第164回国会 予算委員会 第20号
平成十八年三月二日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 大島 理森君
   理事 金子 一義君 理事 田中 和徳君
   理事 玉沢徳一郎君 理事 松岡 利勝君
   理事 茂木 敏充君 理事 森  英介君
   理事 細川 律夫君 理事 松野 頼久君
   理事 上田  勇君
      あかま二郎君    井上 喜一君
      伊吹 文明君    臼井日出男君
      尾身 幸次君    大野 功統君
      奥野 信亮君    河井 克行君
      河村 建夫君    木原 誠二君
      佐藤ゆかり君    斉藤斗志二君
      笹川  堯君    清水清一朗君
      実川 幸夫君    篠田 陽介君
      杉村 太蔵君    園田 博之君
      平  将明君    高市 早苗君
      高鳥 修一君    谷  公一君
      渡海紀三朗君    土井  亨君
      中山 成彬君    西本 勝子君
      根本  匠君    野田  毅君
      福田 峰之君    二田 孝治君
      馬渡 龍治君    町村 信孝君
      三原 朝彦君    山本 公一君
      山本 幸三君    山本 有二君
      小川 淳也君    大串 博志君
      岡田 克也君    加藤 公一君
      北神 圭朗君    笹木 竜三君
      原口 一博君    伴野  豊君
      古川 元久君    馬淵 澄夫君
      坂口  力君    桝屋 敬悟君
      佐々木憲昭君    保坂 展人君
      糸川 正晃君    亀井 久興君
      徳田  毅君
    …………………………………
   内閣総理大臣       小泉純一郎君
   総務大臣         竹中 平蔵君
   法務大臣         杉浦 正健君
   外務大臣         麻生 太郎君
   財務大臣         谷垣 禎一君
   文部科学大臣       小坂 憲次君
   厚生労働大臣       川崎 二郎君
   農林水産大臣       中川 昭一君
   経済産業大臣       二階 俊博君
   国土交通大臣       北側 一雄君
   環境大臣
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当) 小池百合子君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     安倍 晋三君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (防災担当)       沓掛 哲男君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      額賀福志郎君
   国務大臣
   (金融担当)
   (経済財政政策担当)   与謝野 馨君
   国務大臣
   (規制改革担当)     中馬 弘毅君
   国務大臣
   (科学技術政策担当)
   (食品安全担当)     松田 岩夫君
   国務大臣
   (少子化・男女共同参画担当)           猪口 邦子君
   内閣官房副長官      長勢 甚遠君
   内閣府副大臣       嘉数 知賢君
   内閣府副大臣       櫻田 義孝君
   内閣府副大臣       山口 泰明君
   防衛庁副長官       木村 太郎君
   法務副大臣        河野 太郎君
   外務副大臣        塩崎 恭久君
   財務副大臣        竹本 直一君
   文部科学副大臣      河本 三郎君
   農林水産副大臣      宮腰 光寛君
   経済産業副大臣      西野あきら君
   国土交通副大臣      江崎 鐵磨君
   内閣府大臣政務官     後藤田正純君
   内閣府大臣政務官     平井たくや君
   内閣府大臣政務官     山谷えり子君
   防衛庁長官政務官     高木  毅君
   法務大臣政務官      三ッ林隆志君
   財務大臣政務官      西田  猛君
   文部科学大臣政務官    吉野 正芳君
   農林水産大臣政務官    金子 恭之君
   経済産業大臣政務官    片山さつき君
   国土交通大臣政務官    後藤 茂之君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    阪田 雅裕君
   政府参考人
   (防衛庁防衛参事官)   増田 好平君
   政府参考人
   (防衛施設庁長官)    北原 巖男君
   政府参考人
   (金融庁証券取引等監視委員会事務局長)      長尾 和彦君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    大林  宏君
   政府参考人
   (外務省経済協力局長)  佐藤 重和君
   参考人
   (日本銀行副総裁)    岩田 一政君
   参考人
   (日本銀行理事)     白川 方明君
   参考人
   (預金保険機構理事長)  永田 俊一君
   予算委員会専門員     清土 恒雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十八日
 辞任         補欠選任
  伊吹 文明君     山本ともひろ君
  亀井 善之君     岡部 英明君
  笹川  堯君     木原 誠二君
  園田 博之君     小里 泰弘君
  中山 成彬君     藤野真紀子君
  二田 孝治君     馬渡 龍治君
  山本 有二君     牧原 秀樹君
  井上 喜一君     坂井  学君
  小里 泰弘君     近藤三津枝君
  尾身 幸次君     赤池 誠章君
  大野 功統君     佐藤ゆかり君
  岡部 英明君     平  将明君
  木原 誠二君     橋本  岳君
  斉藤斗志二君     御法川信英君
  渡海紀三朗君     上野賢一郎君
  野田  毅君     赤澤 亮正君
  藤野真紀子君     西銘恒三郎君
  馬渡 龍治君     とかしきなおみ君
  町村 信孝君     田中 良生君
  山本ともひろ君    中根 一幸君
  岡田 克也君     森本 哲生君
  坂口  力君     大口 善徳君
  赤池 誠章君     渡部  篤君
  赤澤 亮正君     木原  稔君
  上野賢一郎君     清水鴻一郎君
  臼井日出男君     萩原 誠司君
  佐藤ゆかり君     飯島 夕雁君
  坂井  学君     木挽  司君
  田中 良生君     土井 真樹君
  平  将明君     若宮 健嗣君
  西銘恒三郎君     安井潤一郎君
  橋本  岳君     越智 隆雄君
  大串 博志君     西村智奈美君
  笹木 竜三君     田村 謙治君
  原口 一博君     佐々木隆博君
  阿部 知子君     保坂 展人君
  糸川 正晃君     滝   実君
  土井 真樹君     石原 宏高君
  牧原 秀樹君     長崎幸太郎君
  御法川信英君     斉藤斗志二君
  安井潤一郎君     阿部 俊子君
  西村智奈美君     逢坂 誠二君
  大口 善徳君     高木美智代君
  桝屋 敬悟君     高木 陽介君
  越智 隆雄君     藤井 勇治君
  近藤三津枝君     長島 忠美君
  清水鴻一郎君     山内 康一君
  加藤 公一君     内山  晃君
  馬淵 澄夫君     柚木 道義君
  高木美智代君     太田 昭宏君
  高木 陽介君     斉藤 鉄夫君
  保坂 展人君     日森 文尋君
  滝   実君     糸川 正晃君
  阿部 俊子君     中山 成彬君
  飯島 夕雁君     大野 功統君
  石原 宏高君     町村 信孝君
  木原  稔君     野田  毅君
  木挽  司君     井上 喜一君
  とかしきなおみ君   二田 孝治君
  中根 一幸君     伊吹 文明君
  長崎幸太郎君     山本 有二君
  長島 忠美君     園田 博之君
  萩原 誠司君     臼井日出男君
  藤井 勇治君     笹川  堯君
  山内 康一君     渡海紀三朗君
  若宮 健嗣君     亀井 善之君
  渡部  篤君     尾身 幸次君
  内山  晃君     加藤 公一君
  逢坂 誠二君     大串 博志君
  佐々木隆博君     原口 一博君
  田村 謙治君     笹木 竜三君
  森本 哲生君     岡田 克也君
  柚木 道義君     馬淵 澄夫君
  太田 昭宏君     坂口  力君
  斉藤 鉄夫君     桝屋 敬悟君
  日森 文尋君     阿部 知子君
三月一日
 辞任         補欠選任
  伊吹 文明君     安次富 修君
  大野 功統君     福田 良彦君
  亀井 善之君     土井  亨君
  笹川  堯君     林   潤君
  園田 博之君     小川 友一君
  渡海紀三朗君     杉村 太蔵君
  中山 成彬君     加藤 勝信君
  野田  毅君     清水清一朗君
  山本 有二君     新井 悦二君
  笹木 竜三君     松本 大輔君
  伴野  豊君     黄川田 徹君
  古川 元久君     村井 宗明君
  桝屋 敬悟君     佐藤 茂樹君
  佐々木憲昭君     穀田 恵二君
  井上 喜一君     杉田 元司君
  小川 友一君     鍵田忠兵衛君
  加藤 勝信君     武藤 容治君
  杉村 太蔵君     藤田 幹雄君
  土井  亨君     中森ふくよ君
  林   潤君     矢野 隆司君
  二田 孝治君     小野 次郎君
  町村 信孝君     近江屋信広君
  小川 淳也君     泉  健太君
  大串 博志君     高山 智司君
  加藤 公一君     長妻  昭君
  原口 一博君     田島 一成君
  佐藤 茂樹君     太田 昭宏君
  坂口  力君     田端 正広君
  穀田 恵二君     塩川 鉄也君
  安次富 修君     篠田 陽介君
  臼井日出男君     浮島 敏男君
  鍵田忠兵衛君     亀岡 偉民君
  清水清一朗君     あかま二郎君
  岡田 克也君     大畠 章宏君
  北神 圭朗君     平岡 秀夫君
  田島 一成君     川端 達夫君
  高山 智司君     田嶋  要君
  長妻  昭君     松本  龍君
  村井 宗明君     古本伸一郎君
  太田 昭宏君     谷口 和史君
  田端 正広君     高木美智代君
  塩川 鉄也君     吉井 英勝君
  阿部 知子君     照屋 寛徳君
  あかま二郎君     北村 茂男君
  新井 悦二君     薗浦健太郎君
  浮島 敏男君     土屋 正忠君
  尾身 幸次君     福田 峰之君
  近江屋信広君     大塚  拓君
  杉田 元司君     中川 泰宏君
  藤田 幹雄君     平口  洋君
  大畠 章宏君     前田 雄吉君
  田嶋  要君     小宮山洋子君
  平岡 秀夫君     北橋 健治君
  古本伸一郎君     仲野 博子君
  松本 大輔君     笹木 竜三君
  松本  龍君     近藤 洋介君
  吉井 英勝君     笠井  亮君
  照屋 寛徳君     辻元 清美君
  薗浦健太郎君     松本 文明君
  中森ふくよ君     伊藤 忠彦君
  泉  健太君     寺田  学君
  川端 達夫君     岩國 哲人君
  黄川田 徹君     山田 正彦君
  馬淵 澄夫君     神風 英男君
  篠田 陽介君     高鳥 修一君
  平口  洋君     冨岡  勉君
  松本 文明君     川条 志嘉君
  矢野 隆司君     鈴木 馨祐君
  岩國 哲人君     岡本 充功君
  小宮山洋子君     森本 哲生君
  近藤 洋介君     福田 昭夫君
  神風 英男君     郡  和子君
  仲野 博子君     小宮山泰子君
  山田 正彦君     山井 和則君
  高木美智代君     福島  豊君
  笠井  亮君     高橋千鶴子君
  辻元 清美君     重野 安正君
  糸川 正晃君     滝   実君
  伊藤 忠彦君     関  芳弘君
  小野 次郎君     広津 素子君
  大塚  拓君     稲田 朋美君
  北村 茂男君     盛山 正仁君
  冨岡  勉君     西本 勝子君
  中川 泰宏君     福岡 資麿君
  北橋 健治君     渡辺  周君
  小宮山泰子君     後藤  斎君
  寺田  学君     逢坂 誠二君
  福田 昭夫君     市村浩一郎君
  森本 哲生君     近藤 昭一君
  谷口 和史君     桝屋 敬悟君
  重野 安正君     菅野 哲雄君
  広津 素子君     松本 洋平君
  福田 峰之君     井澤 京子君
  武藤 容治君     井脇ノブ子君
  市村浩一郎君     三日月大造君
  逢坂 誠二君     荒井  聰君
  岡本 充功君     原口 一博君
  後藤  斎君     武正 公一君
  郡  和子君     鈴木 克昌君
  近藤 昭一君     大串 博志君
  前田 雄吉君     高木 義明君
  山井 和則君     川内 博史君
  渡辺  周君     吉田  泉君
  福島  豊君     斉藤 鉄夫君
  高橋千鶴子君     石井 郁子君
  菅野 哲雄君     阿部 知子君
  滝   実君     糸川 正晃君
  井澤 京子君     丹羽 秀樹君
  井脇ノブ子君     永岡 桂子君
  川条 志嘉君     大塚 高司君
  福田 良彦君     遠藤 宣彦君
  荒井  聰君     田名部匡代君
  高木 義明君     下条 みつ君
  吉田  泉君     北神 圭朗君
  斉藤 鉄夫君     富田 茂之君
  石井 郁子君     赤嶺 政賢君
  阿部 知子君     保坂 展人君
  赤嶺 政賢君     塩川 鉄也君
  稲田 朋美君     町村 信孝君
  遠藤 宣彦君     大野 功統君
  大塚 高司君     山本 有二君
  亀岡 偉民君     園田 博之君
  鈴木 馨祐君     笹川  堯君
  関  芳弘君     亀井 善之君
  高鳥 修一君     伊吹 文明君
  土屋 正忠君     臼井日出男君
  永岡 桂子君     中山 成彬君
  丹羽 秀樹君     尾身 幸次君
  西本 勝子君     渡海紀三朗君
  福岡 資麿君     井上 喜一君
  松本 洋平君     二田 孝治君
  盛山 正仁君     野田  毅君
  川内 博史君     伴野  豊君
  下条 みつ君     岡田 克也君
  鈴木 克昌君     馬淵 澄夫君
  田名部匡代君     小川 淳也君
  武正 公一君     古川 元久君
  三日月大造君     加藤 公一君
  富田 茂之君     坂口  力君
  塩川 鉄也君     佐々木憲昭君
  保坂 展人君     阿部 知子君
同月二日
 辞任         補欠選任
  臼井日出男君     西本 勝子君
  亀井 善之君     平  将明君
  河井 克行君     佐藤ゆかり君
  河村 建夫君     谷  公一君
  斉藤斗志二君     杉村 太蔵君
  高市 早苗君     高鳥 修一君
  渡海紀三朗君     馬渡 龍治君
  根本  匠君     篠田 陽介君
  三原 朝彦君     清水清一朗君
  山本 幸三君     木原 誠二君
  坂口  力君     神崎 武法君
  阿部 知子君     保坂 展人君
  糸川 正晃君     亀井 久興君
同日
 辞任         補欠選任
  木原 誠二君     山本 幸三君
  佐藤ゆかり君     河井 克行君
  清水清一朗君     三原 朝彦君
  篠田 陽介君     あかま二郎君
  杉村 太蔵君     斉藤斗志二君
  平  将明君     福田 峰之君
  高鳥 修一君     土井  亨君
  谷  公一君     河村 建夫君
  西本 勝子君     臼井日出男君
  馬渡 龍治君     渡海紀三朗君
  保坂 展人君     阿部 知子君
  亀井 久興君     糸川 正晃君
同日
 辞任         補欠選任
  あかま二郎君     根本  匠君
  土井  亨君     高市 早苗君
  福田 峰之君     亀井 善之君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成十八年度一般会計予算
 平成十八年度特別会計予算
 平成十八年度政府関係機関予算
 主査からの報告聴取
     ――――◇―――――
○大島委員長 これより会議を開きます。
 平成十八年度一般会計予算、平成十八年度特別会計予算、平成十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 この際、各分科会主査から、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。
 第一分科会主査松岡利勝君。
○松岡委員 第一分科会における審査の経過及び内容について御報告申し上げます。
 本分科会は、二月二十八日及び三月一日の両日審査を行いました。その詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは主な質疑事項について申し上げます。
 まず、国会所管については、事務局改革及び立法機能強化のあり方など、
 次に、内閣所管については、政府機関の情報セキュリティー対策、子供の安全対策、皇室典範改正問題など、
 次に、内閣府所管については、企業会計基準見直しへの取り組み、金融行政における法的規制のあり方、北海道道州制特区の検討状況、在日米軍再編問題、基地周辺の騒音防止対策、治安・防犯対策、自動車運転代行業問題、拉致問題への警察庁の対応などでありました。
 以上、御報告申し上げます。
○大島委員長 第二分科会主査田中和徳君。
○田中(和)委員 第二分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、総務省所管について二日間審査を行いました。その詳細につきましては会議録に譲ることといたします。
 その主な質疑事項は、道州制及び三位一体の改革等地方分権改革のあり方、公務員制度改革のあり方、雪害・防災対策及び消防救急体制の充実強化、地域医療体制の充実に向けた取り組み、地上波デジタル放送への対応、政策決定におけるパブリックコメントの活用状況、個人情報保護法の運用上の問題点、政見放送における聴覚障害者への配慮のあり方、電磁界が健康に及ぼす影響等々であります。
 以上、御報告申し上げます。
○大島委員長 第三分科会主査茂木敏充君。
○茂木委員 第三分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、法務省、外務省及び財務省所管について二日間審査を行いました。
 その詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、国有資産の有効活用のあり方、歳出歳入一体改革の必要性、更生保護制度のあり方、刑務所等の過剰収容問題、対外広報活動の充実の必要性、今後の日中関係及びアジア外交のあり方等々であります。
 以上、御報告申し上げます。
○大島委員長 第四分科会主査実川幸夫君。
○実川委員 第四分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、文部科学省所管について二日間審査を行いました。その詳細につきましては会議録に譲ることといたします。
 その主な質疑事項でありますが、学校教育における勤労観、職業観育成の必要性、障害者に対する特別支援教育のあり方、子供の基本的生活習慣育成のための施策の推進、文化財の保存と活用、宇宙開発事業の重要性と推進、学校におきます個人情報保護のあり方、スポーツ振興のあり方、地域医療を担う人材の育成、奨学金制度の充実、地域ぐるみによる学校の安全確保等々についてであります。
 以上、御報告申し上げます。
○大島委員長 第五分科会主査森英介君。
○森(英)委員 第五分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、厚生労働省所管について二日間審査を行いました。その詳細につきましては会議録に譲ることといたします。
 その主な質疑事項は、小児救急医療の充実、認定子ども園のあり方、不妊治療支援の拡充、療養病床再編への対応、地域における医師確保の取り組み、原爆被爆者対策、ニート、フリーター対策等々であります。
 以上、御報告申し上げます。
○大島委員長 第六分科会主査玉沢徳一郎君。
○玉沢委員 第六分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、農林水産省及び環境省所管について二日間審査を行いました。その詳細につきましては会議録に譲ることといたします。
 その主な質疑事項は、都市部における生物多様性環境保全のための緑地保護の必要性、環境ビジネスの発展及び環境分野における若手研究者育成への支援策、鳥獣害対策強化の必要性、国内産の材木利用促進等林業活性化策、地域経済活性化のための地産地消推進策、農林水産物の輸出振興策、食の安全、安心確保のための取り組み、米の需給調整に関する行政の関与のあり方、品目横断的経営安定対策の円滑な導入に向けた取り組み等々であります。
 以上、御報告申し上げます。
○大島委員長 第七分科会主査高市早苗君。
○高市委員 第七分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、経済産業省所管について二日間審査を行いました。その詳細につきましては会議録に譲ることといたします。
 その主な質疑事項は、新経済成長戦略における地域経済活性化策、我が国の資源開発への取り組み、中心市街地活性化策、商工組合中央金庫民営化問題、対内直接投資の推進、原子力施設における災害対策、ネットワークビジネスの現状、中小企業の人材育成及び再生支援等々であります。
 以上、御報告申し上げます。
○大島委員長 第八分科会主査上田勇君。
○上田委員 第八分科会について御報告申し上げます。
 本分科会は、国土交通省所管について二日間審査を行いました。その詳細につきましては会議録に譲ることといたします。
 主な質疑事項は、ビジット・ジャパン・キャンペーンの取り組み、中心市街地活性化への取り組み、離島振興対策、バリアフリー化の推進、耐震強度偽装再発防止策、整備新幹線事業の今後の見通し、一般国道及び高速道路の整備、海上保安庁による海上警備体制等々であります。
 以上、御報告申し上げます。
○大島委員長 以上をもちまして各分科会主査の報告は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○大島委員長 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として防衛庁防衛参事官増田好平君、防衛施設庁長官北原巖男君、金融庁証券取引等監視委員会事務局長長尾和彦君、法務省刑事局長大林宏君、外務省経済協力局長佐藤重和君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○大島委員長 これより一般的質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。馬淵澄夫君。
○馬淵委員 民主党の馬淵でございます。
 二月の十四日、当委員会におきまして、金融庁の金融行政の透明性等につきましての質疑をさせていただきました。与謝野金融担当大臣の御答弁をいただく中で、議事録精査の必要がありとの当委員会での決議となり、再度、こうしてその答弁をめぐっての御質疑という形での質疑時間をいただきましたこと、委員長初め与野党の理事の皆様方の御配慮、この総括質疑の当日に一般的質疑をさせていただくことの御配慮に改めて感謝申し上げます。
 二月の十七日、継続の質疑をさせていただきました。平成十五年の八月の二十日に銀行免許の申請が行われる、その直前に顧問を辞任されていたとされる木村氏、日本振興銀行の問題についての継続質疑をさせていただいたわけでありますが、改めて確認をさせていただきますと、その木村氏が顧問であられた平成十五年の五月の一日時点では、顧問でおられるにもかかわらず、銀行免許取得の金融庁との交渉、これについて、御自身の会社で一億円のコンサルティング契約を結ばれていたということは事実でございます。
 こうしたことに対して、事前相談なしに予備免許申請を受けられた、八月二十日時点で受けられた当時の銀行一課の岳野課長は、本気ですかと木村氏にお尋ねをされたということも御本人から伺っております。
 また、その後の業務に関しましても、継続の質疑の中で、私は、さまざまな問題があるのではないかという御指摘をさせていただきました。
 こうした中で、木村氏が「金融維新」という著書を著されております。この著書の中では、日本振興銀行設立に対して、御自身がこのようにおっしゃっておられます。「金融庁が同意してくれるのであれば、常駐検査官を新銀行に一人派遣していただきたいと思っているくらいだ。タダで毎日検査していただけるのであれば、こんなにありがたい話はない。」そして、今、特別検査が行われたところでありました。
 そして、さらには、「万が一にも、新銀行が当初の志と異なることをやりはじめ、私のガバナンスがまったく機能しないようであれば、そのときこそ、容赦なく落合伸治」、これはもう一方のパートナーでございますが、「落合伸治の仲間たちや私を完膚なきまでに叩きのめせばいい――私はそう思う。」と、木村剛氏は、御自身のそのガバナンス、コンプライアンス体制ということについて胸を張っておられます。
 こうした状況の中、私は、委員長にも、理事会協議で参考人招致を求めさせていただきました。金融行政の透明性あるいは信頼性ということを確保するという重要な問題でありますので、与野党の理事におかれましては、引き続きの協議をお願いしたい、参考人招致の協議をお願いしたい、このように思うわけであります。
 前回、参考人招致については、与党の理事から木村氏に電話をされたところ、前向きな姿勢を示していただいたということをお聞きしております。都合がつかず参考人出席という形にはなりませんでしたが、理事会におきましても、与野党の理事の皆様方、委員長方々、参考人招致、ぜひ御協議をお願いしたいと思います。
○大島委員長 協議を続行いたします。
○馬淵委員 ありがとうございます。
 それでは、一般質疑の時間をいただいております。予算の総括の日でございますが、一般的質疑として、私の方からは経済財政問題について質疑をさせていただきたいと思います。
 さて、今日の財政状況、厳しい状況であること、これはもう当予算委員会の中でもたびたび議論をされてきたわけであります。今日まで頑張ってきた方々の世代に感謝の思いを持ちつつ、未来への、子供たちへの時代には決してツケを回してはならない、こうしたかたい決意のもと、財政再建、この論議が、今まさにその中心となって行われていくところであるわけであります。
 さて、この財政再建、当然ながらに、このことを議論するということは何か。これは、まずはデフォルトというリスクがあるということと、そのリスクの回避をしなければならないということが、今、我々としては最も重要な観点である、こう考え、議論がなされているところであると思います。
 その議論の中では、どういう状況に財政を持っていかねばならないかという一つの目標値の設定として、基礎的財政収支の黒字化ということが、小泉内閣の中でも「改革と展望」の中で語られてきたわけであります。当初の閣議決定、二〇一〇年代初頭黒字化ということが決せられた。国と地方を通じた取り組みということで、二〇一〇年代初頭には、プライマリーバランス、基礎的財政収支の黒字化を目指す、こう決定をされてこられたわけであります。
 さて、このときに、国と地方を合わせてというこの考え方の根幹にあったものは何か。二〇〇一年、この当時の状況を言えば、国、地方ともに長期債務の残高がふえる、そうした懸念がある中で、国だけでなく地方も合わせて、基礎的財政収支というものを一つの一里塚として目標設定をしていこう、こういうことであったのではないかと思われます。
 お手元の資料は、これもたびたび当委員会の中で確認をされてきた資料でございますが、この一枚目には、基礎的財政収支、下の表の中に、ちょうど真ん中の段の右端でございますが、これは二〇〇五年度、内閣府の試算でありますが、基礎的財政収支は、二〇一一年度には国と地方を合わせて、これは対GDP比でありますが、ゼロ、ようやく黒字化をするめどが立つという、こうした試算が出されてくるわけであります。
 さて、この国と地方を合わせてということの問題についてお尋ねをしていきたいと思います。
 地方が黒字化していき、そして国については、まだまだ黒字化という目標が達成できるかどうかというところについては不透明な部分があるかもしれない。しかしながら、閣議決定の中では、国と地方を合わせてのプライマリーバランス黒字化ということが前提となっている。
 さて、国の黒字化というものは、一体いつごろをめどとして、目標値として設定されているのでしょうか。きょうも与謝野大臣にお見えいただいております、大臣、ぜひ御答弁の方をお願いいたしたいと思います。
○与謝野国務大臣 基本的には、地方の財政は既にプライマリーバランスは黒字化を達成しているという現状がございます。国の財政も地方の財政もしょせんは国民が負担しているものですから、プライマリーバランスの状況というのは、本来ですと、国も地方も同じ程度の状況でなければならないと私は思います。
 そういう中で、国のプライマリーバランスの赤、これはなかなか大きいものでございますが、一方では、地方は既に黒字になっておりまして、地方の長期債務残高も漸減の方向に入ったというのは、随分国と地方のバランスというのが崩れているというふうに私は思っております。
 そこで、国民負担という面からは国、地方を別々に扱うということにはならないと思っておりまして、国、地方を合わせた基礎的財政収支は二〇〇六年度で対GDP比二・八%、国は対GDP比三・二%の赤字、地方は対GDP比〇・四%の黒字、こういうことになっております。これは、二〇〇六年度末の公債残高、国、地方を合わせますとGDP比一四三・五%、こういうことでございます。
 このように、我が国の財政は極めて厳しい状況にございますけれども、一方では、注目しなければならないのは、国から地方へは交付税や補助金といった形で財政移転が行われていることに注目しなければなりません。そういう中で、国、地方を合わせてプライマリーバランスを二〇一一年に達成するということは、地方のペースで地方だけどんどん進んでいいのかという問題がそこに含まれていると私は思っております。
○馬淵委員 そこで、今おっしゃるとおり、国と地方を合わせてということが当初の閣議決定の中でなされていく、そして、それをようやく転換して黒字化の方向に向かっていくんだと向かっていきつつある中で、地方は黒字化を達成しつつある、国はどうなのかということについて私はお尋ねをさせていただきました。
 国と地方を合わせてともに黒字化していかねばならないのは、当然であります。そして、このプライマリーバランスが一里塚であることもよく理解をしていますが、例えば、企業でいえば親会社、子会社、これは連結財務諸表によってトータルの財務状況を把握していかねばならないことは当然である。しかし一方で、それぞれの単独の決算状況、財務諸表状況の中で財務状況の改善というものを図るのは、当然その経営者においては責務であると思われます。
 国においての目標がどういうところにあるのかということは、今まで議論されなかったんでしょうか。私のお尋ねとしては、国の目標としてはいつになるのかということを尋ねさせていただいております。もう一度御答弁、与謝野大臣、よろしいですか。
○与謝野国務大臣 基本ケースを見ていただくとおわかりいただけると思うんですけれども、二〇一一年度では、基礎的財政収支は、国においてもまだ〇・八%の赤字、地方が〇・八%の黒字ということでバランスをするという計算になっております。
○馬淵委員 国の目標が要は立っていないということになるんじゃないでしょうか。そのことを私は、もちろんこれを見ればわかるんですが、あえてお尋ねをさせていただいているんです。谷垣大臣が今ちょっとお手を挙げられたので、お願いできますか。
○谷垣国務大臣 今、与謝野大臣からも御答弁があったところですが、今までは国、地方を合わせてやるという目標を立てて三位一体改革というようなこともやってまいりましたが、三位一体改革の議論の中でも、一緒に二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを回復するにはどうしたらいいかというような観点からも随分議論をいたしました。しかし、特殊、国だけに限定して何年度に脱却するという目標は公的にはできておりません。
 ただ、今、与謝野大臣から御答弁がございましたように、国、地方、それぞれ今抱えている状況は違っておりますので、どういうことをこれからやっていかなければならないかということをもう少し議論を詰めていくことは、私は十分検討に値することだと思っておりまして、私としては、今後、経済財政諮問会議、与謝野大臣のもとで歳出歳入一体改革の議論を進めていくわけですが、こういった国、地方、それぞれが今後どういう目標を立てていくべきかというようなことも議論をさせていただきたいと思っているところでございます。
○馬淵委員 大臣、御指摘のことはよく私も理解しているつもりです。閣議決定としては、国と地方を合わせてなんだと。これはもう当然そういう状況で政府が財政運営を進めてこられたということは理解しておりますが、今、重要な御答弁なんですね。
 国単体では、これも当然、交付税の資金移転、財源移転という部分がありますから、これは国単体、地方単体ということ、このことが財源移転もあるのでなかなか二〇〇一年のこの閣議決定の段階では難しかったんだということはよく理解をしますが、事ここに及んでは、地方の財政が黒字化していく中では、国としての単独の目標というものを当然ながらに設定していかねばならないのではないかという御指摘を私はさせていただいております。そして、今、その議論はしていかねばならないとおっしゃったわけでありますが、具体的にはいつまでにこの目標の設定というのをされるんでしょうか。
○谷垣国務大臣 まだそこは具体化していないんです。ただ、与謝野大臣のもとで、ことしの年半ばまでに選択肢と工程表を示して歳出歳入一体改革の道筋をはっきりさせていく。そして、その上でさらに議論を積み重ねて、平成十八年度中に結論を得るとされておりますので、議論はこれからでございますから、今まだ決め打ちのような形で申し上げるわけにはいきませんが、その中で何か形を示せたらという思いがございます。
○馬淵委員 ありがとうございます。
 三月に検討、そして六月に提出ということであるかと思います。ぜひ与謝野大臣のもとで、経済財政諮問会議、またこれは谷垣大臣も出席される会議でありますが、その中で国としての目標値ということを、やはり国、地方合わせてということをさらに一歩進めて、国としての目標設定というところにまで、この半ば、ことしの六月末ですか、それをめどとされるのであれば、しっかりとした議論をした上で、国民、我々にお示しをいただけないでしょうか。そのことについて、与謝野大臣、お願いします。
○与謝野国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、国から地方には平成十八年度だけでも約三十四兆円のお金が行っているわけでございまして、国の財政を再建する過程でそうして地方に移転されている分をどう取り扱うかということは、実は財政を再建するときの最も大きなところでございます。
 これは、国の歳出カットをやりますときに、あらゆる分野の歳出カットをやらなければならないんですけれども、やはり大きな項目というのは地方財政とか社会保障とかという、私は歳出の二大横綱と言っておりますけれども、そういうところにも御協力をいただかないと歳出カットの数字が出てこない、そういう問題があることをぜひ御理解いただきたいと思っております。
○馬淵委員 十分理解をしておりますが、昨年の内閣府の試算の段階ででも、地方は黒字、そして国が赤字という状況の中でこれは読めていた状況ですので、本来ならば、昨年からこの議論はなされ、国としての単独目標ということが十分に俎上にのらねばならなかったのではないかということを重ねて御指摘して、次の質問に移らせていただきます。
 さて、お手元の方に資料をお配りしております二枚目、A3の横使い、これをちょっとごらんいただきたいというふうに思います。
 財政の状況を今議論させていただきましたが、プライマリーバランス、一つの目標設定、そして、この目標設定をしていくということが財政悪化の中で、どういう悪化の状態だったかということを、「財政の歩み」という、これは財務省の方で出されている資料の抜粋でございますが、これを見ていくと非常にわかりやすい書類だと思いまして、載せました。
 今日における公債残高、これが、いわゆる特例公債残高がふえ、その依存率が四一・八%という大変な状況になっているということでありますが、この折れ線の部分ですね。上にあります折れ線が公債依存度の折れ線であります。こういう高い公債依存度というのは、実は過去にもございました。
 これを見ていただきますと、昭和の五十四年、五年ごろ、これも公債依存度が高くなっていった。しかし、この公債依存度がその後、平成二年ごろにちょうどこれが下がってくるんですね。それで、棒グラフの方、色がついていないので少し見づらいんですが、棒グラフの真ん中に横線が入っております。この横線以下が公債発行額です。そして、横線の上が建設公債の発行額であります。昭和の五十四、五年ごろ、大変公債依存度が上がっていった。
 この状況で、何とか公債依存体質を脱却しなければならないという議論がありました。これが、昭和の五十四年のころに議論をされてきた、この公債依存度をとにかく脱却していこうということでの脱却目標、五九脱却の議論でありました。五十九年の公債依存体質脱却という目標を掲げて、五十四年には財確法という法律の議論が行われました。
 そして、何とかこの公債依存度を下げていこうということで政府は財政再建の歩みを始めたわけでありますが、五十九年に脱却をするという目標、これは、ちょうど昭和五十年から発行された公債の償還期限が六十年に迫ってくるということで、五十九年には何とか脱却していねばならないなということで掲げたわけであります。
 しかし、この年表の下の方にありますように、第二次オイルショック、石油危機、そしてそれに伴う世界的な景気停滞によって、この五九脱却というのが非常に難しいという状況に陥っていった。昭和五十九年に公債依存度、これを何とか解消しようということで目標を掲げたわけでありますが、しかし、これも難しくなっていく。
 こうした中で、さらに、これは目標の先送りというんでしょうか、現実的にそぐわないということで見直して、これは昭和六十五年です、当時そのように呼んでおりました、昭和六十五年を目途として脱却をしようということで、新たにここで目標の設定のし直しをしました。それによって、昭和六十五年、この年表でいうと平成二年に当たりますが、平成二年にこの公債依存度はどんどん下がっていって、そして、ここにありますように、特例公債依存体質からの脱却を果たすことになります。
 さて、こうした経緯なわけでありますが、この特例公債が発行される中で、五九脱却の目標を立て、そしてさらには六五脱却の目標を立ててきた。このときに、平成二年に、六五というのは平成二年なわけですが脱却を果たした、この経緯と要因ということについて端的に御答弁をいただけますでしょうか。
○竹本副大臣 ただいま先生から戦後の公債脱却の歩みについて御説明がありましたけれども、そもそも、戦後、昭和四十年に一度、歳入補てん債というのをちょっと発行しておりますが、本格的には、五十年代に入って公債が大量に発行されるようになりました。その脱却のために今御説明のあったような経緯があったわけでございますが、平成二年、昭和六十五年に、海部内閣のときだと思いますが、特例公債の脱却を果たしております。
 それで、その原因といいますか、とにかく脱却するためにあらゆる努力を重ねてきたわけでございますが、その後にまた財政が悪化いたしまして、平成八年十二月に、財政健全化目標として、平成十七年度、二〇〇五年度までのできるだけ早い時期に特例公債依存から脱却するということが閣議決定されております。これは橋本内閣のときでございます。さらに、平成九年には、その目標年次が平成十五年度に前倒しされた。つまり、もっと早くやれ、こういうことで前倒しをいたしまして、その後、これを踏まえまして、平成九年に成立いたしました財政構造改革法におきまして、ちょっと条文を読みますけれども……(馬淵委員「もういいです、そこはいいです」と呼ぶ)そういう経緯でございます。
○馬淵委員 済みません、六五脱却までのところでよろしかったんですが、御丁寧にありがとうございます。
 先ほど申し上げたように、昭和六十年の償還を目前としているという国債の、公債の償還があるということで、まず五九脱却を掲げた。そして、これが実現化しない状況の中で六五脱却を掲げるということになったわけでありますが、六五脱却が達成された要因は何ですかとお尋ねをしたんですが、お答えの中にありませんでした。これは、一つに考えられることは、バブル経済による景気の高揚によっての税収増ということが当然ながらにあるかと思われます。
 そしてもう一つは、隠れ借金、いわゆる一般会計から特別会計への繰り入れを行っているものをとめていたという部分があるかと思われます。これについては、当時、国会の中でもそうした議論はなされておりました。そして、それについては当時の大蔵大臣もお認めになられております。
 この予算委員会、平成元年四月の十二日の中で、当時の村山国務大臣が「隠れ借金と言われるものが相当あるわけでございます。」と、このように御答弁をされています。これは、いわゆる繰り入れを繰り延べるという形で、本来払うべきお金を払わないという形で、これは隠れ借金じゃないのかという御質問に対しての御答弁だったわけでありますが、こうした要因もあって平成二年に脱却目標が達成されたと一般論としては考えられるわけでありますが、私は、実はそこにもう一つ大きな要因があると思っています。
 それは何かと申しますと、この六五脱却を図るために償還ルールの変更ということをされておられます。償還ルールというのは何か、これは、建設国債のように見合いの資産を持つものに対しては効用期間を六十年という設定をして、そのために六十年間という償還の期間を置くというのがこの償還ルールでございます。
 ところが、特例公債というようなものについては、極めて特例である、極めて定常的なものではないということから、これについては現金償還が前提でありました。
 しかしながら、この現金償還も現実的にできない、それを行うにはさらなる新発の国債発行かあるいは税収増、つまり増税かあるいは一般歳出を削減する、国民に大きな便益の供与というものができなくなってしまうということから、償還ルールの変更がなされたわけでありますが、この六五脱却、この目標を達成するがために償還ルールの変更がなされた、このように、ちょうど次官にもなられました小村武氏も当時のその状況については述べられております。
 このように、償還ルールを六十年償還という、建設国債、見合いの資産があるものと同等の取り扱いに変えていったということであるわけでありますが、この償還ルールを変えた、これは六五脱却の目標、これを設定しているからゆえに償還ルールを変えたという認識でよろしいんでしょうか。谷垣大臣、よろしいでしょうか。
○竹本副大臣 特例公債につきましては、残高をできるだけ早く償還させなきゃならないということで、基本的には全額を現金償還することといたしておりまして、いわゆる借りかえを行えないことでやってまいりました。しかしながら、第二次石油危機という予期せぬ事態が起こりまして、昭和五十八年に、特例公債脱却の目標が五十九年度から昭和六十五年度に変更されたわけであります。
 このとき、全額償還を行いつつ、六十五年度までの短期間に特例公債体質を脱却するとすれば、極端な歳出カットをやるか、あるいは極度の負担増といった急激な措置を講じなければならなくなりまして、我が国経済が国民生活に好ましくない影響を及ぼすことが非常に見込まれておりました。このため、現金償還の方針を改めまして、借換債の発行を行うという方針に切りかえることとし、やむを得ない選択として、建設公債と同様、六十年償還ルールを採用した事情がございます。
○馬淵委員 やむを得ない状況である、つまり、この六五脱却を目標としている状況の中では、これはやむを得なかったんだ、償還ルールの変更という形をとらざるを得なかったんだ、今、そういう御答弁をいただいたと思います。当時、大臣もそのようにおっしゃっておられるわけであります。
 さて、このような公債依存体質脱却のために、償還ルールを変えてまでもその依存体質脱却を図った、これがその当時の政府の考え方でありました。今、同様に、公債依存体質が高まっております。確かに、ことしは、三十兆円を切るというような形で、三七・数%ですか、若干依存体質は下がってはまいりましたが、それでもまだまだ高い公債依存体質である。このような状況の中で、この脱却目標ということ、先ほどのプライマリーバランスのあの話にもつながることなのかもしれませんが、脱却目標というものを政府はなぜ掲げられないのか。
 当時、このような形で脱却目標を掲げてきた、そして償還ルールの変更までやってこられたわけですね。現時点において脱却目標を掲げられないということであるならば、私自身は、この償還ルールそのものを、本来ならば平成二年の段階でもとに戻すという議論があってもよかったのではないかと思うわけです。
 結局、財政再建のために目標を掲げて、目標達成のためにルールを変更してきた、そして、達成されたと同時に、本来ならば戻すべきであるこの償還ルールを戻さずに今日に来て、さらには、脱却目標ということを掲げてつくったルールであるにもかかわらず、脱却目標は設定されない。それは、今、先ほどのお話の中で、いや、それこそ基礎的財政収支なんだとお話しされるかもしれませんが、この償還ルールを変えたままに放置してきているということについては問題がないんでしょうか。大臣、お願いいたします。
○谷垣国務大臣 特例公債に依存する体質を早く抜け出したい、これは恐らく共通の思いであろうと思います。
 ただ、現実問題として、今どうなっているかということを申し上げますと、ことしも三十兆を切るとか、それから一般歳出の水準を二年続けて抑制するとか、公債発行を抑制するというのは我々の予算編成の大きな目標ではございますけれども、平成十八年度予算も、公債依存度が三七・六%ございます。
 その中で、特例公債の発行額を見ますと、近年、公共事業費を厳しく削減してきたわけですが、他方で、高齢化が進んでまいりまして社会保障関係費が増加してきている等々によりまして、国債発行額約三十兆円のうち、特例公債はその八割、二十四兆ということになっておりまして、過去、特例公債脱却目標を掲げたときに比べますと、特例公債の割合というのはずっと高いということになっているのが残念ながら現状でございます。財政健全化の観点から、今掲げている目標は、委員がおっしゃいますように、プライマリーバランス、基礎的財政収支を回復ということでございますけれども、なかなか特例公債そのものに着目した目標は立てにくいというのが現実の姿でございます。
 他方、では、六十年ルールというようなものは撤回すべきじゃないか、もとの、きちっとそのときそのときで消却していくべきではないかという御議論は、これは確かに一つの筋の通った議論であるというふうに私も思います。ただ、今の厳しい財政状況を考えますと、現実に、現金償還の原則に戻した場合どうするかということになりますと、結局それは、もう一回特例公債を発行して償還の原資をつくるということに、よっぽど思い切った増税をやらない限りはそういうことにならざるを得ないというのが現状でございまして、結局は借換債が特例公債に振りかわるという姿を現状においては避けがたいということがあるわけでございます。
 そこの中で、では、現実的にどうできるかというと、その六十年償還ルールというものはやはり基本としながらも、できる限り早期償還に努める、全体の国債発行を抑制しながら早期償還に努める、こういうことを目標とせざるを得ないのではないかと思っております。
 ただ、この辺のいろいろな手法につきましては、歳入歳出一体改革の議論の中でもさらに詰めて議論をしていきたいと思っております。
○馬淵委員 谷垣大臣から大変真摯な御答弁をいただいたというふうに思っております。筋の通った議論であるとの御示唆をいただきました。
 本来ならば、平成二年の段階でこの償還ルールの変更はもとに戻すべきであったと私は思っております。しかしながら、現実問題として、今はもうどうしようもないじゃないかと、現実論が出てくるわけでありますが、だとするならば、この現実論の中で、もう一度財政当局としてしっかり省みなければならない部分があるのではないかということの御指摘をしたいと思うんです。
 お配りした資料でございますが、三ページ目をごらんください。平成十八年度予算について、歳入歳出という形で載せております。
 ごらんいただきますと、右側の歳出のこの七十九・七兆が本年度予算でありますが、国債発行、建設国債と赤字国債分とございます。これが、今申し上げたように、償還ルールの変更によって借換債が発行できるという形になっているわけですね。現在の公債依存度というのは、この七十九・七兆に対して新規の財源債発行ということで三十兆、これが三七・数%という、その数値の公債依存度として上がってくるわけであります。
 しかし、本来の考え方であるならば、見合いの資産を持たない特例債に対して借換債発行という緊急避難措置的な特例を設けて、そして償還ルールを変えてきたわけでありますが、現実には、先ほどおっしゃったように、その部分を、この償還ルールをもとに戻せと言われるならば、大増税かあるいは一般歳出を大変圧縮しなきゃならぬ現状になる、それはできないんだ、これもよく理解できます。
 だとすれば、公債依存度というものは、赤字国債分のこの網かけの薄い部分、そしてこの薄い部分に見合いの部分、税収の中に点線で入れておりますが薄い部分、数字、四十九・七というのは税収の全体でありまして、この部分は見合いの部分という意味で四十七・六兆になりますというこの全体で、網かけの部分での公債依存度が我が国の実情じゃないのか。これで見ますと、公債依存度が、七十七・六兆を百二十七・三兆で割る、すなわち六一%に及ぶ公債依存の我が国の実情なんじゃないかということをお伝えしたい。
 そして、こうした実情を本来ならば直視しなければならない財政当局が、平成二年の段階では償還ルールの変更をもとに戻す議論がなされないままに今日まで至っている。そして、目の前に一里塚のプライマリーバランス、先ほど私、指摘させていただきましたが、国と地方合わせてというキャップの話、これも目標があいまいになりはしないか。
 私は、常に財政当局がみずからに厳しい規律を高めたその財政事情というものを国民に明らかにすべきであると思っています。それがなければ、冒頭申し上げたように、次世代へのツケ回しになってしまうのではないでしょうか。それを許すようなことのなきように厳しく目を向けなければならない、このことを御指摘したいと思います。
 谷垣大臣、もう一度、今私申し上げたことについての御所見、お願いいたします。
○谷垣国務大臣 今から振り返ってみまして、六十年ルールを採用したこと、これは当時の状況としてはやむを得ないことであったと私は思いますけれども、この六十年ルールが後の世代に与えていく影響というのは余り議論はされてこなかったように私は思います。
 実は私自身も、六十年ルールというものがあるんだということを知ったのは、国会の中で今まで議論はされていたと思いますが、かなり最近で、もちろん財務大臣になるもっと前でございますけれども、ああ、そんなふうになっていたのかと思ったようなことでございました。今から十年ぐらい前にそういうことを私認識いたしまして、これは大変なことだと思ったわけでございます。
 ですから、この六十年ルールの持っている意味というのは私どももよくかみしめ、そして国民にもよくその意味合いを理解していただいて、大きな議論を引き起こしていかなければならないと、今、委員のお話を伺いながら、改めてそう思った次第でございます。
○馬淵委員 大変踏み込んでお話しをいただけたかというふうに思います。
 この償還ルールの問題、我々が、この五九脱却、六五脱却という、それこそ本当に、二十年以上前の状況の中で行われたことについて十分把握をしていない部分があったやもしれない。国会の中では、今、財政再建という喫緊の課題がございますので、これを再建していく過程の中で、このルールというものが時々に変えられてしまっては、やはり視座がずれていくんですね。そこについては、財政当局、規律を高める、最も意識をしなければならない当局として、そのことについては最大限の注意を払って、今後、国会の中での十分な議論に資していただきたい、かようにお願いをしたいというふうに思います。
 この問題、今、踏み込んだ御発言をいただけたというふうに思っておりますので、次の質疑に移らせていただきます。
 さて、三点目の質疑でございますが、名目成長率と金利のお話について少しさせていただきます。
 これは、この予算委員会の冒頭で、自民党の中川政調会長もこのことについては触れられておりまして、また、我が党の岡田委員もこの問題について質疑をさせていただいたわけでありますが、この名目成長率と長期金利の関係につきましては、中川政調会長が、日本の歴史の中においても、名目成長率は、平均値をとってみると長期金利を上回っているということが歴史上の事実である、このようにお話をされておられました。
 お手元に資料を配らせていただいております。これは、我が国の名目成長率と長期金利の関係をあらわしたものでございます。
 これをごらんいただきますと、名目成長率が長期金利を上回っていたというのは、小さな字で恐縮なんですが、この七七、八、九年といった時期までは大幅に上回っている。それ以降は、長期金利が成長率を上回ったり、あるいはそれが入れかわったりといった状況が続いており、現状においては、成長率よりも金利が上回るという、こうした状況になっているわけであります。
 中川政調会長の御指摘の中では、長きにわたっての部分ということにおきましては、歴史的事実として、名目成長率が長期金利を平均値においては上回ってきたという御指摘がありました。また、中川政調会長の御質疑の中には、アメリカのマンキュー、元委員長でございますが、マンキュー氏が、アメリカの実績において、過去百二十年、七十年、五十年といったその実績を調べられて、やはり同様の、名目成長率が金利を上回るという歴史的事実ということを言及されておられました。
 しかし、ここで一つ私が疑問に思っているのは、こうした百二十年といった長きにわたるスパンが、本当に統計学的に有意な期間と呼べるのかということであります。
 そして、我が国における成長率と長期金利の関係におきましては、これを見ていただくとわかるんですが、七七年あるいは七八年近傍から、名目成長率が落ちて、ちょうど金利との入れかわりが始まっているんですが、こうした状況というのはなぜ起きたのか。これは、この七七年の段階で、いわゆる金融機関の、国債の市場への販売、転売の解禁が行われたからなんですね。
 それまでは、金利が低く抑えられている中で、名目成長率が高い状況にあった。金利は抑えられていた。ところが、七七年に、この国債転売解禁というような状況の中で、状況が変化していくわけです。ある意味、七七年以前というのは、これは言い過ぎかもしれませんが、統制経済に近いような状況であった。低い金利の国債を保持したまま売るなと当局が金融機関に言っていたということに近いわけであります。
 この状況の名目成長率と金利の関係、こうした状況で、つまり、環境が変わったんですね、七七年から。そして、ごらんいただくとわかりますように、成長率と長期金利の関係というものが、非常に入れかわりをしてくるという状況。
 さて、このように環境が変わった、状況が変わったというものを平均的に見るということについては、与謝野大臣、いかがお考えでしょうか。
○与謝野国務大臣 委員御指摘のように、日本の経済は、昭和二十年、終戦を迎えた以降は、いわば統制色の強い経済、金利もいわば自由化されていなかったという時代です。そのときの統計は、やはり統制的な色彩が強いという面と、もう一つ、歩積み両建てというのが日常的に行われておりまして、表面的な金利だけで物事を判断するのは間違いでございまして、やはり金融機関は歩積み両建てということで、実質的には高い金利を顧客からいただいていた。その点を考慮しますと長期金利の方が高いという、そういう研究も行われております。
 いわば、アメリカと日本を比べるということは、アメリカは基軸通貨を持っている国でございまして、世界の資本がすべてそこに流れ込むというような経済構造に今なっておりまして、そこの状況と日本の状況を比べるということは、やはり正しくないんだろうと思います。
 そこで、理論的に長期金利というのは何を指すかといいますと、純粋学問的には、潜在成長力プラス期待インフレ率プラス・リスクプレミアムということでございまして、理論の上では、長期金利が名目成長率を下回るということは多分あり得ないのだろうと常識的には考えられます。ただ、特異な現象のもと、例えばバブルのもと、あるいは最近数年のアメリカの経済、こういうところでは名目成長率の方が金利より上回っているということはあります。
 それから、御引用いただいたマンキュー博士の議論のベースは、国債発行残高が一〇〇%以下のところで議論をしている議論でございまして、一〇〇%に近づいたらもはやギャンブルだということもこの論文では言っておられる。そこのところを抜きにしてこの論文を引用していただくのは、十分ではないと私は思っております。
○馬淵委員 中川政調会長の見解についてのお答えをいただいたというように思います。
 与謝野大臣、今御指摘をいただきました部分で、私、再度のお尋ねなんですが、こうした日本の、我が国における六六年からのこの統計の数値を見て、七七年以前、今、歩積み両建てということもあるんだということをお話しされました。しかし、我が国における名目成長率と長期金利の関係を平均化していく中で、私は、環境が変わっている中で平均化するということでの長期金利が名目成長率を下回るというのが、これが歴史的事実と言われるのには少し疑念、疑義がある、このように申し上げておるわけですが、これについての端的な御見解を再度お尋ねさせてください。
○与謝野国務大臣 それが日本の経済の平均の姿だと早とちりしてはいけないと思っておりまして、むしろ、ここ二十年ぐらいの金利と成長率の関係の方を重視して計画を立てる方が、地味で、なおかつ堅実だと私は思っております。
○馬淵委員 さすが前政調会長として、極めて実質的なお答えをいただけたのではないかと思います。
 しかしながら、大臣、実は我が党の大塚耕平議員が質問主意書を出させていただいております。それは当時の経済財政担当大臣、竹中大臣の御発言に対してということで質問主意書を出されておりまして、その答弁として、歴史的に見て名目成長率と名目金利を比べると、名目金利の方が名目成長率より低い、これが非常に幅広く世界の専門家の間に共有されている考え方であろうということを、答弁書で、閣議決定されて出されているんですね。
 今の大臣のお答えであれば、実質的にやはり見ていくべきではないかということのお答えをいただきましたが、閣議決定の中では、このように竹中大臣の答弁を踏まえた質問主意書の答弁が出されておるわけです。
 大臣、今お答えいただきましたが、今担当大臣とされて、今御指摘の部分、当時そのようなことを閣議決定では説明をしているけれども、御自身の考え方としては違うんだということを御説明いただいたということでよろしいでしょうか。
○与謝野国務大臣 高い潜在成長力を持ちたい、それから余り高い長期金利でないという状況をつくり出したいということは、日本の経済を大きくしていくという理想を追っていく上では大事な考え方だと思います。
 しかし、財政を計画していく、財政を再建していくという観点に立ちましたら、やはり控え目の用心深い前提で物事を考えていった方が、何が起きても、いい方に物事が転がれば、それはそれで結構なことでございますが、やはり家計を計画すると同じでございまして、かた目かた目の前提で物事を考えていく、これが財政再建の基礎ではないかと私は思っております。
○馬淵委員 慎重居士の与謝野大臣、本当に、今御答弁をいただいて、もう時間もございません、私としても、非常に重要な御答弁を今議事録の中に残していただいたというふうに思っておるわけでありますが、この金利と成長率の問題については、また機会がございましたらぜひお尋ねをしていきたいと思います。
 さて、もう時間がございません。きょうは、その中で、日銀の岩田副総裁にもお越しいただいております。最後になってしまうかもしれないんですが、日銀の独立性、さらに量的緩和解除後の目標について、お尋ねをしたいと思います。
 竹中総務大臣が日銀の、中央銀行の独立性について語られている場面がございます、昨年の十一月なんですが。
 日本の場合は、中央銀行の独立性というのが何を意味しているのかが非常にあいまいなまま残されている、もっとこういうことをはっきりさせましょうと日銀にも申し上げたことがある、このようにおっしゃっています。そしてさらに、イギリスの場合は政府と中央銀行が相談して決めるわけで、やはりそれは両者で共有しないといけないと思いますと。これは政策目標のことなんですね。政策手段をどうとるかというのは、金融政策手段の独立性というのは、これは厳しく中央銀行に認められなければならない、このようにおっしゃっている。さらに、中央銀行がまるで、政策目標を決めるまで独立性を持っているかのような議論が、残念だけれども、一部に行われているというふうに私は思いますと、竹中総務大臣が閣議後の記者会見で中央銀行の独立性について語られています。
 さて一方、福井総裁は、当委員会の中でも、その量的緩和解除後の金融政策運営については、デフレにもインフレにもしないという決意の上で、安全弁が必要として、さらに透明性のため工夫を重ねていきたい、このようにおっしゃっているわけです。竹中大臣のこの会見は非常に日銀の独立性にまで踏み込んだ御発言なわけでありますが、改めて、岩田副総裁、きょうお越しいただきました、この独立性についてどのようなお考えかということを、一言お願いできますでしょうか。
○岩田参考人 ただいま御質問をいただきました件でありますが、特に量的緩和政策解除の後で、金融政策目標をどう設定するかという御質問であったかと思います。
 この件につきましては、現行の日本銀行法第二条に、目標につきまして極めて明確な規定がございます。金融政策の目的は「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」であるというように、明確に規定されております。そして、この目的をどのように達成していくかということにつきましては、日本銀行の政策委員会の判断と責任に委ねられております。
 今御質問のありました政府と日本銀行との関係につきましては、日本銀行法第四条におきまして、金融政策が経済政策の一環をなすものであるということを踏まえて、政府との十分な意思疎通を図るということにされております。
 量的緩和政策を私ども行っておりますが、それはまさに、こうした日本銀行法の趣旨に沿って私ども金融政策運営をやっている。そして、この量的緩和の政策を解除しました後でも、日本銀行法の趣旨に沿って金融政策の運営をやっていきたいというふうに思っております。
○大島委員長 馬淵君、お時間です。
○馬淵委員 はい、わかりました。
 ありがとうございます。
 もう時間がなくなりました。最後に一言だけ申し上げます。
 質疑ができなかったんですが、特別会計の改革、谷垣大臣にお答えいただきたかったんですが、この本予算の終了後、さらに行革推進法の中でしっかりとした議論を行っていく。我が党も、その改革に向けては、新たな特会改革ということのプランをつくっております。単なる数合わせではない、本質的な議論をしっかりとしていきたいということを最後に谷垣大臣に申し伝えて、私の質疑を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○大島委員長 これにて馬淵君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして一般的質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○大島委員長 これより締めくくり質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。尾身幸次君。
○尾身委員 いよいよ衆議院の予算審議も締めくくり総括ということになりました。自民党の尾身幸次でございます。
 残念なことでございますが、最初に、永田メール問題について一言申し上げざるを得ません。
 予算の集中審議で、民主党の永田委員が、にせの情報に基づいて、我が党の幹事長やその御次男を誹謗中傷する質問を行いました。公の委員会の場で一私人の実名まで出してこのような質問が行われましたことは、貴重な審議時間を無駄に費やしただけでなく、国会の品位と権威を著しく傷つけた極めて遺憾なことであります。
 永田議員と民主党幹部は、先日、謝罪会見を行いましたが、その内容は、総理も何を謝ったのかわからないと感想を漏らされるほどの、わけのわからないものでありました。メールが本物でないと認めながら、内容は全く事実無根とは言えないとか、引き続き調査したいとか言っております。誤りを認めないのであれば、一体何を謝罪したのか。
 その後に会見した前原民主党代表も、本物でないメールを題材にして取り上げたことに対する責任を明確にしたとは言われましたが、さまざまな情報提供があり、それについては精査してしっかり対応していきたいと、資金提供疑惑そのものは存在するかのような発言をしております。
 民主党がメールがにせものであったことを認めて謝罪したことは、疑惑の根拠すらなくなったことを意味すると思いますが、それにもかかわらず、根拠を裏づける情報があるとか引き続き調査するというのならば、わけのわからない時間延ばしなどをしないで、直ちにすべての情報を明らかにするのが責任ある公党の態度だと思います。情報を公開すれば、民主党の主張する疑惑は事実かどうか、すぐに明らかになるわけであります。なぜ民主党は情報を明らかにしないのか。できないのであれば、いつまでも一方的に無責任に疑惑を吹聴する姿勢を改め、ライブドア側から資金提供など一切ないことを率直に認め、公式に謝罪すべきであります。今民主党がとっている態度は、責任の波及を回避する保身と、問題の風化をねらった時間稼ぎとしか思えません。
 今回の送信メールをめぐる民主党の対応や会見をごらんになった総理の率直な感想を伺いたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 現在民主党でも、自民党に対して、メールはにせものだった、国政調査権の要求を撤回するというふうに党としては申し上げているようでありますが、永田議員自身の記者会見を見ますと、まだにせものであるとは断定的に言えないとか、まだ問題が残っているとかいうような会見をされておりました。
 その辺は、永田議員の質問に対して、しかも、根拠のない情報をもとにして個人的な具体名まで挙げて中傷、非難したんですから、この永田議員の発言が、一個人というよりも、前原代表も永田議員の質問に対して党を挙げて追及するということを申されておりますので、よく永田議員と民主党は調整をされて、全く党の今までの正式の回答と違うんだという誤解を、永田議員との間でよく調整していただいてはっきりしていただくのが、これから民主党が、過ちを認めて、反省すべきは反省し、そして今後政党として発展していくためにも、一度ぐらいの失敗で懲りずに、糧として、政党として国民の信頼をかち得るよう期待しております。
○尾身委員 それでは、用意した質問に入らせていただきます。
 最初に、松田科学技術担当大臣にお伺いいたします。
 十八年度の科学技術予算についてどうなっているか、また第三期の科学技術基本計画の目標数値についてもどうなっているか、お聞かせをいただきます。
○松田国務大臣 お答え申し上げます。
 平成十八年度の科学技術振興費は、一般歳出が減額される中、前年度に比べまして一・一%増額となっております。これは、科学技術の振興があすへの投資として強く期待されている結果と重く受けとめております。
 第三期科学技術基本計画につきましては、昨年末の総合科学技術会議の答申におきまして、今後五年間の科学技術への投資総額を約二十五兆円と掲げております。これによりまして、科学技術創造立国実現に向けた力強い旗印を内外に示すことができたと考えております。
 いずれにいたしましても、科学技術の発展なくして我が国の生きる道はないと考えております。今後とも、世界最高水準の科学技術創造立国の実現に向けて、御一緒に全力で頑張っていきたいと思っております。
○尾身委員 十八年度の予算、国債発行額三十兆円に抑えるというような大変厳しい予算でございますが、この原案をつくるに当たっては総理のリーダーシップがあったというふうに私は考えておりまして、極めて高く評価するものであります。
 昨年の十一月二十八日の総合科学技術会議で、総理が、予算は全体として削減すべきだが、科学技術はあすへの投資だから、数少ない重点分野であり、これをふやしていく必要があるという発言をされました。
 この総理の発言で、それまでの政府部内の雰囲気はがらっと変わりました。科学技術振興費もプラスになり、基本計画でも、次の五年間二十五兆円という数字を決めていただいたところであります。私は、これによって科学技術創造立国への道が開けたと考え、総理のリーダーシップに強く感謝をし、また高く評価するものであります。
 これにつきまして、総理の御決意をお伺いしたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 私、総理就任以来、環境保護と経済発展を両立させるということは小泉内閣にとっても最重要課題の一つである、わけても環境と経済、この重要な問題は今世界的な関心事であるし、環境重視という立場からも経済発展という立場からも科学技術の振興は欠かせないものであるということで、歳出削減に全力を尽くす中で、やはり伸ばすべきところは伸ばすべきではないかということで、科学技術関係予算はプラスに持っていく必要がある。
 その際、やはりめり張りをつけなきゃいかぬ。どの科学技術者におきましても、自分のしている研究というのはすべて重要課題だと受けとめて、予算要求、増額を要求してまいります。そういう中で、重点的に取り上げていくべき問題、今までの実績を見て削減してもいい問題、よく見きわめながら、専門家の意見も聞きまして、全体的に伸ばす予算をつくったわけでありますので、研究者にとりましても、限られた貴重な財源を生かして、世界において、ああ、日本は環境にも十分な配慮をしているなと。
 そして、これから、環境のみならず、科学技術というのは、健康面においても医療の面においても、すばらしい進歩を遂げております。国民の生活においても、生活機器においても、科学技術の発達によって、多くの国民がその恩恵を受けているわけであります。そういう観点から、科学技術立国、科学技術において日本を学ぼうという動きも出てきております。また、日本に負けるなということで、アメリカも、科学技術というものに対して非常に強い関心を示しております。
 そういう観点から、日本としては、環境保護と経済発展を両立させるという観点からも、科学技術の振興は今後とも極めて重要な課題であるし、尾身議員が主張しております世界に開かれた日本ということを考えると、沖縄における科学技術系の総合大学院大学、これに対しては、もう半分は外国人、学長もノーベル賞を受賞された外国人、そういう計画も進めておりますし、各方面において、国民からの理解と協力を得ながら、日本が今後とも、科学技術を重視している、環境面においても健康面においても世界の最先端の科学技術立国であるというような、そういう体制を構築していかなきゃならないと思っております。
○尾身委員 ありがとうございました。
 私自身も、平成七年の科学技術基本法の制定以来、科学技術こそがこれからの日本の将来を築くということで、予算の獲得やら、先ほどの沖縄の大学院大学の問題やら、あるいはダボス会議の科学技術版と言われております国際会議の実現やらということで、いろいろな意味で科学技術に全力を注いでまいりました。
 ところが最近、これが日本の将来を決めると考えていたのでありますが、これだけではだめだということに気づいたわけであります。それはどういうことかといいますと、日本の人口問題を解決しなければ日本の将来は明るい未来が開けない、こういうことであります。
 アメリカに先日参りました。そうしたら、スタンフォード大学あるいはUCバークレーなどで、いわゆるアメリカの一流大学で日本の学生が非常に少なくなっているという話を聞きました。調べてみましたら、資料の一にありますけれども、スタンフォード大学における日本の留学生は、十年前の二百二十二人から七十五人に、三分の一になっている。その間に、中国、韓国、インドなどの学生が、非常に数が多く、ふえてきているわけであります。
 それから、資料の三にありますけれども、アメリカに行っている日本の留学生のかなりの部分が学部の学生であります。ところが、ほかの、中国、韓国、インドなどは大学院の学生の方がはるかに多いということでありまして、全体の日本のシェアが下がっているのと同時に、大学院の学生のシェアが非常に日本は少ない。
 つまり、もうちょっと言いますと、日本の学生は、文系、理系を問わず最先端の学問を勉強するというよりも、むしろ英語を勉強しにアメリカに留学している人が多くなっているんじゃないか。それに対して、ほかの国の学生は、本当の意味の理系、文系の本格的な勉強をするということでありまして、これは国際的に若者の競争において勝てなくなりかかっていることを意味するのではないかということを心配しておりますが、これについて、文部科学大臣の御意見を伺いたいと思います。
○小坂国務大臣 尾身委員におかれましては、日ごろから科学技術の振興に大変お力をいただいていることに、この機会に感謝を申し上げたいと存じます。
 今御指摘がありました留学生の件でございますけれども、私も御指摘のとおりだと思うのでございます。米国に留学する日本人学生の六八%が学部学生でありまして、二〇%が大学院生、そして短期留学が一二%ということで、短期留学を含めて全体的に考えますと、日本人留学生は英語を学びに行っているのではないか。すなわち、学部の専攻の分野を見ましても、人文社会系の学部関係が約五〇%を占めております。
 したがって、このような傾向から見て、お説のとおり語学研修が多いと思うわけでございまして、私どもとしては、留学経験をしてもらって、これからの二十一世紀の社会づくりに貢献できる学生の育成という面においても、米国のみならず、今後、中国も含めた海外留学を奨励してまいりたい、このように考えております。
○尾身委員 科学技術の発展を実現するためには、人材養成、すぐれた頭脳の養成が必要であります。
 どうして日本の留学生の数が少なくなったか、あるいは、レベルが低いとは言いませんが、大学院の方が低くなっているかということでは、いろいろ考えられるわけでありますけれども、一つは、ゆとり教育による若年層の学力低下も考えられると思いますが、私は、大きな原因は、日本の人口減少が基本的なことではないかというふうに考えております。
 資料の四にありますけれども、日本の若年人口は、十八歳人口、最近では、一九九二年に二百五万人に達した後、減少に移りまして、二〇〇五年には百三十七万人に落ちております。
 学生の絶対数が少なくなっていることから、受験などにおいても競争が以前ほど激しくなくなりましたし、また就職口も容易に見つかる。大学院への進学も、簡単に国内の一流の大学院に入れる。最近では、一流と言われている大学でも、大学の学部に入るよりも大学院に入る方がずっと易しいという状況になっております。そういう状況の中で、日本の学生たち、若者たちが、むしろ外に打って出ようというようなエネルギーがなくなってきているのではないかという心配をしております。
 資料の五に昨年十月の「選択」の記事が出ておりますけれども、これで見ますと、北京の清華大学に向かって、アメリカのMITの方から、あるいはハーバード大学の方から、清華大学の学生であれば無試験でいい、しかも、学費も全部こちらで面倒を見てやるからぜひ入ってくれというような勧誘がなされていると聞いております。
 そういう中で、やはり基本的な要因を解決しなければいかぬというふうに私は強く感じているわけでございますが、これにつきまして、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 優秀な人材を各大学が確保しようということについて、最近は世界的に非常に熱心だという話を大学関係者から伺いました。それは、アメリカあたりでは、今、大学生をアメリカへ招くというよりも、世界の優秀な高校生を集めにかかっているということぐらいもう進んでいるんだ、そういう点を日本の大学もよく考える必要があるというような話を聞いたことがございます。
 確かに、大学へ行くことによってみずからの能力を伸ばそうという青年が多いということは、その国にとって望ましいことであります。同時に、日本におきましても、私は海外へ行くんですが、大学のみならず、海外青年協力隊、あの方たちの活動には本当に頭が下がりますね。発展途上国で、厳しい環境、病にかかるかもしれない、あるいは日本の恵まれた文明の生活から比べれば極めて苦しい生活を余儀なくされている中で、現地の方と寝食をともにしながら、自分の持てる技術なり能力を現地の方々の生活の向上に役立てようと思って一生懸命働いている。
 こういう意欲のある、志のある青年男女が海外で元気に明るく活動している姿を見ると、ああ、日本の若者もそんなに非難される方ばかりじゃないと。これからも、このような志を持って、自分の持てる力を世界の発展のために、世界の苦しんでいる住民のために何とかみずからを役に立てたいという青年も多いということは、これは日本の将来を考えると、また、意欲を持った若者も随分いるなと感じております。
 大学におきましても、日本も、そのような能力のある者が外国で勉強したいというんだったら、しやすいような環境をつくることも必要でしょうし、また同時に、日本も、今大学ではかなり独創的な考えを持って、日本人の学生と外国人の学生を半々にするというような大学も出てまいりました。現にそのような大学で、外国人の若い人と日本人の若い人がともに学んでいる姿もありますので、日本から外国へ行く意欲のある人たち、また希望を持って日本で学びたいなと思う外国人に対して、意欲の出るような、そういう環境を整備する必要があると思っております。
○尾身委員 そこで、人口問題に入るわけでございます。
 川崎厚生労働大臣に伺いますが、これから将来の人口、二〇五〇年、二一〇〇年につきましてどういう見通しを持っておられるか、お伺いをいたします。
○川崎国務大臣 昨年の暮れに、速報値で人口一万人減と発表いたしましたけれども、最終的には二万人ぐらいの減になると考えております。それをもとにしながら、国勢調査、ことしの秋ごろ出てまいりますので、私ども、その数字を見ながら最終見直しをしたいと思っております。
 今現在、十四年一月の推計でございます。二〇五〇年一億五十九万、二一〇〇年六千四百十三万人でございます。
○尾身委員 今のお話のように、人口減少である。企業や大学やあるいは政府も、官民挙げて口をそろえて、人口減少社会が到来するというのが合い言葉になっております。これはいわば縮小均衡を前提にしている状況であります。
 百年後には六千四百万になるというような数字が、今お話がございました。このように人口がもし減少するとすれば、経済成長の鈍化や、あるいは社会保障における負担の増大、地域社会の活力の低下など、将来の我が国の社会経済に深刻な影響を及ぼして、日本はまさに三流国になってしまうのではないかというふうに心配をしております。私は、これに対して、何としてもこの流れを逆転させなければならないと考えておりますけれども、これにつきまして、小泉総理のお考えをお伺いさせていただきたいと思います。
    〔委員長退席、森(英)委員長代理着席〕
○小泉内閣総理大臣 人口が百年後には半分近くになるということでありますが、これは今の状況がそのまま続くならという推計でありますので、私は、そのような形にならないようにするのがこれから政府としても考えなきゃならないことであり、重要な課題であると思っております。
 また、何人の人口が適切かというのは、これまたそれぞれ専門家の間でも意見があります。今、日本の人口は歴史始まって以来最多の状況ですから。一億で日本の発展がなくなるのかというと、必ずしもそうでない。私は、ある程度の人口というのは経済の発展に必要だと思いますが、逆に、人口がこれ以上ふえることによっての過密状態によるマイナス面も出てくる。また、今、減る減るということによってマイナス面が強調されておりますが、減ることによって逆にプラス面もあるんだという議論も最近出てきております。
 しかし、今の出生数というのがかなり減ってきていることを考えますと、将来のことを考えますと、出生数がこのままどんどん減っていくということは好ましいことではない。高齢者や女性の参加というものをもっと促す必要があるのではないか。また、外国人の労働者数、これについてももう少し考えてもいいのではないかというような考え方もありますので、何人が適切かというのは今後よく議論される必要があると思いますが、将来を考えて、できるだけこれからの少子化傾向を食いとめるためにも、子供を持つ喜びを親が持てるような、子供を持っても働きやすい環境ができるような、そういう施策が政府としても必要ではないかなと思っております。
○尾身委員 政治が、今総理がおっしゃいましたように、このままの人口減少、いわゆるシミュレーションによる人口減少を容認するというのは、私は絶対に許されないというふうに考えておりまして、政策の転換というか強化をしていかなければならないというふうに考えております。
 最近の新聞、資料の五にございますが、フランスが非常に、いわゆる子育て支援にお金を使って人口の増加を実現しているという記事がございました。これにつきまして猪口少子化担当大臣に、どのような対策をフランスは行っているか、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○猪口国務大臣 尾身先生にお答え申し上げます。
 フランスにおきましては、自国の出生率が低過ぎるという認識をまず持って、出生率を回復させるという、そういう政策のスタンスをとっているのでございます。
 その特徴は、まず、手厚くきめ細かい家族給付制度なのでございます。日本のいわゆる児童手当に相当するものとして、さまざまあるんですね。三十種類ぐらいあるんです。例えば、乳幼児迎え入れ手当とか出産手当とか家族手当とか、たくさんある。それから、税制につきましても、子供が多いほど有利になります。いわゆるN分のN乗方式をとっていることはよく知られるところでございます。
 それから、今総理がおっしゃってくださいましたとおり、家庭と仕事の両立が非常にしやすいんです。フランスでは、例えば二十五歳から四十四歳までの女性の八割が働いているんですね。三歳になるまで育児休業がとれたり、短時間就労が非常に寛容に満ちた社会で認められているというところがございます。
 以上でございます。
○尾身委員 簡潔にお答えいただきまして、ありがとうございました。
 次に、資料九と十をごらんになっていただきたいと思います。
 今説明がございまして、フランスはいろいろな意味で少子化対策をやっているのでありますけれども、OECDの資料によりますと、フランスでは子育て支援に関する社会支出がGDPの二・八%に達している、それに対して日本は、子育て支援に対する社会支出がGDP比で〇・六%、フランスの約二割という規模であります。
 フランスが大きい政府で日本が小さい政府かというと、必ずしもそうでもありませんで、フランスは日本と異なりまして高福祉・高負担の国ではありますけれども、しかし、老齢関係、いわゆる高齢者対策の規模を見ますと、フランスが一〇・六に対して日本がGDP比で七・八ということで、日本もフランスにそう遜色のない高齢者対策をやっているわけであります。しかし、少子化だけ見ると、先ほどの二・八対〇・六というようなことで、いわゆる高齢者対策と比べて、ほかの国の資料も資料の十にありますけれども、日本は非常に低いというのが実情であります。
 これにつきまして、川崎厚生労働大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○川崎国務大臣 フランスにおきまして、若い二人に対してどうして支援すべきか、あらゆる観点から考えられて制度設計がされておる、こう思っております。
 ただ一方で、我が国の、この資料と単純に比較しますと、例えば文部省からの支出は入っておりません。また税の問題、また企業の負担の問題、こういう問題をもう少し数字的にクリアにしながら議論をしたいな、こう思っております。
 それから、フランスに比べてドイツの話をよくするわけでありますけれども、やはり政策が一つのベクトルで一つの方向を向かなきゃいかぬ。ドイツもかなりの負担をしておりますけれども、保育とか教育という面ではやはりフランスに劣る面がある。そういった面では少し、子供に対する支援、一つは経済的支援、一つは雇用の面での支援、一つは保育での支援、そこに加えて、不妊治療といいますか医療の面での支援、こんなものを考えていかなきゃならないだろう。
 ただ、尾身先生が一番大事にしている、フランスはやはり国家の意思として、人口が多いことがフランスの国の繁栄につながる、こういった意思を持っている。ただ、一つだけ難しい問題は、四五%が婚外子というのが現実の姿でありますから、そういったものをあわせながら我が国のあり方を考えていかなきゃならぬ、こう思っております。
○尾身委員 谷垣大臣のお考えも聞かせていただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 今、尾身委員がおっしゃいましたように、フランスはGDP比で二・八%支出している、それに対して日本は〇・六%だと。それで、老齢関係の社会支出も合わせまして、日本はそっちの方はあるけれども、家庭や子供に対する支出が少ないじゃないか、こういう御指摘でございました。
 それで、私としては、その背景にあるやはり国民負担率というものに注目しますと、尾身委員がさっきおっしゃいましたように、フランスは六〇・九%、日本は三七・七%でございますから、結局こういうものをどういう形でみんなで負担し合っていくかという議論を、財政の立場からするとしなければならないんだろうというふうに思っております。
 その際に、やはりいろいろな施策の有効性、効果の検証というものも十分に行わなければなりませんし、それからもう一つの視点としては、いろいろな施策を打った結果、これが結局、公債を発行して次の世代のツケになっていくというようなこともやや矛盾があることでありますから、そのあたりをどう考えていくかということをよく議論しなければならないと思っております。
 それと同時に、我が国の少子化の背景には、未婚率の上昇とか核家族化による家庭の養育力の低下だとか、あるいは子育てと両立しにくい職場の環境であるとか育児の負担感とか、いろいろなことが指摘されるわけでありますけれども、国の施策とあわせて、どうやって社会全体で子供をつくりやすい仕組みにしていくかというような取り組みも必要ではないかと思っているところでございます。
○尾身委員 そこで、どうしたら人口問題が解決できるかということであります。
 一つは、やはり企業、社会、国あるいは地方行政などが一体となって、人口増加を実現するという社会的なコンセンサスができなきゃならない、それから、その具体的なきめの細かい対策をやらなければならないと思っております。
 それからもう一つは、今のフランスの例でいくと、〇・六対二・八というような高い支出、ほかの国もそうなんでありますが、かなりの支出をいわゆる少子化、人口増対策に向けているということでありますので、財政的な支援の強化ということも必要なんだろうというふうに思います。
 そこで、資料の十一、十二、十三、十四と四つあるのでありますけれども、日本の財政の状況をちょっと見てみたいと思います。
 日本の財政は、十一、十二に見られますように、国、地方を合わせた長期債務残高は七百七十五兆円、GDP対比で一五一%と先進国の中で最悪の状態であります。他方、資料の十三に見られますけれども、国民負担率は三七・七%で世界最低ということになっております。
 実は、表の十三で見ますと、アメリカの方が負担率が日本より低いではないかということでありますけれども、これは、三一・八でありますけれども、資料十四にありますけれども、日本には国民皆保険の制度があるけれどもアメリカには国民皆保険の制度がない、そのことによって、いわゆる医療費に対する支払いが、自分の支払い分が、日本は二%であるのに対してアメリカは一〇%を払っている、保険も含めて。
 したがって、実を言うと、ここにある十三ページの表以外に、日本とアメリカで比べると、八%は国民負担率をアメリカが高くして修正をしなければならない、比較にならないということであります。この八%の修正をすると、アメリカが今、三一・八でありますけれども三九・八になる、潜在負担率も四六・三になるということになりまして、実は、日本の負担率よりもアメリカの負担率の方が高いという結果になっております。
 したがって、今の財政状況はどういうことかといいますと、ストックとしての借金の残高は日本は世界一である、しかし、フローとしての毎年の国民の負担は世界最低でありまして、潜在的負担率で見ても、現実の国民負担率で見ても先進国中最低、こういうことになっているわけであります。
 ですから、この点について、我々は日本の財政の状況というものをしっかりと見きわめた上で今後を考えていかなければならないと思いますが、谷垣大臣、いかがお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 今、尾身委員から、日本とアメリカの状況、特に私的保険による負担分についても視野に入れて考えるべきではないかという御指摘がございまして、確かにそれも一つの考え方だろうと思います。すぐにそれを国民負担という概念で比較することがいいかどうかは議論もあると思いますが、確かに一つの視点だろうというふうに私も思います。
 結局、今の日本の問題は、中福祉であるけれども低負担というような、私、財政演説でそういう言葉を使わせていただいたんですが、現役世代が負担よりも大きな便益を受けている、それをどういうふうに考えていくかということがその問題の焦点ではないかなというふうに私は思っております。問題の焦点はそこにあるということで、我々の次の世代を育てていく、あるいは数をふやしていく、どうあるべきかということは国の形にも連なる議論でありますので、これから十分議論をさせていただきたいと思っております。
○尾身委員 そこで、今、中福祉・低負担というお話がございましたが、この少子化対策については、低福祉で低負担が日本の特徴であると言ってもいいと思います。
 そこで、私が財務省当局に頼んで資料を整理していただきましたのが資料の十五であります。これはどういうことかといいますと、少子化対策と財政再建を同時に達成しようとしたらどういうことになるのかなというのを仮定の数字で計算したものでございます。
 日本の少子化対策の費用を、今、GDP比〇・六%をフランス並みの二・八%に増大させるとどうかといいますと、その増加の必要額は、この2にありますように十一・二兆円でありまして、国民所得比三・〇%であります。これを乗せますと、負担率が、三七・七が四〇・七に上がる、潜在的負担率が四六・九に上がるということになります。
 それと同時に、これも一応の計算なんでありますが、今、国、地方のプライマリーバランスの赤字をそのまま追加していくと、負担増十四兆円ということになります。そうして、プライマリーバランスを均衡に確保しながら今のフランス並みの少子化対策をやるとすると、少子化対策の方で十一兆円、プライマリーバランスの方で十四兆円、合計、合わせて二十五兆円が必要であるということになります。
 この二十五兆円という数字をどうするかということなんでありますが、仮にこれを消費税だけで上げるとすると、消費税をさらに一〇%上げて一五%にしなければならない、こういうことになります。仮に、これは一応の計算でありますが、これを行えば、少子化対策でフランス並みに強化をして、人口減少の流れを逆転させて、そしてプライマリーバランスも解決できるという一応の道筋ができる。この両方のターゲットを達成した場合でも、国民負担率は四四・五%、潜在的負担率が四六・九%ということで、先進国では、まだそれでもほとんど最低の水準になってくるということだと思っております。
 現在、日本の高齢者の悩みというのは、息子や娘がなかなか結婚しない、それから、結婚してもなかなか子供をつくらないということであります。ですから、言いかえれば、孫の数が少ないということが日本の高齢者の皆様の最大の悩みの一つになっていると言っても過言ではないと思います。
 仮に、消費税を一〇%に上げようと思っていたんだけれども、あと五%追加して上げたら孫の数が一人ふえるよというような話をしていけば、私は、高齢者の皆様もある程度納得をしていただけるのではないかというふうに考えているわけであります。
 もちろん、財政支出を増加させただけで人口減少に歯どめをかけるということが直ちにできるとは考えておりません。いろいろなきめの細かい対策が必要なんでありますが、政府が財政支援も含めて不退転の決意で人口問題に対応する、少なくとも、人口減少から一億二千五百万程度の人口の横ばいを維持するというふうに旗を立てない限り、大きな転換ができないと考えております。
 もちろん、プライマリーバランスの回復は、厳しい歳出削減やあるいは構造改革、経済活性化による税収の増加、それからさらに国民の負担の増加を求めていくことによって可能であるというふうに考えております。
 政府は、歳入歳出一体改革をするということで、六月くらいまでにその方向性を出すというふうに聞いております。この議論の中で、歳出を徹底して削減する、合理化する、大賛成であります。それから、成長率を上げて歳入の自然増をもたらすということの議論をしております。しかし同時に、いわゆるこの改革の課題の中にもう一つ、大変なんだけれども、人口増加対策ということをしっかり加えていただきたいというのがきょうの私の問題提起であります。
 確かに、将来世代にツケを回すのはよくない。したがって、持続可能な財政を実現するということが極めて大事でありますが、人口減少をこのまま放置しておいて、どんどん少子高齢化社会が進む、人口が百年後には六千四百万になるというようなことを将来に残すのも、私はツケを将来の世代に残すことになるのではないかと考えております。
 ですから、プライマリーバランスの回復と同時に、人口減少についてもここ五年間ぐらいがこの日本という国の大きな山場だというふうに私は考えておりまして、簡素で効率的な政府を実現するのと同時に、これと両立させる形で、何としても人口減少を食いとめていきたいというふうに考えております。
 そこで、財政改革の方向づけをするに当たりましては、これから五十年後、百年後の日本がどういう人口構成になるのか、その国家像というものを決めて、その目標、私は一億二千五百万程度の人口の維持は必要だというふうに考えておりますけれども、その具体策を決めた上で現在ただいまの政策を進めていくことが極めて大事だというふうに考えております。
 そこで、最後に、今、次の総理候補と言われております安倍官房長官、谷垣財務大臣、麻生外務大臣にそれぞれ、これについて、質問の通告もしてないかもしれませんが、お考えをお伺いさせていただきたいと思います。
    〔森(英)委員長代理退席、委員長着席〕
○大島委員長 当たらない人がかわいそうですから、与謝野さんあたりもどうですか、与謝野経済担当大臣。(尾身委員「どうぞ」と呼ぶ)
 安倍官房長官。
○安倍国務大臣 ただいま尾身先生の御指摘はまさにそのとおりであろう、こう思っています。
 少子化の流れを変えなければならない。絶対数としての現在の人口を維持できるかどうかといえば、これはかなり難しいかもしれません。出生率をもし回復することができたとしても、母数がどんどん減っていくという中にあってはなかなか難しいわけでありますが、しかし、今の流れを変えていかなければいけない。それは国全体として取り組んでいかなければいけない。この少子化対策は社会全体で取り組んでいく問題であるということについては間違いない、こう思っているわけであります。
 そして、この五年間でしっかりとした対策を打ち出していくことが極めて重要であろう。特に、団塊ジュニアの方々は今三十代でございまして、これからこの方々がどれぐらい子供を産んでいくか、そう考えるかどうかということが極めて重要になってくるわけでありまして、私たちは、しっかりと子育てを支援していく、子供を生み育てやすい社会をつくっていく。そしてさらに子供たちに、やはり子供を持つ、そしてまた温かい家族を持つということの価値をしっかりと教えていく。我々は、そういうことを総合的に打ち出していかなければいけない、メッセージ性のある子育て対策を打ち出していく必要がある、こう考えております。
 また、委員が御指摘になりました、将来、例えば消費税を上げる際には、この少子化も考えなければならないのではないか、対策費、そしてそれは十分に、将来に対しての、未来への投資になっていく、私もまさにそのとおりであろう、こう思うわけであります。
 財政再建のためには、やるべきこと、すべて今尾身先生が御指摘になったとおりでありますが、平成二十一年には年金の国庫負担三分の一から二分の一に引き上げる、またあるいは、社会保障費が上がっていく、それに対してどう対応するかと同時に、少子化対策について我々は国家の資源をどれぐらい投入していくかということもあわせて議論をするべきだろう、このように思っております。
○谷垣国務大臣 歳出歳入一体改革と私の仕事に引きつけていえば、非常に大事なことだと思っておりますが、単なる財政のつじつま合わせではなくて、やはり我々は日本の国をこれからどうしていくんだという問題意識が背景になきゃならない。その問題意識の中に、今尾身委員がおっしゃいましたように、子供たちをどう、我々はこれ以上減らしていいのかどうかというのは極めて大きなポイントであろうと思っております。
 子供子育て支援プランというのをつくりましたのは、やはり子供をもっとふやす、政治の姿勢も変わったということを示したいということで、ああいうプランをつくったのではないかと思っておりますので、今後私どもは、先ほど申し上げたことの繰り返しになりますが、政策の効果も十分確かめた上で、そして結果としていろいろなことをやったけれども、後の世代の負担が重くなり過ぎてひいひい言うということでもいけませんので、よく考えてやっていかなきゃいかぬと思います。
 その上で、今官房長官がおっしゃったことと共通いたしますが、国がやはり子育てをしやすい環境に政策を推し進めていったということと同時に、やはり次世代の子供たちをきちっと育て上げて、それを世の中に送り出していく、それが自分の幸せでもあり、単に自分の、個人の利益を追求するだけじゃなしに、そうやって次世代の市民をきちっと送り出していくことが充実感があるんだというような社会にしていきませんと、国の施策だけでは私は動かないんじゃないかと思っておりまして、そのような国民運動も必要なのではないかと思っているところでございます。
○麻生国務大臣 所掌と全く違った話がいきなり振られましたので、頭の整理ができていませんが。
 尾身先生、一億二千万人は絶対日本のためにいなきゃならぬ人口ですかと言われると、ついこの間までは多過ぎると言っていた話が、最近は減った途端に大変だと。少なかったときも大変、多かったときも大変で、どちらが大変なんだかようわからぬと、私は最近の論調を聞いて、まずそう思います。だから、どれぐらいがこの国にとって一番いい人口かという話をまず決めていただかぬと、先の話は難しい。
 二つ目。今、合計特殊出生率一・二九というのが出ますが、これは結婚をしない独身女性を含めての話ですから、既婚者は二・二ぐらい行っていると思いますので、要は、結婚したら二・二産んでおる、結婚しない人が多い。
 そこで、フランスの場合は、結婚しないのも全部認めちゃえというので、今たしか、先ほど谷垣先生が言われましたように、シングルマザーを認めた結果、出生の四十何%は多分シングルマザーがフランスの実情なんだと思いますが、それが日本で通りますかというと、なかなか難しいんじゃないかという感じも私どももいたします。
 そういうことを考えると、少なくとも今の日本において、高学歴化してくると結婚する年齢が遅くなりますので、そうすると子供を産む量が減る。これは女体の関係なんだと思いますけれども……
○大島委員長 ぼちぼち時間が来ておりますから、短目に。
○麻生国務大臣 これはなかなか難しいところだと思いますので、いきなり振られましたので、ちょっとこの話を思いつきで答えるのはいかがなものかと思っております。
○尾身委員 大変前向きな御答弁をありがとうございました。
 結局は、この問題は、総理のリーダーシップというのが極めて大事だと思っておりまして、最後に総理から、この人口問題に関する確固たるお考えをお伺いして、質問を終わらせていただきます。
○大島委員長 小泉内閣総理大臣。
 与謝野さんは遠慮されましたので。
○小泉内閣総理大臣 赤ちゃんを授かるということは、天からの神様の贈り物ですから、大変とうといものだと子育ての喜びを感ずるような、そういう意識を持てるように、大人が、今若い人たちにも子育ての中で感じてもらうような教育、あるいはまた、子を持つことの苦しさよりも、子を持つことの生きがいというものをわかってもらうような環境、施策、さまざまな対策が必要だと思っております。
○尾身委員 ありがとうございました。
○大島委員長 これにて尾身君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐藤ゆかり君。
○佐藤(ゆ)委員 自由民主党の佐藤ゆかりでございます。
 本日、この予算委員会で質問の機会をいただきまして、心より御礼申し上げます。本日はよろしくお願いを申し上げます。
 我が国経済は、小泉政権の不良債権処理等の改革の断行によりまして、集中調整期間を経て、根本的な経済再生局面に入った、そのように思っております。ことし十月を越しますと、戦後最長のイザナギ景気をも上回る回復局面となりまして、まさに改革の断行のもとで、民間の並ならぬ努力を通じて、我が国経済がバブル崩壊後の長期停滞から脱して、再出発を始めているわけでございます。
 今後の課題といたしましては、経済の効率化や民間需要を創出するサプライサイドの構造改革を軸足とした成長政策のもとで、回復の芽を地域経済全体に広げて経済成長率を高めると同時に、歳出削減や税の増収を通じて、将来世代のために財政再建を進めていくことでございます。
 こうした中で、十八年度予算案では、国債発行額を三十兆円以内に五年ぶりに抑え、そして公債依存度も三〇%台まで復帰する、そういう成果がございますと同時に、一般会計のプライマリーバランスも、十一兆二千億円の赤字ではございますが、三年連続の着実な改善が見込まれております。
 また、この予算案を受けまして、政府の十八年度経済見通しも二%の名目経済成長率が見込まれておりまして、緩やかな緊縮財政に耐え得る成長基盤の広がりというものが、これまでの構造改革の対価として十八年度の見通しにあらわれてきております。
 そこで、十八年度を起点とします今後の国と地方のプライマリーバランスの黒字化についてお伺いしたいと思います。
 政府は、歳出歳入一体改革の選択肢及び改革工程を六月に公表する予定で目下作業中ですが、黒字化の達成に向けて、歳出削減と歳入改革をおよそ何対何の割合ぐらいで進めるのが望ましいのか、また、消費税の引き上げはいつごろ必要か、与謝野大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○与謝野国務大臣 現在、二〇一〇年代初頭の基礎的財政収支の黒字化に向けまして、国と地方が歩調を合わせて歳出歳入一体改革を進めることとしておりまして、経済財政諮問会議を中心に議論しているところでございます。
 基本方針二〇〇五に基づきまして、ことし年央を目途に選択肢と改革工程を明らかにし、十八年度中に結論を得ることとされておりますけれども、歳出歳入それぞれの改革の具体的な内容についてはこれから議論することとなるものであり、現時点では、歳出歳入の割合といったようなことを、残念ながら申し上げられる段階ではございません。
 なお、これまでの諮問会議の議論では、昨年の十月に、民間議員から、EU諸国の財政健全化事例の分析が出されたことがございます。これを見ますと、財政健全化を行った事例の約半数で、改革後、実質経済成長率が高まり、事例は、歳出削減に、より大きな役割を担わせた改革が行われたケースが多いとの報告がなされております。
 いずれにいたしましても、今後とも、財政健全化に向けて国、地方を通じた徹底した歳出の見直しが必要であり、そのことが、歳入歳出一体改革に対する国民の理解を得る上での大前提となるものと考えております。
○佐藤(ゆ)委員 ありがとうございます。まずは、やはり徹底した歳出削減を進めていただきたいと思います。
 そのためには、今国会での最重要法案の一つでもございます行政改革推進法案、この中に公務員総人件費改革というものが盛り込まれる予定でございますが、こちらの方もきちんと、今国会での通過に向けて重要な課題ではないかと思っております。
 次に、この最重要法案に含まれます公務員総人件費改革について、一歩踏み込んでお伺いしたいと思います。
 昨年十二月の行政改革の重要方針の閣議決定を受けまして、間もなく策定されます行革推進法案、こちらでは、国家公務員については今後五年間で五%、地方公務員については四・六%の純減が盛り込まれることとなっております。
 ところで、この国家公務員の五%の純減と並行して、独立行政法人や特殊法人等でも、各法人ごとに今後五年間で五%以上の人件費削減を目指す方針でございまして、国家公務員が仮に非公務員化しましても、独法の方で純減の対象になってくるわけでございます。
 しかし、地方独立行政法人につきましては、人件費削減の規定が実はございません。今後、地方の行革のもとで地方独法がふえる可能性を考慮いたしますと、地方独法へ運営費交付金を支払います地方公共団体の財政の観点からも、やはり国としましても、地方に交付税を支払う関係上、完全に無関係とは言えないのではないかと思います。
 国の独法と同様に五%の人件費削減目標を、例えば国が地方に要請する形で地方独法についても法案で明記するかどうかについて、竹中大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○竹中国務大臣 佐藤委員御指摘のように、国、地方あわせたスリム化が重要である、独法についてもそうしなければいけない。ところが、地方については、地方独法については特にこれまでの閣議決定でも言及がないのではないかという御指摘だと思います。
 この点、実は、同じ独法でも、国の独法と地方の独法というのは成り立ちが随分と違っておりまして、地方独法は、そもそも、まずいろいろな機能を廃止してください、そして民間に譲渡してください、その上で、国の指定管理者制度等々ありますけれども、そういうものを活用することを検討して、それでも残るものを地方独法ということにしてくださいという経緯で今まで来ております。
 したがいまして、結果的に、国の独法が百十三法人あるのに対しまして、千八百の自治体すべて合わせても地方独法というのは八法人でございます。もちろん、今委員言われたように、今後ふえる可能性もあるわけですから、ここはしっかりと見ていかなければいけないと思います。
 これまでの閣議決定等々では明示的には示しておりませんが、総務省としても、地方独法について、総人件費改革の観点から、今後とも人員や給与の適正な改革に向けて取り組みを促してまいりたい、私としてはそのように思っております。
○佐藤(ゆ)委員 ありがとうございます。
 この最重要法案の一つであります行政改革推進法案、そして、そのもとで設置されます行革推進本部、これは、従来、閣議決定でなされておりましたけれども、ぜひともこの行革推進法での設置を恒久化していただきまして、聖域なき歳出削減を中期的な路線として明確にしていただきたいと思います。
 さて、小泉総理は、改革の総仕上げとして、今国会の施政方針演説でも改革の加速をおっしゃっておられました。今お話に出ておりました公務員総人件費改革などの聖域なき歳出削減の総仕上げに向けて、総理の御決意のほどをお伺いさせていただきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 よく総仕上げと言われますけれども、改革に総仕上げというのはないんですよ。改革に終わりはないんです。常に改革は進めていかなきゃならない。ようやく改革の芽が出てきて、これに対する成果が上がってきた面も出てまいりました。今後、行革推進法案を提出する準備を進めておりますが、この中においても、できるだけ公務員の人件費削減あるいは定員の削減等、国だけでなく地方にも及ぶような、地方にも改革意識を持ってもらうような、そういう趣旨も込めております。
 ぜひとも行政改革を進めているということに御理解をいただいて、これを進めていけば、将来、ある程度税負担を国民にお願いしなきゃならない場合にも、この行革推進によってその税負担の割合は少なくなるんだ、そういうことをよくわかるようにこれからも説明していくのが大事なことではないかと思っております。
 どの政党がとろうとも、行政改革、官の分野の無駄の部分についてどのような削減をしていくか。民間に任せていくか、あるいは地方に任せていくかという課題は、今後も続いていくと私は思っております。
○佐藤(ゆ)委員 ありがとうございます。
 総理のおっしゃられます小さな政府の実現、そして政府の効率化、これはやはり将来世代の財政再建の路線の上で極めて重要なポイントではないかと思います。ぜひとも、その改革の総仕上げといいますか、終わりがないと総理がおっしゃられましたけれども、今後もそういった実のある改革の実現に向けて続行していただきたいというふうに思っております。
 さて、テーマが変わりますが、最後に、金融庁による金融機関の検査体制について一つだけお伺いをさせていただきたいと思います。
 今国会で審議が予定されております金融商品取引法案では、金融のコングロマリット化のもとで、多様な金融商品を包括的に、かつ横断的に扱うという法整備を目指しております。しかし、この法案にはございません金融庁の検査単位についても重要であると私は考えております。
 例えば、同じ系列のグループ企業の中で、グループ企業同士であります金融機関同士が、一つは機関投資家、一つの会社は個人など、おのおのの顧客層があるといたします。そうしたおのおのの顧客層の間で利益相反になるような投資勧誘を行っていたとした場合に、グループ企業全体から見れば十全な投資家保護とは言いかねます。しかしながら、単体の企業ベースであれば問題がないということもあり得るわけでございます。
 金融商品取引法案を契機に、金融のコングロマリット化した時代に、金融庁の検査体制、特に単体ベースと連結ベースのすき間の部分をきちんと検査できるような形で金融の検査のベースを変えていただく。すなわち、従来の単体ベースから連結ベースに金融機関の検査を切りかえるなどの措置については大臣はいかがお考えでしょうか。与謝野大臣にお伺いしたいと思います。
○与謝野国務大臣 佐藤委員御指摘のように、最近は、ホールセール証券とリテール証券が同一の持ち株会社のもとに活動する場合や、銀行、証券といった業態を異にする金融機関が同一の持ち株会社の傘下で活動する場合、いわゆる金融コングロマリットなど、さまざまな経営形態の金融グループが出てきております。こうした経営形態のもとでは、利益相反取引やアームズ・レングス・ルールに反する取引が行われて投資家に不利益をもたらすことがないよう、特に注意する必要があります。
 このような観点から、金融庁では、利益相反防止など、法令等遵守体制の確立を監督上の重点事項として掲げ、適切な監督に努めているところでございます。
 また、佐藤委員御指摘のように、金融コングロマリット化が進む中で、グループベースでの検査監督が重要となってきております。
 このような観点から、監督局においては、コングロマリット室において金融コングロマリット監督指針等に基づき適切な監督に努めており、検査においても、検査局、証券取引等監視委員会が適切な連携を図り、立入検査を実施しているところでございます。
 金融庁としては、今後とも、グループ内取引を含め、法令違反や不公正な取引がないか的確に把握するとともに、多様化する業務や経営形態に応じた的確な監督対応ができるよう、グループベースの監督に努めてまいりたいと考えております。
○佐藤(ゆ)委員 ありがとうございます。やはり、個人投資家の保護のためにも、連結ベースの、グループ企業ベースの検査体制が必要ではないかと思われます。
 今後に期待させていただきまして、これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○大島委員長 これにて佐藤君の質疑は終了いたしました。
 次に、上田勇君。
○上田委員 公明党の上田勇でございます。
 平成十八年度の予算案も、一月二十六日の基本的質疑から始まりまして、きょう、ようやくこの総括質疑を迎えたわけでございます。この間、長時間にわたりまして当委員会に御出席いただきました小泉総理、そして何よりも、連日御出席いただいております谷垣財務大臣、また閣僚の皆様方、まだ参議院での審議が残っておるわけでありますが、とりあえず、ひとまずは御苦労さまでございました。
 きょうは、この委員会の審議の中で取り上げられました幾つかの項目について、確認の意味も含めまして御質問させていただきたいというふうに思っております。
 まず最初に、この委員会でもしばしば取り上げられました米国産牛肉の輸入問題のことについてでございますが、この点、まず総理にお伺いしたいというふうに思います。
 この米国産牛肉の輸入問題、平成十五年の十二月にアメリカでBSEが発生をいたしまして、それに伴って輸入が停止され、昨年十二月に再開をされたわけであります。
 その間、日米首脳会談でもブッシュ大統領から直接総理に再開の御要請があるなど、これは首脳会談で取り上げるわけでありますから、いかにアメリカがこの問題を重視していたかということではないかというふうに思います。そのほか、アメリカ政府や議会の関係者等からも再三にわたり輸入再開の要請があるなど、そういう意味では政治的な圧力も相当大きかったものと推察をいたします。
 私もアメリカの政府の関係者や国会議員などからたびたびそうした要請を受けたことがありますので、直接関係ない私にすらそういうようなことがあるわけでありますので、関係者の方々は本当に大変なことだったんじゃないかというふうに推察をいたします。
 そうしたプレッシャーの中でも、私は、政府としては、科学的知見に基づき、食の安全を優先するという立場を堅持してきたのではないかというふうに考えております。食品安全委員会でも十分時間をかけて専門家による検討を重ねてきたわけでありますし、このように、政府としては極めて慎重に対処してきたというふうに承知をしております。
 この間の我が国の政府の対応につきまして、ある意味では、首脳会談などで一番そういうプレッシャーを感じた、直接お感じになったのが総理かもしれませんが、総理の、この経緯も含めましての御所感を伺いたいというふうに思います。
○小泉内閣総理大臣 牛肉に対する感覚、アメリカ国民と日本国民とは確かに大きな違いがあると思います。アメリカ人は、日本人よりも牛肉を食べる量も多いし、回数も、主食的な重要な食べ物だと思っていると思います。そういう中で、日本が求めている基準はアメリカにとっては厳し過ぎると感じている面も随分あるんだと思います。
 牛の飼い方も違います。そして安全の基準においても、子牛の、何カ月たったのかどうか、この確認する手段も日本ほどきちんとやっている状況ではない。しかも、毎日自分たちは、アメリカ人は牛肉を食べているんだ、そこで大きな問題は生じていない。そういう感覚から、日本の安全基準に対して、なぜそこまで厳しくやるのか、おれたちも安全なんだから、しかも、アメリカに来ている日本の旅行者も平気で同じものを食べているじゃないか、何か問題があるのかという感覚が背景にあるんだと思いますね。
 だから、日本も世界と同じような基準で受け入れてもらわないと我々も理解できないんだ。あるいは、何か輸入を阻止したいために、これは非関税障壁というか、アメリカの牛肉をストップするための、あるいは外国からの輸入を阻止するための一つの特殊な壁を日本はつくっているんじゃないかという受けとめ方も背景にあるのではないか。
 しかし、食の安全については日本は非常に敏感である。健康についても、食べ物が健康の基本だということを考えますと、危険性があるのを承知で、日本としては、アメリカの牛肉だからといって、アメリカの基準が日本の基準に合うかどうかというのは、それは日本国民としても、違うんだから、日本にアメリカの牛肉を買ってもらいたいんだったら日本の基準に合わせるべきだという日本の考え方を何回も交渉で申し上げてきたわけでございます。
 しかし、そういう基準をアメリカが受け入れて今回再開したわけでありますけれども、日本の基準は守っているという中に、守っていない部分があった。はっきりと報告書を求めて、どうしてこういうことが起こったのかということを今アメリカ側に調査を求めて、その報告を日本としては調査しているところであります。
 そこで、これこれこれこれが問題であるということをこれからもアメリカに申し上げて、そして、より日本の国民が安全、安心のもとにアメリカの牛肉も食べられるような対応をアメリカにもとってもらいたいということで、鋭意アメリカと、現在、調整、交渉を進めているところでございます。
○上田委員 ありがとうございます。
 今総理からもお話があったんですが、輸入解禁後、ことし一月に、危険部位である背骨が混入することによって、今輸入が再度とまった状況にございます。今後とも、さらにまた輸入を再開するということを考えるときには、これまで同様に、国民の食の安全、これは最大限に配慮していただき、あくまで科学的知見に基づいて、その上で慎重に対応していくということを、総理初め関係閣僚の皆様方に御要請申し上げる次第でございます。
 次に、この委員会では、ライブドア事件を発端とします金融問題についてもしばしば取り上げられました。
 このライブドア事件をいろいろと新聞等で私も見てみますと、非常に素朴な疑問の一つというのが、なぜもっと早い段階で適切に対処できなかったのかということであります。もっと早い段階で適切に対処していれば、事件がこういうふうに拡大することを防げたのではないか。特に、証券取引等監視委員会ではかなり以前から着目していたということでありますので、その間に適切な対応をしていれば、多くの投資家がこれほど莫大な損失をこうむるというような事態を招くことは防げたのではないかという気がいたします。
 法律、制度に不備があったのか、あるいは証券取引等監視委員会の陣容や経験、能力といったものに不足しているところがあったのか。また、最終的には、強制捜査、告発ということに至ったわけでありますけれども、もっとその前の早い段階で、調査に入るとか投資家に警鐘を鳴らすような何らかの措置ができなかったのだろうか。そうしたことを疑問に思うわけでございますが、与謝野大臣、御所見を伺えればというふうに思います。
○与謝野国務大臣 証券市場は、もう私が申し上げるまでもなく、経済活動の重要な基盤でございまして、公正、透明で信頼されるものであることが必要であるということは申し上げるまでもありません。
 金融庁としては、証券市場の公正性、透明性を高めるため、課徴金制度の導入や証券取引等監視委員会の体制強化等、毎年改革を行ってまいりました。今回も新しい法律を出させていただきます。
 今回の事件をなぜもっと早く摘発できなかったのかということでございますが、これは、摘発の端緒、法律違反を見つける、あるいは刑事責任を問う端緒というものがなかなか見つからなかった、そういうことでございまして、非常に誠実に、市場の公正さ、あるいは投資家保護のために、証券取引法に基づいて監視は続けてまいりましたけれども、違法なものを発見するになかなか至らなかったというのが実情でございます。
○上田委員 今、我が国では、貯蓄から投資へ資金の流れを変えていこうとずっと取り組んでいるわけでございます。しかし、それを実現するためには、証券市場がやはり公正で透明なものでなければならないわけでありまして、投資家がそういった十分な情報を与えられ、また十分な保護を与えられることが、みずからの資金を証券市場に投資するかどうか判断するその大前提になるのではないかというふうに思っております。その意味では、金融庁また証券取引等監視委員会、これからも、投資家に安心感を与えられるような万全の対策を講じていただきたい、このことを期待するものでございます。
 金融庁では、ライブドア事件の再発防止の観点も含めまして新たな法案の提出を検討している、先ほどの御答弁にもありましたが、と承知いたしております。その内容は、私ども公明党も、二月の十日、申し入れをさせていただきましたけれども、その趣旨が十分生かされており基本的には評価できるものである、早く成立をさせなければいけないというふうに考えているものでございます。
 この法案は、以前から金融庁等におきまして、投資家の適切な保護のため投資サービスを横断的に規制していこう、そういう制度の必要性について検討されていたわけでありますが、それを、今回のこのライブドアの事件も踏まえて拡充するものだというふうに承知をいたしております。
 これまでの議論の過程の中で、新たな法規制の対象として、別に法律で規制されております例えば証券先物取引、こうした商品などを含めるべきか否か、随分議論がされてまいりました。投資家の立場から、特に一般の投資家の立場から見れば、いろいろな投資の商品、さまざまなルールがばらばらに適用されているということだと非常にわかりにくいわけでありますので、これはやはり同様の規制になることが望ましいのではないかというふうに考えております。
 したがいまして、今回、この新法には、商品先物取引などそういった商品も対象に含めるか、あるいはその規制の内容を同様のもの、同等のものにするような対応が必要と考えますけれども、与謝野大臣の御見解を伺いたいというふうに思います。
○与謝野国務大臣 金融庁としては、投資家保護のため横断的法制を整備するため、今般、証券取引法等の一部を改正する法律案を国会に提出させていただきたいと考えております。
 この法律案においては、投資性の強い金融商品を幅広く対象とする横断的な制度を整備し、これに伴い、証券取引法を、金融商品取引法、いわゆる投資サービス法に改めることとしております。
 今回の制度の整備におきましては、上田委員御指摘の商品先物取引等については、関係省庁とも協力して、規制の内容を同等にするなど、投資家保護を拡充する方向で検討してまいりたいと考えております。
○上田委員 ぜひお願いしたいというふうに思います。
 これは、一般の投資家から見れば、それが金融商品であるのか金融先物であるのか商品先物であるのか、勧誘されたときには区別がつかないわけでありますので、それを適用されるさまざまなルールが異なるということであれば、これは、わかりにくい、混乱を招くということでありますので、ぜひそこは、十分な投資家の保護を図り、統一的なルールにしていただくことを要望するものでございます。
 そして、この新たな法案では、不公正取引とか開示義務違反、そうしたものに対する罰則、これがおおむね二倍に引き上げられるものだというふうに伺っております。それでも米国などに比べると依然として軽いんじゃないかというようなことも言われております。
 これは、刑法など他の法令における経済犯罪の罰則との整合性をとらなきゃいけない、それは理解できるものでございますけれども、ただ、経済犯罪がこれほど多発をしていて、しかも規模も大きくなっている、社会的な影響も大きくなっているわけであります。そういうことを考えると、抜本的な見直しが必要になっているのではないかというふうに思うわけでございます。
 特に、その根っこにある部分が多分刑法ということなんだと思いますが、刑法の改正も含めて、経済犯罪全般に対する罰則の抜本的な強化について検討を開始すべきではないかというふうに考えますが、法律全般を所管しております杉浦法務大臣、御所見を伺いたいというふうに思います。
○杉浦国務大臣 お答え申し上げます。
 犯罪、刑法犯と社会経済情勢とはかなり密接な相関関係がございます。この十年ぐらい刑法犯が激増して治安状況が悪化したのも、バブルの崩壊と、長く続いた低迷が影響しておりますし、ここ二年ぐらい刑法犯が減少しておりますが、これも景気回復基調と無関係ではないと思います。
 私どもが目指しております、国民が安心して暮らせる安全な社会の大前提としては、健全な経済活動が行われる社会がなきゃならない。それを確保するためには、刑罰につきましても、社会経済情勢の変化でございますとか国民の規範意識の変化等に応じまして、適時適切に検討してまいることは当然のことでございます。
 法務省としても、刑法につきましても、このような観点から財産犯等の法定刑等について検討してまいりたいと思いますし、また、ライブドア事件等を契機として金融庁が検討されております証取法の罰則強化、その他、経済官庁による経済関係罰則の検討にも前向きに御協力申し上げてまいりたいと思っております。
○上田委員 もちろん、法律の罰則の強化を図るというのは、これはいろいろな面がありますので慎重な検討が必要なのかというふうに思いますが、個別法で議論をしてまいりますと、どうしても、横並び、整合性の問題があるわけでございます。
 そういう意味では、法体系全体、やはり今の経済犯罪が与えている社会的な影響を考えますと、これはもう抜本的な強化が必要になってきているのではないかというふうに考えますので、多分、一番根っこの部分になるのが法務省の刑法ということになろうかと思いますので、ぜひこれは、もちろん慎重な審議が必要でありますので、例えば法制審議会における検討を開始するなど、早急に御検討をスタートしていただきたいというふうにお願い申し上げる次第です。
 次に、税制改正の問題について何点かお伺いしたいというふうに思います。
 平成十八年度の税制改正では定率減税が全廃されるということになっておりまして、昨今の経済情勢とか財政事情を考えるとこれはやむを得ない措置だというふうには考えておりますが、ただ、やはり景気に対する悪影響、こういうものを指摘する意見も依然として多いわけでございます。また、実際に中小企業や地方経済を取り巻く環境が依然として厳しい、これも事実でございます。
 そういう意味で、この十八年度改正におきます所得税定率減税の全廃について、そうした背景も含めまして財務大臣の御所見を伺いたいというふうに思います。
○谷垣国務大臣 平成十八年度税制改正で定率減税を廃止するということをお願いしているわけですが、これが廃止になりますと、十七年度改正分と合わせまして、国、地方を通じますと、十八年度では約一・七兆円、それから十九年度で約一・五兆円の負担増が見込まれるわけでございます。
 それで、マクロ経済に与える影響がどうかということでありますが、この影響を考える場合には、個々の負担増だけ議論するのではなくて、同時に、年金給付が毎年一兆円以上増加する見込みであるといったようなこととか、それから、基礎年金国庫負担割合の引き上げによりまして年金制度の持続可能性に対する不安感をぬぐうことができるとか、そういった面もあわせて総合的に考える必要があろうかと思っているわけです。
 それで、現在景気は回復しているということでありますし、さらに、先行きにつきましても、企業部門の好調さが雇用や所得環境の改善につながってくる、それで家計部門に波及してくるという流れができてきておりまして、国内民間需要に支えられた景気回復が続いているということでございますので、こういうことを踏まえますと、定率減税の縮減、廃止によるマクロ経済への影響は十分吸収できるものと考えているわけでございます。
 ただ、今、上田委員がおっしゃったような懸念というものが世上存在することも事実でございますから、今後の経済動向を十分注意しながら見ていきまして、適切な経済財政運営を図っていかなければならないと思っております。
○上田委員 今、今後の経済情勢などを慎重に見ながら適切に対応していくということでございましたので、ぜひ、そういった点、御留意をいただいて対応していただきたいというふうに思います。
 この十八年度税制改正では、中小企業支援策や土地・住宅税制など多くの重要な改正も実施されるわけでありますけれども、その中で一つだけお伺いしたいというふうに思います。
 それは、既存の住宅について耐震改修を行った場合に、その費用の一〇%相当額を所得税から特別に控除する制度が新設されました。この制度の意義と、また期待される効果につきまして、国土交通大臣、お考えを伺いたいと思います。
○北側国務大臣 地震対策のかなめは、住宅、建築物の耐震化を進めること、これが最大のかなめだというふうに考えております。
 今、政府では、住宅、建築物の耐震化につきましては目標を設定させていただきまして、現状は耐震化率というのは七五%、これを少なくとも十年以内に九〇%まで持っていこうということで、目標を設定させていただいております。
 その耐震化を進めるに当たりまして、今委員のおっしゃった、耐震改修を促進する税制を一昨年以来お願いしておりまして、昨年末の与党の税制改正でお認めいただきました。
 おっしゃっていただきましたように、所得税につきましては、昭和五十六年以前の旧耐震基準により建築されました住宅の耐震改修を行った場合には費用の一〇%を税額から控除、さらには固定資産税に関しましても、耐震改修を行った住宅について、一定期間、税額を二分の一に減額する措置を講じます。また、法人税につきましても、多くの方々が利用される特定建築物につきましては一〇%の特別償却をしていく、こうした税制改正のお願いを今しているところでございます。
 そして、住宅、建築物の耐震診断や改修についての補助制度、これも、十七年度補正予算、また、今御審議いただいております十八年度予算案でも大幅に拡充をしていただきました。
 さらには耐震改修促進法についても改正させていただいて、国の基本方針を定めました。これから年内に、各地方公共団体では、我が地域の耐震改修促進計画を策定していただきます。その中で、各地域ごとの目標や、その目標を達成するまでの工程、プログラムも計画策定していただきます。こうしたことと相まって、住宅、建築物の耐震改修を強力に推進させていただきたいと考えております。
○上田委員 この耐震改修税制というのは、北側大臣、随分前から非常に力を入れて取り組んできたことでありまして、大いに効果が上がることを期待するものでございます。
 もう時間になりました。きょうは、この委員会では、随分、構造改革の功罪、影と光の部分などについていろいろな議論も行われてまいりまして、そうしたこともきょうは御質問させていただきたいというふうに思いましたけれども、先ほど総理から、改革に終わりなしという御決意もございました。いろいろな影の部分についてはきめ細かい配慮をしながら、しかし、変化する内外の環境に適切に対応していくためにも構造改革はぜひとも進めなければいけない。ぜひ、小泉内閣、そして与党といたしましても、そうした決意でこれから臨んでいきたいというふうに思っておりますので、これにて質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○大島委員長 これにて上田君の質疑は終了いたしました。
 次に、原口一博君。
○原口委員 民主党の原口一博でございます。
 冒頭、質疑に先立って、率直におわびを申し上げたいと思います。永田議員が本委員会で質問をしたメールの問題であります。メールの中身は、これは本物ではない、つまりにせものであり、そして、その質問の内容が示唆していたことも誤りでございました。個名を挙げ、そして個人の名誉や生活を大変傷つけてしまったこと、同僚議員の一人として心からおわびを申し上げたいと思います。
 そして、私どもは、まず、どうしてここに至ったかということをつまびらかにし、一刻も早く傷ついた方の名誉を回復する、特に、武部幹事長、そしてその御次男、そして、メールを送ったというそういう強弁をしたライブドアの元社長の堀江さん、そういった方々を含め、そして、国会の皆様、国民の皆さん、委員長を初め本委員会の皆様におわびを申し上げたいと思います。
 そして、私たちは、これを機に党を再生して、品位ある国会の議論を進めてまいりたいというふうに思います。
 さてそこで、まず、財政再建について少し議論をしたいと思います。
 きょう、日銀総裁がやんごとなき理由でお見えになっていません。海外の方との、やんごとなきじゃないですね、済みません。重要な海外とのお約束があったということで、前もってのということで、きょうはあえてお招きをせずに、白川理事にお見えいただいていますが、まず、日銀の白川理事に伺いたいと思います。長期金利と名目成長率の問題でございます。
 先ほど、馬淵委員と与謝野大臣との間でも大変活発な議論が交わされました。日銀の皆さんに伺いたいのは、長期金利が名目成長率を上回るのが、通常、いわゆる自由主義経済の中で常態ではないかというふうに思いますが、これは、我が党の岡田委員にも総裁がお答えになっていることの更問いになるかもわかりませんが、確認の質問をさせていただきます。
○白川参考人 お答えいたします。
 長期金利は、基本的には、将来の経済や物価に関する市場参加者の見方を反映して決まってまいりまして、これに、債券を保有することに伴いますさまざまなリスクに応じた上乗せ幅が加わるというふうに理解をしております。その結果、長期金利は名目GDP成長率よりも高い水準になる傾向があるというふうに思っております。
 実際、金融の自由化やグローバル化が進みました一九八〇年代以降の各国の事例を見てみましても、長期金利は名目GDP成長率を幾分上回って推移することが多いというふうに認識しております。
○原口委員 委員長にお許しをいただいて資料を配らせていただきたいと思います。
 資料の、皆様のお手元にございます三と四でございます。三は、昨日私が、長期金利、名目長期金利の定義にはいろいろなものがございますけれども、十年国債利回りということで日銀の皆さんがつくっていただいたものが三、そして、IMFのインターナショナル・フィナンシャル・スタティスティクスよりつくったものが四でございます。ほぼ同じ、同じ国でございますから同じトレンドを示しています。
 今、理事がお話しになった、つまり八〇年代以降、これをごらんいただいても、大体長期金利が上回っております。そしてこれは、先進各国とも長期金利が名目成長率を上回るという事態が起きています。
 ただ、その左の端の方をごらんください。この左の端の方は、日本が一九六六年以降大変な高度経済成長を示していたときでございます。これは、この時期には長期金利より名目GDP成長率の方がはるかに高いという事態が起きています。
 しかし、では、この事態が起きている理由は何なんだろうかということを考えてみると、そこはどこに理由を求めたらいいのか、日銀の理事に伺いたいと思います。
○白川参考人 お答えいたします。
 名目GDPとそれから長期金利の関係でございますけれども、今、委員御指摘の石油ショックのころの長期金利でございますけれども、これは、当時物価が上がっているということで、大変に物価が上がっている、そういう状況のもとでの名目GDP率、これは当然高くなってまいります。長期金利の方は、これは十年の長期金利でございますから、向こう十年間、経済、物価がどういうふうに推移するかということを市場参加者が見ておるということでございます。
 当時の足元の高い物価上昇率、これが向こう十年にわたっては続かないだろう、この先、金融政策も適切に運営されていけば、やがて物価も下がっていくというふうな見通しがあれば、長期金利の方が名目GDP成長率よりも低いということも、そういう事態もそういう状況のもとでは発生し得るというふうに考えております。
○原口委員 先ほど、馬淵委員の質問の中にもございましたが、一九七七年に国債の転売が事実上解禁されるまでは、国債の金利は、当時の大蔵省が、いわば引受シ団と申しますか、そういったものに低目の金利を指導していた。まさに私たちは、一九九〇年代の金融国会で護送船団方式という議論をいたしました。そのずっと前、一九六〇年代においては、まさにそのサロンに入ることの方が大変重要であって、その護送船団の中に入ることが重要であって、低い国債を政策的に受け入れていた、そういう状況であると思います。
 私はここで財務大臣と経済財政担当大臣に伺いたいんですが、そもそも長期金利というものはコントロールできるものなのか。長期金利を自由主義経済において、片っ方で高い潜在成長率を欲しい、しかし、片っ方では金利は低く抑えたい、こんなことが果たして自由な経済社会で可能なんだろうか。このことが、後で申し上げます財政再建の今何をやるべきかということに強くかかわっていると思いますので、両大臣にお伺いをしたいと思います。
○谷垣国務大臣 金利は、やはり市場でいろいろな関係で決まっていくものですから、政治的にコントロールできるというものではないと基本的に考えております。
 私どもができることは、リスクプレミアムをできるだけ低く抑えていくために財政面等々から努力をするということはできますし、それはしなければならないと思っておりますが、全体をコントロールしていくことは難しい、不可能である、短期的にはできるかもしれませんが、長期的には不可能であるというふうに思います。
○与謝野国務大臣 長期的にはだれもコントロールできない、市場で資金の出し手と資金の取り手の間の関係で決まってくると思います。ましてや、日本の市場は世界に開かれているわけですから、日本人だけで決めるわけにもいかない。
 それでは、それは何とかコントロールできないのかといいますと、非常に短期間コントロールすることができると思いますけれども、極めて短期間、極めて人工的なやり方でコントロールができても、それは長もちするようなコントロールの仕方ではないというふうに思っております。
○原口委員 私も両大臣と同じ認識を持っています。
 日銀の理事に更問いをいたしますが、ましてや、今、物価を上げて、名目成長率も上げて、それで対GDP比の赤字を何とかしようなんという話をまことしやかに言っていらっしゃる。私は、そういう方こそ本当の抵抗勢力だというふうに思うんです。
 総理、私たちは、やはり今両大臣がお話しになったように、自由な経済を志向しています。自由な経済において、金利をだれかがコントロールするなんてできないんです。金利をコントロールしようとすれば、まさに日銀が、国債を、これほど膨大な財政赤字を抱えていて、それを日銀に引き受けさせたりするしかないんじゃないでしょうか。それは究極の先送りではないかというふうに思うわけでございますが、日銀の理事、物価が上がると名目金利の上昇を防ぐことはできないと私は思いますが、御見解を伺いたいと思います。
○白川参考人 お答えいたします。
 長期の名目金利は、基本的には、将来の経済、物価に関する市場参加者の見方を反映しまして、これにあと、先ほど申し上げましたリスクプレミアムが上乗せされるということでございます。
 実際の長期金利は、もちろん金融市場におきますさまざまな要因を反映して形成されるものでございますから、一概には申し上げられませんけれども、一般論として申し上げますと、物価の上昇は、その他の条件が一定であれば、これは長期金利の上昇要因になるというふうに考えます。その意味で、長期金利が安定的に形成されるためには物価が安定しているということが大事で、したがいまして、日本銀行の金融政策も、物価安定を目的としてしっかりやっていく必要があるというふうに考えております。
○原口委員 日銀も同じ認識をお話しになったと思います。
 日銀の国債引き受けについて、本委員会で私は三年ぐらいにわたって質疑を総裁ともしてまいりました。長期金利が一%上がれば、いろいろな前提を置くわけですが、日銀のバランスシートはどれぐらい崩れるんだろうか、経済のアンカーである日銀の役割はどれほど損なわれるんだろうかという議論を、速水総裁そして今の福井総裁ともやらせていただきました。私たちは、自由経済を目指すべきだ、自由経済を目指すからには、まさに金利をコントロールできるかのようなことを振りまくべきではないというふうに思います。
 さて、資料二をごらんください。これは我が国の公債残高の累増でございます。この三十年で世界一の借金大国になりました。バブル崩壊後、平成二年以降、級数的に上がっているのがごらんになれると思います。この公債残高の七〇%、三百八十兆円が平成二年以降に積み上がったものでございます。では、この残高は質的あるいは量的にも悪化しているんじゃないか。一度も減らすことができずに、平成十七年度の残高はついにGDPを超えてしまいました。そして、このグラフからもちょっとおわかりになるかもわかりませんが、平成十五年以降、赤字公債残高が建設公債残高を上回るという事態が起きています。
 そこで私は、きょうは冷静に、総理ともあるいは閣僚の皆さんとも、財政再建のターゲットとは何なのか、今何をやるべきかということを議論していきたいというふうに思っています。
 資料一をごらんになってください。これは、我が党も五、六年前にやりましたプライマリーバランス、つまり、プライマリーバランスを維持するだけで本当に財政というのは大丈夫なのか。これから経済が好転する中で、今、大臣からも日銀の理事からも、金利はコントロールできない、長期金利はコントロールできないというお話がございました。基礎的財政収入というものが四十九・七兆円、平成十八年度、今予算で出ています。では、これは一%長期金利が上がったときにどうなるのか。弾性値を一・一でとると〇・六兆円ぐらいがふえます。アルファのところです。では、ベータのところ、一%上がると、やはりこれは同じぐらい、〇・六兆円ぐらい上がる。ではガンマのところ、利払い費はどうなるんだろうか。
 つまり、その時々、年々のプライマリーバランスを均衡させるだけでは、本当は、これは景気が拡大し金利が上昇する局面では危険なのではないか。利払い費だけでこのガンマのところはプラス六〇%、今資料二でごらんいただきましたように、五百四十二兆円、この金利が一%上がっただけで五・四兆円の金利が発生するということですね。つまり、物価を上げて、そして幾ら名目のGDPをふやしてみようが、結果的には財政再建のターゲットは逃げ水のように先に行くということになるんではないでしょうか。
 資料ばかりごらんいただいて恐縮ですが、それを少し明確に書いたのが五でございます。名目成長率・名目金利が上昇した場合の税収・国債費。つまり、長期金利をコントロールできないという状況の中で、物価上昇率よりも名目金利を極端に抑えることはできないんであります。
 ここで何が起こるのか。もし、一部の抵抗勢力的な方がおっしゃっていることに乗って、まあ抵抗勢力という言葉は撤回しますが、何と申しますか、事実を余り把握をされない方の……(発言する者あり)ちょっと言葉を選ばなきゃいけませんが。何が起こるかというと、総理、預金をする人が借金をする人よりばかを見るということが起こる。先ほど与謝野大臣も示唆をされましたように、消費ラッシュを招いて、そしてますます物価が上昇し、ハイパーインフレになってしまう。それはそんなに遠い将来かというと、そんな遠い将来じゃないんです。
 これをごらんいただいておわかりになりますように、長期金利、名目金利の上昇した場合の税収、国債費は、このように級数的に上がってくる。なぜかというとそれは、公債残高を、莫大なものを抱えてしまっているからでございます。私はそのように考えていますが、財務大臣、いかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 今のお示しの資料は、ちょっと十分に私も検討する間がなかったのでそれに対するコメントは差し控えますが、インフレによって名目経済成長が高まれば税収の増加は当然期待できるんですが、一方で、あの図で示されたところでは、大勢がうかがわれますように、年金の物価スライドによる給付額増加、あるいは金利上昇による利払い費の増加、こういったさまざまな歳出の増加要因が考えられますので、税の増収だけに頼ってうまくいくというわけには必ずしもいかないと考えております。
○原口委員 同じ質問を与謝野経済財政担当にいたしたい。
○与謝野国務大臣 国の実質成長率、これは高い方がいいと私は思いますが、名目成長率だけ考えますと、名目成長率が高くなりますと、確かに税金はたくさん入ってまいります。収入がふえるということは事実でございますが、予算の中には物価連動の支出の項目があって、例えば、社会保障費の中には物価に連動して上げるというものがありますから、物価が上がりますと支出がふえる、それから、先生御指摘の、多分、金利が上がりますから国債費がふえるということで、プラスマイナスどうなっているかというと、四%ぐらいの名目成長率でどっちに振れるのか、収入がふえる方に振れるのか、支出がふえる方に振れるのかというのは、もう一度ちょっと計算しなければならないわけですが、名目成長率だけをただ上げていけば物事が改善するということではないんだろうと私は思っております。
○原口委員 総理、私も全く同じ認識を持っているんですよ。物価が一%上昇したとすると、名目GDPはそれは一%ふえますよね。だけれども、財政赤字は、三十兆円が、今回の予算では三十兆円以下に抑えたとされていますが、五・四兆円先ほど申し上げたようにふえるため、一八%増となるわけです。したがって、財政赤字のGDP比はふえるんです。基礎財政収支の所要黒字額は、名目金利から名目成長率を引いたものに債務残高を掛けますから、こんな当たり前な話を、夢のようなことを振りまいて、そしてやるべきことを先送りするということが何を意味するかということをきょう明らかにしたかったんです。
 総理に伺いたいんですが、閣内には、物価が上昇すれば税収が膨らむから、それでもって財政健全化がおのずと進むではないかという議論をされていらっしゃる方もいます。これに対して今のお二人は、御答弁になったような、常識的な、非常に慎重な財政運営に、その基礎に立った御議論でございました。
 一体どっちなんでしょうか。どっちが正しいんですか。総理、どっちが正しいと思われますか。
○小泉内閣総理大臣 経済は生き物ですから、今までのやり方が正しい場合もあったし、正しくない場合もあったんです、現実に。不景気になれば公共支出をふやす、減税をする、しかしながら景気回復しなかった。公共事業を削減する、減税もしないという中で景気が回復してきた。経済の理論からすれば、これはちょっと外れた予測で今景気が回復してきている。
 そういう中にあって、私は、GDP、経済成長率が上回っている、長期金利よりも経済成長率の方が上回っている場合もあった。逆に、長期金利が経済成長率よりも上回っている時代もあった。期間によってどれが正しいかというのは、学者の間でも違います。でありますから、期間をどうやってとって、名目成長率の方が高い場合と、長期金利が高い場合と、逆の場合と、期間によっても違うんですから、どのような期間をとって、将来この財政再建につながる方策をとるかというのは、まさに政策問題ですから、どのような政策手段を講じるか。一方が正しい、一方が間違っているというふうに断定できません、今の時期において。研究者の間、学者の間でも違うんですから。
 そういう中で、私は、両方選択肢を示すべきだと思います。両方、では、名目四%台の成長率の場合に長期金利なり国債費はどうなるのか、日本は本当に名目四%の成長を目指すことができないのか、名目一%台の成長率のときにはそれではどうなるのか、現状のままで何もしなかった場合歳出はどうなるのか、今の改革を進めていったらば歳出はどうなるのかというのを、一つじゃなくて複数の選択肢を示すべきだ。どれが正しい、どれが間違いと言えるような段階ではありません。
○原口委員 いや、総理、それは違うんですよ。期間によって違うというのは、先ほど私が資料の三と四で御説明しました。その左の、総理もごらんいただきたいんですが、三ページ目の六六年から七七年、八九年、八〇年代ぐらいまでですね。この時代と日本の経済はやはり違うんです。それはどこが違うか。期間が違うだけじゃないんですよ。経済の自由度が違うんです。より高い自由度を持った経済、つまり、先ほど与謝野大臣も谷垣大臣もお話しになりました。金利をだれかがコントロールできる国なんというのは、まさに社会主義や、あるいはそれに類する国ではないですか。
 私たちは、金融ビッグバン以来、より自由で、中央政府の役割を限定して、そして、民にできるものは民に、地方にできることは地方に、そういう形でやってきた。それが進めば進むほど、先ほど両大臣がおっしゃったような経済になるんです。その経済において財政赤字をこのように放置していれば何が起こるかということを議論していて、両方選択肢があるから今はどっちでもいいと。それは、どっちに行くか、何をやるかということを何も判断していないということじゃないでしょうか。(小泉内閣総理大臣「違う、違う」と呼ぶ)違うんだったら教えてください。
○小泉内閣総理大臣 認識にも違いがあると思います。現在、名目成長率の方が長期金利より高いんですよ。逆ですよ、原口さんが言っていることと。そこは間違えないでください、メールの問題じゃないんですから。
 そして、これからの政策手段は、学者によっても、趨勢に名目何%をとってどういうことをやったらいいか。一つじゃない。三%が適当だという学者もいるでしょう、四%が適当であるという学者もいるでしょう、二%がいいという人もいるでしょう。現実の世界経済を見て、G8の中でも日本は実質経済成長率は高い、名目成長率は低い。今までも、戦後六十年間のスパンをとってみても、デフレの時代はなかった、常にインフレとの戦いだった。現在初めて、戦後六十年、デフレとの戦いをやっているんだ。
 経済は生き物ですから、それは変わっていきます。一つの選択肢じゃないと思っております。
○原口委員 いや、総理、私は、この質疑の最初の十五分ぐらいをかけて丁寧に、日銀の方と両大臣に、今は長期のトレンドでどういうふうになっているんですか、今は長期金利よりも名目成長率が大体上がる傾向ですね、八〇年代以降もそうですね、それで、より自由になっていけばそうですねという話を両大臣がされたじゃないですか。
 もう一回聞きますか、与謝野大臣。
○与謝野国務大臣 財政再建の道筋というのは、複数の選択肢を示す、これは、歳出削減をどのぐらいやるか、その程度の問題もありますし、また、成長の割合をどの程度見るか、さまざまな組み合わせの計算はできると思います。
 ただ、財政再建をやりますときには、やはり用心深い堅実な前提で将来の見通しを示す必要があると思いまして、楽観的な見通しだけで将来の財政を考えてはいけない。
 ただ、日本の経済政策そのものは、やはり、明るい展望を持って、力強い成長をするためのいろいろな努力をしなきゃいけないということは当然のことでございますけれども、家計を設計していく場合というのは、やや地味目の堅実な前提を置く必要があるのではないかと思っております。
○原口委員 総理、お聞きになったでしょう。要は、私たちが今何を議論しているかというと、今からのトレンドをどう見るかというその見方を議論しているんですよ。その見方が二つあれば、対応の仕方が変わるんですよ。
 先ほど、馬淵議員の質疑の中で与謝野大臣は、今おっしゃったように、名目成長率が長期金利を上回るような、つまり統制経済と言っては悪いけれども、そういう時代のようなものが日本経済の平均の姿だと早とちりしてはいけない、きょうの朝の委員会ですよね、というか、今も朝か。ここ二十年ぐらいの金利と成長率の関係の方を重視して計画を立てる方が、地味でなおかつ堅実だと私は思っておりますという答弁なんですよ。
 では総理に伺いますが、その答弁と同じ認識でいいですか。
○小泉内閣総理大臣 必ずしも同じではありません。だから選択肢を示すんです。長期金利が名目成長率を上回る場合と、経済成長率が長期金利を上回る場合と両方あるんです、過去の経過においても。現在の外国の例でも両方あるんです。
 だから、そこら辺をよく調査しながら、両方の想定のもとにどうなるのかという選択肢を示して、どういう政策手段をとればどっちの選択肢に行くのか、Aの選択肢になるのかBの選択肢になるのか、A、Bにするためにはどういう政策手段をとればいいのかということをこれからよく国民に提示して、どっちがいいか判断してもらうか、政府としてどっちをとるかというのは、これは、今後の財政再建にとっても、経済発展を考える場合においても重要なことだと認識しております。
○原口委員 もう午前中の時間はこれで終わりましたから、そんなものを今判断しているような時期ではない。私は、できるだけ閣内不一致という言葉を使わないように慎重に質問をしてきたんです。というのは、二人の大臣が誠実に答弁されているからなんです。
 残りの質疑は午後に回したいと思います。ありがとうございました。
○大島委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時四分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
○大島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。原口一博君。
○原口委員 午前中に引き続き、財政再建について、総理ともお話をしたいと思うんですが、ちょっと確認をしたいと思うんですが、総理、国民の皆さんが一番知りたいと思っていらっしゃることの一つに、やはりこの財政再建があると思うんです。本当に財政というのは持続可能なのか。ある意味では、それが持続可能だということを示せば、随分多くの皆さんが感じていらっしゃる不安というのはなくなると私は思いますが、総理、いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 財政健全化は国民生活を豊かにするための一つの重要な対策だと思っております。
 そこで、今のままのような状況で何もしなければ財政というのはもう手に負えなくなる、財政が破綻すれば国民生活も豊かにはならない、そういうことから、改革を進めて、財政を健全の方向に持っていこうというのが現下の課題でございます。
 でありますので、今のような真剣な原口議員による指摘なり考え方に対するそれぞれの意見を交換し合うというのは、大変有意義な審議だと思っております。
○原口委員 ありがとうございます。同じ認識を共有できたと思います。
 さてそこで、何点か伺いたいんですが、さっきのグラフに戻りますが、これは金融担当大臣に伺います。
 やはりこの三のグラフあるいは四のグラフでもいいんですけれども、六六年から七七年、こういう時代、つまり八〇年代前、私は、明確に、国債の金利は、大蔵省がいわば引受シ団に指導をして、そして低目の金利を各銀行が受忍していた、七〇年代、六〇年代というのは、そういういわゆる規制金利の時代のデータであって、現在の自由な金利になったときは意味がないんじゃないか、このように考えておりますが、いかがでしょうか。
○与謝野国務大臣 確かに、戦後の復興期の話と今は違っていると思いますが、最近では、アメリカでここ数年、名目成長率の方が長期金利を上回るという現象も起きていまして、そう単純な決まり方を恐らく長期金利はしていないと思います。アメリカで起きている現象がどういう現象なのかというのは、アメリカ人自身がまだよく解明していないということでございまして、したがいまして、財政再建の道筋を描くときには、いろいろなケースを想定してやらなければならないと私は思っております。そういう中で皆様方に御判断いただいて、最も現実的な道筋はどこかということは議論の最後に出てくる話でございますが、選択肢というのは、恐らく、いろいろな条件を変えて、いろいろな前提を変えて、さまざまなケースを国民の前にお示しすること、これが論議の第一歩であると思っております。
○原口委員 総理、今大臣がお話しになったように、論議の第一歩なんですよ。私がきょう申し上げたいのは、いつまでもその論議の第一歩で、こっちに行けばこういう道がありますね、こっちに行けば別の道がありますねということを言っていていいのかな、それを問いたいわけです。歳出と歳入の構造改革、これはやはり一体にやらなきゃいけない。
 総理に伺いますが、小泉内閣は、デフレの脱却、経済の回復、これを一生懸命目標としてなさってこられたと思いますが、この認識でいいですか。
○小泉内閣総理大臣 はい、デフレ脱却、経済活性化、これは小泉内閣の最重要課題であります。
○原口委員 そのとおりだと思います。私どもが政権をとっても、それは大変重要なことです。
 先ほど私は、六〇年代、七〇年代の話をしましたが、午前中総理は、原口さん、今逆転しているんですよ、金利と経済成長率が逆転しているんですよと。それはそうですよ、総理。今、超低金利なんですよ。超々低金利で、異常な状況になっている、異常な政策をやっている。これは日銀の総裁もそうおっしゃっているし、しかも、デフレですから。
 今の事態をとらえて、では今後それでいいかというと、小泉内閣の政策が成功してくれば、皆さんはもう成功しているとおっしゃっているけれども、成功してくれば、金利は自然と上がっていくんですよ。だから、そのときに備えて、今の二人の大臣がおっしゃったパスだったら何とかなるだろうけれども、つまり、プライマリーバランスをただ均衡させただけでは、金利が上がっていくこれからの予想される局面では、それじゃもうだめだということを私は危惧するから申し上げているんです。
 もう一回、五に。総理、本当に恐縮ですが、ごらんになってください。
 これは、税収と国債費。経済成長率が、先ほどお話しになりました、二%、三%、四%、五%、まあこれぐらいでしょうね、二十一年度ぐらいまでの経済成長率を予想すると。そのときに、税収はどうなるのか。五%成長のときが、二〇〇七年度では最高一・六兆円、二〇〇八年度で三・三兆円、二〇〇九年度で五・一兆円なんです。ところが、それと同じように、国債費もそれぐらいでふえていけばこれは何とかなるんですが、その下のところをごらんいただくように、四・七兆、八・六兆、十二・五兆と、はるかに国債費の方がふえていくんですよ。つまり、このことについてやはり答えを出していかなきゃいけない、私はそう思うんです。
 財務大臣、いかがですか。初めて見せられたけれども、これは精査してみるとおっしゃいました。いや、いいですよ、与謝野大臣でも。
○与謝野国務大臣 今、財政再建はどういうふうに考えるかという問題ですけれども、小泉内閣発足から五年間の間にやりましたいろいろな政策も、やはり大変厳しい状況の中での財政再建であって、これは先ほど総理が言及されましたけれども、不況に陥りますと、かつての自民党政権は必ず財政支出をふやして有効需要をふやすという政策をとりましたけれども、小泉内閣のもとでは不況でも財政規律を守る、そういう厳しい姿勢をとったと私は考えております。
 実績としては、例えば二〇〇三年に、プライマリーバランスにしますと、大体国、地方を通じて二十兆赤字がありましたけれども、二〇〇六年は、これは十一兆まで下がっておりまして、この数年間で九兆円のプライマリーバランスの回復を達成しております。
 これからやります財政再建というのは、この五年間やりました財政改革を出発点にして次のステップに進む。次のステップというのは、プライマリーバランスを回復させる、その先はやはり国、地方の債務残高の対GDP比を一定ないしは比率を下げていくという三段階で、第一段階がようやく終わったというふうに御認識をいただければと思っております。
○原口委員 大臣、私、総理と議論をするためにできるだけシンプルにお話を、この数字が本当ですかということを伺っているんです。
○与謝野国務大臣 どういう前提で計算された数字かわかりませんので、はっきりしたお答えはできませんけれども、成長率が高まっていくと逆に支出がふえるという面もあるという点では、そのとおりであると思っております。
○原口委員 ありがとうございます。
 だから総理、私が申し上げたいのは、どのパスを、どの道を選ぶかということは、お二人の大臣はこっちですとおっしゃっているわけです。私と同じようなことをおっしゃっている。総理は、こっちもあればこっちもあるとさっきおっしゃったけれども、それはいつ決めるんですか。どっちの道に行くかというのは、全然違うんですよ。
 つまり、なぜかというと、プライマリーバランスを、ではいつ回復させるのか。いや、それだけでいいのか。歳入の構造改革も同時にやって、そしてこの巨大な財政赤字に挑戦していこうというのをそんなに先送りしていていいのかということを伺っているんです。いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 これは、当初私が政権を担当する前は、プライマリーバランス約二十兆円のマイナスである。それが改革を進めて、今は十一兆円に減ってきた。それで、二〇一〇年代初頭にはこれをゼロに回復しようと。その後、前提によっても置き方が違いますし、改革をどのように進めていくかによっても違う。
 今の前提は、何もしなければそこまで行くであろうという表だと思いますけれども、私は、今後一つの前提のもとに方向を出せば、名目三%の場合はこういう政策をとる必要がある、四%の場合にはこういう政策をとる必要がある、それぞれ政策を考える。その際に、どういう前提でとっているのかという議論がことしの六月ごろから活発になってくると思います。そういう中で、どういう改革が必要かというのは、今後六月ごろから来年度予算編成の秋以降、大きなこれからの課題になると私は思っております。
○原口委員 資料Aを、委員長、お配りさせてください。
○大島委員長 どうぞ。
○原口委員 配られるまでに申し上げますが、この資料は、先ほど馬淵委員が質疑の中でお使いになりました、我が党の大塚耕平議員に対する内閣の答弁書であります。
 1のところは省略しますが、Aをごらんになってください。名目長期金利が名目経済成長率を上回る状況においては、基礎的財政収支の赤字が持続すれば、公債残高の名目国内生産に対する比率が増加し続けるという意味において、いずれの国においても財政は破綻すると考えられる、こう答弁をされています。そしてまた、Bのところで、名目長期金利が名目経済成長率を下回る状況についても言及されています。
 まさに今、経済が回復をしてきて長期金利が上昇局面にあるだろうと思うから、今やるべきことは何かということを伺っているわけでございます。
 そこで、日銀に伺います。
 財政再建を行うには、プライマリーバランスの赤字解消のみでは不十分だと私は認識していますが、日銀の御認識を伺いたい。そして、名目成長率が上昇しても、税収の増加よりも国債費の増加の方が大きく、財政再建はなし得ないのではないか、そう思いますが、いかがでしょうか。
○白川参考人 お答えいたします。
 財政再建には公的債務残高の対GDP比率を長期的に引き下げる必要がございまして、そのためにはプライマリーバランスの黒字化が必要であるという認識は、広く共有されているというふうに思います。この点、政府でも二〇一〇年代初頭のプライマリーバランスの黒字化を目指して財政再建に取り組んでおられるというふうに承知しております。
 財政再建を着実に進めていくためには、まず民間の活力を引き出し、日本経済の潜在成長力を高めていくということが大事だというふうに思っております。実質ベースで成長率が高まり、活発な民間経済活動を行うことによって安定的な歳入の確保も実現できるというふうに思っております。
○大島委員長 簡明に。
○白川参考人 はい。名目成長率が上昇した場合、税収も国債費もともに増加いたしますけれども、その増加テンポはさまざまな要因に左右されるというふうに見られます。いずれにせよ、財政再建を着実に進めていくためには、まずは成長率を上げ、実質経済成長を高めていくというふうに思います。
○原口委員 いや、日銀総裁に来ていただく予定をわざわざ理事に来ていただいたのは、正確にお答えくださいということで、通告どおりお答えいただきたいんですが、私、紙でお渡ししているので、もう一回伺います。
 財政再建を行うにはプライマリーバランスの赤字解消のみでは不十分だと私は思いますが、認識はいかがですか。
○大島委員長 白川参考人、通告どおりにお答えしなさい。
○白川参考人 お答えいたします。
 プライマリーバランスの黒字化が必要であるという点では、広く認識は共有されているというふうに思います。この点、政府におきましても、二〇一〇年代初頭のプライマリーバランスの黒字化を目指して財政再建に取り組んでいるというふうに認識しております。
○原口委員 二回同じことを質問させられました。
 私は、事前に丁寧にレクもさせていただいて、皆様からいただいた、これもメールですけれども、答弁の確認を読んでいるだけなんです。それなのに、どうして二回も続けて違うお答えをされますか。あと十分しかないのに、どうしてですか。
○大島委員長 白川さん、わかりますか。もう一回。
○白川参考人 お答えいたしたとおりでございますけれども、財政再建を行うためにはプライマリーバランスの赤字解消のみでは不十分だと思いますけれどもどうですかというお尋ねでございました。
 プライマリーバランスの赤字解消だけではなくて、黒字化が必要であるというふうに思っております。その認識は広く共有されているというふうに思います。また、政府も取り組んでいるというふうに認識しております。
○原口委員 つまり、赤字解消のみでは不十分だというお答えだということでいいですか。
○白川参考人 赤字解消だけでは不十分である、赤字化だけではなくて、黒字化が必要であるというふうに思っております。
○原口委員 いや、ここで追及する方は笑っちゃだめなんですよ、本当は。何でかといったら、今一番財政の、皆さんが不安に思っていらっしゃる、そこで、閣内で違う話が出てきて、しかも、六月に、さっき総理がお話しになったのは、これは選択肢でしょう、そのときに出てくるのは。選択肢ですよ。選択肢が出て、それからどっちにするかという議論をしていて本当にいいんですか。私はそのことがいかぬと思っているんですが、財務大臣、いかがですか。
○谷垣国務大臣 これは今、与謝野大臣のもとで、経済財政諮問会議で厳しく議論をしておりますので、やはりいろいろなケースが想定できますから、選択肢を示して、具体的な形で国民の議論に供したいと思っております。
○原口委員 いや、とてもなかなか、それは小泉内閣らしくないですよね。
 前の内閣のときも同じようなことをおっしゃっていましたよ。あのときは宮澤財務大臣でした。社会的な、今伊吹先生も少しお話しになりましたけれども、社会保障の問題もあるから、今までは単に財政だけを入れていたけれども、そういう社会保障みたいなものも全部、ディメンションというか次元の中に入れて総合的に判断して、データを出して、何をやるべきか国会にお示ししますとおっしゃったんですよ。あれはたしか一九九九年ぐらいでしたね。もう本当に六年も七年も前です。そのときに何をやるかということは、結果的には先送りされているんですよ。今度も材料だけを六月に示されると。
 少なくとも、今私たちはその予算の審議をやっているわけですよ。予算の審議をやっているんだったら、皆さんが出されるのは、総理がおっしゃったAかBか、与謝野大臣や谷垣大臣がおっしゃった方なのか、それとも政調会長ですかがおっしゃっている方なのか。総理はどっちが正しいと思われるんですか。
○小泉内閣総理大臣 両方あっていいんです。それはどういうことかといいますと、私が政権を担当する以前においては、一般会計における税収は五十兆円程度だった。だから、私は、税収が五十兆円程度あるときには国債発行は三十兆円以下にとどめる必要があるということを言ったんです。
 ところが、税収の見通しが違ってまいりました。いざ私が政権を担当すると、税収は五十兆円入ってこなくなった。四十兆円そこそこだった。だから、私は、経済は生き物だから、三十兆円枠というのは一つの公約だけれども、前提は五十兆円の税収があったときであると。
 民主党は、そのときに、三年間三十兆円以下に抑えろという法律を出せと言ったときに、私は拒否したんです。なぜか。経済は生き物だから、常に五十兆円上がってくるとは限らないから、五十兆円以下のときにも三十兆円以下に抑えたらば、歳出を削減し、増税しなきゃできない。果たしてこれが経済活性化に通ずるのかどうか。だから、私はそこまでは約束できないから、民主党の法律で縛れというのを私は拒否したんですよ。そこで大胆かつ柔軟に考えなきゃ、経済の活性化はおぼつかない、財政健全化ばかり図って経済全体を見ないと、かえってデフレが進行するということを言ったんです。そして、五十兆円なくて三十兆円の枠を外したら、公約違反だ、公約違反だという批判。しかし、そのときは五十兆円が前提だったから、五十兆円ないときには大胆かつ柔軟にと、言うとおりやってきたんですよ。
 そして、現にこの十八年度予算においては、民主党は、二十年だったかな、あと二年後に三十兆円以下に公債発行を抑えると言っているのに、既に来年度でもう抑えちゃっている、三十兆円に。民主党がやっているより先に……
○大島委員長 総理、短目にお願いします。
○小泉内閣総理大臣 国債発行を制限している。これは、一つ、景気が回復してきたな、そして、予定した税収も見積もりよりも上がってきたな、見積もりよりも下がるより上がってきたということは、やはり景気回復もそろそろ軌道に乗ってきたなという例だと思うんです。ですから、そういう中で、一つの前提というのはずっと続くものではありません。
 私は、プライマリーバランスが回復してゼロになればいいとは思っていません。それは、財政収支がゼロになった場合にも、今までの国債の発行が累積していますから国債費はふえています。ですから、国債発行はある程度していかなきゃなりません。
 真の財政健全化というのは……
○大島委員長 総理、ちょっと短目にひとつ。
○小泉内閣総理大臣 はい。
 国債発行もできるだけ抑えていく必要があるということは、これは原口議員とも共有しているのではないかなと思っております。
○原口委員 私は、その基本的な認識ですら閣内で統一されているんでしょうか、そのことを伺っているんです。
 今、谷垣大臣に質問していたら、後ろで竹中大臣は首を横に振っていらっしゃるし、与謝野大臣が御答弁のときも首を横に振っていらっしゃる。
 私たちは、総理、今の話をやはり十年、二十年、三十年後、そのとき、長い歴史を見て、子供たちや孫の代からも、あのときにこの議論をちゃんと詰めていたな、このことについては必ず議論していたな、その議論をきょうやっているんです、過去、民主党がどうだ、どうだという話を劇場でやっているんじゃないんですから。
 私は、究極の先送りをせずに、しっかりとしたデータを出して、そして果敢に改革に取り組む、それは民主党でしかできないということを申し上げて、質問を終えます。
○大島委員長 これにて原口君の質疑は終了いたしました。
 次に、岡田克也君。
○岡田委員 民主党の岡田克也です。
 今の件も後でまた少し議論したいと思いますが、多分総理と議論する機会も余りないと思いますので、きょうは総括的に議論したいと思っています。
 まず、公平を期すために、少し総理の実績についても申し上げておきたいと思いますが、私は、小泉政権五年間で評価できることは二つあるというふうに思っております。
 これはかねがね申し上げておりますが、一つは、タイミングが十分じゃなかった、時間がかかったということはあるかもしれませんが、不良債権の処理にめどをつけつつあるということであります。そしてもう一点は、景気対策という名のもとで公共事業をどんどんふやすという政策はとらなかった。この二点は、私は一定の評価をしているわけであります。
 しかし他方で、小泉改革のいろいろな中身を見たときに、ポイントがずれているといいますか、本当に大事なところがいつの間にかぼやけてしまって、何のために改革したのかわからない、そういう改革が多いことも事実であります。そのことについて具体的に少し議論させていただきたいと思います。
 まず、小泉改革、当初、二大改革と言われたのが道路公団民営化と郵政民営化でありました。それぞれについてポイントを絞ってお聞きしたいと思います。
 まず、道路公団の民営化であります。
 総理は、当初、無駄な道路をつくらない、そのために公団を民営化する、こうおっしゃいました。私は、それはそのとおりだと。本当の意味で民営化すれば、採算に合わない道路はつくらないわけですから、確かに無駄な道路はつくらないということになる。
 しかし、先般の国幹会議では、九千三百四十二キロの計画はほとんどつくるということが正式に決定をされました。ということは、総理は、無駄な道路はつくらない、だから公団民営化と言われたが、無駄な道路はなかったというふうに総理は判断されたんですか。
○小泉内閣総理大臣 これは、よく道路公団改革を批判する方の言う意見を岡田さんも言っておられると思うんですが、誤解があるんですよ。無駄な道路はつくらない。そうなんです。必要な道路は、地域住民あるいは国民の税負担でもつくらなきゃならない。そういう中で、道路公団民営化の前は、高速国道の予定路線は一万一千五百二十キロ、整備計画は九千三百四十二キロ。道路公団の民営化、この議論が出なかったならば、一万一千五百二十キロまでつくるという前提で進んでいくはずだったんです。
 しかし、現在、道路公団民営化は実現した。九千三百四十二キロまでストップしている。一万一千五百二十キロというのはつくらない。それは、どうしても地域が税金を投入する、国でも、どうしても必要ということで税金を投入しようという議論がみんな出てくればまた別の話ですけれども、そうじゃない。これは、計画ということについてもう前提としないということになっているんです。黙っていれば一万一千五百二十キロまでこの道路公団でつくっていく、みんな当然視していた、それをストップした、これがいかに大きいか。無駄な部分をつくるということが避けられた。
 さらに、整備計画区間九千三百四十二キロの中でも、全部つくるんじゃありませんよ、凍結区間が出た。凍結区間の中でも、民主党の議員でもつくってくれと要望が来ているじゃないですか、現在でも。そうですよ。しかし、それはできない。かなりの部分においては、この九千三百四十二キロも凍結しております。
 なおかつ、道路公団のときには一度も料金を値下げしたことがなかった。民営化して初めて料金を値下げすることができたんです。
 第一、地域……(岡田委員「もういいです」と呼ぶ)もういいの。
○岡田委員 私は無駄な高速道路の話をしているんであって、料金値下げの話とかコストが下がったとか、そんなことを聞いているわけではありません。
 今総理がおっしゃったことで、まず第一点、確認しますよ。整備計画以外の一万一千五百二十キロの計画、これは、では、もうつくらないわけですね。例えば私の地元の三重県知事なども、第二国土軸構想などという構想を持っていまだに走り回っていますよ。私は、早くやめろ、こう言うんですけれども、これは一万一千五百二十キロよりさらに先の話なんですよ。だから、そういう従来のいろいろな計画、これは、九千三百四十二キロの整備計画以外はすべて白紙、そういうことで確認させていただいてよろしいですね。
○小泉内閣総理大臣 白紙であります。大きいでしょう。こういうのは道路公団民営化をやったから言えることなんですよ。
○岡田委員 その上で、この九千三百四十二キロ、総理は凍結したものもあるとおっしゃいました。わずか三十五キロでしょう。九千三百四十二分の三十五ですよ。ほとんどやっていないに等しいです。ほとんどやっていないに等しい。
 総理は、九千三百四十二キロの、まあ、三十五キロを除いてもいいでしょう、そこの部分については、これは必要な道路だ、こういうふうに言われたと思いますが、しかし、そもそも、道路公団民営化の議論のスタートはそうではなかったんじゃないですか。九千三百四十二そのものに、将来の採算がとれない、その可能性の高い道路がたくさんある、だからこれを全面的に見直すということでスタートしながら、結果的には三十五キロしか凍結されなかった、こういうことじゃないんですか。いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 物は言い方で、言っていることを聞くと、いかにも何もやっていないという、とんでもないこと。
 まず、一万一千五百二十キロ、これはもう白紙でしょう。なおかつ、九千三百四十二キロメートルの整備計画については、抜本的見直し区間となっていた五区間百四十三キロメートルのうち、新直轄区間のおおむね三分の二に当たる六十八キロは今回着工しないんです。第二名神の二区間三十五キロメートルは、必要性を再確認するまで事実上凍結するんです。この凍結するという第二名神についても、地元の知事や財界のみならず、地元の民主党関係者からも、早期整備してくれと要望されているんだよ。民主党はどうなっているのかと聞きたいですよ。
○岡田委員 総理、高速道路というのは地元負担がないんですよ。少なくとも旧道路公団のやる部分については、これは地元負担がないんです。だから、知事も、あるいは地元も、ぜひつくってくれと言う。私の地元でもそうですよ。土地を高い値段で買ってくれるんですから、地域住民は早くやってくれ、早くやってくれ。だけれども、本当にそれでいいんですかということを私は申し上げているんですよ。地元が求めるからつくると言うなら、それなら全部つくればいいじゃないですか。
 国の財政を考えたときに、本当にそれが必要かどうかという判断を総理はきちんとしたかということを私は聞いているわけです。地元が求めているかどうかということを聞いていないんですよ。いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 きちっとしたから、予定区間は白紙である、全部見直すと言っているんじゃないですか。しかも、整備計画についても、五区間百四十三キロメートルのうち、三分の二に当たる六十八キロは着工しないと言っているんじゃないですか。そういう中において、民主党の議員までもつくってくれ、つくってくれと陳情に来ているんです。岡田さんも民主党だけれども、民主党はどうなっているんですか。
 だから、民営化した場合は、民営化の会社が、採算性をとれるか、地域の人が必要となったら地域の人が負担してくれるのか、そういうことを考えながら、真に必要な道路はつくらなきゃならない。必要な道路は税金をかけてもつくらなきゃならないという地域はあると思いますよ。それは、民間会社ができないんだったらば、地域が税負担をどのぐらいするのか、国が税負担をどのぐらいしなきゃならないか、それが本当に必要かということをよく考える必要があるんです。(発言する者あり)わかりやすいでしょう。
○岡田委員 総理、もう一回言っておきますけれども、九千三百四十二キロの中でわずか百キロですよ。百キロなんですよ。それで胸を張って言えることじゃないと思いますよ。何のために道路公団民営化、あれだけ二大改革の一つとして議論を始めたんですよ。その結果がわずか百キロだということ。総理自身が、いや、そのほかは必要だというふうにお認めになるなら仕方ないでしょう。
 だけれども、本当に、将来赤字路線がどんどんふえていって、それは、将来借金を実際返し終えるかどうか、そんなことがはっきりわかるのは随分先の話ですよ。それが次の世代に負担を残すことにならないのかということを私は申し上げているわけであります。
 ではもう一点、郵政改革についてもお聞きします。
 私は、もちろん、例えば十年後、郵貯銀行について一〇〇%株式を民営化する、そのことについて本当に成り立つのかどうか、大きな疑念を持っています。しかし、これは法律が成立したわけですから、これから厳しく監視をしていきたいと思います。
 その上で私が申し上げたいことは、持ち株会社です。持ち株会社は三分の一以上の株を国が持つ。逆に言うと、三分の二近くまでは民間にという将来構想が描かれています。そして、その持ち株会社のもとに一〇〇%子会社、つまり、現時点では一〇〇%国営会社の一〇〇%子会社ですから、完全な国営会社、郵便局会社があります。その国営会社がこれからいろいろなことをやっていく。既に公社の段階でも、国際物流に乗り出したり、あるいはコンビニと提携したり、いろいろなことを始めています。
 選挙のときも皆さんいろいろ言っていました。例えば、東京の駅前の今の郵便局の跡の再開発とか、あるいは不動産のリフォームの仲介をやるとか、そういった本来民間がやるべきことをもし一〇〇%国営会社がやったとしたら、私は、これは大きな無駄遣いにつながると思う。
 したがって、総理にお聞きしたいのは、この持ち株会社の株式をどういうスケジュールで民間に売っていくのか、そのことを具体的に示していただきたい。総理のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○竹中国務大臣 持ち株会社についてのお尋ねでございますけれども、委員は今、国営会社というふうに言われましたけれども、これは民営化された民間の会社でございます。いわゆる特殊会社ということになりますが、株式は三分の一以上持っていなければいけない。これは、郵便等々ユニバーサルサービスの義務がありますから、その義務をやはり果たしていただくという、公共性を担っていただく民間会社ということで、これはまさにNTTがそうでありますので、NTTは国営会社ではないというふうに皆さん思っておられると思います。その意味で、この持ち株会社は、国営会社ではなくて、民間の会社でございます。
 その上で、直接のお尋ねは、この会社がどのように株を売っていくかということでございますけれども、これは、NTTの場合もそしてJRの場合もそうでありましたけれども、しっかりとした事業計画をこれから立てていただいて、その中で、しっかりとした経営の戦略を練る中で判断していただく問題だと思います。
 そのための承継計画、具体的に、今郵政民営化の会社というのはもうできております。そこで西川社長が就任しておられて、それをどのように今後四つの会社に事業を割り振って、資産を割り振ってビジネスモデルを立てていくかということの承継計画をつくりなさいという命令を今政府としては出していて、それが出てくるのを待っているところでございますので、その中でいろいろなことがまさに民間の知恵で議論をされていくというふうに思っております。
○岡田委員 私が国営会社と言ったのは、現時点で一〇〇%国の会社という意味で国営会社だというふうに申し上げたんです。例えばNTTやあるいはJR、それは、将来は株式を公開するという絵がかけていましたよ、スタート時から。しかし、この持ち株会社については、例えば十年後であれば、郵貯、簡保はもう一〇〇%民間になっているんですよ。そして、郵便局については一〇〇%子会社として残る。
 この持ち株会社が民間の資本を入れて成り立つかどうか、そのことに大きな疑念があるからこそ、そして、一方で非常に意欲的な事業計画を言っておられるからこそ、きちんと、どういうタイミングで民間資本を入れていくか、そのことを明示願いたいということを私は申し上げたわけです。
 総理は覚えておられるかどうかわかりませんが、選挙のときに総理は、これも十年後に民営化するんだと言いましたよ。でも、そんなことは法律のどこにも書いていないんです。持ち株の比率を少なくとも十年後には三分の一、そこまで落としていく、そのことをきちっとお約束いただけませんか。
○竹中国務大臣 この持ち株会社がどのように成り立っていくのかどうか、これは、郵政全体について既に国会審議のときに骨格経営試算という一つのめどを示させていただいております。そして、四会社全体がしっかりと成り立つ、その上で経営努力をしてもらいたいということを何度も私自身御答弁させていただいております。
 その骨格経営試算を超えて、では、もっと具体的なビジネスプランをどう立てるのかというのが承継計画でありますので、その承継計画の中には、当然のことながら、この十年間でどのような売り上げになって利益になっていくかという詳細が示されてまいります。その中で示していくわけです。
 これをしっかりと私たちとしては提出させたいと思いますし、もう一つ、一〇〇%政府が持って、それでいろいろなビジネスに進出していくというふうにおっしゃいましたけれども、そういった場合との民間のバランスを図るために郵政民営化委員会というのを別の組織としてつくって、そこでしっかりとイコールフッティングを議論してもらうという仕組みをつくっております。
 また、法律の中には、この会社が、移行期間、同業他社に、確かに政府の資産を引き継いでつくる会社でありますから、そのほかのイコールフッティングを害してはいけないという観点から、いわゆる配慮義務、同業他社に対して配慮をするという配慮義務も課している。そういう慎重な制度設計をした上で、今申し上げたように、その承継計画の提出をこの間命じたところでございます。
○岡田委員 今、郵政民営化委員会の話をされましたが、しかし、届け出すればできるわけですね、基本的には。私が聞いていることは、どういうタイミングで、例えば十年後に一〇〇%は少なくともないですね、持ち株会社が。十年後に一〇〇%国が株を持ち続けるということはない、少なくともそのことはお約束いただけますね。総理、どうですか。総理、総理。
○竹中国務大臣 民間の経営にするということが民営化でございます。その意味で、一〇〇%その時点で政府が株を持っているということは、私たちは想定をしておりません。もちろん、詳細につきましては承継計画の中で明らかにされていくというふうに考えております。
○岡田委員 今総理が全く答弁されなかったこと一つをもっても、この郵政民営化について総理が責任を持ってやっていくという形になっていない、あるいは中身を御存じないということを今このことで示されたじゃありませんか。
 そして、さっきの道路公団、郵政民営化、いずれも先ほど来民営化という言葉が躍っていますが、私は、いつの間にか民営化という言葉の意味が変わったと思うんですね。つまり、民営化というのは、民間の資本を入れることで、そのことによって、上場すれば株主のチェックも入ります、そして、民間の資本を入れることで、つぶれれば責任をとらなきゃいけません、だれも、最後国が面倒を見てくれません、そういうのが本来の民営化。しかし、いつの間にか民有民営という言葉などが出てきて、持つことと経営することを分けて、そして、経営者が民間人であるとか、あるいは別の法律をつくればそれだけで民営化である、こういう言葉の言いかえが行われていると思うんです。
 今までの特殊法人でも株式会社というのはたくさんありますよ。私は、下手をすれば、この道路公団の民営化、これも一〇〇%国でしょう、そして、この持ち株会社もその可能性がある。そうだとすると、それは従来の意味での民営化ではない。民有民営と言っていますが、経営者は民間かもしれないけれども、しかし、資本は一〇〇%国という可能性が残るし、道路公団などは一〇〇%ですから、これは従来の意味の民営化ではないということを私は考えていますが、いかがですか、総理。
○小泉内閣総理大臣 私はそうは思っておりません。先ほども、道路公団のお話をしたら、もういいよと遮られてしまいましたけれども、もっと詳しく述べてもいいんだったら述べますけれども、民営化したからこそ採算性というものも考えてきた。コストの削減も、今までの道路公団の場合だったらば二十兆円かかるというところを十兆円でできることになってきた。
 具体的な一つの例をとってみても、あの高速道路の非常電話、これ、民営化しない、道路公団に任せてやっていたら、我々は知らなかったんですけれども、道路の一つの非常電話が一台大体二百五十万かかる。民営化議論になってきたら初めて、何であの非常電話が二百五十万もかかるのかといってよく調査してみた。今まで二万台以上、道路公団は高速道路のところにあの非常電話をつけていた。二百五十万もかかるわけないだろう、二百万ぐらいでできるんじゃないか、あるいは百万ぐらいでできるんじゃないかといったら、何と四十万円でできる。これはやはり、民営化をやろうという議論が出てきたから、コスト削減という民間の手法が出てきたんです。これはほんの一例なんですよ。
 だから、全体で二十兆円かかるところを十兆円でできる、同じ道路でも本当に三車線も必要なのか、二車線でいいんじゃないか、六車線でいいのか四車線でいいのか、そういう厳しい査定を、調査をしながら、必要なところだったらば、コストを安くして、料金を安くして、どうしても必要だったらつくる、こういうのは、民営化の議論が出て、民営化になったから初めて明るみに出てきたんじゃないですか。
○岡田委員 総理、総理は非常に恥ずかしいことをおっしゃっているんですよ。つまり、民営化したからやったんじゃないんですよ。公団のままでもやったんですよ。今の非常電話はどうですか、二百五十万、それが四十万になったと総理は誇られるけれども、今まで二百五十万の非常電話を放置してきた政府こそが恥ずかしいんじゃないですか。
 こんなことは、政府の責任ある特殊法人、公団がそういうことをやってきたことを放置してきたことが問題。官製談合も同じですよ。そういったことを放置してきたことの責任を本来問われなきゃいけない。現にこれは、民営化会社ができる前にやったじゃないですか。
 私は、こういった総理の民営化というのは、経営者に民間人を入れるけれども、あるいは株式会社にはするけれども、しかし、本当の意味での民営化にはなっていないということをまず申し上げておかなければいけないと思います。
 それでは次に、地方分権の話を申し上げたいと思います。
 この地方分権も、本当に私は無残な結果になったと思いますよ。結局あの三兆円の税源移譲、これは、私、それなりに評価しているんです。しかし、具体的な地方への仕事、本来、裁量権を地方に与えることが分権の目的だったはずです。しかし、ほとんどは補助率を変えただけじゃないですか。
 この前、鳥取県の片山知事もこの場に参考人として来られました。そして、地方として裁量の余地のない、したがって、努力によって効率化する可能性のない補助金の負担割合変更では、やらない方がましだった、現職の知事がそう述べられているわけですよ。
 こういった補助率を変えることだけに終わったことについて、総理は、反省の弁ありますか。
○小泉内閣総理大臣 それは、片山知事の発言をとらえて言っていますが、四十七都道府県の知事の中でも賛否両論あった問題なんです。そこで、知事会がまとめてきて、最終的なこの結論については、知事会の代表の方々、市長会の代表の方々等は評価をしてくれている、よくここまでやってくれたと感謝の言葉まで私はいただいております。
 どういう形でまとめるか、都道府県でも大変だったんですよ、苦労が。しかし、そういう賛否両論の中をまとめていく。政党でもそうです、すべての人が賛成するということは余りないんです。それは自民党も民主党も同じでしょう。賛否両論、結論が出るまではかんかんがくがくの議論が行われます。そして、結論が出れば、大体これでお互い納得しようと。納得した中でも、中にはまだぶつぶつ言う人がいるのは、それはいますよ。しかしながら、全体の評価としては、これはよくここまでやってくれたという評価が全体の意見であると私は受けとめております。
○岡田委員 総理、知事会がまとめてきたとおっしゃいましたね。確かにまとめたんですよ。総理が知事会に、あるいは地方六団体にお願いしましたから、けんけんがくがくしてまとめた。そのまとめたものとでき上がった姿は似ても似つかないじゃないですか。六団体がまとめてきたもの、知事会がまとめてきたものを各省庁にもう一回投げて、そして各大臣あるいは族議員、官僚、みんなが寄ってたかって当初の案をめためたにしたじゃないですか。
 では総理、最初の質問に戻って聞きますが、例えば児童手当制度、これは補助率を変更しました。三分の二を三分の一にした。あるいは、児童扶養手当は四分の三を三分の一にした。地方の負担が従来の千五百八十億円から四千五百二十億円にふえました。
 では、地方の裁量の余地は、この児童手当制度について、どこにどうふえたんですか、具体的に述べてください。
○川崎国務大臣 生活保護と児童手当また扶養手当の問題について、ずっと知事会、市長会と議論をしてまいりました。生活保護については、もう委員御承知のとおり、国々によって違います。(岡田委員「児童手当」と呼ぶ)生活保護の議論をしているんです、生活保護の議論がありました。そして、その議論の中で、国の分権のあり方によって違いますねという議論の中で、私どもは生活保護で議論しましたけれども、結論として、児童手当、児童扶養手当でやりたいというお話もございました。最終的には話し合いで決着した、このように思っております。
○岡田委員 私の質問に答えていただきたいんです。確かに、地方は生活保護は裁量の余地がない。それだけではなくて、将来、どんどん全体の規模も膨れ上がっていく。そういう中で、これは絶対に堪忍してくれということだと思いますよ。
 私が聞いたのは、最終的に決着した、厚生労働省も政府も合意をした児童手当について、地方にどこに裁量の余地がふえたんですかということを聞いているわけです。
○川崎国務大臣 生活保護と並んで議論している中で、特に就職支援という議論になりました。生活保護においては、就職支援というのは高齢者が多いからなかなか成り立たないというのが知事会等の御意見でございました。そうなりますと、子を持つ親、母親でございます、若い母親への就職支援というのは成り立ちますねという議論が実は進みました。その議論の中で、一方で、扶養手当と児童手当と率が違うのもおかしいねという議論もございました。そういう議論を積み重ねた中で、最終的には、就職支援の問題も含めて同じ率で合わせようということで結論を得た、このように考えております。
○岡田委員 私は、今児童手当に限って話をしているんです。
 三分の二が三分の一になりました。それでは、地方の裁量で児童手当の額は変えられるんですか。児童手当の所得制限がありますが、その所得制限の額も変えられるんですか。何も変えられないじゃないですか。ただ単に国の決めた制度の中でお金を出すだけじゃないですか。そういったものについて何が地方分権なんですか。裁量の余地が全くない、これは地方分権とは言えないということを言っているわけです。
○川崎国務大臣 いえいえ、ですから、全体の議論の中で生活保護の議論から始まった、生活保護を長々と話をするのは嫌ですから切りました、さっき私が。だけれども、長々と話していいですか。
 生活保護といったって、フランスのように中央集権の国は全額国が持ちます。ドイツのように分権が進んだ国は基本的には州が持つのが基本でございます。その中で、生活保護の議論の中で今岡田委員のような御主張がございましたから、生活保護全体としてとらえないで、例えば、地方でできる、住宅のあっせん、就職の支援、入院、これは入院から介護へ、こういういろいろな議論がありますねという中で議論をずっとやってまいりまして、しかし、生活保護については、地方は、国ができるだけ責任を持つべきだという強い御主張をされました。
 最後のまとめとして、その中で児童扶養手当の問題が出てきて、児童扶養手当につきましては就職支援という側面が多いですね、地方の努力の結果が出る部分ですねという議論と、片っ方で、それでは、四分の三という支援をしている負担と、片っ方の児童手当の三分の二ですか、という手当の負担と、その比較はどうですか、合わせるべきじゃないですか、こういう議論がありましたので、全体の整理としてやらせていただいたということでございます。
○岡田委員 私は何度も聞いているんです、地方の裁量の余地がどこがふえましたかと。経緯のいろいろなことを私はお聞きしているつもりはありません。
 結局、ここに象徴されるように、総理、総理の地方分権というのは、最初は、地方にできることは地方に任せる。いいですよ、それは。そのことはよし。しかし、地方に任せていないということなんですよ。全部国が仕切って、お金の負担だけふやした、そういう部分がかなりあるのが今回の分権なんですよ。ほとんど意味がないんですよ、中身がないんですよ。
 こんなことを幾ら繰り返していても、本来、地方の責任でやらす、裁量を持たせて地方の責任でやる、そういう中からより効果的な政策が出てくるし、無駄もなくなっていく、最終的には効率的な行政になる。そういう中で分権の議論をしているにもかかわらず、そういった意味では全く当初の政策目標を達成していないということを私は申し上げているわけですが、総理、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 それは、地方の団体と、今まで国のやってきた部分の中央の役所との交渉があります。中身がない、中身がなかったら評価しませんよ。中身があるから評価してくれているのであって、すべてが地方でやるということの考えじゃないんです。国の役割、地方の役割それぞれあるんですから、生活保護については地方の言い分を聞いて、地方がその権限は国がやってくれと言うからそれは残している。しかし、そのほかの部分で、税源移譲にしても地方が評価している部分もあるんですから、バランスを持って見ていただきたいと思います。
○岡田委員 結局、これは片山さんも言っておられましたが、各省庁が自分の権限を温存したい、逆に言うと、うまみのある補助金は守り切って、そして、単にお金の負担が減る、つまり、みずからの権限には影響のない補助金を渡したというのが現実ですよ。そのことは、総理、率直に認めていただきたいと思うんです。
 これからも分権を続けるんでしょう。こんな意味のないことをやっていても何の意味もないし、地方も中央省庁もお互いエネルギーをロスしているだけですよ。そして、その中で見事に欠けていたのは、私は、今回の分権騒動、本当に私も霞が関にかつて身を置いた者として残念でならなかった。省あって国なしじゃないですか。みんな自分の省庁のことで走り回っている。
 そして、その中で最も問題だったのはリーダーシップの欠如。大臣のリーダーシップもありますが、総理自身のリーダーシップの欠如ですよ。六団体に一たんまとめろと言って投げながら、その案がぼろぼろになっても、総理は全くそのことに関与しなかった。それが今回の分権であります。これからも分権の議論続くんだと思います。きちんと本当の意味での分権をしっかり進めていただきたい、そのことをお願いしておきたいと思います。
 次に、格差論について少し議論したいと思います。
 まず、総理は、所得格差について、統計データからは所得格差の拡大は確認されないとかつて答弁されています。本当にそうなんでしょうか。
 確かに、内閣府の説明によると、所得再分配調査、これは厚労省の調査ですが、これは二〇〇一年。その二〇〇一年まで見れば多少格差の拡大は見えますが、決定的とは言えないかもしれない。そして、学者の一部が言うように、それは高齢化とかあるいは世帯の増加によって説明できるかもしれない。
 しかし、一方でもっと新しい数字もたくさんあるんですよ。例えば二〇〇五年までの数字として、貯蓄ゼロ世帯、過去最大の二四%。そして、二〇〇一年から二〇〇五年までの間に、正規労働者が三百万人減って非正規労働者が二百万人ふえた、こういったことも私は格差の存在を立証する統計だと思います。
 そういう意味で、総理がかつておっしゃった、所得の格差の拡大は統計データから確認されない、この言葉を取り消していただきたいんですが、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 私が言っているんじゃないんです。専門家の中で、格差があるあると言われているからどうかということで、政府の月例経済報告会で、専門家の方々が、今までの数字をもとに、統計をもとに調査してくれたんです。その報告によると、言われているほどの格差はないという報告を受けたということを私は委員会でも申し上げているんです。
 そして、これが二〇〇一年までの資料じゃないか。二〇〇一年か二年までの資料だった。それ以降の最近の資料はないということですから、できるだけ早く最近の資料も集めて報告をしていただきたいと。最近の資料を集めるにも調査するにも時間がかかるということであります。
 いずれにしても、言われているほどの格差はないという報告を受けておりますが、世の中、どの時代におきましても、どの国においても格差はあると思います。格差があるということは必ずしも悪いことではない。
 要は、どうしても一人では立ち行けないような人たちに対して、どのようにお互い支え合うような体制を整備するか、あるいは、公的な機関として、国として、地方自治体として、どうしてもみずからの力で立ち行かない人たちに対して、社会保障なり立ち行けるような支援の手だてをどのように講ずべきか、これは極めて重要な政治の課題であるということを申し上げたので、格差がない社会なんというのはあり得ないし、また、完全な格差社会でどんどん格差を広げていけばいい、こういうふうに思っている人も恐らくいないでしょう。
 それぞれ、企業においても格差がある、個人においても持てる力の違いがある、個性もある。そういう格差というものを認め合いながら、それぞれの力が発揮できるような社会をつくっていくことが望ましいということを私は申し上げているのであって、格差がある、なしというようなことだけがいい、悪いという問題ではないと私は思っているのであります。
○岡田委員 総理、総理はたびたび議論をすりかえられるんですが、きょうは最後の議論かもしれませんから、きちんとした議論をしたいと思うんです。
 私は、格差がある、ないの議論を今しているんじゃないんです。これはまた後からやりますよ。格差が拡大しているかどうかの議論をしているんですよ。そしてそのことは、確かに二〇〇一年までの所得再分配調査では、あったとしても違う理由だと先ほど私申し上げました、具体的に。しかし、それ以外の統計もあるじゃないかと。貯蓄ゼロ世帯、二〇〇五年、最高ですよ。
 こういうことも総理は御存じだと思いますが、例えば、経営上の理由で仕事をやめた人は、バブル後、八百万人、端的に言えばリストラ。八百万人の人が職を離れました。しかし、その中でも、特に平成十三年度以降平成十六年度までの間で三百万人なんですね。つまり、最近に至って、リストラによって職を離れた人が平成十三年度以降ふえているんです。
 あるいは給与総額で見ても、企業の支払う人件費総額、ピーク時の平成十年二百二十三兆円、それが平成十六年には二百二兆円ですから、平成十年から十六年にかけて二十兆円減っているんですよ。
 つまり、小泉総理の総理御就任の時期と大体重なって給与総額も減っているし、そして、経営上の理由で職を離れた人も非常にその間集中的にふえているんですよ。それでも総理は格差拡大はないとおっしゃるんでしょうか。いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、私は、どの程度格差が広がっているか、私自身は断定できないから、専門家の皆さんに、どの程度の日本は格差なのかという報告を受けたと申し上げているんです。そして、格差があるというのは必ずしも悪いことではないと。(岡田委員「拡大の話」と呼ぶ)
 拡大の話においても、どうしてもできない、自分で立ち行かない人に対するセーフティーネットが整備されていれば、どんどん能力のある人はみずからの能力なり経営手腕なりを発揮して伸びていくのは私は構わないと思っております。成功者の足を引っ張って言うのはよくない。
 ですから、最低限のセーフティーネットが整備されていれば、みずからの能力をどんどん発揮できるような人をどんどん出すということは、仮に格差が広がっても、私は悪いことではないと思っているんです。余り成功者をねたんだり、能力のある者の足を引っ張る風潮というのは好ましくない、そういうことを言っているんです。
 しかし、どうしても自分でやっていけないという方に対してはセーフティーネットをどう整備するか、これは政治で極めて重要なことだと思っております。
○岡田委員 総理、私は、小泉構造改革がこの格差拡大をつくり出したすべての原因だとは言っていないんですよ。
 私が申し上げていることは、総理、先ほど言いましたよね、平成十三年以降で三百万人の方がリストラで職を離れている、そして、給与、人件費総額が平成十年から二十兆円減っている。こういう人たち、職を離れなきゃいけなかった人たち、あるいは給与が下がった人たち、もちろん一人一人生活がありますよ、家庭もありますよ。この中には、例えば、私の周りでもよく聞きますよ、私立高校とか私立大学に入ったけれども、親の都合でそれを途中でやめなきゃいけない、あるいは学校をかわらなきゃいけない、進学を断念しなきゃいけない、そんな人はたくさんいますよ。そういったことについて、きちんとわかった上で政治をやっていくのかどうかという問題なんですよ。そこを総理は、格差は認められないと一言で切って捨てるから私は問題だと言っているんです。
 もちろん、今のこの格差の拡大、いろいろな理由があります。一番大きな理由は、私はやはりグローバル化だと思う。世界的な現象ですよ。私は、そのことはある意味ではとめようのない部分、日本としてそれを受け入れていかなきゃいけない部分もあると思う。しかし、そのことが、先ほど言ったような現実があるということをきちんとわかって政治をやっていくのか、そういうものから目を閉ざして、そして格差拡大は認められないと開き直ってやっていくのか、そのことが政治家の姿勢として問われていると思うんです。総理、いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 何回も申し上げていることでありますが、格差は、どの時代にもどの国にも、どの企業にもどの個人にもあると思うんです。そういう中で、できるだけ多くの人が、仮に一度や二度チャンスを見逃したり、あるいは挑戦しても挫折したり失敗したりしても、また立ち上がれるなという機会をできるだけ多くつくるのが大事だ。そして、一たびできた格差というものがずっと生涯固定するのはよくない。あるときは敗れても、またあるときは勝ったり成功したりする場合があるでしょう。成功した人が安住すると、また失敗することもあるでしょう。一度や二度の失敗でくじけないで、それを一つの糧として、経験として次への挑戦に、成功への糧に生かしていただきたい。
 そういういろいろさまざまな機会を提供する社会にしたい。そして、やる気を持って努力すれば何とかなるんだというような社会にしていきたいというのが、今の改革の一つの方向性を持って進む必要があると私は言っているのであって、現に、私が就任以来、失業者が多かった、このまま不良債権処理を進めると、どんどんどんどん失業者がふえると、よく批判されました。
 しかし、現実には、この四、五年進んできて、失業率も五・五から、最近はたしか四・五かな、四・四か四・五に減ってきた。そして、なかなか企業が採用してくれない、有効求人倍率も一にはなかなか届かなかった。〇・六、七だったかな、それが最近では一になった。中には、東京だけじゃない、愛知県でも群馬県でも一・一倍を超えた。そういう中で、仕事を持つ人もふえてきているし、なおかつ、最近では新規の採用をし出す企業もふえてきた。どんどん就業者数もふえてきている。チャンスを提供して、やればできるという意欲を持っている人も出てきているんです。
 しかし一方、ニートとか呼ばれる人たち、仕事につかなくてもいいやという人たちがふえてきているのは、これは将来を考えるといいことではない。こういう方々に対して、仕事の持つ重要性、こういうことについて、より教育なり訓練なり就業機会の提供を与えていく方策を政治として考えなきゃならないということで、今その方に力を入れているわけであります。
 でありますから、それを、格差があって当たり前、小泉がそう言っていると、私が言っていないことまでワンフレーズで取り上げられて、勝手に、何もやっていない何もやっていないと批判されるのは、私は心外であります。
○岡田委員 ワンフレーズは総理です。私は、ちゃんと先ほど、統計データから所得格差の拡大は確認されないと総理は言っていると言いました。
 そして、私、今総理の話を聞いていて、やはり時代認識といいますか状況認識が非常に甘いと思うんですね。つまり、今どういう事態になっているか、グローバル化というもののその影響をどう見るかという話ですよ。これだけ市場が世界じゅう一体化していけば、それは仕事の中身によっては、近隣のアジアの国々が低い人件費で物をつくっている、そことの競争ですから、必然的に格差拡大の方向に行くんですよ。そのことを私一〇〇%だめだと言っているんじゃありません。日本としてグローバル化は避け得ない、しかし、その中で政治がどういう役割を果たしていくべきか、それが、チャンスをつくればいい、そういう話ではないと私は思うんです。大きな市場が一つになっていく中で、政治が所得の格差の拡大についてどう向かっていくのかということをきちんと議論すべきだ、具体策はまた後で申し上げます。そのことを私は申し上げているわけであります。
 そして、総理は今、機会の問題、機会をふやしていく、それはそのとおりでしょう。しかし、チャンスがあってもそれを生かし切れない人はいます。努力しても報われない人もいます。そのこともきちんとわかった上で、努力したけれども残念ながら報われなかった、チャンスを生かせなかった、そういう人たちに対してもしっかり光を当てていくのが政治の役割じゃないですか。チャンスをつくるだけでいいんですか。私は違うと思いますよ。
 総理、そこのところについて、総理はチャンスさえつくればいいとお考えなのか、それとも、大体、総理、私、人生というのは、努力もあるけれども運も大きいと思うんですよ。運というのは生まれつきの才能ということもありますよ。ですから、そういう中でしっかりと、単にチャンスをつくるだけじゃなくて、その結果、努力はしたけれどもうまくいかなかった人に対して、しっかり政策、政治の光を当てていくということが私は大事だと思いますが、総理の御見解を問いたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 何回も申し上げていますように、どうしても自分一人では立ち向かうことができない人に対しては、しっかりとしたセーフティーネットなり社会保障制度、これを整備していくということは政治として極めて重要なことだということを何回も申し上げているんです。その上で、チャンスのある人、やればできる人、努力すれば報われる人、こういう人に対しては立ち上がれるようなチャンスを提供していこうと。
 もちろん能力だけじゃありません。どんなに能力があったって運が悪い人はいます。努力すればそれだけ努力しない人よりも恵まれるかというと、必ずしもそうでないのが世の中であります。選挙運動を一生懸命やっても当選できない人がいる。余り選挙運動をやらなくたって当選できる人がいる。それは、野球一つ見たって、あれだけ才能のある選手が集まっているプロ野球でも、能力があると思われていながら、どんなに練習しても努力しても、血のにじむような訓練、練習をしても三割を打てない選手もいる。しかしながら、天性、それほど必死に練習しなくてもホームランを打ったり三割打てるバッターもいるんです。
 だから、これはもう能力の違い、才能の違い、運のいい、悪い、人生ですからありますよ。そういう中で、できるだけ、やればできる、やりたいという人に対してはチャンスを提供しよう。たった一例でありますけれども、今まで、一千万円の資金がなかったら株式会社を立ち上げることができない。おれは会社をつくりたいんだというのにも、では、一円あれば株式会社ができるようにしようということができたら、どんどんやる人が出てきたんです。こういうチャンスを提供することが大事なんです。私はそういうことを言っているんであって、一人で立ち行けない人に対して何もしなくていいなんということは一言も言っていませんよ。
 セーフティーネットを整備すること、社会保障に対して持続可能なものにしていくこと……
○大島委員長 総理、そろそろ。
○小泉内閣総理大臣 そして、ニートに対してきめ細かい指導をしていくこと、そういうことも重ねて申し上げております。
○岡田委員 私は、どうしても立ち向かえない人に対して総理が何もしていないということを言っているんじゃないんですよ。チャンスがある、チャンスをつくる、それだけでいいんですか。チャンスがあってもそれを結果論として生かし切れない人はたくさんいますよ。それで本当にいいんですか。本当に同じ能力があっても、チャレンジしても失敗する人はたくさんいますよ。そこに対してしっかり光を当てるのが政治じゃないですかということを私は申し上げているわけであります。
 きょう、具体論を述べる時間は余りありませんでしたが、例えば、これは税制調査会長の石さんも言っていますけれども、株の取引に対しての一〇%の課税、本則二〇%に戻す時期がもう来ているんじゃないですか。あるいは所得税率や相続税率についても、私は単純に上げろと言うつもりはありませんが、工夫しながら、もう少し、行き過ぎたフラット化を直していく必要な時期に、そういう時期に来ているんじゃないですか、そういったことを私としては申し上げているわけであります。
 きょうは総理の演説の中で十分な質問ができなかったので、非常に残念ですが、真剣に考えていただきたい、そのことをお願いして、私の質問を終わります。
○大島委員長 これにて岡田君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 防衛施設庁の官製談合事件についてお聞きをしたいと思います。
 私は、二月七日の総括質疑で、天下りについて小泉総理にお聞きをいたしました。
 空調工事の談合事件では、東京地検に逮捕された元技術審議官ら三名が二月二十日に起訴をされました。この三名は、岩国飛行場、佐世保基地の工事契約についての談合容疑でも二月二十一日に再逮捕されております。
 法務省からいただいた被疑事実によりますと、これらの工事契約で談合が行われ、それぞれ、一般競争入札に関し、受注予定業者の営業担当者らと共謀の上、公正な価格を害する目的で、特定のジョイントベンチャーに落札させたと書いてあります。
 総理にお聞きしますけれども、今回の施設庁の官製談合事件、官に重大な責任があるというのは当然ですけれども、同時に、この官製談合というのは官だけではできないわけですから、官と共謀し不当な利得を得ていた民間企業、ゼネコンの側にも重大な責任があるというふうに思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 これは、大変遺憾な事件でありまして、官製談合防止法の法理的な問題については、今、与党内におきましても議論をしているところであります。
 民間におきましても、このような談合が起こらないような対策を講ずるべきだと思っておりますので、官民協力して、このような不祥事が起こらないように、今後も不断の、行為に対する見直しなり、どのような対応が必要かということは考えていかなきゃならないと思っております。
○佐々木(憲)委員 民の側の責任も大変重いという認識だと思うんです。
 防衛庁長官にお伺いしますが、空調工事の談合事件にかかわった企業に対してどのような措置をとりましたか。
○額賀国務大臣 委員の御質問にお答えいたします。
 去る二月二十日、防衛施設庁が発注した工事の入札に関連いたしまして、競売入札妨害として、東京地方検察庁に防衛施設技術協会理事長が起訴をされました。また、大気社、新菱冷熱工業、三機工業の社員が略式起訴をされたわけであります。
 これを受けまして、私どもといたしましては、事務次官から各機関に通達を出しまして、指名停止措置要領に基づきまして指名停止の措置を行いました。
 具体的に申し上げますと、防衛施設技術協会につきましては、逮捕された理事長の起訴の事実は防衛施設技術協会とは直接関係ありませんけれども、理事長が違法行為をしたということで、技術協会が今回の談合の当事者ではなかったけれども、六カ月間の指名停止をいたしました。また、大気社ほか二社につきましては、談合の当事者でもありますし、その前に、入札のときに誓約書を書かせました。談合はしていないという誓約書をとっておりましたので、これも指名関係の指導要領に基づきまして、指名の停止を十四カ月間にいたしましたところであります。
○佐々木(憲)委員 岩国の飛行場、佐世保基地、この工事契約についての談合容疑も極めて重大であります。談合が行われていた工事契約は、配付した資料の一枚目に五件あります。これらの工事で談合が行われていたとされているわけです。
 被疑事実に書かれているように、落札したジョイントベンチャーだけではなくて、そのジョイントベンチャーに落札させるようにはかったほかのジョイントベンチャーも含めて、共謀したということが認定されているわけです。
 資料二枚目を見ていただきたいと思います。
 二―一と番号を振ってありますけれども、これは入札・契約状況調書というものでありまして、防衛庁の資料ですが、例えば滑走路移設中央地区地盤改良工事、この入札状況を見ますと、非常に特異な状況が生まれておりまして、三十八億で第二回目入札、これで落札しているわけでありますが、この二番目以下を見ますと、三十八億六千万、三十八億七千万、三十八億八千万、きれいにこれは並んでいるわけであります。
 一位から六位まで、わずか二%の狭いすき間の中に六社が入っている、極めて異常な事態ですね。一位と二位の差は一・六%程度です。ほんのわずかな差で鹿島などのジョイントベンチャーに落ちるように共謀して、全体が仕組んでいた。これは、まことに異常な事態であります。
 そこで、防衛庁長官にお聞きしますけれども、このジョイントベンチャーの、この参加をした全体がやはり共犯関係にあるというふうに思いますが、どういう認識ですか。
○額賀国務大臣 これは、今委員が御指摘のように、その入札価格等々を見ておりますと、非常に近似をしているということがよくわかります。
 しかし、この件は今まさに捜査中でございますから、私として、個別具体的な問題についてコメントすることはいかがなものかと思っておりますけれども、そういう疑いがあるから、我々は、こういうことが起こることがないように、入札問題とか再就職等の問題について抜本的な改革をするために今努力をしているということでございます。
○佐々木(憲)委員 談合が明確になった場合、当然、この入札に参加して談合を行った企業は全体としては行政処分の対象になる、行政処分を行う、これは当然だと思いますが、いかがですか。
○額賀国務大臣 東京地検の捜査が進展をし、そしてこの事案が明らかになって起訴されるようなことの事態が起これば、我々は厳正な処分をしたいというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 今談合で問題になっているのは、十五年度分の入札に関する問題であります。
 資料を見ていただきたいんですが、次の二―二という資料ですけれども、これは、先ほど見た資料と比べていただきますと、同じ地盤改良工事ですけれども、十六年度分、全く前年の十五年と同じ、鹿島などのジョイントベンチャーが落札しているわけです。また、北地区の埋立工事の場合、東亜建設、本間組、岩国土建のジョイントベンチャーが、十五年度だけでなく十四年度も落札しております。それは資料の二―三、二―四にあります。北地区地盤改良工事の場合も、鉄建建設、大豊建設、太平工業のジョイントベンチャーが、十五年だけではありません、十六年度にも落札をしている。これは二―五、二―六にあります。ほとんど同じような姿になっているわけです。
 ですから、この十五年度工事で談合があったとなりますと、前後の十四年、十六年の工事でも談合が行われた疑いが極めて濃厚だと思うんですが、そのように認識して当然だと思いますが、いかがですか。
○額賀国務大臣 この問題については、先ほど申し上げましたように、まさに捜査中の焦点になっていることでございますから、私がコメントするということはいかがなものかと思っております。ただ、状況は、よくこれは見守っていき、我々としてもきちっと厳正な対処をしていかなければならないというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 中に検討会議あるいは調査委員会というのが設置されていますよね。今、これらの、十五年だけじゃなくて十四年度、十六年度の問題も極めて疑惑が深いわけです。したがって、調べるべきだと思いますが、いかがですか。
○額賀国務大臣 検討委員会、それから再発防止のための調査委員会につきましては、調査委員会においては、行政上、組織上、施設庁の中でどういう問題点があったのかということについて調査をしておりますので、当然、捜査の妨害にならない範囲できちっと整理をしていきたいというふうに思っております。その上に立って、こういうことが二度と起こることがないように、抜本的な再発防止策を講じるということでございます。
○佐々木(憲)委員 平成十七年度、これは今年度です。その工事契約をどうするかという問題であります。十七年度の岩国の埋立工事などについては、まだこれは入札が終わっておりません。入札は三月中に行われるというふうに聞いておりますけれども、一連の談合事件で共謀したとされるゼネコン、これは当然入札から排除するというのはあってしかるべきだと思いますが、どのように対処されますか。
○額賀国務大臣 おっしゃるように、十七年度の執行予算がまだ残っております。これから仕事をさせていく上で、これまでの疑惑の企業につきましては、しっかりと、国民の目から見て疑いがないように、公明正大に、きちっとした対応策をとっていきたいというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 私は、これだけ重大な、起訴が行われたり逮捕されたり、そして官製談合、官だけではなくて民、両方が結託して共謀し、そして国民の血税を自分の懐に入れている、こういうやり方は根本的に正していく必要がある。そのためには、まず、この三月の入札について、疑惑が持たれたゼネコンは当然排除するということをやるべきだと思います。今、国民の目から見て疑惑が持たれないようにというふうにおっしゃいましたから、私はそういうふうにされるものだというふうに思います。
 そこで、総理にお伺いしますが、問題は、この談合事件にかかわった企業が、国民政治協会を通じて自民党に献金をしているわけです。
 一番最後の表を見ていただきたいと思うんです。この施設庁の談合事件で落札した企業、これは落札した企業に限っておりますけれども、ここから、そこにありますような大きな金額が自民党に渡っているわけです。
 まあ簡単に言いますと、これは談合をやった年と同じ年ですから、談合で得た不当利益の一部が還流していると言われても仕方がないんです、この現実は、この実態は。
 そこで、総理にお聞きしますけれども、少なくとも、談合をして逮捕され、起訴される、そういう企業から献金を受け取ったとすれば、これはやはり返却するというぐらいの姿勢を示すべきだと思いますが、いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 自民党は現在、さまざまな企業から、自民党が政治に果たす役割は多い、自民党を応援したいということで、企業の中にも自民党に政治献金をしてくれる企業がかなりあります。
 しかしながら、自民党は現在、一定のルールに基づいて、特定の企業からの寄附を自粛しております。特定の企業とは、公的資金による資本注入を受けている銀行、二期連続で欠損、無配の企業、金融機関より債権放棄を受けた企業、会社更生法、民事再生法適用を申請している企業、こういう企業からは自粛しておりますが、今御指摘の企業について、問題が佐々木委員から指摘されておりますので、今後、個別の状況を慎重にチェックした上で検討してまいりたいと思っております。
○大島委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。
 次に、保坂展人君。
○保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。
 私も、小泉総理に格差の問題をお尋ねしたいと思います。
 先ほどのやりとりでもありましたけれども、総理は、我が党の福島みずほ議員に対して、貧困層を少なくするという対策とともに、成功者をねたむ風潮、能力のある者の足を引っ張る風潮ですか、厳に慎んでいかなければいけない、この社会の発展はない、できるだけ成功者に対するねたみとかそねみという感情を持たないで、成功者なり才能のある者を伸ばしていこう、そういう面も必要じゃないかと。先ほども同趣旨のことをおっしゃいました。
 私は、総理のおっしゃるその成功者という言葉の意味、これについてちょっと考えてみたい。例えば、若くして財をなして、社会的な評価や名声を得るということだと、例えばですよ、逮捕される前のホリエモンこと堀江前社長、彼は成功者だったんでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 人生は人によって短い人もいるし、長い人もいます。堀江氏はまだ若いですね、たしか三十代じゃないでしょうか。これはもっと長い目で見ないとわからないですね。一度や二度の失敗が後になってよかったなという思いも持つことができるような人生を歩まれることを私は期待しております。
 一度や二度の失敗にくじけず、失敗は成功のもとというか、失敗した、挫折した経験というのはいい人生の教訓になったな、そういう長い目で見る必要があるのではないかなと思っております。
○保坂(展)委員 もう一つ、成功者という言葉について、今度は総理自身どう考えていらっしゃるかということをお聞きします。
 総理は、政治家の家に生まれて、若くして代議士になられ、永田町で変人と呼ばれながらも、三度総裁選に挑んで、総理大臣に就任され、やがて政権も五年になる。総理自身は成功者と考えていますか。
○小泉内閣総理大臣 私は、今日あるのは、多くの方々に支えられてやってきて、運がいい人間だなと思っております。私の能力は大したことありませんけれども、多くの人々に、よき人々に恵まれたなと感謝の念でいっぱいであります。
 これからも、そういう支援してくれた方々の期待にこたえられるよう、精いっぱいやっていきたいと思います。
○保坂(展)委員 成功者という言葉、反対の言葉で言うと失敗者ということになりますけれども、世の中には、多分、成功者あるいは失敗者以外にも、成功していない人、あるいはその途上の人、どうやら失敗に向かっている人、さまざま、それこそ人生いろいろだと思います。ただ、国民の多くは、みずからのことを成功者であるというふうに思っている方は、恐らく少ないのではないかというふうに思うんですね。
 先ほどから格差社会の話が出ていました。例えば、総理に伺いたいんですが、機会の平等ということがあるんですね。
 例えば、子供の運動会、駆けっこで、用意ドンと、一定の時間で走ります。ある子供だけ、いわゆるスタートラインが随分前にあったから、その子供が早く着いちゃうわけですね、早く着いてしまう。後ろから一生懸命汗出して駆けっこしても、なかなか前からスタートする子供には追いつけないというときに、これはルールがおかしいんじゃないか、あるいは、その一位になる子供に対して不満を持つ。これはねたみ、そねみなんでしょうかね、あるいは正当な異議申し立てなんでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 世の中、駆けっこ競走だけじゃないということを考えるべきだと思うんですね。
 駆けっこの得意な子、水泳が得意な子、スキーが得意な子、歩くのが得意な子、そういうのが全然だめだけれども、文章を書くのが得意な人、絵をかくのが得意な人、いろいろおられると思うんですね。
 しかし、全然足の遅い人と、競技大会に出るような足の速い、能力のある選手と、それは最初からスタートについたってもう勝負にならない。そういうのには参加する必要はないんじゃないか。その人の持ち味がありますから。
 学校の成績、もう秀才で、小学生のころから中学生がやるような数学もどんどん解いちゃう子もいるけれども、それが優秀だからといって、頭がいいからといって、人生で恵まれるかどうかわからない。おれは学校の成績よくないよといった人が、政治家になって成功する人もいるし、もう東大出て、大蔵省入って、ばりばり活躍して、果たして政治家として成功するかどうかわからない人もいるし。
 頭がいい悪いという以上に、人生さまざまなチャンスがありますから、その持ち味を生かしてやれば、一度や二度は失敗したってくじける必要はない。失敗をこれからの人生に生かしていこう、そういう前向きの意欲を持つことが、今、失敗した人も、挫折した人も必要じゃないかなと。そういう人を、一度や二度誤ったから、過ちがあったからもうだめだと見ないで、これをいい教訓にしてまた頑張れという温かい、そういう環境をつくってあげるのも大事じゃないか。失敗しない人生というのは余りおもしろくないんです。
○保坂(展)委員 いろいろな方がいるということですね。
 先日、タクシードライバーの議論があったと思います。全産業労働者平均で、半額近い、年収三百万ぐらいですね、月収にすると二十五万ぐらいでしょうか。とにかく長時間タクシーに乗って、子供の学費もなかなか出せないという中で、ちょっとこの格差は開き過ぎじゃないか、もっと是正をしてほしい、こういう声があるわけですね。
 もちろん、そのチャンスを生かしていくというのは総理がおっしゃるとおりです。しかし、頑張っても頑張っても、なかなかそれは収入が、そういうシステムですから、上がっていかないということで、総理にはぜひ、その格差の中で、やはりそこで是正を求めている国民の声にも耳を傾けていただきたいと思うんですが、いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 それは、各企業においても、労働条件が悪いとよき人材が集められない、経営者が考えるべき問題だと思いますけれども、企業が発展するのも従業員の努力があって発展するわけでありますから、そういう待遇の面については十分考えて、多くの人が意欲を持って、また努力が報われるような収入を得ることによって各企業は発展していき、そして、多くの国民はその人たちが働くことによってさまざまな恩恵を受けるわけですから、そういう激しい競争社会においても、企業の経営者の皆さんにとってはよき人材が集まるように、また従業員が意欲を持って働くことができるような労働条件をぜひとも提供していただきたいと思っております。
○保坂(展)委員 ぜひそういう政策を進めていただきたいと思いますが、雇用とか労働の条件でかなり不利な立場にある人たちがここのところふえているわけですね。そういう人から見て、総理は総理の人生観で、チャンスがあって、一回や二回でくじけるなとおっしゃるのはわかります。
 しかし、ねたみやそねみという言葉を使われたんですけれども、他人の業績を見てうらやましく思ったり、時に憎んだり、そういうことですよね。うらやましく思う。そういう言葉というのは、どうでしょうかね、総理の言葉として、差別あるいは条件が悪い中で汗をかいて苦労している国民のもとに届いたときに誤解を生むんじゃないかというふうに思うんですね。いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 人間社会は、どの国でも、ねたみとかそねみとかやきもちとか嫉妬心というのはなくならないと思うんですね。それは、その人によって、ねたみの感情をうまくコントロールして、それを、よし、頑張ろう、おれも、あんな人が成功しているんだったらおれだってできるぞと、その嫉妬心をみずからの飛躍につなげる人もいる。なくそうといってもなくならないものが嫉妬心だそうです。だから、それをいかにコントロールして、人の足を引っ張るんじゃなくて、みずからを奮い立たせるような方向に向けていただきたいと思っております。
○保坂(展)委員 ということは、それは私が言いたかったことなんですが、要するに、成功した人や能力のある人に対して悔しく思ったり、何でうまくいっているんだ、おれもやらなきゃ、あるいは私もやらなきゃと思うことはいいことなわけですね。そういう意味では、ねたみとかそねみも人間の感情ですから、総理がそういう感情を持つなというようなことはおっしゃらないでいただきたいと思うんですよ。
○小泉内閣総理大臣 それは今申し上げたように、ねたみや嫉妬心というのは、持つなと言っても持つのが人間だと多くの書物を読んだり学者の意見を見ると感ずるわけですよ。私だって、能力のある人、ああ、うらやましいなとか、ああ、あいつ、随分女性にもてるなとやきもちを感じるようなことも間々ありましたよ。しかし、おれは違う方で努力しようということで、元気で今日までやってきましたけれどもね。
 ただ、全体の風潮が、成功者はけしからぬといって、余り成功し過ぎるとかいって、ねたみの気持ちを促進したり助長したり、あるいは、能力のある人、あいつけしからぬといって、あるオリンピックに出るような選手が相手のライバルをけがさせちゃう、そういう非常にマイナスの嫉妬心、能力の足を引っ張ろうというふうにやるというのは非常に嘆かわしいことでありますので、そういう風潮を助長するのはよくない。
 むしろ、成功した人、能力のある人、ああ、ああいう人を応援して、自分たちも頑張ろうというような風潮の方がいいんじゃないでしょうか。成功者の足を引っ張ったって、自分は豊かにならないんですから。どんな能力のある人の足を引っ張ったって、自分の能力が上がるわけじゃないんですから。そういう人たちが多くもうけてくれれば税収も上がるな、自分たちもそれは、いずれめぐりめぐってそういう恩恵を受けるな、能力のある人に頑張ってもらって、能力のない我々はそういう人たちの恩恵を受けようと……
○大島委員長 時間が来ております。
○小泉内閣総理大臣 だから応援しようという風潮になった方が、世の中、明るくて楽しいんじゃないでしょうかね。
○大島委員長 時間が来ております。
○保坂(展)委員 明るくて楽しい答弁だったと思いますが、世の中、うまくいっている人だけじゃない、つらくてピンチの、断崖絶壁の手前にいる人もいるということを考えて、ねたみ、そねみや、あるいは成功した側だけに視点を置かないで、今苦しい人たちにもしっかり目を当てて発言をしていただきたいという意味で今の質問をしました。
 終わります。
○大島委員長 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。
 次に、亀井久興君。
○亀井(久)委員 国民新党の亀井久興です。
 早速、質問に入りたいと思います。
 まず、ライブドアの問題に関してですけれども、先日来、国会が民主党の永田質問をめぐって大混乱をいたしました。大変そのことは残念だと思っております。しかし、メールが本物であったのか、本物ではなかったのかという、そうしたことにほとんど集中した議論になってしまって、物事の本質が私は隠されてしまっているように思えてなりません。メールが本物ではなかった、そのメールを取り上げて質問をしたという永田議員の軽率な発言というものは、私はあってはならないことだと思っておりますから、これはやはり、議会の権威を守るためにも、しっかり処理をしなくてはいけないと思っております。しかし、そのことによってライブドアの問題があいまいにされるということは私は全くおかしなことだと思っております。
 今、捜査が進んでおります。検察、そしてまた、もし起訴されれば当然司法の場でライブドア事件については解明されていくと思っておりますけれども、堀江氏を、自民党の基本政策と全く反する、皇室典範に、天皇制に反対だとか、あるいは公的年金の制度に反対だとか、自民党の政策と全く反することを公言している人を公認候補同様の応援をしたという、そのことに対して私はやはり大きな道義的責任、政治的な責任はあると思っております。
 先般の日経の記事で、政治家に関するアンケート、総理もお読みになったと思いますが、政治家を信頼していますかという問いに対して、余り信頼していないというのが五六・一%、全く信頼していないというのが二七・七%、合わせると実に八三・八%が政治家を信頼していない、そういうことでございます。
 これは私は、議会人としても大変なことだなというように思っております。政府がいかにすばらしい政策を打ち出したとしても、政治家に対する、政治に対する信頼が失われれば、国民の支持と協力というものは、これはもらえるはずがないと思っております。もちろん、政府また総理だけの責任ではありません。私どもも当然反省すべきだと思っておりますけれども、やはりトップリーダーとしての責任というものは非常に大きいというように私は思います。
 先ほど保坂展人委員の質問を聞いておりまして、総理の御答弁、私は大変残念に思いました。成功者と見るかどうか、そういうことに対して、人生は長いんだから、長い目で評価しなくてはいけない、そういうことを言われましたけれども、私は、一生懸命努力をしたけれども失敗をした、何回も失敗をした、だけれども、最後には成功することもあるでしょう、そういう人を正しく評価するということは必要ですけれども、法律を犯した、そういうことで逮捕されている人、そのことに対して、総理が、やはりこれは成功者と言えるかどうかもわからぬと言わんばかりのお考えを述べられたということは、全くトップリーダーとしての自覚に欠けるのではないか、そのように私は思うわけでございます。
 私は、金子議員でしたか、総理が先般マックス・ウェーバーの言葉を引用してお答えになった、政治家にとって大切な要素、洞察力であるとか情熱であるとか使命感であるとか、そういうことは必要なことだと言われました。そのとおりだと思います。
 そしてまた、施政方針演説の最後に、総理は、幕末の思想家、吉田松陰の使いました孔子の言葉を引用されました。志士は溝壑にあるを忘れず、志を最後まで貫くというその勇気と情熱を持たなくてはいけない、そういう意味だと思います。そして、改革の歩みをとめるな、改革の流れをとめるな、そういうことも言われました。
 私は、志の高さというものは大切なことだと思います。しかし、吉田松陰は、同時に、見識の高さということを大変強く説いた思想家であります。釈迦に説法ですから、よく御存じのことと思います。やはり見識というものがトップリーダーとして何より大切だというように私は思っております。
 先般もお尋ねをいたしましたけれども、改めて、ライブドア問題について総理の率直なお考えを伺いたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 ライブドア問題についてということでありますが、これは法にのっとって解明されるべき問題である。このライブドア事件によって、どういう法的な問題があるか、改善すべき点があるか、あれば正していかなきゃならない問題だと思っております。
○亀井(久)委員 いや、私が申し上げたのは、そのことは、当然、将来解明されていくべきものだと思っておりますということは申し上げたわけで、そのことではなくて、今起こっております政治不信、政治家不信、そういうことに対して、やはり一連のこうした動きというものが影響を与えているというように私は思うものですから、その政治に対する信頼回復ということに関連して、先般の選挙の応援等についても、それを含めてどのようにお考えかということを申し上げたわけです。
○小泉内閣総理大臣 私は、必ずしも政治不信が今回のライブドア事件を引き起こしたとは思っておりません。
 政治不信なり政治家不信というのは、世論調査で出てきているようでありますが、民主主義の世界ですから、政治家というのは常に批判にさらされます。どんな政治家であろうが、何か嘲笑の対象になるような風刺漫画に載せられても、日本は自由であります。けちょんけちょんに非難されても、これまた政治家というのは甘受しなくてはいけない。一方、独裁国家というのは、政治家は非常に尊重されますね。
 でありますから、政治不信があるからといって、その国が悪いかということでもない。この政治不信を政治家が真摯に受けとめて、政治が信頼されるような政策をとっていく、あるいは、政治家が批判されるような行動をとるのならば、それを改めていくということで国民の理解なり信頼なりを獲得していくしかないなと。これは一朝一夕にできるものではありません。
 吉田松陰のような立派な英傑が若くして斬罪に処せられた。これに感憤して、後に続く高杉晋作、伊藤博文等が明治維新に大きな役割を果たしたということを見ましても、やはり志を持つということの重要性を、あの明治の時代で活躍した人たちから学び取ることができると私は思っております。
○亀井(久)委員 時間がありませんので、簡単に経済財政のことに触れたいと思いますが、内閣府が毎年、「構造改革と経済財政の中期展望」、いわゆる「改革と展望」というのを閣議決定された後発表されておりますけれども、昨年発表の試算ですと、もし五兆円の所得税増税を行った場合には、景気悪化でデフレは進行し、インフレ率が〇・四四%下がる、名目GDPは七・一兆円も下がって、国、地方の債務のGDP比を一・二%ふやしてしまう、こういうことになっております。これは内閣府の試算に基づいているわけでございまして、またさらに、公共投資を五兆円減らした場合には、さらに景気は悪化して、名目GDPを九兆円も減らしてしまう、そういうことになっている。
 増税とか歳出削減というものが景気を悪化させてデフレが進行する、そういうことが内閣府の試算からも読み取れる、そういうことでございますから、その線に沿って、緊縮財政一点張りではなくて、やはり景気回復の方に重点を置いて、税収をふやしていくという積極的な政策が今度の予算の中に盛り込まれていれば、私はなるほどなと思うんですけれども、この内閣府の試算の方向と今度の予算とは全く矛盾するようなことになっております。
 それにもかかわらず、総理は、今度、これからはデフレを脱却して経済成長を図っていくんだ、そういう答弁をこの間予算委員会でされている。竹中大臣も微妙に、この間総務委員会で伺っておりましたら、似たようなニュアンスの発言をされている。
 ですから、政府が出している予算と内閣府の試算の方向というのが矛盾をしておる、それでまたさらに、総理や竹中さんの言われていることとこの予算というものが矛盾をしているというように私には思えますけれども、この点について、与謝野担当大臣また竹中大臣、どういうように思われますか。
○与謝野国務大臣 景気が悪いから、需給ギャップがあるから財政出動をして景気をよくしよう、有効需要を財政を通じて発生させようという考え方は、もはや古い考え方だという説がございます。私は、もうそういう時代は多分去ったんだろうと思っております。
 今回の景気回復も、財政の手助けなしの景気回復でございまして、そういう意味では本物であろうと思っております。平成十八年度の経済見通しは、実質で一・九%、インフレ率〇・一を乗せますと、名目で二・〇成長するということでございますが、これは財政の手助けなしに成長をするということでございますから、それは平成十年以前の景気回復とは全く違う性質の景気回復だと私は思っております。
○大島委員長 よろしいですか。竹中大臣はいいでしょう。
○亀井(久)委員 はい。
 では、終わります。
○大島委員長 これにて亀井君の質疑は終了いたしました。
 これをもちまして締めくくり質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして平成十八年度予算三案に対する質疑はすべて終局いたしました。
    ―――――――――――――
○大島委員長 ただいままでに、日本共産党佐々木憲昭君から、平成十八年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。
 この際、本動議について提出者から趣旨の弁明を求めます。佐々木憲昭君。
    ―――――――――――――
 平成十八年度一般会計予算、平成十八年度特別会計予算及び平成十八年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表して、平成十八年度予算三案につき政府がこれを撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案理由及び概要を御説明いたします。
 まず、撤回、編成替えを求める理由についてであります。
 今、格差社会と貧困の広がりが大きな問題になっております。また、耐震強度偽装事件、ライブドア事件などに見られるように、ルールとモラルの破壊が進み、国民の安全と財産がないがしろにされております。
 これらの根本には、小泉内閣が進めてきた構造改革路線、規制緩和万能路線があります。小泉内閣は、五回の予算編成で十三兆円に上る史上最悪の増税、負担増を庶民に押しつけてきました。その一方で、新規国債の発行額は百七十兆円にも上っています。これは、巨大開発の無駄遣いと、大企業、大資産家への減税を温存、拡大してきたからにほかなりません。
 今求められているのは、こうした小泉構造改革に終止符を打つとともに、来年度に予定されている負担増計画を中止し、貧困化と格差拡大に歯どめをかけることであります。
 以上の見地から、政府予算案は直ちに撤回して、抜本的に組み替えることを求めるものであります。
 次に、組み替えの概要について述べます。
 第一は、定率減税の全廃を初めとする庶民大増税と、高齢者を中心に国民に大きな負担増を押しつける医療制度改悪、障害者福祉、生活保護など、社会保障の改悪を中止することです。
 第二に、パート、派遣、契約などの不安定、低賃金の非正規雇用が増大するもとで、安定した雇用の確保と人間らしい働き方の確立は急務です。安定雇用を破壊し、中小企業を切り捨てる政治を直ちに切りかえることです。
 第三は、ライブドア事件や耐震強度偽装事件などの大もとにある規制緩和万能路線を見直し、国民の安全と財産を守るための必要な対策をとることであります。
 第四は、BSE問題や食の安全、アスベスト対策、災害対策、教育、子育てなど、暮らしと国民経済の基盤強化に直ちに踏み出すことであります。
 第五は、三位一体改革の名による地方切り捨てを許さないことです。
 国から地方への財政支出の削減をやめ、必要な交付税総額を確保し、生活保護の国庫負担率引き下げなどの地方切り捨てをやめることであります。
 第六は、米軍基地再編強化のための予算を撤回し、大幅な軍縮を進めることです。
 日米政府が進める米軍再編強化は、日米同盟をさらに侵略的に強化するもので、許せません。米軍の軍事行動に即応する自衛隊の態勢づくりをやめること、思いやり予算の全額削除、イラク派兵を撤回するなど、大幅な軍縮を進めるべきです。
 第七は、歳出の浪費に抜本的にメスを入れるとともに、大企業や高額所得者向けの優遇税制を見直すことにより、国民の暮らし、社会保障に必要な財源を確保することです。
 以上、編成替えの概要を御説明いたしました。詳細は、お手元に配付した動議を御参照願います。
 各委員の御賛同をお願いして、趣旨の説明といたします。
○大島委員長 これにて本動議の趣旨弁明は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○大島委員長 これより討論に入ります。
 平成十八年度予算三案及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議を一括して討論に付します。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。田中和徳君。
○田中(和)委員 自由民主党の田中和徳です。
 私は、自由民主党を代表し、ただいま議題となっております平成十八年度一般会計予算、平成十八年度特別会計予算、平成十八年度政府関係機関予算、以上三案に対しまして、賛成の討論を行うものであります。
 賛成の理由を述べる前に、一言申し上げます。
 今回の予算審議の中で、民主党の永田議員が、にせの情報に基づいて不当な誹謗中傷の発言を行い、国会並びに本委員会の品位を著しく損ねたことは、まことに遺憾なことでありました。今後、このようなことのなきよう、襟を正していかなければなりませんことを申し上げておきます。
 さて、発足以来、小泉内閣は、改革なくして成長なしとの一貫した方針のもと、さまざまな分野にわたる構造改革を推進し、簡素で効率的な政府の実現に懸命に取り組んでまいりました。平成十八年度予算についても、歳出の改革路線を堅持し強化するとの方針のもと、内閣として取り組んできたさまざまな改革の成果を反映させるとともに、歳出全般について徹底した見直しを行っております。
 以下、賛成する主な理由を申し述べます。
 その第一は、本予算には、財政規律を堅持し、持続可能な財政の構築に向けた政府の強い姿勢が示されている点であります。
 我が国の財政は、国と地方を合わせた長期債務残高が平成十八年度末でGDP比で一五〇%を超える見込みであるなど、極めて厳しい状況にあります。このような財政事情を踏まえ、本予算では、医療制度改革、特別会計改革、公務員総人件費改革等のそれぞれの改革の成果を適切に予算に反映したところであります。
 その結果、一般歳出の水準について二年連続で前年度より減額するとともに、国債発行額についても三十兆円を下回る水準を達成しております。また、プライマリーバランスが三年連続で回復するなど、プライマリーバランスの黒字化に向けた改革の姿勢が明確にあらわれており、高く評価できるものであります。
 賛成の第二の理由は、本予算は、あらゆる分野における歳出を見直した上で、重要な施策へ予算を適切に配分するなど、予算の重点化や効率化、そして質の向上が図られている点であります。
 具体的には、主要な経費について、科学技術と社会保障を除き前年度より減額する中、学校の安全確保や治安対策、物づくりを支える中小企業の基盤技術開発の推進など、真に必要な施策には予算を重点的に配分し、めり張りのきいた予算となっております。
 また、予算の質の改善に向け、個々の積算にまで踏み込んで見直しを行うとともに、予算執行調査や会計検査院の検査結果などを的確に反映させているところであります。
 以上、本予算に賛成する理由を申し述べました。
 平成十八年度予算は、我が国経済社会の発展や、国民生活の安全や安心の確保のために必要であるのみならず、今後の歳出歳入一体の改革の土台となる極めて重要なものであり、ここに賛成の意を表するものであります。
 平成十八年度予算に関しては、当委員会において幅広い活発な審議が行われ、延べ約九十時間もの十分な審議時間を確保したところであります。ぜひとも本予算の一日も早い成立を期待しつつ、私の賛成討論とさせていただきます。
 なお、共産党から提出された平成十八年度政府予算に対する組み替え要求については、見解を異にするものであり、反対の意を表します。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○大島委員長 次に、松野頼久君。
○松野(頼)委員 民主党の松野でございます。
 討論に先立ちまして、民主党としておわびを申し上げます。
 本予算案の審議の過程につきまして、当委員会において、去る二月の十六日に、永田寿康議員が事実のない裏づけを取り上げましたこと、並びに、その過程で御迷惑をおかけいたしました、自由民主党武部幹事長及びその御次男に対しまして、深くおわびを申し上げる次第でございます。
 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました平成十八年度予算三案に対して、反対の立場から討論をいたします。
 私どもは、今国会を、国民の安全と安心を守る国会と位置づけ、質疑をしてまいりました。いわゆる四点セットは、国民生活の基本である衣食住における食と住、加えて株式という国民の財産と税の使い方を根本から揺るがすものであり、予算への反映を通じて、政治が本来の使命を果たしているかが問われている問題であります。
 第一に、耐震偽装の問題であります。
 まず、特措法に基づく地域住宅交付金による支援スキームが適切かという問題が厳然と横たわっています。瑕疵担保責任があるにもかかわらず、ヒューザーの財務諸表を見ずに支援を決定するなど、個別の案件を支援対象に含めるか否かの基準があいまいで、自治体間の対応にも相違が生じていることは、公的資金投入に伴う不公平感を、著しく損なうものであります。これらの山積する問題をどう解決し、予算の中でどう位置づけていくのか、本予算案からは全く読み取ることができません。
 第二に、米国産牛肉の輸入再開問題であります。
 輸入再開前に現地調査を行わなかったこと、並びに食品安全委員会の答申における附帯決議での懸念事項を無視して輸入再開を決定したことは、国民の食の安全を軽視した極めて重大な政策判断であります。食品安全基本法制定当時の理念に立ち返り、予算面からも、外国での正確な情報収集体制の整備等、国民の食の安全を国が能動的に守ることが必要だと考えています。
 第三に、ライブドアの問題であります。
 この問題は国民の財産権に直結するものであります。株価が政治の動きにほぼ連動した形で上昇した後、事件の発覚に伴い二十二万人もの株主の財産が一瞬にして大きく毀損されたことは、自己責任の一言で片づけられるものではありません。市場の透明性を確保するためにも、証券取引等監視委員会がきちんと機能したのか、また、東証のシステムダウンの問題等々、健全な市場のインフラづくりは予算面からの喫緊の課題であります。
 第四に、官製談合の問題であります。
 防衛施設庁の談合は、予算そのものの根幹を揺るがす重大な問題であります。競争の重要性を説き、小さな政府を目指すのであれば、内閣はこの問題に真っ先に取り組まなければなりません。にもかかわらず、競争原理の働かない随意契約と、極めて高い落札率が放置をされ、予算の無駄遣いが長年続けられておりました。
 そればかりではありません。たびたび指摘されている無駄遣いの温床である特別会計について、根本的なメスが入れられることはなく、国の予算の多くが、不透明で水面下のままであります。
 防衛施設庁の談合事件は氷山の一角であり、政府調達の落札率が異常に高いことからも、官製談合が常態化していることを疑わざるを得ません。また、二万二千人の天下りを維持するために五・五兆円もの税金が投入されていることが明らかになりました。
 このように巨額の無駄が放置されている予算が認められるわけがないのであります。
 民主党は、徹底的に無駄は省くが、安全、安心を重視し、必要なものには予算をつけるという方針のもと、独自の予算案を示しました。不要な予算は削らないが、必要な予算は削る小泉内閣とは抜本的に哲学が異なるということを最後に申し上げ、反対の討論を終わります。(拍手)
○大島委員長 次に、上田勇君。
○上田委員 私は、公明党を代表して、平成十八年度一般会計予算、平成十八年度特別会計予算、平成十八年度政府関係機関予算、以上三案に対し、賛成の討論を行うものであります。
 小泉内閣、与党は、約五年にわたって、金融改革、三位一体の改革、規制改革、歳出構造改革、社会保障制度改革、税制改革等々、どれも極めて重い困難なテーマばかりでありますが、決して目をそらすことなく、改革をとめない、逃げない姿勢で我が国の未来のことを真剣に考え、構造改革を推進してきました。こうした取り組みがようやく花開き、現在の経済の好転につながっているものと確信するものであります。
 平成十八年度予算案は、構造改革を加速させ、活力と安心の社会実現を目指した、国民生活にとっても重要なものであり、ぜひとも年度内の成立を図り、平成十七年度補正予算案とあわせ、速やかな執行を強く望むものであります。
 以下、主な賛成の理由を申し述べます。
 賛成する第一の理由は、本予算案が、財政健全化の重要性を十分に踏まえ、官から民へ、国から地方への改革の流れを堅持、強化する内容となっていることであります。
 具体的には、三位一体改革による補助金削減と税源移譲により、地方分権が大きく進みます。また、特別会計の改革を含めた、徹底した無駄を省き、歳出の合理化を図っています。一般会計歳出は八年ぶりに七十兆円台となり、新規国債発行額も三十兆円を切る規模にまで縮減をしています。
 賛成する第二の理由は、全体として歳出規模を縮減する中で、重点配分として、児童手当、保育所、出産育児一時金の拡充など、少子化・次世代育成対策の強化を図るとともに、安全・安心対策として、建物等の耐震化の推進、スクールガードなど学校の安全対策の拡充、がん対策の強化などが盛り込まれています。また、社会資本整備についても、地域、町の活性化のための地域再生交付金やまちづくり交付金を拡充するとともに、大都市圏拠点空港、三大都市圏環状道路の整備等に重点配分を行い、めり張りをつけています。
 以上、賛成する主な理由を申し述べました。
 本委員会では、構造改革に伴う格差拡大などの問題も含めて、さまざまな分野について充実した議論が行われました。内閣としては、こうした議論を十分踏まえて、今後適切に対応していただくことを強く望むものであります。
 最後に、一点申し上げます。
 先日、本委員会におきまして、民主党の永田議員から、全く信憑性のない資料、情報をもとに、民間人を含め、個人の名誉を著しく毀損する発言がありました。国民に政治への不信を抱かせ、国会の権威を失墜させたことは極めて遺憾であります。
 国会におけます発言の重みを自覚し、二度と同様な事態が起きないよう戒めとしなければなりません。無責任な中傷発言を行った議員はもちろんのこと、かかる行為を二度にわたり容認したばかりでなく、称揚した民主党執行部にも反省を求めるものであります。
 そのことを強く申し上げ、私の討論を終わります。
 なお、日本共産党から提出されました組み替え要求につきましては、見解を異にするものであり、反対いたします。
 以上でございます。(拍手)
○大島委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表して、二〇〇六年度総予算三案に対して反対、我が党提出の編成替えを求めるの動議に賛成の立場から討論を行います。
 本予算案に反対する理由の第一は、国民への本格的な大増税をさらに進めるものだからであります。
 小泉内閣は、昨年の総選挙での公約に反し、所得税、住民税の定率減税の全廃を盛り込んでおりますが、その結果、三兆四千億円の大増税となります。政府自身が、増税対象者の九割がサラリーマンと認めているように、許しがたい庶民増税であります。加えて、第三のビールやワインなど、庶民のささやかな楽しみにさえ課税する増税路線に新たに踏み込んでいるのであります。
 第二に、医療保険制度の改悪を初め、社会保障改悪を一層押しつけようとしていることです。
 七十歳以上で現役並みの所得のある高齢者の自己負担の引き上げ、長期入院高齢者に対する食費とホテルコストの負担増、高額医療費の自己負担限度額の引き上げなどが、重病者と高齢者に集中的に重い負担をかぶせることは明らかであります。
 第三に、小泉内閣の構造改革路線が、社会的格差と貧困を一層深刻にし、国民の安全をないがしろにしていることです。
 労働法制の相次ぐ改悪のもとで、派遣、請負などの非正規雇用を急速に増大させていることが、今日の格差拡大を招いているのであります。
 また、耐震強度偽装事件やライブドア事件は、規制緩和万能で、国民の安全や財産をないがしろにしてきた政府の責任が厳しく問われています。
 BSE問題では、米国産牛肉の輸入再開を国民の食の安全より優先してきた政府の姿勢を厳しく問うものです。
 第四に、アメリカの米軍再編方針に沿った日米軍事同盟と基地の再編強化を進めるものだということです。
 米軍、自衛隊が一体となった海外での軍事作戦態勢づくりは許されません。もともと日本に負担義務のない米軍思いやり予算が談合の食い物にされてきたことは重大であり、その徹底的解明なしに基地建設を進めることは許されません。
 最後に、深刻な財政状況の中、無駄と浪費の大型公共事業を相変わらず組んでいることであります。
 今大事なことは、このような無駄や浪費に真剣にメスを入れるとともに、空前の利益を上げている大企業、大資産家に応分の負担を求めること、そのためにも、高齢者や障害者のほか、働くさまざまな世代が安心して暮らせるよう、予算を生活支援の方向に根本的に組み替えることであります。
 このことを強調して、私の反対討論とするものであります。
○大島委員長 次に、保坂展人君。
○保坂(展)委員 私は、社会民主党・市民連合を代表し、平成十八年度一般会計予算、特別会計予算、政府関係機関予算に対し、反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、小さくて効率的な政府を目指した改革の総仕上げ予算と言いながら、定率減税縮小、保険料の値上げ、高齢者医療費の窓口負担増などの負担の押しつけと、介護予算や障害者福祉の切り捨て、診療報酬の大幅引き下げなど、福祉、生活切り捨てによって帳じり合わせをした改悪の総仕上げ予算であることです。
 第二に、国債発行をできるだけ三十兆円に近づけるという小泉総理の目標の達成は、電源開発特会から一般会計繰り入れ分を、後日、同特別会計に返済するという、やりくり算段のこそくな手法を使った三十兆枠粉飾予算であることです。
 第三に、三大都市圏環状道路、スーパー中枢港湾整備などビッグプロジェクトへの重点化を図る公共事業関係費、ミサイル防衛関連予算の増額や陸上自衛隊中央即応集団の新編成など、米軍とともに戦える自衛隊に向けた具体化を進める防衛費、国が得し、地方に負担を押しつける三位一体の改革、社会保険庁の年金保険料の事務費流用など、改革とはとても言えない改革偽装予算であることです。
 今問われていることは、格差を広げ生活と平和の破壊を進めることではなく、国民生活の安心、安全を確立することです。特別会計の積立金、剰余金については、単純に財政健全化に回すのではなく、定率減税縮減の中止や医療負担増の抑制にこそ活用すべきです。
 社民党は、就学援助問題や最低賃金見直し問題、非正規雇用問題初め、大きな格差、大きな負担をもたらす予算案の問題点を追及してきました。メール事件という残念な事態は起きましたが、ライブドア・ホリエモン事件、これに対する自民党自体の政治責任、説明責任が果たされたわけでは決してありません。耐震偽装問題の政治との関係、行政の責任追及もうやむやです。予算案自体の審議も不十分であり、今採決するまで熟したとは到底言えません。
 引き続き、四点セットプラス格差問題という小泉構造改革自体の問題点を追及していく決意を申し上げ、反対討論といたします。(拍手)
○大島委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○大島委員長 これより採決に入ります。
 まず、佐々木憲昭君提出の平成十八年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○大島委員長 起立少数。よって、佐々木憲昭君提出の動議は否決されました。
 次に、平成十八年度一般会計予算、平成十八年度特別会計予算、平成十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○大島委員長 起立多数。よって、平成十八年度予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました平成十八年度予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○大島委員長 この際、一言申し上げます。
 去る二月六日の基本的質疑開始以来、委員各位の皆様方におかれましては、各般にわたり、終始真摯に、かつ広く充実した御審議をいただき、本日ここに審査を終了することができました。これもひとえに、理事を初め委員各位の御理解と御協力のたまものであり、ここに深く感謝の意を表し、御礼を申し上げます。
 ただ、まことに残念なことは、去る二月十六日の永田寿康委員の質疑であります。国民注視の予算委員会において、確認、確証を得ないまま、出所の明らかにされないメールをあたかも真実であるとして読み上げ、特定の方が関係しているとの質疑を行い、関係者に多大なる御迷惑をおかけするとともに、予算委員会の権威を失墜させ、国民に対しても政治不信を招いたことは重大な問題であり、まことに遺憾であります。
 衆議院規則第二百十一条は、「議員は、議院の品位を重んじなければならない。」また、国会法第百十九条は、「各議院において、無礼の言を用い、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」等規定しております。
 各委員、各会派におかれましては、予算委員会を初め国会審議に当たりましては、発言に十分責任を持ち、議院の品位を汚し権威を失墜させることが二度とないよう、強くお願い申し上げます。
 まことにありがとうございました。(拍手)
 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時三十一分散会