第165回国会 厚生労働委員会 第4号
平成十八年十一月一日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 櫻田 義孝君
   理事 伊藤信太郎君 理事 大村 秀章君
   理事 鴨下 一郎君 理事 宮澤 洋一君
   理事 三井 辨雄君 理事 山井 和則君
   理事 福島  豊君
      新井 悦二君    井上 信治君
      石崎  岳君    川条 志嘉君
      木原 誠二君    木村 義雄君
      岸田 文雄君    清水鴻一郎君
      菅原 一秀君    杉村 太蔵君
      鈴木 淳司君    高木  毅君
      高鳥 修一君   戸井田とおる君
      冨岡  勉君    西川 京子君
      林   潤君    原田 令嗣君
      平口  洋君    福岡 資麿君
      馬渡 龍治君    松野 博一君
      松本  純君    松本 洋平君
      御法川信英君    内山  晃君
      大島  敦君    岡本 充功君
      菊田真紀子君    郡  和子君
      末松 義規君    園田 康博君
      田名部匡代君    筒井 信隆君
      細川 律夫君    柚木 道義君
      坂口  力君    古屋 範子君
      高橋千鶴子君    阿部 知子君
      糸川 正晃君
    …………………………………
   厚生労働大臣       柳澤 伯夫君
   総務副大臣        大野 松茂君
   厚生労働副大臣      石田 祝稔君
   厚生労働大臣政務官    菅原 一秀君
   厚生労働大臣政務官    松野 博一君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  山浦 耕志君
   政府参考人
   (内閣官房内閣参事官)  伊奈川秀和君
   政府参考人
   (外務省領事局長)    谷崎 泰明君
   政府参考人
   (財務省大臣官房参事官) 森川 卓也君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房総括審議官)         金森 越哉君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           藤木 完治君
   政府参考人
   (文部科学省科学技術・学術政策局次長)      袴着  実君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房技術総括審議官)       西山 正徳君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  松谷有希雄君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  外口  崇君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬食品局長)            高橋 直人君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬食品局食品安全部長)       藤崎 清道君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長)            青木  豊君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局長)           中村 秀一君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    中谷比呂樹君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房総括審議官)         安達 健祐君
   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月一日
 辞任         補欠選任
  加藤 勝信君     高木  毅君
  御法川信英君     馬渡 龍治君
  園田 康博君     岡本 充功君
  柚木 道義君     末松 義規君
同日
 辞任         補欠選任
  高木  毅君     鈴木 淳司君
  馬渡 龍治君     御法川信英君
  岡本 充功君     園田 康博君
  末松 義規君     柚木 道義君
同日
 辞任         補欠選任
  鈴木 淳司君     平口  洋君
同日
 辞任         補欠選任
  平口  洋君     加藤 勝信君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百六十四回国会閣法第七六号)
     ――――◇―――――
○櫻田委員長 これより会議を開きます。
 第百六十四回国会、内閣提出、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、来る八日水曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○櫻田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官山浦耕志君、内閣参事官伊奈川秀和君、外務省領事局長谷崎泰明君、財務省大臣官房参事官森川卓也君、文部科学省大臣官房総括審議官金森越哉君、大臣官房審議官藤木完治君、科学技術・学術政策局次長袴着実君、厚生労働省大臣官房技術総括審議官西山正徳君、医政局長松谷有希雄君、健康局長外口崇君、医薬食品局長高橋直人君、医薬食品局食品安全部長藤崎清道君、労働基準局長青木豊君、社会・援護局長中村秀一君、社会・援護局障害保健福祉部長中谷比呂樹君、保険局長水田邦雄君、経済産業省大臣官房総括審議官安達健祐君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○櫻田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○櫻田委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福島豊君。
○福島委員 おはようございます。
 大臣、副大臣におかれましては、連日の委員会、まことに御苦労さまでございます。
 通常国会におきまして審議するに至りませんでした感染症予防法の改正案についての審議が始まるわけであります。昨今の国際状況、さまざまな新しい感染症の発生でありますとか、また国際的なテロの発生、こうしたことを考えると、我が国においても感染症に対しての対応の体制というものの強化が迫られている、本改正案につきましても迅速な成立が必要である、そのように思っております。
 その上で、基本的な事柄について、政府に対して確認をさせていただきたいと思っております。
 まず、生物テロに対しての対応ということでございます。
 セプテンバーイレブンの後、アメリカにおきましても、炭疽菌の郵送などの事件が発生をいたしました。我が国においても、何があってもおかしくはないということが言えるのだろうと思います。
 本改正案の目的の一つは、生物テロの未然防止のために病原体等の管理体制を強化する、このようなことがうたわれているわけであります。しかし、大切なことは、法律を変えて、現実に病原体を扱っている研究施設等の現場がきちっとその管理の体制を強化することができるのか。私も大学におりました関係から、意外と現場の意識というものが希薄なところもあるのではないか、こういう懸念を抱いております。
 本改正案が成立しました後、研究者や施設管理者等について、その管理体制の強化のために具体的な行動をとってもらう必要がありますけれども、こうした取り組みはどのように進められるのか、そしてまた、体制がきちっとできているかどうか、このことについても外部的な評価が必要であろうというふうに思っておりますけれども、こうした点について政府のお考えをお聞きしたいと思います。
○外口政府参考人 病原体等の管理につきましては、これまでは、国立感染症研究所の安全管理規程等を参考にいたしまして、実は研究者等が自主的に行ってまいりました。この管理をより強化、確立したものとするために、今般の改正感染症法におきまして、特定の病原体等を一種から四種までの四種類に区分し、研究機関等がこれらの病原体等を所持する場合には、その区分に応じた施設の基準や使用等の基準を遵守しなければならないと規定をしております。また、一種及び二種病原体等を所持しようとする者は、病原体等取扱主任者を選任するとともに、感染症発生予防規程を作成しなければならないことから、当該機関における病原体等の管理体制が整った上で、適切な管理が行われることになります。
 一方、これらの施設の基準、病原体等の取扱基準につきましては、これは省令で規定することになりますが、改正法の施行に備えて、病原体等の安全管理のための基準項目等の検討準備を行っております。これらの検討準備の内容について、関係各省庁や関係各学会等にもお伝えしているところであります。
 厚生労働省としては、引き続き研究機関や研究者等に対して本規制の周知を図り、病原体等の安全管理に関する意識を高めていただくとともに、施行後には適切な管理体制がとられるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○福島委員 ぜひしっかりとお願いいたしたいと思います。
 また、国内における研究施設等の管理ということも重要でございますけれども、やはり一方で、国外からこうした病原体が持ち込まれる、こういうことに対しても水際でしっかりと食いとめる必要がある。我が国の検疫体制、さまざまな形で近年強化されておりますけれども、こうした国外からの持ち込みに対して、どのようにこれに対応するのか、この点についてのお考えもお聞きしたいと思います。
○外口政府参考人 御指摘のとおり、病原体等の国外からの持ち込みは大変重要な課題でありまして、特に、持ち込み自体にはもちろん必要な規制がかかるのですけれども、不法持ち込み、これに対してどう対応するかということも大きな課題でございます。
 改正感染症法におきましては、エボラウイルス等の一種病原体等については、研究者等が実際に研究に使う場合には、これは外国から調達する必要があるわけですが、それは事前に厚生労働大臣の指定を受ける、それから炭疽菌等の二種病原体等につきましては事前に輸入の許可を受ける、こういったことで、病原体等の輸入、持ち込みでございますけれども、これを制限することとしております。
 また、この手続によらず不法に持ち込まれたことが発見された場合には、これは罰則が適用されることになっておりまして、例えば一種病原体の輸入禁止違反の場合は、十年以下の懲役または五百万円以下の罰金、二種病原体等の無許可輸入の場合には、五年以下の懲役または二百五十万円以下の罰金となっております。
 また、新たに規制されます一種、二種病原体等については関税法上の輸入してはならない貨物の対象ともなるものでありまして、テロリスト等による我が国への病原体等の不法持ち込みを防ぐために、厚生労働省としても、税関等の関係機関と十分連携を図り、仮に不審な入国者の所持品や国外から輸入される貨物に対して病原体にかかわる検査等を行う必要があれば、これを特定することについて、これは税関と協力して必要な対応をとってまいりたいと考えております。
○福島委員 この点についてもしっかりとお取り組みをいただきたいと思います。
 近年、SARSでありますとか新型インフルエンザでありますとか、さまざまな新しい感染症が出現をし、そして人類を脅かしているわけであります。SARSにつきましては、先般、WHOにより終息宣言が出されたと伺っております。しかし、自然界から発生したものである以上、また再燃する危険性というものも当然あろうというふうに思っております。新型インフルエンザにつきましても、世界の各地でその発生が報告されているわけでありますけれども、その拡大の可能性、これについて政府の見解をお聞きしたいと思います。
○外口政府参考人 まず、SARSの発生状況についてでございますけれども、我が国でも数十件の疑い例と可能性例が報告されております。ただ、これは、専門家による症例検討の結果、すべてSARSでないと否認をされております。
 また、平成十五年の七月にWHOがSARSの終息を宣言しておりますが、それ以降、アジア地域では十四名のSARS患者が報告されておりますけれども、これは地域で普通に出てきた感染ではなくて、実験室内で研究者が過って感染した、そういった例だけでございます。
 鳥インフルエンザにつきましては、二〇〇三年以降、患者の発生が今も継続しており、さらに、ウイルスの変異による新型インフルエンザの発生が危惧されているところであります。
 こうした状況の中で、世界保健機関、WHOや各国とも危機意識を持って対策を講じているところであり、我が国におきましても、昨年十月に厚生労働大臣を本部長とする新型インフルエンザ対策推進本部を省内に設置し、十一月には新型インフルエンザ対策行動計画を策定して、各般の取り組みを進めているところであります。
 また、本年六月には、インフルエンザH5N1を感染症法に基づく指定感染症に政令指定を行い、患者の入院措置等を行えるようにするとともに、九月には、内閣官房が中心となって関係省庁新型インフルエンザ対応机上訓練を実施するなど、発生時に向けた体制整備に努めているところであり、今後とも対策に遺漏のないよう取り組んでまいりたいと思います。
○福島委員 ただいま、新型インフルエンザ対策についての政府としての体制整備を行っている、こういう御説明でございましたが、抗ウイルス剤またワクチンの備蓄というものを緊急に進める必要があるわけでありますけれども、この点についての進捗状況について、そしてまたその見通しについて御報告をいただきたいと思います。
○外口政府参考人 新型インフルエンザ対策としての抗インフルエンザ薬の備蓄についてでございますけれども、これは新型インフルエンザ対策行動計画に基づきまして、国全体として二千五百万人分のタミフルを備蓄することとし、現在までに国の方で約七百五十万人分の確保を行ったところであります。来年度中に二千五百万人分の備蓄を完了させたいと考えております。
 また、ワクチン開発については、鳥から人に感染を起こしたウイルスから作成したワクチンにつきまして、これは今臨床試験を行っておるところでございまして、まだ不確定な要素はございますが、今年度末を目途に一千万人分を確保することを目標に取り組んでいるところであります。
○福島委員 SARSの発生に際しては、公明党は緊急に調査団を派遣いたしました。私もその団長としてフィリピン、シンガポール、ベトナムと回らせていただきました。そのときに、WHO西太平洋事務局の尾身局長からさまざまなお話をお聞きすることができました。
 何よりも、国境を容易に越え拡大する感染症対策について、国際的な協力体制というものを整備するということが重要である。SARSについても、ベトナムでの感染の拡大に対してWHOがいち早く介入をしたということが極めて大きな役割を果たしたわけであります。発生国での早期封じ込めと、国境を越えさせない防疫体制の迅速な構築こそが必要であります。今後さまざまな感染症が発生するということを考えた場合に、アジア地域においての国際協力体制、これを平時からつくっておくということが大切だというふうに思っております。
 香港におきましては、SARSの後、香港版のCDCが設置をされました。この香港のCDCとまた日本の感染研との協力体制もとられているというふうにも伺っておりますけれども、そうした国際協力体制についての現状、そしてまた将来について御説明いただきたいと思います。
○西山政府参考人 アジア各国との協力体制といたしましては、ことし四月でございますけれども、韓国の国立感染症対策センター、いわゆる韓国のCDCでありますが、また、ことしの八月には中国のCDCと厚生省の感染症研究所との間で、感染症協力に関する覚書を結んでおります。中核機関との連携強化により、研究協力や人材交流を進めたいというふうに考えております。
 さらに、WHOに関しては、東アジアでの活動は非常に重要でございますので、今議員が申されたWHOの西太平洋地域事務局、これはマニラにございますけれども、ここに厚生労働省の医官を二名派遣して情報交換を行っているところでございます。
 以上でございます。
○福島委員 こうした新興感染症のみならず、エイズ、結核、マラリアなどの従来からの感染症は、アフリカやアジアの一部の地域においては深刻な問題となっております。先日、ジョージ・ソロス氏が来日をされまして、氏は、こうした感染症対策に対しても、その資金力をもってさまざまな形で支援をしておられます。沖縄サミットの折に、世界基金というものをつくって感染症対策を進める、こういうことがスタートしたわけでありますけれども、引き続きこうした取り組みを強力に進めていく必要があるというふうに思っております。
 尾身局長がおっしゃっておりましたが、日本がアジアにおいてどのような役割を果たしていくのか。感染症対策ということで、日本がその経験、科学そしてまた資金力、こうしたものを活用してリーダーシップを発揮していくということが国際社会の中においてより求められているのではないか、こういう御指摘もありました。
 厚生労働大臣に、今後の国際的な感染症対策に日本がリーダーシップをどのように発揮していくのか、御決意を伺いたいと思います。
    〔委員長退席、宮澤委員長代理着席〕
○柳澤国務大臣 専門家の福島先生から、いろいろと御経験に基づいた御指摘を質問の形でいただきまして、私ども、一々ごもっともで、心して取り組まなければならない、このように思ってお聞きをいたしておりました。
 国際的な協力というのは、もとより、交通手段が各般に発達してボーダーレスになっている中でのこうした感染症の蔓延を防ぐということからして絶対不可欠なものだ、このように我々も承知をいたしております。
 今、担当官の方から御説明いたしましたように、私どもは、WHOというような国連の専門機関との協力はもとより、さらに二国間での協力のネットワークというものも今構築をいたしまして、何とか感染症が発生をした折にはこの国際協力の枠組みの中でこれを早期に封じ込める、こういうようなことのいわば準備活動あるいは基盤整備というものを行っているということを今お答えしたとおりでございます。
 したがいまして、私どもも、このように、国際機関との協力あるいは二国間での協力のネットワークという両面でこれから国際協力を考えていきたいということと同時に、資金的な援助、支援というものとともに人的な、技術的な支援、こういうようにいろいろな次元での協力を重ね合わせて、万全ということはなかなかできないかもしれませんけれども、我々の能力を全力を挙げてこうした国際協力を行い、そしてその効果が高からんことを期して頑張っていきたい、このように考えております。
○福島委員 よろしくお願いいたしたいと思います。
 本改正におきましては、結核予防法を廃止し、それを統合する、こういう側面もあるわけであります。こうした法体系の見直しに対しては、従来の結核対策というものが、ややもすると逆におろそかになるのではないか、こういう御指摘また懸念があったことも事実であります。
 現に、結核は、我が国においてやはりいまだに重要な感染症であることは間違いがありません。特に多剤耐性菌の出現でありますとか、また、大阪は全国でも結核の罹患率が高い地域でございます。その対応に苦慮しているところもあるわけであります。
 感染症予防法に統合することによって結核対策がどうなるのか、そしてまた、統合することの意義はどのあたりにあるのか、この点について政府の見解をただしたいと思います。
○外口政府参考人 現在の結核予防法につきましては、法律上は、同居者のいない者に対しては結核療養所への入院命令が実施できず、公衆衛生上の措置ができないこと、入院勧告が設けられていないなど患者さんの人権上の手続が十分ではなかったこと、感染症法制定時の国会の附帯決議で、個別の感染症に対する特別な立法は患者等に対する差別や偏見につながったとの意見を真摯に受けとめるべきとの御指摘をいただいていることなど、課題がございました。
 改正感染症法におきましては、結核にかかわる措置に関し、人権を尊重した適正手続を拡充するとともに、入院勧告の規定など、感染症対策全般に共通する規定が適用されることになります。また、結核対策にとって固有に必要となる定期健康診断や通院医療、DOTSと呼ばれる直接服薬確認療法、これらにつきましても感染症法において引き続き関係規定を設けますとともに、今般の改正により、疫学調査や動物の輸入に関する措置など、従来の結核予防法にない措置が新たに結核についても行えるようになります。
 我が国におきましては、結核患者は年々減少傾向にあるとはいえ、平成十七年においても約二万八千人の新規登録患者が発生するなど、引き続き我が国において無視できない重要な感染症として十分な対策を講ずる必要があります。今回の法改正による措置も活用しながら、今後とも、薬剤耐性結核菌への対処や、都市部における対策の実施等を通じて、結核対策の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
○福島委員 時間も限られておりますので、まとめて少し御質問をさせていただきます。
 青少年の性感染症の問題でございます。
 近年、性感染症に対しての罹患率は増加の一途をたどっていると承知をしております。大変深刻な状態である。クラミジア、淋病、ヘルペス、HIVなど、近年の罹患の動向は一体どうなっているのか、この点について御説明いただくと同時に、この青少年の性感染症の問題というのは、不妊症の原因となったり、そしてまた、子宮頸がんの発生が若年化しつつあると言われておりますけれども、これなどはヒトパピローマウイルスによって発生するわけでありまして、そういう意味では性感染症によって引き起こされると言っても過言ではありません。この点については、例えばワクチンの開発、こういったことも進んでいるわけでありますけれども、何よりも、コンドームの使用など現場において性感染症をいかに予防するのか、みずからの体をいかに守るのか、こういうことについてしっかりと教育がなされる必要があるというふうに思っております。
 昨今の取り組みがどうなっているのか、また今後、この罹患率を減らすために、たしかこれは、健康日本21でもこういった点については触れられているのではないかというふうに思いますけれども、政府の御見解をお聞きしたいと思います。
○外口政府参考人 性感染症は、若い男女における大きな健康問題の一つであります。重要な課題であります。
 発生動向調査の結果によれば、例えば淋菌感染症については、平成十一年の一定点当たりの平均報告数が十三・九であったものが平成十六年には十九・〇に増加し、性器クラミジア感染症については、平成十一年には二十九・三であったものが平成十六年には四十一・七に上昇しております。
 また、HIV感染者、エイズ患者の絶対数は、主な先進諸国と比較するとまだ低いわけではありますが、この五年間増加傾向が続いており、平成十六年以降は新規報告数が千件を突破しております。また、平成十八年八月二十二日に開催されましたエイズ動向委員会の発表では、十八年の第二・四半期、これは三月二十七日から七月二日まででございますけれども、この合計が過去の四半期ごとの報告数として過去最高の三百五十四件となっており、大変憂慮すべき状況となっております。
 また、対応についてでございますけれども、厚生労働省では、性感染症に関する特定感染症予防指針に沿いまして、感染予防のための正しい知識の普及啓発、保健所が行う性感染症検査の支援等の取り組みを行ってきたところであります。なお、この指針につきましては、今般見直しを行い、年齢や性別等の対象者の実情に応じた施策の推進等を強化する予定であります。
 また、保健所が行う性感染症検査におきましても、相談指導を充実するとともに、電話相談窓口を設置するなどの対策も強化しているところであります。特に若年層に対しましては、対象者の発育や発達の段階にも応じた適切な対応が求められておりますことから、今後とも関係機関とも十分に連携しながら、性感染症予防対策に取り組んでまいりたいと思います。
○福島委員 ぜひ実効性のある対応をしていただきたいと思います。
 また、ヒトパピローマウイルスのようにワクチンによって予防できるようなものについては、やはり早急に日本で使えるようにということで、もちろん安全性の確保は必要でありますけれども、検討を進めるべきであろうというふうに私は思っております。
 最後に、狂犬病対策についてお尋ねをしたいと思います。
 現在でも世界各国で発生をしております。年間三万人から五万人が死亡している。やはり重要な感染症であることは間違いがありません。我が国での最終発生は一九五七年、その後、一九七〇年にネパール旅行からの帰国者が狂犬病で死亡しておりますけれども、国内での発生は一九五七年が最後であるとされております。しかしながら、近隣諸国を見渡したときどうか。東アジア近隣諸国、とりわけ中国においては、この狂犬病の発生というものが非常に近年高まっている、悲惨な状況がある、こういったことがあるわけであります。
 そしてまた、近隣諸国から日本に対して侵入をするおそれはあるのかどうか。こういう点について言えば、外国船籍の搭載犬がややもすると不法上陸をする、その際に咬傷事件が起こったりする。これは、近隣諸国で発生した狂犬病が我が国に持ち込まれる可能性があるということを示唆するものであるというふうに思います。
 しかしながら、国内的には、最終発生からもう五十年が過ぎたということもありまして、狂犬病予防法における犬の登録、また定期予防注射、これが犬の所有者の義務となっていますけれども、その履行については実にお寒い状況でございます。国内飼育犬の登録率は五割水準である、また定期予防注射の実施率は四割を切っている、こうした状況。そして一方では、家庭動物として犬の飼育率というものは増加しているわけでありますから、きちっとした狂犬病予防法によって対応がなされていない犬がふえているということも事実でございます。
 こうした状況を見渡したときに、狂犬病というものに対して、改めて襟を正してといいますか、政府としても対応する必要があるのではないかというふうに思っております。
 獣医学会、獣医師会関係の方々からは次のような御指摘があります。
 一つは、狂犬病予防のかなめとなる飼育犬の登録及び予防注射の実施率の向上を図らなければいけない。そのためにどうするか。狂犬病予防対策にかかわる自治体事務が当該地区を活動の地域とする地方獣医師会とも連携をする、こういうことが大事である。そして、組織的に円滑に推進をしていくために、地域のネットワーク体制、こういうものを構築すべきではないかと指摘をしております。そうした地域ネットワーク体制の構築によって、狂犬病予防法に基づいて狂犬病対策が広く国民的に理解される、そういう施策を進めるべきである。また、犬の所有者の責務として狂犬病対策というものがある、これについても国民的なレベルで普及啓発を図るべきである、こういう指摘があります。
 また、登録事務についても、現行の鑑札、こういうものがあるわけでありますけれども、なかなか大きくて、小さな愛玩犬に対してはそんな大きなものをつけるのかね、こういう観点もあるわけであります。
 近年、動物愛護法の改正のときに、マイクロチップについて、この活用をどうするかということがいろいろと議論されました。動物の個体識別、そして国際標準化されているマイクロチップによる個体番号の登録管理、こういったものに変更していってはどうか、そして、犬の登録を初めとする動物愛護管理施策等の動物行政を効率的また一体的に推進していくべきではないか、こういう御指摘があるわけであります。
 先ほども申しましたように、国際的な状況また国内の状況を考えたときに大いに耳を傾けるべきである、このように思うわけでありますけれども、最後に政府の御見解をお聞きしたいと思います。
○外口政府参考人 狂犬病は、昭和三十三年以降国内での発生はないものの、近隣諸国では流行が絶えておらず、また、狂犬病は、一たび罹患しこれが発症しますと、ほぼ一〇〇%死亡する病気であります。
 犬の登録及び予防注射等の狂犬病予防対策を行うためには、抑留等の業務を行う各都道府県等と、鑑札等の交付事務を行う市町村及び狂犬病予防注射を行う獣医師会等、関係団体が十分な連携をとり効率的に行うことが重要でありますことから、これまで都道府県等を通じて、連携してこれを実施するよう指導してきたところであります。しかしながら、この実施が不十分との指摘もありましたことから、現在、地方自治体と獣医師会等の関係団体の連携状況等の実態を把握するためのアンケート調査を行っているところであり、この結果等も踏まえ、再度の周知徹底等について検討する予定であります。
 なお、狂犬病予防法に基づく犬の鑑札及び注射済み票のかわりにマイクロチップを利用する場合には、これは、その犬がマイクロチップの場合では注射済みか否かが外見から判断できないという課題があります。もちろん、マイクロチップには動物愛護の観点から意義が十分ございますし、これはこれで大変重要なことだと思いますけれども、狂犬病発生時等の危機管理上の問題ということもございますので、狂犬病予防法対策としてのマイクロチップの導入には、これは課題があって難しいのではないかと考えております。
○福島委員 何よりも、しっかりと獣医師会等の意見も踏まえながら頑張っていただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
○宮澤委員長代理 次に、鴨下一郎君。
○鴨下委員 おはようございます。大臣、副大臣、お疲れさまでございます。
 今、福島委員からの質問でほぼ網羅的にすべては終わっているわけでありますけれども、重複を避けて、なおかつ少し同じようなところについても触れたいというふうに思っております。
 まず初めに、今回の改正感染症法につきましては、第一の大きな目的はバイオテロ等についての病原体の管理、こういうようなことになっているわけであります。その中でも、私は、一番重要な疾患といいますか、バイオテロの対象となり得る疾患としては、例えて言えば天然痘あるいは炭疽、こういうようなことなんだろうというふうに思っておりますけれども、まず初めに天然痘について少しお伺いをいたします。
 これは、全体的に言えば、世界ではほぼ根絶されたというようなことでありますし、世界の中で発生の事例の報告はないわけでありますけれども、ただ、生物テロ、こういうようなことにおいては極めて脅威のある疾患でもあるわけであります。私たちの世代は多分、種痘等で少し免疫があるんだろうと思いますけれども、若い世代は全く免疫のないところにいきなりこういうような強烈な病原体ウイルスが入ってくるということがあれば、これは想像しても恐ろしい事態になるんだろうというふうに思っております。
 例えて言えば、そういうような事態が起こるということは極めて希有なことなんだろうというふうに思いますけれども、天然痘のような水疱が出ているような疾患がある地域に限定されてぽつぽつと出始めたときに、最初にかかるのは多分お医者さんなんだろうと思いますし、そのお医者さんにとってみれば一例しかないわけで、これが水痘なのか、あるいはほかの水疱性疾患なのか、天然痘なのか、この鑑別診断というのもなかなかできないわけであります。そのときに、あるエリアで異常な頻度でそういう水疱性のいわゆる類似症が発生した、こういうような事態が起きたときに、それの届け出等をどういうふうにだれが、一体、問題意識としてまず最初に発見するか、検知するか、こういうようなことがバイオテロを防ぐ上で最も重要なことなんだろうと思っております。
 まず、天然痘についてのこういう事態が起こったときに、どういうような形でそれを発見し、なおかつ抑制していくのか、こういうようなことについての御見解を聞かせていただきたいと思います。
○外口政府参考人 天然痘への対応でございますけれども、天然痘は、一九五六年以降、日本国内での発生はありません。それで、今世界じゅうで天然痘ウイルスを持っているのは、公式にはアメリカとロシアの研究施設だけでございます。
 それで、長年、天然痘発生がないものですから、実際、若い医師等にとっては診断が非常に難しいということも考えられます。そういったこともありますので、天然痘の症状や診断方法に関するCD―ROM、これは平成十四年度に作成しておりますけれども、これを、各都道府県等を通じ医療機関等に情報提供を行っております。
 また、国内で発生した際には、天然痘という疑いがあれば、これは直ちに保健所、県を通じて国の方へ情報が来ると同時に、確定診断を感染症研究所等が中心になって行うことになります。
 また、発生の際にはワクチンの使用が周辺地域等を含めて有効になりますし、特に、議員御指摘のように免疫のない若い人たちにとっては、ワクチン投与が必要であります。現在、そのために、天然痘ワクチンについても、危機管理上の理由から詳細は公表しておりませんが、平成十三年度から相当量を備蓄して、その後も毎年追加備蓄を進めているところであります。
 仮に、こういった天然痘ウイルスを使用した生物テロが発生した場合には、これは厚生労働省だけでなく政府全体での緊急参集チームも招集されることになっており、関係省庁連携のもとで対応を行うこととなっております。
○鴨下委員 今局長がおっしゃったとおりなんだろうと思いますけれども、こういうような問題というのは、やはりどこかが常に緊張していないと、発見がおくれてあっという間にいろいろな意味で広がってしまう、こういうようなことがありますので、ぜひ健康局が主体的になって常に目を光らせておく、緊張感を持っていく、こういうようなことでよろしくお願いいたしたいと思います。
 加えて言うと、もう一つのバイオテロの対象となり得るのは炭疽菌であります。
 これはもう既に、平成十三年には米国において、郵送で白い粉が送り届けられてきて、それを吸入することによって呼吸器症状が出た、こういうようなことから始まって、ある意味で米国じゅうを恐怖に陥れた、こういうようなことでありました。学術的に言うと、炭疽菌のスポアを約一万程度吸うとそれで呼吸器症状が出てきて、当初は肺炎なのかインフルエンザなのか風邪なのかわからないというようなことで、あれよあれよという間に病気が重篤になっていく、こういうようなことでもありますので、私は、こういう事態のときには、単純に言えば、新たなサーベイランスといいますか、こういうようなものがどういうふうに作動するか、こういうことが極めて重要なんだろうというふうに思っております。
 先ほどの天然痘でいえば、水疱性疾患が出たときにどういうふうに考えるか、あるいはこの炭疽については、呼吸器症状、いわゆる呼吸器症候群が出たときにそれをどういうふうに考えるかというのは、常に頭のどこかに置いておかないといけないんだろうというふうに思っておりますけれども、炭疽についてはどういうふうに考えているか、お知らせをいただきたいと思います。
○外口政府参考人 炭疽菌等のおそれのある場合の対応についてでございますけれども、議員御指摘のように、平成十三年、米国におきまして、同時多発テロに引き続き炭疽菌事件が発生しました。この事件を受けまして、平成十三年十一月に厚生労働省の方で、住民からの相談、受診があった場合の医療機関や保健所における対応、炭疽菌の汚染に対する消毒及び除染の方法、地方衛生研究所、国立感染症研究所、検疫所等における検査体制、警察庁、消防庁等の関係省庁との連携等の対応策を取りまとめて、都道府県に対し周知をしております。
 ただし、平成十三年からもうかなり時間も経過しております。この点で、いつも緊張しておけという御指摘をいただきましたけれども、内容についてこれがいつも関係者の間で周知され続けるということを目的といたしまして、今後とも定期的に注意喚起を行ってまいりたいと考えております。
 なお、肺炭疽については、これはフルオロキノロン系の抗菌薬を早期に大量投与することが有効でありますので、国内の流通在庫量について定期的な確認を行っております。
 また、天然痘患者発生時と同様に、炭疽菌を使用した生物テロが発生した場合には、事態に応じて政府全体の緊急参集チームが招集され、関係省庁連携のもとで対応を行うこととなります。
○鴨下委員 新たなサーベイランスがどういう形で作動するか、だれかがどこかで緊張感を持って見詰め続ける、こういうようなことが重要でありますので、健康局は主体的にその任を担っていただきたいというふうに思います。
 続きまして、感染症法の改正において、結核予防法を廃止して感染症法に統合する、こういうようなことに相なったわけであります。
 私は、個人的な経験では、医者になりたてのころに結核病棟で働いていたことがあるものですから、結核予防法というのにある種のノスタルジーを感じているわけで、先ほど、一つの疾患について法律として定めると偏見が起こる、こういうことがあるということで感染症法の中に包含する、こういうようなことのようでありますけれども、他方、結核というのはいまだに新規罹患する人たちも多いわけでありますし、特に高齢者がふえてくる段階においては、多分結核はまだまだ、それこそ無視のできるような疾患ではないんだろうと思っておりますので、ぜひ、そういう観点からこの対策が後退にならないように、こういうようなことを強く思うわけであります。
 ただ、例えば結核予防法の三十五条の強制的な命令入所についても、今まで、同居人がいることが条件になっているとか、こういうようなこともあって多少不都合があったんだろうというふうに思いますので、こういう問題についてぜひ後退をしないで、なおかつ、いわば結核予防法において足らざる部分を補う、こういうようなことになっているのかどうかということについて、見解をお聞きしたいと思います。
○外口政府参考人 結核についてでございますけれども、これは、年々減少傾向にあるとはいえ、平成十七年においても二万八千人余の新規登録患者が発生するなど、引き続き我が国においては大変重要な感染症であります。私も、卒業したてのころには結核病棟で研修を受けましたので、思い入れは持っております。
 それで、今回の結核予防法についてでございますけれども、御指摘の、同居者のいない者というと、これはホームレスの方とか独居老人等の方になりますけれども、こういった方に対しては、結核療養所への入院命令が法律上は実施できないということになっております。ただ、現場では必要な対応は行っていたようでありますけれども、法律上明文化されていないものについて現場での対応をするということになると、それはそれなりの問題もありますので、これはやはりきっちりと法律で位置づけて必要な対応をとることが必要だと考えております。
 また、今までの結核予防法では、入院勧告が設けられていないなど、ほかの感染症と比較しても人権上の手続が十分でないということがありましたので、これに対しては改善されます。
 それから、ほかの感染症と違って、結核対策にとって大事な定期健診や定期外健診や通院医療とか、それから、特に最近大きな成果を上げている直接服薬確認療法、これは実際に患者さんの目の前で服薬することを確認するということを続けるわけでございますけれども、これが、特にホームレスの方とか独居のお年寄りの方とか、こういった方にとっては大変有効でございます。こういうことは引き続き関係規定を設けてまいります。
 また、動物の輸入に関する措置でございますけれども、例えば、結核は、動物でいえばサルにうつります。例えば動物園で、サルが人間からうつって、それをまた人にうつすということも考えられますし、そういったこともありまして、動物の輸入に関する措置などについても、従来の結核予防法にない措置ではありますが、これが行えるようになるわけでございます。
 いずれにいたしましても、結核については、これは大変重要な疾患でありますので、感染症法と統合した後におきましても、さまざまな対策をとりながら一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
○鴨下委員 それに関連する話でありますけれども、労働安全衛生法における胸部エックス線検査等のあり方検討会において、胸部エックス線検査を行う対象を原則四十歳以上とする、こういうような報告がまとめられたと聞いているわけでありますけれども、この報告書の結論である胸部エックス線検査の見直しというようなことを行った結果、これは、例えて言えば四十歳にする論理的な根拠については、私は多少疑問の部分があるんです。例えば肺がんだとか肺結核、肋膜炎、肺炎、こういうことも四十歳に満たない人たちにだって発生するわけでありますし、そういうようなことにおいて、胸部エックス線を見直そうということの趣旨、内容について御見解をいただきたいというふうに思います。
○青木政府参考人 労働安全衛生法における健康診断に関してでございますが、これは昨年四月一日に施行されました結核予防法の改正によりまして、それまで事業者に対して義務づけられておりました年一回の定期健康診断について、二次感染を引き起こす危険性が高い学校あるいは病院、そういった一部の施設を除きまして、結核の早期発見対策としての一律的、集団的な定期健診は行わないというふうにされました。
 これを受けまして、労働安全衛生法における胸部エックス線検査の意義でありますとか対象について検討を行うということで、今委員お触れになりました、労働安全衛生法における胸部エックス線検査等のあり方検討会というものを開催いたしまして、今年の八月に報告書が取りまとめられました。
 その過程においてはさまざまな意見が出ましたけれども、結論としましては、例えばということでお触れになりましたけれども、受動喫煙等の職場環境が関与する肺がんとか結核、そういった呼吸器疾患なども中高年の発症頻度が高いということで、四十歳以上の労働者に、呼吸器疾患等の一般的なスクリーニング検査として胸部エックス線検査を実施するという結論がなされましたし、また、四十歳未満につきましても、医師の判断により省略可能とするということと同時に、雇い入れ時健診の後、五歳ごとの節目健診を行うということが適当だという結論がなされました。
 こうした内容は、加齢に伴う呼吸器疾患や循環器疾患等の有病率の増加等の医学的データに基づき取りまとめられたものでありますけれども、さまざまな意見も出された結論ではありますが、さらに調査研究を行って、科学データを収集した上で見直しを実施したいというふうに思っております。
○鴨下委員 ぜひ、漏れのないようにうまいぐあいに制度を設計していただきたいと思いますし、確かに、胸のレントゲンをやることのデメリットあるいはやったことのメリット、こういうような意味でのさまざまなメリット、デメリットを勘案していただいて、ぜひきちんとした形で機能するようにしていただきたいと思います。
 この結核のことにつきましては、大臣にお伺いをいたしますが、現在でも約三万人ぐらいの方々が年間に罹患するわけでありますし、東アジア諸国においてはまだまだ極めて重要な疾患であります。これから日本の方々も観光で出ていったり、外国人の方も日本にたくさんおいでになる、こういうような状況の中で、やはり結核対策というのは、ある意味で重要な政策の一つだろうというふうに思いますので、大臣の決意を伺いたいと思います。
○柳澤国務大臣 私は、もちろん若いころというか子供のころ、野球の選手なんぞをやって非常に華々しく地域の青年リーダーとしてやっていた人が、突如結核に倒れて若い命を失っていく、非常に悔しい表情をしながら、言動をとりながらというような話も随分耳にいたしました。
 そういう経験からしますと、その後、最近においては結核でそういう話というのは聞かなくなりましたから、結核というのも、日本で大体これで放逐できたのかというような気持ちでおりましたところ、三、四年前ぐらいからでしょうか、メディアを通じて、高齢者を中心として意外に結核を発症する人が実は最近多くなっているんだ、こういう報道に接しまして、本当に、これまでの誤った考え方というものを改めたというようなことがございました。
 そういうことで、今回、結核予防法が一般法としての感染症の予防法の中に繰り込まれるわけでございますけれども、今、健康局長なぞからるる御説明申し上げましたように、従来の結核予防法にあった法律というのは、丁寧に、ほかの感染症と関係のないところまでちゃんと引っ越しをして、新しい規定の中に繰り込めている、こういうことが一つございますし、また、最近のいろいろな知見とかそういうものに基づいて、ここに対策を打つべきだ、先ほどホームレスの話なぞもございましたし、先ほどは話がなかったかと思いますけれども薬剤耐性結核菌の出現等も最近非常に大きくクローズアップされておりますが、そういったような、新たな、従来になかったところにも手当てをした、そういう規定を置いているわけでございます。
 そういうようなことでございますので、今回の法改正による諸措置を活用しながら、今後とも結核対策の一層の推進に努めてまいりたい、このように考えている次第です。
○鴨下委員 ぜひ、この改正感染症法の中でも、結核というのは極めて重要な疾患の一つでありますので、緩むことのないようによろしくお願いをいたしたいと思います。
 続きまして、もう時間も少なくなりましたけれども、新型インフルエンザについて少し質問させていただきます。
 これから、例えばインフルエンザ、特に新型インフルエンザの場合には、どういう形でいつ起こるかわかりません。これの危機管理をするためにタミフルを備蓄しているというような話は聞いているわけでありますけれども、本当にタミフルが有効であるのかどうかというようなこと、あるいは、相当な金をかけて、予算をかけてタミフルを備蓄しているわけでありますけれども、これをそのまま、例えば賞味期限が終わったら廃棄してしまうのはもったいないなというふうに私なんかは思っているんです。そういう意味で、何らかの形で活用ができないのかというようなことが少しあるんです。
 それから、加えて言うと、タミフルだけではなくて、今、ほかにもそれなりに有効なタミフルに類似した薬も出ている、こういうようなことであるので、総合的にそういう備蓄等についての戦略も必要なのかな。それから、例えば流通を含めた、仮に言えば二千万人分の薬を用意するとすれば、流通を含めてローリングしていくというんですか、そういうような工夫というのは何かできないのかなというふうに思っているのが一つであります。
 加えて言うと、いざ起こったときにその薬が効くかどうかということは、多分効くんでしょう。でも、それよりも、例えばその新型インフルエンザに対しての、ある意味で選択的に特異的に予防できるワクチンの開発、こういうようなこととあわせてやっていく必要があるんだろうと思いますけれども、この新型インフルエンザに対する健康局あるいは厚生労働省の全体戦略をお聞かせいただければというふうに思います。
○外口政府参考人 新型インフルエンザ対策についての全体戦略としては、これは行動計画をつくって、これを適宜改定しながら、そのときそのときの医学的知見、流行の状況等に合わせて改定していく考えであります。
 また、行動計画につきましては、これはそれほど具体的なものでないわけでありますので、これに基づいた都道府県の行動計画、あるいはそれぞれの、例えば検疫でございますとかサーベイランスでございますとか、それぞれのパートパートごとの具体的なマニュアル、こういったものも適宜準備しながら進めてまいりたいと考えております。
 また、タミフルについてでございますけれども、これは当初需給が大変逼迫していた時期に、二千五百万人分を目途に、これは製造元、ロシュ社でございますが、そこに対して備蓄用のものを購入するということで、何とか確保したという経緯がございます。この備蓄の量、大変多いものでございますので、一般の市場流通量を大幅に超えるものでありますことから、実際にはこれは、いざパンデミックが起きたときに市場に出していくものとして考えております。
 また、有効期限等もありますけれども、そういったことも十分踏まえながら、無駄にならないようにということも考えて、当時、二千五百万人分のうちの四百万人分は、市場に流通している在庫を用いるという考え方もとったところでございます。
 なお、ワクチンについては、これは実際にパンデミックが起きたときには、それからワクチンをつくり始めても恐らく一年以上かかるわけでございますので、実際に使うワクチンというのは、一つ前の段階、プロトタイプと言われるような段階のプレパンデミックワクチンをつくることになります。これは現在開発中でございまして、臨床試験を国内製造四社の協力を得まして行っているところでございます。
○鴨下委員 そのワクチンはトリ・ヒトワクチンですね。それはぜひ開発を急いでいただきたいと思いますし、これは大臣、お答えいただかなくても結構ですけれども、タミフルの備蓄というのは百億円規模の予算がかかっているわけで、それが五年たったらそのまま賞味期限が切れて終わっちゃうというのは、ちょっともったいないというか、何か私はすっきりこないので。答えなくていいですよ、答えなくていいんですけれども、そういうような問題意識を持っている議員や医師もたくさんいるというようなこと、購入先とのいろいろな話があるような話を今ちょっと局長が言っていたけれども、そういうことだけではないような気がしますので、ぜひ御工夫をいただきたいなというふうに思っています。
 もう時間がありませんから、大臣に、先ほど福島委員からの質問もありましたけれども、この冬に向けて、また新型インフルエンザがはやったら大変だというふうな不安はやはり国民の皆さんお持ちでありますので、政府として、厚労省として、今考え得る対策については万全にやっているんだ、こういうようなことを含めて、一言お答えをいただきたいというふうに思います。
○柳澤国務大臣 新型インフルエンザは、流行というものが世界的にあった場合には非常に人類社会に大きな脅威になるものだということで、大変我々も深刻に受けとめているわけでございます。これに対しては、もちろん政府として、そういう認識のもとでこれまでもいろいろな取り組みというものを積み重ねてきております。
 昨年は行動計画というものを策定いたしましたし、また、ことしに入って九月には、内閣官房を中心として各省参加した机上の訓練を実施いたしているわけでございます。それから、情報の提供については、実は厚生省の担当官によるインターネットを通じた広報というものを、二週間に一回改定することによって国民に対する広報活動を行っておるところでございます。
 しかし、いざこれが発生した場合の医療機関等の整備については、なおまだその途上にあるというところでございまして、これは早急に整備に向けて促進をしていかなければいけない、こういうように考えております。
 なお、ちょっと私、今言い違えましたので、早速訂正させていただきますけれども、二週間に一回は担当官による会見ということでございますので、大変恐縮でしたけれども訂正をさせていただきます。
 以上でございます。
○鴨下委員 終わります。ありがとうございました。
○宮澤委員長代理 次に、岡本充功君。
○岡本(充)委員 民主党の岡本でございます。
 きょうは感染症法の改正案に対する質疑でございますが、まず、この感染症の中でも、私、かねてより大いな関心を持っておりますプリオン病、特にBSE対策について、前回農林水産委員会で厚生労働省に指摘をさせていただいた件につき、再度お尋ねをさせていただきたいと思います。
 委員各位御存じのとおり、昨年の十二月に一たん再開されました米国産牛肉輸入再開後、一月に入りまして骨つき牛肉が見つかり、再度の輸入停止となったわけであります。その際、再開に当たって米国側から日本側に輸入されてきた牛肉は相当量に上ったわけでありますが、一月の再停止により、それらの牛肉が倉庫に眠ったままの状態となっております。現在およそ九百トン前後あるというふうに御報告をいただいておりますが、これらの肉を再度流通させるための手続の受け付けが先週末から始まったとの報道を受け、私は、前回の六月の農林水産委員会、そしてまた、その後六月十五日の農林水産委員会冒頭での厚生労働省の御答弁、政府統一見解では、この手続再開は説明し得ていないと考えております。
 そう指摘をさせていただくのは、二月の衆議院の予算委員会におきまして、当時の食品安全担当の松田大臣が、牛肉の輸入再停止に当たって、なぜ再停止をしたかという答弁をされたときに、米国産牛肉は、輸入再開後、輸出の遵守プログラムが守られていなかった、だから輸入をとめている、こういう答弁を繰り返されています。
 政府統一見解では、この松田大臣の答弁は、言葉ではこうだけれども、思いの中では、当時の状況がよくわからないし、そしてまた、どういうことかは調査をしてみなければわからないという思いの中で言ったと言っておりますが、答弁としては、遵守プログラムが守られていなかったというふうに答弁をされているわけですから、当然このときの肉は輸入手続が守られていなかったと解するのが正確な解釈だと考えるわけであります。
 そういう意味でいうと、後から出してこられた、六月十五日の政府統一見解といって出された資料を読むに、この守られていなかったと結論づけた大臣の答弁を撤回するに値する、そういった理由を指摘されていないというふうに考えるわけでありますが、それについて厚生労働省側からの御答弁をいただきたいと思います。
    〔宮澤委員長代理退席、伊藤(信)委員長代理着席〕
○藤崎政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年十二月十二日から本年一月二十日までに処理されました米国産の未通関牛肉の取り扱いに関する政府の考え方については、ただいま委員御指摘のとおり、本年六月十五日の衆議院農林水産委員会において委員長が読み上げられたとおりでございます。
 すなわち、二月十五日の松田大臣の答弁は、脊柱混入事例の原因が不明であった、また、他の対日輸出施設の遵守状況についての米国側の調査が行われていなかったという状況を前提としたものでございます。しかし、その後、米国政府により、この問題となりました脊柱を含む子牛肉の輸入された状況につきましての原因が究明され、また、それ以外の他の対日輸出施設の遵守状況に問題がなかったということが判明するなどいたしまして、状況が変化してまいりました。そのため、引き続いて行われる日本側の現地調査や全箱確認等の結果に問題がなければ輸入を認めるとしたものでございます。
 厚生労働省及び農林水産省におきましては、その後、御案内のとおり、実施いたしました対日輸出施設の現地調査におきまして、昨年十二月から本年一月の対日輸出処理記録等の検証の結果、対日輸出基準に適合しない事例が認められなかった、そういうことから、輸入手続再開から三カ月間問題がなかったことも踏まえ、本年十月二十七日より輸入手続を再開したところでございます。
 この際、輸入業者の協力を得て全箱を開梱し、特定危険部位が含まれていないこと等を確認し、問題がないものに限り輸入を認めるということにいたしておるところでございます。
○岡本(充)委員 状況が変わったから答弁が変わるということがあり得るのかどうか。そういう状況を前提だと言うけれども、こういう状況が前提なんですというふうな答弁であればわかりますが、答弁はそういう状況を説明されていません。明らかに、輸出の遵守プログラムが守られていなかったと、ここの部分だけを繰り返されているわけですね。こういう状況で、こういう背景で、したがって、その他の施設は守られているかもしれないけれども、そこに不安があるから今とめていますということは、松田大臣、何遍も答弁に立たれていますが、その点については全く触れられていません。
 それを、後から、実はこの答弁の背景にはこういう思いがあったんです、こういうような気持ちでこういうことを言ったんですと言われても、それは後出しじゃんけんであって、そのときの状況を変更するというふうに言われても、後から説明をつけているわけであって、それはそのときに私に答弁をしなければいけなかった話であります。したがって、今の答弁では状況が変化したというような話にならない。
 それから、続けて少し指摘をしておきますと、冷凍されている牛肉の特定危険部位が混入しているかどうかなんというのは、骨以外はもうわからないはずですよ。冷凍してしまっている牛肉で万一脊髄が付着していたということになっても、凍結牛肉でどうやって判断するんですか。三カ月たったらそれでいいと言われるけれども、今、六カ月間のトライアル期間ですよね。トライアル期間もまだ終わっていない。まだその途中の三カ月だ。その三カ月の根拠もはっきりしない。六カ月、米国と日本政府との間で試験期間だと定めているわけだから、少なくとも、この六カ月見るということでも十分可能である、それをこの三カ月でやる、この根拠も明らかでない。
 そういう意味でいうと、今の答弁、そもそもからして、そういう思いだとか、こういうような状況だったとか、そういうことであれば、そのときにきちっと説明するべきであり、それを説明もせずに変更するということについては、それは大臣の答弁を撤回するにしては余りに軽い理由ではないかということを指摘させていただいているわけです。それでは大臣の答弁とまだそごがある、そこについて改めて御答弁をいただきたいと思います。
○藤崎政府参考人 お答え申し上げます。
 繰り返しになって恐縮でございますが、松田国務大臣が答弁をいたしましたときの状況というのは、一月二十日の時点で脊柱のついた子牛肉が発見された、そして、その問題は、それが発見されたということは明らかにプログラムの遵守がされていないということははっきりしておるわけでございますが、それが全体のプログラムの問題なのか、それとも個別アクシデントなのかということが判然としない状況であったわけでございます。
 そういう状況の中でそのような答弁がなされたと理解しておりますが、この間の、今申し上げた、状況がわからなかったということにつきまして、それではそのほかの施設はどうなんだろうかということを、米国側も調査を受け、また、そして私どもも現地に行って調査をし、そういう中で問題はないということが判明したわけでありますので、そういう意味で、状況というものは、当時前提をしたものとは異なるというふうに考えておるわけでございます。
 また、輸出プログラムが子牛肉を出荷した二施設において遵守されていなかったことは確実であったという当時の状況を前提としたものであることは、今般の未通関牛肉の取り扱いと矛盾するものではないというふうに理解をいたしております。
○岡本(充)委員 いや、部長、今の答弁で指摘をしたいのは、状況がそうだとか、当時はそういうふうな認識のもと答弁したとかではなくて、答弁は、輸出プログラムが守られていなかったと言っているんです。であれば、この二施設だけ守られていないか、それとも全般が守られていないかを判定する必要があるというふうに御答弁いただくべきなんです、それは。
 それから、よしんば二施設だけ、もしくはほかの施設は守られているかもしれない、二施設だけ遵守されていない可能性があるというようなことで、それを認められるのであれば、当時、全施設からの輸入を停止したということ自体について過ちがあったということを認めなければいけないということになるわけですよ。
 逆に言えば、実際に、米国のほかの施設、二施設以外の残りの施設が、私たちは不当な被害を受けた、あの当時はわからなかったとは言っていたが、私たちはきちっと遵守をしていた、日本政府も認めているじゃないかという話にもしなれば、この間とめたことに対しては、米国のその出荷施設に対して、ある意味、まあそれが補償に当たるかどうかは別として、個別の案件ですけれども、その部分については米国側の主張するように、単独施設ないしは違反施設のみをとめるべきであったとの論にくみするような、そういうような主張になりかねはしないかという懸念も持っています。
 そもそも、もう一度、くどいようですけれども、大臣は遵守プログラムが守られていなかったと答弁をし、食品安全委員会の答申が成立しない、評価が成立しないと結論づけている以上、これは個別のことに限っての答弁だったというのを後から言うのは、これは理にかなわないということについての、状況がどうだったかとか、思いがどうだったかとか、こういうことを背景に話をしているとかではなくて、そういうものは残っていないわけです。一言も残っていない。残っているのは、遵守プログラムが守られていなかったという大臣の答弁なんですから、それを覆すには値しないということに対してのお答えになっていない。
 状況だとか、そういうような思いだとか、そういうような背景だとか、そういう説明は結構ですが、成立をしていない、もしくは守られていなかったという答弁を覆す状況を説明されるのではなくて、その答弁はもう既に守られていなかったと言っているわけですから、その守られていなかったということを覆すためにはちょっとそれでは不十分なのではないかということに御答弁がいただけていないと思いますので、それをしっかりお答えいただかないと、同じことの繰り返しでは、この先質問が続けられません。
○藤崎政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、前段の方の先生御指摘の、全部をとめたのがまずかったのではないかという点でございますが、これはやはり、国民の安全を第一に考えるという私どもの立場からいたしますと、輸出プログラムに合致しない肉が発見されたというときには、安全性を見越して、それが個別事例なのか全体事例なのかがはっきりしない段階では、一たん輸入手続を停止して全体のものをとめて、その原因解明と改善の措置がどうとられるかということを明確にしていくということで仕方がなかったのではないか、それが適切であったのではないかと私どもは現在の時点で認識をいたしております。
 それから、今先生御指摘の点でございますが、六月十五日の農林水産委員会におきまして御指摘いただいていることでございますが、同時に質問主意書もお出しいただきまして、先ほど申し上げた農林水産委員会におきます委員長の御説明いただいた内容がどうも判然としないという御指摘でございますが、質問主意書に対します政府としての見解ということにつきまして申し上げて、その点をクリアにさせていただければと思います。
  食品安全委員会が平成十七年十二月にとりまとめた「「米国・カナダの輸出プログラムにより管理された牛肉・内臓を摂取する場合と、我が国の牛に由来する牛肉・内臓を摂取する場合のリスクの同等性」に係る食品健康影響評価について」における評価結果は、対日牛肉輸出証明プログラムの遵守を前提としたものである。したがって、対日牛肉輸出証明プログラムが遵守されない場合には、評価結果は成立しないが、対日牛肉輸出証明プログラムが遵守されているかどうかについては、リスク管理機関が確認することであり、厚生労働省及び農林水産省が行う現地調査、輸入再開後の現地査察、輸入時の検査等で、対日牛肉輸出証明プログラムの遵守が確認されれば、評価結果は成立することから、食品安全委員会において、改めて食品健康影響評価を行う考えはない。
という、若干その他の御質問も含めての回答ぶりになっておりますけれども、今申し上げたことが、政府としての質問主意書におきます回答ということになろうかと思います。
○岡本(充)委員 質問主意書について僕は聞いていないんですよ。それは答弁のすりかえです。しかも、評価結果について成立するのかしないのかとか、再評価をする必要があるのかという部分についてもその質問主意書では聞いているわけで、その部分について答弁をしてくれと言っているわけじゃない。
 委員長も、ぜひ御判断、御理解いただきたいんですけれども、大臣が予算委員会で、輸出のプログラムが米国側で遵守されていなかった、こうやって答弁をされている。しかし、そのときの遵守されていなかった肉をこれから、今からこっそり、こっそりと言っては失礼かもしれないけれども、これから流通をさせるというんですね。輸出のプログラムが遵守されていなかったと大臣が断定した肉を、これを再度、日本国内に流通させるためには、私は、それ相応の何らかの根拠なり理由なり、その大臣の答弁が間違っていたというのであれば、それはそうであろうとは思いますけれども、大臣がそうやって答弁をしてしまっている以上は、この肉はプログラムが守られていなかったと解するのが普通なわけであります。
 ところが、今の説明では、当時の状況だとか背景だとか、大臣はこういう思いで答弁をしているんだとか、それは大臣にも確認をしたと。大臣の思いはこういう思いであったけれども、国会で答弁したのはこんな答弁でありましたと。岡本さんに答弁をしたのはこういう答弁であったけれども、あのときはこう思いながら、ああ思いながら答弁したんですよと、こういうふうに後で説明に来られました。
 これでは、そのときどう思っていようが、ああ思っていようが、でも、答えとしては、プログラムが守られていなかったと言ってしまった以上は、もう守られていなかったということは判然としているわけである。政府として大臣が答弁をされているわけですから、守られていなかった牛肉を通関させる、そういった根拠にはならない。思いがどうだからということではない、状況がどうだったからということではない。
 だとすれば、そのときに二施設だけなのか、ほかの施設もそうなのか含めてこれから調査をするんだと言うべきであるところを、守られていなかったと断じてしまっているわけですから、それを撤回するわけにはいかないのではないかというふうに指摘をしている。それに対して、食品安全委員会のリスク評価が成立するかしないかの部分に、今、質問主意書の、論点を変えて御答弁を読み上げて答弁をしたかのように言われますけれども、それは答弁になっていないということを指摘しているわけで、きちっとした答弁がいただけないと質問が続けられないというふうにお話をしています。
○伊藤(信)委員長代理 藤崎食品安全部長、質問に御的確にお答えをお願いします。
○藤崎政府参考人 お答えを申し上げます。
 繰り返しになって大変恐縮なのですが、先生のお考えになる御指摘と、私自身は、その大臣がお答えになったときというのはやはり状況が明確でないときであったわけですので、少なくとも、二施設からの輸入された子牛肉につきましては脊柱が含まれていて、これについてやはりプログラムは遵守されていなかったという御判断は当然だっただろうと思います。
 そして、全体として、やはり、そういう部分について大臣として評価が成立しないというふうにその当時言われたんだろうと思いますけれども、要は、事実がはっきりしてきて、この間に米国の側も調査をされ、また私どもも現地に調査に伺って、その二施設以外の施設につきまして、昨年の十二月十二日から一月二十日まででしょうか、日本に輸出されたものについては問題がないということは確認されておりますので、これについては、しかし念のために一定期間、七月二十七日に新規の輸入手続は再開いたしましたけれども、未通関のものについては、その後、一定期間様子を見て、状況を見て、しかも念のためやはり全箱確認をしてやっていこう、こういうことで未通関牛肉についても対応してまいりましたので、そのことで御理解いただけないだろうかというふうに感じるところでございます。
○岡本(充)委員 後からそれを調べたら、当時遵守していなかったという答弁をひっくり返すことができるのかということなんですよ。
 だから、大臣がもう言ったことは事実だし、そのときにどういう状況だったか、思いだったかじゃなくて、大臣がそうやって一回答弁をしているものを、今から全箱調査をすると。しかも、凍結牛肉になってしまって、当時は冷蔵でしたけれども、今は冷凍してあるわけですから、あけたところで骨があるかどうかしかわからないような牛肉をあけて、なおかつ、書類は当時のものを繰れば、遵守をしていたというふうに判断ができるというのであれば、その時点でそういう答弁をしておくべきだったのではないかという指摘なんです。
 それが既に遵守をしていなかったという答弁をしてしまっている以上は、このときの牛肉は遵守をされていなかったものと政府として解していると理解をせざるを得ないわけなんですね。それについての御答弁がいただけていないというふうに指摘をしています。
○藤崎政府参考人 本当に繰り返しになってしまって恐縮でございますけれども、それ以外の牛肉が遵守されていないということにはやはりならないのではないか。その時点で、どこまでがプログラムに問題があったのかということがわからない時点で、安全のためにやはり全体をまず手続をとめようということで、その原因の究明とそれから改善策についてきちんとアメリカ側から報告を求めて、そして、対日輸出プログラムがちゃんとしているということが確認されたところで手続を再開しよう、こういう姿勢でやってまいっております。
 先生御指摘の、大臣のその答弁がその当時であるかということにつきまして、私、政府参考人ですので、どのように解されるか十分には承知しておりませんけれども、そのときにそういう御答弁をされて、そしてその後、やはり状況がクリアになったところで適切な対応をとって適切な対応をしていくというのが、私ども行政に課せられた役割ではないかなというふうに考えておりますので、御理解願えれば幸いでございます。
○岡本(充)委員 そうしたら、これでどうでしょう。松田大臣の答弁が不十分であった、もしくは状況説明に対して不十分であったというような御認識ということでよろしいわけですか。
○藤崎政府参考人 私ごときが、大臣の答弁が十分であったか不十分であったかお答えする任にございませんので、私自身は、ただいま申し上げましたように、きちんとした調査を行って適切な対応をとっていくのが行政としての責務であろう、このように考えておるところでございます。
○岡本(充)委員 そう答弁されるでしょうね。
 大臣、初めてお目にかかりますが、よろしくお願いします。
 繰り返しになって恐縮なんですが、私、かねてより、この米国産牛肉のBSEの問題に関心を持っておりまして、非常に日本での流布を危惧しております。
 そういう中で、今回の未通関の牛肉も、確かに、私も幾つか問題点がある当時の輸入手続を踏んでいたことは間違いないと思いますし、二施設だけが問題だったと言われておりますけれども、二施設に問題が起こるような、全体の米国農務省のプログラムがあったわけなんですね。二施設に問題が起こるということは、そのさらに上に報告システムだとか研修システムだとかをきちっと整備しなければならないはずの米国農務省全体としてのプログラムが機能していなかったというような認識の中で、私は、米国の輸出プログラムという全体、包括的に見て、破綻が一部に起こったとはいっても、それは全体的なプログラムに問題があったという認識は、当時の大臣の認識として、松田大臣の認識として、私はそれはそれで適切な答弁だったと思っているわけです。
 しかし、今、大変苦しい政府委員の御説明を聞いておりますと、一度これはぜひ厚生労働省で再度引き取っていただいて、大臣からももう一度、今の方針について、再調査の上、改めて御説明をいただけますようここの場でお約束いただけますと、私、次の質問に行けると思うんですが、そのようにお答えいただけますでしょうか。
○柳澤国務大臣 私も本当に不勉強で、岡本委員が私と何か同郷というか、そういうお住まいというか、学校にいらっしゃったというようなことを全然知りませんで、きょう初めてこうして御質問にお答えすることになりまして、自分の不勉強を少し後悔しておるんですけれども。
 今御質問のことについて私なりに整理をさせていただきますと、輸入の開始がありました後、すぐに約束違反、プログラム違反の牛肉が見つかった、こういうことでございます。そのときに松田大臣は、これは輸入されるもの全体に係る話として輸出プログラムが守られていないということを断じたということは、私はその当時としてはそのとおりだろうと思うんです。つまり、対象物資が一視同仁で、一つのまとまりとして大臣にはとらえられているわけですから、当然それは、プログラムが守られていないというふうに断じたのは至極もっともなことだと思います。
 その後、調査が行われて、どうしてこんなことが起こったんだという観点から日米両国で調査が行われたわけです。そういたしましたら、結局、松田大臣として当然だったんですが、輸入を一つのまとまりとしてアメリカ産牛肉というふうにとらえられていたのが、やはり具体の問題としては、これがいろいろ分かたれるものだ、出荷工場ごとに分かたれるものだということが判明し、そして、このプログラムを遵守していないのはその分かたれた一部分であるということも判明しました、こういうことであったわけです。
 したがいまして、客観的な事実として、ここのところは確かに遵守されていないところである、これは除外しよう、今さらそんなことを言っているんじゃ問題にならないということで除外して、ちゃんとした遵守をされた部分だけについて、これから取引の相手として、またプログラムを遵守されるものとしてこれを認めていこう、こういうことになったというふうに理解されるだろうと思うんですね。
 つまり、そういうことがわからないときにはアメリカ産牛肉というふうにして全部まとまって認識されていたものが、よく調べてみたらこれは分かたれるものである、もしこれが分かたれないものだということになれば全部アウトになってしまう、これは当初の松田大臣の認識と全く同じ認識がその後も維持されたんだろうと思う。しかし、この場合は、プログラムを遵守しない工場と遵守している工場とがはっきりしているんだ、そういうことが調査の結果明らかになりましたので、これらについては別様の対応をとっていくというのがその後の日本側の対応であったということも、またこれは十分理解されるところだ、私はそのように思っているわけでございます。
○岡本(充)委員 大臣、改めて御説明いただいて恐縮でございますけれども、そのとおりで、プログラムも全体としてワークをしているわけですね。結局、各施設ごとのプログラムもある、ただし、そのプログラム遵守を保障するための研修だとか報告システムがあるべきところがワークしていなかった。これは農務省全体の問題というか、一機関だけの問題にとどまらない話であって、本来であればセーフティーガードが働くべきところが働かなかったということなわけですね。全体として、輸出遵守プログラムというのは、単一の施設ごとに決められているプログラムはもちろんですが、米国政府として、その担保となるべき措置を含めて、包括的にワークをしている、機能しているべきものなんです。
 したがって、一部の施設の、この施設だけ、あの施設だけ、確かに問題があったとはいえ、確かに末端で実際に、末端でと言ったら失礼ですね、ラインでそれぞれ働いている、こういう皆様方が、何らかの教育不徹底で今回トラブルが起こりました、というだけではない。やはりそこには、セーフティーガードとして置かれるべき上部のプログラムがあり、なおかつ、農務省としての、やはり全体としてのプログラムがあったわけなんですが、それが機能しなかったということもその一方で明らかになっているわけです。
 であれば、輸出遵守プログラムというのは単一のプログラムだけではないはずでありますから、全体として分かつことができないのではないかという認識に立つ見解も成立するのだと私は考えています。
 そういう意味で、再度大臣が、松田大臣の答弁が不適切だったとここで断じるわけにはいきません、私もそう思っています。したがって、ここの部分について整理をしていただいて、前回の農林水産委員会の折には、最後の最後の日に委員長報告という形で委員長が政府統一見解を読み上げられて、私には一切発言する時間がありませんでしたので、きょうは感染症の一部ということでこの時間をいただいて、こういうお話をさせていただきました。ぜひ改めて御検討いただきたいというふうに思うわけですが、大臣からそういうお答えはいただけますでしょうか。そうしましたら、次の質問に入りたいと思います。
○柳澤国務大臣 私は、しっかりしたプログラムで、また研修等も行われた上で、今回の三十七施設で全部整然と行われればよかったわけですけれども、それが二施設、どういうわけかわからないわけですけれども二施設だけ、そのプログラムに違反した出荷が行われたということが判明した、こういうわけですね、その後の調査で。
 したがって、三十五はきちっとプログラムどおり、これを遵守しているということが明らかになったということでありますから、これを二つに分けて、違反をした二つの施設についてはこれを除外して、あと残った三十五施設からの輸入にしましょうというプログラムにいたした、こういうことでございます。
 ですから、そういうことが、つまりアメリカ産輸入牛肉ということで一つのまとまりとして認識した当初の松田大臣の御答弁も私は正しいと思いますし、それから、今言ったように、相手が整然と、違反したところと違反していないところが分かれた後の対応の仕方ということも、私は、日本政府としての考え方あるいはその後の運び方というものに問題があるとは思わないわけでございます。
 ただし、これをずっとやっておりますと、岡本委員もその後に進めないということでは大変申しわけありませんので、私の責任で。同じ答弁に多分なるのだろうと思うんですよ。ただ、この際は、初めての顔合わせでもございますので、もう一度我々の方で検討させていただくということで、先生にはぜひ前に進んでいただきたい、このようにお願いを申し上げる次第です。
○岡本(充)委員 同じ答弁になるかどうかは、しっかりゼロベースでもう一度考え直していただきたいということを指摘させていただいて、私も、では次に進ませていただきたいと思います。この件については、また機会がありましたら取り上げさせていただきますので、よろしくお願いします。
 それでは、この法律の各案件に入っていきたいと思いますが、私、幾つか関心事があるんですけれども、残された時間が思いのほか少なくなってしまいましたので、少し質問を絞っていきたいと思います。
 まず最初に、きょうは文部科学省にもお越しをいただいておりますが、今回の感染症予防法で改めて指定をし直される一種病原体、二種病原体、三種、四種と病原体がありますが、こういった病原体を、それぞれどこの施設が保有をしているのか。そしてまた、その量については、それぞれ生きている細菌でありますから特定はできないということも言われておりますが、ストックをしている、保存をしている状況では、ある一定の濃度で、そして量をカウントができる状況になっているはずであります。
 そういう意味でいうと、量としては常に変動があるけれども、その一方で、ストック量としてはきちっと確定ができるはずでありますから、こういう意味では量も把握をできると思うわけなんですが、一種、二種、三種、四種、それぞれどういう施設が保有をしているか、もしくはその調査が終わっていない部分については今後調査を進めていくのかどうかについて、厚生労働省、文部科学省、それぞれお答えをいただきたいと思います。
○外口政府参考人 病原体等の所持施設についてでございますけれども、まず、一種病原体についてでございますが、これは、厚生労働省所管の施設の調査の範囲内で、恐らく全国的にもそうではないかと思いますけれども、南米出血熱ウイルスを除き保有していないということを確認しております。
 それから、二種病原体等についてでございますが、これは、例えばボツリヌスとかボツリヌス毒素とかかなり細かいものも入っていますのでまだ確認できておりませんけれども、今回の規制を通じて把握できていくのではないかと思います。
○藤木政府参考人 お答え申し上げます。
 文部科学省におきましては、昨年六月、病原性微生物等の管理状況の調査を所管の大学、研究機関に対して行っております。その結果、トータルといたしましては、学部、研究所単位で合計三百二十七施設がそういった病原性微生物等を保有しているという結果になってございます。
 そのうち、今回法案に規定されております一種病原体等を保有する施設は、当省所管の施設の中ではございませんでした。二種病原体等につきましては、SARSコロナウイルス等々を初めといたしまして、延べ九十八施設が所有しているという状況でございます。同様に、三種病原体につきましては延べ三十、四種病原体等につきましては延べ五百七十四という調査結果になってございます。
 ただ、この数字は当時の調査結果でございますので、その後は、法案において名称が明記された病原体等というのが明記されてまいりましたので、それに関しまして数字を調査いたしますと、合計二百三十三施設が現在法案に明定されている病原体等を所持している、そういう状況になってございます。
 以上でございます。
○岡本(充)委員 事前にいただいた資料によると、文部科学省はボツリヌス菌、ボツリヌス毒素についても、また南米出血熱ウイルスについても調査が終了していると聞いておりますが、厚生労働省においてはこれらについて調査が終了していないと私は聞いております。これを、本来であれば、どこが所有しているのかあらかじめ調査しておくべきであったと思われますが、あえてその調査から外したということなのか、それともその当時の認識として調査が不要だったというふうにお考えなのか。私はちょっと判然としないので、今回調査をしていなかった理由について御答弁をいただけますでしょうか。
○外口政府参考人 調査は、厚生労働省所管の関係施設、例えば医薬品とか医療機器製造業関連施設とかも含むわけでございますが、それについて、行ってはおるのでございますけれども、厳密な、すべてを網羅できるという調査は、残念ながら、そこまでの確認できたものではございません。
 それで、私どもの持っている数字を申しますと、例えば病原体保有施設数五百八十七のうち、例えばSARSコロナウイルスを持っているところが五施設、それからペスト菌を持っているところが十三、それからコレラの毒素が十七というような、そういう個別の数でございますけれども、これはすべて網羅したものでございませんので、これについては今回の規制を通じてしっかりと把握していきたいと考えております。
○岡本(充)委員 ということでありますと、私が聞いておりますSARSコロナウイルス五施設、炭疽菌三十五施設、ペスト菌十三施設というのは、必ずしもこれが確定した数字ではない、これ以外にも所持しているものがあるやもしれないというふうな認識でよろしいということであるわけですね。
 今、局長うなずかれましたので、そのように認識をした上で改めてお聞きをしたいわけですが、これらの所有施設はこの新法施行後、今、厚生労働省、文部科学省、それぞれ認知している所有施設の中で、明らかに今後所有が、許可ないし届け出をされても、認めがたいというような、そういう施設があったのでしょうか。それとも、若干の改善をすればすべての施設は所有し続けられる、こういう現状の認識でしょうか。そこについてお答えをいただきたいと思います。
○外口政府参考人 まず、一種病原体、二種病原体と分けた場合に、一種病原体を持てる施設というのはまさに特別なものになりますので、一般の大学とか何かは多分該当しないことになると思います。それから、二種病原体の場合は、実際に持っているところは、それなりの施設基準を持って、自分たちの基準ですけれども、それでやっているところだと思います。
 これにつきましては、私どもも、施設基準、これから明確なものを提示してまいりますけれども、念のため、そういったものを遵守しているかどうかにつきましては、それは行政指導も行いますし、それからもちろん立入検査もこれから行うことになるわけでございますので、そういったことをできるだけ事前に周知しながら、それらの施設について、もし今不備があれば早目に早目に改善してもらうようにということも、これは施行前から取り組んでいきたいと考えております。
○藤木政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の法律改正案、最近の海外における感染症の発生の状況や感染症の予防に関する国際的な動向等を踏まえまして、病原体等の所持等の所要の規制を行うという趣旨でございますので、その成立後におきましては、大学、研究機関、当省所管の機関におきましても、病原体等が適切な管理体制のもとに置かれるということが重要だと考えてございます。
 大学等の研究機関におきましては、既に「大学等における研究用微生物安全管理マニュアル」といった形の管理のマニュアルが平成十年に示されてございますので、そういった形でこれまでも適正な管理が行われてきていると思いますけれども、今回、法改正後に、ただいま厚労省の方からもお話ありましたように、政省令等でその技術基準等々が定められていくというステップになると思いますので、そういったものに適切に対応できるように対応してまいりたい、そのように考えております。
○岡本(充)委員 現時点で不適切なところがあると認識をしているかという答弁をいただいていないようですが、改めて、現時点で不適切だと思われるような施設があると認識をしているかどうかだけ、それぞれお答えをいただけますか。
○外口政府参考人 安全対策を担当する立場から申し上げれば、これは不適切なところがあるという前提に立って対応していきたいと思っております。
○藤木政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申しましたように、現在、大学等の研究機関では安全管理マニュアル等々に従って安全管理をいたしておりますけれども、今後の政省令等の状況によりましてきちっと対応していきたいということでございます。
 その意味で、管理マニュアルに沿っているという意味では、そのマニュアルに対して適切な対応をしてきていると思いますけれども、政省令等の中身をこれから定めてまいるという状況でございますので、現時点ではそれに適切に対応するようにしてまいりたいということでございます。
○岡本(充)委員 きょうは財務省にもお越しをいただいておりますけれども、今回のこの法律が施行されるまでの現状、私がお聞きしましたところ、一種、二種病原体、実質日本に持ち込むことができる状況にあるやに聞いておるわけですが、その認識で現状は正しいのかということ。
 それから、今後、新しくこの法律が施行された後はどのようにしてこういった病原体の日本への入国を阻止していくか。具体的な方法を含め、例えば麻薬だったら麻薬犬が要るとかあると思いますけれども、何らかそういうものについて今想定されるものがあるのかどうかについて、お答えをいただきたいと思います。
○森川政府参考人 お答えいたします。
 現在施行されております法律のもとでは、病原体等のうち、炭疽菌と野兎病菌につきましては、家畜伝染病予防法で農水大臣の許可を受けなければ輸入できないということになっておりますが、それ以外については輸入規制はございません。
 現在御審議しておられます感染症法の改正案で輸入が規制されることになる一種病原体と二種病原体等につきましては、本年の三月に関税改正を行っておりまして、関税法上の輸入してはならない貨物の対象とし、施行日は改正感染症法の施行の日といたしておりますので、したがいまして、この改正感染症法が成立し、施行されれば、税関の取り締まり対象になるということでございます。
 それから、あわせて取り締まり方法について御質問がございました。
 これにつきましては、先生おっしゃいました麻薬探知犬は、薬物についてでございますので、病原体等については活用できませんし、また、一般に税関に配備しておりますエックス線検査装置につきましても、これは薬物に特定したものではございませんけれども、かなり小さな物体として持ち込まれた場合には発見するのはなかなか難しいという点で、なかなか取り締まりが難しい課題であるというのは事実でございます。
 ただ、具体的に個別の情報がありましたら、それに基づいて入国者を特定して、その手荷物の開披検査を行うということは可能でございますので、この点からは、厚生労働省それから警察等の関係機関と緊密な情報交換を行っていきたいと思いますし、また、そういう情報がなくても、挙動不審等があって、そういう人に対する手荷物の開披検査を行う、その結果発見されるという可能性も、これはあり得るものというふうに我々は考えております。
 そのような形で、税関として可能な範囲内でこの病原体等の取り締まりに取り組んでいきたいというふうに考えております。
○岡本(充)委員 まず、きょうは財務省の森川参事官に改めてお願いをしたいわけですけれども、ぜひ今後工夫を重ねていただいて、今現状厳しいというのは、私も正直そのようだと思います。摘発するのはなかなか厳しいと思いますが、こういった病原体が日本に入ってくること、感染して知らないうちに持ち込んでしまったというケースはいたし方ない部分もあるかとは思いますけれども、故意に持ち込もうとする者についてはきちっと取り締まれるような方法について、改めて研究するなり、開発するなり、ぜひ努力を重ねていただきたいと思うわけであります。
 続いて、この病原体等の所持をするもしくは使用する者の教育もしくは管理の点についてお伺いをしたいと思います。
 似たような許可ないし管理を必要とする化学物質というか、自然科学に関する物質としては、ラジオアイソトープを私は今回上げて、それと比較をする中で少し御質問をさせていただきたいと思うわけであります。
 今回の厚生労働省が提出されました本法案におけます病原体の管理者もしくはそれを取り扱う者、そういった者に対しての教育、それから、どういう者が病原体の許可所持者の施設管理者となるのか、また病原体等の取扱主任者となるのかということについて、改めてお伺いをしたいと思うわけでありますけれども、その教育体制等を含めて、今、現時点で判明している範囲で結構でございますので、お答えをいただけますでしょうか。
○外口政府参考人 まず、病原体等取扱施設に立ち入る者の教育訓練についてでございますけれども、改正感染症法では、一種、二種病原体等の所持者に対して、その施設に立ち入る者への必要な教育訓練について義務づけているところでございます。
 具体的には、立ち入る者に対しまして、病原体等の保管等の安全管理に関することや、感染症の発生予防規程といった項目について、少なくとも一年に一回は教育訓練を行うよう厚生労働省令に規定することを考えております。さらに、これら教育訓練の実施を含め、施設基準や取り扱い等の基準が適切に遵守されているか否かを確認するため、必要に応じて施設への立入検査を行うこととしており、病原体等取扱施設において適切な病原体の安全管理が行われるよう努めてまいりたいと考えております。
○岡本(充)委員 病原体を取り扱う者の必要要件もしくは病原体等取扱主任者としてどういう資格が必要か等について先般少しお伺いをしましたところ、医師、獣医師等もしくは大学の生物学の教授等というお答えをいただきましたけれども、この医師、獣医師等は、一体どういう「等」までを含むのか。薬剤師、臨床検査技師を含むというふうなお考えなのか、また大学の生物学の教授等というのは、助教授なども含まれるという解釈なのか、生物学以外の教授も含まれるのかについてお答えをいただけますでしょうか。
○外口政府参考人 一種及び二種の病原体等を取り扱う施設におきましては、当該病原体等による感染症の発生の予防またはその蔓延の防止を監督させるために、病原体等取扱主任者を選任することとなっております。
 この病原体等取扱主任者の要件としては、これは厚生労働省令で定めることを考えておりますけれども、医師、獣医師、薬剤師、臨床検査技師、先生御指摘の薬剤師、臨床検査技師は含めることを考えております。そういった国家資格を有する者または生物学等の教授職等であって、病原体等に関する十分な知識経験を有する者、これを定めることを考えております。
○岡本(充)委員 大学の教授以外、助教授、講師なども含まれてくるということで理解してよろしいわけですよね。
○外口政府参考人 これは、実際にその病原体等に関する十分な知識経験を有する立場にある者ということでございますので、例えば、助教授の方であっても、専らそちらを専門にしてずっとやっておられる方とか、そういった方がおられますので、そこのところは具体的に厚生労働省令で定めるわけですけれども、現場の感覚に合ったものにしたいと考えております。
○岡本(充)委員 続いて、検査体制についても少しお伺いをしようと思っております。
 きょうは文部科学省にもお越しをいただいておりますが、今実際、RI法に基づく検査が行われております。法令で定められております特定許可使用者、これは、RIの使用量が多い非密封線源の取扱事業所のうち、RIの使用量もしくは核種にもよりますけれども、ある基準以上の施設には定期的に三年に一回立入検査をしているというふうに説明を聞いております。
 それぞれの事業所を使用量の多い者、少ない者、使用量というべきか、下限線量の十万倍という線を引いているようですけれども、こういう線を引いて二段階に分けて検査体制を組んでいる、こういうふうに聞いておりますが、それについては間違いありませんでしょうか。
○袴着政府参考人 放射線障害防止法に基づきます検査につきましてお答え申し上げます。
 この法律に基づきます検査としましては、先生御指摘のように、一定以上の放射性同位元素等を使用する事業者、そして放射性同位元素の廃棄事業者を対象としまして、定期検査そして定期確認がございます。また、すべての事業者を対象としまして立入検査もございます。
 そのうち、定期検査につきましては、事業者の施設が技術基準に適合しているかどうかについて検査をするものでありますが、対象となります事業者は、その種類に応じて三年または五年ごとに受けなければならないということになっております。
 また、定期確認につきましては、事業者における安全管理の状況を確認するため法令上定められた記帳等の確認を行うものでありますが、対象となります事業者は、その種類に応じて三年または五年ごとに受けなければならないということになっております。
 また、立入検査につきましては、安全規制上の必要に応じて随時実施しておりますが、この頻度につきましては一概に申し上げることは難しいのですけれども、おおむね年間二百数十から三百の事業所について実施しております。
○岡本(充)委員 そこで、今回の感染症予防法における検査体制について指摘をさせていただきたいと思うわけです。
 そもそも、今回、細菌の量による区分をしておりません。細菌、ウイルスは数を数えることが、定量することが可能であります。それは、実験で現在使用しているものについては同様にRIでもカウントはできませんが、ストックしている分についてはRIではきちっと確認をしているし、出庫をする場合には、出庫をした量、廃棄をした量をきちっと書くことになっています。
 同様に、今回の法律でも量を規定することは不可能ではないと思われるにもかかわらず、今回、量による規制もしくは量による取扱者の規定に差異を設けていないということについて説明をいただきたい。一つ予想される答弁として、生物は生きていますからと言われるかもしれませんが、ストックをしている分については数えられるはずです。それを踏まえた上でお答えをいただきたい。
 そしてまたさらに、今後、立入検査はどのような頻度で行っていくのか。今のRI法などの検査を一つ参考にして、ある一定程度の期間に検査に入るべきだと思いますし、RIの取扱事業所二百カ所から三百カ所入っているというお話でありましたが、こういった数も参考にしながら、人数、体制等についても整備をしていく必要があると考えるわけでありますけれども、これについて御答弁をいただけますでしょうか。
○外口政府参考人 まず、病原体等の所持について、ウイルスの量の規定は設けないのかという御質問でございます。
 ストックのお話がありましたけれども、実際にウイルスの研究等をしていく場合には、ウイルスは培養したり廃棄したり滅菌したりいろいろな過程を日々続けておりますので、かなり量が増減するものでございます。そういったことの現場の実態、それから、今回の目的はあくまでも、病原体を例えばバイオテロに用いないようにするとか、あとは実験室の中の実験室感染みたいなものを起こさないように、そういった病原体の管理の規制でございますので、むしろ量というよりはそれぞれの質の方を重視して、それからあと現場を余り煩雑にさせないようにということも含めて、あえて量の規定は入れなかったものでございます。
 また、その量について、安全性に違反する件数が、量よりも種類の方かもしれませんけれども、例えばそういう事態が現実に出てきた場合には、これはこれで必要な対応が要るのではないかとも思いますが、今の法律では、そういった現場の実態等と今回の法案の趣旨で、これは今は入れておりません。
 それから、立入検査の頻度でございますけれども、これは現在のところ、必要に応じてといって、具体的には決めておりません。実行上は現場の状況を見ながら一定のルール的なものができていくのではないかと思いますけれども、今のところ、どういったやり方がいいかということは、少し立入検査等を実際に行ってみた上で、一番いい方法を考えていきたいと思っております。
○岡本(充)委員 時間も来ておりますので、最後に大臣。
 今回の新法施行後、きょうはちょっと時間の関係で、私も研究をしていた者の立場の一端として、研究に大きな後退をするような、ブレーキをかけるような作用を及ぼさないような配慮もしていただきたいという観点できょうは質問させていただきましたし、また、研究者の煩雑の観点を今局長は言われましたけれども、その一方で、研究者の安全も重要です。RIも、ラジオアイソトープは被曝、これは感染と、それぞれ安全対策も必要だということも私はあわせて指摘をしておきたいんですが、ぜひこの新法施行後も、日本でしかるべき感染症学の進歩がなされるような、そういう十分な御配慮をいただきたい。最後にその決意をお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○柳澤国務大臣 今回、いろいろな国際情勢の変化あるいはグローバルスタンダードと言われるものも念頭にいたしまして、さらに国内法制の整備ということの観点に立ちまして、こうした新しい法制を導入するということで御審議をお願いしているわけでございますけれども、今、岡本委員御指摘のとおり、これまでにも日本には日本なりの研究の蓄積というものがあったんだろう、私は専門家ではないですけれども、そのように思います。
 この研究あるいはいろいろな方面での開発というものの重要性は、これは新しい安倍内閣も非常に重視をしているところでございますので、今回の法制がいやしくもこのようなものにブレーキになるというようなことは金輪際あってはならない、このように考えておりまして、先生の今の御指摘を十分踏まえて、御成立していただいた暁には我々は法の運用に最大に配慮してまいりたい、このように考えております。よろしくお願い申し上げます。
○岡本(充)委員 終わります。
○伊藤(信)委員長代理 次に、末松義規君。
    〔伊藤(信)委員長代理退席、大村委員長代理着席〕
○末松委員 民主党の末松義規でございます。この権威ある厚生労働委員会で初めて質問させていただきます。
 きょうは、この法律の改正に関連いたしまして、私の方は、今大きく報道等でも扱われ始めました鳥インフルエンザ、特にH5N1型、これのパンデミックといいますか、大流行の危険性に備えてどういうふうな対応を日本政府はとっているのか、あるいはこれからどうとろうとしているのかという点を中心にお話をさせていただきたいと思います。
 まず、鳥インフルエンザH5N1型、基本的には鳥から鳥ということで、ほとんど人にはうつらないということでございましたけれども、日本でもございましたが、昨年ですか、六百万羽の鶏を殺処分した。あるいは、京都なんかでも数十万羽の鶏を殺処分した。こういう鶏を殺して処置する、これはもう殺す以外に対応のしようがないということで殺してきたわけですが、それが、近年、鳥から人にうつってきた。しかも、最近かなりふえてきているということが言われているわけでございます。
 死者の状況も、見ますと、世界で確認された、WHOが確認した症例でも、二〇〇三年に、四人が発症してそのうち四人死んだ。二〇〇四年は、四十六人が発症して三十二人が死んだ。二〇〇五年は、九十七人が発症して四十二人が死んだ。そして二〇〇六年は、百九人が発症して七十三人が死亡した。全部で、鳥から人にうつった例が、二百五十六人発症して百五十一人、大体六〇%ぐらいの死亡率になっているわけであります。
 そして、生き残った方の状況も、いろいろな状況を聞きますと、悲惨でございまして、例えばほとんどの方が人工呼吸器を使って、そして生き延びた。この写真でお示しをしますと、キラーフルーと書いていますけれども、ここに人工呼吸器、のどからパイプを入れて、そしてようやく助かったというような状況でございます。だから、助かってもかなりの障害が出ているという方も多いわけでございます。
 そうしますと、大流行の時期には、こういった人工呼吸器というのはどこまで利用できるかというと、利用できないケースが大半だろうと思います。そうすると、また死亡率が非常に大きな数で上がってくる、恐ろしい話だなということでございます。
 このパンデミックという話を聞きますと、一番最初に思い浮かぶのが、一九一八年から一九年にかけてスペイン風邪がございました。これで大体三千万人が死亡したと言われておりましたけれども、第一次大戦中ですから日本では大正期、そこで一千万人から一千八百万人ぐらい戦争で死亡したのに対して、三千万人死亡したと。
 そして、最近、日本の慶応大学の名誉教授だった速水融先生の試算では、これが実際五千万人から一億人ぐらい死んでいた、日本でも四十五万人が死亡したんだというふうに御著書の中で書いているわけであります。普通、日本でインフルエンザで死亡される方というのは年間一万人から三万人ぐらいでございますから、この四十五万人というのが異常な数だということはよくわかります。
 その後、パンデミックと言われるのが、一九五七年のアジア風邪のときに、ざっくりと言って大体二百万人が死亡したと言われておりますし、また、一九六八年の香港風邪は、百万人が死亡したと言われています。
 これらは弱毒性ということで、ウイルスの性質としては弱い毒を持っている。それが、今度のH5N1型というのは強い毒、猛毒というか強毒性だということでありますから、この殺傷力は非常に強いということで、戦々恐々としてきているわけです。
 特に、鳥から人ということで、人から人にはうつらないと厚生労働省の方も、私も前に伺っていたんですが、これが、ことしの五月、WHOが、人から人にうつったということで確認されて、今も、インドネシアという情報自体が非常にとりにくくて、実態は百倍ぐらいの数がいるんじゃないか、十倍から百倍ぐらいの数がいるだろうと言われているんですけれども、その中で、確認中という、今そういったものを調べている例がまた幾つかある。ひょっとしたら、人から人というのはもっとあることになるんだろうと思います。
 恐ろしいのは、このウイルス、聞くと、私も勉強し始めてから本当に恐ろしいなと思ったのは、突然変異を繰り返して、どんどんどんどん人にうつっていく。トルコで発見されたウイルスは、鳥の四十二度ぐらいで繁殖しやすいというところから、人間の三十七度ぐらいの方でより繁殖しやすいというような変異を遂げていたということでございますから、スペイン風邪のときは、まだ交通機関も少なくて人口も今の三分の一ぐらいだったのが、今度は六十五億人ぐらいになって、交通機関も非常に発達して、そして大都市構造ができ上がっている今は、大体一週間ぐらいで大流行してしまうんじゃないかと言う識者が多いわけであります。
 そして、経済的にも大ダメージを受けるんだということが予測されておりまして、例えば、ダメージでいくと、世界銀行が、もしパンデミック、大流行が起こったら、最初の一年で世界のGDPは八千億ドルぐらい損失を受けるだろうと。八千億というから九十三兆円ぐらいですか。それが、ことしの夏に上方修正しまして、二兆ドルぐらい、二百三十四兆円ぐらい被害を受けるだろうと。こういう大きなダメージを想定していますし、オーストラリアの権威あるローウィー研究所は、四・四兆ドルといいますから五百十四兆円ぐらいの経済ダメージを世界で受けるだろうと。これは非常に破壊的な損害を受ける危険性があるということでありますから、この予防と撲滅には本当に体当たりでやっていかないと、これは難しいなという気がするわけでございます。
 ただ、これだけ世界で大きな問題になっているんですけれども、日本では、なかなか関心がまだ高まっていないというのが現状だと思います。まず大臣に、こういった、特にH5N1型に対するマグニチュードというんですか重要さ、そういったものについてお話をお伺いしたいと思います。
○柳澤国務大臣 私、このたび厚生労働大臣に就任いたしまして、各局のいわゆるレクをずっと聴取してきているわけですけれども、その中で最も恐ろしい話、最も私自身の危機意識をあおられた話は、健康局長からのこの件の話でございました。
 そういうことで、危機意識というものについては厚生労働省も十二分に持っているということは確認できているわけですけれども、それでは、その後のフォローアップとしてのいろいろな措置というものが今現在十二分にできておりますとここで胸を張って言えるかといいますと、なかなかそうでない。これはゆゆしいことでありまして、私としては、そういうことであってはならないと思っているわけでございます。今後、私自身の意思として、それぞれの必要な措置の早急な整備に向けて私自身指揮をとっていかなきゃいけない、このように考えております。
○末松委員 本当にその御認識であれば、これからはぜひ行動で示していただきたいと思うわけであります。
 早急な措置、また環境整備、こういうことでございますが、私も選挙区でいろいろとこの危機を訴えています。何かオオカミ少年ならぬオオカミ中年みたいな感じで言われたこともあるんですけれども、ただ、これにかかると、特にH5N1型、三日間ぐらい自覚症状がなくて、そして四日目ぐらいから一挙に肺が真っ白になってきて、窒息死をして、大体一週間ぐらいで死亡してしまうというような状況を聞きますと、本当にこれは、大流行したときに、現代のペストだなとだれか専門家が言っていましたけれども、そうだろうなと思ってしまうんですね。
 それなのに、国民の方は知らされていないというのかな、意識がほとんどない。それは、私が選挙区で訴えても、はあという顔をしていたり、あるいは警察官の方にビラを配って、こういうことを知っていますかと言ったら、いや、知りません、初めて聞きましたという話なんです。
 最新の、私がちょっと目にした報道なんかは、この週刊誌が、きのう発売ですか、これは週刊現代というのかな、「「新型インフルエンザ上陸で死者二百十万人」の恐怖!」こういうふうなことで、ちらちらと訴え始めているということであります。
 北海道の小樽市の外岡さんという保健所長、これは非常に有名な、よくマスコミにも登場する方なんですけれども、なぜそんなに危機意識がみんな薄いのかなという話で、彼の分析では、国も研究所も十分に情報を出さない、マスコミは余り報道しない、だから、自分としては早朝から海外の最新情報を可能な限り翻訳してホームページ等に載せているというようなことを言っているわけです。本当にこれは問題意識が少ないな、薄いなという気がするわけです。
 そこで、私は、感染症情報センターですか、国立感染研究所のホームページをきのう出してみたわけです。そして驚いたわけですね。
 この皆さんの資料の一枚目からちょっと説明しますと、「鳥インフルエンザに関するQ&A」これが載っていまして、そこのQ2、クエスチョンの2でありますけれども、そこに線を引いていますが、これはきのう出したんですよ。きのう出したんだけれども、「二〇〇三年十二月から現時点(二〇〇五年十二月一日)までに、五カ国から百三十三人のヒト感染例が報告されています。」と。
 これは一体何年更新されていないんだ、古過ぎるじゃないか。これが一番の、感染症をやっているところの、危機をきちんと扱っているところの研究所なのか。ちょっとこれは大臣から指摘していただかないといけない。ぜひお願いしますよ。
 二番目、今度は「インフルエンザ・パンデミックに関するQ&A」というところを開いてみた。そうしたら、この言い方も非常に微妙なんですけれども、五番目で「新型インフルエンザにかかった場合には、どのような症状がでますか。」と。
 この最初のパラグラフで、「重症となった場合には、ウイルス性肺炎や細菌性肺炎を起こして、呼吸不全により死亡する場合もありましたが、一方では軽症で済む例ももちろんありました。」と、何かいかにも、ちょっとその危険性をやや打ち消しながら、そして、このスペインのとき、それから、あと、アジアのインフルエンザ、そして、この書き方が、軽症だ、香港も軽症だと。
 それから、この第二パラグラフのところ。社会状況や医学の進歩など多くの要素が関係していますと、何かいかにも科学の進歩があるから軽症であったかのような言い方をして、そして、横線のところに行きますけれども、ここで「今後おこりうる新型インフルエンザの流行の際に、どのようなインフルエンザの症状が現れるか、またどのような集団で重症化の傾向が強いかなどについて現時点での予測は困難です。」こういう言い方をして、そして、その二、三行先に、合併症を起こして危なくなるのはお年寄りや子供であると予測されますと。
 これは全くおかしいメッセージなんですよ。特に若者は大体七十数%ぐらい死亡率があって、サイトカインストーム、こういう過剰免疫症候群みたいなものを出しているわけですから、これをいかにも何か大したことないような、普通のインフルエンザと同じように扱ってきている、ここに作為を感じるんですね。これが国立感染研究所の、本当に情報の発信地なのかと私は疑ってしまうわけです。先ほども示しました、こういう状況が実際に起こっているにもかかわらず、いかにも大したことないような、これは厚労省の方から何かそういう指示を出しているんですか。
 私は、この前、厚労省の方に聞いたときに、何でこんなに国民が知らないんだと言ったときに、ある方が、いや、言うと国民がパニクりますから、こういう言い方をしたんですよ。それは違う、反対だ、これはおかしいぞというのが私の率直な印象です。
 その次のページを見てください。
 ここでまた横線を読みますと、「最後のパンデミックがおこった一九六〇年代以降、医学は大きく進歩し、また社会全体の生活水準も向上しているために、今後おこりうるパンデミックの社会への影響は、これまでのものより小さくなることも考えられます。」と。
 これで、何で世銀が八千億ドルから二兆ドルに被害想定を上方修正したのか。WHOでも七百五十万人死亡すると予測していて、国連のほかの予測では、例えば、国連で、死亡者数は最大一億五千万人に及ぶと公式に発表している。そして、権威ある米国ミネソタ大学の感染症疫学専門家のオスターホルム教授が言っている死者数は、一億八千万人から三億六千万人に達するだろう、こういうところまで言って、日本では、オーストラリアのローウィー研究所が二百十万人ぐらい死亡すると確かに言っているわけですよ。
 それで、なぜ一番の専門家と言われる研究所がこんなお粗末なものしか出していないのか。そこは、大臣、ちょっとどう思われますか。簡単にお願いします。
○外口政府参考人 国立感染症研究所では、第一線の研究者が定期的に記者会見を行っておりまして、事実関係をできるだけ正確に伝えようとしているところであります。
 先生御指摘のQ&Aのところ、確かにこれは私も古いと思います。それから概念的にも、これは余り適切でないところがあると思います。ただ、感染症研究所の研究者自体はかなり危機感を持っておりますし、それはちゃんとそれで……(末松委員「伝わらないよ、伝わらないよ、これじゃ」と呼ぶ)Q&A以外のところで出ているところもあるんですけれども、これを指摘されると、これはもう申しわけないということでございます。
○末松委員 本当に、みんなそう思うんですよ。だから、そこはぜひ直していただきたい。
 実は、あちらに、国立感染研究所に田代眞人さんという、これはWHOで、世界の鳥インフルエンザの最高峰の数人のメンバーの一人がおられるんです。その方とも話しました。その方は物すごく危機意識を持っているんだけれども、その国立感染研究所のこういったやり方すらも、これはおかしい、やはりそういった意識を持っておられましたよ。日本の対応も、やはりそこはWHOから決して褒められていない、そういう、彼は非常に、実際に行っているから、よくわかるわけですよ。そういったことを、優秀な方はおられるんですよ、おられるけれども、これじゃだめだということを改めて申し上げます。
 それで、国民がパニックになるから困る、そういう意識があると。
 実は、私もあえてオオカミ中年になっているのは、きちんと恐ろしさは伝えておいて、そしてアメリカのように、アメリカは、ブッシュ大統領が昨年の九月、大統領みずからきちんと緊急時対策だと発表して、七十一億ドルか、八千三百億円の予算をとって、そして今、食料の備蓄を最低十日間、パンデミックが起こったときに国民に義務づける、こういうことを言っているわけですよ。実際に義務づけようということをアピールして言っているわけですね。最低十日間ですよ。というのはなぜかというと、外出自粛令が出されなきゃいけないから、だからそのために、自宅で、やはりみんな外に出るな、それが一番大流行を抑えるんだということを言っているわけですよ。
 そして、アグノビさんという、アメリカでいう厚生省の事務次官と私は夏、お会いしました。いろいろと話を聞いたら、アメリカは今、全米五十州で、専門家を大動員してこの緊急時計画を各学校ごとにつくらせ、そして各企業ごとにつくらせ、各自治体ごとにつくらせ、さらに各団体ごと、宗教団体も含めてつくらせているということを言っているわけですよ。では、日本でそれをやっているのかといったら、ほとんどそれが聞こえてこないわけですね。
 私、ちょっと文部科学省にお聞きしたいんですけれども、アメリカと一緒に昨年秋から対策を始めたと。そして、今、全体でフェーズ6まであって、これはパンデミックですが、フェーズ3の状況、実態的にはフェーズ4というふうに言われているところもあるんですが、その緊急度に応じた行動計画。私が聞きたいのは、例えば今学校で、今文科省は新型インフルエンザの行動計画をつくったというんですけれども、全国の学校数のうち、そういった学校ごとの行動計画をつくっているのは大体何校のうちどのぐらい、何校ぐらい、つまり何%ぐらいつくっているんですか。
○金森政府参考人 お答えを申し上げます。
 文部科学省におきましては、ことしの九月、新型インフルエンザ対策に関する文部科学省行動計画を取りまとめたところでございます。
 この行動計画は、今後フェーズ4以降の事態に移行した場合などに、文部科学省や関係機関などが行うべき対応について具体的に記載をいたしまして周知したものでございます。
 必ずしも各学校に行動計画を作成することを直接要請したものではございませんことから、どれくらいの学校が行動計画を策定しているのか、把握はいたしておりませんけれども、この行動計画におきましては、学校を初めとする関係機関などが文部科学省と認識を共有し、常日ごろから緊張感を持って対応するために、例えば国内で発生した場合に備え、連絡網などについて事前に確認することや、国内で発生した場合に、人込みを避けるとともに、マスクの着用、うがいと手洗いが徹底されるよう指導すること、また、発生国から帰国した者が新型インフルエンザのような症状を呈した場合に、直ちに医療機関で受診するように指導することなどを要請しているところでございます。
○末松委員 学校でやはり学級閉鎖とかがどんどん起こってくるわけですよ。それに連動して学校がきちんとそういう対応をとっておかないと、まず子供がやられてしまう。これを本当に防ぐ気があるのか。今、各学校にはそういった行動計画を要請していないという話がありましたけれども、本当にそれでいいんですか。きちんとやるべきじゃないんですか。それに、モニタリングはしないんですか。言ったら言いっ放しですか。そこはどうですか。
○金森政府参考人 お答えを申し上げます。
 私ども、本年九月に取りまとめました行動計画を各機関に通知する際には、その趣旨を簡潔にまとめた大臣談話を添付いたしますとともに、新型インフルエンザをめぐる最近の動向を説明するなど、可能な限りきめ細かく周知を行っているところでございます。今後、学校の保健担当者など関係者が集まる機会などもございますので、そういった機会をとらえ、この行動計画の十分な周知徹底を図りますとともに、学校などでどのような対応がとられているのか、その状況の把握にも努めてまいりたいと考えております。
○末松委員 だから、きちんとモニターしてください。ここでそちらを責める気は全くないので、きちんとどんどんやってくださいということを申し上げているわけですから。そうじゃないと、言いっ放しとか、それで、例えば学級閉鎖をする場合に、では、だれが、いつ、どのような形で閉鎖の決断を行うのか、それもしっかりしておかないと、本当にあたら命を奪われたら大変なことですから、よろしくお願いします。
 では、外務省の方にちょっとお聞きしますよ。
 今、インドネシアで七十数名かな、もう死亡しているわけですけれども、現地邦人に対してどういうふうなことをやっているのかという中で、具体的に言わないと、精神論だけ言われても時間がなくなりますから、大体日本の企業が何社インドネシアにあって、そのうちの何%ぐらいの企業がこの行動計画みたいなものをつくっているのか、あるいはつくっていないのか、そこをお答えください。
○谷崎政府参考人 お答えいたします。
 インドネシアでございますけれども、今末松先生の方から御指摘のありましたとおり、トリ・ヒト感染が既に六十例ありまして、そのうち四十六名が死亡しているということでございますので、アジアの中で非常に危険な地域ということで、我々、在留邦人に対する対策としても最も重点を置いているところでございます。
 その中で、毎月、日系企業、在留邦人と大使館との会合がございまして、これは海外邦人安全対策連絡協議会と申しますけれども、ここでインフルエンザ感染拡大状況、それからWHOの動向、さらにはフェーズごとに、悪化していった場合に日本政府はどういう措置をとるかといったことについての説明を行ってきているということでございます。
 それに基づいて企業が具体的に個別にどのようなガイドラインをつくっているかということについては、個別には外務省は把握しておりませんが、今後も引き続きこの情報提供を十分行っていくというつもりでおります。
○末松委員 何でアメリカが全米五十州で、あるいは海外におけるアメリカ企業に対して緊急時計画をつくらせているかというと、自分たちで計画をつくることによって、自分たちの意識が、それに向けて対応が可能になる、そして自分たちで判断をする、そういうある意味でのこれは啓発なんですよ。そして、具体的な措置まで意識を持ってもらうということなんですね。
 インドネシアは、日本と違ってもう国で発生しているわけですよ。七十二例あって五十数人死んでいる。だから、その方々がぱっと、感染した日本人の方がインドネシアから帰ってきて、成田に着いて、三日間自覚症状がないというので、その間に人に話すわけですよ。SARSのコロナウイルスと違うところは、コロナウイルスは発熱してそれから人にうつすということになるけれども、これは自覚症状なしにそれをうつす力があるんですよ、H5N1型というのは。だから、その間に飛行機の中にわっと蔓延して、それが今度は国内に入ってきたら、それだけでもうこの日本がパンデミックになる一つの大きな段階に入っていくという話になるわけですね。
 だから、そうならないためにも、インドネシアとか、今、中国の雲南省近辺、さらにはベトナム、そういったところに対して、外務省の方できちんと、情報提供というだけじゃなくて、本当に実際にやられているのかやられていないのか、そういった報告を出させるぐらいのことをしていかないと、日本に今度は来るということも十分想定してやるべきだと思う。
 さらに、日本企業はタミフルとかそういうのは用意してあるんですか。そういうのはチェックはされているんですか。ただあなたのところは情報だけ流しているんですか。
    〔大村委員長代理退席、宮澤委員長代理着席〕
○谷崎政府参考人 最後のタミフルの点でございますが、ヒト・ヒト感染がいざ発生した場合には、抗インフルエンザ薬のタミフルが一番有効だということでございますけれども、先進国の場合には調達について問題は基本的にないと思いますが、途上国の場合には非常に問題があり得るということで、我々としましては、その点が一番懸念している点でございます。
 そこで、昨年度の補正予算で、十万人分を対象としてタミフルを備蓄するということをやっておりまして、この十万人分は在留邦人の大体二五%に相当いたしますけれども、インドネシア、中国、ベトナム等の今御指摘のありましたような地域につきましては、これを既に備蓄ということで配付しております。かつ、その二五%で足りない場合に備えまして、例えばシンガポールに前線基地みたいな形で備蓄をふやしているということでございます。いざ事態が悪化した場合には、この二五%をさらに積み増すという体制を整えておるというところでございます。
○末松委員 ぜひそこをやっていただいて、特に二五%ということにこだわらずに、インドネシアとかもう既に発生例があるところは邦人の保護、本当にそこは遺漏なきようお願いしたいと思います。
 ちょっと先ほどのアメリカとの比較についてに戻りますけれども、予算がアメリカは八千三百億円。それはアメリカの方に聞いたら、さらにその前から感染症についての予算は、継続的に何千億円単位でやられているということをアグノビ次官が言っていました。日本の予算というのは、この鳥インフルエンザ、特にH5N1型について大体どのぐらいなんですか。
○外口政府参考人 日本の予算でございますけれども、平成十七年度の補正予算と本年度当初予算を合わせまして、約六百七十三億円でございます。
○末松委員 六百七十三億円という話で、アメリカに比して異様に少ないなと。アメリカは過剰だと思っているのかどうか知りませんけれども、そこの十分の一以下ですよ。本当にそんなことで大丈夫なんですかということなんです。ただ、これを今、多いか少ないかとここでなかなか議論しにくいので、これはまた後で検証しますけれども。
 では、具体的にちょっと言っていきましょう。
 タミフルの備蓄について。これは別に特効薬じゃありません、タミフルは。単に増殖を抑えるということだけですので、多くのウイルスを吸い込んでしまいますと効きません。これも発症してから四十八時間以内に飲まないと効かないということでございます。これは、日本政府は二千五百万人分を目標として備蓄をするということなんですが、WHOは、ことしの秋に、各国にタミフルの備蓄を人口の二五%備蓄せよ、治療備蓄せよと言っていますけれども、これに沿っているということですか。
○外口政府参考人 タミフルの備蓄の考え方でございますけれども、二千五百万人分、これは国内流通在庫が四百万人分で、あとは政府と都道府県で千五十万人分を備蓄する予定でございます。
 この根拠でございますが、これは新型インフルエンザ対策行動計画にありますけれども、米国のCDCにより示された推計モデルで、国民の二五%が罹患すると想定して、そのうち医療機関を受診する患者数が最大二千五百万人であろうという推定をいたしておりますので、それに従って計算したものでございます。
○末松委員 一億三千万人いるとしたら二五%というのは大体何万人かというと、三千二百五十万人ぐらいなんですね。だから、そこはきちんとそういう形でやった方がいいと思うし、今二千五百万人分と言いましたけれども、実際にそれが整うのは十九年度でしょう。平成十九年度というのは、二〇〇八年の三月までに備蓄をせよということでしょう。ことしの秋から冬にかけてパンデミックというか、あるいはH5N1型が大流行するというような時期に、今から再来年の三月までにという話で本当にいいのかと思うんですね。ただ、それは一生懸命やってもらうしかないから、最大限努力してもらうということだけを私は指摘しておきます。
 それで、あと、時間がないのでちょっとはしょって、ワクチンについてお伺いしますけれども、今ベトナム型のクレード1というワクチンがようやく開発をされ始めたというのが日本の状況です。アメリカの場合はもう二千万人分のワクチンが備蓄されているということなんですが、どうしてこんなに日本の方は、だれ一人として、いまだ備蓄というかワクチンが製造されていないんですが、これはどういうことなんですか。これはどう責任を、意識を感じているんですか。
○外口政府参考人 新型インフルエンザ用のワクチンでございますけれども、パンデミックになったときに出てくるウイルスに対応するワクチンというのは、これはそれから一年以上生産するのにかかります。
 今準備しているのは、その前の段階で、鳥から人にうつりつつあるウイルスを材料にしまして、それ用のいわばプレパンデミックワクチンというものをつくっているわけでございますけれども、それについては、昨年度の補正予算で予算をいただきまして、今つくり始めておりまして、臨床試験の途中にあるわけでございます。
 目標としては、来年春までに一千万人分をつくるということで、今臨床試験とそれから製造を並行して行っているところでございます。
○末松委員 確かにベーシックな、プレパンデミックという、今H5N1型の基本型の臨床試験をしているということですが、来年の春にようやく実際にでき始めるわけですね。そこで流通し始めるわけ。だから、その前までに起こったら、全くそこは日本ではワクチンがない、そういう状況ですね。
○外口政府参考人 実際に起きた場合には、臨床試験がどこまで進むかでございますけれども、今のところ、クレード1、2ある中のクレード1の方につきましては、臨床試験ではフェーズ2段階で、安全性は大きな危険性はないだろうということ、それから抗体価も十分上がるということがある程度証明されておりますので、いざとなったときには、これはプロトタイプという段階で使うことも考えております。
○末松委員 ちょっと余りそこで逃げないでくださいよ。実際に今やっているのは、ではどのくらいのプロトタイプを、私は今プロトタイプしか言っていないんだよ。本当の意味でのワクチンは、実際に発生したところからきちんととって半年以上、あなた今一年以上と言ったけれども、それから一年以上後に開発されるわけでしょう。ということは、ほとんど間に合わないわけで、厚生労働省の人も言っていましたよ、第一波には間に合いません、第二波からですということを言っていたんです。
 いいですか、そういうことで、ワクチンというのは本当になぜそこまでおくれたんだと。今さら言ってもしようがないけれども言いたくもなるんですよ。
 だから、そこは大至急、大臣、ちょっと一言、そこは、あなたのコメントも欲しいんですが、ぜひワクチンの製造については大至急やるということを改めてここで言っていただけませんか。
○柳澤国務大臣 後でまたいろいろな御指摘もいただくんだろうと思うんですけれども、万般にわたって、とにかく私としては施策の整備を急ぎたいということでございます。
○末松委員 これでまた、次の問題。
 では、備蓄を放出するときにだれから配布するんだ、優先順位はあるのか、これはアメリカで一番の大きな問題だと言っていましたよ、アグノビさんも。医療従事者というのはまず第一だろうなということはあるけれども、あとはどうなんだと。
 特にワクチンは、ぱっとパンデミックで大流行したときに、みんな国民がパニックを起こす可能性がある。では、私も私もとワクチンを欲しがる、そういったときに、ワクチンはありませんと、ではタミフルはと言ったときに、タミフルは、あなたはよくて、あなたはだめです、あなたは最後ですみたいな形にならないように、そこを私は警告しておきますよ。今言ってもしようがない話ですから。
 それから、人工呼吸器についてちょっとお尋ねします。
 さっきの人工呼吸器、これが今日本で十万台ぐらいしかないと思うんですけれども、実際にもしこういった大流行が起こったら、十万人レベルでは済まない危険性があるわけですね。厚生労働省の一番低目に低目に見積もって、死者数十七万人から六十四万人という本当に最少の見積もりであっても、こういったことがかなり、二千数百万人かかるという可能性があるわけですから、実際にかかる人がこういう人工呼吸器がないと、本当にほとんど死んじゃうということになるんですけれども、その辺はどうか。対応はありますか。
○外口政府参考人 先ほど申し上げました新型インフルエンザ対策行動計画の中の流行規模の想定で、全人口の二五%が罹患して流行が八週間続くという仮定で、病原性が中等級というのを一つの仮定として置いておりますけれども、その場合に、一日当たりの最大入院患者数が十万一千人となります。
 ということでございますので、人工呼吸器をその十万人の方がすべて使うということは難しくなるわけでございまして、こういった場合、どのような対応が必要かというか、その適用の基準でございますけれども、これは検討課題だと受けとめております。
○末松委員 ここで、検討課題というのはいい言葉ですね。検討してどうするんですかというのを、本当に行動計画に落としてくださいよ。私はここは指摘するにとどめますけれども。
 今、局長が言ったので、あえて私もそっちの方に質問を移しますけれども、医療提供体制というのが、今、最初十万一千人という話をされましたね。実際に、感染症対策の指定病院のベッド数が、これは今日本全国で千七百床しかないという情報を得ているんですけれども、それと十万人というのはどういう形で結びつくのですか。
○外口政府参考人 新型インフルエンザがはやり始めるそれぞれのステージにおいて、入ってきた当初、それが小規模の流行にある場合、それからパンデミックと言われる大流行にある場合と、それぞれステージがございます。
 それで、入ってきた当初あるいは小規模の場合には、議員御指摘の感染症指定医療機関を中心に対応することになりますけれども、大流行になった場合には、もちろんこれだけでは足りませんので、一般の医療機関あるいは医療機関以外の対応も含めて対処することになります。それにつきましては、まだ行動計画の中では具体的な対応が書き込まれてはおりませんので、これは都道府県の行動計画についても同様でございます。ただ、一部の自治体では既にかなり細かい検討も進んでおりますので、早くそのレベルに達するよう、我々も努力していきたいと思っております。
○末松委員 最後は努力論しかないと言われたらそうかもしれないけれども、本当に行動計画に書き込まれていないというのは、あなた、答弁にならないんですよ。行動計画にしっかりと書き込め、あるいは書き込んでいないといけない話なんですね。
 今言った千七百床のベッドしか日本にないんだったら、では、パンデミックになったら一般の病院を開放する、これが前川崎大臣の、三月、公明党の澤議員に対する答弁なんですよ。そのために医師会としっかり協議もすると言っているんですよ。では、医師会と協議をしてかなりやってきているのかなと思っていたら、それがさにあらずということがわかったわけですよ。
 それは、この小樽の外岡さんという保健所長さんが、ちょっとこの記事で書いていますけれども、「すでに医師会などと新型インフルエンザが出た際の対応を何回も話し合っている小樽市ですら、地元医師会側からは「(治療は)行政の責任でやるべきだ」といった抵抗が強い」、これがことしの十月三十日の東京新聞に出ているわけです。
 実際に、この外岡さんというのは一生懸命にやってきた方ですよ。その方が、医師会の抵抗で厳しいと言っている。ほとんどの医師会はそれに対して抵抗感があって本当に厳しいという感じを彼らも持っている。
 なぜかというと、スペイン風邪のときは、まず医者と看護婦から死んでいったんですよ、御存じのように。ゴホゴホいって医者に来たら、みんながかかっちゃうわけだから、まず医療従事者が死亡していくわけですよ。どんどん患者が来るわけですよ、医者に対して。そうしたら、幾ら、予防する場合にはマスクとそれから目の、白目からウイルスが入ってくるというので、ゴーグルをかけろ、そしてビニール手袋をしろ、こうしないとかかる、これで九九%防止できると言われているけれども、医者にしても、始終始終こういう患者が来たら、それはどこかでかかるかもしれない。
 実際にアメリカでも、実は日本でも裏で言われているのは、もうそのときは医者はシャッターをおろして逃げよう、死ぬよりはいいと。そのくらい大流行、これは冗談じゃないんですよ。そこまで、やはり自分の命は大切ですよ、そう思っちゃうんですね。
 それを押してやってくれという話ですから、そこは相当にやはり大臣、本当に本腰を入れて、先頭に立って説得に当たっていただきたいんですね。ぜひそこは大臣、また後で私は覚悟を問いますから、お願いしたいんですね。
 確かに、今先進地域があると言ったのは、品川区の例だと思います。そこに青山さんという保健所長がいて、一生懸命に頑張って、一、二年の間に非常にいい計画を立てたんですね。ここはどういうことかというと、紹介しますと、もう公園で治療をやる。そこで一般の病院と、あとここは鳥インフルエンザH5N1、新型インフルエンザに限る、専門の装備をやって、そこでやっていくという話なんですね。
 そういうことを一刻も早く、要するに、どうせベッド数も足りない、あるいは病院も足りないという話なんですから、そこはできることを想定できるような形で行動計画に書いてくださいね。ぜひそこはお願いしますし、また私、そこはどうなったとお聞きしますよ。
 それから、犠牲者で、亡くなられた方、これも実はどういう状況かというと、この資料の紙の五枚目をあけていただきたいんですけれども、これは岡田晴恵さんが書かれた「パンデミック・フルー」というこの本からとったものなんですが、これは東京都が最後、都立公園を死体の埋葬場所にするというような、穴を掘って、そして埋めないと処理ができない。なぜかというと、東京都の場合、一日に死体焼却は限界が千四百体だそうですね。ですから、それ以上死者がふえる場合には、本当に何らかの形で、また次の二次感染、三次感染を抑えるために対策をとらなきゃいけない。
 だから、現実としてこういう形、ペストのときに起こったようなこういう死体を埋めるということもあり得るんだ、そこまで事態は緊迫するんだということをぜひ知っておきたいんですが、そこで、どういうふうな対応を行動計画に書いているのか、書いていないのか、それをお答えください。
○外口政府参考人 新型インフルエンザが大流行して、死亡者が一時的に多数発生した場合には、火葬のための設備が不足する事態も想定されます。
 その場合には、公共の用地を活用して一時的に遺体を安置したり、また、場合によっては公園等を臨時的な墓地として認めて死体を埋葬するなどの方法が考えられるところであります。
○末松委員 淡々と答えられていますけれども、そこはどういうふうな、墓地にする指定の場所とか、そういったところは具体的に今決めさせようとしているんですか、そこまで答弁してください。
○外口政府参考人 具体的にどの場所をどのように使うかについては、まだ残念ながら準備ができておりません。
○末松委員 それをこれから一つ一つ各県であるいは各自治体で決めていくというようなことを、それをも計画に書いていただきたい。
 だから、これは東京新聞ですか、さっきの外岡さんのときのですけれども、この言い方が、政府の評価のされ方が、計画はびっしりだけれども中身は空っぽだ、こういうふうなタイトルで書かれてあるんですよ。こういうことが言われないように中身を具体的に詰めていっていただきたいんですね。そこをぜひ大至急やっていただきたい。
 結構職員の方も徹夜で頑張っているということは私も聞いていますけれども、それは、体制をもうちょっと大きくして、対策準備室を大きくしてやっていくということ、これは内閣全体の話になると思います。
 特に、葬儀なんというのもまた微妙な問題があって、みんなで集まって葬儀をするということ自体が、今度は二次感染、三次感染を招くということもあり得るわけですね。そこもガイドラインでやらないと、やはりそこはみんな当然人情ですから、また二次感染、三次感染になってしまうという、非常にここは微妙な問題なので、ぜひそこはガイドラインをつくっていただく必要があると思います。
 そこで、もう少し具体的なポイントについて、時間のある限りにしますが、この机上訓練を九月に行いました。これで、この詳細レポートがいまだ公表されていないんですけれども、内閣の方が来ていると思いますが、たしか六回にわたって副長官補の方にみんなレポートが集まってきたと思うんです、各省。それを集めて、どういう状況なんだということを公表すべきだと思いますけれども、そこを答えてください。
○伊奈川政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、九月十二日から十三日にかけまして机上訓練を行ったわけでございますけれども、その際、シナリオ等を公表はしておるところでございます。また、その結果得られました成果でありますとか、あるいは今後の課題についても公表をさせていただいたところでございますけれども、今回の訓練に限って申し上げますと、私どもといたしましても初めての訓練ということでございまして、とりあえず、内閣官房を中心に、関係省庁間の情報の共有でございますとか、あるいは連絡体制の確認といったようなことを確認することを主眼とした次第でございます。
 そうしたことから、今回の場合、図上あるいは机上訓練ということで、各省庁に対しましては、事前にはシナリオは示さずに、当日送るといったことから、各省との間では、当然ながら内容について事前に御了解をいただくといったような形ではなかったわけでございます。
 そういったことから、こういった訓練につきましては、今回最後ということではございませんでして、また引き続きやっていこうということでございますので、今後、こういった訓練について取り組む中で、先生御指摘の公表のあり方ということについても、どうしていくのがいいのか検討させていただきたいと考えております。
○末松委員 本当に内閣を、連絡会議だとはいっても、きちんとそれを詰めていこうという意欲が感じられないですよ、今の答弁は。
 いいですか。九月にやったんだったら、何で十月やらないんですか、十一月もやらないんですか、一月ずつ。そして、いまだにやっていないじゃないですか。きのう聞いたら、いつやるかもわからないと言われましたよ。そんなことでいいんですか。私が求めているのは、最初から完全な案なんてあり得ないんですよ、そこをどんどん補充していって完全なものにつくり上げていくわけじゃないですか。それなのにそういう頻度もなくて、公表結果と、今、公表したと言っていましたよ、結果を。でも、あれを見てだれがわかりますか。あんな抽象的な表現ばかりで、何にもないじゃない。そんなことをやっていて実際に計画は詰まるんですかということで、さっき厚労省の局長も、やきもきしているわけですよ。
 いいですか。このアグノビさんというアメリカの事務次官が言っていたけれども、危機管理の要諦というのを彼が言っていたのは、大きな恐怖心に対応するのに一番有効な対策は、透明性を確保することに尽きる、情報に対する政府のオープンさが最も求められる、情報を隠すことは最悪のオプションだ。これがアメリカの方針になっているわけですよ。だから、大変危険だ、でもこれだけ計画があるから大丈夫ですよ、皆さん。こういう形で日本政府はアメリカと同じようにやっていただきたいんですよ。
 それを何か、いや、いまだに実際に何が行われているかわからない、結果は抽象的な表現ばかり。それは国民も、そういう形で公表されたら不安になりますよ。ぜひそこはお願いします。
 そこで、時間がないのでまたちょっと次の機会にやらせていただきますけれども、最後に、三月に、安倍官房長官のとき、当時の安倍官房長官は、これは非常に政府全体の問題ですから、これは国を挙げてやりますとおっしゃったんですね。この対策本部、これは国家の危機管理の話ですよ。二百十万人死ぬとか、あるいは政府だって最大六十四万人死ぬとか言っているんだから。これは太平洋戦争で、たしか民間人で亡くなられた方の数は八十万人ですよ。それに匹敵するぐらいの大きな課題でしょう。
 これに政府連絡会議という形だけでいいのか。私も外務省にいたので、それの連絡会議というのは大体イメージ的につかめますけれども、危機管理対策でしっかりと、これは鳥インフルエンザH5N1型のパンデミック、大流行に備えての危機対策本部、本当はあなたに聞くようなことじゃないけれども、内閣ですから、そこはやるべきだと思いますが、いかがですか。
○伊奈川政府参考人 先生御指摘のように、この新型インフルエンザ対策につきましても、諸外国において国家の危機管理ということでとらえて取り組んでいるということについては、私どもとしても認識をしているところでございます。
 そしてまた、このインフルエンザ、フェーズが上がるにつれまして、そういった危機管理的な色彩が強くなるというふうにも認識をしているところでございます。私ども、我が国におきましては、現在、内閣官房長官主宰の関係閣僚会合というものを設けておるところでございます。こちらの関係閣僚会合におきまして、昨年も、新型インフルエンザ対策行動計画を策定いたしましたときにも、政府一丸となって取り組んでいくということを確認したところでございまして、引き続き、内閣官房が中心になりまして、関係省庁と連携しまして取り組んでまいりたいと考えております。
○末松委員 今の答弁は、閣僚じゃないからそのくらいの答弁しかできないと思うけれども、大臣、ぜひ、大臣が一番ここを知り得る立場になるし、主導していかなきゃいけない、実態上は。だから、安倍総理にやはり対策本部長という形になってもらって、そういう、例えばブッシュ大統領のような形でやはりきちんと示していかないと、本当に力わざも多いですからね、この対策をやるには。
 最後に、この大臣の決意、今までお聞きになった印象を含めて言っていただいて、その御覚悟と決意をぜひ述べてください。
○柳澤国務大臣 ただいま、小一時間にわたって末松委員から、新型インフルエンザの各ステージにおけるいろいろな問題点というものを御指摘いただきながら論を展開していただきまして、私どももよく聞かせていただきました。
 アメリカの例、それから私が聞くところではオーストラリアがやはり非常に真剣に取り組んでいるというようなこともありまして、そういう意味で、国家的には先進国の事例というものもあるわけでございます。それからまた、先ほど、我が国の国内でも自治体の対応として品川区の例というようなもの、これは本腰を入れてやっていただいて、我が省でもこれは参考になるというような高い評価をしているわけでございますので、これらの事例によく学びまして、また今の先生の御議論、さらにはせんだってあった御議論、こういったようなことも十分勘案をして、早急にしっかりした取り組みを展開していかなければならない、このように思っておるということをここで申し上げまして、私の今の御質問に対するお答えといたしたいと思います。
○末松委員 もう時間がなくなりましたので、最後に言われました今の大臣のお言葉を行動で示していただきたいということと、あと、この委員会で、この問題について、鳥インフルエンザの関係について参考人質疑をぜひお願いしたい。そのときには、国立感染研の、さっき言ったWHOの重鎮であられる田代先生とか、あるいは品川区の例の方または小樽の外岡さんとか、そういった方々を呼んでぜひ御議論いただきたいということを最後に申し述べまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○宮澤委員長代理 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二分開議
○櫻田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。郡和子君。
○郡委員 民主党の郡和子でございます。
 感染症予防法改正案についての質疑の前に、まず、先週末金曜日の当委員会におきまして、障害者自立支援法が当事者にとって、あるいは施設運営者にとって、大変にその法の理念、目的と逆行したものであるという実情をお訴えさせていただきました。
 週末、私、仙台で障害者自立支援法に関するフォーラムを開かせていただきました。参加した障害者の方々から、この法律では障害者を殺すことになるという大変悲痛な叫びがまた寄せられ、私も胸が苦しくなりました。
 そして、昨日であります、もちろん柳澤大臣も御承知のことと思いますけれども、日比谷公園周辺におきまして、全国各地から一万五千人の方々がお集まりになって、障害者自立支援法の見直し、三年をとても待てないんだ、何とかしてほしい、出直してほしいという集会を開かれました。私も参加をさせていただきました。長い時間をバスに揺られて、車いすの方々も大勢参加されていました。
 なぜ政府は、厚労省は、こういう状況をつくりながら、そしてこういう事態を見ようとしないのか、放置したままなのか、大変大きな憤りをまた新たに持ったところです。
 昨日のそのフォーラムの中では、政党のシンポジウムも開かれました。我が党からは園田委員が参加してお話をさせていただきましたけれども、自民党からはどなたも御出席にならなかったというふうに伺っております。詳しくは園田委員からこちらも報告があると思いますけれども、私ども民主党が提出をさせていただいております障害者自立支援法改正案について、何としても審議をしていただきたい、そしてまた、障害を持った方々の実態を知っていただきたい、参考人をぜひ呼んでいただきたいということを冒頭改めてお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、感染症予防法改正案についての質問に入らせていただきます。
 感染症法の基本理念というのは「感染症に迅速かつ適確に対応することができるよう、」「総合的かつ計画的に推進されること」とされておりまして、国及び地方公共団体の責務として「感染症の患者が良質かつ適切な医療を受けられるように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」とされているわけでございます。
 そこで、これらの法律の目的、基本理念、そしてまた国などの責務につきまして、現行の感染症対策に極めて重大な不備があるという指摘をさせていただきたいと思います。
 去る七月の二十五日でございました、総務省行政評価局が感染症対策に関する行政評価・監視結果報告書というのをまとめております。この中ではさまざまな問題が指摘されているわけですけれども、第一種感染症指定医療機関は、平成十一年の感染症法施行後七年で、四十七の都道府県のうち、わずか二十二の都府県、二十五の機関で病床の数はわずか四十七しか確保できていないということです。未指定の二十五道府県のうち、十の自治体は指定の見通しがあるということですけれども、残る十一に関してはめどが一切立っていないという状況です。
 報告書は、このめどの立っていない原因を指摘しております。それは何かと申しますと、厚労省が、この指定は都道府県がみずから行うものであるとの考えで、都道府県に対し具体的な改善策を提示するなどの取り組みを行っていないというふうに書いているわけでございますが、事実とすれば、これは厚労省は怠慢のそしりを免れないんじゃないかと思います。
 このような勧告を受けるまでに、実態の調査あるいは具体的な改善策は講じてこられなかったのでしょうか。まず質問させてください。
○外口政府参考人 御指摘の、本年七月の感染症対策に関する行政評価・監視結果に基づく勧告でございますけれども、この中で、第一種感染症指定医療機関が未指定であることを指摘されております。これにつきまして、私どもも、指定していない県に対していろいろ意見を聞いたりしてきたわけでございますけれども、それぞれ、なかなか難しいという理由を上げられております。
 そうはいっても、これはどうしてもやっていただかなければ困りますので、今、指定の見込みが立っていない県に対しての理由等の個別のヒアリングを改めて行い、それから、全国主管課長会議の場においても指定に向けた対応を講ずることを改めてお願いし、それから、指定が行われるまでの間の態勢、これも、例えば隣の県にお願いするとか、そういった態勢でございますけれども、今、それも含めての指示を出して、その結果をフォローしているところでございます。
 それから、実際にやっておるところで、指定でどういった工夫をしたかということも含めての事例の収集も今しておりまして、引き続き、指定が推進されるような対応を進めてまいりたいと考えております。
○郡委員 本当に、この報告書を読むと甚だお寒い状況なんだなということが明らかでありまして、第一種感染症指定医療機関が指定できない都道府県の中には移送先も確保できないものもあり、さらには、その施設整備についても大変に脆弱であるという状況が明らかになっているわけです。
 この報告書には、指定のめどが立っていない十五道府県のうち、現在または過去に独立行政法人国立病院機構や国立大学法人などと協議を行った十一においては、地財特措法の二十四条に係る国の補助金が、独立行政法人国立病院機構及び国立大学法人に対するインセンティブとなっていない、設備整備費や運営費に係る財源確保などが隘路となって協議が成立していない状況があるというふうに指摘をしているわけであります。
 この指摘、厚生労働省としてはどのように受けとめて、どのように対応なさるのでしょうか。大臣にお尋ねいたします。
○柳澤国務大臣 これは、ひとり指定医療機関の整備だけではなくて、一般に、地方財政再建促進特別措置法という法律がございまして、その規定によって、地方自治体は、国だとか独立行政法人あるいは国立大学法人等に対して、法令が規定すれば格別ですけれども、そうではない寄附、負担金の支出は地方財政の健全性を害する、こういう理由から禁じられているところでございます。
 こういうことは割と地方財政と国との間では多く起こることですけれども、私の知る限りは、これは、いろいろ工夫をすることによってこういう規定を回避するということで、具体の個別の事例は解決を図っているというふうに思うわけでございまして、ぜひ、そういういろいろな知恵を使うことによってこの隘路を打開して、そのことを理由として指定医療機関の整備がおくれるなどというようなことのないようにしてもらいたい、このように思っているわけです。
○郡委員 まさに大臣がおっしゃられる工夫がされているのであれば、こういう状況にないということなんだろうと思います。ちなみに、私の地元宮城県でも、第一種感染症指定医療機関はまだ決まっておりません。
 これは、地財特措法のただし書きというのがございます。「地方公共団体がその施設を国、独立行政法人若しくは国立大学法人等又は公社等に移管しようとする場合その他やむを得ないと認められる政令で定める場合における国、独立行政法人若しくは国立大学法人等又は公社等と当該地方公共団体との協議に基づいて支出する寄附金等で、」この後が大切なところですけれども、「あらかじめ総務大臣に協議し、その同意を得たものについては、この限りでない。」というただし書きがついているわけであります。
 この補助金に関する隘路の問題につきましては早急に打開すべきでありますし、この例外規定を通じまして、総務大臣と厚労大臣とお話をしていただいて、この一種感染症指定医療機関の指定の促進を図るべきだというふうに考えておりますが、大臣、いかがでございましょうか。
○柳澤国務大臣 協議をするにやぶさかではありません。ぜひそのように前向きに取り組みたい、こう思います。ただ、相手のあることだということは、やはりここで申し添えておきたいと思います。
○郡委員 実は昨日、厚労省の方にお尋ね申し上げました。そういうようなお話は総務省にもさせていただいているのだということでございますけれども、厚労省の立場でのお話でしたから、総務省の方がなかなか応じてくれないというような御説明と私はきのう受けとめさせていただきました。
 そこで、大変申しわけございません、大野総務副大臣にきょうはおいでいただいておりますけれども、この例外規定を通して各自治体の、十一の自治体、特に全くめどが立っていないというふうなことでございますから、ここについて一日も早く指定への道を切り開くべきではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○大野副大臣 地方財政再建促進特別措置法二十四条につきまして、先生から御指摘も既にいただいているところでございますが、御案内のように、国と地方の財政秩序を維持する観点から、地方公共団体から国立大学法人を含めた国等への支出金について、実質的に交換に当たる場合や原因者負担となる場合など、政令で定める一定の場合等に限って認めることとされているところでございます。
 第一種感染症指定医療機関の指定自体は、もとより本法に抵触するものではありませんが、指定された国立大学法人などが地方公共団体から補助金を受けようとする場合には本法の制限の対象となりますことから、厚生労働省より事務的な協議を今受けているところでもございます。
 総務省としては、本法の規定の趣旨に照らしまして、どのような対応が可能か、厚生労働省のお話をよく伺ってまいりたい考えでございます。何とぞ御理解いただきたいと思います。
○郡委員 ぜひ、事の重要性をお考えいただきまして、一日も早い指定に導いてくださいますように、厚労大臣そして総務副大臣にもお願いを申し上げたいと思います。
 次に、今回の法改正で統合されることになりました結核のことにつきましてお尋ね申し上げたいと思います。
 結核の感染動向でございますけれども、これは、世界的には新規発生患者数が実に毎年八百万人にも上っているという状況、そしてまた亡くなる方も年に二百万人というふうに言われております。とりわけ発展途上国におきます感染率の高さというのは大変深刻でございまして、アジアやアフリカ諸国において蔓延を続けるHIVの感染者における結核の合併症例というのも、実に五百六十万人に上っているということであります。
 エイズ患者の死亡例の三分の一が実は結核によるとも言われておりまして、単一の感染症といたしましては、この結核というのはなお世界最大の感染症であるというふうなことが言えるのだろうと思います。
 我が国でも、結核による死亡者数、毎年二千人を超えております。一九九七年以降、新規に結核に罹患したとされる方々の数というのがふえまして、政府は、一九九九年のことでありますけれども、当時の厚生相の宮下大臣の名前で結核緊急事態宣言を行いました。結核予防法におきまして医療費の自己負担分の全額公費負担を認めることによって、患者負担を軽減して社会的な感染を弱めていく、そしてまた社会的な弱者を含めて早期入院による治療を図っていくということに努めてきたのだろうというふうに思います。
 しかし、医療費負担の面で入院に支障を来すような部分があるので、指摘をさせていただき、確認をさせていただこうと思います。
 実は、この結核予防法が改正されまして、昨年の四月からでありますけれども、命令入所患者の医療費につきまして、入院した時点から結核診査協議会が開催されまして、そこで、そうだというふうに言われますまでの公費負担、これは遡及規定が廃止されたわけでございます。昨年の四月のことでございました。
 非結核性抗酸菌症という病気があるのを大臣も御存じだろうと思いますけれども、最も多いのはMAC症と言われるものだそうで、高齢者の女性に発症率が多いというふうに伺っております。年に二千人から三千人の方々がこの病気にかかっているということだそうです。これは結核と初期の段階で大変よく似ていて診断が難しいとされているわけですけれども、この方、非結核性抗酸菌症と後にわかった方がいわゆる応急入院をした場合に、その後、診査協議会でこの入院勧告が取り消された場合、実際に応急入院から取り消しまでの間の医療費の公費負担、これは取り消されることになるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○外口政府参考人 現在の結核予防法におきましては、入所命令に係る結核患者に対する検査の結果、非結核性のものであることが判明した場合、当該入所命令は無効となり、入念的に遡及して入所命令を取り消すこととなります。したがって、当該医療費については公費負担の対象とはなりません。
 ただ、今回の改正後におきましては、結核の蔓延を防止するため必要があると認めるときは、感染症指定医療機関等に応急入院の措置を講ずることが可能であります。仮に、応急入院後に、結果的に結核ではないことが判明した場合であっても、応急入院の間の医療費については公費負担の対象とする方向で考えております。
○郡委員 今の局長の御答弁、大変前向きなことだというふうに受けとめさせていただきます。改善されることになるというのは喜ばしいことだと思います。
 では、さらにお尋ねをしたいと思うんですけれども、感染症法改正案におきまして、結核も含む二類感染症にかかった患者さんが、自覚症状が出てきて、そしてみずから指定医療機関ではない通常の医療機関に入院をした後に、検査によって結核も含む二類感染症に感染しているということが判明した場合には入院勧告が出されるわけですけれども、それは、実際に入院をした日からその勧告が出されるまでの間の医療費の公費負担というのはどうなりましょうか。
○外口政府参考人 現行の結核予防法におきましては、協議会の意見を聴取した上で入所命令が決定された以後の医療費について、公費負担の対象としております。
 しかしながら、都道府県からは、結核の蔓延防止を図るためには、入所命令の前に入院等の措置を行う必要があるとの意見もあり、現行の感染症法に規定されている応急入院の制度を結核患者に対しても準用して、その応急入院の期間についても公費負担の対象とすることを考えております。
○郡委員 申しわけありません、今ちょっと事務連絡を受けたものですから、一部聞き漏らしましたけれども、これも公費負担の対象になると今御答弁いただいたのでしょうか。どうですか。
○外口政府参考人 済みません。質問を取り違えて失礼いたしました。先ほど私が答弁したのは、入所命令と診査協議会の間にかかわる、それの公費負担の話を答弁いたしましたけれども、済みません、先生の御質問、取り違えておりました。
 一般医療機関で結核を疑わずに入院して、その後、検査の結果、結核であることが判明して入所勧告を行って、入所決定を行った場合、勧告を行うまでの期間の費用はどうなるかということでございますね。(郡委員「そうです」と呼ぶ)どうも失礼いたしました。
 その場合は公費負担の対象とはなりません。
○郡委員 これは、先ほどの質問では公費負担をしてくださる方向で今度の法改正がなされるということですから、大変喜ばしいことだというふうに私も思いますし、そのようにお話もいたしました。
 しかし、今の場合は、実際に結核というふうなことが判明するわけですけれども、自覚症状でみずから一般医療機関に入院したということですね。結局、その勧告が出るまでの、協議会が開かれて結果が出るまでの期間、ここは公費負担をしない。
 申しわけありません。大野副大臣、ほかの委員会もあるそうで、ありがとうございます。御退席ください。ありがとうございます。
 ということでありますと、この法律の理念や目的に関して、重要な初期段階でスムーズな入院ができなければ、感染性がとても高い時期に有効な治療が困難になるとともに、感染も拡大することにつながりますし、リスクが一気に膨れ上がることになるわけですから、この場合の医療費においてもやはり公費負担をするのが当たり前ではなかろうかというふうに思います。いかがでございましょうか。
○外口政府参考人 公費負担を行う場合は、あくまでも入院勧告に基づく入院や応急入院等の場合であります。すなわち、医師がこの人は結核ではないかなと疑ってそれを診断したときに、入院勧告それから応急入院の制度に結びつくわけでございます。
 そういった場合に、できるだけ早く入院していただいてということをスムーズに行うために、先ほど申し上げましたように、協議会とかいろいろ仕組みはありますけれども、できるだけそこは柔軟に対応できるよう応急入院の制度等を活用していくわけでございますが、一般の医療機関で結核ではないと疑わずに治療を続けてきた場合には、この場合は公費負担の対象ではない、そういう考え方でございます。
○郡委員 既に申し述べましたように、結核の効果的な予防ですとか治療を図る上でも、必要な入院等に係る医療費の公費負担の範囲が狭められていることになるのではないかというふうに思われます。
 その背景には、今、局長答弁にもございましたように、勧告ですとか措置というような法的な強制力を伴った場合に限って公費負担を行うのだという考え方があるのだろうというふうに思われます。
 他方、今回の感染症予防法改正案の第二十二条の二、第四十八条の二に、健康診断、就業制限、入院等の措置は、感染症及び新感染症を予防し、またはその蔓延を防止するための必要な最小限度のものでなければならないとの規定を新たに設けております。これは、ハンセン病の問題の検証を通じた人権上の配慮と思われ、当然の規定だろうというふうにも思います。
 しかし、公費負担を強制措置と不離一体のものにするという考え方とこの必要最小限度の措置の規定を結びつけた場合に、運用次第では公費負担の範囲というのをやはり極端に縮めていくおそれもあるのだというふうに指摘をさせていただきたいと思います。
 平成十七年の三月に提出されましたハンセン病問題に関する検証会議最終報告は、ハンセン病問題の「歴史に鑑みると、人間の尊厳及び人権の尊重に立った新たな予算編成上の原則を樹立することも、公衆衛生等の分野での再発を防止する上で必要不可欠」だというふうに断言しております。すなわち、これはパブリックヘルス、公共保健の目的が存在する場合には強制の要素がなくとも予算措置を講ずるよう努力すべきであるという提言なんだろうと思います。
 この原則を感染症予防法に適用するのであれば、これは都道府県知事が結核診査協議会の意見を踏まえて、公共保健の目的のために入院したと認めた場合には公費負担をする仕組みを組み入れることがやはり必要ではないかというふうに思うのですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○外口政府参考人 幾つか御指摘をいただきました。
 最初の、入院措置に関する最小限度の措置と、それから予算の関係でございますけれども、措置について必要な最小限度にしようという考え方は、あくまでもこれは人権の尊重の側からの原則でございますので、これは予算とは全く無関係な話でございます。
 それから、公共保健の目的が存在する場合には強制の要素がなくともという検証会議の報告書を引用されましたが、これは考え方としては、ハンセン病のときの反省なのでございますけれども、予防法による強制隔離を法的な根拠として国立ハンセン療養所における入所者らの処遇改善が図られたために、厚生省は予防法廃止を言い出すことができないまま時間が経過したのではないか、こういう御指摘を受けたことでございます。
 もとに戻りますけれども、感染症法の場合は、基本的な人権に一定の制限をかけるものでありますことから、これは法律の裏づけがもちろん必要なわけでございますけれども、そういった中で、公衆衛生、社会防衛上のやむを得ない理由により行われていることなどにかんがみて、当該措置に要する費用を公費で負担することとしているものであります。
 それで、あと、費用負担の考え方でございますけれども、やはり法律の根拠というものが必要ではないかというふうに考えております。
○郡委員 おっしゃられましたように、人権上に配慮をする、人権を尊重するというのは、これはもちろん当たり前のことでありますけれども、実は、人権を尊重する余り人権侵害に通じることもあるという、非常にこれは難しい表裏一体の部分というのがあるんだと思うんですね。このこともしっかりとお考えいただいて、ぜひこれは議論をさらに進めていただきたいと思いますし、必要最小限度の措置、この新たな予算措置というのでしょうか、こういうのも、予算編成上の新たな原則というものもやはり考えるべきだということをここで指摘させていただきます。
 次に、結核という病気、これは先進諸国では公衆衛生上の問題としては長い間無視されてきたのでしょう。その結果、開発途上国では成人における主な単一病原体の死因の第一に上げられてきたわけですけれども、一方で、私ども日本もそうでしょう、先進工業国においても、それが復活をしてきているわけでございます。
 我が国でも、高齢者の高い死亡率、それからまた、社会的弱者の方々が低い治療率あるいは成功率ということも指摘されているわけですし、人口が集中する都市部において高い罹患率を指摘する声もございます。結核というのは、御承知のように、高齢者や、それからまた社会的弱者が罹患する病気であります。都市部における三十歳から五十歳の男性、結核にかかっていらっしゃる方の二〇%が、無職でありますとか生活保護、無収入、低所得者だというふうに推定されております。
 日本は、超高齢社会のただ中にあるわけですけれども、寝たきりの高齢者など高齢者対策の重要性というのは論をまたないわけでありまして、同時に、患者の早期発見に重要な健診事業でありますとか、それから、治療の治癒成功率の向上に有効なDOTS、これは午前中の審議の中でもお話が出てまいりましたけれども、一般住民健診でカバーできていない外国人あるいはまた住所不定者、独居若年者など、ハイリスクを対象にしたピンポイントの健診とか訪問指導というのが大変重要ではないかというふうに思っております。
 各国の状況を調べさせていただきましたが、結核罹患者の六〇%が英国では外国人だそうですね。それからまた、アメリカでも五〇%が在留外国人というふうに言われております。イギリスの場合は、特にここを重要政策として、外国人が住民登録した段階で公的医療機関の対象とし、入国者に対する健診制度が行われるよう整備されております。膨大な不法滞在者を抱えるアメリカにおきましても、これは大変重要な労働力として、結核医療費の負担を行っているということであります。
 我が国の結核罹患者に占める外国人の割合というのは、今のところ三%程度ではないかというふうに見られていると聞いておりますけれども、これは年々増加していて、潜在的な患者というのはもっと多いのじゃないかとも言われております。
 厚生労働省は、ようやく外国人労働者の健康保険の加入実態調査というものに乗り出されたようでありますけれども、在留外国人の生活実態というのは大変把握するのが難しいということもあるんだと思うのですが、この辺、どういうふうになっているのか、お尋ねをしたいと思います。
 実は、私、資料をきょうお配りさせていただいているかと思うのですけれども、まず、結核研のホームページをもとに作成をさせていただきました、外国人が結核にかかったというふうなパーセンテージですけれども、大都市圏においてやはり高い数値が見られております。東京都では五・三%、二〇〇五年の数字でありますけれども。そしてまた、外国人労働者が多く入っているという群馬などでは一〇・一%、二けた台になっております。
 都道府県別に外国人の方々が偏在をしているという状況はありますけれども、この外国人の罹患率が多いところ、多い都府県あるいは政令指定都市に対して、結核予防の基本指針で、特にこれらの外国人に対しての健診を定めたり、それからまた、健診に取り組んでいるかどうかということが指針で示されているわけなんですけれども、この実態というのは厚労省は把握しているのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○外口政府参考人 新規の登録される患者さんの中で、外国人の方の割合がふえていることについては議員御指摘のとおりでございます。
 それで、そういった外国人の方に対する健診の実態でございますけれども、各県それぞれ工夫しているところがございまして、例えば日本語学校の学生さんに対する健診でございますとか、それから、検診車を特別に回して、それから外国語で呼びかけをしたりとか、そういった努力をそれぞれしているようでございます。
 ただ、健診を受けるべき人がどのぐらいで率がどのぐらいかということまでは、数字としてはカバーできておりません。
○郡委員 今、先進的な取り組みをされている自治体があるということを一部御紹介いただいたわけですけれども、これは結核対策特別促進事業に各自治体が手を挙げてやられていたり、あるいはそれぞれの自治体が独自予算で行っているものでありましょう。
 私、先ほどちょっと申し上げました、国が、結核の予防の総合的な推進を図るための基本的な指針ということで各自治体にお示しになっているものを、大変いいことが書かれているんですね。「結核の高まん延地域を管轄する市町村は、その実情に即して当該地域において結核の発症率が高い住民層(例えば、住所不定者、職場での健康管理が十分とはいえない労働者、海外の高まん延地域からの入国者等が想定される。)に対する定期の健康診断その他の結核対策を総合的に講ずる必要がある。」こういうふうに言っているわけですけれども、各自治体が手を挙げるのを漫然と待って、そこに任せるというだけでは済まない状況なんじゃないかと思うんです。
 ぜひ、国として、厚労省として、しっかりとした対策を各自治体の方に、それこそ指導的な立場でやるのがこの結核対策であろうかと思うんですが、いかがでしょうか。
○石田副大臣 今いろいろと御提示もいただきましたけれども、外国人初めホームレスの方などの社会的弱者の方は結核の罹患率が高い、また、その治療を開始した場合にも、それを中断するというリスクも高いと考えられておりまして、いわゆるDOTS、直接服薬確認療法、こういうことを推進していくことが重要だと思っております。
 そして、この中で、具体的には、そういう方々にDOTSをやってまいりますけれども、こうしたさまざまな結核対策を実施するために、先ほどお話もあったかと思いますが、結核対策特別促進事業、こういう形で、それぞれの都道府県等でぜひやっていただこうということで進めておりまして、予算についてもしっかりと取り組んでいる、こういうことでございますから、よろしく御理解いただきたいと思います。
○郡委員 ですから、今、しっかりと予算についてもというふうにお答えでしたけれども、これは各自治体が独自に頑張ってつけているところがあるわけで、国としてはそこに対しての対策というのは不十分であるということを指摘させていただいているわけです。
 そして、先ほど申し上げました指針に基づいて各都道府県は基本計画を策定することとなっておりますが、それでは、各自治体の基本計画策定状況について、どの程度実態を把握なさっていますでしょうか。
○外口政府参考人 計画は、すべての自治体で、四十七都道府県で策定しております。
○郡委員 であるならば、その計画に基づいてそれぞれの自治体が、手挙げの事業ではなくて、国としてもそこに十分な財政措置を講じるように努力をしていくべきではないかと思います。国としてのこれも危機管理の部分にも入ってくるような、そういう問題になるんだろうというふうに思っていますので、それも指摘させていただきたいと思います。
 それから、次の資料三をめくっていただきたいんですが、ここは、三十歳から五十九歳の男性で無職あるいは生活保護を受けている結核患者の数とパーセンテージをあらわしたものでございますけれども、いろいろと指摘をされているように、ホームレスの方あるいは低所得者層にこの結核という病気が多いということであります。特に、大阪市の場合でありますと、実に二二・三%にも達しております。
 こういうような方々というのは、保健所やまたあるいは地域の診療所などに足を運ぶ機会というのが本当にあるのかどうか、大変疑わしいところですし、事実、そういうふうにできない状況があろうと思います。こういう患者に対して、保健師やらあるいは福祉事務所などが連携して、巡回し、あるいは訪問して服薬指導を行ったり薬の確認をするなど、そういうような手だてを講じなければ、これは大変なことになるんじゃないかと思います。
 社会的弱者に対する日本版のDOTS、これはより強力に展開すべきと思いますけれども、いかがでしょうか。
○外口政府参考人 日本の結核はだんだん減ってきてはおりますけれども、やはり課題は、昔結核になられた方が一たん治って、また高齢者になって再燃してきた場合、これは薬剤耐性の問題も絡むわけでございますけれども、その場合と、先生、先ほど御指摘いただきました外国人の方あるいはホームレスの方に、どうやって結核と診断し、それからその後、長期にわたってきっちり薬を飲んでもらわないといけませんので、そこを確認していくかということでございまして、その点で、これは地域地域ごとにそれぞれ工夫があるわけでございますけれども、DOTSの推進ということは大事な対策の柱ではないかと考えております。
○郡委員 午前中の審議でも出てまいりましたけれども、こういう方々に対する治療の継続等がなされないと、多剤耐性菌ということになって大変治療が困難になりますし、また、それが広く感染するということになりますと、これまた大変なことになります。ぜひそのところをしっかりと御認識いただきたいと思います。
 先日、十月の二十八日、NHKのニュースでございました、国内で使っている薬を全部使ってもなお治らないという超多剤耐性結核症例、これが十七例も報告をされているということであります。ことしの三月には、WHOの発表で、アメリカの結核患者十六万九千六百五十四人のうち、一・六%の方が複数の抗生物質に抵抗性があって、〇・〇四%の方がほとんど抗生物質が効かなくなったということでありまして、これは、この超多剤耐性菌に侵された場合には死と直結するということでありますから、その辺のところも踏まえた上で、DOTSの強化というのを、特にこういう弱者に対しての強化をしていただきたいというふうに思います。
 ところで、先ほど、宮下厚生大臣の名前で出されました結核緊急事態宣言の中で、各種施策や結核特別対策促進事業や専門医療体制を充実していくということで、六つの対策が上げられておりました。その中で、研究機関や学会に対して、「診断、治療等に関する研究と研修のより一層の推進を図っていただきたい」というふうにあったわけでありますけれども、この点についてお尋ねしたいと思います。
 まず、この宣言以降、国としてこの研究開発支援や予算というのは強化されたのでしょうか。そして、その支援の中身と具体的な成果についてお尋ねいたします。
○外口政府参考人 御指摘の結核緊急事態の宣言、これは平成十一年に出たものでありますけれども、これは、当時、結核の罹患率が人口十万人対三十三・七から、次の年が三十三・九、その次が三十四・八と、二年連続で上昇に転じたために、緊急事態宣言をしたものであります。この宣言の中で、御指摘のように、結核の診断、治療等に関する研究と研修のより一層の推進を図るようということが記載されております。
 このため、厚生労働省におきましては、厚生労働科学研究費補助金におきまして、結核の予防、診断、治療に関する研究開発に対する研究補助を行っております。
 その実績ですけれども、予算額で申し上げれば、平成九年が四千二百万、平成十年が九千二百万でありましたが、近年は、平成十七年が一億三千万、平成十八年が一億四千四百万と増額の傾向にあり、必要な予算の確保に努めているところであります。
 それから、実績でございますけれども、研究成果、まだ実用化までは距離がありますが、新たな結核治療ワクチンの開発研究などの成果も上がりつつあるところでございます。
○郡委員 今、予算は年々ふやしているのだという御説明でした。そしてまた、最後にワクチンのお話をなさいましたけれども、新薬の開発研究事業に関してはどの程度の予算規模でございましょうか。
○外口政府参考人 新薬の開発につきましては、これは、先ほど申し上げました研究費の中でももちろん対応するものでもございますし、それから、国際協力という立場からすれば、WHOへの財政負担も、WHOを通じて国際的な抗結核薬の研究開発というのにも財政支援を行っているところでございます。
 それからあと、予算面だけでなくて、例えば、企業が新しい結核薬を開発するときに、これは実際に臨床治験を行うときは、外国、例えばアフリカになりますけれども、そういったところで開発をするときに、相手国政府との折衝に対して、私ども、外務省を通じて応援したことがございますが、そういった財政面以外の対応も含めて、新薬開発についても、私どももできるだけ応援してまいりたいと考えております。
○郡委員 先ほど、私、エイズに感染している方の中で、また結核も合併し亡くなる方々が三分の一というような調査もあるということを申し述べましたけれども、結核とエイズというのは、それぞれの治療薬というのが、一緒に服用すると拮抗してしまう、まるっきり違う働きをするということで、エイズの患者さんが結核を患った場合は大変治療が難しいと言われています。この薬というのも非常に開発が待たれているところだというふうに聞いております。
 我が国でも、こういったような研究を進めていきたいという研究者の方々がいらっしゃり、頑張っておられるということではありますけれども、我が国の研究開発状況というのはまだまだ大変に手薄いというふうに言わざるを得ないのではないかと思います。
 先ほどの局長もおっしゃいましたけれども、新薬を開発していくには、臨床に至るまでに、その前段階の試験があって、そして安全性の試験が行われて、いよいよ臨床試験に入り、そしてまた製造承認の認可を受ける、そういうふうな流れになっているわけです。そこに大変、臨床試験もそうでありますけれども、巨額の資金が必要になってきて、今のところこれは、経済的な負担というのはすべて民間に頼っている、製薬会社が負っている状況であるのは篤と御存じのことだと思います。
 これは、製薬企業の側からいたしますと、一生、患者さんがずっと飲み続けていって、大変もうけにつながると言ってはなんですが、そういう薬であれば、この研究開発というのにお金を投じるのも、それはちゃんとしたバックがあるのでやられるわけですけれども、そうではないそういうものに関しては、資金をそこに投入し続けることがなかなか難しいのは当たり前のことでして、高い収益が見込めない新しい抗結核薬の研究開発というのも、まさに日の目を見ないのではないかというふうに思います。
 こういう製薬業界のグローバル化が進んでいて、日本でたとえ開発された新化合物、候補になる化合物というのが見出されたとしても、それは海外に出ていってしまう、そういう機会が多いという実態、これも厚労省は十分に把握されていることだろうと思いますけれども、これはまさに、このままほったらかしておいては、我が国の大変誇れる優秀な技術なりも全く評価されないまま外国に持っていかれるという状態を放置することになろうかと思うんですが、この点についてはどうでしょうか。しっかりとした応援プロジェクト、応援体制をつくっていくことが重要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。プロジェクトを誘導していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○松谷政府参考人 良質な医薬品を迅速に提供するということは、厚生労働省の任務でございます国民の保健医療水準の向上を図るという点、今話題となっております結核患者さんを含めまして、その水準を向上するということのみならず、我が国政府全体といたしましては、医薬品産業におけるイノベーションの促進、国際競争力強化という観点からも大変大事なことだというふうに思っている次第でございます。
 御指摘のとおり、我が国での薬の開発の中で、特に治療研究、いわゆる治験といったようなものが外国で行われることが最近多くなって、空洞化しているのではないかというようなことが指摘されてまいっておる次第でございます。
 このため、治験につきまして、その活性化の計画を立てまして、治験の大きなネットワークの推進、治験の実施体制、治験のコーディネーターの養成確保、患者さんが治験に参加することがしやすいような参加の支援、それから企業における治験負担の軽減といったようなことを内容といたしまして、過去三カ年にわたって重点的にこれを行ってきたところでございまして、その結果、我が国における治験というのが回復傾向になってきたところでございます。
 これは、さらに先へ進めまして、今、医薬品産業全体のイノベーションということに取り組んでいるわけでございますが、それと並行して、さらに、次の段階の治験環境の整備ということに取り組んでまいりたいと考えている次第でございます。
○郡委員 重点的に新薬の開発、あるいは治験の促進に関して予算措置をするんだというふうなことでありましたのでしょうけれども、それは薬全体のことをお話しなさっているんだと思います。結核に関して言えば、結核非常事態宣言というのが出された後に、日本において抗結核薬の開発というのを主に担っているのは結核研究所ということになりましょう。ここのところへの予算、補助金を拝見いたしましたらば、非常事態宣言直後の十二年度の予算から削減がずっとずっと続いておりまして、今年度までで二億二百九万円も減額になっています。
 アメリカでは、この抗結核薬の開発に対して、やはり特段の力を入れておりまして、ロックフェラー財団あるいはゲイツ財団なども、ここを後押しする、そういう体制もつくっております。政府としても応援を強化しているわけなんですけれども。
 日本で抗結核薬の研究を主にやっている結核研究所に対しての非常事態宣言後の予算削減というのは、これはどういうことでしょうか。
○外口政府参考人 結核研究所は、創立以来、我が国の結核対策の技術的支柱でもあり、運営面での代表的な存在でありまして、今も私どもも専門的なことはみんな結核研究所にお尋ねして、いろいろ政策を考えているところでございます。
 ただ、この予算の面になりますと、これは結核研究所だけが例外でございませんで、政府から補助金を出しているところ、これは一律に、なかなか財政状況が厳しい中で減らすことをお願いしてきた、そういう経緯もございます。
○郡委員 全体的なことでいたし方ないということなのかもしれませんけれども。海外ではこの抗結核薬の研究というものに対してしっかりとした財源的な後押しもしているという中で、我が国では、唯一機能しているこの結核研究所に対して、ここ数年、人員も削減された、予算も削られていっている、そして新薬の開発プロジェクトにかかわっているのはたった一人だということです。これでは十分な研究開発はできません。
 アメリカでは、一九七〇年代に結核対策というのを大幅に後退させました。その結果何が起こったかといいますと、大変な結核の蔓延ということにつながっていってしまった。アメリカはそういうことで、はっと、これはいけないのだということで、大変強力な結核対策を隅々まで行き渡らすように取り組みをしているわけです。今、このままですと日本もアメリカのそれこそ一九七〇年代の過ちを犯すのではないかというふうに危惧をするということを申し上げて、時間になりましたので質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○櫻田委員長 次に、園田康博君。
○園田(康)委員 民主党の園田康博でございます。
 本日は、感染症予防法の改正法案ということで審議を続けさせていただきます。
 その前にでございますが、先ほど同僚の郡委員からも御指摘がありました、十月の三十一日、昨日でございますけれども、日比谷公園におきまして、障害者の方々が、出直してよという形で、自立支援法に関して大変な大きな集会がございました。一部報道でも流れておりますけれども、約一万五千人、いまだかつてこれだけの方々が、しかも障害を負った方々が日比谷公園に一万五千人集まるということがあったであろうかということでございます。
 その中で政党シンポジウムというものもありまして、この委員会の中の委員のメンバーの方も御出席をしておられました。民主党は私、園田が出させていただきましたし、共産党さんは参議院の小池先生でございましたし、社民党さんからは阿部知子委員でございました。公明党からは福島豊委員でございました。残念なことに自民党の、最大の人数を誇る自民党さんからは出席者が得られなかったということでございまして、これは大変残念なことでございました。
 理由はいろいろあったんでしょうけれども、その理由を私は問うつもりはありませんが、しかしながら、せっかくといいますか、会場の中からも、ぜひ自民党の皆様方にも切実な声を聞いてほしいという声もありました。そういうところを、やはり、どんな形であれ御意見を聞くというのは、私は人の道に沿うものではないのかなと。その点、厚生労働省は昨日きちっと対応していただいた、要請文、アピール文をお持ちさせていただいたら、障害保健福祉部の方がしっかりと対応していただいたというふうに伺っておるところでございます。
 したがって、私も昨日のシンポジウムの中で申し上げたことは、これは党利党略であるとかそういった話ではございませんで、すべての政党、すべての議員、立法府の責任としてこの問題をしっかりと受けとめさせていただいて、そして、障害を持った方々、あるいは家族の方々、あるいはボランティアで支えていらっしゃる方々や事業者、サービス提供者の皆様方、障害者の自立と社会参加、これをしっかりとお支えをしていく、そういう意思を持った方々の意見をしっかりと受けとめていくということは、やはり責任として行っていかなければいけないのではなかろうかというふうに思うわけでございます。
 そこで、大変恐縮ですが、感染症予防法の改正の内容に入る前に、少しその部分を触れさせてください。
 先ほど郡委員からもありました、この黄色い、一〇・三一大フォーラム、「出直してよ!「障害者自立支援法」」という形で、これは大臣ごらんにはなられておりませんでしょうか、このそのものを受け取られたわけではなかったということですね。恐らく要請文という形で正式なものが行っているんだろうというふうに思うわけでありますけれども。
 まず、この黄色いビラの意味でありますけれども、きょう、くしくも私も黄色いリボンをつけてこの質問台に立たせていただいているわけでありますが、本来ならば、感染症予防法ですから、レッドリボンであるとか、そういうものをつけてこの場に立つのがふさわしいのかもしれませんでした。あるいは、いろいろな色のリボンがあるわけでありますけれども、ブルーリボンであるとか、オレンジも今出てきていると聞いておりますが、この黄色いリボン、障害を持った人々、その自立、参加を目指す、社会の中で目指していこうという、幸せを運ぶ黄色いハンカチではありませんけれども、そういう意味が込められている色だというふうに私は受けとめさせていただきました。
 その中のアピール文でありますけれども、「私たち障害当事者、関係者、そして多くの市民は、本日ここに集えなかった人びとの想いとともに、「障害者自立支援法」の成立一年を迎える今日、あらためて、「障害者自立支援法」の出直しによる障害者施策の総合的整備を求め、アピールする。」と書かれて、五項目ございます。ちょっと大臣、恐縮ですが、お聞き入れいただきたいというふうに思います。
 一、政府はただちに“いのち”“人権”そして地域生活の実現という観点から、障害のある人の実態やニーズ把握に基づいて、障害関連予算の見積もりを一からやり直すこと。
 二、政府はただちに「障害者自立支援法」の出直しを図り、原則一割の「応益負担」を中止すること。
 三、政府はただちに「障害者自立支援法」の出直しを図り、障害者が地域で人間らしく生きていけるように、支援・サービスの社会基盤整備について立法措置を含めた拡充策をとること。
 四、政府はただちに「障害者自立支援法」の出直しを図り、難病や高次脳機能障害を含め、あらゆる障害を法制度の対象にすること。
 五、政府はただちに、障害者が地域社会の中で、個人として尊重され、かつ安心して暮らせるように、年金などの所得保障制度を整備すること。
この五点でございます。
 先般から、この五点につきましては、一般質問の中でも多くの委員の方々が取り上げられ、大臣にも直接質問をさせていただいたところでございます。そして、私自身も、この委員会での集中審議とそして参考人も含めた質疑を行っていただきたいという要望を出させていただいているところでございます。こういう障害者の方々の声をやはり真摯に受けとめて、この委員会の中できちっとした質疑をしていただきたい。
 と同時に、私ども民主党も十月の十一日にこの改正案、このアピール文にもほぼ匹敵しているわけでありますけれども、所得保障であるとか、あるいはサービス基盤の充実であるとか、あるいは定率負担そのものを凍結する、そこからまず議論を、冷静かつ真摯に、慎重に審議をしていただきたい、そういう思いを込めて提出した法案がございます。ぜひその法案の審議に当たっていただきたいというふうに強く願うものでございます。
 そこで、先般、私が時間のない中で質問通告をさせていただいた質問項目が何点かございました。
 その第一番目でございますけれども、まず第一にやはり調査を行うこと、これは先般もう大臣に再三お願いをさせていただいたところでございます。
 この一万五千人という方々が、集まることができる人だけでも一万五千人だったという事実であります。ここに来たくて、みんなで一緒になって、その声を聞いてほしいということを厚生労働省に直接言いたい、言いたいけれども、体調の不良や、あるいは長時間、先ほど話がありました深夜バスに乗って東京に出てくる、そしてまたその日のうちに深夜バスに乗って帰っていく、それすらもできない、本当だったら、命にかえてでも厚生労働省の皆さんあるいは政党あるいは議員の皆さんにも声を聞いてほしいという思いを込めて行きたいんだというような声も全国から寄せられていたわけでございます。
 そういった方々が異口同音としておっしゃっておられたことは、やはり凍結ということを強くおっしゃっておられるわけでありますけれども、その前にまず実態把握をしてくれよということを強く会場内からも、私どもからそういう発言をさせていただいたら、それに対して熱いエールを送られる、そういう満場の拍手が送られたわけでございます。
 その意味を込めて、大臣、今後厚生労働省としてそれに取り組む決意そして方向性をちょっとお示しをいただきたいと思います。
 もう一つ、前回ちょっと私が申し忘れたことがございました。それは、障害者自立支援法の施行と同時に、これはやはり、審議会の中でも結構でございますけれども、これをきちっと検証する委員会を厚生労働省内で立ち上げていただきたい。私どもは、支援法検証委員会というふうに仮称で名づけさせていただいているわけでありますけれども、これを一元的にきちっと検証する委員会、この立ち上げをぜひお願いをしたいわけでございますが、それに向けての厚生労働省としてのお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
○柳澤国務大臣 園田委員から、昨日の日比谷公園で行われましたフォーラムのことについて実情を懇切に御報告いただきまして、私も耳を傾けさせていただきました。本当にいろいろな障害者の皆さんが困難を乗り越えられて、わざわざ日比谷まで足を運ばれて意思の表明をされたということ、そのこと自体は私も心から敬意を表したい、このように思っております。
 私ども、この障害者自立支援法の方向、今、園田委員も方向ということをおっしゃられたわけですけれども、この方向については、かねて御党の質問者の中にも、その方向については理解できるというような、ある一定の賛同と言ってはまた語弊がありますけれども、御理解が得られたという向きもあるわけでございまして、私どもが、障害者の人たちを現状のような状況のままにこれを継続していくということよりも、一歩改善をして、障害者の方々が自立をして地域社会で生き生きと生活できるという方向に進めようとしている、そういうことについては、園田委員初め皆様方にもぜひ御理解を賜りたい、こう思っておるわけでございます。
 問題は、結局、費用負担というか利用者負担というところにあって、これが障害者にとって非常に負担になっているんだ、こういうお話でございますけれども、私どもは実情に耳をよく傾けて、何次かにわたって、累次にわたって、実は、この負担の調整、あるいはいろいろな形での軽減、さらにはいろいろな抑制、こういったようなことをさせていただいているわけでございまして、私どもとしては、かなりきめ細かくその措置が行われている、こういう気持ちを率直に言って持っているわけでございます。
 その上で申し上げますけれども、とにかく実情の調査をしろということでございます。私どもは、既に公表した各都道府県の情報、これを収集して一定の整理をするということで、十分ではないかもしれないけれども、かなり大勢を示すであろうというようなことで、その計数等についてもこれを発表させていただいておるわけでございます。
 また、加えまして、定点市町村ということで、従来からこの種のことについて資料収集、情報収集の拠点としているところについても情報の収集、整理に努めたということ、これについてもかねて申し上げているとおりでございます。
 加えまして、私どもとしては、やはりいろいろ御意見があることに徴しても、さらに早急に全国悉皆の調査をいたしたいということで、現在既に公表した調査結果を厚生省にお届けいただいている都道府県以外の都道府県について、今鋭意調査に協力をお願いしておるところでございます。
 そういうようなことが、できるだけ早くにこれも取りまとめたいというように思っておりますけれども、これらの調査を通じて、私どもとして、基本は維持しつつも、なお我々が目こぼしをしているところがあれば、これについては一定の手直しというようなこと、これは従来のいろいろな負担抑制措置と軌を一にするという意味で申し上げるわけですが、そういうところでなお目こぼしがあれば、これはこれまでのものに取り込んでいく、こういうようなことを今考えているところでございます。
 ぜひとも皆様方に、この基本的な方向性、それから我々がいかに実情に合わせた負担というものをお願いしようとしているかということについては御理解を賜りたい、このようにお願いを申し上げる次第でございます。
 なお、検証につきましては、私どもとしては、まず、今言ったように、調査をさせていただいて実情を把握して、そして本当に必要ということが認められる場合には手直しをして制度の定着を図っていくことを考えているということを申し上げたいと思います。
○園田(康)委員 方向性といいますのは、いわゆる人としての、障害者の方々が地域で自立した、そして人間として尊厳を持たれ、そして人間らしさがしっかりと出る、個人の尊厳がしっかりと守られるような形の中で社会参加を行っていく、そういう方向性を行っていくというのは私は理解をするというふうに申し上げておるところでございますが、しかしながら、その内容についてすべてをよしとしているわけではないんだということでございます。
 したがって、方向性、これは当然大臣も私も同じ方向性を向いているんだろうと理解をいたしておるわけです。しかし、その手法といいますか手段が少しひょっとしたら違うのかなというところを、やはりそこを制度の欠陥というふうに私は申し上げさせていただきたいんですけれども、そこがあればぜひ手直しをしていただきたいという意味でございます。
 そして、その部分の中においてはしっかりと調査をするというふうにおっしゃっておるわけでありますけれども、しかしながら、大臣、フォーマットがばらばらなんですよ。つまり、今、各都道府県ごとに、いわば定点の自治体や、あるいは都道府県で調査をしたものを集めているという状況でありますけれども、それが統一的に行われていないものですから、ある面では通所だけの調査になっていたり、あるときは入所だけになっていたりというような形で、全体を網羅したものではないんですよ。
 したがって、今集められた十四、プラス、二十六まで上がっているんでしょうか、それ以外のというふうにおっしゃっておるわけでありますけれども、やはり私は、もう一度しっかりとした、厚生労働省が、今この現状を把握するためにはどういう形をとれば今の実態が、ニーズが把握できるのかということをまずしっかりと見ていただいて、そして調査項目をつくって、それを各都道府県に流して、あるいは自治体に流して、それに基づいて報告をいただくという形をしないと、いわばでこぼこの調査になってしまって、実態をきちっとした把握ができないのではないかなという思いがあるんですね。
 この委員会ではありませんけれども、ほかの委員会、今いじめ問題の調査を文部科学省では行っておられるわけでありますが、あれはきちっと、まあ上がってくる質問の項目がちょっとまずい部分がありましたけれども、しかしながら、やはり全国調査をきちっと厚生労働省がかけるということを私はもう一度やっていただければなというふうに思うわけでございます。それが、きのう集まった方々のまず第一番の思い、願いでございました。
 そして、よく言われるように、この間も指摘をさせていただきましたけれども、今この時点で自治体の皆さんにそういう調査をかけると余計な負担、事務量をふやしてしまうという心配が一方であるかもしれないというふうにおっしゃっておられたわけでありますが、しかしながら、私が聞く限りにおいては、逆にぜひやっていただきたい。
 と申しますのは、幾つか後で指摘をさせていただきますけれども、都道府県によっても、先ほど利用減免の話を少しされましたが、国の基準、利用減免の基準ですよね、それに上乗せするような形で、ある都道府県は自己負担の分のさらに半額を独自で減免するという形をとっておられる、しかしながら、ある都道府県ではそれをやらない。自治体では、サービスを受けた利用料に関する減免措置をさらに行って、しかしながら隣の自治体ではそれを行わないというような形で、いわば、制度の根幹を揺るがすというところまでは言い切れるかどうかちょっと疑問があるかもしれませんけれども、しかしながら、その同じサービスを受けたとしても、地域によって払う利用料の差も出てきているというのが私は現状ではないのかなと。
 まず、その部分を独自でやっているところがどういうところで、どこまで減免措置をやっているのか、そして、その減免措置をなぜ行っているのかということを、ぜひお考えをいただきたいわけでございます。
 すなわち、確かに、当初の予定からすれば、かなりの減免措置をぎりぎり頑張ったんだろうと思います。しかしながら、まず、その定率負担、一割負担の考え方も私は実は一から議論をさせていただきたいというふうに思っているわけでありますけれども、それを応益負担という形で定率負担を課してしまった。そして、そこにおいて、三万七千二百円、二万四千六百円、そして一万五千円という減免の土台をつくって、そして低所得一、二に関してはさらなる減免措置を行い、そして、社会福祉法人の利用の方にはさらにそこから半額を行うというようなところがあるわけであります。
 では一体、大臣、社会福祉法人を利用されている方々がどれだけいらっしゃるでしょうか。それが恐らく、私も正確な数字は把握しておりませんけれども、二割から二割五分、三割行くか行かないかというところではないでしょうか。それを利用できなかった、利用できていない人は、同じサービスを利用していたとしても、その減免措置が、差が出てきてしまうという部分もあるわけでございます。したがって、いわばなぜそういう利用減免措置を各自治体で、行えるところと行うことができないところと行わないところと、さまざまあるんだろうというふうに思うわけであります。
 したがって、行っていないところはここで利用抑制が出てきたり、あるいは、昨日の朝日新聞ですけれども、ここでスペシャルオリンピックス、五輪の出場断念という部分の記事も出ております。これは参加費が六万円ほどかかるんでしょうか。例えば長野から熊本までスペシャルオリンピックスに参加をする、そんなときに旅費であるとかその参加費用で六万円かかるわけですね、一人頭。そうなってくると、その六万円すらも払うことができないとなると、これは自民党の皆さんも一緒になって、スペシャルオリンピックスを我々も成功させようじゃないかというふうに言っていたわけでありますけれども、そのオリンピックスすらも参加できない、断念をするというところまで出てきてしまっている。
 それは、いわば利用料を払わなければいけない、そうなってくると、手元に残るお金もどんどん少なくなってくる。厚生労働省は、当初は二万一千円でしたが、二万五千円手元に残るようにしましょうとおっしゃっておるわけでありますけれども、私は、さらにさらにこういう事態が出てくるんだということをかんがみれば、あるいは自治体ごとでその利用減免を行っているというところをきちっと受け取ることができれば、国としてはさらなる利用料の減免措置というものも考えなければいけない事態になってくるのではないかというふうに私は思うわけでございます。
 このときも、このスペシャルオリンピックスの名誉会長の細川さんはこのようにおっしゃっております。長野以外も同様の理由で、すなわち参加費用が捻出できないという理由で出場を断念したケースがあると聞いている、私たちの活動目的は障害者の自立と社会参加の応援、したがって、そのチャンスを阻まれるのは残念であるというふうに、名誉会長の細川さんですらおっしゃっておるんですよ。これを、大臣、やはりきちっと受けとめていただきたいと思っております。
 そこで、ちょっと質問の順番を変えますけれども、定率負担の前提で、私どもは、この所得保障、これが確実に行われなければならない。所得の確保というふうに参議院の附帯決議では付されているわけでありますけれども、この所得保障がまず前提にあるべきだと思っているわけであります。それが、この障害者の皆さんが三年後の見直しまで待てないとおっしゃっておるのは、いわば、一方では就労支援というものを打ち出しておられるわけでありますけれども、就労支援であったとしても、その工賃、利用料も取られてしまうというところもあるんですね。働きに行ってお金を払わなければいけないという状況にも置かれているんだというような声が大きく上がってきている。恐らく大臣の耳にも入っているのではないかと思うわけであります。
 ここで、さらなる負担軽減、この負担軽減策として、もう一度、国の内容として、この所得段階の区分の見直し、あるいは細分化というものも私は図っていく必要があるのではないかというふうに考えているんですけれども、さらなる減免措置についてのお考えをお示しいただきたいと思います。
    〔委員長退席、伊藤(信)委員長代理着席〕
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
 所得保障の点でございますが、委員から御指摘ございましたように、三年後の見直し規定がございますけれども、私どもとしては、まず当面、差し当たっては就労支援が大事ではないかというふうに考えておりまして、八月二十四日に公表させていただきました新たな五つの改善策の中でも、今御指摘ございました、働きに行って、工賃が低いのに、例えば授産施設でのサービスについて利用者負担を取られるということは非常にせつないというお話もございましたので、工賃が手元に二十八万八千円残るようにするという工賃控除の拡充をまず図らせていただいたところでございます。
 これは、平均的な工賃の月額が現行一万五千円でございますので、平均的な工賃をお持ちの方については、工賃が手元に年間二十八万円残るというのは、そういった意味で平均的な工賃の方は大体工賃が手元に残るという工賃控除を図らせていただいたものでございます。
 そのほか、工賃倍増計画を実施し、モデル事業などでもやっておりますが、工賃が今の水準よりももう少し上がれば障害年金と合わせて地域で御生活いただける、こういうふうなモデル事業の結果も長野県などで出ておりますので、工賃倍増計画も進めるということで、来年度もそういった意味で事業所を支援する予算を要求し、工賃倍増計画を進めてまいりたいと考えております。
 御指摘にございました利用者負担の所得階層区分など、これは法案の御審議のときにも大変議論になりましたけれども、今の社会保障制度で所得をつかまえる場合に、医療保険制度や介護保険制度、そのほか私どもの制度もいろいろ工夫しておるわけですが、基本的には、今御提示申し上げております、一般、低所得層一、二また生活保護という四区分と、減免措置を講じさせていただいたその後に、その四区分の中でも、課税世帯でも課税額に応じて工夫はさせていただいておりますけれども、基本的な所得段階区分をさらに細分化というのは技術的になかなか難しい点もあり、我々も考えさせていただきますが、今のところ妙案がないという状況でございます。
○園田(康)委員 では、妙案があれば、この利用減免措置については行うというふうに受けとめてよろしいんでしょうね。
 といいますのは、各都道府県でも、時によっては所得割の部分で二万円を超えるか超えないかでまたさらに減免措置を行っているという部分もありますし、これは所得課税の部分とそれから非課税の部分というもので恐らく分かれてくるんだろうというふうに思います。金融担当をしておられた大臣も、この所得階層区分の細分化、ぜひ私はこれに取り組んでいただきたい。
 さらに、先ほど申し上げたように、根本からすれば、この応益負担そのものの概念、これを一から議論をしたい。一たんこの制度を凍結して私は議論をしたい。ゆっくりじっくり、そして慎重な議論の中で、中立公正なそういう制度というものをぜひ時間をかけてやりたいと思っておりますので、集中審議、ぜひとも引き続きお願いをさせていただきたいというふうに思います。
 それからもう一点、就労支援を行う、あるいは工賃倍増計画というものを行うと。確かにその予算措置がつけられているのは私も承知をいたしております。しかしながら、現実に対して、今の就労支援の現状を数値として御理解をいただきたいわけであります。法定雇用率で二・一%と決められているわけでありますけれども、しかしながら、これをクリアしているところが一体どれだけあるでしょうかということなんですね。実雇用率で一・八行っているか行っていないかというところもかなりあるわけですよ。この実態は、詳細は数値として出ておりますので、私、今ちょっと手元にありませんが、大臣、これは一回ちょっとごらんをいただきたいというふうに思うわけでございます。
 それだけ、就労支援就労支援といっても、私たちの社会の中でなかなかそれが現実味を帯びていないというのが実態であろうと思っておりますし、もう一つ、もっと身内のところを見てください。恐らく私も去年の審議のときに指摘をさせていただきましたけれども、厚生労働省と国土交通省ぐらいが法定雇用率を満たしているのであって、ほとんどのところは、法定雇用率が満たされていないというところもあったというふうに私は記憶をいたしております。
 したがって、他の省庁に対しても法定雇用率をきちっと守ってほしい、あるいは今の雇用率をもっともっと、障害者の方々に就労についていただくということは、私は探せば幾らでも出てくると思っておりますし、また、そういう能力を持った方々もたくさんいらっしゃるわけでございますので、ぜひその点は積極的に行っていただきたいというふうに思います。
 時間に限りがありますので、予定されている質問に戻して、次に行かせていただきます。
 支給決定についてもあわせてお尋ねをしたいと思います。
 障害程度区分、八月の二十四日だったでしょうか、課長会議で出た資料の中で、前回の一般質問の中でも御指摘がありましたけれども、二次判定での変更率が高い部分があるというふうに思っておりました。大臣、これはお聞きいただくだけで結構でございます。政府参考人の方から答弁をいただきますけれども、その中で、知的障害者の変更区分率は四三%になっていますし、精神障害の部分については、二次判定で五二・九%も変更を余儀なくされていると思っております。この制度のそもそもの内容をもう一度、判定ロジックというものを見詰め直したいなと私は思っておるんです。
 といいますのは、この判定区分、最終的に二次判定で区分が決まるわけでありますけれども、この区分が決まったことによって、大臣、利用する内容まで変わってくる部分があるんですよ。うなずいておられますので御承知だというふうに思っております。したがって、障害を持った方々からすれば、これは死活問題にもかかわってくるものでございます。したがって、この障害程度区分というものは、その状態像をしっかりと把握をして、そしてそれを正確に反映できるものでなければならないだろうと私はまず思うわけであります。
 その前提をまず置いた上で、この一次判定と二次判定の中で、プロセス1においてはコンピューターによる七十九項目、そしてプロセス2においては、それに足すことの二十七項目、IADL、そして行動障害等を足して、全部で百六項目がまず一次判定で出るわけであります。その一次判定で出たものを二次判定で、今度は審査会の中で、一次判定で出た障害程度区分が本当にそれでいいのかどうかというものをもう一度見詰め直すところになっているわけでありますけれども、ここで、二次判定で一次判定から上昇的に変わる、変更するのが、先ほど申し上げたように知的障害で四三%、それから精神障害で五二%という数字になっている。精神障害者に限っては五〇パー、半分以上が、これは試行事業の限られた調査によってもそういう実態が出てきているということでございます。
 したがって、この形を、私は、行動障害項目あるいはIADL、まず一次判定からしっかりと見詰め直す必要があるのではないかというふうに思うわけでございます。
 なぜかと申しますと、二次判定で審査会、それは各市町村に設置をされているものでありますけれども、各市町村ごとで、今、審査会の内容がいろいろと出てきているわけでありますが、この二次判定で障害程度区分、上昇変更をするかどうかで大変迷ったという意見がたくさん寄せられているというふうに私はお伺いをしておりますし、なおかつ、判定をする際に、やはり状態像が、本人を見てみないと、あるいは本人の意見を聞かないとよくわからないという部分もあって大変悩んでおられたという、審査会の中のそういう御議論があったと伺っておるわけでございます。
 したがって、私は、まず、この二次判定で各地域地域によってそのような形でばらつきが出てくるようでは、やはり、大変この制度そのもの、ロジックそのものも見詰め直す必要があるんじゃないだろうかというふうに思うわけでございます。
 したがって、質問二に入りますが、ここの前段部分は今私が何%というふうに申し上げたわけでありますけれども、一次判定におけるIADLそして行動障害、ここにおける項目の追加あるいは見直し、これについての現時点でのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
    〔伊藤(信)委員長代理退席、委員長着席〕
○中村政府参考人 仕組みにつきましては、委員から詳細に御指摘いただきましたので、私の方からはちょっと補足をさせていただきますと、今の御説明にありました障害程度区分でございますが、十七年の五月から七月のモデル事業をやらせていただきまして開発したものでございます。そのモデル事業の際の二次判定の変更率は、知的とか精神は六割程度、全体でも半分の変更率がございました。このときは、委員から御指摘ございましたように、介護保険で使っている七十九項目を一次判定で使い、残りを二次判定にしたということで変更率が多かったわけでございます。
 そのモデル事業の結果を使いまして、コンピューターに組み入れられる項目数を一次判定で直しまして八十六項目、今委員から御指摘がございました、心理状態あるいはIADL項目などを一次判定の方に既に組み込んだり、非該当の場合には、九十五項目、行動障害の項目なども組み込みました結果、試行事業の結果、委員から御指摘ありましたように、精神障害ではまだ五割の変更率でございますけれども、かなり知的では改善してきておりますし、成果が上がっているものというふうに考えます。
 ただ、なお障害程度区分につきましては研究の余地がありますことから、現在、障害程度区分につきまして研究事業もやっておりますし、また、市町村の方につきましては、障害程度区分状態像の例や二次判定の際の変更事例集を作成し、委員から御指摘ございました八月二十四日の主管課長会議で市町村の方に情報提供をしているということでございます。
 結果として、モデル事業のときの判定結果と、モデル事業と申しますのは十七年度に行った試行事業と今の認定状況の調査と比べますと、身体障害、知的障害者、精神障害者、いずれも試行事業よりは〇・三ポイントから〇・一ポイント高目の結果になっておりますが、ほぼ試行事業対象者の二次判定事業における平均障害程度区分と同じような状況になっているということで、かなり精度が高まっているのではないかと考えております。
○園田(康)委員 とはおっしゃいますけれども、まだまだこれが全体的なところで把握をされているということではないというふうに私も伺っております。ぜひ、今研究をさらに続けておられると伺わせていただいておりますので、この点は、やはり根幹、この程度区分が正確に把握をされて反映をしていかないと、受けるサービスそのものも怪しくなってくるわけですし、障害程度の四以上じゃないと受けられないサービスだってあるわけでございます。そうなってくると、二や三という形ではどうしても、その方々が生活をする、自立や社会参加といっても、それすらもできないという状況に追い込まれるわけでございますので、お願いを申し上げたいと思います。
 それからもう一点、これは簡潔にちょっとお願いをいたします。
 サービスの報酬単価がやはり削られたことによって、きのうもシンポジウムの中で話題になっておりましたけれども、サービス事業者が、報酬単価が下げられた、いわゆる月額払いから日額化になったことによって、事業者への報酬そのものが低くなり、運営そのものが成り立たなくなってしまったのではないかということも言われております。
 したがって、今度サービスを提供する側も大変苦しんでいるというのが現状であろうし、あるいは、あるところの調査によりますと、減収が一千万円にもなってしまったというところも聞こえてきているわけでありまして、一〇%から二〇%はさらに低くなってしまった。そうなってくると、人を減らすか、あるいはサービス内容を減らすか、あるいは無理無理障害者の皆さんに利用をさせるかというような、そういう声まで聞こえてきているというわけでございます。
 したがって、この報酬単価について、やはり加算額の上乗せというものを私は考えているわけでありますけれども、激変緩和策で加算措置が三年間とられるわけでございまして、八割保障というふうになっているわけでありますが、私は、この八割保障の部分を、もう少し加算をやっておかないと、いきなり八割保障だといっても、二割も減収になってしまったら、逆にそれで成り立たない、人をそれで削らざるを得ないというのが、大臣も一般的な感覚からいえばおわかりになるはずじゃないかなと思うわけであります。
 こういう声を受けて、今厚生労働省としてこの加算措置についてどのようにお考えか、簡潔にお願いします。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
 今の日払いの点につきましては、開所日数は二十二日を想定するとか、さらに利用率を加味するとか、先ほど委員からお話がありました八割最低保障を続けるとか、定員の一割増まで利用者を受け入れることを可能にするとか、さまざまな措置を講じてまいりました。
 また、さきに申し上げました八月二十四日の新たな改善策でも、日割りになると非常に施設の側で困るということがございましたので、入院・外泊時加算だとか入院時支援特別加算、夜間支援体制加算、視覚・聴覚言語障害者支援体制加算など、加算もかなりつけてやっているところでございますが、今委員からお話ございましたように、事業者の状況もよく見ながら、今後の報酬設定というようなことについては検討させていただきたいと考えております。
○園田(康)委員 見ながらとおっしゃいましたけれども、実態を把握されるというふうに私は受け取らせていただきました。それでよろしいですねと申し上げつつ、つまり、実態を調査しないと、それが本当にどれだけ減収になっているのかというのもわからないわけですからね。大臣、これはぜひよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
 それから、この障害者自立支援関係では最後の質問になりますけれども、障害児の施設利用についてお伺いをしたいというふうに思っております。
 児童福祉法の二十七条の第三号でございますけれども、都道府県のとるべき措置という形で、児童を知的障害児施設であるとかあるいは知的障害児通園施設であるとか、そういったところに措置入所をさせることという形がとられております。今回、この自立支援法において、これも前に指摘がされたと思っておりますけれども、原則として障害児施設の利用は契約によることとなるがというふうに、この自立支援法になってから措置から契約にしております。そして、原則そういう形になるわけでございますけれども、この児童福祉法の二十七条三号の規定からいきますと、児童相談所が三つの要件いずれかに該当すると判断した場合は措置入所という形がとれるというふうになっているわけであります。
 その三つの要件でありますけれども、一、「保護者が不在であることが認められ利用契約の締結が困難な場合」、これは当然のことだろうと思います。二点目、「保護者が精神疾患等の理由により制限行為能力者又はこれに準ずる状態にある場合」、これもそうであろうと思うわけであります。三番目でございますが、「保護者の虐待等により、入所が必要であるにもかかわらず利用契約の締結が困難と認められる場合」という形で、この三つの要件が課せられているわけで、この三つの要件に合致すると判断したときでないと措置入所ができないというふうに指導をしておられるようなんでありますけれども、これを厳密にやっていきますと、今まで児童福祉法のこの二十七条の項目によって措置で入所しておかなければならないというところが、どんどんどんどん一般の契約の中に組み込まれてしまうという現象が起きているのではないか。
 これも都道府県によってその差がある。すなわち、一〇〇%に近い児童が契約に切りかえられたというような報告もありますし、はたまた、いやいや、八割ぐらいにとどまって、二割ぐらいは措置入所という形ができているというところも聞いているわけであります。これも都道府県によってばらばらと出てきているわけでありますけれども、この措置の観点からすると、私は、これを厳密に解釈して契約の方に持っていくというのはいかがなものかなというふうに思うわけであります。
 まずこの考え方と、それから三つ目の要件に保護者の虐待等というふうに書いてありますけれども、この「等」は一体どこまで解釈をしたらよろしいのかということをお伺いしたいと思います。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
 基本的な考え方でございますが、児童の障害施設をいわゆる措置制度から契約方式にするということについては、利用がこれによって、利用に対して中立的であるというふうに考えておりまして、契約にしたからといって、本当にサービスの必要な人がサービスが受けられなくなるという状態を望むものではもちろんありません。
 それで、ここに書かれている例示というのは、普通であれば、お子さんのかわりに親御さんがお子さんのためを思ってサービス利用を円滑に実施する、必要な方についてするということが妨げられる場合、児童を保護するために行政の方がそのサービス利用を行政のいわば職権で行うということでありますので、必要な児童の方がこういう制度の切りかえによってサービスが受けられないことがあってはならないということであります。
 当然のことでありますが、そのために措置制度も残してあるわけでございまして、その措置制度が発動される要件として、いわば保護者が機能しない場合を例示しているものでございまして、例えば虐待ということについても、疑義がいろいろある場合があるかと思いますけれども、基本的には、児童のために行政がこの場合適切なサービス利用に結びつける努力をすべきだというふうに考えております。
○園田(康)委員 そうしますと、この三つの要件を満たすか満たさないか、これは当然のごとく、児童相談所所長の権限として最終的には判断されるものというふうに考えてよろしいわけですね。
○中村政府参考人 そのとおりでございます。
○園田(康)委員 わかりました。
 したがって、この三つの要件を厳密に解釈するしないということ、当然、法律事項でありますので、措置を行う場合、そしてそれによって、契約に切りかえられるとどういう現象が起きるかというと、当然これは一割負担がここにもかかってくるわけなんですね、契約という形でございますから。そうなってくると、今まで措置によって入所する、通園することができていたというところから、いきなりまた一割負担という大きな負担がかかってしまって、経済的な分野においても、その児童を家庭に置いておくことができなくなってきてしまうというところまでつながってしまえば、そこからまた虐待、ネグレクトというようなところに陥ってしまうんじゃないかという心配があるわけでございます。
 したがって、各地域での児童相談所、児相の所長がしっかりとその状態を判断していただいて、私は、必要なときには相談所の、ここを幅広く、その家庭環境も含めて判断した上で、この児童福祉法の二十七条の適用をしておくべきだというふうに考えます。
 ちょっとこれで大分時間が出てしまったので、今後、この障害者自立支援法については、まだまだ問題が多く残されております。ぜひ、きょうに限らず、私はさらなる集中審議をお願いしたいというふうに思うわけでございます。
 それでは、ほぼ一時間これに要してしまっていますけれども、きょうの本題であります大切な感染症予防法の内容に移りたいというふうに思っております。
 今回、テロの未然防止に関する行動計画、先ほど来御指摘がありますけれども、十六年の十二月十日において出された。病原体等の管理体制を確立するようここで指摘をされて、今般のこの改正案につながったものであるというふうに私も理解をいたしております。
 ところが、これはいわば、皆さんも御承知のとおり、テロの発生を未然に防ぐというのは当然の準備でありますけれども、発生したときのその後の行動様式といいますか、行動計画というものも一方できちっととっておかなければいけないものであろうというふうに私は思うわけでございます。
 したがって、未然防止、未然防止でできれば、それはこんなこしたことはないわけでありますけれども、持ち込むなよと言って持ち込まない、言うことを聞いてくれるテロリストはいないわけでありますので。恐らく、何らかの突発性なところがあってこういうテロ発生となったときのやはり危機管理をしっかりと、厚生労働省としてもあるいは内閣としても持っておかなければならないものであろうというふうに私は思っておるわけであります。
 きょうは内閣官房からも来ていただいているわけでありますけれども、大臣、最初の質問になるわけでありますが、まず、生物テロに対する、発生時も含めた厚生労働省としてのお考えをお示しいただきたいというふうに思います。
○柳澤国務大臣 生物テロにつきましては、まず未然防止という観点から、テロに使用される可能性の高い病原体等につきまして今回管理体制を確立する、そういう意味合いでこの感染症法改正案を提出させていただいたということでございます。
 次に、万一、生物テロが発生した場合はどうか、こういう御質問なんですけれども、まず事態を迅速に把握するということが大切だと我々は考えております。その観点で、感染症発生動向調査という調査を通じまして、異常事態の早期把握と原因の究明、この問題に関する都道府県等への要請を行うという体制をとっているわけです。それから第二番目に、生物テロ等に使用される病原体について、感染症の診断、治療方法等について情報提供を行う、こういう体制をとっているわけでございます。
 また、テロの被害者等が発生した場合には、その治療を行うため、先ほど来いろいろ御議論をいただいております感染症指定医療機関の整備や医薬品等の確保、備蓄を推進しなければならないわけでございまして、その体制の整備を早急に図っていく、このために取り組みを進めていきたい、このように考えております。
○園田(康)委員 ありがとうございます。
 このテロ発生、何が起きるかわからない、今のように突然来る場合もあるわけでありますので、私自身も、危機管理というのはしっかりと行っていかなければいけない。
 そこで、これは例えば細菌テロ、バイオテロですけれども、生物テロであるとか化学テロというものも、いろいろなテロの形式、様式が行われているわけでありまして、ぜひ、どういう形にしろ、厚生労働省が迅速な体制、都道府県あるいは他省庁との連絡関係、これはきっちりととっておく必要があるのではないかというふうに思うわけであります。
 そこで、きょうは内閣官房、恐縮でございます、内閣府からお越しをいただいているわけでありますが、テロ発生時において内閣の取り組みとしてどういうものがあるのかと私も調べさせていただきました。そうしましたら、以前は内閣危機管理監室というのがあったわけでありますけれども、今もあるんでしょうか。そこにおいて、いわば内閣官房副長官補(安全保障、危機管理)という形が今部署として設けられている。その中に、出身庁として、全部で現職員は在員は百十名いらっしゃるわけでありまして、その内訳は、内閣官房副長官補が一名、これは防衛庁から出向ですね。それから、内閣審議官四名が警察庁、外務省、総務省、そして内閣参事官十五名が防衛庁、警察庁、総務省、外務省、経済産業省、国土交通省。ここまで厚生労働省は一人も見当たらないんですよ。
 そこで、ちょっと内閣官房危機管理審議官にお伺いをしたいわけなんですけれども、生物テロに対する政府としての対策といいますか考えといいますか、どのように今考えていらっしゃるんでしょうか。すなわち、厚生労働省も、生物テロという観点では、起こったときの対処というものは、ほかの救急医療も含めてこれは対処をしておかなければならないのであろうというふうに思っておるわけでありますけれども、できればその辺も含めて、内閣としての考え方をお示しいただきたいと思います。
○山浦政府参考人 生物剤を利用したテロについては、核物質や化学剤を利用したテロと同様、いわゆる大量殺傷型テロの一つであり、政府として平素から対策を講じておくべき重要な課題の一つと認識をしております。
 平成十三年十月に、米国において、炭疽菌を広範囲に郵送する事案がありまして、十八人の方が発病し、うち五人の方が亡くなっております。この事案については、容疑者はいまだに未検挙であります。
 こうした事案もありまして、我が国でも、平成十三年十一月に生物化学テロ対処政府基本方針を決定し、関係省庁が緊密に連携し、一体となって対策を講じることとしております。
 具体的な内容でありますけれども、平素においては、感染症対策、ワクチン準備等の保健医療体制の強化や、関係機関の対処能力の強化を図ること、また生物剤の管理強化等を図ること、さらに、万が一生物テロが発生した場合には、警察、消防、自衛隊、厚生労働省等の関係機関が連携を密にして、被害者の救助、被害の拡大防止を図るとともに犯人の検挙等に全力を挙げること、また、国民に対して正確で時宜を得た情報を提供することなどを骨子として対策をまとめております。
 いずれにしましても、今後とも、その時々の状況の変化等も勘案しながら、対策の不断の見直しを行い、生物テロ対策に万全を期してまいりたいと考えております。
○園田(康)委員 ありがとうございます。
 ただ、今厚生労働省とも連携をとる、あるいは他省庁ともというふうにおっしゃっていただいたわけでありますけれども、この内閣官房副長官補の安全保障、危機管理の中に、事務官等の中に厚生労働省の職員が出向して入ってきているという、今現在お二人ですかとお伺いをしているわけでありますが、それだけ生物テロの危険性というものが、アメリカで炭疽菌が実際に使われた事例があったというふうに今おっしゃっていただいたわけでありますけれども、それがいつ何どきどういう形で起きるかわからないという危機管理のもと、私は、この中に参事官も含めて迅速な対応ができるように、厚生労働省からもぜひ入るべきではないのかな、これは提言だけさせていただきたいと思います。
 といいますのは、この内閣官房内閣情報集約センター、これは二十四時間体制で行われていますね。ところが、厚生労働省の二十四時間体制がしっかりととれているのかということの連携が私は必要ではないかなというふうに思っておりますし、炭疽菌テロの発生のときを想定した場合の厚生労働省の考え方としても、この緊急異常事態を探知するというのが、一体どういうところで行われて、そしてそこからどういう体制で調査、検査を、各都道府県あるいは関係部署に対して指示命令系統が出されるのかということが、いまいちまだ私には不明確な部分があり、万全な体制になっているのかなという不安を少し抱かされるわけでありますけれども、この点については厚生労働省はどのように考えていらっしゃるでしょうか。
 これは最後の質問になります。
○西山政府参考人 お答え申し上げます。
 バイオテロの発生でございますから、まず、感染症を発症するというようなことで、地域におきまして、医療機関あるいは保健所等でその発生動向の把握をするというようなことがまず基本にございまして、その情報を国立感染症研究所感染症情報センターに集約いたしまして、専門家によって情報の分析、評価を行う。
 また、私どもとしては、中央レベルでございますので、関係部局を集めました健康危機管理調整会議、あるいは審議会の危機管理部会等の意見を踏まえまして、まず疫学調査チームを派遣するというようなことで、どういう菌が原因なんだろうかというようなことを把握してまいります。また、地域におきます医療体制の確認、あるいは、今先生お話がありました関係省庁との連携というようなことで、初動体制の確保を図るというような体制で臨んでおります。
 以上でございます。
○園田(康)委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○櫻田委員長 次に、高橋千鶴子君。
○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 質問に先立ちまして、先ほど来、障害者自立支援法の問題で、特に集中審議をやるべきだという意見が出されており、私も、ぜひそのことを一言だけ要望したいと思っております。
 一万五千人を集めた集会が行われたということ、この意味だと思うんですね。通常国会で一度は廃案になった、それが特別国会でよみがえり、喜んだり、がっかりしたり、その間も、一万人集会などという大規模な集会やデモ行進を繰り返し障害者団体の皆さんは行ってきました。そういう中で、自立支援法が通ってしまった。しかし、それでも今一万五千人を集めたということは、通ったからといってあきらめることができない、あきらめるわけにはいかないんだ、そういう声をみんなが携えてきているんですね。そのことにしっかりとこたえるべきではないか、そして、それが私たち院の責任ではないかと思うんです。
 国会で法律をつくって、私たちはもちろん反対しましたけれども、しかし、つくった法律がどうなっているのか、それを検証しなければならない、そういうことがやはり問われていると思うんですね。現実にはもう自立支援ではないのだ、もう生きていけないのだという声が出ている以上、それがどうなっているのかということを検証するべきだ、そういうことを強く委員長に求めて、皆さんに賛同をお願いしたいということを最初に述べておきたいと思っております。
 それでは、感染症予防法の質問に入りたいと思うんですが、昨年八月二十四日の厚生科学審議会感染症分科会に、突如、生物テロ未然防止対策確立のために、結核予防法を廃止して感染症法に統合することが打ち出されました。関係者からは、同年の四月に結核予防法を、しかも五十年ぶりに改正したばかりである、余りに唐突である、そして拙速であるという声が起こったのは当然だと思います。
 結核予防法を感染症法へ統合することについては、平成十四年七月の「結核対策の包括的見直しについて」においても、結核は依然として国内最大の感染症であり、独自の法体系で重点的に行う必要があるとされ、統合については将来的な課題、現時点では時期尚早であるというまとめがされております。
 そこで、まず大臣に伺います。
 この性急な態度変更で懸念されるのが、結核予防法をなくすことによって国内最大の感染症である結核対策が後退することにならないのかということであります。そういう懸念はないのか、まず確認をさせてください。
○柳澤国務大臣 現行の結核予防法ですけれども、これについては、患者の人権上、手続が十分ではないのではないか、あるいは、特定の感染症の病名を冠した法律はとかく差別、偏見の温床になるのではないか、こういうような問題点の指摘があったところでございます。
 そこで、こうした指摘を踏まえまして、今回、改正感染症法におきまして、入院勧告の規定など、結核についても、感染症対策全般に共通する規定を一般法という形で整備しまして、そして、さらにまた、人権を尊重した適正手続を拡充するなど、これまでになかった規定も加えまして、より実効のある対策を講ずることとしたものでありまして、決して、この新しい体制での感染症法のもとにおける結核予防につきまして、後退があるなどということは全くあり得ないことだ、このように考えております。
○高橋委員 後退はあり得ないということを大臣の言葉で言明されましたので、そのことをまず確認させていただきたいと思います。
 ただ、昨年の分科会の審議の中では、出された時点では、やはり後退するのではないかという懸念が、結核学会を初め関係団体からさまざま出されたことは事実であります。そして、非常に、やはり反対というか、今のままではだめだという意見が出たのも事実であります。急性感染症を対象とした感染症法と慢性感染症を一緒にするのは無理があるのではないか、そもそも、不備があれば結核予防法そのものを見直しするべきである、そうしたことがるる出されたわけですね。
 経過としては、そういう要望を踏まえて今回感染症法の中に、結核のこれまでの予防法の中身と、そして大臣が今紹介された拡充の部分が入った、そういう経過があったということはやはり確認をしておく必要があるのではないか。それが懸念が当たらなかったよ、十分それを踏まえてうまくいったよというふうになるように、ここはしっかり監視をしていきたいと思うのですけれども。
 ただ、やはり結核を冠した法律がなくなったということで、それは確かに、偏見があるのではないかという、ハンセンの問題などを踏まえた教訓があることはよく承知をしています。しかし、それを踏まえても、なおかつ、結核予防法というその名前を冠する法律がこれまであり続けたその意味は、やはり、感染症であれば患者さんが三千人に対して、結核であると三万人という、それだけの国内規模の大きな特別な対策が必要なものだったということを忘れてはならないわけですね。
 そこで、結核を冠した法律ではなくなったことで、予防という点ではどうだろうかという懸念がまた残ります。毎年九月には結核予防週間が行われておりますけれども、こうした取り組みなどが対応しにくくなっては困るのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○外口政府参考人 今回の感染症法の改正で結核予防法を取り込むことに関しましては、議員御指摘のように、日ごろ結核対策を熱心にやっておられる方からも多数の御意見をいただきました。
 それは、やはり結核という名前のついた法律がなくなることによって、結核に対しての認識が薄くなってしまうのではないかというようなことでございましたし、それから、例えばこういった意見もございました。結核の法律と感染症の法律が統合されると、例えば地域で、保健所とかで結核の係と感染症の係が別にあったときに統合されてしまうのじゃないかとか、そういった意見もございました。
 だけれども、それは今回の法律の統合の意味と全く違う考えでございまして、あくまでも今回の統合は、先ほど大臣から申し上げましたように、人権の問題ですとか、それから法律上の不備なところを修正するとか、そういったことが目的でございますし、差別、偏見をむしろなくすという方向も入っているわけでございます。
 そういった観点から、できるだけ過去やってきたことで必要なことはそのまま取り組むということで、だから、その意味でも、今啓発活動について大丈夫かという御意見がございましたけれども、今までやってきたことで効果のあることについては、これは引き続き続けるという方針で進めてまいりたいと考えております。
○高橋委員 今の局長の、必要なことは取り組むということはまず確認をさせていただきたいと思います。
 その上で、続けますが、日本で結核が減少したのは一九八〇年ごろまでで、それ以降、改善は減速をし、九〇年代後半には逆転上昇が三年も続きました。九九年に結核緊急事態宣言が出されたのも、そのためだったかと思います。その後、もちろん減少に転じておりますが、まだ横ばいという状況であります。〇五年の新登録患者は二万八千三百十九人、そのうち、感染源として重視すべき塗抹陽性肺結核一万千三百十八人、結核による死者が二千二百九十五人、感染率は人口十万人当たり二十二・二人であり、スウェーデンの四・八倍、米国の四・五倍で、先進国の中ではやはり最も高い。WHOでは、中蔓延国とみなされているところであります。
 そこで、諸外国と比べてなぜ日本は改善がされないのだろうか、まだ依然としてこれだけ新規があるというのはなぜなんだろうか、その原因をどこにあると思うのか、考えを伺いたいと思います。
○外口政府参考人 欧米の結核対策の先進国と比べて、なぜ日本がまだ中程度のレベルにとどまっているかという原因について、これは専門家の間でもいろいろ分析をされております。
 幾つか考え方がございまして、一つの考え方としては、欧米で産業化、都市化が起きた時期と、それから日本で産業化、都市化が起きた時期の間のタイムラグがそのまま影響して少しずれているという影響があること、これが一つ。
 それからもう一つ、これは我が国の結核の罹患率が高い理由として、最近の急速な高齢化の影響を受けて、今高齢化で七十代、八十代になっておられるお年寄りが、ちょうど結核の蔓延が著しかった時期に一度感染をして、それがまた再燃をしてきている、そういった年齢の影響というものも専門家の分析としてあるわけでございます。
 加えまして、最近の都市化、それから、先ほども御質問いただきました外国人の問題ですとか、それから独居のお年寄りとかホームレスの問題とか、そういった地域、地域の問題、そういったものがいろいろ組み合わさって、まだぐっと減っていくというところまでは行っていない、そのように考えております。
○高橋委員 欧米と比べて産業化の時期にタイムラグがあるという指摘と、それから現在の状況、外国人だとか独居が多いという問題をお話しされたと思うのですが、この点については、研究をしっかりと続けていただくということは、まず一つ要望しておきたいと思うのです。
 それと、よく、戦後の経済成長の中で、欧米よりはちょっとおくれて日本が成長してきた、その時期に保菌をした方が高齢者になってから出てきたということが一般的に言われるわけですよね。ただ、もしそれが原因であれば、一定期間がたつと終息に向かうだろう、だけれども、そうではない、まだまだ可能性があるということを、まずちょっと確認させてください。
○外口政府参考人 ある程度まではそういったトレンドの中で減っていくと思いますけれども、それから先については、やはりきめ細かい対策をしなければ減っていかないと思っていますので、それは御指摘のとおりだと思います。
○高橋委員 そうすると、先ほどの質問に戻るので、ここは要望にとどめますけれども、やはり結核という名前がとれたことによって予防がおろそかにならないようにということを、これは重ねて要望しておきたいと思っております。
 そこで、結核予防法を感染症法に統合することによって、入院期間延長は三十日まで特例で限定をするわけですが、一、二類感染症の応急入院は七十二時間、協議会の議を経て十日以内の延長、結核については慢性感染症であるので三十日ということになっているんですが、これが妥当かどうかということがございます。
 例えば、結核の平均在院日数は今は八十二日くらい。人権上、もちろん強制入院期間が長いことは好ましくありません。ただ、実際、三年以上登録されている患者が八千九百七十六人いて、また、かつ二年以上入院をしている方が三百九人ということで、長期の入院というのはやはりまだ現実としてあるわけですね。これが追い出しに結果としてならないのかという不安がございます。あるいは、低所得者が利用を中断して逆に重症化になって悪循環になるのじゃないか、そういうこともあるわけですよね。この点についてはいかがでしょうか。
○外口政府参考人 入院の必要性につきましては、これは医療上、例えば排菌が続いているかどうかとか、それから薬剤耐性があるかどうかとか、そういった医療上の必要によって入院が続くわけでございますので、これは制度は制度として、できるだけ人権上不要な入院を無理に患者さんにさせないように、そういった制度があって日数とかいろいろな仕組みがあるわけでございますけれども、そういったことがうまく両立するように、これはよく運用していきたいと思っています。
○高橋委員 かといって、機械的にはできませんよね。リハビリじゃありませんけれども、三十日でかちっとというわけにはいかない。そこら辺はうまく対応していただけるのでしょうか。
○外口政府参考人 法律の運用と、それからあくまでも医学的な必要性、そういったことをよく踏まえて対応していきたいと思っています。
○高橋委員 そこで、資料の一枚目を見ていただきたいと思うんですが、結核病床がこの間どのくらい減らされてきたかということで、表に上げておきました。二〇〇二年度が一万七千五百五十八に対して、二〇〇四年度が一万三千二百九十三、これは地域によってかなりばらつきがございます。二〇〇四年度までしか数字がわからないんですが、例えば私の青森県でいいますと、二〇〇二年度は三百七十七床ですけれども、今現在は百九十八床になっております。
 それで、民間の病院はもう撤退しておりまして、県立、国立、市立というところで、地域も本当に限定をされてしまった、本当に中心のところに限定をされた。まあ、これはいずれ一県一病院になっていくのかなと思うんですけれども、そうすると、入院患者、今入院している方は移送という制度がございますけれども、家族の負担というものが非常に大きい。その後の、退院してからの通院治療ですとか、そういうアフターケアも含めて、やはり一律に削減、あるいは病院の統合ということはやるべきではないと思うんですが、その点についていかがでしょうか。
○外口政府参考人 まず、結核病床数でございますけれども、平成十六年は一万三千二百九十三床でございます。結核患者数の総数自体が減少しております。それから、郊外から都市型へと患者さんの分布も変化してきておりますので、結核病床自体は御指摘のように減少傾向にあります。
 利用状況につきましては、平成十六年の全国平均が四八・六%、都道府県別に見ても奈良県の七四・五%が最高でありまして、現在のところ病床不足が問題とはなっておりません。
 これは引き続き、各県で病床をどうするかということについては、その地域、地域で、現場の状況に合わせて十分配慮していただきたいと考えております。
○高橋委員 お答えはわかっていて、今は聞きました。
 というのは、利用率がその程度だというのは十分承知しています。ただ、やはり現場でお話を聞きますと、ベッドそのものは少なくていいんだけれども、実際患者さんはそれだけだ、だけれども、患者さんはやはり高齢が圧倒的に多い、合併症を起こしている、そして、三十五条の患者さんもいるし、そうじゃない患者さんもいる。そうすると、全部部屋を分けなくちゃいけない、それぞれに対応が求められるという点での余裕が一定必要だということは認めていただけるかということ。
 同時に、やはり一極集中で、確かに郊外から都市型だとおっしゃいました。都会の方が多いということはあるけれども、しかし、全部が全部そうではないということもあって、やはり地域に少しでも受け入れるところがあった方がいいのではないか。あるいは、結核病棟を持っている病院、専門病院とは言えなくても、初期の診断をするところに例えば一つでも陰圧室を備えるとか、そういう地域の体制があったらいいなという要望もあるんです。そういうことについて、いかがお考えでしょうか。
○外口政府参考人 今の結核病棟が、将来、結核対策にとって不便にならないようにすべきではないかという御指摘だと思います。
 これにつきましては、それぞれ地域、地域ごとに状況があると思いますので、実際、都道府県でも結核対策については今までの蓄積があります。そういった中で、それから、結核病床を運営してきた病院というのはそれぞれやはり歴史と伝統がありますので、そういった関係者の意見もお聞きしながら、その地域、地域の結核対策がうまく運営できるようにということで意を用いてまいりたいと思っています。
○高橋委員 そこで、国民の保健衛生を守る地域の第一線の機関である保健所の役割が非常に大きいと思うんですけれども、今回の改定に伴って保健所の仕事がどのように変わるのか。任務といいましょうか業務量がふえるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○外口政府参考人 今回の感染症法の改正で、結核対策につきましては、これまでと同様の国、地方自治体の役割分担に基づいて総合的に行うこととなっておりますので、基本的には、結核対策については保健所の方の仕事が大幅に増加するというようなことはないのではないかと思っております。
○高橋委員 大幅に増加することはないというお話ですね。
 そうすると、次の質問の前にお答えをいただきたいと思うんですけれども、〇四年の結核予防の総合的な推進を図るための基本指針にも、DOTS、先ほど来出ています直接服薬確認療法の促進が盛り込まれているわけで、やはり、リスク集団への対応として非常に重要なこと、これからの感染症予防法の中でますます役割が期待されるということには、いかがかとまず確認をしたい。
 その上で、資料の五を見ていただきたいと思うんですが、平成九年の地域保健法の施行後、統廃合が急速に進み、保健所の数は、九七年度当初の七百一カ所から〇六年度当初では五百三十五カ所まで減少しております。政令市などではその間、三分の一が減っています。複数あった保健所を一カ所に集約する自治体も多くなりました。
 市町村と任務分担をする、要するに、市町村に移行したという話もあると思うんですけれども、その市町村の保健師さんの役割というのは非常に大きいというので、図で示したのは、これは医療法の審議のときに出てきた資料ですけれども、介護ですとか生活習慣病対策ですとか母子保健ですとか、さまざまな課題に対応しなくちゃいけない、そういうことが実際あるわけですね。
 そういう中で、都道府県の保健所はどんどん統合がされてきた。この中で、例えば統合後も保健師の数がふえない、胸部レントゲンなどの検査部門が廃止された保健所もあると聞いています。そこでは、定期外健康診断も全面的に外部委託とか、結核対策の基本的な機能も維持できない、そういう状況も生まれていると聞いております。
 そこで、やはり保健所の維持拡充、あるいは服薬支援看護師などの確保、増員は必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○外口政府参考人 保健所の統合についてでございますけれども、これは必要な業務を行うということの中で統合されているものだと思っておりますので、結核対策についても、必要な業務については統合後でもレベルを下げないようにというように我々は引き続き指導していきたいと思っております。
 それから、服薬確認の業務でございますけれども、これは保健所の保健師さんが中心になるわけでございますけれども、このほか、例えば薬剤師さんとか、それから地域の医療機関とか薬局等との連携も、これも可能であると考えておりますので、またいろいろな工夫をしながら、このDOTSについては広めていきたいと考えております。
○高橋委員 いろいろ工夫をしながらということは、人はふえないけれども何とかするよという意味なのか、やはり拡充、DOTSは重要だけれども、なかなか足りないよという意味なのか、ちょっと、どういうふうに受け取ったらよろしいでしょうか。
○外口政府参考人 DOTSについては、これはこれから大変重要な施策になっていくと思います。それについて、それぞれの地域によって恐らくその対象となる方々が異なると思いますし、それから、場所によってはさらに、その対象となる方々も単一のグループではなくて、幾つかのグループが混在しているというようなものに対しては、かなりきめ細かい対応をしていかなければいけない場合もあると思います。
 そういったことに対しまして、それぞれの地域で保健所を中心にして、そこで工夫をしながら、ある程度リソースは限られているということはあるかもしれませんけれども、できる限り結核対策を推進するという立場で頑張っていただきたいと思いますし、私どもとしても、そういったことについて、いろいろな先進例とかをこちらの方で集めて紹介したりとか、そういった工夫もしながら進めていきたいと思っています。
○高橋委員 まず、限られているというお話がちょっとあったと思うんですね。人、保健所、そして予算という問題がやはりあるのかなと指摘をさせていただきたいと思います。
 二月に結核予防全国大会が開かれました。結核予防会のこのパンフに詳しく様子が載っておりまして、非常に私も興味深く読ませていただきました。厚労省の担当課長も出席をしております。例えば、山形の村山保健所長の報告などを見ますと、山形県では八十歳以上の新登録者数が三割を超えている、結核と診断されてから一月で、死亡率は一五%にもなる。本来、もう治せる病気になった結核でありますけれども、やはりそれが手おくれになっている。治せる段階での早期発見、早期治療が重要だという指摘がされておりますが、非常に大事ではないかと思うんです。
 また一方、昼間の人口が総人口の二・六倍であり、外国人の登録数が都内最大、ホームレスが非常に多い新宿でのホームレスの結核患者に焦点を絞った対策も報告をされて、これも興味深く読みました。特に、さっき私が質問をした看護師の増員をしている、そしてネットワークをつくっているという点で、やはり現場は、外口局長おっしゃるように、工夫もし、いろいろな取り組みをしているということはうかがえるのかなと思うんです。
 ただ、その割に、では予算はどうでしょうか。資料の三を見てください。結核対策特別促進事業内示額一覧ということで、これはDOTSだけではなくて、さっき言った予防なども入っているんですけれども、その七割がDOTSの対策になっているということを伺っています。そうすると、国庫補助要求額が二億四千三百五十九万、全国のトータルで。それに対して、一億二千九百八十一万、半分しか採択をされていないんですよ。さっき、手挙げという話もあったんですが、手挙げしても半分しかくれないわけですよ。それだったら、自治体がもう詰まっちゃうのは当たり前なんです。
 その後めくっていただくと、さっき紹介した頑張っている新宿が要求額の三分の一しか、頑張ったってどうするのというところが出てくるわけです。大田区では五分の一とか、そういう大変な配分になっている。これではやはり必要な対策はとれないのではないかということで、少なくとも自治体がこれだけはやるよと計画を組んで求めたものに対して、確保するというのが必要かと思いますけれども、いかがですか。
○外口政府参考人 それぞれの自治体では、国庫補助あるいは国庫補助以外の自治体の単独の予算を組み合わせて必要な対応を行っていると思います。予算につきましては、これは結核対策だけではないんですけれども、いろいろ制限はありますけれども、必要な予算は確保していきたい、努力していきたいと思っております。
○櫻田委員長 申し合わせの時間が過ぎておりますので、御協力をお願いします。
○高橋委員 これで終わります。よろしくお願いします。
○櫻田委員長 次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 私も冒頭は、昨日日比谷で行われました、障害のおありの皆さん、あるいはその方々を支えるさまざまな場所でお働きの皆さんの集会を受けて、幾つか御質問をさせていただきたいと思います。
 この間、厚生労働省御自身も百四自治体の調査、あるいは小規模の共同作業所、きょうされんとおっしゃいます団体もみずから調査をなさる、あるいは障害の当事者団体の日本DPIと呼ばれる皆さんも調査をなさる。いろいろ調査がなされましたけれども、実は、物は見方によって大きく結果が違ってきているということが、この間明らかになっていると思います。
 先ほど園田さんが、では見方を統一して、例えばアンケートのとり方を統一して、もっと実態を把握していってはどうかという御提言がありましたが、私もそのような考えに立つものですが、そうした場合に、ぜひ、どのような切り口で見ていくかということで、大臣に冒頭御質疑をしたいと思います。
 大臣も、これまで何人かの委員との質疑の中で、現状それだけの方がお集まりであるということは深く受けとめておるし、よりよい制度にしていきたいとおっしゃっておられました。政府が自治体に依頼してなさった当初の、この前発表のによりますと、サービス利用は前年の同月比でふえておると。
 しかし、私は、前年の同月比と比べるということ、そもそもそれが、支援費は伸び続けておりましたから、伸び続けているラインのこの途中と一年後の今とを比べたって、これは、このカーブが下がったかどうかが問題なのであります。前年の同月比と比べるその発想自身が、本来、もっともっと苦しい方に利用をしていただきたいという法律の本旨と私は違っていると思うのです。この点、大臣、いかがでしょうか。
 ほかの団体の調査は、例えば前月まで使っていらした方が今月どのくらいおやめになったか、これは利用抑制です、こういう見方です。この最初の視点が、前年同月比というのが何回も出てくるんですよ、それは確かに比較しやすい。でも、本当にもっともっと、まだまだ障害のある方に、バリアフリーに就労も外出もやってもらわなきゃいけない、逆に言うと、もっと利用しやすい制度にしなきゃいけないという視点からは、私は、まず前年同月比という考え方を上回る考え方をとるべきではないかと思いますが、大臣、いかがでしょう。
○柳澤国務大臣 これは非常に皆さんから御批判をいただきまして、事業量が減っているんじゃないか、つまり、皆さんもう利用を中止されて、それからまた、事業所も非常に苦しい、厳しい状況に立たされて、そもそもサービスの提供量を少なくしているんじゃないか、こういう御意見がたくさん聞かれたわけです。そこで、いろいろ対前年で比較をして二・五%の増加となっている、こういうふうに計数的には出ました。
 これについて、だから全体のサービス量が伸びているといって胸を張るという、張りたいというのが事務当局の書いているものなんですが、私は、ただの一度もこの事務当局の書いたものを読んでいることはないんですね。つまり、これはそんなに胸を張るべきことではなくて、減ってはいません、せいぜい、激変するとかそういうことを御指摘になられることの、いわば、かろうじて持ちこたえている反証程度にこれはとらえるべきことではないか、こういうことを私は考えております。
 したがって、今阿部委員から、そもそも前年同月比で比較すること自体も、もし二・五%増加というのがどうもお気に召さないという意味で前年同月比で比較しちゃけしからぬということであれば、私は、二・五%というのをそういう意味でとらえていないんです、そもそも予算額は一一%増なんですということをにらんでこれからの推移を見たい、こういうように考えているということを申し上げたいと思います。
○阿部(知)委員 御指摘のとおりで、やはり障害者施策をどうやっていくか。私は、状況の厳しい障害のおありの方ほど国は支援していく、この理念を原則に据え、そして、日本の障害者施策の現状はおくれておる、まだまだこれからであるという認識に立たないと、何だか前年同月比二・五%という数値がひとり歩きいたしますので、大臣の見識はしかとお伺いいたしました。
 あわせてです。私が二点目に明らかにしたいのは、実は、どんな人が利用を抑制されているかという中身です。
 大臣はよく、税制はマクロ、この厚生労働はミクロだとおっしゃいました。まさにミクロです。大変に障害が重い方がもしサービスを手控える、収入の少ない方がサービスを手控えるであっては自立支援にはならないのです、もっともっと自立していただけるようにやっている施策ですから。
 そこで、私は前年の質疑の中でも、まずこうした障害のおありの方の所得をきっちりと把握してくれ、大臣なら、これは税制だからおわかりだと思います。所得把握、応能負担、これは私どもの社会の原則です。ない者には出せと言えない、当たり前ですよね。そして、では所得把握を示してよと前の国会でもさんざんやりましたが、最後まで示されません。そこで出てくるのはプライバシー云々のお言葉です。
 であるならば、そこにガードを持っていたいのであれば、せめてサービスを利用抑制された方の所得の把握を、これはできることだと思うのです。やめられるときの理由、これは患者さん団体がお調べですが、皆さん生活が苦しい、今利用料の方が高くて、もらう給料が少ない、これではどんどんどんどんタコが足を食っていくように減っちゃう、耐えられないということでした。
 ここで石田副大臣にお伺いいたします。
 少なくとも、今後の厚生労働省の調査において、サービスを手控える方について、その原因を、経済的な要因、すなわち所得にどれくらいこの負担が占めているか、あるいは障害別の、重い方が抑制されていないか。患者さん団体がお調べになったのでは、重い方ほど抑制が強い、重い方ほど収入に比して負担額が占める割合が高いということでした。これでは本末転倒になります。もちろんみんな自立、自分で立っていこうと努力します。でも、できない部分を助けていく、この理念に基づいて、調査の方法を、サービス利用を手控えた方の障害の重さと所得状況把握に向けていただけませんか、いかがでしょう。
○石田副大臣 まず、お答えさせていただきたいのは、実態調査については、できる限り今やらせていただいている、こういうところでございまして、現に、十四府県の調査結果の単純平均で、負担が重い、こういうことで退所された方は〇・三九%、単純平均でありますけれども、こういう数字であることはまず御紹介をさせていただきたいと思います。
 それで、先ほど先生がおっしゃった所得と利用中止の関係についてですけれども、これについて、今までのわかる限りの範囲の証左で、例えば茨城県と沖縄県の調査でいきますと、利用者負担を理由にサービスを中止した者の所得別の内訳を見ますと、一番中止をされている割合が高い方は一般の方である、こういうふうなデータも出ているわけなんですね。
 ですから、一概に、一義的には、そういう低所得の方に限って極端に利用を手控えている、こういうデータは出ていない、こういうことであります。
○阿部(知)委員 今の沖縄県の例は、実は、普通、一般所得と言われる方が一番負担分が額として大きいんですね。それをしっかりと、これは障害者団体の調査でもう報告されていますから、それを見られた上で、私が今伺ったのは、所得に占める負担の割合をちゃんと計数化すべきだということと、もう一つの軸は、障害の重さと退所をきちんと見るべきだということです。そのことによって、手当てすべき相手が見えてきます。
 そして、今、副大臣はとても正直でいらっしゃいますから沖縄のを出されましたが、全体を見ていただきたい。全体をそのような目で、障害の重さ別、所得に占める支出の割合別、そして、サービス量を減らしていかれている方は、その所得の中で何%くらいなら出せるかというところが、おのおのもう頭打ちなところがあります。
 これは本当に綿密な目で実態を見ないと施策を誤る。障害のある人に、ニューヨークの国連のアドホックにおいても障害者の権利条約が批准され、我が国もあらゆる面でバリアフリーにしていかなきゃいけない、公明党も真っ先に立ってやっていただかなきゃいけない時期でありますから、今、副大臣は沖縄の例を挙げてくださいましたが、全都道府県その目で、全施設その目でやっていただきたい。いかがでしょうか。
○石田副大臣 これは、先ほど申し上げましたように、午前中ですか、大臣からもお答えになったと思いますけれども、悉皆調査を進めていきたい、こういうことで、現在データが上がってきている県以外にもこれは御協力をいただきたい、こういう御答弁を差し上げたというふうに思います。
 それで、所得の低い方の問題とそれから負担でありますけれども、これは基本的には、生活保護の方の基準以下にはいかないようにという上限の中で利用料の設定もしている、これはよく御存じだろうというふうに思います。
 ですから、こういういろいろな努力を重ねているということはぜひ御理解をいただきたいと思います。
○阿部(知)委員 そういう制度設計にありながら、やはり利用抑制が出ているというのが実態ですから、今、副大臣の御答弁もいただきましたけれども、私どもとしては、さらに、それが現実のあの場の、講堂内一万二千五百、入れない方が二千五百、外で集会参加されるという実態ですので、よろしくお願いしたいと思います。
 私は、あと、きょう園田委員がお取り上げくださった子供の問題、障害のある子供たちの通所、入所も措置から契約という形に変わりました。そして、児童福祉法の二十七条の三要件、親がいないか、精神的な病があるか、虐待であるかということを厳密にとると非常に問題が生じる。そこは、先ほど中村局長が、行政的に幅を持たせてということでしたので、しっかりと信じたいと思います。
 そうした上で、これもお伺いいたしますが、では、施設を入所で御利用の障害をお持ちの御家庭の所得分布は御存じでしょうか。これは投げてございませんので、お願いします。
○中谷政府参考人 所得分布につきましては必ずしもつまびらかにしておりませんけれども、障害を持たれておられる保護者の方といいますと、一般の方とそう変わりがないという前提で考えておるところでございます。
○阿部(知)委員 そんな勝手な考えは考えないでほしいのですね。
 これは厚生労働省からいただきましたよ。障害児施設の所得階層区分別構成割合、二十歳未満。いわゆる生活保護の方、入所されている子供さんの親の世帯ですよ、八・四%。B階層と呼ばれまして、Bの中も二段に分けますが、八十万円以下と八十万円以上、すなわち、住民税のところで少し差が出ますが、いずれにしろ低所得階層、三四・三。C階層、これは所得税の課税の所得割が二万円という階層が一八・二、一般階層は三九・一。すなわち、約六割が何らかの、四百万円以下、もっと言えば四割が二百万円以下と言ってもいいような状態なんだと思います。
 ここにサービスの負担料がかかってまいりました。このことの深刻さは、もちろん、先ほどの石田副大臣の御答弁でもありましたが、一般家庭にも実は負担です。子供の場合、若い両親ですから、一般家庭の負担も大変なものです。しかし、この制度自身が、やはり減免した何だかんだいっても低所得者層に現実の負担をかけている、障害者孤立支援法だと言われるゆえんであります。
 今の所得分布の点はもう一度、先ほどの御答弁は、ちょっといただいた資料と違いますので直していただきまして、そうした上で、やはり大臣にこれはお願いがございます。
 例えば、世で言う児童虐待ということが大変に今問題になっております。虐待を受けた子供たちのうち約四割は障害児であります。障害がある方が虐待を受けやすい。さらに、虐待をされた御家庭の所得も大変に低い。これはいろいろなデータのとり方がありますが、八割近くが四百万円以下であります。もっと言えば、先ほどので言うと、六割近くが三百万なり、その内外でございます。
 とすると、ただでも苦しい家計を、負担をさせていくことによって、子供に幸せが来るだろうか。児童福祉法の、どのような子供もすべてひとしく愛護されねばならないということに、私は真っ向逆らっているように思います。
 この児童の負担の実態、家計の状況、本当に若い人たちを苦しめてはいないかどうか、大臣、改めてその目で考え直し、見直していただけませんか。
○柳澤国務大臣 もうたびたびここで申し上げていることでございますけれども、私どもとしては、今回の障害者自立支援法というのは、とにかく、障害者の方々を今のように一ところにいさせるんじゃなくて、できるだけ地域の普通の社会に戻したい、こういう方向で、それを進める観点から、今回こういうような法律を制定させていただいたということでございます。
 そして、サービスの原則一割負担と言っているんですが、現実にはいろいろな形の上限制限をしてみたり、あるいは減免措置を講じたりして、そこの原則というものを基本としながらも、できるだけ実情に応じた配慮をさせていただいているということでございまして、そのことによって、この制度が全体としてみんなに支えられる、ここのところだけはやはり維持させていただきたいというふうに思っているわけでございます。
 したがって、その実情に非常にそぐわない点があるのかどうか、これはよく調査をした後において我々としても考えさせていただきたいということを申し上げているわけでございます。
 先ほど触れました、障害のある子供さんを授かったときに、今、阿部委員がおっしゃられたようなこともありますけれども、率直に言うと、私もそうなんです。私の一番上の兄はポリオを患いまして、身体障害をずっと引きずった身なんですけれども、そういうときに家族はどうなるかといったら、そういう障害のある子を宝であるというふうに言う、あるいは天使であるというふうに言う。私は、そういう例をむしろ知っているんです。つまり、家族が、兄弟がみんな気持ちを優しく持って、その障害のある子をガードしていこう、こういうことになるんですね。
 ですから、障害があるという子が虐待を受けるというのは、また我々もよく見させていただかなければなりませんけれども、しかし私は、今私が申し上げたようなこともあるということもやはり我々は胸に畳んでこの問題に取り組みたい、取り組ませていただきたい、このように思っております。
○阿部(知)委員 今大臣のおっしゃられたことはとても大事なことで、障害があるから惨めとか、障害があるから何だか生きづらいという状態にしないための取り組みが障害者自立支援法です。
 そして、それを気持ちの上だけでなくて実際に準備するのが、私は、きちんとした所得把握から始まると。負担できる能力があれば、それなりのサービスは負担いただいていいでしょう。しかし、その能力の問題は、子供は自分では所得がありません、お金は稼げません。そうした子供たちを預かり、はぐくみ、育てておられる御家族の状況を厳しくしていないのかという目を持たないと、これはやはり本来の法の趣旨と違うものになってまいります。
 大臣には、今お話でありましたが、そういう家族の窮状を見かねて、今、一府二県十三市で、自治体が独自の減免を、子供については、十月一日、本当に大変なんだからということで始めています。なぜ自治体がそういうことを始めるのか。身近で見ていて、苦しかろう、大変だろう、頑張ってほしい、だからとりあえず減免する。でも、それは本来は国にきちんと見てほしいということであります。
 大臣のお話はとてもすばらしいお話でしたので、私も承る耳は持つつもりですが、しかし、そのことを踏まえてなお、子供についての応益負担というのは、私は、いかに何でもなんだろうと。子供は成長していくんだ、成長することさえ利益かと問われたら、そんなことは断じてないと思います。せめてこのくらい、国の見識でありますから。そして、例えば同じ入所でも、大人の方は障害年金をおもらいです。子供は入所している場合に、特別児童扶養手当ももらっておりません。これだけの差もございます。決して、大人が十分な額とか言っているわけではありません。子供の施策がどうなんだというそもそもを私は見ていただきたいということを、これはお伝え申し上げます。
 そして、全部を使ってはまたいけませんので、本来の感染症の質疑に入らせていただきます。きょうは、朝から専門的なお話が多かったので、私は、簡単、単純、そして一体この法律は何のための法律で、私から見れば、なすべきことの本当に大事なところをやっておらず、かわって、なしてはならないところをやっているのではないかと思うので、伺わせていただきます。
 この法律は、今回、結核予防法と感染症法と対テロ政策、この三つをないまぜにして、まぜて合わせてぽんと出てまいりました。対テロ政策については、先ほど園田委員が内閣府にお尋ねでありましたが、単に病原体の管理だけでなく、それが広がっていったときの保健所の役割、厚生労働省の役割、他の省庁との連携等々をもっと大枠の屋根をつくった中でしか私はこの法律は生きてこないと思うものです。しかし、その点は、園田さんが指摘してくださいました。
 私が、この場できょう一点明らかにしたいのは、実は、大臣もう御存じかもしれません、私より年長でいらっしゃいますので。まだ私の若いころ、高校生だったかと思います、千葉大のチフス菌事件というのがございました。ある研究者がチフス菌をばらまいたのではないかということで、その研究者が変人扱いされましたけれども、事の真偽は、果たして、その地域の流行動態がどうであったのか、故意にばらまいたものであったのか、本当に難しい状況がございました。
 そして、現在、例えば、対テロ政策が非常に進んだアメリカにおいて、二〇〇四年の十一月に、ボストン大学というボストンにある生物学系で有名な大学ですが、ここで、野兎病という、野のウサギ、動物を媒介に人にも時にうつるというウイルス、今回は二種に分類されておりますが、これが、実は扱っている研究者三人にかかり、そして、そのことが周辺住民に知らされないために周辺住民が大変に不安を持ちました。今、アメリカは、対テロ政策であっちこっち、対テロということでいろいろな病原菌を扱っております。その研究施設が置かれている周辺住民が非常にそのことを不安に思い、自分たちの安全性はどうなるのであるかというところを懸念しております。
 しかしながら、今回の法の枠組みの中では、その視点がほとんどと言っていいほど抜けております。研究、ラボにどのくらい病原体を閉じ込めておくかという視点は一応あると思います。しかし、テロという意図を持ったもの以外にも、いろいろな人為的なミスや地震やさまざまなもので、これは地域の汚染に広がりやすいと思います。
 私がこのようなことを申しますのは、この法律の基本理念の中に、実は、周辺住民のことが全く触れられておりません。基本理念は、「感染症の患者等が置かれている状況を深く認識し、これらの者の人権に配慮しつつ、」というのがもともとの感染症から成り立つ基本理念ですが、今回、もし対テロ政策としてこの病原体の封じ込めとバイオセーフティーを言うのであれば、当然、この住民の視点、施設と住民の関係ということも問題にされねばならないと思います。
 大臣には、これは違う形で予告してございましたので、申しわけございませんので、そのような視点はどこに盛り込まれているのか、外口さんからお願いいたします。
○外口政府参考人 まず、今回の法改正の趣旨でございますけれども、議員御指摘のように、生物テロの未然防止という観点があります。その背景としては、病原体等の管理体制につきましては、既に先進国では法的に規制されておりますけれども、日本が今取り残されている状況にあるという背景があります。
 この病原体等の管理体制を法律へ組み込む組み込み方ですけれども、これは、国際的には二つの流れがあります。一つはバイオテロ関係の法律として位置づけること、それからもう一つはバイオセーフティーの観点から位置づけること、この二つの流れがあります。アメリカとかイギリスはバイオテロ、それから、ドイツそれからEUの一般的な考え方はバイオセーフティーという考え方であります。
 この法律でも、単にバイオテロの未然防止というだけじゃなくて、バイオセーフティーの対策にもこの法律はなるわけでございます。
 理念の問題でございますけれども、そういった国際的な動向、二つの考えはあるわけでございますけれども、基本理念のところで今回盛り込んだのは、「これらを目的とする施策に関する国際的動向を踏まえつつ、」という文言を組み込んで、基本理念の部分も変えているわけでございます。あわせて、結核等の対応も変えておりますので、そういったことも含めて、人権のことについても、「人権に配慮しつつ、」というのを「人権を尊重しつつ、」というように変えた部分も基本理念の中の変更点でございます。
○阿部(知)委員 私が申し上げたいのは、アメリカがバイオテロ政策としてやっていてボストン大学の事件があった。バイオセーフティーという、そのものを扱う周辺のセーフティー、だって、そこに人が住んでいるんですから、そのこともあわせてここに見えてこなければ、やはりこの現下で法律をつくる意味は、本当にどこにありやとなってしまう。それから、国は国で、きちんと生物化学兵器についての骨格をもっと持った、私は、国民保護の視点から成る法体系を別途につくるべきだと思います。次回以降、また内容を質疑させていただきます。
 ありがとうございます。
○櫻田委員長 次回は、来る八日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時七分散会