第166回国会 予算委員会第六分科会 第2号
平成十九年三月一日(木曜日)
    午前九時開議
 出席分科員
   主査 山本 公一君
      亀井善太郎君    北村 茂男君
      中川 泰宏君    馳   浩君
      深谷 隆司君    大串 博志君
      寺田  学君    中井  洽君
      森本 哲生君
   兼務 川内 博史君
    …………………………………
   農林水産大臣       松岡 利勝君
   環境大臣         若林 正俊君
   農林水産副大臣      山本  拓君
   環境副大臣        土屋 品子君
   農林水産大臣政務官    福井  照君
   環境大臣政務官      北川 知克君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房審議官)           貝谷  伸君
   政府参考人
   (農林水産省総合食料局長)            岡島 正明君
   政府参考人
   (農林水産省消費・安全局長)           町田 勝弘君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  山田 修路君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局長)            中條 康朗君
   政府参考人
   (林野庁長官)      辻  健治君
   政府参考人
   (水産庁長官)      白須 敏朗君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房審議官)           加藤 利男君
   政府参考人
   (環境省大臣官房審議官) 寺田 達志君
   政府参考人
   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   由田 秀人君
   政府参考人
   (環境省自然環境局長)  冨岡  悟君
   農林水産委員会専門員   渡辺 力夫君
   環境委員会専門員     齊藤  正君
   予算委員会専門員     清土 恒雄君
    ―――――――――――――
分科員の異動
三月一日
 辞任         補欠選任
  河村 建夫君     中川 泰宏君
  深谷 隆司君     北村 茂男君
  大串 博志君     寺田  学君
  中井  洽君     津村 啓介君
同日
 辞任         補欠選任
  北村 茂男君     深谷 隆司君
  中川 泰宏君     亀井善太郎君
  津村 啓介君     森本 哲生君
  寺田  学君     大串 博志君
同日
 辞任         補欠選任
  亀井善太郎君     河村 建夫君
  森本 哲生君     中井  洽君
同日
 第七分科員川内博史君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成十九年度一般会計予算
 平成十九年度特別会計予算
 平成十九年度政府関係機関予算
 (農林水産省及び環境省所管)
     ――――◇―――――
○山本主査 これより予算委員会第六分科会を開会いたします。
 平成十九年度一般会計予算、平成十九年度特別会計予算及び平成十九年度政府関係機関予算中環境省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。
 この際、分科員各位に申し上げます。
 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願いいたします。
 また、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。中川泰宏君。
○中川(泰)分科員 私は、中川泰宏、自由民主党であります。
 私の京都四区というところでありますが、右京区、西京区、それから丹波地方と、京都の最もすばらしいところでありまして、右京区には、有名なお寺、ほとんどの本山があるというところであります。そして、嵐山には川が流れておりますし、西京区に行きますと、住宅街の周辺には、京都の京タケノコがもう芽を吹き始めるところであります。そして、私の家がある地域、丹波地方でありますが、特に私のところは京野菜を日本に売り出しておるという最も本拠地でありまして、また、紫ずきんとか丹波大納言、それから黒豆、特に丹波大納言は、いわれは、炊いても胴割れしない、切腹をしないから大納言という貴族のお名前がつけられた地域であります。
 しかし、最近、ここ十年であります、私は、一番子供のときから好きなのは、田んぼの風景、そして田んぼにつく山際の風景、これが安倍総理の言われる一番美しい日本という象徴をあらわす姿ではないかなと考えておりますが、不思議なことに、山と田んぼの接点には金網を全体に張りめぐらせ、そして、私のような都会でも、野菜をつくろうと思うと、その金網を張りめぐらせた中にもう一度ネット、網を張って、そして野菜づくりをする風景、いいのかな。また、さらに奥の中山間地に行きますと、トタンで囲いがしてある。不思議だなと思うのは、人間が網の中で暮らして今生活をしておるわけであります。
 この大きな原因というのは、猿やクマやシカやイノシシ、これが物すごい勢いで我々の里に出てくるということであります。私は、人と野生動物が共生をしなくてはならぬ、こういう法律もできておりますし、やはり環境問題を考えると、日本古来からいた野生動物と人とは仲よく暮らすべきだと考えております。しかしながら、人間の生活を脅かすまで一緒に共生するのかな、最近これも疑問に感じておるところであります。
 私は、この十年、相当数がふえてきておると見ておりますが、環境省では今それぞれの野生動物が何頭いるのかということを、この十年間どれぐらいふえたかというのを、一度数字をお教えいただけませんか。まずこのことを御質問申し上げます。
○冨岡政府参考人 野生鳥獣につきましては、自然界で自由に行動しておりますので、数の把握については難しいという点はございますけれども、その分布につきまして、環境省といたしまして全国的な調査をいたしております。また、その手法は、五掛ける五キロメートルの全国的なメッシュの数がどう動いているかということで、その生息地の動向を調べております。
 これによりますと、一九七八年から二〇〇三年の間、この二十五年間に生息地がかなり拡大しております。まずニホンザルでいきますと一・五倍、クマで一・二倍、ニホンジカで一・七倍、イノシシで一・三倍に生息地が拡大しているものと思っております。
 このデータをもとに、捕獲数、それからそれぞれの動物の繁殖率、こういったものを勘案し、主要な有害鳥獣の個体数を推計いたしますと、最近十年間で、平成六年から十五年の間でございますが、ニホンジカは約九十万頭から百十万頭に増大、イノシシは約八十万頭から百三十万頭に増大、ニホンザルは十三万頭から十六万頭に増大、クマ類は一万五千頭から一万六千頭に増大、カワウは四万羽から九万羽に増大しているもの、このように承知いたしております。
○中川(泰)分科員 ありがとうございます。
 とすると、ここ十年で一体何倍にふえたと見ておられるか、少し教えていただけませんか、それぞれの頭数を。
○冨岡政府参考人 十年間で、ニホンジカは九十万頭から百十万頭でございますので二割ぐらいふえているということで、イノシシは八十万頭から百三十万頭で四割ぐらいふえているんじゃないかということでございます。それから、ニホンザルは十三万頭から十六万頭でございますので、これも四割ぐらい、それから、カワウにつきましては二倍以上にふえております。
○中川(泰)分科員 ありがとうございます。
 僕、そんな数かな、今言われておる数、たったそれだけしか把握していないのかなと。といいますのは、ここ七、八年、十年近く、我々が網の中で暮らしているんですよ、我々人間が。そんな、二割や三割がふえたのかな。
 といいますのは、私自身、山の中で育っておりますから、山歩きは子供のとき好きで、散歩しておりましたが、イノシシはたまに見たんですね、たまにですよ。シカなんかめったに見なかった。クマは五年、八年に一遍ぐらいしか聞かなかった。猿は、猿がいるという地域が京都にもあるんです、ここは猿が子供を産むところですよと。そういうところへ行かなかったら見られなかったんですよ。
 ところが、今じゃ、中山間地ですよ、玄関の扉をあけて窓をあけると、野生の動物のにおいがして、目玉が二十個ぐらい見えるんです。よく見たら、シカですよ。そんなしかふえていないんですか。それから、イノシシなんか、十頭ぐらいのキャラバンで走り回っていますよ、大きいイノシシと小さいイノシシ。多分年二回産んでおるんでしょう、今地球温暖化で。だから、子供をたくさん連れて走っているんですね、こんな姿は見たことないけれども。それで、今ふえているという数字が合っているんでしょうか。
 共生しようということを決めた以上、環境省では、やはり常に何頭いるかということをきちっと把握しなかったらいかぬのじゃないかな。そして、我が国日本は狭い地域でありますから、カナダの山奥やアフリカや、そんなところと同じ状況で共生することは不可能です。
 それで、僕は、山の中から今いろいろな野生動物がおりてきておるのは、数が多過ぎてえさが足らへんのと違うかな。新聞なんかを見ていると、中には、下の方がいいからおりてきたんやと。これは、向こうも命がけですから、僕はうそやと思うんですよ。多分、山にえさはあるけれども、数が足らない状況まで来ておるんや。
 現実に、野生動物による農作物の被害、今農村地では非常に深刻な状況ですよ。このことについて、環境省の方々はどうお考えになり、どう現実を把握されておるのか、お教えいただきますようお願い申し上げます。
○冨岡政府参考人 先ほど、全体としての野生鳥獣の数、環境省としての数の把握について申し上げましたが、確かに、実際問題としては、それぞれの地域におきまして、先生がおっしゃいましたようにいろいろな理由があるかと思いますけれども、人間に近づいてきているというふうな現象はあるのではないか、そのような感じは持っております。
 こういうことから、農林水産業に対する被害といったものも生じてきておりますが、この被害もかなりの規模に達しておりまして、それぞれの地域におきましては、かなり深刻な影響が出ているものと承知いたしております。
 このために、農林水産業に被害を及ぼす大型哺乳類の個体数につきましては、鳥獣保護法に規定します特定鳥獣保護管理計画を都道府県が作成することになっておりまして、都道府県が、動物の専門家の協力を得まして、個体数、どれぐらいいるかという把握をし、実際の数のコントロールを行う計画をつくって、対策を講じているという現状でございます。
 なお、この過程におきまして、専門的な見地から数を把握することが前提でございますけれども、環境省といたしましても、大型の哺乳類の生息数をこれまでよりも簡単に高い精度で推計する手法につきまして開発できないかということで検討いたしております。
 こういうことを重ねまして、都道府県と連絡をとりながら、より的確な個体数の把握をした上で、対策を講ずるといったことを進めてまいりたいと思っております。(中川(泰)分科員「農作物の被害状況はどうなっているか」と呼ぶ)
 農作物の被害につきましては、農水省の方で取りまとめた数字でございますけれども、近年の被害総面積は、全国で約十四万ヘクタールで推移しているということでございます。そして、金額では、近年の被害総額は約二百億円で推移しております。特に、シカ、イノシシ、猿の被害が深刻な状況である、かように認識いたしております。
○中川(泰)分科員 今の被害総額なんですが、日本国じゅうで二百億円ぐらいやと。僕は、農家の、中山間地の二百億円というようなお金、どれだけの日当なのかなとまずお考えをいただきたい。
 それから、ほとんどの農家が、今現状として、被害を受けたとき、まあ、猿が持って帰ったんやし、シカが持って帰ったんやからあきらめようということで、被害届を出していないんですよ。そこもきちっとその被害状況の中に入れてもらわなくちゃいかぬのかな。それから、畑や田んぼが、もう耕作ができない、植えたらその後すぐ持って帰ってしまう。だから、野生動物のために耕作を放棄しなくてはならないところもあるということを、環境省の皆さん方はきちっと把握してほしい。都会のど真ん中におられるから、農村地の実態は、上がってきた数字だけで納得するのではなく、やはり地元の現状も見て、被害状況がどうなっておるのかなということをお考えいただきたい。
 それから、府県や町村でできると今言われておりますが、例えば京都府なら、クマが出たら、その場で射殺できないんですよ。捕まえて、顔にトウガラシかコショウをかけて、もう来るなよというて山に放さなくてはならぬのです。同じクマが二回目出てきて初めて射殺できるんですよ、駆除できるんですよ。
 でも、私は、そんなことで待っておったら、中山間地や農村地に住んでいる子供たちの命やお年寄りの命が保証できるのかな。クマなんか、八年か十年に一遍しか聞かなかったのが、今じゃ一年に五、六回聞きますよ。だから、今、府、県に任せてあるということで済む問題かな。共生しようという法律ができたときに、それぞれの府県でそういう条例をつくっておるんですね。そういうことも含めて、これから、要するに野生動物の数をきちっと把握してもらって、駆除をちゃんとできるようなことを国がしなくちゃいかぬのかな。
 ただ、この四月一日から、禁猟区でも、知事や市町村長からの許可が出ればちゃんと駆除できるとなっております。でも、特別な禁猟区はできないんですよ、これは。野生動物も頭がよくなって、パンという音がしたら逃げる場所を知っとるねん。こんなことでは、なかなか難しい。やるのなら、全部をちゃんとするような方向をお考えいただかないんだったら無理かな。
 それから、猟師さんに撃ってもろうたらどうやと、それぞれ言うてもらうわけですね。そうすると、今、確かにシカ撃ちに猟師が出る、でも、昔SARSという病気がはやってから、野生動物の肉というのは全く売れないんですよ。今、シカがわなに入った、わなの許可も簡単になったから。これは入ったら埋めなならぬ。そうすると、山里のところとか山の上でシカやシシが埋められる場所というのは限られておるんですね、場所的には。射殺したら、それの処理がもうどうもならぬわけや。
 だから、私は、まず、駆除に当たってやはりきちっと猟師さんに対する助成金をつけるとか、さらには、埋めるところについての処理についてもきちっとできるような財政支援が必要ではないかなと思うのでありますが、環境省としてどうお考えか、お教えいただきたいと思います。
○冨岡政府参考人 さまざま御指摘いただきまして、私どもも、先ほど申しましたように、特定計画、これは実際できてから運用し始めて五年ということでございますけれども、こういったことを本当に充実させて実態に合った対応をとらせていただきたい、それを本当に強力に進めていきたいと考えております。
 その中で、財政支援という点でございますが、環境省といたしましては、先ほど申し上げましたような実態の把握とか、専門的な知識の普及、それから技術的な援助、そういった点に予算措置と申しましょうか、確保いたしておりまして、都道府県なり市町村でその対策に当たる費用につきましては、都道府県の狩猟税、それから一般財源といったものから都道府県は賄っておりますし、市町村は市町村の財源で行っておりますが、これにつきましては、地方財政措置として交付税なりで対応されているというのが現状でございます。
○中川(泰)分科員 ありがとうございます。
 これはやはり、もう地方なんか財政がたがたですから、国の方できちっとした対策を立ててもらうわけにはいかないかな。
 それから、これは大臣にお尋ねをしたいと思うんですが、現実に田舎へ行くと平均年齢六十歳以上なんですね。だから、確かに猟師さんもいていただくんですが、山へ上がって猟師さんが鉄砲を撃ったら、イノシシやシカが落ちてくるのと違うて人が落ちてくるんですよ、足場、しっかりしていないから。もう高齢者の方々にやってくれというのは不可能や。年寄りは、もうじき死ぬるから辛抱しておくわと言うておるんですよ。そうすると、そこに人が住まなくなってしまいます。
 私は、今、市町村で合併が進んで職員なんかが余ってきておるんですね、こういう人たちに何らかの財政予算をつけて駆除に出てもらうような対策も一つの方法かな。といいますのは、農作物の被害、これは僕は野生動物による自然災害じゃないかなと思うんです。自然災害は国や行政がきちっと対策をしなくてはならぬ。逆に言うと、これは法律で自然災害ということを認定してもらうと、自衛隊の出動も可能かと。
 それほど農村地では困っておりますから、大臣としては、この今の現状、僕と一緒で、地域から出ておられるんですからよく知ってもらっておると思いますが、駆除を徹底するためには、私が申し上げる自然災害ということが法律的に認定できないのか。そして、行政機関が、例えば自衛隊が出てもらうというような対策も含めて検討ができないのか。大臣にお尋ねをいたします。
○若林国務大臣 実は、私は長野県の出身でございまして、私の衆議院時代の選挙区は特に山手が多いところでございました。今は全県区ですが、それでもやはり森林あるいは中山間地の地域が多うございまして、今委員がいろいろ問題を出されましたような中山間地、特に山村地域における鳥獣害被害でどれほどかそれぞれの地域の皆さんが苦しんでいるか、被害を受けているか、しかも、これを防除するための狩猟者の高齢化が進んで、過疎化が進んで大変な状況になっているという話はよく見聞しているところでございまして、これら鳥獣による農作物の被害は大変深刻だということはよく承知いたしております。
 ただ、こういう被害は地域によって非常に違うんですね、それぞれの地域によって違います。かなり人間の居住している集落周辺までおりてきているところもありますし、なかなかそこまではおりてこないで山で生息しているという状態にとどまっているところもございます。
 そういう地域による違い、また、生物自身の賦存状態もそれぞれの自然的、社会的条件によって違っておりますから、基本的には、今、国全体の流れとして地方分権を進めておりますし、できるだけ地方のことは地方で対応する、きめ細かな対応をするということを原則にしておりますが、この鳥獣被害対策のあり方につきましても、やはり原則は、地域の事情をよく熟知しておる都道府県あるいは市町村で対応をすることを基本にしていくべきだ、こんなふうに思っております。そのように組み立てていくべきだと考えております。
 ただ、この鳥獣被害が不可抗力による被害であるという点も間違いございません。その意味で、農業災害補償制度においては、鳥獣被害というものを共済金支払いの対象の被害として認めておりまして、共済金支払いもかなりの額に上っております。
 そういう不可抗力による鳥獣被害に対する措置として、これを自然災害というのは、どういうふうに指定をする、天災融資法とか災害救助法とか、そういう意味でも、あれも、いろいろな自然災害であっても、一定規模以上がまとまって起こってきて地域全体が短期的に、集中的に被害を受けたような場合の救済とか、そういうふうに限定をしているわけでありますから、鳥獣被害がある時期、ある地域に集中的に発生して地域経済を揺さぶるようなことになるというわけじゃありませんので、この鳥獣被害に対応する場合は、なるほど不可抗力でありますけれども、これへの対策をどう講じていくか。
 これは、被害を受けるのは主として農林業でございますから、農林水産省とも、今後とも地域のこれらの被害状況、これへの対策というのはよく協議してまいりたいと思います。農林省がやっております中山間地の対策の中で、メニューの中に、この防護対策というようなものもメニューで選択できるような道が開かれておりまして、これはかなり有効に利用されているというふうに承知しております。
 また、京都府では、先ほどお話ございましたが、大変熱心に人と鳥獣との共生を進めていく、これは歴史的、文化的な背景が非常にあるんだろうと思います。方向としては私は望ましい方向だと思っておりますが、十七年、十八年では、人と野生鳥獣の共生の森づくり事業というのを実施しております。これは、やはりいろいろな要素がありますが、森に鳥獣がすんでいてもらって、人里に出てこないで共生できるように、例えば実のなる木をもっと植えるとか、そういうようなこともこの事業の中で実施をしていく、あるいは里山の整備といったようなことにも力を入れるというような事業を京都府はやっておりますし、今年度は、人と野生鳥獣の共生の、今度は村づくり事業というのを実施しようとしております。これは、集落の周辺部の鳥獣と集落のあり方、整備というのをどういうふうにしていくかというようなことを探求しているわけでございます。
 方向としては、やはり今京都府が試みているような方向を、さらに国としてもいろいろ教えてもらい、その調査の実態を把握しながら、こういう考え方を進めていくのも一つの方向だな、こんなふうに考えておるところでございます。
○中川(泰)分科員 ありがとうございます。
 今のは、僕も、やはり共生する社会が大事やなと、同じように考えております。でも、人がかごの中で生活をする姿を見て、では田舎で住もうかなという若者がいるでしょうか。
 それから、農災の災害指定ですが、これはもう私よりも大臣の方がよく知っておられると思いますが、そんなにたくさんお米で出ていますかといったら、出ていないんですよ、お金が。野菜とか果樹とかも出ていないんですよ。だから、そこも少しお考えをいただきたいなと、今の御答弁に対して思うところであります。
 それから、自然災害ですよね、これは。先ほど言われたけれども、場所によっては災害のないところもあるんですから、自然災害としてやはり見るべきじゃないかな。
 これは農村地だけの問題かなと私は思います。やはり国民みんなで美しい日本、日本の環境を考えていくには、そんなのでいいのかなと今思いましたので、少し、もう時間がこれで終わりでありますが、また環境委員会でお尋ねをしていきたいと思います。
 ありがとうございました。
○山本主査 これにて中川泰宏君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして環境省所管についての質疑は終了いたしました。
    〔主査退席、馳主査代理着席〕
    ―――――――――――――
○馳主査代理 農林水産省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北村茂男君。
○北村(茂)分科員 自由民主党の北村茂男でございます。
 質疑の時間をいただきましたので、直ちに質疑に入りたいと思います。
 松岡大臣は、さきの大臣所信表明の中で次のように話されておられます。「農林水産業と農山漁村は、食料の安定供給はもちろんのこと、国土や自然環境の保全、良好な景観の形成などの多面的機能の発揮を通じ、国民の毎日の生活において重要な役割を担っています。さらに、農林水産業や農山漁村が持つ潜在能力を最大限に引き出すことは、国民生活を一層豊かなものとするとともに、農林水産業を二十一世紀にふさわしい戦略産業とすることにつながるものと確信しています。」と述べておられます。全く同感の思いであり、我が意を得たりの思いを持っているところでもございます。
 そのような思いの中で、今後取り組むべき我が国農政にかける熱い思いを受けとめることができるわけでありますが、そこでまず、戦後最大の農政の大改革と言われております食料・農業・農村基本計画の推進についてであります。
 特に、本年四月から、担い手を対象とした新たな経営安定対策の導入、米政策改革推進対策の見直し、農地・水・環境保全向上対策の導入という三本の政策改革が一体的に実施されるとのことであります。
 我が国農業も、グローバリズム、あるいは産業としての戦略性という側面と同時に、民族的歴史あるいは文化そのものである我が国農業、農村を、守るべきものは守りながら再構築をするとの立場からも、大臣の強いリーダーシップに心から期待を寄せているものであります。
 また、農山漁村は、食料等の生産の場であるとともに、地域住民の生活の場でもあり、また、都市住民を初め多くの国民が求めている、ゆとりや安らぎが息づく空間でもあります。このような農山漁村の活性化が国民的課題となっていることを踏まえ、農山漁村の居住者、滞在者をふやすことを通じた活性化に重点を置き、地域が行う定住促進や地域間交流を推進するなどとした、いわゆる農山漁村活性化プラン三百四十一億円をお取りまとめになられました。まことに画期的なものであり、極めて時宜を得た政策であると評価をいたしているところであります。
 大臣の、年末にかけて急遽出てきたこの提案でありましたけれども、党内でも積極的な議論がありましたし、地方にとっても元気を取り戻す政策、今いろいろ各省挙げて取り組んでいる最中でもありますが、大臣のいわゆるこの農山漁村活性化プランにかける思いというものをまずはお聞かせいただきたいと思います。
○松岡国務大臣 まず、北村先生に、日ごろから先生は先頭に立ってこの農山漁村の問題、また農林漁業の振興の問題に取り組んでおられますことに、心から敬意を表する次第でございます。そしてまた、党内の議論におきましても、常に発言をされ、いろいろとまた御指導いただいておりますこと、心から敬意を表しているところでございます。
 そこで、今先生お尋ねの点でございますが、安倍総理の所信、施政方針演説にもございますように、地方の活力なくして国の活力なし、このようにおっしゃっておられます。全くそのとおりだと思っております。地方が生き生きとして活力が出てくる、そのことによって国全体が大きく発展をしていく、私はまさにそのとおりなんだろうと思っております。そういう意味で、私どもも、総理のそういう一大方針を受けまして、しっかりこの農山漁村の活性化に取り組んでいこう、こういう決意でございます。
 農山漁村が果たしている役割というのは、もう論をまちませんが、大きな大きな役割があるわけでありまして、そして、その役割を果たしていくことが国民全体の生活やいろいろな活動の土台になっていく、基盤になっていく、こういうふうに認識をいたしております。
 そこで、いよいよ私どもも、農山漁村活性化プロジェクト支援交付金、今先生御指摘になりました三百四十一億円、この予算をもとにいたしまして、そしてまた今度は新しく法律も、農山漁村の活性化法、これを今国会に出させていただきまして、そして、しっかりとした取り組みをしていきたいと思っております。
 ちょうど、団塊の世代と言われます方々が定年をお迎えになる。こういった方々が、定年後、この農山漁村にも住みついていただいて、またこちらにも滞在をしていただいたり、そういったことも含めまして、国民の皆様全体が定住したり滞在したり、こういったような条件を整えることができまして、大きなにぎわいが戻り、それによって活力が出てくる、そして国全体の発展につながっていく。こういった方向を目指してしっかり取り組んでいきたいと思っておりますので、また北村先生のさらなる御指導もお願いを申し上げたいと思います。
○北村(茂)分科員 ぜひ、松岡大臣の強いリーダーシップに大きな期待を寄せたいと思っております。
 それでは次に、水産、漁村にかかわる質問を一、二させていただきたいと思います。
 今ほどのお話にもありましたように、漁村が活性化していくためには、何といっても、中心産業であります水産業が拡大、発展をする、元気を取り戻すということが不可欠であります。したがって、今回提案されております、議論されております水産基本計画の見直しなど、いわゆる水産政策改革を通じて、沿岸漁業の振興をより積極的にやらなければならないというふうにかねがね考えているところであります。
 今、沿岸漁業者が置かれている窮状については、この際細かく申し上げる時間はありませんけれども、大変厳しい環境下に置かれているわけでありまして、もしも漁村や農村がこの日本から失われていくならば、日本という国そのものが失われていく、なくなっていく、こう考えて間違いはないと思っているわけでありまして、いわゆる沿岸漁業振興対策について、この基本計画見直しの中でどのように取り組もうとしているのか、まず伺いたいと思います。
○福井大臣政務官 おはようございます。
 沿岸漁業のお尋ねでございます。
 若干整理させていただきますと、沿岸漁業は、漁業全体の中で、生産量で約五割、そして生産額で約六割を占めてございます。大変重要な役割を果たしているわけでございます。特に、今先生御指摘のように、地域地域におきまして、地場産業として経済そして雇用に貢献しているということは認識をさせていただいているところでございます。
 しかしながら、この水産業は、沿岸漁業を初めとして、資源状況の悪化、そして働いてくださる皆様方の減少、高齢化、漁船の老朽化、どこをとっても極めて厳しい状況にございます。今御指摘いただきましたように、この三月中を目途に新たな水産基本計画を立てまして、水産政策の全般にわたる改革に取り組むことといたしておるわけでございます。
 この基本計画におきましても、重要な課題として今位置づけておりますのは三つございます。藻場、干潟の造成、保全によります漁場環境の改善、資源回復計画の着実な推進、これが一点。そして二点目に、漁船漁業構造改革の推進、積極的に経営改善に取り組んでいただく漁業者を対象とする経営安定対策の導入。そして三点目に、産地の販売力の強化に向けた、市場を核とした流通拠点の整備、そして、ちょうど輪島の朝市のような、前浜と消費者をつなぐ多様な流通経路の構築ということで、全般にわたります施策を展開してまいりたいと考えておる次第でございます。
 いずれにしても、森田実さんがこの予算委員会の公聴会で徳富蘆花の言葉を引いて、国の実力は地方に存するというようなことをもう一度述べておられたわけでございます。今、大臣からも申し上げましたとおり、まさに地方あってこその日本という気持ちで、そして地方の現場の情報が一番大事という気持ちで事に当たらせていただきますので、今後とも先生の御指導をひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
○北村(茂)分科員 漁村の活性化には水産業、沿岸漁業の活力を取り戻すことが最大の道だということを今申し上げましたし、お答えもございました。
 同時に、漁村そのものを活性化させるためには、水産業だけではなくて、その漁村が持っているさまざまな資源、いわゆる地域資源というものを生かしていくべきではないか。農村には、農業以外にも、いわゆるグリーンツーリズムなどという制度も導入されて、農村の活性化ということも、いろいろな角度からの要素を取り入れた活性化策があるわけでありますが、いわゆる漁村における地域資源の活用策はどのようなものを考えておられるのか、あるいは、どうすれば漁村の活性化につながるのかという意味で、お考えを伺いたいと思います。
○白須政府参考人 ただいまの、漁村の資源を活用した活性化策というお尋ねでございます。
 お話のとおり、漁村にもさまざまな地域資源があるわけでございまして、景観のみならず、漁村の文化、いわば漁村の魅力とでもいいますような、そういう地域資源が多々あるわけでございます。
 そうした地域資源を活用いたしまして、漁業の体験でございますとかあるいは遊漁、そういった海洋性のレクリエーション、そういうこともございますし、あるいはまた、本来の水産業を活用いたしました新鮮な魚介類の提供、あるいは、豊かな自然環境を初めといたします余暇空間の提供、そういったようなことで、都市住民の方々の漁村に対する新たなニーズあるいは潜在的なニーズ、そういうものを引き出す重要な要素であるというふうに考えているわけでございます。
 そこで、私どもといたしましても、地域がみずから考えて行動し、あるいはまた意欲的な取り組みを誘発することができますように、この十九年度予算案にも、地域資源を活用いたしました、地域がみずから発意する形での漁村づくりの事業というものも盛り込んでいるわけでございます。
 また、あわせまして、水産業を生かしました都市と漁村の交流、体験というものを推進するというふうなことでございまして、体験学習の施設でございますとか、あるいは地域の産物の販売あるいは提供をする施設、そういったものを整備するというふうなことでございまして、そういった支援もあわせて行っているわけでございます。
 こういう事業も活用いたしまして、委員の御指摘のとおり、漁村の活性化ということをしっかりやってまいりたいと考えている次第でございます。
○北村(茂)分科員 では次に、党内でも今議論されているところでありますが、先ほども申し上げましたいわゆる水産基本計画の見直し案にも、その大きな政策課題の柱としてまず一番目に上げられているわけでありますが、低位水準にとどまっている水産資源の回復及び管理の推進というふうになっているわけであります。いわゆる浮き魚、回遊して歩く魚の資源管理や回復については、一次的には国がこれを行うことになっていると伺っておりますし、カニとか貝などいわゆる移動性の少ない資源については、一部市町村を含む都道府県がこれを行うというふうに聞いているわけであります。
 資源は減少傾向にあることはもうだれも疑う人はいないわけでありまして、私ども石川県においても、長い海岸線を持つ県でありまして、水産県を自任いたしているわけでありますが、資源回復という観点から、本県でもいわゆる漁獲規制等を行うとする計画を立てているわけであります。
 しかし、この資源回復をねらっての規制を行おうとすれば、どうしても漁業者に痛みが伴う規制の導入ということは避けられません。しかし、漁業者がこれを受けて立てるだけの体力が今あるのかということを考えると、なかなかこれに耐えられないという状況にあることはもう御案内のとおりであります。
 したがって、漁業者の痛みをどのように和らげ、あるいは支援していくことができるのかということ、この資源回復を行うとする規制を導入しようとすればこういうことが伴ってくるわけでありまして、これらの都道府県が行おうとする資源回復策に対して、国はどのような支援ができるのか、どのようなことを考えているのかということを伺いたいと思います。
 同時に、もう一点、資源回復策の一つとして、この基本計画の中では、あるべき漁法だとか、あるいは船の数だとか、そういうものがいろいろこれから議論されると思います。当然、大臣免許もこの八月には更新時期を迎えるわけでありまして、そんなことを考えながら、いわゆる資源回復のための減船等を行おうとする際に、国はこれへの支援を、今のような状態ではなかなか漁業者が手を挙げて参入しにくいというような状況にあるわけでありますが、これらも強力に推進することによって、資源回復もなし遂げることができるのではないか、このようなことを考えるからこそ、お尋ねをいたしたいわけであります。
○白須政府参考人 資源状況が、お話のとおり、全体として非常に悪化をいたしているわけでございまして、そういった資源状態が悪い魚種などにつきましては、資源を回復させますために、国なり都道府県が主体となりまして資源回復計画を作成いたしまして、これに基づきまして資源の回復に努めているわけでございます。
 お話ございましたように、一つには、広域的に動く種類につきましては、国が主体となって計画を作成いたしまして、例えばこれでは日本海西部のアカガレイとかそういう魚種でございます。こういう魚種につきましては、国が主体となって計画を実施あるいは作成しておるわけでございますし、また、地先におります魚につきましては、都道府県が主体となってこれを実施いたしているわけでございます。これに基づきまして、お話のような漁獲努力量の削減でございますとか、あるいは資源の積極的な培養、漁場環境の改善という措置を講じているわけでございます。
 そこで、こういうことに対しましてどういうふうな支援の手だてがあるかということでございますが、都道府県が作成をいたしますそういった資源回復計画に基づきまして、例えば、お話のような減船を行う、あるいはまた休漁を行う、あるいはまた漁具の網の目を大きくするといったようなこともあるわけでございますが、そういう場合には、この事業費につきましては、国が三分の一、県が三分の一、それで漁業者が三分の一といったような形で、それぞれが三分の一を負担するというふうなことで、国なり県が合わせますと三分の二を負担するというふうな形で漁業者の負担を軽減するということで、この資源回復計画を推進といいますか、そういう形で漁獲努力量の削減に努めているということでございます。
 お話のとおり、確かにこれは漁業者にとって痛みが伴うわけでございますが、そういうことで、国なり県もそれなりの支援を行いながら、資源状況の改善ということで、漁獲努力量の削減に万全を期してまいりたいという考えでございます。
○北村(茂)分科員 時間の関係もありますので、先へ急ぎたいと思います。ぜひ万全を期していただきたいと思います。
 次に、森林・林業にかかわる問題について、二、三質問いたしたいと思います。
 京都議定書における我が国の削減目標を達成するためには、六%の削減約束のうち約三分の二近くを占める森林吸収量一千三百万炭素トンの確保が不可欠であり、このためには間伐等の森林整備の推進が重要な課題であります。このような中で、平成十九年度当初予算に関して、十八年度補正予算も合わせて七百六十五億円の森林整備の追加予算が計上されていると承知をいたしております。
 森林は、地球温暖化防止に加え、国土の保全、水源の涵養、生活環境の保全など多様な機能を持っております。先般、総理から指示があったとのことでありますが、美しい国づくりを進めていく上でも、国土の三分の二を占める森林を適切に整備、保全していくことが極めて重要であり、このような取り組みを通じて森林、林業、山村の再生を図っていくべきだと考えております。
 このような観点から、森林の整備を積極的に推進していく必要があると考えておりますが、このことに対するお取り組みを御説明いただきたいと思います。
○松岡国務大臣 北村先生には、この森林関係の点でも、違法伐採対策の問題等を初めといたしまして、日ごろから本当に大変御熱心にお取り組みをいただいておりまして、心から感謝もし、敬意も表しているところでございます。
 そこで、この森林整備でございますが、もう一々中身を申しませんが、森林の果たす役割といいますものは今先生が御指摘のとおりでございます。特に、京都議定書の問題、さらにはまた、最近の異常気象等からくる山地荒廃、これに伴う災害の問題、こういったことがございまして、どう対処していくか。
 そこで、十八年度の補正予算と十九年度の当初予算におきまして、合わせまして総額七百六十五億円という、いまだかつてない予算措置をいただいたところでございます。これは、先生方の大変な後押しをいただいた結果でありまして、心からお礼を申し上げますが、そのことによりまして間伐の整備を一大促進していく、今こういう考え方でございます。
 この六年間で、京都議定書の目標達成に必要な森林の整備を百二十万ヘクタール追加的にしなければならない。この十九年度は、その初年度といたしまして、二十三万ヘクタールについて追加的な整備を行う、今このような位置づけになっているところでございます。
 今後とも、今申し上げましたような森林の役割、また必要性、こういった観点から、予算措置もしっかりと私ども努力をいたしまして、何としても、京都議定書の目標達成のためにも、六年間におきまして百二十万ヘクタール、トータルで六年間で三百三十万ヘクタールの森林整備をなし遂げていきたい、このように思っております。
 それから、昨日、中井先生から御指導いただいたのでありますが、きのうは花粉症の問題が随分この場でも取り上げられました。中身をどうということを申し上げませんが、花粉症というもののいろいろな及ぼす影響、こういったことも私どもしっかりと認識をしながら、関係省庁とも連携をとって対策を強化していきたいし、対策をしっかりと幅広くやっていきたい、このようにも思っております。
 以上であります。
○北村(茂)分科員 ありがとうございます。
 過日、地元で森林・林業関係者との懇談の機会がありまして、何十年ぶりかでやっと森林・林業に政府・自民党も顔を向けてくれたか、そんな気がするというような、久しぶりに顔が若干ほころんだ、こういうような思い、胸をなでおろすような発言がありました。大いに関係者の期待が大きいことを、この際、大臣にも申し上げておきたいし、関係者に御理解をいただきたいと思っているところであります。
 次に、森林所有者が間伐等の森林整備を実施する場合に、一般的には事業費の約三割程度の個人負担が必要になると伺っております。林業を取り巻く状況が厳しいだけに、今回措置された追加事業を確実に実施していくためには、間伐材の利用拡大を進めるなど、実質的にこの個人負担が賄えるような条件整備を進めていくことが重要と考えます。
 森林所有者の施業意欲を高めるため、どのような対策を考えているのか、副大臣に伺いたいと思います。
○山本(拓)副大臣 今ほど大臣の方から意向表明がございましたけれども、確実に京都議定書を実現するためには、予算がついたわけでありますから、そして、その予算を、確実に森林事業者の意欲に結びつくような施策、プラス、御案内のとおり、中国での需要拡大に伴って、国産材と外材との価格が、かわるレベルになってきましたので、同等になってきましたので、住宅産業のほとんどが外材に頼ったところが、国産材に置きかわる可能性も十分出てきました。
 そういう置きかわることに、物流コストの削減とか事業の規模とかそういったものをしっかり整備して、ただ、これは、それぞれの事業者から提案をいただくという形で、地域地域で対応していきたいというふうに思っておりますので、今後とも北村先生、まず、日本全国どうのこうのよりも、どこか一カ所ずつさらに成功例をつくってまいりたいと思いますので、個別というか、現実的な提案がございましたら、何とぞよろしくお願いしたいと思っております。
○北村(茂)分科員 私どもも、石川県でも、一部間伐材の輸出を中国に向けて実施していることも事実でありますし、これまでベニヤ材としては一〇〇%外材でやってきたものを、安定供給を地材でやってくれるのならという前提がついておるわけでありますが、地元国産材、地材を使って、ベニヤの合板事業に国産地材を使うというようなことにも、市場開拓にも取り組んでおります。徐々にではありますけれども、林業関係者あるいは木材関係者も挙げて日本の林業を、かつての往時を取り戻すことはできないかもしれませんけれども、しかし、依然として粘り強い努力をしていこうと私どもも努力をしているところでもございます。
 さて、次にもう一問伺いたいと思います。
 森林整備を着実に進めていくためには、今ほど申し上げましたような経済的な負担のありよう等の問題もありますけれども、それにも増して労働力の確保ということが不可欠だと思います。山村では、過疎化が進展しているとともに、林業に従事する人も高齢化しています。今回の二十三万ヘクタールに相当する間伐等の追加整備を実施するに当たって、どのように労働力の確保を進めていこうとしているのか、その見通し等は立っているのかどうか、伺いたいと思います。
○辻政府参考人 お答えいたします。
 今回の追加的な二十三万ヘクタールの間伐の整備でございますけれども、これに必要な労働力の確保につきましては、緑の雇用担い手対策等によりまして新規林業就業者の確保、それから、これまで事業量が少ないということで一人当たりの年間の就労日数が少ないというような現状にございますので、一人当たりの年間の就労日数の増加、そして、路網と高性能林業機械を組み合わせた低コスト、高効率の作業システムの整備等によりまして生産性の向上、こういったことによりまして着実に推進していく考えでございます。
 このような考え方のもと、必要な労働力の確保にそごを来さないため、先般、二月二十三日でございますけれども、労働力の確保につきまして各都道府県と打ち合わせを行ったところでございます。
    〔馳主査代理退席、主査着席〕
○北村(茂)分科員 もう時間がありませんが、最後にグリーンツーリズムについて若干伺いたいと思います。
 雄大な大自然の中で自然に親しみ、都市と農山漁村との交流を通じて心身のリフレッシュを図る、いわゆるグリーンツーリズムは、近年、新しい観光のあり方として全国的にも注目されてきているところであります。
 我が石川県においても、意欲ある農家等と連携し、特色ある資源の情報発信を図りながら、旅行代理店による商品造成や農家民宿開業促進のためのモデル事業の実施など、さまざまな工夫をしながらグリーンツーリズムの推進を図り、交流人口の拡大、地域の活性化を目指す動きに精力的に取り組んでいるところであります。
 そこで、端的に伺います。まず、地域における体験、交流施設整備等に対して、国としてこれらの施策に対して支援方策はどのようなものがあるのか。あるいは、農家等が受け入れる施設を充実しようとするときには、支援制度、補助制度というものはどんなことがあるのか。この際、伺いたいと思います。
○中條政府参考人 グリーンツーリズムにつきましての御質問でございます。
 グリーンツーリズムは、食料・農業・農村基本計画に農村振興の重要な施策の一つとして位置づけられておりまして、当省としましても、これまで、委員御指摘のとおり、都市と農山漁村の双方にメリットがあるものとして、その推進に積極的に取り組んできているところでございます。
 今ほど、交流施設、体験施設、それから農家の受け入れ施設の充実についての御質問がございましたけれども、当省としましては、各省と連携した農家民宿に関する規制緩和、それから地域資源を生かした魅力ある交流拠点等の整備を進めますとともに、各種メディアを活用しました都市住民への情報発信や、グリーンツーリズムに取り組む人材の育成などの施策を講じているところでございます。
 なお、十九年度予算案の中に、農山漁村活性化プロジェクト支援交付金、これは先ほど大臣の方から御紹介がございましたけれども、これによりますグリーンツーリズムの積極的な推進、それから、広域連携共生・対流等対策交付金を創設しまして、民間事業者を含めた都市側と農村側との多様な主体が連携します効果的な交流情報の受発信の仕組みづくり等々を行います施策など、先導的な取り組みを支援することとしているところでございます。
○北村(茂)分科員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○山本主査 これにて北村茂男君の質疑は終了いたしました。
 次に、森本哲生君。
○森本分科員 民主党・無所属クラブの森本哲生でございます。
 松岡大臣には初めて質問をさせていただく機会、よろしくお願いをいたします。
 今、北村議員から林業関係の質問がありましたが、農林水産委員会等で余り林業関係について語られないというのが、私、少し残念に思っておるんです。また全般には改めてお伺いをさせていただきますが、きょうは国有林野事業を中心に質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 戦後、独立採算制を前提といたしました企業特別会計制度によりまして運営されてまいりました国有林野事業は、材価の低迷等の影響で採算が悪化をしておるわけでございます。一九七八年以降、四次にわたる経営改善計画が作成されましたが、財務状況は好転せず、累積三兆八千億円ということに膨らんでおるわけでございます。
 このため、平成十年、一九九八年十月に国有林野事業の改革のための特別措置法が制定され、抜本的な改革がスタートをいたしました。累積債務のうち、二兆八千億円は国の一般会計が承継をして、残りの一兆円は利子補給を行いつつ二〇四八年までの五十年間に返済する。会計制度は、国の一般会計から繰り入れを前提とした特別会計に移行されたわけでございます。特に一九九九年から二〇〇三年を集中改革期間と位置づけ、林産物の販売や旧営林署跡地などの資産売却による収入の確保、そして要員・組織の合理化等を進めてきたとされておるわけでございます。
 さて、そこで、集中改革期間における取り組みは十分な成果が上げられたのかどうか、お伺いをさせていただきます。
○山本(拓)副大臣 森本先生の今のお話のとおりでございまして、取り組みの成果はどうだという御質問に対しては、一応計画どおりさせていただいているというところでございます。
 具体的には、公益機能重視への転換について、公益林を五割から九割に拡大するとともに、長伐期施業、育成複層林施業などの推進。財政健全化については、新たな特別会計制度のもとでの一般会計からの繰り入れとあわせて、人件費の縮減や効率的な事業実行などに努め、平成十六年度以降において新規借入金をゼロとして、借入金依存からの脱却を図っております。組織・要員については、十四営林局・支局、二百二十九営林署を、平成十年から平成十六年三月末までに七森林管理局、九十八森林管理署等に再編し、職員数も、平成十年度から初年比で約半分に縮減をいたしております。
○森本分科員 ありがとうございます。
 今、十六年度以降が借入金はゼロということで、依存をすることなくやられておるということでございますが、そうした事業運営が行われておりますものの、五年間に二千百二十七億円の新規借り入れがそれ以前に行われておるわけでございます。
 一般会計から利子を補給されるということになっておるわけでございますが、好景気のときにこれだけの三兆何がしの借金をされて、そして今の時代に一兆二千百二十七億円、この債務を五十年間で返済するというのは、どのようなお考えを持っておられるのか、お聞かせをいただけませんでしょうか。
○辻政府参考人 現行のフレームでございますけれども、平成十年に成立をいたしました国有林野事業の改革のための特別措置法に基づきまして、先生からお話がございましたように、一般会計からの利子補給を受けつつ、平成六十年度までに返済することとされているところでございます。
 この債務につきましては、今後、人工林資源の成熟に伴いまして収穫量の増大が見込まれる。それと、先ほどの長伐期だとか複層林ということで、現在は収穫量の大宗は間伐材でございますので、この後、高齢級の人工林がふえていくということになるわけでございます。そういうことから、収穫量の増大と販売単価の増というのが見込まれるわけでございまして、これらの事業収入の確保、それと効率的な事業の実行による経費の節減など、収支両面にわたる努力によりまして着実に返済していく考えでございます。
○森本分科員 ありがとうございます。
 今、民有林では大体十年前に平均齢級がありますから、国有林の齢級は、民有林に比べてたしか十年おくれぐらいだと思うんですよ。恐らく、今から十年たっても四十五年から五十年ですよね。そうしますと、齢級の考え方はありますよ。今、長伐期で八十年、百年と言われておる時代。時代がかかりますから、十年ぐらいは読めますけれども、五十年先は私も読めません。二十年先も読めないんですけれども。
 収穫量の増大とか高齢級の林齢が多い。これは、例えば、私の試算というか、私が思うに三十年ぐらいかけて、恐らくまだ十年は無理ですよ。ですから、三十年としても毎年四百億円ぐらいの返済が必要なんです。風前のともしびのような感じがするんですけれども、いかがですか。
○辻政府参考人 国有林の齢級構成と民有林の齢級構成につきましては、先生お話しのように、大体五年ぐらいの差があろうかと思います。いわゆる国有林の方が五年ぐらい若いといいますか、そういう状況だろうと思います。
 ただ、戦後植えた団塊の人工林は、だんだん四十年とか四十五年というふうになってきてございますので、現在力を入れてやっているのは、これらについて間伐をいたしまして、その間伐材を売るということでございますので、あと十五年たちますと、それが六十年生から六十五年生になっていく、さらには八十年とか百年生になっていくというふうに思ってございます。当然、今でもだんだん収穫量はふえているわけでございますし、これはほとんど間伐でございますけれども、さらに収穫量がふえて販売単価も上がっていくというふうに考えてございます。
○森本分科員 大臣、今の議論はかみ合いますか。
 私はもう少しおとなしく質問させていただこうと思っておったんですけれども、間伐材の増大とか、今、単価が杉なんか、五十年生で現実に一万円を割っておるんですよ。ですから、一つ飛ばしまして、大臣、今のお話と、もう一つ私が質問するのにお答えいただきたいんですけれども、二十二年までに、特別会計については一般会計への統合について検討されるとしていますね。これが二十二年まで待って、こんな悠長なことを考えておってこの森林の予算は大丈夫ですか。大臣からお答えください。
○松岡国務大臣 まず、この経過がございまして、やはり国有林の役割というのは、時代時代に応じていろいろ大きな役割があったと思うんです。
 戦後は、とにかく木材が足りない、そしてまた外貨もありませんから、当時、三十六年ぐらいまでだったと思うんですが、管理貿易で、外貨というのは日本にない鉄鉱とか石油とかそういうものにしか枠がない。したがって、戦災復興ということもあって、経済復興ということもあって、必要となる木材は極力国内で賄え、こんなようなことから生産力増強計画、木材増産計画、そういったことで国内での増産を増してきた。その中心になったのが国有林なんですね。したがって仕事もふえた。
 特にまた、戦後は働きの場がなかった。農村にあっては次三男対策といって、次男坊、三男坊の働き口がない。まだ経済も復興していませんから、そういう中で、国有林でそれを受け入れるといったようなこともあって多く人も抱えた。ところが、三十年代後半から外材が入ってきて、四十年代、五十年代となっていきますと、今度は外材に押されて国産材が低迷をしてくる。こういう中で国有林の経営というのが非常に苦しくなってきた、こういう歴史だったと私は思っております。
 そういう中で、昭和五十三年度から、当時中川一郎農林大臣だったわけでありますが、国有林野整備事業の特別改善、ちょっと正式な名称は違うかもしれませんが、この改善のための法律がございまして、それに基づいて改革を進める。しかし、どうしても木材価格がなお低迷するものですから、なかなか改革が軌道に乗らない。
 そこで、平成九年になるわけですけれども、私はちょうどその当時、党にあってそっちの責任者をいたしておりました。そこで橋本行革ということにもなるんですが、改革と絡めてこの債務処理をどうするか、三兆円を超える債務処理をどうするかということになりました。国鉄の方の債務処理とも合わせたということになるんですけれども、国有林についても、三兆円のうち約二兆円は一般会計で負担をしてもらおう、残りの一兆円はやはりみずからの努力でということに、当時の仕分けとしてなりました。
 当時は、ちょっと聞いていただきたいんですが、一般的な議論は、財政審議会というのがありますが、そっちからの、例えば慶応の島田先生がその代表で来られたんです。大変なやり合いになったんです。まだ国有林というのは財産価値的に見れば、資産価値としては赤字を上回っている、したがって、経営的にはこれは赤字じゃないんだ、まだ黒字だ、そういった形で資産との対比で見れば。だから、それは一般会計で処理する必要はないんだと、財政審議会からのそういう大変な御指摘だった。
 当時、私は党の方の責任者でございましたが、そういった場で議論をいたしまして、いやいや、そうじゃない、これは、まさに今ここで一般会計を導入して救わなければ、人間の体でいえば、まだ呼吸をしているから大丈夫だなんてそんな話じゃない、まさに今救わなかったらこれは本当に死んでしまう、こういったような議論をいたしまして、結果として二・八兆円と一兆円、こういうことになったんですね。
 したがいまして、まだそれでも国民の皆様方の御理解をいただくという点では、なお努力をすべきは努力をして、そしてその中で、やはり自分たちで返すものは返していく。その前提がなければ、その二・八兆円というものを一般会計でしょうというのはなかなか厳しい状況であった。そういうことから、今やっとプライマリーバランス的にはここまで来たんです。こういうことでございまして、この五十年間で一兆円というものにつきましては、やはり経営として最大の努力をしてそれにこたえていく。
 先生おっしゃいました二十二年の問題ですけれども、これは、またさらに人為的な面での改革の加速化ということもございまして、二十二年までに独法に行く部分と、一般会計と統合して残る部分、この二つをさらに我々は二十二年までに検討していく。そういった二十二年までの検討の中で、今後のそういった債務処理の問題等につきましても、どのようにこれは整理をしていくのかということについて検討をして対処していく、今そのような状況にあるわけであります。
○森本分科員 大臣、今の私と大臣の議論、地域住民の方から見られておって、やはりこれは余り地域住民の現実とはかみ合っていないんですよ。
 ただ、私は、国有林野が整備されて、赤字も出したけれども、今の災害が少なくおさまっておるのは国有林野がある程度の施業を奥地でされておるからということは認めていますよ、今の民有林は非常にひどい状態になっていますから。
 そこのところを認めた上で、ただ、一兆円の特別会計を持っておって、一千六百億ぐらい今一般会計から入っていますね。そして、それと同時に一千六百億ぐらいの金しか北村議員が言われた間伐に回っていないんですよ。全体には九千億ぐらいの予算があるでしょう、国有林野と一般の林業関係の。ですから、私の言いたいのは、肝心かなめの山の中へ向いて、コンクリートの堰堤とかそういうことなしに、本当に純粋に山の施業にお金が余りにも入ってこなかった現実が、今、ひどい状況に田舎もしておるということを私は訴えたいんですよ。どこかで、金はあるけれども、地方の一番底辺の作業班のところへは何にも入っていないというところが私は政治のおかしなところだということを指摘させていただきたいということから、きょう申し上げたのでございます。
 それにしても、今、ヒノキの五十年生を切り出しても、ほとんど、いいところだけとってこなければ市場単価としては無理なんですよ。ヒノキで、元年で五、六万という数字が出ていますから、かつては立米からいくと、大臣はよくおわかりと思うんですけれども、一ヘクタール、大体二百五十ぐらいの立米数で、これを掛けると一千二百万からあるんですよ。そうですね。しかし、ここへ来て、ヒノキのいいのでも一万五千円ぐらいですよ。そうすると、二百五十でも何百万という数字ですね。そうすると、植え込んで作業ができないという状況の中で、私は、国有林野が今のような認識でここを運営されていくということが非常に危険だということを申し上げておるわけでございます。
 しかし、これは法的に決定しておる事項ですから、きょうはもう時間も余りありませんから意見として申し上げるにとめますが、大臣、よくその辺はわかっていただいておると思うんですよ。今、山へ入られて、たとえ一万円でも、朝七時に出ていて五時半ごろに帰ってくる。せめて一万円ですよ。それでも二十五日で二十五万円ですよね、年俸三百万。その最低保障ぐらいをされれば、もう少し私は地域に人々が暮らせる状況ができると思うんです。
 今、一次産業が二百八十万人まで落ちましたよね。そのうちの林業の関係の方は五万人ですよね。これで、今言われておる、教育の問題で安倍総理も、美しい森から美しい国とかいろいろなことを言われていますけれども、地域力というのも、地域力はもう今壊滅的に、現実と大きくギャップしておるところに私は政策の差があると思うんです。
 これは全体のことを申し上げておるんです。そのあたりを、大臣は現場を、林政を見て、山間部を見ていただいておりますから、いかに今地域の中に人々が暮らしておらないかという現実の中で、地域力という議論は私はおかしいし、山林は構造的にもう生活ができないほどなんですよ。これは格差以上のものなんですよ。補償しなければ私は無理だと思います。一部はありますよ、うまくやっておられるところ。ですから、森林組合と、せめてもう少し民間でやっておられるところを、今も担い手の話も出ました、そこに応援をしながら作業をして、少しでも暮らせるような所得補償制度的なものをやらない限り、私は、幾ら口で言っても山村の活性化はないと思います。そのことについても簡単にコメントをいただきたいんですが。
○松岡国務大臣 森本先生の山に思いをかけられるそのお気持ちは、今私もお聞きをいたしておって、ああ、これは一生懸命山のことを思っていただいている、そういう意味では、我々森林を所管する立場としては大変ありがたい森本先生のまさに応援だな、こう思うわけであります。
 先生、そこで、私も実は子供のときは下草刈り、我々のところでは小払いと言うんですけれども、この手伝いも十分してきまして、当時はかまですから、今みたいに機械じゃないんですから、そういったことも十分私自身経験もしてきましたし、山の今の状況というものも、私も阿蘇の山の中の選挙区出身ですから、これはもう重々わかっておるつもりであります。
 そういう中で、先生も町の役場の課長もされておった、企画課長というふうに聞いていますので、全体を目配りされるポストだったんだろうと思うんです。そうしますと、やはり町の限られた予算の中で、どこにもここにもあそこにもと、こう言われるとき、それは全体の枠というのは決まっているわけですから、そうすると、やはり今我々の国家予算も、これは財源というのは決まっているわけでありまして、私は、その財源が決まっている中からしますと、この森林整備という部分は今伸びてきているんですよ、伸びてきている。一般会計も毎年毎年ふえてきている。
 だから我々としては、限られた中で、他は減っていっている、いろいろな分野が減っていっている。公共事業はもとよりでありますが、そういう中で、我々のこの森林にかける部分というのはふえてきている。そして農林水産省の中でも、割合的、シェア的に見ますと、森林の部分というのはふえてきている、ほかは減っている。
 そんなようなことで、我々としては先生のような思いを、先生の思いも含めて、できる最大の取り組みは今いたしておる。そして、やはり少しでもちょっとでも森林というものに、山というものに手を尽くしていこう、こういう思いで今取り組んでいるわけであります。先生が思っておられることに比べればそれは足りないよ、こうおっしゃるのかもしれませんが、限られた条件の中では最大限の取り組みをしているということも御理解をいただきたいと思います。
 幸いなことには、世界全体の木材需給というのも随分変化が起きてきました。中国やインドや中東、こういったところの木材需要というのを中心にして、ぐっと伸びてきました。その結果、私も違法伐採対策にもしっかり取り組んでいるわけでありますが、そういったいろいろなことも相まって、今、国産の木材も上向きになってきています。特に、隣は中国がどんどん需要も伸びていますから、先ほど北村先生は輸出のこともおっしゃっていましたが、やはりそういった意味では、今回の七百六十五億という、十八年度補正と十九年度当初合わせてこれだけの予算措置をしたというのは、もう本当にある意味では破格の予算措置を我々はしていただいた。
 そういう意味で、いろいろな方面に感謝いたしているところでありますが、この六年間で京都議定書の目標達成、また災害的な意味からの森林の整備、そしてまた山の活性化、山村の活性化、今回の予算措置で二万人の新たな雇用につながる、こういう見込みも立っておりますし、できるだけ最大限の努力をして、先生がおっしゃいました御指摘の点についてはおこたえをしていきたい、このように思っております。
○森本分科員 大臣、破格の予算をつけていただいた、これは感謝申し上げます。ただ、これがしっかりと定住化につながっていくようなことでないと、お金はつけたけれども一向に下へ流れない、そして山林の労務者の方々から不平不満が出てくる、こういうことのないように十分中身をチェックしていただくことが必要ですし、二万人雇用と言われましたけれども、このあたりのチェックはしっかりやっていただかぬと、そのあたりをしっかりやっていただかないと、大臣に気張っていただいても余りその成果が出ないということになりますから、そのこともひとつよろしくお願いを申し上げます。
 それで、きょうは、もう少し参考人の方には専門的なことというか細かいこともお聞かせをいただきたいというふうに思っておったわけでございますが、大臣、くどいようでございますが、やはり、間伐をしに山へ人々が入るという地域の営みが、その地域の中の子供たちにそういう山の仕事を語り、そして、そうした姿、それで子供たちも一緒に交わって山へ入ることが今大事な、子供たちが、今私たちは生かされて生きておるんだなということを実感したときに、私は、この山村から命の尊厳ということが体感できるというふうに思っておるんです。
 ですから、そうしたことも含めて、森林だけではありません、農業の問題もあります。ですから、そうしたことを総合的に、今はもうJAも撤去、町の合併もあって地方は人が少なくなる、学校も統合される。どんどんどんどん地方から人が中心部へ向かっておるような状況の中で、このことをしっかりしないで美しい国づくり、美しい森づくりは私はないというふうに思わせていただいております。
 例えば、大臣、これは一つ提案なんですけれども、コンクリート工事とかを山の中へ、それは確かに治山も大事、命を守るために大事かわかりませんが、砂防は命を守りますけれども、治山については、余り奥へそういう予算を投じるよりもむしろ、そうしたことで山で生きるドラマというのをつくっていただいて、もう少し国民の皆さんにPRされて、そうした政策をもっと考えていただく。若い方々を中心に、いろいろなアイデアを駆使しながら国民の皆さんにアピールをしていくような、そういう政策も同時に考えていっていただけないかと提案をさせていただきたいんです。
○松岡国務大臣 森本先生、大体思いは違わないと思っているんですね。
 ただ、私どもは、やはり限られた中で、家庭でいえば、家庭の主婦が限られた中でどうやってやりくりをするかということとあわせて、国家の財政というのは決まっているものですから、そういう中で、私どもとしては最大限どのようにして対処していくかということでありますが、今のことは全く思いを一緒にして取り組んでいけると思っております。私も、それはもう大賛成ですし、若い人たちやいろいろな都会の人たちに、森林というもの、山というものがどんなものであるか、どのように自分たちとかかわっているのか、こういったことを理解していただくということは非常に大事なことだと思っています。
 一つだけ申し上げますと、これは自民党にあって、新しい公共事業、古い公共事業というのがありまして、当時、山崎政調会長で私は農林部会長だったと思うんですけれども、そうすると、我々農林関係は全部古くなっちゃう。それで、言いに行ったことがあるんです、山崎政調会長に。
 新しい、古いで分けられちゃ困る。やはりどうしてもこれは基本的に必要な、いわゆる本来必要なものだ。例えば水一つとってみても、山崎政調会長のところは博多ですよ。では、どこから水が来ますか。博多からははるか遠くて見えない、それは大分県と熊本県の県境の筑後川から来るわけです、上流から。だけれども、そこが荒れ果てて、そこの水源が埋まったら水は流れてこない。したがって、そういう本質的、本来的なものである、そういった意味で見ていただきたい、こう申し上げたんですが、いや、それはよくわかるとおっしゃっていただいたんですけれども。
 やはり私もそのような思いを持っていますので、今森本先生が、山から見て都会をどう見るか、都会の人から見て山をどう見るか、そこが本当につながっていくような、そして国民運動になっていくような、やはりそういった取り組みを私はやっていきたい。そういう意味で、総理から指示がありました美しい森づくり、これを国民運動としてしっかりと大きな盛り上がりにしていく、こういった意味でも積極的に取り組んでいきたいと思いますので、今の森本先生の御提案は、本当に思いはそのまま受けとめまして我々は取り組んでいきたいと思います。
○森本分科員 ありがとうございました。これで終わりますが、大臣、やはり災害は非常に心配です。ですから、それぐらい今、地方の山は荒れ始めておりますから、そのこともひとつ念頭に置いてよろしくお願いいたします。
 終わります。ありがとうございました。
○山本主査 これにて森本哲生君の質疑は終了いたしました。
 次に、川内博史君。
○川内分科員 おはようございます。民主党の川内でございます。
 松岡大臣、本日は、黒豚の定義問題について一対一で議論をさせていただきたいというふうに思います。
 今から三年前の平成十六年のことでありますが、私の地元鹿児島で大規模な黒豚偽装事件が発生をし、これは刑事事件になりました。私は、それ以来この問題に取り組んでおります。松岡大臣はそれ以前からずっと取り組まれていらっしゃると思いますが。
 そこでわかったこと、この三年前の偽装事件でわかったことは、我が国の農畜産物、食料取引の中心的な存在である全農並びに全農の一〇〇%子会社が輸入をしたカナダ産あるいはアメリカ産のバークシャー千七百トン余りのほとんどすべてが鹿児島県産黒豚と偽装されて販売をされていた、しかも、これはハム、ソーセージメーカーに売られてハム・ソーの原料になっていたということではなくて、ほとんどすべてが精肉として小売店で販売をされていたはずである。これは、当時全農の理事長である田林理事長が私との委員会でのやりとりの中でお認めになられていることでございます。
 他方、三年前の同じころには、政府の知的財産推進計画二〇〇四が発表され、ジャパン・ブランド、日本ブランドの世界への発信ということが我が国の大きな戦略目標となったわけでございます。小泉前総理も、二年前の平成十七年一月の施政方針演説で、「ファッションや食の分野で魅力ある日本ブランドの発信を強化する」というふうに述べていらっしゃいます。
 食の日本ブランド推進というのが政府方針であるということであろうかと存じますが、これらを踏まえて、私は、二年前の平成十七年五月の衆議院農水委員会で、当時の農水大臣に対して、黒豚の偽装表示をなくし、日本ブランドを世界に発信するという目的のためには、現在の農水省畜産局長通達で定められた食肉小売品質基準にございます黒豚の定義、「バークシャー純粋種の豚肉のみを「黒豚」と表示できるものとする。」という定義を改めて、国産のバークシャー純粋種の豚肉のみを黒豚と表示できるものとするという、国産のという限定をつけるべきであるということを提案させていただきました。
 この私の提案を受けて、当時の農水省で、消費者の皆さんや販売店の皆さんへのアンケート調査が実施をされ、昨年八月には、食肉の表示に関する検討会、これは和牛も含めてでございますけれども、設置をされました。このアンケート調査の結果では、消費者あるいは小売店の大部分の方々が、黒豚というのは国産のものだと思っていた、したがって国産のという限定をつけるべきであるというふうに答えていらっしゃいます。
 そこで、この検討会で、このアンケート調査の結果を踏まえて検討が行われたわけでございますが、最終的な結論は、三月にもう一度検討会を開いて発表されるというふうに聞いておりますけれども、さまざまな偽装事件、あるいは食のジャパン・ブランド化、さらには消費者や小売店のアンケート調査結果、国産のという限定をつけるべきであるという調査結果などとは全く百八十度違う結論を検討会が出そうとしております。
 私は、これは日本の農政というものに対して大きな影響を与える結論になるというふうに思います。今後、松岡大臣が御主張をされていらっしゃる攻めの農政、輸出に注力をしていくのだということをかんがみれば、まず、国内においてブランドを確立する、にせものを許さない、海賊版を許さないという方針が必要であろうと思います。しかし、検討会は、にせものを許すという結論を出そうとしています。これはゆゆしき問題でございます。
 大臣として、この検討会の結論に向けて、この検討会、大臣、知的財産権の専門家はいない、DNAの解析の専門家もいない。何の議論をしているのかよくわからない検討会ですよ。そういう検討会が、アメリカの食肉何とかという協会とかカナダの協会とか、そういうところから意見を聞いて、いや、外国産のバークシャーも黒豚と表示していいじゃないかというような結論を出そうとしている。それでは偽装はなくならないんですよ。
 もう一度、この検討会の結論に向けて、農水大臣として、しっかり検討するようにという指示をお出しになられるおつもりがあるかないか、まず御答弁をいただきたいと存じます。
    〔主査退席、馳主査代理着席〕
○松岡国務大臣 私は、川内先生の問題意識もお気持ちもよくわかっているつもりなんですよ。ただ、あるかないかという一言で聞かれて、あるかないかという答えで言うにはちょっと内容が入り組んでいるものですから、まず問題の整理をしなきゃならぬと思っているのであります。
 私も、このWTO交渉、これにずっと携わってまいりましたし、交渉に臨んでまいりましたが、そういう中で、この問題というのは、GIといって、地理的表示、こういうことで、ヨーロッパが強く求めておりまして、やはり、ああいう古いところというのは、自分たちが長くかかって開発してきた、つくり上げてきたものがある。例えば、シャンパンならシャンパン、シャンパーニュというのは、これはもう絶対ほかで使わせないぞというような、そういったものがある。したがって、ヨーロッパはこの地理的表示。私ども、この地理的表示には私は基本的には賛成しております。
 ただ、これを、例えば、一番はブルガリアヨーグルトというのがありますね。そうなると、じゃ地理的表示として、ブルガリアの名前を日本が使うということは許されない、こうなると、これは明治乳業からしますと、これは固有名詞を出して恐縮なんですが、自分たちが大変な金もかけて技術もかけて、最初はそこからもとはもらったかもしれない、もとはもらったかもしれないが、その後はブルガリアに対して大変な、幾ら払われたか払われなかったか知りませんけれども、大変なやはり一つの負担をして、そしてまたいろいろな努力をしてつくり上げてきた。
 しかし、それがぽんと、WTOでもってGIとして、地理的表示としてそれはだめだとなってしまえば、だから私も、今言っているのは、遡及しないということであれば、例えば何年間かの、ロールバックというんですが、それがないということであればこれは我々日本も地理的表示に大いに賛成だ。アメリカなんかになると、これは絶対反対、そんなものは認められないと。それはそんなようなわけで今対立しているわけですが。
 したがって、私どもも、和牛の問題一つにしましても、和牛というのは日本が開発した品種です。米にしましても、コシヒカリ、全部日本が開発した品種です。ところが、中国に行き、アメリカに行き、全部向こうのものとしてつくられている。それでもう、もはやカリフォルニア米なんかも本当にそんな中で売られている。
 したがって、先生がおっしゃるような、黒豚、偽装表示というのは、これは絶対許せない。カナダから持ってきたものを鹿児島産の黒豚と同じようにして売った、これは間違っても許せない。これはもう、実はそれだけでJAS法違反なわけです。原産地を偽っている。原産地表示制度というのは、これは平成、私どもは、ウルグアイ・ラウンド協定が結ばれてから海外のものがいっぱい入ってくる、これはやはり、消費者にちゃんとした選択する情報を与えるべきだというのでつくったわけでありますけれども、それからずっと原産地表示、これは加工品にも原産地表示を我々はちゃんと制度化してきました。そういう中で、偽装というのは、これはもうJAS法そのものの一般ルールでもだめなんです。
 ずっとやってきて、今先生がおっしゃっておりますその点については、先生の御指摘もあって、ひとつ食肉に関する表示の検討会をつくろうということで、そのことをおっしゃったと思うんですが、十八年の八月、これをつくりました。十八年の八月にこれをつくりまして、おっしゃるとおりでして、アンケートをやった。それにしますと、アンケート調査を実施した結果、消費者の多くが黒豚は国産だと理解していることを理由に、消費者及び販売店の大部分が、黒豚を国産に限るべき、こう回答した。
 これは、気持ちとしては私どもよくわかるんです、気持ちとして。私ども、気持ちとしては同じ思いの面があるわけです。しかし、やはり、国際ルールというのがありまして、ガットの三条というのがあって、内外無差別ということがある。何よりも、この黒豚というのはイギリスのバークシャー州の産だ、これが一番最初になっている。日本が日本で和牛というように、松阪牛というように、ここがやはり産になっている。そのようなことがありまして、国産に限ったものを黒豚とした途端に、今度はガット違反になってくる。
 このようなことから、これはやはり表示の問題として我々は取り扱おう、表示の問題として。だから、表示の問題だから、先生がおっしゃった、いわゆるDNAの専門家とか、そういうような者が入っていないというのは実はそこなんですが、表示の問題としてひとつ取り扱おう。したがって、鹿児島産黒豚とか何々産黒豚とかいう形にすれば、おのずとそこでしっかりとこれは分けられる。これが我々の今の考え方なんです。
 したがって、川内先生のことを否定なんかすべてしていません。川内先生の持っておられる問題意識をすべて、今の国際的なルールの中、また日本としてのJAS法がある中で、一般ルールに基づいて改めてまた、こういう和牛と豚に限ってどういう表示をするかということについても、これは、逆に言えば、先生の提起を受けてそこまで踏み込んでいるわけでありますから、川内先生から、いや、よくやっているなと褒められると実は思っているんですがね。
○川内分科員 ガットの三条の内外無差別を大臣は誤解していらっしゃると思いますね。
 私は、政府の知的財産戦略本部に、黒豚を、国内産と限定をつけることが内外無差別の原則に反するかと聞いてあります。反しないと政府の知的財産戦略本部がはっきりとおっしゃっています。
 さらに、さらに申し上げれば、農水省の研究者が、農水省の研究者が、日本のバークシャー種のDNA配列は、東洋型の特有のDNA配列を持っているという研究結果を、これは平成十一年に発表しています。したがって、国産のバークシャーと外国産のバークシャーは、はっきりと、DNAを解析することによって分けることが可能であるというのが、これは農水省の研究者の研究ですからね。
 そういう意味で、ジャパン・ブランドを確立する、ジャパン・ブランドを確立する。大臣、もともとバークシャーはイギリスがそれは原産ですが、イギリスが原産ですけれども、しかし、それを日本に持ってきて、さまざまに改良を加えて、土着の血も入れて、特有のものになっているんです、現在では。
 そういう意味で、これを、肉のうまみ、やわらかさ、繊維の細さというものが、世界じゅうの人たちにこれが日本の黒豚だというふうにして、ブランドとして売っていくためには、今日本に入ってきているのはアメリカ産、カナダ産のバークシャーですけれども、アメリカ産、カナダ産のバークシャーというのは全然うまくない、全然だめだという評判なんですよ。もうそういう評価が定着しているんです。それが黒豚だとかいうふうにして売られる、偽装が横行しているという前提があるし、さらに、そういうものを許さない。ブランドを確立していく。
 先ほど大臣はブルガリアヨーグルトのことをお話しになられたけれども、物すごい大金を払って黒豚という表示を使わせてくれというんなら、まだそこはビジネスの話だから別の話になりますけれども、フリーライドしているんですからね、フリーライド。松岡大臣、フリーライドしているんですからね。そのフリーライダーを許さない、ブランドを確立するという観点から、この検討会の検討結果というのは明らかに、はっきり申し上げれば、食肉業界あるいは食品業界の、このまま黒豚のイメージにフリーライドしてもうけさせてくれという、そういう明らかなフリーライダーの意思によってねじ曲げられていますよ。
 私は、もう一度、知的財産権の専門家やあるいはDNA解析の専門家をしっかりと入れた上で、ジャパン・ブランドを確立できるのかどうかということをしっかり議論をすべきであると。何も、私の主張どおりにしてくれなんて言っていないですよ。科学的な、精密な議論をすべきであるということを申し上げているんですが、もう一度大臣の御所見を承りたいと存じます。
○松岡国務大臣 先生、農林水産省の責任者がこれは何か言ったという……(川内分科員「いや、研究者」と呼ぶ)研究者……(川内分科員「農林水産省の畜産研究所の研究員の方です」と呼ぶ)が、そうやって言ったと。(川内分科員「はい。論文を書いていらっしゃいます」と呼ぶ)しかし、有権解釈権は我々が持っていまして、WTOの三条にいたしましても……(川内分科員「WTOのことを……」と呼ぶ)ガットの三条にしましても……(川内分科員「知的財産戦略本部、政府の」と呼ぶ)だから、それはちょっと、言ったというのは、私どもがこれは役所として確認して、それは先生の話とはまた逆なんですよ、役所として。私もそこの責任者ですから。そして、ガット三条の有権解釈権というものは、これはお互いやはりそういうしかるべきところで解釈をしているわけでありまして、それからしましても内外無差別というのはある。
 私は、簡単だと思うんです、先生がおっしゃっていることは。黒豚といいますと、DNA、これにつきましても、国産と外国産というのは区別できないというのが我々が今専門家から確認をしていることなんですよ。(川内分科員「区別できるとこれは研究員が言っているんですよ」と呼ぶ)いやいや、それはだれが言っているの。個人的におっしゃっているのか、それとも組織としておっしゃっているのかよくわからないんですが。まあ、ちょっと待ってください。ここでこうやったのでは……(川内分科員「農水省の……」と呼ぶ)ちょっと待って。委員長……
○馳主査代理 川内君、委員長を無視しないでください。(川内分科員「済みません」と呼ぶ)
○松岡国務大臣 いいですか、先生。先生が言っていることに私は反対じゃないんですよ、基本的には。我々も、実は和牛はそれを求めているんです、和牛は。そして、私は、何よりこれからの、輸出をしたり、日本が国益を守っていくためには、日本で開発したこれについてはきちんと保護されるべきだと、知的財産として。それはもうずっと言ってきたことなんです。したがって、それはそう思っている。
 ところが、黒豚という、黒さということだけでやりますと、これはまさに、黒豚というのは何か六カ所白いところがあってあとは全部黒ということで、これは共通らしいんですよ。それを、日本国内にあって黒豚というのは国産に限ると言った途端に、今WTOの世界ですから。グローバル化の世界ですから。その世界の、そういう表示とかなんとかというのはやはり物を内外無差別で扱わなきゃいかぬのに、差別することになるわけですよ。そうすると――いや、するようになるんですよ、それは。それは川内先生……(川内分科員「じゃ、ちょっと私にもしゃべらせてくださいよ……」と呼ぶ)いやいや、まあ、いいですよ。だから、川内先生がWTOの最高権限者になっていただいて、いや、松岡さん、あなたの言うとおりでいいよと言っていただくなら別ですけれども、そうはならない。
 したがってここは、川内先生、お気持ちもわかるし、先生の目的意識もわかります。しかし、これは国際的なルール、表示のルール、そして内外無差別というガット三条の問題、そういったことからして、我々が今しているのは、先生の意図を最大限に受けて、要は、日本の黒豚、その中の鹿児島産、どこどこ産ということで消費者に明確にわかるように表示をしましょうということで、一歩二歩進んだわけですよ。その進んだところでもって、先生、御理解いただきたいというのが私の答えなんです。
 決して反対していない。
○川内分科員 進んでいないということを申し上げているわけではなくて、それは進んでいるでしょう。
 しかし、今後、日本の農業というのは、国の柱だし、歴史や伝統や文化を守っていくために大事にしなければならない、さらには、最先端のビジネスとしても、バイオや、あるいは知的財産権と絡んだビジネスとしても振興していかなければならない。そういう中で、日本の政府は、ジャパン・ブランド化を図る、さらに攻めの農政を展開する、輸出に注力をするということをおっしゃっていらっしゃる。
 であるならば、私は、政府の方針に基づいて、黒豚というのは日本国内の生産者の方が、バークシャー種というのはもともと食用じゃなかったんですからね、イギリスでもアメリカでも。それを日本に持ってきて、さまざまに改良を加えて、そして、ああ、こんなにうまいものなのかと。本物は本当にうまいですよ。そういうふうにしてブランドとして確立したんですね、ブランドとして確立してきたんです。そういうさまざまな英知の結晶、努力の結晶なんですね。
 その結晶を、農水省の、これは畜産研究所の、今は畜産草地研究所というそうですけれども、研究員の方が、日本のバークシャーは外国のバークシャーとDNAの配列によって明確に分けることができると論文で発表しているんですよ。(発言する者あり)平成十一年度、畜産大賞研究開発部門最優秀賞です。畜産大賞をとっている論文です。そういう中で……(発言する者あり)ぜひ読んでいただきたいと思いますが、これは私もウエブサイトから探し出したんですけれどもね。明確に区分けをすることができる、そういう状況の中で、ブランドをいかにして確立するかということを考えたときに、本検討会の結論ではまだまだ不十分ではないか、不十分だ。
 一段進めて、知的財産権の観点から、さらにはDNA解析の観点から検討会の検討をもう一段深めて結論というところに持っていかなければ、消費者や販売店は、国産に限るべきだと言っている、国民の意見はそういうことなんですよ。それに専門家の研究者の研究が後押しをしている。それにもかかわらず、知的財産権の専門家はいない、DNA解析の専門家もいない、一体何の専門家が集まったのかわからない検討会で、いや、まあ一歩前進だからいいでしょうという結論では、大臣がおっしゃっている攻めの農政、輸出に今後は注力をするのだという方針に反する結論ではないですか、反する結論になるのではないですかということを申し上げているんですけれども。
○松岡国務大臣 川内先生のおっしゃっていることも、私もよく事柄は理解していますし、私自身、このいわゆる知的財産、これはやはり、国益として我々は大変な努力と苦労を、国の力も科学者の努力もやって、コシヒカリにしたって牛の品種にしたって、それは果樹にしたって、あんなスイカの品種にしたって、こんなものはほかの国にはない。だから、これをぽんと種を持っていかれて、今度はまた牛なんかは人工授精でぽんと精液を持っていかれてやられた日にはたまったものじゃないと思っている。
 だから、どうやって守るかというので、知的財産をどう保護するかということをやれということで、例えば日本のキュウリにしても何にしても、ヨーロッパの野菜じゃ日本人は食いませんよ。ところが、上海あたりに行きますと、オランダの物すごい大きなハウスで、種が日本から。どうやって来たんだ、売っていないはずなのに。やはりポケットに入れたりなんて、まあ、どうなのか知りませんが、中にはそういうことも聞きます。ちょっと持っていくと、その種を使ってやったとか、ありますから。それをどうやってきちんと守るか、保護するか。それは先生がおっしゃるとおり、まさに国益そのものだと思って、知的財産、ずっとこれをやっているわけです。
 ヨーロッパもまたそういうような思いなの、ヨーロッパも。長い間、歴史をかけてつくってきた、それが守られないというのはおかしいじゃないか、その努力が報われないというのはやはりおかしいじゃないかと。我々日本もそんな思いがあります。だからそこでブルガリアというのは、まさに日本が、ブルガリア発だけれども、日本が努力して、明治乳業が頑張ってつくったやつだから、これはこれで認めろと。しかし、どこから先を認め、どこまで認めないかということになると、これはなかなか、国際交渉だから簡単には決まらない。だからぶつかり合いになる。
 それと同じで、この黒豚についても、これは先生、色なんですよ、色。だから、DNAということで、DNAで何かBBの何とかということになって、やって、それをするとこれはまた一般の人にはなかなかわからない。一般の人は黒豚は国産だと思っているから、国産という以上黒豚は国産に限るべきだ、これは気持ちです、気持ちです。しかし、この国際的なルールの中で、私、先生に反対しているんじゃないんですよ。ただ、どこまでが限界で、どこからがだめかということで、今の限界を言っているんですけれどもね。
 あくまでも表示ということになる。私どもは、JAS法の一般ルールに基づいて、そして今度はこの食肉の表示検討会で検討して、先生がおっしゃるように、これからは偽装もできないように、鹿児島産黒豚、こういう表示にしましょう、そういうことによって明確に今後は消費者に対してもはっきりと提示をしましょう、こういうことなので。
 先生、黒豚はすべて国産に限るというのを日本国内ではやれ、こうおっしゃいますと、じゃ、外国産の黒豚が入ってくる、これはあります。当然、豚は今五割ちょっとが国産で、五割以下がいろいろなところから入ってきているわけですよ。メキシコからも入ってきているわけですよ。これには黒豚もいるわけですわ。それを……(川内分科員「いや、メキシコからじゃない、アメリカとカナダだけですよ」と呼ぶ)メキシコの豚は、色は何色ですか。(川内分科員「白」と呼ぶ)白か。済みませんでした。それは失礼をしました。それで、そんなわけで、これはやはりそうやって入ってきたものを、それを色でもって、色は同じ黒なのに、黒に濃い黒、薄い黒があるかもしれませんが、同じ黒なのに、黒は国産だ、こういうことになってしまいますと、ではどうやって表示するんだ、こうなりますから、これはやはり原産地表示でもって、外国産は外国産、国産は国産、これしかないと思っています。
 逆に一方、和牛ですよ。和牛をどうやってやるか。だから、今世界的な、育成権者、動物にしても。ところが、動物の場合は植物ほど進んでなくて、植物における育成権者みたいな保護がない。やはり植物の育成権者でも、相手の国がそういった制度を持っていなきゃそれまただめなんですね。だからなかなかこれは難しいんですが。
 いずれにいたしましても、結論から言うと、川内先生の気持ちも思いもよくわかっています。それを最大限受けとめて結論を出すのが今のような私は結果なんです。先生からすると、進んだけれどもまだ百点じゃない。しかし、これは世界的な決まりもあって、そういうことが限界ですということを御理解願いたい、こういうぐあいに言っているんですが、先生、これは、きょうは私どもとしては、きょうというか今のこの国際的なルールのもとではそれ以外結論としては言いようがない、こういうことであります。
○川内分科員 私が申し上げているのは、世界的に見て限界かどうかということについて検討会での検討が行われていないということですよ。大臣はそのように今おっしゃるけれども、検討会の中で、WTOやあるいはTRIPs協定やそういう世界の貿易に関する専門家が加わっていないし、今そこの課長は、いや、います、いますと言うかもしれない。私に言わせれば、半端プロしかいないですよ。本物のプロが厳密に科学的に議論をする。
 そこにいる課長が全部結論を変えたんですからね。日本の国を売っているような人ですからね。ひどい話ですよ。国会で、農水省として国内産という限定をつけます、前向きに検討しますと局長が答弁をし、そこから始まった議論を、最後の最後でねじ曲げているんですよ。しかも、ねじ曲げなくても済むんですからね。私が申し上げているとおり、DNAの解析は非常に技術が進んでいる。
 今日本に入ってきているのはアメリカ産、カナダ産であって、これらはほとんどすべてが国内産黒豚として偽装されて売られているのではないかというふうに言われている。これは、先ほど申し上げたとおり、全農の前の理事長である田林さんもお認めになられていることです。そうではないかと。
 そういうことを許さない、さらには、DNAの解析によってジャパン・ブランドを確立する、そして国際ルールの中でそれが果たして整合するのかどうか、専門的にもうちょっとしっかり私を納得させるような議論を検討会でしていただきたいですよ。
○松岡国務大臣 実は、今、和牛のことも、私も、これはもう本当は和牛の名前を使わせるな、アメリカにもオーストラリアにも。ところが、世界で和牛というのは、日本はBSEだということで出せないわけですよ、アメリカには出せますけれども。中国にも出せない、韓国にも出せない、オーストラリアにも出せない、BSEだということで。アメリカとはお互い、相互ということで今回認めさせて、出るようになった。だけれども、和牛という名前を使うなと言ったってこれはしようがない。今のところそれを規制する国際的な決まりはない。だから、私としちゃ、これは商標でやろう。やはりこんな形のものは日本産だ、だから日本産和牛、本来和牛とか本当の和牛というか、よく元祖とか本舗とかありますけれども、そういったような意味で、何かやはり知恵を出そう、こう思っています。
 それとあわせて、今のこれは、一言で言うと色ですから、DNAの世界で何かというのはまた別だけれども、色ですから。表示ですから。色に基づく表示ですから。そこでいいますと、川内先生、まずそれをやった途端に、すぐWTOに提訴されます。一発で提訴されます。日本は色で区分けして、色は万国共通なのに、黒豚は国産に限るということをやっておったんじゃ、黒豚というのは世界じゅういるんだぞ、それを、黒豚は日本の場合は、日本の市場流通では国産に限る、じゃ外国の黒豚はどうなんだ、こうなったとき、それを言った途端に、私は、これは川内先生、WTOに提訴されまして日本は負けますよ。
○馳主査代理 松岡大臣、質疑時間が終了しておりますので、簡潔にお願いします。
○松岡国務大臣 だから、これから、先生の思いは我々一〇〇%受けとめて、先生からすれば八〇%かもしれないけれども、我々は一〇〇%受けとめた結果がこうですということですから、ぜひ御理解願いたい。
 反対しているんじゃないんです。限界を言っているんです。
○馳主査代理 川内君、質疑時間が終了しておりますので、簡潔にお願いします。
○川内分科員 はい。
 最後に、いや、大臣、大臣は日本の大臣なんですからね。(松岡国務大臣「いや、そうですよ」と呼ぶ)でしょう。WTOに提訴されたら、受けて立てばいいじゃないですか。そこで厳密な議論をして、パネルで勝利すればいいじゃないですか。
 私は、しょうちゅうのときに、しょうちゅうのことがWTOに提訴されたときに、外務省、農水省あるいは大蔵省の情けなさを思い知りましたけれども、アメリカの商務省の当時日本担当であったカトラーさんとかいう女性の部長さんに会ったときに、私が、しょうちゅうはこうでこうでこうなんだということを説明したら、実際、そんなこと、日本の官僚からだれも聞いていないと言っていましたよ。
 そのくらい、弱腰じゃだめですよ。しっかり、ジャパン・ブランドを確立すると言っているんですから、ブランド確立のために行動しないと。
○馳主査代理 川内君、質疑が終了いたしましたので、簡潔にお願いします。
○川内分科員 いや、WTOに提訴されたら負けますからって、そんな情けないことを言っちゃだめですよ。
○松岡国務大臣 いやいや、それは川内先生、違うの。先生、私は一番この知的財産の確立を求めているものなんですよ。(川内分科員「いや、私も求めていますよ」と呼ぶ)だから、ただ、先生のは無理があり過ぎる、こう言っているんですよ。
○川内分科員 無理じゃないですよ。無理……
○馳主査代理 質疑時間は終了いたしましたので……
○川内分科員 もう終わりですか。もうちょっとやらせてくださいよ――また次、やらせていただきます。
○馳主査代理 これにて川内博史君の質疑は終了いたしました。
 次に、亀井善太郎君。
○亀井(善)分科員 自由民主党の亀井善太郎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 大分委員会室も温度が上がってしまいましたので、少し落ちついて、私もきょうが二回目の質問でございますので、落ちついてやらせていただきたい、このように考えております。
 これは私から改めて申し上げるまでもなく、私は、農業に対する国民の認識、意識というのは極めて高まってきている、このように考えております。従来、農業といいますと、生産者だけのものである、こうした形で認識がされてきたわけでございますけれども、食料自給率が四割程度ということで大変低迷をしておる、こうしたことから始まりまして、消費者の安全、安心に対する認識というものは大変高まっているのではないかなと、このように考えております。
 また一方で、グローバル化する中で、大臣も大変これは御苦労いただいておるわけでございますけれども、そういう中で、担い手をいかにしっかりと確保していくのか、これはまた大きな課題である、このように考えております。
 また、さらには、環境面、防災面も含めた農業の多面的な機能というのは、国民にとって大変大きな期待である、このように考えております。
 こうした中で、松岡大臣のリーダーシップのもと、平成十七年三月の基本計画に基づきまして、今農業というのはさまざまな形で取り組みがされている。こうしたお取り組みにつきましては、まさに今の課題に沿った適切なものである、このように考えている次第でございます。
 そうした中で、きょう私が質問をさせていただきたいのは、都市農業についてのお話でございます。
 都市農業と申しますと、私は神奈川県の県央部でございまして、ちょうど厚木とか伊勢原とか、そこら辺が私の選挙区でございます。メーカーの研究開発だったり生産拠点があるということで、ここら辺には農業なんかないんじゃないか、このように言われますけれども、昨日も選挙区を少し回らせていただいたんですけれども、畜産があったり、花があったり、野菜があったり、あるいはお米をつくっていたり。こうした形で、都市近郊、ここの永田町からわずか一時間のところでさまざまな形の農業が展開されているわけでございます。
 まず、この都市農業についてお話を伺わせていただきたいわけでございますけれども、いわゆる都市農業と言われる分野、この分野についての定義と、またこの現状について少しお伺いをさせていただきたいと思います。
 そもそも都市農業というのが何であるのか、そして、これについて、日本全体の規模について、農林水産省の方から教えていただければ、このように考えております。
○中條政府参考人 都市農業についてのお尋ねでございます。
 いわゆる都市農業は、食料・農業・農村基本法におきまして、「都市及びその周辺における農業」と規定されておりまして、「消費地に近い特性を生かし、都市住民の需要に即した農業生産の振興を図るために必要な施策を講ずるもの」というふうにされているところでございます。
 委員お尋ねの都市農業についてでございますけれども、私ども、農林統計上用います地域区分の一つでございます都市的地域の数字をもちまして都市農業のデータに充てているところでございます。なお、都市的地域と申しますのは、人口集中地区面積、いわゆるDID地域の面積が五%以上を占めているなどの条件を満たす市町村あるいは旧市町村のことでございまして、この都市的地域の数字をもちまして、現状について御報告を申し上げたいと思います。
 都市的地域の農業産出額は全国で二兆八千億円でございまして、三一%を占めております。耕地面積は全国の二七%となっておりまして、百二十八万ヘクタールを占めております。総農家数は全国の二四%、六十九万戸を占めております。
 それから、品目別の農業産出額の全国のシェアについても御紹介したいと思いますが、これは十七年のデータでございますけれども、委員御指摘の野菜、果樹、花卉、畜産を例にとってみますと、野菜は四〇%、果樹は三九%、花卉は四三%、比較的全国で高いシェアになっておりますが、これに比較しまして畜産は二二%ということで、若干低目のシェアになってございます。
 それから、主な都道府県の都市的地域の農業産出額上位品目を御紹介いたしますと、これも十七年のデータでございますが、神奈川県の例をもって御紹介したいと思いますけれども、第一位が大根で七十八億円を占めております、第二位がキャベツで六十九億円、第三位がニホンナシでございまして三十二億円ということで、総じて、こういう生鮮食料品あるいは果実といったものがその主流を占めているところでございます。
○亀井(善)分科員 ありがとうございます。
 今お話がありました、耕地面積で三割を占める、また農家数でも二四%を占める、これは大変大きな数ではないかなと、このように考えております。それぞれ大きな規模を占める、また、都市の消費者にとって、近い農業ということで、大変重要性があるこうした都市農業でございますけれども、この都市農業の農家の経営形態あるいは所得状況等についてはいかがでございましょうか。
○中條政府参考人 お答えいたします。
 都市農業の農家の経営形態でございますけれども、我が国全体の比較で申し上げます。これも十七年の統計データでございます。
 全国の販売農家の構成比が六八・九%、およそ七割、残りが自給的農家三一・一%、およそ三割、この構成になっておるのに対しまして、都市的地域につきましては、販売農家が五九・六%、約六割、残りの自給的農家が四〇・四%、約四割ということでございまして、都市的地域につきましては、やはり現状を反映いたしまして、販売農家の割合が低くなっております。なお、神奈川県の例を例示的に申し上げますと、これがさらに先鋭化しておりまして、販売農家が五五・三%、自給的農家が四四・七%という状況でございます。
 それから、販売金額規模別の農家数の構成比を御紹介いたしますと、五百万から一千万の販売額を上げておられるところが全国のシェアの中で七%、それから都市的地域では六・七%でございますが、神奈川県は九%ということで、相当販売額を上げていらっしゃる農家が多うございまして、これが一千万から一億円になりますとさらに顕著になりまして、全国が七・二%、全国の都市的地域が六・一%に対しまして、神奈川県では一一・一%と非常に販売額を上げていらっしゃる農家のウエートが顕著でございます。
 十アール当たりの農業産出額につきましても、これは十七年度のデータでございますが、全国が十九万ということでございますけれども、都市的地域が二十一万、神奈川県は三十六万ということでございまして、反当たりの産出額も相当大きな額になっているところが見てとれます。
 以上でございます。
○亀井(善)分科員 ありがとうございます。
 都市において農業をするというのは大変厳しい状況にあるわけでございます。普通に考えましても、大体、土地の価格が違う。あるいはさまざまな、人を雇うにもというようなところもあるのかと思います。自営でやっていらっしゃる方がほとんどでございますから、人のことの問題は大きくはないのかもしれませんけれども、まず何より、やはり農業においては土地というものが大変大きな問題を占めるわけでございます。ですから、こうした問題についてはしっかりと考えていかなければいけない、このように考えている次第でございます。
 そこで、大臣にぜひお伺いをさせていただきたい、このように考えております。
 先ほど、農業について国民全体の問題意識が非常に高まってきている、こうしたお話をさせていただきました。こうした問題意識に沿って、大臣、まさにリーダーシップのもと取り組んでいただいている、このように承知をしておる次第でございます。また、さらに都市近郊だからこそ、私は、大きなニーズと、また課題があるのではないかな、このように考えています。
 大きなニーズという意味では、消費者の安全、安心ニーズ、これはやはり大変大きなものがある、顔が見える農業というものは、私は今大変大きなニーズがあると思っています。
 今実際に写真があって、農家のおじさんが、あるいはおばさんがしっかり写っていると、ああこの人がつくったのなら安心ねという形で買っていかれる。あるいは、実際に自分がつくったものを朝市や、あるいは直売所で売られる。私もよくおじゃまをさせていただきますけれども、いつも顔を見るおじちゃん、おばちゃんがつくっているんだ、そういう形で、あるいはこのお兄ちゃんがつくっているんだなという形で、安心して消費者が買われる。まさに朝市のにぎわい、直売所のにぎわい、こうしたところを考えると、顔が見える、地産地消という意味でも大変大切な位置づけだと思いますけれども、こうした消費者のニーズというものはあるかと、このように考えています。
 また、私は、触れ合い空間としても都市における農業というのは大変大切な場である、このように考えております。私も子供がおりますけれども、実際に芋の種つけをして植えてみる、それからそれを掘ってみる、あるいは虫があるのを見てみる。そうしたことで、農地に実際に触れてみて、実際に食べるものがどうやってできてくるのかというところを見ていくということについては、もちろん子供にとっては教育の空間でありますし、大人にとってもいやしの空間として大変大きな意義がある、私はこのように考えています。
 きょうの日本経済新聞で、私もきょう都市農業の質問をしようと思っていたから出てくれたかどうかはわかりませんけれども、日本経済新聞の首都圏版のところにおきまして、小田急さんが成城学園前、これはもう大変な都会でございます、東京の世田谷区で人工地盤の上に土を引いて、そこで農園を実際にやられる、こうしたようなお話もあるわけでございます。
 これは、私は、いわゆる商売にさとい方がこうした形で農園をやろう、こういうような動きが出てきておるわけでございまして、これは大変喜ばしいことでもございますし、まさに、裏返しとしては、ニーズが大変大きいのではないかな、このように考えている次第でございます。
 また、さらに環境面では、今、ヒートアイランド対策、さまざまな問題で、ことしもちょっと暑い冬になっておるわけでございますけれども、夏になりますと、さらに、水をまいたり、こうした話がある。
 そうした中で、今極めて、特に市街化区域におきましては農地の数が減っておるわけでございますけれども、こうした緑地としての農地という意味では、私は、大変重要な位置づけ、大きなニーズがあるのではないかな、このように考えております。
 しかしながら、一方で、先ほども申し上げましたけれども、土地の保有コストの問題。大変高い土地のところで農業をしなければいけないという問題があるわけでございますし、さらには、やはり担い手の確保、しっかりやる気のある農業者、後継者がいらっしゃるんだけれども、そういった方々が少なくなってきている、こうした問題もあるわけでございます。また、先ほどの裏返しでございますけれども、緑地の保全の関係の問題もあるわけでございまして、全体として宅地をふやしていかなければいけない、こうした大きな政策の流れの中で、緑地の保全というものがなかなか厳しい状況にある。
 こうした数々の課題があるかと私は認識をさせていただいておるわけでございますけれども、この件につきまして、この都市農業を取り巻く大きな国民のニーズと、そしてこれに対する課題につきまして、松岡大臣の御意見をぜひちょうだいできれば、このように考えております。
○松岡国務大臣 亀井先生にお答え申し上げます。
 まずその前に、亀井先生のお父さんには大変お世話になりました。といいますのは、農林水産物貿易調査会、亀井先生のお父さんが会長で、私が事務局長ということで補佐役でございました。WTO交渉にはそういう体制でずっとやらせていただきました。お父さんの後を受けて私が貿易調査会長になりました。そういう御縁でございます。
 それから、亀井先生のところはお米屋さんですよね。(亀井(善)分科員「はい、さようでございます」と呼ぶ)したがって、亀井先生、お父さんも、お米のことにつきましては、いつも委員会や部会に来ていただきまして御指導をいただいたところでありまして、本当に、まずお世話になりましたことをお礼申し上げたいと存じます。
 また、その息子さんの方から、きょうはこうやって御質問いただくことは非常に光栄であります。
 都市農業のことにつきましては、もう先生がおっしゃったとおり、いろいろな役割が大変大きくなってきていると思っております。農業としての役割も、都市に近いという立地、これはある意味では非常に消費地に近い、そして多くの消費者の方を抱えておる、本当にこれはまさに直売的な、そういう位置にあって、そういった面では非常に有利な条件にある。また、都市の人からしますと、身近に農業が見れる、そして経験できるといった形で、まさに交流そのものがその場で成り立っていく。こういったようなことで、非常に大きな役割があると思っております。
 それからまた、最近の環境的な面でいいますと、今おっしゃいましたように、ヒートアイランドの問題、この緑地としての役割、働きというものは非常に大きな役割、重要になってきているということだろうと思います。
 それから、防災的な面でいえば、これはいざというときのまさに避難地、こういった面でも本当に大きな役割があるんだろうと思いますから、あらゆる面でこの都市の農地というものの役割や働きというものは非常に多様化してきて、大きな意義と価値を持つようになってきた、そう思っております。
 そういう中で、また制約もあるわけでありますから、都市農業というものをどのように位置づけ、どのように方向づけていくのか、そしてまたどのような対策をとっていくのか、これはやはり大きな課題だと思います。
 きのうは、先生と同じような観点から木原先生も東京の立場で、神奈川とは隣同士で、まあ多少違うのかもしれませんが、そういう御質問がございました。そして、都市農業というものをみんなで、若い人たちで、今どう考えるかという議員連盟、先生もそのメンバーですか。(亀井(善)分科員「さようでございます」と呼ぶ)メンバーですか。つくっているんだということでございまして、私も先生たちがどのようなまとめをされるかということに非常に期待をいたしておりまして、我々も、精いっぱいしっかりこの都市農業の役割というもの、また位置づけというものをいま一度整理して、どのように取り組んでいくかということを検討したいと思っております。
 そのような意味でも、また先生方の立場からのおまとめには大いに期待もいたしているところでございますので、これから議論を交わしながら、この都市農業の役割は大きなものがあるという前提に立って取り組んでまいりたいと思いますので、またこれからもよろしくお願いを申し上げたいと思います。
○亀井(善)分科員 大臣、ありがとうございます。本当に、まさに御指摘のとおりだと思っております。大きな意義と価値があると大臣からもお話をいただいたとおり、私どもも、若い世代が責任を持って、この都市農業の問題、あるいは大きな意味での農業の問題をしっかりと議論し、しっかりと皆さんの御意見を伺った策を打ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
 都市農業につきましては、平成十七年三月の食料・農業基本計画の方で、都市農業の定義というか、ここをしっかりとやっていかなければいけない、こういったようなお話がされたわけでございます。
 この一方で、ここにおきましては、まさに今の農業の大きな方向性の中で、やる気のある農業者をしっかりと支援していく、これは当然のことであるかと、このように考えております。
 農業ももちろん一つの産業であります。農業には多面的な機能がある、これは重々理解はしておるわけでございますが、産業である。そういった中で、国としてはめり張りをつけてしっかりと対応されていく、これはまさに松岡大臣のリーダーシップのもとに実施をされている。こうしたところが、やる気のある農業者が、どうしても規模で規定をされてしまうという中で、都市農業の方から、おれたちは規模をなかなかつくれないんだよ、規模ではなかなかできないんだよと。もちろん、集団でやる、集落でやる、こうしたような御指摘もあるわけでございますけれども、そういった中でしっかりと考えていかなければいけないな、このように考えている次第でございます。
 それでは今度は、今の大臣のお話を踏まえて、こうした大臣の御認識を踏まえて、来年度の予算で具体的な施策としてどうしたものが打ち出されているのか、事務方の方からお伺いをできれば、このように考えております。
○中條政府参考人 お答えいたします。
 今大臣の答弁にございましたように、都市農業の多面的な役割は極めて重要でございまして、この多面的な役割を維持するためには営農を継続していただくことが極めて重要というふうに考えております。
 こういった面から都市農業の振興を図るために、平成十九年度予算では、まず営農継続に必要な施策としまして、普及事業それから防災、病害虫防除等を実施いたしますほか、生産性の維持向上のために強い農業づくり交付金などによりまして、生産緑地などにおきまして近代化施設の整備、それから簡易な基盤整備など、意欲のある生産者への支援を引き続き行うこととしております。
 また、新たに広域連携共生・対流等対策交付金を創設いたしまして、体験農園の全国的な拡大を進めますとともに、このことを通じまして都市農家などを応援する援農ボランティアの育成を図っていくこととしております。
 さらにあわせまして、農産物の直売所、それから交流施設の整備なども支援していくこととしております。
○亀井(善)分科員 ありがとうございます。
 まさに大臣の問題意識がこうした形で、重要な施策である、こうした位置づけをいただいておるわけでございます。ぜひ、さまざまな形での具体的な施策という形で展開をしていただければ、このように考えておる次第でございます。ありがとうございました。
 先ほど来、何度か私も申し上げさせていただいておりますが、この都市農業において大変問題になりますのが、いわゆる土地のコストに係る問題でございます。土地を保有していることにかかわりまして固定資産税がかかる、あるいは、先ほど後継者の問題を少しお話しさせていただきましたけれども、この後継者という中では、当然お父さんが亡くなって息子さんに、御両親が亡くなって息子さんにあるいは娘さんにという中では、これは相続税という問題が発生するわけでございます。
 実は、実際に都市農業に取り組まれている方からお伺いをすると、先ほど松岡大臣からもお話ありました若手でという中で、今、後継者の方々、やる気のある後継者の方々とさまざまなお話をさせていただいておりますが、その皆さんがおっしゃるのが税コストの問題あるいは相続税の問題。こうしたお話、税制の問題について御指摘をいただくわけでございます。なかなか自分たちの農地をしっかりと確保することができない、やはりこの規模でないとこうした形の農業というのは継続することができないんだ、これが少しでも減ってしまう、あるいは半分になってしまったら今のような農業でやっていくことはできないんだと、こうした大変厳しいお話をいただいておるわけでございます。
 こうしたところについては、先ほどの松岡大臣のお話のように、重要な位置づけにあるというところを踏まえて、私どもとしても、しっかりと施策を打ち出していく、そうした努力をしていかなければいけないな、このように考えておるわけでございます。
 こうした中で、いわゆる都市政策の中での農業の、農地の位置づけというものは極めて重要なんではないかな、私はこのように考えております。もちろん、都市政策というのは農業だけで考えるわけではありません。しかしながら、今お話を申し上げたような、農地というものについて、農地のところで起きてくるさまざまな機能について、国民、特に都市住民の期待が大きい。そういう中で、農地というものの保全についての都市政策上の位置づけというものが今どういうことになっておるのかということについて、国土交通省の御意見をお伺いさせていただけますでしょうか。
○加藤政府参考人 お答えいたします。
 都市農地について、都市政策上どういうふうな考え方で都市農地を取り扱っているといいますか施策を講じているか、こういうお尋ねであろうと思います。
 私どもといたしましては、人口減少・超高齢社会へと向かう中で、緑豊かで安全で潤いあるまちづくりを進めていくことが重要であるというふうに考えております。
 このような中にございまして、都市農地は都市の緑地的空間あるいは防災的空間として、また農業体験ですとかレクリエーションの場などとして、都市における良好な生活環境の確保の面からしても大きな役割を果たしているというふうに認識をいたしております。
 このため、市街化区域内の保全すべき農地につきましては、生産緑地地区の指定でございますとか市民農園としての活用を図ることによりまして、都市の貴重な緑地資源として適正に維持保全していくことが重要であるというふうに考えております。
 今後とも、これら制度の積極的な活用によりまして、緑豊かで計画的なまちづくりを支援し、良好な都市環境の形成に努めてまいりたいと考えております。
○亀井(善)分科員 どうもありがとうございます。
 ただ、現状、例えば三大都市圏においては、農地というのは今わずか七%にまで少なくなってしまっておるわけでございます。これまでずっと今の都市政策の中で人口が増加してきた。こういう中で、宅地をしっかりと提供していかなければいけない、これがまさに市街化区域の大きな役割であったわけであります。これが大きな流れの中にある。その中に、一つの機能として農地というものが位置づけられているんではないかな、これがこれまでの流れであった、このように考えております。
 しかしながら、これは好ましいか好ましくないかは別にして、人口減少社会を迎えつつある。実際に宅地を相続するにしても、ほとんど親からそのままもらう。これは、相続税の問題はちょっとおいておいて考えれば、宅地がこれまでほど重要になってこない時代がやってくるんではないかな、このように考えておるわけでございます。こうした足元の人口動態等々を考えれば、私は、都市政策においても、この農地のあり方というものはこれからしっかりと検討していかなければいけない、このように考えております。
 現状、今、三大都市圏の特定市においては、相続税の納税猶予については終身営農が条件になっております。また、固定資産税は宅地並みの課税になっております。これが今、農業を続ける上で大変大きな障害になっている、こうした御指摘もいただいておるわけでございます。
 もちろん、先ほど来申し上げておりますとおり、都市政策については、宅地の問題、住宅政策の問題、さまざまな観点があるというのはもう重々承知はしておる次第でございます。
 ただ、こうした中で、今、我が国の大きな流れが変わりつつある中で、先ほど来申し上げましたとおり、農業というものが、国民の食の安全、安心に対する認識が変わってきている。あるいは、農地があることで子供の教育に対する大きな効果がある。あるいは、国民にとってもいやしの大きな効果がある。さらには、防災上、ヒートアイランド、環境面、さまざまな大きな効果があるというふうに認められている中で、やはり今だんだんだんだんと農地が減ってきている、これが現実であります。
 そうしたところで、この農地の問題を含めた都市政策についてはぜひとも今後とも考えてまいりたいなと、このように考えておりますし、この点につきましては、国土交通省の問題ではありますけれども、当然税制の問題が絡んでくるわけでございます。財務省あるいは総務省、関係省庁も含めて、こうした枠組みにつきましては、もちろん農林水産省も含めて、さまざまな形で連携をしていただき、御検討いただければなと、このように考えておる次第でございます。
 以上をもちまして、私の質問を終了とさせていただきます。ありがとうございました。
○馳主査代理 これにて亀井善太郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、寺田学君。
○寺田(学)分科員 民主党の寺田と申します。
 本日は、有機農業を促進する上で、今までの法律が有機農業を促進する状態、促進するような環境にあるかどうか、法改正が必要ではないかどうかということについてお伺いしたいと思います。
 まずは、有機農業促進法、通称ですけれども、それが昨年可決されたというふうになっていると思います。
 大臣にまずお伺いしますけれども、端的で結構ですが、有機農業を促進する理由というものは、大臣自身どのようにお考えになられていますか。
    〔馳主査代理退席、主査着席〕
○山本(拓)副大臣 有機農法につきましては、以前から需要があるところの対応をしておったところでありますが、昨年の臨時国会で、議員立法において有機農法に関する法律が制定されたところでございますので、農水といたしましても、国会で決められた法律である以上はそれに的確に対応していくという立場でございます。
○寺田(学)分科員 質問に答えていただきたいんですが、何のために有機農業を促進すると。もちろん、法律で決まったことだから役所としては従うということでしょうけれども、その法律の趣旨でも結構です、基本理念でも結構です、有機農業をする、促進するという方向に決めたのは、なぜ促進しなきゃいけないと思われたのか。いかがですか。
○山本(拓)副大臣 有機農業は、自然環境機能を増進し、農業生産に由来する環境への負荷を低減するものであり、また、安全かつ良質な農産物に対する消費者の需要に対応した農産物の供給に資するものであると考えております。
 いわゆる有機農業の推進に関する法律に明記されております案を読ませていただきますと、国に対しては、農業者が容易に有機農業に従事することができること、また、消費者が容易に有機農業により生産される農産物を入手できること等を、有機農業推進に関する施策を総合的に制定し、及び実施する責務があることが規定されているところであります。
○寺田(学)分科員 確認のためにお伺いしますが、今言われた理由でいうと、環境への負荷を軽減させるということ、あとは消費者のニーズにこたえていくことということは御答弁いただきました。
 環境への負荷を軽減するということでしたが、裏返して見てみると、では、要は農薬を使った米づくりなりなんなりというのは環境への負荷が有機農法よりも強いということでいいですね。事務方で結構ですけれども、いかがですか。
○山田政府参考人 ただいま副大臣が御答弁いたしましたとおり、有機農業というのは、この法律では、先生御案内のとおりですけれども、化学的に合成された肥料あるいは農薬を使用しないことということで、農業生産としては、本来、自然循環機能を利用しながら、そういう化学的に合成されたものでないものを使うということがやはり環境に対する負荷も少ないということで、この法律が制定されているというふうに理解をしております。
○寺田(学)分科員 質問に答えていただきたいんですけれども、要は、農薬を使った農業をするということは、自然に対しての負荷を強めているという認識でよろしいですね。
○山田政府参考人 今申し上げましたとおり、農業生産というのは、本来、自然循環ということで成り立っているわけですから、化学的につくられた農薬や化学的につくられた肥料を使うということは、そういう自然循環で保たれている環境に負荷を与えているということでございます。
○寺田(学)分科員 それでは、消費者の方に視点を移しますけれども、消費者としても、農薬が使われた農作物と比べて、有機農業でつくられた生産物を摂取する方が身体においても負担が軽減されているというような解釈でよろしいですか。
○山田政府参考人 ただいまの御質問は、より健康にいいかどうかという御質問だと思いますけれども、必ずしも有機農法だから健康にいいかどうかということではないというふうに理解をしておりますが、多くの消費者の方がそういうふうに今思っておられるという事実はございます。
○寺田(学)分科員 農水省としては、農薬を使われた生産物、別にこれをすべて悪いと言うつもりはありません、そのものと、農薬を使わない有機農業でつくられたものに関して、身体に対しての影響というものに対しては全く検証していないし、それが、どちらが影響が強いか弱いかというのはわからないけれども、消費者としてはそれを、その検証データどうこうはすっ飛ばした上で、農薬が少ない方がいいんだと思い込んで、ニーズが高まっていると。農水省としてはそこのリスク判断はしていない、農薬を使っているものが相対的に比べて有機よりは健康によくないというようなリスク判断はしていないということでよろしいですか。
○山田政府参考人 農薬なりのリスクにつきましては、先生御案内のとおり、食品安全委員会なり他のいろいろな機関で、きっちり審査をしながら見ているところでございます。
 したがいまして、有機農業あるいは有機農法だから安全であるとか、健康にとっていいとか悪いとかいうことについては、農林水産省としては特に判断をしておりません。
○寺田(学)分科員 安全の判断というのはいろいろあると思うんですね。人間の摂取量の限界として例えば一〇〇がある、一〇〇を超えると危険であるというときに、九〇も安全でしょうし、五〇も安全でしょうし、三〇も安全なわけです。相対的な話をしているわけで、安全のレベル、安全という意味ではどちらも安全であるというのは私も信じていますけれども、相対的に比べた上で、有機のものと有機でないもの、農薬を使っているものに関しては、安全の範囲内においてはどちらが相対的に安全だと思われているのか。いかがですか。
○山田政府参考人 今御質問のありました、相対的に見てどちらが安全かあるいは安全でないかということについては、私どもとしては特段の知見を有しておりません。
○寺田(学)分科員 最初の部分に戻るんですが、有機農業推進法というものを農水省としても取り組まれる、いわば有機農業を推進させていく方向にあると思うんですが、そういう意味でいうと、人体に対してのより安全なことを図っていくということはまず除外して、自然に対しての負荷を軽減させるということと、消費者がニーズとして求めているからそういうものを促進していこうというような形で判断されているということでよろしいですか。どちらでも結構です。
○山本(拓)副大臣 今回の有機農法推進法、通称推進法というものは、民主党も含めて議員立法で、閣法で通ったのではなしに議員立法で成立をいただいた法律でありまして、それでできた法律である以上は、その決まりのとおりに農水省として実行していこうということでもございます。
 もう一つには、食育基本法というのも別の法律でもできておりますが、いわゆるバランスでありますから、一つ一つ、今回の有機農法の推進につきましては、この法律の趣旨に沿って実行していく段取りでございます。
○松岡国務大臣 寺田先生の質問の趣旨が、さっきから聞いていると、よくわからないんですね。有機農業の促進法をどうとらえて、いいととらえておっしゃっているのか、悪いととらえておっしゃっているのか。
 これは、いろいろな議員さん方が超党派で、一言で言うと、やはり自然に優しく、人に優しくていいんじゃないかという観点でつくられたと思うんです。それに対して我々も、これは積極的に農業の農法のあり方の一つとして推進していきましょうという観点でその法律を受けているわけですが、どうも先生の問題意識が、どうとらえておっしゃっているのか、そこの部分がはっきりしないものだから、答えも、何か非常にちゅうちょしながら答えるようなところがあるんですが、はっきりしてもらいたいと思います。
○寺田(学)分科員 私は、有機農業推進法に対しての是非を説いていませんよ。有機農業推進法ができた上で、農水省としてどのようにとらえているのか、どのような目的で有機農業を促進されていくおつもりなのですかという話をしたら、副大臣の方から御答弁をいただいて、その御答弁を具体的にしていっているだけです。今の大臣の御答弁の方が、私としては、どのような質問をもとにそのようなお話をされているのかわからないんですけれども。
 有機農業を進めていこう、消費者のニーズでもあるだろうし、自然に対する負荷を軽減させるためにも必要であるということだと思います。いずれにせよ、有機農業というものを進めていこうとされているんですが、有機農業に取り組まれているいろいろな方の中から、一つの法律に対しての意見というか提案というものがなされました。
 それが農産物検査法というものですが、その農産物検査法の中において検査項目というものがいろいろありまして、形であるとか、含まれている水分量であるとか、異物がどれぐらい混入してあるとか、死米がどれぐらいあるとか、さまざまそういうような項目の中で一等、二等、三等と等級を分けて、この一等、二等、三等が実質的に価格形成の大きな形成要素にはなっているわけです。
 その中に、着色粒、要は、米が変色しているものがどれぐらい含まれているかということが一つの検査項目になっています。一等米が〇・一、二等米が〇・三、三等米が〇・七となっております。いわば、一千粒の間に一粒入っているか、三粒入っているか、七粒入っているかによって一等と二等と三等と、結構な価格形成の差を生む大きな要因にはなっているんだと思いますが、米が着色する大きな原因として、カメムシが稲に吸いついて、その吸った後が残ることによって着色するという話を聞いております。
 有機農業との話に戻りますけれども、この検査項目、さまざま並べられている中で、着色粒を〇・一%、〇・三、〇・七と置くことによって、有機農業を進めていくことに関して何かしらの影響を与えていると思われているか思われていないか、どちらでしょうか。
○福井大臣政務官 先生今御指摘の農産物検査法、昭和二十六年の法律でございますので、その立法趣旨のアウトラインだけ私の方からお答えをさせていただいて、残りは事務方からお答えをさせていただきたいと存じます。
 この農産物検査法は、農産物の公正かつ円滑な取引とその品質の改善を助長し、あわせて農家経済の発展と農産物消費の合理化に寄与するということが法律の目的になってございます。
 この制度は、米などの大量に流通する農産物の規格格付を行うということが目的でございます。規格取引といった効率的な農産物取引を可能とするということでございます。したがいまして、産地品種銘柄、等級、量目、包装などについての統一規格、鑑定方法などを定めているわけでございます。今先生がおっしゃいました着色粒の〇・一、〇・三、〇・七というのも、そういうところに書いてあるわけでございます。
 農産物規格については、効率的な農産物取引のための規格となるように、既に、学識経験者、生産者、流通業者、消費者など関係者の意見を聞いて設定をすることとしているわけでございます。
 残りは参考人の方からお答えをさせていただきます。
○岡島政府参考人 まず、着色粒の原因でございますけれども、これはもう先生がおっしゃられたとおり、カメムシの被害による斑点米などが精米しても残るということであります。
 次に、いわゆる消費者からのクレームということで、やはりクレームの大きな要因が着色だということでございます。消費者にとっては、その着色の原因がカメムシによるものなのか、あるいはカビによるものなのかよくわからないということでございまして、こういったことから、流通業者等々においてはコストも非常にかかっているという現状があります。
 一方で、しからば、カメムシによる着色粒、それを農薬でしか除去できないのかということになりますと、これは、生育段階で、農薬を散布しなくとも畦畔の下草刈りとか休耕田の除草の励行などによっても軽減が可能であります。あるいは産地段階でも、玄米用の色彩選別機を導入して着色粒を除去しているということもございますので、こうしたことから、農産物検査規格で着色粒の混入限度を設けていることから農薬の使用を増加させているとは考えておりません。
○寺田(学)分科員 質問していない部分までお答えをいろいろいただいて、ありがたいのかどうかわかりませんけれども。
 言ってみれば、農家の人にしてみれば、有機栽培をやってみたい、有機農業をやってみたい、農薬を使わずにやりたい、もちろん、そういうような努力をしてやっている以上、高く、要はさっきの価格形成の大きな要因である一等米であるような検査をちゃんと受けたい。ただし、一等米のように一千粒に一粒以下という厳しい基準があるがゆえに、結局農薬を使わざるを得ないような環境になるということが往々にしてあると思うんです。
 今、参考人の方から、農薬を使わずとも一等米をとれるぐらいのことは、畦畔の草刈りであるとか休耕田の手入れをすることによって可能であるという話をされましたが、それは何かの根拠にのっとって言っているんですか。
○山田政府参考人 今お問い合わせがございました、要するに、カメムシによる着色粒の発生をどうやって防止するかということについてですけれども、これにつきましては、いろいろな方、有機農業をやっておられる方々にお聞きをして状況を我々も把握しているところですけれども、特に、カメムシが発生をする時期との関係で見て、水田にカメムシが入るような時期に出穂期を迎えないように田植えの時期をずらしますとか、あるいはカメムシが発生をする時期に畦畔その他の水田周辺での生育場所の草刈りをやるということで、農薬を使わなくてもカメムシによる着色粒の混入率を抑えることができるというような事例を、多く報告を受けております。
○寺田(学)分科員 一般的な話として、農家の方にいろいろお伺いしたところと。どれぐらいのケースを聞かれていて、どこの産地の答えを聞かれていて、満遍なく全国を聞かれているのかどうかわかりませんので、そのデータがあるとしたら出していただきたいと思いますけれども、恐らく正式なデータは、きのうの段階ではないということでした。ですので、そういう一般的な、ただ一つ二つのサンプルによって出てきた回答によって、農業に従事している方々に、いや、草刈りをやれば農薬を使わなくたってカメムシを除去できるでしょうというのは余りにも一般的過ぎるのではないかなと思います。
 ある種、一等米の着色粒のパーセンテージを、〇・一%を一等にしているという、この明確な根拠というものもお伺いしたいんですけれども、まず、とりあえずそれを聞きます。〇・一%が一等級で〇・三%が二等級である、何かしら合理的な根拠というのはあるんですか。
○岡島政府参考人 お答え申し上げます。
 米の着色粒の混入限度、それも含めまして、米の検査規格につきましては、農産物検査法に基づき、学識経験者、生産者、流通業者、消費者の意見を聞いて検討されております。そうした中で、着色粒の混入に伴う搗精段階における精米歩どまりの低下でありますとか、あるいは着色粒の除去コストの増嵩などを勘案して設けられているところでございます。
○寺田(学)分科員 その除去コストというのはどのように割り出しているんですか。
○岡島政府参考人 コスト増の要因としては、一つは、精米歩どまりの低下ということでございまして、色彩選別機で現実に着色粒を除去するわけですけれども、これは精米工業会というまさにそういうところを専門にやっている団体がございますけれども、そこによりますと、着色粒を十粒除去する際に、整粒、普通の粒も八粒同時に除去してしまうというのが一つでございます。
 それからもう一つは、搗精能力ということで、例えば、搗精するときに色彩選別にかけるスピードでありますとか、あるいは一回で済むところを二回かけなきゃいけないというようなことがございまして、着色粒の混入割合が〇・一%増加するごとにその搗精能力が約一割低下するという、作業効率の低下がございます。
 こうしたことをコストに、具体的にどれぐらいになるかということで、着色粒が混入していない玄米とコスト差がどの程度異なるかということを試算しますと、例えば、二等の下限であります〇・三%の着色粒が混入している玄米では一俵当たり約五百円の増嵩、三等の下限であります〇・七%の着色粒が混入している玄米になりますと一俵当たり千二百円の増嵩になるということでございます。
○寺田(学)分科員 いずれにせよ、消費者の嗜好として白い米、着色しているような米ではないものを求むというところが変わらない限り、何かしらの形、段階で着色粒というものをはじいていく、流通業者に卸す前に生産者側がはじくのか、それとも、価格が低いという意味で流通側に流していくのか、どこかでコスト分担するんだとは思います。
 冒頭に申し上げた有機栽培、有機農業との関連性ですけれども、農家としてみても、有機栽培をしてみたい、まさしく畦畔の草刈りであるとかさまざまな形をやることによってカメムシは防げるけれども、それだって多大な労力なわけですよ。そのような労力よりも、農薬を使った方が、この検査項目、一等米になるためだったらそっちの方が近道だといって農薬を使う方向に進んでしまいがちになるわけです。
 ある種、この〇・一、〇・三、〇・七というものが数値変動することによって、農業に従事する方々が、それであったら、要は、一等米の割合が、一等米においての要件が、今までは〇・一だったのが例えば〇・三になった、だとしたら、〇・三ぐらいのものをつくるぐらいの有機栽培、有機農業のやり方でやっていけるんだったら農薬を使わないでやってみようと、まさしく有機農業推進法の趣旨にのっとって農業を進めていこうというインセンティブが働いていくと思うんですね。
 現場の方々に、私自身としても、少ないサンプルかもしれませんが、いろいろ聞きましたけれども、〇・一をやるためには、相当な努力をしていかない限りやはり達成できない。それならば、他の自然に対しての影響が強くかかることがあろうとも、農薬を使っていこうということに働きがちだと思うんです。
 参考人で結構ですけれども、着色粒の混入のパーセンテージを変動させることによって有機農業に取り組む方が増減する、何かしらの因果の関係にあると思われているか思われていないか、いかがでしょうか。
○松岡国務大臣 寺田先生の意図がよくわかりました、やっと。
 要は、実は私もそこのところは、例えば中国へ行きまして、中国の北京の百貨店、デパートを見たら、こんな大きな野菜とこんな小さな野菜とありまして、小さなものが高かったんですよ。何で高いんだと言ったら、これは有機農業だと。だから、ああ、そうか、そういうふうに評価されて、そういうふうに価値が認められて、大きさよりも、小さいけれども、量的には小さいけれども、やはりこっちが有機農業によってつくられたものだというので価値が高いのかと。そうなってくると本当にインセンティブが働くんだろうと思うんですね、そういう意味では。
 ただ、有機農業の法律によってそれだけのインセンティブは与えられていませんから、先生の問題意識が今やっとよくわかったんですが、逆にまたよく理解できたんですけれども、これは消費者の評価にまつしかないというのがやはり一つのあり方なんじゃないかなと思います。あと、具体的なことがあったらこちらから答えさせますが、まさにそういった評価がどうこれから定着していくのか。タイなんかでもそれを聞いたんですね。やはり有機農業でつくられたものは価値が高い、それはやはり消費者がそういう評価をしている、こういうことだったものですから、そうなってくればインセンティブが働くんだろう。
 したがって、今でも有機米と称してやっているものなんかは、私らのところでも、結構いい形で取引ができているんだろうと思うので、ちょっとその辺の実態も一遍整理してみる必要はあるなと思っています。
○岡島政府参考人 補足させていただきますと、まさに、農産物検査というのは、米などの大量流通する農産物についての効率的流通を可能にする規格取引の根拠となっております。
 現実問題として、先ほど申し上げましたように、消費者あるいは流通業者からのクレームの主要な原因がやはり着色粒の混入であるということでございまして、なかなか着色粒の規格の緩和そのものについては関係者の合意が得られる状況にないと考えております。
 一方で、先ほど申し上げましたけれども、カメムシによる着色粒については、生育段階で、農薬を散布しなくても畦畔の下草刈りあるいは休耕田の除草の励行などにより軽減が可能でありますし、また、でき上がったものについても、現に産地段階で玄米用の色彩選別機を導入されております。これもかなりの導入率になってきております。
 こうしたことから、また繰り返しになりますけれども、農産物検査規格における着色粒の混入限度そのものが有機農業の推進を阻害しているとは考えておりません。
○寺田(学)分科員 最後にもう一度質問をしますけれども、大臣、御理解いただけたのであれば大変ありがたいことです。
 もう一歩踏み込んで御理解いただきたいんですけれども、有機でつくられたものが高く売れるような消費者の動向が生まれてくることが必要だ、私はそのとおりだと思うんですけれども、その有機でつくられる、生産者が有機でつくろうとするインセンティブを働かせるときに、今回、この農産物検査規格の中の着色粒の厳しい数値のために、有機でやるよりも農薬を使った方が楽だ、もし有機をやって〇・一以上になった場合は米が安く売れてしまうということによって、農薬を使っていく方向に進んでいっているんです。
 ですので、大臣が開くことができることになっている検査規格会議というものを開いていただいて、ここ何年間ぐらい米に関しては開かれていないらしいんですけれども、その中で、この検査項目の中の着色粒の数値、僕は将来的にはなくすということも必要だと思います、なくすことをせず、数値をもっと緩和することによって、これだけ着色粒が入っても一等米で買ってもらえるんだ、だとしたら有機で頑張ろうというふうな人たちがどんどんふえていくと思うんです。そういうインセンティブをどうぞ大臣自身も働かせていただきたいと思います。
 それとともに、今の政府参考人に対しての質問をしたいんですが、関係者の合意が得られない、要は、着色粒の数値をいじることは関係者の合意が得られないということだったんですけれども、この関係者というのは、まさしく精米工業会というところが主だとは思うんです。精米する側にしてみると、着色粒が入っていれば入っているほどはじくコストがかさむから、厳しい検査にしておいてくれということなんだと思います。ただ、そういうことだけに立脚していくのであれば、先ほど大臣にも申し上げたとおり、生産者の方が有機で頑張ろう、農薬を使わないで手間暇かけて頑張ろうというインセンティブを消すことになるんですよ。
 ですので、先ほどもありましたけれども、着色粒を除去していくコストを、今どちらかといえば生産者が非常に、価格を安くさせられるか、あとは、先ほど言われたとおり生産者側ではじく努力をするという、人的と金銭的なコストをかけるかしているわけですね。その比重をもう少しこの工業会の方々、〇・三%、〇・五%でも一等米にするんだということになれば、流通業者にしてみればはじくコストはかかるんでしょうけれども、有機農業を進めるという意味では、それぐらいの割は食ってもらわないといけないのではないかなとまず第一歩として思うんです。
 そういう意味においてお伺いしたんですけれども、着色粒の一等米の〇・一、〇・三、〇・七、この数字をいじることが、有機農業をしていく人たち、有機農業をしてみたいと潜在的に思っている人たちの行動をたきつけていくことにはなりませんかと聞いているんです。いかがですか。
○岡島政府参考人 精米業界も、彼ら独自がというよりは、現実に、お客様である消費者から非常にクレームが多い。その点で、まさに現実の、今の着色粒の混入割合というのが決められておりますし、その中には当然生産者の方あるいは消費者の方にも入っていただいて検討した結果だということでございます。
○寺田(学)分科員 消費者がそれをクレームとしてくるということは、別に、それはわかり切っていることなんですよ。消費者の動向が変わらない限り、無害なんですけれども、結局、色がついていないものがいいというなら、では、どこでそれをはじくかという話なんです。それを今は生産者がすべて、すべてに近いぐらい負っているわけですよ、価格を低くさせられるか、生産者側ではじいて一等米にするか。あとは、そういうのが嫌だったら農薬を使うしかない。
 もう御報告が上がっていると思いますけれども、やはり農薬というのは、今の推進法にも書かれているとおり、自然への影響というのが非常に強くて、カメムシを殺すためにまいた農薬でミツバチが大量死したということだって何件か上がっているわけでしょう。そういう意味において、本当に有機農業を進めていく、有機農業を頑張ろうと思っている生産者をふやしていく意味では、ここの着色粒の検査項目というのは阻害要因であると言わざるを得ないと思うんですね。
 大臣、大臣が開くことができるんです。開くことができるのかどうか、大臣の任意で検査規格会議というものが開かれて、農産物検査法の規定を、いろいろ何か有識者を集めて、大臣の任意で集めることができるらしいんですよ。まさしく精米工業会の方々が入ってきて、いや、それは異物が最初から入っていない方がいい、入っているとしたらもっと安くしろというようなことでこの数字を出しているんですけれども、有機農業をふやしていきたいと大臣が本当に強く思われていると思いますので、開催していただいて、この着色粒の項目というものは削除するか、削除しないにせよ、有機農業の方々をふやすためにもっと緩和するということを考えていただけないでしょうか。いかがですか、大臣。
○松岡国務大臣 基準というのは、やはり長い一つの歴史があったり、科学的な観点からのいろいろ整理があってそこまで来ているものですから、ある一つの側面だけでそれを変えるということは、これはなかなか難しいことなんだろうと私も思います。
 これは大臣が主観的にどうこうというよりも、やはりそういった検討会でいろいろないきさつ、経緯を踏まえて今日の一つの決まりになっていると思うので、先生の御指摘は御指摘として、我々も、我が党にも有機農業との関連におきましていろいろと意見があると思いますし、いろいろ意見も、どんな意見があるのかお聞きはしたいなと思っておりますが、今にわかに、ここで先生がおっしゃるようなことに対して、それをどうするということについては、先ほど言いましたように、科学的な面もこれは随分ありますから、政治的にそうだという形ではなかなかいかない面もあると思いますので、いろいろ意見は聞いてみたいと思っています。
○寺田(学)分科員 時間になりましたので、最後に、改定することまでお約束しなくていいので、会議をまず開いて、米のここのことについて議論するということだけお約束をしてください。
 以上で終わります。
○山本主査 これにて寺田学君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして農林水産省所管についての質疑は終了いたしました。
 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 分科員各位の御協力によりまして、本分科会の議事を滞りなく終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。
 これにて散会いたします。
    午後零時三分散会