第170回国会 外務委員会 第4号
平成二十年十二月十日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 河野 太郎君
   理事 小野寺五典君 理事 松島みどり君
   理事 松浪健四郎君 理事 三原 朝彦君
   理事 山中あき子君 理事 近藤 昭一君
   理事 武正 公一君 理事 上田  勇君
      逢沢 一郎君    猪口 邦子君
      小野 次郎君    木原  稔君
      篠田 陽介君    柴山 昌彦君
      鈴木 馨祐君    中山 泰秀君
      林   潤君    原田 義昭君
      安井潤一郎君    山内 康一君
      山口 泰明君    篠原  孝君
      田中眞紀子君    野田 佳彦君
      鉢呂 吉雄君    松原  仁君
      丸谷 佳織君    笠井  亮君
      照屋 寛徳君
    …………………………………
   外務大臣         中曽根弘文君
   外務副大臣        伊藤信太郎君
   財務副大臣        平田 耕一君
   防衛副大臣        北村 誠吾君
   外務大臣政務官      柴山 昌彦君
   会計検査院事務総局第一局長            諸澤 治郎君
   会計検査院事務総局第四局長            鵜飼  誠君
   政府参考人
   (内閣官房内閣参事官)  武藤 義哉君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 梅本 和義君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 中島 明彦君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 小田 克起君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 小原 雅博君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 高岡 正人君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    西宮 伸一君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長)            鈴木 敏郎君
   政府参考人
   (防衛省運用企画局長)  徳地 秀士君
   外務委員会専門員     清野 裕三君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月十日
 辞任         補欠選任
  小野 次郎君     安井潤一郎君
  御法川信英君     林   潤君
同日
 辞任         補欠選任
  林   潤君     御法川信英君
  安井潤一郎君     小野 次郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国際情勢に関する件
     ――――◇―――――
○河野委員長 これより会議を開きます。
 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官梅本和義君、大臣官房審議官中島明彦君、大臣官房審議官小田克起君、大臣官房参事官小原雅博君、大臣官房参事官高岡正人君、北米局長西宮伸一君、中東アフリカ局長鈴木敏郎君、内閣官房内閣参事官武藤義哉君、防衛省運用企画局長徳地秀士君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第一局長諸澤治郎君、事務総局第四局長鵜飼誠君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○河野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山中あき子君。
○山中委員 おはようございます。
 先週、日米韓の国会議員会議というのに出席してまいりましたので、その御報告も含めて、質問をさせていただきたいと思います。
 オバマ次期大統領の選出というのが決まりましたわけですけれども、実はチェンジというのは、選挙戦そのものがチェンジであったというのがアメリカ側の議員からの発言でございました。例えば、ヒラリー氏、マケイン氏というのは従来型の選挙を展開したわけですけれども、オバマ氏は二つの要素で非常に新しかった。
 一つは、カラーレスという世代に訴えたということでございました。カラーレスというのは、皮膚の色とか人種とかそういうものを意識しない、そういう環境の中で育ってきた高校生、大学生、その辺の若者、この人たちが非常に大きな働きをした。そして特に、大企業からの献金も一切ないけれども、彼らが本当に十ドル、百ドルという形で入れたというのが一つ。
 もう一つは、これはよく言われておりますけれども、コンピューターによるネットワーク化というのがあって、アメリカはコンピューター社会だと言われていたのですが、これほどのネットワーク化が簡単にできるということはだれも思ってみなかったそうです。このコンピューターのネットワーク化が、今まで投票に行かなかった若者たちに、投票に行こう、そういう活動で非常に大きな影響を与えたということで、そのチェンジというのは実は選挙戦そのものがチェンジであったので、オバマ氏のチェンジのイメージが非常にぴったりとマッチしたということが特に民主党の議員から強調されておりました。
 この日米関係、日米韓の中で、韓国側から、アメリカが米韓のFTAの交渉を、調印の直前まで行って足踏み状態になっていることに対する非常に大きな不満と懸念というのが表明されました。李明博政権のもとで、国際派の朴振という議員がおります。彼は今外務委員長ですけれども、彼から、米韓のFTAがだめだという現在の状態で、日韓のFTA、日本の方でいえばEPAですが、これをぜひ促進できないかという発言がありました。
 もちろん、農業問題などいろいろな細かい問題もあるのですけれども、今、国際社会の経済状況がこのような状態で、我が国も含めて国際的に閉塞感にさいなまれている今ですから、国際場裏を概観すると、今、このEPAを不完全な形でもいいからまず交渉を再開しようということは非常に大事なことだと思います。
 外務省の方でも十二月にこのEPAの締結交渉の再開に向けた会議を予定していると聞いておりますけれども、具体的には、いつごろ、どのレベルの交渉が行われる予定なのか、お聞かせいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 平成十五年の十月に日韓首脳会談が開催をされまして、そこで両国の首脳によりましてEPA交渉を開始することで一致をしたわけで、委員御承知のとおりでございます。それで、韓国とのEPAの交渉は、その平成十五年の十月の後、十二月から平成十六年の十一月まで約一年間、集中的に行われましたけれども、大変残念ながら、それ以降中断をしております。
 韓国とは、もう申し上げるまでもありませんが、お互いに隣国であり、また先進国であるわけで、私も、東アジアの経済のリーダーでもあるこの両国が経済連携協定、EPAを締結するということは、両国の関係の強化のみならず、この東アジア全体の経済連携の促進にとって重要だ、そういう認識でございます。
 ことしの四月の二十一日に日韓首脳会談が行われたわけでございますが、そこでも重要性についてまた一致をしたことを受けまして、経過の説明になって恐縮ですが、六月の二十五日、それから去る十二月四日、交渉再開に向けた検討それから環境醸成、そのための実務協議が開催をされた次第でございます。
 この十二月四日の実務協議、これは第二回の会合でございますが、ここでは、今申し上げました六月二十五日の第一回会合での議論を踏まえまして、日韓双方の関心事項について率直な意見交換を行いました。第一回会合に続きまして、この二回目の会合では、日韓の双方が従来の議論を整理いたしまして、お互いにこれから交渉再開に向けての理解を深めることができた、そういうふうに思って、大変有意義であったと思います。
 御質問の今後の段取りについてでございますけれども、これは、今回の会合の内容をそれぞれの政府の部内で十分に検討して、その上で今後外交ルートを通じて調整するということになっておりますが、我が国政府といたしましては、先ほど申し上げましたように、交渉を早期再開したいということでございます。引き続きそのために努力をしていきたいと思っております。
○山中委員 経過は今大臣御説明いただきました。十分検討してということでございますけれども、やはりこの事態を考えますと、できるだけスピード感を持って、そして、方向は見えていると私は思いますので、首脳会談がありまして、事務的な会談が今行われているわけですから、もしできれば、外務大臣同士で、方向性の確認、推進していこうというような政治の意思というものを表明していただく、そういったことをやっていただけないか。そういう計画がおありかどうかわかりませんけれども、その辺の大臣の意思をお伝えいただければと存じます。
○中曽根国務大臣 このことにつきましては、私、韓国の外交通商部長官との会談におきましても、EPA交渉の早期再開については私の方からもお話ししてあります。
 それから、今週、日中韓首脳会談、会議が行われるわけであります。この会議の具体的内容については、これからのことでございますし、予断を持って申し上げることはできませんけれども、しかし、首脳レベルの会合でも、過去の会合でも重要性については一致をしているわけでありまして、政府としては、いろいろな機会を通じて早期再開に向けて努力をしていくということでございます。
○山中委員 総理の方にも中曽根外務大臣の強い後押しをぜひしていただいて、やはりこの中で方向性がぴしっと出せるということは日本の政府にとっても韓国側にとっても大事なことだと思いますので、その辺をよろしくお願いいたします。
 と同時に、私は、この朴振という外務委員長がそういう意思を表明しておりますことにもかんがみまして、外務委員会というのは、質問をしていってということではありますけれども、もし日韓の外務委員会のレベルでこのEPAの交渉の、もちろん再開、そして早期の推進ということで、どういう形かで連携をとって協力できないかということ、今までの外務委員会の方向とは少し違うかもしれませんけれども、外務委員会の役割もチェンジが必要であろうというふうに思っておりますので、そういうことが可能かどうか、ぜひ委員長に御検討をお願いしたいと思います。
○河野委員長 承りました。
○山中委員 それでは、私が日韓を早く進めていただきたいと言ったその先のことを申し上げたいと思いますけれども、もちろん御存じのように、ことしの十月七日に日米財界人会議の共同声明の中に盛り込まれておりましたけれども、それより早く、日本の経団連が昨年の一月十九日に、日米経済連携協定に関する経団連・米ビジネスラウンドテーブル声明というものの中においても、日米のEPAの早期の締結というものを要望してきております。
 民間において今議論をしているのは大変結構なことだと思いますけれども、同時に政府としても、米国におきましてはオバマ新政権との連携の糸口の一つとして、日米のEPAの交渉を開始するということに関してもぜひ積極的に動きをスタートしてはいかがかと思っております。もしそういう動きが既におありでしたらぜひお聞かせいただきたいと思いますが、外務大臣、いかがでしょうか。
○中曽根国務大臣 日米のEPA、これにつきましては、去る六月に閣議決定をされました経済財政改革の基本方針二〇〇八、いわゆる骨太の方針でございますが、これにのっとりまして将来の課題として検討を進めていく、そういうこととなっております。しかし、現時点までには日米間で交渉を行っているという事実はないわけでございます。
 委員がお話ございました、財界等でもこの問題については議論が行われているわけでありますが、日本経団連、日米財界人会議を初めとして、民間の経済界からも提言が積み重ねられていることも事実でございまして、私もこれを大変重く受けとめておりまして、お話ありましたことし十月の日米財界人会議におきましても、私も出席をさせていただいてその旨を申し上げつつ、日本国内で幅広く、そして率直な議論、検討をこれからも行っていくということがまず大事ではないか、そういうふうに申し上げました。
 いずれにいたしましても、日米のEPAについては、現在では将来の課題として検討を進めていくということにしておるわけでございます。日米経済関係のさらなる発展を促すような基盤を整えていく方策は何であるか、民間で行われております議論を踏まえながら、引き続き私どもとしても真剣に検討を進めまして、可能なものから米国と準備をしていきたい、そういうふうに思っております。
○山中委員 実は、先般の日米韓の国会議員会議の中において、米国の日本への関心が以前より薄れているのではないかという点についても議論がございましたけれども、アメリカ側から見れば、日米間にはほとんど懸案の事項がないので、特に何もしなくても大丈夫であるというような意見表明がされております。しかし、そういった観測で本当にいいのかどうかということに私は強く懸念を感じて、心配しております。
 ですから、従来の工程表にのっとった日米EPAの動きではなく、金融、経済の大変厳しいこういった危機の状況においては、なお難しいことではあると思います、さまざまな状況をどういうふうに勘案するか。しかし、基本的なところで、今大臣が御答弁いただきましたように、できるところから進めていく。つまり、富士山のようにきれいな完全なEPAにならなくても、後で補完できる形の骨の組み立てによっての進め方というのがあると思いますので、今の大臣の御答弁の方向でぜひそれを促進していっていただきたいというふうにお願い申し上げます。
 そういうことも含めまして、ちょっと日米の関係というのも、いろいろな意味でこれから、韓国の方でもアメリカに対して同じような懸念を持っておりますけれども、日米よりも米と中国の方がずっと緊密に動くのではないか。米国と中国は今まで環境問題に関して、米国も中国も京都プロトコールにも入っておりませんでしたけれども、仄聞するところによりますと、新たな形で環境問題に関する提案をすることを模索している、そういう情報もございます。そういった意味でも、日本と米国、何ができるかということについて、改めて、小さなことでも洗い直して進めていってほしいというふうに思っております。
 そして、アメリカとのEPAということも大変大事なことでございますが、同時にもう一つ、今回の会議で韓国が人権法案ということに関して、今までは、前政権の間は、これに関して非常に慎重な姿勢を示しておられたわけです。二〇〇六年に私が政務官をさせていただいておりまして拉致家族の皆様とアメリカに行ったときも、韓国側の拉致被害者が米国議会で証言なさるときに韓国政府のバックアップが非常に弱くて、私どもに対して韓国の拉致家族の方々が日本はいいですねとおっしゃったというようなこともございました。
 そういうことも思い出してみますと、この機会に、拉致問題はもちろんでございますけれども、六カ国協議がなかなか進展は難しいけれども、これはとても大事な会議ですから、これをしっかりと根づかせて、成果を出させるというか出してもらうということについて我々はバックアップしますけれども、もう少し大きな国際的なバックアップというものを喚起していくことも考えてはいかがかというふうに感じました。
 それはどういうことかと申しますと、韓国側で人権という場合に、韓国の拉致問題と脱北者の問題、そして北朝鮮内部における人権問題、これを総合して取り扱うことになったということでございますので、そういう意味で、少し広い範囲の拉致、人権問題というものを日本も積極的に考えていく。そして、その一つの流れとして、韓国と日本とで、これは共通の、北朝鮮による拉致家族、拉致の人たちを抱えている、特に一番多い国として一緒に協力していく、そういう基軸をつくっていくということを考える時期に来ているのではないかというふうに思っております。
 二〇〇六年のジュネーブでの第一回の人権理事会のときにも、私は拉致問題を入れたスピーチをさせていただきました。今国連事務総長になっておられる潘基文氏が当時外交通商部長で、早速、麻生外務大臣に電話を入れて、人権理事会の山中あき子の人権のスピーチは大事だとわざわざお電話をしてくださったという経緯もあったんですが、時の政権がなかなかそういう方向にお動きにならなかったという状況もございます。
 今、韓国の政権はまさにそういうこともやろうと思っているわけで、実はそのとき、スピーチの後で十数カ国の方たちがいらっしゃいまして、ポーランドその他の国の方が、私の夫も拉致されたとか、自分の国でも拉致の問題があるということをおっしゃっておりました。そういうことも含めて、そろそろ日韓でこういう動きを起こす。そして、日本と韓国というのは竹島問題その他、教科書問題、歴史問題、いろいろございますけれども、こういう国際的な問題を一緒にスタートさせることで、それを広げていくことが、六者会談も含めて、国連のような大きなものと、もう一つ、中間的な、国際的なそういった人権の問題の動きを起こせるときに来ているのではないか。
 政権そのものも、両政権とも、両方の政府ともそういうことに関して関心の強い時期に来ているというふうに思いますが、通告しておりませんので御感想で結構でございますけれども、中曽根外務大臣、いかがでいらっしゃいますか。
○中曽根国務大臣 もう申し上げるまでもなく、拉致の問題は大変重要な問題で、これは大きな人権問題であると私ももちろん思っております。
 委員から、国際的な協力といいますか、そういうバックアップも必要というお話がありました。私も全くそのとおりだと思います。外務大臣就任以来、各国の外相等と、あるいはそのほかの各国の要人といろいろな会談を行っておりますが、あらゆる機会にこの人権の問題、北朝鮮拉致の問題をできるだけ話題の中に入れまして、国際的な理解を深めるように、そしてさらに、できることなら協力をしてほしいということを私はいつも外国の首脳にも申し上げてまいりました。
 韓国も大きな拉致の問題があるわけでございまして、委員がおっしゃいましたように、ともに解決に向けて努力をし、協力をしていくということは大変大事だ、そういうふうに思っておりまして、今後もさらに連携をしてやっていかなければならないと思いますし、その方策についてもいろいろ考えてみたいと思います。ただ、あちらの事情というものもおありと思います。私、詳しいことはよくわかりません。そういうことも踏まえながら、この問題は解決に向けて両国が協力するということが大切であろうと思います。
 なお、さらに申し上げれば、国連の第三委員会におきまして、北朝鮮の人権状況、これについての決議が行われたわけですが、これは日本と韓国が協力して採択されることになったものでございまして、こういうものも一つの活動でございますが、今後も努力していきたいと思っております。
○山中委員 前向きな御答弁をいただきましたが、私は最近、夢とか希望というものを形にしていくにはどうしたらいいかということを考えるいろいろな場面に直面いたしました。伝えたい、話したい、決議をした、国連でも決議をしている、でも、それがどういうふうに形になっていくかということが見えなければ、動きとしては非常に弱いものになっていくわけでございます。
 ですから、国連は百九十二カ国ですけれども、今申し上げた十数カ国、これは先ほど申し上げたように、北朝鮮の拉致だけではございませんで、いろいろな国でそういった状況が起こっている。その国が十数カ国あるのであれば、そういう国に働きかけていく。ここは、日本の優秀な外務省はそういう情報をきちっと把握していただけると思いますので、実際の活動、これをぜひ政治的な主導でやっていただきたい。
 私は、先ほどのEPAもそうですけれども、国会議員同士のきちんとした会議というようなものを両国で、そういうものを外務委員会のメンバー同士とか、あるいはその中の小委員会をつくるとか、そういうことも含めて、それを形にしていくことを考えるという方向で外交をお考えいただければというふうに思っておりますが、外務大臣には今の法律の枠の中でどのような新しい動きが可能かということをぜひ御検討いただきたいと思います。
 それと同時に、委員長にも、外務委員会の中で、小委員会のあり方とか、一度、もう十年ぐらい前に、私が前におりましたときにも、多分河野先生も御一緒に委員会を少し活性化しようということを提案したことがございますので、ちょうど委員長はそういう意味では適切な方がなられておりますから、小委員会というもののあり方、ほかの国の外務委員会との共通の問題についての意思の疎通、連携というものを図れないか、これはぜひ外務省と外務委員会、双方でお考えいただきたいというふうに思います。
 いかがでしょうか、外務大臣。
○中曽根国務大臣 委員のただいまの御意見を参考にして、私たちも前向きに努力をしていきたいと思います。
○山中委員 外務委員長の方にも、たびたびで恐縮ですけれども、どういう形がとれるか検討していただきたいと思います。
○河野委員長 承りました。
○山中委員 そして私、最後に一言、EPAの動きに関して。これは、最終的には日韓そして日米と、日本が基軸になって今停滞している米韓を結んでもらう方向に持っていければ、日本のかなめの役割もきちっと見えますし、そして最終的に米韓というもの、日米韓の一番安定しているかなえ、三つの形というものがアジア太平洋の一つの基軸になると思っております。そして、今申し上げた人権問題というのも、米国も動き始めておりますから、これも一緒にやれると思います。
 最後にもう一つ申し上げたいのは、セッションの中でピースビルディング、平和構築をどうするかという議論がございましたけれども、具体的な方策が非常に難しく、どのようにしていったらいいか。特に、アジア太平洋における平和を脅かす顕在的な、そして潜在的な紛争の火種、戦争の火種というものも考えますと、今何ができるかということにおきまして、私も、生みの親ということで参加させていただいておりますというか皆さんに大変御尽力をお願いした立場として、平和構築の人材育成、このパイロット事業、外務省を中心に非常にいい形で進んでいただいております。まずそれを大変高く評価いたします。
 昨年のパイロット事業のスタートのときには、アジア十四カ国、そして日本の若者が広島大学を中心とした座学と、四カ月のフィールドスタディーで、これは七カ国でしたが、ことしの八月からスタートした平和構築の方は、さらに実際のフィールドスタディーの、シエラレオネとかスーダンとか東ティモールとか、それをもっと広げていただいている。
 さらに来年には、アジアという概念の中に、北東アジアももちろん入っておりますから中国や韓国からも来ていますけれども、それが少しずつ広がって、スリランカからもことしは来ていますが、中東というのを、実はヨルダンのハッサン王子は、自分たちは中東という名前で自分たちを呼んでいない、我々は西アジアであると。これはサッカーの試合のテリトリーを見てもわかると思いますけれども、そういった意味で、中東の人たちも参加したいということ、今外務省の方で検討していただいております。
 それは進めていただきたいのですが、私が今ぜひ外務大臣に御検討いただきたいと思っておりますのは、米国がブッシュ大統領の軍事優先作戦というものに対して国民がある意味でノーと言ったのがこの大統領選挙だと思います。オバマ次期大統領は、どことでも話をする、イランとでも北朝鮮とでも直接対話をするというようなことをおっしゃっていましたが、実際にそれが簡単に進むとはなかなか思えない国際状況でございますけれども、ようやくアメリカの国務省の中に、プリベンティブディプロマシー、予防外交と。
 これは実は日本はもう十年前に、私も外務委員でありましたとき、日米ガイドラインのときに、それと同時に予防外交、そういう人材育成、これは御存じのように、カナダ、北欧、ニュージーランド、そしてヨーロッパの中でもイギリスやオーストリア、ドイツあたりではやっておりますけれども、アジアでどこでもされていないので、イニシアチブを日本がということで、十年たってようやく、この平和構築の人材育成に顕在化して、というよりも具体化してきたと思います。
 アメリカが、実は、どこをどうやっていいかということで、シンクタンクもつくり始めておりますので、ぜひ、今日本の外務省がスタートしているこの平和構築の人材育成、このノウハウ、そしてまた、これは完全ではございませんので、これがぜひフルスケールに早く移行していただくために、三原先生も入っていただきました国家戦略会議の中で四月に提案書をお出ししておりますので、それもぜひ検討していただいて、アメリカがいい形で、米国そして中南米、ここを対象とした地域の、今日本がアジアを対象としていますような平和構築の人材育成に着手できるように、後押しをしてあげる。いつもアメリカから学ぶ時代はもう終わっている、そして日本は伝えられること、後押しできることがたくさんあるということを私たち自覚しながら、進んでいただきたいということを考えております。
 大臣、ぜひそのような方向も検討していただけませんでしょうか。
○中曽根国務大臣 委員がかねてから、特に外務大臣政務官のときもそうですが、平和構築の問題に大変御尽力いただいているということに敬意を表する次第です。特に、広島で行われております人材育成事業、いわゆる寺子屋事業でございますが、これに対しても大変なお力をいただきました。
 御提案の、今お話ありました日米の国会議員によるそういう委員会の設置なども含めまして、平和構築分野において何ができるか、日本においてはいろいろ蓄積された経験とかそういうものもあるものですから、そういうものを生かしながら、米国とさらに連携を強化して、どういうことができるかということを私どもも考えてみたいと思っております。
○山中委員 では、御期待申し上げて、質問を終わります。
○河野委員長 次に、上田勇君。
○上田委員 おはようございます。昨日は、二〇一〇年のAPEC首脳会談の横浜開催に向けての超党派の議員連盟で大臣のところに御要請に伺わせていただきました。大変お忙しいところ、時間をとっていただきまして、改めて御礼を申し上げます。またひとつよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 まず、先日公表をされました、内閣府の政府広報室が実施をいたしました外交に関する世論調査があります。その中で一つ、日米関係が良好とは思わないという回答が二八・一%。数字としては低いんですが、これは、例えば二年前には一一・六%、昨年も二〇・四%でありましたので、急増していて、過去十年間で最高の値になっております。
 もう一つは、日中関係が良好だと思わないという回答が七一・九%。これは前回に比べて微増ではあるんですが、高どまりであって、やはり過去十年間で最高になっております。
 我が国にとりまして、外交上この両国というのは最も重要な国だというふうに考えてもいいんだと思いますが、そうした両国との関係について国民がこうした認識を持っている、これはある意味、我が国の外交のあり方について国民の理解と支持が必ずしも十分得られていないということともとれる残念な結果だというふうに思いますけれども、大臣、その辺のところの御認識を伺えればというふうに思います。
○中曽根国務大臣 委員のお話ありました外交に関する世論調査でございますけれども、確かに御指摘のとおり、日米関係が良好と思わないという回答が二八・一%、お話ありましたけれども、前回、昨年が二〇・四%ということでございます。しかし同時に、日米関係で親近感を持っているという人の数も、四分の三の方々が親近感は持っているということですから、ベースとしては、日米関係というものは、そういうようなお互いの国民の、特に日本の方の意識というものはあるんだろう、そういうふうに思います。
 この世論調査では具体的な事項について細かい調査を行ったわけでございませんが、政府といたしましては、今回の調査結果も踏まえまして、また来年一月にはオバマ政権が発足するわけでございますので、この政権発足後も引き続いて、民間それから私ども政府等あらゆるチャンネルを通じて交流を強化していくということが大切でありますので、そういう点をしっかりとやっていきたい、そういうふうに思います。
 さらに国民の皆さんの御理解を深めるように努力をしていきたい、そういうふうに思っております。
○上田委員 今まさに大臣からお話のあったとおりであろうというふうに思います。
 ただ、そういう意味では我が国の外交のあり方について国民の理解、支持が必ずしも十分ではないという面もこれあるので、これからやはり国民にも、外交のあり方とか方針、そういったものをもっと広報、あるいは理解を得られるような努力というのが必要なんだろうというふうに思っております。
 もう一つ懸念されているのが対中国の関係に関する認識でありまして、これも先ほど申し上げましたけれども、非常に、七一・九%が日中関係は良好でないと思っていて、これがずっと高どまっているということであります。この背景には、例えば、ギョーザ事件とか粉ミルク事件とか、中国からの輸入食品に毒物などが混入していたというようなことが頻発をした、またそれに対する中国政府の対応が余りにも不誠実で、我が国の国民の信頼を損なっているという面があるんだということは事実でありまして、国民も多分こうした経緯について納得をしていないというあらわれなのではないかというふうに思います。
 そういう意味では、ある意味、こうした数字が出るということはやむを得ない面もあるんだというふうには思いますが、ただ、我が国にとって対中国関係というのは、これからも政治的、経済的に重要性がますます高まっていくことは間違いのないことであります。したがって、信頼感を築いていくためには双方の努力が必要なわけでありまして、相互信頼のもとで、こちらからも中国に対して必要な注文はつけ、改善を求めていかなければいけない点もありますし、そうしなければ国民の納得が得られない、その結果、対中国の国民感情は改善できないだろうというふうに受けとめております。
 こういう国民感情の中でのこれからの対中国の取り組みについて、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○中曽根国務大臣 日中間におきましては、あらゆるレベルの交流が最近は特に活発になっておりますが、特に首脳間の交流も頻繁に行われております。また、文化交流、青少年交流、経済関係交流、これらが非常に深化、拡大をしているわけで、私たちとしては、戦略的互恵関係というものを進めてきているところでございます。
 そういう両国のいろいろな面での緊密化が行われておる一方、お話がありましたような、ギョーザの問題とかそういうような問題、特にこれは食の安全ということでもございますので、日本の国民にとっても大変大きな関心事であります。健康と命にかかわる問題ということで、そういうものがまた対中感情に影響を及ぼした、そういう側面も否定できない、そういうふうに思っております。
 しかし、お話ありますように、データ的に、日本と中国の関係を良好と思わないという方々が七割おられるということは大変残念なことでございまして、委員御指摘のように、今後も、このような調査結果を踏まえまして、隣国である中国との関係をさらに良好にするために、国民的な皆さんへのPRを初め、これらがさらに改善されるように私どもも努力していく必要がある、そういうふうに思っております。
○上田委員 ありがとうございます。
 これだけ中国との交流や経済関係が深まっている中で、関係が良好と思わないというデータが出ております。これはやはり、我が国の外交、対中国の外交のあり方として、めり張りのきいた関係が必要なんだろう。相互に協力するところは協力をし、また、これだけ関係が深まったのでありますから、いろいろと問題も発生をする。その際には、やはり我が国として言うべきことは言い、また、それを解決していくというチャンネルが必要になってきているんだというふうに考えております。
 今週末にも日中韓の首脳会談が開催されるわけであります。ここに来て中国船の領海侵犯だとか多少厄介な事件も発生をしておりますが、やはりこうした会談を通じて国民が納得のいくような話し合い、しっかりとした話し合いを行っていく、そのことが、ひいて言えば親近感また対中感情の改善にも役立っていくものだというふうに思いますので、外務省においても引き続きそういった外交努力をお願いしたいというふうに思っております。
 次に、やはりこの同じ調査におきまして、海外経済協力についても国民の声を聞いております。
 ここで、積極的に進めていくべきだという回答が、三〇・四%ではあるんですが、これは大きく伸びております。さらに、なるべく少なくするべきだ、あるいはやめるべきだという回答をかなり上回ってきております。しかも、その経済協力を我が国が進める理由についても、外交政策を進める上で重要な手段であるとか、日本経済の発展のためであるとか、また、エネルギー資源の安定供給に資するといった回答が増加しておりまして、経済協力が我が国の国益のために必要だという認識も強まっているというふうに受けとめられます。
 これは、国民の経済協力への理解が深まってきているあらわれではないかというふうに思いますし、また近年、アメリカやヨーロッパの国々が経済協力に非常に積極的な姿勢に転じているというのも背景にあるかもしれません。国民の意識にこのように変化が生まれている中で、こうした結果をどのように受けとめておられるのか。
 また、今後の経済協力のあり方について、財政が依然として大変厳しい中でありますので予算を大幅に増額するということは難しいことだろうというふうに思いますけれども、少なくとも現行程度の水準は維持をしながら、めり張りのきいた効果的な協力を積極的に進めるべきだというふうに思います。さらに、ODAが我が国の国益にどのように貢献しているのかということをもっともっと国民に対してもPRしていくことも重要だというふうに考えております。
 こうした調査結果も踏まえた上で、今後の経済協力のあり方について御見解を伺いたいと思います。
○伊藤副大臣 委員がおっしゃられるとおりで、まさにこの経済協力が日本の国益のために大変役に立っているというふうに認識しているわけでございますけれども、今般行われた内閣府の政府広報室による外交に関する世論調査において、御指摘のとおり、経済協力について、積極的に進めるべきだとの回答が前年の二四・八%から三〇・四%というふうに大幅に増加しているわけでございまして、我が国の経済協力の推進に肯定的な意見というものが国民の中で非常に高まっているということだろうと思います。
 これはいろいろな理由があると思いますけれども、一つには、本年、第四回アフリカ開発会議、いわゆるTICAD4が行われたこと、また、北海道洞爺湖サミットを主催しまして、途上国における開発の問題がその中でも積極的に議論されましたし、我が国がイニシアチブをとり国際協力に取り組んだことが国民の関心、また国際的な関心も集めた。そのようないろいろなことから、今回の世論調査の結果にそのような数字が出ているということだろうというふうに推察されるわけであります。
 委員御指摘のとおり、経済協力というのはまさに重要な外交手段でありまして、こういうODAを積極的に活用して途上国の安定と発展や地球規模の課題の解決に貢献することは、我が国自身の国益にかなうものであり、また日本にとって世界から必要とされる国際貢献であろうと思います。
 このような大事な国際協力、経済協力、このことが国民の皆様の御理解と御支持をよく得て、今後戦略的な国際協力を一層進められるように、全力を傾けていきたい。今後、財務当局との厳しい折衝もあると思いますけれども、委員御指摘のように、国民の支持を得て国際協力を進めるために全力を挙げてまいりたいと思います。
○上田委員 ありがとうございます。
 これまで我が国においては、財政を健全化していくために、ODAの予算も他の歳出とともにずっと削減を続けてまいりました。この間、世論というか、私たちもいろいろ地域でも伺うと、まあ、国内のいろいろな支出を削減している中で、海外に対して援助なんというのはやらなくてもいいんじゃないかというような声が確かに多かった。ただ、やはりここに来て、海外との、特に開発途上国との良好な関係を築いていくことがいろいろな意味で日本の国益につながっていくという、そういった意識に変わってきていることだろうというふうに思っております。
 特に今、こういう経済危機の中にあって、開発途上国に対する我が国の貢献というのもいろいろな分野で期待をされているところでありますので、今副大臣御答弁あったとおり、トータル的には非常に厳しい中であろうかというふうに思いますが、効果的な協力のあり方をぜひ外務省においてまた御検討いただき、推進をしていただければというふうに思います。
 最後に、WTOのドーハ・ラウンドについてお伺いをしたいというふうに思います。
 十一月に行われましたG20の金融、世界経済に関する首脳会談におきましては、ドーハ・ラウンドの妥結に向けて、モダリティーについて本年合意に至るように努力するということが首脳間で合意をされました。しかし、七日に提示をされた農業交渉議長テキストは、我が国の提案とは随分乖離をしているものであって、なかなか受け入れがたい内容であります。また、非農産品、NAMAに関するテキストにつきましても、聞くところによりますと、先進国と途上国との間の意見にはまだまだ相当な隔たりがあって、すぐに合意するということはなかなか困難だろうというふうに言われております。
 閣僚会議等の開催についても延期をされたというようなことも報道されているところでありますし、年内合意に至るということは、この時点に至ると相当ハードルが高くなってきているという印象を持っております。ただ、世界経済が悪化する中で、やはり各国が目先の利益だけに走って保護貿易みたいなことを志向すると、かえってこれは世界経済全体の足を引っ張る最悪の事態になるわけでありますので、この困難な状況を何とか打開していかなければいけないというふうには思っております。
 ただ、我が国においても、農業交渉、これもまた難しい課題でありまして、特にここ近年、やはり従来の前提も大きく変わってきました。この間、国際的な穀物などの価格が大きく上がったり、また今急落をしたりしている。また、輸出国が従来には余り想定されなかった輸出制限みたいなことも実際に起きているわけであります。
 そういう意味で、そういう難しい環境の中であるんですが、これからのWTOドーハ・ラウンドについて、どのように我が国として対応していくのか、方針をお伺いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 委員からお話がありましたように、十一月に行われましたG20の金融それから世界経済に関する首脳会談では、WTOのドーハ・ラウンドの妥結に向けてモダリティーの年内の大枠合意について努力をする、そういうようなことが合意されたわけでございますが、十二月の六日に、WTOの農業交渉の議長でありますファルコナー氏から、また非農産品市場アクセス、NAMAですね、これのワセシャ交渉議長から、農業及びNAMAのモダリティーに関する改訂議長テキストが提示されたわけでございます。
 農業のテキストにつきましては、我が国にとりまして極めて重要な重要品目の数、我が国は全タリフラインの八%を要求しているわけでありますが、これはまた関税割り当て新設についての我が国の主張が別紙とされているわけでございます。今後の交渉の足がかりとして残されているわけでありますが、引き続いて、上限関税の不適用とか、あるいは今申し上げました重要品目の十分な数それから柔軟性の確保、こういうものを最重要課題として交渉に臨んでいきたい、そういうふうに思っております。
 NAMAの方のテキストにつきましては、依然として各国の意見の相違が残っておるわけでありますが、これまでの交渉の進展を反映させたもの、そういうものにはなっておるわけでございまして、年内モダリティー合意に向けました今後の議論の基礎となるもの、そういうふうに評価をしております。
 また、お話ありました農業の交渉でございますが、従来から、私どもは、食料安全保障それから環境保全その他、農業の持っております多面的な機能、これを発揮する、この機能発揮を確保するということを重視しておるわけでございまして、食料輸出国と輸入国のバランスのとれた貿易ルールの確立というものを目指して積極的に取り組んできたところでございます。
 こういう観点から、農業交渉におきまして、輸出国による輸出規制の制限を主張してきているところでありますが、先般提示されました議長テキストにおきましては、関係国との協議や農業委員会への報告など、これまで我が国が主張してまいりました、提案をしてまいりましたものを踏まえた、そういう記述が盛り込まれているということを評価しているところでございます。
 今後とも、我が国の主張が反映されますように、関係省庁と十分な連携をとりつつ、政府一体として積極的に取り組んでいく考えでございます。
○上田委員 ありがとうございます。我が国も含めて各国のそれぞれ複雑な要素、利害が絡み合った難しい取り組みだというふうに思いますが、ひとつよろしくお願いをいたします。
 以上で終わらせていただきます。
○河野委員長 次に、篠原孝君。
○篠原委員 きょうは、クラスター弾に関する条約について集中的に質問させていただきます。
 この件につきましては、既に近藤昭一委員それから猪口邦子委員も、最近一年か二年以内にこの委員会で質問されておられます。私は、この関係は非常にうまくいったというか、よくできたんじゃないかと思っております。ただ、一つ疑問に思うのは、結果としてはよかったんですが、今後に問題も残していると思います。
 猪口さんが質問されたときは、オスロ・プロセス、NGOがやっているのと、CCW、政府が中心になってやっているのとダブルトラックでいって、両方がお互いによく影響し合うのがいいんだということを言っておられましたけれども、現実的にはどうかというと、CCWの方はどうもなまくらで進みそうもないという感じで、オスロ・プロセスの方が先行した。私は、この過程をよく見てみますと、やはり政治家の決断、信念が非常に大きな影響を及ぼしたんじゃないかと思います。
 これは、皆さんよく覚えておられると思いますけれども、地雷禁止条約においても、はるかかなた昔になっちゃったかもしれませんけれども、小渕当時の外務大臣が、防衛庁が当時反対していた、それを押し切って、いや、これは禁止していくんだという決断をされた。慌てふためいて、外務省がそれじゃということでやって、どたばたということで決まって、オタワ・プロセスが成功したんです。群馬県の方です。
 次、この件、クラスター弾条約は福田総理が決断されたんですね。目立たないで、余り何かそういう決断をされていないような感じが見受けられましたけれども、そうじゃないんですね。この点については、私は、福田総理が決断を下されて、そしてこういうふうになったんだろうと思います。また防衛省が反対していましたね。
 どうやって言ったかというと、私にはそんなのは信じられないんですけれども、海岸線が日本は長い、長いですね。世界第六位か何かになるはずですよ。それで上陸したりしてくる、だからそこにクラスター爆弾が必要だと。しかし、常識的に考えれば、外からの侵略とか侵攻というのは、海からも来るかもしれませんけれども、空からの方が常識ですね。だから、面的に必要だとかそんなものは、私はこじつけじゃないかと思っておりました。
 福田総理はそれを明言されまして、このプロセスを進めるべきだと。そしてまた、群馬県出身の外務大臣がこの署名に行かれる。私の隣の県でございますけれども、こういう立派な政治家が出ていることを私は誇りに思っております。
 しかし、このオスロ・プロセスをきちんとしているにもかかわらず、どうも腰が引けていたんじゃないかと思います、日本の政府の対応が。この点については反省を含めて御答弁いただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 去る三日でしたか、ノルウェーのオスロに行ってまいりまして、我が国としてクラスター弾禁止条約に署名をしてまいりました。私は、大変これは歴史的なことである、意義のあることだ、そういうふうに思っております。
 従来から、政府といたしましては、人道上の懸念というものを十分に認識しておりまして、クラスター弾の主要な生産国、保有国の参加も得て、人道面と安全保障面のバランスのとれた、そういう実効的な国際約束を作成するということを支持してきたわけであります。そういう立場から、CCW、特定通常兵器使用禁止制限条約、これの枠組みにおきますクラスター弾の規制に関する交渉を私どもも重視をして、当初から積極的に参加をしてまいりました。
 他方、CCWの枠組みの進展を不十分とする一部の有志国の主導によりまして、CCWの枠組み外でいわゆるオスロ・プロセス、これが開始されたわけでございます。
 我が国といたしましては、この重要性を踏まえて、オスロ・プロセスにおきましてもすべての会議に出席をして、その結果、今般、署名を行ったということでございまして、この条約の作成に貢献できた、そういうふうに思っております。
○篠原委員 今回は、私が客観的に見ますと、政治家の決断、それから、オスロ・プロセスを成功させたのは、毎日新聞の功績が非常に大だと思います。たしか私の記憶では、地雷問題については朝日新聞が昔、結構書いていたんじゃないかと記憶しております。しかし、今回のクラスター爆弾については、毎日新聞が相当、しつこいぐらい連載記事を書いたりしておった、どういう関係があるのかわかりません。
 それから、NGOの働きが大きかった。NGO、世界じゅうでいっぱいあるわけですが、日本でも、地雷廃絶日本キャンペーン、ここでは目加田説子中央大学の教授が大活躍されておりまして、私は中央大学の論文を読ませていただきました、二、三月前ですけれども。彼女の論文に書いてありましたけれども、全部のプロセスにほとんど参加できたというふうに言っております。
 これは、地雷禁止条約もそうですけれども、政府間のはいろいろ障害があってなかなか進まない、大国がわがまま言っていてなかなか進まない。それをNGOの皆さんたちが、それじゃだめだからといって主張して、そして各国政府を動かして進めていく、こういうプロセスがあったんじゃないかと思います。クラスター爆弾連合、CMCというのが今回非常に重要な働きをしたと思います。ヒューマン・ライツ・ウオッチ等、数え上げれば切りがないんですけれども。日本にもNGO、細々ながらあるわけですけれども、外務省はどうもこのNGOとの連携というのは下手くそなんじゃないかと思う。
 今回のプロセスにおいては、政治家の決断とNGOの大活躍、それで毎日新聞が側面で支えた、これが成功の原因だったと私は思いますけれども、外務省は今回NGOとどのように連携してこられたんでしょうか。
○伊藤副大臣 委員おっしゃるとおりに、NGOの役割というのは非常に大きくなってきていると思います。
 今回のクラスター弾の条約に関しても、非常に大きな役割を、今御指摘の目加田説子さんを初めとしてなさったと思いますが、近年、軍縮、不拡散の分野においても、おっしゃられるように、NGOを初めとする市民社会の果たす役割というのは非常に大きくなっておりまして、外務省としても、そういったことは強く認識しているところでございます。
 今般のクラスター弾に関する条約の作成に当たっても、一連の国際会議への参加を含め、一定の役割を果たしてきたと認識しているわけでございまして、我が国としても、このクラスターの問題については、国際会議の場を含め、随時、担当部局が、NGOとの意見交換を行ったり、NGO主催のセミナーに出席して政府の立場を説明する等の対応を行ってきているというところでございます。
○篠原委員 これは、私が見たように客観的に見て、日本はおくれているんじゃないかと思います。
 なぜNGOがこんなに真剣になるかというと、ちょっと資料を、今回は二枚しか出しておりませんが、見ていただきたいんです。これはハンディキャップ・インターナショナルの表なんですけれども、どれだけ犠牲者があるか。これは、戦争のことなんですけれども、一般市民に被害が及んでいるということなんですね。
 数字をちょっと見ていただきたいと思います。英語で済みませんけれども、これを見てみるといろいろなことがわかります。真ん中辺ですけれども、男性と女性。男性の方が倍被害に遭っています。これは農作業、男が力仕事をしていて、くわなんかでがちゃんとやって不発弾が爆発しているんです。次にはボーイとガール。これは、ミスチーバスボーイズですね、いたずら小僧どもがおもしろがって手をつけてしまう。女性は、コーシャスガールズか知りませんけれども、慎重なので、そんなものには手をつけない。物すごい差があるわけですね。そして一般市民が巻き込まれている。だから皆さんが真剣になってきているんです。
 私は、こういう分野の外交のやり方というのは変わってきているんじゃないかと思います。大国主導で来た。先ほど上田委員がWTOのことを質問されていました。かつてはEUとアメリカと日本とが三極で適当に決めて、そしてグリーンルーム会合とか何かでぱっといこうとした。そうしたら、BRICsが来て、あるいは発展途上国が団結してということで、大国主導の外交というのは限界に来ているんですね。
 こういう分野になってくると、メディアとメディアに触発された市民団体、これが大事な役割を演じてきている。官僚主導の外交というのは大事ではあるんですが、こういう分野では違う交渉スタイルができ上がっている。これにぜひ早く乗っかっていただきたいと思います。
 そういった点を考えると、欧米諸国のNGOは、捕鯨に反対している団体が典型的な例ですけれども、資金的な援助というのがすごいんですね。これは外務省の問題ではありませんけれども、ドーネーションというか、それに対する税制上の優遇措置が物すごい。金銭的に非常に豊かなんですね、NGOといえども。それが社会的に評価されるので、企業も一生懸命そういう団体に寄附する。それで税額控除も受けられる。個人の寄附もそういうふうになっている。
 そういうのを今さら言っても仕方がないので。しかし、外務省はお金をたくさん持っているはずなんです。いろいろなところに使えるお金があるんです。ですから、こういう交渉のときに、具体的に、例えばですけれども、NGOじゃなくなっちゃって、ノンガバメントじゃなくてガバメントに、ハーフ、セミ、あるいはクオーターガバメントになってしまうかもしれませんけれども、代表団に入れるとか、オブザーバー参加の旅費を持つとかいうことを検討してもいいような気がするんですが、そういうことは議論されたりしたことがあるんでしょうか、あるいは実際にそういうことをしたことがあるんでしょうか。
○伊藤副大臣 お答え申し上げます。
 いろいろな分野においてNGOの働きというのは、委員御指摘のとおり非常に大きくなってきているわけでありますけれども、今議題になっております軍縮、不拡散の分野においてNGOはこれまで以上に重要な役割を果たしてきているというふうに認識しておりまして、政府といたしましても、この分野における取り組みを推進する上で、NGOとの協力、またNGOのバックアップを今後とも進めていきたいというふうに考えております。
 特に、不発弾処理を進める際に、NGOは実施主体としても重要な存在であるというふうに認識しておりまして、今後とも、こういった分野で活躍する日本のNGOの活動を支援することを含め、NGOとの連携を積極的に推進していきたいと考えます。
 それの具体例を多少御披露申し上げたいと思いますけれども、外務省は、こうした地雷・不発弾処理の活動を行っております日本のNGOに対して、日本のNGO連携無償を通じて資金協力を行っておりまして、資金協力の対象としては、地雷・不発弾処理作業に必要な機材の購入費や人件費のほか、事業地までの邦人職員の渡航費を含める形で支援を行ってきております。
 具体例では、ラオス・シェンクアン県における不発弾処理事業であるとか、あるいは、ことしでございますが、平成二十年度のカンボジア・コンポンスプー州等における不発弾処理事業であるとか、あるいはパルワン県バグラム郡における地雷・不発弾処理事業、こういったものに資金協力を行っているというところでございます。
○篠原委員 そういったのをどんどん進めていただきたいと思います。
 中曽根外務大臣のホームページを見させていただきましたら、タイとカンボジア国境に行っていられるんですね、五、六年前ですか。五、六年前行っておられて、その写真も載っておりました。そして、十二月三日のスピーチにおいても、NGOの活動に対して敬意を表するという立派なスピーチをされておられます。外務大臣の一声でどうにもなることですから、どんどんNGOをバックアップしていただきたいと思います。
 それから、問題のCCWとの関係ですね、特定通常兵器使用禁止条約。こちらの方は一体どうするのか。先にオスロ・プロセスが先行してしまった。大国が参加しているか、こちらの方は米中ロとかイスラエルとかインド、パキスタン、韓国等が参加していない。実際に保有しているのは、非署名国というか、加盟しそうにない国が多いので実効性がない。日本国政府は、外務省は、だからCCWの方が大事なんだ、実効性をもたらすのにはCCWが必要なんだと言ってきましたけれども、オタワ条約はもう既に十分実効を上げているんじゃないかと思うが、こういった国々は参加していません。
 しかし、もう生産は少なくなり、輸出は抑えていますし、ヒューマン・ライツ・ウオッチによりますと、ロシアともう一カ国ぐらいしか使っていないんですね、地雷は。もう実効性が生じているんです。ですから、これも同じようになっていく可能性があるんです。そうすると、CCWなんというのは、いっぱい交渉していますけれども、時間と金の無駄のような気がするんですけれども、日本はこれについてどのように対応していくつもりでしょうか。
○中曽根国務大臣 お話ありましたように、今後の課題としては、生産、保有、また使用する国との関係をどういうふうにしていくかということが最大の課題だと私も思っております。
 今まで政府といたしましては、このクラスター弾に関する禁止の条約をできるだけ早期に締結したい、そういうふうに考えておりまして、今回署名をいたしましたものですから、次期通常国会への提出を目指しまして準備を進めていく考えでございます。またぜひ御協力をお願いしたいと思います。
 同時に、今申し上げましたように、クラスター弾の主要な生産国そして保有国も締結をしておりますCCW、これの枠組みにおきましても、クラスター弾の人道上の懸念に対処するための実効的な国際約束が作成されることを重視しております。
 しかし、残念ながらことしのCCWでの交渉では最終的な合意には至りませんでしたけれども、クラスター弾に関する交渉は来年も継続されることとなっております。我が国といたしましては、引き続いて積極的にCCWでの交渉に参加をし、御指摘のロシア、中国、アメリカ三カ国を含むクラスター弾の主要な生産国それから保有国に対して実効的な国際約束の作成について働きかけをしていく予定であります。
 地雷の例を委員が挙げられましたけれども、今回、オスロでの署名式が行われ、多くの国がこれに参加いたしましたことによりまして、地雷と同様な形でクラスター弾の使用というものが減っていくということも同時に期待をしておるわけでありますが、参加していない国への働きかけというものも大変重要でありまして、今後いろいろな機会でこれは努力していきたい、そういうふうに思っております。
○篠原委員 それで、日本が今後何をしていくかというのは非常に大事だと思うんですね。ノルウェーは日本に対してラブコールを送って、日本がそれなりに賛成に動いてくれたことを評価しております。これは、こういった期待にこたえていくべきだと思います。
 それで、一枚目の私の資料を見ていただきたいんです。
 これはどういうものかというと、アメリカがわがままを言って入っていない、アメリカだけじゃないですけれども、入っていない主な条約、協定を挙げてみたんです。そうすると、これは私の勝手な分類ですけれども、軍事とか武器関係、人権関係、環境関係なんですね。人権、環境はNGOが非常に真剣にやっている分野だと私は思います。何で軍事の方が入ってきたのかなと思いましたけれども、これは、地雷もそうですしクラスター弾もそうですけれども、被害者がいっぱいいて、被害者救済の方はほったらかしになっている。これはいけない、やはり人権問題であるという位置づけがなされてきたんだろうと思います。その他のところは、経済関係なり、ちょっとよくわけがわからないんですが、こんなようなものがあります。
 日米同盟は強固な関係であるし、一番大事だというふうになっていますけれども、米中ロその他の国というふうに、その他の国もあるわけですけれども、やはり大国アメリカに対して日本が強力に働きかけていくことが大事だと私は思います。
 その点、オバマ新大統領、プレジデントエレクトはこの点についてどういう態度をとっているかというと、二〇〇六年のクラスター爆弾の使用禁止を盛り込んだ国防予算の修正案、これに賛成しているんです。それで、あちらでは公約で、いろいろなNGOが大統領の候補者なんかに対してアンケートを出して、これについてどうだと答えるのに対して、オバマさんは、私はクラスター爆弾は反対である、禁止の方だというふうに言っておられるんです。
 これは確かに、きれいごとを言っていて、大統領に選ばれたらどうなるかわかりませんけれども、アメリカの公約は日本の公約よりもずっときついはずです。私は、いい機会ですからアメリカに対して強力に働きかけていくべきだと思いますけれども、外務大臣はこの点についてどういうふうにお考えでしょうか。
○中曽根国務大臣 先ほどからお話ありますように、今回署名をしていない国に対する働きかけというのは、今後の大変重要な課題だと思っております。
 米国が締結をしておりません軍縮関連条約としては、今委員から御説明いただきましたけれども、包括的核実験禁止条約、いわゆるCTBT、それから今お話ありました対人地雷禁止条約がございます。従来から、米国に対しましては、これらの条約の締結について我が国としても働きかけを行ってきているわけでございますけれども、今後も、米国を含めまして条約を締結していない国に対して締結を呼びかけていく考えでございます。
○篠原委員 この点は近藤委員が既に指摘されております。この分野は、日本は天下晴れて正々堂々正論を吐ける国なんですね。
 例えば、韓国は、北朝鮮と国境を接していますので、百万人も陸軍がいて、ソウルを火の海にとか言っている狂った国ですから、そうきれいごとばかり言っていられぬ。インド、パキスタンは国境紛争があります。それから、イスラエルもアラブに囲まれてというので神経をとがらせている。それから、フィンランドも署名しなかったそうですけれども、ロシアを信用していない。しかし、日本はそんなことはないわけです。ここは正々堂々正論を言ってしかるべきだと思うんです。
 その点では、ちょっと情けないのは、例外づくりに日本も協力していたということですね。共同軍事行動とか演習とかするときに、そういった非加盟国に対して、やっちゃいけないとかあれこれ言わなくたっていい、それで言われた方も別に気にしなくていいという第二十一条が認められてしまいましたけれども、これは、目加田さんの論文によりますと、相互運用性というふうに言われておって、今回の条約の唯一の汚点だそうです。しかし、日本はアメリカに気兼ねしてこれに加担しているんです。こういった態度はぜひ改めていただきたいと私は思います。
 それで、ここで大事になってくるのは何かというと、ここからはちょっと機微に触れるのですけれども、我々はこの条約に署名してこの次の通常国会で承認して批准していくわけです。一年以内に発効しそうなわけです。そうすると、八年以内に全部廃棄しなくちゃいけないんです。では、米軍の持っているクラスター弾は一体どうなるか。
 核については、非核三原則というのがあります。持ち込ませない、つくらない、使用しない。しかし、日本はそうしているのに、アメリカ軍は平気で持っていて、外には明かさない。どれだけどこで持っているとかいうのは明かさない。しかし、ここからアフガンに行ったりイラクに行ったりもしているはずです。この問題が出てくるんですよ。
 私は、これは少なくとも、ほかの国でどうこうするのはいい、しかし日本国内における米軍のクラスター爆弾については明確にし、八年以内に日本と同じようにどこかに持っていけという態度をとっていいような気がしますけれども、いかがでしょうか。
○伊藤副大臣 この問題は非常に重要な問題ですけれども、米軍は我が国領域内の施設・区域内にもクラスター弾を保管していると承知しておりますけれども、米軍が保管するクラスター弾の種類や機能、数量等の詳細については、米側としては運用上の理由から回答できないとの立場であるというふうに承知しております。
 また、米国がクラスター弾に関する条約を締結しない場合には、クラスター弾の保有禁止、廃棄などの条約上の義務が米軍に課されることはないわけであります。米軍によるクラスター弾の保有については、我が国及び地域における安全保障上のコミットを有する米軍の運用上の必要性等から総合的に判断される問題であり、このような判断が行われることなく米軍によるクラスター弾の日本国内への持ち込みを拒否するという対応をとることは適切ではないというふうに考えます。
○篠原委員 そこになると急に軟弱になるんですね。
 いいですか、これは大事な問題でして、イラクについては米仏独英日なんか対応が分かれましたけれども、アフガンでは英仏独とかみんなアメリカに協力しています。しかし、そのNATO加盟諸国が皆こぞってこれに署名して、日本と同じようにさっさと批准していくんだろうと思います。そうしたときに、それらのNATO諸国がアメリカに対してどういう態度をとるかというのも大事です。それよりも、日本はやはり唯一の被爆国であるという、原爆、核兵器についての微妙な立場がありますけれども、これについては断固たる姿勢をとっていくべきじゃないかと私は思います。そういう点では、日本の対応というのは非常に大事なんですね。
 この前、ちょっと外務委員会には直接関係ないんですけれども、サマータイムの導入について外務大臣は、国際的にちゃんと協調していく必要があるんだと。しかし、サマータイムについての協調を外国が見ているということはないと思います。私は、こういうことについてこそ諸外国は日本の対応を見ているんじゃないかと思います。
 麻生総理も、国内ではいろいろ問題発言があったりしていますけれども、私は外交については、外務大臣の補佐がよろしいのか、何も失点はないんじゃないか。これは御本人が言っていられましたけれども、この署名は歴史的なことである。ですから、政治主導でやっていっていただきたいと思います。
 今回、NGOを絶賛いたしましたけれども、もう一つ、ノルウェーのストーレ外相の役割というのが非常に大事だったんです。ですから、日本もこういうことをやっていっていいんじゃないですか。今残されているのが、劣化ウラン弾があります。ですから、オスロ・プロセス、その前にオタワ・プロセス、次は太田プロセスというのがあってもいいんじゃないかと、群馬県の太田市ですけれどもね。そういうのを外務大臣の主導でどんどん進めていただきたいと思いますけれども、これについての外務大臣の決意を表明していただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 先ほどから委員のお話で政治主導が大切だということ、私もそのとおりだと思っております。
 軍縮外交をどういうふうにやっていったらいいかということだと思いますけれども、今回の問題は、クラスター弾は安全保障上の大変重要な意味を持っているわけでありますけれども、しかし同時に、このクラスター弾が引き起こす人道上の懸念、これを我が国が本当に深刻に受けとめて、先ほどお話ありましたように、NGOの皆さんが大変御努力されて、各国がこれじゃいかぬということであのような形になったわけでありますが、そういうような福田総理を初めとしてのこの政治判断というものが今回の署名に至ったわけでありまして、今後も、政治の役割というものはどういうものがあるかということを十分に踏まえながら、必要なときにはやはり政治判断というものをきちっとやっていくということが重要である、私はそういうふうに思っているところでございます。
○篠原委員 非常に大事なんですね。ですから、これは釈迦に説法かもしれませんけれども、非常にハト派的な人と目されている方、例えば委員長とかがこういうプロセスをやるのと、タカ派的と言われている方がやるのと、どっちが……(発言する者あり)そうですね、私に対してはタカ派ですけれども。タカ派的な人たちがこういうことを実行する方がみんな認めるわけですね。あの中曽根が言っているんだから仕方がないというふうになるんです。ですから、頑張ってぜひ進めていただくことを祈念いたしまして、私の質問を本当に終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○河野委員長 次に、武正公一君。
○武正委員 民主党の武正でございます。一般質疑を行わせていただきます。
 まずは、質問にはありませんが、尖閣諸島の日本の領海に中国船が領海侵犯をしたということでけさも報じられておりまして、極めて遺憾であると私も考えます。これについては、この外務委員会で何度となく、日中局長会議、この日中中間線のガス田をめぐる質疑を行ってまいりまして、現総理、麻生外務大臣のときからも、中国側が尖閣諸島の北、中間線よりも東側での共同開発を提案している、こういうような報道もありまして、それについても再三、外務省、外務大臣等にもそういった事実があるのかということを確かめてまいりました。
 こうしたこともかんがみますと、我が国の固有の領土、領海、これをしっかりと守るということを、これから日中韓の首脳会談、またバイでの外務大臣の会談なども、あるいは日中韓の首脳会談にも同席されると思いますので、極めて毅然たる対応を外務省には求めておきたいと思います。
 そこで、質問要旨に沿って伺いたいと思いますが、まず、会計検査院のODAについての指摘について伺わせていただきます。
 いろいろと指摘が毎年多くなされるんですが、その中で、ガーナ共和国の小中橋梁建設計画、これについて伺いたいと思いますけれども、会計検査院の報告では、支線道路の十八カ所に橋梁を整備するものであり、外務省はこのうち十三カ所について支援を行った、具体的にはまたJICAがそれを担当したということであります。資材調達型の援助ということでありますが、ただ、この資材調達型援助、工事の完成時の確認を行うことにしていないということが問題であることを会計検査院が指摘をしております。
 会計検査院が十三カ所のうち一カ所を選定して検査を行ったところ、橋梁でありますので、岸の橋台とその橋梁との接合部に設置されるボルト、これについて十六本中十一本が欠落していたということであります。
 発生原因として、このような事態が生じているのは、外務省が工事完成時に確認などを行っていなかったことが原因ではないかというふうに結論づけておりまして、これについては、外務省及び無償資金協力を実施することになったJICAが、資材調達型の援助についても技術支援を一層強化、相手国が行う工事の完成時に原則として相手国から写真または報告書を受理したり、外務省またはJICAが現地へ赴いたりして確認を行うべし、こういうふうに言っているわけでありますが、この指摘について、外務省としてどのように認識をされているか、お答えをいただけますでしょうか。
○中曽根国務大臣 今年度の会計検査院の報告におきまして、複数のODAの案件がいわゆるこの報告の中で「意見を表示し又は処置を要求した事項」ということに掲記をされたわけでございます。これはODAに対する世論や国会の関心の高さのあらわれである、そういうふうに真摯に私ども受けとめておるところでございます。
 御指摘の案件は、ガーナ全土において十八件の小中の橋梁を整備する計画でありまして、そのうち、我が国が橋梁用の資材を供与して、そしてガーナ側が建設を担当いたしました十三橋梁のうち一つの橋梁につきまして、お話ありましたけれども、アンカーボルトの締めつけが不良であった、そして橋台と鋼鉄橋の接合部にありますところに設置されます高力ボルトの欠損が指摘されたということでございます。
 いずれにいたしましても、御指摘にありますように、完成までしっかりと見届けるということが重要だと私も思っておりまして、今後も、会計検査院からの報告も踏まえつつ、ODAの適切な執行に努めていきたい、そういうふうに思っております。
○武正委員 会計検査院もおいでいただいていますが、当委員会でかつて私、メキシコのプラントについて取り上げたことがございます。本年、高村外務大臣とやりました件でありますが、振り返りますと、円借款、メキシコでの大気汚染対策関連事業、JBICが担当しておりましたが、〇二年一月一日にプラントで火災があった。会計検査院は二月十五日に実地検査をし、十一月二十七日に国会に報告を上げた。しかし、そこにはその火災があった事実が記載をされていなかった。会計検査院に対して、JBICが虚偽の報告をしていた。しかし、会計検査院が現地で検査をするときの通訳など、大使館も同行していたわけですが、大使館もあるいは外務省も、ことしの二月になって初めて、火災があって九月まで実質稼働していなかったという事実を把握したということであります。
 私は、外務省、JICAの対応ということも今回この小中橋梁の問題で会計検査院が指摘しておりますが、相手方、供与先に対して、外務省、JICAあるいはJBIC、そしてまたそれを検査する会計検査院、そのチェック体制が甘いんではないかというふうに考えております。
 そこで、お手元に資料を御用意いたしましたが、まず一枚目はイギリスの会計検査院の資料でありまして、この和訳について、会計検査院に和訳をしてもらったものを提出しております。
 ここで、下の方に書いてあります、これは「カントリービジッツ」というものを和訳しておりますが、「各国において、我々は国際協力省の職員、被援助機関及び意図する受益者にインタビューを行った。」NAOがそうした相手先について、会計検査院が相手先についてインタビューを行った。「また、我々は現地事務所に保管されている資料をレビューした。さらに、我々は、訪問時に高まった安全上の理由により」云々ということでありまして、そのチェック体制について、供与先についてイギリスの会計検査院がチェックを行っているということを示しております。
 では、アメリカのGAOはどうかということで、ちょっと資料は添付しておりませんが、これはGAOの資料でありまして、同じくこれも会計検査院に和訳をお願いしましたが、「我々はインドネシア、ペルー、セルビア、モンテネグロ及び南アフリカの米国大使館及びUSAID現地事務所を訪問した。これらの国々で、我々は大使館やUSAID現地事務所において米国機関の職員に会ったり、NGO現地代表者及び外国援助活動を実施している契約業者に会ったり、外国援助の表示及び公表努力に関して各機関の資料を収集し分析したり、米国機関及び実施機関の表示及び公表活動を観察するため各国においていくつかの事業現場を訪問した。」ということであります。こうした活動。
 それからまたUSAIDの方も、これはUSAIDの方の資料を見ますと、USAIDが援助のそうした合意をするときには必ず現地のさまざまな説明を求めるということ、特に財政的な、USAIDのファンドを利用する、使うということについてきちっと調査ができるということをそのアグリーメントの条項に入れなければならない、こういったこともUSAIDはつくっております。
 日本の場合は、そうした外務省、JICA、まあJICAもお手元の資料の二ページ目には一応こういうことが書いてあるんですね。これはJICAから提出していただきました。「借入人は、本借款の健全な監理のため」、チェックのため、「国際協力機構が正当に要求する時期、様式及び内容で、国際協力機構に対してすべての情報を提供するか又は提供されるための措置をとるものとする。かかる情報は、借入人の国における財政・経済状況及び国際収支状況に関する情報を含むものとする。」こういうようなことも決められているんですけれども、実際にこれが果たして機能しているのかということであります。
 まず、外務省に聞きますが、JICAがこういうような約束事、借款の監理について、「措置をとるものとする。」ということがあるということは承知されておられますでしょうか。
○中曽根国務大臣 ちょっと今、突然の御質問でございますので、もしお許しいただければ、事務方から説明させていただきたいと思いますが。
○武正委員 それでは会計検査院に伺いますが、JICAがこういった規定を持ってやっておられる、そして、それについて会計検査院は、相手方に対しての調査、検査は相手方の了解とか好意をもって受け入れられなければ検査できないと言っておりますけれども、こういったことをJICAがしているということに基づいてJICAの検査をしっかり行っているのかどうか、これについて、会計検査院、いかがでしょうか。
○諸澤会計検査院当局者 お答えを申し上げます。
 会計検査院は、会計検査院法第二十条第一項の規定に基づきまして、「日本国憲法第九十条の規定により国の収入支出の決算の検査を行う外、法律に定める会計の検査を行う。」とされております。そして、同法に規定する検査の権限は、ODAの実施機関でございます外務省や独立行政法人国際協力機構に及ぶこととなるわけでございますので、お尋ねのJICAに対する検査はそういう意味でしっかりと行っているところでございますけれども、主権国家でございます外国の政府や外国の機関に及ぶものではございません。そのため、お尋ねの相手国などに対する取り組みにつきましては、ODAの効果等を把握するために、ODAの実施機関の職員の立ち会いのもとで、相手国の協力を得て現地調査を実施しているというところでございます。
○武正委員 外務省、わかりましたでしょうか、先ほどの件は。外務大臣、わからないということですかね。
 会計検査院、今私が聞いたのは、JICAがこういう形で相手と円借款を結ぶときにしっかりと約束をしているんだ、情報提供あるいは提供するための措置をとるものとするということで、しっかりとJICAがそういうことをやっているというふうに認識をしているのかどうか、これはいかがですか。
○諸澤会計検査院当局者 ただいま申し上げましたように、私ども、検査を行っておりますJICAに対しましては、JICAがどのような援助を行っているかについては十分承知した上で検査を行っているところでございます。
○中曽根国務大臣 先ほど、失礼いたしました。質問通告がございませんものでしたからお答えできませんでしたけれども、委員が今御紹介いただきましたと申しますか、この資料にあります基本約定の借款の監理、これにつきましては、私ども、これに基づいてしっかりとやっていきたい、そういうふうに思っております。
○武正委員 それができていないというのが、当委員会で高村外務大臣と四月に、委員会でのやりとりであったわけであります。
 外務省が二〇〇二年の一月一日にメキシコで火災が起きたことを知ったのは、本年の二月であったわけであります。JICAも現地で、これはJBICですけれども、虚偽の報告を会計検査院に行った。会計検査院は、現地を見ていながら、火災になっていることがわかっていない。こういったことですので、JICAの約定もちゃんと実効性が担保されていないわけですよ。ですから、私は、先ほどのGAOあるいはNAOあるいはUSAIDのような形でしっかりとこれをやっていく必要がある、そうしないと、毎年毎年会計検査院のODAに対する同じような指摘が続くだろうというふうに思います。
 そこで、カントー橋について、これまで外務省、外務副大臣を先頭にその対応を検討してまいったということを聞いておりますが、今回、会計検査院の報告でも、「円借款の新規供与の際に相手国政府と取り交わす交換公文に、相手国政府が建設工事、施設使用等に関して安全を確保するなどの適切な措置を講ずる旨明記する方向で検討を進めて、」本年「十月以降に相手国政府との間で最終的に同意が得られた交換公文から明記することとした。」ということも会計検査院の資料に出ております。
 このカントー橋の崩落事故を契機としてこういったことを各国との援助の交換公文に入れるのであれば、私は、USAIDが実際にアグリーメントにマストインクルードということにしているようなことも含めて、あるいはGAOやNAOがしっかりと検査できるように、やはり交換公文に、我が国とすれば、税金を使った援助なんだから、しっかりと調査、検査しますよ、タックスペイヤーに説明責任を果たせるようにしますよということを、やはりカントー橋を契機とした交換公文の見直し同様やっていくべきだと思うんですが、外務大臣、いかがでしょうか。
○中曽根国務大臣 先ほどから申し上げておりますけれども、外務省といたしましては、この会計検査院の報告を十分に踏まえまして、ODAについて適切な執行をやっていきたい、そういうふうに思っております。
○武正委員 そこで、財務省もおいでいただいていますのでお伺いをします。
 今回、新JICAの発足に伴って、円借款部門はJICAに、バンクローンの融資の部分はJBICが含まれました日本政策金融公庫にという形になりましたが、やはりODAの機能的な活用ということを考えたときに、バンクローンとの連携というものが欠かせない、こういうことが言われるわけです。
 このJICAとJBICの連携というものが、心配するのは、JICAは外務省、JBICの日本政策金融公庫は財務省ということで所管省庁が異なるということと、前は一体のJBICが円借款とバンクローンをやっていたのが分かれてしまっていますので、機能的な、機動的なODAといったことからこういった点がうまく連携ができるのかどうか、これについては財務省、いかがでしょうか。
○平田副大臣 御指摘の点はごもっともであるというふうに存じております。新JBICと新JICAの連携につきましても、それはもう当然意識をして運営したいと思っております。
 したがいまして、両機関の連絡協議会を設置しておりまして、発足当初でございますが、今月四日に第一回の連絡協議会が開催をされておりまして、これからの連携のあり方、世界経済情勢について意見交換をいたしたところでございますし、あと、内閣の海外経済協力会議というものも過去に設置をされておりますので、その辺は適宜有効に起動させていくべきであるなというふうに御指摘をいただいて考えておりますので、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
○武正委員 あわせて財務省に伺いますが、金融危機対応のアジアの枠組みということで、これから日中韓の首脳会談でも、既に開催されました金融サミットあるいはAPEC等、そうした国際会議でも、アジアでのそうした金融危機対応の枠組みということが論じられていると思います。政府からは、チェンマイ・イニシアチブの活用ということが盛んに言われているんですが、JBICではこれまで、アジア金融危機以降、アジア債券市場育成イニシアチブ、いわゆるABMIに基づいて、二〇〇四年以降、タイ、マレーシア、インドネシア、現地日系企業の現地通貨建て社債等に保証供与していたり、タイでバーツ建てJBIC債などを発行しているというふうに聞いております。
 お手元の資料には、四ページ目がいわゆるチェンマイ・イニシアチブの現状でありまして、今、名目合計八百四十億ドル、これを活用していこうということを政府は言っているんですが、私は、五ページのASEANプラス3の現地通貨建て債券市場、これを活用していくことによって、アジア各国の金融危機、あるいは今回のようなアメリカ発のサブプライムローン問題への対策としてアジアでの金融市場の創設のためにも、現地通貨建て債券市場というものを育成していくということが欠かせないというふうに考えるんです。
 ごらんいただきますと、もう既に、日本が九兆ドル近く、中国も一兆六千億ドル、韓国一兆一千億ドルということで現地通貨建ての債券市場も非常にふえておりますので、これについて、金融危機対応ということで、チェンマイ・イニシアチブ同様取り組むべき、JBICもそうした知見がありますので、そのように考えますが、財務省、いかがでしょうか。
○平田副大臣 まさしく、チェンマイの合意とアジアの債券市場育成イニシアチブというものは両輪で、しっかり運営していかなければならないと思っております。それ相応に、御指摘のように数字も上がってきておりますので、しっかり運用されるように、引き続き取り組んでまいりたいと思っております。ありがとうございます。
○武正委員 外務大臣、いかがでしょうか。チェンマイ・イニシアチブということで、四ページにあるように、各国の外貨準備、これはお互いに、スワップということで、困ったときには援助しましょうということをバイでこれだけやってきて、それがマルチのような形に、面的になってくるということを今回日本政府も言っているわけですが、あわせて、現地通貨建ての債券、アジア各国の通貨というものをもっともっと応援していこうじゃないかというような、こういうABMIという考え、これはアジア危機のときに出てきたんですけれども、こうした考えをやはりしっかりと日本政府として応援をしていくべきではないかと思うんですが、これについて外務省としての御所見を伺いたいと思います。
○中曽根国務大臣 チェンマイ・イニシアチブにつきましては、委員御承知のとおり、これをやはりマルチの形、一本の契約にまとめる、そういう検討作業が進められているわけですが、今のこういう金融また経済の混乱の中では、まずこうした金融協力をやっていくということは大事であろう、そういうふうに思っております。
 ただいま財務副大臣からもお話ありましたけれども、やはりアジア域内の豊富な資金、民間貯蓄、こういうものを域内の投資に活用するということが大事だと思っておりまして、アジア債券市場育成イニシアチブに取り組んで、現地通貨建ての債券市場の育成、こういうものについて我が国としても積極的に取り組んでまいりたい、そういうふうに思っております。
○武正委員 ぜひ、日中韓首脳会談でも、このアジアにおける現地通貨建ての債券市場の育成ということも御提案をいただきたいというふうに思います。
 では、財務省副大臣、結構でございます。ありがとうございました。
 そこで、次に、日米外相会談におけるアジア各国の信頼醸成についてということで伺いたいんですが、ヒラリー・クリントン新国務長官就任後というんでしょうか、中曽根外務大臣は日米の外相会談を開催したい、そういうような報道が流れておりますが、これにつきまして、まずはそういうような方向で今調整が図られているのか、お伺いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 外務担当の大臣といたしましては、日米関係の重要性から、新しいオバマ政権が発足をいたしましたならば、先方の担当でありますヒラリー氏とはできるだけ早くお会いをして日米関係の諸問題について意見交換をしたい、そういうふうに思っており、それを新聞記者さんにも申し上げたわけでありまして、会談が設定されたり、今調整が行われているということではございません。
 しかし、一月の二十日ですか、オバマ政権が発足するわけでありますので、重要課題もたくさんございますので、そういう機会ができるだけ早く来るように、今後チャンスを見つけていきたい、努力をしていきたいと思っております。
○武正委員 新政権、御主人、前クリントン政権のとき、いわゆる米中接近、ジャパン・パッシング、ナッシングとも言われたわけで、それを心配する向きが今あるわけなんです。できれば日米外相会談をやりたいという外務大臣に伺いたいんですが、私は、そうした中、やはり日本の存在感を日米の中で発揮するためにも、アジア各国からの信頼醸成を日本が得ているということは、欠かせない大変大事なことだと思うんですが、これについてはいかがでしょうか、そういう認識はお持ちでしょうか。
○中曽根国務大臣 委員おっしゃるとおり、日米の関係は大変に、日本の外交の基軸でありますが、同時に、アジア外交、特に近隣諸国との関係というものも我が国にとって大変大事なものであります。そういう意味では、アジアの信頼を受け、また近隣諸国との良好な関係をもって日米関係をさらに進めていくということが基本的な形ではないかと私は思っております。
○武正委員 そこで、前空幕長のアパグループ懸賞論文問題について外務大臣に伺いたいんですが、今、前空幕長は民間人になって、さまざま発言をされておる、あるいはいろいろ文章を書いておられますが、私は、特にこの間の外国人記者クラブでのああいうやりとりなんかを見ていると、果たしてアジア各国の信頼醸成ということで本当にどうなのかなというふうに非常に疑問に思います。
 私は、防衛省は、少なくとも懲戒の手続に入ってやるべきだったというふうに思っておるんです。この件がかえってアジア各国の信頼醸成を傷つけることになっているのではないのか、やはり航空自衛隊のトップですから、やめたといっても、トップがこれまでずっと、部内誌である鵬友とか、いろいろ発言をしてきたことを今も繰り返しやっていることは、アジア各国にとって衝撃があるのではないかと思うんですが、この点について外務大臣の御所見を伺うと同時に、ちょっと時間もなくなってまいりましたので、防衛副大臣もお見えですので、最後の質問でありますが、新給油法について、給油検討基準、この一番最後のページにありますが、上申すると。
 過日、我が党の近藤委員から、この場でも外務省に、あるいは防衛省に伺った点でありますが、結局、上申するとしたその理由、給油の検討基準のどこかにこれが該当したから上申するとした唯一の例でありますので、この間は理事会協議ということに付されましたが、改めてこの外務委員会の場でその理由をお聞かせいただきたい。
 続けてお願いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 田母神航空幕僚長の論文につきましては、我が国から外交ルートを通じまして中国政府や韓国政府にも、政府の立場は従来どおりである、本件論文は政府の立場とは何ら関係がない旨、伝達をいたしました。すなわち、さきの大戦に対する我が国の政府の立場は、いわゆる村山総理大臣談話それから小泉総理大臣談話によって示されているとおりである、そういうふうに私ども答弁もさせていただいているところでございますが、この件がアジア諸国との関係に影響を与えることがないように、外務省としても外務大臣としても努めていきたいと思っております。
○北村副大臣 お答えをさせていただきます。
 御指摘の事例につきましては、防衛省から提出いたしました補給支援特措法に基づく補給調整状況の資料の中で、平成二十年の四月一日に補給を要請され、調整中に先方から要請が取り消されたものであるというふうに承知いたしております。
 御承知のとおり、特措法に基づく補給活動を行うに当たりましては、防衛大臣に対して上申する場合の基準については、以下、三つのことがあります。
 まず、補給実施基準においては、補給時に対象となる艦船がテロ対策海上阻止活動に係る任務に従事している艦船であるが、まず航空母艦である場合、及びイラクにおける作戦やアフガニスタンにおける作戦に係る任務にあわせて従事している場合には防衛大臣に対して上申をする。また、補給艦を通じてこれらの航空母艦またはイラクにおける作戦やアフガニスタンにおける作戦に係る任務に従事している艦船に再補給する場合についても防衛大臣に上申することとなっております。さらに、これらの基準に照らして補給の実施の適否を判断することが困難、こういった場合にはまた防衛大臣に上申してその判断を仰ぐということになっております。
 先生おっしゃられる事例につきましては、他国からの要請が今申し上げた基準に該当するものであったということから、実施の適否について上申することが検討されたものであります。
 他方、この事例は、個別具体的にどのような補給の要請であったかという点については、これを明らかにした場合、相手国部隊の運用等に支障を及ぼす可能性があるということで、当該相手国との信頼関係からお答えをすることができないというふうな経過をたどってきて、お答えをさせていただいたものであります。
 以上です。
○武正委員 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
○河野委員長 次に、松原仁君。
○松原委員 まず冒頭に、これは九月の四日のNHKのイラン大統領との単独インタビューがあったということでありまして、そのときのイラン大統領の発言についての所感をお伺いしたいと思っております。それほど長くもないこのインタビューでありますが、その中で彼が幾つかのことを指摘しておりますが、どのように大臣はお考えかということであります。
 一つは、これはNHKのインタビューのデータでありますが、第四パラグラフですね、「興味深いのは、日本を核爆弾の犠牲にし、現在も、数十基の核弾頭を有している者たちが、イランの平和的核活動に反対している」ということを書いてあるわけですが、「日本を核爆弾の犠牲にし、」この中身は、これは当然、広島、長崎のことだろうというふうに思っておりますが、一応確認を理事者の方にお願いします。
○鈴木政府参考人 確認とおっしゃっておられますんですけれども、このアフマディネジャドのインタビューで、先方、アフマディネジャド大統領が九月にNHKのインタビューに答えた、この内容を確認したかどうかということでございましょうか。
○松原委員 当然、これが言っている「日本を核爆弾の犠牲にし、」というのは、長崎と広島の原子爆弾投下ですね、こう言っているんです。
○鈴木政府参考人 私どもも、自然に想像すれば、当然、我が国が核爆弾で被害を受けた長崎と広島のことに言及しているのではないかというふうに私は思っております。
○松原委員 この文脈自体は、これを事例にして、「イランの平和的核活動に反対していることだ」、これがおかしいと言っているわけでありますが、この論理に関しては大臣はどういうふうにお考えですか。
○中曽根国務大臣 我が国は唯一の被爆国でございます。人類に大変な惨禍をもたらした核兵器が二度と使われることのないようにということで、核兵器のない平和で安全な世界を目指していろいろ活動しているわけでございますが、また、そういう意味では、現実的で、かつ堅実なといいますか、着実な核軍縮のための努力もやってまいりました。
 イランの核問題につきましては、イランはこれまで国連の安全保障決議、それからIAEAの理事会決議が求める措置をすべて実施するには至っておりません。そういう意味で、イランの核活動が専ら平和的なものであるとのいわゆる信頼というものは確立をされていないと思っております。
 我が国は、交渉を通じましたこの問題の平和的な外交的な解決のために、イランに対しましては、国連の安保理決議に従って濃縮関連の活動を停止するようにという働きかけを行っているわけでございまして、今後もこういう働きかけを行っていく考えでございます。
○松原委員 平和的な核活動、これもいろいろと中身が議論されると思うんですが、核が平和的でなく使われた事例というのは、核というものがつくられて、どういう事例があるか、ちょっとお答えいただけますか。具体的に、核兵器が人類に使われた事例というのはどういう事例があるか。
○中島政府参考人 先ほど先生が御指摘いただいた広島、長崎における我が国に対する原爆の投下というのが典型的な例ではないかと考えております。
○松原委員 いや、僕は事実確認だけするので、質問は次に行くんですが、そうすると、核兵器を人間に対して使用したのは広島、長崎以外には今までなかった、こういうことでよろしいですか。
○中島政府参考人 核実験というのを除きますれば、人間に対して利用したというものは広島、長崎ということになると思います。
○松原委員 核兵器を平和利用しなければいけないということで、もちろん核を拡散させないということも大事なことでありますが、事実としては、それを人間に対して、まさに殺りくの手段として、実態として使ったのはアメリカによる広島、長崎の原子爆弾であった、その後はそういうことはない、こういうことだと思っております。
 本来であれば、アメリカがいかなる理由であろうと核兵器を人類に対して使った唯一の国家であり、それが広島、長崎ということであるならば、我々は、このことに対してはきちっと、投下をした国家の問題というものに対しても本来は問うべきだろう、そこまでやらなければ本当の意味での非核の議論は進まないのかもしれないというふうに思うわけでありますが、次の質問に移ります。
 次の質問は、この外務委員会の中で従来議論されておりました東シナ海のガス田に関してでありますが、六月の合意から現在どういうふうになっているのか、お伺いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 東シナ海における日中間の協力、この東シナ海の問題につきましては、先般の政治的な合意を踏まえまして、国際約束、これは国会承認条約でございますが、これの締結交渉を早期に開始することが重要であると思っております。そして、その必要性については、日中双方とも認識を共有しておるわけでございます。
 私も、九月にニューヨークで日中外相会談が行われたわけですが、中国のヨウケツチ外交部長に対しまして、この国際約束締結交渉を速やかに行う必要があるということを指摘いたしまして、実務レベルでの意思疎通を引き続いて行うこととなったわけでございます。
 また、十月の北京におきまして行われました日中の首脳会談におきましても、麻生総理大臣より温家宝総理に対しまして、この交渉を早期に開始するよう促したわけでございます。現在、できるだけ早く国際約束の締結交渉を開始できるように中国側と調整をしているところでございます。
 戦略的互恵関係の象徴的なプロジェクトとも言えるこの東シナ海の協力というものをぜひ推進したいということで、引き続いて中国側とは緊密に意思疎通を図っていく考えでございます。
○松原委員 合意の前提である二〇〇七年の四月、十二月において交わされました共通認識、これは同じものなのか違うものなのか、中身はどういうものなのか、お伺いしたいと思います。
○小原政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘がございました二つの共通認識でございますが、二〇〇七年四月の共通認識は、これは温家宝総理が訪日されました際の日中首脳会談におきまして安倍総理と温家宝総理との間で一致した共通認識でございますが、会談後、日中共同プレス発表の中で発表されております。この中には、いわゆる東シナ海を平和、協力、友好の海とするといったような五項目から成る共通認識が確認されております。
 それから、もう一つは二〇〇七年十二月でございまして、福田総理が訪中された際の日中首脳会談におきまして、温家宝総理との間で一致した共通認識のことでございますが、これも対外発表されております。二〇〇七年四月の、この前の共通認識の五項目、先ほど申し上げました五項目を堅持しつつ、協議のレベルを上げて交渉し、早期に合意を目指すということが確認されているわけでございます。基本的には、さきの共通認識を踏まえまして、さらに交渉を加速し、レベルを上げ、合意に至るよう努力するというような認識になっております。
○松原委員 この認識や経過の中でいろいろなことが議論されておりますが、翌檜周辺の共同開発というのはすべて対等、五分五分が前提なのかどうか、お伺いしたいと思います。
○小原政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘のございました翌檜のガス田周辺ということでございますが、先般の政治的合意におきましては、これは北部の共同開発区域ということで合意をしておりまして、この中には翌檜ガス田そのものは含まれておりません。その南側における共同開発でございますが、ここに関しましては、互恵の原則に従って共同開発を行うということになっておりまして、日中双方が協議を通じて開発地点を選択し、操業権、それから権益比率、権益比率は取り分でございますが、こういったものが対等となる共同開発を行うということについて日中間で了解している次第でございます。
○松原委員 次は、白樺への出資を行う法人と比率の具体案というのはあるんでしょうか。
○小原政府参考人 お答え申し上げます。
 白樺油ガス田開発に参加する日本法人及びその出資の比率につきましては、今後の協議によって決定していくという事項になっておりまして、現段階においてはまだ確定はしておりません。
 仮に民間法人が参加する場合には、通常は出資比率が権益比率、これは取り分でございますが、権益比率となりますので、そういう意味でいえば、政府としても合理的な出資比率が得られるように努力する考えでございます。
○松原委員 今、仮にというお話がありましたが、仮に民間法人を募る場合、採算はとれるのかどうか、この部分をちょっとお伺いしたいんです。
○小原政府参考人 これは双方の企業が中国側の関係法令及び契約の規定に基づいて具体的な問題を処理することになるわけでございますが、まさにそうした法人間の契約、これは当然、今後、交渉が始まれば、その中でいろいろな情報も踏まえながら進められていくということでございますが、政府としては、やはり、先ほど申し上げましたが、合理的な出資比率が得られるように努力するという考えでございます。
○松原委員 採算がとれるかどうかという議論のときには、いろいろなことがその中に議論されなければいけない。つまり、どれぐらいの埋蔵量がそこにあるのか。これは、調査は日本側としてはしているんでしょうか。
○小原政府参考人 今後まさにそうした法人間で契約を結ぶというプロセスの中で、当然ながら、そういった関連の情報を、これは中国側からも入手しなければいけませんし、そういう形でその情報を我々としても入手していくということでございます。
 これまでのデータでは、地層的には、まさに北部の地域なんかは有望な地域だと言われておりますし、白樺につきましては、これは当初、中国の企業の方が生産活動を開始しておったのをただいま中断しておりますが、そういう意味でいえば、その地層にはそれなりの資源があるということだと見ております。
○松原委員 一応、通告の中にデータ提供の有無とあるので、このことで質問しているので、通告はされていますので。
 それで、今、中国からの情報ということを言いましたが、中国からの情報を頼って日本の企業がそこに出るということを決断するのは、私は、余りそれだけで決めることではないと思っているんですね。日本の側が、どれぐらいそこにあるんだということを知って、そこで採掘をする、採算もそれで考える。彼ら自体がそういった探査をすることができなければ、国として、これぐらいありますよというのを、中国側のデータによらず、日本固有のデータでやはり言うべきだと思うんですよ。
 日本側がこういったことに関してデータをとる努力をしているんですかということをお伺いしたい。
○小原政府参考人 私、今手元に詳しい資料は持っておりませんが、資源エネルギー庁を中心に、データにつきましては収集しておると理解しております。
 ただ、いずれにしましても、今回合意された中には例えば北部海域もございますが、これについてはさらに精密な調査が必要だというふうに承知しております。現状で得たデータの中では、例えばこの北部地域なんかは非常に有望な地層であることは間違いないということでございますが、さらに調査をする必要があるというふうに受けとめております。
○松原委員 きょうはちょっと呼んでいないんですが、資源エネルギー庁が日本固有の資料を当然持つだろう、こういう認識でよろしいんですね。
○小原政府参考人 私の理解では、資源エネルギー庁の方はデータを持っておると理解しております。
○松原委員 それは、中国側から提供されたデータではなくて日本側が調査したデータを資源エネルギー庁は持っている、こういう認識ですか。
○小原政府参考人 その点は私、今ちょっと正確な情報を持っておりません。いずれにしましても、資源エネルギー庁の方ではそれなりのデータを持っておるというふうに考えております。
○松原委員 そういうあやふやなことで、日本側から企業が出るんですか。企業が出ないから、では全部中国にやってくださいということだってあり得る話になってしまう。ノルウェーの探査船を用船として一時雇い上げをしようとしたとかしないとかと私も風聞は聞いておりますが、私はやはり、そこは、日本側もデータをきちっと持たないとこういう議論というのは進まないと思うんですよ。それは、民間に全部そこまであなた方がやりなさいというのは、私は現実的に酷な話だと思うんですね。
 だから、そこはどうですか、大臣。資源エネルギー庁は大臣の所管ではないですが、こういう流れの議論で、この外交交渉で、やはり国民から見て、なるほど日本も参加してやっているなと。そのときに、中国側のデータだけで、それしかなくて、それで日本の企業が、帝国石油でもどこでもいいですよ、やるとなれば、これはなかなか、私企業に対しての負担というか、大きいですよ。やはりそれは、そういうものをきちっと日本政府としても持ってやるんだ、そのための指導をするんだと言ってください。
○中曽根国務大臣 委員おっしゃいますように、例えば共同開発とかあるいは交渉を行う際には、しっかりとしたデータが必要なのは言うまでもありません。
 ただいまの件につきましては、詳細なデータは持ち合わせておりませんので、しっかりと調べてみたいと思います。
○松原委員 次の質問にも行かなきゃいけないので、この部分はこれぐらいにしますが、そこのデータというのが、中国はあの辺を探査していますよ、日中中間線と我々が言うところを。我々が探査していなくて、それでもって条件は互恵の原則だとか、例えば五分五分だとか、いろいろと言っています。しかし、やみくもに、どういう状況かわからないで議論している側と、情報を知って議論している側では、それはもう全然判断の基準が違ってくるんですね。
 だから、それで国がこういうふうにやって、表面の上ではそうだからいいだろうという議論にはならないので、やはり日本側は日本側の資料を持って、例えば、もしかしたら中国側のデータと日本側のデータが全く同じなんということは私はないと思うんですよ。いや、埋蔵量も、この辺にこれぐらいありますよとか、筋論からいけば、そういうことは少なくとも知ってやらないと、共同開発なんというのはもうお題目になってしまう、こう思うので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それから、楠と樫が未定になった理由をちょっとお伺いします。
○小原政府参考人 御指摘の楠と樫の両ガス田でございますが、先般の政治的合意では、これまでの協議におきまして、御指摘のガス田を含む共同開発案も含めまして、日中双方でまさにさまざまな考え方、提案等を出しながら真剣かつ厳しい交渉を行ってきたわけでございまして、最終的に、互いの困難を乗り越えるべく努力した結果、ただいま先生がおっしゃられました楠、樫は対象となっておりませんが、まさに白樺と北部地域、これを対象として協力を進めるということでございます。先般のその合意の中には御指摘の楠、樫は含まれておりませんが、両ガス田を含めまして、合意された以外の海域の扱いにつきましては、継続して協議を行うということになっております。
○松原委員 前に一回、この外務委員会で、私、何年か前に、日中中間線で中国側がやぐらを組んでいるということに含めて質問をしたことがあるんですが、そのときに、外務省の答弁は、中間線というものがはっきりと両国が合意していないようなケースでは、なかなかこういう資源開発というのはしない、こういうふうなお話があったと記憶しております。
 今回は我々も開発をするというのは、これは単独ではなくて共同の開発だからやるんだ、こういうことになるわけですね。確認をしたいと思います。
○小原政府参考人 これはまさに言葉の定義の問題でもあるかと思いますが、北部地域につきましては共同開発ということでございますし、白樺につきましては、既に中国側で開発を進めていたという、まさに中間線よりも中国側におきます地点での日本側の出資ということでございますので、北部地域と白樺におきます協力につきましては形態が少し違いますが、いずれにしましても、趣旨といたしましては先生がおっしゃっていたようなことでございます。
○松原委員 平湖に関しては、これは日中の共同には入っていますか、いませんか。
○小原政府参考人 今回の合意の中では、まず協力の第一歩として進めようということで合意がされたのは、ただいま申し上げました白樺と北部地域でございます。
○松原委員 日中中間線は、日本は両国から等距離の場所を引いておりますが、中国側は全く違う見解をしているわけであります。したがって、今回の共同開発は、議論として、私の理解ですよ、要するに、中間線に関しての両国の合意がない部分を共同開発という玉虫色の議論でやっている、こういう解釈なんですよ。
 そうしたときに、中国側の平湖は、中間線が両国で合意していないのに、中間線の中国寄りだからいいんだというふうな議論もあるのかもしれませんが、それはかなりアバウトな議論であって、論理的には、日本側の主張としては、共同開発に関しては中間線がなくてもいいでしょう、両国がやるんだから。単独開発に関しては、中間線がないんだから、それはちょっと待ってくれよ、こういうふうに言うのが論理的には私は正しいような気がするんですが、どうでしょう。
○小原政府参考人 今回の合意以外の海域につきましては、今後、継続協議ということでございまして、これは全く白紙でございます。
 それから、日本自身が、単独開発も含めまして、日本側の主権的権利、これはいわゆる二百海里の中では日本が権限として持っておりますので、その点について、この合意の中でも、双方の法的立場を損なわないという前提のもとでこうした協力を進めるということになっておりますので、そこはそういう形で理解をしていただければと思います。
○松原委員 そうすると、ちょっとわからないんだけれども、中国は平湖でやっている。さっき言ったのは、両国の合意で中間線が画定していない、そこは共同開発はあるんだろうと私は認識したんですよ、さっきの議論で。しかし、平湖はそうじゃない。であるということは、中間線の日本側では日本の単独開発もあり得るんですか。一応議論としてお伺いしたい。
○小原政府参考人 これはまさに、我々、権限としては先ほどお答えいたしましたように有しておるわけでございます。
 ただ、今回、こういう形で協力につきましての政治的な合意ができましたので、我々としては、この協力を、先ほど大臣からも申し上げましたように、一日も早く国際的な約束事にまとめ上げて具体的な協力を進めるということで、まさに中国側との間でのすり合わせ、意思疎通というものを今加速化しているところでございます。
○松原委員 大臣にお伺いしたいんですが、日中中間線は、海の中にある、ある種の、国境ではないけれども国境的な部分ですよ。それに関しては棚上げをして、共同開発だからやりましょうと。共同開発という表現の中にその辺は含まれる、こう思っているわけですが、平湖は単独でやっている。
 やはり論理的に、ちょっと玉虫色というか、あいまいになっていると私は思うんですよね。やはり、中間線が画定していない段階ではすべて共同開発だという原則論を言うべきだと思いますが、御所見をお伺いしたい。
○中曽根国務大臣 日中間におきましては、東シナ海の境界の画定が実現するまでのいわゆる過渡的な期間におきましては、両国の、双方の立場を損なわないことを前提として東シナ海の資源開発について政治的合意に至ったわけでございます。他方、海洋の境界画定につきましては、我が国といたしましては、中間線を基礎として境界を画定すべきだ、そういう立場であります。
 日中双方の主張には大きな隔たりがあるわけでございますけれども、東シナ海をやはり平和、協力、それから友好の海とするためにも、境界の画定に向けて、我が国としては我が国の主張というものをしっかりと主張して、政府として粘り強く取り組んでいく、そういう覚悟でございます。
○松原委員 最後に、質問をもう一問だけして終わりにします。
 今、北朝鮮を含む六者協が始まっておりますが、北朝鮮の特に核の問題もどうも玉虫色で、なかなか、日本側が文書化しろというのがきちっと出るかどうかというので膠着をしているようでありますが、一方において拉致問題が進展をしない中で、自民党、民主党ともに追加制裁案の検討をしております。内容は御存じのとおりだと思いますが、これについての大臣の所見をお伺いいたします。
○中曽根国務大臣 今、委員がおっしゃいましたように、各党におきまして種々この件に関して議論が行われているということは私も承知をいたしておりますが、個々の議論につきましては政府としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 その上で申し上げれば、政府といたしましては、従来から申し上げておりますように、引き続いて対話と圧力、この方針のもと、また、その間のバランスにも意を用いながら、北朝鮮に対しまして具体的な行動を求めていく、そういう考えでございます。
 今行われておりますけれども、六者会合それから日朝協議、こういうものを通じて、委員がおっしゃいました拉致の問題、それから、当然のことながら、核、ミサイルの問題、こういう諸懸案の解決に向けた行動を北朝鮮から引き出すべく努力をやっていきたい、そういうふうに思っております。そういう方針については従来から変わっておりません。
 以上でございます。
○松原委員 ありがとうございました。
 それで、最後に一言だけ申し上げたいのは、先ほどのイラン大統領の発言の中で、「我々は日本政府の業務に干渉しない。同国の政府関係者は、自ら決定を下すべきである。」という文言があるんですが、これはNHKの方の抄訳ではちょっと変えた表現になっておりますが、要するに、日本の国の外交の意思決定がみずから行われていないんではないかという、そういうニュアンスを入れたイラン大統領の発言だったと思うんです。
 イランがどうだということではなくて、私は、外交はまさに主権の一番重要な問題でありますから、もちろん同盟国の意向も重んじるけれども、意思決定は日本自体がやるということ、特に外務大臣はその主管大臣でありますから、そのことを強くお願いいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○河野委員長 次に、笠井亮君。
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。
 今日、米国発の金融危機、景気悪化が地球を覆う中で、世界のあちこちで、このまま巨額の軍事費をつぎ込み続けていいのかということが真剣に問われております。
 そこで、まず外務省に質問しますが、アメリカのブッシュ政権は、イラク戦争そしてアフガニスタン戦争に一体幾らの戦費を負担したというふうに承知をされているでしょうか。
○鈴木政府参考人 お答えいたします。
 二〇〇八年十月十五日付の米国の議会調査報告書がございまして、それによりますと、米国議会が二〇〇一年度から報告書発出時までに承認したアメリカの国防関係、国防省の予算でございますが、その中で、アフガニスタン軍事作戦関連が千六百一億ドル、イラク軍事作戦関連が六千二百六億ドルというふうにされていると承知しております。
○笠井委員 合わせて七千八百七億ドルということになりますか。約九十兆円ということになる額であります。米国民一人当たりにすると、大体三十万円ぐらいということになると思いますが、朝鮮戦争やベトナム戦争をはるかに上回って、第二次世界大戦時に次ぐ膨大な額になると思います。もっと多いという試算も出されている。しかも、イラク戦争にしても、全く大義のない戦争だったということについては、もはやだれしもが認めるところであります。
 この戦争を開始したブッシュ米大統領の任期も間もなく終了しますが、そこで、中曽根大臣、今振り返って、アメリカがこの戦争を始めて、そして行ってきたということについてどう評価されているでしょうか、お答えください。
○中曽根国務大臣 当時、イラクは十二年間にわたって累次の国連安保理の決議、これに違反をし続けておりました。国際社会が与えました平和的解決の機会というものをイラクが生かそうとしないで、最後まで国際社会の真摯な努力にこたえようとしていなかったわけでございます。こういう認識のもとで、我が国といたしましては、安保理決議に基づいてとられたこの行動を支持した、そういうものでございます。
 その後、我が国は、イラクの安定化が日本の国益に資する、そういう観点から、国連の安保理決議に基づく自衛隊によります人的な貢献、それからODAによります支援、また債務救済等、さらにはさまざまな外交努力を行いましたけれども、こういうものを通じましてイラクの復興を主体的に支援してきたわけでございまして、これらの支援はイラクの政府の要人やイラクの国民からも高い評価を得てきている、そういうふうに私は思っております。
 こういう我が国を含みます国際社会の地道な支援を受けまして、イラクは、もう御案内のように、憲法に基づく民主的な議会そして政府が成立をいたしまして、重要法案を成立させるなどの大変な進捗が見られます。そして、昨年以降は治安の状況も全体として改善傾向にあるわけです。
 御承知のとおり、年内に航空自衛隊、これの輸送任務を終了させた後も、我が国は引き続いてイラクへの支援を継続するということになっておりますし、政治対話の強化に加えまして、石油分野を含む経済それからビジネス関係を強化して、長期的な友好関係の構築に向けて取り組んでいきたい、そういうふうに思っております。
○笠井委員 いろいろ言われましたけれども、イラク戦争によってイラクは大変なことになった、そしてたくさんの命が奪われたわけでありまして、国会でもこれはさんざん議論してきましたが、そもそも安保理決議だって戦争をやっていいなんという話になっていなかった。アメリカの同盟国を含めて世界じゅうが反対ということが強力にあった中でやったわけでありまして、既に戦争を主導した米英の首脳でさえ一定の反省と謝罪の弁を述べてきたのに、いまだに戦争を支持したことは正しい決定だった、そういう立場で正当化するというのは、私はとんでもないと思うんです。
 大臣、この戦争を始めたブッシュ大統領自身も、去る十二月一日に放映されたABCテレビのニュースのインタビューで、私はこの全文の起こしたものをここに持っておりますけれども、こう言っております。大統領に在職していたすべての期間中の最大の痛恨事はイラクにおける情報収集活動の失敗だったということをはっきり言っているわけでありまして、情報の誤りを認めて、開戦の大義とされた大量破壊兵器が見つからなかったことを振り返って、今さらながら悔やんでおります。
 中曽根大臣は、イラク戦争が開始された二〇〇三年の三月二十日の参議院本会議で、自由民主党と保守新党を代表して質問に立たれておって、こう言われています。ブッシュ大統領が下した苦渋の決断を我が国が支持するということは、大量破壊兵器の脅威を除去するという点からも、まことに国益にかなった対応であると考えますと。イラクは、国際社会をだまし続けて、これらの兵器を開発、保有してきましたと。
 ここまではっきり断じられているわけでありますけれども、あれから五年がたちました。ブッシュ大統領自身がこの戦争の大義そのものの情報が誤りであったと改めて認めたことを大臣はどういうふうに受けとめていらっしゃるでしょうか。受けとめについて伺いたいと思います。
○中曽根国務大臣 先ほど申し上げましたような理由で我が国はイラクに対する対応をとったわけでございまして、今も、私も、これが正しかった、そういうふうに思っております。
○笠井委員 今も正しかったと。これはちょっと驚くべきですね。
 ブッシュ大統領も悔やんでいる、そして大量破壊兵器に関する情報収集活動の失敗、情報の誤りを認めているわけですが、それをうのみにして支援したことを、大臣も痛恨事と思っていないんですか。大量破壊兵器問題、今でもそのことを正しかったと。なかったというわけでしょう。大統領もそう言っているんですよ。それを大臣は、当時参議院議員として質問されて、大量破壊兵器はあるからこれはいいんだと言われた。これは痛恨事と思わないんですか。
○中曽根国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、我が国の対応は申し上げたとおりでありますが、その結果として、イラクに治安が戻り、議会もでき、重要法案もでき、そういう形でイラクが復興に向けて進んでいるということ、こういうものを考えますと、我が国の今までとってきた立場は、これは先ほど申し上げたとおりの理由で、私は、認められるもの、そういうふうに思っております。
○笠井委員 戦争を始めた最大の大義、理由としたこと自身が、その情報が間違っていたと当の始めた大統領自身が言っているのに、その戦争を支持してやってきたことは正しかったと。これは本当に驚くべき話であります。
 オバマ次期大統領は、みずからの選挙戦の政策演説の中でも、イラク戦争の最大、最悪の皮肉の一つは、ブッシュ大統領が、この脅威、核テロへの懸念を、核プログラムなどを持たない国を侵攻するために利用してきたことだ、ここまで言っているわけです。
 どうですか、大臣。そのことも本当にまずかったなと、あのときを今から振り返れば、そのことぐらい思わないんですか。
○中曽根国務大臣 繰り返しますが、ブッシュ大統領はブッシュ大統領の立場での御発言だと思います。我が国は、先ほど申し上げたような理由でございます。
○笠井委員 これは恥ずかしいです。イラク戦争は、世界の圧倒的多数が開戦を反対したのに、大量破壊兵器を持っているとうそを言ってアメリカは強行した。国連憲章違反の先制攻撃戦争であります。ところが、いち早く開戦を支持して、そしてイラクから撤退する国が相次ぐ中でも最後まで支援を続けてきた日本政府でありまして、いまだにそれが正しかったと。ブッシュ大統領はブッシュ大統領なんと言われているというのは本当に驚くべき話で、アフガニスタン戦争についてだって、これは泥沼です。戦争でテロはなくせないことは明らかでありまして、もうこんなやり方は続けちゃいけないということを改めて言いたいと思います。
 そこで、イラクからは航空自衛隊がようやく年内に撤収することになって、去る十二月六日に現地で任務終了に当たっての行事が行われました。
 そこで、防衛省、来ていただいていると思いますが、質問します。
 自衛隊のイラク派遣に関して、二〇〇三年に派遣して以来、予算に計上した総額で結構ですが、結局幾らになったでしょうか。そして、今後さらに撤収などに伴って追加的な経費があるのかないのか、その二点について端的にお答えください。
○徳地政府参考人 お答えを申し上げます。
 イラク人道復興支援特措法に基づきます自衛隊の活動につきましては、平成十五年度から平成二十年度までに措置した予算の総額は約九百六十九億円でございます。
 それから、撤収に係る経費の取り扱いにつきましては、現在、現地の状況それから撤収の対応等を勘案して見積もりを行っておるところでございます。
○笠井委員 見積もりということは追加的にあり得るということですね。
 アフガニスタン戦争に関してはどうでしょうか。テロ対策特措法そして補給支援特措法に基づいて、自衛隊派遣に関して、二〇〇一年以来これまでに予算に計上した総額というのは幾らになっているでしょうか。
○徳地政府参考人 いわゆる旧テロ対策特措法に基づきます協力支援活動等の実施につきましては、平成十三年度から平成十九年度までに措置した予算の総額は約七百六十一億円でございます。
 それから、現行の補給支援特措法に基づきます補給支援活動の実施につきましては、平成十九年度それから平成二十年度の措置した予算の総額は約九十一億円でございます。
○笠井委員 今の三つの数字を足しますと、イラク、アフガニスタン合わせて千八百二十一億円になると思いますが、私は、大義なき戦争にこんなに莫大な国民の税金をつぎ込んできた責任は重大だと思います。テロは戦争でなくせないと、アフガン政権も和解や政治的解決を言っているのに、またまさにこういう状況で進行している。
 外務省に伺いますが、今世界的な金融経済危機にある一方で、一体、世界全体で軍事費の総額というのは年間どれぐらいの規模になっているというふうにつかんでおられるでしょうか。お答えください。
○梅本政府参考人 お答え申し上げます。
 世界の軍事費ということでございますが、日本あるいはアメリカのように軍事費、防衛予算を透明性高く公表している国もございますし、そうでない国もあるということで、私どもこれをなかなか正確に把握することはできないわけでございますが、例えば、英国の国際戦略研究所、IISSが毎年発行しておりますミリタリー・バランス、その最新の二〇〇八というものによりますと、二〇〇六年の各国の軍事費総額は一兆二千九百七十七億五千九百万ドルというふうになっております。この数字は、いわゆる退役軍人の恩給であるとか年金であるとか、あるいはパラミリタリーということでコーストガード、そういうものも入った数字として、いろいろな推計をした上でこういう数字になっている、こういうことでございます。
○笠井委員 今の額を日本円にすると大体百四十兆円ぐらいになるんじゃないかと思うんですが、これは、前年比に比べてもこの間ふえてきて、特に二〇〇一年、二〇〇二年以来この方向が定着しているというのが各種調査によっても見えると思います。米国の対テロ戦争戦費の増大が要因であって、アメリカが全体の軍事費総額の四五%、五〇%を占めているということになっている。
 そこで、大臣に伺いたいんですが、アメリカのオバマ次期大統領は、この間も、イラクへの増派で我が軍の負担は増大して、アフガニスタン情勢は悪化して、イラクでの出費は二千億ドル以上も予算をオーバーしているということを発言したり、就任後十六カ月以内、あるいは十六カ月ということで、二〇一〇年半ばまでにイラクから戦闘部隊を撤退するということも公約しております。
 アメリカは今、かつてない金融経済危機に見舞われているもとで、オバマ氏は、経済対策へのてこ入れの必要性から、ブッシュ政権と一線を画しながら、経済対策に予算を傾斜配分して、軍事費、国防費を聖域化しないで、削減も視野に入れて予算全体を見直す方針を明らかにしておりますけれども、特に膨大な予算をつぎ込むミサイル防衛などがその標的になっているということも言われております。
 こうした米次期政権の方針が我が国にどのような影響を及ぼすというふうに現時点でお考えになっているか、見ていらっしゃるか、お答えください。
○中曽根国務大臣 オバマ次期大統領の就任後の政策に関しまして、まだ新政権が発足していないわけでありまして、現時点において予断を持ってお答えするということは差し控えた方がいいと思いますが、日米同盟につきましては、アジア太平洋地域の平和と安定の礎であるわけでありますので、こういう点について、オバマ次期大統領もこれについては理解を示しておられます。
 こういうふうに日米同盟の重要性というのはオバマ政権になりましても変わらないと思いますが、影響ということにつきましては、さらに我々もまた新政権と緊密な連絡をとって良好な関係を築いていきたい、そういうふうに思っております。
○笠井委員 日米同盟ということでおっしゃいましたが、それを盾にして、アメリカの側が削減した分を日本側が追加負担ということにもなりかねない。米軍再編についても既にそういう言動が米政府や軍関係者から出ているということを、この間、私もこの委員会で質疑申し上げました。
 アメリカの経済が深刻なのは当然ですが、我が国だって、金融経済情勢そして雇用の問題、国民生活は極めて深刻でありまして、当然、そうした問題に対しても毅然とした態度で米側に臨んで、我が国としても、景気、経済、国民生活を考えれば、軍事費削減の方向に向かうということで進むべきじゃないかと思うんですが、その点、最後にいかがでしょうか、大臣。
○中曽根国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、新政権がどういうような政策をとられるかということは今の時点でも明確になっておりませんし、また予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思います。日米の同盟、日米関係をしっかりと緊密化し、維持していくということがまず大切だと思っておりますし、また新政権ができましたら、首脳同士を初めとして両国の緊密化をさらに図るということが今一番大切なことではないか、そういうふうに思っております。
○笠井委員 一言申し上げます。
 ミサイル防衛にしたって、米軍への思いやり予算にしても、海外派兵予算にしても、アメリカの戦争を後押しするということになっている。自衛隊の正面装備や活動内容も、米軍と一体となった海外での軍事作戦向けが中心であります。
 我が国の軍事費は年間に四兆八千億円ということですが、これ以上こういう形で税金の無駄遣いは許されない。アメリカの国内でも、イラク戦費を民生に充てたらどれだけのことができるかという議論が起こっていますけれども、やはり、今春の当委員会でも私は質問したんですが、妊婦健診、例えば十四回無料にするということでは一千三百億円という額も政府から答弁がありました。あの漁船衝突事件を起こしたイージス艦一隻分でありまして、今こそ軍事費という聖域にメスを入れて、社会保障費の抑制から拡充へと根本的に転換すべきだということを申し上げて、質問を終わります。
○河野委員長 次に、照屋寛徳君。
○照屋委員 一昨日午後、カリフォルニア州サンディエゴの住宅街に米軍のFA18戦闘機が墜落、炎上し、住民三人が死亡、一人が行方不明となる事故が発生しました。同型のFA18戦闘機が岩国基地に配備されております。しかも、十二月一日から五日まで嘉手納基地で実施された即応訓練に参加をし、訓練後も十九機が嘉手納基地に残り、訓練を続けています。あす十一日まで嘉手納基地で訓練すると言われております。
 アメリカの事故で沖縄県民が不安におののいております。アメリカにおける事故原因が究明されるまで嘉手納基地における訓練中止を求めるべきです。大臣の決意を伺います。
○伊藤副大臣 委員御指摘のとおり、八日正午ごろ、アメリカのカリフォルニア州サンディエゴ市の近郊の住宅街に米軍ミラマー航空基地所属のF18戦闘機が墜落して住民が死亡するという痛ましい事故が発生いたしました。
 米側によれば事故原因については調査中であるとのことですが、外務省としては、米側に対し、適時に情報提供を行うよう、また航空機の運用に当たっては安全確保に万全を期すように申し入れたところでございます。これに対して米側からは、航空機の運用に当たっては改めて安全確保に万全を期していくとの回答がありました。
 外務省といたしましては、引き続き航空機の運用に当たっての安全性に万全を期すように申し入れていくという考えでございます。
○照屋委員 大臣、本当に強い不安を県民が抱いているんですよ。あしたまで強行されるんです。大臣として何か一言、どういう決意なのか示さないと、このままこんな態度だと、もう麻生政権が墜落、炎上しますよ。
○中曽根国務大臣 今副大臣から御答弁いたしましたとおり、航空機の運用の安全確保というのは本当に大事なことでございまして、万全を期すよう、米側に対しては申し入れをしているところでございます。
 米側は、この申し入れに対しまして、改めて安全確保に万全を期していく、そういうふうに明言をしておりまして、飛行につきましては現時点で停止するよう申し入れをする考えはございませんけれども、運用に当たりましては安全性に万全を期すよう、これは強く申し入れをまたしていく考えでございます。
○照屋委員 がっかりしました。
 沖縄には、国、県、在沖米軍でつくる三者連絡協議会が設置をされております。この三者協は、最後に開催されたのはいつでしょうか。今後も開催するのでしょうか。大臣に尋ねます。
○西宮政府参考人 事実関係でございますので、お答えさせていただきたいと思います。
 御指摘の三者連絡協議会、これは沖縄県に所在する米軍の施設・区域を管理及び運営することから生じる問題であって、沖縄県それから那覇防衛施設局、これは当時でございますが、現在でいうと沖縄防衛局になります、それと在沖米軍が共通の関心を有する事項について、それぞれ自由な立場から協議するということを目的といたしまして、昭和五十四年七月に設立され、平成十五年五月まで計二十四回開催された次第でございます。したがいまして、最後の会合ということであれば、平成十五年五月ということでございます。
 なお、平成十一年の会合から、外務省も沖縄事務所が参加をさせていただいております。
○照屋委員 地元紙に対して外務省幹部が、三者協は失敗した、米軍に抗議するばかりでは成功しないと語ったようですが、大臣も同じ認識でしょうか。
○中曽根国務大臣 委員が御指摘の報道にありますようなこういう発言を外務省の関係者が行ったとの事実は確認しておりませんけれども、いずれにいたしましても、先ほど政府参考人から申し上げましたとおり、三者連絡協議会が失敗であったとは、そういうふうには考えておりません。
○照屋委員 次に、普天間飛行場の移設に関する政府と地元の協議会が、七月十八日を最後に開催されておりません。その理由は何か、開催の意思はあるのか、いつごろをめどに開催をするのか、尋ねます。
○武藤政府参考人 お答えいたします。
 先般の普天間協議会、これが七月十八日に開催されましたけれども、ここで今後の協議の進め方に関する基本的な考え方を確認いたしました。
 それからまた、同協議会における合意に基づいて、危険性の除去、騒音の軽減等について検討するため、及び建設計画、環境影響評価を円滑に進めるために二つのワーキングチームを設置し、八月と十月にそれぞれワーキングチームを開催してきたところでございます。
 次回の協議会の開催時期等についてでございますけれども、第八回協議会におきまして官房長官から発言がございましたように、環境アセス手続の進捗状況なども見ながら、今後、関係行政機関及び関係地方公共団体との間で調整してまいりたいと思ってございます。
○照屋委員 大臣、来年一月にアメリカのオバマ政権が発足をいたします。大臣は、オバマ政権誕生によって米軍再編はどのように進行するとお考えでしょうか。
○中曽根国務大臣 政府といたしましては、オバマ次期米国大統領は、米軍再編につきまして、日米同盟に基づく両国の努力の重要な側面の一つである、そういうふうに述べております。そういうことで、引き続いて日米の安保体制における米軍再編というものを重視する、そういう立場に立っているものと私は認識をしております。
 また、御案内のとおり、ゲーツ国防長官は留任することになりました。同長官は、二〇〇六年の十二月に就任をして以来、日米安保体制の強化に努めてきているわけでございまして、累次の機会に、二〇〇六年の五月に日米間で合意しました再編実施のための日米のロードマップ、これに従って米軍再編を行っていく、そういう重要性について表明をしてきておるところでございます。
 今般の米軍再編は、日米安保体制に基づく抑止力を維持しながら、そして全体として地元の負担を軽減する、そういうものでございまして、ぜひとも実現する必要があります。
 政府といたしましては、オバマ次期米国大統領と力を合わせまして、普天間飛行場の移転とか、また返還を含めまして、ロードマップに従って着実に実施をしていきたい、そういうふうに考えております。
○照屋委員 大臣、沖縄に住んでいると、実際には、米軍再編のロードマップによって、私たちの負担は軽減されるどころか、沖縄の米軍基地機能はますます強化されておるのが現実であります。
 私は、普天間飛行場の辺野古移設は世紀の愚策であると思っています。大臣は、オバマ大統領に辺野古移設断念と普天間基地即時閉鎖、返還を求める決意はございませんか。
○中曽根国務大臣 普天間飛行場代替施設につきましての現在の案というのは、委員十分御案内のとおり、生活環境それから自然環境、また実行可能であるかどうか、そういう点を十分に検討して、そしてまた地元の名護市等との合意も踏まえて、米側と合意したものでございます。
 このように、現在の案というのは、さまざまな観点から最も適切な形、そういうふうに判断をいたしまして決定したものでございまして、合理的な理由もなくしてこの計画を変更するということは困難でございます。
 今後は、環境影響評価手続を進めていく中で地元とも誠意を持って協議をさせていただいて、また、日米合意に従って普天間飛行場の移設それから返還を着実に進めていきたい、そういうふうに思っております。
○照屋委員 私、先ほど大臣と笠井委員の質疑のやりとりを聞いても、もっともっと中曽根外務大臣としての決意と覚悟を持った言葉のやりとりであってほしかったな、やはり政治家として、時に反省すべきは率直に反省した方がいいのではないかと思います。
 最後に、沖縄県議会は去る十一月二十八日に、ホテル・ホテル訓練区域の一部返還、鳥島射爆撃場及び久米島射爆撃場の返還を求める決議、意見書を全会一致で採択しております。同様の要請が仲井真沖縄県知事から大臣になされております。
 大臣はアメリカに対して返還を求めていく覚悟をお持ちでしょうか、尋ねます。
○中曽根国務大臣 御指摘の、ホテル・ホテル訓練区域、鳥島それから久米島射爆撃場の返還につきましては、十一月の十一日に仲井真沖縄県知事から直接要請をいただいたところでございます。私も、皆さん方の御説明を十分に拝聴させていただきました。
 これらの訓練区域それから射爆撃場につきましては、日米安全保障条約の目的の達成のために引き続き維持する必要があると私どもは認識をしておりまして、現時点において米側に返還を求めるということが適切であるとは考えておりません。
 一方、訓練区域やそれから射爆撃場のあり方につきましては、地方公共団体、今申し上げました知事さんや皆さんからの御要望、それから米軍の必要性、そういうものも勘案をいたしまして、随時米側とは協議をしているわけでありますが、今後、沖縄県から御要請いただいたことも頭に置いて対応していきたい、そういうふうに思っております。
 米側といたしましても、返還を行う考えはないものの、何らかの改善が可能かどうか検討したい、そういうふうに表明しているところでございます。
○照屋委員 大臣、ぜひ、米軍基地の重圧で苦しんでいる、苦悩する沖縄県民の声にも率直に、大いに耳を傾けてほしいことを要望して、終わります。
○河野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時五十九分散会