第169回国会 財務金融委員会 第21号
平成二十年六月三日(火曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 原田 義昭君
   理事 大野 功統君 理事 奥野 信亮君
   理事 後藤田正純君 理事 田中 和徳君
   理事 野田 聖子君 理事 松野 頼久君
      石原 宏高君    猪口 邦子君
      小川 友一君    越智 隆雄君
      木原  稔君    鈴木 馨祐君
      関  芳弘君    谷本 龍哉君
      とかしきなおみ君    土井 真樹君
      中根 一幸君    萩山 教嚴君
      林田  彪君    原田 憲治君
      広津 素子君    松本 洋平君
      宮下 一郎君    盛山 正仁君
      山本 有二君    池田 元久君
      小沢 鋭仁君    大畠 章宏君
      階   猛君    下条 みつ君
      鈴木 克昌君    古本伸一郎君
      前田 雄吉君    松木 謙公君
      谷口 和史君    佐々木憲昭君
      野呂田芳成君    中村喜四郎君
    …………………………………
   国務大臣
   (金融担当)       渡辺 喜美君
   内閣府副大臣       山本 明彦君
   内閣府大臣政務官    戸井田とおる君
   財務大臣政務官      宮下 一郎君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    西原 政雄君
   参考人
   (預金保険機構理事長)  永田 俊一君
   財務金融委員会専門員   首藤 忠則君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月三日
 辞任         補欠選任
  佐藤ゆかり君     猪口 邦子君
  笹木 竜三君     前田 雄吉君
  鈴木 克昌君     松木 謙公君
  大口 善徳君     谷口 和史君
同日
 辞任         補欠選任
  猪口 邦子君     佐藤ゆかり君
  前田 雄吉君     笹木 竜三君
  松木 謙公君     鈴木 克昌君
  谷口 和史君     大口 善徳君
    ―――――――――――――
五月二十七日
 消費税率の引き上げ・大衆増税反対に関する請願(園田康博君紹介)(第三二三〇号)
 同(園田康博君紹介)(第三二五六号)
 保険業法の適用除外に関する請願(中川正春君紹介)(第三二五五号)
 同(市村浩一郎君紹介)(第三二八七号)
 同(吉井英勝君紹介)(第三三二四号)
 保険業法の見直しを求めることに関する請願(加藤公一君紹介)(第三二八八号)
 大増税に反対することに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三三二二号)
 消費税大増税の反対に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第三三二三号)
 庶民増税反対に関する請願(石井郁子君紹介)(第三三二五号)
 格差社会を是正し、命と暮らしを守るために庶民増税の中止を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第三三二六号)
六月三日
 消費税率の引き上げ・大衆増税反対に関する請願(松本龍君紹介)(第三三七五号)
 同(穀田恵二君紹介)(第三五四一号)
 同(福田昭夫君紹介)(第三五四二号)
 消費税大増税の反対に関する請願(階猛君紹介)(第三四〇九号)
 保険業法の適用除外に関する請願(松本剛明君紹介)(第三四二七号)
 同(馬淵澄夫君紹介)(第三四九四号)
 計理士の公認会計士試験免除に関する請願(松島みどり君紹介)(第三五四三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 金融に関する件(破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告)
     ――――◇―――――
○原田委員長 これより会議を開きます。
 金融に関する件について調査を進めます。
 去る平成十九年十二月十一日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づき、国会に提出されました破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告につきまして、概要の説明を求めます。金融担当大臣渡辺喜美君。
○渡辺国務大臣 昨年十二月十一日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、平成十九年四月一日以降九月三十日までを報告対象期間として、その間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。
 本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。
 初めに、特別危機管理銀行である足利銀行について申し上げます。
 足利銀行については、平成十五年十一月二十九日に特別危機管理開始決定がなされて以来、預金保険法に基づき所要の措置が講じられてきたところであります。
 今回の報告対象期間中には、平成十九年三月期における経営に関する計画の履行状況の報告が同行より提出されております。
 また、特別危機管理終了に向けた取り組みについては、受け皿候補から提出された事業計画書の審査を行い、昨年九月二十一日に当該審査を通過した者に対して譲り受け条件等の提出を要請いたしました。
 なお、報告対象期間外のことですが、提出された譲り受け条件等の審査を行った結果、本年三月十四日に野村フィナンシャル・パートナーズ及びネクスト・キャピタル・パートナーズを中心に構成される企業連合を受け皿として選定し、本年四月十一日には、足利銀行の株式の譲渡に係る株式売買契約が締結されたことを付言いたします。
 次に、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容について申し上げます。
 金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は、今回の報告対象期間中には行われておりません。
 続いて、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び政府保証つき借り入れ等の残高について申し上げます。
 破綻金融機関の救済金融機関への事業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十八兆六千百十四億円となっております。
 また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産の買い取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆四千五百十三億円となっております。
 これらの資金援助等に係る政府保証つき借り入れ等の残高は、昨年九月三十日現在、一般勘定等の各勘定合計で七兆九千六百五十億円となっております。
 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講ずることに努めてきたところであります。金融庁といたしましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて万全を期してまいる所存でございます。
 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○原田委員長 これにて概要の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○原田委員長 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として預金保険機構理事長永田俊一君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として金融庁監督局長西原政雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○原田委員長 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。越智隆雄君。
○越智委員 おはようございます。自由民主党の越智隆雄でございます。
 今御説明のございましたいわゆるFRC報告につきまして、きょうは質問をさせていただきます。
 このいわゆるFRC報告も、今回の報告で第十七回を数えることになりますけれども、平成十一年六月の第一回報告からこれまでの間、長銀や日債銀を初め、多くの金融機関の破綻処理について報告がなされてきているというふうに思います。
 バブル崩壊後の日本経済の混乱の中で、金融機関の破綻というのは九七年から五年間に集中的に発生をいたしましたけれども、前後を合わせますと百八十に及ぶ金融機関が破綻をして処理されてまいりました。その中で、現在、破綻処理が残っているのは一時国有化された足利銀行のみでありまして、今回の報告もそれが中心となっております。足利銀行についても、本年七月一日をめどに、株式譲渡により一時国有化が終了するというふうに聞いておるところでございます。
 そこで、本日はまず、この一時国有化の足利銀行問題の総括として、同行のこれまでの取り組みや受け皿の選定などについて幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず一つ目の質問は、きょう、大臣がこの後、参議院の内閣委員会にいらっしゃるということで、大臣に総括的な質問をさせていただきたいというふうに思いますが、足利銀行については、預金保険法第百二条に基づいて、金融危機対応会議を経て特別危機管理銀行として一時国有化の措置が講じられたわけでありますけれども、その後四年半にわたって、新しい経営陣のもとで行員の皆さんが一丸となって、地域の金融機関として再生すべく、課題に取り組んできたというふうに考えております。
 そこで、大臣に、これまでの四年半の取り組みについて、具体的にどんな成果があったのか、そしてそれについてどのような評価をされているのか、御意見をいただきたいというふうに思います。
○渡辺国務大臣 足利銀行の処理につきましては、預金保険法百二条のいわゆる三号措置が適用されたわけでございます。三号措置適用行としては本邦初でございまして、まさにこれが成功するかどうか、一号措置、二号措置、三号措置に係る危機管理のイシューとして、その成否が問われたわけでございます。
 御指摘のように、平成十五年の十一月に破綻をし、新経営陣のもとで、十六年度から十八年度までの三カ年を対象とする経営に関する計画を策定いたしました。この計画に沿って、抜本的な経営の改革の推進、中小企業等の再生に向けた取り組みなどの施策を進めてきたわけであります。本計画の対象期間は十八年度で終了いたしました。足利銀行においては、十九年度においても引き続き、収益基盤の再構築、徹底した資産健全化等に向けた各種施策に取り組んでまいりました。
 その結果、平成十六年三月末に六千七百九十億円あった債務超過額が、本年三月末には二千六百三十七億円まで大幅に減少いたしました。また、不良債権比率についても、十六年三月末の二〇・六二%から、本年三月末には四・四九%まで低下をいたしております。こういった計数面でもおおむね目標を上回る実績を上げてきております。着実にその成果があらわれているものと評価をしているところであります。
 足利銀行については、本年七月一日をめどに、足利ホールディングスへの株式譲渡が行われ、通常の地域銀行としてスタートすることになります。金融庁としては、株式譲渡後においても、足利ホールディングスにおいて策定された事業計画の実施状況等について適切にフォローアップをしてまいりたいと考えております。
○越智委員 大臣、ありがとうございました。
 それでは次に、足利銀行の銀行自身の再生と地域の取引先の企業の再生、この関連について聞いていきたいというふうに思います。
 足利銀行は、今大臣も御説明がございましたが、新経営陣のもとで経営改革がかなり大胆に行われてきたというふうに思います。ただ、その一方で、足利銀行というのは、破綻時には栃木県において五〇%を超える貸し出しのシェアを持っておりまして、多数の取引先においても足利銀行の破綻というのは大変大きなショックであったというふうに思います。そんな中で、足利銀行においては、国有化のもとでも地域金融機関としての役割をしっかり果たすんだということで、中小企業金融の円滑化をしっかり進めていくということに取り組んでいた、そういう中で取引先の企業再生にも積極的に取り組んでいたというふうに聞いております。
 ただ、みずからの銀行の再生と取引先の企業の再生、この両立というのはなかなか難しいものでありますけれども、具体的に企業再生についてどのように取り組んできたのか、御説明をいただけたらありがたいと思います。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。
 この足利銀行でございますが、先ほど大臣からもお話がありましたように、この間、徹底した資産の健全化に向けた取り組みを進めてきた、それで不良債権比率も格段に落ちてきた、こういうことでございますが、その過程において、中小企業等の再生、これに積極的に取り組んできたということが挙げられようかと思います。それに際しましては、一つは産業再生機構、それからもう一つは整理回収機構、そして中小企業再生支援協議会、こういった外部の機関を積極的に活用していったというのが実情でございます。
 具体的には、これまでの間、国有化後ですが、ことしの三月末までの間の処理件数を見てまいりますと、産業再生機構を活用したものが十三件、それから整理回収機構を活用したものが二十件、中小企業再生支援協議会を活用したものが百三件ということで、合計で百四十一件の取り組みの実績がございます。
 そのような形で中小企業再生に向けて取り組んできた、こういうことでございます。
○越智委員 ありがとうございました。そういう意味で、大臣も先ほど、足利銀行の破綻処理というのは三号措置の取り組みとして一つのモデルになれるかどうかという挑戦だったという話をされていましたけれども、今の当局からのお話を伺うと、地域の企業再生にもうまく役立てながらこの銀行の再生に取り組んできた、そういうふうに理解をさせていただくところでございます。
 次に、納税者負担について確認をしたいと思います。
 先ほど、足利銀行の債務超過額が破綻直後の六千七百億円から二千六百億円ぐらいまで減ってきたという話がございました。一時国有化の終了に当たっては、過去の金融機関の破綻処理の場合と同様に、預金保険機構から債務超過を穴埋めするための金銭贈与が実施されることになっているというふうに考えておりますけれども、五月の下旬には、足利銀行が預金保険機構に対して資金援助の申し込みを行ったというふうに聞いております。
 過去の金融機関の破綻処理に当たっては、預金の保護を図るために多額の税金が投入されてきたわけでありますけれども、今回の足利銀行についても、国民の関心の一つは、金銭贈与が実施されるに際して納税者負担が発生するのかどうかということだと思います。
 ここで確認をしたいんですが、足利銀行の一時国有化の終了に当たって預金保険機構による金銭贈与が実際に行われるという中で、納税者負担は発生するのかどうか、確認させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。
 足利銀行でございますが、預金保険法上の特別危機管理銀行という位置づけになるわけです。最終的には、今御指摘のございました債務超過、これを金銭贈与という形で穴埋めしていく、こういうことになるわけですが、その際に、ペイオフコスト、それの内か外かということが大きく影響してまいります。
 このペイオフコストといいますのは、金融機関の破綻時に仮に保険金を支払うとした場合に要する費用ということでございますが、すなわち一千万円までを保護するに必要な費用、こういうことでございます。それにおさまるかどうかということが大きく影響してくるわけですが、この金銭贈与の額あるいはペイオフコスト等の金額、これにつきましては、今御指摘の預金保険機構の運営委員会、こちらの方で最終的には決まってくるということでございますので、現在のところで確定的なことを申し上げるわけにはいかないわけですが、しかしながら、債務超過額というのが大幅に減少してきているということを踏まえますと、納税者負担ということは発生しないで済むのかなというふうに思っております。
○越智委員 ありがとうございました。
 それでは、一歩進めて、足利銀行の受け皿の選定について幾つか聞いてまいりたいと思います。
 金融庁は、ことしの三月に、野村フィナンシャル・パートナーズ及びネクスト・キャピタル・パートナーズを中心に構成される企業連合を受け皿として選定したということでありますけれども、金融庁は平成十八年九月に受け皿について具体的な検討を始めて、その後、約一年半かけて選定作業を行ってきたんだというふうに思います。
 この一年半どのように受け皿選定作業を進めてきたのか、また最終的に野村ネクストグループを選定した理由について御説明いただきたいと思います。
○山本副大臣 選定作業についてということでありますけれども、三つの基本的な審査基準がございます。一つは金融機関としての持続可能性でありまして、二つ目は地域における金融仲介機能の発揮、三つ目が公的負担の極小化、この三つの審査基準にはかりまして作業を進めてきたところであります。
 当初は応募が八者でございました。最初の審査で七者になりまして、さらに、第二段階の審査により二者に絞り込まれました。第二段階の審査におきましては、基本的な審査基準のうち、特に金融機関としての持続可能性と地域における金融仲介機能の発揮、この二点に重点を置いて審査を行ってまいりました。
 第三段階の審査におきましては、もう一つの公的負担の極小化という観点も含めて審査を行ってまいりました。その際、公的負担の極小化の観点からは、各受け皿候補から出されました株式譲り受け金額や受け皿決定後に締結される株式売買契約に定められる契約条件等について審査を行ってきたところであります。
 その結果、受け皿としての適格性や譲り受けの条件において最もすぐれておりました野村フィナンシャル・パートナーズ及びネクスト・キャピタル・パートナーズを中心に構成される企業連合、野村ネクストグループを最終的に選定したところであります。
○越智委員 副大臣、ありがとうございました。御説明はよくわかりました。
 ただ、これからどうなっていくかというところをちょっと深掘りして聞いていきたいと思うんですが、受け皿移行後の足利銀行がどうなるかということであります。
 今御説明いただきましたとおり、金融機関の持続性ということと、あと地域における金融仲介機能の発揮という観点に重点を置いて審査を行ったということでありましたけれども、まず、野村ネクストグループが策定した事業計画書に盛り込まれている受け皿としての基本的な考え方ということはどうなっているのか。
 また、それとあわせて、野村グループというのは証券会社系の受け皿ということなんでありますけれども、そういう中で、今まで足利銀行が地域密着型でビジネスを行ってきた、そしてまた、この四年半にわたっても、その地域密着型をある意味ではしっかり維持しながら強化してきたという流れがあったわけなんでありますけれども、証券会社系の受け皿が経営方針を大きく変えずに、これからもしっかり地域密着型のビジネスモデルでやっていけるのかどうかという点も含めて、野村ネクストグループの事業計画の基本的な考え方というところを確認させていただきたいと思います。
○山本副大臣 越智委員の御心配は、今までどおり地域密着型でやっていけるのかどうか、証券会社の関係になって方針が変わるのではないか、そういう御心配だというふうに思いますけれども、基本方針、基本的な考え方といたしましては、足利銀行の経営陣に対する評価というのは大変高い評価を野村グループはしておるところでありまして、当グループの考える足利銀行の目指すべき姿と、これまでの同行の経営の方向性は合致するとしております。
 さらにその上で、足利銀行の現経営陣による経営を承継しつつ、資本や機能の提供あるいは株主としてのガバナンスといった観点から、同行のさらなる成長及び経営基盤の拡大を支えていくことが株主として果たすべき役割であるというふうに基本方針はしております。こうした基本的な認識のもとで、金融の円滑化を通じた地域産業連関のハブを提供できる金融機関を目指すこととしておりまして、そのために、地域密着型ビジネスモデルの堅持、発展と事業継続可能性の確保を重視した経営を行うというふうにしております。
 足利銀行の経営トップに、中小企業金融の分野におきまして大変豊富な経験を有しております、北関東地域の経済情勢に大変明るい藤沢智さんをトップとして起用するとともに、足利銀行の現在の常勤の経営陣については、池田頭取は勇退されるということでありますが、そのほかの経営陣は引き続き継続をするというふうに考えておるというふうに聞いております。現在の足利銀行のビジネスモデルを踏まえまして、さらなる強化発展に向けまして、リレバンの推進や事業再生への取り組み強化を積極的に図るというふうにしております。
 栃木県を中心とする地域におきまして、金融仲介機能を持続可能な形で発揮していくことを目指しているものと承知をしておりますので、御心配には及ばないというふうに考えております。
○越智委員 ありがとうございました。今、明確に御説明いただけたというふうに思います。
 ただ、ここでもうちょっとだけ深掘りをさせていただきたいところがございます。具体的な業務推進方法について一応確認をしたいと思います。
 今も副大臣からリレーションシップバンキング、リレバンのお話がございましたけれども、受け皿となった野村ネクストグループのもとで足利銀行は地域密着型金融に具体的にどうやって取り組んでいくのか、推進していくのか、この辺について御所見をいただけたらありがたいと思います。よろしくお願いします。
    〔委員長退席、奥野委員長代理着席〕
○西原政府参考人 お答え申し上げます。
 野村ネクストグループでございますが、足利銀行をどのような形で地域密着型金融を推進していくのかというお尋ねでございます。
 事業計画を見てまいりますと、この地域密着型金融を推進するために何が重要かというポイントにつきましては、事業再生、中小企業金融の円滑化、これが非常に重要な要素であるというふうにうたっております。そうした中で、それを遂行していくためには、地域企業のさまざまなライフサイクルの段階、それのニーズに応じた適切なサービスを提供する、これが重要であるというふうな位置づけをいたしております。
 そうした考え方のもとで、結局、地域企業というのも栄枯盛衰あるものですから、そのそれぞれの段階においてどういうことをやっていくかということが検討されているわけですが、一つは、創業期にある企業、これに対しましては、これまで足銀が取り組んでいたことを承継しつつ、受け皿のコンソーシアムのメンバーと連携をいたしまして、例えばベンチャーキャピタルですとかビジネスマッチングの取り組み、こういったことを進める、あるいは株式公開に向けた資本政策の支援を行う、あるいは上場準備支援、こういったことに力を入れていきたいということをうたっております。
 それから、成長期あるいは安定期に入った企業、これに対しましては、まさにリレバンの本筋といいますか、円滑な資金供給、それと適切なモニタリングを行っていくという中で、多様な顧客ニーズへの対応力の強化を図っていく、そうした中で新しい融資形態への取り組みも進めていく、こういうようなことがうたわれております。
 それから、ずっとモニタリングをかけているうちにだんだん、これは怪しいなというふうなところに対してはなるべく早目に再生を図っていくということで、早期事業再生が必要な企業というものも意識しております。その場合には、外部機関との積極的な連携や地域再生ファンド等、これまでも足銀がそういった取り組みを進めてきておりますが、それも承継しつつ、これからもモニタリングを適切に実施する、あるいは抜本的な事業再生に取り組む等々の早期の事業再生に向けた取り組みを強化していきたい。そういうようなことを通じまして地域密着型金融の推進を図っていくというふうに考えております。
○越智委員 ありがとうございました。
 そうしたら、足利銀行につきまして最後の質問をさせていただきます。監督当局のフォローアップについてであります。
 野村ネクストグループにおきましては、地域密着型金融を初め、これまでの足利銀行の取り組みを強化発展させる計画となっているという説明でありました。一番重要なのは、このような計画を絵にかいたもちにするんじゃなくて、確実に実行していただくということであるというふうに思います。
 一時国有化が終了した足利銀行が、その銀行持ち株会社である足利ホールディングスにおいて事業計画が着実に実行されていくのか、また足利銀行が通常の銀行としてきちんとした経営が行われていくのか、この点について監督当局として今後どのようなフォローアップを行っていくつもりなのか、お伺いしたいというふうに思います。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。
 足利銀行一時国有化が終了するということになるわけですが、私どもといたしましては、この特別危機管理終了後におきましても、大臣からもちょっとお話がございましたが、しっかりと事業計画をフォローアップしていくということが必要であろうかと思います。足銀が地域における金融仲介機能を十全に発揮するということで健全な業務運営が行われるよう、我々としてはしっかり適切な監督を行ってまいりたいというふうに考えております。
 その際、基本的には、足銀の株式譲渡に係る株式売買契約ですとか、あるいは銀行持ち株会社の認可、その条件、それらにおきまして、上場までの間、あるいは三年以内に上場した場合は三年間ということですが、その間、事業計画を確実かつ適切に履行する義務というものを課してございます。これについてフォローアップをしていくという形になろうかと思います。
 また、法令に基づく報告に加えまして、ふだんからの経営陣との意見交換、こういったコミュニケーションを通じまして、経営に関する情報把握に努め、必要に応じて適切な監督指導を行ってまいりたい、こういうふうに考えております。
○越智委員 ありがとうございました。
 それでは、最後の質問とさせていただこうと思うんですが、足利銀行から離れて、公的資金による資本増強についてお伺いしたいと思います。FRC報告に参考として記載されている公的資本増強行に対する取り組みに関連して御質問いたします。
 平成八年以降、金融システムの安定化を図るために、預金保険法、金融再生法による破綻処理制度の整備とあわせて、それ以外に、金融安定化法や金融機能早期健全化法、さらには先ほどの預金保険法の百二条の金融危機対応による資本増強の制度が整備されてきたところでありますけれども、ここでまず、今申し上げたような制度によって公的資金による資本増強はこれまでどのような形でどの程度の規模で実施されたのか、またそのうちどの程度が返済されているのかについてお伺いしたいと思います。それにあわせて、金融機関に資本増強した公的資金について、まだ相当な額が残っていると思いますけれども、今後の返済の見通しについてお伺いをしたいと思います。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。
 公的資金による資本増強ということでございます。この資本増強の実績でございますが、平成十年から十五年にかけて実施されておりますが、三十四行、現在では再編されておりますので二十二行という形になりますが、それらに対しまして約十二・三兆円の資本増強が行われております。旧安定化法ですとかあるいは早期健全化法、それから預金保険法、それぞれございますが、合計すると今のような実態になっております。
 それで、返済の状況でございますが、資本増強の実績合計が約十二・三兆円、これに対しまして、現時点で、注入額面ベースで見ますと約八・八兆円が返済をされております。したがいまして、残額が約三・四兆円ほどまだ残っている、こういう実態でございます。既に返済されております八・八兆円でございますが、実際には回収額はそれより多うございまして、すなわち一・三兆円のキャピタルゲインが生まれている、こういう状況になってございます。
 それで、今後の返済はどうなんだという見通しの問題でございますが、この公的資金の返済ということに関しましては、基本的に、資本増強行が主体的に資本政策として取り組んでいくということが必要になるわけです。その際、従来から資本増強行によって返済の申し出があった時点で検討をしていくということになるわけですが、預金保険機構のいわゆる三原則というのがございます。一つは、金融機関の経営の健全性が大丈夫か、それからもう一つは、国民負担を回避しているかどうか、それから、市場への悪影響が回避されるものかどうか、この三つの原則に照らして検討を行いまして、その申し出が特段に問題がないということになりますとその返済を認めるということが基本になってございます。
 今後の返済の具体的な時期あるいはその金額、価額という点につきましては、資本増強行のまさに資本政策に基づくということが基本でございますので、したがって、私どもが予断を持っていつ、どのぐらい戻ってくるかということを申し上げることはなかなか困難ではございますけれども、いずれにしましても、私どもといたしましては、各行がみずからの資本政策を固めた上で、この三原則を満たす形で公的資金の返済に引き続き主体的に取り組んでいただくことが望ましいというふうに考えております。
○越智委員 ありがとうございました。
 これで質問は終わらせていただきますけれども、今回、このFRC報告を拝見させていただきながら、金融機関の破綻処理というのが、先ほど冒頭にも申し上げましたけれども、九七年から五年間にかなり集中をしておりまして、そしてこの足利銀行が少し離れて二〇〇三年に破綻ということで、その後の金融機関の破綻はないという中で、このFRC報告の意味合いというのもこれから時間の経過の中で変化してくるんだろうなという思いがいたしました。
 これからも金融健全化に向けて金融庁の引き続きの取り組みをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○奥野委員長代理 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 きょうは、預保の理事長に、預金保険機構の保険料の問題から質問させていただきたいと思います。
 預金保険機構は、ことしの三月二十一日に運営委員会を開きまして、預金保険料率を変更いたしました。まず、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 平成二十年度から適用します預金保険料率につきましては、定額保護の一般預金等とそれから全額保護の決済用預金につきまして、保険金の支払い、資金援助その他機構の業務に要する費用の予想額に照らしまして、長期的に機構の財政が均衡するように定めると預金保険法の原則がございます。その他の預金法の規定あるいは金融審議会の答申等を踏まえまして、従来から次の基本的考え方を持っておりますが、それを今回は継続したということでございます。
 一つは、当機構の財政、すなわち一般勘定は、引き続き多額の欠損状況にございます。平成十九年度欠損見込みが約一・四兆円でございますが、一方、金融機関の預金保険料負担も引き続き高い水準にございますので、全体の実効料率は〇・〇八四%の水準を維持するということでございます。
 それから、全額保護の決済用預金と定額保護の一般預金等との間での割り振りでございますけれども、これは、付保預金一円当たりの保険料が均一となるよう保険料率を算定するということでございます。
 一方、平成二十年度の預金保険料の算出基礎となります平成十九年度の対象預金の動向を見ますと、決済用預金、特に無利息普通預金でございますが、そこから一般預金等へのシフトの動きがあったほか、一千万円以下の一般預金等のウエートが増加するといったことなど、預金構成が幾分変化しております。
 したがいまして、保険料率もこうした対象預金の動向を踏まえまして、決済用預金が〇・一〇八%、前年度対比で見ますと三角〇・〇〇二%ですが、一般預金等につきましては〇・〇八一%ということで、プラス〇・〇〇一%ということに変更させていただきました。
○佐々木(憲)委員 かなり細かな数字を報告いただきましたが、決済用預金から一般預金等へのシフトがあった。その一番の要因は、民営化されたゆうちょ銀行が加入をしたということでよろしいですか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 今おっしゃられたのも一因であります。
○佐々木(憲)委員 それで、ゆうちょ銀行は預金保険料を年間幾ら払うのか、それは今年度の預金保険料全体の中で何割ぐらいに当たるか、示していただきたいと思います。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 ゆうちょ銀行は、平成二十年度以降、他の金融機関と同様に、預金保険法に基づきまして、前事業年度、平成十九年度につきましては平成十九年十月から二十年三月までの六カ月間でございますけれども、これの対象預金の平残に預金保険料率を乗じた一年分の預金保険料を納付していただくことになっております。また、その納付期限は六月末となっております。
 もっとも、個別の金融機関の預金保険料は、実は守秘義務の対象となっております。したがいまして、ゆうちょ銀行につきましても、預金保険料の額等お尋ねの点についての回答は、差し控えさせていただけるとありがたいと思います。
○佐々木(憲)委員 これは、私が昨年の十一月に当委員会で質問をしまして、初年度の預金保険料は約四百億円と見込んでいる、こういう答弁がありました。大体そんなところでよろしいですか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 発足に当たりましての予測ということでそういう数字が出たことは承知しておりますし、私どもも、そのことは推測として申し上げたことがございます。
 しかしながら、そのときと今度は、年度の、何といいましょうか、全体の具体的な数字に基づいてでございますので、若干状況が変わっている可能性がございます。
 ちなみに、そのもの直接ということですとなかなか難しいのでございますけれども、仮に推測的なことということでいきますと、ゆうちょ銀行の貯金残高がこの二十年三月末で七十二兆円ほどございます。末残と平残とはちょっと違うわけでございますが、これに、金融機関の被保険預金ですね、この総預金に対する比率が大体八割九分ぐらいになりますので、そういうことを勘案して、先ほど申し上げましたような保険料の実効料率、〇・〇八四%でございますので、これを掛け合わせるということでラフな試算をいたしますと、これが五百数十億になるという感じではないかと思います。
 全体としての預金保険料の金額が五千億から五千数百億でございますので、大体そのぐらいのウエートでお考えいただけると思います。
○佐々木(憲)委員 五百数十億という数字ですけれども、銀行に対して公的資金を投入して、預金保険機構の責任準備金等の残高というのが一時は四兆円の赤字に膨れ上がっておりましたが、現在、多少減っていると思いますが、今、三月末の数字というのは幾らになっていますでしょうか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 二十年三月末のお尋ねの責任準備金の残高でございますが、現時点で平成十九年度決算作業中でございます、確たることは申しわけございませんが申し上げられないのでございますが、十九年度におきまして、金融機関からの保険料収入が五千六百六十六億円でございます。一方、新たな金融機関の破綻処理に伴う資金援助等は発生いたしませんでしたので、二十年三月末の欠損金は、十九年三月末の一兆九千三百二十六億円から五千億円程度減少することが見込まれるのではないかというふうに思っております。
 仮に、今後とも現状の保険料収入がありまして、新たに金融機関の破綻処理が発生しないとすればという仮定でございますけれども。
○佐々木(憲)委員 三月末で、概算で一兆四千億程度の赤字だということになると思うんですね。これを解消するには何年ぐらいかかるのか、それから、ゆうちょ銀行が払う保険料は解消までに幾らぐらいになるか、示していただきたいと思います。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 ですから、これも現状のままいけばということでございまして、さっき申し上げましたような、現状の保険料収入があり、新たに金融機関の破綻処理が発生しないとすれば、三年後の二十二年度末には欠損金が解消されるということになると思いますし、ゆうちょ銀行は、さっきの五百数十億の三年分ということになろうかと思いますが。
○佐々木(憲)委員 そうしますと、ここで少し総括的にお聞きしますけれども、ゆうちょ銀行に貯金をしている国民というのは、この責任準備金の赤字をなぜ負担しなければならないのかという基本的な、原理的な問題が出てくるわけです。
 責任準備金というのは、大手銀行救済のために生じた赤字ですよね、簡単に言いますと。郵政が民営化されたというその結果、民間金融機関に変わったという理由で保険料を払うということなんですけれども、しかし、考えてみますと、ゆうちょ銀行に負担をさせるというのは筋が違うのではないか。
 むしろ、大手銀行というのは今、若干サブプライム問題はありますけれども、巨額の利益が上がっております。したがって、大手銀行を中心にしっかりと負担をしてもらうというのが筋であって、郵便局に貯金をした国民に負担を負わせるというのは、全く違うところに負担を負わせることになるのではないかというふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 ただいまのような御指摘といいますか、これも一つの考え方かもしれませんが、私ども預金保険の制度といいますのは、まさに、金融機関を網羅いたしましてその預金者のために保険料を支弁していただいて、そして、いざという場合の保険事故に備えるということでございますので、基本的には、お入りになってこられた時点から保険料を負担していただくということで、預金保険機構が今のような欠損を抱えておるということは、ここのところそうなんですけれども、各国もそうですけれども、波がございまして、プラスになったりマイナスになったりしておるわけです。
 そういう中でお入りになられた方々については、その時点からやっていただくという原則でやってきておりますし、ですから、途中からお入りになられる金融機関も幾つもございますので、そういうことで、ゆうちょ銀行さんにもそのようにお願いをしたいということであります。
○佐々木(憲)委員 民営化されたから保険料も払うんだということなんですけれども、しかし、郵便局に貯金している国民は、大銀行を救済するために生まれた赤字をなぜ埋めなきゃならぬのかという、それはもう本当に普通に考えるとおかしいなということになるわけで、やはり、国民的な目線でよく考えていただきたいと私は思っております。
 さて次に、新生銀行の優先株転換問題についてお聞きします。
 ことしの三月に、預金保険機構が保有する第二回甲種優先株七千四百五十二万八千株が三百六十円で普通株に転換された。整理回収機構が保有する株式を合わせて政府が保有する議決権比率、これは何%になりますか。
○永田参考人 政府が保有する普通株の議決権の割合は、二三・八九%でございます。
○佐々木(憲)委員 これは非常に高い比率でありまして、米系買収ファンドJCフラワーズというのが第一位の株主でありますが、政府は第二位の株主になっているわけですね。
 議決権をそれだけ保有しているということなんですが、なぜ新生銀行は優先株を買い戻さなかったのか、なぜ政府は議決権のある大株主になってしまったのか、その理由を説明していただきたい。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 優先株式等の処分につきましては、平成十七年十月に公表いたしました「資本増強のために引受け等を行った優先株式等の処分に係る当面の対応」に基づきまして対応しておるところでございます。
 具体的には、公的資金増強行からの申し出による処分を基本としておりまして、新生銀行に関しましても、平成十八年八月に、同行からの申し出により優先株式の一部について同行の買い受けによる処分を行ったところでございますが、以降、株価等の状況なども踏まえつつ、同行からの処分の申し出が行われてきていなかったということでございます。
 当機構といたしましては、当初の商品性に基づきまして、優先株式にかえて普通株式をそういう意味で取得するに至ったということでございますけれども、引き続き、当初の資本増強の趣旨あるいは目的などを踏まえながら、適切に対処してまいりたいというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 株価の動向を踏まえて申し出がなかった、それはどういうことですか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 当機構が保有しておりました優先株式につきまして、長銀譲渡に係る最終契約書で、預金保険機構保有の新生長銀株式の時価総額が五千億円を超えている場合には、新生長銀は預金保険機構に対して、その保有する新生長銀株式の一定数量を売却するよう要請できるということになっておりまして、また、預金保険機構は、この要請に対して不合理に拒否はしないということに定められております。
 この条項の趣旨は、当機構が保有する公的資金株式の処分、回収に際しまして五千億円を目安として確保するものでございまして、処分に当たってこういうことを考慮するということになりますと、先ほどのような株価を前提にいたしますと、おっしゃったようなことは実現できなかったということだと思います。
○佐々木(憲)委員 株価が下がったので、買い戻すということが行われなかったと。
 そうしますと、議決権のある普通株をずっと保有しているということになるんでしょうか。これはどういう対応をされるわけでしょうか。政府が今処分したら株が下がってしまう、一層下がる。そうすると、いつまでもこれを保有するということになるのか、それでどういう対応を考えておられるのか、お聞きをしたいと思います。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 どうするのかということでございますが、先ほど申し上げましたような三つの要件といいますか、当面の対応に基づきまして考えていくのが基本だというふうに思っておりますが、いずれにせよ、今後の株価の動向にもよりますし、金融庁等関係当局ともよく相談しながらこの点については検討をしていきたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 私が非常に危惧を持っておりますのは、第一位になっている株主、これは米系買収ファンドでありますが、これは必ずしも、経営を支配して、いい銀行にしようというふうに思っているかどうか、私は疑問だと思っております。株価が上がりますと、当然これを売ってもうけるということに走るでしょうし、そうなりますと、政府の保有株、これも上がったから売る。売ると今度は株の暴落という話も当然出てくるということで、対応が非常に難しいのではないか。
 私は、国民負担にならないような対応というのはそういう状況でどういうことがあり得るのか、最後にお考えをお聞かせいただきまして、終わりたいと思います。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 ただいまのような危惧といいますか、そういう可能性も考えながら、まさに執行機関としての私ども預金保険機構としましては、先ほどのような三つの、市場に与える影響だとか、金融機関がきちんと健全化されたかとか、それからさっきの五千億円の問題とか、そういうものを見ながら対応していきたいと思いますが、この銀行につきましては、まさに中期の健全計画というようなものをベースに監督ということも受けておりますので、そういう、当局ともよく相談しながらやっていくのが必要なことだろうというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 余り歯切れのよくない答弁でしたけれども、国民から見ますと、税金を投入していろいろな大手銀行については支えをやった、本来なら、銀行業界全体として保険料率を上げて、そして、その中で業界としての相互の支援体制というものをつくるというのが基本であると私は思っております。それをとらずに、国民の側の負担を求めた。その結果、さまざまな問題点が発生をして、今のような、株の売却についても非常に困難な状況になってきているということがあると思いますので、この点については、今後さまざまな形で質疑を行ってまいりたいと思っております。
 どうもありがとうございました。
○奥野委員長代理 次に、前田雄吉君。
○前田委員 民主党の前田雄吉です。
 きょうは五十分私にお時間をいただきまして、預金保険機構並びにRCCについての質問を行わせていただきます。本当にありがとうございます。
 昨日、私が整理回収機構、RCCの社長を当委員会に呼んでいただきたい、こう申し上げましたところ、きょうは御出席いただけなかったということであります。RCC、整理回収機構は、預金保険機構一〇〇%出資の子会社であります。ですから私は、ここへきちんと来ていただいて、それでRCC社長の口から御答弁いただきたい。
 なぜならば、五十三条買い付けが終わり、それから数年たちまして、このRCCの過酷な回収に全国の中小企業が本当に苦しんでおります。私は、こうした中小企業の声をきちっと国会で取り上げるべきだというふうに思っております。
 預金保険機構理事長に、子会社のRCC社長に対して、国会に出席すべきであるということを言う意思はございますか。私は、今回の預金保険機構理事長の同意人事に際して、これは、子会社のRCCがどのようなことをやっているのか、透明性を持たせるがためにもぜひ必要なことではないかと思っております。
 私個人ですけれども、同意人事に賛成するか否かの非常に参考になるべきことであると思いますので、預金保険機構理事長の口から、RCC社長を呼んでいただけるか、国会に出るべきかどうかという点について伺いたいと思います。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 預金保険機構は、御指摘のとおり、整理回収機構の一〇〇%親会社という形になっております。ただ、私ども、株主としてそういうことでございますし、法律的には指導助言ということでつながっております。
 もちろん、そういうことを踏まえて、最大限の、整理回収機構の状況につきましては大いにきちんと把握をしてまいっているつもりではございますけれども、ただ、国会に社長を呼んでいただくということにつきましては、従来からの御議論ございますので、また、株式会社の社長としての立場といったこともございますので、これは私が云々ということではなくて、国会でお決めいただくことだというふうに思いますので、恐縮でございますが。
○前田委員 預金保険機構理事長として、RCCの社長を、あなたは出るべきだ、やっていることを国会で明らかにすべきだと言う意思はございますかという質問ですよ。国会が決めることじゃありませんよ。
 実際に、大蔵委員会の時代ですけれども、この整理回収機構社長は数多く来ていらっしゃるんです。これは、例えば百五十三回の国会においては、十一月二十七日、十一月二十八日、十一月三十日、きちんと三回お越しになっていますよ。
 今、これはどういう状態にあるか。中坊さんがRCCをつくられたときに、これは特殊な株式会社とされたことが今のこの状況を生んだ一番の原因である。あるときは、いや公的な機関だ。例えばアメリカに行っても、公的な機関の職員さんの来訪ということで向こうは接遇してくれます。あるときは、債権者として債務者に対して、私どもは公的な機関である。反対に、いや、今は民間会社なので国会に来れない。これは一体何ですか。
 今、どれだけ中小企業が苦しんでいるか。過酷な取り立ての例は、過去に私どもの同僚が予算委員会等で質問しております。皆さんも驚きになると思いますけれども、わずか千円で買い付けたものを六百十四万円で回収しているんですよ。過酷な取り立てですよ。
 例えば、二〇〇五年二月十六日、衆議院予算委員会、中津川博郷議員、我が民主党ですけれども、質問に対して金融庁の答弁から、RCCが千円で買い入れたものを六百十四万円で回収している。わずか千円ですよ。無剰余債権、これを一律千円で買い取っているわけですね。〇四年九月までの累計で買い取った件数は六千三百四十二件、回収できたのは千八百二十四件、回収総額百十二億円、これを割れば、百十二億割る一千八百二十四、当然、一債務者当たり六百十四万円の回収額ということが出てきます。
 こういう回収をしていて、つまり、回収される側があるんですよ。私は、どういう回収の仕方をしているのか、国会に来てRCCの社長からきちんと答弁すべきであると思いますよ。
 もう一度、預金保険理事長、RCC社長は国会に出席すべきかどうか、あなたはRCC社長に対して、国会に出席すべきであると言う意思はございますか。もう一度聞きます。
○永田参考人 お答えいたします。
 私が先ほど申し上げましたのは、要するにRCCの社長の立場ということを申し上げたわけでございまして、それも踏まえて国会の方でそういうことで意見が整うということであれば、私は別にそれに反対をするというような気持ちは持っておりませんが。
○前田委員 反対をすべきことではないと言うんですけれども、では、あなたは行くべきだとはっきり言う意思があるかどうか答えてくださいよ、そんな消極的な答えじゃなくて。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 もちろん、さっき申し上げましたように、私が決めるようなことではないと思いますし、ただ、その案件案件によりまして、または、そのときの、私ども国会の取り決めはよくわかりませんので、どの時点でどう申し込まれればどうするのかというようなこともあるのかと思いますので、そういうことを総合的に考えましてきちんと判断をしたいというふうに思います。
○前田委員 もちろん、決めるのは国会であります。(発言する者あり)
○奥野委員長代理 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○奥野委員長代理 速記を起こしてください。
 前田雄吉君。
○前田委員 重ねて私は質問します。
 これを決めるのは私たちこの国会であります。預金保険機構理事長として、一〇〇%子会社のRCC社長がこの委員会の場で、国会の場で答弁するように言う意思がございますか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、総合的に考えまして必要であれば、出るべきだということを申し上げたいと思います。
○前田委員 二〇一一年に旧住専債権についての回収期限が参ります。私は非常に重要な時期だと思いますので、もしそこで完全回収ができなければ、国の税金が再投入されるように住専法で書かれております。
 ですから、委員長、私は、整理回収機構社長の本委員会への参考人出席を求めたいと思います。
○奥野委員長代理 ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議したいと思います。
○前田委員 続けさせていただきます。
 私は、RCCの、債権者として債権を回収するその姿勢について伺いたいと思います。
 このRCCの弁護士がある債務者に対してこういうことを言いました。債務者には余剰資産を残さない、これがRCCの回収方針である。つまり、余じんを残すな、ちりも残すな、完全に取り立てろ、これが回収方針だと言いました。これは、日時も場所も、だれが言ったかも、この弁護士名もすべてわかっております。
 この整理回収機構をつくったときに、ちゃんと債務者の人権を守った上での回収というふうに委員会等で御答弁が当局の方からありました。それと全く逆行する。人権も何もない。すべて余剰資産を残すな、全部取り立てろということが回収方針だと言っているRCCの弁護士がおりますが、この回収方針が正しいものかどうか、預金保険機構理事長のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○永田参考人 お答えいたします。
 整理回収機構では、公的資金により買い取った破綻金融機関や旧住専の貸付債権等を適切かつ迅速に回収して、国民負担を最小化するという役割を担っております。
 このため、整理回収機構では、契約の拘束性の追求、人間の尊厳の確保、及び企業再生の追求という三つの回収指針を挙げまして、回収額の極大化の観点から厳格な回収に努める一方、個々の債務者の実情等を十分に検討した上での話し合いを重視した回収に努め、また、再生可能性がある債務者企業に対しては、きめ細かく対応し、企業再生を図ることで回収の極大化を目指しているということと承知しております。
 また、預金保険機構といたしましても、整理回収機構が関係法令等にのっとり健全かつ適切な業務運営を行うよう、引き続き適切な指導助言を行っていく所存でございます。
○前田委員 私は、このRCCの弁護士に対して、今言われた適切な指導、勧告を行うべきであるというふうに思います。実際に、本当にそうやって言っているんですよ。余じんも残すな、余剰資産を残すな、全部取り立てろ。これは過酷な取り立て人じゃありませんか。やはり債務者にも人権があります。私は、この発言をしたRCC弁護士に対して預金保険機構としてどのような対応をされるか、理事長に伺いたいと思います。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたとおりの基本でございますので、そういう観点で指導してまいりたいということでございます。
○前田委員 この弁護士については、実は私のところにも電話をかけてきました。個別の案件でありますけれども、なかなか整理回収機構で解決されない案件に関して私が説明を求めました。同じ弁護士でした、進まない債権回収事案について説明を求めたところ、あなたが回収機構に出向きなさい、こう言ったんですよ。これは私が聞きました。おまえが出てこいと言ったんですよ。どうしてですか、こう私は聞きました。そうしたら、私どもが債権者であるからですと。債権者はそんなに偉いんですかね。国会議員の事務所にも説明も来れないようなことをこの弁護士は平気で言っております。
 この件に関して預金保険機構理事長はどのようにお考えなのか、お考えをお聞かせいただきたい。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 整理回収機構は、訴訟係属中の事案に対しまして話し合いの申し入れがある場合には、訴訟の場で行うことを原則としております。裁判所からの和解の試みに応じることについては、全く問題ないものと承知しております。
 また、訴訟外におきまして債務者本人から面談要請がある場合には、話し合いに応ずることはやぶさかではございませんが、その場合には、債務者、代理人弁護士に必ず同席していただくことと考えていると私どもとしては承知しております。
 その際、債務者との面談交渉は整理回収機構の事務所で行うことを原則としておりますが、個別事情等勘案の上、双方代理人弁護士同士で日時、場所を相談の上、面談交渉を行うこと等も可能とRCCが考えていると承知しております。
    〔奥野委員長代理退席、委員長着席〕
○前田委員 私は、二度と我が国税をこの弁護士に使わせるべきではない、不適格である。余じんを残さない、余剰資産を残さないと発言し、これがRCCの回収方針だと言ってはばからない、そして、おまえが出てこい、説明にも行けないと言うこんな傲慢な人間が回収しているから、RCCの代理人をやっているから、RCCの回収方針が、この弁護士がそういうことを体現しているものであるというふうに皆さんに理解されると私は思いますよ。ですから、この弁護士に対して国税は一円たりとも使わせるべきではないというふうに私は思っておりますので、その辺、預金保険機構理事長としてよくお考えいただきたいと思います。
 次に、これは皆さん、預金保険機構には驚くべき権限がありまして、立入調査権があるんです。刑事事案についての家宅捜索、このときには、皆さんは裁判所の令状を持って入っていくわけであります。しかし、この預金保険機構の立入調査権においては、そういうものは必要ない。ということは、無制限にこれが濫用されて、これがRCCの過酷な取り立ての一手段に使われるのではないか、そんなようにも私は思います。
 ですから、そんな考えで、預金保険機構の預金保険法附則七条、同十四条の二の立入調査権について今から伺いたいと思います。
 これは、実際の事例を今から申し上げます。事例については個別案件ですので、答えられなければ、答えられる範囲で結構でございます。
 皆さん、名古屋でひとり暮らしをしている八十六歳のおばあちゃん、伊東祥さん、このおばあちゃんの自宅に、平成十八年六月十三日朝八時、いきなり預金保険機構の職員、預金保険機構特別業務部特別調査第一課の四名が来て、早朝二時間以上にわたってあれこれおばあちゃんに対して質問をして、さらに、倉庫のかぎをあけろというように要求されています。このおばあちゃんは、預金保険機構とも整理回収機構とも何ら関係がありません。いきなりの来訪であったこと、また、四人の高圧的な質問、その口調が刑事取り調べのような威嚇的な態度であったために、そのおばあちゃんはショックでしばらく寝込んでしまわれました。
 預金保険機構では警察からの出向者もあると聞きます。実際に家宅捜索のときと同じような人が来て、今から捜査すると言って質問を重ねていく、私はこれは非常に恐ろしいことではないかというように思いますが、この事案について預金保険機構理事長はどう御理解されていますでしょうか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 先ほど委員からもお話がありましたように、個別案件の具体的な事項につきましては、守秘義務の観点から、財産調査の有無を含め控えさせていただきたいというふうに思いますが、一般論としてお答えいたしますと、当機構は、業務を行うため必要があるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、または協力を求めることができるということになっております。当機構の職員は、必要と認められる範囲内におきまして、債務者、債務者の財産を占有する第三者、債務者に対して債権もしくは債務がある者、債務者から財産を取得したと認められる者などの事務所、住居などに立ち入り、当該不動産の現況の確認をし、その者に質問し、またはその者の財産に関する帳簿書類の提示や当該帳簿等について説明を求めることができるということになっております。
 いずれにしましても、当機構の財産調査は、法令にのっとり、人権にも十分配慮して適正に実施しているところであるというふうに私は理解しております。
○前田委員 朝八時に八十六歳のおばあちゃんのところに乗り込んでいって、いや、人権を重視している、そんなことはないでしょう。やはり明らかにこの事案は行き過ぎである、私はそういうふうに思います。
 預金保険機構がこの預金保険法附則七条五号、同十四条の二で立入調査権などの権限を付与されている、この理由を理事長に伺いたいと思います。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 資産買い取りの原資は、当機構が政府保証を付して調達した公的資金でございます。仮に、買い取った債権が回収不能となった場合には、最終的に国民負担につながりかねないことから、適切かつ確実な回収を行い、極力国民負担を発生させないとの観点から、当機構による財産調査権の行使を認めたものであるというふうに承知しております。
○前田委員 今お答えいただいたのが、旧住専法の十七条の財産調査権に由来することであると思っております。国民の血税からの損失の補てんを最小限にするため、財産を隠匿したり悪質な債務者に対しては、徹底的に財産調査して債権を回収することがねらいであるということだと思います。全く同じことだと思います。でしたら、行き過ぎを防ぐために何らかの歯どめをかけなければいけない。
 だったらこれ、まずそれを考えるに当たって、この預金保険法附則七条五号、同十四条の二による立入調査権、立入調査の要件、だれが一体それを判断するんでしょうか。預金保険機構理事長に伺いたいと思います。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 預金保険機構におきまして、所定の手続のもとに、法令にのっとりまして、調査の必要性や対象者等について十分に検討、判断して行っているものでございます。
○前田委員 預金保険機構において決めると言われていますけれども、では、具体的にどの部署で、担当官はだれですか。だれがこの調査を可とする決定をなされるんですか。
○永田参考人 当機構におきましては、保有資産の整理回収という業務を担っておる特別業務部ということがございますが、この担当部長が最終決裁権限者となっております。
○前田委員 先ほどの、八十六歳のおばあちゃんの自宅に朝八時に乗り込んでいって、細々と質問をして、このおばあちゃんが寝込まれちゃう、こんなような行き過ぎのないように、この立入調査権の濫用がないようにぜひしていただきたい。でなければ、これはもう債務者の皆さんは、本当に人権をじゅうりんされている生活を送らなければいけません。
 刑事事案では、家宅捜索などをする場合は裁判所の令状が必要とされます。これは、裁判所がチェックすることによって捜査の行き過ぎが非常に抑制されていくと私は思うんです。預金保険機構が行う調査には第三者のチェックが働かないわけですね。今言われたように、部内で決定されて担当部長が決定するということなので、やはり私は、今一つ事例を挙げましたけれども、こういう行き過ぎが起こる可能性が非常にあると思います。
 第三者のチェックが私はこの立ち入りについては入るべきではないかと考えますけれども、預金保険機構理事長のお考えをお聞かせいただきたい。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 当機構の立入調査は、定められた法令にのっとりまして、調査の必要性や対象者等について十分に検討した上で、必要と認められる範囲内において実施しているということ、先ほど申し上げたとおりですが、また、立ち入りに当たっても、債務者等の承諾を得て行うということにしておりまして、御指摘のような懸念がないようにしていきたいというふうに考えております。
○前田委員 前のケースは、預金保険機構が、債務者が悪質であるからということで立入調査をするわけですね。悪質な債務者だから立入調査をして、財産がどこかに隠ぺいされているんじゃないかということを調査するわけです。
 私は、ここで基準を明らかにすべきではないかと思うんですよ。どういった人が悪質な債務者であるか、立入調査をしなければいけないか、その判断になる基準、悪質な債務者の判断の基準をお聞かせいただきたいと思います。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 個別案件の具体的事項につきましては、守秘義務の観点から、財産調査の有無を含めお答えしかねるのでありますが、一般論としてお答えいたしますと、預金保険機構は、整理回収機構が譲り受けた債権のうち、一つは、債務者の財産が隠ぺいされているおそれがあるもの、そして、その他その債務者の財産の実態を解明することが特に必要であると認められるものにつきまして、その債務者の財産の調査を実施しております。
 また、必要に応じまして債務者等の事務所、住居等に立ち入り、帳簿、書類等の提示、説明を受け、質問等を行う調査を行っているということでございます。
○前田委員 今お聞きしましたけれども、私は全然わかりません。
 悪質な債務者であることの基準を、わかりやすい言葉でもう一度御答弁ください。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 重ねてで恐縮でございますが、基準として考えておりますのは、債務者の財産が隠ぺいされているおそれがあるもの、そして、その他その債務者の財産の実態を解明することが特に必要であると認められるもの、こういう基準に基づきまして判断をしております。
○前田委員 すごくあいまいな基準であるというふうに思います。それでいきなり立入調査を行われては、債務者はやはり人権をじゅうりんされる。よほど私は慎重にこの立入調査をやっていただきたいと思います、やるんでしたらね。
 では、今まで、実際どのぐらい預金保険機構はこの預金保険法に基づいて立入調査を実施されたのか。何件あるでしょうか。年ごとに、対象が債務者か連帯保証人かを明らかにして御回答いただきたいと思います。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 破綻金融機関からの買い取り債権である、今お尋ねの預金保険法に基づく立入調査権を行使した件数でございますけれども、平成十九年度十二件、平成十八年度十五件、平成十七年度二十四件、平成十六年度十七件、平成十五年度十七件でございます。
 ただし、御質問のありましたこの件ですが、立入調査は債務者、連帯保証人一体で実施しておりますため、債務者、連帯保証人ごとの件数の把握は、申しわけございませんが行っておりません。
○前田委員 債務者、連帯保証人一体であるということはどういうことですか。私はちょっと理解に苦しみます。どういう意味かちょっと説明してください。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 私ども、整理回収をしていくに当たりまして、当然その債務者、それから連帯保証人、こういうふうに当たっていくわけでございますので、一つの事案として扱っておりますので、先ほど申し上げましたような、区分して、連帯保証人は何人もおられたりいろいろケースがございますので、そういうことでございます。
○前田委員 いや、連帯保証人が何人もいるから一つの事案として扱っていると言われるんですけれども、その辺をよく御精査いただいてこの数字をとっていただかないと、回収の実態が明らかにならない。例えば先ほどのおばあちゃんでしたら、何でもありませんよ、ただ債務者の親御さんだっただけだ。そういうこともありますし、きちんと何かの基準があってその立入調査をやはりされると思うんです。
 これ、立入調査に当たってのマニュアルというのは機構内にあるんですか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 マニュアルがあるかどうかということでございますが、これにつきましては、今後の財産調査の円滑な実施、ひいては債権回収業務の遂行に支障を来すおそれもなしとしないものですから、申し上げることは差し控えさせていただければありがたいと思います。
○前田委員 これ、今後に支障を来すからと、きちんとあるにはあるんですね。でしたら、どういう形、手順でこの立入調査が行われるのかを明らかにする意味からも、この預金保険機構の立入調査に対してチェックをするのは国会でしかないんですよ。私は、そのマニュアルをぜひこの当委員会に御提出いただきたいと思います。委員長、お願いします。
○原田委員長 別途、理事会で検討させていただきます。
○前田委員 債権者は往々にして、債務者の財産状況がわかるような資料をとにかく出せ、開示しろ、こう要求されるわけです。債権者の立場は常に上、私はそんなことはないと思いますけれども、債務者も債権者に対して、今自分がどういう状態にあるのか、情報の開示、それを要求しても私はしかるべきではないかというふうに思います。
 例えばさっきのおばあちゃんの話もそうですけれども、預金保険機構からこの立入調査が金融再生法の五十三条の債権に関するものだと言われても、本当にそうなのか、もしかしたら、整理回収機構が金融サービサーの業務の一環として買い取った債権ではないのかという疑いが晴れない、このように関係者は言われております。預金保険機構は、五十三条の債権であるということを明らかにする資料を債務者に開示すべきである。自分がどういう債務で取り立てを受けているのかといったことも明らかにしていただきたいというふうに私は思います。
 預金保険機構の理事長の同意の条件に、私は、保険機構の整理回収機構に対する厳格な指導助言ということを挙げたいと思います。
 先ほど申し上げたように、整理回収機構、RCCについては非常に不透明な部分が多い。また、実際、刑事事案だったら捜査令状等で裁判所が歯どめをかけられるわけですね。しかし、預金保険機構の立入調査権に関しては歯どめをかけられるところがない。部内の部長さんが決める。私が考えるところ、これをチェックするところは当委員会でしかないというふうに思っております。私は、しっかりとこの回収業務、特にRCCの回収業務の実態について預金保険機構はきちんと把握していただきたいというふうに思っております。これは今の私の考えですけれども。
 これはまた、ちょっと別の事案を挙げたいと思います。
 川治・鬼怒川温泉柏屋ホテル、これはもう本当に有名なしにせでありまして、そこが多大な債務をしょって、平成十九年二月、RCCは柏屋ホテルさんに対して破産申し立てを行っております。これは一つどういうことでお聞きするかといいますと、RCCが、破産申し立てによる企業再生スキーム、これを考えられているということであります。
 新しい破産法によりますと、九九%が自己破産ですけれども、一%が債権者による破産申し立てができるということであります。民事再生に移しますと二年も三年もかかります。債権者申し立てによる破産ですと、もちろん、債権者でありますので債務額は簡単に確定できますので、わずか一週間、二週間で破産申し立てができて、それが裁判所に通ってしまうということで、RCCは破産申し立てによる企業再生スキームをこれは考えられたということです。
 このときも、しゃぶしゃぶフルコースの二万円近い額のところでRCCの職員は一万円しか払ってこなかった。RCC宇都宮支店副支店長、職員も全部そうでした。そういう債務者にたかるようなことをやって、本当にこの企業再生のスキームが成り得るのかどうかというふうに思います。
 話をちょっと戻します。去年の二月、柏屋ホテルに対してRCCが破産申し立てを行いましたけれども、預金保険機構、この破産申し立ては事前に協議ないし相談を受けておりましたでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 一般論として申し上げますれば、整理回収機構の整理回収業務につきましては、協定銀行としての業務の範囲で必要に応じて報告を受け、その業務が適切かつ厳正に行われるよう、必要な指導助言を行っているところであります。
 御指摘のような個別の事案にかかわる事柄についてはコメントを差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論で申し上げれば、そういうことでやっているつもりでございます。
○前田委員 本当にこの事案は非常にひどいものがある。これは本当に、破産申し立てによる企業再生スキームがどういうように検討されていったか、この検討の経緯もよくわからない。RCCは、新破産法には切れ味があるなんて言って、この温泉ホテルだけじゃなくて、ほかの業種にも使おうとしているわけです。
 この破産産申し立てによる企業再生スキームがいつ、どのような機関で検討されて、その結果、どのような整理回収機構の組織としての方針と位置づけるようになったのか、これを伺いたいと思います。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 先ほど一般論として申し上げましたように、本件のようなものにつきましてもきちんとした検討を行って、また私どもとしましても、必要なことについては必要な助言指導を行ってやっているということでございます。
 ただ、申し上げますと、整理回収機構におきましては、事業再生を目的といたしまして、民事再生手続や会社更生手続に加えまして、破産手続も活用していると私ども承知しております。
 具体的には、債務者による不正、財産の隠ぺい等が行われるおそれがあることなどから債務者との間では解決が困難な場合とか、あるいは、種々の事情によりまして民事再生手続もしくは会社更生手続によることが困難な場合、こういった場合におきまして破産手続開始の申し立てを行うことがあるものと承知しております。
 事業再生を目的とした破産申し立てを行うか否かは、その時々の債務者の状況等により、それに応じて決定されるものでございまして、RCCの組織として、具体的、個々にその当否につきまして検討をして決定しているということでございます。
○前田委員 ちょっと別の角度から見ますけれども、RCC、整理回収機構は、今、非常に倫理観に欠如した組織になってしまったというふうに私は思っているんですよ。
 初代の中坊社長が詐欺事件の容疑者として刑事告発されたことは、それはまたそれで別格としまして、二代目の鬼追社長も、双方代理、マッチポンプですね、両方とも関係あるからということで大阪弁護士会に懲戒の申し立てをされる。また、去年はひどいものですよ。十二月、整理回収機構の元常務、古川弁護士、旧住専の債務者の井坂氏とモロッコ旅行、帰ってきた直後に百十一億円債務免除。こうした大幅な債務免除をするのでしたら、きちんとした基準に基づいてやっていただきたいと思いますね。先ほどのおばあちゃんの不二企業さんのケースですけれども、整理回収機構の志田社長代行と不二企業代理人の弁護士さんが同じ弁護士事務所であった、そういうことが判明しております。
 本当に、こうした弁護士の双方代理問題について預金保険機構はどのように厳しい目で見られているのかどうか、伺いたいと思います。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 RCCにおきましては、双方代理の問題を回避する観点から、すべての役員につきまして、役員就任時に、他の法人等の役員、顧問等についての報告を求めております。それとともに、これらの先が当社の債務者と利害関係先になっていないかのチェックを行っております。また、役員就任後に新たな報告があれば、就任時と同様のチェックを行う体制をとっているものと承知しております。
 また、今般、弁護士、役員に関する準則を定めまして、当社債務者等からの事件の受任は行わないこと、顧問先がRCCの債務者等になった場合は、直ちに当該債務者等との顧問契約を解消することなどを明文化しているものと承知しております。
 当機構としましては、整理回収機構が双方代理の問題も含め法令を遵守するよう、必要に応じて報告を受け、適切かつ厳正に業務を行うよう、指導助言を行っているつもりでございます。
○前田委員 いや、RCC、整理回収機構奥野社長みずから、先ほどのこの柏屋ホテルの事業譲渡に関して、奥野社長の顧問先がその柏屋ホテルの事業譲渡を受けております。これは問題じゃありませんか。これについて預金保険機構は調査されていますか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のような個別の事案にかかわる事柄についてはコメントを差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げますと、破産法上、破産者の営業または事業の譲渡、これは、破産財団に属する財産の処分に該当いたします。その権限は裁判所が選任した破産管財人に専属しているということでございまして、その営業または事業の譲渡をすることについては裁判所の許可が必要とされているものと承知しておりまして、その許可を受けてされたものと承知しております。
○前田委員 これは問題ですよ。実際、一〇〇%の預金保険機構の子会社のRCC、ここの社長が顧問をしているところ、そこに誘導したんじゃありませんか、利益が上がるように事業譲渡を。この疑惑は絶対消えませんよ。きちんと調査されますか、預金保険機構理事長。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、必要な点につきましては、RCCに指導助言をするという形で状況についてのヒアリングは行っております。
○前田委員 ここの今の柏屋さんの事業譲渡案件については、宇都宮地裁、三人の正規裁判官のほかに同地裁の園尾所長が裁判に介入しました。四人の裁判官が裁判をしたことで有名になりました。その結果、東京高裁からも、園尾所長だけでなくて、裁判長は厳重注意処分を受けております。しかも、事業譲渡先の選定手続は、整理回収機構の宇都宮支店が窓口になっております。どこへ譲渡するかをRCCが決めて、事業譲渡を受けたのはRCCの奥野社長の顧問先だった、すごくこれは透明性に欠けるものじゃありませんか。しっかりと調査されるべきですよ。
 どうですか、もう一回その決意を。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 事業譲渡、この選定手続に関する件につきましては、先ほど来申し上げていますように個別の事案でございますけれども、一般論として申し上げますると、破産法上、破産者の事業譲渡は破産財団に属する財産の処分に該当いたします。その権限は裁判所が選任した破産管財人に専属しておりますが、事業譲渡について裁判所の許可が必要とされているものと承知しております。
 なお、この裁判手続につきましては、預金保険機構としてはコメントする立場にはないものと思います。
○前田委員 もう時間が来ましたのでこれでやめなければいけませんけれども、調査するかどうかを私は聞いているんですよ。その意思があるかだけ答えてください。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 先ほど来申し上げておりますように、調査をというか、そのヒアリングをきちんとしております。
○前田委員 しておりますじゃなくて、まだこれは何も疑惑が明らかになっていないわけですから、これから調査をしてください。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○原田委員長 次に、階猛君。
○階委員 私も、引き続きまして永田理事長の方に、今回、同意人事ということで、再任につき同意するかどうかということがテーマになっておりますので、その判断材料を集めるという趣旨の質問をさせていただきたいと思います。耳ざわりなこともあるかもしれないんですが、御容赦いただければと思っております。
 資料をいろいろとお配りしております。右肩の方に手書きで番号が振ってあるんですが、まず五枚目のところを見ていただきたいんですが、五枚目の左側に、公的資金の使用及び回収等の状況ということで、項目に分けて数字が挙がっております。
 この左側の升に書かれている数字を上から順番に足していくと、トータルで四十六・六兆という数字になります。そのうち一番上の升の右肩の預金保険料というところで、今後の分一・六兆、既に発生した分六・五兆ということで、これは八・一兆になるわけですけれども、この分を差し引くと、公的資金は四十六・六兆のうち三十八・五兆使われているということです。この莫大な数字なんですけれども、仮に九〇年代初頭に、バブル崩壊間もない時点で公的資金を投入していれば、傷は浅くて済んだのだというふうに私は思っております。
 今、ちょっとこういう本を持ってまいりました。「平成バブル先送りの研究」という本なんですけれども、その中で、少し記述を引用させていただきますが、これの二百三十二ページあたりなんですけれども、
 一九九三年になると、永野日経連会長をはじめとして、九二年には公的資金投入に強く反発した産業界から、不良債権問題を解決するために公的資金を導入すべきだという声が上がるようになる。九三年末になると公明党を除く連立与党各党が、不良債権処理を促すために公的資金を投入して土地を買い上げる案をそれぞれ打ち出した。
  それに対し大蔵省と日本銀行は、公的資金投入に反対の立場を崩さなかった。金融界が公的資金の活用に期待を寄せていることについて大蔵省は、「「金融機関の損失を公的資金で穴埋めするような形を果たして国民が納得するのか」と現時点では否定的」、「公的資金による安易な救済は、金融機関が着手したリストラの努力を損なう」として消極的だと報じられている。
こういったような記述もあります。
 そしてまた、総括として二百七十二ページに書いてあるところですけれども、
 政治家や産業界は、一九九三年以降になってようやく、景気回復のためには不良債権処理が必要であると考えるようにはなる。しかし大蔵省が、公的資金を投入しなくても不良債権問題は解決されると政治家を説得した。この結果、九〇年代前半には金融問題への抜本的な対応策はとられなかったのである。
こういうような記述もあります。
 当時、永田理事長は大蔵省の銀行局等で金融行政に携われていたわけでございますけれども、今のような記述について、当時の大蔵省の判断として正しかったのかどうか、その点について御見解をお聞かせいただけますか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 今のような御議論があったことは事実だというふうに思います。ただ、御案内のとおり、今から振り返りますといろいろなことが、こうであるべきだったとかこうだったらよかったのではないかということ、あるいは今になってわかっていくこともあるように思います。
 決して責任逃れをするつもりではありませんが、当時もそういういろいろな御議論がありまして、残念ながら、一本の道をきちっと確立して、今日に至ってこういう形で制度が整備されるような状況ということは、直ちにはちょっと考えにくい状態であったのじゃないかというふうに思っております。
○階委員 今のお話に関連してより具体的なことを聞くのですが、永田理事長が銀行局担当の大臣官房審議官という役職につかれていた平成七年ごろなんですけれども、大手銀行が不良債権処理のために、たくさん持っている保有株式の益出しクロスという取引を行っていたんですね。
 益出しクロスといいますのは、保有している株で含み益があるものをまず一たん売却して帳簿上利益を出す、その次に、その直後にそれをまた買い戻すということで、売った局面では帳簿上利益が出るんですが、買い戻した局面ではそのときの時価で購入するわけです。つまり簿価が上がる。含み益があったときは低い簿価だったものが、時価で買い戻すことで簿価が上がるということで、益出しクロスというのは、そういう帳簿上の益出しの部分と、あと簿価上げという部分と二つの局面から成るわけです。そういった簿価上げのところをとらえますと、財務の健全性を害するような行為、こういうことだと思います。
 私、当時ちょうど日本長期信用銀行におりまして、政策投資担当というところで、まさにこの益出しクロス取引を担当していたんです。一人で、利益ベースで年間大体数千億という取引をしていました。当時、帳簿上だけですけれども、一人で出す利益としては多分日本で一番稼いでいたのかな、そのようなことも思ったりするわけです。
 ただ、そういったことで、帳簿上の利益は出るんですけれども、これは実際には財務の健全性を非常に害するような行為であった、そういうことは当然、監督当局も御認識されていたと思うんですが、我々もそうでしたけれども、こういうふうなやり方しか当時手段としてなかったんですね。というのも、赤字決算をしますと、それ自体信用不安を招く。また、取引先の株を売り切ってしまうと、これは逆に取引先からの信用は失われるし、取引先からも株を売られて今度は自分たちの株価も下がる、そういうような状況もありました。
 そういう中で、苦肉の策として益出しクロス取引というものを行っていたわけですけれども、こういうものを当局としてごらんになっていただいて、問題であるとは思われなかったでしょうか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 大変難しい御質問なんでございますけれども、私は個人的には、この十五年、二十年というのは大変構造的な大きな変化が日本に押し寄せてきているという認識は持っておったわけですが、ただ、世の中全体がそこに至るまで、そういう認識に至り、そういう対応をとるまでにはやはり時間がかかったということではなかろうかというふうに思っております。
 今の益出しクロスの問題も、まさにおっしゃったようにそれしか手がないから云々ということが言われましたけれども、まさに、そういう形でしのげば、全体がむしろ浮上してきて、そういう問題は短期的な問題として片づくというような御認識が結構あったんだろうと思います。
 ですから、その時点で私自身としては、言っていただいたような立場、組織の人間として行政をやっておりましたので、必ずしも自分自身のものではなくて、やはり当然合議の上で、組織としての判断ということで議論をしておりましたので、残念ながら今のようなことについての、知っていたとしても、委員おっしゃるような問題意識というところまでには行っていなかったというふうに思います。
○階委員 そうすると、公的資金、先ほど申し上げたとおり三十八・五兆使われているわけですけれども、その点についてはやむを得なかったという御認識でよろしいですか。
○永田参考人 やむを得なかったという認識を私が申し上げるのは、私は、私自身にとってややじくじたるものがあります。
 先ほど申し上げましたように、その場にいた者が、その場にいてその場で全力を尽くすということがやはり大事なことだと思いますから、さっきもおっしゃったように、そうならなくてもできた道があったかもしれないというのは、検証はできないわけですけれども、そういうものがありますから、歴史的な目で見れば、今おっしゃったような公的資金投入はやむを得なかったということかもしれませんけれども、私個人として、そうであったというふうに淡々と言うということは私はできません。
○階委員 淡々と言うことはできないということなんですが、何かやはり、当時金融当局にあった人としては、極めて第三者的なことを言われているのかなという感じがします。私は当時、破綻した長銀にいた当事者として、私なんか一介の社員でございましたけれども、やはり非常に責任を感じておりますし、また実際、私の敬愛していた諸先輩でみずから命を絶った方もおられます。
 そういった中で、私は、今自分がこういう立場でこういう問題を取り上げているということは、少しでもこういう問題を教訓として、二度と同じような過ちを繰り返さないためにしっかりと取り組んでいくべきなのかな、そういうことを肝に銘じて、今この質問の場に立たせていただいております。理事長も、さっきのような、私にとってはやや寂しい御発言でした。当時、金融当局にあったお立場ですから、もう少しほかにやりようがなかったのかどうかということを真剣に考えていただければなというふうに思います。
 それで、私は今回、人事の案件に同意するかどうかということで参考になるものはないかなと思いまして二つ、三つ資料を挙げていますけれども、まず、預金保険機構中期目標というものが何か昨年度から出されたようですね。資料の一というところから二にかけて挙げておりますけれども、この預金保険機構中期目標というものは、どういう趣旨というか、どういう意義を持つものでございましょうか。
○永田参考人 中期目標の件でございますけれども、平成十七年四月の普通預金等の定額保護への移行や、近年の金融環境の変化等、我が国の預金保険制度を取り巻く環境が大きく変化してきております。
 当機構として、こうした環境変化を踏まえて、引き続き使命を的確に果たしていくということが重要であると考えておりまして、このために当機構は、中期的な業務の目標を作成いたしまして、これに基づいて毎年度作成する方針に沿って業務を行い、その実績を評価しまして、これをさらに業務に生かしていく、そういう業務管理プロセスによりまして、ガバナンスの向上と業務の的確性、効率性の向上を図ることが重要であると判断いたしまして、平成十九年度から導入したものであります。
○階委員 それで、その三カ年の計画のさらにこれを具体化したものが各年度の計画ということで、資料の二枚目以降につけておりますけれども、この平成十九年の預金保険機構業務方針というものについて、その達成状況はどうなっているかということと、まだ今手元にありませんけれども、それを踏まえて平成二十年度の業務方針はどうなるかということについてお聞かせ願えますか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 十九年度の業績評価については現在作成中でございまして、これもまた作成をした上、運営委員会等でも御議論いただきまして、公表をしたいというふうに思っておりますが、十九年度は、特別危機管理銀行であります足利銀行の受け皿の選定あるいは振り込め詐欺救済法の成立などがございまして、こうした中で、当機構としては、当該年度の業務方針に係る課題それぞれに適切に対応するよう努めてきたところでございます。
 二十年度の中期目標、中期目標もローリングすることになっておりますので、中期目標及び業務方針につきましては本年四月一日に公表したところでありますが、その主な内容は、預金の定額保護を前提とする破綻処理態勢の一層の整備、それから、これまでに実施された破綻処理等に係る業務処理の促進、また財務の一層の健全化、それから、定額保護下の破綻処理から金融危機対応まで全方位の保険機能を維持するための効率化と業務の質の向上を図りつつ行う、さらなる業務態勢の整備といったことを挙げております。
○階委員 今、紙を見られて業務方針というのを説明されました。私、民間の企業にいたものですから、企業のトップたる者は、こういう経営方針とかを説明する場合は大体紙を見ないで言うのが常識なんですね。じゃないと株主から見放されてしまいます。紙を見ないで言えないのでしょうか。
○永田参考人 どうも、おしかりを受けまして恐縮でございます。
 私どもは、先ほど申し上げましたような基本線は、新たな平時、要するに、私どもとしては平成金融危機を脱しまして新たな平時の態勢に突入している。したがいまして、御案内のとおり、この三年余、破綻はないわけでございますが、しかし、全額保護から定額保護の時代に移ってくるわけでございまして、預金者の方々にもそれから金融機関の方々にも、万が一ということが必ずあり得る、その場合にはこういうことが起こりますし、こういうものが保護され、そしてこういう手順で行われますということをある程度理解していただいて、例えば金融機関につきましては、名寄せとかそういう公平な保険金支払いに協力いただくといったことをきちんと努めていかなければなりません。
 私どもは、実はその訓練というのを、金月処理、いわゆる定額保護下の破綻処理ですね、金曜日に仮に破綻したとすれば月曜日から業務を再開する。これは全額保護のときに比べますと非常に手間とか、それから法律的にも大変でございますし、人数を要するものでございますが、管財人が出かけていってやらなきゃいけない。そういうものの訓練をやってきて、私どものパフォーマンスの精度を上げていかなきゃいけない。そのためには、預金保険機構の人間として、預金保険機構のやっている仕事を全般的に理解し、また全般的にできるようにする必要があるということで私はこの四年間やってまいっておりまして、そういう観点から、この中期目標、業務方針、それから業績評価といったことも、当座から声を上げまして、こういうところまで持ってきたということでございます。
 そういう意味で、預金保険機構は、さっき申し上げましたような新たな平時ということで、あり得る破綻事故に対する備えといったものを中心に、危機のときのようにしょっちゅう物が起こるわけではありませんので、ある意味で屯田兵的な備えをしながら平常業務をやっていく、しかも預金保険機構のミッションをきちんと理解して。こういう組織をつくり、また人員を育てていくということを目標にしております。
 そういう意味で、多分、細かく見ていただくと少しずつ新たな業務とかそういうのが出てきてはおりますけれども、基本的な線は変わらないのでございまして、そういう備えをますます強化していく、あるいは人々の能力をますますアップし、横断的な連帯ができるようにしていく、そういう形でつくっております。
    〔委員長退席、田中(和)委員長代理着席〕
○階委員 資料の二枚目の右側に書いています平成十九年度の業務方針の一の3というところで、名寄せデータの精度の維持向上を図るためのいろいろな方策が書かれています。この名寄せの話ですけれども、毎年毎年金融機関に検査をして、この名寄せのシステムがちゃんとなっているかということをやっているんだと思うんですが、これはもう既に一巡が終わり、二巡目も終わりに近いのかなと思っていますけれども、これは何度も何度もやらなくちゃいけないというのはどういう理由なんですか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 今おっしゃられたとおり、一応一巡、一巡という意味は金融庁の検査も含めてそれで一巡ということなんでございまして、我が預金保険機構が自身でやっている検査につきましては、まだ一巡はしていない、もうちょっと残っております。
 しかしながら、一巡、あるいは二巡目のところも若干ございますけれども、全体としてのレベルというのはそうそうのものになってきているとは思います。しかしながら、まだもう少し改善の余地があるというふうに判断されますし、それから、当然のことながらデータは、新しい預金者が入る、それからシステムが変わる、いろいろなことで変わっていくものでございますし、定期的には検査をする必要があるんじゃないかと私どもとしては考えておるところでございます。
○階委員 それから、一枚めくっていただいて、この資料三枚目の左上の部分、2というところで「破綻金融機関等から取得、保有する債権、株式等の管理・処分については、的確な対処方針の下、国民負担最小化等の観点から、所要の業務を適切かつ効率的に行う。」という記載がございます。
 それで、それに関連して、資料の六枚目を見ていただきたいんですが、六枚目の右側の方ですね。これは、今申し上げた破綻金融機関から取得した株、ちょうどこの中には私がさっきの益出しクロスで使った株も多数含まれているわけでございますけれども、きのう急遽お願いしてこの数字を出してもらったんですが、預金保険機構の方に手書きで書いていただきました。この株が、二十年三月末で見ますと、簿価残高が一兆五千七百七十三億円、時価が一兆八百九十七億円、これは何と四千八百七十六億という含み損になっております、今の差額ですけれども。
 そして、さらに驚くべきことに、回収等に伴う損益と欄外に、下の方に書いていますけれども、これが平成十九年九月末の段階で三千三百九十億円だったのが、今度、二十年三月末は三千三百八十一億ということですから、プラスの額が絶対値が九億ほど減っている、つまり、益を出すんじゃなくて損を出す取引をしている、そういうことなんです。
 今、この業務方針の方では、「国民負担最小化等」という記述がございますけれども、これと矛盾しているような感じがしますけれども、国民負担最小化という部分に反するのではないかと思うのですが、いかがでございますか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘のこの六のところでございますけれども、九億減っているということでございますが、これは、実は個別の問題なので、個別の株の名前はちょっと申し上げられませんが、その株が清算という事態がございまして、したがいまして、その分だけかなり塊として特殊事情で落ちましたので、そういうことになっております。
 いずれにせよ、株式市場の動向を見ながら、十年かけて処理をしていくということでございますので、適正な処分に努めてまいりたいというふうに考えております。
○階委員 この点について、副大臣の方からも、保有株式等の管理、処分のあり方について御見解をお聞かせ願えますか。
○山本副大臣 ただいま理事長から個別の話というお話がございました。
 いろいろな例が考えられまして、企業の破綻だとか解散だとか企業統合、そういったいろいろな事態が出てくるわけでありまして、そうしたときにはどうしても処分せざるを得ないという場合もあるわけだというふうに思っております。もちろん、国民負担の最小化というのは当然でありますので、姿勢としてはそういった形に添ってやっていってもらいたいというふうに考えておるところであります。
○階委員 次に、資料五の左側の上から二つ目の表を見ていただきますと、残余の資産というところに二・二兆円と書かれてあります。先ほど挙げたように、保有株式の簿価が大体一・六兆円なので、残り〇・六兆というのが貸出債権、しかもその〇・六兆のうち、償却、引き当てが括弧書きで〇・四兆円あるというふうにありますから、残り〇・六兆の貸出債権のうち、回収可能額は大体〇・二兆ぐらいという理解でよろしいでしょうか。
    〔田中(和)委員長代理退席、委員長着席〕
○永田参考人 お答え申し上げます。
 貸出債権につきましては、償却、引き当てされた〇・四兆円も回収の可能性のあるものと認識しております。ですから、そういう御判断でよろしいと思いますが。
○階委員 今私の言ったとおりでいいということでしたら、二・二兆円の残余の資産というところで、今現在換価した場合、実際に回収可能なのは、先ほど言ったように株は含み損になっていますから、今、時価でいうと一・一兆ぐらいしかありません。それと、残り〇・六兆の貸出債権も不良債権ですので、〇・二兆円ぐらいしか回収できません。そうすると、二・二兆とありますが、実際に回収できるのは今現在見積もると一・三兆円ぐらい。
 そうすると、この二番目の表でいいますと、左側で九・七兆円、使った公的資金がありまして、今現在、回収合計九・四兆円とありますが、これにさらに上乗せされるのは、今申し上げた、株で一・一兆、債権で〇・二兆、合わせて一・三兆円ぐらいということですので、トータルの回収額は九・四兆プラス一・三兆ということで十・七兆ぐらい。つまり、当初投入した九・七兆に対してプラス一兆円ぐらい浮く、そういう計算なんですが、大体こんな感じでよろしいですか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 今おっしゃられたような前提でいくとすれば、そういうことになろうかと思います。
○階委員 数字のことをいろいろ細かく申し上げて恐縮なんですが、私はこの問題は本当に責任を感じておりますので、国民負担をなるべく少なくしたいがためにちゃんと数字は精査したいという趣旨ですので、もう少しおつき合いください。
 それで、もう一つ、資料三というところを見てほしいんです。資料三の左側の上の方、3というところに、「早期健全化法等に基づき引き受けた優先株式等については、」省略しますけれども、「引き続き、その適切な管理と円滑な処分に努める。」というふうにあります。
 追加でお配りした別紙と書かれてある資料があるかと思います。ここを見ますと、優先株式等の含み益、含み損というのが左側にありますけれども、今現在、含み益が七千六百七十四億、含み損が六千百四億、ネットしますとプラスで千五百七十億ということです。この千五百七十億を、これから国民負担を極小化するために、ちゃんと含み益については実現し、含み損については極小化するというふうにしていかなくてはいけないんですけれども、含み益をどう実現していくか、含み損をどう解消していくかということについて、何か具体的な方針があればお聞きしたいんです。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 今後の方針に関して確たることは申し上げることはできませんが、今おっしゃられたように、可能な限り含み益を実現し、含み損を極小化するということは御指摘のとおりだと思います。
 ただ、私ども、先ほども申し上げましたように、優先株につきましては、当面の対応ということで三つの基準を設けまして対応しておりますので、やはり各金融機関の健全化の状況だとかあるいはその時期による市場に与える影響とかいろいろとございますので、そういうものを十分に見ながら、先ほど委員御指摘のようなものができるだけ実現できるように努力をしていくということ以外にないというふうに思っております。
○階委員 その一つの案として、今の別紙の右側に書いておりますけれども、先ほど佐々木先生からも御指摘があった議決権の部分であります。新生銀行は先ほどもありましたとおり二四%近く、それ以外にも、りそなホールディングスは七〇・八%とか、あと豊和銀行、九州親和銀行、それぞれ大株主であります。こういった議決権を、つまり株主としての権利を行使して株主価値を極大化していこう、そういうようなお考えはありますか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 議決権は、公的資金の管理者として、株主としての利益最大化の観点からこれを行使したいというふうに考えております。
○階委員 副大臣にお聞きしたいんですが、金融機関を監督するお立場から見て、一方で株主価値を極大化したいというニーズがあります。一方で、そういった金融機関を監督し、場合によっては不利益な処分も与えなくちゃいけない。そういうことで、非常に利益相反的な立場といいますか、潜在的にはそういう利益相反的な立場にあると思うんですが、その辺について金融行政としてはどのようにお考えになりますか。
○山本副大臣 金融庁といたしましては、それぞれの返済だとか返済の具体的な時期とか価額等につきましては、資本増強行の資本政策に基づいておりますので、当局が予断を持って申し上げるという立場にはないというふうには考えております。
 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、各行がみずからの資本政策を固めた上で、三つの原則でありますけれども、それを満たす形で公的資金の返済に引き続き主体的に取り組んでいただきたい、そうした立場で臨んでいきたいというふうに考えております。
○階委員 そういったことを踏まえて、五番目の表にまた戻ってほしいんです。五番目の左側の表の上から三つ目、金融システム安定化等のための資本増強として十二・四兆円投入されました。既に回収されていたのが十・二兆円あります。今私が数字を挙げて説明したのは、残余の株式等三・五兆円という部分でありました。その三・五兆円のうち、含み益がネットで千五百七十億あるということですから、残余の株式等三・五兆円、これに大体一千億程度、〇・一兆円程度上乗せされて三・六兆ぐらい追加で回収できそう。そういう見込みですと、既に回収したのが十・二兆円、プラスの残余の株式等で三・六兆円でトータル十三・八兆円。
 当初投入額十二・四兆円に対して十三・八兆余の回収だと一・四兆ぐらいおつりが来るというような勘定かと思うんですが、そういう計算でよろしいですか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 公的資金注入先の優先株式等の処分による回収額は、市場の状況や優先株式の商品性等によるもので、一概には申し上げられませんが、今おっしゃられたような前提に立って御議論されるとすれば、そういうことかなというふうに思います。
○階委員 ありがとうございます。
 それで、最後に残った、その他という部分、五・九兆円使われているわけですけれども、この回収が四・八兆あって、残りの部分は、残余の資産〇・五兆円とありますが、全部償却、引き当て済みですので、この残余の資産からはほとんど回収は見込めない。さらに、損失で確定しているものが〇・五兆円ありますから、大体一兆円が損失である。
 つまり、五・九兆円に対して回収額は四・八兆円程度ですから、マイナス一兆とか一・一兆とか、そういう回収額になってしまうということだと思うんですが、その考えでよろしいでしょうか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 その他の貸出資産につきましても、引き当て済み部分からの回収の可能性は残されていると考えておりまして、また、引き当て済み部分以外の簿価も〇・一兆円程度残っていると認識はしておりますけれども、前提を置けばそういう見方も成り立つと思います。
○階委員 そういうことで、今のところは、では〇・一兆ぐらいは回収を見込めるということなので、回収額は四・九と見積もって、一・〇ぐらい損が出るというふうにしましょう。そうすると、これは下三つの表を合わせると、資産買い取りでプラス一兆、資本増強のところでプラス一・四兆、最後のその他でマイナス一兆、ネットしますとトータルでプラスの一・四であります。これに対して、国民負担として確定しているという、一番上の表の交付国債十・四兆ですから、最終的な国民負担は九兆という今現在の大体の見積もりになると思うんですが、それでよろしいですか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 ただいま委員が御説明いただいたような、これを国民負担と考えますれば、まさに計算はそういうふうになると思います。
 ただ、国民負担がどうであったかという議論は、それによって、この政策を投入したことによって金融が立ち直り、あるいは経済が立ち直り、そういったマクロ的なことにつきましてもどのように見るかとか、いろいろなことを勘案しながら総合的に御議論いただくということになろうかと思いますが、少なくとも今おっしゃられた観点だけで見ますれば、そのようになるというふうに思います。
○階委員 そこで、理事長の業績を数字でどう評価するという話になるんですが、結局この十・四兆を九兆に減らした、一・四兆円浮かせたというところが評価の基準になるような感じがします、前任者の部分もあるかもしれないですけれども。
 そういうことで見てみますと、今回、理事長の任命理由、再任の理由ということでペーパーが回ってきておりますけれども、この中に、任命理由の第一として、「預金保険機構は、破綻金融機関等から買い取った不良債権等約九・七兆円については、これまでに約七・一兆円を回収し、その際、約一・五兆円の利益をあげている。また、金融機関に対する約十二・四兆円の資本増強については、約八・八兆円を回収し、その際、約一・三兆円の利益をあげるなど、納税者利益の実現に関しても多大な実績をあげてきた。」というくだりがあります。
 ここをさらっと読みますと、一・五兆の利益と一・三兆の利益、二・八兆も利益を上げたかというふうに思うわけですけれども、先ほど子細に積み上げていきますと一・四兆円ぐらいだということで、ちょっとミスリーディングな資料ではないかなと思うんですが、この点についていかがお考えでしょうか。
○永田参考人 私の在任中のこととしてそういう計数を挙げられたんだろうというふうに思いますけれども、先ほども申し上げましたように、私は、委員がおっしゃられたように、まさに、そういう回収といったことにつきましても、貴重なお金を使ったわけでございますので、できるだけの回収を図るということは必要なことだというふうに思っております。
 しかし、だからといって、私の分がこれだけだとか、そういうふうに強弁するつもりは全くございませんで、むしろ、そういう先人たちが苦労された結果としての仕組み、そして、今後そういうことにまた陥らないような形で仕組みを運営していくような組織としての能力、そういったものをできるだけ涵養していくということが私に与えられた任務だと思ってやってきたわけであります。
○階委員 これまで破綻金融機関の問題をいろいろお話ししてきましたけれども、資料の七というところを見ていただきたいんですが、これは住専勘定の二次損失という資料でございます。
 これも、今度、整理回収機構が五月三十日の決算に当たって決算説明資料の中に入っていたものでございますけれども、この中に、左側の表でシャドーがかかっている分、損失補てん助成金という名目で最終的には政府からお金が出るというところが今のところ三千二百五十二億円。それに加えて、右側の方にるる説明があります。今、貸倒引当金が三千三百十八億あって、利益でカバーされる分が二千八百七億あって、差額五百十一億が貸倒引当金に対する資金不足額で、これが追加の損失ということになりますから、トータルで三千七百六十三億円が繰越損失であると右側の文書の3あたりに書いてありますけれども、この三千七百六十三億円というのが今のところ国民負担になる金額である、そういう理解でよろしいですか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 ここにお書きでございます三千七百六十三億円が現在の住専勘定のバランスシート上の繰越損失ということになっております。したがいまして、これから、住専債権の回収期限というのは法律上は二十三年を目途にしておりまして、整理回収機構は、現在、預金保険機構と連携しつつ引き続き最大限の回収に努めているところでございまして、今後、回収の進捗による貸出残高の減少に伴い貸倒引当金の戻りが発生することも期待できるなど、現時点で最終的な二次損失の金額の見通しについて判断することは困難でございますので、その辺が見えてくるということが最終的な判断には必要だというふうに考えております。
○階委員 済みません、結論として、三千七百六十三億というのは、もし今現在この住専勘定をクローズするとすれば公的資金の負担になるということでよろしいですか。
○永田参考人 公的資金の負担というのは、最終的には二次損失というものをどう負担するかということでございますので、まさに計算式は、現在約一兆円の二次損失に今度の決算でなってきておるわけでございますけれども、それの半分を政府と民間が負担するということになるわけでございまして、その分を二十三年度に向かって算定していくということが必要なわけでございます。(階委員「今現在で見ると」と呼ぶ)ですから、今現在で見ますと……ちょっとお待ちください。
○原田委員長 時間をとめて。
    〔速記中止〕
○原田委員長 速記を開始して。
 永田理事長。
○永田参考人 失礼しました。
 今の表でごらんいただくとわかるんですが、二次損失が一兆六百七十一億円とありますね。これがどのぐらいにふえていくかということを先ほど申し上げたわけであります。その半分を民間、それから半分を政府ということで最初に仕組みができております。それで、今まで回収を行って、国庫に納付している部分もあります。それから、実は、民間部分の負担につきましては、基金がありまして、その基金の収益で補てんしていくということになっておるんですが、御案内のとおり、今のところ基金の益というのは、この経済環境でございますので、不足をしているということで、未収金として整理回収機構としては立てておりますが、それがどの程度になるかということ。
 それらを最終的にだれがどう負担するかという問題ということになるわけでございまして、政府の分は、納付金といいますか、簿価超回収をした部分を除いた部分で不足の分をどれだけ政府が負担するか。それから、民間の方は、基金で足りないものを基金そのもので負担するのかどうかといった、そういった判断になってくるというふうに思います。
○階委員 非常に説明がまずいなと思います。
 このグレーの分というのは、おっしゃった助成金の運用益のこととかあるいは簿価超回収分とか、既にそういうものを勘案して残った部分でございますので、そういうものを勘案した上で三千二百五十二億というのが今の段階で確定しているということ、さらにそれにプラス貸倒引当金から利益を除いた分が上乗せされる可能性があるということなので、そういうふうに端的に言っていただければいいのかなと思うわけで、こういう基本的な説明もおぼつかないようですと、私どももなかなか、同意ということは、ちょっとマイナス評価にならざるを得ないというふうに思います。
 それと、副大臣にちょっとお聞きしたいんですが、住専の関係で、二次損失は出さないというような発言が過去にどこかであったと思うんですが、このあたりについてどのようにお考えですか、今の形だと二次損失で公的資金の負担が出そうなんですけれども。
○山本副大臣 二次ロスについてでありますけれども、今、期限が二十三年となっております。したがって、まだ今から最大限の回収に努めていただくというふうに思っております。二次ロスが極力出ないように努力をしていっていただきたいというふうに考えておるところであります。
○階委員 最後になりますけれども、資料の四を見ていただきたいと思います。
 ここに民事責任追及状況ということが載っていまして、この中で上の行に、破綻金融機関の経営者責任の追及で百十八件、請求金額トータルで千百五十八億といったような数字があります。その他もろもろ含めて、百二十四件、千二百五十三億という民事訴訟の責任追及がされているわけですけれども、これまでに回収できた金額と、その訴訟遂行に要した費用を教えていただけますか。
○永田参考人 お答え申し上げます。
 民事提訴した案件につきましては、判決、和解等により解決が図られておりますが、大部分において請求どおりの結果を得られたものと承知しております。また、平成二十年三月三十一日現在で約百七十一億円の回収が図られたものと承知しております。
 訴訟コストにつきましては、若干ベースが違って恐縮なんでございますが、平成十一年四月から平成十九年十二月末までの破綻金融機関の旧経営者からの回収約百二億円に伴う法的回収関連費用、いわゆる訴訟コストは、約二十八億円と承知しております。
○階委員 私の個人的な感想なんですけれども、私のいた長銀もそうだったんですけれども、破綻の原因をつくったわけでもない、たまたま九回裏、十対ゼロで負けていた試合で登板したピッチャーが多額の責任追及をされて、そして家屋敷を失って、御高齢の方が寂しい思いをしているというようなこともございます。こういうことにかんがみますと、やはり二度とこういうような金融破綻ということは起こしてはならないのかなということを私は改めて強く感じた次第です。今後ともそういったことでこの問題に取り組んでいきたいと思いますので、また皆様の御知恵をかりたいと思います。
 本日はありがとうございました。
○原田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時七分散会