第169回国会 内閣委員会 第5号
平成二十年三月二十八日(金曜日)
    午前九時二十一分開議
 出席委員
   委員長 中野  清君
   理事 江崎洋一郎君 理事 岡下 信子君
   理事 櫻田 義孝君 理事 萩生田光一君
   理事 村田 吉隆君 理事 泉  健太君
   理事 大畠 章宏君 理事 田端 正広君
      赤澤 亮正君    遠藤 武彦君
      遠藤 宣彦君    大塚  拓君
      加藤 勝信君    木原 誠二君
      河本 三郎君    高市 早苗君
      戸井田とおる君    土井  亨君
      中森ふくよ君    西村 明宏君
      藤井 勇治君    市村浩一郎君
      吉良 州司君    楠田 大蔵君
      佐々木隆博君    西村智奈美君
      馬淵 澄夫君    石井 啓一君
      吉井 英勝君
    …………………………………
   国務大臣         増田 寛也君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長) 泉  信也君
   内閣府副大臣       木村  勉君
   内閣府大臣政務官     加藤 勝信君
   内閣府大臣政務官    戸井田とおる君
   内閣府大臣政務官     西村 明宏君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官)
   (内閣府犯罪被害者等施策推進室長)        荒木 二郎君
   政府参考人
   (内閣府国民生活局長)  西  達男君
   政府参考人
   (警察庁長官官房長)   米村 敏朗君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    米田  壯君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 古谷 一之君
   内閣委員会専門員     杉山 博之君
    ―――――――――――――
三月二十七日
 地域再生法の一部を改正する法律案(内閣提出第二七号)
 構造改革特別区域法の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)
 地域再生法の一部を改正する法律案(内閣提出第二七号)
 構造改革特別区域法の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)
     ――――◇―――――
○中野委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官・犯罪被害者等施策推進室長荒木二郎君、国民生活局長西達男君、警察庁長官官房長米村敏朗君、刑事局長米田壯君、財務省大臣官房審議官古谷一之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○中野委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田端正広君。
○田端委員 おはようございます。公明党の田端でございます。よろしくお願いします。
 きょうは犯罪被害者等給付金支給法の改正についてでございますが、先日、三月二十三日でしたか、土浦市で起こった荒川沖駅構内での殺人事件といいますか、殺傷事件、これは非常に痛ましい事件で、しかも犯人が犯罪を予告していて、百七十人か何かの体制で警備に当たっていた、その中で、八人の方が死傷するという痛ましい事件が起こりました。茨城県警の方では頑張っていただいたとは思いますが、しかし、結果として、こういうことが起こったということについては、これは大変大きな問題だというふうに思われます。
 不備があったかなかったのか、その辺のところはぜひ警察庁においてもしっかりと検証していただいて、再発防止にお取り組みいただきたい、こう思います。
 また、二十五日でしたか、JRの岡山駅で十八歳の少年が三十八歳の男性をホームから突き落として、そして死亡させるという事件が起こりました。これも、この犯人は、だれでもよかったんだ、こういうことを言っているようでありまして、大変にこれも残念な事件だと思います。
 これらの事件については、それぞれしっかりとチェックしていただきたいと思いますが、今回の法律との関係でいって、こういう犯罪は、またこの被害者は適用される範囲に入ってくるのかどうか。もちろん、駅のホームから落とされた方の場合は労災ということになるのかもわかりませんが、こういった事件が、今回の法律とのかかわりでいって、救済策の大きな役割を果たすんだと思いますが、その点について確認させていただきたいと思います。
○泉国務大臣 委員御指摘の土浦の事件、そして岡山の事件、大変残念なことであり、私としても重く受けとめておるところでございます。
 特に土浦の事件につきましては、三月の二十四日付で凶悪犯罪の指名手配被疑者に対する捜査上の留意事項に関する通達を出させていただきまして、茨城県警察に対して、当時の捜査体制、方法などについて検証をするように指示をしておるところでございます。
 茨城県警察におきましては、同日付でプロジェクトチームを立ち上げまして、我々が指示しております内容に適切に対応してきたかどうか、こうした事柄の検証作業を進めている旨報告を受けておりまして、そこから得られました反省、教訓事項を、今後のこの種の事案の捜査に役立てていくように警察庁を指導してまいりたいと思っております。
 岡山の事件も全く不意な事柄でございまして、どうやってああした事件を防止するか、多くの課題があると思いますが、この事件につきましても検証を進めてみたいと思います。
 また、委員お尋ねの、今回の事件、事案は給付金の対象になり得るのかというお尋ねでございますが、まさに、これまで報告を受けた限りでは、通り魔による全く不慮の犯罪による被害でありまして、そういうことからいたしますと、犯罪被害に当たるものだと考えております。
 しかし、具体的なことにつきましては、犯罪被害者等給付金の支給について、被害者等からの申請に基づく、これは当然のことでございますが、そうしたこと、また、都道府県公安委員会において、他の公的給付制度等との関連も考慮しつつ適正に判断をしなければならないものであると考えておるところでございます。
○田端委員 犯罪被害者等給付金支給法というこの法律のそもそも成立したきっかけは、大変古い話になりますが、昭和四十一年、今から四十二年ほど前になりますが、横浜の鶴見区で起こった通り魔殺人事件、市瀬清さんという当時二十六歳の息子さんが通り魔に遭って亡くなった。その亡くなるときに、あだを討ってくれということで、お父さんに抱えられながら息を引き取った。こういうことで、市瀬さんのお父さん、お母さん、お父さんが朝一さんでございますが、もう自分の仕事をなげうって、その後、犯罪被害者補償制度を促進する会という会を立ち上げまして、全国運動を起こし、そしてまた、国会への請願とか署名運動とか、そんないろいろなことをやりながら、大きく問題意識を世間に問うていった、こういう流れがあったと思います。
 そして昭和四十九年に三菱重工の爆破事件等もありまして、ますます世論の高まりということになって、昭和五十四年に実は市瀬さんを主人公にした映画ができまして、映画「衝動殺人 息子よ」というのが若山富三郎、高峰秀子主演でありました。私、実は当時、公明新聞の記者をやっておりまして、市瀬さんともかかわったことがありまして、あの映画には大変感銘を受けた思い出があります。
 そういう流れの中でこの法律が制定されていくわけでありますが、昭和五十五年に制定され、五十六年一月に施行になる、こういうことで、私たち公明党としても、当初からこの問題を大変重視しておりまして、この法律を公明党が真っ先に提案させていただいたという経緯もありました。
 この法律は、そういう意味では、市瀬さんという、一人の息子さんを犠牲にされた御両親が立ち上がった市民運動といいますか、市民の一つの大きな盛り上がりの中でできた法律という意味では、今までになかった大変画期的な法律だと私は感じております。その点、こういう犠牲があって、そして今があるんだ、四十何年という時間はかかっていますけれども、市民の意識の高まりの中で誕生した法律、そういった意味で私は大変に評価している法律でございますけれども、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○泉国務大臣 委員御指摘のように、四十一年五月の生麦通り魔殺人事件、市瀬さんがお亡くなりになるということであったわけですが、御両親が本当に、生涯をかけてと申し上げてもいいような御努力の末に、こうした法案への足がかりをつけていただいた、そして三菱重工爆破事件がこれをまた、必要性を世に訴えたという事柄を私も認識しておるところでございます。本当に、御遺族の方々の活動がなければ、その後の法制化にどこまで進み得たか、こういう思いを持っております。
 こうした状況の中で、五十五年に犯罪被害者等給付金支給法が制定され、五十六年の一月に施行されたものであります。犯罪被害者の方々の声を反映して、被害者のためという視点を正面に見据えてつくられた法律という意味では、本当に画期的なものであった。これは、そういう生い立ちの歴史から見ても、この法律を大切にしていかなければならないと思っております。
○田端委員 そういう流れの中で、実は、平成七年に地下鉄サリン事件という大変大きな事件がございました。先週、当委員会でもこの問題について議論があったところでありますが、約五千人の方が被害に遭われたという大変な事件でありましたが、しかし、この犯給法が適用された方はたった二人だということも指摘のあったところであります。ただ、ほとんどの方が労災ということで、三千七百人の方が労災の適用になっているということであります。
 そういう流れの中で、実は、当時は障害等級が一級から三級までであったと思いますが、その後、平成九年に四級まで拡大され、そして十三年の改正ではさらにまた十四級まで改正が行われ、そして十八年には重傷病給付金の支給範囲の緩和ということもあり、これまで三回改正されてきまして、今回、四回目だと思います。
 つまり、被害者の救済がより充実されるように、ずっと流れとしては、今回に至るまでそれぞれの改正において拡充されてきた。今回はまた自賠責並みという形で行われたという意味では、大変大きく前進してきたと私は評価しているところでありますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○米村政府参考人 お答えをいたします。
 犯給制度につきまして、制度の発足以来、この制度は、基本的には社会を構成する人たちのいわゆる連帯共助の精神でということでありますから、その都度その都度、どの程度までさらに支援をしていくべきか、あるいは給付をしていくべきか、さまざまなお声が積み重ねられてきたものだというふうに思います。
 そうした中で、今委員が御指摘されましたように、平成九年につきましては、一級から三級までのいわゆる障害給付金の対象、これを四級、さらには十三年につきましては、重傷病給付金の創設、あるいは障害等級につきましては十四級までの拡大、遺族給付金及び障害給付金の金額の引き上げというのを行ってきたわけであります。十八年につきましては、犯罪被害者等基本計画を踏まえまして、重傷病給付金の支給範囲の緩和、あるいは親族間の犯罪、これは基本的には不支給でありますけれども、ケースによって支給制限の緩和を図る等々の措置がとられてきたものであります。
 いずれにいたしましても、その時々の情勢に応じまして、この制度につきましては、最初に申し上げましたとおり、どういうふうにすれば支援の実が上げられるかということで努力してきたものだと思います。御指摘のとおり、被害者に対する支援の充実が図られ、また、今回の改正でさらに抜本的にその支援を拡大するという趣旨のものでございます。
○田端委員 今回の改正は、重度後遺障害者に対する障害給付金、それからまた被害者の被扶養家族である遺族に対する遺族給付金、いずれもが最高額で自賠責並みに近づいた、また、最低額も当然引き上げられているわけであります。そしてまた、重傷病の療養に対する休業についても、休業損害を考慮した額が加算されている。そういう意味では、今回の改正はまた大変評価される点だ、こう思っています。
 しかし、重度後遺障害者に関する家族の介護の精神的あるいは肉体的な非常に重い負担といいますか、そういったこともまだまだあるわけでありまして、どちらにしても、犯罪被害者というのは、何の落ち度もないのに、ある日突然、そういう事件に巻き込まれてしまって、大変な苦労を背負った人生になってしまっているわけでありますから、これは、国家として、国民の命と財産を守る、そういう大きな義務のある中でそういう被害が出てくるわけでありますから、そういった意味では、まだまだやはり充実させるということが大前提にあるのではないかな、こういうふうに思います。
 今回、第一条の「目的」の中に、「犯罪被害等を受けた者に対し犯罪被害者等給付金を支給し、及び当該犯罪行為の発生後速やかに、かつ、継続的に犯罪被害等を受けた者を援助するための措置を講じ、もつて犯罪被害等を受けた者の権利利益の保護が図られる社会の実現に寄与する」、こういう文言が明記されましたが、そういった意味では、さらなる被害者の権利の拡大といいますか、加害者の場合は、更生するために予算措置まで組んでそれなりに対応されている、しかし、被害者に対しては、苦しみを除くということに対して、国としての責任あるいは義務というものをどこまで果たすのか。特に、被害者の人権といいますか権利をどう守るかということが、加害者と比べて今まで意識がやはり弱かったのではないかと私は思っております。
 したがって、そういった意味では、被害者の権利の拡大ということが大前提にあってこの法律が成り立つんだ、こう思いますが、大臣の御意見を伺いたいと思います。
○泉国務大臣 御指摘のように、こうした法律がこの世の中で作用しない社会を目指すべきことはもちろんでありますが、不幸にして不慮の犯罪に遭われた方、その方々をお守りする、御支援をして日常生活に一日も早く立ち戻っていただくということが、御指摘いただきました第一条の「目的」の中に今回追加され、規定されたというふうに考えております。
 したがって、この法律も、今後、いろいろな事案を参考にしながら必要な改正が引き続き行われていくことになる、また、そうして被害者の方の人権を守り、穏やかな生活に立ち戻っていただくことを目指すべきだ、このように考えております。
○田端委員 ぜひ、被害者の方々の人権というものを尊重したさらなる努力をよろしくお願いしたいと思います。
 そこで、少し具体的なことを伺いますが、この制度の運用状況がどういうふうになっているのか。ここ数年の間の推移をちょっとお伺いしたいと思いますが、例えば、申請してから給付を受けるまでどのぐらい日数、時間がかかっているのか、あるいはまた、そういったことがスムーズにといいますか、迅速にそういう対応がそれぞれなされているのかどうか、大変気になるところであります。その点についてはいかがでしょうか。
○米村政府参考人 お答えをいたします。
 まず最初に、運用状況でございますけれども、年度で御説明申し上げますが、平成十八年度につきましては、被害者数が四百九十一人おられまして、こうした被害者の方に関しまして申請がございました。それで、四百三十五人の方に対し合計約十二億七千二百万円の給付金を支給する裁定を行っております。十七年度につきましては、被害者数四百六十五人につきまして、三百九十四人の方に対して約十一億三千三百万円の裁定、あるいは十六年度につきましては、被害者数四百五十八人につきまして申請がございまして、四百四十八人に対して合計約十二億四千七百万円の給付金を支給する裁定を行ってきているということでございます。
 なお、制度発足、昭和五十六年一月一日以来でございますけれども、これまで平成十八年度末までの二十六年間について申し上げますと、犯罪被害者の数は、この制度に関しまして、六千五十九名の方がおられます。それで、約九千名の方から給付金の申請がございまして、そのうち約五千四百人の被害者の方に関しまして、約八千二百名のいわゆる被害者あるいは遺族の方々に総額で百八十二億円の給付金を支給する裁定を行ってきたところであります。
 次に、御質問の、申請から裁定までに要する期間についてでありますが、平成十八年度につきましては、平均八・四カ月でございます。そのうち、申請の四割強が六カ月以内に裁定をされております。なお、六年前の平成十二年度では、この六カ月以内に裁定されていたものというのが二〇%未満でございましたので、徐々にではありますが、裁定までの期間が短縮をされてきているものと考えております。
 ただし、給付の迅速化につきましては、基本計画に基づく検討会の最終取りまとめにおきましても、現状よりさらに迅速に本給付あるいは仮給付を行うことができるよう運用改善に努めるべきであるという御提言がございました。私どもといたしましては、各都道府県公安委員会における裁定が適正かつ迅速に行われるよう、さらに必要な指導をやっていきたいというふうに考えております。
○田端委員 事件としては成立しているといいますか、犯罪ということがはっきりしていても加害者がはっきりしなかった場合等、給付金が仮給付金というような形でなっているケースがあるというふうに聞いております。例えばそれが三分の一ということで、そして、きちっとしたことが判明した段階でそれが遡及するということになっているんだと思いますが、三分の一で果たしていいのか、二分の一ぐらいに引き上げた方がいいのではないか、こういった点も思うわけでありますが、その点はいかがでしょう。
○米村政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の仮給付制度につきましては、犯罪行為の加害者がなかなか知ることができないとか、あるいは被害者の障害の程度がなかなか確定しないということ等々の理由によりまして、そもそもの給付金の裁定に必要な事実が認定できない、そうしますと、なかなか裁定ができないということでございます。そうした場合に、一定の範囲内で暫定的に仮給付金を支給するということであります。もとより、確定した時点でそこのところは調整をするということでございます。
 仮給付の実績につきましては、ここ数年間は、年度でいいますと大体二十件から四十件ぐらいで推移をしているということでございます。
 いずれにいたしましても、この点については、先ほど申し上げましたとおり、検討会における最終報告等におきましても、やはりこの仮給付も含めて運用改善に努めるべきだということでございます。
 三分の一がどうかということでございますけれども、いずれにしましても、これはあくまでも本給付がなかなかすぐできないということでございますので、仮給付の後、本給付ができるだけ速やかになされるよう努めてまいりたいというふうに考えております。
○田端委員 被害者の人権の問題という意味で、私は少し引き上げた方がいいのではないかということを申し上げているわけであります。
 ちょっと私の体験したことで申し上げますが、私の近所で河原さんという六十七歳の方が、先般、去年十一月の十八日に何らかの事故に遭いました。事故といいますか、私は犯罪だと思います。夕方五時までのいたところはわかっているんですが、夜の十一時前に警察の方にパトカーの出動依頼の通報があって、パトカーが行って、人が倒れていて血を出しているというので行って、そして、その人が見つかって、警察署に連れてきて対応している間に意識がおかしくなって、そして、その夜中に緊急入院して手術をしたけれども、脳内出血の大変なことであった。その後意識がなくなって、二週間後に亡くなる、こういうことでありました。私の大変よく知っている方でありまして、この家族の方は一気に本当に地獄の底に落とされたような思いになっています。
 しかし、夕方五時にお姉さんのところへ病院に見舞いに行っていて、その帰り道に何かあったわけですが、そこがはっきりしない。警察署でも今それは一生懸命努力していただいていますが、目撃者もいなければ証言する人もいない。しかし、倒れていたということだけは事実であって、しかも、脳内出血という外傷のあれもありまして、そういうことで、その夜中から意識が不明になってしまいましたから、しかも、財布はない、お金はない、免許証までとられている、こういうことでありますから、何らかの犯罪に巻き込まれたことは間違いない。しかし、それが証明できないから、この遺族の方はいまだにすっきりしない気持ちで、何でうちのお父さんが亡くなったのかということをわからないままいまだにいるということで、これは警察の方でもぜひしっかりと調査をしていただきたいと思います。
 こういったケースは、やはり年に何回かはあるんだと思うんですね。立証できないからこの対象にならないというのも変な話ですが、しかし、何らかの事件に遭ったことは間違いない。単に転んだぐらいで脳内出血、外傷が起こるわけはないのでありまして、そこのところが何かよくわからないということで、遺族にとれば、家族にとれば大変な衝撃でありますが、こういったことにぜひしっかりと対応していただきたい。
 そして、今回のこの法律の改正の中でも、第十条のところで、事件を知った、発生を知った日から二年以内あるいは発生した日から七年以内に申請する、こうなっていたのを、やむを得ない理由によって申請することができなかったときは、やんだ日から六カ月以内に限り申請することができるとなって、後にそういうことがわかった場合は申請してもいい、こういうことになっています。しかし、恐らく家族の、遺族の方は、この法律のそういうことまではわからないと思うんですよね。だから、これはもうぜひ周知徹底をしていくことが大事だと思います。
 その周知徹底をさらにするということと、こういった事件が迷宮入りしてしまって、本当にはっきりしないで非常に気の毒なケースということもまれにはやはりあると思いますが、大臣、この点について、どう御所見をお持ちでしょうか。
○泉国務大臣 委員御指摘の事件は、大変痛ましい事件であると思います。
 そういうことも想定してと言うと少し言い過ぎかもわかりませんが、やむを得ない理由がある場合には、改正法の施行後は申請期間の特例が適切に運用される、被害者の救済を図れるように対処するという改正をお願いしておるわけでございます。
 さらに、そうした改正が被害者の方にはわからないだろうということは、多分御指摘のことの方が多いと思います。ですから、これまでも、民間被害者支援団体の活動を促進する、そういうことでもって周知を図ってまいりましたし、パンフレットあるいはポスター、インターネット等を使ってそれぞれに御案内をしてまいっております。
 しかし、それだけでは、また不慮の事件であるだけに、なかなか御当人、御家族にはわからないということが多いものですから、制度の概要を盛り込んだ被害者の手引というものをつくらせていただいて、そしてお渡しをする。少し心が落ちつかれた後にでもそういう制度をお目通しいただいてというつもりで、こういう手引書をつくらせていただいておるわけであります。
 また、警察官自身については、警察官の採用試験のとき、そして昇格等の試験のときにこの制度を徹底的に教え込んでおりまして、被害者の立場に立って事件に対処するように教育をしてまいっておるところでございます。
 今後とも、この改正内容の積極的な周知をして、多くの被害者の方々のお役に立つように努めてまいります。
○田端委員 被害者の権利というものをぜひ尊重していただくように今後とも努力をしていただき、また、そういった一つ一つの事件に対して丁寧に、また迅速に対応していただくようお願い申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○中野委員長 次に、市村浩一郎君。
○市村委員 市村でございます。
 三十分いただきまして、いろいろ議論をさせていただきたいと存じます。
 この犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律の一部を改正する法律案、これはもちろん我が党は賛成ではございますが、やはり、きちっとこれがもっと有効に働くようにするために議論させていただきたいと存じます。
 まず、もちろん、この話はいいわけであります。やはり私たちも、いつ犯罪に巻き込まれたり、また自分たちの家族とかが巻き込まれる、これはもうわからないということでありますから、そういうときに備えておくというのは重要だと思います。
 ただ、なぜ国が支援をするのかということ。支援をするのは当たり前なんですが、その哲学、なぜ国は支援をするのかというところにつきまして、やはり少し私は議論をしておいた方がいいというふうに思っています。
 例えば、地下鉄サリン事件の被害者の方へのいろいろな救済がありますけれども、なぜ救済をするのかというときに、あれは、ある意味では国家テロ、国家に対するテロだったという観点からしますと、昔のテロというのは、大体、指導者とか、国の指導者、枢要な立場にある方をねらってやるということだったんですけれども、あれは結局、一般国民が巻き込まれたということであります。つまり、国が守り切れなかった、国民を守り切れなかった、申しわけないということで、それに対して補償していくのか、それとも、いやいや、御被害に遭われた方はこれはもう大変だろうから御支援申し上げるというのか、これは全然違うんですね。
 だから、どういうことで国は、警察はこういうことを支援していくのかについて、国家公安委員長から改めて御見解をいただければと思います。
○泉国務大臣 この犯給法の性格と申しますか位置づけであるかと思いますが、まず第一点には、やはり、不慮の死を遂げられた方、あるいは遺族、または重傷病を負われた、そして障害が残った方について、本来は加害者が賠償すべきところでありますが、その資力がない、あるいは実効的な損害賠償が得られない、そういうケース、それから労災、労働者災害補償制度その他公的給付制度、そうした救済が受けられない場合、何らかの公的救済制度が要る。
 さらに、加害者の処遇改善が図られておる一方で被害者への対応が十分でない、こういう反省の中で、先ほど来お話ございました、長い歴史を持っておりますが、被害者のためにお手伝いをしなければならない、こういう観点でこの制度はつくられた。いわゆる社会の連帯共助の精神に基づいて、国が給付金を支給して犯罪被害者等の被害の軽減を図ることで、国の法制度に対する信頼を確保しよう、そういうことでこの制度はつくられたものと理解をしております。
 これまでも、この法律ができて以来、その考え方は一貫して法律の中に流れておると考えております。
○市村委員 今、国家公安委員長のお話の中で、国の法律の制度を守りたいというお話がありました。それはそれで一つの重要な点なのかもしれませんが、やはり、被害に遭った立場、またはその家族の立場に立つと、法制度どうのこうのはどうでもいいわけでありまして、何でこんな目に遭うのかという話でありますよね。そのために、治安、安全、安心を守るために警察があるということであれば、これをすべて警察のせいだと言っているわけじゃないんですが、やはり警察が守り切れなかったという観点もこれはあるんだろうと思います。
 だから、不幸にもそういう被害に遭われた皆さんに対してどういうふうな立場で考えていくのか、どういうふうに考えるのか、根本的に考えているのかということはやはり大切だと思うんですね。国の制度を守りたいから支援するんだ、ほかとのバランスがとれないから支援するんだというのはわからぬでもないんですけれども、本当にそれでいいのかなというふうに私は思うんですね。
 それで、また後からちょっと議論もしますが、やはり根本的な考え方がどこにあるのかというのは、これは非常に重要だと思います。だから、きょうここでこの話を始めると大変時間もかかってしまいますし、また、できる話でもないと思いますが、そういう考え方が重要だということだけ御指摘させていただきまして、ちょっと具体的な法案の中身の議論に入りたいと思います。
 それで、まず今回、先ほど田端委員からもちょうど出ておりましたけれども、やむを得ない理由により申請期間を過ぎた場合に別に特例を設けるということ、これはそれで大変いいことだと思います。
 ただ、周知の問題もありますが、当然、被害に遭われた方に対して、また御家族に対して、警察の方は、こういう支援制度がありますよということは多分おっしゃるんだと思います。しかし、人間というものは、特に、混乱しているときに言われても、警察はちゃんと言いましたよといっても、聞いたかもしれないけれども認識していない、覚えていない、忘れていた、もうそんなことを考える余裕がなかった等々の理由で、客観的に見たら、もうやむを得ない理由はなくなっているのに申請をしなかったという可能性もあるかもしれないですね。
 ということは、忘れていたという単純なことかもしれませんが、忘れていたのを思い出したんだから、忘れていたこともやむを得ない理由だということにしていただいて、思い出してから、認識してから半年以内ということも含めて、このやむを得ない理由というのに加えるのはいかがかと思いますが、国家公安委員長の御見解をいただきたいと思います。
○泉国務大臣 やむを得ない理由ということにつきましては、犯罪行為による死亡などを知った日から二年、または、死亡等が発生した日から七年という申請期間を維持した上で、なお被害者の責めに帰すことができない、そういう場合をやむを得ない理由として例外的な特例というふうにさせていただいておるわけであります。
 これが、それに該当するかどうかということは個別に判断をしなければならないことがあると思いますが、申請期間の原則を適用することが非常に酷であるというような、先ほど申し上げました、被害者側の責めに帰すことができない、本当にやむを得ない、そういう事案であるかどうかを個々に判断していかなければならないということでございます。
 したがって、法制度一般の考え方としては、法令の内容は一般的に知り得る状態、理屈からいいますと知り得る状態にあると考えられておりまして、給付制度の存在を申請者が知らなかった場合については、この申請期間の原則を適用することが酷であると言えるような、そのことが真にやむを得ない理由と言えるかどうかということになりますと、理由に当たらないのではないかというふうに考えておるのです。
 ただ、先ほど委員御指摘のように、犯罪に遭われた方は、その直後あるいはしばらく時間を置いても、なかなか混乱しておられてそういう制度に気づかなかった、あるいは耳にされても忘れておられるというようなことは当然起こり得るわけでございますので、まず、しおりを差し上げる、そのしおりも場合によってはどこに紛れたかというようなことも起きてこようかと思いますが、そのフォローは、警察官もあるいは民間の支援団体の方々を通じてでも、できるだけお知らせしていくような体制をとらせていただいているところでございます。
○市村委員 今委員長がおっしゃっていただいたように、一回、二回聞いても、普通のときでさえなかなか頭に入らないことがあります。一方は、いや、言ったんだからというんですけれども、一方は聞いていないということは多々あるんですね、一般社会において。
 あるラジオパーソナリティーの方が、ラジオの世界というのは同じことを七回言わないとリスナーはわかってくれないんだとおっしゃるんです。七回言って初めて、何となくああそういうことがあるなということが認識されるというふうにおっしゃっていたことを聞いたことがありますが、やはり同じことでも、繰り返し繰り返し言ったって、七回ぐらい言わなきゃだめだという話なんですね。ましてや、大変混乱しているときに。
 これは申請なんですね。本当はもう警察が、申請してくださいじゃなくて、これはどう考えても適用されるケースだから、私は自動的にやってあげた方がいいような気がするんです。しかも、大変悲しんでいるときに、いや、お金が出ますからなんと言うのも、これもまた大変失礼な話かもしれません。それを申請してくれと言うのも、いや、そんなお金の問題じゃない、心の問題なんだと思っているとき、お金のことを言われると余計に、もうそんなのは要らない、嫌だという気持ちにもなると思うんですね。
 だから、本当は申請じゃなくて自動的に、これは給付されるケースだということで、もう自動的に手続をしてあげるぐらいの話の方が私はあるべき姿ではないかというふうに思いますが、委員長、いかがお考えでしょうか。
○米村政府参考人 お答えをいたします。
 御指摘の点は全くごもっともだなという気がいたします。私どもの方は、犯罪の発生から被害者の方と寄り添うような形で、さまざま援助をしていくということが極めて大事だろう、こう思います。現に、都道府県警察におきましても、一応この制度について早い段階からお知らせをする、あるいはまた早期援助団体等とも連絡をとりながら、そちらの方からもフォローしていただくという形にしております。
 なお、申請期限が間近になっても申請がないというケースも多々あろうかと思います。もとより、被害者の立場になってみないと本当にどういうお気持ちなのかというのはなかなか難しい点もあろうかと思いますが、いずれにしても、私どもの方からできるだけ申請を促していくというような支援をきちっとやっていくことが極めて重要なことだろうと思います。その点について、各都道府県警察に対しましてもしっかりと指導してまいりたいというふうに考えております。
○市村委員 ぜひとも警察の方が意識してそれを行っていくことが大事だと思います。
 ただ、先ほど申し上げたように、これはもう釈迦に説法というか、わかっていらっしゃると思いますが、みんな混乱して落ち込んでいるときに、お金出まっせなんて言ったら、それはもうかえって大変な、またもっと心の傷に塩を塗るような話になってしまいますから、やはり物の言い方、言うタイミングとか、これはもう当然わかっていらっしゃると思いますが、その辺は重々お気をつけいただきたいと思っております。
 やはり、心の痛手というのはすごく残るんですね。前もこの委員会で申し上げましたが、阪神・淡路大震災のときに、震災後十年たって何をおっしゃるかというと、あのときに自分の親族が亡くなった、家族が亡くなった、そのとき遺体を警察に物扱いされた。現場でこれ、あれと言われてしまった、これあっち、あれあっちとかですね。あれが一番私は傷に残っていると、震災後十年たって私は話をお伺いしたことがあります。
 警察の方にとってみれば、もう御遺体の扱いとかというのはなれていらっしゃるかもしれない。だから、これ、あれとか、何番とか番号をつけて言っても、それは内部的にはあるかもしれませんが、しかし周りでだれが聞いているかわからないんですね。本当に亡くなられた方の御親族がそばにいるのに、おい、これこれあっちとか言われたら、これがもう心の傷になっているんですね。
 だから、そういうことが大変重要だと私は思っているのです。犯罪被害者等というのは、お金を給付するだけの話じゃないと思います。心のケアということがよく震災の後から言われています。やはり、そこの部分を慎重にやっていただきたい、こういう思いであります。
 それから、給付は一時金ということでお伺いをしておりますが、例えばこれを一時金ではなくて分割して、例えば月々幾らずつということにするという御発想はあるでしょうか、ないでしょうか、御見解をいただきたいと思います。
○泉国務大臣 この法律改正をお願いします前の経済的支援に関する検討会、三つの検討会がある中の一つにおいても、年金形式がとれないのかという御意見があったところでございまして、その際に、この給付制度の目的が、少ない額を分割して給付するということではなくて、一定のまとまった額の給付金を一時金で支給することによって被害者の方々の精神的あるいは経済的な打撃の早期の軽減を図る、そのことが立ち直りのお手伝いになるのではないか、それから、今回の拡充で一つの目安としております自動車損害賠償保険制度が一時金であることとの均衡を失することになるのではないか、このような理由がございまして、一時金とすることが適当であるという結論をいただいて、今回、法改正をお願いしておるところでございます。
○市村委員 原則は一時金ということでいいのかもしれませんが、何事も、制度というものを原則どおりに全部適用すると、なかなか現実にそぐわない、実態にそぐわないということも多々あろうと思います。だから、そのときに柔軟に対応していただくという意味で、分割払いというのも検討されることが必要ではないかな、私はこういうふうな見解でございます。
 何で分割の方がいいかというと、一度にお金が入ってくると、なかなかそれをうまく使えない、もしくはそのお金を目当てにする人が出てくるということも、世の中、現実に起こることなんですね。多分、これはもう警察の方もよく御存じだと思います。そういう事例をたくさん見ていらっしゃると思うんですね。
 だから、あなたのところは何かえらいお金が入ったんじゃないかと周りが認識するんじゃなく、いやいや、あれは本当に年金というか生活支援という形だから、毎月毎月いただけることになっていますというふうな方向も制度的に用意しておくと、周りから、何かあそこは大金が入ったぞとか、世の中世知辛い、そういう部分もあるんですね。
 そういうことじゃなくて、いやいや、あれはそんな一度に入ってこないんですということも選択肢として用意していただける、もしくは、そういう被害者の実態、また被害者の御家族の実態に沿ってこういうものを支給していくという考え方もやはり柔軟に入れておくべきじゃないかと思いますので、原則はわかりますが、そういう実態に沿った柔軟な対応もしていただきたい。こういう思いでございますが、国家公安委員長の御見解をお聞かせいただきたいと存じます。
○泉国務大臣 今国会でお願いをしております内容につきましては先ほど御説明させていただいたとおりでございますが、一方、今委員から御指摘ございました年金的な考え方については、実態の推移を見ながら、またそういう事例が各方面から御指摘があるということであれば、今後の対応で考えさせていただきたいと思います。
○市村委員 額が大変大きくなってきているということはいいことなんですが、そういうこともまた起こってくる、一時に大金が入るぞということになってしまうと、またややこしい話も出てくると思いますから、ぜひともよろしくお願いします。
 それから、今度は、平成十八年度におきまして、申請から裁定までの日数が平均で二百五十四日かかっている、仮給付決定までも二百二十一日ということでありまして、せっかく支援していこう、こういう話であれば、ちょっと時間がかかり過ぎではないかな、私はこういうふうな思いであります。
 先ほども申し上げたんですが、やはり様子を見て、申請してとなると、なかなかこれは、早くしようと思ったら、被害を受けて本当に落ち込んでいるときに、早く申請してください、こういうふうになるしかなくなる。だから、なるべく自動的に、申請主義じゃなくて、警察の方で、これは出ますから、ちょっと大変だと思いますから、これは給付金でございますというふうにやった方が本当はいいのかな、私はこう思うんですね。
 ただ、いろいろ日数がかかるのはかかるなりの理由があると思うんですが、その辺のところをちょっとまた細かく教えていただければと思います。
○米村政府参考人 お答えします。
 申請から実際裁定までにかかる期間というのは先ほど御説明申し上げたとおりでございまして、長いかなという印象を持たれる方もおられるだろう、こう思います。
 ただ、裁定に当たっては、これは犯罪行為ですから、捜査の進展ぐあい、あるいは帰責事由、要するに申請者の方に何らかの責めに帰する事由があるのかないのか、あるいは障害につきましては、その状況、いわば裁定に必要な等級の確定とか等々ございまして、期間が事案ごとに異なりまして、全体としては、今申し上げたような期間を生じているということでございます。
 なお、申請について、できるだけ被害者の方に促していくということがこれまた非常に重要なテーマだろう、こう思います。現に今、犯罪被害者支援班、支援室、あるいは支援要員というのが全国の警察に配置をされているわけでございまして、実例等を私も聞いておりますと、やはり何回も何回も被害者の方あるいは遺族の方とお会いをしていろいろな相談を受ける中で、この給付制度についても丁寧に説明をしていくということを間断なくやっているというケースも多々ありますので、そういった努力を積み重ねていきたい、促進していきたいというふうに考えております。
○市村委員 結局、今おっしゃっていただいたように、一つに、今回、民間団体の支援のかかわりをどんどん促進していこう、こういう話だと思います。だから、警察が直接ではなくて、そういう心のケアというものについても、専門的知識といいますか、そういった立場に立ってちゃんと物を言える、言い方をちゃんとできる人たちの民間団体がいて、そこと警察の協力によって円滑に、気持ちを害することなくやっていこう、そういうことだというふうに思います。
 そこで、この民間団体の関与についてなんですが、今の設立状況を見ますと、社団法人とか特活法人、また任意団体等もあるわけでありまして、私はこれを見て、小泉政権時代と変わったのは、小泉政権時代だったら、民間というとイコール株式会社だったわけですが、今度はちゃんとNPOになっているということで、あるべき姿になってきたな、こう思います。
 ただ、表面上はNPOの形ではあっても、実態が、実は警察関係者がそこに、物すごく悪い言い方をすると巣くっているようじゃいけない、こういう思いでありまして、実態がどうかということは、もう時間がないのできょうはあえてそこまで踏み込みませんが、ぜひとも、民間の力をもっと活用していこうといいますか、もっと民間団体の活動を促進していこうということを、これは心からそう思っていただきたいというふうな思いなんですね。単にNPOが使えるから使ってやろうじゃなくて、おとといこの委員会でも議論しましたが、まさに今、国は大転換を図ろうとしていると私は思います。
 かつては、国家公益独占主義、公益は国家が担うものだ、税金を使って国家が担うものだというテーゼが、十数年前どころか、確かに三年ぐらい前まではそういうことがあったと思います。ところが、この二、三年で大分様子も変わってきまして、民間の公益活動をもっと増進していこう、こういう発想になってきているんですね、財政面でも。だから、財務省の方とも、おとといも大分議論させていただきました。それで、そのときの担い手はNPOですから、非営利組織ですから、そういうものをどんどんこの国において大切なものと考えて、そことの協力によってよりよい施策を実行していこう、こういう流れになっているわけです。
 その意味でも、今回の民間支援団体というのはNPOだということで、大変いいと思います。ただ、これを活用しようとか、これを使ってやろうじゃなくて、こういう団体の自主的活動があることをしっかりと我が国として、また警察としても認識していただいて、法律用語だというふうに聞いておりますが、国家公安委員会には、決して、全国被害者支援ネットワークに対する「助言、指導」ではなく、やはりそうした全国被害者支援ネットワークとの協力によってこういう施策をもっと円滑に実行していこうという話だと思うんです。幾ら法律用語だといっても、「助言、指導」というのは、やはりどうしても上から物を見ている考え方になってしまうんです。そうじゃなくて、協力をするんだ、民間の公益活動は大切なんだ、NPOは大切だ、一生懸命自主的活動をしていただいているということ、それに協力しようというのが必要だと思う。
 それで、今、ありがたいことに、きのう財務省にお聞きしましたら、このうちの六団体が特定公益増進法人の認定を受けているということで、大変これはいい傾向だと思うんです、私は増大させないかぬと思っていますから。ただ、いまだに六団体なんですね。私は、どうもお聞きしたら、都道府県知事が認定すれば特増になれるという制度がせっかくあるのであれば、一刻も早く、今四十六団体、徳島と鳥取がないそうですが、早くこれをつくっていただいて、すぐ特増にしていただきたいという思いがまずある。
 と同時に、北海道は二つあるんですけれども、一県に一つというのはやはり競争が起こらないんです。やはり非営利の世界も、競争を起こしていかなくちゃいけないんです。いいサービスを提供したところに人も金も集まっていく、これは当たり前のことなんですが、やはりそういう状況をつくらないと、一つのところに権限とか人を集中させちゃうと、よどんでしまうということになりかねません。だから、そういう部分も考えていただいて、制度をもっとしっかりと仕組んでいただきたい、こう思うんですが、国家公安委員長の御見解をいただきたいと思います。
○泉国務大臣 この仕事といいましょうか、被害者に対する精神的あるいは経済的な思いやりというのは、正直、きめ細かなことが大変重要であると思うんです。ですから、警察がやるということには残念ながら限界がある。したがって、民間の方々にお手伝いをいただく。それは、先ほど先生から少し御指摘がありましたけれども、警察の手先というような感じではなくて、一体的にやらせていただくというのを基本に考えていかなきゃならない。
 私も、東京都の新宿の機関を見せていただきました。本当に民間の方が一生懸命やっていただいております。そこをむしろ警察はサポートさせていただくということで基本的には取り組ませていただきたいと思っておるところでございます。
○市村委員 そうですね。ぜひ、今おっしゃっていただいたように手先ではないということでありますので、あくまでもNPOというのは独立した自主的な存在であるということ、これを肝に銘じていく必要があると思います。
 だから、行政の文書を見るとNPOを活用するとかいう言葉が出てくるんですが、僕は、これも大変失礼な話であって、おこがましい話だと思います。活用するということはやはり自分が活用してやろうという話ですから、そうじゃなくて、一生懸命やっていらっしゃる団体がある、そこと協力させていただきたい、私たちもできる限り側面的支援をさせていただきたい、こういう発想に立たないと、活用してやろうというのはもう言葉遣いからやはり変えていかないかぬというふうに思います。
 それで、きょうは財務省の方もいらっしゃっていますか。ぜひとも全部特増にするぐらいの発想で、一般的なものが今できています、あれは十二月一日からです。もっと変えていく必要はありますが、もう今はこの仕組みがあるのであれば、こういうのをどんどん特増にして、先行して特増をどんどんふやしていく。
 今は千弱なのをこれから十万、二十万にふやしていこうという発想でやるというふうに、おととい、私はそういう意気込みだというふうに感じておりますので、今せっかくこういう制度があるのだからどんどんふやしていこうという思いがありますが、ちょっと財務省の方の見解もいただきたいと思います。
○古谷政府参考人 お答えを申し上げます。
 先生から御指摘ございましたように、現在は、民法三十四条法人のうちで、都道府県公安委員会の指定を受けられ、なおかつ都道府県知事が認定をされたものが特増ということでございます。
 現在御提案しております税制改正案におきましては、これは第三者委員会が関与をされて公益認定を受けた公益社団、財団はすべて特増にするという方向で御提案をしておるわけでございます。公益認定法の規定の中には、「犯罪による被害者の支援を目的とする事業」というのが公益目的事業の一つとして挙げられておりますので、これから恐らく認定についてのガイドラインは第三者委員会の方でお決めになると思いますが、そちらの認定を受けられれば、すべて寄附税制の優遇になっていくものというふうに承知をしてございます。
○市村委員 いわゆる民法三十四条法人だけではなくて、これも五年以内に、十二月一日からいわゆる新しい制度に移行していく。私は、これは一般社団、一般財団でなくて非営利財団、非営利社団にすべきだという意見でありますが、その中に特活法人も入れていくべきだと思います。五年以内に特活法人も一般社団になるかどうかを決断できるような、そういうふうな経過措置を設けてやるべきだと思います。
 そういう流れから考えますと、特活法人も今、認定特活法人になれるわけですから、こういうのを特増にしていくというのも、民法三十四条法人だけじゃなくて、考えていくのは当然だ、ここはあの大転換から考えると当然だと思います。
 しかも、北海道の場合、北海道被害者相談室というのは、任意団体なのに犯罪被害者等早期援助団体になっていますね。これはすばらしいと思います。
 つまり、法人格は関係ないんです、実は私、ずっとここでも言っていますが。別にNPOは、法人格があろうがなかろうがNPOなんです。だから、法人格がないものでも、実態上見たらこれはいいとして認定されているわけです。これはあるべき姿だと僕は思いますから、ぜひともそれを制度的にももっとよりよいものにしていただいて、いい活動をしているんだからどんどんそれに税制優遇も与えていこう、こういう発想と社会になってほしいと思います。
 そのことをまた改めて申し上げて、私の時間が終わりましたので、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○中野委員長 次に、吉良州司君。
○吉良委員 民主党の吉良州司でございます。
 犯給法の質問をさせていただきます。
 まず最初に、同僚の市村議員からもございましたけれども、やはりこの犯給法にかかわる、法の背景にある哲学についてお伺いしたいというふうに思っています。
 その前に、この改正案について私自身は、犯罪被害者の救済を厚くする、特に、何の罪もない被害者の救済を厚くするという意味において意義深い法改正だというふうには思っております。
 特に、けさほど来指摘がございますように、昨今ほど安全というもの、治安の回復というものが国民に望まれている時代はないんだろう。人を殺してみたかったとか、もうこれまでであれば信じられないような事件が多発する中で、国として、国の一番大事な使命は国民の生命財産、特に生命を守ることなんだということを、これでもかこれでもかというぐらいメッセージを発していかなければいけない時期なんだ、このように思っております。
 そのことをまず申し上げた上で、先ほど来の質問と重複しますけれども、再度、この犯給法、改正というよりも、そもそも昭和五十五年に元祖犯給法ができたとき、平成十三年に改正案ができ、それから十六年には基本法、そして翌年に基本計画ができた、その時々の、背景はもう結構です、ここにいる委員も政府の方にももう釈迦に説法になりますので。その時々に政府として考えてきた考え方とそれから哲学について、ちょっと披露していただければと思っております。
○泉国務大臣 この法律、犯給法に流れております考え方というのは、先ほども少し御説明をさせていただきましたけれども、本来、加害者が損害を賠償すべきところだけれども、その能力がない、資力がない、実効的な損害賠償が得られない、あるいは労災制度などの公的な給付制度でもカバーできない、さらに、加害者の処遇改善が図られておる一方で被害者に対する救済制度は不十分である、こういうことの実態を踏まえて、社会の連帯共助の精神に基づいて、国が給付金を支給し被害者等の被害の軽減を図る、これが一貫してこの法律の基本に流れてきたものだと思っておるところでございます。
○吉良委員 先日、私どもの同僚の長島昭久議員が岸田国務大臣に対して、地下鉄サリン事件、オウムの事件に対する問題を取り上げ、そしてそのときに、やはりこの犯給法の哲学について再考を求める質問をしております。
 私も少し勉強させてもらったんですけれども、特にドイツは、明らかに、国が国民の安全を守れなかった、ある意味ではその責任を痛感しての補償制度である。
 これは、先ほど市村議員も触れたことでありますけれども、今、泉大臣が答弁された連帯共助の精神、本来ならば加害者が損害賠償すべきである、ただ、加害者にその責任能力がない場合を考慮しての連帯共助の精神に基づいてできたものだ、こういうことなんですけれども、私は、先ほども申し上げましたけれども、昨今の犯罪というのは極めて広範多岐にわたっている、同じ一つの哲学でとらえ切れない犯罪領域になってきているのではないかと。
 先ほど言いました同僚の長島議員が指摘したのは、前回のオウム・サリン事件というのは、ある意味では国家に対する明確な意図を持った挑戦である、そして、その犠牲者はまさに国家の盾となって犠牲になられた方である、ある意味では民間人として殉職された方だというふうに私自身はとらえることができると思っているんです。そういう意味で、今大臣がおっしゃった、本来加害者が賠償責任を持つということ以上に、国家に対する挑戦、その犠牲になった方に対しての考え方、哲学というのは別のものがあっていいと思っているんです。
 それに加えて、土浦の事件、それから岡山の事件もそうですけれども、個人的ないさかいがもとでの犯罪ではなくて、さっき言った、まさに不特定多数また無差別、ある意味ではオウム・サリン事件と変わらないような不特定多数、無差別の事案であるというふうに思っています。そういう事案に対しては、少し考え方、哲学を変えていかなければいけない、その新しい哲学に基づいた補償制度があってしかるべきだというふうに思っておるんですが、泉大臣、所見はいかがでしょうか。
○泉国務大臣 委員からドイツの例を出されました。米国の九・一一のテロによる被害者やイギリスのロンドン同時爆弾テロ被害者に対して、通常の犯罪被害者とは違う枠組みによって救済がなされたということは承知をいたしております。恐らく、それぞれの国の事情によって異なる対応をされたのだろうというふうに思っておるわけであります。
 先生おっしゃるように、サリン事件、非常に広範な関係者が出たというようなものに対して、それでは、今回お願いしております犯給法の先ほど御説明申し上げました考え方で全部一くくりにできるのかという御指摘については、確かに考えなきゃならない点が残っておるかもしれません。
 ただ、例えばテロだといったときに、テロとは何かというようなこと、あるいは一般の犯罪被害者などよりも手厚く経済的支援をしなければならないというような理論的な根拠、そうした事柄が議論になって、三つの検討会でも議論をなされて今回の法改正をお願いするという道筋があったわけでございます。
 検討会では、今申し上げましたことから、一般の犯罪被害者等とは別の特別の救済策をとることをあらかじめ包括的に決めておくことは困難であるという検討会の結論をいただいて、法律改正を今回お願いしておるところでございます。
 また一方、最終の取りまとめでは、国家または社会に対するテロ行為により無差別大量の死傷者が生じた場合には、国は、迅速に、当該テロ事件に対する国の対処方針を決定し、その中で、被害者等に対する早期支援の実施をうたっておるわけであります。被害者等の経済的救済を図る措置を明確に示すべきである、こういうふうにいただいておるわけでございまして、これは大変幅広い範囲の問題を含んでおりますので、警察単独でというよりも、今後、政府全体として検討しなければならない課題であるというふうに認識をいたしております。
○吉良委員 私は、冒頭申し上げましたように、この法律の改正案そのものについては、今まで薄かったのをさらに厚くするという意味で、反対するものではございません。そこのところは了としておるものでありまして、今、泉大臣まさにお答えいただいたように、今後、政府の中できちっと、ある意味ではそういう場合分けをする中で、背景にある哲学を変えて、それに対する支援のあり方を変えていくことをもっと前向き、積極的に検討いただきたいという意味で申し上げておるんです。
 といいますのは、経済的支援に関する検討会の中の委員であります白井弁護士がいろいろな論点を提言されており、それも読ませていただきました。その中、まさに論点一の中で、犯罪被害者等は国から補償を受ける権利を有するか、こういうことに対して、当然権利を有するというふうに意見されておるわけですが、その理由というのは、まさに犯罪被害者等基本法三条一項では、「すべて犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する。」とうたわれており、この権利は個人の尊厳を保障する憲法第十三条に基づくものであり、最大限尊重されなければならない、犯罪被害に遭った方が救済されるのは、この個人の尊厳を取り戻すための実質的に唯一の手段であるからだ、こういう理由、論点でもって国から補償を受ける権利を有する、こういうふうになっているんです。
 これはすべての犯罪被害者に適用される考え方ではございますけれども、先ほど言いましたドイツあたり、国家に対して、また社会に対してきばをむき出しにして向かってきた犯罪者、その盾となって亡くなられた、または障害を受けられた方に対して、やはりある意味で厚くする意思があることを国が表明するということは、先ほど言った、国が法秩序、社会秩序を維持して、国民の生命を守ることを最も重視しているんだということを国民にやはり発する必要があるんだろうと。
 先ほど来言っています、本来は加害者が救済するものじゃないですか、国の知ったことじゃないですよ、だけれども加害者はそんな資力がないんだから、では国がかわって何らか手を差し伸べてあげますよというようなものではないんじゃないかと。やはり、国に税金を納め、警察官が存在するということは、その安全を守ってもらうということを期待してのことなわけですね。
 ただ、こんなことを言っていいかわかりませんけれども、これだけの人口がいる中で犯罪を全くゼロにする、それはしなければならないと思っていますけれども、やはり現実問題として起こる。それをすべて、では責任、警察が悪かったということになるかといえば、それはまた行き過ぎだというふうにも思っています。
 ただ、結果責任として、それを防ぎ得なかったことに対しての国としての補償を被害者にしていくという哲学は必要なんじゃないかというふうに思いますが、再度、泉大臣の御見解を。
○泉国務大臣 大変難しい投げかけであると思います。
 先生の御意見、私も理解できないわけではございません。国が守り切れなかった、国民の命を守り切れなかった、そのことによって国が償いをするという考え方は、確かに一つの考え方だと思います。これは今後の検討課題にさせていただきたいと思いますし、先ほど申し上げましたように、当然、警察だけで考えるべきものでもないと思います。幅広い関係者の協力を得た中で、今後の検討課題として心にとどめさせていただきたいと思います。
○吉良委員 今後の検討課題とはいいながら、検討いただけるということで、ありがたい答弁だと思っています。
 この問題をちょっと別の観点から切ってみたいと思うんですが、殉職警察官の扱いについてであります。
 愛知県の長久手町で、SAT隊員であった林一歩警部が殉職をされました。また、ドラマにもなりました、先ほどもありましたが、板橋区の東武東上線の踏切で女性を救助してみずからが犠牲になられた宮本邦彦警部、こういう殉職警官がおられるわけなんですが、特に、SAT隊員の林警部等、古くは浅間山荘事件で犠牲になられた、殉職をされた警官に対して、警察として相応の厚い救済といいますか処遇をされているんだと思いますけれども、勇敢に犯人に向かっていって殉職をされた警官、それから不意をつかれて殉職された警官、恐らくは内部で扱いが違うんだろうというふうに思っています。
 そのことについて、そういう警察の内部で、殉職された警官のその時々の状況に応じて対応が違うのかどうか、その辺についてちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○米村政府参考人 お答えをいたします。
 ただいま挙げられました長久手の事件での殉職をしたSAT隊員でありますけれども、SAT隊員としてというよりも、およそ警察官として、警察官になりたいという形で入ってきた青年でありまして、最も望ましい警察官の一人ではないかなというふうに私は実感としております。そういう警察官を亡くしたということは断腸の思いでございます。
 殉職事案というのはいろいろなケースがあるわけでございますが、要は、極めて高度な危険にさらされながら、なおかつみずからの生命を顧みず向かって対応した者が殉職をしたというケースにつきましては、いわゆる特殊公務災害という形で、それとはまた違った形のものよりは格段に厚い手当てをしているというところでございます。
○吉良委員 ありがとうございます。
 アメリカは、私もいましたけれども、七月四日の独立記念日、これは各町々で独立記念日のパレードが行われます、御存じの方も多いと思いますけれども。そこで行進してくる順番というのは、消防士、警察官、それからその後に市長とか出てくるわけですけれども、命を賭して社会のために闘っている人たちを最も尊敬するというか、たたえるという土壌があるわけですね。だからこそ、今言った警察官であり消防士がまず先頭を歩いて、市長よりも先に歩く、こういう文化があるわけです。先ほど出ましたけれども、アメリカの愛国法とかにつきましても、やはりそういうことが背景にあって法ができている、短期にできて厚い救済内容になっているというふうに思っておるんです。
 私は、それこそ浅間山荘事件のときも含めて、やはり相手が銃を明らかに持って、しかも悪意を持って、国家に対して、社会に対して刃向かう意思を持っていることがわかりながら、それに向かっていく、また、ましてやそれで命を落とされる、そして障害を受けられるという方々に対して、それをある意味でたたえ、そして国民みんなでその残された家族等を守っていくというのは当然のことなんだというふうに思っているんですね。
 逆に言えば、国立市の富士見台であった、それこそストーカーまがいのことをして、市民を守るべき銃で相手の女性を殺害し、みずからも自殺する、こういうふうなことはあってもいけないし、また、そういうことが起こったときの罰については、これは甘いことがあってはいけない。
 だから、ある意味で、警察の内部でも賞罰について、さっき言いましたSAT隊員のような方々についてはみんなで称揚し、警察の信頼を失墜させるような人に対してはもっともっと、またその監督責任も含めて厳しくあるべきだというふうに思っているんです。私自身は、きょうは時間が限られておりますので多くは申しませんけれども、今言った、めり張りをつけた、殉職警官を含めた警察内部の賞罰についても、また議論させていただきたいと思っています。
 先ほど政府委員の答弁にもあったように、まさに警察官としてこうあってほしいという警察官の本当に涙ぐましい殉職であったということでありますが、やはりその扱いが違う。でも、私は扱いが違って当然だと思っているんです。そういう意味で、それを今度、国全体に当てはめたときに、犯罪の種類によって、犠牲者のあり方によって対応をたがえてもいい、もっと厚くする部分、もっと国としての責任を前面に出す部分があってもいい、このように思っているところであります。
 同じ答弁になるのでありましょうけれども、再度、今の殉職警察官の話等も踏まえて、ちょっと大臣の御見解を承りたいと思います。
○泉国務大臣 殉職警察官に対する温かいお言葉をいただきまして、ありがとうございます。
 列車の踏切で身を投げて命を落とされた宮本警察官、そうした本当に国民の心を揺すぶるような警察官、まさに警察官の使命をわきまえた立派な行いをした警察官に対して、私どもは、お話しのように称揚していかなきゃならないと思っております。また一方、市民を守るために与えられた銃を使って許されない行為をした警察官に対しては、厳しい処罰をしていく、これは当然だというふうに思っております。
 私自身、その信賞必罰を明確にしていくことは警察官に対する国民の信頼感を取り戻す、あるいは一層高いものにしていくという思いを持っておりましたので、今先生の御指摘のことについては一層留意してまいりたいと思います。
 そういう事柄の中で、先ほど来先生の、国家の責任というものをどう位置づけるかという大変高い問題を指摘されております。
 私自身は、まず、犯罪を起こさないように、また犯罪を起こした者は当然のこととして処罰を受けるという前提があって、そのことが心ない者の心のブレーキになるような、そういうものでなければならない。その上で、なおもし、先ほど来委員から御指摘をいただいておりますような体制をとることがやはりこれからの社会において必要だと、お話がございましたけれども、ドイツでもアメリカでもイギリスでもそうした対応が社会の仕組みの中でとられておるという事実を参考にしながら、検討ではおしかりを受けるかと思いますが、これから一つの大きなテーマとして考えてまいりたいと思います。
○吉良委員 私は、きょうはこの問題だけを取り上げようと思っておりましたので、しつこいぐらいでありますが、冒頭言いましたように、本当に今こそ国が、警察が、安全をもう一回取り戻して、国民の生命財産、特に生命を守ることが一番大事なんだというメッセージを届けることが大事だというふうに思っているんです。
 この給付制度、言いましたように、ベースはとにかく賛成でありますが、労災との公平性だとか、それから自賠責との公平性だとかそういうことで算出しましたとか、そういうレベルの話ではないということを申し上げたいんです。要は、不公平感があったとしても、今こそ、国として皆さんを守りますよというメッセージを、また、何かあったときには国として責任を持ちますよというメッセージを発するに必要な時期はないのではないかというふうに思っているということを申し上げたいと思います。
 最後になりますが、先ほど、殉職警官のところで一点、逆のことを、国立の事件のことを申し上げました。参考までで質問ということにはならないんですけれども、一つ申し上げたいことがあって、それは九・一一のテロのときの話であります。
 私は、二〇〇一年八月二十七、二十八日にニューヨークにおりまして、そのとき貿易センタービルはありましたが、その後、ブラジルに飛びました。帰りの航空券は、二〇〇一年九月十三日にニューヨークに戻るという予定の切符だったんですけれども、あの事件が起こりましたので、飛行機も飛ばず、しばらくブラジルに滞在しました。その際、時差がほとんどないですから、リアルタイムで朝、テロの映像を見ておったんですが、そのとき、ブラジルのインターネットで流れた、犯人がだれだというテロップといいますか、それはだれが犯人だというふうに第一報として流れたか、御存じですか。まあ、想像つかないと思うんですが、実は日本赤軍でありました。ジャパニーズ・レッド・アーミーというのが流れました。
 私は、本当に顔面蒼白といいますか、これで日本は滅びたと思いました。もうアメリカで日本人がビジネスすることもできぬだろうと。アメリカをある意味で敵に回してこの先日本は生きていけるんだろうかと、本当に血が引く思いをしたことを覚えております。
 先ほど、一方では犯人に対して勇敢に立ち向かっていく人たちを国、社会全体でたたえると同時に、一人でもあのような警察官が出れば信頼を失墜する、まさにジャパニーズ・レッド・アーミーであります。そういう意味でも、警察においてだれ一人そういうことを出すことのない体制を築いていただきますことをお願いしまして、ちょっと法案審議とは離れるんですけれどもお願いをしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○中野委員長 次に、馬淵澄夫君。
○馬淵委員 民主党の馬淵でございます。
 きょうは、この犯給法、いわゆる犯罪の被害に遭われた方々に対する給付金の支給等の法律の一部改正案ということで、審議の質疑に立たせていただきます。私は、三十分という時間の中で二点、問題意識を持ってお尋ねをしていきたいというふうに思っております。
 まず最初に、大枠のところでの確認をさせていただきたいんですが、今回、犯給法の一部改正ということでございますが、当然、この犯給法の上位概念となる基本法というのもございます。
 そこで、まずは、犯罪による被害の第一義的責任というものはだれが負うものかということについて、端的にお答えをいただけますでしょうか。
○泉国務大臣 第一義的責任を負うのは加害者である。このことは、犯罪被害者等基本法前文においても「犯罪等による被害について第一義的責任を負うのは、加害者である。」とされているところでございます。
○馬淵委員 この基本法、ここには前文で、とにかく犯罪等による被害については第一義的責任を負うのは加害者である、加害者が責任を負うのだということだと。しかしながら、加害者が被害者に対して損害賠償等の責任を負うことが、もちろんこれは責任を負うわけでありますが、対応が十分にできなかった場合に、これに対しては国は何らかの対応をとるべきであるということから、犯給法、この法律の定めがある、こう理解をしておるわけであります。
 加害者が第一義的な責任を負うという前提のもと、国の責務というのはどういうところにあるかということ、これも端的に御説明をいただけますでしょうか。
○米村政府参考人 お答えをいたします。
 国の責務ということでございますが、この犯給法の制度を申し上げたい、こう思いますけれども、基本的に、その性格の中に国の責務というのが示されているのではないかというふうに思います。
 結局、今もおっしゃいましたとおり、不慮の死を遂げた方、あるいはその遺族の方、あるいは重傷病、障害が残った方等々につきまして、要するに、加害者に資力がないというようなときに実効的な損害賠償が得られない、あるいは公的給付制度があるにもかかわらず、それがこのケースについては適用されないというようなケース、それから、一方においては加害者の処遇改善が図られている、しかしながら犯罪被害者等に何らの救済制度がないといったような点から、この犯給の制度というものが成り立っているということでございます。
 そういう意味では、性格といたしましては、社会福祉政策上あるいは刑事政策上の観点等々から国が一定の責務を負っているのではないかというふうに考えております。
○馬淵委員 今、官房長からお答えをいただきました。
 基本法の方にも国の責務というのは明確に示されております。基本法では、国の責務としては、基本理念にのっとり、犯罪被害者のための施策を総合的に策定し、実施する責務を有すると。すなわち、一義的に加害者に責任が負わされ、そして国は、基本理念、これは被害者を救済するというところでありますが、平穏な生活を取り戻していただく、本来ならば侵されることのない安寧な生活を失ってしまったことに対する、相互扶助の精神に基づき、国が被害者のための施策を総合的に策定する、実施する責務を有するということから、今官房長が御説明いただいた、本法案に示された制度が、このような形で今日までつくられてきた、こういうことだと理解してよろしいかと思います。
 さて、このように、一義的に加害者が責任を負い、かつ国が責務を持って被害者の救済を行うということでございますが、被害者給付金の申請というのは、毎年毎年、数百件申請をされているわけでございます。そこで、端的な数字のことでお尋ねをしますが、平成十八年度までにこの給付金の申請の累計というのは何件になりますでしょうか。官房長。
○米村政府参考人 お答えをいたします。
 制度が発足いたしましたのは昭和五十六年一月一日ということでございますから、それ以来、平成十八年度末までの二十六年間につきまして、犯罪被害者の方、六千五十九人の方につきまして給付金の申請がございました。その結果、約五千四百人の犯罪被害者に関しまして、総額で百八十二億円の給付金を支給する旨の裁定がこれまでなされてきたところであります。
○馬淵委員 細かく御説明をいただきました。
 六千五十九の申請に対して裁定は五千六百九十八、裁定というのは申請を受けてそれを判断するという業務ですね、そして支給に関しては、五千三百八十三件ということで、支給総額約百八十二億でございますが、総額がこれだけになったということであります。百八十二億、今回の改正の中では金額のこともございますが、このような形で被害者の方々に何らかの救済措置がなされてきたということは、私は大変大事なことだというふうに理解をしております。
 さて、犯給法の八条の二項、ここを見ますと、「国は、犯罪被害者等給付金を支給したときは、その額の限度において、当該犯罪被害者等給付金の支給を受けた者が有する損害賠償請求権を取得する。」とうたっております。いわゆる損害賠償等の関係に係る求償についてでございます。
 そこでお尋ねをいたしますが、今、六千五十九件の申請があって、支給総額は百八十二億余であったということでございますが、これらに対して求償実績というのは、件数と金額で、これも官房長で結構ですので、端的にお答えいただけますでしょうか。
○米村政府参考人 お答えをいたします。
 過去に求償権を行使した例といたしましては、松本サリン事件、地下鉄サリン事件等四事件の被害者や遺族の方約二十二名に対しまして、総額約六千六百万円の給付金を支給した、このことに関しまして、オウム真理教の破産管財人に対して債権の届け出をいたしました。
 もう一つ、昭和六十三年発生の殺人事件に関しましては、これはもちろん給付金を支給しておりますが、このケースにつきましては、給付金として支給された額に相当する額二百二十万円を求償し、加害者側から受領したという例がございます。
    〔委員長退席、岡下委員長代理着席〕
○馬淵委員 今、御説明をいただきました。いわゆるオウム真理教事件にかかわるものについては四件二十二名ということでございましたが、このオウム真理教、いわゆる国家テロですね、これ以外のものに対しては一件であるというお話でございました。二百二十万円の求償を行った例が一件ある。すなわち、二十数年にわたるこの制度の中で、百八十二億余の被害者の方への支給が行われていたが、この支給に対して加害者に対する求償というのは一件のみ、そしてその金額は二百二十万円ということでございます。
 私は、まずお尋ねしたいんですが、オウム真理教に関する事件以外では一件ということでありますが、なぜそんなに少ないんだろうかと端的に思うわけであります。一件しかない、たった一件で二百二十万円のみということ、なぜこんなに少ないのかということについて、ちょっと御説明いただけますでしょうか。
○米村政府参考人 端的に申し上げまして、加害者に対して求償しても、多くの場合、もはや支払いができるような資力がほとんどないというケースがございます。あるいはまた、犯罪被害であることが明らかで、給付金が支給される場合でありましても、加害者が不明であるというケースもございますし、したがって債務者を特定することができない等々がございまして、結果といたしましては、ただいま御説明申し上げたような求償の実績になっているということでございます。
○馬淵委員 今、端的にお答えいただきましたが、求償を行わない場合、すなわち、一義的に加害者には責任があるとしているわけですね。そして国がそれに対して、加害者に責任があるけれども、相互扶助の精神にのっとって給付金を支給するということでありますが、これは当然ながら一義的に加害者に責任があるわけです。また、この給付金に関しては、一般会計、これは税金から拠出されているわけですので、これについては求償する、損害賠償請求権を取得して求償するということでありますが、これはたった一件。
 その理由というのが、幾つかの類型がございました。今、官房長からは非常に端的にお答えいただきましたが、手元にいただきました警察庁からの文書では、求償を行うことができない場合、当たり前のことなんですが、加害者が死亡して、そして財産を相続した者がいない、あるいは、検挙されておらず相手が不特定だということ。また、心神喪失等のため民事上の責務を負えないという場合、この場合はできません、これもよくわかります。
 また、もう一つでございますね、直ちには求償を行うことができない場合。ここで三類型ございまして、加害者に資力がないと判断される場合、そしてもう一つは、加害者の所在が不明である場合、これは執行猶予等で出所された方がどこにいらっしゃるかわからないという状況、そしてもう一つが、国が取得した損害賠償債権の額が確定していない、それがゆえに求償できない。
 私は、最初に申し上げた、死亡だとか、あるいは検挙されていなくて特定できないとか、あるいは心神喪失、これについてはいたし方ないと思います。しかしながら、直ちには求償を行うことができないとしながら、加害者に資力がない、あるいは所在が不明、あるいはその請求額が確定していないということについて、若干の疑問がございまして、お尋ねをしたいんです。
 まず、損害賠償額が確定しないというのは、どのことをもって言うのでしょうか。これも端的にお答えいただけますか。
○米村政府参考人 民事上の損害賠償請求訴訟における賠償額の算定というのは、基本的には裁判官の自由心証によって行われるものでございますけれども、例えば犯罪被害者に過失相殺をすべき帰責事由というのが認められるのかどうか、あるいは過失相殺をすべき事情が認められる場合の過失相殺の割合、あるいは損害賠償請求権の一部をなす慰謝料の額等について、犯罪の形態あるいは被害者の行為態様、加害者や被害者の個別事情等のさまざまな事情を考慮した上で判断されるということで、なかなか確定しがたいというケースがあろうかと思います。
○馬淵委員 つまり、裁判の結果によって確定するということだと理解をいたします。
 もう一つお聞きしますよ。加害者に資力がないというのはどのように判断されますか。
○米村政府参考人 加害者に対する求償ができるかどうか……(馬淵委員「資力がない場合」と呼ぶ)資力がない場合、これにつきましては、基本的には各都道府県公安委員会による給付金の裁定の段階で、捜査資料あるいは給付金の申請書類の確認、それから加害者あるいは申請者からの聴取等によって把握をなされるというものだろうと思います。
○馬淵委員 今、各都道府県の県警による調べ、公安委員会というお話でございましたが、お手元に犯罪被害者等給付金の求償手続というのを、これは警察庁からいただいた資料でございますが、フローチャートをお渡ししております。
 ここで、今、求償を直ちに行うことができない場合の、加害者に資力がないと判断される場合あるいはその損害額が確定しない場合ということについて、この一枚目のフローチャートの中で、二のところ、そして六のところにかかわるかと思うんですが、これを見ていただきますと、まずは被害者なり遺族の方々が申請をされる、申請をされて、この二でございますね、都道府県の公安委員会で損害賠償の状況を聞き取り、捜査情報による加害者の資力の把握でございます。これは、具体的には県警の被害者担当課の方々が捜査の過程の中で行われるということをお聞きしました。そして、もちろん裁定が決定すれば支給裁定通知が遺族になされて、給付金がやりとりされる。
 一方で、損害賠償請求権の部分取得ということで、左の四角囲みに国というのがありますが、これは警察庁、警察庁がこの請求権の部分取得を行って、損害賠償請求権を持って加害者に求償する。この求償というのは、債務者の特定やあるいは債務額の確認等を対策室の方で行う、このように説明を受けております。
 そこで、私は問題意識として、加害者に資力がないと判断されるというのは県警の捜査等々ということでございました。果たしてこれが本当に十分になされているのかということ、これが一点。
 もう一つは、裁判の結果によって債権額が確定しなければ求償しないんだ、いや、できないんだというお話でございましたが、そもそも、国が一義的に加害者に責任があるとしている、その上で、この責任を持つ加害者に対して、いや、裁判の結果を待つしかないんだというのはいかがなものだろうか。あるいは、資力の調査においては捜査権がないというような話でありました。しかし、これは最初の段階で犯人を確保していく、逮捕していくという警察が、捜査状況でその資力については非常によく理解をしていると思われるわけでありますが、果たしてこの二十六年の間にたった一件しかなかったということが、本当に実際そうなんだろうか、これは素朴な疑問として起きるわけであります。
 そこで、大臣にお尋ねをしたいんですが、まず、このように資力がないと判断されることについて、これは県警の担当課ということであります。これについて、本当にしっかりと資力があるかなしかの判断というのを、警察庁としてこれを徹底して指示するといったお考えというのはお持ちいただけないでしょうか。いかがでしょうか。
○泉国務大臣 資力の有無についてしっかり実態を調べて求償権の行使を実効あらしめるということは、当然、警察官に与えられた職務であるというふうに考えております。
 したがって、債権額が確定し、加害者に資力が認められるような場合には、当然のこととして求償権の適切な行使をするというのが職務でございますので、加害者の資力の状況については担当する警察官が状況を的確に把握するということを、これまでもそういう対応をしてまいりましたけれども、これからも一層、先ほど来御指摘があります、一件しかないという、その数値からして少し足りなかったのではないかというお気持ちを委員はお持ちであるのかもしれませんが、一層適切に指導してまいりたいと思います。
○馬淵委員 警察の組織としての責務は、当然ながら、犯罪者を確保する、これは一義的にお持ちいただいていると思います。それがゆえに、我々国民が安心して犯罪防止を警察の方々にゆだねている、今、我々の信頼をしっかりと受けとめていただく組織として頑張っていただける、そう思っております。
 一方で、犯人逮捕、犯人確保、そして被害者の給付金の支給というところに踏み込んでいただく中で、やはり私は、これがどうしても後回しになっているのではないかなという気がしてならないんですよ。加害者に一義的責任があって、国が一時的に立てかえとしてのお金を支払うんだということの位置づけであるならば、これは当然ながら加害者に求償を求めていかなければならない。
 求償というと、損害賠償請求権が確定して、その賠償請求権の取得並びに代位行使という民法の規定になりますから、むしろ、求償というよりもこれは回収と申し上げた方がいいのかもしれない。その回収がたった一件、二百二十万円しかなされていないというのは、これはやはり、警察庁の中でもこのことに対する意識が十分ではなかったのではないかという気が私はいたします。
 なぜこのようなことを申し上げるかというと、実は、例えばこれはドイツの場合でございますが、たびたびドイツのお話が出て恐縮ですが、ドイツに関しましては、これも全国犯罪被害者の会のヨーロッパ調査団の調査報告書にございますが、例えばミュンスター市の区の援護庁の回答によれば、求償権の回収率、これは治療費についてだけでありますが、五〇%という数字を報告書では挙げておられます。治療費だけについても、加害者からの求償五〇%。今いただいている百八十二億何がしについて、ではこれは治療費、遺族が何名の死亡補償だとか、そんな細かい数字を私は問うているわけではありませんが、例えば治療費については五〇%の回収がなされているという実績。
 あるいは、同じくこのヨーロッパ調査報告書の中にもありますが、ノルウェーやスウェーデン、これらの国に関しては債務回収が行われており、加害者からの回収率はかなり高いと言われている、こうした報告が上がっているんですね。
 私は、この二十六年の間の六千何がしの支給申請に対して百八十二億も支払ってきた中で、たった一件しかないというのは、やはり警察の中で、犯人確保並びに被害者救済の支給、そこで実は意識としてとまってしまっているんじゃないか、こういう危惧を抱いているわけですよ。本来ならば加害者に一義的責任があり、国がその代位弁済をしたという位置づけであるならば、これは、請求額が確定して行使をするんだという発想よりも、より積極的に回収を図るべきではないんでしょうか。
 大臣、私、今のお話なんかでは、前向きに現場も頑張っているんだという、それはわかりますよ、大臣のお立場でいえばそういう答弁になるでしょう。しかし、これはより一層この問題というのに取り組むということ、その御決意は当委員会で述べていただくことはできないでしょうか。大臣、いかがですか。
○泉国務大臣 求償の件数なり額を上げていくということにつきましては、本当に重要な御指摘だと思います。
 大変申し上げにくいことでございますが、これにかかわる実態等も踏まえまして、体制をどう整えていくか、そういうことも踏まえまして、御指摘の件について取り組ませていただきたいと思います。
○馬淵委員 お手元の資料の二枚目に、対策室の組織図をつけさせていただきました。
 皆さん頑張っておられますよ、大臣。深夜までもおつき合いいただいて、本当に恐縮でした。警察庁の給与厚生課の犯罪被害者対策室の皆さん方、ここにありますように、課長、対策室長、課長補佐、給付第一係から第四係、対策第一係から第五係、これはそれぞれ各一名だそうです。これを見ていただくとわかりますように、求償事務担当というのが四名ですね。
 今、厳しい行革の流れの中で、組織を大きくせいとか人をふやせという話じゃありませんが、もし大臣が本当に今の仕組みを変えていくんだという意思をお持ちいただいているのならば、この一点について、これは人数をふやせというだけではありません、体制強化と、そして各都道府県の公安委員会への、公金から、税金から支払われているものに対しては、一義的に加害者に責任があるんだから、逮捕、確保と同時に、財産の確認というのは真っ先に行えという通達なり出していただくことはできませんか。組織体制に対しては今大臣も前向きに御答弁いただきましたが、いかがでしょうか、大臣。
○泉国務大臣 この点につきましては、先ほど申し上げましたように、陣容を整えるということが一つ大切なことだと思っております。十八年度に組織の定員の増員をお願いして、実現をさせていただきました。大変厳しい状況の中でございますので、今御指摘をいただきましたことを踏まえまして、関係省庁と協議をさせていただきたいと思います。
    〔岡下委員長代理退席、委員長着席〕
○馬淵委員 大臣、非常にやわらかいお言葉をいただいていますが、何度も何度も申し上げますが、累計で六千五十九件の申請があって、裁定は五千六百九十八、支給裁定五千三百八十三件、それに対して支給された総額は百八十二億六百万。これは本来ならば加害者が責任を持つものであり、加害者に求めるものである。しかし、オウム事件のような特殊なものを除いては、たった一件の二百二十万。やはりこれは、警察組織として求償行為に対してはおざなりにしていたとのそしりを私は免れないのではないかと。頑張っていらっしゃるからこそ、しっかりとそこについては取り組みをしていただきたいというふうに思います。
 さて、時間がもう余りなくなってしまいました。残りもう一つをお聞きしたかったんですが、一点だけ、時間内でお聞きをしたいと思います。支援連携でございます。
 今回の改正法案の中では、支援連携について、いわゆる途切れのない被害者の救済ということを今回の法案の中にも盛り込んでいただいておるようであります。被害者が最初に一次接触をするのは警察である。そして警察は、これは前回の一般質疑でも大臣にお示しいただきましたね、被害者の手引等を渡して、被害者の方々にしっかりとこういった制度があることを周知徹底しているんだと。しかしながら、窓口がどうしてもばらばらになるということから、これら各省庁にわたる、住居の問題あるいは教育の問題あるいは福祉の問題等々で、警察だけではとても手に負えないんだということで、いわゆるワンストップサービスの窓口をどこにするのかということは、検討会の中で議論が再三行われてきたというふうに理解をしております。
 そこで、この検討会の議論の中では、ワンストップサービスの窓口というのはどこかが負うのは非常に難しいんだというようなところから、結果的には、ネットワーク、民間支援団体や検察庁や法テラス、弁護士会、あるいは地方公共団体、学校、さまざま、もちろん警察庁も入ります、医療機関や福祉関係も入ります。これらをシームレスにつないで、被害者の方々が一々あちこち窓口で同じ説明を繰り返さないでいいようにということで、連携体制をとるためのハンドブックやモデル案の作成などを行うんだということで今回法案が提出されているというふうに理解をしております。
 私がお聞きしたいのは、まずその中で、そうはいっても一次情報は警察がお持ちになるわけですね。被害者の方々はまず、すがる思いで警察官の方々にお話をされる。それを警察がすべて、一次情報を受けたからといって横断的にできないんだ、これもよく理解をしますが、では、どこがありますかとお尋ねしたところ、これは各地方公共団体のいわゆる知事部局において窓口を設けているというお話でございました。知事部局での窓口の対応ということでありますが、これについて、今現在、四十七都道府県のうち約半数ほどだというお話でありました。
 知事部局が対応の窓口になるというのは、非常にこれは地域に密着した形でありますから、私はこれはよく理解できます。しかしこれも、知事部局の対応については、あくまで警察庁の方からの要請であるというお話でありました。
 大臣、時間がありませんので一点のみお尋ねをしたいんですが、要請では弱いんじゃないでしょうか。それこそ、厚生労働部門における介護の支援の場合は、地域包括センターなども含めて設置を法的に担保して、これは指示を出しているわけです。警察庁としても、被害者の救済のために一義的なワンストップサービスの窓口を設けるという意識をお持ちならば、要請では弱いんじゃないですか。
 大臣、今回の法律改正には入っていませんが、これを地方公共団体、知事部局に対して、要請ではなく法的な拘束力を持ってやらねばならないというお考えはお持ちいただけませんか。いかがでしょうか。
○中野委員長 内閣府荒木室長、なるべく簡単に、わかりやすく。
○荒木政府参考人 私の方からお答え申し上げます。
 委員御指摘のように、被害者の方が必要とされる支援というのは刑事手続だけではございませんで、経済支援、医療、福祉、住宅、雇用等々、多岐にわたっておりまして、地方公共団体に総合的な対応窓口が置かれることは大変重要だと考えております。
 ただ、御指摘のように、今はまだ半分ぐらいということでございまして、内閣府ではこれまでも、担当の課長会議等を開催したり、あるいはメルマガを実は発行しておりまして、他県の状況等をお伝えして、ぜひつくってくださいということで努めてきたところでございます。
 地方交付税措置も今度の予算でとっておりますし、さらに地方公共団体に窓口が設置されるように努めてまいりたいと考えております。
○泉国務大臣 今、内閣府からお答えを申し上げましたように、市町村、保健医療機関、学校、教育機関、さまざまなものが関係してくるわけで、知事部局については、今の仕組みからいきますと、要請という形でなお一層協力をしてもらうように関係部局には働きかけてまいりたいと思います。
○馬淵委員 要請では私は弱いんじゃないか、そういう思いで、法的拘束力を含めた何らかの検討を進めていただけないかということでございましたが、それに対しての明確な御答弁はいただけませんでしたが、引き続き、ワンストップサービス化というのは、これはやはり行政の主導で進めていただきたい。責任を押しつけ合って、いや、うちじゃない、うちじゃないなんということのないようにお願いをしたいということで、私の質疑を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○中野委員長 次に、泉健太君。
○泉委員 民主党の泉健太でございます。
 本日は、犯罪被害者の給付金の支給に関する法律ということでありますけれども、本当に最近また殺人事件が相次いでいるという現状でもありますし、そしてまた我々も、先月議員立法を、これは別個で提出をいたしましたけれども、オウム真理教による犯罪被害の救済に関する法律案というものも提出をさせていただきました。
 この前の三月二十日でたしかもう十三年を迎えるこのオウムの事件も、大変たくさんの被害者の方が出られて、今も苦しんでおられるという現状もございます。そして、このオウム真理教の被害でいえば、残念ながら多くの損害賠償の債権がいまだに残っておりまして、全体で三十八億円を超える損害賠償債権額がありながら、実際に回収できたのは三五%、そして残額は二十五億円ほど、こういったものがまだ残ったままになっているという状況でございます。
 我々は、何とか引き続き被害者の方々の救済を図っていきたいということで議員立法も提出をいたしましたけれども、こういったことについては、今国会中に何とか取り組みを進めて、ぜひ一定の結論を得たいということで、今ちょうど、この内閣委員、与野党を超えて検討を進めている。委員長にも今後の御審議に御協力をいただきたいというふうに思います。
 そして、泉公安委員長、犯罪被害者等施策ということの資料が毎年発行をされております。大変お忙しいと思いますが、この中の「遺族の思い」というところがございまして、これはもう大変大きな報道もなされましたが、本村洋さんという方がコラムを書かれております。被害者として本当につらい思いをされたその方の文章をぜひまた改めてお読みをいただければというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
 そういった中で、これまで我々何人かの仲間から質問もさせていただきました。やはり私が一番先にお伺いをしたいのは、哲学のところであります。
 先ほど来、答弁の中では、加害者がまず一義的責任がある、そして、社会的連帯共助の精神で給付金を支給し被害の軽減を図るというような御答弁であったかと思います。これは私は、従来の犯給法でいけば全くその趣旨のとおりというふうに感じておりますが、恐らく、今回の改正も含めて、流れというのは、ただ給付金の支給ではないですよというような流れになってきているのではないのかなというふうに思います。
 今回、「目的」の中にも、平穏な生活を営むということについて新たに一項目入りました。そういったことからも、私はやはり、この法の精神というものが、ただ給付金を支給するという経済的支援、こういった考え方から、継続的に被害者の方々の生活を支援する、あるいは被害の全般的な軽減を図るということがこの法律の改正であらわされたのではないのかなというふうに思っておりまして、今後もさらにその方向を強めていただきたいというふうに思っておるわけですが、公安委員長の御見解として、今回の改正についてはどのような考え方の変化があったのかということを御説明いただきたいと思います。
○泉国務大臣 先ほど、被害者の方の手記を読むようにという御指示をいただきました。また読ませていただきたいと思います。
 先日も職員からそうしたたぐいのものを見せられまして、何編か拝読をしたところでございます。大変きめ細かな対応をしなければ二次災害を巻き起こすというような事柄等を痛切に感じ、被害者のお気持ちを察するということが大変重要であるということを承知をしたところでございます。
 今回の法改正につきましては、委員もお触れをいただきましたように、法律の名称を変えた、そしてまた目的も書きかえた。それはまさに、ただ給付金を差し上げるということではなくて、被害者に立ち上がっていただく、一日も早くもとの姿に立ち直っていただく、そのことを目的に明記しまして、今回の法律改正をお願いしておるところでございます。
○泉委員 そこは、こういう切り分け方では必ずしもないかもしれませんが、これまでの犯給法というのは、損害を補てんする、肩がわりする、逸失利益を埋め合わせするという側面が、それも私は大変重要なことだと思います、それがやはり大前提かもしれませんが、そういうことが表に掲げられていたのかなというふうに思うわけです。
 しかし、諸外国を見ても、やはりこれからは、直接給付ももちろん大前提としながら、引き続き、被害者の方々の、先ほどの言葉でいけば平穏な生活というものをいかに確保するかというところのきめ細やかな支援、これが大事なのではないかなというふうに思っておりまして、その意味では、補償型からより支援型へというような時代の流れが全体としてはあるというふうに思います。ですので、今後も、そういった支援型の強化というか、支援的側面のさらにきめ細やかな強化をぜひ私は公安委員長にお願いをしたいというふうに思います。
 さらにお伺いしたいんですが、基本法において、国、地方公共団体、そしてまた国民の責務というものが書いてあります。私は、ちょっとそれを見させていただいて、今回の犯給法の改正の中でどのように国と地方公共団体の役割が変わるのかなということをお伺いしたいというふうに思います。
 地方公共団体の方には、地域の状況に応じた取り組みというものが第五条に入っておりまして、その意味で、どの部分が地域の実情に応じた取り組みができるのか、そしてまたどの部分が国で均一なというか同等のサービスを求められるのか、これについてお伺いをしたいと思います。
○泉国務大臣 基本的に、被害者給付金の裁定を行うのは都道府県公安委員会の役割ということにしてありまして、支給を行うのは国である、こういう仕分けをさせていただいておりますが、その上に立って、民間被害者支援団体等が行う犯罪被害者等への援助活動のうち中核を占めるのが、犯罪被害者等に関する相談活動や犯罪被害者等への付き添いあるいは日常生活の支援、いわゆる直接支援活動でございまして、これが一定の水準を維持する必要がある、こういうことから、民間団体の手助けをいただいておるということでございます。
 地域の犯罪被害の発生状況やあるいは犯罪被害者等の方々のニーズを踏まえて、きめ細やかなさまざまな工夫をしていかなければならないということで、地域の方に、都道府県の公安委員会にそういう役割をお願いしておるところでございます。
○泉委員 実は、与党の内閣委員の筆頭であります村田先生も、岡山県の早期援助団体の顧問もされておりまして、大変このことについての造詣が深いということでありますけれども、特に、今お話がありました民間団体、この民間団体につきまして、私は、地域の特性、犯罪の実情、やはりそれぞれ全く違うというふうに思うんですね、地域ごとに。
 今回の法改正の中では、民間団体の全国的な事業水準の向上と均質性の確保を図るべきということが書かれてございます。これは私は両面あるというふうに思っておりまして、もちろん、最低限の、例えば被害者のプライバシーの保護あるいは窓口の開設の時間、そういったものは最低限必要かというふうに思うんですが、やはり個々の被害者に個別にアプローチをしていく、やりとりをしていくという中でいいますと、余り事業の均質性に力を入れることというのが、果たしてどうなんだろうかというふうに思うところもございます。
 そこで、改めてですが、どういうところを均質性を持って、そしてまたどういうところを独自性を持っていただくべく今回法改正に臨んでいるのか、これをお伺いしたいと思います。
○米村政府参考人 お答えをいたします。
 犯罪被害者の方あるいは御遺族の方にいろいろと御支援をしていくということでは、さまざまな団体がございます。今委員のおっしゃいましたように、ケースごとに、そういった団体がある種の独自性といいますか、それを持って、ある意味では特化してということですが、それもまた大変重要なことだろうというふうに思います。
 他方、早期援助団体になりますと、これは、私どもの方が、例えば被害者の方から御了解をいただいて早期援助団体の方に連絡をとって、早い段階で被害者の方あるいは御遺族の方と会っていただいて、その後の支援のありようその他等を相談していくわけでありますが、被害者の方がどういう状況にあるかということによりまして、この点での、何といいますか、最初の接触というんですか、それが間違えますと、二次災害、一層精神的に被害を拡大していくというケースもないわけではないわけでありまして、そういった点については、ある程度のノウハウといいますか、しかるべくしっかりとした知見を持った方に接触をしていただく等々についての、ある意味では均質性は必要かなというふうに考えております。
 委員おっしゃいますとおり、独自性と均質性、これは両方相並んで支援に当たっていく本質的なものだというふうに考えております。
○泉委員 公安委員長、ぜひこれは実態を知っていただきたいんですが、正直申しまして、今、全国で早期援助団体は数々立ち上がっております。そしてまた、その他にも多くの自助グループですとか支援団体がございます。そういった数多くの団体が、民の力で立ち上がってきたところについては、本当に力強く活動されているところが多数ある。しかし、恐らく国の方も、それなりに、こういった早期援助団体については早期に力を入れて形を整えていこうという流れがあったというふうに思います。
 そういう中でいいますと、残念ながら、余り相談件数がない。ボランティアを養成して、数多くその団体ごとにボランティアを持ってはいるんだけれども、私、いっぱい聞いてまいりました、せっかく研修を受けたのに、残念ながら、実際には被害者の方とお話ししたことがないという方々が非常に多いんですね。では、被害者の方々がいないのかということでいえば、間違いなくおられるわけです。被害者がおられなくてそういった相談件数がないというのであれば、これは世の中すばらしいことですが、被害者は大変あるにもかかわらず、相談までまだつながっていないという現状がございます。
 そういう中で、やはりよく陥りやすいのは、年に一回の総会、そして全国研修会、ブロック研修会、そして、その研修会の中で犯罪被害者の方から我々ボランティアがお話をお伺いする研修会、大体こういうもので一年間が終わってしまうなんということが十分予想されるんですね。私は、やはりそれではいけないというふうに思うんです。
 本来、外国では、被害者を支援する団体の中にも多くの被害経験者が、被害者が、当事者がおられる。そしてまた、被害者とその支援者が本当に一体となった関係で、まさに当事者の立場から自然な形でさまざまな方の心理的な救済を行っているというケースがあるんですが、残念ながら日本においては、早期援助団体、全部が全部とは言いません、成功例もございますが、被害者の方々、当事者の方々との垣根がまだ少しあるのではないのかなということを感じます。日常的なやりとりが残念ながら少ないという実情にあるというふうに思います。
 その意味で、全国研修会というのも大変大事なんですが、そうではなくて、被害者の方、そういった方々との日常的な交流を進める中で、地域でのノウハウ、知見をより深めていただきたいということを私はお願いしたいというふうに思います。
 そしてまた、早期援助団体だけではなくて、これはぜひ、さまざまな民間団体がございますので、そういったところも細やかに注視していただいて支援を行っていただきたいということも要望としてお願いいたします。
 きょうはたくさん質問項目があるものですから、ちょっとそのまま次へ進めさせていただきます。
 今の民間団体のことでもう一つ言いますと、殺人の被害に遭われた方が年間で約千三百名ぐらい、そして傷害、重傷者が年間三千名ぐらいということでありますが、実際にこの申請に係る方々というのは約五百名弱でございます。
 このことについて、今、警察、国家公安委員長の方としてはどのような御見解をお持ちなのか。申請数が被害者数に比べて少ないというふうにお思いなのか、いや、これは例えば親族間の殺人も多いし、あるいはさまざまな事情で、大体予想しているとおりの申請数なんだという形なのか。その件についてお伺いしたいと思います。
○米村政府参考人 お答えをいたします。
 犯罪被害者等給付金、中身は遺族給付金あるいは重傷病給付金、また障害給付金でございます。この給付金は、当然のこと、すべての犯罪行為に対して支給されるものではないわけでございまして、いろいろと支給される条件と申しますか、それがあって、対象が限定されてくるというものでございます。
 例えて言いますと、殺人や傷害等、人の生命または身体に対する故意の犯罪行為であるとか、あるいは重傷病といっても、これは加療一カ月以上あるいは入院三日以上を要する負傷または疾病であること。また、障害給付金の障害というのは、これは一応、負傷または疾病が治ったときにおける身体上の障害で一定程度の障害であること。さらには、親族間、あるいは他の公的給付から受給した場合等々に関しまして、一定の帰責事由がある場合も含めて、支給が制限される場合もございます。
 いずれにいたしましても、平成十八年度における殺人、傷害致死等故意の犯罪行為による被害者数というのは千五百二十九人であります。このうち、被害者が死亡したものというのは七百九十六人であります。さらに、このうち加害者との間に不支給事由に該当する親族関係があった犯罪被害者を除いた犯罪被害者数というのは約五五%、約四百五十人ぐらいに推定されるわけでございます。実際に遺族給付金の支給を受けた裁定に係る被害者数というのは二百四十人でありまして、この差に当たる部分につきましても、いわゆるその他の公的給付が支給された、あるいは損害賠償から受けた、あるいは加害者との間に一定の関係がある、親族その他の関係がある等々がございまして、含まれているものと考えております。
 したがいまして、今申し上げたような形からいいますと、支給に対していわゆる事由がある場合には的確に支給をしているのではないかというふうに私どもは考えております。
○泉委員 公安委員長、きょう私が配付をした資料の二に、これは警察庁の方でまとめられた資料あるいは総務省統計局の人口資料によるというものをつけさせていただきましたが、これは十七年までの資料ですが、死亡者では約千三百名、重傷者が約三千名というような形で載っております。
 今、官房長から御説明があったとおり、さまざまな理由で申請に至らないというケースも確かに数は多いわけですが、やはりここで重要なのは、今は被害者の手引というものも渡しているというようなことも白書ですとかには書かれておるわけですが、実際に一線の警察官の方々、あるいは現場で活動している援助団体の方々にお話を聞きますと、現場の一線の警察官の方の中でこの手引をお渡しになられていないケースも残念ながらあるんだというようなことでございます。
 ですので、改めて、こういった対象者の方の中で漏れがないように。しかも、対象者といっても、本人がわからないケースも大変多いですし、なかなか事態の推移を見守らないと対象になるかならないかわからないというケースが大変多うございますので、やはり幅広に、この被害者の手引ですとか、あるいはそれ以上に申請方法、手続をやはり教示していただくということが重要だというふうに思うのですね。
 そういったことにぜひお取り組みをいただきたいというふうに思いますが、いかがお考えでしょうか。
○泉国務大臣 先ほど来、被害者の方がこの救済制度、犯給法の存在を必ずしも十分に御承知いただいていないのではないかという御指摘をいただいております。
 これは、私どもとしては、手引をお渡しするということだけではなくて、警察官の採用試験のとき、そして昇級試験のたびごとにこの制度を説明し徹底をさせておるつもりではございますけれども、制度が生かされない、そして被災を受けられた方が大変お苦しみになるという事態を避けなければなりませんので、今後とも、よく確認をいたしまして、警察庁に対して適切に指導してまいりたいと思います。
○泉委員 先ほどの、基本計画におけるそれぞれの責務のところでも、私は、国民の責務の表現については少し、果たしてどうなのか、これぐらいしか書けないのかなという気がいたしております。といいますのは、国民の責務においては、犯罪被害者の平穏な生活に十分配慮をすること、これが一つございます。そして、国及び地方公共団体の施策に協力をするということが書いてあります。では果たして、国民の責務というのは、国や地方公共団体の行うことに協力をするということだけなんだろうか。
 これは、残念ながら今の基本法の中に明記されていることでございますので、私は、地方公共団体と国の施策への協力ということだけではなくて、やはり民間団体も含めて協力をしていただく、あるいは支援への参画もしていただくというような、趣旨はもうもちろん入っているとは思うのですが、そういったこともぜひつけ加えていただきたい、そういったことも今思っているところでございます。
 少し具体的な中身に入っていきたいと思います。
 大変細かい点でございますので、ぜひお伺いをしたいと思うわけですが、今、多くの被害者の団体が心配をしていることが、今回の改正点でもございます給付金の拡充の問題でございます。従来に比べて自賠責の水準に近づけるということで今回取り組みが進んでおりますが、今回我々がいただいている資料の中で、例えば重度後遺障害者においては、常時介護一級、この場合は、これまでは千八百四十九万円が最高額であった。それが引き上げ後は三千九百七十四万円、ここまで引き上げ後の給付金の額が予想をされておるわけでございます。
 ただ、わからないのは、この引き上げ後の今回予想されている額というものは、果たしてどのように計算をして出されたのか、これがまだちょっとはっきりいたしておりません。これをぜひこの際、御教示いただきたいというふうに思います。
○米村政府参考人 例えば、障害給付金の支給額につきましては、政令で定めるところによって算定いたします給付基礎額、これに政令で定める倍数を乗じて算出をするものでございます。そのことから、給付基礎額の最低額及び倍数を引き上げるということにいたしております。
 具体的に申し上げますと、給付基礎額につきましては、被害時の年齢が三十歳以上の方につきましては、それぞれの各年齢層ごとの従来の給付基礎額の最高額と最低額の平均額を給付基礎額の最低額といたしまして、平均収入が低い被害時年齢が三十歳未満の方につきましては、全年齢の給付基礎額の最高額と最低額の平均額を今申し上げました給付基礎額の最低額とするようにしております。
 倍数につきましては、従来、千三百四十倍でありました。これは障害等級第一級の場合の倍数でございますが、これにつきまして、常時介護を要する場合は二千八百八十倍、それ以外の場合は二千百六十倍。また、障害等級第二級の場合でありますけれども、従来千百九十倍であったものでございますが、随時介護を要する場合には二千百六十倍、それ以外の場合は千八百六十五倍。また、障害等級第三級の場合につきましては、従来千五十倍であったものを千六百倍に引き上げる。その結果、最高額の支給額につきましては、従来の千八百四十九万二千円から三千九百七十四万四千円に引き上げるという予定をいたしております。
○泉委員 大変ありがたいことであると思います。引き続き、この給付額については拡充を図っていただきたいというふうに思うわけです。
 その中で、今私がいただいている資料では、一級から三級まで。もちろん、今回のあり方の検討会の中でもやはり重度の方についての拡充を図っていくということが書かれておりますが、公安委員長、例えば四級というと、どのような方々が四級かというのはなかなか我々もすぐ思い浮かばないわけですが、ちょっと御説明させていただきますと、例えば、両耳の聴力を全く失った場合、これは四級なんですね。三級までいかないわけですね。あるいは、両目の視力が〇・〇六以下、これもまだ四級なんですね。あるいは、両手の手指全部なくなった場合、これもまだ四級なんですね、三級にいかない。
 ちょっとまだ答弁いただいていないのでわからないんですが、四級以下について今回は何か変更点はございますでしょうか。
○米村政府参考人 お答えいたします。
 ただいま御説明されました四級というのは、私どもの方の別表の方にも記載をされておるものでございますが、今回は、いわゆる検討会における最終取りまとめを踏まえまして給付の引き上げを行うということでございまして、四級以下の、重度後遺障害者以外の障害者に対する障害給付金につきましては、最終取りまとめにおいても引き上げの対象とはされていないところでございます。また、ほかの公的給付制度における障害補償に係る給付との均衡から見ても一定の水準に達しているということで、現在、この改正では現行のとおりといたしたところでございます。
○泉委員 この障害者の等級、十四級まであるわけですが、私、改めて見させていただいて実は思ったんです。結局、犯罪被害者の方々というのは、こういった目に見えた障害も大変心に残る、その障害を感じるたびに自分が犯罪を受けたときの被害を思い出すということもあるでしょう。しかし、それとともに、こういった障害に関係なく、心の傷というものもまた別に存在をしているということですね。ですから、犯罪を受けたときのショック、そういったものもやはりずっと心の中に残っていくということを考えると、等級というのは一つの基準でありますけれども、等級だけで被害者というものをはかることはできないなというふうに思うわけです。
 そういった意味では、今回は、あり方検討会の中で三級までということでございましたけれども、四級の方でも、職場復帰できない、こういうケースがございます。重度の障害を負って、四級という中で本当に生活の維持が困難だという方もございます。そういったことも踏まえて、やはり私は今後もこの四級以下について御検討はぜひいただきたいなというふうに思いますが、いかがお考えですか。
○泉国務大臣 御指摘の四級以下につきましては、今後の検討課題にさせていただきたいと存じます。
○泉委員 ありがとうございます。ぜひお願いいたします。
 さらに、これはもう確認でございますけれども、休業補償についてですが、これは、入院、通院の日数のみではなくて、休業の日数全体をとらえてカウントするということでよろしいですね。
○米村政府参考人 御指摘のとおりでございます。
○泉委員 ありがとうございます。
 それでは、さらにもう一つの問題に行きますが、海外勤務の日本人ですとか海外における日本人、海外における邦人犯罪被害者、この方々が今、この犯給法の対象外になってございます。このあり方検討会の中では、やはりそういった方々においても、犯罪被害に遭われたという実情を見て、状況によっては基金の活用も含めて今後検討していくべきだということが書かれていると思います。
 公安委員長にぜひお知りいただきたいのは、現在、邦人で犯罪被害、死亡されているケース、これは年間三十人ほどでございます。二〇〇六年十一人、二〇〇五年二十四人、二〇〇四年十五人、二〇〇三年二十七人、そういった形で、大体十人以上三十人未満ぐらいのことでございますが、実は、邦人犯罪被害者の中でも負傷者については、一九九四年に百二十名だったものが二〇〇四年には三百二十四名、約二・七倍まで上がってきております。そして、それ以降も二百名を超える方々が負傷をされております。
 海外においてさまざまな犯罪に巻き込まれる、こういったケースもございますが、こういった方々を現在もこの犯給法の枠外に置くということの理由を改めて御説明いただきたいと思います。
○泉国務大臣 犯給法の支給に係る裁定に当たりましては、委員御承知のように、犯罪被害の事実や、被害者の被害を受けた理由、帰責事由の有無、そうしたことを適正に認定しなければなりません。したがって、二百人を超えるような負傷者あるいは十人から三十人程度の亡くなられた方におきまして、外国においてこうした事実関係を調査しなければならない、そして、その上に立って認定をしなければならないということになりますと、大変困難な状況が伴うわけであります。
 また、危険地域へみずから渡航して被害に遭われるというケースもあるわけでございまして、こうした場合、どのように取り扱うかということが大きな問題となることから、犯給法の対象には難しいということで、今、外側に置かせていただいているところでございます。
○泉委員 とはいえ、今、恐らく政府間で、例えば捜査における協力関係の強化というものは年々進んでいるわけですね。国際犯罪の取り締まりも含めて、テロの防止も含めて、そういった取り組みが非常に進んでいる。そういう中で、多少所管がまたさまざま分かれるところもあると思いますが、捜査資料ですとか、さまざまな加害者側の資料についても、そろえていける土壌は今後どんどんでき上がってくるというふうに思います。もうボーダーレスの社会ですから、やはりそういった意味でも、現在はこういった状況かもしれませんが、外国における邦人の犯罪被害者、これも大変ふえているということをぜひ今回御認識いただいて、今後検討していただきたいというふうに思います。
 政府の方でも、例えば、日本における留学生ですとか、ビジット・ジャパンの計画がございます。海外においても、やはり観光も含めてさまざまな、そういった自国に他国の方々を引き寄せようという形での政策がまた繰り広げられているわけですね。そういった面で人的交流はより進んでいくわけですので、ぜひこれは今後とも検討していただきたいというふうに思いますが、その御決意をお願いします。
○泉国務大臣 今御指摘の件につきましては、確かに、交流が盛んになるということでございまして、日本人自身が海外に出かけるケースが大変多くなってくる。そういう中で災害に遭われることを考えましたときに、今後の検討課題にさせていただきたいと思います。
○泉委員 それで、今基金の検討ということが言われているわけですが、これは詳しく質問通告しておりませんので答えていただける範囲で結構なんですが、財団法人犯罪被害救援基金が現在ございます。ただ、これは、文部科学省と一体となって学生への奨学金を中心に行っている、あとは広報活動等ということになっております。今後の政府側のイメージとして、さまざまこういった過去の犯罪に遭われた方々、そして外国で遭った日本人の犯罪被害者に対しての扱い、こういったものについての基金の活用が言われているわけですが、現在ある救援基金について、その質的な拡充というか展開を図っていく中で考えておられるのか、また別個の基金ということを考えておられるのか、この点についてお願いします。
○泉国務大臣 犯給法の考え方の中で犯罪被害者へのお手伝いをさせていただいておるわけでありますが、個別の事情に照らして、なかなか手が差し伸べられないと基本法の趣旨を全うできないと思われるような特別の理由がある方に対して、社会の連帯共助の精神から、民間の浄財を財源とする給付を行う基金を創設することが提言されている、さきの検討会でそういうことが提言されていることを承知いたしております。この検討会のまとめを踏まえまして、民間浄財による基金の創設につきましては、基本法を所管する内閣府を初め政府全体として検討がなされていくものと承知をしております。
 警察庁といたしまして、こうした基金が運営されれば犯罪被害者等の支援に資すると考えられるところが大きいわけでありますから、そうした基金が創設された場合には必要な協力を行っていきたいと考えています。
○泉委員 ちょっと今はっきりしない答弁でしたが、現在ある基金を使われるのか、それともまた別個に新たな基金の創設ということが十分視野にあるのか、それをお伺いしたので、改めて御答弁をいただきたいと思いますが、もう時間がございませんので最後にもう一つつけ加えて、今の御答弁も最後にお願いしたいと思います。
 といいますのは、きょうお配りをした資料一、一枚目の紙でございますが、これを一目見ていただいてもわかるとおり、先進主要各国における犯罪被害者に対する補償額の比較でございます。これは全国犯罪被害者の会(あすの会)作成の資料でございます。皆さんももうごらんになられたことがあると思いますが、これを見ると、日本は総支給額が大変少ないということがございます。他国は百億円単位で総支給額があるにもかかわらず、日本は二〇〇五年現在、これはまだもっとふえていますけれども、十一億三千万。これを一人当たりに直しますと八円ということでございます。しかし、各国は、最大のフランスで国民一人当たり六百円の負担までして犯罪被害者の救済に充てているという、この事実をぜひ御認識いただきたいというふうに思います。
 我々、こうして政党活動をする者も、政党助成法において国民一人当たり二百五十円御負担いただいて政党活動をしておりますが、やはりそれぐらいは少なくとも犯罪被害者の方々に対してしっかりと手当てをするのが礼儀だというふうに私は思いますし、それ以上に今後拡充をしていただきたいというふうに思います。
 そして、日本では、先ほど約五百件ほどの申請がございましたが、現在ほとんどが死亡事件の申請でございます。しかし、アメリカにおいては、委員長、ぜひ知っていただきたいんですが、十一万件の申請数がございます。十一万件の申請数の中で、殺人事件は約一一%。これはアメリカの中の申請件数の話ですが、傷害事件が三六・三%、虐待事件が二四・一%、DVが七・三、性犯罪が六・六、その他が一一・六というふうに、日本は今殺人事件が申請のほぼ半分以上を占めているという中でいいますと、アメリカはより幅広く、より末端の被害までしっかりと給付の対象にしているということもこの際ぜひ御認識をいただいて、さらにこの支援制度の拡充を行っていただきたいと思います。
 基金の件だけ御答弁いただいて、私の質問を終わりたいというふうに思います。
○中野委員長 警察庁米村官房長、なるべく簡潔に。
○米村政府参考人 はい、わかりました。
 制度はそれぞれ違っておりまして、公的給付制度それぞれありまして、また犯罪の発生状況が異なるということでありますが、一点だけ申し上げますが、給付一件当たりの平均の支給額につきましては、例えばイギリスは七十三万円、ドイツは六十一万円、アメリカは三十二万円、フランスは二百十二万円ということでございまして、日本は改正前の時点で約二百七十五万円というふうになっております。
 それから、今アメリカの例を御指摘されましたけれども、これもまたほかの公的な制度の絡みでございまして、アメリカの場合には、多くが医療費の負担という観点で、要するに、日本のような保険制度が十分発達しておりませんので、そこでこの種の給付金が活用されているということだろうというふうに私どもは考えております。
○泉国務大臣 基金の創設につきましては、今後の検討課題にさせていただきたいと思います。今のところ、現時点では確定をしていないということでございますので、今後の課題にさせていただきたいと思います。
○泉委員 終わります。
○中野委員長 次に、吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。
 私は、ちょうど二〇〇四年十一月のこの委員会で、犯罪被害者等基本法を全会一致で採択するということになりましたけれども、このときにも、被害者の皆さんの権利を保障するという立場から犯給法の充実が必要だということを求めてまいりました。ですから、今回のこの法改正については、もちろん賛成をするものであります。
 その上に立って幾つかの問題をお伺いしたいと思いますが、最初に、私は、昨年十月二十六日のこの委員会で、鹿児島県志布志と富山県氷見の二つの冤罪事件について、県警本部長は被害者に直接お会いして謝罪したんでしょうなということをお聞きしました。あれからおよそ半年たっているんですが、直接お会いして謝罪をもうされたのかどうか、これは政府参考人に最初に伺っておきます。
○米田政府参考人 富山の事件につきましては、これは無罪であるということが判明した時点で警察本部長が元被告人の方に直接お会いをして謝罪をしております。
 それから、鹿児島の事件につきましては、そういう意味では十月の時点と変化はございません。鹿児島県警としては、元被告人の方々の御納得をいただけるようにいろいろな方策は模索しているようでございますけれども、現在のところ変わっておりません。
○吉井委員 これは今、防衛省にしても厚生労働省にしても、被害者には大臣なりあるいはその幹部の方が、出かけていくことも含めて、直接謝罪をしているわけですね。重大な誤りを犯したときには、企業の社長もやはり出かけていって謝罪するというのは普通なんですよね。
 志布志の事件では全員無罪が確定して、そして、せんだって三月十八日には、福岡地裁でさらに、この踏み字事件を起こした警部補については特別公務員暴行陵虐罪で懲役十カ月の判決が下っているんですね。
 逮捕された十五人の方というのは、亡くなられた方もいらっしゃいますが、家族は本当に苦しんでこられたんですね。取り調べの人権侵害も明らかになっておりますが、入水自殺を図られた方、首つり自殺に追い込まれて間一髪救われた人々、仕事を失ったままの人、息子さんがリストラされ、その後再就職もままならないという人など、深刻な被害が生まれているんですね。
 警察は特別な世界であって、無実の多数の人であっても警察だけは別に謝らなくてもいい、私は、そういう世界じゃないと思うんですね。もともと冤罪という違法捜査で苦しみを与えてきたわけですし、だから、そんな場合でも謝罪しないということを警察として方針にしておられるのかどうか、この点、重ねて政府参考人に先に伺っておきたいと思います。
○米田政府参考人 そのようなことは方針としておりません。
 そして、鹿児島につきましては、県警本部長は今までのところ、県議会や記者会見の場で謝罪をしております。以後、さらに御納得いただけるようにしなければいけないということを思っておりますけれども、現在、国賠訴訟において、その見解は必ずしも一致をしておりません。そういった推移も見ながら、鹿児島県警において適切に対処していくものと考えております。
○吉井委員 この問題は、本題に入りたいのでそう長くやるつもりはないんですけれども、今回の被害者救済法の対象にもちろん想定しているような話じゃないんです。
 しかし、国家公安委員長は国会でも謝罪されたんですよね。昨年の委員会で真相究明と可視化について私は求めまして、当然、現場の責任者が被害者と家族に謝罪するもの、大臣まで国会で謝ったんですから、私はそう思っておったんです。冤罪とか特別公務員暴行陵虐罪というのは、やはり犯罪というべきものになってくるんですね。だから、この法には想定していないんですけれども、まず謝罪するのが私は人の道だと思うんです。この点について、大臣にお考えを伺っておきたいと思います。
○泉国務大臣 御指摘の謝罪につきましては、具体的に捜査に関してどのような謝罪を行うべきか、こうした事柄については捜査を行っておる都道府県警察において基本的には判断すべきものだというふうに考えております。
 先ほど局長からお答えを申し上げましたように、県議会あるいは記者会見の場で既に謝罪を表明したということを承知いたしております。しかし、私といたしましては、志布志事件の捜査については反省すべき点がたくさんあると考えているところでございまして、元被告人の方々に対しましておわびを申し上げなければならないと考えております。
○吉井委員 私は、その方たちに賠償をどうするこうするの話とは全く別に、自殺未遂に追い込まれるところまで多くの方たちを追い込んだ、しかも狭い地域社会の中で大変なことなんですから、やはり今の公安委員長のお考えというものが鹿児島県警本部にもきちんと徹底されるように、これは警察庁の方に求めておきたいと思います。
 法案の方について、「目的」に犯罪被害等を受けた者の権利利益の保護を明記して、そして、犯罪被害者の要望に基づいて支援措置などを拡充するというものになっていると思います。一歩前進だと思いますが、現行の裁定申請を規定した第十条を改正して、申請期間の特例が設けられるわけです。現行法では、死亡など被害の発生を知った日から二年、または死亡などの被害発生から七年としているわけですが、今の第十条の規定によって、二〇〇七年と二〇〇六年に、申請期間が経過しているからだめだといって申請できなかったケースは何件あるのかを参考人の方に伺っておきます。
○米村政府参考人 お答えいたします。
 申請期間が経過し不支給裁定となったものは、平成十八年が一件、平成十九年が四件でございます。
○吉井委員 なぜだめだったのか。これは、死亡診断書等被害者の死亡を証明する資料が存在しなかったため、第一審判決が出るまで待つほかなかったとか、犯罪被害給付制度の教示を受けていなかったことから、被害者の方は知らなかったということですね。
 それから、この制度の説明のパンフレットを警察の担当者から渡しはしたが、読みなさいといって詳しい説明はなかったということで、よく本人は理解できていなかったとか、加害者に監禁されるなどしていたことで、被害者が殺人行為により死亡した事実が明らかになるには、死亡診断書等被害者の死亡を証明する資料が存在しなかったため、第一審判決を待つまでほかなかったということ。さらに、その上、被害者給付制度の教示を受けていなかったということで、今までも、制度があっても実は救済されていない、こういうことがあったわけであります。
 死亡して七年を経過して、その死亡が犯罪によるものと判明したケース、また、加害者に拘束されて、拘束中に殺害されていたんだけれども、その死亡など被害を知った日から二年の間に申請できないケースというのはいろいろなケースがあって、これまで申請が拒まれたわけですね。
 現行十条は、申請期間について、北九州の事件のように、犯罪行為によって死亡など被害を知った日から二年と定めていていろいろ問題があったわけですが、さらに、拘束されていてこの二年という期間が過ぎた場合は申請できないという問題などもあったわけですけれども、この二年で十分なのかどうか、これは政府参考人の方に伺っておきます。
○米村政府参考人 お答えをいたします。
 一定の除斥期間の定めがありまして、二年が果たしてどうかということでございますが、知ったときからということにつきましては、どうしてもやむを得ずというケースがあるんじゃないかということでございます。
 したがいまして、今回はそういうケースも含めて、さらに除斥期間の特例として、六カ月間は申請ができるように特例措置を設けているということでありまして、その際やはり大事なことは、せっかく特例措置を設けても、被害者の方あるいは関係する方が知っていただかなきゃ意味がないということでございますので、その点も含めて、私どもの方はしっかり対応していきたいというふうに考えております。
○吉井委員 あわせてもう一つ、水没死体発見のように、死亡後七年経過していて、その死亡が犯罪によるものであったという場合ですね。現行十条では申請できないことになりますが、改正後にはこの場合は申請が可能となると見ていいわけですね。確認しておきます。
○米村政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の事例でありますけれども、遺体が発見された、しかし、自殺なのか事故死なのか、あるいは殺人事件なのかわからない、しかし、その後大分たってから、ほかの犯罪者が実はあれは殺人だというふうに自供したというか、そういうケースもあり得るだろうと思います。その際、もう七年たっているということになりまして、これまでは申請ができなかったということがございますが、これからは、申請のできないやむを得ない事由ということがこれに該当するのではないかというふうに思います。したがって、六カ月の間に申請ができる、また、申請ができるように私どもの方もきちっと被害者の方に連絡をとっていくことが必要だろうというふうに考えております。
○吉井委員 この十条は、申請期間を遺族の方が犯罪発生を知った日から二年としていて、二年間でも十分ではなかった例が実際にはあるわけですけれども、しかし、拘束されていたとかいろいろな事情があって申請できなかった、こういうときには、その拘束が解けた、拘束の理由がなくなったとかそういう場合には、その日から六カ月ということでさらに広がるわけですが、先ほどの申請期間が経過してだめだという一、二、三の例など、こういうものを含めて、せっかく法改正しても、すき間に落ち込むというのは当然あり得るわけなんですね。
 そこで、公安委員長にお答えいただきたいんです。やはり広く救済する、これが一番の法の目的ですから、そういうときには、どうしても十分うまくいかないところについては弾力的運用によって救済されるよう図るようにするのか、あるいは、弾力的運用といったって限界がありますから、その場合には、今後の経過を見て、当然、法の充実に努力をしていくということが必要だろうと思うんですが、この点についての大臣のお考えを伺っておきます。
○泉国務大臣 いわゆるやむを得ない理由に当たるかどうかの判断につきまして、個別の事案によっていろいろなケースがあると思います。
 ただ、この法律の本来の目的、被害者を救済し支援していく、本来の姿に戻っていただくというその原点に立って、これからの判断を、先ほど申し上げました、真にやむを得ない事柄であるかどうかというのを判断させていただきたい。原点に立って判断をすることが重要だと私は思います。
○吉井委員 実際に、犯罪の形がさまざまですから、被害の形もさまざまになるんですね。ですから、七年、二年とか六カ月だけでは、簡単にそれで割り切れないというものはやはりあるわけで、要は、この法の目的は広く救済するということですから、そういう立場に立って臨んでいくことが大事だというふうに思います。
 この点では、犯罪被害から何年経過していようが、犯罪被害者や遺族から見れば、その犯罪を知った日とか、あるいは、拘束が解けて申請できることを教えてもらって、知って判断できるようになった日からが本来、出発だと思うんですね。ですから、そういう点で、被害者救済という法の目的がよく生かされるよう、一層の改善やあるいは弾力的な運用というものが大事になってまいりますから、そのことを考えてもらいたいと思うんです。
 あわせて、過去の被害についての問題です。申請期間の問題について、法律を遡及適用させるということもやはり大事なことだと思うんです。
 犯罪被害者支援都民センターの大久保恵美子理事・事務局長は、過去の犯罪により現在も後遺症が残っている人に対しては国は現実を直視して法律を遡及させて救済していただきたいということを言っておられますし、先ほどドイツの例がありましたけれども、ドイツでは遡及効が認められており、一九七六年制定の犯罪被害者補償法は一九四九年五月二十三日以降の犯罪にもさかのぼって適用されるというふうになっていることなどを紹介して、過去の被害の救済についても訴えておられます。
 私は、やはりこうした要求にこたえて、過去の被害者の遡及適用についても、被害者を広く救済するという立場からうんとよく研究し、そしてその充実を図るために努力をしていくということが大事かと思いますが、この点は国家公安委員長に伺います。
○泉国務大臣 遡及の問題につきましては、この法案の検討会の最終取りまとめにおきましても、「新たな法制度を遡及適用することはしないものとする。」こういうことをちょうだいしておるわけでありまして、やむを得ない理由から遡及をさせるということにつきましてはいろいろな問題がございますので、今法律の中で遡及を考えるということは私どもは想定をいたしておりません。
○吉井委員 だから、今回の法律では出ていないのはよくわかっているんです。今後の課題としてこういうこともよく研究することはやはり大事じゃないか。
 それは、犯罪というのは本当にいろいろなものがありますから、今回における遡及適用の問題も含めて、先ほども出ておりましたオウム真理教による被害者の方の問題、それから、大和都市管財の事件など、あれは何か経済犯だけに見えますけれども、しかし、この間、超党派の議員で集まりがあったときに伺ったんですが、近畿財務局がお墨つきを与えたことによって抵当証券を信頼してたくさんの被害者が出た、その被害者の中には、自殺されるところまでいって、慌てて夫が飛びついて助けたという方とか、心身症など非常に重大な被害というものが続いているんですね。
 ですから、いろいろな被害者の立場に立った、それぞれに応じた法律の一層の充実や検討というもの、そしてその中には、遡及適用の問題も含めて、どうして被害者の方の救済に広く当たっていくかについての検討、努力というものはこれからも引き続いて行われるべきものだと思います。
 この点について、最後に公安委員長のお考えを伺っておきたいと思います。
○泉国務大臣 仮に遡及適用するということを考えました場合にも、いつの時点までさかのぼるか、あるいはまた、公正公平に合理的な基準を設けるということができるか、大変幾つも大きな問題を抱えておるわけでありまして、この遡及というよりも、場合によっては基金を活用するというような方策も考えてみる必要はあるかと思います。
○吉井委員 考える必要はあるということですから、今後、必要に応じて、必要だということで検討されていくというふうに受けとめておいて終わりたいと思うんですが、そういう受けとめでいいですね。そこだけ聞いて、終わります。
○泉国務大臣 大変恐縮でございますが、遡及を考えることは大変難しいということは委員もおわかりいただけると思います。別途の手段が考えられないかということについては、御指摘をいただきましたので、考えさせていただきます。
○吉井委員 終わります。
○中野委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○中野委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○中野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○中野委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、櫻田義孝君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び日本共産党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。泉健太君。
○泉委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明いたします。
 その趣旨は案文に尽きておりますので、案文を朗読いたします。
    犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の事項について十分配慮すべきである。
 一 政府は、今回の法改正を含め、犯罪被害者等のための施策及び犯罪被害給付制度の全般について、国民に対し広報啓発活動を積極的に行い、周知徹底を図ること。
 二 近年の相談件数の増加、また給付金申請件数の動向などに鑑み、犯罪被害者等の対応に携わる各種機関は特に犯罪被害者等に対し、その有する権利や手続について十分な教示を行うこと。
 三 政府は、犯罪被害者への経済的支援等のさらなる充実を図るとともに、犯罪被害者等基本計画に掲げられた施策の着実な実施に努めること。
 四 この法律の対象になっていない過失による犯罪被害、外国における邦人の犯罪被害及び過去の犯罪被害の救済等を引き続き注視し、民間基金の活用等これらの犯罪被害者等への全般的な支援に努めること。
 五 犯罪被害者等給付金支給について、犯罪被害等の早期軽減に資するため、裁定の迅速化、早期支給に努めるとともに、その支給水準については、諸外国の動向も参考にしつつ、引き続き見直しを検討していくこと。
 六 政府は、民間団体に対する財政的援助を含めた支援の充実に努めるとともに、関係行政機関、民間団体等による犯罪被害者等に対する総合的な支援体制の確立を推進すること。
 七 我が国において未曾有の惨禍をもたらしたオウム真理教の犯罪による多数の被害者等に対する適切な支援策を検討すること。
以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○中野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○中野委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。泉国家公安委員会委員長。
○泉国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重して努力してまいる所存でございます。
    ―――――――――――――
○中野委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○中野委員長 次に、内閣提出、地域再生法の一部を改正する法律案及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 順次趣旨の説明を聴取いたします。増田国務大臣。
    ―――――――――――――
 地域再生法の一部を改正する法律案
 構造改革特別区域法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○増田国務大臣 このたび、政府から提出いたしました地域再生法の一部を改正する法律案及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案の二法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 初めに、地域再生法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 地域再生は、地域の知恵を生かした自主的・自立的な取り組みを国が支援することにより、我が国の活力の源泉である地域の活力を再生しようとするものであります。地域再生法の施行後三年にわたり、九百六十三件の地域再生計画が認定され、全国各地で創意工夫にあふれるさまざまな取り組みが行われてまいりました。
 今般、地域経済の活性化、地域における雇用機会の創出その他の地域の活力の再生を推進するため、地域再生に資する事業を行おうとする者等が、地方公共団体に対して地域再生計画を作成すること及び地域再生協議会を組織することを求めることができることとするほか、地域再生に資する事業に対して貸し付けを行う金融機関に対する地域再生支援利子補給金の支給について定めること等を通じ、地域再生をさらに推進するため、この法律案を提出する次第であります。
 次に、この法律案の概要を申し上げますと、
 第一に、地域再生に資する事業を行おうとする者等が、地方公共団体に対して、地域再生計画を作成することを提案できるものとするとともに、地域再生協議会を組織することを要請することや自己を地域再生協議会の構成員として加えるよう申し出ることができるものとしております。
 第二に、地方公共団体が地域再生計画を作成し、地域再生法に基づく内閣総理大臣の認定を受けた場合において、当該計画に基づき地域における雇用機会の創出その他地域再生に資する事業を実施する事業者等に対する貸し付けを行う金融機関で内閣総理大臣の指定を受けたものに対し、地域再生支援利子補給金を支給することができるものとしております。
 第三に、公益法人制度改革に係る寄附金税制との整合性を図るため、特定地域雇用等促進法人に対する寄附等に係る課税の特例についての規定を削除するとともに、必要な経過規定を置くものとしております。
 次に、構造改革特別区域法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 構造改革特区は、地方や民間が自発的に構想を立案し、それぞれの地域の特性に応じた規制の特例を導入することにより、構造改革をさらに加速させるための突破口となるものであり、同時に、地域の活性化の手段となるものです。これまで、構造改革特別区域推進本部においては、全国から提案募集を行い、規制の特例措置を決定してまいりました。
 今般、これまでの提案募集を踏まえ、酒税法の特例を構造改革特別区域法に追加すること等を通じ、経済社会の構造改革を推進するとともに地域の活性化を図るため、この法律案を提出する次第であります。
 この法律案の概要を申し上げますと、
 第一に、酒税法の特例として、内閣総理大臣の認定を受けた構造改革特区において農林漁業体験民宿業等を営む農業者が、みずから生産した果実を原料とした果実酒を製造するため、果実酒の製造免許を申請した場合には、当該製造免許に係る最低製造数量基準を適用しないことその他所要の規定を整備しております。
 第二に、同じく酒税法の特例として、内閣総理大臣の認定を受けた構造改革特区において地方公共団体の長が地域の特産物として指定した農産物を原料とした果実酒またはリキュールを製造しようとする者が、果実酒またはリキュールの製造免許を申請した場合には、当該製造免許に係る最低製造数量基準を引き下げることとしております。
 以上が、地域再生法の一部を改正する法律案及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。
○中野委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十九分散会