第166回国会 農林水産委員会 第9号
平成十九年四月十日(火曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 西川 公也君
   理事 岩永 峯一君 理事 金子 恭之君
   理事 近藤 基彦君 理事 並木 正芳君
   理事 篠原  孝君 理事 松木 謙公君
   理事 西  博義君
      赤城 徳彦君    赤澤 亮正君
      伊藤 忠彦君    飯島 夕雁君
      今津  寛君    小里 泰弘君
      小野 次郎君    岡本 芳郎君
      河井 克行君    北村 茂男君
      斉藤斗志二君    中川 泰宏君
      中野  清君    永岡 桂子君
      丹羽 秀樹君    橋本  岳君
      鳩山 邦夫君    広津 素子君
      福井  照君    福田 良彦君
      古川 禎久君    馬渡 龍治君
      御法川信英君    森山  裕君
      岡本 充功君    黄川田 徹君
      小平 忠正君    佐々木隆博君
      高山 智司君    仲野 博子君
      福田 昭夫君    山田 正彦君
      吉田  泉君    井上 義久君
      坂口  力君    菅野 哲雄君
    …………………………………
   農林水産大臣       松岡 利勝君
   農林水産副大臣      山本  拓君
   農林水産大臣政務官    永岡 桂子君
   農林水産大臣政務官    福井  照君
   政府参考人
   (水産庁長官)      白須 敏朗君
   農林水産委員会専門員   渡辺 力夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十日
 辞任         補欠選任
  今津  寛君     中野  清君
  北村 茂男君     馬渡 龍治君
  渡部  篤君     橋本  岳君
  小平 忠正君     吉田  泉君
  井上 義久君     坂口  力君
同日
 辞任         補欠選任
  中野  清君     今津  寛君
  橋本  岳君     河井 克行君
  馬渡 龍治君     北村 茂男君
  吉田  泉君     小平 忠正君
  坂口  力君     井上 義久君
同日
 辞任         補欠選任
  河井 克行君     渡部  篤君
    ―――――――――――――
四月九日
 漁業法及び水産資源保護法の一部を改正する法律案(内閣提出第七〇号)
 水産業協同組合法及び中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案(内閣提出第七一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 漁港漁場整備法及び後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二六号)
 漁業法及び水産資源保護法の一部を改正する法律案(内閣提出第七〇号)
 水産業協同組合法及び中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案(内閣提出第七一号)
     ――――◇―――――
○西川委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、漁港漁場整備法及び後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として水産庁長官白須敏朗君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○西川委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福田良彦君。
○福田(良)委員 皆さん、おはようございます。自民党衆議院議員福田良彦でございます。
 きょうは、漁港漁場整備法及び後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律の一部を改正する法律案について、何点か質問をさせていただきます。
 新たな水産基本計画が閣議決定され、今後、水産政策の抜本的な改革が行われるのではないかというふうに考えられますが、今回の政策改革の柱及び今後の取り組みに向けての決意をまず最初にお伺いいたします。
○山本(拓)副大臣 今、福田委員がお話しのとおり、この三月に新たな水産基本計画を策定したところでございます。
 新たな水産基本計画におきましては、まず一つの柱といたしまして、藻場、干潟の造成、保全による漁場環境の改善や資源回復計画の着実な推進、二つ目の柱といたしまして、漁船漁業構造改革の推進や積極的に経営改善に取り組む漁業者を対象とする経営安定対策の導入、三つ目の柱といたしまして、市場を核とした流通拠点の整備や前浜と消費者をつなぐ多様な流通経路の構築、四つ目の柱といたしまして、漁港、漁場、漁村の総合的整備の推進、五つ目は水産物の輸出促進などを初めとする水産政策の改革に取り組んでまいることといたしております。
 このような水産政策の改革をスピード感を持って積極的に進め、国民に対する水産物の安定供給を図るとともに、これを支える力強い水産政策を進めていきたいと考えております。
○福田(良)委員 国民への水産物の安定供給及び水産業の健全な発展の実現のために、漁港漁場整備事業が果たす役割をお尋ねしたいと思います。
○福井大臣政務官 先生、今、国民への水産物の安定供給と水産業の健全な発展のために、漁港漁場整備事業が重要じゃないかという御指摘でございます。
 まさにそのために、漁港、漁場は、陸揚げから流通、加工までの一貫した水産物供給システムの基盤としてこれまでも努力してまいりました。漁業活動に係る作業効率の向上、安全性の確保、そしてまた沿岸漁業を中心とした漁業生産量の維持増大などに貢献したところでございます。
 近年、我が国周辺地域における水産資源の多くが低位水準にあるということに加えまして、新鮮かつ良質な水産物に対する消費者ニーズが高まっている。この二つのことから、水産資源の持続的利用を図りつつ、良質な水産物を安定的に供給していくということがこれまで以上に重要な課題となっているということを踏まえて、水産資源の保護、回復に向けた取り組みをもっと推進する、そして、漁港における集出荷機能の向上、そして衛生管理の強化などを図ることによりまして、水産物の安定供給と水産業の健全な発展に今後とも努めてまいりたいと考えている次第でございます。
○福田(良)委員 今回の法律案の中で、これまで地方公共団体等が整備してきた漁場の整備、これに事業主体として国を追加するというその意義について、お伺いしたいと思います。
○白須政府参考人 ただいま委員の御指摘の、地方公共団体が漁場整備を実施してまいったわけでございますが、今回の法改正によりまして国を追加するということでございます。
 先ほど来お話がございますが、このところ、水産物需要は世界的に増大をいたしておるわけでございますが、水産物の安定供給を行います場合に、やはり我が国の排他的経済水域の重要性というものは大変に高まっているわけでございます。
 ただ一方、漁業生産におきまして、沖合漁業、これが量でいいますと大体四割の割合を占めるわけでございますが、この漁獲量が近年急激に減少いたしているわけでございます。したがいまして、この沖合海域におきまして、水産資源の増大を図るためには、やはり何といっても漁場整備の推進というものが大変重要な課題になっているわけでございます。
 これまで、漁場整備は、地方公共団体とそれから水産業協同組合、これが実施主体となりまして、主に沿岸海域において実施をされてきたわけでございます。
 しかしながら、沖合漁業、これの主な漁場は排他的経済水域、二百海里の相当沖合でございます。したがいまして、これにつきましては、この海域はいずれの地方公共団体にも属するものではないということ、それからまた、この漁場整備の受益というものが、一つだけの都道府県ではございませんで、複数の都道府県にまたがるといったようなこともございまして、これまで、そういった沖合海域におけます漁場整備というものはほとんど行われてこなかったわけでございます。
 そこで、今回の国が行います漁場整備事業の創設といいますものは、これまでの仕組みではやはり限界がございました我が国の排他的経済水域におけます漁場整備を推進するということで、水産資源の増大ということに資するものであるというふうに考えている次第でございます。
○福田(良)委員 先ほど長官の御答弁にもありましたが、国の行う漁場整備は排他的経済水域ということであります。一方で、排他的経済水域はどの地方公共団体にも属さないというようなお考えでありますが、このような状況におきまして、関係する都道府県に費用の負担を求められるということでございますが、その御見解につきまして、改めてお伺いしたいと思います。
○白須政府参考人 ただいまの、沖合漁業、この漁獲量が急激に減少しておるというふうなことで、これまで地方公共団体で行われておらなかった排他的経済水域におきまして、国が漁場整備を実施できるというふうにするわけでございます。
 どこの地方公共団体にも属しておらないわけでございますが、いずれにいたしましても、水揚げをしまして、そういった資源が漁場整備によりまして増加をいたすわけでございます。その増加いたしました水産資源、魚が漁獲されまして、そこで漁港に陸揚げをされます、その後、流通なり加工を通じまして地域に一定の受益を及ぼすということになるわけでございます。
 したがいまして、国といたしましては、この漁場整備によりまして受益を受ける、そういう形で受益を受けます都道府県に対しまして、それぞれ事業の対象となります魚種の陸揚げ量、そういった受益の程度に応じまして費用の負担を求めるということにいたしているわけでございまして、これにつきましては、手続的にも、それぞれ関係をいたします複数の都道府県の同意とそれから議会の議決を得る、そういった手続も定めているところでございます。
○福田(良)委員 では、ちょっと済みません、今のところを確認させてもらいますが、排他的経済水域でありますからどの地方公共団体にも属さないということで、地理的には属さないが、受益があるということであれば、複数の地方公共団体にまたがるということでありますから、国の行う漁場整備におきまして、この事業を円滑に行うためには、やはり可能な限り関係する地方公共団体また関係漁業者の意見を積極的に取り入れて実施しなければならないというふうに思うわけでありますが、いかがでしょうか。
○白須政府参考人 ただいまの御指摘の点でございます。やはり、国が行います漁場整備におきましても、事業を円滑に進めるという観点からいきますと、委員のお話のとおり、可能な限り地方公共団体あるいは関係漁業者の意見を取り入れて実施すべきではないかというふうなお話でございます。
 これにつきましては、やはり、今回の法改正の中におきまして、漁港漁場整備法の中で所要の手続を実は規定いたしまして、それによりましてただいまのような地方公共団体の意向をできる限り取り入れるというふうなことで、円滑に事業を実施していこうというふうに考えているわけでございます。
 具体的に申し上げますと、まず、計画を策定いたします前段階といたしまして、あらかじめ都道府県知事の意見を聞きました上で、対象といたします魚種でございますとかあるいは海域、こういうものにつきまして政令で定めるというふうにいたしているわけでございます。
 しかる後に事業計画を策定するわけでございますが、この事業計画の策定に当たりましても、あらかじめ関係の地方公共団体と協議をいたしますとともに、関係の広域漁業調整委員会、漁業者なり関係者が集まっております広域の漁業調整委員会というものがあるわけでございますが、そういった利害関係者の意見も聴取をいたすということにいたしておりまして、それを公告縦覧するということによりまして事業計画を策定するわけでございます。
 さらに、先ほど申し上げましたが、関係の都道府県に対して費用の負担を求めるというふうになっているわけでございますが、これにつきましても、事業の施行に当たりましては、関係する都道府県の同意それから都道府県議会の議決を得た上で、それぞれの関係の都道府県に負担を求めることができるというふうな規定を設けているわけでございます。
 したがいまして、ただいま申し上げました、そういうふうな手続を踏むことによりまして可能な限り地方公共団体の意向を取り入れる、これによって事業の円滑な推進に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○福田(良)委員 これはこの法案とはちょっとずれますが、水産業と漁村は、安全で良質な水産資源物を安定的にこれまで供給していただいております。そういった機能だけでなく、自然環境の生態系の保全、国民の生命財産の保全、地域交流の場など多面的であるわけでありますが、また最近、安らぎとか心のゆとりといった価値観が今日重視されております。
 農水省が策定されております、未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選というのがありますが、そういったところにも期待が高まっております。
 しかしながら、漁村の人口は、近年、高齢化に伴いかなり激減しております。といったことから、先ほど申しました生命財産の保全、地域交流、生態系の保全といった多面的機能に支障が生じているというようなことが懸念されております。
 今後、漁村の活性化を図るために、水産業を含む地域資源をもっと有効に活用すべきだというふうに思うわけでありますが、どのような取り組みを行われていくのか、御所見をお伺いいたします。
○白須政府参考人 ただいま委員のお話しのとおり、やはり、近年、全体として生産量、水揚げが減少いたしておる、あるいはまた漁業者も減ってきておる、あるいはまた高齢化をいたしておるといったようなことでございまして、漁村の活力の低下というものが指摘をされているわけでございます。
 そこで、やはり、漁村が持っておりますさまざまな地域資源、ただいま委員からもお話がございましたが、そもそも、水産業そのものもそういった地域資源の一つでございますし、あるいは歴史でございますとか景観でございますとか、あるいは文化伝統、さらにはそういった自然の環境そのもの、さまざまな地域資源があろうかというふうに考えているわけでございます。そういった水産業を含みますさまざまな多様な地域資源、こういったものを生かして漁村の活性化というものを、まさに現在の都市の住民の方々のニーズというものもそこに来ているのではないかというふうに考えているわけでございますが、そういうものを生かした漁村の活性化というものが求められているわけでございます。
 そこで、私ども、先ごろ、新たな水産基本計画というものを策定させていただいたわけでございますが、そういった中におきましても、一つには、新鮮な水産物、あるいはまた豊かな自然環境、そういったそれぞれ漁村の有します地域資源、こういったものを活用した漁村づくりでありますとか、あるいはまた体験学習の場、そういった都市と漁村の共生なり対流なり、そういった取り組み、こういうものを全国に広げていこう。あるいはまた、先ほど委員からもお話がございました歴史的あるいは文化的な遺産、こういうものを全国に発信していく、あるいは広めていくといったようなことをやっていこうというふうに考えているわけでございます。
 具体的に申し上げますと、ただいまのような漁村体験の学習施設でございますとか、あるいは水産物を中心とする地域の産物の販売、提供のための施設整備、漁村の活性化のための施設整備でございますとか、あるいは、地域みずから漁村づくりをやっていこう、こういうふうな地域がみずから発意する形での漁村づくり事業、こういうことに対する支援ということも今回の予算の中に織り込んでいるところでございます。そういった形によりまして、漁村の活性化というものを今後とも進めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○福田(良)委員 漁村の持っている多面的機能を十分に発揮できるように、さまざまな角度からまた施策をつくっていただきたいというふうに思うわけであります。
 また、近年、全国で道の駅の海上版であります海の駅が数々設置されておりますが、プレジャーボート等の係留や地域の情報発信地として、活力ある地域づくりがその海の駅の設置につきまして進められております。このため、今後、プレジャーボート等にも開かれた漁港づくりを進めることも重要であろうかというふうに考えるわけでありますが、開かれた漁港づくりに関してどのような取り組みを行っておられるか、御所見をお伺いいたします。
○白須政府参考人 ただいまお話がございましたプレジャーボート、漁業そのものではないにしても、そういったプレジャーボートの係留といったようなものがそれぞれ地域の活性化、活力ある地域づくりに大変に役に立っておるというふうな事例、ただいま委員からもお話がございました海の駅というふうな事例もいろいろと全国で出てきているわけでございます。
 こういった意味で、漁港におけますプレジャーボートの受け入れというものは、一つには、やはり就業機会の提供といったようなことを通じまして、地元の経済への波及効果というものも当然考えられるわけでございまして、そういうようなものを活用いたしました海洋性のレクリエーションへの漁港の活用というものは、漁村を総合的に振興していく、活性化していく方策として大変重要な一つの大きな柱ではないかというふうに期待をされているわけでございます。
 他方、そういったプレジャーボートがやはり漁港で利用されるということになってまいりますと、一方には漁業活動との調整に支障があるのではないかというふうな議論もあるわけでございます。
 そこで、私どもといたしましては、そこのところを調整を図りまして、漁業活動に支障がない範囲でプレジャーボートなどの利用を受け入れるように、地方公共団体などの漁港管理者に対しまして指導を行っているわけでございまして、またさらに、そういうものを前提といたしますプレジャーボートが漁港で係留される、あるいは収容される、こういうことに必要な施設の整備ということにつきましても、私どもとしても支援をいたしているわけでございます。
 したがいまして、やはりそういったプレジャーボートというものにつきましては、一方では円滑な漁業活動との調和ということが必要でございまして、他方また、地域の活性化、漁港の活性化にも、あるいはまた地元経済そのものへの大変大きな振興の柱にもなるわけでございますので、そういった調和を図りながら、国民の皆さん方の海洋性のレクリエーションに対するニーズも大変高まっておりますので、そういうものに対応できるように、私どもとしても、しっかりと調整あるいは対応してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○福田(良)委員 漁業とそういった地域活性化の調和をしっかりと図っていただきながら、開かれた漁港づくりを進めていただきたいというふうに思うわけであります。
 また、従来から漁村の生活環境の整備がおくれていることが指摘されておるわけでありますが、特に都市と漁村の交流を推進する上でも、汚水処理は重要であるというふうに考えるわけであります。
 そういった汚水処理施設の整備の取り組み状況をお伺いしたいというふうに思います。
○白須政府参考人 お話のとおり、漁村は大変に生活環境の整備というものがおくれているというふうに言われているわけでございます。特に、やはり土地が狭い、前面が海でございまして、山が非常に迫ってきておるといったような、そういう立地条件、あるいはまた離島といったようなことで、大変に不利な条件の地域に立地をいたしているわけでございまして、都市と比べましてももちろんのこと、生活環境基盤、とりわけ汚水処理施設というものの整備はおくれているわけでございます。
 汚水処理施設の整備というものにつきましては、漁村におけます住民の生活環境の改善に資するというのみならず、これだけではございませんで、都市と漁村の交流促進、こういった取り組みにおきましても大変重要な役割を果たすというふうに考えているわけでございます。
 そこで、現在策定をいたしております現行の漁港漁場整備長期計画、これは計画期間が平成十四年度から十八年度でございますが、これにおきましては、漁業集落の排水施設の整備率、これを、平成二十三年度、この計画を策定いたしました平成十四年度からちょうど十年後の平成二十三年度におおむね六割という目標を掲げたわけでございまして、これを目標といたしまして、計画的な整備の推進に努めているわけでございます。
 整備率につきましては、この策定をいたしましたときの平成十三年度末が三二%でございまして、これが平成十七年度末には四四%ということでございまして、平成二十三年度を六割、六〇%というふうに目指しますと、この十七年度末の四四%というのは、目標に向けましてそれなりに着実に推移してきておる数字ではないかというふうに考えているわけでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも、漁業集落排水施設の整備につきましては、それぞれの関係の地方公共団体ともしっかり連携を図りながら、これの推進、もちろんハードの整備だけではございませんで、パンフレットを配布したり、あるいは説明会の開催、そういったことでのソフト的な普及啓発も重要でございます。
 そういったことも含めまして、この整備については十分推進をしてまいりたいと考えている次第でございます。
○福田(良)委員 平成十七年度が四四%の普及率ということで、まだまだ十分とは言えない数字だというふうに思います。集落排水等、受益者の負担もあるんだというふうに思いますが、目標をしっかり掲げられて整備を進めていただきたいというふうに思います。
 先般、能登半島の地震におきましても、漁港等で多くの被害が発生いたしました。まず、その早急な復旧と今後の安全対策を求めるものであります。
 また、全国的にも、もともと漁村は孤立しやすいなど、災害に対しては大変脆弱であるという地理的な関係があります。このため、やはり漁港や漁村の基盤整備等により、防災対策をしっかりと強化することが必要であるというふうに考えますが、御所見をお伺いいたします。
○白須政府参考人 ただいまお話しの三月二十五日に発生をいたしました能登半島地震におきましては、四月九日現在におきまして、農林水産関係の被害額、全体で百二十億円でございますが、このうち水産関係被害額は五十三億円といったようなことでございまして、お話のとおり、漁港等におきまして大変大きな被害が発生しているわけでございます。
 私どもとしても、一刻も早い復旧なり安全対策に努めてまいりたいと考えているわけでございますが、漁村は、やはり立地条件からいたしましても、地震でございますとか、あるいは津波でございますとか高潮、こういった自然災害に対しまして大変に脆弱な面を有している、これは事実でございます。したがいまして、防災対策を強化するということが大変に急がれるわけでございます。先ごろ策定をいたしました水産基本計画におきましても、安全で活力のある漁村づくりというものにおいて防災力の強化というものを強調いたしまして、推進をするというふうに計画でもなっているわけでございます。
 そこで、私どもとしても、これまで、地震、津波、こういうものに対しますハード面それからソフト面、そういった一体的な対応策を整理いたしまして、災害に強い漁業地域づくりのガイドラインというものを昨年三月に取りまとめを行いまして、これの普及啓発を図っているわけでございます。
 また一方では、漁港なり市場施設の耐震化でございますとか、避難路、避難地の整備、あるいは堤防などの海岸保全施設の整備、こういったことも推進しているわけでございまして、こういったことを通じまして、いずれにしても、委員のお話のとおり、防災対策の強化というのは大変重要でございますので、しっかりとその点、推進してまいりたいと考えている次第でございます。
○福田(良)委員 現在、全国展開に向けて法改正が提出されておりますが、漁港特区についてお尋ねいたします。
 この特区は、漁業管理者が民間事業者に行政財産である荷さばき所や加工施設等の漁港施設を貸し付け、民間事業者が主体となって、水産物の衛生管理方法の改善等、漁業施設機能の高度化を図ることが目的であります。平成十六年に制度化された、水産庁の分野では唯一の特区がこの山口県の下関で行われております。
 私も山口県の出身でありますが、まさにこの山口県下関市は安倍総理の地元中の地元であります。そこにおきまして、画期的な、山口県と下関の共同により、平成十五年にこれは提案されて、翌年の十六年に下関地区水産漁業活性化特区として認定されたわけであります。
 地元の声を聞いてみましたが、やはり、この特区の規制緩和措置によりまして、卸売業者の皆さんは、荷さばき所の使用について、従来の一年単位での使用許可ではなく長期間貸し付けを受けることによって、大型活魚の水槽、詰所、倉庫等をみずからが整備することができる、そしてまた、みずからが整備した施設は大変使い勝手もよく、広い競り場で作業効率が向上し、仲買人もじっくりと魚を見て買うことができる、技術の進歩に応じた改良や更新が自己の経営判断の中で実施ができるといったメリットがある、また、この特区の提案からその道のりの中で、市場関係者が実際水産業が置かれている厳しい状況を再確認し、プラス思考で水産業の活性化に取り組んでいくきっかけとなったというふうに評価されているわけであります。
 そういったことからも、やはりこれを全国的に展開する必要性はあるというふうに思いますが、どのようにこれを広めていくのか、最後に見解を伺いたいというふうに思います。
○白須政府参考人 ただいま委員のお話しのとおり、下関で行われておりますそういう漁港の特区制度、これの全国展開を今回の法改正によりまして行うことといたしているわけでございます。
 これによりまして、ただいま委員からもるるお話がございましたとおり、やはり大変短期間の許可なり更新ということで、今後ともの更新の保証がないと本格的な民間投資もできないというふうなことで、大変機能の高度化もおくれておったわけでございます。これが、長期間のそういう貸付契約ということができるわけでございますので、まさに民間がみずからの創意工夫によりまして、大いに衛生管理なり集出荷の効率化推進というものもできてまいる。
 あるいはまた、一方では、特区によりますと、やはりどうしても国の関与ということもございまして、手続というものもそれぞれ必要だったわけでございます。これも大幅に簡素化をされるというふうなことでございます。
 したがいまして、今後、この法改正が行われますれば、行政財産の貸し付けによります漁港機能の、まさに今委員からもお話がございましたような衛生的な面あるいは安定的な供給という面でも、漁港機能の高度化というものが一層図られるというふうに考えておりまして、私どもといたしましても、この動きによりまして、大いに国民に対する安全な水産物の安定供給、あるいはまた地域の活性化がより一層図られることになるのではないかというふうに期待をいたしている次第でございます。
○福田(良)委員 以上で質問を終わります。ありがとうございます。
○西川委員長 次に、井上義久君。
○井上(義)委員 公明党の井上義久でございます。
 私は、まず初めに、我が国の水産業の構造改革、特に持続可能な水産資源をどう回復するかという観点から何点か御質問したいと思います。
 ことしの二月に、社団法人の日本経済調査協議会が、我が国水産業の再生のためにということで「魚食をまもる水産業の戦略的な抜本改革を急げ」という緊急提言をまとめられました。
 私も拝見をさせていただきましたけれども、緊急提言の骨子は、一つは、海洋環境の保護と水産資源の有効利用のため、水産資源を無主物としての扱いではなくて日本国民共有の財産と明確に位置づける、二つ目が、水産業の抜本的な構造改革を水産業への参入のオープン化と包括的かつ中期的な戦略政策を明示し推進する、それから三つ目が、水産業の戦略的な抜本改革のために水産予算の弾力的な組み替えを断行せよ、この三点が趣旨でございます。
 立場によってさまざまな評価はあると思いますけれども、私は、水産業の衰退に極めて強い危機感を持っている一人といたしまして、傾聴に値する意見の一つではないか、このように思っております。
 特に、我が国の漁業の再生のためには、周辺水域の資源管理の徹底というのは非常に重要だというふうに思うわけですけれども、国連海洋法にもあるように、また諸外国の基本的な考え方もそうなんですけれども、水産資源を国民共有の財産と位置づけるという考え方について、一つは提言に対する評価と、それからまた、国民共有の財産というふうに位置づけるという考え方について、大臣のお考えを確認したいと思います。
○松岡国務大臣 井上先生の今御指摘の点でございますが、まず、日本経済調査協議会が行った提言をどう評価するかということでございますが、これは、私ども、大変大事な御提言である、このように受けとめたいと思っております。そして、必要なことにつきましては、我々もそういった提言を受けとめながら対処してまいりたい、まずそのように評価いたしております。
 それから、水産資源を国民共有の財産としてというこの点についてでございますが、井上先生の御指摘の御趣旨それからまた経済調査会の御趣旨、こういった点につきましては、私ども、政策理念としては我々も全く同様に認識をして対処していかなければならない、このように思っておるところでございます。
 そして、水産資源の回復、増大を図っていく、こういった点には、国民全体の観点から、やはり何といっても、我が国にとっては、漁獲資源というのは非常に重要であり大事でございますので、そのような観点に立って対処し、取り組んでまいる、このようなことでありまして、井上先生の御指摘の御趣旨は十二分に体しながら、政策理念の基本として私ども対処してまいりたい、このように思っております。
○井上(義)委員 水産資源を国民共有の財産ということについては、これまでの歴史的な経緯もありますし、漁業者の皆さんのさまざまな思いもあるかと思いますけれども、諸外国あるいは国連海洋法等の基本的な考え方、この辺はやはりしっかりと議論をして、国民的なコンセンサスをつくっていかなければいけないんじゃないかというふうに思いますので、国民的なコンセンサスをつくるべく、今後活発な議論を、私どももやっていきたいと思いますし、政府においてもぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。
 次に、新たな水産基本計画でも、資源回復ということが重要なテーマの一つになっております。今回の法改正もその手だての一つというふうに私は位置づけているわけですけれども、これまでの政策実行にもかかわらず、水産資源の回復実態というのは極めて厳しい、多くの魚種は低いレベルにとどまっているというのが現状だと思います。
 これまでの一時的な休漁や保護区の設定などの施策では大きな効果が期待できない状況にある。水産業のV字回復に成功したEU諸国とか、我が国でも秋田県のハタハタの例などに倣って、いわゆる中長期的な戦略を立てて、どこの資源をいつまでにどのレベルまで回復させるのかということを具体的に定めてやっていくことが私は重要だと思います。
 そのためには、漁獲量の調整とそれに対応した、例えば長期間の休漁あるいは減船、離職者対策等の国の直接的な支援、それらを包括的に組み合わせた施策というものを国民、漁業者に示して推進していく、こういう基本的な考え方がまず必要なのではないかというふうに思いますけれども、政府の考え方をまずお伺いしたいと思います。
○白須政府参考人 ただいま委員からもお話がございましたが、資源回復の関係でございます。
 私どもといたしましても、御案内のとおり、平成の十四年度から資源回復計画、緊急に資源の回復が必要となる魚種というものを対象といたしまして、資源回復計画を策定いたしているところでございまして、現在、四十三の計画、これにつきましては実施中でございまして、さらに今後十七の計画を作成する予定であるというふうになっているわけでございます。
 ただいま委員からもお話がございましたが、やはりどういった資源をどれだけの期間で、あるいはまたどこまでの数量として回復をさせるのかという話でございます。
 私どもとしましても、一律ではございませんが、それぞれの魚種につきまして、回復させる期間でございますとかあるいは目標の数量、こういったものもそれぞれ定めまして、方策としては、休漁でございますとかあるいは減船、そういった意味での漁獲努力量、インプットの量を削減していくということ、あるいはまた種苗を放流していくというふうなことで資源の積極的な培養に努めるということ、またさらには、藻場なり干潟なりの造成といったようなことで漁場環境の保全、こういった措置を講じておりまして、資源の回復に努めているわけでございます。
 この結果、もちろん計画の魚種がすべて回復したということではございませんが、瀬戸内海のサワラでございますとかあるいはまた日本海のズワイガニとか、それなりにこの資源回復計画の取り組みによりまして資源が回復してきておるというふうな事例も見られているわけでございます。
 また、こういった資源回復計画に基づきます休漁でございますとかあるいは減船、そういった漁獲努力量の削減、これはやはり漁業経営に与える影響も大変大きいわけでございます。したがいまして、国もそうでございますし、あるいはまた都道府県も、それぞれ資源回復計画に基づきまして行います休漁でございますとかあるいは減船に対しまして、一定の支援を実は行っているわけでございます。
 また、委員からもお話がございました離職者対策といたしましても、職業転換の給付金、こういったものも具体的に交付するというふうな形での支援も行っているわけでございますので、今後とも、私どもとしては、こういった資源回復計画を通じました資源回復の取り組みというもの、これによりまして、我が国の周辺資源の回復、管理というものに努めてまいりたいと考えている次第でございます。
○井上(義)委員 今、大体御説明いただきましたけれども、要するに、漁獲努力量は当然削減をする。しかも、いつまでにどのレベルまで回復させるかということになると、それが大前提になる。当然、漁業者に対する、経営が非常に厳しくなるということですから、減船とか休漁とかあるいは離職者、やはり国の直接的な支援というものがこれはどうしても必要だ。そういう、ここまで回復させるためにここまでやるんだということをやはり包括的に施策として漁業者、国民に示して理解を得ていくことがこれから非常に必要だというふうに思います。
 なかなかそれが国民や漁業者から見て、見えない、安心できないということが私は問題なんじゃないかなということで、包括的な施策というものをやはりしっかり漁業者、国民に提示して、国もきちっと予算をつける、このことについて、再度、もう一回確認しておきたいと思います。
○白須政府参考人 ただいま委員からも、包括的な、いろいろな個別のそういった資源回復のための施策のそれぞれということではなくて、全体として包括的にやはり回復させる期間あるいは目標数量を明示すべきだ、こういったようなお話がございました。
 私どもも、やはりこの資源回復計画を実施いたします場合には、国だけが個別に、何といいましょうか、一方的にこういうことでやれというふうに漁業者に命ずるわけにもなかなかまいらない。これはやはり漁業者が合意をいたしまして、経営面にも大変大きな影響も与えるわけでございますので、委員がおっしゃることはもちろん私どもも十分踏まえて行っているつもりでございますけれども、一方では漁業者の経営というものもにらみながら、他方、やはり資源の回復、資源の持続的な利用ということにつながる回復計画でなくてはならないというふうに考えております。
 また、国の支援ということにつきましても、実は、十四年度から計画を策定いたしました際に、例えば減船なり休漁につきましても、国がそれぞれ一定の割合につきましてしっかりとした支援措置も講じながら、漁業者の負担を可能な限り軽減するというふうなことで支援も行っておりますので、ただいまの委員のお話は十分、そういういろいろな魚種につきまして、包括的に、回復させる期間、目標数量の明示ということにつきましても十分意を用いながら、今後とも資源回復ということについての推進を図ってまいりたいと考えている次第でございます。
○井上(義)委員 それから、ごく最近の新聞報道によりますと、大型、中型のまき網漁業によるサバ類の漁獲が、いわゆるTAC、漁獲可能量で定められた漁獲量から六万六千トンも過剰に漁獲をされて、水産庁が採捕の停止と改善計画の策定を求めたというふうに報道されています。このような状況が続きますと、減少している資源がさらに悪化することになるわけです。
 こうした問題の根底には、私は、科学的なABC、いわゆる生物学的許容漁獲量と行政によるTACの乖離の問題がある、水産資源の持続的利用のためには、やはり科学的根拠に基づく資源管理の徹底が重要ではないかというふうに思います。
 また、資源管理の重要性が言われながらも、先ほども申し上げましたけれども、いわゆる水産資源というのは無主物という扱いからくるのかと思いますけれども、いわゆるオリンピック方式で、早かった者が勝ちという考え方がその問題点の一つではないかというふうにも考えるわけです。
 我が国にとってかけがえのない水産資源をどう保護し、回復させていくのか。まずは、やはり科学的根拠に基づく資源管理の徹底、これが最重要だというふうに考えますけれども、このABCとTACの乖離、これをどう解消していくか。私は、あくまでも科学的根拠に基づく資源管理、これをまず徹底するということが非常に重要だと思いますけれども、この点についてはどうでしょう。
○白須政府参考人 委員の御指摘のとおり、実は、TACの対象魚種、現在七魚種あるわけでございますが、このうち、委員からお話がございましたサバを初めといたしまして、マイワシ、スケトウダラ、マアジ、ズワイガニ、こういった魚種につきましては、近年、TAC、漁獲可能量が、いわゆるABCという生物学的な許容の漁獲量を上回っておる、これはお話のとおりでございます。
 こういうふうな形でTACがABCを上回っておりますのは、一方では、委員がお話しのとおり、やはり科学的な知見というものは、資源状況をきちっと把握しましてその許容量を出す上では当然必要でございまして、そういったことを基礎としてTACを算定するわけでございますが、ただ、これは資源回復という面からいきますと、そういうものできちっとそれ以上はとってはならないということになってまいりますと、一方では漁業者の経営状況ということにも非常に影響があるわけでございまして、TACを設定した当初、やはり漁業者の理解を得るということがどうしても、資源の回復について、持続的な利用を行っていく面でも必要であったということがあるわけでございます。
 したがいまして、当初、やはり漁業者の理解を得ながらこのTACを定着させるという観点からいって、TACとABCの乖離というものは今以上にあったわけでございますが、その後、漁業者の理解も相当得てまいりまして、このところ、まだまだもちろん、お話のとおり、TACがABCを上回っておるという状況もあるわけでございますが、その乖離の幅は相当程度、私どもとしては縮まってきておるというふうに理解をいたしているわけでございます。
 また、この設定をいたします場合には、水産政策審議会ということで、生産者なり関係の漁業者それぞれが集まりまして、そういった皆さん方の意見を聞いて行っているわけでございます。
 しかしながら、やはり委員からもお話しのとおり、資源のそういった漁獲許容量、TACの量というものを算定する以上は、どうしても科学的知見の精度というものを一層高めていく、その範囲でしっかりとTACを設定するというのは当然必要でございますので、今後とも、一方では科学的知見の精度というものは一層高めていくということとあわせまして、科学的知見をもとにいたしまして、漁業者の理解も得ながら、適切なTAC設定というものをしっかりとやってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○井上(義)委員 私は、これまでの経緯はよく理解していますけれども、漁業者の理解を得る、そのためにはやはり政府がきちっとした包括的な施策を示す、それがやがては漁業者にとっても大きなプラスになるわけだし、これは持続可能でなければ自分たちの首を絞めることになるわけですから、その意味でも、そういう包括的な施策というものをきちっと示すことが必要なんじゃないかというふうに思います。
 その点について、もう一度ちょっと確認しておきたいと思います。
○白須政府参考人 まさに委員からのお話のとおり、やはり、漁業者の理解を得る、このためには、一方では経営安定のための対策も打つ必要があろうかと思いますし、また他方では、資源管理、資源の持続的利用に向けましての施策、そういったしっかりとしたTACを初めといたします資源の管理、回復のための施策も一方では打ちながら、経営安定のための対策も講ずべきである、お話のとおりかと思っております。
 私どもとしては、この三月に、そういったことも含めまして、一方では漁業者の経営というものもにらみながら、他方ではまた消費者に対する安定供給、その前提としての資源の管理、回復というものを前提といたします水産基本計画というもの、新たな基本計画を打ち立てたわけでございます。
 こういったことに基づきまして、私どもとして、今委員の御指摘のようなそういう包括的な対策というものを、これは、基本計画に基づきまして今後とも施策を講じるという基本方針でございますので、そういうものに基づきまして、委員の御指摘のような包括的な対策というものを打ち出してまいりたいと考えている次第でございます。
○井上(義)委員 それで、いわゆるV字回復したEU諸国等、諸外国では、徹底した科学的な資源管理と、それからいわゆるITQ、個別譲渡可能漁獲割り当て、この制度の導入によって水産業の回復に成功した事例が非常に多いわけです。
 我が国でも、TAC法など必要な法改正をして、いわゆるオリンピック方式というのをやめて、ITQ制度を迅速に導入して、我が国漁業の立て直しを図るべきではないかというふうに私は考えています。
 このITQ制度の導入ということについて政府はどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
○白須政府参考人 ただいまのITQ制度の導入の関係でございます。
 委員からもお話しのとおり、個別の譲渡可能漁獲割り当て、いわゆるITQでございますが、これは、いわゆる個別の割り当て、IQと言っておりますけれども、これに譲渡性を付与するといったようなことで、その割り当て量を他の漁業者に譲渡することができる、そういった仕組みでございます。
 お話のとおり、このITQにつきましては、過剰な投資を抑制いたしますとか、あるいは操業の効率性が改善される、また無駄のない資源利用が期待できる、そういった利点ももちろんあるわけでございます。他方、反面、割り当て量の超過に伴います虚偽の報告というものも大変多い。あるいはまた、価値が低い小型魚、混獲をいたしますとそういうものを捨ててしまうといったようなことで、非常に資源の面で無駄になる。あるいはまた、譲渡を通じまして、特定の漁業者に割り当て量が、どちらかというと大規模な漁業者に割り当て量が集中をいたすといったような問題点も実は指摘をされているわけでございます。
 例えば、これを導入いたしましたアラスカにおきましては、ギンダラとかオヒョウとか、そういうITQの導入によりまして、漁船の統合は進んだわけでございますが、加工場がこれまた閉鎖されるとか、あるいは水揚げ港の集中が進みまして漁村が崩壊をするといったようなことで、実は、ITQの譲渡につきましては、個人ごとの保有量の制限といったような制約条件も課されているというふうに聞いているわけでございます。
 実は、私どもとしても、我が国におきましても、ミナミマグロにつきましては、ITQじゃございません、IQ、個別の割り当てにつきましては既に導入をいたしているわけでございますが、これは、ミナミマグロにつきましては関係の漁業者とかあるいは水揚げ港も少ないということで、水産庁の監督官を常時駐在させる、そういうことでこれの管理というものが、取り締まりということが十分できるから導入しておるというふうな理由もあるわけでございます。
 いずれにいたしましても、我が国におきましては、一般的には、ただいまお話のございましたITQを導入しておりますような諸外国と比べますと、魚種も非常に多うございます。また、遠洋から沖合から沿岸から、大変に多様な漁業も存在をいたしており、また、漁船なり水揚げ港も諸外国と比べますと一段と多いわけでございまして、なかなかそこの取り締まりのところが難しいというふうな基本的な問題もあるわけでございます。
 しかしながら、委員からもお話がございましたような、そういうメリットというものも十分考えられるわけでございますので、そういったメリット、デメリットというものも十分検討しながら、あるいはまた関係の漁業者団体とも十分相談をいたしまして、今後、その導入につきまして検討してまいりたいと考えている次第でございます。
○井上(義)委員 資源の有効利用という観点から、私は、極めて有効な制度だと思います。ただ、今お話があったように、問題点もあることもよく理解しています。特に、管理監督という体制が果たして今の水産庁でできるかという問題点等もあることは我々も理解しているわけですけれども、この導入に向けて、それから拡大に向けて、ぜひ研究していただきたいということを要望しておきます。
 それから、法案について、一つだけちょっと。
 今回の漁場法の改正の大きな柱の一つは、いわゆる漁場整備の事業主体として、地方公共団体、水産業協同組合に加えて、国を追加したということが大きな改正点だというふうに思います。国がやることによって、国が事業主体となることによって、どれほどの効果というものが期待できるのかということ。それから、対象漁場を排他的経済水域に限定したわけです。なおかつ、対象魚種について、いわゆる第一種の特定海洋生物資源、第二種の特定海洋生物資源の中で、なおかつ資源回復計画が既に実施中あるいは策定中のもののみその対象になっているということについて、まず、なぜそうしたのかということをお伺いしたいということ。
 それから、まとめて聞きますけれども、この十九年度予算で、いわゆるフロンティア漁場整備事業ということで、日本海西部海域のズワイ、アカガレイ漁場整備のための、とりあえず測量とか、そのための予算が一億二千七百万ですか、組まれているわけなんですけれども、本格的に施行をするためにはかなりの予算が必要なんだろうというふうに私は思います。そういう意味で、今後の予算についてどう考えているのか。
 例えば、兵庫県のズワイガニ保護礁、これは兵庫県がやっていますけれども、大体、六年間ぐらいで全体事業費では十二億予定しているわけですけれども、国が排他的経済水域でやるということになると、私はかなりの予算が必要になってくると思います。そのことについて、きちっとした予算確保、我々も協力しなければいけないと思っていますけれども、その辺についてどのように考えているか、最後にお聞きしたいと思います。
○白須政府参考人 今回の法改正によりまして、国が主体的に行う漁場整備、国を事業主体に追加いたしたわけでございます。
 この点につきましては、我が国の漁業生産におきまして、沖合漁業の漁獲量、これが大体四割ぐらいを占める、大変大きなウエートを占めておるわけでございますが、ここ十年をとってみますと、これが三分の二ぐらいに急激に減少をいたしているわけでございまして、そういった意味で沖合海域におけます資源の増大を図りますための漁場整備の推進というものは大変大きな緊急の課題になっているというふうに理解をいたしているわけでございます。
 しかしながら、これまでいわゆる漁場整備、例えば魚礁の設置といったようなものにつきましては、主に沿岸海域、領海の範囲内程度の沿岸海域におきまして、地方公共団体なり漁協が事業主体になってやっているわけでございまして、これはやはり、沖合漁業の主な漁場でございます排他的経済水域、二百海里の先まであるわけでございますので、この点につきまして、もともと、非常にそんな遠くで、大変水深の深いところで、なかなかコストもかかる。あるいはまた、もともとのお話として、いずれにしても、そういった排他的経済水域はどこの地方公共団体にも属さないわけでございますし、またこの整備の受益がそれぞれいろいろな都道府県にまたがるといったようなことで行われてこなかったわけでございますが、ただいまのような排他的経済水域における、沖合域における漁場整備の必要性というふうなことから、国が主体となって行うというふうにしたわけでございます。
 そこで、TACなり、先ほどお話があった、魚種を限っておりますのは、漁場整備をいたしましても、その効果を持続させるということからいきますと、どうしても、今後ともしっかりと適切に保存、管理を当該漁場におきましてやっていくということが、そこで漁場整備するだけじゃございませんで、やはりそういった魚種についての適切な保存、管理の措置をとるということが持続的利用をしていく上でも大変必要でございますので、そういった意味から、TACなりTAEの魚種に限定をいたしたということでございます。
 そこで、今回、十九年度予算で、お話のとおりの日本海西部海域におけます魚礁、保護礁の設置という事業を想定いたしている、予算も十九年度予算を計上いたしているわけでございますが、これにつきましては、当面、調査あるいは測量ということでございます。
 今委員からもお話がございましたとおり、今後、具体的なそういう事業、本格的な事業実施ということになりますれば、そこは、今私の方から何億というふうにはなかなか申し上げられませんけれども、当然のことながら、相当大規模な、規模の大きな予算というものも必要になってまいろうかというふうに考えているわけでございまして、これにつきましては、いずれにしても、今後の調査、測量あるいはまた地域の実態ということを踏まえまして、事業計画の中で事業の期間なり規模については決定をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
 いずれにしても、そこの場合に必要になってまいります予算、今兵庫県の事例も委員からもお話がございましたが、それと比べましても相当な予算も必要になってまいろうかというふうに考えておりますので、今後の予算の確保につきましても適切に対応してまいりたいと考えている次第でございます。
○井上(義)委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○西川委員長 次に、仲野博子君。
○仲野委員 おはようございます。民主党の仲野博子でございます。
 法案の質疑に入らせていただく前に、冒頭、大臣の方にお伺いしたいと思います。
 統一地方選挙の前半戦も終わりまして、東京もようやく、桜の花も満開、春らんまんというところでありますけれども、気分もすっかり変わったところで、大臣、多くの国民が、さまざまなメディアを通じて、松岡大臣は一次産業、とりわけ農業に対しましては本当に権威者、専門家、エキスパートということで、期待もしているところであります。しかし一方では、このたびのさまざまな光熱費問題等で、どうして国民に対してわかるような説明をしていただけないんだろうか。そういったことで、ぜひこの委員会で説明責任を果たすべきでないのか。もし、そのことができないのであるならば、残念であるんですけれども、もう辞任すべきでないのかな、そのように思っておりますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○松岡国務大臣 仲野先生からのお尋ねの件でございますが、もう既に何度も国会でも申し上げてまいりましたように、この光熱水につきましては、その費用につきましては、現行の政治資金規正法に基づきまして、法令の定めに従って適切に報告をしてまいっているということでございまして、それ以上の報告をするということの可否につきましては現行の法制度が予定をしていないわけでありまして、したがいまして、制度のあり方にもかかわることでございますから、差し控えさせていただきたい。ずっとこれまでも申し上げてきたとおりであります。
○仲野委員 きょう、私、いつもわっと言うタイプなんですけれども、冒頭、優しく大臣の方にそれを求めたんですけれども、やはりお気持ちがその後変わっていないということで、ひとつ大臣に、また後ほど先輩の議員が質問するかと思うんですけれども、私の方からは法案の審議に入らせていただきたいと思います。
 先ほど来から、水産基本計画に基づいて上程されました法案について多くの委員から質疑されたところで、重複もあるかと思いますけれども、大臣に一点だけちょっと答弁を求めたいんです。
 三月二十日に新たな水産基本計画が閣議決定をされました。私は、今非常に厳しい状況に置かれている地元の漁業者の声を踏まえ、漁港漁場整備法等の改正案について、あわせて新たな水産基本計画について質問をしてまいりたいと思っております。
 平成十三年六月に二十一世紀における水産に関する施策の基本指針となる水産基本法が制定をされました。また、平成十四年三月には水産基本計画が策定され、これに基づき施策が推進されてまいりました。水産基本計画は、水産をめぐる情勢の変化、施策の効果に関する評価を踏まえ、おおむね五年ごとに見直しをすることとされておりますが、平成十四年三月に初の基本計画が策定されて以来、我が国をめぐる内外の情勢は大きく変化をしてまいっております。
 我が国は、本当に世界最大の水産物輸入国となっておりまして、水産物の自給率は五七%まで落ち込んでおります。水産物の世界的な需要が高まる中、ほかの国との購入競争に敗れる買い負けが生じるとともに、国際的な資源管理措置が強化されるなど、国内供給への影響が非常に懸念をされているわけであります。
 こうした中、我が国の水産業とこれを支える漁業者の経営と漁村は、資源状態の悪化や魚価の低迷、担い手の減少や高齢化の進行などに加え、昨今の燃油価格の高騰あるいはまたトドなどによる漁業被害、そういった危機的な状況に今追い込まれているわけであります。
 新たな水産基本計画においては、このような情勢変化の認識を踏まえ各種の施策を位置づけていると思いますが、改めて、我が国の水産業や漁村の置かれている現状についてどのように認識をされ、どのような施策を講じようとしているのか、副大臣、お聞かせいただきたいと思います。
○山本(拓)副大臣 御指名でございますので、お答えさせていただきます。
 今先生が御指摘のとおりでございまして、我々農林水産省といたしましても、非常に資源が現状が悪化する中で、漁業者の減少、高齢化や、主たる生産資本である漁船についても高齢化が進行しているという厳しい現状認識を持っているところでございます。また、世界的にも、今まで水産物を食べなかったところもみんな食べるようになってまいりまして、水産物の需要が非常に高まっているなど、水産物に対する需要の情勢も大きく変わっていると認識をいたしております。
 そういう状況を踏まえて、この三月に新たな水産基本計画を閣議決定いたしたところでございまして、その柱として大きく五つで構成されております。
 その一つが、藻場等の造成、保全による漁場環境の改善や資源回復計画の着実な推進。また、漁船漁業構造改革の推進や積極的な経営改善に取り組む漁業者を対象とする経営安定対策の導入。また、市場を核とした流通拠点の整備や前浜と消費者をつなぐ多様な流通経路の構築。漁港、漁場、漁村の総合的整備の推進。また、水産物の積極的な輸出の促進ということで、水産政策の改革に取り組むことといたしております。
 これらの水産政策の改革につきましては、国民に対する水産物の安定供給を図るとともに、スピード感を持って積極的にこれを支える強力な水産各種の政策を確立してまいりたいと考えております。
    〔委員長退席、近藤(基)委員長代理着席〕
○仲野委員 当時、この水産基本計画が十四年三月に制定をされてから、多くの漁業団体者あるいは実際漁業に従事する方たちからは、この計画には魂が入っていないということがよく指摘をされてまいりました。
 そういった声を踏まえて、今回新たな新しい計画が策定されたということで、多くの方たちがまた期待するところでありますけれども、今副大臣からも御答弁いただいたんですが、この前浜漁業、いわゆる沿岸漁業の方たちに対する、本当に今、沖合漁業者というより、この沿岸漁業に従事する方々の方が人口割合からいっても非常に多いという中で、私の地元であります北海道釧路、根室は、昆布漁業者の方たちが非常に多いわけであります。
 そういった方たちが毎年毎年本当に心配していることは、中国からの昆布が輸入をされているということで、非常に中国の昆布と私の地元の昆布は競合するというか、そういった意味では、どのようにお考えになっているのか、副大臣にお尋ねしたいと思います。
○福井大臣政務官 今仲野先生から、平成十四年三月、水産基本計画立案以来、今回の法律改正に至るまでの、地域の声をいかに反映したかという御質問だと思います。
 今般、ちょうど昨年の二月、三月、四月にわたりまして、宮城県、静岡県、高知県、福岡県、この全国四カ所で皆様方からお声を承っております。皆様方というのは、地方公共団体、そして漁業者の代表、そしてNPO関係者の皆様方から広範にわたる大変厳しい声を承っております。漁場の関係、漁港の関係、漁村の関係、すべて承った上で今般の法律改正ということでございます。
 整理させていただきますと、今般の法律改正におきましては、沖合海域における漁場整備の推進が喫緊の課題となっているので、そしてまた、高度な衛生管理、鮮度保持等漁港施設の機能の高度化が求められているというこの二つの観点を踏まえて、なおかつ、新たな水産基本計画において、この方向と一致させた上で、先ほど申し上げました皆様方の声を踏まえて、次期長期計画との整合性も合わせながら法律改正に励んだということでございます。
 なお、ついでながら、仙台市内で行われました昨年の三月七日の皆様方からの声の主な御意見を御紹介しますと、市場の老朽化を改善して迅速な出荷体制の確立が必要じゃないか、衛生管理対策が必要じゃないか、自然調和型の整備、親水施設などについて地元の要望は可能な限り採択をしなくちゃだめじゃないか、それから、造成効果の確認を含む藻場の造成に対する国の支援がないといけないじゃないか、資源回復計画との連携がもっと図られないといけないんじゃないか、漁港等の既存ストックの有効活用をもっと重要視しないとだめじゃないかという御意見を踏まえた上で、今般の法改正をさせていただきたいと考えたわけでございます。
○仲野委員 いろいろなさまざまな団体の方たちの声を踏まえて、今回の計画は皆さんの声を反映するような計画に向けて努力されたというような趣旨でお答えいただいたんですが、今回この改正案が提出されている漁港漁場整備法は、平成十三年六月、議員立法により、漁港と漁場の総合的かつ計画的な整備を推進するため、漁港法を改正して制定されたものであります。この法律に基づいて、平成十四年三月には、漁港漁場整備長期計画が閣議決定され、漁港漁場の整備事業が実施されてまいりました。
 新たな水産基本計画においては、漁港、漁場、漁村の総合整備に関し講ずべき施策として三点が挙げられてあります。
 その一点でありますけれども、我が国周辺水域の資源生産力の向上、二つ目として、国際競争力の強化を図るための水産物供給基盤の整備、三つ目が、安全で活力ある漁村づくりということであります。この改正案がこれらの施策の一環として提出されたものと聞いておりますが、改めて、漁港漁場の整備や漁村の振興に係る課題についてはどのように認識をしており、なぜ今回の改正案提出に至ったのかについてお聞きしたいことと、現在、平成十九年度を初年度とする次期漁港漁場整備長期計画の策定に向けた検討が行われているとも聞いております。この次期長期計画の内容としてどのようなことを検討しているのか、福井政務官にお尋ねしたいと思います。
○福井大臣政務官 少し先ほどと重複いたしますけれども、もう一度整理をさせていただきますと、今般の法改正の課題認識は、二つ大きく柱がございます。沖合海域における漁場整備の推進が喫緊の課題となっていることが一つ、そしてもう一つは、高度な衛生管理、そして鮮度保持など漁港施設の機能の高度化が求められているという、この二つの課題認識を持って法改正を行うということでございます。
 新たな水産基本計画におきましては、今先生御指摘のように、我が国周辺水域の資源生産力を向上させなければならないということ、そして、国際競争力を強化するための水産物供給基盤の整備などの施策を強力に推進することがあるということ、その二本柱がございますので、今般の法改正は、この水産基本計画の施策方向と全く合致するものでございます。
 もう一つ、先生おっしゃいました次期長期計画も、まさに御指摘のように三本柱がございまして、我が国周辺における水産資源の生産力の向上、国際競争力強化と力強い産地づくりの推進、そして三つ目に水産物の安定的な提供を支える安全で安心な漁村の形成、この重点三項目も次期長期計画の主要な柱であるということを踏まえた上での今般の法改正をお願いしているということでございます。
○仲野委員 この改正案では、結局、現在、地方公共団体と漁協のみが実施主体とされている漁場整備について、我が国における沖合漁業の漁獲量の急激な減少や世界的な水産物需給の逼迫等を背景に、沖合海域にかかわる漁場整備を推進するため、国が事業実施主体となる直轄事業を行うことができるよう措置することとされております。
 この沖合海域での漁獲量の急減については、沖合漁業資源が急減、激減したことが大きな原因でありますが、漁獲量は数十年周期で大きく増減を繰り返しており、この現象は魚種交代とも言われているわけであります。
 そこで、まずお聞きしたいのでありますが、こうした現象に対する対応策として、漁場整備という手法は果たして有効なのかどうなのかということを福井大臣政務官にお尋ねしたいと思います。
○福井大臣政務官 今先生御指摘のように、数十年周期で資源の変動あるいは魚種の交代が起きるので、今回国が乗り出すのだけれども、そういう対策に果たしてなり得るのかどうかという御質問でございます。
 すべての魚種あるいはすべての魚の数十年周期の資源変動について対策ができるかどうかということには大変厳しいという認識ではございますけれども、今回の考え方は次のとおりでございます。
 まず、私たちがやらなければならないことは、海洋生物資源の保護及び増殖を図るために、産卵可能な親資源の増大、そして幼稚魚の安全な生息場所やえさとなる生物の確保、これらを総合的に、さまざまな技術を活用して漁場整備を推進していくことが重要だということをまず課題認識としてとらえております。
 今般は、整備を予定しておりますズワイガニの親資源の保護などを目的とした保護培養礁の設置のように、対象魚種や適用技術の適切な選定によりまして、沖合域の資源量の底上げを図っていくということでございます。まさに選択と集中で、ズワイガニなどの対策にまず乗り出すということでございます。
○仲野委員 国が施行する漁場整備について、施行海域を排他的経済水域に限定しておられますが、これは地方公共団体や漁協が施行しているような沿岸海域における漁場整備は国はやらないという趣旨なのか、地方公共団体等が施行する漁場整備に対する位置づけあるいは役割分担について、また福井政務官にお尋ねしたいと思います。
○福井大臣政務官 今先生御指摘の、漁場整備における国と地方との役割分担ということでございます。
 今般の法改正は、地方公共団体などによる整備が困難な排他的経済水域、先ほどから長官がずっと御答弁申し上げておりますように、地方公共団体が困難な排他的経済水域に限定をして資源管理の施策と連携をするというのが国の漁場整備でございます。
 一方、今先生ずっと御指摘のように、沿岸域につきましては、資源管理においても地元地域との密接な関係におきましても、やはり地方公共団体などが漁場整備を実施してきたし、これからもお願いするということでございます。
 沿岸域の漁場整備につきましては、今年度より磯焼け対策緊急整備事業が創設をされておりますので、この事業を積極的に実施していく、そして、先生先ほどからおっしゃっております地元の要望を十分にお聞きしながら、引き続き補助事業を通じて地方公共団体等が沿岸域の漁場整備に当たるということでございます。
○仲野委員 沿岸についてはいそ焼け対策等で力を入れていきたいということで、地元の要望も無視はしないで聞いていくということのお答えでした。
 現在、沖合海域における大規模な漁場整備を地方公共団体が施行できる広域漁場整備事業という事業があるということでありますが、これについて、余り施行事例はないということを聞いております。その原因は何か、また、国が施行する漁場整備に対する位置づけあるいは役割分担について、福井政務官にお尋ねをしたいと思います。
○福井大臣政務官 今御指摘の広域整備事業につきましては、実施事例が一件だけということでございますので、その事業の効果を踏まえた上で、国がやるべき仕事かどうか、あるいは国が乗り出して効果があるかどうか、さらにまた調査研究を積み重ねてまいりたいというふうに思っております。
○仲野委員 今回の法案でありますけれども、排他的経済水域となれば、これを今回制度化するに当たって、政府として、これは北海道は、排他的経済水域となると、北方領土水域、北方領土の周辺がちょうど該当になるのであります。
 それで、私の地元のところの、今、世界自然遺産で知られている羅臼町なんですけれども、ロシアのトロール船が沖合に出てきてスケソウを大変乱獲する、そのことによってさまざまな、漁具にも被害が出ているということも、多くの漁業者からそういった声が寄せられているんです。
 先ほどのお答えを聞いていましたら、とりあえず沖合のズワイガニに集中してやってみるということでありますけれども、今できる制度であるのでありますが、今私が話をしました北海道のそういった北方領土水域等も考えて、きちんとこういったことを制度化しようとされたのかどうなのかをお尋ねしたいと思います。
○福井大臣政務官 この地方分権の流れの中で、まさに国が乗り出す、国の新たな事務を追加するということは、すなわち、今法律が認められたら、国の意思として、国の最も重要な事務として今般の漁場整備が位置づけられようとしているわけでございますので、今先生がおっしゃるようなこともそのうちの一つだというふうに思いますので、今後、やり方とかその整備の仕方については御指導いただきたいというふうに思っております。
    〔近藤(基)委員長代理退席、委員長着席〕
○仲野委員 今、非常に沖合漁業もいろいろ多種多様化している中で、北海道の漁業も大変今厳しい環境にあるわけであります。それは、やはりいまだに解決されていない北方領土問題ということで、例えば、根室市からわずか二、三キロのところで、去年八月十六日にロシアの銃撃を受けて一人の漁船員が亡くなった、そういったこともあります。
 そういったことを考えたときに、やはり本当にここは水産庁、農水省だけでなくてさまざまな、横断的に各省庁の、例えば外務省だとか、そういったことをきちんと意見交換されながら、これはグローバルな問題になりますので、そういったことに基づいてきちんと制度化しようとされたのかどうなのか、お聞きしておきたいと思います。
○福井大臣政務官 もう一度整理させていただきますと、排他的経済水域内で、沿岸漁業あるいは都道府県ができない範囲を国が漁場整備するというのは、原理原則でお願いしていることでございます。
 今先生が、るる先ほどの御質問でもおっしゃいました事案、あるいは北方領土に近いところの漁場についてのいろいろな問題についての御指摘は十分受けとめさせていただいて、今後また御相談させていただきたいというふうに思っております。
○仲野委員 この改正案が、沖合海域における資源生産力を向上させるために国が主体となった漁場整備を推進する、先ほど来からそのようにお答えいただいているんですが、遠洋沖合漁業などの生産量の減少に対して、沿岸漁業などでは生産量が比較的安定的に維持されているということでありますが、沿岸海域についても資源生産力を向上させていくことが必要だと考えます。
 特に、沿岸漁場の基礎生産力を高めるために、先ほどもお話がありましたが、必要な藻場、干潟の造成や保全は重要な課題であります。藻場、干潟は、魚の産卵やあるいはそういった生育の場となるのみならず、光合成による二酸化炭素の固定と酸素の補給、海中の有機物の分解と栄養分の吸収による水質あるいは底質浄化のほかに、流れを弱めて穏やかな環境を創出するなどのさまざまな機能を有しているわけであります。
 しかしながら、近年、いそ焼けと呼ばれる藻場の大規模な消失や干潟における生産力低下、水質の悪化が全国あちこちで発生しております。沿岸漁業に大きな影響を及ぼしていることも、これは事実であります。そこで、水産資源増大のみならず、沿岸域の環境保全の観点からも、天然の、あるいは造成された藻場、干潟がいそ焼けなどにより消失しないように保全していく必要があると思います。
 いそ焼け対策について、先ほどもお答えいただいたんですが、以前から各地で実施されておりますけれども、なかなか成果が上がってきていない。
 水産庁はことし二月に、磯焼け対策ガイドラインを公表いたしました。十九年度予算では、公共事業で磯焼け対策緊急整備事業を措置し、ウニなどの食害生物対策、海藻類の移殖、モニタリングを導入した実効性の高い藻場、干潟の造成事業を推進すると聞いております。
 そこで、このガイドラインや緊急整備事業が従来の対策とどう違うのか、特に、施設をつくる事業である公共事業でモニタリングの手法を導入しているわけでありますが、その考え方や内容について、福井政務官にまたお尋ねしたいと思います。
○福井大臣政務官 お答えいたします。
 十九年二月に、いそ焼けの原因分析と対策の検討を容易に行うことができるようにした、今先生御指摘の磯焼け対策ガイドラインというのが策定されたところでございます。
 あわせて、先ほどもまた先生もおっしゃいました、十九年度予算におきまして、藻場の造成を行うための石材やコンクリートブロックの設置の従来のハード事業に加えて、ウニやアイゴなどの食害生物の駆除、それから海藻の種つけ、そしてモニタリングの実施というソフトな事業もあわせて、柔軟に対応を可能にする磯焼け対策緊急整備事業が創設されたところでございます。
 我々としては、我が国周辺水域における水産資源の生産力の向上、まさに先生御指摘のこの目的のために、今後とも、漁場環境の保全、創造に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○仲野委員 ようやく国として、前向きに、真剣に取り組むという、腰を上げていただいたということでは、本当にそれについては評価をさせていただきたいな、そのように思っているわけであります。大変重要なことでありますので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 本当にこの現象というのは、ウニのところで非常にいそ焼けを起こしているということが、実際そういった現象が起きているわけでありますので、本当にそういったところをぜひしっかりと取り組んでいただきたいということを強くまた要望しておきたいと思います。
 こうした藻場、干潟の造成事業のほかに、民主党が以前から、我が国の沿岸海域における資源回復を図るために、魚介類の産卵場所である昆布などの海藻による海中の森と称して、そういったことを公共事業で造成することを主張してまいりました。産業、生活排水などで汚れた全国各地の海辺においては、昆布などの海藻を大規模に増養殖することは、魚介類の増殖に役立つばかりではなくて、ここが一番大事だと思うんですよね、水質の浄化や二酸化炭素の吸収による地球温暖化対策など、環境保全にも大きく貢献するものであります。
 こうした海藻による海中の森の造成事業を何とか国の直轄事業として全国的に展開できないのか、この構想に対する見解も福井政務官にお聞かせをいただきたいと思います。
○福井大臣政務官 まさに地球環境の時代で、大臣も東奔西走しているわけですけれども、今まさにおっしゃいました課題認識は農水省としても持っているわけでございます。昆布やアラメなどの海藻で形成される藻場は、まさに水質浄化や二酸化炭素の固定に大きな役割を果たしているという認識は共通しておるわけでございます。
 そこで、国としても、本年度から新たに磯焼け対策緊急整備事業を開始したところでございまして、藻場の造成を積極的に支援していくということとともに、水質浄化や、まさに二酸化炭素の固定効果についての定量的な把握をして、藻場の機能の一層の解明に努めてまいりたいというふうに思っている次第でございます。
 ついでながら、この磯焼け対策緊急整備事業というのは補助事業でございます。事業実施主体は地方公共団体、漁協などでございます。補助率は二分の一を中心として、二分の一等ということでございます。
○仲野委員 副大臣にちょっとお聞きしたいんですけれども、我が民主党が主張してまいりました海藻による海中の森という事業でありますけれども、副大臣、どのようにお考えになっているのか、お尋ねしておきたいと思います。
○山本(拓)副大臣 海藻の増殖は大変大事なことでありまして、その目的というのは、御案内のとおり、CO2削減に寄与することもありますし、また、御案内のとおり、ここ数年来、いそ焼けという原因がまだ特定できるわけではございませんが、さまざまな要素の中で、海藻というのはすべての原点でございますから、そういう意味では、もう理屈じゃなしに、できることからやる。その意味では、御党の施策も一つかなと思っております。
○仲野委員 本当に資源管理、沖合でも沿岸でも、その環境を守っていく、これは大事なことだと思います。実際、今、ちょっと話がそれるかもしれないんですが、漁業者からは、いろいろな被害があると。
 先ほどちょっと冒頭の中で話をさせていただいたんですが、大型クラゲだとか、あるいはトドや、そういった野生生物による被害があり、漁具被害等に遭って、駆除してほしいという声があって、今回の水産基本計画を読ませていただいたときに、そういったことも積極的に推進をしていくと言われている中で、また私の地元の話なんですが、厚岸町というカキでちょっと有名な町なんですが、最近、ゼニガタアザラシが増加傾向にあるということで、非常に漁具に被害が出ているということで、このゼニガタアザラシについてもそういった対象にしていただけないのかどうなのか、政務官にお聞きしたいと思います。
○福井大臣政務官 済みません、ちょっと通告がなかったもので、三十秒ぐらいかかってしまいました。
 ゼニガタアザラシは鳥獣保護法の対象であって、我が省ではなくて環境省の担当で対策に当たらせていただきたいというふうに思っております。
○仲野委員 これは環境省の所管ということで、実際、アザラシがいるところは海であって、それが環境省となれば、だから私が先ほど言いましたのは、こういった計画を策定するに当たっては、さまざまな、例えば文部科学省やらいろいろな各省庁がかかわってくる分野だと思うんです。そういった意味では、今言ったゼニガタアザラシ等が環境省となれば、なぜそういった環境省の方も入れて、実際、現場でそういった声もあるということを踏まえて、しっかりと横断的に、役所の縦割りというんですか、これがちょっといけないところかなと思うのであります。
 ですから、そういった意味では、皆さん、優秀な方たちばかりきょう座られておりますので、本当に、こういったこともきちんと横断的にチームとして入れるべきでなかったのかなということをもう一度伺っておきたいと思います。
○福井大臣政務官 非常に重要な問題点の御指摘と承らせていただいて、まさに縦割り行政のもし弊害があるとしたら、国会の関係で、そして、大臣、副大臣、政務官の範囲内で対策に当たらせていただきたいというふうに思っております。
○仲野委員 このことについては、また別の機会に質問させていただきたいと思います。
 次に、これも重要な課題だと思うんですが、先ほどもほかの方から質問があったんですが、漁村などの防災力の強化について改めて伺っていきたいんです。
 この漁村が漁業活動の根拠地であって、漁業者を初めとする地域住民の生活の場として非常に水産業の発展の基盤たる役割を果たしているわけであります。しかしながら、漁村の多くは、前が海であって背後が山という、そういった土地に立地していることなどから、自然災害に対して非常に脆弱なものとなっているわけであります。
 水産庁の調査によれば、地震、津波等が発生した場合、陸、海、空路のすべてが遮断し、孤立してしまう危険性のある漁村が何と四割近くもあると聞いております。陸、海、空路のうち一つのルートしか確保できないものを含めると、何と実に九割近くになるということであります。
 三月末に、能登半島中心に大きな地震が発生いたしました。そのときに、今回の能登半島地震においても、漁港において魚の陸揚げ場所が地盤沈下を起こしたり、冷蔵庫や水槽が破損したりするなど、本当に大きな被害が生じており、漁村において市街地に通じる唯一の道路が土砂崩壊で寸断されたため、住民が漁船で別の漁港へ脱出した、避難した事例もあると聞いております。
 今回、こういったことを教訓にして、改めて、災害による、予測される避難場所、避難路の確保などの漁村の防災対策の強化、漁港などの就労者、来訪者の安全性の確保や水産物流通確保の観点から、流通拠点における防災力の強化が求められておりますが、どのように取り組んでいるのか、お聞かせいただきたいと思います。これは副大臣にお聞かせいただきたいと思います。
 もう一つ、漁港漁場施設について、耐用年数を超える施設の大幅な増加が懸念されるということでありますが、こういった地方財政が逼迫する中で、施設の維持更新に当たり、どのような観点に立って老朽化対策を行っていくのか、このことについては福井政務官からお答えをいただきたいと思います。
○山本(拓)副大臣 先生御指摘のとおり、漁村の防災力の強化は大変重要な問題でございますし、そういう観点で、新たな水産基本計画においても、いわゆる防災力の強化を強調しているところでございます。
 具体的には、漁村の孤立化を防止するための、災害時を想定した、いわゆる漁業地域間のネットワークづくり等を内容とした災害に強い漁業地域づくりガイドラインを取りまとめて、その普及啓発、これは十八年三月に制定いたしておりまして、それ以来、各地区で普及活動をやっております。
 そういう中で、先生お話しのように、先般の能登の大震災のときにも、ちょうど昨年の九月ごろに、能登地域でもそのガイドラインの説明会を徹底いたしておりましたので、避難に当たっての効果は結果的に出ているというふうに思っております。
 そういう中で、今後なお一層、漁港、市場施設の耐震化や、避難路また避難地の整備、堤防等の海岸保全設備の整備などをさらに積極的に推進してまいりたいと考えております。
○福井大臣政務官 お答えいたします。
 まさに単式簿記じゃなくて複式簿記の考え方で、とにかく、公共施設、何百兆円という資産を私たち持っているわけですけれども、漁港施設についてもまさに同じでございます。
 一般的には耐用年数五十年程度と言われておりますので、今後、多くの漁港漁場の施設が更新時期を一挙に迎えるということになりますので、私たちは、定期的な老朽化診断をまずする。そして、適切に維持管理をする、施設の延命化を図るということで、更新工事を適切に選択していくということで効率的な老朽化対策を推進していくということでございますけれども、基本は、もう耐用年数が来た施設につきましては、やりかえる、つくり直すということだというふうに思っております。
○仲野委員 我が国の周辺水域が、三大漁場の一つであり、世界第六位という広大な排他的経済水域を有している。国際的に水産物需要が高まる中で、沖合海域を含む排他的経済水域内における水産資源の生産力の向上を図ろうとする本法案の方向性は正しいと思います。沿岸海域における漁場整備についても、先ほどもお答えいただいているんですが、しっかりと取り組んでいただき、我が国の宝である周辺水域の水産資源を私たちの子孫に受け継いでいかなければならないと思います。
 本日質問したように、我が国水産業の基盤である漁港、漁場、漁村について、さまざまな課題がありますが、しっかりと対応していただきたいと思います。
 そこで、またこのことに対して強い決意を山本副大臣にお答えいただいて、終わりたいと思います。
○山本(拓)副大臣 先生のおっしゃるとおりでございますので、しっかりと取り組んでまいりたいと存じております。
○仲野委員 しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○西川委員長 次に、黄川田徹君。
○黄川田委員 四番手でありますので、重なる質問が多々あるかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。それから、選挙戦で大分私も頑張ったものですから、ちょっとのどがいかれております。聞き上手でよろしくお願いいたしたいと思います。
 さて、知事選、そして道府県議会議員等の統一地方選の前半が終わりました。そういう中で、地方選挙でもさまざまな争点があるわけなんでありますけれども、政務調査費の公表等、こういうことについても有権者の関心が極めて高いわけなんであります。
 私は岩手の人間でありまして、岩手県議会は、政務調査費の報告はすべて領収書を添付するということになっております。そういう中で、この流れはもう変わらないわけでありまして、国政にあってもそういう流れに必ずなるだろうし、またならなければならない、私はそう思っております。
 それで、私、本会議でも松岡大臣に質問したのでありますが、無償のはずの光熱水費に関し、一昨年五百七万円も計上しておるということなんであります。それで、法にのっとり適切に処理していると繰り返し繰り返しの答弁なんでありますけれども、それでは、適切に処理するということは具体的にどういうことなのか、改めて質問いたします。
○松岡国務大臣 黄川田先生のお尋ねの件につきましては、現行の政治資金規正法に基づきまして、その法令の定めに従って御報告を申し上げておる、そういうふうに適切に処理をいたしておる、こういうことでございます。
○黄川田委員 法にのっとりはわかるんですが、その適切の中身なんですよね。法にのっとりというのがその適切の中身なのか、再度確認します。
○松岡国務大臣 法令の定めに従って御報告を申し上げておるということでありまして、それ以上のことにつきましては現行の法では求められておりませんので、今、そのようにお答えをしたところでございます。
○黄川田委員 これまでの答弁の中で、何とか還元水器であるとか特別な暖房器具というふうな釈明でございますけれども、それでは、具体的にどのメーカーの何という器具か、どこで買ったか、あるいはまたその取扱説明書等々、そういう明示はできるんでしょうか。
○松岡国務大臣 これはもう先生よく御存じの上でのお尋ねと思うのでありますが、現行の法令では、その個別の内容にかかわることまでは求められていませんし、予定をされておりませんので、今の現在の法令の定めに従って報告を申し上げているということが今の法令に基づくすべてである、このように思っております。
○黄川田委員 松岡大臣の法令遵守は極めてたっといことだとは思いますけれども、今国民が求めているのは、法令遵守を超えた部分といいますか、政治と金の部分の透明性といいますか、そういう部分を聞いておるわけでして、繰り返しの答弁でありますね。
 漏れ伝えるところによりますと、大臣は、高価なナノクラスター有機ゲルマニウム水といいますか、こういうものがあるんですよ。一本五千円、消費税を入れますから五千二百五十円ですか、あるんですよね。
 五百ccで五千二百五十円のこういうすばらしい水があるのでありますけれども、これを一日二本飲みますと一万と五百円ですか、三百六十五掛けますと三百六十五万以上ということになりますが、それでもまだ大臣が報告した五百七万円ですか、一昨年の報告、これにまだおつりが来るわけですよね。百四十二万円余のたしかおつりが来るはずなのでありますけれども、こういうものをお飲みなんでしょうか。
○松岡国務大臣 それも、これは個別の内容の個人的なことでございますから、それにつきましては差し控えさせていただきたいと思います。
○黄川田委員 引き続きの答弁であります。
 何かこれを飲むときは、一日百ccということで、三回に分けて飲みなさいと。適正に飲むときにはこれは五日分だそうですので、そうすると、もっと小さな金額になるということなんでしょうけれども。
 どうもこういう行ったり来たりしていますとなかなか法案の質疑に入れませんので、私も、副大臣そして政務官から、これから具体の法案について聞いていかなきゃいけないという状況でありますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、提案されている法案について質問に入っていきたいと思います。
 平成十九年の三月二十日に、新たな水産基本計画が閣議決定されました。そして、こういう基本的な計画が出ておりますので、それにも触れながら質問させていただきたいと思います。
 初めに、漁港漁場整備法の役割及び改正案提出の意義についてお尋ねいたします。
 我が国の水産行政でありますけれども、平成十三年六月に制定された水産基本法に基づきまして、そして平成十四年の三月に策定された水産基本計画に従って計画的な施策の推進がなされてきた、こう思っております。
 そしてまた、今回改正案が提出されている漁港漁場整備法でありますけれども、これは水産基本法と同じく平成十三年の六月ですか、制定されたものであると思っております。平成十四年三月には、この漁港漁場整備法に基づきまして、平成十四年度から平成十八年度までの五年間ですか、計画年度ということで、漁港漁場整備長期計画が閣議決定、それでもってさまざまな事業が展開された、こう思っておるわけなのでありますけれども、これまでの展開された成果をちょっと聞きたいと思うわけであります。
 まず、漁港漁場整備法が果たす役割、それと平成十三年改正の成果についてお尋ねいたします。
 特に、同法に基づく長期計画では、漁業生産量をおおむね三十七万トン増産させることや、あるいはまた漁業集落排水処理ですか、漁村の処理人口比率を小都市並みのおおむね六割にするなど、そういう目標が掲げられておりましたけれども、実態はどうなんでしょうか。お尋ねいたします。
○山本(拓)副大臣 先生御指摘のように、平成十三年に改正されました漁港漁場整備法は、それまで漁港と漁場を別々に整備してきた制度を一体的、計画的に整備できる制度に見直したものでございます。
 その目標につきましては、今ほど先生から御指摘がありましたが、これらの目標の進捗につきましては、漁場環境の悪化から、新規漁場造成に比べ漁場再生に重点的に取り組んできたことから、漁業生産量の増産はおおむね六割程度の達成見込みとなっているものの、漁港における作業の効率化や安全性の向上が図られてきており、また、漁業集落排水処理人口比率については、平成二十三年度には当時の小都市並みの六〇%を目標としていたところ、平成十八年時点で四四%と、現在のところ順調に推移をいたしております。おおむね目標が達成できるものと考えているところでございます。
○黄川田委員 農山漁村の疲弊というのは本当に大変な状況でありまして、国土交通省の国土形成計画ですか、この計画を立てるに当たって、過疎の調査をしてみた。そうすると、二千六百の集落のうち、たしか十年以内に四百の集落が消えていくというふうな、もう大変な部分であります。
 国策の大都市の再生も大事なのかもしれませんが、本当に地方に活力を戻すという部分、あるいはまた国家を支えているのは小さな集落一つ一つだということの意味合いを重く感じていただきたい、こう思っておるわけであります。
 そこで、新たな水産基本計画においては、旧基本計画策定後の情勢の変化でありますか、それでもって、主に、水産物の重要性と消費流通構造の変化、それから国際化の進展と水産物の世界的需要の高まり、それから資源状況の悪化、そして漁業生産構造の脆弱化、さらには水産業、漁村に対する国民の期待の高まり、この五点を挙げておるわけであります。
 そこで、新たな水産基本計画のもとにおける漁港漁場整備のあり方について、基本的な考え方、それからこれを踏まえた今回の漁港漁場整備法等改正案ですが、この提出の意義について重ねてお尋ねをいたします。
○山本(拓)副大臣 御案内のとおり、この基本計画については、要するに、今まで進めてきたものにさらにグレードアップしまして、漁港漁場の整備について、水産資源の保護、回復に向けた取り組みの推進、市場を核とした流通拠点の整備を支援するための基盤づくりを総合的に、計画的に推進をいたしているところでございます。
 今般の改正は、こうした施策の強化につながるものであり、とりわけ沖合域の資源の生産力の向上、衛生管理等の高度化を推進していく上で極めて有効で、またこれが今回の改正の特徴であると考えております。
○黄川田委員 それでは次に、漁場整備計画の実施主体ですが、これの国の追加についてお尋ねいたしたいと思います。
 今回の改正案では、国が実施主体となる直轄事業を行うことができるということであります。法律上、国を漁場整備事業の実施主体として規定しているということでありますが、平成十三年の漁港法改正時になぜ国を漁場整備の実施主体として位置づけなかったのか、当時そのような議論はなかったのかどうか、尋ねてみたいと思います。
○福井大臣政務官 まさに漁港漁場法の改正の歴史認識の御質問だと思います。
 平成十三年度、今先生御指摘のように、漁港と漁場の整備を同一の計画のもとで進めるということが目的で改正になりました。このとき、国と地方との関係については次のとおりでございます。
 まず、整備計画について、従来、平成十二年度まで国が定めていた制度を変更して、地方分権の時代に対応して、国は整備の基本的な考え方のみを提示して、地方公共団体が主体となって事業計画を策定するというのが、国と地方との計画上の役割分担を改めた点でございます。
 さらに、十三年度の漁港法の改正時におきましては、水深の深い沖合海域での漁場整備の知見が当時はまだ少なかった、そして設計施工等の技術や効果の検証手法もまだ未確立でございました。これは事実でございます。そして、国が行うべき広域かつ大規模な漁場整備の需要も当時はなかったということで、沖合海域における漁場整備の実施主体として国を位置づけるというところには平成十三年の法改正時には至らなかったということでございますし、また、国会におきましても、そのような議論はなされていないというふうに承知している次第でございます。
○黄川田委員 政務官からは国と地方の役割分担とかそういうお話をいただきましたけれども、当時の平成十三年あたりでも、大陸棚の資源の関係であるとか、石油、ガスのエネルギー資源の問題であるとか、あるいはまたマンガン塊であるとかメタンハイドレートという問題であるとか、資源外交という部分の中で、農林水産省といいますか、水産庁の部分のかかわり方とか、いろいろ問題意識とかあったと思っておるのでありますが、その点はどうなんでしょうか。
○福井大臣政務官 先ほども申し上げましたように、いろいろな、今申し上げた以外の点でも、先生おっしゃるように、議論の高まりはあったと思いますけれども、法改正時に国の直轄事業としての漁場整備を位置づけるというところまでには至らなかったということでございます。
○黄川田委員 大きなくくりの中で、国と自治体との役割分担とかさまざまあるわけなんでありますが、もうちょっと大きなくくりの中で、四方を海に囲まれている海洋立国とか、そういう部分があるのであれば、やはり水産庁の果たす役割を他の省庁に大きく訴えていくぐらいの力がなければ、全国の漁村集落はもう本当に消滅してしまいますよ。しっかりやってください。お願いいたします。
 それから、今般、改正案において、国が実施主体となる直轄事業の創設でありますけれども、役割分担に加えて、国が乗り込んでいかなきゃいけない沿岸から沖合の関係とかあるんでしょうけれども、その辺の理由を、さっきの委員も聞いておりますが、私からも確認の意味で聞きたいと思いますし、それから、国が実施主体となる漁場整備が、従来の地方公共団体や水産業協同組合、漁協なんか等々が実施する漁場整備と比べて、どのぐらいメリットがあるかというか、効果があるかというところも含めて答弁をいただきます。
○福井大臣政務官 お答えします。
 漁場整備、今先生御指摘のように、これまでは地方公共団体と水産業協同組合が実施主体というふうになって、主に沿岸海域において実施されてきたわけでございます。
 一方、沖合漁業の漁獲量が急激に減少するという現実を踏まえて、沖合海域において、水産資源の増大を図るための漁場整備の推進が喫緊の課題となってきたというのが課題の認識でございます。
 一方で、沖合漁業の主な漁場である排他的経済水域はいずれの地方公共団体にも属さないということ、そして、この水域での漁場整備の受益は複数の都道府県にまたがるということから、これまで沖合海域については地方公共団体などによる整備はほとんど行われてきておらなかったというのが事実でございます。
 したがって、今般の法改正によりまして、地方公共団体等による整備が困難な排他的経済水域において、資源管理施策と連携して、国が実施主体となる直轄事業を創設するものでございます。
 メリット、デメリットでございますけれども、このような国の直轄漁場整備が創設されれば、これまでほとんど行われてこなかったわけですので、排他的経済水域において漁場の整備が促進されるということ、そして効果的に沖合域の水産資源の回復、増大が図られることが期待されるということが大きなメリットとして考えているところでございます。
○黄川田委員 国が施行する漁場整備事業については、施行海域を排他的経済水域に限定、それから、いわゆる沖合海域での施行を想定しているということでありまして、では、具体的に何をということの答弁は、ズワイガニとアカガレイですか、さっきの委員さんの質問でありますので、この部分は省略しまして、次の質問に行きたいと思うのであります。
 漁場整備が沖合海域でできるということは、やはり技術の進歩といいますか、そういうものもあると思うのでありますけれども、どういうふうなやり方といいますか手法といいますか、大きな期待を本当に求めることができるのか、その辺をちょっとお尋ねいたします。
○福井大臣政務官 なかなか図面がなくて、本来なら図面をお配りして御説明すべきところかもしれませんけれども、従来、深い水深帯において、国の補助事業で行ってきましたのは、ズワイガニの保護育成礁、海の底層の栄養豊富な水を表層付近まで送る湧昇マウンド礁、そして高さ二十メーター以上に及ぶ高層の魚礁などの整備が行われてきておりまして、漁場造成のための整備技術が蓄積されているというのが現実でございます。
 そして、これらの技術のうち、排他的経済水域の海洋条件、そして対象生物の分布、生態などから見まして、現時点において国として技術面、効果面から実施することが適当だというふうに考えておりますのは、日本海西部海域における、今先生御指摘のズワイガニとアカガレイ、この保護育成礁でございます。
 この整備によりまして、産卵場所そして生育場所を保護することが可能となる、そして産卵量がふえる、そして稚魚の生存率がふえるということが期待されるわけでございます。
 ちなみに、この保護育成礁というのは、いわば三メーター、四メーターのコンクリートのブロックを沖合底に沈めるというものでございます。
○黄川田委員 技術の進歩でそういうことができるということは本当にありがたいことだと思いますし、必ずやいい効果が出ることを期待するわけであります。
 昨年の概算要求時の説明資料によりますと、沖合海域の底層に豊富に分布する栄養塩といいますか、これを表層に持ってくる、プランクトンを発生させて、そして、魚の増殖といいますか、たしかマウンド魚礁というんですかね、そういうものも東シナ海に設置しようかなということも何か書かれていたような記憶があるのでありますけれども、その辺はどうでしょうか。
○福井大臣政務官 知見は、深い水深のところで実験をしたということにはまだ至っていないということでございます。浅いところで、今先生御指摘の湧昇マウンド礁を実際に施工した事例があるようでございます。
○黄川田委員 それでは、改めて今度は副大臣の方にお尋ねいたしたいと思います。
 海洋立国の実現ということで、超党派で海洋基本法案ということをみんなでつくり出してきたのでありますけれども、海洋政策、今後、さまざま展開されていくのでありますけれども、その中での漁港漁場整備の関係、しっかりと位置づけてもらいたいのであります。その役割について、重複するところはありますけれども、副大臣からちょっと水産庁としての意欲をお尋ねいたします。
○山本(拓)副大臣 先般、四月三日に衆議院を通過いたしました海洋基本法案、これは今、参議院の方に回っているところでありますが、同法案で、基本的施策として、国は、海洋資源の積極的な開発及び利用の推進のため、水産動植物の生育環境の保存及び改善、漁場の生産力の増進等の措置を講ずると明記をいたしているところでございます。
 漁港漁場整備は、このような海洋基本法案の基本的施策を具体的に進める上での基本、根拠法に位置づけていくわけでありまして、あとは、要は、水産物につきましてはある程度需要は高まっていく一方でございますので、そういう中で、これは、日本の第一次産業である水産業の漁村地域の活性化につなげる、そのための施策をできるだけ地元の提案を受け入れながら総合的に実施していく。
 今回、排他的水域、いわゆる国土の十二倍の面積の漁場がまだ手つかずというところもありまして、そこを国が直轄してやろうということで、今の整備の基本的な考え方をダブらせて、そして、そこでとったものはいずれかの港で流通に乗るわけでございますので、そこに積極的につながっていくような効率性のいい整備を今進めているところであります。これは縦割りではなしに複合的にやっていくように私どもも推進していきたいし、また、地方自治体からの積極的な提案も受け入れて、それぞれの地域に合った施策を実行できるように、さらに自治体と連携を強めてまいりたいと考えております。
○黄川田委員 資源回復の取り組みとの連携、今副大臣は、自治体との連携ということでありますけれども、もう一歩、政策が確実に効果を発揮できるためには、漁場整備、それから栽培漁業、資源管理、これを一貫した施策として体系的に取り組むことが私は大事だと思っておるわけでありますし、そういうことを指摘する方もおられますので、漁場整備のあり方について基本的な考え方を、これは政務官ですか、お尋ねいたします。
○福井大臣政務官 今御指摘の、漁場整備と栽培漁業と資源管理、これを一貫した施策として体系立てて実施しなければならないのではないか、まさに、本当におっしゃるとおりでございます。
 そこで、今後の漁場整備に当たりましては、種苗放流計画、稚魚とか稚貝とかの種苗の放流計画とあわせて、幼稚仔の育成場の整備、そして資源管理の推進のための保護育成場の整備など、栽培漁業や資源管理との連携を一層強化しなければならないというふうに考えているところでございます。そして、漁場環境の保全に資する森づくり、沿岸域でも仕事を担当するということで、森づくりなどの沿岸域の環境保全にも取り組んでまいる、この大きな二つの柱で推進してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○黄川田委員 今、政務官から森づくりという話がありましたので、関連して、森づくり推進による沿岸海域の漁場環境の保全とか、これに関してちょっと質問していきたいと思います。
 皆さんももう聞きなれた言葉でありますけれども、森は海の恋人ということで、宮城の唐桑町、今、合併しましたから気仙沼市なんでありますが、カキの養殖の方が提言してから大分時がたちますけれども、本当に森、そして川、海ですか、川上から川下に至る環境保全が農業にもあるいは漁業にも豊かな実りを与えてくれるということだ、こう思っております。
 しかしながら、最近の林業の振興なんでありますが、大変厳しい環境でありまして、それで飯を食うなんというのは本当に大変なことでありまして、農業であれば耕作放棄地、遊休地がふえていく、山の方も荒れていくという形の中で、あるいはまた災害対策の中で土砂対策とか、本当に喫緊の課題が多いわけであります。
 新設された漁場保全の森づくり事業でありますが、沿岸海域と関連する陸域の総合的管理に係る施策の一環、そういうものだと思うのでありますけれども、新規に設けた趣旨と具体的な進め方、特に林野庁との連携、この辺を尋ねたいと思います。
○福井大臣政務官 平成十九年度から創設されました漁場保全の森づくり事業についてのお尋ねでございます。
 まさに、森は海の恋人ということで、河川水を通じて、山は、森は豊富な栄養塩類を漁場へ供給している、そういう認識のもと、この事業が創設されたわけでございます。具体的な場所は、漁場環境が悪化している閉鎖的な湾あるいは入り江の後背地の森、さらには河川流域の森林におきまして、栄養塩類の供給あるいは濁水の緩和を目的として広葉樹林を造成する、そして間伐を実施するということを内容とする事業でございます。
 この事業につきましては、まず、地方公共団体が実施主体となるわけですけれども、地方公共団体の林務部局と水産部局が協力をする、これは何よりも重要でございます。そして、整備の考え方、実施地区の設定などを定める基本方針を協力して策定いたします。この基本方針のうち、漁場との関係については水産庁が、そして森林整備については林野庁がそれぞれチェックした上で実施をいたしますなど、当然、さまざまな関係機関との連携を図りつつ実施しなければならないということでございます。
 ついでながら、このほか、沿岸の漁場環境の保全、創造を図るために、従来からやっておりますけれども、水産基盤整備事業において、覆砂、砂をヘドロの上に覆いかぶせる、そして溝をつくる、作澪などによる漁場の造成、藻場の造成、干潟の造成を実施しているところでございます。
 漁場保全の森づくり事業については、補助率二分の一で、地方公共団体、森林所有者、森林組合が実施主体となるということでございます。
 個人的な感想を言わせてもらえば、林野庁の予算をいわば水産庁が所管する仕事に持ってくるというのは、今までの役人の常識からいうと考えられないということでございますので、先ほどの仲野先生の御質問にありましたけれども、まさに、縦割り行政の弊害を排除した松岡大臣のリーダーシップのたまものであるというふうに考えておる次第でございます。
○黄川田委員 逆に、漁村なんというのは、海だけがあって漁村じゃないわけですよ。山があって、川があって、そして海があるわけですよ。三位一体の、そういう施策が何で五十年も前からできないのかというのが本当は私の本音なんでありますけれども、でも、みずから変わる農林水産省ということでありますので、引き続き頑張っていただきたい、こう思うわけであります。
 それでは、時間も少なくなってきましたので、漁港特区制度の全国展開ということに関してちょっとお尋ねいたしたいと思います。
 現在、この認定を受けているのは山口県の下関市のみとなっておりますが、四方を海に囲まれている、そして漁港を持った中核都市であるとか小さな町であるとかさまざまあって、もっと漁港特区制度の導入が進んでいるような気がしたのでありますけれども、特区の導入が進んでいなかった原因といいますか、さまざまな事情があるんでしょうけれども、どのように分析しているかということ。それから、全国展開に当たっては、民間事業者等に対してさらに周知するといいますか、よくわかっていないので全国展開にならなかったとかという等々もあるのじゃないかという気もしますので、その辺どうでしょうか。
○山本(拓)副大臣 先生御指摘のとおり、現在、構造改革特別区域というのは山口県下関漁港一港にとどまっております。
 その主な原因と思われますのは、いわゆる非常に手間がかかるということでありまして、構造改革特別区域法に基づいて申請をしようといたしますと、まず、民間事業者の件でありますけれども、しかしながら地方公共団体が計画を立てる、そこでまず理解を求めなければならない。そして、地方公共団体が作成した申請手続を、今度、内閣総理大臣の認定を受けるために、国の関与を受けるという非常に多くの手続が含まれるということも一つあったと思われます。
 そしてまた一方、民間事業者の立場からすると、今現在、全国で実施されております水産物市場の再編整理が全国的に行われているところでございまして、それらを見きわめた上でやる計画を立てているようでございます。といいますのは、やはり民間が新規投資をするためには衛生管理施設など莫大な資金を投入する必要がありますので、それらの再編の動きも見きわめているものと考えております。
 今回の法改正によりまして、漁港特区の全国展開が、直接自治体に申請して認可を受けるわけでありますので、今までのように手続がかからないということで、一民間事業者の立場からすると、計画を立てて非常にスピーディーに事業をできる運びになります。
 今度の改正を成立させていただきましたならば、そういう趣旨のことを、山口県の場合はその事業主体はいわゆる民間の市場の事業者でありますから、まず全国団体、組織等、関連しているような人たちを含めて、直接そのような事業展開ができる、簡略になったという広報活動は、広く自治体の協力を求めながら積極的にやっていくところでございます。
○黄川田委員 衛生管理、HACCPなんかは本当に莫大な事業費ということになりますし、大変なんでありますけれども、いずれ全国展開ということでありますから、その地域地域に引き出せるようなものが確かにあると思いますので、この法律が生かされるような形になればいいと思います。
 それからまた一方、地域資源を活用した漁村づくりといいますか、そういうものにおいては、都市の住民などのニーズにこたえて、漁業者等による水産物の直販施設の設置であるとか、あるいはまた地域住民による漁業体験、そういうふうな場の提供など、漁港のさまざまな施設を有効活用していくということも考えられるんじゃないか、こう思っております。
 そこで、政務官に質問でありますけれども、漁港特区制度の全国展開以外にも、漁業情勢の変化に伴い利用度の低下した漁港施設について、規制緩和などの措置を通じまして、漁港の利活用を図っていくことが必要であると考えるわけでありますけれども、漁港施設の積極的活用や民間活力の導入について、水産庁はどういうふうな認識を持っていますか。
○福井大臣政務官 漁港整備事業によってせっかく整備された漁港の施設用地が未利用、低利用となっているところもあるというのが現実でございます。
 今先生御指摘のとおりでございますので、従来、用途が漁港施設に限定されていた、補助事業であるとか、いろいろな法律的な、適化法その他の制約がございまして、漁港施設に限定されていたというものを、都市漁村交流施設などの地域振興施設に拡大したということで、規制緩和がされております。そして、漁港施設の整備主体として、公益法人、そして第三セクターなども加えるということも規制緩和で行われておりまして、この二つのツールで、未利用、低利用となっている施設を積極的に活用するということでございます。
 その事例といたしまして、静岡県におけるプレジャーボート係留施設の管理に民間の能力を活用する指定管理者制度を導入して管理を行っているということが有名な事例でございます。そして、きょうも御議論ございました、神戸の垂水漁港における漁港施設については、まず漁港施設を整備してサービスを提供するPFI事業の導入事例もあるところでございます。
 水産庁といたしましては、これらのいい点を踏まえて、今後ともこれらの制度の普及啓発に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○黄川田委員 残り少なくなってまいりましたので、最後の方になりますけれども、水産業であるとか漁村の有する多面的機能あるいはまた公益的機能に関してちょっとお尋ねいたしたいと思っております。
 民主党は、海の掃除であるとか稚魚の放流など、漁業集落が全体で行う漁場の生産力の増進に関する取り組みといいますか、そういうことに対する支援を講ずることを従来から主張してきたわけなんでありますけれども、離島漁業再生支援交付金による支援の成果といいますか、大分喜ばれているような気がしておるのでありますけれども、この成果について具体的に挙げられるものがあれば、挙げていただきたいと思います。
 それからまた、漁業者を中心とする環境、生態系保全活動に係る支援について、これは大事な支援だと思っておりますので、今後の取り組みもお尋ねいたしたいと思います。
○福井大臣政務官 離島漁業再生支援交付金の評価についての御質問でございます。御指摘のように、平成十七年度から離島の漁業集落を対象として行っているものでございます。
 この交付金で行っておりますのは、種苗、稚魚、稚貝の放流、そして産卵場所、育成場所の整備などを通じました漁場の生産力の向上、そして流通、販売面での改善を目指した集落の創意工夫を生かした新たな取り組みに対して総合的に支援をするというものでございます。これらによりまして、離島の漁業の再生が図られる、水産業や、先生がずっとおっしゃっている漁村の有する多面的機能の発揮に何とか資したいということで始めさせていただいたわけでございます。
 また一方、沿岸域の環境、生態系を守る取り組みが重要であることから、これも今先生御指摘の、平成十九年度からの環境・生態系保全活動支援調査・実証事業が始まったところでございます。これらを通じまして、支援手法の検討、実施体制の確立、そして活動の有効性の実証を図りまして、漁業者を中心とした藻場、干潟の維持管理等の活動を促進する方策の確立を今後図っていくということでございます。
○黄川田委員 離島から始まって、多面的機能を国民で共有しようというふうな形にだんだんなっておりますので、こういうものこそ、特区じゃなくて全国展開みたいな形にしていくのが大事だ、こう思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後の質問であります。水産予算のあり方についてちょっとお尋ねいたしたいと思います。
 我が党は、危機的状況にある我が国の水産業、そして漁村の再生に向けて、資源管理の徹底と漁場経営の活性化を図るため、漁業許可制度、漁業権制度等を見直さなきゃいけないということも主張しておりますし、それから個別の漁業者ごとに漁獲量の割り当てを行う個別TAC方式の導入もしたいということで主張しております。それから、漁業者の安定した収入を確保するために、農業と同様な個別所得補償を実施できないか、そういうふうなことの抜本的な見直しも考えております。そのためには、予算も重点配分していかなきゃいけないということだと思っております。
 それからまた、さきの井上委員さんからもお話がありましたけれども、社団法人日本経済調査協議会でありますか、ここから、水産業改革高木委員会でありますか、「魚食をまもる水産業の戦略的な抜本改革を急げ」ということで緊急提言、先ほどお話しのとおりであります。三項目の提言なんでありますが、特に私の方から、水産業の戦略的な抜本改革のため水産予算の弾力的な組み替えといいますか、これを指摘しております。
 そこで、漁港整備も大事な仕事なんでありますけれども、喫緊の、集落が崩壊しない部分の中での使い方もあるんじゃないのか、こう思っているわけであります。
 そこで、新たな基本計画もできましたので、この水産関係予算や漁港漁場整備事業を含む水産基盤整備事業の予算のあり方と、現場に即しためり張りのあるといいますか、また一方、弾力的な予算の使い方というもの、そういう基本的な考え方は、この基本計画をつくった中で何か変わったことがあるでしょうか。副大臣にお尋ねします。
○山本(拓)副大臣 今回の基本計画、そしてまた、今お願いしております法律案の趣旨につきましては、御案内のとおり、限られた財源の中で引っ張ってくるのは極めて難しいわけでございますが、民間の資本を導入することによって、さらにトータル的な予算をふやす環境づくりを今進めているところでもございます。
 今回の、今の御指摘の十九年度予算におきましては、いわゆる収益重視の経営への転換を図る漁船漁業の構造改革を中心といたしておりますし、また、今ほど申し上げました市場を核とした流通拠点の整備など、そしてまた、藻場造成等、いわゆる生産と消費両面の取り組みを実施するために、総額二千五百億円を確保いたしているところでございます。
 また、水産基盤整備予算についても、選択と集中による事業の効率的、効果的な事業実施を図りつつ、例えば、水産資源の生産力の向上に資するような資源管理措置とあわせて、排他的経済水域について国が実施する漁場整備、いそ焼け対策、ハードの整備のみではなくソフトの事業の推進ということで、一千四百四十一億を確保いたしているところでございます。
 これは基本的なものでありまして、さらに個別具体的な話をグレードアップしてまいりたい。そしてまた、積極的に民間の資本を導入し、さらに、販売できる、効率のいい経営が成り立つような体制もこれから取り組んでまいりたいと考えております。
○黄川田委員 いずれ、農業政策は、漁家あるいは農家の方々の所得の向上につながるような、そういう政策の転換、よろしくお願いします。お世話になりました。
○西川委員長 次に、菅野哲雄君。
○菅野委員 社民党の菅野哲雄です。
 法案の質問に入る前に、松岡大臣の政治資金管理団体の光熱水費問題についてお伺いします。
 何度も指摘させていただいているにもかかわらず、大臣は、いまだに国民の疑問に答えようとはしておりません。最近の世論調査でも、大臣は辞任すべきだが四八%、辞任は必要ないが説明責任を果たすべきだが四六%です。回答者の九四%が大臣の姿勢に疑問を呈しております。大臣の言うように、報告の義務はないので問題はないという回答はわずかに三%です。そして、松岡農水大臣への不信が国民の政治不信を招いている現状は見逃すことができません。
 大臣、この世論調査の結果をどうお考えですか。改めて説明責任を果たすつもりはありませんか。
○松岡国務大臣 菅野先生のお尋ねの件でございますが、これは、現行の政治資金規正法に基づきまして、法令の定めどおりの対処をいたしておる、こういうことでございます。
 したがいまして、それ以上の対応ということにつきましては差し控えさせていただきたいと申し上げているところでございますが、世論調査や、そういった今の先生の御指摘は御指摘といたしまして、私も法律の定めに従って対処していることでありますから、特にそれ以上申し上げることはございません。
○菅野委員 大臣、国民の九四%、大多数の人が今の大臣の説明責任を果たしていない、そういうことを言っているわけです。これは、国民の世論が政治不信につながっているわけですから、私は真剣に受けとめるべきだというふうに思っています。そして、教育現場での単位未履修問題に始まり、日航グループの不正会計、さらには電力各社の原発トラブル隠しなど、真実を隠ぺいする事件が多発し、大問題になっています。これら事実隠ぺい、トラブル隠しなどを正すべき政治家が、しかも閣僚が一切の真実を語らないことは許されるのでしょうか。
 報道によれば、市民団体が大臣の資金管理団体の光熱水費問題で、政治資金収支報告書に虚偽記載があるとして東京地検に告発状を提出されたと報道されています。告発されたことについてどのようにお考えですか。これでも国民の信頼を得ているとお考えですか。答弁願いたいと思います。
○松岡国務大臣 これもまた、先生の御指摘をいただいたわけでございますけれども、私は、法令に従って定められたとおり対処しているわけでありますから、告発ということに対しましても、特に申し上げることはございません。
○菅野委員 大臣、虚偽記載をしていないのであれば、光熱水費の内訳を説明すればいいんです。簡単なことなんですね。それをしないから疑惑が深まっているのではないですか。
 政治資金規正法には報告義務はあるかないかが問題ではないと思います。虚偽記載しているのではないかという疑問に積極的に答えるかどうかが大切だというふうに思います。
 これでもなお態度を変えるお考えがないのであれば、政治不信を招いている責任をとって大臣の職を辞職すべきだと私は改めて指摘しておきたいというふうに思います。
 それでは、この法案の質問に移りますが、三月に閣議決定された新たな水産基本計画、これは、水産漁業の中期ビジョンを示す大変に重要なものです。
 そこでは、冒頭に、日本の水産業をめぐる情勢の変化に触れています。その中でも、漁業生産構造の脆弱化が指摘されていますが、まさに水産漁業の現状は大変深刻だと私は受けとめています。十年間で三割減少した就業者数、就業者の三分の一が六十五歳という高齢化、そこに、周辺水域の水産資源の減少、魚価安、燃油高というトリプルパンチが続き、漁村集落そのものの存在が危ぶまれているのが現実ではないでしょうか。
 農水省の統計を見ると、漁業者の漁業所得は二〇〇五年で二百八十万円まで低下しています。こんな状況では、新たな就業者も生まれてきません。私は、漁業で生計を営むことが困難になっている、このことを改善することが何にも増して優先的な課題だと考えています。これから、水産関係の三法案が今審議されているわけですが、これら三法案が新たな水産基本計画を受けて審議すべき最優先課題かというと、いささか疑問です。
 それで、農水省として、今水産業において真っ先に講ずべき施策は何だとお考えなんですか。端的にお答え願いたいと思います。
○山本(拓)副大臣 今、水産業を取り巻く状況というのは、菅野先生が御指摘のとおりだと私どもも認識いたしております。
 そこで、優先順位をどれというよりも、総合的にこれは進めていかなくてはならないところでございまして、漁場、いわゆる資源回復計画を一つ一つやっていかないと、目先のばらまきをやったって、それで終わってしまいます。
 そういう意味では、先ほど来申し上げておりますように、漁場の環境改善の、いわゆる資源回復計画の着実な推進をやっていかなくてはなりませんし、漁船漁業構造改革の推進とそして新しい経営安定対策を導入してまいりたいと考えておりますし、そしてまた、市場を核とした流通拠点の整備や多様な流通経路の構築、これは民間の資本も導入してさらにハイグレードな整備も進めていかなくてはなりませんし、そういう取り組みをいたしているところでもございます。
 また、漁港整備については、水産資源の保護、回復や、市場を核とした流通拠点の整備の支援をするために基盤づくりを総合的かつ計画的に推進いたしていくところでもございます。
 今般の漁港漁場整備法の改正は、こうした施策の強化につながるものであり、沖合域の資源生産力の向上、鮮度保持、衛生管理、日本の国土の十二倍の広さのいわゆる排他的経済水域、ここは物すごくこれから、需要はどんどん世界じゅう伸びておりますので、そういう中で、そこを効率的に国が直轄的に整備することにより、生産量、また効率のいい流通体系を、そしてまた、低コストで整備することにより利益が少しでも残るような体制をしっかりと総合的に推進していきたいというふうに考えております。
○菅野委員 今回の法改正はその一部分というふうにとらえているわけですけれども、排他的経済水域内の漁場整備を国が実施主体となって実施するというこの改正案、先ほどの答弁では、日本海側の大陸棚のズワイガニ対象という形から出発するというふうな答弁がなされております。
 これは、今の副大臣の答弁、これだけにとどまらず、これから沖合域の資源回復を図っていくのに国が責任を持ってどう取り組んでいくのかというのは、今後の方針としてしっかり私は明示しておく必要があるんじゃないのかなというふうに思っています。
 今回の法改正以降、どのような将来ビジョンというものを持っているのか、説明していただきたいと思います。
○白須政府参考人 ただいまの委員のお尋ねでございますが、いずれにいたしましても、今般の法律改正によりまして、委員からもお話がございましたとおり、沖合域において国が直接に直轄で漁場整備を行っていくというふうなことでございます。
 十九年度の場所につきましては、ただいま委員からもお話がございましたが、日本海の西部海域における、魚種としてはズワイガニなりアカガレイの産卵なり育成場ということを、それの保護育成礁ということの事業を想定しているわけでございます。十九年度、本年度におきましては、この海域におけます海底地形、こういうものを詳細に把握する必要がございますので、そのための測量、こういったようなことを中心に実施するということを予定しているわけでございます。
 当然のことながら、これにとどまるということじゃございませんが、いずれにしても、沖合域におけますそういった漁場の整備ということにつきましては、先ほどもお話がございまして、もちろん、沿岸域における整備の事例というものもそこそこ蓄積をされてはきておるわけでございますが、いかんせん、二百海里というふうなことで大変に遠距離でございますし、大変に深い深海域に入ってくるわけでございますので、ただいま委員からもございました今後の事業展開という点につきましては、今後さらに、技術的知見の蓄積でございますとか、あるいは効果の検証ということもしっかり進める必要があるわけでございます。
 またさらに、魚種としましては、やはり効果を持続的に発揮させるという観点からいきますと、資源回復計画、そういった保護措置が講じられているものが対象ということでもございますので、そういった資源回復計画の策定状況ということも当然のことながらかかわってくるわけでございますので、そういった点、もろもろを勘案しながら検討してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○菅野委員 これから技術蓄積を行って拡大していくという話なんですが、それでは、今回の漁場整備の改正で具体的にどのような効果が上がるんだろうか。私はまだ見切れないというのが現状なんですね。沖合の漁場整備を国が中心になって実施すること自体に異議を唱えるものではありませんが、沿岸漁業と比較しても、生産量、生産額が大きく減少している沖合漁業の問題は、私は、漁場整備による資源回復だけで解決するというふうには思っていないんです。
 それで、今回の法改正による大陸棚の漁場整備で具体的にどのような効果が予測されているんでしょうか。資源回復、生産量、生産額、どのような観点からでも結構ですから、お答え願いたいと思います。
○白須政府参考人 改正によります漁場整備、これによりまして期待される具体的な効果というふうなお尋ねでございます。
 この点につきましては、先ほどちょっと申し上げましたが、過去に、それぞれ領海の沿岸の海域でございますが、そういう領海内で実施をいたしました補助事業につきましても、漁場周辺の漁獲量が増大する、そういった効果が確認されておるというのが、実は、今回日本海の西部海域におきまして実施をいたそうと考えておりますズワイガニなりアカガレイ、こういうものを対象といたしました保護育成礁の整備というふうなことなのでございます。
 そこで、いずれにしても、さらなる深海域になるわけでございますが、その点につきましては、特に測量でございますとか具体的な設置場所の調査等々を具体的に十九年度に行いまして、そこのところで、過去に増大をいたしております、そういった効果がさらに具体的にきちんと発揮をされるというふうなことで、国の直轄の漁場整備ということを行おうというふうに考えているわけでございますので、そういう点からいたしまして、国による直轄の漁場整備、まだまださらなる調査、測量ということも必要でございますが、そういうことを前提といたしまして、アカガレイ、ズワイガニの回復、増大というものを期待しているところでございます。
○菅野委員 国が直轄で事業を行っていくという一つの方向転換がこの法案でなされました。
 国が直轄で実施される海域で、縛りをかけているんですね。「著しい効果があると認められるもの」というふうにあります。国が主体となって実施する事業ですから、選定に当たっては公正、公平が担保されなければなりません。したがって、選定基準は大変に重要です。
 全国展開するときに、この著しい効果の基準についてどう考えればいいのか、これから事業を行ってほしいという地域があったときに、この著しい効果の基準というのをどう考えていけばいいのか、ここをはっきりさせておいていただきたいと思うんです。
○白須政府参考人 委員からお話しのとおりでございまして、今般、国が漁場整備を行うことになります排他的な経済水域、これまで、いずれにしても整備がほとんど行われてこなかった、そういう海域であるというのは事実でございます。
 この排他的経済水域におきましては、やはり、先ほど来申し上げておりますように、海流や地形の状況というものが十分に把握されておらないというふうなことで、必ずしもこれまで知見が十分にないといったようなこと、あるいはまた、沿岸域と比較をいたしますと水深の深い場所で行うということになるわけでございますので、増殖効果等の把握なり分析が必要であるというふうなことでございますので、やはりそこの点については、この事業の施行に当たりましては、この事業効果につきましては慎重に検討を行うことが必要であるわけでございます。
 今、この十九年度に実施をいたそうというふうに考えておりますズワイガニなりアカガレイの保護育成礁につきましては、過去に、それぞれ県が事業の実施主体となりまして、沿岸域におきましてそういった保護育成礁の設置というものも既に行われている経験があるわけでございまして、そういう場合に、年間の漁獲量につきましては相当程度の大幅な増加が確認をされたというふうな事例があるわけでございます。
 したがいまして、そういうものを参考にいたしながら、ただいま委員からもお話がございました、そういう効果というものを私どもとしても前提にして事業をやっていくというふうなことを考えているわけでございます。
○菅野委員 次に、国が費用の一部を関係都道府県に負担させることができ、都道府県は関係市町村に負担させることができるとされています。
 そこで、二点お伺いします。
 一つは、国と都道府県の負担割合はどうなっているんでしょうか。二点目は、多くの地方自治体が大変厳しい財政状況に置かれているときに、将来的な効果が見えにくい財政負担を拒否した場合、漁場整備の計画は中止になるんでしょうか。この二点についてお伺いしておきたいと思います。
○白須政府参考人 まず第一点目のお尋ねの、国と自治体の費用負担の関係でございますが、これは原則的には、国が四分の三の負担ということで、関係の都道府県が四分の一の負担というふうなことを前提に考えているわけでございます。
 二点目のお尋ねの、利益を受けます都道府県などが費用負担を拒むという場合の対応というふうなお尋ねでございますが、国が漁場整備を実施するという場合に当たりましては、手続といたしまして、やはり県が負担をするというふうなことが前提になってまいりますので、負担についての同意がしっかりと得られますように、まず、対象の魚種なり対象の区域を設定いたします。これは政令で設定をいたすわけでございますが、この場合には、政令を定めるに当たりましては、あらかじめ関係の都道府県知事の意見聴取を行うということがまず一点、前提になっているわけでございます。
 二点目といたしましては、事業の全体計画を策定いたします場合に、やはりあらかじめ関係の地方公共団体と協議をいたすというふうなことでございまして、これが前提になって全体の事業計画が策定されるということでございます。
 いずれにいたしましても、負担についての同意が得られないということではなくて、得られるように都道府県と十分に事前の調整を行う、しかる後に事業計画が策定をされるということでございますので、そういったことが行われた後に事業執行ということになるわけでございますので、そこの点については十分な調整を行ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○菅野委員 次に、排他的経済水域の関係について質問します。
 日本は、中国、韓国との間でそれぞれ漁業協定を結んでいます。同時に、これらの国々とは深刻な領土問題があり、中国との間には東シナ海のガス田開発などの課題も横たわっています。もちろん日本の領土や主権について主張することは必要ですが、話し合いや合意によって問題を解決していく姿勢が重要だと考えております。
 そこで、今回の排他的経済水域の漁場整備に当たって、中国や韓国など、隣国とは既に協議が行われたのでしょうか。要らぬ心配かもしれませんが、今回の漁場整備が新たなもめごとの火種になるようなことは避けていただきたいわけであります。このことについて答弁願います。
○白須政府参考人 まず、前提といたしまして、国が行います漁場の整備事業につきましては、先ほど来申し上げておりますように、まず我が国の排他的な経済水域であるということ、そしてまた、魚種としてもTACなりTAEというものの対象魚種である、そしてそれが資源回復計画、そういった保護措置が講じられておるといったようなものを対象に実施をすることといたしているわけでございます。
 そこで、お話しの整備の対象海域ということにつきまして、例えば中国なり韓国なりの入漁状況ということがあり得るわけでございますが、その点につきましては、資源の保護ということがしっかりと確実に担保される、そういう箇所を選定することにいたしておりまして、今委員からもお話がございましたとおり、そういった中国、韓国等との関係につきましては十分配慮して、そういうことのないように選定していきたいというふうに考えているわけでございます。
 ちなみに、現在、十九年度から実施をいたすことを考えております漁場整備につきましては、日本海の西部海域ということで、そこの海面を考えているわけでございます。こういった日本海西部の海域におきまして、アカガレイなりズワイガニを対象とするものでございますが、そこの海域におきましては、アカガレイなりズワイガニを対象といたしております韓国漁船というものの操業は認められておらないというふうなことでございますので、当面、この点につきましてはそういった問題は発生しないのではないかというふうに考えているわけでございます。
○菅野委員 次に、漁港施設の民間事業者への貸し付けについてお伺いいたします。
 構造改革特区法に基づいて漁港特区制度が認められ、山口県の下関漁港で民間漁業者への貸し付けが始まりました。
 昨年六月段階で、農水省の調査報告では、下関のケースについて、弊害は認められないとしながらも、施行期間が短いため、全国展開については経過を見守る必要があるというものでした。
 それから数カ月後、構造改革特区推進本部で全国展開が決定されていくわけですが、下関市だけしか申請しなかった民間事業者への貸し付けについて、全国展開を殊さら急ぐ必要があるのでしょうか。実施したいところは特区申請すればいいのではないでしょうか、私はこう思うんですが、この考えについて答弁願いたいと思います。
○白須政府参考人 お話しの構造改革特別区域、これに基づきます基本方針におきましては、特区が行われておるところにつきまして特段の問題が生じておらないというふうに判断されたものにつきましては、速やかに全国展開を推進していくものとする旨が規定をされているわけでございます。
 そこで、お話しのとおり、現在、漁港の特区につきましては山口県の下関漁港一カ所というふうなことで、一件のみの申請というふうなことであることは事実でございます。
 しかしながら、これが全国展開をなされますと、先ほど来お話が出ておりますとおり、やはり、まず手続が非常に大幅に簡素化をされるということ、そしてまた、民間事業者の創意と工夫によりまして、衛生管理なり付加価値を高めるといったようなことで、大幅なそういった民間の事業者の投資というものも想定されるわけでございますし、また、権利関係の安定した貸し付けということでございますので、まさに民間のイニシアチブによります衛生管理なり集出荷の効率化の推進というふうなことで、私どもとしても、国民に対する水産物の安定的な供給でありますとか、あるいは地域の活性化に大変資するものである、一方、デメリットというものはまずなかろうというふうなことで、今回の法改正をお願いいたしている次第でございます。
○菅野委員 下関市の例を全国展開するわけでありますから、私は、全国展開する以上、漁港が行政財産である以上、安全性や衛生条件の確保、さらには事業者の選定に当たっての明確な基準等々、議論の余地はまだまだあるというふうに思っています。そのことを指摘しながら、今後の展開に当たって、私は、特区を全国展開すればいいという形ではないというふうに考えているわけでございます。
 そういう意味では、私は慎重な対応を求めておきたいというふうに思って、以上でこの質問を終わります。
○西川委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○西川委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、漁港漁場整備法及び後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○西川委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○西川委員長 次に、内閣提出、漁業法及び水産資源保護法の一部を改正する法律案及び水産業協同組合法及び中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 これより順次趣旨の説明を聴取いたします。農林水産大臣松岡利勝君。
    ―――――――――――――
 漁業法及び水産資源保護法の一部を改正する法律案
 水産業協同組合法及び中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○松岡国務大臣 漁業法及び水産資源保護法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 我が国水産業につきましては、国民に対して、水産物を安定的に供給するという極めて重要な役割を担っております。しかしながら、現在、周辺水域を初めとして水産資源の状況が悪化しており、また、就業者の減少、高齢化等により漁業生産構造が脆弱化するなど、厳しい状況となっております。
 このような状況を踏まえ、漁船漁業の構造改革を推進するとともに、漁業取り締まりを強化する観点から、所要の措置を講ずることとし、水産基本計画の見直しにあわせて施策を推進するため、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、指定漁業の許可等の適格性要件の見直しについてであります。指定漁業の許可等の適格性要件として、当該漁業を営むに足りる資本を有することに加え、その他の経理的基礎を有することを追加することとしております。
 第二に、試験研究または新技術の企業化のための指定漁業の許可等の特例についてであります。漁業生産力の発展に特に寄与すると認められる試験研究または新技術の企業化を行い漁業を営もうとする者について、他の新規参入者に優先して指定漁業の許可等を行うこととしております。
 第三に、漁業調整に関する罰則の強化についてであります。農林水産省令または都道府県規則において禁止し、または許可制とした特定の漁業について、これに違反して当該漁業を営んだ者に対する罰則を整備することとしております。
 第四に、漁業監督吏員の権限行使区域の見直しについてであります。司法警察員たる漁業監督吏員について、農林水産大臣の許可を受けたときは、その属する都道府県の区域外における捜査活動を可能とすることとしております。
 続きまして、水産業協同組合法及び中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 漁協系統は、漁業者の協同組織として、組合員に対して漁業経営に関するサービスを総合的に提供してきたところでありますが、近年、水産資源の減少、魚価の低迷等により漁業協同組合の経営状況が厳しさを増しております。また、漁協系統の信用事業等に係る保証を行う漁業信用基金協会の事業について、その健全性の確保を図ることが重要となっております。
 このような状況を踏まえ、漁業協同組合、漁業信用基金協会等の健全な発展を図る観点から、所要の措置を講ずることとし、水産基本計画の見直しにあわせて施策を推進するため、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、水産業協同組合法の一部改正であります。
 漁業協同組合の経営状況についての組合員自身による適正な判断、行政による適正な監督に資するため、すべての漁業協同組合を対象として、事業別損益を明らかにした書面の作成等を義務づけることとしております。また、漁業協同組合の組合員の資格審査が公平かつ適正に行われるよう、組合員の資格及びその審査の方法を定款の絶対的記載事項とするとともに、漁業協同組合が行う共済事業の健全性の確保及び共済契約者の保護のための措置等を講ずることとしております。
 第二に、中小漁業融資保証法の一部改正であります。
 漁業信用基金協会の健全な運営に資するため、主務大臣が同協会の経営の健全性を判断するための基準を定めることができること等の措置を講ずるとともに、同協会の組織再編を図るため、事業譲渡を行うことができることとしております。また、中小漁業者が同協会から円滑に債務保証を受けられるよう、会員資格の拡大を行うこととしております。
 以上が、これらの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○西川委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。
 次回は、明十一日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時八分散会