第166回国会 本会議 第40号
平成十九年六月七日(木曜日)
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 議事日程 第三十四号
  平成十九年六月七日
    午後一時開議
 第一 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とフランス共和国政府との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
 第二 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
 第三 社会保障に関する日本国とオーストラリアとの間の協定の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
 第四 国家公務員の離職後の就職に係る制限の強化その他退職管理の適正化等のための国家公務員法等の一部を改正する法律案(馬淵澄夫君外四名提出)
 第五 特殊法人等の役職員の関係営利企業への就職の制限等に関する法律案(馬淵澄夫君外四名提出)
 第六 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案(馬淵澄夫君外四名提出)
 第七 国家公務員法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
 日程第一 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とフランス共和国政府との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
 日程第二 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
 日程第三 社会保障に関する日本国とオーストラリアとの間の協定の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
 日程第四 国家公務員の離職後の就職に係る制限の強化その他退職管理の適正化等のための国家公務員法等の一部を改正する法律案(馬淵澄夫君外四名提出)
 日程第五 特殊法人等の役職員の関係営利企業への就職の制限等に関する法律案(馬淵澄夫君外四名提出)
 日程第六 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案(馬淵澄夫君外四名提出)
 日程第七 国家公務員法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後一時三分開議
○議長(河野洋平君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とフランス共和国政府との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
 日程第二 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
 日程第三 社会保障に関する日本国とオーストラリアとの間の協定の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
○議長(河野洋平君) 日程第一、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とフランス共和国政府との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、日程第二、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、日程第三、社会保障に関する日本国とオーストラリアとの間の協定の締結について承認を求めるの件、右三件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長山口泰明君。
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 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とフランス共和国政府との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 社会保障に関する日本国とオーストラリアとの間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔山口泰明君登壇〕
○山口泰明君 ただいま議題となりました三件につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、日仏租税条約改正議定書について申し上げます。
 現行租税条約は平成八年に発効しましたが、日仏間で社会保険制度への二重加入等の問題の解決が図られるなどの状況の変化があり、さらに経済的、人的交流を一層活発化するための環境整備を税制面からも支援すべきとの考えに基づき、日仏両政府は、同条約の見直しのため、昨年一月以来交渉を行ってまいりました。その結果、議定書案文について合意に達しましたので、本年一月十一日、パリにおいて本議定書の署名が行われました。
 本議定書は、現行条約の内容を部分的に新しくするもので、日仏間の経済的、人的交流等の一層の促進を図るために、配当、利子及び使用料に対する源泉地国における課税を減免すること、こうした減免措置の拡大とあわせ、租税回避防止のための措置をとること、就労者が自国の社会保障制度に対して支払う社会保険料について、就労地国が所得控除を相互に認めること等について定めております。
 次に、日比租税条約改正議定書について申し上げます。
 昭和五十五年に発効した現行租税条約は、発効から既に二十五年以上が経過し、緊密化する両国間の経済関係の現状にそぐわなくなってきていることから、日比両政府は、同条約の見直しのため、平成十七年一月以来交渉を行ってまいりました。その結果、議定書案文について合意に達しましたので、昨年十二月九日、マニラにおいて本議定書の署名が行われました。
 本議定書は、現行条約の内容を部分的に新しくするもので、日比間の経済的、人的交流等の一層の促進を図るために、配当、利子及び使用料に対する源泉地国における税率の上限を引き下げること、みなし外国税額控除について、十年間の適用期限を設けて将来的に廃止すること等について定めております。
 最後に、日豪社会保障協定について申し上げます。
 我が国政府は、オーストラリアとの間で、人的交流に伴って生ずる年金制度への二重加入等の問題の解決を図ることを目的とする協定を締結することで一致し、平成十七年六月より両国政府間で交渉を行ってまいりました。その結果、協定案文について合意に達しましたので、本年二月二十七日、キャンベラにおいて本協定の署名が行われました。
 本協定の主な内容は、
 原則として就労地国の年金制度にのみ強制加入し、派遣期間が五年以内の駐在員等については派遣元国の年金制度にのみ強制加入すること、
 両国での保険期間を通算することにより年金の受給権を取得できるようにすること
等であります。
 以上三件は、去る四月十一日に参議院より送付され、五月二十三日に外務委員会に付託されたものであります。
 外務委員会におきましては、二十五日麻生外務大臣から提案理由の説明を聴取し、六月六日に質疑を行い、これを終了し、まず、日仏租税条約改正議定書及び日比租税条約改正議定書について討論を行った後、採決を行いました結果、両件はいずれも賛成多数をもって承認すべきものと議決いたしました。次に、日豪社会保障協定について採決を行いました結果、全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(河野洋平君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一及び第二の両件を一括して採決いたします。
 両件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(河野洋平君) 起立多数。よって、両件とも委員長報告のとおり承認することに決まりました。
 次に、日程第三につき採決いたします。
 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。
     ――――◇―――――
 日程第四 国家公務員の離職後の就職に係る制限の強化その他退職管理の適正化等のための国家公務員法等の一部を改正する法律案(馬淵澄夫君外四名提出)
 日程第五 特殊法人等の役職員の関係営利企業への就職の制限等に関する法律案(馬淵澄夫君外四名提出)
 日程第六 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案(馬淵澄夫君外四名提出)
 日程第七 国家公務員法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(河野洋平君) 日程第四、馬淵澄夫君外四名提出、国家公務員の離職後の就職に係る制限の強化その他退職管理の適正化等のための国家公務員法等の一部を改正する法律案、日程第五、特殊法人等の役職員の関係営利企業への就職の制限等に関する法律案、日程第六、独立行政法人通則法の一部を改正する法律案、日程第七、内閣提出、国家公務員法等の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長河本三郎君。
    ―――――――――――――
 国家公務員の離職後の就職に係る制限の強化その他退職管理の適正化等のための国家公務員法等の一部を改正する法律案及び同報告書
 特殊法人等の役職員の関係営利企業への就職の制限等に関する法律案及び同報告書
 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案及び同報告書
 国家公務員法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔河本三郎君登壇〕
○河本三郎君 ただいま議題となりました四法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 初めに、内閣提出の法律案について申し上げます。
 第一に、職員の採用後の任用、給与その他の人事管理は、職員の採用年次及び合格した採用試験の種類にとらわれてはならず、人事評価に基づいて適切に行わなければならないこととしております。
 第二に、職員が、他の職員または職員であった者について、営利企業等に対し、離職後の就職のあっせんを行うことを禁止しております。また、職員が、みずからの職務と利害関係を有する一定の営利企業等に対し、求職活動を行うこと等を規制しております。
 第三に、内閣府に官民人材交流センター及び再就職等監視委員会を置くこととしております。
 このほか、罰則等について所要の規定を設けることとしております。
 次に、馬淵澄夫君外四名提出の三法律案について申し上げます。
 第一に、国家公務員の離職後の就職に係る制限の強化、職員による他の役職員の再就職に係る依頼等の禁止及び早期退職勧奨の禁止その他の退職管理の適正化等に関する措置を講ずることとしております。
 第二に、特殊法人等の役職員の離職後の就職に係る制限及び独立行政法人の長の公募等に関する措置を講ずることとしております。
 以上、四法律案は、去る五月十五日本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、同日本委員会に付託されました。
 本委員会におきましては、翌十六日渡辺国務大臣及び提出者馬淵澄夫君から提案理由の説明を聴取した後、五月十八日から質疑に入り、安倍内閣総理大臣に対する質疑のほか、参考人からの意見聴取を行うなど慎重に審査を行い、六月六日質疑を終局いたしました。質疑終局後、討論を行い、順次採決いたしましたところ、馬淵澄夫君外四名提出の三法律案はいずれも賛成少数をもって否決すべきものと決し、内閣提出の法律案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、内閣提出の法律案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(河野洋平君) 四案につき討論の通告があります。順次これを許します。松原仁君。
    〔松原仁君登壇〕
○松原仁君 私は、民主党の松原仁であります。
 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました政府提出、国家公務員法等の一部を改正する法律案に反対の立場から、民主党提出、国家公務員の離職後の就職に係る制限の強化その他退職管理の適正化等のための国家公務員法等の一部を改正する法律案、特殊法人等の役職員の関係営利企業への就職の制限等に関する法律案、独立行政法人通則法の一部を改正する法律案に賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 まず、政府案の最大の問題点は、そこにぬぐい切れない官尊民卑の発想が存在しているということであります。
 大辞林をひもときますと、「政府や官吏を尊び、民間の人や物をそれに従うものとし軽く扱うこと。」と官尊民卑は書かれております。まさに文字どおり、官をとうとび民を卑しめるという発想が、この官尊民卑の発想であります。
 そもそも、この法律において、なぜ、既存のハローワークはだめで、新設の、税金を新たに投入する官民人材交流センターが必要かという点が全く明らかにならなかったわけであります。
 例えば、民間の会社には労働組合があるが、高級官僚の世界にはそれがないと言う。したがって、解雇と闘うことや賃上げが不利であるというようなことを言う者がいる。しかし、皆さん、実際、お役人を解雇する分限処分というものはほとんど行われたことがないし、また、賃金の問題についても、鬼も黙る人事院が存在し、民間以上の待遇を保障しているではないですか。
 つまり、官が不利であるということは事実上ほとんどないということを私は認識をしておりますし、多くの国民も認識をしているわけであります。
 さらに、実際に官僚であっても、こうしたハローワークを使って民間と同じように再就職をしている人は多数おるわけであります。
 にもかかわらず、こうした交流センターをつくるゆえんは、ひとえに官尊民卑の発想があるからであります。
 渡辺大臣が、昨日の我が民主党の長妻議員の質問に対して、我々の言う官民人材交流センターとの比較をした場合、それは官民人材交流センターの方がハローワークよりは再就職先が見つかりやすいのは当然と考えておりますと。ハローワークよりもこの人材バンク、我々が言う天下りバンクの方がはるかに就職先が見つかりやすいと渡辺大臣はきのう答弁をしているわけであります。これは要するに、官尊民卑の発想がそこにある、こういうことの証左ではないでしょうか。
 さらに、長妻昭氏がそれに加えて、運輸系の方は、同じように税金を使って運輸系専門の人材センターをつくってくれ、流通系の方は、同じように税金を使って特別に流通系専門あっせんセンターをつくってくれという声が地元でありますよ、こういうふうに長妻氏は大臣に対して問いただしたわけであります。
 こうした民間の方の思い、実際、五十を過ぎてハローワークへ行ったら、就職先が見つかりますか、見つからないですよ。四十を回ったら見つからない。その民間の苦労と、官僚のこの官民人材交流センター、天下りバンクは余りにもミスマッチをしているということは、だれもがこれを明らかに認識をしているわけであります。
 つまり、くどいようでありますが、そこには官尊民卑の思想が脈打っているのであります。
 さらに質疑を通じて明らかになったことは、あっせんを監視する再就職等監視委員会にしても、この人材交流センターにしても、その内容や規模や予算がほとんど明らかになっていない。この段階で明らかになっていない。おかしいと思いませんか、これは。
 例えば従来のあっせんは、一人で大体一年七人くらいしか各省庁でできないと言われている。早期退職勧奨が二千人いたらば五百人の規模だ。こういう当たり前のことも全く議論ができないというのはどういうことか。
 渡辺大臣は、我々がこの議論をすると、それは有識者懇でやってもらいますと。皆さん、あれも有識者懇、これも有識者懇、それも有識者懇、あっちも有識者懇、全部有識者懇談会に丸投げ。こういうことで、我々は怒りを禁じ得ない。皆さんだって怒りを禁じ得ないはずであります。
 そもそも、皆さん、民間の代表は国会議員ですよ、我々ですよ。官の代表である、官のまさに言いなりになる可能性がある、官の恣意によって選ばれるこの有識者懇談会に丸投げをするということは、どういうことなんですか。あれも有識者懇、これも有識者懇とやった日には、我々の存在意義はどこへ行ってしまうんだ。まさに怒りを禁じ得ない。まさにこれが、こういった質疑が行われること自体が官尊民卑そのものではないか。おかしいじゃないか。
 そもそも、こういったことは、まさに、こういった内容を委員会で決めないで有識者懇に全部丸投げして、我々がこれを可決、成立させるということは、国会の権威をみずからが否定しているということにほかならないじゃないか。おかしいじゃないか。私は、これは今世紀最大の愚行がこの国会で行われている、大変に遺憾であります。
 次に、委員会審議もとんでもない。
 例えば、質問の最初の段階から、わたりが十六人というのはおかしい、二番目以降の天下りがおかしいと言ってきた。細野議員が最初にそれを質問したんですよ、皆さん。そうしたら、大臣は、十六人は少な過ぎると言っていた。おかしい、もっといると思うと、大臣、言っていましたよね。大臣、それを言いながら、まあ、再調査しても新しいデータは出てこないだろうと、投げやりにこれをやってきた。我々は、何回も、何回も、何回も、何回も、十六人ですか、再調査をしませんか、立法事実を明らかにするべきだと言ってきた。にもかかわらず、これに対して渡辺大臣は、何らリーダーシップをとらなかった。何ということなんだろう。
 しかも、このことについて、十六人の中に、あの年金問題の、手書き台帳を破棄したときの、しっかり聞いてください、手書き台帳を破棄したときの長官が十六人のわたりに入っていないんですよ、皆さん。おかしいじゃないか。皆さん、静粛に聞いてほしい。この問題に関しては、与党理事もおかしいんじゃないかと、名前は言いませんよ、与党理事もおかしいと言っていた。おかしいんだよ、これは。
 私は、この問題、全く許しがたい。その元長官は、あの五千万の手書きデータをぶっ飛ばしたときの長官は、皆さん、わたりを繰り返し、退職金も合わせると三億六千万ですよ、三億六千万。皆さん、受け取ったことがありますか、三億六千万。ないでしょう、そんな大金を。これを受け取っているんですよ、四回、五回のわたりで。これが十六人に入っていない。全くもっておかしい。何たる無責任、何たる無節操。
 そして、私たちは、この問題について、わたりをどうするんだと大臣に何度も言った。大臣のリーダーシップに対して極めて疑問を感じると同時に、これで本当の意味での談合、天下りがなくなるのか。なくなるはずがないじゃないか。はっきりこれを言っておきたい。
 しかも、審議の最終段階において、しっかり聞いてちょうだいよ、きのうの段階で、十六人のわたりに、プラスして十名、最後の段階で出てきた。これは議会軽視、委員会軽視。委員会軽視、議会軽視というのはこのことを言うんじゃないか、皆さん。おかしいじゃないか。
 私は、こういう問題に関して、まさになぜそれが出てこなかったのか。簡単に言うと、我々も、全部じゃない、次官のレベルで調べろと言った。これが出てこなかった。到底許せない。簡単に言えば、行政すなわち官が、議会や委員会、すなわち民間の代表である我々を、この程度の情報公開で大丈夫だと我々をなめている、侮っている証拠ではないか。これを許せるか、皆さん。
 そして、一方において、民主党案は大変にすばらしい内容を持っているわけであります。ちゃんと聞いた方がいいよ。
 まず、民主党案は、国家公務員法改正案で、中央省庁が行っている早期退職勧奨制度をやめる、あっせんをやめる、天下りそのものをなくす、事前規制を二年から五年にする、こういったことも民主党案はやっているんですよ。
 しかも、いわゆる迂回天下りを規制する。あの緑資源の問題はどうだったんですか、皆さん。独法からの天下った人間と会社の間でやったんじゃないか。独法も規制の対象にする、これは当たり前のことじゃないか。
 しかも、例えば、事前規制じゃなきゃだめなのは、岩国の基地談合で、皆さん、十三年前に退職した人間が談合にかかわっていた。これをどう考えるんだ、一体。もう時間がないから余り言わないけれども、おかしなことばかりじゃないか。おかしなことばかりだ。
 そういった意味において、我々は、特殊法人等の役職員の関係営利企業への就職の制限等に関する法律案、さらに、特殊法人等からの天下りについて国家公務員と基本的に同様な規制を新設し、今言った迂回天下り、これもやめるようにしているわけであります。
 また、時代おくれと言わざるを得ない――暑いんだよ、ここは。時代おくれと言わざるを得ない現在のキャリア制度を廃止し、能力及び実績に応じた処遇を可能とする人事管理制度を導入するとともに、政治任用制度を大幅に取り入れる、こういったことを我々は主張しているわけであります。
 とにもかくにも、まさにこういったいいかげんな審議、リーダーシップのない審議、有識者懇に丸投げをするというこのまさに節操のない、自分の責任を転嫁する姿勢、許せない、このことを強く申し上げ、与党案に対しては断固反対、そして、我が党案に対しては、鉄の意思と大理石のような強い確信を込めて賛成を申し上げまして、私の討論といたします。(拍手)
○議長(河野洋平君) 木村勉君。
    〔木村勉君登壇〕
○木村勉君 私は、自由民主党及び公明党を代表いたしまして、内閣提出の国家公務員法等の一部を改正する法律案について賛成の立場から、民主党提出の三法案について反対の立場から討論を行うものであります。(拍手)
 我が国の公務員制度は、占領下の昭和二十二年に国家公務員法が成立して以来、その仕組みはほとんど変化しておりません。今回の公務員制度改革は、約六十年ぶりにこの国家公務員法の大改正を行うものであり、そうした意味で、まさに戦後レジームからの脱却を行おうとするものであります。
 少子高齢化、グローバル化など、経済社会の変化は急であります。こうした事態に対応し、公務員の政策企画能力を高めるため、民間の専門能力を取り入れる必要性はこれまでになく高まっております。
 一方、予算や権限を背景とした押しつけ的あっせんや緑資源機構を初めとした相次ぐ官製談合のあきれた実態、また、あれだけの大問題を起こしていながら歴代長官がわたりを繰り返す社会保険庁の問題など、国民の怒りがまさに頂点に達している状況であります。
 このような現状を抜本的に改善するため、公務員制度改革を進めることがまさに急務となっております。そして、この大改革を断行するのが我々政治家の責務であります。
 まず、内閣提出の国家公務員法等の一部を改正する法律案については、人事評価制度の導入等により能力及び実績に基づく人事管理の徹底を図るとともに、各省による再就職あっせんを禁止し、離職後の就職に関する規制の導入、再就職等監視委員会の設置等により退職管理の適正化を図るほか、官民人材交流センターの設置により官民の人材交流の円滑な実施のための支援を行うことを内容とするものであります。これにより、採用試験の種類や年次にとらわれず、硬直的な年功序列を打破するだけではなく、官民交流を円滑に実施するとともに、公務の公正性を確保し、国民の信頼を回復することが可能になることから、賛成であります。
 他方、民主党提出の三法案について一言で言えば、役人天国、大きな政府、公務員一生塩漬け法案であります。
 職員の退職勧奨を原則禁止し、天下りの禁止期間を五年に、働きかけ規制の期間を離職後十年間にわたって規制するなど、一度官に入ったら官の世界に閉じこもるだけではなく、民の世界で活躍している人が官の世界に入って民間で得た知識経験を行政に生かすこともできなくなるほど弊害だらけの法案であります。このような法案が実現してしまうと、人件費が莫大にふえ、人員削減も全くできず、国家財政を破綻に導くおそれがあることは明白であり、これらに対する対策も全く具体性に欠け、およそ国民が求めている制度改革とはかけ離れたものであることから、断固反対であります。
 今回の公務員制度改革は、各府省が人事の一環として行う各省による再就職あっせんを禁止し、これにより押しつけ的な天下りを根絶するものでありますが、これにより、人事の一環で再就職させたOBがいるためとかく進みづらかった面のあった法人の事務事業を見直すことにもつながるものであります。
 今後、政府が果たすべき機能の見直しの第一弾として、百一ある独立行政法人すべてについて民営化や民間委託の是非が検討されると承知しておりますが、今後の独立行政法人の見直しを進めるためにも、今回の公務員制度改革は不可欠であります。
 今回の公務員制度改革は、不要な事務事業の見直しを進め、行政の無駄をなくすことに大きく貢献するものであり、郵政民営化に匹敵する大きな行政改革であるものと確信をいたしております。そうした意味で、今回の公務員制度改革の意義は極めて大きく、実現できる改革から迅速に実現し、一歩でも二歩でも進めることが重要であると考えます。
 そうした意味で、内閣提出の法案に改めて賛成の意を表明いたしますが、行政組織の職員の採用、能力開発、昇進、退職等の相互に関連した人事管理制度全体をパッケージとして改革を進めていくことも重要であります。引き続き公務員制度の総合的な改革を推進されることをお願いいたしまして、私の討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(河野洋平君) 吉井英勝君。
    〔吉井英勝君登壇〕
○吉井英勝君 私は、日本共産党を代表して、国家公務員法等一部改正案について、反対の討論を行います。(拍手)
 初めに、天下り問題や国民の行政サービスと公務員労働者の権利にかかわる基本法を、不十分な審議のまま採決を強行することは、国会審議を形骸化するものであり、強く抗議するものであります。
 法案に反対する第一の理由は、官僚の天下りを原則禁止から原則自由に百八十度変えて、官業癒着をさらに深めるものとなるからであります。
 法案は、官民人材交流センターさえ通せば、公共事業や建設業に大きな監督権限を持つ国土交通省の局長が、退職の翌日からでも大手建設会社の役職につけることになります。銀行や証券会社の不正を検査し摘発する金融庁の検査局長も、退職した次の日から、検査される側の金融機関の役職につけるのであります。まさに天下り自由化法案そのものであります。
 政府は、各府省のあっせんを排除して、官民人材交流センターで一元的に再就職をあっせんするといいながら、各府省がセンターに関与できる仕組みをしっかりつくっているのであります。そもそも、国民が利用するハローワークと別に、官僚専用の特製ハローワークを国民の税金でつくる必要など全くありません。
 実効性ある天下り規制は、規制対象を民間企業だけでなく公益法人や特殊法人などに拡大し、離職後二年間の規制期間を五年に延長するなど、現行法の抜本強化を図ること、公務員を定年までしっかり働けるようにすることであります。
 反対する第二の理由は、能力・実績主義の人事管理導入が、全体の奉仕者としての公務をゆがめ、行政サービスを低下させるからであります。
 公務の仕事というのは、採算や効率だけではかれるものでなく、客観的な評価基準の設置を初め、実際の評価も極めて困難であります。実際、成果主義でノルマをあおってきた社会保険庁が保険料不正免除事件を起こすなど、成果主義が国民一人一人を大事にする行政サービスにつながらないことは明白であります。
 反対の第三の理由は、公務員制度改革といいながら、公務員労働者の労働基本権回復について何ら言及していないことであります。
 労働基本権というのは、憲法で保障された権利であり、公務員制度の民主的改革のかなめです。ILOからも、国際労働基準に合わせるよう繰り返し勧告が行われてきたものであります。
 なお、民主党案の天下り規制強化には賛成ですが、能力・実績主義の導入等には、さきに述べた理由から同意できません。
 官業癒着を深め、公務の公正中立をゆがめる本法案は、廃案しかないということを改めて強く指摘して、討論を終わります。(拍手)
○議長(河野洋平君) 菅野哲雄君。
    〔菅野哲雄君登壇〕
○菅野哲雄君 社会民主党の菅野哲雄です。
 私は、社会民主党・市民連合を代表して、内閣提出、国家公務員法等の一部を改正する法律案に対して反対、民主党・無所属クラブ提出、天下り根絶三法案に対して賛成の討論を行います。(拍手)
 政府案は、官民人材交流センターの創設と能力・実績主義導入だけが先行し、天下りの抜本是正策は後回しにされています。国民が望む天下りの根絶、民主的で透明な公務員制度改革からかけ離れた内容だと言わざるを得ません。
 政府案に反対の第一の理由は、事前規制の撤廃と行為規制の導入によって天下りの自由化を促している点です。事前規制と人事院の関与を廃止して新設される新人材バンクは、まさに天下りバンクであり、その規模や費用についても政府は一切明らかにしておりません。天下りを政府公認で保障する新人材バンクに、官製談合や税金の無駄遣いを防ぐ効果はありません。
 第二の理由は、公正な評価制度が未整備のまま、能力・実績主義の人事管理が見切り発車されたことです。
 第三の理由は、ILO勧告を満たした労働基本権の付与を初め、労使関係の改革が先送りされている点です。
 今、緑資源機構の官製談合の問題などにより、国民の官製談合や天下りへの関心が高まる中、その実態を国民に明らかにすることなく、拙速に政府案を押し通す目的は、つけ焼き刃、小手先の対策で国民の批判をかわすこと以外にありません。
 一方、民主党案は、天下りを禁止する期間の拡大、天下り先の規制対象の拡大、定年前の退職勧奨の禁止など、政府案より実効性のある措置が講じられていることから賛成するものであります。
 最後に、政官財の癒着構造を断ち、国民本位の民主的で透明な公務員制度改革を進めることこそ喫緊の課題であることを申し上げ、反対討論といたします。(拍手)
○議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○議長(河野洋平君) これより採決に入ります。
 まず、日程第四ないし第六の馬淵澄夫君外四名提出、国家公務員の離職後の就職に係る制限の強化その他退職管理の適正化等のための国家公務員法等の一部を改正する法律案外二案を一括して採決いたします。
 三案の委員長の報告はいずれも否決であります。この際、三案の原案について採決いたします。
 三案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(河野洋平君) 起立少数。よって、三案とも否決されました。
 次に、日程第七、内閣提出、国家公務員法等の一部を改正する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四十三分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       外務大臣  麻生 太郎君
       国務大臣  渡辺 喜美君