第166回国会 安全保障委員会 第10号
平成十九年五月十七日(木曜日)
    午後三時開議
 出席委員
   委員長 木村 太郎君
   理事 赤城 徳彦君 理事 今津  寛君
   理事 寺田  稔君 理事 中谷  元君
   理事 仲村 正治君 理事 内山  晃君
   理事 笹木 竜三君 理事 遠藤 乙彦君
      安次富 修君    石破  茂君
      大塚  拓君    大前 繁雄君
      瓦   力君    北村 誠吾君
      平  将明君    高木  毅君
      浜田 靖一君    福田 良彦君
      宮路 和明君    矢野 隆司君
      山崎  拓君    神風 英男君
      津村 啓介君    長島 昭久君
      前田 雄吉君    赤松 正雄君
      赤嶺 政賢君    辻元 清美君
      下地 幹郎君    西村 真悟君
    …………………………………
   防衛大臣政務官      大前 繁雄君
   参考人
   (千歳市長)       山口幸太郎君
   参考人
   (岩国市長)       井原 勝介君
   参考人
   (宜野湾市長)      伊波 洋一君
   安全保障委員会専門員   三田村秀人君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十七日
 辞任         補欠選任
  山内 康一君     平  将明君
同日
 辞任         補欠選任
  平  将明君     矢野 隆司君
同日
 辞任         補欠選任
  矢野 隆司君     山内 康一君
    ―――――――――――――
五月十六日
 在日米軍再編関係経費並びに在日米軍再編特措法案反対に関する請願(阿部知子君紹介)(第九一一号)
 同(阿部知子君紹介)(第九二八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国の安全保障に関する件(基地問題等)
     ――――◇―――――
○木村委員長 これより会議を開きます。
 国の安全保障に関する件、特に基地問題等について調査を進めます。
 本日は、参考人として、千歳市長山口幸太郎君、岩国市長井原勝介君、宜野湾市長伊波洋一君、以上三名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、山口参考人、井原参考人、伊波参考人の順に、お一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際は委員長の許可を得ることとなっております。また、参考人は委員に対し質疑をすることはできないこととなっておりますので、あらかじめ御承知をいただきたいと存じます。
 それでは、まず山口参考人にお願いいたします。
○山口参考人 北海道千歳市長の山口でございます。
 本日は、当安全保障委員会におきまして発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 私は、日本一の自衛隊の駐屯地、基地を有する自治体の首長の立場から、自衛隊と共存共栄する町づくり及び在日米軍再編に係る訓練移転の二点について、意見を述べさせていただきます。
 大正十五年十月、一寒村にすぎなかった千歳は、不毛の原野を切り開き村民が一丸となって飛行場づくりに汗を流したのが、町づくりの始まりであります。
 その後、千歳飛行場は、海軍航空隊飛行場として正式に認定され、終戦までは北方における海軍最大拠点として使用されてまいりました。太平洋戦争終結後の昭和二十七年には、自衛隊の前身であります警察予備隊が当市に駐屯することになり、同年、保安隊千歳駐屯地が開庁され、自来、自衛隊と共存する町づくりが始まりました。この間、昭和二十六年には民間航空が再就航し、千歳飛行場は、北海道の空の玄関として東京―千歳間の定期航路が開設されたのであります。
 その後、当市に駐屯いたします自衛隊は、時代の変遷とともに逐次改編され、現在は陸上自衛隊二個駐屯地、航空自衛隊一個基地が所在しており、国防の一翼を担いながら、五十年余の長きにわたり、自衛隊と共存しながら発展してきた町であります。
 一方、北海道全体におきましても、北方防衛拠点としての特性や恵まれた訓練環境等が所在いたしますことから、陸海空の第一線部隊が当初から配備され、関係市町村は、防衛施策に積極的に協力しながら、駐屯地、基地及び隊員とともに町づくりを行ってまいりました。また、自衛隊の駐屯地等を有しない自治体にありましても、地域の行事や災害派遣等を通じて深いつながりを持ってきた歴史があります。
 自衛隊の役割は、現在、国土防衛や国際平和協力活動、あるいは大規模災害派遣など多様化してきておりますが、北海道に配備されております自衛隊は、これらの任務を全国の自衛隊に先駆けて遂行してきたものと承知をしております。
 このように、北海道の自衛隊は、常に我が国防衛の中心的、先導的な役割を果たしてきており、このためには、隊員のたゆまざる訓練、そしてこれを支える演習環境の提供が不可欠であり、また、地域の協力がなければ到底なし遂げられないものと考えております。
 今日、冷戦終結などにより国際情勢は大きく変化し、我が国周辺でも本格的な侵略事態が生起する可能性は低下していると判断され、このことから、北の脅威は薄れたと言われております。しかしながら、依然として世界各地での地域間の対立や極東地域での不透明な事態が続いており、また、特に北朝鮮による弾道ミサイルの発射や核実験の実施などは極めて憂慮すべきものであります。私たちは、歴史的に見た戦略上の特性などからして、北方の守りを国防の基本にすることにより、初めて日本の防衛の安定が図られるもの、このように確信しております。
 また、近年は、全国的にも大規模な災害が多発しており、北海道におきましても有珠山の噴火やサロマ湖の竜巻など悲惨な災害が発生しておりますが、国土の五分の一以上を占める広大な面積を有する北海道の各自治体にあっては、その災害対処能力には限界があり、住民の生命、身体及び財産を守る責任がある首長にとりましては、一たび災害が発生した場合、自衛隊の装備や人的支援に頼らざるを得ないのが実態なのであります。
 このような中で、平成十七年度以降に係る防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に基づき、自衛隊の組織見直しによる部隊の統廃合が今後も予定されていると伺っておりますが、このことにより北海道における自衛隊の削減がこれまで以上に行われた場合には、北の守りは無論のこと、災害発生時の対応のおくれや人員不足により、住民の安全を守ることが極めて難しくなることが予想されるのであります。また、地域経済の破綻、さらには町づくりの根底が覆されると言っても過言ではなく、北海道の自治体としては、町の死活問題になると大いに危惧をしております。
 このことから、北海道における自衛隊の存在意義や地方の実情を国に理解していただきたいと考え、自衛隊駐屯地のあるなしにかかわらず、北海道を含め道内百八十一すべての自治体の加入を得て北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会を設立し、これまで国に対し、鋭意、要望活動を行ってきたところであります。
 日本を取り巻く安全保障環境の変化や少子化に伴う若年人口の減少、あるいは国の厳しい財政状況などにより、我が国の防衛体制を見直す必要性は理解しておりますが、今後見直しされます次期中期防衛力整備計画の策定に当たりましては、このような北海道における自衛隊の存在意義や地方の実情を十分に考慮され、最大限の配慮をしていただきたい、このように考えております。
 次に、このたびの在日米軍再編に係る訓練移転につきまして、当市が受け入れの判断をいたしました経緯について申し上げます。
 この件については、騒音の加重が避けられないなど、市民のだれもが快く歓迎する案件とはなり得ない中にあって、国防という国の重要な政策に関するものであり、千歳飛行場を有する首長として極めて難しい判断が求められましたが、それまで国と進めてきた協議経過を踏まえ、昨年七月七日に受け入れを判断し、本年一月二十六日に国との間で協定を締結したものであります。
 ここで、受け入れ判断に至る四つの観点について申し上げます。
 その一点目は、この件は国防に関する基本的な政策に基づくものであり、地方自治体はこれに協力する必要があることであります。
 我が国の防衛力については、自衛のために必要な限度において整備を進め、その維持、運用を図るとともに、日米安全保障体制を基調とした日米同盟に基づく抑止力をもって対処することを基本姿勢としてきたと承知をしております。こうした国防に対する基本的な政策は国の専管事項と認識しておりますが、特に、我が国全体を網羅したすきのない防衛体制を構築するためには、地方自治体は、防衛施設の設置、運用に伴う障害等の解消や緩和を進める中で、こうした政策に協力する必要があるものと考えております。
 次に、沖縄の負担軽減は同じ国民の一人として理解し、可能な限り負担の軽減に努める必要があることであります。
 このたびの在日米軍の再編については、日米安全保障体制のもとで、抑止力の維持と沖縄等の負担軽減を図るものとされております。現在、在日米軍の約七五%が沖縄県に集中している実態からすると、この負担軽減は、国全体として担っていかなければならないものと認識をしております。
 次に、市民が懸念をしております騒音の加重、事故の発生、事件など治安面での不安、町づくりへの影響などの懸念事項に対しましては、すべて完全に不安を払拭することは難しいものの、国と千歳市による協定の締結とその遵守、各種対策等の着実な実施などにより、一定程度、解消や緩和が期待できることであります。
 現在、当市に所在いたします航空自衛隊第二航空団では、通常訓練において自主規制措置を講ずるなどして、基地周辺市街地に対する騒音の影響を局限するような運用を行っておりますが、このたびの訓練移転においても、国はこの航空自衛隊と同様の態様で実施するとしており、市の意向に沿った協定を締結することが確認されたものであります。
 最後に、千歳に自衛隊が駐屯して五十年を超える歴史の中で、防衛施設の安定的な運用を通じて、国防の一翼を担いながら発展してきたという町づくりの経過を踏まえた判断が求められることであります。
 当市は、自衛隊が駐屯して半世紀余を経、現在、陸上自衛隊東千歳駐屯地、北千歳駐屯地、航空自衛隊千歳基地が所在し、隊員数約九千七百名を擁しながら、我が国における北方の防衛拠点として機能するとともに、地域防災への任務などを通じて市民生活を守る大きな存在となっております。一方で、演習場を含めた防衛施設面積は、市街化区域の約一・七倍という広大な面積を占めるとともに、航空機騒音を初めとして、装軌車両が通行する際の騒音、振動、交通障害などの課題を抱えていることから、これまで、騒音対策や河川、道路の改修、公園の整備など、障害の防止や緩和、さらには民生安定に資する対策を積極的に講じてまいりました。
 以上の観点が、このたび、在日米軍再編に係る訓練移転の受け入れ判断をした経緯であります。
 このたびの受け入れは、言うなれば市民の生活環境と引きかえに苦渋の決断をしたものでありますことから、騒音対策及び周辺対策はもとより、騒音直下の住民から理解を得るための諸対策が当然必要と考えます。このたび、駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案において再編交付金の創設が明記されておりますが、この制度がこれらの対策に十分寄与するものとなりますよう期待をいたしております。
 最後に、当市は、人口九万二千人の小さな地方都市ではありますが、これまで、国策である国防の一翼を担いつつ、都市施設の整備等を積極的に推進し、内外から住みよい町との評価を得ながら発展を続けてまいりました。今後も、私は、こうした歴史を踏まえ、自衛隊と共存共栄する町づくりを基本姿勢として、当市が有する町の特性を最大限に生かしながら行政運営を進めていく所存でありますことを申し上げ、参考人としての発言を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○木村委員長 ありがとうございました。
 次に、井原参考人にお願いいたします。
○井原参考人 山口県の岩国市から参りました市長の井原でございます。
 最近は基地で専ら話題になっておりますが、御存じの方も多いと思いますが、錦帯橋という三百年以上の歴史を抱える、大変すばらしいところであります。歴史と文化と観光の町でもあります。来年はぜひ世界遺産の暫定リストに載せていただこうか、そういう運動もしているところでございます。機会がありましたら、ぜひ一度、委員の皆様方にも当地へお越しいただければというふうに思います。
 つい日ごろの癖で、観光PRを必ずしなきゃいけないものですから、一言言わせていただきました。
 きょうは、こういう国会、衆議院という場において一地方の実情につき意見を聞いていただく機会をつくっていただきまして、大変ありがとうございます。私は、大変いい機会だというふうに思います。
 米軍再編に関する報道、連日のように行われるわけでありますが、ちょっと私の感じを申し上げますと、もちろん沖縄問題が中心かもしれませんが、沖縄の報道が盛んにされます。あれ、岩国も出るのかなと思うんですけれども、なかなか岩国の報道はされないのがちょっと不思議だなというふうに私は思っています。
 岩国には、御存じのとおり、空母艦載機部隊を大部分移駐をさせようという、ある意味では、私は、今回の再編の中でも一番大きな負担を伴う提案になっているのではないか。そういう意味で、もう少し取り上げられてもいいのになというふうに、少し疑問に感じているところがあります。
 よくその理由はわかりませんけれども、一部の専門家によりますと、岩国問題は米軍再編全体の中でもちょっと異質なのかなと。もう少しはっきり申し上げると、軍事上という意味でしょうか、日米両国、特にアメリカ側にとって、どれほど軍事上必要性があるのかなという部分に疑問を呈せられる専門家の方々もいるようであります。私は、正確にはわかりませんが、そういうことも一つの理由なのかなというふうに思っています。
 いずれにしても、岩国の問題というのは、住民投票のときには報道されましたが、ひょっとしたら余り知られていないのではないかというふうに思います。そういう意味で、今回は、率直に、米軍再編の現状について申し上げてみたいというふうに思います。
 いつも資料をつくるのが私は苦手というか、やっつけ仕事になってしまって、またいい資料ができなかったんですが、簡単な資料はお手元に行っていると思いますので、それに基づいて簡単に御説明をしてみたいというふうに思います。
 まず一番目に、民意という点についてであります。
 真の民主主義が実行される国、民意が尊重される国であってほしいということをまず最初に私は申し上げたいと思います。
 先日、国会でも国民投票法が成立をしているわけでありますが、中身の議論はおくとしまして、私は、今までこうした仕組みがなかったということがむしろ普通ではなかったのではないかなというふうに思います。
 岩国では、通常は議会制民主主義の中で政治が行われるわけでありますが、町の将来を左右する重大な問題についていろいろ意見が分かれたようなときには、やはり民主主義の原点に返って、最後は市民の声を聞いて判断する、そういう仕組みがどうしても、絶対に必要であろうということで、三年前に常設型の住民投票条例が成立をしております。
 昨年は、この条例に基づき、空母艦載機部隊の受け入れの賛否を問う住民投票が行われました。その結果、投票者の約九割が受け入れに反対という、まさに圧倒的な民意が表明されたというふうに思います。もちろん、どこまで厳密に議論がされたのか、情報提供がされたのか、さまざまな課題はあっただろうというふうに思いますが、紛れもなく、条例に基づいてきちんと実施をされたものでありました。この結果というのは、実は昨年、岩国市も周辺町村と合併をしておりますので、新しい岩国市になっているわけでありますが、政治的には私は重いものだというふうに思いますし、尊重されるべきものだろうというふうに考えます。
 しかし、その後の状況を見ると、そういう民意の重さが余り感じられないのが私は残念であります。現実の政治状況の中ではなかなか配慮はされないのかなというのが残念でありますし、ちょっと辛口になるかもしれませんが、日本の民主主義の限界なのかなというふうに考えてもおります。
 国民投票は、もちろん重要な仕組みとしてできたわけでありますし、性格は違うし、重みも全然違うというふうに思いますが、民主主義の原則原理という意味からいえば、住民投票も、地域にとってはやはり同じような性質の重いものであるというふうに思います。
 私は、住民の福祉を守るという地方自治の本旨にのっとりまして、まさに住民投票を自然なこととして実施したわけであります。あんなに各方面から反発や拒否反応が起こるとは、私は本当に自然なことだ、当然なことだと思っていましたので、びっくりしましたし、予想ができませんでした。
 次に、現状、こういった状況の中で、市民の不安ということについてお話をしたいと思います。
 地方分権、地方の時代と盛んに言われるわけでありますが、私は、最近とみに、地方と国の力関係というものをいや応なく実感させられています。今、岩国はこの米軍再編問題によって大きく揺れています。混乱をしていると言ってもいいだろうというふうに思います。もちろん私の責任もありますが、さまざまな要因でそうなっていると思います。幾つか例を挙げます。
 国との合意に基づいて既に建設をしている、ことし三年目になるわけですが、市役所の新庁舎の補助金が一方的に突然カットされまして、財源に大きな穴があいてしまいました。詳しくは申し上げませんが、それが原因で、実は今年度の一般会計予算六百六十億円が否決をされている状態にあります。四、五、六と暫定予算で今細々とつないでいるというのが岩国の実態でありまして、全国を調べていませんが、多分、全国どこにもないような異常な状態になっているんではないかというふうに思います。
 米軍再編特別措置法などにも象徴されるいろいろな、あめとむちというような手法によりまして、このままでは岩国は、例を出すのは申しわけないんですが、盛んに言われております夕張市のように財政破綻するのではないかという情報が、うわさが広く流れています。もちろん、財政状況は全く違いますし、簡単に財政破綻をするわけではないんですが、もうとめられないぐらいそういううわさが流れて、不安がかき立てられています。
 また、基地の沖合移設事業が行われておりますが、その埋立土砂を確保する、そして跡地を大規模な住宅開発をするという愛宕山住宅開発事業、県と市の共同事業でありますが、十年もかかっておりますので、土地の値段が下がり、そして売れ行きも難しいんではないかということで、大きな財政負担が生じかねないような状況で行き詰まってきております。
 現在、県と市で今後どうするのかということを検討しているところでありますが、財政破綻、財政負担を回避するために米軍住宅に転用すべきではないかということも取りざたをされているところであります。財政問題、あるいは将来の町づくりという観点からも、今大きな議論になっているところであります。
 さらに、これもまた難しい問題なんですが、説明が難しいんですが、関連をいたしまして、旧国病、病院がありまして、岩国医療センターというふうになっているんですが、その愛宕山に移転をしたいという要望があるんですが、土地、用地の問題、それから再編問題、愛宕山住宅開発の問題とも絡んでなかなかまだめどが立っていない。
 そういう状況の中で、この病院が県外に移転するんではないかといううわさが大きくなっておりまして、本当に市内隅々で、県の医療計画の中で重要な位置を占める旧国立病院でありますから、大きな不安が高まっています。もちろん、医療計画の中で重要な位置を占めるわけですから簡単に県外に移転できるわけではないんですが、説明しても説明してもこの不安は打ち消されないような状況になっております。
 そういったさまざまな重要な課題が不思議なほど米軍再編にすべて絡み合って、行き詰まってしまって先行きが見えないような状態になっている。本当に複雑なパズルが絡み合って解けないような状態になっている状況にあります。それが市民の不安を大きく高めている。
 市議会におきましても、去る三月には、多数で実質的な容認決議が行われております。実質容認と言うと語弊もあるんですが、安全保障を理解して、今回の米軍再編については現実的に対応すべきだという要望が私に出される、そういった決議が行われております。
 多かれ少なかれ、すべての背景にはやはり米軍再編問題があると言っても過言ではないというふうに思いますが、こうした国の政策を進めるために、本当に今混乱をしているんですが、これほど市民、国民を不安に陥れてもいいんだろうかというのが私の率直な思いであります。やはり、国民の負託を受けた国のとるべき方策ではないんではないかというふうに思います。最近では、そういった実質的な容認に向けた署名活動も始まっておりまして、普通の人間関係も壊れかねないというような状況も出てきているところであります。
 岩国の市民は、住民投票以来、意識も高まってきておりまして、自立の心も芽生えてきております。先ほどの庁舎の建設問題については、補助金カットに負けないで苦しくとも自立していこうという市民の募金活動まで始まっているところでありまして、私もそうしたものを応援していきたいというふうに考えています。そうした状況の中で、従来の手法ではなかなか市民の理解を求めることは難しいんではないかということに国も早く気づいてほしいというふうにも思っております。
 ちょっと時間がなくなってまいりました。
 次に、米軍再編に対する基本姿勢についてお話をしたいというふうに思います。
 今のような課題とまとめたような形で米軍再編を考えてしまうのではなくて、米軍再編については切り分けて、冷静に考えるべきだというふうに私は思います。もちろん、私としても、米軍再編は安全保障にかかわる重要な国の政策であります。地方自治体としても協力する必要があると考えております。国防の必要性と地域住民の生活の安全、安心という観点から正々堂々と議論すべきであろうというふうに考えておりまして、私もその努力をしていきたいというふうに思います。
 その前提として、岩国市の基地問題に対する基本的な考え方は、米軍基地が安全保障上果たしている重要な役割はきちんと理解し、その安定的な運用にも協力をしてきましたし、今後ともその方針は変わらないつもりであります。しかしながら、市民生活の安寧を守るために、これ以上の基地機能の強化を容認できないというのが従来からの一貫した方針であります。
 今回の移駐案は、航空機の数が一気に二倍以上の百二十機、人員も約四千人増加し一万人にもなるという大規模なものであります。市民にも過大な負担を強いるものでありまして、今回だけは我慢できないというのが市民の率直な気持ちでありました。その市民の意思が明確に示されたのが住民投票等であったというふうに思います。
 その後も市民の安全、安心という観点において問題は何も解決されていないというふうに思いますし、防衛施設庁と一緒に行いました二月の住民説明会においても、依然として将来の生活に対する根強い不信感、不安感があるということがありました。このまま一方的に進めてしまいましたら、国や米国に対する不信感も増大をし、基地の安定的な運用にも支障を生ずることにもなりかねないのではないかというふうに思います。双方にとって、あるいは、アメリカにとっても、国にとっても、地方にとっても、決していい結果にならないというふうに私は思います。
 もう一度原点に返りまして、国と地方との間で、お互いに前提を置くことなく、双方の立場を尊重しながら誠意を持って話し合いをしていくことによって解決方法を探っていかなければいけないだろうというふうに考えております。もつれた糸を解きほぐすためには、合理的な説明と誠意が必要であろう。そこから自然に生ずる説得力が私は必要ではないかというふうに思っております。
 先日、説明会の中で基地周辺の住民の方が、これまで我慢し協力してきたのに、まだこの上大きな負担を受け入れろというのかという声が上がりました。これを聞いたとき、私は、はっとして心を動かされました。長い間苦しんできた人の叫びのようでもありまして、実際に現地に住んでみなくては理解できないものではないかというふうに思いました。基地周辺住民の不安や不信が解消されるかどうか、これが、我々が今回の問題を考える上での大きなポイントでありますし、一番大切にしなければいけない民意だろうというふうに思います。
 平穏な生活をするという住民のささやかな願い、基本的な権利だろうと思いますが、そういうものが将来も確保できるという確信が持てない限り、なかなか先には進むことができないし、他の問題ではない、その点を中心にして、これからも私は誠意を持って国と協議をしていきたい、そして解決策を探っていきたいというふうに考えているところであります。
 以上でお話を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○木村委員長 ありがとうございました。
 次に、伊波参考人にお願いいたします。
○伊波参考人 皆さん、こんにちは。沖縄県宜野湾市長の伊波洋一でございます。
 本日は、衆議院安全保障委員会での意見陳述の機会を与えていただき、木村太郎委員長並びに委員各位の皆さんに感謝申し上げます。
 早速、本題に入らせてもらいます。
 お手元の一枚のレジュメと、この四年間に宜野湾市が取り組んだ資料集を参照しながら、意見を申し上げます。
 御承知のように、宜野湾市のど真ん中には、日米両政府の懸案となっている普天間飛行場がございます。資料見出し一の二、三ページの見開きが上空からの写真でございます。こうなっております。
 普天間飛行場は、沖縄戦のさなか、一九四五年六月から、米軍が、市中央部の平たんな地域をならし、当時の村役場や小学校を含め、幾つもの集落を破壊して建設したものです。基地面積が四百八十一ヘクタール、市面積の四分の一を占めておりまして、その周囲はフェンス近くまで基地建設で排除された市民の住宅が取り囲んでおります。
 宜野湾市は、人口が九万人で、市域面積は十九・六九平方キロでありますので、一平方キロ当たり四千五百七十人の高人口密度で、米軍基地を除いた人口密度は一平方キロ当たり六千七百五十人という超過密な市街化地域であります。私は、そのような状況で米海兵隊航空部隊が配備され、日常的に市域の住宅地上空で頻繁に旋回飛行訓練を繰り返していることは許されないことであるということを訴えに参りました。
 普天間飛行場については、日米両政府は、十一年前の一九九六年のSACO合意で、その危険性ゆえに、基地負担の軽減として五ないし七年以内の全面返還を合意しております。しかし、期限の七年以内の返還が実現せず、その間にも旋回飛行訓練がますます激化し続けました。資料見出し二の二ページを参照していただきたいと思いますが、私が市長に就任をした返還期限の二〇〇三年には、航空機騒音年間発生件数は、九六年に比べて一万回もふえて三万回と一・五倍になっておりました。
 私は、翌二〇〇四年七月に訪米をして、米国政府や連邦議会関係者に、いつ墜落事故が起こっても不思議ではない状況になっているということを訴え、海兵隊航空部隊の撤退を要請いたしましたが、その一月後の二〇〇四年八月十三日に、市街地にある沖縄国際大学本館に米海兵隊大型ヘリコプターが墜落、炎上するという大惨事が現実のものとなりました。事故の模様は、資料見出し三にございます。
 このように、ヘリの部品などが近隣のアパート室内を直撃し、ヘリの尾翼部は四百メートルも離れた隣接地区公民館のすぐ近くに落下するなど、広範囲にわたる大事故でありました。しかしながら、市民や学生、大学関係者にはけが人が出なかったのは奇跡的なことであります。
 私は、このヘリ事故を最後の警告と受けとめております。政府や国会議員の皆様にも、二度とヘリ墜落事故を起こさせてはならないと決意をしていただきたいのでございます。
 事故後、約八カ月間飛行をとめていた米軍は、その後、旋回飛行訓練を開始し、三年後の今では、事故以前までは午後十時で終わっていた飛行訓練を深夜十一時まで拡大しています。資料見出し二の三ページを参照していただきたいと思います。
 早朝から深夜十一時まで、繰り返し繰り返し、市内全域で旋回飛行訓練を繰り返していることで、赤ちゃんから高齢者まで、宜野湾市民は、激しい騒音で日常生活を破壊されるだけでなく、騒音による身体的な苦痛や墜落するのではないかという心理的な不安の中で暮らしているわけであります。
 市民の皆様から市に対して、多くの騒音の訴え、苦情が寄せられております。お手元の資料見出し二の四ページから、昨年度の苦情百六十件が掲載をしてございます。その中の一部を紹介いたします。
 五ページには、上原地区在住、女性。夜の十時を過ぎていますが、ヘリの音がうるさくて眠れません。落ちるのではないかととても心配です。
 六ページ。嘉数地区在住、女性。最近ヘリの夜間訓練が激しいのはなぜか。昨晩は、十時十五分ごろ、ヘリが三機編隊で飛んでいた。十時五十二分にも飛んでいた。寝ている頭上を飛んでいるので、もし落ちたら逃げられるのかと、ひどく不安だ。
 七ページ。嘉数地区在住、男性、二十二時二十分。この時間でも飛行しているのはどうなっているんですか。家が振動するくらい低空で飛行している。
 九ページ。新城地区在住、男性、二十三時〇五分。二十三時ですけれどもヘリが飛んでいますよ。これはとんでもないです。何とかとめさせてください。
 同じく九ページ。新城在住、男性、二十二時十二分。きょうのヘリは非常にひどいんです。家族団らんの場にこんなに低空飛行でヘリが飛んでいるのはとんでもないです。今に落ちます。何とかしてください。
 十一ページ。伊佐地区在住、男性、二十二時四十八分。ヘリがうるさいですよ。どうしたんですか。こんな夜の零時前なのに、なぜヘリが飛ぶんですか。どうにかしてください。
 これは電話で録音されたものであります。このように、多くの市民が悲鳴にも似た声を市に寄せております。
 なぜ、事故後、きょうにでも、あるいはあしたにでも、三年前のような墜落事故が起き得る状況のまま、普天間基地の危険な現状が放置されるのか。いま一度、この市域の航空写真を見ていただきたいと思います。見出し一の二ページであります。
 日常、旋回飛行訓練を繰り返しているのは、九万人の市民が居住し、百二十カ所以上の公的な施設、さまざまな集会施設のある、まさにその真上であります。学校や病院のある市街地区なのであります。もし今度市街地区で墜落事故が起きれば、大変な大惨事になることは間違いないのであります。
 国の安全保障を考える委員の皆様にも、基地を抱える地域の安全についてぜひ考えていただきたい。日本国民たる宜野湾市民が、日本に復帰して三十五年も経て、戦後六十二年もたっても、駐留する米軍の軍事活動によって直接的な被害を受け続けていることを直ちにやめさせるべきではないでしょうか。
 私は、二度目の訪米で、米本土西海岸にあるペンドルトン海兵隊基地に隣接するオーシャンサイド市の市長さんや、多くの米軍基地や施設のあるサンディエゴ市の基地担当者の方に、米国における米軍活動による市民への被害状況を質問いたしました。
 彼らの答えはとても明快でした。米国民に被害を与えて基地は存在し得ないとのことでした。米軍は、国内法を遵守するが、それだけでは不十分であり、地元に被害を与えないよう、米軍独自の規制をしているとのことであります。米国内の米軍基地は、国内法の規制のもとにある上に、軍はさらに厳しい安全基準を定めて、住民生活との調和を図り、良好な市民生活、クオリティー・オブ・ライフを確保しています。
 米国政府関係者や米連邦議会関係者を含め、米国で普天間基地の上空写真を見せると、驚かない人はいません。ラムズフェルド前国防長官も、上空から普天間基地を見て、事故が起きない方が不思議だと言ったと報じられました。しかし、普天間基地には、航空法も適用されず、米軍の飛行活動も何の規制もないのです。米国内の基地と沖縄の米軍基地では、運用のあり方に雲泥の差があります。
 米国内の海兵隊航空基地はどうなっているのか、宜野湾市として調査をいたしました。
 米海兵隊航空基地に適用されているのは、AICUZと称される航空施設整合利用ゾーンプログラムで、騒音レベルや事故危険性などを評価して、土地利用規制をするものです。資料見出し七の四十二ページをあけてください。そこに訳文がございます。
 さらにこの説明をいたしますけれども、その中で、資料見出し八の六ページを見ていただきたいと思います。普天間飛行場の場合、滑走路の両端から幅四百五十メートル、長さ九百メートルの利用禁止地帯、クリアゾーンがなければなりません。しかし、その前のページの八の五ページのように、実は、このクリアゾーンの中に、普天間飛行場では、基地に隣接する普天間第二小学校が入っているのであります。さらに、住宅地や施設の多くが両端のクリアゾーンに入っています。
 AICUZでは、さらに千五百メートルのAPZ1、さらに二千百メートルのAPZ2と事故危険区域が設定され、公共施設や大型集会施設などの建設が規制されております。普天間飛行場の場合でいうならば、北側は普天間小学校や普天間高校、北中城村役場まで入り、南側では浦添市の体育施設や文化施設、総合病院まで入っているのであります。
 さらに、旋回訓練をする地域の下には住宅地域があってはなりません。サンディエゴ近くのミラマー海兵隊航空基地では、固定翼機やヘリの旋回訓練エリアはすべて基地内となっています。米軍基準では、宜野湾市は全市域が危険地域なのであります。この運用基準は、外国の米軍基地についてもホスト国が求めれば適用することになっております。日本国内でも適用させるべきであります。
 宜野湾市では、資料見出し九の一ページに掲げてありますように、米太平洋軍海兵隊司令官への安全基準についての質問を行い、九の三ページのように、二〇〇六年十二月十九日付で司令官のジョン・F・グッドマン中将から、「私の指揮するすべての部隊は、安全且つ効果的な運用を確保するために策定された法律や基準的な運用手続きを厳格に遵守することを、私が保証致します。」と回答をいただきました。国は、米国内の運用基準を普天間基地にも適用させるべきです。
 以上のように、国は普天間基地での米軍機や米軍ヘリの旋回飛行訓練を放置してはならない、このように考えております。
 普天間基地のヘリは、一年のうちに数カ月は海外に派遣されております。ですから、私はこれらの部隊を他の米軍基地に移すことは可能だと考えております。現に、米軍再編では、沖縄から八千人の海兵隊と家族九千人がグアムに移駐することになっています。沖縄県の統計資料によると海兵隊家族は七千九百十名ですから、すべての家族がグアムに移るはずです。
 見出し十のグアム統合軍事開発計画によると、グアムに移る第三海兵機動展開部隊の構成は、二千八百名の司令部機能、二千九百名の地上戦闘部隊、千五百五十名の後方支援部隊に加えて、海兵航空戦闘部隊二千四百名が含まれています。資料見出し十の六十五ページにございます。
 海兵航空部隊のために、アンダーセン空軍基地には、最大六十七機のヘリと九機のオスプレーの格納庫が建設される計画であります。資料見出し十の七十ページにあります。普天間基地のヘリは最大でも五十七機であり、グアムに移っていくことは明らかではないでしょうか。
 現在、普天間基地の解決の出口は二つあります。一つはグアムであり、一つは辺野古の新基地です。第三海兵機動展開部隊の拠点が沖縄からグアムに移るのですから、海兵航空部隊はグアムへ行き、滑走路機能が辺野古へ行くと考えていくのが自然であります。それならば、なぜ航空部隊だけでも早く移さないのか。普天間基地の危険性を放置せずに、辺野古の新基地建設とも切り離して、一日も早くヘリ部隊を別の場所に移して、二度とヘリ墜落事故が起きないように取り組んでいただきたいのであります。
 最後に、辺野古の海はジュゴンもすむ本当に美しい海です。米軍も手をつけませんでした。将来的にも沖縄の大切な財産です。基地建設で壊さないでいただきたい。また、六十二年前の沖縄戦の記憶は、いまだ消えておりません。県民世論の七五%は普天間基地の海外移転を求め、辺野古建設を容認するのは一六%にすぎません。新基地建設のために自衛隊を派遣して県民と対峙させるようなことは、将来に大きな禍根を残します。私は、国は決してそのようなことはしないでいただきたいと思います。
 以上、私の方からの意見の陳述とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
○木村委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人各位の意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
○木村委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今津寛君。
○今津委員 自民党の今津寛です。
 きょうは、三人の市長さんにわざわざ当委員会までおいでをいただきまして、ありがとうございました。心からお礼を申し上げます。本来ならば、我々の方から出向かなければいけないのですが、大変申しわけなく思っております。
 一月十七日に、委員会として沖縄の方へお邪魔をさせていただきました。名護市あるいは東村、金武町などの町長さんや議長さんとはお会いできたのですけれども、残念ながら、宜野湾市の市長さんとはお会いすることができませんでした。
 また、岩国にも、一度ならず二度ぐらい実は水面下で、この委員会としてお邪魔をしよう、こういうことで、市長の日程などもあらかじめお聞きをしたこともあったんですが、いろいろな都合で今日まで実現できませんでした。大変残念に思ったところでございます。ようやく皆様方の御意見を聞くことができて、大変有意義であると思います。
 さて、私は、ゴールデンウイーク、アメリカの方に行ってまいりました。ペンタゴン、国防省の中で、アメリカの国防省幹部からいろいろと説明をいただいたり、意見の交換をしたんですが、ある国から我が国に対して、核を積んでいるいないは別にして、中距離のミサイルが発射される、そしてそのときに日本国民をどうやって守っていくのか、こういうシミュレーションがありまして、御案内のとおり、日本とアメリカが今共同開発をいたしておりますBMD、弾道弾ミサイル防衛構想でいかに国民を守るか、そういうシミュレーションを実際に自分も勉強してきて、大変参考になったんです。
 実は、きょう三市長さんに来ていただいたのは、私は、この日米同盟と非常に大きな関連がある、このことと切り離せないことだというふうに思います。
 もちろん、私自身も思うんですけれども、日本が一億二千万の国民を守るために、自主防衛、自分たちでしっかりと守っていく、このことが一番いいと思うんです。世界各国を見ても、軍のない国はありません。したがいまして、我が国も有事に際して国民を守っていくということにきちっと備えておくというのは、私は為政者の責任ではないかというふうに思っております。
 しかし、それが今、日本、我が国独自でできるかということを考えてみたときに、非常に残念ですけれども、それはできません。もし米軍に退いていただいて、我が国が今の防衛体制をつくるとすれば、いろいろな統計がございますが、約三倍以上のお金が必要であるということは紛れもない事実であります。ですから、両国はいろいろと協議をしながら、日本とアメリカが、お互いの役割、任務、能力などによって、そして日本国あるいは極東の安全に寄与するということを決めたわけであります。そして、ことしもゴールデンウイークに2プラス2が行われたり、あるいは日米防衛首脳会議というものが行われたことも御案内のとおりであります。
 そして、きょう、三人の市長さんに来ていただきましたけれども、今、それぞれの事情をお話ししていただきましたけれども、この日米同盟をもって、お互いの任務、役割、能力でもって日本国民を守っていく、こういう考え方について、私は、恐らく三人の市長さんも異論がないというふうに思いますが、そのことについてそれぞれ御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○山口参考人 お答えいたします。
 先ほども意見陳述の中で申し上げさせていただきましたけれども、日米同盟の必要性につきましては、これは政治の分野の課題であるというぐあいに認識をいたしておりますが、私ども地方自治体の首長にありましては、何といいましても、市民生活を守り、市民の生命や財産を守る、そういう責任のもとにその任を果たしているわけであります。
 この日米同盟につきましては、自衛隊が専守防衛という役割の中で、私たち国民の暮らし、安寧を、平和を守っていただいておりますが、これは大変必要なことだというぐあいに思っておりまして、当市におきましては、自衛隊が半世紀以上駐屯しておりますことも含めまして、市民の中にはそういった同盟の重要さを理解している度合いは大変高いもの、このように思っております。
○井原参考人 御質問の、日米関係あるいは国の安全保障等についてどう考えるかということでありますが、もちろん、国の安全保障政策は大変重要なことでありますから、その中で日米の関係を重視していこうという現在の政策について、それは、国の責任において考えられることでありますので、一地方自治体として直接それに関して物を言うという立場にはないというふうに考えています。そしてさらに、先ほど申し上げましたように、そういう国の政策に自治体として協力する、そういう必要性もあるだろうというふうに考えております。
 そうした国の政策が円滑にきちんと実施されるためには、国防と、それから地域住民の安全、安心、あるいは負担ということのバランスをしっかり考えていただく必要があるんではないか、そういう地域住民の生活の安全、安心という観点からは、やはり我々地方自治体としてもきちっと物を言っていきたいというふうに考えております。
○伊波参考人 日米同盟の重要性についての御質問でございますが、現状のことについて言いますならば、沖縄にとって日米同盟は沖縄に大変犠牲を強いるものである、このように思っております。現在の日米同盟によって、沖縄は戦争中の占領の形態をそのまま今日まで維持されたのでありまして、先ほど申し上げましたように、日常的な負担、これが沖縄県民に押しかかっております。
 また、先ほど申し上げましたように、現実の日本の中における米軍基地は、いわゆる治外法権的になっておりまして、ほかの国におけるような、日本の自主性がしっかり確立されていない、いわゆる憲法ですらその部分の中に貫徹し得ない、このような状況がございます。
 沖縄国際大学でのヘリの墜落事故に見るように、一たん事故が起きたときには日本の大臣すらその現場には入れない、しかし、ピザを配達するピザの要員は入れる、やはり、このような状況は看過できないと思いますし、現状のまま基地を固定するような日米同盟を維持するべきではない、このように私は思います。
 フィリピンでは、既に外国の軍隊は領土の中に基地をつくってはならないという憲法がございます。多くのところで外国の軍隊はそれぞれの国にないわけでありますから、日本もできるだけ米国の基地を置かないような形でこの日米同盟を発展させるべきではないか。そしてまた、他の諸外国ともやはり安全保障を構築していく、このことが求められている、このように感じております。
○今津委員 宜野湾の市長さんにお伺いしたいと思うのですが、沖縄の位置づけがやはり変わってきていると思うんですね。確かに、市長さんがおっしゃるとおり、私もそう思うんですけれども、戦後、実質的に占領されたような形の中で基地が沖縄にずっとおりましたね。それは、我々にとっても大変じくじたる思いもありながら、いろいろなことで努力をしながら今日まで経過があるんですけれども、長い戦後の歴史の中で、実は、北朝鮮に核がなければ、あるいは中国の十数年も二けた台の軍事費増大がなければ、恐らく沖縄の位置づけも非常に大きく変わっていくと私は思うんですよ。
 そうでなくて、むしろ極東全体を考えて、特に日本の今の地理的条件を考えたときに、すぐそばに脅威が目の前にある、その状況の中での沖縄の町の位置づけという新たな、実は違ってきているんだろうな、そういう感じがするんですね。だから、日本国民を守るために沖縄の位置づけが今新たな要因があるというふうに私は思っているんです。例えば、北の方に脅威が変わってくれば、恐らく沖縄の方は薄くなって、北海道の方に厚くなっていく、やはりそういうのが防衛だというふうに私は思うんですね。
 そこで、懸案の普天間の移転ですよ。これは何としても早くやらなければならない。先ほど、市長さんもお話ありましたけれども、九六年以来、何年かかっているんでしょうか。だから、今のままで、普天間の移設が反対だとかあるいは理解できないとか、そういうようなことで話が進んでいかないと、普天間にずっと基地が残っていく状態が続いていくわけです。
 そういう意味では、私は、人間の体というのも、例えば心臓があったり肝臓があったり、あるいは胃があったり手足があったり、それぞれ役割が違って全部が機能して健全な人間の体なんですね。
 国のあり方ということを考えた場合に、沖縄だとか岩国だとか千歳だとか、それはもう本当に大変な迷惑な話、はっきり言うと。だけれども、歴史的な経過とか地理的条件だとか、あるいはそういうことを前提とした国民の命を守るということになると、これは一〇〇%受け入れるものではないのかもしれぬけれども、大方のことは理解をしていただいて、むしろ宜野湾とか岩国とか、そういう小さなというか、御自身の郷土に合わせて日本国民を守るという立場での自分たちの町の位置づけを考えていただいて、そうであるならば、今度の交付金の制度も、本来は私は間違っていると思うんです。では、ほかに方法はあるのかということを考えたとき、現状においてはこれが最良の方法であるということで、この間も国会で議論をして通過したわけですね。
 そのことについて、質問が適切かどうか、非常に疑問に感じながら御質問しているんですが、宜野湾の市長さん、そして岩国の市長さん、それから千歳の市長さん、時間の関係で一言ずつわかりやすく御説明いただきたいと思います。
○伊波参考人 ただいま、安全保障を抑止力の観点で、例えば普天間であれ、あるいは岩国であれ、基地の負担を受け入れることによって日本国民の安全が守られているんだという議論でございますが、今日、米軍の戦略は、世界にグローバルに展開するという戦略であります。韓国へ派遣するストライカー部隊も、世界の裏側まで行くということになっております。グアムもそうであります。
 ですから、こういう地域の住民に影響を与えるようなところに置かないで、世界のどこかに置けばいいわけでありますから、そのことに目覚めていただきたい。そのことが、日本の場合は国土が狭いわけでありますから、こういうところに海兵隊を置くことが極めて困難な課題をつくり出すわけです。グアムに今回移ることになっておりますので、グアムに移させていく、そのことが大変重要。
 私は、今おっしゃるような地域の国民を犠牲にしながら安全保障を実現するのではなくて、地域の国民も犠牲にしないで安全保障を実現する、そのことが皆様の課題ではないか、このように考えておりますし、国としても米国としてもそのことを実現するべきである。米国の中で、先ほど言いましたように、自分の国民を犠牲にして基地を維持するという考えはございません。ですから、ぜひ国内においてもそのことを国として実現していただきたい、このように思っております。
○井原参考人 安全保障を考える場合に、先ほども言いましたが、国防と地域の生活の安全、安心ということのバランスの中でやはり考えなければいけないんではないかというふうに私は思います。そういう意味で、今伊波市長さんがおっしゃいましたが、地域の生活を犠牲にしては国防自体円滑に進まないんではないか。だから、地域の問題というよりも、国防の、国の政策としても地域の声は国民の声として大事にしていただく必要があると私は思います。
 それから、再編特措法の交付金等の件でありますけれども、はっきり申し上げて、交付金で地方の意思を左右しようというのは適切なやり方ではないというふうに私は思いますし、やはり本質論で、地方の安全、安心、そして国防の必要性等についてきちんと順序立てて目的等について誠意を持って説明していく、その中で解決をしていくべきだというふうに思います。
○山口参考人 先ほども申し上げましたけれども、当市は、昭和二十六年に実はアメリカのオクラホマ州兵一万人が駐屯をした、そういう歴史のある町であります。
 今回、米軍の再編に絡んで訓練移転が最初に惹起されましたときに、私は、ちょうどその多感な小学生時代から中学生時代を過ごしたふるさとを考えたときに、かつてのようなすさんだ町に戻してはならない、このように考えました。しかし、その後、先ほど申し上げましたように、国といろいろと市民生活を守るための協定に至る協議を続けてきまして、一定程度の補償が得られたことから今回受け入れをしたことでありまして、当然、市民の生活を守る上に立っての国の防衛でなければならない、このように思っております。
○今津委員 時間なのでやめたいと思いますが、それぞれの市長さんにお願いをしたいんですが、例えば岩国におきましても、いろいろなことで町の振興に対して協力していくという姿勢は、国は、一〇〇%十分ではないかもしれぬけれども、かなり積極的に前向きにやっていると私は思いますし、近隣の市町村もそういうことを受け入れているし、あるいは議会とか経済界の対応もありますので、ぜひ国防という見地から、いろいろ大変なことはあると思いますが、前向きに、市長さんが言うように、正々堂々と議論をしながら対処していただきたいと思います。
 以上で終わりたいと思います。
○木村委員長 次に、津村啓介君。
○津村委員 民主党の津村啓介と申します。
 きょうは、北は北海道、南は沖縄、そして岩国も含めて、この東京から時間距離の大変遠いところからお三方にお越しいただきまして、本当にありがとうございます。
 一般的なお話、今も幾つか出ていましたけれども、せっかく来ていただいたということもありますので、それぞれ地域事情は違うでしょうから、少し個別具体的な御質問を中心にさせていただきたいというふうに思います。
 まず、伊波宜野湾市長にお伺いいたしますが、冒頭、橋本内閣のもとで十一年前に合意をされましたSACO合意の今日的な評価についてどうごらんになっているか、お聞きします。
○伊波参考人 十一年前のSACO合意については、すべてが県内移設という前提の基地の返還でございました。当時、十万人アジア駐留体制、ヨーロッパもそうでございますが、そういう中で行われた合意だ、このように理解をしております。しかし、そのことがゆえに、やはり狭い沖縄に新たな基地をまたつくらなければならない、これが課題として今日まで普天間問題をおくらせたもの、このように理解をしております。
 沖縄の本島の二〇%を占めている米軍基地であります。そこに新たな基地をもう一つつくるということは大変困難、今日でも困難でございます。やはりそれを我々はぜひ県外の皆さんに理解していただかなきゃならなかった、こう思います。
 それが、しかし、残念ながらそのことが前提で行われたということでありますので、その意味では、今回の合意は、米軍再編の中での三万人、全世界から六万人から七万人を削減するという前提のもとで、兵力削減を前提にしながらの合意ということでグアムへの移設が実現できたのかな、このように思っております。
○津村委員 伊波市長にもう一問お伺いします。
 先月再選を果たされたという中で、その後のインタビューにお答えになって、普天間返還に決着をつけたい、それが目標だというようなことをおっしゃっていますが、具体的には、どのようなプロセスでいつまでに決着をさせていきたいというふうに展望されていますか。
○伊波参考人 お答えをいたします。
 先ほど申し上げましたように、普天間の現状は放置できないものであるという共通の認識をぜひ実現していきたい。きょう意見陳述をしたのもその趣旨でございます。つまり、九万人の市民が毎日悲鳴のような声を上げて暮らしているような現状を、米国のパートナーである日本の国内でそのまま放置してはならない、このことをぜひ実現していきたい。
 稲嶺知事は三年以内の閉鎖状態と言っておりますが、私は、もっと早くこの基地が閉鎖されるように……(発言する者あり)仲井真知事はそう言っておりますが、もっと早く、本当に直ちにこの訓練がなくなるよう、そして部隊が移るよう、我々は二〇〇八年を目指して取り組んでいるところでございます。
○津村委員 報道によれば、これはきょうの新聞だと思いますが、普天間移設の事前調査に防衛施設庁が海上自衛隊に協力要請をしたという報道があります。一両日中にも着手ということですけれども、この報道に対する御感想をお聞きしたいと思います。
○伊波参考人 意見陳述の中でも述べましたように、やはり沖縄の中には、六十二年前の戦争の中で二十万人が亡くなっていった中で、自衛隊ではありませんけれども、かつての日本軍との関係も含めて本当にさまざまな記憶がございます。そういう意味で、自衛隊に対する容認の部分は広がってはおりますけれども、やはり自衛隊が沖縄県民に対峙するようなことを国として行うことは私は望ましいことではないと思うし、禍根を残す、このように思います。ですから、このようなことをやるべきではない、このように考えております。
○津村委員 続きまして、井原岩国市長にお伺いしたいと思います。
 少し一般論のようなことをお伺いしますが、先ほどのお話の中にも、国防は国の専管事項であって、地方はそれに協力するべきであるというような考え方が地元にもあるというお話があったかと思いますが、これに対しての市長のお考えというものをお聞きしたいと思います。
○井原参考人 この間、岩国でも、国防は国の専管事項だから岩国は黙って容認しろと、ちょっと激しく言いましたが、端的にはそういう議論もよくされるんですが、確かに国防、国の政策、安全保障を考えるのは地方ではない、国の責任において行われることである、そういう意味では専管事項だろうというふうに思います。ただ、さらにその上で、地方は意見を言うべきではない、従うべきだという意味での専管事項ではないというふうに私は思います。
 先ほど言いましたように、国の政策を実施する上でも、やはり市民、国民でありますから、国民の理解と合意を得て実施していかなければ、安全保障政策とて円滑に実施できるとは思いませんし、米軍にとっても地元住民の理解と協力は大切だというふうに聞いております。地方の基地の司令官も、地域の住民との交流、友好関係を非常に大切にしていらっしゃるという意味でも、地域の声は大切だろうと言いますし、私の立場からすれば、もちろん地域の住民の福祉、幸せを図るのが私の責任でありますから、その立場で率直な意見を言うということは当然の責任だろうというふうに思います。その意見を踏まえて、国としてしっかり考えていただきたいというふうに思います。
○津村委員 岩国市をめぐりましては、在日米軍の再編問題と関連して、まあ関連してかどうかということも議論なんですけれども、新市庁舎の建設補助金三十五億円が、地元岩国市からの要望にもかかわらず国の方で予算に計上されなかったということが事実としてあるかと思いますが、この国の対応が在日米軍再編問題とかかわっているとお考えかどうか、そして、この国の対応についてどういうふうに評価をされるか、お伺いいたします。
○井原参考人 御指摘のように、岩国市新庁舎の建設を、二年前から本格的な工事に入りまして、ことしが三年目になります。二年前から、工事に入るに当たっては、国と繰り返し協議をした上で一定の合意を得て、補助金についても合意をいただいた上で、市議会の承認もいただいて、工事がスタートいたしまして、一年目、二年目は順調に補助金もいただいて工事も進行しております。今三年目で、最後の本格的な上部構造の工事に入っているところでありますが、この予算について、補助金について、突然一方的にカットをされてしまったということで、理由はいろいろ書いてありましたけれども、端的に、最近までのいろいろな議論の中では、やはり米軍再編を容認しないという段階では補助することができないと、完全にリンクをされているような感じであります。
 二年前というのは米軍再編が何も出ていないときでありますし、米軍再編とは関係ない段階での議論、協議を経て補助金が交付されてきたわけでありますから、後から出てきた米軍再編に絡んで補助金がカットされるというのは、私はとても信じられない思いでありましたし、とても納得できる話ではないということで、繰り返し再考を求めてきましたけれども、現実の問題としていまだに交付をされるという状況にはなっていない。大変私は納得できないという気持ちでいっぱいであります。
○津村委員 この件ではよくあめとむちという言い方もされるわけですけれども、関連しまして、愛宕山地域事業という案件もあると思います。
 一月の報道ですけれども、防衛施設庁が山口県に対して米軍住宅の有力候補地だというような回答をしたということもありますが、この件について改めて御感想と、それから今後の見通し、市としての対応の見通しということをお伺いします。
○井原参考人 愛宕山開発事業につきましては、少し詳しく説明しないとわかりにくい部分もあるんですが、十年前から、沖合移設の土砂を提供するのとともに住宅開発をしようということで、県と市の共同事業として、そして県の住宅供給公社が事業主体となって始まっておりますが、十年間、やっと沖合移設の土砂の搬出が終わって、これから販売をしようかという段階に間もなく来ていた段階なんですが、十年間で土地の単価が大幅に下がる、経済情勢も変わってきましたので、販売もなかなか難しいのではないかという中で、全部販売しても多額の財政負担、赤字が生ずるのではないかという懸念が生じまして、今後の事業見通しに大変大きな懸念が生じているところであります。
 県と市が二対一で赤字を負担する、損失補償をするという契約になっておりますので、双方にとって大変これが大きな課題になっております。県の方は、財政負担が大変なので中止をして何かに転用したいということを言われて、直ちに中止をしたいという案で言われていますし、我々はやはり、経緯を考えると、将来の町づくりあるいは地域住民の感情ということも考えると、直ちに中止ということは難しいのではないかというふうに申し上げておりますが、意見が隔たっている状況の中で、今鋭意協議をしているという状況でございます。
 今、協議が調わない段階で完全に事業がとまってしまっていますので、とまってしまっておくということが一番双方にとってマイナスになりますので、何とか合意をして、何とかお互いに譲ってでも合意をしながら動かしていかなきゃいけないというふうに考えているところであります。
 そういう中で、財政負担を考えると、転用する案として、米軍住宅への転用ということが取りざたされているわけであります、まだこれは明確なものではありませんが。岩国市としては、米軍再編をいまだに容認できていない段階でありますから、そのための米軍住宅ということであれば賛成できないという立場で今主張しているところであります。
○津村委員 少し時間が押しておりますので、二つの質問を一度にさせていただきます。引き続き岩国市長です。
 一つは、先ほど、全国的に見ても大変異例な事態になっているという予算編成の件ですが、今後どのように対応されるお考えかということが一点。
 それから二点目は、三月に、現実的な対応を求める市議会の決議ということがあったというふうにも伺っております。これは、一部の方から見れば、その立場の方から見れば、民意が変化しているんだというふうに主張する向きもあるかもしれませんが、それにどのように反論されるか、あるいは今後民意を改めて問うようなケースも想定をされているのか。その辺をお伺いいたします。
○井原参考人 予算は、先ほど申し上げました、大変異常な事態になっておりまして、六月までの暫定予算ということになっておりますけれども、改めて六月に本予算を提案するということで考えて今計画をしております。
 庁舎の補助金がカットされたのは私の責任であるというのが大きな否決の理由でありましたから、いまだにそういう状況は変わっておりませんので予断を許さない状況になっていますが、これ以上、もう一回否決されるということになれば私には想定できないような、岩国が全く動かない、つぶれてしまうような、市民生活にも経済活動にも本当に大きな影響を与えるのではないかというふうに考えていますので、私と議会の責任において絶対にこれだけは通さなきゃいけない。米軍再編については、また別個にきちっと議論していけばいいというふうに考えています。
 それから、議会決議等もありましたし、最近は、いろいろな意味で民意が変わってきている、市民の声も変わってきているのではないかという議論があります。
 確かに、先ほど申し上げた財政問題、愛宕山、さまざまな問題が絡んでくる中で、不安が大きくなって、あきらめのムードだとか、受け入れた方がいいのではないか、地域振興策をもらった方がいいのではないかという議論も出てきておりますが、私は、表面的なそういう市民の声ではなくて、一番米軍再編について考えなければいけないのは、やはり、基地周辺住民で長年苦しんできた人たちの今後の生活の安全、安心が確保できるかどうかということが一番中心のポイントでありますから、これがやはり、正確な情報に基づいてこの声を大切にして議論をしていくということ、そこが民意だろうというふうに考えております。
○津村委員 最後に、山口千歳市長に一問だけお伺いしたいと思います。
 F15訓練移転の受け入れを表明されているわけですけれども、地元経済に与える効果についてどのように評価をされているか、お伺いしたいと思います。
○山口参考人 今回の受け入れは、タイプ1、タイプ2に限定されておりますが、また、その人員も、過去の経験からいたしますと、過去にも共同訓練を受け入れておりますが、その際では、米軍が大体百二十人から二百五十人の範囲内でおさまっておりました。陸上自衛隊の場合は千五百人規模の訓練もやっておりますが、航空自衛隊の場合は、米軍が二百五十人以内ということでありますので、直接的な経済的な効果というものは余り考えておりません。
 ただ、市民生活の中で混乱が起きないような、地元の商店街やあるいは関係機関による一つの安全対策のようなルールづくりを今しておりまして、そのことに専ら重きを置いているという状況でございます。
○津村委員 ありがとうございました。
 三市長にさまざま、少し具体的にお伺いをいたしましたけれども、先ほど岩国市長とのお話の中で出てまいりましたように、国防というものが国の専管事項である一方で、やはり各自治体に一定の負担をいただくようなたぐいの政策でもございますので、これは、国と地方との関係を今後考えていく上でのいわば普遍的なテーマとしてこれからもずっと未来永劫続いていくテーマだと思いますし、ある意味では、国の民主主義のあり方というものが問われる試練だと思います。
 三市長それぞれのお立場で御努力をされていることが大変よくわかりました。その御苦労に敬意を表しまして、私の質問を終わります。
○木村委員長 次に、赤松正雄君。
○赤松(正)委員 公明党の赤松正雄でございます。
 きょうは、三市長、本当に遠いところ、また大事な御発言をありがとうございました。
 正直申し上げまして、私きょう、お三方のお話を聞かせていただいて、とりわけ岩国市長のお話は、胸つぶれる思いがするというか、大変だなということを痛感いたしました。宜野湾、沖縄については、もうかねていろいろな角度で聞いておりましたので、まあ、そういうことかなという感じはするわけでありますが。
 先ほど岩国市長が、沖縄に比べて当市、岩国のことが余り報道されない、なぜか、こういう思いを持っているというお話がありました。私も、この安全保障委員会に所属して長いわけですし、また岩国にもお邪魔したことがありますが、錦帯橋も見させていただいたわけです。
 こういう言い方をして岩国の皆さんに大変に申しわけないかもしれませんが、私は、岩国というところは大変重要な、国防上の大事な基地の存在をむしろ誇りに思って、しっかりとそれを受けとめられている。今回、沖縄の一部負担を引き受けられるという側面もあって、非常にある種のうてんきに、大変にすごいことだなと。
 私の住んでいる兵庫県は、自衛隊の基地はありますけれども米軍基地がないということで、日常的な感覚で米軍の存在というものを痛切に感じない、そういうところもあって、今回の、ずっと沖縄のSACO合意以来の流れの中で、私どもの関心としては、いかに沖縄の負担を日本全体で負担するのかという問題、非常に解決しづらい問題をどうするのか。これは、ある種、安倍総理が山口県の人ですから、山口は結局、ある意味で貧乏くじを引かれたというか、そういう部分を背負って立たれたのかな、こういうふうに、余り裏づけのないそういう見方というものをしていたんです。
 岩国市長、冒頭、その辺のことについて、余り岩国に関心を持たれないということについて、正直、私も、きょうこの機会が非常にいい機会で、少し勉強させていただいて、岩国市の実態がある程度わかった思いなんですけれども、その辺のことにつきまして、改めて御感想を述べていただきたいと思います。
○井原参考人 岩国の米軍基地に対する姿勢というのは、今まで戦後ずっと基地を引き受けてきたわけですけれども、一般的に協力的であった、住民の理解もよかった。もちろん、事件、事故も起こるわけですけれども、沖縄ほどの問題も起こらなかったということもあるんだろうというふうに思います。
 私が就任して既に八年目ぐらいになりますけれども、その間にも、普天間のKC130の受け入れは私の就任前でしたけれども、大議論の末に受け入れは決まっていましたし、私が就任してからも、実はヘリコプター部隊を、八機でしたか、受け入れの要請がありまして、二、三カ月の間だったと思いますが、国とも議会とも議論しまして、受け入れを認めたという経緯もありました。そういう意味では非常に協力的であった。
 その一つの原則として、先ほどから何度も申し上げますが、やはり、国防と地域住民の安全、安心のバランスをどこでとるかということが一番のポイントでありまして、その一つの基準として、従来から、基地機能のこれ以上の強化は反対であるというのが、議会決議もされましたし、私も繰り返し議会でも申し上げてきたことであります。
 具体的な基準としては、例えば、航空機部隊が新たにやってくる、そういうことは基地機能の強化であるということを何度も議会にも申し上げたし、国にも申し上げて、一定の理解を得ながら、そのバランスの中で対応してきたわけですけれども、今回の移駐案というのは、一気に航空機の数が二倍になるという、もちろん、空母艦載機部隊という激しい訓練を伴うものでありますから、余りにも過大であるということだと私は思います。
 そういう意味で、市民に対して、将来に対する大きな不安が生じてしまう。今まで、戦後経験したことのないような過大な負担が提案をされたということで、さっき申し上げたように、地域住民の方々、これまで六十年間苦労して、しかも、我慢しながら協力してきたのに、もうそろそろ軽減してもいいじゃないか、なのに、何でまた二倍も持ってくるんだ、とてもそんなものは納得できないという不信感が生じてしまっているということだろうと私は思います。
○赤松(正)委員 ありがとうございました。
 さらに、先ほど来おっしゃっている、安全、安心のバランスだ、国防上の必要性と地域住民が感じられる、そういう安全、安心とのバランスだという話を盛んになさっているわけですけれども、それは、今回提案の、航空機の数においても今までの倍、また米軍の人員においてもかなりたくさんの人が来る、こういうことが今起こっているがゆえに、地域住民の皆さんが大変に不安を持っている。
 今の状況の中でそういうのが新しく来る。それは、一切それが来ないということがない限り、安全、安心は担保できないということなんでしょうか。要するに、今数量的なもの、航空機の数あるいは米軍の数、こういったものを仮に認めたとして、安全、安心の担保という部分は、どういうことが満たされれば、最初からもう来られたら困るというのはちょっとおいておきまして、仮に来る場合、どういうふうなことがあれば地域住民は納得される、まあ一〇〇%納得しないまでも、ある程度安全、安心の方向性に方途がつけられる、こういうふうに思われると市長は見ておられるでしょうか。
○井原参考人 議論するときに、私はよく誤解を受けることもあるんですけれども、もう撤回一辺倒で一切受け入れの議論は認めないのではないかということを言われるんですが。もちろん、これだけの部隊が来るということですから、多くの方も言われますが、来られなければ本当に将来の安全、安心ということは一番確保できるわけですから、それにこしたことはないんですが、必ずしもそれだけではなくて、やはり国の政策でもあるわけですから、もし実施された場合にどのような被害が生ずるのか、その対策はどうなるのかということについても十分に私は協議すべきだというふうに思います。
 今現在、そういうものについても国との間で協議を行っているところでありますが、これだけの部隊がやってくるということ、激しい訓練を伴う部隊であるということを考えると、来た場合に、どのように安全、安心を確保するかというのはなかなか難しい課題だろう、なかなか解決策は見出しにくいだろうというふうに思います。
 例えば、これまでの協議の中でも、防音工事をもうちょっと広げるとか、あるいはパトロールをふやすとか、もっと言えば、もっと言えばというとあれですけれども、防犯灯をふやすとか、そのようなことはあるわけですけれども、大きな被害に対して一部その緩和をするということにはつながっても、それによって将来の生活について納得していただけるということにはなかなかなり得ないんじゃないか。でも、それはやはりもう少し議論をしようということになっていますので、これから我々からも提案をしようという議論をしているところでございます。
 それから、もうちょっと言わせていただければ、岩国は、全部だめだといつも言っているわけではありませんで、さっき沖縄の問題もありましたが、岩国はやはり、厚木の負担が大変だ、この厚木の負担をどうにかしなきゃいけないということが安全保障上も重要な問題になっているわけですから、これはやはり国民として、地域としても、国全体としても認めていかなきゃいけない、何とかこの負担を軽減する努力をしようということは、国の政策として当然だろうと思います。
 そういう意味で、それを人口の少ない岩国へ移してしまえば解決するというものではなくて、負担が転嫁されて岩国で問題が起こるだけなわけでありまして、厚木の負担を、訓練分散等の方法もあるわけでありますから、全国的にどう軽減するのかということを、アメリカとやってすぐこのまま認めてくれと言うのではなくて、もっと我々とも、どう負担軽減をしていくのかということを議論をして、協議をしていただきたい。その中から我々も一定の負担を受けるということはやぶさかではないというふうに考えております。
○赤松(正)委員 今、市長は、私、ずっと先ほど来思っていたのは、協議をもっと、言ってみれば、国との間の信頼関係というものがかなり厳しい状況になっているんだなということを痛感して聞かせていただいたんですけれども、これは、どこのどのレベルとやっておられるのか、今までの市長の交渉相手がだれなのかということを、言っていただけるなら言っていただきたい、これが一つ。
 それから、先ほど、安全、安心のためにパトロールとか、防犯灯という話もありました。沖縄では大変いろいろなことがあったということは私も承知しているんですが、今まで岩国における米軍の、米海兵隊等のそういう市民との間のトラブル、こういったものはどの程度あったのかということ、そういうことについて、今の二点、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○井原参考人 これもよく誤解をされるんですが、国との間では、やはりいろいろな意見の対立がある、平行線なわけですが、国と自治体との関係で、国防上の重要な問題ですから、誠意を持ってお互いに協議をしていこうということは、私は共通の理解だというふうに思います。
 ですから、再編提起されて以来、あらゆるレベルで継続的にずっと協議をしてきている。なかなか決着がつかないから、進んでいないように、やっていないように見えてしまうんですけれども、あらゆるレベルでやっているというふうに思います。大臣、長官を初め、本庁の部長クラス、それから、広島の防衛施設局がありますので、そことの部長クラスの協議、さまざまにやっています。
 最近では、二月に防衛大臣にお会いをして、率直な意見交換をさせていただきまして、もっと綿密に協議をした上で、もっと過程も明らかにしていきましょうということを提案申し上げて、それに基づいて、二月と四月に二回、これは、私と広島との協議、さらには広島の部長クラスと我々の部長クラスとの協議ということをやってきております。
 もっと言わせていただければ、時々私は、そういうものではなくて、大臣にもお会いして協議をしたいということを実は申し入れているんですけれども、なかなか日程がとれないとか、やはり、役所の常で、私も役所にいましたからよくわかりますが、事務的に積み上げた上で最後に大臣とやった方がいいのではないかというような議論がされて、なかなか頻繁にはお会いできないという状況にもあります。
 それから、安全対策、いろいろなトラブル等については、今詳細な資料をここに持ってきておりませんが、沖縄ほどではないですが、日常的に事件、事故は発生をしておりますし、過去には町の中に墜落をして死亡者が出たということもあるようであります。そういう面で、実際にそういう経験をした人たちがたくさんいらっしゃいますから、やはり大きな不安感を抱いているということ。
 それから、やはり騒音問題が一番大きいということで、今回、沖合移設が一キロされるわけですけれども、倍になるということで、そんなに騒音はひどくなりませんというのが国の御説明なんですが、とても信じていただけないというか納得していただけない状況にあると思います。
○赤松(正)委員 ありがとうございました。
 先ほど、宜野湾の市長がアメリカ本土に行かれて、アメリカにおけるさまざまな安全基準ですか、そういう部分についてもしっかりと調べてきたというお話がありました。
 岩国市長にお聞きしますけれども、アメリカの、岩国に駐在している米兵の最高責任者との間で、岩国の市民の皆さんの率直な意見をぶつけて言われたことがあるのかどうか。私は、かつてアメリカに行ったときに、いわゆるホスト・ネーション・サポート、これは日本側のホスト国としてのサポート、同時にアメリカはゲスト・ネーションとしてマナーを持ってくれなきゃ困るという話をしたわけですけれども、その辺の部分、直接なされたのかどうかということが一点。
 もう時間が来ましたから、それだけにします。以上、お願いします。
○井原参考人 先ほども申し上げましたけれども、岩国への移駐案というのが、実は市民の中からも説明会のときに国に対して質問が出たんですけれども、岩国への移駐案というのはアメリカ側の発想ですか、それとも日本側の発想ですかと率直な質問が、素朴な質問が出て、なかなかいまだに答えていただいてないんですけれども、私も率直なそういう思いを持っています。先ほど申し上げましたように、アメリカ側はこの岩国移駐案をどう考えているんだろうか、きょうの委員会もそうですが、岩国の実情をもっとアメリカに知ってほしいという思いは常に持っていまして、外交上は、国同士は国でやることですから、私がアメリカに出かけていってということもやりたいんですが、そこまではまだ実行しておりませんが、アメリカの大使館にはしょっちゅうというか時々出かけていきまして、できるだけ実情を訴えていっているところであります。
 現地の司令官についても、私も、これほど市長として英語を使わなきゃいけないのかとか、そういうつき合いをしなきゃいけないのかと思うほど、多分、従来の市長にないほどよくつき合っていると思いますし、非常にいい関係にあるというふうに思います。現地の司令官は、現地の基地の司令官として、本当にローカルの我々と、住民とよりよい関係を築きたい、その理解と協力がなくては基地の運営はできないという、本当にそういう思想に貫かれていらっしゃいますので、十分にいろいろな面で対応していただいているというふうに思います。
 ただ、残念ながら、いろいろ聞くんですが、米軍再編等については答える地位にはいらっしゃいませんので、余りそういう議論はできないということで、通常の友好関係等については十分に連携をとってやっているというところであります。
○赤松(正)委員 ありがとうございました。以上で終わります。
○木村委員長 次に、赤嶺政賢君。
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 きょうは、参考人の皆さん、大変長い時間、本当に貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
 国の安全保障政策については、それぞれのお立場の違いはあろうかと思いますけれども、現実に基地を抱える自治体の市長さんとして、いろいろ御苦労も多いことだと思います。まず、その点に敬意を表したい、このように思います。
 そこで、最初に、今回の米軍再編協議全体を通じた国と自治体の関係について、千歳市の山口市長にお伺いしたいんです。
 今回の米軍再編というのは、一昨年十月にいわゆる中間報告というのが出たわけですが、日米間で合意した案が発表されて、それで、最終報告までは自治体の理解を得られるような努力をすると政府はおっしゃっていたわけですが、自治体の十分な理解も得られないうちに、最終案を発表してきて押しつける。
 さらには、それでも受け入れない自治体には、今参議院で審議をされておりますけれども、米軍再編交付金を設けて、受け入れなければ交付金を出さないと。もらわなければ米軍再編はやめるかといえば、もらわなくても米軍再編は計画どおり進めるという、どなたが考えついたか、本当に大変あきれるような制度だと思うんです。
 国が今回の米軍再編に対して、自治体に対してとった態度というのは大変一方的だったんじゃないかなと私は感ずるところがあります。その点で、いろいろな御苦労を山口市長もなさったと思うんですが、今回の米軍再編、どのように地方自治体として考え、そして御苦労なさったか、その辺、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○山口参考人 お答えいたします。
 私は、先ほども申し上げましたが、昨年の七月七日に受け入れを判断いたしました。いち早く判断したということになっておりますので、そのことが、あたかも市民の間に不安や懸念やあるいはいろいろな将来に対する問題がなかったかに思われるかもしれませんが、決してそうではありません。
 先ほど今津議員にもお答えしましたその続きをお話ししたいと思います。
 当初、国から一昨年十月に示されたときには全く情報がありませんでしたので、その段階におきましては、私は、今、委員御発言のように、国から国防のことに関して一方的に押しつけられるのではないかという懸念を率直に持ちました。と同時に、先ほど言いましたように、当市は昭和二十六年に米軍の駐留がありまして、大変町が荒廃をし、風紀が乱れた、そういう一時期もありましたことから、私は、二度とそのような町に戻してはならないと直観的に思いましたので、受け入れがたいということで最初は国に申し上げました。
 その後、日米間の協議がなかなか私どもにストレートに伝わってこないこともありまして、その間もずっと受け入れがたいということで来ました。
 最終的に私が受け入れの判断をさせていただいたのは、一つには、日米地位協定によりまして、千歳飛行場の位置づけが、我が国が管理する空港を使用するという、いわゆる二4(b)の位置づけであること、それから、米軍の常駐がないということ、このことにいささか安心感を覚えまして、その後、市民の不安や懸念に対してどう対処してくれるかということで国と相当詰めました。そして、協定という形でそれを明確に表現するところに至りましたので、受け入れという判断をしたわけであります。
 今後につきましても、その協定の内容が遵守されることを期待しておりますし、また、そのことを私は市民に責任を持って担保していかなければならない、このように思っております。
○赤嶺委員 次に、井原市長にお伺いいたします。
 実は、私、伊波市長と同じ沖縄県の出身でありまして、米軍基地のそばで育ち、基地の苦しみというのをいろいろ体験してまいりました。
 今回の米軍再編の全体の中でも、私は各地で申し上げているんですけれども、一番象徴的なのは、やはり岩国市に対する政府の態度ではないだろうかというぐあいに考えております。
 もともと、爆音には耐えられないといって滑走路の沖合展開を容認されたわけですが、滑走路が完成間際になってきたら突然、空母艦載機を移駐すると政府が言い出して、岩国基地は百三十機以上、常駐機が常駐するということ、これは恐らく嘉手納基地を上回る常駐機ではないかなと思います。嘉手納の町長さんもふだんから、口癖は嘉手納は毎日がまるで戦争のような状態だと言うような爆音に苦しめられているわけですが、そういう状態に置かれていく。
 一方で、空中給油機の移転についても、どちらかといえば、岩国市が何か発言をしたということではなくて、政府の都合で空中給油機の移転の計画変更があったわけですから、いわばSACO合意を岩国市の側から変更を求めたような経過もないわけですが、にもかかわらず、SACO合意の補助金、交付金をカットして、庁舎の予算をほごにしてしまう。
 ここには、やはり、先ほどから繰り返されておりますが、安全保障は国の専管事項というような態度で、民意が市長選挙や住民投票を何度も繰り返し表明されても政府の側が態度を全く変えようとしない、こういうあり方は私の意見では本当に異常だと思っておりますが、井原市長も繰り返されてはおりますけれども、もう一度そのあたりの御意見をお聞かせいただけたらと思います。
○井原参考人 いろいろと御指摘がありましたけれども、岩国だけじゃないかもしれませんが、今回の再編問題について、やはり事前の説明不足、協議不足ということもここまで来ている一つの大きな原因ではないかなというふうに思います。
 十七年の秋に中間報告が発表されたわけですが、もう一年ぐらい前から艦載機部隊を岩国にという話が新聞に出始めて、何度も国に出かけていって事前の情報提供を求めましたけれども、一切提供がなくて、実際に発表されるまでには御相談いただけるという話も聞いていたんですが、それも実行されずにとうとう中間報告で発表されましたし、最終報告に至るまでも、協議をする中で、変更等についてはほとんど協議がされないで、最終報告でさらに中間報告から強化がされるというような形になってしまいましたから。
 アメリカとの協議、外交交渉ですから、当然重要なもので全部オープンにはできないんでしょうけれども、かといって、地方の負担が大きくなるということであれば、やはり地方の声も聞いていただきながら丁寧にやっていただかなければ後に問題が残ってしまうのではないか、そういうふうに今痛感をしているところであります。
 いろいろございましたが、理由、沖合移設の目的も大きく変わってしまったような感じがいたしますし、KC130の経緯についても御指摘のとおりでありまして、我々から変更を求めたわけではありませんし、KC130は相変わらず、私の就任前の約束ですから、これは終始、岩国は約束を守りますよということはずっと申し上げてきているわけですから、ローテーションで少し変更になったとはいえ、本隊が岩国に来るということは変わっておりませんので、その関係の補助金がカットされたということはやはり納得できる話ではないというふうに思います。
 民意の問題については先ほど申し上げたとおりでありまして、やはり地域の民意ということも十分に正面から受けとめて国の政策を考えていただきたい、それがやはり国の政策が円滑にいくもとになるのではないかというふうに考えています。
○赤嶺委員 最後に、伊波市長にお伺いいたします。
 先ほどの与党の方の質問も聞きながら、国の安全保障だ、沖縄はもっとそこを自覚して米軍基地の現状を受け入れるべきではないか、北朝鮮があるぞ、中国の軍事的脅威が広がっているぞというお話がありましたけれども、沖縄県民として、銃剣とブルドーザーによる土地の取り上げ以来、あるいは、普天間飛行場はまさに米軍の上陸直後からつくられたものであるわけですけれども、譲れない一つの考え方、立場が米軍基地に対してあると思うんです。伊波市長はその点をどんなふうにお考えなのか。
 それから、米軍再編はよく沖縄県民の負担の軽減だと言われてまいりました。言われるたびに、私、この委員会で政府や大臣の答弁を聞くたびに、何か恩を着せられているような思いをいつでも抱くわけですが、本当にF15の訓練移転も含めて県民の負担の軽減になっているのかどうか。
 この二点を、もう時間が五分ぐらいしかありませんが、よろしくお願いします。
○伊波参考人 お答え申し上げます。
 やはり、沖縄の基地は、先ほど意見陳述で申し上げましたように、占領という中で生まれた基地でございます。普天間にしても、戦争のさなかにつくられた基地である。このことが戦後六十二年にもなってまだそのまま継続されているということがやはり問題である、このように思います。
 普天間の場合、九二から三%は民有地であります。ほとんどの沖縄の土地が国有地ではなくて民有地である。それは、全体的に、私一度調べたことがありますけれども、六十カ所以上の集落がその基地の中に消えたわけであります。普天間の場合も、墓やさまざまなものが今そこに埋まっているわけであります。そういうことをやはり放置してはならない。あわせてまた、地域住民が大変基地との関係で直接的に軍事的な訓練による被害を受けている、こういうことは先進国たる日本であってはならないと私は思います。
 ですから、安全保障という議論はいろいろありますけれども、そのことは幾つもの方法で解決できる、このように理解をしております。
 それから、朝鮮の脅威やあるいは中国の脅威というふうに言われますけれども、この脅威を乗り越える新たな安全保障の枠組みをやはり日本はつくるべきでありますし、米軍を置くことによってそれを解決するというだけではやはり将来的には展望できないものがあるだろう、私はこのように考えているところであります。
 ぜひこれらのことを含めて解決していただきたいなということを常に考えているわけでございます。
 負担の軽減について、F15のことでございますが、嘉手納のことを見ますと、F22が派遣されました。そして、この担当の司令官は、沖縄に来て本当に数多くの訓練ができたということを誇らしげに語って帰っていったわけでありますけれども、しかし、地域住民にとっては、この部隊が訓練に出るたびに大変な騒音の被害に遭ったわけであります。また、帰るときも、深夜の三時という時間でアメリカに帰っていく。そういう意味では、F15が全国各地に移っていくということで負担の軽減になっているというふうに今報道されても、地元の住民にとってはなかなか実感ができない、このように思います。
 あわせてまた、パトリオットミサイルの配備や辺野古への新たな基地建設など、県民にとっては率直に言って基地負担の軽減という実感は全くない、このように思っているのではないか、私もそう思っております。
○赤嶺委員 大変ありがとうございました。
 もう時間になりましたけれども、三名の市長さんが、また民意を大切にされて、国との関係でもしっかり市民の声が通っていくような地方自治体、大変な御苦労をしていることをきょう実感いたしましたが、私たちもその立場を委員会の場から応援していきたいと思います。
 大変ありがとうございました。
○木村委員長 次に、辻元清美さん。
○辻元委員 社民党の辻元清美です。
 本日は、三市長、ありがとうございます。
 私は、三つの都市を訪問したこともあります。そして、今地方自治体はいろいろな困難を抱えておりますけれども、さらにこの基地問題を抱えているという御苦労は並々ならぬものではないかというふうに思いながら拝聴をいたしました。
 そこで、まず岩国の井原市長にお伺いしたいと思います。
 私、住民投票の折に岩国に参りました。それは、一体どういうことを岩国の皆さんは考え、行動されるのかなということに非常に関心を持ちました。びっくりしましたのは、若い人から年配の方まで、本当に今までと違う印象を受けました。何かどこかの党派に属しているとかそんなのじゃなくて、本当に普通の市民が、自分たちの問題としてこの基地問題を考えよう。
 私は、駅前をうろうろしておりましたら、おばあちゃんがミカンをくれて、遠いところからよう来てくれた、ありがとう、自分たちのこの岩国の問題をみんな、何か見放されているというか、余り関心を持ってくれていないんじゃないかなと思っていたけれども、こうやって他府県からも話を聞きに多くの人たちが来てくれてとてもうれしいという言葉もいただきまして、本当に今までとちょっと違うなという印象を受けたんですね。
 さて、そこで、きょうお話をいただきました中で、住民投票や各種選挙を通じて町の将来を真剣に考える気持ちが高まっており、自立の心も確実に芽生えてきている、この後なんですけれども、もはや古い手法は通用しないということに国も早く気づいてほしいというお話がございました。
 このもはや古い手法は通用しないという率直な現場からの御意見をもう少し詳しくお伺いしたいと思います。
○井原参考人 住民投票のときには、一カ月間の期間でありましたから、正直どこまで市民の意識が高まるのだろうかという心配の中でも、どうしてもやらざるを得ないという判断だったんですけれども、議論をしていくうちにムードがどんどん盛り上がっていって、ある若い方が、これは我々政治をやっている者に対するちょっと皮肉にもなるんですが、これまでは、議員など人を選ぶ選挙であると、何かフィルターをかけたように、選んでも、思った自分たちの意思が伝わらないで行動にあらわれないというようなことがあったけれども、今回は、そういうフィルターなしで、自分が岩国の未来を選択することができる、こんな貴重な機会はないんだ、そういう発言をされて、友達でも何でも首に縄をひっかけてでも引っ張っていくということを言われたり。
 それから、びっくりしたのは、高齢者、車いすの方とか障害者の方とか、今までは余り行かなかったけれども今回だけは行きたいとか、あるいは、これは余り言えないことなんですが、遠くへ出ている息子も呼び返すとか、あるいは、遠くに出ている人から家のおばあちゃん、おじいちゃんに電話がかかってきて絶対行ってくれとか。
 我々は反省しなきゃいけないんですが、選挙では本当に味わえない、そういう政治に対する参画意識というか、そういうものが物すごく芽生えたというふうに思います。投票が終わって町を歩いていて言われたのは、結果はもちろんですが、本当に投票をやってくれてよかった、ありがとうという言葉をかけられたのに私はびっくりしたというのを今でもよく覚えております。
 そういう状況で、多分、その前から私は、とにかく市民の声を大切にして市民の参画できる政治をやっていこうということで意識が高まってきたとは思っていたんですが、やはり住民投票を経験して、さらにそういう、自分たちで町を考えていこうという意識が確実に高まったというふうに思います。
 そういう状況の中で、今いろいろなことが起こっているわけですけれども、もちろんそれによっていろいろな議論も出て不安も起こっているんですけれども、いろいろ話をしてみる限りにおいては、お金だとか振興策ということは別問題だ、やはり子供たちの将来を決める大切な課題なんだ、問題なんだ、だから、子供たちの将来に安心、安全が確保できるかどうかということからきちんと議論すべきであって、お金で判断すべき問題じゃないんだという声が依然として根強いというふうに思いますから、その辺をちょっと頭に置きながら、そういう表現を使わせていただいたということであります。
○辻元委員 私は、現場で何人かの方とお話ししました折に、非常に深く考えていらっしゃるなということを思いました。
 先ほどから日本の安全保障という言葉も出ておりまして、近隣諸国から受ける不安ももちろん考えていらっしゃるし、しかし一方、米軍再編というのは一体何なんだろうと。これは直接岩国で、沖縄でも聞いたことがありますが、結局、基地があったりすると、そこがねらわれるんちゃうか、自分たちを守ってくれると思っているけれども標的になるじゃないか。そして、米軍再編と言われているけれども、イラク戦争が同時進行しておりましたので、やはりイラク戦争に対する不安感とか不信感というものもあって、ただ単に自分のところに騒音とかいろいろな、基地が来てほしくないというだけじゃなくて、もうちょっと広い視野で、今の世界とか、それからアメリカのあり方というようなところまでも割合議論したり考える、勉強してみようというような動きもあったと思うんですね。
 さて、そこで、しかし実際に住民の皆さんは、きょうも非常に負担があるということも伺いました。今、皆さんの共通した中に騒音ということがございまして、先ほど宜野湾の報告は受けたんですけれども、千歳、岩国で、先ほど市長も、騒音、だれもが快く受け入れられない、不安を払拭するのは難しいというお話がございました。そして、岩国の市長からも、騒音に悩まされ、身近な家族や友人が犯罪や事故に苦しみと、騒音がやはり一番なんですね。
 先ほど宜野湾の実態はちょっと伺いましたので、あとお二人の市長に騒音の実態ということを伺いたいと思います。
○山口参考人 お答えいたします。
 現在におきます騒音は、国の方の対策も進んでおりまして、例えば、学校で勉強して先生の声が聞こえないというようなことはありません。私が子供のころは全然聞こえませんで、テレビも見られませんでしたが、今はそういう状況にはありません。
 しかし、私の町は今人口九万二千ですが、年間で人口がふえている数少ない北海道の町であります。したがいまして、十年ぐらいで人口が入れかわるぐらいに人口がふえておりますので、新しい市民が多い。新しい市民の方は、現在の騒音、昔の私たちは大した騒音でないと思っていますが、新しい市民はびっくりされるぐらいの騒音になっております。でありますから、その騒音から受ける煩わしさと、それから、それが生活の将来に対する不安につながってくるという現実があります。ですから、騒音問題というのはかなり大きな問題であります。
 数字で申し上げますと、今二万一千回の訓練飛行が行われていますが、今回、タイプ1、タイプ2で約千九百回の加重がされることになっています。民間も受けておりますから、民間では大体十四万四千回の飛行がされておりますから、全体でいくとそれほどの量ではありませんが、訓練回数でいくと約一割の騒音の加重がある、このように市民には説明しております。
○井原参考人 具体的なデータまでは今用意していませんので具体的なお話はできないわけでありますが、やはり基地から生ずる負担の中では、騒音というのは日常的なものでありますから、やはり一番気になるというか問題が大きいものだろうというふうに思います。岩国は一方は海に面しているということでありますが、住宅地、工場地帯とも近接をしているわけでありまして、私のいる市役所もそれほど遠くないところにありますから、我々、日常的にその騒音には悩まされている。
 ただ、私もずっと育っていますから、岩国の人は今の騒音にだんだんならされているというか、余り気にしなくなっているところはあるんですけれども、例えば、よそから来た方がその場に居合わせると本当にびっくりしてしまって、子供たちはおびえてしまうというような状況も何度も聞かされているところであります。
 現在は、特に工場地帯がありますから急旋回をするということで、さらにその騒音が広がっているということがあるだろうと思います。今度、沖合移設を一キロするので、その部分は若干緩和されるだろうというふうに思いますが、沖合移設することによって真っすぐ離着陸が延びていくことになりますから、騒音の区域がまた周辺にも広がっていくということもあるだろうと思います。
 それから、我々はよく気がつかなかったことなんですが、通常は海の上を飛ぶと言われているんですが、道路があるわけではないので、コースを外れて住宅の真上を飛ぶということがどうもよくあるようであります。私も何度か体験をさせていただいている状況であります。
○辻元委員 ありがとうございます。
 被害はやはり、特に岩国の場合は、厚木の爆音訴訟で裁判になっているというようなことを引き継げと言われているという実態もあると思います。
 伊波市長にお伺いしたいんですが、先ほど宜野湾の騒音の問題や被害の問題を詳しく御報告いただいたんですけれども、この委員会でも、例えば宜野湾のタッチ・アンド・ゴーの問題など、複数の委員が取り上げてまいりました。そのことをちょっと紹介しまして、それに対する政府の答弁についての率直な御意見を伺いたいと思うんです。これは今の騒音問題などにも関係すると思います。
 ある委員が、普天間の基地でタッチ・アンド・ゴーを、「一日に三時間もそのタッチ・アンド・ゴーをずっと繰り返しているんですよ。」そして、ヘリの周回経路をいろいろ示しながら、「米軍の飛び上がったヘリは、町じゅうぐるぐるぐるぐる旋回飛行しているんです。あのヘリのコトコトコトコトとする頭に響くような音、これが一日じゅう響き渡っている。その抗議を年に何回やっているかわかりませんよ、その抗議を。全くそれをやめようとしない。」というような実態の報告があったわけです。
 これについて政府はどう思うんだ、その実態を政府はどのように把握しているのかという問いに対しまして、これは額賀長官のときでした。「普天間で米軍がどういう訓練をしているかについて、米軍の内部のことでございますから、私が一々コメントすることが適当であるかどうか」と。思いませんと。そして、「先生がおっしゃるような訓練がなされているということも聞いておりません」というのが答弁だったんです。
 私はびっくりしまして、私も同じ質問を同じ日にして、その日にたまたま宜野湾の市役所にお電話して、タッチ・アンド・ゴーとかそういう騒音はどうですかと言って、いや、きのうもひどかったし、やっていますよという答えをいただいた日の質問で、私も、タッチ・アンド・ゴー訓練が行われているかということについて、先ほどそういう答弁だったけれども、きょう電話したら、宜野湾できのうもおとついもやっていると皆言っているのに、なぜ長官、知らぬのかと私が聞きましたら、タッチ・アンド・ゴー訓練が行われているかどうかということは、米軍の運用そのものでありますので、直接的に私は承知していませんという答弁しか返ってこないわけですね。
 そうすると、今後、騒音その他の被害は、ずっとこの答弁なんですよ。私はこういうことに対して、米軍再編で負担を受け入れろ、じゃないと交付金を渡さないと言いながら、では、その被害について私たちが委員会で問うても、そのことは一切わかりません、米軍に任せてありますと言っています。
 ですから、これは宜野湾の質問ですので、今の答弁をお聞きになって率直な御意見を伺いたいことと、それからあと、先ほど、米軍が治外法権みたいになっていると。その中で、本委員会でも地位協定の問題が随分と指摘がありました。この地位協定の改定についてどのようにお考えかということ。
 それからもう一つ、先ほど、普天間は一刻も早く閉鎖をと。しかし、それを県内のたらい回しではあかんという話だと思います。辺野古の皆さん、辺野古にも私参りましたけれども、そこで座り込みはやめてと言う人たちも、決して何か特別な政治的な思惑というよりも、おじいちゃんやおばあちゃんが本当に海を守りたい、戦争のときに、海があったから自分たちは魚をとって生き延びることができた、この海を守るんだという運動をずっとされている。その中で、環境調査が始まっております。これについて、現場では、辺野古ではどのような受けとめられ方をしているのか、市長が御存じであればその声を教えていただきたいというように思います。よろしくお願いします。
○伊波参考人 お答えいたします。
 普天間のタッチ・アンド・ゴー、旋回飛行訓練については運用の問題であるので承知をしていないというお答えだったということでございますが、そこに我が国の米軍基地をめぐる問題の一番の根幹がある、このように思います。つまり、米軍の運用について国が物を言わないということから発生してきているのが今日の国民の被害の実態である、このように思います。
 例えば、きょう、先ほど意見陳述の中で、夜十時以降の飛行の実態を報告申し上げましたけれども、私たちは協定をしているわけでございます、騒音防止協定を。国と国同士でやっているわけでございます。その中で、十時までですよ、このように言っております。しかし、運用の所要が認められれば、それは例外的に行ってもいいということに一応なっています。私が市長として米国大使館に行ってそのことを申し上げますと、協定の中では運用上の所要については認めることになっているんだ、だから十時以降に飛んでも、あるいは深夜に飛んでも、それは一応協定違反ではないんだ、こういうことなんです。
 ですから、都合が悪いことは見ないような言葉として運用の所要というのを日米両政府とも使っている、このことを許すのかどうかということが一番重要な問題ですね。私は、諸外国においてそのようなことを認めている国はないと思います。ですから、日本における米軍基地のあり方が極めて特異であるということをぜひ御理解いただきたい。
 それから、先ほど資料として挙げましたAICUZというこのプログラムは、外国の基地においても適用しますよということをちゃんと書いてございます。ですから、日本としてそれを求めることが大変重要である。
 それから、地位協定の問題でありますが、地位協定の問題については、確かに改定が必要なものは幾つもございますが、ぜひ、地位協定の現在の三条の三項を御理解いただきたいと思います。どう書いてあるのかというと、「合衆国軍隊が使用している施設及び区域における作業は、公共の安全に妥当な考慮を払つて行なわなければならない。」このように書いてございます。
 これは米軍の演習も含めてでございますので、本来、日本は、外国の軍隊を受け入れている、米軍の軍隊を受け入れている国として、この三条三項を米軍に守らせるべきだと思うんです。そのことを守らせることによって、深夜の飛行はなくなりますし、それから低空飛行はなくなりますし、そのことを言わないために、まさに何も見ようとしないということが今国の姿勢にある、このように思います。
 いろいろなことが、飛行の問題が指摘されますけれども、那覇防衛施設局長は例えばよくこう言うんです。米軍はどこを通ってもいいんですよ、どこを飛んでもいいんですよ、このように言います。それが今の現状なんです。この現状を是として沖縄の負担軽減と言って別のところに移しても、それはその地域でもそうなんです。
 ですから、私のところに多くの市町村長が来ました。自衛隊の基地のあるところです。自衛隊はどうなんですか、自衛隊と話し合いができますか。できますよと。でも、米軍とはこちらはできませんよということを言っているわけです。ですから、そのことをぜひ御理解いただきたいと思います。
 あわせて、環境問題ですが、辺野古の現状については、やはり地域の皆さんが大変、私も報道でしか十分知りませんけれども、これに対する反対の声を上げて、いろいろと今緊張が高まっている、自衛隊の艦船が来るということで、そういうことになっているということは承知しております。これは決していいことではないと思いますし、やはり地域の中でこういう対立構造がますます広がっていくことについては悲しむべき事態だ、私はこのように思います。
○辻元委員 どうもありがとうございました。
 これで終わります。
○木村委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表し、厚く御礼申し上げます。(拍手)
 次回は、明十八日金曜日午前十時五十分理事会、午前十一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時六分散会