第166回国会 決算行政監視委員会第一分科会 第2号
平成十九年四月二十四日(火曜日)
    午前九時三十分開議
 出席分科員
   主査 鴨下 一郎君
      赤池 誠章君    井脇ノブ子君
      坂井  学君    玉沢徳一郎君
      広津 素子君    福田 峰之君
      藤野真紀子君    保坂  武君
      赤松 広隆君    岡本 充功君
      仙谷 由人君    古本伸一郎君
      松本 大輔君
   兼務 岩國 哲人君 兼務 小川 淳也君
   兼務 川内 博史君 兼務 仲野 博子君
   兼務 長妻  昭君 兼務 森本 哲生君
    …………………………………
   外務大臣         麻生 太郎君
   環境大臣         若林 正俊君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     塩崎 恭久君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長) 溝手 顕正君
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当) 高市 早苗君
   国務大臣
   (金融担当)       山本 有二君
   国務大臣
   (公務員制度改革担当)  渡辺 喜美君
   内閣官房副長官      下村 博文君
   外務副大臣        岩屋  毅君
   環境副大臣        土屋 品子君
   総務大臣政務官      河合 常則君
   厚生労働大臣政務官    菅原 一秀君
   環境大臣政務官      北川 知克君
   衆議院事務総長      駒崎 義弘君
   裁判官弾劾裁判所事務局長 濱坂 豊澄君
   裁判官訴追委員会事務局長 白井  始君
   国立国会図書館長     長尾  真君
   会計検査院長       大塚 宗春君
   会計検査院事務総局次長  石野 秀世君
   会計検査院事務総局事務総長官房審議官       斉藤 邦俊君
   会計検査院事務総局第一局長            諸澤 治郎君
   会計検査院事務総局第二局長            千坂 正志君
   会計検査院事務総局第五局長            増田 峯明君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  原  勝則君
   政府参考人
   (人事院事務総局給与局長)            出合  均君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 荒木 二郎君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   原田 正司君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    縄田  修君
   政府参考人
   (警察庁刑事局組織犯罪対策部長)         米田  壯君
   政府参考人
   (警察庁交通局長)    矢代 隆義君
   政府参考人
   (警察庁情報通信局長)  松田 正一君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局長)  三國谷勝範君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局総括審議官)          中江 公人君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    佐藤 隆文君
   政府参考人
   (総務省人事・恩給局長) 戸谷 好秀君
   政府参考人
   (総務省行政管理局長)  石田 直裕君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長)   中根  猛君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           布村 幸彦君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           西阪  昇君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           荒井 和夫君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房審議官)           貝谷  伸君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房長) 竹歳  誠君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  宮田 年耕君
   政府参考人
   (環境省自然環境局長)  冨岡  悟君
   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君
   環境委員会専門員     齊藤  正君
   決算行政監視委員会専門員 藤野  進君
    ―――――――――――――
分科員の異動
四月二十四日
 辞任         補欠選任
  坂井  学君     藤野真紀子君
  広津 素子君     井脇ノブ子君
  赤松 広隆君     岡本 充功君
  漆原 良夫君     福島  豊君
同日
 辞任         補欠選任
  井脇ノブ子君     福田 峰之君
  藤野真紀子君     坂井  学君
  岡本 充功君     古本伸一郎君
  福島  豊君     伊藤  渉君
同日
 辞任         補欠選任
  福田 峰之君     広津 素子君
  古本伸一郎君     赤松 広隆君
  伊藤  渉君     漆原 良夫君
同日
 第二分科員岩國哲人君、第三分科員小川淳也君、川内博史君、長妻昭君、森本哲生君及び第四分科員仲野博子君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成十七年度一般会計歳入歳出決算
 平成十七年度特別会計歳入歳出決算
 平成十七年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成十七年度政府関係機関決算書
 平成十七年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成十七年度国有財産無償貸付状況総計算書
 〔国会、会計検査院、内閣、内閣府(本府)所管、沖縄振興開発金融公庫、内閣府(警察庁、金融庁)、外務省及び環境省所管〕
     ――――◇―――――
○松本(大)主査代理 これより決算行政監視委員会第一分科会を開会いたします。
 主査が所用のため、その指名により、私が主査の職務を行います。
 平成十七年度決算外二件中、本日は、会計検査院所管、内閣府所管中内閣本府、沖縄振興開発金融公庫、外務省所管、環境省所管、国会所管、内閣所管、内閣府所管中金融庁、内閣府所管中警察庁について審査を行います。
 これより会計検査院所管について審査を行います。
 まず、概要説明を聴取いたします。大塚会計検査院長。
○大塚会計検査院長 平成十七年度会計検査院主管一般会計歳入決算及び会計検査院所管一般会計歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 会計検査院主管の歳入につきましては、予算額一億三千六百八十六万円に対しまして、収納済み歳入額は三千七十万円余であり、差し引き一億六百十五万円余の減少となっております。
 収納済み歳入額の主なものは、国有財産貸付収入二千八百十万円余であります。
 次に、会計検査院所管の歳出につきましては、当初予算額二百四億百三十八万円余から、補正予算額六億九千二百三十四万円を差し引いた予算現額百九十七億九百四万円余に対しまして、支出済み歳出額は百八十九億三千五百二十五万円余でありますので、その差額七億七千三百七十八万円余を不用額といたしました。
 支出済み歳出額の主なものは、人件費として百三十五億一千七百三十六万円余、中央合同庁舎第七号館の整備に伴う仮庁舎経費として三十二億二千九十五万円余となっております。
 以上、簡単でございますが、平成十七年度における会計検査院関係の決算の説明を終わります。
 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
○松本(大)主査代理 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院諸澤第一局長。
○諸澤会計検査院当局者 平成十七年度会計検査院の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○松本(大)主査代理 以上をもちまして会計検査院所管についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○松本(大)主査代理 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。岩國哲人君。
○岩國分科員 おはようございます。民主党の岩國哲人でございます。
 本日は、会計検査院大塚院長初め幹部の方に御出席いただきまして、国のこうした行政監査のあり方、その中で会計検査院が機能を十分に果たしているのかいないのか、問題があるとすればどういった点に問題があるのか、国民に対する国会の義務、あるいは行政を監査するという会計検査院の立場から、どういった点に不安があるのか、あるいは十分な仕事ができているのかどうかといったようなことについて、審議を深めさせていただきたいと思います。
 まず最初に、一般新聞紙上に、この二、三年、官庁の不適正なお金の支出が日常茶飯事のように、あの省だけかと思ったら今度はこの省、いずれあの省と思っていたらやはりあの省も。そういうふうな国のお金の使い方に対するふしだらさというものが目に余るようなことになってきたんですね。
 これは官の責任であると一概に言うだけではなくて、我々立法府がそういう行政機構を十分に監視しているのかどうか。十年前に衆議院において決算委員会が決算行政監視委員会へと、決算委員会に行政監視委員会という名前が付され、そのときに強調されたのは、こうした適正な国費の支出、税の使い方というものに対する信頼度を十分に高めなければならない。そのためには、こうした検査の透明性を高めることも必要である。
 会計検査院の機能、そして義務、責任というのが大幅に拡充されたのは、この委員会が決算行政監視委員会として、そして、毎年の国会において必ず会計検査院の皆さんにこちらにおいでいただいて、あの大きな行政機構の中で、不適正なお金の支出や、あるいは支出に行かない支出の一歩手前のどこかで黒いプールの中に残されているものがあるんじゃないか。あるいは、その適正な支出というのは、民が絡んだときでありますけれども、民間との話し合いに行く前に、最近の緑資源機構のように、もう官の機構の中で、国会で決められた予算の不適正な支出がされるような仕組みが既にこの霞が関の中にある。二段階、三段階、国民の信頼を裏切るような傾向はますます進んでおるということについて、私は非常に遺憾に思います。
 そこで、まずお伺いいたしますけれども、新聞紙上で、不適正支出という表現と、それから裏金といった表現も伺います。院長としては、各職員の方を指導されるときに、そしていろいろなところへ検査に派遣されますけれども、この不適正支出という言葉、あるいは裏金、こういった言葉以外に、官の行為について望ましくないと思われる表現はほかにどういうものがありますか。裏金というのも、これは、当然、だれもいいと思っている人はいませんね。不適正支出、不という字がついている以上、これはいけないことです。
 ほかに、不のついているもの、あるいは、裏金、不適正支出、要するに官の行為に関連する言葉として、どういうものがあるのか、どういう行為があるのか、どういうパターンがあるのか、御説明いただけませんか。多過ぎてとても時間が足りないとおっしゃるかもしれませんけれども、ぜひ簡潔にお願いいたします。代表的なものだけで結構です。
○大塚会計検査院長 基本的には、やはり我々としては、不適正経理という言葉を基本的には使っております。裏金という言葉は、会計検査院の検査報告の中では基本的には使用しておりませんで、どちらかといいますと報道関係で使われている言葉というふうに理解しております。そして、我々としましては、不適正経理とか、そして、それにかかわって別途経理といったような言葉を使わせていただいているというふうには考えております。
 基本的に不適正経理と言った場合は、いわゆる予算や法令に反する支出が行われたということで、具体的に申し上げますと、出張の事実がないのに出張したことにして旅費を支出したり、架空の物品調達により庁費等を支出したり、また当該年度に行うべき会計事務処理を行わずに翌年度の予算から支出する例、このようなものが不適正経理に該当するというふうに考えております。
 それに対して、一般的に報道等で言われております裏金というのは、必ずしも明確な定義というものはないというふうに私は思いますが、一般的に報道等では、支出に限らずに収入を含めまして不適正な経理処理によって資金が捻出される、そして、それが別途経理されているというところを称して裏金というふうに使っているのではないかと思います。
 そのほか、不適正な事態については言葉はいろいろとあるかもしれませんけれども、私どもとしましては、不適正支出という言葉が基本となっておるということでございます。
○岩國分科員 院長のお話では、まだまだ随分ほかにも思い当たることがおありのように思いますけれども、言葉として一般的に使われているのはそういうことかもしれません。
 そこで、こうした不適正支出と私はあえてお伺いしましたけれども、今いみじくも院長がおっしゃったように、官の行いの中には支出の方ばかりじゃなくて収入面にもありそうな、実は受け入れる方にも不適正な収入はあるんです。間違いによって保険料をたくさん取り過ぎた、これは悪意性のない不適正さかもしれない。悪意を伴った不適正収入というものもあったのではないか。そういうことも幾つかパターンがあるはずです。
 まして、不適正支出においては手口が多過ぎる。一度そういうものを整理してみていただけませんか、不適正マニュアルというのを。そういうのを我々の勉強のために、国民も知っておって、それから、この霞が関近辺はさすがに大きな新聞、メディア等がありますから監視の目も光っているでしょう。しかし、地方分権となると監視の目は途端に弱くなる、こういう欠点を持っておるんです。今の内閣、私も持論として地方分権という流れには賛成です。しかし、地方自治体というのは、非常にきれいなようで汚れやすい体質を持っているんです。また、脆弱である面も。
 ですから、そういう不適正行為に感染される度合いも非常に早い。そして、気がついたときにはもう手おくれということがありますから、私は、地方分権の時代はもっともっとこの行政監視機能というものを高めなければ、権限を渡します、財源を渡します、さあ、これからの不適正行為というものも地方へ分散させます、地方へ行けば、官、民、政の鉄の三角形がどんどん地方へ分散されて、今以上に税金の使い方として恐ろしいことになるのではないかということを私は懸念しております。
 地方分権によって悪の地方分散がどんどんどんどん地方へ向かって進まないように、悪くて強くて賢い、この三角形が地方に張りめぐらされないように、私はこの不適正マニュアルというものを、一番経験のある皆さんが、具体的にどの県のだれがということまでは結構ですから、一つの類似パターンというのを御紹介いただいて、こういうものを地方も参考にして、やりなさいというんじゃなくて、監視しなさいという、監視のためのマニュアルというのも私はぜひ、今までの御努力の中にそれだけのノウハウ、蓄積があるわけですよ、事犯の蓄積も。
 だからこそ、私は、会計検査院が新しいこれからの時代、特に地方を視野に入れた、なれない、あるいは監査技術においても御存じのように十分でない点がいろいろあります。あるいは、目で気がついておっても、地方でそういうことを言いたくないというメンタリティーもあるでしょう。そういう不適正マニュアルというのを今までの事例からしっかりとこの機会につくっていただきたい、そのように私は思います。
 次の質問に移らせていただきます。
 会計検査院が、今から九年前ですか、私が決算委員会で質問しました、秋田県、島根県、いろいろな県の名前が。今では驚くほどではありませんけれども、当時としてはかなり驚くような報道がなされて、私もたまらずに質問させていただきました。そして、全国の自治体の中で、これはそういう可能性があるのではないかと思われるところを中心に、一斉検査に入られたと思います。
 その一斉検査の結果、そういう自治体が十であったのか十九であったのか。その結果、非常に身ぎれいになったのか、外科手術は終わって健康体になっておるのか。そのときの外科手術は終わったけれども、また再発を繰り返しておるのか、病気でいえば。お亡くなりになった自治体はありませんけれども、再発を繰り返しておるのか、そして、今患者の数は待合室にもっとあふれておるのか、この辺の状況についてお知らせいただけませんか。
○大塚会計検査院長 委員御指摘のように、本院では平成八年から十年にかけまして、一部の都道府県において事務費の執行に関して不適正な経理処理が行われたという問題が提起されたことを踏まえまして、国庫補助事業に係る事務費のうちの旅費等の執行に関して、その経理処理が適正に行われているか、四十七都道府県から内部調査の取り組み状況等について報告を求めまして、その内容を検証するなどして検査を当時実施したわけです。そして、その検査報告を平成七、八、九年の各年度の決算検査報告に掲記いたしまして、そのことを通じまして広く警鐘を鳴らし、各地方公共団体の自浄作用を促したところであります。
 このうち、平成九年度の決算検査報告では、平成十年十月までの累計で、二十三都道府県において総額四百三十一億余円の旅費等の執行に関して不適正な経理処理が行われておりまして、これに関連する国庫補助事業について国庫補助金が返還または減額されるなどとした旨を当時記述しております。
 そして、本院では、その後、十年度以降の決算検査報告につきましては、地方公共団体の監査機能を充実強化するため、地方自治法を改正し、外部監査人制度を導入することとしたことなどを配慮いたしまして、このような全都道府県の状況を一斉に確認するという検査は行っておりませんが、その後も地方公共団体が実施している国庫補助事業に重点を置いて検査を実施してまいりまして、その検査の結果、毎年度の決算検査報告におきまして国庫補助金に係る指摘事項等を多数掲記しているという状況であります。
○岩國分科員 大変御苦労さまでございますけれども、その当時を上回ると推計されるような、またはその広がりにおきましても、ぜひ私は、一斉検査どころか徹底検査を実施すべきじゃないかというふうに思います。
 また、地方自治体においても、政令都市の数もふえてきておりますけれども、県庁でさえもかなりの不正が行われておった。政令都市になるとさらに一段と自主性が増して、要するに自分たちのお金であるという錯覚はより増していくんですね。国のお金の場合には、これは国民の皆さんの税金だという意識は、かなりまだ残っておりますけれども、地方自治体に行けば行くほど、残念なことですけれども、地方の公務員の中には、まるで国から自分たちの方に権限が移ったんだ、移ったんだということをいいことに錯覚を起こして、まるで住民の税金ではなくて自分たち地方公務員が自由に使っていいというふうな、そういう意識が高まっていく。それがまたいろいろな意味で不正行為につながっていくということも大いにあり得ますから、先ほどの不適正マニュアルと同時に、やはり徹底検査をしてから権限を移譲していく。
 例えば国会において地方分権推進法というのが行われておりますけれども、身元のきれいでない、身元がきれいだという潔白宣言ができないところには権限も財源も渡さないんだというぐらいの毅然とした態度を我々国会は本当は持たなきゃいけないと私は思うんです。きれいでないところも汚いところも、何でもかんでも権限、財源を渡せば国として仕事をやったような気になってしまう、これも大きな錯覚、幻想ですよ。
 そして、身元をきれいにしていないところも、はいはいといって手を差し伸べて、権限ちょうだい、財源ちょうだい。まずそこで恐ろしい会計検査院というのがあって、会計検査院の健康証明というのがなかったら、あなた、そんな仕事はできないんですよというぐらいの権威を示すべきじゃないかと私は思いますが、院長はいかがお考えになりますか。
○大塚会計検査院長 会計検査院の権限と地方自治には微妙な関係があるかと思いますが、先ほど委員御指摘がありましたマニュアルの件なんですけれども、私ども、昨年、都道府県の労働局の検査をして、すべての労働局の検査をいたしまして、そこで行われておりました、どういうタイプの言ってみれば不適正経理が行われていたかということを、かなり網羅的に全部を検査報告で述べております。ですから、本院といたしましては、その内容を各地方自治体の監査委員等がよく読んでいただいて、それを参考にして、ぜひ有効に活用していただきたい、こんなふうに思っております。
 地方自治体の権限と、検査院の言ってみれば検査という関係で申し上げますと、いわゆる国庫補助事業に、補助金を通じて地方自治体の補助金の事業が適正に行われているかという観点から今検査をしております。ですから、その中で問題があったらこれからも厳しく指摘していきたい、こんなふうに今考えております。
○岩國分科員 そこで、院長のおっしゃった、国の金がと。要するに、国の金がというのは、国税として入ってきたものが地方に補助金という形で出ていく。国を経由していったお金がそういうところで適正に行われるということをきれいにする、見届ける、そして納得して次の予算の編成に移る、これは大変大切なことですし、基本的なことだと思うんです。
 しかし、そうした国の補助金が、適正に行う意思もなければ能力もない、そして前歴もあるというところに、次の年、また同じように同じような予算をつけていいのかどうかという検証が、余りにも国会では薄弱だと思います。そういう健康証明をもって初めて、また次の年も国費の投入を認めるということでなくちゃいけないと思うんですね。
 それからもう一つ、お金といいますのは、国に納めるお金と地方に納めるお金があります、地方の税金。地方の税金についても、もっと徹底的にやらなきゃいかぬ。
 そして、外部監査制度が取り入れられて、制度も法律も変わりました。しかし、国の会計検査院とかなりその辺は様子が違って、地方で監査委員とか監査委員会というのは、ある程度、市長とか知事とか、そういった者と面識、関係が多かったり、よく調べたら実は親戚だったりとか同級生だったりとか、そういうケースがこれから出てくると、なかなか鋭い検査というのはやりにくい体質。
 しかも、そのやりにくい体質の方へ、これから権限、財源の移譲で行くわけですから、日本の税金、国税経由だろうと地方税直行であろうと、私は、今会計検査の機能と責任が大切だということを何度も繰り返すのは、そういう流れの中で、日本の税金そのものが、汚染された使い方、不適正な使い方というのは全国に拡散されている。新しい夜明けの時代、いい意味の夜明けじゃないんですよ、新しい夜明けの時代を迎えているからこそ、私は、会計検査院として、今までの発想、今までの業務を超えたことをやっていただきたい。
 さっきから申し上げますように、不適正マニュアル、こうすればあなたも悪いことができます。例えば、お医者さんの書く本を余り我々が読めないのは、どうしたらあなたは健康になれるかばかり書いてあるからです。そうじゃなくて、こうやったらあなたは病気になれますよ、こういう病気にはこうやったらなれますよという、それの方が本当は一般にわかりやすいんですよ。
 会計検査院の報告あるいは皆さんの業務解説というものを見ましても、このようにしなければならないと。こうやれば裏金がつくれます、こうやればうまく不適正支出ができます、そういうのが書いてあれば、そちらの方が本当は一般の人にはわかりやすいんじゃないかと思うんです。皆さんにはそんなことは必要ないかもしれない。だから、私は、そういうことも含めて、国民的な啓蒙と関心を持たせること、それが中央の会計検査院、そして地方の監査委員会の皆さんの仕事に対する関心と期待を高めることになると思うんです。
 私は鬼平犯科帳の愛読者でもありますけれども、外国に勤務しているとき、ずっとビデオを撮り、文庫を読み、全部やりました。島根県の県庁がやったことも、鬼平犯科帳の中に書いてあります。あの土蔵に一年間に三千回も盗賊が侵入している、三千回も。しかも、何がとられたかもよくわからない。要するに、県庁の不適正システムはこんなものですよ。何千回と県庁の職員が土蔵に侵入しては、いろいろな空出張だとか官官接待、あるいは買ってもいない文房具を買ったことにする、そういう手口というのは鬼平犯科帳の中にほとんどすべて網羅されています。
 私は、鬼平の盗賊の中でどの盗賊が一番優秀かという本を書いたこともあります。最小の人数で、最小のコストで、人をあやめないで一番立派な仕事をやった盗賊はどれなんだ。それはまさに盗賊ガイドブックみたいなものです。
 そういう発想も私は必要だと思いますから、ぜひ、そうした啓蒙活動もしっかりと、会計検査院としては、自分たちの仕事さえやっていればいいんだというだけではなくて、病気にすれば後から治療だけじゃなくて予防的な方向に行くためには、検査員というのは、何か依頼をされて、何か問題があったときにだけ行くというのではなくて、今の時代は予防行為が必要なところに来ている、この不適正支出についても。
 新しく採用された方に対する訓練マニュアル、この訓練マニュアルにも私は目を通しましたけれども、私は、もっともっとそういうことに対する危機感というものを、新規採用の職員に対しても、要するに国の税金を自分たちが守ってみせる、国の行政機構の清潔さというものは自分たちが守ってみせるという、ある意味では官の中の官という意識をもっと私は高揚されていいんではないかと思うぐらいに、比較的淡々としかここへ書かれておらないんですね。私は、大きな期待を持っているがゆえに、皆さんにそれをお願いしたいと思います。
 私は、出雲市長に就任して、それまで民間の会社におりましたから、民間の会社の社長車でも支店長車でも、どんなときでも自由に、昼でも夜でも使うのは当然でした。私は、四年を終えて、そして統一地方選挙の時期を迎えて、助役が同行してずっといろいろな公務で回って、午後三時、私の後援会の方へ、日程が入っておりましたから会場へ向かおうとしました。そうしたら、ある街角で、出雲市の助役が私に言いました。市長さん、申しわけありませんが、ここでおりてください。ここでおりてくださいとは何事か、まだ会場まで大分あるのに。ここからは公務でございませんので、申しわけありませんけれども、タクシーに乗りかえてください。私は、この助役は立派だと思いました。普通、助役というのは、市長にそんなことを、気にさわるようなことは言わないものですよ。それを私は初めて教えられました。
 私も、実はそういう感覚は少し麻痺しておったんですよ、そのときには。市長が公務の一端ぐらいに思って、そして選挙を控えて、後援会が全部集まっている会場まで公用車で行くことがいけないことだということを、確かに、考えたらいけないことだとは思いますけれども、つい感覚はそういうふうになっておったんですね。そして、私はおりてタクシーで行きました。私は、いいことを助役は指摘してくれたと思うんです。たとえ地方の都市といえども、公私の別をきちっとする、こうあるべきだなと私はそのとき初めてわかりました。
 ことしの春の統一地方選挙、私のところにも、現職の市長さんやあるいは助役さんがあいさつに来られます。ぜひ推薦をいただきたいとおいでになるんです。私は、そのとき、いつも秘書を下へ見張りに行かせます。その市長さんや助役さんが公用車で来るか来ないか、それから随行秘書がついてきているかどうか、運転手がついてきているか。ほとんど公用車で、そして秘書を連れて、もちろん運転手もいる。つまり、昼日中、三人の男が公務を離れてこっちへ来ているんですね。ガソリン代も使っています。恐らく高速の通行料金も払ったでしょう、区役所からここへ来るまで。
 私は十何年前の出雲市の助役のその一言というものがあるがゆえに、これから規制改革をやります、役人に役所を改革できたためしなんかないよと私が言いますと、いや、私は徹底的にそれをやるんですと言いながら、徹底的にそれを無視している。公用車で来るわ、秘書は連れてくるわ、ガソリンは使うわ、そんなことを昼日中やって、私は、こういう人はとても推薦できないな、そんなことを思いました。
 余計なお話を申し上げましたけれども、私は、ぜひ、こうした裏金、不適正支出ということについては、今だけではなくて毎年毎年やらなければならないと思う。そのためには、私は、会計検査院の皆さんにしっかりと立ち上がっていただいて、会計検査院は少しやり過ぎじゃないかと言われるぐらいに、これから地方の時代の前ぶれ、先手をとって、地方の検査官も今まで以上に頑張るんだということをやっていただきたい、そのように思います。
 そこで、議長に私は再度お願いいたしますけれども、こうした裏金づくりを実行した、そのお手本とされるような人たちを私はこの決算委員会で参考人として招致していただきたいんです。会計検査院の不適正マニュアルというのはしばらくできそうにありませんから。やはり岐阜県の知事、あるいは、ああ、この方ならベテランだ、どうすれば実行できるかということをよく御承知だという方にここへ来てしっかりと答弁していただいて、それを我々行政を監視する方も監視される行政の方も参考にして、一日も早くそういうことを回避すべきじゃないかと私は思います。
 これは、以前決算委員会でも私は申し上げてあります、参考人招致ということについて。ぜひ理事会でこれを早急に審議していただいて、結局は国会というところは、非難する、要望する、しかし結果的にはなあなあで、またこれから一年間同じことが繰り返されるだろう。そのような目でこの決算行政監視委員会が見られることは、私にとっては耐えられないことです。国会の中で一番大切な委員会の一つじゃないかと思います。ある意味では予算委員会以上に必要ですよ。
 予算委員会は、金を集めて使おうということ。しかし、国の大切なお金がどのように使われたかということを、国民の皆さんに、一〇〇%適切に使いましたということを、健康証明を発行できるのはこの決算委員会であり、会計院長ではありません。健康診断だけやっておいて、健康であるという証明書も発行できないようなお医者さんがどこにいますか。ぜひこれを理事会で徹底的にお諮りいただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
○松本(大)主査代理 これにて岩國哲人君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして会計検査院所管についての質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○松本(大)主査代理 昨日に引き続き内閣府所管中内閣本府及び沖縄振興開発金融公庫について審査を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川内博史君。
○川内分科員 おはようございます。よろしくお願いをいたします。
 早速聞かせていただきます。
 平成十八年度の教科書検定において、高校二年生以上の日本史の歴史教科書から、第二次世界大戦沖縄戦における集団自決にかかわる記述から、日本軍の関与、日本軍の強制あるいは日本軍に強いられたというような表現が検定により修正をされるという行政処分を受けるということになったそうであります。
 沖縄の県民の皆さんからは、知事さんを初めとして強い反発が出ているというふうにも聞いておりますが、昭和五十九年六月二十八日の衆議院の内閣委員会の議事録によりますと、当時、森文部大臣が、歴史教科書の検定に際しては、沖縄の県民の感情に配慮をして検定をしなければならないという指導をしているという御答弁もございます。
 私は、今回のこの検定というのは大変大きなさまざまな問題をはらんでいるのではないか、これを機会にしっかりと議論をもう一度した方がいいのではないかという観点から、まず高市大臣に、高市大臣は沖縄振興の御担当でございますが、沖縄の県民の皆さんの思いというものをしっかりと酌み取らなければならないお立場として、今回の教科書検定に関する御所見を賜りたいというふうに思います。
○高市国務大臣 教科書の検定制度、これは文部科学省の所管でございますので、私の方から、制度のあり方そのものですとか学者の方々による検定の結果、そしてまた教科書の書きぶり等について私の所感を申し上げる立場にはございません。ただ、沖縄県の知事初め県民の皆様から、大変残念だ、これでは困るというお声が上がっていることも、私も沖縄タイムスや琉球新報等地元紙も読んでおりますので、皆様の御発言も承知をいたしております。
 私自身は、集団自決も含めて沖縄戦の記録ビデオ等、何度も見た経験がございます。それはもう筆舌に尽くしがたい悲惨な光景でございました。今は沖縄の振興を推進する立場でございます。それは、そういった仕事に取り組むときに、やはり沖縄県の方々の、他の都道府県では例を見ない悲惨な経験をされた、その思い、また平和への思いといったことを踏まえた上で私は取り組んでまいりたい。そして、今もそうしているつもりでございます。
○川内分科員 その沖縄県民の筆舌に尽くしがたい経験、体験あるいは思いというものをしっかりと踏まえて政府としてさまざまな行政に当たっていかなければならないということに関しては認識を共有するものというふうに思います。
 そこで、文部科学省にお尋ねをいたします。
 平成十七年度の検定、要するに昨年の検定のときには、高校一年生の日本史の教科書が検定の対象になったわけでございますが、沖縄戦における日本軍の関与による集団自決の部分に関する記述に関しては検定意見はつかなかった、検定はされなかったということでよろしいでしょうか。
○布村政府参考人 お答えいたします。
 教科書の検定におきましては、検定時点におきます客観的な学問的な成果に照らしまして、教科用図書検定調査審議会の専門的な審議に基づき検定意見を付しているところでございます。
 お尋ねの平成十七年度の検定におきましては、今年度と同様の記述に検定意見は付されていない状況でございます。今年度の教科用図書検定調査審議会におきまして、この点をめぐる最近の議論を踏まえまして、検定意見を付すことが適切であるというふうに判断されたものでございます。
○川内分科員 平成十七年度の検定においては検定意見は付されていない、ことしに入って教科用図書検定調査審議会において意見を付すことが適当であるという認識に達したという御説明でございますが、今の文部科学省の方の御答弁の冒頭の部分で、客観的、学問的成果に照らしてという言及がございました。
 それでは、昨年とことしと比べて客観的、学問的成果にどのような違いがあったのかということについて御説明をいただきたいと思います。
○布村政府参考人 お答えいたします。
 先ほど、教科書の検定につきましては、教科用図書検定調査審議会の教育的あるいは学術的な専門家の方々の判断によりまして検定意見を付するという形をとっております。
 そして、この審議会の意見を付するに当たりましての、その状況を事務方として御説明させていただくという形になりますけれども、従来は、沖縄戦における渡嘉敷島あるいは座間味島での集団自決につきましては、日本軍の隊長が住民に対しまして集団自決命令を出したとされ、それが通説として扱われてきたというふうに認識されているものと承知しております。
 この点につきまして、現在さまざまな御議論があるということも承知しているところでございます。そして、この通説につきましては、近年、当時の関係者などから命令を否定する証言などが出されてきていること、また、沖縄戦の研究者の近年の著作等におきましては、軍の命令の有無というものは明確ではないとされている文献もあるという状況と伺っております。さらに、平成十七年八月に、従来の通説におきまして集団自決命令を出したとされていた元隊長の方から訴訟が提起されているという状況がございます。
 これらを契機として、教科用図書検定調査審議会におきましては、改めて専門的な調査審議を重ねていただき、その結果、検定意見を付するということが適切であるというふうに判断されたものと承知しております。
○川内分科員 今の御説明は、客観的、学問的成果についての言及はほとんどなかったわけで、情緒的あるいは主観的な御説明であったというふうに思います。訴訟が提起をされている、それはそうでしょう。それは私も存じ上げています。しかし、訴訟が提起されていることが学問的成果である、あるいは客観的な事実であるということにはとてもならない。これは私が申し上げるまでもなく、文部科学省御自身がおわかりのことであろうと思います。
 これは、ちょっと、またあした教育再生特で詳しく議論をさせていただきますが、きょう私が聞いたのは、学問的、客観的成果に基づいてと御説明されたので、学問的、客観的成果とは何ですかということをお尋ねしているので、あしたまでに、学問的、客観的成果とはこれですということを正確に御答弁いただけるようにしておいていただきたいと思います。
 きょうは三十分しか時間がないので、次に行きます。
 では、この検定の際、意見をつける、修正意見を付すということを、教科用図書検定調査審議会第二部会の委員が言ったのか、それとも、この部会の事務局として参加をしている教科書調査官が発議をしたのかということについて答えていただきたいと思います。なぜかならば、第二部会の委員は去年とことしではメンバーはかわっていないというふうに昨日のレクで聞いております。メンバーがかわっていないにもかかわらず、ことしと去年で検定の結論が変わるということは、教科書調査官側が発議をしたというふうにしか思われないわけでございますが、いかがですか。
○布村政府参考人 お答えいたします。
 教科書の検定におきましては、教科用図書検定調査審議会という審議会の専門的な調査審議に基づいて検定意見の決定をし、検定の決定をしているところでございます。その中で、文部科学省は事務局的な役割というものを担っているところでございます。この審議会におきまして、審議会の各委員による調査の結果、それから、各教科、科目ごとの専門委員というものも審議会におります。それと、教科書調査官による調査結果に基づいて検定意見を取りまとめているという流れになっております。
 なおでございますが、行政的な判断を差し挟む余地のない、教育的、学術的な、専門的な観点からの調査により検定意見を付しているところでございます。
○川内分科員 聞いたことに答えていただきたいんですが、去年とことしでは部会のメンバーはかわっていない。かわっていない。それにもかかわらず、検定の意見を付するか否かということについての結論が変わったということは、部会側からその意見が出たのか、その部会には教科書調査官は意見を言うことができますから、教科書調査官側から意見を発議したのかということを教えてくださいということを申し上げています。ですから、どちらが言ったのかということを答えてください。
○布村政府参考人 この審議会におきましては、通常、審議会の各委員による調査の結果、事前に審議会の委員には申請された教科用図書が渡っておりますので、それの調査がなされているところでございまして、各委員による調査の結果、そして、専門委員というものも各教科ごとに置かれておりますので、その専門委員の調査の結果、あわせまして教科書調査官の調査結果、これらを教科書調査官が検定意見として取りまとめて、これを、原案に基づいて審議が行われているという流れでございます。
○川内分科員 わかりました。教科書調査官が取りまとめて審議が行われるという最後の部分にポイントがあったと思います。
 それでは、次に移らせていただきます。
 きょうは下村官房副長官にもお運びをいただいておりますが、下村副長官にお尋ねをいたします。
 昨年八月二十九日に開かれた「立ち上がれ!日本」ネットワークという組織が主催をするシンポジウム「新政権に何を期待するか?」に出席をされた当時下村博文衆議院議員の発言内容というものが昨年九月四日付の産経新聞に大きく報道をされておりまして、きょうコピーも持ってまいりましたけれども、「首相主導で「教育再生」」という形で、今日の教育再生会議のことなどについての言及がなされておるわけでございます。
 このときの下村先生の発言内容というものがこの産経新聞に五十数行にわたって記載をされております。その中で、下村先生の御発言として、「自虐史観に基づいた歴史教科書も官邸のチェックで改めさせる。」というふうに下村先生が発言をされたと報道されておりますが、事実関係をまず、このような御発言をされたのか否かということについて教えていただきたいと思います。
○下村内閣官房副長官 御指摘の会合は八月の二十九日の「立ち上がれ!日本」ネットワークという民間の団体のシンポジウムの中でパネラーとして招かれたときの発言について、九月四日の産経新聞で御指摘のような記事が載ったということでありますが、大まかなところ、この産経新聞の記事は大体発言どおりだと思います。
○川内分科員 そうすると、官邸のチェックで改めさせるというふうに下村先生が発言をされ、そして、まさしく安倍政権発足後、下村先生は内閣官房副長官として官邸にお入りになられたわけでございますが、この発言内容について、政治家として発言をし、官邸に入られて、では、ことしのこの歴史教科書の検定に際してチェックをされたのかということを教えていただきたいと思います。
○下村内閣官房副長官 御指摘の八月の二十九日の発言は、政治家下村博文として発言をしております。きょうは官房副長官としてでありますが、当然でありますけれども、この検定結果について介入しておりません。
○川内分科員 そうすると、政治家下村博文として発言をした、官邸のチェックで歴史教科書の記述を改めさせるのだという部分については、今後そういう方向に持っていきたいという趣旨だと理解してよろしいですか。
○下村内閣官房副長官 官房副長官になる前の発言、政治家下村博文としての発言です。今は官房副長官としての発言を申し上げておりますが、介入するつもりは今後もありません。
○川内分科員 介入するつもりは今後もないと。そうすると、この政治家下村博文の発言というのは何を意味するのかがちょっとよくわからなくなるわけでございます。
 それでは、ちょっと、念のために官房長官にもお尋ねいたしますが、下村先生がこのような御発言をされて、官房副長官に入られて、今検定に介入はしていないというふうに御発言されたわけでございますが、歴史教科書の内容について、下村副長官から何らかの報告なり、連絡なり、あるいは相談なりというものをこの間お受けになられたことがございますでしょうか。
○塩崎国務大臣 教科書検定というのは、先生御案内のように、教育の中立公正、一定水準の確保等の高度の公益目的のために行われているわけであって、専門的な見地から教科用図書検定調査審議会で調査審議、及びその答申に基づいて行われているわけであって、今、下村副長官から申し上げたように、先ほど来先生が問題にしているような動きというのは全くない、そしてまた、下村副長官から私に相談なりがあったという事実は全くございませんということであります。
○川内分科員 ただ、きのう文部科学省から御説明を聞いたところによると、伊吹文部科学大臣が、教科書検定についての情報管理を厳重にせよ、官邸に対しても同様であるという指示をなされたというふうに説明を受けました。
 そこで、文部科学省にお尋ねをいたしますが、この伊吹文部科学大臣の指示というものはいつごろ、どのような内容でなされたものであるかということについて、教えていただきたいと思います。
○布村政府参考人 教科用図書の検定に当たりまして、文部科学大臣の立場として、申請図書につきましては、教科用として適切であるかどうかを教科用図書検定調査審議会に諮問し、その答申に基づいて検定の決定または検定審査不合格の決定を行っているという大原則がございます。
 そして、大臣の趣旨は、私ども受けとめた感覚といたしましては、教科用図書検定調査審議会が専門的な見地から、学問的な見地から御判断をなさる、それを事務方の我々が行っているかのような誤解を与えないように十分注意すべきである、そういう趣旨で受けとめたところでございます。
○川内分科員 わかりました。
 では、きょうは厚生労働省にも来ていただいておりますので、ちょっとお伺いをさせていただきますが、沖縄戦における集団自決については、戦傷病者戦没者遺族等援護法で、これら集団自決に追い込まれた方々、皆様については、戦闘参加者として、昭和三十三年から援護法による弔慰金が支給をされているというふうに聞いております。昨日の説明では、昭和五十六年十月の調査時点で、座間味村が二百十八名、渡嘉敷島が三百四十九名、伊江島が二名の集団自決者の遺族に対し弔慰金が支給をされたということでございます。
 援護法では、集団自決者は全員、「もとの陸軍又は海軍の要請に基く戦闘参加者」と定義づけられている、すなわち、援護法の第二条三項の二、「もとの陸軍又は海軍の要請に基く戦闘参加者」。この事実関係について、厚生労働省から確認をまずしていただきたいと思います。
○荒井政府参考人 お答え申し上げます。
 戦傷病者戦没者遺族等援護法では、国と雇用関係または雇用関係類似の関係にあった軍人軍属、そして準軍属が戦争公務などで障害の状態となり、また死亡した場合に、障害年金、遺族年金、弔慰金等を支給するものでございます。
 軍の要請や指示によって戦闘に参加した者や戦闘に寄与した者については、援護法においては、先ほど御指摘ございましたように、法律の第二条第三項二号の戦闘参加者に該当し、準軍属として処遇されることになります。したがいまして、沖縄戦でこのような経緯の中で集団自決に追い込まれた住民については、この戦闘参加者に該当するものとして援護法が適用されてございます。
 また、その数につきましては、先ほど御紹介ございましたように、昭和五十六年時点の調査で、渡嘉敷島約三百五十件、それから座間味島二百二十件でございます。
○川内分科員 ここで言う法律上の戦闘参加者、要するに、自決したことをもって戦闘参加者とするということでよろしいですか。
○荒井政府参考人 軍の要請によってそういう形になった場合には、戦闘参加者として、準軍属として処遇する、そういう取り扱いでございます。
○川内分科員 この認定に当たっては、隊長の命令があったかなかったかについては認定の要件ではないということでよろしいでしょうか。すなわち、全体状況としてそういう状況であったということを政府として認定しているという理解でよろしいですか。
○荒井政府参考人 お答え申し上げます。
 要するに、全体状況の中でどういう過程の中で集団自決に追い込まれたかということが大きなポイントになると思います。その際にはやはり、だれがそういう指示をしたかということも大きなファクターになるだろうと思います。
○川内分科員 ここは大事なところですよ。隊長の命令があったのかなかったのかということが認定の要件であるか否か。これは、日本の政府が沖縄戦で集団自決に追い込まれた方々に対して年金なり弔慰金なりを支給してきたことが、今訴訟が起きているわけですから、もしかしたら間違っていたということにもつながりかねない大事なポイントですよ。
 隊長の命令があったかなかったかということは関係ないと私は思います。なぜかならば、全体状況がそうであったから。また、厚生労働省の調査もそういう調査をされているはずであります。
 隊長の命令があったかなかったかは認定の主たる要件ではないということを確認していただけますか。
○荒井政府参考人 軍の要請があったかどうかの認定にかかわる問題だと思います。その場合に、全体状況の中でどういう過程、どういう経緯の中で集団自殺に追い込まれたかが重要なことだと思います。その際に、具体的にその地域を管轄する隊長のそういう命令なり指示があったということは非常に大きなファクターだろうと思っております。
○川内分科員 大きなファクターであるのはわかりますが、隊長が直接命令しなくても、例えば兵隊が手りゅう弾を配った、あるいは兵隊から言われた、そのようなことでも厚生労働省は認定をしていらっしゃいますよね。いかがですか。
○荒井政府参考人 繰り返しになりますけれども、全体の状況の中でどういう経緯で集団自殺に追い込まれたかが重要なことだと思っております。そういう意味では、さまざまなファクターを全部総合的に判断しながら、戦闘参加者に該当するかどうかを決めていくことになると思います。ただ、その際には、繰り返しになりますが、隊長の指示があったかということは非常に大きなファクターにはなるだろうと思います。
 なかった場合について認定ができないか、そういう御質問だということだとすれば、全体の流れの中で、隊長の命令がなかった場合でも認定される場合はあるだろうと思います。
○川内分科員 認定される場合があるんじゃなくて、認定している例がたくさんあるというふうに答えてください。
○荒井政府参考人 私自身、そこの点について今確認をしておりませんが、ただ、論理的な考え方としていけば、全体の流れの中で、軍の要請によりそういう集団自決に追い込まれたというケースはあり得るだろうと思います。
○川内分科員 そこは大事なところなんですよ。あり得るだろうとかじゃ困るんですよ、政府がやってきたことですから。隊長の命令があったとかなかったとかにかかわらず、隊長の命令がない場合であっても援護法の対象にしているという例があるということをはっきり答えてくださいよ。
○荒井政府参考人 先ほどお答えしましたように、私自身は確認はしておりませんので……(川内分科員「いや、確認してくださいよ。そこにいる、あるでしょう。ありますよ」と呼ぶ)失礼しました。論理的にあると申しましたけれども、現実にあるようです。
○川内分科員 ここで私の持ち時間があと二分ぐらいでございますけれども。
 結局、援護法の世界では、隊長の命令のあるなしにかかわらず、あるいはなくても、全体状況として、兵隊が手りゅう弾を住民に渡した、あるいは、いつも最後には玉砕をするのだということを言われたなどということを理由にして、軍の要請があったという形で集団自殺ということを認定し、年金あるいは弔慰金の対象にしているわけです、政府として。これは軍が関与をしたということを政府として認めているわけです。にもかかわらず、文部科学省の教科書検定においてはその軍の関与という言葉を外すというのは、私は、客観的、学問的事実に基づいてということとは大きく反するのではないか。すなわち、客観的、学問的事実という前に、政府の認識として、これらの方々を日本軍の関与によって集団自殺に追い込んでしまったという反省があったのだ、だから援護法の適用にしたのだということだというふうに思います。
 しかし、それを外していくというのは、私は、日本政府としての反省がそこになくなってしまうのではないかというふうに思うと大変残念に思うわけでございまして、これはあした、教育再生特で再び議論をさせていただきたいと思います。
 きょうはこの辺で終わります。ありがとうございました。
○松本(大)主査代理 これにて川内博史君の質疑は終了いたしました。
    〔松本(大)主査代理退席、主査着席〕
○鴨下主査 次に、井脇ノブ子君。
○井脇分科員 おはようございます。自由民主党の井脇ノブ子でございます。
 決算行政監視委員会の分科会での質問は初めてでございますので、よろしくお願いいたします。
 まず初めに、この委員会において少年の非行対策に関する政策評価結果についてお伺いしたいと思います。
 ことしの一月に総務省から、少年の非行対策に関する政策評価の結果が出されましたが、評価結果についての内閣府の認識をお伺いしたいと思います。
○荒木政府参考人 お答え申し上げます。
 今回、総合的な少年非行対策につきまして初めて政策評価が行われ、約一万人の関係機関の職員等に対しましてアンケートがとられるなどいたしまして、その評価結果が取りまとめられました。これは、現在、政府を挙げて少年の健全育成を推進しております内閣府にとりまして、大変意義のあることであるというふうに考えております。
 今回の政策評価におきましては、余り成果が上がっていない項目といたしまして、一つは、深夜徘回、喫煙などの不良行為少年への対応、万引きや自転車盗などのいわゆる初発型の非行への対応、それから、非行化した少年を立ち直らせて二度と非行を繰り返させないための対策、この三点が挙げられておりまして、それぞれ、その対策といたしまして、スポーツやボランティア活動など少年の居場所の確保により不良行為の段階でとどめて非行に陥らせないようにする対策を強化すること、それから、中学生や高校生の万引きは犯罪であるという規範意識をきちんと身につけさせること、また、各店舗において防犯カメラ等を導入して万引きをしにくい環境づくりを行うこと、さらに、審判不開始や不処分等々で地域に戻ってくる子供たちに対して学習や就労支援を行うなど地域社会の力で立ち直り支援を行うこと等が課題として求められているところであります。
 他方で、薬物乱用防止対策、それからいじめ、校内暴力に起因する非行の防止対策につきましては、一定の成果があったというふうに評価されているところであります。しかしながら、全体に薬物乱用が減少する中で増加傾向にございます大麻やMDMAなどの錠剤型の合成麻薬の乱用防止、いじめの全体的な把握の問題、それから、いじめや暴力行為が多発します中学一年生段階における適切な対応等が課題として挙げられているところではあります。
 これらの指摘事項につきまして、これまでも関係省庁挙げて各種の施策に取り組んでまいったところでありますけれども、この政策評価の結果を踏まえまして、さらに非行防止のために政府一体となった対策を効果的に推進する必要があると考えております。
○井脇分科員 ありがとうございました。大変一生懸命に取り組んでいただいておりますことを感謝申し上げたいと思います。私たちも地域活動の中で青少年の地域活動を一生懸命にやらせていただいておるところでございます。
 次に、家庭と地域の教育力の低下についてお伺いしたいと思います。
 最近のたび重なる青少年の非行や凶悪犯罪やいじめ、不登校など、青少年をめぐるさまざまな問題が発生している原因として、家庭の教育力の低下とともに、地域社会におけるつながりの希薄化など、いわゆる地域の教育力の低下を挙げられていると思います。
 子供は家庭や地域社会に守られながら伸び伸び育つ、地域の子供は地域で育つ、人との交流を通じて、社会のルールやマナー、道徳心、規範意識を身につけていくことが大変重要であると思います。
 家庭の教育力の低下について、文部科学省の調査では、家庭の教育力の再生に関する調査研究において、約七割の親が家庭の教育力が低下していると実感していると申しております。また、約七割の親が子供に対して過保護、甘やかせ過ぎ、干渉し過ぎ、こう答えております。これが低下の理由となっております。
 よく、子供にとって人生の最初の先生は幼稚園や保育園の先生と言われていますが、私は、人生の最初の先生は親であると思っております。
 昨年改正された教育基本法には、新たに家庭教育について、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする。」ことと規定をしております。
 この規定を盛り込んだことは、それだけ家庭の教育力が低下しているのだと思っております。これは、親が家庭で子供に善悪の判断などの規範意識や倫理観、社会性、命の大切さや他人に対する思いやる心などをしっかりと身につけさせていないことから、昨今のいじめなどの問題行動や青少年の非行、凶悪犯罪が起きているものだと思います。
 高市大臣にお伺いしたいと思います。地域教育力の低下と家庭教育の低下に対しましての御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○高市国務大臣 今委員がおっしゃいました文部科学省の調査で多くの方が実感をされているのと同じ思いを私も持っております。
 まず、親でありながら自分の子供に対して責任を持ってしつけができないといった方が非常に多いという問題があると思いますね。
 昔でしたら、子供が成人するまでは親の責任だということで、もっと親は子供の生活実態を把握していたと思っております。何時に出ていって、何時に帰ってきて、どんな友達と遊んで、学校でどんなことをしてきたのか。親と子の会話もありましたし、また、電話なども居間に一つということで、家族みんながいるところで電話をとったりして、そういった友達との会話を親は聞きながら子供の生活状態というのを把握できたと思います。
 ある時期から、何かやはり、友達親子というような言葉がはやり出して、親が子供に毅然としつけをするといった空気が失われてきた。そしてまた、世間様に御迷惑をかけちゃいけない、絶対うそをついちゃいけない、いじめはひきょうなことだ、こういった当たり前のことも親が教えないケースというのが目立ってきたんじゃないかと思います。
 地域も、都市化が進行しまして、特に集合住宅で、両隣も上も下もどんな方が住んでいるのかわからないというような場合もふえてきているでしょう。そしてまた、他人様のお子さんに対してしつけをしたときに、プライバシーの侵害だわとか、余計なことを言わないでちょうだい、こういった反応をされる親も多かったりして、なかなか地域での取り組みも難しいといった形であったかと思います。
 ですから、こういった世の中の風潮の変わり方というのですか、こういったものに対応していくために、多少おせっかいかもしれませんが、政府としての取り組みを進めております。
 例えば、平成十五年十二月の青少年育成施策大綱でございますけれども、この中で、非行少年が地域社会で立ち直る、再び非行を犯さないようにするための多くの活動の機会や場所の提供、こういったことも始めましたし、また、非行少年の家族への働きかけ、そしてまた保護者に対する相談、指導などの取り組みも強化されております。
 また、昨年の六月には、子ども安全・安心加速化プランということで、特に地域における取り組みを強化して加速をしてきた。特に、非行から立ち直るための支援の推進ですとか、それから情報モラル教育、これは保護者や地域のボランティアの方々に対しても学ぶ機会を設けていく、こういった取り組みを行っております。
 委員御指摘のとおり、家庭、地域の指導力の低下、教育力の低下ということが少年非行の一つの原因になっているというのは確かなことだと考えております。
○井脇分科員 ありがとうございました。
 大変分析もすばらしくて、高市大臣には、青少年への取り組みに力を入れていただいていることを大変うれしく思います。
 続きまして、それと少し関連しますが、あわせて、ことしの三月に内閣府から発表されました低年齢少年の生活と意識に関する調査の結果について、その調査結果の概要及び内閣府の認識についてお伺いしたいと思います。
○荒木政府参考人 御指摘の調査は、全国の小学校の四年生から中学校三年生までの小中学生とその両親を対象といたしまして、生活習慣や家族、友人との関係、規範意識等につきまして意識調査を行ったものでございます。
 今回の調査結果の主な点を御紹介いたしますと、年齢が上がるにつれまして寝る時間がどんどん遅くなってまいります。十五歳では、約四六%、半分近くが午後十二時以降に就寝をしているという状況。それから、中学生の一一・三%が毎日朝御飯を食べるという習慣がないということ。それから、授業中に居眠りをするとか、クラスで掃除をしないとか、宿題をしないとか、そういう規範意識が中学生になるにつれて低下をしていることなど、総じて、中学生になると基本的な生活習慣あるいは授業態度等、規範意識に乱れが生じているといった状況が見られます。また、学校での行事とかあるいは地域での子供会等の活動への参加意欲も低いという調査結果になっております。
 他方、悩みを持っている中学生というのが約七〇%ほどに上っておりまして、これは、前回の約十年前の調査と比較いたしますと一四%ほど増加をいたしております。しかしながら、親子の接触時間が大変短くなってきておりまして、親は、学校の成績には関心が高くてよく知っているけれども、子供の悩み事とか困っていることということになると把握ができていない結果となっております。この傾向は特に父親に顕著に見られるところでありまして、親子のコミュニケーションが十分でない状況がうかがえるところであります。
○井脇分科員 ありがとうございました。
 先ほども述べましたように、子供の健全な育成には家庭教育、社会教育、学校教育の三つが大切であり、中でも家庭教育は重要な役割を担っていると考えております。
 今回の低年齢少年の生活と意識に関する調査結果を受けても、改めて家庭教育の重要性について認識を新たにしたところでありますが、高市大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○高市国務大臣 今荒木審議官が説明申し上げました調査結果では、中学生になると規範意識の乱れがうかがえる、そして基本的な生活習慣の乱れがうかがえる、こういったことが言えると思います。その原因は何かというのは、一様ではないと思うんですけれども、やはり家庭において幼少期から基本的な生活習慣というものをきちっと身につけるような教育がなされていない、しつけがなされていないということだと私は思います。
 文部科学省でも、今、子どもの生活リズム向上プロジェクトということに取り組んでいただいておりますけれども、私の関係でいいますと、食育への取り組み、これも大切なことだと思うんですね。心身のバランスを健康な規則正しい食生活で保つということもあるんですが、家族で食卓を囲む機会を少しでも多くしていくということ、これはやはり、親が子供の変化に気づく、心の変化にも気づく、体調の不良にも気づく、そういった貴重な場であると思います。食の進みぐあい、顔色、こういったものを間近で見る、会話を交わす、こういう機会をふやしていくための国民運動ということで、食育には一生懸命取り組みたいと思います。
 また、親子の会話の時間が少な過ぎるという御指摘もございます。これは、政府の「子どもと家族を応援する日本」重点戦略会議の方で、ワークライフバランスということで、少しでも家庭で過ごしていただく時間をふやすための取り組みを進めようということで今議論されております。結果は、五月末から六月に中間的に基本的な方向が出てくることと思いますけれども、こういった取り組みにも精いっぱい努力をしてまいりたいと思っております。
○井脇分科員 ありがとうございます。
 社会教育がまた大変大事になっております。学校教育と家庭教育はとても一生懸命にやるんですが、社会教育が日本では疎んじられているような状況の中で、子供の健全な育成に最も重要な役割を担っていると考えております。
 このことは青少年問題に関する特別委員会で私は質問を一度しましたが、引き続き、社会教育に対する大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○高市国務大臣 学校教育、家庭教育とともに社会教育が非常に重要だと思います。それぞれの地域にある資源、それは、地域に存在する環境ですとか地域の特色ある資源、そして人材、こういったものを生かしながら、世代間の交流ですとか、それからまた体験活動、こういったものを現在進めております。
 特に放課後子どもプラン、委員も十分御承知の内容ではございますけれども、この中で、地域住民との交流活動、この取り組みを充実させるということで、特に今年度から、放課後子どもプランが、本当に全国各地、すべからく各学校区で行われるようにということで体制を強化いたしましたので、こういった機会にできる限り地域の方々との交流、そして社会教育を進めてまいりたいなと思っております。
○井脇分科員 ありがとうございました。
 家庭教育ではしつけを、社会教育では知恵を、学校教育では知識をという三つの教育は、健全な青少年育成において欠かすことのできない極めて重要な教育であると思います。中でも、この社会教育というのが本当に大切なことだと考えております。
 その社会教育に携わっている大勢の方々が全国にいらっしゃるわけございますが、地域においてそのような社会教育を行っている方々や団体等がより熱心に活動できるよう、社会的機運を高めていくべきだと考えますが、高市大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○高市国務大臣 委員がおっしゃるとおりだと思います。
 地域社会で子供の教育に一生懸命取り組んでいらっしゃる方々がより励みになるような取り組みもしていかなきゃいけませんし、そして、そういったことに参加したいんだけれどもどんなふうにしたらいいのかわからないとお考えの方もおいでかと思いますので、これも、いろいろな学びの場、特に社会教育に貢献してくださる方がいろいろな事例を理解しながら学んでいく場、こういったものも必要なんだろうと思います。
 現在、内閣府では、青少年育成国民会議などの民間団体と連携をしながら、青少年育成指導者などを対象にした研修会、それからまた啓発誌も発行しておりますし、青少年育成シンポジウムなども行っております。そしてまた、よい行いをした青少年の表彰、それから、長年にわたって青少年の健全育成に貢献してくださった方々、個人、団体に対する表彰制度を、大体毎年五十件程度でございますが、実施をいたしております。
○井脇分科員 ありがとうございます。
 青少年育成国民会議が全国的に展開し、各地域で大変活発にやっておりますが、大変老齢化をしておる、その組織の年の方が随分頑張っておられます。
 また、青少年教育の団体、子供の社会教育に携わっているボーイスカウトやガールスカウトや海洋少年団が、放課後プランとかに行きまして、土曜、日曜のそういう社会教育団体の組織の人数が、塾に行ったりして今や随分少なくなっておるんですね。子供たちが少なくなっているのとあわせまして、団体活動に参加する子供たちが随分少なくなっております。
 そしてまた、その活動している団体の人たちが、本当に長く続けている方がいっぱいで、大変壮年化しているというか、苦労しておりますけれども、このごろは大分政策が変わりまして、青少年における放課後プランやそういうものに全部行っておりますから、随分活発に、地域とあわせて、地域活動が行われておるように見られます。本当にありがとうございます。
 青少年を取り巻く社会環境が成長の過程にある青少年の人格形成に強い影響を及ぼすと考えておりますが、現在もなお、性描写や、青少年の健全育成に悪影響を与える情報があふれているという現状が非常に憂慮されております。
 都道府県においても、青少年保護条例とかに基づいて、青少年に悪影響を及ぼすおそれのある出版物や映像等に青少年が接することがないように規制しているところもありますが、コンビニ等で有害図書とされない青少年向けの漫画雑誌や週刊誌が小学生でも立ち読みができる現状や、いじめを肯定するようなバラエティー番組の放送なども、青少年の健全育成に対する大人の責任を十分果たしていないと言わざるを得ません。
 青少年に情報や商品を提供する関係業界だけでなく、すべての大人たちに次世代の担い手である青少年を健全に育成する責任が求められております。
 このような基本理念を明確にした青少年健全育成基本法というものが、平成十六年に審議されまして未了で終わっております。基本法の制定が必要と考えます。青少年の健全育成にとって有害な情報があふれている現状についての大臣の認識と、青少年健全育成基本法の必要性について大臣のお考えを伺いたいと思います。
 十六年に審議未了で廃案となったこの議員立法、ただいまは青少年大綱というもので全部それを補っておるということでございますけれども、青少年健全育成基本法の必要性はどうなんでしょうかと思いまして、大臣に、ひとつお聞きしたいと思います。
○高市国務大臣 青少年健全育成基本法は、議員立法で国会の方で審議をされるということでしたので、当時、非常に私も期待をして見ておりました。ただ、これは立法府の方でのお取り組み、検討でございますので、内閣にいる立場としてコメントすべきではないんだろうと思います。立法府の取り組みを見守りたいと思っております。
 ただ、青少年を有害情報から守るということについては、私は非常に強い意識を持っております。
 例えば、憲法の表現、言論の自由との兼ね合い等でいろいろな制約があったり、これまでも、国会の中だけではなくて、外でもたくさんの議論があったことは承知いたしております。ただ、私は、憲法で保障されている自由、権利というものは、公共の福祉に反しないという前提で守られているものであり、それが余りにも行き過ぎて子供たちの健全な育成を阻むようなものであってはいけない、このように思っております。
 私の範疇の中でできる取り組みとしては、一つは、昨年十一月に、これも国会での御指摘もありましたので、とにかく携帯電話で有害情報に子供が接触しないようにということで、携帯三社に対しまして、まずはフィルタリングのサービスを定番でやってほしいという私からのお願い、文書も発出いたしました。総務大臣にもお願いを申し上げまして、携帯三社に対して交渉していただきました。この取り組みは、早速、各社の御協力によってスタートするという形になりました。
 そしてまた、現在は、出会い系サイト規制法というものが制定されまして、児童買春被害などの問題がこれ以上起こらないようにといったことにはなっているんですけれども、ただ、これも、アクセスしてきた人の年齢確認をするというようなことも含めて業者に義務づけをしておりますが、それが的確に行われているのか、正確に把握できているのか、そういったお声もあります。
 私は、本日は、ここには青少年を担当する大臣、少子化大臣として呼ばれているのかと思うんですけれども、一方で、科学技術担当大臣でもあり、IT政策を担当いたしておりますので、これは、別途IT戦略本部の方でも指摘がありまして、ことしの秋、九月を目途に、現行の法制度で十分なのか、見直すべき点はないのか、ここをしっかり議論して結論を出していくといったことになっております。
 また、地方の条例ですね。暴力ソフト、DVDですとかわいせつなソフトに子供が触れないようにというようなことで、各都道府県で条例もありますが、条例を制定されていない県もあります。こういったことで、国全体としてこれをどう扱っていくのか、今の条例で十分なのかどうか、これの不断の見直し、チェックを進めていきたいと思っております。
○井脇分科員 ありがとうございました。
 私は、青少年教育を三十六年間、国会議員になる前ずっと、五万六千人の子供たちに社会教育をしてまいりました。
 その社会教育活動で、一つの社会教育目標ということで五万六千人の子供たちに今まで教えてきたことは、一つ、国の恩、一つ、親の恩、一つ、衆生の恩、一、誇りを持て、二、奉仕の心を持て、三、感謝の心を持て、四、協力の精神を持て、五、責任感を持て、六、勇気を持て、七、礼儀正しくあれ、八、思いやりの心を持て、九、根性を養え、十、積極的であれという、三恩十徳という心を社会教育の目標として、その教育をずっと三十六年間、船に乗せて、中国、グアム、サイパン、日本一周、沖縄、こういうコースをつくって、青少年を乗せて、夏休み、春休み、冬休みと、その教育を七十五回、五万六千人の子供を船に乗せて、波はありますけれども、苦労しますけれども、すごい体験をしながら子供が思いやりの心やその体験を実践させようということで、それを続けてまいりました。
 社会教育の重要性は、もう本当に大切であると思いますが、学校教育、家庭教育はすごい一生懸命ですけれども、それを一生懸命、一点突破で、船を買ったんです、一万トンの船を買った。そして、それは政府の船を買いました、青函連絡船を買いまして、改装して、青少年研修船二十一世紀号というテーマで、その船で研修をさせました。
 それは子供のやはりすごい夢でございました。子供たちをその船に乗せて、朝から晩まで研修をして、そしてその地に着いてその国の子供たちと交流会を展開して、社会教育の体験教育として、子供が夢をはぐくんで、やる気、気力が満ちていきました。
 その五万六千人の子供は、三十六年間でございますから、もう大分立派になって、各地で社会教育体験をまた生かしていくように。それは、総理府の青年の船に私が、女性は乗せない青年の船に二回目のときに女性で乗せていただいて、そして、それからの体験を国に返そうということで、国の恩を返すために青少年教育を続けてまいりました。
 本日は、そのことを一回だけ、今まで言えなかったので、初めて言えて、高市先生だったから言えたんです。あとは震えてまだ、現場では大変できるんですが、国会へ来てすごい上がって、まだまだ全然できません。初めて言えて、本当にきょうはうれしかったです。また、議長が私の尊敬する先生だったものですから、大変うれしく思います。
 本日は、ありがとうございました。
○鴨下主査 これにて井脇ノブ子君の質疑は終了いたしました。
 次に、藤野真紀子君。
○藤野分科員 自由民主党の藤野真紀子でございます。
 ただいま井脇先生の方から社会教育というお話がございましたけれども、五万六千人のお子さんと教育活動を、私は二人の子供と六人の孫、人数は大変少のうございますけれども、家庭の中で子供を育ててきた大切さということを踏まえまして、きょうは食育の観点から質問させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 平成十七年の六月十日に食育基本法が成立いたしまして、翌年の三月に基本計画が策定されました。日本では、既に明治のころから、人の生きる根源として極めて大切なこととされてきました食育が法律化され、国のリーダーシップにゆだねられたということは、極めて意義深いものと認識をしているところでございます。
 日本が食育基本法の中に取り込んだ内容は多岐にわたりまして、現代食がもたらします社会的弊害を幅広くとらえております。すべての国民の皆様の心と体の健康、そして食の安心、安全、また、やがてやってくるであろう地球全体の問題であります食料不足の中でいかに日本が自給率を上げていくべきか、いずれも二十一世紀の大きな課題を含んだ重要な法律の成立は、極めて評価されるものと思っております。
 私自身も子供たちの心の育ちの問題というのが大変重要と思いまして、特に家族のきずなというところに重点を置きまして、ここ十年来、お子さんと親御さんが一緒におやつをつくる、そういった活動をしてまいりました。
 そこで、大臣にお尋ねを申し上げます。
 食育を推進していく上で親の意識ですとか家庭での取り組みが極めて大切なことと考えておりますが、そのための方策について大臣の御所見を一言お伺いしたいと思います。
○高市国務大臣 やはり、食育をきっちり進めるには、御家庭で望ましい食の知識ですとか食習慣をしっかりとつけていただく、それから、積極的に親御さんには子供の食育に取り組んでいただくということが大切かと思います。
 食育の推進に当たりましての家庭への働きかけの取り組みといたしましては、食生活の大切さなどを記載いたしました家庭教育手帳の作成と配布、これを初めとします学校などにおきます保護者への指導、それから、市町村の保健センターを中心にしました乳幼児の栄養指導、子供の生活リズムを向上させるということで「早寝早起き朝ごはん」運動の展開、地域と関係者との連携ということで親子お料理教室、体験農園、こういった取り組みが進められております。
○藤野分科員 ありがとうございました。
 こういった食育基本法というのは諸外国にも例のないことと認識しておりますが、三省庁挙げての食育への取り組みの成果は確実に上がっているということを私は実感しております。
 私もずっとここ十数年食育の講演をしてまいりましたけれども、昨年四十回近くの講演依頼がございまして、特に幼稚園、小中学校の御父兄からの御依頼がかなり多いというところで、皆様の関心が随分と高まっているということのあかしではないかと思っております。
 また、二十二年ですか、を目標にメタボリックシンドロームという言葉を九〇%の人たちが認識するようにといったこともございましたけれども、今全国どこに行きましても、大変驚くのは、中高年の男性が口を開けばメタボ、メタボと言っておなかの回りをさすっているというような状況が本当に極めて多くなりまして、もしかしたら九〇%の国民の方がもう既にメタボリックシンドロームという言葉を認知していらっしゃるのではないか。そういったことで、本当にこの法律ができたことに関しましては大変評価されることだと思っております。
 ただ一方で、食育は言われているんだけれども、いま一つまだ実体が何だかよくわからない、つかめていないとか、私の知り合いが栄養教諭の資格を取りました、ところが、東京都に行ったんだけれどもどうもことしは採ってもらえない、どういうふうになっているのか、一生懸命そういったところで活躍をしたいのだけれどもどうやら受け皿がないということとか、また、給食の現場では、ある学校では器が二種類しかない、これは人が食事をするようなしつらえではない、ボールとお皿だけしかないといった状況もある。また、食べ残したものとまだ全く手をつけていない残った食物を一緒にして捨ててしまっている、子供さんの目の前でそういったことをしてしまう学校もある。そんな大きな問題もまだまだ残っていると思っております。
 これは文部科学省にちょっとお尋ねを申したいと思っております。
 学校における食育推進には栄養教諭が極めて重要な役割を果たすと考えておりますが、現在の配置の状況はどうなっているのか。また、現在、学校の栄養の職員さんが栄養教諭を目指し免許状を取得するということでございますが、取得をしたとしましても、各都道府県がきちっとした受け入れをしてくれないという状況ではなかなか活躍の場がないということでございますので、こういった現状をどういうふうに打開していったらいいのかというところをお伺いをしたいと思います。
○西阪政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、学校における食育推進に当たりましては、栄養教諭の役割が最も重要でございまして、政府の食育推進基本計画にも、全都道府県における栄養教諭の早期配置が必要というふうに記載されているところでございます。
 配置の現状でございますが、平成十七年度に栄養教諭の制度化がなされまして、平成十七年度は三十四名、平成十八年度は三百五十九名、そして本年度は四月一日現在で九百七十四名という配置で、年々増加をしておりますが、なお四十四道府県での配置ということで、全都道府県には至っておりません。また、大変計画的に各学校に配置を計画している県から、若干まだそういう全体的な計画のない県まである現状でございます。
 栄養教諭の採用、発令ということにつきましては、各都道府県教育委員会の権限でございまして、私どもは、現在の学校栄養職員が栄養教諭の免許状が早期に取れるように講習会を開催いたしまして、免許状の取得ということを推進しているところでございますが、先生御指摘のございましたように、免許状を取得いたしましても、最終的に採用するかどうかというのは、都道府県の教育委員会が採用ということでございます。私どもは、食育推進の中心的な役割ということで栄養教諭の配置をより促進していただくよう、いろいろな機会をとらえまして都道府県教育委員会に対して周知を図っていきたいというふうに考えております。
○藤野分科員 ありがとうございました。
 今、九百七十四名という数字がございましたけれども、これも取得をされた方ということでございますので、この方全員が活躍の場ができているかどうか、それはいかがでございますか。
○西阪政府参考人 先ほど私が申し上げました九百七十四名は、栄養教諭として学校あるいは教育委員会で実際に食育の指導に当たっている者でございます。栄養教諭の免許状を取得している者は約五千名ございます。
○藤野分科員 ありがとうございました。大変安心をいたしました。私の知人でも、皆さん、食育の活動をしたい方が大勢おいでになるんですが、どうしてもその活動の場がないというところが今問題でございますので、ぜひともその活躍の場を広げていく御尽力をお願いしたいと思っております。
 時間の都合がございますので、学校給食のことを未納の問題も含めましてお尋ねをしたいところでございますが、順番を変えまして、農水省の方にちょっとお尋ねをしていきたいと思っております。
 子供たちの心と体の育ちの観点から申しますと、食育の中で最も基本となるのが家庭における食育への認識の深さであろうと思っております。井脇先生は、その御体験上、社会教育の大切さをかなり認識していらっしゃる。私は家庭の中でやってきた自分の体験から、家庭教育の大切さというものを実感として持っております。
 教育という字は教と育というふうになっておりますが、この教というのは、まさに知識を先人より学ぶということだと思います。教育の育という字は、育ちとも読みますが、これはみずからの体験の中でゆっくりと時間をかけて、自分でいつか気づき、悟っていく、そして、生きる知恵や人間力を少しずつ養いながら成長していくことだと私自身考えております。
 この育ちということでございますが、その場の多くは家庭の中にあるのではないかと思っております。食育の観点から申しますと、例えば母親が子供に手渡していく毎日のお弁当、これは母親から子供に渡す手紙と同じ役割をすると思います。また、三百六十五日繰り返される日々の食卓で家族とともに過ごす日常の営みというものは、子供たちの豊かで健全な人としての感性をはぐくむ場でもあります。
 しかし、今、この家庭の中での子供たちの大事な育ちの場の一つであります食卓が大きく崩壊しているのが現状でございます。たった一人で御飯を食べるという子供が大変多い。一年間のうちに、小学生ですが、家族と御飯を食べる回数は三百回を切ってしまった、そんな現状でございます。そのために子供たちの感性は極めてフラットな未成熟のままの場合であることが多く、これが心の問題の要因にもなってくるのではないかというふうに思っております。
 そこで、食育の大きな課題といたしまして、家庭での食育への認識、意識をどう上げていくのか、大変難しい問題だと思うのですが、これが問われてくると思います。それには大きく国民全体に向けての啓蒙活動が必要ではないかと思っておりますが、農水省では、関係省庁の中でもその予算枠はかなり大きくとっておられるように思いますけれども、どういった国民に対する啓蒙をしっかりなされるのかということをお尋ね申し上げたいと思います。
○貝谷政府参考人 お答え申し上げます。
 今先生おっしゃいましたような、まさに子供たちに対する教育、特に食育に対するある意味でのしつけということを考えますと、最近の若い人たちの孤食問題もいろいろ言われております。そういったことを含めまして、私ども、食卓を家族で囲むということの大事さ、これは狭く農水省の問題というよりは、むしろ政府全体の問題として農水省としてもその点も含めた広報、普及啓発に力を入れてきているところでございます。
 確かに、今先生おっしゃいましたように、農水省の予算の額は政府の中でも大変大きいわけでございますが、一番大きいのは、やはり普及啓発費用ということが一番の柱でございます。内閣府が主催されておりますさまざまな全国シンポジウムに合わせまして、農水省もイベント等、シンポジウムをやっております。また、それ以外にもポスター、リーフレット、さまざまな教材等を、材料をつくりまして地域に活用していただくということをやっております。
 それから、私ども、そういう普及啓発のほかに、予算の大きな点でございますけれども、特に農水省の場合には、生産、流通をしまして食卓にという一連の段階をそれぞれ所管しておりますので、そういう私ども役所の特殊性に応じまして特に食育の実践に重きを置いた活動も普及啓発と一緒にやっております。
 例えば、今お話しの都市部の児童生徒を対象といたしました農業体験学習、さらに、そこでとれました農作物を使いまして簡単な料理教室のようなことも地域でやっていただいております。それから、生産者、流通、販売業者、そういうところを含めまして、例えば学校にそういう専門家の方を、出前といいますか専門家を学校の方に派遣していただきまして、学校給食での日本型食生活の実践、そういったことも私ども積極的に実践活動として進めてきているところでございまして、確かに予算額は大きいわけでございますが、そういう全国的な普及啓発と生産、流通、消費の各段階におきます実践活動をいわば二本柱として取り組んでいるところでございます。
○藤野分科員 ありがとうございます。
 いろいろなシンポジウムですとか食育の大会というのがされているのは承知をしておりますが、その形が、着々と何かが大きくなっていくというような感じがどうもつかみにくいということもございますので、その一つ一つのシンポジウム、イベントというのがそれで終わらずに次につながっていくようなことでまたお考えいただければ、これはかなり建設的な形になるのではないかと思っています。
 私の地元、愛知でございますが、皆様のお声の中に、食育をやっているんだけれども、企業の方もいいことだというのはわかっているんだけれども何をしたらいいんだかわからないし、一体次世代に向かってどういうことを形づけていいかわからない、そんなこともありまして、地元の方でこんなことはどうだろうかということが一つ持ち上がっております。食育キッズキャラバン隊一千人プロジェクトということで立ち上げたいという、企業と市が一体となってやっていく取り組みでございます。
 これは、例えば六月の食育月間がございますが、その日にセレモニーを名古屋市でいたしまして、例えばでございますが、百人の子供たちに舞台に上がってもらって食育宣言をしてもらいます。その子たちに、一カ年、四季を通じて、大事なことは親子でということでございますが、親子でともに食育の体験をいたします。
 食育の体験といいますと、農業体験ということがすぐ出てきますが、それだけではございません。今、五節句というものも子供たちは全く知らない。お正月が何なのか、端午の節句が何なのかもわからない、そういったことも含めまして、日本の伝統文化、日本の心も含めまして食育というものを体験してもらう。これは親御さんも当然のことながら、今は親御さんの方がどうも意識がなかなか持ちにくいというところで、まずは子供さんにその体験を。真っさらなところですから非常に吸収が早い。でありますので、子供さんから親御さんに広げていくということも考えまして食育体験をしてもらう。そして、その食育手帳なりガイドブックをつくりまして学んでいく。
 一年後でございますが、また六月の食育の日に、市長より修了証書の授与、そして食育バッジをみんな授与される。食育バッジをつけた子供たちは、地域で食育の活動をしていく食育キッズキャラバン隊員となる。そういったことを市で登録して、市庁舎に行きますと掲示板があって、子供の食育キャラバン隊員というところで自分の名前が書いてある。そういったものを子供たちが見ますと、誇りに思い、自分のバッジを見て、これからきちっとした食生活をして、家族に、家のおばあちゃんにもおじいちゃんにもそういった食を広めていこう、そんな意識が持てるのではないかと思います。
 そして、一年間修了いたしましたその第一期生がキャラバン隊員として、次の百人の子供たちにその同じ舞台で食育宣言をしてもらいまして、二期生を育てる。そうしますと、一年に百人。一期生と同様に、とにかく一年間の食育を楽しく学んでいただきまして、修了後は同じように市で名前をきっちり登録して食育キッズキャラバン隊員となる。そして、そのバッジをつけた子供たちは、地域に散らばって食育を広めていく役目を負っているんだという自負のもとに活躍をしていく。そんなことを一千人に達成するまで中長期的にじっくりとやっていこうじゃないか。そうしますと、本当に数字の上で目に見えて、食育が我が地域で少しずつ少しずつ根を張っていっているんだぞということが見えるのではないか。
 どうも、今は本当に、服部先生も一年間に三百だか四百だかの講演をしていらっしゃる、でも、それがそれで終わってしまうことがいかにも残念でございますので、次世代に何か形として引き継ぎたいということを思っております。そして、その一千人に到達するまでの十カ年、きっちりと活動をしていくことによって社会がよくなるのではないかということも思っております。
 例えて申しますと、体が弱ってしまった場合に、本当にわずかに残った元気な細胞があったとしますと、その健康で元気な細胞をどんどんふやすことによって健康を取り戻していくのだと思います。病んだ社会を、健康で活力のある子供たちが百人、一千人、一万人とふえていくことでやがて健全な社会に変えていってくれる、これこそが食育の本当のある姿ではないかと思います。
 今は一生懸命啓蒙活動をしておりますが、それが必ず次の社会に何かを変えてくれるんだ、そういった確固たる何か機軸がなければ、食育啓蒙活動をやっているその目標値がなければ、なかなか意味がつかみにくいというふうに思っております。やがて健全な社会に変わっていってくれる、そんなことを祈りまして食育を通じた長期的な取り組みをこの愛知から発信していこう、そんなことも考えているところでございますが、これに関しましても、これは質問の予定がございませんでしたので、急にということもできませんので、ぜひ国の方でもそういったことのサポート、協力、御理解ということをお願いしたいと思っております。
 これに関しまして大臣の方で今後具体的に、中長期的に、こんな取り組みをしたらどうかとか、こういったことをサポートしたいとかというようなもしお考えがございましたら、その御決意のほども含めましてお聞かせいただきたいと思います。
○高市国務大臣 愛知でのお取り組み、すばらしいですね。そういったお取り組みがどんどん日本全国に浸透していって続いていけば、すばらしく効果は出てくると思います。特に子供さんたちが主体的に取り組まれる、学ばれるということは、それぞれ子供さんたちがおうちに帰って親に対して言うんですね、この取り合わせじゃだめだよとか。親の食生活に対しても子供が物を言うようになるというような事例は、今文部科学省の方でモデル校をつくって、まずは食育に対するいろいろな知見ですとか先進事例をつくっていこうということで非常に熱心にお取り組みをいただいております。ですから、その愛知の事例でも、これまでモデル校で行われてきたような事例でも、これがどんどん多くの方に伝わっていけば効果は出ると思いますね。ですから、私は、とにかく広報活動の支援は十分にできますので、今のお話も十分に参考にしながら取り組ませていただきたいと思います。
 ちなみに、一月に伊吹文部科学大臣に、学習指導要領の中にも食に関する教育のことは書いてあるんだけれども、食育として体系的に位置づけていただいて、教材開発ですとか教職員の方々への研修を充実していただけるようお願いに上がったところでございました。
○藤野分科員 ありがとうございます。本当に心強いお言葉だと思いますけれども、やはり国の中央できっちりとそういったお考えを持ってサポートしていただくことが今後の食育の発展に一番力強いことだと思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 最後でございますけれども、食育ということ自体が本当に平成十七年からのことですので、こういった事例があるかどうかということなんですが、食育功労者に対する表彰といいますかそういったこともひとつお考えになっていただけないかなということも考えております。こつこつと地道にやる仕事も極めて大切な食育の仕事ではございますが、その要所要所にかなり表立ったセレモニーをすることでさらに啓蒙活動ができるものと思います。
 例えば、もう八十を超えていらっしゃいます辰巳先生、料理研究家で有名でいらっしゃいますけれども、本当に日本の家庭料理を次世代に継がせるという大変重要なお仕事を長年にわたりまして訴え続けていらっしゃいました。最近では、一握りの大豆運動といたしまして、子供たちがつかめる一握りの大豆を植えて、それをどんどん広めていく。そんな中で、自分たちが植えた大豆から収穫をし調理をしていく、そういったものを全国に個人の力で広めていらっしゃる方でございます。
 多くの子供さんたちに命の大切さ、自分自身の命への気づき、そして、そこから自分が強く生きるための食の重要性とその方法というものを学んでいく、そういったことを説いていらっしゃる辰巳先生でございますけれども、こういった長年にわたる御貢献をなされた方々をぜひとも表舞台に引き上げていただきまして高い評価をしていただくということと、次世代の子供たちに一生を費やして貢献をされたことに国としても感謝の思いをあらわすということで、何らかの形がとれないかということも考えているところでございます。
 食育をさらに国民の中に深く浸透させる大切なことの一つとして私自身ぜひともお願いをしたいということをつけ加えまして、質問を終了させていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○鴨下主査 これにて藤野真紀子君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして内閣府所管中内閣本府及び沖縄振興開発金融公庫についての質疑は終了いたしました。
    〔主査退席、松本(大)主査代理着席〕
    ―――――――――――――
○松本(大)主査代理 昨日に引き続き外務省所管について審査を行います。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。岡本充功君。
○岡本(充)分科員 民主党の岡本でございます。
 きょうは外務省所管の案件について質問をしていきたいと思います。
 きょうは、幾つか質問も要求しておりますけれども、まずは、麻生大臣また岩屋副大臣がお越しでありますので、一点だけ確認しておきたいことがあるんですけれども、今、自由民主党の中でも、民主党ももちろん議論をしてまいりました、いわゆる政治資金の透明化に向けて、政治資金、領収書添付を義務づけてはどうかという法改正も検討されているようであります。政治家個人としてのお考えで結構でありますけれども、今の事務所費の報告のあり方、領収書添付についてはいかがお考えになられるのか、御所見をそれぞれお聞かせいただければと思います。
○麻生国務大臣 岡本先生、これはもう私が当選した三十年ぐらい前からずっとこの種の話というのがありますので、私どもとしては、これはどの意見が正しいのかと。改正すればまた何か出ますので、一種のイタチごっこというか、モグラたたきとかいろいろな表現がありますけれども、そういった形でなかなか、これをやるとまた別の話というふうに出ますので、エンドレスみたいな形になってきているような感じがして、作業量ばかりがわんわんわんわんふえるんですけれども、その割に何だか余り効果がないなというのが、この三十年間やらされている方の実感です、正直なところ。だから、完璧なものというのは出てこないので、そういう意味ではもう少し、全然別の発想が要るかなという感じがしております。
 しかし、いずれにしても、こういったものに透明性が確保できるというのにどれが一番資するかという観点が大事なんであって、それは領収書なのかねと言われると、さあ、これまでやって、何となく余り効果がなかったじゃないかという感じがしないでもありませんけれども、何かうまい方法が考えられるのかなというところが正直ちょっとよくわからないというのがあれなので、これは各会派等といろいろ、私よりもっと詳しい方々がいっぱいいらっしゃいますので、そういった方々の御意見を踏まえた上で、何かきちんとしたものができ上がればいいなと思っております。
 ただ、何万円にすればなくなるとかで、またどんどんどんどん細かくなって、それだけ作業量はどんどんふえていって秘書の仕事ばかりふえて、秘書の給料は上がらない、仕事はふえる、人数はふえない、本来の仕事の方がまた減ってくるというのは、正直私どもも、ずっとこのところの、何年間かやった実感です。
○岩屋副大臣 事務所費が問題になったときに、私も自分の事務所のものを調べてみたんですけれども、もちろん問題はなかったんですが。
 ただ、先生もそうだと思いますが、議員会館があって、それから地元の事務所があって、地元も、事務所が一カ所の人もいれば、二カ所の人もいれば、今の仕組みだとそれぞれの事務所のやり方があるみたいなことになっているので、だから、一カ所だけとらまえられて分析をされると何かつじつまが合わないようなことが散見されるんだと思うので、私は、もうちょっとわかりやすいルールにした方がいいんじゃないかなと思っています。
 したがって、与野党でしっかり合意する線ができれば、その線に沿って、もっとわかりやすい整理の仕方であった方がいいのかなと個人的には思っております。
○岡本(充)分科員 大臣が今、領収書添付をしてもイタチごっこになるんじゃないかという御懸念をされておりましたけれども、幾らで線を引くかは別として、もし極論を言えば、作業量を無視すれば、一円以上の領収書を全部添付すれば、透明性という意味ではもう間違いなくこれ以上のことはなくなるわけでありまして、領収書の添付というのは、これまでそういう意味ではなされてこなかったテーマでありますから、私は、民主党で提案をしておりますとおり、やはり領収書を公開していく方向が国民の求めているものであれば、私たちは国民に選んでいただいている以上は、やはりそういう方向でできないものか、もっと真剣に自民党でも検討していただきたいなというふうには思っております。
 きょうの本題ではありませんので、まずそこはそのように意見表明をさせていただきまして、本題に入りたいと思います。
 まず、きょうは拉致問題のことについてお尋ねをしたいと思います。
 拉致問題、けしからぬ話でありまして、これはほとんどすべての日本国民が怒りを覚え、涙をした話であったのは、もうこれは間違いない。
 しかし、昨今の情勢を見ていると、拉致問題、終わってはいないよということの意思表示かもしれないんですが、何十年か前の逮捕状をとってみただとか、次の案件が出てきましたといって、ちょろちょろと少しずつニュースは流しているようでありますけれども、根本的な前進がなされているというような認識を持っている日本人は今少ないんじゃないか。次々事案が出てくる、次の拉致の案件が出てきました、今度は拉致被害者の家族が他国からもやってきました、こうやって、いろいろ話題はつくってニュースにはなりますけれども、根本的なこの拉致問題の解決、これが進んでいないのではないかという危惧を持っている日本人も多いと思います。
 では、そもそも、この拉致問題の解決なくして日朝国交正常化なしという話をよく言われるわけでありますけれども、拉致問題の解決というのはどういうことを指すのか、その定義をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○麻生国務大臣 これは、岡本先生おっしゃるように、拉致問題、きのうもルーマニアの人が外務省にお見えになりましたのでお目にかからせていただきましたけれども、この北朝鮮の拉致という話を、岡本先生、世界じゅうで正面から取り上げている政府というのは日本だけなんですよ。韓国だって六百人とかなんとかいろいろ言っていますけれども、正面からこの問題を据えて、おかしいじゃないかと言ったのはたった一つ、日本だけですから。ほかの国の人たちも、日本だけが言ってくれている、だからタイもどこもみんな、日本政府に何とかという話でお見えになるんだと思っております。
 我々としては、基本的にはこの問題というのは引けない話なのできちんとやるということで、これまで、日本だけでやってもらちが明きません、らちが明かないと言ってしゃれているわけじゃなくて、全くらちが明かないので、それなら国際社会を巻き込んでやりましょうという話で、一番影響力のあると思われる中国とアメリカというのを二者入れて、隣国、ロシアもあるから、韓国もあるからというので、日本を入れて六者という形で会議を進めさせてここまで来て、少なくとも、拉致、アブダクトするという言葉が国連の総会の場で使われた初めての例に、そこまで来て、だんだんだんだん包囲網が出てきている。それが一応、IAEAの査察を受け入れるのに、寧辺のあれを聞き入れるというところまでは来たと思っております。そこにBDAの話が来て、今また別の話になっていますけれども。
 我々としては、この拉致の問題の解決というのは、基本的に三つです。生存者のこちらへのいわゆる帰国、犯人の引き渡し、そして真相の解明、この三つが解決ということの基本です。
○岡本(充)分科員 これは別に、北朝鮮に手のうちを明かす必要はないもので、ここでつまびらかに言えと言うつもりは全くないんですけれども、では、拉致の日本人の全員帰国といっても、何をもって全員帰国と言うのかが非常に難しい。日本人だけなのか、それとも外国籍の人も含むのか、こういった観点もある。それから、全員といっても、最初の総数がわからない。ここら辺はどういうふうになっているんでしょうか。
○麻生国務大臣 これは、千番台とか、十二件十七人とか、いろいろの枠がありますので、正直なところを言って、この間、新たに二名の子供の話が出ていましたので、そういった意味では、特定するというのは極めて難しいと思いますが、今、少なくとも、警察で特定をした範疇というところまでが我々としては確証のあるところですので、そこのところが人数として要求しているところであります。
 日朝の国交正常化でありますから、基本的に日本人の拉致に関して我々は言っております。他国のことまで、それが本当かどうかの調査は我々にはできるあれがありませんので、少なくとも日本に関して、我々の持っている資料に基づいてこれだけということが、犯人引き渡しの前の、生存者の帰国に対しての枠は日本人に限っておるというように御理解いただければと存じます。
○岡本(充)分科員 とすると、先般明らかになったお子さん二人はその対象に含まれてこない、外国籍だというふうに私ちょっと耳にしておりますので、そういうことになるのかと思うと、それもちょっと私も割り切れないところがあるわけであります。
 ただ、今、日本人の拉致被害者もすべてが明らかになっているわけではありませんし、これからもまだ出てくるかもしれないという話であると、これは一体、先ほど三つ目の点だと言われました全容解明というのが、正直言って、その当時の事犯を起こした者も、死んでいる者もいるでしょうし、詳細なところまで幾ら教えろと言っても、明らかにできない部分もあると思うんですね。だから、これはどこかで、ここまでというようなところははっきりさせなきゃいけないときが来る、これは極めて断腸の思いでありますけれども。
 隣国同士というのはなかなか仲よくしづらいというのもいろいろあって、最近もイギリスとロシアが、例のスパイのなぞの死をめぐってちょっと穏やかならないことをお互いに言い合っていたりするわけですね。よその国を見ても、やはり近いものほど何となく、憎いわけではないんですけれども、いろいろ案件があって気になる。
 日本も、そういう意味では、大きな案件を抱えているのは近隣だけではないとはいっても、国民が関心を持ちやすいもの、まあ、北朝鮮以外にも、では中国のガス田は一体どうなってくるんだ、竹島の問題は一体どうなるんだ、北方領土はどうなるんだ、こうやって関心を持つのは比較的近いところが多いわけでありまして、その近隣諸国とどのように、仲よくやりながら、しかし日本の国益をきちっと守るのかというのは、これはなかなか、さっきの政治資金の話じゃありませんけれども、永遠のテーマなんじゃないか。歴史をひもといてみても、各国ずっとそれを悩みながらやってきている。ですから、麻生大臣がいかに名大臣であっても、これをすぱっと解決しました、こういうふうにお示しすることは、恐らく私は無理なんだろうと思っているんですね。
 そういう意味で、例えば、実行犯の処罰といっても、もう先方で処罰した、二重処罰になるんじゃないか、こういう思いを実際持つ人も出てくるかもしれない。だから、実際に、処罰といっても、必ずしも日本で処罰をしなければいけないというわけでもないんだとは思うわけでありますけれども、この実行犯の処罰については、量刑を日本の要求どおりにしていなかった場合は日本で再度裁かなければ解決と言えないというふうにお考えなのかどうかについて、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○麻生国務大臣 まず最初に、今岡本先生が言われた中で、新たに出た子供二人、あれは国籍は確かに日本ではありませんけれども、日本という国にいたのがいきなり不法に連れ去られておりまして、主権の侵害であることははっきりしておりますので、この点に関しては当然あの二人の者も求めることまでは間違いないということだけは、ちょっと先ほどの、そこはわかっておるというお話からすると、日本の国籍ではありませんけれども主権の侵害ですからそれは求めますよということだけははっきりしております。
 次に、隣国のお話がありましたけれども、これはもう隣国は世界じゅう難しい。メキシコとアメリカだって難しいし、イギリスとフランス、フランスとドイツ、皆こちゃこちゃ、ずっと、日本の新聞に載らないだけで、現地の新聞にいけば皆載りますので、アイルランドとイングランド等々いろいろな表現がありますけれども、皆難しい。そういうものはある程度ある前提でどうしていくかという話であって、それが極端に拉致とか常軌を逸したような話では、とてもじゃないけれども限度を超えておると思いますので、そういったことになるんだと思います。
 しかし、いずれにしても、こういったものをすぱっと解決するなんということはあり得ないのであって、手間暇かけてきっちりずっとやっていく、これが外交というものに与えられている義務とか責任とかそういったものなんだと思いますので、今後ともこれは努力をしていくことになるんだと思います。
 少なくとも、中国との、江沢民さん以降、もしくは胡錦濤・小泉時代を見ましても、この十年近くのところを見て、やはり双方にとって余り利益じゃなかったというと、向こうはやはり利のある方を求める。一番わかりやすい例は、去年一年間で対中投資は三〇%激減しておりますから、そういった意味では、対中投資が海外に限らず日本からも減るというのは中国にとってもいいことじゃないでしょうがと。やはり両国関係がそこそこのところでいかないとというお話なんだと思います。
 安倍訪中以降、そこらのところは大幅に改善してきていると思っておりますけれども、では問題はすべて解決したかといえば、それは油田の話から何からまだ残っておりますので、こういったものはありながらというので、まあ、岡本先生、例えはいかがかと思いますけれども、お宅の夫婦関係みたいなもので、ちょこちょこ問題があっても夫婦関係はきちんとしておる、我が家なんか最たるものでしょうけれども。そこそこつき合わざるを得ないからやはりそっちの方がとか、子供のことがあるからとか、なんとかかんとかといろいろなことを考えてやはりというようなことで、ある程度譲るところは譲る、主張すべきところは主張する、やはりそこらのところのバランスが最も難しいところかなと、つくづくそんな感じがいたしております。
 これはほかの外交官に聞いても皆同じことを言います。南米でも皆、私らから見ていると普通に見えるんですけれども、皆違うようなことを言いますので、皆同じようなものかなとは思っております。
○岡本(充)分科員 大臣の御意見を御披瀝いただきましたけれども、最後に私が聞いた実行犯の処罰の件についてはお答えいただいておりませんので、お答えいただきたい。
○麻生国務大臣 済みません。
 実行犯につきましては、もし引き渡しが行われた場合は、当然のこととしてこちらの法律で裁くということに……(岡本(充)分科員「向こうで既に裁かれていてもですか」と呼ぶ)はい。確たるものが私どもにはありませんので、それが本当かというのが私どもとしてはきちんとわかった上でということになろうと存じますが、何となく今見ている範囲では、結構テレビに映っておられたりなんかするのが、あれがそうじゃないかとか言われている人がいるというのを見て、少なくとも拘束されて拘留されているというようには感じられないというのが、多分、一般的な感情論としてあるんだと存じますので、ここらはきちんとしたところを求めなければいかぬところだ、私はそう思っております。
○岡本(充)分科員 ただ、調べられて向こうで裁かれている場合は、二重処罰ということはどうなのかということについては、私は若干の懸念を持っておりまして、そこはしっかり調べていただいて、もちろん、刑罰を受けていないというのであれば、実行犯の引き渡しを求めてこちらで処罰をするというのは当然のことでありますけれども、もし向こうで本当に処罰をされていてもう既に刑期を終えて外に出ているという話である者を再び日本でさらに何らかの刑罰を科すというのであると、やはりそれは、逆に日本がどういう国かということに他国から指弾をされるわけでありますから、そういうことは私は懸念を持っているということでございます。
○麻生国務大臣 それは全くおっしゃるとおりなんですが、ただ、これは日本の管轄権下で起きた拉致ということになりますので、法律的に、第一義的には日本で裁くということになろうと存じます。
 それからもう一つは、我々から見たらいわゆる人質、人さらいの対象になりますけれども、向こうから見れば英雄かもしれませんし、それはなかなか国によって、こっちの敵対行為であって、向こうにとっては、それは利敵行為になるということもあり得ますので、そこらのところはきっちり詰めなければいかぬところだと存じます。
○岡本(充)分科員 今大臣がおっしゃられたことは承りました。
 その上で、例えば、先ほど言われた、今般のルーマニアから拉致被害者の方が来られたりする、ああいう渡航費用などは日本政府として面倒を見ていたりするわけなんですか。もしくは、実際に、あの方々だけではないですけれども、海外からいろいろ来られる方々、あれは自費で来られているのかどうか、それは把握していないのかどうかも含めて、ちょっとお答えいただきたい。
○麻生国務大臣 これは、拉致被害者の会が出しておられるのか向こうが出しておられるのか知りませんが、少なくとも政府が出しているということはございません。
○岡本(充)分科員 それはそのはずだと思いますし、幾ら外交機密費があるといっても、そういう使い方が適切かどうかというと、私は疑問の余地があると思いますので、そこはきっちりやっていただきたいと思います。
 続いて、六カ国協議の今後の見通しですけれども、IAEAの査察、北朝鮮の受け入れはどうなのかまだ定かじゃないというふうに私は理解しております。その一方で、バンコ・デルタ・アジアの資金はもう北朝鮮の管理下に移っているんじゃないかという報道も一部聞いてはおるんですけれども、現状について、バンコ・デルタ・アジアの資金は北朝鮮の管理下に今もう移ったのか、それから、北朝鮮のIAEA査察受け入れの見通しを大臣はどのようにお考えになられているのか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○麻生国務大臣 BDAの話に関しましては、これは、主たる国が、マカオのあれであります中国、北朝鮮、アメリカの三者でありますので、日本とかロシアとか韓国はこの問題について主に詳しく知っているわけではありません。
 ただ、今我々がアメリカから得ている情報等々を総合してみますと、少なくとも二千五百万ドルという金はアメリカの管轄下にはない。バンコ・デルタ・アジアという銀行の管轄下にある。そのバンコ・デルタ・アジアから北朝鮮の自分の口座の引きおろしがあって、北朝鮮のものになったというところにはなっていない。バンコ・デルタ・アジアの中にあってアメリカの手は離れているというところまでが現状なのであって、北朝鮮がそれを自分のフリーハンドでとるという状況にあるとは思いますけれども、関係ないとアメリカは言っているわけですから、引きおろしさえすれば、北朝鮮としてはそれを法律的に全く自分のものにできることになっています。ただ、北朝鮮はそれを引きおろしていない。
 なぜかといえば、多分、その金を北朝鮮等々に送金する手段が、今アメリカとBDAとの関係はすべて切られておりますので、うちはもうおたくみたいなダーティーな銀行と取引しませんということになったので、為替等々の送金の話がなかなかうまくいっていないのかな、ここは想像の範囲です。ただ、アメリカの範囲にはないことだけははっきりしたと思っております。
○岡本(充)分科員 今の話だと、北朝鮮が自由に使えるお金にはなってしまったという状況だということですね。
 IAEAの査察の受け入れの見通しは今どのようになっていますか。
○麻生国務大臣 IAEAの査察の話にはこのBDAの話というのが、私らの立場から言わせれば、六者協議と何ら関係ない話でしょうがと。これは、アメリカの金融とかいう法律、国内法の話で、いわゆるアメリカの財務省所管であって国務省所管ではないBDAの話を、国務省所管の六カ国協議に持ち込んでくるのはおかしいでしょうがというのはずっと一貫して言ってきているところです。
 しかし、これがないと話に入ってこないというので、アメリカは、国務省と財務省で話をして、財務省は一連の措置をとったというのが経緯なんだと思いますので、これがすんなりいくとアメリカ国務省は間違いなく思っていました。
 したがって、それを受けて、IAEAのエルバラダイが北京へ、またその他の施設、寧辺の核施設のディスエーブルメント、無能力化までやります、それから、IAEAの査察、監視を受け入れますというところまでは来ていましたから、そこまでは話としては進んでおりましたので、私どもも、BDAさえ片づけばそんなに時間がかからないのかな、今でもそれはそう思っております。
 ただ、この片づき方が、アメリカの手を離れた後、どうしてといえば、多分、中国と北朝鮮との間が、何か同じ中国国内から北朝鮮に移動させるというところがなかなかうまくいっていないのかなという感じがしますので、ちょっと私どもがはかり知れるところではありませんけれども、しかし、この問題が解決しさえすれば、あすに再開されてもちっともおかしくないというのが現状であります。
○岡本(充)分科員 BDAの問題が解決をされていないという認識を大臣がお持ちなのは先ほどのお話とちょっとしっくりこないと私は思うんですけれども、少なくとも北朝鮮の管理下にお金は行った、それで、送金の問題でなかなか送金ができない。しかし、その一方で、IAEAの査察の受け入れの見通しは、もう期限が過ぎて、一両日中だと言われたり、一週間以内だと言われながら履行されない。
 その一方で、日本は経済制裁だと言ってはいるものの、さっきの話、米国は経済制裁をはっきりと弱める方向へかじを切ってしまった。
 こういった中で、日本が制裁強化だという声を上げていても、そもそも中国、ロシアと協調して制裁ができていなかった段階で制裁効果というのは極めて乏しいのではないかという危惧を持っていたわけですけれども、日本だけで制裁強化をしていって、大臣、どういう効果があるというふうにお考えなんでしょうか。
○麻生国務大臣 効果については副大臣の方から答弁をさせていただきます。
 最初のところで、今から四日前の話ですから二十日の日にエルバラダイ事務局長あてに北朝鮮が書簡を送付しております。書簡の内容は、マカオのバンコ・デルタ・アジア銀行に凍結された資金が実際に解除されたことを確認次第、IAEA実務代表団を招請する準備があるという趣旨の内容で手紙を送っております。
 したがって、アメリカにしてみれば、もうおれのところの手を離れたじゃないか、それに対して何でもたもたしているんだというのがアメリカの立場で、ここは今かなり促進をしようとしているということであって、今その問題が片づいていないから直ちにIAEAのが行くという状況にないというのが現状と御理解ください。
○岩屋副大臣 まず最初に、先生が、米国による北朝鮮経済制裁は解除に向かっているというお話がございました。(岡本(充)分科員「いや、向かっているじゃない、かじはそちらに切って」と呼ぶ)かじをですね。
 それはBDAのことを指しておられるんだと思いますが、大臣からも今御答弁がありましたように、米国がとっているBDAに関する措置が変わっているわけではなくて、やはり、BDAは引き続き、米国の国内法で、直接または間接に米国の金融機関にアクセスできないという状況は維持されております。
 ただ、北朝鮮がBDAからお金を引き出すということについては、平たく言えば、それについてとやかく言うことはしない、そういう状況になっているということだと御理解をいただきたいと思います。米国は、国連決議に基づくような措置も継続をしている状態にございます。
 それから、先生お尋ねの日本の制裁の効果ということでございますが、例えば、十八年度中の北朝鮮船籍の入港実績は対前年度比二〇%減、十八年度十一月以降はゼロ、それから、十八年度中の輸入額は対前年度比三八%減、十九年度はゼロ、こういうことになっておりますので、これは一定の制裁効果を上げていると思っておりますし、日本がそういうことを続けるということで我が国の意思を明確に国際社会に示している、こういう効果を生んでいるというふうに思っております。
○岡本(充)分科員 いや、副大臣はそう言われるけれども、名をとっても実がなければだめな話で、これも例えが悪いかもしれないけれども、穴のあいた風船をこちら側から一生懸命吹き込んでも、一生懸命こっちは息を吹き込んでいるんです、前年度比これだけ息を吹き込みましたといっても、こっちで穴があいていたら意味がないわけなんですね。
 こういう意味で言って、私は、今の制裁強化、だけではないんだけれども、制裁強化で、外務省も重々認識していると思いますが、今の北朝鮮に対して日本政府の断固たる姿勢は示していても、北朝鮮が制裁によって困りましたという効果が出てくるということは考えられにくいと思っているわけです。
 ちょっと時間の関係もありますので、最後に、軍縮の問題についても取り上げたいと思っています。
 まさにこれは核の話と同じですけれども、NPT、核不拡散を、少しちょっと、北朝鮮もけしからぬわけなんですが、全世界的に、持った者得になることだけは避けなきゃいけないと僕は思って、北朝鮮の今回の一連の流れを見ていると、持った者得になるんじゃないかと思って見ている国がほかにもあるんじゃないかと私は大変危惧を持っている。これは多分、外務省もそう思っている。
 今度の四月三十日から五月十一日まで、二〇一〇年のNPT運用検討会議の第一回準備会議がウィーンで開かれるというふうには聞いておりますけれども、二〇〇五年の運用検討会議は、議題の設定でももめて、最終的に議論にも入れなかったか、議論にたどり着くのに大変苦労したと聞いておる。NPTの中において、核軍縮を目指すのか核不拡散を目指すのか、こういった路線も、日本は両方をにらんでいるというけれども、こういうことでもめていても仕方がないと私は思う。
 しかし、このような状況の中で、NPT体制というのが、私は、ある意味ちょっと厳しい情勢に追い込まれているんじゃないかという危惧すら持っている。百九十カ国が参加をしているといっても、肝心のインド、パキスタン、イスラエルは入っていない、北朝鮮は入っているんだか入っていないんだかよくわからない。こういうようなNPT体制の今の状況を打破していかなきゃいけないと思うんですが、この二〇一〇年に向けて日本はどう取り組んでいくのか。また、とりわけ前回の失敗をどう生かしていくつもりなのか。この点について、政府参考人で結構です、大臣でも結構です、お答えいただければと思います。
○麻生国務大臣 細目、役所の方から説明はさせますけれども、これは岡本先生御存じのように、核軍縮、核不拡散体制というのは、日本の場合は、唯一の被爆と言うと、今はウクライナがありますので唯一とはちょっと言いにくいんですが、被爆国としては、日本としては、この問題に関して極めて真剣に取り組んでいる数少ない国だと思いますね。
 そういう意味で、二〇〇五年の例の運用会議、ノンプロリファレーション・トリーティーの運用会議のことに関しましては、これは今御指摘のありましたとおり、うまくいかなかったので、今度はウィーン代表の天野というのが二〇〇七年の会議の議長ということに決まりましたので、これは日本としてはいろいろな意味で、議長というのはいろいろな形でリーダーシップを発揮できるところでもありますので、私どもとしてはこれにかなり力を入れて、この運用会議に向けたプロジェクトを今準備を指示しております。
 それがどういうぐあいにうまくいくかというのは、おっしゃるとおりなかなか難しいところですが、この核の技術が、それまでは核軍縮が主な話だったんですが、九・一一以降、この種の核爆弾の技術が国じゃなくていわゆるテロ組織に行く可能性というのが突如として出てきて、これが猛烈な勢いで、国ならまだ話し合うあれがあるけれども、テロとなるとどこにいるんだかわからぬというところにこの技術が移転するというのは、これは最も危険なことになりかねぬといって、そこの方に意識が非常に移っているというのは、国際的な雰囲気としては確かです。
 ただ、いずれにしても、核爆弾という技術の話でありまして、ここのところがなくなるというわけにはいきませんでしょうけれども、少なくとも、この種の問題に関しましては、これ以上のものまで広めちゃいかぬ。したがって、北朝鮮を核保有国として認めないための手段として六者協議というのはそもそもスタートさせたというような経緯もありますので、今のところ核軍縮と核不拡散と、これは両方とも大きな問題なんだと思いますが、いずれにしても、この問題は少なくともこれ以上広まるのを断固とめるというのが、今、イランであり、北朝鮮で行われている国際的な対応というふうに御理解いただければと存じます。
○中根政府参考人 大臣の御答弁に対して、事実的な関係につきまして補足をさせていただきたいと思います。
 先生御指摘のとおり、二〇〇五年のNPT運用検討会議においては、実質的事項に関する合意が全くできませんでした。これについては、まさに手続事項、議題等の手続事項にほとんどの時間を費やしてしまったということが原因としてございます。
 その反省を踏まえまして、二〇一〇年の運用検討会議の一回目の準備委員会の議長に内定しております天野ウィーン代表部大使は、事前に主要国を回っておりまして、二〇〇五年の轍を踏まないようにということで、手続事項については、今回、会議の冒頭にスムーズに採択をされるようにということで努力をしております。
 それから、軍縮か不拡散かという点についても、二〇〇五年のときにまさに大きな焦点の一つになったわけでございますけれども、この点についても、NPTの条約自体が、いわゆる三本柱と申しますけれども、核軍縮、核不拡散、それから原子力の平和利用というこの三つの観点をバランスよくとっていくということについても、各国への根回しを進めてございます。
 それから、NPTの非締約国、インド、イスラエル、パキスタンの三カ国については、いろいろな機会をとらえて、NPTに非核保有国として加入するようにということを日本政府は求めてきております。
 北朝鮮につきましては、大臣の御発言にもありましたとおり、六者会合の場を通じてNPTへの復帰ということを求めておりますし、北朝鮮関連の国連安保理決議においてもNPTへの復帰ということを求めております。
 以上でございます。
○岡本(充)分科員 時間が参りましたから終わりますけれども、ぜひ、核軍縮の問題も、極めて厳しい、瀬戸際と言ってはあれですが、一つの大きな剣が峰に来ているという認識を私は持っていますから、どうか心してお取り組みをいただきたいと思います。
 終わります。
○松本(大)主査代理 これにて岡本充功君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして外務省所管についての質疑は終了いたしました。
 午後三時三十分から本分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時五分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時三十分開議
○松本(大)主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 主査が所用のため、その指名により、私が主査の職務を行います。
 これより環境省所管について審査を行います。
 まず、概要説明を聴取いたします。若林環境大臣。
○若林国務大臣 平成十七年度環境省主管一般会計歳入決算並びに環境省所管の一般会計歳出決算及び特別会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計の歳入決算について申し上げます。
 歳入予算額は十一億八千二百七十一万円余、これに対しまして、収納済み歳入額は二十億八千四十七万円余、歳入予算額と収納済み歳入額との差は八億九千七百七十六万円余の増加となっております。
 次に、一般会計歳出決算について申し上げます。
 当初予算額は二千三百五十五億七百二十四万円余でございましたが、これに予算補正追加額四百六十三億九千八百六十八万円余、予算補正修正減少額二十一億四百三十一万円余、予算移しかえ増加額百十九億五千三百二十九万円余、予算移しかえ減少額二十億千六百四十六万円余、前年度からの繰越額六百五十三億八千六百五十七万円余を増減いたしますと、平成十七年度歳出予算現額は三千五百五十一億二千五百二万円余となります。この予算現額に対し、支出済み歳出額二千八百六十八億六千百十万円余、翌年度への繰越額四百六十三億六千三百七十五万円余、不用額二百十九億十六万円余となっております。
 次に、環境省所管の石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計の平成十七年度歳入歳出決算について御説明いたします。
 石油及びエネルギー需給構造高度化勘定につきましては、収納済み歳入額は二百八十五億四千百九十七万円余、支出済み歳出額は百七十一億六千六百六十七万円余であります。収納済み歳入額と支出済み歳出額との差額は百十三億七千五百二十九万円余でありまして、翌年度への繰越額七十六億三千八十五万円余、平成十八年度予算に歳入計上した剰余金三十三億五百二十九万円余、これらを除いた純剰余金は四億三千九百十五万円余となっております。
 以上が平成十七年度における環境省の決算の概要であります。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○松本(大)主査代理 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院千坂第二局長。
○千坂会計検査院当局者 平成十七年度環境省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項一件であります。
 検査報告番号三四二号は、二酸化炭素排出抑制対策事業で設置した小型風力発電機の発電量が消費電力量を下回っていたため、二酸化炭素排出量が削減されず、交付金交付の目的を達していないものであります。
 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
○松本(大)主査代理 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。若林環境大臣。
○若林国務大臣 平成十七年度の決算検査報告において掲記されております事項につきましては、会計検査院の御指摘のとおりでありまして、まことに遺憾に存じております。
 指摘を受けました事項につきましては、直ちに是正措置を講じましたが、今後なお一層厳正な態度をもって事務の執行の適正を期する所存であります。
○松本(大)主査代理 この際、お諮りいたします。
 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本(大)主査代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○松本(大)主査代理 以上をもちまして環境省所管についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○松本(大)主査代理 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。仲野博子君。
○仲野分科員 民主党の仲野博子でございます。
 本日初めて、若林環境大臣を初め関係各位の皆さんに貴重なお時間をとっていただきまして、きょう、この所管では、質問する者は私一人だとお聞きしておりますけれども、何とぞよろしくお願いしたいと思います。
 ラムサール条約に対する環境省の認識と取り組みについてお尋ねしてまいりたいと思います。
 安倍総理は、通常国会、所信表明の演説の冒頭にも、美しい国というお言葉をよくおっしゃられておりました。本当に、日本の四季折々の持っている風光明媚な環境だとか、私は、どのようにこれからそういったところに手を差し伸べていただけるのかということで物すごく期待をしているわけであります。したがいまして、美しい国というのは、そういった環境を守る、あるいはそこに住む人たちの美しい心を醸成していく、そういったことが安倍総理が言われていることではないのかな、そのように私は思っているわけであります。
 その中で、私の地元には釧路湿原や風蓮湖、春国岱といった世界的にも希少な湿地帯が数多く点在しており、これらはラムサール条約にも登録され保護されてまいりました。平成十七年十一月八日に、風蓮湖のラムサール条約が正式に決定いたしました。
 このラムサール条約の条文を見てみますと、第三条第一項に、「締約国は、」「湿地の保全を促進し及びその領域内の湿地をできる限り適正に利用することを促進するため、計画を作成し、実施する。」とうたわれてあります。また、第四条第一項には、「各締約国は、」「湿地に自然保護区を設けることにより湿地及び水鳥の保全を促進し、かつ、その自然保護区の監視を十分に行う。」と言われているわけであります。
 これらを踏まえましてお尋ねしたいと思いますが、国際的に重要な湿地の保護を目的としたラムサール条約に対する国の認識と、本条約を踏まえた環境省の具体的な取り組みについて、まず若林大臣にお尋ねをしたいと思います。
○若林国務大臣 お尋ねのございました、自然保護区の設定を規定しているラムサール条約四条一項にかかわります湿地保全についての基本的認識でございます。
 湿地は、渡り鳥を初めとするさまざまな動植物の生息、生育地として、生物多様性の保全上重要な役割を果たしているばかりではなく、我々の生活にさまざまな恵みを与えてくれる存在であると思います。このため、湿地の保全と賢明な利用を図ることが重要であると認識しております。
 我が国では、渡り鳥にとって重要な生息地の保全などさまざまな観点から、国指定鳥獣保護区、国立・国定公園等に指定することにより湿地の保全を図っております。また、そのうち国際的に重要な湿地については、ラムサール条約湿地として登録しております。
 我が国の条約湿地は、平成十七年十一月に新たに二十カ所の湿地を登録し、合計三十三カ所に増加しております。今後とも、新たな条約湿地の登録に向けて、地元や関係機関との調整を進めることにより、地域のさまざまな関係者の参加を得ながら積極的に湿地の保全に努めていく所存でございます。
○仲野分科員 ただいまその重要性について大臣からお答えをいただきましたけれども、このようなラムサール条約の登録湿地内においては、ネーチャーセンターや観察路、展望塔など、湿地帯の保護や管理、エコツーリズムなどを目的としたさまざまな施設が設置されていると聞いているわけであります。
 そこで、お尋ねしたいのでありますが、これらの登録湿地内の施設の設置や維持管理の主体と運営の実態、国によるこれらの施設に対する法令上の規制並びに財政的な支援状況について、どのようになっているのか、冨岡自然環境局長にお尋ねしてまいりたいと思います。
○冨岡政府参考人 お尋ねのラムサール条約湿地におきます自然観察施設、いろいろな名称のものがございますけれども、その整備それから管理運営につきましては、国、地方自治体、民間団体などさまざまな主体により、その必要性を判断した上行われているのが実情でございます。環境省におきましては、厚岸湖・別寒辺牛湿原等八カ所の条約湿地におきまして、水鳥・湿地センターといった観察施設等を整備しているところでございます。
 ラムサール条約湿地となりました国指定鳥獣保護区において地方自治体が自然観察施設を整備する場合、こういった場合には、それぞれの自治体が整備されるということで、環境省からの財政的な支援はいたしておりません。
 なお、国の国定公園に指定されている地域の条約湿地におきましては、地方自治体が自然観察施設を整備する場合においては、自然環境整備交付金の活用が可能であると考えております。
 以上でございます。
○仲野分科員 今、自治体で整備するものに対しては国が支援できるものとできないものということで言われたんですけれども、例えば施設の設置や維持管理につきまして、その実施主体が国、地方自治体、民間と、今お答えいただいたんですが、ばらばらである。国による規制も、国立公園や国定公園である場合と国指定鳥獣保護区である場合とによって対応が異なると聞いております。
 しかし昨今、地震や大雨、洪水、暴風などによる自然災害が余りにも多発をしている。地域内の施設に被害が生じますと、湿地の保全に重大な影響が生じるだけではなくて、湿地への観光事業にも多大な悪影響が出るおそれがあります。
 そこで、お聞きしたいのでありますが、こうした登録湿地における災害への復興に際し、貴重な自然を保護する主体である環境省の役割について、もう一度お答えをしっかりいただきたいと思います。局長にお答えいただきたいと思います。
○冨岡政府参考人 先ほどの答弁で、お尋ねのような施設につきましては、いろいろな主体が必要性を感じ整備しておりますとお答えしたところでございますが、そういった施設が災害によりまして破損等の被害が出た場合におきましては、原則として、その施設を整備された設置者が復旧を行うべきものと認識しております。
 したがいまして、環境省が設置した自然観察施設等が災害により被害を受けた場合には、環境省が復旧を行う、こういうことになるものでございます。
○仲野分科員 このラムサール条約に指定をするときには、もちろん政府が自信を持ってこれはそれに値するということで指定をいただくのでありますけれども、その中において、自治体が設置したものについてさまざま破損したときには、自治体が責任を持ってつくったものは自治体がやる、環境省がつくったものについては環境省がやっていく、措置をしていくということであるかと思うんです。
 例えば、また私の地元のお話になるんですが、登録湿地の風蓮湖の周辺には、世界じゅうでも国後島とここの二つしかないという砂丘上のアカエゾマツ林があります。昨年の十月八日と九日に襲った台風並みの低気圧によって多くが倒壊をいたしました。湿地帯の中を通る唯一の道である風蓮湖自然探索路の木道も、強風や高波によって破壊されてしまい、とても探訪するお客様を迎え入れられる状況ではありません。いまだにその修復のめどが立っておりません。それは現在、被害の実態調査すらままならず、多額の費用もかかることから、そのめどがまだ立っていないということであります。
 そこで、聞いてまいりたいんですが、この木道が修復されない状態で長期間放置された場合、踏み荒らし状態になり、貴重な自然が破壊されることになりかねないのではと懸念されているわけであります。世界的に希少な湿地帯の早期復興とその貴重な自然の適正な利用を図るために環境省が早急に果たすべき責務と、その自然探索路の修復に係る費用に対する国の財政的な支援の考え、何度言ってもちょっと同じ答えになるのかもしれませんけれども、ただ、起きてほしくない災害、たまたま災害があって木道も破壊してしまった。しかし、その木道を設置したのは自治体、根室市さんであるよと言われればそれまでかもしれませんけれども、ただ、こういった災害があった場合に、それなりの何か支援がないのかどうなのかということを、これは冨岡自然環境局長に少し踏み込んで御答弁いただきたいと思います。
○冨岡政府参考人 先ほどお答え申し上げました考えに基づきましてこういった復旧の事業を進めておるわけでございますので、御指摘の、非常に強い低気圧により被害を受けた春国岱の木道につきましては、確かにかなりの被害が生じておりますが、根室市さんが設置した施設でございまして、こういった場合には、基本的には設置者であります根室市において復旧等の対応を行うべきものということでございます。
 そういうことで、環境省におきましては、この再整備を行うということにつきましてはなかなか困難なわけでございますけれども、御指摘の風蓮湖・春国岱につきましては、先ほどのお話で十分な調査もなされていないということでございますが、今年度、風により倒された被害、こういった現状把握を目的とした調査を行いたいと考えております。そういった結果をもとにいたしまして、これから関係者が知恵を出し合いまして、どんなことができるかということを協議していくことになろうかと思っております。
○仲野分科員 確かに、木道を設置したのは根室市、自治体でありますけれども、局長、北海道の風蓮湖・春国岱に一度足を運んでいただきたい、そのように思っております。既にもう行かれたのかもしれませんけれども、この風蓮湖・春国岱、特に春国岱は、世界的に野鳥の宝庫とも言われまして、非常にすばらしいところであります。そういった中で、本当に今、財政難で実態の調査すらできない。多分これは相当な巨費がかかるだろう、修復するにも。
 今お答えいただいた中で、今年度とりあえず現状把握をし調査したい、その結果、さまざまな関係者の方たちと協議をしたいという旨のお答えをいただいたんですが、それはもちろん地元も環境省とのことに参画をさせていただけるということで認識してよろしいでしょうか、協議するに当たって。
○冨岡政府参考人 環境省といたしましては、こういった件につきまして、技術的なアドバイス、調整、それからまた関係の方面と地元との調整、そういった面で協力してまいりたいと考えております。
○仲野分科員 技術的な助言、アドバイス、そのことについても大変ありがたいお話なんですけれども、やはり何といっても、最終的には肝心かなめの財政のことであります。
 ラムサールに指定をいただくということは、今全国で三十三カ所指定されている箇所があるということで、これからもどんどんそういったところを多く指定していきたいというお答えを先ほど大臣もしていただいたんですが、そういった意味では、私は、ラムサール条約を指定するに当たって、この委員会を通じて、こういった災害に対するそれなりの支援だとかいったことをしっかりと考えていただければということで、これはちょっと通告していないんですけれども、今局長とのやりとりを聞いていると思いますけれども、このことについてもう一度若林大臣にお答えをいただきたいと思います。
○若林国務大臣 局長が答弁申し上げた原則でございますけれども、御質問のございました風蓮湖・春国岱の地域の被害状況の調査をいたしまして、その調査の結果をもとにしまして、環境省としてどのような対応が可能かどうか検討してまいりたいと思います。
○仲野分科員 私、きょう楽しみにしてこの委員会に臨ませていただいているのは、若林大臣は非常にお気持ちの広い方でお優しい方だと皆さんからお聞きしておりましたので、多分真心のこもった御答弁をいただけるということで、期待をしてこちらの方に参りました。
 そういった意味で、昨今さまざまな自然災害が発生している中で、私の地元だけではなくて、日本列島、日本全体の中でこういった被害があるということでは、やはりそういったところにしっかりと目を向け、耳を傾けていただければな、強くこのことについて要望をさせていただきたいと思います。
 今度は、国立公園内のビジターセンターのような施設は、大体基本的には、環境省が施設を持って国が直接行っているものと、または自治体などが協議会を設けて運営しているものとがあると聞いております。全国のビジターセンターにおける運営主体の内訳と、人件費も含めた運営経費の実態、また国によるこれらの施設に対する財政的な支援状況について、たびたび申しわけないですが、冨岡自然環境局長にお尋ねしてまいりたいと思います。
○冨岡政府参考人 お尋ねのようなビジターセンターは、全国で三十八カ所ございます。
 建物、設備といったものの整備につきましては、環境省がやっております。そして、その運営につきましては、地元の関係者におきまして運営の協議会といったものをおつくりいただきまして、それぞれの地元にふさわしい、それぞれの地元がやっていきたいような事業を決めておられまして、そういった方針に沿ってそれぞれのセンターの運営をいたしております。
 それに対する費用でございますが、現在協議会が運営しておりますが、全国的に見まして、約六〇%程度を国が負担しております。
 その内訳と申しましょうか、国は、基本的な建物の運営に要します費用、例えば燃料代もかかりますし、いろいろなそういった維持管理にかかります基本的なものを負担させていただいておりまして、地元の協議会やいろいろな主体の御負担というのは、例えば、それぞれの地域に合致しましたパンフレットをつくっていただくとか、それぞれ案内する人、地域の事情によく長じた方、そういった方の人件費といったものはおおむね地元の関係の方面で負担、以上のようになっております。
○仲野分科員 協議会方式でもって運営をされているということでありますけれども、この協議会に対して六〇%国が負担をさせていただいている、その内訳が維持管理。あとはパンフレットの作成、あるいはまた地元で案内する方たちの人件費と言われたんですが、今、自治体協議会の一人当たりの人件費、聞いているのは、年間大体三百万ということであります。本来でありますと、もっと人件費を多く措置してやらなければ、これからこの協議会方式でもって本当にこのまま施設を運営できるのかどうなのかということで、今地元の方でも大変懸念をされているわけであります。
 例えば、私の地元にある塘路湖エコミュージアムセンターと温根内ビジターセンターもラムサール条約湿地にも指定されている釧路湿原国立公園内にあり、現在、釧路市、釧路町、標茶町、鶴居村の四市町村による協議会で管理運営を行っておりますが、余りにも人件費の負担が重く、近い将来適切な運営が継続できるかどうか、今大変厳しい現状にあると地元から聞いているわけであります。
 こうした協議会方式で行っているビジターセンターの意義と、人件費を含めた財政的な支援について、この六〇%負担の中でやっていけないからこそ今こうした問題が地元の方から出てきているわけでありますので、何とか運営費用の一部を国庫で補助するお考えがさらにないのかどうなのかということを、局長の方に再度お聞きしてまいりたいと思います。
○冨岡政府参考人 先ほどの説明を補足するような形になりますが、運営につきましては、やはり地元の実態をよく御承知の関係者が集まって協議会を設けて運営するという方式は、その地域に応じた運営をするという点で非常に意義があると考えておりまして、その費用の分担というものにつきましても、関係方面と調整し合意した上で、今のところさせていただいております。
 御指摘の点につきましては、今後、より効果的で効率的な施設の運用等を協議会を通じて検討してまいるわけでございますが、そういう調整を行いながら、予算の範囲内におきまして努力してまいりたいと考えております。
○仲野分科員 協議会でもって一生懸命やっていただいているわけでありますので、局長、全国的に多分同じような意見等を出されていると思うんですね。そういった意味では、あなた方だけでやりなさいというのではなくて、地元の要望、協議会の要望等、いろいろな相談等ありましたらしっかりとそのことについて、本当に困っていることに対して耳を傾けていただいて、できるところから要望にこたえていただけるように切にお願いをさせていただきたいと思っております。
 時間もなくなってきたんですが、今度は、ゼニガタアザラシというのがありまして、私ちょっと認識不足で、このことが水産庁の所管かと思ったら環境省の所管ということで、ゼニガタアザラシなんでありますけれども、実は生息数が、一九七四年の二百頭強から、二〇〇四年には九百頭を超えるまでに回復してきているとの報告があります。
 一方、この生息数の回復に伴い、その回遊地域である北海道東部の沿岸部において、特に私の地元でありますカキの町として有名な厚岸町の漁業者の方たちから本当に切実な声が出されておりまして、漁業被害が増加しているということであります。それは、漁業者にとって相当な負担になっているとの報告があります。その被害額が、報道によりますと、何と五百六十万円に上るとの報道であります。
 今これだけ漁業が厳しい中で、こういったゼニガタアザラシによる被害というものをいま一度、きょうは大臣もおられますので、お考えをいただきたいと思うんですが、この被害に対する適正な対策を講じるためには、科学的なデータに基づく現状把握が不可欠だと思います。
 このゼニガタアザラシを初めとする海にすむ哺乳類に関する調査研究の概要、またゼニガタアザラシによる漁業被害の状況及び科学的な調査方法に基づく生息状況を伺いたいと思います。その調査研究はどの程度正確性があるのか、また調査研究の予算措置がどれくらいなされ、普及促進されているのか、局長にお尋ねしたいと思います。
○冨岡政府参考人 お尋ねのアザラシ等の海生哺乳類につきましては、平成十四年の鳥獣保護法の改正によりまして対象となりました。現在、ゼニガタアザラシを含む七種類の海生哺乳類が鳥獣保護法の適用となっているものでございます。
 十四年に法の対象となりましたことを踏まえまして、平成十五年度から十七年度まで、北海道庁等とも協力しながら、個体数や分布などの生息状況、食性や定置網等での漁業被害の状況、それからアザラシ類を保護管理していく上での基礎的な情報収集を行ったところでございます。
 このゼニガタアザラシにつきましては、戦前は個体数が千五百頭程度いたということでございますが、肉とか皮を目的とした狩猟等によりまして、一九七〇年代から八〇年代にかけまして三百五十頭程度まで減少したんですが、その後少しずつふえる傾向にありまして、二〇〇二年の一斉の数の勘定調査では九百頭以上が確認されたということでございます。
 そして、漁業被害につきましては、サケの定置網等におきまして、トッカリ食いと言われるそうでありますが、魚の頭だけ食べるというふうな非常に迷惑な食べ方をするということで、被害が出ていると聞いております。
 これまでにこういった調査、十五年度、十六年度一千万円ずつ、それから十七年度五百万で調査しまして、十八年度におきましては、この結果をもとに地元での説明会を行いました。ことしの三月二日に厚岸町、それから三月十五日にはえりも町で、地域の住民の方、漁業団体、学識経験者及び関係行政機関の方を対象とした報告会を開催し、関係の方にその実情を説明するとともに、今後の保護管理の対応についてさまざまな御意見を出していただいたところでございます。
○仲野分科員 本当に地元では、確かに希少鳥獣に指定されているということから、原則狩猟対象となっていないという状況の中で、一方ではこうした定置網にかかる魚を頭から食べてしまうというか、そういったことで非常に迷惑となっているわけであります。
 したがいまして、今後、もっとわかりやすく、こういった漁業被害が実際にもう生じているわけですから、環境省として、このゼニガタアザラシに対して具体的にどのような取り組みを行っていくのか、どのような取り組み方針なのか、その精神を大臣に聞いて、終わりたいと思います。
○若林国務大臣 ゼニガタアザラシにつきましては、今局長からその賦存の状況、また今までの生育、さらに漁業被害の状況などについて御説明を申し上げたところでございますが、平成十四年の鳥獣保護法改正によって本法の対象にしたということを重く受けとめておりまして、その生息の状況、保護管理のあり方の検討に必要な情報を、正確な情報をできるだけ収集するということでございます。
 以前は、鳥獣保護の対象ではなかったために、このゼニガタアザラシについての知見も少なく、しかも希少鳥獣であることから、これらについては慎重な取り扱いをしないと絶滅の危惧があるということでございます。
 このために、今後とも保護管理に必要な知見の蓄積を図り、得られた知見については、地域住民、漁業関係者、関係行政機関等にしっかり報告をいたしまして、それらを共有してもらって、関係者の意見を十分伺ってまいりたいと思います。
 その上で、北海道庁や農林水産省とも十分連携しながら、漁業被害への対策、どのような対策が講ぜられるのか、有効であるか、そういった対策を含めまして、保護管理に関する検討を行ってまいりたいと思っております。
○仲野分科員 これは決して環境省だけの問題でないので、何とか、今大臣がお答えいただいた、農水省ともしっかりと横断的に連携をして対応していくというお答えですので、そのことに期待しながら、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○松本(大)主査代理 これにて仲野博子君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして環境省所管についての質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○松本(大)主査代理 これより国会所管について審査を行います。
 まず、国会主管歳入決算及び衆議院関係決算の概要説明を聴取いたします。駒崎衆議院事務総長。
○駒崎事務総長 平成十七年度国会主管一般会計歳入決算及び衆議院関係歳出決算の概要を御説明申し上げます。
 国会主管の歳入につきましては、予算額二十億九千二百二十二万円に対しまして、収納済み歳入額は二十億四千四百三十八万円余であり、差し引き四千七百八十三万円余の減少となっております。
 次に、衆議院関係の歳出につきましては、当初の歳出予算額は六百六十六億四千二百四十九万円余でありまして、これに改革推進公共投資事業償還金の産業投資特別会計へ繰り入れのための予算補正追加額三億八千四百七十九万円余を加え、既定経費の不用等による予算補正修正減少額七億二千八百八十二万円を差し引きますと、歳出予算現額は六百六十二億九千八百四十七万円余となります。
 この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額は六百三十五億七千三百三十九万円余でありまして、その内訳は、国会の運営に要した経費六百九億四千百七十九万円余、衆議院の施設整備に要した経費二十億五千四百四十万円余、改革推進公共投資事業償還金の産業投資特別会計へ繰り入れに要した経費五億七千七百十九万円余であります。
 歳出予算現額と支出済み歳出額との差額は不用額でありまして、二十七億二千五百八万円余となっております。
 以上が、平成十七年度国会主管一般会計歳入決算及び衆議院関係の歳出決算の概要でございます。
 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
○松本(大)主査代理 次に、国立国会図書館関係決算の概要説明を聴取いたします。長尾国立国会図書館長。
○長尾国立国会図書館長 平成十七年度国立国会図書館関係歳出決算の概要を御説明申し上げます。
 当初の歳出予算額は二百三十九億四千百六十七万円余でありまして、これに改革推進公共投資事業償還金の産業投資特別会計へ繰り入れのための予算補正追加額九億六百四十八万円余を加え、既定経費の節約等による予算補正修正減少額七億七千九百五十四万円余を差し引きますと、歳出予算現額は二百四十億六千八百六十一万円余となります。
 この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額は二百三十二億九百六十二万円余でありまして、その内訳は、国立国会図書館の管理運営に要した経費百九十六億三千百四万円余、科学技術関係資料の収集整備に要した経費九億七千万円余、国立国会図書館の施設整備に要した経費十二億四千八百八十四万円余、改革推進公共投資事業償還金の産業投資特別会計へ繰り入れに要した経費十三億五千九百七十二万円余であります。
 歳出予算現額と支出済み歳出額との差額は八億五千八百九十八万円余でありまして、その内訳は、翌年度繰越額六億六千七百八十八万円余、不用額一億九千百十万円余となっております。
 以上が、平成十七年度国立国会図書館関係歳出決算の概要でございます。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○松本(大)主査代理 次に、裁判官弾劾裁判所関係決算の概要説明を聴取いたします。濱坂裁判官弾劾裁判所事務局長。
○濱坂裁判官弾劾裁判所参事 平成十七年度裁判官弾劾裁判所関係歳出決算の概要を御説明申し上げます。
 当初の歳出予算額は一億一千八百万円でありまして、これから既定経費の不用等による予算補正修正減少額七百三十四万円余を差し引きますと、歳出予算現額は一億一千六十五万円余となります。
 この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額は一億七百九十八万円余でありまして、このうち主なものは職員の人件費であります。
 歳出予算現額と支出済み歳出額との差額は不用額でありまして、二百六十七万円余となっております。
 以上が、平成十七年度裁判官弾劾裁判所関係の歳出決算の概要でございます。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○松本(大)主査代理 次に、裁判官訴追委員会関係決算の概要説明を聴取いたします。白井裁判官訴追委員会事務局長。
○白井裁判官訴追委員会参事 平成十七年度裁判官訴追委員会関係歳出決算の概要を御説明申し上げます。
 当初の歳出予算額は一億三千六百八万円余でありまして、これから既定経費の不用等による予算補正修正減少額七百五十一万円余を差し引きますと、歳出予算現額は一億二千八百五十六万円余となります。
 この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額は一億二千四百八十一万円余でありまして、このうち主なものは職員の人件費であります。
 歳出予算現額と支出済み歳出額との差額は不用額でありまして、三百七十五万円余となっております。
 以上が、平成十七年度裁判官訴追委員会関係の歳出決算の概要でございます。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○松本(大)主査代理 この際、お諮りいたします。
 参議院関係決算の概要説明につきましては、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本(大)主査代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○松本(大)主査代理 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院諸澤第一局長。
○諸澤会計検査院当局者 平成十七年度国会の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○松本(大)主査代理 以上をもちまして国会所管についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○松本(大)主査代理 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。福田峰之君。
○福田(峰)分科員 よろしくお願いいたします。
 きょうは、実は私はもともと横浜市会議員という地方議会から衆議院議員になったこともありまして、この地方分権が進もうとしている中で、衆議院の事務局とそれぞれの地方議会の議会事務局との関係ということをテーマに質問させていただきたいと思います。
 昨年の臨時国会で地方分権改革推進法が成立をして、今、通常国会で地方分権改革推進委員会のメンバーも選任をされて、具体的な議論というものがスタートしたわけです。さらに、これから具体的な地方分権の枠組みがつくられて、そして具体的なものがこれから近い将来本格的に進むことが想定をされている中で、地方議会が果たす役割も、当然権限や財源が渡されるわけですから大きなものになっていくというふうに想像できます。こうした中で、この権限、財源が地方自治体にゆだねられればゆだねられるほど、地方議会も、まず行政のチェックをするという機能もありますし、あるいは政策提案機関として地方議会が重要な役割を担うということになるわけです。
 ここで、各地方議会には各地方議会のサポートをする役目として議会事務局があります。地方議会の役割が変われば当然その議会事務局の役回りも変わって、それはいい意味でですね、重要視されるという意味で変わってくることが想像できます。地方議会への情報提供とかあるいは政策立案のサポートだとか議会運営、こうしたものが地方議会事務局の役回りでありますけれども、ここで重要な役回りがさらに増していくということが考えられます。行政長が直接選挙で選ばれる地方議会と議院内閣制度をとる国会とは制度上は若干違うかもしれませんけれども、議会をサポートするという役回りにおいては、衆議院の事務局も地方議会の事務局も同じではないかなというふうに実は私は思っています。
 こうした中で、衆議院事務局と都道府県議会あるいはまた政令指定都市の議会事務局とはどんな関係であったのかなということを一つの論点にしたいなというふうに思っています。確かに、各都道府県の中にある小さな市町村の事務局まで含めるとこれは大変な話でありますので、今回の想定はあくまで都道府県議会あるいは政令指定都市議会の事務局という一つの枠組みの中で考えさせていただきたいなというふうに思います。
 そこで、まず、どんな関係なのかなという中で、ほかの一般的な省庁も人的な交流だとか、あるいは人を向こうに行ってこっちに来てもらう、そんなことがあると思うんですが、この衆議院の事務局と地方議会の事務局との人的交流というものは一体どういう状況にあるのか、教えていただきたいと思います。
○駒崎事務総長 ただいまの衆議院事務局と地方議会事務局との交流でございますけれども、衆議院事務局は平成十六年から北海道議会事務局と相互の人事交流を行っており、北海道議会事務局へ係長級の職員一名を出向させるとともに、調査局において係長級の職員一名の出向者を受け入れております。
 現在はそういうことでございます。
    〔松本(大)主査代理退席、主査着席〕
○福田(峰)分科員 十六年からということでありますので、私はこれはいいことだと思います。それで、この人的交流がもう少しあってもいいのかなと個人的には思いますけれども、こうした人的交流によりまして、例えば衆議院の実務を理解してもらって、それがまた各議会に戻ったときに学んだ知恵がそれぞれの議会で広がっていくということも考えられますので、こうした人的交流も、平成十六年ですから始まったばかりなのかもしれませんが、これは一定の人数を継続的に行わないと、単発的にぽんぽんとあって、なくなってしまっても意味がありませんので、ぜひこうした取り組みは継続的に進めていただきたいなというふうに思います。
 このほかにも、人の交流というものが一番大切だと思うんですが、人は物理的な問題でありますので簡単に人を出して云々ということも難しい部分があるものですから、情報の部分はどうなんだろうというのがもう一つテーマとして出てくると思うんですね。
 この情報なんですけれども、当然衆議院の事務局は多くの情報を有していると思うんですが、衆議院の事務局とそれぞれの議会事務局の中で情報の交流というものはどんな形で行われているのか、伺いたいと思います。
○駒崎事務総長 その前に、今地方議会事務局との人的交流の拡大の話がございましたので、ちょっとそれを御説明させていただきたいと思います。
 一般論として申し上げますと、衆議院事務局における定員管理とか立法補佐機能の維持等を念頭に置いた場合に、各都道府県の地方議会事務局との相互の人事交流には一定の限界があることは確かでございます。ただ一方で、各都道府県議会事務局から長期研修等の相当数の職員を受け入れる余地も残っていると思っております。
 いずれにいたしましても、地方分権の流れの中で、衆議院事務局として協力できるものに関してはできる限り協力させていただきたいと考えておりますので、各都道府県議会事務局にどの程度具体的な御要望があるかを踏まえまして、今後検討してまいる所存でございます。
 それと、今先生のお話の情報交流でございますけれども、地方議会事務局との情報交流につきましては、定例的なものとして全国都道府県議会事務局職員研修会というものを、これは都道府県議会議長会の方で行っているものだろうと思いますが、それにつきましては、衆議院事務局は、毎年、議事部の職員を中心といたしまして国会における議会制度等について御質問を受けるような形で情報提供をしてございます。
 また、地方議会事務局からさまざまな分野において数多くの照会を受けておりまして、庶務部の広報課というところがございますが、適宜、そこでお答えするなり、また、特別の問題でございましたら、所管する部局の方に回して、そこで個別に情報提供を行ってございます。広報課で把握している件数といたしましては、平成十八年度には延べ六十件程度の照会がございましたので、それについてお答えしているところでございます。
○福田(峰)分科員 いろいろな情報のやりとりがあって、ある意味で地方議会の事務局がさまざまな情報の中で物事が判断できるということになるんじゃないかなと思うんですが、情報といっても価値のない情報では意味がないわけです。また、情報というのは、もらう側にとって価値があるのと提供する側に価値があるというのは違いますので、あくまで情報を得る側に価値のある情報というものが流れていって、初めて価値のある情報というものが有意義に使われるわけですね。
 そこで、例えば各議会事務局からこんな情報があったら本当はうれしいんだけれどもなというような調査といいますか、各都道府県とか政令市の議会事務局にどんな情報があったらいいんですかということを過去において調べたとか調査したとか、そういうことは今まであったんでしょうか。
○駒崎事務総長 今のお話の調査ということに関しましては、現在のところは、衆議院事務局の方で地方議会事務局がどういうふうな情報を必要としているかという具体的な調査はしたことはございませんが、あくまでも地方議会事務局からの御要望に応じて行っているということでございます。
○福田(峰)分科員 まさしく、衆議院の事務局の皆さんは本当に長い間議会制民主主義を支え続けたわけであって、議会運営のノウハウは当然手に入っているでしょうし、あるいは議会の情報の掌握なども当然行えていると思うんですね。
 そこで、それらは基本的には税を使って集められたものでありますから、いかにそれを共有化して、せっかく集めたものをほかの地方の議会事務局に伝えていくかということは、私は大切な視点じゃないかなというふうに思うんですね。それで、ぜひこれは各議会事務局に対して、アンケートみたいな形がいいのかどうかわかりませんが、どんな情報が必要なのかということを一度調査していただきたいなというふうに思うんですね。
 その際に、逆に言うと、今まで余り交流があったわけじゃないようですから、衆議院の事務局がどんな情報を把握しているかということ自体も議会事務局は多分知らないと思うんですね。私たちはいろいろな形でこういう資料とかもいただいておりますからわかりますけれども、多分知らないんだと思うんですね。知らないから、これは聞き方をちょっと工夫しないと。知らないのに、何かありますかと言っても、そもそも何を持っているかわからないと、これは多分答えようがなくなっちゃうと思うんですね。
 実は、今回、質問するに際して、とある議会事務局にこんなことがあったらどうだろうと聞いてみたんですよ。そうしたら、情報提供されるのは非常にありがたいと言っているんですね。そこで、どんな情報が欲しいんですかと私聞きましたら、いや、何を持っているかわからないから答えようがないですと言われまして、考えてみれば確かにそうだなというふうに私も思ったわけです。ですから、もしやられるとしても、これはちょっと工夫をしてやっていただけたらありがたいなというふうに思います。
 これは、今まで情報のやりとりというのが、例えばこちらからこんな情報もありますよということを出していったというよりも、先ほどお話ありましたように議会事務局からの問い合わせに対していろいろお答えになられているということで、六十件ぐらいというお話もさっきありましたけれども、例えば具体的にどんな内容を聞かれているのか、ちょっと教えていただけますか。
○駒崎事務総長 地方議会事務局から照会を受けた具体的な事例でよろしゅうございますか。
 委員会とか本会議等の議事運営の手続、それから議員関係の諸経費、歳費、文書通信交通費等、それと国会議員は資産公開をしておりますので資産公開制度について、それから、衆議院の調査局の制度の概要、個別の議案の審議経過、請願の採択状況、インターネット審議中継についてですとか、衆議院のホームページ等のIT関係、そのほかには、毎年やっておりますけれども、夏季には省エネ対策ということで院内での服装等について協議しているとか、外国要人が来たときになされます国会演説をどういう形でやっているのかとか、国会議員が海外派遣に行くときの海外派遣の制度等、さまざまなことでございますけれども、一般的な情報といたしましては、衆議院のホームページを開いておりまして、それで会議録と議案の審議経過等は見られるようにはなっておりまして、前からいたしますと格段に国民への情報公開は進んでいるものと考えております。
○福田(峰)分科員 今幾つかの例示があったと思うんですけれども、ただ、地方議会の事務局の人は、どうしても衆議院に個別的に何かを問い合わせるということが、多分、これは私の想像ですけれども、敷居が高く感じていると思うんですよ。それは何となく私もわかるような気がするんですね。
 ですから、今までですと聞かれれば丁寧に多分お答えいただいていたと思うんですけれども、今度は、聞かれたから答えるということだけじゃなくて、もっとこっち側からどういう情報が必要なのかということを掌握していただければ、衆議院事務局側から各地方議会の事務局に、どういう形がいいかというのはやり方はいっぱいあると思いますけれども、もっと積極的に伝えていけるようなやり方とか、そんなものがあったらいいのかなというふうに思います。
 そして、先ほど衆議院のホームページというお話がございましたけれども、国民の皆さんに向けて情報を公開し提供する内容と各議会事務局が欲しいと思う内容というのは、多分、若干ずれていると思うんですね。ですから、一般の国民の皆さん向けのものは充実させていただかなければいけないけれども、それがイコール議会事務局に必要なのかというのは、ちょっと検証していく必要性があるのかなというふうに私は思います。
 こうした中で、新たな地方分権の社会に進もうとしている中で、最後に総括的な話になりますけれども、今後、衆議院事務局が地方議会の事務局に対して積極的に必要な情報を提供して、これから来る地方議会の時代の、地方議会の活性化につなげていくために、地方議会の事務局もしっかりと育っていっていただかなきゃいけませんから、そうしたサポートを、側面的に協力していくべき時代が来るんじゃないかなというふうに思うんですが、今後、衆議院事務局がこうした地方分権化社会の中でどういうふうなあり方があってしかるべきなのかなという、何かお考えがあれば教えていただきたいと思います。
○駒崎事務総長 そもそも、衆議院事務局と地方議会事務局の関係というのは指導監督というふうな立場では全くございませんで、そういう意味では、お問い合わせに対して敷居が高いというお話がございましたけれども、そんなことはないので、ぜひお気軽にお問い合わせいただければ御丁寧にお答えいたしていこうと考えております。
 現在のところ、地方議会事務局からは個別の照会を除いて統一的な情報提供についての要望というのはまだ聞いていない段階でございますので、これは、全国都道府県議会議長会というのがございまして、そこの事務局もありますので、そこを通じまして具体的な要望があるのかどうか、議会事務局職員の研修等を含めましていかなる協力が可能であるか、都道府県議会議長会の事務局等と前向きに検討して協議していきたいと考えております。
○福田(峰)分科員 衆議院事務局の皆さんは、本当に私は都道府県とか政令市とかの議会事務局のある種の見本に当然なれると思っていますし、今まで培ったノウハウをしっかりと各議会事務局に伝えていただくと、多分、それぞれが機能強化をして地方議会のサポートがもっとしっかりできるようになるんじゃないかなというふうに思うんですね。
 例えば、衆議院の事務局でつくられている資料、本当に私もよく使っていますし、大変有意義なものが多いと思うんですね。例えばLANの、衆議院立法情報ネットワークシステム、これは開くと本当にいろいろなものがありますよね。立法調査情報とか法制立案情報とか委員会先例情報など、こうしたものは価値のある情報の一例だと思うんですよ。この通過議案要旨集、これは本当によく私は使っているんですけれども、こうしたものも非常にいい資料だと思うんですね。
 ですから、逆に言うと、こうした資料も、まあ紙媒体で送れば済むかもしれませんが、やはり時代はデジタル情報じゃないといろいろつくったり加工したりとかいろいろなことができないので、デジタル情報としてどういう形かで議会事務局に提供されて、そしてそれがサポートに回ったりだとか、あるいは地方議会、地方議員自体にもそうしたものが伝わっていく仕組みを整えていくと、せっかく集まった価値のある情報がより生きてくるのかなというふうに私は思いますし、そうした今までとは違う時代が来るわけですから、それぞれの方々がそれぞれできる枠組みの中で、地方分権に移行する時代の中で、役割を一つずつつくり上げていったら私はいい社会になるんじゃないかなというふうに思います。
 きょうは、こうした地方議会の事務局と衆議院事務局との関係についてお話をさせていただきましたが、ぜひ皆さんのノウハウを地方議会事務局にお伝えいただければなということをお願い申し上げまして、本日、これで終了させていただきたいと思います。
○鴨下主査 これにて福田峰之君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして国会所管についての質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○鴨下主査 昨日に引き続き、内閣所管について審査を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長妻昭君。
○長妻分科員 私は民主党の長妻昭と申します。本日は、質問の機会を賜りましてまことにありがとうございます。
 きょうは、渡辺大臣初めお出ましをいただきまして、天下り規制、正確には公務員制度改革関連の法案についてお尋ねをしたいと思います。
 きょうの夕方、間もなくですか、臨時閣議で閣議決定されるというようなことも聞いております。我々民主党は、人材バンクも含めて政府による天下りのあっせん仲介は全面禁止をする、そして、利害関係企業には、現在は二年間天下り規制がございますけれども、我々は五年間天下り規制をかけるというような案も今検討しております。
 政府は、省庁による天下りのあっせんは禁止をするけれども、新人材バンクでは天下りあっせんをするということで、政府全体としては何も変わらないんじゃないかと私どもは考えているわけでございます。個別にちょっと質問をさせていただきたいんですが、この新人材バンクなるものは、企業や団体等に職員の再就職の受け入れを要請するということも認められているわけでございますか。
○渡辺国務大臣 職員のキャリアコンサルティングなどは行います。どういうぐあいにこれからやっていくかは、官房長官のもとにつくる有識者懇談会で詳細な制度設計は行ってまいります。
○長妻分科員 これはぜひ、骨抜きを防ぐには、国会で大臣がびしっとくぎを刺す答弁をされるというのが一番だと思うんですが。
 つまり、私がお伺いしているのは、この新人材バンクなるものができたとき、その新人材バンクは、そうすると職員の受け入れを企業や団体等に要請をすると。こういう職員がいますけれどもどうでしょうかと要請したり、いわゆる売り込んだり、そういうことはするわけですか、可能性としては。
○渡辺国務大臣 これは、今やっている天下りあっせんとは根本的に違います。
 どこが違うかといいますと、今、天下りあっせんは、各省庁の人事当局が人事の一環として行うものでございます。したがって、あっせんをされる職員は、言ってみれば有無を言わさず、人事でございますから、人事当局の指示に従って天下っているというのが実情だと思うんですね。
 この人材バンクといいますか、我々は官民交流人材センターと呼んでおりますが、ここにおいては、職員が人事の一環として再就職するということではなくなるわけであります。したがって、その点が根本的に今の天下りあっせんとは違うところでございます。
○長妻分科員 これはちょっと私はびっくりしました、今。
 政府、省庁であっても、人材バンクであっても、内閣府に設置されるということは政府には変わりないわけで、お国から、ちょっと人を採ってくれよ、こういうふうに一民間企業なり公益法人なり独立行政法人などが言われたら、いや、断るとまずいなと。その人の能力というよりは、お国から頼まれたらやはり受け入れざるを得ないな、こういうふうな心理が働くのは当たり前だと思うんですね。
 新人材バンクは、情報提供は、例えば企業から、こういう人を採りたいんだけれどもだれかいい人がいますか、こういうものは受け付けるということは私も聞いておりましたけれども、まさか新人材バンクから、ちょっと受け入れてよ、こういう要請をするというのは絶対しない、こういうことのくぎを刺さないでいいんですか。今よりひどくなるんじゃないですかね。
○渡辺国務大臣 詳細なやり方については、今後、有識者懇談会を通じて決めていくことになるわけであります。
 基本原則というのはもう既に政府・与党の合意が行われているわけでございまして、各府省等の人事の一環としての再就職あっせんからセンターによる再就職支援に重点を移していくこと、それから、各省の縦割りを廃し内閣に一元化を図っていくこと、各府省等の人事当局と企業等の直交渉は禁止をすること、センター職員は出身府省職員の再就職あっせんを行わないこと、また、あっせんによる就職実績等の公表も含めて業務の透明性を確保すること等、基本原則は定めているわけでございます。
○長妻分科員 本当に今の話は、大臣ぜひ国会できちっと、要請はしない、人材バンクに要請はさせない、こういうことを言わないと、今よりも後退すると私は考えています。
 といいますのは、質問主意書を出させていただいて、ことしの四月十七日に答弁書をいただきましたけれども、そこにこう書いてあるんですね。現在の話ですけれども、「各府省等において、平成十六年から平成十八年までの三年間に企業、団体等に職員の再就職の受入れを要請した事例として確認されたものはない。」と言っているんです。つまり、平成十八年までの三年間を調べたら、省庁のあっせんにおいてさえも省庁から売り込んだことはないですよ、こう言っているわけですね、今までは。
 ところが、今までは押しつけ的というかこっちから押し売り的な要請はないと言っているにもかかわらず、今度、新人材バンクができたらそこでは要請が可能にもなる、選択肢も残す、こういうことですね、明確に否定されていないので。それだと、この答弁が本当かうそか知りませんが、今までは一応押しつけ天下りはない、確認されていないと言っていたのが、今度は押しつけ天下りが堂々と新人材バンクで実施をされてしまう。
 それは言葉ではいいですよ、人事の一環じゃないとかなんとかとか言葉はいろいろありましょうけれども、大臣、この新人材バンクでは天下りの受け入れ要請、こっちからお願いするということはしない、これを何で明言できないんですか。基本原則だと思うんです。
○渡辺国務大臣 今私が制度の詳細にわたるところまで言及をしてしまいますと、せっかく有識者懇談会をつくるわけでありますから、しかも有識者懇談会も渡辺大臣のもとじゃなくて官房長官のもとに置くということまで決めたわけでございまして、私がここで有識者懇談会を差しおいて制度の細部にわたる話をすることは差し控えさせていただきます。
 ただ、一般論として、今の天下りあっせんによる弊害を除去していこうという基本的な発想があるわけでございますから、今のやり方よりも後退することはあり得ません。
○長妻分科員 細部にわたる制度設計というお話ですけれども、一番中核中の中核ですよ、こちらからお願いするしないというのは。それを細部というふうに言って相手に任せちゃったら、重要なことなんですよ。そのために新人材バンクというのをつくったんだと私は少なくとも理解していたわけですけれども。省庁がやみで要請する、そういうことをして断り切れないという事例があるので、新人材バンクではもう要請はしないで情報提供だけにしよう、そういう趣旨だと思ったんですが。
 それでは、角度を変えて質問しますと、例えば一民間企業や公益法人が、これは省庁の所管の公益法人ですよ、人材バンクというのも政府ですから、政府サイドから、ちょっとこの職員をどうかね、こういうふうに言われたらやはり断り切れないんじゃないかと思うんですよ、一民間企業とかは。そういう心理としてはどうなんですか。
○渡辺国務大臣 今までやっていなかった例えば販路開拓とかはやります。特定の個人ではなくて、要するに一般的な受け皿探し。国家公務員の中にも優秀な人はいるわけでありますから、今まではそういう能力と実績が評価されずに人事の一環として天下っていたわけですよ。これからはそういうやり方を大転換しよう、能力と実績を正当に評価してもらえる制度をつくっていこうというので官民交流センターをつくるわけでございます。ですから、特定のだれそれ、この人個人をというのじゃなくて、要するに国家公務員一般の受け入れ先の開拓はやるということでございます。
○長妻分科員 それは逆だと思うんですね。この人というふうに言った方が、その人の能力で採用するしない、まさに能力を見るわけですよ。今言われたのはちょっと矛盾していると思うんですね。
 つまり、販路開拓という言葉が大臣からございましたけれども、ということは、Aさん、Bさんという個別の人じゃなくて、お役人のこういうスペックの人をおたくもちょっと受け入れないかと。開拓ということは、今まで受け入れていないところに売り込んでいくということですから、今よりも悪くなるんじゃないですかね。押しつけ的天下りのオンパレードになるんじゃないかという懸念はありますよ。
 だから、その懸念を払拭するには、大臣が、細部じゃありませんから、つまり受け入れを要請するということは新人材バンクではしません、制度設計以外の話で考えてください、こういうふうに何で明言できないんですか。
 短く言ってくださいよ、時間が少ないから。
○渡辺国務大臣 要するにこれはマッチングの話なんですね。例えば民間企業等いろいろなところからこういう人材はいませんかというオファーが来るわけですよ、それに対してこういう人材がいますけれどもと。こういう仕事が一般的には官民交流センターの、官から民への流れの話なんですよ。将来は民から官への人材の受け皿にもなっていこうということでございます。詳細の制度設計はこれからだと申し上げている。
○長妻分科員 答弁を若干ずつ変えていますけれども、向こうからオファーがあったら紹介すると。そうじゃなくて、私が質問したのは、オファーがないのにこちらから要請するということは新人材バンクでも選択肢としてはあるのかという質問で、また時間が浪費されるのであれですけれども、それもあるかもしれない、制度設計の中で有識者会議がそれもいいよと言えばいいんだ、こういうふうに私は理解しましたけれども、それでいいわけですね。いいか悪いかだけ。選択肢としてはあるわけですね。
○渡辺国務大臣 官民交流人材センターの基本三原則についてはもう明確になっているわけでございます。したがって、この三原則に基づいて詳細な制度設計は行っていくということであって、今の天下り文化よりも後退することは絶対にあり得ないということだけは申し上げておきます。
○長妻分科員 今の答弁であれば、後退する、今よりひどくなるというふうに私は考えますけれどもね。
 どうしても認めないのですか。新人材バンクから要請をする、天下り先というか、企業、団体等に受け入れてくださいと、向こうからオファーが全くないのに要請をするということも、時と場合、有識者会議の検討によってはあり得るということでしょう。あり得るのかあり得ないのか、どっちですか。
○渡辺国務大臣 予算と権限を背景にした押しつけ的な天下りあっせんは根絶をするわけでありますから、そういうことから考えれば、今のやり方よりも後退することはあり得ないと申し上げているんです。
○長妻分科員 もう一度聞きますから、答えなかったら、主査、ちょっととめてください。
 つまり、単純なことを聞いているんです。新人材バンクは職員の受け入れを企業や団体等に要請をする、向こうからオファーがないのに。新人材バンクから要請をするということもあり得ると。有識者会議がだめだと言えばだめかもしれないけれども、有識者会議がやっていいと言えばやっていいという方向になる可能性もある。だから、今の段階ではわからないということですね。あり得るということ。どっちなんですか。
○渡辺国務大臣 いずれにしても、基本三原則というのが明確にありますので、この三原則に基づいて詳細な制度設計は行ってまいります。今のカルチャーよりも後退することはあり得ません。(長妻分科員「ちょっと、主査、公正な運営をしてくださいよ」と呼ぶ)
○鴨下主査 長妻昭君、質疑の中でただしてください。
 渡辺国務大臣。
○渡辺国務大臣 三原則で明らかなように、今の人事のあり方、人事の一環としてやっているあっせんから再就職の支援に転換をするわけですよ。予算と権限を背景とした人事の一環としてある、国民からは押しつけのように見える天下りあっせんは根絶をするというのがこのセンターのやり方なのであって、そこから後退することはあり得ないと言っているんですよ。(長妻分科員「それは答えていないじゃないですか。悪質だよ」と呼ぶ)
○鴨下主査 長妻君、質疑の中でただしてください。
○長妻分科員 ちょっと、とめてくださいよ、時計を。国会じゃないじゃないですか。
○鴨下主査 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○鴨下主査 速記を起こしてください。
 渡辺国務大臣。
○渡辺国務大臣 いずれにしても、今やっております天下りあっせんというのは、国民の方から見ますと押しつけのように見えるんですね。一方、役所サイドから見ると、押しつけ的なあっせんは確認されていない、こういうのが公式見解ですよ。
 しかし我々は、国民の方から見て、どうもこれは予算と権限を背景にした押しつけのように見えてしまうな、そういうものもあるがゆえに、各省の人事の延長線としてのあっせんは全面禁止をするということを決めたわけであって、そこから後退することはあり得ないと申し上げているんですよ。(長妻分科員「全然答えていないじゃないですか。要請をするかしないかとさっきから聞いているじゃないですか」と呼ぶ)
○鴨下主査 長妻昭君、質疑の中でただしてください。
○長妻分科員 だめですよ、これは。主査もわかるでしょう。
○鴨下主査 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○鴨下主査 速記を起こしてください。
 長妻昭君。
○長妻分科員 初めは格好いいことを言って、天下りをなくすなくす、根絶と。そして、質問にも正面から全く答えない。
 再就職の受け入れを企業団体等に要請する、こういうことも新人材バンクはやる可能性もあるということですか。
○渡辺国務大臣 ですから、先ほどから言っているように、一般的な販路開拓はやりますよ。受け皿、販路開拓はやりますよ。しかし、人事の一環として、特定の個人を、この人どうですかという押しつけ的なことはやらない、そんなことは当たり前のことじゃないですか。押しつけ的なことはやらないんですよ。
 いいですか。今の天下りあっせんが国民の目から見て押しつけのように見える、そういうものを全部根絶すると言っているんですよ。ですから、その延長線で詳細な制度設計をやると言っているじゃないですか。
○長妻分科員 では、要請はしないんですね。
○渡辺国務大臣 国民の目から見て押しつけのように見える天下りあっせんはやりません。
○長妻分科員 そうすると、国民の目から見て押しつけ的に見えないという前提に立てば、要請をすることもあり得るということですね。
○渡辺国務大臣 詳細な制度設計は有識者懇談会で行います。
○長妻分科員 では、それは法案が出てきたときにじっくりと質疑をすることにして、本当に大臣、真っ正面から答弁した方がいいですよ。何か人気取りのことばかり考えないで。
 では、次に行きますけれども、これは総務省にお伺いしますが、平成十五年から三年間の国家公務員常勤職員の定年の数と勧奨退職の数をそれぞれ教えてください。
○河合大臣政務官 平成十五年度から平成十七年度までの間に定年でおやめになった方は四万九百八人、それから勧奨退職の方は四万一千五百七名でございます。
○長妻分科員 この数字を今お伺いして、私はやはりびっくりするんですね。つまり、国家公務員の退職者のうち、これは渡辺大臣は知っておられましたかね、定年退職が約四万人、勧奨退職が四万一千人ということで、定年退職四万人とほぼ同じ四万人なんですね、三年間で。同じぐらいの数が、これほど多くの人が勧奨退職になっている。
 勧奨退職の質問は後にして、定年退職を聞きますけれども、基本的に六十歳で定年退職だと思いますが、めでたく定年まで勤め上げた方も新人材バンクであっせんというのはするんですか。
○渡辺国務大臣 これだけたくさんの定年退職者の方がいらっしゃる。この人たちのうち、今あっせんを各省でやっているのがどれくらいかは判明しておりません。
 したがって、官民交流人材センターについては、定年退職者の場合、具体的な制度設計に至るだけの事実がわかっておりませんので、こういったものについては有識者懇談会にゆだねていきたいと考えております。
○長妻分科員 これもちょっとびっくりしますね。私は、政府は人材バンクも含めてあっせん、仲介全面禁止だというふうにすべきだと思っているんですが、六十歳で定年を迎えた後も新人材バンクであっせん、仲介をすることも有識者会議がしろと言えばするんだ、こういう答弁じゃないですか。
 今現在は省庁は定年退職者の天下りのあっせん、仲介もしているんですか。
○渡辺国務大臣 そういう事実は存じませんが、これだけ大量の定年退職者がいるということは、なかなか難しいなということを申し上げているんですよ。
○長妻分科員 これは全然調査不足ですよ、大臣。何にも実態を把握していないじゃないですか。
 この三年間で四万九百八人の定年退職者は、今現在省庁は再就職のあっせんをしているんですか。知らないんですか。
○渡辺国務大臣 そういう明確な事例について、手元に資料がございませんので、お答えできません。
○長妻分科員 何にもわからないで制度設計されているように私は感じるんですが。
 そうすると、大臣自身は、これは自分の意見を言ってください、有識者会議で逃げないで。大臣自身は、めでたく定年退職した後も新人材バンクであっせん、仲介をすべきかすべきじゃないか、どうお考えですか。
○渡辺国務大臣 先ほども申し上げましたように、これだけ多くの人たちが定年退職しているわけですね。ですから、そういう人まで対象にするというのはなかなか難しいものがあるなというのが私の個人的な意見です。
○長妻分科員 すべきかすべきじゃないかというふうに聞いたんですが。
 勧奨退職に関しては、政府の資料では、平成十九年四月十三日、公務員制度改革に関する政府・与党合意という文書によると、退職勧奨を行う人事当局からの依頼も受け付ける、新人材バンクがですね。ということは、勧奨退職を行うまさにその本人が知らない間に人事当局者から新人材バンクにその方が登録されることもあり得るということですか。
○渡辺国務大臣 いずれにしても、今の天下りあっせんが国民の目から見て非常な不信感を買っているわけでありますから、そういうことを招かないような制度設計を行ってまいります。詳細の制度設計を私が今ここで言うわけにはいかないんですよ。ですから、有識者懇談会にそういった細かい制度設計はゆだねるということを申し上げているんです。
○長妻分科員 ちょっと質問の意味がわかっておられないんじゃないですかね。本人が知らない間に登録するなんてばかなことはないんでしょう、それは。あるんですかね。それもわからないということでしょう。すべてが有識者会議に丸投げをするというようなニュアンスに感じるんですが。
 そうしましたら、その新人材バンクにあっせん、仲介を一元化した後は省庁によるあっせんは禁止だということですよね、大臣。省庁によるあっせん禁止ということは、新人材バンクに一元化の後、省庁に、ある企業が、ちょっとおたくの、国土交通省でもいいでしょう、おたくのこういうスペックの職員を紹介していただけませんか、うちに来ていただけませんかと企業から省庁に問い合わせる、そしてその問い合わせにその省庁が答える、これもいけないということでよろしいんですか。
○渡辺国務大臣 ちょっと手元に条文がございませんが……(長妻分科員「通告していますよ、きのうちゃんと」と呼ぶ)通告はありますか。
 情報提供の依頼は、これは禁止されます。
○長妻分科員 そういう日本語があるんですか。情報提供の依頼、これはだれが依頼するんですか。
 ちょっとこれはわかっていないな。生煮えだから、ちょっととめてください、委員長。
○鴨下主査 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○鴨下主査 速記を起こしてください。
 渡辺大臣。
○渡辺国務大臣 企業が情報提供を依頼することも、役所が情報を提供することも、その企業の依頼に応じること、企業の情報提供依頼に応じることは禁止されているということでございます。
○長妻分科員 そうすると、企業も情報提供を求めちゃいけないわけですか、今の言い方では。
○渡辺国務大臣 企業のサイドを規制しているのではなくて、役所の方を規制しているということでございます。
○長妻分科員 最後に、その新人材バンクには多分省庁の人事担当者が出向で行かれると思うんですが、その出向者というのは、自民党の幹部の方が言われる話を私も聞いたことがあるんですが、人材バンクに行ったら、片道切符で戻らないようにするというような、もう戻らないということでよろしいんですね、これは。
○渡辺国務大臣 これはある大物政治家がどこかで語った言葉でございまして、そういったルールについてはまさにこれから詳細な制度設計を行っていくということでございます。
○長妻分科員 質疑時間が終了いたしましたのでこれで質疑は終わりますけれども、ちょっと私は、やはり想像していた以上に有識者会議丸投げという、根幹の部分まで丸投げをしてしまって、押しつけ的天下りさえも公然と認めるというような案ではないか。これは国が、省庁であれ人材バンクであれ国ですよ、そこから頼まれたら断りにくい、これはそういう心理が働くわけで、当然そこに天下った方は能力で採用しないということになりかねないわけで、そういう方にやはりお土産を期待するという現状が変わらない危険性がありますので、ぜひリーダーシップを持って、基本原則まで丸投げをしないということをお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○鴨下主査 これにて長妻昭君の質疑は終了いたしました。
 次に、古本伸一郎君。
○古本分科員 民主党の古本伸一郎でございます。
 大臣におかれましては、連日の御対応、お疲れさまでございます。そしてまた、主査におかれましても、ありがとうございます。質問の機会をいただきました。
 私からは、行政改革全般について少しお尋ねしてまいりたいと思っています。きょうは官房副長官にもお越しをいただいております。ありがとうございます。
 今、同僚議員のやりとりを少し後ろで聞いておりまして、あわせて確認を行いたい部分があるのですが、今夕閣議決定をされるということでありますが、天下りの問題です。
 これは、あまねく国民全員が怒っておるとして、何に怒っておるかというと、一部の人が特権的にある役職につくことや、あるいは権限や財源を背景としてそこはかとなく、この人を引き受けないと、我が社もちょっとこつんとやられるとかなわぬなとか、役所の皆さんがここにいらっしゃいますけれども、民間の人なら何となくその感覚は皆共有しているはずなんですね。ですから、その人材バンクなるところが今後どういう形で機能していくかということは、実は大変大きなポイントになると思っています。
 しかしながら、きょう閣議決定ということでありますので、まだ詳細はここでお聞かせいただけないという事情も拝察申し上げますし、また、有識者会議ということも今伺いましたが、まさにその有識者会議にいろいろ投げていって、今いろいろな物事が決まっていっているという一つに私は審議会の制度があるように、少し問題意識を持っています。
 委員長のお許しをいただいて資料を配付させていただいておりますが、これは実は、衆議院の調査局に私どもの政調を通じお願いをし集約をしました、今年の二月現在の、常勤の方がいらっしゃる全審議会の委員の皆さんの年間の出勤状況並びに報酬です。それで、これにはつけなかったんですが、細かい話ですが、公用車があるのかとか、あるいは秘書のスタッフは何人ついているとか、そういうフリンジベネフィット的な部分も含めて、あわせて精査をさせていただきました。結果、お配りをいたしております資料は、勤務状況と給与ということで一覧にしております。
 これで単純に年間の出勤日数を年収で割り戻しますと、大体、一日出て十万円くらいになる計算なんですよ。一日出勤して十万円もらえる仕事が世の中どういう方々があるのかというのは、またそういうところに出ているのかもしれませんが、要は、この人たちが何をしてくれているのかということだと思うんです。
 もちろん、この中には国会の同意人事もございますので、我々立法府としても御承認申し上げてその任についていただいている方もおられますので、よくよく慎重に私も物を言わなきゃいけない部分もあるのかもしれませんが、少なくとも国家の予算を使って、今常勤の方が、伺いますれば約六十名、五十九人いらっしゃって、非常勤も入れた人件費総額が約二十五億円ぐらいかかっている。これは審議会委員の人たちですので、それにまつわる秘書やスタッフや事務経費を入れれば、恐らく数倍あるいはそれ以上なんでしょう。
 実は、私、全部は行けなかったんですが、それぞれの審議会に少しお邪魔をして様子を見てきたんです。出勤をなさっているかとか、どういう状況なのかということで見てまいりました。
 昨今は議員宿舎や議員会館がいろいろな御批判にさらされておりまして、何とも複雑な思いがあるんですが、それはそれは審議会委員の先生、ちなみに職員はその方を先生と呼んでおられるんです。さぞかし大学の先生御出身ばかりで固めているのかなと見たら、大臣、ざっと見て半分以上が公務員の方の再就職なんですよ。きのうまでどこかの役所にいた人がきょうから先生と呼ばれ、年収二千万もらい、公用車が一台つき、やっておられるんです。結果、国民の利益に資することをやっていただいているのならばいいです。
 そこで、官房副長官にきょうお越しいただいているんですが、概要はこういう事実関係だと承知しておりますが、審議会の委員というのは何をするためにいらっしゃるんでしょうか。
○下村内閣官房副長官 各省庁の諮問に対して答申をしてもらうために、専門の方々に審議会に入っていただいて議論していただいているところでございます。
○古本分科員 そうなんです。つまり、各省庁が起案します政策が、あまねく国民感情やあるいは国民の生活の実態や、あるいは制度を設計していく上でニーズに合致しているだろうか等々を閣議に請議し、そして決定をし、国会に付託をしていただくステップを踏む、その入り口の段階として、各府省庁ごとにこれはどうでしょうかという、まさに、ずばり民間といいますか国民の声を聞くための場なわけでありますね。
 ところが、そこにこれだけの元官僚の方がいらっしゃるんです、今副長官見ていただいたとおりでありますが。これは資料の1をおつけしています。委員の選任に当たっては、「府省出身者の委員への任命は、厳に抑制する。」と書いていますね。1でございます。副長官、そこの一行目です、マジックで線を引いておきました。これは一体どうなっているんでしょうか。
○下村内閣官房副長官 これは平成十一年の四月の閣議決定で、審議会等の整理合理化に関する基本的計画の一つとして、「府省出身の委員への任命は、厳に抑制する。特に審議会等の所管府省出身者は、当該審議会等の不可欠の構成要素である場合、又は属人的な専門的知識経験から必要な場合を除き、委員に選任しない。」ということが決まっておりまして、こういう経緯の中で、これが決まった直後、平成十三年の府省庁出身の審議会委員が五〇%、この十九年の二月になりまして三九%ですから一一%減ってきたわけです。それから、所管府省出身者が平成十三年三六%、平成十九年二月になって二七・一%、こちらの方は八・九%減ってまいりましたが、この中は、属人的な専門的知識経験から必要な部分であるというふうに思います。
○古本分科員 閣議決定を受けて運用されているかと思いきや、なるほど、属人的な知識といえば、個別具体的に言うと少しお気の毒なので控えますが、要は、多分、技官、技術官僚等々、その人が培ってこられたノウハウを生かしてということと推察いたしますが、今まさに公務員の天下りの問題を渡辺大臣はやっているわけですよね。これはなかなかの処遇ですよ。御年見れば、平均すればオーバー六十五歳ですよ。この七十歳を慎むという、高齢ですね、これも伺えば、高齢については原則委員に選任しないといいながら、何歳だと聞いたら七十だそうですが、任期中にまたぐか、もう既にまたいでしまっている人もいますね。
 したがって、国民の利益に資するということは、簡単な話なんです、その出てきた政策提案がちょっと辛口のことを言ったりちょっと耳ざわりの悪いことでも、しっかりやれよということを言える立場にある人がついたら、これは多分できるんです。
 ところが、今官房副長官のお話でも、依然として数十%の府省庁関係の人もおられるというふうに伺いましたし、多分これは今後とも続いていくんでしょうね。
 という前提に立ちましたら、そもそも有識者会議ということで、多分そこは民間の人で今後の天下りの議論はなさっていかれるんだと思いますが、要は、みんな懇ろで、内輪で仲よく議論して、それでお互いにダブルチェックしたふりをして、実は官僚出身者で審議会を固めておって、それで本当に国民の声が行政に反映できるんだろうか。
 国会は民主主義の原点ですから、私もこの短い期間で多数決の重みということを身にしみて感じております。したがって、国会に法案が出てくる段階で政府・与党一体的に恐らくいろいろな議論を詰めてくる、その大前提の政策がこの審議会に諮られているわけですよね。
 したがって、外形的に見たら、行政改革あるいは天下りの問題を議論するしょっぱなの入り口がこういう状況である。いや、そうじゃないんだ、それぞれの委員は立派にやっておられると、これは私もそうなんだろうなと御信頼申し上げたいところでありますが、少なくとも李下に冠を正さずということからいえば、これは余りにもわかりづらいですね。
 渡辺大臣の感想を求めます。
○渡辺国務大臣 各種の審査会、審議会、委員会等々、こういうところは天下りというんでしょうかね。横滑りという感じがするのでございますが、こういう委員会、審議会、国会同意人事とおっしゃいましたね。国会の同意を得てそれぞれの分野で審議をしているということで、勤務実態もお調べになったんでしょうから、そういう中で、全く仕事もなくてぷらぷらしているということがもしあるとすれば、それは考えなければなりませんけれども、きちんと仕事をやっておるというのであれば、これは天下り問題とは別なのではないでしょうか。
○古本分科員 横滑りでもどっちでもいいんですが、少なくとも、ある役職にいた人が役人時代に築いた識見なり人脈を利用して次なるポジションにつくということは、これは結果としての天下りだと私は思っています。
 それから、今、ぷらぷらというお言葉がありましたが、決してそうは私は言っていませんし、事実、私がお訪ねしたところは大体審議会委員の人はいらっしゃいました。それで、本当に熱心に働いておられるということも事務局から聞いています。ただ、同意人事をした以降は、いわば国会からはもう手が離れて、何をやっておられるのかわからないんです。
 そこで、続いて副長官にお尋ねするんですが、これは国会の同意を得て、任命しているのは各大臣なんです、それぞれの所管の。したがって、例えば金融庁に至っては私は累次にわたって資料要求し、現地にも行きました。それから、山本大臣をもってして御答弁までいただいているのに、滑った転んだで、やっとこさ出てきたので、これは手書きで入れていますが、やっとこさ出てきたんですよ、金融庁所管の二つについては。
 したがって、今後、国会の場でいろいろこういった部分も、実態を調べたい、あるいはどれだけ国民の利益にかなうことをしてくださっているのか確認をしたい、これは同意した以上、我々の責任です。このことについて積極的に協力するように、ここで言質をいただきたいんですが、いかがでしょうか。
○下村内閣官房副長官 御指摘の金融庁関係の審議会、これは証券取引等監視委員会、それから公認会計士・監査審査会があるわけでございます。この方々は特別職の国家公務員でございますので、いわゆる一般の国家公務員法の適用対象からは除外されているわけであります。したがって、一般職の国家公務員については、御指摘のような勤務実態、出勤簿等、作成が義務づけられている国家公務員法第六十八条があるわけですけれども、こういう適用はなく、いわゆる一般職のような勤務状況の管理は行われていないわけです。要は、勤務時間というよりは、仕事の中でどうそれにきちっと対応してもらえるかどうか、その評価だというふうに思うんですね。
 ただ、委員御指摘のように、金融庁に対して委員から、監視委員会及び監査審査会の常勤委員について、勤務日数それから勤務時間を正確に把握しろというお話があったということは承知しておりますが、そのような役職は一般公務員と違うということから、常勤委員の年間の出勤日数とか年間勤務時間等を記載する対象ではもともとなかったということで把握していなかったということでございます。
○古本分科員 副長官、申しわけないですけれども、それは百も承知で聞いているんです。実態として、特別職公務員なので出す必要はないということなんです。それはそうです、法律のとおりになればそのとおりだと思うんですが、他方、出勤簿をとっている審議会もあれば、秘書の方がきちっとフォローしているところもあれば、非常に温度差があるんです。
 したがって、私がお尋ねしておるのは、大臣が任命しているわけでありますから、そこの審議会がどういうことで国民のために働いておられるのかということは、年収をこれだけ取っているんですよ。特別職公務員とおっしゃいますが、これは国会議員と合わせているんじゃないですか。これは役所でいいですから、これはだれに水準を合わせているんですか。
○戸谷政府参考人 国会の同意を得て任命される常勤の審議会委員でございますが、特別職給与法の中に給与が書いてございます。
 具体的に、平成十六年三月に内閣官房長官主宰の有識者会議の報告をいただいております。国家行政組織法第八条に基づく審議会等の常勤委員等の格付につきましては、府、省または庁の附属機関であるという原則に基づきまして、委員長が外局長官クラス、委員につきましては局長クラスという御答申をいただきまして、平成十七年に法改正を行いまして、局長クラスというのが一般的になっております。
○古本分科員 そうしますと、局長の皆さんがまさにきょうここにおいでいただいて、日々、出勤の状況もある意味白日のもとにさらされて、きちっとやっておられる方と、片や、我々も特別職公務員ですよね、国会議員も。登院したらボタンを押すわ、一日休むときも必ず請暇願を出すわ、休日届を出すわ、えらい差があるんですよ。何かベールに包まれている感じがあるんですね。
 したがって、特別職公務員であって、これは答える必要はないんだと言われる、その筋論もわかりますが、現に今、行政改革を進めていかれる中で、まさにそういうことが正しいかどうかを審議するようなポジションにある人なんですから、これはフリーで、オープンでいいじゃないですか。
 ついては、たまたま金融庁の例を言いましたが、ほかにもいろいろそういう可能性のあるところもあるでしょう。含めて、きょうせっかく官房副長官に来ていただいているわけですから、これは厳に国民の厳しい目もあるわけですので、調査の要請があれば、法律の範囲内でということをまたおっしゃるんでしょうけれども、私としてもいろいろなことに協力してもらいたいものだぐらいなことを言ってもらってもいいんじゃないですか。
○下村内閣官房副長官 私は東京の出身でございまして、この間、都知事選挙がございまして、現職の都知事が毎日知事室に行っていないじゃないかということが選挙期間中に一時出たことがございました。同じように、審議会委員というのは、勤務時間で何時から何時まで仕事をするということよりは、行政運営に専門的な知見や幅広い立場からの意見を反映してもらうために、幅広い学識経験等を的確に提供することを期待されている方々なわけですね。ですから、その職責が的確に果たされているかどうかというのは、任命権者においてそういう観点から評価をするのが審議会の委員であるというふうに思います。
○古本分科員 これ以上やっても多分それ以上出ないと思いますので、渡辺大臣に少し引き取っていただきたいんですが、先ほどの人材バンクの話に戻るんですが、今、例えば財務省の会計課に会計のプロがおる。その人が人材としておって、他の省庁の例えば支分部局や整備局、出先の会計担当が、例えば病欠か何かわかりませんが、予算定員上は一なんだけれども欠員が出たと。そうすると、今は省庁内で完結しますが、これをまたいでローテーションするというような仕組みに今なっていますか。これは私は、なっていないことに早期退職勧奨制度やいろいろな問題の原因があると思っているんです。
 三十万人いらっしゃる国家公務員の皆様が、なぜ早くに、定年前にいろいろなところに出向かなきゃいけなくなっているか。これは実は、スタッフ職としてみずからの持っている技能や力量を生かす機会が、そういう省庁をまたいでの縦横無尽な人事異動がないことの弊害になっているように思うんです。それがもしできたら、何も人材バンクをつくらなくても、省庁の端末で人材をリストで登録しておけば、どこの省庁にこんな会計のプロがおる、どこの省庁に電算システムのプロがおるというのは、多分、情報交換すればいいだけの話なんですね。
 今現状はどうなっていて、今後どうしようというお考えで今行革を進めておられるのか、この二点についてお尋ねします。
○渡辺国務大臣 職員の配置転換というのは、御案内のようにもうやっているんですね。五年間でたしか二千七百だったでしょうか、二千八百、これからもやります。
 私も、ついこの間府中刑務所へ行ってまいりました。そこに農林省の統計事務所か食糧事務所かから配置転換で回ってきた人もいらっしゃいました。そういうかなりドラスチックなこともこれから大いにやっていかなければなりません。
 また、スタッフ職については、これは私が着任するはるか以前の平成十六年に決まっている話でございます。安倍内閣として人事院に俸給表をつくってくださいという要請もしているところであります。
 いろいろなブレーンストーミングを今やっておりまして、例えばどういう専門職があり得るか。調査分析なんというのもそうですね。それから、今御指摘の会計なんというのもそうでしょう。それから、人事とか広報もそうですね。それから、ちょっと変わったところでは政策評価、こんなのもスタッフ職になじむところではないんでしょうか。それから、国際交渉とか、行政不服手続とか、考えてみればいろいろなスタッフ職があり得るんですね。そういう専門能力を発揮して、ラインではなくとも定年まで働ける、こういうことは今回の我々の法改正の根底にある話でございまして、そういう全体パッケージを考えながら公務員制度改革を行おうとしているところでございます。
○古本分科員 そうしますと、今、同期で第一選抜というのでしょうか、課長さんや局長が出ると、ほかの人は御無礼いただくという、これが早期退職勧奨制度ですよね。正しいですか。
○渡辺国務大臣 そうだと思います。
○古本分科員 今後、同期のキャリア局長が第一選抜でポスト局長になった。でも、残りの筆頭課長がおって、その人たちは出さされずに、局長見習いか心得かどうかはわかりませんが、局長級ということで部下を持たずに役所に残していくということでよろしいんですか。そういうお考えがあるということでいいんですか。
○渡辺国務大臣 局長見習いかどうかは別として、スタッフ職の俸給表が今ありませんので何ともイメージがわかないのかもしれませんけれども、そういったラインでない専門職のルートはつくる必要があると考えます。
 ただ、ぜひこれは御認識いただきたいんですが、五年間で五・七%の定員を削減するというたががはまっております。それから、総人件費を抑制するというたがも同時にはまっているんですね。そうすると、例えば年俸で千五百万円もらっている人がそのままの給料で滞留してしまうということになると、先ほどの議論の中で勧奨される人が年間どれぐらいでしたか、二千人から三千人ぐらいいるとしますと膨大な額になるわけですよ。当然、定員のたががはまりますから、こういう方々が滞留すれば新人が採れなくなるという問題もあって、上司高齢化の組織になって老朽化してしまうということもあり得るわけでございます。
○古本分科員 その際に、公務員の皆様の給料の計算が、例えば、月例の賃金は余り差をつけないとして、賞与というのですか、期末手当というのですか、皆勤手当というのでしょうか、世間で言うボーナスですね、例えばここのところで業績査定のようなものを入れる仕組みをつくっていけば、今でも既にあるやに伺っていますが差は小さいですね。
 したがって、ポスト局長として、例えばきょうずらっと来ていただいている部下何百人を持っている局長と、局長級ということで役所に残りそれまでの人脈や識見を利用して高度な専門スタッフとして一匹オオカミでやっていく人と給料が一緒では、こっちのポスト局長はたまったものじゃないですね、立つ瀬がない。したがって、そこに差をつけるための給与的な仕掛けもつくっていかれますか。
○渡辺国務大臣 スタッフ職の俸給表については、既に昨年の十月に安倍内閣として閣議決定をし、人事院に要請をしているところでございます。
○古本分科員 ぜひそこは、きょう人事院も来てもらっていると思いますが、よろしくお願いをしたいと思います。
 人材をフローさせようと思うと、その人がどういうスキルを持っているかということをお互いに知っておかないとお見合いが成立しませんね。したがって、この人材バンクの法律がいつ国会に出てくるかでありますけれども、何もそういうあっせん業的な人が間に入らなくても、役所間で、例えば人事課長、文書課長がお互いやれればそれで済む話なんですね。
 したがって、人材バンクのスタッフがまたそこでさらに実務をする、これは膨大な人事情報ですよ、三十万人分登録するわけですから。ちなみに、これは三十万人分が登録されるバンクということになるのでいいんですよね。
○渡辺国務大臣 全員登録するということはあり得ないと思います。
○古本分科員 ということは、東でこんな人がおる、西でこんな人がおるということはできるんですねと言ったら、大臣は、今、鋭意それはやれるようになっているという答弁がありましたけれども、今の仕組みにおいては人事交流は省庁をまたいでできないということになりませんか。三十万人の人事情報がないとできませんよ。
○渡辺国務大臣 将来そういう使い方があり得るのかどうかは別でございますが、我々が今概念として考えておりますのは、官から民へ、民から官へ、垣根を低くする、そして官から官への人材移動ももっと促進をしていく、今委員が御指摘になったようなケースですね。同時に、今公募制というのをやっております。課長以上の公募を、これは官から官の話でありますが、もう既に一割達成をしております。こういうのはもっと民から官の垣根を低くしてもいいじゃないか、そういう議論もあるんですね。
 ですから、そういった人材移動を促進するということは大いに考えていくべきであって、官から官だけではなくて、民から官から民みたいなルートもあってもいいのじゃないのでしょうか。
○古本分科員 きょうは取り上げませんでしたが、報道によれば、JRの車内で言葉を失うような卑劣きわまる事件があったと聞いています。若い女性が言語道断のやからに襲われたということでありますが、例えば鉄道警察隊の予算定員がどうなっているのか。JRは何をやっていたんだという世論がありますけれども、冗談じゃありませんよ。JRは丸腰ですし、護身術も習っていなければ、そんな暴漢と戦うすべもありません。これは鉄道警察隊の予算定員をふやして配置をふやすしかないですよ。恐らく日本はそういう国になってきてしまっているんですよ。
 そういう議論をしていくにも、大臣、公務員の皆さんが、予算定員が減らされていくというのは承知していますけれども、その枠としてあるんですから、そこに人事交流で人をふやしていくということをやっていかないと、官がミニマムで守るべき安全が今脅かされているんです。官が手を出さなくてもいい公の部分を余計に担って、今、日本の公コストは高くなっているんです。
 ぜひ、今後の公務員制度改革は、公務員の皆様、つまり官の力を求めておられる安全を守りたい領域は山とあるわけでありますので、そういったところに人材が配置されるように、こんな悲しい、痛ましい事件が二度とないように、大臣も内閣の御担当でいらっしゃいますので、これもまた国家公安委員長に伝えていただきたいと思います。お答えください。
○渡辺国務大臣 今御指摘の事件というのはよく知りませんけれども、今度国家公安委員長に会いましたときにお伝えをしたいと思います。
○古本分科員 終わります。ありがとうございました。
○鴨下主査 これにて古本伸一郎君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして内閣所管についての質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○鴨下主査 昨日に引き続き内閣府所管中金融庁について審査を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。広津素子君。
○広津分科員 佐賀県の保険医団体から陳情がありまして、その内容の中に本質的な部分を含むと考えましたので、大臣に御質問をいたします。
 まず、背景といたしまして、改正前の保険業法は、不特定の者を相手方として保険の引き受けを行う保険業が対象であり、任意団体や特定の者に対して保険業類似の事業を行うものについては、法規制も監督官庁もありませんでした。
 これに対して、一昨年の第百六十二回通常国会で成立した保険業法等の一部を改正する法律、新保険業法では、契約者保護の観点から保険業法の適用範囲を見直し、企業内共済、労働組合等の共済、小規模な共済など、特定の者を相手方として保険の引き受けを行うものにも原則として保険業法の規定を適用することといたしました。
 なお、一定の事業規模の範囲内で少額短期の保険のみの引き受けを行う事業者にも、少額短期保険業者という登録制の簡便な枠組みを創設するとともに、既存の事業者には二年間の移行期間を設けるなどの経過措置を講じています。
 これに対して、全国商工団体連合会、全国保険医団体連合会、山岳連盟など、長年にわたって自主共済で団体構成員の相互扶助を行ってきた団体から、自分たちの自主共済の存続を求める声が聞かれます。そのため、なぜそれができないのか、そして、それは正しいのかについて御質問いたします。
 次に、質問です。
 憲法二十一条で国民の権利として結社の自由が定められ、民間人が会社を設立することが自由であるのと同様に、共済を設立するのも自由であるのが原則と考えます。したがって、自主共済は、いわばあって当然のものと思います。また、団体自治権を尊重することも重要であると思います。
 そのような中、小規模でない共済は、根拠法や所管する行政庁がなければ認めないとするのはなぜでしょうか。まず、これについてお答えください。
○山本国務大臣 広津議員おっしゃるように、結社の自由は守らなきゃなりませんし、団体自治権を尊重することは当然でございます。また、自主共済も、相互扶助の考え方というのは日本のよき伝統だというように考えております。
 しかし、特別な根拠法に基づかず設立された任意団体等が行ういわゆる根拠法のない共済につきましては、特定の者を相手方とする自発的な共済を基礎としていることから、従来、契約者を保護するための規制は、おっしゃるように基本的に必要ないとされてきたことは、先ほど御指摘のとおりでございます。そして加えて、農協、生協という根拠法がある制度共済につきましても、所管官庁により契約者保護等の観点から必要な規制が実施されているという事実から、保険業法の適用対象外とされました。
 近年、根拠法のない共済の規模、形態の多様化が進む中で、共済をめぐりさまざまな消費者保護上の問題が指摘されることも、先生御承知のとおりでございます。いわばそうした一般庶民に、共済の名をかりて、また経済的な損失を与えていく規模の大きさ等々を考えるならば、相互扶助や構成員の自治による監督だけを理由として、そのすべてを契約者の自己責任という問題で片づけてしまうことは、どうも適切でない時代が来たと言わざるを得ません。
 そんな背景の中で、平成十七年に保険業法を改正し、保険契約者が特定されていると否とを問わず、根拠法のない共済は、企業内共済、小規模なものを除き、保険契約者等の保護と健全な運営の確保の観点から保険業法の適用対象とするとされたところでございました。
 以上です。
○広津分科員 今のお答えを要約しますと、監督ができない共済を偽って消費者に損害を与えたマルチ共済というのがあって、そういうものがあると契約者の保護ができないために保険業法を適用することにしたということだと思います。
 では、監督・規制ができないという問題であれば、必要な事項を定めてそれを守ることを課したらいかがでしょうか。というのは、保険会社にならなければいけないというのではなくて、自主共済のまま必要な事項を課したらいかがかというのが私の質問です。
 例えば必要なこととは、契約者の保護ですから、最低資本金を定めるとか、自主共済もその運用状況について適切な会計を行うことを義務づける、契約者にその運用状況のディスクローズを義務づける、権利義務の主体としての法人格をつくるなどがあれば、自主共済でよいのではないでしょうか。
○山本国務大臣 まさに、先生のおっしゃることは、当を得た大変すばらしい観点だろうというように考えております。
 改正保険業法では、いわゆる根拠法のない共済が保険業法のもとで引き続き必要な保障を提供し、適切に事業を継続するように、保険会社の免許制の仕組みに加えまして、新たな登録制の枠組みとして少額短期保険業制度を創設したところでございます。
 この少額短期保険業制度と申しますものの要件を例示いたしますと、広津議員おっしゃるように、まずは最低資本金の定め、次に一定以上の規模を有する団体の財務諸表に対する外部監査の義務づけ、次に業務及び財産の状況に関するディスクロージャーの義務づけ、そして一定の法人格、株式会社または相互会社であっていただかなきゃなりませんが、その取得義務づけ等の規制を及ぼすというように定めたところでございます。
 これらの規制はいずれも、保険契約者保護の観点から必要最小限度のものとして保険業法で義務づけることとしたものでございますが、こうした規制の実効性を担保して、契約者を保護するためには、さらに行政庁において適切な監督を行うことが必要不可欠であるとも考えているところでございます。
○広津分科員 今、法人格というのは保険会社か株式会社でなければいけないということをおっしゃいましたが、それはそういうことではなくて、例えば共済というものでもいいのではないかと私は思います。その他の部分については、ほとんど賛成でございます。
 また、共済という名で運営されて実際には契約者に利益を与えないものに関する取り締まりは、旧保険業法から新保険業法に変わってどう変化したのかというのをまずお聞きしたいのと、また、共済という名で運営されて実際には契約者に利益を与えなかったものについては、これは共済ではなくて詐欺だと思いますが、いかがでしょうか。
○三國谷政府参考人 お答え申し上げます。
 いわゆる根拠法のない共済につきましては、自発的な共助を基礎としておりますことから、従来、契約者を保護するための業法上の規制は基本的に必要ないとされてきたところでございます。その上で、悪質業者の対応につきましては、事案によりますけれども、出資法違反や詐欺罪に該当する事件につきましては、捜査当局による立件や起訴などが行われてきたところでございます。
 しかしながら、大臣がお答え申し上げましたとおり、近年、共済の実施団体が急増し事業形態も多様化する中で、根拠法のない共済につきましては、消費者保護上の問題が指摘されるようになったところでございます。このため、改正保険業法におきましては、根拠法のない共済に対する新たな規制を整備し、募集時の行為規制や財務規制などを課すこととしたところでございます。
 これによりまして、いわゆるマルチ商法のようなものを含めまして、任意団体等による根拠法のない共済でありましても、契約者保護上問題があるものについては、改正保険業法のもとで金融庁が適切に検査監督を行うことが可能になったものと考えているところでございます。
 なお御指摘の、共済という名で運営されまして実際には契約者に利益を与えないものということでございますが、これも具体的な事案によるわけでございますけれども、共済という名で運営されていたといたしましても、契約者に利益を与えずに、これをだまして経済的損失を与える目的を持って行われる事業、こういったものは、事案によりましては詐欺罪などに該当し得るものではないかと考えているところでございます。
○広津分科員 どうもありがとうございました。
 ただ、今の中で、共済という名で運営されているものの中に詐欺は確かにありますけれども、全部が悪い共済ではないので、全部の自主共済をやめさせるというのはいかがなものかと思います。では、やめさせて、保険会社にならなければいけないかというのもこれもどうかなと思いますので、自主共済のまま適切な管理監督ができるようにできないかなというのが私の提案でございます。
 自主共済の形で運営すると、すべての共済が契約者保護に値しないというふうに考えるのは行き過ぎであると私は思います。どういう要件が整えば問題がないと言えるのか、金融庁側の見解をお教えください。
○山本国務大臣 ルールをつくるときに、具体的なミクロの、個々の事案を全部拾えるかどうかというのは非常に難しい面があります。やはり、文章にする、法律にするということになりますと、規範ですからおのずからそこには抽象化が出てまいります。その意味で、こんないい共済があるけれどもこのルールではというおしかりは常に覚悟しながら我々もつくってまいりました。
 そういう中で、具体的なルールといいますのは、最低資本金、財務諸表についての外部監査の義務づけ、業務及び財産の状況に関するディスクロージャーの義務づけ、一定の法人格の取得義務づけ、あるいは保険会社特有のソルベンシーマージン比率の規制、そして資産運用規制、安全にやっていただきたいというようなことなどがございます。そしてできるだけ、現在機能している、しかも正しく機能している無認可共済について、ぜひとも今後とも継続していただきたいという思いを込めて登録制とさせていただきました。
 以上でございます。
○広津分科員 登録制でできるのは少額短期の共済だけなんですよね。大きくやっていますと保険会社にならざるを得ないということになっていますので。共済としてやりたい人をどうして保険会社にしなきゃいけないかというのが一番問題なところで、共済という組織のまま必要なことをやればいいのではないかというふうに私は提案申し上げたいんですね。なるべくそうしていただきたいなというふうに思っております。
 なお、その要件を満たすように法律で義務づけた上で自主共済を認め、団体自治権を尊重したらどうかというふうに思いますが、それはどうしてできないんでしょうか。どうして保険業法でなければいけないんでしょうか。
○山本国務大臣 先ほどお答えしました保険業法上の要件はいずれも、保険会社または少額短期保険業者として事業を行うために、保険契約者保護の観点から、必要最小限のものとして義務づけられた規制でございます。これらの規制に沿って事業を実施していただきたいと考えております。
 もとより、金融庁としましては、こうした規制によって各共済の事業の継続をいたずらに困難にすることは本意ではございません。各共済が事業継続に向けて、現行制度のもとでどのような選択肢をとっていけばよいのか、各共済の実情をよくお伺いしながら、引き続ききめ細かく、かつ真摯に御相談に乗ってまいりたいと考えておりますので、個々具体的なことにつきましては、担当部署での御相談にぜひおいでいただきたいというように思っております。
○広津分科員 ありがとうございます。個々に事情が違いますので、ぜひきめ細かく相談に乗っていただければと思います。
 なお、保険医団体のように、医師自身が病気になったときに、患者や従業員のために休診にすることができず、かわりの医師を見つけて代診を依頼しなければならないような場合、今までは保険医団体の自主共済に加入することで、そのすべてに開業医が責任を負っていました。つまり、リスクを開業医が責任をとって、かわりの人も自分が病気になったら見つけて、所得が少なくなるのでそれは共済から補充してというようなことだったんですが、それを医師に要求するのはかなり責任が過重ではないかと思うんですね。医者は、病気の専門家ではあるんだけれども、経営の専門家ではないんですね。自分が病気になったときにそうするのは大変だと思います。しかしながら、これらをすべて個人の開業医に責任を負わせることは、開業医にとって過重な負担であると考えますので、むしろ医療システムの中の一環として、厚生労働省の制度共済とするのが妥当ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 つまり、地域には基幹病院は必要です。その周りにホームドクターがあって、開業医は必要なんですね。それぞれの科、整形外科も必要だし、内科も必要だし、産婦人科も必要ですよね。そういう人たちが病気になったときに、結局そこの地域の人たちはその科がなくなるということなんですね。そういうことは医療制度としても困るわけですから、これは厚生労働省の管轄で、ある程度の補助金を入れて制度共済にしてもおかしくないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○菅原大臣政務官 今お話がございました保険医団体、全国の保険医団体連合会につきましては、今お話ありましたように、自主的な共済として、医師が病気になった場合の休業補償制度、あるいは老後の生活の保障のための年金制度等を運営していることは重々承知をいたしております。
 そして、一昨年の保険業法の改正後の今日、御案内のとおり、制度共済、小規模な共済、少額短期保険業者そして保険会社というふうに新たに四つに区分をしたわけでございますが、この中のいずれかの形態をとるものというふうに承知をいたしております。
 当該団体の今後のあり方につきましては、医療関係団体、医師会等ですね、あるいは金融庁とも相談の上、その団体の方で適切に御判断をいただくということで厚労省としては認識をいたしております。
 なお、老後の所得保障につきましては、例えば上乗せ年金を支給する任意加入の制度でもございます国民年金基金制度が従来ございます。個々のお医者さんにその制度を活用すること等によって対応が可能なのではないかな、厚生労働省としては今このように考えているところでございます。
 そして、広津議員が最後にお話ありました、当共済を厚生労働省の方で所管していくべきではないかというお話でございます。確かに、農協なんかは農水、生協なんかも我が厚生労働省ということで所管をして、歴史的な背景があるわけでございますけれども、制度共済の形態といたしまして、現行制度におきましても、中小企業等協同組合法に基づく中小企業共済協同組合連合会として共済制度を創設することが可能となっておりますので、数多くある業種の中で、お話がありました医師のみ特化して新たな共済制度を創設するということは、その合理的な理由というものが私どもは見出せない現況にございまして、今のところそのように考えているところでございます。
○広津分科員 医師のみ見出せないというのもちょっとおかしいかなと思います。というのは、農協、農業は見出せる、理由がちゃんとあるわけですね。生協もちゃんと共済をやっているわけですね。公務員共済もありますし、教職員組合の共済もありますよね。どうして医師はいけないんですか。
○菅原大臣政務官 申しわけございません。言い方があれだったかもしれません。
 医師だけだめなんじゃなくて、医師のみ特化した共済制度を創設するということは現在のところ難しい状況にある、こういうことです。医師だけがだめなのではなくてです。
○広津分科員 それでは、今までせっかくつくっている共済を何らかの形で、制度共済にするなら安全だったわけですけれども、それがもし厚生労働省ができないというのであれば、ほかの形で、せっかく今までつくって運用してきた共済を残すという形で検討していただきたいなというふうに思っております。
○菅原大臣政務官 今答弁の中にお話を申し上げましたように、保険業法が改正されて四つに分かれたということは先ほど御答弁したとおりでございますが、その中の制度共済の中で、現行制度の中で、中小企業等協同組合法に基づく中小企業共済協同組合連合会として共済制度を創設できますよということが可能になっておりますので、その制度の中で、お医者さんもその制度を創設するということは担保されておりますから、私どもとしては、そこの中でしっかり推進をしていくことが妥当ではないかというふうに考えております。
○広津分科員 そうしたら、医師も中小企業として中小企業の共済になればいい、そういうことですか。
○菅原大臣政務官 中小企業等協同組合法の中で可能でございますので、その中でできるのではないでしょうかというふうな厚生労働省としての今の現況の考えでございます。
○広津分科員 わかりました。
 何らかの方法で自主共済が残ればいいので、今それを模索しております。いいアドバイスをどうもありがとうございました。
○鴨下主査 これにて広津素子君の質疑は終了いたしました。
 次に、森本哲生君。
○森本分科員 民主党の森本哲生でございます。大臣、初めて質疑をさせていただくので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 今、くしくも広津議員が私とほぼ同じような質問をしていただいたわけでございます。しかし、それだけこの法案についてはいろいろ関心もありますし、正直に一生懸命やっていただいている方々がなぜこのような思いをされてというので私も残念に思っておりますので、一連の動き、多くの議員がこの問題については取り上げられておりますが、私は私なりにこの問題について質疑をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 大臣にお願いをいたします。
 昨年四月に施行されました新保険業法は、共済の名をかりて無免許営業していた保険業者や保険料詐取を目的とした詐欺集団などから消費者、保険契約者を守ることが最大の目的でありました。しかしながら、これら長年にわたりまじめに会員のために運営されてきた多くの自主共済が次々に制度廃止に追い込まれているという実態も見ますと、法改正本来の趣旨が生かされていないどころか、全く正反対に機能しているのではないかと思わざるを得ません。こういう現状をどのように認識されておられるのでしょうか、お伺いをいたします。
○山本国務大臣 先ほど広津議員にもお答え申し上げましたが、個々具体的にミクロの観点から共済一つずつを見てまいりますと、非常にいい共済が存在していると思います。しかし他方で、この社会の多様化、複雑化、また共済におけるいろいろな商品のありようの中で、不心得な共済が一般庶民の財産を毀損していく、そういうことも間々出てまいりました。
 そこで、どう調和をするかにつきまして、少額短期の登録制というものを掲げたわけでございますし、また、改正されて法律となりました。その中で、線引き基準、いろいろな御意見の中からどこかで線を引っ張らざるを得ない、そういう一種苦渋に満ちた選択があったことは御理解いただいていると思っております。
 改めてそうしたことを正確な文章で申し上げますと、昨年施行された改正保険業法におきましては、保険契約の相手方が特定か不特定か、営利か非営利かといったことにかかわらず、およそ保険の引き受けを行うものにつきましては、保険契約者等を保護し、健全な運営を確保する観点から必要な規制の対象としたところでございます。
 新たに保険業法が適用されることになりました共済の中に、長年にわたり有意義な活動を行ってこられたところも多くあることは承知しておりますが、保険契約者等の保護のための法改正でございまして、御理解願いたいと考えております。
 金融庁といたしましては、できるだけ多くの共済が新制度へ円滑に移行され、求められる保障ニーズに適切に対応しながら保険契約者の保護と健全な運営とを実現していくことが望ましいと考えております。
 ぜひまた、個々具体的な共済のありようについて御相談いただければ、実情をお伺いしながら真摯に御相談に乗ってまいりたいというように考えております。
    〔主査退席、松本(大)主査代理着席〕
○森本分科員 また後からその議論をさせていただきますが、最近繰り返し報じられる生損保の不払い問題、ベルル共済問題、ライセンス保険問題、これと生損保と一緒にするというのはちょっといかがなものかと私自身も思っておるんですが、改正前の保険業法のもとで十分に規制できたはずなのに行われてこなかったと私は言わざるを得ないわけであります。
 一方、健全に運営されてきた自主共済が廃止に追い込まれておるような今の状況を考えると、法改正の目的でもあります消費者保護、契約者保護という言葉が、ある意味で法改正の道具に使われている印象さえ受けるわけでございます。
 このように、保険業法でもともと取り締まるべき対象であって、厳に取り締まれたはずの業者を放置してきたことに対して、厳しい意見でございますが、どのように考えられておるのか、御見解をお願いいたします。
○佐藤政府参考人 委員御案内のとおり、改正前の保険業法におきましては、不特定の者を相手方として保険の引き受けを行うものを規制対象としていたわけでございます。特定の者を相手方とするいわゆる根拠法のない共済につきましては、自発的な共助を基礎とするものであり、契約者を保護するための規制は基本的に必要ない、こういった考え方に基づきまして、規制対象外とされていたわけでございます。
 このように、改正前の保険業法においては、特定の者を相手に行う保険の引き受けというのは保険業法の適用対象外でございまして、監督対応を行うことができなかったという事情にございました。したがいまして、当局が保険業法の対象となり得る業者を放置してきたということではないのではないかと思っております。
 こういった中で根拠法のない共済の実施団体が急増いたしまして、事業形態も多様化する中で、こうした共済にまつわる消費者保護上の問題が各所で指摘されるようになったということでございまして、その中で、これを受けまして、総務省による実態調査や金融審議会における検討を経まして法案が国会に提出され、成立を見たということでございます。平成十八年の四月にこの根拠法のない共済に対する新たな規制の整備のための改正保険業法が施行され、根拠法のない共済について必要な制度的対応を行ったということでございます。
 例示として挙げていただきましたベルル共済会についてでございますけれども、保険契約者等の保護の観点から、保険業を行うことが適切ではないというふうに判断されましたので、四月十三日付で四国財務局長から業務の廃止命令を行ったところでございますが、こういった対応も、改正後の保険業法に基づいて行うことができたという事情でございます。
○森本分科員 制度上無理だった、そういうことで承っておきます。
 それでは、自主共済の問題は、先ほども申し上げましたように、これまで国会におきましても何人かの議員の皆さんが質問に立たれて、現にさまざまな団体が会員のために自主的に行っている共済については、その実態を踏まえて、制度が従前どおり継続できるよう政府に求めてきたわけであります。
 こうした意見、要望に対して、いろいろ真摯に御相談をしていただいておるということもお伺いしましたが、当時の伊藤金融大臣も、実態に配慮するとともに、共済の果たしてきた役割を評価していかなければならない旨を答弁されております。その後も、昨年の第百六十五回臨時国会で山本金融担当大臣は、新しい保険業法のもとでも温かい何らかの仕組みづくりができないか悩んでいる、なお引き続きよく御相談に乗らせていただき、今後検討させていただきたい旨の答弁をなされておりますし、今もそのように答弁をされました。
 しかしながら、こうした大臣答弁にかかわらず、自主的な共済も新保険業法の対象だとして、保険会社もしくは少額短期保険業者などへの組織変更等が迫られ続けておるわけであります。このことについて、くどいようでございますが、大臣、お考えをお聞かせください。
○山本国務大臣 基本的に、無認可共済というものがほうはいとして社会的に自然に発生してきたゆえんは、私は、相互扶助のボランティア精神というものが基本にあるだろうと思っております。したがいまして、共済を全廃するような措置というのはとってはならない、お互いがお互いを思いやるという気持ちを反映する制度というのはぜひともこの社会に残すべきだと私自身もしっかり思っているところでございます。
 そして、その上でさらに、先ほど御指摘ありましたような、オレンジ共済、ベルル共済というような被害者を二度と生まないような、そんな手だてがないものかなと。また、これは逆の方向になってくるわけでありますが、にもかかわらず、私はなお今でも、伊藤大臣がおっしゃられた、共済の役割を評価すべき、そのとおりだと思いますし、またそのゆえに、御相談に乗らせていただいて、具体的に今ある共済がこの登録制度や保険業法に適合しないかどうか、そうしたことをやっていただいてさらに存続ができないかどうかという観点から私は物を見ていきたいというように思っております。
 そういう趣旨でございますので、改正保険業法におきまして、いわゆる根拠法のない共済を行ってきたものが事業を継続する手だてとしましては、一番に、少額短期保険業者または保険会社への変更、二番に、契約を既存の保険会社に引き受けてもらう、三番に、契約者人数を小規模化するといった対応が考えられるであろうと思います。
 新たに保険業法が適用されることとなった共済の中に、長年にわたり自主的に有意義な活動を行ってこられたところが多くあることは十分承知しているつもりでございますし、今般の保険業法の改正は契約者保護を目的としたものでございまして、こうした対応が必要になることにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、御理解をちょうだいしたいと思っております。
 各共済が事業継続に向けまして現行制度のもとでどのような仕組みを選択肢としてとっていけばよいのか、各共済の実情をお伺いしながら引き続き真摯に御相談に乗ってまいりたいと思っておりますので、どうぞ、森本議員から御紹介いただいて、また相談させていただければと思っております。
○森本分科員 そのことについては後でしっかりとお願いをして終わりたいと思っておるわけでございますが、もう一つ、高い自治性について少しお考えをお聞かせください。
 金融庁は、保険業法の規制の適用除外となるためには、共済を運営している団体が高い自治性を有していること、団体の位置づけ、外延が既存の法制度上明確であることが条件であるとの立場をとられております。十八年二月二十八日の予算委員会第一分科会で西村智奈美議員が、きょうおみえになります三國谷政府参考人にそのことを確認していただいておるわけでございます。
 それでは、これまで三十年、四十年と健全に運営し、問題も起きなかった自主共済、例えばPTAの安全互助会、障害者団体が実施する互助会制度、日本勤労者山岳連盟が実施している遭難対策基金、中小自営業者が実施されております共済、先ほども話題になりました開業保険医などが実施する休業保障制度など、どうして高い自治性がないと判断しておられるのか、お答えください。
○三國谷政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、改正保険業法におきましては、構成員の自治のみによる監督を理由に自己責任を問うことが可能なことが法令上、社会通念上明らかである団体を例外的に適用除外としているところでございます。具体的には、御指摘のとおり、一つは、共済を運営している団体が一つの企業や一つの学校など高い自治性を有していること、二点目は、団体の位置づけ、外延が既存の法制度上明確であることの両要件を満たすものに限りまして適用除外を認めているところでございます。
 いろいろ御指摘のありました団体でございますが、個別の団体の保険業法上の取り扱いにつきましてはお答えは差し控えさせていただきたいとは存じますが、一般論として申し上げれば、一定のグループあるいは同一の職業に従事している、そういった共通の性質を有するものの集合体というだけでは、適用除外とするほどの法的位置づけの明確性や高度の自治性が明らかとは言えないと考えているところでございます。
○森本分科員 もうここは質疑いたしませんが、しかし、こうした活動内容、後で述べますが、こうした皆さん、活動されておられる方は、保険業に移管した場合はほとんどできないですよ、お金の問題だけになりますから。こうしたすばらしい活動を抹殺していくような、なぜそれが自治が低いかということは、これは余り議論にならないと私は思いますので、どんどん次の質問をさせていただきます。
 例えば、保険業法改定作業に際して、どれだけの自主共済の存在を把握されておったのか。国会審議の過程でも、実態を把握して配慮するべきことが繰り返し指摘されてきましたが、その調査結果を明らかにしていただきたいと思っております。
 また、それらのうち、現に制度存続の方向性が確定できているところ、廃止を決定したところなどどのぐらいあるのか、お答えいただければお願いをいたします、今継続中も十分承知しておりますので。
○三國谷政府参考人 先般の保険業法の改正に当たりましては、一つには、総務省の実態調査それからインターネットなどの公開情報によりまして共済を行っている団体を把握し、金融審議会などでヒアリングを行いましたほか、審議会の論点整理段階でパブリックコメントを募集するなど、根拠法のない共済の実態把握及び意見聴取に幅広く努めてきたところでございます。さらに、一昨年五月の法案成立後におきましても、説明会や政省令案の公表及びパブリックコメントの募集等によりまして、根拠法のない共済の実態把握及び意見聴取に引き続き努めてきたところでございます。
 根拠法のない共済につきましては、従来、保険業法等の監督権限が及んでいなかったために、改正保険業法の施行前における状況把握に一定の限界があったことは事実でございますが、昨年四月一日の改正保険業法の施行以降も保険の引き受けを行っている事業者からは、改正法の規定に基づき、昨年九月末までに当局に届け出を行っていただいたところでございます。
 この届け出の実数を見ますと、昨年九月までで三百八十九団体となっておりまして、届け出の内容等によりますと、このうちおおむね四割程度のものが廃業を予定していると承知しているところでございます。
○森本分科員 恐らく、こうした事態がこれほど大変なことになるということを、局長は今、一定のということで言われましたが、完全にということは無理なんですけれども、予想以上の結果が出てきたということはお認めになるわけですね。
    〔松本(大)主査代理退席、主査着席〕
○三國谷政府参考人 私どもといたしましては、法案の改正作業あるいはその後の施行段階におきまして、実態把握につきましては一生懸命努めてきたところでございます。この結果といたしまして、現在、昨年九月末の段階で届け出を行った件数につきましては、今申し上げたとおりでございます。
○森本分科員 一生懸命努めたけれども、今日の状況がある程度予想を超えた。ですから、こうしたことはインターネットとかいろいろなことで精いっぱいやられたんでしょうが、やはり具体的に、こうした共済の事例というものがたくさんあるということも認めますが、私は、もう少しそこでの議論が、まあ、これは後のことですから言ってしまっても仕方ないわけでございますが。これからいろいろな法案をつくる前、一つの法案をつくれば、それで優位となる方も、不幸になられるという言い方はおかしいんですけれども、非常に恵まれない方向に進む方もおみえになりますから、慎重審議をやらなければならないということを、政治家として私自身がそのことを自覚する意味でも、きょうあえてお話をさせていただきます。
 それでは、少し重なることも出てこようかと思いますが、簡単に御説明ください。
 自主共済は、運営団体の構成員などがボランティア精神を発揮して、先ほども話が出ました、助け合いの精神に基づいて手弁当で運営してきたからこそ、掛金をできるだけ少額に抑えて保障内容をできるだけ多くしようと運営されてきたものであります。
 今回導入された少額短期保険業者制度では、経過措置もありますが資本金一千万であることや、供託金の拠出、複数の保険専門職員を配置するなど、およそボランティア精神で会員相互が助け合う制度として運営できないことになってまいります。しかも、取扱金額等の制限や一保険契約に係る被保険者が百人までとされるなど、仲間同士の助け合い、互助の精神すらも生かされません。
 そこで、政府は、少額短期保険業者としての登録が現時点までに何件あって、登録した業者がどのような実態のものであるか、さらに、今回の法改正で保険会社にも少額短期保険業者にもなれない団体、これが今の答えで四割というふうに理解してよろしいのか、教えていただきたいと思います。
○佐藤政府参考人 先生御高承のとおり、今現在、この改正保険業法は移行期間にあるわけでございます。昨年の九月までに届け出をしていただいた上で、平成二十年の三月末までに、少額短期保険業者、登録制へ移行するか、免許制の保険会社へ移行するか、あるいは契約を他の業者へ移転するか、こういう三つの選択肢、この一年半の期間の中に今現在あるわけでございます。
 そういう状況のもとで、四月二十三日現在でございますが、少額短期保険業者として当局へ登録をしていただいた件数は二件でございます。それら業者の実態につきましては登録時の審査等を通じて把握しておるわけですけれども、一つは、これは新規の参入者でございますけれども、地震被災者に対する生活再建費用等を保障する保険を提供、もう一つは既存の共済業者でございますけれども、ペット保険を提供している、こういったことでございます。
 他方、平成十八年九月末が期限でございました特定保険業者の届け出数は三百八十九業者でございます。このうちおおむね四割程度のものが廃業を予定している、これは先ほど総務企画局長の方からお答えを申し上げたとおりでございます。
 私どもといたしましては、特定保険業者を監督している各財務局に対しまして、少額短期保険業者向けの監督指針に基づいて適切な対応をとるよう指導しているところでございます。
 いずれにいたしましても、改正保険業法のもとで適切な監督を行ってまいりたいと思っております。
○森本分科員 それで、この共済は期限が過ぎれば罰則、解散命令というようなことで理解してよろしいんですね。それでよろしいんですね。罰則があるんですね、例えば共済をずっと継続する、期限を超えた場合は。もう返事だけで結構です。
○佐藤政府参考人 期限が過ぎまして直ちに自動的に罰則適用ということではございませんで、例えば、当該期間内に対応ができないやむを得ない事情等がある場合には、期間延長の承認を行うといった仕組みが用意されているところでございます。
○森本分科員 急ぎますが、最後に大臣、ひとつよろしくお願いします、お願いというより思いを。
 日本社会に広く、本当に深く人々のきずなとして定着してきた、いわば文化とも言える共済が今重大な危機に直面している事態に対して、国会として制度を存続させるための具体的な手だてを直ちに講ずることを求めたいと思います。
 例えば、PTA安全互助会は、児童生徒と保護者が傷害などをこうむった場合に保障し合うだけでなく、子供の安全を守る活動を行ってきました。
 障害者団体が実施する互助会制度も、保険に入れない障害者とその家族が、少ない掛金で、入院などで付き添いや個室などを必要とした場合の本人と家族の経済的負担を助け合ってきたものであります。
 日本勤労者山岳連盟が実施している遭難対策基金も、山岳遭難事故の際にかかる膨大な救出費用を会員相互の助け合いで支えてまいりました。さらに、遭難対策の講習会など、遭難事故を起こさないための活動もしてまいりました。
 中小自営業者が実施する共済も、厳しい経営環境のもとで地域経済を支えていくために、病気休業時の助け合い、健康診断の実施などに取り組んでこられました。
 先ほど広津議員もお示しし、今説明がありました、開業保険医などが実施する休業保障制度も同様です。産婦人科医師や小児科医師など慢性的な医師不足が大きな社会問題となっておる今日、都市部でも夜間には医師や歯科医師がいないことで、地域住民の命と健康を守る安全性が大きな問題となっているわけであります。地方に行けば、無医村などの問題は古くからある問題であります。そうした保険医が傷病により休業を余儀なくされた場合のためにつくられたのが休業保障制度でありますし、この制度は、加入者みずからの休業への保障というだけでなしに、休業中も医療機関の診療を維持するために代理医師を確保するなど、いわば地域医療を守るためにかなめの役割をしていただいておるわけであります。
 こうした国民生活になくてはならない共済制度が保険会社と同列にみなされて規制を受けることは、間尺に合わないばかりでなく、これからの社会、国民生活に重大な影響を及ぼすことが大変懸念されます。
 改めて保険業法の改正の趣旨に立ち返って、これら自主共済を新保険業法の適用除外とする具体的な施策を直ちに講ずる必要があると考えております。大臣、どうか直ちに具体的な対応を開始するよう求めるものであります。今言われた個別に対応をいただいておりますことは、真摯に、謙虚に受けとめさせていただきます。きめ細かく対応されるということも聞かせていただいておりますので、そのことを含めて最後に御答弁をお願い申し上げて、私の質疑を終わります。
○山本国務大臣 森本議員の、日本の社会の互助の精神、そして自主共済、しかも良質なる自主共済の存続に対する熱い思いというのは、痛いほど心に響きました。また、それなるがゆえに、悪質と良質の分水嶺を単に今の法律に求めるのではなくて、何か新しい考え方を見出せという御意見については、また今後常に検討もしていくべきことであろうというように思っております。
 改正保険業法におきましては、まず、構成員の自治のみによる監督を理由に自己責任を問うことが可能なことが法令上、社会通念上明らかで、かつ、団体の位置づけが法制度上明確な団体を例外的に適用除外としたところでございます。これは、こうした団体は、万一破綻した場合でも、破綻処理を当該団体の自治にゆだねて問題がないと判断されるためでございます。
 このように、法的位置づけの明確性や高度の自治性が認められる団体以外にまで保険業法の適用除外を拡大するということになりますと、契約者保護の観点に照らしまして困難と考えております。各共済の事業継続に向けて、各共済の実情や問題点をよくお伺いしながら、引き続き、きめ細かく、かつ真摯に御相談に乗ってまいりたいと考えておりますので、どうか御理解をいただきたいと存じます。
 以上でございます。
○森本分科員 格別な御配慮をお願い申し上げて、質疑は終結いたします。ありがとうございました。
○鴨下主査 これにて森本哲生君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして内閣府所管中金融庁についての質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○鴨下主査 これより内閣府所管中警察庁について審査を行います。
 まず、概要説明を聴取いたします。溝手国家公安委員会委員長。
○溝手国務大臣 平成十七年度の警察庁関係の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 平成十七年度の歳出予算現額は二千六百四十一億五千三百十万円余でありまして、支出済み歳出額は二千五百二十七億一千八百九十四万円余であります。
 この差額、百十四億三千四百十五万円余のうち、翌年度へ繰り越した額は十七億二千八百九十二万円余であります。
 また、不用となった額は九十七億五百二十三万円余であります。
 以上、警察庁関係の歳出決算につきまして御説明申し上げました。
 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○鴨下主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院諸澤第一局長。
○諸澤会計検査院当局者 平成十七年度警察庁の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。
 これは、偽造クレジットカード解析システムの運用状況に関するものであります。
 警察庁では、クレジットカードの電磁的記録を不正につくるなどの犯罪に対する取り締まりを強化するため、偽造クレジットカード解析システムを十三年度に構築し、十四年二月からこれを一元的に管理、運用しております。このシステムの運用状況は著しく低調となっていましたが、警察庁ではシステムの運用を従来と同様に続けておりました。この事態は適切とは認められず、システムの今後の運用について、継続の可否を含め、抜本的な見直しを早急に行う必要があると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、警察庁では、システムの運用を抜本的に見直した結果、十八年度の保守費に係る予算執行を停止するとともに、十八年六月に通達を発してシステムの運用を廃止するなどの処置を講じたものであります。
 以上、簡単でございますが説明を終わります。
○鴨下主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。溝手国家公安委員会委員長。
○溝手国務大臣 平成十七年度の決算検査報告において掲記されております処置済み事項につきましては、会計検査院の御指摘に基づき、偽造クレジットカードに係る犯罪を取り巻く情勢変化等を踏まえ、偽造クレジットカード解析システムの運用を抜本的に見直した結果、平成十八年度の保守費に係る予算執行を停止するとともに、平成十八年六月に通達を発して解析システムの運用を廃止し、各装置を構成する機器については別途利活用を図るなどの処置を講じたところであります。
 警察庁に対し、今後、一層の適正な会計経理に努めるよう指導してまいる所存であります。
 以上でございます。
○鴨下主査 この際、お諮りいたします。
 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鴨下主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○鴨下主査 以上をもちまして内閣府所管中警察庁についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○鴨下主査 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。小川淳也君。
○小川(淳)分科員 国家公安委員長を初め関係御当局の皆様には大変貴重なお時間をいただきました。御礼申し上げます。
 委員長、冒頭、通告外で少し申しわけないんですけれども、一昨日、私どもも、委員長もだと思いますが、統一地方選挙前半、後半終了いたしました。それぞれいろいろなドラマがあったわけでありますが、特に委員長を初め御当局の皆様には、もちろん取り締まりも含めて大変な御苦心がおありだったことと思います。そのことについて御慰労また敬意を申し上げたいわけでありますが、この直前に鹿児島で冤罪という残念な事件もございました。これとの関連において、今回の統一地方選挙に対する警備あるいは取り締まり等、何か影響があったのかなかったのか。振り返られて、お答えになられる範囲で結構です、委員長の所感をいただきたいと思います。
○溝手国務大臣 鹿児島県警の件については大変私も遺憾に思っておりますし、被害者の方につきましては非常に申しわけないことである、このように受けとめております。
 一番大きな問題点としましては、しっかりした証拠に基づく捜査に関して十分な対応ができていなかったというところがその大きな原因だと考えております。県警の関係者等については厳重に注意もいたしたところでございますし、しかるべき懲罰も行ったところでございますが、選挙違反という問題もさることながら、捜査全体がしっかり、データといわゆる地道な証拠に基づいた捜査であるべきだという大変とうとい、ある意味ではとうとい教訓を学んだということで、今後これを生かしてまいりたい、このように考えているところでございます。
○小川(淳)分科員 ありがとうございました。
 いずれにしても、大変御苦心の多い営みだと思います。一方で適正を図っていただくのももちろんですし、一方でそれが警察の御当局に対して萎縮効果になってもいけない。やはり、選挙を振り返りますといろいろな出来事があるのは事実ですし、いろいろなことを仄聞もいたします。厳重な取り締まりと同時に適正な取り締まり、非常に難しい営みだと思いますが、改めて御尽力のほどお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、決算に関連して、さまざまな御報告事項もございます、簡単にお尋ねないしは確認をさせていただきたいと思います。
 先ほど会計検査院から指摘事項がございました。各省を拝見しますと、複数件あるいは何億に至るいわゆる不適正な使用等がある中で、これは決していいとは言えませんが、一件二千万余りという指摘事項がございました。この偽造クレジットカード解析システム、一聞しただけでは非常に有用なシステムじゃないか。こうした犯罪もふえているとお聞きをいたします。この利用が低調だった理由について、まずお聞かせをいただきます。
○松田政府参考人 お答え申し上げます。
 御質問の偽造クレジットカード解析システムとは、偽造カードの簡易鑑定、磁気データの解析及びスキマーの解析の機能を保有して、その結果をデータベースに登録して捜査に活用することを目的としたシステムであります。警察庁が平成十二年度補正予算をもって平成十三年度に整備したものであります。
 しかしながら、最近の偽造クレジットカード犯罪においては、外形上の偽造を行っていないホワイトカードや使い古しのカードを再利用するという手口が多く、本システムを用いて外形的特徴から同一犯行を特定するというようなことが困難となってきたこと、それから、本システム運用開始当初は未整備であったカード会社の犯罪捜査に対する協力体制、これが整備されてきたため、本システムを用いなくても事案を解決できる場合がふえてきた、こういうことがありまして、こういう情勢の変化等に起因して、その運用が低調になってきたものと考えております。
○小川(淳)分科員 ありがとうございました。
 偽造クレジットカード犯罪も最近話題にもなっていますし、やはり警察御当局というのはマンパワーと同時に非常に技術革新、相手も進歩していますから、これに追いついていくというのはそれこそ大変な御努力だと思います。そういう意味では、やはり設備には大胆な投資をしていただいて犯罪に備えていただくということがある一方で、さっきおっしゃったように、非常に時代の進歩も速いものですから無用になっていく。そうしますと、常に設備投資を行う、これはもう本当に、ある部分税金が場合によっては無駄になってもしようがないというぐらいで、これは国民の生命財産にかかわることですから大胆に設備投資を行っていく。しかし、その要不要については、定期的な見直しを御自身でみずからやはり行っていただいて、その更新なりあるいはその見きわめなりは、会計検査院に指摘されるまでもなく新陳代謝といいますか、そこのバランスだと思うんですが、警察庁内部で独自にそうした視点を持って取り組みを行っておられるのかどうか、その点お聞かせをいただきたいと思います。
○松田政府参考人 警察の保有する資機材の整備は、犯罪等の事案が発生した場合に的確に対処するということが目的でありまして、使用実績が犯罪の発生等に左右されるという性格を有しております。一概に、この使用実績の多寡を見て資機材等の必要性の有無を判断するということは困難と認識しております。
 このため、同種の利用低調等の有無については独自調査は行っておりませんが、本件事案を踏まえまして、捜査支援資機材等について、日常業務を通じてその運用状況を把握するとともに、その整備目的に照らして、より一層有効活用が図られるよう各都道府県警察等を指導してまいりたい、そういう所存でおります。
○小川(淳)分科員 ありがとうございました。
 おっしゃるとおりだと思います。極端に言えば警察官も必要ない世の中であればこれは理想なわけでありまして、そういう意味では、おっしゃるとおりなんだと思います。ですから、私申し上げたいのは、単に、最近行革だとか何だとか無駄を省けとかそういう声はものすごく大きいわけですが、一方で、やはり必要なものはどんなにお金かかってもやりますという迫力がなかなか政府から伝わってこないんですよね。そこのバランスをぜひ、今回の決算を見ても、むしろ必要なものはとにかくどんなにかかってもやります、一方で、無駄なことはやっていませんという迫力といいますか、それをぜひ御当局にお願いを申し上げたいと思います。
 それから、どうしても、国家公安委員会、警察庁関連でいいますと、最近の銃の事件ですね。東京都内での発砲事件から始まって、アメリカでもああいうことがありました。それから何といっても、統一地方選のさなかの長崎での事件、それからこの間も立てこもりですか。
 銃に関しては適法な所持と違法な所持と世の中にはあるんだと思いますが、この仕組みがどうなっているのか、適法な所持がどのくらいあって違法な所持がどのくらいと見込んでおられるのか、その点を、おわかりになられる範囲で結構です、お教えをいただきたいと思います。
○溝手国務大臣 数字に関しましては後からお話をさせていただきたいと思いますが、我々は、銃砲刀剣類所持等取締法の規定により、銃刀の所持は原則として禁止という建前になっております。警察官のように法令に基づき職務のためにけん銃を所持する場合とかあるいは狩猟の用途に供するために許可を受けて所有するという以外、一切所持は認められないというのが原則でございます。
 したがいまして、けん銃についてはこれに加えまして、法律におきましては、発射をしたり、輸入をしたり、譲渡をしたり、譲り受けをしたりすることは原則として禁止というようになっているほか、これは経産管轄になりますが、武器等の製造法によりまして、許可を受けないで行う製造自体も禁止をされているということで、これに違反をいたしますと大変重い刑罰が科せられる、こういう構成になっております。
 あと、許可をして持っていただいている猟銃が三十万五千百七十九丁、そのうちライフルが四万一千で散弾銃が二十六万三千、こういう数字になっております。
 違法の方は、これはもうわからないわけですね。ですから、検挙をした数で申し上げるしかないわけでございます。大体、十八年度が二百六十五件で二百八十九人を検挙しているということでございます。いろいろな説が流れていて、週刊誌あたりは三万丁あるとか五万丁あるとかいろいろなことが出ておりますが、これは正確なところはわからないということだと思います。
○小川(淳)分科員 ありがとうございました。
 これは本当にわからないんでしょうね、やはり違法所持の正確なところというのは。しかし、大臣、委員長もそうだと思いますが、改めてああいうことがあり得るということが本当に身につまされる事件でありました。
 それとの関連になろうかと思いますが、今回、長崎の件で行政対象暴力といったことが非常にクローズアップされたわけでありまして、私もかつて役所に身を置かせていただいた当時、特に中央官庁におりましたときはそういうことは一切ありませんでした。ところが、都道府県とか市役所に出向させていただいたときは結構ありました、思い返しますと。それこそ、政治家がかかわっていたなんということもありましたけれども、分厚い本を買えという脅迫まがいの電話があったりとか、思い返すとこういうことが非常に身に降りかかっていたわけでありますが、これに対する警察御当局の認知度といいますか取り組み、組織体制を含めて、あるいは他の行政機関との連携を含めて、現状どうなっているのか、概要をお教えいただきたいと思います。
○米田政府参考人 行政対象暴力を警察が本格的に取り組むというようになりましたのは、平成十四年からでございます。
 行政対象暴力といいますのは、暴力団だけを相手しているわけではありませんで、いわゆる政治活動標榜ゴロあるいは社会運動標榜ゴロ等も含めまして、こういうものが地方公共団体等の行政機関あるいはその職員にさまざまな圧力をかけてくる。委員今御指摘になりましたような高額な物品を売りつけるというようなやり口あるいは自治体が持つ権限の発動を求めるというようなケースもございます。
 これに対しまして、まず中央レベルでは、これは私が議長なんでございますけれども、行政対象暴力の対策の連絡会を中央レベルでつくっておりまして、毎年会議を開いて情報の交換と対策の徹底を図っておるところであります。それから、地方自治体の方は、各都道府県警察と連携をいたしまして、大体、現在九五・六%の自治体がいわゆるコンプライアンス条例あるいはコンプライアンス要綱を定めておられます。そして、協議の窓口をつくって、警察と相協力して行政対象暴力の排除に取り組んでいるところでございます。
○小川(淳)分科員 私、当時行政マンだったころを思い返しますと、警察御当局に相談するというのはやや敷居が高い部分もございました。これは非常に不謹慎なお尋ねに当たれば申しわけないことなんですが、私、中央官庁でそういう経験がなかったということは、多分相手も敷居の高いところにはなかなか寄ってこない、割とねらいやすい、近寄りやすいところをねらってやってくる、これは当然だと思いますが、警察御当局がそうした脅迫にさらされる、あるいはそうした働きかけを受けるということはないと考えてよろしいですね。
○米田政府参考人 例えば、警察が暴力団を取り締まる、暴力団の犯罪捜査をする過程で、向こうもいろいろ必死になりますので、例えば捜査員に嫌がらせをしたりとかそういうことはございます。ただ、通常の、国の地方機関あるいは自治体が受けるような行政対象暴力というのは恐らくないであろうと思います。
○小川(淳)分科員 ありがとうございました。
 当然、あるいは場合によっては不謹慎なお尋ねであることを申しわけなく思いますが、私は意外とそこに、一般行政職にあられる方からすると、警察に御相談するのも非常に敷居が高かったり、あるいは警察の御当局からすると、そこに親身になってあげるということ、みずからがそういった経験がなかなかおありじゃないでしょうから、親身になってあげることが場合によっては非常に難しい面もあるんじゃないかな、やはり人様の話という感じで。
 そこをぜひ、こうした時代になってきておりますので、やや想像力を働かせるといいますか、最近ですと警察から一般行政官庁へ出向されている例なんかもよくお見受けをします。そうしたことも含めて、これは非常に、連携をぜひお願いしたいな。今回の件を振り返って、自分自身の経験とも折り重ねてそのことを感じましたので、この場で御指摘をさせていただきたいと思います。
 それから、先ほど違法な銃の所持なんかはわかりませんよというお話もございましたし、また、先日来いただきました十九年二月の御報告、これは通信傍受に関する御報告でありますが、こうした、もちろん銃もそうでしょう、あるいは御報告の中身を見ますと麻薬関係がほとんどでありますが、通信傍受も非常に今の時代を象徴したようなお取り組みであろうかと思います。一方で、先日ゲートキーパー法の審議もございました。あらゆる捜査手段を講じて犯罪にメスを入れていただく、これはもちろん非常に必要なこと。一方でやはり、世の中の自由な空気とかあるいは個人情報、プライバシーの問題等々との兼ね合いにまさにさらされる御報告だと思いますが、この点について、ちょっと報告が、どうこれを拝見すればいいのかというのもあるわけですけれども。
 一つだけお尋ねいたします。請求した事案はすべて実行されて、そして逮捕につながったもの、つながらないものあるんでしょうけれども、その点、本当に必要最小限でやられているのかどうか。あるいは、一般に手段として携帯電話がほとんどでありますが、警察御当局の手段として、最近ですとやはり電子メールですとかあるいは固定電話も場合によってはあるんでしょう、そうしたことについても手段が及び得るのか。そして、さらに言えば、警察御当局自身でできるのか、あるいは通信会社、電話会社とかインターネットのプロバイダーとかそういったところの協力を得ないとできないのか。その辺の事実関係、概要で結構です、お教えをいただきたいと思います。
○縄田政府参考人 まず、運用状況でございますけれども、平成十二年施行になりまして、これまでに傍受令状請求件数が四十四件ございまして、それぞれ四十四件発付を受けておりまして、実施をいたしております。事件数は二十二事件でございます。これに伴いまして、これまでに逮捕した人員が合計九十名でございます。
 それから、どのようなものに通信傍受がなされておるかということでございますけれども、固定電話とか携帯電話等が対象になろうかと思います。これは年に一度国会報告するということで、委員もおっしゃられましたが、今まで実施したものにつきましてはすべて携帯電話によるものでございます。
 あと、どういう形でやっていくかということでございますけれども、これはあくまでも事業者の協力を得まして、これは法文に協力義務が課されておりまして拒否できないことになっておりますけれども、通信傍受令状で当然電話番号とかそういうものは指定されますから、これを先方の通信事業者の施設につないでもらうということで私どもの傍受装置の方に録音をしていく、こういう仕掛けで運用をしておる、こういうことでございます。
○小川(淳)分科員 ありがとうございました。
 国会に御報告をいただいているわけでありまして、それくらいやはり繊細な問題なんだということになるんだと思います。ですから、国会への御報告をいただいた要旨というのは、多分法律あるいは省令等々に従った様式だとは思うんですが、何か、例えばきっかけがどうだとかあるいはこういった内容だとかいうのがもう少しわかりやすいと非常にありがたいな。こういうセンシティブな問題だけに、何か拝見しても正直よくわからなかったんです、どう見ればいいんだろうなというぐらいな感じで。そこは、もし工夫の余地があるのであれば、非常にセンシティブな問題ですから、今後ぜひ御検討いただけたらなと思います。御指摘にとどめさせていただきます。
 最後に、大変駆け足でいっておりますが、地元の方から少し指摘を受けたこと、同時に、私実はイギリスに一年間在籍したことがございまして、そのときに私自身も感じていたことから、警察あるいは国土交通省両御当局にお尋ねを申し上げたいんです。
 委員長のお許しをいただきまして、写真の資料をお配りさせていただきました。少しめくっていただきますと、カラー写真でごらんいただくと非常にわかりやすいんですが、ちょっと白黒で申しわけないんですけれども、今お手元にお持ちの方にはぜひごらんいただきたいんですが、これは私の地元香川での道路交通標識の様子であります。非常に、前が見えないぐらい青い看板があるわけです。これは高速道路の案内標示。それから右行け、左行け、車線標示。これは主に国土交通省さんかもわかりません。それから渋滞表示に関するサービス。ここまでが地元香川での様子、これは日本全国そう変わりはありません。
 一方、五枚目以降なんですが、これがイタリアの郊外の標示。そして、ごめんなさい、お持ちじゃない方には本当に小さくて見えづらい、これがドイツの観光地と言われているところだそうです。さらには、ヨーロッパでも主要な通りの一つだと思います、シャンゼリゼですね。これは道路交通標識等々は全くございません。それからアメリカにいきますと、これはサンフランシスコですね、海まで非常にきれいに見渡せる。
 国家公安委員長、申し上げたいのは、もうお察しいただいていると思いますが、非常に親切な反面、町の景観とかあるいはコストという面からいうと、日本社会、過剰包装とか何かいろいろなことを言われますが、ここから先の時代をにらみますと、もっと簡素で経費のかからないものであっていい面があるんじゃないかと思いますが、その点、まず御認識をお聞きしたいと思います。
○溝手国務大臣 同感でございます。もう少しすっきりした方がよかろうと思います。
 日本の場合は、後で話があるかと思いますが、いろいろな人が看板を、標識を設置しておりまして、やはり景観の観点から検討したのかな、どうかなと疑わしいような感じを持っております。
○小川(淳)分科員 誤解なくお受け取りをいただきたいんですが、やはりこれは非常に親切だとは思います。しかし一方で、申し上げた景観とそれからコストの面ですね。コストの面を特にお伺いしたいんですが、信号機とか道路標識、あるいは交通規制標示等々を含めて、大体年間どのくらいのコストがかかっているのか。概要で結構です、お教えいただきたいと思います。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
 道路標識のうち交通規制に係る部分の標識は都道府県の公安委員会で設置しておりまして、このほかに信号機など、同じく公安委員会が整備しておりますが、これを見ますと、平成十八年度では合わせまして総額八百一億円ほどの事業をやっております。これは国が一部補助している事業がございますが、それを含めてすべてでございます。
○宮田政府参考人 道路管理者の方は案内標識と警戒標識を設置しておりますが、平成十八年度で約四十三億円。これはいわゆる既設の道路に標識を立てるものでありまして、新設のバイパスでありますとか改築のバイパスでありますが、そこは一体でありますのでちょっと抜き出すのが困難でありますが。約四十三億円。
 維持管理費が、平成十八年度で直轄国道で約六億円。済みません、先ほども直轄国道のお金であります。
○小川(淳)分科員 ありがとうございました。
 そうすると、合わせて大体八百億から九百億ぐらい日本全国で信号機とか、これは多分維持管理費なんかも入れていくとまたもっと相当なあれになっていくんでしょうね、恐らく。もう御答弁は結構です、時間の関係で。
 おわかりになる範囲で結構なんですが、今ごらんいただいたようなヨーロッパとかそれからアメリカ等々、この辺というのは、今の簡素な標示、標識。それから、大臣御存じかどうかあれなんですが、ヨーロッパなんかに行きますと、信号にかわってラウンドアバウトという交差点の処理の仕方ですね、交差させるんじゃなくて円形に車を回転させることで信号機を無用にするタイプの交通の仕組みがあります。あれなんかも非常に簡素でお金のかからない仕組みだと思います、その分注意が要るわけですけれども。
 ヨーロッパとかアメリカで、もし御存じでしたらで結構ですが、こういった方面にどのくらい費用をかけているか把握しておられますか、勉強されたことはございますか。
○宮田政府参考人 申しわけありません、把握をしておりません。
○矢代政府参考人 私どもも欧米諸国でどの程度のお金をかけているかは承知しておりません。
 ただ、今ほどの信号方式とそれからラウンド方式ですが、一定の交通量より少ないときには確かにさばけるんですが、一定程度ふえてきますとやはり容量不足になりますので、信号が必要になってまいります。
○小川(淳)分科員 おっしゃるとおりですね。ヨーロッパでも大きなラウンドアバウトへ行きますと、その中に三つぐらい信号がついていたりしますね。それはおっしゃるとおりだと思います。しかし、日本によくある小さな交差点の点滅みたいなもの、ああいうのは全部ラウンドアバウト、小さいので処理していますね。お忙しいとは思いますが、ぜひ一度研究してみていただきたいなと思う課題の一つであります。
 そこから先、これはもう仕事ですから、やや勘ぐる話になってくるわけですが、この信号機とか交通標示、これは八百億から九百億の年間投資でありますから、間違っても警察御当局あるいは道路管理者御当局の発注だとかあるいは再就職先であるとか、そういった関係で利権構造化していてはならないわけであります。そういった疑念が、間違っても、大臣が冒頭おっしゃっていただきました、もっと簡素でいいんじゃないかということをやろうとしたときに、これが利権構造化していては進まない話になってしまいます。
 これは仕事ですから、その問題意識に入っていくわけでありますが、きょうは、そういった点の御指摘があるとすればどのようにお答えになるのか両省庁にお聞きをして、ひとまず質疑を閉じさせていただきたいと思います。
○宮田政府参考人 数字で二つお話をさせていただきたいと思います。
 平成十八年度から、いろいろ課題がございました指名競争入札の方は基本的にはなくなっております。一般競争入札が五五%、工事希望型の競争入札が四五%ということで、随契でありますとかあるいは指名競争入札、これは一件だけあります、前年度の繰り越しで契約が、十七年度のものが成ったというのが一件あります。基本的に入札制度はそういうふうになっております。
 もう一つ、天下りということで申し上げますと、平成十七年度受注企業、重複を除いて九十九社がございますが、この会社に平成十六年から十八年度までに国家公務員法に基づく再就職の承認を得て就職した我が省の退職者は、一名のみでございます。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
 公安委員会の交通安全施設、これは各都道府県警察が都道府県の事業としてやっておるわけでございますが、当然のことながら、その県のルールに従いまして最も効率的に予算執行できるようにということでやっておるわけでございます。
 それで、もう一つの、関連して再就職者がどうであるかということは、これは警察庁の分で突合してみますと、まず対象事業者として、私どもが把握しております主要な信号機メーカーは十三社ほどになると思います。それから、標識・標示業協会の正会員になっております主な事業者、これは五百五十二社になるかと思いますが、これを対象といたしまして警察庁の職員が再就職したかどうかということを突き合わせてみますと、公務員制度改革大綱に基づきます再就職状況の公表対象及び国家公務員法第百三条に基づく営利企業への再就職の承認の手続を通じて把握している職員ということになりますが、平成十三年八月から十八年八月までの五年間で計四名の警察職員が再就職したものと承知しております。
○小川(淳)分科員 ありがとうございました。
 そうした意味でも、今盛んに人材バンクなんかが議論されていますが、こういう交通標識一つ見直すに当たっても、やはりそういう構造が気になるぐらいこれは官界全体の問題でありまして、間違ってもそんなことはないと思いますが、そうしたことが疑われないような運用にぜひお努めをいただきますことを、委員長、この場をおかりしてお願いを申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。
 夜分に大変お時間をいただきまして、どうもありがとうございました。
○鴨下主査 これにて小川淳也君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして内閣府所管中警察庁についての質疑は終了いたしました。
 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 分科員各位の御協力を得まして、本分科会の議事を無事終了することができました。ここに厚く御礼申し上げます。
 これにて散会いたします。
    午後七時二十分散会