第165回国会 法務委員会 第3号
平成十八年十月二十日(金曜日)
    午前九時五十四分開議
 出席委員
   委員長 七条  明君
   理事 上川 陽子君 理事 倉田 雅年君
   理事 棚橋 泰文君 理事 早川 忠孝君
   理事 松浪 健太君 理事 高山 智司君
   理事 平岡 秀夫君 理事 大口 善徳君
      赤池 誠章君    稲田 朋美君
      小川 友一君    近江屋信広君
      奥野 信亮君    後藤田正純君
      笹川  堯君    柴山 昌彦君
      鈴木 淳司君    西村 康稔君
      三ッ林隆志君    宮腰 光寛君
      武藤 容治君    森山 眞弓君
      矢野 隆司君    保岡 興治君
      柳本 卓治君    石関 貴史君
      河村たかし君    中井  洽君
      細川 律夫君    横山 北斗君
      伊藤  渉君    保坂 展人君
      今村 雅弘君    滝   実君
      山口 俊一君
    …………………………………
   法務大臣         長勢 甚遠君
   法務副大臣        水野 賢一君
   厚生労働副大臣      石田 祝稔君
   厚生労働副大臣      武見 敬三君
   法務大臣政務官      奥野 信亮君
   外務大臣政務官      松島みどり君
   衆議院庶務部長      山本 直和君
   会計検査院事務総局第一局長            諸澤 治郎君
   最高裁判所事務総局総務局長            高橋 利文君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 福島 克臣君
   政府参考人
   (警察庁生活安全局長)  竹花  豊君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    縄田  修君
   政府参考人
   (警察庁交通局長)    矢代 隆義君
   政府参考人
   (警察庁情報通信局長)  武市 一幸君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局審議官)            河野 正道君
   政府参考人
   (消防庁審議官)     寺村  映君
   政府参考人
   (法務省大臣官房長)   池上 政幸君
   政府参考人
   (法務省大臣官房訟務総括審議官)         大竹たかし君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制部長)          菊池 洋一君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    寺田 逸郎君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    小津 博司君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    小貫 芳信君
   政府参考人
   (法務省保護局長)    藤田 昇三君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  富田 善範君
   政府参考人
   (法務省入国管理局長)  稲見 敏夫君
   政府参考人
   (公安調査庁長官)    大泉 隆史君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 西  正典君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 猪俣 弘司君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮坂  亘君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       大谷 泰夫君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           松本隆太郎君
   政府参考人
   (経済産業省製造産業局次長)           内山 俊一君
   参考人
   (預金保険機構理事長)  永田 俊一君
   法務委員会専門員     小菅 修一君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月二十日
 辞任         補欠選任
  杉浦 正健君     鈴木 淳司君
同日
 辞任         補欠選任
  鈴木 淳司君     小川 友一君
同日
 辞任         補欠選任
  小川 友一君     西村 康稔君
同日
 辞任         補欠選任
  西村 康稔君     杉浦 正健君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件
     ――――◇―――――
○七条委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、参考人として預金保険機構理事長永田俊一君の出席を求め、意見を聴取することとし、政府参考人として警察庁長官官房審議官福島克臣君、警察庁生活安全局長竹花豊君、警察庁刑事局長縄田修君、警察庁交通局長矢代隆義君、警察庁情報通信局長武市一幸君、金融庁総務企画局審議官河野正道君、消防庁審議官寺村映君、法務省大臣官房長池上政幸君、法務省大臣官房訟務総括審議官大竹たかし君、法務省大臣官房司法法制部長菊池洋一君、法務省民事局長寺田逸郎君、法務省刑事局長小津博司君、法務省矯正局長小貫芳信君、法務省保護局長藤田昇三君、法務省人権擁護局長富田善範君、法務省入国管理局長稲見敏夫君、公安調査庁長官大泉隆史君、外務省大臣官房審議官西正典君、外務省大臣官房審議官猪俣弘司君、厚生労働省大臣官房審議官宮坂亘君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長大谷泰夫君、経済産業省大臣官房審議官松本隆太郎君、経済産業省製造産業局次長内山俊一君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第一局長諸澤治郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○七条委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○七条委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局高橋総務局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○七条委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○七条委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平岡秀夫君。
○平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。
 野党の大臣所信に対する質問としてはトップバッターにならせていただいておりますけれども、先日の大臣の所信を伺わせていただいても、あるいは今回質問をいろいろ準備するにしても、法務行政には非常に多くの課題が今あるということを、私、痛切に感じました。
 質問を準備するに当たって、いろいろ限定をして質問を絞っていったつもりなんでありますけれども、場合によっては、質疑応答の進展いかんによっては時間が足りなくなってしまって、きょうお越しいただいた方々に質問できない時間になってしまうかもしれないということで、その際には、必ず別の機会にしっかりと一般質疑の時間をとってやらせていただくということで、御容赦いただきたいということをあらかじめお断りさせていただきたいというふうに思います。
 恒例の発言ではありますけれども、大臣、御就任おめでとうございます。と言いたいところではあるんですけれども、実は私、大臣については少し危惧を持っているということもまた事実であるということでございます。
 というのは、実は私、まだ当選初めてぐらいだったかもしれませんけれども、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案の審議というのを、長ったらしい名前ですけれども、やったときに、民主党が対案の提案をさせていただいたということでございまして、深くこの審議にかかわったわけでございます。
 長勢法務大臣も、もともとは党の法案プロジェクトチームのメンバーであられたり、あるいは法務関係の委員会、副大臣、あるいは密接に関連する厚生労働省の関係で厚生労働委員会の理事をやられたりということで、この法案については非常に深くかかわっておられたんだろうというふうに思います。
 そういう状況の中で、当時、現在の長勢法務大臣を含めて多くの方々について、日本精神科病院協会に関連する政治献金のお話が出てまいりました。
 私は、今この話は余り大きな話にはなっていないと思いますけれども、再び長勢大臣が法務大臣として戻ってこられた以上は、この件についてしっかりと説明責任を果たしてもらわなければいけないというふうに思います。このことがしっかりと説明されない限りは、私は、長勢大臣は法務大臣としての資格はないというぐらいに思っているということをまず前置きさせていただいて、質問をさせていただきたいというふうに思うわけでございます。
 実は、先ほど私が申し上げました政治献金については、当時、政府の法案の修正案をつくられた法務委員会の塩崎理事、現在は官房長官でありますけれども、この方についても、法案が採決された日にこの日精協から百万円の献金が行われている、それ以外にも、週刊誌等の報道を見れば、三百四十万円ぐらいの献金が行われているというようなことが報道されていました。さらに、現在の安倍総理大臣に対しても、この日精協から百万円の献金が行われているような報道もありました。
 そういう中で、長勢大臣についてもいろいろな数字が挙がっているので、私はどの数字が正しいのかよくわかりませんけれども、手元に持っているのは、長勢元法務副大臣に五百八十万円の献金が行われたというような毎日新聞の記事も手元に持っておるわけでございます。
 そこで、まず事実関係として長勢大臣にお聞きしたいのは、長勢大臣が、この法案が話題になりつつあったころ、ちょっとどこからとらえるか難しいんですけれども、一九九九年から昨年までの間にこの日精協及びその政治連盟から受けた政治献金というのはいかほどのものがあったのかということについて、まず御答弁いただきたいと思います。
○長勢国務大臣 先生お話がありましたように、法務行政また厚生労働行政、私も政治家として今まで携わってまいりました。
 それで、今御質問の件でございますが、平成十一年については関係資料が残っておりませんので、平成十二年から昨年までの関係については、承知しておる範囲でお答えをいたしたいと思います。
 日本精神科病院協会政治連盟からは、平成十二年には、何回かでありますが、合計三百五十万円、十三年には合計百万円、十四年は合計五百八十万円、十六年には合計二百万円、十七年には合計三百万円の寄附をいただいております。
 なお、十四年の五百八十万円のうち五百万円につきましては十五年に返還をさせていただいておるということでございまして、これらについては、いずれも収支報告書に記載をしておるところでございます。
○平岡委員 答弁をしない理由として書類が残っていないというのは、説明責任を果たしたことにはならない。法律上どこまでが保存期間になっているかというのはまた別問題としては存在すると思いますけれども、そういうちょっと逃げの姿勢を打っているというところがまた私は疑惑を深めていくことになるかもしれないということでありますから、その点はまず指摘させていただきたいと思います。
 今大臣が言われたように、平成十四年に受けられた五百八十万円の献金のうちの五百万円については、これは法案が委員会を通った三日後に、衆議院の委員会が採決された三日後に五百万円が献金されているということで、それから約半年たった翌年の六月に、要らぬ疑惑を受けたくないということで五百万円の返金をされたということも新聞報道等になっているわけですね。
 しかし、今いみじくもお話しされました、平成十六年には二百万円、平成十七年には三百万円、合わせて五百万円。お返しされた五百万円が、その後、しっかりとまた長勢大臣のところに献金をされている。こういうことを考えると、何か返金したのか返金しなかったのかよくわからない、こんな状態になっているというふうに私は思いますね。
 それで、長勢大臣は今まで、先ほどいろいろ数字を挙げられて、献金を受けられましたけれども、例えば平成十四年の五百八十万円のうちの五百万円の献金なんかについては、どういう理由、目的で日精協及びその政治連盟から政治献金が行われたというふうに認識しておられたのか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。
○長勢国務大臣 十一年について調べさせましたけれども、なかったものですから、そのようにお答えさせていただきました。
 先ほど申しましたように政治活動をしておりましたので、日精協さんともいろいろな場で意見交換をしたいということでおつき合いいただいておりました。そういうことで、ずっと私なりに日精協さんからも御支援をいただいておりまして、一般的に、私の政治活動に対する御支援の趣旨ということで理解をしていただいてまいった次第でございます。
○平岡委員 十一年については、調べたらなかったということだったので、また必要があればお聞かせいただきたいと思いますけれども、平成十八年、ことしも大分押し詰まっていますけれども、ことしはどうですか。何か献金をいただいておられますか、どうですか。
○長勢国務大臣 御質問が十一年から昨年までということだったので、ことしのことは、あるのかもわかりませんが、ちょっと私は手元に資料がありませんので、申しわけございません。
○平岡委員 私がなぜ聞いたかというと、平成十一年の分については資料がないから答えられないという理由だったので、ことしのものは資料がないということはないだろうから、ことしぐらいは、もしあるのなら言ってくれるんだろうなと思って聞いたんですね。そういう意味では、質問になかったから手元にないというのであれば、また後日、ことしの分についてもしっかりとお答えいただきたいというふうに思います。
 今、私るる申し上げましたけれども、私もそれ以上調査する権限もないので、深いことはわかりませんけれども、やはり非常に、私は自分自身がその法案の審議に携わった身として、この法案、民主党はもう徹底的に反対をしました。反対したのがこんな形で、金権疑惑的な話で法律が成立したんだということは大変許しがたい状況だというふうに私は思いますね。
 大臣はしっかりと、いや、金につられてやったんじゃないんだ、本当に必要な法律としてやってきたんだということを世の中に示すためにも、やはりしっかりと姿勢を示していただきたいというふうに思いますけれども、まず、その点についての総括的な御答弁をいただきたいというふうに思います。
○長勢国務大臣 精神医療は、今申されました医療観察法を初めとして、非常に国民にとって重大な、また関心のある問題でありましたので、私はずっとこの問題に取り組んでまいりました。
 今、献金があったことについての疑いを持っておられるようでございますが、そのことと私の政治活動とは全く関係なく、もちろん、いろいろな団体の御意見も聞く機会はありましたけれども、私なりに判断をしていろいろな活動をしてきたということは天地神明に誓えるところでございますので、御理解いただきたいと思います。
○平岡委員 これ以上、何か大臣の心の中を探るわけにもいきませんから、とりあえずは大臣のその答弁ということで終わりたいとは思いますけれども、多くの皆さんが疑惑の目で見ている。特に、この法案について問題が多いと感じていた人たちは、いまだにこの問題について忘れられない悪夢のような事件であったというふうに思っているんですよね。その点、やはり大臣もしっかりと認識した上で政治活動をしていただきたいということをまず御指摘申し上げたいと思います。
 次に、入国管理関係の話に行きたいと思うんですけれども、皆さんも御存じのように、北朝鮮のミサイル発射実験とかあるいは核実験を契機として、北朝鮮に対して我が国が、いわゆる制裁というような表現を使っていますけれども、制裁措置、対応を決めているわけでありますけれども、その中に、法務省の所管事項として言えば、北朝鮮籍の人たちについての入国を認めないということについて行われているわけであります。
 その点についてちょっと質問をしたいというふうに思っているんですけれども、その前に、最近ちょっと、北朝鮮の核実験に関連して、自民党の中川政調会長とかあるいは麻生外務大臣が、日本も核保有を議論することはいいんじゃないかというような趣旨のことを言っていますけれども、長勢大臣は核保有についての考え方としてはどういうお考え方を国務大臣としてお持ちなのか、まずその点を先に聞いておきたいと思います。
○長勢国務大臣 中川政調会長の御発言について具体的につまびらかにしているわけではございませんが、我が国は核については非核三原則という原則があるわけでありますし、政府としてはそれを堅持するという方針で臨んでおると思っております。
○平岡委員 今、中川政調会長はちょっと国務大臣じゃないので、では、麻生外務大臣の大臣としての発言についてはどういうふうにお考えですか。
○長勢国務大臣 麻生大臣の御発言は私も正確に存じておりませんが、いずれにしても、核の問題については、我が国は広島、長崎という経験を持っておる国でありますし、国民の皆さん方の感情も明確でございますから、それに沿った対応をすべきものと考えております。
○平岡委員 小泉政権時代から少しすれ違いの答弁というのがはやってきて、いまだにそれが続いているような感じの答弁でありましたけれども、所管大臣でもないでしょうからこれ以上は言いませんけれども、非常に非核三原則は大事だという気持ちを持っておられるということは確認できたというふうに思います。
 そこで、入国問題なんですけれども、これは七月五日の対応と、それから、その後また発表された十月十一日の、十三日に閣議決定ですか、その対応について、入国制限が示されているわけでありますけれども、なぜこんなことができるのかという法的根拠というのは一体何なのかというのをちょっと教えていただきたいと思うんですね。
 余り深く突っ込むつもりはありませんけれども、例えば憲法の中でも、何人も移転の自由を有するとか、あるいは国連の人権規約の中にも、こういう移転の問題については基本的に自由なんだと。これを制約するというためには、例えば憲法だったら公共の福祉という制約はあるとかいうことになっていますけれども、こんなに一律的に制限していくというのは、私はちょっと変な気がするんですね。その法的根拠というのは一体何なのか、どういう根拠でやっているんですか。
○長勢国務大臣 国際慣習法として、特別の条約がない限りは、外国人を自国内に受け入れるかどうか、またこれを受け入れる場合にどういう条件を付するかということについては、それぞれの国が自由に決定をすることができるということが国際慣習法上でございまして、どの国もそういう考え方に基づいてこういう問題に対応しておるというふうに承知をしております。
○平岡委員 自由にと言われたけれども、やってしまえば自由なのかもしれませんけれども、自由だからといってどんどんやっていいというものでもない。まあ、そういう権限は認められているということだと思うんですけれどもね。
 それでは、北朝鮮籍以外の国籍を持つ者に対して、これまで入国を原則として認めないというようなことはあったんですか、どうですか。
○松島大臣政務官 外務大臣政務官の松島みどりでございます。
 かつてのことについてのお尋ねでございます。かつて、我が国は、南アフリカ共和国のアパルトヘイト政策に反対する立場から、昭和四十九年に、南アフリカ共和国の国民に対するスポーツ、文化、教育交流目的の訪日に対する査証の発給を停止いたしました。さらに昭和六十一年に、観光目的の短期滞在査証の発給の停止を内容とする措置も実施いたしました。これらの措置は、平成三年まで継続いたしました。
 過去の歴史は以上でございます。
○平岡委員 今のは国連の安保理決議に基づいてやったということですよね。今回のは国連の安保理決議に基づいてはいませんよね。その点はちょっと確認できますか。
○長勢国務大臣 七月及び今回の安保理決議の前の、十三日、十一日ですか、のことであると思いますが、安保理決議の前にやっているということはそのとおりでございますけれども、事は日本及び世界の安全、平和に対する大変な問題でありますから、これに対して断固たる措置を講ずるということは我が国として当然とるべき措置だったと思っております。
○平岡委員 安保理決議ということでいくと、既に北朝鮮制裁決議というのが出ているということで、報道もされているわけですけれども、その中を見ると、いろいろな人の入国問題等について言えば、ある程度書いてあるんですよね。すべての国連加盟国は、委員会または安保理が、北朝鮮の核、弾道ミサイル及びその他の大量破壊兵器関連の計画にかかわる政策に、支持または宣伝を含め、責任があると認定した人物とその家族の入国や通過を阻止するために必要な措置を講ずる、こういうふうに書いていて、非常に限定的になっているんですね、決議そのものは。
 それを超えて大幅に今回は、ある意味では北朝鮮籍を有する者については満遍なく制限してしまう、こういうふうになっているというのは、私はやり過ぎじゃないかというふうに思うんですけれども。
 例えば、この国連決議、ちょっと通告していないので、外務大臣政務官、わかったら教えてほしいんですけれども、国連決議の十三項のところに、全関係国が外交努力を強化し、緊張を激化させる行動を避け、ちょっと省略しますけれども、日本は、六カ国協議の早期再開を促すための努力をしていることを歓迎し、さらなる努力を奨励する、こういうふうに書いてあるわけですね。ということで、十三項を見たら、外交努力を強化しなさい、緊張を激化させるような行動は避けなさい、こう書いてあるということですよね。
 そうすると、今回のこの日本がとっている措置というのは、制裁決議の内容以上に緊張を激化させるような行動になっているというふうに理解して、本来やってはならないことではないかというふうに思うんですけれども、外務大臣政務官、いかがですか。
○松島大臣政務官 安保理決議は確かにそのような内容になっておりますが、安保理決議は、それ以外のことを各国がやってはいけないということは書き込んでおりません。
 我が国は、我が国の独自の判断といたしまして、基本的に北朝鮮籍の人は入国を禁じるということにしております。ただ、この中にも例外がございまして、在日の特別永住者の方で北朝鮮に里帰りしていらっしゃる方が日本に戻ってこられるようなケース、あるいは北朝鮮にいらっしゃる方が、北朝鮮の人が日本に親戚がいて、その方が重病で、日本に見舞いに行きたい、このような人道上の場合は、特段の事情でございますから許すことにしております。これは日本独自の判断でございます。
 そしてさらに、十八日に行われました日米外相会談及び昨十九日にソウルで行われました日米韓三カ国外相会談におきましても、北朝鮮にさらなる事態の悪化を招く行動をとらせてはならない旨、三カ国で一致しているところでございます。
 このように、北朝鮮には対抗措置を講じさせないための外交努力を行っている。日本もしっかりと外交努力を行い、六者会合に復帰するように進めているところであります。
○平岡委員 私の質問の肝心なポイントは、決議の十三項の中にある、全関係国というのが緊張を激化させる行動を避けなさいと書いてあることについて、決議で定めている入国制限以上の、一般的な、北朝鮮籍を持っている人は基本的にはだれも来ちゃいけないんだというようなことまでしてしまうというのは、その十三項の決議の趣旨に反するんじゃないですかということを聞いているので、その点について答えてください。わからなければわからないで、わからないと言ってくれればそれでいいですけれども。
○松島大臣政務官 国連決議のそのくだりについては、各国に対してその旨を拘束しているものではないと認識しております。
○平岡委員 拘束されていないので、日本は緊張を激化させる行動として北朝鮮籍を有する人たちの入国を制限しているんだ、そういう位置づけですね。確認の意味で。
○松島大臣政務官 ですから、我が国としては、このことが緊張を激化させるものではないと認識しております。
 現に、北朝鮮は、これにつきまして、日本のこの措置に対して新たな対応、明らかな対応は現在のところとっておりません。日本のこの対応に対して、緊張を激化するような旨の態度は北朝鮮もとっていないところでございます。その認識がちょっとこちらと、当方とはずれていると思います。
○平岡委員 今の答弁は、我が国がとった措置に対して北朝鮮が何らの対抗措置的なことをとっていないから、これは緊張を激化させるような手段ではないんだという、何か相手に判断をゆだねているようなそんな説明になっていて、私は、とても説明としては説明になっていないというふうに思いますよ。
 ここはちょっと明確な質問通告をしていませんから、また別にしっかりと議論させていただきたいというふうに思うわけであります。
 そこで、この件に関して言えば、北朝鮮籍の人たちの入国の話で、七月五日付の対応が発表された後、どのぐらい北朝鮮籍の方の入国を認めなかったケースがあるんでしょうか。
○長勢国務大臣 七月五日で、北朝鮮当局の職員の入国は原則として認めないこととする、その他の北朝鮮からの入国についても、その審査をより厳格に行うこととするという措置をとることといたしたわけでございます。
 それ以降、今日までに入国申し込みは三十八名ございました。(平岡委員「これは何件」と呼ぶ)五件であります。うち、入国不適当というふうにいたしました者が十四名、入国適当と通知をした者が十名、申し込みの取り下げが十三名、審査中という者が一名という経過でございます。
○平岡委員 今のは概数的な話でありましたけれども、個別の話で、これは法務省からは本来発表すべきものではないという説明は受けておりますが、新聞報道等でされていますので、ある程度のことは国民の皆さんも知っておられるわけでありますけれども、ことし八月に京都で世界宗教者平和会議というのがありまして、私も一応、党の職務上、この会議にも出席させていただきました。
 私は、世界の平和をもたらしていくためにも大変重要な会議だというふうに思っていますけれども、この会議に出席を予定していた北朝鮮の宗教者の方々六人が入国を認められなかったというふうに報道されています。先ほどの五件三十八名の中に入っている、あるいは十四名の不適格という人の中に入っていると思いますけれども、この人たちが入国が認められなかった理由は何なんでしょうか。
○長勢国務大臣 八月の段階では七月五日の対応措置に基づく措置でございますが、先ほど御説明いたしましたように、北朝鮮当局の方及びそれ以外の方については厳格な審査によって行うということにいたしておりまして、詳細な理由につきましては、事柄の性質上お答えは差し控えさせていただきますが、今申しましたような、六名の中に北朝鮮当局職員に該当する者が含まれている等々の観点を含めて審査を厳格に行って、結果、我が国への入国を認める事案には該当しないというふうに判断をしたということでございます。
○平岡委員 それだけの事実で、はい、そうですかと言うわけにはいかないんですよね。
 やはり、北朝鮮との関係を正常化していくというのが我々の目指すべき方向だと思うんです。そのときに、平和を目指していろいろと議論をしていこう、相談をしていこうというような会議が行われるときに、その人たちを、それに参加しようとしている人たちの入国を認めないというのは、やはりそれ相当の理由がなければ本来あってはならないことだというふうに私は思うんですね。
 私はこの当局の判断は不適切な判断だというふうに思いますけれども、この私の主張は、非常にある意味では認識が甘いんでしょうか。どうですか。
○長勢国務大臣 具体的に詳細な回答は差し控えさせていただきますが、北朝鮮がミサイルを発射するあるいは核実験を行うなどということについて我が国はどう対応すべきかということと、さらに門戸を開くというか対話を広めていくという行動とどういうふうにバランスをとっていくかということでございますが、そういう観点から、政府として対応措置を決定して、それを厳格に我々として判断をした。先生のお言葉ではございますが、我々としては、措置に沿った対応をしたものと思っております。
○平岡委員 私も入管を所管する委員会の委員として、この入国を認めなかった措置はおかしいんじゃないかということを言っているんです。それがおかしくないんだったら、その理由をちゃんと説明してほしい、そういうふうに思うんですよ。
 週刊誌を引用すると、懲罰動議にかけられちゃいけないので注意しなければいけないかもしれませんけれども、たまたま、最近発行された週刊誌の中にこの問題がちょっと書かれていますね。入国を拒否したことについては、彼らは、その六人の方ですね、朝鮮宗教人協議会のメンバーで、京都で開かれる世界宗教者平和会議に参加する予定だったというふうに書いてあって、ある方の発言としては、北朝鮮は宗教を認めていないはずだけれども、平壌にはいろいろなこういうものが存在する、こういう宗教者という人たちは外国からの支援を獲得するのが裏の顔で、これがかなりの量の支援を得ることができる、こういうふうに書いてあるんですけれども、当局もこういう認識を持って入国を拒否したんですか。
 これは週刊誌に書いてあることが私は真実かどうかわかりませんけれども、これが当局の認識と一致しているのかどうか、その点についてちょっと確認させてください。
○長勢国務大臣 たびたび御答弁申し上げておりますが、詳細な理由を申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○平岡委員 これは、明らかにこういうものに該当するからだめだという、先ほど言ったように北朝鮮全体の話としてじゃなくて、先ほどの南アフリカみたいな、文化交流とかいうようなものについてはこれはだめだということを国連の決議で示して、それに該当するものはだめですよというような話ならまだいいんだけれども、北朝鮮国籍を有している人については基本的に全部だめだという網をかぶせた中で、この問題についてだめだ、こういうふうに判断するというときに、やはり何か我々たちへだめだという理屈をしっかりと説明していただかないと、こんな一般的な話というのは、非常に大きな、一般的に禁止する、入国を拒否するということは、私は国際的にも非常に問題が多いというふうに思っているからこそ聞いているんですよ。
 理由を言ってもらえないというのは、やはり非常に私は納得ができないです。納得ができないと言ったからといって、ここで言ってもらえないのかもしれませんけれども。そういう意味では、これからもこういう問題については、ちょっと委員会の場でもしっかりと聞いていきたいというふうに思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そこで、同じく入管の問題で、退去強制の問題についてちょっと聞きたいと思います。
 退去強制された人というのは、その後、入管当局ではどういう取り扱いをすることになるんですか。
○稲見政府参考人 運用の話に近づきますので、私の方から回答させていただきます。
 退去強制された者につきましては、入管法五条に規定する上陸拒否事由に該当することとなりまして、例えば不法入国、不法残留により退去強制された場合には、原則として五年間、その上陸が許可されないこととなります。
 以上でございます。
○平岡委員 次いで、五年間上陸拒否ということだったんですけれども、五年間を経過するとどういう取り扱いになるんですか。
○稲見政府参考人 お答えいたします。
 上陸拒否期間を経過した者から上陸申請がなされた場合、この場合、その者が退去強制歴を有しているという、その事実のみをもって上陸を拒否するということはございません。ただし、過去に退去強制されたことがあるという事実をも踏まえまして、上陸のための条件に適合しているかどうかを慎重に審査する対象ということになります。
○平岡委員 五年間上陸拒否ということとか、あるいはその後も慎重に審査をするということだとすると、退去強制された人については当局としてはどういうような管理をしているんでしょうか。情報管理といいますか、ちゃんとした、そういう今言われたような形での行政を行っていくために必要なこととして、どういうことをやっているんですか。
○稲見政府参考人 お答えいたします。
 退去強制した者につきましては、出入国審査リスト、いわゆるブラックリストでございますが、これに身分事項等を登載し、当該外国人が上陸拒否期間中に上陸審査に及んだ場合、これを確実にチェックできるように、電算機を活用し手配をしているところでございます。
○平岡委員 今、いわゆるブラックリストにはどういうことが書かれているんですか。氏名とか生年月日とか国籍とか性別とか、どんなことが書かれていますか。
○稲見政府参考人 ブラックリストの詳細について全部説明することは、私どもの手のうちが見えることになりますので御容赦いただきますけれども、今委員が御指摘いただきましたような必要最低の身分事項、人定事項等、あるいは登載に至った理由等は当然に入っているというふうに御理解いただいて結構でございます。
○平岡委員 二〇〇一年の五月四日に退去強制された者、いわゆる金正男と目される者でありますけれども、この件については、当時、この委員会でもいろいろと入国管理の問題を中心に議論がされています。
 そういうことで、ちょっと特定するのが非常に難しいので、金正男と目される者というふうに言わせていただきますけれども、この者が退去強制をされたときに、退去強制令書に書かれた名あて人というのは一体だれになっているんですか。
○稲見政府参考人 委員御質問の人物についての退去強制令書の名あて人でございますが、これは、退去強制手続におきまして本人が申し立てた氏名を記載しております。その氏名は、今委員が御指摘になりました金正男という名前とは異なるものでございます。
○平岡委員 その名あて人については、先ほどのブラックリストの中では現在どういうふうになっていますか。
○稲見政府参考人 出入国審査リストの具体的な登載内容を明らかにするということは、今後の上陸審査に支障を来すおそれがございますので、答弁を差し控えさせていただきます。
 ただ、多分、先生の御質問は平成十三年五月四日の事実でございますので、現時点で上陸拒否期間が五年を超えている案件だということでございますが、先ほど答弁させていただきましたとおり、上陸拒否期間を過ぎたからといって形式的にその対象から落とすということはやっておりません。一件一件、今後の慎重審査に必要かどうか判断して、当リストへの継続登載するかどうか、これを決めているということでございます。そこは遺漏なきを期しているということでございます。
○平岡委員 今の答弁は全く納得できませんね。
 先ほど言ったように、五年を過ぎたからといってこういう情報を全部削除するわけじゃない、ちゃんと管理をしていくんだということが示されているわけですよね。
 今現在、金正男と目されている、当時は申立人の氏名で書かれている人の、皆さん方の役所の中での整理ですよね、今どういう名前になっているんですか。大臣、これはもう大臣が答えてください。今どういう名前になっているんですか。
○長勢国務大臣 この出入国審査リストの登載内容を具体的に明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、本人の当初に申し入れた名前、その他判明次第、その他の名前を使うという可能性がある場合には、必要に応じてそういうものもあわせてリストアップをしておるというふうに聞いております。
○平岡委員 なぜ言えないんですか。これは金正男という名前を変えていかなきゃいけないんでしょう、法務省の中の書類はちゃんと。変えていないんですか。
○稲見政府参考人 一般論でお答えさせていただいて恐縮でございますけれども、退去強制した人物がいる、その人物が仮にAという名前だといたします。退去強制したら、当然出入国管理リストに、私どものブラックリストに載せます。そうした後に、その人間がAと違うBまたはCというような別の名前で日本にやってくる可能性がある、そういう情報を得た場合、ABCのいずれが正しい名前か、真の名前かどうか、そういうことに関係なく、私どもはABC三つすべての情報をブラックリストに登載いたします。(平岡委員「だから、金正男という名前も書いてあるということでしょう、それは」と呼ぶ)
 金正男と言われる人物を平成十三年五月四日の時点で載せたかどうかということにつきましては、何回も繰り返して大変恐縮でございますが、お答えを差し控えさせていただきます。
○平岡委員 私が聞いているのは、退去強制をしたときにそういう名前が書いてあるかということを言っているんじゃないですよ。現在、金正男と目される者については、金正男という名前が、それは一つだけじゃないかもしれません、ちゃんと書いてあるんですねと、これを確認しているんですよ。
 大臣、答えてください。私は、もうちゃんとこれは質問通告した話ですから。
○水野副大臣 先日、予算委員会において、総理がその男は金正男の蓋然性が高いというようなことは認めたのは事実でございますが、しかしながら、ブラックリストにおいてどういうふうに記載をしているのかということに関しては、ブラックリストの情報については、まさに個別の事案でございますから、今後の上陸審査に支障を来すおそれがありますので、答弁は差し控えさせていただくということでございます。
○平岡委員 私も、このときの田中眞紀子委員と安倍総理のやりとり、それからその後の安倍総理と前原委員とのやりとり、これを見ています、聞いています、ちゃんと議事録を持っています。安倍総理はちゃんとこれを認めていますよね、認めていますよ。認めている以上は、やはり政府としてそれは認めているということでしょうから、法務省の中でもちゃんとそういう整理になっているんですねということを確認しているんですよ。どうしてそれが答えられない話なんですか。
○水野副大臣 その男が金正男の可能性が非常に高いということを認めるということと、今委員がおっしゃったような、ブラックリストをどういうふうに書きかえたのかとかなんとかということをお聞きになっていると思いますので、その書きかえ方、書きかえたとか、どういう情報が載っているかということについては答えられない、答弁を差し控えさせていただくということでございます。
○平岡委員 私は、何も全部明らかにしろと言っているんじゃないですよ。その金正男と目される者の氏名のところは書くことになっている。その人間が金正男であるということが判明した、わかった、確認された、その時点でちゃんと直しているんですね、そのことを確認しているんじゃないですか。なぜそれが答えられない話なんですか。おかしいですよ、それは。大臣、答えてください。
○長勢国務大臣 再々御答弁申し上げておりますように、ブラックリストの記載事項、具体的には答弁を差し控えさせていただきたいということでございます。また、五年を経過しておる中でございますので、どのように記載するかは慎重に判断をしたいと思っております。
○平岡委員 これは、答弁を差し控えるような話じゃないですよ。そうやって確認された人については、ちゃんと名前を新たに確認された名前で書くんですねということを言っているだけなんですから。何でそれが答弁を差し控えなきゃいけない話ですか。おかしいじゃないですか、それは。(発言する者あり)細かくはない。
 では、ちゃんと答えてくださいよ。直しているんですねということを言っているんだ。
○水野副大臣 まさに、いわゆるブラックリストとされているものの内容を明らかにするということ自体が今後の上陸審査に支障を来すおそれが十分あるということでございますから、それは、金正男のケースに限らず、個別のものについては答弁を差し控えるというのは自然なことだというふうに考えております。
○平岡委員 それなら聞きますけれども、さっき私が最初に聞きましたね、このブラックリストに書いてあるのは氏名、例えば退去強制令書には何が書いてあるか、それは本人が申し立てた名前。何でそれが答えられて、私が言った、本名がはっきりした者については直すんですねということに答えられないんですか。変じゃないですか、そんなの。
 そういう仕組みを問うたときはちゃんと答えていて、私がここで、こういうふうに本当の名前が確認されたら変えているんですねというときは何で答えられないんですか。そんなのおかしいよ。大臣、答えてください。
○長勢国務大臣 一般論として、ブラックリストに載せた者がその他の名前等で入国するおそれがあるという可能性を見たときに、それをきちんと整理するために修正をするということはあるということは申し上げております。
 今、また、五年を経過した者については引き続き登載しておく必要があるかどうかについても、その必要性を判断するということを申し上げておるわけで、具体的にどの方をどういうふうにしておるかということについては答弁は差し控えさせていただきたいということを申し上げておるわけであります。
○平岡委員 今の大臣の答弁でいくと、金正男と目される者が金正男だと判明したのは五年を経過した日以後ですか、そういうことですか。
○長勢国務大臣 前回、予算委員会等で総理が御答弁になったのは、総理御就任になって、安倍内閣になっての御判断というふうに私は聞いておりましたので、また、それと直接関係はございませんが、ブラックリストの五年間の期限は一応経過をしておるのが現状でございます。
○平岡委員 そうすると、金正男だとわかったのは安倍内閣になって以後の話だと今言われたんですよね。内閣ではそういう整理なんですね。
 でも、安倍さんはそんなことを言っていませんでしたよ、田中眞紀子さんとの間では。金正男を帰したのは田中眞紀子さんの判断ですね、こういうふうに言っていますよ。何か変じゃないですか。矛盾していますよ、それは。
○長勢国務大臣 この委員会でのやりとりはもう少し詳細に見直す必要があるかもしれませんが……(発言する者あり)いやいや、予算委員会の話でございますが。あの時点で総理が明確にいつからということはお答えにならなかったのではないかという私の記憶でございますが、少なくとも、安倍内閣としての判断だというふうにはおっしゃられたと思っております。
○平岡委員 今の大臣の答弁を総合すると、安倍総理は金正男と目される者は金正男であるというふうに言っているけれども、これについては、政府の中では、何らのそういう訂正といいますか修正といいますか、真実のことを書くという作業はしていない、つまり、先ほど来から問題になっているブラックリストにも何の訂正もされていないし、訂正するつもりもない、これが大臣の答弁だ、こういうことですか。
○長勢国務大臣 一般論として、必要性があれば訂正ということはあると申し上げておるわけで、この件についてどうしておるかということについては、具体的な事案でありますので答弁を差し控えさせていただきたいということを申し上げておるわけであります。
○平岡委員 全く納得できないですね、この程度のことに対して答えられないというのは。先ほど言ったように、本名がわかった時点で変えるということは当然行われているわけですね。どうですか。
○長勢国務大臣 総理の御答弁もその蓋然性が高いということを御答弁されたと思いますし、そこら辺の登載の内容の修正は必要性を判断してやるという一般論を申し上げておるわけです。
○平岡委員 私がなぜこんなことを聞いているか、さっきから何か細かい質問だとかというふうに言われていますけれども、もともと、やはり五年前の五月、非常に大きな問題になったんですよ。それに対して、何ら国民に対しては説明されないままに推移してきているんですよね。
 私は、金正男と目される者を退去強制させたこと自体の政策判断というのは、それはいろいろあったでしょう。だけれども、それがどういう事実関係のもとでこういうふうにとったのかということについての説明が全くなされないままに推移している。これがやはりごまかしの政治だ、逃げの政治だ。安倍総理は闘う政治家と言っているけれども、全然闘っていないというふうに思うんです。まさに、安倍総理は闘おうとしてあんなことを言っちゃったけれども、後でだれかがそれはまずかったから引っ込めてくれというふうに今なっているのかもしれませんけれども、そういう意味では、やはりこの問題についてはしっかりと事実関係を明らかにしてほしい。
 つまり、退去強制したときにはこういうことだったけれども、その後、こういうことでちゃんとした本名が判明しました、これについては、今政府の中ではこういう整理をして、彼がもし入ろうとしたら厳格な審査をするという形になっています、こういうことでちゃんと説明してほしいということですよ。どうしてそれができないんですか。
 大臣、もう一度答弁してください。ちゃんとそういうことを答弁していただく、あるいは、きょう答弁できないんだったらちゃんと法務省あるいは内閣としての統一の見解を出す、これを約束してください。
○長勢国務大臣 ブラックリストの記載のあり方についての一般的な考え方は申し上げてきたとおりであります。ただ、具体的な事項について答弁をするということは差し控えさせていただきたいということはひとつ御理解いただきたいと思います。
○平岡委員 全く納得できないですね。全く理解できないです。
 ちょっと、きょうはいろいろなことがあって、これは委員会をとめるとかというような話ではないかもしれませんけれども、いずれ、これは委員会をとめるということについて意味のあるときにこの問題を再度取り上げて、委員会をとめることもあり得るという理解でありますので、しっかりと政府の統一見解を用意しておいてください。矛盾なく説明できるように、ちゃんと用意しておいてください。このことは要請しておきたいというふうに思います。
 ちょっと時間がないので質問を飛ばしまして、代理出産の問題について質問させていただきたいというふうに思います。
 せんだってから、向井亜紀さんのケースであるとか、あるいは孫を代理出産したケースであるとか、いろいろなことが新聞報道等で出ていまして、大変世の中の皆さんの関心事といいますか、あるいは、これはどういうふうにこれからしていったらいいのかということについて非常に難しい問題が出てきているというふうに私も思っているわけであります。
 まず、代理出産、二つ種類があるというふうに言われていますね。夫婦の卵子と精子を受精させたものをほかの女性が出産をするというケース。卵子そのものも別の女性の卵子、妻の卵子でないものであるけれども、それを夫の精子と受精させて、そしてそれを別の女性がまた出産していくという、前者を借り腹、あるいは後者を代理母といったような表現で呼んでいるようでありますけれども、これらの問題について、判例の考え方というのは今どうなっているというふうに政府としては理解をされていますか。
○長勢国務大臣 代理出産の場合の母子関係というものについての判断を示した判例としては、平成十七年十一月二十四日の最高裁判所の決定がございます。今おっしゃいましたように、代理出産についてもいろいろなケースがあるわけでございますが、この決定は、日本人の夫婦が夫の精子と米国人女性から提供された卵子とを体外で受精させ、その受精卵、胚を別の米国人女性に移植する方法により二人のお子さんが出生したという事例に関するものでございます。
 これについて最高裁は、その子供を日本人夫婦の実子とする出生届を不受理とした市長の処分は適法である、これが大阪高裁の決定でございますが、これを是認するという最高裁の決定でございます。その理由の中で、大阪高裁が挙げておる理由、すなわち、母とその非嫡出子との間の親子関係は、母の認知をまたず、出産の事実により当然生ずるとした昭和三十七年の最高裁判決を引用した上で、出産によって母子関係が形成されるという見解は、代理出産の場合でもあっても維持されるのが相当であるという判断を示しております。
 これが現在の裁判所の立場かと理解をしております。
○平岡委員 最高裁でそういうものが出ていることは皆さんも御存じのことだと思いますけれども、それを踏まえてでも、ことしの九月二十九日には、東京高等裁判所が、向井亜紀さんのケースについては、向井亜紀さんとの母子関係を前提とした届け出というものを認める決定を下しているということであります。
 これについて、十月十日に品川区長は東京高裁に許可抗告の申し立てをしたというふうに報じられていますし、そして、その申し立てについては法務省も非常にかかわりながら申し立てがされているということでありますけれども、その申し立てをした理由は一体何なんでしょうか。
○長勢国務大臣 事実関係はおっしゃるとおりでございます。
 この問題、先ほど言いましたように、代理出産について日本の民法上の解釈はどうかということを直接的に判断しておるわけではなくて、東京高裁の決定では、米国の裁判所の確定した裁判の効力、つまり米国の裁判所ではこれを実子と認めるということになったわけでありますが、そのアメリカの裁判の効力を我が国において認めるかどうかということを判断し、それは認めるべきであるという判断から、実子とする出生届を受理するように命じた高裁の判断であるというふうに理解をしております。
 具体的にも、高裁の決定の中では、このケースは、日本民法上、代理出産契約は公序良俗に反して無効である、そのような契約に基づき親子関係を認めることは日本民法上はできないということであったとしても、今回のケースにおいてはアメリカの裁判所の確定した効力というものを認めることが適当であるという判断を示しておるところであります。
 こういう次第でありますので、この決定は従来の最高裁の判決あるいは大方の圧倒的多数の学説の考え方と結果において相反することを結論にしているものでございますし、それ以上に、親子関係というものは民法、民事訴訟法上の解釈に関する重要な事項を含むものでございますので、これは最上級審である最高裁においてこの問題についての統一的解釈を求める必要があるというふうに判断をし、品川区とも協議をしておりましたが、十月十日に許可抗告の申し立てをした次第でございます。
 これについて、各方面からいろいろな御意見があることは承知をいたしておりますが、今申しましたように、統一的な解釈を最高裁において示されることが我々としては必要であると思っておる次第でございます。
○平岡委員 ちょっと余談的にはなりますけれども、一つ聞いておきたいのは、今回は品川区長さんが出生届について受理をしなかったということであったんですけれども、品川区長、あるいは一般的に言えば市長とかの権限としてどこまであるのかというのはよくわかりませんけれども、例えば、非常に先進的なといいますか、革新的なというか超保守的なというか、どう言っていいかわかりませんけれども、首長がいて、その人が、いや、このケースは出生届を認めてあげた方がいいんじゃないか、それがやはり情にかなっているんじゃないかという判断をして受理をすることは可能なんでしょうか。もし、そういう首長さんが全国のどこかにおられたら、高田さんと向井さんはそちらの方に本籍を移すなりして、そこで受理をしてもらうということは法律的には可能なんでしょうか。
 少しわき道にそれますけれども、後の議論にもつながってきますので、ちょっと確認をしておきたいと思います。
○長勢国務大臣 戸籍事務は親子関係あるいは相続その他にも関連する大変重要な事項でございますので、全国統一的に取り扱われることが、当然あるべき姿だと思います。そういうことから、戸籍事務は市区町村が管掌することとされておりますけれども、法務省において報告を求め、指示をするという仕組みになっておる次第であります。
 現在のところは、法務省は、今申しましたような経過から、今回のようなケースについては認めないという立場で来ておりますし、それに沿った運用が各市区町村でも行われておると承知しておりますが、今おっしゃったように、これを罰則をもって、あるいは何らかの法的措置によって、市区町村を制約するという仕組みにはなっていませんので、ぎりぎり、いわば違法といいますか、そういう取り扱いについて是正をする手段はないというのが法的な、形式的な仕組みになっています。
 ただ、今申しましたように、これは全国統一的に取り扱われるべき大変大事な問題でありますので、将来的に、いろいろな議論があって、制度が改正されるまでは今の形で、ぜひ統一的な扱いを各市区町村が実施をしていただけるものと信じております。
○平岡委員 ちょっと長かったのでわかりにくかったかもしれませんけれども、私の理解としては、法務省としては、そんなことがあることは好ましくないけれども、そういう首長が出てきてやってしまうという事態が生じたときには、それを法的にとめる手段はない、こういう話だというふうに理解いたしました。
 事ほどさように、ある意味で法的安定性といったような意味からも、若干、今の日本の法制度というのは疑問があるんだろうというふうに思いますね。さらに言えば、この問題、私も勉強させていただきまして、非常に難しい問題があるということはよくわかります。だけれども、やはりいろいろ、一つの基準で全部がすぱっと切れる問題ではないのではないかなと。つまり、いろいろ問題を分けて考えなければいけないんじゃないか、こんなふうにも思います。
 例えば代理出産そのものについて、これをどう考えるのか。これは特に厚生労働省にも関係が深いんだろうと思いますけれども、この考え方と、それから、代理出産という形で生まれてきてしまったと言ってはいけないですけれども、代理出産で生まれた人の親子関係というものをどう考えるかという問題。それと、さらには、親子関係というものは別の考え方で整理されるけれども、それ以外の親子関係から生じてくるであろういろいろな権利義務関係、例えば相続とかですね。そういったような問題について、それぞれ、やはり法的安定性とか法的予測性とか、そういうものを分けて考えていかなければいけない問題ではないかというふうに、とりあえずの結論として私は持っているわけであります。
 この点について、法務大臣と、それから、代理出産の問題についてはこれまでも厚生労働省の方で審議会といいますか専門委員会とかといったようなものを設けて検討されてきておられますので、両者からそれぞれの見解をお聞かせ願いたいというふうに思います。
○長勢国務大臣 先生は法律の専門家ですから私よりはもっと詳しいわけでございますが、今回、向井さんの問題が世間で騒ぎというか話題になりまして、いろいろな観点からのことが議論されておると思います。
 一つは、子宮を摘出してもう子供を産めなくなっている方がどうしても子供が欲しい……(平岡委員「短く」と呼ぶ)済みません。ということをどうするのか、かわいそうじゃないか、こういうのが今おっしゃいました代理出産の適否の問題でしょうし、逆にまた、だめだと言っていても実際に生まれた子供をどうするのかというのが、これは子供がかわいそうじゃないかという議論ですし、若干、それぞれ分けて議論するべきことが幾つもあるんだろうなという思いがしております。
 ただ、これはやはり相互に密接不可分な関係にあることも事実でありますので、そういうことをうまく整理ができればいいと思うんですけれども、いろいろなケースがあるものですから、今までも議論をした中ではなかなか結論が出ていないというのが現状かなというふうに思っております。
○武見副大臣 代理懐胎につきましては、委員御指摘のとおり、大変、医学、医療の進歩によってこうした複雑な、多岐にわたる問題が提起されるようになったことは事実と思います。これは個人の倫理観にかかわる問題であって、また、医学、医療という観点からすれば、身体的な危険を伴う問題でもあるということがございます。したがいまして、平成十五年の厚生労働省の審議会報告によりましても、それから日本産科婦人科学会の会告によっても、実施すべきではないとされているところでございます。
 この代理懐胎について、現時点では、国民の意見というものはまだ賛否両論、これはコンセンサスができている状態にはないというふうに思います。そして、これを法律で規制するということが果たしてどこまでなじむのかという問題もまたあるかと思います。
 いずれにいたしましても、この国民的コンセンサスの推移を見きわめながら、政府としてどのような対応をとり得るか、これを慎重に検討していきたいと考えております。
○平岡委員 代理出産の適否そのものについてはまだちょっと話をおいておいて、先ほど、親子関係の問題とかあるいは親子関係から生ずる権利義務関係、この問題については法務省はしっかりと考えていかなければいけないと思うんです。
 先ほどの厚生労働省のお話とかというのはもう三年ぐらい前から話として出ているし、法務省も三年ぐらい前からいろいろな中間試案みたいなものも出してやっておられる。だけれども、いまだに何も結論が出ていない、そういう状況の中でこんなことがまた起こってきている。
 私が言うのは、法的安定性とか法的予測性とかといったときは、一々一々裁判で何かやっていかなければわからない、その結論もどうなるかわからないというような状態に国民を置いておくということは、私は非常に不適切なことだろうと思うんですね。そういう意味では、この問題について、しっかりと立法措置をとることによって明確にしていく必要性があるというふうに思うんですけれども、大臣の見解をお伺いいたしたいと思います。
○長勢国務大臣 そういう観点から、平成十五年にも厚生労働省あるいは法務省関連の審議会で議論が行われたわけでございますし、それなりの結論も出たわけでありますけれども、国民的な合意を得るという段階に至らないままに現在中断をしておるというのは、おっしゃるとおりでございます。
 本来、法的措置も講ずることを含めてきちんとしたものができるのが一番望ましいと思いますが、いろいろなケースもありますから、また、個々の事情というものもいろいろあるわけですから、これを法的にきちんと整理ができれば、おっしゃるように非常に安定的になるんですけれども、逆に、それがあいまいになるとまたおかしなことが起こることもありますし、非常に難しい問題だなというのが率直な思いでございます。
 これは国民の合意がまず何よりも大事な問題だろうと思いますが、厚生労働省とも連携をとって、検討ができるように努力していきたいと思っております。
○平岡委員 先ほど言いました中間試案が出てからもう大分たっていますし、先ほどの新聞報道でも出てくるように、いろいろなケースが出てきているということで、だんだんだんだん、やはり何か、早くそれなりの整理を政府としてもしていかなきゃいけない時期に私は来ているんだろうと思うので、立法措置をしっかりと検討していただきたいというふうに思います。
 冒頭予告したとおり、大分質問が残ってしまいました。この臨時国会中にできるだけ全部質問できるようにこれからしっかりと時間を確保してまいりますので、御容赦いただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○七条委員長 次に、石関貴史君。
○石関委員 民主党の石関貴史です。
 大臣就任のごあいさつ、そして所信の表明を受けて質疑をさせていただきます。
 さて、この大臣のごあいさつ、所信をお伺いいたしました。また、いただいたペーパーも改めて読んでみましたが、どうも、非常に淡々としているという印象を受けました、総花的で。
 ぜひ私がお伺いしたいのは、法務大臣の在任中にこれだけはどうしても、これはおっしゃっていることはみんな重要なことでありますから、みんな取り組むということはよくわかるんですが、大臣の意気込みとして、これだけはどうしても在任中にやりたいんだ、そういうようなことを特にお聞きをしたいと思いますし、大臣就任に当たって何かしら特にというものをお持ちなのではないかというふうに思いますので、もう一度そういったものをお聞かせいただければありがたいなというふうに思います。
○長勢国務大臣 網羅的とおっしゃるのはそのとおりだろうと思いますが、それぞれ重要な問題だと認識をしております。
 就任に当たって、総理からも所信で述べましたような御指示もいただいておるわけであります。どれかに絞れと言われましても、これはそういうわけにはいかないわけでございますが、従来私が政治家として取り組んできた問題、再犯防止なりというのは今までも取り組んでまいりましたし、それから外国人労働者の問題はずっと長く取り組んできておりますし、ここら辺も少しきちんとした方向性が出せればなと思っております。また、裁判員制度を初め司法制度改革にも取り組んでまいりましたので、特に、あと二年半後に迫った裁判員制度の実施を円滑にやるにはどういう方法があるかということは、真剣に取り組んでいきたいと思っております。
○石関委員 せっかく大臣に御就任されて、大臣の職責というものも、大臣が発する言葉のアナウンスメントの効果ですとかデモンストレーションの効果とか、大臣として、今まで取り組んできた以上の、本当に大きな影響力をお持ちだと思いますので、ぜひ今後そういったメッセージを強く発信をいただけることを期待申し上げます。
 さて、一点目にお伺いをしたいのは、死刑制度についての御質問を申し上げます。
 大臣御自身、死刑そのものについて賛成の御意見をお持ちなのか、あるいは反対だという御意見をお持ちなのか、お伺いいたします。
○長勢国務大臣 死刑制度については、いろいろな御意見があるようでございます。それぞれに論拠のあるところだと思いますが、昨今、このようにいろいろな残虐な事件も頻発している中で、被害者のこともあり、国民の中には、今、死刑制度そのものをやめるという意見はそんなに多くはないんじゃないかなと思っておりますし、もちろん、死刑というのは大変、生命を絶つということですから、慎重でなきゃならないのはそのとおりでございますが、今直ちに死刑制度を廃止するというふうな状況にはないのではないかと私は思っております。
○石関委員 死刑制度は当面存続をしていくというお立場だと思います。制度がある以上、死刑が確定した方は死刑を執行していくということだと思うのですが、前大臣の杉浦さんは、死刑執行の命令書に署名をされなかったということであります。私も、この場で同じように死刑についてのお考え、杉浦大臣にもお尋ねをした経緯がございます。大臣がかわると、署名をする方もいるし、しない方もいる。過去の大臣の死刑に対する発言や、それから署名をしたしないということも私もこれまで勉強してまいりましたが、大臣は、では署名をされるということでよろしいのでしょうか。
○長勢国務大臣 先ほどは、死刑制度そのものの存廃についての私の考え方を申し上げたわけでございますが、現在、制度はあるわけでありますので、結論からいえば、制度、法律の趣旨に沿って慎重に判断をしなきゃならぬと思っております。
 ただ、死刑は、今も言いましたように、人の生命を絶つということでありますから大変重いものでありますので、そういうことも含めて、また、確定した判決が施行されないということも、また法的な安定性という意味でも問題があるということは言うまでもないわけでありますので、今申しましたように、法の規定をよく考えてこれから判断をしたいと思っております。
○石関委員 これから判断をしたいということですので、まだ死刑を、在任中に執行の命令書に署名をするかしないかは決めていらっしゃらないということでよろしいのでしょうか。
○長勢国務大臣 まだそれをここで明確に申し上げる段階ではないなと思っております。
○石関委員 就任に当たって、これは杉浦大臣にも申し上げましたけれども、法務大臣を受けるに当たっては、死刑制度という大きな問題の責任も負うということでありますので、その態度を明確にしないで大臣に就任されたということに、私は今伺って大変驚いているところもあるのですが、就任されて、今、まだ決められない、判断がつかない、こういうことでよろしいですか。制度はあって、それを粛々と執行していくんだという発言を先ほどなさいましたが、それであっても、死刑の署名はまだわからない、大臣はこういう御答弁をされたという理解でよろしいですか。
○長勢国務大臣 たびたび申し上げますが、裁判所の確定した判決を粛々と実行していくということは当然のことでありますが、一方で、人の生命を絶つという大変重いものでありますので、それも慎重に考えなきゃならない部分があると思います。法の規定に従って、具体的な事案に即して判断をしていきたいということを申し上げているわけであります。
○石関委員 ちょっと私、よく理解ができません。法の規定に従って執行していくのであれば、確定した方については死刑の執行命令書に署名をするということだと思いますし、確定したら六カ月以内に死刑が執行されるということになっているのではないでしょうか。いかがですか。
○長勢国務大臣 法の規定に沿って判断をしていきたい、こう申し上げておるわけでありますので、それをひとつ、具体的に案件が来次第、判断をいたしますので、今の段階で、事前にやるとかやらないとかということを明確にするのはまたいろいろな問題も生じかねませんので、この程度にしていただければと思います。
○石関委員 申しわけありません。なかなかこの程度にできる問題ではないのだろうというふうに思います。大臣就任直後のいろいろな発言を私も注意深く伺っておりましたけれども、私は、署名をされるお立場で大臣に就任されたのかなという理解をしておりましたが、今御答弁を伺う限りでは、わからないということで承知をさせていただきたいと思います。
 この死刑の問題、存廃についてももちろんいろいろな議論があります。そもそも死刑が何のためにあるのか。威嚇的な効果があって、重大な犯罪を犯すとあなたも死刑に処されますよ、こういった効果を期待したりとか、あるいは、重大な犯罪を犯した犯罪者がその次の犯罪を犯さないようにする、こういった予防の観点もあろうと思います。またあるいは、先ほど、例えばサリンの被害者の方は、前大臣が死刑執行の署名をしなかったことについて大変遺憾の表明をされております。こういった、ある意味あだ討ち的な観念というのも、これは人間ですから当然あろうと思いますし、遺族のことを考えてこういったことも考えなければいけないというふうに思います。
 大臣としては、こういったことも考えながら職務を執行しなければいけないと思いますが、既にある制度で、その制度を大臣の裁量によって署名をするかしないかということができるものでは私はないんだという理解をしております。
 大臣は、まだわからないというお考え、先ほどお伺いいたしましたが、それでは、前大臣の杉浦前法務大臣は、署名をしなかったし、そのように表明もされておりました。この前大臣のしなかったこと、態度、姿勢については、長勢大臣はどのようにお考えになっておられるでしょうか。
○長勢国務大臣 前大臣のことでありますので、答弁を直接申し上げることは差し控えたいと思いますが、先ほどるる申し上げておりますように、おっしゃるように、そういう職責を法務大臣として担っていることは認識をしておるということは申し上げたいと思います。
 ただ、やるんだやるんだとかということを申し上げるような事案ではないのではないかと思っておりますので、先ほど来の答弁をさせていただいている次第であります。
○石関委員 諸外国の例ですと、例えばフィリピンなどはその存廃が繰り返されるというようなことがあるようです。最近は、死刑がまた廃止をされたというふうに承知をしております。ただ、日本の場合は、大臣先ほどおっしゃったように、死刑という制度が現に存して、廃止をするという段階には今なっておりませんので、そこの署名をするということを着実に実行されることが大臣としての職責を果たされるということだというふうに私は思います。
 それでは、先ほど申し上げた杉浦前法務大臣、署名をされなかった大臣でいらっしゃいますが、報道によると、事務方からは再三、杉浦大臣に署名をするように説得をしたけれども受け入れられなかった、このような報道がされています。
 例えば朝日新聞の報道では、「法務省の事務当局は法相との攻防を任期最終盤まで続けた。」余り穏やかな表現ではないと思います。「今夏。こんな「説得」も行われた模様だ。」「職責を全うした大臣が終身刑の創設を法制審に諮問するなら重みが違うが、今サインしなかったら逃げているだけだと思われますよ」と、事務当局が大臣にこういった大変強い表現をしている。私も驚きました。「本格的な説得は九月初旬から約一カ月にも及んだ。法務当局は三人の死刑確定者をリストアップし、法相に概況説明。」ということを報道されております。また、これに関して、「小泉首相は「いかなる刑でも、整然と執行されるべき問題」と発言」をしているということが報道されておりますが、こういった事実があったのでしょうか。事務当局にお尋ねをします。
○小津政府参考人 御指摘のような報道がなされているということは承知しておりますけれども、何分、個々具体的な死刑執行に関する事項になりますので、お答えを差し控えさせていただきます。
○石関委員 今のは、とんちんかんな答弁をされましたので、全く理解ができません。そういうことをお尋ねしているのではなくて、事務当局から大臣に対して、ここに書かれているような説得というんですか、職責を全うした云々と先ほど申し上げたような、こういった言動がなされたのかどうか、大臣に対してこういった説得工作を試みたかどうかということをお尋ねしているので、非常にシンプルな質問です。もう一度答えてください。
○小津政府参考人 恐縮でございますが、ただいま御指摘の点につきましても、個々具体的な執行に関する事項であると考えておりますので、答弁を差し控えさせていただきます。
○石関委員 これは全然個々の問題じゃなくて、死刑執行に関して御質問をしているので、全然おわかりにならないようですから、大臣、いかがですか、これは。今の答弁、そのとおりだというふうにおっしゃいますか。
○長勢国務大臣 私は、その記事も正直言って承知をいたしておりませんし、具体的な、前大臣と事務方とどういうやりとりをしたのかも存じ上げませんが、今刑事局長が答弁しておりますのは、内部の議論の中身でありますので、やりとりはしたんだろうと思いますが、それは差し控えさせていただきたいということを申し上げておるんだろうと思います。
○石関委員 大臣の御答弁の方が若干わかりやすかったと思います。
 もう一度事務当局にお尋ねをしますが、恐らく日本語の理解の問題ではないかなと思います。私が尋ねているのは個々の問題じゃないんですよ。何々死刑囚についてどうですかと尋ねているのであれば、今の答弁でもこれは理解ができるということですが、恐らく日本語の理解が余りなされていないように思うんです。もう一度、ゆっくりで結構ですから、今の大臣の発言を受けて、御答弁をお願いします。
○小津政府参考人 死刑の執行は法務省の所管でございます。大臣の権限でございますので、死刑執行に関する制度、システム等につきまして大臣に御説明する、あるいはこれまでの状況について御説明をするということがあるわけでございますし、また、それを踏まえて個々具体的な案件について大臣に御説明をして執行の指揮をいただくということを一般的にしておるわけでございます。
 杉浦大臣御在任中にも、そういう意味で、死刑制度あるいは死刑執行の問題について事務当局と杉浦当時の大臣の間で、当然、私どもがいろいろ御説明をしたということはあるわけでございますが、私が先ほど来申し上げましたのは、具体的に特定の案件についてどうだったのかという点については、個別の執行に関する事項でございますので、御答弁を差し控えさせていただきたい、こういうことで申し上げたわけでございます。
○石関委員 最後のところは必要ない答弁でした、個々のことではありませんから。
 報道では説得というふうに書かれていますが、これは説明をしたという御答弁でしたので、こういう理解をさせていただきたいと思います。
 しかし、それにしても、大臣がかわると死刑が執行されたりされなかったりする。制度があるのに、これは死刑が確定した死刑囚の人たちにとっても、どういうことなのかな、その身になって考えるとそのようにも思います。
 死刑が実際にどのように執行されるか、こういった資料を私もいろいろ研究しましたが、どうも、いつだかわからないけれども突然房から出されて執行されるということのようでございます。また家族、被害者の遺族にとっても、これはどうなったんだろうと。そういった感情を考えると、大臣がかわるごとにある意味やきもきするということは、私は大変な問題だというふうに思います。
 また特に、裁判員制度というのが導入をされることが決まっております。国民の皆さんに、重大な犯罪について裁判員として参加をしていただいて、大変重い責任を負わせるということになります。そういった形で国民の皆さんに広く参加をしていただく制度が導入をされるのに、いざとなって死刑の執行がその時々の大臣によって左右をされる、こういったことでは国民の皆さんにどうやって説明をしたらいいのかと思いますが、大臣はこのことはどう考えられますか。
○長勢国務大臣 我が国は法治国家でございますから、裁判所が法にのっとり言い渡した刑罰の執行については、法の定めに従って厳正に対処されるべきものと考えておりますし、また、今までもそういう考え方で進めてきたものと思っております。
○石関委員 裁判員制度がいざ導入されて、参加された、裁判員になられた国民の方々が、いや、これは死刑だとか、自分がかかわった裁判で大変重い判決が出されたときに、しかしその後、果たしてこれが執行されるんだろうかどうだろうか、こういった迷いや疑念というものを抱かないように、大臣としても、また現にある制度を執行するという姿勢をしっかりと示していただきたいというふうに思います。
 また、死刑の是非という問題と、それから現にある死刑制度の中での死刑の確定をした死刑囚の方々の処遇というのは別に考えなければいけないというふうに思います。
 死刑囚の処遇についてですが、例えば、最近開催されたようですけれども、死刑囚の方がかいた絵の、いのちの絵画展、こういったものが開催をされたということであります。私、ちょっと伺いたかったんですが、時日がとれませんで、伺えませんでした。「死刑囚の絵画や文芸表現展 獄中の制約の中」というタイトルで報道もされております。
 そこで、文芸の表現をするとか絵画をかくとか、こういったものについて、死刑囚に対する制約と、あるいはどこまで許されているのか、そういった部分についての処遇。鉛筆が好き放題使えるのかとか、色鉛筆は、絵の具もどうですよということなのか。絵は外部に持ち出してこのように展示ができるけれども、では俳句はどうなのかとか、あるいは文章はどうなのか。あるいは、コンピューターでそういったものをどこかのホームページに載せる、こういったことは可能なのかどうか。こういったことについて、処遇の面からお尋ねをします。
○小貫政府参考人 絵画の作成につきましては、使用できる材料に制限はございます。しかしながら、ボールペン、サインペンあるいは鉛筆等々の使用は許されておりますので、これらを使っての絵画作成は、通常、確定者の間でなされているところでございます。
 でき上がった作品について、これを展示会等々に直接送るということは一般的には許されておりませんが、親族等、接見交通、面会等を許されている者を通じてそれが手渡されて、それが外部の出展につながるということはあると承知しております。いのちの絵画展もそういうことではなかったかなと思っております。
 なお、短歌や俳句についても全く同様でございまして、親族等、面会等を許される者に対してこれを渡して、これが外部の公衆の目に触れるということはあり得るだろうと思います。
 インターネット、これは死刑確定者については面会できる相手方の制限がございます。現行法は非常に狭うございます。さきの通常国会で審議いただいたいわゆる刑事施設法案ではそれが広げられておりまして、来年からは広がった制度のもとに運用される。例えば重要用務の相手方であるとか心情の安定に資する者であるとか、そういった方々に対しては面会もでき、信書としての交付も可能である、こういうことになろうかというふうに考えております。
 以上です。
○石関委員 まず、鉛筆等を使ってよろしいということなんですけれども、ちょっと私が見た資料の中では、何々拘置所ではこのようだ、こういった資料を見た記憶がございます。拘置所ごとにそういった処遇が違うのかどうかということ。
 それから、今のことに関してはちょっともう一回シンプルに答えていただきたいんですけれども、内容については、接見した相手方とかそういうふうな者を通していけばいいんですが、内容の制限、どこかで検閲をしてこれはだめですよ、そこから外に出るときにそういったことがあるのかないのかということをお尋ねしたいと思います。
○小貫政府参考人 まず、施設によって違いがあるのではないか、こういう御指摘です。以前はそういう違いがあったやに私も報告を受けておりますが、施設のいろいろ組織改編あるいは改善等を踏まえて、それは統一化しようという指示を流しているところでございます。
 あともう一点は何でございましたでしょうか……(石関委員「内容」と呼ぶ)内容は、これは信書と同じ取り扱いになりますので、検閲を経るということになります。規律、秩序に反するようなものは出せない、こういう取り扱いになろうかというふうに思います。
○石関委員 この死刑の問題ですけれども、私は、高校生のときに読んだ本が非常に記憶に残っていまして、これは菊池寛という小説家の「ある抗議書」というものです。青年時代に法務大臣が読まれたかどうか、非常にこれは私の記憶に残っておりまして、この内容は、「司法大臣閣下。 少しのご面識もない無名の私から、」というところで始まるんですが、姉夫婦を惨殺された弟さんの手紙という体裁をとっております。それで、この犯人が捕まって死刑になるんですが、死刑になった後に、この方が書いた、キリスト教か何かに帰依するんですね、それで大変反省をしているという手記が接見をした神父か何かを通して公刊をされて、非常にこの方が、ある意味すばらしい、人間はこんなに改心できるものだということが起こって、その遺族の方が、遺族の気持ちはどうなんだろうということがつづられている小説なんですね。こういった部分にも配慮されるということでしょうか。
 私が申し上げているのは、どっちがいい、悪いということではなしに、処遇として死刑囚の処遇も一定考えなければいけない、また、遺族の気持ちというのも考えなければいけない。自分の家族を殺された遺族が、その死刑囚がかいた絵がすばらしいといって飾られているものを見る感情もあるでしょうし、いつ引き出されて死刑になるかわからない、こういった死刑囚の処遇、鉛筆で何かかきたいという気持ちを満たしてあげたい、こういった部分、大変難しい部分があろうかと思います。
 大臣、いかが考えますか。
○長勢国務大臣 私はその本を残念ながら読んでおりませんが、今おっしゃった、死刑の執行を待っておる人、また被害者の遺族の方々の思い、いろいろあって、非常に悩ましいところだと思います。
 いかに死刑に値するというか判決があった方といえども、やはり落ちついて執行できるような状況にあることがいいんだろうと思いますし、そういう意味で、処遇についてもそういう面での配慮が必要かなと今思っております。
 同時にまた、それが被害者の方々の神経を逆なでするようなことがあったのではまた問題ですから、そこのバランスをよく考えていくべきだと思いますので、また担当者にもよく考えさせるようにいたしたいと思います。
○石関委員 死刑の問題について、あと一点だけ御質問申し上げます。
 この死刑制度というのと同時に、昨年の総選挙でも民主党のマニフェストにありました、重無期刑、仮釈放のない、ずっと刑務所に入ってくださいよ、こういった刑を導入するということがマニフェストにもうたわれておりました。三年以内というふうに記載をされていたように記憶をしておりますが、この終身刑、いろいろ呼び方はあるようでありますが、仮釈放がない、一度入ったらもう刑務所から出てこられないといった刑について、死刑制度とこの刑、終身刑ですか、重無期刑、こういったものの導入と現在ある死刑制度、この両方については大臣はどうお考えになりますか。
○長勢国務大臣 終身刑については、今おっしゃいましたように、仮釈放が許されないということでありますから、一生拘禁されることになるわけで、そうなりますと、受刑者はその人格が完全に否定されるというか破壊されるという非常に非人道的だという考え方もあるわけで、刑事政策上どういうふうに考えるかというのは、非常に大きな問題だと思っております。
 諸外国でも、この制度を採用しておる国というのは、アメリカがそうでありますけれども、比較的少数でありますし、過去に採用して、また廃止をした国もあるというふうに承知をいたしております。
 死刑制度の存廃についての私の考えは先ほど申し上げたとおりでありますが、終身刑については、今申し上げましたようないろいろな議論もありますので、そういうさまざまな観点から慎重に検討すべきものではないかと思っております。
○石関委員 大臣在任中にぜひ、マニフェストにも書かれていることでありますので、一定の方向性や、大臣としてのいろいろな研究が進んだところをどこかでまた表明してもらえればありがたいなと思います。
 続いて、不法滞在者の問題を御質問させていただきます。
 これは法務大臣のごあいさつの中にもあるんですね。「犯罪の温床となる不法滞在者の半減を図るべく、」云々ということをおっしゃられておりますが、先ほどの死刑の問題については特にごあいさつの中では触れられていないということですが、この不法滞在の問題を特にごあいさつの中で触れられている、重要な問題というふうに認識をされている理由は何でしょうか。
○長勢国務大臣 国際化が進む中で、外国人の方々の来日する量もふえておりますし、一方で、いろいろな犯罪の中で占める外国人の方々の率というか凶悪化ということも大変国民が不安に思っておる点でございます。
 そういう意味で、そういう治安を守っていくという観点から、政府としても犯罪対策閣僚会議を設けておるわけで、そこで、犯罪に強い社会の実現のための行動計画というものを定めております。ここにおいて、今後五年間で不法滞在者を半減させるという方針を決めておりますので、法務省としては、この実現のためにもう一息力を入れてやっていきたいなと思っておる次第であります。
○石関委員 それでは、その不法滞在者なんですが、実態として今どれぐらいいるというふうに推定をされていて、どのような推移をたどっているのか。ふえる一方だという理解でよろしいんでしょうか。また、どういった国の不法滞在者が多いのか。こういったことをデータを教えてもらえますでしょうか。
○稲見政府参考人 お答えさせていただきます。
 この五年半減が始まりました平成十六年一月一日時点、この時点での不法滞在者の推計値、あくまで推計値でございますが、二十五万人でございます。
 それがどうなったかということでございますが、この二十五万人は、いわゆる不法残留者、電算機の中で適正に在留しているか不法なのかがある程度計算できる、この不法残留者と、電算機に入らない、一番典型的なのは夜陰に乗じて船で密航してくる人間、これは電算機に入りません、これは全くの推計値ですが、これが、不法残留者がスタートの段階では二十二万、それから不法入国、夜陰の方がおおむね三万だろう、これは計算値でございますが、これでスタートいたしまして、それから二年たった段階でのことしの一月一日現在での不法残留の方でございますが、二十二万でスタートしたものが十九万というところに減少しているものでございます。それで、不法入国の方は計算値でございますので、五年たったところでまた再度計算し直すということを考えております。
 それから、お尋ねの国籍でございますが、ワーストスリーと申し上げますか、不法残留が多いというのは、中国、韓国、フィリピンというのがワーストスリーということになっております。
○石関委員 不法残留をしていたり、では、国に帰ってくださいよということになるんだと思うんですが、このときに、具体的にどういった手順なり、摘発というのはどのように行われているんでしょうか。例えば何か通報があるとか、例えば、不法に滞在している人たちを見つけて捕まえてその国に送還するというのは、具体的にはどんな手順で行われているんですか。
○稲見政府参考人 不法に滞在している者を我が国から排除する、退去強制する類型といたしましては、おおむね三つ。
 一つは、委員御指摘の摘発でございまして、これは、一般の国民の方からの端緒、隣にどうも見なれない変な外国人がいるというようなところから始まるいろいろな端緒。あるいは、私どもが警察官と一緒に摘発いたしますと、それを見て、ああ、ここまでやってくれるのなら、ほかのこのおかしい現象にも対応してくれるだろうというようなことで、摘発がその後の提報を呼ぶというようなこともございまして、そういった提報に基づく。あるいは、関係省庁、関係機関からの連絡もございます。そういうものを端緒として摘発をやるというのが一つのパターン。
 それからもう一つは、いわゆる身柄を受ける、要するに、裁判所で裁判の判決があった、執行猶予になった、それは当然、入管法違反でございますので、そこから先はうちが受け取る。あるいは、警察で職務質問をかけた、聞いたところ不法残留である、それ以外に、入管法以外にどうも犯罪を犯した気配がない、もちろん十分精査いたしますが、そういうものにつきましては、入管法に基づきまして私どもに直接渡していただくということもございます。
 それから、刑務所に入っていて刑期を満了して出てくる外国人犯罪者、これも私どもが身柄をとりに行く。こういう身柄をとりに行って、その後、入管法に定めます手続に乗っけて外国に帰っていただく、これが第二の類型でございます。
 第三の類型は、みずから、自分はいわゆるオーバーステイしたというようなことで、まあ、所期の目的を達したんでしょうか、これで国に帰りたい、そのままストレートに出られるわけがございませんので、こういうことでみずから出てくる出頭申告というようなケース。
 この三つのケース、類型ができまして、それぞれのところで退去強制手続をとりまして、国から外に帰すということになっております。
 以上でございます。
○石関委員 三つの類型があるということなんですが、それぞれ、お帰りいただくのに送還の費用というのはどうなっているんですか。
 例えば、摘発して、捕まえて帰ってもらうというのはあれですけれども、みずから名乗り出てきて、そういう人も、では国で費用を負担してお帰りいただくということになっているのか。あるいは、そういった人の中で、いや、自分はもう十分稼いだのでそろそろ帰りたいんだということで名乗り出てきて、いや、費用はちゃんとあるんです、これで飛行機に乗せてくれということが可能なのかどうか。
○稲見政府参考人 大半のケースにつきましては、委員御指摘の後段でございます。ちゃんと帰国の旅費の分だけお金を持って私どものところへ出てくるというのが大半でございます。
 それから、摘発等をした者あるいは身柄受けの場合、ほかの二類型につきましても、基本的には御自分で、大抵お金を稼いでおりますので、自分のお金で帰っていただく、これが原則でございます。ただ、どうしてもそういう帰国費用の工面ができない、また、それをやっている間に何年もかかるというような場合には、例外的に国費で送還をするという対応をさせていただいているところでございます。
○石関委員 それでは、一つ具体的な事例でお尋ねをしたいと思います。
 私の地元の群馬県で起きた殺人事件なんですが、見出しは「指名手配三カ月 捜査に国境の壁」というのがあります。五月の二十日の記事です。「犯罪人の引き渡し条約なく進展せず」と。太田市というところで運動会の最中に殺人があった、ペルー国籍の男性が容疑者ということで指名手配をされたということなんですが、この容疑者は二〇〇四年九月に強制送還をされてしまった、殺人現場近くで暮らし、別の事件で県警の取り調べを受けていた容疑者であると。
 この人、自分の国に帰って、その国でテレビか何かに出てきて、私はやっていない、こういうことを言っているんですね。とんでもない。犯人かどうかわかりませんけれども、国に帰ってしまって、日本の手は届かなくなってしまっているということであります。
 この事件について、概要、記事ではこうなっているんですが、警察でしょうか、教えてもらえますか。
○縄田政府参考人 お尋ねの事件につきましては、平成十三年十月十四日午前十時四十五分ごろ、太田市に所在します公園の公衆トイレの中で六十九歳の男性が刃物に刺されて殺害されたという事案であります。群馬県警察におきましては、当初、捜査本部を当然設置いたしまして捜査をいたしました。被疑者を特定いたしまして、殺人罪で、十八年、ことしの二月十日に逮捕状を得て、全国に指名手配をして、さらに国際手配もいたしておるところでございます。
 委員御指摘の、当初警察に調べられていたということでございますが、これは平成十六年、二年前でありますけれども、六月二十七日に別の事件で通常逮捕をいたしました。その処分を経た後、入国管理当局において、その十六年の九月二日にもう既に強制退去されておりました。
 したがいまして、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、今、令状をとり、国際手配等もいたしながら追及をいたしておる、そういう段階でございます。
○石関委員 これは、では、前の事件は逮捕されて終わってしまっていたのでもうクリーンになっていた、だから強制送還は別に、そのことについては問題がなかったということなんでしょうか。
○縄田政府参考人 強制送還等の御判断、これは入国管理当局においてなされることでありましょうけれども、私どもといたしましては、十六年の九月二日に国外退去になされたということを伺っておりますけれども、その時点で、その被疑者を殺人事件として特定するまでの材料を持ち得なかったということでございます。事案自体は、非常に多数の方が出入りする場所でありますし、動機等も非常にわかりづらい事案でございまして、群馬県警としても大変捜査に苦労したというふうに報告を聞いております。
○石関委員 私の選挙区も大変外国人の方もふえていて、実際、不法滞在がどれだけいるかどうかということもわかりません。大変ふえているのは事実であります。
 ただ、こういった事案で、もう少し入管と警察の方の連携が速やかにとれていれば強制送還をする前にわかったのかもしれないですし、私が遺族の一人だとすれば、本当に、大変疑わしい人が外国に行ってテレビに出ている、何なんだこれは、私の家族が殺されてこんな思いをしているんだという感情にとらわれるんじゃないかなというふうに思います。
 そこで、向こうでテレビに出ちゃったりしているんですけれども、何か本人が再来日をみずからしなければこの人の取り調べをすることができないということなんでしょうし、日本と外国が犯罪人引き渡し条約というのを結んでいなければ、身柄確保を日本から申し出てできないというふうにここには書かれておりますが、そういうことなんでしょうか。
○松島大臣政務官 まず、今言及されました犯罪人引き渡し条約について少し御説明したいと思います。
 現在、日本はアメリカと韓国との間で犯罪人引き渡し条約を結んでおります。そして、現在締結交渉中という国は一つもないんですけれども、これから始めたいと日本側が申し出て相手に一生懸命働きかけているのがブラジルでございます。御存じのとおり、ブラジルから日本にもたくさんの人が来ている、そういう状況がございます。
 政府といたしましては、我が国で犯罪を犯した後、母国に逃亡する外国人犯罪者の問題は、極めて重要な、きちんと取り組むべき問題であると思っております。犯罪者が逃亡する、逃亡犯罪人のいわゆる逃げ得、委員が御指摘になりましたとおりに、母国に帰ってのうのうとテレビに出て私は悪くないと騒いでいるような、そういうことは絶対に許されないことだという立場をとっております。
 先ほどおっしゃった犯罪人引き渡しでございますけれども、これまで外国から我が国に対して逃亡犯罪人の引き渡しが行われた実績は、アメリカから五件五名、韓国から四件四名、これはいずれも、先ほど申しました犯罪人引き渡し条約に基づいて行われています。
 それ以外に、犯罪人引き渡し条約は結ばれていないところでありましても、法務省及び警察庁によりますと、条約に基づかない形で七件八名の犯罪人の引き渡しを受けております。
 この条約関連については以上でございます。
○石関委員 これは、先ほど政務官がおっしゃったように、日本というのはこういう条約もないし大丈夫だと、非常に悪い人が日本で犯罪を犯しても、自分の国に帰ってしまえば身柄を確保されることがないし、その国で生きていけるんだ、こういった日本が犯罪者に安全な国になってしまっては大変困るというふうに思います。
 それにしても、締結の交渉中が今ブラジルだけだということですか。これはどんどん、もっと交渉してもらって、こういった相互の身柄確保ができるような条約を結んでもらう方が、こういった犯罪の未然防止にもなるし、起こったときに、これがしっかりと解決をされるということにもなるように思うんですけれども、どうしてこれは、アメリカと韓国しかなくて、今ブラジルと交渉中と、こんな少ない数にとどまっているんですか。
○松島大臣政務官 まず、一応確認のために申し上げておきますと、ブラジルもまだ交渉中ではなくて、ブラジルに対して協議、交渉を申し込んでいる、相手が乗ってきてくれるように頑張って働きかけているという、まだ端緒についたばかりでございます。
 先ほど委員がおっしゃいましたように、確かにそのような指摘があるのですが、条約はたとえなくても、求めに応じて相互主義で引き渡してもらうということも、国際的なルールとしては可能でございます。
 先ほど特に御指摘になりましたペルーとの関係で申しますと、ペルーと犯罪人引き渡し条約を結ぶかどうか、この件に関しましては、まず、条約を結ぶとするとちょっと時間がかかりますから、条約がなくてもペルー人の逃亡犯罪人についてはペルー国内で適切に処罰することができるのかどうかという点、そしてまた、これに関しては、ペルーの刑事司法制度など全体的なことを、事情を勘案して検討していきたいと思っております。
 ちなみに、今申しましたペルーの国内法によりますと、ペルー刑法第二条というものの中で、幾つかの条件がありますと、どれかにかなうと、外国で犯された犯罪についてもこの刑法が適用される。その中にこういう条項がございます。ペルー人が被害者である犯罪またはペルー人が犯した犯罪で、ペルー法によって引き渡しの可能性がある犯罪についての説明でありますが、犯罪の犯された国において、つまりこの場合は日本ですね、その国においても違法であり、違法なことをしている、犯人がそうであり、犯人がペルー共和国の領土に何らかの方法で入国した場合、つまり戻った場合、このような場合、ペルーの刑法でも処罰することができます。
 したがって、日本はまずペルーに対して、きちんと処罰してほしいということをしっかりと申し入れる、まずそれをやって、その次に、条約に基づかないでも、相互の引き渡しというか、その引き渡しを求めたいという交渉をやって、さらにそれ以外の選択肢として条約の締結があるように考えていくことができると思っております。
○石関委員 相互で個別にやることもできるしということなんですけれども、ぜひこういった条約もどんどん頑張って締結をしていただいて、決して日本が犯罪者に安全な国にならないように、日本で犯罪を犯しても本国に戻れば大丈夫だ、こういったことがないように、松島政務官はそういうお考えの持ち主だというふうに承知をしておりますので、政務官在任中にどんどんそういうのを進めていただきたいと思いますが、いかがですか。
○松島大臣政務官 私、前国会まではこの委員会に所属させていただいておりました。かねて石関委員の御質問については、若手ながら本当にしっかりした観点でございまして、なおかつ私自身、先ほど来、そうだなと、またうなずきながら聞かせていただいておりました。
 私も同じ考えを基本的に持っておりますので、外国人の犯罪によって日本が危険な国にならないように、そのことは日本国民にとって必要なことであると同時に、外国から日本に対して投資や観光で来る、そういったときに日本が魅力的な国であり続けるためにも、そしてまた、ペルー人その他の人たちにとっても、日本へ行けば犯罪を犯せるということになると、その方の生き方を曲げることになってしまう。ですから、そういうことがないようにきちっと取り組んでまいりたいと思っております。
 以上で、しっかり頑張ってまいります。委員にもどんどん活躍していただきたいと思います。
○石関委員 お言葉のとおり、政務官在任中に存分に御活躍をいただいて、またこういったものを形として残していただきたいというふうに思います。
 大臣にお伺いをいたします。
 不法滞在の関係ですが、入国をしてしまって滞在しているということなんですが、中国残留孤児の関係で、これは報道されている事案です。
 水崎秀子さんという方が残留孤児というふうに認定をされて、認定をするのは厚労省ですか、所管は。中国残留孤児に成り済まし日本入国、こういう報道がされているんですが、水崎秀子さん、残留孤児だと名乗る方が認定をされて、日本に既に住んでいるということです。しかし、実は水崎秀子さんの本物はまだ中国にいるんだということで、取材を受けて、どうもそうらしいという報道でありますが、こういったことは御承知でしょうか。
○稲見政府参考人 委員御指摘の水崎秀子さん、この個人のことにつきましては、個別の事案でございますのでお答えは控えさせていただきますが、一般論として申し上げれば、委員御指摘のとおり、中国残留邦人の可能性があるという方につきましては、日本に入国する前に厚生労働省さんが所要の調査をしております。法務省といたしましては、その結果を踏まえて入国の可否を判断しているところでございます。
 また、一般論でございますけれども、仮に中国残留邦人であることを偽って不法に外国人を入国させよう、そういうことをもくろむブローカーがもし存在するとすれば、これは大変重大な問題でございますので、入管といたしましても、警察など関係機関と緊密な連携をとりまして適正に対処していく所存でございます。
○石関委員 残留孤児の問題につきましては、厚労省の方でこういった調査で認定をするということだと思うんですが、今御答弁にあったとおり、ブローカーがあったりとか、残留孤児を認めるということは、家族だという人が証明をする、本人が名乗り出て何らかの証拠を自分で示すということによって認定をされるんだというふうに思います。個人でできることではありませんから、これは残留孤児の問題でありますが、ほかにもこういったブローカーの存在というのがいろいろ指摘もされているところであります。ここの部分も、不法滞在の半減を目指されるわけですから、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 不法滞在は以上です。
 続いて、大阪拘置所での不祥事についてのお尋ねをいたします。
 このことも、これは大臣、ごあいさつの中で触れられていなかったと思いますが、私、この委員会に所属しての一年間でも大変重大な事案だと思います、法務行政の関係で。
 この問題について、大臣触れられていないんですけれども、気にしていないということはないと思うんですが、心配をしているというほどのことでもないのか、あえて触れなかったのか、大臣のこの問題についてのお考えをお尋ねします。
○長勢国務大臣 大阪拘置所で起きた事件は、いわゆる被収容者の処遇に携わる刑務官が便宜を図った、それの結果、刑事訴追を受けるということでありまして、全くあってはならない問題でございます。非常に深刻に受けとめております。
 司法警察の方で今捜査中でもありますが、当省としても、必要な調査を行った上で改善措置というものをきちんととっていくように、今鋭意調査をさせておるところでございます。非常に深刻に考えております。
○石関委員 この大阪の件というのは、ちょっと時間もありませんから、経緯と、今どんな状況になっているのかということを簡単にお知らせください。
 あと、ほかにもこういった刑務官の汚職とかそういった事案があるのではないかというふうに思います。名古屋の件に関しては河村代議士がしっかりやってくださるそうなので、ほかの部分でこういった事案が、何か問題があれば、そういった部分も教えてください。
○小貫政府参考人 大阪拘置所職員の収賄事件については、まことに申しわけなく、おわび申し上げます。
 事案の概要を簡単にまず御説明申し上げます。
 この事案は二つの山から成っておりまして、大阪拘置所の刑務官が平成十六年の七月三十一日ころから同年の十月六日ころまでの間に、かつてこの拘置所に収容されておりました刑事被告人とその関係者から、観光券一枚、三万六千七百円相当と、ホテル宿泊券等、合計二十一万八千四百六十六円相当、さらには中古車の普通自動車一台の供与を受けたというのが一つの山でございます。
 もう一つは、本年四月一日に、これもかつて大阪拘置所に収容されておりました刑事被告人から現金百万円の供与を受けた、こういう事案でございます。
 この案件につきましては、本年の八月十九日に逮捕された後に、先ほど申し上げた事実によりまして、本年の九月八日及び十月十二日に公判請求をされております。
 現在、行政調査の最中でございます。これまで、実態解明と再発防止を図る、こういう目的のもとに法務省矯正局そして大阪管区局が合同で調査班を組織いたしまして、組織の管理運営の状況であるとか、刑事被告人になっている者の勤務状況、さらには居室指定の状況等々、多くの事柄につきまして、これには研修だとかあるいは人事管理のあり方等々も含めておりますけれども、関係書類の調査、さらには約五百名からの職員から事情聴取を終えたところでございます。ただ、引き続き調査が必要な事態がございます。
 ほかにこういった収賄案件があるのではないか、こういう御指摘で、今のところ調査中でございますが、いろいろ自殺者等々が出ている、新聞報道等に今のところ頼らざるを得ませんけれども、捜査の段階で嫌疑を受けた者がいたというふうに承知はしております。
 いずれにいたしましても、今後、さらに調査を進めまして、原因分析をして改善策を講じてまいりたい、このように存じているところでございます。
○石関委員 公正な司法、法務行政、その携わる刑務官の方が汚職をしている、これは本当に法務に対する信頼を揺るがせる大変な事件だと思います。大臣もあいさつの中で触れられていらっしゃいませんでしたけれども、もちろんそれは念頭にあって、職責を全うされるんだと思いますが、これは何でこういうことにそもそもなってしまうのか。
 例えば、刑務官というのが、報道によると相当な激務だ、こういう報道もされている。激務だから賄賂をもらっていい、そういうものではもちろんないと思いますけれども、そもそも、システムとして、刑務官の処遇とか仕事のサイクルというんですか、こういったものに無理があるのか、それに見合った給料をもらっていないから、これぐらい少しお金をもらおうとか、便宜をしてもらおうということになってしまうのかどうか。こういった疑念もあるんですけれども、これはいかがですか。
○小貫政府参考人 原因等々については、調査、分析中で確たることは申し上げる段階ではございません。また、機会をいただければ御報告申し上げたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、刑務官は現状において過酷な勤務状況にございます。ただ、しかし、多くの刑務官は歯を食いしばってまじめに頑張っているものと私は承知しております。したがって、こういった待遇の悪さがストレートに原因になったかというと、また種々検討してみる余地があるのではなかろうかというのが現在の認識でございます。
 しかしながら、刑務官の待遇につきましては、非常に苦労の多い仕事をお願いしているわけでございますので、給与面ばかりではなく、執務環境あるいは住宅環境あるいは休暇等の取得等々の面で、引き続いてその改善に努力を続けていくべきものと考えております。
○石関委員 刑務官の実態について今の答弁ですけれども、大臣、いかがですか。就任されてそんなに時日もたっていませんから、実際どこまで実態的なことを把握されているかわかりませんが、これは即取り組んで信頼を回復しなきゃいけないし、二度とこういうことがないように、何か問題があるのであれば早急に見つけて改善をするということだと思いますが、実際、刑務所に行かれて刑務官の勤務状態を見たりとか、されていないのであれば、今後されるのかどうか、そういったことも含めて、大臣の取り組みへのお考えをお尋ねします。
○長勢国務大臣 前に副大臣を務めさせていただいたときには一度視察したことがございますが、就任後はまだしておりませんので、いずれまた現場を見たいと思っております。
 おっしゃるように、今、大変刑務所は過剰収容の問題がございまして、職員の方々にも大変御苦労をかけておりますし、またストレスもたまっておることもあろうというふうに伺っております。ただ、この問題とこういう事件を起こすということは、これは関連づけることは許されないことだと私は思っておるわけで、具体的なところはもう少し調べて、また報告を聞かなきゃならぬと思っておりますが、やはり誘惑等もあったり、いろいろな事情もあるんだろうと思いますが、こういうことが生じないように、きちんとした監督体制なりというものも、直すべきところは直すように検討していきたいと思います。
○石関委員 これはいつまでも調査をされても困りますので、早急に、今大臣おっしゃったような手段を講じて、我々に明らかにわかる形でそういった手段を講じていただきたいというふうに思います。期限を、大臣、おっしゃってもらえますか。
○長勢国務大臣 ちょっと今、問題が起きておることはよく承知しておりますので、なるべく早急に方針を決めて対応できるようにしたいと思います。
○石関委員 こういった質疑の時間もたくさんとっていただけるようでありますので、また、その進捗度合いについても、その都度その都度確認をしていきたいというふうに思います。
 私は、たくさん質疑、申し上げたいことを用意しておったんですけれども、時間がなくなってきました。我が党の理事から、一般質疑等の時間も十二分に今国会では確保するんだという意気込みを聞いておりますので、せっかく用意していただいたことについては、どんどんまた違う機会でやっていきたいと思います。
 最後の質問にさせていただきます。
 やはりこの大臣のごあいさつの中で、犯罪者を早期に逮捕し、迅速な裁判、適正な科刑ということをおっしゃっておられます。
 そこで、これは警察ですか、これは直接今大臣ではないんだと思うんですけれども、運転中に携帯電話を使っていると法律違反になる、道交法の違反ということになると思いますが、どういう違反になって、どういう罰が科されるんですか。(発言する者あり)
○七条委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○七条委員長 速記を起こしてください。
 矢代交通局長。
○矢代政府参考人 まことに失礼いたしました。
 道路交通法七十一条第五号の五でございまして、違反をした場合には、三月以下の懲役または五万円以下の罰金、このようになっております。
○石関委員 具体的には、携帯電話で運転しながらやっている人を検挙するというのは、どういう手順になるんですか。
○矢代政府参考人 最も典型的なものは、走行中に携帯電話を使用している者を警察官が現認をいたしまして、これをその場で検挙するということでございます。
○石関委員 現認をしたということで警官が相手方をとめて、停車をさせて、あなたは携帯電話を使っていましたねということで、それが誤認だったということは結構あることですか。例えば、目で見るわけですね、現認するわけですから。電話を使っているといってその人をとめたんだけれども、ああ、やはり違っていました、間違えましたということはよくあることですか。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
 現認をして、その事実があったかどうかを確認するわけでございますが、これは警察官の現認する位置その他の状況によりますので、確かに、その疑いがあったけれども、使用していたことについて十分に立証できないということはあり得ると思います。
○石関委員 これは事前に通告をしてお調べいただいていると思うんですけれども、ちょっと時間がなくなってしまったので、私の方で概略を申し上げますので、事実を後で教えてください。
 これは四月十四日のフライデーという雑誌なんですね。これを読んだ人から私はいっぱい連絡をもらって、地元でも言われたんですが、これに出ているのは道交法違反に関する記事で、写真雑誌なんですけれども、倖田來未さんという歌手ですか、私は余りテレビも見ないのでよくわからないですけれども、何か人気がある人だそうです。警察官に停車を命じられた、それで、私は使っていませんと。「はたして真相はどちらなのか――。実はその一部始終を、本誌は警官より先に目撃していた」と。写真が幾つか出ているんですね。
 この歌手の人は、一人で車へ乗り込んで発進して、すぐに携帯で会話を始めた。電話をしながら、交通量の多い国道をウインカーもつけず、右へ左へと走っていた。警官が停車させた。そこで大変激しいやりとりというか、この女性の方がいろいろ反論をされた。警官も追い打ちをかけて、「こっちはねぇ、二人して見てるんだよ!二人して!!」、これは警官の発言としてここに掲載されているんですね。後で事実かどうか教えてください。「大事な仕事の電話だって、路肩に停めてからじゃなきゃダメなんだよ―」、これも警官の発言。ようやくこの倖田さんは車をおりてパトカーに駆け寄っていって、「すると電話をかけ、通じると警官に手渡した。おそらく警官は、ここでやっと“彼女”であることに気づいたのだろう。」と。倖田來未さんという有名な人だということに気づいたということですね。「先ほどとは打って変わって穏やかな笑顔で話し続ける」「ひと通り話すと、再び警官は苦笑い。女性一人オトせない実に不甲斐ない光景であった。 そんな努力(?)の甲斐あってか、結局、倖田嬢は無罪放免に。」という記事なんですね。
 これは、事実だったらとんでもないことだというふうに思いますよ。電話をかけているかかけていないかという現認というのは非常に単純な作業ですし、なかなか見間違うこともないというふうに思います。やっていない人を捕まえてしまうというのは大変なことですけれども、もしこれが事実だとすれば大変なことだと思うので、こんなことはないだろうということでお尋ねをしたい。
 というのは、これは私、いろいろな人から連絡をいただいて、この人はエロくて格好いいということを宣伝文句にして非常に人気がある。では、こんなんで見逃してもらえるんだったら、私もミニスカートをはいたら見逃してくれるのかとか、芸能人なら見逃してくれるのか、こんなことも随分言われました。こんなことがないだろうという観点から御質問しますが、このことについての事実関係をお願いします。
○七条委員長 所定の時間が過ぎておりますので、手短にお願いいたします。
○矢代政府参考人 まず、交通の取り締まりで、芸能人であるからということで特別扱いすることは、これはございません。(発言する者あり)ございません。
 それで、御指摘の記事に関することでございますが、これは特定個人に関する事案についてでございますので、御説明は適当ではなく、直接のお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、まず一般的には、警察官が通行車両に対して、職務質問の必要があるということでその車をとめることはございます。それから、交通違反につきましては、警察官の現認などの証拠に基づきまして、その事実がありまして、その証拠に基づいて十分な立証ができる場合にはこれを検挙いたします。
 以上でございます。
○石関委員 またいろいろな機会で引き続きやっていきたいと思うんですけれども、法務大臣、逮捕をして、しっかり迅速な裁判をやって、適切な科刑というふうにおっしゃっておりますので、こういったことは法務行政の中で絶対ないというふうに思いますが、改めて大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○七条委員長 新たな質問については入らないようにできればお願いします。
○長勢国務大臣 公正でかつ不安のない、治安を守る立場で一生懸命努めていきたいと思っております。よろしくお願いします。
○石関委員 ありがとうございました。
○七条委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○七条委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。保坂展人君。
○保坂(展)委員 社会民主党の保坂展人です。
 法務大臣、副大臣、そして政務官、御就任おめでとうございます。とりわけ法務大臣には、法務行政のトップとして、国民の声に真摯に耳を傾けていただきたいということをお願いしたいと思います。
 きょうは、十七の高裁、地裁に総計百九十人の方々が、被爆者として原爆症認定集団訴訟ということで闘っておられます。御承知のように、既に大阪、広島などで原告勝訴、国の敗訴の判決も出ております。そういうことで、きょうは、石田厚生労働副大臣にも宮坂審議官にも来ていただいています。また、傍聴席には、被爆をされた十一人の方がいらっしゃっております。ぜひ、この被爆の問題、今日北朝鮮の核実験、こういう事態の中で、唯一の被爆国たる日本がしっかりとこの問題に他の国から見て恥ずかしくない措置をとっていくということを求めていきたいというふうに思います。
 では、まず審議官の方に伺いたいんですが、被爆者の方で現在生存されている方が一体何人いらっしゃるのか、被爆者健康手帳の交付をどのぐらいの方が受けているのか、そして皆さんの平均年齢はお幾つなのか、これについて。
○宮坂政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、現在被爆者健康手帳の交付を受けておられる方々の数でございますが、平成十七年度末の数字でございますが、約二十六万人。それから、平均年齢は約七十四歳となっております。
 以上であります。
○保坂(展)委員 期せずしてきょうの傍聴に来ていただいた皆さんも、平均すると七十五歳で、御高齢の方は八十歳ということでございます。
 しかし、年々被爆をされた方が亡くなってしまうということはあると思うんですが、近年だと何人ぐらいの方が亡くなっていらっしゃるんでしょうか。
○宮坂政府参考人 近年でございますが、毎年約八千人ぐらいの方がお亡くなりになっているという状況でございます。
○保坂(展)委員 厚生労働副大臣に、ぜひこの問題、受けとめながら答弁をしていただきたいんですが、これも基本的な姿勢で、数字とかそういうことではございません。
 先日、被団協、これが大変な苦難の中で五十年の歴史を刻んだ祝賀会がございました。私も党の代表として、また、与野党問わず、全党の代表が祝辞を述べる、被爆者援護のために私たちは力を尽くしていく、こういう各党からのあいさつもございました。そのとき、乾杯の際に、被爆者の私たちはとにかくこの闘いを進めていくために何より長生きしよう、こういう声が響き渡ったということで、私は胸が痛くなるものがございました。
 つまり、このところ、今審議官からお答えがあったように、年がたつたびに幽界に入られる、そういう方たちもいる。他方で、二十六万人の中で認定を受けた被爆者の方は、わずか二千人ちょっとなんですね。非常に狭き門である。これに対して、しっかり被爆者の皆さんの声を受けとめていただきたい。政治家として答弁をお願いします。
○石田副大臣 今、御質問、また御答弁もありましたけれども、おおよそ二十六万人の方が生存されて被爆者健康手帳をいただいている。そういう中で、原爆症の認定はおっしゃったように約二千三百名、二千二百八十名と承知しておりますけれども、それらの方が原爆症の認定を受けている。これにつきましては、入り口から制限をするとか割合を決めるとか、そういうことは一切ないことでありまして、科学的な見解に基づいて原爆症の認定をしている。その結果の数字についてはいろいろと御意見はあろうかと思いますけれども、初めに数字ありきでやっていることではない、このことは御了解をいただきたいと思います。
○保坂(展)委員 副大臣に伺いますが、司法判断で、まさにこの認定基準のことが問題になっているわけですね。例えば爆心地からの距離、非常にそれが狭いんじゃないだろうか、あるいは原爆が落ちてから、その後救護に入った方々の被爆の問題等々がございます。これは国側と、そしてまさに当事者の皆さんの主張がぶつかり合って、司法の場で幾つか判断が重なっている、こういう状態ですね。
 ぜひこれは、認定の基準をもう一度しっかり司法の場は見直すべきだ、見直してはどうかということを求めているんじゃないかと思うんです。この点について副大臣、どう考えますか。
○石田副大臣 先ほども答弁をさせていただきましたけれども、最初から認定の割合だとかそういうことを決めているわけではございませんので、科学的な知見に基づいてやっているということは今お答えをいたしました。
 それについて具体的に裁判の方で、見直すべきだという裁判長の御意見はあったかもしれませんけれども、では、具体的に変わるものについて何かあるか、これについては、今までやはり科学的知見に基づいて、一つの申請者がどのくらいの放射線を浴びたとか、そしてその量と疾病との関係、こういうものについては今までも科学的な知見に基づいて決めてきておりますので、これをにわかに今認定を変えるとかそういうことは考えておらない、こういうことでございます。
○保坂(展)委員 私、社民党の九六年に国会に入った議員ですが、我が党の先輩あるいは超党派で、議員立法として被爆者援護法というのが村山内閣のときにでき上がったわけですね。そして、この道を開いたという点では評価はできても、認定はやはり厳しい、狭い門であるという叫びが皆さん方の中にあるわけです。
 副大臣、厚生労働省は時間を稼いで当事者の方たちが亡くなっていくのを待っているというような、そういうふうには思いませんけれども、しかし、そういうことじゃないかという声は上がっているんですよ。もう時間との闘い、時間との闘いです。
 ですから、司法の一審の判断が出たときに、これまで科学的知見でいろいろやっていた、厚労省はこれでいいといって司法の場で主張した、それはそれでいいです。しかし、再度、虚心坦懐にもう一度突き合わせ、幅広い当事者の皆さんの声も聞いて、この基準でいいのかどうか、これはもう万全でパーフェクトで、あらゆる裁判でこれからどんどん国側の敗訴が続いても一切変えるつもりはないということなのか。耳を傾けていただきたいんです。いかがですか。
○石田副大臣 何度も御答弁申し上げましたけれども、この認定につきましては、頭から数字等を決めているわけではないわけでして、あくまでも科学的な知見に基づいて結論を出している、こういうことであります。
 今、保坂先生がおっしゃるように、広く意見を聞いて、そして認定を変えていったらどうか、こういう御意見でありますけれども、これは係争中のこと以外については広く御意見をお伺いして、援護政策等については充実をさせていかなきゃいけないと思いますけれども、今、原爆症の認定基準を変えろと。これについては、現在のところ、そういう状況にはまだない、こういうふうに思っております。
○保坂(展)委員 小泉内閣が発足したころ、ハンセン病の訴訟の判決がありました。いろいろ世論も沸きました。我々も、野党、与党の皆さんとも、当時、議運の中で、国会決議の文言をめぐって、いろいろちょうちょうはっし議論をして、官邸はやはり決断をしたんです。決断をして、いわばもう争わないという道をとった。
 ですから、これは私、このままあと五年、十年、裁判を続けるのかどうなのかというのは政治判断の問題にかかわると思います。厚労省は、そういう今副大臣が御答弁になっているようなスキームでいるというのはわかります。しかし、今係争中と言われましたけれども、裁判が終わったとき、そして国側が上告をするまでの間というのは、これは一つの貴重な期間だと思うんですね。
 そのときに、実は尾辻元厚生労働大臣が、東さんの訴訟ですね、C型肝炎、この件でお会いしているんですね。昨年だったと思います。それ以降、またいろいろ判決はあるんですが、私、耳を疑ったんですが、厚生労働省へ行っても、お役人も会ってくれない。まして、大臣も副大臣も政務官もいらっしゃる。だれも会ってくれないと言うんですね。いやまさか、それは何かの間違いじゃないですかと。だって、皆さん被爆をされて、こういった非常にぎりぎりの中で、不自由な体を押して厚労省の前に来て、ドアが閉まってガードマンがこうやって何かこんな姿勢で、帰りなさい、こういう対応はやはりないだろうと思うんですね。
 では、ちょっと法務大臣に聞きますけれども、こんなことはないと思って聞くんですが、どうでしょう。例えば、その東さんの訴訟の判決の後、そうやって厚労大臣がお会いになった。それを、ある報道の中で、法定外協議という見出しが出たらしいんですね。法務省から当事者には会うな、係争中なんだから、そんなことは言いませんよね。
○長勢国務大臣 私は事実関係を存じ上げませんので、どういう状況だったのか、ちょっと申し上げかねます。
○保坂(展)委員 では、今聞かれていたと思うんですが、もう平均年齢七十五歳。広島、長崎のあの被爆という体験を持たれて、そして、認定されている方はその二十六万人の中のわずか二千人です。いろいろな症状があったり不自由があったり、やはり認定してほしいという声があり、そして訴訟はずっと続くわけですね。これは延々続けられないじゃないですか。
 私は、人間として、政治家として、法務大臣にもその立場を受けとめていただきたい。つまり、この被爆をされた皆さんの集団認定訴訟というのが起きていることについて、その中身に踏み込むことができないのは重々承知ですが、被爆者の方の叫びがあるということについて、法務大臣、どう受けとめていらっしゃいますか。
○長勢国務大臣 被爆ということは、御本人はもちろんのこと、我が国にとっても大変悲惨な経験でございます。まして、当事者の方々は長い間お苦しみになっておられるわけでありましょうから、できることはしてあげるのがいいんだろうと思いますけれども、当然、政府全体というか国全体としての基準というものも必要な部分でありますので、担当行政庁において、今までそれに御苦労されてきたのだろうと思います。気持ちとしては、そういう気持ちを大事にしながらやっておられるものと思っております。
○保坂(展)委員 もう一度副大臣に本当に本音ベースで答えていただきたいんですが、長い訴訟、しかも相当高齢になってから原告という道を選ばれる。まさに刻々時間はたつわけですね。体の調子も悪くなってくるかもしれない。平均年齢は七十四歳、七十五歳でございます。あと十年、この状態を引きずることは許されないと私は思うんですね。
 ですから、厚生労働副大臣として、厚生労働大臣にももちろん求めたいんですけれども、ぜひこの皆さんの声を、実は尾辻元厚生労働大臣はお会いになっているわけですから、要するに、国が上告するかどうかの境目の時期に皆さんの話をしっかり聞く。その際にはルールもあるでしょう。時間はこのくらいですよということはあるでしょう。しかし、そんなものは紳士協定で、そういうことがわからない皆さんではありません。ぜひ聞いていただきたい。これからは面会謝絶なんということはなしにしていただきたい。これはじん肺とかあるいは肝炎の訴訟当事者からも上がっている声なんですが、いかがですか。
○石田副大臣 先ほどもお答えしたと思いますが、援護施設の充実だとか施策の充実だとか、裁判でやっている最中はなかなか、これは裁判の中でそれぞれの主張をぶつけていく、こういうことになろうかと思いますので、先生がおっしゃった上告までの期間とか、こういうものをどういうふうに受けとめるかということは当然あると思いますけれども、係争中ではなかなか、裁判にかかわるものについては、お会いをしていろいろお話しするのは難しいのではないか。しかし、それ以外のことについては、先ほど申し上げましたように、援護施策の充実とかそういうことについては、これはもう一切耳をかさないとか、そういうことではないと私は思っております。
○保坂(展)委員 今の副大臣の答弁、前向きに受けとめさせていただきました。
 そこでなんですが、きょうは時間が限られていますので、ちょっと五点ほど要望だけ、答弁はいいですから、要望だけ出させていただきたいと思います。
 一番目は、原爆症認定が発足してから現在に至るまで、境界領域といいますか、認定と不認定の境目のケース、ここは認定で、ここは認定じゃない、そこについて事例を明らかにしていただきたい。実は、最高裁判決で一回確定をしているんですが、それ以降、むしろ認定基準が緩和じゃなくて縮まっているという被団協の皆さんの指摘もあるんですね。ここを聞かせていただきたいというのが一点。
 二点目は、C型肝炎について却下処分が取り消されたんですが、その後、C型肝炎の皆さんに対する扱いはどうなっているのか、これが二点目です。
 三点目は、認定の審査方針は、だれがどのように作成されているんだろうか。まさにこれは重大なところですね。これは最高の科学的知見を反映してというふうに今副大臣もおっしゃったんですが、どのように反映をされているのか。その最高の科学的知見は、多分日ごとに更新されていくものだと思いますね、科学的知見ですから。そういうことがどうなっているのか。
 四番目に、審査委員に厚生労働省は大阪や広島判決を配付し、説明をしたのかどうか。その際、その審査委員が、何か質問とか意見とか、ここはどうなっているんだ、そういうやりとりがどうあったのか。
 それから五番目に、被爆者援護予算について、認定者の医療特別手当の予算はどのくらいあるんだろうか。先ほど副大臣は、最初に数があって決めているわけじゃないというふうに何回もおっしゃっていると思うんですけれども、ただ、予算の制約と認定数、つまり、予算はこれしかないから、厚生労働省としては認定したいんだけれども、この二千三百どまりですという関係になっているのかどうかなんですね。
 以上五点などについて、ぜひ私も一緒に当事者の皆さんとお聞きをしたい。これについて、副大臣、どうでしょうか。今、中身じゃないです、中身はもう時間がかかりますから。
○石田副大臣 今先生が五点にわたって要望ということでお話をいただきましたが、これは今ここで初めてお聞きをする話でもございますので、これは持ち帰って検討したい、こういうふうに思います。
 それと、最後に五点目で、予算の制約があるんじゃないか、こういうお話でしたけれども、これは私は、原爆症の認定に関して、最初に数ありきではない、こういうことを申し上げましたが、同じく予算上の制約ありきで原爆症の認定が左右されることはない、このことは申し上げておきたいと思います。
○保坂(展)委員 ぜひ持ち帰って検討していただきたいんですが、最後に副大臣にもう一度お聞きします。
 我々は、与党と野党に分かれていますけれども、重要な問題、これは、今、この日本で被爆をしたという歴史的事実、それを現在お元気でいらっしゃって語ることもできるし、また、残りの人生をどういう心情で過ごすのかというところで、これはやはり政治決着が私は必要だ、政治解決というふうに言えばいいんでしょうか。つまり、そういう方面について副大臣はどうお考えですか。
○石田副大臣 最初に審議官から、被爆者健康手帳の交付を受けた方の平均年齢は何歳か、こういう問いに対して、約七十四歳です、こういうお答えを申し上げたと思います。ですから、この七十四歳という年齢はそんなにもう若くはない年齢である、こういうことはしっかりと承知をして、いろいろと考えていきたいと思います。
○保坂(展)委員 それでは再度副大臣及び審議官に、今五点挙げましたけれども、ぜひ積極的に、厚生労働省は別に扉を閉めているわけじゃないということをぜひ示していただきたいということを要望して、この点については終わりたいと思います。どうぞお引き取りいただいて結構です。
 次に、このテーマなんですけれども、いろいろとこの法務委員会で、通常国会で議論になりました共謀罪なんですが、例えば、政府は九九年に、共謀罪というのは日本の法原則に合わないんだ、こういう主張をされていますよという新聞記事が出たりとか、これは私驚いたんですが、アメリカが留保をしていた、批准をするときに。私も初めて知りました。そして十月六日には、共謀罪の成立、今国会は困難と与党幹部が語ったと。これは語ったというよりは、重要法案の中に入っていなかったという記事なんですけれども、しかし、これだけ大きな問題が出ている以上は、この新聞記事を信じて、ですから、きょうは法案ではなくて、法案の前提となる条約をめぐる事情はどうだったのかということを聞いていきたいと思います。
 まず、アメリカ合衆国の留保を外務省はいつ、どのような形でキャッチしたんでしょうか。簡潔にお願いします。
○西政府参考人 お答え申し上げます。
 外務省といたしましては、在米の大使館からの報告によりまして、アメリカの上院において本条約の締結が承認されたこと、及びその際に御指摘のような留保を付すことが求められておるということは、昨年十月中旬に承知いたしております。また、その後、同大使館からの報告により、米国が本条約を締結したことを昨年十一月初旬に承知いたしました。さらに、その後、国連のホームページを通じて、実際に米国が御指摘の留保を付した上で本条約を締結しておることを確認いたしております。それが時間的な経緯でございます。
○保坂(展)委員 今の答弁だと十月というんですが、十月何日くらいかわかりますか。
○七条委員長 答弁できますか。
○西政府参考人 手間取りまして失礼しました。
 十月十二日付で、私ども、電報を受けております。(保坂(展)委員「それは留保ということですか」と呼ぶ)
 はい。今のアメリカの事情について私どもが知った日付でございます。これは電報でございます。
○保坂(展)委員 そうすると、これは何なんだろうね。法務委員会会議録、平成十七年十月二十一日、小野寺大臣政務官、「米国につきましては、共謀罪の規定を既に有していたところ、同条約第五条との関係では特に問題なく法整備が可能であったものと承知をしております。」二十一日にこう答弁しているのはどういうことですか。
○西政府参考人 アメリカ合衆国の法律の構成について若干御説明させていただきます。(保坂(展)委員「いやいや、そんなことは要らないです」と呼ぶ)済みません、そこがちょっと必要なものですから。
 先生御存じのとおり、アメリカは連邦、州、二階建ての法構成をとっております。連邦法につきましては、すべての連邦犯罪を対象とする共謀罪の規定がございます。これは法律集の第十八編三百七十一条でございます。そして、全米各州におきましてさらに州法がございまして、そこにそれぞれの制度があるわけでございます。
 私ども、その関係で、冒頭申し上げましたように、まず、アメリカ側の留保というものについて承知したのが先ほどの日付でございまして、その段階で私ども承知しておりましたのは、今のような米国の法制度上、共謀罪というものがあるという認識がまずございました。その後さらに調べをかけまして、細部、州の状況、そのほかを把握したような次第でございます。
 以上でございます。
○保坂(展)委員 それでは、御就任になった松島さんに伺います。
 この議員席で与党の議員としていらっしゃったとは思うんですが、今の説明、アメリカが留保をしていたということですね、大変重大なことだと私どもは思います。また、答弁において、これは民主党の平岡議員に対する小野寺さんの答弁だったんですね。特に問題なく法整備が可能であったものと承知しておりますというふうに我々議員が聞くと、これは留保したとかこういうことは言っていないわけで、こういう答弁をどうとらえられますか。
○松島大臣政務官 そのような形での質問とは思わなかったんですけれども、今、留保ということについて非常に大きく取り上げておられるわけですが、アメリカにおきまして、留保というのはごく一部のことでございます。御存じのように、基本的に、もともと共謀罪がアメリカにはあるわけでございます。今事務方から説明がありましたように、連邦法と州法とのその問題の違いにより、ごく一部の州法に一部のことでかかっている、でも、全体として見ると共謀罪が連邦法でかかっているということでございますので、このことと、我が国において内乱罪や爆発物取締法違反を除いて共謀罪が全くないという状況とは全く別のことで、同じように引用されるのはいかがかと思っております。
○保坂(展)委員 松島大臣政務官にさらに続けて聞きます。
 今いみじくもおっしゃいました、アメリカにおいては連邦法で共謀罪がある、州法があると。その州法の中にも共謀罪がしっかりあるところがあって、しかし、幾つかの州においては限定的な共謀罪しかない州があるので、いわば州と州をまたぐ犯罪については連邦法がかかり、国際的通商犯罪についても連邦法がかかるが、限定的な共謀罪しかない幾つかの州においては連邦法が適用されないという部分について、アメリカ連邦政府がその州政府に対して州法を変えろということはやらないよというのが留保の内容ですよね。だから、見解は変わらないと思うんです。その州というのはどこですか、幾つかの州は。
○松島大臣政務官 幾つかの州と申しますのは、一般的な共謀罪の設定、規定がございません州は、アラスカ州、オハイオ州及びバーモント州、この三州でございます。ここにおいて、殺人などの一定の類型の重大な犯罪を対象とした共謀罪が設けられておりますが、それが設けられた上、共謀罪の対象とされていない犯罪の共謀についても連邦法上の共謀罪またはその他の連邦法犯罪によって処罰が可能である場合も多い。つまり、この三つの州、アラスカとバーモントとオハイオ州において、ちょっと例外的な規定があるけれども、全体の連邦法でカバーされているということでございます。
 以上です。
○保坂(展)委員 ちょっと論理的におかしいんですね。そうしたら、連邦法で全部カバーされていたら留保する必要はないんですよ。どうですか。だって、全部カバーされていたら留保する必要ないじゃないですか。例外があるから留保したんですよ。
○西政府参考人 今政務官からお答えさせていただきましたように、アラスカ、オハイオ、バーモントの三州におきまして、殺人などの一定の類型の重大な犯罪を対象とした共謀罪が設けられている。さらにその上、共謀罪の対象とされていない犯罪の共謀についても、連邦法上の共謀罪またはその他の連邦犯罪によって処罰が可能である場合も多い、こういうふうになっております。
 いずれにせよ、国際組織犯罪防止条約が犯罪化を求めている行為につきましては、連邦法によっても州法によっても犯罪とされない部分はほぼないというのが、アメリカ政府に問い合わせた結果受けておる回答でございます。
○保坂(展)委員 外務省が「米国の留保についての政府の考え方」というのをホームページにわざわざ出しているんです。一番目は、今、西さんが説明したようなことですね。連邦法と州法の関係によって留保、解釈を行っている。二番目が大事なんですよ。二番目が、「本条約で犯罪化が求められている行為について、連邦法によっても州法によっても犯罪とされていない部分はほとんどないという回答を得ています。」ほとんどないという日本語は、恐らくないという日本語もあって、全くないという日本語もあって、大分違うんですね。ほとんどないという日本語は、少しはあるという場合にも使われるわけです。
 そこで聞きたい。では、アラスカとバーモントとオハイオの三州の、この条約がいわば対象としているような犯罪で、アメリカの留保によってこの行為は犯罪化しないという行為を具体的に挙げてください。どういう行為なんですか。
○西政府参考人 お答えさせていただきます。
 ただいま先生御指摘のように、ほぼないということがまず第一の回答でございまして、私どもも、具体的にその三州でどのようなものがほぼないの例外に当たるのかにつきまして、これを今、在外公館を通じて調べております。まだ残念ながら回答を得ておりませんが、大至急調べて御回答させていただきたいと思います。
○保坂(展)委員 では、松島大臣政務官、今ほとんどないというふうにホームページに書いているんですね。ほとんどないけれども、本当にないのかどうか、今調べているということなんですよ。これはまずい。だからぜひ早急に、事務方はいいですよ。つまり、ちゃんと報告してくださいよ。しっかり報告してください。その指導をしてください。
○松島大臣政務官 保坂委員の御質問ももっともな部分があると思います。
 ほとんどないという丸い説明を、アメリカは回答してきました。これに対して、日本の方がさらに突っ込んで、ほとんどないというのはどういうことであるか、これだけはあるのかどうかということはできるだけ早く調べさせて、この委員会でも御報告をさせていただきたいと思っております。
○保坂(展)委員 では、事務方に聞きますけれども、我々はもっと早く聞きたかったですよ、アメリカは留保しているんですよというのを、去年から。何で教えなかったのかなと思うんですね。
 ちょっと経過を教えてほしいんですが、アメリカ政府に、いつ、だれに、どのような形で、口頭なのか文書なのか、照会をかけたかけ方ですね、どの機関にやったか、外務省組織犯罪室だと思うんですが。それが今度逆に相手側から、いつ、どの機関から、どういうルートで、文書で口頭で、どんな形で日本側に回答があったのか、この事実関係を簡潔に。
○西政府参考人 お答え申し上げます。
 調査の経緯でございますが、まず、昨年十二月中旬以降三月中旬までの間に、在米大使館の書記官がアメリカ国務省法律顧問部の担当官と面会しまして聞いております。本条約で犯罪化が求められている行為について、連邦法によっても州法によっても犯罪とされていない部分はほとんどない、こういう回答をまず口頭で得ております。
 その後、さらに本年九月初旬、再度在米の我が方の書記官が国務省の法律顧問部の担当官と面会いたしまして聴取いたしました。改めて、本条約で犯罪化が求められている行為について、連邦法によっても州法によっても犯罪とされていない部分はほとんどない、このような回答を口頭で得た、これが経緯でございます。
○保坂(展)委員 そうすると、松島大臣政務官、どうですか。ほとんどないというのは、今三州を調べてみたらやはりありませんでしたと。私は、外務省の説明でも、保坂議員、ほとんどこれはないんですよ、ほとんどゼロです、こういう例外化される行為は。でも、一応念のため留保しておこうということで、留保というのはそんなに簡単にできるものなのかなと思うんですね。
 やはりアメリカという国ですから、州法もしっかりその自律性を大事にしている。その中で、この条約に前提をつけずに入ってしまえば、州法の中でちょっと例外化される部分が出てくるということを把握しているから留保をしたんじゃないかと思うんですね。その点の事実関係はどうですか、どういうふうに感じますか。
○松島大臣政務官 保坂委員が多分に政治家としての意味を込めて私にお尋ねのように感じられますので、お答えさせていただきます。
 ほとんどない程度はどれぐらいかということの議論よりも、我が国に共謀罪というものが全くなく、それによって条約が締結できないでいる。ことし七月に訪日したコスタ国連薬物犯罪事務所事務局長からも、この点に対し、早く締結してほしいという期待が表明されている。共謀罪の創設がないと、法律によって創設されないと条約が結ばれないということの方が大きく分けるとずっと重要なことで……(発言する者あり)
○七条委員長 御静粛にお願いします。
○松島大臣政務官 ほとんどないが何万分の一ないかどうかということより重要なことであると私は考えております。
○保坂(展)委員 ちょっと委員長、これはすごく大事な議論で、大変国民の関心も高い中で、アメリカが留保をしていた理由について聞いています。委員長からも、政務官が一応資料を出すというふうにおっしゃっていますから、しっかりこれは説明をするように、そして留保についても、そんなに簡単に私は留保はしないんじゃないかと思うんですけれども、その辺についてもしっかり外務省に調査を求めていただきたい。委員長にお願いします。
○七条委員長 資料の提出をできるだけ早くするように、私の方からも要請をしておきます。
○保坂(展)委員 次に、私もこういう国があったのかと初めて聞いたんですが、セントクリストファーネービス。ちょっと聞いたことがないんですね、セントクリストファーネービス。英連邦で、カリブに浮かぶ島で、五万人ほどの人口で、国会議員が十一人ということだそうです。日本からも観光客も余り行っていないみたいなんですが。
 英連邦の国で、この国は条約に従って共謀罪をつくった。共謀罪をつくったんですけれども、何と、国と国をまたぐそういう行為でなければ犯罪化されない、まさに民主党の修正案にあったような国際性、越境性を要件として新法をつくってしまった、そして留保、解釈していない、こう聞いているんですが、外務省、どうですか、事実関係は。
○松島大臣政務官 御指摘ありましたセントクリストファーネービス、こういう国が、保坂委員も余り御存じなかったとおっしゃいますカリブの島の国が、二〇〇二年に組織犯罪法をつくりました。その法律の中には、確かにこの犯罪について、二以上の国において行われる場合といった国際性の要件に相当する条件を付していると考えられる規定はあると承知しております。
 おっしゃいましたように、余り日本などと行き来のない国でございます。その国についてのことをどうして御質問になるのかよくわかりませんが、これがあるから日本もまねしろとおっしゃる意味は、いま一つよくわかりません。
○保坂(展)委員 再度聞きます。
 九九年、アドホック委員会で日本政府はまことに謙抑的な提案をしているんですよ。この条約を世界各国が締結できるようにするためには、世界じゅうは英米法と大陸法だけじゃありませんよ、ほかの法制の国もたくさんあります、それらの国で受け入れられるようなことにしなければいけないということを指摘しているんですね。
 これを読んでいて思ったんですが、国内法を新たに大幅につくりかえたという国というのは、私、質問主意書を出したら、ノルウェーだけというふうに聞いているんですね。ほかの大陸法でない、英米法でない多くの国々はどうしているんでしょうか。
○西政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど政務官から御答弁させていただきましたセントクリストファーネービスの事実関係について、一点だけ補足させていただきたいと思います。
 先般、私ども、同国政府に照会いたしましたところ、その回答によりますと、二〇〇二年に組織犯罪法が成立したものの、同法はいまだ施行されておらない、さらに、同法は国際組織犯罪防止条約上の同国の義務に照らして近く見直されることになっている、以上の回答をまず得ております。
 それから、先ほど委員御質問の点、ノルウェーがあるというふうに承知いたしております。委員御承知のとおり、ノルウェーは、二〇〇三年九月二十三日に本条約を締結いたしましたが、それに先立ちまして、本条約上の義務を履行するために、二〇〇三年七月四日に刑法を改正したと承知しております。この改正によりまして……(保坂(展)委員「ほかはどうなっているんですかと聞いているんです」と呼ぶ)はい、済みません。それによって必要な手当てをしたということを承知しております。
 さらに、本条約第五条1(a)の(ii)、これを実施するために新たに国内法を整備した国としては、例えばニュージーランド、オーストリアがあると承知いたしております。
 それから、先ほど私が事実関係で御報告申し上げました、在米大からの報告、本年九月初旬と申しましたが、誤りでございまして、九月下旬でございました。謹んでおわび申し上げます。
○保坂(展)委員 では、大臣政務官ですね、やはり政治答弁だからね。
 要するに、我々は、この条約について必要性はあると思っているんですよ。社民党は反対しましたけれども、こういう共謀罪は反対なんだけれども、共謀罪など謙抑的にきちっとつくって、やはり条約に入る工夫も考えていいと私は思っています。その意味では、各国でどうしているのかというのはすごく大事なんです。だから、イスラム法の国であるとか、アフリカはどうなっているのかとか、アジアはどうなっているのか、外務省に聞いても、さっぱりわかりません、鋭意調べますということを六月も言っておられました。しっかり調べてほしい。いかがでしょう。
○七条委員長 時間が過ぎておりますので、手短に。
○松島大臣政務官 御指摘を受けたようなことについてはしっかり調べさせていただきたいと思っております。
 ただ、我が国において必要だというのは、我が国がやはりこれだけの経済規模そして人口を有して、外国との行き来があり、国内においてもさまざまな新たな犯罪が組織的に行われているから、この条約及びこの法律が必要なのかと思いまして、すべての国の、ちっちゃいちっちゃい国とか、余り外国と行き来のない国とかをすべて調べる必要があるかどうかは別ですが、極力、おっしゃるとおり、英米法以外の国についても調べさせて御報告をさせていただきたいと思っております。
○保坂(展)委員 留保についてもしっかり調べていただきたいということを申し添えて、終わります。
○七条委員長 次に、横山北斗君。
○横山委員 民主党の横山北斗です。
 十八日の法務大臣のあいさつを聞きまして、法務行政の諸課題について、世界一安全な国日本の復活を目指す、より安全で安心な社会の構築を図る、こういったことが大きな柱になっていたろうと思います。きょうは、その中で特に、より安全、安心な社会の構築ということで大臣があいさつの中で述べられましたことにつきまして、幾つか取り上げて質問をしたい。私、きょうが法務委員会に配属されて最初の質問です。大臣、副大臣、大臣政務官、いらしている皆様に少しずつお答え願えればと思っております。
 まず最初は、更生保護制度についてお尋ねいたします。
 近年、保護観察の対象者が再び重大な犯罪を起こすケースが続いております。私は青森県に住んでおりますが、隣の市の五所川原市で保護観察中の人が、保護観察の引き継ぎというんですか、それが上手にいかない二カ月間の間に再び女性を監禁するという事件がありました。きょうは、別にその責任を問うということではなく、安全、安心という観点から、保護観察官、保護司の現状について総合的にお尋ねしたいと思っております。
 まず、更生保護のあり方につきまして、本年の六月に、「更生保護制度改革の提言 安全・安心の国づくり、地域づくりを目指して」というのが更生保護のあり方を考える有識者会議の報告書として提出されました。ここで、民間ボランティアの保護司や民間の更生保護施設への過度の依存、こういった問題点が指摘されているとともに、とりわけ、保護観察官の数をふやすよう倍増が提言されています。
 まず最初に、この保護観察官の抜本的増員の必要性ということにつきまして、大臣の御意見を伺いたいと思います。
    〔委員長退席、上川委員長代理着席〕
○長勢国務大臣 一昨年以来、保護観察対象者による重大再犯事件というのが相次いでおりまして、まことに遺憾なことでございます。この再犯防止対策というのは、一つの大きなこれからの法務行政の課題だと思っております。
 そのこともあって、保護観察を初めとする更生保護制度につきまして、今御指摘の更生保護のあり方を考える有識者会議の最終報告が六月に出されたところでございまして、そこにおいて、緊急に取り組むべき課題として、重大再犯を防止するために、重点的に保護観察を行うべき対象者に対して、保護観察官による接触頻度を高め、科学的、体系的なプログラムを実施するなど、保護観察官の直接的関与を強めた特別処遇部門を設置すること。また、二番目に、保護司の民間活力を生かしつつも、保護観察官が前面に出て、保護司に充実した指導助言を行い、必要な場合、直ちに仮釈放の取り消し等の措置を含む適切な対応をとることができるよう協働態勢を強化することなどが挙げられております。
 そして、これらの課題を実現し、再犯防止に関する国民の期待にこたえていくためには、現場の第一線において保護観察事件を担当する保護観察官の数を大幅にふやす必要があるというふうに述べられております。保護観察所がこれらの重要な課題に適切に対応していくためには、今の現場の第一線においてこの仕事に従事しておられる保護観察官の数をふやすということが最も必要な問題であります。
 そのため、第一線の保護観察処遇に保護観察官を重点的に配置をするように保護観察所に専門官制を導入し、機動性、柔軟性の高い組織に改めることを計画しておりますが、このほか、地方公共団体との連携強化や保護観察官の専門性を高めるなどの意見もいただいておりますので、いずれにしても、この保護観察官の増員、その他体制の整備ということを今後重点的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○横山委員 それでは、お尋ねします。
 更生保護官署の現状について、現在の保護観察官の人数、それから、今増員ということを言われましたけれども、資料によると四十五人ほどということなんですが、その数、具体的には保護観察官が今何人いて、保護対象者はどれぐらいいるのか、大臣に伺います。
○長勢国務大臣 保護観察対象者は、大きく四つの種別がございます。つまり、家庭裁判所において保護観察の決定を受けた少年、それから少年院を仮退院した者、刑務所を仮釈放となった者、刑事裁判所において保護観察つきの執行猶予の判決言い渡しを受けた者、こうなっておりますが、これら、全対象者は、十七年、昨年一年間の取り扱い事件数は約十三万件ということになっております。
 一方、保護観察所、保護観察官の定員は、十八年度、千十八人であります。このうち、保護観察所長、課長などの管理職や犯罪予防活動等の事件関係以外の業務に従事している保護観察官を除いた、第一線で保護観察等の事件に従事している観察官は約六百五十人ということでございまして、具体的に保護観察中の方々に観察官が直接いろいろな対応をするということは非常に手薄だというのが偽らざるところだろうと思います。
 このため、保護司の皆さんとの連携も大事であると同時に、観察官の増員ということが喫緊の課題だと思っておりますので、平成十九年度の概算要求におきまして、今とりあえず四十五人の増員を提示しておるところでございますが、さらにそれを理解を得るように努力していきたいと思っておるところでございます。
○横山委員 そうすると、千人に一人ぐらいということでよろしいのかな。
 それで、先ほど、大臣が保護観察官の専門性を高める必要性ということも述べられました。この保護観察官の任用制度につきまして、現在は、普通に公務員試験を受けて、1種、2種試験を受けて合格して、関連分野で合格した人がこちらに配属されるという仕組みになっています。しかし、より専門性を高めるという観点からすれば、家庭裁判所の調査員のように、一般の公務員とは別に、保護観察官となるための任用制度、これを導入してもいいのではないかという意見もあります。
 これは、更生保護のあり方を考える有識者会議の報告書が六月に出たのを受ける形で、日弁連が九月にその報告書に対する意見書を出しておりまして、その中に記されていたことなのですけれども、こういう考え方があることに対しましてどうお考えか。それでは、大臣政務官の方、よろしかったらお願いいたします。
○奥野大臣政務官 保護観察官の制度に関して、今おっしゃったように、有識者会議等からは任用制度の導入を考えるべしというような意見が出ていることは事実でありますが、現在、保護観察官については、国家公務員1、2、3種の試験の合格者の中から、更生保護に意欲と関心を持っている人たち、そういう人たちを面接の上、法務事務官として採用し、そして、特に一番多い層でありますが、2種試験の合格者について言いますと、五年の時間を経過した後で保護観察官になるという制度を運用しているわけであります。
 しかしながら、今おっしゃったように、有識者会議で任用制度を採用すべしとか、あるいは日弁連からも、一般の公務員枠とは別個の、保護観察官となるための任用制度をつくったらどうだ、こういう意見もあるわけであります。
 確かに、そういった専門試験を導入するということについては、保護観察官になる意欲の高い方とか、ある程度専門的な知識を持っている方を採用する上ではいいわけでありますけれども、保護観察というのはやはり相手が人間でありますし、非常に手厚く保護観察するという必要性がある。そういう意味合いからいうと、専門的知識もさることながら、対人接触能力とか共感性とかを持ちながら、温かみのある人間性豊かな対応というものも必要だろうと思うんです。そういう意味合いからいいますと、やはり幅広く知識を持っている中で、特にそういう専門知識を持っている人たちを選んでいくということも、今の段階ではそっちの方が有用ではないかというふうに考えているわけであります。
 そういう意味合いから、今年度は、国家公務員2種試験の専門科目の中に、保護観察官の素養として望ましい要素である心理学あるいは教育学といったようなものも選択項目として入れているわけでありまして、今はそうでありますけれども、確かに有識者会議の御意見も検討に値するなということで、任用制度についても引き続き研究していきたいと思います。
 それからもう一つは、保護観察官の研修についてももう少し考える必要があるんじゃないかというようなことも考えておりまして、保護観察官についても、できるだけ奥深くいろいろとチェックができる能力を養ったらどうだという意味合いで、一つの保護観察事件の処遇のすべてを保護観察官で直接担当させるとか、あるいは刑事事件の捜査、公判、矯正の実情を理解させようじゃないかとか、あるいはほかの事件の刑事司法機関に一定期間派遣して実務研修をさせようじゃないかとか、そういった意味合いで、幅広く研修をさせるというような考え方も今検討中でございます。
    〔上川委員長代理退席、委員長着席〕
○横山委員 保護観察官につきましては数は少ない、今お話を聞けば、なるほど一理あるなという考えは持ちます。専門性を高めるのがいいのか、より幅広い知識を持った人を登用する制度を存続するのか、そういう点で、今の話はよく理解いたしました。
 それでは、保護観察官とともに、現実に保護対象者とタッチするというか関係するのは保護司です。この保護司の現状について伺いたいんですけれども、一般に、保護司というのは前任者が後任者を推薦して決めていくというような話を伺ったことがありますけれども、現実においてどうなっているのでしょうか。保護司の供給源という点についてお尋ねいたします。
○藤田政府参考人 保護司になっていただくための手続でございますが、これは保護司法に規定がございます。
 まず、保護観察所長が、保護司候補者の委嘱の可否につきまして、各保護観察所に置かれております保護司選考会の意見を聞くこととなっております。この選考会の委員でございますけれども、一般的には、裁判所長とか検事正、弁護士会長、都道府県公安委員会の委員長、学識経験者等によって構成をされております。選考会におきまして、保護司候補者が、保護司法の三条一項に規定されております、例えば社会的信望を有することとか職務の執行に熱意や時間的余裕があることなどの観点から審査を行いまして、選考会において保護司に委嘱することが相当であるというふうに判断がなされた場合には、保護観察所長がそれを受けて法務大臣に推薦をする、法務大臣は推薦を受けた者のうちから保護司を委嘱するということになっております。
 委嘱の枠組みは以上のようなとおりでございますけれども、保護観察所長が保護司選考会に委嘱の適否を諮る保護司候補者につきましては、各保護区の保護司会から推挙をいただいております。この保護区と申しますのは、保護司の職務執行区域でございます。全国で今八百七十八個の保護区がございまして、保護区ごとに保護司会がございます。この各保護司会におきましては、退任する保護司さんやその他の保護司さんが、地域社会における人間関係を活用したり、日ごろから地方公共団体や学校などの関係機関、団体に対して情報提供を依頼する、こういうようなことを行いまして保護司候補者を発掘してまいっているというのが実情でございます。
 しかしながら、近年、保護観察事件の複雑困難化に伴う保護司の負担増でありますとか、あるいは地域社会の人間関係の希薄化などの影響によりまして、従来の方法だけでは保護司適任者の確保が困難になってきているということも事実でございます。
 そこで、現在、より幅広い分野から保護司の適任者を確保するための試みといたしまして、保護当局とそれから保護司の全国組織でございます全国保護司連盟とが協働いたしまして、全国で六十八の保護司会におきまして、地域の関係機関、団体と連携をして、保護司適任者の確保を図るための保護司候補者内申委員会モデル事業というものを行っております。
 この事業の内容でございますけれども、例えば町内会でありますとか自治会関係者、民生児童委員、地方自治体の関係者、教育委員会関係者など、地域の事情に詳しい方々に内申委員会の委員になっていただきまして、積極的に保護司適任者を発掘して内申委員会に推薦をしていただきます。内申委員会では、そのように推薦された人の中から候補者を選びまして保護司会に情報提供をする、こういう方法で保護司適任者を幅広く確保していこうという試みでございます。平成十七年の六月一日からこのモデル事業を開始いたしまして、十一月三十日に一応の区切りを迎えることといたしております。
 私どもといたしましては、この事業の実施結果を検証いたしまして、実施地区の拡大を図っていくなど、効果的な保護司適任者の確保の方策を検討してまいりたいと考えております。
○横山委員 どうもありがとうございました。
 次に、この保護司について、保護司を確保するという観点から、有給制についてお考えがあるかないかということについてお尋ねいたしたいと思います。
 保護司は現在、実費弁償金という形で、事件の難易度に応じて、これは上限でしょうか、五千六百二十円を支給される。しかし、一般に保護司に対する認識というものは、非常勤の国家公務員であり、そして無報酬のボランティアだというイメージだと思います。確かに、安全、安心な福祉社会、そういうものを築いていくためには、民間のボランタリーの果たす役割というものは極めて重要であろうと思います。また、この保護司会の間でも、報酬制が自分たちの社会的使命とは相入れないという意見も出ております。
 しかし、有給制というものは、基本的には、それは国家がその仕事を正当な社会的使命を果たす仕事だとして評価したということのあかしでもあります。財政の問題もありますから、金額がどうこうということはなかなか難しいかもしれませんが、あるいは、今、これから団塊の世代が世の中に、退職することによって同時に社会的使命も果たしたい、そういう考えを持っておられる方も大勢います。
 この保護司というものを一つの仕事として、一般の公務員と変わらない保護観察官、そしてまた無給のボランティアもいてもいいと思いますけれども、その間にもう一つ有給の保護司というか、そういったものの増員等、とりわけ保護司の有給化ということに関しては何か特段お考えがあるでしょうか。お尋ねいたします。
○藤田政府参考人 委員御指摘のとおり、保護司につきましては現在、給与を支給しないこととされております。
 ただ、御指摘のように、今五千六百二十円というのが出ましたけれども、これは難しい方の事件を担当したときに補導費ということで、実費弁償金が一カ月分の単価として五千六百二十円だということが定められておるわけでございます。
 この保護司の有給化、いわゆる報酬制の導入ということにつきましては、今委員御指摘いただいたとおり、さまざまな意見があるところでございます。
 一方におきまして、自分の時間を犠牲にしながら、苦労の多い仕事を率先して引き受けていただいているわけだから、給与を支給すべきであるという意見もございます。他方におきまして、保護司は、社会奉仕の精神をもって、これは保護司法にも規定があるところでございますけれども、そういう奉仕の精神をもって、犯罪や非行のない明るい地域社会を実現するため、人間愛に基づいて保護観察対象者の処遇に当たっているんだから、また、無報酬であることが保護観察の処遇の上でも有効なものなんだというような意見もございまして、いろいろな考え方がございます。それは、一般の方々にもございましょうけれども、保護司さんの間においても意見はなお一致していないというのが現状であろうかと思うわけでございます。
 したがいまして、この問題につきましては、保護司の方々、また外部の有識者の方々の御意見をいろいろいただくなどいたしまして、引き続き検討を深めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 なお、今後のことでございますけれども、大量退職の時期を団塊の世代が迎えますので、この世代に焦点を当てて保護司候補者を発掘していくというようなことも考えておりますので、この有償制ということについては引き続き検討するということにいたしたいと思っております。
○横山委員 ありがとうございました。
 先ほど、保護司を確保といいますか、人材を発掘するための内申委員会モデル事業というものを平成十七年度から始めているというお話をお伺いいたしました。
 しかし、保護司の数自体は、こちらの平成十八年六月の更生保護のあり方を考える有識者会議の報告書によれば、平成十六年から下降している、今全国五万人ぐらいいるそうですけれども、数は減ってきているのが現状であるという報告がなされております。ですから、これまでの推薦制あるいは内申委員会モデル事業を通しても、今の段階では目立った効果というのが保護司をふやすという観点からは上がっていないのではないかなというふうに見受けられます。
 そして、保護司がこの先ますます高齢化していくという問題も同時に抱えていると思います。
 これらの点から、よりいい人材を確保していくという上で有給制というのはそれなりに私は意味があるのかなと思ったりもしますが、仮に有給制にするのであればなおのこと、そうでない場合でも、公募制、そういうオープンな形で人材を集めるという点についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○水野副大臣 ただいま先生の方から御指摘されたとおり、保護司の実人員というのは、確かに二年前の平成十六年の一月一日現在、このときが頂点で、このときの人数は四万九千三百九十八人だったのに対し、確かに減少傾向にございまして、ことしの四月一日現在では四万八千五百八人というふうになっているのは現実でございます。
 また、高齢化の問題も先生から御指摘ございましたけれども、そのとおり、確かにこれも問題になっております。そこで、保護司を再任するときには上限年齢を七十六歳にするというような保護司定年制というものが平成十六年の四月から完全実施をされました。その結果として、高齢化の方に関して言えば、保護司の平均年齢というものは、十六年一月一日現在には六十三・三歳だったものが、ことしの四月一日時点では六十二・九歳というふうに多少若返り、高齢化への歯どめというものがかかりました。
 しかしながら、逆に言うと、高齢者の保護司の方が大量に退任したというようなことは、その分の欠員を補充しなきゃいかぬという問題が相まって出てきたというのは、先生御指摘のとおりだというふうに思っております。
 では、その保護司を確保するに当たってどういうふうにするのかというのは、いろいろな、今までのあり方というのは先ほど事務方からも説明がございましたけれども、保護司個人とか保護司会が地域社会と、そうした人間関係や組織の協力関係を活用して、適任と思われる人間を発掘していくというようなことが従来行われてきて、これは今でも十分に機能しているところも当然あるわけなんでしょうけれども、さはさりながら、人間関係が希薄化しているとかそういうことで、適任者を確保するのが難しい地域が出てきているのも事実だというふうにも思います。
 そこで、確かに有識者会議、ことしの六月二十七日の報告書においても、それをそのまま読めば、今先生の御指摘になった公募制も含めて書いてありますけれども、「保護司の職務の特殊性に配慮しつつ、公募制の導入など適任者確保のための方策の多様化を図るとともに、保護司制度の必要性や現に保護司が地域社会において果たしている機能や役割について一層強く訴えるなど広報活動を強化することによって、保護司適任者の確保に努めるべきである。」というふうに、公募制のことについても触れてございます。
 しかしながら、これはまた慎重な意見というのも一方ではあるわけでありまして、各地域によって、人望とかそれに適した方が、非常に幅広い人望を得ている方が保護司になっていたりする中でみずから手を挙げるというのがなじむのかとか、いろいろな議論もあるところでございますので、法務省としては、全国保護司連盟とも協働して研究会を設けたり、また、先ほどお話があった内申委員会の運営状況の検討や公募制など、保護司適任者の確保の方策について研究を行っているところでもございますし、引き続き、効果的で、適任な方を保護司に選ばれるような、そうした方策について検討していきたい、そんなふうに考えてございます。
○横山委員 ありがとうございました。
 続きまして、大臣のあいさつの中に、自立更生促進センターをつくるというのがございました。これについては、有識者会議の提言を読みますと、社会復帰のための強力な支援と強靱な保護観察実現のために自立更生促進センターをつくるんだ。これは確かに、今の民間の更生保護施設で対応が困難な対象者の受け皿になること、それから、保護観察所と連携して、専門的で強力な援助を行うためのさまざまなニーズにこたえていく必要性、まさにこの提言の言うとおり、自立更生促進センターが設置される必要性は私も強く感じます。
 この点、法務省が提言を受けてこれをつくる、各地に設置するという方針を打ち出したということも聞いておりますけれども、名前だけでなく、改めてこの概要についての御説明をどなたか願えればと思います。
○藤田政府参考人 自立更生促進センター構想と申しますのは、主として刑務所を仮釈放になった者やあるいは少年院を仮退院した者の改善更生と自立を目的といたしまして、保護観察所に宿泊施設を併設いたします。その宿泊施設に保護観察対象者を宿泊させながら、保護観察官が直接に濃密で専門的な指導監督と就労支援を行うという体制を整備しようというものでございます。
 現状でございますけれども、成人につきましては、家族のもとなどの帰住先がない者がございますが、これは刑務所を仮釈放になりますと、民間の更生保護施設に受け入れをお願いいたしております。しかし、全国で百一あるこの民間の更生保護施設で受け入れていただくのが困難な者あるいは適切でない者というものもございます。そういう者につきましては、他に適当な帰住先がないために、結局、仮釈放ができなくて、保護観察という中間的な段階を経ないままに、満期釈放でいきなり社会に出るということがございます。
 また、少年院の入所者の場合でございますと、二十歳より前に仮退院をさせるというのが通常でございます。しかし、家族のもとでも、また民間の更生保護施設でも、必ずしも少年の改善更生に適した環境とは言えないという場合がありますけれども、そういう場合でも、他に適切な受け入れ先がないということで十分な監督能力を有しないと思われる家族のもとに仮退院をさせざるを得なくなるということもございます。
 こういうような場合に、国が直接に受け皿となりましてその処遇を担っていこうというのが自立更生促進センター構想の趣旨でございます。
 少し具体的に内容を申し上げますけれども、二種類の施設の整備を考えております。
 一つ目でございますけれども、これは主に刑務所を仮釈放になった成人のうちで薬物依存などの一定の問題性向があることから保護観察官が直接に専門的な処遇を行う必要があるという者を受け入れて処遇をするというための施設でございます。
 この種類の施設におきましては、対象者を受け入れて宿泊をさせ、そして保護観察官が直接に専門的な処遇プログラムなどを使いまして、濃密な指導監督を行う。それとともに、対象者に適した職につけるように充実した就労支援を行うことを予定いたしております。
 現在のところ、既存の保護観察所に併設をするという形で、収容定員が十名から二十名ぐらいの比較的小規模な施設を全国で三カ所程度、試行的に来年度において整備することを検討いたしております。
 もう一つの種類でございますけれども、これは主に少年院の仮退院者のうちで適切な帰住先がない者であって、農業を通じた改善を図って、農業に就職することにより自立を目指すのが特に有効だと認められる者を受け入れて処遇をするための施設でございます。これは北海道の沼田町に一施設、試行的に整備することを考えております。
 ここにおきましては、すぐれた自然環境のもとで保護観察官による直接で濃密な保護観察を実施するとともに、町の御協力も得まして、専門的な指導者による野菜づくりなんかの農業訓練を行うことによりまして、農村での生活と農作業を取り入れた処遇による改善や人格の育成を図る。そして、農業への就職を支援して自立を助けるということを予定いたしております。
 現在、沼田町の中に既存の建物を改修することによりまして宿泊施設を備えた保護観察所の駐在官事務所を整備するという方向で、こちらは来年度中の業務の開始を目指しまして、所要の準備作業を進めているところでございます。
○横山委員 どうもありがとうございました。
 それでは、いま一つ、この更生保護のあり方を考える有識者会議の報告書の中で一番最後に書かれていたことなんですが、刑期満了出所者に対し新たな制度を導入するという文章がありました。これは、刑期満了出所者が円滑な社会復帰をするために、刑期満了出所者に対する新たな制度を行うんだと。もちろん、これは中長期的な課題でありますから、現在の段階である程度具体性がない部分があってもそれは仕方がないと思っておりますが、その場合であれば、制度設計のあり方、検討、どの程度までなされているのか、この点は大臣にお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○長勢国務大臣 有識者会議では、そういうことが課題として述べられておるわけであります。
 現在、満期出所者に対しましては、更生緊急保護の制度が設けられております。この制度は、刑の執行を終了した者などを対象として、その更生を図る観点から、これらの者がその親族からの援助や福祉施設からの十分な保護を受けられない場合に緊急に保護を行う、すなわち、原則として六カ月間、特に必要があるときはさらに六カ月間、計一年ですが、当面の金品を与える、または宿泊場所を与える、こういうものでございます。
 しかし、この緊急保護は、緊急の場合だけ、本人の申し出があったときに限ってとられる一時的なものでございますし、また、改善更生のための指導監督を行うという仕組みにもなっておりません。御指摘の有識者会議の報告書では、刑期満了の前後を問わず、すべての受刑者に社会内処遇を受けさせるかどうかについての検討を行うべきである、こういう旨の提言がなされておるわけでありますが、それは今申し上げた満期出所者に対する制度を踏まえての御意見であるというふうに承知をしております。
 しかし、このような御意見に対しましては、どういうような根拠に基づいて、どのようなものを対象に、どういう措置をとるのが許容されるのかといった問題もありますので、これからさらに検討する必要があると思っております。
 また、現在、法制審議会において、被収容人員の適正化を図るとともに、犯罪者の再犯防止及び社会復帰を促進する観点から、刑事施設に収容しないで行う処遇等のあり方についても審議を行っていただいておりますので、こういうことも含めて、刑を受け終わった者に対する再犯防止、社会復帰支援制度について、さらに検討していっていただきたいと思っております。
○横山委員 基本的に、刑期を終わった人に対して訓練を強制するということができない状況下での問題ですので、この点、よろしく御検討願えればと思います。
 それでは、保護司、保護観察官の問題ではなく、いま一つ、より安全で安心な社会の構築の中から、刑事施設の過剰収容の問題を取り上げてみたいと思います。
 近年、刑事施設の継続的な過剰収容が問題となっておりまして、これからもそれはふえるとはうかつには言えませんけれども、現状認識として、引き続き過剰収容は継続するものと推測されます。
 その点、本年の七月に、法務大臣が、犯罪者の再犯防止及び社会復帰を促進しつつ、被収容人員の適正化を図るための方策についての検討、これを法制審議会に諮問いたしました。七月という時期で、審議会の性格上、今まだ十月ですから、どの程度ということで突っ込んで聞かれても困るかなというのは承知しておりますが、現段階での、どういう審議、まだ数カ月ですけれども、どんな方々がどんな話し合いを持ってこられたのか。それから、もしまだ具体的な話し合いに入っておられないということであれば、その制度改正に向けた今後のスケジュールについて、どなたかわかる方に御説明願えればと思います。
○小津政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま御質問いただきました法制審議会の諮問でございますけれども、先ほど、大臣の御答弁の中でも触れさせていただいた諮問でございます。
 七月二十六日に諮問第七十七号を発せさせていただきました。その諮問の内容を申しますと「被収容人員の適正化を図るとともに、犯罪者の再犯防止及び社会復帰を促進するという観点から、社会奉仕を義務付ける制度の導入の当否、中間処遇の在り方及び保釈の在り方など刑事施設に収容しないで行う処遇等の在り方等について御意見を承りたい。」こういうものでございました。
 その七月二十六日の法制審議会におきまして、この問題につきましては、被収容人員適正化方策に関する部会というものを設けて審議をするということが決められまして、九月二十八日に第一回の部会が開催されたところでございます。法律専門家の先生方、あるいは各界の有識者の方々にメンバーになっていただいているところでございます。
 その部会は、これから次々と会合を重ねていくわけでございますけれども、現在想定されておりますテーマといたしましては、今も少し申し上げましたけれども、社会奉仕を義務づける制度の導入の当否、中間処遇のあり方、保釈のあり方、刑執行終了者に対する再犯防止、社会復帰支援策など、幅広く御議論いただくこととしているところでございまして、今後十分な御審議を賜りたいと思っているところでございます。
○横山委員 ありがとうございました。
 この過剰収容の問題と関連いたしまして、外国人の受刑者、午前中の質問の中でも取り上げられてきましたけれども、とりわけ中国人の受刑者が非常にふえていると。
 いわゆるバブル経済と言われました時期に、外国人労働者が、オールドカマー、ニューカマー、大勢日本に来て、百二十万ぐらいだったでしょうか。その後、バブル経済崩壊後、母国に帰るなどして、九七年、八年ぐらいには、私の知っている限りでは、外国人犯罪というのは少し減少傾向にあったと思います。しかし、今また増加傾向にある。とりわけ中国人の犯罪がふえてきており、今受刑者の四五%を占めている、平成十七年末の段階で四五%を占めているということです。
 しかし、中国は、欧州評議会の受刑者移送条約に加盟しておりませんので、日中間で受刑者を移送することができない現状に今あります。それで、過剰収容を緩和するという観点からも、現段階で条約の早期締結に向けた中国の司法当局との話し合いがどういう状況にあるのか、どなたかこれもお聞かせ願えればと思います。よろしくお願いいたします。
○奥野大臣政務官 御指摘のとおり、中国国籍を有する来日外国人受刑者数というのは、ことしの八月で千七百九十九人います。そして、御指摘のとおりの数字で、来日外国人受刑者全体の四五%を占めているわけであります。反対に、日本人の受刑者が中国に行っている数は、中国に捕らえられている数は二十七人と全く少ないわけであります。
 このように我が国の刑務所の過剰収容の一因になっているこの問題は、平成十五年十二月に犯罪対策閣僚会議で決定された犯罪に強い社会の実現のための行動計画では、外国関係機関との連携強化のために、日中間における受刑者移送条約の早期締結等が挙げられているわけであります。私ども法務省としても、この早期締結に向けていろいろと中国との間で意見交換をしております。
 特に、昨年六月にも具体的なことをしましたし、また本年の七月には、杉浦前大臣が先方の呉愛永司法部長と会談して、この件について議論しているんですが、中国側は、これよりも先に議論することがあるということで、日中刑事共助条約の締結交渉を先にやりたい、こういうふうに言っているものですから、我々としても、中国の意向も考えながら、同時に受刑者の移送条約についても締結させたいというようなことを考えておりまして、今、外務省を含めて、中国とともに、今のような方向で議論を進めているところであります。
○横山委員 どうもありがとうございました。
 午前中の平岡先生、石関先生と比べまして、私の場合はもう本当にすいすいと進んでしまいまして、見事な答弁で、まことに申しわけないと思っております。
 それで、用意していた質問の方が終わりましたので、しかし、午前中の平岡委員の質問とそれへの答弁を聞きまして、きょう、私、初めての委員会質問で大臣様のいい話を聞いて帰りたいと思っておりまして、やはり代理出産について、ちょっとどうしても聞いてみたいなと思うところがございます。
 確かに産科婦人科学会は反対、しかし向井さん、高田さんの御夫婦への御支援の声もある。また、自治体が届けを受理しないというケースもある。一方、高裁判決は夫婦のことを認めるという判決も出ております。こういう賛否両論があれば、当然、今後世論の動向を見きわめて、また厚生労働委員会などでも十分な審議を尽くしながら、この問題の解決を図っていかなければならないということは十分承知しておりますが、現在、法的規制のない中で、渡航する人もいれば、しかし国内で代理出産をするという現実のケースもございます。
 こういう状況の中で、身分関係を、その基本法制を所管する法務大臣がどのようにお考えであるのか。社会的関心を持たれている問題だけに、率直なお話をお聞かせ願えれば、どのようなお考えであるかということについて答えられます範囲でお伺いできればと思います。御所見をよろしくお願いいたします。
○長勢国務大臣 先ほど、平岡先生からも御質問があった件でございます。
 今回の事案関係は御承知のとおりでございますので繰り返しませんが、やはり先ほど言いましたように、いろいろな意見が私のところにも寄せられております。どうしても産みたいという女性の気持ちがわからないんじゃないか、そういう人たちの身にもなってやれという御意見もありますし、それから、生まれてきたお子さんのことはどうしてくれるんだ、こういう御意見もありますし、少子化社会においてちょっとおくれているんじゃないかという御意見もある。また、これだけ科学技術が発展して生殖補助医療も進んでいるんだから、それに合わせた法整備をやるべきではないかという御意見もございます。
 いろいろ、それぞれごもっともな部分もあるわけでありますけれども、一つは、これは厚生省関係の審議会の十五年の報告に書かれているとおりですけれども、女性の体を専ら生殖のものとして使っていいのかなということ、あるいは、大変なリスクと負担を女性にかけるわけで、こういうふうにすることで、医療安全といいますか、そういう面からいいんだろうかという問題が提起されていることは、やはり比較的多くの国民の皆さんも、これまでそういうふうに考えてきておられたのかなと思います。しかし、時代も変わっていくかもしれません。しかし、そういうことはいつごろ、どこで収れんしていくかということはまだまだよくわからないなというのが、率直に悩ましいところだなと思っております。
 この子供を持ちたいという女性の方々あるいは御夫婦の方々のお気持ちに、一定の問題を踏まえてどう対応していくかということと、また生まれてきたお子さんを社会の中できちんとした法体系の中に取り込む方法はどうするかということは、改めて考えなきゃならぬことが問題提起としてされたのかなと。今、実子として認めてほしいというのが今回の事件の訴えの目的でございましたが、養子制度だとか特別養子制度という制度もあるわけでありますが、こういうことで十分なのかどうかということも、お子さんのことを考えれば、考えなきゃならないかもしれない。
 こういうようなことをぜひ、できればいろいろな場面で検討していかなきゃならぬと思いますが、正直言って、これだけいろいろなところで議論が今日ありますので、どうやって進めたらうまく法律上進めるのかな、厚生労働省の方とも相談をしなきゃならぬと思いますが、もう少し考えなきゃいかぬかなと思っているのが今の心境でございます。
 またよろしく御指導いただきたいと思います。
○横山委員 慎重な御答弁をありがとうございました。検討中ということで承っておきます。
 私の質問は以上です。ありがとうございました。
○七条委員長 次に、河村たかし君。
○河村(た)委員 河村たかしでございます。
 きょうは、まず初めに、もう三年半にもなりますけれども、名古屋の刑務所で刑務官が暴行して、受刑者二人を亡くならせて、一人に重傷を負わせてしまったという、全くでたらめだったんですが、こういうことがあったことにつきまして、特にきょうは放水の問題について質問します。
 ちょっと要点を言いますと、ちょっと全党の人に聞いていてもらいたいんだけれども、これは一人ずつ、自民党の方も言います、全員、全党の方が、高圧放水で暴行して殺人、人を殺した、こういう質問をしましたところが、今から言いますけれども、その水圧というのは、実は水道の水圧より低くて、多分一けた間違ったんだろうと。後でどなたかに言っていただきますけれども、十数年前に水圧の単位が一けた変わりまして、裁判所も間違えてしまった。
 こういうまれに見る、かわいそうな、まあ刑務官にすれば地獄の思い、今は。それから受刑者さんたちにとっては、再発防止の観点からすれば、違う原因だったんだから、中に自傷行為に使えるプラスチックボトルが入っておって、その破片を肛門に入れて死んだんですけれども、だから、それをちゃんと調査しておれば、いろいろ再発防止になったわけですよ。
 だから、そちらの立場からいっても、今ちょっと大口さんのところでしゃべっておったけれども、ぜひ委員長、ずっと聞いていただいていいんだけれども、国会が過ちを犯した場合、それも全員がですよ、全党が、ある人を違う理由によって殺人だとか言ってしまった場合、どういう責任をとればいいのかということを、後でいいですけれども一編、私は、理事会理事会と言うけれども、理事会ですぐ八百長になりますので、党でどうのこうのと。そういうことをちょっと置いて、全党ですから、一遍真剣に考えてもらいたい、そういう趣旨でございます。
 それで、まず、ちょっと聞きますが、法務大臣に聞こうか。僕がこういう、三年半ほど前から続いている、平成十三年十二月十四日に起きた放水、またほかにも革手錠の話もあるんですけれども、これについて真相解明をするということは御迷惑ですか。
○長勢国務大臣 御迷惑という問題ではなくて、委員が国会で御質問されるのは当然の権利でありますし、またお仕事でありますし、また我々もそれに対応していくのが仕事でありますから、迷惑とか迷惑ではないという問題ではないと思います。
○河村(た)委員 ちょっと待ってちょうだい。私たちが対応していくって、まずこれは法務省がやらないかぬのじゃないのか。裁判と関係ないですよ。先がた言ったように、暴力団との関係もそうですけれども。法務行政の直接の仕事として、保護房の中でなぜ人が死んだのか、再発防止の、あなた、大臣に言ったって、かわるでどうしようもないけれども、役人の方の方がいいですよ、矯正局長の方が。
 矯正局長、僕よりもっとあなたが僕のようなことをやらないかぬのじゃないですか。
○小貫政府参考人 従前から申し上げておりますとおり、矯正行政、特に施設の運営だとかあるいは業務執行等に関する事項については調査してまいりましたし、今後も調査してまいりたい、このように考えております。
○河村(た)委員 まあ、そんなものは全然やっとりゃせぬで、これは。何で僕がやるんですか、こんなことを。みずから水の被験者になって、私がここで言うのもあれですけれども、この間、〇・六キロの水が一体どんなものか、自分で裸になって、何人かで実際に肛門に水をかけていただきましたよ。それで、有名な名古屋のドクターに、これは表彰も受けておる人に、ちゃんと肛門を診断してもらって、何の問題もありませんと。なぜあなたたちはそれをやらぬのだよ。何で僕がこれをやるんですか。
 もう一度これを答えてちょうだい。どういうつもりなんだよ、一体。
○小貫政府参考人 いわゆる十二月事案につきまして、あの原因が放水にあったのか、あるいはその他の原因にあったのか、まさに今裁判の争点となっているところでございます。
 裁判における事実認定と私どもが行える行政調査というのには、これは違いというか差がございまして、そういう中で、放水事件の件については、前提事実等々十分に把握できていない段階で、正確で実効性のある再現実験というのは難しいのではなかろうかな、こう考えているところでございます。
○河村(た)委員 言っておきますけれども、裁判だでやっとりゃせぬのだったら、三権分立に反しますよ、これは反対に。そうなったら、裁判所がすべての頂点に行きますよ。行政は行政として、当然。裁判所は再発防止義務はないでしょう。
 それでは、最高裁に聞こうか、来ておるで。最高裁判所は、いわゆる矯正施設内でこういう事故が起こることを防止するための義務はありますか。
○高橋最高裁判所長官代理者 裁判所におきましては、そのような義務はないものと考えております。
○河村(た)委員 当然そうですよ。だから、全然違うんだよ。
 では、ちょっと事実を言いますと、まず、皆さんに資料が行っていますので、一ページ目から行きましょうか。
 初めの、平成十五年三月三十一日、これは中間報告ということ。もう既に、そのときにおった方はだれもおられないですね。保坂さんがみえれば、保坂さん一人です。もう全部かわってしまった、こういう状況なんですね。だから、国会というのは物すごく無責任になりやすいんですよ、言いっ放しで。
 私は何で法務委員会におるかといったら、このためにおるんですよ。自分がかかわってしまった、この冤罪事件に。だから、私の男の美学でもないけれども、これは男の責任として絶対真実を明らかにしなきゃいかぬということでおるんです。裁判所も信用できぬ。とんでもない判決を書きました、これは後で言いますけれども。
 ここにありますけれども、一番最後に、「次いで、翌二月十二日、刑事局長において、十二月事件」、これはホース、「刑務官一名を逮捕すること及び消防用ホースを用いた放水による暴行が行われたとの具体的な態様について報告が行われ、初めて、受刑者Xの死亡が犯罪行為によるものであることが明確に報告された。」こういうふうに、これは行政上の問題ですからね、裁判は関係ないですから、明らかに。この報告書が委員会に来たんです。
 では、ここにはっきり「放水による暴行が行われたとの具体的な態様」と書いてありますけれども、それから「死亡が」「明確に報告された。」と。これはどういうふうに具体的で、どういうふうに明確だったんですか。
○小津政府参考人 恐れ入ります。
 まずは、ここに刑事局長のお名前が出ておりますので、当時刑事局長が、検察当局からの報告に基づきまして、ここに記載してある内容の報告をしたものと承知しております。
○河村(た)委員 では、放水は暴行だったんですね。どういうふうに暴行だったんですか、放水は。「消防用ホースを用いた放水による暴行」と言っていますが、どういうふうに暴行だったんですか。
○小津政府参考人 その当時の検察の捜査の内容に基づきまして、まさにここに記載してある内容の報告がなされたものと承知しておりますけれども、その詳細につきましては、公判中の事件でございますので……。
○河村(た)委員 公判は関係ない。ちょっと矯正局長にかわってください。これは関係ないですよ、まだ公判の前ですから。こういうことに従って、みんなここで質問したんですよ、全員が。公判中なんて全然関係ないですよ。
○小貫政府参考人 刑事局長も答弁されましたとおり、当時、あの中間報告は平成十五年の三月だったと思いますが……(河村(た)委員「水圧と態様だけ言っていただければいいです」と呼ぶ)はい。その折に、検察庁の情報に基づいて暴行の認定をした。その際の資料の中に〇・六キログラム・パー・平方センチメートルという数字があったものと考えております。
○河村(た)委員 だから、〇・六キロの水圧で水をかけたことが暴行である、こういう認定をしたわけですね。ちょっともう一回言ってちょうだい。
○小貫政府参考人 そういうことだと思います。
○河村(た)委員 では、〇・六キロというのを検証せないかぬわな、本当に、そうだったのなら。これは結局、どういう水圧だったのかという問題ですよ。
 それで、消防庁来ておりますか。ちょっと順番が早いけれども、十何年前かなんかに水圧の呼称が一けた変わった、キログラムと言っておったのをメガパスカルにした、だから一けたよく間違いやすいと。〇・六キロというのは〇・〇六メガパスカルということで、一けた変わって間違いやすいことをちょっと答弁してください。
○寺村政府参考人 間違えやすいかどうかというのはなかなか消防庁として言いにくいわけでありますが、個人的にも気をつけないと間違う可能性はあるかもしれません。(河村(た)委員「いや、一けた変わったというのを言ってください」と呼ぶ)はい。一けた変わっております。国際単位に合わせて一けた変わっております。〇・六キログラムは〇・〇六メガパスカルでございます。
○河村(た)委員 まず、これを覚えておいてくださいね。〇・六キロというのは〇・〇六メガパスカル。もし〇・六メガパスカルだということになると六キロになりますね。
 それで、消防庁が来ていますのでちょうどいいですけれども、要するに六キロというのは六十メーター上がる水圧ですね。〇・六キロというのは六メーター上がる水圧だ、これは間違いないですね。
 知らぬかな。知っておられる人、厚生省でもいいけれども、答弁できる人。これは間違いないですよ、物理的に。どなたかみえぬですか。
○七条委員長 答弁できますか、どなたか。
○河村(た)委員 これは常識だもんだから。できませんか。
 それじゃ、厚生省も呼んでありますので、これはできると思います。
○宮坂政府参考人 水圧の単位でございますけれども、先生おっしゃるように、単位が、国際単位に合わせるということで、例えば百キロパスカルということであれば……(河村(た)委員「〇・六キロで言ってください」と呼ぶ)〇・六ということであれば、それは六十キロパスカル……(河村(た)委員「六メーター上がるでしょう」と呼ぶ)六メーター上がるという状況でございます。こういう単位でございます。
○河村(た)委員 だから、今言った暴行と認定した〇・六キロというのは、六メーター上がるんです。下から上がるんですよ。六メーター上がるだけですよ、言っておきますけれども。
 六メーターというと、何階ぐらいまで行きますかね。これはどっちがいいかな、消防庁がいいかな、変な話ですけれども、下から六メーター上がると、普通の家でいうと、何階まで上がるんですかね。
○寺村政府参考人 大体一階分が三メートル程度と理解しております。二・何メートルから三メートル程度と理解しております。(河村(た)委員「いや、二階ぐらいでしょう、六メーターということは」と呼ぶ)そういうことでございます。(河村(た)委員「もう一度はっきり言ってください」と呼ぶ)
 私、建築の、いろいろさまざまございますけれども、逆に言うと、十一階建てが三十一メートルというふうに大体考えておりますので、一般的には、一階当たり三メートル、二階の上で六メートル程度であろうと考えております。
○河村(た)委員 ここでもはやおかしいと思わないかぬですよ。二階ぐらいまで上がるぐらいの水圧だったんですよ、〇・六キロというのは。それを肛門にかけて死んだと言っているんですよ、これは暴行だとか。
 それで、では、各党のものを言いましょう。名前を言うと本当は感じ悪いけれども、公的なものですから言いますと、私本人も、河村たかし、平成十五年三月二十五日、暴行があったと質問しております。それで、平成十五年四月二十三日、これは謝罪しています。途中で気づきましたから、これは間違えたと。とんでもないことをしてしまったとこの委員会で私は謝罪しています。
 それから、平成十五年二月十八日衆議院予算委員会、民主党の山花郁夫さん。「肛門に対して高圧のものを当てるなんというのは、」こういうふうに言っています。これは民主党。
 それから、平成十五年二月二十一日衆議院予算委員会、原口一博さん。この方も、「そして高圧の水を当てる、」こういうふうに言っています。
 それから、今ちょうどおるといいんですが、平成十五年三月二十五日衆議院法務委員会、保坂展人さん、社民党。「高圧放水で悲惨な亡くなり方をされたというケースですが、」こう言っています。
 それから、自民党も言っていますから、ちゃんと聞いておいてちょうだいよ。平成十六年三月二十四日参議院法務委員会、松村龍二さん。「高圧の放水を当てたら翌日亡くなったというような事件を契機に」、こういうふうに言っております。
 それから、平成十五年二月二十一日衆議院予算委員会、斉藤斗志二さん。「あの刑務所の中で殺人が起きたことについて、認識が薄いですよ。」これは殺人だと言っております。それで、同じときに、「こんな、あってはならないところで殺人事件が起きるということについて、」と、殺人と言っております。
 それから、公明党、漆原良夫さん、平成十五年二月二十一日衆議院予算委員会。「受刑者が名古屋刑務所内で刑務官の暴行によって死亡した、殺された、しかも、」こういう言い方をしております。
 それから、平成十五年四月一日衆議院法務委員会、共産党の木島日出夫さん。「ホースで肛門にまで水を浴びせかけて殺してしまったんですからね。」こういうふうに言っております。
 本当に全党ですね。すごい数でしたよ。これはマスコミもすごかったです。
 では、この〇・六キロですけれども、まず、資料が入っていますけれども、ちょっと矯正局に聞きたいんだけれども、今六メーターしか上がらない水圧まで行きましたけれども、名古屋刑務所の配管図が皆さんの中に入っています。
 順番にちょっと行きましょうか、資料のこと、皆さんみえますからね。
 これは、中間報告ではこういう言い方をして、今矯正局長が補充してくれましたけれども、〇・六キロで水をかけたということが暴行であるというふうに認定をしたということですね。
 それから、冒頭陳述要旨というのがあります。これは余り裁判のものを使うと感じ悪いですけれども、一番最後の五ページのところに、「放水した際、水圧は、一平方センチメートル当たり約〇・六キログラムであり、水量は、毎分約二百一・四リットルであった。」こういうふうに言っております。これはぜひ覚えておいてください。
 この二百一・四リッターというのも、サウナやなんかへ私も大好きでよく行きますけれども、そうすると打たせ湯みたいなのが来ますわね、これは後で出てきますけれども。四百リッターとか五百リッターあるんですよ、あれ。まあ、後で出てきます。
 それから、次のページを見ていただいて、これが当時の名古屋刑務所給水配管略図です。これを見ていただきまして、これが当時の名古屋刑務所の給水管です。それで、丸をつけておけばよかったけれども、問題の消火栓と言われるのは、このHと書いてある、真ん中の辺にポンプ室というのがありますね。その右側に書いてあるちょっと出たHというようなもの、これが消火栓と言われておるものです。
 これは矯正局長にお伺いしたいんだけれども、これを見ますと、消火栓と言われておりますけれども、実はほかの、工場区とか舎房区の、独居房なんかに水道がありますわね、便所とか。あれと全部同じ配管だったんですね。
○小貫政府参考人 そのとおりでございます。
○河村(た)委員 そういうことなんです、実は。
 では、〇・六キロで暴行だったら、なぜ居房の中にある水道の栓が暴行にならぬのですか。中に、ふろにシャワーがありますよね、あれはなぜ暴行にならないんですか。
 御存じのように、パスカルの原理というのがありまして、全部同じところだと同じ水圧になるんです、これは当然、同じ配管ですと。消火栓と言われるのが別個の配管になっておるわけじゃないんです。全部つながっておる。同じ水だったんです。水道栓と同じで、水道栓にただ消火栓という名前の器具がついておっただけなんですよ。そうでしょう、局長。
 もしこれが暴行なら、ふろにシャワーがありますよ、あれはなぜ暴行にならぬのですか。
○小貫政府参考人 暴行の構成要件を解釈できる公権的な立場にはございませんので、確たることは申し上げられませんけれども、今まで勉強した限りでは、暴行というのは有形力の行使だ、こういうふうに定義されております。
 これが当たるかどうかというのは、まさに解釈、当てはめの問題であろう、こう思いますが、所管外のことでございますので、これ以上御答弁は差し控えるのが穏当だろう、このように思います。
○河村(た)委員 よく聞いておいてくださいよ、皆さん。いいですか、何と水道管はみんな同じだったんですよ。
 それで、もっと実際は圧力が高くて、舎房とか工場とかそういう生活用水、そこには減圧装置がついていたという話がありますけれども、減圧装置というのはあったんですか。
○小貫政府参考人 減圧装置があったという報告には、私自身は接しておりません。
○河村(た)委員 いや、はっきり言ってください。なかったと言っておいてください。これはないんですか。後ろに聞いていただいてもいいですから、もう一回答弁してください。
○小貫政府参考人 なかったということでございます。
○河村(た)委員 ということです。
 ですから、これは名ばかりの、いわゆる水道の栓に消火栓をつけただけのものであったということですね。それで、ふん尿まみれになっていた受刑者を刑務官たちは、ふろへ行かぬものだから苦しんで、ちょっとこういう場所ではばかりますけれども、便が固まるとひっついちゃってなかなか取れぬようですね、だから非常に苦労があって、これも余り言ってはいかぬことだと言いましたけれども、当該事件の前、苦しんだときなんか、デッキブラシでこすらざるを得ないという状況にもあったようです。
 だから、さっきの質問にもありましたけれども、現場が苦労、苦労と言って、口先だけ言うなというんですよ。そんなもの、上の全然知らぬ連中だけ出世して、それで現場を切り捨てるとは、これは全くむごい話ですよ。こういう話なんです、実態は。
 それで、これは厚労省が答弁してくれると言っていましたけれども、要するに、体に何か水が当たった、水が凶器になるかどうかという話ですけれども、ならないことはないですよ、物すごい高圧ですと。いわゆるジェットカッターみたいのでやるでしょう。これは水圧だけが問題であって、水量というのは皮膚を破断するときには影響しない。水量というのは、うわっと来るので体が動いたりする。要するに、太平洋の中に体が入っても、体はうわっと動きますわね、だけれども、皮膚が切れるというものじゃないわけです。
 水圧だけに依拠するというのは、これはたしか厚生省は答弁してもいいと言っていましたけれども、お願いできますか。
○宮坂政府参考人 水道水に関しましての御質問というふうに考えますが、まず、どのような水圧でどういうふうに物体が崩壊をするかということにつきましては、そもそもその対象となる物体の形状とか性状とか質量とか、そういうことでそれぞれ変わるというふうに考えておりまして、そういう意味では、一概にお答えをするということはできないというふうに考えておりまして……(河村(た)委員「水圧に依拠するということですか」と呼ぶ)もちろん水圧というのも一つの要素になりますが、一方で、対象物の性状、形状、その状況というのがあるわけでございますので、一概に水圧のみで、そのダメージについてそれが一つの尺度になるということは、ちょっと一概に申し上げられないというふうに思っております。
○河村(た)委員 根回しされておるのか何か知りませんけれども、それは物理学に反するんですよ。要は水圧なんですよ。相手の形状によるというのは、それは水圧が何キロかによって壊れるかどうかは違いますわね。
 では、参考資料の次のページを出していただきましょう。
 「FAX送信のご案内」というのがありますね。これは、ある事業用のふろの、いろいろなアメニティーグッズがありますね、そこのところにちょっと出していただいたんですが、下の方に写真がありますね。この打たせ湯みたいのがあるじゃないですか。要は、行きますと、ざあっと上から水が出る、これはダイナミックフォールというんですけれども、これは流量が六百から五百リッターです、出るのが。先がた言いましたように、そのときの名古屋刑務所の話というのは二百リッターです。これは五百から六百ですよ。それも、苦しみに行くんじゃないんですよ、これは喜びに行くんですよ。
 それで、圧力というのは、出口部約五メーターと書いてありますけれども、五メーターというのは、五メーターまで上がる水圧で、〇・五キロのことだということです。いいですか。〇・五キロで五百リッターから六百リッターばあっと浴びて、皆さんリラックスして楽しんでいるんですよ。
 ところで、刑務所のこの話のときは、〇・六キロで二百リッターですよ。一体、これは何が高圧放水で、何が暴行なんですかということですよ。法務省は一けた間違えたのではないのかということです。
 どうですか、これは。感想を聞いてもしようがないけれども、一応確認しておこうか、矯正局長。(発言する者あり)刑事局長、裁判だで関係ないと言うんでしょう、どっちにしろ。そんなことなら聞いてもしようがないよ。
○小津政府参考人 必要があれば後に矯正局長が御答弁する前提といたしまして、委員御指摘の問題につきましては、まさに公判で争点となっておりまして、その事件につきましては、既に第一審で有罪判決が出て、現在、控訴審に係属中ということになっておるところでございます。
○河村(た)委員 まあいいですわ。私、本当に訴える手だてはないかしらんと思いますよ、こういうことは。何で僕がこんなことをやらないかぬのですか、本当に。刑事局長は検察ですけれども、矯正局長も検事だけれども、これは矯正局がやらぬで一体どうするんですか。国会を誤解させてどうするんですか。
 それじゃ、次のページに行きましょうか。もう一つ示しましょう。
 これは、ここにもありますけれども、要するに、ふろのアメニティーグッズというのがいろいろあるんですよ、業務用のもの。流水プールというのがあるでしょう。行かれた方もあると思いますよ。これはどのぐらいの水圧かというと、この一番右に出ているでしょう。流量〇・二メガパスカル。これは、キロでいうと二キロですよ。
 いいですか、〇・二メガパスカルですから、二キロです。刑務所のときは〇・六ですよ。だから、刑務所で放水したものの三倍以上。それで、流量百八十、二百四十、四百リッターですよ、出ているの。ここによく、子供もそうですけれども、流水プールでこうやってつかまってばあっと当たってやっているじゃないですか。これは暴行じゃないんですか。刑事局長、これは暴行じゃないの。
○小津政府参考人 暴行罪がどういう場合に成立するかということは、身体に対する違法な有形力の行使かどうかということで決まるわけでございます。どのようなものをどのようにしてどのようなものに用いるかということによりまして、具体的な事案で暴行になるかどうかということが決まってくるわけでございます。
 ちょっと本件と全く違う例を挙げて恐縮でございますが、例えば、金属バット、大変かたいものでございますけれども……(河村(た)委員「いや、そんなものいかぬですよ、水」と呼ぶ)いや、これの後ろ側で手でさわるのと同じようにトントンと、これは暴行に当たらない。しかし、大変にやわらかい絹のスカーフでぎゅっと首を絞める、これはもう暴行に当たる、こういうことでございますので、それぞれのものの……(河村(た)委員「どういう関係があるの、それ」と呼ぶ)いえ、具体的な状況におけるその用い方、だれにどのように用いたかということによって暴行に当たるかどうかということが決まってくるということでございます。
○河村(た)委員 では、もう一回めくりましょうか。次のページ、めくっていただいて。
 今度は厚生省ですね。これは、いわゆる水道の水圧のルールがあります。最低で百五十キロパスカルですから、これをキロに直していただいて、また一けた間違えますのでキロに直していただいて、これは本管から分離するところですけれども、水道の水圧として何キロを最低で要求しておるかというのを、これはいわゆる省令ですよね、御説明いただけますか。
○宮坂政府参考人 水道の水圧の関係でございますが、ただいま委員御指摘のように、これは水道事業の配水管から給水管に分岐するところにおきます圧力でございます。
 これにつきましては、今皆さんごらんいただいているその資料によりまして、この基準を省令で決めておりまして、具体的な考え方といたしましては、当該分岐箇所から建物の二階まで確実に給水するため、最初の水圧として、現在の圧力の単位でございますと、百五十キロパスカルで、これは一平方センチメートル当たり約一・五キログラムに該当する、これを下らないことであって、かつ、今度は水圧の上限といたしましては、配水管から給水管に水を流したときに、給水管の耐圧の問題がございます。その耐圧の機能を勘案いたしまして、配水管から給水管へ分岐する箇所での最大の水圧は七百四十キロパスカル、これは一平方センチメートル当たり約七・五キロを超えないということにいたしているところであります。
 以上です。
○河村(た)委員 これは分岐のところでございますけれども、分離するところでも、家庭用の水圧で最低で一・五キロ要るんですよ。何遍も言いますけれども、刑務所の例の話は〇・六キロですからね。
 では、もう一回、次をめくっていただきましょう。
 経産省も来てもらっておりますので、ちょっと答弁していただいてもいいんですけれども、またちょっとうちの方でこれをとって、これはウォシュレットのいわゆるパンフレットです。具体的な会社の名前はあれですけれども、大企業のあれですけれども、ここのところ、真ん中辺の下のところに給水圧力とありますね。最低必要水圧〇・〇五メガパスカル。僕がちょっと書きましたけれども、〇・五キロ以下なら作動できないということです。
 これは、このウォシュレットの機械に、これが要するに給水ですから、ここへ水が入るところで〇・五キロないと使えないんですよ、このウォシュレットというのは。刑務所のものは〇・六ですよ、言っておきますけれども。下手をするとウォシュレットを作動できないぐらいの低い水圧だったんですよ、これは。
 その後、上の方の吐水量を見てもらうとおもしろいんだけれども、吐水量は、おしり洗浄、やわらか洗浄がありますね。これは非常に洗浄、細いのですが、ぴゅっと出ますけれども、その右のところに水圧〇・二メガパスカルのときと。だから、二キロのときにどうか、こんなカタログ表示をしているんですよ、ウォシュレットでも。
 いいですか、〇・六キロで二百リッターの水圧をかけることが、では刑事局長に聞こうか、これはどっちですか。刑事局長はいかぬ、裁判だと言うで。矯正局長、これがどうやって暴行になるんですか。
 ちょっと待ってください。では、消防庁に聞きますけれども、これはいわゆる高圧放水か、何なんですか、〇・六キロというのは。
○寺村政府参考人 お答え申し上げます。
 消防法で定めている消火栓につきましては、屋外消火栓と屋内消火栓と二つございます。
 屋外消火栓設備というのは、放水圧力が二・五キロ毎平方センチメートル、別の単位でいけば、〇・二五メガパスカル以上で、かつ、放水量が三百五十リットル毎分以上の性能が求められております。
 もう一つが、屋内消火栓設備、これは二種類ございますが、一号消火栓と呼ばれるものにつきましては、一・七キログラム毎平方センチメートル以上、放水量は百三十リットル毎分以上でございます。二号消火栓というのは、放水圧力が二・五キログラム毎平方センチメートルで、放水量は六十リットル以上というふうに決められておりますので、〇・六キログラム毎平方センチメートルという水圧では、屋外消火栓及び屋内消火栓設備いずれも性能は満たすものではございませんので、消火栓としては不十分なものであるというふうに認識しております。
○河村(た)委員 ということです。こういうものを高圧放水で殺人事件だと言ってしまった。
 その前にちょっと、最高裁が来ておりますので、刑事局長も言いましたので、具体的な判決になるともう絶対逃げることはわかっていますけれども、ちょっとこれを読みますわ、とりあえず、まず第一審の判決文を。
 名前を避けまして、受刑者の身体等に付着した汚物を除去する目的で、同刑務所第二工場前消火栓から消防用ホースで引き込んだ消防用水の井戸水、消防用水とはっきり言っていますよ、井戸水を、消防用筒先から噴出させて直接当てる暴行を加え、噴出した高圧の水が受刑者の肛門から直腸内に浸入したことにより、受刑者に肛門挫裂創、直腸裂開の傷害を負わせ、よって同月十五日午前三時一分ごろ、同刑務所病室棟集中治療室において、受刑者を直腸裂開に基づく細菌性ショックにより死亡至らしめた。正確な水圧はともかく、水道用ホースに比べ相当高く、一平方センチメートル当たり〇・六キログラムに近いものであったことが認められると。
 これが判決ですわ。これは、悪いですが、判決のことを言うと逃げられることはわかっていますけれども、まず、常識に反する判決というのはあるんですか。
○高橋最高裁判所長官代理者 先ほど個別具体の事件を挙げて、この事件についてこういう認定判断がされているということを委員お述べになりましたけれども、先ほど来出ておりますように、この事件は現在控訴審に係属中でございます。そのようなものについて、事務当局の立場としてあれこれ申し上げることはできないということになっております。御了承のほどお願い申し上げます。
○河村(た)委員 それでは、常識で聞きますけれども、〇・六キロというのは、水道水に対して相当高い水圧ですか。一般論でいいです。
○高橋最高裁判所長官代理者 一般論と申し上げましても、先ほど判決文を示されて、この水圧は高圧かどうかという御質問でございますので、事務当局としては答弁を差し控えさせていただきます。
○河村(た)委員 それなら順番を逆に聞けばよかったけれども、こういう話ですわ、これは。
 だから、悪いけれども、やはり国会でこういうことをやっておるのも影響するんですよ。何かで、本当は読んではいかぬのかどうか知りませんけれども、国会を調べてみたら全員が高圧で暴行だと言っている、全党が、こういうほどの話になりますからね、これは。
 そこで、問題は法務省ですか。まず、どっちから聞こうかな、それじゃ、やはり厚生省に聞こうか。
 〇・六キロというのは、いわゆる水道用ホースの場合、水道に比べ相当高い水圧ですか。
○宮坂政府参考人 御指摘の点は、蛇口から出る水の水圧ということになろうかというふうに思いますが、蛇口から出します水の水圧につきましては、先ほどもございましたが、配水管から給水管に分岐するところの圧力とか、あとは蛇口の栓の開き度合い、要するにコックをひねりますので、それから昼間か夜間かということの諸条件により変わりますので、一概に、水道水は大体何キログラム・パー・平方センチということについては、ちょっとお答えができないという状況でございます。
○河村(た)委員 そんなことより、〇・六キロが一般的に高圧放水かどうかは言えるじゃないですか、普通に。まず、〇・六キロの水をぱっとかけたらどこまで飛ぶんですか。これはわかっているでしょう、当然。
 庭に水をかけるとき、どうなんですか、〇・六キロ。ふろに水を入れるとき、どうなんですか。高圧放水ですか、これ。これは答えられるでしょう。
○宮坂政府参考人 高圧か低圧かというのは、評価をどこでとるかということでございますが、先ほど申し上げましたように、当方、水道を安定的に供給するという意味では、配水管から分岐するところの圧力を百五十キロパスカル、一・五キログラム・パー・平方センチという圧力にしてありまして、蛇口から出る水圧については、先ほど申し上げましたように、一概には言えない。
 ですから、〇・六が高いのかどうかということについて、水道の観点からちょっとお答えをするということはできません。
 以上です。
○河村(た)委員 それじゃ、普通に家庭で使うぐらいの水圧なのか、どうなんですか、悪いですけれども。
○宮坂政府参考人 一・五キログラム・パー・平方センチ以上で分岐をするということになっておりまして、その考え方は、先ほど申し上げましたが、二階まで円滑に流れるということでございまして、二階までというのは、先ほど消防庁の方から御専門ではないという前提がありましたけれども、お答えといたしまして、大体五メートルから六メートルと。
 五メートルから六メートルということでいいますと、キログラム・パー・平方センチに直しますと、大体〇・五から〇・六ということでございますので、一・五で給水管に入りまして、二階に上げたときには、それが〇・五とか〇・六最低減殺されて、さらにメーターとかその他の管の摩擦によって圧力損があります。ですから、一概に言えないというのは、そういうこともあるものですから言えませんが、基本的には、一・五で入れたものが二階に上がったときには最低でも〇・五から〇・六は減衰をして水道の蛇口のところに来るという状況であるということであります。
○河村(た)委員 そうしたら、一・九から〇・六引きますと一・三ですわね、そこからすぐ上がったとしてですよ、途中水平部分がありますけれども。それはいいですね、計算して。一・九が最低分岐であって、そこから六メーター、二階まで行ったとすると、〇・六引くと、そこでは一・三ぐらいで出るであろうと。これはいいですね、計算、単純ですから。
○宮坂政府参考人 委員、今、一・九とおっしゃっておりますが、一・五……(河村委員「一・五だったか」と呼ぶ)はい。最低が一・五キログラムですので、前提といたしまして、先ほど申しましたように、メーター、高低による減衰と、その他、メーターとか管路の中の摩擦もございますので、単純に、一・五マイナス高さの分だけを引いたものがその水道の圧になっているということはちょっと一概には言えません。管路の中の抵抗とかメーターによる減衰というのがございますので、そういう前提の上で、委員の御指摘のような数字になるのではないかというふうに考えます。
○河村(た)委員 大体今言っていただいたけれども、摩擦分がありますから、一キロぐらいは出るであろうと。おおむねでいいですよ、それだけ言っておいてくださいよ、それを今、おおむね。それは言っておいてもらわないかぬ。
○宮坂政府参考人 たびたびのお尋ねでございますが、おおむねといいましても、先ほどのような前提を置いての話でございますので、一・五で給水をして、我々としましては、分岐箇所の圧力だけを押さえているものですから、水道の蛇口のところでどれだけ、しかも、コックのひねり方というのがよくわからない中でどれぐらい出るかというと、それは、先ほど申し上げましたように、一・五マイナス、二階でいけば、〇・五ないし〇・六は少なくとも減殺され、さらにメーターと管路で、それはちょっと管路の抵抗とかなんかございますので一概に言えませんが、そのような水準になっているのではないかというふうに考えています。
○河村(た)委員 まあ、いいでしょう、大体。何ならこの実証をやってもらってもいいけれども、先がたのウォシュレットの出るところ、ウォシュレットの器具に入るところが〇・五は要ると書いてあるんですから、パンフレットで。だから、今言われたように、最低〇・五から〇・六はあるわけです、これは。そうでないと、多分ふろに水が入らぬと言っていましたわ。
 だから、こういうことを高圧放水と言って全委員が質問した。こういうことの責任は、これは法務省にあるのか国会にあるのか。それとも、高圧放水だと、委員会、これは言い張るんですかね、全員が。皆さん、これは継続していますからね、人間はかわっていますけれども。法務委員会としての、権威というわけじゃないけれども、国民に対する責任ですね、それは当然引き継いでいますよ。
 ですから、これは法務省、法務大臣ですか。まあ、法務大臣に言ったってしようがないわな、かわっちまうで。これは法務省の責任者ですよ。法務省の責任者は、こういうふうに国会議員、全党の議員に高圧放水とか殺人だとか言わさしめた責任はどう考えておるんですか。
○小貫政府参考人 かく言う、委員の皆様に言わさしめたという事実関係にはないだろうというふうに思っております。それぞれの情報収集をした上で、それぞれの判断と責任の上で御質問等々されたものと私は認識しております。
○河村(た)委員 とんでもないですよ。今、議員の質問ばかり言いましたけれども、大臣、森山法務大臣、平成十五年二月十八日、「加圧した水を多量に放水する暴行を加えて、」。平成十五年二月二十一日衆議院予算委員会、樋渡刑事局長、「加圧した水を多量に放水する暴行を加えて、」。平成十五年三月二十日参議院法務委員会、樋渡刑事局長、「多量に放水する暴行を加え、」。平成十五年衆議院法務委員会、樋渡刑事局長、「多量に放水する暴行を加え、」。それで、まだ四つありますよ。平成十五年三月二十日参議院法務委員会、樋渡刑事局長、「一平方センチメートル当たり約〇・六キロだったものと承知しております。」こういうことですよ。
 これは国会議員が勝手に誤解したというんですか。どういうことですか、一体。もう一回言ってくださいよ。責任ないんですか、これ。
○小貫政府参考人 〇・六キログラム・パー・平方センチメートルという情報が中間報告で報告されたことは、それは法務省の情報収集の中で出た結論でございました。ただ、その情報の中身というのは、従来から申し上げておりますとおり、刑事局を通じた検察庁の証拠資料の数字であった、こういうことでございます。
○河村(た)委員 検察庁から言われましたから全部免責されるんですか、これ。大臣、おかしいと思うでしょう、幾ら何でも。これは一言言ってください、時間がないから。
○長勢国務大臣 免責とかという問題よりも、検察庁がそういう形で立証されているんだとすれば、そのことを引用するのも当省としては普通よくあることだろうと思います。
○河村(た)委員 引用するのも結構だけれども、今言ったように、明らかに違うわけでしょう、明らかに、〇・六キロ。
 ちょっと時間がたってきましたので、理事会でいいですけれども、こういう話、これはないと思うんですよ、こんなことは、私。これは国会始まって以来だと思いますよ、まず、多分。こういうふうに間違った調査報告によって国会議員全員が間違った質問をして、それで刑務官を傷つけ、また再発防止に対しての的確な手をとられなかった。これは、たまたまプラスチックボトルによって、次、自傷行為をした人がなかったからいいですけれども、あったら、これは犯罪になりますよ、言っておきますけれども。自傷原因が違ったんだから。これは受刑者のためにもならぬですよ。
 だから、ちょっと委員長、理事会でというより、僕をオブザーバーで呼んでもらってもいいですけれども、こういう場合どうしたらいいのか、それを一遍御協議いただけませんか。
○七条委員長 後日、この件につきましては、理事会で協議をいたします。
○河村(た)委員 それで、〇・六キロで暴行が形成されるというなら、日本じゅうの検察庁、法務省、これは日本じゅうの全水道設備に対して、危険だから使用をやめろと指導しなさいよ。
○小貫政府参考人 先ほど来刑事局長が申されておりますとおり、この〇・六キログラムの水圧の場合には、暴行になるかどうかは、具体的、個別的な事情のもとに判断される事柄である、こういうことでございます。ですから、水道水が危険だということにストレートに結びつくものではなかろうというふうに思っておりますが。
○河村(た)委員 ああ、そうですか。そうすると、やはり〇・六キロで水をかけただけでは直ちに暴行にはならないんですね。そういうことですね。
○小貫政府参考人 個別具体的な事情のもとで違法な有形力の行使になる場合とそうならない場合があり得る、こういうことでございます。
○河村(た)委員 それでは、子供さんが泥んこ遊びをやって帰ってくる、ありますよね、お母さんが水道用ホースで体を洗ってあげるというのはよくありますよね。これは〇・六キロ以上ですよ、ほとんど、水圧というのは。これはどうなるんですか。これは暴行じゃないんですか。何ですか、これは。
○小貫政府参考人 そういう事例の場合について考えたことはございませんし、なおかつ、先ほども申し上げたとおり、暴行の中身を確定する公権的な解釈をする立場ではございませんので、仮定の問題についてるる述べることは相当ではない、このように判断しております。
○河村(た)委員 また、ちょっと委員長、悪いけれども、そういう党派のややこしい話を超えて、一遍真剣にちょっと議論してくださいよ、これ。国会が間違えた場合、どういうふうに責任を、だれが一体とるのかということですね。間違えただけじゃ済まないんですね、これは被害者がいますから。受刑者の再発防止にもならないし、それから刑務官は地獄の思いをしている。後は知らぬふりでいいのかということですので、ぜひ、先ほどの約束をいただいたらいいです。まあ、一言何か。
○七条委員長 後刻、この問題については、理事会で協議をさせていただこうと思っております。
○河村(た)委員 そうしたら、この問題は一応こんなものにしておきましょうか。
 それじゃ、法務省関係、結構でございますので。ありがとうございます。
 それから、きょうは例の議員宿舎の問題を、ちょっと来ていただいておりますので、これについて質問したいと思います。
 まず、会計検査院というよりも、これは前に質問しましたけれども、会計検査院でいいですよ。まず、国有財産とか、議員宿舎というのは、あれは国有地に建っておりますわね。ああいうものを利用したり、国有財産、それからそれに関していろいろなお金を支出するには法律の根拠が要りますね、会計検査院。
○諸澤会計検査院当局者 お答え申し上げます。
 国有地に国の事務事業の用に供する建物を建設する根拠についてのお尋ねかと思いますけれども、一般論として申し上げますと、国の事務事業につきましては法令に基づき行われるもの、そういうふうに承知しております。
○河村(た)委員 何を言いたいかようわからぬですけれども。
 それでは、衆議院の事務局に伺いますが、どういう法律上の根拠に従ってあの議員宿舎というのは建っておるんですか。それで、何億という金を支出していますけれども、どういう根拠に従って金を使っておるんですか、あれは。
○山本参事 議員宿舎は、公務員宿舎のように直接法律に基づくものではございませんけれども、国有財産法上は行政財産の庁舎の扱いでございまして、地方選出議員の在京生活を保障し、議員の職務を円滑に遂行するため、宿所として議院運営委員会の決定に基づき設置されたものでございまして、議院運営委員会の議を経て、すべて支出等についても承認されたものでございます。
○河村(た)委員 庁舎だそうですよ、七条さん。庁舎、あれは。庁舎としてならいいということです。本当ですかね。あれは庁舎ですか、あそこは。まず名前が宿舎になっていますけれども。庁舎なら何で東京の人にないんですか。
 会計検査院、これは実態も見るんでしょう、会計検査院は実態も。どこか必要な行政事務を行うところと聞いて行ってみると、全然違うことをやっておった。これは違法な支出になるでしょう。
 これは庁舎ですか、あそこは、宿舎は。
○諸澤会計検査院当局者 お答え申し上げます。
 庁舎、宿舎のそういう定義にもよると思いますけれども、国の事務事業の用に供する公用財産として議員宿舎が整理されているものと承知しております。
○河村(た)委員 何を言っているんですか。国有財産法のところに、実は、国家公務員の場合は、国家公務員宿舎法と別に書いてあるんですよ、やはり。公共の用、事業またはと書いて、やはり宿舎は当然じゃないんですよ、当たり前じゃないですか、そんなもの。
 公務員は宿舎を持っていいなんて当たり前じゃないですよ、当然これは。別個に書いてあるんですよ、ちゃんと、公務員宿舎は。議員宿舎は書いてないんですよ、これ。だから庁舎に入っているんですよ、庁舎に。何が庁舎ですか、あれが一体。どこが庁舎なんですか、一体、これ。じゃ、東京の議員にも用意しなきゃいかぬじゃないですか、庁舎だったら。なぜ検査しないんですか、会計検査院。
○諸澤会計検査院当局者 お答え申し上げます。
 お尋ねの議員宿舎につきましては、国会における決定に基づき設置されたものと承知しております。会計検査院といたしましては、個々のケースにつきまして、その目的や手続等に照らして問題があるかどうかを判断することになるのだろうというふうに考えております。
○河村(た)委員 判断になるだろうということは、それじゃ、調査しないということじゃないんだね。今、ちょっと確認しておきましょうか。これ以上検査しないということですか。
○諸澤会計検査院当局者 私どもの検査、合規性や経済性、効率性あるいは有効性など、さまざまな観点から実施しております。ただいま御議論ございましたことも十分留意をして検査を行ってまいりたいと考えております。
○河村(た)委員 それならいいけれども、本当に皆さん見ていますよ、会計検査院が八百長なのか国民の味方なのか、これは本当に。
 では、当たり前のことを確認しますけれども、会計検査院は憲法に別個に規定があって、国会のいろいろな支出、それから財産の使用についても当然検査しますね、国民の皆さんに。
○諸澤会計検査院当局者 お答え申し上げます。
 国会における国費の執行、支出につきましても、会計検査院の検査対象であると認識しております。
○河村(た)委員 本当にこれは僕もびっくりしましたね。国会がみずから、一番率先して法律の規定によって国有財産を使わないかぬですよ。これは規定がないんだもの、議員宿舎。わけがわからないですね。それで何億という金も支出しておって。私も自分で住んでおるんですけれども。
 わしの若干ええところは、間違ったことに気づいて自分で言うということですよ。私は赤坂の宿舎に入りませんよ、あの新議員宿舎、とんでもない。国会議員が億ションに住んでどうするんですか、一体。何を考えておるんだということですよ、本当に。そんなことで庶民のことが何でわかるんだ。その立場でも検査してくれますね。一・六億ションがいいかどうか。
○諸澤会計検査院当局者 先ほども申し上げましたように、私どもの検査、その事業の段階に応じまして検査に取り組んでいくということは、まさに私どももそういう認識でやっておるということを御理解いただきたいと思います。
○河村(た)委員 では、会計検査院も事務局も結構でございます。みんな注目しておるでね、本当に八百長か国民の味方か、これ。国会はチェックするところがないから検査院がやらなきゃどうしようもならぬですよ、これ。こういうことでございます。
 では、最後に、これを聞くのは金融庁だな、金融庁に、金融庁とちょっと法務省も関連しますけれども、名古屋なんかで、結局、RCCといいますか、おどかしてと言っては語弊がありますけれども、具体的にちょっと言いますと、RCCの名古屋支店で、預金保険機構が財産調査権を発動したときの捜査時に、おれは警察OBだとか、それから、RCCに協力しないと競売妨害になると言って上申書を書かせる、いわゆる強要、脅迫まがいのこのような調査が行われておると聞きますが、きのう質問通告しましたけれども、これは事実でしょうか。
○河野政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま委員から御指摘をいただきました二つの事案につきまして、情報提供はいただいておりますが、これが事実であるか等々の個別の問題につきましては、答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○河村(た)委員 情報提供はある。
 調査はしておるんですか、調査は。調査権はあるでしょう、あなたのところ。
○河野政府参考人 まず、こういった個々の取引ないしは回収の事案につきましては、預金保険機構及び整理回収機構において、法令等を遵守しまして適切に対応されるということが前提でございまして、私ども、一般的な監督権限は持っておりますが、これにつきましては、日々の監督の中で、RCCないし預金保険機構の業務の運営上重大な問題があるといったような場合に監督権限が行使できるものと考えております。
○河村(た)委員 質問通告の中では、財産調査権なんかは何件あるのかということがありましたけれども、ちょっと時間がないもので、これは改めて文書で、この後の出したるところについてはちょっと文書で別個に返事をいただきたい。いいですか。これをちょっと答弁してください。
○河野政府参考人 御質問の事案、もちろん的確にお答えをさせていただきたいと思います。(河村(た)委員「文書でね、文書で答えるんですよ」と呼ぶ)資料要求等につきましても、文書で回答はさせていただきます。
○河村(た)委員 では、法務省関係の方もお見えになっておりますので、一言せっかくだから言ってもらわないかぬけれども。
 だから、こういう場合に、今言ったけれども、調査というのは実際に、何も答えてくれぬけれども、適正にやっているのは当たり前のことなんであって、何か言われたときには、実際どうなのかというヒアリングはするのかしないのか、どうなっておるんですか。
 それじゃ、名古屋の場合も、内容はいいですけれども、当事者を呼ばれて、こういうことがあったかと聞かれたんですか。
○河野政府参考人 RCCは銀行法上の銀行でございます。そういう意味で、私ども、金融機関の監督全体の中で、通常の手法と申しますのは、まず、問題点が把握をされました場合には、必要に応じて関係者からお話をお聞きすることもございますが、基本的には、まず金融機関に対して適正な対処を求めるという立場でございます。
○河村(た)委員 適法な対処を求めるというのは、そんなのは当たり前のことで、こういうことがあるのかないのかというのは、聞かれたのか聞かれないのか、どっちですか、これ。それは言ってくれなあかんじゃないですか、それだけは。
○河野政府参考人 こういった場合につきましては、個別の取引でございますので、関係者に不測の損害を与える可能性もございます。そういう意味で、個別の案件につきましては、コメントはぜひ差し控えさせていただきたいと存じます。
○河村(た)委員 何かようわかりませんけれども、とにかく、えらいそういう話を聞くんですよね。前、どなたか有名な方が弁護士さんをやめられたケースがありますけれども、そういうことのないように。
 しかし、一遍これも文書で、どういう調査を、答えられぬなら答えられぬでいいですよ、ほかの案件も含めて、件数だけではなしに、どういうのがあって、それに対してはどういうふうに実際に聞いたというのは、そういうのを出してくれるときはありますよ、こちらの法務省でも。そういうのをちょっと出してもらえぬですか。
○河野政府参考人 委員から、以前からいろいろ、個別事案も含めまして、お尋ねをいただいておりますものに対しまして、可能な範囲で誠意を持ってお答えをさせていただいておりますので、御質問を拝見しました上で的確に対応したいと思います。
○河村(た)委員 では、時間が参りましたのですが、ぜひひとつ、委員長におかれましては、先ほどお願いしましたように、本当に、やはり国会議員、きちっと責任を持ってやらなあかんですからね、不幸にもこういう間違いがあったときにどうしたらいいのかということを、せっかくまじめな七条さんが委員長になられたことですので、お願いしたいと思います。
 以上でございます。
○七条委員長 先ほどのとおりでございますから。
 次に、滝実君。
○滝委員 院内会派を解消いたしましたので無所属ではありますけれども、新党日本の滝実でございます。
 私も一年ぶりに、この法務委員会で初めて十分間の質問をさせていただきますので、お答えはごく短目によろしくお願いを申し上げたいと思います。
 まず最初に、今度の北朝鮮の事態に関しまして、公安調査庁がどういう事柄について対応されているのか。ふだん公安調査庁というのは余り新聞に出ませんしね、事柄の性質上。こういうときこそ、こういうことをやっているということをやはり国民に知ってもらうということも必要だろう、そう思いますので、ごく簡単に、どういう事柄で今回の対応をしているのかということをおっしゃっていただきたいと思います。
○大泉政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の北朝鮮による核実験実施の声明等を受けまして、当庁におきましては、直ちに緊急の調査体制を立ち上げまして、北朝鮮の動向などの調査を強化いたしますとともに、北朝鮮はかねてからさまざまなテロ等の活動を行っており、今回のミサイル発射あるいは核実験等に関する我が国の制裁措置に強く反発しておりますことから、テロ等の不法、有害活動の発生の可能性も否定できないものとの認識のもとに、事案の背景、意図など、関連情報の収集、分析に努めておるところでございます。
○滝委員 中身をここで一々具体的におっしゃっていただけないと思いますけれども、早速強化の方策をおとりになったということはやはりアピールしていいんだろう、こういうふうに私は思います。
 遅くなりましたけれども、最後に大臣から感想をいただきますので、一問一問の御答弁は大臣以外の方で結構でございますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 二番目に、経済犯罪についての対応というのは、その他の刑事事犯とは違う対応をしていく必要があるんじゃないだろうかなということを私は常々考えているわけでございます。そういう意味では、例えば暴力事件なんかとは違った対応というのが、経済事犯というのは、要するに利益、あるいは犯罪でございますから不当な利益を得るための活動でございますから、それに対応したものが必要じゃないだろうかな、こういうふうに思いますので、二点ほどお尋ねをしたいと思います。
 まず、例えば証券取引法で出てくる犯罪では、必ず没収の問題が出てきます。不当利益を没収する、こういうことでございますけれども、その没収が、裁判所の判例を見ると、どうも余り大きな額ではないんですよね。
 特に、例えば暴力事件でございますと、人を刺したときのナイフでありますとか、そういうものは、これは犯罪の用に供したものとしてすぐ没収されるのでございますけれども、例えば経済事犯、特に証券取引法なんかの取引でやる場合には、資本金ですね、元手、不当利益を得るための元手なんというのはなかなか没収しないんじゃないだろうかな、こういうようなことが判例から見受けられるのでございますけれども、まず、そういった点についてどういうふうに考えているのか。
 それから二番目には、これは最近の例でございますけれども、村上ファンドの村上被告人は、逮捕されたときにはその容疑事実を片っ端から認める、悪うございましたと言ってテレビにも出てきて、素直に犯罪事実を認めて、すぐにというか割と短時間で釈放されているんですよね。ところが、第一回の公判が開かれますと全面的に否認、これはなかなか賢い手だな、こう思うんですよね。
 すぐに釈放されると、その日から経済活動ができる。その経済活動を通じて、また莫大な利益を得ることができる。これは経済人として、事業家として当然のことなんですね。
 それで、簡単に認めて釈放されておいて、今度は公判廷になったら前言を翻してやる、そういった点について私はどうも疑問なところがありますので、まずこの二点について、これは刑事局長ですか、お答えいただきたいと思います。
○小津政府参考人 まず第一点についてお答えいたします。
 御指摘のとおり、証券取引法百九十八条の二でございますけれども、「次に掲げる財産は、没収する。」ということで、その中にインサイダー取引等の犯罪行為により得た財産等々が書いてあるわけでございます。そういう意味で必要的没収でございますけれども、その後に「ただし、その取得の状況、損害賠償の履行の状況その他の事情に照らし、当該財産の全部又は一部を没収することが相当でないときは、これを没収しないことができる。」こういう規定になっておるわけでございます。
 もちろん、個々の事案で適切な判断がなされていると思いますが、裁判例を概観いたしますと、インサイダー取引について見ますと、むしろ全額の、つまり売買差益ではなく全額の、主として追徴でございますが、している裁判例が多いのではないかと思います。もちろん裁判例の中では、差額相当額に限定した、例えば相場操縦罪についてそのような高裁の判断が出た例もあるとは承知いたしております。それが実情でございます。
 第二点といたしまして、ちょっと具体的な事案から離れて御説明させていただきますが、保釈された後には、一定の理由がございますと、裁判所は、検察官の請求または職権により、保釈を取り消すことができるとされているところでございます。その保釈取り消しの要件の中に、「罪証を隠滅し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。」等々があるわけでございます。いずれのケースにつきましても、保釈された被告人につきましてそのような事情があるときには、検察当局で適切に対処しているものと承知しております。
○滝委員 もう少し議論をしたいと思いましたけれども、あと残り時間が数分でございますので、最後に、大臣から二点について御答弁いただきたいと思うんです。
 一つは、公安調査庁の組織あるいは人員の問題でございます。外務省の各大使館、領事館に公安調査庁からも専門官を派遣していると思うんですね。これが、予算の関係上、特定のところに限定されている。そういう中で情報収集するというのは、やはりそれだけの制約があるだろうと思います。
 例えば北朝鮮の場合でございますと、EU諸国がかなり北朝鮮と密接な交流関係にある、そういう中で公安調査庁の人員配置もやはり考慮すべきじゃないだろうかな、こういう感じがしますので、そういう点についての考え方をお述べいただきたいと思うんです。
 それから、今の刑事問題でございますけれども、経済犯罪は、村上被告人のような態度をとることがまれにあるわけですね。そういうことに対して、やはりもっと積極的に、保釈の取り消しみたいな格好で、現場の検事は活発な監視、ウオッチをすべきじゃないか、こういうふうに思いますので、そういった点についてのお考えを承りたいと思います。
 三点目は、これは大臣に初めてお聞きするのでございますけれども、現在、関東医療少年院、榛名女子学園あるいは愛知少年院ですか、そこで犬を、いやしのためというふうに思いますけれども、サポートドッグのようなものを導入して収容者のために飼っている、こういうような事例があるのでございます。これをもう少し本格的に少年のための更生プログラムとして採用されたらいかがなものだろうか。
 日本の場合も、アメリカに倣って入れたはずなのでございますけれども、犬の選択が間違っていた。やはり犬でも向き不向きがありますから、そういうところにふさわしい犬が必要なんですね。
 そういうようなことから、もう少しサポートドッグを更生プログラムの一環として入れて、大臣もお述べになっておりますけれども、再チャレンジ、要するに、出所者がその犬の訓練を通じてそういう技術を身につけるというチャンスでもございますので、そういった点をおやりになったらどうだろうかな。ことしから、実は韓国がサムスン電子の協力を得てきちんとしたプログラムを実行しておりますので、そういった点についてお考えをお述べいただきたいと思います。
 時間が来ましたので、簡単でございますけれども、よろしくお願いいたします。
○長勢国務大臣 日ごろ、法務行政に御関心と御指導をいただいておりまして、感謝申し上げたいと思います。
 最初に公安調査庁の件でございますが、在外公館等に今いろいろ増員もしてきておりますけれども、まだまだ不足であるということも、これから頑張っていかなきゃならない一つの道だと思っております。
 北朝鮮情報については、そういう問題だけではなくて、いろいろなやり方を今公安調査庁で一生懸命やっておりまして、それなりに各国からの評価も高いところがあると思っております。そういう点も含めて、一層の情報機能の強化に努めていきたいと思っておる次第であります。
 経済犯罪。今、ライブドア、村上事件のお話もなさいましたが、昨今、こういうルール違反のような話も多いわけでありまして、経済事犯に対する制度的な整備も鋭意進めておるわけでございますが、同時に、非常に専門的な分野もありますので、捜査体制、捜査手法あるいはそれに対する取り組みの意欲というものも見直しをして、必要な対処というか、厳正な対処に努めてまいりたいと思っておる次第であります。
 犬の件でございますが、先生もいろいろ御苦労いただいてきたようでございます。今おっしゃっている趣旨は理解できるところもありますし、また韓国では進んでおるということでございますので、少し勉強させていただきたいと思います。
○滝委員 終わります。ありがとうございました。
○七条委員長 長時間御苦労さまでございました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時五十六分散会