ショックでも何でも乗り越えてきた、あのときと同じように、一次産業は乗り越えられる力があるということを、よく協議をして、おつくりをしておいていただきたい、かように思っております。
 それから、輸出をする、私たちの農業、手塩にかけて品種をつくりました、そしてまた種苗をつくっております、これを出すと、実は、すぐにまねられて、よく似たものが安い値段で相手国で市場に出回っていくわけであります。私の地元である東海市、ランを輸出いたしておりますけれども、この人たちがどうにも辟易するのは、どんなにきれいで立派なものを出しても、すぐにまねられちゃう、出すのも困ったものだ、そういう声を聞くわけでございます。
 輸出を促進する上では、やはりこの農業においても知的財産としてこれを取り扱い、この知的財産である種苗等々をどのように守りながら出していくのかということが大変大事なわけでございます。
 私どもが調べさせていただいているところによれば、どうも、日本の国、これだけ攻めの農政と言われている中において、守ることが非常にまだ手薄になっているようであります。私たちの新種の育成者の権利というものを権利侵害から守っていく対策を、どのように立てて、どのようにこれからしていこうとされておられるのか、そこのところをぜひつまびらかにお話をいただきたいと存じます。
○吉田政府参考人 輸出を促進する上で、新品種の育成者権の侵害対策を強化すべきではないかというお尋ねでございます。
 新品種の育成者権など、知的財産を保護し、積極的な活用を図るということは、国際競争力の強化や収益性の向上を図る上で重要な政策課題であるというふうに考えておりまして、去る二月二十三日に、省内に農林水産省の知的財産戦略本部を設置したところでございます。
 これまでも、種苗法の改正による罰則強化ですとか、税関による輸入差しとめ制度の創設などの措置を講じてきたところでございますが、今後、この戦略本部のもとで、DNA品種識別技術の開発、品種保護Gメンの増員、活動強化、アジア諸国への品種保護制度の整備の働きかけ、さらには税関によります権利侵害物品の輸出差しとめ制度の新設、これらによりまして、植物新品種の育成者権の侵害対策の一層の強化を図ってまいりたい、このように考えております。
○伊藤(忠)委員 今、それぞれお答えがございました。実は、十七年度に、種苗を守るGメンと呼ばれる人たちは一体何人いたかというと、四人であります。三千億の仕事をしていて四人です。これはいかにも少な過ぎる。十八年になって何人になるかというと、大体十人ぐらいだと伺っております。ぜひ、このGメンと呼ばれる人たちの数はもっとふやして、守っていかなければならないというふうに私は認識をいたしておりますので、ここのところは、私たちも全力を挙げてこの人たちがふえていくように努力をしますけれども、皆さん方の中でも努力をしていただきたいなというふうに思います。
 それから、品種の保護をしていくのに、今いろいろな国でいろいろなことをしておりますけれども、EUでは、既に品種保護庁というのがあるそうであります。私どもアジアの場合は、このアジア版の品種保護庁なんというのはまだでき上がっているわけではありません。それぞれ協議をしながらやっていかなければなりませんけれども、できれば、EUにあるこの品種保護庁のような同様の機関をこのアジア地域にもつくって、安心して相互にいい品物が輸出をし合えるように、融通し合えるような環境をしっかりとおつくりをいただきたいというふうに考えております。
 これらのことを下打ちをしながら、本当に輸出の伸びる農業を進めていかなければなりませんが、今打ち始めたところでありますので、攻めの農業、攻めの農政という言葉を使っておられます。総理大臣も使っておられます。しかし、攻める攻めるという言葉が本当に適切かどうか、これはちょっとよく考えてみたいなというふうに思うわけであります。
 攻めるだけが言葉じゃない。むしろ、お互いに融通し合いながら、豊かな食生活を送っていくために、この私たちの国の農林水産物を食べていただくわけでありますから、攻めていくという言葉じゃない言葉をまた私たちは考えていくべきじゃないかなということを私自身考えておりますので、ぜひ、六千億あたりになったら、余裕の気持ちを持って、次の考え方の中においては、別の言葉で、私たちの農政を伸ばしていくいいキャッチフレーズをよく考えていただきたいものだということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○稲葉委員長 次に、丸谷佳織君。
○丸谷委員 公明党の丸谷佳織でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は出身が北海道でございまして、現在、北海道、漁業の地域ということもございまして、北海道公明党の方で、一年に一回という形になるんですけれども、いろいろな漁村を道内出身の国会議員が回らせていただきまして、浜懇談会というのをやらせていただいております。ことしは、私、道南の方に行かせていただきまして、そちらの方からいろいろな現場の要望が出てまいりましたので、きょうはそちらを取り上げさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 この浜懇談会でまず真っ先に出てくるのが、この委員会でも何回も取り上げられた質問でございますけれども、トドの被害を何とか食いとめてほしいということが最初に上がってきております。
 平成十四年の漁具の被害あるいは魚を食べる等の間接被害、合わせて被害総額十一億円から、平成十六年は十三億円と、対策をしながらもやはり被害額がふえているというのが現状でございます。
 この被害額がこれだけ大きい中で、やはりトドが出るならきょうは漁を休もうかとか、トドが帰るまで漁を休もうというのが北海道の今の漁業の皆様の現状でございまして、このトドの対策というのは、実際に政府として行き詰まっているんじゃないかという声が多く届いております。
 現在、政府としましては、北海道の漁業におけるトドの被害対策につきまして、頭数を決めて駆除をする、あるいは強化網の開発をするといった取り組みをしていただいているわけでございますけれども、漁民の皆様からは、ぜひ捕獲数の上限を上げてほしいという声も出ているわけでございます。
 単純にこの数を上げればいいとか、そういう問題ではないというのは当然わかるわけでございますけれども、現在、北海道で捕獲をしています年間百十六頭、これを決めるのにも科学的な調査をしていると思うわけでございますが、最近のトドの来遊頭数について、現在、政府としてはどのような認識を持っていらっしゃるのか、この点からお伺いをさせていただきます。
○小林(芳)政府参考人 御指摘がありましたトドの関係であります。
 これまで私ども、今先生がお話しになったような被害状況のもとで、強化網、これは定置網とか刺し網、こういったものの導入に対します支援とか、それから、まさに、トドがどの程度出現してくるのか、そういった状況の把握というのが必要でございまして、特に、出現頭数に関して、十六年度から飛行機を用いた調査を開始いたしました。ちょうど昨年の二月から三月に進めたわけでございます。航空機の調査によりますので、海域によっては、沖合域に集中してトドが分布するといったようなことが確認されまして、目視調査ということなんですが、これで確認頭数を基礎に推計いたしますと、一千頭以上の出現があったというふうに推定されるわけであります。
 それでまた、今年度も引き続きこういった調査を進めることにしておりまして、今月末から四月にかけて、天候条件によりますけれども、さらなる調査の実施を予定しているところであります。こういった北海道周辺を中心としたトド出現頭数の正確な把握ということが対策上大事でございますので、鋭意やっていきたいと思っているところでございます。
○丸谷委員 ありがとうございました。
 今までは、北海道の沿岸の調査において目視された数、四百頭ほどではないかということをもとに、現在の捕獲の上限であります百十六頭というものも導き出されてきたものというふうに考える次第でございますけれども、今お答えをいただきました、飛行機等を使って遠くまで見たところ千頭以上いるようであるということから、現在の捕獲の上限でございます百十六頭というのが適切なのかどうか、この点について、トド自体が希少種であるということも含めながら、どの捕獲数、上限を決めるのが適当であるのかどうか、ぜひもう一度見直しをしていただきたい、そして、それをできるだけ早く見直しをしていただきたいと思うわけでございますけれども、この点についてはいかがでございましょうか。
○小林(芳)政府参考人 今御指摘ございましたトドの捕獲頭数枠、これにつきましては、過去、北海道での捕獲実績がありましたので、それをベースに、北海道の連合海区漁業調整委員会の指示によりまして定めておりまして、それが平成六年から百十六頭ということで運営しておるわけでございます。
 今、先生からも御指摘ございました、漁業者の皆さんからはその見直しといったことがございますし、それから一方で、環境保護という立場の皆さんからも、今の捕獲頭数そのものにつきまして科学的根拠があるんだろうかという意見も出されておるわけでございます。
 こういった事柄につきましては、まず先ほどのような調査を通じまして、科学的な根拠に基づいた捕獲頭数の設定ということがやはり大事だと思っていまして、そういう意味でも、私どもといたしましては、先ほど御説明いたしましたトドの出現頭数の客観的な把握ということを急ぎまして、今後、その適切な捕獲頭数の算出につながるようなデータの収集、解析を急いでまいりたいというふうに思っているところでございます。
○丸谷委員 今御答弁をいただきました。
 実際に、環境団体の皆様ですとか、本当に希少種を守らなければいけないという当然の観点から、科学的な頭数の調査を進めていただく中で、現在の北海道の捕獲頭数でございます上限百十六頭が妥当なのかどうか、これを本当に早い時期に結論を出していただきたいと思います。
 そうしなければ、現在、政府が対策としてやっていただいておりますトド被害の対策、行き詰まりを感じている以上、漁民の皆さんに政府としても何て答えていったらいいかわからないというのが現状なわけでございますので、ぜひ、一歩でも、早目に調査を終えて、しっかりと結論を出していく、この姿勢を明確にしていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 では、時間も短いので、次の点に移らせていただきます。
 次に御要望いただいたのが、イカのゴロ、内臓などについて、以前は、加工に必要なものは当然加工場に持っていって、不必要になった内臓等は海に捨てていたというのが漁民の皆様の常識でございましたけれども、最近は、海洋の汚染防止の観点ですとか、あるいは廃棄物という観点、また法律が出てきたという観点から、そうそう簡単には、そのまま捨てていいですよということにはなっていないのが現状でございます。
 ただ、例えば、このイカゴロについて、北海道の檜山管内の上ノ国町あるいは江差町など八町において、このイカのゴロ、内臓自体をえさとして海に戻そうではないかという動きが今起きてきております。実際は、檜山管内の沿岸というのは、プランクトンですとか、あるいは海藻を育てる栄養自体が減っていまして、貧栄養化をしている地域でございます。
 例えば、スケトウダラの成長自体が、太平洋岸より日本海側が一年遅いというような調査結果も伝えられているところでございまして、一九九一年の漁獲高が約四万トンであったのに対しまして、二〇〇二年ではこの地域では約二・九万トンまで減っているという、栄養が貧しい地域であるということも指摘をされております。
 そこで、魚の残りかすを海に戻して、プランクトンですとか、そういったえさにしようではないかというふうに漁民の皆さんは考えているわけでございますけれども、この点については、やはり廃棄物という観点から、海洋汚染防止法にのっとって対処をしなければいけないわけでございます。
 さて、このイカの内臓が廃棄物になるのか、あるいはえさになるのか、どっちになるのかという議論が起きているわけでございますけれども、例えば、国のどの機関が、海の栄養になる、えさになるか、このことを決めるのでしょうか。この点について、判断するのがどこになるのかということを環境省にお伺いしてもよろしいですか。
○小林(光)政府参考人 環境省でございます。
 今御指摘のとおり、海洋汚染防止あるいは廃棄物の処理ということで、最近、法令が大変厳しくなってきてございます。イカの残渣等を仮に廃棄物として処分をするということになりますと、海洋投入処分ということだと思いますけれども、これは海洋汚染防止法において規制がされるということでございます。油分を除くといった処理を行った上で、五十海里、百キロぐらい沖の海域でようやっと投入ができるというのが現行の規制でございます。
 そうした中で、今御指摘のようなことで、動植物性残渣を漁業生産のために肥やしみたいに海中に戻すということをしたらどうだろうかというお問い合わせもあったのが事実でございます。実際、イカの内臓等につきましては、現在も、例えば渡島半島部分につきましていいますと、私どもの承知している限りでは、一万数千トンが実際にエビのえさに加工されたりというようなことで、そういったえさになるということは、物としては可能なのかなというふうに思っております。そうした海洋生産のためのえさとする行為といったようなことにつきましては、海洋汚染防止法上の廃棄物の排出に該当しないということになるわけであります。
 ただ、海洋生産のための行為でありましても、海洋環境に与える影響については、きちっとした配慮が要るということで、適切な方法をやはり検討していかないと、廃棄物の処理と似たようなことになってしまうということになると大変困る、こういうことでございます。
 御指摘の点は、では、廃棄物の処理なのかそういった有用利用なのか、だれが判断するのかということでございます。私どもが直接処理する立場ではございませんので、処理する立場の方がいろいろ御検討されて、こういうことで効果があるということをお見せいただいた上で、私どもが水産庁とも相談して御判断させていただく、こういうことになろうかというふうに思っております。
○丸谷委員 そういうことだと、現場の方が悩んでしまうんですね。
 今回、皆様からの御要望を取り上げさせていただいたのにも経緯がございまして、実は、二〇〇四年に特区の申請がございました。その中で、檜山管内の方で、魚の残りかすを海に捨てる特区を申請したわけです。ただ、これは環境省の方から、廃棄物の海洋投棄であるので控えるべきだという第一次答申が出まして、却下をされたわけですね。そこで、二〇〇五年には、残りかすを海に捨てる特区の申請ではなく、今度は漁業生産のための特区の申請をしたわけです。そうしましたら、環境省の方からは、漁業生産のための投棄であるのであれば海洋汚染防止法の規制を受けないですというような答申が来たので、今、それなら海洋の漁業生産のための投棄をどうしたらいいのかということで、一生懸命現場が考えているという状況であります。全部漁民に任されると、自分たちはえさだと思ってまいてきたけれども、海洋汚染防止法にひっかかるとかいろいろなことを法律論で言われると現場が本当に困ってしまうというのも現状でございます。
 これから、北海道の方は、平成十八年度予算の中で、えさとして海洋に与える影響を調査するというふうに言っておりますので、その際に、北海道だけ頑張ってくださいねということではなく、環境省さんもあるいは水産庁の方も、しっかりと北海道と連携をとっていただいて、どういう調査が必要なのか、カドミウムが海洋に与える影響の有無ですとかあるいは油膜ですとか、いろいろな項目があると思いますけれども、ぜひ連携を密にとっていただいて、どの調査をすればイカの内臓が無事にえさとして有効活用されるのか、海中で有効活用されるのか、この点についてしっかりと連携をとっていっていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。
○小林(光)政府参考人 こういう例につきましては、決してこれが初めてではございません。例えば、私どもが承知しておりますのは、福岡県におきまして、ナマコの一種でございますけれども、グミというものでございますが、これをタイとかイシダイのえさにするというようなことが現に行われております。
 この際も、地元の水産センター等々がいろいろ調査をされ、そして水産庁の方からもこれはなかなかいい方法だというお話を承り、私どもの方も検討させていただいて、そのモニタリング方法等について助言をして、現在行われておる、こういうことでございまして、今御指摘のとおり、連携を密にして助言をしてまいりたいと思います。
○丸谷委員 どうぞよろしくお願いいたします。
 時間ですので、もう最後の質問になるかと思いますけれども、後継者育成についての要望をいただいております。
 実際に、今後継者を育成ということで国がやっていただいているのは、例えば、新規就業についての募集そして案内ということと、また、就業する際の融資ということをやっていただいております。
 ところが、小さな漁場の皆様にお話を聞いてみますと、一つの組合に入るのは家族で一人というような組合もございまして、そうするとなかなか、例えばリストラをされた息子さんが漁場に戻ってきたとしても、そこの家族としてはお一人が一組合にしか入れないので、一人に対してはケアができないという状況もあるところもございます。
 いろいろな細かい対策をとっていかなければ、新規就業あるいは融資というだけではなかなか後継者育成というのが難しいという状況もございますし、総体的には現在やっていただいています後継者育成というのは非常に功を奏しているのかもしれませんけれども、現場現場ではいろいろな違った悩みもございます。
 そういったことを受けて、この後継者育成のあり方自体を、これから水産基本計画、また見直しが入りますけれども、その際に、後継者育成という観点で、ぜひもっと使い勝手のいいというか、例えば養殖技術の開発あるいは訓練等も後継者育成の中でしっかりと見ていただいていけるような、そういった取り組みをしていただきたいという声がございましたけれども、この点については、政府はどのような御見解をお持ちでしょうか。
○宮腰副大臣 委員御指摘のように、新たに漁業に就業するに当たりましては、漁船、漁具等を調達するために相当額の初期投資が必要になります。例えば、沿岸漁業で使用される五トンクラスの漁船、そんな大きい船ではありませんけれども、装備によっても異なりますが、おおむね一千万から二千万円の購入費用がかかっております。
 先ほど御指摘いただきましたけれども、資金面からの支援策として、沿岸漁業改善資金におきまして、主に漁船、機器、施設を調達するための資金を無利子で貸し付けているところでございまして、平成十六年度におきましては五十八件、総額約六億円の実績というふうになっております。
 また、若者の漁業への円滑な新規参入の促進を図るため、これまでの求人・求職情報の提供、これも先ほど御指摘がありました、それから、漁業就業支援フェアの開催といった取り組みに加えまして、新年度、平成十八年度から新たに、漁業になじみのない都市部の若者を主な対象とした漁業現場での六カ月の長期研修を実施するということにいたしております。これは一人当たり約二百万ほどかかるわけでありますけれども、対象者目標百人ということで、この研修費につきましては受け入れていただく漁業者の方々にお支払いする、そういう仕組みでスタートをさせていただきたいと思っております。
 これから水産基本計画の検討に入るわけでありますけれども、後継者対策、極めて重要でありますので、この問題につきましては、しっかり検討させていただきたいと思っております。
○丸谷委員 ぜひ、副大臣おっしゃっていただきましたように、見直しの中でもこの後継者問題はまた前向きにかつ積極的に御検討いただきたいというふうに思います。北海道の水産業の、今新規就業フェア等で皆さん海にあこがれて、海は広いからいいなという思いで漁業につかれても、海に出ればトドがいるという状況の中で本当に大変なのが現状でございます。どうか、各地各地に応じた柔軟な対応ができるように、また支援の方も今後よろしくお願いしたいと思います。
 以上で終わります。どうもありがとうございました。
○稲葉委員長 次回は、来る二十三日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時八分散会