第170回国会 財務金融委員会 第2号
平成二十年十月二十九日(水曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 田中 和徳君
   理事 江崎洋一郎君 理事 木村 隆秀君
   理事 竹本 直一君 理事 山本 明彦君
   理事 吉田六左エ門君 理事 中川 正春君
   理事 松野 頼久君 理事 石井 啓一君
      石原 宏高君    小川 友一君
      越智 隆雄君    亀井善太郎君
      後藤田正純君    佐藤ゆかり君
      鈴木 馨祐君    関  芳弘君
      とかしきなおみ君    中根 一幸君
      永岡 桂子君    長島 忠美君
      林田  彪君    原田 憲治君
      平口  洋君    広津 素子君
      松本 洋平君    三ッ矢憲生君
      宮下 一郎君    盛山 正仁君
      山本 有二君    池田 元久君
      小沢 鋭仁君    大畠 章宏君
      階   猛君    下条 みつ君
      鈴木 克昌君    園田 康博君
      古本伸一郎君    松木 謙公君
      和田 隆志君    谷口 隆義君
      佐々木憲昭君    野呂田芳成君
      中村喜四郎君
    …………………………………
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       中川 昭一君
   内閣府副大臣       谷本 龍哉君
   内閣府副大臣       宮澤 洋一君
   財務副大臣        竹下  亘君
   農林水産副大臣      石田 祝稔君
   内閣府大臣政務官     宇野  治君
   財務大臣政務官      三ッ矢憲生君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局長)  内藤 純一君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    三國谷勝範君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制部長)          深山 卓也君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   真砂  靖君
   政府参考人
   (財務省主税局長)    加藤 治彦君
   政府参考人
   (財務省国際局長)    玉木林太郎君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  高橋  博君
   政府参考人
   (中小企業庁事業環境部長)            横尾 英博君
   参考人
   (日本銀行副総裁)    西村 清彦君
   財務金融委員会専門員   首藤 忠則君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月二十九日
 辞任         補欠選任
  山本 有二君     永岡 桂子君
  鈴木 克昌君     松木 謙公君
同日
 辞任         補欠選任
  永岡 桂子君     長島 忠美君
  松木 謙公君     園田 康博君
同日
 辞任         補欠選任
  長島 忠美君     山本 有二君
  園田 康博君     鈴木 克昌君
    ―――――――――――――
十月二十八日
 金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第七号)
 保険業法の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第七号)
 保険業法の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)
     ――――◇―――――
○田中委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、保険業法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 順次趣旨の説明を聴取いたします。金融担当大臣中川昭一君。
    ―――――――――――――
 金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案
 保険業法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○中川国務大臣 おはようございます。
 ただいま議題となりました金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び保険業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 まず、金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 現在、アメリカのサブプライムローン問題に端を発した外的な環境変化のもと、厳しい状況に直面する地域経済、中小企業を支援していくことが喫緊の課題であります。このため、国の資本参加によって、金融機関等の資本基盤の強化を図り、金融機関等が適切な金融仲介機能を発揮し、地域における中小企業に対する金融の円滑化に資する政策を積極的に推進していくことが重要であります。
 このような考えを踏まえ、金融機能強化法の活用、使い勝手の改善のために必要な見直しを図るため、本法律案を提出することとした次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、現行法上、平成二十年三月末までとされていた国の資本参加及び組織再編成における手続の特例等に係る申請期限について、平成二十四年三月末までとしております。
 第二に、国の資本参加の要件を一部緩和しております。具体的には、金融機関の経営責任等の明確化の要件や抜本的な組織再編成を伴わない場合に加重されていた要件を、制度上一律には求めないこととしております。
 第三に、協同組織金融機関全体で提供している金融機能の発揮の促進を目的として、協同組織金融機関の中央機関に対して、あらかじめ国が資本参加することを可能とする枠組みを整備しております。
 次に、保険業法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 最近における保険業を取り巻く経済社会情勢の変化を踏まえ、この厳しい状況のもとにおいて保険契約者等の保護を図り、保険業に対する信頼性を維持するため、セーフティーネットの確保が図られるよう本法律案を提出することとした次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 生命保険会社が破綻した場合のセーフティーネットにつきましては、来年三月末までに破綻した場合、これに関連して生命保険契約者保護機構が行う資金援助等に関し、政府の補助を可能とする特例措置が設けられております。これに関し、平成二十四年三月末までの破綻に係る資金援助等について政府の補助を可能とするため、現行規定を三年間延長することとしております。
 以上が、金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び保険業法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○田中委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○田中委員長 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、参考人として日本銀行副総裁西村清彦君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として金融庁総務企画局長内藤純一君、監督局長三國谷勝範君、法務省大臣官房司法法制部長深山卓也君、財務省主計局次長真砂靖君、主税局長加藤治彦君、国際局長玉木林太郎君、農林水産省経営局長高橋博君及び中小企業庁事業環境部長横尾英博君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○田中委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤ゆかり君。
○佐藤(ゆ)委員 おはようございます。自由民主党の佐藤ゆかりでございます。
 本日は、まず、一番目の質問の時間をちょうだいしましたことを心よりお礼を申し上げます。
 今回の金融危機におきましては、昨日は日経平均株価が七千円を一時割れるなどの非常に二十六年ぶりの安値をつけたわけでありますけれども、アメリカ発の金融危機が、我が国の金融市場においてもいまだ収束の兆しというのは見られておりません。
 そうした中で、金融危機の影響が実体経済を直撃するような二次災害を我が国においてどのように抑えていくか、そのために中小零細企業に対する貸し渋り、貸しはがしをどのように抑えるか、そういう問題が急遽浮上しているわけでございますけれども、そうした中で、黒字倒産を何とか防ぐ、そういう意味からもこの金融機能強化法の改正というのが非常に重要な課題となってきているのではないかと思われるわけでございます。
 本日は、二十分という短い時間でございますので、時間の許す限り、その関連、また別の、金融危機対策という大きな課題につきましても少し、合計四問程度御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、金融機能強化法の改正についてお伺いをさせていただきたいと思います。今国会に提出されておりますこの改正案でございますけれども、かつて、二〇〇一年のITバブル崩壊後に多発した貸し渋り、貸しはがしへの対応策として公的資金注入の枠を設けたわけでありますが、ことし三月に失効して、今回、改正案で三年延長をするというものでございます。
 対象となる金融機関は破綻をしていない金融機関ということでありますけれども、今回の主な改正点というのは、この公的資金注入の政府保証枠を従来の二兆円から十兆円枠程度に拡大するというようなことが検討課題として上がっているようでありますが、主な改正点としては、銀行の経営責任あるいは株主の責任、これを明確化しない、一律要件として明確化を求めないということが一つあります。
 そしてまた同時に、組織再編成を伴わない場合のリストラや自力資本調達などの加重要件を課さない、そういう点を置いたことでありますけれども、やはり一つ気になりますのは、国民の税金を使って公的資金を投入するということであるならば、やはりこの新しい枠組みの中でどのようにモラルハザードの回避を担保できるスキームがビルトインされているのか、その点について金融副大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
○谷本副大臣 佐藤委員の御質問にお答えさせていただきます。
 今回の金融機能強化法の見直しは、世界的な金融市場の混乱を初めとする外的な環境変化によって適切な金融仲介機能の発揮が妨げられないように、金融機関の資本基盤の強化を積極的に図るものであります。したがって、一定の数値基準等のみをもって一律に経営責任の明確化を求める制度や、組織再編成を伴わない場合に一律にリストラ、自力資本調達などを求める制度については見直すこととしております。
 ただし、委員おっしゃるように、国の資本参加を受ける以上、モラルハザードを招かないように、責任ある経営がなされることは大原則であるというふうに考えております。
 このため、例えば、申請時に責任ある経営体制の確保を図るための枠組みを内閣府令において設けるとともに、資本参加後は、経営強化計画の履行状況をフォローアップし、必要に応じて監督上の措置を講じていくことにより、責任ある経営が行われることを確保していく、こういうふうに考えております。
○佐藤(ゆ)委員 ありがとうございます。
 ぜひ税金の無駄遣いにならないように、しかしながら、同時に難しいのは、やはり前回この法律の活用例が非常に少なかったということもありますから、ぜひとも利便性の高いものにも同時にしていただきたいと思います。
 次の質問に移りたいと思います。
 緊急市場安定化策という、また、政府の方からそのような策の策定に向けた方向性が別途打ち出されているとおりでありますが、その中の一つに銀行等保有株式取得機構の再開なども触れられているわけであります。先般、日銀も銀行保有株の買い取りについては検討を始めるというような方向性を打ち出されたとおりでありますが、この銀行等保有株式の取得について少しお伺いをしたいと思います。
 金融危機の状態になりますと、市場での流動性リスクというのは非常に極端に高まるわけであります。その結果、証券価格の時価評価というのは著しく低下するのが通常でございます。したがいまして、企業の本来のいわゆる企業価値、すなわち将来的な収益性に基づくフェアバリューですけれども、いわゆる証券の理論値を著しく下回るような市場価格形成というものがなされることがあるわけでございます。
 今回、緊急市場安定化策として、銀行等保有株式取得機構や日銀によって銀行の保有株の買い取りの復活の方向性が打ち出されたわけでありますけれども、この買い取り価格についてどのようなお考えがおありになるか、お伺いしたいと思います。
 といいますのは、前回、二〇〇一年に、この取得機構が発足された以降の買い取りにおいては時価において買い取りがなされたというふうに記憶しているわけでありますが、私は、今回、この金融危機の規模の大きさを考えますと、フェアバリュー(理論値)での買い取りを行うのが望ましいのではないかと思うわけでありますが、お考えを金融大臣にお伺いしたいと思います。
○中川国務大臣 金融商品の公正価値、フェアバリューというのは、いわゆる時価、こう言っておりますけれども、これは実際にいろいろな形の有価証券の取引、売買があるわけでありますから、やり方は一つではないというふうに考えております。
 例えば上場株式のようにきちっとしたマーケットがあって、きょうも七千四百四十円ぐらいといういいスタートを切っているようでありますけれども、東京証券取引所のようなところできちっと取引がされる、つまり、市場に十分な取引がある場合は、これは市場価格というものできちっと決められていく、その中で高くなったり安くなったりということだろうと思います。
 そしてまた、適当な市場価格がない場合に、例えば、いろいろな金融商品、特に最近よく出てきているような金融商品等については、専門家の御判断に基づいて合理的に算定された価格、いわゆる理論値というもので取引していくことになるんだろうというふうに考えております。
○佐藤(ゆ)委員 実際、アメリカでは、今度政府が、銀行の不良債権の買い取りで七千億ドル程度、今発表しているわけでありますけれども、この間、FRBのバーナンキ議長も、この不良債権の買い取りについてはフェアバリューで行うというふうに方向性を出しているとおりであります。ぜひ、銀行等保有株式の取得につきましても、これは市場価格形成がなされているものであっても、流動性リスクの高まりからフェアバリューを大幅に下回る現象が起きているわけでありますから、フェアバリューでの買い取り、そのことによって、時価とフェアバリューとの価格差が銀行にとっては買い取りの際のいわゆる評価益になるわけですから、間接的な資本増強という意味合いも出てきますので、ぜひこのフェアバリューでの買い取りを今回は御検討いただきたいと思います。
 それから、次の質問に移らせていただきたいのですが、次は空売り規制の強化でございます。
 これも緊急市場安定化策の中で盛り込む方向性が政府によって打ち出されてきたわけであります。実は、九月十五日に、リーマン・ショックが起きたその日に、私は、自民党の総裁選で、ある陣営の中で政策を策定させていただいておりましたが、「金融ニューディール政策」というものをその翌日に打ち出させていただきました。その中で、空売り規制の強化、いわゆるネーキッド・ショート・セルという、現物株の手だてのないままの空売りの発注というものは禁止をすべきであるということを打ち出させていただいているわけでありますけれども、今回、ようやく政府の案の中でも、そのいわゆるネーキッド・ショート・セルに対する規制強化というものが方向性として打ち出されたわけであります。
 実際にリーマン・ショックのころも、欧米の諸国を見ますと、アメリカは当然空売り規制強化をしたわけでありますが、アメリカに次いでイギリスやドイツやフランスやイタリアもすべて、九月に、そのリーマン・ショックの直後に空売り規制を強化しているわけであります。こういう中で、中川大臣の方はきのうようやく空売り規制を強化されるという発表をされて、それを受けてだと思いますけれども、株式市場も五日ぶりに反転をしたわけであります。
 やはりマーケットの見方は、空売り規制が強化されるということで買い戻しが入ったというようなこともあるわけでありますが、そういう中で、我が国の空売り規制の強化が今の段階になって政府の方から出てくるということは、諸外国が空売り規制を、欧米で一応軒並み九月に導入しているときに、やはり遅過ぎたのではないかという気がしてならないわけであります。
 九月中旬当初、私はこの話を金融庁の方にしていたわけでありますけれども、そのあたりの見解を金融庁の方にお伺いしたいと思います。
○内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 我が国におきましては、従来より、全上場株式につきまして直前の価格以下での空売りを禁止した価格規制等が存在してございまして、国際的に考えますと、かなり強い空売りに係る規制を堅持してまいったところでございまして、市場の監視体制を強化していたところでございます。
 現状、我が国におきましては、必ずしも空売りが顕著に増加しているといった事情にはございませんけれども、現下の株式市場の状況及び諸外国における空売り規制強化の動き等を踏まえまして、今般、受け渡し不履行の防止や透明性の確保等の観点から、時限的かつ緊急的な措置として空売り規制の強化を図ったものでございます。
 金融庁といたしましては、今後とも、諸外国と協調しつつ、空売り規制の厳正な執行を含めた市場動向の監視を徹底し、違反行為には厳正に対処していく所存でございます。
○佐藤(ゆ)委員 空売りが我が国においてそれほど大きな量になっていないという御答弁でありましたけれども、やはり株式市場における取引の二割は空売りであるというふうに伺っております。また、私の証券時代の、金融業界時代の知人に聞きましても、大手外資系証券ですけれども、トレーディング部門のヘッドですが、やはり我が国において、この人一人が見るフローにおいても毎週複数件の空売りのフェールが起きているということは、実際、市場関係者が言っているわけですね。ですから、やはりこれはきっちりと強化をして、ネーキッド・ショート・セルが現物の手だてなしのままで行われることのないように、こういう金融危機の状況ですから、ぜひお願いをしたいと思います。
 それから、最後の質問になりますけれども、これは、こういう百年に一度と言われる金融危機の事態がアメリカ発で起きたわけでありますけれども、今後、証券化ビジネスに対する影響、そしてその証券化ビジネスを取り巻く金融行政のあり方という少し大きな問題にはなりますが、御見解をお伺いしたいというふうに思っております。
 今回、この金融危機というのは、証券化市場の監督のあり方についてやや問題を提起したのではないかというふうに考えているわけでありますが、特にクレジット・デフォルト・スワップとか、あるいはモーゲージなどのいわゆる債務担保証券、CDSとかCDOなど、こういったものの発達によって証券化商品が流通しまして、これは投資家の観点からすれば、リスク分散機能が飛躍的に拡大したということで、リスク資産の買い手が増大したというインパクトが、好影響があったわけでありますけれども、その一方で、水面下で、債務者や発行体などのいわゆるリスク資産の売り手側の方からすると、債務が未曾有に拡大できるような門戸を開いたというような結果にもなったと思います。ですから、証券化商品の拡大というのは、売り手と買い手で両方プラスマイナスがあったのではないかというふうに思われるわけでありますが、特に証券化に証券化を繰り返したようなレバレッジの高い商品では、格付会社すらも正しい証券化商品の格付がままならないような状況に陥ったわけであります。
 そこで、この証券化商品というのを仮にマネーに置きかえると、証券化商品の拡大によるレバレッジの拡大というのは、例えば信用創造によってマネーが拡大するプロセスとやや類するものがあるのではないかというふうに思われるわけであります。そうであるならば、マネーの場合には、当然、通貨の番人として日銀がマネーサプライのコントロールのためにベースマネーを監視しているわけですね。そうであるならば、この証券化市場においては、証券市場の番人である金融庁が、やはり今後の監督のあり方として、証券化商品のベースとなる裏づけ資産の発行状態、こういうものをきっちりと監視する、それが大切ではないか、今回の教訓となったのではないかと思われるわけでありますが、このあたり、現状の監督体制、そして今後どのようにこの証券化商品の監督をしていくべきなのか、やや大きな問題ではありますけれども、最後に金融大臣にお伺いしたいと思います。
○中川国務大臣 佐藤委員御指摘のように、今回の、日本も影響が出ておりますアメリカのサブプライムローンを発端とする世界的な金融危機、日本はその大きさというのは比較的まだ小さいわけでございますけれども、しかし、世界的に非常に大きな問題になっているわけであります。
 原因は何かということは申し上げませんし、もう佐藤委員はよく御存じだろうと思っておりますが、御指摘のように、最初は普通の住宅ローンだったものが何段階にも商品化され、そして世界に拡散をしていって、結果的に何が何だかわからないまま膨れ上がっていって、上がっているうちはまだいいんでしょうけれども、これが、住宅着工あるいは販売件数の頭打ちだ、やれ債務者が支払いをできなくなったとかいうことが始まった途端に、今度は逆回転でぐっと落ちてきて、それがほかのものにも及び、今の状況に来ているわけであります。
 格付というものがあるわけでありますけれども、今回は格付も問題があったというふうにも私は思っているわけでございます。
 そういう意味で、金融庁といたしましては、もちろん健全な形で健全な金融商品がどんどん売買されるというのは、これは大いに結構なことだと思いますけれども、御指摘のように、余りにもレバレッジが高過ぎるとか、余りにもわけがわからないまま世界じゅうに拡散しているといったものについては、日本も含めG7でも、大変これは問題であり、反省をし、そして、この制度についてどういうふうに今後再構築していったらいいかということを今議論しているところでございまして、この前のG7の行動計画におきましても、この点について触れているところでございます。
 こうした議論、あるいはまたお詳しい佐藤委員等々の御意見も聞きながら、今後、こういうものの制度のあり方を、金融行政担当の私といたしましては、よく考えて適切な制度を、これは世界各国と連携してやっていかなければならないというふうに思っております。
○佐藤(ゆ)委員 ありがとうございます。
 ぜひ、サブプライムローンの問題が露呈しましたように、貸し出しや債券発行という、証券化の前の原資産の発行状況を監視するということが非常に大事ではないかと思いますので、そういう方向でも今後御検討いただきたいと思います。
 これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○田中委員長 次に、山本有二君。
○山本(有)委員 金融庁にお伺いします。
 サムライ債、金融機関が損失をこうむったというように報道されていますが、現在の損失額、また、サムライ債自体がどれぐらい世界で発行されているのか、そういうことに対してちょっと金融庁、お願いします。
○三國谷政府参考人 お答えいたします。
 まず、サムライ債の発行額でございますが、日本証券業協会の統計によりますと、二十年八月末で九・一兆円の発行残高と承知しているところでございます。
 なお、サムライ債を含めました有価証券は市場で流通するものでございまして、今御指摘のサムライ債の損失額につきましては、現段階では、まだちょっと計数は把握されておりません。
○山本(有)委員 アイスランドの銀行最大手のカウプシング銀行が破綻いたしまして、IMFが管理をしているということになりました。日本での発行額が五百億円、いわば実損が五百億円になったというわけであります。
 十月二十七日まで、おとついですか、銀行の大手六行の含み損というのが合計で一兆九千億円、約二兆の含み損があるなとこう思ったら、その一カ月前は逆に二兆六千億の含み益であった。あっという間に損失を抱えなきゃならぬということになる、この御時世でございます。
 この間、ノーベル賞の発表がありましたが、ポール・クルーグマンというアメリカのプリンストン大学の先生は、大恐慌への一歩だという悲観論者だそうでございまして、こういうアメリカの論者の中には、大恐慌に至る一丁目、二丁目、三丁目、四丁目、五丁目、六丁目まであると。
 一丁目が、株や不動産、為替、乱高下の中で下落していく、これが一丁目で、二丁目が個人消費が激減する、三丁目が銀行の資本不足、四丁目が設備投資の急減、五丁目が金融破綻、六丁目がハイパーインフレと失業、社会不安。この六丁目にならないように我々政治家はしっかりやっていかなきゃならぬ、こういうことになるわけですが、今回の金融機能強化のための特別措置に関する法律及び金融機関の組織再編の促進、これは、時宜を得た、いわば三丁目になるのを防ぐ大事な法案であります。
 そういうことを前提にしながら、この大恐慌への回避ということをテーマに、中川大臣等にお伺いさせていただきたいと思います。
 IMFがアイスランドに一千九百四十億円緊急融資した。これもさることながら、今度、パキスタンとウクライナにさらに緊急融資が必要とされるというような記事が躍っているわけでございますが、先ごろG7で中川大臣が、IMFへの支援、大きな新しい機能の付加、こういうものを提案された由でございます。それは、日本も貢献しよう、この金融危機に対して我々できることは最大限やっていこうというようなメッセージだと思います。
 これは、世界に、ああ、日本がこういう場面でこういう時期に初めて言ったなといってすごい高い評価を受けているわけでございまして、中川大臣のこの措置に対しては、今までにない、我々の金融場面に対するメッセージとしては最大価値が多かったものだというように高い評価をいたしておりますが、この具体案、ちょっと中川大臣から御紹介いただきたいと思います。
○中川国務大臣 山本委員から大変汗の出るようなお言葉をいただきました。本当にありがとうございます。
 先日のG7の会合で、私は、あのG7、あるいはIMFの会合、それからG20というもう少し広い場の会合、それからブッシュ大統領にも申し上げましたが、二つ申し上げました。
 一つは、九〇年代の日本の、今世界で起ころうとしている、あるいは起こっていることの経験、これをぜひ参考にしてもらいたいということを申し上げました。
 それからもう一つは、世界的にそういう状況になっているときにそれぞれの国がばらばらにやっていくと、まさにIMFができたきっかけである第二次大戦の一つの原因のような状況に、まあならないとは思いますけれども、少なくとも経済的にはなっていく可能性がある。したがいまして、IMFという、せっかくその反省の中でつくられた機関があるんだから、それを活用しようではないか。
 しかし、現在のままのIMFでは限界があって、例えば、支援を受けるにしても、自分が出した金額の範囲内でしか支援が受けられないでありますとか、あるいは、今から十年ほど前のアジア通貨危機のときに東南アジアにIMFが緊急支援的な出動をいたしましたけれども、これは、相手国から見ると大変な荒療治といいましょうか、何か、財政をよくする、金融制度を一応正常化するために、財政を初めあるいは庶民生活を初め、もうひどい目に遭ったというような印象を今でもその国々の方は持っておられるわけでありますから、今や、あのときIMFは悪者であったというようなことを言う人すらいるわけであります。
 これじゃIMFというのも機能しないわけでございますから、こういう時期であるからこそ、IMFが新しい形で、相手の本当に支援になるように、機動的に、柔軟に、そして積極的にその国に対して支援をすべきではないか。その場合には、さっき申し上げたような限度額とかそういうことだけではなくて、必要な資金は柔軟に提供すべきではないか。
 IMFには、我々の調べたところでは約二千億ドルほどの使えそうなお金があるというふうに私は判断をしましたが、万が一、仮にそれが不足しちゃうような状態になったとき、これは多分大変な状態になるんだろうと思いますけれども、そのときには、日本は外貨準備もございます、そのままドル等の外貨をIMFに貸し付けて、そしてIMFからまた困っている国に使ってもらいたいという提案をいたしました。そして、日本の提案に賛同して、うちも出すよという国があれば、ぜひ参加をしていただきたい。そして、世界じゅうが世界じゅうを助け合おうという形のIMFにぜひなってもらいたいし、そのための努力を日本はさらにする用意があるという趣旨のことを申し上げてまいりました。
○山本(有)委員 大臣のお話の中で、二つ、今までにない画期的なことがある。二十兆円にわたる拠出残高を使おうじゃないか、それを日本が主導的にやっていこうじゃないか。それは恐らく、一九九七年アジア通貨危機、それでIMFが活躍した以上のものを今度は日本がイニシアチブをとってやろうじゃないか。特に、さっき言ったアイスランドがそうですし、これからもまたウクライナ、パキスタンとかいう大変難しい国に対しても日本がやろうじゃないか。もしなくなったら、さらに追い貸しを日本がしようじゃないか。その中に、外為特会、これをも使うこと辞さずというように明言されました。
 橋本・カンター商務長官会談で、外為特会を政治家がいじくると政治家の首が飛ぶと言われる、何というか、ならわしやのろいがかかっておったわけですが、そののろいを解いた。この意味では、外為特会のタブーを破ったみたいな話になって、なかなか勇気あるじゃないか、中川大臣やるじゃないか、こういう評価も一種あるわけでございまして、大変いい傾向であるということを、もう一回汗が出るかもしれませんが、申し上げておきます。
 次に、IMFのことに関してお手元に資料を配付させていただきました。これは、サブプライム関連損失見通し試算ということを整理させてもらったんですが、簡単に言いますと、バーナンキさん、IMF、OECD、この人たちがサブプライムに対する損失を幾らと読んだかというわけであります。本当は、このほかに民間の金融機関、特に、日本に進出している大手の外資、あるいは邦銀、あるいはそのほかのアナリスト等の分析もありますが、一番ここで注目をすべきが、〇八年十月七日、一兆四千五十億ドル、ここまで損失をこのように大きく読んだのはIMFだけでありまして、私は、IMFの調査能力というのは、これは大したものだというようにこの図でも思っているわけでございます。
 ただ、中川大臣の感想を聞きたいわけでございますが、IMFが今のままでいいのかな。例えば四条協議、これは、途上国や中小零細国みたいなところにはIMFも機能するわけでありますが、今回このたびの金融不況、世界不況というのは、どうも端を発したのはアメリカである。そうすると、四条協議でアメリカが本当に調査の対象に実質なっているのかというと、アメリカ人がIMFを全部やっていて、アメリカ人がアメリカのことを調べることは、どうもアイ・キャン・ノットじゃないのかというような認識が我々にございます。
 実は、九月九日に、スノー財務長官の招きでバージニア大学へ私行ってまいりました。二十カ国の金融、財務大臣のOB会がございまして、行きましたら、IMFについての機能を、もう全く違う形で、アメリカを調査対象国とすべきだというのは、アメリカ以外の国は全部そうですよ。スペインの前のラト総裁だってそういう感覚でございますし、アメリカのサブプライム、いわゆる住宅ローンにおまえさんたちがやったんじゃないか、それをおまえさんたちが見つけられなかったのがおかしいじゃないか、それはどんな形をとってもいいから、新しい国際金融の世界の中で監視機能をどこかへ持たせようよ。それで、一番最初に彼らが考えたのはG7だったようでございますが、G7、G20にしてもちょっと難しいな、残るはIMFしかないんじゃないか、こういう方向なんですよ。
 そういう方向の中に中川大臣がすぱんと日本がリーダーシップをとったような形の意見が出たということが、今回のいわばタイムリーな話になって、私から言わせれば、IMFの機能にもう一つつけ加えるべきですよ。
 さっき佐藤さんがおっしゃったように、いわゆるSECの機能、つまり、個々の国自体の金融商品の開発における不健全性みたいなものもちょっとつけ加えて、とってつまんでみて、試験管で判断してみると、どうもこれはおかしいなということを世界の金融市場の中に持ち上げていく。日本も、こんな商品やっていいのかな、こんな投資信託でいいのかな、あるいは、こういう不動産の証券化でいいのかなというようなことを、それぞれの国がいろいろな開発をしているわけですから、これを全部、一つの影響の高いマーケットの中心の監視役としてIMFにその機能を持たせようじゃないかというようなことが必要じゃないかと思うんですよ。
 例えば、総企局長内藤さんなんか証券等監視委員会の事務局長ですよ。こういう人がIMFの中に入っていてサブプライムをしっかり見ておったら、こんなことにはならぬかったかもしれぬ。そんなふうに思うんですが、大臣どうですか。
○中川国務大臣 ブッシュ大統領もポールソン財務長官も、最近になってというか私に対して、サブプライムローンが原因であるということを、つまり、アメリカが原因であるということを公の場でおっしゃるようになりました。
 我々の十数年前、本当に長く苦しい十数年でありましたけれども、我々が誇れるのはほかの国に迷惑をかけなかったということでありますけれども、今は、どこの国が発端かは別にして、世界じゅうがみんな困っちゃっている状況にある。だからこそ、みんなで助け合っていかなければいけない、協力し合っていく、やれることをやっていこうということが必要だろうと思っております。もちろんG8議長国である日本は、G8も大事でありますし、また、G20も、今回非常に途上国、先進国一緒になって認識を共有いたしました。
 そういう意味で重要でありますけれども、やはりさっき申し上げたように、あの反省に立ってできたブレトンウッズ体制、ガット・IMF体制が、今までともすれば、調査機能、研究機能は非常にレベルが高いと素人の私でも思うわけでありますけれども、実際お金を持っているわけですから、それを機動的に今こそ使う、機能すべきではないかというふうに私自身も思っております。
 それで、使うからには、きちっとこれは、IMFが世界じゅうから集めたお金でありますから、きちっとしなければいけない。今回、アメリカに対して仮にやるとするならば、やはりそこはきちっと調査をしなければいけないというのは、これはもう当然のことだろうと思います。アメリカが受けるかどうかは、これはアメリカの判断だろうと思います。
 ただ、私は、多分山本先生と、両極端的に言うと、極論を言うと逆になっちゃうんですけれども、それをやり過ぎたのが九七年だったんじゃないのか。あれはやり過ぎ。でも、全くやらないままお金を出すというのもいけない。
 ですから、要は、東南アジアであろうが、北欧であろうが、アメリカであろうが、同じ基準できちっと調査をして分析をして、そして処方せんを決めて、出していくということを積極的にIMFがやるべきだという山本委員の意見に、私も賛成でございます。
○山本(有)委員 話をがらっとかえまして、新銀行東京のことやら中小企業融資やらお聞きしたいわけでございますが、時間も迫ってまいりました。
 これは、本当に中小企業融資というのは、さっきの、地獄に、六丁目に落ちる手前にやっておけばということばかりでございますが、特に誤解を受けるのが、融資基準をあいまいにしたり乱脈にしろという議論と融資枠を拡大するという議論が混在しつつあるということでありまして、新銀行東京も、中小企業融資に特化した銀行をつくったわけでありますが、何となく、乱脈経営、スコアリングモデル、コンピューター判断みたいな、簡単に融資できるということがいわばあだになったわけであります。
 そこで、今回しっかりこのことを整理するために、中小企業庁に来てもらっているのでお伺いしますが、責任共有という物の考え方。つまり、融資する側、銀行が二〇%つき合うよ、だから銀行の融資基準の判断に少し任せたい。ところが、二〇%の判断を銀行に任せると、相変わらず、雨の日に傘を取り上げて、晴れの日に傘を貸してくれるということにまたつながるんじゃないかというようなことが今不安視されておるわけであります。
 中小企業庁、融資枠を極端に拡大したというこの実効性、本当に中小企業に潤沢なお金を用意して、たとえデフォルトが多少あったって頑張って貸すぞ、こういうことになっているのかどうか、その責任共有についてお話をちょっと聞きたいと思います。
○横尾政府参考人 お答えいたします。
 金融機関と保証協会が適切に責任を分担することによって、金融機関が主体的に中小・小規模企業の経営を支援することを促すために、この責任共有制度を導入しております。
 ただ、その導入に当たっては、小規模企業者に負担が及ばないよう、千二百五十万円までは一〇〇%保証とする、あるいは、災害や不況などに対応したセーフティーネット保証の場合にも、一〇〇%保証とするといった工夫をしたところでございます。
 今回、今月三十一日から開始をいたします緊急保証制度におきましても、責任共有制度の対象外でございます。この保証制度では、五百四十五の業種が対象になりまして、約三分の二の中小企業、小規模企業の方が一〇〇%保証協会の保証を受けられるということになります。
 この実施に当たって、現場で制度の内容が十分徹底されるように、信用保証協会あるいは金融機関などに周知に努めてまいりたい、このように考えております。
○山本(有)委員 要は、金融庁を背景として銀行が貸付基準を厳格化して、それで邪魔するということはなくて、二〇%の責任共有というのはどうも約定レベルの話で、法律でも省令でも政令でもなくて、それぞれ一〇〇%信用保証協会が持つ、四千億の保険を出したからもっとやれるぞということで、どうも私が調べた結果、これは大丈夫なようなそんな気がいたしますので、あとはやる気、中小企業に期待いたします。
 どうもありがとうございます。
○田中委員長 次に、石井啓一君。
○石井(啓)委員 おはようございます。公明党の石井啓一でございます。
 まず、十月二十七日に総理から中川大臣に指示がございました金融市場安定化策、これについて確認をさせていただきたいと思います。
 幾つかございますけれども、その中で、株式市場の安定化策として、「銀行の株式保有制限の、弾力的運用」、こういう項目がございます。また、金融機能の一層の強化策といたしまして、「銀行の自己資本比率規制の一部弾力化」、こういう項目が盛り込まれておりますけれども、今、金融庁としてどのような検討をされていらっしゃるのか、また、いつまでに結論を出されるのか、まず、中川大臣に確認をさせていただきたいと思います。
○中川国務大臣 石井委員から今御指摘のありました、月曜日に総理から指示がありました、金融及び金融と関連いたします経済が非常に微妙な時期に来ておりますので、緊急対策を至急とれと。そのとき総理が何回も言っていたのが、もうとにかくやるべきことはすべてやり、そして、やれるものからどんどんやっていけという強い指示がございました。
 まず、「銀行の株式保有制限の、弾力的運用」でございますけれども、御承知のとおり、銀行はティア1相当額を上限とした株式保有が原則になっておりますけれども、現時点におきましては、この銀行の保有額は、ティア1相当額を上回った場合にも、現在の市場の環境にかんがみまして、承認によって保有を認めるということに、既にこれは二十七日にしたところでございます。
 それから、「銀行の自己資本比率規制の一部弾力化」、御承知のとおり、銀行の持っておる有価証券については、国内行と国際会計基準行で若干違いますけれども、この場合、一部というのは国内基準行でございますが、これについては、原則は、損が出るとその損の部分を、税の計算をした後の部分でございますけれども、根っこは、ティア1からそれを減らさなければいけない、つまり、自己資本が減ってしまうということになるわけでございますけれども、国内基準行については、有価証券の評価損をティア1から控除しないということでございます。
 現在、この作業を今専門家の先生方とも御相談しておるところでございまして、これは、多分決算のときに間に合えばいいのではないかと思っておりますけれども、いずれにしても、できるだけ早くやっていきたいと思っております。
○石井(啓)委員 米国の対応を見ても非常に実践的にやっているんですよね。時期に合わせて非常に実践的にやっています。金融庁も、早期の対応をお願いいたしたいと思います。
 次に、法律案に移りますけれども、昨日の本会議の質疑でも何人もの委員から指摘がございましたけれども、本当に中小企業への貸し出しがふえるのかしらという疑念が持たれているわけです。といいますのも、過去の資本注入ではそういうことがむしろ減ってしまったということがございますので、今回の資本注入でもふえないのではないか、こういう指摘がございます。
 そこでまず、過去の公的資本注入で中小企業への貸し出しが減った理由、これをどういうふうに分析をしているのか、この点について確認をいたしたいと思います。
 あわせて、昨日の本会議の大臣の答弁では、中小企業への信用供与の円滑化の方策を経営強化計画に盛り込んでいる、その履行状況のフォローアップを行って、場合によっては必要な監督上の措置をとる、このことによって中小企業への貸し出しがふえるようにするんだ、こういうふうに御答弁をされているんですけれども、その目標が未達成の場合でも必ずしも経営責任を問わないということになっておりますので、実効性があるのかどうか、こういう指摘がございますけれども、これについては、あわせて見解を伺いたいと思います。
○内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 まず第一点の、過去の公的資本注入で中小企業への貸出額が減った理由ということについてのお尋ねでございます。
 公的資金による資本増強のうち、中小企業向け貸し出しの増加が求められる制度となっているものについては、その履行状況について六カ月ごとに報告を求めた上で、減少となっている銀行については、その理由について改めて報告を求めるということにしております。
 そこで、中小企業向け貸し出しが減少となった資本増強行が特に多かったのは平成十三年から平成十五年ごろにかけてでございますけれども、当時の減少の主な理由といたしましては、景気や業況の悪化による資金需要の減少、貸出先企業による財務リストラのための借入金の圧縮等が挙げられていたと承知しているところでございます。
 次に、今回のこの法案、機能強化法の関連でございますが、中小企業向け貸し出しの円滑化というところでございますが、履行状況のフォローアップを行い、必要な監督上の措置をとるとしているが、未達成の場合に経営責任を問わないということからの実効性の問題についてのお尋ねでございます。
 本法案による改正後の金融機能強化法におきましても、現行法と同様に、経営強化計画につきまして資本参加の決定時に公表いたしまして、半期ごとに実施状況を報告、公表することとしており、パブリックプレッシャーのもとで、金融機関による自主的な取り組みを促すことを基本としております。
 また、金融庁は、計画の履行状況につきましてフォローアップを行うとともに、指標に改善が見られない場合には、報告徴求によりその原因を精査し、改善の努力が認められない場合には、必要に応じて、計画を履行するための監督上の措置を講ずることとしております。
 なお、今回の改正に伴う具体的な目標の設定等につきましては、金融機関が、厳しい状況に直面する地域経済、中小企業を支援し、適切な金融仲介機能を発揮できるようにすることを目的としている今回の改正の趣旨を踏まえまして、検討を進めてまいりたいと考えております。
○石井(啓)委員 その点をもう少し確認させていただきますけれども、指標に改善が見られない場合は、報告をとってその原因を明らかにする。なおかつそれでも改善がされない場合は、必要な監督上の措置をとる。恐らく業務改善命令等を出すということになると思いますけれども、それでもなおかつ指標に改善が見られない場合は、これは当然経営責任を明確化してもらう。こういうことになるというふうに理解していますけれども、それでよろしゅうございますか。
○内藤政府参考人 委員御指摘のとおり、収益性とか効率性あるいは経営体制に問題があるというような場合には、監督上の措置、報告徴求、そして業務改善命令等を講じてまいります。
 その中で、特に経営体制等の内的な問題があるというような場合には、より強い手段をとるということもあり得るというふうに考えております。
○石井(啓)委員 続いて、改正案では、自己資本の基準に達しない、いわゆる過少資本の場合でも一律に経営責任は問わないというふうにしておりますけれども、この点についてですが、今回の米国発の金融危機の影響で大幅な株安になってしまった、こういった外的な要因で過少資本に至った場合と、もう一つは、ずさんな経営体質により過少資本に至った場合、これはおのずから責任追及のあり方は異なってくると思うんです。
 後者の場合、すなわち、経営体質により過少資本に至った場合については、私は、公的資本注入の申請を行う際に経営責任を明らかにさせるべきだ、こういうふうに考えますが、いかがでしょうか。
○内藤政府参考人 お答えいたします。
 基本的にはさように考えております。今回の改正におきましては、一定の数値基準等のみをもって一律に経営責任の明確化を求める制度については見直すこととしておりますが、国の資本参加を受ける以上、モラルハザードを招かないよう、責任ある経営がなされることが大原則であると考えております。
 このため、例えば過少資本の金融機関が申請を行った場合には、申請に必要となる経営強化計画に、これまでの経営に対する分析に基づき抜本的な経営管理の体制の改善を図るための方策を記載させることによって、入り口である申請の段階でスクリーニングをかけることを考えております。
 また、仮に業務執行やリスク管理面などの面でずさんな経営体制が維持される場合には、計画の円滑、的確な実施が見込まれないとして、国の資本参加の基準を満たさないということになることを明確化することも検討しているところでございます。
 さらに、国の資本参加後の問題でございますけれども、これは、従来の枠組みと同様に、半期ごとに当局がフォローアップをする、そしてまた、収益性、効率性あるいは経営体制の関連において、必要に応じて監督上の措置を講じていく、この点については先ほど御説明したとおりでございます。
○石井(啓)委員 資本注入の難しいところは、金融機関が申請をしやすくするということときちんと経営責任を明らかにするということは、いわばトレードオフの関係にあるんですよ。資本注入の申請をしやすくすれば経営責任の明確化は少し緩めるということになるし、逆に、経営責任を余りにも厳格化すると申請が少なくなってしまう、これは非常に悩ましいところでありまして、いかにバランスをとるかというところだと思います。
 今は経営責任を緩める方ばかり何かクローズアップされているので、皆さんも本当に大丈夫かなという懸念を持っているんですけれども、今答弁があったように、そうではない、やはり責任を問うべきところはきちんと責任を問うんだということが確認をできましたので、そこの点はしっかりと運用をしていただきたい、こういうふうに思います。
 それから、大手行に対する資本注入の件を確認しておきたいと思いますけれども、改正案では大手金融機関を対象から除外しておりませんが、昨日の本会議の質問で指摘をいたしましたとおり、本来、この法律というのは、地域金融機関を対象として想定をされているはずでございます。
 特に、大手銀行が過少資本に陥った場合には、この法律の適用ではなくて、むしろ、りそな銀行のケースのように、預金保険法第百二条第一号の資本増強の措置がとられるものというふうに考えておりますけれども、この点、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○中川国務大臣 今回の法律案、御審議いただいているものは、中小企業を対象にした金融という形になっておるわけでございまして、今大変困っていらっしゃる全国の中小企業あるいは地域に対して、何とか資金面できちっと供給できるようにしようというのがこの法律の目的でございます。
 したがって、中小企業向けということだけを対象にしておりますので、当然、地元に密着した、地域のいわゆる中小金融機関もございますし、また、いわゆる大手と言われているところも、全国の支店を通じて地域の中小企業にも貸している場合も現にあるわけでございますので、必ずしも大手行を最初から外すということは考えておりません。
 ただ、石井委員御指摘のように、りそな的なものでやればいいのではないかという御指摘がございましたけれども、これはもう石井委員も御存じのことだと思いますけれども、あの預金保険法百二条第一項というのは、金融機関が破綻することによって地域の経済が大変にダメージを受ける可能性があるときに救済をするということでございます。つまり、もうこの金融機関が危ない、そして、破綻をすればその地域あるいは国全体が非常な危機になる可能性があるという場合に発動されるものでありまして、この法案は、健全な金融機関に対して、今、厳しい世界的な影響の中で頑張ってもらおう、さらに資本を注入して、そして貸し出しをしてもらおうということですから、私としては、このりそな型というのはむしろ危険なときの対応でございましたので、今回の場合には、こちらの方でやっていく方がいいのではないかというふうに思っております。
○石井(啓)委員 いや、私が確認したかったのは、大手行で、具体的に言うと八%の自己資本比率を切ってしまった場合、これは国際業務から撤退して四%にするという選択肢もあると思うんだけれども、八%を切った場合は、これはかなりいろいろな心配をされる状況、これは預金保険法の方の世界に入ってくるのではないかなというふうに私は思っているんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○中川国務大臣 八%、四%というのは、国際的ないわゆるバーゼルというルールにのっとったものでございまして、確かに、国際基準金融機関、必ずしもこれは大手行に限らないんですけれども、結構地方銀行でも、国際基準でやっている、つまり八%以上を守りながらやっている金融機関もあるわけでありますが、いわゆる八%を切るから、国際基準から落ちるからということではなくて、大手行であっても、中小企業金融に、その結果、では、何もしないことによって八%を切る、国内行になるということは、自動的に貸し出し余力も減ってしまうということにもつながってまいりますので、この法の趣旨からいえば、貸し出しを維持する、あるいはまた、さらにできることならふやすという趣旨からいえば、私は、大手行であっても、八%云々の前に、注入するということは排除していないというふうに考えております。
○石井(啓)委員 では、時間が参りましたので、最後、質問する時間がありませんのでちょっと指摘だけしておきますけれども、総理は昨日の本会議で、修正協議に積極的に応じる旨の発言をされました。この法案はやはり一日も早い成立が望まれますので、譲れる部分は大胆に修正に応じてはどうかというふうに申し上げて、私の質問を終わります。
○田中委員長 次に、大畠章宏君。
○大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。
 今回、当委員会に付託されました金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案並びに保険業法の一部を改正する法律案等に関する質問をさせていただきます。
 私は、ちょうど九〇年二月の総選挙で初めて当選させていただいた者でありますが、その当時もバブル経済、日本の土地バブルというのがありまして、中川大臣も覚えておられると思いますが、ぬれ手にアワというような言葉が世の中に飛び交いました。私も、物づくりの世界、原子力の設計部で仕事をしておりましたけれども、物づくりの世界から見れば、ぬれ手にアワとは何だろう、物づくりの世界ではぬれ手にアワなんかないんです。着実に、条件に合う製品をつくっていく。一瞬にして物はできませんから、何年もかけて、原子力発電所であれば七、八年かけてつくるということになるわけでありますが、その一方では、何の変哲もない土地を一億円で買って、半年後に二億円で売るというようなことが社会的に報道されておりました。何ということが起こるんだろう、こういう思いを持ってこの政治の世界に入りまして、まさに正直者がばかを見ない社会にしなければならない、こう思って努めてまいった次第であります。
 しかし、今度はアメリカでそういうことが起こっていた。それを起点として、日本の経済、特に物づくりの中小企業にも大きな影響を与えるという状況に至っておりますので、私は、今回の問題について、百年に一度と言われる世界的な金融危機に対して、政府としてできる限りのあらゆる安定化策を総動員せよというような指摘がございますが、私たち民主党としてもそれにしっかりとこたえていかなければならないと考えております。そのためにも早急に結論を出さなければなりませんが、先ほど石井議員からも御指摘がありましたが、野党の声にも耳を傾け、柔軟に対応することを冒頭に強く求めておきたいと思います。
 また、この法律案を成立させることは公的資金を金融機関等に注入すること、すなわち税金を投入することになりますので、当然、国民すなわち納税者の皆さんが納得する状況下で行わなければなりません。このことは、すなわち、資本注入する金融機関の情報開示、さらに、注入した金融機関の経営責任の明確化と結果的に中小企業などへの融資に回るという保証、すなわちは現在のまさに非常時における金融庁の検査マニュアルの改定などが当然ながらも求められます。これらの点が現時点での法案では不明でありますので、今後十分議論の上で、早急に結論を出されるよう強く要請しておきたいと思います。
 その上で質問に入ります。
 最初に、いろいろと事前に質問の内容について通告してございますが、大臣、基本的にこの法律、今回の措置というのは金融機関の救済なのか、それとも中小企業あるいは金融機関に預金を預けている国民の救済なのか、ここら辺がどうもいつもあいまいなまま前回も行われたように記憶しているわけでありますが、これについての大臣としての基本的な御認識をまず伺いたいと思います。
    〔委員長退席、江崎(洋)委員長代理着席〕
○中川国務大臣 私は、率直に申し上げて、金融機関が全部悪で、だからだめなんだという考えではございません。金融機関というのもそれぞれ仕事をして、何といっても国民の皆様の預金をお預かりして、そして融資とかいろいろな仕事をしているわけであります。そしてまた、そのお金を必要としている中小企業を初めとする経済活動をしている人たちがいるわけでございますので、やはり実際に大畠先生のように物づくりで頑張っている、大変立派な大きな会社でございますけれども、そういうところから中小企業まで含めて、資金が必要であればそこに金融機関が資金を提供する。そしてさらに、そこですばらしい、大畠さん作のすばらしいものができて、日本じゅう、世界じゅうの消費者やいろいろなところに渡っていくということによって日本も世界も発展をしていくというのがあるべき姿だろうというふうに思っております。
 この法律は、そういう中で、ことしの三月で実質切れていたわけでございますけれども、今の世界的な金融情勢、そしてまた実体経済へも影響が出てまいりました。そういう中で、日本にも、金融というのは一瞬にして世界を回りますので、いつ、影響が出かねない。
 あるいはまた、私は大臣目安箱というものを財務省と金融庁につくりましたけれども、全国から毎日何十通、何百通というお手紙、ファクス、メールをいただきますけれども、貸し渋りに遭っているとか困っているというような連絡もいただいているわけでありまして、また金融機関の方からもいろいろな悩み、実情なんかもいただいております。
 そういう中で、とにかく中心は、地方の頑張っている中小企業の人たちに、本当にそれを資金面、金融面から後押しをさせていただくために、国が一定の条件のもとで資本を注入するということによってそういった目的が達成できるということがこの法律の目的でございます。
○大畠委員 前回も十二兆五千億投入しましたが、結果的に、その後の経過を見ると、いわゆる中小企業に対する貸出額は、先ほど松野さんの資料を見せていただきましたが、五十兆円以上減ってしまったというような実績もあるわけです。そこら辺を考えると、今回この法律案に中小企業、中小企業と追加の文言が入っておりますが、そこら辺を反省して今回の法律案は中小企業に対する融資が滞ることなくということを考えてのお話かなと思っておりますが、現実問題、もう既に私のところに届いております、大臣のところにも目安箱でいろいろ入っているという話でありますが、中小企業の方々に対する金融引き締めで運転資金等に大変事欠くという言葉も出てきております。
 こんな中で、従業員の家族を含めて生活を維持していかなければということで金策に走っている社長さんとか、その中で、従業員を半分に減らしてでも懸命に物をつくり、社長さんみずから真っ黒くなって働いている方々の実例も私は見聞きしております。
 私は、確かに金融というのは大臣がおっしゃるように大事なものだと思いますが、最終的には、中小企業というものが継続をし、そこで働いている人のところに給料が回り、その従業員の人が家族を養う、結局、国民の生活をどう支援していくか、こういうことがこの法律案の最終目的だと思います。国の資金を注入したら途中で金融機関で消えてしまって末端まで回らないとすれば、何のための公的資金の注入かというのがわからなくなるわけでありまして、そこら辺は大臣にも十分注視をしていただきたいと思います。
 ところで、実は、書店に今は、この「ソロスは警告する」という本ですとか「金融崩壊 収束せず」「金融崩壊から景気悪化の負の連鎖 大不況」、こういう本がマスコミ界で出回っているわけです。
 特にこの「ソロスは警告する」という本の中に、私も読ませていただきましたが、この方はもう七十歳を超える方でございますけれども、投資家でありまして、一兆数千億の資産を有するということですが、この方の回顧等を見ますと、経済を行う者は歴史を勉強しろ、歴史とそして哲学を持たざる経済はいずれ破綻するということが書いてあるわけです。この中に、去年の十二月書いたものですが、アメリカの市場原理主義による経済はいずれ破綻するということがもう既に警告として入っているわけですね。
 いずれにしても、今回麻生内閣が誕生いたしました。福田内閣も国民生活を重視するということを言いながらも一年で残念ながら放棄せざるを得ないという状況になったんですが、麻生内閣というのはどっちを向いて仕事をする内閣なのかというのが私は今よくわからないんですね。小泉政権のときに、小泉改革だ小泉改革だ、こういうことで改革を標榜しまして、安倍さんもそれを後を継いだ。そして、今度は福田さんになってから、軌道修正しますという、顔だけはそっちを向いたんですが、体は相変わらず小泉改革を進んでしまった。
 麻生さんになってから、さてどんな方向に行くのかというのがよくわからないわけでございますが、私は、この際、この市場原理主義という考え方、アメリカを中心とする考え方を転換することがやはりこの状況下では必要だと考えますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○中川国務大臣 市場原理主義という言葉そのものに対しておまえは賛成か反対かと言われれば、私は、市場原理主義、市場万能というのはやはり限界を持たせなければいけませんし、まず日本という国は、困っている人がいれば家族で、周りで、そして社会で、国で、みんなで助け合っていく、そして、最終的にはセーフティーネットを国がしっかりつくっていかなければならない、そのために法律も制度も予算も公務員も要るという形だろうと思います。
 市場原理主義というのは行き着くところは多分リバイアサン的、何というんでしょうか、弱肉強食の世界でいいんだ、負けた人は、これは能力がないんだ、あるいは運もないんだということで片づけてしまうような社会では日本は今までも長い歴史なかったと思いますし、今もあってはなりませんし、これからもあってはならないというふうに思っております。
○大畠委員 基本的に私も大臣とそこの点の認識は共通するところでありますが、かつて小泉政権下で、ホリエモンですとか、世界の寵児と言われたような方もおられましたけれども、先ほどのジョージ・ソロスさんの警告でありませんが、歴史と哲学を持たない者が経済をもてあそび始めると、結局、私は、行き着くところはこういうことになるんじゃないかという感じもいたしますし、やはり実体経済というものをもっと大事にしなければと考えております。
 そこで、大臣にお伺いしたいことは、私たち民主党としても、民主党金融対策チームというのを、お手元に資料をお配りしておりますが、大塚さんという参議院議員が座長となってまとめていただきました。流動性不足対策ですとか信用収縮対策、金融システム対策、証券市場対策、その他留意事項、いろいろとまとめさせていただきましたけれども、特に資本注入する場合の経営責任の明確化や情報開示が当然必要と考えますが、この件についての大臣の御認識を伺いたいと思います。
○中川国務大臣 私も、この前の予算審議のときに、予算委員会での御質問でこの法案に関するような御質問のときに、たしか民主党の議員だったと思いますけれども、お名前は忘れましたが、民主党の今のお話は大変参考になりますと。今、ある意味では世界的危機でございますし、それを日本に及ぼさないようにするためには、党派を超えてよく議論をして、できるだけいいものをつくっていくということが大事だと思いますので、ぜひ、昔から大変高い知見をお持ちの大畠委員にはとりわけまた御指導をいただきたいというふうに思っております。
 民主党金融対策チームが取りまとめられました資本注入する場合の経営責任の明確化ということについて、もちろん、さっきから議論が出ておりますように、何でもかんでも経営責任を問わないということではないわけでありまして、ずさんな経営に対しては、これは経営責任はとってもらわなければなりません。
 ただ、今回の場合には、それと全く違う要因、外的要因もあって、もうどうしようもなく仕入れ品の値段が上がっているとか、あるいはまた世界的な金融の状況が波乱になっているとか、あるいは、残念ながらお客様、つまり国民の所得が伸びていないとか、こういった状況の中で、どこもみんな中小企業は、どこの地域ででもみんな苦しんで、そして頑張っておられるわけであります。そういう中で、多分、共通の認識をこれは持っていただけるものというふうに思っておりますので、私は、この経営責任というものは、今回は前法と違いまして、一律には問わない、こういうことにしておりますけれども、やはりとるべきものはきちっととっていかなければ、ましてこれは国民の税金を使わせていただくわけでございますので、一定の経営責任というものは当然必要になってくるだろう。
 ただし、それが余りにも、金融庁の例えば指導だとか、世の中の流れの中で、何か資本注入をちょっとでもすると、あの会社は危ないのではないかとか、そういうふうにいわゆる風評的なもので逆効果になることも、この大事な微妙な時期だけに我々としては恐れ、そして避けなければならないというふうにも思っております。
    〔江崎(洋)委員長代理退席、委員長着席〕
○大畠委員 基本的に経営責任をやはり明確にすることが、国民の理解を得ることも大事だし、今大臣がおっしゃるように、余りそれを強くすると今度はいろいろと信用を失って、いろいろ混乱もあるということですから、そこら辺をどう担保していくかというのは、ぜひ当委員会の中でも御論議をいただきたいと存ずるところであります。
 さらには、情報開示という問題。金融機関の情報開示、そういう場合にはきちっと情報開示することが大切じゃないか、前提条件として必要じゃないかということも言われているわけですが、この問題については大臣はどのような御認識か、伺いたいと思います。
○中川国務大臣 基本的に、情報開示というのは、特に国民の税金を使わせていただいている場合には必要であり、排除すべきではないと思います。
 ただ、それによって、何でもかんでも情報開示をした結果、例えば、競争している民間金融機関が不利になってしまうとか、あるいはまたお客さんの情報が流れてしまうとか、そういう弊害があってはならないと思いますので、やはり、一定の範囲内でと言うと何か後ろ向きに聞こえてしまいますので、必要なものについては、またこの制度の許す範囲においての情報開示というものは、私は、一般論としてこれは当然のことだろうというふうに思っております。
○大畠委員 今御指摘をいただいたようなもの以外は、原則として情報開示すべきだということで受けとめさせていただきます。
 続いて、具体的な課題について、何点か実例を挙げながら、中小企業庁、金融庁、法務省にもお伺いしたいと思います。
 私のところに一つの相談事がありました。一生懸命まじめにやっている企業でございますが、三年間の納期で新たな仕事を受注したんですね。その社長さんも一生懸命頑張っていますから、従来の仕事は仕事で順調にやっているんですが、新たな技術開発を含む仕事を受注しました。三千万の仕事をとって、そして三年後、完成したらそのお金が入るんですが、その間、その研究開発と、材料を買って、かつ加工して製品を仕上げるという、一言で言えば運転資金というんですか、これが必要なので、金融機関にこういう仕事を受注したんですがお金を融資してくれませんかと言ったら、今の状況下では無理です、こういう話があって、融資を拒否されてしまった。
 そこで、自分の努力の範囲内でその仕事をしようと思って、従来やっている仕事の一部の返済金を少し、一年、二年延ばして、そこに余剰金をつくって、それで材料を買って加工してこの仕事をやろうかと思ったら、金融機関から、そういうことをするとあなたの企業の信用がまた落ちますよ、ですからやらない方がいいんじゃないですかということを言われて、延期も認められないということで、結局、その仕事は、せっかく受注したんだけれども、発注者側の方にできませんからと言って返すほかないのかなという相談を受けたんですが、こういう例というのは、私は、何とも今、先ほどの大臣の答弁の趣旨からすると、おかしなことに現実はなっているんです。
 それから、銀行が、金融機関が勝手に債権を、A社、B社と言っておきますが、金融機関に転売してしまうことによってその借り手が転売先の方からおどされる、あるいは、明け渡せという、劣悪な債権回収業者にその債権が渡って、脅迫まがいの立場に追い込まれているという事例も聞いておりますけれども、こういうことに対して金融庁、中小企業庁あるいは法務省はどういう見解をお持ちか、伺いたいと思います。
○三國谷政府参考人 お答えいたします。
 まず、金融庁といたしましては、顧客に対しましてはきめ細かな対応に努めるよう、これまでも促しているところでございます。
 まず御指摘の、貸し出し条件の緩和の話がございましたが、金融機関が借り手に対しまして返済条件を緩和することも重要な手段の一つである場合もあるわけでございます。私ども、監督指針等におきまして、金融機関が貸し出し条件を緩和した場合にありましても、借り手企業の再建見通しが高い場合には、銀行法におけるリスク管理債権とはしない取り扱いが認められておりまして、検査マニュアルにおいてもこれを参照して検証することとしております。私どもといたしましては、このような取り扱いに沿いまして、今後とも適切な対応を徹底してまいりたいと考えております。
 また、金融機関との間で債権譲渡などを行う場合にありましては、顧客に対する説明に努めることが重要であると考えております。こういったことにつきましても、具体的には、監督指針等におきまして、金融機関が与信取引に関する説明態勢、あるいはそれを補完するさまざまな相談態勢、こういったことを整備することを示しているところでございます。
 また、私どもは、さまざまな手段で借り手の立場のお声もお伺いしながら、今後とも円滑な金融機能が発揮されますよう努めてまいりたいと考えております。
○横尾政府参考人 お答え申し上げます。
 現下の厳しい経済情勢のもとで、中小企業、小規模企業の資金繰りは大変厳しく、その資金繰り対策が最優先課題であると考えております。
 今般の緊急経済対策におきまして、業種を問わずすべての中小・小規模企業が利用できる三兆円規模の政府系金融機関によるセーフティーネット貸し付け、それから経営状況が厳しい業種の方が利用できます六兆円規模の緊急保証制度を盛り込んでおります。この緊急保証制度は、今月の三十一日から開始をする運びでございます。
 さらに、今先生御指摘がありました融資保証の判断におきましては、形式的な指標、数値、そういったもののみならず、中小・小規模企業の事業内容や経営の実態をよく踏まえた対応が重要であるというふうに考えております。去る十月二十二日に、全国の信用保証協会それから政府系金融機関のトップにお集まりいただきまして、二階大臣から、そういった実態を踏まえた親身な対応をするように要請をしたところでございます。
 引き続き、中小・小規模企業の金融の円滑化がなされるよう、しっかり努めてまいりたいというふうに考えております。
○深山政府参考人 先ほどお話にありましたように、金融機関から債権を譲り受けてその管理、回収を業として行うこと、これは、債権管理回収業に関する特別措置法、俗にサービサー法と言われておりますが、この法律によりまして、法務大臣の許可を受けた債権回収会社、サービサーのみに許されておりまして、これ以外の者がそうした業務を行った場合には刑事処分の対象になります。
 サービサー法では、債権回収過程の適正を確保して、過酷な取り立てや不当な取り立てによって債務者が損害をこうむることを防止するために、まず厳格な許可基準を設けておりますし、取り立て行為自体につきましても、種々の規制を設けております。
 例えば、サービサーが債権回収過程において暴力団員等を業務に従事させたり、また私生活の平穏を害するような言動によって債務者を困惑させたり、あるいは債務者の親族に債務者のかわりに弁済するよう強要することなどは、この法律によって禁止されている行為であります。これらの禁止に反して違法、不当な取り立てがされた場合には、業務改善命令のほか、業務停止命令や許可の取り消し処分によって厳正に対処することになっております。
 法務省では、サービサーに対して定期的に立入検査を実施することによりましてその業務の監督に努めているほか、個々の債務者の方々からの苦情の申し立てがあった場合にも必要な調査を行っておりまして、今後ともサービサーの業務運営が適正に確保されるように指導監督を強めていきたいと思っております。
○大畠委員 そのような基本的な考え方で臨んでいるという話でありますが、現実問題は、かなり悪質な取り立て業者のところに転売をされて、結局、もとの金融機関は、譲渡することによってリスクを回避して、まあ一言で言えば知らんぷり。そして、残された債務者が非常に追い詰められて追い詰められて、ちょっと前のころは、保険金で払えということで自殺に追い込まれているという事態も現実的にはあるわけですね。
 ですから、今お三方からお話がございましたが、この件については現実をよく注視して、どんなにきれいごとを言ったって、現実がどろどろだったら意味がないわけですから、ぜひ三者で連携をとって、そのような悲惨な実態にならないようにさらに対応をしていただきたいということを強く要望しておきます。
 それから、先ほど大臣からも非常に厳しい状況に現在あるということ、私もいろいろと調査をさせていただきましたが、まさにこれは非常事態ということでありましょう。ちょっとしたことで株価が上がったり下がったり、それにメーカーといいますか中小企業が左右されている。そして、その中で必死に物をつくり、従業員の生活を支えようとして社長さんも頑張っているというのが実態です。
 私は、こういう状況のときに、もしも先ほど大臣がおっしゃったような趣旨であれば、元本だけは凍結して金利のみを返済するという緊急処置を講ずることとか、いろいろとあるでしょうけれども、先ほどもちょっと御答弁がありましたが、この際、返済期間を延長して債務者の負担を減らしたとしても、金融機関に対する金融庁の、先ほどBIS規制の八%、四%というのがありましたが、そんなことを言っていたら、正直言って中小零細企業はこれから年末にかけてかなりの打撃を受けることは火を見るよりも明らかじゃないかと思うんです。
 したがって、この際、決してこの金融機関の状況というものに目をつぶれとは言いませんが、逆に言いますと、非常事態、戦時下に入ったとして、このような元本凍結、金利のみ返済することにするとかあるいは返済期間の延長を容認するとか、そういう非常手段をとるべきだと私は考えておりますが、金融庁としての御見解を伺います。
○谷本副大臣 ただいまの大畠委員の御質問にお答えさせていただきます。
 二十四日の財務金融委員会で小沢委員からも同趣旨の御質問がございましたので、繰り返しの部分もございますが、お許しをいただきたいというふうに思います。
 金融庁といたしましては、金融機関に対して、中小企業金融の円滑化、これを徹底していけという対応をしているところでありますが、これまでも、大臣がみずから借り手の声を聞く大臣目安箱の設置でありますとか、あるいは中小企業庁と合同で地域の中小企業者との意見を交換する交換会を開催したり、あるいは金融機関の代表者を集めて中小企業金融の円滑化に向けた要請を行ったりしてまいりました。
 その中で、確かに委員御指摘の、元本返済を凍結し金利のみを支払う、あるいは返済期限の延長を行う、こういった返済条件の緩和も重要な手段の一つであるというふうに考えております。
 委員御案内のとおり、通常は、返済条件を緩和した場合には貸し付け条件緩和債権としてリスク管理債権になってしまいますけれども、監督指針の中で、金融機関が貸し出し条件を緩和した場合であっても、借り手企業の再建見通しが高い場合には、銀行法におけるリスク管理債権とはしない取り扱いが認められております。検査マニュアルにおいてこれを参照し検証するということにしておりますので、この部分をこれからもしっかりと徹底してまいりたいと思っておりますし、その方策については、現在鋭意検討しているところでございます。
○大畠委員 大変明確な御答弁をいただいたわけですが、それをこの委員会の議事録だけに残すのではなく、まさに戦時下における金融検査マニュアルとして、非常版といいますか、地域の方では確かに先ほども申し上げたような事態にもう既に入ってきておりますので、今回の措置というのは、金融機関を守るということではなく、その金融機関を通してお金が中小企業に流れ、その中小企業で物づくりをやっている従業員の人の給与として家族を養う、そういうところに流れる血液をとめないんだということであれば、私は、この際、この非常下における金融検査マニュアルの非常版といいますか非常時版といいますか、そういうものを新たに発行すべきだと思いますが、いわゆる再見直しということについて御見解を伺いたいと思います。
○中川国務大臣 今副大臣から答弁申し上げたとおり、大畠委員の御趣旨に沿ってということでやらせていただきたいと思います。
 マニュアルにのっとっていろいろと金融監督業務をやっているわけでございますけれども、とにかくこういう趣旨でやるということを、マニュアル以前に、私から改めて職員に周知徹底をさせていただきたいと思います。
 また、マニュアルそのものにこのことを載せるかどうかについては、細かいことについては私は詳しくわかりませんので、次のマニュアルの見直しのときに向けてやっていくということになりますと、緊急マニュアルだからそれではだめだというお答えになるんだろうと思います。事務方から答弁させます。
○三國谷政府参考人 検査マニュアルの話でございますが、いずれにしても、個々の問題につきましては、そういった再建計画が実態に合った合理的な場合にどのような対応ができるか、その辺は研究してまいりたいと思います。
○大畠委員 やはり大臣通達が必要ですね。というのは、どんなに大臣から関係に話をするといっても、末端の前線基地の検査、金融庁の職員の方はマニュアルでしか仕事ができないんです。
 だから、大臣通達とかそういう文書で発行しなければ、先ほど言ったような形でなかなか、もうそういうふうにやっているんだよと言っても、現実のところではいわゆる金融というものが、血液が非常にもう流れにくくというか、流れなくなっているわけですから、大臣、ひとつ大臣通達を出すというような、これはできるはずなんですよ。金融庁はなかなか判断ができないかもしれませんが、トップは大臣ですから、せっかく財務金融大臣と両方くっつけてしまったわけですから、そのくらいの指揮権発動をして国民を救ってもらいたいと思いますが、どうでしょうか。
○中川国務大臣 先ほども副大臣が申し上げましたとおり、私、就任以来、長官以下金融庁の職員には、とにかく初めにだめありきで監督行政をやるべきではない。
 特に、こういう中小企業あるいは地方の経済の状況でございますから、金融機関が単に数字の羅列でもって判断するとか、あるいは金融機関自身の事情によって貸し出しを積極的ではなくしていくということについては、できるだけ経営者の経営の実態とか、あるいはまた地域の実情とか、あるいは経営者の能力あるいはやる気とか、そういったものを見ながら金融機関が融資等の判断ができるように、ある意味では後押しをするぐらいの気持ちでやるべきである。
 そしてまた、関係金融機関の代表の方にも来ていただきましたし、二つの役所に目安箱を、本当に多くの情報を毎日毎日いっぱいいただいております。それだけ大変なんだろうなということを実感しております。きょうもまだたくさんの情報が来ると思いますけれども、いずれにしても、先ほど局長の方からも必要があるかどうか研究をしますという答弁でございました。私も、大臣通達を出す方向で考えてみたいというふうに思っております。
○大畠委員 この件は、この法律案が成立するか成立しないかということに非常に大事なポイントにもなっていると思いますので、いつもの中川大臣のように、歯切れよく、すぱっと決断をされますよう要請しておきます。
 それから、地域における経済の問題について先ほど御質問をさせていただきましたが、この際、日本における金融の抜本対策というものが求められております。短期的対策と長期的対策というものがあると考えますが、短期的対策だけでは、これはなかなか先が見えません。政治家というのは将来展望を指し示すこと、いわゆる明るい未来なのか暗い未来なのかで大きく変わりますから、私は、中川大臣、将来展望をきちっと指し示すことは大事だと思います。この件について、大臣と日銀の方から、それぞれ御答弁をいただきたいと思います。
○中川国務大臣 金融担当大臣として、将来へ向かっての金融行政のあり方ということでよろしいのでしょうか。
 やはり、日本の国が今後どういうふうになっていくかという方向性というものをしっかり応援できるような金融、そしてそれを後押しするような金融行政をやらせていただきますということですと余りにも抽象的過ぎますが、そういう決意でございます。
 もう少し具体的に申し上げますと、短期的には、流動性の確保とか、いろいろな問題を解決していかなければなりませんし、中長期的には、金融サービスというものがまず国民の信頼を改めて引き続き将来に向かって構築し、維持していくことが大事だろうと思います。
 そしてまた、金融サービスがきめ細かく、例えば高齢社会においてもあるいは少子社会においても、日本じゅうどこに住んでいても同じようなレベルの高い金融サービスが受けられる、これは、お金を預ける方もあるいはまたお金を借りる方も、両面で質の高い金融サービスが受けられるようにしていくための金融行政というものを目指していきたいというふうに思っております。
○西村参考人 お答えさせていただきます。
 現在、米欧の金融機関の破綻などを背景に国際金融市場の緊張が著しく強まっています。こうした金融情勢は、米欧経済を初めとして世界経済に非常に大きな影響を及ぼしているということも事実であります。日本経済についても、海外経済の減速が明確化するもとで、当面停滞を続ける可能性が高いと見ております。
 先行きのリスク要因でございますけれども、景気の面では、国際金融市場や世界経済の情勢が一段と悪化しその影響が及ぶおそれがあるなど、下振れリスクが高まっているというふうに考えております。一方、物価の面では、足元、若干の低下が見込まれるものではありますが、新興国の資源需要が非常に根強いということを背景に、上振れリスクにも注意が必要であるというふうに考えております。このように不確実性が極めて高い状況におきましては、さまざまなリスク要因に十分注意するということが必要であると考えます。
 金融政策運営につきましては、経済、物価の見通しとその蓋然性、上下両方のリスク要因を丹念に点検しながら、それに応じて機動的に金融政策を行っていく方針であります。
 また、現在のように金融市場の緊張が著しく強い局面では、中央銀行としてなし得る最も重要な貢献は、やはり流動性を通じた金融市場の安定確保ということであります。そうした観点から、日本銀行は、潤沢な資金供給を実施しておるほか、ドル供給オペの導入とその拡充、国債レポ市場の流動性改善のための措置、企業金融円滑化のためのCP現先オペの積極化など、さまざまな金融調節方面での対応策を公表、実施しております。
 日本銀行としましては、今後とも、国際金融資本市場の動向を注意しつつ、我が国金融市場の安定確保に貢献していく所存であります。(発言する者あり)
○大畠委員 今御答弁を賜りましたけれども、今、小沢さんからも何するんだよという話がありましたが、もうちょっと明確な指針というものをやはり日銀としても示すべきではないかという感じを持ちました。
 さて、そういう中で、先ほどから宮澤内閣府副大臣には、冒頭からずっと聞いていただきましてありがとうございます。
 内閣府として、先ほど中川大臣からも市場原理主義政策の転換を図ることが必要だと思うという趣旨の話もいただきましたけれども、この話と、それから内需拡大というのを今求められているんですね。輸出ばかりではだめだ、日本国内の、住宅産業とか何か、内需拡大をきちっとしなきゃいかぬという指摘もございます。それから、長期展望に立つ地域経済と国民生活の安定策を示してほしいという要求もございます。
 これらをあわせて、宮澤内閣府副大臣に御答弁をお願いします。
○宮澤副大臣 多岐にわたる御質問をいただきましたけれども、まず、市場原理主義の問題、マーケット至上主義の問題でありますけれども、私は、基本的にはマーケットというのは大事だろうと思っております。多数の参加者がいて、情報を共有化して、しかもその中で価格が決まっていくということはやはり尊重していかなければいけないことだと思っております。
 ところが、アメリカ型といいますか、特にマーケットの周辺部、派生商品とかまた周辺商品の分野では、やはり強い者が弱い者からむしり取るようなところが多々見受けられる、情報が大変多い人が情報の少ない人を引き込んで得意な土俵で随分荒稼ぎするといったことも多々見受けられるということは常に頭の中に入れながら、マーケットというものとつき合っていかなければいけない。まさに原理主義そのものは認めることはできないんだろうというふうに私自身も思っております。
 それから、内需でございますけれども、現在、政府の中で第二次の経済対策ということを検討しておりますけれども、国民生活と日本経済を守るために、第一に生活者、第二に金融対策、中小零細企業等、第三に地方という三つを重点分野にした生活対策を今週中をめどにまとめようということでやっておりますが、内需という観点からしますと、やはり一番中心になるのは住宅になろうかと思います。
 住宅投資を、かなり今下降しておりますけれども、これをどうやってふやしていくのか。世界経済がなかなか難しい中で、やはり日本の住宅投資をどう活性化するかということが非常に大事だろうと思っております。住宅投資となりますとまさに減税でございまして、住宅ローン減税の拡充を柱にいたしまして、これから、例えばリフォーム、また長寿命住宅、二百年住宅等々という必要な施策がございますので、そういうものをあわせて柱にしていきたいというふうに考えております。
 それから、三点目が地方経済についての御質問でございますけれども、さっきちょっと申し上げましたように、今回の対策の一つの柱には地方ということをしております。
 ただ一方で、これまでの動きを見ていますと、地域がなかなか、若者が住んでそこで生活をして一生を送るという夢を持てない地域が多数出てきているということは、やはり大変問題だろうと思います。かつては農業だったと思います。また、その次には土木建築業といったことで、その生まれた地域で生活して一生を送れるというある程度の図がかけたのが、今がらがら崩れているという中で、やはり生まれた地域で仕事があってそして生活ができる、そういう大きな政策転換といったものを、もう少し知恵を出しながら考えていかなければいけないのかなと個人的には思っております。
 以上でございます。
○大畠委員 ありがとうございました。
 もう一問ありましたが、時間でありますからこれで質問を終わりますが、ぜひ中川大臣には、この委員会で真剣に論議して、柔軟に対応しながら、早急に取りまとめて、この法律案が成立するようにさらに努めていただきたいということを要請しまして、質問を終わります。
○田中委員長 次に、古本伸一郎君。
○古本委員 民主党の古本伸一郎でございます。
 大臣におかれましては、御就任おめでとうございました。
 重要広範というふうに伺っておりますので、ぜひ充実した審議をしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 まず、昨日の本会議でも我が党の中川筆頭の方から御指摘があったと思うんですが、与謝野さんが、ハチに刺された程度だ、今回のサブプライムの話、きょうちょっと私も失念いたしておりまして、与謝野さんにお越しいただくには理事会協議が要るということで、ちょっとお願いをするのを忘れておりましたので、本人がいない中でなんですが、中川さんの受けとめでいきますと、大体何に刺された程度だと受けとめですか。
○中川国務大臣 たしか与謝野大臣がハチに刺された程度だとおっしゃったのは、リーマンのときのことでしたか。(古本委員「サブプライム全体の話です」と呼ぶ)サブプライム全体の問題ですか。(古本委員「あのきっかけのときです」と呼ぶ)いつごろおっしゃったんでしたっけ。(古本委員「あの話のきっかけのときです、最初のときです」と呼ぶ)いつごろ。(古本委員「サブプライム全体の話です、サブプライム問題です」と呼ぶ)だから、済みません、質問して恐縮なんですけれども、いつごろ御発言されたかによってまた状況が違うと思うので、済みません、お願いします。
○古本委員 では、少し置きかえますと、サブプライムに端を発した、証券化商品に端を発した、今日的な混乱を招いている我が国の金融市場における状況は大体どういうふうにごらんになるか、一言でお願いします。何に刺された程度ですか。
○中川国務大臣 現時点の日本のアメリカ発サブプライムローン問題に端を発した金融そしてまた経済の状況というのは、日本の経済状態が、そのサブプライムローン問題が起こる前の世界に比べて非常に成長が遅かったという状況もある中でのこの問題でございますから、じわじわとこの問題が外から日本に対して押し寄せてきているということで、何に刺されたかというと、うまい例えが出ませんけれども、これから本当に命にもかかわるような、クマンバチというのですか、ああいうものに刺されてショック死しないようにするために今全力を挙げて頑張っているというのが、私の今、御質問に対しての浮かんだ答えでございます。
○古本委員 御本人がいらっしゃらないのであれですけれども、私は与謝野さんというのは非常に洒脱な方だと思っていまして、そういう意味では、あの局面で、何とか政治からの強烈なメッセージとしてそのように表現なさったと受けとめるんですね。
 それで、今クマンバチという話でありましたが、昨日、その与謝野さんが記者会見でこうおっしゃっています。金利の問題ですけれども、欧州中央銀行総裁が追加利下げを示唆したことに絡んでこう言われています。各国中央銀行が利下げしたときに日本も下げるのは、国際協調の重要なあかしを立てるという意味で大事だ、つまり下げるべきだ、こういうふうにおっしゃった。と同時に、政策金利を〇・五%から〇・二五%に下げたとしても、企業に突然設備投資意欲が出てくるわけでもない、実体経済に対する効果は全くない、こうおっしゃっているんです。これもなかなか洒脱なメッセージなんだろうなと受けとめております。
 つまり、明後日ですか、政策決定会合、きょうはブラックアウト期間ということで残念ながら総裁にはお越しいただけませんでしたが、これは中川さん、どうでしょうか。つまり、〇・二五では足りないということを言っておられるんじゃないでしょうか。同じ閣内にいらっしゃる、しかも、今回の全体の対策を打っていくかなめの大臣として、こう会見されておられますけれども、印象を聞かせていただけますか。
○中川国務大臣 私の立場では二点申し上げておかなければいけないと思います。
 一点目は、私は金融庁という金融行政を担当しておりますけれども、今の利下げというのは金融政策の一番コアの部分の業務でございまして、これは政府とは完全に独立した日本銀行の所掌していることでございますので、私から政策金利がどうあるべきだということは答えを控えなければならないということが第一点目でございます。
 それから、今御指摘のように、与謝野大臣は大変頭がよくて洒脱な方でございますだけに、あの方の真意を私が理解できるかどうかというのは大変自信がございませんので、できれば、与謝野大臣に直接お伺いを受けた方が正確ではないかというふうに思います。
○古本委員 委員長のお許しをいただいて資料をお配りいたしております。ちょっと手書きでナンバリングをいたしておりますので見づろうございますが、資料の十八、十九をごらんいただきたいと思います。今回の、まさに中小零細の全国の経営者の皆様並びにその従業員、御家族に、本当に今大変な思いをされている中での、まさに国としての支援をどうするかという大変な法案の議論に入っているわけでありますが、これは日本銀行から出していただいております。
 副総裁、資産運用残高の推移ということでありますが、国内銀行は、この十年間、九九年から二〇〇八年の三月まで、貸出金の残高はふえていますか減っていますか。それで、どのくらい減ったんでしょうか。
○西村参考人 お答え申し上げます。
 数字でごらんになればわかるとおり、一九九九年には四百七十二兆円であったものが、二〇〇八年の三月では四百十九兆円に低下しております。
○古本委員 では、あわせて、有価証券の残高、つまり、金融機関が運用に回した、証券投資に回したという残高でありますが、この間にふえたのか減ったのか、数字で答えていただけますか。
○西村参考人 お答え申し上げます。
 先ほどは国内銀行の数字で申し上げました。今回も国内銀行の数字で申し上げますと、一九九九年の三月においては百二十二・六兆円であったものが、二〇〇八年の三月では百八十五兆円に増加しております。
○古本委員 続いて、資料の十九をごらんいただきたいと思います。話題になっております中小への貸し出しということでまいりますと、この間、残高ベースで中小はふえていますか減っていますか、数字で答えてください。
○西村参考人 お答え申し上げます。
 国内銀行の貸出残高のうち中小企業向けは、一九九九年の三月では二百三十五・三兆円であったものが、二〇〇八年三月では百八十四・四兆円に減少しております。
○古本委員 今お答えいただいたとおり、大体五十兆円オーダーで貸出金残高が減り、そして有価証券に回したのが大体六十兆円オーダーでふえている、こういう話になります。
 この間に、まさに二〇〇六年の量的緩和の解除後、日本経済がどうなったかという議論に入るわけでありますが、これは、本当にお金を必要としているところに回らずに、実はだぶついていたのは金融機関だけであって、行き場を失ったお金がこういった形で投資に回った、しかも大変リスク商品に回ってしまったというのが、今日的な問題の一つの原因だと思うんです。
 実は、けさの新聞を見ておりますと、これは朝日になりますけれども、「金融強化法、改正案審議入り」ということでありますが、「地銀「貸す先がない」」これは新聞記事ですから。ちなみに紹介しておきますと、当の地銀の受けとめ方は、「四国の地銀関係者は「経営責任を問わないというが、実態はどうなるか」といぶかる。東海地方の地銀幹部は「手を挙げたら、結局は金融庁主導で数値目標を設定させられるのでは」。」貸し渋り防止に対しても、「「地域経済の低迷で、貸したくても貸す先がなく頭を抱えている」(近畿の地銀)」と望み薄、こういうことになっていまして、本件の恐らく最大の判断のポイントになるのは、本当に中小零細に回るんだろうかということなんです。
 さて、そこで大臣にお尋ねしますが、預貸率を今回の注入によって各行に目標設定を求めますか。
○中川国務大臣 まず、今のお話を聞いておりまして、確かに私の目安箱にも、借りたいんだけれども借りられないんだというものが多いんですけれども、逆に中小金融機関の方は、貸したいんだけれども貸し先がないんだよねというのもございまして、つまりこれは、長い間のあのバブル崩壊以来の三つの過剰の一つである負債整理というものにもう何年もかかって企業は苦労して、そして、大体それが大分進んだんだろうというふうに思っておりますけれども、もちろん、借りたくても借りられないという方も非常に多いと思います。しかし、貸したくても貸せない、あるいはまた借りなくてもいいやという企業も、どうも私のところに来るものを見ると、借りたい方が多いのでありますけれども、そういうものもあるんだろうと思います。
 いろいろなこういう今混沌とした、そしてまた毎日が非常に複雑微妙な、緊張感を持たなければいけない状況でございますから、今おっしゃったように、貸せる企業がないとか、いろいろなものがある。あるいは、注入したら何か悪いうわさが立つんじゃないかとか、そういう御懸念もある意味では当然だろうと思います。それらを我々は払拭しなければいけないと思います。
 いずれにしても、今回の注入を仮にする場合には、預貸率というものについては特に条件とはしておりません。
○古本委員 今、預貸率の目標は付与しないということでよろしいですね。(中川国務大臣「条件にはしない」と呼ぶ)条件にはしないということですね。そうしますと、現行法、三末で切れておりますこの強化法、これの改正案ということであります。
 金融庁の方からいただいた資料十五番をごらんいただきたいと思いますが、これが、話題になっております経営強化計画のひな形であります。これに基づいて各行から申請をいただいて、金融庁にて判断をするという、これは古い方です。これを書きかえて、今回新しく府省令に書き直すということでありますが、まだ法律ができていないので、これがないということで古いものしかいただけませんでしたが、これでいきますと、第五、第七の書きぶりがどうなるかということが恐らく問われるんだと思います。
 今、課題提起いたしましたのは、第七の「地域における経済の活性化に資する方策」ということでありまして、資料の十七、「中小企業又は地元事業者に対する信用供与の残高の総資産に占める割合及び経営改善支援等取組先企業の数の取引先の企業の総数に占める割合を含む」云々を「指標として掲げ、」ということなんですね。ですからこれは、各行が本当に中小零細に貸したかどうかを、極端に言えば、百億を資本注入した銀行が右から左に百億中小企業に回ったならば、極めてわかりやすいですよね。つまり、こういうトレースができるかどうかということなんですよ。
 ところが、この経営強化計画の府省令はいまだできていないということで国会には出していただけませんので、どうなるかわからない。少なくともお示しいただいているのは、六カ月に一回のチェックだけである。
 大臣、先日来、与党の先生も中小に回せとおっしゃっているわけですから、これはデーリーでもチェックしたらどうですか。デーリーが無理でも、せめてウイークリーでも、本当にお金が回ったかどうかトレースできるんじゃないでしょうか。半年に一回ですよ。百億円突っ込んだ銀行が本当にそれを中小に回したかどうか半年先にチェックします、こんなことでいいんでしょうか。
○内藤政府参考人 お答えいたします。
 まず、現行の制度でございますが、今委員御指摘のとおり、中小企業または地元事業者に対する信用供与の残高の総資産に対する割合、こういったものを指標といたしまして経営強化計画をつくり、それを監視していくということでございます。
 それから、金融機関がやはり半期ごとに決算をしっかりしたものをつくって出してまいりますので、それを踏まえてチェックをし、この履行状況をきちっとチェックするということでございまして、もっと頻繁にというふうな御指摘でございますけれども、それは必ずしもしっかり資産査定をされたというようなものでもございませんし、その数字についてそれぞれの金融機関の事情もあろうかと思いますので、これについては、私どもとしては、半期ごとにまず基本的には計画の進捗状況を報告するという現行制度を踏まえながら今後も対応していくのが適当ではないかというふうに考うております。
 ただし、こういう監視の中で、私どもとしては、密接にフォローアップをしてまいりまして、問題がある、特に内生的な経営の問題があるというようなときには、業務改善命令等も含めた厳しい対応を考える、そういうことも必要だというふうに考えております。
○古本委員 いや、これは実務的な話じゃないんですよ、大臣。与党の先生方も、まさに中小に本当に回るんだろうかということで、さっきもだれかのときに拍手が出ていたじゃないですか。
 つまり、今回、仮にあるA行に百億突っ込んだならば、そのA行は、その百億円のうち一体どのぐらいの目標で預貸率に回すのかということをたがをはめておかないと、結局、またぞろ預証率が上がっただけでは話にならないんじゃないですか。なぜならば、当の地銀が借り手がいないと言っているんですから。借りたい人は山といますよ。だけれども、リスクをとりたくない銀行が貸してくれないんですよ。それが今の日本の実態でしょう。つまりは、大臣に、預貸率の目標を掲げるごときの決意はありますかと聞いているんです。
○中川国務大臣 今の御質問はちょっと理解ができないのは、借り手がいない場合と、借りたいけれども貸してくれないという場合で資本注入を同じようにするか、あるいは同じように預貸率ではかっていいのかということは全く別問題だろうと思うんですね。
 要するに、預貸率というのは、多分今御指摘のように、ほかの先生方からもお話しありますが、自分はこの法の趣旨にのっとって中小企業向けにお金を貸しますから、ひとつ資本充実のために公的資金を借りたいと言って、審査をして借りた。その結果、半年後であろうが、チェックすれば必ずわかる話でありますから、どんぶり勘定の中とはいえ、その間の貸す方の状況というものを見て、これが逆に貸しはがしが起こっちゃって融資の量が全然ふえていない、貸しはがしが何か一層ひどくなっているなんということがわかれば、これはやはりきちっとした説明を求めなければいけない、これはもう当然のことだろうと思います。
○古本委員 つまり、半年に一回のその検査でそれは事足りる、こういうことでよろしいでしょうか。
○中川国務大臣 やったかどうかについては、データをきちっと金融機関としては残さなければいけないですから、それは、半年であってもいいとは言いませんけれども、半年でも十分さかのぼって調査はできると思います。
○古本委員 いいとは思わないということは、もうちょっとピッチを縮めた方がいいという御感想ですか、御希望ですか。
○中川国務大臣 毎日とは言わないがとおっしゃいましたけれども、一年じゃ長過ぎるし、毎日、一週間じゃ短過ぎるしというところで、ちょっと無責任っぽく聞こえるかもしれませんけれども、半年に一遍でもこれをチェックするということは、やはり借り手側の金融機関にとっては、十分私はある意味では抑止になるのではないかというふうに考えます。
○古本委員 これはぜひ同僚議員も与党の先生方も、今後議論をしていただく中で、結局、先ほど日銀に数字を言っていただいたように、本当は金融機関はお金が余っていた。一方で、貸し出しの残高は減っていたんです。そして投資に回してしまった。こういう実態を数字として言っていただいた上で、今回、幾ら二兆円、巷間十兆円に拡大といううわさもありますけれども、幾ら突っ込んでも、またぞろ証券化商品にしか回らないようでは、せっかくのお金が水の泡になりますね。
 その意味において、本当に回るかどうかのこのフォローの仕方については、別途府省令でとまた言うんですけれども、これは大臣としての、改めて最後にもう一回だけ聞いておきます。一年で一回の検査では長過ぎるし、デーリーはちょっと金融機関も煩雑になるだろうし、役所も大変だろうし、中をとって半年ですという話なんですが、違う、さっきそうおっしゃいましたよ。
 では、その期間というよりも、このひな形も含めて府省令に今後落としていくときに、いかにトレースするか、実際に突っ込んだお金が本当に回ったかのトレーサビリティー、どうやってトレースしていくかというところについて、今の段階で何か妙案はありますか。
○中川国務大臣 別勘定にするということも金融の常識としてはなかなか難しいと思いますし、ただ、やはりそこは、半年に一遍、場合によっては緊急であればいつでも行けるわけでありますけれども、注入したお金がどうなったんだということを当然説明を聞くわけでありますし、行く方もプロでありますから、そこできちっとしたチェックはしなければいけないし、また、私は、それを前提にした法律でございますから、するべきですし、しなければいけないと思っております。
○古本委員 同時に、貸し出しの上限も大臣の腹づもりを聞いておきたいと思うんです。
 仮に、今言っておられる、今年度の予算総則ベースでいけば二兆円ですね。この二兆円を、対象行が、メガと地銀を合わせて百十数行、それから信金、信組を入れて全体で五百五、六十行多分あると思うんですけれども、これに、今話題になっています農林中金等々の中央機関を入れて五百七十ぐらいでしょうか。大体このうち何行ぐらいがこれを利用されるというもくろみですか。感覚ですよ、今大体大臣として。相場観で結構ですよ。
○中川国務大臣 いや、相場観は全くありません。したがって、さっきから二兆というお金が現に、法律は切れておりますけれども、残っていることは事実でありますけれども、よく言われる十兆とか二兆とか何兆とかというのは、私の頭の中には全く二兆も十兆も現時点ではないわけで、むしろ、この趣旨を理解して、必要ないという方がいらっしゃればこれは一番いいのですけれども、資金繰りに困らなくて。資金繰りに困って、でも頑張って中小企業に融資したいと思っている金融機関の方に用立てていただきたい、そしてそれは、決して変なうわさが立つような金融機関ではないんだという形でお使いいただければありがたいなという定性的な意識はございますけれども、さて相場観は幾らかなということについては、足りなくなっちゃってまた手続するのも面倒くさいですから、多ければ多いほどいいやと思うと、そんなに積んでおくと、では、日本の金融機関というのは全体としてそんなに心配なのかなと今度また逆に思われちゃったりして、今非常に悩んでいるところでございます。
○古本委員 資料の九をごらんいただきたいと思うんですが、政府保証、第四十五条でありますが、「国会の議決を経た金額の範囲内において、」「係る債務の保証をすることができる。」こういうことでありますね。対象が五百六十から七十行ぐらいある中で、最終的に申請がどれだけ上がってくるかによりますけれども、何となれば、一行当たりの上限は設けない、こういうことでよろしいのでしょうか。
○中川国務大臣 一行当たりの資本注入枠というのでしょうか、これは設けません。
○古本委員 ということは、仮に二兆円として、ある特定の行にほぼ全額入って、残りは申請がなかったという場合も、それはあり得べし、こういうことでしょうか。
○中川国務大臣 今の例は、二兆円だけ用意してあって、一行しか手を挙げない、それで二兆円という場合ですね。経営強化計画あるいは審査会等々の手続を踏んで適正であれば、別に全部という意味じゃなくて、二兆円必要だという判断が出てくれば、そういうこともあり得ると思います。
○古本委員 資料の十一、十二、十三あたりをごらんいただきたいと思うんですが、これは、全国の農協さんの一組合当たり平均の事業内容なんですよ。
 今話題になっている農林中金は、もうここの委員の皆様に申し上げるまでもなく、農家の皆様あるいは漁業の皆様からお預かりしたお金を、県信連を介して農林中金に集め、運用し、そして配当をお支払いしていく、こういうビジネスモデルですよね。こういうことになっているんですが、実質的には、やはり農業関係、生活その他、農家の方々に密接した分野における収益は赤字なんです。それを賄う分野として、まさに、信用を中心にあるいは共済を中心に支えているというこのビジネスのモデルがあるわけです。こういう中で、では、その集めたお金を、ある意味大変な高利回りで回さなきゃいけないという強烈なミッションがこの農林中金にはあったんだろうと思われます。
 資料の十二、十三をごらんいただきたいと思うんですが、今話題になっています証券化商品です。ですから、含むサブプライム商品ということだと思うんですが、残高ベースで七兆円余の運用をなさっておられるようでありますが、これは資料の十四でごらんをいただきますとさらに鮮明になりますが、アニュアルレポートを見ますと、有報の種別保有残高、国際業務部門、海外のウエートが四〇%。まさにリスクマネーをとりにいっている実態が明らかになります。
 さらに、ちょっと前後いたしまして恐縮でありますが、資料の六でございますが、これは金融庁の資料ですが、サブプライム問題を受けた今回の主要機関の損失額の状況ということで、これは確定ベースです。ですから、含み損ではなくて確定ベースでまいりますと、話題になっているシティですとかAIGがずっと出ておりますが、大臣、農林中金さんのこの今国際業務部門が持っておられる有価証券報告書に載っております残高あるいはこの証券化商品の残高をごらんになって、これを仮に時価評価をしたら、大体どのくらいになるというふうに思っておられますか。
○中川国務大臣 申しわけございません、わかりません。
○古本委員 今話題になっているこの農林中金さんは、この議論の中で、現段階では政府の皆さんは組み込んできておられますね。ですから、ここが多分にかぎを握っていると思っておりまして、同僚議員からまた後ほど農林中金の話はあろうかと思いますので、きょうのところはこの辺にとどめておきますけれども、つまり、農林中金法の一条によれば、「農林水産業の発展に寄与し、もって国民経済の発展に資することを目的とする。」ということで設置をされている農林中金におかれて、結果として、大変高い預証率で、しかも、海外の投機性の高い商品に運用せざるを得ない状況になっていたという状況なんです。ですから、このことを少しこの委員会でも議論をしなければ、次のステージには進めない。
 さらには、大臣は今、総額二兆円と仮にしたならば、仮に一社という話の中で、それは一社しか申請がなければそういうこともあり得べしということでありましたけれども、何となくきな臭い感じがいたします。ですから、こういう問題を含んでいることは大臣も当然御存じでいらっしゃると思いますので、今後の議論の慎重審議を切に求めるわけでございます。
 さて大臣、定額減税が何かまた変わるそうですね、報道によれば。給付型というんでしょうか、いろいろ与党協議の中で定額減税が給付金になる。「変更で大筋合意」というけさの報道が出ておりますけれども、資料の一と二をごらんいただきたいと思うんです。
 これは、平成十一年の定率減税を入れたときの条件なんです。閣議決定文書です。「個人所得課税及び法人課税の在り方についての抜本的な見直しを行うまでの間の措置として、」「所得税及び法人税の減税を実施する」。そして、平成十八年の、これは、閣議決定し小泉さんが定率減税を廃止なさったときには、定率減税の廃止につきましては、「平成十八年分をもって廃止する。」これだけしか入っていないんです。この件については、当時の谷垣大臣を初め、累次にわたって議論をしたことを記憶いたしておりますが、抜本見直しというのはやはり所得税制の見直しであり、消費税の議論であり、いわば税の公平性をどれだけ高めていくかという議論であり、大変大きな議論を含んでいるこの所得税の定率減税の廃止の局面だったわけです。
 これは、資料で二十二、二十三につけておりますが、現実問題、この定率減税を廃止した二〇〇六年を境目に、これは同時に量的緩和の解除もあったわけでありまして、企業部門にはマネーが回らなくなり、家計部門からは定率減税の廃止によりマネーが吸い上げられ、結果、金融機関にだけお金がだぶついて、気づいたらサブプライムに手を出していた。それを今回助けるという話になっておりますので、これは大臣。
 そこで、いいことをおっしゃっておられますね。資料の三をごらんいただきたいと思うんです。これはたしか大臣の文章だと思うんですけれども、中央公論に寄稿されておられます。大臣の顔写真の裏です。定率減税の復活。購買力の低下が鮮明となれば、定率減税を復活させる形で所得税減税を進める。仮に〇八年度の物価上昇率を一%とすると、被雇用者の実質購買力は二・六兆円落ちる。ちょうど定率減税の廃止による負担増二・六兆円と見合っていて、定率減税の復活がその購買力を維持させる金額になる。
 これが定額に変わり、つまり、減税というのは一たん納めた税の所得の再分配機能の調整でありますので、納めていただいた人の額に応じて減税額が多くなるというのが定率減税ですよね。だからこれがいいと大臣がおっしゃっていたんです。違いますか。それが定額減税にまたぞろ変わり、気づいたら、きょうの報道によれば、今度は給付金。これは大臣として非常に断腸の思いでいらっしゃるんじゃないかと思いますけれども、本心をお聞かせください。
○中川国務大臣 これははっきり申し上げておかなければいけないのは、私は、中央公論でこれ以外にもいろいろなことを、自分の思いを、政策を提言しております。もっと別の面のところでおしかりを受けることを覚悟していたんでありますけれども、そちらの方からのおしかりは今のところないわけでありますけれども、定率減税で二・六兆円分の所得の減をカバーできるというふうに私はそのとき判断をいたしました。
 要するに、税というのは、今古本委員もおっしゃったように、複雑であり、そして多岐にわたっておりますから、やはり一長一短あるんだと思うんですね、同じ減税をやるにしても。ですから私も、定額減税と定率減税、一長一短あるなと思いながら、この七月、つまり六月に原稿を書いているときに、定率減税を復活することがいいのではないかというふうに思って書いたわけであります。
 私は現在財務大臣として、今、党の方で協議をしていただき、最終的には近々政府と協議をして結論を出していきたい、こういうふうに考えております。
○古本委員 定額減税といいますか、最終的にどうも給付金になるということで与党内で御議論いただいているようですが、当時、かつて、子供がいる世帯に支給した九九年の地域振興券、このときに、これは逆に政府の評価として、大半がもともと買う予定だった生活必需品の購入に回っただけだった、したがって、当時の経企庁の判断としては、新たな消費に回ったのは使用額の三分の一程度だったと分析しているんですね。
 だから、これははっきり言いまして、きのう麻生さんがまたおもしろいことをおっしゃっておられたようですけれども、大臣の庶民感覚を聞かせていただきたいですよ。年収二百万円の本当に例えばシングルマザー世帯なんかが、この給付金が仮に成っていくんだとしたならば、これはもう食べるもので精いっぱいだと私は思いますよ。まずその感想を聞かせてもらいたいですね。これが一点目。
 次に、さりとて、いわゆる耐久消費財ですね。日本のGDPへの寄与度ということでいろいろお尋ねしてもなかなかないので、あえて国税庁の会社標本を利用して少し申し上げますと、いわゆる日本の法人税の寄与度、つまり法人税を納めておられる業種でいきますと、第一位は機械工業、製造業なんです。一番納めています。それから、第二位が運輸通信です。これは、まさにガソリン高であえいでおられる業界が払っているんです、運輸通信。それからサービス業が三番目、四番目が卸売、そして化学工業、小売と。ちなみに、金融なんかはもうはるかかなた下の方ですけれども。
 ちなみに、こういう状況の中で今何が起きているかといったら、液晶テレビは、これはなかなかもう歩どまってきていますよ、例えばこれから年末ボーナス商戦に入ってきますけれども。それからコンピューターも、非常に安いものが大変売れ筋になってきています。これは、当然企業は、利幅を減らしてでも、ラインをとめるわけにいきませんから、赤字覚悟でも生産をし続けてそれを供給するという、もうぎりぎりの状態ですよ。こんな状況ですと法人税なんか入ってきませんよ。
 つまり、その場しのぎの、ばらまいたとしても、それは、大半の人はもともと買う予定だったものを買うだけであって、新たな耐久消費財の消費の喚起にはならないんです。そういう意味では、大臣のおっしゃるように定率減税をした方が、例えば最高額二十五万円の減税が入っていたわけでありまして、例えば今やれば、冬のボーナスで思い切って我が家も液晶テレビを買おうかなという人はあるかもしれない。
 これは大臣の庶民感覚を聞きたいと思いますけれども、液晶テレビが買える人、買おうかなという気になる人というのは、大体、所得階層でいくと年収幾らぐらいの人だと思いますか。感覚ですよ。
○中川国務大臣 私も液晶テレビが欲しいんです。(古本委員「お宅にないんですか」と呼ぶ)はい、買おうと思って二年ぐらいずっと。ですから、私がどういう立場なのか自分で言うことは避けますけれども、液晶テレビを買いたい人はどういう人かと言われるけれども、液晶というか、プラズマでもいいんでしょうけれども、薄型できれいな画面で、いろいろな情報というかツールの入っている、テレビというよりは画像のあるIT製品と言ったらいいんでしょうか、ああいうものは多分皆さん欲しいんじゃないでしょうか。
○古本委員 いやいや、ですから、きのう総理は、ちなみに我が党の同僚議員の委員会質問で、もう大臣には聞きませんけれども、カップヌードル一個が四百円だとおっしゃっているんですよ。つまり相場感覚なんです。
 つまり、大体どのくらいの所得階層の人ならば、次の冬のボーナスで、非常に株も下がって懐も寒いけれども、ありがたいな、ちょっと先行投資になるけれども、いずれ地デジになるし、それじゃ思い切って買おうかなという気になれるゆとりのある人というのは、年収二百万円のシングルマザー世帯ならなれませんよ。ここの世帯には確かに、こういうことがあれば、食料品を買わなきゃいけなかった分が助かったという、これは認めます。多分あるでしょう。だけれども、新規での耐久消費財、もっと言えば、日本の法人税の寄与度からいえば圧倒的に多数を占めている製造業、サービスの部門に対する応援にはならないんですよ。
 その意味で大臣に改めてお伺いいたしますけれども、感覚ですよ、やはり中所得層周りの人が、まさに食うためで精いっぱいだという階層がどんどんふえている。そういう中にあって、なかなか液晶テレビを買おうかということにはならないですよ。それで相場観を聞いているんです。年収でいえば大体幾らぐらいの人かなと聞いているんです。
○中川国務大臣 その相場観はちょっと別にしまして、おっしゃっていることはよくわかるんです。
 私も、今それで何を言いたかったかというと、人も物もお金ももっと動くようにしましょうよ、そうしないと日本が元気になりませんね。それで、みんな今閉塞状態ですから、だから、企業も価格を上げられないから厳しい、従業員の給料も上げられない、したがって購買力も減る、云々かんぬん、こういう循環ですから、これを何とか断ち切りたい。ですから私は、一言で言えば、一人一人の収入を何とかふやしたいというのが、その雑誌あるいは最近書いた本でも、私の一つの一番大きな目標なんですね。
 ですから、そういう意味で、おっしゃっているように、その結果購買力がふえて少し余裕ができたから、液晶テレビというのは多分何年に一度の大きなお買い物だとは思いますけれども、さっき言ったように、私も含めてみんなそれは欲しい、一家に一台は欲しいということが、みんなで所得の差があっても買えるような経済状態あるいは所得状態にしていきたい。日本を景気をよくしてそういうふうにしていきたい。
 麻生総理が景気をよくして元気を出したいと言うのは、何も、法人税をふやすことも大事かもしれません。しかしその先には、所得がふえる、給与がふえる、それによって国民が、ぜいたくとは言いませんけれども、欲しいものがいろいろ頑張れば手に入るあるいは食べられる、そういう社会にしていきたい、そういう経済状況にしていきたいというのは、そういう意味では私は古本議員と全く同感であります。
○古本委員 ありがとうございます。
 であるならば、大臣が主張している定率減税の方が筋が通っていますよ。日本の景気を本当に底支えをし、個人消費を喚起し、そして物を買おうかなというきっかけになるという意味では、残念ながら、今提案なさっている給付金では、日々のお米を買うので消えてしまうと思う。それは強く指摘しておきたいと思います。
 それで、せっかく日銀が来ているので、もう一回だけ。
 お配りしている資料の二十をごらんいただきたいと思うんですが、実はこれは、かねてから日銀がおっしゃっておられる利子所得の推移なんです。結局、一九九一年、これからずっと低金利の時代に入ってきましたので、九一年をゼロと置いた場合の、いわゆる得べかりしといいますか、逸失金利、これは、高齢者世帯を初め預金のある皆様に約三百六十兆円の金利を銀行は払わなくて済んだ、いわゆるお年寄りの皆様の預金金利はスズメの涙しかつかなかった、こういう話をよく与野党を超えていろいろな先生方がおっしゃっています。
 一方で、日銀がつくってくださって、けさやっと間に合ったのでちょっとお配りはできなかったんですが、企業部門を見ますと、今度は逆に低金利のおかげで設備投資ができ、そして物をつくり、そしてそれをまたそこの従業員、家族に労働分配できる、こういうメカニズムでいいますと、実は支払い利息は逆に助かっているんです。当然です。さらに、住宅ローンを抱えておられるいわゆる働き盛りのサラリーマン家庭あるいは家を建てた方によれば、これは低金利のおかげで随分助かっているんです。
 そこを差し引きますと、実はネットで見ますと、九一年をゼロと置いた場合、ちょっと僕が読み上げますけれども、二百七十三兆円の金利を国民の財布に金融機関が払わなかったという議論がある一方で、企業部門では二百九十六兆円金利が助かった、こういう話があるんです。
 これに加えて、大臣、公債費ということでいけば、国としてはどのぐらい助かったんですか。では、一言で言ってください。何兆円助かったんですか。
○真砂政府参考人 国債費のお尋ねでございますが、その時々の金融政策が国債の金利にどのような影響を与えるかということは、なかなか推計が困難でございますので正確な推計はできませんけれども、先生の御指摘の九一年とそれから二〇〇六年を比べるということで、既発債を含めた各年度における表面利率の加重平均が、先生がおっしゃった一九九一年度で六・一%、それから二〇〇六年度で一・四%ということで低下しておりますので、仮に、相当大胆な仮定ではございますけれども、平成三年、つまり一九九一年の金利がずっと続いたということにいたしますと、十八年度の利払い費は三十二兆になります。実際の決算は七兆円でございますので、その差は二十五兆円上回るということでございまして、これを一九九一年からの累積でいきますと、百七十兆円というような計算にはなります。
○古本委員 つまり、大臣は金利については口出しできないとおっしゃいましたけれども、百七十兆円から助かっているじゃないですか。そういうことなんですよ。
 つまり、今、本当に手を打つならば、これはもうはっきり言って、量的緩和、さらには金利の引き下げ、ゼロ、マイナスも含めてお金を供給するしかないと思うんです。だからきょうは聞かせていただきました。
 きょうは時間が来ちゃったんですけれども、最後にもう一点だけ、済みません、委員長、お許しください。
 大臣、住宅ローン減税がまた、あしたかあさってですか、総理が発表。またこの住宅ローンで国民を惑わすんですか。これは、仮に過去最高額の六百万円という控除になりますと、二十年度で終わると信じて頭金を突っ込んで本当に駆け込みで買った人からしたら、何だという話になるんですよ。これ、少なくとも過去に一回しでかしているんですよ、政府は。
 この委員会で私は何回もやりましたけれども、実は、税源移譲と小泉さんが言いながら、所得税から住民税へ移しましたよね。あのときに、何と十八年の十二月末入居者と十九年の一月一日入居者で、この二年にわたりまして財務省は九百億円増税しているんですからね。つまり、ローン控除ができなくなった分が、それは税制が変わったんだというので一蹴して、九百億円分、たった一日入居したタイミングが違うだけで、しかもローン控除の制度変更じゃないんですよ、税源移譲という、国税から地方税へ移しましたという、まさに政府の都合で行った税制改正にもかかわらず、九百億円分を、ローンを組んだサラリーマンや大変御苦労なさってローンを組んだ多くの皆様の財布から奪っているんですよ。
 さらに今回ですよ。これはいい話でしょう、このローン控除は。歓迎しますよ。だけれども、これは過去最高額で、今百六十万ですからね、いきなり六百万円ということになっちゃったら、慌てて買った人が損を見るじゃないですか。この段差の調整あるいは激変緩和措置は織り込みますか。織り込むべきですよ、これをやるなら。大臣の庶民感覚を聞かせてください。これはひど過ぎる。それを信じて慌てて頭金を用意して、なけなしの預金をはたいて家を買った人に説明つかないですよ。
○中川国務大臣 まだ現在、これはもう本当に総理主導で、しかし与党で議論をしている最中でございます。今の御指摘は承りました。
 いずれにしても、住宅ローン減税そのものについて評価をしていただいて、ありがとうございます。
○古本委員 要するに、税制が変わればそれに従うのは当たり前です、法治国家ですから。だけれども、家という商品は、大変リスクをとってみんな投資しているんですよ。それが買ったタイミングによって翻弄されるというのは、これは税のたてつけとしてもっとほかの方法もあるんじゃないかという研究をした方がいいという課題提起ですので、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○田中委員長 次に、松野頼久君。
○松野(頼)委員 民主党の松野頼久でございます。
 大臣、財務大臣、金融担当大臣、御就任おめでとうございます。ぜひよろしくお願いをいたします。
 実はさっきから若干議論が出ているんですけれども、今回の公的資金枠、二兆なのか十兆なのか、まず大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○中川国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、二兆円というお金は残っているわけでございますから、二兆はやはりそのまま使うということは、これは常識的にもそうなんだろうと思います。
 問題は、どのぐらい必要なのか。用意して、そして審査をして、個別に一件一件注入をしていったときにどのぐらい必要なのかということについては、全く私自身も相場観がございません。そういう意味で、二兆か十兆なのかと言われるよりも、私自身は、二兆プラスアルファとしか今の段階では申し上げられません。
○松野(頼)委員 総枠は大体お決めになる必要があると僕は思うんですね、この法案が成立するまでの間には。
 それと、少なくとも、二兆にお決めになるか十兆にお決めになるかわかりませんけれども、その財源は何をお考えになっていますか。
○中川国務大臣 二兆か十兆かではなくて二兆プラスアルファであって、十という数字も今頭の中にはございません。いずれにしても、財源は政府が保証するということでございます。
○松野(頼)委員 今、枠を決めているところでは政府保証でいいと思うんですけれども、実際にこれを実行する段になったときにはお金が発生するわけですから、やはり財源の裏づけというのは当然必要なことではないかと思うんですけれども、そこをお答えいただけないでしょうか。役人でもいいですよ。
○内藤政府参考人 今大臣答弁がございましたように、政府保証をいたしまして、現在は二兆円の政府保証枠がございまして、実際には、預金保険機構が民間から資金を調達する、それについて政府保証を付すという形で資金調達いたしまして、その資金でもって資本の注入参加を行うということでございます。
○松野(頼)委員 そうすると、預保のお金を使って、それを政府保証するということですね。政府が単独で二兆円を調達して金融機関に入れるということではないわけですね。もう一回、お答えいただけますか。
○内藤政府参考人 預金保険機構の中に金融機能強化勘定という勘定が設けられておりまして、その中で経理をいたします。そこでこの資金を調達する、それについて政府保証がついているというような仕組みでございまして、この二兆円についてはあくまでも金融機能強化という観点から使われるような仕組みになってございます。
○松野(頼)委員 ですから、よく報道されている十兆という数字があるじゃないですか。そうすると、またそれは全く違うフレームで捻出をしなければいけない、財源の当てをつけなければいけないということになるんですよね。
○内藤政府参考人 二兆円という枠がございますけれども、これがさらに何か必要であるというようなことが想定されるならば、これを政府保証の枠を広げる、拡大するということでございます。これは、当然ながら、所要の予算措置、予算総則の中で政府保証枠というものを書き込む必要がございますが、そういった手続によって拡大をするということでございまして、別にまた何がしかのものがある、十兆なりなんなりのものがあるということではございませんで、二兆円というものを必要があればさらに拡大する、そういう検討が行われるということでございます。
○松野(頼)委員 どうもはっきりしないですな。では、今回の金融機能強化法で注入をする予算額、投入額というのは二兆だけなんですか。
○内藤政府参考人 現在の予算で付されております政府保証が二兆円ということでございます。
 したがいまして、この法案が実行段階と仮にいたしましたときに、その段階において必要であるというふうに判断されたならば、さらに拡大するということが判断されたならば、政府保証枠を拡大するということもあり得るのではないかというふうに考えているわけでございます。
○松野(頼)委員 そうしたら、では預金保険機構の負担能力というのは今幾らあるんですか、政府保証がつくという前提で。
○内藤政府参考人 負担能力といいますか、預金保険機構は公的な機関でございますので、その資金調達については政府保証という支援をいたしまして、そこで資金調達をするという仕組みになっております。
 これは、必ずしも金融機能強化という目的だけではございませんで、一般的な破綻処理でありますとか、現在も過去の債務をしょっているという事情もございますので、それについて政府保証というものの支援を受けて資金調達をしているという仕組みでございまして、それぞれの目的に応じて勘定が区分をされて、業務が行われているということでございます。
○松野(頼)委員 ですから、その勘定にある程度のお金が見えなければ、政府保証はもちろんするにしても、政府のお金をそこに突っ込むわけじゃないじゃないですか。預金保険機構としての負担能力の金額というのが今現在どれぐらいあるのかというのを聞いているんです。
○内藤政府参考人 ちょっと今手元に預金保険機構の詳細な数字はございませんけれども、預金保険機構というのは、先ほど申し上げたとおりでございまして、預金保険の保険制度そのものについては、金融機関から保険料というものを徴収いたしまして、それでもってこの預金保険制度というものを運営しておる。
 他方、金融機能強化という制度につきましては、これは出し切りという制度ではございませんで、資本を注入する、いずれこれは返ってくるということが前提でお出しをするという制度でございまして、これにつきましては、その資金繰りを支援するという必要がございますので、預金保険機構に対する政府保証ということで資金繰りを支援いたしまして、その資金でもって資本を注入するという仕組みでございます。
○松野(頼)委員 十年前の早期健全化法、あのときには、たしか総枠何十兆ということをまず決めて、その中で破綻処理を行っていったという経緯があると思うんですが、今回のこのフレームも、そういう形で当然枠を決めて、その裏づけとなる金額をある程度見て、ここまでならいけるのかなと。それで、ここから先は投入をしたら最終的にどの予算で措置をするとかいうことは後で考えるんだと思いますけれども、当然ある程度の枠というものを想定して、この枠の範囲内で破綻処理をまずは行うんだということをするのが当然の話だと思うんです。
 今の御説明ですと、まず預金保険機構で入れるんです、二兆で足りなければまださらに入れるんですと。一体どこまでの金額を見込んで、どれぐらいの枠をつくってやるのかというところが全く見えてこないからこういう質問をしているんですけれども、ぜひもう一回御答弁いただけますでしょうか。
○内藤政府参考人 この金額につきましては、何か上限があるとかそういうものではございません。制度的に中小企業の金融に支援をするという形で、金融機関のサポートをしていくという意味において資本注入をするということでございまして、その状況判断でございますが、金融市場の急激な変動というものが生じた場合にも、金融機関の財務の安定性を図るとか、より積極的なリスクテークを行っていけるような、そういう支援の観点から、二兆円で足りるのかどうか、今後の状況判断を十分しんしゃくした上で考えていくべき問題だというふうに考えております。
○松野(頼)委員 ちょっと余りかみ合わないので、こればかりやっていてもしようがないので次に行きたいと思うんですけれども、ある程度の見通しは当然はっきり出すべきだと思いますよ。新聞報道では、二兆なのか十兆なのか、いろいろな数字が躍っているわけですから、では無尽蔵にそのお金はあるのか、財源は一体どうするんだということが当然不安になってくるわけですよ。ぜひそこはしっかりと、こればかりやっているわけにいきませんので、ある程度その安心感も含めた形の枠を出していただきたいということをお願い申し上げます。
 次に、先ほど同僚の委員からも幾つか出ておりますが、今回のこの金融機能強化法、目的は中小企業に円滑な資金が出るからということだと思うんですね。ただ、金融機能強化法で、これが施行されれば中小企業に円滑な資金が本当に出るのかという心配があるわけです。これは、大臣、必ず出るんですか。
○中川国務大臣 もう条文のとおり、読むまでもございませんがそういう目的で、こういう世界の状況が非常に緊迫している中で、日本の金融システムを守り、特に中小企業に対して資金を供給してもらう、そのために国が、必要であれば資本注入をするということでございまして、その目的を達成するための法律でございます。
○松野(頼)委員 要は、金融機関の自己資本が毀損をして自己資本比率が下がった場合には、それは公的資金を注入して必ず銀行は立ち直るんですね。ただ、今回のこの法律の目的は、中小企業金融を円滑にするという方に主眼が置かれている、それによって地域経済を守るんだということに主眼が置かれているというふうに思います。
 ちょっとお配りをした資料をごらんになっていただきたいと思います。
 前回の金融機能強化法の場合には「信用供与の円滑化」という文言だったんですね、目的が。今回の金融機能強化法では、一枚目のここ、「中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化」という、中小規模の事業者という言葉が明確に入っております。そのことは非常に評価をしたいと思うんですけれども、ただ、ではこの言葉が入ったからといって、本当に中小企業に対する資金繰りに対して、金融機関の融資が活発になるのかという疑問があるわけですよ。
 一枚めくっていただきたいと思います。これは早期健全化法のときの告示ですね。もう一枚めくってください。十年前の早期健全化法のときに、やはり公的資金を金融機関に注入をしたとき、八番として、「国内向け信用供与の減少を回避するような方策を策定し、これを実行すること。特に中小企業者向け貸出しの総額については、原則としてその残高を増加させること。」今回のこの法律の文言よりももっとはっきり中小企業に対する金融の残高をふやせということを言っていたんです。
 にもかかわらず、もう一枚めくっていただきたいと思います。貸出残高の推移というデータがついております。この告示が出されたのが、一九九九年十二月、このときには国内銀行の中小企業貸し出しは二百三十兆ありました。現在、二〇〇八年八月末でいえば百七十八兆、これだけ減少しているんです。信用金庫も同じです。七十一兆から六十三兆、信用金庫は頑張っていますね。その後、信用組合に関しては十四兆六千億から九兆三千億に下がっているんです。
 だから、あえてこういう質問をさせていただくのは、今回のこの金融機能強化法が成立をしたからといって、素直に中小企業に対する資金が円滑に融資がなされるのかという、過去の検証をすると安心できない側面があるからこういう質問をさせていただくわけです。ぜひ大臣、このことについて御答弁いただけますでしょうか。
○中川国務大臣 それは松野委員のおっしゃっていることはよくわかります。
 この法律の改正は、この四条の七だけではなくて、随所に中小事業者という言葉が追加されております。したがって、目的はあくまでも中小事業者に対する必要なお金を貸し出す、貸し出しが自己資本その他いろいろな事情で難しい場合には資本注入をするということになっているわけであります。
 ただ、ではこれだけでなるかというと、私は、これだけでは正直言って難しいんだろう。つまり、トータルとして、貸し渋り対策とか、金融監督で行ったときに、さっきも御議論がありましたように、どうぞ目ききをして、リスク管理だけじゃなくてリスクテークもしっかりやってくださいとか、そういうものとトータルとしてやらないと、本当に目的が十分達成できるかどうか。
 さっきのお話にもありましたように、いや、借りたくても借りられないんだとか、あるいは借りたくないんだとかいういろいろな個別の事情もあるわけでございます。ただ、これによって、少なくともお金はいつでもそろいましたよと。問題は、銀行の方もきちっと前向きに審査をする、金融機関も審査をする、あるいはいろいろな地域の方も前向きにやっていって初めてその目的が達成できるんだろうと思いますけれども、これはあくまでも資金をこれだけ、何兆円か現段階ではわかりませんけれども、用意しましたということで、そういう意味でこれは重要だというふうに御理解いただきたいと思います。
○松野(頼)委員 しつこいかもしれませんが、十年前、同じ議論がありました。これは私たちも、中小企業に迷惑をかけてはいけないということで金融国会というのがあって協力をしたはずなんですね。これは、与野党一緒にこの金融の問題は協力をしなければいけないといって金融機関の公的資金の注入というものに対して協力をして、こういう形をつくり上げたんです。
 ただ、そのときも、中小企業者に対する貸し出しはふえるんだというふうに僕らは思っていたんですね。実際には、今の数字を見ていただいて検証した場合には、確かに公的資金の注入が行われて金融機関は元気になりました、でも中小企業者への貸し出しは減りましたというのが、前回の、十年前の総括になるのではないかと私は思います。
 またぞろ今回もこういう形で金融機能強化法という法律をつくって、銀行の破綻は安心になりました、だけれども、しばらくしたら中小企業貸し出しは減少しましたということが起こるのではないか。このことは絶対に避けなければいけないという思いがあるので、あえてこういう質問をさせていただいているんです。
 どうでしょうか、大臣、数値目標なんか入れる気はありませんか。
○中川国務大臣 数字が減ったということは、平成十三年ごろですか、やはり私もあの数字は大変残念な結果だなというふうに思っております。ただ、実際にやってみて、そして、目安箱なり何とか一一〇番なりというもので全国の皆さん方の声が引き続きいただけるものと思っておりますけれども、私は、これがうまくいくかいかないかというのは、多分、数量、金額が一番大事だとは思いますけれども、しかし、これによって金融機関にも一押ししてくれたとか、そういうような結果が出てくれれば非常にありがたいなということで、私は、数字がふえればいい、減るということは大変よくないことでありますけれども、やはりこれによって助かったという人の声が聞こえてくればうれしいなと。必ずしも数がすべてではないという認識を持っております。
○松野(頼)委員 ありがとうございました。また残りは午後にやりたいと思います。
○田中委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 両案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○田中委員長 質疑を続行いたします。松野頼久君。
○松野(頼)委員 午前中に引き続きまして質疑を続行させていただきたいと思うんです。
 午前中は、若干、今回の金融機能強化法が成立をすれば本当に中小企業に資金が円滑に出てくるのかというような議論をさせていただいたんですが、一枚おめくりをいただきたいと思います。きのう、ちょっと金融庁に頼んで、アメリカ、イギリス、ドイツ、特にアメリカに関しては金融安定化法が大変話題となって成立をしたところでありますので、実はその比較を少しする必要があるのかなというふうに思って、概要を少し金融庁にまとめていただきました。
 アメリカの当初の金融安定化法は、例えばファニーメイとかフレディーマックとか、そういう債権が毀損をしている、ファニーメイからということじゃないですけれども、その債権を一回買い取って、それは銀行が借り主に対して立ち退きを強制したり追い出したりしないように債権を買い取って、今後の返済計画をもう一度立てていく、非常に借り主に軸足が置かれているんです。ただ、そうやっている間に、これはちょっと危ない危ない、金融機関が危ないということで公的資金という話が出てきたんでしょうけれども、当初の金融安定化法の理念というのはそうなんですね。あくまで借り主が借金が返済できないことによって家から追い出されないようにということで債権を買い取る。
 イギリスに関しても、中小企業及び住宅購入者への融資の支援をするとの全面的なコミットメントが必要である、これもやはり借り主に非常に軸足を置いているんですね。
 また、ドイツにおいては、資本注入金融機関の経営者に関して、中小企業融資等に関する条件を、これは法律の中にたしか入れたというふうに思うんですね。借り手に対する配慮というものが非常に明確に書かれている。
 日本も、今回の金融機能強化法、確かに条文の中では中小事業者という言葉は入っているんですけれども、日本の十年前の金融機能強化法のときの先ほどお示しをした数字を見ると、今回のこの文言では少し弱いのかなというような気がしてならないわけです。
 もし、例えばアメリカの金融機能強化法的な考え方でいくならば、借り主の債権を国が買い取って、その分を何らかの形で保証するという考え方も私はあってもいいのではないかというふうに思っているんですけれども、ただ、今回の法律はそういうつくりになっておりませんので、もう少しこの本文の中で中小企業に対する融資の拡大というものをもう一歩踏み込んだ形で書き込むなり、何らかの担保が必要になるのではないかというふうに私は思いますが、もう一回、大臣、御答弁いただけますでしょうか。
○中川国務大臣 アメリカの金融安定化法は、松野委員おっしゃるとおり、確かに最初は銀行の持っている債権、とりわけ住宅債権を買い取って、そして住んでいる人をそのまま住ませるように、そのために七千億ドルもよう用意したなと思っていたんですが、途中から、今度は金融機関に対する資本注入ということになって、きのうあたりからは一般の事業会社の債権も買い取ると。七十兆あるから、その範囲の中でかなり何か、後でこの前ポールソンさんに聞いたらちゃんと条文に書いてあるんだと言うんですけれども、専門家に聞いてもよくわからないくらいに非常に複雑なようであります。
 ただ、これはあくまでも、もう言うまでもないことですけれども、ファニーメイ、ジニーメイが破綻しかかった、したがって百兆円近いお金をそれぞれにつぎ込んだ上での措置ということであります。これはもう松野委員には言うまでもないことですけれども、今回のこの金融支援というのは、あくまでも健全な金融機関が、いろいろな状況の中で、あと一押し地元の中小企業に融資をさせるといいましょうか、するようにするための資金を用意するための資本注入をしますということでございまして、ちょっと状況は違うんだろう、ドイツ、イギリスも含めて、日本はまだ健全だという前提でこのスキームを組んでいるわけでございますから。
 しかし、御趣旨は、とにかくちゃんと中小企業に金が回るようにしろよという気持ちは全く私も同感でございまして、こういう法律の書き方に変えましたし、とにかく、金融行政を通じて、あるいはまたいろいろな形で、これがこの目的に合致して金融機関が行動できるようにチェックをしていきたいというふうに思っております。
○松野(頼)委員 若干ここで提案をしたいところがあるんですけれども、例えば、今、もちろん金融機能強化法では、危ない金融機関がもし出たときに予防的に注入をするという話なんですね。注入をされた場合には中小企業への貸し出しをふやしなさいという話なんですけれども、では、全く健全な銀行に対して中小企業の貸し出しをもっと多く出してほしいと言っても、これはなかなか伸びていないんですよね。今度は、この金融機能強化法の外の世界の金融機関にどうやったら貸し出しがふえるのか、それとも、そこを通じて中小企業に対する融資の健全性が保たれるのかということを、逆にこの法律の外の世界でも考えていかなきゃいかぬと思うんですね。
 それは、中小企業の経営者の皆さんとお話をすると、確かに新しい融資が出るのもありがたい、ただ、恒常的に根雪となっている過去のローン、これの例えば条件変更をしてくれて、七年で借りていたものを四年間返して残り三年となりました、一億だったものが五千万まで減ってきました、月の返済はこれぐらいです、ただ、これをもう一回、七年なり十年なりに条件変更をしてくれると月の資金繰りが大変楽になる。また、中小企業は一行の銀行だけとつき合っているわけじゃありませんから、何行かの金融機関とおつき合いしている中で、何本も何本もローンの足が立っている。それをどこかの銀行が一本にまとめてその期間をもっと巻き戻してくれると、月の返済額が非常に安くなる。そうすると、倒産する企業の数は圧倒的に減ると僕は思うんですね。
 ただ、今もしそれをやろうとすれば、要は、条件変更をした債権に関して、金融庁が検査マニュアルの中で要注意先債権とか破綻懸念先債権に優良債権から落としてしまう。そうすると、今度は金融機関としてもその分の資本の積み増しをしなければいけないから、金融機関はその条件変更を非常に嫌がるんですね。これは法律というよりも金融検査マニュアルの運用の部分で十分に即効性のある内容だと思いますので、そこのところを早急に、中小企業は今この年末に向けて非常に厳しい状況にある、これを何とか倒産させないためには毎月の資金繰りをどれだけ楽にするかということが僕は大切なことではないかと思うので、ぜひ大臣、考えていただけないでしょうか。
○中川国務大臣 いろいろな例が考えられるというか、借り手側からは要望があると思いますけれども、一般論として、今松野委員がおっしゃるとおり、ちょっと条件を変更すれば借り手側も返しやすくなるといいましょうか、あるいは仕事がしやすくなるということであれば、この制度以前の問題として、そこはやはり金融機関はしっかりやってもらわなければいけませんし、我々もきちっとそういうふうにするように、指導といいましょうか、そういう方向でやっていくようにしていきたいというふうに思っております。
○松野(頼)委員 大変前向きな答弁、ありがとうございます。
 あと、きょうは中小企業庁に来ていただいていますけれども、信用保証の枠、これは、ことしの通常の保証に関しては今までの十割保証から八割保証に下げたんですね。要は、二割は金融機関にリスクをとりなさい。今回の補正予算四千億分の保証に関しては、これは一〇〇%保証で緊急ということでありますけれども、きのう数字を聞きましたら、これだと大体六兆円ぐらい融資ができるのではないかということで、これは大変了としたいと思いますけれども、この八割保証にした通常の保証、これをもう少し持ち上げるつもりはないか、御答弁いただけないでしょうか。
○横尾政府参考人 お答えいたします。
 ただいま委員御指摘の責任共有制度につきましては、金融機関と信用保証協会が責任を分担することによって、金融機関が主体的に中小・小規模企業の経営を支援するというのを促すために導入したものでございます。ただ、その導入に当たりましては、小規模企業の方の、あるいは不況等に直面している場合のセーフティーネット保証など対象外にしたものがございます。
 今回、委員御指摘のとおり、今月三十一日から六兆円規模で緊急保証制度を実施いたしますが、これは責任共有制度の対象外でございます。この保証制度につきましては、従来のセーフティーネット保証に対しまして対象業種を大幅に拡大いたしまして五百四十五業種を指定して、それで大体全国の三分の二ぐらいの中小・小規模企業の方が利用できるような格好にしたところでございますので、この実施が円滑にいくように、私ども、信用保証協会、金融機関に徹底をしていきたいというふうに考えております。
○松野(頼)委員 今回、緊急の補正予算ということで私たちも賛成させていただいて早期に仕上がったからよかったんですが、やはりこの信用保証枠を八割に落としたというのは非常に評判が悪いんですね。だからといって、すべて一〇〇パー、ずっと恒常的に保証するかというと、それは銀行がリスクをとらな過ぎるのではないかという意見も確かに一方ではあるんです。
 せめて九割、あと一割、保証が上げられないものなのか。金融機関の方から聞くと、一割は何とか売り上げで大体担保できるんです、十割というのは確かにこれはモラルハザードの世界に陥る場合もある、あと一割上げられないものかということを言っているんですけれども、その辺、考え方としてどうお考えになるか、答弁ください。
○横尾政府参考人 責任共有制度につきましては、委員御指摘のとおり、金融機関が責任ある貸し手として中小企業に細かい支援を行うことを促すということで、私ども、金融庁と連携をいたしまして全国百五十カ所で中小企業者の方の生の御意見を今伺っておりますが、まさにそういった目きき能力の向上というのが大事であるという意見も多数聞いております。まさにそれを促すための制度でございます。ただ、私ども、さはさりながら、現下の厳しい状況の中で一〇〇%の保証が受けられる緊急保証の対象を広げるという形で今回は措置をいたしました。
 余り複雑な制度になると利用者にとっても使い勝手が悪いということもありますので、一〇〇%の範囲を今回大幅に拡大したということでやっていきたいというふうに考えております。
○松野(頼)委員 いや、そうじゃなくて、通常的なその八〇パーに落としたものを九〇パーに上げる気はないかということを聞いているんですが、もう一回答弁ください。
○横尾政府参考人 金融機関に一定のリスクを負っていただくという一般則でございます。それが八〇%と二〇%でございます。
 中小企業者の方の便宜を考えて一〇〇%保証の緊急保証の枠を拡大したということで、間にいろいろな、例えば委員御指摘の九〇といったものがありますと、制度がやや複雑になってかえって使い勝手が悪いという思いもございますので、今回は一〇〇%のところを広げるということで対応をしたということでございます。
○松野(頼)委員 かみ合いませんね。それは四千億しかないんですよ。総額六兆円か七兆円ぐらいしかないわけですよ。そうじゃなくて、恒常的なものを、せめて八〇パーを九〇パーに上げていただきたいという声があるのを、ぜひ政府内で議論してください、もうこれ以上言ってもしようがないでしょうから。
 続きまして、財務大臣、これは通告にないかもしれませんが、十年前の金融危機のとき、あのときにはまだ政府系金融機関というのが、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、商工中金といっぱいあって、非常に政府系金融機関が中小事業者を助けたんですね。当然、自己資本比率なんという縛りもありませんし、使い勝手がよくて、一般の金融機関の金融危機のはざまを政府系金融機関が随分助けて、役割は大きかったと思うんです。
 ただ、行革法が通ってから政府系金融機関が商工中金を除いてほとんど一つになってしまったという状況の中で、今回、政府系金融機関もまた今の民営化の波の中で非常に一般の金融機関に近いような運営状況に今なっているんですね。そこまではいっていませんけれども、十年前のマインドからはやはり随分変わってきてしまっているという状況の中で、今回の非常に世界的な金融危機の中で、財務大臣から政府系金融機関に、しっかりと中小企業を支えるようにということをぜひ依頼していただきたいと思うんですが、御答弁いただけないでしょうか。
○中川国務大臣 日本政策金融公庫、ここに四つの旧政府系金融機関が統合して今月発足をいたしましたし、政投銀行と商工中金は民営化ということになりましたけれども、広い意味でこの三つとも政府系金融機関というふうに呼んでもいいと思います。
 そういう意味で、政府系金融機関は、お金を債券で集めたり、場合によっては税金といいましょうか国のお金を使うわけでありますけれども、それはそれとして、例えば旧国民金融公庫であれば、今までのような一定の対象に対して、小口の、きめの細かい融資をやっていたわけですから、御指摘のように、引き続きその趣旨といいましょうか精神はきちっと守るようにということは伝えたいと思います。
○松野(頼)委員 あともう一つ、中小企業から見ると、担保は大体まだ土地なんですね。それがいい悪いという議論は別にして、どうしても土地が担保になっている。その担保の価値が今どんどん毀損しているわけです。去年の秋ぐらいから三大都市圏もまた地価が下がり始めて、データでいうと、バブルのころから比べると、大体七五%ダウンというような査定が出ているんです。この二、三年でも、まだことしで約八七%、一〇〇パーとすると八七ぐらいに今落ちてきている。これから先もっと落ちるかもしれない。
 土地に対する担保価値を金融機関は大体六掛けとか七掛けで見るわけですから、例えば売り上げが一定の中小企業でも、売り上げとは全く関係ないところで担保の価値がどんどん劣化をしていくと、金融機関から査定すると担保割れという形になる。だから、新規融資が出せないというような現状が実際にはあると思います。
 先ほど古本議員も若干言っていたかもしれませんが、ある程度土地の価格というのは、めちゃくちゃ上がらなくていいから、緩やかに少しずつ上がっていく。これは、土地の値段が下落をするということは国民の資産が目減りをしたということでありますので、当然、企業から見ると非常に厳しいことになる。この辺の、もう一回、税制まで含めた、要は、五つも六つも税がある、地方税まで入れると、固定資産税はあり、登録免許税はあり、譲渡益課税はあり云々で、非常に土地に対する税制が重過ぎるんじゃないか、また流動化しづらいんではないか。
 ですから、これから少し、今随分不動産業の破綻が続いていますけれども、REITという金融商品にした場合には、租税公課が余りにも重過ぎて、運用できるんだろうかという思いを実は僕は持っているんですね。
 ここのところも、中小企業の対策として非常に大きなウエートを占めるので、これは税制改正、これからあると思いますけれども、少し考えていただきたいと思いますが、御答弁いただければと思います。
○中川国務大臣 御指摘のように、私も昔金融機関におりましたけれども、担保は何といっても土地等のいわゆる不動産というのが大原則であったわけでありますが、最近は、無担保無保証とか、例えばワインを担保にしてとか、食料品を担保にしてとか、そういうものも時々ニュースになるわけであります。ニュースになるということは、まだまだ余り広がっていないのかなと思うわけであります。
 それから、今御指摘のように、地価が最初に設定した担保価値よりもどんどん仮に落ちていったときに、特に中小企業とつき合いの長い地場の中小金融機関は、そこは、はい、担保割れです、さあ、追加担保してください、あるいは解約してください、そういうことは、もちろん金融機関側もビジネスではありますからその範囲の中で、しかし、もう少し広い目で、地場ならではの目ききでやっていただきたいし、私はそういう指導をしていきたいというふうに思っております。
○松野(頼)委員 ぜひ、税制もしっかり流動化して、今少し価格が落ち過ぎているところがあるので、上がるような税制を考えていただきたいと思います。
 若干テーマがかわりますけれども、今回の金融機能強化法の中で、農林中金さんを本当にこのフレームに入れるのかということが私たちの中で議論になっております。というのは、私たちは、それは生産者は守りたい、これは同じ思いなんですね。ただ、農林中金の資金運用を見て、生産者に行っているお金と、マネーゲームの世界とは言いませんけれども、余りにも資金運用の規模が大き過ぎるんです。
 これは大臣じゃなくて結構なので、ちょっと伺いたいのは、まず、農林中金さんの貸し出しの中で、例えば米農家に対して、何万軒、何十万軒に対して幾ら貸しているのか、お答えいただけますでしょうか。農水省で結構です。
○高橋政府参考人 お尋ねの農林中金でございますけれども、基本的に、農業協同組合あるいは漁業協同組合等の協同組合の預貯金を全国に集めまして有利運用していく。その中で、また農協等の貸し付けを行っているわけでございますけれども、今私ども手元にございますのは、農協、それから信用農業協同組合連合会、そして農協系統全体の農業向け融資ということでございます。これが、平成十九年三月末現在で、これは政策金融機関の転貸資金〇・三兆円を含めまして約一・五兆円ございます。
 これにつきまして、融資全体の二・三兆円の三分の二を占めているということでございますが、この内訳でございますけれども、個々の戸別の経営、いわゆる経営形態別のものについては、一戸一戸についての、一軒一軒についての把握はしておりませんで、現時点で私ども持っておりますのは、推計ベースで全体の部門別の中で畜産部門が〇・六兆円程度、耕種部門、これは米と野菜も含めた部門でございますけれども、〇・八兆円程度というふうに推計をしているところでございます。
○松野(頼)委員 もちろん、額が少ないのも驚きだと思うんですが、農協の貸出金二十二兆円の中で、農業資金は一兆三千億円なんですよ。ただ、もっと僕が驚きなのは、これは、今回のレクを受けたときに、米農家何軒に幾ら貸しているんですかということを聞いたら、その数字はないと言うんですよ。畜産だったら、牛に対して幾ら貸している、何万軒で幾ら貸しているんですか、豚だったら豚で幾ら貸しているんですか、何軒に貸しているんですかと言ったら、そのデータがないと言うんですよ。ない。
 もう一回御答弁いただけますか。米農家は何万軒で、幾ら融資をしているのか。
○高橋政府参考人 先ほどお答えさせていただきましたのは、農協、これは大体八百ぐらいある農協でございます。また、三十八の県の信用農業協同組合連合会、そして農林中央金庫、全体としてのJAバンクシステムとしての融資の母体を、全体で農業資金が一・五兆円ということでございます。
 これにつきましては、現在、このJAバンクシステムの中で、借入件別の相手先のコード番号、これは農業部門で、先ほど先生が御指摘のございました、米の農家かどうかとかいうことが、全国的な統一コードに実はなっておりませんものですので、私どもとしてはこれを全部把握できない。したがって、先ほど申し上げましたように、耕種と畜産というような大ぐくりの分類で推計をしておるところでございます。
○松野(頼)委員 農林中金さんは農業者のための銀行であります。先ほど、農林中金法第一条に、農業のためという目的が書かれている、農業の育成等という、等はないんですよ。農業の育成のためにつくられたバンクなんですね。それが、米農家に幾ら、畜産農家に幾ら、牛には幾ら、豚には幾らというその種別がないというのは驚きであります。
 とてもこれでは審議できない。ちょっと、委員長、これはちゃんと出させてください。
○高橋政府参考人 先ほど来御説明させていただいておりますとおり、現在、農協系統金融機関が農家に対して貸し出しを行っておりますけれども、それの一件一件のデータについて、耕種部門で、例えば、米の農家であるのか否か等についての分類について、全国的に集計をするシステムというものができ上がっておりません。
 私どもといたしましても、農業関連のこういうデータは非常に重要だというふうには思っておりますけれども、今のところ、例えば、畜産の部門であれば大体の推計としては〇・六兆円程度、米等の耕種部門では〇・八兆円程度ということでございます。
○松野(頼)委員 では、何軒の農家に貸しているんですか。
○高橋政府参考人 今、私ども、その農家軒数までちょっと手元にございません。恐縮でございます。
○松野(頼)委員 これは、この法律の基本中の基本であります。農林中金さんは農業者のための金融機関であるはずである。にもかかわらず、その相手先、貸し手の種別が全くされていないということ自体、大問題だと思いますよ、あり得ない話ですよ。全部の農協から、JAバンクからそれぞれ上げてくれば、酪農農家に幾ら貸した、畜産農家に幾ら貸した、米農家に幾ら貸した、花には幾らだ、野菜には幾らだと、それはあって当たり前の話だと思いますけれどもね。畜産農家何軒に対して貸したのか、もう一回答えてください。
○高橋政府参考人 先ほど来申し上げておりますとおり、貸し出し一件ごとの経営形態の部門別の状況、どのような経営であるかという状況について、すべてこれを集計しているものではございませんで、先ほど来、私どもが畜産に〇・六兆円と申しておりますのは、これまでの総貸出金額の中で制度的資金の部分につきましてとっておりますのが、畜産のシェアというものがございますので、それで推計をしているということでございます。
 一件一件ごとの積み上げの数字が、現在、手元にはないということでございます。
○松野(頼)委員 これは、JAバンクに約八十二兆円の預金が集まってきているんです。農林中金で約六十兆の運用をしているんです。その中で一番本業である農家に対する貸し出しが、局長、一兆三千億しかないんですよ。残りは一体何なんですか。その一兆三千億の中の貸し出しの種別もないなんということは考えられないことだと思いますよ。本業の本業ですよ。ということは、一体どれだけの不良債権が農業の、本業の中に入っているのかということもわからないわけじゃないですか。
 私たちは、税金でマネーゲームの損失をふくマインドはないんです。生産者のために使ったお金、生産者を助けるためには、これは税金使っても助けなければいけない、この思いは共通ですけれども、運用で損をした損に対して税金を投入するというのは、果たしてこれは共感を得られるのか、私は疑問でなりません。ぜひしっかり、まず次の委員会までに、農林中金さんの一番本業の本業である、どの農家に幾らの金額、それぞれの種別をきちっと上げてきていただきたい。このことをお願い申し上げて私の質問を終わります。
○田中委員長 後ほど理事会でお話をさせていただいて、また、その決定に従いたいと思っておりますので、委員長としてはそのような扱いにさせていただきます。
 次に、階猛君。
○階委員 民主党の階猛でございます。
 きょうは、金融機能強化法、金融機関に公的資金を入れるというお話でして、実は私も、十年前、長銀の破綻というのを経験して、公的資金を入れることの重みは重々承知しているつもりでございますけれども、それゆえに、この法案についてはしっかりと審議をしていかなくてはいけないと思っております。それから、後ほど、新銀行東京へのこの法律の適用についても触れさせていただきます。
 まず、経営責任を制度上一律に求めないというふうに伺っております。お手元の資料の一枚目に、前回のこの金融機能強化法、それと今回の見直しの違いが載っておりますけれども、経営責任を制度上一律には求めないというところで確認したいんです。
 まず、公的資金を申請した銀行の自己資本比率が四%を下回る低い水準の場合、モラルハザードを防ぐためには経営責任を求める場合もあり得るということでよろしゅうございますか。逆に、四%以上の場合は経営責任は一切問われることがないのか。その辺を教えていただけますでしょうか。
○中川国務大臣 いわゆる自己資本比率、金融業の自己資本比率というのは、ある意味では非常に重要でございます、ある意味でと言ったらおかしいんですけれども。国際的な基準というものがあり、それから、四というのは、国内の、日本の中での日本のルールとして四を確保せよということになっております。
 基本的にこれは守らなければいけないというふうに思いますが、今回の、ことしの三月三十一日で切れた法律を急遽修正復活させた最大の原因は何かと言われれば、やはりこれは、世界の金融情勢の激変、これによって、例えば、持っている資産の価値が減少した結果資本が小さくなってしまって、結果的に四%ルールになると貸せなくなってしまうというような、今まで想像できなかったようなことが今起こっているということでございます。
 したがって、経営責任を問わないとか問うとかいうのは、午前中も申し上げましたように、だったら経営者は何でもいいというものでは決してございませんで、もちろん、経営者は経営者としての責任をしっかり果たしてもらわなければいけないわけでございます。しかし、四とかあるいは何とかという数字に最初からこれが絶対条件だということではなくて、目的はあくまでも、こういう緊急事態の中で健全な貸し出しを引き続きあるいはまた円滑に、プラスになれるような形をつくるための資本注入であるというのが主眼でございます。
○階委員 要は、自己資本比率と経営責任は必ずしも直結しないということでよろしいですね。自己資本比率と経営責任は直結しないということです。(中川国務大臣「必ずしもですよ」と呼ぶ)了解です。
 それで、経営責任という言葉について確認したいんですけれども、経営責任というのは、代表取締役の退任ということでよろしゅうございますか。
○中川国務大臣 それはやはり、経営責任というのはいろいろな形があるんだろうと思いますよね。最終的には、退任、あるいは退任の仕方もあるでしょうし、経営責任イコール、懲戒退任というのがあるかどうかわかりませんけれども、あるいは辞任かどうかわかりませんけれども、そういう場合もあるでしょうし、必ずしも責任イコールやめさせるということだけではないという中での、それも含むということでございます。
○階委員 あの前回の強化法では、そこら辺はたしか、公的資金注入と引きかえに経営責任を問われる場合というのは代表取締役の退任というのを意味していたと思うんですが、違いましたでしょうか。局長の方からで結構なんで、教えていただけますか。
○内藤政府参考人 お答えいたします。
 現行法では、私ども想定しておりますのは、トップ、経営者の退任ということでございます。
○階委員 そうすると、大臣の御答弁によると、ちょっと経営責任の意味が今回は違うということになりますけれども、それで結構ですか。
○中川国務大臣 ですから、現行法によるとということで、先ほども申し上げたように、経営者の責任というのは、やはり経営上責任があるから責任をとるということですけれども、今回は、全く海の向こうで起こったことが一瞬のうちにコンピューターを通じて日本のある金融機関の中で何か悪さをして経営に影響を与えるというようなことも想定されたからこそ、こういう法律を今御審議をいただいているわけでございます。
 もちろん、辞任あるいはやめることに値するようなことを経営者もしくはその経営体そのものが起こした場合は、さっき申し上げたように、それは、経営者の辞任、あるいはまた免職というんでしょうか、ということもあり得ると思います。ですから、個別の事象事象によって判断は異なってくるというふうに思います。
○階委員 そうすると、従来の金融機能強化法とは大きく違うのは、そもそもその経営責任がどのような場合に問われるのかというところも違いますし、また、問われる場合の経営責任の内容も違うということで、非常にあいまい、グレーなわけですよね。私が思いますに、その辺がはっきりしなければ、事前に、自分がこの資本注入を申請した結果、将来どういう責任を問われるかわからないということで、かえって公的資金の注入の申請をちゅうちょするんじゃないかと思います。
 また、この資料の二ページ目以降に、これは、大蔵省出身の方がどういう銀行に天下りされているかというのをちょっとまとめたものでございますけれども、そういう地銀、第二地銀に大蔵省出身がいろいろ天下りされているわけです。うがった見方をすれば、今回、経営責任をどういうケースで求めるのか、あるいはどういう内容で求めるのか、これがあいまいになることによって、いざ経営責任を求めるというときに、こういう天下り先には甘くなってしまうんじゃないか。
 要するに、経営責任のことについて言えば、むしろ、行政の裁量権を濫用しないようにあらかじめ明確かつ具体的な、客観的な基準を定めておくべきではないか、その方が望ましいのではないかと思いますが、いかがお考えですか。
○中川国務大臣 経営者が職務上権限を濫用するなんというのは、これはどの世界でもまずおかしい話であって、それはもう責任に値するわけですね。ですから、今回の場合には、責任要件というものが……(階委員「経営者ではなくて、行政が権限を濫用してその経営責任を追及するかどうかというところです」と呼ぶ)行政の権限の濫用というものは、もとよりあってはならないことでございます。
○階委員 もとよりあってはならないことを制度的にどういうふうに担保するかということで、今までのように、ちゃんと明確かつ客観的な基準で、どういう場合に経営責任を問うか、問う場合には代表取締役退任だというふうにその経営責任の内容もはっきりさせておく方が、かえって申請をする側としては、透明感があって、申請をちゃんとするようになるんじゃないかというふうに思うんですけれども、どうですか。
○中川国務大臣 それはどうでしょうか。あの前の法律のままでいって、そして、海外での出来事によっていきなり経営が仮に悪化してしまったという場合に、資本を注入していたときに、これは直接ではないけれども、海外の出来事によって経営が悪化してしまった、これはけしからぬ、経営責任だといって自動的にやめなければいけないというのが、多分、前の法律のままであったらそういうことになっていたのではないかと思うわけです。
 しかし、一律に問わないということは、逆に、外国、あるいは本来の経営をきちっとやっているにもかかわらず、そういう事態になって、自己資本比率が下がるなり収益がちょっと悪くなりということについては、これはやむを得ないこういう世界の金融情勢であるということですから、今度の法案によってこれはまた別の判断が出てくる。前の法律でも、多分、経営責任をとるといっても、ケース・バイ・ケースで、私は一律にきちっと定義はできないと思いますよ。
 今度はますます、いろいろまたやわらかい表現になってきたことは事実でありますけれども、それは、行政の権限を濫用するとか、あるいはまた経営者側をしり込みさせるという意味ではなくて、そういった、直接的ではない、世界の金融システムの危機の中での影響を多少でも受けた場合には、この場合には前の法律と違う適用をしましょうという意味でこの条文にしたわけでございます。
○階委員 このお渡しした資料の右下に番号を振っていますけれども、その六ページ目をごらんになっていただきたいんです。早期健全化措置、先ほど松野議員のお話にも出ていた十年前の早期健全化法の基準なんですけれども、これを見ていただくと、経営者がやめなくてはいけないのは、国際基準であれば四%、あるいは国内基準であれば二%、そういうことで、この金融機能強化法よりは若干基準が下げてあるわけです。それと、あと経営責任の内容も、代表者の退任というところのほかに、役員数の削減とかいうことで、結構早期健全化法のときの方が基準がきめ細かくなっていて、かつ明確なんです。
 こういうことを金融機能強化法では、従来のやり方だと、大臣がおっしゃるように、四%を境に白か黒かということで、黒の場合は、経営責任、代表者はやめなさいということで、かなり極端な区分けだったわけですよ。ところが、早期健全化法の基準でいうと、今言ったように、かなりグラデーションというか段階的になっているということで、むしろこういうふうな枠組みにした方が、大臣がおっしゃるような今回の海外発の突発的な問題に対して、資本が欠損した場合とかの経営責任のあり方とかを考える場合に、こっちの方が整合的なんじゃないかなと思います。
 これは提言なんですけれども、その経営責任の問い方を、今回のように一律に問わないとかそういうあいまいな言い方じゃなくて、より細かく具体的にしていく、そして、やや緩和的な基準にするという方向もあるんじゃないかと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○中川国務大臣 確かに、おっしゃるように、一律には問わないと言われると、それを信じてやっていた結果実は問われちゃったというようなことも、どういうケースでもあり得るとは思いますけれども、その可能性が高いという御指摘は、私もその可能性はあると思います。
 ですから、この法律ができ上がりましたら、もう少し細かく具体的に、ポジティブリストにするのかネガティブリストにするのかはまだ決めておりませんけれども、もう少し具体的に、外からわかりやすくするような努力はしたいと思います。
○階委員 その方向の方が、多分注入に前向きになれるんだろうと思います。
 それで、話はかわりますけれども、新銀行東京の問題です。
 先般来、テレビの討論番組なんかでも、新銀行東京にこの法律で公的資金の注入ができるのかどうかという議論がなされているわけですけれども、これは、法律上は資本注入できるということでよろしいですか。
○谷本副大臣 階委員の御質問にお答えさせていただきます。
 個別の金融機関にかかわる仮定の場合の対応については答弁を差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げれば、適用対象機関から公的資本参加の申請がなされた場合には、民間の有識者で構成される金融機能強化審査会の意見を聞きつつ、法令にのっとり厳正に審査し、国の資本参加の可否を判断することになると思います。
○階委員 今、制度上はできるということなんですけれども、実際に新銀行東京に適用できるかどうかというところをちょっと考えてみたいんです。
 このお渡ししている資料の一番最後に「新銀行東京の概要」という資料がございます。それで、今再建計画が走っているところです。一番最後の資料の一番下の方に「再建計画の概要」というのがございますけれども、これで見ますと、総資産はどんどん減ってくる。来年の三月では五千百五十六億円だったのが、ちょうどこの法律で公的資金の注入の申請期限である平成二十四年三月には、千三百五十九億までがくんと落ちるわけです。
 そういう中で、今回の法律の立法目的は中小企業に対する信用供与の円滑化ということで、こういう資産ががくっと減るようなところに対しては、もちろん中小企業への与信も当然減ってくるわけでして、法律上は注入の申請が可能であっても現実には注入されることはないと思うんですけれども、法の目的に照らしていかがですか。
○中川国務大臣 ですから、新銀行東京のことは報道を通じて私もいろいろ読んだり見たりしておりますけれども、現実に新銀行東京が仮に資本を注入したいと言ってきたときに、経営強化計画を出していただいて、そして審議会で専門の先生方に御判断をいただいて、我々は我々のルールできちっとやって、そこで判断をするということでございます。
○階委員 そもそも論として新銀行東京についてちょっと見てみますと、今まで自力では経営が成り立たない状況で、追加で株主である東京都が出資して、何とか自己資本比率は維持してきた。また、週刊誌などでもいろいろ報道されていますけれども、また、きのうも行員が逮捕されたという記事も出ていましたけれども、自力では営業力がないために、ブローカーのような、あるいは政治家も絡んでいると言われていますけれども、そういう口ききに頼った結果、ずさんな融資というか、問題の融資がたくさん出ているということなんです。
 それで、そもそも銀行法一条に目的規定というのがありまして、銀行の業務の健全かつ適切な運営を期するというふうに明記されています。それを考えてみると、金融庁というのは、公的資金の申請を受理するかどうかというところを議論する前に、銀行法の目的からして、そもそもこのような銀行に免許を与え続けていいのかどうか、そういうところから検討する必要があると思うんですけれども、そこはどうお考えになっていますか。大臣、お願いします。
○中川国務大臣 与えるときは、当然、手続を踏んで与えたわけでございます。その後、いろいろ経緯があったわけでございます。
 ちょっと今手元に資料がないので言葉が正確じゃないということをお許しいただきたいと思いますけれども、十月の二十一日だったか何だかに向こうから返事が返ってまいりまして、もう一度こちらから向こうに対して、こういうところはどうなっているんだ、こうなっているんだ、まことに大ざっぱな表現で申しわけないんですけれども、それを今向こうに問いかけて、その報告を今待っているところでございますが、いずれもこれはどこの銀行であっても、金融庁としてのやるべきルールとして、それにのっとって今やっているところでございます。
○階委員 その結果、銀行法の目的にそぐわないような、つまり、業務の健全かつ適切な運営を期することはできないということであれば、厳正な処分、場合によっては免許取り消しということもあり得るという理解でよろしいですか。
○中川国務大臣 具体的な銀行の仮定の話には私はお答えできませんけれども、とにかく、ルールにのっとってきちっとやるということでございます。
○階委員 新銀行東京の健全性に関してなんですが、口ききということが盛んに行われていたという報道があるわけですけれども、その口ききの実態について金融庁としてはどのような検証を行っているのでしょうか。
○谷本副大臣 個別の金融機関に係る検査の内容についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げれば、検査では、信用リスク管理体制等の各種リスク管理体制のほかに、法令等遵守体制についても検証をしているところであります。
○階委員 口ききされる中には、大株主である東京都の関係者の名前もあるやに仄聞しております。また、政治家の名前も出ていたりしておりますけれども、そういう口ききというものはコンプライアンス上問題であるという認識は持っているということでよろしいですか。
○谷本副大臣 検査内容等個別のことはここでは答弁を控えさせていただきますが、一般論として、先ほどの繰り返しになりますが、法令等の遵守状況についてもしっかり検査をしているというところです。
○階委員 金融庁としてしっかり検査をしている中で、それでは、口ききの実態に関して何か情報公開をするとか、そういうお考えというのはないですか。
○谷本副大臣 口ききに関する報道等があることは承知をしておりますけれども、個別の金融機関の個別の融資に関する事柄については、お答えは差し控えたいというふうに思います。
 これも一般論で申しわけございませんが、一般論として申し上げれば、金融機関においては適切な融資審査を行うことが重要であり、当局としても、検査監督を通じて、引き続き的確にモニタリングを行ってまいりたいと考えております。
○階委員 口ききの中には大株主が絡んでいるという報道もありますけれども、一般論で結構なんですが、大株主が株を持っている銀行の融資案件を紹介したりするということについては、コンプライアンス上どういう問題がありますか。
○谷本副大臣 一般論でということでありますから、個別案件ではなく一般論として申し上げれば、金融機関の融資に関しては、紹介の有無を問わず、適切に審査が行われるべきであると考えております。
○階委員 それは、株主であるかどうかは関係ないということですか。その株主であるから責任が加重されるということは金融庁としては特に考えていないということですか。
○中川国務大臣 責任が加重されるとかされないとか、大株主が絡んできたとか絡んでこないとかということを含めまして、どんな場合においても、あなたも私も元銀行員でございました、二人の銀行は二つとももうなくなってしまいましたけれども、しかし、ルールどおりにきちっとやらないと、当時の行内検査、あるいは怖い大蔵省銀行局検査、あるいは日銀考査が我々はあったわけでございますから、それを思い出していただければ、上から大株主の人が来て何か無理なことを言ったとか言わないとかいうことで話があっち行ったりこっち行ったりするということは、あってはならないことでありますし、金融庁もそういう金融行政をやっているつもりでございます。
○階委員 今、大株主かどうかということにこだわったのは、銀行法上なんですけれども、五十二条の十四という条文に、国や地方公共団体以外なんですけれども、そういう公共団体以外の、五〇%を超える議決権割合を持っている株主に対しては、金融庁は銀行の経営の健全性を確保する観点から業務改善命令等を発令できるというふうになっています。
 そういうことからすると、法律の規定からしても、議決権が五〇%を超えるような株主については、銀行の経営をコントロールできる立場であるがゆえに、より銀行の経営の健全性について責任を負うんじゃないかというふうに思うわけです。その点についてはどう思われますか。
○内藤政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘の点でございますが、銀行法におきましては、銀行の業務の健全性あるいは適切な運営というものを確保する観点から、銀行経営に実質的な影響力を有すると考えられます主要株主として、銀行の二〇%以上の議決権を保有する者については、事前認可により適格性の審査でありますとか、あるいはその後も、監督というものの対象にしております。
 ただ、行政主体として地域住民の福祉の増進を図るという責務を有しております地方公共団体につきましては、株主として銀行経営の健全性を害するおそれがある主体とすることにはなじまないという考えに基づきまして、国と同様に、こうした規制の適用対象から除外しているところでございます。
 御指摘のような措置を銀行法上設けるということにつきましては、銀行の経営の健全性とかそういうことがございますので、地方公共団体につきましては、地方自治という中できちっと管理されるというふうに考えておりますので、そういった観点でこの規定からは対象除外というふうにしているところでございます。
○階委員 規定から除外されているとしても、経営をコントロールできる立場には違いないわけで、経営をコントロールしている以上、新銀行東京の経営の失敗に対しては、東京都、とりわけ、トップである石原都知事に責任はあると思うんですけれども、そこはどうお考えになりますか。大臣、どう思われますか。
○中川国務大臣 今、金融庁として、さっき申し上げたように再度の問い合わせをしている最中でございますけれども、その返事を待ってということになるわけです。いずれにしても、先ほどの経営者の責任じゃございませんけれども、一般論として、きちっとルールにのっとって、経営者あるいはまた実質的な経営者等々に対してどういう処分をするかしないかは、あくまでもルールにのっとってやっていきたい。
 余り仮定の話でどんどんやっていくと、むしろ、純粋なルールでやっていかなければならないという我々の業務にちょっと厳しい御質問が来ると、なかなか我々としてもそれができなくなるという可能性も今頭の中で思いながら御質問を聞かさせていただいているところでございます。
○階委員 ここも一般論で結構なんですが、五〇%超株主という経営をコントロールできる立場にある者は、やはり株を持っている銀行に対して何らかの責任を負うと思うんですけれども、そこはどうお考えになりますか。
○中川国務大臣 それは一般論として、株式会社に対して五〇%以上の株を持っている株主は、権利も責任も負うということは間違いございません。
○階委員 ということは、仮に新銀行東京に経営の失敗があれば、銀行法の目的にもとるような経営があれば、大株主は当然責任を負うということになりますですよね。
○中川国務大臣 仮の話にはお答えできません。
○階委員 この問題というのは非常に重要だと考えていて、そもそも、こういう銀行が今も存在し続けているのが銀行法の目的に照らしていいのかどうかというのを当局としては厳しくチェックしなくてはいけないというのが一つと、それで、これを実質的に追加出資という形で支えている東京都、この東京都の責任というのもちゃんと問われなくてはいけないということだと思いますけれども、最後、ここについてお考えをお聞かせください。
○中川国務大臣 最終的に、金融庁として金融監督行政の中で判断をしていかなければいけない問題だと思っております。
○階委員 それでは、ちょっと話題をかえまして、今度の資本注入が果たして中小企業金融の円滑化に結びつくのかどうかというのは、先ほどから議論になっているところですけれども、お渡ししている資料の七と書いてあるところをごらんになっていただきたいんです、下から三枚目ぐらいですか。今般、九月の中間期の情報が新聞等に出ていますけれども、業績予想を下方修正した主な地方銀行ということでちょっとまとめたものです。
 今回の資本注入というのは、中小企業金融の円滑化という目的を達成するための手段であるんですけれども、赤字に転落しているところが出ている中で、一つは経営責任を緩めたということですけれども、赤字に転落したところなんかにしてみれば、ただでさえネガティブな情報が出ているときに、公的資金を申請したということで風評が広まるということを懸念される、それで風評リスクを恐れて申請にちゅうちょをする、そういう事態も想定されるんですけれども、この点については、どういうふうなことを対策として考えられますでしょうか。どうしたらそういう風評リスクに対してちゅうちょしないで公的資金の注入を申請するようになるか、そういうお考えはありますか。
○中川国務大臣 確かに、健全な金融機関がきちっとした貸し出しをするために、多分今の拝見した資料も、急速に持っていた資産の価値が減っていったとか、あるいは北海道なんかの場合には非常に経済が停滞しているとか、そんなようなことが重なってこういうことになったんだろうと思いますけれども、しかし、それに対して銀行としては、もちろん、赤字は出たけれども、きちっとやっていっているし、これからもやっていくわけでございますから、そういう前提で資本注入をする。
 そのときに、御指摘のように、あの銀行は何か国から資金を投入したらしいぞ、ひょっとしたらなんということが広がるということは、これはもう絶対に避けなければいけませんし、まさしく風評なんですよね。風評というのは事実じゃないということでございますから、事実じゃないことによって結果的にその地域の金融機関の貸し出しがふえない、減ってしまうということは、これはもう大変に地域にとっては大きな問題でございます。
 ですから、この場で十分、そうではないんだということをきょうも何回かやりとりをさせていただいておりますし、今の御質問もそういう御趣旨での御質問だと思っておりますので、我々も、決してそうではない、健全な金融機関に対して、もっと地場の中小企業に貸し出しをしてもらいたいという意味で資本注入をするんだという前提であるということを、改めてまたお答えさせていただきたいと思います。
    〔委員長退席、山本(明)委員長代理着席〕
○階委員 おっしゃるとおりで、このお金は、経営が危ないから入れるんじゃない、貸し出しをふやすために入れるんだ、そこを明確にしたいというところがまずあると思います。
 それと、最初は貸し出しをふやすため入れたお金でも、その後のいろいろな状況の変化、また、株式の相場が下がったとか、あるいは予期せぬ貸し倒れが生じた、そういうことで結果的に中小企業の金融に回らない、目的外のところにお金が使われてしまう、そういうことを避けたい、避けなくてはいけないと思うわけです。
 それで、さっき言った風評被害を防ぐという意味でも、それから、今言った目的外の使用を防ぐという意味でも、単に資本注入を行うだけではなくて、その資本注入をした結果、貸し出し可能額が、国内基準ですと二十五倍、国際基準だと十二・五倍ふえるわけです。そのふえた貸し出し可能額がちゃんと貸し出しに回るように、そういう制度的な担保を設けなくちゃいけない。
 例えば、これは提言なんですけれども、普通の勘定と別勘定を設けて、その勘定で中小企業への貸し出しのみを管理する。その勘定では中小企業への貸し出ししか使えないようにする。また、もう一つは、金融機関がプロとしての善管注意義務を果たして中小企業に貸し出しを実行したような場合には、そのような貸し出しについて損失をこうむった場合には政府が補償してあげるとか、そういうようなやり方で、資本注入を行うだけでなくて、そのお金がちゃんと貸し出しに回るようなそういう仕組みを設けなくてはいけないんじゃないかなと思うんですけれども、この考え方はいかがでしょうか。
○中川国務大臣 階委員も御経験だと思いますけれども、勘定を別にするということは、必要なものはやっておりますけれども、これは、基本的には、それによって貸し出しがふえるという目的のためのこの資本注入であるわけであります。
 したがいまして、これは、ある意味では、健全な金融機関がちょっと世界的な状況等で影響を受けていることに対して健全性を保つということによって貸し出しができるということでございますから、私は、一つずつそれをわざわざ別にして、ほかのところには行かずに、預保から来たお金をそのまま何々会社にすっと行くというふうにやるほど厳密にやらなくても、午前中もございましたが、我々も半年に一度チェックいたしますし、また、金融機関はもちろんプロでございますから、それは全体としてこれだけ入ったからこれだけ貸し出しに回った、あるいはこれだけ貸し出しがふえたということは、これはもう勘定を設けなくても、私はおのずから理解ができるというふうに考えております。
○階委員 そういうやり方で風評リスクが生じないとかあるいはちゃんと貸し出しに回っている、そういうことが現に実現できればいいんですけれども、実際のところは、これまでも別な先生もおっしゃっていましたけれども、貸し出しに必ずしも回っていない、貸し出しが必ずしもふえていないということもあるわけで、この辺についてはさらに詰めた議論が必要なのではないかなと思っております。機会があれば、また改めて議論させていただきます。
 それで、そもそも今回の法案が必要になった背景というのを考えてみたいんです。
 自己資本比率規制、BIS規制がありますけれども、このBIS規制というのがやはりあるがゆえに、自己資本の一定倍率しかリスク資産を持てないという足かせがあるわけです。それがあることによって、今回のように予期せざる有価証券の大幅な下落などが生じた場合、自己資本が減少して、中小企業向けの貸し出しを含めたリスク資産を圧縮しなくてはいけなくなる、こういう状況が生じるわけです。これが貸し渋りとか貸しはがしにつながっているわけですね。
 その一方で、自己資本比率規制というのは、本来、銀行の健全性を保つために入れられたというふうに理解しているんですけれども、要は、行き過ぎたレバレッジ、負債への依存を防ぐという意味で入れられたというふうに考えていますけれども、逆に、それがあることによって、資産の上限が決められていることによって、金融機関にとってみれば、少ない資産で高収益を生もう、具体的には証券化とかデリバティブとか、そういう簿外の取引、オフバランスの取引に傾注してしまう。その結果、今回の金融危機の原因が生じているというふうにも思われるわけです。
 自己資本比率規制というものが銀行の健全性を保つ上で本当にプラスになっていれば、これは存置すべきだと思うんですけれども、今言ったように、むしろ、リスクのある簿外取引、そういうところに傾注してしまっているというような状況もあり、かつ、自己資本比率規制があるがゆえに貸し渋り、貸しはがしというものも発生しているということですから、この自己資本比率規制というものについて、廃止を含めて抜本的な見直しをするということももう考えていいのではないかと思うんです。
 かなり大きな話ですけれども、この辺について大臣はいかが思われますか。
○中川国務大臣 ちょっと今のお話は理解できないんですけれども、自己資本比率があるからレバレッジがきかないということと、片っ方でそれによって貸しはがしが起きてしまうということ、何か逆の二つをおっしゃられたような感じがするんです。
 いずれにしても、御指摘になりましたように、銀行の健全性を保つための自己資本比率というものがある、そしてそれは国際基準と国内基準とあるということと、その中で、その金融機関がどういうポートフォリオで、例えば貸し出しに回すかとか有価証券に回すかとか、あるいは手数料の方に回すかとかいうことは、それぞれの金融機関の御判断だろうというふうに私は思います。それは、状況によって、あるいは各行によって、あるいは地域によってそれぞれ違うわけで、むしろそれは、独自性というものを大いに発揮していただきたいと思います。
 いずれにしても、今回は、おととい、総理からの指示によって、こういう世界の金融の異常な状況であるだけに、自己資本比率の一部弾力的な運用ということについても検討せよという指示が出ましたので、ティア1の範囲を超えて株式を保有することにできるというような対策もとったところでございます。国内行については、ある程度柔軟に国内で対応できると思います。
 国際基準については、やはりこれは、各国が加盟している協定の中での作業でございますけれども、いずれにしても、日本の金融機関が、金融システムがそもそも健全であるわけでございますから、世界の中でどんな波風が立とうと、日本の金融システムをしっかり守り、日本の金融機関に頑張ってもらって、大事な日本じゅうの中小企業にしっかりと融資やいろいろな相談に乗っていただけるようにしたい、こういうふうに思っております。
○階委員 端的に言うと、自己資本比率規制というのは、銀行の経営の健全性を維持する上で役に立っていると考えるのか、それとも、かえって簿外取引をふやすことにつながって、むしろ金融危機の種をまいている、そういうことにつながっているんじゃないか、自己資本規制があることによって健全性を害しているというふうにも考えられるんですが、大臣は、その自己資本比率規制、ここについては積極的に評価されているのかどうかということをお聞かせください。
○中川国務大臣 少なくとも、国際基準のBIS規制、自己資本規律というのは、日本でもアメリカでもヨーロッパでもやっているわけであります。
 ですけれども、日本とアメリカでは全然違ったわけでございまして、まさにおっしゃったように、アメリカは、金融機関、銀行としてちゃんとしたものがありながら、全然オフバランスでとんでもないことをやっていた。これが世界じゅうにばらまかれて、日本も迷惑している。日本の場合は、ルールの中で、いろいろと特色はあるにしても、厳しい経済状況の中、金融機関も、そして全国の中小企業も一生懸命今頑張っているわけですから、それを政府がきちっとお助けするというのが今一番大事なことではないか。
 アメリカや世界から余計なものが飛んできたときに、その影響が少しでも及ぼされないように我々は努力をしなければいけないというふうに思っております。
○階委員 自己資本規制というのは、かなりいろいろな影響を呼んでいる、多分、金融危機にも影響していると思っているんです、私の考えですけれども。ですからここは、各国そうなっているからということじゃなくて、ゼロベースで基本的なところから考えてもいいんじゃないかということで、私の問題意識です。
 では、ちょっと時間もあれなので、最後の質問にします。
 円高が進んでおります。財務大臣としてお聞かせ願いたいんですが、政府として為替介入を検討する局面に来ていると思うんですが、一方で、過去の円売り・ドル買い介入で外為特別会計にドル資産が積み上がっています。直近の為替レートで計算した場合、外為資産の時価と含み損益はどうなっているかということをまずお聞かせ願えますか。
○玉木政府参考人 円高が進みますと、保有外貨資産の評価損が増加いたします。現時点、例えばきのう現在ですと、一ドル九十五円という前提で計算できますが、その場合、外為特会の保有する外貨資産の評価損は約二十三・九兆円になる。これに対して、現時点で、積立金をこうしたものを補うため等々の理由で持っておりますけれども、それが十九・六兆円あるという状況にございます。
○階委員 済みません、最後の質問ですけれども……
○山本(明)委員長代理 時間が経過しておりますので。
○階委員 はい。
 含み損になっている状況で、普通の投資家であれば損切りをするんだと思いますけれども、外為特会という性質上、こういう場面ではドルをさらに買い増さなくちゃいけない、ドル買い介入をして円高を防がなくちゃいけないということなんですけれども、そういう外為特会に課せられた役割からして、リスク管理というものが非常に大事だと思うんですが、そのリスク管理についてどうなっているのか、どういう方針をとられているのかということを最後に聞かせていただけますか。
○中川国務大臣 介入の話は全く別といたしまして、御指摘のとおり、リスク管理というのは、非常に、外為特会だからということだけではなくて、我々がお預かりしているお金については細心の注意を払っていかなければなりません。
 特に為替、とりわけこの数日の間に急激に円高になり、またきのうから少し戻しておりますけれども、こういう大きな変化というものは実体経済にも非常に大きな影響を与えますので、特に現時点においては、このリスク管理というものが大事だということは御指摘のとおりでございます。
○階委員 時間が参りましたので終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
    〔山本(明)委員長代理退席、委員長着席〕
○田中委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 まず、この金融危機の原因と現状について、お聞きしたいと思います。
 アメリカ発の金融危機が今日本経済にも大変深刻な影響を与えております。この金融危機を引き起こした原因、一体何があったのか、今後の対策を考える上でも、冷静にきちっと分析する必要があると思っております。
 この十年来、私は、金融業界全体として、特にアメリカ中心に、非常に大きな変化があったと思います。ビッグバンの名のもとで、金融の自由化、規制緩和というのが非常に進みまして、そのもとで、銀行の貸出債権、サブプライムローンなどが売却される、それが証券化され、ほかの金融商品と組み合わせた金融派生商品などが次々とつくられて投機的に取引された、いわば金融バブルというものが非常に大きく発生をしたわけでございます。
 きのうの毎日新聞によりますと、日本商工会議所の会頭、岡村さんがこのように言っております。「これまで金融商品、デリバティブに対する国際的な監視体制、規制が野放しになってきた。このことに対する猛烈な反省が起こるだろう。」こういうふうに言っているわけです。
 まず、中川大臣の認識をお聞きしたいと思いますが、金融危機を引き起こした背景として、アメリカにおける金融バブルの異常な膨張、それに対して、アメリカの金融当局の対応、ここに問題があったのではないかというふうに思いますが、そういう認識はございませんか。
○中川国務大臣 現在、アメリカ発のサブプライムローンがこの問題を起こしたということは、ブッシュ大統領も私におっしゃっておられましたけれども、この問題はまだ現在進行形でございますので、私自身は、何が原因だとか、アメリカのどこが悪かったと、思うところはございますけれども、まだ現在進行形なだけに、断定して、こういう立場で言うことはちょっと控えたいと思います。
○佐々木(憲)委員 経済学者のポール・サミュエルソンという、有名な教授ですけれども、こういうふうに言っております。
 今回の危機は大恐慌以来最悪の危機であることは間違いないが、これは避けられた危機だ、グリーンスパン議長が九五年ごろから株式市場のバブルに対策を講じなかったことも惨状を招いた一つだ、こういうふうに指摘をしております。
 十月二十三日の米議会公聴会で、FRB議長を務めましたグリーンスパン氏、議長は十八年間務めておられたわけですが、このグリーンスパン氏が証言をしておりまして、金融派生商品の規制に消極的ではなかったのか、こういうふうに指摘をされて、次のように答えております。金融市場の規制緩和の支持で最も影響力があった、あなたは間違っていたのか、こういう質問に対してグリーンスパン氏は、金融機関が自己利益を追求すれば株主を最大限に守ると考えていた、私は過ちを犯したというふうに答えているわけです。
 これはなかなかシビアなやりとりなわけですけれども、このやりとりをお聞きになって、中川大臣、どのように受けとめておられますか。
○中川国務大臣 私は今、ガルブレイス教授の「大暴落一九二九」という本を読んでおります。まだ読み終わっておりませんけれども、あれを読んでいると本当に、八十年前、似たようなことをやっていたんだなと思いながら、しかし、ぞっとしながら読んでいるわけでございます。
 ですから、逆に言うと、だれだれが悪かったとか間違っていたとか、後から言うことはある意味では簡単なことでありまして、ある瞬間、世界じゅうで何とか主義革命が一斉に起こって、何十年後かに、それは間違っていたからやはり自由主義がいいやと思って、一斉にもとに戻ったなんということもあったわけでございます。でも、その御当人であったグリーンスパンさん自身が、こうやって反省をしているとおっしゃっているということはやはり非常に意味深いことであって、私もそれについてはもっと知りたいなというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 一九三〇年代の恐慌から何を学ぶかというのは従来いろいろ議論されてきたことでありまして、その点からいっても、その後つくられた例えばグラス・スティーガル法の役割ですとか、そういう原則が八〇年代以後どんどん、我々からいえば後退していったと思っておりまして、教訓を学んでいなかったのではないかと言わざるを得ないと思っております。
 そういう点で、今回のこの事態というのはやはり、繰り返されていると今おっしゃいましたけれども、二度とこのようなことが起こらないようにするには何を教訓として学ぶべきかということはよく検討していく必要があると思っております。
 特に日本の場合は、アメリカの金融自由化というものをいわばお手本にして、貯蓄から投資へ、こういうスローガンをずっと掲げて、金融自由化を進めることをやってきたわけであります。そういう点で、我々は、そういう方向が正しかったのかどうかということも今の時点からやはり振り返る必要もあると思うんですね。
 まず、事実を確認したいんですけれども、アメリカと日本の家計の金融資産の構成というのは非常に違っているということでありますが、どのような特徴があるか、説明してください。
○内藤政府参考人 お答えいたします。
 我が国の家計金融資産の構成比を米国と比較いたしますと、現金、預金の構成割合は五二・二%になっておりまして、米国の一三・六%に比べますと相当程度高いものとなっております。
 一方、株式及び投資信託の合計の割合でございますが、これは九・九%でございますので、米国の二五・一%に比べますと低いものになっているということでございます。
○佐々木(憲)委員 この構成からいえば、同じようなショックが起きたときに、日本の家計に対する打撃というのはアメリカほど大きくはない、株、債券等の下落に対して比較的強い構成になっているというふうに私は思うわけです。
 そういう意味で、この貯蓄から投資へというのが、果たしてこういう危機に対して対応できる、そういうものなのかどうか。日本がアメリカのように進んでいないということが逆に日本の金融資産の強みでもあった、こういうことが逆に言えるんじゃないかと思うんですけれども、この点で、余り貯蓄から投資へということを過度にあおるようなやり方は必要はないのではないか。私は余りそんなことはやる必要はないと思いますけれども、これは国民の選択の自由でありまして、この点で大臣はどういうお考えをお持ちでしょうか。
○中川国務大臣 まさに佐々木委員がおっしゃるように、自分の持っているお金を自分でどう運用しようが勝手だろうと言われればそれまでですけれども、やはり一つの金融商品に余りにも偏るということも、まあ安心といえば安心ですし、逆に危険といえば危険。
 今、アメリカは投資が高いから個人もとんでもないことになっているということをおっしゃいましたけれども、実はアメリカにおいても、地方銀行の破綻についてはペイオフが行われて、十万ドル以上の預金は全部保護されない、戻ってこないという状況が続いております。二十五万ドルにしましたけれども、地方銀行についてはこれはもう破綻という状況になっていて、預金だって、これは銀行がおかしくなってきて、やられているわけでございます。
 いずれにしても、日本は金融システムそのものははるかに健全でございますから、やはり個人の大切な資産あるいはまた金融資産というものを安全、安心に、まずシステムとして守っていくということが国の責任であり、その中でどう選択するかはお一人お一人の御自由だというふうに思いますけれども、余りにも一つのものに偏るというものもいかがなものかなという感じはいたします。
○佐々木(憲)委員 何かアメリカ的な金融資産の構成が進んでいて、日本の構成がおくれている、そういうものではないと私は思うんです。
 それから次に、日本の資金が投機資金として流出している、その問題についてであります。
 この投機資金が国際的に非常に増加した背景に、日銀のゼロ金利政策があったのではないか、長期にわたる日米間の金利差というものが円キャリートレードを活発化させて大量の投機資金を生み出した、この円キャリー取引というのはヘッジファンドにとって最も身近な資金源だ、こう言われております。
 日経の七月三日付では、超低金利政策で過去四年、日本の海外への資金供給というのは六十六兆円になった、欧米の中央銀行がこの間供給した通貨合計に匹敵する、こう書いているんですけれども、実態はどのような状況か、わかったら示していただきたい。
○谷本副大臣 佐々木委員の御質問にお答えさせていただきます。
 いわゆる円キャリートレードと呼ばれるものについては、必ずしもまだ一義的に定義が決まっておりませんで、どういう種類のものまで入れるか、その枠がまだはっきりはしておりませんけれども、一般的には、低金利の円で資金を調達して高金利通貨で運用する取引、これを指すというふうに理解をしております。
 確かに、我が国の金利は諸外国に比べて長年低水準で推移しておりましたので、他の通貨との関係で円キャリー取引が生じやすい環境にあったということは事実であるというふうに思います。
 ただ、初めに言いましたとおり、まだはっきり、どこまでの範囲がというところが、言われたように、ヘッジファンド等の短期の取引もありますし、あるいは日本の個人投資家の外債投資や、いろいろな種類のものをどこまで入れるかということによって数字は変わってまいりますので、また為替市場ではいろいろなプレーヤーがそういう取引を行っておりますので、はっきりとした数字で把握しているものではありません。
○佐々木(憲)委員 かなりの規模だということはわかるわけです。例えば、みずほコーポレート銀行欧州資金室の柳原さんという方が、発信源は日本だ、こう指摘しておりまして、かなり大量な資金が供給されていたということでございます。
 もう一点、今回の危機に関連をして、四月のG7で、国際展開する大手金融機関に対して各国当局の協力による共同監視というのが強調されました。この共同監視を国際的な大手金融機関に対して行うということを決めた理由、この理由はどういうところにあったんでしょうか。
○中川国務大臣 御指摘のように、四月のG7で共同監視ということが強調されたわけでございますけれども、四月といえば、本当にサブプライムローン問題が一挙に噴き出して、たしかモノラインとかいうものが破綻をしていったり、一番激しさをぐぐっと感じた時期だったろうというふうに思います。ですから、そういう時期ですから、G7、政府だけではなくてあらゆる、中央銀行も含めてお互いによく連絡をとっていこうということを確認した、これは極めて大事なことでございまして、私も先日のG7でもこのことは改めて確認をしたところでございます。
 こういう時期になりますと、自分の国だけプラスになるようなことを仮にやっても、逆にほかの多くのところからは責められる、逆効果になるというようなことすら起こるような状態になっておりますので、とにかく緊密に連絡をとり合いながら、歩調を一にしてこの解決に向かっていこうということであったというふうに認識をしております。
○佐々木(憲)委員 国際的な共同という話は一般的には今説明があったような認識なんでしょうが、私が聞いているのは、大手金融機関に対して共同監視を行う、なぜこの決定をしたんですかと聞いているわけです。
○中川国務大臣 大手金融機関に対しては、やはり、先ほどの証券化商品、いろいろいっぱいありますけれども、こういったものが本当にわからないうちに世界じゅうに手をかえ品をかえした形で広がっていっちゃって、それが上がっているうちはいいわけですけれども、一歩間違えたら逆回転で逆スパイラルになってしまうということで、この証券化商品とか、あるいはまたその裏づけとなる資産というものをきちっと把握しようではないかとか、あるいはまた、先ほどのモノラインのときに申し上げましたけれども、格付機関ですね。ある日トリプルAだったものがいきなり破綻格付になってしまったみたいな、こんなような余りにも激しい動きになってしまうことに対して、G7各国は、そういったある意味では世界の金融のメーンプレーヤーたちをみんなでよく見ていこうという意味でございます。
○佐々木(憲)委員 国際展開する大手金融機関に対する共同監視、この国際展開する大手金融機関の役割というものが非常に今大きくなっている、つまり、金融取引の上で従来の金融機関とはまた性質が違ってきているというところ、そこに対象を絞った理由があるんだろうと思うんです。
 大きな金融機関といえば、シティとかバンカメとかメリルリンチとかいろいろありますけれども、銀行、証券の壁を取り払い、全体として巨大複合金融機関に変質していると言っていいと思うんです。それが、今まではお金を、預金を預かって、貸し出して、そしてその金利収入を得る、これが基本でした。しかし、今はそれだけじゃなくて、トレーディング収入とか手数料の収入、こういうところに非常に重点が移っている。もう一つは、ヘッジファンドがこの巨大金融機関から資金を得るようになった。それからもう一つは、サブプライムローンの関連ではこの巨大金融機関が非常に深くかかわるようになった。
 したがって、そういう要素があって、これらの複合金融機関と言われる巨大金融機関が、やはり共同の監視のもとに置かないと、これは暴走を始めたら大変なことになるということだったと私は思うんですけれども、そういう意味で、非常に金融危機にとって影響が大きいという意味だというふうに私は思うわけです。そういう認識は、共通しているかどうかわかりませんけれども、いかがですか。
○中川国務大臣 基本的には私も同じような認識を持っています。
○佐々木(憲)委員 それでは、提案された法案について少し入っていきたいと思います。
 資本注入の資金というものは預金保険機構が政府保証によって調達をして、最終的な損失が出た場合、その場合は国民が税金で負担する、財政負担になる、こういう仕組みというふうに理解してよろしいですね。
○中川国務大臣 最終的には損することもあるし、利益が出ることもあり得るということです。
○佐々木(憲)委員 損失が出た場合は国民の税金で負担をするということになっておりまして、ここに私は大きな問題があると思うんです。
 きのう、本会議で、金融機関の経営安定のために公的資金が必要だというのであれば、それは最終的に銀行業界全体の負担によって幾ら長期的に時間がかかろうと返済をしていく、こういうものであるべきだと私は思うんです。それに対して麻生総理は、金融機関のリスクテーク能力が低下しているから、こういう仕組みが必要なんだとお答えになったんです。
 これは私の問いに正確に答えていないと思うんですけれども、現在、日本の銀行業界、金融機関というのは、体力としては全体としてはほかの国と比べてあると私は思うんです、まあ個別の銀行としてはいろいろな状況が違うと思いますけれども。
 したがって、個別の金融機関が経営が不安定になった、資本注入が必要である、その場合、公的資金が必要だ、しかし、その公的資金の最終的な負担を国民に負わせるのか、銀行業界として責任をとってやっていくのか、やはりここが問題の分かれ目になるわけです。
 そういう意味で、我々は、やはり国民負担にしてはならない、当然、銀行業界、日銀も含めた全体の金融機関の役割というものがあるのではないかというふうに思うんです。その点でどうも総理の答弁がちょっとずれておりまして、中川財務・金融大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○中川国務大臣 金融機関が仮に倒れたときに、それが地域の中小金融機関であっても、あるいはいわゆるメガバンクと言われるものであっても、この影響というのは非常に大きいと思うんですね。
 ですから、最終的には、片っ方は、これは税金、国民の負担だ、片っ方は、いや、銀行業界だけでやれといって、そう簡単に私は白黒つけられるものではないと思っております。一つの金融機関が倒れた、そうすると預金者にも迷惑がかかるかもしれませんし、債権者にも迷惑がかかるかもしれませんし、取引をしていた地域の中小企業等にも迷惑がかかってくることにもなりますから、これは一企業が倒れたという以上の、要するに血管の一つがばちっと切れて血液がもう先に行かなくなったような状態でありますから、一つの金融機関が倒れたときに、やれ国民だ、やれ業界だけでやれということではなくて、いかに倒れさせないようにしていくかということが一番大事なことだろうと思います。
○佐々木(憲)委員 倒れさせないようにするのは当然だと思うんです。
 そのやり方なんですが、システミックリスクが起こるような金融機関の突然の危機というものが起こった場合には、日銀特融という形で瞬時にしてそれを抑える、これは日銀、中央銀行としての役割なんですよ。これは十年前に国会でも私、議論しましたが、日銀総裁は、そのとおりである、何も税金は要らないんです、こういう答えでありました。
 問題は、経営そのものが非常に危機に陥る、債務超過とかそういう状況になったときに、例えば資本注入がその前段で必要である、その場合の原資を公的なところから仮に獲得してやったとしても、その後の最終的なツケ回しというものを税金でするというところに問題があるのであって、銀行業界としては体力があるんですから、預金保険機構もあるわけですから、預金保険という制度もあるんですから、これはやはりそういうものでカバーしていくというのが本来の筋であるというふうに我々は主張してまいりました。
 そこで、次に農林中金、信金中金の資産構成、先ほども少し議論がありましたが、株式と債券の比率、これが一体どの程度になっているのか、それからそれがどの程度毀損しているか、報告をしていただきたいと思います。
○三國谷政府参考人 お答えいたします。
 まず、農林中央金庫が公表いたしました直近の計数を見ますと、平成二十年三月末の総資産に占める株式の比率は一・三%、債券の比率は一五・一%であり、評価損は五千四百三十七億円と承知しております。
 次に、信金中央金庫が公表した直近の計数でございますが、平成二十年六月末の総資産に占める株式の比率は〇・六%、債券の比率は三四・〇%であり、評価損は三千四百三十六億円と承知しております。
○佐々木(憲)委員 サブプライムローンの関連の六月末までの数字というのが今の話だと思うんですが、事態はそれ以後ですね、九月、十月と。これで一体どれだけ大きな毀損が生じているか、これが問題になるわけです。それはどうですか。
○三國谷政府参考人 両機関の足元の状況でございますが、現在、平成二十年九月期の開示に向けた作業が行われている段階でございまして、現段階でお示しすることは困難であることを御理解願いたいと思います。
○佐々木(憲)委員 今、六月の時点の数字を、これはサブプライムローンの関連が大きいということで、調査の上出された数字だと思いますけれども、しかし、九月、十月というのは一段と、その当時とは違う事態に局面は変わっておりますので。
 そうしますと、先ほどの議論のように、これらの本来の目的、農業に貸し出すというのが非常に制約されている事態の中で、どんどん外国の債券を買う、そういう資金運用をしていく、それが大規模に毀損する、そうなると、そこに仮に公的資金の要請があり、入れるとなると、それを毀損したものの穴埋めに使われるんじゃないか、こういうふうにだれもが思うわけですね。ですから、やはり現在のこれらの経営の実態というものは、より正確に調査の上、報告をしていただきたいと私は思います。
 次に、資本注入が貸し渋り対策になるのかならないのかという問題でありますが、これも当委員会で若干議論がありました。従来の法律では、提出する経営強化計画の中に中小企業貸し出し目標を盛り込んで、未達の場合には経営者の責任、これを明確にするということで、これが要件になっていたわけですね。今回の改正案では、この経営責任というものが、必要がないということで外された。
 こうなりますと、中小企業向け貸し出しの保証というか担保というものが非常に後退したのではないかという印象が出てくるわけであります。この点は、いや、そうではないという答弁もありますが、しかし、法律上は明確にそこのところが抜けているわけですね、経営責任の追及というのは問わないということでありますので。これは一体どのように考えたらいいか。
 私は、これは逆に、今までの法律でさえ、手を挙げた二つの銀行が実際には貸し出しが目標どおりいっていなかった、経営責任を問うような状況でさえ、十分に注入しても中小企業に回っていないわけですから、今これが抜けてしまうと、中小企業への貸し出しということについての義務というのか担保というものがなくなってしまうんじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○中川国務大臣 まず、問わないと決めつけないでいただきたいと思います。一律には問わないと。ここがある意味では非常に先ほども議論になったところで、ファジーであるという御指摘もいただいております。そうかもしれませんし、しかし、一律に問うというと、これはまた逆の話になってまいりますので、先ほど申し上げましたように、より細かい規定の中で、そういう趣旨の中で具体化できるものは具体化していきたいというふうに思っております。
 いずれにしましても、前の法律のときに二件例があった、二件しかなかったかもしれませんが、やはりこれはそれぞれ、金融方もあるいは企業方も、生きている経済の中での資金の需要あるいは供給、需給という感じですから、用意しました、でも貸し出し計画が未達になりましたとか、あるいは、もっと実はふえてしまいました、平時においてもいろいろあるんだろうと思います。
 しかも、今はこういう世界の情勢で、きょうも、高い水準ではありますけれども株も結構動いておりますから、非常にデリケートな状況の中で計画を出して認められて、そして注入されて、そして実際に資金を用意してみたら余っちゃったとか、足りなくなっちゃったとかいうことは十分考えられますので、それを一々一律に経営責任をとるということになると、やはりこれは経営者にとっても、また金融機関にとっても、あるいは借りる方にとっても、柔軟性を拘束するということで、私はいいことではないと思ってこういう書き方にさせていただいたわけでございます。
○佐々木(憲)委員 公的資金を入れて、今まで、例えば十二兆円入れたけれども貸し出しが八十四兆減ったとか、現実にはそういう事態が発生しているわけです。
 例えば三大メガバンクについていいますと、公的資金が入っただけではなくて、税金の負担も軽減する措置がとられているわけですよ。過去の損失を今現在出ている黒字と相殺して税金を軽減するという措置であります。前回、この委員会で私、聞きましたが、税引き前当期利益というのは一兆七千二百十五億円で、税負担が三百十三億円、こういう答弁でございました。平成十九年度ですね。負担率というのはわずか一・八%。
 そのときに内訳は聞きませんでしたが、法人税の負担についていいますと、法人税の負担はゼロということでよろしいですね。
○三國谷政府参考人 三メガグループ六銀行につきましては、過年度における不良債権処理等により税務上の繰越欠損金残高が積み上がっておりますことから、平成二十年三月期に法人税の納税額は発生しておりません。したがいまして、御指摘のとおり、利益に対する法人税のみの負担の割合という面ではゼロ%になるということでございます。
 ただ、この制度は、銀行に限らず全般的な税務の制度に乗っかったものでございます。
○佐々木(憲)委員 三大メガバンクが利益を一兆七千億上げていながら法人税はゼロである。これは、いつごろから三大メガバンクの場合はゼロが続いているんでしょうか。赤字のときもあったと思いますが、それも含めてゼロという期間はどのぐらいありますか。
○三國谷政府参考人 一般的に、税務上の繰越欠損金が積み上がって以来ということでございます。
 いつから法人税を納税していないかということにつきましては、各行の状況により異なりますし、また個別行の話でございますので、金融庁から直接お示しするということではございませんけれども、ここしばらくの間は納税していないものと認識しております。
○佐々木(憲)委員 しばらくの間と。
 例えば私、財務諸表を調べますと、二〇〇一年、二〇〇二年というのは、これは赤字ですので当然払っていないわけですね。二〇〇三年、二〇〇四年、二〇〇五年、二〇〇六年、二〇〇七年のこの五年間、これは繰越欠損金があるために払っていない、こういう理解でよろしいですね。
○三國谷政府参考人 年度は別といたしまして、大体繰越欠損金が積み上がりましたおおむね過去十年間程度は法人税を納税していないケースが多いと思います。
○佐々木(憲)委員 過去十年間は法人税を納税していない。これは、一九九八年から二〇〇七年まで納税していない、こういうことですね。
○三國谷政府参考人 個別行によりばらつきがございますけれども、それぞれおおむねということで申し上げれば、この十年強にわたりまして法人税を納税していない銀行、こういったところがあるというぐあいに承知しております。
○佐々木(憲)委員 だから、三大メガバンクの場合はゼロという理解でよろしいですねと確認しているわけです。
○三國谷政府参考人 六行につきましてはゼロということでございます。
○佐々木(憲)委員 これは、私は非常にやり過ぎというのか、一般的に国民に対しては、小泉内閣以来、私、この前ここで二月に紹介しましたけれども、四十六項目にわたって十二兆七千億円の負担ですよ。住民税、所得税の増税、この定率減税の廃止で三兆五千億円ですよ。そういうことを一方で国民に押しつけていながら、銀行は、まあ銀行以外もそうなんだけれども、三大メガバンクは特に十年間法人税ゼロだ。これは私は、余りにもやり過ぎじゃないかと。
 ですから、やはりそういう状況を改善しなきゃいけないですよ。銀行は過去最高と言えるレベルの利益が上がっているわけです。三大メガバンクと一言で言いますけれども、みずほ銀行、みずほコーポレート銀行、みずほ信託銀行、それから三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三井住友銀行、この六行ですよね。それがこの十年間法人税ゼロ、それでいながら国民、中小企業に対しては貸し渋り、貸しはがしというのが非常に横行しているわけです。
 私は、愛知中小企業同友会の調査をここへお借りしてきましたけれども、銀行の態度は、今までの融資条件とは異なり、担保要求の追加、金利アップ等相当厳しい融資条件を押しつけてきた、追加融資及び借りかえができない、そういう状況にある。あるいは、融資の利息をもっと下げてほしいけれどもそうしてくれない、大手銀行では貸し出しストップの銀行もある、融資条件、審査の緩和をしてほしい。こういうことが次々と出されているわけです。要請としては、返済期間の延長ですとか金利などの優遇をやってほしい。非常にたくさんの、もちろん目安箱にも来ていると思うんですよ。こういう状況が一方でありながら、他方でこういう行き過ぎた減税が行われるというのは、私は、ちょっと政治のありようとして政策の方向がおかしいのではないかというふうに思うんです。
 中川財務・金融担当大臣としては、こういう状況をどのようにお考えか、そして、これを是正するという気持ちは少しでもおありなのか、お聞きしたいと思います。
○中川国務大臣 私の目安箱にも全国から大勢の皆様方あるいはまた金融機関等々の方々からもいろいろなアドバイスも含めていただいております。やはりもう少し融資をしてほしいとか、あるいは融資条件が変わったとか断られたとか、そういうものが多いわけでございます。ですからこそ、この法案を一刻も早く成立して、きちっと中小企業に融資する金融機関には、必要な審査をした上で必要な資金を注入したいというふうに思っております。
 税の問題は税のルールの中で議論すべき問題である、そして、問題がなければ、それはそれで結構なことではないかというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 時間が参りましたので終わりますが、やはり今のこの政治のあり方というのが問われているというふうに私は思います。国民や中小企業にどんどん犠牲を押しつけながら、大企業に対しては減税を行う、大銀行は法人税ゼロ、これはやはり根本的に改めなければならぬ。国民の税負担に最終的になるような公的資金の投入ではなくて、大銀行の貸し出し姿勢、金融機関の貸し出し姿勢こそ変えるべきだということを最後に申し上げまして、質問を終わります。
○田中委員長 次回は、来る三十一日金曜日に委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時六分散会