第164回国会 経済産業委員会 第16号
平成十八年五月十二日(金曜日)
    午前九時二分開議
 出席委員
   委員長 石田 祝稔君
   理事 今井  宏君 理事 新藤 義孝君
   理事 平田 耕一君 理事 増原 義剛君
   理事 吉川 貴盛君 理事 近藤 洋介君
   理事 達増 拓也君 理事 桝屋 敬悟君
      小此木八郎君    岡部 英明君
      片山さつき君    北川 知克君
      近藤三津枝君    佐藤ゆかり君
      清水清一朗君    塩谷  立君
      平  将明君    長崎幸太郎君
      野田  毅君    橋本  岳君
      早川 忠孝君    藤井 勇治君
      牧原 秀樹君    松島みどり君
      武藤 容治君    望月 義夫君
      森  英介君    山本 明彦君
      山本ともひろ君    大畠 章宏君
      川端 達夫君    北神 圭朗君
      佐々木隆博君    野田 佳彦君
      松原  仁君    三谷 光男君
      高木 陽介君    塩川 鉄也君
      武田 良太君
    …………………………………
   経済産業大臣       二階 俊博君
   経済産業副大臣      西野あきら君
   経済産業大臣政務官    片山さつき君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        近藤 賢二君
   政府参考人
   (中小企業庁長官)    望月 晴文君
   政府参考人
   (中小企業庁経営支援部長)            古賀 茂明君
   経済産業委員会専門員   熊谷 得志君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十二日
 辞任         補欠選任
  牧原 秀樹君     山本ともひろ君
同日
 辞任         補欠選任
  山本ともひろ君    牧原 秀樹君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律案(内閣提出第六一号)
     ――――◇―――――
○石田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として資源エネルギー庁資源・燃料部長近藤賢二君、中小企業庁長官望月晴文君及び中小企業庁経営支援部長古賀茂明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○石田委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐々木隆博君。
○佐々木(隆)委員 おはようございます。
 昨日提出をされました中小企業協同組合法について質問をさせていただきます。
 今回の法改正は、ある種強化だというふうに思うわけでありますが、これは社会的にいろいろ課題が起きてきたというような状況の中での法改正でありますので、そういった意味では必要な措置だったというふうに認識をしております。
 ただ、結局、組合法を強化するということは、組合自体あるいはまたそこにいる組合員の皆さん方にとっての負担もまたふえるということになるわけであります。そうした心配があるわけでありますけれども、それらにはどうこたえていけるのかということについて、まずお伺いをいたします。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の改正は、大規模な破綻事例の発生など、近年の組合運営の実態や他の法令の状況などを総合的に踏まえまして、組合員における自治運営が円滑に機能するように、組合運営全般の規律を強化するというものでございます。共済事業の健全性を確保する措置もあわせて講ずるものでございます。
 運営規律の強化にかかわります措置につきましては、適切な運営がなされている多くの組合におきましては、既に自発的な運用で対応がなされているものも多いというふうに認識をいたしております。こうした措置を今回、法律上明確化することで、組合制度全体の信頼性が向上をし、中小企業者の方々の事業活動に好影響を与えるものと考えております。
 また、共済事業につきましては、既に同様の改正が保険業法、農協法などにおいて行われておりまして、これを適切に踏まえた対応が組合法においても必要であろうと考えております。対応がおくれました場合には、中小企業組合が不適切に利用され、また中小企業組合制度の信頼性が損なわれる懸念がございますことから、可能な限り早期の対応が必要であるというふうに考えております。
 なお、これらの措置につきましては、組合が円滑に対応できるよう所要の経過措置を設けているところでございまして、制度の周知のための広報などにつきましてもしっかりと行ってまいる所存でございます。
○佐々木(隆)委員 今言われた法的な経過措置とか周知徹底とか、そういうことはもちろんだというふうに思うんですが、実質的に、専従の人間を置かなければならないとか、何かそのことによってこの中小企業組合そのものの実態自体も、何万社という中にはかなり小さいのもあったりして、つかむのが大変だというような話も聞いておりまして、例えば小さいところは、今回一定規模で分けてはいますけれども、それなりにまた組合員の個々に負担がかかっていくということに結果なるわけでありますから、その点については、制度そのものもそうですが、実際の運営についても十分留意をしていただきたいというふうに要請しておきたいと思います。
 共済事業の関係なんですが、同じように改正をされるわけでありまして、今長官からお話がありましたように、事件なども発生していて、改正というのはある種当然なわけでありますけれども、共済制度というのはいずれもそうでありますけれども、今、保険業法の改正があったというお話がありました。保険業というのはもともと営利を目的に成り立っているものでありますし、共済事業というのは自分たちをどう守るかということでもともと始めているものですから、そういった意味では、保険業法をそのまま適用して共済事業が本当に大丈夫かという思いがあるわけでありますけれども、その辺についてお答えいただきたいと思います。
○古賀政府参考人 お答え申し上げます。
 保険業法の適用についてのお尋ねでございますけれども、御指摘のとおり、共済事業の健全性を確保するための措置につきましては、いろいろな面で保険業法の規制の仕組みというものをかなり取り入れたり、あるいは参考にさせていただいて、今回の改正の内容とさせていただいております。
 ただ、今御指摘いただきましたとおり、組合員に限定をして自治運営と相互扶助ということでやっております組合の共済事業と、それから民間の保険会社がやっております保険事業というのは、その趣旨それから実態も違うところがあるということはもう御指摘のとおりでございます。
 そういう意味で、保険業法の規制をそのまま適用してしまうとそういったところにうまく合致しないということが起きますので、そういう意味では、例えば最低出資金の金額の決め方であるとか、あるいは兼業規制のあり方とか、そういうようなところで保険会社に対する規制内容とは一部異なる内容のものとしているところもございまして、そういう相互扶助組織であるという特質も踏まえた上での改正の案となっております。
○佐々木(隆)委員 社会的なニーズにも、信用ということも含めてこたえていかなければなりませんので、今回の改正そのものは必要な措置だったというふうに思っておりますけれども、ぜひ、そのことによって組合自体が運営が厳しくなったとか、あるいは、例えば保険などについては、とりわけ小さな団体にとっては運営そのものが大変だと思うんですね。そういうことは十分留意をしていただきますように申し上げておきたいというふうに思います。
 実は、中小企業等組合法というのは昭和二十四年に制定をされた法律だというふうに聞いているわけでありますが、団体法そのものも三十二年と、いずれも半世紀近い、半世紀以上の時を経ているわけであります。
 今回のこの改正に当たって、中小企業政策審議会というところが提言をしているわけでありますが、そこの中でも、この制度そのものがかなり古くなっているということも含めて、この法律そのものについても提言をしているわけでありますし、同時にまた、新しい事業展開だとか、あと中小企業の組合と、例えばこのごろ新しく出てきているNPOとか、非常に異業種の組合とか、多様な状況になってきている中で、中小企業組合法そのものを、全体をどう見直していくかという時期に私は来ているのではないかというふうに思っているんですけれども、経済産業省として、こうした状況の中で今後の中小企業組合の活用方針などについてどう考えているのか、お伺いをいたします。
○二階国務大臣 中小企業組合は、議員が御指摘のように、昭和二十四年の制定以降、時代の要請にこたえてさまざまな変化を遂げてまいりましたが、相互扶助の精神のもとに、お互いに連携して事業を行う組織体として、中小企業者の事業活動を強力に後押ししてまいりましたことも事実であります。
 これまで、主として同業種の中小企業者が集まり、共同購入、共同生産、共同販売の事業を実施する組合がほとんどでありました。しかし、近ごろは、先ほども御質問にありましたように、異業種の組合を含めて、中小企業者が連携して創業、新事業展開等の事例がふえてまいりました。こうした利用、活用は、やる気と能力のある中小企業の育成、発展という点で、中小企業政策の基本理念に合致するものと考え、我々もいろいろな方策を講じて支援してまいりたいと思っております。
 今般の法律改正によりまして組合制度の信頼性をさらに向上させることで、中小企業組合が中小企業者の創業、新事業展開など、さらに一層活発にこれが活用されることを期待しておるものであります。
○佐々木(隆)委員 ありがとうございます。
 今大臣からお答えいただきました、いわゆる創業などという分野がどんどんふえてきているわけでありまして、そういった意味でいうと、この組合は、ある種、そうしたコーディネート機能、とりわけ中央会はそういう機能も非常に求められてくるというふうに思うんですね。そういった意味で、私は、この中小企業組合法自体を、抜本見直しという言葉が適当かどうかわかりませんけれども、しっかりと、今まで改正改正を重ねてきているわけでありますけれども、ぜひ、そういった意味での御努力もいただきたいということを要請しておきたいというふうに思います。
 中小企業組合法について今伺ってきたわけでありますが、実は、四月二十八日に二〇〇六年版の中小企業白書が出版というのか提出をされておりまして、それについて少しお伺いをしたいというふうに思います。
 特に、ことしの中小企業白書では開廃業のことについて触れているわけで、かなりなスペースを割いて分析しているわけであります。これは一九八〇年代後半あたりだと思うんですけれども、そのあたりから開業率と廃業率が逆転をしておりまして、廃業の方が多くなっている。そのことが結果として失業率を高めていくことになっていったり、ちょうどプラザ合意以降ですから、バブルが崩壊して、いわゆるその時期に入っていく時期と重なっているわけでありますけれども、この白書の分析の中にある廃業率の増加ということについてどのように分析しているのか、まずお伺いいたします。
○西野副大臣 今委員が御指摘をされておるところでありますが、この開廃業の問題は実は総務省で統計調査を行っておりまして、それによりますと、二〇〇一年から二〇〇四年の間に開業率が三・一%から三・五%にと、〇・四%上昇しておるわけであります。しかしながら、一方で、廃業率の方が逆に、四・五%から六・一%、一・六%上昇をしておるわけでございます。この数字から見ていただきましても、廃業率が開業率を大きく上回っておるという結果になっておるわけでございます。
 この原因といいますか理由であるわけでございますが、おおむね、この廃業をなさいます方々は、昭和でいいますと三十年代から四十年代に開業をなさった方、いわゆる今日を経て年齢的にも六十歳を超えられた方々がほとんどでありまして、いわば事業から撤退をしていく、こういう年齢的な問題があろうかと思いますし、含めて、その個人事業者が引き継いで事業を承継していく、そういう体制がうまくいっていないのではないかな、こういうところにこの数値の、いわゆる廃業がふえておるという実態がここにあるのではないのかなというふうに思っております。
○佐々木(隆)委員 ありがとうございます。
 今お答えいただきましたけれども、結局、年間十二万社ずつ減っているわけですね、今の数字でいきますと。大変な数が減っていっているわけであります。
 今お答えいただきましたが、原因の一つとして高齢化ということを挙げられました。それをどう継承するかということが私は大変必要なことだというふうに思うんです。経営者の平均年齢が今五十八・五歳だそうでありまして、この白書によりますと、特に、年間二十九万社の廃業社のうち、二四・四%、七万社以上が後継者不足を理由とされているということで、継承ということが非常に重要な課題になってくるのではないかというふうに思います。
 どうそこをうまくつないでいくか、つないであげるかということが非常に大切なのではないかというふうに思うんですが、例えば税制面などを含めて、事業継承について、政策的な支援についてお伺いをいたします。
○望月政府参考人 中小企業の円滑な事業承継というのは、先生おっしゃいますように、事業の継続、発展などを通じまして、地域経済の活力の維持とかあるいは雇用の確保ということに資するものでございますので、極めて重要な政策課題だと思っております。
 こうした観点から、これまで累次の税制改正を行いまして、事業承継に係る主要な相続財産でございます土地や自社株式に係る相続税、贈与税の軽減措置を創設、拡充してきたところでございます。直近の平成十八年度税制改正、今年度の税制改正におきましては、自社株式の物納に係る許可基準を緩和、明確化するなど、物納手続を大幅に改善する措置を講じたところでございます。今後、自社株式の物納が増加することによって、キャッシュに乏しい中小企業の事業承継の円滑化に資するということが期待されているわけでございます。
 しかしながら、中小企業の事業承継問題というのは、税制だけではなくて、関連する法制度や中小企業経営者の方々の意識のあり方を含めた総合的な検討がどうしても必要だというふうに考えております。
 このため、昨年十月から、日本商工会議所や関連する士業の団体、公認会計士とか弁護士さんとかそういう士業の団体の方々とともに、事業承継問題に係る総合的な検討の場といたしまして事業承継協議会というものが発足をいたしました。この場におきまして、事業承継円滑化の観点から、法務、税務、金融などのさまざまな分野の実務家の方々とともに専門的な検討を行っているところでございます。
 今後とも、こうした場を含めまして、中小企業の円滑な事業承継のための有効な手だてにつきまして検討してまいりたいというふうに思っているところでございます。
○佐々木(隆)委員 今お答えいただきましたけれども、小さな企業、個人企業みたいなところは、特にそういった課題が重要だと思うんですね。ぜひ、積極的な取り組みを求めておきたいというふうに思います。
 「自分の代で廃業を検討する理由」という中に、経営が苦しい、市場の先行きが不透明と並んで、二四・四%の人が適切な後継者が見当たらないということを挙げているわけでありまして、さらにまた、対策の中では、今言われましたように、相続対策というのもかなり大きなウエートを占めているようであります。ちょうど私も団塊の世代の一人でありますけれども、これから先、〇七年と言われる団塊の人たちがふえていく中で、この問題はもっと深刻にとらえておかなければならない課題ではないかというふうに思いますので、ぜひ、そうした取り組みも求めておきたいというふうに思います。
 次に、実は私は、開廃業というテーマの中で、市場ですから、市場から撤退する人がいるということは、これはこれで、ある種やむを得ないことではあるわけであります。景気という面から考えると、廃業の数よりも創業の数の方が多ければ、これは景気としてはよくなるわけでありますし、企業の活力としても出てくることになるわけであります。
 問題は、その創業というものをどうしやすくするかということが重要なんだと思うんですね。片っ方では、後継の人に譲りたい、そういう人たちについてはきちっと対策をしなければいけないわけですが、新しく企業を起こす人たちが起こしやすい状況というものをつくっていくことが大切だというふうに思うんですけれども、その点についてお伺いをいたします。
○西野副大臣 お示しのとおり、廃業が開業を上回るという数値が、昭和六十年代から現象として起こっておるわけでございます。このような中で、やはり委員が御指摘をされておりますとおり、業を起こす、いわゆる創業、起業、そういう意識が芽生えてくるような環境整備もしなければならぬわけでございます。
 そのためには、新規事業の創出をするさまざまな方策を講じていく、このことが非常に大事なことであるというふうに思っておるところでございまして、経産省といたしましては、平成十二年度より、創業のモデルとしての起業家に対しまして表彰を行ったり、あるいは創業に関する普及啓発のシンポジウムを開催したり、そういう事業を行っておるわけでございます。また、平成十五年からは、今日でも続けておりますが、インターネットのドリームゲートをクリックしていただきますと出てくるわけでございますが、いわゆる情報提供や相談サービス事業等、経産省として幅広くそういう情報活動も行っておるところでございます。
 いずれにしても、やはり創業をするという意識が盛り上がってこないことにはいけないわけでございますので、今後とも、創業意識高揚に向けてさまざまな方策を講じていきたいというふうに思っております。
○佐々木(隆)委員 ぜひ、積極的な取り組みを求めておきたいというふうに思います。
 創業しようとする人たちというのは、当然のことながら、大組織の中にいる人たちではない人が多いわけで、そういった意味でいうと、いろいろなアイデアあるいは情報、もっと言えば資金、そういったものが十分に恵まれた状態にないわけであります。そういったことを含めて、具体的にどんなことを今考えておられるのか、その点についてお伺いをいたします。
○望月政府参考人 創業に向けまして、いいビジネスアイデアを持っておられる方というのは確かにたくさんおられるわけでございますけれども、いざ具体的な事業を行うということになりますと、実は事業を開始するためのさまざまな知識が必要であるということでございまして、なかなか直ちには立ち上がることができないというのが実態だろうと思います。こういった方々のために、特に知識の問題で申し上げれば、その支援策といたしまして、全国の商工会と商工会議所におきまして、私ども、創業塾というものを開いているわけでございます。
 具体的には、創業に向けての、今申し上げましたような、ビジネスアイデアなどを持っておられる方々を対象に、事業計画をつくり上げて、創業に必要な実践的能力を修得できるような短期集中型の研修を実施いたしております。平成十一年度のこの創業塾の事業開始以来、実は延べ五万五千人の方々がこの受講をいたしておりますし、修了をいたしました方々の約三割の方々が創業を実現しているわけでございまして、地道な活動ではございますけれども、大変役に立つのではないかというふうに私どもとしては評価をしている制度でございます。
 この創業塾につきましては、今年度は全国二百七十カ所で開催を予定いたしておりまして、約一万人の受講者を見込んでいるところでございます。予算といたしましては、約十六億円ぐらいの予算を本年度予算の中にも創業人材育成事業として盛り込んでいるところでございますので、十一年度から綿々とやってきている事業ではございますけれども、その都度、活動状況を評価しながら改善をして、こういった創業のための基礎知識をいいアイデアを持っている人たちの中にお助けをして広めていくということが、まず基礎的には一番大事ではないかというふうに思っているところでございます。
○佐々木(隆)委員 三割創業というと、野球でいうとかなり高打率ですので、かなり効果があるんだというふうに思います。
 まだ年数的な実績が余りないのかもしれませんが、そういう事例を紹介することも一つの方法だというふうに思いますので、そういうことも含めて、ぜひそれを積極的にやっていただきたいなというふうに思います。
 今、そうした塾を展開しておられるということでありますけれども、もう一つ、やはり大きな障害になっているのが資金の面ではないかというふうに思うんですが、資金調達などについて円滑な、そうした対策がどうとられているのか、どう考えておられるのか、その点についてお伺いをいたします。
○望月政府参考人 御指摘のように、創業を希望する方にとっての創業時における資金調達問題というのは大変大きな問題の一つだと認識しております。私どもといたしましては、創業時の資金調達を支援するために、政府系金融機関を中心として、さまざまな融資制度を用意いたしております。
 具体的に申し上げますと、比較的小規模の事業を起業される場合に、無担保、無保証人で融資を受けられる国民生活金融公庫の新創業融資制度、これは貸付限度額七百五十万円ということでございますから比較的小規模ですけれども、簡易に受けられる新創業融資制度というのが国民金融公庫でございますし、それから比較的大規模な事業を起業される場合にも対応できる国民生活金融公庫の新規開業支援資金、これは要件が若干違いますけれども、貸付限度額、設備資金で七千二百万円、運転資金で四千八百万円。限度額でございますから、いきなりこんなにお借りになる方もいないかもしれませんけれども、その範囲内で設備とか、そういうものにも対応できるような新規開業支援資金であるとか、あるいは中小企業金融公庫、商工組合中央金庫の新事業育成資金というものがございまして、これは特に高い成長性が見込まれるような新たな事業を行う方を対象とした融資制度で、中小公庫と商工中金でございますので、貸付限度額が六億円ということになっております。これは市井の一起業の方とはちょっと違うと思いますけれども、とにかく新しい事業を設備投資をして行おうというような方々を対象として新事業の育成資金というものがございます。
 こういった制度で、起業をされる方々の実態に即した制度をそれぞれ設けて運用しているところでございます。
○佐々木(隆)委員 今お話をいただきまして、一定程度いろいろなものがそろってはいるわけでありますけれども、この白書の「事業の存続・倒産と再生」というコーナーがあるんですが、そこに、「開業した直後の事業所は生存率が低く、その後年数を重ねるにしたがって次第に生存率が安定していく」というところの分析があります。
 当然だと思うんですけれども、実は、制度的に、開業するまでの支援というのは結構あるんですね。いろいろな研究を一緒にやりますとか、そういった支援というのは、補助制度や助成制度が中心になりますけれども、そういうのがあります。開業して一定程度時期がたって信用がついてくると、まあある程度どこでもという言い方もおかしいですが、お金を貸してもらえるようになるわけですが、一番大変なのは創業してから一、二年の間ですね、まだ信用がそれほどない時期。そういうところ、きちっとしたビジネスになるまでのほんの一年か二年の期間というのが一番の大変な時期だというふうに思うんですが、そうした資金調達が一番難しい時期について何かあれば、ぜひお聞かせいただきたいと思います。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
 特に技術開発に熱心に取り組む中小企業の方々のケースに典型的でございますけれども、技術開発には成功いたしても、商品化や販路開拓などの過程におきまして、その結果が事業化につながらないというケースが非常にあるわけでございます。
 御指摘のように、私どもの制度の中でも、技術開発というのは比較的、国の予算をつけて支援をするというのが最も意義が主張しやすい分野でございますので、そういう制度が多いことも事実でございます。ただ、今のような、ちょうど技術開発成功後の、事業化までの間における問題というものについて、特に、よく言われますデスバレー、死の谷と言われるんですけれども、この谷を越えるためにどうしたらいいかというのが重要な課題だというのは、この新創業関係では関係者の間でよく指摘される話でございます。
 こういった事業化に当たっての課題に対応するために、私どもは平成十六年度、つい最近でございますけれども、十六年度から中小企業・ベンチャー挑戦支援事業ということを実施いたしまして、特に実用化に向けた技術開発や販路開拓などの取り組みまで幅広く、資金助成と、それから特に技術面、経営面でのコンサルティングを一体的に行う支援をしているわけでございます。
 私もよく申し上げるんですけれども、中小企業の方々は、いいアイデアを持っているとかいろいろなビジネスモデルを持っている方はたくさんおられるのですけれども、何か欠けているというのが中小企業の方々の実態でございます。特に欠けているのが資金の問題、それから販路開拓のときの最も大切な人脈の問題、そういうことがございますものですから、お金の面と、それから販路開拓のためのコンサルティングなどというのが非常に大事なわけでございます。
 そういったことを通じまして、きちっと、最初に技術開発で支援したものが事業化に結びつくところまでの一貫した支援体制をとるというような、最後の結果まで見て我々が政策を実施するということが最も責任のある中小企業政策のやり方ではないかということで認識いたしまして、平成十六年ぐらいからそういう手法をとっているところでございます。
○佐々木(隆)委員 僕も余り詳しくはないんですが、日本でもたしかSBIRという制度があるというふうに思っているんです。もともとこれはアメリカにあったSBIRだと思うんですけれども、私の解釈が間違っているかもしれませんが、いわゆるスモールビジネス、小さなビジネスに対して、融資でたしか対応しているというふうに思ったんですね。要するに、リスク率が非常に高いわけですよね、死の谷と言われるところの支援というのは。そのSBIR制度というものをたしか始めたというふうに聞いているんですが、そこのところについてちょっとお伺いをいたしたいというふうに思います。
○古賀政府参考人 お答え申し上げます。
 今、SBIRというものを御紹介いただきました。アメリカではスモール・ビジネス・イノベーション・リサーチというふうに呼ばれているものだと承知をしております。
 今お話のありましたとおり、もちろん連邦レベルで中小企業に対して保証することによって、リスクをとってやって、それで事業化を支援していくというような施策も広く行われているというふうに承知をしておりますけれども、このスモール・ビジネス・イノベーション・リサーチと呼ばれるものは、各省庁の研究開発予算支出の一定の割合を中小企業に振り向けようというような制度であるというふうに理解をしております。そして、そのことによって中小企業の研究開発を支援していこうということのようでございます。
 そして、こうした制度も参考にしながら、日本でも、いわゆる日本版SBIRというふうに呼んでおります、日本語で言えば中小企業技術革新制度というものでございますけれども、この制度は中小企業の新技術を利用した事業活動を促進するということを目的としておりまして、具体的には、中小企業向けの研究開発予算の支出目標の金額を定めるというようなことを行いまして、中小企業の研究開発、それからその成果の事業化というところまで支援していこうという制度でございます。制度創設以来少しずつ拡充をさせていただいておりまして、これは、経済産業省だけではなくて、各省庁から御協力をいただいております。
 そして、中小企業向けに使われる補助金というのは少しずつ支出が拡充されておりまして、目標額というのを毎年定めるわけですけれども、十一年度は百十億円ということで始まっているわけですけれども、これが十七年度は三百十億円ということで、約三倍近くにふえておりますし、補助金の本数、本数がどこまで意味があるかというのもございますけれども、本数で見ましても、四十本程度から始まりまして、現在は六十本前後というようなところまで来ております。
 そして、参加していただいている省庁も、研究開発の予算を持っておられるところが大体入っていただいておりまして、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、そしてもちろん経済産業省、国土交通省、環境省といった七省が入ってこれを実施しているということでございます。
 今後とも、こうした制度をさらに拡充していくということに努力をいたしまして、中小企業の研究開発、それからその後の事業展開というものを支援してまいりたいというふうに考えております。
○佐々木(隆)委員 ありがとうございます。
 いろいろな融資、それから技術開発などを含めて、日本の、雇用の面から見ても、七割は中小企業に勤めておられる方だというふうに伺っておりますので、中小企業を育てることと同時に、市場ですから新陳代謝はあるわけで、そのときに新陳代謝をどうスムーズに進めていくかという意味では、創業支援というのは私は極めて大切な政策ではないかというふうに思っておりますので、ぜひいろいろな面から、余り過保護にならないようには必要でありますけれども、支援をしていかなければならないのではないかというふうに思っております。
 この白書を読んでいて、少し気になったというか、ああ、そうなのかというふうに思ったんですが、創業の中で女性の創業の割合が、ちょっとここ何年か落ち込んでいるようですけれども、どんどん上がってきているんですね。
 それと、もう一つ注目できるのかなというふうに思ったのは、高齢者と言っては申しわけないんですが、いわゆる団塊の世代あたりの人たちの開業、創業。特に、女性の場合は、職住型で創業ができるというようなことがあるのかもしれません。
 それと、昨年の白書だったと思うんですけれども、そこに自営業者の分析が出ておりまして、自営業者が、これもどんどん日本は減っているようであります。ここ何年かで十万人も減少したというふうな分析が去年あるわけでありますけれども、開廃業と同じように二十代、四十代という方の創業や開業というのはかなり少なくなっていて、ここも、やはり五十代後半あたりのところが自営業者というのも主流をだんだん占めてきている。
 開業で言うと、ちょうど我々の世代になるんですけれども、かつて創業した、開業した人たちが一定程度大きくなってきていて、ある意味では、会社でもちょっとそろそろと言われているような時期に来ていて、その人たちが再びチャレンジをするというような傾向があるというふうに、私もそう思いますし、白書もそういう分析をしているわけです。こうした中高年のところあるいは女性、こうした人たちのところは、私は注目に値するのではないかというふうに思っているのですが、ここら辺について、何らか支援の特色みたいなものがあれば、ぜひお聞かせをいただきたいなと思います。
○望月政府参考人 特に、先生御指摘の、中高年の方々が、今までいろいろなビジネスをおやりになった方が再び自立してビジネスを起こされるとかそういうケースの場合には、先ほどちょっと申し上げましたように、中小企業とか自営業者の方々が欠けている点の、資金の問題はもちろん当然あると思うんですけれども、知識、経験とか人脈とか、そういう観点から申しますと、比較的兼ね備えておられる方々が創業されることが多いわけでございますので、若者がいきなり創業することに比べまして成功率が高いということがあろうかと思います。
 それから、今の世代の構成とか社会変化の中で、それこそ団塊の世代の方々が再び、会社をやめてみずから創業されるというケースがこれからますますふえてこられるし、元気なそういう中高年の方が多いということだろうと思うので、そういう方々にこれからのある種の日本の経済の部分を負っていただくという意味では、先ほどの開業率、廃業率の問題の一つの解決の道としても有効だろうというふうに思っております。
 そういった点につきまして、例えば、先ほどちょっと申し上げました創業塾の話も、実は、非常に基礎的な、会社というのはどうしてつくったらいいんだろうかという議論になりますと基礎的な創業塾が必要なんですけれども、今申し上げたような、ある程度経験を積んだ方が創業するときには、むしろ逆に、今までやってこなかったことだけれども、自分が意欲があってやりたいという新しい分野へ行くときに、必要なものというのがまた出てくるんじゃないかと思うのです、転職みたいなものですけれども。そのときに、ある種の知識なり人脈なりを得たいというような場合の手だてというのも必要ではないか。
 我々はそれを第二創業と呼んだりしているわけでございますけれども、そういう方々に対する対応も、先ほどの創業塾の一つの枝分かれしたものとして、第二創業塾というのも実は中でやっているわけでございまして、そういったことも幅広く施策を広めまして、短期で済む話でございますから、なるほど、そういうことがあったのなら一回ちょっと顔を出してみようかというようなことがあろうかと思うのです。
 それから、女性、高齢者、高齢者は今あれですけれども、女性の創業などの場合については、特に社会的にも若干不利な面もあるんではないかということもあって、例えば女性の方が業を起こして融資を受けるときなどにも、明確に差別があるわけじゃございませんけれども、実態的に不利な面があるのではないかというようなことから、そこを優遇するような制度も今の政府系金融機関の中で、ちょっと今手元に数字を持ってきませんでしたけれども、少し安い金利を適用するとか、そういう制度が支援策としてはございます。
 こういった面から、細々と始めたところではございますけれども、こういう女性とかそういう方々の創業を支援していくことがこれから社会参加をふやしていくという意味では大変重要な分野でございますので、そういった面も制度を充実していきたいと思っておるところでございます。
○佐々木(隆)委員 さまざまな支援策をぜひ要請しておきたいというふうに思います。
 女性、男性、あるいは先ほど論議をさせていただきました事業継承とか、いろいろな形で中小企業の活力というものをつくっていかなければならないというふうに思うんですが、もう一つ、事業再生というのもありまして、これもぜひ、いわゆる機会格差のないように取り組みをいただきたいというふうに思います。
 現時点までの中小企業を取り巻くこうした景況について、これらの認識を踏まえて中小企業対策にどう今後取り組んでいこうとされているのか、最後に大臣の認識を伺って、私の質問を終わりたいというふうに思います。
○二階国務大臣 現在、廃業率が開業率を上回っておるということは極めて残念なことと思っておりますが、私どもは、中小企業の持つすぐれた事業を次世代にしっかりと受け継いでいくということ、これが極めて重要だと思っております。特に、経済産業省としましては、事業承継協議会の場を活用しまして、円滑な事業継承を後押しする政策の検討を今後ともしっかり進めていきたいと思っております。
 そして、活発な創業を促すための施策、先ほど議員から、創業、開業の成功事例を公表してはどうかという御意見がありました。私も全く同感であります。機会あるごとに、同時に、私ども経済産業省が関係の深い広報機関を活用してそれを大いに宣伝して、この程度ならば、これならば自分もやれるかもしれない、そういう気持ちを起こしていただくようなことを考えていくべきだと思っております。御意見には全く賛成であります。
 そして、議員もたびたび御主張ありましたとおり、我が国経済の屋台骨を担うという中小企業の位置づけ、もっともっと大切にしなくてはならないと思っております。
 四百三十万社、厳密に言うと四百三十二万社、現在あるわけでありますが、私が思うのには、例えば、二社に一人新しい雇用を考えていただいたとすれば、それだけで二百万人の雇用になるわけであります。大企業も日本の産業を支える大きな役割を果たしていることには違いがありませんが、いきなり二百万人の雇用ということを大企業にお願いしても、それはなかなか容易なことではない。しかし、中小企業の皆さんが二社に一人新たな雇用を考えようということで奮起いただけるような環境をつくれば、これは労働問題のネックも解消するわけでありますから、そうしたことなども頭の隅にしっかり置いて対応していくことが大事だと思っております。
 いずれにしましても、中小企業の我が国に貢献する役割は極めて大きいということで、前に発表させていただきました優秀な中小企業三百社、今、経済産業省の一階で展示会を行っております。一度に三百社を展示するわけにいきませんから、毎週ごとに、週がわりで出させていただいております。閣僚の間からも、自分の県のそうした出展の週を教えてもらいたい、何ですかと言ったら、自分は必ず見に行きますから、こう言っているんですが、いろいろな方々がお見えになっています。私も、役所へ出入りのときに必ず立ち寄るんですが、行きますと、私がここの会社の社長ですという人が、やはり自分の展示を誇らしげにおいでになってみえます。それから、得意先の皆さんにも、自分の製品が経済産業省の一階に展示されておる、得意先の人をそこに呼び寄せて一緒に記念撮影をなさったりしていただいております。
 我々の考えていることは極めて単純なことではありますが、そういう地道なことを一つ一つ重ねていく、これが大事であります。お金も何も大してかかるわけではありません。気持ちが大事であります。
 我々は、中小企業の躍進についてはまさに党派を超えてこれに御協力をいただき、それぞれの地域が躍進していくためには中小企業に奮起していただく、そういう状況をつくっていくことが経済産業省の大きな責務であるというふうに考えておる次第であります。
○佐々木(隆)委員 積極的な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 時間が来ましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○石田委員長 次に、北神圭朗君。
○北神委員 民主党の北神圭朗でございます。
 引き続きまして、中小企業等協同組合法等の改正法律案について御質問したいと思います。
 まず冒頭に、今回の法案は、制度の部分と運用の部分とあると思いますが、先ほど我が党の佐々木さんも言われたように、協同組合というのは、御存じのように非常に多岐にわたる、非常に大きいところもありますし、小さいところもある。制度上は、千人以上の組合員を抱える部分と千人未満というふうにきちんと分けてありますので、その部分も評価をしたいと思いますし、また、運用の部分でも、特に小さいところは柔軟に対応していただきたいということを冒頭申し上げまして、きょうは、制度の方についていろいろお尋ねしたいと思います。
 基本的に、協同組合といえども、今回の法案は共済事業についての規制を強化するという趣旨だというふうに思います。普通に考えれば、保険会社であろうとどこであろうと、同じような保険商品を扱うところだったら同じような規制が求められるというのが基本だと思います。先ほど長官からも御答弁があったように、事業協同組合の方は、自治のガバナンスの部分とかあるいは相互扶助の部分とか、そういったところを考えないといけないし、小規模の部分もある、扱っている商品も基本的には短期の部分とか損保系の商品が多いということで、そこでいろいろ規制を柔軟に対応していかなければならないということでございますが、きょうは、いわゆる事前規制の部分についてもお尋ねしたいと思いますし、あと、監督検査の体制が法案で制度上はきちっと整理されていても実際の現場はどうなっているのかということと、最後にセーフティーネットの部分についてお聞きしたいというふうに思います。
 まず、事前規制の部分で、兼業の禁止の規定がございます。これは、通常、保険を扱うときは、ほかのリスクの非常に高いような事業をしているとリスクが遮断されないとか、あるいは、一番大事なのは倒産リスクですね。倒産したときに、契約者が自分の持ち分をとられてしまう、全然違う事業の破綻によってリスクが契約者の方に来てしまうというところだと思いますが、今回は原則禁止をしているということでございます。ただし、行政庁が承認をすればほかの事業も可能となる。
 これについて、ガイドラインみたいなものがあるのかどうか、そして、その中身についてどのようなものになるのかというものを、まずお尋ねしたいというふうに思います。
○西野副大臣 委員の御指摘になりましたのは、兼業を原則として禁止をしておる趣旨だろうというふうに思いますが、これは、他の事業のリスク遮断をすることによって、当該の共済事業がむしろ健全性を保って、あわせて組合員の保護を図ろう、こういうところにあるというふうに思っておるところでございます。したがいまして、共済事業の健全運営ということに対して影響を及ぼさない事業でありますならば、この趣旨に決して反するものではないというふうに思っておるわけであります。
 例えば、ガソリンスタンドがあるといたしますれば、ガソリンを給油に来たと。あわせて、タオルでウインドーの前のごみをふき取ると。例えばそのタオルについての共同購入等々、仮に行ったとすれば、これは実はスタンド業と本来違う事業がタオル業であるわけでございますから、これらは、しかしながら、関連をいたすわけでございまして、こういう場合は、そういう意味ではむしろ兼業を閉ざしてしまうことによって組合員のいわば便益を損なうような可能性が出てくる、このように思われるものについてはこれを例外としたい、このように思っておるわけでございます。
 したがいまして、行政官庁がその当該をいたします事業に対して、その組合の業務が健全に、かつ適正な運営を決して妨げるものでない、そう認められる場合におきましては、これは兼業の承認を法律上明確に規定をして厳正な審査をしておる。言いかえれば、平たく言えば、限定されました事業についてはこれを認めておる、こういうことでございます。
    〔委員長退席、桝屋委員長代理着席〕
○北神委員 基本的にはガイドラインみたいなものをつくられるわけですよね、恐らく。それはないんでしょうか。そのガイドライン等、その中に、今言われたように、健全性を損なわないような事業だけを限定的に認めると。そういった部分について、簡単に言えば、リスクのない事業は認めるということだというふうに思います。
 こういうふうに申しますのも、少額短期保険業者という、基本的に今回の組合の共済事業と同列に論ずるべき少短というのがありますが、そこにおいては附帯業務しか認めていないと。今回の協同組合は、もちろんそもそもの趣旨がいろいろな中小企業者が集まっていろいろな事業をやっていくということですから、そこまで限定できないというのはよくよくわかるんですが、その承認の段階で、やはりリスクのないものについてのみ認める、そういう方針なりガイドラインなりが必要だというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○西野副大臣 申し上げましたとおり、リスクを遮断するものでないという観念から、ガイドライン等につきましてはそれを示していきたいというふうに思っております。
○北神委員 では、ガイドラインというものはきちっとつくるということですね。
 もう一つは、それは原則禁止ということでありますが、今回の法案を見ますと、その施行後も五年間は猶予期間があるということでして、これも現実的に実際にいろいろな兼業をしている組合が現実にある。そういった中で、なかなかすぐには移行できないという事情があるというふうに思うんですが、ただ、五年間というのはまあまあ長い期間でして、その間にそういったリスクが飛び火するような事態というものもあるというふうに思うんですね。ですから、五年間というのはちょっと長過ぎるんじゃないか、その辺何とか短縮できないかということをちょっとお聞きしたいのですが、よろしくお願いします。
○古賀政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘いただきましたとおり、もし非常にリスクの高い事業を長期間にわたって兼業を続けているというようなことがあれば心配な事態も出てくる、そういう御懸念というのも非常に理解のできるところでございます。
 ただ、一方で、今まで何の問題もなく、健全に二つの事業をやっておったと。共済の事業は結構大きなものになるので、今回の改正によって兼業が禁止されてしまう場合どういうふうに対応するかというところを現実的に考えてみますと、では、もう本業に近いような大きな事業をやめてしまえということを言わなくちゃいけないか、あるいは、もう一つ新しく立派な組合をつくってください、こういういずれかになるわけでございます。それは、リスクのあるものであれば、私どもとしては、これは健全な経営を確保するという観点からやむを得ないだろうというふうに思っておりまして、そういう意味では、そういう組合にとっては厳しい措置になるかと思います。
 その場合に、そうした組織を大幅に変更するというようなことにおいて、例えば新しい組合をつくるということになれば、またそのための資本金、出資金を集めると、これは組合員にまた新しい負担を課すというようなこと、対応が必要になるものですから、これを一年、二年ですぐやってくださいというのは、今まさに問題が起きているということであれば確かにそれはもう早くやらなくちゃいけない、こういうことになるかとは思いますけれども、今まで共済で問題が起きたのは一件だけでございまして、では現に今続々とそういうものが出てくるかというと、そういう状況でもないという中では、五年程度の間に、もちろんその間も万一財務状況が少し悪くなっていくよというようなことが見受けられれば、これはいろいろな監督の手段というのはございますので、そういったことも使いながら、五年という長い期間を設けたことによって何か不測の事態が起こるというようなことはないように十分気をつけながらやらせていただきたいということで、この五年というのはぎりぎり必要な期間かなというふうに考えております。
○北神委員 大体その事情というのはよくわかりましたが、その間に、そういうある程度リスクのある事業を兼業しているところについて特に注視をして、何かあったら対応していただくということだというふうに思います。
 では次に、募集の問題について移りたいと思います。
 いろいろこの共済に関係する事件が多発している中で、苦情件数もどんどんふえている。その大半がやはり募集をめぐる説明がきちっとなされていないというところが大きな原因だというふうに伺っておりますが、今回の法案で重要事項の説明義務というものが入るということであります。ただ、この保険というのは、御存じのように、極めて複雑な専門的な分野であります。保険会社とか、さっき申し上げた少額短期保険業者、こういったところが募集をするのと、組合で、中小企業者というのは一般の消費者よりは知識は高いというふうに思うんですが、こういった方が当然募集をするということになると思います。これについて、保険会社だったらいろいろな資格試験とか、そういった一定の資格要件みたいなのがあると思うんですが、今回、そういうもの、組合について募集人の資格というものをどのように考えているのか、その点について伺いたいと思います。
○古賀政府参考人 お答え申し上げます。
 今、募集人の質を上げていく必要がある、教育をしっかりやらなくちゃいかぬという御指摘でございまして、これは本当におっしゃるとおりだと思います。
 共済事業の内容が年々多様化し、あるいは複雑化していく傾向があるということでございまして、そういうことを踏まえれば、当然そういったことをよく考えていかなければいけないということだろうと思います。今回、代理店制度なども設けまして、それとともにかなりの行為規制をきっちりする、今までほとんどなかったというものを入れさせていただくということで、重要事項もしっかり説明しなさいというようなことをかなり具体的に規制をしていきたいというふうに考えております。
 そうした規制を課すということは当然その実効性を担保しなければいけないということで、これは単に規制で取り締まりますよと言っていれば済むというものではございませんので、おっしゃるとおり、共済募集人の質を上げるために、教育というものをいかに適切に行っていくかということが重要になってくるわけでございます。
 それで、複雑というふうに御指摘ございましたけれども、幸いにして、今共済組合が行っている事業というのは大部分が短期の掛け捨てというようなものが中心でございまして、ほかの保険会社がやっているものに比べれば比較的簡易なものが中心になっておりますので、そういう状況も踏まえまして、早目にそういう教育というのを進めていかなくちゃいけないということでございます。
 それを行っていくときに、組合の連合会というような組織もございますし、それから中小企業団体中央会というような、組合の全体を指導、教育なんかもやっている中央的な組織もございますので、こういったところでぜひ積極的にやっていただきたい。
 そのために、行政側としても、その中央会とかあるいは連合会、そういったところと十分連携をしながら、そういうところを通じて、各組合が募集人に対してどうやって教育をしていくのか、質を上げていくのかということをしっかり取り組んでもらうようにということで努力してまいりたいというふうに考えております。
○北神委員 ある程度行政から教育をして、その中央会とか連合会とかを通じてどんどん下におろしていくということだと思いますが、中央会というのはちょっとわからないんですが、連合会というのは比較的大きい共済事業をやっているところが多いと思うんですが、小さいところにも行き届くのかどうか。
 そして、行政側が指導するということですが、これは経済産業省が主になってやるのか。というのは、募集で多分重要なのは、いかに自分たちの共済が健全かということを説明しないといけない。後ほどまた質問させてもらいますけれども、保険でしたらソルベンシーマージン比率とか、非常に複雑怪奇な指標が用いられる。皆さん優秀だと思いますが、これは専門家で、例えば金融庁の保険に実際に携わった人とかそういった人がやはり動員されないと、こういうことをなかなかちゃんと説明がなされないんじゃないか。
 そういったところがやはりきちんと確保されなければ、募集人が幾らその教育を受けてもしっかり一般消費者とかあるいは組合員に説明義務を果たせないということだというふうに思うんですが、その点についていかがでしょうか。
○古賀政府参考人 御指摘のとおり、連合会というものに所属している共済をやっている組合というのは、比較的大きなところが中心かと思います。
 小さなところで、連合会に入っていないようなところにつきましては、中央会というのはもちろん全国組織もございますけれども、各県ごとに県の中央会というものもございますので、そういうところを通じてその教育あるいはいろいろな法令の知識についての周知というものを図るということもございますし、それから都道府県に対しても、そういうことをしっかり指導してくださいということは、これはこの募集人の教育だけではございませんけれども、そういったことについてしっかりと連携しながら、十分にそういう実が上がるように努力をしていきたいというふうに考えております。
○北神委員 後半の、専門知識というものは、やはり金融庁とかそういうある程度専門的な知識を持った人たちがやるべきだというふうに思うんですが、その点についていかがでしょうか。
○古賀政府参考人 おっしゃるとおり、この法律を、そもそも改正案をつくるときにも金融庁の方とは十分に相談をさせていただいておりまして、いろいろな知見もいただきながらやっておりますし、従来から、運用についてもいろいろ御指導いただいたり、いろいろ情報交換をさせていただくというようなこともやらせていただいております。
 今回、こういう本格的な規制体系を導入するということでございますし、それから保険業法の方も改正されたばかりということで、金融庁の方でもいろいろな取り組みもさらに深めておられますので、そういったことについて、私どもとしても、ぜひ金融庁が今まで培ってきましたノウハウあるいは教育についてのそういった手法とか、そういうものを十分教えていただくという姿勢でしっかりやっていきたいというふうに思っております。
    〔桝屋委員長代理退席、委員長着席〕
○北神委員 ぜひそこはお願いしたいというふうに思います。私も、ぎりぎり規制をどんどん強化すべきだとか、そういうふうに聞こえるかもしれませんが。
 次の質問なんですが、一つ懸念をしているのは、組合員だけだと、相互扶助だけの世界だったらまだそんなぎりぎり言わなくていいというふうに思うんですが、実際に今回の法案を見ていると、員外利用、つまり、その組合員以外の方にも募集をかけて共済に入ってもらうことができるというふうになっているんですね。これは二〇%まで認められている。多分、組合員の二〇%だということだと思いますが。
 それで、要は、これは相互扶助の理念からもやや逸脱する部分もありますし、そのリスクが外に波及する、一般消費者にも波及する。そういったことについて、私は、これは多分、もともとその組合のほかの事業について員外利用というものが二〇%決められていた、これが共済に自動的に適用されてそのままずっと続いているという経緯だというふうに思うんですが、やはり共済というのは、まさにこの法案の趣旨が物語っているようにリスクの高いものだ、したがって、ほかの事業とはやや話が違っていて、私は、基本的に員外利用というものは、すぐにかどうかはわかりませんが、徐々に減らしていかないといけないというふうに思うし、最後は禁止もしていいんじゃないかというふうに思うんですが、その点についていかがでしょうか。
○西野副大臣 組合員のこの利用に支障を来すというようなことになりますとこれは大変でございますので、そうでない限りにおいておおむね二〇%ぐらいまで、他の組合、現に農業協同組合等々もそうだろうというふうに思います。
 ただ、委員がお示しの、これは他の事業と違って共済事業であるという今御指摘でございますし、そこには経済的な裏づけも関係することだけに、そのあたりは非常に厳密に志さなければならぬというふうにも思うわけでございます。
 したがいまして、注視しなきゃなりませんけれども、今日までは、他の事業でこの二〇%の員外利用ということで特段弊害が起こったという例は余り聞いておらないところでございますので、今後注視して見守っていきたいというふうに思いますが、あくまでも組合でございますので、相互扶助というこの基本理念、そういう精神を逸脱することのないような事業展開というものに、しっかりと確保ができるように努めていくべきだというふうに思っております。
○北神委員 そもそも、員外利用を認める意義というのは何なんですかね、この共済について。何かメリットがあって、それがそのデメリットを上回るんだったらそれを認めるというのはわかるんですが、特に共済についてですね、それについて伺いたいと思います。
○古賀政府参考人 お答え申し上げます。
 やっている事業が保険ということでございますので、そうしますと、なるべく、できれば規模は大きい方がむしろ安定という意味では、大数の法則というようなことも言われますけれども、小さくやっているとむしろリスクが大きい、大きくやった方がリスクは下がるという面がございます。
 もともと共済、共済というか組合でいろいろな員外利用を認めたというのは、多くの場合は、例えば、家族従業員あるいは親類とか、それから取引先がかなり多いような場合に、その取引先の社長さんが、そういういいのがあるんだったら入れてくれよというようなところから始まってきたというふうに考えております。
 では、それが二割も要るのかということにももちろんなりますけれども、二割程度であれば、それがどんどん拡大していって、相互扶助の精神を失った何か違った営利目的だけの組織になってしまうのかというと、そういうことでもない。
 それから、共済についていえば、数がふえることはむしろ安定にはつながりますし、それから、この数が、員外利用がふえたから何か問題が起きたというような事例はもちろん一つもございません。
 それから、何か共済事業をやっている組合がすごくたくさん危ないのがあるというイメージが、一つ破綻しますとどうしても出てくるわけですけれども、必ずしもそういうことではなくて、かなり多くのところはむしろ健全にやっていただいているということでございまして、そういうところにしっかりした規制をかけて財務基盤を安定させる。そのときに、他の事業と同様に、二〇%程度員外利用を認めて規模を拡大することによって、合理化とかあるいは保険そのものとしての安定性というものに資するというようなことをやっていくというのは、むしろ合理的ではないかなというふうに考えているところでございます。
 先生が御指摘になりました、全然知らない人を無制限に、一般消費者にうまいことを言ってどんどんふやしていくんじゃないかというようなそういうイメージでとらえると、これはもうどんどん縮めた方がいい、こういう感じになってくるわけですけれども、そこはむしろ、健全な経営と、それから先ほど御指摘のありました、募集人が変なことを言ってだまして契約をとるというようなことがないようにしっかりした教育、こういうことをしっかりやっていくという前提でそういうものを認めていっていいんじゃないかなというふうに考えております。
○北神委員 保険の安定性、要するに、数がふえればふえるほど安定する、大数の法則ということですよね。それも、本当は生命保険とか長期契約の部分についてはそういうことが言えると思うんですが、さっきおっしゃったように、協同組合というのは基本的には短期の損保的な商品が多い。
 そういった中で、普通そういうのは、大数の法則というよりは再保険とか再々保険で基本的にリスクを守っていくということだというふうに思いますので、二〇%員外利用で資産運用が安定するとはちょっと思えないんですが、事情は、多分、今までほかの事業について二〇%と決めていたから、今回、共済事業について自動的にそうなったということであると思います。それで、今言われたように、一般の消費者にどんどんふやしていくようなことさえ起きなければいいというふうに思って、私もそのとおりだと思います。現状問題がなくて、これからどんどんふやしていく、拡大していくようなことがなければ別に問題ないのかもしれません。
 この法案で、もう一つ懸念しているのは、共済の募集について共済代理店というものを設けている。この共済代理店というのは、組合の委託を受けて、当該組合のために共済契約の締結の代理あるいはその媒介をするということなんですよ。これは、平たく言えば、信金とか信組とか金融機関が恐らくその窓口になって協同組合の共済を募集する。こういうものを設けていること自体、あれ、どんどんふやしていくつもりなのかなというふうに思わざるを得ないんですよね、だからお聞きしているんですけれども。
 だから、そんなものを何で設けるのかなと。限りなく、相互扶助の精神からややずれてしまって、営利目的の方に移っていくような印象さえ受けるんですよ。それは、そもそも協同組合の設立の趣旨から、精神から反することではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○古賀政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、今回の改正の中には、金融機関による共済商品の募集を可能にするような措置というものが含まれております。ただ、もちろん、この場合であっても二〇%というのは引き続きかかっているという前提ですから、何かそれによって今までの枠が外れて拡大するということになるわけではございません。
 それと、例えば、銀行の窓口で、一二〇%もう枠がいっぱいになっちゃっている組合があって、それでそれよりもっと拡大したい。そのときに、組合員を獲得することを銀行に頼んで、例えば融資先だから組合員になってくれるんじゃないかというようなことで組合員を獲得する、一緒にやってもらうというようなことになると、今まさに御指摘いただいたように、何か、相互扶助ということじゃなくて、全然関係ない人をどんどんかき集めてくるんだ、こういうことになってしまうものですから、そこのところは、当然、もちろんそういうことをやりたいというところもあるわけですけれども、あくまでも二〇%の枠があいていれば銀行でやってもらってもいいですよ。ただ、枠がいっぱいになっているのに、組合員になるところまで銀行にやってもらいます、これはやめてくださいということになっております。
 ですから、組合員勧誘まで含めて銀行がやるというようなことはやらせないという形になっておりますので、今までの枠が何か変わるということではないというふうに考えております。
○北神委員 なかなか納得しにくい部分がありますが、私の提言とさせていただきたいと思うんですが、やはり、共済代理店制度というのもいまいち相互扶助の精神から反するし、実際に何も問題が起きなければいいんじゃないかという話もあるかもしれませんが、基本的に、共済事業というのは組合員の相互扶助そして自治ガバナンスのもとでやるということだと思っていまして、後ほどまた質問させてもらいますが、そういったものにやはりどんどん限定していくべきだというふうに思いますので、ぜひ、共済代理店制度とかあるいは二〇%ルールも含めて、今後検討していただきたいというふうに思います。
 次に、もう一つの規制である最低出資金の話に移りたいと思います。
 これも、健全性を図るために今度は最低一千万円以上ということになっておりますが、これは少ないといえば少ないというふうに思うんですね、保険金額で一千万円超える商品もあると思いますので。その点について十分と言えるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○西野副大臣 最低出資総額の件だと思いますが、これは、この法律が制定された当初は、昭和三十二年当初のようでございまして、この当時はスタートは二百万であったわけでございますが、その後、物価指数の上昇に伴って、出資率につきましても出資総額についてもそれにスライドをいたしておるところでございまして、昭和三十二年ぐらいから今日までで総額にしましたらおおむね五・七倍ぐらいだということになりますと、単純に掛けまして今お示しの一千万、こういうことに相なっておるわけでございます。
 しかも、これはまた他の例でございますが、保険業法におきまして、少額短期保険業者の最低資本金額もございます。これなんかもちょうど一千万でございまして、それとこれと同じだということではありませんが、他の類似したものと比較をした中で、現実的なものではないのかな、妥当的なものではないのかな、このように思っておる次第でございます。
○北神委員 少額短期保険業者も確かに最低出資金が一千万円以上だということですが、これもさっきの話とかかわってくるんですが、これは協同組合で相互扶助の精神でやるということなんですが、少額短期保険業者の方は、最低出資金は確かに一緒だ、でも一方で、給付金の限度額とかが決められているわけですよね。死亡金については三百万、ほかのものについては一千万円、給付金の方は限度が決められているんですよ。それで、例えば期間も一年のものしか認められない。
 いろいろなそういう規制がある中で最低出資金は一千万円で大丈夫だろうという判断だと思うんですが、今回の協同組合の方は、むしろそういう方向で限定すべきだと私は思うんですが、これは青天井なんですね、給付金額も。つまり、幾らでも設定できる、短期、長期というのも自由に選択することができる。長期は、それでも二割ぐらい現状あるわけですから、そんな少ないとは言えないというふうに思います。
 ですから、そういったことを考えて、特に少短との比較において本当にこの一千万円で大丈夫なのかなという懸念があるんですが、いかがでしょうか。
○古賀政府参考人 今御指摘いただきましたとおり、確かに、少額短期保険業者の場合に給付金の限度額があるとかそういう違いがあるということは事実でございます。
 ただ、これは、今これから一千万円に上げていただこうということで、かなり大変な負担をしていただくことになるところもある。もう既にもちろん一千万というところもあるわけですけれども。そういうような現状ということも考えますと、先ほど来の御指摘の中には、むしろ逆に今度の規制でせっかくやっている保険事業が続けられなくなるなんという、そんなことはちょっと行き過ぎじゃないかというような御指摘もいただいておりますし、そうした御意見というのはこれまでの私どもの議論の中でもいろいろいただいているところでございます。
 そういう中で、もちろん最低出資金というのがそれだけで健全性の確保のメルクマールになるということでなく、これはあくまでも一つの手段でございまして、特に事業を始めるときに、ある程度の規模のことをやるのに、その出資金、全然ゼロでやるというのも、ゼロと言ったらおかしいですが、非常に少ないというのもいかがなものかということがございますので、その程度は必要かと思っておりますけれども、この最低出資総額の規制のほかに、特に大きなものについては、先ほど来お話に出ておりますような財務の健全性の基準とかそういったことによって、全体としての財務の健全性を担保していくという考え方になっておりますので、そういう意味では、いろいろな現実的な問題をどうやってクリアしていくかということと、それからそれ以外のいろいろな規制をしっかりやっていくということをあわせて考えれば、この一千万円というところが現実的に最も妥当なところかなというふうに考えております。
○北神委員 いろいろ苦しい事情があるというふうに思います。でも、その規制を私は評価はしているんですよ。これは、今までゼロだったところを、こういう規制を設けてたくさんある協同組合をまとめてこういうことをするのは大変なことで、大臣初め皆さんも大変な御苦労があったというふうに思いますが、そこはもう今後の課題ということで私は申し上げているつもりです。
 もう時間がないので、一番大事なことは、こういった規制を、いろいろなちょっと緩い部分とか穴があいている部分とかある。それは現実の今の協同組合を見るとしようがない。そういう考えに立った上で、実際に監督検査を、これはほとんど都道府県が所管行政庁になるというふうに思うんですが、本当にこれをできるのか。
 これは大臣もぜひ聞いていただきたいんですが、きのうレクの際に、今の都道府県の検査監督の体制は何人ぐらいいるのかとお聞きしたところ、わからないと。わからないのに、これはかなり厳しい、大変な規制だと思うんですよ。これは監督、そして随時検査をすることも可能だという規定も入っていますが、そんな体制がどこにあるのかと。あるのかもしれませんよ。でも、それを把握していないということは、やはり極めて問題だというふうに思いますし、これは施行が来年ですからまだ一年ありますけれども、その点についてどういうふうにお考えかというのをぜひお聞きしたいというふうに思います。
○二階国務大臣 お尋ねのように、都道府県を単位とする組合の多くは各都道府県の所管となっておるわけでありますが、都道府県が所管する組合が破綻し県民の皆さんに大変大きな迷惑を及ぼした事例というものもあるわけでありますから、これは議員の御指摘のとおりだと思っております。
 都道府県における監督体制の整備は重要であり、各都道府県に対しましても、認識を共有していただくべく各県の知事等との間の連携も十分とってまいりたいと思っております。
 経済産業省といたしましても、法の円滑な施行に向けて、監督実務のマニュアルをきちっと作成して、各都道府県の担当部局を支援する。そして、必要に応じて、人員の体制、また金融庁と我が省との間の人事交流等も十分考えております。人事交流も事務的に進めておるようでありますが、はかどらないようであれば、私から直接大臣に申し上げて、直ちにそういう体制をとりたいと思います。
 質問に伺った者が何と答えたかわかりませんが、私が責任を持って対応いたします。
○北神委員 ありがとうございます。
 本当に私は、これはいい方向で動いていると思いますので、現場の体制というもの、受け皿というものがきちっとなされなければならない、大臣のリーダーシップでぜひそこをお願いしたいというふうに思います。
 最近、いろいろな法律が目まぐるしくどんどん改正されて、受け皿を全然整えないうちに法律ばかりがどんどん変わっていく。これは、今回のこれだけに限らずそういった傾向がありますが、そこがないと結局絵にかいたもちになりますので、ぜひそこの体制についてしっかりやっていただきたいというふうに思います。
 そして、人事交流のところも、金融庁の検査のノウハウとか、共管にするとまでは言いませんが、やはりそこをぜひ活用していただきたい。そういうことをしなければ、せっかくこういう規制を設けているのになかなか実行に移せないという問題があるというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 セーフティーネットの問題で、保険会社は保険契約者保護機構という、銀行でいえば預金保険機構というところに、みんな負担金とか払って、もし会社が破綻したときに契約者が損をしないように、ちゃんと保護するように積み立てをするという仕組みがあります。
 少額短期保険業者の方は供託金を積む、供託金を積んで破綻をした場合にちゃんと契約者を守るということになっているわけでありますが、今回、協同組合についてはそういったセーフティーネットがない。そのかわり、何か問題が生じて財務状況が悪化すれば給付を削減することができる、保険金をですね。あるいは追徴、組合員からさらに、ちょっと今お金が足りないからもっともらうぞということができる。これをもってセーフティーネットのかわりにするということなんですが、これは私はセーフティーネットの趣旨から全然ずれていると思うんですよ。これは単なる破綻防止をするための措置であって、要するに、財務状況が悪くなって、保険金を減らすぞと。それで財務状況を改善するとか、組合員から追徴してお金をどんどん取り立てていく。それで破綻を防ぐという意味では有効かもしれませんが、これは結局、契約者にとって、どんどん損をするわけですよね。だから、これはセーフティーネットじゃないんじゃないか。
 そういった意味で、むしろちゃんとしたセーフティーネット、供託金制度みたいなものを設けるべきではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○片山大臣政務官 委員御指摘のとおり、今回のこの法改正につきましては、共済事業を行いますすべての組合に対して共済の掛金の追徴があり得べしよということと、共済金の削減があり得べしよというようなことに関する事項を定款に書いてくれということを法律で義務づけておるわけでございますが、今までは、実態として、仮にお金が足りなくなったら、これはやらざるを得なかったわけですね、ほかに何もないから。それを今回法律にしたわけでございます。
 組合員の制度というか趣旨、今回もこれはずっと議論しているわけでございますが、組合員が痛みを分かち合いながら共済事業を継続させるという相互扶助においた精神に基づく一連の制度なんだということを考えますと、やはりこういったことがあり得べしよということを定款に書いておけば、逆に、身の丈に合ったような加入者になり、身の丈に合ったような組合になっていくということがあるわけでございます。
 供託金というのは、もちろん保険業法の改正で導入されたもので、単に一千万円以上外積みということでございますので、これは現実に、厳密に他業種のようなセーフティーネットの算定ができているということではないわけですよ、それはもう委員はお詳しいから御存じでございますが。
 だから、額が大き過ぎるようなものを積ませることにすると、組合が相互扶助の小さい制度であることを考えると、圧迫してしまうし、また、これが少な過ぎると実効性がないということで、なかなかその辺がもう認めがたいようなもので、ですから今回、実効性を確保するのが難しいので導入を見送ったということでございまして、全く考えていなかったということはないんですが、組合が相互扶助の制度ということであれば、こういったことを定款に記載することを義務づけることによって、おのずと身の丈、健全経営の方になっていくという形で維持をしてまいりたいということで、導入後はこの趣旨を十分に理解していただけるように適切に指導してまいりたいと考えております。
○北神委員 なかなか現実的に難しいということだというふうに思いますが、これもあわせて、先ほど申し上げていることと同じように、今後の検討課題としていただきたいというふうに思います。
 最後の質問になりますが、協同組合について、共済事業の中で基本的にどんな商品を扱ってもいい、例えば共済計理人を置くのも、長期契約とか配当をするような商品を扱うときには必ずつけないといけないとか、そこら辺は非常に自由になっている。
 私は、一番冒頭に申し上げたように、やはりこの協同組合の、先ほどどんどん皆さんから話があるような相互扶助の精神に基づくのであれば、基本的には、自動車保険とかあるいは火災保険とか、そういう自分たち中小企業者の業務にかかわるような、言ってみれば損害補償的なそういったものに限定すべきではないかと。先ほど言った少額短期保険業者の話もそうですが、一年のものに限って保険金の給付の金額も限定していくべきではないかというふうに思いますが、これが多分、いろいろな規制がありますけれども、そこさえ確保すれば、そんなに問題はない。そして、それこそ協同組合にふさわしい共済事業だというふうに思うんですが、これも、中期的な課題として、その方向に持っていくべきではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○片山大臣政務官 確かに、委員御指摘のようなお考えというのは当然あり得ると思います。
 現時点で長期にわたって共済掛金を積み立てるような共済商品を取り扱っている組合は、今のところほとんどないという状態ではあるんですが、今確実に、現実に禁止しているわけではないわけですが、現実に規模を見てみると、ほとんど難しいかなという気もいたします。他方、相互扶助の精神で、協同ということですから、ここに厳密な業法規制、何とか業法のような行政規制を持ってくるのも、これはなかなか難しいんですよね。
 ですから、今回はそのようになっているわけでございますが、健全な運営を確保するという目的は、今回の法改正の目的でございますので、当然、組合がこういう契約期間が長期のものを扱う場合には、共済計理人、アクチュアリーのような者の関与を義務づけるとか、いろいろなことをすることによって全体の健全性が図られるようにやってまいりますし、中長期的には委員御指摘のようなことも当然考えていくということだと思います。
○北神委員 ありがとうございました。
 基本的に、今回の改正というのは非常に大きく前進したものだと思いますが、そういった穴とか、協同組合の精神にふさわしいような共済事業にこれからしていくべきだということを再度要請いたしまして、質問といたします。
 ありがとうございました。
○石田委員長 次に、平将明君。
○平委員 自由民主党の平将明でございます。
 本日は、質問のお時間をいただきまして、ありがとうございます。
 中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律案に関して質問いたします。
 昨今、スケート連盟で役員の暴走が報道されるなど、いろいろなところで、ガバナンスの機能が発揮をされていない、機能していない、役員の暴走があるということでもあります。今回、組合法の改正ではございますが、決してこれは組合に限ったことではありませんで、大企業、大銀行、ベンチャー企業、ありとあらゆるところでこのようなガバナンスの機能が問題になって、まさに社会全体の抱える問題であると思いますし、ルールの強化のみならず、当事者の認識や意識改革といったところが必要になってくるものと考えています。
 今回の中小企業組合法の改正に関しましては、特に中小企業組合は、中小企業が互いに助け合いながら協同して事業を行うための組織ということで、この法律は昭和二十四年以来改正がされていないということでもございますが、長い歴史を有する組織でもあり、また、中小企業を組織化することによって競争力を強化してきたり、その大きな役割を果たしてきたものと考えています。
 今回の改正は、一つは、自治運営が円滑に機能するように組合運営全般の規律を強化するということ、もう一つは、今いろいろ質問に出ましたけれども、共済事業の健全性を確保するための措置を導入するというものであり、今回の改正のメニューを見ても、まさに、今までやってこなかった、ちょっと遅きに失した感があるかなというようなメニューばかりでありまして、早急に実現すべきものという考え方を持っております。そんな中で質問をさせていただきたいと思います。
 まずは、今回、法の改正をして規制強化、ガバナンス強化していくわけでありますが、現実として、昭和二十四年以来ずっと今の既存の法律でやってきたわけでありまして、今回法を改正することによって監査やガバナンスを強化してみた結果、実際に、財務内容であったりその組織であったり、そういうものが十分に今後存続、持続可能なものではない、そういうようなことが露見してくることも想定をされてくると私は思います。
 これは共済の事業のみならず、一般の中小企業組合の運営に関してもそうだと思いますが、一昔前は、中小企業組合の理事長というのは非常にステータスもあって偉い方で、そんな中で、経済が成長し、また業界も成長する中で、多少の失敗、下手を打っても破綻をせずに済んできたわけであります。そして、そういうような相互扶助という土壌もあって、なかなか相互のチェックが働いてこなかった。
 実際、きっちりとルールどおりやっていくと、かなりの中小企業の組合において、これは共済のみならず、中小企業組合全体の運営に関してもそうでありますが、そのような持続可能性が危惧をされるようなものが出てくるというふうに想定をされますが、そのときにはどのような対応をされるおつもりなのかをまずお伺いしたいと思います。中小企業庁長官、お願いをしたいと思います。
○望月政府参考人 今般の法改正につきましては、先生御指摘のとおり、近年、規模が大きい異業種の組合や事業の多様化、高度化に伴って組合員の自治運営が機能しにくくなっている、これに伴って一部で破綻する組合が現実に出てきているということなどに対応して行うものでございます。
 具体的には、自治運営を円滑化させるための措置として、大規模組合に対する員外監事の設置の義務づけや少数組合員による会計帳簿の閲覧請求権を認めるなどの措置を導入するとか、あるいは、共済事業の健全性を確保するために、将来の共済金の支払いに充てるための準備金の積み立て義務、業務・財務に関する書類の公表などを措置するものでございます。
 こうした措置を講ずることによりまして各組合における問題点が露見する可能性があるということも正直認識しているところでございます。さはさりながら、そういうことをやることによって、今回の措置が、組合制度の信頼性を向上し、今後さらなる発展を遂げるための基盤となるものでございまして、昭和二十四年以来、抜本的にそういったところについての手が加えられていなかったということについては、どこかで必ずやらなければいけないことだというふうに思っているわけでございます。
 したがって、私どもは、各組合において今回の法改正の趣旨を十分に御理解いただきながら、前向きに対応していただけるような形で施行に向けての積極的な周知活動の実施など、各省庁、都道府県などとも緊密に連携をとりながらきめ細かく対応してまいるということでもございます。
 それから、これまで、この法律の立案過程におきまして、関係組合あるいは団体とは十二分に意見交換をしてきたわけでございます。逆に言うと、そういう意見交換をする過程において、こういったことがやはり本当に問題なんだ、したがって、対応はしなければいけない見過ごすことのできない問題をそれぞれ抱えている場合があるんだということのまず警鐘を打つことになったわけでございますし、彼ら自身の中でも、とりあえずできることは、恐らく認識を持たれた方におかれましては手をつけ始めているのではないかと思います。
 国会におけるこういう議論が行われることも、この組合制度の健全な発展というためには大変いいきっかけになるのではないかということを思っておりますので、その弊害のことについて私どもは目を背けるわけではございませんけれども、まずもってその原点に立ち返って、組合制度をちゃんと、維持発展して、健全なものとして育てていって、中小企業政策の中では大事なツールであるという認識に立った上でこういう御議論をしていただくということが、万般の弊害を乗り越える上でも意義あることではないかと思っているわけでございます。
○平委員 法律の趣旨で、これからその機能強化をしていく、信頼性を高めていくというところは全く異論がないわけでありますけれども、今現時点において、そういう強化をしたときに、これを実際調べてみたら簿外債務を含めてとんでもないことになっている、そういうことが出てくる可能性があるのではないかという指摘であります。
 一昔前に、銀行は不良債権の処理の山場を越えたというのが毎年のように報道され、結果、あのていたらくであります。そして本当に大変な金融危機を迎えたわけであります。それほど事の重大性はないにせよ、今まで昭和二十四年の法律でずっとやってきたわけですよ。それで、これからしっかりやりましょうねと。これも異論はありません。
 しかしながら、現時点で、これはとんでもないことになっているという組合は多いと私は思うんですよ。それは認識の違いかもしれませんけれども、結構あると私は思うんです。
 そこで、いわゆる社会問題になる前に、そういうのが出てきたときに、その業界に不安が走ったり社会問題にならないように事前に破綻スキームというものを、こちらが万全の準備をしておく必要があるのではないかということでございます。
○望月政府参考人 どんな恐ろしいことになるかというのを仮定してお答え申し上げるのは非常に難しいわけでございますけれども、基本は、先ほど来御議論いただいていますように、相互扶助の組合の自治の問題というのが基本だろうと思います。その中で都道府県が、あるいは私どもが直接に監督をして規制してきた、その規制の適正性について、その都度問い直すことがあろうかと思います。
 現実に幾つかこれまで起こった破綻事例などを見ますと、やはり早く手をつければよかったということの方がむしろ多かったわけでございますので、そんなに軒並み起こるとは私は思いませんけれども、仮に個別の組合の破綻、小さい組合であったとしてもその組合員の方々にとってみれば重大な問題であるということであるわけでございますから、そのときは、やはり監督当局それから組合の幹部、あるいは組合員全体が真摯に、被害を最小限にするために対策を早目に打つということ、それから、相互扶助の観点から、その責任を共有するというようなことも含めて対応していくことが大事ではないかと思っております。
○平委員 私も、中小企業をやっておりましたし、組合の実態もいろいろ見ておりますけれども、長官のはかり知れないディープな人間関係というものがあるわけですよ。それはまた今度お話をしたいと思います。
 続きまして質問をさせていただきますが、今回、昭和二十四年以来の中小企業組合に関する法令の改正ということでございますので、なかなか中小企業の組合について議論する場がないと思いますので、あえて質問、また意見を言わせていただきたいと思います。
 今回の見直しでは、組合の金融事業、主に共済事業がクローズアップをされているわけでありますが、本来、組合の金融事業といえば、商工中金からの転貸し融資が中心であったと思います。商工中金の民営化が今大変な議論になっているわけでありますし、中小企業制度の見直しをするというタイミングにもありますので、もう一度この金融機能の再評価をしておく必要があると私は思います。
 組合を介して、商工中金、組合、会員中小企業というこのスキームでの中小企業金融というのは、私は、ある意味、既存の金融機関の欠点をすべてクリアしているすばらしい仕組みだなと思っています。
 どういうことかというと、あの金融不安、貸し渋り、貸しはがしのときに一番の問題になったものは何かといえば、目ききができなかった、モニタリングができなかった、この二つであります。まさに目きき機能、モニタリング機能をどうするかということでございます。
 市中の銀行は、まず、土地や株を担保にして貸す。一億の土地だったら七掛け、八掛けにして貸す。悪質な銀行は値上がり分までオーバーローンをして貸す。もしくは本人や第三者の保証を担保として、それを前提として融資をするということですから、当然目ききなんかできるはずもありません。
 また、多くの地元の信金、信組、これは今、リレーションシップバンキングと言っておりますが、長年の取引関係や濃密な人間関係、取引関係をベースにしてモニタリングが十分できているというのが本来の形でありますが、実際は、バブル崩壊後収益が悪化をした関係で、信金、信組もリストラ、リストラで、信組、信金なんというのは、大体週に二、三回営業所に顔を出すんですが、職員がどんどん減っていくわけでありますから取引先がどんどんふえていって、もう二、三カ月も顔を見たことないよなんということも日本じゅうあちこちで起きたわけであります。さらに言えば、信用保証協会の保証がつく、みずからリスクをとらない金融だけで満足をして、新規融資をしないなんということも起きていたわけであります。
 そういう意味からいくと、この商工中金から組合を経由した転貸しの融資というのは、先ほど言った目きき、モニタリングの機能を見事に実現しているというふうに思います。
 どういうことかというと、中小企業の組合は同業者であり仲間なんですね。そういうことで、よくわかることがあります。その会社の内容なんかもよくわかるんですね。社長はどういう人間なのか、うそをつく人間かうそをつかない人間か、約束を守る人間なのかそうでないのか、跡取り息子はどんな人間だ、一流大学は出ているけれども人間的には欠陥のある人間かどうかとか、そういうこともわかる。取引先はどんなところか、いわゆる中小企業で言うところの筋のいい取引先、もうけさせてくれる取引先なのか、赤い取引先、赤い取引先というのは、厳しい、損ばかりさせられる取引先なのか、そういうこともわかります。事務所の明かりも何か随分早く消えているなとか、夜遅くまで仕事をしているなとか、社員が忙しそうにやっているのか暇そうにしているのか、こういうことがわかるんですね、同業の組合でやっていると。そして、さらに言えば、ちょっとした変化もすぐわかるんです。ちょっとした変化、新しい取引先ができたとか、最近番頭がやめたとか、まじめ一辺倒だった社長に若い愛人ができたとか、そういうことも含めてわかるんですよ、これはもう経営危機ですからね。
 これは、全社が、会社の内容がよくわかるということがまさに目ききであります。ちょっとした会社の変化がわかるということがモニタリングであります。私も銀行をやっていますけれども、これは大変なことなんですね。この目ききをつけるというのは大変なことでありまして、その後、モニタリングを維持するというのは大変なコストがかかります。
 多分、今、商工中金、中小企業組合、会員中小企業、この間で微妙にうまく回っているこの仕組み、言ってみれば、商工中金の側から見れば、目ききとかモニタリングを中小企業組合の方に低いコストでアウトソースをしているという考え方。お金を借りる会員企業の方は、なかなか財務諸表に出てこない数字だとか言葉で言いあらわしにくいものを、その中小企業組合を通すことによって実質評価されているという仕組みで、実際に目詰まりしていたところを中小企業の組合というものが取り除いているわけですね。市中の銀行がこれだけの目きき、モニタリングを、特にモニタリングはコストがかかりますから、やろうと思えば貸出金利に五%、一〇%上乗せをしていくという話になるわけであります。
 今回、この中小企業組合法の改正、いろいろな見直しをする中で、一つの極めて有効な中小企業の金融の手段として、商工中金、中小企業組合、会員中小企業という、このスキームというものを再評価する必要があるのではないかなと。
 そんな中で、真ん中にあるこの中小企業組合のガバナンスを強化し、監査を強化することによって信頼性を増す。信頼性を増すことによって商工中金、もしくはそれ以外でもいいですけれども、商工中金やその他の金融機関が中小企業に対してさらに安い金利でお金を回すことができる。そうすれば中小企業組合は内々の中で、あそこは財務諸表は悪いけれども、今度来た二代目は非常にまじめな男で商売もよくなるだろうといったら、理事が連帯保証したりすることもありますけれども、そこにお金を出していくことができるというふうに思います。
 まさに中小企業と金融機関の目詰まりを取ってきたわけでありまして、ますますその流れをよくするために、今回の改正に絡んでも、前向きに、中小企業の金融の問題とあわせて、この組合法の改正というものを機会にとらえていく必要があると私は思いますけれども、経産省のお考えを、せっかくですので、同期の片山政務官にお願いしたいと思います。
○片山大臣政務官 御指名をいただきまして、ありがとうございます。
 まさに、目きき、モニタリングにいかにコストがかかるかということは、これから金融ビジネスを発展させる上で、中小向けというのは収益が多いというのは銀行はみんなわかっているわけですよ。ところが、なかなかできないで、買収をやってみたり部門をやってみたり、でもうまくいかない。信用保証情報の中にないような、先ほど委員が御指摘されたようなさまざまな情報というのはまさに同業者である中小企業の組合においてはあるわけでございまして、こういった機能は非常に高く評価されるべきでございます。
 今回の政策金融改革におきましても、商工中金の民営化の中ではっきりと「中小企業等協同組合その他の中小企業者を構成員とする団体及びその構成員に対する金融機能」「の根幹が維持されることとなるよう、」ということが書いてあるわけでございますので、当然、今でも一定割合がこの商工中金の場合は組合経由の融資でございますから、今後とも、商工中金の行ってきた組合金融の機能の重要性がいささかも失われないように、しっかり維持していくように私どもとしては対応してまいりたいと考えている次第でございます。
○平委員 せっかくですので、質問通告しておりませんでしたけれども、一つだけ片山政務官に。
 今、中小企業金融、経済産業委員会でかかっている中で、非常に私が感じるのは、特に中小企業というのは、現場の意識というか、現場の状況を把握する、現場が極めて大事であります。そんな中で、知識として知っているということと実体験としてわかっているということの差には非常に大きなものがあって、比較的、日本の政策を今まで支えてきたエリートと言われる人たちは、知識というところから出発して論理的な思考をしていく。しかしながら、感覚的にわかっている、感性という部分について若干弱いのではないかなと。そういうところで、中小企業政策という部分の政策立案、またその実施においてはなかなか、ちょっと実効性が上がらない部分があるのではないかな、何かそんな思いを最近非常に強くしているわけであります。
 まさに日本を代表するエリートと言ってもいいと思いますが、今後、中小企業政策に関して、そのような認識について、片山政務官はどのような御認識を持っているか、教えてください。
○片山大臣政務官 私は、官僚としての経験は大蔵省の方がずっと長いわけでございますが、中小企業政策や中小企業への支援が、財政投融資でありますとかあるいはさまざまな政策金融機関、それから予算面では少なくともずっとメーンのテーマであり続けているわけでございます。特に、最近はそうでもないんですけれども、年末になりますと、中小企業支援予算がどのくらい積み上がるかみたいなことで、私の旧職としてはそこをずっと折衝する側の仕事をしてきたわけで、中小企業庁が果たしてきた役割というのは、私が外から見ていましても、中に入ってみても、決して上っ面だけのことではなく、できるだけ現場把握をしようというふうに非常に努力してきたなということは感じております。
 ただ、いかんせん、他方、私は個人としては経営者の妻を十六年やっておりますので、それはそんなものじゃないというのは、幾ら語り尽くしてもそこのギャップは完全には埋まらないんですね。
 そのギャップを埋める手段として一つ非常によくわかってきたのは、日本企業において、一般的に破綻という処理があるということになって、不良債権というものは処理することがあるということがわかって、この十年間に、その実態を見ることによって大分わかってきたなという気がいたしております。その前の十年というのは破綻しないで転がしていくことが金融側も借り手側も常態だったわけですから、それはもうより表層的なものになるんですが、この十年で随分よくなってきたと思っております。
 現在、新経済成長戦略のようなものの中でもやはり中小企業を支援するということが一つ大きな柱でございまして、ものづくりなんかにつきましても先般法律を通していただきましたが、さらに細々とした施策を盛り込む上では必ず現場を見に行けということを大臣の方から全職員に命じておりまして、私ども政治レベルも一生懸命行っておりますし、実際に、額に汗している現場ですとか技術の現場を見て、においをかぐということもやっておりますし、また、商店街なんかに出向いていって意見交換をするということもやっております。
 将来的にはもっとそういうところに、人事交流をすることなんかもいいんじゃないかと思っておりますが、これは官僚側だけじゃなくて、逆に迎え入れる側の方のニーズもあるのでそう簡単ではありませんが、委員御指摘のようなそういった感性が政策立案の上で重要視されるということは私も全くそのとおりだと思いますし、常にそういう視点はなくしてはいけないと思っております。
○平委員 ありがとうございます。
 続きまして質問させていただきますが、昨今、特に経済産業省においてですけれども、有限責任事業組合制度、いわゆるLLPであります。ことしの五月には会社法が施行されて、同じく合同会社、若干性格は違いますけれども、LLCができていくわけであります。このような多様な組織形態が今できてきたわけでありますが、そういう中で、今後、中小企業組合、これは組合という形式でありますけれども、組合の果たすべき役割というものをどのようにお考えになっているのか。
 あわせて、今、中小企業のいわゆる政策の中では、連携政策ということを多分経済産業省の中、また中小企業庁の中で非常にキーワードとしてやられていると思いますけれども、そんな中での中小企業組合の今後の役割というものの認識を教えていただきたいと思います。
○古賀政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員が御指摘になりましたとおり、最近、有限責任事業組合、LLPと呼ばれる制度、あるいはLLC、合同会社というような制度、新しい事業組織というのが創設されてきておりまして、これまで以上に、事業の目的やあるいは連携の仕方というのは、多様性を持って、より適した事業組織を選択することが可能になってきているということは御指摘のとおりだと思います。
 こうした事業組織の中の一つの類型である中小企業組合というのは、また少しずつLLPとかLLCとはいろいろなところで違うところがございますが、特に、一人一票というような制度になっているというあたり、中小企業者の相互扶助の精神というのを非常に強くあらわした組織になっておりまして、日本人のメンタリティーにも非常にぴったりくるような組織ではないかなというふうに思います。
 そういった組織が今いろいろな形で活用され始めていますけれども、今御指摘いただきました、新しい連携を進めていく、中小企業庁で昨年から始めました新連携支援というようなこともやっておりますけれども、こういったところでも、もちろんLLPを使うというような方もいらっしゃいますけれども、現に組合という制度を使って新しい分野に進出しようというチャレンジをしておられる方々も出てきております。
 したがいまして、先ほど、金融の面で非常に組合の役割というのは大きいんだという御指摘がございましたけれども、またそれとは違った意味で、新しい連携を進めていくという場面でもまた組合の役割というのは非常に高まってきているというふうに思いますので、今後とも、今回、こうやって信頼性を高めることで発展の環境、基盤がより整備されるということになりますので、引き続き、連携策の一つとして中小企業組合がより一層活用されるようにということで、努力していきたいというふうに考えております。
○平委員 ありがとうございます。
 今回の法律改正において、その方向性は全く賛成でございますし、まさにガバナンスを強化していかなければいけないというところは異論がございませんが、現場の中には、非常にいい組合はいいんですが、いわゆる不況業種と言われるような中小企業組合においては、現実に今、理事のなり手がいないという現状も片やあるわけであります。
 今般の改正は規制を強化するということになりますが、一昔前は、やはり理事というのは名誉職でありましたし、業界自体が大きくなっていく中で、その中で問題が自然と解決をされるということがあったわけでありますけれども、今日は、もうリスクだらけ、いわゆる貸し倒れが起きたり、組合員にお金を貸したらそこがつぶれてしまったとか、そういうようなリスクがふえてくる。また、組合運営の中で、では理事からまず率先して報酬を減らそうなんということをここ十年間ずっとやってきているものですから、ほとんど報酬もない。時間はとられる、リスクはある、文句ばかり言われるというような組合も実際問題あるわけでありまして、かといって、組合の果たす役割というのは、先ほど来言っているように極めて重要なわけであります。
 例えば、商工中金からお金を借りるときは、理事が保証します、組合員に貸します。しかしながら、今回法改正すると、同じことであっても、理事をやっている人間のときだけ理事会の承認を経なければならない。何でおれはこんな苦労までしているのにさらにそういう足かせまでかけられるんだというのが、もしかしたら現場の印象になるかもしれません。
 ですから、片やガバナンスを強化していくということとあわせて、現場はこうあるべきだ、理事というのはそれなりの責任を負っているんだからやはりちゃんと報酬は取っておかなきゃいけないよとか、そういうような、報酬面も含めてですけれども、役割とか意義というものをしっかりと再認識していただく、啓蒙していただくような、そういうことも必要かと思いますけれども、いかがでしょうか。
○古賀政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の法改正におきましては、基本的に、組合員による自治運営が円滑に機能するようにということで、組合運営全般の規律を強化させていただこうということでございます。そのための措置としてさまざまな規制が導入をされるわけでございます。そういったものを導入していきますと、組合運営の担い手である理事の果たすべき役割というのは、今までももちろん非常に重要な役割を果たされていたわけですけれども、法律的にもさらにしっかりしていただかないと困るということになるわけでございます。
 そういう負担ばかりがふえると、今御指摘がありましたとおり、ただでさえ、負担が大きいばかりで何もメリットがないよ、理事なんかやりたくないよというような現場も出てきているということでございまして、そういうことを考えなくてはいけないんじゃないかという御指摘かと思います。
 もちろん、報酬について、報酬をどんどん取りなさいというのを政府が言うことがいいかどうかということはございますけれども、まず一つは、組合というのは非常に大事な組織なんですよということを組合の理事初め皆さんによく理解をしていただく。今委員が御指摘になられた、いろいろな面でますます大事になってくるんですよ、しかも、そういう大事なものだからこそ、こういう信頼性を向上するという環境整備をするんですよということで、そういう大事な組織を担っていただいている理事ということですから、ある程度責任というのも負っていただかなければなりませんということについては、十分理解を求めていくということもやっていかなければいけないというふうに思っております。
 それともう一つ、これだけいろいろな規制がかかってくると損害賠償責任が膨らんでくるんじゃないかというようなこともありますので、この点については、これを軽減するような措置をとれるようにということで、若干ですけれども理事の負担を軽くするようなこともあわせて行わせていただいておりますけれども、まずは、事業活動を発展させていただくというところで大きな役割を果たしていただき、もし事業活動が活発になればまた報酬も少し多目にいただけるというようなことになっていけばいいのではないかなというふうに思っております。
○平委員 それでは、最後に、実際この改正で中小企業にはどのようなメリットがあるのかといったところを西野副大臣にお伺いして、終わりたいと思います。
○西野副大臣 今まで議論をされておりましたこの中小企業組合という問題は、御案内のとおり、組合員の相互扶助の精神、そして組合員の連携を中心にしながら、時によっては他の業種の方々とも相連携をしていく、そういうものであろうかなというふうに思っておるわけであります。
 ただ、今回の改正によりまして、むしろ組合が自治運営意識を高揚せしめて、そういう中から組合員がみずから参加するという参加意識を高めながら、かつまた、そうすることによって運営の体制が整備をされますと、そこにまた信頼性というものも当然ながら向上してくるだろうというふうに思うわけでございます。
 そういう中で、本法律、お示しのように、当初は、中小組合の方々のみで共同購入して、共同生産して、そして共同販売していくという、いわゆる協業的な事業に限定をされておったわけでございますが、近年はさらにそれらを、申し上げましたとおり、新たな連携も踏まえて新事業へも展開をしていく、そういう場があろうかというふうに思っておりますので、そういう事例も多く包含されるような組合活動として、信頼される組合に成長をしてくれれば大変ありがたいというふうに思っております。
○平委員 終わります。ありがとうございました。
○石田委員長 午後零時十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時十三分開議
○石田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。三谷光男君。
○三谷委員 民主党の三谷光男です。
 こうしてたびたび質問に立たせていただいております。本当にありがとうございます。
 本題に入ります前に、大変心配をしておりますけれども、今、原油価格の高騰が続いております。
 まず最初に、きょう、資源エネルギー庁から近藤部長に来ていただいておりますけれども、この原油価格の高騰、今の状況につきまして、また今後の見通しにつきまして御説明をお願いいたします。
○近藤政府参考人 お答えを申し上げます。
 今先生御指摘ございましたように、原油価格は相当高い水準で動いているわけでございます。アメリカの市場の指標でございますWTIの価格は七十ドル前後の水準で推移をしているところでございます。昨日の価格も七十三ドルという水準でございます。我が国を含みますアジアの輸入原油の価格により大きな影響を持ちますドバイの価格の方は六十五ドル前後という現状でございます。
 原油価格高騰の要因といたしまして、一つには、インドそれから中国といった、世界の石油需要が、非常に伸びている国がございます。それから、もう一つの点としては、OPEC各国の原油の生産余力が小さいといったような構造的な要因があるところでございます。
 これに加えまして、イランの核開発問題の深刻化でございますとか、ナイジェリアの原油生産をめぐるさまざまな混乱、さらにはアメリカ、これからドライビングシーズンに向かうわけでございますけれども、ガソリン在庫が減少しまして、ガソリン需給が逼迫するという懸念が高まっている、こういうような状況があるわけでございまして、そういうさまざまな要因が複雑に絡んで、さらに投機資金といったものも相まって原油価格が上昇している、このように理解をしているところでございます。
 原油価格の動きに影響のございます中東情勢、それから世界の石油需給情勢、OPECの動向等を引き続き注視してまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。
○三谷委員 ありがとうございました。
 今のお話を聞いておりますと、今後もこの原油価格の高騰、しばらくというよりも随分続いていくんじゃないかというふうに思います。
 輸送業界を初めといたしまして、打撃を受ける関係中小企業から大変な悲鳴が聞こえてまいります。関係中小企業への対策につきまして、今どのような措置がとられているか、あるいは、今後、対策としてどのようなことを考えておられるのか、経済産業大臣あるいは中小企業庁長官にお答えをお願いいたします。
○二階国務大臣 原油価格の上昇ということは、我が国産業にとりまして大変大きな問題であると同時に、特に中小企業におきましてこの影響が極めて厳しいわけであります。
 したがいまして、私は、先般カタールで開催されました国際エネルギーフォーラムにおきましても、産油国、関係の閣僚と、二けたの数字に上る各国の閣僚ともいろいろ協議をしてまいりましたが、産油国は、石油は余っている、そして、私たちがつり上げておるんではないということを懸命に述べておられました。私は、その様子から判断して、やはり我々も発言には十分心得なくてはならないということを痛感した次第であります。
 しかし、今日、我が国の石油の状況というのは大変困難を来していることも事実であります。特に、業種別に申し上げますと、運輸業、漁業、クリーニング業、石油製品製造業、プラスチック製品製造業等に大きな影響が及んでいるものと考えております。
 したがいまして、原油価格の高騰が続いた場合、中小企業に対する影響の拡大が心配であります。このため、全国九百四十三カ所の特別相談窓口に対し、一層きめ細かな対応とセーフティーネット融資等の活用を、四月二十八日付で、改めて私は中小企業庁長官名で関係者に徹底をしたところであります。
 先般、テレビ入りの国会の審議の際に、石油、原油等については十分蓄えがある、政府が持っておる備蓄、民間が持っておっていただく備蓄とを合わせましても十分対応できるとともに、産油国が相当の量を持っておるわけでありますから、その点の心配はないんだということを特に申し上げたわけでありますが、もし、このセーフティーネット融資等を必要とする方々が窓口にお越しになった場合に、私が国会で答弁したことと窓口の対応とが違っておるというようなことであれば、まさにこれこそ政治や行政が不信を招くわけでありますから、あらかじめ、そうしたことに対応できるように、九百四十三の特別相談窓口に対しても徹底をしたところであります。そして、足元の価格高騰の影響をより的確に把握すべく今調査を行っておりますが、来週早々にもこれを公表することができる段階であります。
 今後とも、原油価格の高騰が中小企業を初め産業界に与える影響について細心の注意を払いながら、各政府関係機関と連携をして適切に対応してまいりたいと考えております。
 なお、もう一つつけ加えて申し上げれば、昨日、私はある会合で、トラック業界の代表的な方にお目にかかりました。大変ですねということを申し上げると同時に、産油国等は十分な準備があるから、石油エネルギーが枯渇して値上がりするということは全くない、そこのところはしっかりしてもらいたい、皆さんが動揺し、関係者がみんな浮き足立ってくると、これは、意図的につり上げを行っておる人たちがおるとすれば、そういう人たちの思うつぼにはまるわけだから、我々はここは歯を食いしばってでもお互いに協力し合おうということを申し上げましたら、本当に力強いことを言っていただいてありがとうというお話でございました。
 私は、そのやりとりを思いながら、やはりそうした私どもの考えが末端まで浸透するということにはなお一段の努力がまだ必要だな、こう感じておりますので、積極的な対応を図ってまいりたいと考えております。
○三谷委員 大臣、ありがとうございました。
 今後ともまた、セーフティーネット融資を含めて、きめ細かな配慮、対応をよろしくお願いいたします。また、大臣が御指摘になられましたように、動揺のないようにしていくということも非常に大事なことだと思います。中小企業からは本当に厳しい声が今も聞こえてまいります。どうかこの点、また今後の対応をよろしくお願い申し上げます。
 それでは、きょうの本題であります中小企業等協同組合法の改正法案についてお尋ねをいたします。
 まず、中小企業組合で破綻した事例についてお尋ねをいたします。破綻事例、どのようなものがありますでしょうか、御説明をお願いいたします。
○古賀政府参考人 組合の破綻事例についてのお尋ねでございますが、まず最初に、幾つか破綻の事例というのがあるということでございますけれども、決して、多くの組合がどんどん破綻しているとか、あるいは破綻にどんどん近づいているというようなことではないということは一言申し上げておきたいと思います。
 ただ、御指摘のとおり、幾つか破綻する事例が出てきております。共済事業を行っていないような組合でありましても、例えば、株式等で資産運用を行っていた、そうしましたところ、株価が下がって、結局最終的に破綻してしまったというような組合が一つございます。
 それから、また違う形ですけれども、組合の規約でいろいろな制限があったんだけれども、そういう制限を全く無視して、特定の組合員に非常に多額の、数億というようなオーダーの貸し付けを行ってしまった、それが、貸付先が傾いて不良債権化してしまって、結局破綻に至ってしまったというような組合の事例。
 あるいは、高速道路料金別納割引制度というのがございますけれども、こういったものを利用して組合員が料金割引が受けられるというような組合で、代表理事がそこに集まってきたお金を横領してしまったというようなことで、組合の資産が毀損をして、その代表理事も逮捕され、最後は破綻してしまったというような事例。
 それから、これはまだ一つだけでございますけれども、共済事業を行っている組合で、掛金で預かったお金を外債のような非常に危険度の高い資産で運用を行いまして、これがやはり大きく価値が毀損をしまして破綻してしまったというような事例がございます。
 これらの事例を見てみますと、いずれもかなり組合員の数が多いというのが特徴でございますし、それから、多くの場合は、同業者が集まって共同事業をするというものではなくて、さまざまな事業者が集まって数をふやすことによって、規模の利益でさまざまな割引を受けるとか、あるいは共済事業を行うというようなことを行っているものが多いということでございます。具体的には、小さいところでも組合員の数が千を超えるというようなものばかりでございます。
○三谷委員 今のお話の中で、どんどん破綻をしているわけではないと。確かに四件でございます。ただ、少し心配をすることがありますのは、破綻はしないものの、顕在化はしていないけれども、今回の改正の趣旨でもありますけれども、必ずしも健全な財務内容ではない、そういうものももしかしたら大勢あるんじゃないかという心配がどうしてもあります。
 今回の改正法案によって、まさにその目的として健全性ということが求められているわけですけれども、どのような措置を講ずることにされているのか。それによって、今御紹介をいただきました四件の例、静岡、四日市あるいは平成高速、後で少しまた取り上げさせていただきますけれども佐賀の例、係争中でもございます、こうした四件の破綻例、こういうものは回避できるようになるのかどうか、御説明をお願いいたします。
○西野副大臣 具体の問題になりましたところを古賀部長からもお答えいたしたところでございますが、従来は、どちらかといいますと、経理事業、会計監査に限定をしたような監事の役割でございました。それを今度は、改正によりまして、平常の業務運営をやっている中での業務監査、こういうものも必要に応じてやる。そして、理事の適切な業務執行がなされておるかということについて措置を講じていきたいというふうに思っておりますし、また、具体の例を、悪い例でございますが発表されましたけれども、共済等含めて、それらの資産の運用についても今後は一定の制限を加えるような、そういう措置を考えておるところでございます。
 お示しのとおり、常々、健全な運営がなされるための措置として、例えば、将来の共済金の支払いといいますか充当に対して十二分な蓄えといいますか準備金を積み立てておられるかどうか、そういうものもむしろ、準備金として一定の義務づけをするとか、そういう措置を平時からやっていくような仕組みを今回の法改正で取り組んで、ゆめゆめこういう破綻が起こらないような、回避できるように努めていきたいというふうに思っております。
○三谷委員 本当に、そうした破綻例のようなことが起きないように、あるいは回避ができるんでしょうか。いろいろと心配な点がございます。
 一番大事なところですので、先ほど申し上げましたこの法改正の目的でございますけれども、中小企業や個人事業者等が相互扶助の精神に基づいて運営してきた中小企業組合制度について、近年、その規模の拡大や事業の多様化に伴って、組合が破綻する事例等が発生してきていることから、中小企業組合の事業運営全般の規律強化を図るとともに、中小企業組合による共済事業の健全な運営を確保するための措置を講ずるということになっています。
 まさに相互扶助あるいは組合自治ということをよく強調されています。確かにこの組合自治あるいは相互扶助、まさに中小企業組合の基本の基本でございますので、非常に大事なことかと思います。また、自治ガバナンスで健全化を図れ、これも大変結構なことだと思います。趣旨に沿っていると思います。
 ただし、といっても、財務の健全性、ここがまさに求められているところであります。この健全性を確保することがこの改正の目的であり、一番大事なところだと思います。
 そして、今も副大臣から業務監査の話がございました。組合員数が千人超、千人以下、ここで区切られております。規制の強化が違います。千人以下の組合の監事につきまして、その権限を会計監査に限定することも法改正後可能ということになっておりますが、組合員数が少ない組合の監事に対しましても業務監査を義務づけるべきじゃないかと私は思うのですけれども、どうでしょうか。
○古賀政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘のとおり、千人というところで区切って規制の態様を変えているということでございます。この考え方といたしましては、今まさに委員御指摘のとおり、組合というのは相互扶助精神に基づく自治組織であるということで、そこを余り損なう形になってはいけない。他方、では自治というのが本当に働くのかというところで、現にそういうところが働いていなかったんだなと思われる事例が出てきているというところで、どこで折り合いをつけるかというところでございます。
 過去の事例を見ますと、いずれも、やはり数が相当大きな規模、小さくても千数百人というようなところで問題が起きているというのが一つございます。そういったところで、千人を超えるというところが一つのメルクマールとなって、自治運営が機能しやすいかしにくいかということを、考え方としては分けていくということになっているわけでございます。
 この場合、監事の業務監査権につきましては、基本的には、千人以下の比較的小さなものについても業務監査権まで拡大をしてくださいということにはなってございまして、これは、小さいから業務監査権は要らないんだということを法律が言っているわけではございません。
 ただ、現実の問題としては、先ほども御指摘をいただきましたけれども、現場で、非常に規模の小さなところで監事のなり手がいないというようなケースもございます。それは要するに、余り責任が大きくなるとなかなかなり手がいない。では、そういうところは、監事が業務監査をやらないと理事が暴走して大変な被害が起きるかというと、そんな規模でもない。あるいは理事はしっかりやっているというようなところもございますので、なぜこの監事の業務監査権というのを拡大したのかというような趣旨、これは私どもとしても、広く各組合の皆さんに御理解をいただくという努力を一方でしつつ、それを正しく理解された上で、この組合についてはそこまでは要らないんだという御判断をされる、そういう選択のオプションを与えるという措置になっております。
 ただ、この場合も、単に業務監査は面倒くさいから嫌だよということで外すということではなくて、その場合におきましては、仮に、理事が違法行為を行おうとしているというようなことを組合員が発見したような場合に、それをほかの理事が放置しているというようなことが起きては困りますので、そういう場合には、理事会を開いてちゃんと議論してくれということを組合員が請求できる権利を新たに付与しまして、そこのところのバランスをとっているということでございます。
○三谷委員 どうしても相互扶助あるいは自治運営ということが強調されるんですが、私、この業務監査権の拡大については、そんな難しいことではないというふうに思うんです。もっと言えば、員外監事の義務づけも千人超の組合に対してですけれども、確かに員外監事ということになりますと、さらに今なり手、業務監査権にしてもなり手がない、小さなところは確かにそうですね。員外監事ということになりますと、かなりの負担がかかることでもあります。
 しかし、少し工夫をして、先ほども破綻の事例を最初にお話しいただきましたけれども、やはりまだまだ予備軍が実は小さなところでもたくさんあるんじゃないか、そういう心配がございます。きちんとした監査、員外監査という形じゃなくてもいいかもしれません。例えば税理士のようなものに、負担がそれほどかからない形で何がしか外からの監査を、監査に相当するようなものを求めていく、こういうことも含めて、きちんとした監査を千人以下のところにも入れる考えというのはありませんでしょうか。
○古賀政府参考人 今御指摘をいただきましたような、隠れた問題を抱えているかもしれない、そういう組合もあるんじゃないかということで、これはもちろん私どもも否定をできるものではないというふうには思っております。こういうきっちりした規制を導入していけば、その結果として、実は問題があったんだというものが出てこないという保証はないわけでございます。
 一方におきましても、これは繰り返しで大変恐縮でございますけれども、そうしたことについて業務監査権を拡大しようという、方向は一歩踏み出しておりまして、法律上も原則はそちらになっている。したがいまして、そういうことは組合に対しましてもよく御理解をいただくように周知してまいる所存でございますし、その結果、そういう措置を導入するという組合も多く出てくるだろうというふうに思っております。
 そういうものがどうしても必要ない、あるいは、非常に人数が少なくてなかなか導入しにくいというような実態があるということもございます。もちろん、だから監査をいいかげんにしていいというつもりではございませんし、いずれにしても、会計監査というのはちゃんとやっていかなくちゃいけないということになっております。
 では、その質をどうやって上げていくか。監査法人とかを入れるのはもちろん大変ですから、税理士とかそういった専門家を入れたらどうかというような御指摘は、もしそういうことを各組合でちゃんとやっていただければ非常にいいことだと思いますので、そういうことは私どもとしても、この法改正を機会に、よりガバナンスの実効を上げるということで、団体の連合会とかあるいは中央会とか、そういうようなところに、ぜひこの法律の趣旨にのっとって、単に法律の規定に形式的に沿えばいいんですよということではなくて、実質的によりよいガバナンスを構築してくださいといったことは働きかけていきたいというふうに考えております。
○三谷委員 ぜひ指導をしていただきたいと思います。
 特に、共済事業を行っている組合につきましては、事業の健全性、透明性の確保というものが大事だと思います。再三申し上げますけれども、破綻の事例は四件で、共済事業については一件だけではありますけれども、予備軍はかなりあるんじゃないか、こういう心配がございます。
 まず、事業内容の中身をきちんとつかめているのかつかめていないのかということが大事だと思います。改正前と改正後でどのようにそれが変わるのか。改正法によって各組合の事業運営の健全性はきちんと把握できるんだろうか。財務内容を行政庁、県ということもございますけれども、行政庁は把握できるんだろうか。改正後どのように変わるのか、御説明をお願いいたします。
○古賀政府参考人 今、特に共済事業につきまして、その経営の実態、そういうところをどこまで把握できているのか、そして、今度の改正によってどのように把握できるようになるのかというお尋ねをいただきました。
 現行の法律では、一般の組合が共済事業を行っている場合、法律上は特に独立した位置づけを与えておりません。したがいまして、これはどういう事業としてやっているかといいますと、福利厚生事業ができるということになっておりますけれども、その一環として行っているという位置づけになっております。
 したがいまして、行政庁に提出される組合からの決算関係書類の中においては、福利厚生事業ですよというようなことで報告をされているものが大部分だろうというふうに認識をしております。
 そうすると、では、その中で共済事業というのは具体的にどういうことが行われていて、その共済事業を区分して経理した場合にどういう財務状況になっているのかというのが必ずしも的確に把握できない、これは法律上の仕組みとしてそういうふうになっている部分がございます。
 これがまさに、現に破綻した事例などでも必ずしも十分な把握ができていなかった、これは法律的に問題であるということを踏まえまして、今般の法改正におきましては、共済事業というのをちゃんと独立した事業としてまず法律上明確に位置づける。当然、その事業を行うということについて、共済に関する規定をちゃんと置いてもらうとか、あるいは最低限区分経理をしてもらうとか、そういったことを義務づけることにしております。
 したがいまして、今後、この改正法に基づきまして提出される組合からのさまざまな報告書、決算関係書類などにおきましては、共済事業が、その共済事業単独としてどういう事業内容になっているのか、財務状況はどうなっているのかということが正確に把握できるということになります。したがいまして、それに基づいて、より的確な監督というのも可能になるということでございます。
○三谷委員 共済事業、いわば保険事業ですけれども、共済事業をやっているにしては今までが余りにひど過ぎたということが言えると思います。ただ、今の御説明でもそうなんですけれども、本当にきちんとその財務内容を把握できるのかということについてはまだまだ疑問の残るところでございます。これもまたもう一度後で取り上げさせていただきます。
 続いては、先般、保険業法の改正が行われました。ことし四月から既に施行をされておりますけれども、無認可共済を行っていた事業者が、中小企業組合を設立して、この中小企業組合を使って事業の継続を図ることが考えられるんじゃないかと思います。今回の改正の趣旨もその一つだと思いますが、この保険業法に類似した一定の措置は必要だというふうに思います。改正法の措置内容と保険業法の規制との違いはあるんでしょうか、同じようなところまでいっているんでしょうか、お答えください。
○古賀政府参考人 お答え申し上げます。
 共済事業の健全性を確保するための措置といたしまして今回の改正で導入を予定しております仕組みといたしましては、大半の部分は保険業法の規制の仕組みというものに倣ってその仕組みをつくっているということでございます。
 ただ、先ほど来御議論いただいております組合の特殊性といいますか、組合の本来の相互扶助組織というような特性ということも考え合わせまして、若干違う部分がございます。例えば最低出資金の金額でありますとか、あるいは兼業規制の課し方とか、そういったところで若干違うところがございます。
 ただ、大半については保険業法並みの規制になっているというふうに考えておりますし、今までの問題事例に対応するという観点から見れば、今回の改正の内容によりまして十分な措置をとったということになると考えております。
○三谷委員 これは午前中の北神委員の質疑でも再三にわたって指摘されましたように、今も部長からは、保険業法並みの規制がとられていると。随分とまだまだ心もとないところがあるような気がしてなりません。
 幾つかまた指摘をさせていただきますけれども、まず、共済事業について、これも、ただ千人超、千人以下、こういうことで規制の強化の区分も分けられています。しかし、リスクの大事な側面の中には契約金額でありますとか契約期間あるいは保険料収入額、こうしたものもございます。こういうものはその区分の対象にも含めるべきだと思うんですけれども、どうでしょうか。
○古賀政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、保険契約あるいは共済契約のリスクということを考える場合に、いろいろな要素があるかと思います。その中には、契約の金額、契約の期間あるいは保険料収入額というような、今委員から御指摘のありましたような項目もそのリスクというものを考える上での一つの要素になり得るというのは御指摘のとおりかと思います。
 ただ、全体としての財務の健全性の確保という観点でとらえておりますので、例えば、契約金額について上限を設けていないから危ない制度であるということになるわけではなくて、特に大規模なものについては、今回は財務健全性の基準等まで含めてかなり厳格な規制が入りますので、それで全体の健全性を確保していくというコントロールがきいていくということによって健全性が確保されるということになります。
 それから、契約期間については、確かに千人というところで切っているんですけれども、では、契約期間というのを全く何も考慮していないかというと、そういうことではございませんで、契約期間が長期にわたるというような場合は、いろいろ複雑な計算とかそういったものも必要になりますので、共済計理人の関与を義務づけるといったような別の角度からの規制というものが入っております。
 それから、保険料の収入額というのは、これは要するに預かり金ということになるわけですけれども、負債額が大きくなるとそれだけリスクが高いじゃないかというのも御指摘のとおりだと思います。これについても、この具体的な内容については今検討をしておりますけれども、負債額が一定規模を超えるような場合に会計監査を義務づけるというような、そういった規制をとるということで、人数で切る規制の強弱というところとは違った角度からではありますけれども、そういった契約期間だとかあるいは保険料収入額というものも考慮させていただいているということでございます。
○三谷委員 今のお話の中には財務健全性の基準ということがありましたけれども、これも法律の中には定められておりません。後から政省令で定めるということになっております。
 ほかにも政省令で定めるものがたくさんあるわけですけれども、まず一つ、この財務健全性の基準、どういう基準になるのか、その具体的な基準についてお答えをお願いいたします。
○古賀政府参考人 今先生からも御指摘いただきましたとおり、幾つかの規制の内容の細かい具体的な基準につきましては、法律成立後、政省令等によって細かいところを決めていくということにさせていただいております。
 財務健全性の基準につきましても、これは、もちろん保険業法等でもソルベンシーマージンという言葉で呼ばれておりますけれども、そういった形で導入されているものがございますので、そういったものを参考にしながら、そういったものに近いような形で、近いというか、同じになるか近いものになるのかというのは検討をこれからさらに深めてまいりますけれども、そういったものを明らかにしていきたいというふうに考えております。
○三谷委員 今の財務健全性の基準を初めといたしまして、みずからおっしゃいましたけれども、共済計理人の選任義務の範囲、あるいは外部監査の導入の基準、こういったものについても、これも含めて今まだ検討中ということなのでしょうか。
○古賀政府参考人 今お尋ねの点は幾つかの項目が含まれていると思いますけれども、例えば余裕金の運用制限、何をどこまで規制するのかというようなことが一つございます。これは特に有価証券をどの範囲まで認めるかというようなことが含まれております。例えば外債のように、要するに、外貨建てで非常に為替リスクを負って投資をしなければいけないというような非常に危険性の高いものについて、これを認める必要はないだろうというふうに考えております。それからその他の、例えば上場企業の社債とか株式、そういったようなものにつきましては、上場しているからすべていいというのも、これまたちょっとやや緩過ぎるかなというふうに考えておりまして、一定の安全性が確保されているもの、格付とかそういう何か客観的なもので区切りをつけていくというようなことを考えております。
 それから、共済計理人の選任義務の範囲につきましては、これは先ほど少し触れされていただきましたけれども、共済期間が長期にわたる共済契約であって共済の数理の知識及び経験を要するというような契約を引き受けるような場合、あるいは契約者の割り戻しを含むような契約、そういった場合にはいろいろな数理的な知識というものが必要になってまいりますので、こういう場合には選任、関与を要するということにさせていただきたいというふうに考えております。
 それから、外部監査の導入基準につきましては、共済事業の規模が大きくて、預かっている金額が非常に大きいというような場合は不払いが発生した際に大きな影響がありますので、そういう意味では、負債の額というのが一つの基準になるであろうというふうに考えておりまして、その額が一定規模以上のものについて導入する。ではこれは具体的に幾らかということをこれから詳細に検討させていただきたいというふうに考えております。
 健全性に関する基準につきましては、今申し上げたとおりでございます。
○三谷委員 契約者保護の観点から、これも午前中少し触れられましたけれども、セーフティーネットのことについてお尋ねをいたします。
 組合から連合会への再共済、あるいは連合会から保険会社への再保険の措置が講じられているというふうに聞いていますけれども、これは、できるところとできないところがあると思います。漏れるところがあると思います。できないところはどうするんでしょうか。あるいは組合が破綻したときの契約者の救済、今回の改正法で十分と言えるんだろうかというところがあります。これについてもう一度御説明をお願いいたします。
○古賀政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、組合によっては、連合会への再共済というものを行っているところと行っていないところがあるというのは事実でございます。
 これも、ただ連合会への再共済を行っていれば安全とか、あるいは行っていなければ危険ということでは必ずしもないわけでございまして、そういう再共済を行っていないものもあるという前提で、そうした組合も含めまして、すべての共済事業を行う組合に対してさまざまな規制を行うことによって健全性を確保するということをやっていこうというふうに考えております。
 それから、仮に支払いができなくなるというような事態が生じた場合、大規模なものは、これからソルベンシーマージンを入れますと、いきなり破綻というよりは、危なくなったところで事前にいろいろな改善命令とかそういう形で健全化を図っていくという措置を導入しますので、何か大きなところが突然破綻するということは余り起きないという仕組みにはなっております。
 仮に支払いが難しくなったというような場合につきましては、これは組合の一つの特性でありますけれども、従来から、共済金の削減あるいは共済掛金の追徴というようなことができるということで、これは実際には行われたりしておったんですけれども、これを明確に定款に記載して、それで、みんなが少しずつ痛みを分かち合いながらその事業を継続していこうということを図ることによってそういう危機を回避するという仕組みがございます。
 これは、もちろんそういうことをもっと厳しくしろ、もっと厳しくしろというふうにやっていくことは理論的には可能でございますけれども、そうすれば当然その分コストは上がっていくわけでございます。
 この共済組合の保険のメリットの一つとしては、特に募集のコストが非常に低いということが主でありますけれども、やはり掛金が少し安いというところは、毎日非常に苦しい事業を行っておられる中小企業の皆さんから見ると、少しでも安いのはありがたいというメリットがあるわけでございまして、これが、危ないから安いんだということでは困るんですけれども、そういうメリットというのを今後も生かしていきたいという組合員の希望というのも一方であるわけでございます。
 そういったところのバランスというものを勘案してこういった、セーフティーネットとして十分かといえば、安全を期すという意味では、もちろんもっともっと何重にも安全を期すというやり方はあるかと思いますけれども、相互扶助の精神に基づく組合という性格を踏まえれば、今回のような規制のあり方というものが妥当ではないかというふうに考えております。
○三谷委員 今のお話を聞く限りにおきましては、契約者の保護の観点からというふうに申し上げましたけれども、契約者の保護ということが全く頭の中にないんじゃないかとしか思えないようなお話でございました。契約者の保護というのは、事業者を守るのではありません。事業者が不適切な、さっき破綻の話をしましたけれども、破綻のようなことがあったときに契約者を守るというのがそもそも本来の概念なんです。全く欠け落ちているとしか今の御説明では感じられません。
 レクの中では、共済金の削減払いでありますとか追徴金規定、こういったものも御説明をいただきましたけれども、実はこれ、セーフティーネットの代替機能と考えるのはおかしいというふうに思います。セーフティーネットにはなっていない。利用者保護にももちろんなっていないと思います。どうして保険契約者保護機構のようなそういう仕組みをこの改正の過程の中で考えなかったのかなということがございます。
 時間がありませんので、先に進ませていただきます。
 これは北神委員も触れられましたけれども、私も一番大事な話だと思いますけれども、こうした法改正が行われた、今までかなり野放しのようなことになっていたものが、ここで規制を強化して健全性に資するように求めていく、規律を働かせていく、方向としては大賛成なんですけれども、一番心配なのは、行政庁の監督あるいは法執行。午前中もお話がありました。多くの場合、都道府県がその監督庁ということになります。北神委員からも指摘がありましたけれども、お尋ねしても、県の体制がわからないというような話もございました。
 実は、先ほどの破綻事例で佐賀の例を取り上げるというふうに申し上げましたのは、まさにこれは係争中の出来事であります。佐賀商工共済協同組合の破産をめぐって、組合員二百二十一人が元経営陣と監督官庁である佐賀県を相手取りまして、総額十一億六千万円の損害賠償を求める訴訟が今もなお係争中です。
 先般、佐賀地裁から和解の勧告がありました。実は、佐賀地裁のその和解勧告ですけれども、県の責任は免れないというふうにした上で、請求額から組合に対する原告の借入金を差し引いた額の六五%を被告が連帯して原告に支払う、こういう和解案を勧告しています。和解案そのものは、井本前知事の責任にまで触れて、商工共済の経営状況が相当に厳しく、多額の負債を粉飾していることは十分認識していたと考えられるということを指摘しています。
 もちろん、この損害賠償が起こされたのは、九一年ごろからこの佐賀商工共済は粉飾決算を始めたとされて、〇三年八月に破産をしておるわけですけれども、経営が事実上破綻していた事実を隠し、返金の見込みがないまま預金を集め続けたのは元経営陣の詐欺行為で、県も粉飾を知りながら、県も知っていた、知りながら適切な指導をしなかった、だから県もあわせて相手取って損害賠償請求を起こしているわけでございます。
 心配な点と申しますのは、改正後も都道府県の監督で本当に大丈夫なんだろうか。もちろん、本当に健全な内容なのかどうか把握がきちんとできるのかどうかということもあります。この佐賀県の現状がそうでありますように、保険の話ですから、共済事業の話ですから、かなりの専門性、専門的な知見も要求をされます。それだけの体制が県に本当にでき上がっているんでしょうか。午前中の質疑でも、でき上がっていない、わからないというようなお話がございました。また、時間がありませんので、周知させていくことも大事な話だと思いますけれども、そこの点について、これは最後でございますけれども、どのように考えられているのか、お教えいただきたいと思います。
 また、大臣には、恐縮ですけれども、午前中も強い決意を示していただきました。さまざまな省政令で定める基準、これも非常にあいまいなままで残されております。こうしたものをきちんと明確化していくことも含めて、あいまいなところが非常に多く、不安な点がたくさんございますので、また決意もあわせてお願いを申し上げます。
○西野副大臣 今は、顕著な、あってはならない事態があった特別な例を発言されたわけでございまして、もちろんほかにこういうことがあってはならないわけであります。
 今回の法改正で、それらこれらも踏まえながら、まず、都道府県、行政官庁の体制の整備が極めて重要であるというふうに思っておるわけでございます。
 一般的には、もう既に御案内だと思いますが、集めた資産の運用に対しては一定の制限を加えるとか、あるいは準備金を積み立てておくことを義務化するとか、こういうふうな仕組みをしておるわけでございます。
 私も大変気になりまして、私は実は大阪出身でございますが、例えば大阪はこれらが施行されて現状どういう認識かと、この休憩時間の間に私なりに調べてみました。
 そういたしますと、大阪府の例でございますが、かつて大阪府では信用組合等の監督を行っておりましたが、これらは金融庁に移管がえになりました。いわばそういうものに対する一定の知見のある方、さらには商工中金等政府系金融機関の経験のある方でOBになられた方がある、そういう方を既に配置いたしておる、そういう仕組みでこれから対応していきたいというふうに答えておりました。
 これは全都道府県がそういうふうになるというふうには思われないわけでございますが、一定のマニュアルというものも制定をいたしながら、このような例があったわけでございますから、他にそういうことが及ばないように、この法執行が、ちょうど一年たちました来年の四月から施行されるわけでございますので、行政官庁の方にしっかりとそのあたりのことを指導しながら、勉強させながら、体制整備に万全を期していきたいというふうに思っております。
○二階国務大臣 大要はただいま西野副大臣から御説明したとおりでありますが、私は、今回の改正における措置の対象の範囲が極めて広いものですから、中小企業組合への影響が比較的大きいということを判断するときに、ただいま西野副大臣の御答弁にもありましたように、経過措置期間、これは当然のことでありますが、先ほど議員が御指摘のように、改正内容の周知徹底ということが必要であります。
 ごく最近のことに電気用品安全法、極めて各方面からいろいろな御指摘をいただいたわけでありますが、これはやはり、政府のやることでありますからおのずから限界はありますが、しかし、できるだけ機会をとらえて真剣な対応をしていくことが大事だと思っております。
 そのために、中小企業団体中央会あるいは都道府県担当者への説明会を当省から各地に職員を派遣して開催をしたいと思いますし、改正内容を記載した冊子やパンフレット等、これも積極的にお配りをさせていただきたい。団体中央会の組合へのパンフレットの配布、また研修会などの開催に対してもバックアップをしてまいりたいと思っております。
 なお、私は、自分の経験で申し上げますと、時々市町村を回りますと、市町村役場に政府からこんな立派なパンフレットが届けられているのか、こう思うことがありますね。我々の目には全然届かないものがいきなりああいうところへ配られておるわけですが、それはそれで結構なんです。結構なんですが、私は、当委員会の皆様等にもそうしたパンフレット、こんなものを今配布していますよということできちっとお届けして、そして皆さんにも御理解をいただきながら、何年か後に、だれも聞いていないというようなことが起こらないようにしていきたい、このように思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
○三谷委員 ありがとうございました。質問を終わります。
     ――――◇―――――
○石田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 資源エネルギー及び原子力安全・保安に関する件、特にエネルギー問題について調査のため、来る二十三日火曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る十七日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時九分散会