第164回国会 決算行政監視委員会 第4号
平成十八年四月二十五日(火曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 筒井 信隆君
   理事 伊藤 達也君 理事 北村 誠吾君
   理事 柴山 昌彦君 理事 平田 耕一君
   理事 吉田六左エ門君 理事 前田 雄吉君
   理事 松本  龍君 理事 斉藤 鉄夫君
      赤池 誠章君    今津  寛君
      上野賢一郎君    浮島 敏男君
      遠藤 武彦君    大野 松茂君
      坂井  学君    杉村 太蔵君
      鈴木 馨祐君    土屋 正忠君
      冨岡  勉君    中森ふくよ君
      中山 泰秀君    長島 忠美君
      西本 勝子君    広津 素子君
      藤井 勇治君    矢野 隆司君
      安井潤一郎君    若宮 健嗣君
      池田 元久君    市村浩一郎君
      逢坂 誠二君    岡田 克也君
      川内 博史君    玄葉光一郎君
      田名部匡代君    高井 美穂君
      福田 昭夫君    松野 頼久君
      松本 剛明君    森本 哲生君
      佐藤 茂樹君    東  順治君
      江藤  拓君    鈴木 宗男君
      保坂  武君
    …………………………………
   総務大臣         竹中 平蔵君
   財務大臣         谷垣 禎一君
   国土交通大臣       北側 一雄君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      額賀福志郎君
   国務大臣         猪口 邦子君
   財務副大臣        赤羽 一嘉君
   経済産業副大臣      松 あきら君
   国土交通副大臣      松村 龍二君
   総務大臣政務官      上川 陽子君
   会計検査院事務総局第一局長            諸澤 治郎君
   会計検査院事務総局第二局長            千坂 正志君
   会計検査院事務総局第五局長            増田 峯明君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 中村 吉夫君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 岡本  保君
   政府参考人
   (総務省行政評価局長)  福井 良次君
   政府参考人
   (総務省政策統括官)   清水 英雄君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制部長)          倉吉  敬君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    寺田 逸郎君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 佐々木豊成君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   鈴木 正規君
   政府参考人
   (国税庁課税部長)    竹田 正樹君
   政府参考人
   (文化庁次長)      加茂川幸夫君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  中島 正治君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬食品局食品安全部長)       松本 義幸君
   政府参考人
   (農林水産省消費・安全局長)           中川  坦君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房商務流通審議官)       迎  陽一君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           江嵜 正邦君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房審議官)           桝野 龍二君
   政府参考人
   (国土交通省航空・鉄道事故調査委員会事務局長)  福本 秀爾君
   決算行政監視委員会専門員 藤野  進君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十八日
            補欠選任
             池田 元久君
同月二十五日
            補欠選任
             太田 和美君
同日
 辞任         補欠選任
  土屋 正忠君     中森ふくよ君
  中山 泰秀君     長島 忠美君
  太田 和美君     松野 頼久君
  岡田 克也君     森本 哲生君
  金田 誠一君     逢坂 誠二君
  松本 剛明君     高井 美穂君
同日
 辞任         補欠選任
  中森ふくよ君     上野賢一郎君
  長島 忠美君     中山 泰秀君
  逢坂 誠二君     市村浩一郎君
  高井 美穂君     松本 剛明君
  松野 頼久君     太田 和美君
  森本 哲生君     川内 博史君
同日
 辞任         補欠選任
  上野賢一郎君     土屋 正忠君
  市村浩一郎君     金田 誠一君
  川内 博史君     岡田 克也君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百六十三回国会、内閣提出)
 平成十六年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百六十三回国会、内閣提出)
 平成十六年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(承諾を求めるの件)(第百六十三回国会、内閣提出)
 歳入歳出の実況に関する件
 行政監視に関する件
     ――――◇―――――
○筒井委員長 これより会議を開きます。
 議事に入るに先立ち、一言申し上げます。
 本日は、昨年のJR西日本福知山線列車脱線事故から一年となります。
 ここに、お亡くなりになられた方々に対し、衷心より哀悼の意を表し、黙祷をささげたいと存じます。
 全員御起立をお願いいたします。――黙祷。
    〔総員起立、黙祷〕
○筒井委員長 黙祷を終わります。御着席願います。
     ――――◇―――――
○筒井委員長 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 両件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官中村吉夫君、総務省大臣官房審議官岡本保君、総務省行政評価局長福井良次君、総務省政策統括官清水英雄君、法務省大臣官房司法法制部長倉吉敬君、法務省民事局長寺田逸郎君、財務省主計局次長鈴木正規君及び文化庁次長加茂川幸夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○筒井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
○筒井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。広津素子君。
○広津委員 行政改革の進行により行政評価が行われることになったことに関しまして、皆様の御努力に日ごろから敬意を表しております。そしてまた、大変よいことだと思っております。今後さらに行政評価の実効性を上げるため、評価の客観性、評価者の被評価者からの独立性などにつきまして、公認会計士としての二十三年間の経験と専門知識を踏まえまして、御質問させていただきます。
 まず、行政評価のやり方について御質問します。
 現在、行政評価はそれぞれの省庁で自己評価することが基本であり、複数の省庁にまたがる政策に関する評価は総務省で行っているとお聞きしていますが、その理解でよろしいでしょうか。どういうやり方をしているかにつきまして、御説明いただければありがたいと存じます。
○上川大臣政務官 おはようございます。
 ただいま広津委員の方から、政策評価はそれぞれの省庁で自己評価をするということが基本であり、また、複数省庁にまたがる評価につきましては総務省がやるということでいいかということでございますけれども、全くそのとおりでございます。
 そもそも、政策評価というのは、政府の政策の企画立案を的確に行うために欠くことのできない機能でございまして、プラン・ドゥー・シーというマネジメントサイクルを構成する重要な要素であるというふうに思っております。このため、評価法におきましても、各府省がそれぞれの任務を的確に達成する見地から、所掌する政策につきましてはみずから評価をするということが原則でございます。それに加えまして、複数省庁にまたがるものにつきましては総務省の方が府省の枠を超えて評価をするということで、二段構えの体制でしているところでございます。
○広津委員 それぞれの省庁で行っている自己評価は、だれかがチェックするのでしょうか、それとも自己評価で終了するのでしょうか。教えていただければありがたいと存じます。
○上川大臣政務官 各府省は、政策評価の客観性の確保の点から、行政外部の学識経験者から成ります会議を設定しまして、基本計画、実施計画の策定や評価書の取りまとめに当たっての専門的な御意見を伺うというふうな形で、各府省の中でも専門性を有する第三者の知見の活用に取り組んでいるところでございます。
 その上で、総務省は、各府省がみずから評価を行った政策評価につきまして、評価法に基づき、目的が明確であるかなどの評価に必要なポイントの点検、あるいは、評価の妥当性に疑問を生じた場合は評価の内容に踏み込んだ点検を行っておりまして、その結果につきましては、各府省に通告するとともに公表しているところでございます。
 さらに、政府は、同じく評価法に基づきまして、毎年、政策評価等の実施状況及びこれらの結果の政策への反映状況に関する報告書を作成いたしまして、これを国会に報告し、また公表をするということになっております。ことしでいきますと、六月ごろに政策評価の報告書を発表する予定で、今実施しているところでございます。
○広津委員 今、第三者の会議の形で第三者のチェックを入れているということでございますが、第三者の会議、一カ月に一回ぐらい開かれるような会議では、全体をしっかりチェックするということはできないと思います。
 例えば、監査ですと、たくさんのチームで非常に長い期間チェックして、本当にそうかどうか、お手盛りじゃないかというようなことはチェックしているのが普通の状態でありますので、第三者の会議だけでチェックするのは不十分かなというふうに私自身今存じております。評価者の独立性は一応担保されておりますが、第三者のチェックというのは、例えば内部監査部とか他の機関とか、常時ある機関でやるのが適切ではないかなというふうに私は思います。
 もちろん、今、財政難で公務員の人数は削減ということにはなっておりますが、本当に全部削減しなければいけないかといいますと、過去の時代のための事業をやっていた公務員というのは、それはもうばさばさと思い切り削減しなければならないと思いますが、二十一世紀に必要となってくる部署というのは必ずあります。そこはふやさなければいけないところだってあると思います。
 したがって、全部一律に一〇%削減とか、そういうことではありませんで、要らなくなった事業に関しては大いに削減して、今後要るようになってくる事業に関してはふやすこともあるというような、そういうダイナミックな削減の仕方を今後やっていくべきだと思っております。
 次に、行政評価を価値あるものとするためには、政策ごと、プロジェクトごと、もしくは予算単位ごとに、有効性などの観点から客観的に評価を行い、次の施策や予算につなげなければならないと思いますが、現在はどういう基準のもとで行われているのでしょうか、御質問いたします。
○福井政府参考人 お答え申し上げます。
 政策評価は、各府省が、それぞれの主要な政策につきまして、必要性、効率性または有効性の観点、その他当該政策の特性に応じまして必要な観点から、みずから評価をするということを基本としております。
 企業会計におけます監査基準といったものは、そのような一律の基準を設けているわけではございませんけれども、評価法に基づきまして、政策評価に関する基本方針、これは閣議決定でございますが、あるいは政策評価の実施に関するガイドラインにおきまして、全府省に共通する基準などを定めているところでございます。
 その中で、政策評価が各府省の自己評価であるということを前提としつつ、政策評価の実施に関する基本的な考え方、評価の結果の政策への反映に関する基本的な事項でありますとか、情報の公表に関する基本的な事項、あるいは実績評価方式などの各評価方式における留意点等を定めておりまして、各府省は、これらを踏まえながら、適時適切な評価を行うこととされているところでございます。
○広津委員 御説明、どうもありがとうございます。
 明確な基準、必要性、有用性、効率性というような基準については大体お聞きしておりますが、例えば監査基準のような書いたものがあるというふうにはお聞きしておりません。評価の客観性を確保するためには、きちんと評価の方針とか、どういう基準で評価するか、そういう書いたものが必要ではないかと私は思いますので、ここで提案させていただきます。
 次に、行政評価の網羅性につきまして御質問いたします。
 行政評価は網羅的に行われていますでしょうか。もちろん、重要なものだけを行うというような考え方もございますが、ほとんど小さな金額で、小さいものというのは要らないとは思うんですけれども、金額が重要であるとか質的に重要であるとか、そういうものについては網羅的に行わなければいけないはずなんです。ところが、網羅性についての検証が行われていませんと、都合の悪いものは重要じゃないとして省くということも可能でございますので、その網羅性につきまして、どういうような仕組みで検証されているのかということをお聞きしたいと思います。
○福井政府参考人 お答え申し上げます。
 今、網羅性についてのお尋ねでございますが、毎年度の予算の適切な執行をチェックするという会計検査的なものとは異なりまして、政策効果を把握し、企画立案に結びつけるという政策評価の目的にかんがみまして、毎年度にすべての政策を網羅的に評価するということにはなっておりません。これは、効果の発現に時間がかかる政策など、政策の性質の違いもございますし、評価に要するコストなどのことも考えなければいけないわけでございますが、数年間という単位で見まして適切な評価が行われるということが、委員御指摘のとおり、重要なことだと思っております。
 このため、行政評価法におきましては、各府省が評価の対象とする政策を三ないし五年の基本計画と毎年度の実施計画に定めた上で、計画的に評価を行うこととしているところでございます。
 また、政策評価の体系的な実施を確保するためには、各府省の政策体系があらかじめ明らかになっていなければならないわけでございます。各府省の所掌する政策全体を視野に入れながら、重要政策が漏れることのないように評価を行うことが重要でございます。昨年十二月に行政改革の重要方針が閣議決定されたわけでございますが、その中におきましても、「施政方針演説等で示された内閣の重要政策を踏まえ、各府省の政策の体系化を図り、それらに応じた政策評価の重点化・効率化を推進する。」というふうに決定されているところでございます。
 なお、政策効果の発現状況の評価とあわせまして、毎年度の業務運営の状況を継続的に把握するためには、業績指標というものを定期的に把握、測定するといったことも有効であるというふうに考えているところでございます。
○広津委員 どうもありがとうございました。
 私としましては、例えば、公会計と連動させながら、公会計全体の中の支出、それぞれのプロジェクトごとに関しまして行政評価をする。そして、小さい、余り重要性のないものとか効果の発現に時間のかかるものはことしはいいとか、そういうこともあっていいんですけれども、重要なものは落とさないというような、そして、本当に落としていないということが全体の中から確認できるような、そういうふうなシステムがあればいいなと思っております。
 公会計の導入につきましても私は提案しておりますので、それと連動させながら政策評価を行い、その政策評価の結果を見て次の予算の決定ができるというような仕組みにできればいいなというふうに思っています。そうしますと、本当に要らない事業というのはダイナミックに削減できますし、要る事業というのは予算をふやすこともできます。そういうことがわかっていないところでやりますと、一律何%削減というような硬直的なことになってしまいますので、きちんとそういう根拠を持って政策を選択していくための必要なインフラではないかというふうに思っておりますので、提案させていただく次第です。
 次に、内部統制について御質問いたします。
 それぞれの省庁の政策が適切に設定され、実施されているかどうかを評価するためには、その前提として、各省庁が健全なガバナンスや信頼し得る内部統制を持っていることが前提となります。ガバナンスといいますと、例えば民間企業では、コーポレートガバナンスといいまして、企業風土の中で、こういうような方針でやりますということが決まると、みんながそういう方針で動く。その方針自体が世の中の良識に反しない、そういうような方針を決定したら、みんながそれを守れる、そういう仕組みがあるということなんでございます。
 それがお役所にもあるかなというふうに思ったときに、例えば、なるべく少ない金額で最大の効果を出していこう、そういうような予算の使い方をしようというガバナンスがあるかといいますと、今のところ、残念ながら、ない。そういうような状況のもとで、だれか良識的な方が予算を減らす方向に活動すると、かえってその方の評価が悪くなってしまうというようなこともあってしまう、そういうような状況であろうと思います。
 したがって、役所でも、そういうパブリックガバナンスというものをきちんと、なるべく少ない費用で最大の効果を発現していく、そのために要らない事業はやめて要る事業に特化していくというような、そういうようなことが必要であると思いますが、どうお考えでしょうか。
○福井政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま、組織において評価が適切に行われるためには、いわゆる内部統制やガバナンスが有効に機能していることが前提であるという、民間企業を踏まえた委員の御指摘がございましたが、行政機関においても参考にすべき考え方だというふうに思っております。
 現在、行政機関における内部統制でございますが、これは、その長であります大臣、副大臣、大臣政務官などを中心に行政機関の場合は発揮されるべきものでございます。それを支えるものといたしまして、例えば、大臣官房により監査、考査、服務管理などの機能が担われているほか、政策評価の機能も大臣官房に位置づけられているところでございます。
 先般の省庁改革に際しましても、内部組織として政策評価を標榜する課を設けるということを明記しておりまして、各省整備されているところでございます。
 さらに、最近の民間事業者等におきますコーポレートガバナンスを参考にいたしまして、法令等遵守調査室、いわゆるコンプライアンス担当室といったものを設けている府省も出てきておるところでございます。総務省におきましても、この一月にコンプライアンス対応室を設けたところでございます。
 なお、これらの取り組みにおきましては、学識経験を有する民間の方の意見を聞くという機会を設けている場合もございます。
 今後とも、これらの取り組みを通じまして、また大臣等のリーダーシップに基づきまして、行政機関における内部統制やガバナンス機能を確保しつつ、適切な評価の実施に努めてまいる所存でございます。
○広津委員 どうもありがとうございます。
 政府には、納税者に対しまして、納められた税金を効率的に使うことにより、少ない納税額で最大の効果を出す責任が求められています。そこでお伺いしますが、こうした責任に配慮して政策を実施しているか否かを評価する体制はございますでしょうか、ある場合はどのように行っていらっしゃるでしょうか。
○福井政府参考人 お答え申し上げます。
 政策評価は、国民に対する政策の説明責任を徹底させるものでございます。効率性のほか、必要性、有効性等の観点から、各府省がそれぞれの主要な政策につきまして評価をするということとしているところでございます。
 このような観点からの評価は、政策効果と当該政策に基づく活動の費用等との関係や、政策効果から見まして行政目的が国民や社会のニーズ等に照らして妥当性を有しているか、また、得ようとする政策効果と当該政策に基づく活動によりまして実際に得られている政策効果との関係などを明らかにするということをねらいとしたものでございます。以上の点を踏まえて評価が行われるように、各府省を督励してまいる所存でございます。
 また、昨年十二月に改定されました政策評価に関する基本方針等では、政策のコスト、効果について、評価書への記載などにより明示するよう努めているところでございまして、納税者である国民に対しまして、よりコストを明確にして評価を示していくこととしたところでございます。
 そして、体制でございますが、こうした評価につきましては、先ほど申し上げましたように、各省内に設けられました政策評価専担部局が統括いたしまして、各原局等を指揮監督して評価に取り組んでいるというところでございます。
○広津委員 御丁寧な説明、どうもありがとうございます。今後さらに、ますますそういう状況を強化していっていただければと思っております。
 最後に、国民への開示について御質問します。
 行政評価の結果につきましては、納税者である国民に対し適時に開示する必要があると思いますが、現在、どのように開示されていますでしょうか。
 私がこのすり合わせのときにいただいた資料というのは、余りにも厚い、電話帳のような資料で、これをしっかり見ている暇のある国民というのはかなり少数になると思います。ですから、例えばアニュアルレポートくらいの、まとまった形で国民に開示していくということが必要なのではないかと思いまして、こういう御質問を差し上げます。
○上川大臣政務官 政策評価の結果につきましての開示ということでございますけれども、まず、国民に対する説明責任を果たすという意味では、極めて重要なことであるというふうに思っております。
 その上で、政府全体といたしましては、評価法に基づきまして、先ほど申しましたとおり、毎年、政府全体の政策評価の実施状況、また政策評価の結果の政策への反映状況ということで、国会にも報告しているところでございます。
 また、各府省の政策評価の計画や評価書等についての公表ということでございますが、策定、決定の都度すべてを速やかに公表し、ホームページ等でも公表しているところでございます。
 さらに、総務省におきましては、それらの所在情報が一元的に検索できるようにということで、全国の都道府県及びインターネット上に政策評価の総合窓口という形で設けておりまして、国民の皆様から御利用しやすいようにということで工夫しているところでございます。
 今、大変分厚いたくさんのものの中から適切に国民の皆さんが選択するということはなかなか難しいんじゃないか、サマリーのような形で利用しやすいようにすべきではないかという御指摘でございますけれども、昨年の十二月に改定されました政策評価に関する基本方針におきましても、この評価書の要旨の作成ということにつきまして、政策に関する情報提供の上でも大変重要な目的ということで掲げられていることでございますので、そうした方向に沿いまして、わかりやすく、そして、理解していただいてさらにいい企画立案に結びつけていくようにということで、さらなる努力をさせていただきたいと思っております。
○広津委員 積極的な回答、どうもありがとうございました。また、詳しい説明でよくわかりました。
 どうもありがとうございました。
○筒井委員長 次に、斉藤鉄夫君。
○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫でございます。
 きょうは、谷垣大臣、わざわざお出ましをいただきまして、本当にありがとうございます。私、十五分という時間ですが、財政と科学技術政策というテーマで、この決算行政監視の場を使わせていただいて質問させていただきたいと思います。
 大臣は、科学技術庁長官をされまして科学技術創造立国の先頭に立っておられた、そういう経験をお持ちでございます。そして今、財務大臣として財政再建の先頭に立っていらっしゃる。そういう方は、政界広しといえどもいらっしゃらないものですから、ぜひ質問をさせていただきたいと思った次第でございます。
 第一期の科学技術基本計画が、科学技術基本法に基づきまして、平成七年から十二年まで、まさにその当時は科学技術庁長官としてその先頭に立っていらっしゃったわけでございます。それから、第二期が平成十三年から平成十七年まで。今ちょうど第二期が終わったところで、この四月一日から第三期が始まりました。
 この第一期、第二期の科学技術基本計画についてどのように評価をされているか、このことについてまずお伺いをしたいと思います。
○谷垣国務大臣 斉藤委員とは科学技術庁長官をしておりましたときも随分一緒に議論させていただきまして、科学技術政策の推進に大変御尽力をいただいていることに心から敬意を表したいと思っております。
 当時は、斉藤委員から質問を受けますと、あのときは橋本内閣で、伊吹さんが労働大臣でして私の隣に座っていましたけれども、こんな斉藤さんみたいに科学技術に通じる人に質問を受けて、おまえ、大丈夫なのかと心配されたものでございます。
 それで、今、科学技術基本計画についてのお話がございました。科学技術基本法ができ、第一期科学技術基本計画ができた、これは、随分現場の研究者に勇気といいますか、自分たちの時代が来た、頑張るぞ、こういう気持ちを持っていただいたと思うんですね。そういう効果が非常にあったと思います。
 第一期、第二期を通じてかなりそういうことで研究費が充実をしてきた中で、どうもそれが必ずしも有効に使われていないのではないかというような批判も出てきて、例えば、一部の有名な学者のところに研究費は集まるけれども、全体、どのぐらいこの方のところに流れているのかよくわからないじゃないかとか、重点化がないじゃないかとかいうような御批判がありまして、そういう中で、総合科学技術会議等々で随分、重点化とか資金が効率的に流れるような工夫もしていただいたと思います。
 私どもも、査定に当たりまして、できるだけ重点化を図るというようなことを心がけてきたわけでございますが、これから第三期が始まるわけでございます。今後の日本の課題というのが、競争も激しくなる中で魅力的な日本をつくっていかなきゃならないとすると、最も基礎的な投資といいますか、そういう分野なんだろうと思います。第三期のこの基本計画も、よりよいものにしていく必要があるのかなと思っております。
○斉藤(鉄)委員 この科学技術基本計画を議論するとき、中身も当然大切なんですけれども、いつも議論の中心は、どれだけ投資をするのかというところに行ってしまいがちでした。また、実際、そこに社会の関心も集まっていたように思います。
 第一期は十七兆円、第二期が二十四兆円という投資目標を掲げました。科学技術への投資というのは、新しい成長、これからの経済成長の一つの根源であるという面と、それから、ほかの社会保障費や公共事業と違いまして、一見無駄に見えるようなもの、例えば、基礎的なもの、基礎的な研究、それから、基礎的な研究ではなくても、当たるかどうかわからないけれども、やってみてだめだった、それも研究のうちの一つでございまして、そういう費用対効果が必ずしも明確になっていないという面があって、この科学技術に対しての投資というのは非常に難しい。ですからまた、ある意味で、しっかりした哲学を持ってこれを投資しなきゃいけないという非常に難しい側面があろうかと思います。
 そういう意味では、谷垣大臣はその両方の責任者をされたわけですので、最も御苦労されたかと思うんですが、二番目の質問は、第一期の十七兆円、これは達成できました、しかし、第二期の二十四兆円については達成できませんでした、このことについてのお考え、御評価はいかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 二十四兆円のこの第二期を決めました当時は、私も科学技術庁長官をやめた直後でございまして、当時の財務省主計局に、相当この第二期は充実したものにせよという談判をした覚えがあるのでございますが、結果として、この第二期が二十一兆ぐらいの規模になるんだろうと思います。
 これは、二十四兆というのを決めますときに、政府研究開発投資の対GDP比率等について一定の前提を置いてこういう数字をつくりました。大体、対GDP比率が一%、それから、当該期間中のGDP比の名目成長率は約三・五%というような想定でこういう数字をつくったわけでございますが、予想以上に長期にわたる経済の停滞、それから財政状況もございまして、さっき申しましたような二十一兆という額にとどまっているわけでございますが、毎年度の予算編成過程の中で、他の政策経費に比べますと高い伸びを確保するなど、財政当局としても意を用いてきたつもりでございます。
 こういう経済状況等々がありましてこういう数字になりましたが、最大限努力をした結果ではないかと思っております。
○斉藤(鉄)委員 二十四兆が二十一兆で終わった、だからといって日本の科学技術が非常に諸外国に比べてレベルが下がってきたとも言えないというところが、この科学技術と財政投資の関係の難しいところではないかと思います。
 第三期基本計画では二十五兆、これはいろいろ議論がありました。まず、そういう数値目標を立てること自体、今適切なのかどうかという議論もございましたし、そのことも含めまして、第三期、この四月一日から始まりました五カ年計画、この二十五兆ということについての評価についてお聞かせ願えればと思います。
○谷垣国務大臣 今、斉藤委員おっしゃいましたように、投入目標みたいなものを掲げるのがいいのかどうかというのは随分私たちも議論しまして、公共事業等では、五カ年計画を立てるときにも、そういう手法は現在合わないだろうということで、アウトプット目標といいますか、そういうような感じに変えてきております。つまり、そういう数字を初めから掲げてしまいますと、財政の厳しい折に非常に硬直化してしまうとかいろいろな問題がある、財政当局としてはそういう問題意識もあったわけであります。
 しかし、第三期基本計画をつくる中で科学技術担当大臣ともいろいろ議論をさせていただきまして、先ほど申し上げましたような、世界の競争も高まる中で魅力的な日本をつくるという角度から見れば、一番基礎的な投資ではないか、そういう中で日本が科学技術政策はしっかりやっていくんだという一種の姿勢を明らかにする、こういう意味もあるではないかということで、おおむね対GDP比一%というようなことで積算すると二十五兆になるではないかということで、こういう数字をつくったわけでございます。
 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、今後、私どもの課題といたしますと、今の財政事情の中でそれなりに目標を定めていくとなりますと、国民の理解がなければいけない。やはり多くの国民が、科学技術はなかなかよいことをやっている、そういう今の科学技術の動向に対する理解を持っていただくということが必要でございますので、そういうあたりをどう今後やっていくか。それから同時に、随分工夫していただきましたけれども、まだ非効率なところもございますので、そういうところをどう改めていくか。これは総合科学技術会議なんかで御苦労をされているわけですが、さらにそういうところは進めていただきたいなと思っているわけでございます。
○斉藤(鉄)委員 そのとおりだと思います。ただ、数値目標を掲げることで、現場の研究者の人たちは随分励まされて、頑張ろうと、こういう意識喚起になっている、そういう側面もあるということをちょっとつけ加えさせていただきたいと思います。
 科学技術第三期計画を立てるときのもう一つの大きな議論は、これまで第一期は十七兆、お金、第二期は、お金の面は何とかなったので、集中と選択で重点項目を掲げてやりました。その反省を踏まえて第三期は、余りに出口、出口、出口の成果と、重点、重点と言い過ぎたのではないかということで、基礎研究にもう少し投資すべきではないか、畑全体に満遍なくまく水というのも必要なのではないかという議論と、いや、これだけの財政難の時代であるから、やはり集中させて結果が出そうなものに集中投資をすべきだという議論がなされたと思います。
 第三期はその両方の意見が入ったような計画になったかなと思うんですけれども、お金を出す側から考えて、この二つの論争をどのように大臣は見ていらっしゃったか、お聞かせ願えればと思います。
○谷垣国務大臣 私は、先ほど斉藤委員がおっしゃった、研究者なんかに勇気、やる気を与えるという意味で非常に効果がありましたけれども、他方、こう言うと語弊があるかもしれませんが、やや、研究費バブルみたいな印象がないでもなかった。やはり効率化それから重点化、ですから、選択と集中というのはこの間の一つの流れであったことは間違いないと思います。
 ただ、科学技術には、先ほど委員もおっしゃったことですけれども、基礎研究というものは、これはすぐ結果が出るかどうかわからないけれども、営々と努力を続けていくということが大事です。また、研究の中には、私もいろいろな研究者とお話をさせていただきますと、失敗の中から非常にいいアイデアが出てくるとか、その周囲には、結局失敗に終わって具体的な成果には結びつかなかったけれども、科学技術全体のレベルを上げる上で役立っているような研究というのもたくさんあるんだろうと思います。そういうことを無視してしまいますと、根が枯れてしまうということではないかと思います。
 それで、今度の第三期計画の中でも、基礎研究について、一定の資源を確保して着実に進める必要があるというふうに書いていただいております。それから、十八年予算では、スーパーコンピューターなど成果に着目したプロジェクトへの配給も行いましたけれども、科学研究費補助金などを増額しておりまして、これは、研究者の自由な発想に基づく学術研究をさらに発展させるという意味だったと思っておりますし、基礎研究分野についてもそういうことで配慮をさせていただいているということだろうと思っております。
○斉藤(鉄)委員 最後に、財政再建、この財政再建の一つの大きな柱に、やはり新成長戦略というものもあります。その成長の核になるのは、やはり新しい技術であり、新たな知見を世界に発信していく日本ということになろうかと思います。
 そういう面も踏まえて、科学技術創造立国に対して、日本のリーダーとしてどのようなお考え、哲学を持っていらっしゃるかということを最後にお伺いしたいと思います。
○谷垣国務大臣 科学技術創造立国というのは、日本の将来にとって極めて大事なスローガンだろうと私は思います。
 それで、研究費も、いろいろなことがありましたけれども、官民合わせますと、主要先進国の中で日本はむしろ水準を抜いている国でございますから、この官民の連携をよくして、全体の研究水準をさらにいいものにしていくということが必要だと思います。また、この間、国立試験研究機関の独法化とかあるいは国立大学等の法人化、これは、今その目的に向かっていろいろ試行錯誤もあるんだと思います。こういうことが研究のより柔軟な進展に結びつくような努力をさらに私どもしていただきたいと思っております。
 予算につきましても、先ほどの選択と集中ということが依然として基本的な考え方だと思いますけれども、基礎研究等にも目配りをしながら、ウエートをきちっとつけてやっていきたいと思っております。
 それから、行政府に今おります者としてこういうことを言うのは、やや出過ぎた、役所の答弁に書いてあるわけではないんですが、私、一つ心配しましたのは、かつては科学技術委員会というのが衆議院にも参議院にもございまして、そこでは科学技術の議論を大変やっていただきました。ところが、省庁再編に伴ってそういう委員会がなくなりまして、私は、ちょっと科学技術の議論が少なくなったんじゃないかな、寂しいなという思いをこの間ずっと持ち続けていたわけでございまして、きょう、斉藤委員からこの委員会で科学技術に着目した質問をしていただいたのは大変ありがたいと思っております。今後とも、科学技術については国会の方でも活発な議論をしていただきますように、こういうことがやはり日本の科学技術の底上げにつながると私は思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
○斉藤(鉄)委員 ありがとうございました。終わります。
○筒井委員長 次に、森本哲生君。
○森本委員 民主党・無所属クラブの森本哲生でございます。
 本日は、決算行政監視委員会での質疑のお許しをいただきましたので、時間には限りがございますが、大きく三つの質問をさせていただく予定でございますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 まず、かつての地域総合整備事業債、これは略しまして地総債というようなことで一般に使われておるわけでございますが、この問題を取り上げさせていただきます。
 二十年近く前になると思うんですが、国が全国の市町村に一億円ずつ交付した竹下内閣のふるさと創生事業の推進策の一つとして、旧自治省がその発行を進めてきた地方債でございます。元利償還の一部を後年度に交付税措置するという仕組みになっておりまして、以後、国からの充当率がかさ上げされることで、全国各地でさまざまな地方単独事業が行われてきたということは周知の事実でございます。
 地総債の発行額がどのくらいに上っているのか、そしてまた償還状況がどうなっているのか、御質問をさせていただきます。
○岡本政府参考人 地総債についての御質問にお答えいたします。
 地総債、十四年度で廃止されていることは先生御承知のとおりでございますが、旧地域総合整備事業債の平成十六年度末現在の発行残高は八兆八千七百六十三億円でございます。
 それで、この元利償還金でございますが、平成十二年度の一兆四千七百億円をピークに減少しておりまして、平成十六年度は一兆二千百億円となっております。
○森本委員 ちょっとこれは通告外になるかとも、答えられたら答えてください。今、こうした地域総合整備事業債の償還部分として交付税が全体枠でどれほど市町村にバックされておるのか、概略は数字としてはお答えいただけませんでしょうか。
○岡本政府参考人 旧地総債は、当該団体の行いました事業の元利償還金の、財政力によって算入率は変わりますが、最高で五五%、最少で三〇%という形でやっておりまして、今の交付税に算入されているその総額というと、ちょっと今手元に数字を持っておりません。
○森本委員 これは、ちょっと私も通告外でございますので、また後ほど資料としていただけたら結構でございますので、よろしくお願いをいたします。
 次に移りますが、地総債、もう省略させていただきますが、例えば文化とかスポーツ、これには何でもありというような感じも私はしておるのでございますが、施設整備に多く利用されたという側面があります。現在も自治体負担がかなり残っておりまして、バランスシートを非常に悪化させておるというような危惧もしておるわけでございますが、施設の維持管理、それと減価償却、相当なコストが負担になっているという認識をいたしておりますが、この点について総務省の認識はいかがでございましょうか。
○岡本政府参考人 お答えいたします。
 地域総合整備事業債で建設されました施設がどの程度の維持管理経費か、この分だけを直接的に抽出するということは困難でございますが、決算におきますいろいろな施設の維持補修経費を見ますと、平成七年がピークで、約一兆一千三百億円となっております。これが、平成十六年度では一兆六百億円、七百億円の減というふうになっております。
 いずれにしましても、国、地方を通じて極めて厳しい財政状況でございます。効率的な財政運営というものが求められているわけでございますので、いろいろな施設管理につきまして、民間への管理代行でありますとか、そういう効率化の取り組みを一層促進していただきたいということで、私どもとしても、いろいろな機会をつかまえて地方団体にお願い方、またお話ししているところでございます。
○森本委員 先ほどもお答えをいただいたわけでございますが、旧地総債が十三年度でもって廃止という認識でいいかと思うんですが、新たに地域活性化事業債として、例えば七つのテーマがあるんですが、循環型経済社会の構築と環境問題への対応、二つ目が少子高齢化への対応、三つ目が地方の個性あるまちづくりと活性化対策、四点目が都市再生、五点目が、先ほど質問がありました科学技術の再興、六番目が人材育成、教育、七点目がIT国家の実現という、七つの重点分野での財政支援という内容となっておるわけでございます。
 地域活性化事業債は選択と集中が代名詞というようなことが言われたわけでございますが、他の事業、例えば合併特例の事業、今回の事業ですね、それと防災対策事業などが併存をしておるわけでございます。中心市街地再活性化の特別の対策事業として一般事業化されたものもありますが、連日の国土交通委員会で私も申し上げたところでございますが、その効果について少し疑問も持っておるところでございます。
 つまり、地域活性化事業債は地域総合整備事業債のつけかえのような格好ではないかというふうに認識をしておりますが、総務省の認識をお聞かせください。
○岡本政府参考人 活性化債についてのお尋ねでございます。
 交付税措置のあります旧地総債は、今委員御指摘のように、平成十三年度末で廃止をしまして、そのときのいわゆる骨太の方針等で、そういう地方債の元利償還金に措置をするものが特定の事業にインセンティブを与えているということについてのいろいろな御意見を踏まえて、これを見直していくということとあわせて、同時に、重点的に推進すべきとされました七分野については、これを重点的に推進するんだということが決定されたわけでございます。そういう骨太方針を踏まえまして、平成十四年度から、地総債を廃止して地活債を重点七分野に限って創設したわけでございます。
 そういう観点から、旧地総債で対象としておりましたいろいろないわゆる箱物が、そういう地総債があるから地方団体がつくるインセンティブになっているんじゃないかというような御所見もございましたので、地総債で対象としてまいりました箱物整備は原則的に対象外というふうにいたしました。
 また、交付税措置率、先ほど最高五五と申し上げましたけれども、これを約半減いたしまして、三〇%というものに引き下げをこの重点七分野についてもいたしております。
 したがいまして、そういう意味で、各地方団体に重点的に、効率的に投資をしていただくという観点でこの地活債というものは運営していくべきものというふうに考えております。
○森本委員 それで、先般、竹中総務大臣が、六兆円の交付税を順次減らしていく可能性、それが減額できるというような発言がマスコミ関係等に取り上げられておりますが、そのことについて、これは、確かな情報、そのような方向で動いていく可能性が高いのか、その辺の認識をお伺いさせていただきたいんです。マスコミでは非常にその記事がにぎわっておるんですが、その見解を。ちょっと難しいですかね、大臣が見えないから。
○岡本政府参考人 経済財政諮問会議で竹中大臣が提出されました資料の中に、プライマリーバランスの改善という議論はされているわけでございます。その中で、これまで地方がプライマリーバランスにいろいろな改善をしてきた経緯からすると、過去、プライマリーバランスの改善額の半分ぐらいの交付税の削減というのが片一方の事実としてあったということを御説明させていただいております。
 それで、今後の経済成長をどういうふうに見込むのか、また、改革をどういうふうに進めるのかによっていろいろなケースがある。そういうケースをいろいろなケースごとに試算をしたものを提出いたさせていただいたわけでございまして、その中のプライマリーバランスの改善額の半分の額というものが、ゼロから、あるいはマイナスから六兆円までいろいろな幅があるんだというようないろいろなケースの提示をその場合になされておりますので、その交付税を削減するとかそういう議論ではないというふうに承知をしておりますが、交付税をめぐりますいろいろな議論、これから諮問会議等でなされていくものというふうに承知しております。
○森本委員 ありがとうございます。
 この件についてもう後深く話はいたしませんが、例えば八兆円の地総債、これは、恐らくかなり国があおった部分があると思うんですよ。景気浮揚で、言うたら、これはどんどん国がセールスのように勧めた、その結果、大変な事情が今地方には残っておるということ、これが八兆円。それと、地方交付税の場合、今、借入残五十三兆円、うち地方が三十四兆円。これなんかでも、地方は、全くもうこれは、借りなければ財政運営ができないような状況の中で今日があるわけですよ。
 ですから、これからそのあたりをしっかりと踏まえながら地方交付税の検討はやっていただかなければいけない。確かに、プライマリーバランスをきっちり確保していくということは私も大事なことだと思っておるんですが、そのあたりをしっかり議論をしていただいて地方も納得していただきませんと、納得はなかなか難しいと思うんですよ、しかし、この事実が過去にあったということはしっかり認識をして議論をしていただくことを要望させていただいて、次の質問に移らせていただきます。
 二つ目、また違う方向でございますが、法テラスの問題でございます。
 司法書士制度の改革についてでありますが、十月から稼働予定である日本司法支援センター、法テラスは、法律資格専門職によるワンストップサービスを公的にサポートする組織として、身近で利用しやすい司法を実現するインフラであるというように言われておるわけでございます。
 さて、日本全国にくまなくリーガルサービスを供給するシステムをつくるには、いわゆる司法過疎の地域を解消することが何より大事というふうに認識をいたしております。法律資格専門職が身近にいないという現象はまだ実質的に解消がなされていないのではないかということでございます。法テラスは、初年度、全国の地方裁判所の所在地に地方事務所が設置されるのみで、過疎地における司法過疎事務所は設置される予定がないということであります。
 例えば現在、地方法務局出張所の統廃合が行われて、廃止された建物だけが残っているケースが多々あります。地方だけでなく東京都内にもそういった例があるというふうに聞き及んでおるわけでございます。したがって、こうした建物などを利活用することにより、司法過疎事務所としてのサービス拠点とすべきであるというふうに考えますが、法務省は、司法過疎事務所の需要動向についてどのような見通しを持っておられるのか、よろしくお願いします。
○倉吉政府参考人 御指摘の日本司法支援センターでございますが、この四月十日に発足をいたしました。十月から仕事を始めます。その中で、ただいま御指摘のありました司法過疎対策の業務というのは重要な業務の柱の一つでございまして、初年度、この十月から司法過疎地域に事務所を設ける、まだ場所とか何カ所かというのは決まっておりませんが、設ける方向で急ピッチで検討を進めている、このように承知しております。
 そこで今、司法過疎という御指摘がございましたが、具体的には、地方裁判所支部の管轄単位で実働弁護士が全くいないか、あるいは一年しかいないという地域、この解消に優先的に取り組もうとしておられると承知しておりまして、実働弁護士が複数いる地域がございます、そういう地域との距離や交通の便、さらには法律サービス、その地域でどれくらい法律サービスの需要があるのか、そういったことを考慮しながら、日本弁護士連合会等とも連携協力しつつ、必要な地域において支援センターの常勤弁護士による法律サービスの提供体制の整備を図るのだ、こういうふうに伺っておりまして、ぜひそうしていただきたいと思っております。
 センターにおいてもその方向で検討が進められている、こういうことでございます。
○森本委員 私の選挙区は市街地と物すごい過疎の地域と混在しておりますので、本当に今の司法書士の皆さんの役割は非常に大きくなるんじゃないかというふうに思っております。その点についてよろしくお願いをいたします。
 それでは、次に移ります。
 法テラスにおける司法書士の活用についてでございますが、法テラスに持ち込まれる案件はすべて裁判所の法廷実務に直結するわけではありません。弁護士に限らず、先ほどのお話ではございませんが、法律資格専門職の特性に応じた有効な活用がなされなければ、絵にかいたもちに終わるのではないかという危惧の念を持っております。
 きょうは法務省においでいただいておりますので、司法書士に限って、今もお話ししましたが、法テラスにおける常勤スタッフ司法書士、そして契約司法書士の検討状況がどうなっているのか、よろしくお願いします。
○倉吉政府参考人 御指摘のとおりでございまして、日本司法支援センター、法テラスの体制整備のために、支援センターは民事法律扶助業務に関する契約司法書士の幅広い確保に努めるべきでありまして、支援センターにおきましても、この点について、日本司法書士会連合会の協力を得つつ、その方向で検討しているものと承知しております。
 それから、民事法律扶助業務以外の業務につきましても、情報提供業務、これが表の大きな業務の柱だと思っておりますが、これを行います。飛び込みでお客さんが来たときに、そういうもめごとであればここに行けばいいですよと教えてあげる、そういう仕事でありますが、そういった業務を、非常勤の情報提供担当職員として司法書士の皆さんに積極的に担っていただきたい。これも、センターもそういうふうに考えております。
 なお、常勤スタッフというお話がございました。常勤スタッフとするかにつきましては、司法書士の皆さんで担っていただく仕事ということになりますと、民事法律扶助が主な仕事になります。この民事法律扶助の業務だけで常勤でやれるだけの仕事がその事務所にあるかというところが一つの大きなポイントでございまして、そういうことも考慮しながらセンターにおいて適切に判断されるものと承知しております。
○森本委員 ありがとうございました。
 それでは次に、司法書士法上、業務独占のなされております、商業それから法人登記の開放問題についてお尋ねをさせていただきます。
 行政書士会からの提案によって、政府の規制改革・民間開放推進会議で鋭意検討が進められていると認識しております。来月から会社法が新しく施行されるということによって、改めてこの問題がクローズアップされてくるのではないかというふうに思っております。現在のところどういう方向性でもって検討がなされているのか、法務省からよろしくお願いします。
○寺田政府参考人 御指摘の行政書士による商業・法人登記の権限、この問題につきましては、今おっしゃいましたとおり、政府の規制改革・民間開放推進三カ年計画の再改定、これがことしの三月三十一日に閣議決定されております。そこで、この点につきましてさまざまな御意見がございますので、法務省は、関係府省と連携して、商業・法人登記業務の実態や国民のニーズについて調査し、制度見直しについて検討すること、このようにされているわけでございます。
 そこで私どもは、本年度におきまして、この計画にのせられています、ニーズ、業務実態等につきまして調査をいたしまして、この点について検討してまいる、こういう計画でございます。
○森本委員 ありがとうございました。
 具体的に期限を決めてやっておられるのか、そのことについてはいかがでございますか。
○寺田政府参考人 この推進計画再改定の文書におきまして、今年度中に検討するということになっておりますので、当然のことながら、今年度中ということを念頭に置いて作業を進めているわけでございます。
○森本委員 ありがとうございました。
 これは、やはり利用者の視点に立ってさまざまな角度から議論を、私どもいろいろな御意見を聞かせていただいておりますので、議論を積み重ねていただくことが大事だと考えますが、ただ、この各士業の皆さんの役割が混在をしないように慎重に検討をしていただくことが必要であるというふうに一言申し上げさせていただいておきます。
 今、規制緩和の問題で、例えば経済の関係の規制緩和というものは確かにその方向を向いていかなければならないものが多うございますが、社会の秩序を守る、規制を守るようなこうした資格を持ってみえた方の規制緩和というのは、ある意味では、国民が不在で、ほかに置かれてしまったような改革になってしまう、規制になってしまう、そういったことも非常に危惧されるわけでございます。
 今、株式会社の大学で、こうした弁護士とかを含めた資格の取得をするような会社もこちらの方にはあるわけでございますので、どうぞそういったことも十分踏まえながらお願いしたいのと、この士業の皆さんは、どちらかというと、強制的に一つの会員登録をされながら、そこでしっかりと人間的に、法的に乱れがないかということもやられていく。しかし、片や私どもが担当した建築関係は、ある面では任意に。ここに枠が、これは非常に議論するところがあるんですけれども、そのことについても、この日本を法治国家として守っていく、地域の皆さんのニーズにこたえていくというような問題については、何度も申し上げますが、慎重に、慎重の上にも慎重を期して対応をいただくことを切にお願い申し上げまして、この問題については、もう一点だけ、派遣について質問をさせていただきます。
 派遣を解禁するかということでございますが、従来、士業というのは、依頼者からの具体的――士というのは、これは一般の方にはわかりにくい用語で申しわけないんですけれども、武士の士をさむらいと言うて読めというようなことでございます。私もそのように教えていただいたので読んでおるのですけれども、包括的な業務の依頼があって、それを専門的な知見に基づいて事案を処理していくスタイルですから、本質的には委任契約であり、それ以外の労働形態はなじまないと理解をされてきたのではないかと考えられます。
 しかし、リーガルサービスというのが多様化して、WTOの自由職業サービスの自由化が進展していく将来にあっては、その意味でも、柔軟なサービスのあり方が容認されてもいいのではないかという議論もあるわけでございます。
 さて、政府レベルでは、公認会計士、弁理士、行政書士においては、一定条件つきでありますが、派遣労働が緩和されています。現在、内閣官房の構造改革特区推進室がこのフォローアップを担当しているというふうに思います。派遣労働についてのニーズ調査と、今後どのように行っていくのか、さらには、司法書士法人の立法趣旨を改めて見直して、司法書士法人から司法書士法人への派遣を容認する方向であるのか否か。現在のところどういう検討がなされているのか、よろしくお願いします。
○寺田政府参考人 今御指摘のありました司法書士法人の労働者派遣の問題につきましては、平成十七年度の内閣官房の構造改革特区の本部決定におきまして、司法書士法人が他の司法書士あるいは司法書士法人に司法書士の派遣を行うことについて、立法趣旨等との整合性の問題を含めて、ニーズを調査の上で検討を行うということで、平成十七年度中に結論を得るべきである、そういう御指摘があったわけでございます。
 そこで、この本部決定を受けまして、昨年度、司法書士あるいは司法書士法人につきましてニーズの調査等の実態調査を行いまして、その結果、現在のところニーズはさほど大きくないという判断をいたしまして、この点について、司法書士法人から司法書士あるいは司法書士法人への派遣ということについては、従来と同様のスタンス、すなわち、基本的にはこれを行わないということで整理をさせていただいたところでございます。
 なお、この点については、さらに有識者会議等の御意見もあろうかと思いますので、この点を含みまして慎重に検討をさせていただきたいと思っております。
○森本委員 ありがとうございました。
 それでは、やはり具体的な期日を決めていただいて検討していただくということを要望させていただいておきます。
 それでは、次に移らせていただきます。
 日本人の日本語能力の問題について幾つか質問をさせていただきます。
 私も携帯電話を使用いたしますが、最近、国会議員になってから比較的メールが多いわけでございます。例えばの話でございますが、顔、こういう字を変換すると、顔という漢字だけでなしに、絵文字でにこにこっと笑ったようなものが出てきたりするんですね。若い世代を中心に表現方法が多様になりまして、そのコミュニケーションツールが豊かになってきますと、日本語がどんどん文化生活の隅に追いやられるという気がいたします。言うまでもなく、絵文字は日本語ではありませんので、これは語彙ということなんですが、語彙がどんどん乏しくなっていくのもむべなるかなという感じでございます。
 特に私は、基礎的な言葉遣いもさることながら、難解な言葉の教育が不足しているのではないかというふうに思っております。私も今、国会に来て、非常に意味のある言葉が多いなということを改めて認識させていただいたようなわけでございますが、特に、かばんに入るような大きさの、三省堂ですか、国語辞典、古語辞典に入っていることがすべて使いこなせるようになったら、相当な達人と言えるのではないかというふうに思っております。とても私は無理でございますが。そうしますと、すぐれた感受性と識見を得ることは間違いがないと思います。あえて難解な言葉を使いこなすことに楽しさや喜びを感じる人もその中にはあるということを私自身も認識させていただいております。
 まず、文化庁として、日本の語彙レベルについてどのような認識でおられるのか、難解な言葉を学ぶ機会の確保にどのように取り組もうとなされておるのか、見解をお尋ねいたします。
○加茂川政府参考人 御説明をいたします。
 日本人の語彙力について、その低下を明確に示す、またはあらわすデータは現在のところ入手できていないわけでございます。一般には、委員のお話にございました、情報化の進展、マスコミの影響、または家族間の対話の不足等々複数の要因が指摘されておるところでございますけれども、文化庁の関係しております文化審議会の答申でこれに関するものがございます。
 これは、平成十六年の二月、「これからの時代に求められる国語力について」という答申でございまして、語彙力の低下について、その要因の一つとして、読書量の低下、読書をすることから遠ざかっているという問題点を指摘しておるわけでございます。
 そして、この答申は、国語力を育成するためには、みずから本に手を伸ばす子供を育てることが最も重要な目標だとしておりまして、これを達成するために国語教育と読書活動の推進が必要であるとしておるところでございます。また、このうちの国語教育につきましては、漢字、漢語を含め国語の語句、語彙力の育成が必要であるとしておりまして、特に学校にあっては、漢字の指導に力を入れることが重要と指摘をしておるところでございます。
 私どもとしましては、この答申の趣旨を踏まえまして、学校のみならず、地域、家庭において語彙力を含めた国語力の育成が主体的に図られることを期待しておるところでございます。
○森本委員 ありがとうございました。
 今の質問とも関連をいたしますが、情報化時代における漢字政策というものが重要な局面に来ている気がいたしておるわけでございます。習字に通う子供が減ってきております。昔から、日本語の持つ力、それは先ほど言われた書道で、日本語の持つ表現力の奥ゆかしさ、これは俳句であろうかというふうに思っております。私も俳句については、藤波孝生さんが非常に三重県で有名な、国会でもそうでございますが、時々私も自民党の皆さんから、藤波君によく似ているなというようなことで、うれしいような、そんなに年かなと思っておるんですけれども、これは冗談といたしまして、奥ゆかしさというのは、私はまねができませんが、非常にいいものがあるというふうに思っております。多くのことを学び得る機会だったわけですが、そういう文化的な面が今情報化時代の中で失われきつつある、そんな思いをさせていただいております。
 社用の文書でも何でも、慌ててワープロで打ち出したものに相当な確率で変換ミスや固有名詞の間違いが見受けられるわけでございまして、手書きであったなら絶対に間違わないというような単純なミスがかなり目立っておるのも事実でございます。きょうの朝の会議でも、何でこんな打ち方の間違いをするのかなという文書がありました。
 日本語は、まさに国の形、根幹の形をつくってくれておりますし、IT時代に逆行するようですけれども、漢字を手書きにし訓練していくことの基本的な方向性というものをどう考えておられるのか。少し今の答弁に触れられておるところもあるんですけれども、簡潔によろしくお願いいたします。
○加茂川政府参考人 現在、ちょうどでございますが、平成十七年三月に、文部科学大臣から先ほど申しました文化審議会に諮問がございました。諮問の事項は「情報化時代に対応する漢字政策の在り方について」というものでございまして、これを検討するためにこの審議会の国語分科会の中に漢字小委員会を設置いたしまして、今審議を進めておるところでございます。
 この漢字小委員会におきましては、お話にもございました、近年の情報機器の急速な普及、それに伴う漢字の多様化傾向を踏まえまして、その中で、今後の日本人と漢字との関係をどう考えていくのかを整理するとともに、漢字政策の中核でございます現行の常用漢字表の見直しについても議論を進めることとしておりまして、現に検討を始めたところでございます。
 この中で、さまざまな漢字教育のあり方、例えば、難解な漢字を取り上げるべきではないかといった課題等々についても検討が進められることを期待しておるわけでございます。
○森本委員 これまでの時代の流れの中で、なるべくわかりやすく表現するということで、無理に漢字を使うなというようなそういう指導の中からは少し逆行はしていくというふうに、私自身もいろいろ悩みながらそのことをお話をさせていただいておるわけでございますが、最後の質問になりますが、きょう、手元の方にこちらの資料と写真のカラーコピーと新聞記事ですか、配付させていただきました。
 この記事で重要だと思うことは、一般に低俗で敬遠される若者言葉を、そのインパクトにかんがみて行政機関が主体的に使い始めたということでございます。特に今回は、取り締まりの現場で若者言葉を最も嫌っていると思われております、皮肉ではないんですが、所轄警察からの提案だということが評価に値するというふうに私は思っています。
 もちろん、若者言葉のすべてが社会通念に即したものではございませんし、むしろ日本語の品位を損ねる場合もあるということは否定できません。しかし、日本語は生き物だと思いますし、動的な存在として時代とともに変遷していくものですから、既存の言葉遣いに対するいろいろな試みがなされていくべきだと思っております。こういう努力がなければ、日本語に対する例えば愛情、確信というものが得られないからだというふうに考えるからでございます。
 文化として伝承すると言っては大げさでございますが、若者言葉の使用を特に行政機関で推奨をしていけばいかがか、文化庁がその先陣を切ってはどうかと思いますが、いかがでございましょうか。
○加茂川政府参考人 お話にもございましたように、一般に言葉というものは、情報化などの社会状況の変化に応じまして自然に淘汰され、生成変化していく性格を持っているものだと認識をいたしております。
 いわゆる若者言葉についてでございますが、若者の間で通用する仲間間の言葉として、若者同士のコミュニケーションを円滑にする上では有効なものであると評価を私どもはしております。ただ一方で、その集団の外部の人とのコミュニケーションを妨げる場合も多いという点にも留意をいたしまして、その相手、場面、話題によっては他の適切な表現を選ぶ配慮が必要であるという考え方を私どもは持っております。
 委員お話しにございました事例につきましては、このような若者言葉の特性を踏まえたもの、そういった事例と考えておりますけれども、これに関係します住民でございますとか国民一般がどのようにこの実態を受けとめるか、そのことをまず注視する必要があるのではないかというのが現在の認識でございます。
○森本委員 私もきょうの質問の中で、併存とか混在とか、国民の皆さんが聞いていただいたら、この中でしかわからないような言葉を非常に使っている。しかしその中には、実に味のある、深い範囲で物事が解釈されるというような、そういう事例も多いわけでございます。
 例えば、今回のこの新聞を見ていて、私なんかは、これ、警察が超カーブと書いたら、物すごい極端なカーブがあると思って、すぐに急ブレーキを踏まなならぬようなそういう認識になるわけで、このカーブは緩やかなカーブと私は解釈しますが、こうでないと子供たちの事故防止ができないというような警察の考え方で、この檜原村の関係の、ここに、もう読みませんが、路面に表示される。しかし、私の普通の感覚でしたら、このカーブに何で超カーブなんだという疑問もあるわけでございますが、しかしよく聞いてみると、これは非常に若い人には効果がある、事故も減っていくというような、そんな中であえて取り入れられた。
 ですから、私の今お話しさせていただいておるところは、相矛盾する点が多々ございます。しかし、そんな中にも、やはり若い人たちがこうした文字を使っていくことによって、ある面での存在感があり、日本語に対する愛情を持っていただくのであれば、やはりこれも一つの大事な評価をするものだというふうに私は認識をさせていただいておるわけでございます。
 ですから、いろいろな意味でこれからも、警察の方は、一度断ったが、熱心な要請でとにかく若者の事故防止に積極的に取り組む必要があるというような、その中で方針を転換されて採用されたという記事もあります。しかし、これはいろいろな考え方があるというふうに思っておりますが、どうぞそういう面では、私も、日本語も大事にしたい、小さい、幼いうちからこれから英語の教育が始まるという一つの考え方と、しかし、日本人のアイデンティティーを考えた場合に、そこのところをしっかりと我々が認識しながら使っていかないと、日本人の心、魂というものが違った方向に行ってしまうんじゃないか。我々がいただいたこの大事な日本人としての心の遺伝子を、どうこれから二十一世紀に受け継いでいくかということも政治家としての大事な使命だということを私自身も自覚させていただいて、きょうの質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○筒井委員長 次に、逢坂誠二君。
○逢坂委員 民主党の逢坂誠二でございます。
 きょうは、この決算行政監視委員会で質問の機会を得まして、大変ありがたく思っているところであります。
 私は、十一年間自治体の首長をやっておりまして、去年初めて国会議員にならせていただいたわけですが、国会に来てみて、皆さんに聞いてみたいこと、ただしたいことというのはもう山のようにありまして、何かパンドラの箱をあけてしまったというような気持ちでいるわけでありますけれども、きょうは大きく二点についてお話を伺いたいと思っております。
 まず一点目でございますけれども、猪口大臣にもお越しいただいておりますけれども、個人情報保護法制についてお伺いをしたいというふうに思います。
 お手元に四月十八日付の毎日新聞の社説を配付させていただきました。「個人情報保護法 「官」だけ得した一年だった」という見出しの書いてあるものでございます。この個人情報保護法制でございますけれども、これは、法律が制定されて、個人情報を保護するという観点では相当に大きな意味があったんだろうというふうに思っております。しかしながら、個人情報にはやはり有用性というものもあるということが法の中に書いてあるわけですが、しかしながらこの有用性を顧みない、いわゆる過剰反応が相当起きているんじゃないかというふうに思うわけですね。
 それからもう一つは、この社説にも指摘されておりますとおり、個人情報保護制度を役所が逆に隠れみのに使っているんじゃないかというような指摘もいろいろなところでされるようになってきているわけであります。
 まず、猪口大臣に、この個人情報保護法制の趣旨といったものをどうとらえているのかをお聞きしたいと思います。
○猪口国務大臣 逢坂先生にお答え申し上げます。
 昨年四月に個人情報保護法等が全面施行されました。これによりまして、個人情報保護に関する国民の意識が高まるとともに、事業者の取り組みも進んできていると考えております。
 この法の趣旨でございますが、まさに個人情報を守っていく、「個人情報の有用性に配慮しつつ、」というところでございます。しかし、この法律に対する誤解等に起因して、必要とされる個人情報の提供までもが行われないなど、いわゆる過剰反応と言われる状況も一部で見られてございます。
 このような状況に対しまして、政府といたしましては、関係省庁会議を開催しまして、国民及び事業者に対し法制度の周知徹底を図るとともに、個人データを例えば第三者に提供できる場合を事例に即して明確化するなど、政府一体としての取り組みを強化したところでございます。
○逢坂委員 今まさに、個人情報の有用性に配慮しながら個人情報を保護していくというような答弁があったわけでございますけれども、法の趣旨はそういうことだ。だけれども、ちまたではいろいろなことが言われている。何かきのうの報道によりますと、内閣府の諮問の会議でもまた、学校の安全の連絡網がつくれないなどの話が出たというふうにも新聞報道があったように聞いております。
 大臣、今のこの状況、施行後一年の状況を見て、法の趣旨、まさに法の趣旨というのは、個人情報の保護ということと個人情報の有用性、利用という、このバランスを上手に図ることが法の趣旨だというふうに私は思っているんですけれども、現状を見て、これはバランスうまくとれていますかね。このあたりどうですか。いかがですか。
○猪口国務大臣 さまざまなことが指摘されていますので、今お伝えいたしましたとおり、政府としまして、この関係省庁会議を開催して、さまざまな申し合わせを政府一体として取り組めるよう、したところでございます。
 例えば、具体策といたしまして、インターネットの活用、説明会の実施などにより法制度の周知徹底を図らなければならない、あるいは、本人からの同意を得なくても個人情報を提供できる場合等について具体例を示し、考え方を整理していく、また、法の解釈や運用基準を明確化し、各省庁はガイドラインをつくっておられますけれども、そのガイドラインの必要に応じた見直し、及び措置に関する情報の共有を行う、このような取り組みを各省庁連携して行うべきではないかという考え方のもとに、先生おっしゃりますとおり、この法が持つ二つの側面、そして法の趣旨、これは第一条に示されています趣旨でございますけれども、これの着実な実施をこのような申し合わせを行うことによりまして可能にしていくということを目指しているところでございます。
○逢坂委員 先ほど、私どもの同僚の森本委員から日本語についてのいろいろなお問い合わせがあったようでございますけれども、私が聞いたのは、個人情報の保護と個人情報の有用性、このバランス、現状の社会を見て、法施行後一年見て、バランスとれていますかという質問をしたんです。お答えいただけますか。
○猪口国務大臣 いろいろな議論がございます。やはり個人情報保護の考え方は民主主義の発展の中で非常に重要であり、さらにこれを徹底すべきという考えもございます。また、先生御指摘のとおり、これは法律に対する誤解等に起因していると思われますけれども、過剰反応があるということは広く指摘されることにもなりましたので、政府といたしましては、法の着実な実施というところをやってまいりたいと考えているところでございます。
○逢坂委員 余り日本語が通じていないようなんですけれども、何度も言うようですが、法の趣旨は、個人情報を保護することと個人情報の有用性、この両面がある、このバランスが大事だというところだというふうに思うんです。法の趣旨であるそのバランスというところが、法施行後一年を経過した今、バランスとれていると大臣はお考えでしょうかと私は聞いているんです。
○猪口国務大臣 そうですね、施行後一年たちまして、国民の意識が個人情報保護に関して非常に高まっている、また事業者の方も取り組んできている、そういうところがあると評価できるのではないかと思います。
 同時に、附帯決議が採決時においてございました。また、平成十六年四月に閣議決定されました基本方針というのがございます。個人情報の保護に関する基本方針におきまして、法の施行状況について、全面施行後三年を目途として検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとされている、こういう考え方が示されておりまして、この基本方針に基づきまして、国民生活審議会が法の施行状況のフォローアップを行うこととなってございます。
 これらを踏まえまして、現在のところ、国民生活審議会において、主な検討課題を整理するため、事業者、民間団体、関係省庁から幅広く意見聴取を行っているところでございます。
 状況でございますけれども、実は、今申し上げましたような、法をめぐるさまざまな立場からの議論が展開されていますので、ここは十分な審議が必要ではないかと考えております。政府の正式な機関でございます国民生活審議会におきまして、先生の御指摘のバランスがいかがか、また、私が申し上げましたさまざまな観点、さらに徹底すべしという考え方、あるいは過剰反応が行き過ぎているという考え方、さまざまな議論が、今、国民生活審議会で出ておりますので、その十分な審議を踏まえたいと考えております。
 他方で、直ちに私として実施できるもの、例えば法制度の周知徹底などにつきましては、これは直ちに適切に対処してまいりたいと考えているところでございます。
○逢坂委員 審議会の状況などを踏まえて慎重に考えたいというような話でございましたけれども、大臣、今、先ほどの毎日新聞の社説というのは私は一つの事例として提示をしたわけでありまして、そのほかにも、ここ半年余りで、各種新聞に個人情報保護制度の問題点というのが相当たくさん、特集あるいは囲み記事などで出ているわけですよ。これは国会図書館などに行って調べればすぐわかることなわけですね。それからもう一つは、例えば雑誌なんかも大きな特集が組まれているものもあるわけです。
 こういう状況を見て、審議会の話を聞いて慎重にということではなくて、私は、大臣個人として、こういう社会の状況を見て本当にバランスとれていると思っているのですかという基本姿勢を聞いているんですよ。その辺、どうですか。
○猪口国務大臣 政府といたしまして、これは大臣としてということでもございますけれども、懸念されることがあると考えましたので、そもそも関係省庁会議を開催したのでございます。そして、そこでは非常に真摯な議論が展開されました。それで先ほど先生の御質問に答える形で、具体的なそこでの検討内容についてお伝えしたんです。
 その中には、本人からの同意なくても個人情報を提供できる場合、しかし、これにはやはり法の精神もございますので、具体例を示して考えを整理するということを関係省庁において、それぞれの省においてもやっていただき、各省がつくっているガイドラインも、こういう懸念が社会から指摘されているので是正すべきは是正すべきということをやったわけでございます。バランスがとれているかということにつきましては、いろいろな懸念が表明されているので、政府といたしまして系統的かつ一体的かつ総合的に対応する、私個人の印象論でということではなく、組織的に対応するというところを誠実にやっているところでございます。
○逢坂委員 ということであれば、要するに懸念がある、大臣としての職の上でこれは懸念があると思っているからそういう会議を開催しているんだという今の御趣旨でございました。
 私は個人的にどう思うかということを聞いたわけですが、要するに、大臣として、やはりこの法制についてはいろいろ問題がありそうだ、そういう認識を持っているということでよろしいですね。
○猪口国務大臣 法が策定され、決定され、採決され、そしてそれを実施していくというプロセスと合わせて、その法の精神が適切に社会の中で意味を持つものではないかと思います。
 そして、実施の段階におきまして懸念が表明されています。それは誤解等からかもしれず、またその他の理由もあるかもしれず、そういうことにつきましては、法の着実な実施の責務を負う政府におきまして、また、関係省庁が多岐にわたりますので、連絡会議をつくり事務的にきちっと、先ほど申し上げたような具体例を示し、考え方を整理し、また、既にあるガイドラインの必要な修正は行うということを申し合わせてございますので、法と社会との関係におきまして、この個人情報保護法が示す法の理念そのものは非常にとうといものがございますので、その着実な、また誤解なき実施を求めて努力していくプロセスのさなかにございます。
 また、先ほどお伝えしましたように、附帯決議と基本方針で施行後三年後ということでございますけれども、既に前倒しでそのような対応を政府としていたしているところでございます。
 また、国民を代表する正式の機関といたしまして国民生活審議会がございます。当然そこでの議論は、先生御指摘の報道等も恐らく委員の皆様は読んだ上で活発な議論がされているところと考えております。
 いろいろな議論が実はございます。例えば、いわゆる過剰反応がありますので法の運用を緩和すべきだという意見もございます。また、むしろ法の制定によって初めて我が国で個人情報保護という観点からの意識が高まったので、それは非常に評価できるんだという意見もございます。また同時に、依然として個人情報の流出が発生しているではないか、むしろ法を強化すべきだというような意見など、さまざまな意見が闘わされていますので、ここは、その意見をしっかりと伺いながら必要な対応策を政府として講じてまいりたいと考えております。
○逢坂委員 いろいろとたくさんお話をいただきましたが、私がこの問題を取り上げる理由は幾つかあるんです。
 私たちの社会というのは、いろいろな他者とのかかわりの中でやはりでき上がっているわけですね。他者とのかかわりというものをないがしろにすると社会の意味をなさないわけであります。特に今、コミュニティーといったような概念が非常に重要だ、コミュニティーには、福祉力もあれば防災力もあれば教育力もある、いろいろなことが言われているわけですね。
 そういう中で、例えば地域の町内会活動のようなもの、町会活動のようなものが、個人情報保護制度を誤作動させることによって、過剰反応させることによって機能をそぎ落としてしまう。あるいは、学校教育なんというのは、子供たちが初めて小学校へ入る、あるいは幼稚園へ入る、初めての集団生活をする、これもまさに他者とのかかわりであります。しかし、そういうときに、連絡網もつくれないとか、いや、実は住所も教えられないとか、出身がどこかもわからないというようなことでは、これは集団生活の意味をなさなくなるわけでありますね。だから、地域力の低下ということにつながっていくんだというふうに私は思うからこういう質問をするんですが、大臣、この点、いかがですか。簡潔にお願いします。
○猪口国務大臣 先生御指摘のとおりの事例につきましては、関係省庁の今申し上げました連絡会議や国民生活審議会においても、関係者は念頭に置きながら議論をされていると考えております。
 また、先生が今御指摘されました内容の中で、コミュニティーの力、地域力、これをもって福祉や教育、さまざまな問題に対応すべきであり、その基礎となるコミュニティーの感覚が今後も強化されなければならない、そのためには、お互いにどういう方と御一緒かという基本的な情報について共有できるようになるべきではないかという、恐らくそのような御趣旨の御指摘ではなかったかと思いますので、先生の御指摘、私として重く受けとめてまいります。
○逢坂委員 あともう一つの観点が、昨年国勢調査が行われましたけれども、国がいろいろやる基礎的な統計データの収集、この点においても、個人情報保護法制の過剰反応によって適切に情報が集まらないということになる、そんな現象も生まれているのは大臣も認識しているかと思うんですね。
 要するに、個人情報の有用性をないがしろにしてしまうと、国家の基礎的な姿を把握するということすらできなくなるわけであります。だから、まさに私はバランスが大事だという指摘をしているんですが、この点はいかがでしょうか。簡潔にお願いします。
○猪口国務大臣 先生御指摘のような実態があるということは、私も報告を受けており、存じております。今申し上げましたような政府の中の機関においても、議論のときに認識されていることと思います。
○逢坂委員 いずれにいたしましても、やはり個人情報を保護するというのは非常に大事なことだと思います。私自身も自治体の首長をやっておりまして、個人情報というのは大切にしなきゃいけない、これはもう非常に大事な概念であります。でも、片や社会というもののあり方を見たときに、その有用性、このバランスが大事だというのも全くそのとおりであります。
 ところで、先ほどお示しした資料の社説の中に、例えば、「内閣府が昨年七月、幹部の人事異動で従来は公表してきた生年月日や最終学歴などを「個人情報に該当する」として外した。」なんということが紹介されているんですが、これはもちろん、猪口大臣は民間の個人情報の方の担当でありますから直接は大臣としてのお仕事ではないと思うんですが、こういう公務員の隠れみのに使われ始めているのではないかという指摘に対しては、どのように個人的に思われますか。
○猪口国務大臣 私はここで個人的な意見を述べるべき立場ではございませんが、公務員の仕事につきましては、これは公正になされなければならず、また、そのように対処すべく総務大臣が統括されているというふうに考えております。
○逢坂委員 大体趣旨は御理解いただけているんだというふうには思うんですが、私は、このままこの個人情報保護法制全体を放置しておくと、やはり日本の社会全体が萎縮してしまう、社会全体の、地域力だけじゃなくて社会の活力をそぎ落とすというふうにも心配をするわけであります。
 そういう意味からいいますと、今大臣がおっしゃった国民生活審議会ですか、こちらでいろいろ議論をされているということでありますけれども、その議論を待って対応を考えていくのでは、取り返しのつかない認識が国民の中に広がっていくのではないか。時期的に、事務方には来年の夏ぐらいというふうにも聞いておりますが、それから法の見直しをするなどということでは対応が遅過ぎるのではないかという気がするんですが、いかがでしょうか。
○猪口国務大臣 個人情報保護法は非常に重要な法律でございます。その見直しにつきまして、全面施行後三年を目途にということが、先ほど申し上げました附帯決議及び閣議決定で定められている。これは重い決定でございますので、そこはやはり重視していかなければならないと思います。
 必要な観点がさらにあると考えられますときには、先ほどの関係省庁会議のような省庁間の連携を強化しながら、実施における誤解を解く等のための必要な対策をとるということは、今後も臨機応変に、問題指摘がされ、また広くその認識がある場合においてはそのような対応をするということは排除されるものではもちろんございませんが、国民生活審議会の重さを踏まえて、そこでの議論をやはり尽くしていただく必要は、担当大臣といたしましては、これは守っていかなければならないということは御理解いただければ幸いでございます。
○逢坂委員 法に、附帯決議の中に三年以内とあるからそれを守る、あるいは国民生活審議会というのは大事だからそれを守るということは、基本姿勢としては大事でしょう。しかしながら、社会の中でいろいろな問題が噴出しているということになって、将来において取り返しのつかない事態になるとするならば、そういう決めもやはりある程度度外視して現実的な対応をするというのが私は政治の役割だというふうに思いますので、ぜひ大臣、臨機応変に、いわゆる旧来型の、お役所仕事じゃない、政治家とは違うというところを大臣のその女性の魅力で、がしっとやっていただければというふうに私は御要望申し上げたいと思います。
 さてそこで、この問題はこれで終わりまして、次に、地上波デジタル放送に関してちょっとお伺いをしたいんですが、竹中大臣、本当に、総務委員会に引き続き、ありがとうございます。
 お手元に四月十七日付の朝日新聞の記事を配付させていただきました。これを読みますと、もう皆様方にはおわかりのとおりですが、二〇一一年にアナログ放送が終了して地上波デジタル放送が始まる。しかし、この際に、旧来のアナログテレビというのは、デジタルチューナーをそろえたり、アンテナ工事をしたりしなきゃ使えないということになるわけですね。
 しかも、その新聞記事を読みますと、何かゆゆしきことが書いてありまして、総務省内部にもPSE法の二の舞となるとの指摘もあるようだと。これは本当に対応は大丈夫かという懸念の記事でありますが、大臣、このあたり、対応はどうなっているでしょうか。いかがでしょうか。
○清水政府参考人 先生御指摘いただきました二〇一一年のデジタル移行の関係でございますけれども、移行が順調にいきますように、これは当然国として、放送事業者もメーカーも含めて全国の、地上デジタル推進全国会議というものを設けて、それで現在推し進めているところでございます。
 このときに行動計画を現在作成してきておりまして、昨年の十二月の時点でもやっておりますが、この四月で九五%以上デジタルがアナログ時の世帯に対してカバーできるようになってきておりますので、そこで、受信機の方も含めて今進めております。受信機の発売等々についても広報関係に力を入れながら全力で取り組んでおりまして、二〇一一年の目標期限からおくれることがないように現在進めているところでございまして、順調に進んでいるところと承知しております。
○逢坂委員 企業レベル、放送局レベルではいろいろな対応があるんでしょうけれども、私がやはり一つ懸念するのは個人のレベルです。個人のレベルで相当いろいろと、テレビなどをお買いになっている特に高齢者ですとか社会的弱者の皆さんなんかは、これを取りかえるのは結構しんどいんじゃないかというふうに思うわけですね。
 それともう一点が、難視聴地域でありますとか集合住宅で共同でアンテナを立てているケースがあるわけですね。これは共同で持っているアンテナも、NHKが持っていたり、自治体が持っていたり、あるいはその他民間が持っていたりといろいろな種類があるわけですけれども、やはりこれらに対する配慮も、その方たちだけで何とか対処しろというのも難しいんじゃないかと思うんですが、この点、総務大臣、いかがですか、個人のレベルあるいは共同アンテナのレベルというのは。
○竹中国務大臣 委員御指摘のように、この問題は、いわば日本社会の中のテレビという最も中核的なもの、その技術体系をデジタルなものに大転換するという非常に大がかりな作業であると思います。しかし、長期的な視点から考えますと、これは諸外国の動向も踏まえてでありますけれども、やはりぜひとも実現しなければならない。それを実現することによって得られる国民社会全体のメリットというのは、極めて大きいものだというふうに思います。
 そのためには多面的な配慮を十分にしていかなければいけない。もちろん、それができるかどうかということに関して、つまり電波を供給できるかどうかということに関して、これは放送局の方の大変重要な役割がございます。それについては、局長が申し上げましたように、今ロードマップというのをつくってもらっていまして、九五%まではいけるというところまで来ております。あと一息。そのことはそのことで、まずしっかりとやってまいります。
 一方で、昨今のPSEの事例も少しお引きになられましたけれども、やはりそれに対応する受像機を持った国民の側の対応についても十分に目配りをしなければいけないと考えております。
 御承知のように、今、アナログのテレビについてはラベルを張って喚起を促しております。今二〇〇六年ですから、二〇一一年、まだ五年先だという思いが消費者の側にはあるのだと思います。確かにまだ五年あるわけですけれども、これはやはり、五年ですから、あと二年たった三年後の対応、そこはしっかり段階的に、ぜひきめ細かくやっていかなければいけないというふうに我々としても考えております。
 中継局等々に関しても、実態を把握しながら、やはり実態としてデジタルな波が供給されることを我々としては保証しなければいけないと考えております。そこは、国の役割、自治体の役割、そして企業の役割、また個人でいろいろ御工夫をいただくところもあると思いますので、きめ細かく対応してまいるつもりでおります。
○逢坂委員 いずれにいたしましても、二〇一一年の七月で今までのアナログがとまるということになって、受信できない世帯などが出るとこれは大変な混乱を招く、あるいはその時点でたくさんのテレビの廃棄物が出るということも、これもやはり相当ゆゆしきことだろうと思いますので、まず、個人のレベルはちゃんと対応してもらうということが大事かと思います。
 それと、一方で、まさに竹中大臣から放送局の側の話が若干ございましたけれども、お手元に四月十一日付の朝日新聞の記事を用意させていただきました。実は、全国で確かにいわゆる整備のロードマップをつくってやっている、九五%程度は大丈夫だ、九八%程度は大丈夫だということは理解はするわけですが、でも、現行のアナログの受信エリアのカバー率、例えばこの記事を読みますと、北海道内の九八%をカバーするためには六十カ所程度の中継局があればいい、だけれども、残りの二%、三万世帯を整備するのに百カ所も実は必要になるんだ、中継局が。ですから、大ざっぱに整備するには何とかなるけれども、残り、今のカバーをちゃんと達成するために、最後のところで相当数のコストがかかるということでありますね。
 それから、特に北海道の場合、通常の本州の局に比べて倍以上の経費がかかるんだということでありますけれども、経営ということを考えると、これはなかなか大変じゃないかというふうに私は思うわけですね。
 実は、北海道の場合、アナログ時代にも自治体と放送局がいろいろと協力をしまして、これも当時の自治省にも御支援をいただいて公的なバックアップをした経過もあるわけですが、現時点で、これは自治体に支援するのか放送局に支援をするのかは別にしても、この放送局レベルの地域格差、これを何らかの形でバックアップしなければ現行のアナログのカバーの範囲よりも狭くなってしまうのではないかと思うんですが、総務大臣、いかがでしょうか。
○竹中国務大臣 今逢坂委員から御指摘いただきましたように、全体として九五%というふうに申し上げましたが、実は相当の地域格差がございます。
 それぞれ、例えば北海道の場合は非常に広いということで、これは北海道御出身の委員が実感しておられるところだと思いますけれども、なかなか難しい面がある。よく出てくる例ですと、例えば岩手県等々の山間部等々についても、これはやはり山間部については同じ問題がある。そういった意味で地域格差がある。私、先ほど、だからきめ細かくというふうに申し上げたつもりなんでございますが。
 実は、ここでもう一つ重要なのは、最近の技術の進歩を反映して、例えば、純粋に電波を飛ばすだけではなくて、IPマルチキャストであるとか衛星とか、非常に多様な選択肢でデジタルな放送を行うことが可能になってきているということでございます。このデジタルな技術を活用して、実態的にきめ細かく皆さんのところにデジタルな放送が行き渡るように、そういう対応をぜひしたいというふうに考えております。
 その中で、先ほど言いましたように、究極的に、やはりこれは、民間の役割、そして自治体の役割、国の役割、いろいろ出てくると思います。今、しかし、九五%まで来たロードマップを何とか一〇〇%に近づけようとしている最終段階でございますので、今申し上げたような技術の活用、そしてそれぞれの役割の分担、多様な組み合わせできめ細かく対応してまいりたいと思っております。
○逢坂委員 何らかの形でこれはやはり、特に最後の一%、二%の地域に住んでいる方というのは弱者が多い地域でもありますので、国を挙げて何らかの対応、対策というのが必要だというふうに思います。
 それから、いろいろな新しい技術があって、それで対応できるという話でありますが、今回のデジタル化の一つの目玉は、やはりモバイル環境、要するに、ワンセグに代表されるようなそういうものが使えるということでありますので、このワンセグのようなものが使えない形でデジタル化が実現しても、それはアナログとさほど差がないということにもなりかねませんので、そうでもない部分もあることは私も理解をしておりますが、その点も御配慮いただきたいと思います。
 そこで、大臣、実は今、これほど全国のいわゆる地方局がこれに投資をする、厳しいという状況になるわけであります。特に北海道や岩手や長崎なんというのはその例だ、沖縄なんかもそうでしょう。そうしたときに、東京のいわゆるキー局が財政的な支援を何らかの形でしようとか、あるいは、これは現実的かどうかわかりませんけれども、キー局を中心にして持ち株会社をつくって系列局の経営をある種バックアップしようなどということも、ちまたではささやかれているわけであります。
 ただ、こうなってしまいますと、私は、地方放送局の独自性、自律性というんでしょうか、そういうものが阻害されるんではないか、あるいは日本全体で放送局の寡占化が進んでしまうんじゃないかというふうに思うんですけれども、このあたり、大臣、いかがでしょうか。
○竹中国務大臣 まさに委員御指摘の点は、いろいろ今話題になっておりますマスメディア集中排除原則について、やはりその意義があるのではないかという御指摘だと思います。
 言うまでもなく、特定の一の者に、少数の者によって所有または支配される放送系の数というのは、やはり何らかの制約が必要なのだと思います。国民の側から見ましても、非常に多様なオピニオン等々が提供されることによって民主主義のインフラが確保される、この点は大変重要であると思います。
 しかし一方で、実は、このマスメディア集中排除原則というのは、振り返りますと、かなり頻繁に見直されてきているということも事実なんでございます。これは、非常に細かいところで、その制約をどのようにどこまでかけるべきかということについては決して一律に何か固定的なものがあるのではなくて、やはり、その時代の要請、技術の変化等々によって柔軟に変化していくべきであるということを、今までもう頻繁に変わってきたということ自体がお示しをしているのではないかというふうに私は思います。
 先日の四月十二日の通信・放送融合の懇談会がございましたけれども、そこにおいては、市場の活性化という観点から、やはりマスメディア集中排除原則は方向としては緩和していく必要があるのではないか。この緩和については、実は民放連自身が、民放連はローカル局も入っておられますが、民放連自身が方向としては既にお述べになっていることでもございます。
 しかし、同時にその懇談会で議論されたのは、やはりこういうマスメディア集中排除原則があるということ自体の意味はきちっと受けとめなければいけない、したがって、そういう放送の多様性についてしっかりと確保されるような仕組みはちゃんと保っていかなければいけない。これについても、委員の間ではしっかりとした議論がなされているというふうに考えております。
 いずれにしても、結論が出されているわけではございません、何かの方向性を決めているわけではございません。しかし、技術環境の変化等々に合わせて、こうした議論をタブー視することなく、しっかりと御議論はしていただく必要があるかと私は思っております。ただし、その際も、委員言われましたように、この原則が持っている本来の趣旨はしっかりと踏まえていくつもりでおります。
○逢坂委員 御丁寧に答弁いただきましたので、質疑時間が終了したのですが、最後に、今、民放連も寡占化は多少緩和すべきではないかという話がある、それには地方局も入っているというお話でございました。
 大臣、ここは非常に重要なポイントだと思うんですが、東京キー局と地方局というのは、やはり発言力その他においても随分差がある、経営内容も全く違っている。それを同列の会員として、地方局も入っている民放連だからそれが全国の声であるというのは、私は少し緻密さに欠けるのではないか。やはり地域の声というものをよく聞いていただきたいというのが一つです。
 それから、確かに、寡占化ということについても柔軟な見直しが必要だということは、私も時代の変化に応じて必要なことだとは思うのですが、だけれども、今回のデジタル化、これは技術の改変でありますから、このデジタル化ということを一つの契機にして、意図せざる寡占化、本当は寡占化などということは意図していないんだけれども、結果として、デジタル化を進めようとする中で寡占化になってしまったということでは困るわけでありますね。
 本当に議論をした上で、この程度は寡占化について規制緩和をしようということで、その範囲で進むのならいい。だけれども、意図せざる、デジタル化が終わってみたら日本に放送局は結局五つしかなかったよというようなことでは困るのだというふうに思うのです。このあたり、ぜひ、意図せざる寡占化が進まない、あるいは地域の自律性、自主性というものをちゃんとしっかりとするんだというあたりでこれをやっていただきたいと思うんですが、最後に、いかがでしょうか。
○竹中国務大臣 委員の、地域の声をしっかり聞けというのは、まさにそのとおりにしなければいけないというふうに思っております。
 繰り返しになりますが、先ほども、そもそもこういう規制があること自体の意味はきっちりと踏まえなければいけないと私自身も考えておりますし、懇談会のメンバーも同じような思いでおります。
 それと同時に、やはりその意味では有効な競争政策といいますか、競争環境がなければいけない。これはもうすべてについて当てはまることであろうかと思います。むしろ、デジタル化によりまして、ちょっと極端な話、個人でも放送と類似の機能を持てるような時代に今なっているわけでございますので、そういう変化を踏まえた上での新しい政策のあり方がまさに求められているのだと思っております。
 地域の事情を踏まえなければいけない、そういう事情につきましては、しっかりと肝に銘じてやってまいります。
○逢坂委員 以上で質問を終わります。
 どうもありがとうございます。
○筒井委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十二分開議
○筒井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 平成十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)、平成十六年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)、平成十六年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(承諾を求めるの件)、以上の各件を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各件審査のため、本日、政府参考人として財務省大臣官房審議官佐々木豊成君、財務省主計局次長鈴木正規君、国税庁課税部長竹田正樹君、厚生労働省健康局長中島正治君、厚生労働省医薬食品局食品安全部長松本義幸君、農林水産省消費・安全局長中川坦君、経済産業省大臣官房商務流通審議官迎陽一君、経済産業省大臣官房審議官江嵜正邦君、国土交通省大臣官房審議官桝野龍二君及び国土交通省航空・鉄道事故調査委員会事務局長福本秀爾君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○筒井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
○筒井委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本剛明君。
○松本(剛)委員 民主党の松本剛明でございます。
 予備費の使用についてということで質疑をさせていただきたいと思いますが、谷垣財務大臣そして額賀大臣にお伺いをしてまいりたいと思います。
 とりわけ額賀大臣は、大変お忙しい中、米国へ行って戻られたところだというふうに承知をしておりますので、大変お疲れのところかと思います。また、国益にかかわる交渉中は私どももなかなかお聞きをしにくいところがありますが、一区切りをおつけいただいて、いよいよ国会での説明の段階に入ってきたのではないかというふうに思いますので、率直にいろいろお聞きをしてまいりたいと思います。
 まず、十六年度の予備費の使用について、一、二質疑をさせていただきたいと思います。
 拝見をさせていただきますと、いわゆるテロ対策法に基づく費用というのが、二回ほど、五十億支出をされております。これは、伺いますと、基本計画を閣議決定して、その後予備費で出す、こういう手続なんだということで、お聞きをすれば、まあそれはそれでそういう手続なのかなという気もいたしますが、テロ対策のこれについては、ずっと継続をしてきているものであります。
 そういう意味からしますと、また、私の考えでは、やはり自衛隊を動かすお金をどこで決裁するかということは、非常に重たいものがあってしかるべきだというふうに思っております。諸外国でも、恐らく、軍隊を動かす場合の費用の決裁というのは、それなりにやはり議会のチェックがかかる仕組みになっているだろうというふうに思います。
 そういう意味からしますと、もちろん基本計画が決まってから予備費を出すんだというか、基本計画が決まってからお金を出すから予備費で出すしかないんだ、こういう御説明なんだろうと思いますが、これから先、考えていただいたときに、本当にこういう継続的に毎年当たり前のように出る、しかもそれが自衛隊を動かす費用であるというものが予備費の支出であるということは、本来の予備費の支出の趣旨とは相当かけ離れている、こういうふうに思うわけでありますが、この点について、御説明というか御所見を承りたいと思います。予備費の使用だったら、谷垣大臣にお願いしましょうか。
○谷垣国務大臣 今、松本委員がおっしゃったことと同じになるんですが、テロ対策特措法では、内閣総理大臣は、協力支援活動等を実施する必要があると認めるときは、活動の内容、期間等について定める基本計画をつくって、そして閣議決定を求める、こういうことになっております。
 それで、この基本計画は、平成十三年以降、五月と十一月、閣議決定で変更、要するに延長してきたわけですが、今、松本委員がまさにおっしゃったことなんですが、当初予算を編成するときには、翌年五月以降の基本計画の延長というのがまだ内閣として決まっておりません。ですから、そこまで行くまでは当然当初予算に入れるわけでありますけれども、それ以降は意思決定が行われてからということで問題を整理してやってまいりました。
 したがいまして、防衛庁からも基本計画の延長を前提とした要求はされてこなかった、こういうことでございまして、予備費で対応してきたわけでございますが、もちろん予備費は、当然、国会のコントロールを及ぼす観点から、事後に国会の承諾をいただかなければならないわけでございます。
 それで、ここから先は答弁原稿に書いていないことでございますが、ずっとルーチン化して延長してきたじゃないかとおっしゃいますが、これはやはり終わったときには速やかに終わるべきものでございますから、まだ決まっていない段階でここまでやるだろうと予定して予算を査定してつけるというのは、財政コントロールの観点からいいますと、やはり問題も相当あるんだろうと私は思います。
○松本(剛)委員 額賀大臣にお伺いをしたいと思いますが、実はイラクの費用というのは、御案内のとおり、今の基本計画との関係で、十二月が切れ目だということもあって、今までも、本予算で請求をし、また十二月に予算をとる、こういうことの繰り返しが十六年度、十七年度と行われてまいりました。十八年度、決まれば予備費から出す、今十二月のことをお答えいただくのは若干微妙かもしれませんが、どんなお考えでしょうか。
○額賀国務大臣 お答えします。
 これは、委員御承知のとおり、十八年度予算においては、昨年十二月に支援法に基づく基本計画ができまして、自衛隊の活動期間が十二月十五日からことしの十二月十四日まで延長されているわけですね。したがって、十二月十四日までの経費が当初予算でなっているわけであります。
 それ以降のことについては、やはり、今、谷垣大臣もおっしゃっておりましたけれども、テロ対策については各国協調の上で我が国も主体的に取り組んでいるんですけれども、その状況についてどういうふうに判断するか、そういうことは極めて重要なわけでございますから、これはもう十二月直前になって検討するのが自然の成り行きであると思っていまして、今の時点で十二月十四日以降もやりましょうというわけにはなかなかいかないというのが現実的な対応だろうと思っております。
○松本(剛)委員 谷垣大臣に改めて確認をさせていただきたいと思いますが、予備費については憲法に定めがあり、財政法に定めがあり、そして閣議決定で「予備費の使用について」という内容のものがあるのは、御案内のとおりだろうと思います。極めて限定的に予備費の運用を定めているということと同時に、この予備費の使用の閣議決定のところで、国会開会中は、特に定めたものを除いては予備費の使用は行わない、こういうふうに書いてもあります。
 つまり、基本的には、やはり国会が開会をしていれば、国会の承諾を求めるべきものは求めるべきだ、こういう精神だというふうに思います。今までやってこられた予備費が法的に合致している、合致していないという議論は、いろいろ解釈のしようがあると思いますが、政治的に、やはり国会が開会をしている以上はできるだけ国会の承認を求めて、きちっとお金を出すべきだということがこの精神だろうというふうに思います。
 その中で、この自衛隊を動かすお金をどういうふうにするのかということは、今テロのお話、それからイラクのこともお聞きをさせていただきました。動かす、延長するについては、どちらもきちっとした国会承認を置くべきだと私たちは国会で主張してまいりましたが、私どもからすれば残念ながら、閣議決定で延長ができる仕組みになっております。せめて、そのかかる費用については、その年間の分は何らかの形でやはり国会できちっと議論ができるような形にしていただかないと、今お話があったように、いや、決めているところまでのお金は請求するけれども、そこから先はどうなるかわからない、しかも、それは国会で議論はできない。
 予備費は、おっしゃったように事後承諾ということにはなっています。しかし、これは取り消せるという性格ではないというふうに私は理解をしております。万一、不承諾ということになれば、政治的責任は発生をするかもしれませんけれども、そういう意味での承認、承諾ができるということにはならないというふうに思います。
 特に、これから恐らく国際協力を含めて、今行われている金額は予備費という金額から見ればたまたま一割以内ぐらいの金額しか動いていません、テロについてもイラクについても。これから先も、海外にどのぐらい出るとか、海外に限らずこういう形で出るというのはいろいろなケースが想定をされるとは思いますけれども、本来、やはり自衛隊を動かす費用の国会での承認のとり方というものを、こういう予備費の支出を安易に使っていくということは私は適当ではないと思うんですけれども、両大臣に順次、政治的にどういうふうにお考えかという御意見を承りたいと思います。
○谷垣国務大臣 確かに、予備費の使用は、委員がおっしゃったように、昭和二十九年に閣議決定がありまして、それ以後見直してはおりますが、基本的にこの昭和二十九年の閣議決定で来ているところでございまして、改めて私も読み直してみました。
 それで、内閣の責任で憲法上も使用できることになっておりますが、だからといって、予備費というのは、あくまで例外と申しますか厳格に使わなきゃならない。私どもも、その使い方には意を用いて、野方図に流れないようにやってこなきゃいかぬとし、また、やってきたつもりでもございます。
 そこで、国会開会中の使用というのは、特に、委員がおっしゃったように、できるだけ限定的にすべきものであるということは当然のことでございますので、義務的な経費、災害、そのほか緊急に必要がある場合に限定する。これはできる限りそこを絞って考えるべきということは、私も委員のお考えと共通をしているわけであります。
 ただ、テロ特措法ないしイラクの場合に限ってみますと、派遣延長決定時、これは派遣部隊の活動経費を継続的に確保する必要がございますし、派遣決定から派遣延長決定までの、その期間が極めて短いというのが今までの例でございます。ということになりますと、予備費の使用によらなければなかなか対応できなかったということがございます。したがってそういう扱いにしてきたわけでございますが、今後とも、そういうものがいたずらにルーズに流れないように、私どももきちっと見ていきたいと思っております。
○額賀国務大臣 お答えします。
 先ほど、松本委員の御質問に対して、私、勘違いして、最初の答弁はイラクの問題で言ったけれども、その過程でテロというふうな話をしていたようでありますが、人道復興支援の状況を見るに当たっても、現場の状況とか国際的な状況はどうなるのかとか、そういうことを注視しながら考えていくという意味では同じことでありますので、御理解をいただきたいというふうに思っております。
 それから、自衛隊の活動については、もうこれはシビリアンコントロールでありますから、法律に基づいてどういうふうに動かすかということが原点でございます。したがって、イラク特措法、テロ特措法によって一定の抑制された中で自衛隊を活用しているわけでございます。法律に基づいて一年間活動ができる、具体的には基本計画に基づいてやられるということでございますから、その上では、基本的に法律できちっと担保された中で仕事をされているというふうに思っております。
○松本(剛)委員 私どもが今ここで議論をしている予備費の使用に当たっているものは戦費だというふうには思いませんが、米国の場合は戦費と言われる、特に軍隊を動かしたものは。もちろん、予算の仕組み、議会の権限が随分違いますから、一概に同列には論じられませんが、やはりかなり厳格な議論を議会でした上で行っているというふうに理解をしております。
 そういう意味では、おっしゃったように法律に基づいて、行為であるとか権限であるとかが国会で定められた中で行われるのは当然でありますけれども、やはり、財政的にどのぐらいの規模でどういうことになるんだということを一つ承認をするというのは、非常に大きな国会の役目だ。ましてや、自衛隊の機能がある意味では今、多機能、弾力的ですか、さまざまな機能が求められるようになってくればくるほど、その費用を国会で議論するというのは非常に大事なことだというふうに思っています。
 ぜひ御検討いただきたいのは、予算が年度でいくのであれば、一年、一年でいくのであれば、もちろん今既存の法律はなかなか動かしにくいと思いますけれども、例えば三月三十一日から翌年三月三十一日までの期間だとすれば、ある意味では予算といつも一致した形で請求ができるわけですね。これを、スタートした時点から一年で区切っているから、あとはこの予備費という、私の方から申し上げれば、ちょうどいい便法があるからそのままにしてあると言ってもいいのではないかなというふうに思います。
 改めて財務大臣にも、財政をコントロールする立場からも、これは、例えばイラクは本当に、並べて見ていただいたら、十五年度はおっしゃったようにしようがないと思います、最初の年ですから。しかし、十六年度、十七年度はもう本当に機械的に、ある意味では自動的に予備費が出てくるんですね。テロ特措法の方も同じです。たまたま、きょうたしか閣議決定されておいでだと思うんですが、四月二十五日付で、五十億ほどですか、言うなれば半年ごとに自動的に五十億ずつ予備費が出ていくというのは、どう考えても予備費の支出には適当ではないというふうに私は思いますので、ぜひ御検討をいただくようにお願いをしたいと思いますが、御所見だけ承ってこの件は終わりたいと思います。
○谷垣国務大臣 イラクのような案件は、これは防衛庁長官にお答えいただく方がいいのかもしれませんが、やはり事柄上、いつまで派遣しているんだということをあらかじめ言うのはなかなか難しいと思うんですね。
 それで、むしろ気持ちとしては、もう役割を終えたときは速やかに引き揚げるという気持ちが、防衛庁長官はどうお考えかわかりませんが、私なんかはそういう気持ちがございまして、余り長くあらかじめ決めるのはどうか。半年ごとに計画を決定していくというのは、やはり私はそれなりに意味のある仕組みなんだろうというふうに思っているわけでございます。
 そこで、年度に合わせられないのかということになりますと、これはかなり技術的な問題になってくると思うんですね。年度に合わせましても、では半年ごとの見直しということになりますと、一年全部というわけにはなかなかいきませんし……(松本(剛)委員「イラクは一年ですから」と呼ぶ)イラクの方はそうですね。そういうことはございますが、かなり技術的な性格を持っておりますから、やはり、当初、計画を立てますときに一年ごとなりないし半年ごとに見直していくという仕組みでやられたことには、私はそれなりに意味があるのではないかと思っております。
○松本(剛)委員 時間もあれですので、もう一言だけ改めて申し上げておきたいと思います。
 今もお話がありましたけれども、あえてこういうことも申し上げたのも、これからどのような金額でどういう形になってくるかという問題もあろうかと思います。予備費の枠と今こういう形で使われているお金が、本当に一〇%未満だからこそ、財務省の側の皆さんからしても、まあ、このぐらいは予備費の枠を使ってもいいわ、こういう話だろうと思いますが、だからといって、これはちょっと予備費の使用で定められる軽微な金額とは言いがたいと思っているんです。
 改めて、今後のこういう財政支出のあり方のつくり方、ルールというものはきちっと御議論をいただいていかないと、我々からすると、どこで歯どめがかけられるのかという仕組みづくりにもかかわってくる問題だというふうに思いますので、ぜひその点は、きょう予備費の議論の場をいただきましたので強く要請を申し上げて、次の議題に入りたいと思っております。
 この機会をいただきましたので、ちょうどお帰りをいただいたところで額賀長官から、今回のグアムの移転費の問題について二、三お伺いをしたいと思います。
 冒頭にも申し上げましたけれども、その意味では、お忙しいところをきょうおいでをいただき、たまたま私の質問の機会をいただいたのは、私にとっては大変奇貨とするところでありますけれども、申し上げたように、本当に、これから国会でも国民に向けて御説明をいただくというときにかかってきました。私どもとしては、きょう、一、二お聞きをし、改めて本会議、予算委員会等でもしっかり御説明をいただくように恐らく求めさせていただいているというふうに理解をしておりますが、きょうはこの場で一、二お伺いをしたいと思います。
 まず一つは、合意をしたというふうに報道をされておりますが、米国政府と、総額百二・七億ドル、そのうち六十億九千万を日本が負担をし、いわゆる無償支援、出資、融資、それぞれの金額は申しませんが、ということで合意をした。この理解でよろしいのでしょうか、確認をしたいと思います。
○額賀国務大臣 お答えします。
 米軍再編の問題で一番の焦点だったのが普天間飛行場の移転の問題でありました。それに関連して、沖縄にいる米国の海兵隊司令部をグアムに移転をする、それが沖縄県民の負担の軽減につながっていく、日本の基地の負担の軽減にもつながっていく。それを一日も早く実現していくためにどうしたらいいのかということを考えたときに、やはり軽減をしていくスピードを上げていくために、我が国も一定の、応分の資金的な負担をしながら、この負担の軽減、海兵隊のグアム移転の促進を図ろうということで鋭意協議をしてまいったのでありますけれども、全体的な枠組みとして、移転にかかわる費用が、米国の積算でございますけれども、百二億ドルということでございます。
 その中で、我が国がどういう負担ができるのかということでいろいろと積算をしていった結果、今言ったような形の負担をすることになったわけでございます。六十億ドル余りの負担をする。しかし、この中で一番大事なことは、国民の財政、真水の支出が幾らであるかということでありますが、これは二十八億ドルでございまして、アメリカの三十一・八億ドルと比べると少なくなっているのは当然でございます。
 あとの融資、出資があるわけでございますけれども、それを含めて六十億ドルでございますけれども、これについては、いずれ国民それから国家に返済されてくる金額であるというふうに認識をしているわけであります。
○松本(剛)委員 これは、合意は何らかの文書で交わされたということなんでしょうか。今お話がありましたような内容も、国会がちゃんと承認をすればという留保条件をつけていただいて合意はされてきたことだろうというふうに思いますけれども、その辺のところは、どういう形で合意文書なり協定なりという形にされてきたのか、御説明をいただける範囲でお願いをしたいと思います。
○額賀国務大臣 これは、日米のそれぞれ、防衛庁長官、国防大臣として責任ある立場で枠組みについて合意をしたということであり、これから詳細について協議をして、政府の考え方としてまとめていきたい。と同時に、日米の間でも、米軍再編に伴う最終的な合意文書というものをつくっていくという形になるわけでございます。
○松本(剛)委員 私は、長官の御苦労は大変なものがあっただろうというふうに思っております。特に、この普天間の問題は、長らく懸案と言われながら動いてこなかった問題でありますが、この半年の間に、長官が御就任になられてから、いろいろなものを相当スピーディーに動かされたということは、私どももよく拝見をさせていただいているところでございます。
 ただ、そういう中で、やはりこれだけ巨額の金額であります。先ほど、かなり米国よりは少ない真水の部分にしたんだ、こういうお話ではありましたが、やはり日本円に換算すれば三千数億という金額になってくると、先ほど私も改めて予算書をずっとひっくり返しておりましたけれども、例えば国が学校施設にかけているお金であるとか、さまざまなお金、一千億単位のお金、中小企業対策費なんかでも一般会計だと大体それぐらいです。そういうお金に比べると、本当に大きな金額。もちろん、一年で出すかどうかというのはまだこれからだと思いますが、そういう金額であるという御認識は十分お持ちをいただいておることだろうと思います。
 そういう中で、やはり掛け算でありますから、総額を幾らにするのかという話と、割合を幾らにするのかという話がよく議論をされておりました。内閣の一員である方だったと思いますが、総額を圧縮して、まあ割合も半分ぐらいだろうみたいなことをおっしゃっている方もおられたわけですが、特に、まず総額の話、これは、何が入るのかということで総額の話というのもいろいろ議論が出てくるんだろうと思います。
 つまり、グアムに移転をする、加えてグアムの方は、我々の認識では、海軍、空軍もこれからいろいろな意味で米国としては強化をすべきところであると位置づけているのではないかというふうに認識をしております。ですから、グアムの全体的な米軍の強化の中に今回沖縄から移る海兵隊の基地の費用が入ってくるとしたときに、きちっとそこが、どういう形で線を引いていかれるのか。
 ざっと考えて、百億ドルですね。今移るということで予定されている海兵隊は、もちろん人だけが引っ越すわけじゃありませんけれども、八千人ともいう数字が出てきているわけでして、そこからしますと、大ざっぱに言うと一人百二十万ドルぐらい。一人引っ越すのに一億三、四千万かかっている、こういうことになるわけですね。非常に大変な金額になっている。何かこれは、ちょっと請求書がいろいろ多く回ってきているんではないかというふうに我々も感じるし、だからこそ総額圧縮という話があったと思うんです。
 この総額が決まらないと、この何割にするかということも余り意味がないと思うんですが、その辺はどういう形でこの百二億ドルを精査されたのか、御説明をいただけたらと思います。
○額賀国務大臣 総額については、一応、防衛首脳会談で合意をいたしましたのは、例えば米軍の海兵隊を移転するためには、どうしても隊員の住む庁舎が必要である、それから家族の住宅も必要である、それから学校も必要である、あるいはインフラ、電力等も必要である、そういった問題。それから、米国側からすれば、訓練施設だとか整備施設だとか、あるいは燃料、弾薬保管施設だとか、基地関係のものがある。そういう総枠がセットされた中で百二億ドルというふうになっているわけでございますけれども、我々の積算根拠は、今度八千人の隊員と九千人の家族がグアムに移転をする、そのときに、できるだけ一日も早くグアムに移転していくためには何が必要なんだと。そのためには、隊員や家族が住む住居が必要だね、あるいは仕事をする庁舎が必要だね、あるいはまたそれに伴う生活インフラのことはどうなのか。
 そういうふうに、私どもは、支援をする場合にきちっと、そういう生活が可能になるためには何が必要だということで積み上げていった形にその我々の負担の根拠を置いているわけであります。アメリカが百億ドルだから、そのうちの何%を日本が負担するという計算はしておりません。
 したがって、そこは、私どもは、きっちりと国民の皆さん方に御説明をして、納得をしていただけるようになるものというふうに思っておりまして、それは、何といっても、海兵隊一万八千人のうち八千人、半分近くがグアムに移転をするということについては、これは沖縄県民からすれば大きな負担の軽減になるし、あるいはまた知事を初め関係者の皆さん方は高い評価をしているというふうに思っておりますので、それを一日も早く実現するために、一定の負担について御理解を得ることができるように、これからも、国会においても国民の皆さん方に対しても、丁寧に、そしてきちっと合理的に説明をさせていただきたいというふうに思っております。
○松本(剛)委員 二つお願いを申し上げたいと思います。
 一つは、おっしゃっていた積算の根拠。特に、日本側が負担をする部分についての積算の根拠というのをぜひ私どもにもお示しをいただいて、我々の方でも、しっかりと拝見をさせていただいて検討させていただきたいと思いますので、お願いを申し上げます。
 もう一つは、米軍の再編全体を見た場合にも、基本的には、どちらかというとブッシュ政権では、外国にいる米軍は本国の方へ帰す、米国内へ戻すという方向で推移をしているというふうに私は理解をしております。
 そういう中で、米軍全体のいろいろな組み立ての中で動いているものと、今おっしゃったように、沖縄の負担の問題に関連をして、言うならば我々が要請をして海兵隊に動いていただくという部分と、これは割合でなかなか割り切れるものではない部分があると思いますけれども、私が知る限りでは、米軍がこういう形で米国へ戻る、恐らく家族の皆さんは、沖縄が住み心地がいいという人もいるでしょうけれども、アメリカ人であれば、自分の国の中に戻るわけですから、それで喜ぶ人も政策的にもおる。そういう中で、これほど、動くに当たって、ホストネーションではないんだから何とも言えないんですけれども、出ていく側が出したというケースは寡聞にして聞いたことがないわけでありまして、その辺のところ、国民のお金ということについてどのように御議論いただいたのかということを、きょう全部を議論する時間は多分ないと思います。
 これについては、あえて長官にもお願い申し上げなければいけないのは、これまでのいろいろな議論でも申し上げてまいりましたが、基地負担と抑止力、我が国の安全保障、これをどういうふうにするんだということの基本的な話がもう一度あると、米国にはどこまで頼まなければいけないから我々はこれだけ負担をしなければいけないという話がきちっとできるんだろうというふうに思います。私が感じる限りは、非常にそこのところが、特にここ数年、日米安全保障条約も再定義が必要なんではないかというふうに我々は申し上げてまいりましたけれども、さまざま変わってきた中では随分とあいまいになってきているんではないか、そういう認識に立っておるんですが、この二点について、姿勢の御答弁をいただけたらと思いますけれども、どういう御姿勢で臨まれるか。
 内容をしっかりと公開していただきたいということが一点目と、二つ目は、日本の安全保障の根幹の議論をもう一度きちっと御整理いただきたいということが二つ目です。
○額賀国務大臣 内容については、まだきちっと枠組みの中で、この程度我々が負担をしていく、そして財政の支出、それから出資、それから融資等々の割合とか、どういうふうに割り振っていくのかということについては、これから協議をしていく過程で正式に決まっていくわけでございますので、これは順次御説明させていただきたいというふうに思っております。
 それから一方で、全体の安全保障の問題についてどう考えるかということでございますけれども、これは、もう松本委員御承知のとおり、今、日本の置かれている状況というのは、北東アジアの状況というのは、やはり不確定、不安定な要素があることは、これは共通の認識があると思います。その中で、日本の防衛能力を高めることはもちろんでありますけれども、戦後ずっと我々がこの地域の安全を保ってくるために、日米同盟関係、そして米国のプレゼンスがあることによるこの地域の安定というものが確保されてきたことは、歴然とした事実であります。
 確かに、テロの発生以来、さまざまな脅威というものが変革をいたしております。一九九六年に日米共同安保宣言がありましたけれども、当時は、ミサイルのことも想定はしておらなかった、それから、もちろんテロのことなどはとても想像もしておらなかった。そしてまた、最近のように国際的な災害に日米が共闘して対処していくこと、あるいはまたテロだとかイラクにおける人道復興支援が考えられるようなことは当時はなかった。安全保障環境というのは物すごくスピードを持って変化をしている。
 そういうところにどういうふうに対応していくかということが今問われていくわけでございますけれども、私どもは、日米安保条約の根底には、自由主義とか民主主義とか、そういう価値観も共有しているわけでございますから、やはりこの地域でしっかりとそういう同盟関係を堅持しながら地域の安定を図っていく、あるいは経済的な、市場統合的なものを図っていく、そういうことが二十一世紀のアジア、世界においての我々日本の進むべき道なのではないか、私はそういう展望を持っております。
 その中で、やはり基地の負担を軽減していくということは国民の悲願であります。そのためには、自衛隊の能力を高めると同時に、日米の共同運用とか、共同的に対応することができることによって我が国の負担が軽減されていくことになるだろう。
 米軍再編は、我が国の自衛隊、安全保障体制の変革のときでもある。あわせて、この米軍再編のときに我が国の基地のあり方とか負担の削減を同時に今考えているということが、象徴的なのはこのグアムの海兵隊の移転につながっているというふうに思っておりますので、この海兵隊の移転を国民の税金の負担をしてでもスピーディーにやることが、これからの日米安保条約、日米同盟関係の将来のことをうかがわせることにつながるのではないかというふうに私は思っておりまして、これは、沖縄県民の悲願でもあるし、我々国民の願っているところでもあるだろうというふうに思っておりますので、しっかりと御理解を得るように努力をさせていただきたいと思っております。
○松本(剛)委員 沖縄の基地負担は、負担軽減について我が国全体で受け持たなければいけないということに私は異論を差し挟むつもりはありませんが、今のお話を承っておりましても、残念ながら、何度か私もこの国会で議論をさせていただいて、数字の議論がなかなかしにくい内閣の皆さんであったと感じたときも率直に言ってありますが、額賀長官はそういうことはないと思って、今も数字の議論を少しさせていただきたいと思っておりました。
 もう時間がありませんので、改めてお願いを申し上げておきたいと思いますが、先ほどの総額の積算の根拠というのは、今後の交渉の過程ではなくて、総額というんでしょうか、六十の枠にしても、今すぐにでもやはり出していただく。最初の御説明では今すぐにも出てくるというような内容のようにお聞きをしましたので、ちょっと御説明の間で変わったような気がいたします。できるだけ速やかに出していただくようにお願いをしておき、この問題については、また国会の中の各場面で同僚議員から御質問を申し上げると思いますので、そのことを強く要求させていただいて次のテーマに移りたいと思います。よろしいですか。もしよろしければ、長官、どうぞ。
○額賀国務大臣 ラムズフェルド国防長官との間で、百億ドルの中で我々が負担をするということで合意をしておるのは六十・九億ドル。それは、一つは、先ほども言いましたように、庁舎とか学校関連施設だとか隊舎だとか、そういうもので真水の二十八億ドル、これが上限であります。それから、家族住宅等については出資十五億ドル、あと、等々、融資、二十五・五億ドル。それから基地内の、先ほど言った電力とか上下水道、これが七・四億ドル、融資。これが六十・九億ドルということであります。
 もちろん、仕事を展開していく上で、先ほどもどこかの委員会で言われましたが、こういう施設をつくったり建物をつくっていくときに、グアムはいろいろ現場で製造したりしているところが少ないものですから、どうしてもコストが高くなる嫌いがあります。だから、そういうことは、できるだけ我々も経費を安くしていくことは努力していかなければならないというふうに思っております。
○松本(剛)委員 時間がありませんので、もうこれ以上申し上げません。今おっしゃったような数字の積み上げの根拠をぜひまた詳しくお示しをください。資料をいただきたいということの要求を申し上げて、質問を最後のテーマに移りたいと思います。長官、どうぞ。ありがとうございました。
 谷垣大臣にいろいろお聞きを申し上げたいことがたくさんあったんですが、時間が少なくなりましたので、何点かに絞ってお聞きをしたいと思っております。
 大臣の年初の財政演説のきずなの言葉をお聞きしたときに、そのとき総理は所信表明演説で、たしかチャップリンの言葉か何かを引用するような演説だったと思うんです。これは同じことを言っているんだろうか、違うことを言っているんだろうかと疑問に思いながら、一度ぜひお聞きをしたいと思っていましたが、大臣、お聞きになっていて、お二人は同じことを言っているんでしょうか、違うことを言っているんでしょうか。
○谷垣国務大臣 総理は多分、チャップリンの、何というんでしたか、大事なことは夢と希望とサムマネーというようなことをおっしゃられたんだと思いまして、総理が何をそこで言おうとしておられるのか、私、正確にはわかりませんが、なるほど含蓄のある言葉だなと思ったわけでございます。
 それで、私のきずなというのはどういう考え方かと申しますと、私は、今の構造改革や何かの背景にある考え方は、一つは、やはり人口がこれから日本は減ってくるじゃないか、それからもう一つは、いわゆるBRICsというようなところも競争に参加してグローバル化、その中での競争、また共存もしなきゃならないわけですが、それも昔とうんと条件が違っている、それにたえ得る日本をつくっていかなきゃいけないというのは、どなたが考えても共通の課題なんだろうと思うんです。
 そのとき、どうしなきゃいけないかというと、私は、ちょっと長くなって恐縮ですが、例えば、これから貯蓄率もうんと下がってきている、人間も減ってくるとなると、そういう中でさっき言った課題にこたえるためには、日本を魅力的な国にして、人、物、金あるいは情報、こういうものが日本に集まってくるような社会にしなければいけないんじゃないか。それこそ小泉改革も、そういうことを求めているんじゃないかと考えてやってきました。
 しかし、そうやって人、物、金あるいは情報が自由にやってくるのは、透明で、ルールがあって、そういう社会。その社会に対して、一分の疑問があるんですね。ということは、つまり、それは弱肉強食になっちゃうんじゃないかという疑問がないわけではないと思います。私は、そういう改革をやって、日本を魅力的な国にして、オープンでフェアな競争ができるようにしても、それは弱肉強食を目的としているんじゃないということをはっきりさせて、国民に、安心といいますか、国との信頼関係を持って進んでいくような国家、目標の提示というものが必要じゃないか、それはやはりきずなというものじゃないかなと。
 家庭のきずなとか地域社会のきずな、国家と国民のきずな、こういうものがないとばらばらで、それこそ弱肉強食というイメージを持ってしまう、それでは改革もうまく進まない、そういう思いから申し上げたわけでございまして、恐らく、総理のその夢と希望とサムマネーというのとも何か共通のところはあるかもしれませんが、論理的にどう違うのかと言われると、私もうまく説明ができません。
○松本(剛)委員 気持ちが一つかどうかはよくわからないというお話だったのかなと思いながらお聞きをしましたが、もう私の持ち時間は終わりますので、ぜひ最後にお願いを申し上げておきたいと思っております。
 一つは、今回の行革推進法でもさまざまな議論になりました。自民党の方の財政再建に関する中間の取りまとめでも、一番に出てくるのが社会保障費、二番目に地方へのお金のカットというのが出てきますが、やはりその前に、いろいろ御指示も出ているようですが、天下り、随意契約、談合の問題というものをきちっとやっていただくという決意をぜひ強く持っていただいて、その上で、私どもは、社会保障というのは、安心にかかわる話を、簡単にお金がないからただ切るんだという考え方でスタートをすべきではないというふうに思っています。
 もう一つ、めり張りという意味からすると、今まさにおっしゃったように、我が国は、競争力と社会の全体の安定のために、これを両立させようと思うと、やはり一人一人の個人のスキルアップ、スキルだけではありませんね、個人のアップという意味からすると、科学技術と教育しかないだろうというふうに思っております。そこにお金を回すためにも、今のお金の使い方、無駄を徹底的に省いて、かつ、お金の使い方を根本的に見直すというような財政の再建のあり方というのをぜひお考えいただきたい。
 これは下からの積み上げで出てくる内容ではないと思いますので、しっかりとそういうお考えでここでまたぜひ御議論をさせていただく機会をいただきたいということをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
○筒井委員長 次に、川内博史君。
○川内委員 民主党の川内博史でございます。
 今、谷垣大臣は、改革は弱肉強食の社会を目的としているわけではないというふうにおっしゃられました。それはもう当然だと思います。改革は弱肉強食の社会を目的としてはいない、しかし改革は結果として弱肉強食の世の中をつくり出してしまう、だからこそ、改革の中身をしっかりと議論をしなければならないんだというふうに思います。
 小泉内閣は、今、小さな政府あるいは簡素な政府という言い方をしていらっしゃいますが、これは、行政改革特別委員会の中で、小さな政府も簡素な政府も同じ意味の言葉であるというふうに政府の見解として御答弁をいただいております。小さな政府というのは、経済政策的にいえば、市場に任せていく、規制を緩和していくという流れであり、それが格差を拡大し、格差を固定化するという弱肉強食の世の中を結果として招く。その結果に対して、そういう結果にならないように、改革にどういうバランスをとっていくかということがポスト小泉総理という意味においては大変重要なテーマになるのであろうというふうに思います。
 そういう意味では、谷垣大臣のきずなの論理、きずな理論というのは、私も共感するところがございますが、ただ、きずなというのは非常に定性的な言葉であって、政策的に、具体的にどういうものがそのきずなを保障していくのかということを、今後、九月までの間にまたお聞かせをいただきたい。今、うちの政調会長との格調高い議論を聞かせていただいておりまして、感想を述べさせていただきました。
 それでは、予備費の使用について谷垣大臣に伺わせていただきたいというふうに思います。
 イラクの関連経費でございますけれども、平成十五年十二月以来、平成十六年、十七年、十八年とイラクの派遣経費につきましては、もちろん一般会計予算の中でも措置をされているわけでございますが、他方、予備費からも毎年百億円程度が支出をされております。私は、シビリアンコントロールの原則からいってもこれは修正をするべきであるというふうに思っておりまして、もと大蔵省の事務次官である小村武さんが書かれた「予算と財政法」というコンメンタールの中には、「国会の予算審議権との関係からすれば、国会開催中の予備費使用には自ら節度があるべきであり、国会審議上問題が生ずる余地のない、比較的軽微なもの、ルーティーン的なもの又は義務的経費に限るのが適当である。」というふうに書いてございます。
 もちろん、予備費で措置するかあるいは補正予算を組むのかということに関しては、これは政府の裁量にゆだねられているわけでございますが、他方、閣議決定文書によれば、国会会期中に予備費の使用をするのは、災害等、緊急かつ時間的な対応が難しいものに限るべきであるというふうに閣議決定文書にも出ております。そういう意味では、イラクの関連経費が国会開会中に予備費の使用を閣議決定するというのは、この財政民主主義の原理原則からいっても私は外れているのではないかというふうに考えるんです。
 派遣計画との関係でそれはずれがあるんだというのが政府の御主張なんだろうというふうに思いますが、しかし、一回目の派遣計画のときは緊急かつ時間的に対応が難しいという理屈は通るわけでございますが、その後、累次にわたっての派遣計画においては、財政の年度にその派遣計画を合わせるということは政府の行動としてできるわけですから、イラク派遣経費について国会開会中に予備費で措置したというのは、私は、政府としての国会に対する説明責任を甚だしく欠く行動ではなかったかということを考えるわけですが、財務大臣の御見解をお聞かせいただきたいというふうに思います。
○谷垣国務大臣 先ほど、松本政調会長ともこの点は議論をさせていただいたところですが、まず、あくまで本則は、そのときに算定できるものは当然当初予算に計上しておかなきゃいかぬということだろうと思います。予備費はやはり限られるべきものでございます。それから、特にその予備費の使用に当たっては、国会開会中は国会との御議論との関係からできるだけ絞るべきだということも、私もそのとおりだろうと思います。
 そこで、このイラクの問題に関して申し上げますと、一年ごとに見直すということになっているわけですが、やはり、一度出したら、やめると決定するまでずっとそのまま続けるのではなくて、一年ごとに見直していくというのは、事柄の性質上、私は間違っていない扱いだというふうに思っております。
 したがって、そういう形で始まりまして、当初、では一年間、その分の、あのとき何月から始まりましたか私はちょっと今記憶がございませんが、その一年間たつまでの予算を当初予算に計上していこうというのは、それは私は自然のことだろうと思いますが、それをさらにでは継続しようという場合に、予備費でいくのか、それとも補正予算でいくのかというのは、やはり、そのときそのとき慎重に考えなければいけないんだろうと私は思います。
 そこで、それが追加要因の内容とか金額、それから経費が必要となる時期、それから、国会が開催されているか否かということも当然考慮の内容になるわけでございまして、そういうことを総合勘案して、そのときの状況によって判断するということになるんだろうと思います。
 それで、イラクの場合は、平成十五年十二月、それから十六年一月に派遣命令が出たわけでございますけれども、この派遣準備を急いで行う必要がございました。また、平成十六年十二月と十七年十二月の派遣延長決定時には、派遣部隊の活動経費を継続的に確保する必要がありましたし、それぞれ派遣命令が出てから、あるいは派遣延長決定から予算の手続が必要となるまでの期間が一週間程度しかなかったということがございまして、予備費の使用によらなければ時間的に対処しがたかった、こういうことでこういう扱いになっているわけでございます。
○川内委員 今の御説明は予想どおりというか、それはそうだと思うんですが、しかし、派遣計画を財政の年度に合わせ、そしてまた、その派遣の費用について国会の正式な予算案として審議を経るということは、政府の工夫によって十分にできるわけです。派遣計画についても、我が国と米国との関係を考えれば、今すぐやめますとか、このまま続けますとか、そんなに、一回派遣したものをすぐ帰しますというようなこともできないわけでしょうから、その辺は、しっかり国会に対する予算案の審議ということを確保していただくべきではないのかなと、これは意見ですから聞いておいていただきたいというふうに思います。
 それから、先ほどのまた松本政調会長との御議論で、額賀防衛庁長官が、海兵隊が沖縄から八千人削減をされるということをおっしゃっていらっしゃったわけですが、ことしの二月六日に発表された米国国防総省のQDRという米国の四年間の国防計画、全文を読みますと、防衛庁やあるいは外務省の概要版には出てこないさまざまな重要な事柄が文章の中に書いてございます。
 その中には、先ほど松本政調会長も触れておりましたが、米軍は、今後、軽量・ハイテク化、情報化をされて、さらには輸送機を増強する、あるいは高速輸送船を導入するというようなことで、世界じゅうどこへでも短時間で出動できるようなコンパクトなユニットにしていくことによって、海外の大規模な施設は必要なくなるというような記述がございます。海外に展開している大規模な施設は今後米国にとっては必要はない、何か万が一のときに使わせてもらえればそれでよろしいというようなことが書いてあるわけですね。
 そういう意味では、沖縄の海兵隊も全部グアムに移転してもよかったのではないかというふうに私は思いますし、そもそも、抑止力の維持とか、あるいは日米安全保障条約によって実現をされる抑止力の維持という言葉そのものが、定量的な概念ではなく定性的な概念であるわけですから、グアムに全部アメリカは移したかったんじゃないかなというふうに私は思うんですね。それを防衛庁や外務省が、いてくれ、頼むと、だから八千人になってしまったのではないのかなというふうにも私などは思ってしまうんですね。
 そうでなければ、アメリカぐらい非常に国防とか安全保障とかに厳密な国が、日本の要請に応じて、では八千人を移しますなんて、そんな人のいいことをするわけがないわけで、その辺は谷垣財務大臣も、国の財布を預かる担当大臣として、国のお金を他国の軍隊に支出をするというのは、日本ぐらい気前がよく出している国はないわけですから、米国がどのようなことを軍事力に関して考えていらっしゃるのかということはQDRを読むとよくわかりますから、概要版には外務省も防衛庁もちょっと省いているところがありますから全文を読んでいただいて、防衛庁がつくっていますから、ぜひごらんをいただいて、今後の七千二百億に備えていただきたいというふうに思います。
 これは私の感想でございます。もう答弁はいいです。せっかくですから、もうきょうは私の演説をさせていただく時間にさせていただきます。
 次に、残留農薬に関するポジティブリスト制度について伺わせていただきます。
 食の安全、安心確保のために、残留農薬に関するポジティブリスト制度が五月二十九日から発効をするわけでございますが、その制度の創設は当然だ、消費者にとっては歓迎すべきことである。他方、生産農家の立場からすれば、全く身に覚えのない他の農地からの農薬の飛散、いわゆるドリフト被害と言うそうでございますが、これによって、自分がしっかりと育てた農作物が売れなくなってしまうという被害を受ける。さらには、これは公表されますから、公表されることによる風評被害というもので被害が拡大をすることも考えられる。そしてさらには、悪意による被害も考えられるかもしれないということで、生産農家の方々は、この五月二十九日からのポジティブリスト制度に戦々恐々としていらっしゃる面もあるわけでございます。
 そこで、まず食品衛生法を所管する厚生労働省に伺いますが、このドリフト被害とその後の風評被害を含めたポジティブリスト制度の処分、原因究明、あるいは再発防止などの法の運用の方針について御説明をいただきたいと思います。
○松本政府参考人 五月二十九日から施行いたします残留農薬等のポジティブリスト制度についてのお尋ねでございますが、その残留基準に違反したときにどうするかということであります。
 まず、都道府県等が食品衛生法に基づきまして市場に流通する農林水産物を検査いたしまして、その基準値を超える残留農薬等を検出した場合には、当該食品が流通しないよう、食品衛生法の規定に基づきまして販売禁止等の措置を講じることとなります。あわせまして、農林水産物の安全性の確保という観点から、農林水産部局の方に衛生部局の方から情報を提供して、原因究明と生産者に対する適切な改善指導等の措置が行われるよう対応することとしております。
 実際、残留基準をオーバーしたときにどうするかということですけれども、その法違反に係る違反者等の名称等を公表するということが食品衛生法の六十三条に規定されております。食品衛生上の危害の状況を明らかにするということのためにそういうことをやるわけでございますが、違反が発見された場合には、食品名、販売者の名称、都道府県等がどういう策を講じたかということの措置、また、どのような改善指導を行ったかということについて公表することとしております。
 なお、そういう場合に風評被害の心配がございます。我々も、そういう公表に当たりましては、いわゆる風評被害が起きないよう十分配慮するよう都道府県等に対して周知することとしております。
 いずれにしましても、五月二十九日以後、もう既に作付が終わって農薬等をまいているところもありますけれども、施行後、作物を植えて、それから使用するところもございますので、現場への周知徹底ということにつきましては、都道府県または農林水産省と連携しながら周知徹底を図っていき、こういう違反事例が出ないように努力したいと思っております。
○川内委員 農水省に伺わせていただきますが、このポジティブリスト制度の発足を受けて、農水省としては生産農家あるいは生産地に対してどのような施策を進めるのか、御説明をいただきたいと思います。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
 先生もおっしゃいましたけれども、いわゆるポジティブリスト制度が導入されましても、従来どおりルールを守っていただいて、農薬の使用基準を守っていただいて現場で対応していただければ、当該作物については特段御心配いただくことはないわけですが、いわゆる飛散については、今まで以上に注意をいただく必要がございます。
 そこで、農林水産省としましては、各県の普及指導センターそれからJAを通じまして、以下の三点、特に現場で御注意いただきたいということで周知徹底を図っているところでございます。
 そのまず第一は、これはもう基本中の基本でございますけれども、農薬使用基準の遵守をまずしていただくということが何よりも大事でございます。
 それから、周りの作物にも基準のある農薬をできるだけ使う。農薬というのは、それぞれの農薬ごとにどの作物に適用できるかというのが決まっておりますけれども、できるだけその周辺に栽培をされております作物と共通に使用できる、そういうものを御使用いただくということが、影響を軽減する上で大変大事な点でございます。
 それから三点目は、農薬の使用状況について各農家で記帳していただくということ。この徹底も大変大事な点でございまして、こういう記帳の徹底を行うことによりまして、産地に対します流通業者の方や消費者の方々の信頼の向上にもつながりますし、また、万一ドリフトが起こった場合にも、その原因の究明、それから、問題となったロットがどの範囲かというふうなことも迅速に把握できるということで、大変大事でございます。
 この三点を中心にしまして、農林水産省としましては、各都道府県それからJAとも連携をとりまして、現場での周知徹底を図っております。これは、チームをつくって巡回指導なども行っているところでございます。
 それから最後に、万一残留基準を超過したような場合に備えまして、現在、JAでは民間の保険会社と契約をしまして、こういったときに対応できる保険というものも今できておりますので、その利用というものも有効な手段になるというふうに考えているところでございます。
○川内委員 このドリフト被害あるいは風評被害については、今局長から、全農さんの方で民間の損害保険と提携をして、自分に責任がない場合、その被災について保険の適用も検討されているというふうに御答弁があったわけですが、私は、農業共済、主に自然災害に対応するために制度化されているわけでございますが、このもらい農薬による被害あるいは被災というのも、全く自分に責任がなくそういう被害をこうむるわけでございますから、そういう意味では、共済制度の活用なども今後は農水省としてお取り組みをいただきたいなというふうに、これは御要望をさせていただいておきたいと思いますし、また、国全体としてそういうものにしっかり取り組むことによって、食の安心、安全、消費者の期待にこたえ、さらには、国際競争力のある質の高い農産物あるいは食品というものを生産していくことができるようになるのであろうというふうに考えております。
 さて次は、前回の本委員会で質疑をさせていただいた電気用品安全法について、きょうは松副大臣にお運びをいただいておりまして、本当にありがとうございます。幾つか事実の確認を、きょうは迎審議官に来ていただいておりますので、させていただきたいと思います。
 まず、電気用品安全法第二十七条の「販売」には中古電気用品も含まれるということを明文で公表したのは、ことしの二月十日の経済産業省のホームページが初めてであるということ、この事実を確認していただきたいというふうに思います。
○迎政府参考人 電気用品安全法におきましては、法令上、明示的に中古品を除くというふうな規定はございませんので、この前身の電気用品取締法の時代から、新品と中古品を区別せずに電気用品として扱ってきたものでございます。法律が施行されてまいりましてからも、いろいろなお問い合わせがあった場合には、中古品も規制対象であるというふうな旨の回答を申し上げているところでございます。こうした中で、ことしに入りまして、いろいろ問い合わせが多かったというふうなこともございまして、二月の十日にホームページ上で御指摘のような情報提供を行ったものでございます。
 そのホームページについては、適宜充実を図ってきておるところでございまして、それ以外にも、その後、個別業界団体等へも文書等での周知を図っておるところでございます。
○川内委員 法令の解釈として、電気用品という言葉が新品も中古も区別していないということは私もわかっております。
 私が聞いているのは、電気用品安全法第二十七条の「販売」について、中古電気用品という言葉を使って第二十七条の御説明をされたのは、経済産業省としては二月十日が初めてですねということをお尋ねしておるんですが、それでよろしいですか。ちょっと、いいか悪いかだけ言ってください。
○迎政府参考人 先ほど申し上げましたように、個別の問い合わせ等については入るというふうなお答えをしておりますけれども、こういう一般的な目に触れるような形で、広く公表するような形でホームページに載せたのは、二月十日が初めてでございます。
○川内委員 個別の問い合わせにはいろいろ答えていたかもしれないが、明文で公表したのは二月の十日。
 さらには、では、電気用品安全法第二十七条の「販売」に中古電気用品も含まれるということは、平成十年十二月の審議会報告書、あるいは平成十一年の国会審議、さらにはこの電気用品安全法関係法令集、コンメンタールの中にも、中古品あるいは中古電気用品という言葉は一切どこにも出てまいりませんね。このことも確認してください。
○迎政府参考人 審議会の議事録ですとか国会の審議録とかそういったものの中で、中古品を明示した議論が行われたというふうな記録は見出しておりません。
○川内委員 いや、それともう一つつけ加えてこのコンメンタールですね、電気用品安全法関係法令集、この中にも、中古電気用品という言葉はどこにも出てきませんよね。
○迎政府参考人 御指摘のとおり、ございません。
○川内委員 松副大臣、平成十一年の八月法制定以来、六年半も、今迎審議官が御答弁されたように、中古電気用品のことがどこにも明示的に、あらゆる書類の中に一切出てこない中でことし四月一日の本格施行を迎えたわけで、その経済産業省のホームページに中古電気用品の扱いが載ったのが、四月一日の四十九日前の二月十日である、そして御案内のとおり、大混乱が生まれたわけですね。
 私は、これは政府として大変な失態であるというふうに思うんですが、素直な御感想をちょっと一言お聞かせいただきたいと思います。
○松副大臣 先生の御指摘のとおり、私は、このたびのPSE法につきまして、特に中古業者の皆様に対して大変な御迷惑あるいは御心配をおかけしたという点につきましては、これは真摯に反省し、やはりおわびをしなければならない、いけないというふうに存じております。
○川内委員 ありがとうございます。
 それでは、事実確認を続けさせていただきたいと思います。
 前回の質疑で経済産業省は、電気用品安全法第八条二項の技術基準適合の検査については、特定電気用品以外の電気用品について、外観検査、通電検査、絶縁耐力検査の三つの自主検査を、完成品の一品一品について全数検査を行うということが電気用品取締法、旧法と、この電気用品安全法、新法との大きな変更点である、全数検査、一品ずつ検査することが一番変わったことなんだと言っているんですが、この全数検査をするというのは、電気用品安全法の中に文言として出ていますか。
○迎政府参考人 厳密に申し上げますと、検査をしなければならないという規定が電気用品安全法にあるわけでございまして、ここでその検査のやり方について省令で定めておるわけでございまして、そこの中で、全数について個々の一品ごとに検査をしなければならない旨を規定している次第でございます。
○川内委員 電気用品安全法、法律本体の中には、この一品一品について全数検査をするということはどこにも出てこないわけです。
 松副大臣、法律があって、政令があって、省令があって、政令までは閣議決定ですよね。省令は経済産業省独自で決められるわけですが、全数検査、一品ずつ検査するというのは、省令で決めているんですよ。こんな、一番大きな変更点であると言っていることを法律の中に書かずに、経済産業省独自で決める省令で決めているというのは、私はこれはどうにも理解しがたいことです。
 この点はまた別な機会に議論を譲りたいというふうに思うんですけれども、この全数検査で、迎審議官、安全性が高まっているんだというふうな御答弁をこの前、谷部長がされたんですが、安全性は高まっていないでしょう。安全性の基準は旧法と新法は一緒だから、検査によって安全性が高まっているという言い方は間違いですね。どうですか。
○迎政府参考人 技術基準が同様であったとしても、それをチェックする方法として全部のものについてそうした検査をやるということは、製品の欠陥というのはいろいろな場面で生じるわけでございまして、同じ設計で同じ生産ラインで行われたものでも、その品質管理のぐあいによって個々に最終の完成品の性能等にばらつきが生じる場合があるわけでございまして、それについて一品一品についてきちんと検査をするということは、これは、安全性を勘案してその必要な検査というのを定めて、これを検査するわけですから、安全性のレベルは高まったという御説明をしたのは、これは特段おかしいことではないと思いますが。
○川内委員 一品一品の個体について性能のばらつきを確認することはできるが、安全性について高まっているとは言えない。なぜかならば、PSE法施行以降、PSEマークのある電気用品の事故報告はふえていますよね。うんと言うのか、うなずいてください、そこで。うんでしょう。ふえていますでしょう、事故報告は。経済産業省が所管する団体に対する報告は。
○迎政府参考人 私どもでつくっております、製品に起因する事故の報告システムというのがございます。ここの中で電気用品にかかわる事故の件数というのは御指摘のとおりふえておりますけれども、ただそこは、私どもも、その事故情報の収集、なるべく多くものがきちっと報告されるようにという努力をしておりますので、どちらに起因するものかというふうなことは、一概には言えないというふうに思っております。
○川内委員 何かもう全然言いわけになっていないと思いますが、この大きな変更点が、先ほども申し上げたとおり、法律によらず経済産業省令で行われていることは、私は大きな問題であるというふうに思います。
 さらに、この全数検査をするということについてパブリックコメントをしているわけでございますが、こういう規制を強化するわけですから、今までは型式検査でよかったものを一品一品検査するわけですから、パブコメとは別に、製造業者の団体、これはメーカーの団体、社団法人の電子情報技術産業協会、JEITAなどとも協議をされた上でこの全数検査を決定されたということでよろしいんでしょうか。
○迎政府参考人 もちろん、法律制定段階から、業界の関係者というのはその審議会の委員なんかにも御参加いただいておりますし、それから法律制定後におきましても、省令を定めるに当たって、いろいろその実態等を我々も十分承知した上で制定する必要がございますので、意見交換等は行ったもの、これは当時ですと通商産業省ですけれども、それから、工業界等の関係者に聞きましたところ、そういったいろいろな意見交換は行われて、その上で、私どもで省令案を策定して、パブリックコメントに付したというふうに聞いております。
○川内委員 今、迎審議官が、実態を把握した上でというふうにおっしゃられましたが、それでは、この三つの自主検査の中の絶縁耐力検査、技術基準では千ボルト一分の検査を行うというふうに書いてございます。日本の電気用品メーカーの中で、千ボルト一分の絶縁耐力検査の全数検査、一品ごとの検査を行っているのは、割合としてあるいは実数として何社あるというふうに把握をしていらっしゃいますか。実態をどのように把握していらっしゃいますか。
○迎政府参考人 千ボルト一分間というふうなことにつきましては、これは省令で定めておるわけですけれども、そこの中で、これと同等以上の検査をするというふうなことを規定しておるわけでございます。その中で、例えば、生産ラインで千二百ボルト一秒間というふうな絶縁耐力試験をやるというものにつきましても、同等以上、こういうふうに認められております。
 したがって、そういった同等以上の方法というのを使っている企業なんかもあるというふうに承知しておりますが、それがどういう割合かとかいうことについては、私ども把握しておりません。
○川内委員 先ほどは実態を把握していらっしゃるとおっしゃるので、把握しながら、業界と意見交換をしながら決めたというふうにおっしゃるので聞いているわけでございます。
 それでは、千ボルト一分と同等以上、これは省令別表第三「検査の方式」というところに書いてございますが、「一品ごとに技術基準において定める試験の方法又はこれと同等以上の方法により行うこと。」と書いてございまして、千ボルト一分が千二百ボルト一秒と同等であるというふうに今迎審議官はおっしゃられたわけでございますが、この千二百ボルト一秒が千ボルト一分と同等であるということを示す、これは法の運用の問題ですから、根拠文書を教えていただきたいというふうに思います。
○迎政府参考人 これは、経緯的に申し上げますと、電気用品安全法の前身である電気用品取締法が昭和三十七年に施行されておるわけでございますが、その際に、絶縁耐力試験というのは千ボルト一分間というふうなものでやってくださいというふうなことで決めておったわけでございますけれども、一方で、生産ラインで早期に検査をしたいというふうな需要もございまして、これは、日本のみならず、海外なんかでもそういう要請に基づいて、世界的に千二百ボルト一秒というふうな基準で同等な、有効な試験が行い得るというふうな知見があったわけでございまして、そういうもので昭和四十三年に省令を改正いたしまして、その際に、その同等以上の試験というのでやってもよろしいというふうなことを定めたわけでございます。
 かつ、そのときに、その通達の中で、千二百ボルト一秒というのは千ボルト一分と同等以上というふうに認めるんだというふうなことを通達した記録がございます。
○川内委員 その通達を私にも見せてくださいとこの前から言っているんですけれども、まだお見せいただけないんです。ぜひ見せていただきたいというふうに思いますが、電気用品取締法時代に出した通達が、電気用品取締法がなくなり、電気用品安全法になって以降もその通達というのは生きているんですか、法的に。どうなんでしょう。
○迎政府参考人 今のは、そういうふうな経緯がございまして、昭和四十三年以降も相当な年月がたっておるわけでございますけれども、言うなれば、電気用品の製造の検査方法として、千ボルト一分間と千二百ボルト一秒間というのが同等であるというふうな認識が、その業界及びこの世界においては常識になっていると。したがって、その新しい法律に基づく省令において同等以上と書かれた場合に、それも含まれるというのは当然の解釈である、こういう理解にみんな達しているということであると考えております。
○川内委員 私は、政府が法令をこのように同等以上と書いていらっしゃるわけですから、法の運用について、これは業界の常識なんですとかいうことが説明になるとはとても思えないですね。こういう文書があるから千ボルト一分と千二百ボルト一秒は同等なんだということを政府としてオーソライズする文書を、電気用品取締法下における通達をお見せいただきたいということを申し上げておきたいというふうに思います。
 松副大臣、今、議論を聞いていただいていて、やはりおかしいんですよね、経済産業省は。しっかりと法改正に向けて御努力をいただきたいということを最後に松副大臣にお願いをして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○筒井委員長 次に、市村浩一郎君。
○市村委員 民主党の市村でございます。四十分いただきまして質問させていただきます。
 まず、私はやはり決算というものが一番重要かなと思っていますので、この決算行政委員会で、初めてでございますが、こういう質問のチャンスをいただきましたことに心から御礼申し上げます。
 決算行政委員会の本体では初めてでございますが、実は、ちょうど一年前の四月二十五日に、決算行政委員会の分科会の方で、お時間をいただいて質問させていただきました。実はその日に、皆さんもまだ御記憶あると思いますが、まさにあのJRの福知山線の脱線事故が起きました。
 その意味でも、この決算行政委員会という場で一年後に初めてチャンスを与えられるというのは、これは私に、この福知山線脱線事故で犠牲になられた方々、また、おけがをされた方々の無念の思いを忘れないようにきちっと国会でも発言をしたらどうだ、してほしい、そうした声ではないかな、こう私は受けとめまして、きょう、冒頭でございますけれども、福知山線の脱線事故につきまして、若干のお時間をいただいて質問させていただきたいと存じております。
 きょうは北側国土交通大臣にもお出ましをいただいております。本当に、この決算行政委員会に大臣がお出ましいただくということはなかなかないとは存じます。ただ、きょうはまさに一年目、先ほど尼崎で行われた追悼式でも、国土交通大臣も最初から最後までこの追悼式に参加、参列されておりまして、私も、ともにさせていただいております。まさに国土交通省のトップとして、この問題に今後もしっかりと、原因究明それから再発防止ということに努めていかなくちゃならない、こうした思いであると私は受けとめております。
 国土交通大臣の方から、きょう追悼式に参列されたことも含めまして、思いも含めまして、ぜひとも、今後に向けた国土交通省の考え方、対応につきましてお言葉をいただきたいと存じます。
○北側国務大臣 今、委員の方からおっしゃっていただきましたように、本日九時過ぎから、福知山線の列車事故追悼慰霊式が尼崎の方で厳粛にとり行われました。遺族の皆様、また、けがをされた方々を初め約一千九百名に近いお方が参列をしていただきました。
 ちょうど一年たったわけでございますけれども、私もあの日、こちらにおったわけでございますけれども、すぐさま現場に行かせていただいて、現場での本当に悲惨な状況を目の当たりにしたわけでございますが、きょう改めて、一年たちまして、二度とあのような事故は起こしてはならないということを深く決意をしてきたところでございます。
 最も大事なことは、なぜあのような事故が起こったのか、その事故原因を徹底して究明していくこと、今、航空・鉄道事故調査委員会が鋭意取り組んでいるところでございますが、この事故原因を徹底して解明していくことが最も大事なことであると考えております。
 また、再発防止に向けまして、事故直後から、さまざま今取り組みをさせていただいている真っ最中でございます。ATSの整備等、さまざまな再発防止に向けての対策を今実行しているところでございますし、また、今国会におきましては、運輸安全法という法律を通していただきました。
 公共交通にとりまして、安全が何よりも最優先でございます。それが基本であり、前提でございます。その安全の確保をしていく体制を公共交通事業者がしっかりとつくっていただく必要があるわけでございまして、安全管理体制について構築をするための法律、そして、その安全管理体制について、きちんとなされているのかどうか、安全マネジメント評価を私どもがしていく、そうした体制を、法律を通していただきまして今やろうとしているところでございます。
 このJR西日本の福知山線脱線事故につきましては、原因究明の最終報告まではまだ少し時間があるかと思いますけれども、私ども行政として、これからも公共交通事業者に対しまして、JR西日本はもちろんでございますが、その他の事業者につきましても厳しく監視、監督をしてまいりたいというふうに決意をしているところでございます。
○市村委員 御決意をいただきまして、ありがとうございます。
 今の大臣のお言葉の中でも、今、事故調査委員会の調査報告をまだ待っているところだというお話がありました。マスコミでも報道もされておりますが、今現在どのようなところまで調査が進んでいるのか、副大臣の方から御答弁を賜れればと存じます。
○松村副大臣 お答えいたします。
 私も、けさからいろいろな報道、また、九時十七分から始まりました現場における追悼慰霊式の状況も見まして、公共事業におけるこのような大量の犠牲者を出す事故の大きさ、また、今後の対応ということについて襟を正してまいったところでございます。
 現在の航空・鉄道事故調査委員会におきます事故調査の状況について申し上げます。
 まず、昨年九月六日に経過報告及び建議を行ったところであります。その後も、委員、事務局が全力を挙げて調査を進めていると承知しております。
 しかしながら、事故列車の運転士が事故で亡くなっておりまして、その証言が得られないことから、事故調査委員会におきましては、車両に残された記録、列車無線による事故列車と指令所との通信の記録等を総合いたしまして、事故列車が脱線するまでの間における速度、ブレーキ作動状況、指令所との通信等の状況を可能な限り正確に解明を進めていると聞いております。また、これらをもとに事故列車の運転士の心理状態を調査するとともに、乗務員の管理、列車の運行ダイヤ等についても調査を進めていると聞いております。
 さらに、今国会で成立いたしました運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律によりまして、航空・鉄道事故調査委員会設置法の目的に、「事故が発生した場合における被害の軽減に寄与すること」、単に今までは事故の調査でございましたが、被害の軽減に寄与するということを加えたわけでございます。この被害軽減の観点、サバイバルファクターの観点からも、車両の構造等について調査を進めていると聞いております。
 事故調査委員会におきましては、このような多角的な事実調査と科学的な解析に基づきまして最終的な結論を得るまでには相応の日時を要する見込みであると聞いております。
 また、この事故は社会的関心の高い事故であることから、関係者や学識経験者の意見を聞くため、鉄道事故としては初めての意見聴取会を開催するなど、必要なことをしっかりやっていただきたいと考えています。
 しかしながら、近年例を見ない重大な鉄道事故であることから、できるだけ早く最終報告をお願いしたいと考えております。また、これまでの段階においても、新たな事実が判明した場合など、可能な限り調査状況を公表していただきたいと考えております。
○市村委員 ありがとうございます。
 本日の追悼式でも、御遺族の方、そしておけがをされた方のお母さんの方のお三人から、いろいろな追悼の言葉がありました。その中で私が感じ取ったのは、JR西日本に対する、まだ不満といいますか、やはりJR西日本自身がきちっとした実態調査を行っていない、原因究明を行っていない、しかも、それを行っていないから話をすることができないわけですね。それに対する大きな不満の声があったと私は受け取っています。
 このことにつきましては、私、ちょうど一年前の、事故の後の一番最初の国土交通委員会の方でJR西の垣内社長にも話をして、事故調査委員会や警察が動くのは当たり前なんだけれども、やはりJR西日本そのものが独自に当事者として事故調査をし、かつ、そういうことを御遺族やおけがをされた方に伝えていくということは大切だろうということを御指摘申し上げておきました。そのときは、JR西日本の皆さんの方からは、見解の相違だ、こういう話でありましたが、しかしながら、一年たってみて、御遺族の方、おけがをされた方の御親族の方のお声を聞くと、やはりお気持ちは変わっていないと。つまり、御遺族やおけがをされた方の気持ちに立ってJR西日本が動いたのかどうか、大変疑問に思っております。
 これについては、もうあえて答弁を求めません。ここでは私の思いということで受けとめていただきたいと思いますし、きょうは当事者が来られていませんから、ぜひともまたチャンスを与えていただいて、JR西日本の方といろいろお話もさせていただきたいと思っております。
 いずれにしましても、日航の御巣鷹山の事故もそうですけれども、こうした事故は一年、二年という問題じゃありません、十年、二十年という長きにわたる問題になってまいります。ぜひとも国土交通省の皆さんも、私企業とはいえ公共交通機関を担う企業であります、また、それを国土交通省が免許を与えているわけですから、しっかりとJR西日本の方にも、やはり私企業といえども公共交通を担う主体としての自覚と高い倫理観を持って今後に当たっていただきたい旨をまたお伝えいただきたいということをお願いしまして、この場でのこれに関する質問は終わらせていただきたいと思います。きょうは、大臣、副大臣、ありがとうございます。
 それでは、次は、まさに決算行政委員会でございますから、きょうは予備費についての議論がメーンでございますので、予備費についての議論をさせていただきたいと存じます。
 予備費というと、毎年三千五百億もの予備費が計上されているということでございます。ところが、平成十四年からを見ましても、結局、使い残す使用残額というのが、平成十四年度でも千六百四十一億、平成十五年度は千百八十億、平成十六年度で千八百九十三億、平成十七年度、去年度に至っては二千三億もの予備費の使用残額があるということでございます。
 予備費というのですから、それは予備にとっているんだから残るのは当たり前と言われればそうかもしれませんが、しかし、三千五百億分の、例えば去年の残額を見ますと二千三億というのは、ちょっと計上、多過ぎやしないかなという疑問もあるわけでございます。
 財務大臣、どうでしょうか。この残額から考えて、予備費というのは、三千五百億、これは適当とお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○谷垣国務大臣 これはなかなかお答えしにくいところがございまして、予備費の額は、財政法二十四条に、予備費として相当と認める金額を歳出予算に計上できると書いてありまして、相当とは何かというのはなかなか議論があるところだろうと思うんですね。
 それで、予見しがたい予算の不足に充てるというのが予備費の性格でございますから、何か明確な基準でもって、こうこうですからこうだとお答えできれば簡単なんですけれども、なかなかそこが答えにくい。答弁する側としても苦労するところがございまして、結局、一般会計の予算規模に対する計上割合とか流動的な諸般の情勢等を総合的に勘案して相当と認める金額を計上しているという以上になかなかお答えしがたい点がございます。
 それで、最近の予備費の計上につきましては、おっしゃったように三千五百億円計上しておるわけですが、これは、例えば平成二年度は三千二百三十九億円だった。これは多かった年なんですが、こういうことを勘案しまして、まあ三千五百ということであれば不測の事態にも対応できるであろうというようなことでやっているわけでございます。
○市村委員 それで、では、この予備費が多く何に使われているかといいますと、災害復旧費として使われている部分が多いのじゃないかと思います。これは政府参考人で構いませんので、大体、毎年使われている使用額の何%ぐらいが災害復旧費として使われているかというのは、今数字をお持ちですか。大体何%ぐらい使われているかということ。
○鈴木政府参考人 予備費だけで申し上げますと、十六年度の予備費で二百四十三億円を使用しております。
○市村委員 災害復旧となると、大体補正予算を組んでそれを使うということでありますが、例えば平成十六年度二百四十三億ということでございます。三千五百億のうちの二百四十三億が大きいか小さいかというのはまた議論があろうかと思いますが。
 例えば災害復旧費の予算というのは、これは毎年それほど変わっておりませんで、平成元年が六百六十七億でありまして、平成の初期のころは、平成十一年まで六百億台を大体同じような感じで推移して、平成十二年度からは毎年七百二十七億円、これが予算計上をされています。
 もちろん、災害の方についてもまた予備費と同じように、一体何が起こるかわからない、だからわからないと言ってしまえばそれまででありますが、一方で、予備費の過大計上といいますか使用残額の大きさから考えたときに、特に昨今の、いろいろな災害が起こっています。増水や台風、集中豪雨、地震、豪雪等ありまして、やはり補正を組んでというようなことに大体なってくるんですね。であれば、災害復旧費をもう少し大きく積み増すということが適切じゃないかな、このように考えるわけであります。
 特に、総合予算主義というのが、これは政府が昭和四十年代初頭に打ち出した考えであられるようなんですけれども、その年度に必要になる経費は当初予算にすべて計上しておくという考え方が今でも政府の考え方の基礎ということであって、それで予算編成がされているはずであります。
 ところが、そういう当初予算で災害復旧事業等の事業費は抑制しながら、予備費を、これはどうかわかりませんけれども、予備費の使用を当然のように当てにしているような予算執行ということでありますと、やはり予備費の本来の使用の仕方とずれているんじゃないかな、こういう疑問もわいてまいります。財務大臣のお考えをちょっといただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 結局、国会における予算統制というものをどういうふうに考えるかということと関連してくると思うんですが、確かに災害復旧等々の費用は、毎年どのぐらい起こるかというのはわかりにくいので、ここもお答えしにくい面があります。
 ただ、当初予算に計上しておりますのは、例えば、いわゆる梅雨どきに豪雨が降って災害が起こる、こういうものは毎年ある程度あるわけでございます。ですから、そういうようなものを、これは本当は主計官にきちっと言わせた方がいいと思いますが、そういうような毎年定量的と申しますか、ある程度見込めるようなもの、しかも必要最小限のものを見込んで災害復旧予算には入れているわけであります。
 他方、ここもちょっと私の理解が正確を欠いたら後で訂正させますが、例えば台風のようなものは、何個日本を襲うのかというようなことをあらかじめ予定ができません。それで、台風の場合はまた、一回大きなのが来ますと相当大きな被害額になりますので、あらかじめ、じゃ、ことしは台風が何回来てどのぐらいというのは見込むわけにはいかないわけですね。そういう見込むわけに余りいきにくいものを、確かに毎年台風は何回か来るからといってあらかじめ予算に計上しておきますと、これはもちろん、後、その執行の段階になるわけですけれども、ついついあるいは使ってしまうということもあるかもしれない。
 そうしますと、国会における予算統制ということを考えますと、やはり毎年これは起こるというようなものに限定して災害復旧としておいた方がいいんじゃないかという、私の理解はそういうことでございます。
 それで、仮にたくさん当初に入れておきますと、一回予算審議でお認めいただきますと、あとは、災害がどのぐらい来ようと、そこの判断でできる。予備費になりますと、やはり予想しがたい台風が襲ってきて緊急に対応しなければならないということになったらその予備費を使います。しかし、それは後から国会の御承認を得なければならない。またこの国会の承認の性質がどうだという議論もありますけれども、やはりこれは、国会における予算統制というものに関連してくるんだろうと思います。
 どっちがいいかという議論はあると思いますが、私どもの考え方は、毎年やはりこれだけは起こるだろうというものを当初予算に入れておいて、あと、確かに毎年はあるんだろうけれどもちょっと読みがたいというようなものは予備費、場合によっては補正、こういうようなことで対応する方が、国会の予算統制という意味合いにおいてもベターなんじゃないかという考えに私はあるわけでございます。
○市村委員 ありがとうございます。
 それで、今回の議論は、予備費が過大に計上されているのではないかという観点からの質問であります。今財務大臣がおっしゃったことは、私も基本的考え方は同じでございますが、ただ、それにしても、この予備費の使用残額を考えると、三千五百億という予備費の規模が果たして妥当であるかどうかということは、やはりとらえ直してもいいのではないかな。
 また、災害復旧事業費につきましても、補正後となると結局毎年かなりの額になっているわけですね。これも、やはり当初の、今の七百二十七億円というのが本当に妥当な予算計上額なのか。このことも、今の財務大臣のお考えは私も一致するところであります、考え方としては一致するところでありますけれども、ただ数字が、さはさりながら、そこの数字で本当にいいのか。予備費においてもこの災害復旧等事業費についても、本当にいいのかということはもう一度とらえ直すこともあってもいいのかな、このように思っております。
 決算行政委員会でございますし、きょうは予備費の議論でございますので、ちょっとこのことも議論をさせていただきました。またぜひとも御検討賜れば幸いでございます。
 それでは、次の質問に移らせていただきたいと存じます。
 ついこの間、公益法人改革が行政改革の特別委員会で議論をされました。私も、委員ではありませんでしたけれども、差しかえていただいたりしまして、かなり長い時間をいただきまして公益法人改革の議論に加わらせていただきました。
 その中で、財務大臣にお出ましいただいておったんですが税制の細かい議論が全然できませんでしたので、せっかくですからこの場をかりて税制の議論をと思っておりますが、その前に、いかに公益法人の税制が悪用されているかという一つの例をまず示したいと思います。
 ただ、悪用されている例を示しますが、私は、だから公益法人とかを含む、共益法人を含む非営利法人、いわゆるNPOに税制優遇を与えちゃいけないという考え方ではありません。むしろ、もっと与えなさい、もっと与えた方がいいという考え方なんです。そのことについても、ではなぜ与えた方がいいのか、そして、どうすればそうした不正使用が防げるのかについてまた後ほど議論したいと思いますが、その前に、いかにいいかげんなことが行われていたのかということの一つの例をお示しさせていただきたいと存じます。
 これはほかの委員会でも私が今ちょっと問題点を指摘しているんですが、社団法人WHO協会というのがあります。京都が本部です。これはもともと特定公益増進法人の資格、ステータスを持っていました。それで、そこが一体何をしたのかということでありますけれども、いろいろな問題がありまして、倫理委員会答申ということで、こんなに分厚い内部調査の答申も一応あるわけでございます。
 この中を見ますと、それこそ脱税とか横領とか、おどろおどろしい言葉が大変躍っている報告でありまして、すべてをきょう議論する場でもないと思いますし、しませんが、ただ、その一つとして、このWHO協会が行われたこととして特増の制度を悪用していたというのがあります。
 何を悪用していたかというと、特定公益増進法人になりますと、私たちが寄附をすると、また企業が寄附をすると、企業であれば損金算入、私たち個人であれば所得控除ができますね。そうなると、例えば企業が五百万円をあるところに渡したいとしたときに、直接渡すと何の税制優遇もありませんが、このWHO協会を通じて渡すと、WHO協会に寄附します、そうするとWHO協会から寄附証明が出されますから、その分、税務署へ持っていくと、五百万円を寄附しましたけれども、例えば税率が五〇パーとした場合、二百五十万円は、もし二百五十万円以上税金を納めているという前提ですけれども、二百五十万円は税金を払わなくて済むわけです、控除できるから。
 そして、その五百万円を、WHO協会が、例えば研究助成という名目で、ある方にそれをお渡しします。そうすると、直接渡すと何もなかったことがWHO協会を通したことによって、寄附主は控除ができるわけですね、それでWHO協会は、五%の手数料を取って九五%をその方に渡すということになるわけです。そういうことをどうやらしていたようだということが疑いとして持たれている団体であります。
 実はこれだけではありません。一つではないんですね。いろいろなことをやっていらっしゃるようでございますが、つまり、特増の制度というのを極めてそういうふうにして、寄附控除というのは悪用される可能性が高いということであります。また後ほど議論させてください。
 その中で、私、どうしてもこれは御指摘を申し上げておかないかぬと思うのは、大変なこれは、これが事実だとしてですよ、きょう国税庁にも来ていただいていますけれども、本当だったら、本当かどうかですけれども、私の手元に内部告発みたいなのがありまして、今このWHO協会の会長である方が、ことしの、平成十八年の四月十日月曜日、午後二時から二時間余り中京税務署に行かれているようであります。ほかの副会長さんとか事務局長さんも伴って四名で中京税務署に行かれたということでございます。
 そのときに何を話したかといいますと、ある大学への研究委託につきまして税務署から聞かれているわけですね、どうなっているんですかと。本当に、研究委託書がないとかいうことで聞かれているわけです。それからまた、前の常務理事さんが実は使い込みみたいなことをやっておりまして、これは四月二十一日、ついこの間、厚生労働省あてにWHO協会の会長から、使い込みのことについても事実であるということと、半分ぐらい弁済されているということも通知があっているんですけれども、そのことにつきましても、どうも税務署で聞かれたようでございます。
 そのときに、この会長さんなんですが、税務署で大変興奮されて、実はこの方は元京都大学の総長でいらっしゃったわけでありまして、かなり激高されて、そして、京大の総長を何と思っているのか、せっかく来てやっているのにおまえら何様だと立ち上がった上で、百万円ほどの収入がおありなようですねと税務署から指摘されると、それくらい申告してもしようがないでしょう、要するに、WHO協会に金が戻りトラブルがおさまればいいんだ、税務署は関係ないなどという言葉を二時間にわたってとうとうとおっしゃったようでございます。
 これは事実なんでしょうか、税務署さん、来ていると思いますので。
○竹田政府参考人 個別にわたる事柄につきましては、私ども、守秘義務が課されている関係上、納税者との接触の有無も含めまして、答弁することは差し控えさせていただきたいと思います。
 一般論として申し上げますと、国税当局といたしましては、いろいろな形で把握いたしました個々の事実関係に基づきまして、常に法令に沿って適正な課税処理に努めているところでございます。
○市村委員 いや、本当に適正な課税処理に努めていただきたいと存じます。百万円ほどの収入に対して、それくらい申告してもしようがないといったら、では、私たち国民全部、そう言えば税務署は許してくれるんですかね。そんなようになったなどといったら、もう全員、だれも税金払う気なくなりますよ。
 だから、こういうことが、事実かどうかというのは教えていただけませんけれども、本当はここで、私は、あったのかどうかというのは言ってほしいですよ。ただ、事実かどうかは言えないというのであれば、こういうことがあったようだということを指摘させていただいて、だって、これで一番腹立つのは税務署の方だと私は思いますよ。一生懸命税務をやっていらっしゃって、こんな言いがかりをつけられるようでは、本当に一番怒っていらっしゃるのは税務署の方だと思いますから、ぜひともこういうことについては怒っていただいて、むしろ厳しくやっていただきたい、こう思います。
 特に、個人的なことじゃなくて、これはやはり社団法人、いわゆる公益法人にかかわる大きな問題であります。今は特定公益増進法人を外れていますけれども、さすがに外れていますが、そういうステータスを与えたのも財務省でありますので、やはり財務省がその権限を持っているわけですから、ぜひともまた財務省の方でも調査もしていただきたいと思います。
 結局、こうしたこと、こうした公益法人が、今、実はここだけじゃないと私は思っています。つぶさに調べていけば、恐らく同じようなことをやっている法人も、多々と言ったら失礼でありますけれども、私はあるのではないかな、こう思います。
 これについても、例えば研究委託ということで出していますから、実は研究委託の研究成果があると非常にグレーゾーンになっているのです。いや、研究委託でしょう、私たちはそういう公益法人なんだから、研究委託で出しているんだから、それが主たる目的なんだからいいじゃありませんかということで非常にグレーゾーンになるんです。
 ただ、今回の場合は、実は研究成果がないということもあって大変大きな問題になるということでありまして、またこれからWHO協会のことはかなりつぶさに調査がされると思いますが、公益法人に対して、また公益法人を含むこれからのNPOに対して、そういった税制上の優遇措置を与えていくとこうした問題も起こる可能性があるということであります。
 ちょっとこれまでの話を聞いていただいて、財務大臣の御感想をいただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 先ほど、今の日本WHO協会にステータスを与えたのは財務省だとおっしゃいましたけれども、特定公益増進法人になるのはそれぞれ主務官庁の御認定でありまして、今の研究費を渡す等々につきましても、私どもに協議があるわけではございません。
 それで、今、国税庁の方から答弁すれば当然ああいうことになるわけでございまして、私も個別のことは言いにくい立場でございますが、一般論として言えば、やはり公益法人というものが、先ほど、特定公益増進法人というものがパイプみたいになって、いわば寄附税制の潜脱手段みたいになることは、これはもう甚だ遺憾なことだろうと私は思っております。
 いつも私、このごろ議論させていただきまして、民間が公益を担うんだということで、あくまでそういうところを働きやすいようにしていこうというような観点からしますと、これは委員が一番切歯扼腕しておられることではないかと思いますが、公益法人や特に特定公益増進法人みたいなものを悪用してやるということは非常に問題は大きいんだろうと思います。これは、ですから一般論としての感想でございます。
○市村委員 ありがとうございます。
 それで、実は政治家も同じようなステータスですね。私たち政治家も、個人寄附においてはそうですし、また政党においてはこういった控除ができる仕組みになります。最近はさすがにそういう事例はなくなったと思いますが、以前は、その制度を悪用して、架空の寄附をして控除を受けるというようなこともあったということもありましたし、それで実際に逮捕され、議員を辞職した方も何人もおられるということであります。それだけの制度、それだけのステータスを与えられているということは、それだけ厳しい、高い倫理観を持ってこの制度を使っていかなくちゃいけないということになろうと思います。
 ですから、WHO協会のみならず、そうした特増のところがしっかりと、それだけの優遇措置を与えられているということはどういうことなのかと。やはりそれは公益を担うからなんですね。まさに公益を担ってくれるから、だから私たち政治家に対しても、政治で頑張ってもらいたいから私たちでもそういう控除の制度があるわけですから、やはりそれを得ている者はその自覚を持って、万が一でもそれを悪用する、またはグレーゾーンでも、いささかの疑義も受けるようなことをしてはいけない、このように思うわけでございます。
 それで、財務大臣、私は、そうした特増並みの団体、NPOがもっとふえてほしい、このような思いであります。アメリカは百万団体を超えています。日本だって、経済規模からすれば数十万団体あってもいいと思います。ところが、日本は今、千団体ぐらいしかありません。彼我の差を感じます。ですから、数十万にふやしていくための制度づくりというのは、これからまた、まさに議論させていただいたように、これから財務省の方でもやっていただけるということでありますし、大変期待をしております。
 そのときに、ではどうやって今回のようなことを防いでいくかということでありますけれども、私が一つ思っておりますのは、特定口座を通じた寄附というのを実施したらどうかというふうに思っています。
 それは、銀行なり郵貯なりにそうしたいわゆる特増並みのステータスを与えられた団体が特定口座を開いてもらって、その特定口座を通じた寄附だけを控除扱いにするということにしますと、非常にお金の流れが透明になってきます。それで税務署の方は、それを見れば、大体、当該団体に当該年度にどれだけのお金が集まったかは一目瞭然なわけですね。そうなりますと、現金で渡す方はいなくなります。みんな、控除を受けたいがために、控除を受けるために特定口座を通じて寄附をします。だから、特定口座を見ていれば非常に透明なんですね、お金の流れが。そうしていけば、私はかなり抑止になると思います。
 それを悪用しようとする意図があったとしても、何かおかしいぞ、この団体、ことしはえらいお金が入っているな、その結果、やっていることは余り聞かないな、これだけお金を入れて一体何をやっているんだろうというところで、まずお金の流れを把握すれば、これだけお金を集めて何をしているんだろうなということがすごく疑問になるわけですね。
 ですから、そういった意味でも、特定口座を通じた寄附、そして、銀行か郵貯がいわゆる寄附証明を発行して、それを税務署へ持っていけば控除できるという仕組みをつくれば、そうした税制の悪用に一定の歯どめがかかる。もちろん、事業報告とか収支報告の公開はこれまでどおり当たり前としましても、さらにそれに加えて、そうした制度づくりというのが大切かなというふうに私は思っております。
 これにつきましては、またいろいろな機会で大臣といろいろ議論もさせていただきたいと思いますが、このアイデアについて大臣の御感想をいただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 この寄附金税制、優遇するということは、そこで果たしている公益性に着目してそのような手段をとるわけでありますから、租税回避手段に使われては元も子もないということになるわけですね。
 ですから、今後の制度設計に当たっては、一つは、第三者機関で今度やるということになりますが、そこで公益性というものをきちっと認定するために何をやっていただくかということが前提になりますけれども、それに加えて、今の委員のお話は、執行の観点から、税務当局が手続面の整備もきちっと行って流れを見やすくするということが大事じゃないかという御提言だと思います。私も、恐らく、そういうことを考えないと、後から、やってはみたけれどもというようなことになって、かえっておかしなことになってしまうということがあると思います。
 ただ、その具体的な手段が何になるのか。例えば、委員の御提案のような特定口座というものもあると思いますし、それから、現在、認定特定非営利活動法人のところでやっておりますが、寄附金に関する情報、そういうものを出してもらう、こういうような方法もあるのだろうと思いますので、今後の制度設計に対応しながら、何が一番そういう手続の透明性を確保する手段であるかということをよく議論させていただきたいと思っております。
○市村委員 ありがとうございました。終わります。
○筒井委員長 これにて各件についての質疑は終局いたしました。
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○筒井委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 平成十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)、平成十六年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)、平成十六年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(承諾を求めるの件)の各件について採決いたします。
 各件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○筒井委員長 起立多数。よって、各件は承諾を与えるべきものと決定いたしました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○筒井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
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    〔報告書は附録に掲載〕
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○筒井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時三十九分散会