第164回国会 予算委員会 第11号
平成十八年二月十四日(火曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 大島 理森君
   理事 金子 一義君 理事 田中 和徳君
   理事 玉沢徳一郎君 理事 松岡 利勝君
   理事 茂木 敏充君 理事 森  英介君
   理事 細川 律夫君 理事 松野 頼久君
   理事 上田  勇君
      安次富 修君    新井 悦二君
      井上 喜一君    井脇ノブ子君
      伊吹 文明君    臼井日出男君
      江渡 聡徳君    遠藤 宣彦君
      小川 友一君    小里 泰弘君
      尾身 幸次君    大塚 高司君
      大野 功統君    岡部 英明君
      奥野 信亮君    亀岡 偉民君
      川条 志嘉君    河井 克行君
      河村 建夫君    北川 知克君
      木挽  司君    近藤三津枝君
      斉藤斗志二君    笹川  堯君
      実川 幸夫君    篠田 陽介君
      園田 博之君    高市 早苗君
      寺田  稔君    渡海紀三朗君
      冨岡  勉君    中森ふくよ君
      中山 成彬君    長島 忠美君
      丹羽 秀樹君    西本 勝子君
      根本  匠君    野田  毅君
      原田 令嗣君    二田 孝治君
      町村 信孝君    三原 朝彦君
      山本 幸三君    山本 有二君
      石関 貴史君    小川 淳也君
      大串 博志君    岡田 克也君
      加藤 公一君    笹木 竜三君
      高山 智司君    寺田  学君
      永田 寿康君    長島 昭久君
      原口 一博君    伴野  豊君
      古川 元久君    馬淵 澄夫君
      三日月大造君    三谷 光男君
      村井 宗明君    坂口  力君
      田端 正広君    桝屋 敬悟君
      笠井  亮君    佐々木憲昭君
      照屋 寛徳君    糸川 正晃君
      徳田  毅君
    …………………………………
   総務大臣         竹中 平蔵君
   外務大臣         麻生 太郎君
   財務大臣         谷垣 禎一君
   文部科学大臣       小坂 憲次君
   厚生労働大臣       川崎 二郎君
   経済産業大臣       二階 俊博君
   環境大臣
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当) 小池百合子君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     安倍 晋三君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長) 沓掛 哲男君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      額賀福志郎君
   国務大臣
   (金融担当)       与謝野 馨君
   内閣府副大臣       嘉数 知賢君
   防衛庁副長官       木村 太郎君
   外務副大臣        金田 勝年君
   財務副大臣        竹本 直一君
   経済産業副大臣      西野あきら君
   環境副大臣        江田 康幸君
   防衛庁長官政務官     高木  毅君
   総務大臣政務官      桜井 郁三君
   財務大臣政務官      西田  猛君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  伊佐敷眞一君
   政府参考人
   (警察庁生活安全局長)  竹花  豊君
   政府参考人
   (警察庁警備局長)    小林 武仁君
   政府参考人
   (防衛庁防衛参事官)   西山 正徳君
   政府参考人
   (防衛庁防衛参事官)   小島 康壽君
   政府参考人
   (防衛庁防衛局長)    大古 和雄君
   政府参考人
   (防衛施設庁長官)    北原 巖男君
   政府参考人
   (金融庁検査局長)    西原 政雄君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    佐藤 隆文君
   政府参考人
   (総務省自治行政局選挙部長)           久保 信保君
   政府参考人
   (外務省大臣官房長)   塩尻孝二郎君
   政府参考人
   (外務省アジア大洋州局長)           佐々江賢一郎君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    河相 周夫君
   政府参考人
   (国税庁次長)      石井 道遠君
   政府参考人
   (文部科学省スポーツ・青少年局長)        素川 富司君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  中島 正治君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長)            青木  豊君
   政府参考人
   (環境省大臣官房審議官) 寺田 達志君
   政府参考人
   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   由田 秀人君
   政府参考人
   (環境省総合環境政策局環境保健部長)       滝澤秀次郎君
   参考人
   (独立行政法人都市再生機構理事)         松野  仁君
   予算委員会専門員     清土 恒雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十四日
 辞任         補欠選任
  臼井日出男君     丹羽 秀樹君
  尾身 幸次君     中森ふくよ君
  亀井 善之君     安次富 修君
  笹川  堯君     新井 悦二君
  園田 博之君     小里 泰弘君
  高市 早苗君     井脇ノブ子君
  渡海紀三朗君     長島 忠美君
  町村 信孝君     岡部 英明君
  山本 公一君     原田 令嗣君
  山本 幸三君     寺田  稔君
  山本 有二君     江渡 聡徳君
  小川 淳也君     長島 昭久君
  笹木 竜三君     石関 貴史君
  高山 智司君     三日月大造君
  原口 一博君     三谷 光男君
  坂口  力君     田端 正広君
  佐々木憲昭君     笠井  亮君
  阿部 知子君     照屋 寛徳君
同日
 辞任         補欠選任
  安次富 修君     冨岡  勉君
  新井 悦二君     遠藤 宣彦君
  井脇ノブ子君     川条 志嘉君
  江渡 聡徳君     北川 知克君
  小里 泰弘君     園田 博之君
  岡部 英明君     小川 友一君
  寺田  稔君     山本 幸三君
  中森ふくよ君     木挽  司君
  長島 忠美君     渡海紀三朗君
  丹羽 秀樹君     西本 勝子君
  原田 令嗣君     大塚 高司君
  石関 貴史君     笹木 竜三君
  長島 昭久君     小川 淳也君
  三日月大造君     永田 寿康君
  三谷 光男君     村井 宗明君
  田端 正広君     坂口  力君
  笠井  亮君     佐々木憲昭君
  照屋 寛徳君     阿部 知子君
同日
 辞任         補欠選任
  遠藤 宣彦君     近藤三津枝君
  小川 友一君     町村 信孝君
  大塚 高司君     山本 公一君
  川条 志嘉君     高市 早苗君
  北川 知克君     山本 有二君
  木挽  司君     亀岡 偉民君
  冨岡  勉君     篠田 陽介君
  西本 勝子君     臼井日出男君
  永田 寿康君     寺田  学君
  村井 宗明君     原口 一博君
同日
 辞任         補欠選任
  亀岡 偉民君     尾身 幸次君
  近藤三津枝君     笹川  堯君
  篠田 陽介君     亀井 善之君
  寺田  学君     高山 智司君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成十八年度一般会計予算
 平成十八年度特別会計予算
 平成十八年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
○大島委員長 これより会議を開きます。
 平成十八年度一般会計予算、平成十八年度特別会計予算、平成十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官伊佐敷眞一君、警察庁生活安全局長竹花豊君、警察庁警備局長小林武仁君、防衛庁防衛参事官西山正徳君、防衛庁防衛参事官小島康壽君、防衛庁防衛局長大古和雄君、防衛施設庁長官北原巖男君、金融庁検査局長西原政雄君、金融庁監督局長佐藤隆文君、総務省自治行政局選挙部長久保信保君、外務省大臣官房長塩尻孝二郎君、外務省アジア大洋州局長佐々江賢一郎君、外務省北米局長河相周夫君、国税庁次長石井道遠君、文部科学省スポーツ・青少年局長素川富司君、厚生労働省健康局長中島正治君、厚生労働省労働基準局長青木豊君、環境省大臣官房審議官寺田達志君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長由田秀人君、環境省総合環境政策局環境保健部長滝澤秀次郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○大島委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本有二君。
○山本(有)委員 政治資金規正法第二十二条の五、この条文は、今日の日本の企業活動の実態、グローバル経済市場における実情、こういったものに合致してはいないのではないか。つまり、事態がこれ以上進む前に適切な変更、改正をする必要があるのではないかということを私は考えております。
 この二十二条の五というのは、いわゆる外資規制と言われる条文でございます。条文を読みますと、「何人も、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団体その他の組織から、政治活動に関する寄附を受けてはならない。」という条文でございます。いわば政治活動に関する寄附、特に私が課題だと思っておりますのは、法人部門、企業部門でございます。
 企業活動の一環の中で寄附をする、これには質的制限、量的制限、さらに公開の原則というものがございます。量的制限におきましては、十億円以下の資本金であれば年間七百五十万円まで。また、公開については、年間五万円以上、こういったものについては公開をされるわけでございます。そういった監視のもとに、また規律のもとに政治献金はされなければならない。特に、昨今におきましては、神経質にこの点において注意深く我々は守っていかなければならないという宿命を帯びていることでございます。
 したがいまして、この種の改正については慎重であるべきという声もあります。実にそのとおりだというように思います。しかし、なおそれを超えて、改正の要因というものがあるのではないかということを御議論させていただきたいと思うわけでございます。
 まず、政治資金規正法二十二条の五の趣旨、罰則がついておりまして、この罰則は禁錮刑がございます。したがいまして、刑事罰であり、行政罰であるわけでございますが、この政治資金規正法の構成要件、特に私が問題だと思っておりますのは、外国法人というのは、これは明確に理解できます。外国法に準拠してつくり上げられた法人でございます。しかし、その後の「主たる構成員が外国人若しくは外国法人」、主たる構成員て何なの。一般の国民が、主たる構成員、有名な人が社長をやっていれば、だったらこれは寄附を受けてはいけないのかな、あるいは、株式が一人の外国人で三〇%だったらどうなのかな、いろいろな疑問がわいてくるわけでございます。
 こういう条文を掲げながら、刑事罰という、この二十二条の五、これについては、法律論的な観点からも私はもう少しきちんとした法整備を必要とするのではないかというように思っておりますが、せっかく桜井大臣政務官がお越しでございます。御活躍であると聞いておりますが、ぜひ、この点、問題性はないかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○桜井大臣政務官 おはようございます。桜井郁三でございます。ただいまのお答えを申し上げたいと思います。
 政治資金規正法の主たる構成員が外国人または外国法人である団体その他の組織とは、構成員の過半数を外国人または外国法人が占めている団体をいうとしており、法律の解釈としては、必ずしも不明確ではないと考えております。
○山本(有)委員 「主たる構成員が」というこの解釈でもって、明文化されていない、いわゆる総務省が考えられました解釈でもって、持ち株比率過半数を超えなければ献金ができる、超えたならばできないというお答えでございました。これは解釈でございます。明文に規定があるわけではありません。
 そうすると、桜井大臣政務官等が御主張になられて、いや、やはり三〇%にしようなんという解釈の変更、こういったことで罪になったり、献金ができたりできなかったり、そんなふうなことになりはしないか。私は、それについて非常に心配をしております。
 特に、資料一をごらんください、資料一。
 資料一は、日本経済新聞十一月十三日日曜日の朝刊の一面でございます。外国人持ち株が三割を超えたところが百社を突破した、こう書いてあります。
 この中段に表が載っております。二〇〇五年九月末、オリックスで六〇・八%、ヤマダ電機で五六・二%。ここらが献金ができないというのは、これぐらい差があればいいわけでございますが、ただ、五〇・六%だとか、富士フイルム五〇・六%、ローム五〇・二%、ソニー四九・六%。もし受ける側が、あっという間に五〇%を超えてしまったという会社が献金をしておって、それを知らずに受け取った。上場企業ですよ。瞬間風速で五〇を超えることもありますよ。そう考えると、刑事罰がついておって、もらう方というのはどうやったらいいんですか。一々毎日、証券取引所に電話して何%か聞いてから、だからお金を受け取るんですか。(発言する者あり)
 もらわなければいい、確かにそうです。全然もらわなくて、民主主義のコスト、民主主義のコストというのもかかります。議会政治、迂遠なことをやっております。しかし、それはあくまで民主主義だからでございまして、手続をとること、選挙をすること、そして意見を交換すること、野党、与党でこういった議論をしていくこと、全部手続に大変な時間と労力をかけております。そこにお金は要らない、実に立派な考え方でございますが、現実からは大変離れております。現実的ではありません。
 そう考えたときに、もう一回、桜井大臣政務官、これを変更するのに解釈でできますか。
○大島委員長 桜井大臣政務官、締まって答弁しなさい。
○桜井大臣政務官 お答えをいたします。
 主たる構成員について過半数を超えるとする解釈は、昭和五十年の法改正以来、政府として一貫してとってきたものであります。政府の裁量により自由に変更できるものではないと考えております。
 とりわけ、当該規定が罰則を伴うものであり、また政治資金の規制にかかわるものであることを考えれば、解釈の変更は慎重であるべきであり、必要があれば、各党各会派の議論を踏まえて、国会において最終的に決定される法改正によることが適当であると考えております。
○山本(有)委員 解釈では変更することはできない。さすがに良心的で政治的感覚の鋭い桜井政務官は、善人者の政治家としての御答弁でございました。しかし、いわば性格の悪い強権的な大臣が生まれて、これを変えちまおうとやると、これまた私は可能だとなお思っております。
 そこで、桜井政務官が最後に議会で議論を尽くして改正してもらったらいいよというように言われたことは、そのことだろうというように思っております。したがって、私としては、これはやはり法律論的にも早く改正した方がいいのだというように思っております。
 特に、ここで私が注目しますのは、再度だめ押しになるかもしれませんが、憲法三十一条に言うデュープロセス、罪刑法定主義という理論がございます。明確性の理論、これが中心にあるわけでありますが、あらかじめ明確な条文を備えて犯罪行為を国民に明示する、何が犯罪行為であるかを告知することによって国民に行動の予見性を与えて、同時に法執行機関の刑罰権の濫用を防ぐ。だから自由な行動ができるわけでありまして、この行動が違反する違法なものかどうかということが明確であることが、この日本では一番大切なことであるということでございます。
 その明確性の理論の限界というのがございます。この理論の限界というのは当罰性なんです。現実に、処罰の必要性があるときは、どうしても抽象的な犯罪類型を持たざるを得ません。一般的な、明確な言葉ではなくて、抽象的、規範的なものをつくることによって、当罰性、すなわち、罰するということの国家刑罰権の行使でうまくこの世の中が回っていく。したがって、ここに私は、合憲性、三十一条に違反しない、ぎりぎり合憲だというこの二十二条の五の存在意義があるわけでございます。
 では、主たる構成員、この主たる構成員というのは過半数と言われました。過半数の持ち株比率、これを主たる構成員とした場合に、その主たる構成員というのは外国法人の手先として扱われるわけでございます。外国法人ではありませんよ、主たる構成員が、日本法人でも五〇%を超えれば寄附ができないということは、外国法人と同じように見る、外国法人の手先だという位置づけです。
 ですから、そう考えましたときに、私どもは、この手先としての位置づけが正しいかどうか、現代的に正しいことであるかどうかということを次に見ていく必要がございます。
 かつて、この法改正がされたときに、どういう事情があるかということを総務省にお聞きいたしますと、航空機疑惑問題等防止対策に関する協議会提言というものを受けて、議員立法ではなくて、内閣の閣法でもってこの法律をつくり上げております。この航空機云々というのは、ロッキード事件に端を発して、この国会で、ロッキード、ああいう外国法人から金をもらうことを禁止しようと、そのときに、あつものに懲りてなますを吹いてしまったということでございます。
 そう考えましたときに、本当に、外国の手先、日本の企業を外国の手先とする、この位置づけをする政治資金規正法のこの条文を置いておくままで、我々のこの国が、本当の意味で日本人や日本の企業をきちんと守っていくことができるか、私は心配でなりません。
 そこで、もう一回これを閣法で五十五年のように、いわば、総務省、私の意見を聞いて頑張って閣法で改正してよと私が聞いた場合に、桜井大臣政務官はどういうお答えがあるか、ちょっとお願いをいたします。
○桜井大臣政務官 お答えをいたします。
 政治資金規正法は、昭和二十三年に議員立法として成立して以来、各党各会派における御議論を踏まえて、数次の改正を経て、現在に至っているわけであります。これは、改正のうち、改正法案が内閣から提出されたのは、選挙制度審議会等の第三者機関の答申、提言を受けて行われたものであり、そのほかは議員立法によって改正されたものと承知しておるわけであります。
 政治活動に関する寄附の規制については、前回も述べましたように、政党、政治団体の政治活動の自由と密接に関連しており、各党各会派において御議論をいただくべき問題として考えておるわけであります。
○山本(有)委員 法律論はここまででございます。
 話題をかえさせていただきまして、高知県の私の選挙区、高知第三区というのは、三百小選挙区の中で人口が一番少ない小選挙区となってしまいました。平成十二年の国勢調査におきましてはまだ助かる余地があったわけでございますが、今やもう助かる余地がないというような瀬戸際に人口が減少してしまいました。
 つまり、私ども考えておりまして、本当に、一次産業主体の私どものこの高知県の我が選挙区、林業に農業に漁業にと頑張っている人たちのことを考えますと、もっと若い人たちがこの地域に定着をと、こう嘆くような思いでみんな頑張っているわけでございますが、人口は、社会減少、自然減少、どんどん進んでまいります。大野見村という、合併をする直前の村がございました。去年一年間で生まれた赤ちゃんは一人、お葬式を出した人たちは五十人、こんな様子でどんどん人口が減っているわけでございます。
 これを称して、弱肉強食、格差を許す、そういう規制緩和の時代が来たというように嘆く人もございます。しかしながら、我々は嘆いてばかりいてもこれはせんないことでございます。特に、中央と地方の景気を分析し、かつ、旧産業、新産業、勝ち組、負け組ということをのべつ言いましても、私は、これについては一つの法則、時代的な背景というものをしっかり見詰めないと難しい面があるだろうというように思います。
 その中にあって、私どもの選挙区の中の企業でミロクという会社がございます。弥勒菩薩のミロクでございますが、これは旧産業に位置づけられる典型の会社でございます。実は猟銃をつくっております。イノシシやシカやキジが我々高知県は大変多いわけでございまして、猟銃が発達することはしかるべきことでございます。しかし、輸出産業でございます。アメリカのブローニング社という、その猟銃についてのほぼ一〇〇%の下請をさせてもらっております。
 時代でございます。円高になりました。もうけはありません。そして、アメリカでも銃規制ということになりました。売れません。日本国じゅうどこへ行っても、勝手に銃をぶっ放すような、そんな環境じゃありません。もうミロクは危殆に瀕する旧産業の典型でございました。
 今、従業員は百名そこそこでございますが、これが子会社をつくりました。子会社を三十名ぐらいでつくりましたところ、どんどん子会社が成長いたします。今や、親会社百数十名に比しまして四百名を超えてしまいました。何でそんなにもうかったの、何で従業員がふえるの。それは、トヨタの車のセルシオの、持つところの木の部分、たったこの部分だけをつくって四百人の雇用があるわけでございます。
 これは、ミロクテクノウッドという子会社になって今発展しておるわけでございますが、銃というのは、肩に当たる部分、銃床といいます。クルミ材できれいな製造をして、工学的技術できちんと仕上げるわけでございます。この技術は世界一でございます。田舎にありましても世界一があるということで、トヨタの人たちがこれに目をつけまして、立派なハンドルをつくろう、高級車にはクルミ材できちっとした、あの銃床のようなハンドルをつくろうということで、そういうしつらえになったわけでございます。
 私は、このときに、地方もあきらめてはだめだな、旧産業としましても歯を食いしばって今頑張らなきゃ、それこそ中央と地方の格差ということを嘆くばかりで、やがて地獄へ落ちてしまうなということを感じたわけでございますが、これは一種、当然のことのような気がします。
 国内マーケットだけで生活しておった皆さんがやがて地球マーケットに参加したときに、競争力の強いところがマーケットで勝つということは当たり前でございます。今、しばし、工業製品だけが勝っておるわけでございますが、やがて工業製品をつくったこの英知でもって、一次産業分野でも頑張れば、地球マーケットの中で我々は一次産業でも雄々しく生きていくことができるだろう、そう確信をするのがこのことでございます。
 さて、そのことにおいて、資料を配りまして、その二ページ目をごらんいただきたいと思います。私どもの、この地球社会、マーケットが広がったということは、こんなところにも出てきているわけでございます。
 証券取引所の資料で、「所有者別持株比率の推移」というのがございます。右から二番目に「外国人」と書いてあります。これは外国法人も含まれます。外国法人が日本の証券取引所の上場企業の株をどれだけ持っているか。昭和三十年にはわずか一・七%。一・七%、それが一〇%になるのに、平成十年でございます。いよいよ一〇%になりました、外国人が占めるところ一〇%、一割、この間は約五十年かかっております。一割になるまで五十年かかっております。平成十年から平成十六年まで、二割になりました。この一〇%を伸ばすのにわずか六年でございます。この間の持ち株比率、外国人が日本企業に対してどんどこ買いを入れたというこの事実、これは私は、平成十年前後で我が国が大きく変貌した、あるいはマーケットが大きく変貌した、こんなことからこの事実になっているだろうというように思っております。
 そこで、二階経済産業大臣にお伺いいたします。
 二階大臣、こうした日本企業の外国人持ち株比率が上昇している理由をどうお考えになられているのか、お答えいただきたいと思います。
○二階国務大臣 議員御指摘のとおり、近年、外国人による我が国企業に対する証券投資及び直接投資はふえる一方でございます。上場企業の外国人持ち株比率はどんどん上昇しておるわけでありますが、その比率は、ただいま議員も御指摘になりましたが、私どもの方の調査では、全国証券取引所の調査によるわけでありますが、平成十六年度二三・七%に上っております。これは平成七年に比べまして、当時は一一%ぐらいでございましたから、倍以上になっておるということが言えると思います。
 こうした背景には、我が国経済が民需主導の緩やかな景気回復を継続しておること、企業収益も好調に推移していること、加えて、金融、保険、通信の業におきまして規制緩和が進んだことにあるものと考えております。総じて我が国の経済に対し期待が高まっているものと理解しておるわけであります。
 なお、中でも直接投資は日本経済の発展に必要なものであり、先般、総理も施政方針演説等でも述べられておりますし、たびたびの国会におきましても一貫して主張されておりますことは、この外国からの投資というものに対しては脅威という位置づけをするのではなくて、外国からの投資を歓迎するという姿勢で日本の市場の魅力を発信し、外国企業が今後とも日本の市場に目を向けるようにするべく、意識改革や環境整備に取り組むということが小泉内閣の方針であります。
○山本(有)委員 こうしたグローバル経済についてお詳しい竹中総務大臣も御出席でございます。せっかくでございますから、総務相の立場を離れて、経済学者として、この点、所有者持ち株比率が上がっているということの背景や原因についてお聞かせいただければ幸いです。
○大島委員長 大臣として、学者としてということだと思いますが、竹中大臣。
○竹中国務大臣 山本委員のきょうの御指摘、グローバル化の中での政治のあり方、これは本当に重要な問題だと思いますし、また、先ほどのミロクという会社のお話も私はもう大変印象深く聞かせていただきました。
 外国人の持ち株比率が急速に高まっている、これはまさに日本の経済がグローバル化されているという中で、グローバルな市場の中から一定の評価を得つつあるというような面が私はやはりあるのだと思います。そうした点が、日本経済、さらには日本の経済の生産部門を担う企業の将来に対する期待が高まっているということの一つのあらわれであろうかと思います。
 この持ち株比率の上昇のスピードがどうかというような御議論もいろいろあるというふうに承知をしております。今、二階大臣が御指摘くださいましたように、十年、十一年、十二年ごろから比べますと一一%ポイントぐらい高まっているというお話であったと思いますが、これは小泉内閣になる以前からかなり高まり始めて、そして近年も高まっているということであろうかと思っております。
 その意味では、日本経済に対する海外から見た信頼を高めていただくということ自体は、これはやはり重要なことであろうというふうには思っております。その中での、きょう委員御指摘の政治のあり方も考えていかなければいけない重要な節目であると認識をしております。
○山本(有)委員 さて、それじゃ、今後、ここが天井だということであれば、必ずしもこの主たる構成員の概念を変更したり法改正をする必要はないのかもしれません。しかし、これ以上にもっと外国株式持ち株比率というのが高まっていくならば、およそ日本の大事な企業のほとんどは政治と関係いたしませんというようになるわけでございます。
 その場合、今後の展望について、竹中大臣、なおこういう持ち株比率が上がるのかどうか、それについて何かお考えがあれば。
○竹中国務大臣 所管ではございませんので、明確なことを申し上げられる立場ではございませんが、先ほど、日本に対する期待や評価が高まるという方向にあるということ、そして、そのこと自体はやはり拒むべきではないだろうというような趣旨のことを申し上げました。
 その意味では、改革を続けて日本の将来に対する期待をさらに高めていただいて、そして、日本からも海外に投資するし、海外からも日本に投資をする、そのような状況が続いていくであろう。それがどの程度のスピードかというのはなかなか難しいことではございますが、グローバル化の中でそういう方向が進んでいくというふうに考えるのは、これはやはり自然な方向ではないかと思っております。
○山本(有)委員 IMFの調べでは、二〇〇〇年でありますけれども、英国の直接投資、つまり海外から英国内に投資される、GDP比で考えますと、日本を一とした場合、英国は三十倍、アメリカも三十倍弱。つまり、今からおよそ英国、アメリカ並みに日本も直接投資を招く、そして、先ほど二階大臣が言われたように、対日投資促進プログラム、総理が座長であって二階先生、竹中先生頑張っていらっしゃるということであれば、なおこれはどんどん、恐らく近い将来直接投資が日本に入ってきて、いわゆる外資の所有者比率というのは、今考えるともっとすごい傾向になってくるわけでございます。そう思うにつけ、私は、早くきちんとしなきゃならぬなということでございます。
 どういうことがきちんとということになるかといいますと、二階大臣はWTO、あるいは谷垣大臣はG8あるいは連銀の総裁や財務大臣会合、外国で頑張っていただいております。特に、きのうの新聞で、国際収支、去年日本は今までで最高の十一兆三千五百億円というような数字も見られているわけでございます。そう考えますと、私ども、二階大臣が国内企業を守りグローバル企業に対して頑張ってやっていくことが、さっきのミロクではありませんが、この国の利益になる。
 例えば、経団連の調べによりますと、日産自動車というのは外資が六四%でございます。六四%というと、さっきの解釈では、日本企業だけれども外国の手先で、日本の政党に献金を受け込んだ場合、日本の政治家は外国に利するようなことをやるのが出てくる、不届き者がいるはずだ。だからこういったことを、李下に冠を正さずということで日産からは絶対に金を、寄附をもらってはだめだというこの条文でありますが、逆に、自動車分野で考えれば、自動車摩擦、自動車における摩擦、通商政策においては、この日産だって、従業員は日本人です、工場も日本にあります、日本で法人税も払っております、こういった人たちを無視して、二階大臣は、彼らは外国の手先だと言い切れるのかどうか。むしろ、それは守るべき対象であって、政治資金規正法の方がおかしいのではないか、こういう観点ではないかというように思いますが、二階大臣、通商政策の御苦労の中からどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
○二階国務大臣 先ほどから議員御指摘のとおり、次第に経済は国際化し、お互いの国境を越えた経済の進展がなされておるわけでありまして、WTOの問題につきましても御指摘がありましたが、先般もシンガポール、マレーシアの経済連携協定やベトナムとの投資協定の締結などが進んでおる中でありますが、私どもは、そうした国際化の流れの中で、日本の経済がいかに足腰を強くしていくかということを同時並行でやっていかなくてはならない。これからの日本の経済を伸展させていくためには、国際化の分野と地方、中小企業にいかに力を入れていくかということであります。
 少し余談になるかもしれませんが、きょうは、実は中小企業の視察のために、自民党の武部幹事長以下有力な国会議員が大田区の中小企業を御視察いただくということであります。次第に議員の皆さんの目も、中小企業、地方に目を向けていただいていることは大変ありがたいことでありますが、同時に、国際化ということ、この視点を忘れてはならない。あわせて考えていくことが私どもの使命だと思っております。
○山本(有)委員 グローバル市場になって活躍してくれる勝ち組、そしてそれが厳しい負け組、しかし、勝ち組がいるからこそ、我々は、税収が上がるし、また雇用もあって、そして我々も日本国民として平和に暮らしていけるというようなことがあるわけでございます。そのときに、これから中国市場十三億人、インド市場十億人近く、そういったものに対して、私は一つの危惧を持っているわけでございます。
 中国に去年行きましたときに、中国における携帯電話の市場の中で、日本製携帯電話のシェアがわずか三%ぐらいしかない。普通考えれば、自動車においてもあるいはデジタル家電そのほかにおいても、隆々たるこの日本の誇るべき企業の製品でありますけれども、何でこれほど小さいのかなと。何人かに聞いてみますと、やはり各国とも、政治が、政府が企業と一緒になって、どんどんその市場についての環境を整備してきている。例えば、中国で一番のシェアを誇るのがノキア、そういうような北欧の企業についても、北欧ですら政府も営業に来るわけでございます。
 そんな時代にあって、政治とお金、そして企業と政治、この秩序ある関係というものを清らかに清らかにという観点から、二十二条の五、確かに麗しいことでございますが、さて、相手がいるんです。マーケットというのは相手がいるんです。中国あるいはインド、そのほかの地域、アジア市場、これからのことでございます。我々としましては、二階大臣にもっと頑張ってもらいたい。
 そういう中で、法制上、外国の手先として日産自動車なんかが位置づけられることは、私はおかしいのではないかなという素朴な疑問がございます。その意味において、今後、薄型テレビ、自動車、こういった分野で、日本企業が中国市場でシェアを獲得するに当たってどんなことが課題であるか、二階大臣にお聞かせいただきたいと思います。
○二階国務大臣 国際的な事業展開を行う我が国の企業にとって、成長著しい中国の市場というものは、極めて重要な市場だと考えております。御指摘の薄型テレビや自動車の分野におきまして、我が国企業が中国市場で直面する課題として、市場ニーズに合った製品を投入することはもちろんでありますが、部品の調達や流通網を整備すること、さらに、デザインをどうするか、商標などの面でどう対応するか、さらに、模倣品の対策を講じることがこの分野におきましても大変大事なことであります。
 こうしたビジネス上の課題を円滑に解決するために、経済産業省としましては、御承知のとおり、知的財産権保護の徹底やWTO加盟時の約束内容の着実な履行を求める、中国政府に対してこのことを機会あるごとに主張しておるところであります。
 我が国企業の中国における事業環境が改善されるように、今後とも全力を尽くして支援してまいる所存でありますし、ただいま携帯電話のことにつきましても御指摘ありましたが、私は、この分野につきましても、相当政府としても踏み込んで研究していく必要があるというふうに認識をいたしております。そして、日本の携帯電話が海外で通信することができない、あるいは海外の携帯電話なら海外ででも使える、そういうふうなギャップも今出てきておるわけでありますから、そうした面をどう改善していくかも研究の余地があろうと思っております。
○山本(有)委員 商法の世界で、企業はだれのものかという議論が始まりました。
 我々は今まで疑いもなく株主のものというように言ってまいりました。昨今の株式投資を見ておりますと、単なる投資、定期預金よりも利回りが高いからで投資されている方々が企業の所有者という意識があるのか、あるいは空売りだとか巨大な資金でもうけようという投機的な筋、あるいは外国から来るファンド、こういったものが本当の意味で企業の所有者なのか、そう考えると、私どもは株主ということだけでいいのかなというように思います。
 労働組合という存在もございます。では、もっと、労働組合の皆さんが企業の持ち主だ、主体だ、こう位置づけられたときに、さっきの政治資金規正法二十二条の五の主たる構成員というのは、労働組合員の過半数がと言っても過言ではありません。そう解釈はなるわけです。
 そして、さらに、従業員所有説。これは、経団連の奥田会長はまさに、株主のものじゃない、従業員のものだと言っておられるわけでございまして、そんなことを考えましたら、じゃ債権者なのかもしれないというように、どんどん概念は展開していくわけでございます。
 固定的に考える必要はありません。要は、国益を中心に、この国がどうやっていったらいいのかということを我々は議論しなきゃならぬわけでございます。その点において、企業活動というものを余りにも縛り過ぎて、角を矯めて牛を殺すということにならないように私は念願するところでございます。
 今、企業というのは巨大で、個人は太刀打ちできません。PL法でも何でも、それはそう思います。しかしながら、企業としましても、例えば法人税を払い、法人関連の税制はたくさんあり、倒産法制もあり、雇用の面の法制もあり、あるいは、合併、分割、営業譲渡、こういったものもございます。
 企業というのは我々の生活から切り離すこともできません。昔は三C、カー、クーラー、カラーテレビ、これが人生の目的であった時代もございます。文化でございます。ウォークマンを耳につけて歩いた十年前、二十年前もございます。そう考えていくと、企業が政治的に物が言いたい、企業が政治的に応援したいということまでも全部だめよとすること自体の方がおかしいのではないかという観点を私は持っております。
 皆さんに与野党問わずこの議論を深めていただきまして、日本国が国益を損することのないようにお願いを申し上げ、質問を終わるところでございます。
 ありがとうございました。
○大島委員長 これにて山本君の質疑は終了いたしました。
 次に、三原朝彦君。
○三原委員 おはようございます。三原でございます。
 山本さんの雄弁の後で、なかなか気合いを入れてやるというのは大変でございますけれども、頑張って久しぶりに質問をしたいと思っています。
 実は、二年数カ月前、十五年の暮れに、私やっと七年ぶりに国政にカムバックしてきまして、すぐ与えられた職責がイラク特の委員というか理事でありまして、当時の防衛庁長官、石破長官、その前の長官だった中谷先生が筆頭の理事ということで、皆さん御承知の、例のイラク特措法をつくり上げたのであります。
 そのときに、私ども与党は賛成しました、もちろん。その中の賛成者の一人として、それ以降、オーバーでも何でもありません、毎朝起きたら、現場に行っておる自衛官の諸君に、何ら大過なくきのう一日終わったか、御苦労さんという、そんな気持ちで過ごしてきました。今私はテロ特・イラク特の委員長の職責というのも与えられまして、その感をさらに深くするわけでありまして、今度はもっと、インド洋に行っている海上自衛隊の諸君にも、何の問題も起こらずに日々送ってくれておるか、こう思っておるような次第でもあります。
 つい昨年の十二月の半ばに、委員会の国内視察で、イラクに行った陸上自衛隊の諸君、クウェートに駐在してきた航空自衛隊の諸君、そしてまたインド洋に行ってきた海上自衛隊の諸君にも会ってきて、現場の苦労話なども聞かせてもらいましたけれども、どうも時がたつと、あのときの緊迫した状況から、日々のことを、毎日同じようなことをやっていますと、ついつい我々緊張も緩みがちかもわからないと思いまして、この機会を得て、いま一度あの当時のことを思い出して、派遣したときの意識を再考してみたいな、こう思っているわけであります。
 あのときには、国連の決議があったわけでないけれども、我々は、アメリカからも要請もあった、ショー・ザ・フラッグということもあったし、国際関係では安保理の決議で一四八三というのがありまして、その中で、国際社会が団結してこのイラクの復興支援に取り組もうじゃないかということを議論した中で、そしてまた、ああやって悲惨な状況にあるイラクの現場の人たちに対する人道支援、復興支援をすることは地球人として当然だという意識もあったでしょうし、また、我が国にとって、イラクは、イラク及び中東地域の安全というのは、何といっても八割五分以上のオイルがあそこから来ていますから、その安定基盤があるということが我々の日々の生活の安定でもあるという、そんな状況から、我々は決断した。そして、久しぶりのちょっと混乱した二年数カ月前の委員会でしたけれども、その中で、我々は必要性を感じて派遣を決断した、その特措法をつくったわけですね。
 そして、十六年の正月に派遣の決定命令が出されたわけですけれども、それから二年たちました。私は、あの決定は当然であったし評価しておるわけですけれども、もちろん政府の側におられる外務大臣や防衛庁長官も、それに対して何の心配事もないと思いますけれども、それでも反省する点あたりがあるでしょうか。評価の点に関して、まずはお話をお聞きしたいと思います。
○額賀国務大臣 三原委員には、イラクの問題を初め安全保障問題について深い御理解をいただいておりまして、心から感謝を申し上げます。
 今、三原委員が申された認識は、基本的には同一でございます。日本人、日本の国の立国の基盤というのは、やはり国際社会が平和で安定していることであるということ、だから、世界の混乱とか、あるいはテロとか、あるいは大量破壊兵器の拡散とか、こういうことは食いとめていかなければならないというのが基本にあると思っております。
 イラクは、御存じのとおり、本当に独裁、恐怖政治をしいて、殺人だとか、人民を苦しみに追いやっていたとか、そういう形の中で国連決議があり、我々も、国際社会の一員として、しっかりとイラクが平和な民主国家として再生することに責任を果たしていきたいということが一つであったと思います。もう一つは、三原先生がおっしゃるように、中東が安定していることは、我々のエネルギー資源を依存していることであり、我々の国益にストレートに結びついていることであるということ、そしてまた、テロの温床にしてはいけないということ。
 さまざまな要因の中で、自衛隊に人道復興支援という憲法の枠内で汗をかかせていただこうということで、国会の先生そして国民の理解を得て、この二年間、一生懸命働かせていただいた。イラクの国民、イラクの政府の指導者、こぞって感謝をしております。そしてまた、私も昨年イラク・サマワに行ってまいりましたけれども、生の声を聞いても、国民の皆さん方も、我々が通ると手を振って日本に感謝の声を伝えてくれておりました。まことに感動的な思いでありました。
 そういう意味で、私は、派遣をした根拠、理由、それは正しかったと思うし、国際的な評価、イラク国民の評価も高いものというふうに思っております。
○麻生国務大臣 イラクの復興と民生の安定ということは、これはもう国際社会の平和と安定のみならず、日本の国益にも資するところというのは大前提だったと存じます。
 御存じのように、イラクでは、フセイン崩壊後、いわゆるバース党という政権与党が雲散霧消したような形になりまして、イラク人みずからが行政機構をつくり上げるというような状況にはございませんでしたので、これは国際社会が、いわゆる資金的なものだけではなくて、人的なものも貢献しないとできないという状況でありました。
 したがって、日本としてはこれに人員を送ることになるんですが、いわゆる治安状態は不安定ということでありましたので、したがって自分を守る等々、加えて自己完結能力を持っております自衛隊というものを現地に活動させるということを考えて、それ以外にちょっと主体的にそれができるといういわゆる団体というものを我が国は持ちません。それで、私どもとしては、送らせていただいて、自衛隊による人的貢献とODAをうまく組み合わせてこれまでやらせていただいてきたんだと思います。
 それでは、二年たってどうなったかという評価なんだと思いますけれども、私ども、少なくとも二年前、二〇〇四年の一月に開始をしておりますが、当時、いわゆるCPAと言われる現地の当局だったんですけれども、御存じのように、その後、イラクの暫定政府ができて、移行政府ができて、そして今や、いわゆる総選挙、国全体の選挙が行われて、少なくとも、投票率から見ましても、日本より高い七〇%を超えた投票率を出しておりますので、イラク人の熱意とか、国を復興しようという熱意等々は、おおむね順調に進んでいると思っております。
 また、治安状況というところはいかがなものかということを言えば、現地でイラク人によります治安部隊、治安部隊というか警察機構と言うべきなのかもしれませんけれども、それが昨年一月に十三万人、ことしの二月一日現在二十二万七千という形になっておりますので、今、バグダッド等いわゆる中部の地域と、その西側にあります西部地区、今はいわゆるスンニ派と言われるところの多いところと言われていますけれども、そこの一部に限定されるのがいまだ極めて不安定ではないかと言われる地域になるまで、治安能力というのはかなり上がってきたと思っておりますし、オックスフォード・リサーチが昨年イラクで行った世論調査によりましても、治安状況はよいと答えておりますのは六一%になっておりますので、昨年二月に行いました同調査の四九%より一二%上がってきておるというのも事実であります。
 したがって、復興につきましてはまだ道半ばとは存じますけれども、少なくとも、国連と世銀の共同運営による信託基金等々がスタートをしようというような形になっておりますので、今後の治安の維持というものがきちんとでき上がりますと、復興のプロセスというものはかなり見えてくるのではないかと思っております。
 私どもとしては、ここは、中東の地域から私どもは石油のほぼ九割近くを輸入しておる現状を考えましたときに、このイラクを含みます中東地域のいわゆる政情不安がなくなって安定するということは極めて大きな要素だと思っておりますので、今後とも、このイラクという国が安定した民主国家として、開かれた国として復興していきますことに、我々もいろいろな形で、支援できることは支援をしてまいりたいと考えております。
○三原委員 今、麻生大臣から治安の面でもるると説明がありました。確かに、調べてみますと、二千名以上のいろいろな国の、米軍が一番多いんですけれども、亡くなっておりますけれども、ありがたいことに我が国の自衛官の諸君には何の被害もないという状況ではあります。
 それにはもちろん、例えばムサンナ県あたりは、今は英軍と豪州軍が治安を守るようにしてくれているし、私はまだイラクには行かせていただいていないんですが、もちろん自衛隊諸君も、常にそのことに関しては怠りなく努力もしておるということを聞いておりますので、一安心は一安心なんでありますけれども。
 二年数カ月前にイラク特措法をつくったときにいろいろ問題提起された中の一つの大きなのは、治安といいますか、国際平和協力法の中での例の五原則というのがあります。あれは、国と国とが争っておって、それで停戦合意があるかとか、我々が行って中立でいられるかとか、五つの原則がありました。それから類推してイラクでも、イラクは一応、自衛隊が行っても安全である、人道復興支援をやれるんだということで我々は出したんです。もちろん、あのときには政府側の答弁で、自衛隊が行くから安全だというようなおもしろい意見も言われて、こっちもちょっと、ううんと思ったりもしたことはあったんですが、ありがたいことに、この二年数カ月は、現実として十二分に活動はできておるということがあります。
 その中で、次に、そこでもやはり二年数カ月前に議論になったのは、出口論といいますか、ではいつ引くことができるんだ、いつになったら自衛隊は人道復興支援の職責を全うして戻ってくることができるんだろうか、こういう議論がありました。
 あのときに石破長官が答えられたことは、ちょっと読ませていただきますと、これは十六年二月の参議院イラク事態特での当時の石破長官の話ですけれども、ニーズの面と安全の面と、両方で自衛隊でなければならないということが解消したときに戻ってくるんですよと。そして結論として、治安の状況とニーズの状況、両方の相関関係によるものでございますので、確定的なお答えをするのは難しいかと思います、こういうことで答えが言われたんですね。
 二年数カ月たちました。石破長官の治安の状況というのは、我々は何にも心配せずにおられる状況ですけれども、ニーズの状況ですね。ニーズの状況が、麻生大臣が今さっき言われたように、自己完結型で行って協力してやった。しかし、いまだにそのような状況であるのかどうか。それとも、少しずつ転換していって、自衛隊でなくても民政の方でいろいろなことができるような方向性というのがほの見えしておるのかどうか。その点を今から少し議論もしたいと思っております。
 イラク人道復興支援措置法の基本計画の改定のものが平成十七年十二月の中であって、それの追加の中で、現地の治安に係る状況とか、また英軍及びオーストラリア軍を初めとする多国籍軍の活動状況及び構成の変化など諸事情を見きわめて、現地の復興の進展状況等を勘案して、これから先の自衛隊の部隊の活動はやりますということも、つい数カ月前ですけれども、政府の発表でもあっておるんですね。
 そこで、どうでしょう。復興の進展状況、政治プロセス、今麻生大臣が説明されましたように、去年の十二月に選挙もやりました、一月に明確なその選挙の結果も出て、そして今から先、新しい政府もつくろうとしています。まだがっちりと固まってはいませんけれども、その政治プロセスの進展状況も前向きにいっておる。治安情勢も、ありがたいことにいい。それで、国際社会の取り組み、これから先は国連を中心にしたいろいろな作業も入ってくるでしょうし、またNPOあたりも入っていくかもしれません。
 そういう状況、入っていって、新たな展開という可能性は大いにあるんだろうかどうだろうか。そのときが実は自衛隊が撤収する場面になるんでしょうけれども、その面での政府の見方といいますか、現在の見方。復興の進展状況、政治プロセスの進展状況、治安情勢、リプレースされる国際機関の準備状況、こういうのを勘案してみて、どうでしょう、政府は、いかようにこれから先、対応を。時系列的な、より具体的な方向性あたりはあるんでしょうか。麻生大臣にお聞きしたいと思います。
○麻生国務大臣 この種の話は、撤収、撤退時期が最も難しい、その手法も同様に難しいものだと思っております。
 今、簡単に言って、十二月の十五日に選挙が終わって、まだ正式に政府がきちんとでき上がったわけでもありません。まだ協議が開始されているというような状況でもありますので、今のこの時期に、活動の終了時期についてあらかじめ決めるというような状況にはないと思っておりますが、基本的には、まず、今三原先生御指摘になりましたように、政治のプロセスが今どうなっておるのか、どこまで来ているのかという政治のプロセスの進展状況。
 それと、イラクのいわゆる治安部隊というものに対して、治安を維持する隊に対して米軍等々からの権限の移譲、いわゆる治安の権限に関する移譲等々がどういうぐあいなところまで来ておるのか。少なくとも十三万が二十二万まで来ておりますので、そのように出ているんだとは思いますけれども。
 それから、ムサンナ県におきます英軍並びにオーストラリア軍というもの、いわゆる多国籍軍等の活動状況とその構成内容の変化というものが三つ目、見ておかないかぬところだと思います。
 そして現地の復興状況というもの、四つをよく勘案してこれは考えていかないかぬところだと思いますが、いずれにいたしましても、今直ちに、この時期に、どういうような時期に撤退をするかというような、あらかじめ申し上げられるような状況にはございませんとしかお答えのしようがございません。
○三原委員 いろいろなマスコミ報道あたりですと、イギリスあたりの外務大臣も、彼らが職責を持っている治安の方でも安定してきたから、少しずつ減らしていくみたいなことも言っていますし、他の国もそういうことを言っています。
 私の希望するのは、我が国が自衛隊を国際平和協力法のもとで出して、カンボジア以来、ありがたいことに、幸運にもというんでしょうか、何の被害もなく今日までずっと来ておりますので、その記録はやはり何とかして続けていかにゃならぬ。何も我々は戦に行っているわけじゃないんですから。政治の決断で我々は出したわけですから、行った現地の者を不幸な目に遭わせることのないように、我々の代表者として行った者に。そのことだけは政治家一人一人が常に念頭に置いて政策決定しなきゃいけないものだと思っております。その面では、麻生大臣、額賀大臣、その衝に当たっておられますので、私が申すまでもないことと思いますが、常に拳々服膺をお願いしたいと思います。
 イラクの将来ですけれども、我が国がイラクの将来に対して思い悩んだところでどれだけのことができるかということになるかもしれませんけれども、しかしながら、少なくともムサンナ県では、学校の修復だ、病院だ、道だ、そして、つい先日、無償で火力発電所も提供するようなこともやってきました。やはりこの二年有余の歩みというのは、我々は、我が国自衛隊の活動を十二分に誇っていいものだと思っております。
 その中で、少しずつですけれども、暫定の政府ができて、選挙もやってできてきた。どんなイラクを望むか。まさか、だれもが再びサダム・フセインが起こるようなあんな国を望むわけない、それはもう言わずもがなでありますけれども。ところが、選挙の結果が出てきましたら、一番多く票をとったところは、我々やアメリカが望んでおった世俗派じゃなかったんですね。シーア派の、どっちかというと宗教色の強いところがとった。その次は、フェデラリズムじゃないけれども、できることなら自治権をたくさん持ちたいという、キルクークあたりの石油の出るところを持っているクルド人がやはり集まってきて、とっちゃった。
 しかし、あの選挙で救いは、少なくとも少数派のスンニ派も参加して、そして選挙をやったという、これはやはりイラク人の英知を評価すべきだと私は思っておりますが、それは確かに我々にはイラクに対して政治的な意味でのコミットメントはなかなかできないかもしれないが、それでも何かの形で、今言った人道支援、復興支援の自衛隊的な援助だけじゃなくて何か政治的な意味で、これから先もちゃんと我々は見守っておるから、デモクラシーのきいている社会になってほしい。なおかつ、宗教がまず一義的でというものから、少なくとも宗教も尊重してください、宗教に対して我々が何も言うものではないけれども、しかしながらその中で民主化された国家をつくってほしい。
 例えば、よく言われるのは女性の地位ですね。女性の地位あたりは、イスラム社会に行くと全くもって評価が薄い。ところが、アフガニスタンなんか見てみますと、女性の地位といいますと、当たり前なんですけれども、それをどんどん社会に出されることによって、今アフガニスタンの復興というのは物すごくエネルギーを与えられているという話を聞きます。
 もともと、フセイン時代でも女性の地位というのはイラクでは結構高かったと聞きますよ。それが今度、イランの影響のシーア派が出てきて後退するようでは、私は、民主化のプロセスというのがずっとおくれるんじゃないか、そういうことも危惧するんですけれども、我が国の今言いました人道支援、復興支援活動及びアメリカやイギリスがやっておる治安活動以外に、何かそっちの方面で、社会づくりの面で我が国がサポートできるような、そんな活動は考えられませんか。その点について、私は麻生大臣にお聞きしたい。
○麻生国務大臣 女性の社会進出についての御質問があっておりましたけれども、調べてみますと、今国会、今の国会で二百七十五人中八十六人、三一%、世界十七位、中東では第一位ということになっておりますので、これは日本の国会よりはるかに女性の比率は高い。
 新国民議会の方につきましても二百七十五人中七十人ですから、約二五%ということになります。これは多分、アフガンが一番と思いますので、アフガンに次いで二番ということになるんだと思います。
 女性の閣僚数、三十三人中六人ということになってもおりますので、こうやってみますと、イラクの中においては随分、女性の社会進出というのは結構な形で出てきておるんだと思っております。
 能力のある人がいろいろな形で社会に進出をしてくるというのは、これはいいことなのであって、私どもは、その国がそういったものを受け入れるような形で、今少しずつ確実に変わりつつあるかなという感じがいたしております。これは余り急激にやりましても社会の方が対応できなかったりいろいろするのが世の常ですけれども、少なくとも、今、イラク、アフガン等々においては、そのような形での女性の社会進出というものが、ゆっくりではありますけれども確実に進みつつあるというように理解をいたしております。
○三原委員 民主化の一つのシンボルは、古い社会の中でふだんは虐げられているといいますか、そっちの側の女性の地位の向上というのが一つのバロメーターになりますから、その面では、私は、今、主導権を握ろうとしているシーア派あたりがそれを後退しないようなことを、我が国政府がどれだけできるかという問題はあるかもしれませんが、国際社会の中で常に見守っていってということが必要だと思いますので、その面では政府のさらなる力添えを期待しておる次第であります。
 ところで、額賀大臣、もう二年ほどたちましたけれども、自衛隊が出ていって、国民の血税を使って、かなりの場面があると思うんですよね。延べ人員からいうと、今もう八次が帰ってきていますが、一度に六百人が八回行って、今度九次ですね。そういう人たちの行く費用だけでも、それはやはり厳しいこの経済状況の中でもやっているわけで、もちろん、イラクの民主化から比べれば、そのコストというのは問題になるようなものじゃないと言われるかもしれません。しかし、それは国民の血税ですからね、我が国の国民の血税。血税でやっている以上は、やはりそこのところは今一遍国民の皆さんに、これだけ皆さんの税金を使っていますよというところも明確に示すことは大切だと思うんですね。
 なおかつ、私は同時に思うことは、我々の代表者で行って、五十度も六十度も暑いところで、それは三カ月といえども命じられて行っている隊員たちにとって、少なくとも彼らが心身ともに健康で、十二分に職責を全うできるような、そんな設備や制度も必要だと思いますよね。そういう面でも、かかった費用というのはそうそう少ないものじゃないと思いますけれども、その面での、これから先もっとこういうことが必要だとか、この面ではもっと抑えるべきだったというような、何かそういう反省点みたいなものがありましたら、次のまた我々が活動しなきゃいけないところに対して一つの勉強になると思うんです。
 今まで使ってきた費用と、それからの反省みたいなものがありましたら、一言お話しいただきたいと思います。
○額賀国務大臣 今まで二年半、自衛官が行って現地で人道復興支援対策をしてきたわけでありますが、おっしゃるように、道路をつくったり、医療設備を新しくしたり、あるいはまた水の供給をしたりしてきたわけですね。
 サマワの母子病院では、乳幼児の死亡率が最高時の三分の一に激減をしているということ、それから、水の供給はもう既に自衛隊が仕事をしているのではなくて、現地の企業の皆さん、現地の皆さん方がみずからの力で仕事をしているというふうにして、自衛隊は、みずからが仕事だけを行うのではなくて、行政の皆さん方のニーズを聞き、あるいはまた行政マンにいろんな指導を行ったり、あるいは現地の企業を雇って仕事をさせたりしているわけですね。
 だから、ただ費用対効果からすれば、人的なそういう教育というか教化というか、あるいはまた指導、そういうふうに仕事だけをするのではなくてソフト面でも相当現地の方々に残していること、それから実際にそういうインフラ整備をきちっとやっているということ等からすれば、私は、決して無駄ではなかった、正しく評価していいのではないかと思っております。
 もちろん、私も長官に就任をして、三原委員と同じように、陸自六百人、空自二百人が安全であるのか、無事でいるのか、これはもう毎朝毎晩、考えない日はないわけであります。だから、彼らが安全をどういうふうに確保しているかということは一番大事なことであります。私は、安全を確保するために金目を惜しんではいけないというふうに思います。
 したがって、宿営地の中の安全、それから地域の住民との接触、地域の指導者との関連、そういうものについて十分なる裁量を持たせて仕事をやらせるのが私の仕事であるというふうに思っておりますので、三原委員にぜひそこのところは御理解をいただきたいというふうに思います。
○三原委員 私は、もうそろそろイラクも、我が国を含む外国の人たちが行ってお手伝いをする場面は終盤に近づいてきたんじゃないかと思います。
 もともと、かなり開けた国だったんですからね。サダム・フセインが余りにも軍事費に金を使って、日に百五十万バレル出るようなオイルのお金をそっちに浪費しちゃったからああいうことになったんですけれども、もともとは、少なくとも、先進諸国と言わないでも中進諸国ぐらいのある意味での実力があったんですから、早くその日が戻ってきて、自助の力で国がどんどんと開けていくことを私自身も心から望んでおります。
 ちょっと話題を変えまして、麻生大臣、イラクがそういういい方向に行っているなと思いましたら、隣の国が、アフマディネジャドさんなんという、ちょっとわけわからぬと言うと怒られますけれども、そういう人が、だって、あれだってやはり選挙で大統領になったものだからしようがないですね。いやいや、北朝鮮だと、あれはもう一種の封建国家みたいなものだから何だって言えますけれども、こればかりはアメリカは文句言えないですよね。大統領選挙をやって、みんなが国民投票したら勝っちゃったから。その人がなかなかきついことをやるものですから、困ったことだなと。あの地域のまた新たな火種になりつつあります。
 まして、けちなことを言うようですけれども、我が国はあそこでアザデガンのオイルを掘らせてもらう権利ももらったりして、なおかつ、我が国のオイルの一割五分が来ているんですからね。これはやはり大変なことですよ。
 その国が、NPTの中で、NPTの四条を盾にとって、自分でちゃんとやって開発するのまで別に、平和利用なら何も問題ないでしょうというようなことを表向き言うわけです。
 ところが、その陰では、どうもやはりいろいろなブラックマーケットから核爆弾をつくるためのいろいろな装置も入れているようだという話もあるし、きのう、きょうの新聞を見ていますと、とうとう自分たちで例の遠心分離機をやり始めると言って、やっちゃったと言い始めたというんですね。そうすると、やはり消極的であっても、そうそう大きくしないでと言っていたロシアや中国までが、いや、ちょっとそれは困るよと。
 三月六日には、今度は国連で、安保理で話を始めようかなんということになっているようですけれども、つい数日前の新聞に、日本国が招聘して、向こうの外務大臣を麻生大臣が招かれて、何とか考え直せという議論を始めようという予定だというようなことを書いてあったんですけれども、麻生大臣、イランの核開発に対する我が国の断固とした決意みたいなこと、そしてまた、向こうの外務大臣が来るであろうときに明確な意見を述べていただきたいと私どもは心からこいねがっておるんですが、その点に関しての御意見をお伺いしたいと思います。
○麻生国務大臣 このイラン、イラクというのは、これは日本語では一字しか違いませんけれども、ペルシャ人とアラブ人で人種が全く違うのは御存じのとおりで、隣の国といったって、シャトルアラブという川、チグリス・ユーフラテスが一緒になってシャトルアラブという川になるんですが、この両岸では、歴史も違うし、言語も違うし、人種も違うしというぐらいに全く違うところで、もともと、パーレビーシャーにさかのぼって仲はよくないという国になっておりますので、遠い中近東の国で何となく一くくりにしがちですけれども、これはなかなか難しいところであります。
 おまけに、パキスタンともつながっておりますし、アフガニスタンとも国境が接しておりますし、いろいろな意味で、私どもにとりましては中近東の一番すぐそこにある国というぐあいに理解をしておかないと、この国は少しほかのアラブの国とはまず違うと存じます。
 おまけに、ここは人口も結構、イラクの三倍ぐらいの人口があります。また石油の埋蔵量も、先ほど御指摘のありましたとおりに埋蔵量もでかいし、日本といたしましても、輸入しております石油の約一四%ぐらいはここから輸入をしておりますので、正直、この国がどうなるかというのは、これは日本にとってはかなり大きい。ほかの先進諸国は、ここから石油を輸入している国が少ない。そこらのところが、日本にとりましてはちょっとほかの先進諸国と同じようなわけにはいきません。
 幸いに、このモッタキという人は、一九九五年から九九年まで日本で駐日大使をしておりました。その関係で、この間、電話もしていろいろ話をしておりますけれども、ぜひ日本に来たらという話をして、今回来ることになりました。
 いろいろ話をしませんと、あなたのところに入っている情報は、情報が何となく偏っておるのではないかと。国際社会のイランに関する意見を、どういうような情報をあなたが持っておられるのかは知らぬけれども、我々が得ている話は極めてきつい。IAEAから、当時、国連に上げる、上げないの騒ぎになっておりましたけれども、これはこのままいったら一〇〇%上がります、そういう状況でもありますので、ぜひそこらのところを理解しておかないと、ただただ何となく、このままごとごといったら何とかなるのではないかというようなことはないと。
 したがって、ぜひそういった意見交換をさせてもらうと同時に、いろいろここは、石油が困って将来の原子力なんといったって、今石油の埋蔵量は二番ですから、今そうやらねばならぬという状況にないことも確かなんだと思いますので、今、各国からいろいろ提案がなされておりますので、そういった提案も、これは真摯に検討してみる値打ちがあるのではないか。
 そういった意味で、濃縮の過程を他国にやってでき上がった製品だけとか、いろいろな提案を皆しておりますので、そういったものに関して、これはまゆにつばをつけて聞く話ではなくて、日本の場合はいろいろな意味でほかの国と少し立場が違いますので、そういった意味では、少しおれたちの話も聞いてみたらどうという話をしてみなきゃいかぬところで、何となく両方とも構えておりますと話がなかなか通じませんので、モッタキという人は幸いに日本にいた経験もありますので、そこらのところはよく話をして、少なくともそういう地域の安定というのは、イラクが終わったら次はまたイランなんというのではこっちも忙しいので、そこらのところはうまく落ちつかせるようにいたしたいと思っております。
○三原委員 確かに、麻生大臣言われたように、何かイラン人というのはアーリア民族でプライドが高いんだそうでありますけれども、しかしながら、やはり宗教はイスラムで、イスラムのグループに一緒に入っているからこそ、あのアフマディネジャドみたいに、地球上からユダヤの国を消しちゃおうとか、過激なことを言ってみたりするわけなんです。
 私がいま一つ危惧するのは、これでイランの核開発、核兵器の開発を抑えられなければ、我が国は隣に北朝鮮を持っていますから、北朝鮮の方が、イランができてどうして私にできないのかなんということにでもなると、それこそ大変なことになります。だから、ここはやはり、パキスタンとインドはNPTから外れておいて勝手につくっちゃった、これも本当は我々にとっては大いに危惧するところなんですけれども、これから先、それをふやさない、NPTに入っているグループの中で絶対にそういうことをさせない、しないというためにも、これは断固とした決意でやってもらいたい。
 そうでないと、それが東アジアにまで飛んできてということになると、これは我が国にとって、それこそ今までの安全保障とか防衛の意識をもう一遍考え直さなきゃいけないなんという、より平和の方向に行っているところが何だか変な方向に行っちゃうと大変なことですから、その面では、言わずもがなですが、こっちを見ながらこっちのことも大いに関係しておるということも御理解いただいて、結論として、イランは核兵器の開発にはいかないという結論を得るように、私は、これから先の大臣の活動を心からお願い申し上げたいということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○大島委員長 これにて三原君の質疑は終了いたしました。
 次に、田端正広君。
○田端委員 公明党の田端正広でございます。三十分時間をいただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
 最初に、先般の秋篠宮妃紀子様の御懐妊のニュースというのは、大変喜ばしい、またビッグニュースであったと思いますが、実は、このニュースでテレビ報道されたコウノトリのことからまずお伺いしたいと思います。
 幸せを運んでくるというコウノトリが本当の幸せを運んできたなというふうに私は思っておりますが、実は、一たん一九七一年に絶滅して、それから三十五年後の今日、ソ連から六羽もらったコウノトリを今は百羽ぐらいにふやしまして、豊岡市、兵庫県が一生懸命育ててきたというのは、これはすごいことだと思っております。私も昨年行ってきましたけれども、これは両翼を広げますと二メートルぐらいのすごい鳥でありまして、ツルによく似ていますが、非常に迫力があると思いました。実は、こういう絶滅したものをもう一回戻すというのは、これは並大抵じゃなかったと思うのですが、地域の人たちの協力でここまで来た、それが今回のビッグニュースに重なってテレビで放映された、そういうことで、地元でも、またいろいろなところでも関係者から喜ばれているわけであります。
 環境大臣、二〇〇二年に自然再生推進法という法律ができております。これは、環境省と農水省と国土交通省の共管で、自然をもとに戻すという法律、そして、三省が総合計画に基づいて認知すればきちっと財政的バックアップをしましょう、こういう法律だと思います。しかし、コウノトリをここまで育てた豊岡市は、その先を行ってしまって、法律より先に既にこういうことをいろいろな皆さんの協力でやったわけでありますが、井戸知事とか中貝市長にも私、せっかく法律があるんだから、法律の適用も受ければもっといい方向に行くんじゃないですかということで申し上げておりますけれども、ぜひ前向きに検討をしていただいてと、こう思います。
 せっかくですから、ことしの歌会のお題が「笑み」ということでありましたが、秋篠宮殿下が、
  人々が笑みを湛へて見送りしこふのとり今空に羽ばたく
というのが宮殿下でございます。紀子様は、
  飛びたちて大空にまふこふのとり仰ぎてをれば笑み栄えくる
いずれも、コウノトリを題材に笑みを入れているわけでありまして、本当にそれが国民的な笑みに今つながっているんだと思うわけであります。
 どうぞ大臣、このせっかくのチャンスを、この法律に基づいてさらにコウノトリを育てていこうという、そして自然再生をなし遂げていこう、こういう方向で御検討いただいたらどうかと思いますが、いかがでございましょう。
    〔委員長退席、森(英)委員長代理着席〕
○小池国務大臣 このたびの御慶事によりまして、改めてコウノトリが注目されているところでございます。また、豊岡市は、長年にわたりまして、古くから、昭和三十年から、コウノトリの保護活動を組織化されて、これまで取り組んでこられました。また、地元の自治体、市民団体を中心として、その活動に際しても心から敬意を表したいと存じます。
 また、こういった地元におけます関係者の協力関係が確立されていたということで、今御指摘ありましたように、自然再生推進法に基づいての自然再生協議会などをつくったらどうかという御提案だと思うんですけれども、ある意味でもう確立されている部分があるので、どういうふうにうまく今後支援ができるのかということについては、昨年九月の試験放鳥の成功というのもそういったものが母体となってできているということでございますので、こういった息の長い活動が続くことが期待されておりますし、それに伴いまして、地元の意向を尊重しながら必要な支援を積極的に行ってまいりたいと思っております。
 また、現地の方からお招きもちょうだいいたしておりますので、私も一度見てまいりたいと思っておりますし、何よりも兵庫県でございますので、しっかりと対応させていただきたいと思っております。
○田端委員 ぜひ、兵庫県出身の大臣としてよろしくひとつお願いしたいと思います。
 アスベストの問題についてお伺いいたします。
 私も、与党のアスベスト対策PTの一人として法案の作成等にいろいろとかかわってきた人間でありますが、そういった意味で、今回、この救済法と除去法、アスベストを除去する法律、そして補正予算、これらが成立したということは大変画期的な出来事だと思っております。これだけ昨年の六月に大きな話題になって、半年でここまで法律と予算とが成り立ったというのは、これは今まではなかったような画期的なことではないかなと思っております。
 実は、このアスベストというのは、非常にすぐれもの、すぐれものはすぐれものなんですが、魔性的すぐれものといいますか悪魔のすぐれものといいますか、耐熱性が非常に強いとか、耐火性があるとか、電気の絶縁性があるとか、防音性も強いとか、引っ張りにも強いとか加工もしやすい、あるいは摩擦にも強いとかといって、そういう性格はあったんですが、しかし、これが一たび人体に及ぼす影響というのは、もう命にかかわる大変なものであるということ。しかし、非常に複雑なことは、この潜伏期間が三十年から四十年というそこが厄介であったと思います。そして、発病したらもう一、二年で命にかかわる、こういう悪性の強いものでありますがゆえに、今回大きな社会問題にもなったわけであります。
 それで、今回の法律等、非常になかなかよかったと思いますが、例えば、周辺住民の患者に対しても月々に十万円の医療費、療養手当、あるいは、周辺住民の亡くなった方の遺族に対して特別弔慰金として三百万円という金額を決めて、こういう救済措置がとれたということ、これはよかったと思うんです。しかし、ではこれで果たしていいのかというそこが次の問題になろうかと思いますが、そういった、さらにより充実させるための一つの提言といいますか問題点としてきょう議論をさせていただきたい、こう思います。
 皆さんのお手元にこういう表が行っているかと思いますが、このアスベストの救済法の対象になっているのが中皮腫と肺がん、肺がんでもこれはいろいろ条件があるんですが、非常に厳しい条件、そういうその条件をクリアした肺がん、これが今回のアスベストの救済対象になっております。しかし、非常によく似ているといいますが、その下に書いている石綿肺、あるいは良性石綿胸水、あるいはびまん性胸膜肥厚、こういった病気は、実は、労災の対象になっていながら今回の救済から外されている、そういうちょっと残念なことになっているわけであります。そこをこのままで果たしていいんだろうかという問題提起でございます。
 従業員とか労災に入っている方はよかったんですが、例えば、一人親方というふうな方はたくさんいるわけでありまして、孫請の孫請みたいな感じでいろいろこういう仕事にかかわってきた。こういう人は、親会社が入っていなければ入っていないわけでありまして、そういった意味では、この対象から外れてしまうということになってしまう。この条件として、石綿による暴露であるという客観的な情報がなければだめだということになりますと、こういう一人で働いている方はそれを実証するということは非常に難しい。そこがそういう意味では落ちているのではないか、こういった関係で働いていた人が何にも救済されることにはならないのではないかということであります。
 例えば、神戸の震災のときに、大臣もよく御存じだと思いますが、もう本当に、建物を解体して町じゅうほこりだらけ、水もかけなければテントも敷かないで、余震もあるわけですから、もうとにかくどんどん解体作業をしなきゃならないというので、大変なほこりだらけになりました。あのときに我々も心配したことは、アスベストが飛散するのではないかということで私も国会で質問もさせていただきましたけれども、ああいう状況の中で、だれがどこでアスベストの近くで働いていたなんということは、これは実証しろといっても、実証責任といいますか、それはなかなかできないんじゃないか、こういうふうに思うわけでもあります。
 そういう意味で、この三つの病に関して、中皮腫なんかはよくわかりますが、しかし、この三つの問題について救済措置が何らないということについては非常に矛盾があるのではないかと思うんですが、この辺について今後やはり見直していく、しかも、五年後見直しという法律よりももっと早く見直すべきではないかなと思っておりますが、いかがなものでしょうか。
    〔森(英)委員長代理退席、委員長着席〕
○小池国務大臣 まずは、今回の石綿健康被害救済法の構築に当たりまして、公明党、なかんずく田端先生には大変御尽力いただきました。そういった中からの御疑問でもあろうかと思いますけれども、今回の救済の対象とする疾病として、まず、石綿を原因とする中皮腫、そして石綿を原因とする肺がんということは、基本的にもう想定をしているところでございます。この中皮腫、肺がんでございますけれども、今、特殊性についてはもう既によく御承知のことだと思います。そういった特殊性にかんがみまして、今回、この対象とさせていただいたところでございます。
 御質問の石綿肺などそのほかの石綿関連の疾患でございますが、こういった特殊性がなかなか明らかではないと、現時点では救済給付の対象とするということはなかなか難しゅうございます。しかし、今後、医学的な知見それからデータの蓄積を図りまして、職業性の暴露以外の暴露による石綿肺などの疾患の発症状況などを踏まえまして検討し、また、必要に応じて、将来これらを指定疾病とすることはあり得るものと考えております。
 また、二月九日でございますけれども、中央環境審議会に諮問をいたしまして、さらに広い知見から専門的な議論をお願いしたところでございまして、その結果を踏まえ、環境省としても早急に考え方を取りまとめてまいりたいと考えております。
 また、今回の法律でございますが、五年後ということではございませんで、五年以内ということでございますので、そういった対策の変更などにつきましては、それぞれ適宜行うということになろうかと思います。
○田端委員 次に、このアスベストというのは、日本で最初に有用化されたのは、江戸時代の平賀源内、エレキテルを発明した人でありますが、これは、埼玉の秩父の方でとれたアスベストを使って布をつくった、火浣布材という火に強い布をつくった、こういうことで知られております。それから建物は、神戸の北野のトーマス邸が一番最初の建物だと言われておりますし、大阪の泉南、ここはニチボー貝塚等がありまして、そういった意味では繊維のかつては非常に栄えたところでありますが、この泉南で、アスベストと綿花のくずで、これをまぜ合わせて石綿布という布をつくりました。この布が非常に強い布で、例えば船のロープとかマストとかそういったところにも使えるし、そしてまた紡績工場があの辺に多かったことから、例えば消防夫の消防の服とか手袋、こういうものがここで生産されたということであります。
 しかもこれが、実は家内工業といいますか、手内職でずっとつくられてきたわけでありまして、そういう意味では、大阪が非常に飛び抜けて患者がこの辺にも多いということも言われているわけでありますけれども、歴史的なそういう流れからいきまして、そういった人たちも、やはりこのアスベストとのかかわりを証明することは今となってはもう大変難しいことになっているのではないかと。五十年も前の話をどう立証するかということになれば、大変なことではないかなと思うわけであります。
 そこで、実はこの中皮腫の死亡者の数が、平成七年からが初めてデータとして出てきているわけでありまして、今日平成十六年に至るまで、この数字を見ていただいてわかるように、大変年々ずっとふえています。これらの中皮腫患者がふえているという意味で、労災適用以外の方を救済するというこの法律、しかし、これが今後どういうふうにふえていくのかという見通しは全くできていないで、一九七〇年代がアスベストを使ったピークと言われているわけでありまして、それが今後どっと来るのではないかとも想定もできるわけであります。
 そういう意味で、今回つくられたこの救済するための基金が、今回三百八十億補正に組まれ、地方自治体とまた企業にもお願いしてこの基金を積み立てて、そして今後救済措置に当たっていこうということでありますが、それはどういう見通しであるのか。これがどんどん右肩上がりでふえていくとなれば、これは大変なことになるのではないかという思いもいたしますが、地方自治体は、一方ではアスベストの施設を除去する仕事をしなきゃなりません。だから、そっちにお金が大変かかると思います。そういう意味では、地方自治体に負担をさせるということも大変ではないかという思いもいたしますが、ここらのところ、もう少しこの将来見通しを含めてどういうお考えなのか、御回答いただきたいと思います。
○小池国務大臣 この制度の対象者、どれぐらい今後出てくるであろうかという見込みは、一言で申しますと、公式に予測を行ったものはございませんで、と申しますのも、さまざまな規制であるとか対策の効果をどう見込むかといった点でなかなか技術的には難しいということに尽きます。
 ただ、これまで使われてきた石綿の量であるとか実際に発生している中皮腫の患者さんとの関連性に関して、海外での研究事例がございます。それから、厚生労働省が実施しております人口動態調査、こういったことを基礎といたしまして、平成十八年度以降の数年間は、石綿によって起こる中皮腫そして肺がんの患者、毎年新たに発生する数が二千人から三千人、このように見込んでいるところでございます。
 それからお金の方ですけれども、この人数を労災補償制度と今回の救済策とでカバーすることになるわけでございますけれども、今の数字から申し上げますと、十九年度から二十二年度にかけては毎年約九十億円の給付費用が必要になってくると見込んでおります。また、今回、今お話ございましたように、国としては約三百八十八億円を環境再生保全機構に交付することとすると同時に、地方公共団体については、この基金創設の趣旨にかんがみまして、国が給付費用として基金に拠出する金額の四分の一に相当する金額を平成十八年度以降一定の期間で基金に拠出をする、このようにしているところでございます。
 また、地方公共団体による基金への拠出を円滑に行えるようにするという観点からは、石綿健康被害救済法において、地方債の特例に関する規定を設けたのは御承知のとおりだと思います。
 これからでございますけれども、各都道府県に対しては、これまで行ってまいりました全国知事会を通じての説明に加えて、基金への拠出についての御理解、御協力いただけるように努力をしてまいるということと、それから財政措置については、地方公共団体からの具体的な御要望も踏まえながら関係省庁とも調整していくこと、このように考えております。
○田端委員 ぜひこの問題、大変社会的な責任として全体でどう支えていくかという仕組みができたんですから、これはぜひ、二千人、三千人とふえてきても大丈夫なそういう体制をお願いしたいと思います。
 それで具体的なことですが、ちょっと厚生大臣、きょうは済みません、お忙しいのにありがとうございます。
 例えば、私がひょっとしたら中皮腫じゃないか、検診をしてもらいたい、何となく調子がおかしいし、何となくそういうことで、過去にもそういう環境にしばらくいたことがあるので検診してもらいたい、だけれども、なかなかこれは検診というのは難しい。中皮腫というのは非常に微妙な問題があろうかと思いますが、そして、そういう相談についてはどうしたらいいんだろうかとか、こういうことはたくさんあろうと思います。
 それから、中皮腫であるということがわかった、その中皮腫である場合、あるいは亡くなった方の遺族が今から追加して労災認定を申請する、こういうことにも戸惑っている人がたくさんいるのではないかと思います。
 そういう手続上のいろいろな相談窓口あるいは検診、きめ細かくやはり国民にそういったことをしていかなきゃならないと思いますが、厚生省はどういうお考えでございましょう。
○川崎国務大臣 まず、不安を抱える住民、田端先生もその中に入るかもしれませんけれども、保健所や労災病院においてまず問診といいますか、をさせていただく。そして、問題があるかないか、そんな御心配要りませんよという結果になるか、それではチェックしましょうということになります。当然、そうなりますと、労災病院等の専門機関においてエックス線の検査を受けていただく。この費用について、基本的には無料でできるようなスキームをつくろうということで今準備を進めさせていただいております。
 それから、申請でございますけれども、これは労働基準監督署に出していただく。御遺族の方でありましたら、どこの事業所へお勤めになっていたか、そこの管轄の労働基準監督署に出していただくということによって作業を進めさせていただくことになります。いや、たしか御主人は大阪と名古屋両方で働いていた、どちらでも結構でございます。あとは、私どもの方でルールに従いながらやらせていただくということでございます。
○田端委員 これはぜひきめ細かく、そして、やはりお金がかかることですから、これは予算は措置されているんだと思いますけれども、検診等についてもぜひいろいろな意味で配慮していただきたい、こう思います。
 それで、実はきょうの新聞にも厚生労働省の調査結果が出ておりましたが、飛散のおそれのある公共施設、これが、三百九十六の病院を含む六百九十四カ所というふうに数字が出ています。これは大変な数字だと思います。特に、病院だけでも三百九十六施設の病院に飛散のおそれがある。そのうち、患者が出入りする場所が五十二施設ある。こういうことでございます。
 これは、今回の補正予算でも予算措置をとられていると思いますし、またこれは、緊急を要するまさに病院とか学校、文科大臣、済みません、ありがとうございます、学校の方も、吹きつけ石綿のある機関が六千二百七十一のうち、暴露のおそれのあるのが七百七十一カ所、こういう数字が出ております。
 これらの施設は、きょうは、新聞では病院名を公表までされておりますので非常によかったと思いますが、できるだけ急いでこれらについては対応していただく、除去対策をとっていただく必要があろうかと思いますが、両大臣、御決意のほどをお願いします。
○川崎国務大臣 今御指摘いただきましたように、患者が日常利用する場所において暴露のおそれがある病院は五十二病院でございます。十九病院が既に対応済み、残り三十三病院、補正予算で七十億円確保させていただきました。国立病院三十三、それから、民間また公立病院については、三分の一の補助でございますから三十七億円、この補正予算ですべてをきちっとさせていただきます。
○小坂国務大臣 田端委員におかれましては、アスベスト対策に大変御尽力をいただいておりまして、そういう中で御指摘をいただいております学校におけるアスベスト対策でございますけれども、昨年の十一月に調査結果が判明をいたしております。さらに調査を進めている部分もあるわけでございますけれども、そのうち、吹きつけアスベスト等がある室を、部屋を保有しておる学校が六千二百七十一機関ございまして、そのうち、暴露のおそれがある室等を保有するものが七百七十一機関ございます。
 これにつきましては、その部屋の使用禁止をする等の措置で安全を確保しておりますけれども、これを早急に対策を講ずるべく、十七年度の補正予算で七百四十五億ちょうだいいたしましたので、年度内にこの予算を活用して、危険な全学校につきましては対策を終えることができる、このように考えておりまして、迅速に対応してまいりたい、このように思っております。
○田端委員 もうぜひよろしくお願いしたいと思います。
 問題は、アスベスト関係の業者、これは非常に限られていると思います。それから医療機関、アスベストの本当の専門家というのは全国で二十人ぐらいしかいないんじゃないかと言われているぐらい、お医者さんも非常に技術を要する。だから、そういった業者もきちっといろいろ育てていくといいますか、そして医療関係も、きちっとそういった意味で対応できるような仕組みというものを人的にもつくっていかなきゃならない、こう思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 もう時間がなくなりましたが、子供の安全について少し質問させていただきます。
 昨年来大変な事件が多発しておりますが、ちょうど一年前、大阪の寝屋川小学校で、学校内で殺人事件が起こりまして、私も現地を視察いたしましたが、そのときに感じたことは、学校のSOSを発信するホットラインが消防署とつながっている、だから、火災とか地震とかの場合はそれはいいんですが、こういう事件が起こったときに警察とがつながっていなかったということがわかりました。
 それで、その後、警察庁にもいろいろ申し上げまして、大分学校と警察の今までの関係はよくなったというふうに聞いておりますが、ぜひこれからは、何かあったときにはやはり地元の警察署と緊急連絡網ができているような仕組みというのは必要ではないか、こう思っておりますので、学校警察連絡協議会というのがあるそうですが、これをぜひ活用していただいて、今後、子供の安全対策というものをしっかりとやっていただきたいな、こう思うわけであります。
 それから、ITの技術を使ってICタグを子供に持たせるとかという実証実験もたくさん行っておりますし、それからスクールバスも、これはお金がかかって大変だと思いますが、路線バスを活用して、バス会社と話してそのときにうまくやっていただくとか、子供の時間に合わせて組んでいただくとか、何かそういうことをもう少し努力してはどうか、こう思います。
 それからもう一つは、こういう数字があるんですが、今後、団塊の世代の教職員の退職が、十八年度が一万五千人、そこからどんどんふえまして、二万一千、二万三千、二万五千、こういうふうにここ四、五年で毎年二万人前後の方が退職するわけで、こういう先生のOBに協力いただいて、力をかしていただいて、今後、学校の安全のためにこれらの仕組みを何かつくっていく必要があるんではないか、こういう思いを強めているんですが、大臣、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
○大島委員長 小坂大臣、時間が参っておりますので、簡明にお答えください。
○小坂国務大臣 委員長の御指導もありますので手短に答弁させていただきますが、御指摘の、子供の安全を守るというこのことについては、すべてに優先して進めていかなきゃならぬと考えております。
 そういった観点から、まず、スクールバスの活用は、御指摘のように路線バス等も活用しながら、交付税をうまく活用して、そして地域ごとの対策をしっかりとっていただくようにお願いを進めているところでございます。
 ICタグにつきましても、実験を進めていただいて、そして自動販売機に受信機をつけるとか、いろいろな形で父兄との連絡がとれるような、保護者との連絡のとり方を研究し、そういったシステムの開発に努力をしていただいておりますので、その活用についての研究を進めさせていただいております。
 また、スクールガードリーダーにつきましては、警察官OBなどの皆さんの活用というのを考えておりますが、などということでございますから、教育関係の教員のOBの方々もいらっしゃいますし、また、スクールガードリーダーではなくて、スクールガードとしても、お子さんたちの登校、下校のときにガードをするだけではなくて、そういった皆さんの、お子さんたちの相手もしてもらえるようなそういったことも含めて、いろいろな教員の皆さんの退職後の活躍の場というものをいろいろ考えて、そのお力を拝借するようなそういうアイデアを出して子供の安全に万全を期してまいりたい、このように考えております。
○田端委員 どうもありがとうございました。
○大島委員長 これにて田端君の質疑は終了いたしました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
○大島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。岡田克也君。
○岡田委員 民主党の岡田克也です。
 きょうは、戦争観とかアジア外交を中心に、三人の、外務大臣、官房長官、そして直接の所掌ではないかもしれませんが、財務大臣にお話を聞き、議論をしたいというふうに考えております。
 私は、これからリーダーになる可能性が高いとされる三人の皆様に、こういった問題についてしっかりとしたお答えをいただき、そして私自身、日本という国の先行きを憂えている一人であります、これからの政治のありようによっては国民が大きな困難に直面するということも考えられるわけでありますから、そういう視点で質問をさせていただきたいというふうに考えております。
 まず、外務大臣にお聞きしますが、六十年前の戦争について、あれは自存自衛のための戦争であってやむを得なかった、こういう見方が一部にあります。この考え方について、麻生大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
○麻生国務大臣 これは、外務大臣としてお招きをいただいてここに出ておりますので、そこのところだけあらかじめお断りをしておかぬと、話が混線しますといけませんので。
 御存じのように、さきの大戦にかかわります政府の見解というものは、昨年の小泉総理談話というものに述べられておりますとおりで、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明するというものであったと思っております。
 これに関しましては、平成七年の村山内閣の談話とか、また昨年の四月にジャカルタで行われましたアジア・アフリカ首脳会議における小泉スピーチ等々において出されておりまして、これまで一貫したものだというように私どもは理解をいたしておりますので、アジアの国々に対して等々、いろいろ述べられておりますのは、もう御存じのとおりであります。政府の見解として、外務大臣としての見解もこれも一にいたしております。
○岡田委員 今、麻生大臣は外務大臣としてと言われましたが、もちろん外務大臣であります。しかし同時に、政治家としてのお立場もあると思います。それが、もし、今のお話は一致していないということですか、基本的に。
○麻生国務大臣 そういう御質問が出てくるだろうと思って、あらかじめお断りを申し上げたんですが、今私がここで呼ばれております感じとして、職務に忠実に答えておると思っております。
○岡田委員 それでは、もう一度聞きますが、私の質問に対してお答えいただいていないんですが、六十年前の戦争は自存自衛の戦争であってやむを得なかったという見方に対して、どう考えておられますか。
○麻生国務大臣 さきの大戦につきましては、これはいろいろな方々が諸説、いろいろ述べておられますのは御存じのとおりでありまして、アメリカに対して侵略戦争であったかとか、アジアに対してはそうであっても中国は違ったとか、いろいろな御説があるところだというのは、私も知らないわけではありませんけれども、さきの戦争に対しましての見解は、今申し上げたとおりです。
○岡田委員 私の質問に答えていただいていないんですが、自存自衛のための戦争であってやむを得なかったという考え方に対して、外務大臣、外務大臣の立場でも結構ですよ、どうお考えなんですかと私は聞いているわけです。ちゃんと答えていただきたいと思います。
○麻生国務大臣 さきの大戦に対する考えにつきましては、先ほど何回か申し上げておりますとおり、痛切な反省と心からおわびを申し上げておりますので、自衛の戦争だという点だけを強調すれば別に反省する必要もなかったではないかとか、またこれはいろいろ御説はいっぱい出てくるところなんでして、そういったことではなくて、痛切な反省をしておわびの気持ちを表明するというものだと思っております。
○岡田委員 反省はもちろん必要なことだと思いますが、自存自衛のための戦争であったという見方に対して否定されないんですね。
○麻生国務大臣 その当時の事情、ABCD包囲網、いろいろ表現はあろうかとは思いますけれども、戦争として結果として負けております。自衛の戦争のためであろうと何であろうと、負けた戦争でもありますし、果たしてそれが自衛のための戦争であったかということに関しましては、後からこの戦争は自衛のためだったとかいろいろなことを我々が言っても、私どもとしてはなかなか証明もしにくいところでもありますし、私どもとしては、侵略戦争の部分があったということは否めない事実だと申し上げております。
○岡田委員 私は非常に今驚いているわけですが、自存自衛のための戦争であってやむを得なかったということに対して、明確に否定はされないということですね。
 もちろん私も、戦争に至るに至っていろいろなことがありました。そのときの英知を尽くして当時の日本国政府も国民も対応したんだと思います。しかし、ああいう戦争になった。別に白黒一〇〇%つけられる問題ではないという見解は私も持っております。しかし、自存自衛のための戦争であってやむを得なかった、やむを得なかったということに対して明確に否定されないとすると、それは一部肯定しているということになりますよ。それで本当にいいんですか。
○麻生国務大臣 言葉をいろいろあげつらって言われるといろいろ話がまた込み入ってくるんですが、これは、この戦争に関しましては歴史の判断するところだとは基本的にそう思っております。ただ、私どもとして、先ほどから何回も申し上げておりますように、この戦争はやむを得ないための自衛の戦争だったと申し上げたことはないと思いますが。
○岡田委員 私の質問に対して答えていただいていないわけですよ。自存自衛のための戦争であってやむを得なかったという見方に対して、これを否定するのか、あるいは一部であっても肯定するのか、そのことを問うているわけです。
○麻生国務大臣 そのことに関しては歴史が証明するところだと思ってはおりますけれども、少なくとも政府としては、あの戦争に関しては侵略戦争だった等々の話は、もう一連ずっとこれまでの政府見解で述べておりますとおりであると申し上げておりますので、やむを得ざる戦いだったというようなことをしたことはない、ということを答弁したことはありませんので、その一部だけとらえて言われると少々、ちょっとそれは違うんじゃありませんかということになる。お答えしていると思いますが。
○岡田委員 今の答えも政府としてはということで、麻生大臣としてのお考えは避けられたというふうに私は受けとめましたが、官房長官、いかがですか。同じ質問をします。あの戦争、六十年前の戦争は自存自衛のための戦争であってやむを得なかったという考え方に対して、どう考えておられますか。
○安倍国務大臣 政府の見解につきましては、ただいま外務大臣の方から御紹介をしたとおりであります。さきの村山談話、あるいはジャカルタにおいての総理の談話があるわけでございます。
 そしてまた、歴史というものはある種の連続の中に存在するわけであって、では、さきの大戦の中にあってどこをどう取り上げていくかということもあるわけでありまして、そこは、我々は、本来は政府の立場でそれをまさに歴史の裁判官としてこうだと言うべきではないんだろう、こう思います。あくまでもそれは歴史家に任せるべきではないだろうか、このように思うわけでありまして、政治家が発する、あるいは政府の立場で発する言葉は、これは歴史とは離れて政治的な、またあるいは外交的な意味を持つわけであります。その中において、これは村山談話等々において我々は既に立場を表明している、こういうことではないだろうか、このように思うわけであります。
○岡田委員 今、麻生大臣もそして安倍官房長官も、はっきりとこれは歴史家の判断にまつべきだと言われました。この点については、後ほどまたぜひ議論したいと思います。私は、そうではないという考え方を持っております。
 それでは次に、東京裁判についてどういうふうにお考えなのか、今度は外務大臣にお願いします。
○麻生国務大臣 東京裁判に関してのいわゆる外相の見解やいかにということなんだと思いますが、少なくともこの極東軍事裁判というものなんだと思いますが、これにつきましてどういうような考えを持っておるかという御質問ですか。
 どういう考えを持っているか。少なくともこの極東軍事裁判所におきましては、被告人が平和に対する罪によって犯罪を犯したとして有罪判決を受けたということが事実なんだと思っておりますが、どういう感想を持っておられるかという意味がちょっとよくわからないんですが、この戦争、意味、あれにつきましては、そういう意味です。そして、それが、サンフランシスコ平和条約第十条だか十一条だったかと記憶しますが、それによりましてこの極東軍事裁判というものの裁判を受諾しておりますということもまた事実だと思いますので。それだけです。
○岡田委員 官房長官はいかがですか。
○安倍国務大臣 極東国際軍事裁判所において、被告人は基本的に平和に対する罪、そして人道に対する罪で取り調べを受けたわけであります。いわゆるナチスの戦争犯罪人の人たちは人道に対する罪でも有罪であったわけでありますが、あの東京国際軍事法廷においても、日本は人道に対する罪においては有罪にはなっていないというわけであります。それをまず踏まえておく必要があると思うんですが、そして、いわゆる平和に対する罪において有罪の判決を受けたということでございます。
 日本は、このサンフランシスコ平和条約の第十一条により、極東国際軍事裁判所のいわゆるジャッジメンツを受諾しているわけであって、この裁判について異議を述べる立場にはない。異議を述べる立場にはないということでございますが、それ以上のものでもそれ以下のものでもない、こういうことではないか、こういうふうに思います。
 ただ、誤解している方々がおられて、アカデミックな分野、または一般の国民がこれについていろいろな議論、研究をすることもいけないと思っている人たちがいるんだと思うんですが、そんなことは全くないわけであって、政府として、あの裁判は間違っているから例えば損害賠償を請求する、そういうことはしない、こういうことではないだろうかと私は思っております。
○岡田委員 私もいつか国会の場で述べたことがあると思いますが、東京裁判そのものに対して、一〇〇%これをこれでいいという気持ちは私も持っておりません。やはり勝者が敗者を裁いた戦争だという側面もあるし、あるいは、そのときになかった罪がつくられて裁かれたという部分もありますから、これを一〇〇%私は何の疑問もなく受け入れるという立場には立っておりませんが、しかし、東京裁判というものを日本国政府が受け入れた、こういうことでありますから、これを、東京裁判そのものが意味がなかったとか、そもそも無効である、こういう立場というのは、私は当然そういう立場には立っていないわけであります。
 安倍長官に一言だけ確認しておきますが、前回この予算委員会の場で同じ東京裁判の議論が出た折に、これは末松委員だったと思いますが、東京裁判のジャッジメントを受諾したという言い方をされたと思うんですが、これは東京裁判ということと意味が違うんですか。
○安倍国務大臣 いわゆる正文は英語でございますので、正文の英語の部分についてはジャッジメンツになっているということでございまして、日本において種々議論がございますので、この英文にのっとって、いわゆる正文についてそう申し上げたわけでございます。
○岡田委員 そうすると、官房長官は、東京裁判を受諾したという考え方に対して疑念があるということですか。
○安倍国務大臣 それは先ほど申し上げておりますように、いわゆる極東国際軍事裁判所の裁判を受諾している、そして異議を申し立てる立場にはないというのが政府の見解でございます。
○岡田委員 東京裁判を受諾しているということでよろしいですね。
○安倍国務大臣 今申し上げましたように、私は、もともとの正文である英文を引用してジャッジメンツと申し上げたわけでありますが、政府においてはそれは裁判ということで訳しているわけでありますが、基本的には、要はこれは何を我々は受諾をしたかといえば、先ほど申し上げましたように、この判決について、またこの法廷もそうなんですが、それも含めて、我々が異議を申し立てて損害賠償等々をする、そういう立場にはない、こういうことではないだろうか、こう思います。
○岡田委員 東京裁判で有罪判決を受けたいわゆるA級戦犯について、私は小泉総理と議論をしたことがあります。そのときに小泉総理は、A級戦犯は戦争犯罪人であるというふうに言われたわけですが、外務大臣、同じ認識ですか。
○麻生国務大臣 戦争犯罪人という定義は国際軍事法廷における見解でありまして、それが日本の裁判に基づいて犯罪人であるかということになりますと、明らかにそれは、重光葵A級戦犯は後に勲一等を賜っておられますので、少なくとも日本の国内法に基づいて犯罪人扱いの対象にはなっていないということですが、戦争犯罪人というのは、極東軍事裁判所によって決定された裁判において犯罪者として扱われているというふうに御理解いただいたらいいんだと思いますが。
○岡田委員 これは国内法において有罪判決を受けたというわけではないというのは、それはそのとおりであります。しかし、東京裁判というのはそういう国内法を超越するものとして、超法規的という言い方がいいかどうかわかりませんが、それに上位する概念として東京裁判というものがあって、そこで有罪判決を受けた、そこの認識はよろしいですね、外務大臣。
○麻生国務大臣 極東軍事裁判所の裁判を受諾したということであります。
 ジャッジメンツの話を言っておられる方もよくいらっしゃいますけれども、これは、ジャパン・アクセプツ・ザ・ジャッジメンツと書いてあって、その後、アウトサイド・アンド・インサイド何とかとずっと文が出ていますので、B級戦犯、C級戦犯含めまして、複数の裁判所の決定に皆従うという意味で、ジャッジメンツというぐあいに複数になっているというように理解するのが正しい英語の理解の仕方だと存じますので、裁判所の判決ではなくて裁判を受諾したというように、サンフランシスコ講和条約第十一条はそれを意味しているものだと理解しております。
○岡田委員 今、麻生大臣は重光氏のことを言われましたが、こういう議論は時々出てきます、官房長官もそういうことをかつて言われたことがあると思うんですが。ただ、重光氏の場合には、有罪判決を一たん受けながら、赦免された。そしてその後、国内で御活躍されたということであります。しかし、そのことが、その後御活躍をされたということが、かつて東京裁判において犯罪者として裁かれた、そういう判決を受けたということを無効にするものではもちろんないというふうに考えるわけであります。
 そういう意味では、その後、重光氏が活躍をされて、あるいは勲章まで受けたということが、東京裁判そのもののその効力を否定するものではないというふうに私は考えますが、官房長官、いかがですか。
○安倍国務大臣 今、委員は何をもってその効力と言っているか、私はそこがよく理解できないわけでありますが、いわば連合国によって東京国際軍事法廷が開かれたわけであって、そこで被告となった人たちが、平和に対する罪、いわゆるA級戦犯はそうですが、平和に対する罪によって有罪判決を受け、七名の方々は死刑になったということでございます。しかし、サンフランシスコ条約の第十一条については、つまり、そういう人たちを連合国の承諾なしには勝手に釈放してはいけないというのが十一条なわけでありまして、その後、我々は何回かの、累次にわたる国会における決議等々を積み重ねていく中で、国民の圧倒的な支持のもと、連合国と交渉をした結果、先にA級戦犯、そしてBC級戦犯が釈放されたというのが歴史的事実なんだろう、こう思っているわけであります。では、国内においてどういう立場かといえば、これは、我が国が主体的にこの人たちを裁いたわけではないというのも、これはまた事実であろう、こう思っています。
○岡田委員 今のお話ですが、確かに赦免、減刑あるいは仮出獄ということは認められておりました。しかし、赦免というのは、そのもとになった東京裁判の判決そのものを無効にするものなんですか。そういうふうに聞こえますよ、今のお話は。いかがなんですか。
○安倍国務大臣 私はそれを無効にするということは一言も申していないわけでありまして、サンフランシスコ条約を我々はもちろん受諾、ここで我々もサインをしているわけであって、その中で十一条において書いてあったことを述べたわけでありまして、その手続に沿ってその人たちを赦免した。そして、当時は国民のほとんど、多くの人たちはそれを支持していたという事実を申し上げたわけであって、つまり、この人たち、このA級戦犯、まあ、BC級も含んでもいいんだろうと思いますが、連合国によって戦犯と言われた方々と連合国との関係においてこの裁判がなされて、そして日本はそれを受諾したということでございます。しかし、日本において彼らが犯罪人であるかといえば、それはそうではないということなんだろう、こう思います。
○岡田委員 日本においてというより、日本の国内法において裁かれたわけではないという意味ではそうだと思います。しかし、いろいろ、こういう議論があるわけですね。その後重光氏は活躍された、だからあの東京裁判そのものがやはりおかしかったんだ、こういう論理立てをする方がいらっしゃいます。私は、そうではなくて、東京裁判の判決そのものは有効であって、しかし、その後、その後の刑を赦免というのは、東京裁判の判決そのものを無効にするものではなくて、ある一定時点から社会復帰していい、こういうことですから、そのことが過去の東京裁判の判決を無効にするものではないと当然考えるべきだと思いますが、そこのところは、官房長官、いかがですか。
○安倍国務大臣 今、委員がおっしゃった、いわゆる重光葵さんは、その後、御承知のように、国会議員となって、そして外務大臣に就任をして、日本が国連に復帰をしたときの外務大臣であります。また、例えば賀屋興宣さんも、同じく国会議員となり、そして法務大臣になっておられるわけでございます。つまり、こういう方々と日本国民との間柄、刑法、日本の法律との、法令との関係について麻生外務大臣は申し上げたわけであって、それからも示されるように、日本として、いわゆる犯罪者として日本の法律によって裁かれたわけではない、であるからこそ勲一等を賜ることもできたということを述べたわけであって、しかし、他方、もう何回も申し上げるわけでありますが、このサンフランシスコ講和条約によって日本は独立を回復するわけでありますが、その中において、この第十一条を、我々はこれによって、日本は、この国際軍事法廷に対して異議を申し立てる立場にはない。異議を申し立てる立場にないということと、日本国内においての法的な、日本国内法との関係とはまた別の問題である、このように思います。
○岡田委員 日本の国内法上、有罪判決を受けていない、そのことは事実です。しかし、日本国として受諾をしている以上、そこに法律があるかないかということではなくて、日本国政府として、あるいは日本国として、そのことに拘束されるのは当然じゃありませんか。
○安倍国務大臣 岡田委員は、何かまるでGHQ側に立っておっしゃっているように聞こえるんですが、あの十一条を、私たちは、あのときはあのサンフランシスコ講和条約を受け入れるしか、当時は単独講和、全面講和という議論もありましたが、あれによって日本は独立を回復したわけであって、今日の繁栄があるんですが、しかし、あれを受け入れなければ独立を回復することはできなかったんですね。
 そして、あの十一条を我々が受け入れた結果どういうことが起こったかといえば、世界のほかの、日本以外の牢獄の中にいた、この中にはもしかしたら冤罪の人たちもいたかもしれませんが、BC級の方々も、残念ながら当分の間釈放されずに、その中で、獄中で亡くなった方々もいたんですよ。しかし当時は、これを受け入れなければ我々は独立を果たすことができなかった。そういう苦渋の判断の上に私たちのこの現在があるということも忘れてはならないんだろう、こう思っているわけでありまして、この裁判がどういう手続の上にのっとっているかということは、先ほど来外務大臣がもう既に答弁しているとおりなんだろう、こう思っています。
 私は、この条約を、サンフランシスコ講和条約を、日本もそこにサインをしている以上、当然これが、今、いわゆる政府の立場として、全く無効だから、かつての損害賠償をしろと異議を申し立てる立場にあるとは全く、むしろそういう立場にはないということを累次申し上げているわけであります。
○岡田委員 今の官房長官の御答弁からは、十一条を受け入れるために苦渋の選択をせざるを得なかった、そういう思いが伝わってくるんですが、私は、それはそうじゃないと思うんですよ。それはやはり、国民の立場に立って戦争についての責任を明確にする。もちろん、不十分な、百点満点とは言えない裁判だったけれども、しかし、そこで一つの結論が出た。それを受け入れたことが、私は苦渋の選択だったとは思いません。
 では、安倍官房長官にお聞きしますが、もしそうであれば、あの六十年前の戦争の責任はだれが負うべきなんですか。
○安倍国務大臣 私がなぜそう申し上げたかといえば、いわゆる停戦状況になって、そして戦犯に対する裁判があって、しかし平和条約を結んだ段階では、これは国際法的には、慣習的にはその裁判の効力は未来に向かっては失うわけでありますが、しかし、我々は、連合国の要請に従って十一条を受け入れたわけでありまして、講和条約後もこれは効力として続いたわけであります。
 それによって、私が今申し上げたのは、A級戦犯の方々は、まだ国内で刑に服しておられたわけでありますが、BC級の方々は、例えばフィリピンなりインドネシアなり海外で刑に服していたわけであります。この方々も、残念ながらこの十一条を受け入れた結果、直ちに釈放されるということはなかったという事実を私は申し上げているわけであります。
○岡田委員 私の質問に答えていただいていないんですが、これは官房長官それから外務大臣にもお聞きしたいと思いますが、もし東京裁判以外、先ほど来から国内法では裁いていないという話がありますが、そうだとすると、六十年前の戦争の責任は一体だれが負うべきだというふうにお考えなんでしょうか。まず、外務大臣に。
○麻生国務大臣 考え方もいろいろあるんだと思いますが、当時、そんなまだ記憶のあるほど、私、正確に覚えているわけではありませんけれども、あの当時の時代において軍国主義者が悪かったという話に多分話としてはなったのがこの間の形なんだと思います。
 少なくとも、日本の場合、何となく決めるときはみんなでというようなところがありますので、一億総ざんげみたいな話が当時、昭和二十年代には、後半はそんな雰囲気もあったんだと記憶をします。その後、いわゆる極東軍事裁判が始まっていくわけですけれども、私としては、何となく、この人が、特定のこの人だけが悪かったというような話があるかと言われると、それはいろいろな方々が出てくるので、日本の場合は、いわゆる記録文書を読んでも大東亜戦争に突入せよということを発令した文書は何一つ残っていないというのが実態でもありますので、そういった意味では、なかなかこの人という、特定の人は、非常にやりにくいというのが現実だったろうと思いますので、そこで軍国主義というような話になっていったんだというのが経緯だろうなと思っております。
○岡田委員 官房長官も。
○安倍国務大臣 いわば連合国との関係においては、極東国際軍事法廷によってそれぞれA級、B級、C級の方々が裁かれた、その方々が責任をとられたということではないかというふうに思います。これは明確なんだろう、こう思っています。
○岡田委員 今の外務大臣の御説明、答弁ですけれども、確かに国民全体に責任があるという議論はあると思います。当時は独裁国家でも何でもなかったわけで、少なくとも男性には投票権もあった、民主国家の時代もあった、大正デモクラシーの時代もあったわけですから、国民全体、責任を分かち合わなきゃいけないと思います。
 しかし、その中でもやはりリーダーたちの責任というのは当然問われてしかるべきだと思うんです。そういう意味で、東京裁判というのはみずから裁いた戦争ではないということであれば、日本国としてどこでどう間違えたのか、そしてその結果としてだれが責任あるのかということについてやはりしっかり見直すべきだと私は思うんですが、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 見直すべきというのは、この戦争責任について日本政府としてもう一回自分で裁判を起こして、それでだれが悪かったかを政府が明確にしろという意味、行政に司法のかわりをやれというお話ですか。
○岡田委員 現実には現在存命中の方はほとんどいらっしゃらないわけですから、戦後六十年たっておりますから、責任ある立場にいた方で現在存命中の方、ほとんどいないと言っていいと思いますが、しかし、だれがという問題と、どこで、なぜという、そこもあるわけですね。
 ですから、私はあの六十年前の戦争は悲惨だし、極めて愚劣な戦争だったと思いますが、その戦争、同じような繰り返しをしないためにも、やはりきちんと検証が要るんじゃないか。それは裁判という形にはなりませんよ。だけれども、政府として検証して、そして同じようなことを繰り返さないために、一体何があの当時欠けていたのか。
 もちろん、ぴかぴかの軍国主義者が出てきて勝手に悪いことをやった、そういうことじゃないと思うんですね。当時の指導者たちが、その当時の段階でいろいろ悩んだり考えたりしながら、しかし結果を見れば明らかに誤ったわけです。そうであれば、どこで間違ったのかということについてきちんと政府としても検証する、そのことが、私は、同じ過ちを繰り返さないために必要だ、そういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。
 この質問については、三大臣、それぞれお答えをいただきたいと思います。
○麻生国務大臣 今の御質問はちょっと先ほどとあれなんだとは思いますが、少なくとも、一番最初の質問に小泉総理の談話というもので、かつての植民地支配等々ずっと述べておられるので、これは一貫して表明をしてきておるところなんだというのがまず第一点なんだと思います。
 そして、戦後も一貫して、少なくとも日本はこの六十年間で経済大国になったという事実ですけれども、これは軍事大国にはならないということをはっきりしていまして、武力にもよらず平和的な手段でこれだけ国としての立場を堅持してきたというのも事実ですので、私どもとして今も世界の平和とか秩序の維持にいろいろな形で貢献しているというのが、私どもの反省した結果出てきている態度なんだと理解をいたしております。
 御指摘のあった、有識者を集めて検証すべきではないかという御提案に関して、今そういうことを政府として考えてはおりません。
 それから、今いろいろな形で、共同研究というのは日本と韓国の間で始まったりいたしておりますけれども、そういったものについては、共同研究というのは既に実施をいたしておりますし、日中間におきましても、歴史の共同研究というものを早期にやっていこうということで、双方で話し合いをいたしております。
○安倍国務大臣 さきの大戦の結果、日本の国内外の人たちが、大変なる、甚大なる被害を受けて、精神的にも肉体的にも大変大きな苦痛をこうむったというのは事実であり、その深刻な反省の上に今日の日本の歩みがあるのもまた事実であります。
 そこで、委員が今御質問になった、では、政府でもう一度これはだれに責任があるのかということを、我々がそういう機関なり……(岡田委員「なぜそうなったか」と呼ぶ)そういう、なぜそうなったかという諮問委員会なりをつくる、それが果たして妥当かといえば、政府は今のところそれは考えておりません。むしろ、それはアカデミックな観点から識者が議論をすることではないだろうか、このように思うわけであります。
○谷垣国務大臣 岡田委員は大変論理的にお詰めになりますが、私は当委員会で責任を持って論理的に詰めてお答えする部署にいるわけではございません。今、両大臣からお答えのあったとおりだというふうに思っております。
 責任の所在を政府が明らかにせよ、こういうことでありますが、私は、それこそ学問と健全な国民の判断にまつべきことだと思っております。
○岡田委員 私は政治家の端くれとして、数々の疑問があるわけですね。
 例えば、先日、石橋湛山の本を読んでおりましたら、石橋湛山の中に、青島は断じて領有すべからずという論文があるわけですね。小日本主義、どんどん拡大していく第二次世界大戦で、青島を領有してきたドイツが引いた後に、日本がかわりに出兵するということに対して、そういったことが将来大きな課題を残すんだということを当時論じたものであります。そういう見方があったんだということを改めて新鮮な気持ちで思いました。
 あるいは、私個人も、一九三一年の満州事変、あのときに、開戦といいますか、紛争が勃発したときに、局地解決の方針というものを政府として決定をした。にもかかわらず、例えば、勅命もなしに、当時は朝鮮軍という、指令系統が違いましたから、朝鮮軍が満州に出兵するということは勅命が必要だったんですが、勅命もなく朝鮮軍は出兵をした。そして、そのことについてだれも責任を負っていない。満州事変、紛争は拡大しました。
 あるいは、三七年の盧溝橋事件についても、当時の近衛首相や米内海相は不拡大方針、閣議決定までされました。しかし、それにもかかわらず全面的な日中戦争に拡大をした。だれも罰せられていないし、責任をとっていない。
 そういうある意味でのあいまいさといいますか、それが日本の特徴だと言われればそうかもしれませんが、やはりそういったことについてきちんと検証を重ねる、そのことが私は必要なことじゃないか。どこで間違ったのか、何が悪かったのか。私は最初に東京裁判の話から入りましたけれども、私も東京裁判は一〇〇%これでいいと思っているわけじゃありません。しかし、それじゃ、我々は自分たちで自分たちをきちんと総括したのか。もし、それがないままで東京裁判がおかしいと言ってしまったら、それこそ全くの無責任、だれも責任を負わないということになる。それが本当にいいのか、そういう視点で私は申し上げているわけでございます。
 いかがでしょうか。私の言っていること、おかしいですか。麻生大臣、ぜひお答えください。
○麻生国務大臣 先ほどから何遍も申し上げておりますように、この裁判のジュリスディクションに対して、正当性はあるのかという清瀬弁護人の冒頭質問が記述として残っていて、それに対してウェッブ裁判長の答弁がどんなものだったかはよく読まれていることだという前提でお話をさせていただきます。(発言する者あり)後で勉強してください。
○大島委員長 大臣、ちゃんと答えて。質問者に答えて。
○麻生国務大臣 そういうことに関しましていろいろ御意見があるし、マッカーサーの話もいろいろ、一九五一年のマッカーサーの上院軍事委員会の答弁とかいろいろなものがありますが、しかし、日本としては基本的に、サンフランシスコ講和条約を受け入れる際に、その十一条の中でこの裁判を受け入れると言っておりますので、私どもとしてこの裁判の正当性やら何やらについて国としてどうのこうの言う立場にはないというのは、はっきりしているんじゃないでしょうか。
○岡田委員 外務大臣、官房長官に共通すると思いますが、やむを得ないから受け入れたんだ、受け入れざるを得ないから受け入れたんだ、そういう思いが伝わってくるわけですね。そこは私、全くわからないと言っているわけじゃないんです。
 しかし、やはりそれは、自分自身でなぜ誤ったのかということをきちんと総括をした上で、その総括に基づいて、東京裁判のここに疑問があった、問題があった、そういう論理の立て方ならよくわかりますよ。しかし、そのもとがないままに、あの裁判について、本当は受け入れたくなかったけれども、サンフランシスコ講和条約を締結するためにやむを得ず受け入れたんだというふうに、あるいはそういうふうに言っているとすると、やはりそれは私は違うんじゃないか。結局それは、全部責任を負わない、だれも責任を負わないということを言っているに等しいわけで、私はそういったことに対して非常に危惧の念を持つわけであります。
 政府としてやるつもりはないということですからこの辺にしたいと思いますが、私は、政府としてやらないにしても、ぜひ、三人のリーダーの皆さんがみずからそういったことについてきちんと総括をしていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。
 それでは次に、アジア外交の問題について申し上げたいと思います。
 アジア外交、私は今、非常に厳しい状況に陥っているというふうに思うわけであります。このことについて、先般、小泉総理も御出席のもとで私が申し上げましたところ、そのことには直接お答えにならずに、いきなり靖国神社の問題を持ち出して、とうとうと論じられました。私は靖国神社の問題、そのときには聞いておりません。
 今のアジア外交が重要であるという認識は、恐らく三大臣も共通の認識としてお持ちだと思いますが、今、アジア外交は私は非常に厳しい状況にあるというふうに思うわけですが、そういう認識はお持ちでしょうか。それとも、現在うまくいっている、そういうふうにお考えでしょうか。
○麻生国務大臣 アジアというものを見た場合に、私どもとして、少なくとも、今アジアの中で首脳会談ができないというところは中国と韓国だけだと思いますけれども、あとの国で首脳会談ができないという国はないというように理解をいたしております。
 また、その他のアジアを見た場合に、例えば、東アジア共同体等々におきましても、明らかによくなっておりますし、過日、BBCがやりました、世界じゅう四万人を対象にやった中のものが出ておりました。三十一カ国で、少なくとも日本肯定派というのは五五%、否定派は一八%、これは新聞の一部で切り抜きが出ていましたのでごらんになったかと思いますけれども、私どもにとって、これはこっちが何もかんでいるわけではありませんので、アジアの国にやられた内容のレポートそのままなんだと思いますけれども、そういった資料を見てみますと、日本に関して非常に肯定的な見方をしている国の方が今や圧倒的に高いというのが事実でありますので、今アジア外交全般が悪くなっているわけではないというのが、基本的に私もそう思っております。
 それから、今、中国と韓国の話に、首脳会談ができないというところが、多分その点が問題なんだということなんだと思いますけれども、基本的には、中国も韓国も、これは日本の地理的に見ても隣の国でもありますし、かつてと違って経済も皆そこそこ大きくなってきておられます。そういった意味では、日本の友好国として、千何百年の長きにわたって、いろいろな対立や見解の相違があったときもありましたけれども、私どもとしては、常に大局的な観点から考えて、上二人が仲悪くても下の方は、日韓関係でいきましても、当時日韓条約ができたときに、年間交通量、三百六十五日で一万人が今一日一万人を超えておりますし、今度も、ビザもいろいろ御意見がありましたけれども、渡航ビザ等々の、査証の免除等々もさせていただいております。経済、音楽、その他サブカルチャーなんかの面におきましても極めて友好にいっておりますので、かなりな部分は、その部分はいい部分というのもいっぱいありますので、一部の話だけが悪いからみんなが悪いというような意識は私も持っておりません。
○岡田委員 国民レベルでの交流というのは、韓国、中国も含めてアジアと日本の関係、もちろん日本もアジアの一国でありますが、相互依存も進み、いろいろな意味で交流が進んでいるということは、それはそのとおりであります。問題は、政治がそれを後押しする形になるのではなくて、本来政治がそういったことを後押しする、あるいは引っ張っていく役割を果たさなければならないところ、現実にはむしろそれを阻害するような、そういった結果になっているということについて、私はアジア外交が今危機に瀕しているというふうに申し上げたわけです。
 私もASEANのいろいろな国の首脳と意見交換する機会もありましたが、私の率直な感じは、例えば日中、日韓がこれだけもめていることについて、困ったものだとまゆをひそめてじっと黙っている、これが現実ではないでしょうか。
 あるいは、ASEANの中で少し前までは日本というのは圧倒的に大きな存在で、そしてリーダーとみなされていた。もちろん中国も国力をつけてきていますから、いつまでも日本だけという時代ではないにしても、どうも中国との比較においても日本の影が薄い、そういうふうに私は受けとめております。
 そういう御認識は、外務大臣、ありませんか。
○麻生国務大臣 影が薄いと言われると、そうかなという感じがいたしております。こういうものは、岡田先生、相対的な話ですから、中国の十三億の民が経済力をつけ、今日本の、こっちが約五兆ドル、向こうが一兆ドルぐらいになったんでしょうかね、ちょっと、よく伸びますので最近の細目、数字を知りませんけれども。そういった意味では、中国がこういった形で経済力をつけてきたということは、これは日本としては歓迎すべきことなんだと、もう終始一貫申し上げてきておるところであります。
 中国が経済力をつけるということは、それは中国自身の生活水準も上がりまして、生活水準が上がるということは、それは日本の商品を買う、購買力もつくということですし、アジアの国々の中において、一九九七年、いわゆる通貨危機が起きましたときにも、少なくとも日本は東南アジアの国々に対して、日本がIMFの仕事みたいなこと、日本が全部やってきたということをもちましても、今の中国ならそれができるぐらいの経済力がついてきたというのであれば、それは、アジアをみんなで守っていかないかぬということを考えたときには、少なくともそういう日本と伍すだけの大きな経済力を持ってきた国が今でき上がりつつあるということは歓迎すべきことなんだ。
 私自身はそう思っておりますので、影が薄くなってきたのではなくて、総体的に両方でアジアの力が大きくなってきていますので、その中において日本の経済力は不景気といいながら五兆ドルを維持しましたし、そういった形では、日本の力というのはそれほど、ほかの国が上がった分だけ、これだけいれば落ちることになろうかと思いますけれども、日本だけが独占して常に存在感を強くしなきゃいかぬというものでもないと思いますけれども、少なくとも日本というのは常にそういった国々と皆うまくやっていこうという考え方を示しておりますので、私ども、影が薄くなったという感じはございません。
○岡田委員 私は、日本再生のかぎは平和で豊かなアジアだと思っております。そして、そのために、日本の外交力のかなりの部分を、もちろん日米同盟という前提を置いた上でと私は申し上げておりますが、アジア外交ということに全力を傾けなきゃいけない。しかし、現実はそういうことになっていないんじゃないか、そういう観点から申し上げております。そういう状況、私の認識が違っていると外務大臣が言われたのであれば、それはそれで私は受けとめますが、私は全く違う認識を持っております。
 では、外務大臣と官房長官にお聞きしたいと思いますが、靖国問題というのがあります。
 私は、靖国神社に総理が行く、行かないという問題は、それはそのときの総理が判断すべき問題であって、外国に言われて決める問題じゃないというふうにかねてから申し上げております。ちなみに申し上げれば、私は、A級戦犯が合祀された靖国神社に総理として行くことはない、行くべきでないということを申し上げているわけであります。
 今後のアジア外交の重要性ということを考えたときに、私は、外務大臣も官房長官も総理の靖国参拝ということについて少なくとも否定的ではないというふうに思いますが、きょうはそのことをぎりぎり詰めようとは思いません。今の段階で白黒はっきりさせようとは思いませんが、しかし、もし靖国参拝について肯定的に考えるとすれば、では、それを乗り越えるアジア外交というのをどうやって構築していくか、その構想力が求められることは間違いありません。そうでないと、結局、今の中国、韓国との関係がこのまま続いていくということになる。
 したがって、それぞれがリーダーになられたときに、どういう構想力を持ってこのアジア外交、とりわけ近隣の国々である韓国や中国との関係を形づくっていこうとされるのか、そのことについての御見識をぜひ外務大臣と官房長官にお聞かせいただきたいと思います。
○麻生国務大臣 靖国神社の問題についての最初の御見解は、少なくとも日本国内において、ここに行っていいけれどもこっちに行っちゃだめと言われるような話は、他国の人に言われてそれを唯々諾々とのむという立場にはいかないのは当然だというのは、もう見解は一致しておられると思いますので、その点はそれでよろしいのだと存じます。
 今の話で、これは長いこと、この話はいろいろあるのだと思いますけれども、どういう構想であるかと言われるのであれば、私の場合は、昭和二十七年四月の二十八日、これは岡田さんの生まれる前の話なのかもしれませんけれども、昭和二十七年四月の二十八日に日本は独立したんです。昭和二十六年九月の八日にサンフランシスコの講和条約がサインされておりますが、発布いたしましたのは翌年の四月の二十八日。そのときに、時の内閣総理大臣に手を引かれて靖国に、きょうは日本が独立した日だからといって学校に、どこだか忘れましたけれども、連れていかれて靖国に参拝したのが多分最初の記憶なんですが。以後何十回行ったか全く記憶にないぐらい、毎年行っておりましたので、後、社会人になってからもずっと行っておりましたので。こんな騒ぎになるような前の話の、もうずっと前の話。国会議員になりましてからも、よく行っていた方だと思いますね。
 そういった意味で、私どもとして、今個人的に、また、少なくとも日本という国のためにとうとい命を投げ出してもらった人々に対して、その人に対してどう対応すべきかというのであれば、私は、今よく持ち歩いているものがありますのでちょっと使わせていただきますけれども、実は、靖国神社というのは焼却しろ、焼けというのがGHQの話で出たんです。そのときにどうそれに対して答えたかというところが一番問題なんだと思いますが、今でいう上智大学、当時の上智学院というところのブルーノ・ビッテルという神父が、焼けという話に対して、「自然の法に基づいて考えると、いかなる国家も、その国家のために死んだ人々に対して、敬意を払う権利と義務があると言える。それは戦勝国か敗戦国かを問わず、平等の真理でなければならない。」「もし靖国神社を焼き払ったとすれば、その行為は米軍の歴史にとって不名誉きわまる汚点となって残ることであろう。歴史はそのような行為を理解しないに違いない。はっきり言って、靖国神社の焼却、廃止は、米軍の占領政策と相容れない犯罪行為である。」これは、ブルーノ・ビッテルという人がマッカーサーに対して出した文書です。正すべきは国家神道という制度であって、靖国神社ではない、これが当時のブルーノ・ビッテルという、これはカトリックの神父なんですが、この人が当時のマッカーサーに対して送った書簡です。
 そういった意味で、これは昔からあるものなんですが、こういったものがありますので、私としては、今この問題に関して、これが基本的には真理なんだと思いますが、そういったものに対して、宗教法人だから何とかとか、またA級戦犯合祀だから何とかとか、いろいろなことがありますけれども、この中に関して、幾つか戦後変わったもの、変わってしまったものというのが幾つかあるんだと思う中に、やはりこれはもともとは戦死者が祭ってあったんだと思いますね。戦死者が祭ってあったはずです、だから東郷平八郎も乃木希典も祭っていないわけですから。そこらのところが答えかなと思っております。
○岡田委員 麻生大臣、質問に答えてもらっていないんです。
 私は、靖国神社に参拝することの可否をお聞きしたわけではないし、理由をお聞きしたわけじゃないんです。そのことは、私はそれぞれのそのときのリーダーが判断することだと。しかし、私は行くべきでないという考え方ですが、最終的には、それはそのときのリーダーが判断することでしょう。だけれども、もし行くとすれば、今と状況は同じことが続く可能性が高いと私は思います。
 では、それを乗り越える、中国や韓国との関係あるいはアジア外交というものをどうやって展開していくのか、構想していくのかということをお聞きしているわけです。麻生大臣と官房長官、お願いします。
○麻生国務大臣 個人の信条と立場となれば、おのずとその行動に差が出る、外務大臣に就任した直後に記者会見で申し上げたせりふであります。
 したがって、その立場になったときに適切に判断すると答えておりますので、ちょっとまだ、総理大臣になる前提かのごとく言われると、ちょっと危なっかしい話になりかねませんので。リーダーとしてと言われると、何となく、今、小泉さんの話にひっかけて聞かれるんじゃないかなという疑いを持って答えるのもしんどいものですから、なかなか難しいなと思いながら、おまえ、何様のつもりだなんと言われてもちょっと困りますので、私もちょっと答えがしにくいんですが、適切に判断をさせていただきます。
○岡田委員 私が聞いているのは靖国参拝についての可否の問題ではなくて、どうやってアジア外交を展開していくのか、そのビジョンを、構想を、基本的考え方を述べてくれ、こういうふうに言っているわけです。
 外務大臣にそれがないというふうに私は受けとめましたが、官房長官はいかがでしょうか。
○安倍国務大臣 今、小泉内閣はダイナミックにアジア外交も展開をしているというふうに思っています。
 アジア外交を考える上においても、極めて短期的に、これはまた近視眼的に考えるべきではなくて、もう少し世界を俯瞰しながら中長期的にやはり考えていくべきなんだろうな、こういうふうに思っています。
 今、経済界においては大変インドがブームになり始めているわけでありますが、これは昨年私も参りましたが、小泉総理がインドに行かれた、そして、ここで八項目の日印の戦略的なパートナーとしての合意事項をさらに進めていこうということを合意に至ったわけでございます。これは、お互いに安全保障の分野においてもそうしていこうということについて合意をしたわけであります。それが実って、昨年は経団連もミッションを出しましたし、今、若いベンチャーの人たちもインドに向かっているわけであります。
 そして、麻生大臣も、累次にわたるインドの訪問によって非常に関係が強くなってきているわけであって……(発言する者あり)今、中国はと言う人がいるんですが、そういうすぐにそこだけに視点を置くというのが近視眼的で戦略性のない考え方ではないか、こういうふうに思うわけであります。
 大切なことは、世界全体を俯瞰しながら、日米同盟を強化させ、そしてまた、さらには、東南アジアの国々とはEPA、FTAを、しっかりとこれをスピード感を持って締結していく、そしてまた、経済の問題において関係を非常に濃くしていくことがそれぞれの両国関係を安定化させる。政治上の問題においては、これは何か問題が起こるということはあるんですね。しかし、それを物すごく悪化させない、拡大させないということは、お互いが知恵を出していく、そういう仕掛けをどう考えていくかということも当然考えなければならないんだろう、こう思っています。
○大島委員長 答弁者の皆さんに、不規則発言には答える必要がございませんので、お願いいたします。
 岡田さん、そろそろ時間でございますが。
○岡田委員 はい。
 今の外務大臣そして官房長官のお答えをお聞きして、答えはないんだなというふうに受けとめました。
 中国がだめならインドがあるさぐらいの答弁をいただきましたが、それでは私はだめだと思います。もちろん、中国は政治体制も違いますからそう簡単ではありません。しかし、日本の隣国であります。韓国もそうです。そして、経済的にも大きな力を持ちつつある。この中国をいかにして国際社会の中に関与させていくか、引き出していくかということは、これは私は世界の中で日本の大きな役割だというふうに考えます。しかし、今のままいけばそういったことも望めない。
 私は、次のリーダーの有力候補と言われるお二人のお話をお聞きして、もしこのまま同じ形で外交を続けていって、数年間たてば日本という国が一体どうなってしまうんだろうかという強い危惧の念を抱いたということだけ申し上げて、私の質問を終わります。
○大島委員長 これにて岡田君の質疑は終了いたしました。
 次に、馬淵澄夫君。
○馬淵委員 民主党の馬淵でございます。
 この予算委員会、質疑を繰り返させていただいているわけでありますが、きょうは、金融行政、これにつきまして、この予算委員会で質疑をさせていただきたいというふうに思います。
 小泉構造改革の出発点、これを金融行政の部分で見直しますと、不良債権処理に対する緊急対応、これがその出発点であったかと思われます。
 そして、当時の金融担当大臣である竹中大臣がこの不良債権処理に対して大変強い決意を持って取り組まれ、金融再生プログラムを掲げられました。金融改革は必要であるということから、新しい金融システムの枠組み、新しい企業再生の枠組み、新しい金融行政の枠組みという三つの柱を掲げられ、この金融再生プログラムがスタートをしたわけであります。
 そして、竹中大臣からその後に、副大臣をされておられました伊藤大臣が金融担当大臣となられ、それを引き継いで、今度は金融改革プログラムと銘打った新たな改革に取り組みをされ出しました。
 この金融改革プログラム、これも柱が三本立てられておりました。活力ある金融システムの創造、地域経済への貢献、信頼される金融行政の確立。不良債権処理のめどを立て、そして新たな金融の仕組みをつくっていく、その改革の一歩として金融改革プログラムが竹中大臣のその後を受けて掲げられたわけであります。
 さて、金融というのは経済のインフラとして非常に高い公共性を有しております。金融行政においては、透明性あるいは予測可能性というものが非常に重要である。金融行政に対しては、信頼を確立することがかなめであるということは申すまでもありませんが、竹中大臣、きょうは、この小泉改革の中で不良債権処理、これをスタートとして金融再生のプログラムを図り、そしてその後に受け継がれた金融改革プログラムの中で信頼される金融行政の確立というものが十分になされているのかということについて、今総務大臣でいらっしゃいますが、当初、まず取り組みをされた担当の大臣であったということから、御所見を。まず、信頼される金融行政の確立というものができているのかということについてのお答えをいただけますでしょうか。
○竹中国務大臣 平成十四年に金融担当大臣を拝命したとき、日本は金融危機の中にございました。雑誌、新聞のヘッドラインに金融危機という文字が躍って、もう今はさま変わりだなと思いますが、大変厳しい状況でございました。今、馬淵委員が緊急事態対応から出発したという御紹介をくださいましたが、まさにそのような状況であったと思います。
 その後、不良債権処理につきましては、その比率を当初目的どおりに下げることができて、それを踏まえてさらに新しい金融行政を展開していかなければいけない状況であるというふうに認識をしております。そして、その方向に金融庁の諸君も頑張ってくださっていると思います。
 その信頼、信認の確保が十分なされているかどうかということに関しましては、当然のことながら、ルールにのっとって適切な行政がなされているというふうに私は認識をしております。しかし同時に、市場は日進月歩、現場がありますから、日々いろいろなことが起こってまいります。その中で、さらにその信用を確立すべく日々金融庁も努力をしてくださっている、そのように認識をしております。
○馬淵委員 竹中大臣が敷かれたその路線の延長上の中で、ルールにのっとって信頼される金融行政の確立、今も途上にある、こういったお答えをいただけたかと思います。
 そして、昨年の新たな内閣改造によって与謝野大臣が金融担当となられました。この金融改革プログラム、与謝野大臣が担当となられ、当然ながらその行政の一貫性というもの、ゴーイングコンサーンというものは十分に承知をされておられると思いますが、この金融改革プログラムの理念、これにつきましては、与謝野担当大臣、これを守っていかれるのかというところの決意をお聞かせいただけますでしょうか。
○与謝野国務大臣 委員御指摘のように、預金者あるいは借り手にとりましては、個別の金融機関の信頼性、プラス金融システム全体の信頼性というものが、やはり日本経済のためには必要であると思っております。
 いずれにしても、私の前任者お二人は大変苦労をされたと私は思っております。しかし、私が就任しましたときには、大手行の不良債権比率も三%を切るという状況で、本来銀行が持つべき金融仲介機能というものを十分発揮できるところまで私は来たと思っておりまして、いろいろなお考えはありましたけれども、やはりお二人の大臣のたどった金融行政というものは大きな成果を生んでいるというふうに思っております。
○馬淵委員 与謝野大臣からも、前任のお二方の大臣のその足跡をしっかりと踏んでいきたい、そういった趣旨の御答弁をいただけたかというふうに思います。信頼される金融行政の確立に一歩一歩進んでいるんだ、こうした担当大臣の方、前担当の方の力強いお言葉をいただいたわけであります。
 さて、今、金融改革プログラムが進む中でありますが、当時の竹中大臣が新たな金融再生プログラム、改革プログラムとつないでいく中で、新たな金融形態というものが取りざたされるようになりました。地域経済の貢献などを図って地域密着金融の一層推進、また金融再生の中でも、とりわけ中小企業に対する貸し出し、これが貸しはがし、貸し渋り等、当時大変厳しい状況であったために、担い手の拡充などがそのときも模索をされていったわけであります。こうしたプログラムの中により迅速な銀行免許の取得ということがうたわれる中、幾つもの銀行が、銀行をつくろうといった方々が、銀行免許の取得に乗り出すといった動きが出てまいりました。まさにプログラムが動き出したということだと思います。
 銀行免許、これはもう皆さん御案内でありますが、銀行法の四条で、内閣総理大臣の免許を受けた者でしか営むことができないという営業の免許でございます。この内閣総理大臣の免許を受けるプロセスでありますが、これは一般には、金融庁の方からもお伺いをしておりますが、事前相談、そして予備免許申請、予備免許の交付、本免許の申請、本免許の交付という形で営業免許というものが取得される。
 さて、今日におきまして、さまざまな銀行が確かにこのプログラムの推進の中で出てまいりました。事前相談があって予備免許申請が出されるということでありますが、今日において、今までに、予備免許申請までに事前相談がなされないものというのはありましたでしょうか。
 きょうは参考人をお呼びしておりますので、参考人の方で結構です。
○佐藤政府参考人 一般的には、事前の相談があるケースが多うございます。
○馬淵委員 私のお尋ねは、今日までに、予備免許申請前に事前相談のないものはありましたかとお尋ねをしております。お答えください。
○佐藤政府参考人 振興銀行以外にはなかったと承知いたしております。
○馬淵委員 今一行だけというお答えをいただきました。
 それならば、もう一つお尋ねしますが、予備免許申請、交付がなされて、本免許の申請、交付がなされなかったものというのは今日までにありましたでしょうか。
○佐藤政府参考人 ございません。
○馬淵委員 事前相談が行われずに予備免許の申請がなされたものは一行だけ、そして、予備免許申請、交付がなされて本免許申請、そして最終的に交付がされなかったものは一件もなかったということであります。
 さて、銀行の設立というのは、私も会社等々を今までやってきましたし見てきましたが、これは経験ございません。銀行というのは、先ほど申し上げたように、非常に公共性の高い機関であるがゆえに、監督局が、監督官庁がしっかりとその状況を審査していくということで、事前相談、予備免許の申請、予備免許交付、そして本免許申請、交付というステップがあるわけでありますが、そこでお尋ねをしていきたいんですけれども、少し一般的なことを先にお尋ねします。
 予備免許のその審査の基準というところでございますが、まあ予備免許も本免許も一緒なのかもしれませんが、まず、銀行法の四条二項に記述がございます。三点、その要件がございます。十分な財産的基礎があるということ、これはいわゆる資本金の話ですね。そして、収支の見込みがあること、当然です。赤字になる銀行に不特定多数の預金を預けるわけにはまいりません。そして三点目が、銀行業務の知識や経験、あるいは社会的信用のある方によって人的構成がなされている。つまり、組織としてはしっかりとした銀行業務ができる組織形態が整っている。これが三つの要件として審査の基準にあると理解をしております。
 十分な財産的基礎、十分といっても一体いかほどなのかということでありますが、これは銀行法の施行令の三条に、最低資本金として二十億という金額が明確に、「二十億円とする。」このように書かれているわけであります。
 そこでお尋ねをしたいんですが、この二十億円というのは、いずれのときまでに要求される財産的基礎なんでしょうか。お答えいただけますか。
○佐藤政府参考人 開業時までと理解しております。
○馬淵委員 本免許が交付されて、そして開業される、開業日までに二十億円が準備されればよいということですね。
 ということは、予備免許申請時あるいは本免許申請時、この財産的基礎二十億円に満たない状況でもよろしいということでいいんでしょうか。もう一度お答えいただけますか。
○佐藤政府参考人 そういうことでございます。
○馬淵委員 開業時に二十億あればいいと。申請までにはそろっていないけれども、開業までにはしっかりと財産的基礎を整えるんだ、こういったことが審査の中で確認されていくんだと思います。
 では、銀行の営みを始めました、預金者からも預金を集めていただく、そして貸し出しを行っていく。当然ながら、貸し出せば焦げつくことも出てくるでしょう。そうしたいわゆる日常の営業の中で、開業後、この財産的基礎二十億円を下回るようなことが起こるということは十分あり得ると思うわけですが、それは、監督局としてはお認めになられているんでしょうか。
○佐藤政府参考人 最低資本金を得て開業を行い、その後、銀行はさまざまなリスクに囲まれておりますので、営業している中でリスクが顕在化するというようなことはあろうかと思います。開業当初というのは、直ちに黒字になるというケースばかりでもございませんし、赤字決算を計上するというようなこともあろうかと思います。開業、創業時におけるそういった営業実態の推移というものがあろうかと思いますので、瞬間的に二十億円を下回るというようなことがあるかもしれませんが、それで直ちに不適格ということではないと思います。
○馬淵委員 瞬間的に下回ることがあっても、これはいたし方ない。当然ながら、監督局としては監督をしながらということなのかと思います。
 もう一点だけ一般的なことをお尋ねしたいんですが、先ほどの三つの要件の中で、人的構成の部分がございました。銀行業務に十分承知をした、なれ親しんだ方、そして社会的に信用のある方によって人的構成、組織ができ上がっていなければならないということでありますが、これも、開業時にどのレベルまでが定まっていればよろしいんでしょうか。お答えいただけますか。
○佐藤政府参考人 まさに銀行法にございますように、銀行の業務を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識、経験を有しておられること、かつ、十分な社会的信用を有している、こういう条件を満たしている必要があるということでございます。
○馬淵委員 これも開業時ということでよろしいんですよね。開業時までにそうした役職、いわゆる役席者と当局ではお呼びだと思いますが、開業時までに役席者がそろっていればよしと。先ほどの資本金の方も、開業日までにあればよし、そして免許申請のときも、人的構成というのは開業日までに役席者が定まっていればよし、そういうことでよろしいんですか。確認させてください。
○佐藤政府参考人 開業時までに定まっているという言い方が適当かどうかわかりませんけれども、開業する時点においてそういうきちんとした経営ができる体制ができているということがポイントであろうかと思います。
○馬淵委員 今、銀行の設立のプロセスの部分で少し詳しくお聞きをさせていただきましたが、先ほど、竹中大臣そして与謝野大臣、信頼される金融行政の確立というプログラムを進めていく中でさまざまな銀行が設立をされていく、当然ながらに、金融担当としてしっかり見ていくんだと決意をいただきました。そして、銀行の設立というのは、今局長から御説明をいただいたプロセスの中にあるんだということも知ることになったわけでありますが、資料を皆様方の方に、お手元にお配りをしたいと思います。
 さて、こうしたプログラムが動く中で、幾つかの新たな銀行の申請がなされていくようになりました。その中でも、一つの新設銀行をめぐるさまざまな事象を例にして、私は皆様方にきょうは確認をさせていただきたいというふうに思っております。
 今お手元に資料をお配りしておりますのは、日本振興銀行という銀行でございます。
 日本振興銀行、これは平成十五年の四月の十日に銀行設立の準備会社が設置をされました。中小新興企業融資企画株式会社という会社でございます。平成十五年四月十日に準備会社が設立をされ、そして、先ほど局長の答弁にもありました事前相談はなしに、銀行予備免許申請が行われました。銀行申請が事前相談なしになされたことは、かつて、その他一件もございません。そして、それから二カ月後に銀行予備免許を取得されたわけであります。
 そして、翌年の三月、本免許申請がなされ、さらに本免許の取得が四月の十五日になされました。営業開始は平成十六年の四月の二十一日、社名も日本振興銀行と改めて開業をされたわけであります。
 さて、このお手元の資料の経緯のところで、中小新興企業融資企画株式会社、すなわち振興銀行の設立準備会社、これが設置をされている段階、この会社がどういう会社かということになりますが、これにつきましては、先ほどお話がありましたように、資本金は二十億に満たない会社でございました。資本金は当初一億ということで立ち上がりました。
 そして、その会社には取締役が当然ながらに入っていかれる。役員としては三名の方が入っておられます。監査役一名。四月十日に、設立と同時に役員三名と監査役一名がつかれました。五月の十五日に、この振興銀行の取締役に新たに三名つかれ、そして六月の二十一日にもう一名つかれました。合計七名の取締役体制で、八月二十日の予備免許申請が行われました。
 さて、この準備会社、日本振興銀行の準備会社の取締役につかれた木村剛氏、この方はその当時、金融庁にかかわる役職を持っておられましたが、どういう役職だったでしょうか、お答えいただけますか。
○佐藤政府参考人 平成十五年八月まで、木村氏は金融庁の顧問でいらっしゃいました。
○馬淵委員 木村剛氏は金融庁の顧問でいらっしゃいました。金融庁の顧問として、金融行政に当然ながらアドバイスをするというお立場でいらっしゃいました。八月までと今局長の御答弁ありましたが、八月二十日、日本振興銀行の予備免許申請がなされたと同日に金融庁顧問を辞任されておられます。
 改めてお尋ねをします。
 木村、当時顧問ですね、木村顧問が、この予備免許申請の前段の中で、事前にハイレベルでの御相談というのはあったんでしょうか、お答えいただけますか。
 これは担当大臣、あるいは、その当時のことであれば局長で結構です。
○佐藤政府参考人 済みません、お尋ねの最後の部分がちょっと聞き取れなかったんですが……(馬淵委員「事前の相談はあったかということですね。顧問としてハイレベルな事前の相談はあったのか」と呼ぶ)顧問をおやめになった後にこの予備審査の申請が行われたということでございます。
○馬淵委員 おやめになった後じゃないです。同日ですよ、これは。同日に予備免許申請がなされているわけですね。ですから、ちょっとそこは間違えないようにしていただきたいんですが、顧問としておられるわけですが、ハイレベルでの事前相談といったことはありましたかというお尋ねなんです。もう一度。
○佐藤政府参考人 日本振興銀行に関しましては、先ほども御答弁申し上げましたように、事前の相談はなかったというふうに了解をいたしております。
○馬淵委員 さて、お手元の資料にコンサルティング契約書というものを添付しております。
 KPMGファイナンシャル、これは先ほど申し上げたように、顧問でいらっしゃる木村剛氏が代表をされておられる会社でございました。そこと、日本振興銀行の設立準備会社の株式を一〇〇%持っている会社がコンサルティング契約を交わされております。このコンサルティング契約の中には、銀行業の営業の免許の取得申請を行うに際して必要なサービス、アドバイザリーサービスを提供する、このように書かれております。
 このコンサルティング契約書の業務の部分で、そして重要な一番、金融庁との交渉戦略、このように書かれています。KPMG、すなわち、木村さんが代表をされておられる、金融庁の顧問でおられるときに、これはやめておられないんですよ、この締結日は五月一日ですから。木村氏が顧問でいらっしゃったときに、御自身が代表をされている会社が、新たな銀行設立のその営業免許取得の申請を行うに際して必要なサービスを提供するとして、金融庁との交渉ということをここで締結されているわけですね。
 さて、その対価は一億円。私は、対価のことを申しません。与謝野大臣、金融担当大臣として、このような契約はどのようにお感じになられますか。どうお考えですか。どう思われますか。お答えいただけますか。
○与謝野国務大臣 銀行免許を取得されるためには、一定の手続あるいは金融庁に対する説明、もろもろのやはり難しい手続を経るわけでございまして、そういうものに対する知識を提供するという意味の私は契約だというふうに今読んだところでございます。
○馬淵委員 大臣、私がお尋ねしているのは、この文言はそうなんですが、そこの代表をされている方が金融庁の顧問なんですね。それについてどう思われるかということをお尋ねしています。
○与謝野国務大臣 木村さんは、多分、それぞれの職を汚すことなく、二つのことをきちんとやっておられたんだと私は思っております。
○馬淵委員 木村さんがそれぞれのお立場でしっかりやられたと。それだけですか。
 では、端的にお聞きしますよ。不適切ではないでしょうか。イエス・オア・ノーでお答えいただけませんか。不適切ではありませんか。担当大臣として、責任あるお答えを下さい。
○与謝野国務大臣 適切、不適切ということはにわかに判断できませんけれども、それによってみずからの立場を汚すようなことはされていないと私は考えております。
○馬淵委員 では、改めてお尋ねしましょう。与謝野大臣は、このような形で顧問におられる方が、銀行業務の申請の、金融庁との交渉にかかわる業務をされることを今後も認めていかれますか。
○与謝野国務大臣 顧問としてどこまでかかわっていたかということは別にいたしまして、やはり世間の誤解を受けないようなことである必要がある、そのように思っております。
○馬淵委員 質問の趣旨をもう一度お伝えしますよ。
 今後もこういったことを認められるのですか、こうお尋ねをしています。
○与謝野国務大臣 免許の申請に当たっては、顧問をやめられてきちんとけじめをつけられていたと私は思っております。
○馬淵委員 いや、お答えじゃないですよね。
 私は、申請時に同時に顧問をやめられたというのは確認していますから存じ上げていますよ。お尋ねしているのは、申請時の前なんですよ。事前相談がないといった、事前相談がないのはこの銀行だけなんですよ。事前相談は一度もされずに仮免許申請をされ、交付された。そして、仮免許申請、交付されたものはすべて本免許申請、交付された、こういう現実がある。その中で、事前相談をしなかったこの銀行の、事前の免許取得のためのコンサルティングの請負をされたのが木村顧問なんです。
 この木村顧問のようなお立場を今後もお認めになられるのですか、認めていかれるのですか、担当大臣、責任あるお答えを下さい、こう申し上げているのです。大臣、お願いします。
○与謝野国務大臣 まず、事前に相談されるかどうかというのは、むしろ申請者の方の御判断の問題であって、それはそれなりに判断をされたのだと思っております。それで、銀行免許を付与するかどうかというのは、法律に書かれた要件を満たしているかどうかということを判断するわけでございまして、そのことと顧問であるということは、実は申請時にはきちんとけじめをつけておられたと私は思っております。
○馬淵委員 ちょっともう一回お聞きしましょう。聞いていることと違うことをお答えいただいているのですよ。
 私は、先ほどお尋ねをした、竹中さんがつくってこられた路線を伊藤さんが踏み、そしてその延長上にあると与謝野大臣はおっしゃった。金融行政を信頼できるものにしよう、透明性を高めよう、そのようにおっしゃった。その上で、責任あるお立場で、顧問でおられる方が、営業免許取得のアドバイスを行う、金融庁との交渉と明確に書いてある。そのことを行うことを今後も認められるのですかとお尋ねしているのですよ。
 いいですか。これ、ちょっと、ちゃんとお答えいただけないと、責任あるお立場として。私は先ほども確認したじゃないですか。与謝野大臣は明確に理念を守るとおっしゃったじゃないですか。
○与謝野国務大臣 金融庁顧問という立場を御説明申し上げますが、金融庁顧問は、金融庁の所掌事務のうち重要な施策に参画することとされておりますけれども、個別事案について意思決定またはその実行についての法的権限が付与されているものではなく、個別事案を所掌したり、これに関与をするものではない。したがいまして、委員御指摘の、平成十五年八月までの金融庁顧問であったことに問題はなかったと考えております。(発言する者あり)
○大島委員長 馬淵澄夫君、もう一回。
○馬淵委員 では、もう一度。
 与謝野大臣、あなたは、今後もこうした形で、顧問におられる方がかかわることをお認めになる方針なんですね。イエス・オア・ノーでお答えください。
○与謝野国務大臣 どういう事例で御質問になったかわかりませんけれども、顧問というのは、金融に関して有用な知識や経験を提供してくださるというだけでありまして、先ほどお答え申し上げましたように、個別の案件あるいは行政の中身にタッチする立場ではないということは先ほど御説明したとおりでございます。(発言する者あり)
○大島委員長 与謝野大臣、もう一度、恐縮ですが、こういう事例を、今後もあっていいかどうかという非常に、それを認めるかどうかということでしょう。与謝野大臣、お願いします。
○与謝野国務大臣 どういう事例を指して言っておられるか判然としませんけれども、やはり世間の誤解を受けないようなことは、当然、常に心していかなければならないことだと思っております。
○大島委員長 ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○大島委員長 速記を起こしてください。
 与謝野担当大臣。
○与謝野国務大臣 銀行免許というのは、先ほど先生が要件を挙げられましたように、資産、財産、資本の面の充実、また人的構成が適切かどうかというような観点から、極めて厳格な審査を経るものであるというのはもう委員御承知のとおりでございます。
 このように、一見、部内者がかかわっている、この点を恐らく問題にされていると思うんですけれども、形式的な問題としては、やはり免許を申請する前に顧問の職を辞しておられるということは……(馬淵委員「前じゃない。同時ですよ」と呼ぶ)免許申請前に辞しておられるということは事実でありますけれども、先ほど申し上げましたように、これらのケースにおいては、やはり国民の信頼を維持するためには誤解を受けないような形は将来とも考えていかなければならないと思っております。
○馬淵委員 済みません、では、誤解を受けない形というのはどういうことですか。それを具体的に説明してくださいよ。
○与謝野国務大臣 免許の審査自体は、極めて法的な処理と申しますか、行政的な処理でございますけれども、その周辺の事実がその審査自体の廉潔性を例えば委員のように疑わしいものとしてとらえられるということ自体は、それはこれからも避けていかなければならない。また、そのように行政を行っていく場合には心がけていかなければならないことだと思っております。
○馬淵委員 ちょっと意味がわからないですね。これは意味が、今お答えの意味が全然通らないんですが。国民の疑念を抱かれるようなことは取り除かなきゃいけないということをおっしゃって、では、それは具体的にどういうことなんですかと私はお尋ねしたんですよ。そのお答えになっていないじゃないですか。
 何度も申し上げるように、顧問が銀行免許取得のコンサルをやっていいんですかと、私、単純にお尋ねしているわけですよ。それをお答えいただかないで、何だか、いや、国民の疑念を解かなきゃいけないんだみたいな話をされるけれども、具体的にどうなんですか。
 私、単純なことをお聞きしているんですよ。顧問が今後も銀行免許取得の交渉コンサルを受けられることをお認めになるんですかと尋ねているんです。そして、お認めにならないのであれば、あるいはどうするかこれから決めなきゃならないなら、具体的にどうお考えなんですかとお尋ねしているんですよ。明確に答えてください。
○与謝野国務大臣 顧問というのはあくまでも顧問でありまして、金融庁の金融行政、個別の案件にかかわっているわけではありません。したがいまして、金融庁で顧問であったことは事実でございますけれども、免許申請前には職を辞しておられるということで、そこで一つのけじめがついていると私は思っております。
○馬淵委員 ちょっと、もう一回聞きますよ。
 いいですか。免許申請同日に辞任をされた、そんなこと、私、もう何度も確認しているじゃないですか。そうじゃなくて、顧問でおられた平成十五年の五月一日に、御本人が代表取締役である会社で銀行免許取得の金融庁との交渉のそのコンサルを行うということを、今後もお認めになるんですかと尋ねているんですよ。はっきり言ってくださいよ。
○与謝野国務大臣 顧問という肩書がその方のすべての職業活動を妨げるものではないと私は思っております。
○馬淵委員 認めるということですね。お答えください。
○与謝野国務大臣 私は、すべてという言葉を使いましたが、この問題は、法的には全く問題のない問題だと考えております。
○馬淵委員 金融担当大臣、今、大変な発言なんですが、金融庁、今後も、顧問でおられる方が銀行免許取得など、いいですか、事前相談がなかったのはこれ一件だけなんですよ。それまで全部事前相談はあったんです。事前相談がなかったのはこれだけなんですが、顧問である方が、顧問であるときに免許取得のコンサルを受けることを今後も認める、法的に問題ないとはっきりおっしゃったということでよろしいですか。イエス・オア・ノーでお答えいただけませんかね。
○与謝野国務大臣 銀行免許を認めるか認めないかということは、法律に書いてある要件を満たしているか満たしていないかというのを公平公正な立場から判断する話でございまして、私は、本件は法的に何ら問題がないと考えております。
○馬淵委員 大臣、すりかえないでください。免許の取得のところじゃないんです。私が確認しているのは、以前の話なんですよ。免許申請される前に。要は、今、顧問も何人もいらっしゃるでしょう。いらっしゃるはずですよ。では、今いらっしゃる顧問の方が、事前相談じゃなくて、なしですよ、今いらっしゃる顧問の方が銀行免許取得の金融庁との交渉コンサルというのをされたときに、ああ、これは適切だとおっしゃるんですか。お答えください。
○与謝野国務大臣 倫理の話を私はお答えしているのではなくて、法律上何か問題があるかという観点からお答えしているわけです。
 顧問というのは、公務員法上の国家公務員の規定はかかっておりませんし、また、免許申請時には、その直前ではございますけれども、職を辞しておられますので、そういう点では法的な問題は一切ない、そのように思っております。
○馬淵委員 大変な御発言だと思うんです。
 倫理の問題ではない、こういうふうにおっしゃいましたが、先ほど私が確認させていただいた信頼される金融行政の確立、ここには、金融庁の行動規範の確立、まさにこれは倫理の話じゃないですか。内外無差別原則の確認、倫理の話じゃないですか。内外に差別があっちゃだめなんだよ、そして金融庁の行動規範というのは確立されなきゃならないんだよと、信頼される金融行政の確立として三本柱の一つに書いてあるじゃないですか。
 倫理の話じゃないんだとおっしゃった。これは先ほど私は確認しましたよ、金融改革プログラムを踏襲される、理念を守られるんですかと。するとおっしゃったけれども、今のお話だと、それをもう守らないとおっしゃっているのと同じじゃないですか。いかがですか。
○与謝野国務大臣 私は、倫理上問題ないという発言は実はしておりませんで、法的なお話だけをすれば、法律的にはきちんとされているということをお答えしたわけでございます。
○馬淵委員 大臣、法律が守られていればよいということでおっしゃるのであれば、この金融庁の行動規範の確立というのはどういうことなんですか。これは法律を守るというだけですか。信頼される金融行政の確立というのはどういうことなんでしょうか。
 大臣、おっしゃっていること、これは再度確認ですよ。金融庁の行動規範の確立、内外無差別原則、これと一致されるという答弁ですか。お答えください。
○与謝野国務大臣 行動規範というのは金融庁の長官初め職員を対象にしている話でございまして、その話と木村さんの話は混同できないんだろうと思っております。
○馬淵委員 済みません。では、顧問は行動規範というのは問われないということですか。
 今のお話だと、顧問は法的に問題ない、行動規範も問われない、だから、金融庁内部にかかわりながらも、実は、例えば事前相談とかがない状態、これ一件しかないんですよ。そんな中で、こういう形で銀行業務の営業免許取得のコンサルを行うことも行動規範に触れない、こういうことを明言されたということですか。
○与謝野国務大臣 金融庁顧問というのは、あくまでも金融庁顧問でしかないのであって、先ほど申し上げましたように、国家公務員法もかかりませんし、倫理規定もかからないという存在でございます。
 もちろん、一般的な話として、法律を遵守するだけではなく、それぞれの行為というものが一定の倫理の上に乗ったものであるということは、一般的にはそのようなことは言えると思いますけれども、本件に関して言えば、法的に私は問題を発見することはできないわけでございます。
○馬淵委員 本当に驚くようなお言葉をいただいたと私は思っておるわけですが、結局、顧問が倫理規定にもかからないんだ、法律さえ守っていればいいんだ、行動規範の確立にもかからないと言われるそのお答えが、金融庁の金融行政の透明性を高めて、そして行動規範の確立という改革プログラムにうたわれている柱と合致するとはとても思えないんです。
 今の御答弁は、実は昨年の三月十一日に私はこのことについては財務金融委員会で質疑をさせていただきましたが、伊藤大臣も、「木村氏が顧問をしていた、そのことによって免許審査がゆがめられたということは全くございません。」ということで、結果だけとにかく曲がっていなきゃいいんだ、こういうお答えをされているわけですね。これは、どこかで聞いたなと思うと、やはりこの第一委員室でも、何度も何度もこういったことが繰り返されているんじゃないでしょうか。
 さきの耐震偽装問題でも、国土交通省、それこそ伊藤元長官とのかかわりの部分、北側大臣は先般も、いや、それによって何ら行政の指導が曲げられたことはない、このようにおっしゃっているが、結果がオーケーであればよしということを国民の皆さん方は望んでいるんでしょうか。透明性の高い行政ということを強く望まれているからこそ、国会議員に対して厳しい視線が向けられているんじゃないんでしょうか。
 今の御指摘であれば、与謝野大臣が金融改革プログラムをしっかりと踏襲してその理念を守るというお言葉が、大変失礼な物言いかもしれませんが、私にはとてもうつろに聞こえて仕方がないんです。
 日本振興銀行、この銀行は、このように設立経緯の中で極めて問題あるとうかがい知れるような状況が重なっておりました。そして、この銀行のリスク管理、ガバナンスということも幾つも言われております。
 先ほど申し上げた、落合氏はこの日本振興銀行の取締役として入ってこられた。そして木村氏も、顧問を辞任されて、振興銀行の役員となられた。しかし、その後、木村氏、落合氏の確執がうわさされ、その他の役員の退任、あるいは貸出残高の伸び悩み等々、そういったうわさが絶えません。そして、昨年十一月八日、さまざまなうわさの中でやっと立入検査が実現をしました。終了したのは一月三十一日、ついこの間です。
 さて、お尋ねをします。
 この立入検査、設立当初からさまざまな問題が指摘されている中で、余りにも遅きに失し過ぎたのではありませんか。この立入検査、伊藤大臣のもとでは行われなかったが、与謝野大臣にかわられてすぐにこの立入検査が行われた。与謝野大臣が、この問題に対してどういうお考えを持っておられるのか。遅きに過ぎたのではないか、遅過ぎたのではないか。大臣がかわられて、自分がやったその検査に対してどういう思いを持っておられるのか、御所見をいただきたいと思います。
○与謝野国務大臣 あらゆる銀行が検査の対象になるわけでございまして、個別の案件についてはお答えできませんけれども、金融担当大臣から、これこれの銀行の検査を早くやった方がいいとか、あるいはやらない方がいいとかというような指図というのは全くあり得ない話でございまして、順番が来て検査を始めたということだと私は考えております。
○馬淵委員 そういった指図はされなかった、そして、遅過ぎた云々といったことも、とりわけ大臣の指示によるものではないんだ、こういうことでございます。
 先ほど、十一月八日に立入検査をされ一月三十一日、二カ月以上行われたわけでありますが、こうした日本振興銀行の規模、先ほども申し上げたように、与信機能としてはいわゆるミドルリスクローンと呼ばれる貸し出しを行う銀行であります。決済システムを自行が持たずに行う、いわば信金、信組レベルとも呼べるような程度の規模のこの銀行が検査を受けるという状況の中で、これは期間として長いですか。どうでしょう。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。
 個別の金融機関の立入検査の期間がどのぐらい、これを長いか短いか評価するというのは、我々、避けたいというふうに考えておりますが、これはやはりいろいろな状況の中で、検証すべき点を検証する必要な期間、こういうぐあいに考えております。
○馬淵委員 なかなか検査の中身にかかわることというのはお答えいただけないのはよくわかっておりますが、信金、信組レベルの中で、それがどれぐらいの体制でやられたかということにもよるんでしょうけれども、通常の検査のレベルから見れば極めて異例の長さではないか、このように感じるわけであります。
 さて、この日本振興銀行のリスク管理、ガバナンスの問題が取りざたされる中で検査が入った。検査の結果というのは、当然この先、さらなる聴聞等々が行われて、そして、結果によっての処分あるいは命令等々が行われていくかと思いますが、この銀行の融資については、これはいろいろと私は調べていく中では問題があるなという部分が出てまいりましたが、一般的なことをお尋ねしていきたいと思います。
 免許申請時の業務の範囲を超えた融資であるとか、あるいは役員の兼職規定の違反であるとか、あるいは主要株主の規制の違反等々、こうしたことが指摘されたりしているわけでありますが、個別の貸し出しについて、一般論としてお尋ねをしていきたい。
 いわゆる情実融資と呼ばれる問題。個別の貸出先に対して、貸出規定等を逸脱して、一般的に貸し出すその条件を緩和して貸し出していく、こうしたことについては厳しい規制があるはずです。例えば商法等では利益相反行為等々は厳しくこれも規制されています。さて、銀行法上ではこうした利益相反行為の規制というのはどうなっていますでしょうか。これは局長答弁で結構ですよ。
○佐藤政府参考人 銀行法の規定で一番近いと思われますのは、いわゆるアームズ・レングスのルールであろうと思います。銀行の主要株主等銀行と特殊な関係のある者との間で、その信用度等に照らして通常の条件と比して当該銀行に不利な条件で行われる取引等を禁止しているというものでございます。
○馬淵委員 もう二点ばかり、一般的なところを確認していきたいと思います。
 今、アームズ・レングスの話がございました。商法の規制の方が実は利益相反に関しては厳しく規定をされているわけでありますが、個別の業法の方が主要株主等の規制で実はちょっと緩いんですね。
 では、銀行の役員の部分でございますが、兼業の会社、銀行の役員が兼業されている会社に普通の融資条件より有利な条件で貸し付けるといったこと、これは銀行法上の問題はございませんか。
○佐藤政府参考人 御指摘のようなケースの場合、先ほど申しましたアームズ・レングスのルールにかんがみて適正な対応をする必要があるというふうに思います。
○馬淵委員 ここも商法上の規定より緩い銀行法上のアームズ・レングス・ルールにのっとるわけでございますね。
 さて、ではもう一つお聞きしますが、銀行資本の二五%超の融資、これは大変な額だと思うんですが、同一の者に対して、同一人に対して二五%超の融資、こうした貸し出しに対して資金使途も十分な審査がなされていない状況というのは、これは問題ある融資なんでしょうか。
○佐藤政府参考人 今のお話に関しまして、銀行法上は、いわゆる大口信用供与規制というのがございます。銀行が信用の供与をある特定の企業に集中して行うこと等を禁止しているものでございます。
 それから、後段のお話に関しましては、融資審査を行い、全体の的確なリスク管理の中で債権管理をやっていくというのは、銀行の業務として当然求められるものであるというふうに一般的に考えております。
○馬淵委員 済みません、では、もう二点お尋ねします。
 こうした貸し出しの中で、未上場の株の担保というのはどのように解されるべきなんでしょうか。
 もう一点。未上場の銀行が自行の株の担保というのは、これは適切な貸し出しになるんでしょうか、貸付担保となるんでしょうか。
○佐藤政府参考人 一般論としてお答え申し上げたいと思いますけれども、銀行が融資を行う際に自行の株式を担保とするということ、そのこと自体については法令上の規制はございませんので、銀行の経営判断ということでございます。
 それから、同じように、非上場の株式を担保とする場合についても同様でございますが、いずれにいたしましても、その担保の価値の適正な評価、それを踏まえた全体としての的確なリスク管理の中で行われるべきであるということは当然かと思います。
○馬淵委員 銀行法上ではそこに対する規制はない、経営判断なんだと。経営判断の結果そのようなことを行っても、恐らく、金融庁としては、監督局としては、例えば適切な引当金が計上されているとかによって健全性が損なわれていなければよいという、こうした監督局の指針になるのではないかと思われます。
 さて、先ほどお配りした資料、この資料の一枚目には日本振興銀行をめぐる経緯ということを載せておりますが、先ほど申し上げたように、この銀行が幾つかのさまざまな状況に陥った。役員が交代をする、なかなか貸出残高が伸びないといった中で木村氏は、先ほども申し上げていたKFiですね、みずからの、代表取締役をされている、その代表をおりられる。それはなぜか。日本振興銀行の代表取締役に就任されるからなんですね、これは先ほど兼業の部分の話にかかわるわけでありますが。そして、日本振興銀行は、木村氏が代表をしていたその会社、KFiに三億九千万円を金利三%で融資をされています。年利三%。
 そしてさらに、木村氏は、御自身が代表取締役をおりたけれども、今、日本振興銀行の代表執行役に就任して、御自身がまだ取締役を務めているウッドビレッジという会社、この会社は木村氏の奥様が代表取締役を務めておられるわけですが、このウッドビレッジに金利三%で一億七千八百七十五万円を融資されておられます。
 さて、お手元に資料をお配りしましたが、貸出申請書というのがございます。これは、日本振興銀行の中で貸し出しに対しての審査を行う、その申請書でございます。ウッドビレッジという会社に担保として、当行株式というのは日本振興銀行株、五千五百株を担保として、そして貸し出しは一億七千八百七十五万円、これを固定金利三%で貸し出すという申請であります。
 これに対しては、ごらんいただいたらわかりますように、貸し出しに対しての評価という部分は、省略、省略、省略、省略となっています。運転資金として申し出があって、そしてこうした一億七千八百七十五万円の、御自身の奥様が代表であり、御自身が役員を務めている会社に、貸出申請書が銀行に出されてきた。この日付は三月七日となっています。二〇〇五年三月七日、昨年です。平成十七年の三月七日に申請がなされていますが、この申請が出される前に、ここを見ていただきますとわかりますように、その直前の二月の二十八日の取締役会で承認がなされて、貸し出しについて申請がなされたという形でこの書面は読み取れます。
 次のページをごらんください。審査判定書とあります。この審査判定書の中では、ウッドビレッジに対する貸し出し、業績内容は売り上げ一千六百万円、この会社に一億七千八百七十五万円の貸し付け。決算時点では実質債務超過となるんだと。ただし、ここにありますように、増資を行って債務超過を解消するとなっていますが、一千六百万円の売り上げの、御自身の奥様が代表取締役をされている会社に一億七千八百七十五万円の貸し付けを行って、五千五百株の振興銀行株を担保に入れることが審査の中で行われているとなります。
 ここで見ますと、結論として、利益相反取引となっており、本件は金額一億以上、一億以上というのは日本振興銀行の貸出基準の上限額であります。それを超えて貸し出し、かつ利益相反取引となっているから、取締役会で決めてください、こういう判定になっています。
 さらに次のページをごらんいただくと、ウッドビレッジという会社の状況がわかります。奥様が代表取締役をされ、株主構成は御自身の同族の方で占められております。取引約定書を見れば、奥様の名前と木村代表執行役の名前が併記される銀行取引約定書となります。
 先ほど金融庁にお尋ねをさせていただきました。銀行法上問題ないかという私の問いに対して、アームズ・レングス・ルールの中に、あるいは大口信用供与の規制、これにかかわるか否かだというお話でありました。
 このように、昨年の三月の段階で一億数千万の貸し付け、売り上げ千六百万円の会社がわずか固定金利三%。日本振興銀行は、振興ローンと銘打ってミドルリスクローン、いわゆる八%から一五%の利息をとって利益を出すという銀行です。そういうスキームでこの免許申請がなされていました。
 しかし、御自身が代表をされている会社に貸し付け三億九千万円、さらに、御自身も役員として入り、株式を持ち、同族会社であり、奥様が社長をされている会社に売り上げの十倍以上の貸し付けを行って、こうした融資というものが問題はないのか。先ほども与謝野大臣、顧問である方が銀行免許取得にかかわるということについて、お認めになるんですかと私がお尋ねしたところ、法的に問題ないんだ、このようにおっしゃった。法律にかかわらなければ何でもいいということを言わんばかりのお答えだと私は聞こえるわけでありますが、さて、このような融資に対して、担当大臣としてどのようにお感じでしょうか、与謝野大臣。
○与謝野国務大臣 個別の案件についてはお答えできませんけれども、金融庁としては、検査を通じて融資が適正に行われているかどうかということも把握をしなければならないと思っております。
○馬淵委員 金融庁として本当に、先ほど私が確認をさせていただいているように、信頼性が問われる事象なんですね。個別の案件についてお答えいただけないということは重々承知していますが、一般の方がお聞きになれば、どなたがお聞きになってもこのような融資というものが適切であるとはなかなか考えにくいはずです。このような融資を行っている銀行に対して検査に入られた。厳正なる検査を行った上での行政手続を行われるということをここで明言いただけますか、大臣。
○与謝野国務大臣 検査はルールにのっとって行い、また、検査結果の通知等、これもまたルールどおりきちんと行う予定でございます。
○馬淵委員 もう時間が大分過ぎてしまいました。
 本当に金融庁のあり方が問われています。この問題の検査結果というものを国民が見るわけであります。先ほど来申し上げるように、際限なき裁量行政が今も行われているのではないか、そのことが問われています。
 そして、私は最後にこのことをお尋ねしたいと思います。
 竹中総務大臣が当時担当大臣でおられた。そして、竹中さんから伊藤さんにかわられて、伊藤大臣が改革プログラムの中で進めておられる透明性の高い金融行政ということが十分でないかもしれないと、私はきょうその疑念をぶつけさせていただいたわけでありますが、この写真をごらんください。これは竹中大臣が参議院選挙のときの写真であります。横にいるのは木村剛氏です。これは東洋経済、雑誌に載った写真です。これは御了解いただいて、理事会にも御承認いただきましてお出ししております。
 これは二〇〇四年の七月八日に新橋の駅頭で行われた木村さんと竹中さんの応援演説。内容を録音していた方がいらっしゃって、書き起こしたものが出ておりました。その中に、竹中さんはこういうふうにおっしゃっています。私が立候補することを決めたときに、私の気持ちをやはり一番理解してくださったのは木村さんであり、そして一緒に仕事をしている担当副大臣の伊藤達也さんだったと思います、三人でスクラムを組んでやっていきたいと思っていますと、木村氏との親密な関係が繰り返し強調されています。
 これを見た国民はどう思うでしょうか。一月三十一日に終わった立入検査の結果、先ほども、検査等しっかり行う、このようにおっしゃっていただいたわけでありますが、信頼される金融行政、それとは正反対の状況があるのではないかと国民に疑われるようなことがあってはならないんです。
 最後に、竹中さん、当時、この写真にもあるように、おっしゃっておられました。そして与謝野さん、現担当大臣でいらっしゃいます。お二人に最後にその御所見と決意というものをお伺いさせていただきます。竹中大臣、与謝野大臣、お願いします。
○竹中国務大臣 最後に選挙のときの写真を御披露くださいましたが、あのときはたしか伊藤さんと木村さんと私と三人で対談のようなことをやったんだと思います。スクラムを組んでと、三人でやっていましたのでそのように申し上げたのだと思います。
 いずれにしましても、冒頭で申し上げましたように、金融行政、信頼が基礎であると思います。その信頼に向けてこれまでも金融庁は汗を流してきたと思いますし、今後とも、また現在もそのような形でしっかりと金融庁は対応しているというふうに私は思っております。
○大島委員長 よろしいですか。
 これにて……(馬淵委員「与謝野大臣、与謝野大臣、お二方」と呼ぶ)与謝野大臣、失礼をしました。
○与謝野国務大臣 私は、銀行法初め諸法令に照らして国民に信頼される銀行行政を行う、これが金融庁の仕事であり、また私の仕事でもある、そういう使命感を持ってやらせていただきたいと思います。
 なお、先ほど、答弁が少し足りないところがございましたので。
 金融庁の顧問というのは非常勤の国家公務員でございまして、国家公務員法上の守秘義務及び倫理規定の適用の対象となります。しかし、非常勤の国家公務員であることから、金融庁顧問以外の業務活動に国家公務員法上の制限はない、これが正しい答えでございます。
○馬淵委員 大臣、最後に何かもうとんでもない御答弁を今いただいたような気がするんですが。先ほどの御説明と違うじゃないですか。先ほどの御説明と違いますよ。これにもう本当に大変な問題ですよ。国家公務員法上も倫理規定も、全くこれにかかわらないんだという御答弁だったじゃないですか。それと違うじゃないですか。大臣、これはちょっともう、これまた話が終わらないです、これじゃ。終わらない。これは終わらない。
○与謝野国務大臣 先ほど答弁いたしましたのは、国家公務員倫理法の適用はないという趣旨のことをお答えしたつもりでございます。
○大島委員長 馬淵君。馬淵君。(発言する者あり)
 馬淵君の質問に対して与謝野大臣のお答えを、議事録を精査した上で、そしてその処置については理事会で検討してまいりますので、馬淵君、まだ続きますか。(馬淵委員「一言」と呼ぶ)一言どうぞ。
○馬淵委員 ありがとうございます。今、委員長のその公正な御判断、これをしっかりと頼りにしたいと思います。
 こうした、本当にこの金融行政、根幹となる部分、小泉改革のスタートを切ったところからこの金融行政というのが一番大事なポイントとして今日まで続いているわけです。しっかりとそこをただしていくためにも、このような問題が今明らかになりつつある中で、やはり当事者である、非常にインフラとして重要な日本振興銀行の木村剛氏を参考人として当委員会にも御招致いただくことを、委員長、どうか理事会でも協議をいただきますようお願い申し上げます。
○大島委員長 理事会で協議させていただきます。
○馬淵委員 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○大島委員長 これにて馬淵君の質疑は終了いたしました。
 次に、長島昭久君。
○長島(昭)委員 民主党の長島昭久です。
 本日は、上海総領事館の館員の自殺事件について質疑をさせていただきます。
 まず冒頭に、亡くなられました領事官の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様方に心からお悔やみを申し上げる次第でございます。(発言する者あり)領事カンのカンは官という字ですから。
○大島委員長 静かに。
○長島(昭)委員 せんだって、二月の八日に私の同僚高山議員から、政府の情報収集あるいは情報伝達に絞って質問をさせていただきましたところ、インテリジェンスにかかわる問題だということで十分な御答弁をいただけなかった。もちろん、国益の観点から考えれば、どういう情報に政府が関心を持って、そしてそれをどのように収集し、そしてそれをリレーしていくかということについて、こういう公の国会の場ではなかなか答弁しにくい、こういうこともよく理解をしているところであります。
 一方、憲法五十七条では秘密会という規定がございます。出席議員の三分の二の多数で議決をした場合には秘密会を開催することができる、こういう規定でございます。
 私は、本件、これから議論をしてまいりますけれども、この本件の重要な意味、重大性にかんがみて、場合によっては、秘密会という方式で政府と我々立法府との間で正確な情報交換、情報共有をする必要があると思いますが、官房長官、御所見をいただきたいというふうに思います。
    〔委員長退席、茂木委員長代理着席〕
○安倍国務大臣 秘密会を開くかどうかということにつきましては、院で御議論をいただき、御決定をいただきたいと思います。
○長島(昭)委員 官房長官、開くか開かないかということよりも、もしこういうケースで開いた場合に、政府として御協力いただけますか。
○安倍国務大臣 事柄の性質上、その場において我々が公表できるもの、また公表できないものもあると思いますので、それは、しっかりと精査をしてみないと今の段階でお答えはできません。
○長島(昭)委員 それでは本題に入りたいと思います。
 事実をまず確認しておきたいと思いますが、二〇〇四年の五月六日、在上海総領事館の館員が亡くなられました。自殺ということであります。外務省の発表によれば、いろいろ言っておりますが、いろいろなプライバシーの問題もあって公表を差し控えるが、死亡の背景には、現地の中国側公安当局関係者による、領事関係に関するウィーン条約上の接受国の義務に反する遺憾な行為があった、このように報告をされております。
 まず外務省にお尋ねをしたい。中国側公安当局関係者とは、具体的にはどういう方々でしょうか。
○塩尻政府参考人 お答え申し上げます。
 今の御質問でございますけれども、その点については、インテリジェンスの問題にかかわりますので、御答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○長島(昭)委員 インテリジェンスの関係は全然ありませんよ。これは非常に重要なんです。どういうグループにプレッシャーをかけられたのかというのは非常に重要なんですよ。
 後でまた少し議論をすることになると思いますが、亡くなられた領事館館員の方を検視したのは、これも外務省の発表によると、中国側公安関係者、こういうことになっているんですね。事実でなければ訂正していただきたいと思いますが、ここでいう、つまりは、今の外務省の発表によれば、領事関係に関するウィーン条約の接受国としての義務に反する行動をした公安関係者と亡くなられた領事館員の検視をした公安関係者とどういう関係にあるのか、具体的にお答えください。
    〔茂木委員長代理退席、委員長着席〕
○塩尻政府参考人 お答えいたします。
 我々の調査によりますと、現地の中国側公安当局関係者によって脅迫、恫喝ないしそれに類する行為であったと判断されますけれども、それで自殺に追いやられたということでございます。
 それから、検視でございますけれども、これは、上海市内の病院におきまして、上海市法院、これは日本の裁判所に当たるような機関でございますけれども、その監察医によって行われております。ただ、その場には総領事館の医務官が立ち会っております。
○長島(昭)委員 遺憾な行為は脅迫のたぐいだという今お話がありましたけれども、外務省として、事件が起こった五月の六日以降どの段階で、かかる条約違反の遺憾な行為が行われたと認識しましたか。認識に至ったタイミングについてお答えください。
○塩尻政府参考人 事件が起きました五月六日以降、我が方において調査をいろいろやりました。その結果、先ほど申し上げましたように、ウィーン条約に反する遺憾な行為があったということで、直ちに中国側に対して厳重な抗議を行うとともに、事実の究明を行ったということでございます。
○長島(昭)委員 いつかを聞いているんです。日時をはっきりさせてください。これはインテリジェンスでも何でもありませんよ。
○塩尻政府参考人 いつ中国側に対して抗議を行ったのかという……(長島(昭)委員「違う、違う」と呼ぶ)
○大島委員長 官房長、よく質問者の内容を聞いて、確かめてお答えしなさい。
 もう一度、長島昭久君。
○長島(昭)委員 官房長、よく聞いてください。
 ウィーン条約違反の遺憾な行為が行われたと外務省が認識をしたのはいつかと聞いているんです。
○塩尻政府参考人 今、答弁が途中になりましたけれども、中国側に対しては、最初に五月十二日に抗議を申しております。したがいまして、五月六日に自殺が発見された以降、この十二日の間にそういう判断をしたということでございます。
○長島(昭)委員 その認識に至ったときに、外務省としては、今おっしゃいました五月十二日に最初の抗議が行われた、五月六日に事件が起こった、その間に認識をしたということですね。もう一回確認させてください。
○塩尻政府参考人 そのとおりでございます。
○長島(昭)委員 大分想定外に答弁が混乱されていると思うんですが、事件の全容、真相を解明するために、外務省は独自の監察査察担当参事官を現地に送りましたね。それはいつですか。
○塩尻政府参考人 お尋ねの監察査察担当参事官の上海の派遣でございますけれども、平成十六年の五月十六日から二十日にかけて派遣しております。
○長島(昭)委員 五月十六日から派遣された監察査察担当参事官のミッションは何ですか。
○塩尻政府参考人 監察査察担当参事官のミッションでございますけれども、幾つかございます。
 まず、事実関係の究明、さらなる究明ですね。それから秘密保全体制の点検、それから再発防止策の検討、それから館員のメンタルヘルスの問題の対応ということでございます。
○長島(昭)委員 ということは、その監察査察官による調査の前に既にウィーン条約違反というふうに外務省としては断定をして、先方に最初の抗議を行った、間違いありませんか。
○塩尻政府参考人 そのとおりでございます。
○長島(昭)委員 では、そのように断定した根拠は何ですか。
○塩尻政府参考人 本件につきまして、我が方として領事関係に関するウィーン条約上の接受国の義務違反があったということの判断をした最大の根拠というのは、死亡した館員の遺書の内容でございます。
 我が方として、事件発生後、できる限りの調査をいたしておりますが、その結果、遺書の内容以上の情報は得られておりません。それで、この遺書の内容から、館員の自殺の直接の原因となったものは、現地の中国側公安当局関係者による脅迫、恫喝ないしそれに類する行為であったというふうに判断しております。
○長島(昭)委員 ウィーン条約違反、脅迫、恫喝、外務省としてこの事件を、当時、我が国の国家主権に対する、あるいは我が国の国民の生命に対する重大な侵害行為であったという認識はありましたか。
○塩尻政府参考人 おっしゃるとおりでございます。
 本件は、先ほどお話ししましたように、現地の中国側公安当局関係者による遺憾な行為によって自殺に追いやられたということで、当然のことながら、極めて深刻な問題として受けとめ、対処してきたということでございます。
○長島(昭)委員 その対処の仕方についてこれから議論していくわけですけれども、もう一回繰り返しますが、本件は、我が国の国家主権に対する重大な侵害、そして我が国の国民の生命に対する重大な侵害、これはダブルカウントですよ。二重の、しかも重大な侵害行為が行われた。
 官房長官、官房長官は昨年の十二月二十七日の記者会見で次のようにコメントされています。指摘のような事案が発生する場合には、当然ながら、相手国政府に対する抗議も含め適切な対応をすることになると考えている、こうおっしゃいました。
 こういう今申し上げたような重大事案に対する対応の仕方、官房長官として、どんな対応をすることが適切だというふうにお考えですか。
○安倍国務大臣 今回の事案において外務省がとったいわゆる対応のごとく、しっかりと先方に対して抗議をすることが必要であるというふうに考えています。
○長島(昭)委員 官房長官、抗議だけですか。必要な、適切な対応というのは、抗議をすることだけでしょうか。
○安倍国務大臣 主に抗議を行うということでございます。
 今回の事案におきましても、その抗議については、累次にわたって中国側に抗議をしているというふうに承知をしております。
○長島(昭)委員 それが全くなされていないんですね。まともな抗議がなされてこなかったというのが実態なんです。
 最初の抗議、さっきおっしゃいました五月の十二日、だれが、相手側のどなたに、どういう形の抗議を行いましたか。
○佐々江政府参考人 お答え申し上げます。
 最初の抗議につきましては、平成十六年の五月十二日でございますが、我が方でございますが、在中国大使館の公使から当時の外交部アジア司副司長に対して申し入れを行っております。
 申し入れの基本的内容につきましては、先ほどお答えしましたとおり、ウィーン条約上の接受国の義務に反する遺憾な行為があったということで、厳重な抗議と事実関係の究明を求めたということでございます。
○長島(昭)委員 最初の抗議は上海で行ったんじゃないんですか、局長。
○佐々江政府参考人 私どもの理解している範囲では、最初の抗議は、この五月の十二日の中国大公使による抗議であるというふうに承知をしております。
○長島(昭)委員 亡くなられた電信官の直接の上司である杉本総領事の抗議は、それではいつですか。上海総領事館の杉本総領事の抗議は、いつ、どういう相手に対して行われましたか。
○佐々江政府参考人 当時の上海総領事から申し入れを行ったのは五月の中旬でございますが、上海市の当局の関係者に行ったということでございます。
○長島(昭)委員 上海市の当局、何でぼかすんですか。北京の中国大使館の公使の抗議の相手についてはきちっと官職名もおっしゃいましたね。杉本総領事の相手の官職名を濁すのはどういうことですか。みんな疑っているから、私聞いているんですよ。ちゃんと外務省がやっているかどうか、国民みんな不信感を持っているんですよ。ぜひこの場で不信感を払拭してください。
○佐々江政府参考人 委員御承知のとおり、この問題というのは、諜報の世界、諜報の問題が鋭く関与をしております。当時、上海総領事は、適切だと思う当局の関係者に申し入れたということで御理解願います。
○長島(昭)委員 北京の大使館の公使の抗議は、報道されているところによれば、本省からの訓令に基づく抗議と承っていますけれども、正しいですか。
○佐々江政府参考人 そのとおりでございます。
○長島(昭)委員 北京の大使館は本省からきちっと訓令で指示をして、きちっと抗議しろ、こういう話ですね。総領事館に対してはそういうコントロールはないんですか。もう一回お答えください。
 もっと言えば、杉本総領事は、部下を殺されたからといって、自分の判断で行動するんですか。そういうことを外務省は組織として認めておられるんですか。
○佐々江政府参考人 当然のことながら、総領事は、本省と十分緊密な連絡をとりながらこの申し入れを行ったわけであります。
○長島(昭)委員 そうであるなら、どういう相手方に抗議をするか、申し入れを行うか、そこまで本省は把握されていて当然ですよね。そこを国民から隠す理由は何ですか。
○佐々江政府参考人 本件はインテリジェンスにかかわるということで御理解願います。
○長島(昭)委員 上海総領事の抗議の相手がインテリジェンスにかかわっているというのは、私たちとしてはとても納得できませんが、まあ、それはそれでいいでしょう。
 それでは、相手方の対応はどうだったのか。総領事館、総領事の抗議、そして北京の日本大使館の抗議、本省の訓令に基づく抗議に対する相手方の反応、対応、どうだったか御説明ください。
○佐々江政府参考人 まず最初に中国側に抗議を申し入れたのは北京においてでございますが、それに対して先方は、調査するということであったわけでございます。(長島(昭)委員「調査」と呼ぶ)調査です。
 それから、上海につきましては、インテリジェンスにかかわることなので、お答えを差し控えたいと思います。
○長島(昭)委員 調査結果についてどのように入手するおつもりだったか。調査をすると言って、ただこちら側は聞きおいただけですか。それですごすごと帰ってこられたんですか。
○佐々江政府参考人 先方が調査をするということでありますので、その調査を待っていたということであると思います。
○長島(昭)委員 いまだに待っているんですか、一年七カ月。局長、今もなお調査結果について報告はないんですね。今も待ち続けているんですか、ひたすら。こういう対応をすると相手側はどう思いますか。そんなに重大じゃないんじゃないかな、こっちが調査すると言えば、その後、これから申し上げますけれども、一年七カ月ナシのつぶてだったんですよ、日本側から。
 麻生大臣、大臣としてこのような状況、さっき私が申し上げました、まさに国家主権の侵害、また我が国国民の生命の侵害、そして、我が国の国家機関の一部を担っている大変重要な方の死、しかも、相手の公安当局者によって脅迫に基づいて死に至らしめられた、こういう状況の中で事務方は、ただ抗議のしっ放し、調査すると言ったら一年七カ月何にもしないで待っている。外務大臣、率直な御所見を伺いたいと思います。
○麻生国務大臣 一年七カ月何もしなかったというところが、長島先生、そのころ私はそこの現場にいたわけじゃありませんので、一年七カ月間何もしていなかったかどうかというのが、私は今正直なことを言って、それが本当かどうかというのは洗える立場にありませんので、何かしていなかったのかということに関して弁明の機会を与えていただければと存じます。
○長島(昭)委員 それでは、佐々江局長、この二回の抗議の後、あの週刊誌報道が出るまでの間、外務省は中国政府に調査結果を示させるためにどのような努力を行いましたか。
○佐々江政府参考人 何度も恐縮でございますが、この案件は基本的に諜報の事案であるということで……(発言する者あり)
○大島委員長 お静かに。
○佐々江政府参考人 その間、我々が何もしていなかったということはありません。いろいろ措置を検討し、防諜対策も含めて、必要な措置をとってきております。
 その具体的な中身については、諜報の世界に関することについてはお答えを差し控えたいと思います。
○長島(昭)委員 防諜対策にすりかえないでください。相手側の調査結果を引き出させるために、さっき安倍官房長官もおっしゃいました、抗議も含め、どんな努力をしましたかと言っているんです。こんなのはインテリジェンスでも何でもないじゃないですか。しっかりお答えください。
○佐々江政府参考人 水面下でどういうことが起きたかについては発言を差し控えたいと思います。
○長島(昭)委員 普通は、こういう場合、局長、期限を区切って回答を求めるんですよ。
 拉致問題も同じじゃないですか。外務省は同じ体質があるから、我々は、国民の皆さんは不信感を持っておられるんですよ。特定の語学研修サークル、ずばり言えばチャイナスクールで、現地あるいは本省の中で事を荒立てまい、こういう事なかれ主義で本当に対中外交がうまくいくとお考えですか。
 だから大臣に私は申し上げたいんです。
 麻生大臣が大臣に就任されて、この問題が勃発をして、外務省の対応は百八十度変わったんですよ。わかりますか。五月六日に事件が起こって、その後のていたらくについては今申し上げた。今皆さんがお知りになったとおりであります。その後一年七カ月、この問題についての話すらなかった。違いますか。そしてあの週刊誌報道が出た。それをよしとした。つまりは、一年七カ月何もしないことをよしとした決定がどこかで下されているんですよ。判断が下されているんですよ。しかし、麻生大臣が就任された。同じ問題ですよ、一年七カ月そのまま移動しているわけですから。今度、どういう対応をされましたか。猛然と報道官を使って抗議されましたね、鹿取報道官。どっちが本当の日本の外務省なんですか。
 五月に事件が起こった、二回抗議した、相手から調査結果も出ないけれども口をつぐみ続けてきた、その判断が日本国外務省の判断なのか。それとも、去年の十二月二十七日に週刊誌報道が出てから慌てて抗議をしまくった。中国側からすれば、私は中国の肩を持つつもりはありませんが、何を今さら言っておるのかと思いますよね、これ。
 外務大臣、いかがでしょう。
○麻生国務大臣 前任者の大臣の判断というのもありましたでしょうし、また、最初に事件が起きたときの大臣の判断もあったんだと思いますので、私の立場からすればなかなか判断がしにくいところではあるとは思いますが、今同じような事件が仮に起きたとした場合は、少なくとも官邸に報告するということはやるように、このような事件が二度と起こらぬという保証はありませんから、したがって、もう一回やったら話のほかですから、そういった意味で、二度とこのようなことが起こらないように、以後、この種の話が起きたら必ず大臣に上げるというような話を申し渡してありますけれども、当時の状況と今とはかなり違ったものになったことは確かだと思います。
○長島(昭)委員 外務大臣としてはぎりぎりの答弁をしていただいたと思いますが、外務省の事務方、当局者の皆さんは、二つ問題を犯しているんです。まず、官邸に情報を上げなかった。それから、今、麻生大臣は前任者とおっしゃいましたが、前任者の町村大臣は全くこのことを知らされないままこの間外交をずっと続けてきたんですよ。
 東シナ海のガス田の問題、反日暴動、小泉さんが二回も靖国に行かれた、その後始末、尖閣に中国人の活動家が上陸した事案もありました、それから、中国の原子力潜水艦が領海侵犯しました。こういう外交的な重要案件を、国家主権に対する侵害行為であり、我が国の国民の生命が奪われたこういう事件を一方に抱えながら、大臣は知らずに交渉の最前線に立たされていた。これは正常と言えますか、外務大臣。
○麻生国務大臣 友好のために国益を損なうのは愚かです。国益のために友好というのは成り立つんだと思っていますので、優先順位のつけ方が基本的な問題だと思っています。
○長島(昭)委員 私も拍手を送りたいと思いますね。
 それなら外務大臣、責任の所在はどこか、きちっと見きわめていただきたいと思います。官邸に報告を上げなかった責任者はだれなのか、外務大臣が交代したときにこんな重要な案件を引き継がせなかった責任者はだれなのか、局長、お答えください。
○塩尻政府参考人 お答えいたします。
 今の御質問で、だれが官邸に上げないことを決めたのかということでございますけれども、ここら辺の問題の処理というのは、担当部局、すなわち大臣官房それからアジア大洋州局でございます。
○長島(昭)委員 そういう集団の、グループの責任にしないでください。だれが責任者だったんですか、当時。
○塩尻政府参考人 当時の大臣官房長は北島でございます。アジア大洋州局長は薮中でございます。
○長島(昭)委員 外務大臣、これは不問に付すんですか。私は、ある程度省内で決着をつけなかったら次へ進めないと思うんですけれども。
 中国側も、日本側の姿勢、この問題に対して日本国政府がどういう対応をするかということを恐らく見きわめようとしているんだろうと思いますね。しかし、今までの対応では明らかに不十分。外務大臣、ぜひ御所見を承りたいと思います。
○麻生国務大臣 どのような処分をするとかいうような話を急にここに御質問をいただきましたけれども、この点につきましては、今この場でこういたしますという即答をいたしかねますというのが正直なところです。
○長島(昭)委員 ぜひけじめをつけていただきたいと思います。そうしないと、本当の意味での日中間の戦略対話、未来志向の日中関係を築こうと思っても、そういうものは国民の信頼がないと外務省としてもできませんよね、日本政府としても。ここは非常に重要なポイントだということ、僣越ながら、ぜひ御認識をいただきたいと思います。
 局長、官房長、ぜひお考えいただきたいんですけれども、今申し上げたように、この問題は、事務方だけで抱えるには余りにも重大過ぎる問題なんですよ。そもそも相手は、事件の存在すら否定しているんでしょう。どうなんですか。最近になって、外務省の努力によって調査するとだけ言った中国側が、少しはまともな対応をされるようになったんでしょうか。
○佐々江政府参考人 遺憾なことに、依然として当局の関与の事実自身を否定しております。
○長島(昭)委員 ですから、事務方だけでやろうとすると、このように煙に巻かれるんですよ。外交における政治家の関与というのをよく考えてください。国民の信を背景にして国会に出てきて、そして、そういう方が、外務大臣のような方が最前線に立ってこの問題を処理すること、あるいは、場合によっては官邸に上げて内閣総理大臣が処理をすること、私は、こういうことがまさに問われているそういう事件だというふうに思うんですね。
 それでも、実は大臣、一年七カ月ぶりに抗議を再開した外務省なんですが、その抗議も意外と甘いんですよ。
 昨年十二月二十七日以降、外務省がどのような抗議を先方に行い、それに対する先方の答えがどうであるのか、だれがだれに抗議をしたか、詳細にお答えください。
○佐々江政府参考人 平成十六年の五月につきましては先ほどお答えしたとおりでございますが、昨年の件につきましては、十二月の後半に合計三回、外務省本省あるいは在中国の大使館から、それぞれ中国外交部あるいは在京中国大使館に対して申し入れをしております。これは基本的に、課長クラス、それから局長クラス、私でございますが、それから在中国大の公使レベルで行っております。
 それから、本年になりまして、一月九日の日中非公式協議におきまして、アジア大洋州局長、私でございますが、中国外交部アジア局長に対して申し入れを行ったということでございます。
○長島(昭)委員 局長、自信がないのはわかりますけれども、ぼかさないでください。私が申し上げましょうか。もし事実誤認があったら指摘してください。
 抗議再開、十二月十九日、別件で出張中の泉中国課長が、相手がだれかわかりませんが、抗議をした。間違いありませんか。
○佐々江政府参考人 当時出張中の中国課長は、十二月十九日に外交部の日本処長に対して申し入れたということでございます。
○長島(昭)委員 どうして、十二月十九日、突如として抗議が再開されたんですか、課長によって。
○佐々江政府参考人 この件につきましては、先方の日本担当の課長が交代したということで、この件について改めて先方に対して、本件は継続中の案件でありということで、改めて新任の担当課長に対して申し入れを行ったということでございます。
○長島(昭)委員 相手が交代したからリマインドした。交代した我が国の大臣には引き継がないで、相手には伝えたと。この十二月十九日というのは、週刊文春が麻生外務大臣にインタビューをした日なんですよ。恐らくは、私が推測するに、どうなっているんだということで、慌ててアリバイづくりのために抗議をされたというふうに思います。
 十二月二十七日、佐々江局長が抗議をされています。どういう形式でやられましたか、相手方はだれですか。
○佐々江政府参考人 これは在東京の臨時代理大使でございます。
○長島(昭)委員 電話でやったんですよね、電話で、局長。いや、イエスかノーかでいいですよ。電話でやったんですよ、しようがないから。
 大臣、私は大臣が動かれる場面だと思うんですが、例えば在京の中国大使に会って、この件だけできちっと、これまでのほとんど何もやらなかった外務省の事務方の、ある意味でしりぬぐいと言ったら申しわけないですけれども、やはり大臣、日本国としての姿勢を示す必要があると思いますが、いかがでしょう。
○麻生国務大臣 先ほど聞き漏らしましたけれども、週刊文春のインタビューを受けたということはこれまでもありません。ありません、それだけは確認をさせておいていただきます。週刊誌は読んだことが余りないのでよく知りませんけれども、今あったと言われましたので、もしインタビューをしたというのであっては、それらのことはありません。
 それから、今、臨時代理大使というのはけしからぬと多分おっしゃりたいところでしょうが、王毅は、多分あのときは、当然局長だったら大使なんですが、あのときにたしか王毅という大使は中国に帰っておったと思うんですね、十二月の末から一月半ばぐらいまで。かなり長期にわたっていなかったでしょう。何を理由か知りませんけれども、長期にわたっていなかったときにあれは重なっていますので、ちょっとその点が、大使を呼んでやるところがそういうことになったんだと思いますけれども、対応として、日本政府の対応は、この問題は非常にしこっている問題なんだ、大変大きな問題なんだという点をきちんとウオーニング、警告しておく必要はあろうと存じます。
○長島(昭)委員 場合によっては大臣が動かれる、そういう御答弁と承りたいと思いますが、臨時大使ではいけないのかという今大臣のお話でちょっと私も思い出したんですけれども、一回目の北京での日本大使館の抗議、本省の訓令に基づく抗議、これは何で阿南大使が直接行わないんですか。何で公使だったんですか。しかも、この公使は政務担当公使ですね。特命全権公使というのがいらっしゃいますね、大使の次席に。何で二人吹っ飛ばして、ナンバースリーかどうかわかりませんが、そういうレベルの方を相手に差し向けたんですか、局長。
○佐々江政府参考人 済みません、今の御質問は一番最初の抗議の件でございますね。
 これは、当時の川口大臣と報告、相談しながら、日本政府として当時訓令を出しております、大使館あてに。しかしながら、先方の次官が都合がつかないと、後から聞きましたら入院をしていたというふうに聞いておりますが、したがいまして、その次の者に対して、しかるべく同等のレベルの公使から申し入れを行ったというふうに聞いております。
○長島(昭)委員 うそつかないでください。次席は政務担当公使じゃないですね。特命全権公使、原田さんがいらっしゃいますね。何で原田さんが行かないんですか。
○佐々江政府参考人 それは、その時々のケースによって、特命全権公使がやったりあるいは政務担当の公使がやったり、いろいろなケースがあると思います。必ずしも特命全権公使でやらなければいけないというふうには思いませんが、当時は、先方の都合のつき方でそういうふうになったというふうに聞いております。
○長島(昭)委員 大臣、やはり麻生大臣、今のをお聞きになっていかがですか。相手が病気だった、ですから大使はしようがない。私は、それでも阿南さんが出ていくべきだと思いますけれどもね。次席を吹っ飛ばして三席で行った、これはやはり日本政府の姿勢が問われるんじゃないですか。大臣から御答弁いただきたいと思います。
○麻生国務大臣 抗議をする場合、だれが行くか、まただれを相手に指定するかというのは、確かに長島先生おっしゃるように、要素の一つとしては大きなものだと思います。
 ただ、この場合に、三席だったから軽く問題を見ておるんじゃないか、次席だったら、大使だったらというような種類とは少し違うような感じがいたしますけれども、いずれも、今のような形でこちら側の姿勢に誤解を招くという点があったというのであれば、その点につきましては反省をしておかないかぬところなのかもしれません。
○大島委員長 お時間でございますね。
○長島(昭)委員 すべてがきちっと行われていれば、私もこんなことで次席だ三席だなんて申し上げないんですよ。
 私たちは、あの瀋陽の総領事館で駆け込み事件があったときに、副領事が中に侵入してきた向こうの公安当局者の帽子をとってあげた、あの映像が目に焼きついているから、北京や上海や瀋陽や、我々の代表で出ている人たちは本当に大丈夫なんだろうか、国民の皆さんは心配だから、私はそれを代弁したんですよ。
 私は、このように、今回の件で明らかになったように、やはり事務方で余り重大な問題を閉鎖的に持ち過ぎるのは、今回でぜひおやめになっていただきたいと思います。そうしないと……
○大島委員長 長島君、時間が。守りましょう。
○長島(昭)委員 わかりました。
 政治家が介入して初めて、大きな、大局的な、そして戦略的な外交ができるということ、そのことをぜひお考えいただきたい、このことを申し上げて質問を終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。
○大島委員長 これにて長島君の質疑は終了いたしました。
 次に、笠井亮君。
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。
 政府は、財政難だからと、国民には定率減税の廃止など増税、それから高齢者の医療費や地方への負担増を強いながら、防衛施設庁の官製談合ではゼネコンなどと共謀して莫大な税金を食い物にしている。国民の怒りは当然だと思います。事を防衛施設庁解体で決着させようとしていますけれども、それでは済まない。
 そこで、私は、防衛庁自身の対応について質問をしたいと思います。
 額賀防衛庁長官は、二月三日の参議院の外交防衛委員会で、「落札率一になるようなことは極めて遺憾」と答弁されております。改めて伺いますが、落札率一、つまり一〇〇%になるということが、どういう意味で極めて遺憾だと思われているんですか。
○額賀国務大臣 落札率一ということは、公正な競争が行われているんだろうかという疑惑を招くんじゃないかという思いがいたします。
 もとより、公共事業等々についてはそれぞれ積算価格が表示されておりまして、平米当たりコンクリートはどれくらい使うとか、鉄骨はどれくらい使う、それで市場価格は幾らぐらいになっている、そういうことがあらかじめわかっていることでありますから、役所側が算定することと業界側でプロの皆さん方が算定することはそんなに遠くないということもありますけれども、やはりそこはきちっとした競争原理が働くようにしていくことが正しい姿であるという思いでございます。
○笠井委員 最近も、沖縄の在日米軍基地関係の工事で一〇〇%が二十八件もあったことが明らかになりましたが、予定価格と落札価格が一致をするというのは、まさに今お話ありましたが、談合があったという重要な一要素になり得る。いろいろとやはり不公正があったんじゃないか、疑いが十分ある、そして、こんなことばかりあったら入札制度の根本が問われるということだと思います。
 防衛庁は、防衛施設庁の発注事業を含めて、落札率一〇〇%について、平成十六年、二〇〇四年の四月に調査を行いました。私も防衛庁のホームページで見ました。資料をちょっと配付をお願いします。
 その一をごらんいただきたいと思います。平成十六年七月二十三日付の文書「落札率一の案件に関する対応について」、こういうのがございます。防衛庁長官、当然、この文書は御承知ですね。
○額賀国務大臣 承知しています。
○笠井委員 ところで、防衛施設庁のホームページの方なんですが、私も文書を探してみました。そうしましたら、同じタイトルが出てくるんです。ところが、クリックしますと、ページが見つかりませんと。消えているわけです。
 施設庁長官、いらっしゃっていると思うんですが、なぜこれは消えているんですか。
○北原政府参考人 突然の御質問でございますが、ちょっとそこの、消えているかどうかにつきましてはチェックさせていただきます。通常、資料を一括掲載することになっておりますので、そこは調べさせていただきます。
○笠井委員 やってみてください。消えているんです。あれこれ言われるかもしれないけれども、都合が悪かったんじゃないかというふうに思われても仕方がない話になっちゃうんですよ。こういうのは残しておくものです。
 そこで、この文書をごらんいただきたいんですが、冒頭に「防衛庁では、平成十四年度の調達において、二千六件の落札率一の案件が発生した。」とあります。実に膨大な数であります。そして、「その全件について、本年四月より、」十六年四月よりということですね、「各調達機関において、その入札経緯、談合情報の有無等、事実関係の調査を行った」というふうに述べられておりまして、この文書で結果が書いてあります。
 防衛庁の中央調達、地方調達、防衛施設庁分ということで実に膨大な落札率一があって、そして、そのうちで施設庁分は三百七件ということですので、まさに氷山の一角にすぎないというふうに思います。
 そこで、防衛庁に伺いますけれども、この文書の二ページで発生の推定要因ということが幾つか書いてあります。そこに「各調達機関における調査、」というふうにありますけれども、この調査ということで、防衛施設庁の調査の中で、当時の生沢守技術審議官、河野孝義建設部長らもこの機関にいたわけですけれども、こういう人たちからもちゃんと聞き取ったんですか。
○北原政府参考人 ただいま御指摘いただきました二名につきましては、去る一月三十日に、競争妨害の疑いで逮捕されております。現在、東京地検にて捜査が継続されておりますので、この点につきましては御答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○笠井委員 違うんです。私が聞いているのは当時です。当時の調査、十六年にやっているわけでしょう。そのときにこの二人に聞いていたんですかと聞いているんですよ。
○大島委員長 笠井君と言ってから、立って質問してくださいね。(笠井委員「はい、済みません」と呼ぶ)
○北原政府参考人 その職にある者一人一人についてこれを聞いたかどうかということにつきまして、今現在、ここで回答はできませんが、防衛施設庁としてお答えを申し上げているわけでございますので、トータル、組織としてチェックしてお答えを申し上げている、そのように御理解いただきたいと思います。
○笠井委員 個々に調査したと言えないというのは本当に驚きです。
 この文書を見ますと、防衛施設庁の三百七案件のうち九五%、二ページ目に表がありますけれども、二百九十二に上る案件の推定要因として、建設工事等の調達については積算基準が公表されているため、業者が予定価格を推定することは可能であるということなどが述べられております。
 官製談合にかかわっていた当事者たちからもヒアリングして、こう言われて、うのみにして納得して、疑念を持たずに見逃していたということじゃないでしょうか。額賀長官、この件についてどういうふうにお考えになりますか。
○額賀国務大臣 私もこれを見まして大変びっくり仰天しているんですが、例えば、前例調達価格を予定価格に採用したとか、当初の入札での最低入札価格を予定価格に採用したとか、カタログ定価に過去の実績値引き率を乗じ得られた価格を予定価格にしたとか、あるいは業者見積価格を予定価格に採用したとか、そういう要因もあったということでございますから、これはやはり、役所側の積算根拠の能力を高めていくこと、それからもう一つは、チェック体制をどういうふうにしていくかということについて反省しなければならないところがあるんじゃないかというふうに思います。
○笠井委員 今、びっくり仰天、反省しなきゃいけないと言われました。本当にひどい話ですよ。
 それで、私が紹介した、建設工事等の調達については公表されているから推定することは可能であるという要因、三番目に書いてありますけれども、これは、実は、平成十五年、二〇〇三年の五月十三日に、参議院の外交防衛委員会で我が党の小泉議員が、日出生台のSACO事業で十件も落札率一〇〇%があるということでただしました。
 これに対して答弁したのが、今問題になっている生沢当時建設部長なんです。何と答弁しているかというと、積算要領等を公表しているので業者は精度の高い積算を行うことが可能だ。同じ理由なんですよ。まさにこの文書で言っている推定要因と全く同じ。談合当事者の言うままに、その要因はこうですと言ったら、そのとおりうのみにしていた。これはうのみでなくて何と言うのか。私は本当にそっくりだなと思いました。
 しかも、御丁寧に、当時、小泉内閣の石破防衛庁長官が、ただいま建設部長からお答えしたとおり、かなり高い精度で数字を近くすることができる、こう答弁されまして生沢建設部長の答弁を追認して、そして当時石破長官は、この問題については調査するつもりはありませんということを、一度じゃないんです、二度も言ったんです。私はこれは重大だと思います。
 我々は、防衛施設庁の職員をやっている人から話を聞いたことがあります。もともと予定価格の中には、防衛施設庁がつくったんじゃなくて、OBが天下りした先の、これはおりていくと言うそうですけれども、そういう受注予定企業、発注するつもりの業者にもともと予定価格を計算させてつくらせる場合もあるんだ、だから入札価格と落札価格が一致するのは当たり前なんだというふうにまで言われたんですよ。それを全部、一〇〇%、一にならないように偽装することもある、こういう実態もあるということでありまして、びっくりしました。それを見逃して、恐らく、言いわけが通用したと思った談合関係者はまずほっとしたに違いないんです。
 しかも、この文書の三ページをごらんいただきますと、談合等の不正情報についてこう書いてあります。「各調達機関は、落札率一の各個別の調達案件に関し、入札業者に対し、アンケート形式により、予定価格の漏洩、談合、法令違反の事実の有無等調達不正の有無についての調査を実施した。」これを読みまして、つまり、官製談合を実行した防衛施設庁関係者に共謀した入札業者へのアンケート調査をさせていたことにならないか。その結果、その後ごらんください、「今般の調査において、新たに調達不正の問題があると認められたものはなかった。」と、調査して結論を出しちゃったんです。
 かなり前から談合疑惑報道がありました。新聞でも出た。国会でも、我が党もそうですし、いろいろ追及がありました。にもかかわらず、施設庁で談合を取り仕切っていた人物たちに、自分の相棒の企業が、業者が談合していないかと調べさせて、そして白にしたと言われても仕方がないような状況じゃないでしょうか。
 防衛庁は、調達機関である防衛施設庁自体に対しては、予定価格の漏えい、談合、法令違反の事実の有無等を調査していなかったんじゃないでしょうか。防衛庁に答えてもらいたいと思うんですが、どうですか。施設庁じゃないですよ、防衛庁ですよ。
○小島政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘にありました落札率一に関するその後のフォローアップですけれども、装備品の調達に関しましては、その後の取り組み状況につきまして、契約本部による抜き打ち監査、職員に対するアンケート調査、あるいは内局による調達監察といったことを実施してフォローアップいたしております。
○笠井委員 施設庁に対してはどうだったんですか。
○小島政府参考人 先ほど先生から御提示のありました資料の五ページ以下にございますが、管理局長から通達を出しておりまして、その後のフォローアップをする、改善措置をするということを出しておりまして、これは防衛施設庁にも通達が出されておりますので同様な措置を行われたと思いますが、ちょっと私自身、今この場で、実際に行われたかどうかは確認できておりません。
○笠井委員 これは防衛施設庁関係者に対して当時調査したかどうかもはっきり答えられないということですよ。防衛庁の責任は重大だと思います。その段階で、また談合関係者は、しめしめと思ったに違いないんですよ。
 その上重大なのは、調査した結果、防衛庁がとった対応策です。この文書の四ページで、「落札率一の案件については、」「多数の案件が発生している場合、国民から公共調達が高止まりしている、十分な価格競争ができていない、何らかの調達不正があるのではないか、などの疑念を想起させるおそれ」があるものだ、こう言いまして対応策をとったというんです。防衛庁は、その一環として、今話がありました管理局長通知を出している。四ページに書いてあります、各幕各機関に出して注意を喚起したと。
 私、その通知そのものをここに持ってきましたけれども、「予定価格と落札価格が同一の入札契約に関する措置について」という文書で、いろいろ書いてありますが、工夫を行って予定価格を容易に類推されないように努めることというふうなことがるる書いてあります。要するに、ここに書いてあるのは、うまくやって落札率一にならないようにしなさいよ、もし発生したら速やかに報告しなさいというものであります。
 その趣旨が、全国二十七カ所で八百名の職員に対して説明会で徹底された。これを聞いた官製談合の関係者は、一生懸命工夫して、業者と、指示を出して、談合がばれないように、一にならないようにと落札率まで偽装工作したが、防衛庁はそれをつかめなかったということじゃないでしょうか。どうですか、防衛庁長官。
○額賀国務大臣 管理局長通達が出された後は、落札率一の割合等々は相当それまでと比べて減っていることは事実であります。それは委員も御承知のとおりでありますから、意識改革あるいはまたできるだけ公正な形で努力をしようとする姿は、現実的な件数の減少に見られているものと思います。
 それで十分であったかどうかということについては、今回事件が起こったようなことを見れば不十分であったことはだれも認めざるを得ない。だから、さらに今、今後こういうことが起こらないようにどうしたらいいかということについていろいろと議論し、徹底的に対策を立てたいというのが現状の姿であります。
○笠井委員 今、その後減ったでしょうという話がありましたね。
 資料二をごらんください。
 防衛施設庁関連の落札率一の案件は、平成十四年度三百七件が、十五年度百六十二件、十六年度ゼロ件と、見事にゼロになっちゃったわけです。ちゃんとやったから減ったんだというふうに今おっしゃいましたけれども、まさにその期間にも談合があったということがはっきりしたのが今日の事態であります。やっていたんですよ。
 防衛庁は落札率一の実態に衝撃を受けて、それへの対応をやって徹底しちゃった。それが裏目に出ている。かえって、一にしなければいいというメッセージを談合関係者に与えたということになっているわけです。平成十六年度ゼロの結果に、談合関係者は、これもまた操作と偽装がうまくいったな、ばれなかったと確信したに違いありません。まさに、この時期に安心してまた談合をやったというのが今回の事件であります。
 防衛庁の中央病院の談合の件でも、業者が設備課の幹部から、落札率が近いと疑われるから四千万、五千万は残せと指示されたという話まで出ております。まさにこういう問題です。
 さらに聞きますけれども、防衛庁は「所管公益法人に対する立入検査の実施状況について」という文書を出しておりますが、平成十四年から十六年度の三年間の結果を公表しております。改善すべき点のあった六法人というのが出ておりますけれども、この中に、今回大問題になっている防衛施設技術協会というのは入っていますか。端的に答えてください。
○北原政府参考人 十四年度と十五年度の……(笠井委員「十四、十五、十六」と呼ぶ)十六年度についてはちょっと今手持ちがございませんが、十四年度、十五年度、指摘の中には防衛施設技術協会は入っておりません。
○笠井委員 十六年度もちゃんと調べてこなければ、これぐらいのことは。私はちゃんと聞きましたよ。十四、十五、十六、出してもらったら、六法人に改善すべき点があるけれども、その中にこの協会は入っていないんですよ。この点でも見抜けなかった。見逃して、なしと認めて、うまくやれと言った。協会の方も見抜けなかった。三重、四重に防衛庁の責任は重いと思います。
 防衛庁長官、それぞれの段階で防衛庁がきちっと措置をとっていれば、発見できて拡大を防げた。それが今になってやっと、けしからぬ、調べるということでは済まない。防衛施設庁はけしからぬですけれども、施設庁だけのせいじゃ済まない。明らかじゃないかと思うんですが、防衛庁自身の責任について伺いたいと思うんですが、どうでしょうか。
○額賀国務大臣 今、防衛施設庁については、施設庁内に調査委員会を設けまして、行政上、組織上にどういう問題点があるのかきちっと洗い出して、再びこういうことが起こらないようにしようと思っております。
 と同時に、防衛庁全体としても、再発防止のために、入札の問題、それから公務員のあり方、企業側のモラル、あるいはまた再就職の問題、そしてまた企業とか公務員に対する罰則、そういったものを総合的に考えて再発防止対策をきちっとして二度とこういうことが起こらないようにし、国民の信頼を取り戻したいというふうに思っております。それが私の仕事であるというふうに考えております。
○大島委員長 笠井君、時間ですよ。
○笠井委員 はい。
 政府は、とにかく施設庁解体で済まそうとしているけれども、済まないと思うんですよ。天下り禁止の問題を含めてきちっとやらなきゃいけない。
 基地再編の問題だって全部談合絡みと言われている問題があるわけですから……
○大島委員長 笠井君、時間が来ております。
○笠井委員 これはきちっと、とにかくその問題ではっきりさせるべき、責任を持ってやるべきですし、談合をやった企業は営業停止が常識なんです……
○大島委員長 時間です。
○笠井委員 だから、官製談合ですから、基地についても営業停止にすべきだということを申し上げて、終わります。
○大島委員長 これにて笠井君の質疑は終了いたしました。
 次に、照屋寛徳君。
○照屋委員 社民党の照屋寛徳です。昨年、脳梗塞を発症して、久しぶりの予算委員会でございます。
 現在、防衛医官は何名いるのか、そのうち産婦人科は何名いるのか、防衛庁に伺います。
○西山政府参考人 お答えいたします。
 自衛隊医官の充足状況についてですけれども、十七年の三月三十一日現在、定数一千百五十七名に対しまして、実員が八百六十九名でございます。充足率としては七五・一%となっております。
 その中で産婦人科の医師ですけれども、やはり同じときに調査していますけれども、二十六名となっております。
 以上でございます。
○照屋委員 防衛庁から都道府県立病院へ派遣をしている防衛医官の数は何名でしょうか。派遣している医官の専門診療科目ごとにお答えください。
○西山政府参考人 自衛隊医官の派遣でございますけれども、主として防衛医大病院と自衛隊中央病院、ここに専門研修という形で派遣しておりますけれども、一部部外の病院の場を借りて専門研修を行っております。そのうち、都道府県立病院としては、沖縄県立中部病院において総合診療科の医官が一名、それから静岡県立がんセンターにおきまして消化器内科の医官一名が専門研修を行っております。
○照屋委員 そこで、沖縄担当大臣の小池大臣にお伺いしますが、沖縄県立北部病院の産婦人科が休診のやむなきに至った背景及び事実について小池大臣はどのような認識を持っているのか、お伺いします。
○小池国務大臣 まず、私は、沖縄担当大臣といたしまして、沖縄県におきます本島そして離島、各地の医療状況について、それぞれ現地視察などを行っているところでございます。
 その中で、県立北部病院でございますけれども、御指摘のように、産婦人科の方は、昨年の四月から、産婦人科の専門のお医者さんがいなくなったということから休診のやむなきに至っているわけでございます。それ以来、医師の確保に向けました懸命の努力を続けてまいっているんですけれども、現在のところまで、再開には至っておりません。
 なぜ医師がいないかということですが、特に産婦人科につきましては、少子化の問題であるとか、全体的に、沖縄に限らず、全国的に産婦人科のお医者様が不足をしているという背景がございます。臨床研修制度の変更といったことなども、大学病院から地域に派遣されていたお医者様が引き揚げられたことなどの事情がある、このように承知をしているところでございますが、沖縄全体の皆様方が安心して住んでいただくためにも、また、沖縄は全国的に比べましても、少子化も進んではおりますけれども、ほかの地域よりはまだ少子化率は低い、低いというのか高いというのか、よく出産が行われるところではございます。その意味で、安心、安全ということで努力をしてまいっている次第でございます。
○照屋委員 小池大臣にお伺いしますが、大臣は、一月七日に、当選した島袋名護市長応援のために来沖をして、女性部の決起集会で演説しております。その際に、島袋からのお願いもあって、私は、四月から産婦人科の先生を北部病院に派遣したい、こう発言しておりますが、四月から何名の産婦人科医を派遣するのか、派遣する医師は具体的に決まったのか、これをはっきりお答えください。
○小池国務大臣 島袋さんは、結果として御当選をされたばかりでございますが、今御指摘ございましたように、一月七日の決起集会に参りました際には、これまで各地域から、この産婦人科の問題のみならず医療体制の問題については御要請を受けてきたところでございます。地元からの強い要請ということで、北部振興の観点からも重要だと私考えてまいりまして、そして、防衛庁の方に派遣要請をお願いしたところでございます。
 つまり防衛医官の派遣ということでございますけれども、現在、防衛庁におきまして、この要請の趣旨、よく理解されまして、まだどなたがということではございませんけれども、御協力をよろしくお願い申し上げている次第でございます。
○照屋委員 四月から派遣するんですね。
○小池国務大臣 四月からお願いをしているところでございます。
○照屋委員 防衛庁のどなたから防衛医官の派遣の快諾を得たんでしょうか。
○小池国務大臣 私からは、防衛庁長官そして防衛庁の各担当の方に直接お願いいたしておりますし、事務方からも具体的にお願いしているところでございまして、真剣に、だれをどうということについては御検討いただいているところでございます。
○照屋委員 沖縄担当大臣の小池さんに率直に聞きますが、何名の産婦人科の医者の派遣で北部病院の産婦人科は再開できるんですか。一人派遣して再開できるようなものじゃないでしょう。どうですか、再開できますか。
○小池国務大臣 何名かについても防衛庁の方に御要請をお願いしているところでございます。
 御指摘されておられるのは、これは全国で今起こっている状況として、一人産婦人科の先生が抜けますと宿直などのローテーションがさらにきつくなってしまって、そして結果として産婦人科が休診してしまうというような事態はいずれも起こっているところでございます。
 ただ、今、産婦人科のお医者様が全くいないということは、まずこの体制をしっかりと固めていく、そして総合的に地域の方々の出産に対しての安心ということが確保できるようなことを考えてまいりたい、このように検討しているところでございます。
○照屋委員 名護の市長選挙は、三名の候補者がいわゆる中間報告の沿岸案には反対をして、そういう点では争点がぼけてしまった。だけれども、産婦人科の休診問題というのは非常に深刻で、大臣がいらっしゃって、北部病院の産婦人科を再開するんだ、こう言ったことが選挙に大きな影響を受けた。一人二人防衛医官を派遣しても再開はできない。沖縄県に聞いたら、最低三名必要だと言っている。
 小池大臣は、北部病院の産婦人科の再開、充実が必要、大事だと思うと述べているんですよ。録音もありますよ。これは、あなたの演説を会場で録音したものから反訳したものに基づいて質問している。大臣は、沖縄県と、北部病院の産婦人科再開で調整しましたか。そして、派遣される防衛医官は、一人ではなくて複数だと理解をしていいですか。
○小池国務大臣 録音をお聞きになったとおりでございます。
 名護の市長選挙というのは、まさに普天間の代替地、そういう日米の安保の観点からの争点づくりということもございましたけれども、市民の皆様方は、やはり毎日の生活、どのようにして安心、安全に暮らしていくかという観点からは、産婦人科再開ということについて高い御関心があったのかと思います。
 そもそも私が動きましたのも、地元からの強い要請があったから、できるだけ早くそれを実現したいという思いで行ったわけでございますので、これから、何名の体制にするかなどを含めまして、総合的に、そして早急に進めていきたい、このように思っているところでございます。
○照屋委員 残念ながら何名かというのはお答えありませんでしたが、また別の機会にお聞きしたいと思います。
 額賀長官にお伺いします。
 琉球新報の二〇〇六年二月九日の報道によると、二〇〇一年度から二〇〇四年度までの四年間に那覇防衛施設局が発注した米軍基地関係公共工事、これは、落札率一、要するに予定価格と落札価格が一〇〇%の工事が五十七件もあったといいますが、それは事実でしょうか。
○大島委員長 事実関係でございますから、北原防衛施設庁長官。
○北原政府参考人 事実関係を御報告申し上げます。
 今先生がおっしゃいました二月九日付の琉球新報には、確かに、那覇防衛施設局が発注した県内の米軍基地関係公共工事で、二〇〇一年度から四年度までの四年間に、落札率が一〇〇%の工事が五十七件に上る、そのような記事がございます。
 この点につきまして、私ども、きちんと調べましたところ、実際には、当那覇防衛施設局が発注しております当該期間内の米軍関係工事、トータルで六百三十四件ございますが、そのうち、落札率が一の件数は二十八件でございます。
○照屋委員 その落札率一の受注した企業は、県内企業か、県外企業か。
○北原政府参考人 御答弁申し上げます。
 二十八件のうち、受注企業の本社が沖縄県内にあるものは二十五件でございます。残り三件が沖縄県外でございます。
○照屋委員 関連して、新聞報道によると、防衛施設庁発注工事の官製談合事件で現在逮捕されている河野容疑者との関連で、まだ入札の実施さえ公表していない米軍キャンプ瑞慶覧内の海軍病院空調設備工事、これが、談合で受注予定企業が既に決まっている。これはでたらめもでたらめ、こんなひどいことをして国民が納得するはずはない。この点についてお答えください。
○北原政府参考人 御答弁申し上げます。
 ただいま先生御指摘の内容の報道があったことにつきましては、我々も承知をいたしております。防衛施設庁のこの御指摘の件につきましては、現在検察当局が捜査を進めておりますので、捜査に与える影響がございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、私ども、検察当局から捜査の協力依頼が求められた場合には、これまで同様、全面的に協力をしてまいる所存でございます。
○照屋委員 額賀長官、落札率一の工事件数が余りにも多い。それに、基地関係の公共工事で地元で言われているのは、発注段階で、東京サイドのツルの一声で受注企業は決まっているんだ、そういうことが言われている。
 これらのことを踏まえて、今の那覇防衛施設局の発注のあり方、これについて大臣の所信を伺います。
○額賀国務大臣 先ほど来話をしておりますけれども、さまざまな問題、不透明なところがある、不明朗なところがあるから今度のような事件が起こったわけでございますので、那覇局だけではなくて防衛施設庁全体として、これは事件は事件として、一日でも早い全容解明を期待しております、望んでおります。
 その上で、国民の皆さん方が信頼できるような入札だとか再就職の問題だとか、競争原理が働くように我々は再発防止対策を講じなければならないというふうに思っております。
○照屋委員 防衛庁長官にお伺いをしますが、十一日に終わった日米防衛審議官協議で、アメリカ側から、海兵隊のグアム移転経費、これが、八十億ドル、約九千四百億円提示された。その根拠は示されたのか。また、それを日本側が負担する法的な根拠はあるのか。なければ、今から単独法でつくるのか、それとも米軍再編推進特措法のような包括的な特別法をつくる用意をしているのか。額賀長官、率直に答えてください。
○大島委員長 額賀防衛庁長官、お時間が参っておりますので簡明にお願いします。
○額賀国務大臣 米軍再編は、今、三月末の最終合意に向けて、大詰めというか非常に急速に協議を展開しておりますけれども、今委員御指摘のグアム移転の問題については、はっきりしていることは海兵隊七千人をグアムに移転するということでございまして、それについて、具体的にどこの部隊を何人、どこの部隊を何人とか、まだ示されておりません。したがって、我々も根拠をどういうふうに形成していくかということについて、そこまで行っておりません。
 沖縄県の負担が少なくなるということにおいて、このグアム移転をどういうふうに実行させていくかということが政治課題であるというふうに思っております。(照屋委員「特別法の話」と呼ぶ)
 特別法という中身を委員はどういうふうにお考えなのかどうか。例えば、グアム移転で海兵隊の移転について財政的な支援をする場合は、どういう根拠があるのかということを見きわめながら対応していくということでございます。
○大島委員長 これにて照屋君の質疑は終了いたしました。
 次に、糸川正晃君。
○糸川委員 国民新党・日本・無所属の会の糸川正晃でございます。
 まず、外資系ファンドの経済活動についてお尋ねしたいと思います。
 今、参考資料を配っていただいておりますが、東京都港区南青山三丁目に土地を、都市再生機構、URが現在所有しているというふうに思いますが、この土地を所有することになった経緯と現在の状況について御説明ください。都市再生機構理事長、お願いします。
○松野参考人 お答えいたします。
 港区南青山三丁目の当機構所有地、総面積は二千六百十六平方メートルでございます。これは平成十五年七月に取得したものでございます。
 この事業は土地有効利用事業と申しまして、細分化土地等の低・未利用地を取得いたしまして、周辺も含めて集約整形化あるいは基盤整備を行って、有効利用可能な形にして民間事業者に将来譲渡するということで、土地の流動化及び有効利用に資するというための事業でございまして、これに関しまして民間からの持ち込みがございまして、今申し上げましたような平成十五年七月に取得したという経緯がございます。
○糸川委員 今現在は話が全く進行していないというふうに聞いているんですけれども、この購入地の隣接地で、青山通りに面した一等地に、昭和地所が所有する千四百七十三平方メートルの土地が、今理事長がおっしゃられる土地の整形の核になるというふうに思いますが、現在そこはどうなっているのか、御説明いただけますでしょうか。
○松野参考人 先ほども申し上げましたとおり、この事業の目的は、細分化土地等の未利用地を取得して、できる限りの集約整形化あるいは基盤整備を行うということで、有効利用可能な形にして処分するということでございます。
 現在、御指摘のとおり、昭和地所が所有しております。これは、現在、周辺も含めて土地取得等の、交換も含めた交渉中ということでございます。
 そういう現在進行中のことでございますので、個別の内容については差し控えさせていただきたいと思います。
○糸川委員 現在、全く進んでいないんですね。資料の三枚目に、黒く塗っている方が再生機構が持っているものなんです。この斜線が引いてあるところ、一番大きな一七六というところが昭和地所が持っているもの。実際には、昭和地所とURが、これは売却をしてもらえるという話のもとでスタートしたというふうに以前聞き取りでお答えいただいたと思うんですが、その後、ほかの虫食い状態になっているところは、全部外資系のサーベラスという会社が買っている。そしてこの一七六というところも、今現在、昭和地所ではなくて、本体はサーベラスという米国のファンドが入ってきている、こういう実態があるんじゃないか。
 サーベラスのことに関しましては、この参考資料のとおりのような会社であるわけですね。報道のとおりであれば、非常にグレーな会社であるというふうに思われるわけです。
 ところで、このサーベラスジャパンという会社はサーベラスの日本法人であって、東京都千代田区に本店登記があるわけです。この株式会社サーベラスジャパンと米国に本店のあるサーベラス・ジャパン・アドバイザーズ・インク、この二社は、国税局の調査で申告漏れを指摘されているというふうに聞いておりますが、事実関係はどのようになっているのか、お聞かせください。
○石井政府参考人 ただいまの先生の御質問でございますが、個別企業に対する税務調査に関する事柄でございます。個別にわたる事柄につきましては、守秘義務の関係上、お答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、私ども国税当局では、あらゆる機会に課税上有効な資料あるいは情報を収集いたしまして、課税上問題があると認められれば税務調査を行い、適正な課税を行っているところでございます。
○糸川委員 守秘義務があるということはよく存じ上げております。
 財務大臣、外資法人について、日本において多額の利益を上げているというふうに聞いておりますが、本当に適正に課税されているのかどうかというところをお答えいただけますでしょうか。
○谷垣国務大臣 今、国税当局からも御答弁申し上げましたけれども、国税当局は、内資系法人であろうと外資系であろうと、あらゆる機会にきちっと情報を集めて、それから、当事者から出てくる申告書等の内容もよく検討して、課税上問題がある場合には税務調査をする等々の手段で適切な課税に努めているというふうに承知しております。
○糸川委員 では、与謝野大臣、投資サービス法において、今、ファンドに対する議論、検討の状況というのがどういうふうになっているのか、御見解をお聞かせいただけますでしょうか。
○与謝野国務大臣 ファンドは、社会的、経済的に効用のある存在であることもございますけれども、問題を起こすこともあるというのは、最近の幾つかの例で我々はわかっているわけでございます。
 ファンドの規制といいますと大変難しいわけでございまして、自由なる経済活動をやっていただいて日本の経済活性化に貢献していただきたいという反面、やはり何らかの規制というものが必要なのではないかという側面もありまして、現在検討が進められておりますけれども、一般的に言えば、他の方を勧誘するようなファンドは、何らかの届け出、登録等々、やはりファンド自体が社会的な責任を自覚する、そういう仕組みが必要なのではないかと思っております。
 詳細はまだ決まっておりませんので詳しくきちんとお話しすることができないのは残念でございますけれども、やはりファンドも社会的責任を持った存在であるということは、私は強く申し上げなければならないことであると思っております。
○糸川委員 今のファンドというのは、日本で販売されているファンドに関してのことだというふうに思います。
 このサーベラスという会社は、今度、西武鉄道も取得したわけですね。また国際興業も取得している、これは帝国ホテルの会社ですけれども。非常にそういうグレーな部分を残している会社に対しての今後の包括的基本法とか、そういう検討というのも必要になってくるのかなというふうに思います。今後、このことについては調査して、またやっていきたいと思います。
 次に、国家公安委員長に治安問題についてお尋ねしたいと思います。
 今、国民に安全、安心を与えるために、犯罪を検挙することも必要ですが、犯罪を抑止していくということが必要だというふうに思うんです。そこで、犯罪を抑止していくための大臣の決意をお聞かせいただければと思います。
○沓掛国務大臣 国民の安全、安心を確保するためには、発生した犯罪の着実な検挙に加え、パトロールの強化や防犯情報の提供など、犯罪の抑止に向けた多面的な取り組みを推進することが必要であると考えております。
 警察では、これらの取り組みを行うための基盤を整備するため、平成十三年度以降、継続して地方警察官の増員を行ってきているところでありますが、他の諸施策とあわせ、これらの増員の結果、平成十五年以降、三年連続して刑法犯認知件数が減少し、検挙率も上昇するなど、悪化の一途をたどっていた治安に回復の兆しが見られるところであります。
 しかしながら、警察による取り組みだけではなく、犯罪を抑止するためには、防犯ボランティアを中心とした、地域住民や自治体と連携した活動が重要な役割を果たすものと認識いたしております。警察としては、これらの方々に犯罪情報の提供等を与え緊密に連携を図っているところであり、今後とも、関係各方面と連携しつつ犯罪抑止対策を強力に推進するよう、警察を督励してまいる所存であります。
○糸川委員 地域の目として、ボランティアの活用というか連携ということは非常に必要なことだと思うんですけれども、またその反面、主婦などが犬を連れてボランティアなどで地域の防犯活動に当たっているということなんですけれども、ここで事故に遭わないようにするということも必要なのかな。一回事故に遭ってしまうと、そういうボランティアの活動というのが抑制されてしまう可能性がある。ですから、そこでまた警察がそのボランティアの事故防止を図るために連携を図らなきゃいけない。これにどのような取り組みを行っているのか、お答えいただけますでしょうか。
○竹花政府参考人 警察におきましては、できるだけ防犯ボランティア団体との合同パトロールを行い、また、情報提供等の機会をとらえまして、パトロール上の留意事項について注意喚起をいたしているところでございます。
 具体的には、できるだけ多人数でパトロールを行い、単独行動しないように、あるいは、犯罪者と遭遇した際には決して深追いしない、不審者を見かけた際には直ちに警察に御連絡いただくといったような形で、危険のないようにされますようにいろいろお話を申し上げているところでございます。
○糸川委員 ぜひ、そこはしっかりと取り組んでいただければと思います。
 今、私の地元になる福井なんですけれども、非常に交番も少なくて、また、警察官が増員されているといっても警察官もまばらでございます。こうした警察官が少ない地域では、警察官のマンパワーを補完するという点で、今、非常通報装置を内蔵した機器というんでしょうか、それから、街頭緊急通報システムというものがあるんですね、これはスーパー防犯灯と俗に言われるんですけれども。また、子ども緊急通報装置、これはスーパー防犯灯の子供版です。
 この街頭緊急通報システムや子ども緊急通報システムの機能及び効用についてお聞かせいただけますでしょうか。これは生活安全局長にお願いします。
○竹花政府参考人 御指摘の装置は、通報ボタンを押すことにより、非常用赤色灯と非常ベルが作動し周囲に緊急事態を知らせるとともに、警察へ通報がなされ、警察官と音声による通話が可能となるものでございます。その結果、迅速な警察措置が可能となりますし、また、住民に対し、いつでも警察に通報できるという安心感を与えるものでもございます。
 路上等における犯罪の抑止及び地域住民の犯罪に対する不安感の解消に一定の効果があるものと考えております。
○糸川委員 今の配備状況というのを御説明いただけますでしょうか。数です。
○竹花政府参考人 スーパー防犯灯につきましては、平成十三年度以降十七年十二月末までに、六十五地区において六百六基を運用いたしております。
 また、子ども緊急通報装置につきましては、平成十四年度以降十七年十二月末までに、五十九地区において計三百九十五基を運用いたしているところでございます。
○糸川委員 このスーパー防犯灯というのは、御記憶にあるかと思いますが、あの祖師谷の一家殺害事件等々でそういう位置につくられているんですけれども、そういうところに置いてあるということなんです。
 実際には、ボタンを押すと、何かカメラが、さかのぼってその周辺の撮影したものを見られる、記録してあるということで、今、非常に子供の誘拐や凶悪犯罪が多い中で、これは補完するものとして非常に重要なものになってくるのかな。
 お巡りさんが足りない足りないと言っている中で、何かかわるものというのは、今後十年後を見たときにはそういうものが対応されていなければいけないのかな。先ほど六百幾つというような数字が挙がりましたけれども、実際、それで本当に足りるのかなというふうな気持ちがあります。本当に、子供の生活それから地域の防犯の抑止にしっかりと取り組んでいただければというふうに思います。
 そういうことを踏まえて、今の街頭緊急通報システムや子ども緊急通報装置の全国の整備状況をお伝えいただいたので、では、平成十八年度の予算としてどのくらいやっていくのかという措置状況をお聞かせいただけますでしょうか。
○竹花政府参考人 十八年度予算案におきましては、スーパー防犯灯、十地区七十七基の整備に要する経費約二億一千八百万円、また子ども緊急通報装置につきましては、四地区二十九基の整備に要する経費約二千四百万円が盛り込まれているところでございます。
○糸川委員 これはまだ取りかかったばかりだというふうに思っているので、これからぜひふやしていっていただければと思います。まだ、地方との連携がとれるとかとれないとかという話も聞いておりますので、その辺もしっかりと取り組んでいただければと思います。
 では、最後に沓掛大臣にお尋ねいたします。
 今後、通学路等で優先的にこういうスーパー防犯灯と言われるようなものを設置していくということや、それから街頭緊急通報システムをさらに整備していくということをお話ししているわけですけれども、大臣の今後の決意と御所見をお聞かせいただければというふうに思います。
○沓掛国務大臣 スーパー防犯灯や子ども緊急通報装置は防犯上大変有効であると思いますが、今もありましたように、両方合わせて全国で千個ぐらいです。福井県では福井市に一つ、石川県は小松市に一つ、富山県は富山市に一つというような状況でございますので、優先的にどういうふうにしていくかということは大変重要なことだと思います。
 そこで、スーパー防犯灯は犯罪多発地帯や重大な犯罪が発生した地域等に整備しているところであり、また他方、子ども緊急通報装置は通学路や公園等に整備しているところでありますが、今後とも、犯罪の発生状況やこれを抑えるための取り組み状況、また地元の要望などを踏まえつつ効果的な整備に努めるよう、しっかり警察を督励してまいりたいと思っております。
○大島委員長 糸川君、時間です。
○糸川委員 非常に配備の状況が今少ない。これは、福井なんかでも本当に一件とか、逆に探すのが大変なくらい少ないわけですね。これは早期の配備、そういうことの御検討を願いたいと思います。
 終わります。
○大島委員長 これにて糸川君の質疑は終了いたしました。
 次回は、明十五日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十一分散会