第164回国会 予算委員会 第6号
平成十八年二月七日(火曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 大島 理森君
   理事 金子 一義君 理事 田中 和徳君
   理事 玉沢徳一郎君 理事 松岡 利勝君
   理事 茂木 敏充君 理事 森  英介君
   理事 細川 律夫君 理事 松野 頼久君
   理事 上田  勇君
      井上 喜一君    伊吹 文明君
      石原 宏高君    臼井日出男君
      尾身 幸次君    大野 功統君
      奥野 信亮君    河井 克行君
      河村 建夫君    斉藤斗志二君
      笹川  堯君    実川 幸夫君
      園田 博之君    高市 早苗君
      渡海紀三朗君    冨岡  勉君
      中山 成彬君    丹羽 秀樹君
      根本  匠君    野田  毅君
      原田 令嗣君    福田 峰之君
      二田 孝治君    町村 信孝君
      三原 朝彦君    山内 康一君
      山本 公一君    山本 幸三君
      山本 有二君    泉  健太君
      小川 淳也君    大串 博志君
      岡田 克也君    加藤 公一君
      近藤 洋介君    笹木 竜三君
      篠原  孝君    高山 智司君
      寺田  学君    原口 一博君
      伴野  豊君    古川 元久君
      馬淵 澄夫君    前原 誠司君
      山岡 賢次君    伊藤  渉君
      坂口  力君    谷口 和史君
      笠井  亮君    佐々木憲昭君
      阿部 知子君    糸川 正晃君
      亀井 久興君    徳田  毅君
    …………………………………
   内閣総理大臣       小泉純一郎君
   総務大臣         竹中 平蔵君
   法務大臣         杉浦 正健君
   外務大臣         麻生 太郎君
   財務大臣         谷垣 禎一君
   文部科学大臣       小坂 憲次君
   厚生労働大臣       川崎 二郎君
   農林水産大臣       中川 昭一君
   経済産業大臣       二階 俊博君
   国土交通大臣       北側 一雄君
   環境大臣
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当) 小池百合子君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     安倍 晋三君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (防災担当)       沓掛 哲男君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      額賀福志郎君
   国務大臣
   (金融担当)
   (経済財政政策担当)   与謝野 馨君
   国務大臣
   (規制改革担当)     中馬 弘毅君
   国務大臣
   (科学技術政策担当)
   (食品安全担当)     松田 岩夫君
   国務大臣
   (少子化・男女共同参画担当)           猪口 邦子君
   内閣官房副長官      長勢 甚遠君
   内閣府副大臣       嘉数 知賢君
   防衛庁副長官       木村 太郎君
   法務副大臣        河野 太郎君
   外務副大臣        塩崎 恭久君
   財務副大臣        竹本 直一君
   文部科学副大臣      河本 三郎君
   厚生労働副大臣      赤松 正雄君
   厚生労働副大臣      中野  清君
   農林水産副大臣      宮腰 光寛君
   経済産業副大臣      西野あきら君
   国土交通副大臣      江崎 鐵磨君
   環境副大臣        江田 康幸君
   内閣府大臣政務官     後藤田正純君
   内閣府大臣政務官     山谷えり子君
   防衛庁長官政務官     高木  毅君
   総務大臣政務官      桜井 郁三君
   総務大臣政務官      古屋 範子君
   法務大臣政務官      三ッ林隆志君
   財務大臣政務官      西田  猛君
   文部科学大臣政務官    吉野 正芳君
   文部科学大臣政務官    有村 治子君
   厚生労働大臣政務官    西川 京子君
   農林水産大臣政務官    金子 恭之君
   経済産業大臣政務官    片山さつき君
   国土交通大臣政務官    石田 真敏君
   衆議院事務総長      駒崎 義弘君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    阪田 雅裕君
   政府参考人
   (内閣官房内閣参事官)  荻野  徹君
   政府参考人
   (警察庁生活安全局長)  竹花  豊君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    縄田  修君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長)            青木  豊君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局長)            鈴木 直和君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       北井久美子君
   政府参考人
   (厚生労働省政策統括官) 太田 俊明君
   政府参考人
   (農林水産省消費・安全局長)           中川  坦君
   政府参考人
   (国土交通省住宅局長)  山本繁太郎君
   政府参考人
   (国土交通省住宅局建築指導課長)         小川 富由君
   参考人
   (食品安全委員会委員長) 寺田 雅昭君
   予算委員会専門員     清土 恒雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月七日
 辞任         補欠選任
  臼井日出男君     丹羽 秀樹君
  亀井 善之君     福田 峰之君
  笹川  堯君     山内 康一君
  園田 博之君     原田 令嗣君
  笹木 竜三君     寺田  学君
  高山 智司君     山岡 賢次君
  古川 元久君     前原 誠司君
  馬淵 澄夫君     泉  健太君
  桝屋 敬悟君     谷口 和史君
  佐々木憲昭君     笠井  亮君
  糸川 正晃君     亀井 久興君
同日
 辞任         補欠選任
  丹羽 秀樹君     臼井日出男君
  原田 令嗣君     園田 博之君
  福田 峰之君     冨岡  勉君
  山内 康一君     石原 宏高君
  泉  健太君     馬淵 澄夫君
  寺田  学君     笹木 竜三君
  前原 誠司君     篠原  孝君
  山岡 賢次君     近藤 洋介君
  谷口 和史君     伊藤  渉君
  笠井  亮君     佐々木憲昭君
  亀井 久興君     糸川 正晃君
同日
 辞任         補欠選任
  石原 宏高君     笹川  堯君
  冨岡  勉君     亀井 善之君
  近藤 洋介君     高山 智司君
  篠原  孝君     古川 元久君
  伊藤  渉君     桝屋 敬悟君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 平成十八年度一般会計予算
 平成十八年度特別会計予算
 平成十八年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
○大島委員長 これより会議を開きます。
 平成十八年度一般会計予算、平成十八年度特別会計予算、平成十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑を行います。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、参考人として食品安全委員会委員長寺田雅昭君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として内閣官房内閣参事官荻野徹君、警察庁生活安全局長竹花豊君、警察庁刑事局長縄田修君、厚生労働省労働基準局長青木豊君、厚生労働省職業安定局長鈴木直和君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長北井久美子君、厚生労働省政策統括官太田俊明君、農林水産省消費・安全局長中川坦君、国土交通省住宅局長山本繁太郎君、国土交通省住宅局建築指導課長小川富由君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○大島委員長 昨日に引き続き、前原誠司君から質疑の申し出があります。前原誠司君。
○前原委員 おはようございます。昨日に続いて質問をさせていただきます。
 総理、まず資料をお渡ししておりますが、七の資料を見ていただけますでしょうか。きのうも最後にお見せをした資料でございますが、ここから再スタートをさせていただきたいと思います。
 この図というのは、正規労働者と非典型労働者数の推移ということであります。非典型というのは、パート、アルバイト、派遣労働、契約、嘱託、そういった方々でありますけれども、非典型労働者の方がふえて、そして正規労働者の方が減ってきている、こういうことが如実に出ているわけでございますが、総理、この傾向についてどう認識をされるのか、まずお伺いをしたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 この今、前原議員が提出された正規労働者と非正規労働者、確かに、平成十一年中ごろから非正規労働者の方がふえ始めた、正規労働者が減り始めた。ところが、これが最近逆転したんですよ。
 正社員とパート労働者数の増減率の変化ですけれども、平成十三年は、正社員がマイナス一・三%、パート労働者がプラス三・五まで伸びてきたんです。十四年、十五年、だんだん正社員が減ってきてパート労働者がふえてきているのは事実、この表の。ところが、平成十八年、ことし二月に発表したんですけれども、平成十七年分の速報で、厚生労働省の毎月の勤労統計調査によりますと、十六年では正規社員がマイナス一%減ってパート労働者がプラス五・七%ふえていますが、逆に去年の十七年分で正規労働者がようやくプラス〇・五に転じたんです。そしてパート労働者が五・七から〇・六に減っているんです。ようやく正規社員を将来のやはり人材養成のために各会社がふやし始めたんですね。こういう傾向を続けていってほしいな、またそういう環境を整備していきたいなと思っております。
○前原委員 私が伺ったのは、正規雇用が減って、そして非典型労働がふえてきた。しかし、ことしになってその変化の兆しが見えてきたと。私の質問に対して総理は、では正規雇用がふえる方がいいと、そういうことをおっしゃっているという認識でよろしいですね、そこでうなずいていただいたら結構です。いや、私も一緒なんです。
 ただ、今総理がおっしゃったことで申し上げれば、この間、厚生労働省が有効求人倍率というものを発表いたしましたが、十三年ぶりに一を回復したということなんですが、しかし、相変わらず、正規雇用の有効求人倍率については〇・六五、非常に低い水準でありますし、パートそれから嘱託等の方は一・四一と高いんですね。今、いい兆しであったらと、それは我々も歓迎をいたしますけれども、しかし、実際問題まだまだ低いというところに非常に大きな問題があると思っております。
 では、そういう意味では、総理はこの正規労働者をふやすための施策としてどういうことを考えておられるのか、労働政策という観点からお伺いをしたいと思います。
○川崎国務大臣 細かい数字が出ましたので、正確に申し上げますと、十七年十一月、正社員が四・七%増、非正規社員が四・一%減、十二月は〇・三%増、非正規社員が七・八%減ということで、確かに十一月、十二月はそういう数字になっております。
 ハローワーク全体の取り組みといたしまして、フリーター等から正規雇用へ二十万人という計画を、今二十五万人に上げさせていただいております。その中で、ハローワークの仕事としては、実は、各企業を回りながら、できるだけ正規雇用を出してください、こういうお願いをいたしております。やはり、企業に対する働きかけをしていく。また、フリーターの皆さん方が来たときに、できるだけ正規雇用、そういう意味では、就業を目的とする教育というものをしっかりしていかなきゃならぬだろう。あわせながらふやそうということで努力をいたしております。
○前原委員 この非典型労働の方、これは、きのうも申し上げた数字でありますが、月給が十万未満の方が非典型労働の全体の三七・二%、そして十万円から二十万円の方が四〇・八%。つまりは、月給で二十万以下の方が、非典型労働者、嘱託とかパートの方々のおよそ八割を占めている。月給二十万以下ですよ。ですから、これは非常に私はやはり大きな問題であると思いますし、若干今の数字、傾向が変わってきているとはいえ、この流れが定着すればいいですけれども、しかし実際問題、この正規社員の給与と、そしてまた非典型労働者の給与の格差というものが余りにも開き過ぎているということが、私は格差があいているということの一つの典型だと思っているわけです。
 私は、それを是正をするために、さまざまな手当とか保険料などというのはもちろん勘案しなくてはいけませんが、原則として、正社員あるいは非典型関係なく、同一労働同一賃金というものを徹底させるということをしっかりと政府の方針として打ち出すべきだと思いますが、総理の答弁をいただきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 原則として、同じ労働だったらば同じ賃金、これが望ましいと私も思っております。
○前原委員 原則と私が申し上げたのはどういう意味かというと、正社員についてはさまざまな手当等がついている、そういうパラメーターを除いて、実際には同じ仕事をしたら同じ賃金をもらえなきゃいけない、しかし今はそれができていないからこれほどの所得格差があいている、それを是正するべく同一労働同一賃金が望ましいと言ったんですけれども、同じ考えであれば、同じだ、努力をすると言っていただいたら結構です。
○小泉内閣総理大臣 それは会社によっても違うと思います。その人物によっても違います。同じ仕事をする、同じ時間で、同じように。だから、その点は原則としては望ましいと思っています。
 そして、いい社員を採るためにはやはり待遇面においてもよくしていくということ、またそれが会社の発展にもつながるんじゃないか、経営者もそういう気持ちで待遇等について配慮していただけるように、政府としてもこういう問題を後押ししていきたいと思っております。
○前原委員 違う観点で質問をさせていただきたいと思います。
 資料の十二をごらんいただけますでしょうか。
 これは何かといいますと、被生活保護世帯、人員数、保護率の推移ということで、年々生活保護世帯、人員、保護率がふえている、こういう状況であります。今や百四万世帯ぐらいの方が生活保護を受けておられるということで、小泉総理の任期中の五年間でもこれだけの生活保護の上昇があるということ。
 次に、十三の資料を見ていただきたいと思います。
 これは、生活保護を受ける方の子供さん、また準要保護ということでございますので、当然ながらオーバーラップしてくるわけでございますけれども、就学支援を受ける子供さんの数がこの四年間で三七%、約四割ふえたということで、百三十三万七千人の方が今就学援助を受けている、こういうことになっているわけです。
 資料の十四もごらんいただきたいと思います。
 今度は東京に合わせて見ていただきたいと思うわけでありますが、二四・七九%なんですね。これは実際問題、全国平均で申し上げると一二・八%でありますけれども、東京が、示しているように二四・八%、そしてまた大阪は二七・九%ということで、四人に一人が就学支援を受けている、こういう状況になっているわけであります。
 もう一つ資料を見ていただきたいと思います、資料十五。
 今、東京の平均が二四・八と申し上げました。AからWまで二十三区をアルファベットにしておりますけれども、一番低いところがA区、小学校六・五六、そして中学校が七・〇二ということでありますが、一番高いところを見ていただくと、U区、小学校四二・八一%、中学校でいうと四三・八三%ということで、東京の中でもこれだけばらつきがある。つまりは、このU区というところについては十人に四人以上が就学支援を受けている、こういう状況であるわけであります。
 さて、そこで総理にお尋ねをしたいと思うわけでありますが、この就学支援というのは、では一体何に使われているかといいますと、鉛筆とか消しゴム、そういった学用品でありますとか、あるいは給食費、あるいは修学旅行に充てられる費用、こういったものが親の所得に応じて給付されているわけでありますけれども、私、ある区の先生にもお話を伺いましたけれども、親に渡さないんですね。親に渡さずに、校長先生が口座を持っていてそこに振り込まれる。なぜなら、親にお金を渡してしまったら親が生活費に回してしまうかもしれない、それは就学支援にならないということで、校長先生が管理をされている、こういう状況が実際問題あるわけです。
 私が申し上げたいのは、先ほど申し上げた正規職員あるいはパートの所得格差というものもありますし、また、実態を聞いておりますと、やはりシングルマザーの方も、かなりそういう意味ではこういう生活保護あるいは就学援助を受けられる方々というのは比率的に多いわけでありますけれども、私は、一番きょう問題にして、総理にもぜひ一緒に考えていただきたいのは、どこの家庭に生まれるかということを子供は選ぶことはできません。子供というのは、まさに等しく生まれてきて等しく育つべき、私は、国の宝だと思っております。しかしながら、実際問題、全国平均で一二・八%の子供さんが就学援助を受けなきゃいけない。そして、先ほど申し上げたような状況、鉛筆とか消しゴム、修学旅行、給食費、こういったものに充てられている。
 現場の先生方も配慮をしていただいて、できるだけわからないようにということなんですけれども、やはり鉛筆とか消しゴムを現物給付ということになれば、どう隠そうとしても、先生がそういうことをほかの子供たちにわからないようにしたって、わかる場合はあるんですね、どうしても。そうなると、子供たちの中で見る目が変わってくるという部分もあります。
 それから、これは我が地元の、私学の高校に子供さんを行かせておられる親御さんにお話を聞いたんですけれども、修学旅行に行かすことのできない御家庭が、一クラスで数名、多いところでは十名ぐらいに上っているということもあるそうです。まさに、子供の時代、学生時代において、修学旅行というのは最も思い出に残る大事な一場面。それが、いわゆる親の収入というもので制約を受けて、結果的にそれができないし、先ほど申し上げた就学支援についても、ほかの子供さんたちから違う目で見られるという肩身の狭い思いをしている。
 これはまさに、私は、総理がおっしゃる機会の平等というものが現実の現場においては守られていない。つまりは、機会の平等を与える、そして結果の平等というのはそれに付随をするものだ。私もそう思います、機会の平等は与えられるべきだと。しかし、今の教育現場の実情を見るならば、機会の平等さえ子供に与えられていない状況があるということを考えるならば、これはまさに、所得再分配の政策というものがうまく機能していないために、やはり格差が広がっている影というものが色濃く出ていると断じざるを得ないと思いますが、総理の認識を伺いたいと思います。
 政策的な細かい話ではなくて、子供に対しての機会平等が与えられていない、このことについて、結果的には、所得再分配機能がうまくいかずに、そして格差が広がっているということを如実にあらわしているんじゃないかということを聞いているわけです。詳しい細かい政策を聞いているんじゃない。これは総理に伺っているんですよ。
○小泉内閣総理大臣 同感であります。具体的にどうか、前原議員が今言っていることと、現実にどういうような支援をしているか、文科大臣から答弁させます。
○小坂国務大臣 前原代表の御質問でございますが、機会が平等に与えられているか、こういう点についてはいろいろな見方があることは、そのおっしゃる意味は私もそれなりに理解をいたします。
 しかしながら、国としてどのような援助を行っているかということに関しましては、義務教育は、国が憲法で保障した、国民に対しての無償で一定の水準の教育の機会を提供するという観点から、教育基本法や学校教育法等に基づきまして、授業料の無償や教科書の無償供与をしているわけでございます。また、市町村におきましては、経済的な理由により就学が困難な児童に対して、その就学援助という形で今おっしゃったようなことが行われている。
 その中で、生活保護世帯については国が、また、準保護世帯については、準要保護という形に関しては市町村が担当して、そこに給付を行っているわけでございます。従来はいずれも国が行っておりましたが、地方に裁量権をという観点から、平成十六年から市町村の方に準保護については移管をしているところでございますが、いずれにいたしましても、保護を求めたけれども保護が与えられなかったというような形は、そういう問題は、現実の形で苦情として上がってはおりません。機会は、そういう意味では与えられている。
 しかしながら、その程度が、おっしゃったような修学旅行その他のすべての部分で、すべて満たされるかといえば、やはり最低限のものを保障するという観点から、それを充実させることを努力しているところでございます。
○前原委員 そういうことを聞いているんじゃないんです。現実の問題の中で起きていることについて、どう政治家としてあるいは総理としてお考えになるか、そして、どう対応していかなきゃいけないのかということをお伺いしているわけです。
 ちょっと資料を見ていただきたいと思います。
 資料の十六です。十六、十七と両方見ていただきたいと思いますが、これは、私、実は一番ショッキングな図でありますけれども、就学援助率と学力の関係というものが、こういうふうに右肩下がりで相関関係にある、こういうことが明らかになったんですね。これは、東京都の教育委員会の資料をもとに我が党で作成をしたものであります。十六については、これは小学校五年生の国語の平均点数、それから資料十七、これは中学二年生の英語の平均点の相関、同じような右肩下がりの相関図になっているということであります。
 総理、それは、いろいろな所得の方がおられるのは事実であります。
 例えば、今、有名私立大学が小学校まで附属の小学校をつくって、いわゆるそのお金というのは幾らぐらいか、総理、御存じですか。年間百万から、高いところでいったら三百万ぐらい小学生に払うということで、一貫教育、大学まで、有名な大学ですね、そういうものがあって、また塾や家庭教師につかせられる子供がいる。しかし一方では、全国平均で一二・八%、そして大都市部では四人に一人が就学援助を受けなくてはいけなくて、その結果として、現実問題として、就学援助率と学力の相関関係が右肩下がりで出てしまっている、これは現実の問題なんですよ。
 この問題をどう解決していくのか。私は、総理に問いたいのは、その問題について言えば、では、学力が伴わない、そして、その子が例えば大学に行けなかった、資金の面でも、学力の面でも。そうすると、正規社員として就職できなかった。そうすると、また低い給料で働かざるを得ないということになる。
 つまりは、機会の平等が与えられずに、そして結果的に学力もそういうものが反映をされて、その子供が大きくなったときにつく仕事についてもまた所得の格差が開くという、まさに、格差の再生産や、ある意味では希望格差というものがどんどん開いていくような社会の実態にあるというふうに私は思います。
 先ほど私の指摘に対して同感だとおっしゃったということは、そういう現状を認めて、まさに格差が開いていて、現場では、特に子供の教育においてはしわ寄せがいっているということを素直にお認めになったということですか。もう一度、自分の政治家としての言葉で、一番国の宝で、機会の平等が与えられなきゃいけない子供の現場でこのような格差が生まれてきて、繰り返し申し上げますけれども、格差の再生産や希望格差が生まれるような状況にあるということについて、政治家として、日本のリーダーとして、どう取り組もうとされているのか、そのことについてお答えいただきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 生活苦のために就学の機会が奪われないように、これはしっかりと手を差し伸べる対策は必要であります。
 それと、これからの子供たちの将来にとっても、しっかりとした基礎的な学力をつけるということは、将来の社会に出て働く上においてもこれが重要であるということは同感でありますが、私は、何も学校の成績がよくないからといって悲観する必要はない。(発言する者あり)
○大島委員長 御静粛に。御静粛に。
○小泉内閣総理大臣 世の中は、学校を出なくても、あるいは、大学を出なくても、高校を出なくても、それぞれ好きな道を選んで、大学出よりもはるかにすぐれた仕事をしておられる方もたくさんいるわけであります。
 そういう意味において、まずは学力、学力ということも悪いことではありませんけれども、基礎的な学力を身につけた場合、それぞれの人には持ち味があります、向き不向き。勉強のできる子は、親がしろしろなんか言ったって、自分でして、優秀なんですよ。勉強嫌いな人は、幾ら言われたって学校に行きたくない。学校の中では成績悪くても、学校を出ると非常に人望を集めて、仲間を多くつくって、社会で活躍している方もたくさんいるんです。だから、そういう、一定の学力がついた後、本人の能力とか持ち味というのを見きわめることが必要なんですね。
 政治家を見ていると、政治家はみんな学校の成績、頭がよかったかというと、そうじゃないですね。むしろ例外で、頭のよさ、学校の成績のよさを見たら、官僚の方がはるかに成績がいい。
 だから、学校で余り成績がよくないから序列が決まるという社会にしちゃいかぬ。学校での成績がいいのはいい、褒められてしかるべきだ。しかし、社会に出れば、それはいろいろな能力、違うんですから。そういう点を伸ばすことも必要ではないか。しかし、多くの子供から、勉強したい、学校に入りたいという機会というものはしっかりとして支えていかなきゃならないと私は思います。
○前原委員 総理、今のはちょっと不謹慎な私は答弁だと思いますね。なぜなら、私は、学力が高い子、勉強ができる子がいい子だとは言っていない。つまりは、所得が多い家庭でも勉強が嫌いな子はいっぱいいる。それはほかの道に進んだらいい。それは、所得に関係なく、向き不向きはあるでしょう。私は、それを所得の多い少ないで分けていくことではないんですよ。
 つまりは、所得の多いところに生まれた子でも、勉強が嫌いでほかのことをどんどんやる子がいてもいい。自分の素質、個性を伸ばしたらいいですよ。しかし、私が言っているのは、所得が低いことによって機会の平等が与えられていない。結果として負の相関関係が出ているじゃないですか。そのことについて、所得の再分配機能ができていなくて、まさに格差の再生産、そして希望の格差というものが生まれてくる素地があるということを私は申し上げているわけです。勉強の向き不向きなんかにすりかえないでください。
 私が聞いているのは、つまりは、機会の平等というのは結果として与えられなくて、繰り返し申し上げますよ、所得の高い子の中でも勉強の嫌いな子はいて、しかし、どんどんほかのことをやって、そしてその道で伸びている子はいい。所得の低い子でも、しっかりと自分自身が、勉強に頼らず、努力をして、そして自分の力で伸びていく子もたくさんいる。しかし、機会の平等を与えなきゃいけないけれども、その所得の多い少ないによって機会の平等が失われていることが問題だということを私は言っているんです。すりかえないで、もう一度答えてください。
○小泉内閣総理大臣 私は、最初から機会を提供しなきゃいかぬと言っていますよ。いかに就学したいという人に対しては機会の提供を与えられるか。生活が苦しい、学費がない、学校へ行けないということをなくさないようにしなきゃいかぬ。
 ただ、人間の力というのは学校の成績だけじゃないから、学校の成績で序列をつけるべきではないということを言っているのであって、この点については、本人の努力もあるし、それぞれの向き不向きがありますから、こういう分野が得意、こういう分野が不得意、学校の成績が、勉強の成績、机での成績が得意な子もいますよ。しかし、そうでない子もいるんだから。
 しかしながら、就学の機会というものについてはあらゆる子弟に対してしっかりと与えなきゃならない、こういう点については私も同感であります。
○前原委員 同感だという言葉について、私は、同じと見られたくありません、今の答えであれば。つまりは、機会の平等が与えられていない、そのことによって子供にひとしくチャンスが与えられていない、機会の平等さえ与えられていないという社会によりなりつつあるというのが、統計で、あるいは現場の声として、あるいはその現場の数字として明らかになっているということを私は申し上げているわけです。
 最後に、ポイントを申し上げてこの問題については最後にしたいと思いますけれども、きのうは税金の無駄遣いの話を私はさせていただきました。官僚の天下り、談合、相当な無駄遣いがあると思っておりますが、公共投資額は、減ったとはいえいまだにOECDの中では高水準であります、対GDP比で。しかし、教育についての公費負担は対GDP比で先進国中最低じゃないですか、今日本は。つまりは、公共事業には金をまだまだ使うけれども、人への投資が少ないのが今の日本の状況じゃないですか。
 私が先ほど機会の平等と申し上げたのは、そういう予算配分を含めて考えていかなきゃいけないということを、まさに、今の政治の根本的な問題として、お金の使われ方の重点が間違っている、そのことを私は指摘しておきたいと思います。まともな答弁は返ってこないと思いますので、これについてはもう結構です、答弁は。
 BSEの問題について若干お話を伺いたいと思います。
 中川大臣、総理も聞いておいてください、総理にも質問いたしますから。
 小泉総理と中川農林水産大臣は、米国産牛肉の輸入再開において危険部位が混入をしていたことについては、日本政府には一切責任がない、これはアメリカの責任だということをずっと言われ続けてきましたね。そのことについて、まず農林水産大臣にお伺いいたします。
 一月三十日の我が党の松野議員の質問に対する政府の統一見解を出されましたね。中川大臣が二転三転をされた答弁であります。最終的に、政府の統一見解、食品安全委員会の最終答申では査察実施は輸入再開の条件とはなっていない、こういうことを言われていますね。確かに、これは書いていないわけであります。
 しかし、最終答申ではどういうことが随所に書かれているかということを、もう一度私は確認をさせていただきたいと思います。
 結論のところ。「これらの前提の確認は」、つまり輸入再開のことですね。「前提の確認はリスク管理機関の責任であり、」つまりは厚生労働省と農林水産省がこのリスク管理機関です。「リスク管理機関の責任であり、前提が守られなければ、評価結果は異なったものになる。」つまりは、食品安全委員会プリオン専門調査会でいろいろと専門家の方が議論をされた中での調査結果というものは、いわゆるリスク管理機関がしっかりと確認をして前提が守られなければ、評価結果は異なったものになるということを言っている。
 それと同時に、結論への附帯事項ということで、くどいまでにこういうことが繰り返し書かれている。「輸入再開の場合は輸出国に対して輸出プログラムの遵守を確保させるための責任を負うものであることを確認しておきたい。」農林水産大臣、もう一度申し上げますよ。「輸入再開の場合は輸出国に対して輸出プログラムの遵守を確保させるための責任を負う」と書いてあるんです。日本のリスク管理機関である農林水産省と厚生労働省が負うことを確認しておきたいということを最終答申に書いてあるんです。だから、この最終報告においては査察実施は輸入再開の条件とはなっていない、こういうことになっているわけですよ。
 現に、この最終報告には、今申し上げたように、政府が責任を負うと書いてあるじゃないですか。ということは、入ってきたということは、政府は責任を負わなきゃいけないんじゃないですか。アメリカの責任だけといって責任逃れしちゃだめなんじゃないですか、この最終報告によると。
○中川国務大臣 前原委員御指摘のとおり、この結論は、輸出プログラムが遵守されれば日米のリスクの差は非常に小さいというのが食品安全委員会の結論でございます。したがって、輸入再開手続に入ったわけでございます。
 他方、結論への附帯事項、これは附帯事項でございまして結論ではございませんけれども、もちろん我々はそれを重要視しているところでございます。その中で、御指摘のように、「輸出プログラムの遵守を確保させるための責任を負う」、この場合の責任というのは日本政府だというふうに理解をしております。
 したがいまして、輸出プログラムという、日本向けのアメリカのプログラム、これは韓国向けとかカナダ向けとか、それぞれの国にアメリカのプログラムがあるわけでありますけれども、日本向けのプログラムが守られていれば、リスクの差は非常に小さい。
 したがって、守られていれば問題はないということでありますけれども、守られていないということが成田税関で、日本の検疫制度、しかもこの検疫制度は、以前の検疫制度からおおむね十倍程度の精度アップをした、あるいは成田の場合には百倍でありますけれども、抽出数をふやしたわけでございまして、それによって発見されたわけでありますから、そういう意味では、輸出プログラムに、アメリカがそのとおりにやらなかった。これはアメリカ側の問題であり、日本側が安全性、リスクの差は非常に小さいというときに、日本がやるのは、アメリカの輸出プログラムで入ってこようとしたものを、日本の検疫制度の中で精度アップをして、危険部位が入っている、脊柱が入っているものが発見されたということでございますから、日本としては輸入再開に当たっての責任は果たしているというふうに理解をしております。
○前原委員 それは詭弁ですよ。
 つまりは、チェックできたという、後でまた別の観点から申し上げますが、「輸出プログラムの遵守を確保させるための責任を負う」ですよ。確保されていなかったんじゃないですか。だから、危険部位が来たんじゃないですか。
 ということは、その輸出プログラムの遵守がされなかったアメリカに責任はありますよ。それは大前提としてあるけれども、それの確保をさせるための責任を負うということで、結果、入ってきた責任は日本にあるんじゃないですか。
○中川国務大臣 ですから、アメリカの日本向け輸出プログラムを遵守していなかったので、それが動物検疫所で発見できました。では、その段階で、日本の政府、リスク管理機関、農林水産省と厚生労働省としては何をするかといえば、輸入をストップするわけであります。
 その輸入というのは、当該ロットだけではない、当該認定機関だけではない、すべての米国産輸入牛肉を瞬時にストップしたということがリスク管理機関としての果たすべき責任であり、それをやったということであります。
○前原委員 違うよ。とめたということ、とめたのも、これも後で申し上げますが、ひょっとしたら、結果的にはサンプル調査でしょう、ということは、入ってきているかもしれない。全部とめたなんという抗弁はできないと思いますよ、これは後で質問いたしますが。
 繰り返し申し上げますよ、同じ答弁だったら私は納得しませんから。
 輸出プログラムの遵守を確保させるための責任ですよ。つまりは、アメリカに危険部位の除去をしっかりやって、日本にはちゃんと約束したものだけ送ってくるのが輸出プログラムの遵守じゃないですか。それを確保させるということで、日本政府のリスク管理機関としての責任があるんじゃないですか。それができていなかったから来たんじゃないですか。ということは、確保させるための責任は負えていなかったということじゃないですか。
 とめたからいいという、それは論理のすりかえであって、この輸出プログラム遵守を確保させるための責任が果たせなかったから来たんじゃないですか。もう一遍答弁してください。
○中川国務大臣 日本側としての責任、御指摘のように、アメリカの日本向けの輸出プログラムにのっとってアメリカが責任を持ってやるということが再開条件でありました。それによって食肉処理施設をアメリカ政府は認定したわけでございます。
 他方、日本側としても、動物検疫の抽出度をレベルアップし、また、検疫官の数もふやして強化をしていった結果、水際でストップすることができたわけでございます。
 他方、アメリカの方に日本側から、私からも直ちに強く抗議を申し上げました。これは私だけではなくて、外務大臣も官房長官からも、アメリカの政府要人に同じようなことを言ったわけでございます。アメリカも、直ちにこの認定された四十の機関のうちの二つの当該処理を行った施設の認定を取り消しを行いました。
 そしてまた、一月二十三日には、政府として、念のため国内に危険部位が入っているかどうか、もう一度関係業界の方に確認をしてください、これは厚労省、農水省共同で今やり、間もなくその報告が来るのではないかというふうに思っております。そしてまた、危険部位周辺の肉は念のため市場に出さないでくださいということも厚生労働省の方から要請をしているところでございます。
 御指摘の答申というものは、これはきちっとアメリカにやってくださいと。万が一やらなかったときには認定を取り消します、あるいはまた、システムそのもの、再開の前提条件が崩れますということは御指摘のとおり書かれているわけでありますから、日本側の責任として、アメリカ側に対しての原因の徹底究明と再発防止策、そしてまた認定の取り消しをアメリカがやった。日本の中に入っているであろう七百数十トンについても、全力を挙げて今再調査をやっていただくようにお願いをしているわけでありますから、このシステムそのものにおいて、日本側の責任というものはきちっと最大限果たしていると理解しております。
○前原委員 違う観点から申し上げましょう。
 食品安全委員会プリオン専門調査会で座長代理を務められた東京医科大学の金子教授が、あるメディアの取材に対してこうおっしゃっているんですね。「不安が的中した」と述べられた上で、「諮問を受けた時、日本向けプログラムが守られることを前提に議論してくれ、順守のための条件は審議の対象項目に挙げなくてもいいと言われた。だから、事前調査すべきか、事後でいいのかは一切審議していない。私は何度も本当に前提が成り立つのか確認したが「政府が責任を持つ」ということだった」と答えられている。これは座長代理ですよ。座長代理がこういうことを、あるマスメディアのインタビューに答えられている。
 吉川座長も、同じメディアの取材でこうおっしゃっている。「政府が査察して確認した上で牛肉が輸入されると理解していた」、こういうことをおっしゃっている。
 川内議員の質問主意書の事前か事後かについて、私はこの際、百歩譲って申し上げません。しかし、このプリオン専門調査会の座長と座長代理が、まさにちゃんとしたチェックというものを査察も含めてやるという前提だから我々としては答申を出したんだということをおっしゃっている。
 それと、ではもう一点申し上げましょう。
 先ほどアトランティック社のことをおっしゃいましたね、とめられたと。実際に輸入再開を決めたのは、これは十二月十二日ですね。その同じ日に、もうある日本の会社がサンプルの発注をしているんですよ、発注している。そして、十三日に出発された調査団が十四日から本格的に調査をされているけれども、しかし、第一便は、もう十五日の朝七時の飛行機で日本に向けて飛び出ている。
 つまりは、査察をしっかりするということが、これは事後の場合、農林水産大臣も何度も記者会見等で答えられている、査察を念入りにやりますと。そして、札幌などでの公聴会でも、しっかりとその査察というものはやっていくんだということをおっしゃっている。先ほども、日本としてやるべきことはしっかりやったとおっしゃっている。
 二つ申し上げたいのは、一つは、今申し上げたように、輸入解禁後でなければ実効性のある調査ができないと繰り返し答弁されてきましたね。つまりは、事前調査をしてもしようがないんだと。輸入解禁後、つまりは動き始めないと実効性のある調査ができないとおっしゃっていますが、第一便はちゃんとチェックできていない。つまりは、肉が出発をする後から結果的に調査団が行っていることになっているじゃないですか。ということは、初めのサンプル調査を発注したものについては、査察はしっかりとできていないということがまず一つ。
 それから二つ目は、日本向け四十施設のうち、査察をされたのは十一でしょう。二十九していないでしょう。しかも、アトランティック社というのは、調査団が帰ってきた年明けの一月六日に認定をしているわけですね。認定をしている。つまりは、この危険部位を混入して送ってきたところについては査察をしていないわけですよ。
 ということは、まさに、食品安全委員会プリオン専門調査会の座長、座長代理が前提としていた政府の責任も果たしていなかったし、結果的に、査察を行う調査団にしても、一番初めに来た肉についてはノーパスで日本に送ってしまっているということと、四十カ所のうち十一カ所しか見ていないということになれば、まさに、動き始めたら査察をするということを言っていた、事前か事後かについてはこだわりませんけれども、そのことについても日本の責任が果たせていないことになるじゃないですか。
 ということは、今申し上げたようなことも含めて、先ほどの最終報告も含めて、まさに、「輸出プログラムの遵守を確保させるための責任を負う」という日本政府の責任がすべての面で負えていなかったことになるじゃないですか。なぜ認めないんですか、自分の非を。
○中川国務大臣 今の前原委員の御指摘は、これは多くの国民がお聞きになっておられますので、きちっと話を整理してお答えしなければいけないと思います。
 一つは、御指摘のように、附帯事項の中で、食品安全委員会の議論の中でのいろいろな御指摘があったことの、重要といいましょうか、食品安全委員会としてわざわざ附帯事項として幾つかの御指摘がございます。
 先ほど申し上げましたように、これは結論そのものではございませんけれども、よりリスクを小さくするために、リスク管理機関としても、この附帯事項というものを重く受けとめ、アメリカ側に幾つかの要望を強くしているところでございます。これに基づいた要望でございます。その中に、したがって、輸出プログラムが遵守されるためのハード、ソフトの確立とその確認が重要であるという附帯事項の御指摘があるわけでございます。
 ですから、我々としては、先ほどから申し上げておりますように、一刻も早く念のための確認作業をするべきである、それが査察であるわけであります。その査察というのは、これは食品安全委員会のリスク評価の中での前提条件、輸入再開条件ではございません。ございませんけれども、重要だということは我々も認識をしておりますので、認定された四十施設のうち十一施設から始めたわけであり、現在輸入はストップしておりますけれども、いずれかの段階で四十施設全部を、今三十八でございますが、査察をするということは当初からの予定でございます。
 他方、十二月十二日に輸入再開決定が行われて、すぐに注文を出して、すぐに飛行機で飛んできたのではないかという御指摘でございますが、こういうことも実際には可能でございます。
 既に諮問の段階でアメリカのEVプログラム案というものを、もちろんこれは案でございますけれども、こういうEVプログラムでいいのかどうなのかということも食品安全委員会で御議論をいただく資料としてお出しをし、幾つかの案が、アメリカ側の案についても安全委員会で御議論をしていただいた上での先ほどの結論であったわけでございます。これが、十二月八日に答申をいただきました。
 そして、農林水産省あるいは厚生労働省で省内手続をして、そして日本側から、日本の家畜伝染病予防法に基づく衛生条件、これでなければだめですよという日本側の基本的な条件をアメリカ側に示して、そしてアメリカ側はそれを検討する。もちろん、そういう事前の作業というものはやっておりましたから、いきなり初めて見るものではないというのは、さっきのEVプログラムと同じでございます。
 そして、アメリカとしては日本側の家畜衛生条件をそのとおり遵守しますという回答があったのが、十二月の十日でございました。したがいまして、政府として、それに基づいて、十二月十二日に輸入再開決定をしたわけでございます。
 と同時に、一刻も早く、日本の輸入者あるいはアメリカ側の輸出者は、早く輸出をしたい、早く輸入をしたいということでありますから、そこから認定を受けるわけでありますけれども、それらは、ほぼ当日もしくは一両日中に受けた機関があって、その認定を受けたところがきちっと輸出プログラムにのっとって作業をして、アメリカ政府としてオーケーということになって、航空便で第一便が飛んできたのが十六日ですか、ということでございますので、これはルールどおりにやったということで、決して拙速ではないということを御理解いただきたいと思います。
○前原委員 今、何の自己弁護か、よくわからなかったです。私が、ポイントとして、もう一遍言いますよ、二つ。
 査察は前提でないとおっしゃいましたね。しかし、そこはしっかりやるから議論しないでくれと言われたんですよ。それは、吉川座長も金子座長代理もそうおっしゃっているんですよ。政府が責任を持つからその議論はしなくていいと言ったから、査察は前提ではないというか、最終答申には入っていないんですよ。それを逆手にとって、最終報告に入っていないからというのは、まさに政府のエゴですよ、それは。
 つまりは、今申し上げたように、専門家の方々が一番心配していたのは、輸出プログラムが本当に遵守されるのかと、アメリカで。その前提が確保されるのかわからない、そのことについて何度も何度も聞いたけれども、それは政府に任せておいてくれということだったから、それは議論すらしなかったと。だから、最終報告に入っていないのは当然で、それを逆手にとって、査察は前提ではないというのは本末転倒じゃないですか。おかしいじゃないですか。
 それと、もう一度初めのことを言いますよ。輸出プログラムの遵守はアメリカの責任、だから、アメリカの責任は大きいんですよ。しかし、遵守を確保させるのは日本の責任、リスク管理機関の責任なんですよ。それができなかったというのは、日本の責任として認めるべきじゃないですか。
 もう一度答弁ください。簡潔でいい、簡潔で。
○中川国務大臣 答申をいただくのは、リスク評価をされる食品安全委員会という、我々とは別の独立した機関が長期間にわたって専門的に御議論をいただいた。このリスク評価というものをきちっと守っていかなければならない。それが、我々、リスク管理行政というか機関の仕事でございます。
 したがって、査察というのはあくまでもリスク管理行政の一つでありまして、当然、リスク評価に基づいて、どういうリスク管理をやっていくかという中の一つでございます。そういう中で、今も事務局に確認しましたけれども、諮問の最中に、それはおれたちの仕事だから食品安全委員会で議論をしてくれないでくれというような要請なりやりとりがあったとは聞いておりません。
 いずれにいたしましても、我々としてはアメリカ側に万が一のことがないことを信頼していたわけでありますけれども、一月二十日に、ああいう形で明らかに危険部位が日本の水際、日本のリスク管理の体制の中で発見をされたわけでございますので、迅速に、しかも全面的に米国の牛肉の輸入をストップしたということでございまして、日本側の責任としては、最大限やれることをやっているというふうに理解をしております。
○前原委員 答弁になっていないですよ。同じことを言い続けている。
 私が聞いているのは、輸出プログラムの遵守はアメリカの責任、それを確保するのは日本の責任、入ってきてとめたから日本として責任を果たしましたじゃなくて、そういう危険部位を輸出させないことが輸出プログラムの遵守じゃないんですか。日本に来てしまったら、それは輸出プログラムを遵守したと言えないじゃないですか。来たものをとめたから日本としての責任を果たしました、それは問題のすりかえですよ。答弁になっていません。
○中川国務大臣 食品安全委員会の答申は、もう一度ごらんいただきたいんですけれども、一定の問題が発生したときには輸入再開条件の前提が崩れるでしたか、そういうような文言があるわけでございまして、輸入再開条件の前提が影響される、崩れる、ちょっと正確なところはお許しいただきたいんですが、という判断は、最終的には食品安全委員会がされる御判断でございまして、我々は、リスク評価のところに影響が出たとか出ていないとかいうことを判断する立場にないわけであります。我々は、答申をいただいたリスク評価に基づいて最大限のリスク管理行政を行っているわけでありますから、答申に対して、答申の内容の前提が崩れたとか崩れていないということは、私どもとしては判断できないわけでございますけれども、しかし、リスク管理行政としては最大限のことをやっているというふうに理解をしております。
○前原委員 総理、今のやりとりを聞いていただいたと思いますけれども、私は、日本のリーダーとして、ぜひ総理に、こういう観点から責任あるお答えをいただきたいと思うわけです。
 今の中川農林水産大臣の話を聞いていますと、最終的には食品安全委員会の責任にすりかえて、結果的にはリスク管理機関、農林水産省や厚生労働省はそれはやれる立場にはないんだというふうに私には聞こえる。それは、私は全くもって、では、だれが一体この国に責任を持っていて、まさにぽてんヒット、つまりお見合いをしてボールがぽとっと落ちる、そのことでだれがとばっちりを受けるんですか。危険な肉を食わされる国民じゃないですか。そういう状況が実は出ているわけですよ。
 一月二十日までの輸入届け出があった数量は千四百九十六トン、そのうち輸入手続が終了したのは七百三十トン。先ほど農林水産大臣はその追跡調査を命じたと言っておられましたけれども、かなり多くの国民が、危険な肉をずさんな管理によって食べさせられた可能性が極めて高い。これはまさに、国民の健康、生命に責任を持つ政府としての、結果としての大きな責任ではありませんか。そのことについて、それでも政府には責任はなかった、アメリカが悪いんだということを総理は抗弁されますか。御答弁をください。
○小泉内閣総理大臣 私は、日本政府はきちんと対応したと思います。
 食品安全委員会の報告書におきましても、要約しますけれども、「もし、リスク管理機関が輸入再開に踏み切ったとしても、」「人へのリスクを否定することができない重大な事態となれば、一旦輸入を停止することも必要である。」そのとおり日本政府はしているのであって、その前に輸出プログラムにおいても日米の合意を遵守する、そういうことでアメリカが責任を負ったんだけれども、結果的に遵守していなかった。遵守するように強く求めて、今それがされている。
 ですから、私は、日本の行政としてはしっかり対応していると思っております。
○前原委員 先ほどから議論しているように、遵守するのはアメリカの責任ですよ。しかし、遵守を確保するのはリスク管理機関である日本の責任であって、結果として、マックスで七百三十トン、それが流通している可能性があって、危険な部位が混入しているかもしれない牛肉を食べさせられたのは国民ですよ。
 アメリカとの外交交渉をやるのは政府でしかできないわけで、それをしっかりと管理できなかったのは、まさに日本の政府の責任じゃないですか。それを、アメリカ政府にだけ責任を負わせて、日本には全く責任なかったという、私はリーダーとしての資質を疑いますよ。無反省、無責任、これは私は極めて問題発言だと思っております。
 最後に、では、それだけアメリカが悪いということをおっしゃるのであれば、ブッシュ大統領にそれについては直接抗議されましたか。
 ブッシュ大統領は、昨年の三月十日に直接小泉さんに電話をかけて、輸入再開ということを要請されたと聞いています。私も、アメリカに年に一、二回行って、トランスフォーメーションの議論よりもっと政治的には深刻な話なんだということをいろいろな方々に聞かされた。ブッシュ大統領がこういう問題で直接電話をかけてくるというのは、極めて異例のことであります。
 そういうことについて、ブッシュ大統領から直接あったのであれば、総理は国民の怒りを代弁してブッシュ大統領に直接、何ということをするんだ、しっかりと、ちゃんと遵守をすべきじゃないかといって、抗議されるべきじゃないですか。したんですか、しないんですか。
○小泉内閣総理大臣 どのレベルの外国の首脳に話すかというのは私が判断すべきことでありまして、担当者がいるわけであります。指図されて、あの人に話しなさいと言われる問題ではありません。自分で判断します。
○前原委員 指図しているんではなくて、国民の生命と健康に極めて大きな影響を及ぼす問題について、日本のリーダーが文句つけなくてだれが文句つけるんですか。それができていないからリーダーとして無責任、無反省だと言っているんです。
 質問を終わります。
○小泉内閣総理大臣 政府として、きちんとアメリカ政府に対してしかるべき対応をとるよう抗議し、申し入れております。
○大島委員長 この際、山岡賢次君から関連質疑の申し出があります。前原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山岡賢次君。
○山岡委員 民主党の山岡賢次でございます。
 私は、今、前原代表が御質問されましたBSE問題を中心にお伺いをさせていただきます。BSE問題イコール国民の食の安全、こういう問題に相なるわけで、これは単にBSE一つの問題ではない、全部に絡む大きな問題じゃないかと思っております。
 今、るる代表からもお話がありましたから、それを受け継ぐ形でお話を申し上げますけれども、私自身のことを申し上げますと、つい先週まで、アメリカのBSEの実態について、民主党の対策本部の本部長として、五人のメンバーで、隣にいらっしゃる篠原議員とも一緒に行ってまいりました。また、去年の六月二十日には、衆議院の農水委員会として、これは超党派で調査団を結成して、アメリカの視察をしてきたところでございます。
 また、さらにその関連でいけば、二〇〇二年の六月にBSE法案というのが可決をいたしましたけれども、これはちょっと手前みそですが、私の選挙区に二宮尊徳ゆかりの二宮町というところがあるんですが、そこの酪農家から訴えられて、これは、酪農家のみならず、牛肉に関与する皆さんは悲惨な状態になっている、何とかしてほしい、こういうことから、当時私は自由党の国対委員長をやっておりましたけれども、党に持ち帰って、プロジェクトチームをつくって、今BSEを一生懸命やっている山田議員を座長にしてスタートし、野党四党の共同プロジェクトチームをつくって、野党案として提案をしたわけでございます。
 しかし、これは国民的問題である、こういうことで与党の皆さんの理解もいただいて、委員長提案として最終的には提出されて可決をされた、こういうものであるわけで、BSE問題というのは、我々だけの問題ではなくて、与党も含めた国民的な課題であって、単にけしからぬではなくて、どうしたらいいか、こういうことを一緒に考えていかなきゃいけないと我々は思っているわけでございます。
 そこで、今お話がありましたけれども、成田の話から先にさせていただきますが、あらゆることがこの成田からスタートしたわけでございまして、今回はそういうことになって、そこで今中川大臣も、成田は非常にしっかりしている、だから水際でとめられた、こういうようなことを言っておられますし、小泉総理も、テレビなどで見ましたが、本当に何度も、日本の検疫体制がしっかりしているから見つかったんじゃないですか、こういうふうに胸を張って言っておられましたが、総理、相変わらずそういうふうに思っていらっしゃいますでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 しっかりしていたから見つけたんだと思っております。
○山岡委員 宮腰副大臣は、言うなれば農水省のBSE対策本部長でいらっしゃるわけですが、同じような見解でいらっしゃいましたけれども、そういうことですね。どうぞ言ってください。
○宮腰副大臣 今総理からも御答弁があったとおりでございますけれども、そう考えております。
○山岡委員 それだけでいいです。確認しているだけですから、念のために。
 では、中川大臣にお伺いいたしますけれども、川崎大臣にもお伺いしたいんですが、このことが起こってから、成田に行って状況を視察したんでしょうね。どうですか。
○中川国務大臣 米国産輸入牛肉再開に当たっては、私は、成田あるいは東京港等の動物検疫施設には行っておりません。(山岡委員「何て言ったんですか」と呼ぶ)行っておりません。
○山岡委員 行ってないと言われたんですか、今。
○中川国務大臣 出張で成田空港には何回も行っておりますけれども、動物検疫という観点からは検疫所を視察しておりません。
○山岡委員 大臣のお答えなんですから、こういう問題があって、成田で発見した、その検疫の状況がどうかと確かめに行きましたかとこう言いましたら、飛行場には時々行っているがと、そんなお答えというのはどうも答えになっていない。私たちは早速十二人で成田の現場というのを見てまいったわけでございますが、これがその写真で、そのときの肉がこういう肉だということは有名な話でございます。
 そこで、何事もそうですけれども、今度の問題の最大の問題は、机の上で全部やられているんですよ。アメリカのこともこれから申し上げますけれども、全部机の上で整っている。お役所がやることだから、机の上のことはきちっとしていますよ。しかし、現実はどうなっているのか、国民生活に直接結びつくそういう体制はどうなっているのか、ここが問題なんでしょう、政治ですから。政治は生活なんですから、学者じゃないんですから。
 そこで、私は行っていろいろ聞いてまいりましたけれども、ちなみに、どのくらいな御認識かお伺いをさせていただきますと、今度の安全委員会の最大の基準、有名な基準は、言うなれば二つありまして、後でお示ししますけれども、二つあります。
 一つは、こんな大きな骨が入っているのを含めて、危険部位、これは皆さんには釈迦に説法ですけれども、危ないところ、こういうところで、SRMなんとこういうふうに言っていますが、これだけじゃないので、もちろん脳みそだとか脊髄だとか眼だとか、そういう複雑なところ、髄に関するところみんな危ないので、背骨の中に入っている、こういうことも言えるわけですが、危険部位、これをとにかく除去するということが第一前提であり、第二前提は、二十カ月以下の牛を日本に入れる、もうこれは本当に常識とはいえ、大原則であるわけです。
 中川大臣にお伺いいたしますけれども、成田の検疫所で、それじゃ先に伺いますけれども、二十カ月以下の牛が判定できますか。
○中川国務大臣 この件でございますか。この一月二十日に発見……(山岡委員「成田の検疫で」と呼ぶ)
○大島委員長 成田の検疫で、二十カ月の判断できる体制にあるかという御質問でございます。
○中川国務大臣 動物検疫官がサンプルで検査をしているものについて、プロですから、こういう、骨がついているというのはもう一目瞭然でございますけれども、これが二十カ月齢以下であるかどうかというのは、一〇〇%その場で判断できるかどうかは、これは多分わからないんだろうというふうに思います。
○山岡委員 できないと言ったんですね、今。多分わからないだろうという意味は、多分を除くと、できないと言ったんですか。どっちなんですか。
○中川国務大臣 その取り出した肉の部位を見て、これが二十カ月齢以下か二十一カ月齢以上かというのは、目視では難しいと思います。ただ、今回のものは、子牛ということで輸入証明書の中にそういうデータが入っておりましたけれども、目視でもって一〇〇%二十カ月齢ができるかどうかというのは、これは難しいと思います。
○山岡委員 総理はいかがですか。総理は、随分、水際できちっと処理されているじゃないですか、こう言っていましたけれども、感想でいいです、感想で。
○小泉内閣総理大臣 私は、二十カ月以下であろうが三十カ月以上だろうが十年以上だろうが、わかりません。
○山岡委員 総理に聞いたんじゃないんです。最初、成田の検疫で判断ができると思うか思わないかということを聞いたんです。総理は百年たったって判断できないのはわかっていますよ。成田の検疫の専門官でできると思うかと聞いたんです。答えてください。
○小泉内閣総理大臣 それは、できる人もいるでしょうし、できない人もいるでしょう。それもわかりません、率直に言って。
○山岡委員 できる人もいるし、できない人もいると。結論から言うと、できる人はいないですよ、成田で。
 要するに、この後、私はアメリカの話をしますけれども、アメリカだってできないんですよ、なかなかこのことは。いわんや成田では全くできない。だれが見たってそんな、できる人もできない人もいるでしょうと、そういう感覚だから、ちゃんとやっているじゃないですかと。国民から見ると、そうかなと。わからないことを、国民にそういう印象を与えるのは非常によくない。
 そこで、では、SRMの話ですけれども、これは、担当官は、名前を言っちゃ気の毒ですから、支所長という人と、それから、現実にそれを見つけた人にも会いました。女性の獣医さんで監察官ですね。私は、やあ、お手柄ですね、大発見ですね、水際で食いとめましたね、こういうふうに言いましたら、とんでもないでしたね。何言っているんですか山岡先生と、ばかにしないでくれというふうな言い方ですよ。こんなものは子供だってわかるんです、私たちが別に見なくたってわかるんです、こんな子供だって見るようなものだからわかったんですと言うんです、実を言うと。それはそうですよね。こんな骨がついてくれば、だれだってわかりますよ、これは。
 ところが、実際に危険の部位というのはこんな大きなものじゃなくて、例えば、この骨の細かいところが中にまじっているか、まあ、ここまで言うのはどうか知りませんけれども、この骨髄の髄液のプリオンが飛び散っているんじゃないかということを心配する人もいる。そういうことは何一つわからないと。言うなれば、ぱっぱっとあけていたら、見た目だけでわかった、こう言っているんです。
 だから、結論から言うと、成田の検疫では全くチェックができない。できるとしたら、こういう一般論的な、おもちゃを見るようなそういうチェックならできますが、プリオンというのはおもちゃじゃないんです、物じゃないんですよ。アメリカで、自動車事故一つ起こったぐらいで何だと、こう言う人がいましたから、自動車事故はそのときだけだ、プリオンは子々孫々、代々まで続く話じゃないか、こういうことなんですよ。だから問題なんでしょう。
 しかし、日本の検疫では、ここではチェックできないとお認めになりますか、大臣。
○中川国務大臣 成田では、まず輸入に関しての動物検疫の書類、輸出証明書をチェックいたしますので、その段階で今回からすべての部位ごとにチェックをするということになりましたので、精度のアップはしております。
 この場合のように、特定危険部位周辺とか太ももとかいろいろな部位を、すべての部位ごとにバージョンアップして見ているところでございますけれども、御指摘のように、その証明書がきちっとしていれば、それでもって骨つきのあれだということはわかりますけれども、たまたま骨がない場合には、これが二十カ月齢以下か二十一以上かということは、その段階ではなかなか難しいんだろうと思います。
○山岡委員 そこが問題なんです、実は。証明書はついていましたよ確かに、英語で。私たちももらってきましたよ。よく精査しました。今、ちょっとここに持ってこなくて残念なんですけれども、それで、書類で証明書がついていたからいいと。この後もずっと行きますけれども、全部ソフトなんですよ、今やっていることは。書類の上だけ。ところが実態が違う。たまたま目視で、こんな大きいから見つかったけれども、ほかのものは書類さえついていればフリーパス、アメリカが証明してきたんだからこれでオーケー、ここに問題があるんだと、ここをよく認識をしておいていただきたいと思います。
 それではちょっと先に、寺田委員長、おいでですね。委員長、いろいろと規約を設けられましたけれども、あの規約の書いてあるその二大要点が成田でチェックができる、こういうふうにお考えですか、御判断できますか。
○寺田参考人 今お聞きになりました、成田で全部チェックできるか、それはできません。
○山岡委員 ありがとうございます。
 結局、アメリカでどうやるかということにかかってくるわけで、日本でチェックできるからできているじゃないですか、そういうことは改めて言いませんが、これは撤回をしていただかないとその先に進まないわけで、非常に困るわけでございます。そこまでは迫りません、もう水かけ論になって時間になりますから。
 そこで、アメリカの状況ですが、その前に、寺田委員長がその基準として示されたものの抜粋がここに書いてあります。委員長、おおむねよろしいですね、途中はしょってありますけれども。いやいや、いいです。見えないですからいいです。後でゆっくりやります。今は前原代表もやられたことですから、後でゆっくりやります。
 そういう基準があるわけですけれども、その中で問題になるのが、今申し上げたように、SRM、それから牛の二十カ月以下という月齢。そのほかにも、ここには書いていないにしても、全頭検査をやっているのかやっていないのか、こういうこともチェックの大きな要因になりますし、また、ここに書いてありますけれども、えさによる交差汚染、この問題はこちらに書いてありますけれども、十分対処しろというふうに書いてありますが、そういう問題。さらには、これが大きいんですけれども、検査体制がどうなっているか、この辺もしっかりアメリカの状況を調べてこないと、幾ら能書きを聞いても、中身が合っていなきゃしようがない、こういうことに相なるわけでございます。
 それでは、BSEの日米の検査体制の比較、こういうふうに出ておりますけれども、結論から先にいきますと、二十カ月以下の識別、これは月齢と書いてありますけれども、生産月日、生まれたときによる識別、これは現実には一〇%程度しかアメリカではやっていない。やっていることになっているが、現実はやっていない。また、肉質による判定、これはアメリカ式でやっておりますが、しかし、日本の国民や我々が、これは確実だ、こういうふうに言えるものではない。したがって両方とも黒三角と、こういうことです。
 日本は、その点は、小規模ですから、もう牛は家族と一緒、馬も一緒、こういう歴史がありますから、一頭ずつ大事に大事に家族として育てている。したがって、いつ生まれてどうなったかということは、もう一〇〇%判定ができる。したがって、確実とこう書いてあるわけです。アメリカの方は不確実、こういうふうになるわけです。
 さらに、SRMの除去、これもどうかといいますと、これから申し上げますが、結論的にはアメリカの方は不完全。証明書がついてきても不完全。証明書があればいいというふうに考えている日本のやり方は全く不完全。それが今度の成田で証明されているわけでございます。
 そして、肉質による判定は、我が国ではやっておりません。もう生産年月日でぴったりいくわけですから、あえてやっていないと。
 それから、この危険部位の除去でございますが、これもアメリカの場合には不完全。日本の場合には、比較の上ではかなりよくやっている、そういうことが言えますので、しかし一〇〇%じゃないものですから、丸の中に三角を入れているわけで、これはもう一〇〇%と言える人はちょっといないと思いますね。
 そして、さらに交差汚染の対策。交差汚染の対策というのはどういうのかといいますと、牛の肉骨粉を牛に食べさせちゃいけない、これはアメリカも日本も同じなんです。ところが日本は、その牛の肉骨粉を鶏や豚にも食べさせてはいけない、こうなっています。だからいいんです。ところが、アメリカはどうかというと、その牛の肉骨粉を鶏や豚に食べさせていいという法律になっているんですね。さらに言うと、その鶏や豚の肉骨粉を牛に食べさせてもいいという法律になっているんです。ここが問題なんですね。このプリオンの中身というのはわかりませんから、そこが交差汚染をする可能性が強いから十分対策が必要だと、先ほどの委員長の答申の中にも記載されているのはそういう意味なんです。
 そのことを考えると、この交差汚染対策は、アメリカは法律でオーケーしているわけですから、だめ、また、日本の場合には法律で禁止しているわけですから、良好、こういうことになるわけでございます。
 さらに言うと、検査体制、これは後から申し上げます。ちょっと長くなります。この検査体制が整わないと、またすべてが否定される。さっきと同じですね。証明書がついてきているじゃないか、だから問題ないんです、そこが問題だ、こういうふうに言っているんです。そこがチェックされなきゃ何の意味もない、机上の空論ですよ、これは。(発言する者あり)そうだ、そのとおりだ。(発言する者あり)できなかったら入れないことだ。
 では、そこに、資料が皆さんのところにお渡ししてあると思いますけれども、こういう資料が三枚行っていますけれども、その二枚目と三枚目を先に見ていただきたいんですが、別に見なくてもいいですけれども、これは、日本の厚生労働省と農林水産省が、さっき話題になっていた、日本に入った後に査察に行ったという報告です。
 私は、これを責めようと思って実はこうやったんじゃないんですね。こういうふうになっていますが、私たちが見た実態から見るとこういうことが言えますよ、そのことを両方よく検討して、最後に申し上げますが、改めて今後よく検査をしたらいかがじゃないですかということでつくろうと思ってこうやってメモをつくったら、パネルにつくっている暇がなくてもうきょうになっちゃったものですから、そのままこれをここに皆さんにお持ちして、本当は手のうちを余り見せたくないんですけれども、これは隠して責める問題じゃなくて、お互いによく研究をして対策を考える問題だと思っております。
 そうすると、ここに書いてありますが、一番に生産記録による確認、このことですね。私がなぜこれは不十分だ、こう申し上げたかといいますと、まず、アメリカの状況と日本の状況は全然違うんです。
 まず、アメリカはどこで牛が生まれるか、大牧場です。日本のような小牧場じゃないんです、残念ながら。何か先も見えないぐらいのところで、そして何万頭といる。いつどこで、どれとどれがくっついてどういう子供ができたというのは、なかなかわからないんです。それをわかるのにはもう大変な労力が要って、牛より金がかかっちゃうんです、実を言うとそれを判定していくのには。わかりますよ、やれば何だって。しかしコストに合わない。だから、やっているところはかなり少ない。やっているところはありますよ、やっているところはかなり少ない。つまり、いつ生まれたかわからないという話をしているんです。(発言する者あり)大体わかればいいじゃないかと言っているんですよ、これが問題ですよね。それが一つ。
 そして、その牛はどこへ行くかといえば、子牛専門のところにうわっと行くわけです。一カ所から行くんじゃないんですよ。いろいろな牧場から集まってくるわけです。そして、その牛がどこへ行くかといったら、フィードロットというそういう肥育場、要するに、太らせてから肉にするというところにまたうわっと行くわけですね。またいろいろなところから集まる。(発言する者あり)そういうこと。そんなことを言っているんじゃないの。
○大島委員長 山岡さん、答弁者はこっちですから。
○山岡委員 はい。
 いいですか……(発言する者あり)
○大島委員長 与党も静かに。
○山岡委員 そう、静かにしていてください、これはまじめに論議しているんだから。
 そういうところで、フィードロットというのは、私たち調査に行ったら、何頭いるんですかと、豆粒みたいですよ。ええ、ざっと十万頭です、こういうレベルですよ。十万頭ですよ。では、そこの中で生年月日をわかるような耳輪をつけているのがいるだろう、やっているだろう、ちゃんとやれと。いや、何ぼかはいます、こういう話なんだ。では、中を見せろと。私は、農水省の人は見たことないと思いますよ。だって、入れないと言うんですから。普通は入れない、私が行ったときも、入れたことはない、企業秘密がばれる、細菌を持ち込まれる、入れないと。私は、農水省にかけ合って我々のチームは入ったんですよ、ずっと。入ってみたら、確かにつけているのはいましたけれども、何ぼかまじっているという話なんですよ。
 これがさらにどうなるかというと、今度はトラックに乗せられて、パッカーのところにまたあちこちから集まってくる。パッカーというのは屠畜場ですよね。うわっと行く。そして一列にずらっと並んで、オートメーションでどっとこどっとこどっとこどっとこ処理されていく。これで月齢の判別はできないと言っていますよ。やらないと言っていますよ。やったって採算に合わない、だから、マニュアルには書いてあるが、やっているのなんかいないと堂々と言うんですよ。
 どうですか大臣、この結果は。この結果をお聞きになってどう思いますか。
○中川国務大臣 まず、山岡委員初め、団長としてアメリカ各地を精力的に調査されたということを伺っておりまして、報告書を私も、概括ですけれども、拝見をさせていただきました。
 御承知のとおりで、もう私よりも現地のことにお詳しいんじゃないかと思いますけれども、アメリカでは約一億頭近い牛がいて、日本は五百万頭、屠畜数は、日本は百二、三十万頭ですけれども、アメリカの場合には三千五、六百万頭、三十倍ですね。経営規模も違うわけでございます。
 そういう中で、御指摘がありましたように、いわゆる生理学的成熟度が約一〇%と今表にございました。それから、個体識別、生産年月日がきちっと生まれたときから管理されているものもごく一部だということも、私は事実だと承知をしております。
 ただ、それが日本に来るかというと、その段階でA40に該当しないもの、あるいはまた、もちろん二十一カ月以上のものは、いわゆるパッカーの段階で、本来でありますならば、EVプログラムに基づきまして処理業者あるいはまた検査官がきちっと排除をしていくということでございますから、日本に入ってくるものはA40もしくは生産記録に基づいて二十カ月以下であるというのが、このシステムの根幹でございます。
○山岡委員 システムの根幹はわかっています。そのはずですと言っているんです。問題は、そうなっていないじゃないですかということを私が言って、そのことがおわかりになっていないんだったらもうこれ以上言いません、そうなっていないんですから。いいですか、書いてあるとおりになっていないんですから。よくこれを確かめる必要があるということを申し上げておきます。
 なぜかと言えば、これは大変ですけれども、これしか適切に判断できるものがないんですよ、これしか。だけれども、これは大変ですよ、やろうと思ったら。冗談じゃない、日本向けだけにそんな分けられるか、それならアメリカの牛をすべて日本で全部買ってくれるのか、相手はここまで居直ったんですよ、現実は。あんたのところにはやると書いてあるじゃないかと言ったって、そんな採算ないことができますか、政府は補助なんか一銭も出さないんだ、こういうふうに言っているんです。そういう人が非常に偉い人でいるんですよ。玉沢先生よりひょっとしたら偉い人なんですよ。(発言する者あり)自分のうちの牛だけ知っているんでしょう。
 もう一つ、今度は生理学的成熟度と書いてありますね、肉質によって判断をする、こういうことを書いてありますけれども、これはちょっとわかりにくいですけれども、肉質によって判断というのは、このつるされた牛の真ん中あたり、枝肉の真ん中あたりをすぱっと切ってありまして、それを見るんです。(発言する者あり)いや、あんたたちは日本の牛を見ていない。
 それを見るわけですけれども、どういうふうに見るかというと、まず流れ作業ですよ。機械はとまらない。どっどっどっどっと流れていく。普通でいくと三秒に一頭見ているんですね。日本向けだからちゃんと見る。百歩譲ってそれを三十秒としても、三十秒かけるということは大変なことですよ、十倍というのは。何十秒かけて見たって無駄だと彼らは言っているんですね、結果は同じだからと。こういうふうに言っている。
 なぜ同じかというと、彼らが見ているのは何で見ているかというと、仙骨、それから腰椎、胸椎、何か骨のそれぞれの部分とそして肉質、若々しい肉かどうか、これで目視ですよ。マチュアリティーとかいって、能書きはいっぱい書いてありますよ、こちらの報告によりますと。私も知らないじゃない、A、B、C、D、Eまであって、Aが若くて、Eは二十歳ぐらい。Aの中にも、A40、日本に入れる、50、60、70ぐらいになると三十カ月以上、それはちゃんとなっていますよ。能書きがなっている。しかし、それを判定するのは全部目視の流れ作業ですよ。だれがやったって、天才がやったって、総理がやったってこれはできない、実際には。こんなことは確実ではないと言っているんですよ。
 厚生大臣、どう思います、この現実を。
○川崎国務大臣 調査団が行かれて、アメリカとのいろいろな話し合いをされたということはお聞きしております。いずれにせよ、危険部位が混入した、輸出プログラムが守られていなかったという事実の中で今輸入をストップいたしております。
 いろいろな御指摘がございます。それもアメリカにきちっと問い合わせをしながら、次の体制の準備に入っていくということで、あくまで、輸出プログラムが守られるという前提の中で話し合いを続けたいと思っております。
○山岡委員 私が申し上げているのは、輸出プログラムが守られたという前提のもとで、こういうことですが、その前提が崩れているんじゃないんですかと。こういうことですよ、私の言うことが信用できないというのか、なるほど、そういうこともあるな、あるいは、もう一回よく調査してみようと思う、そういうことかと思えば、ただ最初の原点で、輸出プログラムがと。それでは何の進展もないんですよ、実際に。
 さらに言いますと、細かいことを言うようで恐縮ですけれども、内臓、舌、タン、またハラミとか、日本へいっぱい入っていますよ。では、あれらが検査されているのか、こう見ますと、絵にかいたようにされているように書いてありますよ。全部タグで突き合わせている、こういうふうに書いてありますよね。突き合わす、そんなことは現実にやっていないし、やれないんですよ。
 なぜかといいましたら、それは、六月に自民党の皆さんも含めてアメリカへ行ったとき、みんな確認しましたよ。そんなことをやって、最後に枝肉で、マチュアリティーが正確だったとして日本向けだと判断したとしても、途中の内臓を置いておくと、内臓は腐りやすいからみんな腐っちゃうと言うんですよ、後で突き合わすといったって、こっちが判定出るまでの間に。それには莫大な冷蔵庫を買わなきゃならない、そんな設備投資は採算に合わないからやらないと。
 なおかつ、実質的に、どんどんどんどん行くのを、この舌はどの牛の舌、この腸はどの牛の腸、そんなことできないんですよ。見ていたってできない、やっていない。やった後の、これですといっての一箱は見せましたよ、例によって。いつもそうなんですよ、六頭だけ見せるとか。プロセスはないんですよ。確認しても、ない。そういう状況なんですよ。
 もっと言いますと、ロースは四十五万頭分入っているんです、日本に。サーロインは二十一万頭。だから、日本向けの牛の個体というのは、多く見たって百万頭から二百万頭。ところが、日本向けに入っているタンは二千七百万頭分、タンというのは一頭で一個ですから、大きさじゃないです。それから、ハラミは二千百万頭分、アウトサイドスカートとかいう、牛どんに使うあのともばら、千六百六十万トン、全然数が合わないんですよ、チェックしているものと内臓では。しかも、その内臓の方が日本にはたくさん入っているんです。
 だから、この検査というのは実体性がない。ここまで言ってそうじゃないと言える人がいるんでしょうかね、これが事実なら。中川大臣はせっかくアドバイスを受けているから、答えてください。
○中川国務大臣 まず、山岡委員が御指摘になりましたように、二十カ月齢以下であることを確認するのは、生産記録と、それから、いわゆる格付によってA40であるということでございますが、これが守られているかどうかというのは、十二月の十三日以降に、再開された後に十一施設を見た中で、実際にその格付作業をやっている施設については、日本の厚労省、農水省の専門家が見て、きちっとやっているという状況でございました。
 ただし、山岡委員、先ほど、そのときだけじゃないかという御指摘もありましたが、念のため、査察に行ったときにはすべてのところできちっとやられていたわけであります。
 このA40というものの精度につきましては、食品安全委員会の諮問の中でも専門的に御議論をいただき、非常に高い確率でこれは正確である、細かい話をしますと、二十一カ月以上の牛が一・九二%以上入る確率は九九%排除される、そこまでいくと、私も自分で何を言っているのかよくわからないぐらいの難しい話になりますが、専門家の間でも、この輸入再開に向かっての前提として評価をいただいているところでございます。
 他方、実際、山岡団が、団といいましょうか、山岡先生たちが御視察になったところはひょっとしたらそうだったのかもしれませんけれども、これは日本向けではない。日本向けのラインはすべてとまっているわけでございますので、日本向けに牛を処理しているわけではないので、日本向けの話とそれ以外の話とを、あえて二つの例としてお挙げになったのではないかというふうに理解をさせていただきます。
○山岡委員 日本向けであろうとなかろうと、肉質を目で判定するということは別に変わらないんですよ。二十カ月以下であるのか、三十カ月以上だって同じことなんです、要するに。そのシステムが肉質では確実ではないですねと言っているだけの話で、そんなことは私は百も承知で言っているんです。
 では、見た目の前のことなんか、率直に言うと信用していないんです、出されたものだとか。前回、超党派で行ったときだって、六頭だけ二十カ月齢が並んでいた。何でこれがここにあるんだ、先生たちが来ると思ったから並べたんだ、工場長は正直ですよ。これをどうやってやっているんだ、いや、これは実はありません、こんなことをやったら商売になりませんとぺらぺらぺらぺら。これはもう自民党の皆さんも一緒に行っているんですからね、共産党の皆さんも。
 これは、そして、なおかつ報告書にも書いてあるとおり、そういうことでもうおわかりのとおり、肉質では極めて不的確。的確だというんだったら、それでは、日本のが始まったら、全部行ってきちっと検査をする。それでもわかりませんけれども、その後の話なら今のお言葉もまだいいですけれども、やっていないところに行ったからじゃないかというのは全くナンセンス、全プロセス同じですよ。
 時間がないからぼんぼん行きますけれども、では、二番目の特定危険部位。
 成田の写真の方がわかりやすいから申し上げますと、これは成田の写真です。私が指さしているのが、これが骨髄の通っているところですね、ずっと。もうこんなに明快なのはめったにありませんけれども。ここだけじゃないんですが、その骨髄のものを、こういう何か吸入器のような、ひっかけるようなそういうのでばりばりばりばりと取っているんです、現実は。どこも全部同じです。これは全部同じ。
 ところが、ばりばりと確かに取っていますよ、取っていますが、どう見たって全部取り切っていないなという感触は受けるわけです。これはまず感触ですね。その後、全部上がってきたものを、今回はつぶさにこうやって目の前で見ました。そうしましたら、今回はお医者さんの専門家に一緒に行ってもらったんです、私たちは素人ですから。そうすると、その人はどこが神経でどこが何かというのがわかるんです。動物でも牛でも人間でもわかるんじゃないかと思うんですけれども、私は、何かふにゃふにゃふにょっとしているのが時々ついているな、これはちょっとおかしいな、この程度ですけれども、彼から言わせれば、先生、これは神経です、全然取れていません、全然というのはほんのちょっとですけれども、ぽつぽつぽつぽつですけれども、取れていないじゃないですか、こういう指摘でした。それをマスコミで言って、今物議を醸していますけれども、事実なんです。
 それで私は、そうか、では、ちょっと洗浄しているところの後を見に行こう、こういうふうに見に行った。なぜかというと、前回行ったときの会社の名前は言いませんけれども、ほかのことは問題ありましたが、その脊髄の除去は比較的きれいにやっているな、こういうふうに私は思ったから、そこだけですけれども、そういう報告をしたんです、実を言うと。しかし、ほかを見ると、一カ所じゃなくて何カ所もそういうところがある。これはやはりよくよく調べないとだめだなと。その洗浄した後の場所までわざわざ行って見たところ、やはりついているんですね。事業所によってこれは哲学が違うんです。
 アメリカの人たちは言っていましたよ。BSEで一体何人死んでいると思っているんですか。交通事故の確率の方がよっぽど高いじゃないですかと。アメリカでは、O157で、あそこの中は余り清潔じゃないんですよ、そんなことを言っちゃ失礼ですけれども、中は清潔じゃない。O157で五千人も死んでいるんです、そっちの消毒の方がよっぽど大事なんです。何かミストか何かでこうやっていますから、それは取れないですよ。これが現実ですよ。
 だから、私が申し上げたいのは、やはり生活で本人たちが食べるんですから、そういう調査団がもうちょっと実態をしっかり見ていただいた方がいいんじゃないかなと。したがって、私どもの結論は、それは不確実。
 私たちは、今回、もう本当に握り飯とファストフードで強行軍でやって、今声がかれてこんなになっていますけれども、それで、実は、日本が行って見せないところ、日本の役所が行ってもみんななかなか見せないんですよ。フィードロットだって、中へ入れないというのに強引に入ったからわかったので、一緒に行った役所の方はわかっていると思います、日本人で入ったのは初めてですと。日本人で入ったのは初めてのところに随分入りましたよ。だって入れないんですから。
 アメリカの三カ月の歯をこうやって測定する。まあこれは大変ですよ。牛の間を血だらけになって入っていって、そして、牛が出てくる、目の前でべろを出しているところを歯をこうはかっているわけですから、何人も行けない。私ともう一人、一緒に行った通訳さんは女性でしたけれども、顔面蒼白して涙流していましたよ、余りの光景に。私も出てきて血だらけですよ。そこは何かこんなのをかけて行くんです。これは盗んできたわけじゃないんですよ。眼鏡をかけているものだから、よく見えないから、邪魔だからポケットに入れておったらそのまま来ちゃったんですけれども、意図的に盗んできたんじゃないですよ。せっかくあるから、こうやってお見せをしただけです。ぶわっなんですよ。そんなことをやっているんですかと言いたいんです。
 私たちは、そうはいったって、別に威張るつもりはありませんけれども、国会議員なんですよ。しかし、国民の立場に立って見なきゃいけないと思うから、血だらけになって見ているんです。この報告を見たら、そういうところを見てやっているとはとても思えない、申しわけないけれども。まあ、一回目だからいいでしょう。別に、行った人を非難しているんじゃないんです。行った人でも気の毒だと思っているんですよ、実を言うとね。
 さて、それはだめと。そうすると、ここに日本向けのを分ければいいじゃないですかと、今大臣がこそこそと耳打ちされたことを言っていますが、余計なことを言うと墓穴を掘っていくんですよね。要するに、A40、日本向きなぞわずか七、八%にすぎないんですよ、本当のちょっと。
 それから、大手ほど、私は、中小の方がだめで大手はいいと思っていたんです。ところが、大手ほど大量生産でいくわけですよ。そういうレーンを変えたくない、そして従業員だって、そんなことを言っちゃ失礼ですが、英語もわからない人が八割ぐらいでしょうね、こうせい、ああせいと言ったって。そんな絵にかいたように、朝の何時から何時までは日本向け、夜は何時から、日本向けにやればできる、まあ、一回や二回はやっているかもしれないが、そんなことをやったらとてもじゃないが採算に合わない、さっきの話じゃないですけれども、全部日本で買ってくれるんだったらそういうことを言ったらどうだ、こう居直るぐらいですから、そんな器用なことはできないんです、現実は。
 だから、後から結論を申し上げますが、やるという会社はあるんですよ、むしろ中小で。全頭検査もやります、それから生産記録をきちっと管理します、日本専用に出します、こういうところもあるんですよ、何社か。後で研究していただきたい。
 ところが、言うは易しくて行うは難しいのは、この人たちは、全頭検査はやろうと言ってこのシステムまで整えたんです、自分の会社に。そうしましたら、農務省から、そういうはね上がった余計なことはするなと、やることを禁止されている。やれないと言うんですよ。私たち行って見ましたけれども、農務省の役人もいましたけれども、どうしてやらせないんだと言ったら、ううんなんて言っていましたよ。
 彼らはやりたいんですよ。ここでやって、そして牛の生月を確かめて日本専用に出したい、そういう会社が何社かあるんです。ところが、今はみんなそれはつぶれそうですよ。みんな禁止されちゃっている。なぜかというと、大手のところが非常に幅をきかせている、荒っぽい、なおかつ政治と結びついている、役所とも結びついている、こういう実態なんですよ。
 だから、きょうは時間がなくなると思いますけれども、結論を申し上げておきますと、よほど日本は心してアメリカ政府と渡り合って、日本のための日本のものを入れるんだ、こういうところを使えと指定する、こういう気概があってやっていかないと解決しませんよ。総理、どうですか、これ。
○小泉内閣総理大臣 そのような姿勢でやってきたんです、もっと早く入れなさい、早く入れなさいと。要は、政治判断で入れるべき問題じゃない。食の安全、科学的知見に基づいて判断しなきゃならない。そのとおりやってきたんです。
 しかし、現実にこのような危険な部位が入ってきて全部輸入停止したということで、アメリカのいら立ちもわかりますけれども、災いを転じて福となすという言葉もありますから、アメリカ人の肉に対する安全感覚と日本人の肉に対する安全感覚は違いますから、その辺はよく我々も言っているんですけれども、この日本の安全、安心基準に沿うものならきちんと入れますよということを、今山岡議員が言われたように、アメリカでも、では日本の基準に合うものをつくろうというのが出てきているというお話をしていました。恐らく、日本人だったらば、輸出するためには、外国の基準に合わせて、輸出できるんだったらそれに合わせようとする業者が必ず出てくると思うんですね。アメリカも出ていると言うんですから、そのような形で日本に輸出できれば、その業者も喜ぶし、日本も安全な牛肉を食べられるんだったら喜ぶ。
 そういう形で、この問題は単に対立する問題じゃなくて、ああ、日本の安全というのは厳しいな、自動車とは違うな、三十カ月以上、全世界、国際基準だけれども、日本だけが二十カ月以下、特別厳しいんだというのをよく理解してもらって、お互いの満足のいくような形で再開できるような体制をとるのが、今我々の責任だと思っております。
○山岡委員 まことに心強い限りです、このお話は。
 ただ、ちょっときょうは時間がなさそうですけれども、この牛がなぜ入ってきたかといったら、これはもう政治決着なんです、結論から言うと。あの圧力で入れられたのを、その圧力をはね返してきちっとやるということは容易なこっちゃないです。だからできないと言っているんじゃないんです。
 結論から言うと、容易なこっちゃないが、我々も応援しますから、政府を挙げてこのことを実現して、国民を安心させて、日米関係を良好にさせていただきたい。言うは易しいんですよ。実際、アメリカと面と向かったら大変なことですから。農務大臣とも三十分の予定が、向こうがやめないで一時間激論ですよ、私と。ふざけないでくれと、もう真っ向から平行線。そして、グッドラットって、ネズミじゃないんですけれども、Lと書くんですけれども、グッドラット、この人に至っては、やはり三十分ぐらいが、もうまさにこの人なんかつかみ合いになるぐらいな勢いで一時間激論、我が方の主張を一切聞かない。申し上げておきますけれども、これが今のアメリカの姿勢ですからね。容易なこっちゃない。アメリカに行くと、何かフットボールのアメリカのホームスタジアムでやっているようなものですから、そこをよほど心してやっていただきたい、こういうふうに思います。
 そこで、アメリカの、ではもう一つだけ、触れるだけにしますけれども、検査体制がだめなんですよ。システムができていない上に、例のサーティフィケートが送られてきても全然当たっていないと同じように、今度は中身もないんですね。
 アメリカの検査体制については、私たちが帰り際の二日に公表しましたよ。あちらで大問題にしましたからね。冗談じゃないよ、おれらが見てきて、こうじゃないかと。これは、私たちが指摘するだけじゃなくて、みんな指摘していたんですよ。わかっていたんです。ただ政治力で抑えていただけなんですけれども、なまじ余計な記者会見をするものですから、そういうことで、それはつつかれないうちに発表しちゃった方がいいと思ったのかどうかわかりませんよ、帰ったときにぽっと出しましたよ。
 BSEの牛も同じ、二頭目が出たのも。あれは、私たちが六月の二十日に行ったんです。そして二十四日に出てきたんです、帰る前に。もうだれもがわかっていたんですよ、こんなことは。日本との貿易、輸入を再開させたいから隠していたわけですよ。しかし、みんな知っていますから、何だこれはと言ったら、いる最中に発表はしましたけれども、BSEの二頭目も。ちゃんとそのときジョハンズも同じことを言いましたよ、自動車より安全じゃないかと。何言っているんだと言って物議を醸したんですよ、そのときも。そういう感覚なんだ。
 その検査体制がまこと不備だということ、それはもう向こうが発表したのが数日前のことで、こうやって英語で書いてありますけれども、あえて中身は言いません、長くなりますから。それだけじゃないんです。これだけで十分ならいいんです。こんなのはごく一部の氷山の一角なんです。
 アメリカでは消費運動というのは非常に盛んでして、垂れ込みも盛んなんですよね、率直に言うと。ラルフ・ネーダーみたいなところがあって、その組織はもう強烈で、そのグループで食と水をやっている、まあそのとおりなんですけれども、フード・アンド・ウォーターウォッチというところの消費団体のパティー・ロベラさんという人に情報をもらったんですけれども、そこには、そういうことじゃなくて、実際はまだまだ隠している。一件ずつの名前だけは消しましたけれども、一件ずつの問題の報告、これはアメリカの内部資料、これはずっとこれだけあるんですよ、報告。
 そして、それをまた、年齢の識別、これの問題はこれ、これ、これ。ここにも書いてありますけれども、アメリカの報告ですら、年齢の識別やっていないとか、それから、SRMは取っていないとか、そういう報告をしているんです。表現は、十二のうちの九だなんて言って、あとはわからないなんて言っていますけれども、これはそういう表現で、中身は、わかったらまずいからわからないという表現にしているだけで、問題である。実際の中身はこういうこと。そうするとそれを、これはエージと書いてあって、これは年齢でおかしいものの一覧ですよ、これはSRM、これでおかしいですよ、こういうことがずっと出てきている。
 だから私たちは、みんな自分の目というのは、それは率直に言っていますけれども、信用できるかどうかというのは、それが事実かどうかという裏づけをとらなきゃいけない。そうすると、この中のリストの中に、私たちが行ったところのそういうリストも入っているんですよ。名前を言うと営業妨害になるから言いませんけれども、せっかく見せてくれたのは入っているんですよ、現実に。だから、目と実態が一致している。ほかの人もわかっている。書類じゃ絶対わからないんですよ。
 だから、こういう検査体制が非常に不備である、それを本当にしっかりやらなきゃだめだと思いますが、川崎大臣、どうですか、検査の元締めは。
○川崎国務大臣 今御指摘ありましたのは、米国農務省が発表した監査報告、調査対象施設四分の三で特定危険部位が食品流通に入っているとは認められなかったが、十分な記録が不足していたため、監査した十二社中九社においてえさやりの管理手順が十分でなく、手順が遵守されていることは確認できなかったという問題点が指摘されております。
 いずれにせよ、私ども、こうした問題もアメリカに提起しながら、これからの議論をしていくということになります。
○山岡委員 自分たちで嫌々発表したんですからその程度なんです。ほかに調べられたものになると、もっともっといっぱいあるんです、実を言うと。そのうちのごく一部で、確証性のあるのだけ自分で出した、こういうだけの話ですから。人の国のことならいいですけれども、これがそのまま我が国に来たんじゃたまらない、こういうことになるわけだ。
 そうすると、これを一個ずつやっていると延々となりますから、結論から言いますと、確かに、書類は日本のやることですからちゃんとなっている。相手にもこうやれと言っている。そして相手も、入れたいからでしょうね、そうやると言ってきている。そして証明書までついている。ただ問題は、実態が違うんじゃないですかということを申し上げているんですよ。
 こんな違う状態の中で、今、よくわからなかった、こういうふうに言われるのかもしれませんけれども、私たちが去年の六月に超党派でアメリカに行ってその辺は調査をして、ほぼ同じことを指摘しているんです。もちろん、超党派ですし、それから、お役人さんが書いた文章ですからそんな強烈じゃありませんけれども、よくよく読めば、これは言うなれば、マチュアリティーでは難しい、年齢識別でやるべきだとか、そういう表現をみんな書いてあるし、内臓は採算が合わないからやっていないとか、みんな書いてあるんですよ。
 その報告は、小泉総理に対しては当時の細田官房長官、また中川大臣に対しては島村前大臣、そして尾辻前大臣、関係者に私はお届けしているんですよ、代表で皆さんと一緒に。お読みになりましたか、川崎大臣。お読みになりましたか、調査団の報告。
○川崎国務大臣 私自身、残念ながら読んでおりません。
○山岡委員 中川大臣も読んでいらっしゃらないと思いますが、ちゃんと組織的には行き渡っています。それから、今、安全委員会が、先ほど前原代表が指摘をしましたけれども、これはもう専門家ならみんなそういうことを言っているんです。私たち民主党も、今回の事後行っただけじゃないんですよ。前にも調査団を二回派遣して調査をして、そして、超党派ですけれども私も行って、三回やって、こういう状況ですよ、これはよほどきちっとやらなきゃということを再三言っていたんです。言っていたにもかかわらず、こういうふうに始められてしまった。
 さっき代表から指摘があったように、安全委員会の答申に、そこに書いてあるように、改めて申し上げますが、安全担保についての実効性に疑問が残る、こういうふうに指摘しているのはそういう意味ですよ。よく知っているんですよ、私みたいに露骨に言わないだけで。それから、脊髄除去の監視の強化を図る必要がある、これも知っているんですよ。私が申し上げたとおりですよね。そういうのを見ればだれだってわかるんですよ。そして、交差汚染の可能性のある他の動物への利用禁止もアメリカでは法的には実現をしていない、これではいかにもいいように書いてありますが、それも指摘をしているんですよ。リスク低減措置が適切に実施されていることが保証されるシステムの構築が必要であると。その構築もされていなきゃ、保証もされていない。
 そういう状態をみんな指摘してわかっている中で、これを再開した責任者はだれなんですか、中川大臣。輸入の再開をした責任者はだれかと聞いているんです。
○中川国務大臣 昨年の十二月十二日に手続を踏んで再開の決定をしたのは、厚生労働大臣と私でございます。
○山岡委員 それでは、その責任者である中川大臣が、こういう状況の中にあって、また蒸し返しますが、後であると思いますが、ちょっとだけ言いますけれども、閣議で、事前の調査をちゃんとやるべし、こういうことを決定されているにもかかわらず、やらなかったということの責任は大きいじゃないですか。このことを私に今初めて聞いたと言うのはいいですよ。あなたは初めてかもしれませんが、しかし、再々指摘して、安全委員会も指摘しているんですよ、こうなるぞと。それなのに、そのことを事前に調査をして、そのことを踏まえて再開をしなかったという責任はどうするんですか、あなたは。
○中川国務大臣 閣議で川内委員からの質問主意書に対しましてお答えをした内容についてのあの答弁書の意味というものは、先週の月曜日に安倍官房長官から政府統一見解として示していただいているところでございまして、繰り返しませんけれども、結論的に言いますと、衆議院あるいはまた川内委員に対して、その後の考え方の変化、認識の変化については、きちっと御説明をしなかったことはまことに遺憾だと思っておりますが、答弁書の趣旨そのものは閣議決定、その後の認識の変化につきましては閣議決定違反ではないというふうに理解をしております。
○山岡委員 ここで御答弁いただくのに、何か子供だましのようなしゃべり方はしないでいただきたい。現にあなたは、さきに答えたときには、良識があったから、ミスでした、間違えましたと。そのころが本物の中川大臣ですよ。後から寄ってたかって言われて、何か意味不明な言いわけをしていて、委員長もこの間裁きに困ったじゃないですか。
 そういうことをやっているのみならず、この先ほどの話に戻りますけれども、安全委員会の附帯事項に、「輸出プログラムが遵守されるためのハード、ソフトの確立」、ソフトというのは皆さんがやっていることで、よくできていますよ。ハードというのは現実。現実も確立しなきゃならないと言っているんですよ。「その確認は最も重要。」この中で最もと書いてあるのはここだけですよ。いいですか、「最も重要。」このことが遵守されない場合にはこの答申は成立をしない。最も重要なことをやっていない答申のやったことは成立がしない、無効だ、こう言っているじゃないですか。
 この最も重要なことをやらなかった、附帯事項のあなたは義務違反をやったということですよ。中川大臣、そう心得ておりますか。いかがですか。附帯事項の義務違反ですよ、あなたのやったことは。
 これは閣議の問題だけじゃないんですよ。閣議は閣議の問題、これに関しますけれども。しかし、この輸入再開に当たって最も重要な条件をクリアしないで再開をしたというのは、あなたはこれに対する義務違反、つまり成立しない、そういうことでしょう。
○中川国務大臣 山岡委員も今御発言ありましたように、結論は結論として、「結論への付帯事項」という中にこのような御指摘があります。「輸出プログラムが遵守されるためのハード、ソフトの確立とその確認は最も重要。」なことである。「もし、輸出プログラムが遵守されない場合はこの評価結果は成立しない。」文字どおりでございまして、これは重く受けとめております。
 リスク評価機関からの附帯事項でございますから、重く受けとめ、アメリカ側にもこのことをもって十二月十二日から強く申し入れ、また、今回の危険部位が混入していたことを日本側で発見をしたときに、原因の徹底究明と再発防止を強く申し入れているところであります。
○山岡委員 そんな、原因をあれしますじゃなくて、このことによってどういうことが起こっているかといえば、今、アトランティック事件というのも起きました。これもそれをちゃんとやらなかったからで、一過性じゃないんですよ。
 なおかつ、日米関係が今非常にこじれている。行ってみたらわかりますよ。それもあなたの義務違反からですよ。答申に対する義務違反ですよ。違いますか。
○中川国務大臣 アメリカ側の対日感情がこじれていることが私の義務違反であるということが、ちょっとおっしゃっている意味がよくわからないんですけれども、いずれにしても私は、リスク管理機関の責任者として、最大限食の安全についてこれから一層職務を全うしていきたいと思います。(山岡委員「義務違反じゃないんですか」と呼ぶ)義務違反とは考えて……
○大島委員長 手を挙げて、質問するのなら質問してください、今は答弁しておりますから。
○中川国務大臣 この附帯事項は、リスク評価に当たっての重要な御指摘として受けとめ、この御指摘にできるだけ沿うべくアメリカ側にも強く申し入れているところでありますけれども、これについては、「評価結果は成立しない。」というのはリスク評価機関の御判断でございまして、私は、附帯事項の御指摘を受けとめて、リスク管理機関としての仕事をしているということでございます。(山岡委員「義務違反じゃないかと聞いているんですよ」と呼ぶ)何に対しての……
○大島委員長 山岡賢次さん、時間が来ておりますので。(山岡委員「いや、ちゃんと調整しております」と呼ぶ)
○中川国務大臣 答申に対する義務違反だとは考えておりません。
○山岡委員 答申に対する義務違反だとは考えていない、今そういうふうに言われました。そのことは前から言っているんです。前のうちの松野議員の質問に対しても答弁ではこういうふうに答えていますよね、きょうも言っていましたけれども。
 その資料の一、二の、これは附帯意見の部分でございまして、本体の中で、リスクの差は極めて小さいと。ただし、より安全性を高めるためにはという趣旨でこういう附帯意見がついているわけであります。決して軽視いたしませんけれども、そういう方向でやるように努力はいたしますが、これが義務である、条件であるということではないということは、ぜひ松野委員、御理解をいただきたいと思います。先ほど代表にもそう言われた、松野議員にも言われた、私にも言った。これが義務違反ではないとあなたは解釈をしておりますけれども、では、せっかく委員長がいらっしゃるから確かめます。
 この委員長の答申の中で、附帯事項というのは、中川大臣が言われるように、国会の附帯事項みたいにくっついているものだから、そんなこと言っちゃ失礼かもしれないが、義務はないんだ、そういうことなのか、それとも結論に対する附帯義務であるのか、どっちですか。委員長、お願いします。
○寺田参考人 附帯事項の位置づけでございますか、あれは、結論が出たところのそれまでの議論の中で非常に重要なものということを指摘したわけでございまして、一つは、国民にちゃんとリスクコミュニケーションをやってくださいよ、これは条件じゃなくて、それをきちっとやっておくことが非常に大事ですと。もう一つは、プログラムをちゃんと進めるようにやってくださいと。後にいっぱい書いてございますが、これはそこでディスカッションしたことで、SRMを取るとか、ちゃんとサーベイランスをやってくださいと。これは、管理機関からアメリカの方に言ってくださいという位置づけでございます。
○山岡委員 おっしゃるとおり私どもも受け取っております。
 ここに書いてある結論というのと、それから、この一、二と附帯していますけれども、これは結論を補足している言葉です、こういう意味で、要するに結論なんですよ。だから色も変えているんです。その下のイ、ロ、ハというのは補足ですから、よく心してくださいね、こういう話で、それはいろいろな指摘がありますよ、だけれども、よく心してくださいね、こういう趣旨なんですよ。そんなことを知らないであなたは輸入再開を今までやってきたんですか、中川大臣。
 これでは、委員長、野球のルールを知らない審判のもとで我々は野球をやっているようなものですよ。法律を知らない裁判官のもとで裁判をやっているようなものですよ。一番の責任者の当事者が、この根本的ルールの解釈もわからない、間違っている、そんなことでやっているようでこんな論議が成り立つんですか、あなた。責任とってくださいよ。
○中川国務大臣 十二月八日にいただいた食品安全委員会からの答申の中での附帯事項の位置づけは、今、寺田委員長から解釈といいましょうか御説明のあったところでございまして、それを踏まえまして、リスク管理機関として食の安全について万全を期すべく、今作業をやっているところであります。
○山岡委員 それでは、前のこの議事録はどうなんですか。今言ったことはどうなんですか。今、目の前で、義務じゃない、条件じゃないと言ったじゃないですか。留意点だと言ったじゃないですか。違うじゃないですか。今、急にころっと変えないでいただきたい。そんなころっと変えるような発言では質問が続けられない。
○中川国務大臣 先日から何回も申し上げておりますが、このいただいた答申の中の附帯事項というのは、結論そのものではありませんけれども、極めて重たいものとして受けとめ、したがって、アメリカ側にも、説明を、強くこういうふうな意見があるので対処してもらいたいということを申し上げているわけでございますから、義務か義務ではないか、結論か結論ではないかと言われれば、義務ではない、結論ではないというふうにお答えをしたわけでありますけれども、これを実現することは、先ほどもお話しいたしましたように、よりこのリスク管理の上で重要なことだと思っておりますので、これの実現に向けて既に努力をしているところでございます。
○山岡委員 きょうはテレビも入っていますし、次の人もいるからやめますが、そんな答弁で国会が通用するんだったら、もう大臣なんか要らないということですよ。義務がない、結論は別に守らなくていい、努力規定だ、そんなことだったら、何のためにこれを守るためにやっているのか、何のためにアメリカで調査をしているのか、何のためにみんな一生懸命やっているのか、全部前提が否定される。これをやるためにやっているんでしょう、これをやるために。留意事項じゃないんですよ。だから、こんなことを言ってそんな答弁をしているような大臣が担当していることでは、こんな問題は解決できない。
 ですから、直ちに責任をもってやめていただきたいし、総理にまで聞きませんけれども、この責任をきちっとはっきりさせていただきたいと思います。
 以上です。
○大島委員長 この際、馬淵澄夫君から関連質疑の申し出があります。前原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。馬淵澄夫君。
○馬淵委員 民主党の馬淵でございます。
 この予算委員会、本予算の質疑となりました。補正予算、さかのぼれば昨年来からの国土交通委員会で議論がなされておりました耐震強度の偽装問題、この問題に関連しまして質疑をさせていただきたいと思います。
 昨日、全銀協の方で、この偽装マンションにおける住民の住宅ローンの対応についての措置が決定をされ、急遽発表されました。これにつきましては通告外でございますが、全銀協の皆さん方が議論をなし、住宅ローンの返済に対して最長三年間の猶予をなすといった方針が出されましたが、住民の皆さん方においては、現在におけるローンと仮住まいの家賃における二重債務、また、建てかえ等に関しましてはさらなる二重ローンの苦しみ等を考えると、一方、貸し手の責任に対しては何ら瑕疵が問われない今回の全銀協の対応に対して、大変不満の声も届いております。
 こうしたところに対しましての所管大臣のお考えを、こうした住民の皆さん方の苦しみの声を踏まえて端的にお答えをいただければと思います。
○与謝野国務大臣 全銀協に対しては、こういう難しい状況なので最大限の御配慮をお願いしたいということは私から申し上げてきたところでございますが、全国銀行協会が、構造計算書偽装マンションに係る住宅ローンへの対応について、昨日申し合わせを行ったことは承知しております。
 金融庁としては、銀行界がこのような対応を自発的にとられたことを評価するとともに、引き続き民間金融機関の対応状況を見守ってまいりたいと思っております。
 申し合わせの概要は、既往ローンに係る負担軽減措置の実施、第二は、抵当権の抹消への協力、新たな設定のルール化、第三番目は、再建後のマンション購入に係るローンの弾力的な対応、こういうことで成り立っております。
○馬淵委員 これに対しては、住民の皆さん方は与党のワーキングチームに対して再三要望を出されていたというふうに伺っております。しかしながら、全銀協との対話の中では、そうした与党のワーキングチームの中で十分承ったという声を踏まえての議論がなされているとは到底うかがえないといった声も聞かれます。
 この問題、これからさらに、こうした被害に遭われている方々がいかほどいらっしゃるかも含めて、大きな課題となってまいります。きょうは、この問題には今お答えいただいたことでは十分ではないということを付言させていただきまして、次の話題に入らせていただきます。
 さて、当予算委員会におきましては、さきの補正予算の中でさまざまな課題について御質問をさせていただきましたが、その中でも、とりわけ政官業の癒着の構図、このことについて、この抜本的な改革なくしては住民の救済あるいは新たな立法措置というものは図れない、このことを強くお伝えしたわけでありますが、その中で、証人喚問あるいは参考人招致といった当委員会における事実の解明が急務ではないかということも付言させていただきました。
 しかしながら、この予算委員会の中での審議は不十分であるといった与党の理事の方々の御意見によって、実現化されていない現状であります。
 再度、時間をいただきまして、この耐震強度偽装問題に係るさまざまな課題のその根底に潜む政官業の問題、これにつきまして、この委員会において質疑をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、政治家としてお名前が挙がっておりましたのは、伊藤元国土庁長官でございました。そして、伊藤元国土庁長官がどういう形でかかわってきたのか、これについて少しおさらいをさせていただきたいと思います。
 まず、伊藤長官は、この問題のかかわりとして、一月十九日の記者会見で、大成建設への紹介を行ったということを御自身が言明されておられます。
 この経緯と申しますのは、昨年の十月の二十六日に初めてイーホームズ社から国土交通省にメールが送られて、この問題を国土交通省としては認知される状況に至った。もちろん、正式に確認されたのは二十八日でございますが、それから後、さまざまな形で国土交通省とかかわりが出てくるわけですが、ヒューザーが最初に、十一月四日、この日に国土交通省に向かわれたということが、これまでの審議の中で明らかになっております。十一月四日に、ヒューザー社曽我常務、犬山、清沢、この三名の役員が田中課長補佐と面談をされました。
 そして、十一月の九日午前九時半ごろ、ヒューザーの小嶋社長が清沢部長とともに突然国交省を訪問し、田中課長補佐あるいは中川補佐、渡邊係長等が対応をされました。
 十一月十日、小嶋社長、曽我常務、東日本住宅桃野社長、スペースワン井上所長並び二人のスペースワンの所員、そして伊藤元長官、この方々が大成建設を訪問されました。
 十一月九日に小嶋社長が清沢部長とともに国土交通省を訪問されたときに、その面談では、田中課長補佐が、工事中のものについては壊して建て直すか、あるいは免震補強等を施すしかないのではないかといったことを話したというふうに聞いていますが、これは、国土交通省として小嶋氏に免震補強を勧めたということになるんでしょうか。北側大臣、お答えいただけますか。
○山本政府参考人 詳細なやりとりがどういうふうにあったかは理解しておりませんけれども、工事中の建築物についてどういう対応をするかというやりとりはあったと考えております。勧めたということではございません。
○馬淵委員 工事中の建物については、壊して建て直すか免震補強するしかないという一般論をお話しされた、勧めたわけではない、こういった御回答でありました。
 そうした状況の中で、建設会社を紹介してほしいと頼まれて、十一月の十日、翌日に小嶋社長は伊藤元長官に頼んで大成建設に向かわれたわけでありますが、こうした、免震について建設会社を紹介してほしいと頼まれればそれについて対応し、そして御自身もその会社に出向くということ、例えば、これは北側大臣、大臣はこうしたことをされますでしょうか。
○北側国務大臣 伊藤議員が記者会見でお話ししていることしか私は知らないんですけれども、その中でおっしゃっているのは、ヒューザーの小嶋社長から事務所に連絡があって、その免震構造技術を持っている大成建設を紹介してほしいということであって、十一月十日に同行して話を聞いたというふうに記者会見でおっしゃっていることしか私は知りませんが、いずれにしましても、そういうものにどう対応するかというのは御自身の御判断でございまして、私があれこれ言うことではないと思っております。
○馬淵委員 それでは、もう一点お聞きしますが、これは特別な対応と思われますか。大臣、いかがでしょうか。
○北側国務大臣 その時点では、伊藤議員のその記者会見の結果によれば、こうした耐震偽装があるということは知らなかったということであるというふうに記者会見では聞いております。
 そういう中で、大成建設の方に、免震技術について紹介してもらいたいという要請があったというふうに記者会見でおっしゃっているわけでございまして、そのことにどう対応するかというのは、あくまで御本人の御判断であると思います。私があれこれ言うことではないと思っております。
○馬淵委員 私は、特別な対応であるかということをお尋ねさせていただいたわけでありますが、お答えいただけませんでした。極めて特別な対応ではないかと思われるわけであります。
 さて、一月十九日の会見、先ほど大臣、メモでお読みいただいたのかと思いますが、伊藤元長官はそうおっしゃっておりますね。頼まれて、そして御自身も住宅問題に強い関心があり、免震とは具体的にどういうものか勉強してみたい気持ちになった、それで大成に行ったんだ、このようにおっしゃっています。
 この御自身の会見の中で、そろそろ小嶋さんの話が終わる最後のころに、小嶋から、千葉に実際に建っているマンションを見てほしいという話が出た、大成の方も、建っているものは現場を見ないとわからないということで、翌日に現場に行くと約束していた、これは、大成建設、十日の日の打ち合わせの状況を伊藤元長官が御自身の言葉で語られました。当初、私は大成に行くまでこれから建てるものの研究だと思っていた、こう伊藤元長官はお話しになっておられます。
 しかし、この物件でありますセントレジアス、十一月十日に大成を訪問した際に、このセントレジアス船橋の耐震強度が足りないという問題、これについては、担当はスペースワンでございます。
 スペースワンの井上さんのお話を伺っております。スペースワンの井上さんは、この問題が発覚した十月の二十五日、そして二十七日のその会議に出られ、耐震強度が足りないんだということを認識された上で、このことに何とか対応するには、建築中のものについては免震補強等々を施さねばならない、レトロフィットなどのような免震構造は、これは大成建設が得意だが、その組み込みを検討するには大成建設と直接話をしなきゃならない。井上さん自身は、自分には大成建設とのそのパイプはないが、これについてはコネがないので、どなたか大成建設につながる方がいらっしゃればいいのだがということを小嶋さんにお話しされたというふうに言っておられます。その上で、小嶋さんは伊藤元長官に大成建設への紹介をお願いされた。
 伊藤元長官の記者会見の内容は、その発表まで知らなかった、大成に行くまで、これから建てるものの研究だと思っていた、御自身は、記者発表、いわゆる十一月の十日よりも後の報道等によって初めて耐震偽装の問題を知った、こうおっしゃっています。しかし、現実には、十一月の十日、その場に行く段階で御存じであるはずなんです。
 そして、そのときに大成建設の方がどのような反応をされていたか、これについても、スペースワンの井上さんはこうおっしゃっています。大成は、耐震強度不足ということを聞いて大変びっくりしていたと。この十一月十日の場面でも、耐震強度不足、この問題が明らかにされているわけです。耐震強度不足、すなわち耐震強度が偽装されているということを全く知らなかったという伊藤元長官の記者発表というものは、この段階で大きく矛盾を来すことになります。
 さて、今申し上げたように、伊藤元長官の記者会見というのは、我々一般から見ても、あるいは国会に立法を諮ろうとする者から見ても、どうにも納得のいくものではないわけでありますが、北側大臣、どのようにお考えになられますか。
○北側国務大臣 伊藤議員と、ヒューザーの小嶋社長ですか、どういう御関係であるか、私は全く知りませんし、関心もありません。
 私自身、今回の耐震偽装について支援策を打ち出させていただきましたが、これは私の主導で政府の関係機関に諮り、私の責任で、私の判断で行わせていただきました。伊藤議員からは、この支援策をつくるに当たって、別に何の話も聞いておりません。私、この間、伊藤議員とお会いしたことも、電話を受けたことも一切ありません。今回の支援策の決定に当たりまして、政治家から何か不当な介入を受けた、そういうことは一切ございませんので、そのことだけ申し上げておきます。
○馬淵委員 全くお聞きをしていないことをとうとうとお述べになるのは控えていただきたいというふうに思います。質疑の場ですから、質疑にお答えいただきたいというふうに思います。私は、伊藤元長官の会見は、多くの方々が納得できない、事実と、少なくとも今寄せられているさまざまな傍証と反する部分があるのではないか、これについてのお尋ねをさせていただいたわけであります。
 さて、こうした状況の中、国土交通省への訪問について尋ねさせていただきます。
 平成十七年の十一月二十九日、参考人質疑、同僚の長妻議員の質問が小嶋ヒューザー社長に対してなされました。小嶋社長は参考人質疑の中で、伊藤代議士との関係の中でこのようにおっしゃっています。「ただ、このように、大変私どもの手だけでは解決できない問題が発生した時点で、どのような対処方法があり得るのか、一応相談を申し上げたことはございます。」十一月二十九日にはこのようにお話をされました。つまり、相談をされた。そして十一月十五日、国土交通省を訪問されたわけであります。
 十一月十五日に国交省を訪問した際に応対をされたのは、小川建築指導課長、そしてその他の方々もいらっしゃったようでありますが、ここに、一月二十日付で住宅局建築指導課から、十五日の対応された方の出席者のリストについて書面でいただいております。ヒューザー小嶋社長、東日本住宅会長ほか伊藤代議士等々が来られたときの対応者は、建築指導課長、そして建築指導課安全技術調査官、こうした方々であるということでいただいております。
 小川課長、きょうお見えいただいておると思いますが、まず、伊藤元長官から、いつ、どのような形でアポイントの申し込みがありましたでしょうか。端的にお答えください。
○小川政府参考人 お答えをいたします。
 平成十七年十一月十五日十五時ごろでございます。伊藤元国土庁長官から、アポイントについてお電話をいただきました。その後、十五時三十分ごろ、ヒューザーの小嶋社長及び東日本住宅の桃野会長を同行いたしまして当課を訪れたものでございます。その後、別室にて約二十分ほど面談を行っております。
○馬淵委員 二十分ほど面談ということでありますが、今お話がありました、ヒューザー小嶋社長、東日本住宅桃野会長、そして伊藤代議士、三名お越しになられた。そして、そこでの同席者、国交省の同席者はどなたでしょうか。
○小川政府参考人 国交省の方は、私のほかにもう一名、私どもの課の安全技術調査官が同席をしております。
○馬淵委員 そのときに小嶋社長は何を話されましたか。
○小川政府参考人 お答えをいたします。
 ヒューザーの小嶋社長からは、住民への告知または公表に当たっては、危険性の確認を十分行うなど慎重に対処してもらいたい、国指定の確認検査機関が偽装を見逃しており、国にも責任があるので、公的資金援助などが欲しい旨の御発言がございました。
 私の方からは、住民の安全確保を最優先に考えておる、居住の安定確保のために公営住宅等を使った受け入れ等の検討を行っている、そういった発言をいたしております。
○馬淵委員 そのとき伊藤元長官は何を話されましたか。小川課長、お願いします。
○小川政府参考人 伊藤元国土庁長官につきましては、余りこの建築行政についてお詳しくないという形で見受けられまして、専ら会話を聞く側に回っておられました。
○馬淵委員 二十分のその小嶋社長の求めは、公表については慎重にも慎重を期してほしい、そして、こうした確認検査制度は国の責任である、そのことをおっしゃった。そして小川課長からは、国としての対応としては公的住宅の支援等々のお話をされたということでございますが、そしてその間、伊藤元長官はとりわけ発言はなかった、専ら聞いておられた、こういうことを今御説明をいただきました。
 さて、十一月二十日、小嶋社長は、グランドステージ川崎大師の住民説明会ではこのようにおっしゃっています。課長の方は、それに沿って動く、そういうことで、私は課長の前で、前の予算委員長である伊藤公介代議士と一緒にですね、ありがとうございますというふうに頭を下げてきたんです、このようにおっしゃっていますが、小川課長、ありがとうございますと頭を下げられたんでしょうか。お答えください。
○小川政府参考人 お答えいたしますが、そのようなことについて記憶がございません。
○馬淵委員 記憶にない。
 では、これはどうでしょうか。
 これも同じそのグランドステージ川崎大師の住民説明会で、小嶋さんは、課長までは何とか国の対応として自治体と話し合って費用負担も含めて対応したいというふうに言ってくれてはいたんですけれども、その上司の局長の方は、その課長とそれからうちの伊藤公介先生、うちのというふうにおっしゃっているんですね、この方を別室に呼んで、それから審議官も、局長付の審議官というような者も、一緒に話を聞いていた人が三人別室に行ってと、このように言っておられますが、小川課長、課長までは何とか国の対応として云々と、このように言っておられることについて、これはいかがでしょうか。
○小川政府参考人 私どもの建築行政の範囲といたしましては、住民の安全確保等の使命でございます。もちろん、居住の安定確保のために、公営住宅等を使った受け入れ等の検討、こういったものについてお話をさせていただきましたが、先生がおっしゃっているようなことについては、全く心当たりはございません。
○馬淵委員 それでは、先ほど別室というのは、これは局長室のお話だと思うんですが、二十分ほど話をされたと。十五時三十分から二十分ほど話をされて、そして、その伊藤代議士と小嶋社長、桃野会長と出られたところで、局長が帰ってこられたのを見つけられ、そして局長室に入っていかれた。
 さて、この局長室でのその会話の内容について、山本局長、御自身の記憶をたどってお答えいただけますでしょうか。
○山本政府参考人 伊藤先生から、この件については、建築確認検査機関を指定した国にも責任があると思う、居住者の安全確保などが大事だと思うが、国としてどう対応するのかというお話がありました。私から、国としてはまず居住者の安全確保と居住の安定が必要であり、公営住宅などを使った受け入れなどの検討を行っているという話をいたしました。
○馬淵委員 伊藤元長官からは、小嶋さんが先ほど小川課長に主張をされたことについて、伊藤元長官から住宅局長へその説明があった。そして、それに対しては公営住宅のような対応を図るというお答えをされた。
 さて、この事実の中で、一方、小嶋社長はお願いをして頭を下げてきた、このようにおっしゃっています。この部分では、伊藤元代議士が事実を知らないまま行った、そして単について行っただけだということではなくて、局長室の中では小嶋社長が指導課長にお願いをしたことをとって求められていますね。これは働きかけをされたという事実ではないんでしょうか。そして、その働きかけについては、小嶋さんは十一月二十日のグランドステージ川崎大師の説明会でもそのようにお願いをしたんだとおっしゃっています。これについて、北側大臣、お答えいただけませんか。
 これは、先ほどのお話の中では、小川課長の前では黙っておられたけれども、局長の部屋に入っては明確に伊藤元代議士が語られた、小嶋さんの代弁をされていたということ。これについて、北側大臣、お答えいただけませんでしょうか。
○北側国務大臣 今住宅局長や小川課長が答弁したとおりでございますが、伊藤議員から具体的な何らかの働きかけがあったということは一切ございません、何らかの圧力があったということも一切ございません。その後の対応、国土交通省としての対応、また支援策の取りまとめ、一切影響を受けておりませんので、はっきりとここで申し上げたいと思います。
○馬淵委員 今私が申し上げたのは、伊藤元長官は、ただただ呼ばれて行ったんだと記者会見でお話しされていたけれども、実際には、建築指導課長に小嶋社長が説明をされて、そして、そのことを踏まえて局長には伊藤長官がお話をされているんですよ。これをもって働きかけではないかということを私は問うているわけです。
 そのことは何も影響はしていないというお答えをされていますが、問題は、こうした働きかけがあるかないかの事実であり、このようなことが日常的に行われてしまっているのであれば、今回、大臣が幾ら強弁をしてこの問題は何ら影響を受けていないんだとおっしゃっても、影響を受けるような環境下にある状況で、果たして国民が納得できる公正公平な措置あるいは立法化が図れるんでしょうか。少なくとも、当事者の意見が食い違っているわけであります。この点について、伊藤元長官には、ぜひこの委員会に出てきてお話をしていただかねばなりません。
 さて、この問題についてはまだまだあるわけですが、次に参ります。
 伊藤元長官の御親族が公設秘書をされておられます。そして、役員を務めていたフューチャービジネスネットワーク社についてお伺いをいたします。
 さて、このフューチャービジネスネットワーク社、去る二十六日の本委員会で、私が衆議院の事務総長に公設秘書の兼職の届け出が出ていますかということをお尋ねをさせていただきましたところ、本年の一月十三日に届け出が出ているとの説明がありましたが、その後、どうなっているかということなんです。
 お手元にはフューチャービジネスネットワークの会社の謄本がございます。お渡しをしております。取締役の伊藤竜太郎氏は伊藤氏の御次男で、そして公設秘書、第一秘書をされておられます。そして、監査役の杉本聖仁氏、政策秘書をされておられます。公設秘書である場合は兼職の届け出が必要であります。これについて私は一月の二十六日の段階でお尋ねしたところ、十三日に届け出が出ているという御説明がございました。
 この問題が発覚して事件が表に出て、それこそ慌てて兼職届をお出しになられたわけでありますが、さて、その後の退職の届け出等、これらについて衆議院の方にはどのような届け出が出されていますでしょうか。
 事務総長にきょうはお出ましいただいておりますので、事務的にお答えいただけますでしょうか。お願いいたします。
○駒崎事務総長 お答えいたします。
 伊藤公介議員の公設秘書の兼職につきましては、政策秘書から二件、第一秘書から二件の兼職届が平成十八年一月十三日に提出されておりましたが、その後、兼職終了届が、政策秘書に関しましては一月二十三日に一件、一月二十七日に一件、第一秘書に関しましては一月二十七日に二件の兼職終了届がそれぞれ提出されております。
○馬淵委員 結局、兼職届を一月十三日に慌ててお出しになられたけれども、取締役の方をおりられたんでしょうね。その届け出を、これを兼職ではないという形でお出しになられた、一月二十三日と二十七日に。
 したがいまして、二月十三日、本来であれば三十日後に公開されるであろうはずのこの兼職の届け出というものはもう出てこないわけでありますが、この会社は、この謄本をごらんいただければわかりますように、平成十六年の八月の十二日に登記されております。平成十八年の一月十三日まで、直近まで違反の状態が続いていたということであります。
 このように、問題が指摘をされ、とにかく慌てて登記し直せば済むという問題ではないと思われますが、総理、これは三度の総裁選を戦った、こう自認をされている伊藤代議士のこうした親族企業の問題でございますが、総理、いかがお感じでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 私は、伊藤氏とは親しいですが、どのような活動をしておられたか、今質疑を聞いていて、わかりません。
○馬淵委員 いや、どのような活動をというのは、私は今事実だけ御説明をさせていただいたわけでありますが、こうした違反事項があって、そして、とにかくばれれば訂正すれば済む、こうした事情に対しては、総理、どのようにお感じかとお尋ねをさせていただいたんですが。
 その事実を御存じかどうかの問題ではありません。こうして、ばれてしまえば違反はとにかく正せばいいんだ、こういったことに対しては、総理、いかがお感じでしょうか。もう一度御回答をお願いできますでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 私は、何が違反なのかというのはわかっていないんです。わからないんです、これは。本人じゃないですから。
○馬淵委員 事実を総理に確認したわけではありません。しかし、お答えいただけないようですね。
 もう一つ、マンション管理業を行う場合のことについてお尋ねをします。
 さて、マンション管理業という業態、これについては登録が義務づけられております。平成十三年の八月の一日に施行されたマンションの管理の適正化の推進に関する法律、同施行規則とともにこれが施行されておるわけでありますが、分譲マンションの管理業を営む方は、国土交通省のマンション管理業者登録簿への登録が義務づけられました、このように記載されているわけです。
 さて、フューチャービジネスネットワーク社、この登録は行っていますでしょうか。
○山本政府参考人 ちょっと手元に資料を持ってきておりませんけれども、登録はされていないと承知しております。
○馬淵委員 されておられませんね。
 しかしながら、これも同僚議員の質疑の中で、フューチャービジネスネットワーク社は、小嶋社長が経営するヒューザーの子会社、関連会社になっているグランドサービス、ここからの仕事として、いわゆる管理業務というものを、これは管理組合を通じてというふうに抗弁されておりますが、仕事を受けられております。
 このような登録を行わない会社が、このようにファミリー企業として存在をし、さらには、先ほど来申し上げたように、大成建設を紹介してくれ、これは免震補強、いわゆる耐震強度が足りない状況を何とか越えていくために必要なんだというお願いをする関係、さらには、国土交通省へ話をお願いに行くといったときにも、伊藤代議士がわざわざついてきて、そして小嶋さんが語られたことを今度は別室において局長に話す、こうした関係のある中で、いわゆるファミリー企業がこうした関連する業界からの仕事を無登録で請け負っているという問題について、私は、これはいわゆる政官業の癒着の最たる例ではないかと思われるわけであります。
 こうしたファミリー企業といえば、実は、当委員会におきましては、平成十五年二月二十日、我が党の長妻議員が小泉総理のファミリー企業についても質疑をされています。総理の私設秘書の、弟の方がやっておられたコンステレーションという会社が、日立金属が横須賀市から受注した工事に関して、手数料を受け取ったという問題を追及したことが思い出されます。総理は、それに対してはお答えを、否定されただけで終わりました。参考人招致を求めるという長妻議員の求めに対しても、理事会協議でお茶を濁され、結果、実現をしませんでした。
 総理、李下に冠を正さずと申します、瓜田にくつを脱がずと申します。伊藤元長官のこういうファミリー企業というのが疑われても仕方がないと私は思うわけでありますが、総理、いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 前にも言われたことを、私、全く関係ないことをまた出されましたけれども、そのときにも、全く関係ないという当事者の記録をカットして、あたかも疑惑のありそうなのを出したでしょう、民主党の質疑者は。そういうことはやめてくれと。資料を出すんだったら、全く関係ないところと言っているのをどうしてカットするのか。結局、何も関係ないということがわかった。今改めて蒸し返したけれども。
 私は、伊藤さんのことにはわかりません。
○馬淵委員 とにかくわからないというお答えしかいただいておりませんが、わからないからこそ、この国会の場にお出いただいて、そして事実を明らかにしていただくのが政治家の説明責任ではないですか。総理が、とにかく自分はわからないんだ、このようにおっしゃるわけでありますが、伊藤元長官に対してこの場において答えられる方がいらっしゃらない、重々承知しております。しかし、私がお尋ねをしているのは、国民の皆さん方が疑わしいと感じることに対して、閣僚である方々がそれぞれの政治家責任として、どうあるべきかということをお答えいただけないというのは、ますます不信感が募るのではないでしょうか。
 さて、社団法人の問題について入らせていただきます。
 伊藤元国土庁長官の政治と金の問題については幾つかの話があるわけでありますが、社団法人日本住宅建設産業協会という法人がございます。業界の関係者がずらっと理事に名を連ねており、専務理事には元国土庁の官房審議官の方が天下りをしています。十一月二十日のグランドステージ川崎大師の住民説明会では、小嶋社長は、ここの神山理事長に頼んで、国交省の審議官に電話をしてもらったというようなことを言ってもおられます。
 この社団法人は、平成十六年に六十万円分の伊藤元長官のパーティー券を購入しております。この公益法人の監督官庁の責任者として、北側大臣、これは適切でありますでしょうか。お答えいただけますか。
○北側国務大臣 政治資金規正法にのっとって適正に処理されているならばよろしいわけでございまして、そうした団体から寄附を受けるかどうか、それは個々の政治家の御判断であろうと思います。
○馬淵委員 合法であれば構わないというお考えを示していただいたというふうにしか聞こえません。所管の団体であるその団体は、国土交通省の天下りの役人を受け、そして、その団体からも寄附金がなされている。政治資金規正法に基づいて適正に処理されておればすべて適切である、本当にそうなんでしょうか。
 多くの国民の皆さん方が、そういう形でいわゆる政治家と官僚の天下り組織あるいは業界とが深いつながりになっていくことに対して、それが一部のものだけであることに対して大変な憤りを感じていらっしゃるのではないでしょうか。
 あるいは、官製談合のように、結局はそうした温床がこうした談合の構図を生んでしまうということが常々指摘されながらもこのまま続いていることに、なぜ閣僚の皆さん方、御自身みずからが正そうという御意見を発していただけないのでしょうか。
 さて、この日住協、日本住宅産業協会、この理事に名前を連ねている日神不動産、あるいは山田建設、東日本住宅、ヒューザー、こうした会社の方々、理事として名前を連ねていらっしゃるわけでありますが、伊藤元長官を囲む住宅政策研究会という勉強会を行っております。そして、平成十六年には伊藤元長官のパーティー券、これを東日本住宅が六十万円、日神不動産が三十万、山田建設とヒューザー社が百万円ずつ、それぞれ購入をされています。
 自民党の住宅土地調査会長、今回の事件を契機に辞任されたそうでありますが、伊藤元長官、この自民党の住宅土地調査会長を務めておられ、住宅政策に強い影響力を持つ議員が、住宅業界からのこうした多額の献金を受けている実態につきまして、これについても、総理、いかがお感じでしょうか。いわゆる業界とのつながりということが指摘されてやまない本国会でもあるわけでありますが、総理、いかがお感じでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 どのような役職についているから、どの程度政治力なり影響力があるかというのはわかりません。人によって違います。
 また、政治家がどのような資金を調達するか。これは、法にのっとってきちんと調達しなければならない問題だと思っております。
○馬淵委員 法にのっとっておればということが常に前提となる、当然であるわけでありますが、私は、このような、いわゆる住宅業界、いわゆる住宅族としておられる議員の方が、それこそ影響力を行使できるお立場にある方が献金を受け、さらに個別勉強会を繰り返していく。こうしたことが、結局は今回の耐震偽装の問題の、例えばこの建築基準法の改正時に、果たして十分予見できる立場であろうはずのその官僚あるいは政治家たちが、本当に真剣に議論がなされてきたのかということにつながりはしないかということを御指摘させていただいているわけであります。
 そして、この伊藤元長官の問題は、今総理がおっしゃった、適正、適法であるかなしかだというお話もございましたが、これについても多くの疑義が掲げられております。
 お手元にも、これは毎日新聞の記事でございますが、お配りをしております。伊藤元長官については、他にも政治と金についての疑惑ということで、これは十二月の二十二日、毎日新聞が報じております。西多摩夏冬会という政治団体が、伊藤元長官の資金管理団体東京公友会、それと自民党東京都第二十三選挙区支部、これは町田を中心とした二十三区の自民党の支部でございますね、選挙区支部、これに対して一九九七年から二〇〇二年に行った献金が収支報告書に記載されていなかったということが指摘されています。二〇〇二年分に関しては記載漏れがあったとして訂正が行われています。
 さて、関係者の証言では、二〇〇一年秋ごろに、この収支報告書に記載されずに裏金処理されているということに気づき、怖くなってやめるように進言したとのことなんですが、これは昨年の国会でも議論された日歯連の橋本派への献金のときもそうでした。単に収支報告書を訂正すれば済む話じゃないと思うわけでありますが、竹中大臣、総務担当大臣として、このような問題にどのようにお考えですか。お答えいただけますか。
○竹中国務大臣 政治資金規正法についてのお尋ねでございますが、政治資金規正法につきましては、収支報告書の訂正について特段の定めはございません。この法律については、これは政治資金の収支を広く国民に公開するということを目的の一つにしているものでございますから、収支報告書は事実に即して当然記載されるべきものであるということでございます。
 したがいまして、収支報告書の内容が事実に反することが判明をしまして、政治団体から訂正の申し出があった場合におきましては、国民に対して正しい収支の状況を明らかにするという観点から、これは見え消しで収支報告書の訂正を認める取り扱いとしているところでございます。所管をしております政治資金規正法の中の扱いはそのようになっております。
○馬淵委員 特段の定めがないということでありますが、このように伊藤元長官、先ほど申し上げたように、業界そして官とのかかわり、さらには御自身の金の問題、とりわけこの金の問題については、適法な処理ではない、違法な処理も取りざたされているわけです。もはや、この問題だけでも十分にこれは国会の中でただされなければならないぐらいのことなんですよ。
 伊藤元長官のその政治資金、この西多摩夏冬会関係者の方からもお話を伺いました。西多摩夏冬会から自由民主党東京都二十三選挙区支部、これは領収書ではっきりとお金を出されているんですよ。お金を出されて渡されているんですけれども、その寄附の支出の記載は西多摩夏冬会にはございません。そして、当然ながら、二十三選挙区支部にも入金の記載はなく、東京公友会にもありません。この会計を担当されていた方は、毎月二回、三回と現金を会館に持っていって、伊藤代議士に渡している、そして、その渡したお金がどう使われたかわからないままになっているから、自身が怖くなった、こうおっしゃっているんですよ。
 先ほど十四年度の訂正分の百四十六万円の話がありましたが、平成十三年度だけで二百七十五万円、平成十二年度三百十万円、平成十一年度三百五十万円、平成十年度四百三十五万円、平成九年度二百四十八万円。平成十四年分と合わせると一千七百六十四万円のお金が裏金処理されている、このように言明されておられますし、こうして領収書あるいは政治資金収支報告書、これも私もいただいております。
 このような政治と金の問題に対しても、極めて不透明な元長官、その方がどういう形でこの問題にかかわってきたかというのは、国民が注視しているんじゃないでしょうか。
 さて、もう一度お尋ねしますよ。
 竹中大臣、今政治資金規正法に基づく処理のお話だけをいただきましたが、こうした問題、今、新聞だけではなくて国会でも私このようにお伝えをさせていただいているわけでありますが、総務大臣、これはどのような対応をすべきか、お答えいただけませんか。
○竹中国務大臣 今委員、個別の事案で御紹介をしてくださいましたが、我々としましては、具体的な事実関係を知る立場にはございませんので、そのことに対して、これはちょっと答弁といいますか申し上げようがございません。
 その意味では、法律の枠組みと解釈論を申し上げるしかないわけでございますけれども、一般論として申し上げますと、政治資金規正法におきましては、政治団体の会計責任者というのは、収支報告書には当該政治団体のすべての収入、支出について所要の事項を記載することとされているところでございます。これは法律の十二条に書いているわけでございます。
 また、同法においては、故意または重大な過失により収支報告書に記載すべき事項を記載しなかった者または虚偽の記入をした者については、これは五年以下の禁錮または百万円以下の罰金に処するという規定が定められていることでございます。これは個別の事案に沿って対応されるべきものであるというふうに思います。
○馬淵委員 違法行為であるならば、当然ながらに、それは厳しく罰せられなければなりません。しかし、政治家である以上、みずからの政治責任として説明を果たす義務があるわけであります。
 このように、適法であればというお話を繰り返される閣僚の皆さん方、適法ではない事例も含めて、伊藤長官の身辺にはこのような疑惑がつきまとっています。伊藤元長官が大成建設や国交省に働きかけを行ったこと、ファミリー企業が政治献金に見られるように業界とのもたれ合いの構造、どれをとっても、伊藤元長官には、この委員会に出てきていただいて、みずからがお話しをいただくことが必要だと考えます。
 さてそこで、ここに、耐震偽装問題を受けて中止となりました、昨年十二月十二日に予定されていた「衆議院議員伊藤公介と明日の日本を熱く語る集い」という招待状のコピーがございます。これもお配りをいたしました。そこには、発起人として、先ほど名前を挙げたヒューザーの小嶋氏、日神不動産神山氏、東日本住宅の桃野氏、山田建設の山田氏とともに、ここに今日おられる小泉内閣の閣僚の皆さんが七名も名前を連ねておられます。安倍官房長官、麻生外務大臣、沓掛国家公安委員長、小池環境大臣、杉浦法務大臣、竹中総務大臣、谷垣大臣、こうした皆さん方。その中には、ポスト小泉のレースの中で、それこそ今必死に走っておられる方々もいらっしゃるわけでありますが、今の七名の方々、お一人お一人にお尋ねしたいと思います。端的にお答えください。
 これほどまでに、国民から見て、どうにもこうにもこの疑惑を晴らしてもらわねばおかしいではないかと感じられる伊藤元長官の証人喚問は、必要なのか必要でないのか。政治家としての御自身のお答えを、イエスかノーか、必要であるかないか、今申し上げた順にお答えいただけますでしょうか。安倍長官、麻生大臣、沓掛委員長、小池大臣、杉浦大臣、竹中大臣、谷垣大臣。
○大島委員長 時間が来ておりますので。
○馬淵委員 端的にお答えください。あと五分ございますので、端的にお答えいただければ入り切るかと思います。
○安倍国務大臣 先般、総理からもお答えをしておられると思いますが、国会議員は、みずからにかかったいろいろな疑いについては、しっかりと説明をしていく。そういう意味において、もう既に伊藤長官は記者会見を行っているというふうに承知をしております。
 いずれにいたしましても、院において判断されることである、このように思っています。
○麻生国務大臣 疑惑を投げかけられている本人に説明責任がある、当然だと思います。
 また、証人喚問等々のお話は、これはかかって院の話でありますので、外務大臣の私としてどうのこうのという立場にはございません。
○沓掛国務大臣 お尋ねの件については、伊藤議員の個人的な問題でもあり、証人喚問の実施については、国会で判断されるべきものであり、その是非についてのお答えは控えさせていただきます。
○小池国務大臣 沓掛大臣のお答えと全く同じでございます。
○杉浦国務大臣 小池環境大臣と同じ考えであります。
○谷垣国務大臣 杉浦法務大臣の答弁と同じでございます。
○竹中国務大臣 谷垣大臣の御答弁と同じでございます。
○馬淵委員 私は、今のお答えを聞いて、去る二十六日の委員会では、伊藤元長官の本委員会での証人喚問、これを求めました。そして理事会では、自民党の理事の方、先ほど来、筆頭理事からいろいろなやじをいただいているわけでありますが、それでも理事の方から、議論が深まっていないという理由で、行う必要がないとの意見が出されたそうです。しかし、先日の委員会では、総理は、だれであれ、疑惑を受けたなら、みずからその疑惑を晴らすために行動をとられるのが筋ではないかと思っておりますと大変前向きな御答弁もいただきました。
 小泉内閣のうちの七名の閣僚の方々が、お名前が上がっていた伊藤元長官のパーティーに発起人として名前を連ねていた。しかし、今のお答えをいただければ、証人喚問の是非すら政治家としてお答えいただけない。マンションの住民やホテルオーナーの方々、本当に納得はいかない状況であると思います。
 再度、総理、伊藤元長官の証人喚問の実現に向けた総理の前向きな御答弁をお願いしたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 これは今までの質疑を伺っていましても、北側大臣からも関係局長からも、伊藤大臣の働きかけによって影響を受けた施策は全くないという答弁をしております。
 そういう中で、伊藤議員に寄せられた疑惑というものに対して、基本的には、疑惑をかけられた人はみずからが説明すべきだと私は思っております。
○馬淵委員 再度、この委員会で伊藤公介代議士の証人喚問を求めたいと思います。
 今お時間をいただいた中で、国土交通委員会の中でなしてきた議論、それをすべてこの時間の中に集約することは不可能です。しかしながら、そのエッセンスと、業界とのもたれ合い、あるいは政治と金とのその不明朗な関係、すべてを明らかにはできませんがこうして御指摘をしたことを踏まえて、住民の方々や国民の納得をいただくためには証人喚問の実現が必要です。既に、一月二十八日、二十九日のANNの世論調査の中では、八割の方々が伊藤公介議員の証人喚問については必要だとお答えになっておられます。こうした世論を背景に、当委員会での証人喚問を理事会の皆さん方に強く求めて、私の質疑を終わらせていただきます。
 委員長、証人喚問の協議をお願いいたします。
○大島委員長 理事会で協議をいたしております。
○馬淵委員 ありがとうございました。
○大島委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○大島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
 この際、松野頼久君から関連質疑の申し出があります。前原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。松野頼久君。
○松野(頼)委員 民主党の松野頼久でございます。
 きょうは、一月三十日の補正予算のときに、米国産の輸入牛肉の再開の問題をめぐって、我が党の川内議員の質問主意書に対する答弁、そしてまた政府の統一見解というものが出されまして、そこでちょうど私の質問を終わっておりますので、政府の統一見解について幾つかお伺いをしたいと思います。
 三十日の議論の中では、資料の一をごらんください。これが、三十日に安倍官房長官がお読みになられました政府の統一見解の文書でございます。我が党の川内議員の閣議決定と、この政府の統一見解の整合性がどうも私には納得ができないところがありまして、この点について幾つか安倍官房長官にお伺いをしたいと思っています。
 まず、線を引いたアというところ、これは厚生省及び農水省の当時の認識、考え方を内閣として是としたものであり、必ずしも特定の行為をなすことを内閣として決定したわけではありません、このように書いてあるんです。ただ、川内議員の質問主意書に対する政府の答弁書によりますと、輸入再開以前に、また、輸入再開後も定期的に、担当官を派遣して米国における我が国向けの牛肉等に係る食肉処理施設に対する現地調査を実施することが必要と考えていると。この文言に対して、一体どう読んで、特定の行為をあらわしたもの、示したものではないというふうにおっしゃるのか。どうかお答えをいただきたいと思います。
○安倍国務大臣 答弁書におきましては、輸入再開以前に現地調査を実施することが必要と考えているとした農林水産省及び厚生労働省の当時の認識、考え方を内閣として是としたものであるというふうに申し上げているわけでございます。
 つまり、ここで私が申し上げたことは、実施することを閣議決定したのではなくて、実施するということを考えている、当時考えているという考え方と認識を示したものである、こういうふうに申し上げたわけであります。
○松野(頼)委員 これは、考えているからいいんだということですか、官房長官。ほかの川内さんの質問主意書、全部見ていただいても、ほとんどが全部、認識したいと考えている、必要はないと考えている、必要あると考えている、みんな考えていると答弁しているんですよ。考えているんだから別に特定の行為ではない、これはちょっと官房長官、余りにも詭弁じゃないでしょうか。もう一回答弁してください。
○安倍国務大臣 答弁書をおつくりするときには、厚生労働省そして農林水産省、さらには法制局も入って、一字一句かなり詰めて議論をするわけでありますが、そのときの議論においても、これは認識を示すものであり、また考えを示すものであるという一致した認識があったというふうに承知しております。
○松野(頼)委員 今のは余りお答えになっていないかと思います。
 では、政府が考えているということをもし閣議決定でお使いになったものに関しては、実行しなくてもいいということですか。
○安倍国務大臣 基本的には、そのときの認識においては必要である、こう考えていたわけでありますから、客観情勢がそのままであれば、当然実行したということであります。しかし、その後、認識が変わったということについては答弁書で既に私が読んだとおりでありまして、その結果、認識が変わったということでございます。
○松野(頼)委員 その後、状況が変わったことはまた後でお伺いをいたしますけれども、まず今の、考えているということは特定の行為ではないとおっしゃったところをもう一回お答えください。
 政府が考えているという言葉を使ったときには、実行しなくてもいいということですか。
○安倍国務大臣 考えている、また、そのときの認識を示したものでありますから、先ほど申し上げましたように、客観情勢がそのときの認識どおりであれば、当然実施するわけでございます。しかし、その後、状況が変わった、また認識が変わった、その理由についても答弁書でお答えをしたとおりでありますが、つまり、状況が変わった、またそれによっていわゆる認識が変わったわけでありまして、認識が変わったことによって必ずしも実施をするということにはならなかった、こういうことでございます。
○松野(頼)委員 今の、状況が変わったということでありますけれども、釈迦に説法かもしれませんが、閣議決定に対する法的根拠という二枚目の紙をめくっていただきたいと思います。
 これは内閣法四条に規定されているんですけれども、「内閣がその職権を行うのは、閣議によるものとする。」内閣の職権はまず閣議によってできるわけです。そして第六条、「内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する。」これが閣議決定の意味であります。
 そして、閣議決定をしたときから認識が変わったというふうに今お答えになった部分。もう一枚めくってください、資料三の上の段。これは、平成十年三月三日、衆議院予算委員会、吉田治議員に対する答弁であります。
 閣議決定は、次にそれを変更する閣議決定がない限りはずっと生き続けていると考えてよろしいんでしょうか。これに当時の内閣法制局長官の大森さんがこう答えております。ただいま申されましたとおりでございまして、閣議決定は、後の閣議決定によって取り消しあるいは変更することができます、しかしながら、内閣がかわっても依然として効力を持ち続けているというのが純理論的な考え方でありますと。内閣がかわっても閣議決定は生き続けるんですよ、そのままにしておいたら。
 そして、その下の段を見てください。これは平成六年十一月八日、参議院においての質疑です。
 閣議決定というのは現内閣においても自由に変更し得るものなのか、そしてまた、次の内閣に対する規範的な効果があるのかどうか。このことに対してこうお答えになっております。閣議決定の変更に関してのお尋ねでございますが、一般論として申し上げますと、憲法及び法律の範囲内ということはもう当然でございますが、その範囲内におきましても、新たな閣議決定をすることによって前の閣議決定に必要な変更などを行うことが考えられておりますと。
 これが今まで政府の、内閣法制局が国会に対してずっとしてきた答弁であります。
 ですから、閣議決定のときから状況が変わったという、それも今回の政府の統一見解の中に入っていらっしゃいますけれども、当然、閣議決定をした後、状況が変わったならば、その状況が変わったことに対する閣議決定をもう一回しなきゃいけないんですよ。今回、その閣議決定はなされているんですか。そして、なされていないままに、状況が変わったので政府の行為を変えたんでしょうか。お答えください。
○安倍国務大臣 先ほど来答弁をいたしておりますように、この閣議決定というのは現地調査を実施することが必要と考えているということでありまして、これは、厚労省及び農水省の当時の認識、考え方を内閣として是としたものであるわけであります。
 しかし、その後、実際には、日本向けの牛肉輸出プログラムについて米国が行う施設認定を日本側も調査できること、輸入解禁以降でなければ履行状況の調査ができないことが判明をしたわけであります。
 また、十二月十二日に米国との間で輸入再開を決定した後、十三日には査察に出発し、第一便の米国産牛肉が我が国に到着したのは十六日、こういうことでございまして、つまり、その後こうしたことがございまして認識が変わったということであります。
 この認識が変わったことにつきまして院に対して十分な説明を行わなかったことは事実であり、遺憾に思っているところでありますが、しかし、これはいわば閣議に反したことでは決してないということでありまして、先ほど来申し上げておりますように、認識を示し、そして、その認識に対して是としたものであるという閣議決定であるという閣議の性格であり、その後、さらに、輸出を再開する際にはいわゆる閣議決定そのものは必要でないというのが政府の考え方であります。
○松野(頼)委員 今のは、政府の統一見解をただもう一度お読みになっただけだと思うんです。
 私が言いたいのは、川内議員が質問主意書を出した、十一月十八日においては、政府は、輸入再開前にもう一度現地に行って調査をして、日本向けの輸出プログラムが守られているのか、特定危険部位の除去が行われるのか等々をきちっとチェックしてから、それから輸入再開することが必要である、だから、輸入再開前に担当官を派遣して現地調査することが必要であると考えていると。現に一月三十一日の農水事務次官の会見の中でも、当時はこう思っていたんですよ、この予定だったんですよというふうに記者会見で発言されているじゃありませんか。
 ですから、当時の政府の認識は、輸入再開の前にきちっと現地を見てから輸入再開する、こういう行動をとるという前提のもとに閣議決定して、川内議員の質問主意書に対する答弁をお書きになったんです。
 そして、官房長官、これもあえて言うことではありませんけれども、この質問主意書に対する答弁書というのは川内議員個人に答えているわけではないんです。院の中の川内議員が、国会として政府に対して、こういうことにはどう思うかという政府の姿勢をあらわしてくれということを望んでいる、それを示してくれということを要求している文です。それに対して政府の考え方を国民に示した文書なんですよ、質問主意書への答弁書というのは。だから閣議決定をして出しているわけです。
 その閣議決定を出した文章の中身そして行動と、実際に行われた行動の食い違いがあるわけですから、それには閣議決定をもう一度してからきちっと対応しなければいけないんじゃないですかということを私は伺っているんです。もう一回答弁ください。
○安倍国務大臣 先ほど来お答えをしておりますように、これは、いわゆる実施するということを閣議決定したわけではありません。実施するということを閣議決定していて実施しなかったということになれば閣議決定違反になるわけでありますが、これは、まさに当時の認識を示した、当時の状況では実施することが必要であるというふうに考えているという認識、両省の認識を示し、そして、それに対して内閣としてそれを是としたというのがこの閣議決定でございます。
 しかし、その後、認識が変わったことにつきましては、それは院に対して、私も先ほど申し上げましたように、川内議員のみならず院に対して説明がなされなかったことは遺憾である、このように申し上げているとおりでございます。
○松野(頼)委員 院というのは、選挙によって国民の代表者を選ばれた、私たちが構成員として構成しているのが議会でありますから、議会に対して説明をするということは、当然、国民に対してということであります。
 ですから、そういう意味で考えますと、実際に行動は変わったわけですよね。それは間違いないですね。答えてください。
○安倍国務大臣 この閣議決定がなされていたときの状況が変わった結果、当時考えていた認識が変わったわけでありますから事前の査察は行わなかった、こういうことであります。
○松野(頼)委員 だから、状況が変わったから、認識が変わったから派遣をしなかったということ、それは間違いないですね。
○安倍国務大臣 認識が変わったということは、先般、統一見解で私が読み上げたとおりでございます。
○松野(頼)委員 認識が変わったから査察官を出さなかったということですね。
○安倍国務大臣 それでは、もう一度詳細に……(発言する者あり)いや、これは正確を期さなければならないわけでありますからもう一度申し上げなければならないわけでありますが、よろしいですか。
 「厚生労働省及び農林水産省においては、米国産牛肉等の輸入を再開することとなった場合には、輸入再開以前に、また、輸入再開後も定期的に、担当官を派遣して米国における我が国向け牛肉等に係る食肉処理施設に対する現地調査を実施することが必要と考えている。」といたしました。これは厚労省及び農水省の当時の認識、考え方を内閣として是としたものであり、必ずしも特定の行為をなすことを内閣として決定したものではありません。
 その後、実際には、日本向けの牛肉輸出プログラムについて、米国が行う施設認定を日本側も調査できること、輸入解禁以降でなければ履行状況の調査ができないことが判明しました。
 また、十二月十二日に米国との間で輸入再開を決定した後、十三日には査察に出発し、第一便の米国産牛肉が我が国に到着したのは十六日となっております。
 なお、閣議決定以降の十二月八日に出された食品安全委員会の最終答申においては、査察の実施は輸入再開の条件とはなっていませんでした。
 したがって、厚生労働大臣及び農林水産大臣の輸入再開の決定は、十一月十八日に閣議決定された川内議員の質問主意書に対する答弁に反しているわけではない、このように理解をしているわけでございます。
 これが統一見解でございます。
○松野(頼)委員 もう統一見解は何回聞いてもきっと同じだと思いますから、それは私が資料でお配りしている紙を読んでいるだけにすぎないので、では、別の角度から伺います。
 それならば、なぜ最後の段で、しかしながら、答弁書の閣議決定以降に生じたような過程について院に対して十分な説明を行わなかったことは事実であり、まことに遺憾であります。何が遺憾なんですか。
○安倍国務大臣 閣議決定には反してはいないわけでございますが、院に対して、答弁書に当時の認識をお示しした、しかし、その後、認識が変わったということについては、これは食の安全にかかわることでもあり、しっかりと御説明をする必要があった、この観点から遺憾であった、このように申し上げたわけであります。
○松野(頼)委員 全くお答えをいただいていないようでありますけれども、院に対して十分な説明を行わなかったということは、新たな答弁書を出さなかったということなんじゃないですか。もう一回お答えください。
○安倍国務大臣 質問主意書に対する答弁として答弁書をお出ししたわけでありますが、その答弁書におきましては、当時の認識をお示ししたわけでございます。しかし、その後、認識が変わり、法にのっとって輸出を再開していったということでございます。
 その中で、やはり答弁書と認識が変わったことについては丁寧な説明をなすべきであった。しかし、新たな答弁書については、質問主意書が出されない限り、これは答弁書を出すということにはならない、こう思います。
○松野(頼)委員 では、もう一回、違う角度で安倍長官に伺います。
 ここで、今度は、輸入解禁以降でなければ履行状況の調査ができないことが判明しました。これも政府の統一見解に入っているんです。もし、これから米国産牛肉をもう一度再々開する場合には、この文言は生きるんでしょうか。
○中川国務大臣 現在、御承知のように、米国産牛肉輸入は全面的に停止しておりますが、日本側から、こういうプログラム違反、なぜ起こったのか、そして、米国側が再開したいということであれば、二度と再発が起きないようなきちっとした対策をとってもらいたいというふうに考えております。強く申し入れております。
 日本としては、現時点におきましてはアメリカからの報告を待っている段階でございますが、その報告書が来た場合には、内容の適否、そしてまた、それが適切なものであると仮に判断したならば、そのときには、日本側としても、二度とこういうことが起きないようにするために一体どういうことがさらに必要なのかということは、当委員会のいろいろな御意見等々も踏まえた上で、やはりリスク管理官庁としては、国民の信頼回復のためにいろいろなことを今から考えないと、全く今までどおりで、日本は責任ないからいいのだというふうには決めておりません。
 さらに、信頼回復、あるいはまた、きちっとした食の安全のためにやれることがあれば、その時点で検討していかなければいけないと思っております。
○松野(頼)委員 済みません、違うんです。
 私が聞いていますのは、今回の政府の統一見解の中で、輸入解禁以降でなければ履行状況の調査ができないことが判明しましたというふうにお答えになっているので、今輸入停止になっていますよね、この停止をしている米国産牛肉の輸入をまたもう一度将来再開するとき、この文言があると、事前に調査に行けないんじゃないですか。今度はこの文言に縛られて、事前調査に行ってから再開ということはできなくなるんです。
 川内議員の答弁書どおりであれば、次も、今度再々開をするときに、事前に調査して、現地の状況を見てから輸入再開に踏み切れるんですよ。ただ、この文言で政府の統一見解で出してしまうと、この文言に縛られて、輸入再開前には現地を見てもしようがないということが書いてあるので、次もまた現地を見る前に輸入を再開しなければならなくなっちゃうんじゃないですかということを聞いているんです。
○中川国務大臣 十一月十八日時点で川内議員にお出しした答弁書については、今官房長官からお話ありますように、十一月十八日時点での考え方をお示しし、その後、前提である認識が変わったということでございます。何回も申し上げますが、それにつきましては、川内議員、院に対して十分な説明ができなかったことはまことに遺憾だと思っております。
 と同時に、輸出再開に当たっての食品安全委員会からの答申でも、そういうものをしろという義務はございませんでしたけれども、しかし、午前中の御議論でもありましたように附帯条件というものがあって、これが守られればよりよくなりますよ、守られなければ再開の前提が崩れますよという御指摘もあって今やっているところでございますから、仮に再開の条件が整った場合には、よりよい条件を、日本としても何ができるのかということにつきまして、このことも含めて、今後とも検討していく一つの対象になっていくんだろうというふうに考えます。
○松野(頼)委員 官房長官、私が質問した意味はおわかりになるでしょうか。あのときの答弁書のつじつまを合わせるために政府の統一見解を出してしまったんです。出してしまって、今度は、輸入再開前に現地に行くということを縛ってしまっているんですよ、この答弁で。
 状況は変わっていないわけですから。輸入解禁以降でなければ、次の輸入解禁以降でなければ履行状況の調査ができないことが判明したわけですから。だから……(発言する者あり)違う違う。
○大島委員長 御静粛に。御静粛に。
○松野(頼)委員 次の行動を縛るようなことをしていいんですかということですよ。
○中川国務大臣 状況によって認識が違う云々ということは、確かに、答弁書、政府統一見解で長官からお答えしたとおりでありますが、一つ条件が違いますのは、十二月十二日の輸出再開決定のときに、決定した後にアメリカにおいて四十の認定をして、そして認定した後に日本向けの輸出の作業が始まったわけであります。現時点では日本に対しては米国産牛肉の輸入はストップしておりますけれども、今回事件を起こした二つの認定機関以外の三十八認定機関は認定機関のままでございますから、そういう意味ではあのときと状況は違うと思います。
○松野(頼)委員 であれば、前回のときも、十二月十二日に再開が決まって十三日に認定が、パッカー、ずっとされていますね。それであれば、その少し前から調査団が入って、認定で再開されたと同時に当時も調査できたはずなんです。そうでしょう。でも、それはラインが動いていないからできないということでこの答弁書をつくられたわけですよね。
 今回も、全部認定はされているけれども、ラインはとまっているわけですよ。ですから、輸入再開前にこの認定のパッカーを見ることは不可能なんです、同じ条件ですから。あの日だって、もしこれと同じ条件にするならば、輸入再開の日は日本側である程度わかっているわけですから、その何日か前から現地に入って、再開と同時に検査してから、その肉を見てから日本に入れればよかったわけですよ。
 状況は同じなんですよ。やる気になれば前回もできたんです、それであれば。ですから、この政府の統一見解を出すことによって次の行動まで縛ってしまうのではないですかということを私は言っているんです。
○中川国務大臣 もちろん、前回におきましても今回におきましても、いよいよ認定手続に入る、初めてその認定をして作業に入るというところから、それはやろうと思えばあのときもできたでありましょうし、今回も状況によってはそういうことも否定はいたしません。
 ただ、あのときの答申で、義務ではなかった、しかし、要望事項、附帯事項としてあった。我々も念のためにやるべきだということで、実際行った十一の施設につきましては、七つの施設でA40という、午前中御議論がありましたけれども、月齢二十カ月以下の格付の作業あるいはまた特定危険部位の除去の作業を日本向けにやっているところを確認ができたわけであります。
 それは前でないかもしれませんけれども、スタートと同時に見ておりますので、我々としては認識をまた場合によっては変えて、スタートしなきゃ見えないことは事実でありますけれども、スタートした一日後か二日後か、あるいは、まだ残っている二十七につきまして、これからゼロと同時に見に行くか、一日二日後に見に行くかはまだ決めておりませんけれども、御指摘のような、最初から前回と同じように排除する、事前にやることはしないというようなことは、あくまでもアメリカからの報告書を見てこれから判断していきたいと思います。
 これは排除しているという趣旨ではないということを御理解いただきたいと思います。
○松野(頼)委員 農林大臣の立場であれば、何かの発言をされていますけれども、次は、現地調査して現地を日本の目で確かめて、これなら大丈夫だという状況でぜひ輸入の再開というものを考えていただきたいというふうに思います。
○中川国務大臣 松野委員の重要な御指摘をしっかり受けとめて、今後どういうふうにするか検討させていただきたいと思います。
○松野(頼)委員 それともう一つ、今の閣議決定について、ちょっと資料の五をお読みください。
 「一般職の国家公務員は、質問主意書に対する内閣の答弁書の中に示された法令の解釈に違背して、その職務を行うことができるか。」こういう質問主意書が以前に出ております。
 これに対して、一般職の国家公務員は、国家公務員法の規定により、その職務を遂行することについて上司の職務上の命令に従わなければならないとされており、質問主意書に対する答弁書の中に法令の解釈が示されているような場合には、当該解釈に従い法令を執行する職務を負うものであると。
 これが、質問主意書が国家公務員の事務職の人を縛ることなんです。ですから、質問主意書のとおりにしなければ、国家公務員の方は国家公務員法違反に当たるんです。ですから……(発言する者あり)答弁書のとおりにしなかった場合に。
 少なくとも、答弁書に反して輸入再開は決めた、このことは間違いないですね。輸入再開を決めたというこの手続は、少なくとも、状況が変わったかもしれないけれども、この答弁書からは外れているということは間違いないですね。
○阪田政府特別補佐人 今委員お示しの質問主意書、答弁書は、法令の解釈について答弁書で明らかにされた場合に、それと異なる解釈をして仕事をしていいかということに対してノーと言ったものである。それは全くそのとおりであろうと思いますが、今問題になっております答弁書は、法令の解釈ということに触れた部分があるというふうには承知をしておりません。
 したがって、性質の違うものではないかというふうに考えます。
○松野(頼)委員 では、これも水かけ論になるかもしれませんけれども、この答弁書は全く、この後の政府の行動を見てもこの答弁書のとおりであるというふうに法制局長官の立場で答弁されますか。
○阪田政府特別補佐人 済みません、一般論として、ちょっと今の議論の前提を整理するためにお話をさせていただきたいんですけれども、憲法六十五条「行政権は、内閣に属する。」と書いておりまして、内閣が最上級の行政機関であるということはもう委員御指摘のとおりでありますし、それから、内閣は合議体でありますから、内閣法四条で、その意思決定は閣議によるんだというのもお示しのとおりだと思います。
 そういう前提の上で、かつ内閣が決めたこと、閣議決定したことは、国務大臣を含めて、内閣、関係の機関すべてがそれに拘束されるということも、先ほど大森元長官の答弁を紹介されて、そのとおりだと思います。
 その上で、二つお聞きいただきたいと思うんですが、一つは、何を閣議決定するかということであります。
 先ほど委員は、内閣法の六条の施政の方針というのをお示しになりましたけれども、必ずしもそのようなことばかりではない。それは、例えば憲法をごらんいただいただけでも、憲法第七条は、天皇の国事行為について内閣の助言と承認を必要とするということになっています。その中には、例えば法令の公布、法律の公布というような、成立した法律の公布という非常に形式的なことも含まれているわけです。
 それから、私の最近の記憶では、例えば、行政組織の新設改廃状況報告書の国会への提出であるとか国民生活安定緊急措置法の施行状況の国会への提出といったような事柄も、国会に対して内閣が行為をするということのために全部閣議決定をしている。
 質問主意書に対する答弁書も同様でありまして、大変重要な施政の方針に係るものももちろんございますが、事実関係の調査結果がどうであるかというようなお尋ねも多々あるわけでございます。それに対しても全部閣議決定をしてお答えしている。それは事後の内閣の姿勢を縛るというような性格のものではないということが一つ。
 それからもう一つは、内閣は合議体でございますので……
○大島委員長 阪田君、短く。
○阪田政府特別補佐人 はい。
 全部の仕事をみずから処理するということはできないわけであります。したがいまして、内閣府の長たる内閣総理大臣、それから各省の大臣である各主任の大臣がそれぞれ行政事務を、広範多岐にわたる行政事務でございますから、分担して管理をする。
 したがって、第一義的には、それぞれ分担管理をする大臣がそのみずからの責任と判断において分掌している事務を執行するということでありまして、逐一内閣に、そのことの是非であるとか、どうするかということについて判断を仰ぐという仕組みになっていないということを御了解いただきたいと思います。
○大島委員長 松野さん、今の質問に対して答えるのは、むしろ官房長官の方がいいんじゃないかと思うんですが、どうですか。いいですか。(松野(頼)委員「いいです、もう時間がありませんから」と呼ぶ)はい。
 松野さん。
○松野(頼)委員 では、済みません、法制局長官、もう一回お答えいただきたいと思うんです。
 今回のこの輸入の部分、ありますよね。川内議員の質問主意書、輸入再開前に現地に担当官を派遣して事前調査を行うというのは、これは法制局長官の立場から見て、特定の行為を指していないんですか。
○阪田政府特別補佐人 その具体の文言の解釈については官房長官が申し上げているとおりであろうと思います。
 ただ、私の立場で申し上げられることは、内閣が何を内閣として決めたのかということ、それはもう千差万別であるということでありますし、それで、基本的にはこれは分担管理されている仕事であると。例えば、その輸入再開の決定自身を閣議で決めていないわけですね。ということは、このリスク管理なり輸入をするかどうかということの事務というのは農水大臣と厚労大臣が分担して管理をされている、そういう前提で、内閣は、その分担管理をされている大臣が適切に行政を遂行しているかどうかということを確認しているという性格のものであるというふうに理解しております。
○松野(頼)委員 まあ、この議論をやっていても、もう時間がありませんのでこれで終わらせていただきますけれども、また一般質疑でやらせていただきます。
 いずれにしても、この米国産牛肉の輸入再開問題というのは、非常に国民の多くの皆さんは、口に入れるものだけに、不安を持っているんです。そしてまた、日米関係を良好に保つ意味でも、私はきちっとルールを決めて、向こうのアメリカ側としてはもっと輸出量がふえるかもしれない、日本側の消費者としては安心して輸入牛肉が食べられるかもしれない。こういう多くの国民の皆さんの不安を取り除き、日米関係を良好に保つためにはきちっとルールを決めて、こういうどたばたが、トラブルが起こらないような形をどうかしっかりとして、再び輸入再開が起こるときにはやっていただきたい、このことをお願い申し上げまして、きょうの私の質問は終わります。
 ありがとうございました。
○大島委員長 この際、細川律夫君から関連質疑の申し出があります。前原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。細川律夫君。
○細川委員 民主党の細川律夫でございます。
 きょうは、予定の時間が少し変わりましたので、質問の順序も変わりますので、まずは御了解をいただきたいと思います。
 今、ライブドアの事件につきましては、検察当局で捜査が進められております。その中で、投資事業組合がどんな役割をしていたか。その中で、特に重要な人がおられました。それが野口さんでございます。
 この野口さんが、ライブドアに捜査が入ったその翌々日、沖縄のカプセルホテルで死亡されました。この点について、大変重要なキーマンと言われる人が亡くなった。それが自殺であるのか他殺であるのか、よくわからない。そういうことで、今、マスコミで大変注視をされております。国民の皆さんも関心をお持ちでございます。一体、結論はどうであったのか、まずお答えをいただきたいと思います。
○沓掛国務大臣 お答えいたします。
 お尋ねの事案は、平成十八年一月十八日に那覇市内のホテルにおいて、会社役員である男性が腹部等より出血した状態で発見され、病院に搬送された後、死亡したものであると承知いたしております。
 沖縄県警察においては、遺体や現場の状況、それから解剖所見、行政解剖ですが解剖所見、それから関係者からの聴取など、さまざまな角度から慎重に真相究明に当たり、その死因については犯罪に起因するものではないと判断したものと承知いたしております。
○細川委員 司法解剖はされなかったんですか。
○大島委員長 沓掛大臣、できるだけマイクに向かって、皆さんに聞こえるように御答弁をしてください。
○沓掛国務大臣 はい、わかりました。
 遺体や現場の状況あるいは関係者からの聴取結果などから、死因については犯罪に起因するものではないと判断し、司法解剖は実施しておりませんが、死因の究明の慎重を期するため、御遺族の承諾を得て、行政解剖を実施したものと承知いたしております。
○細川委員 なぜ行政解剖をされたんですか、それでは。
○沓掛国務大臣 一般的に申し上げれば、死体が発見された場合、警察への届け出が当然あるわけでございますが、この場合、三つに分類されます。一つは、死亡が犯罪によることが明らかな場合、それから、変死体のような場合、犯罪による死亡ではないかという疑いのある死体、それから三つ目が、死亡が犯罪によらないことが明らかな場合というふうに分けられます。
 この場合において、いろいろな状況から犯罪によらないことが明らかな場合ということでございまして、そういたしますと、警察による死体見分が行われます。さらに、その中において、いろいろな行政の判断で、行政の責任で、行政的な目的でそういう解剖をすることがあります。例えば中毒症が起きたとか、あるいは伝染病が起きたとか、そういういろいろなことがありますので、そういう場合等において、家族の了承を得て解剖することがあります。その行政解剖を行ったものでございます。
○細川委員 今、伝染病あるいは中毒、そういうおそれもあるから解剖をすると。そういうことでこの野口さんの遺体は解剖されたんですか。
○沓掛国務大臣 行政解剖をするときにはいろいろなものがあるわけでございますが、わかりやすい形でと思ったので三番目の今の例を挙げたわけですけれども、念には念を入れてということで、一応外見上、見たところ、そういう犯罪によるものではないということで第三分類にされ、しかしながら、さらに念には念を入れてというか、いろいろなものについてさらにそういう解剖ということができれば、行政的な目的で、あくまでも行政責任で、行政の目的でなされたものであります。
○細川委員 私は、この野口さんの死体というものについて、犯罪性があるかどうか、犯罪性がないか、この区分けというのは大変大事だと。それが今、大臣の答えでは、まず最初に、犯罪ではない、そういう区別をしておいて、さらに行政解剖をした、こういうふうに言われたと判断しますが、それでいいですか。
○沓掛国務大臣 死体の状況それからその部屋の状況、それに当たって、最初に発見された方々、その他いろいろな状況から判断して、これは犯罪によるものではないという判断がまずございました。その上で、また、一応一人でおられた中で刃物でいろいろなところを切断して死んでいるわけですから、ひとつ、そういう形のものについてはどうしてかということで、行政的な解剖を行ったということだというふうに理解しております。
○細川委員 その行政的な目的は何ですか。はっきりそこを言ってください。
○沓掛国務大臣 行政的というのは、一応部屋の中で死体になっており、そして、ブザーを押して本人が届けていき、そして、その中には本人一人であったわけですし、しかし、そのほかにもいろいろな、そういう犯罪によらないと確認できるようなものもいろいろあるわけでございますが、そういうものもあるけれども、さらに行政上もう一度ということでしたのだと。それはあくまでも家族、遺族の了解を得てするものでございます。
 先ほど申し上げましたように、死体が発見された場合には三つの分野に分類されるわけです。そして、まずこちらの方というのは率的には非常に、先生も御承知のように、少ない。いわゆる司法解剖するというのは一年間に約五千件でございますが、逆に、今全体として亡くなるのはその二十数倍ほどの数でもあるわけでございまして、それを三つに分類して、そして間違いのないような形で効果的にいろいろなことを実施していく。そういう体制の中でやはりこの一つの行政解剖というものはあるというふうに理解しております。
○細川委員 そういう説明は、私はよく知った上で質問しているんですよ。
 行政目的で解剖したという、その行政の目的は何ですかというふうに聞いているんです。それは大臣、大臣。
○大島委員長 沓掛大臣。沓掛大臣。ちょっと、大臣とよく相談して、大臣が答えるようにしなさい。(発言する者あり)
 ちょっと委員外の傍聴者、静かにしてください。静かな、深みのある論議をしたいと思います。
 今、大臣からまず答弁して、それから。
○沓掛国務大臣 根拠は、死体解剖保存法に基づいて行ったものでございます。そのものは、死体の解剖及び保存並びに死因調査の適正を期することによって公衆衛生の向上を図るとともに、医学の教育または研究に資することを目的といたしております。
○大島委員長 質問者、どうですか、警察庁の刑事局長から、ちょっと……(細川委員「はい」と呼ぶ)
 縄田刑事局長。
○縄田政府参考人 お答え申し上げます。
 前段の、まず、犯罪に起因するものでないという判断がありということで委員御指摘がございます。この点について若干補足をいたしますと、大臣、答弁にありましたとおり、まさに、現場のかぎあるいは道具の状況、それから血痕の状況等々、詳細、現場の状況からして、あるいは傷のぐあい等からしまして、あるいは、そのホテルに入りまして、その前後の亡くなられた方の動き、あるいはその間でいろいろ買い物に行かれたりいろいろ購入された事実等々、あるいはビデオカメラ等々、報道でいろいろな報道がなされておりますけれども、若干正確を欠く部分が多々ございまして、いろいろ憶測といいますか、私どもの判断と違う御見解の方もおられるかもしれませんけれども、私どもといたしましては、これは犯罪に起因するものでないという感覚でございます。
 捜査の立場からいたしますと、司法解剖する場合には、これは鑑定処分許可状が要ります。裁判所から令状をいただくことになりますが、これは、捜査官として、この鑑定処分許可状をとるのに、なかなかちょっと無理ではないか、この状況をもって司法解剖するという許可状は恐らく得られなかったんだろうと私どもは考えております。
 そういった意味で、大臣からも御答弁がありましたけれども、間々あることでございますけれども、慎重を期す場合には、死体解剖保存法によりまして、まさに御遺族の同意も得まして、この場合は大学の法医の教授に執刀していただいたわけですけれども、しっかり見ていく、さらにいろいろな検査もいたすということにいたしておるわけで、今回の場合は、そういう行政目的といいますか、根拠法規はそういうことになっておりますけれども、実務上、よくある行政解剖と私どもは言っておりますけれども、これがなされた、より慎重を期したものと私どもは考えております。
○細川委員 念のためということは、それは犯罪によるものではないかという疑問があったからでしょう。だから、念のために行政解剖をやったんじゃないですか。ここは大変大事だと思いますよ。しかも、遺族の人に解剖をさせてくださいとお願いしたわけでしょう。
○縄田政府参考人 まさに、ライブドアの諸問題がございまして、いろいろマスコミ等でも取りざたされておる、そういったことから、私どもとしてはやるべきことはすべてやろうということで、沖縄県警察としてはあらゆる角度からいろいろな捜査をいたしました。そういった意味合いで、行政解剖といいますか、さらに慎重にということで期したものでございます。
 先ほども申し上げましたけれども、これを刑事事件ありとして司法解剖に付すということは現場的にはちょっと考えられないような状況で、私どもとしては、犯罪に起因しないものというふうに考えております。
○細川委員 いろいろな客観的な状況から判断をされた、自殺と判断されたと言いますけれども、しかし、いろいろ客観的な状況の中に疑問があった。
 例えば、野口さんがふだんはまず着ない、着たことがないという血のついたサッカーのシャツが現場に落ちていたんじゃないですか。これをどう説明するのか。あるいは、包丁の出所についてもきちっと説明できないでしょう。そしてまた、腹を切っているこの傷が大変大きいじゃないですか。深さ八センチ、横十二センチ、こんなにも大きい。そんなの一体自分でやれるのかどうか。しかも睡眠薬を飲んでいるんでしょう。そして、午後二時ごろですか、亡くなられたんですけれども、その前の、沖縄に行ったときに空港で四人も会っているじゃないですか。
 非常にいろいろな疑問点が客観的にあるんです。だから、犯罪の疑いがあって、これをきちっと司法解剖にするのが当たり前じゃないですか。それを初めから、犯罪ではない、関係なしとして行政解剖でやる、これはおかしいじゃないか、本末転倒ではないですか。
 大臣、これ、どう思いますか。
○沓掛国務大臣 大変疑わしい理由をいろいろ言われましたけれども、そのいずれも事実とは違ったことになっているということであります。(発言する者あり)それは、死者の名誉にもかかわることでもありますし、答弁を差し控えさせていただきたいと思いますが、沖縄県警察においては、お尋ねの件を含めてさまざまな角度から捜査を尽くし、その死因については犯罪に起因するものではないと判断いたしております。
 慎重の上にも慎重を期してのいろいろな行為であり、また、行政解剖そのものについては、やはり医学的な意味でのいろいろな意味もあるというふうに思います。
○細川委員 これ以上は追及しませんけれども、そこのところは。
 それでは、家族の承諾をとって解剖したんでしょう。その解剖の結果はどうだったんですか。
○大島委員長 これは具体的な案件ですから、縄田刑事局長。
○縄田政府参考人 私ども、犯罪に起因しない方が亡くなられたということで、どこまで御説明をするかといったところもなかなか悩ましいところでございます。
 そういう意味合いでは、解剖した事実につきましては、一応私どもとしても今いろいろ関係者の御了解もいただきまして、今申し上げたわけでございますけれども、細かく、どういう形で亡くなられたかといいますか、そういった細かい部分につきましては、まさに御遺族の方あるいは亡くなられた方等々、名誉、プライバシーにもかかわりますし、詳細は申し上げかねるところでありますけれども、巷間いろいろおっしゃられておりますような形で、私どもは犯罪によって亡くなられたというふうには判断をしていないというふうに考えてございます。
○細川委員 死体を解剖した担当医師というか担当者が死亡診断書、これは死体検案書ともいうんですけれども、死体検案書というものを提出いたします。これは、私が資料として出しておる三番です。
 この死体検案書の中で、死亡の種類というのがあります。死亡の種類には一から十二まであって、一は病死及び自然死、次に交通事故、転倒・転落、溺水、煙とかいろいろあって、窒息、中毒、その他ありますけれども、ここに自殺、他殺というのもありますが、これは死体検案書というのが出ているはずですけれども、この死亡の種類の中でどういう結果が出ていましたか。
○縄田政府参考人 具体的な事案の、まさに死体検案書の中身についてお尋ねでございます。
 検案書自身は、御案内のとおり、解剖した医師あるいは死亡を確認した医師が書かれるものでありまして、医師の判断によっていろいろな記載がございます。
 御指摘の死因との関連でいいますと、私どもとしては、本件も刑事調査官、まさに検視の専門官が行っておりますけれども、さまざまな捜査の結果と、それからこの検案書、医師の意見等も参考にして、最終的には犯罪死かそうでないかという判断をいたしておるところでございます。
○細川委員 先ほどの説明では、客観的な状況から犯罪死ではない、そういう結論に達したけれども、念のために行政解剖をやったと。それでは、その行政解剖の結果の死体検案書で、死亡の種類というところで自殺というところに丸がついておりましたか。
○縄田政府参考人 医師が作成いたしました検案書の中身について、私どもの方から申し上げかねるところであります。まして、本人のプライバシーにもかかわることでもございます。
 ですが、先ほども申し上げましたように、最終的な、自殺であるか、まさに犯罪死であるかそうでないかというようなものにつきましては、私どもの捜査と、それから検案医等の意見等も踏まえながら決断されるものであります。
 本件につきましては、先ほども言いましたように刑事調査官が臨場いたしまして、前後の状況、現場の状況、関係者の供述等から、犯罪死じゃないということで、したがって司法解剖もいたさないという判断をいたしたのでございますけれども、さらに念を押すということで、御遺族の同意も得て解剖したということでございます。
○細川委員 だから、念のためにやった解剖の結果、自殺のところに丸が入っていないではないですか。十一番の、その他及び不詳の外因、これが死亡の種類になっているんではないですか、自殺ではなくて。資料の十一。九番が自殺、十が他殺、そして十一、その他及び不詳の外因と。
 これは私は奥さんに確認しましたけれども、自殺のところには丸が入っていなくて、その他及び不詳の外因のところに丸が入っていて、そして奥様はこの解剖された先生ともいろいろとお話をされたと。そして、この自殺のところには丸をわざわざ入れなかった、そういう説明をされたようですよ。それでもこの解剖で疑問がわかなかったんですか。
○縄田政府参考人 死亡検案書の、先ほども委員が御指摘されておるような諸般の項目につきましては、これで自殺かそうでないかと判断されるものではありません。先ほども申し上げていますように、これは警察の方で判断する話であります。
 医師の方もいろいろな判断がございまして、自分がそうだろうなと思われたら自殺のところに一般論で言いますと丸をされる方もおられますし、それから、自殺ということになると必ずしも自分は自信がないな、あるいは遺族との関係、賠償、いろいろな関連もございますから、そういったことで、気にされる先生はそういった項目を外して記述されるということもございます。
 そういった状況も勘案の上、御判断をいただきたい、こういうふうに思っております。
○細川委員 私は、いろいろな疑問をこの場で提起いたしまして、今国民の皆さんが、一体どうなのか、自殺なのか他殺なのか、これをはっきりさせてほしいと皆思っていると思うんですよ。これはもう一度きちんと調査すべきじゃないですか、し直しをするべきじゃないですか。
○縄田政府参考人 繰り返しの答弁になりますけれども、現場の状況等々を見ますと、これを犯罪死とするにはなかなか難しいものがあるという判断でございます。
 何度も申し上げますけれども、これをもって、令状を得て司法解剖をといいますか、そういう形に持っていくといいますか、犯罪死であると認定をして裁判所の令状をとること自体がまず不可能なような事案で、私どもとしては、明快に犯罪死であるというふうに考えております。(発言する者あり)
 訂正させていただきます。犯罪によるものでないというふうに沖縄県警察は判断しておるものと承知しております。
○細川委員 大臣、今私がいろいろと話をしましたけれども、どうですか、もう一回慎重に、これは捜査をもう一回やった方が、どうですか。そして納得のいくような説明を国民の皆さんにするべきじゃないですか、捜査の状況を。
○沓掛国務大臣 警察の捜査というのは大変慎重にやるわけですが、特に、こういう死体、遺体についての調査というのは特に念には念を入れてやっておりまして、沖縄警察においても、そのような形での死体の原因、死因の原因等を追求した上で、こういうふうに判断されたものというふうに了知しております。
○細川委員 私としては、これだけの疑問があれば、これについてはさらにきちっと捜査をするべきだというふうに思います。
 時間がありませんから次に移りますけれども、総理に御質問をいたします。
 総理は、施政方針演説で、今後の内閣の最重要課題といたしまして、世界一安全な国日本の復活、こういうことを言われました。総理が考えておられる世界で一番安全な国日本というのはどういうイメージを持っていますか、説明してください。
○小泉内閣総理大臣 かつて、日本は世界で一番安全な町だということに多くの方が誇りを持っていたと思うのであります。しかし、最近、そういう状況ではなくなってきたのではないか。かつて、日本というのは、出かけるときでも隣近所に声をかけていけば安全だった、戸締まりしなくても、あけっ放しでも泥棒は入らない。ところが、最近、自動販売機、ATMでもブルドーザーで持っていっちゃうぐらい、凶悪犯罪あるいは殺人犯が随分出ております。
 現に統計でも、こういう統計が出ているんですね。平成元年、これは検挙率が四六・二%、これは一番高いときなんです。ところが最近、平成十三年には、これが一九・八%に落ちたんです。最近ようやく少し上がってきて、今、平成十七年には二八・六%になっております。かつて一番検挙率が高かった四六・二%に比べると、今二八・六%、現に検挙率も減っております。
 それと、実際の感じというんですか、世論調査でも、日本は治安のよさ、あるかというのが、かつては一番高いときで五〇%ぐらいあったのが、最近は一八%ぐらいになってきた、感じでも。治安のよさという国民の印象、これが一八%程度に落ちてきた。感じですよ。かつては五〇%ぐらいの人が日本は治安がいいと思っていたんですよ。それが二割を切っちゃった。検挙率も四六%だったのが二八%に落ちている。不法滞在者も推定今二十五万人と言われている。
 こういうことから、かつての治安のよさに対する誇りというものが薄れてきたんじゃないか。外国人はよく、日本人はいいな、夜、よく女性が一人で歩いて平気だなと。そういう状況でもあった。だんだんそういう治安のよさの感じ、感覚も薄れてきたということは、これは懸念すべきことだと思いまして、憂慮すべきことだと思いまして、私は、こういう世界一安全な国日本の復活を目指して、さまざまな犯罪対策をしていかなきゃならないと思うから、この施政方針演説でも、そのような世界一安全な国日本の復活を目指して、安全対策に力を入れていこうということを申し上げたわけでございます。
○細川委員 その対策はいいですよ。世界一安全な国日本、その復活を、総理、聞いてくださいよ。その復活ですよ、復活。いつのとき、どういう状況のときを、一番、世界一安心な日本と。どういう状態を復活させるんですか、今の日本の。かつてということじゃなくて。
○小泉内閣総理大臣 それは、かつてのように……(細川委員「かつてじゃなくて具体的にどういう」と呼ぶ)かつてのように、犯罪者は捕まる、検挙率も高い、犯罪が少ないということが大事であります。
 同時に、最近は、相次いでいたいけなお子さんたちも犯罪に遭っている。通学、登下校時でも親が一緒じゃないと安心できない。あるいは、夜の町につきましても安心して歩けないというようなところもある。そういう安全対策というのは、さまざまなものがございます。交番へ行ってもお巡りさんがいないとか、こういう点については空き交番をゼロにするようにしていかなきゃならない。さまざまな対策があると思います。
 関係各府省連携して、犯罪の少ない町、また、犯罪を犯した人に対しては、きちんと捕まえることができるような体制、あるいは不法入国者に対しては、それを水際でとめるというような対策、さまざまな対策を関係府省連携しながらとっていかなきゃならないと思っております。
○細川委員 昔は、一般の刑法犯、これは大体、十人の犯人のうち六人ぐらい捕まっていたんですよ。窃盗でも大体二人に一人は捕まっていた。今はもう全然、四人に一人ですよ。窃盗なんかは五人に一人しか捕まっていない。本当に日本というのは治安の悪い国になっているんですよ。そして、体感治安、不安に感じる人たちが八〇%から九〇%いるんですよ、いろいろな調査で。
 だから、これを昔のように、総理の言われた、犯人がすぐ捕まる、やれば捕まる、そういう状況に持っていかなきゃいかぬ。そのための防犯対策、閣僚会議でやっておられますけれども、しかし、私は、総理が本気になって今の日本の治安をよくするというようにはどうも見えない。年に二回ぐらいしか犯罪対策閣僚会議も開いていない、時間も短い。こんなことでは、日本の治安は昔の本当に安心な国にはなっていかないと思いますよ。
 そして、私が思うのは、防犯対策、子供の殺人が起こればその防犯の対策ばかりに追われているけれども、しかし、本当に犯罪をなくすためには、私は、もっと日本人がきちっとした規範意識、倫理観、道徳観というのをもっともっと高めていかなければ日本からは犯罪が本当にはなくならない。今、そういう道徳観、倫理観、規範意識が薄れていっている。私は、これは日本の屋台骨がだんだん侵食されていっているのではないかというふうに思っております。
 そこで、私、最後になりますけれども、もう時間がないからあれなんですけれども、昔、会津藩に什のおきてというのがあったんです。これは、会津藩の学校に入る前に、子供たち、大体九歳から十二歳までかな、この子供たちが大体十人集まって、そしてともに行動をとるということで、什なんです。そこに什のおきてというのがありました。
 その什のおきてというのはどんなことがあったのか。少し紹介いたしますと、この什のおきてには、うそを言うことはなりませぬ、ひきょうな振る舞いをしてはなりませぬ、弱い者をいじめてはなりませぬ、こういうことが書かれてあるんです。そして、最後にこういうことが書いてあるんです。ならぬことはならぬことですと言っている。理由なしにだめなんです、してはいけないということが書かれている。それを子供たちがいろいろな遊びとか勉強とかそういう中できちっと身につけていった、これが会津藩なんです。私は、そこからすばらしい会津藩士とか会津の郷土の人たちが育ったと思うんですよ。
 ただ防犯だけではだめなんです。犯罪を犯さないような人間をつくっていかなきゃいかぬ。この会津藩の什のおきてというのをどう総理は思われますか。あと、文部科学大臣。
○小泉内閣総理大臣 今、什、全部お話しされませんでしたけれども、言っただけのこと、そのとおりだと思います。
○小坂国務大臣 細川委員御指摘の会津藩の什のおきて、七項目ございますけれども、いずれも規範意識、年長者にはおじぎをせねばなりませぬ、虚言を言うことはなりませぬと始まって、今の世の中で最も大切とされている規範意識の欠如、これに対して、私どもも、教育改革を通じて会津藩の精神が生かされるような、そういう改革を進めてまいりたいと存じます。
 また、この機会に、大変恐縮でございますが、先ほどの前原代表の質問におきまして、準要保護児童の地方の就学支援について、十七年度からとすべきところを十六年度と申し上げましたが、税源移譲等を行いましたのは十七年度ですので、この際訂正をさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○細川委員 終わります。
○大島委員長 この際、岡田克也君から関連質疑の申し出があります。前原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。岡田克也君。
○岡田委員 民主党の岡田克也です。
 まず、質問を始める前に、総理も御存じのことだと思いますが、秋篠宮妃紀子様が御懐妊されたというNHKニュースの速報が流れたそうでございます。国民の皆さんとともに、心からお喜びを申し上げたいと思います。(拍手)
 さて、皇室典範の改正の問題について質問したいというふうに考えております。
 昨年十一月の有識者会議報告書の結論は、主な点が三つあったと思います。第一に女性天皇を認めること、第二に女系天皇を認めること、第三に皇位継承に当たり長子優先とすること。総理は、この国会に皇室典範の改正案を提出するということを何度か言われておりますが、この報告書の中身に沿った改正案を提出される、そういうことでよろしいんでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 皇室典範改正の問題については、私は、有識者会議の報告に沿った法案を提出するよう今準備を進めております。
○岡田委員 先ほどのニュースがこの改正問題に微妙な影響を与えるのではないかというふうにも思いますが、まずこの中で、特に議論が分かれているといいますか、いろいろな議論がある点、一つは男系天皇。今までは男系という天皇制度が歴史の中で運用されてきた。女系を認めることについて、一部から強い異論があるというふうに理解をしております。これは自民党の中にそういう強い意見がありますし、我が党の中にもそういった意見が一部ございます。
 私は、結論だけ先に申し上げますと、現時点では、ここの部分について報告書の結論でいいのではないかと思っておりますが、まだ党の中で議論を深めておりませんから、党の中でも議論しなければいけないと思います。
 ここで総理にお聞きしたいと思いますが、なぜ女系を認めるべきだというふうに考えておられるのか。国民もこの中身がよくわからないと思いますので、総理のお考えを御説明いただきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 まず、現在男子男系に限定されております皇位が今後安定的に継承されるかどうかということを考えますと、皇太子殿下の世代の皇位継承者は、皇太子の後、秋篠宮殿下お一人ですね。しかも、お年もそう離れていないということから、これが安定的に継承されるかどうかということについては、現状のままでは必ずしもそうならないのではないかということから、私は、女性天皇、女系でも、認めることによって、日本の象徴であります天皇制、これが今後も安定的に継承されるためには、女性天皇、女系天皇も認めた方がいいと思っております。
 そういうことから各有識者にも意見を聞いた結果、そのような報告が出たものですから、その有識者の報告に沿って、国民の理解を得ながら、また各党各会派の御理解を得ながら、日本にとっての大事な天皇制、歴史と伝統を踏まえて、この天皇制というものが安定的に維持されるためには妥当ではないかな、適切ではないかなと思って、改正案を準備しているところであります。
○岡田委員 もう一点、世論調査を見ますと、皇位継承に当たって、長子優先と、それから兄弟姉妹がある場合には男子優先、長男優先という考え方、二つあり得ると思いますが、この報告書は、男女を問わず長子優先ということになっております。ここなども、地元でいろいろ聞いてみますと、国民の中には、やはり男性がいる場合には長男優先、男子優先でいくべきではないかという声は結構あると思いますし、いろいろなアンケート調査にもそういう結果が出ている。少なくとも世論は二つに割れているというふうに思います。
 この点は、どうして長子優先というお考えをとられたのか、御説明いただきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 これは、私もそのような意見が国民の間に根強くあるということ、理解できます。しかし、長子が女子で、何年後かに男子が生まれるのを待つといいますと、現在の、肉体年齢というんでしょうか、お子様を産む年齢というのは三十年近くあります。その際に、女子の後、男の子が生まれるまで待つとなりますと、生まれるかどうかわからない場合もあるし、仮に男子が優先的に皇位につかれるということになりますと、それまでの間、実際、長子の女性はどのように過ごされたらいいのか。御養育の面も含めて、これから天皇につかれるというためには、御養育の期間は極めて重要であります。
 そういう点も考えて、外国の例にも、イギリスのように、男も女もいた場合、男子優先という場合もあるし、あるいはオランダのように女性でも長子という、さまざまではございますが、私は、そのような賛否両論を聞いた上での有識者会議の報告において、やはり長子が女子の場合には長子でいいのではないかということで、その方が国民にも納得していただけるのではないか。何年待って、それまでかなり不安定な時期を過ごされる状況に置かれるよりもいいのではないかなと思っております。
○岡田委員 きょう、私、総理のお考えをお聞きしたいということで、今の総理の御答弁に対して議論はいたしません。
 ただ、この国会で皇室典範改正案を成立させるということを総理はお考えなんでしょうか。私にはちょっとそれは急ぎ過ぎではないかという気がしてならないわけですが、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 私は、法案を出して慎重に審議していただければ、今国会で十分大方の賛同を得られるような状況になっていくと思っております。でありますので、法案を提出いたしましたならば、今国会中に、皆さんの御協力を得て成立できるように努力したいと思っております。
○岡田委員 一部には、五年、十年かけて議論すればいいとか、あるいは五十年ぐらい先でいいとか、いろいろな議論があるようであります。私はそういう考え方にはくみしません。ただ、この国会中にと言われると非常に違和感を感じるわけであります。
 天皇制度というのは国の根幹であります。そして、制度を大きく変える、例えば男系から女系も認めるというのは、それはいい悪いは別にして、大きな転換であることは間違いがない。あるいは女性天皇を認める、そのこと自身も、過去に例があるとはいえ、今はそういう制度になっていないわけであります。長子相続もしかりです。
 そういうことを考えると、やはり国民がある程度、全部とは言いませんが、多くの方が、多くの国民がこれでいいという納得がなければ、私は、天皇制度そのものが弱くなってしまう、揺らいでしまう、そういうことを非常に懸念するわけであります。
 先ほど言いましたように、だからといって五年、十年かけろというふうには私は思いませんが、何らかの期限を切って、必ずしもこの国会にとらわれずに、少し国民の皆さんの理解が得られるような慎重な議論を行うことが、私は天皇制度の将来の安定にとっても非常に重要なことではないか、こう思っておりますが、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 別に急いでいるということではなくて、今の制度のままでありますと愛子内親王の天皇即位を認めないというのが現行制度でありますから。
 愛子内親王はもうじき学校に入られるお年ごろであります。やはり、将来自分が天皇陛下ではないというもとで教育を受けられるのと、自分はいずれ天皇陛下にならなきゃならないという御自覚のもとで御養育されるのと、愛子様にとっても大変大きな問題であり、日本の皇室を安定的に継承していくということを考えると、私、そんなに延ばしてもいいとは思っていないんです。できるだけ早い機会に、それほど政争の具にしないように、冷静に、穏やかに、慎重に議論を重ねて今国会で成立させるのが、後々安定的な皇位を継承するためには、天皇制を長く維持するためには、今国会、じっくり審議して成立させるということは、決して早過ぎることはないと私は思っております。
○岡田委員 私は、委員会の審議の合間に何回か議論して結論を出すような問題ではないというふうに思っております。したがって、ここは、もちろん、総理おっしゃるようにいつまでも延ばしていい問題だとは思いません。速やかに結論を得るべき問題である、そして、もちろん政争の具にすべき問題では断じてない、こういうことですから、お互い、いい知恵を出して、きちんとした冷静な、そして国民の理解を得られる議論ができるような、そういう場づくりも含めて、私は、お互いよく相談してみたらどうか、そんなふうに思っておりますので、御提案として申し上げておきたいと思います。
 さて、次に、がらりと変わりまして、ライブドアの問題について総理に御質問したいと思います。
 総理、あの総選挙のことを思い出していただきたいんですが、総理は、堀江氏の総選挙の出馬に際して面会をされました。その面会のときに、君のような若者が政治に入ってくるのはすばらしい、こう言われたはずです。それから、面会後、記者団に対して、堀江さんが出馬すれば、政治に関心のない層まで関心を持ってくれるでしょう、エールを送りたい、こういうふうに言われました。
 堀江氏のどこが、総理、お気に入りだったんでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 まず、私は、堀江氏に直接会うまではテレビでしか見たことはありませんでした。あの堀江氏が政治に関心を持っている若者だとは思っていなかったんです。このテレビ界の寵児になっている堀江氏がよく政治に関心を持ってきたなと。大体、経済界にいる人たちは、何で政界なんか入るんだろう、あんなどろどろした世界なんか真っ平だと言う人が多いですから。選挙運動を考えただけでもばからしいと言う人や若者は多いですよ。
 そういう中で、よくまたこの厳しいどろどろした権力闘争の世界、あの選挙運動のつらさを知ってか知らずか、知らないから入ってくるのかな、一度やったら懲り懲りするんじゃないかなと思ったけれども、その若者が政治を変えたいという志を持っているということで会ったんですけれども、確かに新鮮な感じしましたよ。
 まだ三十代そこそこ、そういう新しい、我々とは想像できない世界で、また、私どものわからない金融界の世界で活躍している、こういう人は、むしろ自民党よりも民主党から立候補するんじゃないかなと思っていたんです。それが自民党から出たいということで、ああ、自民党も変わってきたなと、当時はそう思っていましたよ。こういう新鮮な、自民党にそっぽを向くような人が自民党から出たいということ自体、新しい風が自民党にも入ってくるなという感じを当時は率直に持ちました。
○岡田委員 私は、堀江氏と会ったときに、少なくとも民主党から出せる考え方の持ち主ではないというふうに判断をいたしました。そこはいろいろな考え方があっていいんだと思いますが、ただ、一つの企業のオーナーであり、経営者です。その堀江氏に対して応援をした。これは個人で応援したんじゃありませんよ。自民党本部で記者会見もした、総理もエールを送った、そして幹事長や竹中大臣が応援に行った。まさしく自民党全体で応援したわけですよ。
 そういった、企業のオーナーで、そしてもちろん株も上場している、いわばライブドアという会社と一体になった候補者を政権与党自由民主党があれだけ持ち上げることに対して、危惧の念はなかったですか。
○小泉内閣総理大臣 当時は、そういう気持ちよりも、新しい人材が自民党に入ってきたな、時代のこれも流れかなという感じの方が強かったですね。しかし、結果的に、人を見抜くのは難しいなと思っております。
○岡田委員 総理御自身が、先ほど、堀江さんが出馬すれば政治に関心のない層まで関心を持ってくれるでしょう、こう言われています。つまり、やはり、当時国民的人気のあった堀江氏を広告塔として利用しよう、こういうことだったんじゃないんですか。
○小泉内閣総理大臣 いや、当時は、多くの自民党に関心を持ちそうもない人が自民党から立候補したいということで応募してきましたから。さまざまな経歴の方から。中には、かつて民主党から立候補した人も自民党から出たいと言っていましたから。そういう人も、経歴を見ると、たくさんじゃないけれども何人かいたわけですよ。そして、実際、自民党から出て当選している人もいるわけですよ。非常に自民党というのは懐が深いなと思っていますけれども。
 やはり新しい人材が入るような政党にしていかなきゃならないなという気持ちが強かったのは事実です。
○岡田委員 私が申し上げているのは、ライブドアあるいは堀江氏を広告塔として利用したことで、一方では、自民党があれだけ、あるいは大臣があれだけ持ち上げる堀江氏であり、ライブドアだから、そういう思いで株を買った人がたくさんいたんじゃないんですか、株の値段が上がったんじゃないですか。そのことに対して、総理は責任をお感じになりませんか。
○小泉内閣総理大臣 私は、どの株を買ったから小泉に責任があると言われると、これはちょっと別じゃないですか。株というのは、上がるときもあれば下がるときもあるんです。
 私がこの株を買えば上がりますよと言ったら私の責任でもいいですよ。それを、堀江氏が、公認でない、無所属だとしても、自民党の幹部が応援に行ったから株が上がったんじゃないかということと、これは別問題じゃないでしょうか。私はその株を勧めたこともありませんし、堀江氏が選挙に、政界に出れば株が上がるよと言ったこともありませんし、堀江氏を応援したということによって株が上がったり下がったりということとは、直接私は関係ないと思うんですが。
○岡田委員 私が堀江氏と会ったときに、堀江氏がこういうふうに言いました。これは別れ際ですが、選挙に勝つのは難しいよと私は言ったんです。堀江氏はそのときに、いや、自分は最終的にきちんと帳じりを合わせるんだ、ニッポン放送、フジテレビの事件だって結局は損はしていない、そういうふうに言いました。結局、ああ、そういうことかと。
 つまり、選挙に出ること自身が、彼の知名度を上げて、ライブドアの信用を上げて、そして時価総額が上がるということ、少なくともそれだけの効果はあるんだと。選挙に勝てばそれはよかったかもしれませんが、負けてもそれだけのことは確保できるんだということで出ようとしているんだなということが私はわかりました。
 総理はそういうことをわからなかったですか。それは見識がなかったんじゃないですか。
○小泉内閣総理大臣 私はそういうことはわかりませんでした。むしろ、率直に、経済界の経験を生かして政界でも頑張ってみたい、そういう意欲のある青年なんだなというふうに感じました。
○岡田委員 総理、少なくともあの選挙で、自民党と堀江氏はお互いがお互いを利用し合ったわけですよ。人気者である堀江氏を出すことで、確かに総理の言うように、政治に関心のない若者たちが投票に行ったかもしれない。私は数十万票は入ったと思いますよ、少なくとも。
 そして、同時に、ライブドアの株を、与党自民党や大臣があれだけ持ち上げるんだからこの会社は大丈夫だろう、いろいろなうわさはあるけれども、でも、あれだけ保証する以上大丈夫だろうと信じて、ライブドアの株主というのは二十二万人。今、株価は幾らになっていますか。
 お互いが利用し合って、そして有権者と株主が大変な影響をこうむったわけですから、そのことに対して、やはり総理としての責任をきちんと自覚すべきじゃありませんか。いかがですか。(発言する者あり)
○大島委員長 お静かに。
○小泉内閣総理大臣 ちょっと静かにしてください。(発言する者あり)
○大島委員長 そちらもお静かに。
○小泉内閣総理大臣 今回の堀江氏の問題で株が上がったり下がったりしておりますけれども、株を買う人は、やはり自己責任で買わなきゃいけないなということをしっかりと考えておかなきゃいけないと思うんです。
 人が言ったから買うんだ、もうかると思って買うんだということは、そうのときもあるし、ほとんどそうならないときが多い。だから、わからないからこそ、もうかるときは大きい、図に乗るとすってんてんになるというのが、ある面においては投資です。でありますから、預金と株は違うな。
 しかし、ある程度リスクをとって投資するという人がどんどん出るということは、これはいいことであります。しかし、あくまでも、それは人のせいにしないで、自分の責任だと思って、株を買うときはそういう気構えで投資しなきゃいかぬなと思っていただきたいと思います。
○岡田委員 株の基本は確かに自己責任ですよ。だけれども、やはりいろいろな情報を見て株主になるんですよ。その情報、いわば誤ったメッセージを送った張本人である小泉自民党総裁が、あれは自己責任だと。それは開き直りじゃないですか。本当にそのことを言い切るんですか。幾ばくかの責任はあるんじゃないですか。いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 堀江氏を応援したということは私の不明だ、そう問われれば、それは甘んじて受けます。しかし、それによって私が株投資をあおったという批判は、これは私は受け入れることはできません。
○岡田委員 言葉の問題ですけれども、あおったというふうに私は言っているわけじゃありません。しかし、自民党が応援したことが、それが信用を増したということですよ。一つの判断材料になったということですよ。そういう株主はたくさんいると思いますよ。
 それから、今総理は、自民党幹部が応援したことに対して、総裁への批判は甘んじて受ける、こういう言い方をずっとされていますね。これは謝ったことに私はなっていないと思うんですよ。もう少しきちんと国民に対して謝罪されたらいかがですか。
○小泉内閣総理大臣 いや、これは当時から、堀江氏が今回逮捕されるような人とは思っていないと。そこまで見抜けというのは、恐らく民主党の人も無理じゃないですか。落選したんですよ、それで。しかも無所属ですよ、自民党が公認していないんですよ。幹部が応援に行ったのは事実です。私も会ったのは事実であります。しかし、堀江氏は無所属です。それで落選しているんです。
 でありますから、その人物を見抜けなかったという、小泉はばかだという批判は甘んじて受けるというんですよ。しかし、今言われて、これはどういう形で責任をとればいいか。
 結局、選挙で審判を受けて当選した人までが不祥事を起こした場合に、その党の党首は責任をとるんですか。今回、落選しているんですよね。そして、そこまで人物を調査してもわからない場合があるんです。最終的には有権者が、選挙というのは、どの政党が応援しようが、有権者が判断するんですよね、民主主義というのは。
 そこで、自民党は公認しないけれども自民党の幹部が応援していたから私の責任だと言われれば、今までこれだけ批判を受けているわけですから、その批判は甘んじて受けます。
○岡田委員 総理、これは総理御自身のお考えがそういうことであればそれは一つのお考え、テレビを見ている国民の皆さんが判断することだと思います。
 私も代表をしておりましたときに、不祥事が時々起きました。そのときには、しかし、代表として国民の皆さんに心から謝罪をするというのは当然のことだったんですよ。(発言する者あり)当たり前のことだと思いますよ。申しわけないと、心から謝罪しましたよ。
 公認はしなくても、自民党ぐるみで応援したんじゃないですか。そして比例票が随分入ったわけでしょう。本人が落選したとしても比例票は随分入った。間違って投票したと思っている人は多いと思いますよ。そういう方に対して、甘んじて受けるだけですか。
 もちろん、これ以上、私、総理がどういう方かということがそれでわかると思いますからそれ以上申し上げませんが、ただ、総理、前回は、記者に対して、メディアのせいにしましたよね。メディアもおかしい、持ち上げるときは持ち上げておいて、落とすときは落とす。もちろんメディアも私は問題だと思いますが、しかし、総理御自身が、すべて他人のせいにする、責任を認めない、誤りを認めない、そして自分の都合のいい話しかしない。これは実はブッシュ大統領の特徴だそうですが、私は、小泉総理を最近見ていると、本当にそういう気がしてなりません。先ほどのBSEの問題もそうです。米国が悪い。米国は悪いです。しかし、リスク管理機関として政府も責任がある、そのことをしっかり認めるべきですよ。そのことを申し上げておきたいと思います。
 それでは次に、少し政策論を申し上げたいと思います。
 財政構造改革。まず、六月に、歳入歳出一体とした財政構造改革の方向を明らかにするというふうになっておりますが、二〇一一年度に基礎的財政収支の黒字化を達成するという試算が内閣府の方から出されております。
 そのためには、国、地方合わせますと基礎的財政収支の赤字額が十四兆円ですから、十四兆の何らかの対応、つまり、増税するか歳出削減するか。国の一般会計だけで見ると、地方は黒字ですから十五兆ぐらいになると思うんですが、そのことが必要になる、こういうことになっております。
 そこで、ちょっと総理のお考えをお聞かせいただきたいんですが、総理は、基本的に、この基礎的財政収支の黒字化を歳出削減だけでやろうというふうにお考えなのか、消費税を含む増税をかみ合わせてやろうと考えておられるのか。これは議論に当たっての基本的なことですから、そこの総理の考えをまず聞かせていただきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 それは、今、歳出歳入一体改革で、これからの財政再建を含めてプライマリーバランスを回復し経済活性化を目指すという方針でありますので、歳出削減だけで財政健全化、またプライマリーバランス回復ということは無理だろう、困難だろうと思っております。
○岡田委員 では、もう一点確認したいと思いますが、基礎的財政収支の黒字化が二〇一一年に達成できたとして、そこで財政健全化の努力というのは一段落するんでしょうか、それとも、次なる目標を持ってさらに進めなければならないとお考えなんでしょうか。内閣の中では、谷垣大臣や与謝野大臣は、基礎的財政収支の黒字化は一里塚であるという表現をされています。総理も同じ認識ですか。
○小泉内閣総理大臣 それは、基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスが回復したとしても、財政再建になったとは言える状況ではないと思います。まだまだ、これだけ借金が多いですから、一挙に解決できるものではありません。相当数、時間がかかると思います。
○岡田委員 その際に、次なる目標としてどういうものをお考えでしょうか。確かに、基礎的財政収支の黒字化は二〇一一年度、この内閣府の試算でも、そのときの国債発行額は三十六兆五千億ですから、今よりふえるわけですね。もちろん、GDP全体が大きくなっていますから割合という意味では小さくなるかもしれませんが、額としてはふえる。
 そういう中で、例えば債務残高の絶対額を減らしていくという考え方が一つあると思います。しかし、そういうことになると、もう国債発行を新たにしないということに近い目標になってくると思います。あるいは債務残高のGDP比を一定の割合で下げていく、こういう見方もできると思います。
 総理は、具体的にどういった次なる目標をお考えでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 まずは、私に残された任期はわずかでありますから、それまでは歳出削減策に徹底して取り組む。そして、ある程度歳出削減の路線が確定すれば、今後増税しなきゃならない場合にもその幅は少なくて済むのであろう。
 そういう中で、さまざまな経済対策も打っていかなきゃなりません。年金、医療、介護を含めた社会福祉関係の費用も伸びてまいります。そういう点についての改革をしていかなきゃなりませんし、一つ、二〇一〇年代初頭に基礎的財政収支が回復したとしても、その後、どういう時点で新たな目標を設定するかというのは、その時点での為政者が考えるべき問題ではないか。
 ただ、長期的に目標を言えば、やはり、今目指しているように、多くの人が夢と勇気と志を持って頑張ってくれるような社会をつくっていくためにも財政健全化というのは必要だなと思っております。
○岡田委員 当然、六月の段階では、そういった二〇一一年を超えた次なる目標も明示されて、そしてその具体的な姿を描かれるのだろうと思います。
 そこで、さっき総理は、基礎的財政収支も、増税も含めて達成しないと難しいだろう、そういうふうに考えていると言われました。一方でそういう思いも私もありながら、では、そのときに次なる目標を設定して、歳出削減というのは、次第次第にやるというよりは、むしろ集中的にやる話だと私は思いますから、そうすると、第二の目標達成に向けてやっていくというときに、一体最終的な消費税の税率というのはどこまで上がるのだろうか、そういう思いがぬぐえないわけであります。逆に言いますと、だからこそ歳出削減の努力というのをぎりぎりどこまでやれるか。今一番求められているのはそのための具体的なプログラムづくりである、そういうふうに私は思います。
 今、経済財政諮問会議の議事録などを読みますと、名目成長率の話が大分議論になっている。きのうも中川自民党政調会長が言われました。この話は、余り本質的な話じゃないんじゃないか。つまり、名目成長率を高く見積もって自然増収をたくさん見ることで、逆に言うと、消費税を初め増税の規模やタイミングを遅くしよう。一方は、そういった名目成長率をかた目に見て、だからこそ消費税を早く入れなければいけない。しかし、一番大事なことはそういうことではなくて、歳出削減がどこまでできるか、その議論がまずあるべきだ。そのことをきちんとやらないと、結局、第二の目標、基礎的財政収支の次なる目標も含めれば、これは大変な消費税の税率になってしまう。そういう意味で、まず歳出削減、そのための具体的プログラム、そういうふうに私は考えるわけであります。
 そこで、例えば人件費についてお伺いしたいと思いますが、一方で、総人件費の対GDP比を十年間で半減させる、そういう目安が、閣議決定された行政改革の重要方針にも示されています。私はこれはかなり厳しい目標だなというふうに思うんですが、問題は、一方で具体的に、国家公務員について五年間で五%の、これは数ですが、純減ということが言われている。この五%の純減の話と対GDP比で半分にするという話はリニアにつながっていく話でしょうか。五年、十年ですよ。
 もちろん、郵政の職員が公務員でなくなったとか、いろいろな話があります。でも、それを差っ引いても、相当減らさないと半分になりません。逆に言いますと、もし本気で、私はかなりこれは難しい目標だと思っていますが、GDP比半減するのなら、この五年間も、より深掘りした計画をつくらなければおかしいということになるわけです。ここのところはいかがなんでしょうか。
○中馬国務大臣 今、岡田委員の方から御質問ございました。数字の話ですから、私の方から少しさせていただきましょう。
 重要方針を受けて、今度推進法を出してまいります。その重要方針の中に、公務員は五年間で五%、そして十年間で総人件費をGDP比半分にするということを書いております。
 それで、つながらないというお話でございますけれども、これは努力目標であることは事実でございます。今回のこの推進法というのは、日本のこれからあるべき姿を示しているわけでございますから、それにつきましては、五年で五%公務員の数を減らす、これと同時に、方向としてはそれでやめではなくて、これからも人件費に向けて公務員の数は大いに減らしていくという一つの意味が入っております。
 それは、今、岡田委員御指摘のとおりに、少しベースが違うんですね。これは郵政は外した形の六十八万七千人の五%が五年間で減る。これが当初の目的、短期の目標です。長期になりますと、現在の九十四・八万人、郵政を入れたところの人間から数えての話でございますから、これで二十六万人減りますと三〇%近いものが減ります。そして、五年で五%、また次の五年で五%、合わせて一〇%そのままとしても、あとの一〇%、そのほかにはいろいろと構造改革的なことが入っております。かなりのものを民間に移していくとか、市場化テストで地方に移していく、あるいはまた民間に移していく、こういったものが加速度的にふえていく。その目標、またそうしなければいけないという一つの大きな意気込みでもございますから、そういう形で御理解を賜りたいと思います。
○岡田委員 今、行政減量・効率化有識者会議がスタートして、私はその議論に一定の期待を抱いているものでありますが、その第一回の会議の様子を見て、私はここで一つ非常に欠けているのは分権の話だろうと思うんですね。
 つまり、地方分権に伴って国家公務員の数がかなり減らせるはずであります。もちろん、地方でその分若干ふえるかもしれませんが、しかしダブっている分はかなり減らせる。そういう視点も実はこの行政減量・効率化有識者会議には入っていない。
 それはなぜかと考えると、やはり分権についての具体的なビジョンが描けていない。三兆円、四兆円の話が一段落した後の絵がない。確かに、総理の施政方針演説を見ても、合併の話と道州制の話は出てくるけれども、もう一回本格的な分権をやるという表現はありませんでした。ここは、九月に向けてそういった国と地方の役割分担の議論もきちんとして、そしてビジョンとして出すべきではないか。それに基づいて全体の、国のボリュームといいますか仕事、そして人員、どうなるかということも当然想定すべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○竹中国務大臣 地方分権、地方でできることは地方で進めるということは、これはもう小泉改革の一種の中心でありまして、三位一体の改革を進めてきたということは岡田委員も御存じだと思います。
 それを受けて、改革に終わりはありませんから、分権をさらに進めるということの重要性は我々も痛感しております。それについては、今委員も御指摘になりましたように、やはり一種のビジョンを持って、それを目指して進んでいかなければいけないという思いを持っております。
 総務大臣のもとに地方分権ビジョンの懇談会をつくりまして、その中で、十年後ぐらいのあるべき姿をまず描いてみよう、それに向けて、地方分権、当面何をやるかというその移行プロセスの議論を進めようではないか、そのような議論を今まさにやっておりますところですので、そうした議論の経過もぜひ歳出歳入一体改革の中に取り込んでいただくような形で総合的な議論を進めていくつもりでおります。
○大島委員長 中馬大臣からはいいですか、よろしいですか。
○岡田委員 今までの分権の論議というのは私は全く中身がないというふうに思っております、ほとんどが補助率を下げただけ。それでは国の役割というのはほとんど変わらないわけですから、まず、ぜひ本質的な議論をやっていただきたいし、これは六月までに間に合うように議論していただきたいと要望しておきます。
 あと、公共事業ですが、公共事業もかなり減らさないととてもつじつまが合わなくなってくるというふうに思います。今はGDP比三・五%。しかし、イギリスは二・一、ドイツは一・三ということであります。内閣府の試算でも、これは単なる試算ということかもしれませんが、基本ケースにおいて、一般会計ベースで七・二兆円が二〇一一年には五・四兆円になる。なるというか、そういうふうに数字が置かれているわけですね。
 そういうことを見ると、やはり公共事業についてもきちんとした二〇一一年に向けてのプログラム、そしてそのことを前提にして、高速道路どこまでつくるのか、新幹線どこまでつくるのか、港湾どうするのか、農業土木どうするのか、そういう具体的なプログラムがなければ、これは絵にかいたもちになってしまいます。そういったものをおつくりになるお気持ちはおありでしょうか。
○与謝野国務大臣 先ほども総理が御説明申し上げましたように、まず、当面の目標はプライマリーバランスを到達するということで、その後は、債務残高を何と比べて一定にするのか低くするのか、それは対GDP比なのか絶対額なのかというのは、これから実は議論をしなきゃいけないところでございます。
 小泉内閣が成立しましてからの歳出削減努力というのは約十三兆円に及んでいまして、例えば、平成十二年の公共事業費は補正を含めますと約十四兆ありましたが、現在は七兆円台になっているということで、そこはぜひ御評価をいただきたいと思っております。
 当面、岡田委員が御指摘のように、我々としては、どの支出項目をどういう歳出削減努力をするかということはきちんと勉強しなきゃいけないわけでして、昨年の骨太方針あるいは政府・与党の政権公約は、六月ごろまでに歳出歳入一体改革の選択肢を示すと。これは、こういう方法、こういう道筋というものがありますという複数の選択肢を示し、またそれの工程表もお示しして、国民的な論議を経て物事を決めていく、そういう手順をとりたいと考えております。
○岡田委員 今、選択肢と工程表ということを言われました。それはそれで結構なんです。ただ、私が申し上げているのは、それは単なるケース分けじゃなくて、例えば公共事業費の伸びをこうすればこうなるとかそういうことではなくて、やはり具体的に中身を伴って、そして歳出削減の努力がきちんと反映された、公共事業にしても人件費にしてもその他の経費にしても社会保障にしても、そういった具体的なプログラムを示して、その積み上げの結果としてこれだけの歳出削減だというのがなければ、単なるケース分けだけでは、私は、国民はそれでわかりましたということにはならないんだろうというふうに思っております。ぜひそういったものをおつくりいただきたい。
○与謝野国務大臣 これは私が個人として持っている感想ですけれども、最悪の物の考え方は、例えば横並び一律カットというようなことではいけない、やはり歳出削減にも一定の政策的な判断が必要である、これは岡田委員の御指摘のとおりだと思っております。
○岡田委員 この歳出構造改革の最後にちょっと一言御提案だけしておきたいと思いますが、私は分権の三位一体の議論を見ていまして、ここまで霞が関も落ちたか、そういう考えをぬぐえなかったわけであります。まさしく省あって国なし、場合によっては局あって省なし、今回の防衛施設庁の話などもその一つではないかと思います。
 これをどうやったら乗り越えられるんだろうか。公務員制度改革、いろいろな議論がされていると思います。中途採用、あるいはキャリアシステムをやめるとか年功序列をやめるとか、実力主義にするとか、いろいろなプランがあると思いますが、私はすぐできることとして、決断すればできることとして、これは実は総選挙で我々のマニフェストの中で御提案したことでありますが、少なくとも局長級の幹部職員の人事権は総理大臣に集約したらどうか。そして、局長になる前に全員一たん退職させる、退職金も払ってしまう。局長になるときに新たに特別職の公務員として任用する。そのときに、上がってくる人もいますし、外から来る人もいるでしょう。実際には上がってくる人がほとんどかもしれません。しかし、そういう形でもとの役所と切ってしまって総理官邸の人事権を強くすることで、まさしく、そういった局あって省なしという状況から、国全体のことを考える公務員になるんじゃないか、そういうふうに考えております。
 私は割とこのことを、政治的決断さえすれば具体化できる話ではないかと思いますが、総理、何かお考えがあれば聞かせていただきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 実際、各省の局長級を全部一度首を切って、新しい政権が新しい人物を採用せよといいましても、これは岡田さんも総理になればわかると思いますけれども、大臣に起用するだけでも人物を選ぶのは大変ですよ。楽しいどころじゃないですよ、つらいですよ。それを、副大臣、政務官だけだって、目配りをしろとなると、これは、並大抵の努力というか、時間がかかる、終わらない。局長までというと、役所の中を知らない人が入って、人物なり能力なり、なかなかわからないんです。
 ただし、日本は、アメリカ大統領制みたいに、大統領がかわると一どきに何千人も政治任用で役所、役人がなるという方式ではありません。しかも、公務員は余り政治性を持たないで、どの政権になってもその政権に忠実に、政治から、余り近づいてはいけないというような慣例もありますから、その人事権を、局長まで総理が首を切っていいとなるというのは、すぐには無理じゃないかな。
 いずれ、もっと頻繁に人事交流とかいうような慣例ができればともかく、私は、今の時点におきまして、できるだけ民間と官界との交流なり、あるいは各役所の人事交流なりを進めていくのはいいと思いますけれども、今の時点で、次の選挙後に局長まで一度首を切って新しい人というのは、今そこまで私は決断がつきません。
○岡田委員 今私が申し上げているのは、仕組みとしてそういう仕組みにする。まあ現実には、今ある局長さんたちがほとんどそのまま選ばれることになるんだろうと思いますが、しかし、そういう仕組みをすることで意識が変わるということを御提案申し上げているわけです。
 時間があと五分になりましたが、外交の話を一言だけ。
 総理、今我が国のアジア外交がうまくいっていないと私は思うんですが、非常にうまくいっていない、基本的にそういう認識はおありですか。私は危機的状況だと思いますが、いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 私はそうは思っておりません。
 問題は、中国と韓国との首脳交流がないからアジア外交がうまくいっていないという論点に立てばそう言えるかもしれません。しかし、私は日中友好論者であります。日韓友好論者であります。靖国参拝を私がしなければ首脳会談に応ずるということの方がむしろ異常じゃないかと思っております。日本の首相が戦没者に対して哀悼の念を表する、二度と戦争を犯してはいけないという気持ちで参拝する。しかも、その施設は日本国内の施設なんです。これに対して、外国の首脳が、この施設には行くなとか、各大臣も、この大臣ならいいけれども、あの大臣はいいとか、そんなことを言っている首脳はほかにどこにもいませんよ。私も、外国の首脳に対して、気に食わないからここの施設には行っちゃいかぬなんと言う気は全くありません。
 そういうことから考えて、うまくいっていないということは、靖国参拝が原因で日中、日韓の首脳会談ができないからだという論拠に立つんだと思いますけれども、それでは、中国や韓国の首脳の言うとおり、靖国参拝しない、それで首脳会談しましょうと言えば、恐らく相手は喜ぶでしょうね。それで日本の外交はいいんでしょうか。そういう問題もある。
 東南アジアにしてもインドにしてもオーストラリアにしても、ヨーロッパにおいてもアメリカにおいても首脳交流はどんどん進んで……
○大島委員長 総理、そろそろ。
○小泉内閣総理大臣 中国と韓国との相互依存関係はますます強まっております。そこをよく考えていただきたい。
 なぜ私に、靖国参拝しちゃいけないのか。では、中国、韓国がいいと言えばいいのか、そういう問題があるんですよ。それは、一時期首脳交流ができなくても、こういう一時期、はっきりと、日本が自由主義社会であり、民主主義社会であり、心の自由が認められる国であると言うことである。それが気に食わないからほかの交流をとめるというのはよくないのではないか。私は、全然条件をつけないで中国の首脳とも韓国の首脳とも話し合いましょうと。今も、交流も今までになく進んでいます。
 私は、ある時期、日本の首相としてはっきり言うべきことは言うという時期が、中国との間においても韓国の間にあってもいいと思っています。
○岡田委員 総理、私は今、靖国神社の話を言っていないんですよ。私が言ったのは、アジア外交が危機的状況にあると私は認識していると。別に理由を言っていませんよ。
 もし総理、そうなら、例えばASEANの国々の首脳は何と言っていますか。私も代表時代に随分意見交換しましたよ。やはり日中関係が対立していることは本当に困る、そういう意見は圧倒的ですよ。もっと謙虚に耳を傾けられた方がいいですよ。総理には自分の都合のいい情報しか入っていない。
 もし、アジアの中で日本が孤立していない、うまくいっているというのなら、例えばこれに答えてください。常任理事国入りの共同提案国に、なぜアジアの中で、ブータンとモルディブとアフガニスタン、ブータンとモルディブはインドの関係ですよ。アフガニスタンは、それは日本も援助をしています。けれども、ASEANの中でただ一国も共同提案国に手を挙げなかったということは私は非常に深刻な状況だと思う。そのことについて、総理としてこれをどう打開するかという見識が問われていると思います。いかがですか。
○大島委員長 時間ですから短目に、総理、恐縮ですが。
○小泉内閣総理大臣 それは各国の事情があります。もし日本が理事国になるということならば、ASEANの諸国も賛成している国が多いと思います。
 私は、去年の岡田さんが代表をして私と質疑したときのを読み返して、靖国参拝するなするなとよく言っているから言ったんですよ。よく読んでください。靖国参拝するなと岡田さんが言っているから、さっきの議論で言ったんです。
○大島委員長 総理、もうよろしいです。
 これにて前原君、山岡君、馬淵君、松野君、細川君、岡田君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 この国会は格差社会というのが大きな焦点になっております。私は、非正規雇用、つまり、パート、アルバイト、フリーター、派遣、請負労働、こういうものがどんどんふえているということが根本にあるというふうに思います。簡単にこのグラフで見ていただいてもわかりますように、非正規雇用というのが全体の中で大変ふえておりまして、三割、三人に一人が非正社員であります。特に若者の比率が高い。女性の場合は、半分以上がパートなどの非正規でございます。
 総理にお聞きしますけれども、昨年の一月、総理は、シャープの最先端工場である液晶テレビ一貫生産の亀山工場、これを視察されましたですね、記憶されていると思いますが。あの工場では非正規労働者というのは何割いると思いますか。
○小泉内閣総理大臣 わかりません。
○佐々木(憲)委員 非正規労働者は、何と総理、六割。三重県の資料によりますと、昨年八月時点で、労働者三千三百人のうち二千十六人が請負中心の非正規労働者であります。六割というのは非常に比率が高いんです。シャープだけではありません。トヨタもキヤノンも日立も松下も、どんどんこの非正規社員というのをふやしているわけです。
 どんなやり方をしているか。ここに私持ってきましたが、これは、駅でもそうですけれども、どこでも人通りの多いところに置いてあります、無料のフリーペーパーと言われるものでございます。この中にどんなことが書いてあるかといいますと、これは求人広告、非常に多いわけでありますが、例えば、日給九千円、一年目の月収例は二十五万から二十七万というようなことが書いてあります。あるいはこんなことも書いているんですね。三十万円、入社半年後、使い道を考えておいてください、月収三十三万円、こういう広告ですね。これはなかなかいいなと思って応募をする、ところが現実はどうか。
 例えばトヨタグループの子会社で、徳島県に光洋シーリングテクノという会社があります。この会社はトヨタ自動車の変速機などの潤滑油が外に漏れないようにするオイルシールを生産している。四百人以上の社員と約百五十人の請負労働者が働いております。
 この請負労働者の例でいいますと、正社員と全く同じ仕事をしている、全く同じ仕事。しかし、請負労働者の時給は千百円程度で、正社員の三分の一、年収は二百数十万。これでは、もうトヨタの車も買えないと言われている。しかも、契約期間が短いんです。三カ月という短期雇用で契約更新を繰り返す。例えば、入社以来八年間で二十六回も更新しているという事例があります。しかし賃金はどうか。賃金は、七年間たった一円も上がらない。午前中の答弁で総理は、同一労働同一賃金が原則だというふうにおっしゃいました。しかし、実際にはそれが踏みにじられているわけでございます。
 川崎大臣にお伺いしますけれども、こういう事例というのがどんどん広がっている、そういう認識はお持ちでしょうか。
    〔委員長退席、森(英)委員長代理着席〕
○川崎国務大臣 朝も前原党首と議論いたしましたけれども、平成九年をピークに正規雇用の人数が減ってきております。一方で非正規雇用がふえてきている、これは事実でございます。
 一方で、去年の十一月、十二月を見ますと、正社員雇用が十一月は四・七%増、非正規社員雇用が四・一%減、十二月が、正社員が〇・三、非正規がマイナス七・八という形で、少しずつ正規雇用がやっとふえ出したのかな、こういう感を受けております。
    〔森(英)委員長代理退席、委員長着席〕
○佐々木(憲)委員 この数字は、川崎大臣、正規雇用とおっしゃいましたけれども、政府の統計にはいろいろなものが含まれておりまして、実は、増加しているのは、統計上、一般労働者という部分で増加している。その統計をあなた方は使っておられると思うんです。それは、パート以外のすべての労働者を含むということですので、例えば、正規雇用はもちろんですが、長時間労働のアルバイトあるいは派遣社員、契約社員、こういうのが入っているんですよ。ですから、正社員がふえたかのように言いますが、統計をより正確にぜひ見ていただきたい。
 私が聞いたのは、先ほど言ったように、賃金が三分の一、四分の一、それから大変雇用期間が短い、それがどんどん更新が繰り返される、そういう事態というのが全体として広がっているのではないか、そういう認識はお持ちかということを聞いたわけです。
○川崎国務大臣 先ほど私が申し上げたのは、就職件数として正確な数字でございます。件数として正確なデータでございますので、もう一度御確認ください。
 それから、派遣労働者の賃金につきましては、基本的に、一般労働派遣事業において約一万一千円、特定労働派遣事業において一万六千円、これを月収として試算すると、それぞれ約二十四万円、三十三万七千円となります。これを正社員と単純に比較いたしますと、正社員の平均月収は三十万二千円でございますので、二十四万円と比較するならば、八割程度という数字になってまいります。
 また一方で、有期契約労働者の処遇に関する実態調査というもので、有期労働契約者の賃金、嘱託社員、短時間のパートタイマー、長時間のパートタイマーでは、正社員の六割以上八割未満とする事業所が最も多い。また、契約社員では、正社員より水準は低いものの、八割以上とする事業所が最も多い。その一方で、正社員よりも高いとする事業所も、契約社員については七・七%、嘱託社員については三・四%、それはまさに経験を買うという形で、派遣事業でもあるということは事実でございます。しかし、総じて低いということは認めます。
○佐々木(憲)委員 総じて低いということはお認めになりましたが、先ほどの、就職の数字だというふうにおっしゃいましたけれども、就職自身もこれは大変な状況なんですよ。
 今、就職の統計などを見ますと、例えば高校卒、その求人は一体どこかというと、正社員の求人というよりも、これは、派遣会社ですとか請負会社の求人が非常にふえている。それから、労働経済白書によりましても、十分な雇用機会が与えられていないから、やむを得ず非労働化しているというふうに指摘をされております。あなた方の白書がそう書いてあるわけで、この辺はしっかりと見ていただきたいと思うわけです。
 さてそこで、具体的な現場の状況の調査についてお聞きしますが、東京労働局が昨年の五月三十日に発表した調査報告の内容、これをお聞きします。派遣、請負、職業紹介のそれぞれの事業所数、そのうち調査した件数、それから違反行為があった件数、それを示していただきたいと思います。
○川崎国務大臣 東京都内でよろしゅうございますか。(佐々木(憲)委員「はい」と呼ぶ)労働派遣事業所は八千五百九十三事業所、職業紹介事業所は三千百八十六事業所でございます。
 平成十六年度、東京労働局における指導監督の対象とした事業所は、労働派遣事業については七百十一事業所、そして、労働派遣法違反の疑い等がある業務請負に係るものは百四十一件、職業紹介事業については三百十五事業所でございます。
 その中で、労働派遣事業について違反のあった事業者五百七十七事業所、そのうち業務請負に係るものは百八事業所、職業紹介事業について違反のあった事業所は二百四十九事業所でございます。
 違反のあった事業所については、すべてを対象に是正指導を行い、改善状況を報告させております。基本的には書類不備等の問題があって、基本的には改善命令とか業務停止命令に至るものではないと承知しております。
○佐々木(憲)委員 今は実数をおっしゃいました。比率を計算いたしますとこうなるんですね。労働者派遣事業八千五百九十三カ所、このうち調査をしたのが七百十一カ所とおっしゃいました。八・二%の調査ですね。そのうち、是正指導五百七十七カ所ですから、八一・二%が違反行為をしていた。八割が違反行為。それから、業務請負関係事業所は七六・五%、約八割近くが違反をしていた。それから、先ほどの職業紹介所、そのうち違反をしていたのは七九%、約八割であります。
 どんなことが行われていたかということでありますが、文書違反というふうに先ほどおっしゃいましたが、いろんなことをやっておりまして、そんな単純なものじゃございません。例えば、建設業への派遣というのは違法であります。しかし、こういうことが行われていた。あるいは、実態は派遣なのに、請負契約を装うんですね。偽装請負というものが行われていた。派遣先から派遣先に回していく多重派遣、これは、労働局によりますと、多重派遣が常態化しているというふうに指摘をされているわけです。こういう違反行為も横行しているわけであります。
 総理に率直な感想を伺います。調査をしたのは一割未満の対象の事業所でありますが、それだけでも、そのうちの八割が違反行為をしている。余りにもこれは異常だと思いませんか。
○小泉内閣総理大臣 違反行為は厳に慎まなきゃいけないと思っております。
○佐々木(憲)委員 まるでこれは無法地帯みたいな感じになっておりまして、罰則がないから野放しになっている傾向があります。
 私は、原因は二つあると思うんですね。一つは、フリーターなどを集めて送り込んでいる派遣会社あるいは請負会社が、売り込み競争をどんどんやっている。
 例えば私は、ここに一つの事例として、アウトソーシングセミナーという、これはコピーですけれども、こういうものを使って請負会社が売り込みに行くわけです。この中には、これは請負会社のダイテックというところなんですけれども、大変なことをやっておりまして、製造業への派遣労働というものは二〇〇四年の三月に解禁されました。しかし、これは一年しか派遣期間というのは認められておりません。これが原則になっているんですが、一年以上派遣の継続は、ですからできないわけであります。そうなるとメーカー側としては困る。そこで、形の上で三カ月だけ請負労働に切りかえる、三カ月を経過したらもとの派遣に戻す、こういうやり方をしているんです。これは大変な違法行為です。
 例えばこのアウトソーシングセミナーというところの説明書を見ますと、三カ月だけ請負契約をするのは原則違法だが、法律的には違法ではないと、何かわけのわからぬことを書いております。しかし、ここぞとばかり実態調査の検査が入ってくるのは間違いない、こんなことを書いて、いわば偽装請負というのは法律違反だということを知っていながら、こんな説明をしてどんどん売り込んでいる。
 川崎大臣にお伺いしますけれども、こんなやり方、一年たったら請負労働というふうに表向き切りかえて、三カ月たったら今度はまた派遣になる、こんなやり方、これは違法ではありませんか。
○川崎国務大臣 御指摘にあった件を含めて、違反のあった事業所についてはきちっとした指導をしてまいりたいと考えております。
○佐々木(憲)委員 派遣会社は、こういう事業所をこういうことで回りましてどういう売り込みをしているのか。自分たちの会社の者を使うと社会保険の負担が少なくて済みますよ、あるいは雇用の調整が簡単にできますよ、人件費はこれだけ低くなりますからということで売り込んでいきまして、それで正社員から非正社員への雇用の切りかえをどんどん進めているという状況なんです。
 もう一つは、それを受け入れる側の大手企業の問題がある。ともかく大手企業はコスト削減で進めていきたい、安上がりの労働力を使いたい、そういうことで、例えば、東京労働局の昨年十二月二十七日の調査でもこういう理由を挙げているんです。経費が格安なため、雇用管理の負担が軽減されるため、雇用調整が容易なため、こういう理由を挙げまして、こういう非正規雇用への切りかえを進めているわけです。大手メーカーというのは、こういう形で、いわば働く人たちの権利、働く人たちの状況よりも、ともかくコスト削減で若い人たちを物のように使う、こういうやり方をしているわけであります。
 例えば、これが実態でありますけれども、製造業大手企業における派遣・請負の人数ですが、これはある派遣、請負会社の資料から作成をしました。例えば、キヤノンは四千二百六十九人、日立千二百八十人、日産二千七百三十人、これはここに書いている工場だけの話ですが。松下二千三百十三人。幾つかの請負が入っているわけです。派遣社員も入っております。こういう形で、いわば名立たる大手企業がこういう切りかえを進めているというのが実態であります。
 昨年九月に発表されました厚労省の派遣労働者実態調査というのがあります。それによりますと、請負労働者がいる事業所というのは大手ほど多いんです。三十人以上百人未満のところは二二%、百人から五百人のところは五三%、五百人以上のところは七九%が請負労働者を使っている。つまり、大手企業ほど請負労働者をたくさん使っている。そのために大変利益が上がっているわけであります。
 働く方々の報酬は、この青い線ですけれども、これはどんどん下がりますが、大企業の経常利益の方を見ますと、ずっと上がっているわけです。いわば、派遣労働、請負労働、パート、アルバイト、フリーター、そういうところにどんどん切りかえることによって、これだけの、いわばバブルの時代の二倍という大変な水準の利益を上げている。
 川崎大臣にお聞きしますけれども、この大企業の雇用政策、企業側のこういう雇用政策によって、先ほど言ったように賃金の低い非正社員がふえてきている、こういう傾向は確認できると思いますが、いかがでしょうか。
○川崎国務大臣 先ほど全体的な数字は申し上げました。いずれにせよ、基幹的役割を果たすパートタイム労働者が増加する中で、その処遇が働きに見合ったものになっていない場合もある、これは御指摘のとおりでございます。
 これまでも、パートタイム労働指針に基づき、賃金などの処遇について正社員との均衡を図ることを事業主に促してきたところでありますが、ことしも、連合の中でも大きな議論になっておると承知いたしております。
 また、中小企業におきましては、新たにパートタイム労働者の評価、資格制度などを整備した事業主に助成金を支給など、均衡処遇に取り組む事業主への支援を強化したいということで、いずれにいたしましても、だんだん正規雇用というものがふえていくような対策を打っていかなきゃならぬ。
 ハローワークでも、基本的に事業主に対しまして、もう非正規雇用ではなかなかこの職種はありませんよ、正規雇用という形で出してくださいという要請をしたり、また、仕事をしたいという人たちにも、職業訓練等を通じながら能力をつけていただいて、正規雇用を目指していただくというような形の指導をしながら、ハローワークでも、二十五万人の正規雇用への転換というのをことしの大きな目標とさせていただいております。
○佐々木(憲)委員 私は今、派遣会社、請負会社の側の問題点、それから、大手企業の側のコスト削減、リストラ推進を第一主義に進めているやり方の問題点、これを指摘しました。
 しかし、もう一つ重大な問題があると思います。それは政府の雇用政策の問題であります。
 これまで政府が進めてきた労働分野の規制緩和、これは、例えば労働者派遣の自由化であるとか、あるいは民間有料職業紹介事業所の事業の自由化ですとか、二〇〇三年には、労働基準法の改正によりまして、期限のある労働契約を延長する、あるいは二〇〇四年の製造業への労働者派遣の解禁、こういうことをどんどん進めてきたのが小泉内閣でありました。しかも、このやり方は、財界側の代表がここに入ってきて、例えば規制改革・民間開放推進会議、この中心になっている人は財界の代表でありますし、そこには労働者の代表が入っているか、組合の代表は入っていないんです。
 そういうやり方で、いわば企業によって都合のいい仕組みをつくってきたというのが現状ではないか。その結果、正社員から非正社員への置きかえが進んでいく、若者の非正社員化が進む、こういう事態を招いたのじゃないか。
 総理にお伺いしますけれども、政府の政策に大きな原因の一つがある、そのようには思いませんか。
○小泉内閣総理大臣 全体的に言って政府の政策は、妥当な、正しかったと思っております。
 今、正社員とパート労働者のことを言われていますけれども、確かに、平成十四年には、正社員がどんどん減ってパート労働者がどんどんふえる傾向があったんですけれども、最近では、正社員の方がふえてきてパート労働者が減っているというのが、実際の統計で出ております。
 また、ピーク時に失業率がたしか五・五%だったかな、あのとき、このまま小泉改革を進めていけば失業者は二けたになるとか、どんどん倒産件数がふえると言われていましたけれども、結果的には、失業率は現在四・五%ぐらいですか……(発言する者あり)四・四、減ってきているし、倒産件数も減ってきている。就業者数もふえてきているし、有効求人倍率はもう一になってきた。そして、むしろ正規社員がふえて、最近はパート労働者が減ってきているという傾向を見ると、日本は、ドイツとかフランスのように失業率が二けたにならないで済んだ。これはやはり、かなり柔軟性を持った労働環境を整備してきたからじゃないかという評価も受けているんですよ。
 こういう点もやはり、悪い点ばかりじゃなくて、見ていく必要があるんじゃないかなと思っております。
○佐々木(憲)委員 その数字がこれは実態を反映していないんです。パートだけを切り離して言われましたね。パート以外のを全部正社員というふうに言っていますが、これは統計上は一般労働者という統計なんです。だから、非正社員も含めた部分は、全体としてその計算でいけばふえる形になっているわけです。統計のとり方にごまかしがある。実際に総務省の労働力調査、これによりますと、昨年の一番新しい数字で、七―九月期の正社員数は三千三百七十二万人で前年比から減少しておりますし、パートや派遣など非正規労働者は千六百五十万人と過去最高を更新しているんです。ですから、政府の統計もより正確にぜひ見ていただきたい。
 それから、非正規労働者の比率はこういう形でどんどんふえておりまして、例えば有効求人倍率の問題を言いましたが、この中でふえているのは非正規雇用なんです。ですから、やはり労働条件というのは決して改善されていない、むしろ悪化している。それを進めてきたのが、政府の政策に大きな原因がある、私はその点を指摘しているわけであります。
 非正規社員になったら正規社員になれるというのは、簡単にはいかないんです。ほとんど困難なんです。総理はそういう現実の深刻な実態というのはやはり御存じないのではないか。私は、こういう点で、今のこれまで進めてきた労働法制の規制緩和路線というのはやはり根本的に転換しないと、日本の将来にとって大変な状況になる、雇用不安が蔓延する、しかも違法が蔓延する、この点をぜひよく検討していただきたいというふうに思います。
 さて次に、防衛施設庁の談合事件についてお聞きをしたい。
 防衛施設庁というのは、防衛庁長官の指揮のもとに、自衛隊と在日米軍が使用する施設、この建設、管理を行っているわけですが、年間予算約五千億円、半分が思いやり予算という名前で、条約上の義務がないのに、米軍基地のために投入されております。
 今回逮捕された技術審議官というのは、長官、次官に次ぐナンバースリー。その手口は、防衛施設庁が受注予定業者を決めた配分表をつくって、OBの天下りの受け入れが多いか少ないかで判断して、その実績に従って工事を割り振る、本当にとんでもない話であります。
 発端は中央病院などの空調設備工事ですけれども、それ以外にも今指摘されております。岩国ですとか佐世保ですとか談合の疑いがある。現に捜査が入っております。それ以外に一切ない、今問題になっているこれ以外には一切ないということは言えるんでしょうか。
○額賀国務大臣 今御指摘のように、防衛施設庁における幹部三人が逮捕されまして、競売入札妨害という容疑で捜査を受けているわけでありまして、これについては、我々も全面協力をして、事件が一日でも早い全容解明になることを期待しております。新聞等でいろいろ騒がれておったりしております。恐らく、事件としては東京地検で全容が解明されていくものと思っております。
 我々としても、御指摘のように、天下りとか談合とか、長年これは我々が苦しんできた問題でありますから、再びこういうことが起こることがないように、防衛施設庁の中で調査委員会をつくりまして、そして行政上、組織上の問題がないか、そしてまた、捜査を妨害しない範囲で、そういう事案があれば、あるかないか等も含めまして調査をしたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 これまでこの予算委員会では、米軍施設についての落札率などが問題になってまいりました。落札率というのは、発注者の側の予定価格に対して実際に落札した価格の比率ですけれども、私は、きょうは、自衛隊の、つまり米軍ではなくて、自衛隊側の施設の落札の実態について指摘したいと思うんです。
 ここに一覧表があります。この一覧表をグラフにいたしますと、こういう状況なんです。自衛隊基地における一億円以上の工事契約をとってみますと、落札率が九五%以上、七割が非常に高い比率なんです。これは裏が何かあるというふうに思うのは当たり前であります。落札率九〇%以上をとりますと九割ですよ。普通こんなことは考えられないんです。
 例えば公取が、平成八年から平成十五年三月の間、入札談合についての排除勧告あるいは課徴金の納付命令を出した事案があります。談合が排除された後の落札価格というのは一八・六%下がっているんです。つまり、談合で約二割ぐらい価格がつり上がっていた。落札率で大体九五%を超えるなんというのは、ほぼそれだけでも談合の疑いがあると言われているんです。実際に、逮捕された前のこの審議官が、全国の建設土木工事で官製談合が行われていたという供述をしていたと。
 米軍も自衛隊も、先ほど、何か問題があったら調査中だがと言いました。洗いざらい調査して、この予算委員会にすべて結果を報告する、ぜひこれを約束してください。
○額賀国務大臣 事件としての捜査は東京地検が行っておりまして、行政上、組織上の問題は、どこに矛盾点があるのか、問題点があるのかをえぐり出すためにヒアリングをしたり、OBの方々にも意見を聞いたりして調査をしているところでございます。
 この問題については、我々は、再発防止のためにどういう対応をしていくかが目的でやっていることでございますから、そういう目的に沿った話については、皆さん方にも公表いたしまして議論をさせていただきたいというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 すべて調査をし実態を公表される、この委員会に報告されるということを要望して、質問を終わりたいと思います。
○大島委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。
 次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 私は、本日は、まず第一点目として、国の基本的な外交姿勢、とりわけアジア外交と歴史認識ということについて、総理並びに麻生外務大臣のお考えを伺いたいと思います。
 先ほど岡田委員と総理の質疑応答を聞きながら、総理には後ほど、麻生大臣にお伺いした後お尋ね申し上げますので、冒頭は麻生大臣にお願いいたします。
 現在の我が国の外交で、とりわけアジア諸国との外交、中国、韓国のような東アジアの国あるいはASEAN諸国との問題等々、果たして、今一番勃興するアジア、アジアンルネサンスと言われる時代にあって、我が国の果たすべき役割、そしてこれからのアジアの発展にとって何が肝要かということを考えまして、私は、麻生大臣がこの間、例えば、天皇陛下が靖国に参拝すべきではないか、あるいは台湾の問題では、日本の占領統治下に義務教育を普及させたことが台湾の教育レベルに非常に貢献した等々の発言が、むしろ、この間、小泉首相自身がどうお考えかわかりませんが、小泉首相の靖国参拝というのは、アジア、特に中国、韓国に対しての一つのとげとなって、非常にとげとげしい関係が続いている中にあって、本来であれば麻生外務大臣は、もう一方、本当に前向きな外交を進めるべき大事なポジションにおられる中にあって、あえてこの天皇靖国参拝あるいは台湾の問題を持ち出された真意はどこにあるのか。それはアジア外交にとって前向きな御提案であるのかどうかをまず冒頭お伺いしたいと思います。
○麻生国務大臣 ありがとうございました。真意を申し上げる機会がなくて一方的な話をやられると、こちらもたまりませんので。
 まず、天皇陛下のお話につきまして御質問がありましたけれども、天皇陛下が参拝できる今状況にないというのは現状認識として皆さんお持ちだと思います。私としては、政府の高官も天皇陛下も一般国民も、自然な気持ちで戦死者のために、みんな感謝と敬意を持って参拝できるような状況をつくるべきではないのかという問題提起をしたというのが最初の話であります。
 二つ目の、台湾の話が出ましたけれども、台湾の話につきましてはよく文章をきちんと読んでいただくとわかると思いますが、台湾については、少なくとも義務教育の普及というものをなすに当たって非常に大きな貢献があったんだという例をずっと引いて、ある台湾の偉い方に教えてもらったという話を引いて、私どもの政治家の先輩も偉いことをやった人がいたなという話をしたら、麻生はかくかくしかじかというところだけとられてあの種の話になって、そしてそれが中国語訳になったらさらにゆがめられて、その中国語を読んだ向こうはかちんときてという話になっておりますので、そういった経緯というものをぜひ御理解いただけると。
 もともと、ちょっと人徳のなさがさせるわざかなと思って反省しております。
○阿部(知)委員 事は単に人徳のなさというふうなレベルの問題にとどまりませんで、実は外交というのは本当に微妙な橋を渡るようなものだというのは、麻生大臣はだれよりも御存じなはずなんだと思うんです。
 その外務上の一番大事なポジションにおられる大臣が、例えば前者の天皇靖国参拝問題にしろ、もしそういうことをお考えであるとして、ここは個々、私と意見が違いますが、あるとしても、どうやったら今あるとげを、今ある、先ほどから何回も言う、やはり不正常な関係なんだと思います。お互いに本音で事が話せない関係になっていることを打開すべきが外務大臣の役割であるのに、かえって事を緊張させる。
 やはり政治は、相手あっての物種でございます。ひとり勝手に自分の思いだけを言っていればいいのであれば、外交などもともと成り立たないんだと思います。
 私は、中国の問題においては、もしかして麻生大臣は同じ番組をごらんになったでしょうか、数日前、NHKスペシャルで、残留孤児、日本人の子供が、当時、特に満州と呼ばれた地域に数多く残され、それは四カ月の赤ちゃんであったり二歳前の幼子であったりした子供たちを、中国の婦人たちが我が子として抱きとめて、大事に育ててくれて、その方々が今八十も過ぎようかという中で、お年を召されて、そして日本人の子供は日本に帰りたい、老いた親を置いてくる、その引き裂かれた家族の映像をやっておりました。
 私は、このこと一つとっても、結局、戦争という悲惨が、例えば四カ月の赤ちゃんを拾った女性は、その前に日本兵におなかをけられて流産をした、しかし彼女は、この赤ちゃんには罪がないといって日本の子を、大地の子を大事に育ててくれました。国というものが相向き合い、そして時に戦争という極限状態になる中でも、逆にそれを超える本当の庶民の、人の交流ができてこそ、やはり平和は訪れるんだと思います。ですから、麻生大臣には、大きな未来に向けて、本当に言葉を慎重に選んで、一つ一つほぐしていく努力をぜひしていただきたい。
 そうでなければ、逆に、小泉政権の五年間で、私は、小泉首相がなさった日朝国交回復の決断を高く評価します。と同時に、その後、中国と、今も日朝は国交正常化に向けての対話が行われていますが、これをいかに本当に拉致問題の解決も含めてきっちりと着地させていけるかどうかは、冒頭申しましたアジアの中における我が国の役割としても、何よりも重要と思っております。
 これは私が一方的に言って、麻生大臣の御答弁を求めませんで失礼ですが、小泉首相に引き続いてお伺いを申し上げます。
 小泉首相にあっては、とりわけアメリカとの外交関係は、これまで非常に緊密に運営してこられました。しかし、そのアメリカでさえも、例えば、ゼーリック国務副長官が先月の初め日本に来られた折に、今の日本と中国の非常に不正常な関係について、例えばアメリカと中国と日本で歴史認識を詰めていくような作業をしてはどうかという提案があったとも伺っています。
 あるいは、前駐日大使のハワード・べーカー氏が先ほど来問題になっている靖国神社の遊就館に行かれて、遊就館は、総理もいらしたことがあると思いますが、あの中で展示されているものすべて戦争展示品でございます。わけても、自存自衛の戦いで日本が本当にたくさんの命を散らした、しかし自存自衛の戦いだという論調で、歴史認識にアメリカとすら大きな差があると言われています。
 アメリカの識者すら、今は日本のこうした風潮に懸念を抱き、日本がアジアで果たすべき役割について、これでは大変に危惧されると。例えば、アメリカの安全保障会議の前責任者であった、この方はマイケル・グリーンさんですね、せんだって辞任されましたが、彼も同じような発言をしておられます。
 歴史認識は、これからの外交にとって、我が国が進む未来にとって極めて重要と思いますが、小泉総理は、先ほど来岡田委員への御答弁も踏まえて、一体どんなふうに歴史認識の溝を埋め、逆に未来に本当に踏み出していくためのどういうお考えがあり、どういう御準備があるのか。この点をお聞かせいただきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 歴史認識は、国によってそれぞれ違うと思います。日本と韓国との歴史研究も始まっておりますが、それは今後、将来、日本と中国とも歴史研究を始めるのもいいと思っております。
 かつて敵同士であった国が何年かたてば友好関係になっている、いい例が日本とアメリカですね。ドイツとフランスにおいてもそうであります。かつての敵はきょうの友というものは、歴史を見ればこれは余り不思議なことじゃない。日本と中国におきましても、一時期の不幸な時期を除いて、多くは友好関係、今でも友好関係を持っております。
 しかし、一つの問題が全体の友好関係を損ねていくというのは好ましいことではないと思っております。日本とアメリカも、かつての敵が同盟関係になっている。日本と中国も、今は友好関係を維持発展させていこうという共通認識を持っている。かつての東南アジア諸国とも日本は緊密な友好関係を持っているわけでありますので、こういう関係をますます発展させていくことがいいのではないか。
 ただ、歴史認識は国によって違ってもいいと思っております。未来に向けて、かつての歴史の教訓を踏まえ、戦争をしない、未来志向で友好関係を築いていこう、そういう視点が大事ではないかなと思っております。
○阿部(知)委員 今の御答弁であれば、各国はおのおのの歴史認識を持ち、しかし、その溝は埋めなくていいということになってまいります。もちろん、物事ですから、こっちから見たときとこっちから見たときは違うかもしれません。それでも、将来の平和、お互いの相互理解のために、この溝は埋めていかねばならないんだと思います。そうでなければ、あの戦争で亡くなられた三百十万余の方の本当の、私どもが感謝し、あるいはその命を惜しみ、慰霊することにもならないと私は思います。
 私は、先週日曜日、遊就館に行って思いました、なぜこの若者たちは死んでいったのか。そのことにきっちりと答えられなければ、私たちは後世を生きる人間の役割がないんだと思います。特に政治家たるもの、先ほど首相がおっしゃいました、ドイツとフランスも歴史認識のその共通のテーブルを持ち、ポーランドも加わり、やってきたわけです。これから、例えば台湾も同じでしょう、中国もそうでしょう、韓国も北朝鮮も我が国も、お互いがお互いの認識を合わせ、そしてその差を埋めていく作業がなければ、今の不幸は一切解決されないと思います。
 私は、今の答弁は、総理は答弁になっていないと思います。中国とうまくいっていない現状、それは、靖国参拝、小泉首相はそれにこだわられます。それが原因で、そこを追及されているだろうというふうにさっきからずっと御答弁です。でも、私は、もし首相がそういうことをなさるのであれば、そのことを一歩越えていくプログラムがあって当然じゃないかと思うわけです。そこが一切提示されていないからこそ、ばらけた関係のまま、今、日中韓が置かれています。
 私は、このことを本当に、総理があと在任ことしの九月までという中で、一体御自身はどう決着していかれるのか、きっちりと御答弁をいただきたいと思いますが、もう一度お願いします。
○小泉内閣総理大臣 私は、中国や韓国に対して、条件をつけて友好関係を発展させていこうなんということを言っていませんよ。私が靖国神社に行くか行かないか、これはだれにも指図されるものではない。靖国神社参拝するなというお立場ですか、中国がいけないと言うから行くなというお立場なんですか。私は、日本の首相が日本国内の一つの施設に、外国の政府から、行ってはいけないとか行けとかいう問題ではないと思います。そんなことを言っている首脳はいませんよ、中国、韓国以外は。
 私を批判している、靖国参拝しちゃいけないというのは、靖国参拝自体いけないのか、中国がいけないと言うからいけないのか、韓国がいけないからいけないのか、そういうことでしょうか。中国が行っていいと言えば行っていいんでしょうか。そういう問題ですか。
○阿部(知)委員 論議を引き戻さないでいただきたいんですね。
 私自身は、靖国参拝は、外国が言うからではなくて、我が国の憲法の政教分離から行くべきでないと思っていますが、私は今ここでそれを問題にしているのではありません。総理が行かれるのであれば、当然、中国や韓国の反発も想定内のことです。そのことを見越して、行かれるのであれば逆にそれに続く和解のプロセスがなければ、これはぶち壊しただけに終わるじゃないですか。総理はそこを一貫して避けてお話しであります。
 私が行くのはいいんですか悪いんですかと私に聞いていないで、総理自身が行っているんですから、行ったことの結果、何が生じ、そのことも織り込んでどのように改善していくかというのが政治家なんです。私は、一遍もそのことについて総理から御答弁を伺ったことがありません。先ほどの岡田委員への質疑もそうでした。現実に何回も行かれたんです、もう事実として。そのことを今云々しているのではないのです。行かれた結果の硬直した関係が現状あり、アメリカすらそのことを案じている、どう打開なさるんですか責任者としてということを伺いました。
○小泉内閣総理大臣 靖国神社に参拝した後も、何度も談話を出し、その後、中国首脳とも韓国首脳とも何回か会談して、未来志向の関係を築いていこうと。私がなぜ靖国神社を参拝するかということもじかに説明し、話しております。そして、何回か会談してきております。
 その発表された談話にしても、あるいは演説にしても、読んでいただければわかると思います。それをじかに、中国首脳に対しても韓国首脳に対しても私は申し上げております。その上で靖国神社を参拝しております。
○阿部(知)委員 何度も言いますが、自分が思うように自分のことを言えば外交なんだというのは、外交ではないのです。しかし、それは総理自身がよくおわかりで、わざとそのように答弁されているものと私は思いますので、次の問題に行かせていただきます。
 この国会の中で、一番目に私が今外交の基本姿勢を問題にしましたが、もう一つ、きょうの新聞報道でも明らかなように、この間、東横インというビジネスホテルが、障害のある方々の宿泊のための、例えば駐車場あるいは障害者の方々が泊まれるような客室等々を、いわば建築の完了確認がおりてから、新たな改造図面を用意して、もともと用意してあるのですが、早急に差しかえて改造してしまう、そして、駐車場は見ばえが悪いから、あるいは客室は使う人がいないから等々で改造した事件がございました。
 東横インというホテルは、現在、多分百二十三件営業中と思いますが、このうち七十七件が確認後の改造で、うち六十一件が、ハートビル法という障害者のためのバリアフリー化あるいは社会参加を促進させるための法律や、あるいは建築基準法の法令に違反しているということが報道されております。
 しかし、ここは北側大臣にお伺いいたしますが、そういう法令違反が次々と一月二十七日から明らかになっても、新たに二月一日と二日、この東横イン系は新装開店、オープンいたしました。すなわち、幾つ違反あるいは不法な取り壊し、改装をやっても開業できる、営業できるという状態になっております。
 こういう実態について、障害者団体からも人権の無視ここにきわまれりという声も上がっていますが、国土交通大臣として北側大臣はこの事態にいかにお臨みになるか、お考えをお願いします。
○北側国務大臣 御指摘のこの東横インの件につきましては、私の方で、関係の都道府県、特定行政庁にそれぞれ実態を調べていただきたいということをお願いいたしまして、報告が上がってきたのが今委員がおっしゃった内容でございます。
 完了検査後に改造をする、法令に違反して改造する、それも、かなり昔から大規模でこのようなことをやっている、もう会社ぐるみで、常態化した形でこのようなことをやっているわけでございまして、極めて遺憾と言わざるを得ません。
 事実関係をしっかりと確認させていただいて、また、関係特定行政庁とも今週中にも会議を開かせていただきますが、そこでよく協議をさせていただいて、法令にのっとって厳正に対処をさせていただきたいと考えております。
○阿部(知)委員 私は、違反でも営業し続けられる状態、それが恒常化しておる状態について本当はお考えを聞かせていただきたかったと思います。
 時間の関係で、総理にもう一点お願いいたしますが、実はアメリカでは、ブッシュ大統領のお父さん、パパ・ブッシュと呼ばれている方ですが、この時代、一九九〇年に全米障害者法というのを成立させました。ADAと日本語では略されています。
 この法律では、公共の建物の中に障害者が利用できるようなきちんとした宿泊施設を設けねばならない。そして、それに違反したら、初回は五百万円、そして二回目は一千万円、ドルですから少し、五万ドルと十万ドルですが、そういう厳しい罰則。違反すれば、すなわち一回目から。今の日本のハートビル法では百万円が上限であります。この一九九〇年のADA法の成立というのは、実は、党派の壁を超えて、社会が障害というものをどう受けとめて、どういう社会をつくるかという大きなアメリカの決断でありました。
 我が国は、繰り返し言いますが、幾つ法令違反をやっても、あるいは、例えば千葉市は、違反の指導をしたけれども十五年間放置されて、今日も開業も何でもできる。
 私は、障害のある方が、これからは生まれついての障害者も、御高齢になって障害を得る方も、私たちの社会にとって欠くべからざる存在であるということを、今決意すべき本当に大事な転換点だと思っています。小泉首相はみずからのリーダーシップで、このアメリカで成立したところの全米障害者法、ここに至るまでもいろいろな経過がありました。しかし、これこそ政治が踏み込んで決断したから、障害のある方も働き、町で暮らし、ホテルに泊まり、当たり前に生活できる、飛躍的な法律であったと思います。
 総理のこのことに対しての決断、お考え、リーダーシップを御答弁ください。
○小泉内閣総理大臣 平成元年、私が厚生大臣に就任したときにも、バリアフリーという言葉、なかなか理解しがたい言葉だなと思った時代がありましたけれども、最近では、バリアフリーというのはごく当たり前の言葉になってきたと思います。そして、障害者の皆さんも、そうでない方も一緒に社会に参加しようという意識というものは、この十数年でかなり向上してきたと思います。
 障害者のオリンピックあるいはスペシャルオリンピック、そういうのを見ていても、むしろ障害者の活躍に我々は感銘を覚えているわけでありますけれども、この法律違反に対して、厳正に対処するのは当然でありますし、どういう処罰がいいかという点については、私は各党そんなに違いはないのではないかと思っております。
 今後よく検討して、今の法令違反に対してはどのような対策がいいか、改善策を講じたらいいか、こういう点は十分今後とも検討していかなきゃならない問題だと思っております。
○阿部(知)委員 さきに障害者自立支援法も成立し、しかし現状でまだこういうことが起きるということは、私は国の法令上も、法律上も問題があるんだと認識しております。
 そして、残る一問、実は文部科学大臣にお伺いする通告をしてございましたが、時間の関係で次回に送らせていただきます。申しわけございません。
 終わらせていただきます。
○大島委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。
 次に、亀井久興君。
○亀井(久)委員 国民新党の亀井久興でございます。
 今から十三年前、平成五年でございますが、小泉総理は宮沢内閣の郵政大臣をお務めでございました。そのときに私は、院におけるカウンターパートとしての、衆議院の逓信委員会の委員長を務めておりました。いろいろな思い出がございます。当時、小泉郵政大臣の発言に対して、与党、野党を問わず逓信委員会が反発をして、混乱をした。郵政省提出の法案は一本たりとも通さない。そういう中で、小泉郵政大臣とも、私、委員長として御相談をしながら、何とか委員会を打開したいということで苦労したことを思い出しております。
 昨年、郵政民営化法をめぐって大変な議論があり、私どもにとっては残念なことでありますが、民営化法は成立をいたしました。そのことを一つのきっかけとして、私は、長く政治活動を続けてまいりました自由民主党を離れて、今、野党の立場でこうして総理に質問をするということを、何か不思議な因縁というか回り合わせというか、そういうものを感じております。
 総理は、昭和四十七年の初当選でございます。私は、院は違いますけれども、その二年後の昭和四十九年に参議院に議席を得ました。お生まれは、総理は昭和十七年、私は三つ先輩で昭和十四年でございます。いずれにしても、私は総理には同世代の政治家としての親しみを抱いてまいりました。ただ、基本理念や基本政策は大分異なっておりますので、きょうも少し失礼なことを申し上げるかもしれませんけれども、腹を立てないで御答弁をいただきたいと思います。
 さて、いろいろな委員が取り上げておられますライブドアの問題、先ほども岡田委員の発言、やりとりを聞いておりました。昨年、確かに小泉劇場という言葉が流行語になった。昨年の選挙をめぐっていろいろな動きがありましたけれども、まあ、おもしろい見せ物を見せるからいらっしゃい、いらっしゃいといって小泉劇場に呼び込んで、堀江さんにもその中の役回りを演じてもらったということで、先ほど岡田委員は、小泉自民党と堀江氏とのいわば持ちつ持たれつ、相互に利用し合ったというような、そういうことを言われましたけれども、私はもう一つ、やはりマスメディアの責任というものも大きかったというように思っております。
 メディアというのは、私、実は個人情報保護法という法律をつくるときの与党のプロジェクトチームの座長をやりまして、当時マスコミと物すごくやり合ったわけでございます。メディアの方々は、自分たちは国民の知る権利にこたえる公益性を持っているんだ、そうして、我々はいわば聖域であって、いかなる干渉も受けるべきではないということを当時言われたわけでございます。ですから、個人情報保護法の義務規定からも適用除外しろ、そういうことを非常に強く言われた。総理が当時それをのみ込まれたわけでございますけれども。
 確かに、NHKは公共放送でございますから、まさに公益性というものを踏んまえている。しかし、ほかの民放、ラジオ、テレビ会社、そしてまた大新聞、いずれも営利事業ですね、収益を目的とした事業である。公益性は持っているけれども、一方において収益性というものも追求をしているわけでございますから、小泉内閣総理大臣が物すごい高い支持率を持っているということになると、それを批判するということは、みずからの収益に影響を与えることは当然でございます。ですから、どうしても権力批判というものを控えてしまうというところがあります。堀江氏も非常に高い人気がある、竹中大臣も非常に高い人気がある、小泉総理も高い人気があるということになれば、やはりそれをうまく持ち上げていくことによってみずからの一つの収益に結びつけていこう、そういう考え方は、私は確かにあるんだろうと思います。
 ですから、この小泉劇場についても、私は、堀江氏と小泉・武部自民党との合作だけではなくて、そこにもう一枚メディアもかんでいたのではないかな、だからメディア側にも私は大いに反省をしていただかなくてはいけないな、このライブドア事件に関してはそう思っております。
 今、実際に中心人物が逮捕されて、捜査当局の手によって取り調べが進められている。いずれ全容が解明されてくるんだと思います。しかし、これは単なる証券取引法違反とかそういう話ではなくて、いろいろ出てくる情報を見ておりますと、大きな詐欺事件に発展をする可能性があるんじゃないか、そういうようにも思えるわけでございます。
 時間外取引でたくさんの株式を取得するとか、あるいはまた、投資事業組合をつくって買収をするとか、あるいはまた、さまざまな株価操作に近いようなことをやって時価総額をつり上げていって買収を繰り返していく、そういうやり方。そして、本体の財務内容まで粉飾をするというようなことになりますと、これは私は、羊頭を掲げて狗肉を売るという、まさに看板に偽りあり、まさにだましに近いということでございます。
 そういう堀江氏、先ほど総理のお話を伺っておりますと、あのときはわからなかった、みずからの不明を批判されるのなら甘んじて受けるということをおっしゃいましたけれども、私はやはり、あの時点で、選挙に至るまでの時点で既に、堀江氏がどういうことをやっているのか、どういう人物なのかということは、ある程度想像がついたと思います。ですから、私はそのことを総理にもぜひ申し上げたいわけでございますが、みずからの不明を恥じるという意味のことをおっしゃいましたけれども、やはり私は、それなりの総理の責任というものもあるのではないかというように思っております。
 実は、堀江氏が書いた書物、去年の三月に出版をされました「僕は死なない」という書物があります。この中にこういうことが書いてあるんですね。「ちょっと頭のいい人は、やっぱり政治家なんか、やりたくないでしょう。損だから。面倒くさいし。少なくとも僕は絶対やらないな。だって政治家になるインセンティブがないじゃない。本当は政治家になった方がいいっていう人は絶対にならなくて、政治家にしかなれない人がなってる。二世とか三世とか。 だからいつまでたっても役人に舐められちゃうわけ。政治家って役人より知識が少ない、平均的に。上に立つ人が自分より能力が低いと思ったら、役人でなくったって誰だって、自分が好きなようにやりますよ。そういう構造ですよね。」これを聞かれて、ばかにしていると思われませんか。恐らく私は、小泉総理を初め閣僚の皆様方も、政治をばかにするな、政治家をばかにするんじゃないよ、そういう気持ちがおありになるだろうと思います。
 それから、その後のくだりで、「小泉さんも人気はあるけど、やっぱちょっと郵政に拘泥しすぎですよね。本当はFTAとか教育とか、介護の問題とかが重要なんだけど。郵政大臣のときに相当煮え湯を飲まされたらしい。そのリベンジなんだろうけど、それが今の日本でプライオリティ・ナンバーワンかといったら、そうじゃないと思うんですけどね。」こういうことを言っているわけですね。
 これは去年の三月に出版された書物の中で言っていることで、政権政党である自由民主党の調査網からすれば、こういうことは当然もうおわかりになっていたはずだと思います。
 そして、選挙中、九月の六日に外国特派員協会で堀江氏が講演をしておりますけれども、その中身を私、テープを聞いてみましたけれども、本当にひどい内容ですね。政治をばかにしている、政治家をばかにしている、ひいては国民をばかにしているんではないか、そういう感じも持ちましたし、天皇制を否定するようなこととか、あるいは大統領制がいいとか、あるいは公的年金は縮小して、むしろ廃止をした方がいいとか、自由民主党の政策とも全く反対のことを言っている。
 そういう人を支援された。竹中大臣も、映像で最近何回も何回も繰り返されておりますから今さら申し上げないけれども、そういうことをされた。武部幹事長に至っては、弟だとか息子だとか、そういうことも言われたわけですから、そういうことに対して、みずからの不明を恥じるということではなくて、やはり政治家としての、政治に対する信頼に何か傷がついたんではないかという、その責任の一端を総理も感じていただきたいと私は思うんですが、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 堀江氏の文章を例に出されましたけれども、あの若い時代の、三十代の、政治家に対する見方、選挙に出る前、大体似ているんじゃないですかね。政治家に対してそれほど信頼を置いていないという。
 若者というのは考え変わります、それだけをとってすべて政治家をばかにしているというふうにとらなくてもいいんじゃないでしょうか。仕事をしていくうちに人間というのは成長しますし、考え方も変わってくると思います。そういう面からいえば、政治家より官僚の方が知識があって頭がいいというのも、一面では当たっているんじゃないですかね。一面ですよ。
 そういう点はともかく、私をテレビが持ち上げたというのは、私はそういうふうにはとれないんです。見てごらんなさい。毎日、ニュース関係、コメンテーター、小泉を批判することはあっても、褒めることなんかほとんどないですよ。そういう状況で、テレビが私を持ち上げたということはないと思いますね、私を批判しても。私は、小泉劇場という言葉を使った覚えはありません。私も、いつもワンフレーズしか言わないわけじゃありません。ワンフレーズしか取り上げてくれないんです。そういうのもおわかりだと思います。
 亀井代議士も、長い、親しいおつき合いをさせていただきましたけれども、きょう、こう立場が変わると、ああ世の中不思議だなと思って、一緒にゴルフしたり酒飲んだり、親しかったんですけれども、政治というのは怖いなと思いますよ。時代が変わると、こういう立場も変わってしまう。しかし、お互い、これからも、一時期そういう意見が違い、対立があっても、また仲よくする時代があるでしょうし、これからどうしてこの国をよりよいものにしていくかという点については、今後意見の共有できる時代も来ると思っております。
 確かに、いろいろ批判されるべき点、この点を踏まえて、反省しながら、これからも精いっぱい努力していきたいと思います。またいつか、いろいろな部分で協力できる分野も多々あるということを期待しております。
○亀井(久)委員 さっき、若い世代はそういうふうに見ている人が多いんじゃないのというお話がございましたけれども、そういうことであればあるほど、政治はそうあってはいけないんだという、そういうメッセージをやはりトップリーダーというのは発せられるべきだというように私は思います。
 それからまた、メディアの問題でも、最近批判ばかりだというお話がありましたけれども、それは、多少支持率に陰りが出てきたからそういうことになるわけで、圧倒的な支持を持っておられたときには、それはメディアもなかなか批判ができないということを申し上げたわけでございます。
 いずれにしても、竹中大臣、今のライブドアの問題について、みずからの立場をどのようにお考えですか。
○竹中国務大臣 今総理が既にいろいろお話ししてくださったとおりであるというふうに、基本的には思っております。
 先ほど亀井委員は、劇場というお言葉、おもしろい見せ物的なという御表現を使われましたが、今振り返って、あのときの私自身の思いからいいますと、そういう見せ物とか劇場とかという思いは、これはもう正直言って全くございません。あの選挙は、やはり郵政民営化をするかしないのか、郵政民営化担当大臣としては、はっきり言って本当にせっぱ詰まった思いで、ぜひ郵政民営化が必要だということを訴えたい、そういう思いで選挙に臨んでおりました。
 公明党の候補者を含めて、郵政民営化賛成の候補を何回も応援させていただきましたが、堀江氏につきましても、そのような観点から応援をさせていただいたわけでございます。
 今回のようなことを見抜けなかったということ、これは亀井委員は、自分はある程度見抜いていた、見抜けたはずだという御指摘だったかもしれません。私は見抜けなかったわけでありますから、この点の不明に関しては、真摯に謙虚に反省をしなければいけないと思っております。
 今示された政治家としてのその姿勢、委員の御見識は御見識として、これはしっかり賜らなければいけないと思っております。
○亀井(久)委員 次に、総理、施政方針演説の中で少子化問題を取り上げられました。暮らしの安心の確保というところで、昨年からいよいよ人口減少期に入ったので、少子化の流れを変えなくてはいけない、そのためにさまざまな具体的な対策、保育所対策とかあるいは放課後児童対策とか、児童手当の拡充、育児休業制度の普及、こうしたことを挙げられたわけです。
 私は、少子化問題というのは、もちろんこういう政策も大事だと思いますけれども、やはり一番基本にあるのは、将来、本当に安心して子育てができるような温かい社会があるんだろうか、そういう子供をつくる世代の不安というものがある、それは私、間違いないんだろうというように思っております。
 恐らく、閣僚の皆様方も子供のころを振り返っていただくと、近所にえらい怖いおっさんがいて怒られたなとか、あるいは、近くのおばさんやおばあさんにすごいかわいがってもらったな、そういう思い出を一つや二つはお持ちだろうと思います。
 地方に行けばそうですけれども、今でも三世代が同じ家に住んでいる、そういうところでは、子が親を殺したり親が子を殺したりなんということは起きないですよね。みんな三世代それぞれの、おじいさん、おばあさんの役割というものもあるわけで、それがもっと地域全体として、近所の子供さんも自分の子供と同じように接する、悪いことは悪い、かわいがるときはかわいがる、そういう雰囲気というものが地方には私はずっとあったと思います。
 ですから、親子のきずなとか、つまり家族愛とか家庭に対する愛情とか、そういうものが物すごく日本の社会の中では大事で、これが日本の伝統文化のもとになっている。それが地域に対する愛情になり、郷土に対する愛情になり、そしてみずからが生まれ育った祖国に対する愛情になるということで、教育基本法の改正ということが今大きな課題になっておりますけれども、愛国心という言葉を入れるか入れないか、そういう議論もあろうと思いますけれども、私はやはり、ごく素朴に、親子のきずなとか家族に対する愛情、家庭に対する愛情、そういうものの広がりとして祖国に対する愛情というものは出てくるのが自然ではないかなというように思います。
 私は、小泉総理を拝見しておりまして、非常に格好いい、そしてまた合理主義者だ、冷徹な改革者だ、そういうイメージはあるんですけれども、やはりトップリーダーのイメージというのがその社会に与える影響というのは、非常に大きいと思うんです。総理を拝見しておりますと、私はプライベートなことに立ち入るつもりはありません、しかし、何かこう、総理から家族の温かい雰囲気の中での団らんとかそういうイメージがどうもわいてこないんですが、そういう今申し上げたようなことに対して、総理はどのようにお考えになりますか。
○小泉内閣総理大臣 別に私は、こういうイメージを出そうと思って行動しているわけじゃありませんから、どのようにとられてもそれは仕方ないと思います。
○亀井(久)委員 ちょっと違った視点からお尋ねしますが、今、格差社会ということに対する議論が活発になってまいりました。
 私、自由民主党という政党が昨年結党五十周年を迎えられた、大変すばらしいことだと思います。その五十年を振り返ってみて、私は、自民党政治の一番誇るべきことは何なのか。
 これは、昭和三十年、一九五五年に自由民主党が保守合同でスタートした。左右社会党がその少し前に一緒になって、いわゆる五五年体制というものが続いた。あの当時、日本はまだまだ貧しかったと思います。国民所得もそれほど大きくなかった。だから、いかに経済規模を大きくし、産業を振興し、国民所得を大きくするか、それが大きな目標だったと思います。そのことを自民党は一生懸命やられた。
 片や、社会党の方はどうしたかというと、そっちの方の仕事は自民党に任せておいて、自民党が大きくしたその果実をいかにして公正公平に分配するかという、そのことに重点を置いてきた。そして、自民党というのはやはり政権政党ですから、そういう国会論戦の中で野党のいい政策はどんどん取り入れていく、社会福祉、社会保障政策もどんどん充実させていく。その結果として、市場経済を守りながら多くの国民が中間層意識を持つ、そういう所得構造、社会構造をつくったと思います。
 それが私は、アジアのすぐれたリーダー、例えばマハティール前マレーシア首相、ルックイーストということを言われた。日本のよき文化、伝統というものを守りながら世界の先進国の仲間入りをして、第二番目の経済大国をつくった、そこに学ぼうじゃないかと言ったわけでございます。ところが、そのマハティールさんが最近何と言われているか。バブル経済崩壊以後、日本に学ぶべきものは何にもなくなったということを言われる。さらに、引退された後に、日本の失敗に学ぶべきだ、そういうことを言われたわけでございます。
 私は、多くの国民が中間層意識を持つ、そういう構造を決して変えるべきではない。私に言わせれば円盤形社会と言っているのですけれども、その中心部分の厚さはあっていいでしょう。それがなくなれば、全く競争なり活力がなくなりますから、その厚みはあっていい。だけれども、全体の構造そのものを変える必要はないというように思っているのですが、どうも小泉政治、この五年間を見ておりますと、その構造が急速に壊されていっているような気がするわけでございます。
 特に心配なのは、地方が今衰退をしている。中央、大都市が繁栄する、東京が繁栄する、その一方で地方が衰退をしている。これを何とかしないと、私は、今後の日本に本当にすばらしい国づくりというのはできないんじゃないか。ですから、聖域なき構造改革と言われることは私は結構だと思いますけれども、そこの中で欠落をしているのが、国土構造をどう変えるかという、そこが私は欠落をしているように思います。
 東京、首都圏は、国土面積の中でわずか三・六%にしかすぎない面積、そこに二六%の人が集中をしている。国土の半分に一〇%も人は住んでいないのですね。その人たちがみんな過疎と高齢化、少子化に苦しんでいる。その国土構造をどう変えるか、そういう大きな目標をやはり出していただくべきだ。そしてまた、地方は、生産性が乏しいから、そんなところ切り捨てればいいというような、そういうメッセージがどうも出されているんじゃないかと地方の人たちは受けとめているわけでございます。
 そのことに対して、もう時間がありませんけれども、総理、どのようにお考えでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 地域におきまして、それぞれ、最近の時代の変化に追いついていけないというような町もあると思います。あるいは、大規模店が進出して中心商店街が寂れてしまう、そういうことを心配される地域もあるし、しかし、どの時代におきましても、むしろ古き伝統を懐かしむ、それがかえって人々を引き寄せる、そういう町もあります。
 私は、別に東京だけ考えているわけじゃありませんで、就任以来、稚内から石垣までという、これをモットーに、地域の特色を出そう、それぞれの地域がそれぞれの魅力を持っているはずだ、特色があるはずだ、それを引き立てるような、観光振興にしても、あるいは特区にしても、そして日本国全体を、もっと外国人に来てもらおうと。日本人は外国へ行くのは好きだけれども、外国人だって外国を旅するのは好きだろう、日本にも行ってみたいなという魅力ある国にしようということで、各地域が特色を出せるような支援策を講じておりますし、やっているわけでありますし、これからも、稚内から石垣まで、それぞれのよさを発揮できるような、そういうまちづくりにいそしむ地方を支援していきたいと思っております。
○亀井(久)委員 終わります。
○大島委員長 これにて亀井君の質疑は終了いたしました。
 次に、徳田毅君。
○徳田委員 鹿児島二区選出の徳田毅でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 平成十八年度予算案は、新規国債発行額が五年ぶりに三十兆円を下回る水準を達成し、基礎的財政収支、プライマリーバランスもマイナス十一・二兆円と三年連続で改善するなど、やや明るい兆しが見られ、一応の評価はできると思います。
 しかしながら、公共事業費や地方交付税交付金を大幅に削減するなど、一歩間違えれば地方切り捨てにつながりかねない懸念も多く残されております。そのような歳出削減のあり方よりも、特別会計や天下りなど、無駄遣い体質そのものを抜本的に改革することこそ、多くの国民が小泉総理の構造改革に期待したものであったと思います。
 今国会において行革推進法案が提出されるとのことですが、このたびの防衛施設庁の官製談合問題、天下り等の問題などが二度と起こらないように、しっかりとした構造改革を必ず実現、実行していただきたいと思いますが、小泉総理の決意についてお伺いしたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 これからも改革を続行せよ、改革をとめるなという国民の声を受けて、昨年の九月の総選挙、自由民主党に多くの国民は勝利を与えてくれたんだと思っております。この改革をとめるなという声を真剣に受けとめて、今まで進めてきたもろもろの改革、例えて言えば、金融の問題、規制の問題、税制の問題、あるいは歳出の問題、さまざまな分野において改革を進めてまいりました。
 今回、一般会計だけでは改革が足りないということで、特別会計の問題についても踏み込んで、数ある特別会計を三分の一程度縮減する。あるいは、地方分権、さらに地方の裁量権を拡大していこうという改革も、今後、地方が特色を出すということならばさらに必要でありましょうし、今批判されておりますような官製談合、これを排除するためにどういう防止策が必要かということも重要であります。
 もう毎日毎日、難問山積の状況をどう解決策を講じようかということで精いっぱいでありますけれども、そういう多くの国民の支持を大事にして、今後とも、残された任期、総理大臣として精いっぱい頑張っていきたいと思います。
○徳田委員 さて、この平成十八年度予算案では、先ほど申し上げましたとおり、やや明るい兆しが見られるものの、国債残高は依然として増加する見込みであり、公債依存度も高水準であることは変わりなく、財政の健全化にはほど遠い状況であると思います。
 そこで、いずれ消費税率の引き上げが問題になると思いますが、先日、政府税制調査会の石弘光会長は、消費税引き上げについて、二〇〇八年には新税率を導入していかざるを得ない、最終的には一〇から一二%までいく可能性があると発言をされました。
 また、自民党の柳澤伯夫税調会長も、一〇%程度をめどにすべきだとの見解を示されました。これらの発言を受けて、国民の間でも、どうせいずれは消費税は上がるんだろうと、半ばあきらめと不安の声が上がっています。
 いわゆる勝ち組と呼ばれる所得の多い方々にとっては、消費税などは余り大きな負担と感じないかもしれませんが、例えば国民年金の平均受給額である五万二千三百十四円、これは六万六千円という方もいらっしゃれば、五万円以下で一カ月を生活されている方もいらっしゃいます。そのような多くの高齢者にとっては、五%を払うだけでも、この消費税を払うだけでも大きな負担であり、やはりその実感度というものは大きく違うと私は思います。このように家計に与える影響が大きいからこそ、国民はこの消費税の見直しに対して大きな関心と不安を寄せていると思います。
 小泉総理は、二月一日の参議院予算委員会で、税率を来年上げるかどうかは総裁候補の大きな課題だと申されましたが、そこで、ポスト小泉と期待される安倍官房長官、谷垣財務大臣、そして竹中総務大臣、そしてぜひ麻生外務大臣にも、改めてこの消費税について、見直すとすればいつ、または最終的に何%にするのか、それぞれの見解を端的にお答えいただきたいと思います。
○大島委員長 ほかの人は要りませんか。今の人だけですか。
○徳田委員 国民が知りたがっているのは、と思いますので。
○大島委員長 はい、わかりました。それでは、手短にひとつ。
○安倍国務大臣 御指名でございますのでお答えをいたしますが、財政の健全化、我々はしっかりと目指していかなければいけない、こう考えております。そのために、プライマリーバランスを黒字化させるという目標を、二〇一〇年代の初頭にそれを達成するという目標を立てているわけでございます。
 まず、我々、その中で、十八年度に何とかデフレを脱却したい、こう考えています。デフレを脱却して、そして力強い経済成長をしていく中で自然増収も当然ふやしていく。しかし一方、年々ふえていく社会保障費がございます。そしてまた、さらには年金の国庫負担を三分の一から二分の一に引き上げていく、平成二十一年にはそうしなければならないということが決まっています。その中でどうしていくかということで、国民とともに、では消費税をどうしていくかという議論をしていかなければいけない、こう考えているわけであります。
 そういう意味におきましては、ことし六月までに歳出歳入の一体的な改革も進めていかなければいけない。当然また、国民の声としては、しっかりと無駄遣いをなくしていけ、歳出をカットしろ、こういう御期待にもこたえていく。そういう御期待にもこたえていく中で、先ほど申し上げましたように、年々ふえていく社会保障費に対してどう対応していくかということで、我々は考えていかなければいけない。また、少子化対策をどうやっていくか、積極的な施策においてもどう対応していくかということも含めて議論をしていかなければいけない。
 今の段階で何%ということはお答えはできないのではないか、こう思っています。
○谷垣国務大臣 大体、今官房長官がお答えになったことと同じなんですが、財政再建のやり方としては、さっき特別会計のことをおっしゃいましたけれども、特別会計、もちろんです、聖域なく歳出を見直して削減していくという努力がまずなきゃいけません。それと同時に、経済が成長してパイを大きくしていくという努力もあわせて必要だろうと思います。
 ただ、その上で、国、地方合わせてGDPの一五〇%の公債残高がありますから、日本の財政体質全体に対する信認をどう確保していくのか。それから、社会保障につきましても、もう高齢化が進んでおりますから、毎年約一兆円ぐらいの自然増が見込まれる、それをどうしていくのか。それから、今官房長官もおっしゃいましたけれども、基礎年金、今三分の一税ですが、これを二分の一に持っていく。これは法律の中で、平成十九年度をめどに税制改革をなし遂げて、平成二十一年までに実現すると書いております。それから、成長させるということも必要でございますが、一%金利が上がりますと、一・六兆ぐらい、国債費の支払いがふえる。
 そういうようないろいろな方程式がございますので、その方程式をどう解いていくかという議論をこれからきちっとやって、ことしの年半ばまでに選択肢を具体的に示して、工程表もつくっていく。その上で、国民的な議論をやって、やはり国民の理解がなきゃ税制なんというものは改められませんから、国民の理解を得るような大きな議論をやっていくということが必要ではないかと思っております。
 今の段階では、官房長官がおっしゃいましたように、税率をどのぐらいにするかというのは、まだちょっと議論が、申し上げるのは早い段階ではないかと思っております。
○麻生国務大臣 全くの所管外ですからと言ってとぼけちゃうのが一番いいのかもしれないと思わないでもないんですが、今御指名がありましたので。
 消費税をいつどうするかという話が主眼なんでしょうけれども、三、四人にしゃべらせたら、閣内不一致と次に言いたいところなんだろうなと、気持ちはわからぬでもないんですけれども、徳田先生、これはおちょくった話じゃなくて、まじめに考えにゃいかぬ大事な話ですからね、この話は。
 しかし、私どもとして一番肝心なのは、ここのところで、消費税を上げる等々によって、今景気がやっと、ぱっと回復しつつあるところを、景気をスローダウンさせるような愚だけは断固避けたい。過去二回ほどやっていますので、そういったことだけは断固避けたいというのが一番で、やはり、景気の回復がある程度目安がついたところで、それから考えてやるかやらないのかが第一点だと思っております。
 もう一つは、これは上がるとなって、先は入ってくるぞとなった途端に経費の削減というのをどうしてもやりたくなくなるのは、これはもう経営者をやっていたら皆わかっていることですから、そういった意味ではその点も考えてやらにゃいかぬところなので、税収がどれくらい、平成十六年は三兆八千億ぐらい伸びていますけれども、平成十七年度三月でどれくらいになるか、ちょっとよく見て、そういったのを、伸びがある程度見込まれた、それで、これぐらいでとまってきたなというところからかなと思わないでもないので、ある程度景気の回復にめどがつくというところが、正直、ちょっと最近財政はやっておりませんのでよくわかりませんけれども、そこらのところをめどにしなきゃいかぬ。その前にはきちんと経費の節減、その二つが大事なところだと思っております。
○大島委員長 総務大臣、少し短目に。
○竹中国務大臣 私は候補者たり得ない者だと思っておりますので、今のお三方と同列に並べられるのは御勘弁をいただきたいのでございますが、消費税についてだけ、お尋ねでありますので申し上げますと、これは当然のことながら、財政健全化の過程で、国民の負担をどのようにしていただくかということは議論しなければいけない問題になってまいります。
 しかしながら、その際には歳出の削減、これは義務的経費まで含めて思い切って政府がその姿を示すこと、その上で、経済を活性化させて、いわゆる税の自然増収をしっかりと確保すること、そうしたことを踏まえて、最後の手段として国民にどれだけの負担をお願いするかという議論を明確に示さないと、国民の御理解は絶対に得られないというふうに思っております。
 率について云々はできませんが、そうした議論を閣内で深めていくことが重要だと思っております。
○大島委員長 経済財政諮問会議の大臣は要りませんか。結構ですか。
○徳田委員 いいです。
 大変失礼しました。私は、いいかげんな気持ちでお伺いしたのではなく、消費税というものが国民にとってはそれほど身近な税であるからこそ、やはり将来に対して大きな不安を感じている、その中で、各大臣に対して、どのような見解を持っておられるか聞いてみたいと言われる方が大変多いかと思います。
 実は私は、この消費税については、平等な税ではなく大変問題がある税だと思います。多くの方がこの消費税について、海外での消費税率と比較して日本は低いと言われる方がいらっしゃいますが、ヨーロッパを初め多くの国々に比べまして、日本の物価というのはそもそも極めて高い。さらには、イギリス、ドイツ、フランス、韓国では、食料品や水、雑誌などの生活必需品については非課税もしくは税率が軽減されている。これらのことを無視して、ただ消費税率だけを比較するのはおかしいことだと思います。
 また、例えばガソリンが一番わかりやすい話ですが、私の選挙区の奄美大島の宇検村というところでは、きょう現在、レギュラーガソリンがリッター当たり百五十四円です。もっと高い地域に行きますと、北海道、沖縄、三重、静岡では百五十九円という地域もあります。一方、首都圏の安いところではリッター当たり百円というところもありまして、まさに一・五倍の開きがある。これに対する消費税も一・五倍です。このように、輸送コストなどが上乗せされて、物価が高い地方ほど多く消費税を払わなくてはならない。さらに、このガソリンに関しては、リッター当たり四十八・六円の揮発油税の上に消費税がかけられている。このタックス・オン・タックスということも大きな問題であると私は思っています。
 私は、政府が目指している二〇一〇年代初頭のプライマリーバランスの黒字化というものを実現するためには、消費税の増税というものは避けられないかもしれませんが、財政再建の視点からだけではなくて、国民生活の実情を十分に配慮していただき、社会的、経済的弱者に対してきめ細かい、優しい政治、税制であっていただきたいというふうにお願いを申し上げたいと存じます。
 もう時間ですので、質問は控えさせていただきたいと思います。
○大島委員長 答弁はいいですか。
○徳田委員 では、最後に谷垣大臣にお伺いしてよろしいでしょうか。
○大島委員長 はい。
 谷垣大臣、あと三十秒ぐらいあるんです。
○谷垣国務大臣 今おっしゃいましたように、消費税については、ヨーロッパのように二けたのところになりますと、食料品は例えば非課税にするとか生活必需品については税率を下げよう、そういうような議論が実際に行われて、議論だけじゃなしに行われておりますので、日本も、そういうような形にするときは、そういう議論が当然視野に入ってくると思います。
 ただ同時に、何を軽減税率にしていくのかというのもなかなか議論があるところですし、それから、これを軽減税率にする、あれを軽減税率にするといったときの事業者の手間もいろいろなことがありましたり、いろいろな問題点がありますから、よく議論をしていかなきゃいけないと思っております。
 それから、今、ガソリン税の、タックス・オン・タックスというふうにおっしゃいましたけれども……
○大島委員長 短目に。
○谷垣国務大臣 個別間接税が入っておりますとどうしても消費税はそうなってしまいまして、国際的にもそういうルールになっております。したがって、どういう税率にしていくか、よくまた議論をしていきたいと思っております。
○徳田委員 ありがとうございました。
○大島委員長 これにて徳田君の質疑は終了いたしました。
 次回は、明八日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二分散会