第169回国会 文部科学委員会 第13号
平成二十年五月三十日(金曜日)
    午前九時四十一分開議
 出席委員
   委員長 佐藤 茂樹君
   理事 伊藤信太郎君 理事 小渕 優子君
   理事 塩谷  立君 理事 鈴木 淳司君
   理事 渡辺 具能君 理事 小宮山洋子君
   理事 牧  義夫君 理事 富田 茂之君
      阿部 俊子君    飯島 夕雁君
      江崎 鐵磨君    小川 友一君
      岡下 信子君    加藤 紘一君
      亀岡 偉民君    北川 知克君
      近藤 基彦君    佐藤  錬君
      清水清一朗君    鈴木 恒夫君
      中森ふくよ君    西本 勝子君
      萩原 誠司君    原田 憲治君
      原田 令嗣君    平口  洋君
      福田 峰之君    藤田 幹雄君
      二田 孝治君    保坂  武君
      馬渡 龍治君    松野 博一君
      松本 洋平君    御法川信英君
      矢野 隆司君    安井潤一郎君
      山本ともひろ君    大畠 章宏君
      太田 和美君    園田 康博君
      田島 一成君    高井 美穂君
      寺田  学君    土肥 隆一君
      藤村  修君    松本 大輔君
      山口  壯君    笠  浩史君
      和田 隆志君    西  博義君
      石井 郁子君    日森 文尋君
    …………………………………
   文部科学大臣       渡海紀三朗君
   財務副大臣        森山  裕君
   文部科学副大臣      池坊 保子君
   厚生労働副大臣      西川 京子君
   文部科学大臣政務官    原田 令嗣君
   文部科学大臣政務官    保坂  武君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   真砂  靖君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房総括審議官)         合田 隆史君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房文教施設企画部長)      舌津 一良君
   政府参考人
   (文部科学省生涯学習政策局長)          加茂川幸夫君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          金森 越哉君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            清水  潔君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局私学部長)         磯田 文雄君
   政府参考人
   (文部科学省スポーツ・青少年局長)        樋口 修資君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           村木 厚子君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局長)            太田 俊明君
   文部科学委員会専門員   佐久間和夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月三十日
 辞任         補欠選任
  井脇ノブ子君     西本 勝子君
  飯島 夕雁君     安井潤一郎君
  江崎 鐵磨君     北川 知克君
  近藤 基彦君     萩原 誠司君
  藤田 幹雄君     亀岡 偉民君
  山本ともひろ君    松本 洋平君
  田島 一成君     園田 康博君
  高井 美穂君     寺田  学君
  土肥 隆一君     大畠 章宏君
  笠  浩史君     太田 和美君
同日
 辞任         補欠選任
  亀岡 偉民君     藤田 幹雄君
  北川 知克君     矢野 隆司君
  西本 勝子君     清水清一朗君
  萩原 誠司君     御法川信英君
  松本 洋平君     山本ともひろ君
  安井潤一郎君     飯島 夕雁君
  大畠 章宏君     土肥 隆一君
  太田 和美君     笠  浩史君
  園田 康博君     田島 一成君
  寺田  学君     高井 美穂君
同日
 辞任         補欠選任
  清水清一朗君     原田 憲治君
  御法川信英君     近藤 基彦君
  矢野 隆司君     江崎 鐵磨君
同日
 辞任         補欠選任
  原田 憲治君     井脇ノブ子君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 学校保健法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五二号)
 文部科学行政の基本施策に関する件(教育振興基本計画等について)
 教育基本法第十七条に国会報告が義務付けられている教育振興基本計画に関する件
     ――――◇―――――
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 文部科学行政の基本施策に関する件、特に教育振興基本計画等について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として財務省主計局次長真砂靖君、文部科学省大臣官房文教施設企画部長舌津一良君、生涯学習政策局長加茂川幸夫君、初等中等教育局長金森越哉君及び高等教育局長清水潔君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○佐藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小渕優子さん。
○小渕委員 おはようございます。自由民主党の小渕優子でございます。
 今回、久しぶりにこの場に立たせていただきます。質問の機会をいただきましたことに、まず感謝を申し上げたいと思います。
 本日は、閣議決定まで大詰めを迎えています教育振興基本計画につきまして、大変多くの関心が寄せられておりますので、こちらを中心に、その中身につきまして今後いろいろと質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 この教育振興基本計画の策定に当たっては、もう申し上げるまでもありませんけれども、二〇〇〇年に、教育改革国民会議によって、教育基本法の改正とともに教育振興基本計画の策定が提言をされました。それから六年の時間をかけまして、一昨年に、六十年ぶりになります教育基本法が改正となりまして、それに伴い、この改正教育基本法の理念を踏まえて、今後の中長期的な教育の施策の具体的な骨格となるのがこの教育振興基本計画ということで現在進められておるということを承知しております。
 日本は今後、教育立国ということで、十年先のあるべき姿を見据えて今後五年間に取り組むべき施策を示すものということで、このような試みがなされることというのは教育史上初めてであるというふうにお伺いをしております。そのこともありますので、大変高い関心と大きな期待が寄せられていると承知をしております。
 現在、我が国の教育を取り巻く環境は大きく変化をし、また、教育のレベルの低下などさまざまな心配がなされる中で、これからの日本の将来を担う子供たちに夢と希望を与え、この国の未来を切り開いていくために、こうした時期にこの教育振興基本計画が策定されるということは大変大きな意味があるというふうに考えております。この国のこれから、二十一世紀の新たな教育のあり方を示すものであると言っても過言ではないというふうに思います。
 ですから、この教育振興基本計画の内容については、できるだけ具体的かつ国民にわかりやすい内容でなければならないと思いますし、今後の教育にどれだけの予算を投入し、そして、どういう形で教育の質の向上につなげていくかなど、実効性のある内容にしていかなければならないというふうに考えています。
 これから数々の教育の再生を図っていくわけですけれども、幼児教育から高等教育に至るまで、今後多くの改革を考えていかなければなりません。そのために、さまざまな施策の実施を裏づける財政的基盤の確保というものが私は何よりも不可欠ではないかというふうに考えています。
 今回、この教育振興基本計画案の中では、「目指すべき教育投資の方向」ということで、具体的に、GDPに占める教育への公財政支出の割合を、今後十年間を通じて、OECD諸国の平均である五・〇%を上回る水準を目指すということが盛り込まれています。
 これまで我が国は、OECD諸国の中でもこの公財政支出の割合がGDP比率で低いレベルにありまして、これをせめて先進国の平均ぐらいには上げていきたいという御意見が、これは与野党を通じてたくさんあったというふうに承知をしております。
 今回このような形で数値を明確に示したということは、私は大変重要なことだというふうに思っておりますし、文部科学省の今後の教育に対する意気込みを感じるところでありますし、国民の皆様に対しても大変わかりやすく、また、教育再生を目指していくんだという大変強いメッセージが伝わるのではないかと私は大いに評価をするところだと思っております。
 そこで、まず最初に大臣にお伺いをしたいと思います。
 このGDP比率五%ということに関しては、事前に新聞報道などでも出ていましたので、これまでの大臣の御答弁の中でも触れられる機会があったかと思うんですけれども、改めまして、このGDP比率、国力の五%ということを示すに当たって、しっかりとした目標値を持ったということに対しての大臣のお考えをお願いしたいと思います。
○渡海国務大臣 小渕委員から大変力強い御意見をいただきました。ここに至る経緯というのは今おっしゃったとおりでございまして、教育国民会議からの議論がこの振興計画のベースになっているわけでございます。
 私どもは、教育の計画をつくるときに、どういった考え方に立つのかということを随分議論してまいりました。また、多くの皆さんの御意見も聞いてきたところであります。成果目標をしっかり示して、あえて数値は書かないという選択も実はあったわけで、私も正直言いまして迷いました。
 しかしながら、やはり国民にわかりやすいメッセージを出すからには、そういったものをしっかりと示すべきという数多くの意見も寄せられているところでございまして、そういう中で私が最終的に考えたのは、GDPというのは、ある意味の国力であります、国の持つ力であります。国力というのは、いろいろな考え方があります。領土の広さ、資源の量、そして、ある面では軍事力もそうかもしれません。そういった中で、一つの指標として、国が持っている国力、これはGDPという値であらわされるであろう。だとするならば、その国力をベースにして、政策選択として教育というものをどういうふうに位置づけていくかということを考えたときに、このGDP比という考え方、こういうものがあると私は考えております。
 OECDがいろいろな国際比較を出しておるわけでありますが、あの国際比較も、さまざまな国の事情によってこの分析というのは一概に比較はできないけれども、しかし言えることは、国家が選択としてどういう政策を選んでいるかということについては大いに参考になる、こういうふうに記述をされているんですね。全くそのとおりだと思うんです。
 日本の国力、このGDPの源泉というのは一体何かということを考えたときに、これはどう考えても、資源のない我が国で唯一の資源は、人間なんです、人材なんです。人材というその国力を今後とも維持していく、そのことによって日本の社会を持続的に発展させていくということを考えれば、教育は最優先すべき政策課題である、こういった考え方に立った場合に、私は、OECDの平均並みという一つのこのメルクマールというのは超えなければいけない、こういう考え方をさせていただきました。
 いろいろな事情があるからという御意見はございます。しかし、例えば公共事業一つとりましても、あるときは、日本の公共事業はGDP比で大きいじゃないかという議論もされるんです、財政側は。しかし、これだって国の事情でいろいろ違うわけでありますから、そういうことを考えれば、やはり教育という、例えば投資がなかなか目に見えないことも事実でありますけれども、そういったものに対してしっかりとした目標を持って我々は教育政策をつくっていく。具体的な中身ももちろんお示しはしておりますが、投資目標というこういった目標に対してしっかりとしたメッセージを出していくということが教育政策として重要であり、振興計画の中で非常に重要な役割を果たす、そういう考え方で私どもはその考えを、今、省庁会議といいますか、政府内部の調整という中で主張させていただいているところでございます。
○小渕委員 ありがとうございました。
 大臣のおっしゃった、教育は最優先であり、また目に見えない投資にもしっかり目標を持ってメッセージを出していくんだというお話でしたけれども、本当に、全くそのとおりであるというふうに感じています。
 しかし、GDP比五%といいますと、現在、この国の公財政教育支出はGDP比三・五%でありますから、一・五%伸ばしていくということになりまして、これは、お金にすると約七・四兆円の増額となるわけであります。これもすべて国民の大切な税金でありますから、やはり国民の皆さんが納得できるような形で使っていかなければならないというふうに考えます。
 そこで、文部科学省にお尋ねします。この増加分の具体的な用途につきまして教えていただきたいと思います。
○加茂川政府参考人 お話にもございましたように、文部科学省といたしましては、公財政支出について、今後十年間を通じて、OECD諸国の平均であります対GDP比五%を上回る水準を目指すという目標を掲げまして、これを拡充していきたいと考えておるものでございます。
 この間の教育に関する課題でございますが、私どもの案、具体的には第二章でも示しておるわけでございますが、幾つかございます。
 第一には、幼児教育の無償化という課題がございます。また、教員が一人一人の子供に向き合う時間を確保するなど、質の高い教育条件の整備といったことも課題になってございます。家庭の経済状況によらない修学機会の確保、あるいは、国際的に競争できる大学への教育研究水準の維持向上、そして学校施設等の耐震化、こういったもろもろの課題があると認識をしてございまして、拡充されるべき公財政支出につきましては、こういった課題解決のために重点的に配分していくべきものと私どもは考えておるわけでございます。
○小渕委員 やはりたくさんのお金を預かるとなると、そのあたりは国民の目も大変厳しくなってきますし、そこにはしっかりとした説明をし、ばらまきなどと言われることがないように、国民の皆様に理解をいただけるようにしっかりとした説明責任を果たしていかなければならないと思いますし、今後、そのお金を投入することによってどのような改善がなされたかという検証もしていかなければならないと考えております。
 次の質問に移らせていただきます。
 今回の基本計画で数値目標を挙げる原点となったのは、政府の教育改革国民会議の十七の提案にあります。そこには、教育への投資を惜しんでは改革は実行できない、教育への投資を国家戦略として考えなくてはならないというふうに書かれています。また、教育基本法改正をめぐる議論の中でも、改正法で基本計画策定を義務づけ、数値目標を掲げるということが議論されています。
 先日、民主党の高井委員の質問の大臣の答弁の中でもありましたけれども、教育投資とは、日本の国家が人材にどれだけ期待をするかというその期待度のあらわれであるということをおっしゃっておられました。やはり基本計画は、そうした予算の裏づけがしっかりしたものであることにより、その実効性が果たせるのであるというふうに考えています。
 先般、新聞などの報道を見ておりますと、この教育投資をめぐって文科省と財政当局との間で大変熾烈な攻防が続いているというふうに聞いています。そんな中で、ちょっと財務省にお伺いをしたいと思います。
 財務省の見解を見させていただきますと、我が国の教育予算は、主要先進国と比べ遜色のない水準であるということが言われています。これにつきましてはそれぞれ御意見があるかと思うんですけれども、実際、私自身、果たしてそうかしらというふうに疑問を持っておるんですけれども、何をもって主要先進国と遜色のないということをおっしゃっておられるのか、ちょっと財務省のお考えをお伺いできたらと思っております。
○真砂政府参考人 お答え申し上げます。
 少し計数にわたりますのでお許しいただきたいと思いますが、今、予算のGDP比の議論で、五%がOECD平均だというお話でございます。我が国の場合、このレベルでいいますとGDP比が三・五%ということで、五%に比べると、その七掛けという形になっております。
 一方、総人口に占める子供の数を見てみますと、OECD平均が二三・一%、五人に一人が子供で、教育を受けている。我が国の場合、残念ながら、この数字が一六・五%ということになっておりまして、子供の数も七掛けになっているわけでございます。
 したがいまして、これは単純な算術でございますが、一人当たりの教育予算で見ますと、当然、割り算でございますけれども、遜色のない水準にあるということでございまして、教育という一つのサービスを受ける消費者は子供でございますので、消費者の目から見てどれだけお金がかけられているかという点から見れば、一人当たりで見ていくということが正しい物の見方ではないかというふうに我々は申し上げているところでございます。
 こういう子供の数を全く無視して、全体としてのGDP比、例えば五%にするんだということになりますと、一人当たりで見ますと、七割しかいないわけでございますので、OECD平均よりも一・四倍お金をかけるということに相なるわけでございますが、何ゆえ我が国だけがOECD平均よりも一・四倍教育予算を投入しなければならないのかという点について、私どもは明確な理由をお伺いしていないところでございます。
 以上でございます。
○小渕委員 私も財務省の資料を見させていただいて、生徒一人当たりの教育支出ということで、対総人口一人当たりのGDP比というものを出しているんですけれども、私も数学が弱いのか何かわかりませんけれども、なぜこれを出さなければいけないのかというところが正直わからないところでありまして、子供の人数が七掛けだからその分予算も七掛けでというのは、ちょっと乱暴な御意見かなというような気がしております。
 教育にどれだけ財政を投じるかということは、国家として重要な政策上の選択でありますし、先ほど大臣もおっしゃっておられましたけれども、本当に資源の乏しい日本がこれだけ大きく発展してきたのは、やはり教育というものにしっかり先人がお金をかけて投資をしてきたから、そういう方々がこの国で活躍をされてきたのだと思います。だからこそ今のこの国があるわけであって、人材こそがこの国の資源であると考えるのであれば、人材への投資である教育を最優先の政策課題として考えるのは、大変重要なことではないかというふうに考えるところであります。
 ちょっと身近なところで考えてみますと、私も一人の子を持つ親の立場になりまして考えるときに、今、少子化だとこの国は言われているんですけれども、二人目、三人目を産むときに、家計の負担というものを考えてしまうことによってこの国の少子化の原因になっているのではないかということが言われていて、やはり周りでも産むのを考えてしまうということを言う方々もおられます。子供を授かるに当たってそんなことを考えてしまわない国をつくっていきたいというふうに思いますし、やはり親の所得であるとか本人の所得、住んでいる環境とか、そうしたものにかかわらず平等に教育が受けられる、そんな環境をつくっていかなければならない。
 そして、今こそ新しい教育基本法のもとで新しい教育再生を始めなければならない中で、今財務省の方から御丁寧な御説明をいただいたんですけれども、やはりこの国の教育予算というものは、私は十分とは言いがたいのではないかなと思うところであります。
 今後、また厳しい折衝が続いていくのかと思いますけれども、GDP比五%を政府の決定として位置づけられるように、文部科学大臣と文部科学省におかれてはぜひ頑張っていただきたいと申し上げたいと思います。
 次の質問に移らせていただきます。
 学習指導要領が三月に改訂となりました。その中で、確かな学力を確立するために、知的活動、コミュニケーションや感性、情緒の基盤である言語に関する能力の育成、理数教育の重視、外国語教育の充実、十分な授業時間の確保など、これが二十一年度から可能な限り実施、小学校においては二十三年度から、中学校では二十四年度から完全実施ということになっています。
 学力低下が叫ばれる中で、確かな学力を確立するためにこうしたことが積極的に進められていくことは私も賛同するところなのですが、ただ、現場のことを考えますと、今既に、ただでさえ本当に忙しい学校の中で、これまでと同じ体制のまま、こうしたことが実際に現場で進めていけるのか、正直不安なところであります。
 現場では、あれもやれこれもやれと言われて、もういっぱいいっぱいだよというところもあるのではないかと思うんですけれども、そうした不安の声にこたえて、今後、文部科学省としてはどのようにしていくつもりなのか、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
○金森政府参考人 御指摘がございましたように、新しい学習指導要領の実施によりまして、教員には、授業時数の増に加え、言語活動の充実や体験活動の充実など、授業時数には必ずしも反映されない教育の質の向上が求められております。このため、教職員定数の改善を初めとする教職員配置など、教育を支える条件整備が必要であると考えております。
 現在、教育振興基本計画の文部科学省原案におきましては、新学習指導要領の円滑な実施を図るために、授業時数の増への対応として一万三千三百人程度、また、現在実施しております小学校の国語、算数、理科、中学校の数学、英語、理科といった基本三教科における少人数指導についての授業時数の増への対応として八千八百人程度、小学校の外国語活動において英語を専門とする教員と学級担任とのチームティーチングによる授業の実施として二千四百人程度を行うこととし、計二万五千人程度の教職員定数の改善を盛り込んでいるところでございます。
 新学習指導要領につきましては、小学校は平成二十三年度から、中学校は平成二十四年度から全面実施することとしておりまして、文部科学省といたしましては、今後、予算編成を通じて必要な定数改善を行いたいと考えているところでございます。
○小渕委員 ありがとうございました。
 やはり私自身の経験からも、教員によって子供の学校生活が大きく左右されますし、ひいては子供の将来にまで影響してくることではないかというふうに考えています。やはり子供たちと一日の中で一番長く接するのが教員でありますので、教員の質の確保また定数の確保というものは大変重要な問題であるというふうに考えています。
 今回、質の向上そして定員の改善ということについて、二万五千人の増ということで具体的に数値を出して、強く打ち出しておられますけれども、学校現場の声というものをやはり何よりも大切に、今後、総務省との調整というものをしっかりしていかなければならないと考えておりますので、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。
 この質問にあわせてもう一つ質問なんですけれども、新学習指導要領のことだけでなくて、学校現場においては、今、さらに多様な課題を抱え込んでいるというふうに承知をしています。モンスターペアレンツと呼ばれる親御さんの対応であるとか多様化するクラブ活動、その他必要事務作業など、十八年度の調査によると教職員の平均残業時間も三十時間を超えているという、本当に先生、学校にかかる負担というものが大変大きくなっているというふうに承知をしています。
 こうしたことに対しても、文科省としてもしっかり支援をしていかなければならないと考えておるのですけれども、お答えをお願いしたいと思います。
○金森政府参考人 教育再生の取り組みを真に実効あるものとし、子供たちの学力の向上と規範意識の育成を図りますためには、教員が子供と向き合う時間を拡充することができるよう、学校現場で日々頑張っている教員を支援する体制が必要であると考えております。
 文部科学省におきましては、主幹教諭によるマネジメント機能の強化などを図るための教職員定数の改善を行いますとともに、外部人材の活用や学校支援地域本部の創設など、子供と向き合う時間を確保するための施策に必要な経費を平成二十年度予算に計上しているところでございます。
 教育振興基本計画の文部科学省原案におきましても、教員が子供一人一人に向き合う環境づくりについて盛り込んでいるところでございまして、私どもといたしましては、国民の期待にこたえることができる充実した計画となるよう努力してまいりたいと考えております。
○小渕委員 やはり今回の教育基本計画の中で、教員の質の向上としっかりとした定数の確保というものは大変重要な柱の一つではないかと考えておりますので、ぜひとも現場の声を聞いてしっかりとした対応をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次の質問に移らせていただきます。
 幼児教育についてお伺いをしたいと思います。
 改正教育基本法の中で幼児期の教育の規定が盛り込まれましたが、生涯にわたる人格形成の基盤となる幼児期の重要性というのはもう申し上げるまでもないことです。基本計画の中にも、認定こども園のさらなる活用、また幼児教育の無償化などが挙げられています。認定こども園に関しては、認定件数二千件以上を目標に掲げていますが、現在二百二十九というふうに聞いておりまして、手続上の問題や使い勝手が面倒という理由でなかなか進んでいないというふうに承知をしています。
 できる限り早期に目標を達成したいということが書かれていましたが、実際、どうやったらできるのか、具体的な必要支援とは何であるのか、お伺いをしたいのと、また、あわせて、幼児教育の無償化についてなんですけれども、幼児期の教育の高い負担が少子化の一因であるということは先ほどもちょっと申し上げさせていただいたんですが、この無償化は一日も早く実現させてほしいと思っている親御さんも多いのではないかと思います。幼児教育無償化の話が出てからしばらく時間がたっているかと思うのですけれども、具体的にどういうふうに実現させていくおつもりなのか、あわせてお伺いをしたいと思います。
○金森政府参考人 まず、認定こども園についてでございますが、認定こども園の認定件数は、平成二十年四月一日現在で二百二十九件と、着実にその認定件数がふえつつございますし、また、認定こども園を利用している保護者や施設に対する実態調査におきましても、保護者の八割近く、施設の九割以上が認定こども園制度を評価しているという回答でございます。
 ただ一方では、施設や地方自治体からは、省庁間や自治体間の連携不足でございますとか、申請書類の煩雑さ、会計事務処理の簡素化、財政支援などに関する課題や要望が上がってきているところでございます。
 私ども、現在、実態調査の詳細につきまして集計をしているところでございますが、こういった課題の改善とともに、認定こども園制度の一層の普及を図りますため、ことし五月に、文部科学省、厚生労働省の両局長級の検討会を立ち上げたところでございます。この検討会におきましては、夏ごろを目途に改善方策を取りまとめる予定でございますが、直ちに取り組める事柄につきましては速やかに実施をいたしますとともに、認定こども園制度の改革、充実を図り、その推進に努めてまいりたいと考えております。
 また、幼児教育の無償化についてでございますが、幼児教育の無償化につきましては、骨太の方針二〇〇七におきまして、「幼児教育の将来の無償化について、歳入改革にあわせて財源、制度等の問題を総合的に検討しつつ、当面、就学前教育についての保護者負担の軽減策を充実するなど、幼児教育の振興を図る。」こととされております。
 文部科学省におきましては、この幼児教育の無償化について総合的に検討いたしますため、ことし五月に、今後の幼児教育の振興方策に関する研究会を立ち上げまして、諸外国の取り組み状況や財源、制度などについて調査研究を行っているところでございます。
 この問題につきましては、財源や制度面の課題も大きく、また、国民の幅広い理解を得ながら検討を進めていく必要があると考えているところでございます。
○小渕委員 ありがとうございます。
 やはり、教育振興基本計画をしっかり策定し、具体的な施策を速やかに実施していくことが国民の皆さんが大きく期待するところだと思いますので、ぜひともしっかり進めていただきたいというふうに思います。
 最後に、大臣に質問させていただきたいと思います。
 福田総理が四月三十日の記者会見で、道路特定財源の二〇〇九年度からの一般財源化の方針を説明した際に、一般財源化した場合の使途として、社会保障や環境対策と並び、高等教育の充実など教育問題を挙げておられました。今回、この教育振興基本計画ですけれども、やはり一番のネックとなっていくのが、さまざまな施策を実現できるだけのしっかりとした財源を確保できるのかというところではないかというふうに思います。
 この一般財源化に向けた文部大臣としての考え方とともに、教育振興基本計画、閣議決定を前にした大臣の決意のほどを伺わせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○渡海国務大臣 総理がそのように言及されたことは私も承知をいたしております。
 ただ、一部言われておりますように、一般財源化するということになると、財源の分捕り合戦みたいな、私はそういうことは余り了といたしません。我々はやはり、こういう教育を目指す、そしてそのためにはこれだけの投資が必要だ、またこれだけの手当てが必要なんだということをしっかりと我々の考え方を申し上げて、そして、その中で必要な手当てをやっていくというのが私は正当なやり方だろうというふうに思っております。
 ただ、総理の中には、留学生三十万人計画を初め、日本の高等教育というものが今のままでいいのか、この問題意識は強くお持ちであるというように認識をいたしておりますし、これは社会保障も重要な問題でございますから、そういったことも含め、政府の中でしっかりと、一般財源化がされた場合はどのようにそれを使っていくのか、また、どういう政策を重点的にそれで整備していくのかという問題を議論していかなきゃいけないんだろう。
 いずれにいたしましても、我々は、我々が考えましたこの日本の教育のあるべき姿、その目的に向けて頑張っていきたい、我々の主張をしていきたいと思っておりますし、また、それを振興計画の中でしっかりと、閣議決定に結びつくようにこれからも頑張っていきたいというふうに思っておるところでございます。
○小渕委員 以上です。ありがとうございました。
○佐藤委員長 以上で小渕優子さんの質疑は終了いたしました。
 次に、富田茂之君。
○富田委員 公明党の富田茂之です。
 今、小渕議員の方から、教育振興基本計画についての取り組みについてさまざまな御質問がありましたが、同じような趣旨で質問をさせていただきたいと思います。
 私どもの公明党も、文部科学部会として、福田総理そして渡海文部科学大臣に教育振興基本計画の策定に関する申し入れというのをさせていただきました。同趣旨の申し入れをさせていただいたんですが、まず五月九日に総理あてに申し入れをいたしました。官房長官が受け取ってくれたんですが、その際どういう申し入れをしたかをまずちょっと御紹介したいんです。
 「教育振興基本計画の策定にあたっては、教育基本法の理念を踏まえ、国民一人一人の人格の完成へ向けた教育を実施するため必要な条件整備が確実に行われるよう、以下の事項について明記すべきである。」ということで、七点指摘させていただきました。
 まず第一に、「多様化・複雑化する教育課題への国民の声に応えるため、教育投資については、教育先進国の公財政支出の水準を上回る具体的な数値(GDP比率五%以上を確保)を設定しその充実を図ること。特に税制の抜本改革時には、教育投資の充実を優先的に取り組むこと。」
 二つ目として、「学校として子どもたちの学力の向上や生徒指導体制の強化を目指して、教員が子どもと向き合う時間を拡充するとともに、教員及び事務職員定数の改善や必要な条件整備に努めること。」
 三つ目としまして、「地域ぐるみで学校を支援し子どもたちをはぐくむために、「学校支援地域本部」をはじめ、地域住民のボランティア活動等による様々な体験学習や学校安全対策への積極的な支援の取り組みを推進すること。」
 四つ目としまして、「私立学校が学校教育において重要な役割を果たしていることに鑑み、教育環境の維持・向上、在学する幼児から学生の修学上の経済的負担の軽減、経営の健全性の向上など、二分の一の公費助成を目指した私学助成の充実を図ること。」
 五つ目としまして、「幼児期における教育の充実を目指し、幼稚園と保育園の一体化を推進しつつ、幼児教育の無償化へ向けた工程を示した上で、保護者負担の軽減に取り組むこと。」
 六つ目としまして、「障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向け、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、持てる力を高め、生活や学習上の適切な指導及び必要な支援を行う特別支援教育の充実を図ること。」
 最後に、「大学を核とする地域経済活性化のため、コンソーシアム方式で地域経済界と国公私立大学が連携した取り組みを強化すること。」
 この七点を総理並びに大臣に申し入れをさせていただきました。
 大臣には五月十二日に部会として申し入れをさせていただいたんですが、大臣はこの我が党の申し入れをどのように受けとめられたか、まずお聞きしたいと思います。
○渡海国務大臣 公明党から申し入れをいただきまして、今我々が主張させていただいておることと方向はまず同じでございますし、そういった意味では、大変力強い御支援をいただいているというふうに認識をいたしております。
 計画は、今、各省庁間の協議ということで政府内の調整を行っているところでございますが、公明党さんからのこの申し入れも含めその中にしっかりと書かせていただいておりますので、我々の考えをしっかりとこれからも調整の過程の中で各府省に申し上げていきたい。意見の違いというのは当然ありますから、それはそれとして、我々の考えというものをやはりしっかりと申し上げていくことが大事であろうというふうに考えておるところでございます。
○富田委員 大臣に申し入れた際、大臣の方から、財務省の方からも財務省の考え方が示されて、先ほど真砂次長の方から、GDP比五%、子供が少ないんだから三・五%でちょうどいいんだみたいな、そういう趣旨なのかどうか後で聞きたいと思いますが、発言がありました。財務当局から見たら、やはり、納税者の理解を得るためにきちんとした根拠がなきゃだめだということでの真砂次長の発言だったと思うんですが、財務省の考え方に対して、我々が申し入れをした際大臣の方で、財務省からいろいろやはり指摘があるので、それに対して文部科学省としてもきちんと自分たちの主張の根拠を補強せないかぬというようなお話があったと思うんですが、そこについては、今どのように補強されて、各省間の調整に臨まれているんでしょうか。
○渡海国務大臣 財務省のお考えに対して我々はこういうふうに考えているというのをしっかりつくっております。ただ、これは調整の過程で申し上げることでございますから、そのことについて一々反論をしたりということではなくて、フェアに我々は主張させていただきたいと思っておりますから、実は、マスコミを呼んで発表するとかそういうことは一切いたしておりません。
 主張をぶつけ合うということは、健全なことでございますから、政府内部でしっかりとやっていきたいというふうに思っておりますし、財務省さんも財務省さんの考えでいろいろ今言われていることというのは、中にはやはりなるほどなと思うことも私はあると思いますよ。それを前提として、そうであったとしてもこうではないかということはしっかりと我々は言わせていただきたいと思っております。
 例えば、GDP比の問題にしましたら、さっきもちょっと言いましたが、公共事業のときはGDP比を使われるんですよね。では、例えば医療費はどうなのかというときにはどうなのか。これはやはり、いろいろな主張があると思うんですね。事情はいろいろ違う。
 ただ、私が申し上げているのは、これはやはり、国家としての政策の目標としてどういう選択をするかということで、十年先なんですから、それを目指して我々はあるべき教育の姿というものをこの振興基本計画の中で書かせていただいた。そのことをどうか御理解いただきたいということを今申し上げているところでございます。
○富田委員 ぜひ各省間の調整をうまくやっていただきたいと思いますし、その前提として、マスコミにいろいろ報道されているのは、四月十八日の中央教育審議会の教育振興基本計画についての答申について、案の段階からいろいろ各省の調整をして最終的なこの中央教育審議会の答申になったというふうに事務当局から説明を受けています。今こういうふうに取りまとめている最中ですということで、我が党の部会でも何度か説明を受けました。
 最終的にこういう表現になっていますね。「今後十年間を通じて、上述した教育の姿の実現を目指し、必要な予算について財源を確保し、欧米主要国と比べて遜色のない教育水準を確保すべく教育投資の充実を図っていくことが必要である。」というふうに答申ではなりました。これは、財務省の方との調整も踏まえた上でこういう表現になったと思うんです。
 ちょっと財務省の方にお聞きしたいんですが、ここで言っている「遜色のない教育水準」というのは、どの程度の水準だと認識して、また、どのぐらいの規模の教育投資が現段階で必要であるというふうに財務当局としては認識されているんでしょうか。
○真砂政府参考人 今先生の御質問にありましたくだりは中教審の答申の文章でございます。欧米主要国と遜色のない教育水準についてということでございますが、この教育水準そのものにつきましては、やはり教育を担当される文科省がお答えすべきものだと私どもは考えております。
 他方、どの程度の教育投資かということでございますが、まさに、先生おっしゃるように、欧米主要国と遜色のない教育水準ということが大切なわけでございますので、それを具体的に成果目標に落としていただいて、その成果目標と施策との検証をいわゆるPDCAサイクルの中でやっていただいて、その中で予算編成過程の中で予算については措置していきたいというふうに考えておりまして、今時点で総額ありきという議論は適当ではないのじゃないかというふうに考えておるところでございます。
○富田委員 何か数値目標が成果目標にすりかえられちゃったような気がするんですが、こういうふうになった経過が、マスコミの皆さんの報道によると、中央教育審議会の答申を最終的にまとめるまでの間にいろいろやはり財務省の方から指摘があって、ここの部分はだめですよというようなところを文科省としても受け入れてしまった。そういうのがあったので、今また新しく文部科学省として教育振興基本計画をつくる際に、もう一回そこまで押し戻さないとスタートにならない。そこで外野席の方からもいろいろな意見が出てきているんじゃないかというような指摘があるんですが。
 私が文部科学省の方から部会として何度か説明を受けた際、自分でメモ書きをしていたので正確ではないんですが、たしかこんな表現があったと思うんですね。もともとの中教審の答申、案だったか素案だったかよく覚えていませんが、一人当たりの教育費に占める公財政支出について、他のOECD諸国と比較して低いと明確に書いてあったと思うんですね。また、我が国の教育への公財政支出は不十分だというような表現もたしかあったと思います。
 私はここが一番大事だと思うんですが、教育費が家計の大きな負担になっていて、家計の教育費負担の軽減を図ることに特に留意すべきではないかというような指摘があったやに覚えています。きちんとしたいいことを書いているなというふうに思いましたので、ここははっきり覚えているんです。ところが、中教審の最終的な答申では今のような表現は少なくともなくなっていました。
 これは、財務当局から見たらこういうのはまずいんだということで意見を言われたんでしょうか。
○真砂政府参考人 先生の御質問は事前調整についてのお尋ねだと思いますけれども、これにつきましては、文科省の方から中教審の答申をできるだけ基本計画に反映したいという中教審自身の意向がありまして、それを受けて、文科省から事前に私どもの方にも打ち合わせ、折衝を行いたいという申し入れをいただいたものでございます。
 私ども、これを踏まえまして、文科省には、先ほどから御答弁申し上げているように、教育は量ではなくて質の改善が重要なので、手段を目標設定するのではなくて、大切なのは成果目標の設定ではないでしょうかというような趣旨をお伝えしたところでございます。
○富田委員 それをおもんぱかってこういう表現になったのかなと思うんですが、先ほど来、財務省の主張である、対GDP比五%は三・五で十分なんだ、決して他の欧米主要国に劣っていないんだというふうに真砂次長は言われました。
 文科省の方からいただいた資料ですと、「一人あたりの公財政支出及び公私負担割合の現状」という資料をいただいたんですが、確かに、初等中等教育段階では、OECD平均で公財政支出が六千六十六ドル、日本は六千四百八十七ドルですから、おっしゃるとおり少し超えているんですね。ただ、就学前の教育段階を見ますと、OECD平均が三千七百九十三ドルなのに日本は千九百七十三ドルと、はるかに低い。特にまた、高等教育段階もOECD平均が八千四百三ドルなのに日本は五千二十四ドルと。ここの差を見ると、十分遜色ないんだとはやはり言い切れないんじゃないか。
 初等中等教育は、義務教育ですから憲法上も保障されているので、ある意味、国の財政がどんと入っている。教員の給与もきちんと保障されていますから、そういう意味で、ここの部分が充実しているのは、当たり前と言ったらおかしいんですけれども、ここをきちんとしなくてどうするんだと。そこを踏まえた上で就学前教育とか高等教育を考えたときに、成果目標じゃなくてもう少しきちんとした数値目標を出しておかないと、本当に人材で勝負するんだというような国にならないと思うんです。
 この就学前教育段階、高等教育段階の対OECD平均を見た場合をどういうふうに財務当局は考えるんですか。
○真砂政府参考人 先ほどは全体の数字を説明させていただきました。すなわち、OECD平均ではGDP比五%でありますけれども、我が国はその点は三・五だと。それは、子供の数が七掛けなので、五%に七掛けすると三・五になるということで、教育全課程を通じて、我が国は一人当たりで見ますと先進主要国に遜色のない水準になっている。
 今先生の御指摘は、では、就学前あるいは大学のところはどうか、こういう御指摘でございまして、量の話で申し上げますと、それは、初等中等のところが諸外国よりもそういう意味ではたくさんついているわけでございますので、初等中等の質の向上とあわせた、全体としてのめり張りづけをしていただく必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。
○富田委員 何か、それはすごい苦しい答弁だと思うんです、真砂さんも御自分で言っていてわかると思うんだけれども。
 初等中等がはるかに超えているわけじゃないんですよ。OECD平均に比べて、六千六十六ドルに対して六千四百八十七ドルですから、ちょっと上回っている、まあまあ基準を満たしているかなというところなので。ところが、就学前と高等教育の部分に関しては、先ほど数字を紹介させてもらいましたけれども、かなり離れている。ここの部分をやはり考えていかなきゃいけないし、家計負担が大きいというところも、もう少し財務省も考えた方がいいと思うんですね。
 先ほど小渕議員が、子供たちを安心して学校に行かせられるような、どんな家庭でもきちんと教育を受けさせられるような、そういう社会にしなきゃいけないという御指摘をされていましたけれども、本当にそのとおりで、そういうふうに言うと財務省はいろいろ資料をくれまして、私もこんなのをもらったんです、「教育予算をめぐる議論について 事実に基づいた教育政策のために」。何か、これを見ると文科省の主張が事実に基づいていないみたいに読めるんですが、おまけに、関係資料というのをもらって、これは百三十三ページもあるんです。これに対抗するには、文部科学省はもう少ししっかりしないといけないと思う。これに対抗するぐらいの資料をきちんとつくって、違いますよということを言わないと、真砂さんのように優秀な財務官僚をなかなか相手にはできないなと。
 財務省からいただいたこの「教育予算をめぐる議論について」というところで、「国民の関心は、予算額や教員数・給与といった「投入量」ではなく、教育による「成果」ではないか。」先ほど真砂次長が言われたトーンでずっと書かれているんです。これは確かにそのとおりだなという部分もあるんですけれども、でも、これだけなのかなという感じがするんですよ。これだけじゃないだろうと。財政規律は大事だし、納税者の理解も得られなきゃきちんと教育投資もできないけれども、それでも、今きちんと教育投資をすべきなんじゃないか。それが、教育振興基本計画をきちんとつくりましょうという教育基本法の理念でもあるし、官房長官に申し入れた際に、官房長官に私、こういうふうに言ったんです。
 毎年度の予算は財務当局がきちんと厳しく査定するんだから、そういったところから緩むはずはありません。ただ、教育振興基本計画は十年先を目指してまず五年間の計画をつくろうということなんだから、毎年毎年の査定みたいなことをそこで言ってしまうと数値目標なんか出せないし、一たんきちんと出した上で、無駄は省くように毎年財務当局が査定をすればいいんじゃないかというふうに官房長官に申し上げましたら、官房長官も、そうだよな、十年先を目指しているんだ、毎年の査定じゃないんだよなというふうに言われていたんですね。
 だから、きょうは本当は官房長官に来ていただいてそういった御答弁をいただきたかったんですが、そこの部分を考えたときに、成果目標というだけじゃなくて、やはりきちんとした数値目標というのが私はすごく大事だと思うんですが、財務省、どうですか。
○真砂政府参考人 先ほどの答弁、少し舌足らずな点があったかもしれないので少し補足させていただきたいのですけれども、初等中等局の予算というのは全体の中で非常に大きなパイを占めているものですから、全体の中の十三・三兆というのが初等中等の予算でございまして、高等教育は二・五兆、就学前は〇・五兆ということでございますので、私どもは、全体としてのめり張りづけというのは、大きい方から小さい方に持っていくというのは、質の向上を伴いながらではございますけれども、十分可能な話だろうというふうに思っております。
 それから、今御質問をいただきました、成果目標に加えて投入量の目標も必要ではないかということでございますが、これは、最も大切なことは、どの行政分野もそうでございますし、国会の方からもいつも言われておりますけれども、行政をいかに効率よくやっていくかという意味では、いわゆるPDCA、プラン・ドゥー・チェック・アクション、これのサイクルをいつも回し続けるということが大切なわけでございます。
 そういう意味では、成果目標を設けて、それが毎年達成できているかどうかということを検証し、国会に御報告していくという中で、では、仮にその成果目標が達成できていないというときにそのネックは何なのかということで、それは、例えば教育の中身が悪いとか、あるいは手法がおかしいとかいう話もあれば、いろいろなことがその検証サイクルの中で起こってくるんだろうと思います。
 投入量についても、その検証サイクルの中で、仮に投入量が少ないがために成果目標が達成できないということになれば、そこは、費用効果も考えながらでございますけれども、投入量の議論もしていくということで、初めに投入量ありきというのは、このPDCAサイクルを回していくという点では、必要もありませんし、また、その全体の緊張感もなくなるというふうに私どもは考えているわけでございます。
○富田委員 なかなか議論がかみ合わないのですが、この中教審の答申をいただいたときに、答申の資料として、教育振興基本計画の特別部会で平成二十年二月八日に、安西先生、郷先生、金子先生、木村先生の各先生の連名で配付された資料に、高等教育への公的投資を年間五兆円、真砂さんの方から今は二・五兆だという話がありましたけれども、そういう意味では、倍増しろと、とりあえずまず倍増だという具体的な数値目標がこの資料では指摘されていたんです。
 残念ながら、この特別部会で安西先生を中心に議論されたと思うんですが、これだけの数値を出しておきながら、最終的にこの答申には出てこなかった。新聞報道で安西先生は、各省との調整も必要だからそれもやむを得ないんじゃないかというような御発言をされたという報道もありました。真砂さんの方からは、初等中等にいっぱいあるんだからバランスが大事だというのがありましたけれども、高等教育でもここだけの目標というのが議論の過程で出ているのに、残念ながらここが落ちてしまった。
 ということは、文科省がつくる教育振興基本計画では、この特別部会の議論を踏まえて、やはりそれなりの数値目標をきちんと打ち立てていくというのが大事ではないかと思うんですが、大臣はそのあたりをどのようにお考えでしょうか。
○渡海国務大臣 それぞれに数値目標を持つということも考えました。今、真砂次長がいろいろとおっしゃいましたように、初中教育、ここの分野で日本の投入量というのは遜色ないというのはそのとおりでございます。
 ただ、基本的に構造的な問題があります。ここの細かい話をするつもりはありませんが、そういうことを言い出すと、振興計画としては、一つ一つ物事を決めていくという作業になります。十年先の計画を目指すのに、そのことを今なぜやらなきゃいけないのかというのが私の単純な疑問なんです。それこそ、財務省がおっしゃっているように、中身の足を縛ってしまうわけですね。私は、そういうことはすべきじゃない。
 だから、大きな目標としての五・〇%というのを一つの投入目標として、そして、中身は成果目標としてしっかり書く。それは、世界最高水準じゃないんです、最高です、最高の高等教育を目指す。日本の将来はそうでなければないと我々は考えておりますから、そういう成果目標をしっかり出させていただいて、そして、予算の検証の中で毎年そのことを、それこそPDCAサイクルでやっていく。十年先のことを今、それこそその費目まで含めて足を縛ってしまって果たしていいんでしょうか、こういう疑問なんです。
 ですから、今、富田議員がおっしゃったことはわからないでもないです、大きなくくりでありますから。ただやはり、全体を通じてどういうふうに設計していくかということは、これは時代の変化もありますから、我々はあえて大きな投資目標ということでGDP比五%ということを書かせていただいて、そしてその中の成果目標として、さまざまなレベル、いろいろなレベル、これは知徳体すべてありますから、森元総理はいつも体徳知にしろと言われておりますけれども、そういったことの成果目標をきっちりと書かせていただいたというふうに御理解をいただきたいと思います。
○富田委員 ありがとうございました。
 ことしの四月三十日付の朝日新聞に、先ほど小渕議員から御紹介があった教育改革国民会議の議論に参加していた委員の先生がこんなことを言っています。「少子化も予算を削減する理由になっているが、学校の規模が小さくなれば一人あたりのコストは高くなる。財務省の見解は意見として聞いても、最終的には政治が判断すべき問題だ。」
 今大臣が言われたことはまさにそこだと思うんですね。財務省は、きっちり財政規律を守るためにいろいろな意見を言ってくれますので、それを聞いた上で、ぜひ文科省としても、大臣のリーダーシップでこの振興基本計画はしっかりしたものをつくっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 残り、ちょっと時間がありますので、現在与野党で、地震防災対策特別措置法について、地震補強事業の補助率を三分の二にかさ上げする等の改正手続を進めております。この法案が成立すれば、地方自治体はかなり耐震改修がしやすくなる。補助率が上がりますし、交付税措置でかなりの部分を面倒見ていただけるというようなこともあわせて検討していますので、耐震改修は進むと思うんですが、せっかくこれをやるのであれば、実は、文部科学省もエコスクールパイロットモデル事業というのをやっていますよね、各省、環境省等と連携してやっているんですが、耐震補強だけやるのではなくて、学校のエコ改修を、やれる学校についてはこの際一緒にやっていったらどうかな。
 補助率とかいろいろ違って、またエコ改修については三年ぐらいのサイクルでやらなきゃだめだというような指摘もあるんですが、ただ耐震だけやるんじゃなくて、もし可能であれば、ここの部分についてもう少し文部科学省としても積極的に取り組んだらどうかな。先日、このエコ改修に取り組んでいる建築士さんから御意見を伺いましたけれども、環境省は結構一生懸命やってくれるんだけれども、肝心の文部科学省がちょっと腰が引けているんですよねみたいな御意見がありました。
 耐震改修について、これから補助率のかさ上げをしてどんどん地方自治体に頑張ってやっていただこうというときに、できたら文部科学省としても、このエコスクールパイロットモデル事業、随分成功している例もあるようですから、あわせて、できるものについて検討してもらいたいと思うんですが、どうでしょうか。
○舌津政府参考人 お答えいたします。
 先ほど御指摘のように、学校施設の耐震化も大変重要な課題であるわけでございますけれども、他方、地球温暖化等の環境問題への取り組みが重要となっているわけでございまして、学校におきましても、環境を考慮した施設づくりというのが求められているわけでございます。
 このため、これまでも文部科学省におきましては、環境を考慮した学校施設づくりに国庫補助を行ってきております。御指摘のようなこのたびの耐震補強とあわせまして、例えば既存施設につきまして環境を考慮した改修を行う場合、こういうような場合につきましても国庫補助を行っているところでございます。
 それは現に行っているわけでございまして、引き続き文部科学省としても、いろいろな改修を行う際にはそういう地球環境に配慮した施設づくりを進めるよういろいろな面で、具体的には、事例集を作成して普及を図るといったようなことを積極的にやっていきたいというふうに考えておるところでございます。
○富田委員 終わります。ありがとうございました。
○佐藤委員長 以上で富田茂之君の質疑は終了いたしました。
 次に、和田隆志君。
○和田委員 民主党の和田隆志でございます。私の場合、まずごあいさつから申し上げたいと思います。
 四月末に繰り上げ当選となりまして、この委員会に所属させていただくことになりました。委員長並びに各委員の皆様方の御指導をよろしくお願いいたします。(拍手)ありがとうございます。
 それでは、質疑に入らせていただきます。
 このたび議題となっておりますのは、一般質疑の枠ではございますが、教育振興基本計画ということについていろいろと御議論させていただくということのようでございます。私自身、財務省出身でございまして、この話題にはかなり昔から、携わったというよりは目に触れてまいりました。私なりの感想、所見を冒頭に申し上げまして、きょうは財務副大臣もお見えでございますので、まだ決まっていない基本計画でございますが、これらに対して、もっともっと国民の皆様方に広く開示された議論をやっていただきたい、そして、中でも、ちょっと質疑に出させていただきますが、国民の御反応をぜひ見ていただきたい、そのような趣旨を込めて質疑させていただこうと思います。後で、一般質疑という枠でございましたので、私自身、広島県の出身で、広島の地域の話題についてもちょっと考えてまいりたいと思いますので、そのような進め方でよろしくお願いいたします。
 まず、今回の基本計画でございます。普通であればこういったものは、閣議で決定された後委員会等にかけられます。ですが、今は、五月二十三日に文部科学省の方から各省協議に回されている、そのさなかでの議論でございます。こういったところに、私自身が今まで役人だっただけに、今回の事情を推しはかる要因がいろいろあるのかなというふうに思っています。
 まず、この教育という重要なテーマにつきまして、私自身は、今までのいろいろな地元での活動だとか公務員での経験だとか、そういったものを総合して考えるに、中長期的な目標を設定してそれにしっかりとたどり着こうとする国家の姿勢を示すこと、それには賛同できるものでございます。
 そうした観点から、今政府のお考えになっておられる計画を議論してまいりますが、実は、私ども民主党としましては、もっともっと現場の声に即した、実需に基づいた予算なり計画なりを立てるべきではないかという考え方のもとに、二十八日でございましたが、参議院の方で、教育の環境整備を図るということで法案を出しております。
 国民の皆様方には、我が党はまだ野党でございますが、与党に対しまして対案を提示することをその都度求められておりますので、これが今回の政府のお考えになっておられる計画に対するいわば対案になってこようかと思います。そうした観点から、政府・与党の側におかれましても、ぜひ私どもの出している法案の御検討もお願いする次第でございます。
 そして、今回の計画でございますが、まず、今のこの状況を見ますと、文部科学省さんと財務省さんの間で見解の相違が埋め切れていない状況ではないかと思います。その中で、大きな視点として、ぜひ渡海大臣と森山副大臣にお伺いいたしたいと思います。
 まだ政府の決定ではございませんので、両省の御見解ということになろうかと思いますが、今の日本の教育の中で、公的な負担と私的な負担との割合が、初等教育、中等教育、高等教育というふうにいろいろカテゴライズされておりますが、そういった中での負担割合について両省それぞれどのようにお考えか、渡海大臣の方からお伺いできますでしょうか。
○渡海国務大臣 今もし数字が必要であれば、ちょっと待っていただきたいと思いますが、基本的に、やはり義務教育の段階では、これは義務教育でございますから、私的な割合はほとんどないというのが基本ですね。ただ、就学前それからいわゆる高等教育、高等教育の段階は非常に私的な割合が高い。
 今ここに数字が届きましたが、公財政支出でいいますと、就学前について言うならば、日本は五対五、OECDが八対二ですね。初等教育は、日本は九一・三%が公財政支出で、私費負担が八・七。高等教育につきましては、公財政支出が四一・二対五八・八ということで、非常に高い。これは各国、制度の違いがありますから、平均的な数字でございますけれども、基本的にはそのように認識をいたしております。
○和田委員 今大臣の方から、現状についての御認識の御答弁がございました。
 今計画を策定中の大臣のお立場として、これを例えば十年間、もしくは今回考えておられる五年間、そんな中でどのような姿を実現されたいと思っていらっしゃいますか。
○渡海国務大臣 十年後の目標到達点として我々が考えていますものは、就学前につきましては原則は無償化ということを考えております。
 それから、初中段階では、公私という意味では基本的にはそれほど変わりませんけれども、質問の趣旨とはちょっと違うかもしれませんが、人員の配置というものにつきまして、OECD並みといいますか、先生一人当たりの生徒数というものを、一言で言いますと少人数学級化を前提として考えております。きめ細かい教育をやっていく。
 それから、高等教育につきましては、私費負担、要するに、公的な機関とそれから私学の差、基本的には公私の格差をなくそうということを前提にし、なおかつ、全体として考えておりますのは、先ほど申し上げましたように、世界トップレベルではなくて、トップの教育環境をつくろうということを考えておるところでございます。
○和田委員 それでは、財務副大臣、今文部科学大臣の方から文部科学省として考えておられる現状と将来の姿についてお話がありましたが、財務省としましては、こういった文部科学省の考え方にどの程度御賛同なさるのか、もしくは違った考え方をお持ちなのか、その辺についてお述べになっていただけますでしょうか。
○森山副大臣 お答え申し上げます。
 今、文科大臣のお考えはお考えとして受けとめさせていただきたいというふうに思います。
 ただ、税負担をどうしていくのか、国民負担をどうしていくのかという議論をする前提として考えなきゃなりませんのは、やはり、その時々の社会情勢や、あるいは国民負担のあり方、大きな政府を目指すのか小さな政府を目指すのかということ等とも大きな関係が出てくるのではないかなというふうに考えております。
 教育の受益者たる学生を持つ家計または税負担をする家計、いずれかが負担をしなければならないわけでございますから、そのことをきちっと認識して、財務省としては文科省と協議、議論をさせていただきたいと考えております。
○和田委員 事前に事務方の方からお伺いしておりましたのもそのような内容でございましたが、私の方からぜひこの場でお考えをお聞きしたいのは、結局、個人からお金が税金として流れていき、その税金から公教育負担に流れていくというルートと、家計からそのまま自分の子供の教育費として支出されるのと、課税ベースというんでしょうか、お金を集めるベースが全然違います。そうしたことについて、財務省としてはどちらがどう適切だとお考えでしょうか。
○森山副大臣 今委員おっしゃいますとおり、負担をするベースの広さが違うというのはそのとおりであろうというふうに思いますが、結果として、本当に、高等教育については、能力があっても経済的な理由で教育の機会が失われるということがないようにしっかりした措置を講じていくことが最も大事なことではないかなというふうに考えております。
○和田委員 今御答弁いただける内容はそのぐらいの範囲なのかもわかりません。しかし、先ほど冒頭申し上げましたが、私自身、一児の父でございます。今小学校五年生で、これから自分の家計を考えたときに、どういった時期にどれぐらいの家計支出が教育費として必要になるんだろうかということを一個人の立場として考えました際に、もう少し、本当に子供が何かをしたいというふうに思ったときに、それが十分賄っていけるだけの国家的なシステムが要るのではないかというふうにも思っております。
 例えば、子供が、何になりたいかというふうに聞かれて、いろいろなことを答えるわけでございます。今のこの世の中で、そのなりたいものが、たまたまお医者さんであるとか、たまたまピアニストなどの芸術家だとか、そういったことになった場合に、今の公教育上それがきちんと担保できているだろうかというふうに考えると、非常に心もとない実情ではないかというふうに思います。今副大臣がおっしゃっていただいたように、もし本当に子供に未来の可能性を国家として保障するならば、そうした職業につく場合にも何がしかの手当てが要るのではないかというふうに思っております。
 こういった意味で、もっともっと両省にお願いしたいのは、現場で、現場というのは、教育の現場では教師、もしくは家庭ではまさに親と子、そうしたものの悩み、今の状況をもっと把握していただいての議論をお願いしたいと思って、この事例を取り上げたわけでございます。
 また、渡海大臣の方にお願い申し上げたいのは、私自身財政分野に身を置いた者でございますが、最初に申し上げたように、目標値を設定してそれに届くよう頑張っていくという姿勢は私は賛同するものでございますが、とはいっても、五年なり十年なりで実現しようとする姿をもっと今よりは具体的に示すべきではないかというふうに思っています。
 実は、小渕先生や富田先生の御質疑を聞いておりまして、大臣の御答弁がございました。確かに、五年十年の目標を持って取り組むときに、単年度ごとに一々、要するに、これができているからこれだけなんだというふうに言っているようではなかなか事が進まぬというふうな御答弁だったように思いますが、こういったことはあるものの、ある程度の像を示していかないと、国民各層の御理解もなかなか得にくいのではないかというふうに思う次第でございます。
 総論として申し上げれば、もっと緻密な議論を積み重ねた上で、先ほど富田先生の御質疑の中にも出てまいりましたが、財務省が用意している資料ぐらいの分はしっかりと御説明の資料を用意されて、どこからどう見ても今の我が国の教育予算はもっとふやすべきだという論戦を張れるよう頑張っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○渡海国務大臣 我々も、十分じゃないかもしれません、財務省ほど作業がなれていないものですから。だけれども、実は、かなりの資料は用意して、やれるように、準備はいたしております。
 ただ、こういうものをとにかく一方的にぶつけ合ってというようなことは正直余り私は好きじゃありませんので、堂々と議論をしようということで今やっていただいているわけでございまして、表には余り出ておりませんが、何も隠しているわけじゃないんです。あるんです。これは全部私が自分でやったんです。ですから、それはお答えができるというふうに、ある程度は自負をいたしております。
 ただ、データ上は財務省ほどたくさんのデータを持っていないかもしれませんが、教育に関する限りは、我が省が所管しているわけでございますから、我々がしっかりデータを補強してやらせていただきたいというふうに思います。
 それから、一つだけよろしいですか、言わせていただいたら、やはり今回の中で、実は、成果目標もできるだけ具体的に書こうということで、基本計画の中では示させていただいております。あいまいな言い方をするのではなくて、数が書けるところはしっかり書こう。体力でいうならば、例えば六十年以降下がり始めているわけですから、当初は体力の下降傾向に歯どめをかけるみたいな話だったものを、六十年に戻すとか、そういったものをしっかりと目標を持って臨む。認定こども園は二千という数も、これはもう財務省もちゃんと御存じのことでございますから、できるだけそういったものも具体的に書く。
 ただ、水準の話になりますと、これは委員も御理解をいただけると思いますが、では、何をもってトップと言うのかというのは、これはなかなか実は難しい部分がございます。
 ですから、トップという言い方はしておりますけれども、そういうものの具体化というものについては、これから、十年先のものについては、しっかりとトップということを書かせていただくことによって、これからのいわゆる目指すべき目標というものを書かせていただいたということを御理解いただきたいというふうに思います。我々としては、堂々としっかりと議論をさせていただきたい。
 財務省の財政再建の話もよくわかります、我々は今までやってきたわけですから。ですけれども、そういったことも含めて全体的な議論をするためには、やはりしっかりとしたお互いの考え方を示し合うということが大事であろうというふうに考えているところでございます。
○和田委員 大臣の意欲のほどは理解申し上げますので、ここから先、国民の皆様方にできるだけわかりやすい姿で、到達すべき目標を工夫して掲げていただければというふうに思います。
 それでは、ちょっと視点を変えまして、今回の計画の一番ポイントになっておろうかと思いますが、将来に向けての教育投資をGDP比五%まで押し上げていくということの議論でございます。
 先ほど申し上げた、目標を設定することに私は賛同するものでございますが、昔より、文部科学省よりお話のあるGDPを母数としましてその五%という御主張が、その当時、自分が調べてみましても、ほかのどの諸国でもGDPをもとに目標値を設定している国もないし、私から表現させていただけば、結果的にふえていった国がそれだけの数字であったということにすぎないというふうに思う次第でございます。
 ですから、今の日本の教育の現状を文科省が最も御存じなわけですから、それぞれの分野においてどれぐらいの行政需要が発生しそうであって、それに対して、各単年度ごとに額をはじけというのは無理だというところまでは理解しますけれども、どんな分野にどれぐらいの実需を擁するに持っていくという宣言をすべきではないかというふうに思うんですが、なぜこのGDP比五%というものを、あえてそういった選択肢を全部捨てた上でこれを取り上げられたのか、御説明いただけますでしょうか。
○渡海国務大臣 これは先ほどの富田議員の質問にもお答えをしたわけでありますが、今の時代というのは非常に変化の激しい時代でございますから、特に高等教育は今どういう段階にあるかというと、グローバルスタンダードで評価をするためにはどういうことが必要かということを今話し合っている段階なんですね、教育大臣会合なんかでも。これは実は私も参加をいたしました。そういった時代において、世界の大学が国境の垣根を越えていろいろな活動をしようということが非常に加速をされております。それ一つ取り上げても、なかなか今の段階で私はその水準を示しにくいと言ったのは、どういうことを一つのメルクマールとするかということを、今、これからフィージビリティースタディーをやって話し合う、こういう時代なんです。
 そういうことを考えたら、今の段階でそれを、ばくっとはつくっておりますよ、でも、そのことをあえて数字に出して設定するよりは、私は柔軟に対応した方がいいという判断をさせていただいたということでございまして、それでも出した方がいいという考え方もあると思いますし、例えばトップ拠点を今つくると言っていますね。そういうものについては、例えば数字を出せと言うのならば、これは出しているわけでありますし、出せると思います、我が国の目標として。
 ただ、水準という意味において、さまざまな指数を整理していくということになれば、現在そういう状況にあるから、あえてそのことについて私は出さないという選択をしたというふうに御理解をいただきたいと思っております。
○和田委員 大臣の御判断をお聞きしましたが、国民の一人としての御感想を申し上げれば、やはり、GDPというのは当然のことながら毎年動いていくわけですし、それに対して五%を設定するということは、それも動くわけでございます。そうした流動的な要素を抱えるものを例示として挙げながら、そこまでは到達するということをおっしゃるよりは、何がしか、政府全体でお決めになった道路計画のように、何年で何十兆円ということの方がわかりやすいのではないかというふうに私自身は感想を持ちます。
 質問を進めさせていただきます。
 政府全体でお決めになるいろいろな計画がございます。ちょっと財務副大臣にお聞きしたいんですが、先般大変な議論になりました道路政策について、道路の整備中期計画が定まりました。これでは十年間で五十九兆円というところがきっちりと明示されております。片や、今文部科学省とやりとりされているさなかではございますが、財務省のお考えを承っておる限りでは、これを何年間で幾らなり、今のGDP比何%なりということにも難色を示しておられます。
 このそれぞれの計画に対する財務省の姿勢の違いを御説明いただけますでしょうか。
○森山副大臣 道路中期計画との違いでございますが、これは先生御承知のとおり、やはり、道路特定財源は納税者の御理解をいただくという側面があるというふうに思っておりまして、こことは少し異質のものではないかなというふうに考えております。
 平成十四年度に閣議決定をされました「改革と展望」におきましては、計画策定の重点を事業量から計画によって達成することを目指す成果主義というふうに転換してきたところでございまして、平成十四年度以降に新たに立ち上がりました基本法に基づく基本計画で投資量を目標に据えているものはないというふうに理解をしております。
○和田委員 今の御答弁だと、道路政策については特定財源制度があるからこのようにしているんだ、文部科学省のおっしゃる教育予算については特定財源制度がないからそれはまかりならぬというふうに考えているんだということでございます。
 そうであれば、逆に、もう一歩進めまして、道路政策について特定財源があるべきだとお考えでしょうか。文部科学大臣は、文教予算、教育費用の予算につきまして、御自分で特定財源化する、そういったお考えについていかがでしょうか。
 森山副大臣、お願いします。
○森山副大臣 先ほど少し舌足らずであったかもしれませんが、道路特定財源の場合には、やはり納税者の理解を得るということの関係がございますので、そのような方法をとってきたということだと思います。
 ところで、一般財源化のことでございますけれども、これは一般財源化するということが決められているわけでございますので、事業量を設定するかどうかを含めてこれから議論をされていくということであろうというふうに考えております。
○渡海国務大臣 私は、教育特定財源という考え方をする考えは今持ってはおりません、正直言いまして。そういう必要が出てくるかどうかというのは今後の推移を見なければわかりませんから、今、そのことについてすべきだという意見も持っておりませんし、すべきでないという意見も持っていないということをあえて申し上げたいと思います。
 一点お許しをいただければ、先ほどの話に戻りますが、委員がおっしゃっているのが、GDP比を設定することがおかしいと思っておっしゃっているのか、それは額で書けというふうにおっしゃっているのか、そこのところがもう少しはっきりしないんですね。
 それから、今、森山副大臣が言われた十四年の決定というのは、その後、確かにありません。私も迷ったのはそのせいなんです、最初書くのは。今、基本計画が十九あるんですね。あるのは科学技術基本計画だけです。これは法律に書いてあって、しかも十四年以前の基本計画なんです。
 だけれども、それはわかりますが、GDP比という書き方そのものがいけないから額で書けとおっしゃるならば、私は反論しているんじゃないんですよ、これは民主党のマニフェストにも書いてあることなんですよね、正直言いまして。これは、三回選挙を戦われる中にも書いてあることなんです。別に反論じゃなく聞いていただきたいと思います。
 ですから、私は、そういう考え方というのは基本的にあっていいんだろうなというふうに思っておりますし、先ほどから何度も御説明申し上げておりますけれども、国力の中でどういう政策選択をするか、その目指すべき政策目標としてGDP比五%を我々は主張しているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○和田委員 渡海大臣の方から私あてに逆に御質問いただきましたので、簡単にお答えしたいと思います。
 私の意見としましては、GDP比の数字を挙げることそのものを否定するものではございませんが、挙げるのであれば、裏打ちされる実需があるはずだということでございます。
 我が党が法案を提出したときに、参議院の方で記者会見を開きながら申し上げたのは、今の政府が進められている様子では、計画そのものに財源の裏打ちがないというようなことを同僚議員が申し上げたはずでございます。もう一つ突っ込んで言えば、財源の裏づけがないのはなぜか、実需の裏づけが説明できていないからではないかという視点でございます。
 ですから、大臣がおっしゃられたGDP比五%の目標を掲げられるのであれば、それに相応し、実需がこれこれこれだけあるんだということをしっかり御説明なさるべきではないかという視点から申し上げました。
 それでは、ちょっと質問を続けさせていただきます。
 今、私どもの立場からすれば、政府が策定されようとされている計画が、具体性がまだまだ未熟なのではないかという視点を持っての御質問でございます。
 この教育基本計画の中でも一番、最も重要な部分だと思いますが、教員定数の改善ということをうたっておられます。そして、中を読んでみますと、二万五千人という数字が書いてございますが、僣越ながら、今までに事務方からそれぞれお伺いしているところによりますと、自然減によりまして九千人ほどでしたか、それから行政改革推進法に基づいた定員の減が一万ほど見込まれるだとか、九千でしたか、ちょっと数は忘れましたが、それからさらに骨太二〇〇六でも定数削減が求められておって、それが一万ほど減るというような状況の中で、この計画を策定されるわけでございます。
 国民の皆様方への説明責任を果たされる観点からは、この二万五千人を、今申し上げたような数字との関係でどのような数字として御説明なさるのか、それをもっとしっかりと御説明なさるべきではないでしょうか。お願いいたします。
○渡海国務大臣 委員のおっしゃるとおりでございまして、ですから二万五千という数字が入っているというふうに御理解をいただきたいと思います。
 この二万五千は、二十三年から新学習指導要領が本格実施されることになります。小学校が二十三年、中学校が二十四年ということでございますが、その中で授業時間増というものが実質現場に負担として生じるわけでございます。
 今、学校現場、大変忙しい。まあ、忙しい先生と暇な先生がいるという主張もあるわけでございまして、それもわからないわけではないんですけれども、しかし、そういう現状の中でしっかりと新しい指導要領をやっていただくためには、現場の負担というものを考えた上で定数増を考えなきゃいけない。それも、実質授業時間、加えて、授業に準備が要りますから、そういった時間の増を定数に直せばこの数になるということで、二万五千という数を書かせていただいたわけでございます。
 ただ、その間、当然子供の数は減るわけでございますから、そこは、現実には八千七百ぐらい減る部分がございます。これは言われる行革法五十五条の三ですかに触れる部分で現実に減る部分でございますから、それを差し引きすれば一万六千人になるという計算で、定数改善は二万五千という書き方をさせていただいたということでございます。
○和田委員 私自身もまだ全部を理解できておりませんが、とどのつまりは、今まで政府のお決めになったいろいろな定数削減の数字と二万五千人というのをネッティングすると、結局五年後には一万五千人ぐらいの増だと、現体制からそういったところだと思ってよろしいでしょうか。
○渡海国務大臣 それ以外に我々は、昨年来、一人一人の子供に向き合う時間を確保したいということで今、毎年、定数改善の要求といいますか、昨年も出させていただきました。しかしこれは、概算要求がもうすぐでありますし、ことし、来年の話でありますから、そのことを基本計画に今あえて数字として書くことはいたしておりません。それはしっかりとそのことを毎年の予算の中で我々は要求もし、また、さまざまな制約がありますから、今まさに委員がおっしゃった行革法とか二〇〇六とかいろいろありますから、そういうものとの関係も踏まえながら最終的に対応をしっかりとしていきたいということで、そういうことが必要であるという表現にあえてとどめております。
 それは非常に現実的な対応としてすぐ先の話でありますから、これは私の責任で申し上げますけれども、わざと、わざとというより、この方がむしろ真摯な態度だろうということで、そういう選択をさせていただいたということでございます。
○和田委員 大臣のお考えそのものは承っておきますが、実際に国民の皆様方からごらんになったときに、先生の数が、今こうやって話を聞いていらっしゃる中で、五年後にどれぐらいふえるんだろうか、そういった視点からすると、もっとわかりやすい説明があってしかるべきではないかなというふうに私自身は思います。
 さて、財務副大臣、こういった定数計画というものが、今回基本計画が定められる中で、教育費の八割が人件費なものですから、大きな要素でございます。
 両省の御議論、今まで私が勉強させていただいたところによりますと、結果的には新しく学習指導要領が改訂されて実施されるということで、それについてどういうふうな体制をしいていくかということで、まだまだ議論の余地があるのかなというふうに思います。
 私の方からお話しさせていただきますが、今まで文科省の方からお聞きしているのでは、現在でも新しい学習指導要領のために必要な授業時間数を割いてしまっており、実際にその新しい学習指導要領が改訂されて実施されるときには、それよりさらに授業時間数をふやさなければいけないんだというふうに主張されておられるようでございます。片や財務省としましては、そうであれば、そもそも現在の学習指導要領、改訂前の学習指導要領を実施するのに必要な授業時間数そのものの改訂が必要ではないかというようなことをおっしゃっているようでございます。
 こういった観点から、教員の定数を増加させることをよしとするか悪しとするのかということについて、両省のポジションが異なっているようでございますが、今、財務省として、そういった現状にあることをある程度お認めいただいて、増加の余地があるということはお考えいただけますでしょうか。いかがでしょうか。
○森山副大臣 もう先生御承知のことでございますけれども、平成に入りましてから、児童生徒の数というのは四百五十万人ぐらい実は減ってございます。三割ぐらい実は減っているということでございます。児童生徒一人当たりの教職員の数というのは三割増になっているということが現実ではないかなというふうに思っておりまして、このことは主要先進国と比べても決して遜色がないというふうに考えております。ゆえに、増員には慎重であるべきだというふうに基本的に考えております。
○和田委員 渡海大臣、私自身いろいろ学校現場を、二年数カ月ほど私は地元活動をさせていただきましたので、訪れさせていただく機会はたくさんございました。その中で、教員の定数の増員要求についてはいろいろなところから聞こえてはまいります、現場の先生のお声として私自身非常に多いなと思ったんですが、現在いらっしゃる先生の中で、むちゃくちゃな大変な労苦を背負っていらっしゃる先生と、そうでもなくて、割と、中間管理職なんでしょうか、要するに、人がやっていることをそのまま見てそれを上に上げているような雰囲気の先生といらっしゃるようにお聞きしましたし、実際に見ておりましてそういうふうに見受けられました。
 そういったところがもっともっと工夫されるべきではないかと思いますが、それらの工夫の余地を入れ込んだ上で今のこの二万五千人というのはおっしゃっておられますでしょうか。
○渡海国務大臣 工夫の余地はあると思います。すべてそれを整理してから、ではふやせという主張もあることも知っております。しかし、これは子供を教育していかなきゃいけないわけでありますから、私は待ったなしだというふうに思っておりまして、同時並行でやるべきだというのが私の考え方でございます。
 その中で、事実、実態調査をやったわけでありますから、残業時間が平均すると一カ月三十四時間、こういうのも出ています。これは、そうじゃないという反論もあるわけでありますから、どれだけ無駄があるかということも徹底的に今考えろということもやっております。調査の数も減らせということでやっております。
 だから、今御質問にお答えをするとしたら、工夫の余地がないとは言いません。しかし、では、工夫の余地があるんだから、まず工夫をしてから、それから授業量がふえるのに対応しろということでいいんでしょうか。私はそうは思いません。これは同時並行でちゃんとやっていかなきゃいけない。そして、頑張っている先生がもっと頑張れる、そういう環境もつくらなきゃいけない。
 これは常に、やはり教育に携わる者としては、ただ単に、そういうことがあるから、ではそれをやればいいじゃないか、ふやさなくても大丈夫じゃないか、そういうことでは責任が果たせないというふうに思っているのが、現在の私の考えでございます。
○和田委員 今、渡海大臣の御答弁を聞かれて、森山副大臣、財務省としまして慎重であらなければならないという御答弁は理解できないところではございませんが、私自身財務省内で勤務させていただきまして、一人の上司からお聞きした言葉を思い出します。予算を編成している財務省の立場というのは、各省のニーズをきっちりと見定めることも大切だけれども、どうやって各省の分野について予算を形成していくか、要するに、みずから形成していく立場の視点も要るというようなことを教わった覚えがございます。
 そうした意味で、今渡海大臣がおっしゃっていることは、工夫の余地はあるけれども、全体としてそれで足をとめてはならぬというメッセージだと思います。そうしたことを財務省として大きく視野を持っていただきまして、どうやったら一番望ましい教育が実現できるのか。それは、文部科学省が持ってくる資料からはとても、要するに工夫がまだまだできていないというふうに思っていらっしゃるのかもわかりませんが、どうやったら工夫ができるのか、工夫をしてもこれぐらい予算が足りないのではないかというぐらいのことを、財務省としても文科省との間で折衝をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○森山副大臣 和田委員おっしゃるとおりだと思いますので、文科省の方とよく議論をさせていただきたいというふうに思っておりますし、教育の重要性については、これはみんながひとしく認識をしているというふうに考えております。
○和田委員 時間が参ったようでございますので、残念ながら広島県の実情につきましてはまた次の機会に回させていただきたいと思います。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。
○佐藤委員長 以上で和田隆志君の質疑は終了いたしました。
 次に、石井郁子さん。
○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子です。
 きょうは教育振興基本計画を中心とした集中審議ということでございますので、幾つか御質問させていただきます。
 まず、教育振興基本計画の原案の中に、基本方向の四のところで、「子どもたちの安全・安心を確保するとともに、質の高い教育環境を整備する」ということがありまして、その施策のトップに、学校等の教育施設の耐震化等の安全、安心な教育設備の構築ということが挙げられております。そこではこのように書かれております。児童生徒等が安心して学び、生活する場であるとともに、応急避難場所としての役割を果たす小学校等の安全、安心な施設環境の整備を支援する、特に、大規模な地震が発生した際に倒壊または崩壊の危険性の高い小中学校施設、これは約一万棟について、優先的に耐震化を支援するというふうに書かれておりました。
 まず、実態として伺いたいんですけれども、現在、耐震診断が未診断の建物、学校ですね、耐震性がなく未改修の建物はどれだけありますか。
○舌津政府参考人 お答えいたします。
 昨年四月の調査結果でございますが、耐震診断を行って耐震性がないと判明している建物が四万五千四十一棟、耐震診断を行っていない建物が八千五百九十五棟ございます。合計で五万三千六百三十六棟になっているところでございます。
○石井(郁)委員 今御答弁いただきましたように、五万三千六百三十六棟が未改修だということで、これは大変な数字だろうというふうに思います。
 それで、計画では五年間で一万棟というふうに挙げられておりますけれども、では一体、あと残りの四万三千棟改修というのはどうなるんでしょうか。これはもう素朴なというか、率直な疑問が出てくるわけでありまして、このペースだと、では結局二十五年間かかって全部完了するのかというようなことにもなりかねませんので、そんな悠長なことでいいはずはありませんので、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○渡海国務大臣 この問題は大変大事な問題でございまして、とにかくやはりできるだけ早くと申し上げております。今各党でお話し合いがされておりまして、補助率を上げるというふうな議員立法も出されるという話も進んでおると聞いておりまして、我々も歓迎したいというふうに思っております。
 この問題に取り組みまして、一番ある面難しかったのは、要するに執行体制ですね。国はやはりこれをやらなきゃいけないということで、まず第一段階としては二分の一まで補助率も上げ、そして補正予算も組み、ということだけでもなかなか進まない。これは地方の財政の事情があるということで、今期はこうなる。簡単にしか言いませんけれども、工事の時期が限られる。どうも違っていたようでございますけれども、報道で、こんなに予算がついても実際やれないと。私は全部調べました、設計事務所から何から。そんなことはありません、やれます、大丈夫です。
 それで、そういうことを考えながらやっていかないとなかなか現実には進まないというところがありますから、まずは優先順位の高いものをとにかくやらせていただきたい。ちょっと大きな地震が来ると倒壊のおそれがあるというものを今やっていただいておるわけでありますが、当然、その後に続くものについても手当てをしていかなきゃいけないというふうに考えております。
○石井(郁)委員 学校の耐震化がなかなか進まないということで、大臣もお考えになっていらっしゃることも述べられましたけれども、当委員会でも本当に各党、私もですけれども、この耐震化問題をずっと取り上げてまいりました。現実に進まないというのは、地方自治体の持ち出し分がやはり多いんじゃないか。大臣はいろいろ事情、背景、設計等々のことも言われましたけれども、やはり財政措置の問題があるんだろうというふうに思うんですね。それはやはり学校耐震化の大きな原因になっているんだろうというふうに考えざるを得ません。
 実際、聞いてみましたところ、例えば東京のある区で、耐震診断には六百五十万から七百万かかる、耐震改修設計でも七百万円だ、補強工事になると一校当たり八千四百万円から一億三千万円ぐらいかかってくるということで、一校が耐震診断から補強工事を入れると、やはり一億円から一億五千万円だということをお聞きいたしました。だから、耐震診断をしてもなかなか補強工事にたどり着かないということが実際にあるんだろうというふうに思うんですね。
 それで、現行二分の一でございますけれども、補助率は三分の二にかさ上げする、こういう国としての措置がどうしても必要ではないか。そして、地方自治体の負担をやはり軽減してあげるということが今急ぎ求められているのではないかと思いますが、この点でもちょっと大臣の御決意を伺いたいと思います。
○渡海国務大臣 先生のおっしゃるとおりだと思っております。今そのような方向でお話し合いをいただいている。これは政府がやるとか立法府がやるとかいうことじゃなくて、我々も国の責任としてきっちりとそれにおこたえをしていきたいというふうに思っております。
○石井(郁)委員 五年間で一万棟ということは、やはり危険性が高い、危険度が高いからまずそこは急いでやらなきゃいけないというふうに伺っております。それはそれとしてやりますけれども、やはりすべての校舎を安全なものにするという観点で、この計画自身も見直しつつ、急いで耐震化を進めていただきたいということを強く求めておきたいというふうに思います。
 さて、次の問題なんですけれども、財務省が「教育予算をめぐる議論について」というペーパーを出されまして、先ほど来この質疑もございました。それで、この財務省の見解というか、財務省は文科省への反論として出しているわけですから、次に文科省がどういう反論をされるのかということがやはり注目をされるというか、求められているんだろうというふうに思うんですね。そういう点で、私は、二、三、ぜひ伺っておきたいというふうに思います。
 言われていますように、我が国の教育予算が少ないということは、公財政教育支出の対GDP比で、OECD平均五%に対して日本が三・五%だということから、これはもうずっと言われてきたところですね。これは文科省もお認めになってきたところだろうと思うんですね。それに対して財務省は反論をされたわけですよ。それで、これは我が国の生徒の少なさを勘案することが必要だ、さらに、我が国の政府規模が小さいことも考慮する必要というような形での、いわば分母をどんどん小さくして、結局、我が国の生徒一人当たりの教育支出はG5平均並みの水準だ、いわば先進国、五カ国ですけれども、平均並みだということを導き出しているわけですね。
 私は、先ほど財務省の見解を伺いましたけれども、一体文科省はこれに対してどういう反論をされるのですかと、ここはぜひ伺っておきたいと思います。
○加茂川政府参考人 委員の御発言にございました、政府規模と公財政教育支出の水準を関連づけての御主張があることは私どもも承知をいたしておるわけでございます。しかしながら、政府規模が小さいからといって、公財政支出も少なくてよいということにはならないんだという考え方を私どもはとっております。
 具体例を申し上げますと、例えばアメリカ合衆国の場合でございますが、我が国よりも政府規模が小さいわけでございますが、生徒一人当たりに対しまして我が国を上回る公財政教育支出を行っておるわけでございます。
 教育にどれだけ投資するかというのは、その国の政策判断によるのだと私どもは考えるわけでございます。現在行っております計画案の協議の場を通じましてこういった考え方を主張いたしまして、関係府省の理解を得てまいりたいと思っております。
○石井(郁)委員 先ほど生徒一人当たりということをしきりに言われておりましたけれども、この点ではいかがなんですか。生徒一人当たりで見ると日本の公財政支出というのは決して少なくないという話でしたね、財務省。これはどうされるんですか。
○加茂川政府参考人 御説明申し上げます。
 我が国の公財政教育支出を見ますときに、生徒一人当たりで比較しますときに、その全体、学校教育段階を通じて、あるいは公的負担、私費負担全体を通じて見ましたときに、御指摘のようにG5の平均での一定の見方が出てくることは事実かと思っております。しかし、学校段階別に見ますときに、例えば、これまでの議論にもございましたけれども、初等教育前、就学前教育段階あるいは高等教育段階におきましては、公財政支出が少ないことは明らかでございまして、逆に私費負担が大変大きいという問題が顕在化をしてまいります。
 ですから、すべて教育段階を通じた物の見方と、学校段階別に物を見ていくという、視点を変えて私どもは考えたいと思っておりますし、教育支出全般ではなくて、公的支出、私費負担、この要素も個別に判断をしていく必要があるのではないかと私どもは考えておるわけでございます。
○石井(郁)委員 今の点もあるかと思いますけれども、やはり、義務教育というか、小中高校段階でいうと十分な日本の公財政支出があるという話も先ほど来財務省から出ています。
 私は、これは事実として、文科省は毎年、「図表でみる教育 二〇〇七年版」という世界比較、国際調査を出していますけれども、そこでは、小中高校での生徒一人当たりの公財政教育支出GDP比は、OECD平均が三・六%に対して日本が二・七%だ、三十カ国中下から三番目だということが出ているんですね。これはお認めになりますね、文科省が発表しているものですから。例えばこういうことはちゃんと主張されているんでしょうか。
○加茂川政府参考人 御指摘の資料につきましては、例えば中教審の審議の際に資料として提出をさせていただいておりまして、私どもの考え方も十分説明をさせていただいておるところでございます。
○石井(郁)委員 まだまだこの問題での詰めなきゃいけないことはあるんですけれども、要するに、我が国の教育支出は先進諸国と遜色ない、こういうことがすぱっと財務省から出てくるわけですから、やはりそれは文科省として、実態はどうなんだ、それから、こういう財務省の算定の仕方、そういうことも含めて、きちんとした反論がされるべきだというふうに思うんですが、それを一つ申し上げておきたいと思います。
 また、もう一つの実態、事実の問題としては、財務省が、我が国の高等教育支出は主要先進国並みだということも言われていますね。一体これもどうなんだ。
 先ほど、私費負担の割合というのは日本がずば抜けて高い、これは高等教育の場合は特にそうなんですね、そういうことが言われましたけれども、財務省の示した数字でも、公費負担で、ドイツは三五・四%、フランスが三〇・九%、日本の場合は一七・四%ですから、高等教育に対する財政支出というのは本当に少ないということで、よく言われるように、GDP比でOECDが平均一%に対して日本が〇・五%で、これは最下位なんだということで、こういう高等教育への支出の少なさが奨学金問題を生み、それからまた、高学費で学生たちを非常に負担を重くさせているという問題があるというふうに思うんですけれども、この問題も文科省としてはどのように反論をされますか。
○清水政府参考人 今先生御指摘いただきましたように、高等教育に係る学生一人当たりの教育支出を一人当たりGDPで割った指標で、我が国の高等教育支出は主要先進国並みという御指摘があることは事実でございます。
 しかしながら、このような算定方式によったとしても、御指摘のように、教育支出は公費及び私費の合計であり、その合計であったとしても米国の値を大きく下回っているということ、それから、公費負担部分については主要先進諸国で最低レベルだということについては、私ども、そういうものをまとめますと、高等教育支出が十分であるとは言えないというふうに思っております。
 御指摘のように、振興基本計画におきましては、我が国の教育に対する公財政支出は他の教育先進国に比して低いということ、そして、特に高等教育段階では家計負担を中心とする私費負担が大きい、そういう認識に立って、世界最高水準の教育研究環境の実現を念頭に置きつつ公財政支出の拡充を図るということで、今各省に協議をさせていただいている。こういうことでございまして、こういう考え方も踏まえつつ協議を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○石井(郁)委員 きょう私は文科省から見解をお聞きしましたけれども、財務省が本当にこういうペーパーを発表しているわけですから、しかも、先ほどもありましたけれども、膨大な資料ですよね、財務省主計局から出されている。何かいかにもこれは大変根拠を持って出されているというふうに、これだと見えちゃうわけです。
 それから、私は本当に認めがたいと思っているんですけれども、事実という書き方をしているんですよね。事実の一、二、三、これが事実ですと。これは国民に発せられますから、国民はこれを見て、ああ、ここに事実があるんだということになりますから、やはりこの事実は、違うなら違うということを文科省が言っていただかないと、こっちがひとり歩きしますよね。これが正当化されるわけです。
 こういうことに対する反論は、国会にも国民に向けても文科省が今出す必要があると思うんですが、その辺いかがですか。
○渡海国務大臣 国民に向けてということになりますと、メディアが一つその役割を果たしているのかなという気がいたします。
 私は、あえて今、こういうのを出しているからこれに反論するということをメディアでばしばしやるというのは余りよくないなと思っておりますから出しておりませんけれども、言うべきことはちゃんと言ってまいりますし、そして、必要があれば、我々もしっかりと用意はいたしておりますから、そのことをちゃんと国民に向けて発信していきたいというふうに考えております。
○石井(郁)委員 重ねて、やはりきちんとしたものをペーパーで出していただきたいと思うんですね。それはいつごろになるのかということが一点。何か大臣がお持ちのようですから、それはちゃんと出していただきたい。やはり出していただきたいというふうに思います。
 それから、やはり公財政教育支出GDP比三・五%をいかに五%に引き上げるか、これはもう本当に一致した皆さんの思いだと考えております。一応それを教育振興基本計画原案に書き込んでいますけれども、大臣、本当にそれを貫く、やり切るという姿勢かどうか。
 このことは、教職員、先ほどもありましたけれども、五カ年間で二万五千人の増員を図るということが書かれておりますけれども、これを本当に貫いていかれるのかどうかという決意と含めて、いつごろそれを発表されるのかということでお尋ねしたいと思います。
○渡海国務大臣 我々の考えを今お諮りしているわけでございますから、私はもちろん貫いてまいります。
 いつと言われましても、今折衝中でございますから、いつまでにということは言えないわけでございますが、こんなことはそんなに長くやっているつもりはありませんから、政府内でできるだけ早急に取りまとめができるように努力をしていきたい、また、我々は我々の考え方を貫いてまいりたいと考えております。
○石井(郁)委員 教育振興基本計画ということを閣議決定されるわけですので、やはり極めて重大な中身だというふうに思います。今後の日本の教育にとって本当に重大な意味を持つというふうに思いますし、改定教育基本法を受けてのものでもありますので、私は、当委員会でももっと徹底した審議をされてしかるべきだというふうに考えているところでございます。
 その原案に本当にさまざまな問題がありますので、きょうは最後に一点だけ主張しておきたいことがありますのは、原案の記述の中にこういう部分があるんですね。「こうした改正教育基本法の理念を人間像の観点から言い換えれば、おおむね以下の三つに集約」できるということで、人間像ということが示してあります。
 教育は、一般に教育目的という形で人間のことを触れますけれども、しかし、その人間像というのはかなり具体的なものでありまして、「知・徳・体の調和がとれ、生涯にわたって自己実現を目指す自立した人間の育成」、それから二つ目、「公共の精神を尊び、国家・社会の形成に主体的に参画する国民の育成」、三つ目、「我が国の伝統と文化を基盤として国際社会を生きる日本人の育成」と。大変抽象的な文言ではあります。しかし、もう一つ書かれてありますのは、「我が国の将来の発展の原動力たり得るものは人づくりすなわち教育をおいて他にない。改正教育基本法の理念の実現に向け、今こそ我が国は改めて「教育立国」を宣言し、教育の振興に取り組むべきである。」ということを述べております。
 こういう目的で人づくりを進めるんだということを政府が国家の目的として掲げるという問題については、私どもは極めて慎重でなければいけないし、子供や国民を特定の鋳型にはめ込んではいけないという立場をとってきましたので、そういう問題点を指摘いたします。教育振興基本計画というのはあくまでも教育の環境整備、条件整備を中心とすべきでありますし、決して学校あるいは個々の教育内容、方法に立ち入るものを閣議決定してはならないということを強調いたしまして、閣議決定になりますので、そのことをちょっと申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○佐藤委員長 以上で石井郁子さんの質疑は終了いたしました。
 次に、日森文尋君。
○日森委員 先月九日のこの委員会で、新学習指導要領のパブコメがありまして、公示後、その内容について本質的な部分が改正されていたということについて見解をお尋ねいたしました。その答弁の中で、「寄せられた意見につきましては、新しい教育基本法や中央教育審議会答申を踏まえ、文部科学大臣の責任において個々に判断した結果、必要な修正を行ったものでございます。」というふうに金森さんがお答えいただきました。
 しかし、教育基本法あるいは中教審答申、それぞれいろいろな意見があるわけで、特に新しい教育基本法については、賛否両論、大変な議論もありました。これはもう事実としてそういうことがあったわけです。
 そうすると、新教育基本法や中教審答申に例えば反対する立場の意見であっても、採用しないということには当然ならないし、あるいは逆に、賛成だから採用するということにも当然ならないんじゃないかというふうに思っているんですが、まず一点目は、それについてどうお考えなのか、お聞きしたいと思います。
○金森政府参考人 今回の学習指導要領の改訂に際し、パブリックコメントによって寄せられた意見につきましては、改正教育基本法や中央教育審議会答申を踏まえて、個々に判断したものでございます。
 パブリックコメントを提出した個人や団体は、改正教育基本法や中央教育審議会答申に対してさまざまな御意見を持っていることも考えられますが、本件についてパブリックコメントを行う際には、改正教育基本法や中央教育審議会答申に対して賛成か反対かということは伺っておりませんので、賛否の立場が修正の要否の判断に影響を与えたということはないと考えております。
○日森委員 さらに、金森さんの御答弁の中で、文科大臣の責任において個々に判断をしたということが言われているわけですね、文科大臣の責任において個々に判断した。そうすると、どういう判断をなさったのか、その経緯について明らかにする必要があるんじゃないかというふうに私は思います。
 とりわけ、「大臣の責任において」というふうに言っているわけですから、これは重大な問題なので、この経緯について一緒に明らかにしていただきたいと思います。
○金森政府参考人 パブリックコメントで寄せられた意見につきましては、これらを考慮した結果とその理由につきまして、学習指導要領を公示いたしました三月二十八日に、文部科学省のホームページに掲載をしたところでございます。
 また、五千六百七十九件にわたる意見自体につきましても、個人情報保護法の規定に基づきまして、氏名など個人を特定できる情報の処理などの所要の作業が終了いたしました四月二十一日から、文部科学省に備えつけまして、一般の閲覧に供しているところでございます。
○日森委員 いや、本質的な部分が改正されたことについて、これは大臣が大臣の責任において個々に判断されたわけでしょう。その具体的な経緯についてしゃべってくださいというふうに言ったんです。
○金森政府参考人 学習指導要領の改訂案につきましては、行政手続法に基づきまして、広く国民の皆様から御意見をいただいたところでございます。
 今回の意見募集では、例えば、約六十年ぶりに改正された教育基本法改正の理念や趣旨を学習指導要領においてより明確に位置づけるべきといった御意見を初め、さまざまな御意見がございました。
 今回の改訂は、新しい教育基本法のもとで行う初めての改訂でございまして、一月の中央教育審議会の答申におきましても、改訂の基本的な考え方の第一番目に、「改正教育基本法等を踏まえた学習指導要領改訂」ということが提言されているところでございます。
 このため、寄せられました意見につきましては、多岐にわたるわけでございますけれども、新しい教育基本法や中央教育審議会答申を踏まえ、文部科学大臣の責任において個々に判断した結果、必要な修正をしたものでございます。
○日森委員 時間がないので次に行きます。
 教育振興基本計画についてさまざまな御意見がありました。私は、そもそも論といいますか、基本的な問題についてお伺いしておきたいと思うんですが、この基本計画、教育行政の中でどのような位置づけになるのかということについて御答弁いただきたいと思うんです。
 教育基本法第十七条、「政府は、教育の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、」云々というのがありますが、その十七条の規定によると、教育振興基本計画というのは、ある種というか一種の行政計画であって、教育内容に干渉するものではないというふうに私は考えているんですが、文科省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○渡海国務大臣 経緯につきましては、きょうの議論の中でいろいろ出ておりました。教育国民会議から始まって、十五年の中教審の答申がございます。基本法が改正されて、その十七条で、この改正教育基本法で、教育の理念に向けて、政府として教育政策を総合的、計画的に推進するために策定される、こうなっております。
 今委員がおっしゃいましたように、教育の目指すべき姿というものを国民に示して、その実現に向けての具体的な教育の振興策というものを書くということでございますから、教育内容というのは、例えば学習指導要領でいいますと、その着実な実施と必要な条件整備について、本計画に位置づけることにより教育水準の維持向上を図るといったような条件とか、そういったことは書いておりますけれども、内容そのものは指導要領に書いてあるわけでございますし、そういった意味では、委員がおっしゃったとおりで、私はちゃんとそのように書かれていると理解をいたしております。
○日森委員 同時に、この第二項で、「地方公共団体は、前項の計画を参酌し、」何か難しい言葉が書いてあるんですが、その地域の実情に応じて、教育の振興のための施策に関する基本的な計画を定めるように努力義務が規定されている。この「参酌」というのは余り日常的に使わない言葉なんですが、広辞苑で調べました。「てらしあわせて善をとり悪をすてること。比べて参考にすること。」というふうに書いてありました。
 とすると、この基本計画というのは、地方公共団体、とりわけ自治体にとって、あくまでも指針的なものだ、ガイドライン的なものだというふうに考えてよろしいのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○加茂川政府参考人 教育基本法第十七条の二項についてでございますが、この規定は、各地方公共団体が、政府の定める計画を参考にして、その地域の実情に応じた基本的な計画を定めることに努める旨の規定でございます。
 政府としましては同条第一項の規定になるわけでございますが、閣議決定により定める計画はあくまでも政府の基本計画でございまして、地方公共団体に対して格別な拘束力を持つという性格のものではないことを御理解いただきたいと思います。
○日森委員 ぜひ、そういう立場を貫いて、地方公共団体の自主性を尊重していただきたいというふうに思います。
 もう時間が余りありませんが、財務省は今や文科省の天敵になっているのかもしれませんが、先ほど来、大臣が決意を示されておりますし、私もぜひ頑張っていただきたいということを最初に申し上げておきたいと思います。抵抗勢力に負けるなという文科省の立場を鮮明にしていただきたいというふうに思います。
 反論、これはぜひ、ページ数は問いませんが、国民にわかるように、しかも、教育費の負担で国民の暮らしは大変厳しくなっているわけですよ、あえいでいるという実態もあるわけですから、そこにしっかりとしみ通るというか訴え切るような、反論と言うとおかしいですが、そういう文科省の主張をぜひ貫いて、当たり前の水準、OECDの水準なんですが、そこまで教育環境整備のための予算をしっかりとるということで頑張っていただきたいというふうに思います。
 それで、そのお金の話はもういろいろ議論が出ましたから、ここでは触れません。
 この財務省の資料の中でこんなことを言っています。これも事実と財務省は言っているんですが、学校現場が抱えている問題は年々困難になっていると文科省が言う論拠は乏しいんだ。校内での暴力行為の件数はほぼ横ばいになっているし、日本語指導が必要な外国人児童生徒は偏在しているし、給食費未納児童がいる小中学校の一校当たりの未納児童数は三人だ。精神疾患の割合が上昇している傾向があるということに対しては、これは全産業に見られる傾向であって、大したことないんだと言いたいような、これを事実だと言って財務省は何が何でも金は出さない、そうではないのかもしれませんが、抑えようとしているということなんです。
 ちょっとこれは実態とはかけ離れたことを事実と強弁しているように私には思えますが、文科省として、学校現場が抱えている問題は年々本当に困難になっているんだ、そういう認識を持っているんでしょうか。それからまた、学校現場が抱えている問題、これは、財務省の主計局がこの資料で取り上げているような問題、そういうことで集約されて、余り問題ないんだということで済ませていいのかどうなのか。この辺、最後に御見解を伺いたいと思います。
○渡海国務大臣 私は反論とは呼んでおりません。これは、別にけんかしてもしようがないわけですから。
 ただ、例えば精神障害をお持ちの先生方がふえてきた、これは地方自治体はもっとひどいんだ、こういう議論は間違っていると思います。学校現場で精神障害を持っておられる先生がいるということは、これは大変な問題です。むしろ、数がどうのこうのという、ばかなと言ってはいけませんが、こういうレベルの議論にはつき合うなと言っています。要は、そのことをどうやって解決していくかということが我々に求められておるんだから、それはやらなきゃいけない。だけれども、数が多いとか少ないとかそういう話ではなくて、ちゃんとやりなさいということを言っておるわけでありまして、それを一つの例として、我々は、我々の見解、我々の主張というものをしっかりと申し上げていきたい。
 ただ、我々も反省しなきゃいけない部分というのはありますから、そういうところはちゃんと認めて、そしてお互いがやはり議論し合うということを、これから政府内部で、今までもやっておりますが、やっていきたいというふうに思っているところでございます。
○日森委員 大臣及び文科省にエールを送って、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○佐藤委員長 以上で日森文尋君の質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○佐藤委員長 この際、塩谷立君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の三派共同提案による教育基本法第十七条に国会報告が義務付けられている教育振興基本計画に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。塩谷立君。
○塩谷委員 ただいま議題となりました決議案につきまして、本日も本委員会で数値等の内容も含めてさまざまな議論をいただきましたが、教育振興基本計画については、その重要性を踏まえて、この決議案を作成いたしました。提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
    教育基本法第十七条に国会報告が義務付けられている教育振興基本計画に関する件(案)
  今般、政府においては、改正教育基本法に基づき、その教育環境整備を実現するため、今後の中長期的な教育政策の具体的な骨格となる教育振興基本計画の立案作業が進められているが、今必要とされているのは、何よりも教育現場における十分な財政基盤整備であり、教育の将来像を見据えた基本計画である以上、その具体的方策について明記することは必須の条件である。
  ついては、政府は、教育振興基本計画の立案及びその実施に当たり、次の事項について明確にし、その実現に万全を期すべきである。
 一 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならないとする改正教育基本法に定められた教育の目的を踏まえ、その精神を十分に反映したものとすること。
 二 教育投資について、欧米の教育先進国の公財政支出の平均的水準を目指した数値目標を設定し、その充実を図ること。特に税制抜本改革時にあっては、教育投資の充実に向けて最優先で取り組むこと。
 三 教職員定数の改善について、教員が児童生徒と向き合う時間を確保するとともに、改訂学習指導要領の円滑な実施に向けて具体的な方策を明記すること。
 四 これら条件整備により実現されるべき教育の具体的成果について、わかりやすい目標設定を行い、その達成に向けた具体策を提示するとともに、国会への報告等その情報公開に努めること。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
○佐藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立多数。よって、本件は本委員会の決議とするに決しました。
 この際、本決議につきまして文部科学大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡海文部科学大臣。
○渡海国務大臣 ただいま力強い御決議をいただきまして、ありがとうございました。その御趣旨に十分留意をいたしまして、この先頑張ってまいります。
 ありがとうございました。(拍手)
○佐藤委員長 お諮りいたします。
 本決議の議長に対する報告及び関係各方面への参考送付の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 内閣提出、学校保健法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省大臣官房総括審議官合田隆史君、大臣官房文教施設企画部長舌津一良君、生涯学習政策局長加茂川幸夫君、初等中等教育局長金森越哉君、高等教育局私学部長磯田文雄君、スポーツ・青少年局長樋口修資君、厚生労働省大臣官房審議官村木厚子さん及び職業安定局長太田俊明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○佐藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本大輔君。
○松本(大)委員 民主党の松本大輔です。
 私の地元では今運動会のシーズンを迎えておりまして、私も実はあした母校の運動会に行ってこようかなというふうに思っておるんですが、今回のこの学校保健法等の改正案を読ませていただきましたところ、本当に、国の責任が不明確な今の原案で果たして学校の安全は確保されるのか、私は非常に懸念を持っております。まずその点について、大臣の率直な感想をお聞かせいただけますか。
○渡海国務大臣 学校の安全というのは、いろいろな側面から考えなきゃいけないと思っております。
 今御審議をいただいておる部分、またそれ以外にも、近年といいますか先ごろ話題になっています耐震化の問題等さまざまな切り口があるというふうに思っておりますが、現在提出させていただいている法案、これは中教審の御議論もいただきながら、そういった答申をもとに政府として作成をした案でございます。
 我々としては、そのことによって既にいろいろな計画、ガイドライン等もお出しをしておりますし、そういったものも含めて、学校の安全が図れる、また図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。なお不十分な点があれば、不断の改革の努力は進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
○松本(大)委員 今、中教審の答申をもとにおつくりいただいたという話がありましたが、私も中教審の答申を読みました。「子どもの心身の健康を守り、安全・安心を確保するために学校全体としての取組を進めるための方策について」というものでありますが、これは時間があれば後で詳しく取り上げたいと思いますけれども、ちょっと腰の引けた答申じゃないかなというふうに私は思っているんですね。設置者はこうすべきということは非常に明確に書いてあるんだけれども、国と地方公共団体のことになると非常にあいまいな書きぶりにあえてとどめているんじゃないかなと、何かこう腰の引けたニュアンスが非常にぷんぷん漂っているんですね。
 ですから、これをもとにした今回の法案だからこそ、私、本当に今の原案のままで学校の安全が確保されるのかなという点については非常に強い懸念を持っておりまして、その点について一つずつお伺いさせていただきたいというふうに思います。
 まず、先ほど大臣からも御指摘のありました耐震化、公立学校施設の耐震化等をちょっと取り上げたいと思いますが、きょうは厚労副大臣にもお越しいただいていますので、きのうの通告の際には、ちょっと現場で順番変えるかもよというふうにお話し申し上げましたが、厚労副大臣の関係するところをぎゅっと前に持ってきて、途中で退席をしていただけるように、順番を二、一、六、七、三、四、そんな感じでやっていきたいというふうに思います。
 まず最初に、公立学校施設の耐震化でありますけれども、今回の条文二十六条のところにも、「学校の設置者は、児童生徒等の安全の確保を図るため、その設置する学校の施設内において、事故、加害行為又は災害により児童生徒等に生ずる危険を未然に防止し、及び事故等により児童生徒等に危険又は危害が現に生じた場合において適切に対処することができるよう、当該学校の施設及び設備並びに管理運営体制の整備充実その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」というふうに書いてありまして、まさに、耐震化はこの災害というところに非常に強くかかわってくる部分かなというふうに思います。
 今の書きぶりでは、設置者も「講ずるよう努める」ということですから努力規定ということでありますけれども、大臣も御存じのように、耐震化、思うように進んでいませんね。三位一体の改悪といいますか大幅カットの影響で、要するに地域の財政力格差というものを無視したカットが行われた。その結果、耐震化をしたいと地域が幾ら思っても思うように進まない、補助裏の負担ができない。
 地方の自主財源といいますか、そこが乏しくなっているという状況がある中で、果たして、今のこの三条の書きぶり、「国及び地方公共団体は、相互に連携を図り、各学校において保健及び安全に係る取組が確実かつ効果的に実施されるようにするため、学校における保健及び安全に関する最新の知見及び事例を踏まえつつ、必要な施策を講ずるよう努めなければならない。」国も地公体も、これは努力規定なんですね。学校の設置者も努力規定だし、国も都道府県も努力規定だ。そんな中で、耐震化は進んでいない、地方の財政は逼迫をしている、こういうことであります。
 公立学校施設の、特に小中学校の耐震化については、大臣も、前回だったか御指摘ありましたけれども、今我々も法案を出しましたし、与党でもその動きが出てきているということで、補助率のかさ上げなど、そういう動きが出ていることは私は評価すべきだというふうに思いますが、一方で、幼稚園とか高校というのはそういった公立小中学校の枠組みの外にあるものですから、ではこれはどうしていくのかという問題が残るわけですね。
 実際、幼稚園の耐震化率というのを文科省のホームページから見てみましたけれども、例えば診断実施率、大臣の御地元の兵庫は一〇〇%ですけれども、鳥取は〇%です。耐震化率についても、静岡は八四・三%、一方で長崎は二〇%ですね。
 避難所になる公立小中学校から、しかも、とりわけ倒壊の危険性の高いところからと、優先順位づけについては私もよくわかっているつもりではあります。しかし一方で、未就学ということは、それだけ自分で自分の身の安全を確保することが難しい、避難において特段の配慮を要するという幼い子供たちが一日の大半を過ごしているところをこのままにしておいていいはずはありませんし、地域の財政力格差がその子供たちの安全の格差になっちゃいかぬ、こういうことであります。
 ところが、今の書きぶりでは、財政措置その他を含めて国の責任は全く明確化されていませんよね。今のままで本当に子供たちの安全の確保は図られると思いますか、大臣。どうですか。
○渡海国務大臣 今の法律を引いての耐震化の御質疑ということだと思います。
 耐震化の問題というのは、この法律にかかわらず、最重点として取り組まなきゃいけないこととして考えておりまして、委員も御指摘のような動きといいますか、我々もそういう意識を持って全国を調査いたしました。
 既に通常の補助率よりは上げていたわけでありますけれども、それでも進まない。その最大の理由がやはり財政的な問題にあるということも非常にクリアになったわけでありますから、そのことを踏まえて、私ども、何とかこれを三分の二に引き上げて、しかも、それだけではなくて、裏負担の問題もあります。これは総務省になるわけでございますが、政府は一体でございますから、総務省との話し合いも含めて、上げていくということも視野に入れて検討をしてまいりました。ちょうどその中で議員立法の動きがございまして、民主党さんがお出しになっている法案もあり、今、各党間でお話し合いをいただいているというのが現在の認識でございます。このことによってかなり加速ができる。
 もう一点、先ほどお話がございました幼稚園の問題ですね。これは財政の仕組みが若干違いますから、そういった意味で、実はなかったわけでありますけれども、そのことについても、御指摘のように、特に幼稚園の子供は簡単に逃げられないわけでありますから、大人だから逃げられるとは言いませんが、そういう意味で我々は配慮しなきゃいけないだろうという委員の御指摘はもっともだというふうに考えておるところでございます。
 全般的にはそういうことでございますけれども、耐震化の問題につきましては、とにかくあらゆる手段を通じて、これはやはり国も先頭に立って責任を果たしていかなきゃいけないというのが私の考えであり、そういった考えに基づいて、我々もこれからこの耐震化の問題に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○松本(大)委員 財政措置の必要性については、後で人材の確保というところでも触れますけれども、公立小中学校のところは今の議員立法の動きがある。ただ、幼稚園、高校はその枠外にあるわけですから、だからこそ、今回この安全について規定をするのであれば、この三条のところは、しっかりと国として財政措置も含めた責任を負うんだ、修正を断固として行うべきだということを申し上げておきたいと思います。
 先ほど配慮というふうにおっしゃいましたけれども、子供の安全というのはマストの話ですから、配慮ということではなくて、国として責任を持ってしっかりとやるんだという決意のもとで、これは修正をぜひ行っていただきたいということを強く申し上げておきます。
 学校の安全確保というのがなぜ重要かといえば、これは申し上げるまでもありませんが、子供の安全、子供の命という問題だからであります。
 今回の学校保健法等の一部を改正する法律案は、二条のところですか、文科省所管法案でありますからそういうものだよというふうに省庁の方はおっしゃられるのかもしれませんが、「この法律において「学校」とは、学校教育法第一条に規定する学校をいう。」ということでありまして、学教法の一条校というものの中には、同じ未就学の子供が通う施設という意味で、保育園というのは入っておりません。保育園は入っていないんですね。
 それで、保育園に通っていらっしゃるお子さんの安全の確保についてはどういう枠組みの中で守られているんですかと厚労省にお尋ねをいたしましたところ、これは大臣告示ですということで、保育所保育指針というものを教えていただきました。これを読んでみました。
 安全というところは第五章に定めてありまして、保育所に対して、努めなければならない、保育しなければならないと努力規定や義務規定があるわけですけれども、これを読んでみますと、「事故防止及び安全対策」として、「保育中の事故防止のために、子どもの心身の状態等を踏まえつつ、保育所内外の安全点検に努め、安全対策のために職員の共通理解や体制作りを図るとともに、家庭や地域の諸機関の協力の下に安全指導を行うこと。」「イ 災害や事故の発生に備え、危険箇所の点検や避難訓練を実施するとともに、外部からの不審者等の侵入防止のための措置や訓練など不測の事態に備えて必要な対応を図ること。また、子どもの精神保健面における対応に留意すること。」この二つが「事故防止及び安全対策」として、保育所、その職員に課せられている告示だということであります。
 保育所内外の安全点検、災害に備え危険箇所の点検ということでありますから、これは、先ほども申し上げた、いざというときに倒壊のおそれはないのか、耐震診断等も当然行わなきゃいけないということでありましょうけれども、実際、保育所の耐震化率は一体幾らなんですかとお尋ねをしましたら、全体で五六%。公立小中学校の耐震化率よりも低いわけですね。耐震診断の実施率については三一・八%ですよ、大臣。五十六年よりも前に、耐震基準が変わる前に建てられた建物のうち、まだ三一・八%しか耐震診断されていないということなんですよ。七割近くはまだ未診断のまま残っているんですね。大臣の御地元の兵庫県、耐震診断実施率一三・三%、一割ですよ。耐震化率は四六・六%。西川副大臣の御地元の北九州、耐震診断の実施率はわずか六・二%、六%なんですよ。耐震化率は四一%にすぎません。
 保育所となれば乳児がいるわけですね。つまり、避難確保上特段の配慮を要する。これは本当に今のまま、平成十八年度に施設整備費も一般財源化されちゃったわけですよね、ところが、これはさっきの幼稚園の状況と同じです、三位一体の大幅カットで、耐震化に回したくてもなかなかきつい。避難所に指定されていなければ、自己調達は七七%。少なくとも七七%の部分は、改修に係る費用を自己調達しなきゃいけないわけですね。地方債での起債にも非常に制限があるわけです、そういう意味では、全体の枠から見た場合。ですから、これはそのままにしておくと、耐震化は一向に進まないし、診断の未実施というのも解消されないということであります。
 一方で、新保育所指針で、保育所とその職員さんには、保育所内外の安全点検に努めろ、災害や事故の発生に備え、危険箇所の点検を実施するというふうに言っているわけですね。これは、実施して、知らなきゃよかった、やらない方がよかったということになりませんか。児童福祉法上、保育の実施責任は市町村ということかもしれませんが、その先の耐震改修や耐震診断未実施の解消に国として責任を持たなければ、予算措置か何か講じなければ、現場の保育所や保育士さんに点検を義務づけたところで、知らない方がよかったと現場を苦しめるだけになりませんか。これで本当にいいと思いますか、副大臣、どうですか。
○西川副大臣 お答えさせていただきます。
 確かに、実際には幼稚園以上に保育所に通っている児童の方が多くなっている現実があります。その中で、学校その他の耐震化率というのは大変今喫緊の課題だと思っておりますが、もちろん、保育所あるいは福祉施設も当然この耐震化の対象に入れております。今回の大臣告示で保育指針の中にしっかりとこの問題は書かせていただきました。
 その一方で、公立保育園の施設整備費その他が地方分権で地方自治体に予算が全部行ってしまっている、その現実があります。私立保育園の方はまだ厚労省が持っておりますけれども。そういう中でどういうことが現実にできるのかということになりますと、今議員おっしゃったように、実態調査をまずしなきゃいかぬなということで、平成十八年の五月にこの実態調査をいたしました。
 その中で、災害共済給付制度というのがありますが、これは文科省の所管なのでございますけれども、この調査をいたしましたところ、地方で、単独事業で補助をかなり出しております。そういう中で、助成がある施設では九九%、そして助成のない施設でも九一%が保険に実際には加入しております。いわば、耐震とはちょっと問題が小さい話になるかもしれませんが、そういう整備も一応しているということです。
 ただ、この耐震化に関しては、今、もちろん、御党の民主党の議員の先生方もいろいろ考えて、与党でも今回きちんとまとめ上げまして、裏保証も含めてかなりしっかりやっていこう、そういうことは、これから多分きちんとした制度、整備が現実のものになると思いますので、その中で国としては、やはり地方に、児童福祉法の五十九条の二の五にもありますように、報告義務がありますので、それを踏まえて県の方に、この耐震化率、のっとってやるようにということをしっかり強化してまいりたいと思います。
○松本(大)委員 副大臣、今御答弁いただいたんですが、保険の加入率というのは次の質問でありまして、私が聞きたかったのは、今のままでは、一般財源化された、三位一体の改悪で地方財政も厳しい、耐震化や診断に回したくても回せない、国として何らかの予算措置を講じない限りはこれは現場を苦しめるだけでしょう、保育指針を新しくしたというところで全然実効性が担保されていないというお話なんですよ。
 ですから、私が思うのは、十年で五十九兆という道路予算については、期間は五年に短縮をすると言ったけれども、その中身は幾らにするのかというようなことは全く触れられていない。必要な道路は着実に整備するということまで盛り込まれて、抜け道が用意されている。その一方で、本当は国民の命を守るはずの社会保障費を五年で一兆一千億、毎年二千二百億の抑制方針というのは、やはり間違いだったと素直に誤りを認めてしっかり予算を確保すべきだ、人の命を守る予算にしっかりと手当てをしていくんだ、そういう方針転換がやはり必要なんじゃないんですかという観点から御質問させていただいているんです。
 ちょっと時間もないので、さっき御答弁をいただきましたけれども、次の、事故が発生したときの手当てはどうなっているのか、保険の加入状況はどうなっているんだという点に論点を進めてまいりたいというふうに思います。
 今回の改正案には、二十九条「危険等発生時対処要領の作成等」というところでありますけれども、三項「学校においては、事故等により児童生徒等に危害が生じた場合において、」とあって、「これらの者に対して必要な支援を行うものとする。この場合においては、第十条の規定を準用する。」ということでありますけれども、文科省に尋ねたところ、この「必要な支援」には金銭的な補償というものは含まれておりませんと。「第十条の規定を準用する。」ということでありますが、第十条の規定を読んでみますと、これは要するに医療機関や児童福祉施設等であるということでありました。
 ただ、けがとかをした場合は、当然病院に行ったりするわけですから医療費がかかる。何か重大な事故であれば、本人の将来の就職に影響が出てくるかもしれない。あるいは、その子供の介護に当たれば、親の仕事に支障が出てきて生計費に困窮するという事態もあるかもしれない。その意味では、やはり物心両面の支援が必要となってくる。では、金銭補償は何でやるんですかと聞きましたら、日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度があるというお話でありました。
 私も、ああそうですかというふうに資料を拝見させていただいたんですが、ここでもやはり幼稚園、保育所というところが非常に、ある意味、これは少し国として必要な対策をとっていかなきゃいかぬなということがちょっと目についておりますので、その点について伺いたいんです。
 これは「災害共済給付の加入状況」というものでありますけれども、要するに、保険に入っていますかと。さっき副大臣が答弁されましたけれども、十八年五月一日現在、幼稚園は一八・一%が未加入、保育所は九・五%が未加入なんですね。一方で、小学校は〇・一%、中学校は〇・二%、高校は二・一%、高専が〇・五%。事故が起きやすいかどうかはともかく、本来特段の配慮を要する未就学のお子さんが通っている施設の方が未加入が多い。幼稚園に至っては一八・一%です。
 十八年の五月一日現在で見ますと、幼稚園は、特に私立は七七・三%が加入、つまり、二〇%以上が未加入、特に私立が多いということであります。保育園も私立の加入率は八五・七%にすぎないということでありまして、これは本当に今のままでいいのかなと私は率直に申し上げて疑問に思っております。事故が起こってからでは遅い。
 未加入の場合、恐らく、事故が起これば一般の損害賠償責任の責めを免れるものではないというふうに思いますが、ただ、今申し上げたように、私立の未加入が多いんですね。行政であればともかく、私立ということになれば、損害賠償責任の責めを免れるものじゃなかったとしても、無資力である、いざとなったらお金がありませんでした、払えませんでした、こうなってしまっては、無年金障害者の問題のようなことを生じかねないと私は非常に懸念を抱いております。
 文科省の方では、幼稚園の未加入の理由について、ほかの保険に入っているんだとか、うちでは余りそんな大きな事故は起きないでしょうというような説明を現場がされているんじゃないんですかということでありましたけれども、では、日本スポーツ振興センターの方に入っていなくても別の保険に加入していますというような調査は行われているんでしょうか。
○樋口政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま委員御指摘の災害共済給付制度につきましては、御指摘のとおり、国公立の幼稚園児についてはほぼ一〇〇%、私立の幼稚園につきましては、残念ながら七七%の幼稚園児しか災害共済給付に加入していない状況になっているわけでございます。
 そういった意味では、私ども、私立幼稚園におきますお子さん方の保険関係がどうなっているかということにつきまして、全日私幼連、全日本私立幼稚園連合会から事情を聴取させていただきましたところ、加入園の約六割は、全日私幼連を通じまして、在園児すべてをカバーする民間保険に加入されておられる、残りの四割の園についてもほぼ一〇〇%、災害共済給付も含め保険に加入しているということでございました。
 この全日私幼連にはほとんどの私立幼稚園が加盟をされておられるということで、災害共済給付かあるいは民間保険によってカバーをしておられるというふうにお聞きしておるわけでございますけれども、すべての幼稚園児が当然のことながら災害共済給付を初めとする何らかの保険制度に加入するように、私どもといたしましては幼稚園の設置者に対して促してまいりたいと考えているところでございます。
○松本(大)委員 保育所については先ほど西川副大臣が御答弁されていましたが、保育所は、認可保育所でも私立の加入率は八五・七%ですから、災害共済給付、日本スポーツ振興センター以外でもいいですが、本当に保険に加入されているかどうか、調べるべきであります。
 それから、この保険自体は認可保育所のみが対象ですから、認可外はどうなっているのかというふうに伺いましたら、これは非常に地域差があります。自治体独自の助成を設けているところを中心に聞かれているということでありますが、例えば保険の加入状況、高知市は三七・九%、宇都宮市は五六・八%にすぎない。これは平成十八年五月時点ということでありますけれども、これは事故が起こってからでは遅いんですよ。
 認可外に対しては保険の加入義務はないんだ、制度上はそうなんだということでありましたけれども、では、この十八年五月時点でこういう情報を知り得ているわけですから、その後これは解消されているのかどうかということを、副大臣、調べられた方がよくありませんか、どうですか。
○西川副大臣 今、松本議員の御指摘の高知、宇都宮、これが確かに極端に低いですね。認可外保育園の調査ももちろん一応いたしておりまして、認可外の保育園の中で単独助成のないところでも九一%が一応加入しているということで、実際に未加入の状況は九%ですね。その中に、特に高知、宇都宮あたりが低いという現実がありますので、もちろん、こういう特別に低いところは早急にきちんとした指導をしなければいけないと思っております。
 ただ、繰り返しになりますが、いわゆる地方分権の中で、自治体のあれになっておりますので、その中では、やはり報告義務というのをきちんと課しておりますから、そのもとにのっとって、これから強力に指導を徹底してまいりたいと思います。
○松本(大)委員 報告義務があるんだから、これは報告させればいいんですよ。十八年五月一日現在で、全体では九割とかという話ですけれども、こうやって著しく低い地域もあるわけですから、それは解消しているのかどうか報告させる、それなりの手だてを講じるべきだというふうに思います。そうでなければ、学教法上に定める施設とそうでない施設で子供の安全に格差があるとか、あるいはどこの保育園に行くかで命の格差が生じる、こういうことを放置することになってしまうわけですから、ぜひともこれは早急に取り組んでいただきたいということを強く申し上げておきます。
 副大臣、結構です。ありがとうございました。
 次に、安全に関する人的体制の充実について伺いたいというふうに思います。
 今回の法律案でいうと、第三十条、「学校においては、児童生徒等の安全の確保を図るため、児童生徒等の保護者との連携を図るとともに、当該学校が所在する地域の実情に応じて、当該地域を管轄する警察署その他の関係機関、地域の安全を確保するための活動を行う団体その他の関係団体、当該地域の住民その他の関係者との連携を図るよう努めるものとする。」というふうにあります。
 学校の安全ということについては、我々、学校安全対策基本法という法律を参議院に提出しておりまして、そこの十一条には、「国及び地方公共団体は、学校安全対策に関する校務が的確かつ円滑に行われるよう、学校において専ら学校安全対策に従事する者の配置その他の学校安全対策に関する校務の実施体制の整備のために必要な施策を講ずるものとする。」と。要するに、国にも安全対策に専ら従事する者の配置を義務づけているというわけでありますけれども、先ほども申し上げたように、この法律では、もうそもそもの三条からして努力規定になっていて、学校の設置者さんよろしくねという書きぶりになっているんですね。
 この三十条、「地域の実情に応じて、」ということでありますけれども、この地域の実情が、関係者との連携は期待薄であるというのが実情であった場合、つまり、ボランティアを集めにくいというのがその地域の実情である場合、今の書きぶりでは何ら実効性が担保されていないんですよ。しかも最後は、「努めるものとする。」ですよ。要するに、ボランティアが出てくれたらいいな、努力はするけれどもねという書きぶりにとどまっているわけで、果たしてこれでいいのかということです。
 これは文科省の調査室の調べでありますけれども、「地域のボランティアによる学校内外の巡回・警備が行われた学校(平成十八年度の取組状況)」、全体でも六六・五%にすぎない。国立は、ボランティアの巡回の比率は四八・五%なんです。公立の七七・八%よりは低いわけですけれども、実はこれにはからくりがありまして、「警備員(夜間警備やボランティアによる巡回等は除く)を配置している学校(平成十九年三月三十一日現在)」これは同じ調査室の資料でありますけれども、実は、警備員を配置している学校の比率は、国立は九九・六%なんですよ。一方で、公立は一〇・二%にすぎない。
 つまりは、ボランティアが巡回をしているという比率は全体で六六・五%にすぎない。これをどう担保していく、こんなことで本当にいいのかという点について、国立の学校は、ボランティアは四八%しかやっていないけれども、実は専門の警備員を置いているんですよ、九九・六%も。一方で、公立の学校は一〇・二%しか警備員が配置されていない。ボランティア頼みが実情なんだけれども、そのボランティアといえども、七七・八%の学校でしか巡回警備が行われていないんです。
 今の書きぶりのままで、本当に学校の安全が確保されますか。大臣、我々の対案では、国がやはり責任を持つべきだと。国立にはプロの警備員がいて、公立は設置者さんよろしくお願いしますよというのでは、余りにも無責任であります。これは大臣、今のままでいいと思いますか。学校の安全体制、人的体制の充実に国として責任を負うべきじゃありませんか。
○渡海国務大臣 松本議員、設置者の責任というものをどこまで考えるかという議論だと思います。私は、すべてにおいて国が責任を持つ、これも一つの考え方であります。その必要が、例えば今おっしゃっていることに関してあるのかないのか、そこの見きわめだというふうに思います。
 私は、学校の安全ということに関して、国が持つべき責任と、設置者が持つべき、要するに地方自治体が持つべき責任というものはやはりあるんだというふうに思っております。お互いがその中で責任を果たしていく。また、努力義務ということは、その責任を設置者の責任において果たしていくということでございますから、国としては、国立に対しては責任を果たすためにそういう配備をしているというふうに考えるべきであろうと思います。
 よく、これは国の責任だ、これは国の責任だという議論が起こるわけでありますが、安全に対して国が責任を持つというのはもちろんであります。しかし、やはり実施者である、設置者である地方自治体が持つ責任もあるわけでございますから、そこの部分をどういうふうに考えていくかということで、ある程度はやはり地方が責任を持つべきじゃないでしょうか。
 これは耐震化も同じでございますけれども、では、すぐやるのであれば、全部国の費用でみんなつくったらいいじゃないかという議論だってあるんですね。しかし、そこはお互いに、やはりこれだけの責任を果たそう、財政力の弱いところはこういう形で裏打ちをしていこうという形の中で日本の国の全体の制度が設計をされていくんだと私は思っておるわけでありますから、今回、耐震化の問題については、先ほどお答えをしましたように、このままの責任の果たし方ではどうも先へ進まないということで補助率を上げようと。これは与野党とも今お話をされているわけでありますけれども、政府としてもそういう考え方になったわけでございます。
 地域におかれましても、やはりそういった意味で責任を果たしていく。政策選択といいますか、学校の責任に対して、ではすべて国がみんなやるということで果たしていいのかという観点も考えていただきたいというふうに私は考えているところでございます。
○松本(大)委員 これは、地方の責めに帰すべき事由であれば、私は、そういう自己責任だという話もある意味理解もしますが、三位一体というのはどう考えても、結局、東京に財源を移す、自主税源のあるところにはたっぷり入ってきたけれども、そうでないところは余計に苦しくなったわけですから、そういう状況に置いていながら、いや、地方の責任です、地方と国の責任分担のあり方があるんだとおっしゃられても、地方の声を聞けというふうに一時期盛んに与党もおっしゃっていらっしゃいましたが、地方の声に耳を傾けるなら、ぜひこれは、三位一体がどうだったのか、それを踏まえて、では今のこの現状がある中でどうすべきか。やはり最終責任は、格差をならしていくその責任は国が持つべきであるというふうに私は思います。
 さっきも御紹介しましたけれども、このもととなった中教審の答申が、そういう意味では本当に、設置者よろしくという論調で書かれていて、国と地方公共団体の責任は非常にあいまいもことしております。
 今回の二十七条の学校安全計画の策定のところでありますけれども、ここについても、学校には安全計画を策定しなさいと言っているわけですが、我々の対案と違って、国については、この計画を設ける義務というのはこの法律には盛り込まれていない。
 いや、国も計画していますよということで私も資料をいただきました。「子ども安全・安心加速化プラン」、「犯罪から子どもを守るための対策」、こういう計画をちゃんとつくっているんだということでありましたけれども、これは残念ながら、計画といえば計画なのかもしれませんが、数字がほとんど入っていないですね。いついつまでにどこまでやりますと、目標を定めて期限を区切るというような計画にはなっていないわけですね。
 ということは、つまり、結果については、進捗状況については責任を持ちたくない、実績を検証されて、国のかかわり方が本当に適切だったのか後でとやかく言われたくないと、非常に及び腰な、何か、やりたくないな、責任を負いたくないな、そういう空気が、この安全計画の策定を国に義務づけていない、課していないという点からも、私はやはりこれは明らかじゃないかなというふうに思うんですね。
 大臣、これは国がやはり学校の安全対策に最終責任を持って、その進捗状況も管理していくんだ、各都道府県で格差がないかどうか、地域の財政力格差によって子供の安全に格差が生じないようにしっかりと国として見張っていくんだという姿勢を示すためにも、私は改めて、国の安全計画を、期限を区切り、数値目標を入れて策定すべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
○渡海国務大臣 地域の格差是正という観点、これは松本委員のおっしゃっているとおりだと思います。やはりそのことはしっかりと国と地方と話し合って、そして、税財源の偏在の問題も再度議論をしていかなきゃいけないんだ、このことはまず申し上げておきたいと思います。
 そういう前提に立って、今の計画というものについて、これはあえて数値を入れていないのは、私はその経緯について余り知らないわけでありますけれども、しかし、やはり努力義務というのは、地方の自主性というものを非常に大事にしているんですよ、逆に言うと。だけれども、国としては、ガイドラインであれ計画であれ、つくった以上はやはり責任があるということでありますから、そのことに対してしっかりと、それがどういうふうに進行しているか、ちゃんとやられているかということについては見守っていかなきゃいけないし、また、進んでいないようであれば、それが進むように指導もしていかなきゃいけないというのが、計画であるとか指導とか、また努力義務ということの意味であろうというふうに思っております。
 現在のところガイドラインになっておりますから、計画という形に変えても、それは私は構わないと思いますが、計画をやって、ではどこまで責任を持つかということは、やはりこれははっきりしておかなきゃいけない。先ほども申し上げましたように、国が持つ責任、地方が持つ責任というものをやはりきっちりと、そこでは、法律で決める以上ははっきりとした上でないと、私は、そこのところはなかなか決められないんじゃないかなという思いは持っております。
○松本(大)委員 きょうも、公立学校施設の耐震化を所管する文教施設企画部の不祥事についての質問が、質疑時間が終了してできなくなってしまいましたけれども、大臣からは納得がいくまで御答弁するというふうにいただいておりますので、この学校の安全に深くかかわっている、耐震化も含めて、必要な予算がどうも不適切なところに流れていたんじゃないか、そういった国民の疑念を晴らしていく、さらには、地域の財政力格差によって子供の安全に格差が生じるのではないか、そういった不安を晴らしていく、ぜひともそういう方向性で大臣には力強く取り組んでいただきたいということを最後に申し上げて、質問を終わります。
○佐藤委員長 以上で松本大輔君の質疑は終了いたしました。
 次に、田島一成君。
○田島(一)委員 民主党の田島一成でございます。
 松本委員に引き続き、議題となっております学校保健法等の一部改正法案について、大臣以下、関係各位に質問をさせていただきたいと思います。
 先週、実は社会教育法等の審議のときにお尋ねすればよかったのですが、ぜひこの法案の審議に入る前に一問だけ、取り残した件をちょっと蒸し返させていただきたいと思います。
 実はあのとき申し上げたかったのが、PTAという、社会教育団体の中でも大変大きな位置づけをされている存在が今大きく揺れ動いているという問題点であります。
 御承知とは存じますが、杉並区立和田中学校、民間出身の藤原和博校長先生が大変開放的な、画期的な学校経営等をなされて大変有名になりましたが、この杉並区立和田中学校がPTAを解散するというニュースが流れまして、実はこのことが大きく全国に波紋を呼んでおります。
 もちろん、PTAという名はなくなるけれども、その実質的な活動は地域本部であるとか保護者の皆さんが頑張ってやっていくということでありますから、学校自体のPTAと学校との連携というのは、名前はなくなっても実質的には変わるものではないというふうに踏まえているんですが、残念なことに、そのPTAの上位団体であります杉並区のPTAの連絡協議会であるとか都のPTAの上部団体から脱退をするという、そんな話が漏れなくついてまいりました。このことを受けて、今、このPTAを包括するように存在している自治体レベルでの連絡協議会等々から脱退しようというような、そんな動きがあり、この上部団体のあり方自体が大変揺れ動いているということがございます。
 もちろん、このPTAの上部団体、最上部には社団法人日本PTA全国協議会というのがございまして、文部科学省も、この社団法人日本PTA全国協議会が主催をする全国大会に三百五十万円の補助金を出すなど、一定、この上部団体の存在というものを御認識なさって、関係をこれまで深めてこられたわけなんですが、こうした上部団体からの脱退という、そんな単位PTAの動きに対して文部科学省としてはどのようにお考えなのか、ぜひその点だけもう一度確認をさせていただきたいと思います。
○加茂川政府参考人 各PTAがその上部団体とどうかかわっていくのか、加入を存続するのかあるいはさまざまな事情で脱会せざるを得ないのかといったことは、それぞれの団体が判断すべきことだとまず申し上げたいと思います。
 その上で、PTAが相互の連絡を密にしたりあるいはその発展を図る上で、市町村レベル、都道府県レベル、さらには全国的なレベルでその連絡協議の組織が一定の役割を果たすことは、私どもも大変重要だと認識をいたしております。
 お話にもございました全国組織でございますが、現在は研究大会あるいはセミナーといった研究研修活動、さらには調査研究事業、青少年育成事業、PTA活動の表彰事業等、広範な事業を行っておるわけでございまして、こういった活動を通じて、個々のPTAあるいはその上部組織にとってみますと、全国的な動向あるいは他の自治体における取り組みなどについての有益な情報が入手できる、さらには団体同士の交流を深めることのできる場ともなる、そして、それぞれの活動をそういったことから活発にできるといった、多くの利益、メリットが考えられるわけでございます。別途、全国組織としてまとまって要望活動あるいはPR活動を行うといった側面もあろうかと思います。
 ですから、私どもとしましては、繰り返しになりますが、もちろん、個々のPTAと上部団体組織との関係は個々のPTAが判断することではございますけれども、そういった全国組織または上部団体組織の役割を考えますときには、現在は全国大会の実施でありますとか調査研究活動に対して支援を行っておるわけでございますが、基本的にはこういう立場を守っていきたいと思っています。
 ただ、全国組織あるいは上部団体に対する個々のPTAのお考えはいろいろあるわけでございますから、上部組織、全国組織にとっては、個々のPTAから見て、自分たちにとってメリットがある、一層魅力的な活動情報を提供してくれるといった見直しも当然必要なわけでございまして、そういった事柄についても私どもとしては働きかけていきたいと思っております。
○田島(一)委員 ありがとうございます。
 もちろん、個々のPTAの判断でありますから、文科省が口を出す話ではないというのが局長のおっしゃりたいところだというふうに認識しております。
 自主性を尊重しつつも、しかしながら、単位PTAではできない活動を包括的にやっていく、それがまず上部団体の大きな使命であろうかというふうに思いますが、やりたいことばかりではなかったりもするわけでありまして、負担感であるとかそういったものが、結局、このような和田中学校のPTA解散、上部団体脱退みたいなことにまでつながっているんだとすると、これをやはり根本的に、そのPTA自体、また上部団体との関係みたいなものも、一定やはり見直しが求められる時期に差しかかっているのかもしれません。
 そういった意味でも、ぜひ文科省として、これまでいろいろと深い関係を今日まで築いてきていただいているわけでありますから、どうぞ、個々の判断ですからで切っちゃうだけではなく、最後おまとめいただいたように、また適切な御助言等々に御協力をいただくようにこちらからお願いをして、この件については終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 さて、本題の学校保健法等の改正案について質問に入らせていただきます。
 今回、この改正案の条文を拝見させていただいたんですけれども、それぞれの条文の中には、相当義務規定または努力義務を課していらっしゃいます。ところが、一つ一つの条文を分析して見てまいりますと、どうもこの主語の取り扱い、だれがやらなければならない、だれがやるよう努めなければならないのかを理解するのに大変苦労をいたします。
 例えば、第六条に学校環境衛生基準が求められていますが、条文では、「学校においては、学校環境衛生基準に照らして適切な環境の維持に努めなければならない。」とあります。「学校においては、」というとらえ方をすると、もちろん学校の校長も、そしてから学校内の教職員もということであり、じゃ、果たして教育委員会はどのようなかかわり方をするのだろうか。学校の適切な環境の維持に努めよということであるならば、一定これは教育委員会も、予算措置等々も含めて、やはりその主語として含まれるべきだというふうに私は考えたりもするところであります。
 こういった一例、これについては質問ではありませんので、大臣、心配しないでいただきたいんですけれども、こうしたあいまいなとらえ方で、結局この条文を読み取る現場、また各地方の教育委員会の余計な心配等々を考えると、もっともっと丁寧にこの法律改正案については取り組むべきだったのではないかというふうにも思いますし、私たちもそういう意味でこの審議の場でただしていきたいというふうにも思っております。また、おかしな箇所と思われるところにはやはり改正も求めていくように、この場で表明をさせていただきたいと思っております。
 次に、学校保健の健康診断のあり方についてお尋ねをしたいと思います。
 十一条では就学時の健康診断、そして十三条では児童生徒等の健康診断ということで、健康診断について条文が記されているところでありますが、実際には、現在の学校保健法の施行令第二条で、入学前の健康診断について規定がされています。栄養状態、視力、聴力、眼科、耳鼻科、歯科、大変細部にわたっての健康診断の検査項目というのが就学時の検査として挙げられているわけでありますが、就学時のこのような細かい検査がされた後に、入学して間もなく、また健康診断も行われているわけであります。
 就学前、就学時にも検査をする、そして入学してまた間もなくすぐに健康診断をする。ここまで本当にやらなければならないのかなという私は疑問を持つわけでありまして、就学前にこのような健康診断をしなくても学校生活は問題がないのではないかというふうに考えるんですが、どのようにお考えか、お答えをお願いします。
○樋口政府参考人 お答え申し上げます。
 就学時健康診断につきましては学校保健法の施行令におきまして、また、入学後の健康診断につきましては学校保健法の施行規則におきまして、それぞれ健康診断の検査項目を規定しているわけでございますが、就学時の健康診断では、入学後の健康診断の検査項目に比べまして、心電図、尿、寄生虫卵、結核の検査等の実施項目として規定されていないということで、簡素なものになっているわけでございます。これは、就学前に健康診断を行いまして、その結果に基づき、就学前に治療を勧告し、保健上必要な助言を行う、あるいは特別支援学校への就学に関し指導を行うことを目的としてこの就学時健診を行っているわけでございまして、その目的に沿いまして検査項目等を設定しているわけでございます。
 なお、就学時や定期の健康診断の検査項目あるいは技術的基準につきましては、医学的知見に基づきまして、専門家の意見等も踏まえ、その都度見直しが行われてきているところでございまして、新たな医学的知見等が得られましたら、私どもといたしまして、必要に応じ、検査項目や、あるいは技術的基準について見直しを行ってまいりたいと考えておるところでございます。
○田島(一)委員 ありがとうございます。見直していくという今お答えをいただきましたので、期待できるところであります。
 就学時健診、これは個別にやっていらっしゃるんだったらいいんですけれども、やはり集団で、しかも短時間でやっていらっしゃる中で発達障害等を見ていくというのには、余りに短過ぎるし、リスクを伴うのではないかと私は考えるところであります。就学前でありますから、就学後、いわゆる障害等をお持ちかどうか見ていかなければならない、もちろんだと思いますが、やはりこれは個別で対応していくべき課題だと思います。
 健康診断にかわるものとして、例えば学校のお医者さん、校医がきめ細かく子供と健康相談を行うとか、いろいろな方法はまだまだ考えられると思うんですね。こうした部分については、ぜひ、先ほどの御答弁にもありましたけれども、適切な見直しをお願いしたいと思い、質問はやめておきたいと思います。
 あと十一条、先ほども、実はこの主語の部分ということを大変指摘申し上げたんですけれども、十一条の条文の頭では、市区町村の教育委員会は健康診断を行わなければならないというふうに明記されています。
 しかし、どうでしょう。この就学時健診の事務手続等々を行っているのは教育委員会ではなく、実際は現場である学校ではないでしょうか。事前の準備であるとか就学時健診の計画、校医との日程調整、それから、場合によっては、子供たちの健診を行うのであるならば、午後ないし午前、半日ぐらいは授業を休ませなければならない、中止しなければならないという、学校運営に大きく影響するわけでありますから、どうもこの条文では教育委員会が行うというふうになっていますけれども、現状は、教育委員会ではなく、学校においてはというふうになっているのではないか。
 この条文と現状との乖離というものを、私はどうもひっかかってしまうわけでありますが、本当にこの条文どおりだったら、学校の設置者が責任を持ってやられるというふうに解釈していいのでしょうか。お答えください。
○樋口政府参考人 お答え申し上げます。
 就学時の健康診断につきましては、学齢簿を作成いたしまして、入学通知を行う就学事務の一環として、就学予定者の心身の状況を把握し、適正な就学を図るために、現行の学校保健法の第四条におきまして、市町村の教育委員会が実施する旨を規定しているところでございます。
 就学予定者の心身の状況を的確に把握いたしまして、義務教育小学校への初めての就学に当たって保健上必要な指導助言を行うとともに適正な就学を図ることは、就学事務を行う市町村教育委員会の責務であると認識をいたしております。
 実際の就学時の健康診断に当たりましては、委員御指摘のとおり、公共施設等の会場を確保することが必要でありまして、公民館でありますとか保健所、学校の保健室などで実施されているわけでございまして、学校で実施されている事例が多いことは確かでございます。
 就学時の健康診断は、私どもは、市町村教育委員会があくまでも実施主体であるわけでございますが、学校を活用して就学時健診を行う場合には、当然、校医や歯科医師、こういった方々、それから教育委員会関係者、そして学校の教職員の皆様方の協力を得ながら実施をしているということで、あくまでも実施主体は教育委員会であって、学校の協力を得ながら、学校の場を活用して就学時健診を行っているものと理解しているところでございます。
○田島(一)委員 ですから、この条文の主語がその時々で大変都合よく解釈されているんではないかというふうに思うわけです。何も考えずにこの条文だけを見たら、これはもう教育委員会が就学前、就学時の健康診断をやるんだ、学校は直接かかわらないんだというふうに思っちゃうんですね。しかし、学校の協力も得ながらというふうに今局長もお答えいただいたとおり、現実は、やはり学校の協力を得なければできない話であります。ですから、その辺は誤解のないように、やはりこの条文も丁寧に考えていくべきだろうというふうに私は考えていたところであります。
 現状の問題点をしっかりと把握していただきながら進めていかなければならない。そんな中で、次の質問に移りたいと思うわけでありますが、まず、養護教員の配置についてでございます。
 御承知のとおり、養護教諭は、小中学校では、学校教育法においては必置ということになっております。残念なことに、附則七条というものがありまして、当分の間は置かないことができるというのがあるんです。それでもやはり、小中学校では必置、とりわけ、小学校、中学校では学級数が三つ以上あると置かなければならないというふうになっているんですが、残念なことに、未配置の学校というのもまだ残っております。
 御承知のように、近年では、学校には来るんだけれども教室には入れないという児童生徒は、保健室登校をされているケースもあり、この人数も増加傾向にあります。また、保健室を訪れて養護教員に相談等々をする児童生徒の数も増加傾向にあり、またその児童生徒と応対している時間自体もふえているという状況にあります。それだけに、この養護教諭のニーズというのは大変大きいんだと私も感じるところでありますが、未設置の学校もあるということから考えると、まだまだ十分ではないなと。
 また、最低一人というふうになっているんですが、設置基準では、児童八百五十一人以上の小学校、また中学や高校においては、生徒八百一人以上のところでは複数配置をするというふうになっているわけなんですが、実際にこれだけの児童生徒の数が多いと、二人いたからといって本当にそれで十分足りているかというと、どうもそうではなさそうです。調査室の資料を拝見すると、アンケート結果では、五百人程度の児童生徒数以上であるならば複数人の配置をしてほしいと、現場の養護教員なんかの意見としてまとめ上げられていた数字がありました。
 そう考えていくと、今後の配置の方針もそうですし、現在一人配置校となっているこの配置基準も、見直しをあわせてこの際やっていく必要があるのではないかと私は考えるものでありますが、文部科学省としてどのようにお考えか、お答えをいただきたいと思います。
○渡海国務大臣 委員おっしゃるように、現場はなかなか今の基準に合わないなという感じを我々も持っております。
 今後、定数改善といいますか今の基準の改善に向けて、我々も検討を前向きにしていきたいというふうに考えております。
○田島(一)委員 ありがとうございます。ぜひ御期待を申し上げたいと思います。
 何しろ、総合的な学習の時間で養護の先生が教室に入っている、しかし、そのときに救急的に地域の医療にお願いしなければならないというようなことがあったときに、一人では絶対的に回れないというような事態もあります。こうした緊急時等にしっかりと備えるためにも、複数名の配置は絶対的に必要になってくると私も考えますので、ぜひ前向きな見直しの検討をお願いしたいと思います。
 続いて、各学校にある水の管理についてお尋ねをしたいと思います。
 今日、水質の管理等々については、各都道府県によってその受け皿は相当違っておりますが、都道府県の薬剤師会であるとか民間の水質管理会社等々が、教育委員会からの委託等を受けて、水道の検査であるとか貯水槽の清掃の状況等々を点検されているというのが現状であります。
 今日、もう上水道に切りかわっているところが大変多いわけでありますが、まだまだ地方の学校にあっては、簡易専用水道から水を引っ張ってくる受水槽、いわゆる学校の校舎の屋上に貯水タンクを設置している学校が間々見られます。ところが、この貯水タンクの衛生管理といったものに、なかなか現場の先生はもちろん、教育委員会等でもその意識が深まっていないという問題がございます。近年、少子化に伴って学校の児童数が減少して水道水の利用も減ってきております。そうすると、貯水タンクにあきができて空気に触れる部分がふえてくると、藻が発生したり、さびが出てきたりという課題があります。
 もっとひどい話を申し上げましょう。貯水タンクの点検用のふた、このふたに施錠がされていないという学校もあるやに聞いています。つまり、屋上へ上がってしまえばだれでも水道タンクに有害物質等々をほうり込むことができるような、そんなずさんな管理があるということを、私実際、地元で点検業務に携わっていらっしゃる薬剤師の方から陳情にも似た報告を受けさせていただきました。
 法律上しっかりと明記をしていたところで、例えば簡易専用水道の検査結果書、貯水槽の清掃作業の報告書や日常点検報告書、水道メーターの記録といった、あって当然、いわゆる学校保健法で保管義務が明記をされている書類等ですら実際に現場では管理されていないという話もお伺いいたしました。
 学校の先生が二、三年で異動になる。早い人だと一年で校長先生もかわられたりする。そうなると、きちっとした引き継ぎができていなかったり、現に現場の先生方の業務の多忙化で、こうしたそろえなければならない書類等々が保管されていない、こんな状況ならば点検すら十分にできないという声もありました。また、重要な貯水タンクに導かれる配管の配置図も置いていない学校があるというような問題も指摘されています。
 さて、このような状況を受けてどのようにお考えか、ぜひ御所見をお伺いしたいと思います。
○樋口政府参考人 お答え申し上げます。
 学校環境衛生の維持改善を図るための現行のガイドラインでございます学校環境衛生の基準におきましては、水質及び給水施設の検査方法については示されているものの、委員御指摘のとおり、水質検査の結果でありますとか、水道管の配置図の保管に関しては明示がなされていないという状況にあるわけでございます。
 水質検査結果のみならず学校におきます環境衛生検査の結果については当然のことながら記録を残すことが望ましく、また水道管などの給水施設の維持管理を適切に行う上では設備の配置図面は不可欠であると考えることから、私ども、水質管理に関する学校の管理体制をきちっと整備し、これらの保管が適切に行われるように早期に教育委員会や学校に対して促してまいりたいと考えております。
 なお、このたびの改正法案をお認めいただきますれば、文部科学大臣が新たに定めます学校環境衛生基準におきまして、内容を定める際に、御指摘の環境衛生検査の結果、あるいは設備の配置図面の保管管理、あるいは管理者の指定などのそういった取り扱いについて検討を行いまして、必要な基準を定めるとともに、教育委員会や学校に対して周知を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○田島(一)委員 学校経営の一つの業務であります。間違いないと思います。しかし、業務が多様化また複雑化をしてきている現状、十分に対応し切れていない現場の現状というのは、問題点を今私も指摘いたしましたけれども、残念ながら、そこまで徹底して、学校現場で頭が回らない、体が回らないという教職員の数の少なさがやはり原因ではないかというふうにも私は思うわけであります。
 どうぞ、貯水タンクの衛生管理のためだけに人をふやせというわけではありません。これも含めて、現場が大変混乱しているんだということをぜひ大臣御理解をいただいて、やはり厳しくチェックをしていただかなければならない大きな課題でありますが、その根底にあるさまざまな要因というものもぜひお考えをいただいた上で検討に入っていただきたい、このことを強くお願いしておきたいと思います。
 さて次に、学校給食法の改正に入らせていただきたいと思います。
 かつてこの委員会で、まだ当時は伊吹大臣でございましたけれども、学校給食の給食費の未納問題を私、この委員会で取り上げさせていただきました。大臣は当時、そんなばかなというような感じではありましたけれども、調査をするということで、一定給食費の未納問題の実態調査をしていただきました。
 さまざまなモラルハザードが発生をしていることも明るみに出てまいりましたし、マスコミ報道でも大変クローズアップをされ、一定の効果があったというふうに私も振り返らせていただいているところでありますが、大臣がおかわりになられて、給食費の未納問題については大臣のお考え、御認識を問う機会がこれまでございませんでした。
 渡海大臣は、現場でその徴収業務に大変追われていたり、給食の食材が大変トーンダウンをしている、レベルが下がっているというような問題にも波及をしてきた給食費の未納問題をどのように受けとめていただいているのか、また、この未納者を減らしていくために、調査結果を踏まえ、どのような対応を市町村の教育委員会や学校現場に対して行っていらっしゃったのか、今後の方針とあわせてお伺いをしたいと思います。
○渡海国務大臣 大変難しい問題だと思っております。
 ただ、認識として、これは委員が御指摘をいただいて、した調査の結果を見ますと、保護者としての責任感や規範意識の問題によるものが六割と出ているんですね。これは本当に困った問題でございまして、保護者としての責任を果たしていない。また、教育的意味からしましても、こういうことがあってはならないことなんですね。ほかの保護者や教職員に負担をかけているという結果になるわけでありますから、こういうことはやはりなくすように断固努力をしていかなきゃいけないというわけであります。
 これは、何よりも相手の意識が変わらない限りなかなか解決しないという面もあるわけですね。この問題の一つの大きな問題というのはそういうところにあろうと思いますし、また同時に、このことによって本来子供に向き合っていただかなきゃいけない先生方が大変実は集めるのに苦労するという、あえて言えば無駄な時間を使っている、これがこの問題の大変大きな問題であろうと思います。
 再三再四、各教育委員会等に対して通知を出しておるわけでございまして、対応に当たって留意事項等々を示し、保護者に対しても、ほかの保護者に実は負担がかかるんですよというようなこともちゃんと話をしてくれといったようなことも申し上げておるわけでありますけれども、こういったことを通じて改善が図られる。
 いずれにしても、教育委員会、それから、場合によっては教育委員会の設置者である市町村も含めて、これは学校現場だけに過大に負担がかからないということも、対応を考えていただいて、この問題に当たっていただきたいというふうに我々も教育委員会に対して申し上げたいと思っております。
○田島(一)委員 ありがとうございます。
 本来、この問題の根底は、先週議論をした社会教育法の中で、家庭教育のあり方等々に踏み込んだ議論でやはりするべきだったのかもしれませんが、しかし、現実問題、この影響は現場にしわ寄せを押しつけているんだという認識をぜひお持ちいただきまして、今後一件でも少なくなっていくような方向性を、現場だけ、また地方の教育委員会だけの問題ととらえずに、文部科学省としてもぜひ前向きなお取り組みをいただけるように心からお願いを申し上げておきたいと思います。
 さて、学校給食の現状を見ますと、近年、いわゆる財政支出を抑制するといった問題や合理化等々から、自校式の給食室ではなく給食センター化であるとか、民間委託がどんどん進んできております。また、市町村合併も進んだことによって、給食を実施している自治体としていない自治体の合併で、合併後のこうした行政サービスに大きく違いが出ているといった問題に直面をしている合併後の新しい自治体の問題も随分聞かれているところでもあります。
 現に私が住んでいる彦根市などは、昭和の合併をしたときに、給食をしている中学校と給食をしていない中学校、それを三十五年以上そのまま放置されてきたというところもございます。ですから、平成の合併ですべて給食が同じ行政サービスとして扱われるかどうかという点にはとりわけ注目をしているところでありますが、残念なことに、現状維持ですら困難な現場であります。
 設備の充実であるとか人材の確保といった点について具体的にどのようなお考えを文部科学省としてはお持ちなのか、冒頭お聞かせをいただきたいと思います。
○樋口政府参考人 お答え申し上げます。
 市町村合併等によりまして、財政的な理由などから同一市町村内で学校給食を実施している学校と実施していない学校が併存している事例があることは承知をいたしているところでございます。
 私ども、学校給食を実施するための予算におきまして、学校給食施設の整備に関しましては、安全・安心な学校づくり交付金によりまして、新増築の場合は二分の一、改築の場合は三分の一の補助を行っているところでございます。
 また、給食設備の整備あるいは施設の改修に必要な経費につきましても、地方交付税措置をしているところでございます。
 さらに、栄養教諭あるいは学校栄養職員の給与費につきましては、義務教育費の国庫負担法により三分の一が国庫負担され、そして、その裏打ちとしての地方交付税による措置もあるわけでございます。
 また、調理員の給与費、食器の洗浄、ボイラー管理などの業務の民間委託の際の必要な委託料などについても地方交付税措置があるわけでございます。
 こういったさまざまな人的、物的な予算、財政措置があるわけでございますが、学校給食の実施というのはあくまでも、学校給食法第四条で、義務教育諸学校においては学校給食が実施されるよう努めなければならないというふうにされておるわけでございまして、文部科学省といたしましては、今後とも、学校給食の実施主体になる市町村においてきちんと学校給食を実施していただくよう、そして学校給食が円滑に実施されるような必要な支援に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○田島(一)委員 努力規定でありますから、強くも言えない、絶対に実施しなければならない、言えないというのがこの法律の中身であります。もちろん、それに沿った形での徹底であるとか、通達がなされていくわけでありますけれども、自治体間格差というのが大変大きな問題であり、比較的各個人に影響を及ぼす問題であり、地方の自治体等々では、これが争点となって選挙が行われたりしているケースも間々あります。それだけに、大変扱いにくい課題だとは思うんですが、学校給食をやるならばこういうふうにしなさいと法律でこうして明記をしてきているわけでありますから、一定の責任等々は感じていただいていることだというふうに思います。
 さて、あわせて、この給食を取り巻くさまざまな状況の変化、とりわけ近年の食また食品をめぐる課題は、大変大きな問題として私も受けとめているところであります。もちろん、調理員の民間委託が進むというような問題もそうですし、食育を取り入れていこうという、こうした政治的な流れもあります。
 その一方では、給食のメニューの中でも、そばであるとか卵や牛乳、個別の食品にアレルギーを持つ子供たちに対する個別の対応など、大変多岐にわたってきた課題が出てまいりました。中でも、近年の原油価格の高騰等が引き合いになって、また穀物価格等々の高騰が影響を及ぼして、給食の材料の高騰というものも大変大きな問題になってきております。
 自治体の給食のメニューによっては、牛肉を豚肉に、豚肉を鳥肉にと、メニューを変更させていく自治体、また、給食材料費を徴収していただいているところでありますが、この徴収額の引き上げをせざるを得ないといったせっぱ詰まった状況に苦しんでいる自治体もあります。また、その一方では、中国の冷凍ギョーザで大きな不安感が国民の中に蔓延いたしましたが、輸入食品の安全性という点について、現場は相当苦労をされているのではないかというふうに拝察をするところであります。
 さて、こうした諸課題を一つ一つ挙げ出すと、お答えいただくにも本当に切りがないとは思うんですが、これぐらい学校給食の業務運営についてはさまざまな課題を抱えております。教育委員会として現在のこの法律の中でどのような形で方策をとろうというふうにお考えなのか、かいつまんでしかお答えできないと思いますけれども、大きな点でとらえていただいての今現在での考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○樋口政府参考人 お答え申し上げます。
 何よりも学校給食は安全、安心な給食を子供たちに低廉な価格で提供する必要がある。私どもは、受益者負担の原則にのっとって、食材費につきましては保護者に負担を求めるわけでございますが、施設設備の関係、あるいは栄養職員、給食調理員等については実施者が負担をすべきものということで、できる限り保護者に負担がかかることのないよう対処していく必要があると思っておるわけでございます。
 今日、食材費が高騰しているということで、各給食実施者は大変御苦労をいただいているわけでございますが、できるだけ安価な食材を調達していただいて、経費をできるだけ節約しながら、お子さん方にとって安全、安心で楽しい給食になるように努めていただきたいと思っているわけであります。
 地方財政が厳しい中で、先ほど共同調理場と単独調理場のお話もございました。なかなか財政事情が厳しい中で、共同調理場の設置も過半を超えているわけでございます。何といいましても、学校給食は、成長期にある子供たちの心身の健全な発達に資するものでございますし、食に関する指導の生きた教材となるものでございます。そういった教育的意義が極めて高いものでございますから、いずれの実施形態であれ、お子さん方にとって、給食を活用した食育を通じてきちんとした食習慣を身につけていただきたいし、豊かな食生活をはぐくんでいただきたいと思っているわけであります。
 また、調理業務を民間委託する場合には、食事内容の充実でありますとか衛生管理の徹底に関しまして、委託契約書等に具体的に規定をするとともに、事業の監督者に対して総括的に指示を行うことによりまして、学校給食の質の確保を図ることが重要であると認識しておりまして、そのような方向で各給食実施者に対しても助言を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○田島(一)委員 最後に一問、教職員の争訟関係についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 皆さんも御承知のとおり、近年、モンスターペアレンツという言葉をよく耳にされているのではないかと思います。不当な要求、不当な難癖、これを学校側に言ってくる、そういうふうな方々をモンスターペアレントというふうに呼んでいらっしゃるんだろうというふうに思いますが、実際に、生徒や保護者の権利意識が高まり、また学校教育に対する社会的な関心が高まってまいりますと、学校内外でのさまざまな事故や事件をとらえて、保護者や本人から訴訟等々が起こされるというケースが決して少なくはない、そんな時代になってまいりました。
 教職員自身に重過失等々がなければ、民法の特別法である国家賠償法で国や自治体がその賠償責任、賠償補償を負担することになるわけでありますが、近年、個人に対して民法上の責任を追及する訴訟が大変起こってきているというふうに聞いています。業務上において起こった事故等で、国や自治体、そしてまた教職員個人が実際に責任追及されて訴訟を起こされた件数というのはそれぞれ何件ぐらいあるのか、文科省として把握をしていらっしゃるのかどうか。もしその数字があるんだったらば、近年の訴訟の動向、国や自治体に対してと教職員個人に対しての訴訟の内容の動向等について文科省がどのように評価されているのかをぜひお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○金森政府参考人 教育職員が被告となっている学校事故等に係る損害賠償請求事件につきましては、毎年文部科学省において調査を行っているところでございます。これによりますと、各年度において新たに係属をいたしました損害賠償事件は、平成十七年度で十五件五十人、平成十八年度で十二件八十八人、平成十九年度で十八件九十五人となっているところでございます。
 なお、国家賠償法に基づく訴訟につきましては教職員の属する地方公共団体を被告として行われるものでございますことから、私どもといたしましては、教職員が訴えられている状況を把握するための調査のみを行っているところでございます。
○田島(一)委員 わずかながらではありますけれども、やはり年々ふえてきているというわけですね。
 きょう委員の皆さんのお手元にお配りをした資料、これは実は教職員の争訟費用保険という民間がやっている保険なんですね。万が一こうした生徒の両親等々を原告として学校の先生等に訴えが起こされたときの弁護士費用であるとか争訟費用を持ちますという、年間七千四百円の保険料という民間の制度があるというのを聞いて、私もこれを拝見して、ああ、もはや個人で保険に入らなければならない時代が来てしまったのか、そんなふうに実は思ったところであります。
 例えば、私が聞いた話ではございますが、救急医療で、子供さんが学校から救急車で病院へ運ばれた。もちろん学校の先生は保護者にも連絡をされます。その保護者の方は慌てて自分の仕事をやめて病院へ行かれたそうでありますが、何と、後ほどに、急に呼び出された、そして仕事を途中でやめたということで、いわゆるその日の日当分と往復のタクシー代をその個人の先生に請求してきたというケースがあったそうであります。そういう場合にもこういう争訟保険は適用されるのかもしれませんが、何ともはや、おかしな現実が学校現場で起こってきております。
 おかしいとしか本当に言いようがないのかどうか、私も大変悩ましいのでありますが、先生方が自分たちででもこうして自腹を切って保険に入らないとやっていけないということは、もはや教師という職業に魅力を感じてもらえない、大変リスクの高い仕事なんだということのあらわれではないかと私は思うわけであります。もちろん、医療現場ででも、医療ミスを盾に訴訟等々が起こり、医師不足といったような問題も起こっている。これと本当に紙一重の現状問題があります。
 こうした問題に私たちはどのように対応していくのか考えていくのかが大きな課題だと思いますが、最後に大臣の御意見、御見解をお聞かせいただいて、締めたいと思います。
○渡海国務大臣 今の学校現場が父兄の対応で大変時間をとられているというのは、我々もよく承知をしておるつもりでございます。
 勤務実態調査ですか、その中でも、以前と比べてこの部分が非常に大きくなっているということも我々もつかんでおるわけでございまして、そういったことに対してどういうふうに対処していくかということで、対策チームのようなものを地域でつくっていただくとか、今度の支援本部、こういったものをどういうふうに活用していくか、また、コミュニティースクールを推進しておられるようなところでは、例えばそういったところである種の対応を図るとか、いろいろなケースが考えられると思います。それらのすぐれた事例というものをしっかり我々も情報を収集して、全国に発信することによって、この状況を改善していきたい。
 ただ、事が起こったときにどうするかという、今の保険のような問題ですね、これはまたちょっと問題が違うかなと思いながら今聞かせていただいていたんですが、まずこの原因を我々はやはり責任を持って解決していかなきゃいけないんだ、そういうふうに考えておるところでございます。
○田島(一)委員 おびえながら学校現場で仕事をしなければならない、これほど残念なことはございません。どうぞ、こうした現状をしっかりと文科省としても踏まえていただく、調査をしていただくということを心からお願い申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○佐藤委員長 以上で田島一成君の質疑は終了いたしました。
 次に、石井郁子さん。
○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子です。
 今回の法改正は、学校保健、学校安全、学校給食の規定の整備充実にかかわるものでございます。
 まず、養護教諭を中心とした組織的な保健指導など、学校保健分野の充実についてお聞きをしたいと思います。
 文科省は、二〇〇一年に第七次公立義務教育諸学校教職員配置改善計画ということで、児童生徒が八百五十一人以上の小学校、八百一人以上の中学、高校などには養護教諭を複数配置することにしましたが、それは今どんな到達になっているでしょうか。どこまで達成したんでしょうか。
○金森政府参考人 公立小中学校の養護教諭の複数配置につきましては、ただいま御指摘がございましたように、いわゆる義務標準法によりまして、小学校では八百五十一人以上、中学校では八百一人以上の学校で複数配置の定数が算定されているところでございます。
 平成十九年五月一日現在、この規模を上回る学校数は、小学校で七百六十二校、中学校で二百五十六校ございまして、実際に養護教諭が複数配置されている学校数は、小学校で七百九十校、中学校で四百七校となっているところでございます。
○石井(郁)委員 わかりやすくお示しいただきたいんですけれども、要するに、この基準どおりにもう既に完了したというふうに見ていいんですか。
○金森政府参考人 各都道府県教育委員会におきまして、それぞれの養護教諭の定数の中で、どの学校にどの人数を配置するかというのを決めておりますことから、都道府県によりましては必ずしも基準どおりでないところもあるかと存じますが、トータルとして申し上げますと、先ほど申しましたような数字になるわけでございます。
○石井(郁)委員 いや、ですから、基準どおり複数配置はほぼ完了したという現状認識でよろしいのかどうかなんですよ。八割方なのか九割方なのか十割なのかということなんですけれども、文科省として、トータルにどうつかんでいらっしゃるかということなんです。ちょっとすっきり御答弁ください。
○金森政府参考人 私どもといたしましては、もう既に複数配置の達成をいたしていると考えているところでございます。
○石井(郁)委員 最初からそのように御答弁いただいたら済むわけでございますけれども。
 養護教諭が複数配置されていると本当に学校がどういうふうになっているかということなんですが、これは全日本教職員組合が調査したことを見せていただいたんですけれども、やはりその教員からすると、非常に子供との間の対話がふえたり、また相談も非常にふえているんですよね。だから、子供が相談にやはり行きやすいということにもなっているし、子供の方からすると、保健室にはどちらかの先生がいらっしゃるということで、非常に安心感があるということも聞いております。
 今回の法改正では、新たに養護教員が教職員とも連携して保健指導に当たると。保健指導というのが加わったわけですから、なおのこと、養護教諭の職務というか役割というのは非常に重視されているというふうに思うんですね。
 中教審の答申も、やはり複数配置こそが必要だというふうにあったかと思うんですけれども、今御答弁いただいたように、小学校で八百五十一人、中学校で八百一人以上というこの基準がほぼ満たされているんだったら、これで終わりとしないで、そもそもこの基準というのは、もうやむを得ずのような基準ですから、例えば、先ほどもありましたが、七百人で一人でいいのかとか六百人で一人でいいのかといったら、今は到底それでは済まない状況になっているわけですよね。子供たちの非常に心の変化、体の変化、本当に個々さまざまであって、また、たくさんの問題が保健室に持ち込まれるということからすると、もっと基準を下げて、そしてやはり複数配置をするということが今求められていると思うんですけれども、この点で、ぜひこの基準を引き下げる、今後複数配置をもっと広げていくということでの大臣の御決意を伺いたいと思います。
○渡海国務大臣 先ほど田島委員からも同じ趣旨の御質問をいただいたと思いますが、これは、やはり状況を改善していくというのは現場の実態を踏まえて常に検討していかなきゃいけない、そういう認識は持って検討していきたいというふうに思っております。
 なお、加えて申し上げれば、二十年度よりは、少しでも状況を改善するということで、経験の浅い養護教諭の一人配置の場合それから養護教諭の未配置とかいう場合に、退職されました養護教諭をスクールヘルスリーダーとして派遣をしてメンタルヘルスなどの問題に取り組んでいただく、そういったことも開始をいたしておりまして、先ほどの定数の改善ということも含めて、よりこの問題に的確に対応してまいりたいというふうに考えております。
○石井(郁)委員 今回、保健室の役割ということも明記されました。健康診断、健康相談、保健指導、応急処置その他の保健に関する措置を行うため、保健室を設けるものとするということなんです。
 この点でも、実際、養護教諭、現場の先生方がどんなふうかということでお聞きをしたんですけれども、保健指導や健康相談をするときには、つい立て、カーテンで仕切っていると。保健ですから、子供も本当に個々の状況ですから、他の子供にやはり聞こえないようにしなきゃいけないだとか、プライバシーの配慮というのはあるわけですね。それから、汗をかいたアトピー性皮膚炎の子供などには、やはり救急措置として、ぜひシャワーなんかがあったらいいなだとか、保健室の整備ということについて、現場は本当にさまざま要求とか悩みを抱えていらっしゃるようです。
 ですから、改正案で書かれるような措置を行うということだったら、保健室の施設の整備という問題も重要だというふうに思いますが、この整備指針というのは現状はどのようになっているんでしょうか。
○舌津政府参考人 整備指針のことについてのお尋ねでございます。
 文部科学省におきましては、学校施設の設計あるいは計画上の留意事項というもので学校施設整備指針を策定しております。
 その中で、保健室につきましては、児童の心身の健康に関し、健康相談、保健指導等に適切に対応できるよう、三点挙げておりますけれども、静かで、良好な日照、採光、通風などの環境を確保することのできる位置に計画すること、それから、救急車、レントゲン車などが容易に接近できる場所に計画すること、三つ目でございますが、カウンセリングを行うことのできる空間を保健室に隣接した位置または保健室内に間仕切り等を設置して確保するように、そういうような指針を示しているところでございます。
○石井(郁)委員 それは大体、環境として、日当たり、採光がいいとか出入り口に近いところだとかというところはわかるんですけれども、しかし、それだけじゃないんですよね。
 保健室の計画という中には三点ありまして、ずっとこれは古くから変わっていないというふうに聞いたんですけれども、ベッドを配置する空間を適切に区画することのできるような面積、形状とか、それから、必要に応じて養護教諭がカウンセリングを行うことができる空間を保健室に隣接した位置または保健室内に間仕切り等を設置して確保することが必要だと。
 何か間仕切りがもう前提になって、それでこういう整備をするというのは変わっていないんでしょう。私は、これではやはり現状に合わないと思うんですよ。思い切ってこの辺の見直しもそろそろすべきじゃないかというふうに思いますが、そういうお考えはございますか。
○舌津政府参考人 お答えいたします。
 現行の学校保健法におきましても、この改正保健法と同様に保健室の規定がございます。それを踏まえまして先ほどの整備指針ができているわけでございますけれども、補助基準面積というのも一方であるわけでございます。それにつきましても、従前から、保健室の大きさは、一般の普通の教室がございますけれども、それと同じ面積を設定しております。
 それから、実態でございますけれども、ちょっと古いデータで、平成十三年度に調査したときの数字でございますけれども、小学校、中学校とも、七割前後の学校では、一教室の大きさを保健室として使っているということでございます。また、半分の学校もございますけれども、それは若干数字が下がってきておりまして、大方の学校ではある程度の面積は確保されているのではないかというふうに考えておるところでございます。
○石井(郁)委員 現状もよくつかんでいただいて、でも、私が見た幾つかでも、本当に必ずしも十分じゃないですね。非常にいろいろな生徒が入れかわり立ちかわり来る、休んでいる生徒もいる、先生にお話をする生徒もいる、先生自身がいろいろな業務をしなきゃいけないということからすると、どうも不十分だという感がぬぐえませんので、ぜひこの指針の見直しなども今後進めていただきたいというふうに思います。
 次の問題は学校給食でございますけれども、学校給食をめぐっては、本当に緊急に取り組むというか改善する問題が今起きているのではないかという点で質問させていただきます。
 何よりも、食材がやはり値上がりしている。今非常に学校給食がある意味でピンチだということなんですね。
 これは五月十一日付の読売新聞でしたけれども、「給食 苦渋の値上げ」という大きな記事がございました。それは新聞社が調べたものですけれども、都道府県庁所在地と政令市、合計五十市のうち、今年度から給食費を値上げするのが札幌、新潟など十四市、それから東京でも都内八区、値上げの幅は一食当たり三円から二十五円ほどになると。大きいですよね、二十五円も上がると。それで、値上げの理由、いろいろあるんですけれども、奈良市教委の場合は、パンなどの主食と牛乳の値上がりで、おかずの工夫ではしのげなくなったというふうになっています。今、国民の生活でも、主食分の、特に小麦などの値上げというのは大問題になっているわけですね。
 ほかにも、岩手のある地域、ここは小中合わせて三千四百人分の給食をつくっている給食センターなんですけれども、給食費を値上げしないかわりに、月三回、五のつく日には自宅から御飯を持参、五のつく日は御飯というような工夫もしている。栃木とか福島では給食回数を減らす自治体も生まれているということが報じられています。
 そこで伺うんですけれども、法文上も規定されている学校教育の一環としての学校給食ですよね。今、こういう状況にあるということについて、文科省はその実情をつかみ、また、そういった認識がございますか。
○樋口政府参考人 お答え申し上げます。
 学校給食法におきましては、施設設備費や人件費等を除きます食材費に関しましては、受益者負担の原則によりまして、保護者に負担をいただく仕組みとなっておるわけでございまして、これまでも、物価の変動等に応じて学校給食費の全国平均は、徐々にではございますが、年々上昇している状況にあるわけでございます。
 とりわけ、最近の食材費の値上がりのために、私どもとしては、給食の回数を減らしたという学校については把握はしておりませんが、学校給食費の値上げに踏み切った自治体が少なからずあるということは承知をしているわけでございます。
 私ども、ある県の状況を聴取させていただきましたところ、物価高騰に対応するために、平成二十年四月、この四月から、二二%の市町村におきまして学校給食費の値上げを行ったとのことでございます。また、値上げを行わなかった市町村におきましても、その行わなかった理由といたしましては、できる限り安価な食材の確保や献立の工夫を行うなどした、あるいは、既製品を使用せず、手づくりで対応したということと、あと、価格の動向をもう少し見守りながら今後の値上げの可否について検討したい、こういう状況でございまして、各給食実施者、大変御苦労の中で、保護者負担の軽減が図られるように努めているところでございます。
○石井(郁)委員 既に二割を超える自治体でやはり値上げをしているということは、大変重大な事態だというふうに思うんですね。今後、これはやはり進んでいくだろうと考えなければいけないと思うわけです。
 今、現実に、食材、調味料費などがどうなっているかということで、私もちょっとお聞きして本当にびっくりしたんですけれども、これは東京の学校給食会が共同購入している一例なんです。
 小麦粉、契約単位二十五キロ当たりで三千七百円、これは昨年と比較しても千二百円の値上がりだそうです。キャノーラという油なんですが、契約単位は十六・五キロなんですが、五千円、昨年度比でも千百五十円の増だ。今、バターが手に入らなくなっていますけれども、コンパウンドバターという、何かマーガリンとバターをまぜてつくったものだそうですけれども、そういうリストでは五百グラムで八百五十円、これは昨年度の国産バター四百五十グラムと比較しても百五十円のコスト高だ。ピザチーズ、これは契約単位一キロが千八百円、昨年度の倍額だ。おしょうゆ等々も上がっている。ですから、学校給食では、値上がりした食材費、調味料費を捻出するために、本当に切り詰められるところをどんどん切り詰めているという状況なんですね。
 これもある記事でしたけれども、百二十円のリンゴを六分の一にしていたところが八分の一に切って出さざるを得ない、こんなやりくりをしているようですね。野菜や肉も、安くて量もあるもやしとかひき肉に変更するというやりくりだ。しかし、こういうやりくりはいつまで続けられるのかという問題があるわけですね。大体、今はこうだけれども、年間の予算ですから、年度末に行くとどんどん予算が少なくなっていくことが見えてきているということも言われています。
 そこで、具体的に伺いたいんですけれども、かなり前でしたけれども、お米とか牛乳、いわばミルク代というのは国が補助を出していました。これは今はなくなっているんですけれども、私は、今こそこういうことを復活するということが本当に必要ではないのか、文科省はもうそういうお考えに立てないのかどうかということで伺いたいと思います。学校給食に対する補助というのを今緊急に検討してもいいのではないかということで伺いたいと思います。
○渡海国務大臣 従来ございました学校給食の補助というのは、別に縦割りじゃないんですが、農林水産省の予算だったと思いますね。それは、ある意味、別の意味があって補助が出ていたんだと私は理解をいたしております、農業政策として学校給食に補助が出ていたという歴史だと私は思っておりますが、そういった点から考えると、またそういう政策をとるのかどうかということだと思います。
 ただ、今委員がおっしゃったのはちょっと違う観点だというふうに私は理解をいたしておりますが、先ほど局長が答えましたように、やはりいろいろな意味での補助の形はあると思いますけれども、原則、材料費とかについては受益者負担ということで、そして、やはり経済的に非常に、例えば、値上がりして困るとかいったようなことがある、給食費が払えないという問題は就学支援によって対応するという現在の考え方でいいんだろうというふうに私は考えております。
○石井(郁)委員 この問題もきちんと本格的に議論しなきゃいけないことがどうも含まれていますけれども、例えば、日本では、今、食料自給率がどんどん、世界最低だというようなことで大問題になっていますから、やはりそれなりの考えで、ちゃんと学校給食にお米をもっと使っていくということだってあると思うんですよね。
 そこはおいておきまして、ぜひ私は、今、緊急な事態として、少なくともお米、ミルク代への補助というのは考えていいんじゃないかということを要望しておきたいと思います。
 もう時間なので、最後に一点なんですが、今回の学校給食法の改正で食の指導、食育の視点を盛り込むわけですけれども、食の指導に当たる栄養教諭の配置という問題なんですね。これもやはり大変大事でありまして、なかなか進んでおりません。
 これは栄養教諭制度導入のときの当委員会での質問もございまして、これは当時河村大臣でしたけれども、私の質問にこのように答弁されていました。学校栄養教諭、制度をするのだから、全学校に行き届くようにという思いでスタートしたということを、二〇〇四年の四月十六日なんですが、ございました。
 今、今年度末までにどのぐらいの配置になっているのかという問題と、やはり栄養教諭の配置ということ、これも自治体で大分アンバランスがあるようですね。既にかなり進んでいるところと、全く手がついていないようなところとがあるというふうに聞いておりますけれども、私は、今回の法改正を生かすならば、栄養教諭の配置というのはやはり義務にすべきではなかったのかというふうに思いますから、その点を含めて、今後の配置の促進というものを文科省はどうお考えになるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○渡海国務大臣 栄養教諭についてでございますが、平成二十年の四月一日現在、四十七都道府県、全県に配置がされました。
 ただ、数はいろいろございます。全体で千八百八十六名の栄養教諭が配置をされているところでございまして、東京都、静岡県が未配置であったわけでございますが、今年度から配置をされております。ちなみに、私のふるさとの兵庫県が今一番多くて二百八十五人という状況でございますが、これは県が大変努力をしたというふうに私は思っております。
 我々もこの過程を通じて、これはやはり、現実には県の方でお決めになるわけですから、御案内のように教職員の採用は県ですからね。ですから、そういった意味で、都道府県に対して栄養教諭の配置というものを我々も強く求めていきたい。そのことを通じて我々は栄養教諭というものを広めていきたい。一万二千人ぐらいいらっしゃると思いますから、まだまだ資格をお持ちの方がたくさんいらっしゃるわけでございますから、そのように考えておるところでございます。
○石井(郁)委員 学校保健、給食そして安全等々、いずれも子供の命にかかわる、また成長発達にかかわる重要な問題だというふうに思いますし、また社会の状況の変化に応じていろいろ充実を図っていかなきゃいけないという問題もあるかというふうに思いますので、ぜひ、現場でいろいろな取り組み、自治体でも柔軟に行えるように、文科省がやはり支援をもっとしていただきたいということを申し上げて、きょうは質問を終わります。
○佐藤委員長 以上で石井郁子さんの質疑は終了いたしました。
 次に、日森文尋君。
○日森委員 今回、学校保健法が一部改正されるということで、その中でも保健指導という項目が新たに設けられるということになりました。
 最初に、ちょっとざくっとした話なんですが、この保健指導が行われるべきケースというのは具体的にどのようなものを想定されておられるのか、お聞きをしておきたいと思います。
○樋口政府参考人 お答え申し上げます。
 近年、メンタルヘルスに関する課題やアレルギー疾患等の現代的な健康課題が生ずるなど、児童生徒等の心身の健康問題が多様化、深刻化している中で、これらの心身の健康問題に学校が適切に対応することが求められているわけでございまして、学校がこれらの課題に対応するためには、健康相談や担任等による日常的な健康観察等によりまして児童生徒等の健康状態を把握するとともに、健康上の問題があると認められる児童生徒等に対する指導や、必要に応じて、生活習慣の改善など家庭において求められる事項に関し、保護者に対して適切な助言を行うことが必要であると考えておりまして、このような保健指導につきましては、養護教諭が中心となって、関係教職員の協力のもとに実施すべきものであると考えているところでございます。
 今回の法改正に見られます保健指導が行われるべきケースについては、多様なものがございますが、例えば、基本的生活習慣に問題がある者、心臓病や腎臓病などの慢性疾患があり、運動制限など学校生活上での配慮が必要な者、アレルギー疾患がある者、メンタルヘルスに関する問題がある者などに対する指導が挙げられると考えているところでございます。
○日森委員 保健室登校という言葉があるそうなんですが、この保健室登校というのを文科省はどういうふうにとらえていらっしゃるでしょうか。
○樋口政府参考人 お答え申し上げます。
 財団法人の日本学校保健会が実施をされております、保健室利用状況に関する調査というものがございます。私どもは学校保健会にいろいろな調査をお願いしているわけでございますが、ここにおきまして、保健室登校とは、常時保健室にいるか、特定の授業には出席できても、学校にいる間は主として保健室にいる状態として定義をしているわけでございます。
 保健室におきましては、近年、児童生徒が学習面、友人関係、家庭事情等についてさまざまな悩みを抱えるなど、学校に登校しても授業に出席することが困難な児童生徒が増加してきておりまして、保健室において当該児童生徒の心の安定を図るとともに、友達や教職員との人間関係が図れるよう、保健室の機能や養護教諭の職務の特質を生かして、校内の協力体制のもとに保健室登校の児童生徒に対する復帰支援の取り組みを行っているものと理解をいたしております。
○日森委員 同様の調査報告書、これは平成十四年ですからちょっと古いのかもしれませんが、保健室登校している児童生徒がいる学校の割合、小学校が一二・三%、中学校で四五・五%、高等学校では二二・九%という結果がこの調査報告書で出されているようですが、いずれの学校でも、程度の差はありますが、非常に増加傾向にあるというふうに言われています。
 この増加傾向にあるという現状について、文科省はどのようにとらえていらっしゃるのか。先ほど、養護教諭を中心に対応していくんだという話がありましたが、具体的にどのような対応をしていったらよろしいのか、ちょっと、今文科省の方でお考えになっていることがありましたら、お聞かせいただきたい。副大臣、どうぞよろしくお願いします。
○池坊副大臣 今、日森委員がおっしゃいましたように、平成十三年の調査によりますと、保健室登校というのは小学校で三四・四%、中学校で七一・七%、高等学校で四九・七%ですが、平成十八年になりますとこの調査はもっと増加いたしております。
 でも、私は、不登校というのは十二万六千九百人おりますね、それの予備軍になる子供たちと思いますので、保健室登校をきめ細やかに対応することが不登校の子供に結びつかないようになるのではないかというふうに思っておりますので、一概に保健室登校はだめだというのではなくて、いかに保健室登校の子供を温かく、養護教諭を中心としながら、でも養護教諭だけじゃ無理だと思うんですね。だから、担任の先生、それから保護者、地域の方々のお力をおかりしながら、みんなでその子供たちを育てて、特定の授業だと出席できるという子供が保健室登校にはおりますので、まずはそうやって子供たちをクラスに結びつかせて出席させる、それから徐々に、段階的に指導することが私は望ましいのではないかというふうに思っております。
 これは、養護教諭だけでなくて、担任の先生方にも、啓発資料だとかあるいは研修等で細やかに指導しております。この数を減らすとともに、その数が不登校に結びつかないような、自立を目指した対応ということを学校ではいたすように指導いたしております。
○日森委員 時間はかかるかもしれないけれども、きめ細やかにそれぞれチームで解決をしていこうという副大臣のお話、よくわかりましたが、私が聞いている範囲ですと、それぞれ学校などによって保健室登校の子供たちに対する対応の仕方が異なっているというふうな話も聞いているんです。もちろん、それぞれいろいろな実態があって、それぞれ環境が違い、いろいろなことがあるので、当然そうなるのかもしれませんが、現場や子供の声をしっかり聞いて、できる限り統一的な対応をとるような、そんな指針みたいなものがあった方が、養護教員やそれから周りの教師も対応しやすいのではないかと思いますが、その統一的な対応についてお考えがありましたら、お聞かせいただきたいと思います。
○樋口政府参考人 お答え申し上げます。
 保健室登校は、児童生徒が安心して過ごせる心の居場所として保健室を提供し、養護教諭や担任等との信頼関係を図り、安心して自己を表現することができるよう自立を促すことによりまして、できるだけ早期に教室に復帰させるステップとなっておりまして、先ほど、池坊副大臣からも御答弁申し上げましたとおり、不登校の予防にも大きな役割を果たしていることから、どの学校においても保健室登校への適切な教育指導を行う体制を整えることが重要であると私どもは考えております。
 文部科学省といたしましては、保健室登校の児童生徒に対しまして学校全体で取り組む中で、養護教諭と学級担任が連携しながら、保護者への支援と協力を得つつ、学級への復帰が可能となるよう対応することが重要と考えておりまして、このような考え方につきまして、養護教諭等の指導のあり方の啓発資料の作成でありますとか、指導者養成の研修会の実施などを通じまして、保健室登校の児童生徒に適切な対応を進めるよう、学校等に促しているところでございます。
○日森委員 もちろん、チームで対応するということにしても、やはり養護教諭の役割というのが極めて重大になるということだと思うんです。
 今、研修というお話がありました。もちろん、その研修も大変重要であるというふうに思うんですが、しかし、一方では、ほとんどのところで養護教諭が一人職場、まあ、二人のところもいらっしゃるんでしょうが、それは大規模校、二人でも手が足りないような状況で、どんどん保健室登校の子供たちがふえているわけですから。そうすると、その研修もかなり重要で、相当きつい研修もやっていかなきゃいけないということなんですが、一人職場であるがゆえになかなか職場を離れられないとか、そういう悩みも持っているようです。これは数をふやして解決していくしかないと思いますが、その問題や、それから、研修制度の導入についても、各県ごとにそれぞれ異なった対応が今行われているという話も聞いているわけです。
 そうすると、先ほど統一的な対応をできないかというお話もしたんですが、研修制度についても、統一的な研修を導入するとかいうことも当然必要になるんではないかというふうに思いますが、御見解をお聞きしたいと思います。
○樋口政府参考人 私どもは、学校保健活動を推進いたしまして、児童生徒の現代的な健康課題の解決などを図るためには、養護教諭の資質の向上はもとより、校長みずからが学校保健の重要性を再認識いたしまして、学校経営に関してリーダーシップを発揮することによりまして、学校内、地域社会における組織体制づくりを進めていくことが必要であると考えておりまして、私どもは、独立行政法人の教育研修センターが実施をいたしております中央研修としての健康教育指導者養成研修におきまして、管理職に対する研修を実施いたしますとともに、これの波及効果としての各都道府県で実施しております管理職研修に、児童生徒の現代的な健康課題の解決に向けた研修内容の設定を行うよう促しておりまして、国、都道府県を通じた研修システムの整備を図っているところでございます。
 私どもといたしましては、養護教諭の資質向上についても、全国養護教諭研究大会あるいは全国学校保健研究大会の実施、あるいは養護教諭向けの指導資料の作成などを通じて、全国すべての学校で保健指導に当たられる養護教諭の資質の向上のために、積極的に取り組んでいるところでございます。
○日森委員 次に、子供の安全確保の関係で一点だけお聞きをしたいと思うんです。
 子供の登下校が大変危険な状態にあるんだということが昨今言われておりまして、ボランティアの人たちが街頭に立ったりして子供たちの安全を守るために努力されているということがあって、それはそれで敬意を表しておきたいと思うんですが、ちょっと小さな話で申しわけないんですが、ボランティア活動をされている方々が仮に事故に遭った場合、保険に入ったりしていないと何の補償もないというふうな状況にもなると思うんです。
 今、地方自治体の自治会とか町内会というのがありますが、そこの活動でも、ちゃんと保険に入って、その活動で事故があった場合はきちんと補償ができるようなことも行われているんですが、こういう場合、文科省としては何か考え方があるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○樋口政府参考人 お答え申し上げます。
 学校安全ボランティア、いわゆるスクールガードが児童生徒等の安全確保のための活動を行うに当たりまして、ボランティア自身の安全を確保することも重要でございまして、万一ボランティアが負傷した場合に備えることも必要であると考えております。
 本年一月にお取りまとめいただきました中教審の答申におきましても、市町村においては、少なくともボランティアが活動する際には保険に加入することを勧め、その状況を確認するなどの対応をとることが必要であるとの御提言をいただいているところでございまして、私どもも、従前から、ボランティアに参加いただく際には保険に配慮することを教育委員会等に通知しているところでございますが、今後とも、この中教審答申を踏まえまして、保険に加入してボランティア活動に取り組んでいただくよう教育委員会等に促してまいりたいと考えているところでございます。
○日森委員 ぜひ積極的に支援をしていただきたいと思います。
 次に、給食における地産地消についてお聞きをしたいと思います。
 食育推進基本計画というのがありますが、これは、学校における地場産物を使用する割合を平成二十二年までに三〇%にしようという基本計画のようです。これの実現性はどうなんでしょうかということをまずお聞きしたいと思うんです。
 特に、コストの面とか製品の調達、いろいろな意味で困難があるという話も聞いているわけです。これを解決していかないと、実は、二十二年までに三〇%の目標というのは達成できないのではないかというふうにちょっと心配をしているんですが、今のところどんな状態になっているのか、お聞きをしておきたいと思います。
○渡海国務大臣 委員御指摘の件でございますが、現在までの達成率は二三%と聞いております。基本的には、大都市圏でなかなか活用が進まないということでございまして、原因はやはり、大都市圏で決まった時期に決まった量を調達するということが、なかなか品物がそろわないとか、これは、単にコストだけの問題じゃなくて、構造的な問題があるというふうにも思っております。
 学校給食でございますから、食材の調達等について、地場産といいましても都市圏でどの程度現実に可能なのか、こういった問題はあるかと思いますが、なお、これから先どういうことができるかということについては、さまざまなメニュー等をまず用意する、そういったモデル事業もやっておるわけでございますし、それから、活用事例といったものを紹介するということを通じて、さらに地場産物の積極的な活用ということを行ってまいりたいと思います。
 ただ、達成可能なのかと現時点で聞かれましても、ちょっと答えがまだはっきりとできないという状況であるということは御理解をいただきたいと思います。
○日森委員 今問題になっている自給率向上ということにもそれなりに寄与するやり方だと思いますので、ぜひ達成に向けて努力をしていただきたいと思います。
 同じく学校給食で、委託契約について。これは厚労省の関係になると思うんですが。
 いろいろな方式で学校給食が行われているわけですが、私が承知している委託契約の事例をちょっと紹介しますと、学校給食に必要な資材は自治体が用意する、栄養士が調理場に入って直接、委託業者職員に指揮命令、指導しているという委託契約があると。この状態だとこれは偽装請負だ、こう言われても仕方がない状態があるわけです。実際に、これは新潟県などで教育委員会に対して指導票が出されたりしているということも聞いております。
 学校給食の健全な発展を考える上でも、委託契約が行われている学校給食現場がどういう状態になっているのかしっかりと調査をする必要があるんじゃないか。その上で、問題があれば、直ちに是正させるということが求められているんじゃないかと思いますが、この辺についてお答えいただきたいと思います。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のような学校給食の事例につきまして、例えば偽装請負等の派遣法違反に係る申告あるいは訴え、あるいは要請、さらには情報があれば、各労働局におきまして、実際に調査を行って適切に対応しているところでございまして、もしそこに労働者派遣法等の違反があれば、違法状態の解消を図っているところでございます。
 特に、今御指摘のございました偽装請負につきましては、平成十八年九月以降、その防止、解消を図るための取り組みを強化してきたところでございまして、今後とも、法違反に対しましては、その防止、解消に向けて厳正な対応をしてまいりたいと考えているところでございます。
○日森委員 子供が口にする学校給食をつくる現場でありますから、ぜひ、特段の注意を払って、今後ともきっちりと指導していただきたいというふうに思います。
 最後になりましたけれども、学校給食の衛生管理基準についてお伺いをしたいと思います。
 今回、新たに法的に位置づけられるわけですが、これまでの学校給食衛生管理の基準はどれぐらい徹底をされたんでしょうかということが一点と、法的に今回定めたとしても、これが遵守されるということでなければほとんど意味を持たないということになるわけで、今回の基準をしっかりと守ってもらうための予算措置を含めた対応策について最後にお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
○樋口政府参考人 お答え申し上げます。
 学校給食におきます衛生管理につきましては、従来から、学校給食衛生管理の基準によりまして、その徹底に努めるよう各都道府県教育委員会等に対して指導しているところでございます。文部科学省では、今後の衛生管理の向上を図るために、同基準に基づいた各都道府県・市町村教育委員会等の衛生管理対策の状況について調査を実施しているところでございますが、平成十八年度に公立の調理場約一万六千カ所を対象に行った調査によりますれば、例えば、学校給食従事者の健康を管理するための健康記録は全体の約九八%で行われ、調理室内で二次汚染を防止するための作業工程表の作成は全体の約九〇%で作成されているものの、食品の流れを示す作業動線図の作成は約七一%にとどまっているところであります。
 文部科学省では、これら関係書類が未整備である調理場に対しましては、早急に関係書類を整備するよう都道府県教育委員会に指導いたしますとともに、この学校給食衛生管理の基準を徹底するために、全国学校給食研究協議大会など各種の全国大会等で普及啓発活動を行っているところでございます。
 また、二十年度の予算におきましても、学校給食の衛生管理に関する調査研究を実施いたしまして、児童生徒が今後とも安心して学校給食を食することができるよう、学校給食における衛生管理のあり方について検討するための経費を計上しているところでございます。
 文部科学省といたしましては、今回の改正法がお認めいただければ、学校給食衛生管理基準を文部科学大臣として新たに定め、その基準の内容が適切に徹底されるように、遵守されるように、各都道府県教育委員会等に指導助言を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○日森委員 ぜひ徹底してやっていただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○佐藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○佐藤委員長 この際、本案に対し、塩谷立君外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党及び社会民主党・市民連合の五派共同提案による修正案が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。牧義夫君。
    ―――――――――――――
 学校保健法等の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○牧委員 ただいま議題となりました修正案について、提出者を代表して、その主な趣旨及び概要を御説明いたします。
 政府原案においては、学校安全及び学校保健に関し、国及び地方公共団体は、相互に連携を図り、各学校において保健及び安全に係る取り組みが確実かつ効果的に実施されるようにするため、必要な施策を講ずるよう努めなければならないとされており、他方、学校の施設設備や管理運営体制の整備充実等に必要な措置を講ずるのは学校の設置者の責務と規定されております。
 しかし、教育分野における地域格差の拡大が懸念されている今、国及び地方公共団体による財政的な裏づけに基づいた総合的かつ計画的な施策の推進が確保されなくては、各学校において共通して取り組まれるべき事項について規定の整備を図るという立法の目的が実現されないおそれがあります。
 このため、本修正案においては、第一に、国及び地方公共団体が講ずる施策の内容として、財政上の措置を明記すること、第二に、国は、学校安全の推進に関する計画の策定等の措置を講ずるものとし、地方公共団体は、国が講ずる当該措置に準じた措置を講ずるよう努めなければならないものとすることといたしました。
 あわせて、第三に、学校においては、健康相談または保健指導のほか、救急処置を行うに当たっても、必要に応じ、地域の医療機関その他の関係機関との連携を図るよう努めるものとすることなどの修正を行うものであります。
 以上が、修正案提出の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○佐藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○佐藤委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、学校保健法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、塩谷立君外六名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○佐藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、鈴木淳司君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党及び社会民主党・市民連合の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。田島一成君。
○田島(一)委員 私は、提出者を代表いたしまして、本動議について御説明を申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    学校保健法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一 近年、養護教諭に求められる、学校内外の連携を図るコーディネーター的役割や保健教育の推進、特別支援教育への対応等、その役割の増加に対応するため、養護教諭の未配置校の解消・複数配置の拡充や退職養護教諭の活用の推進等、学校保健を支える人的資源の一層の充実を図ること。
 二 多様化・複雑化した子どもの健康上の課題への適切な対応が可能となるよう、養護教諭に対する研修の充実を図ること。
 三 学校保健の重要性に対する教職員の意識向上を図り、子どもの健康上の課題に学校全体で取組む体制を整備するため、大学等における教員養成課程をはじめとして、現職教員研修、とりわけ管理職研修において、学校保健に係る知識や指導方法を習得するカリキュラムの一層の充実を図ること。
 四 子どもにとって安全で快適な教育環境が確保されるよう、今般「学校環境衛生の基準」が法律上明記されるに当たり、その完全実施に向けて万全を期すること。
 五 学校安全対策の実施に当たっては、学校、関係行政機関、児童生徒等の保護者、地域住民その他の多様な主体の連携が確保されるようにするとともに、地域の特性、学校の規模、教職員の体制その他の学校の実情並びに児童生徒等の年齢及び心身の状況について適切な配慮を行うこと。
 六 各学校や学校の設置者が学校安全対策を円滑に実施することができるよう、財政的な措置を含めた支援に努めること。
 七 学校安全対策の実施に当たっては、学校安全に関する計画の策定等関係省庁が相互に連携を図り、施策の総合的な推進を図ること。また、地方公共団体において学校安全に関する計画の策定等関係機関の連携による施策の総合的な推進を図るため、必要な情報提供、指導助言に努めること。
 八 各学校において、通学も含めた学校生活その他の日常生活における安全に関する指導が的確に実施されるよう、各学校における実践的な事例の収集及びその提供その他の必要な支援に努めること。
 九 各学校における学校安全対策が的確かつ円滑に行われるよう、スクールガード・リーダーの配置の充実等人的体制の整備に努めること。
 十 学校安全対策の推進に当たっては、各学校における取組に係る情報収集及びその提供を行うとともに、学校安全対策の重要性について国民の理解を深めるよう努めること。
 十一 学校安全対策の推進に当たっては、関係教職員の資質の向上を図るため、研修の実施及びその支援に努めること。
 十二 学校安全対策の推進を図るため、必要な調査研究の実施やその成果の普及に努めること。
 十三 学校における栄養教諭の役割が明確になることから、学校給食未実施校を含めた全国の義務教育諸学校等において、栄養教諭を中心とした食に関する指導が受けられるよう、栄養教諭等の定数改善を行うことを含め、必要な配置を図ること。
   また、現行の学校栄養職員が栄養教諭免許状を取得するための認定講習の実施等、引き続き、その円滑な移行を図るための支援を充実し、栄養教諭制度の定着を図ること。
 十四 「学校給食実施基準」の作成に当たっては、給食内容について、学校給食を実施する地方自治体の創意工夫が生かされるよう十分配慮すること。
 十五 食品の安全性の確保が喫緊の課題となっている中で、学校給食においても十分にその安全性を確保する必要があることから、「学校給食衛生管理基準」の作成に当たっては、食中毒事例等を十分検証し、その完全実施に向けて万全を期すこと。
 十六 食育推進を明確にした学校給食の目的及び目標を十分に周知することにより、改めて学校給食を実施する意義について、保護者等関係者の理解を深め、給食費未納問題等の解決に努めること。
 十七 本改正案の実施に当たり、養護教諭を中心とした保健指導の充実、栄養教諭による食に関する指導の推進、学校安全に関する規定の整備等について、その趣旨を十分周知するとともに、校長が適切なリーダーシップを発揮して学校運営が行われるよう環境整備に努めること。
以上でございます。
 何とぞ御賛同いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
○佐藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議につきまして、文部科学大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡海文部科学大臣。
○渡海国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
○佐藤委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○佐藤委員長 次回は、来る六月四日水曜日午前八時四十分理事会、午前八時五十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時二十一分散会