第165回国会 文部科学委員会 第5号
平成十八年十一月十五日(水曜日)
    午前九時十二分開議
 出席委員
   委員長 桝屋 敬悟君
   理事 鈴木 恒夫君 理事 田野瀬良太郎君
   理事 西村 明宏君 理事 平田 耕一君
   理事 藤村  修君 理事 笠  浩史君
   理事 遠藤 乙彦君
      井脇ノブ子君    飯島 夕雁君
      江崎 鐵磨君    小川 友一君
      小野寺五典君    小渕 優子君
      上川 陽子君    川条 志嘉君
      佐藤  錬君    柴山 昌彦君
      杉村 太蔵君    鈴木 俊一君
      田中 良生君    冨岡  勉君
      西本 勝子君    馳   浩君
      早川 忠孝君    福田 峰之君
      藤田 幹雄君    馬渡 龍治君
      盛山 正仁君   山本ともひろ君
      奥村 展三君    郡  和子君
      田名部匡代君    高井 美穂君
      野田 佳彦君    松本 大輔君
      松本 剛明君    横山 北斗君
      丸谷 佳織君    石井 郁子君
      保坂 展人君
    …………………………………
   文部科学大臣       伊吹 文明君
   内閣官房副長官      下村 博文君
   文部科学大臣政務官    小渕 優子君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房長)   山本信一郎君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房タウンミーティング担当室長)   谷口 隆司君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房長) 玉井日出夫君
   政府参考人
   (文部科学省生涯学習政策局長)          田中壮一郎君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          銭谷 眞美君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            清水  潔君
   文部科学委員会専門員   井上 茂男君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十五日
 辞任         補欠選任
  井脇ノブ子君     川条 志嘉君
  飯島 夕雁君     冨岡  勉君
  小島 敏男君     田中 良生君
  平口  洋君     盛山 正仁君
  二田 孝治君     小野寺五典君
  田島 一成君     郡  和子君
  牧  義夫君     田名部匡代君
  西  博義君     丸谷 佳織君
同日
 辞任         補欠選任
  小野寺五典君     二田 孝治君
  川条 志嘉君     井脇ノブ子君
  田中 良生君     上川 陽子君
  冨岡  勉君     杉村 太蔵君
  盛山 正仁君     平口  洋君
  郡  和子君     田島 一成君
  田名部匡代君     牧  義夫君
  丸谷 佳織君     西  博義君
同日
 辞任         補欠選任
  上川 陽子君     早川 忠孝君
  杉村 太蔵君     飯島 夕雁君
同日
 辞任         補欠選任
  早川 忠孝君     小島 敏男君
    ―――――――――――――
十一月九日
 高等教育予算の大幅増額、私大経常費補助二分の一の実現、父母・学生の学費負担軽減に関する請願(横山北斗君紹介)(第三〇三号)
 同(保坂展人君紹介)(第三九五号)
 同(高井美穂君紹介)(第四四二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 文部科学行政の基本施策に関する件(児童生徒のいじめ・自殺問題及び高等学校における科目未履修問題)
     ――――◇―――――
○桝屋委員長 これより会議を開きます。
 文部科学行政の基本施策に関する件、特に児童生徒のいじめ・自殺問題及び高等学校における科目未履修問題について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房長山本信一郎君、大臣官房タウンミーティング担当室長谷口隆司君、文部科学省大臣官房長玉井日出夫君、生涯学習政策局長田中壮一郎君、初等中等教育局長銭谷眞美君及び高等教育局長清水潔君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桝屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○桝屋委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。西村明宏君。
○西村(明)委員 おはようございます。自由民主党の西村明宏でございます。
 まず初めに、いじめに起因して若い命をみずから絶ってしまった子供たちとその御家族に対しまして、心から哀悼の誠をささげたいと思います。そして、皆様とともに全力を尽くしてこのいじめ問題の根絶に当たってまいりたいと思うところでございます。
 さて大臣、教育というのは一体何でしょうか。辞書によりますと、その定義では、一般的あるいはその面の知識や技能の修得、社会人としての人間形成などを目的として行われる訓練というふうにあります。ただ、現在の教育においては、知識や技能に偏在しておりますし、大学進学ばかりに目を向けたカリキュラムが編成されている、これが今の未履修の問題にもつながっていると思います。その反面、社会人としての基礎的な教養である文化であるとか伝統、そして歴史、そういった社会人になる上で基礎的に身につけていかなければならない部分、また、社会人としての人間形成の面の育成、こういったところがどうしてもおざなりになっている、そういうような気がしてなりません。
 そしてまた、もう一つ問題意識を持っているのは、自由主義というものが余りに強調されているのではないのか。自由というのは、もともと人間が生まれながらに持っているものでございます。しかし、その自由というのは、自分の自由は他人の自由と接した時点で制限されるということが理解されていないんじゃないのかなと思います。
 人間は、生まれたときにあらゆる自由を持っています。世界じゅうに自分一人しかいなければ、その自由は十分に享受できる。しかし、それが家族ができ、そして地域コミュニティーができて、そして歴史的にはそれが発展して都市国家になって、そして現代のような大きな国家になりました。そうすると、より多くの人と一緒に快適に暮らしていく、そういった節度というものが求められてくるように思います。
 人間の自由の部分、個人の自由と、そして人間の尊厳というものは十分に尊重されなければなりません。しかしながら、相手の自由とそして尊厳を尊重することによって初めて、自分の自由と尊厳が守られる、こういった根本的なところがなくて、自分の自由ばかり主張して、相手の自由の領域まで踏み込んでしまっても構わないというような風潮があるように感じてなりません。
 社会を生きていく上での規範意識というものを、もっともっと子供のときからしつけていかなければならない、そういった思いでいるところでございますけれども、大臣の教育に対する根本的な理念、考え方というのをまずもってお伺いしたいと思います。
○伊吹国務大臣 今、先生は、教育の中でつくるべき、達成していくべき人間の理想のようなお話をされたと思いますが、教育というのは、やはり人間をつくる、またそのつくるための基盤をどうしていくか、いろいろな場面があると思います。
 今おっしゃったことは、もうギリシャ、ローマの昔から、特に近代社会になってからの政治思想の中で常に論争のある部分なんですね。個人の権利とそして公益との間のバランスをどう見るか、それによって政治思想もいろいろございます。ですから、教育論というのは、実は百人いれば百人ともできる分野であるだけに、おのおのの方の人生観、おのおのの方の価値観によって、理想の人間像は異なっております。したがって、日本という集団の中で一つの行政の方向をつくっていくためには、やはり最も謙虚に応対をしなければならない分野である、これが私の基本的な認識でございます。
 その上で申し上げれば、私は、やはり理想の人間像というのは、体と知識と心のバランスがとれて、そして、日本という国に生まれた限りは、日本という国とそして人類のために尽くすという気概を持っていること、そして、常にその体と知識と心を磨き続けるという心を失っていないこと、そういう日本人をつくっていくための教育の機会をできるだけ厚くしていくことが私の責任だと思っております。
○西村(明)委員 ありがとうございます。
 いじめによる自殺、こういった痛ましい事件が起きている中で、何より重要なのは教師の果たす役割だと思います。単に大学時代勉強ができて、そして教師の任用試験に合格してというだけでは、教師の資質として若干物足りないのかなと。やはり子供を教えるという意味において、優しさとたくましさ、そして強さを兼ね備えた教師でなければならない、そういうふうに思います。
 先般、アフリカの方に行ってまいりました。ニジェールという世界の中でも非常に貧しい国。そこで、まだ若い女性の先生が非常に熱心に子供たちを教えていました。すごい高等数学とか、そういったものを教えているわけじゃございませんが、子供たちの学びたいという欲求にしっかりとこたえて、時には優しく、時には厳しく、しつけも含めて指導に当たっていました。こういった先生というのが本当に何より今求められているんじゃないのかなと。いまだに金八先生が、再放送がずっと続いていますけれども、ああいったものを国民の皆さんが見たいと思うのは、ああいった先生像というのをやはり心の奥で期待している、そういうところがあるんじゃないかなと思います。
 今、地方自治体によっては、採用した先生を途中で海外に青年協力隊等々で出して、そこでより精神的にも肉体的にも強くなって戻ってきてもらうとか、もしくは大学の在学中に、もしくは大学卒業してすぐに海外青年協力隊等々に行って、そして戻ってきた人は優先的な枠を設けるとか、そういった自治体もふえています。そして、そういった先生方の評判が非常にいいというのは文部科学省のアンケートでも出ているとおりでございます。全員に海外青年協力隊に行けとは申しませんけれども、やはりそういった優しく強くたくましい教師が育つような教員の養成プログラムというものが必要ではないのかなと思います。
 そして、それと同時に、やはり子供たちも、精神的な強さ、忍耐力、これを強めていかなきゃいけない。死んだら何もならない。よく大臣が死んだら何もならないと呼びかけをされておりますけれども、一回しかない大事な人生なんです。つらくても苦しくてもそれを乗り越えていくような、そういった子供に育てていくようなサポートをするのが文部科学省の仕事ではないのかなと思っております。
 子供が群れて遊ぶ、そうした中で切磋琢磨して強くなっていく。今、少子化の中でどうしても大事にされて、人と触れ合って摩擦を起こす中で磨かれていくという部分が少なくなってきている。そういった機能をやはり学校というところで果たしていかなきゃいけないのかなと。
 そして、それと同時に、アンケートでも明らかになっていますけれども、ゲームが発達して、死んでも、ボタンを押してリセットすればまた生き返ると思っている子供が、本当にたくさん現実にいるんです。そういうものじゃないんだよ、貴重な命なんだよということをやはり学校の教育の現場においてしっかりと理解してもらうような子供の育成のプログラム、こういったものも必要だと思います。
 しっかりした、強く優しい教員の養成、そして忍耐強く、精神的に強い子供の育成、こういったものにぜひ力を注いでいただきたいと思っておりますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。
○伊吹国務大臣 今先生がおっしゃった望ましい教師の姿、あるいはまたその教師に育ててもらいたい子供の姿、全く私はそのとおりだろうと思います。
 ただ、いじめについて、教師に、学校の先生に、今おっしゃったような理想像をもちろん求めて対応していただかなければならないんですが、率直に私は、今回のいろいろな事案を見ておりまして気になることは、やはり教師に過大な期待をみんながかけ過ぎて、本来、かつてであれば御家庭の中で果たすべき役割、地域社会の中でやらなければならなかったこと、これが残念ながら、ある意味では日本が近代化し経済成長を果たした結果だと思いますが、核家族化が進み、共働きという現実の中で、地域社会と家庭というものの力が非常にやはり弱くなってきている。かつて家庭と地域社会が果たしてきたことまで教師に過大な要求を突きつけて、お互いに相手を非難しているという構図が私はどうも気になって仕方がないんです。
 学校の先生がいじめを隠すとか、教育委員会がそれをほうっておいたとか、校長の管理能力がなかったとか、いろいろな事案は確かにございます。それはそれで責められなければならないんですが、同時に、御家族が、私たちにも何も、子供はそんなことがあるとわかりませんでしたとおっしゃることが非常に多いですね。ですから、ぜひそのあたりは少し、文部科学省だけの仕事ではとてもカバーでき得ないと思いますが、家庭の、家族の再生ということはやはりちょっと長い目で見てやっていかないといけない。それから、学校協議会等、地域の子供に対する目配りもあわせて考えて、そして先生方には、今まさに御質問の中でおっしゃっていただいたような姿を求めていく、これがやはり、やっていかなければいけないことだと思います。
○西村(明)委員 ありがとうございます。
 未履修の問題が次々に判明する中で、今、学校や教育委員会の責任というのが問われております。しかし、現在では、国は教育委員会などへの指導と助言の権限しかないという中で、国民の間では何となく文部科学省が言いわけしているかのように受け取られるようなイメージもございます。それは、根底には、やはり教育は大変重要なものであるから、外交とか防衛とかいったものと同じようにぜひ国に責任を持って頑張っていただきたいというふうな気持ちのあらわれなんじゃないかなと感じるところでございまして、ぜひ国として責任を持って対応できるような、そういうふうにすべきではないかと感じるんですが、大臣の御所見を伺います。
○伊吹国務大臣 教育について国がどのように関与しているかというのは、諸外国を見ても、フランスのように全く国が責任を持って義務教育の予算権、人事権を握っているという国もございますし、アメリカはもう生い立ちからいって、ユナイテッドステーツなものですから州にほとんどの権限がございます。どれがいいかというのは、どちらも長所と短所があるんですね。
 今までのところは、戦前のいろいろな反省があったこと、それから、平成の時代になってから、地方分権が随分いいことだという流れがあって、どちらかというと地方へ教育権を移している。教育の実質的な権限、つまり人事権、予算権、法令の執行権、この三つによって、実は最終的な間違ったことをやった場合の是正の権限があるわけです。この三つの権限を持っている者は、自分が知らなくても最終的な結果責任を負わなければいけないんです。ですから、こういう事態になったときに、文部大臣がすべての責めを負って辞表を出さなければいけないという体制にした方がいいという考えもあります。しかし、それに伴うもろもろのマイナスがあるよという意見もございます。
 ですから、今回は、こういう事例が出てくると、確かに先生がおっしゃったのと私は同じ考えを持たないわけではないんですが、どこかでやはり現実との調和を図ってやっていかねばなりませんので、いずれ教育基本法を国会でお認めいただければ、また、ここにいらっしゃる、もうこれは国民の代表の先生が党派を問わずいらっしゃるわけですから、教育というのは国民的課題ですから、そのあたりの行政のあり方についてはひとつ御相談をして、いい方向をつくりたいと思っております。
○西村(明)委員 今大臣の方から非常に見識のあるお話をちょうだいいたしました。ぜひそのすばらしい見識をもってリーダーシップを発揮して頑張っていただきたいと思います。
 終わります。
○桝屋委員長 次に、遠藤乙彦君。
○遠藤(乙)委員 おはようございます。公明党の遠藤乙彦でございます。
 前回の集中審議に引き続き、またきょうもいじめ、また未履修問題ということでございますけれども、私は特にいじめの問題をまた質問したいと思っております。
 本当にここのところのいじめ、また自殺には大変心を痛めておるわけでございますけれども、また自殺予告の手紙が随分寄せられているようでございます。こういった連鎖反応ともいうべきような現象を大臣はどのようにとらえられ、またどのように対応されているのか、まずお聞きしたいと思います。
○伊吹国務大臣 先生が御質問になったところが、自殺予告の手紙が最初に私のところへ参りましたときに、どうしようかと思って実は大変悩んだところです。私に送ってきておられる手紙には実はいろいろな可能性がございます。本当に苦しんでおられる子供さんから来ているものと、やや愉快犯的に来ているものとあるわけですね。これの見分けは非常に難しゅうございます。
 一回目は、君たちをほうっておくのではないというメッセージを行政の責任者としてやはり示さなければならない、あるいはいろいろな可能性があるかもわからないけれども示さなければならないと思って、マスコミの皆さんが大変協力をしてくれました。各社も報道してくれましたし、テレビも、突然のことでしたが、大臣のメッセージをとおっしゃって、私がテレビの前でお話ししたことを放映してくれました。そして、水曜日までに何のアクションもなければ土曜日に自殺するという手紙が本当の叫びであれば、土曜日には何事も起こらなかったということにはなったわけです。
 まず、児童の心理的なこととしてよくあるのは、連鎖自殺ということがあります。もう一つは、こういうものに対して対応すると、次々次々と送ってくるんですね。送ってきたものは、先生が御指摘のとおり、随分多数に上がっております。中には、送ってきた人を特定して、そして措置をとって、これは命が結果的に助かったという表現は適当かどうかわかりませんが、その子供に対してケアができたのがやはり四件、五件と出てきております。ただ、特定できないものもございます。
 これは、本当であれば、公表しなければたたかれます。愉快犯であれば、公表したら、連鎖反応が起こったじゃないかといってまた批判を受けます。責任者というのは常にそういう批判にさらされるものだと思って、さらされながらでも、一人の命が救われれば、それは私が批判を受けてでもやるべきことだと認識いたしております。
○遠藤(乙)委員 この問題は大変難しい対応を迫られていると思っております。大臣も大変悩みながら決断をされていると思っております。
 私は、この問題はやはり、いろいろな可能性があることは事実です、愉快犯となるかもしらぬ。しかし、大半は、この問題の深刻さ、すその深さですね、本当に追い詰められている子供がどれほどいるかということのあらわれだろうと思っておりまして、しかもそれが、大人の世界がそういったことを受けとめてくれない、なかなかすぐに行動してくれない、そういったいら立ち、怒り、あるいは告発と言ってもいいような、そういった噴出ではないかと。したがって、これを重く受けとめてどう対応するか、大変難しいと思っております。
 私は、やはりこの問題を改善していくためには、何といっても迅速な行動と誠意ある対応、子供の目から見て、あっ、すぐ行動してくれた、やはり大人はわかってくれた、そういうことがわかるような対応をすることが何よりも大事じゃないかと思っております。
 そういった意味で、前回スウェーデンの例を取り上げましたけれども、今回、ノルウェーに世界的権威がいるそうで、ちょっと私の調べた範囲で申し上げますと、ノルウェーのベルゲン大学にダン・オルウェーズという教授がおられまして、この方は、もう三十年以上にわたっていじめ問題を研究してこられた世界的権威、第一人者と言われているそうでございます。私は会ったことはありませんけれども、その分野では非常によく名前が知られている方だそうでございます。この方のいじめ防止、またいじめによる自殺の防止のプログラムがありまして、これは非常に的を得たものではないかと私は思った次第でございます。
 この方が一番強調していることは、一つの明確な事実といいますか傾向がある。それは、休み時間や昼休みに生徒と一緒にいる教師の数といじめの件数の間にはっきりとした負の関連がある、それから、授業の合間の時間に十分な数の大人、特にいじめの初期の段階で介入する意思と準備ができている大人が生徒たちを監督していることがいじめ防止上極めて重要である、こういったことを報告しているんですね。これは大変重要な、私はダン・オルウェーズの法則と言ってもいいと思いますけれども、これが非常に、多分実践的ないじめ対策のポイントだろうというふうに感じております。
 さらに、この教授は、プログラムとして、まず大人側の問題意識と真剣な取り組み、これが大前提であるけれども、その上で、学校レベルの対策、クラスレベルの対策、個人レベルの対策と立て分けまして、具体的な処方せんを書いております。学校レベルでは、学校会議をやっていじめ問題の討議と長期活動計画を策定するとか、休み時間、昼休みにおける監督方法の改善、特に監視チームを配置する等。それからクラスレベルでは、ホームルーム、学級会等でいじめ防止について話し合い、ルールを決めるというような話。あるいはまた個人レベルで、いじめにかかわる生徒と教師が対話をする。こういった具体的な方策を掲げております。
 特に、原則として大事なことは三つ主張しておりまして、いじめには教師と親が積極的に介入すること、二つ目に、容認できない行動に対して明確な基準を示すこと、それから三つ目に、規則違反に対して非敵対的、非体罰的な罰則を一貫して使用するということを述べているわけですね。特に、初期の段階で兆候を察知してすぐに介入し、やはりルール違反に対してはきちっと対応するということがその考え方でありまして、いわば予防的な積極的介入主義とでも言えるような考え方なんですね。これが非常に効果を上げているというふうに聞いております。
 私は、多分、ニューヨークのジュリアーニ元市長がやった治安対策、特に破れ窓理論と言われるものですけれども、軽微な犯罪でも初期の段階で徹底的に取り締まることによって重大犯罪の発生を防止した、これによって非常に成果が上がったと言われております。これにも一脈相通ずるものがあるだろうと思っておりますし、また国連の場で、特に平和維持活動の分野で、従来の伝統的なPKOから、今ピースメーキング、ピースキーピングからピースメーキングということで、紛争が終わってから平和維持活動をするのではなくて、紛争が起こる初期の段階で積極的に介入して平和をつくる、そういう方向の模索が今始まっておりまして、こういった考え方にもつながるんだろうと。
 学校現場という、これは戦場ではありませんけれども、一つの無政府的な状況もあるわけであって、大人が見て見ぬふりをする、何にも対応しなければ、どんどん無政府状態にエスカレートしていじめがはびこるということでありまして、これに対してきちっと対応するということは非常に重要なポイントではないかと思うわけでございます。
 そこで、とりあえず我が国においても予算的な措置を伴わなくてもすぐできることとして、こういった積極的、予防的介入主義の立場に立ってできること、例えば学校で監視チームをつくって、教師、それからカウンセラー、あるいはまた保健婦さんとか、あるいはボランティアを募ってもいいでしょうし、あるいは若い教育実習生でもいいでしょうし、そういった人たちでチームをつくって、昼休みとか休み時間、一番いじめが起こる現場でこれを巡回するあるいは対話をする、こういったことが一番まず手っ取り早いし、子供たちから見て目に見えることだと思うわけですね。あるいはまた、学校の中でいじめ対策防止委員会というのをつくって、生徒にも参加を呼びかけて、生徒も含めてきちっと議論をしていく、こういったことがまず何よりも子供たちへの具体的なメッセージじゃないかと思っております。
 ただ作文でアピールをしたりあるいはまた通達を出すだけでは効果がない。やはり現場での行動を伴うことが大事だということを思っておりますけれども、こういうことに対しまして大臣はどうお考えでしょうか。
○伊吹国務大臣 単に一片の通達を出すだけじゃ、これはもう行政はとてもできません。それはおっしゃるとおりでございます。
 文部科学省でも、いじめ等について今先生がおっしゃったようなことをやってうまくいったというのは、これは一つの成功例なんですね。各学校の成功例を各教育委員会からいただきまして、全国の担当者会議のときにお互いにその例を出し合ってもらう。この前、北海道や福岡で事件があった後もやったんですが、大変活発な意見が行われました。これからも今御示唆のようなことをやっていきたいと思います。
 学校現場では、それをやりますと、率直に言ってかなり仕事がふえます。校長先生の指導力あるいは教育委員会の学校への指導力、これが問われますし、私たちが一つ一つの学校にそれを強制することは、現行の法律では残念ながらできませんのですが、ぜひ先生のおっしゃっていただいている方向に各教育委員会、学校が動いていくように、我々の権限の中で努力をしたいと思います。
○遠藤(乙)委員 確かに仕事がふえるかもしれませんが、今一番目前の緊急事態、多くの子供たちが真剣に悩んでいるテーマですので、仕事はふえても、それはやはりやらなきゃいけないテーマだと思っています。
 特に今問題なのは、現場の先生たちが子供たちと向き合う時間が非常に少なくなっている。授業はもちろんやりますけれども、休み時間とか昼休みとか、職員室に戻って、文科省から来た通達の処理とか報告とか、いろいろなことで事務的処理に忙殺されておって、子供たちと向き合う時間がないということが非常に大きな問題でありまして、そのためにもぜひ何とか時間をつくり、そういった最優先の仕事に取り組むような体制をつくることをぜひ心がけていただきたいと思っております。
 その上で、前回も提案したようなフレンドサポーター制といったものを予算措置もつけてやれば、これは非常に効果のある措置になるかと思っておりますので、ぜひ御検討をお願いしたいと思っています。
 それからもう一点は、いじめ対策の評価のシステムということでございます。
 今いろいろな通達があり、またいろいろな指導があるかもしれませんけれども、実際の現場でのいじめ問題のとらえ方というのは、やはりいじめがふえると、いじめが統計上ふえたり、いじめの問題で騒がれると学校の評価にかかわるとか、自分の成績にもかかわるみたいな、そんないわば減点主義の発想が非常に強い。したがって、極力いじめを表に出さない、そういう評価システム、文化の中で動いているために、せっかくいろいろな通達をしても、いいアドバイスがあっても、なかなか実行に移されない。まじめに取り組むと逆にそれが学校の評価とか自分の成績につながるみたいな、そういう風潮があるためになかなか進まないという面があるかと思っておりまして、抜本的に評価システムの発想を変えるということが必要だと思っています。
 特にそのためには、いじめというものは世界じゅうどこにもあります、いつでもどこでも発生し得る。人間社会ですから、どこでもあり得る話であって、いじめがあるということが恥ではない。ただ、それに対してどう早期発見し、どう対処したかということが大事である、そういう価値観のもとに評価システムをつくるべきではないかと思っております。
 例えば、いじめ防止プログラムをきちっとつくったとか、それから常にそういったいじめ防止対策のトレーニングをしているとか、あるいは監視チームを配備したとか、また実際にいじめを発見して、このように取り組んで成果が上がった、そういったことを積極的に評価して、逆に点数をつけていく、加点主義でいじめ対策を評価する。それも教育委員会から校長から教師に至るまで、徹底していじめ対策の評価システムを明示する。
 したがって、何にも報告がなければ、点数がつかなくて評価が上がらないわけですから、そういう加点主義のいじめ対策の評価システムをぜひ確立することがやはり大事だと思っておりまして、具体的なさまざまな処置とともに、そういう評価システム、この学校は非常にいじめ対策に努力をして成果が上がった、むしろそういう評価が社会的評価にもなり、いろいろな意味でイメージ向上につながるような、そういう評価システムをつくることがぜひとも必要だと思っておりまして、この点につきましても大臣のお考えを伺いたいと思います。
○伊吹国務大臣 先生の御提案は全くそのとおりだと思います。私も担当局長には、隠さず、そして事実をどのように処理したかを評価するということがやはり大切なので、これは校長あるいは教師の人事の、要するに評価のときに特に意を用いなければいけないところなので、教育委員会にはそういう話を十分していただくようにということをお願いしてございます。
○遠藤(乙)委員 ぜひ御努力をいただきたいと思っています。特に、校長というのは現場で非常に権限を持っておりますが、非常に事なかれ主義の人も結構多い。それから、教育委員会も、名前だけあって余り機能していない。これからは、存在する教育委員会から機能する教育委員会へと、これは何か、存在する自衛隊から機能する自衛隊へという標語がありますけれども、同じようなことが教育委員会とかそれから学校にも必要だと思っておりまして、ぜひとも新しい二十一世紀の教育システムをつくるためには抜本的に変えるという決意を持って、大臣にもこれからリーダーシップを発揮していただくことを期待いたしまして、私の質問を終わります。
 以上です。
○桝屋委員長 午前十時四十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前九時四十四分休憩
     ――――◇―――――
    午前十時四十三分開議
○桝屋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。野田佳彦君。
○野田(佳)委員 民主党の野田佳彦でございます。
 伊吹大臣におかれましては、参議院の本会議で御答弁をされた後ということで、本当に連日御苦労さまでございます。最近、教育特とかこの文科委員会等で、連日、朝から夕方まで御一緒させていただいておりまして、おかげさまで、最近、夜な夜な高貴な御尊顔が夢に出てまいりまして、いつも法理を説かれておりますが、きょうは、法理の話ではなくて、具体的な過去の事実であるとか、あるいは数字にかかわる話でございますので、いつもは大臣と直接議論をさせていただいておりますが、政府参考人にも御答弁をいただく場合もあると思います。
 早速、持ち時間が三十分ですので、質問に入りたいと思います。
 まずお尋ねをしたいのは、きょう、資料が三枚皆様のお手元に配られていると思います。これは、既にこの委員会や教育特でも見た資料だと思いますが、「高等学校における未履修の状況について」、これは十一月一日現在で文科省が集計をされてまとめられまして、これに基づいて処理方針を発表されました。それからもう二週間たちます。現段階において未履修の明らかになった高等学校の数及び補習が必要な生徒数、現段階ではどうなっていますか。大臣ですか、局長ですか。
○銭谷政府参考人 高等学校で必履修科目の未履修のある学校数及び生徒数につきましては、十一月一日現在で取りまとめたものが、現在私どもで把握をしているものでございます。
 その後、十一月一日以降にさらに未履修が判明した学校がどれぐらいあるか、これにつきましては、現在各都道府県教育委員会等に再度調査を依頼しているところでございまして、回答状況にもよりますけれども、早ければ今週中にも取りまとめるよう、今努力をしているところでございます。
○野田(佳)委員 十一月一日の数値が発表された後に、各地の地方紙では、公立高校、そして私立高校を含めて、相当数で未履修が明らかになった学校があります。最近、メディアでも、先週の段階で朝日新聞が六百二十八校という数字を出していました。きょうの毎日新聞は六百五十三校とありました。間違いなく、政府の発表した五百四十校と比べると、百校前後ふえているんですね。しかも、もう二週間たっています。現段階で依然として十一月一日の段階でとどまっていて、今週中にというのは余りにも遅いんじゃないでしょうか。
 というのは、もう受験の時期が迫って、補習をするのかしないのかというのは大事な局面です。早急にこのことを確定するべきだと思いますが、これは、ちょっと大臣に御決意をお伺いしたいと思います。
○伊吹国務大臣 先生、補習をするかしないかは、これは、この前の、民主党にも御了解をいただいた上で全国に発出いたしました依命通知によって、これは各都道府県知事と、そして教育委員会すべてに発出してございますので、履修漏れがあれば、当然その通知によって、補習はあの線に沿ってやってもらわなければならないんです。今週じゅうにぜひ数字をもう一度確定して、御報告をし、公表しろと私は指示してございますが、これは、またやりましても、また同じことが漏れてくる可能性があるんです。
 若干解釈の違いというものもありますし、なおかつ、あれだけ調査をやっても隠しているところがありますから、新聞社が、個別に悉皆調査をしておられるわけじゃなくて、聞き取り調査のようなことをしておられますので、できるだけ、何度も何度も変えなくてもいいように、すべてを調査したものを今月中には公表したいと思っております。
○野田(佳)委員 恐らく、今週末に取りまとめをやった後も、またぽつぽつと履修漏れが出る可能性はあると思うんですけれども、そこで考えなければいけませんのは、なぜ、こうやって都道府県の教育委員会やあるいは知事部局を通じて私学も含めて調査をして、これだけ大きな問題になっているときに、これだけまたさらに履修漏れが後から後から出てくるのか。
 今大臣が御説明になりましたけれども、一方で隠そうとしていたけれども、教師や生徒から、うちは大丈夫なのかという声が上がって、渋々認めたケースであるとか、なるべく隠そう隠そうとしていて、ほかの私学を見ていて、ほかが発表したから、では、うちも正直にやるしかないかなとかというのがあるんですね。
 さらに、こういう状況の中で締め切った後にも、解釈の問題はあるかもしれませんが、明らかにそういう意図があったときのペナルティーというのは、私は違うんではないかなと。従来のまとめられた処理方針で臨むのかどうか、またこれは生徒に対する補習の窮屈ぐあいも違ってきますから、同じ処理方針でいくのかどうか、そこを確認したいと思います。
○伊吹国務大臣 一応あの時点で、全国の知事、私学を所管している知事、そして公立を所管している都道府県教育委員会、政令市の教育委員会に通知を発出いたしておりますので、その段階ですべての学校には通知が行ったとやはり理解をしないといけないと思います。
 その中で、発表はしなかったけれども、隠し立てはしていたけれども、やはりやってもらわねばなりませんので、遅くなればなるほど、結果的には窮屈になるという意味では、自分の首を絞めているという結果になりますので、今のところ、これを変えるとまた混乱いたしますから、これはこのとおりでやらせたいと思っております。
○野田(佳)委員 この未履修の問題でも、明らかになって、責任をとられて自殺をされた校長先生が出てくるなど、何かこういう厳しいことを言うのははばかられるような感じがあるんですが、ただ、これは、私はやはり厳正な対処、公平感を持って対処をするというのが原則だと思いますので、ぜひ徹底をしていただきたいというふうに思います。
 その上で、また同じように、御依頼をした調査の関係でありますけれども、教育特で、過去にさかのぼって未履修の経緯等を調べていただくということをお約束いただいた中で、先週末に着手するという御答弁を大臣がおっしゃっておられました。具体的に今どういう着手をされているのか、お尋ねをしたいと思います。
○伊吹国務大臣 私も、あらゆる場面で野田先生と顔を合わせておりますので、夜な夜な重厚な御質問のお姿が目に浮かぶわけですが。
 大変大切な、しかし仕事のスケジュールからいうと厳しい御注文を受けておりましたのですが、いじめの問題、その他多々ありまして、文部科学省もさることながら、教育委員会の現場がかなり労働過重になっております。しかし、やはり国会でお約束したことはきちっとせなければなりませんので、先週の金曜日に、各教育委員会に、来週具体的に調査を過去にさかのぼって依頼するので準備をしてくれということをまず通知いたしました。そして、昨日、未履修を過去にさかのぼって調査をするようにという通知を発出いたしております。
 したがって、その結果を集計いたしまして、教育委員会等には、金曜日の問い合わせの段階では、そんなに期限を切られては無理だとか、いろいろな回答はあったようですが、一応今月末までには集計をするように今事務局には指示してございます。
○野田(佳)委員 これはそれぞれ大切な調査なので、現場が大変だということもよくわかりますけれども、早急にまとめられることを改めて御要請したいと思うんです。
 月曜日に、現段階における未履修がどうなっているかということと、過去の調査、着手したということだけれども、どういうことかということを文科省にお尋ねしたんです。そのときの回答が、例えば現時点での調査というのは、十一月一日以降に判明した件については、その状況を把握するべく調査の準備をしているところであるというのが回答だったんですね、調査の準備をしている。きょうは、今週末になったから結構だと思うんですけれども。
 過去にさかのぼった調査についても、まだ調査票を作成中であると。普通は、調査票を作成して都道府県に送付をしたところから着手したと私は思っていたので、ちょっとおくれぎみだなということが心配だったのでこういう質問をさせていただいたという次第であります。
 その上で、今度は過去の事実関係にかかわる問題でありまして、これは多分大臣は御存じないことが多いと思いますので局長にお尋ねをすることになると思いますが。
 実は、きょうは、理事会でも御協議いただきましたけれども、布村大臣官房審議官を政府参考人としてお願いをさせていただきました。教育課程課長についてもお願いをしたんですが、教育特でもだめだったので、きょうは審議官でどうかなと思いまして布村審議官をお願いしたんですが、御出席をいただいておりません。その分、局長にしっかりと御答弁をいただきたいと思うんです。
 布村審議官が、かつて初等中等局教育課程課長を経験されたことがあると思います。これも私の方から言いますけれども、その時期は平成十三年の一月六日から平成十四年の七月三十一日までである、この約一年半であるということで、これは確認をさせていただきますが、よろしいですか。
○銭谷政府参考人 布村大臣官房審議官は、ただいま先生がお話しされました期間、初等中等教育局の教育課程課長を務めておりました。
○野田(佳)委員 そうしますと、お手元の資料の二枚目、三枚目でありますけれども、「過去十年間の高等学校における未履修の報告事例について」、四件の未履修の過去の実態というのが出ていると思います。ということは、広島県の平成十三年八月に起こった県立十四校における未履修、まさにこのときの教育課程課長だったんですね。それで、御案内のとおり、当時の広島県の教育長が文科省出身の現教育課程課長です。
 当然のことながら、この広島県の事例については、現場の教育長と連携をとりながら対応をされた、生徒への対応、あるいは処分も含めて、八月から九月にかけて対応されていると思うんです。だから、ぜひこのときの認識を私は聞きたかったんですけれども。
 せんだって我が党の川内委員が教育特でやりとりをしましたけれども、これは本当に広島県特有の問題と認識をしたのか、それはなぜなのか。もっと広範な広がりが全国に広がっているんじゃないかと思ったのか思わなかったのか。そのことを、局長が把握されているのでしたら改めてお聞きをしたいと思います。
○銭谷政府参考人 ちょっと長くなって恐縮でございますが、平成十三年の八月に、広島県におきまして、必履修科目である世界史を履修していない高等学校があるということが判明をいたしました。
 当時広島県の状況でございますけれども、当時の広島県の教育界は、法令等に照らして不適切な事例が多数発生をしておりまして、当時の文部省から、教育内容及び管理運営の全般にわたって課題があり是正が必要との指導を受けている状況にございました。このため、この未履修の問題の処理に当たりました広島県の教育委員会それから文部省の教育課程課も、この問題についての法令を遵守する意識にやはり広島県は課題があるという当時の状況を背景とした事案と認識をしていたところでございます。
 したがいまして、当時の教育長の教育課程課長も、いわば広島県におけるこういう不適切な事例の中での問題だというふうに認識をして、これが全国的に広がりを持つものなのかどうかというところは思わなかったというふうに私は把握をいたしております。
○野田(佳)委員 このいただいた過去十年間の資料を見ると、平成十一年には長崎と熊本がございます。当然、これは引き継ぎで、こういう事例があったということは当時の教育課程課長は御存じだったと思いますが。
 ここに出ていませんけれども、同じ平成十三年の、これは四月一日の朝日新聞に出ているんですが、熊本県で私立の高校が、やはり未履修が明らかになっているんですね。それは、内容は家庭科ですよね。家庭科の時間に英語をやっていたという、専大玉名高校ということで。これは過去四年間無届けだったということが平成十三年の四月に明らかになっています。ということは、布村審議官が教育課程課長の在任中に起こっていることです。ここに出ていませんけれども、そういうことも当然報告で上がっていたと思います。
 加えて、次のページの兵庫県のケースですね。平成十四年一月、これは平成十三年度ですよ。同じ年度です。同じ年度で、今度は兵庫県で五十九校において未履修が明らかになりました。それは、熊本県と同じで、地理歴史、公民、理科なんです。一番多いのは地理歴史なんです。同じ傾向です。
 平成十三年度で、少なくとも、布村審議官が課長をされていたときに三県で間違いなく未履修が明らかになっています。ということは、当然のことながら、また傾向も似たようなところがありますから、広がりがあると認識するのが当然だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○銭谷政府参考人 高等学校における必履修科目の未履修の問題につきましては、ただいまお話もございましたように、広島県を初め、長崎県、熊本県、兵庫県の四県におきまして未履修という事例があったわけでございます。
 長崎県と熊本県につきましては、過去において判明した事例については学校数も比較的少なく、そういう状況があった。それから、広島県につきましては、先ほど申し上げましたように、当時、文部省から是正のための指導を受けているさなかであった。それから、兵庫県につきましても、実は課題がいろいろございまして、法令等に照らして不適切な事例が多数発生している中での発生であったということがございました。したがいまして、当時、教育課程課それから広島県、みずからの認識としては、これが全国的な広がりを持つというところまでは思いが至らなかったということでございます。
 ただ、当時の教育課程課としては、こういうことがまた全国であってはならないので、各都道府県教育委員会に対して、全国の教育委員会の高校担当の指導主事等が集まる会議を通じまして、不適切な事例があったことを示した上で、それぞれの県におきまして適切な教育課程の編成、実施がなされるように、そういう指導もしたということでございます。
○野田(佳)委員 個別の事例にどう対応したかという今御説明であって、平成十三年度で、布村さんが課長をやっているときに、年度としてはまたがるものは三つあった。それで、なぜ全国的な広がりがあると認識をしなかったのか。これはもう外形基準の問題であって、認識しなかったというのは私は大きな、ミスでは済まない、文科省は知っていたんじゃないかと私は思わざるを得ません。
 その流れでありますけれども、今回の五百四十校、プラスアルファになると思いますが、それに対する処理方針では、これは初等中等教育局だけではなくて、大学入試選抜の関係とか推薦入学の関係で高等教育局とも連携をされていると思います。当然のことだと思うんですね。
 当時、例えば広島県でこれだけ広がりがあった、あるいは兵庫県で広がりがあったというときに、大学入試にかかわるところがありますから、高等教育局とも連絡をとって、その辺の連携をちゃんととったのかとらないのか、お尋ねしたいと思います。
○銭谷政府参考人 当時、この未履修の問題がわかりましたときには、文部科学省としては、都道府県の教育委員会、それから私立の学校を所管しております知事部局の私学担当課、こちらの方には、それぞれ会議を通じまして指導をしているところでございます。
 ただ、省内で高等教育局と入試等との関連についてどこまで連携をしたかということにつきましては、必ずしも十分な連携があったということではないと思います。
 いずれにいたしましても、高等学校側に対しまして、都道府県の教育委員会、それから知事部局の私学担当課、こちらの方には、注意喚起、それから適正な教育課程の編成、実施について指導したということでございます。
○野田(佳)委員 だから、都道府県関係にどうしたかじゃなくて、私がお聞きしたいのは、高等教育局とちゃんと連携をしていたのか。今、定かじゃないと言いましたよね。やはり、だから当時の課長さんに私は来てほしかったんです、審議官に。普通は高等教育局とやはり何らかのやりとりをしますよ。推薦入試の時期です、例えば広島なんかの事例は。内申書をどうするかとか調査書をどう扱うかとか、もろもろかかわるはずですから、当然私は、全く意思疎通がなかったとしたら、これも問題だと思いますよ。あったのかなかったのか、それを答えてください。
○銭谷政府参考人 文部科学省におきまして私立学校を所管しておりますのが高等教育局の私学部でございますので、そちらとは連携をしたところでございますけれども、いわゆる大学入試担当の高等教育局の方とは十分な連携はとっていなかったということでございます。
○野田(佳)委員 十分なというのは、全然とっていないということですか、多少話は伝わっていたということですか、どっちですか。
○銭谷政府参考人 高等教育局内の私学所管の私学部に連絡をしていたというのが実態でございます。
○野田(佳)委員 高等教育局自体は、部分的かもしれませんけれども、連絡をとり合っていたということですね、今の御答弁は。
 だとすると、もうこれも何回か教育特で出ましたけれども、大学生の学習に対する意欲等に関する調査研究、これも、布村さんが当時教育課程課長のときに、二〇〇二年の三月、まとめられた調査研究なんです。だから、兵庫県の動きがあった前後ですね、三月。
 今までの御答弁は、これは高等教育局が委託をした研究であって、だから初等中等教育局へは回ってこなかったと連絡の不徹底を言っていました。だけれども、高等教育局がこれらの現状を本当は知っていたならば、高等教育局が、これはおかしい、世界史の未履修が一六%あるということを見て、おかしいと思わなきゃいけないじゃないですか。
 ということは、同じ年度で三件未履修が発覚をして、そしてその年度末のあたりでこういう調査研究が出て、高等教育局も知る立場であったわけです。初等中等教育局も高等教育局も知らなければいけなかったんです、外形基準からいうと。これは、知らなかったということは、私は文科省の責任が大であると思いますけれども、どうでしょう。
○銭谷政府参考人 お話のございました研究の報告書につきましては、研究の報告書が出された時点で初等中等教育局の方には連絡がなかったのは事実でございまして、その点について省内の連携がよくとれていなかったということは私どもとしても反省をしているところでございます。
○野田(佳)委員 高等教育局にかかわる話になってきましたから、初等中等教育局長は言いにくいかもしれませんが、私は、どう見ても、これは初等中等教育局と高等教育局の連携というか、本当は連絡はあった、当然これは文科省としては全国的に広がっていると認識して実態調査をすべきであったと間違いなく私は思います。
 今のやりとりを聞いていて、大臣はどうお考えですか。
○伊吹国務大臣 まず最初に、先生にこの前、教育特でしたか、御答弁を申し上げた、ちょっと私、抽出率という言葉を使ったので、事実が正確じゃなくて大変申しわけなかったと思いますが、この調査は、百十六万人のうち、各学年別にいうと九千人ずつ平均の調査になっているわけですが、そのうち、世界史の未履修の生徒が千六百人内外、各学年におります。この各学年の数字、千六百人内外が百十六万人に比べて、約〇・〇八から〇・一の間にある。
 ですから、私はそのとき、自分の役人の経験からいうと、性善説に立って先生に御答弁をしちゃっているわけですよ。ですから、この〇・〇一ぐらいの未修の数字だから、多分読んだんだろうけれども、軽視したんではないだろうかという私の認識を申し上げました。
 そうしたところ、高等教育局長は、担当者が読んでいたかどうかもわからないという答弁をしまして、私は率直なところ愕然としたわけです、その答弁を伺っていて。そして、先ほど初等中等教育局長が高等教育局の私学部に連絡をしたと言ったのは、これも私の推測ですが、多分、私学の高等学校を所管しているから連絡をしていたんだと思うんですよ。先生の御認識の大学の入試という面での感性というか意識はなかったんではないかと思います。
 これはもう率直に言って、報告、連絡、相談がお互いに、局を超えてやれていないということは恥ずかしいことなんですよ。だから私は、今回のこのことは、全国的な調査をしろということを指示して、彼らは心の中で大変な大臣が来たなと思ったかもわかりませんが、そして大学の入試にかかわるところにも関係してくる、まさに先生の御指摘のとおりですから、しっかりと過去の教訓を踏まえてやらせていただきます。
○野田(佳)委員 私は、ホウレンソウの問題じゃなくて、文科省は知っていたというか知るべき立場だったという認識をしていまして、それを確認するために、局長答弁では私は不十分ですので、当時の教育課程課長、現審議官、改めて当委員会で審議をさせていただきたいということを要求します。
 下村官房副長官、いつも時間がなくなっちゃって、この間も時間がなくて恐縮です。せっかく来ていただいたから、教育再生会議、本当はいろいろ聞きたかったんですが、一問だけお聞きします。一問だけ、これは一番答えにくいものかもしれませんが、例のやらせのタウンミーティングにかかわっていた広報官が、今、山谷補佐官のもとで参事官をやられていますよね。ほうっておいたらやらせの教育再生会議と言われますよ。正統性、信頼性をなくしますよ。
 処分の問題は文科省もいろいろお考えのようですが、処分じゃなくて、今、やらせを担当したその参事官を教育再生会議から外すべきじゃないですか。端的にお答えください。
○桝屋委員長 では、端的に。下村内閣官房副長官。
○下村内閣官房副長官 教育改革タウンミーティングにおきまして、内々、特定の方に発言者としての文書をお示しするという、大変逸脱した運営が明らかになりまして、これはもうタウンミーティングへの信頼を大きく損なうものでございまして、大変残念に、また遺憾に思っております。
 今御指摘の責任の問題については、現在、文部科学省において事実関係の調査が行われているということでもございますし、また、内閣府においても、これまで行われたタウンミーティングすべて再点検をするということで、きょうタウンミーティングの検討委員会、スタートを、外部の方に参加していただいて行っております。それらを踏まえまして判断をさせていただきたいというふうに思っておりますが、いずれにしても、教育再生会議においては、既に総理の要請を踏まえまして分科会を設け、そして幅広い視点から教育再生に向けた実効的な方策について議論がされているところでございまして、引き続き精力的に検討を進めていただきたいと考えております。
○野田(佳)委員 もう時間がなくなりましたけれども、私は納得できません。そんな中で教育再生会議をやっても、だれも信用しません。そのことだけ明確に申し上げておきます。
 以上です。終わります。
○桝屋委員長 次に、高井美穂君。
○高井委員 民主党の高井美穂と申します。
 教育特の方では、民主党の法案の提出者の一人といたしまして大臣の横の方の末席を汚しておりますけれども、本日は、大臣との質問は初めてでございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 日ごろ、本当に連日連夜にわたりまして真摯な対応で答弁をいただいていますことに、まずもって感謝を申し上げたいと思います。
 ですが、私のような本当に素人の議員の方から申し上げるのは大ベテランの先輩に対して大変口幅ったいんですが、大臣の時々なさるあの逆質問には、ちょっと議会のルール上おかしいのではないかと感じております。しかも、時折、質問の形でいいから答弁をしてくださいと仕方まで指示をなさるというのは、議会のルール上ちょっとおかしいのではないか。大臣は自民党の議員でございますし、所属の同僚議員の優秀な先輩方がたくさんおられますので、ぜひ教育特でも、我が党案について、質問の場できちんと質問いただければ答弁をいたしますので、そのようにしていただきたいと思います。一言お願いします。
○伊吹国務大臣 私は、質問者の質問の趣旨がよく理解できない場合に、その質問の趣旨を質問の中で御説明をいただきたいということを申し上げているわけですから、明確な御質問をいただければ、私もそういうことは一切いたしません。
○高井委員 とりわけこの委員会で、先日の笠委員の質問に答えても、逆に質問したいんですがと、民主党案はこういうところが問題じゃないですかというふうにお答えになられたので、笠委員が再度手を挙げて、大臣のお考えを聞きたいのですと、民主党案についてのここが悪い、あそこが悪いではないということを再度お尋ねしたところ、大臣がまた答えてくださいました。それはちょっと、今のは必ずしも発言の真意をただそうという感じではなかったと私は感じております。
 そのことはさておきまして、大事な質問、お聞きしたいことがたくさんありますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 大事な、いじめ、履修問題に入る前に、一つだけ先ほどのタウンミーティングの件について、資料もお配りしておりますが、確認をさせていただきたいというふうに思っています。
 資料をお配りしております。教育改革タウンミーティングに係る経費関係一覧というのをお配りしまして、これは先日教育特の中でも我が党の松本委員の方から御質問がございました。その答弁の中に、一回につき平均で九百六十一万円かかっているというふうな御答弁がございました。私も大変びっくりしたんですけれども、一回のミーティングにこれだけの、一千万近い費用がかかるというのは相当なものだなと思います。
 実は、私たちも、我が党案を皆さんにわかっていただこうと、一生懸命地元でもミーティングを開いております。私が十月末に開きましたミーティングでは、百人強の方が来ていただきましたけれども、必要経費は当然三十万程度でございました。お金もないことですし、会場を借りたり机を用意していただいたり、さまざまなお手伝いも含めてそういう額なんですけれども、通常はそのぐらいじゃないかと。それに比べて、一千万近いお金がかかるというのは大変に驚いたところでございます。
 昨日の保坂委員の質問の中で、謝礼があったんではないかということが出ておりました。山本政府参考人の答弁の中に、いわゆる代表演説と代表質問ということで明示的にお願いするということがございましたので、その契約書単価設定のときにその分も入れていたのではないかと思いますというふうな答弁がございまして、これはもちろん引き続き精査をされているんでしょうけれども、万が一これが事実であるならば大変なことだと思います。
 つまり、タウンミーティングは民意の集約であるというふうに前国会からいろいろな方が発言をされておりました。それがでっち上げであるならば民意のでっち上げでありますし、民主主義偽装と言ってもおかしくないというふうに思います。さらに、買収がそこで行われていたということになれば大問題でございまして、引き続き保坂委員も質問されるかもしれませんけれども、これはきちんと精査していただきたいというふうに思います。
 そういう中で、各教育改革タウンミーティングに係る必要経費一覧で、これとは別に、このタウンミーティングを皆さんに広めるために広告宣伝費というのがかかっておりますでしょうか。お答えください。
○谷口政府参考人 お答えを申し上げます。
 経費のお尋ねの前に、委員からいわゆるその他の協力者謝礼金の点についても御指摘がございましたので、この点を順番にということで申し上げます。
 この、その他の協力者謝礼金と申しますのは、一般のパネルディスカッションなどで申しますと、冒頭に基調の講演をしてもらうような、そういうような位置づけのものでございます。もちろん、タウンミーティングの場合はパネルディスカッションじゃございませんから、壇上に上がる有識者とは別にしまして、参加者席の中から、例えば産業振興で地元で活躍している人あるいは町おこしで活躍している人の個人名を挙げて御紹介をした上で、最初に御発言くださいと御発言をいただく、いわば基調スピーチ的なものを最初にいただくというふうなものでございます。これに対しまして謝礼金のお支払いをしておったということでございます。
 最近は余り行われておりませんで、タウンミーティング発足初期のころを中心に行った場合もある、こういうものでございますが、実情としては、とりあえず調べたところを申しますと、そのような状況にある点を申し上げておきます。
 それから、第二点目の経費の関係でございますが、委員御指摘のように、運営費それから広告費、これらについてそれぞれ支払われておるところでございます。これは額を申し上げればよろしいですか。(高井委員「いえ、結構です。支払われているんですね、これとは別途」と呼ぶ)さようでございます。運営費と別にいたしまして広告費が支払われておるということでございます。
○高井委員 先ほどの、万が一謝礼金が払われているということであれば、きちんとそれも精査して理事会に提出をしていただきたいというふうに思います。
 それに加えて、今、別途広告費用のお金がかかっているという御答弁がございました。恐らく新聞広告、テレビ、ラジオ等もCMをやっていたのではないかと思います。
 実は、三枚目の資料なんですけれども、これは内閣府の調達情報のホームページから引かせていただきました。「タウンミーティング(東京開催)に係る新聞広告」ということで、約百万を超えるお金がかかっておりまして、随意契約で電通に発注されたものでございます。
 私は昨日、通告に当たりまして、八回やった各タウンミーティングにどれぐらいずつ広告費用がかかっているのか、宣伝費用がかかっているのか、そして、それらはすべて随契なのか一般入札なのか教えていただきたいということをお願いしたんですけれども、本日は間に合わないということで、幾ら調達情報を見ましても、これはあったんですが、契約を締結した日は三月二十二日というふうになっていますが、いつの分の何のタウンミーティングなのか全くわかりません。問い合わせしてもよくわからないし、時間も先日はなかったんですが、恐らく全タウンミーティングで宣伝、広告等をなさっていた、しかも随意契約で、どれぐらい使われているのかわからない状態でなさっていたというふうに思います。
 そこで、委員長にお願いしたいんですけれども、これは各タウンミーティングで、これとは別途、CMや宣伝、広告費用として幾らかかったのか、それがどういう契約でなされたのか、この三枚目の資料に近い形で、何回目のタウンミーティングで幾らかかったのか順番に出していただきたいと思います。そういう資料はできますでしょうか。できれば出していただきたいんですけれども。
○桝屋委員長 では、今の資料の用意ができるかどうかも踏まえて御答弁をお願いします。谷口タウンミーティング担当室長。
○谷口政府参考人 お答えをいたします。
 まず、新聞広告について、契約上どのように扱われているかという点でございますけれども、一般競争入札あるいは随意契約によっているところでございまして、受注業者といたしましては、電通、博報堂、読売エージェンシーなどに委託をしているということでございます。
 なお、委員から資料について御要求がございましたが、現在、既に調査の結果として御報告をしたその余のことと申しますか、あるいは全数調査、タウンミーティング全体では百七十四件ございますので、それらについて調査委員会を発足させまして、現在鋭意そのようなデータも含めました検証を進めていこうとしている最中、そういう状況にございますので、そちらの検証の作業の方に全力を注入いたしたい、そういう状況にあることを御理解いただければと思っております。(発言する者あり)
○高井委員 今のは出せるということでよろしいんですか。
○桝屋委員長 高井美穂君、質問を明確に。
○高井委員 今の御答弁がよくわからなかったので、出せるか出せないか教えてください。精査中、調査中はわかります。出せるか出せないか。できるだけ早く、出せればいただきたい、できればで結構ですから。できればというか、できた段階でできるだけ早くいただきたいので、イエスかノーかで御答弁を。
○谷口政府参考人 現在鋭意、全精力を注ぎましてその検証の作業をいたしておりますので、ただいま委員のおっしゃいました御趣旨を踏まえまして、できる限りそのようにさせていただくということで作業をいたしたいと思っております。
○高井委員 私は出せるということで理解をいたしました。
 では、でき次第提出していただきますように、委員長にお願いを申し上げます。
○桝屋委員長 今の資料のお話につきましては、理事会でも議論をさせていただきたいと思います。
○高井委員 ありがとうございます。
 なぜ私もタウンミーティングのことから入ったかといえば、先日、これは教育特の方に出された資料でございますか、八戸市の教育委員会に対してタウンミーティング担当室から、このやらせ発言の依頼のメールが提出をされました。そこの中に、「文科省依頼分(三名)は必ず当たります。」それ以外についても「たぶん当たります。」その後に、括弧して「(特に学生は当たります)」というふうに書いてあるんですね。
 実は、前国会の教育特で私がしました六月二日の質問の中で、私は、この教育基本法がどれぐらい認知されているか、もっと広める努力が足りないのではないかという趣旨で質問を申し上げた中で、教育というのはすべて子供から大人まで関係することですから、教育基本法の改正に当たっても子供の意見というのをどういうふうに集約しているんだということをお尋ねいたしました。
 そうしたら、そのときの答弁で田中政府参考人が、子供の意見の反映についてのお尋ねでございますけれども、中略をいたしまして、例えば、教育改革タウンミーティングでは、年齢制限は設けずに行いまして、実際に高校生から率直な意見がなされるような場面もございましたと御答弁されました。私どもといたしましては、ふだんからスクールミーティングを行い、また、児童生徒を含めた国民の方々との対話を進める中で、今後、教育のあり方に反映させていきたいというふうに御答弁をされました。
 学生は必ず当たりますと。万が一、学生にも仕込みの質問をしていたとなると、率直な意見ではないですよね。私に対する御答弁はうそなんですか。お答えください。
○田中政府参考人 お答えを申し上げます。
 ただいま御指摘いただきましたように、本年六月に高井委員から、子供の側からの意見聴取等の状況はどうなっているのかというお尋ねに対しまして、私の方から、これは平成十七年三月に島根県で開催されました教育改革タウンミーティングにおいて高校生から発言がありましたことを踏まえまして御答弁をさせていただいたところでございます。この島根におきます教育タウンミーティングにつきましては、先般の内閣府において発表いたしました調査におきましても、発言候補者の推薦の依頼あるいは発言のための資料の作成、送付等はなかったとされておるところでございます。
 また、そのときも申し上げましたけれども、平成十七年一月から七月までの間にはスクールミーティングも行いまして、全国三百八十校を大臣、副大臣また文部科学省の職員が訪問いたしまして、職員や保護者、そして児童生徒と率直な対話も行ってきたところでございまして、そのことをお答え申し上げたところでございます。
○高井委員 今の御答弁からすると、島根の件はやらせではなかったという御答弁だったので、この答弁はうそではないという御趣旨だったと思います。ただ、一件でもやらせのケースが出た以上、やはりほかのケースも本当にやらせじゃないのかという疑いが出るのは当然だろうと思います。
 まさにこの件は、ちゃんと調査もしていただきたいですし、これは民意のでっち上げに使ったという一面はぬぐえないと思いますので、ぜひとも謙虚に反省をしていただいて、引き続き、きちんとした議論を徹底的にやっていきたい。教育基本法の問題、まだまだ私どもは質疑が足りないと思っていますし、もっともっと我が党案にもお聞きしていただきたいと思っていますので、何とぞ、どうぞよろしくお願いをいたします。
 教育委員会制度並びにいじめ、未履修の問題について入っていきたいんですけれども、このタウンミーティングの依頼に関して、依頼された県教委の側は、これは読売新聞の取材に答えて、国から頼まれれば仕方がない、主催者からの依頼にこたえただけというふうに答えていると十一月十日の読売新聞の記事にございました。国から頼まれれば断れないとするのは愛媛県教育委員会であるというふうに新聞記事には書かれています。
 愛媛県というところは、私は四国の徳島の方の出身なんですけれども、御存じだと思いますけれども、加戸知事というのは全国でたった一人の文科省出身の知事でございまして、教育行政に大変造詣が深く、教育に大変力を入れているということでございました。それで、もともとの所属していた省の方から言われれば、それは教育委員会としても断れないというふうな発言が出てくるのはある意味で当然であろうと思います。
 しかし、それと同時に、愛媛県は四国の中では未履修の該当公立高等学校数が断トツに多いんですね。これは公立高等学校に限ってですが、徳島は今ゼロです。香川は一件、高知はゼロ件、愛媛県は十九件。人数も四国の中では最も多いんですが、教育に最も力を入れていて、全国でたった一人の文科省知事を持つ県が四国の中ではこのような状態であるというのは大変残念に思います。
 そこで、私が言いたいのは、それは愛媛県をあげつらいたいのではなくて、では何に問題があるんであろうというふうに思います。大臣がこの間のさまざまな、ここの質疑だけでなく教育特の質疑の中でも、より命令、監督、指導等を厳しくしたいというような、に近い御発言をなさっているように思います。これは笠さんの質問に答えて、教育委員会のあり方についてはもう少し国の関与を強くするというようなことをおっしゃっておられます。笠さんが確認で、都道府県教育委員会に対する国の関与を強くするということでよろしいですかと。中に少し説明がありましたけれども、申し上げていることをお言葉どおり理解していただければということで、私はお言葉どおり受けとめたつもりでございます。
 とすると、より指導助言、要するに監督等を厳しくするということになると、大臣のイメージとしては、より厳しく文科省の方から現場に役人の方を派遣させて教育委員会なり現場なりを監督させるのか、それとも、より多く逐一の事象に対して報告事項を上げさせるようにするのか、どういうイメージで考えておられるんでしょうか。
○伊吹国務大臣 まず、先生も、ダイエーにおられて、お役人と接する世界に入られたわけですが、まあ、責任逃れのためには随分いろいろなことを言いますよね。今のその読売新聞の、教育委員会は国のことに逆らえないというのは、知事は加戸さんでしょうが、加戸さんが直接教育に、予算措置、学校の設置等はやっているけれども、教育には一応は、制度的には知事は直接関与できないために教育委員会というものを置いているわけでしょう。その教育委員会が、都合がいいときには国に逆らえないと。国に逆らえないのなら、なぜ六十一校のうち十九校も国がお願いしている学習指導要領どおりの授業をしないんですか。巧みに使い分けるわけですよ。これが責任逃れの常套手段なんですよ。
 ですから、どういう形で関与をしていくかは、これは私だけが独断で決めることではないんです。これは、教育というのはすべての国民にかかわることですから、きのう藤村先生が御質問していただいたように、ああいう建設的な質問をお互いに合わすことによって、ああ、民主党案もそう言われればそういうところがあるな、自民党も、私もお伺いしていてなるほどなと思うところがありましたよ。
 だから、それをやはりこれから法案が、基本法が通れば詰めていって、先生も民主党の代表として一緒に御協議をして、そして、国がお願いしたことを、あるときは国に逆らえないといって責任逃れをし、あるときは国がお願いしたことを六十一校のうち十九校も平然として破るというようなことのないような力を国に与えてほしいということを私は申し上げているわけですよ。
 具体的に言うと、これはいろいろな考えがありますよ。地方のことは地方にというのは、これは一つの大きな流れとして私は認めますが、平成十一年の地方分権法のときに、都道府県教育長の承認権を国は地方へお渡ししましたね。そしてあのときに、義務教育に関するすべての業務は地方自治事務に変わってしまったわけですよ。このあたりはやはり抜本的に、少し私は、私の意見を通そうとは思いません、教育の問題ですから。各党も問題意識を持って議論していただきたい。それの議論がきのう私は藤村先生との間にできたことを非常に評価をしているということです。
○高井委員 私も藤村先生と大臣とのやりとりはずっと聞いておりまして、非常に建設的だったと思いますし、認識の背景も一致していることも多うございます。私も先ほど大臣の答弁に一致していることも多うございますが、だから教育委員会を、もうそんな教育委員会だったら取っ払ってしまえという意見と、より強化して、より強く指導しろという意見と、その結果として見えてくることが違うということであって、それはまさに政策論で制度論ですから大いに議論を闘わせて、本当はどっちがいいのか、ぜひ皆さんにも聞いていただいて、行く行く判断していきたい。私たちは、廃止して現場に任せる方がまだいい、むしろ、知事に予算権があるわけですから、もういっそのこと民主主義で選ばれた知事に最後は責任を持ってもらうということも一つの案ではないかということで申し上げているわけでございます。
 遠藤委員の質問の中にもございましたけれども、やはり、いじめにかかわる問題とかで、現場の先生がいかに子供と向き合っているかというのが解決の一つの手段になるということがお話にあったと思います。
 私は、教育委員会の機能を強化してより厳しく監督をするということになれば、現場の方ではなくて、より教育委員会の方しか向かなくなるんじゃないか、より評価を高めようと教育委員会の方を向いてしまうんではないかということを懸念しておりまして、まさに、国に報告を上げたり、国の方にいい報告をするために一生懸命努力するということであれば、本当ならば本末転倒で、子供にとっていかにいい教育を施せるか、子供にどれだけかかわれる時間をふやすかということの方がよっぽどいじめの問題や未履修の問題等を解決するには近道なんではないかというふうに思います。
 たしか大臣も、これは毎日新聞の社説の中にあったんですが、伊吹文部科学大臣は日本記者クラブで会見して、そうした状況を開示する方が教育委員会にとっていい評価を受けるようにしたいというふうに語っておられる。
 私は、まさにこの点、常に現場にいない教育委員会の委員の皆さんや委員長の方に評価してもらうことよりも、常に現場にいて、現場に近い、子供はもちろんですけれども、地域の人、保護者、みんなの方が学校の能力や先生の能力をよくわかっておられるはずですから、そういうふうに評価の仕組みというのをもっと現場におろした方がいいんではないかというふうに思っています。それが背景にある学校理事会の提案でもございますし、やはり評価されるのは、いじめを発表して解決できるのも、高い評価を受けるのはいいかもしれませんが、逆にそのこと自体が目的になってしまえばいけないと思っています。それに、発表されて、私もいじめが大変多いところに自分の子供を行かせようと思うかというと、さすがにちゅうちょします。だから、非常にその制度は無理があるんじゃないかというふうに思うんです。いかがでしょうか。
○伊吹国務大臣 先生、少し整理しておきたいんですが、私は、先ほど先生の御質問があったように、あるときは国の意見に逆らえないといって責任を国に転嫁する、あるときは、逆らえないものが平然と国からの学習指導要領を無視する、こういうことに対して国がある程度の発言権を確保しなければならないということを申し上げているのであって、教育委員会を強化するかどうかについては、率直に言って、私は自分の意見は申し上げていないつもりです、今までずっと。ここは間違えないようにしていただきたいということが一点ですね。
 それからもう一つは、なるほど、これは教育委員会の実態を御存じだと思いますが、教育委員という方は、ほとんど現場の経験のない方が多うございます。しかし、その下に扇のようについている、教育長のもとにある教育委員会事務局というのは、これは都道府県においては何千人という膨大な組織なんですよ。ここで教員の勤務評定や何かをいろいろしているわけですね。ここがどの程度の問題意識を持ち、かつ、学校現場の教職員の方々が栄達をきわめて教育長になるなどという仕組みがいいのかどうなのか、これは考えないといけない。
 それから、なるほど民主党案は、先生のお立場からいったらそうでしょう。しかし同時に、必ず副作用というものがあるんですよ。だから、国の権限を強めれば、使い方によっては教育の国家管理という批判をまた野党から受けます。先生のような、今おっしゃっている知事と理事会ということになれば、きのう前原さんがおっしゃったように、地域のボスや特定団体の人やイズムを持った政党がそこを乗っ取った場合にどうなるのか、あるいは知事の政治的なイズムによって学校の設置や人事権を振るわれたらどうなるのかという副作用もあるんですよ。
 だから、それは藤村先生が率直にお認めになった上で、お互いにどうしようかなという意見がきのうできたからよかったなと。先生も聞いていただいていたにもかかわらず、今また副作用のお話なしに今のようなことをおっしゃるというのは、ちょっと私は残念だと思いますね。
○高井委員 副作用もわかっておりますし、プラスマイナス両面あるのはもう本当に承知しております。それで、あえて議論を前に進めていくより、副作用の点も、いい面もわかっていただくことが必要だと思いまして、まだまだたくさん私は議論したいなということで今お聞きをいたしました。
 もう時間が残り少なくなってきたんですが、未履修が起こった背景というのを、とても丁寧に分析した方がいいのではないかと私は強く思っています。
 というのは、きのうの前原委員の質問の御答弁の中で、ゆとり教育や週五日制について、非常に不完全に、そして不幸に使われているという大臣の御答弁がございました。本当に私も同じように感じています。決してすべてが悪くないけれども、でも確かに、受験競争が激しい中で授業時間を減らしたというのは、必然的にとは申しませんが、どうしてもこういう選択をとってしまう高校も出ざるを得なかったような部分もあるのではないかと思っています。
 実は、私はセンター試験入試の第一期生でございまして、地方の公立の進学校に高校は通っておりましたけれども、一生懸命勉強して、いい学歴を得ないといい仕事につけないというふうな思い込みというか、その一念で一生懸命勉強をいたしました。そうなると、入試に出ない科目の間は内職したり、ほかの科目を勉強したり、同級生もみんなしておりました。それを先生も、ある意味で、黙認とは言いません、それは私たち生徒が悪いんですから、勝手にやっていたわけですから。でも、そうやって受験戦争をくぐり抜けてきた世代でもあります。
 大臣もそうだと思いますけれども、大人も子供もみんなわかっていることは、高学歴イコール必要な知識をすべて持っているということではない。まさに、大学を卒業したことが、二十二歳に足る社会人として、すべての学生が持っていなければならない専門的知識を大学を卒業したことで持ったというふうには多分認識がなかなか今できないくらい、大学の中身というのは少し形骸化しているのではないかというふうに感じています。
 そこで、この未履修が起こったことをきっかけにと言うと変ですけれども、大学の入試制度そのものについてもちょっと考え直さなければならないのではないかというふうに思っています。
 もう時間がないので、最後に一言だけ大臣に御答弁をいただきたいんですが、私は、大学の本来の姿として、入るはやすし、出るはかたし、入ったときと出たときとで知識の量がこれだけ変わった、専門知識が違ったという本来あるべき大学の姿に戻すことも考えなくてはならないのではないか。少子化時代において、全入時代と言われますから、ここから議論をスタートしたいと思うのですが、一言だけでも御感想をいただけたらと思います。
○伊吹国務大臣 未履修の問題に関していえば、高等学校の学習の必修として学んでもらわなければならない基準は国が示しているわけですが、その到達度の本来の認定は学校長にあるわけですね。ところが現実は、今先生がおっしゃったように、大学の入試がその到達度を判定しているという残念な実態がある。
 そこで、私、先週、九州大学の新しいキャンパスを訪れたときに総長がおっしゃっていたんですが、自分たちのところは試験じゃなくて、高等学校の成績とそれからあと面接で入っていますということをおっしゃって、帰りまして事務局に聞きますと、大体四〇%程度が今入試なしに入っているんですね。であるからこそ、野田先生と私は全く同じ立場なんですけれども、高校がずるをするということは、公平のためにやはりよくない。到達度の認定だけはしっかりと校長にしてもらわないと、この四〇%の試験なしで入っている人は全く信用できないことになるんですね。
 ですから、先生がおっしゃっているように、今後、そういう試験なしで入ってくる人をふやすとか、いろいろな考え方があると思いますよ。アメリカの大学のように、入れるけれども、なかなか出さないというのも一つの考えだと思いますよ。そのためには、やはり大学の独自のカリキュラムについて、今度は大学の理事者、設置者、教授が良心を持ってくれないとできないんですね。これは、高校の未履修の問題と同じ問題が起こってきますから。だから、そのあたりをトータルとして、大学の入試のあり方については大体同じ考えだということを申し上げたいと思います。
○高井委員 アメリカの話が出たので、アメリカは大学進学適性資格というんですか、一応、一斉の資格試験という形でございますよね、そういう形も検討することも一つの案かなと思います。
 ありがとうございました。
○桝屋委員長 次に、石井郁子君。
○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
 きょう、私はいじめへの対応についてお聞きをしたいと思っております。
 本当に深刻な問題でございますが、十月十九日に、いじめ対策の全国的な緊急連絡会議を文科省として開かれたと思います。その中で、いじめ問題に対する基本的認識と取り組みのポイントということが配付されたと思うんですが、その「いじめ問題に関する基本的認識」という部分は、平成八年ですから一九九六年七月、これは文科省が児童生徒の問題行動等に関する調査研究会議報告を出されておりますけれども、そこからの抜粋だというふうに思います。今回の報告もその報告を踏襲しているというふうに見ていいかと思うんですね。
 この九六年の報告というのは、一九九四年、その前々年に愛知の中学二年生の大河内清輝君がいじめで自殺という、本当に社会的に大きなショッキングな事件がありました。それを受けて出された報告でございます。
 私、きょうまず一つ問題にさせていただきたいのは、この十年前の報告文書はそれなりによく分析をされている、大変今日でも納得できる点が少なからずあるわけであります。例えば、その中には、何げない教員の言葉が子供を傷つける、相談内容を安易に周りの子供には言わないものだ、被害を受けている児童の身になって問題をとらえるなどなどが書かれているわけであります。
 しかしながら、これを見ますと、今日起きている、今回いじめ問題を議論する、ある面できっかけともなっている福岡筑前町の事件、北海道滝川での事件等々を見まして、また、そのほかのケースでも、この十年前の報告というのが生かされていないんじゃないか、ある面で驚くほど生かされていないんじゃないかというふうに思わざるを得ないわけでございます。
 それで、まず一点、なぜそういうことになっているのか、生かされていないのかということについて、大臣の御見解を伺います。
○銭谷政府参考人 お話ございましたように、去る十月十九日の緊急の課長会議の際に、「学校におけるいじめ問題に関する基本的認識と取組のポイント」という机上配付資料を用意いたしました。これは、今先生からお話のございましたように、平成八年七月の調査研究会議報告を踏まえて作成したものでございます。この「いじめの問題に関する総合的な取組について」と題されました平成八年の報告書では、いじめについて五点、今お話のあったことも含めて、基本的な認識を示してございます。
 文部科学省としては、例えば、弱い者をいじめることは絶対に許されない、あるいはいじめられている子供の立場に立った指導を行う、いじめは家庭教育とも大きなかかわりを有している、いじめの問題は教師の児童生徒観や指導のあり方が問われる問題であること、家庭、学校、地域社会が一体となって取り組む、この五つの基本認識については、その後も、生徒指導の担当者の会議等を通じまして、教育委員会には指導をしてきたところでございます。
 ただ、最近の一連の事件を見るに、子供を守り育てるべき学校関係者にこの点が十分に行き渡っていたということはやはり言えない面があるわけでございまして、私ども、この報告書につきましては一生懸命その趣旨の理解と普及に努めてまいったわけでございますけれども、反省すべき点が多いと考えております。
 このため、先ほど申し上げましたように、先般の緊急会議では、この八年の報告書の内容も踏まえまして、これまでのいじめ対策のポイントを再整理しまして、各教育委員会や学校の取り組みの総点検を依頼しているところでございます。基本的に、私ども、この平成八年の考え方を現在も踏まえて、しっかり取り組んでいきたいと思っているところでございます。
○伊吹国務大臣 事実関係は今政府参考人がお答えしたとおりだと思いますが、今先生がお挙げになった福岡の事案は、やはり教師そのものの言動が大変子供を傷つけ、追い込んでいったという側面がございます。それから、北海道の事案は、これは、実はいじめによる自殺をされた後の子供さんが残した手紙というか遺書というか、これの扱いについて、学校当局と教育委員会と道の教育委員会とが、まことに自分たちをよく見せたい、飾りたいというために不適切な対応をずっとしてきたということのあらわれなんですね。
 今、うまくやった成功事例等は、表に出ませんから、かえってこれは無視されがちですが、うまくやった成功事例こそみんなに知らせて、そしてそれをみんなでなぞりながら子供を守っていくということをやらねばならないと思います。
 先ほど来、遠藤先生ですか、御質問の中にあったように、やはり市町村の教育委員会や県の教育委員会の教員や学校の評価が、いじめがないのがいい学校だ、それは事実そのとおりなんですが、いじめを表に出さないのがいい学校だとなっちゃったら、これは困るわけですから、むしろ積極的にそれを出して、だけれども、うまく処理をした学校を高く評価してあげる、こういう方針をやはり文部科学省としても徹底しなければならないと思っております。
○石井(郁)委員 この件だけでもいろいろと申し上げたいことがあるんですが、大臣のその御答弁がありましたので、早速、学校を評価する、教員を評価するという問題との関係で、私は、一つ、さらに伺っておきたいと思うんです。
 いじめを、あってもいい、あってもいいというのはおかしいんですけれども、あることを隠しちゃいけないという点をもっと徹底しなきゃいけないというお話かと思うんですが、しかし、現実にはそうならないでしょう。なっていない。そこの問題だと思うんですが、それは十年前も、いじめの多寡で学校の評価について取りざたしてはいけないと。非難をする傾向も見られることがあるので、学校がこれに気をとられて、いじめの実態把握に慎重になったり不十分となることがあると十年前にも書かれているんですよ。しかし、なぜそれが違っていくのか。
 福岡も滝川の事件でもそうですが、今問題になっているのは、まさに教員の問題、学校の問題であって、そのいじめをきちんと報告していないとかの問題であったり、教育委員会の問題であったりしているわけですから、そこがなぜそういうことになるのかという点では、もう少し突っ込んだ分析と御答弁をいただかなくちゃいけないんです。
 この点でいいますと、実際、その評価を気にするなと言いますが、現実には今評価は進んでいるんですよ。校長に対しても教員に対しても、人事評価制度、かなりいろいろ行き渡っております、進んでおります。そういう評価をすればするほど、逆に校長も追い詰められていっているということもあるんじゃないでしょうか。私は、それは福岡県の実態で一つは出てきたように思うんですね。
 これは、福岡県北九州市の校長の自殺でございましたけれども、いじめが金銭トラブルだというふうに報告したことがうそだった、いじめ隠しだったということで、教育委員会から非常に厳しく指摘されて、そのことが原因かどうかわかりませんけれども、しかし、現実に校長先生が自殺されるということまで起きているわけですね。
 しかし、福岡ではどういうことがあったかといいますと、これは、私は校長の業績評価というのを見て驚きました。十三項目にわたって評価されていますよ。その評価をする方は教育長の評価です。SABCDとありますから、スペシャルなんでしょうか、五段階評価ですよね。ここを見ますと、能力、意欲、実績、項目評価、四分野で、先ほど言った、Sというのは極めてすぐれている、Aはすぐれている、Bが一般的な水準、Cは水準を満たさず、努力が必要だ、Dは水準を満たさず、かなりの努力が必要だ、こういうふうになっているんですね。その評価項目というのはずっと学校運営、学校管理運営、教職員人事管理というふうにありますし、例えば、ここでは、危機管理の意識を持っているか、事件事故等に対しては適切に判断し、対処しているかということもあります。
 項目は極めて抽象的ではございますけれども、こういう評価をされていて、どうしてこういういじめが見つけられないのかという問題なんですよね。子供にとって、まさに命を預けている学校じゃないですか。一人一人の子供を本当にどう育てるかというのが学校の仕事じゃないですか。そういう子供たちが苦しんでいるという、それとこの評価とは全然合わないじゃないですか、この点はいかがですか。
○伊吹国務大臣 それは、先生、少し違うんじゃないでしょうか。教員を評価するということはやらなければなりませんよ、これは。国民の税金で学校を設置し、教員の給与を払っているわけですから。
 ですから、評定が嫌だということは、これは困ります、責任者としては。しかし、その評定の仕方の中に、遠藤先生がおっしゃったような評定の仕方を入れていくべきなのであって、いじめがあったから評定を下げるという評定はしちゃいかぬということは、我々が責任を持って各教育委員会に通知をいたしますが、だからといって、こんなSだとかどうだとかあるのはけしからぬという話には、先生、それはちょっと私は承服しかねますね。
 そして、教育長が叱責をされたと。何もいじめがあったから叱責をされたわけじゃないんですよ。学校にいじめがあるじゃないか、どうだということを父兄が言っているにもかかわらず、その校長先生なのかは、教員を指導できなかったのかどうか知らないけれども、これは児童間の個人的な金銭トラブルだと言って児童に救いの手を差し伸べなかったのは問題があるんじゃないかということを言われているんじゃないんですか。
 だから、このことと評定の仕方には問題が大いにあると私は思います。それは先生に私は同意しますが、評定があるからいじめを隠そうということではないと思いますよ。
○石井(郁)委員 伊吹大臣はいつでも、評定、評価、一般は認められるんだということで、一般論の方に行かれるわけですけれども、今大事なことは、本当に現場がそういう子供のサインが見られるようなことになっているのかということだと思うんですね。そして、私、最初に申し上げましたように、十年前の報告、そして、先ほど五つの観点ということも出されているけれども、何でそれが生かされないのか。そこをしっかり、今その問題点を探らなければ、これはずっと続きますよ、変わらないんだと。
 私は、十二年前の大河内君の事件のとき、大河内君のお宅にも伺いまして、御両親にもお悔やみ申し上げたんですけれども、最近、大河内君のお父様も新聞に登場されまして、息子の死が全然生かされていない、学校は変わっていないじゃないかというふうなお話をされていたと思うんです。
 ですから、亡くなった子供、そしてその親からすると、こんな悲惨なことをもう本当に一つも起こしたくないという思いなんですから、そのために、文科省が徹底した原因の究明と、そしてまた対策を立てなきゃいけないということなんですね。だから、学校はいろいろ取り組んでいるはずだとは思うんですが、私に言わせればどこか違っている、そういう気がしてならないわけであります。
 それで、現実に、非常に学校自身が閉塞感に襲われていたり、やはりなかなかいじめをきちんと見ようというふうになっていないところがあると思っております。
 それで、きょうは、この評価だけでも議論はあるわけですけれども、そこはおいておきまして、もう一点、報告書に述べられているいじめの基本的認識という問題で、いじめられる子供にそれなりの理由や原因があるという考えは徹底して一掃しなければならないと書かれていることなんですね。このことは私、今大変大事だと思っているんですね。
 やはり、いじめられる子にも原因があるというのは根深く広がっているんですよ。これを徹底して一掃するというふうに十年前文科省は言われているわけですが、どうやって一掃するのか、できていないという問題だと思うんですよ。その点で、十一月四日、NHKの教育テレビの特集番組がありましたけれども、十年前に比べても、いじめられる子にも理由や原因があるという考えは深まっている気がするんです。深刻だというふうに思っているんです。
 それで、初等中等局長に伺いますけれども、この考えというのは、教育現場、教職員や臨床心理士などにはきちっとそういう立場に立つということが求められていると思いますが、その点ではいかがですか。
○銭谷政府参考人 今のことの前で、一点だけ申し上げたいんですけれども、去る十月十九日の会議でも、いじめの問題については、件数が多いか少ないかの問題以上に、これが生じた際に、いかに迅速に対応して、その悪化を防止して、解決に結びつけるかということが重要であって、件数に関しては、取り組めば取り組むほどいじめを把握して、件数はふえてしまうということだってあるんだ、そのことは構わないんだということは、むしろ、当日の私どもの最重点指導内容として徹底をしているということをまず申し上げさせていただきたいと思います。
 それから、平成八年の問題行動に関する調査研究協力者会議の報告の中で、いじめの問題に関する基本的な認識として、弱い者をいじめることは人間として絶対に許されないという強い認識に立った上で、いじめられている子供にもそれなりの理由や原因があるという考え方を徹底して一掃しなければならないということを言っているわけでございまして、だれよりもいじめる子が悪いのであって、いじめられる子供の責めに帰することは断じてならないということは、私どもかねてずっと指導してきたところでございます。
 特に、いじめの問題というのが、いじめられている子供を徹底して守り抜くというその姿勢のもとに必要なケアを行うとともに、いじめる子供に対して毅然とした指導を行う必要があるということは、私どもも会議等におきまして繰り返し言っているところでございます。今回もまた申し上げております。
 ただ、残念ながら、各学校あるいは教職員の意識の中でそのことが十分徹底されているかどうかということについては、反省をしつつ、私どもさらにこういう考え方を徹底していきたいというふうに思っております。
○石井(郁)委員 私は、たびたびというかこの十年間、本当にどうだったのかということを問題にしているわけですが、それなりに文科省としては、いろいろ通達も出されているし、会議もあっただろうし、いろいろそういう立場は伝えてきたというふうには思うんですよ。しかし、なかなかそれが現場のものになり切っていない。そこには何があるのかということについてもっと考えたいと思うんです。
 きょうは、最後に、今、私、いじめられる子供にもそれなりの理由や原因があるという考え方のことについて質問いたしましたのは、実は、これは伊吹大臣にぜひ確認をさせていただきたいのでございますけれども、十一月九日に参議院でやはりいじめの集中審議的なことがございまして、我が党の井上哲士議員の質問に対して、伊吹大臣がこのように答えられていらっしゃいます。いじめられる側にも、やはりみんなの中に入っていかないというようなケースがあった場合には、これは一端の責任があるという答弁。また、九五%はいじめる方に問題があるでしょう、だけれども、残りの、なぜいじめがそこの子供へ来たのかというときに、その子供の性格だとか何かに起因は全くないということは言えないと。私は、この御発言は驚きまして、これは報告が今、一掃しなければならないと言ったこととはちょっと違うんじゃないでしょうかということがあります。
 しかも、さらに大臣はこのようにもおっしゃっていまして、行政の指導としては、いじめられた方に原因があるということは払拭してやってくださいと言うけれども、現場の教師だとかケースワーカーの立場からすると、私が言ったこと、つまりいじめられる側にも一端の責任というか、考えながら慎重に対応してもらわないと困るという形で述べられているんです。
 私は、最初に確認しましたように、このいじめ問題でやはり現場で絶対にとってはならない、基本的な認識として一掃しなきゃいけないということを第一義的に強調していることを、文科大臣はひっくり返したような答弁になっているということが大変問題だというふうに私は感じました。しかも、これはやはり最高責任者の文科大臣の御発言でございますので、どうですか、これは発言を撤回される気はございませんか。
○伊吹国務大臣 今先生がおっしゃったところのことは、翌日の赤旗にも批判を持って書かれております。
 これは、しかし、赤旗も正確に書いていただいているのは、行政としては、つまり教育委員会、学校現場その他の指導としては、いじめを受けている方に責任があるという態度じゃなくてやってもらわないと困る。しかし、臨床心理士その他、心のケアをする人は、どちらにどういう原因があって、いじめている子供はどうでという心のケアというのかアフターケアは、両方の子供のケアが必要な場合はそれはしてやらなければいけないというのは当然じゃないでしょうか。
○石井(郁)委員 もう時間が来ました。これはまた、引き続いて時間をとって議論させていただきたいということを申し上げて、きょうは終わりにしたいと思います。
○桝屋委員長 次に、保坂展人君。
○保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。
 私も、いじめの問題について伊吹大臣に少し。
 大変な事態が続いていると思います。何年かに一回、子供たちのいじめを苦にした自殺が続いたことがかつてあったんですね。これは七〇年代にもありましたし、八〇年代にも九〇年代にもあったんですけれども、しかし、今回はその広がりがちょっと不気味なぐらいだなと思います。もちろん、これは報道等で扱われることによって一歩手前にいる子たちが背中を押されちゃうという問題もあるんですね。これは我々も考えていかなければいけないと思いますけれども。
 いずれにしても、前回この委員会で大臣に御紹介をしたチャイルドライン、きょうの東京新聞によれば、一日に四千本の電話があったらしいんですね。ところが、受けられたのは二百七十本。つまり、電話の本数は限りがあります。私が十年前にイギリスに行ったときのチャイルドラインだと、一日に三千五百本受けていたんですね、大勢いますから。
 そういう緊急に子供の声を受けるというのをもう非常に急がなければいけないし、こういった国会日程の激動の中ですけれども、国会が閉じたら、大臣も、いじめを実際に受けた子供たちの声、若者ですね、ぜひ聞きましょうと言っていただいたんですが、これも、今、石井議員とのやりとりもありましたけれども、多様ですね、いじめ自身が。私もよく聞いていたのは十年ほど前なので、また最近違うかもしれない。
 これはもう与野党を超えて、子供の声を聞く仕組みがこの社会はどうもうまくいっていないわけですね。文科大臣が、しっかり私が聞きましょうと言っていただいていることについては、子供にも伝わっていると思います。ですから、いろいろな予告の手紙などを含めて、それは本当かどうかわからないものもあるかもしれませんけれども、しかし、深刻なものもあるのもきっと事実でしょう。ですから、この辺について、今、ちょっと予定以上に急いでやらなきゃいけないという認識を持っておられると思いますが、その点について。
○伊吹国務大臣 先生や我が党の馳先生がチャイルドラインのことについて大変御熱心にやっておられることに敬意をあらわしますし、私もいのちの電話というのに携わっていたことはございますので、これは大人を含めての心の悩み、自殺に至らないようにとめるための、同じものです。これについて、この前、馳先生が牟田さんなどと御一緒にお見えになったりしましたので、要件を早く整えていただいて、寄附その他の免除の手続等ができれば本数もふえますから、私もぜひお手伝いしたいなと思っております。
 それから、いじめをしている子供といじめられている子供と、本来子供を見守らねばならない、これはやはり一番が御家庭だと思いますね。それから、地域社会とか塾だとか、あるいは余暇においてスポーツを子供に指導しておられる方とか、こういう方への私からのメッセージをどこかの時点で出したいと思っております。
○保坂(展)委員 これは、私、政治家としても一番力を入れてやりたいことでありますし、また党としても、いじめを受けている子供たち、そして親、あるいは自分の子供がいじめてしまっている親の悩み、こういったことも幅広く受けて、ぜひ大臣のところへ届けたいというふうに思います。
 きょうは、教育改革をめぐるタウンミーティング問題で少し議論が今起こっております。ちょっと総括的に、内閣府の方、官房長に来ていただいていますので、今回の教育改革タウンミーティングにおいて明らかになった問題というのは、調査中ですからまだ結論は出ないと思いますけれども、しかし、何が問題なのか。
 とりわけ、この間明らかになったことを踏まえて、今、例えば大がかりなミーティングをやるのに、やはり業者の方にお願いをしていくということになりますね。そして、業者の方は何百回と経験を積んで非常に細かいやり方について精通をされていく、しかし担当室の方は定期的に人事異動するというようなことが今回背景にあったんじゃないかなと推測するわけですね。そういう点も踏まえてお答えいただきたいと思います。
○山本政府参考人 お答えいたします。
 今回の八戸市で行われました教育改革タウンミーティングの調査をきっかけにいたしまして、これも含めて過去八回開かれました教育改革タウンミーティング、これにつきまして調査をいたしました。
 残念ながら、その八回のうち五回につきまして、態様はケースによって異なりますけれども、いわゆる、私ども政府サイドの方があらかじめ特定の発言内容を文書でお示しして発言を依頼したということが判明をいたしまして、これは、たとえ活発な討議を期待してといったような意図であったにしましても、その枠を超えて踏み外しをした極めて遺憾な行為だった。そういう意味で、タウンミーティングへの国民の信頼というものを損なうことになる。自由な意見を持つ参加者に対しても非常に失礼な結果ともなりまして、私ども事務当局の責任は非常に大きいというぐあいに考えておるところでございます。これが大きな問題点だったと思います。
 それから、実際の事業は業者に委託をしてお願いをする部分が多うございます。御指摘のように、業者の方もそういったことで経験を積み重ね、これは一般競争入札でお願いをしてはおりますけれども、業者の方ももちろん経験を積むというようなことも踏まえまして、そういったような委託業務もきっちり行われ、そして透明で公正な事業が行われるということを、もちろん我々政府の組織の方もこれをきっちり担保していく。そういう意味で、きちんとしたマニュアルをつくったり、そういった間違いの起こることのないようなチェック体制をきっちりつくっていく必要があると考えております。
○保坂(展)委員 全政府的に調査を行われるということですから、しっかりやっていただきたいと思いますし、今回、内閣府の方からは、かなり混乱しながらも、繁忙の中でも資料は出していただいています。その資料に基づいて、税金がどう使われたのかということについて我々は国会で議論することができるという点は評価をしたいと思います。
 ところで、文科省の方で連続して行われている教育改革フォーラム、ではこちらの方はどういう実態だったのかということなんですが、教育改革フォーラムについて私は資料を求めました。これは、文部科学省大臣官房会計課に恐らくその責任担当官がいて、そして、この事業を委託した業者との契約書や単価書や仕様書というものがあるんじゃないか。
 過去五年分というふうに言いましたけれども、まあ、一年分だけということできょういただきましたが、これは、平成十八年度、宇都宮で行われたものが約四百万円、そして岡山で行われたものがやはり約四百万円なんですが、これは官房長に答えていただくことになると思うんですが、まず、契約書がないんですよ。仕様書だけなんです。驚いたのは、これは見積書なんですね、見積書が入っているんです。その見積書は、名前がありません。文部科学省支出負担行為担当官殿、要するに具体的な個人名はないので。契約書というのは、担当官の個人名があって、業者と、双方が契約するという形で交わされるのが契約書というんですね。それで、見積書というのは、このくらいかかりますよということであって、結果として、ガードマンを例えば十人予定していたけれども八人で済んだ場合はちょっと減るでしょうし。
 見積書自身が丸々請求書に文科省ではかわっていく仕組みなのか。これは何でこんなものが出てきちゃったのか、私はちょっと解せないのですが、何でこの見積書が出てきちゃったんですかね。
○玉井政府参考人 お答えを申し上げます。
 予算決算及び会計令がございますけれども、ここでは、契約書の作成を省略することができる場合として少額の場合が掲げられてございます。したがって、この場合には一々の契約書を交わしたわけではなかったものでございますから、先生の方からの、委員からの御指摘で、とにかくわかるものをということだろうということで、どれぐらいの金額がそれぞれかかっているのかということで、仕様書、これに基づいて、当然個別に対応しながら、そして業者がこれぐらいの見込みということで見積書を出す、それを私どもは認め、最後は精算をするわけでございますけれども、今、委員からの御指摘にできるだけ沿うという意味で、この金額は幾らであったか、そして仕様書はこういうものであり、そして見積書はこうでありましたということをまずはお出ししようとしたわけでございます。
○保坂(展)委員 見積書があるのなら、恐らく請求書があって領収書があるんでしょうね。見積書をもって領収書にかえるなんということはないでしょうね。それも出していただきたいと思います。
 この教育改革フォーラム自身も、かなり教育基本法の問題も含めていろいろ議論されている場だったと思います。この中で、今ここに出されている費用というのは、広報とか印刷とか会場費とか警備とか機材なんですね。そういうものです。つまり、現地発注負担費用みたいなものですね。要するに、先生の方、いわゆるパネリストの方をそれぞれセレクトします、そして、どういうふうに来ていただくかとか、テーマはこうしようとか、いわゆる企画制作部分の予算はないんです。これは抜けていませんか。これはだれがやっているんですか。
○玉井政府参考人 お答え申し上げます。
 教育改革フォーラム、どういう形でやるかというのは、これは我が方、文部科学省としてまずは考え、そして場所を特定し、そしてそこにお願いしながら、具体の作業になりますと、広告あるいは宣伝等がございますので、その地元の業者の方々との間で経費を見積もりながら実施をしている。すなわち、先生にも、委員にもお出ししておりますけれども、広報活動、会場借り上げ、事務局運営、会場警備、機材の借り上げについて、それぞれの専門業者に委託をして実施をしているわけでございます。
○保坂(展)委員 タウンミーティングでは、やはり大体三百人とか四百人規模で一千万かけているわけですね、内閣府の方では。文科省はそれほどかけていないにしても、私が聞いているのは、例えば三カ所同時に衛星回線でつないで九百人が参加したみたいな、そういう大がかりなことをやっていらっしゃいますよね。こういうものについて、例えば回線借り上げ費用とかカメラマンのギャラとか、そういうものは当然こういう中に実費としてあるんですが、大体、そういう企画自体を立てるということについて、いわゆる事業者と契約をして企画を立ててもらって、それは文科省の方でどこか窓口になって進めているんじゃないですか。
 田中局長がいいですか、これはどうなっていますか。これは文科省の役人の方がサテライトの構想とか図なんかをかいて、進行表とかつくって、全部、広告代理店の仕事と同じことを文科省はやっているんですか。
○玉井政府参考人 お答え申し上げます。
 委員も御質問の冒頭、まず一年分ということがございました。確かに御指摘は、過去の一日中教審や過去の教育改革フォーラムについても御指摘でございましたけれども、まずは一年分を出してくれということがあったものでございますから、私どもは急ぎ、十八年に開かれた二回の教育改革フォーラムについてお出しをしたわけでございます。
 これについても、基本的にどういうものをやるかは、これは私どもが考え、そして、その基本的な考え方のもとに、具体はやはり専門の業者の方々にお願いせねばならないものでございますから、そういった経費があるということもきょうはお示しをしたわけでございます。
○保坂(展)委員 これは委員長にもお願いします。ちょっと答弁が私は解せないんですね。サテライトで三会場結んで同時にフォーラムをやる、これはなかなか大変なことですよ。実際に基礎的な知識がなければ、それは生放送と同じですから、そして、ある程度集客して闊達に意見が出るように、それは事前に頼んでいた云々の問題はおいておいて、それは代理店あるいはそれのプロを入れてやっているのが当然でしょう。でも、今官房長の答弁だと、何かそれを全部文部科学省がやっていて、具体的な費用、ホテルの代金とか衛星回線代とか、そういうものについては払っていると。だから、いわば企画制作業務を外注していないのかとさっきから聞いているんですよ。これは、この一年は外注していなかったということなのか、それが抜けているんじゃないですかと聞いているわけです。それをはっきり答えるように、ぜひ委員長、お願いします。
○玉井政府参考人 お答え申し上げます。
 私が今お答えを申し上げましたのは、この一年間のものについて私どもは早急に調べてお出しをしました。それについて企画はどうだったかという御指摘だったものですから、それについてお答えをしたということでございまして、過去のものもすべてそうだとまでは今お答えしているわけではございません。
○保坂(展)委員 これは何か時間の無駄遣いじゃないですか。私は、資料請求に過去五年分と書いてあるんですよ、別に。だから、大変だったら一年分でもいいですよと確かに言いましたけれども、その業者、外注したかどうかぐらい答えていいじゃないですか。どこの業者に外注したんですか。企画制作について外注しているんでしょう。どの業者に外注したかどうか、言ってくださいよ。
○桝屋委員長 文科省、よろしいですか。企画制作に関するお答えをお願いします。玉井大臣官房長。
○玉井政府参考人 お答え申し上げます。
 現段階において、過去の分まで今私の手元にございませんので、ここではちょっとお答えをしかねるので、後日、御報告を申し上げたいと思います。
○保坂(展)委員 現段階ないといったって、これはそんなに軽いものだったのですか、教育改革フォーラム。文科省を挙げてやっているんじゃないのか。それを代理店に頼んだかどうかもわからないんですか。これは事前に資料請求しているんですよ。今は細かい端数の金額を出せなんて言っていないですよ。頼んでいるのかどうかですよ。今までの答弁だと、ホテル代とか警備会社に対する代金とか、今そういうものしか言っていないんですよ。あったかどうかですよ。それを言えないんですか。おかしいよ、そんなのは。
○玉井政府参考人 お答え申し上げます。
 過去にあったかどうかを正確にお答えをするために、現段階においては、まだ完全には今私のこの段階では把握していないので、後日、御報告を申し上げたいというふうにお答えをしているわけでございます。
○保坂(展)委員 では、初中局長と生涯学習局長、それぞれ、御存じだったら答えてください。企画制作を普通頼みますよ、これは、衛星中継で結ぶのなら。
○田中政府参考人 お答えを申し上げます。
 教育改革フォーラムにつきましては、文部科学省において企画し、実施をしたものでございますけれども、この三会場で合同の会議を実施した際にどこまで外部の人に委嘱したか、そのことに関しましては、現在、私、把握しておらないところでございます。
○銭谷政府参考人 三カ所を結んだフォーラムはやったわけでございますけれども、技術的な部分それから進行管理、そういうところの分担が具体的にどうであったかというのは、ちょっとよく、調べてみないと、記憶していないところでございます。
○保坂(展)委員 では、ぜひこれは大臣、出すように指示していただけませんか。これは大事だと思いますので。
○伊吹国務大臣 国民の税金を預かってやっているわけですから、当然、会計法、予算決算令に基づいて処理されていると思いますから、書類をまず、私が見られる範囲で見てみたいと思います。
○保坂(展)委員 委員会にも出していただくことを委員長にお願いいたします。
 終わります。
○桝屋委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十一分散会